<射撃ニュース2月>

2/27
(ライフル射撃、W杯に若手を積極派遣)
日本ライフル射撃協会は25日に東京都内で開いた理事会で、ワールドカップ(W杯)出場枠の一部を若手選手に充てる方針を決めた。2020年東京五輪に向けた強化策の一環。従来W杯の派遣選手はナショナルチームの選手に限られていたが、今年からは出場選手のうち1人をナショナルチーム以外の若手選手に積極的に与え、国際大会の経験を積ませる。射撃の日本勢は昨夏のリオデジャネイロ五輪で入賞者を出せなかった。
(クマ、来年狩猟解禁へ:岡山)
県内に生息するツキノワグマの数が2016年末時点の推定で205頭に上ることが県の調査で分かった。調査を始めた12年以降で過去最多となる。今年度の目撃件数も既に過去最多を更新し、県は17年度から狩猟を解禁するなどして人身被害の未然防止に努める。調査は野生鳥獣対策連携センター(兵庫県丹波市)に委託。過去の出没件数や捕獲数、木の実の豊凶調査結果などを基に推定した。調査によると、9割の確率で正しいとされる推定生息数は102~359頭の範囲で、真ん中の「中央値」が205頭。中央値は、12年が109頭▽13年127頭▽14年149頭▽15年178頭--と、年々増え続けている。県内では、ツキノワグマに絶滅の恐れがあるとの指摘を受け、00年から狩猟を全面禁止しており、推定数が増加している理由について、県自然環境課は「狩猟禁止の影響で個体数が増えたのでは」と推測する。一方、今年度の目撃件数は今月22日現在、237件で過去最多を更新。市町村別では美作市が134件と圧倒的に多く、津山市27件▽西粟倉村26件▽奈義町13件▽鏡野町10件--などと県北の自治体が続く。県は「当面は絶滅の恐れはない」と判断し、被害防止のために来年度、期間短縮や頭数制限による狩猟解禁に踏み出す方針だ。同課は「専門家を増員するなどし、人的被害を未然防止できるよう対策を進めたい」としている。【
(増え続けるニホンジカの実態を知ろう:東京)
登山愛好者なら誰もが知っている通り、日本各地でシカの個体数が急激に増加し、その生息域が里山の低山帯から高山・亜高山帯に広がり、高山帯のお花畑が消滅したり、森林の下層植生が失われて地表の土壌流失や崩壊を招くなど、深刻な生態系への影響が発生している。山岳地の自然環境についての情報交換や討議を行うため、主要山岳6団体で構成されている「山岳団体自然環境連絡会」では、来る3月11日(土)、東京渋谷の国立オリンピック記念青少年総合センターにて、増え続けるニホンジカをテーマにした「第一回 山岳自然環境セミナー」を開催する。今回のセミナーでは、その実態を知り、登山者は何ができるだろうかという視点に立ち、様々な立場の識者を招いての講演、パネルディスカッションが行われる。
(シカと衝突、身延線4本に乱れ:山梨)
27日午前6時半ごろ、下部温泉駅構内で上り普通列車にシカがぶつかった。列車は現場に停車し、車両と線路の安全を確認して運転を再開。この事故で、甲府駅午前6時22分発の特急「ワイドビューふじかわ2号」が19分遅れた。
(銃猟など規制撤廃、シカ捕獲強化へ:千葉)
農作物に被害をもたらすシカの捕獲強化へ、千葉県は銃などによる狩猟の規制を撤廃する。県内に約1万2千頭いると推定されるシカの繁殖ペースに捕獲が追い付いていないためだ。このほか、狩猟免許の試験会場も増やしたり、より正確な生息数の把握にも乗り出す。県農地・農村振興課などによると、2015年度の獣類別の県内被害額は、イノシシの2億1千万円を筆頭に、ハクビシン4900万円、サル1700万円、シカ1100万円などと続く。このうち、県内のシカ生息数は適正規模の10倍前後に当たる約1万2千頭と推定(15年)。同年度の捕獲数は4465頭に上ったが、雌が年に1頭産めばこのペースでも毎年約6千頭ずつ増える計算だ。銃による狩猟は、これまで市町村ごとに10人程度のグループ1~2組で行われ、1人当たりの年間捕獲数が銃で20頭、わなと網で40頭にそれぞれ制限されていた。次の猟期が始まる11月15日からは、これらの規制をすべて撤廃。ハンター自体も増やそうと、昨年3月には狩猟免許の試験会場も拡大した。射撃場がある市原市に加え、南房総市では「わな」の狩猟免許も取れる。シカの目撃情報が増えているという市原市の担当者は「イノシシを狙う猟師がシカを見つけても駆除できる」と規制撤廃を歓迎する。一方で「もともと捕獲数の少ない、趣味の狩猟で規制が撤廃されても大きな期待はできない。まとめて駆除できる方法を認めてほしい」(君津市の担当者)とより大規模な捕獲を求める声も。こうした中、県はシカのより正確な生息数を把握するため、これまでのふんの量に加え、捕獲数や捕獲地の要素を加えた新たな推計法を採用。この推計に基づき、市町村に対し捕獲数の目安を示すという。このほか、ハクビシンやアライグマの小型獣用わなの設置要件を緩和し、ニホンザルの捕獲に使う空気銃の使用も認める。
(鳥獣被害対策で支援センター発足:神奈川)
イノシシやシカ、サルなどによる農作物被害の対策を強化しようと、県は新年度に、「鳥獣被害対策支援センター」を平塚合同庁舎内に発足させる方針だ。捕獲した鳥獣をジビエ(野生鳥獣肉)料理に活用するための補助事業も用意。県議会代表質問で黒岩祐治知事は「深刻な被害に悩む地域の方々を支える」と述べた。県自然環境保全課によると、鳥獣による県内の農業被害は二〇一五年度で約一億八千三百万円。県西部を中心に、キャベツや大根といった野菜や、ミカンなどの果樹が食べられてしまい、毎年一億~二億円の被害になるという。新設するセンターには、鳥獣や農林業といった専門知識を持ったスタッフを配置して、幅広く被害状況を情報収集して分析。市町村に、捕獲や防護などで具体的な対策を提案する。常勤一人と非常勤四人の計五人を新たに採用する予定だ。新年度予算案では三千五百万円を盛り込んでいる。また、捕獲した有害鳥獣の処理方法として、ジビエ料理への活用も後押しする。「野生鳥獣の肉は、仕留めてから二時間以内に血抜きなどの処理をしないと食用に向かない」(担当者)という。捕獲した場所ですぐにさばく「移動式解体処理車」を導入する市町村や団体に、千五百万円を補助する方針。新年度は一台分で、様子を見ながら増やすことも検討する。ジビエに最も活用できそうなのはイノシシで、年間千頭前後が捕獲されている。通常は捕獲地で埋めているが、体重が一〇〇キロになる大物もいて苦労が大きいという。
(「イノシシ警戒心強い」自治体職員が対策学ぶ:群馬)
イノシシ出没の実情について知ってもらおうと、群馬県鳥獣被害対策支援センターは23日、太田市の県太田合同庁舎で安全対策講習会を開いた。野生動物対策の相談などを行うエーマック(千葉県佐倉市)の代表社員で、農学博士の浅田正彦さんが講師を務めた。自治体職員や県猟友会員ら66人が講演などを通して安全な地域づくりを考えた。
(猿の農作物被害防げ:高知)
猿やハクビシンなど中小動物による農作物の被害対策として、高知市の民間業者がくくりわな「御用で御猿(ござる)」を開発した。移動も簡単にできる猿用わなは少なく、取扱業者も「猿の被害は拡大している。初心者でも手軽に扱えるので役立てて」とアピールしている。高知県鳥獣対策課によると、2015年度の猿による農業被害額は2257万円。獣類ではイノシシ、シカに次いで多い。また、ハクビシンやタヌキなど小動物による被害も拡大傾向にあるという。猿用くくりわなは、西川製作所(高知市)と大永造船(高知市)が2016年秋、開発し、販売を始めた。「御用で御猿」は、横12・5センチ、縦24センチ、高さ15センチの箱形。箱の底に餌を取り付けるピンがあり、獣類が餌を取るとピンが外れ、バネ式の丸いワイヤが反応して取り押さえる仕組みだ。大永造船などによると、猿の被害対策は「ロケット花火などで追い払う」「箱わなで餌付けして捕獲する」が主流。ロケット花火は人手が要り、箱わなは餌付けに時間がかかる上、移動に手間がかかる。これに対し、この製品は果樹の根元などに置いて使用する。小型で移動させやすく、女性や高齢者でも使いやすい。猿だけでなく、ハクビシンやタヌキなどの捕獲も期待できるという。両社はこれまでシカとイノシシを捕らえるくくりわな「わな造君」を2013年に開発し、累計で1万個以上を販売した。「御用で御猿」も既に数十個売れており、ハクビシンなどが捕れているという。大永造船の「わな造君販売事業部」の麻生恭介課長は「全国でも猿用くくりわなは少ない。このわなは、置くだけで猿も警戒し、近寄ってこない効果もある」としている。
(カワウ駆除補助拡充、ドローン活用も:岐阜)
