<射撃ニュース3月>

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(シカ牧場移転ケージ飼育、捕獲の手間改善:徳島)
那賀町有害鳥獣捕獲対策協議会(会長・坂口博文町長)は、捕獲したニホンジカを一時的に飼育し、ジビエ(野生鳥獣肉)料理の食材として出荷する同町沢谷のシカ牧場を、近く同町小畠に移転する。これまでは山の斜面に全頭を放牧していたが、出荷する際に捕獲する手間が掛かることなどから、ケージでの飼育に切り替える。新牧場は、坂州木頭川南岸の民有地約4千平方メートル。現管理人の亀井廣吉さん(68)が土地を無償で貸し、引き続き管理する。2頭同時に飼育可能なケージを8基設けるほか、周囲の斜面を高さ約2メートルの鉄柵で囲い、観光用を兼ねて数頭を敷地内に放す予定。移設費用は約140万円の見込み。餌代を含め、鳥獣害対策として県から受ける補助金を活用する。協議会は町や猟友会などで組織し、現牧場は2015年1月に開設。山の斜面約7千平方メートルを亀井さんから無償で借り受け、ネットで囲んでシカを放していた。これまでに食害防止で捕獲された60頭を受け入れ、20頭を同町横谷の四季美谷温泉などに出荷した。一方、敷地が広く狙ったシカがなかなか捕まらないといった問題があった。国道と町道に挟まれた位置にあるため車の通行におびえたり、縄張り争いや捕獲された際に負った傷が悪化したりして、飼育中に約3分の2が死んだという。このことから、移転とケージでの飼育を決めた。シカには、トウモロコシなどの配合飼料やユズの搾りかすを餌として与える。3~4カ月飼育すると、野生より脂肪が約3倍、鉄分は約1・4倍に増えることが、県立農林水産総合技術支援センター(石井町)の分析で判明している。協議会は「ジビエ料理の町として、今後も安定供給と肉質改善によるブランド力の向上に努めたい」としている。
(ハンター増やしイノシシ退治、免許取得費用9割補助:千葉)
印西市でイノシシが激増している。高層住宅が立ち並ぶ市内には生息していないとされていたが、平成12年に市東部に突然現れた。生息地域は広がり、今や千葉ニュータウンの住宅街近くにも「イノシシ注意」の看板が掲げられている。市は駆除にあたるハンター(捕獲従事者)を増やそうと、新年度から狩猟免許取得費用の9割を補助する事業に乗り出す。農作物への被害も深刻化しつつあり、市は「ここ1、2年が鍵」とみており、わな猟によるイノシシ封じ込めを図りたい考えだ。同市のイノシシ生息数はよく分かっていないものの、手掛かりは捕獲数だ。22年度は年間99頭だったがジワジワと増え、26年度は195頭になり、その後爆発的に増えた。27年度は364頭、28年度は1月末までの10カ月間で、旧印旛村など市東部地域を中心に540頭を捕獲した。イノシシは生後1年で出産し、10年で100倍になるとされる。生息数が1千頭とすると、10年後には市の人口9万7300人(1月末現在)を超える10万頭となる。あくまで机上の計算だが、手をこまねいていてはイノシシがあふれる事態になりかねない。農地を食い荒らすイノシシによる被害は、27年度は水稲、野菜、イモ類などに618万円に上った。捕獲に加え「自衛」も重要な対策で、イノシシを近づけないための電気柵が延べ約76キロ張られ、今後は年間30キロずつ延ばす計画という。イノシシは身を隠す里山づたいに生息地を広げるとされる。最近は千葉ニュータウン周辺や印旛地域とは反対側の西部地域でも目撃されている。イノシシ対策にあたる市農政課の担当者は「ここ1、2年が鍵。ここで減少に流れを変えなければ、一気に拡大する危険がある」と話す。市内でイノシシの捕獲を行うのは30人余りで、イノシシの繁殖力に対抗するには十分とはいえない。そこで市は、市民に狩猟免許を取得してもらい「自分たちの手でイノシシ害から印西を守る」という地域ぐるみの体制を構築しようと意気込む。市内では箱わな、くくりわなを使った捕獲が中心で「わな猟免許」が必要となる。取得希望者には講習会受講料1万円と狩猟免許試験申請費用5200円のそれぞれ3分の2が補助されているが、新年度からは補助対象外だった医師の診断書費用を加えた費用の9割が補助される。これにより数千円で、イノシシ捕獲ができるようになる。目撃情報を分析する生息・行動域調査も強化。市と市民、印西猟友会が一体となりイノシシ根絶に取り組むという。イノシシの車への接触事故も報告されており、人にも危害を加えかねない。一部の「餌付け」行為が市街地へのイノシシ出没を招いたとされる神戸市などの失敗を教訓として、市農政課は「うり坊がどんなにかわいくても、餌を与えないで」と呼びかけている。
(ムクドリ攻防、一進一退:長野)
県内で市街地にムクドリの大群が飛来し、各自治体が頭を悩ませている。長野市は天敵の鳴き声の音を流したり、ロケット花火を上げたりしているが、ムクドリは移動を繰り返し、効果は限定的だ。松本市や上田市でも猟銃で駆逐したり防鳥ネットを張ったりと対策を施すが、抜本的な解決には遠く、騒音やふん害が続いている。9日夕、長野市鶴賀の南部小学校付近の上空。約2万5千羽(市環境政策課)のムクドリの大群がうねるように旋回した。周辺にはピチャピチャと路上にふんが落ちる音が響き、傘を差して歩く人の姿もあった。対策を市に提案した信州大名誉教授の中村浩志さん(鳥類生態学)はこの日、事前に同小敷地のヒマラヤスギの一部にムクドリの天敵のオオタカやフクロウの剥製計4体を設置。スピーカーでこれらの鳴き声を流し、市職員ら約30人が見守った。群れは警戒したのか、周囲を飛び回ったり、近くの電線に止まったりしていたが、日没後、しばらくすると一斉にヒマラヤスギに止まった。ロケット花火や爆竹で撃退を試みると群れは一時的に散ったが、また舞い戻る姿が見られた。市や同校によると、同校には2月上旬に長野駅東口で爆竹で追い払ったムクドリが移動してきた。中村さんによると、ムクドリは集団でねぐらをつくる習性があり、日中は農耕地などで過ごし、夜になると、天敵がおらず建物が風よけになる市街地に集まってくるという。市公園緑地課は2004年ごろ、ムクドリが長野大通り一帯の街路樹や電線をねぐらにしていることを確認。毎夏に街路樹を剪定(せんてい)している。景観を損なうことにもなり「心苦しいのが本音」だが、これまでに篠ノ井、川中島などでも剪定や伐採を行ってきた。松本市の松本駅前では、例年夏ごろの夕方、ムクドリの大群が襲来。猟友会の協力で昼間、市内全域の田園地帯や山林で有害鳥獣として駆除を10年以上続け、昨年度は1千羽ほどを駆除した。数万単位の群れからするとごくわずかだが、市耕地林務課は「徐々に個体数は減っている印象。地道に続けていく」とする。上田市では5年ほど前から夏はムクドリ、冬はハクセキレイが上田駅前お城口広場のケヤキをねぐらにするように。ふん害を防ごうと剪定を続けていたが、昨年1月、初めて防鳥効果があるという白いネットで木を覆った。市公園緑地課は「見栄えに賛否があり、今後も続けるかは効果次第」としている。9日の撃退作戦に参加した長野市職員や住民に対し、中村さんは万単位の大群になると「住民の手に負えない」と指摘。「早め早めの威嚇を根気よく続け、危険な場所だと学習させていくしかない」と話している。
(島からのサル流出防止へ:宮崎)
野生のニホンザルが生息する宮崎県串間市の島が砂の堆積の結果、潮が大きく引いた際は対岸と陸続きになるようになり、串間市は観光資源ともなっているサルが島から逃げ出すおそれが出てきたとして、新たに監視員を置くことを決めました。串間市の海岸線からおよそ200メートル離れた幸島に生息するニホンザルは、昭和28年、イモの汚れを水で洗って食べる行動がほかのサルにも広がったことが確認され、「文化を持つサル」として世界的にも知られるようになりました。島には現在およそ100匹が生息していますが、サルを観察している京都大学の研究センターや串間市によりますと、先月以降、大潮の干潮時には、島が対岸とほぼ陸続きになるようになったということです。近くの砂浜や海底から、風や波で運ばれた砂が堆積したためと見られますが、串間市は陸続きになった時に、サルが島から逃げ出すおそれが出てきたとして、新たに監視員を置くことを決め、新年度の当初予算案におよそ50万円を盛り込みました。監視員は大潮の干潮時の日中、島内と対岸に1人ずつ配置し、島から逃げ出すサルを見つけた場合、両手を振るなどして追い返すということです。串間市生涯学習課の宮田浩二文化係長は、「幸島のサルは重要な観光資源でもあるので、監視員を置くことで島にとどめたい」と話しています。