岐阜県内でカワウによる鮎の食害が深刻化している。生息羽数は、初めて集団繁殖地(コロニー)が確認された2001年4月から約3倍に増え、漁業に大きな影響を及ぼしている。県は新年度、駆除に対する補助を拡充するなど対策を強化する。県によると、県内のカワウの生息羽数は01年の828羽から16年が2333羽まで増加。生息域も安八郡輪之内町をはじめ内陸部に拡大している。カワウの成鳥は1日に約500グラムの魚を補食する。魚種を選り好みせずに食べるが、県内では河川に多く生息する遊泳型のコイ科魚類や放流されている鮎が中心とみられる。県の試算では、05~14年度の漁業の被害額は約2300~9600万円(推定)に上り、このうち鮎が85・7%を占める。特に放流したばかりの鮎はじっとしているため、カワウにとって絶好の餌になるという。県や市町村、漁業協同組合などは、銃器による駆除やロケット花火、防鳥糸で追い払う措置を講じるほか、カワウの卵に液体石けんを塗布して駆除するなどの努力を続けてきた。ただ、有効な解決策は確立されていないのが現状だ。そこで県は新年度、こうした活動に対する補助を2分の1から100万円上限の全額補助に拡充する方針。また、ドローンを活用して液体石けんを噴霧する技術の開発にも乗り出すなど対策を強化する。漁協や市町村の担当者を集めた対策会議を県庁で初めて開催。県の担当者は「なぜカワウがこれほど増えたのか原因が分かっていない。被害は県内全域に広がっており、少しでも被害が軽減するように関係団体との連携を強め、広域的に対策を取っていきたい」としている。
(有害鳥獣駆除、初の1000匹超:山口)
宇部市では今年度初めて4桁に乗る1102匹の有害鳥獣を捕獲した。被害防止計画を策定する直前の2010年度の755匹と比べ、約1.5倍に増加した。
(ミカン園地で食害続く:神奈川)
小田原郊外の早川地区にあるミカン園地で現在、イノシシや鳥の被害が続き生産者が対応に追われている。早川地区には多くのかんきつ類の生産者がおりミカンなどを出荷している。食害は昨年10月頃から始まり、2月にはミカンの品種「清見」と「ポンカン」の交配により作られた「シラヌヒ(不知火)」や、甘くて香りがよい「はるか」などに被害が集中している。これらの品種は、年明けから4月ごろまで出回る「晩柑(ばんかん)類」と呼ばれ、果実1個あたりの単価が高いため被害額も大きい。地面から高さ1メートルぐらいまでが集中的に食べられてしまい、皮などの食べかすが地面に散らかり、滑りやすいため作業も危ない状況になっている。生産者は金網や電気柵で園地の自主防衛を進めているが、設備投資がかかり、草刈りなどの作業も大変なため、導入に踏み切れない生産者も多いという。生産者の齋藤一男さんは「自衛をするしかない。来年は金網で園地を防御する。石垣も崩され、その修復もしないといけない。1月に小田原城址公園にもイノシシが現れたと聞くが、今後、住宅地にも出没するのではないか」と懸念する。小田原の里山を守る活動をし、シカ対策などの推進もしているNPO法人「小田原山盛の会」の川島範子さんは「イノシシや鳥だけでなく、シカ、ハクビシン、猿などの被害が多く、自然のバランスが崩れてきていると感じる。耕作放棄地が増えてたこともイノシシやシカが増えていく原因になっている。里山の復活と維持がきわめて大切。早めの対策が必要」と話す。
(鷹匠がカラス追い払い、来年度試行:長野)
諏訪市は来年度、市街地のカラス対策として、タカを飼育・訓練している「鷹匠」による追い払いを試行する方針だ。ごみ収集場所でごみをあさったり、路上のふんが美観を損ねたりと被害に頭を悩ます中、天敵とされるタカで追い払いの効果が上がるか検証する。JR上諏訪駅周辺では対策としてライトを照射させたり、天敵であるフクロウの模型を置いて音を出したりしてきたが、効果はなかなか出ていないのが現状。昨年3月には市役所近くの電線のつなぎ目にカラスの巣の枝が接触して漏電、付近の約500戸が一時停電するなど市民生活にも影響した。市農林課は、長野市でムクドリ対策として鷹匠による追い払いが一定の効果が出ていることなどに着目し、試験的に導入することにした。市街地での追い払いに適しているタカの一種「ハリスホーク」を飛ばしてカラスを威嚇、駆除。学習能力が高いとされるカラスに覚えさせ、遠ざけるのが狙い。カラスが集まる時間帯などを調査した上で、週1回、計3回ほど行う予定。被害の苦情が多い冬を想定している。訓練した鷹匠がいる静岡県内の専門業者に委託する方針。市は来年度一般会計予算案に委託料として16万円を計上した。同課は「カラス対策としていろんな取り組みをしてきたが、効果が得られなかった。今回は音や光を出さないので環境にも優しく、期待したい」と話している。
(ジビエ振興へタッグ:長野)
上伊那郡宮田村の地域おこし協力隊員、高久(たかく)洋平さん(40)=栃木県那須町出身=が、村内にある精肉加工施設「みやだまるかじり工房」で学びながら、ニホンジカの狩猟や解体に取り組んでいる。同村では隊員の鈴木将高さん(39)=埼玉県日高市出身=も、埼玉県で鹿肉の販路を開拓中。鈴木さんは「入り口から出口まで、協力隊員で鹿肉に関われれば面白い」と話している。27日、まるかじり工房の天井から体長1・5メートルほどの雄鹿がつるされていた。高久さんはナイフを入れ、慎重に皮を剥いでいった。「毛並みが美しいですね」。剥いだ皮を畳み、脚の切断に取り掛かった。高久さんはこれまでに、パン職人、島根県津和野町での協力隊活動などを経験。古里に近い場所に住みたいと、2015年10月、中央アルプスの美しさに引かれて宮田村に移住した。工房は7年ほど前、代表の石沢幸男さん(54)が、経営する飲食店の敷地内に建てた。仕留められた大量のニホンジカが山林内に捨てられ、カラスが食べようと舞う光景を目にしたのがきっかけだ。「鹿肉を活用したい」という石沢さんに共感した高久さんは、津和野町の有害鳥獣対策で狩猟免許を取得したこともあり、「命を奪うからには、最後まで関わって見届けたい」と石沢さんに解体法の教えを求めた。昨秋に学び始め、これまで約40頭を手掛けた。1頭当たり3時間ほどで処理し、当初から1時間ほど速くなった。「非常に上手になっている」と石沢さん。高久さんは「慣れてきたが、『命を頂きます』という気持ちは忘れないようにしている」と話し、剥いだ皮でネームホルダーも試作している。同僚の鈴木さんは、16年2月から宮田村で暮らす。郷里の日高市に隣接する埼玉県川越市の飲食店に宮田産の鹿肉を売り込み、現在二つの店で使用されている。高久さんが処理した鹿皮もレザークラフト店に売り込んでいる。高久さんと共同で仕事をしたいと鈴木さん。ともに「宮田村の名前が売れればいい」と意気込んでいる。
(ヤクシカ肉使った給食メニュー:鹿児島)
屋久島の小中学校11校で2月23日、ヤクシカの肉を使った給食メニューが初登場した。島内で唯一のヤクシカ肉専門業者「ヤクニク屋」(屋久島町宮之浦、TEL 0997-42-1129)が、「島の子どもたちに食べてほしい」と屋久島町に働きかけ、島内に3カ所ある学校給食センターが連携して、屋久島内にある全ての小中学校で同じメニューを提供した。メニューは、ヤクシカのひき肉とニンジン、タマネギ、セロリなどの野菜をトマトで煮込んだパスタソース「ヤクシカのボロネ―ゼ」。普段は豚肉やあいびき肉で作る人気メニューという。宮浦小学校(屋久島町宮之浦)にはこの日、「ヤクニク屋」の牧瀬一郎社長、営業担当者の櫻井泰之さん、田川哲さんの3人が訪れ、命の大切さなどについて話した後、4年生クラスの児童と一緒に給食を食べた。教室では、牧瀬さんらに子どもたちからさまざまな質問が飛び交う中、「日本各地のシカ肉と比べても、ヤクシカの肉は柔らかくて甘みがあり、香りもいい。おいしい水と『千草(せんぐさ)』という豊富な植物で育つおかげ」と話す櫻井さんの話に、子どもたちは耳を傾けていた。
(家庭料理ジビエレシピコン:山口)
シカやイノシシなど下関特産のジビエ肉(野生鳥獣肉)を使った家庭料理レシピを対象にした「ジビエ料理コンテスト」の決勝審査が26日、下関市唐戸町の唐戸市場魚食普及センターであった。同市豊田町殿敷の市嘱託職員、藤岡真理さん(39)が考案した料理が最優秀賞に選ばれた。 ジビエ料理普及を通じ消費拡大と農作物被害軽減につなげようと、下関市やJA下関などでつくる市鳥獣被害防止対策協議会が初めて開催。市内外から21点の応募があった。

TOPへ

2/24
(射撃男子3種目を混合団体へ)
国際射撃連盟は23日、2020年東京五輪での実施種目について、リオデジャネイロ五輪で行った男子3種目を、それぞれ女子を交えた混合団体に変更する案をまとめ、国際オリンピック委員会(IOC)に提出すると発表した。21~22日にニューデリーで開いた理事会などで協議した。男女平等や混合種目の増加を歓迎しているIOCの中長期指針を反映した形での結論。変えることを承認したのは男子クレー・ダブルトラップから混合団体トラップ、男子50メートルライフル伏射から混合団体10メートルエアライフル、男子50メートルピストルから混合団体10メートルエアピストルの計3種目。
(ボルボ最上級セダン、シカも検知)
ボルボ・カー・ジャパンは22日、最上級セダン「S90」を売り出した。シカなどの大型動物を検知すると、警報で運転者に知らせたり、自動ブレーキを作動させたりする世界初の安全機能を搭載した。消費税込み644万円から。90シリーズのワゴン「V90」(同664万円から)、車高を高くした「V90クロスカントリー」(同694万円から)も同日売り出した。
(ハンターセミナーに応募殺到:千葉)
有害鳥獣捕獲の担い手となるハンターを育成しようと、県は「新人ハンター入門セミナー」を企画して参加希望者を募ったところ、30人の定員に約250人の応募が殺到した。募集は23日で締め切るが、予想外の反響に、定員を増やしたり分散開催したりできないかなど、県は企画の再検討に入った。セミナーは来月12日に実施。イノシシなど鳥獣による農作物への被害が年々深刻化する中、減少傾向にあるハンター不足もその一因にあるとして、狩猟への興味や理解を深めてもらおうと初めて企画した。特に銃猟に重点を置いた入門編に設定。「狩猟に興味があるが何から始めていいか分からない」といった若者層や女性をターゲットに据えた。当日は県射撃場(市原市古敷谷)に集合し、猟友会による座学に始まり、実射見学、狩猟模擬体験などの実践に触れ、最後はジビエ料理をいただくというカリキュラムを組んだ。参加費は無料。今月9日に電子申請システムで募集を始めていた。ところが、問い合わせが相次ぎ、21日の集計で計249人の応募があったという。県自然保護課は「ありがたいことなので、定員を拡充するなどできないか検討したい」と話している。
(ニホンジカ、生息数増:新潟)
林野庁上越森林管理署が、上越、妙高両市の国有林内に定点カメラを設置して昨年実施した「ニホンジカ」の生息調査で、妙高市での生息密度が高くなっていることが明らかになった。夏季に妙高地域で過ごしている可能性が高いとみられるが、さらに生息密度が高まる可能性もあり、同署は、捕獲や駆除を検討する必要もあるとしている。
(イノシシ対策を要請:神奈川)
大磯町の吉川重雄議員は1月30日、17区選出の牧島かれん衆議院議員のもとを訪れ、イノシシの被害対策強化を要請した。吉川議員は「鳥獣被害には、農業者だけでなく一般町民も不安を抱いている。現在の埋設処分にも限界があり、町の課題だ」と訴えた。牧島議員は県の取り組みとして、市町村が被害防止計画に基づいて行う対策について国の交付金を活用した財政支援策があることや、ジビエ活用に向けた移動式解体処理車の購入に対する補助制度などを紹介。活用を呼びかけた。同町町議会は昨年の12月定例会で、イノシシの被害対策に関する陳情を趣旨採択している。
(ヒグマとの共存考える展示:北海道)
骨格標本や剥製、パネルを使ってヒグマの生態を解説している特別展「ヒグマ、その現在・過去・未来」が、知床博物館(本町)で開かれている。3月上旬にはクマの専門家による連続講演会「ひぐま☆デイズ」を予定。同博物館は「ヒグマとのつきあい方を考える機会に」と来場を呼びかけている。同博物館では年に一度、一つのテーマを掘り下げる特別展を開いており、今回で38回目。今春に知床半島ヒグマ管理計画が5年ぶり見直されることから、関心を持ってもらおうとテーマに選ばれた。会場で目を引くのはオスのヒグマの骨格標本で、昨夏に根室管内標津町で捕獲された260キロのオスの個体を3カ月かけて標本化し、今回初めて展示する。
(カササギ、なぜ増えているのか:北海道)
近年、苫小牧市内で増加しているカササギ。道内では苫小牧地方で多く繁殖しているが、なぜこの地域で増えているのかなど謎は多い。市美術博物館は3月4日午後1時から、研究者3人による座談会を同館で開き、身近で目にする機会が増えているカササギについて知識を深めてもらいたい考えだ。カササギはカラス科の仲間で、腹部が白いのが特徴。日本では豊臣秀吉の朝鮮進出時に朝鮮半島から九州に持ち込まれているとされる。道内では1980年代に室蘭や苫小牧で確認されて以来、数が増えて苫小牧市内での分布が拡大。近年は市街地での目撃例も増えた。なぜこの地域での繁殖が目立つのか、何を食べているのかなど謎は多く、DNA分析や分布調査などを通して研究者が解明に努めている。酪農学園大学(江別市)環境動物学研究室の森さやか准教授らのグループは北海道や九州、ロシア、韓国などのカササギのDNAの解析を進め、北海道の個体群はロシア極東に起源がある可能性を国際鳥類学会議で2014年に発表している。森氏や筑波大学農林技術センターの藤岡正博氏、札幌のエコ・ネットワークの主任研究員、長谷川理氏などの研究者による「北海道カササギプロジェクト」も立ち上がり、市民の目撃情報を収集しながら生態を調査中だ。そんな中、市美術博物館は「カササギ座談会~身近かな”?”から広がる新発見!」(科研費助成事業)を企画。当日は長谷川氏が「カササギ情報収集から分かったこと」、藤岡氏は「カササギの主食はペットフード?(仮題)」、森氏は「カササギが来たのはどこの国?~DNAから分かったこと~」をテーマに最新の研究を報告し、終了後はディスカッションも予定している。同館の小玉愛子学芸員は「普段、当たり前に感じている情報が非常に大きな潜在的価値を有していることがある。関心を持って地域を見続け、地域を知る一つのきっかけになれば」と話している。
(県庁食堂にジビエ料理、即完売の人気:岐阜)
野生鳥獣肉「ジビエ」をPRしようと、森のごちそうフェアが22日、岐阜県庁の食堂と議会レストランで始まった。24日までの3日間、県内で捕獲されたシカやイノシシの肉を使ったメニューを提供する。ジビエを地域の有効資源として普及させようと県が昨年6月に続いて企画。食堂を運営するフジ産業と連携し、揖斐郡揖斐川町のジビエ料理店のシェフが考案したメニューを日替わりで販売する。22日はシカ肉のラグーパスタ(450円)を50食、イノシシ肉の焼き肉定食(700円)を30食限定で用意。すぐに完売するほどの人気ぶりだった。23日はイノシシ肉の麻婆茄子(マーボーナス)とシカ肉のすね肉シチュー、24日はシカ肉のキーマカレーとチンジャオロース丼が提供される。
(女性に「ガスガン」乱射、容疑の男2人を再逮捕:埼玉)
おもちゃの銃で女性を撃ったとして、埼玉県警川口署は23日、川口市の会社員の男(24)、戸田市の会社員の男(25)の両容疑者を暴行容疑で再逮捕した。発表では、2人は今月3日午後5時30分頃、川口市安行領根岸の歩道で、犬の散歩中の女性(40)に向け、軽自動車から市販の「ガスガン」を乱射した疑い。女性にけがはなかった。調べに、川口市の男は「外に向けて撃ったが、人に当たった認識はない」、戸田市の男は「覚えていない」と供述している。2人はこの事件の直後、川口市北園町で歩道を歩いていた女子中学生(13)にエアガンを乱射し、尻に負傷させたとして、傷害容疑で翌4日に逮捕されたが、さいたま地検が23日に処分保留で釈放。同署が再逮捕した。同市では、1~3日に類似事件が約10件あり、同署で関連を調べている。

TOPへ

2/22
(シカ4頭はねられる:滋賀)
20日午前5時55分ごろ、滋賀県長浜市西浅井町塩津浜の国道8号で、軽乗用車を運転していた長浜市の団体職員の男性(58)が、路上にいたシカ4頭をはねた。木之本署によると、男性は「衝突直前に黒い塊が見えて、ブレーキを踏んだが間に合わなかった」と話しているという。昨年、同署管内ではシカなどの動物が車にはねられるといった事故が36件あったといい、同署は「道路に動物が飛び出すこともあるので、夜間や早朝はライトをハイビームにするなど慎重に運転してほしい」と話している。
(シカ駆除へ監視、ドローンここでも:岩手)
小型無人飛行機ドローンの活躍の場が広がりつつある。農作物を食い荒らす鳥獣の駆除や上空の気象観測、医療支援……。これまで困難だったことが可能になるかもしれないと、関係者の期待は大きい。畑が点在する岩手県大船渡市の山間地。昨年12月、独特のブーンという羽音を立てながら上空約50メートルをドローンが飛行した。「シカは音に気づくでしょうが、一瞬立ち止まるくらい。逃げたりはしないですね」。実証実験に取り組む大日本猟友会の佐々木洋平会長(74)がこう話した。機体前部の赤外線カメラが温度の違いを識別し、シカをモニターで確認する仕組みだ。農作物の鳥獣被害は年間200億円前後で推移する一方、狩猟者は減り、高齢化も進む。鳥獣の生息域を上空から確認できれば、駆除の効率が上がる。佐々木会長は「狩猟のあり方が劇的に変わるかもしれない」と期待する。今後はドローンのシステム開発企業「スカイシーカー」(東京)などとシカやクマを超音波で追い払う装置の開発も進めるという。カワウによるアユなどの食害に悩む神奈川県や兵庫県、大分県など18県の内水面漁連は昨年、ドローンを購入した。風でカワウが嫌がる音の出るビニールをつり下げ、営巣地周辺の木々にかけて巣作りを防ぐ。従来は釣りざおでかけていたが、高所やダムの側面など危険な場所では困難だった。カワウ対策を研究する中央水産研究所の坪井潤一研究員(38)は「作業は楽だし何倍も効果が見込める」。ドローンでドライアイスを運び、巣に落として卵を冷やして孵化(ふか)を抑える対策も研究するという。徳島県はレンコン畑を食い荒らすカモにドローンを近づけて追い払う計画。自動でカモを検知するセンサーや追い払うのに効果的な音や光などを調べ、2019年中の実用化を目指す。
(猟犬に発信機、最新技術で援護:徳島)