(統一的な流通規格普及へ、ジビエ振興協会設立:長野)
野生鳥獣の食肉の利活用に取り組む「一般社団法人日本ジビエ振興協会」(事務局・茅野市北山)が設立された。これまでのNPO法人としての活動を引き継ぎ、ジビエの普及と産業化を目指す。同協会の理事長を務める藤木徳彦さん(45)=同市湖東=は「安全で統一的なジビエの流通規格を普及させたい」と意欲を見せている。藤木さんは東京都出身。高校卒業後に茅野市のレストランで修業し、1998年に同市蓼科中央高原のフランス料理店「エスポワール」を開業。地元食材を仕入れる中で親しくなった農家が鳥獣被害に悩んでいることを知り、増えすぎたシカやイノシシを駆除し、かつジビエとして活用できないか―と活動に取り組んできた。関係機関や行政とも連携しながら、2014年にNPO法人日本ジビエ振興協議会を、15年に国産ジビエ流通規格検討協議会を設立した。これらの活動を引き継ぎながら、流通規格にのっとった安心安全で安定的なジビエの普及を目的に日本ジビエ振興協会を今月1日に設立。自治体や教育機関、農業、食品、観光業など約70の関係機関で組織する。今後は、今年度完成した、シカ・イノシシの解体処理方法、衛生管理方法、ラベル表示の決まりなどを盛った「国産ジビエ流通規格」の周知徹底を図り、来年度には規格にのっとった流通の試行に着手する。ジビエの調理研修会や移動式解体処理車の販売、「日本ジビエサミット」の開催にも取り組む。藤木さんは「スーパーで豚肉などと同じようにジビエが売られ、日本の家庭にジビエが定着することを目指したい」と話している。自治体や関係企業、個人などを招いた設立説明会を21日、東京都墨田区のKFCホールで開く。
(マタギの記録映画上映:北海道)
嶋田忠ネイチャーフォトギャラリー=千歳市蘭越=で10日、福島県のマタギ、猪俣昭夫さん(66)を追ったドキュメンタリー映画「春よこい~熊と蜜蜂とアキオさん」(2015年作品)の上映会があった。東日本大震災を経た山あいの狩人の暮らしの記録映像を35人が鑑賞。上映後、監督で小樽市出身の安孫子亘(あびこわたる)さん(58)が作品を解説し、観客への予告なしで猪俣さん本人も登場。安孫子さんは「世界の人々にも現在の福島を知ってもらいたい」と語った。安孫子さんは2011年3月の東日本大震災以降、同県下郷町に制作拠点を置く。同ギャラリーを運営する動物写真家の嶋田忠さん(68)とは千歳川のカワセミを取り上げたテレビのドキュメンタリー番組制作を一緒にしてから30年来の知己。嶋田さんの作品を展示しているスペースにスクリーンを張り、2014年暮れのオープン以来初めての映画上映を行った。猪俣さんは福島県会津地方の金山(かねやま)町で暮らす伝統的狩人、マタギのなりわいを父親から受け継いだ。映画では、四季ごとに山へ入り、銃を担いでシカやツキノワグマを追ったり、ニホンミツバチを用いる養蜂を営んだりする様子が映し出される。木の実、キノコを採り、猟の前後や獲物を仕留めた際に感謝をささげるマタギ―。町内の沼沢湖では漁協の一員としてヒメマス養殖にも取り組む猪俣さんだが、11年の震災に続く福島第1原発の事故により映画撮影当時まで、同原発から130キロ離れた湖の魚でさえも禁漁、出荷制限がかかっていた。上映後、観客へのサプライズで現れた猪俣さんが満場の拍手で迎えられた。「明るいニュースは、ヒメマス釣りが昨年から解禁されたことです」と安孫子さんが報告した。猪俣さんは映画の画面同様にとつとつと語り始めた。沼沢湖のヒメマスは100年以上前に青森県の十和田湖から先人が移植した。役員高齢化のためいったん漁協が活動を停止しかけていた15年ほど前に猪俣さんらが立て直した。その際に発眼卵を取り寄せたのが支笏湖。笑顔で「沼沢湖に放流しているヒメマスのご先祖の湖に来れて感慨深いものがあります」。映画は震災から6年の11日に安孫子さんの故郷、小樽市のほか、愛知県刈谷市、米国のデトロイトでも同時上映される。監督は「マタギの文化を伝えようと頑張っている人がいることを若い人たちにぜひ見ていただきたい」と語った。観客が挙手し次々繰り出す質問に真摯(しんし)に答えた猪俣さん。ここ十数年来、奥会津には本来いなかったイノシシやシカの急激な増え方にも触れ「自然は最近、変わってきている」と言う。「マタギは代々、クマを絶滅させないようにしながらクマを狩ってきた」として「オオカミのような捕食動物が日本の山にいない中で、マタギが果たすべき役目がある」。慈しむ山で培った哲学がにじんだ。
(ミロクがストップ高気配)
東証2部のミロク(7983)が急騰した。前引けは、制限値幅上限の前営業日比80円(24.54%)高の406円ストップ高買い気配となった。朝方から値付かずの展開となっているが、値が付けば、3月1日に付けた昨年来高値386円を更新する。 10日発表の2017年10月期第1四半期(16年11月~17年1月)連結決算を好感した。営業利益は3億円(前年同期比2.2倍)、純利益は2億1900万円(同3.9倍)と特大の変化率となった。猟銃事業で主力製品の上下二連銃、ボルトアクションライフルの販売が好調だった。工作機械事業が堅調に推移したほか、自動車関連事業で3Dドライ転写ハンドルなどの販売数量が増加したとしている。
(「ゴマシジミ」シカから守れ:宮崎)
絶滅の恐れがあるチョウ「ゴマシジミ」が産卵する植物をシカの食害から守ろうと、「五ヶ所高原ゴマ姫の草原を守る会」(甲斐英明会長)が12日、高千穂町の五ヶ所高原の草原に防護ネットを設置した。ゴマシジミはゴマのような斑点模様が特徴。卵を産み付け、孵化ふか後、幼虫が餌にするバラ科のワレモコウをシカが食べるために減少傾向で、県のレッドデータブックでは、近い将来に絶滅の危険性が高いとされている。このため同会は2013年度から毎年、ワレモコウの生息地などにシカの侵入を防ぐネットを設置している。ネットは同高原の希少な生態系を守ることも目的にしている。この日は会員ら約10人が作業に参加。約40アールの範囲に鉄製のポール56本を打ち込み、ネットを張った。
(イノシシなどいまだ出荷制限:群馬)
東日本大震災から6年、福島第一原発事故による群馬県内9市町村の除染は終了したが、野生鳥獣への影響は依然、大きく、全域で出荷制限が行われ解除の見込みが立っていない。増え続けるイノシシなどを駆除しても、すべて埋却、焼却処分されている。一方、栃木県那珂川町では検査した上で加工し食肉用に出荷されている。群馬県内ではイノシシのほかツキノワグマ、ニホンジカやヤマドリが県全域で出荷が制限されている。これに対し、同町の「那珂川町イノシシ肉加工施設」では、同町と那須烏山市、茂木町など5市町を対象に、駆除したイノシシに限定し全頭検査、セシウム134と137の合計が1キログラム当たり100ベクレルに満たない場合、県内外に出荷している。平成27年度に持ち込まれたイノシシ231頭のうち38頭が不適合、28年度は222頭のうち22頭が不適合となり処分されたが、残りは食用となった。平成23年12月2日、国からイノシシの出荷制限指示があった際、同施設は全頭検査を条件に基準を下回った場合、出荷できるよう要請。3日後、制限が一部解除となり食肉加工が可能になったという。加工肉は県内外へ出荷、ジビエ料理やお土産などとして販売されている。東日本大震災から6年、福島第一原発事故による群馬県内9市町村の除染は終了したが、野生鳥獣への影響は依然、大きく、全域で出荷制限が行われ解除の見込みが立っていない。増え続けるイノシシなどを駆除しても、すべて埋却、焼却処分されている。一方、栃木県那珂川町では検査した上で加工し食肉用に出荷されている。群馬県内ではイノシシのほかツキノワグマ、ニホンジカやヤマドリが県全域で出荷が制限されている。これに対し、同町の「那珂川町イノシシ肉加工施設」では、同町と那須烏山市、茂木町など5市町を対象に、駆除したイノシシに限定し全頭検査、セシウム134と137の合計が1キログラム当たり100ベクレルに満たない場合、県内外に出荷している。平成27年度に持ち込まれたイノシシ231頭のうち38頭が不適合、28年度は222頭のうち22頭が不適合となり処分されたが、残りは食用となった。平成23年12月2日、国からイノシシの出荷制限指示があった際、同施設は全頭検査を条件に基準を下回った場合、出荷できるよう要請。3日後、制限が一部解除となり食肉加工が可能になったという。加工肉は県内外へ出荷、ジビエ料理やお土産などとして販売されている。
(部下に拳銃向ける、容疑で警部補を書類送検:愛媛)