シカやイノシシなどの鳥獣による農作物への食害が深刻化する一方で、ハンター(狩猟者)の担い手の減少傾向や高齢化に各地の自治体が頭を抱えている。認知能力の低下に伴う誤射事故も続発しており、最新技術も駆使してさまざまなカバー策を模索している。昨年12月、山間部にある那賀町。町の関係者が手にした携帯型の端末が、山を隔てて900メートル以上離れた猟犬の居場所を映し出した。猟犬に装着した発信器の電波は通常、障害物が多い山中などでは検知できず、上空に飛ばした小型無人機ドローンを使って位置情報を中継させた。町が実施したのは鳥獣を追う猟犬を追跡、検知する実験だ。少子高齢化やハンター減少に伴って拡大する一方の食害対策として考えたのが、ハンターらを最新技術で援護する方法だった。記者が取材に訪れたこの日、最初の実験は電波の干渉とみられる失敗に終わったが、2度目で成功。町の担当者は「高齢者にとって、山に入って猟犬を捜す大きな労力の軽減につながる」と手応えを感じていた。高齢化による認知能力低下に伴う事故への懸念も大きい。警察庁のまとめによると、猟銃による死亡事故は2006~15年に全国で52件。うち銃の暴発が25件、獲物との誤認が16件、弾の到達先の不確認は11件だった。那賀町でも15年8月、農道でサルの駆除をしていた70代の男性が誤って隣人の女性=当時(82)=を死亡させる事故が発生。業務上過失致死罪に問われた公判では「ササが多く、確認しにくかった」と明かした。県内のある高齢男性ハンターは「素早いサルを逃さないように焦って発射することもある」と解説する。だが、駆除を高齢ハンターに依頼せざるを得ない実情もある。県によると、県内の15年度の狩猟免許交付者数は約2900人で、かつての半数以下に。60歳以上が7割近くを占め、若手不足は顕著だ。県の担当者は「昔は食料調達や革製品の製造など趣味と実益を兼ねたハンターも多かったが、費用対効果や免許更新などの手間が敬遠の一因かもしれない」と分析し、後継者育成や負担軽減を図る。狩猟者の心構えのほか、銃やわなの扱い方をベテランが学生らを対象に教える講座を定期的に開催。住民に鳥獣の写真をスマートフォンなどで撮影、送信してもらい、出現場所を地図に示して位置の把握や農作物への被害想定に役立てるウェブサイトも構築した。若手ハンター育成に携わる徳島大の内藤直樹准教授(文化人類学)は「なり手不足と高齢化は誤射事故にもつながる。ベテランが若い世代に技術を継承できる環境づくりが急務だ」と話す。
(イノシシを車庫で捕獲:新潟)
18日午前8時前、南魚沼市寺尾の市道でイノシシを目撃したと通行人から通報があった。イノシシは8時半ごろ、同所の民家の車庫で捕獲された。南魚沼署によると、イノシシは体長約1メートル。車庫に入ったところを、住人の男性が軽トラックで壁との間に挟むようにして捕まえた。現場は五日町小学校の近くで周辺は住宅が点在している。17日夜から18日にかけて目撃情報が相次いでいた。
(将来見据えた対策必要、鳥獣被害防止へ意見交換:岩手)
平泉町内で、ツキノワグマやイノシシなど野生動物による農作物被害の発生が過去最悪となっている。被害を及ぼす鳥獣の捕獲などの被害防止策が講じられているが、捕獲活動に携わる関係者は「鳥獣の個体数が少なく、被害が特定地域に限定されている今から将来を見据えて手を打つべきだ」と指摘。被害防止への住民意識の高揚、捕獲活動に必要な財政上の措置などを訴えている。町によると、2016年度に町内で発生した野生鳥獣による農作物の被害額は推計で1000万円余り。多くはツキノワグマやカモシカによるリンゴ、イノシシやニホンジカ、カモシカによる水稲の食害で、長島、戸河内両地区を中心に発生している。捕獲実績はツキノワグマ8頭、イノシシ3頭、ニホンジカ2頭など。ツキノワグマは過去最多で、イノシシの捕獲は初めてだ。鳥獣被害を防止するため、県は電気柵の設置やわなの購入などの補助を行っている。町は町内狩猟免許所持者で構成する町鳥獣被害対策実施隊の活動を支援、今年度から狩猟免許取得に関する支援事業を設け、新たに2人が第1種猟銃免許、5人がわな猟免許を取得している。20日に町役場で町農林振興課、町議会産業建設常任委員会、西磐猟友会平泉分会から18人が出席して開かれた意見交換会では、今年度の被害の実態や同隊の活動状況、常任委の先進事例調査の報告を踏まえ、被害防止に関する施策について話し合った。被害防止に関しては住民の共通理解が重要だとして「被害があっても申告しないケースがある。申告があって初めて対策を講じることができる」「防災無線で啓発できないか」などといった意見が出された。また、仕掛けたわなを毎日巡回するなど捕獲従事者の経済的・肉体的負担を軽減する支援や、捕獲した鳥獣の処分法の確立を求める発言もあった。町農林振興課の菅原幹成課長は「行政だけでなく町を挙げて取り組まないと対応できない問題。毎年少しずつ対策を強化し、皆さんと議論しながら被害を少なくする取り組みを進めたい」と理解を求めた。
(カラス、四方八方に整列:青森)
青森県弘前市南塘町の五差路の空に四方八方に延びた電線に、「目白押し」状態で整列するカラスの群れが出現した。空を覆うさまは、ヒチコックの映画「鳥」のワンシーンのようだ。カラスは冬場、都市部に集団でねぐらを定める習性がある。市環境管理課の分析によると、弘前のカラスも毎年1月からえさを求めて「定宿」の弘前公園を飛び立ち、戻る途中にある駅や公園周辺の電線などに集結。敵から身を守るために集団で夜を過ごす傾向があるという。写真の群れも「たまたま一時的にたむろしているのでは」と推察する。この季節、津軽は一面の銀世界だが、電線の下には黒っぽいフンが点々。通行人は上空のカラスに気を配り、ぬかるんだ足元にも注意しながら行き交っていた。
(鳥獣撃退、ロボかかし:秋田)
全国各地でクマやニホンザルなど野生鳥獣による農作物、人的被害が深刻化する中、鳥獣被害の軽減に役立てようと、秋田県立大機械知能システム学科の齋藤敬准教授(47)=医療工学=が、集落などを自動で巡回する「動物型ロボットかかし」の研究開発を進めている。来年度に試作機を作る計画で、インターネットで資金を募る「クラウドファンディング(CF)」で協力を呼び掛けている。ロボットかかしは、無人で集落や農地の周辺、里山などを巡回し、クマやニホンザルなどと遭遇したら威嚇して追い払うイメージ。4本脚を巧みに動かして多彩な動きができる歩行ロボットをハンドル型電動車いす(シニアカー)程度の大きさに改良し、威嚇用の伸縮性アームも装備させる。車輪を取り付けて路面状況に応じて移動方法を切り替える仕組みも検討しているという。開発費用は約250万円を見込む。県内研究者のCF利用を後押しする県の事業を活用し、来月24日まで資金を募集している。成立すれば低コストで耐久性が高く、野生動物の威嚇に効果的な機体を地元企業と共同で設計し、来年度中に試作機1台を作る計画だ。
(猿新聞、創刊10周年:三重)
農作物に深刻な被害を与えているニホンザルの食害対策に役立ててもらおうと、名張市矢川の農業、山村凖さん(83)が発行している月刊紙「猿新聞」が今年で創刊10周年を迎える。サルの撃退法や出没状況、サルと人との共生を目指す持論などを紹介。発行部数は当初の10部から1110部に増え、「私のライフワーク。体力が続く限り発行したい」と話している。
(食の実感求め、命の現場へ:島根)
電車やバスがひっきりなしに走り、近くのコンビニで24時間何でも買える。でも、そんな都会の便利さより魅力的なものがある。イノシシを大切に食べる文化。過疎の地で700年続く祭りの熱気。細筆が描き出す蒔絵(まきえ)の美しさ。それぞれの地域が持つ文化に魅了され、その場所に移り住んで奮闘する姿を届ける。「ばら肉のブロックですね。煮込み料理にぴったりですよ」。山々に囲まれた島根県美郷町(みさとちょう)の獣肉卸売会社「クイージ」美郷支店。東京の和食店からの注文に長浜世奈(ながはま・せな)さん(25)は、冷凍庫から約50センチ大の肉の塊を出し、手早く梱包(こんぽう)する。畑を荒らすイノシシを捕獲し、高級料理店も使えるブランド肉として売り出す美郷町の取り組みに魅了され、2014年春、東京都杉並区の実家を出て移住してきた。幼い頃から家族で外食する機会が多かった。大好物は肉。大学時代にフランス料理店で接客のアルバイトをし、食材に目を向けるようになった。狩猟免許を取り、毎週のようにイノシシやシカの狩猟に通った。就職先は大手コンビニチェーン総合職。コンビニ弁当はなぜ売れるのか。生き物の鮮やかさを感じ取る食文化はどうなるのか。大量生産・大量消費の流れに身を置けば、何かつかめると思った。ベルトコンベヤーで次々と焼かれる肉片を見て「腹が減った」と言った同僚がいた。どうしてもおいしそうに見えなかった。コンビニは、食以外の何かを優先する人を助ける社会インフラと思い、約8カ月で退職した。「イノシシ肉に携わる若い人を探している」。知人の一言が移住のきっかけだった。人口約5千人の過疎地域だが、イノシシを捕獲し「山くじら」と呼んで食肉加工をする文化が育まれていた。美郷町と提携するクイージの支店で主に営業を担当。イノシシを処理施設に運ぶ作業を手伝うこともある。鮮度を保つためすぐに血抜きして内臓を取り除き、刃物で解体する現場を見るうちに「命で命をつないで生きている。奪う命は、無駄なく活用しないといけない」と実感できた。一緒に移住した福岡県出身の女性(32)と京都府出身の男性(30)は心強い仲間。男性とは昨年結婚した。地元にはからっとした性格の人が多く何かと気にかけてくれる。「閉鎖的でない田舎もあるんだ」。うれしい誤算だった。今後もこの町で暮らしていくつもりだ。「人生は見切り発車も大切」。長浜さんがよく口にする言葉だ。軽い意味ではない。信じた道は迷わず、極めようという覚悟だ。東京を離れた長浜さんは、イノシシ肉を通して食の在り方を追求するという羅針盤を得た。やりがいがあればどこでも生活できる。暮らす場所を変えてもいいほどの羅針盤を見つけられるかどうか。それが大切だと気付かされた。
(エゾシカ肉ふりかけいかが:北海道)
エゾシカ肉の活用法について学ぶ北海道猟友会北見支部主催の「エゾシカセミナーin北見」が19日、北見市端野町公民館で開かれ、ハンターや家族連れら35人がエゾシカ肉でふりかけづくりに挑戦した。今年で3回目。はまなす財団主任研究員などを務め、「北海道地域と食のプランナー」として、食を通じた地域活性化に取り組む抜山嘉友さんが講師を務めた。参加者は北見市留辺蘂産のエゾシカのモモひき肉をフライパンで煮詰め、きざみ昆布やかつお節などと合わせて調理。抜山さんは「脂身の少ない肉を使う」「アクを取り、雑味を取る」などとアドバイスした。
(シカ肉をローストに:北海道)
札幌市東区民センターで21日、エゾシカ肉料理講習会が開かれた。札幌市と石狩市、石狩管内当別町の女性ら15人が参加し、シカ肉のローストなどを作った。生息数管理のため駆除されているエゾシカは、鉄分が豊富で、低カロリー、高タンパク。「美容と健康に優れた食材」といわれる。講習会はNPO法人エゾシカネット(札幌)がシカ肉の消費拡大に向けて企画し、市が主催。料理指導は、同ネット会員のイタリア料理店「ラ ノッテルーナ」(札幌)のオーナーシェフ中川学さん(42)が担当した。参加者たちは、もも肉を焦げ目がつくまで焼き、ハーブと一緒に袋に入れてお湯でじっくりと加熱し、ローストを完成させた。また、ラザニアにも挑戦。ミンチにしたシカ肉と野菜でミートソースを作り、生地とチーズを重ねて焼き上げた。
(ジビエ料理、レシピ紹介:大分)
イノシシなど野生鳥獣の肉を使った「ジビエ料理」のレシピを紹介するイベントが18日、大分市のパークプレイス大分であった。料理研究家らが、イノシシのひき肉を使ったスープキーマカレーの調理を実演した。野生鳥獣の捕獲頭数が増え、食用などに活用する取り組みを推進している大分市が企画。カレー研究家の水野仁輔さんらが調理を披露しながら、「ひき肉は香辛料と調和しやすい」などとポイントを紹介した。この日は、大鍋で事前に作ったスープキーマカレー約400食分も振る舞われた。試食した臼杵市野津町の倉野幸太さん(69)は「上手に調理されていておいしかった。シカによる被害も多いので、シカ肉のレシピも知りたい」と話していた。
(イノシシ肉生産、今冬で事業廃止:青森)
タラと並び青森県むつ市脇野沢地区の冬の味覚として親しまれてきたイノシシ肉の生産が、今冬で終了する。飼育事業を行う同市脇野沢農業振興公社の累積赤字が拡大したため、本年度いっぱいでの事業廃止を決定。30年以上、旧脇野沢村時代から愛された地域の名産品が惜しまれながら姿を消す。同事業は冬場の誘客対策として1985年に当時の脇野沢村農協が始めた。その後、村や農協などが設立した公社(当時)が担い、市町村合併を経て現在の公社に引き継がれた。肉が特に美味となる11月から翌年3月までの冬期間を中心に、地元の民宿や商店などで取り扱われてきた。一方、イノシシは飼育が難しい生き物である事情や、餌代などの生産コストが売上額を上回る状況もあり、公社の累積赤字は2015年度に6344万円まで達した。市も同事業に対しての補助金打ち切りを決め、事業廃止となった。公社は3月までに残る二十数頭のイノシシの食肉処理を終える。精肉の在庫分は民宿など取引先から要望を聞いた上で今春以降も提供し、レトルトカレーやハンバーグなどの加工品についても当面取り扱いを続ける。市脇野沢地区観光協会の松野裕而会長(58)は「飼育事業は始まったころは『本当に売れるのか』という声もあったが地域一丸でPRに励み、地域のブランドとして定着した。イノシシ肉がなければ冬の集客は難しかったかもしれない」と惜しんだ。脇野沢宿泊業組合の杉浦弘樹組合長(37)=民宿「栄屋」店主=は「うちの民宿ではぼたん鍋で提供しているが、リピーターがとても多い。脇野沢の名物がなくなってしまうのは悔しい」と述べ、「新たな名物を官民協働で生み出せるような取り組みができればいいと思う」と語った。公社の酒井一雄常務理事は「イノシシの飼育事業廃止は苦渋の決断ではあるが、そのほかの農業関連の事業などを通じて地域のために貢献していきたい」と語る。

TOPへ

2/18
(捕獲イノシシ増、焼却追いつかず冷凍庫新設:宮城)
仙台市は2017年度、農作物を荒らすなどの理由で有害捕獲したイノシシを一時保管する冷凍庫を増設する。現在は1台しかなく、市内で捕獲されるイノシシの増加に追い付かなくなっているためだ。市は17年度一般会計当初予算案に増設経費として91万円を盛り込んだ。現在の冷凍庫は高さ約0.7メートル、幅約1.8メートル、奥行き約0.7メートル。個人所有者からの借り物で、青葉区宮城総合支所の敷地内にある。市は保管能力を強化するため、現在の冷凍庫を所有者に返還した上で、同支所と太白区秋保総合支所、泉区の管内に夏をめどに3台を新設する。設置主体は市や農業関係者、猟友会メンバーらでつくる市農作物有害鳥獣対策協議会で、市が協議会に補助金を出して購入、設置してもらう。有害捕獲したイノシシは解体した上で冷凍庫で数日間保管し、市のペット斎場(仙台市泉区松森)に送って焼却している。宮城総合支所の担当者は「時期によっては毎日、冷凍庫に持ち込まれる。ぎゅうぎゅう詰めで約10頭分を保管することもある」と、余裕のなさを強調する。市内で近年、有害捕獲されたイノシシの頭数とイノシシによる農作物の被害額は表の通り。捕獲数はおおむね増加基調にあり、本年度は昨年12月末時点で313頭と、前年度を大幅に上回るペースだ。市農業振興課は「イノシシの個体数が増えているほか、わななど防護対策が進んでいることも捕獲数の増加につながっている」と説明する。住宅地に出没するケースも増えていることから、市は17年度、捕獲強化対策予算に16年度比で約30%増の981万円を計上。「箱わな」「くくりわな」などの購入や捕獲1頭当たり5000円の報奨金、地域住民による見回り強化などで本腰を入れる構えだ。
(駅前のカラス、周辺に分散か:山形)
集団化するカラスの被害対策として、タカなどの猛禽(もうきん)類を使った追い払い実験が行われた山形市のJR山形駅前で、昨年末の実験から16日まで約1カ月半にわたってカラスの群れが姿を消していることが市の調査で分かった。カラスが小集団化し、周辺に分散したとみられるが、追い払い効果は市の想定以上。来年度は新たに小型無人機「ドローン」を使った撃退の実験も計画している。実験は昨年12月23~25日に行い、ビル屋上で群れるカラスをタカが追いやる様子が確認された。以降、市は毎日夕方、担当者が目視で様子を確認してきた。結果、駅前に個体のカラスはいるが、従来のような大群はほぼ見られていない。市に寄せられる苦情・相談件数も、昨冬の12~3月は毎月5~10件あったが、今冬は12月の実験前に6件があったのみで、以降はゼロになっている。市は「駅前のふん被害なども軽減されたようだ」とし、「追い払い効果は1~2週間と思っていたが、予想以上」と手応えをつかんでいる。一方、駅前から追いやられたカラスはどこにいったのか。市は、実験直後の数日は市役所西側の樹木で通常より多くのカラスの群れが確認できたといい、ほかにも身を隠せる樹木がある公園などに分散したとみられる。その後、駅から近い霞城公園で大群が見られるようになった。霞城公園内に市が設置しているカラスの箱わなでは捕獲数が増え、2016年度は今月3日現在で181羽(15年度104羽)を捕まえた。11年度の捕獲スタートから過去最多で、同公園に集まる数が増えていることを裏付ける。市は来年度も猛禽類による追い払い実験を続ける計画で、新年度予算案に64万円を計上。「完全な駆除ではなく、一定の共存も必要。カラスを分散化させて被害を軽減できるよう、エリアと時期を見極めて効果的な対策を考えたい」と話す。一方、ドローンを活用した撃退実験は、国家戦略特区で近未来技術実証に取り組む仙台市との交流事業として計画。ドローンによる産業振興や雇用創出を進める中で、活用事例の一つとしてカラスの追い払いを行う。関連予算は53万円で23日開会の市議会3月定例会に提案する。
(イノシシ対策、捕獲用の「おり」設置:石川)
先週から金沢市の市街地で相次いで目撃されたイノシシの対策として近くの河川敷に捕獲用の「おり」が設置された。イノシシは2月9日、金沢市笠舞本町に現れたのをはじめ、小学校の校庭や市民病院近くの駐車場など、13日までに5か所で目撃されている。市では、今月14日に小学校近くに捕獲用の「おり」を設置していて、17日はさらに河川敷の藪の近くにも1基設置した。「おり」は1か月間設置され、猟友会のメンバーがパトロールもかねて確認を行う。市では、イノシシを見かけたら刺激せず、ゆっくりと後ずさりをするよう呼びかけている。
(南ア食害対策、継続の必要性訴える:長野)