部下に拳銃を突きつけたとして、県警は10日、県警本部交通部の40代男性警部補を銃刀法違反(単純所持)の疑いで松山地検に書類送検し、同日付で減給100分の10(1カ月)の懲戒処分とした。送検容疑は、交通機動隊に所属していた2010年6月ごろ、県警本部の拳銃保管室で部下の20代の男性巡査長の胸に拳銃を突きつけ、本来の目的と異なる理由で拳銃を所持したとされる。銃に実弾が入っていたかは確認できていないという。悪ふざけだったとみられるが、警部補は調べに「記憶にない」と話しているという。三井純一監察官室長は「より一層、拳銃の取り扱いに関する指導、教養を徹底し、再発防止に努めたい」とコメントした。
(高級食材ジビエ、“一石二鳥獣”の試み)
レストランの高級食材として最近人気の「ジビエ」(野生鳥獣の肉)を給食に出す学校が増えている。増えすぎて捕獲されたシカやイノシシを給食に出すことで、子どもたちは命の尊さを学び、消費拡大にもつながるという“一石二鳥獣”の試み。うまくいくのだろうか。「子どもたちの評判も上々」。多くを森林に囲まれた和歌山県古座川町では、四つの小中学校で、2015年度から給食にジビエを取り入れた。同町教育委員会の担当者は「ジビエは価格の高さが難点だが、命を大切にいただくことを教えるうえで最適な教材」と話す。狩猟解禁期間の11月から3月に月1回のペースで提供。子どもたちが食べやすいようにシカ肉を使ったバーガーやカレーなどくさみを減らす工夫をした。同町内ではシカによる農作物への被害が深刻化。捕獲した鳥獣を無駄なく食べようと給食への活用を決めた。同町のほかにも、西日本を中心にジビエを給食に出す学校が増えている。麻布大の押田敏雄名誉教授(家畜衛生学)らの調査によると、今年1月現在、ジビエ給食を出した自治体のある道府県の数は25(53%)に上る。押田さんは「子どものころからジビエをおいしく食べれば、将来の消費拡大につながっていくだろう」と期待を込める。消費を増やそうと国も一肌脱いだ。文部科学省が15年12月、学校給食の栄養指導などで基礎データとして使われる「日本食品標準成分表」に初めてシカ肉を掲載したのだ。シカ肉はたんぱく質が豊富である一方、牛肉や豚肉に比べ脂肪は3分の1~10分の1でとてもヘルシー。鉄分は2~5倍だ。レストラン関係者らで作るNPO法人「日本ジビエ振興協議会」は今年3月から一般社団法人に変わって、消費を推し進めようとジビエサミットの開催などに取り組む。官民挙げて消費拡大を進める背景には、農林業被害対策の一環で野生鳥獣の捕獲数が年々増えていることがある。農林水産省と環境省によると、農業被害額は全国で約191億円(14年度)にのぼる。13年度の捕獲数はシカ約51万頭、イノシシ約45万頭。シカは10年前に比べ3.2倍捕獲されているが、食肉利用は約1割にすぎない。残りが処分されるのは「もったいない」というわけだ。ただ、野生の食肉だけあって安全面は重要課題。都道府県が認可した施設の肉を給食に出しているため、一定の安全性は確認されている。しかし、牛や豚の家畜肉は食品衛生法などで解体方法が定められ、全頭の衛生検査が義務付けられているが、ジビエは厚生労働省の衛生管理指針だけ。統一的な管理がされているとは言い難いという。そこで、押田さんらが発起人となり、ジビエ学会の設立準備を進めている。動物衛生学や食品科学など専門的な見地から野生鳥獣の解体、加工に適した方法を提言し、学術専門誌も発行する予定。国内研究者100人以上の賛同が得られていて、年内発足を目指す。押田さんは「安全管理に学術的な裏付けは必要。家畜と同等の安全性を確保できれば、食肉として一般の流通にも乗せやすくなる」と話した。

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(銃剣道、国体で毎年実施に)
日本体協は8日の理事会で、2023年から4年間の国体の実施競技を決め、銃剣道が隔年実施から毎年行われる競技に昇格した。22年大会まで毎年実施されるボクシングが降格し、クレー射撃とともに隔年実施となった。競技ごとに、ジュニア世代の充実や競技団体のガバナンスなど6項目を点数化し、その合計点に基づいて決めた。
(シカを避けようと乗用車が柵に、男性死亡:岩手)
10日未明、岩手県大船渡市の国道で、乗用車が防護用の柵に衝突する事故があり、助手席の男性が死亡しました。運転していた男性は、「シカを避けようとした」と話しているということです。事故があったのは大船渡市三陸町吉浜の国道45号で、10日午前0時過ぎ、陸前高田市方向に向けて走っていた乗用車が、道路左側の防護柵に衝突しました。この事故で助手席に乗っていた、大船渡市立根町の会社員、紀室悠士さん36歳が全身を強く打って、病院に運ばれましたがおよそ1時間半後、死亡が確認されました。運転していた紀室さんの同僚の男性に、けがはありませんでした。現場は片側1車線の緩いカーブで、路面は乾燥していました。乗用車を運転していた男性は、「飛び出してきたシカを避けようとして衝突した」と話しているということで、警察は事故の原因を詳しく調べています。
(官民一体でエゾシカ対策:北海道)
根室市と別海町のエゾシカ越冬地で官民一体となった捕獲・駆除事業が進められている。根室市では落石岬で追い込み猟、別海町では野付半島と走古丹で囲いわなによる捕獲。特定狩猟具使用禁止区域や鳥獣保護区の?聖域?に踏み込んだ取り組みにより、深刻化する農業・植物群落への被害を抑えたい考えだ。
(イノシシ捕獲、2万頭超:福島)
本年度の県内イノシシの捕獲数は約2万4000頭となる見込みであることが8日、分かった。本年度の捕獲目標は1万7000~1万8000頭としており、目標を6000頭上回る。1月末現在の捕獲数は約2万頭で既に目標を達成している。企画環境委員会で県が示した。県は、イノシシ管理計画に基づき、農業被害や生活環境被害の低減を早期に図るため、猟友会に委託して捕獲を推進している。見込み通り捕獲されれば、2015(平成27)年度実績の約1万5000頭を9000頭上回る捕獲数となる。捕獲頭数は県の委託以外に、市町村の有害捕獲や狩猟捕獲を合計して算出した。14年度のイノシシの生息数は4万7000~4万9000頭と推定されており、県は19年度までに安定生息数とされる5200頭に減少させることを目標に、捕獲や被害防止、集落周辺の環境管理などの対策を総合的に進めている。
(シカ農業被害12億円:北海道)
釧路総合振興局は9日、市生涯学習センターでエゾシカ・ヒグマ対策連絡協議会を開き、2015年度の管内のエゾシカによる農業被害額は全道の約3割を占め、前年度比1億3600万円減の12億4700万円だったことを報告した。行政機関に近く配布されるエゾシカのデータを可視化させた「エゾシカ現況マップシステム」についても紹介した。農業被害の作物別被害の内訳は、牧草が全体の78%にあたる9億7100万円、根菜類が11%の1億3600万円、デントコーンが5%の5900万円など。15年度のエゾシカの捕獲実績は同1901頭減の2万8162頭で、目標(3万1500頭)に対する達成率は89・4%だった。
(ニホンジカ半減へ、23年度までに:三重)
県は、農林業に深刻な被害をもたらすニホンジカの県内での生息数を、現在の約六万頭から二〇二三年度までに半減させることを目指す新たな管理計画を立て、新年度から実施する。八日の県議会環境生活農林水産常任委員会で表明した。県によると、県内のニホンジカによる一五年度の被害額は二億五千六百万円で、サルなどを含めた鳥獣による被害全体の半分を占める。野菜やイネに加え、近年はミカンなど、従来食べられなかった作物にまで被害が拡大。林業ではスギやヒノキの皮がはがれて商品価値がなくなるだけでなく、草を食べ尽くされることで土が流れ出し、森林が維持できなくなる被害も深刻化している。対策のための捕獲数は、一五年度には、十年前の三・六倍にあたる二万三千五百頭に増えた。それでも、県が推計するシカの生息数は近年も六万頭台で推移し大きな減少が見られていない。県の山地の規模に適したシカの生息数は本来一万頭程度だが、県獣害対策課では「一万頭は現実的ではない。半減でも被害は大きく減る」と説明する。高齢化で減少傾向が続く狩猟の担い手を増やすため、県などは従来の狩猟者への補助金を続ける。さらに、新たな目標を実現するため、免許取得試験を受けやすくし、より効率よくシカを捕獲する手法の開発にも力を入れていく。同課の担当者は「地道に数を減らす施策を続けることで、何とか目標を達成したい」と話す。
(休耕地にイノシシ3頭が出没:千葉)