今年取り組み10年目を迎える「南アルプス食害対策協議会」は17日、活動報告会を開き、活動を継続していく必要があると訴えました。この日は伊那市役所で報告会が開かれ、関係者などおよそ100人が出席しました。南ア食害対策協議会は、ニホンジカによる深刻な食害を広域的に食い止めようと、関係市町村や国、県、信州大学農学部などが平成19年に立ち上げました。伊那地域では主に、仙丈ケ岳の植生保護のためのシカ柵やくくりワナの設置、また猟友会による捕獲などを行っています。報告会では、信大農学部の竹田謙一准教授は、シカは間伐をした場所よりもしていない場所の方が多くなっていると話しました。竹田准教授は「これまでの捕獲で、シカは人の入りづらい場所に移動している。減っているという報告もあるが、実際は目に見えない場所で生息している」と話していました。また、南信森林管理署の相馬夏美さんは、今後の課題について話しました。管理署がワナ設置に携わった職員に対して行ったアンケート調査によると、39%が「現場の見回りに対し負担を感じる」と答えている一方で、73%が「今後も現状維持での継続が必要だ」と答えています。この結果から管理署では、非常勤職員となる猟友会会員の雇用や、見回り・捕獲の効率化が今後の課題としています。協議会長の白鳥孝伊那市長は「暮らす場所からは離れた場所にあり、たどり着くにも苦労する場所での活動なので、大変だがコツコツと続けていくしかない」と話していました。協議会では、発足10年目を迎えることから、来年度、記念報告会を実施する計画です。
(イノシシを地域の宝に:福井)
田畑を荒らすイノシシの駆除に取り組むあわら市指中(ゆびなか)の男性三人が「指中猟友会・ジビエ美食倶楽部(くらぶ)」を結成し、イノシシ肉の特産化に乗り出した。市内初の獣肉加工施設を整備し、一月から本格稼働。インターネットで売り出した肉は、すぐに売り切れる人気ぶりだ。加工品開発に取り組む女性部も立ち上げ、地域の天敵を「宝」に変えようと意気込んでいる。三人は、二〇一四年にわな猟免許を一緒に取得した中良治さん(66)、上野昇一さん(66)、伊藤喜右衛門さん(70)。これまではイノシシを捕まえても、ほとんどを山中に埋設してきた。腐って臭いがしたり、カラスが集まったりする場合があり、ジビエでの活用を思いついた。加工施設は、鉄筋コンクリート二階建て延べ八十平方メートル。使われていなかった集落の簡易水道施設を自費で改修し、住民らも照明や水道の整備に協力した。一階で内臓処理し、二階でロースやモモなどの各部位に切り分け、真空パックして冷凍する。猟期が始まった昨年十一月から、毎月十頭ペースで捕獲し、解体処理に追われる日々だ。会長の中さんは「捕獲と販売の好循環で、イノシシが少しでも減れば」と笑う。中さんが〇八年からイノシシの丸焼き会を名古屋市で開いてきた人脈もあって、飲食店やジビエ好きの需要を掘り起こした。販売価格は百グラム三百円が目安で、大阪や茨城など全国から引っ張りだこという。解体技術の向上にも力を入れ、ジビエ先進地へ研修に出向き、専門家に学んだ。伊藤さんは「臭いを理由にイノシシ肉を敬遠する人も多いが、血抜きを早くすることで解消される」と話す。三月十五日までの猟期は、脂が乗って一番おいしい時季。上野さんは「これからどれだけ取って、売れるかや」と活動拡大に気合十分。加工品開発を担う女性部も、薫製やカレーなどの試作を始めており、中さんは「来年の福井国体までに完成させたい」と語った。
(ジビエ、試食でPR:愛知)
有害鳥獣として駆除されたイノシシの肉の消費拡大に向けて、豊田市のホテルや飲食店の関係者を集めた「ジビエ試食会」が16日、同市の名鉄トヨタホテルで開かれた。市などによると、市内では中山間地を中心にイノシシをはじめ鳥獣による農作物の被害は2015年、約1億400万円に上り、イノシシが約45%を占めている。試食会では、足助地区で獣肉処理加工施設を運営する「山恵」の鈴木良秋さん(65)が、捕獲されたイノシシやシカの肉の解体から加工までの過程を説明。フランクフルトソーセージや肉まん、しし鍋セットとして販売している昨年1月からの取り組みを紹介し、「イノシシの肉は高たんぱくで低カロリー、コラーゲンが豊富」などとアピールした。試食会には、約20社から約40人が出席。同ホテルのシェフが料理した角煮などの和食、赤ワイン煮込みなどの洋食、酢豚などの中華に仕立てたシシ肉が次々に出された。同市で焼き鳥店を経営する戸田正人さん(42)は「すぐに食材として使うことは難しいが、料理方法を研究する良い機会になった。これからも料理人や加工業者の人たちが集まり、地元の食材による地産地消の取り組みが広がればいいのでは」と話していた。
(シカ肉活用研究、実績発表大会:北海道)
農業を学ぶ高校生が研究成果を発表する第68回全道実績発表大会(日本学校農業クラブ北海道連盟主催)で、中標津農業高の肉加工研究班が最優秀賞に次ぐ優秀賞を受賞した。同研究班は「鹿肉をプロデュース2016~鹿肉を中標津町の新たな特産品へ~」と題し、1年間の取り組みの成果を発表。発表した食品ビジネス科3年の比内優望(まさみ)さんと喜来幸音(ゆきね)さんは「何度も練習したかいがあった。私たちの活動が評価されてうれしい」と喜んでいる。大会は2、3の両日、十勝管内士幌町で開かれた。開発、保全、創造に関する2類分野には14チームが出場し、授業で取り組んできた活動の成果を競った。中標津町内ではエゾシカによる農業被害が多発しているが、同研究班に所属する食品ビジネス科2、3年生10人は、エゾシカの良質な肉に着目して町の新たな特産品にしようと、シカ肉を有効活用したメニューを考案してきた。本年度は牛乳に漬け込むことでシカ肉独特の臭みや硬さを抑えた「鹿肉の大和煮」を開発したほか、計根別学園の生徒と一緒に作った「鹿肉ジャーキー」を新千歳空港で配り、町内計根別地区を宣伝する「計根別アピール」の活動などに取り組んだ。
(捕獲イノシシ、地域資源に:長崎)
イノシシやシカなどの肉を食材にする「ジビエ料理」。野生鳥獣による農作物被害の広がりを背景に注目が高まっているが、島原市では捕獲したイノシシの肉をブランド化する取り組みが進んでいる。市内のホテルではイノシシ肉を使った洋食料理を宿泊客らに提供するほか、地元での認知度を上げようと、昨年末からは市内の一部のスーパーマーケットでも販売が始まった。

TOPへ

2/17
(モバイルカリング3日間で26頭:北海道)
エゾシカによる森林の食害を防止するため、釧路総合振興局森林室は厚岸町と浜中町の道有林で、車両で移動しながら猟銃でシカを捕獲する「モバイルカリング」(MC)を実施している。MCは事前にまいた餌でエゾシカを呼び寄せ、計画的かつ効率的に捕獲する手法で、同森林室では2011年度から行っている。今年度は13日から24日までの期間中、両町でそれぞれ5日間、合わせて10日間、捕獲する計画。6日から餌の牧草を厚岸町の14カ所、浜中町の17カ所にまき、午後1時から日没まで捕獲作業を行っている。
(シカ食害対策、薬剤散布へ:岩手)
県は14日、花巻、遠野、宮古市にまたがり、貴重な植物が残る早池峰山(1917メートル)周辺で目撃が相次ぐニホンジカの対策として、新年度にライオンのフンを使ったシカよけ剤を試験散布する方針を示した。盛岡市で開かれた県や自然保護団体などで作る早池峰地域保全対策事業推進協議会のシカ対策部会で報告した。シカよけ剤は、シカがにおいを嫌がるとされるライオンのフンを使って岩手大農学部が開発した。2~5か月程度の効果があるという。2016年にカメラを設置した3地点のうち、シカが最も多く観察された花巻市の1地点で、雪の解ける6月以降に散布する。散布の前後や1週間後、1か月後にシカの痕跡や自生する植物の状況などを調べ、効果を検証する。この日の部会では、シカが植物を食べる痕跡を調べた県立博物館の鈴木まほろ専門学芸員が調査結果を報告した。シカが幅広い種類の植物を食べている場所もあり、「急に植生が変化する可能性もある」とした。県自然保護課の本木正直自然公園担当課長は「貴重な高山植物への影響が懸念されている。県も具体的な対策に取り組んでいきたい」と話している。
(釧路湿原のエゾシカ、500頭捕獲必要:北海道)
酪農学園大学(江別市)などによる釧路湿原でのエゾシカ管理の戦略・戦術構築に向けた研究で、湿原内のエゾシカは現在の推定生息数の約4分の1に相当する500頭程度を捕獲する必要があることが分かった。研究代表を務める同大の吉田剛司教授が11日、釧路市内で開いたエゾシカフェスタで明らかにした。研究は2014年度から3年間の環境省の委託事業で、同大学と釧路公立大学(釧路市)、道立総合研究機構環境科学研究センター(札幌市)の3者で進めている。釧路湿原のエゾシカの生息密度は1994年の1平方キロメートル当たり3.2頭から15年に同7.8頭に増加、湿原全体では2千頭超がいるとみられている。エゾシカの増加は湿原の植生に影響し、シカがエサなどを求めて市街地に出て、交通事故の原因にもなっている。吉田教授は「400~500頭は捕獲しないと湿原の生態系は維持できなくなるだろう。道民が意識を共有し、広域で管理する必要がある」と指摘した。今後、新たな戦略に基づく湿原内での捕獲事業が始まる見通しだ。
(小学校にイノシシ、散弾銃で駆除:福井)