2月下旬から今月にかけて、千葉県木更津市畔戸の水田地帯にある休耕地周辺で親子とみられるイノシシ3頭が頻繁に出没、住民が不安を募らせている。8日には周辺農家など15人が休耕地脇に集まり、数人で背が高い枯れ草が密生する休耕地内に分け入ると、体長1メートル未満の1頭が逃げ出す姿が目撃された。農家では「早く捕獲しないと水田耕作ができない」と心配する。住民によると、イノシシを初めて目撃したのは昨年10月。木更津市は「休耕地所有者におりをかける承諾を取った。早めに設置したい」と話している。
(イノシシ2頭が出没:熊本)
熊本県警荒尾署によると、8日午後6時半ごろから、荒尾市下井手の倉掛郵便局付近でイノシシ2頭が出没している。まだ捕獲されていないため、注意を呼び掛けている。
(改造銃など10丁所持、容疑で逮捕:石川)
殺傷能力のある空気銃などを製造・所持していたとして、金沢東署などは9日、神戸市中央区野崎通2、無職、森邦彦容疑者(44)を武器等製造法違反と銃刀法違反(所持)の疑いで逮捕したと発表した。インターネットで空気銃を購入し、銃身に鉄パイプを接合して威力を高めていたという。空気銃や拳銃など計27丁と、金属弾1000個超、工作機械などを自宅から押収した。逮捕容疑は2014年7月ごろ~昨年10月6日、兵庫県知事の許可を得ずに、自宅マンションで工作機械を使って空気銃に鉄パイプをつなぎ合わせるなどして改造銃4丁を製造し、この4丁を含む計10丁の空気銃や拳銃などを自宅に隠し持っていたとしている。同署によると、鑑定で、改造銃から金属弾を発射し、殺傷能力があることを確認。ガンマニア仲間と情報交換していたとみている。森容疑者は調べに「本物に近く、威力の高いものを持ちたかった。自宅で鉄板を壁に立てかけ至近距離から改造銃を撃った」と話している。
(ジビエ支える山の猟:福岡
野生鳥獣を食材として提供するジビエ料理。山里を荒らす有害鳥獣の駆除を兼ねた地域おこしとして近年、各地で流行している。手軽に口にできるようになった一方で、どうやって野生動物を捕獲するのかは気になるところ。山々が広がる八女地区では、八女猟友会のメンバーがイノシシやシカなどの狩猟をしている。まだ冬の寒さが残る2月26日、猟友会のイノシシ狩りに同行した。早朝、猟銃を持った男衆が続々と集まってくる。八女市の建設会社社長でイノシシ肉の加工販売を手掛ける「八女ジビエ」を経営する井手口良文さん(63)のグループだ。県の猟期である11月1日~3月15日の毎週日曜、数人で猟をしている。この日は、集まった8人で「巻狩(まきがり)」と呼ばれる狩猟法をするという。山を囲むようにメンバーを配置し、その中に猟犬を放ってイノシシを追い立てる。逃げてきたところを獣道で待ち伏せし、銃で仕留める。向かったのは同市立花町の山。車一台がやっと通る急傾斜の林道を軽トラックで走りながらイノシシの痕跡を探す。不意に車を止めると、「ここ見てみい」と井手口さん。車を降り、井手口さんが指さした地面に近寄って目を凝らすと、イノシシのひづめの跡が-。「こりゃ太か。100キロ級。まだ新しいばい」。前夜にイノシシがこの場所を通った証拠なのだという。車を運転しながら発見する目の良さにも驚かされる。別行動で見回っていた仲間と無線で連絡を取りながら、イノシシの潜伏場所を絞り込んでいく。「この見切りに時間がかかるんよ。仲間たちは二つ向こうの山から探しとる」。1時間ほど山を巡り、午前10時ごろ、メンバーは再集合。どこに誰を配置するか話し合い、「さあ、やりましょう」。井手口さんの号令で狩りがスタートした。記者は少し離れた場所から狩りの様子をうかがう。猟銃を手にしたメンバーは草むらに隠れ、獲物が姿を現すのをじっと待つ。猟犬2頭が山に放され、しばらくすると遠くから「ワンワン」とほえる声が聞こえてきた。イノシシを追い掛けているのだ。鳴き声が近づき、緊張が走る。だが、獲物は姿を現さない。猟犬の鳴き声も遠ざかる。猟開始からおよそ30分。「イノシシは逃げていった」。無線連絡が告げた。イノシシは、メンバーが待ち伏せをしていなかった場所から逃げてしまったのだという。その後、場所を2度変えて夕方まで猟を続けたが、この日はついに銃声が響くことはなかった。「こんな日もある。自然が相手やから」と井手口さん。最後の場所ではメンバーがイノシシを目撃していたが、距離が離れていて撃つことができなかったそうだ。「1頭の命を取るのはそんなに簡単じゃない」と猟の奥深さを語る。井手口さんは、2008年に食肉処理場の許可を保健所から取得。13年に「八女ジビエ」を立ち上げ、イノシシ肉の加工販売を行っている。捕獲したイノシシは山で血抜きをした後、八女ジビエで解体。上質な部分を出荷用に回し、それ以外は狩りに参加したメンバーで分け合う。1シーズンに40~50頭を捕獲し、200キロほどを飲食店などに販売する。「さばき方にも独自の技を使っとるから、うちのはうまいぞ」と胸を張る。狩りが空振りだったこの日の取材後、以前に捕獲したイノシシの肉を使ったカレーを振る舞ってもらった。臭みは全くなく、上品な甘さが口の中に広がる。ジビエの魅力とは-。「田舎ではイノシシを昔から食べよった。食べるために捕りよる。脂にさっぱりとした甘さがあって、一番おいしいからね」と井手口さん。取材した翌週には、80キロほどのイノシシを捕獲したという。山里の味は、こうした猟師の活動を経て、街へと運ばれていく。
(ジビエバーベキュー体験:高知)
愛媛県松野町を拠点にジビエ(野生鳥獣肉)料理の普及に取り組む松野町の非公認観光大使「BBQ(バーベキュー)侍」とコラボしたバーベキュー体験「春だ!桜だ!ジビエバーベキュー体験だーっ!in 四万十」が3月18、19日、高知県四万十町十川のゲストハウス「かっぱバックパッカーズ」で開かれる。ジビエの活用法を知ってもらおうと「かっぱバックパッカーズ」が企画。BBQ侍がシカやイノシシ肉などの調理法を指南する。19日には宇和海の魚介類を使った海鮮バーベキュー体験もある。
(「ワイルド」にジビエ調理体験:長野)
上田市菅平高原に本部を置くNPO法人「やまぼうし自然学校」は25日、ジビエ(野生鳥獣肉)の調理を体験するイベント「ワイルドジビエランチいのちをいただきます」を同学校で開く。当日は鹿とイノシシの肉を使用。食材を用意した猟師の話を聞く時間もある。やまぼうし自然学校は2006年冬から同様のイベントを企画。25日は命の営みについて学ぶため調理体験だけでなく、猟師から野生動物の食害や実際の狩猟の様子などを聞く予定だ。調理は屋外で行い、メニューは未定だが、「大きな塊の肉を用意して豪快に調理してもらう」と担当者。「命をいただく以上、皆で楽しみながら調理をして、感謝の気持ちを感じられるような場にしたい」としている。
(イノシシ肉、販売額回復:栃木)
県内唯一のイノシシ専用食肉加工施設を運営する那珂川町で、東日本大震災に伴う福島第1原発事故後、大きく落ち込んだイノシシ肉の販売額が回復、平成28年度は初めて震災前の水準を上回る見通しとなった。全頭検査による安全性や健康にいいイノシシ肉の利点をアピールしてきた地道な活動が実り、町のブランドとして飛躍するチャンスを迎えている。同町和見のイノシシ肉加工施設では冷凍庫棟の新設工事が始まった。町農林振興課の坂尾一美課長は「取れる時期が集中することもあるので大きな冷凍庫は必要だった。分散している現状では在庫管理に経費もかかる」と説明する。施設は21年4月に開設。年間200頭以上のイノシシを処理する。各頭に付けた番号は性別、重量などのデータと共に販売まで管理しており、在庫管理に神経を使う。もともと農作物を荒らすイノシシへの対策として始まった。捕獲したイノシシの活用方法として、同町や茨城県、福島県にまたがる八溝山系のイノシシの肉を「八溝ししまる」と名付けて売り出した。ビタミン類は牛、豚肉より豊富で、脂質は少なめ。栄養があり、うまみも深い。わなにかかったイノシシを生きた状態で引き取り、まず血抜き処理をする。獣肉特有の臭みを出さないためだ。搬入前検査、解体前検査などをクリアした食肉だけを流通する。物珍しさもあって22年度の販売額は600万円台。だが、震災で一気に半減した。その後も風評被害でなかなか回復しない。だが、開設当初から担当する関秀徳さん(68)は「那珂川町のブランドを提供する楽しい仕事。全頭検査で安全な肉しか流通していないことなど現状を説明し、どんな作業も淡々とこなすだけ」と明るく話す。放射性物質検査で基準値を超える個体も10%以下になり、26、27年度は400万円台に回復。28年度は700万円台の見込みだ。今後の課題は採算性と認知度の向上。坂尾課長は「事業継続のためには、いつまでも赤字というわけにはいかない」。ししまる料理を出す店を旅館や飲食店など町内10軒程度から増やし、「国道293号、294号をししまる街道にしたい」と意気込む。