15日午後4時ごろ、福井県勝山市中心部にある市立成器西小(昭和町1丁目)の敷地内にいるイノシシ3頭を教員が発見、市や県警勝山署に通報した。2頭は県猟友会勝山支部の会員がグラウンドなどで駆除したが、1頭は逃走した。けが人はなかった。市農林部によると、付近の住民からも「孫がイノシシに追い掛けられた」との通報があったという。猟友会4人や市職員らが駆け付けたところ3頭はバラバラに逃走。猟友会員が散弾銃計3発を発砲し、グラウンドで1頭、学校西側の敷地外で1頭を駆除した。いずれも成獣の雄で体長は約75センチだった。逃げた1頭の行方は分かっていない。当時は下校時間後だったが、空き教室を利用した放課後児童クラブに40人の児童がいた。猟友会員によると、イノシシは学校に迎えにきていた親子のほうに逃げ、悲鳴に驚き方向を変え逃げたという。猟友会員は「積雪が多くエサに困り市中心部まで来たのでは」と話している。現場は市役所から約400メートルの市街地。そばには市立図書館やショッピングセンターもある。勝山署などによると、鳥獣保護法で住宅周辺や学校敷地内などでの発砲は禁止しているが、獣が人に危害を加える恐れがある場合は緊急避難措置として発砲できるという。
(ジビエ移動処理車、解体時間短縮へ実験:大分)
捕獲したイノシシ、シカの1次処理が現場近くでできる移動式解体処理車の説明会が13日、県庁であった。NPO法人日本ジビエ振興協議会(東京都)が開発した試作車両で全国に1台しかない。肉の有効活用を目指す県内の食肉処理施設や行政関係者らが今月末まで実証実験をする。2トントラックの荷台に解体室や冷蔵室を設けており、車内で内臓摘出やはく皮をして枝肉の状態まで処理できる。協議会とトヨタ自動車などが国の事業で2016年夏に共同開発した。価格は2千万円ほどになるという。全国を移動して実証実験を続けている。フランス料理のシェフでもある協議会の橘木岳大理事は「放血から解体までの時間を短くできる。ジビエ肉を食べたときに肉の状態がとても良いのを実感している」と説明した。杵築市で野生鳥獣の食肉処理・販売をする甲斐清英さん(66)は24日から5日間の日程で処理車の実証実験をする。「使い勝手をしっかり確かめたい。複数の施設が連携して利用頻度を高められれば導入は可能かもしれない」と話した。
(増える外来生物、対策模索)
農作物を食い荒らすアライグマやクリハラリスなど外来哺乳類の生息域が、九州・山口県でも広がっている。農業被害だけでなく、地域の生態系を荒らしたり、病原菌を媒介したりする懸念もあるが、取り組みは自治体によって濃淡があるのが実情だ。大分市一木地区の林の中に、木製の箱がぽつりと置いてあった。好奇心旺盛なアライグマの習性を生かした「巣箱型わな」だ。「26か所に仕掛け、これまでに22匹がつかまりました」。市のアライグマ対策担当、島田健一郎さん(32)は説明する。箱に興味を持って丸い穴から中に入ると、蓋が閉まり、発信器が作動して設置者に連絡が届く。餌がいらないうえ、習性の違うタヌキやアナグマは入らない。北海道大学が開発し、自治体では大分市のみが活用している。北米原産のアライグマは1970年代以降、アニメの影響でペット用に輸入され、逃げ出すなどして全国で野生化した。2005年に外来生物法により、生態系や農産物を荒らす「特定外来生物」に指定された。市内で初めて生息が確認されたのは11年ごろ。増える前に根絶しようと、まずは民間団体が北海道大と協力して生息地を調査。市は防除実施計画を策定し、餌でおびきよせる「箱わな」も使って捕獲を始めた。現在、捕獲数は年間50匹前後で推移。個体数の増加は防げているとみられる。住民も「捕獲従事者」になる講習を受け、箱わなの餌の管理や見回りなどをしている。「農業被害が出てから対策を始めても手遅れ。数が少ないうちに捕獲する必要がある」と島田さんは話す。環境省のまとめによると、アライグマの九州全体の捕獲数は、09年の365匹から13年の2819匹と5年間で7・7倍になり、個体数も相当に増えているとみられる。農業被害だけでなく、住宅の屋根裏にすみ着くなどの生活環境被害や、狂犬病やアライグマ回虫などの病原菌を媒介する危険性も指摘されている。同省は11年、自治体に向けて「アライグマ防除の手引き」を作成。「在来の野生鳥獣の管理のように被害を防止しつつ保全を図るのではなく、完全排除が基本」と記した。ただ、実際にはほとんどの自治体が、農作物に被害を与える有害鳥獣としてほかの在来種と一緒に捕獲しているのが実情だ。約20年前から繁殖しているとみられる長崎県佐世保市では、猟友会が年間600匹以上をイノシシやタヌキなどとともに捕獲している。しかし、有害鳥獣として捕獲する場合は、畑などに現れた個体を限定的に捕獲するだけで、総個体数を減らせるわけではない。同市の担当者は「様々な有害鳥獣がいるなかで、アライグマだけを対象に新たな対策を講じるのは難しい」と話す。
(鳥獣対策協議会設立、昨年4~11月の苦情件数300超:群馬)
安中市は、有害鳥獣被害対策を推進する「市鳥獣被害防止対策協議会」設立総会を、市役所で開いた。会長に茂木英子市長を選出し、市鳥獣被害防止計画に基づく農林水産物・生活環境被害の総合的対策を行うとする同協議会の規約を決めた。協議会は市と農業委員会、猟友会、鳥獣保護管理員、農業協同組合などで構成。協議会設立により、これまでの県有害鳥獣対策事業補助金、市独自予算に加え、国の鳥獣被害防止総合対策交付金が受けられることになる。捕獲奨励金、侵入防止柵設置への助成金など、鳥獣被害対策の拡充が可能となる。市によると、昨年四~十一月までに市に寄せられた有害鳥獣に対する苦情数は、農作物被害や家屋にすみつくなどの生活環境被害などで三百件を超えている。またこの期間だけで、イノシシ六百四十四頭、アライグマ・ハクビシン三百九十八頭、シカ十八頭、クマ九頭、サル五頭が捕獲されており、市内各地で対応策が求められている。
(ツキノワグマなどの管理計画、意見公募:兵庫)
兵庫県は、ツキノワグマ、イノシシ、ニホンジカ、ニホンザルの県内生息数などを定めた各管理計画(2017~21年度)を策定、改定する方針を決めた。個体数を人為的に調整し、農作物や人身被害を防ぐ方策を設定。パブリックコメント(意見公募手続き)を28日まで行う。ツキノワグマは、生息数が増加傾向にあることから、従来の保護計画から管理計画に移行する。奥山などクマの生息域▽里山など集落周辺▽集落-の区域ごとに対策を明記。集落周辺や集落では、農作物や人身被害の出る恐れのある個体を捕まえる「有害捕獲」を実施し、生息数が800頭以上になれば狩猟を認めることを示した。昨年は20年ぶりに狩猟を解禁。16年の生息数を約900頭と推定しており、17年度も認められる見込み。イノシシ、ニホンジカ、ニホンザルは各計画を改定。イノシシについては、餌付けの防止や適正な生ごみ処理の啓発など、都市部の被害対策を設定。シカは、狩猟者1人が1日に目撃する頭数を1頭以下にすることを個体数の目標に掲げた。サルも、群れの加害レベルに応じて捕獲方法を定めた。
(サルを効果的に捕獲、手造りのおりを視察:和歌山)
和歌山県田辺市龍神村柳瀬をこのほど、すさみ町の農業委員らが訪れ、地元住民が造って設置したサルの捕獲用おりを視察した。サルをおびき寄せる方法や、おりの造り方などについて助言を受けた。
(カラスのフン害、神社困惑:岐阜)
約1000羽に上るカラスが、岐阜市の中心部・金町こがねまちの金神社周辺をねぐらにしており、神社などはフン害に悩まされている。神社ではいろいろな策を講じているが、実効性のある対策は難しいという。8日夕方、市内の金華橋通り。大量のカラスがビルの屋上に集まり、「カァカァ」と鳴きながら買い物客らを見下ろしていた。日が暮れるに従い、カラスは徐々に金神社周辺の木々へと移動していった。「本当に困っています。見ていてください」。午後6時頃、同神社の長尾良彦権禰宜ごんねぎ(37)が爆竹を鳴らすと、驚いたカラスが境内の木々から一斉に飛び立った。まだ明るさがほのかに残る夕空が、一瞬にして大量の黒い点々で覆われた。市循環型社会推進課の担当者などによると、カラスはハシブトガラスとハシボソガラスの2種とみられ、約1000羽はいるという。同神社の本郷啓介宮司(66)は「かつて神社に集まる鳥はハトが多かった。ウグイスの鳴き声が聞こえた時期もあったのに……」と振り返る。神社に集まるカラスは2000年代に入り、急速に増え、神社は長年フン害に悩まされてきた。本郷宮司は「神社の屋根は真っ白け。雨が降ると、悪臭が漂う」と頭を抱える。爆竹を鳴らしたり、ライトを照射したりしたが、カラスは学習能力が高く、一度逃げても戻ってくるので、いたちごっこが続いているという。被害は神社にとどまらない。市には、周辺自治会から、「(カラスが)ゴミをつつく」「鳴き声がうるさい」といった苦情が過去に寄せられた。中部電力岐阜営業所によると、13年4月には、電線でのカラスの巣作りが原因で、近くの住ノ江町で停電が起きている。金神社は、柳ヶ瀬や玉宮町といった繁華街に囲まれている。なぜ街の中心部に集まるのか。カラスの生態に詳しい岐阜大野生動物管理学研究センターの森元萌弥・特任助教は「都市部は里山に比べ、猛禽もうきん類などの(カラスの)外敵が少ない。一方で、生ゴミなどの食べ物もあり、暮らしやすいのではないか」と分析する。カラスは鳥獣保護管理法で、市街地で増えすぎた場合、有害鳥獣として駆除ができる。市内では15年度に132羽が捕獲されているが、ねぐらから追い払わないと抜本的な解決にならない。森元特任助教は「カラスを追い払っても、別の場所で被害をもたらす可能性がある。抜本的な対策には、自治体間で連携することが必要だ」と指摘している。