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(エゾシカ捕獲、10日間で69頭:北海道)
エゾシカによる森林の食害を防止するため、釧路総合振興局森林室が2月に厚岸、浜中両町の道有林で実施した車両で移動しながら猟銃でシカを捕らえる「モバイルカリング」(MC)は今年度、10日間で69頭を捕獲した。1日当たりの捕獲数は過去5年で一番多かった。MCは林道脇に給餌場所を設置し、事前に撒いた餌でシカをおびき寄せ、林道の車両から発砲して計画的、効率的に捕獲する手法。同森林室では2011年度から取り組んでいる。
(伊豆大島のキョン1万3000頭、根絶目指す:東京)
東京都大島町の伊豆大島で野生化したキョンが増え続け、絶滅が危惧される植物への影響やアシタバなど農作物被害が問題になっています。人口約8000人の島民に対し、キョンの生息数は推測1万3000頭。都は、2016年度に対策予算を前年度比約3倍に増額し、新年度予算でもさらに前年度比45%増となる約4億円をつぎこむなど、町民の1.6倍にまで増えたキョン根絶に向け、本腰を据えて取り組み始めました。キョンは、外来生物法により、2005年から特定外来生物に指定されている肩高(肩の高さ)約50~60cm程度ほどの小型のシカの一種です。中国南東部および台湾に分布しており、そもそも伊豆大島には生息していませんでした。当初、キョンは島内にある都立大島公園で飼われていましたが、1970年秋の台風によって柵が壊れ、逃げ出したものが野生化。キョンは生後1年経たないメスも妊娠し、年間通じ、繁殖が可能です。そのため、もともと逃げ出したキョンは十数頭でしたが、都が2014年に行った調査では、約1万1000頭前後が生息すると推定されるまで、爆発的に増えました。キョンは、地面の草を食べますので、生息数の増加にともない生態系に与える影響が大きくなると懸念されています。実際に、アシタバなど、島で栽培されている農作物への被害も発生しており、大島町によると、キョンによる農産物被害額は2015年度で約361万円にのぼります。また、島内には、環境省が絶滅危惧II種(絶滅の危険が増大している種)、都が絶滅危惧IB類(近い将来における野生での絶滅の危険が極めて高いもの)に指定する「キンラン」や、都が絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険が極めて高いもの)に指定する「ギンラン」といった希少な植物も自生します。このため、都は2016年度前年度比約3倍となる約2億8000万円の予算を計上し、キョン対策を強化しました。新たに生息数が多いとみられる地域を、10メートル間隔の金属柱の間に樹脂性ネットを張りめぐらせた高さ1.5メートルほどの柵で囲い込み、集中的にキョンを捕獲する方法を採用。張り網などのわなや鉄砲による捕獲などの従来施策もより強化し、これらに予算の増額分をあてました。2017年度は、さらに予算を増し、前年度比約45%増の約4億500万円を計上。従来の施策は続けつつ、増額分は張り網の追加設置などにあてる予定です。都の環境局によると、設置する柵の総延長や設置箇所数、わなの個数など具体的な数字については、公表すると予定価格が想定しやすくなり対策事業関連の入札に支障が出るとして明らかにしていません(グラフ1)。キョンの捕獲数は1022頭(2014年度)、1412頭(2015年度)と年間1000頭以上で推移していますが、増加に歯止めはかからず、都が前年度初頭に行った調査では、約1万3000頭前後とさらに増えたと推定されるそうです。ちなみに、大島町の人口7928人(2016年4月時点)の1.6倍に相当します。都環境局の話では、2016年度から2020年度までの5年間で計1万頭を捕獲する予定ですが、2020年度までの根絶は難しいとして、「5年間で増加を止めて、減少に転じさせたい」と述べるにとどまります。長期的には根絶を目指すとしていますが、時期の見通しは立っていません。キョンに悪気はなく、非は逃がしてしまった人間側にあります。かといって捕獲をやめれば、島の生態系や農産物に壊滅的な打撃を与えるまで増え続けると見られ、対策事業から退くわけにもいきません。根絶まで税金を注ぎ込み続けるしかないのが現状です。
(イノシシに両膝かまれ、男性けが:京都)
3日午前10時ごろ、舞鶴上安の路上にイノシシ1頭が出没し、市内の40代の男性が両膝をかまれて軽傷を負った。通報を受けた市農林課職員が現場近くの水路にいたイノシシを発見し、同行した猟友会員が殺処分した。イノシシは体長約60センチで雄の成獣だった。
(イノシシに襲われ山スキー男性けが:福井)
4日午前9時ごろ、福井県大野市南六呂師の林道で、石川県加賀市の男性(64)がイノシシに襲われ、左腕と左太ももに裂傷を負った。大野市消防本部などによると、男性は6人グループで山スキーをしていたところイノシシの牙で突かれたらしい。県の防災ヘリで病院に運ばれた。
(熊の目撃情報:宮城)
8日午前7時20分頃、登米市東和町錦織字狐穴地内で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(国体施設、多額の費用に懸念:滋賀)
2024年に国体・全国障害者スポーツ大会を開催する滋賀県で、競技施設の整備にかかる多額の費用に懸念が強まっている。すでに示された見込み額だけで300億円を超え、今後さらに整備を検討しなければならない競技会場も多い。自治体の財政難が深刻化する中、過去の開催県では費用の縮減に力を入れており、滋賀でも財政負担をどう軽減するかが問われそうだ。「将来的な財政に不安を抱く県民の声に答えられない」「今からでも、どれだけかかるか総枠を示してほしい」。今年1月、滋賀県と自民党県議団との政策協議会では、中長期の県財政の見通しを示せない県に批判の声が相次いだ。焦点は2017年度予算案。県は県立近代美術館の再整備や、遅れている公立高へのエアコン設置など大型事業を本格化させるが、国体関連の施設整備の総額がまだ示されないため、「県の財政はどうなるのか」と三日月大造知事に迫った。県は国体で、主会場となる彦根市にメインとサブの陸上競技場などを整備するために約200億円、老朽化した県立体育館を大津市のびわこ文化公園都市内に新設するために約94億円かかる、と見通しを示している。ただ、彦根市の競技場整備に伴って廃止される代替プールの整備は、55億円から115億円程度かかると見込むが、場所も規模も未定の状態だ。この3会場だけでも、計340億円以上となる上、市町が行う施設整備への補助も県は検討している。ライフル射撃やクレー射撃、弓道や山岳競技など未検討の会場整備も控えている。そんな現状に、県内市町も「県がこれだけ負担するという見通しを出してほしい」(米原市)といらだちを隠さない。膨らむ国体費用に不安が募る一方、全国的には財政難を背景に、開催経費を絞る動きが加速している。2016年開催の岩手県は、県施設は軽微な補修にとどめ、施設整備費を19億円と市町への補助のみに抑えた。同県は「17年前にインターハイで施設整備を行っていたことや、東日本大震災の影響があった」というが、主会場の客席を仮設にすることで整備費を約5億円カット。出場選手らの宿を手配する業務の委託費も、宿泊者に1人500円を負担してもらうことで6千万円分を浮かせるなど、運営費は70億円に収めた。15年開催の和歌山県は、施設整備がプールの建て替えなどで215億円(県整備分のみ)、運営費は86億円だった。ボート競技を大津市、飛び込みとシンクロを大阪府門真市、馬術を兵庫県三木市、クレー射撃を神奈川県で開き、「すべて県内では経費がかかり過ぎ、いくつかの競技を県外で開催した」という。12年開催の岐阜県は施設整備で県施設分が73億円(市町補助を含む)、運営費は45億円(同)だったという。とはいえ、国体を開催するメリットも小さくない。選手や応援などで多くの来県が期待でき、先催県では300億~670億円の経済効果があると試算されている。歴史的に国体開催がスポーツ施設の充実や競技力の向上の契機となってきた背景もある。禍根を残さない国体とするためにも、財政負担に対する県民の注目が欠かせない。
(鳥獣農作物被害5億6599万円:熊本)
県は、2015年度の県内の野生鳥獣による農作物被害が5億6599万円と、前年度より20%増えたと発表した。10年度以来、5年ぶりに5億5000万円を超え、八代、宇城地域での増加が目立った。県むらづくり課によると、県内の農作物被害は、国が鳥獣の侵入を防ぐ電柵の設置費支援などを進めたこともあり、ピークだった10年度(8億4516万円)以降は減少し、13、14両年は5億円を下回っていた。15年度の被害額を鳥獣別にみると、イノシシが3億5703万円で前年度より19%増え、全体の約6割を占めた。シカも同18%増の4896万円で、カラスは同4%減の6941万円、サルが同8%減の1723万円だった。県は、侵入防止の柵がないところが狙われたとみている。地域別では、八代地域の1億35万円(前年度比55%増)が最も多く、宇城地域の9493万円(同82%増)、阿蘇地域の7329万円(同3%増)と続いた。八代地域ではイ草から野菜に切り替える農地が増えており、カモ類による野菜への被害の増加が目立った。宇城地域では、電柵設置などが進んだ水田で餌を確保できないイノシシが、かんきつ類を食べるようになったことなども影響したとみられるという。県は、市町村などと連携し、農家が電柵設置などの対策をとれるように、さらに支援を図るとしている。
(ドングリ豊作、イノシシ捕獲3倍増:静岡)
ドングリの豊作で、イノシシの捕獲が前年の約3倍に―。6日の静岡市議会観光文化経済委員会で、昨年4月から11月中旬までに野生鳥獣被害対策で捕獲したイノシシが、この時期では過去最高の1684頭に急増したと報告があった。中山間地振興課によると、他にシカが約1・3倍の478頭、サルが約1・4倍の135頭。前年に餌となるシイやカシの実などが豊作だったため、個体の栄養状態がよく生存率が高まり、出産ラッシュにもなった可能性があるという。地元猟友会への報奨金引き上げも捕獲数を押し上げた。同市では、野生鳥獣による農作物の被害が深刻なほか、市街地にイノシシなどが出没するケースも目立っている。担当者は「耕作放棄地、荒廃地を減らすなど、地域一体で対策に取り組んでいかなければ」と語った。
(シカの食害考える:山梨)
大月市七保町にある「小金沢シオジの森」を守る市民活動グループ「シオジ森の学校」(下沢直幸校長)によるシカの食害に関する講演会が、大月市大月2の北都留教育会館であった。中山間地で増加するニホンジカやニホンカモシカが及ぼす影響や対応策について学んだ。
(イノシシ捕獲、積極的に:富山)
県などの西部地域イノシシ被害研修会は6日、砺波市の県砺波総合庁舎で開かれた。高岡、砺波の両農林振興センターでは新年度、イノシシの積極的な捕獲による個体群管理を図る方針を示した。研修会には高岡など県西部6市の職員、JA、森林組合などから約30人が出席した。2農林振興センターは、イノシシ捕獲の管理について、県西部全体の今年度の捕獲数は1月末現在、昨年同月比で34%増の2059頭とした。このため個体数が増加していると推計されるとし、今後は捕獲おりに自動センサーカメラを設置するなどして捕獲活動を推進する。また、電気柵は、県内で2072キロ、このうち県西部では1290キロが設置されている。また、氷見市坪池地区の放棄果樹伐採などによる生息環境管理の取り組みや南砺市南蟹谷地区の電気柵を使った被害防除の事例が報告された。
(市街地にイノシシ、頻繁出没:鳥取)
鳥取市の久松公園近くの住宅街にイノシシが頻繁に出没し、民家の庭を掘り返すなどの被害が相次いでいる。これまで目撃情報のなかった平野部の農地でも被害が報告されるなどイノシシの行動範囲は拡大している。
(公園でイノシシ出没:熊本)
熊本県警荒尾警察署によると、5日午後1時半ごろ、荒尾市大島の四ツ山公園東側でイノシシ1頭が出没した。同署は、イノシシを発見しても大声を出したり近づいたりせず、静かに現場を離れるよう呼び掛けている。
(泳ぐイノシシ急増、生息域も拡大中:滋賀)
琵琶湖や瀬戸内海など全国で泳ぐイノシシが目撃される中、滋賀県守山市の研究者が各地の状況をまとめた著書「泳ぐイノシシの時代」を出版した。もともと泳ぐ能力があるといい、耕作放棄など人間社会の変化によって海や湖を渡るケースが急増していると指摘。「泳ぐことを前提とした対策が必要だ」と主張している。著者はイノシシ研究に携わる奈良大の高橋春成教授(生物地理学)=守山市洲本町=。西日本で現地調査やアンケートを行い、滋賀県の沖島や竹生島、舞鶴湾にある戸島、瀬戸内海の宮島(広島県)や小豆島(香川県)、天草諸島(熊本県)や慶良間列島(沖縄県)など110の島でイノシシが泳いで渡っていることを確認し、内容をまとめた。調査では、各地の島で1990年代からイノシシの出没が増えていることも分かった。高橋教授は、江戸期の開墾で山へ追われたイノシシが、人口流出に伴う耕作放棄や暖冬による個体数の増加などで生息域を広げていると指摘。海岸近くまで達したことで、猟犬に追われるなどして海に飛び込む例が増えている、と分析した。過去にイノシシと関わってこなかった沖島などでは、農作物被害などの対策が十分でないとの課題も挙げ、「新しく海を渡るイノシシが出ないような狩猟・駆除の方法や、島を含めた広域的な対応が求められる」と強調した。昨年末に彦根市街で4人に重軽傷を負わせたイノシシも琵琶湖を渡ってきた可能性が指摘されている。高橋教授は「イノシシは山の動物という固定観念をなくし、湖や海を容易に泳ぐと認識を変える必要がある」としている。
(カラス、都会を去る:東京)
都市部にすむ鳥たちに異変が起きている。ゴミをあさるカラスが東京都心から消え、ツバメやスズメなども数を減らしている。カラスの場合は対策が進んだためだが、ツバメやスズメは古い住宅やビルが減って巣に適した場所がなくなってきたことも大きい。一方で、オオタカといった猛きん類やカワセミなどは都市に戻っている。都内の繁華街では、生ゴミをあさるカラスが社会問題になった。だが最近では、我が物顔で振る舞うカラスの姿をほとんど見かけない。東京都の調べでは、都内にすむカラスの数は2001年度は3万6400羽だった。15年度には1万1900羽まで減った。都庁に来た苦情も02年度の3820件から15年度は223件に激減した。研究者らが集まる都市鳥研究会の調査でも同じ傾向が見える。明治神宮(渋谷区)や国立科学博物館の自然教育園(港区)、豊島岡墓地(文京区)の3カ所の緑地をねぐらにするカラスの数を5年ごとに調査。00年に1万8664羽だったのが15年は4816羽に減った。「01年に始めたカラス対策プロジェクトチームの効果が出ている」と東京都環境局の高木章雄森林再生担当課長はいう。都内のカラスは残飯などの生ゴミを食べる。針金製のハンガーで鉄塔やビルに巣を作るなど、人工物も利用しながら適応してきた。東京都では飲食店などから出る多くの生ゴミを夜間に収集し、ゴミ集積所にカラスよけネットを設置している。ねぐらの近くにある公園などにわなをしかけ、繁殖期には巣を撤去した。こうした対策の結果、カラスは都心から徐々に姿を消してきた。都会から姿を消す鳥が増えている。春になると東南アジアから日本に渡ってくるツバメも都市部で減少が目立つ。都市鳥研究会が東京駅を中心とした3キロメートル四方の繁殖状況を5年ごとに調べたところ、1985年は44カ所確認できたが、2010年には14カ所に減った。軒がある古い住宅が取り壊され、マンションなどに変わったためだ。凹凸のない建物は巣が作りにくい。最新の15年の調査では19カ所に増えたが、新たに見つかった場所は古い建物で、いずれ建て替えられる可能性が高いという。ツバメは全国で減っているとみられるが、東京都心などの都市部は目立つ。その要因とみられるのが、都市部のツバメの少子化だ。日本野鳥の会が13~15年にツバメの子育て情報を集めて調べたところ、郊外や農村部で巣立ったヒナの数は平均約4.29羽だったが、都市部では約3.89羽だった。繁殖の失敗率は郊外や農村部では19.8%だったのに対し、都市部では23.0%あった。日本野鳥の会・自然保護室の荒哲平氏は「人が巣を落としたり巣作りを邪魔したりしていることが大きい」と説明する。都市部では繁殖に失敗した原因の10.6%を占め、郊外や農村部の1.5%と大きな開きがあった。都市部で少子化が進むのはスズメも同じだ。北海道教育大学の三上修准教授らは1990年から20年間で全国のスズメの数は半減したと推定している。親スズメが連れている子スズメの数を調べたところ、農村地の2.03羽や住宅地の1.79羽に対し、商業地では1.41羽だった。三上准教授は「都市部では建物が新しくなるなど巣を作る場所が減った。エサも少なくなっていることもあり、少子化が起きた」と説明する。人がエサやりをやめたことで数を減らす鳥もいる。都市鳥研究会によると、ドバトは1980年代には浅草寺(台東区)に2000羽規模いたが、今は50羽になった。上野恩賜公園(同区)の不忍池のオナガガモも6000羽から70羽に減ったという。一方で都心で増える鳥もいる。猛きん類で希少種のオオタカは明治神宮に定着し、今では毎年のように繁殖している。カラスやハトを食べたという報告も相次ぐ。「森の妖精」が愛称のエナガの目撃も都区内で相次ぐ。都心に残った木々が育ち、エサなどの生息環境が向上していることが大きい。鮮やかな水色の体が美しいカワセミも日比谷公園(千代田区)や小石川後楽園(文京区)などで目撃される。自然を生かした形で河川の護岸を改修するようになって営巣場所が増え、水質も改善したためだ。人間の行為は鳥の生息環境を大きく左右する。都市鳥研究会の川内博代表は「鳥は社会の鏡だ。新たに進出する鳥も消える鳥も都市が抱える何らかの問題を映している」と指摘する。都市部の鳥の栄枯盛衰は、人間は鳥とどう共生すべきかという問題を訴えかけている。