(地域おこし協力隊隊員、鳥獣ハンターに:北海道)
上士幌町地域おこし協力隊の高野沙月さん(26)が、道猟友会上士幌支部(加藤宣夫支部長)に入会した。高齢化が進む猟友会では、20代の女性が加入するのは珍しい。高野さんは「大先輩に学び、捕った鹿を自分でさばけるようになりたい」と意気込んでいる。高野さんは音更町出身。駒場小、駒場中、帯広緑陽高を卒業後、上京し都内の明星大学に進学。大学卒業後は都内のデザイン会社に就職した。高野さんが猟友会に興味を持ったのは昨年1月。友人と訪れたジビエを提供する都内のレストランでシカ肉を味わい「自分でも猟をしてみたい」と思ったという。昨年夏には狩猟免許と猟銃の取り扱いの免許を取得した。10月には上士幌町の地域おこし協力隊「地域ブランドデザイン推進員」として十勝に戻ってきた。デザイナーとしての経験を生かし、ふるさと納税のPRなどに励んでいる。Uターンしたのは「本格的に猟をやってみたかったのも理由の一つ」と話す。同支部へは役場職員の紹介で12月に入会。今月1日付で竹中貢町長から「上士幌町有害鳥獣防除専門ハンター」として委嘱状も受け取った。11日には上士幌支部のメンバー約20人と共に町内でキツネ狩りに参加。自分で撃つ機会はなかったが「実際の現場では迫力があり臨場感があった」と手応えを感じていた。上士幌支部では60歳以上が中心で、高齢化と後継者問題が深刻だった。加藤支部長は「高野さんは若手でやる気がある。今後ぜひ頑張ってもらいたい」と期待している。鹿肉はヘルシーで女性に人気があるといい、高野さんは「食を通じて猟の楽しさを女性にもアピールしていきたい」と話している。
(食育イベント:福井)
福井県美浜町で2月5日、食育イベント「猟師さんと過ごす一日」が行われた。NPO法人「自然と共に生きる会サンガ」(美浜町新庄)と林業女子会「やまめの会」の共催で今回が4回目。実際に猟師生活を体験することで、イノシシやシカなどの動物との関わりや「食とは他の生き物の命を頂くこと」という命の連鎖を学んでもらおうと企画した。
(ウルフマスクでシカ撃退:北海道)
奈井江町内の機械部品製造業、太田精器(太田裕治社長)は、シカやクマなど食害被害を与える動物を追い払う装置の効果アップを目指し新製品を開発した。これまでの大音量の音や点滅する発光ダイオード(LED)に加え、天敵を避ける野生動物の習性を利用し、機器本体をオオカミに似せたマスクなどで覆った。実証試験を続け、5月ごろに販売する予定だ。価格は未定。同社の装置は動物が近づくと赤外線センサーが反応し、犬の鳴き声などの音や光が発生する仕組みで2011年に開発された。機器はライトとスピーカーから成り、現在約100台が農家やJR東日本、西日本など全国で使われている。
(ジビエ事業着手、専門家招き解体法研修:熊本)
水上村が、狩猟したシカやイノシシを食材とするジビエ事業に乗り出した。中山間地の大きな悩みとなっている有害鳥獣による農作物被害を防ぎ、新たな地域資源とする狙いだ。今月初め村内の加工処理施設が稼働し、オリジナル商品の開発を進める。専門家を招いて解体法を学ぶなど村を挙げて「ジビエ熱」が高まっている。「モモ肉は、大腿(だいたい)骨を抜き取って外モモ、内モモに分ける。より単価が高くなるさばき方を知ってほしい」。2日、同村湯山のジビエ加工処理施設であった研修会。長野県のレストランシェフでNPO法人日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦理事長が、村内で捕れたシカを使って効率的な解体法を実演した。シカ肉のポワレやイノシシ肉のすき煮といったジビエ料理も披露し、地元の猟友会や飲食店主など約50人が熱心に聞き入った。村によると、村内で捕獲されるシカは年間約千頭と年々増加。田畑が荒らされるのを防ごうと地元猟師たちが捕獲しているが、各家庭で食卓に上るほかは廃棄しているという。村は米やシイタケ、タケノコなどの特産品化に力を入れてきたが、近年のジビエ人気の高まりや、村が現在整備中のクロスカントリーコースの利用者なども新たな客層として取り込もうとジビエ事業に着手した。加工施設は敷地面積約70平方メートルの平屋で、村出資の第三セクター「みずかみ」が運営。作業員5人が、地元猟師が捕獲したシカやイノシシの解体、加工を担い、薫製やハムなどの商品開発を進める計画。総事業費は約1050万円。村産業振興課の西本克幸課長補佐(49)は「村全体でジビエに取り組む。地産地消をしながら活性化につなげたい」と話した。
(シカめんち、県立大が開発:静岡)
県立大(静岡市駿河区)の学生らがシカを使ったメンチカツを開発、飲食店で販売を始めた。県内では特産の茶葉をはじめとする農作物のシカによる食害が深刻。県立大食品栄養科学部の市川陽子准教授は「多くの人に食べてもらってシカ肉を有効利用し、食害問題も知ってもらえる」と強調する。県内のシカによる農作物被害額は2015年度で約2億円に上る。昨年度末の伊豆地域の推定生息数は3万頭と言われ、県は5000頭に減らそうとしているが、6年前からほぼ横ばい状態だ。
(ジビエ新作、緑茶と一緒に:静岡)
藤枝市で緑茶と野生鳥獣肉(ジビエ)を生かした製品開発が進んでいる取り組みの一環で15日、新製品の試食・試飲会が市民会館で開かれた。関係者約20人が参加し、アンケートに感想を記入しながらアドバイスした。取り組むのはすべて市内業者で、茶製造販売店「松田商店」と無農薬茶などを生産する「人と農・自然をつなぐ会」、県産シカ・イノシシ肉を使用した加工品販売店「尾州真味屋総本舗」。中小企業が成長する環境作りを目指す「藤枝エコノミックガーデニング」として市と支援機関が3社を選んだ。松田商店と同会は「365日水出し緑茶生活」をテーマにそれぞれの食生活に寄り添った新製品を開発中。同本舗は「ジビエを楽しむ食生活」を題材に手軽に食べられる加圧調理商品を検討中だ。試飲・試食会で並んだのは、緑茶34種類とシカの煮込み料理などジビエ料理4種類。参加者は数種類のソースを味わった後に各茶を飲み、どの料理に合うのかも確かめた。完成発表会は3月13日に同市青木の小杉苑で行う予定。
(山の味、広めて獣害防止:福岡)
イノシシ肉のおいしさを周知することで捕獲を促進し、農作物被害を食い止めたい--。山で捕れたイノシシの料理がレストランで味わえる「八女ジビエマンス」が福岡県八女、久留米両市で開かれている。期間限定のイベントは今年で5回目。徐々に人気が高まっているといい、昨年まで10日だった開催期間を約1カ月(26日間)に拡大した。
(「森のごちそう」いただきます:岐阜)
揖斐川町谷汲名礼の町立谷汲小学校で14日、シカ肉を使った学校給食が提供された。 町内で捕獲された野生鳥獣の肉(ジビエ)を給食の食材にすることで“森のごちそう”としてPRするのが目的。 提供されたのは「揚げ出し豆腐の肉みそ」。
(野生イノシシ肉料理、温泉旅館業者が講習会:栃木)
那珂川町内の温泉旅館業者などで構成する馬頭温泉保護開発協会(酒主望(さかぬしのぞみ)会長)は16日、小口の南平台温泉ホテルで野生イノシシ肉「八溝ししまる」の料理講習会を開き、会員や関係者約20人がジビエ(野生鳥獣肉)料理を堪能した。講習会は、冬季に脂が乗るイノシシ肉を町内の温泉旅館で提供してもらうため同協会が企画。町も先月から、販路拡大を目指し冬季の特産品「八溝ししまる汁」をPRしている。講習会では同ホテルの廻谷正道(めぐりやまさみち)料理長(51)が八溝ししまるのロース、ヒレ、モモ肉を使いハムの薫製やチーズ鍋、マリネなどの料理を提供した。廻谷料理長は「簡単に料理できる調理法で食べやすいメニューにした」と説明。参加者は「柔らかくておいしい」などと言いながら“ししまる料理”を味わった。
(地元産イノシシカレー登場:島根)
島根県安来市広瀬町の山で狩猟されたイノシシ肉を使った「ぼたんカレー」が同市内の小中学校の給食にお目見えした。冬場は脂が乗ってイノシシが最もおいしい時期。10日に賞味した島田小(同市穂日島町、137人)の児童からは「いつものカレー以上においしい」と好評だった。地元の食材を給食にと、1月の第1回日本猪祭りのイノシシ肉食べ比べで全国17府県29産地の中で準グランプリに輝いた、ひろせマタギくらぶ(村本博志会長、13人)が加工処理した肉を各学校が購入。9日から22日にかけて計13校の児童生徒にカレーとして提供される。島田小の4年生のクラスでは、16人の児童のうち6人が自宅でぼたん鍋やカレー、焼き肉としてイノシシ肉を食べたことがあるといい、山でイノシシを見たことがあるという男の子も。子どもたちは、しっかり煮込んだイノシシ肉がたっぷり入ったカレーをじっくり味わっていた。4年生の内田雅人君(10)は「歯応えのあるイノシシ肉の甘さがルーに溶けこんで、いつものカレーとは桁違いにおいしかった」と話した。

TOPへ