(カモやハクチョウ、今年も3万羽超飛来:青森)
日本野鳥の会青森県支部と同弘前支部は4日までに、県内各地で実施した「ガン・カモ・ハクチョウ類調査」の結果をまとめた。県内で確認された26種類(コブハクチョウ・コクチョウを除く)の総数は前年を6337羽上回る3万7536羽だった。オオハクチョウやカモ類が大幅に増え、2年連続で3万羽を突破した。
(イノシシ肉食べて食害考える:山形)
野生動物の生態に関する学習会「となりのケモノ」が5日、米沢市の山上コミュニティセンターで開かれた。家族連れなど約50人が参加。農作物などの被害を防ぐため一人一人にできることを考え、イノシシ肉の「義経焼」を味わった。急増するイノシシやクマの食害に関心を持ってもらおうと市有害鳥獣対策連絡協議会が主催。環境教育などに取り組むやまがたヤマネ研究会(山形市)の中村夢奈代表が講師を務めた。「雑食で時速45キロで走り、ジャンプ力は120センチ」。中村代表はクイズ形式でイノシシの生態を説明。「地域ぐるみで対策に取り組んでほしい。まずは食べ物を外に放置しないこと」との呼び掛けに参加者の多くがうなずいていた。本来は羊肉の「義経焼」は、イノシシ肉とキャベツをみそだれで焼いて振る舞われた。子どもたちは恐る恐る口に運んだ後、笑顔に。家族3人で参加した寒河江市西根小5年小山新君(11)は「思ったよりおいしかった」、米沢興譲館高2年垂石りか子さん(17)は「大学で野生動物の生態を学ぼうと思う。勉強になった」と話していた。
(イノシシ有効活用、解体学ぶ講習会:香川)
捕獲したイノシシやシカなど野生鳥獣の有効活用を図ろうと、狩猟初心者に対してイノシシの解体技術や調理を教える講習会が香川県内各地で開かれている。解体技術の講習会では、受講者が野生動物を処理する際の注意事項や衛生管理の重要性などを学んだ。近年、県内でイノシシやシカによる農作物の被害が拡大していることや、「ジビエ」と呼ばれる野生鳥獣の食肉利用への関心が高まっていることを受けて県が昨年度から実施している。さぬき市大川町で開かれた解体技術の講習会には14人が参加した。県内でも鳥獣被害が多く、被害対策も整っている同町田面地区の個人加工施設が会場となった。県東讃保健所の職員が、感染症など野生鳥獣の衛生管理のガイドラインを解説。その後、ジビエ卸会社のスタッフが実演指導した。同市内で「くくり罠(わな)」を使って捕獲した体重約70キロのオスのイノシシを解体しながら、「ナイフは使用直前と使用中に83度以上のお湯で確実に消毒し、獣毛は食用の部位に付かないように」と肉の汚染を防ぐためのポイントを中心に説明。受講者は自家消費する際の衛生環境の重要さを再確認した。昨年、狩猟免許を取得した同市津田町の会社員、植田達也さん(40)は「イノシシに農作物を荒らされている。まだ捕獲経験はないが、捕らえたときは食肉として有効活用できれば」と話した。香川県によると、平成27年度は約1万頭のイノシシが捕獲されている。
(エゾシカ肉、食べよう:北海道)
道が、エゾシカ肉の販路拡大とブランド化に取り組んでいる。増え過ぎたシカによる農林業被害が問題で、食肉利用を進めることで捕獲数の増加につなげる狙い。衛生管理のため処理施設の認証制度を新設。小売店や飲食店とも協力し官民挙げてPRに努めている。道によると、エゾシカは明治時代の乱獲や豪雪で激減したが、その後の保護政策などで生息域を拡大。ピークの2010年度には推定66万頭で、00年度の2倍近くに増えた。道は16年度末までに38万頭まで減らすことを目標として、対策を強化。15年度は推定47万頭で、農林業被害額は約43億円とされる。
(シカ肉加工施設、オープン:兵庫)
養父市大屋町和田の猟師、宇仁菅諭さん(48)が古民家を借りて倉庫を改装し、シカ肉の加工施設「宝塚ジビエ工房」をオープンさせた。宇仁菅さんは宝塚市出身。およそ25年前、環境アセスメントの仕事をしていたおりに猟師と出会って興味を持ち、狩猟免許を取得。「自分より大きな生き物を、自分でさばいて食べるのはすごい作業だ」と魅力を感じたという。
(野生の味、福岡ジビエフェスタ:福岡)
野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理を味わえる「福岡ジビエフェスタ」が16~20日、福岡市中央区の市役所前ふれあい広場で開かれる。和風、洋風などいろいろな料理で、洗練された味に出合える。福岡、熊本、大分、宮崎各県から、独創的なジビエ料理を提供する計11店が出店。ペペロンチーノの風味で、薄切りのイノシシ肉を使った鍋「猪(いの)しゃぶペペロンチーノ風」(800円)、イノシシ肉のソーセージを使い、ぷりっとした食感が楽しめる「ジビエドッグ」(600円)、ジューシーなイノシシ肉が特徴の「イノシシ肉と春野菜のパエリア」(900円)など、メニューは豊富。シカ肉を使ったどんぶりやジャーキー、イノシシ肉のカレーやうどん、イノシシとシカ肉を使ったギョーザなどもある。ビール、ワインなども販売する。
(しし肉でケバブサンド:大分)
やっかいものを名物料理に―。佐伯市番匠商工会青年部(近藤弘幸部長、20人)は市内で捕獲したイノシシの肉を使い、「ケバブサンド」を開発した。鳥獣被害を減らす一助にすると同時に、毎年8月に主催する「番匠商工祭」など青年部が出店するイベントの目玉料理に育てる。市内では毎年、鳥獣による農作物の被害が多発しており、中でもイノシシによる被害が最も大きいとされる。そのため、イノシシ肉を使ったジビエ料理を普及させることで狩猟を活発化させ、少しでも被害を減らそうと発案した。「番匠商工祭」でアユのつかみ捕りや特産品入り餅まきは名物として定着してきたが、食の目玉となるものを開発したいとの思いもあった。2015年度にもイノシシを使った商品開発を目指し、レシピの研究や料理講習会を開いた経験を踏まえ、昨年7月に県商工会連合会が主催した「次世代地域活性化事業」で企画をプレゼン。35団体の中から最優秀賞を受け、商品化を進めてきた。ケバブは肉・魚・野菜などをローストする料理で中東周辺で一般的。市内のフランス料理店オーナーシェフ河野辰也さんに指導してもらい、ししカレーやハンバーグなど各種料理を試作。イベント会場で簡単に作れ、テークアウトしやすい料理として、パンの中に焼いたイノシシ肉とキャベツ、タマネギなどを挟み込むケバブサンドに決めた。2月上旬、市保健福祉総合センター和楽で最後の試作会があり、約20人が参加。細かい味付けを決めた。イノシシの肉は腕やモモなど硬いためにあまり料理に使わない部位を使用。ブイヨンで煮て柔らかくするなど工夫した。狩生健之(けんじ)副部長(42)は「若い人は食べる機会が少ないしし肉を使い、おいしい商品が完成した。いっぱい食べて、山の被害が少しでも減れば取り組んだ意味がある」と話した。
(家庭でジビエ料理を:千葉)
“地域の厄介者”のイノシシの肉をおいしく味わうためのジビエ料理教室が、市原市安須の市農業センターで開かれた。普及に取り組む料理人が家庭でも簡単に手掛けられるメニューを紹介し、参加者約30人が他人丼などに舌鼓を打った。教室はイノシシ肉をより身近な食材として知ってもらい、販売促進につなげるために市が初めて開催。講師はメニュー開発に携わったウナギ料理店「八幡屋」(同市潤井戸)の中村雅人社長と石井一三料理長が務めた。2人はイノシシ肉の安全性などについて説明し、イタリア料理のピカタやパスタの作り方を披露。タレにあく抜きしたイノシシ肉と長ネギを入れて煮立たせた上、卵でとじた他人丼の指導もあり、参加者はこつを学んだ後にこれらの調理に挑戦した。完成した料理を口にした参加者からは「抵抗なく食べられる」「おいしい」との感想が寄せられ、市の名物として定着することへの期待の声も。同市の70代男性は「作り方を広め、食べる人が増えていけば」と話した。市内では1月末時点で、33の飲食店がイノシシ肉を使った料理を提供。イノシシ肉は道の駅「あずの里いちはら」(同市浅井小向)で取り扱っている。

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(ドローン飛ばしシカ追い立て:北海道)
小型無人機(ドローン)を使ったシステム開発などに取り組む情報サービス企業「キャリオ技研」(名古屋)は4月から十勝管内大樹町で、同町森林組合などと協力し、ドローンを活用したシカ駆除の実証実験を行う。ドローンから人間の声などの音声を流し、「わな」のある場所やハンターが待ち伏せている地点にシカを追い立てる手法の確立を目指す。道エゾシカ対策課によると、道内では山林にドローンを飛ばしてシカの生息調査を行っている例はあるが、シカを追い立てるために使うのは珍しいという。同社は3年ほど前から愛知県などの山林で、ドローンを使った有害鳥獣の「追い立て」などの実験を行ってきた。今回、シカ駆除への応用に向けては、民家が少なく、平地も多いとして大樹町を選んだ。今後3~5年かけて、実験に取り組み、追い立てを活用した効果的なシカ駆除システムをつくる。また、ドローンを森林管理に役立てる方法も探る。4月には同町晩成地区に事業所を構え、地元から10人程度採用する。
(奈良公園周辺で減らぬシカ事故、1年で81頭:奈良)
「奈良のシカ」の交通事故が後を絶たない。一般財団法人奈良の鹿愛護会(奈良市春日野町)がまとめた2016年版マップ(平成27年7月16日~28年7月15日調べ)によると、奈良公園周辺で131件の交通事故が発生し、81頭が死亡した。事故は朝夕の通勤時間帯が多く、年間では発情期の10、11月に増える。交通事故多発地帯のワースト1は県庁東交差点~福智院北交差点(約750メートル)で33件(17頭死亡)だった。交通量とシカの横断が多いことに加え、エサとなるドングリの木があることが要因と考えられる。ワースト2は県庁東交差点~東向交差点(約525メートル)で20件(10頭死亡)、大仏殿交差点~高畑町交差点(約630メートル)が18件(12頭死亡)でワースト3だった。事故防止策として、標識や看板設置のほか、交通事故があった際、自販機に搭載したカメラが記録したデータが鹿愛護会に提供される「鹿ちゃんカメラ」などがある。事故防止には官民双方が取り組んでいるが、劇的な事故減少には至っていない。鹿愛護会事務局長の吉岡豊さん(69)は「奈良公園は元来シカの生息地。車は速度を落とし、シカの横断を待ってやってほしい」とシカへの理解を呼びかけている。
(カワウ捕獲奏功、「空気銃」継続に手応え:群馬)
県内各地の河川湖沼で、アユやマスなどを大量に捕食する大型水鳥「カワウ」。県の関東初となる捕獲対策が効果を上げ、昨年7月時点の生息数が前年の約6割に減ったことが、1日の県議会一般質問で明らかになった。自民党の岸善一郎県議の質問に須川均鳥獣被害担当参事が答弁した。カワウは平成10年から県内でも急増。26年には約1400羽が飛来し、高崎市吉井町の南陽台やみどり市の高津峡などで生息地(コロニー)が確認されている。成鳥だと1日約500グラムの魚類を捕食する。県鳥獣被害対策支援センターによると、漁業を中心に県内被害額は27年度が約1億8800万円。28年度も約1億1900万円に上ると推計され、高い水準を維持している。県は昨年5~6月に発砲音が小さい空気銃を使う「シャープシューティング」を関東で初めて実施。南陽台や高津峡などで計7回行った結果、28年7月時点の県内生息数は919羽で、前年同期の1417羽から大幅に減少した。須川参事は「河川への飛来数も減少したという漁業関係者からの声もある。この事業を継続することが有効」と手応えを話した。また、繁殖期の今月にもシャープシューティングで捕獲をする予定といい、今後は「捕獲技術者を計画的に育成し、埼玉、栃木、茨城などとも広域的に連携し、対策効果を高めていきたい」と述べた。
(警戒心強い「スレジカ」夜間銃猟:長野)
安全確保の面から禁じられていたニホンジカの夜間銃猟が、今月下旬、県内では初めて伊那市長谷で試験的に行われる。農林業被害を防ごうと捕獲に力を入れた結果、警戒心を強めた「スレジカ」が増え、捕獲実績が伸び悩んでいるためだ。県鳥獣対策・ジビエ振興室は「試験実施で課題を洗い出し、効率的な頭数調整の方法の一つとして検討していきたい」としている。「猟犬が鹿を発見する機会が明らかに減った。鹿の警戒心が高まっている」。45年以上狩猟に従事し、1シーズンに30回ほど猟に出るという上伊那猟友会長の竹入正一さん(73)=上伊那郡辰野町=はスレジカの増加を実感。北佐久連合猟友会副会長の高橋博美さん(58)=佐久市=も、くくりわな猟などから逃げた鹿が「危険箇所を学習し、生息域を変えているようだ」と話した。県の鹿の捕獲目標頭数は2015年度までの4年間で1・6倍の4万頭に引き上げられてきた。鹿の生態に詳しい信州大農学部の竹田謙一准教授は「狩猟者が毎週山に入ることでプレッシャーが高まり、鹿の警戒心や行動圏が変化した」とみる。狩猟期が始まると山深くに移動し、終わると戻ってくる鹿や、足跡を残さないよう草の根元を選んで歩く鹿もいるという。その結果か、15年度の県内の捕獲頭数は3万1885頭で、13年度の3万9663頭から2割減った。一方、森林総合研究所(茨城県つくば市)によると、鹿は日没前後や夜になると警戒心が緩み、見通しのいい場所に出てくるという。「高い捕獲効率が期待できる」(同研究所)として、鳥獣保護法改正で15年5月から夜間銃猟が条件付きで認められた。狩猟免許の保持に加えて、環境省の安全管理講習を受け、50メートル先の直径5センチの的を5回以上連続命中させるといった技能が条件。その上で都道府県の委託を受け、従事できる。同省によると、夜間銃猟は既に和歌山県と北海道で試験導入が始まっている。県は今回、鹿の個体数調整で実績のある一般財団法人「自然環境研究センター」(東京)に捕獲を委託。熱を感知して映像化する暗視スコープを使い、狙撃する。餌を置いて鹿を誘い出すという。試験場所は、人が立ち入る可能性が低く、狙撃方向に山の斜面などがあって流れ弾の危険がない国有林の一角を選んだ。実施日は周辺に監視員を立てて車両や人が近付かないよう警戒。現在、県公安委員会が最終的な安全確保状況を確認している。県は試験実施の後、効率的な捕獲や安全確保策の妥当性を外部の専門家も交えて検証する考え。県鳥獣対策・ジビエ振興室は「今後も試験を重ね、導入に向けて準備を進めたい」としている。
(絶滅寸前種に指定ですが…ツキノワグマ狩猟解禁検討:京都)
京都府は、府の北中部で目撃情報や人的被害が相次いでいるツキノワグマについて、狩猟を解禁する方向で検討を始めた。府は環境省の基準に沿って、2002年度に府レッドデータブックにツキノワグマを「絶滅寸前種」と規定して以降、狩猟を認めていない。今後協議を進め、早ければ17年度中にも解禁する。環境省のガイドラインでは、クマは個体数が800頭を下回ると、その生息域で絶滅の危険性があるとされている。府は丹後地域の720頭と丹波地域の220頭(いずれも推定)を、生息域が異なるとして別々にカウントし、800頭未満であることを狩猟禁止の根拠の一つにしている。一方、ツキノワグマの目撃・出没件数はここ数年増え続けており、16年度は2月末時点で1491件。4年ぶりに人的被害も発生し、福知山市と綾部市、南丹市で計4人がクマに襲われてけがを負った。こうした状況を踏まえ、府は17年度から5年間の鳥獣保護管理事業計画(中間案)で、民家周辺などでの被害が予測される場合、事前にクマの捕獲許可を府全域で認めるほか、個体数に占める駆除数の上限の割合を、丹後地域で8%から12%に引き上げる方針を示している。府はさらに、丹後地域と連続する生息域がある兵庫県と、個体数を合算する方向で協議を進めている。個体数が800頭を超えた場合、府レッドデータブックの区分変更や狩猟解禁に向けて動きだすことになる。2日には、丹後地域の2市2町が府に、個体数の見直しなどを要望した。宮津市の井上正嗣市長は「観光地にもクマが出没しており、早く手を打たないと大変なことになる」と訴えた。要望書を受け取った山下晃正副知事は「危機感は共有している。クマを絶滅させないよう科学的知見を得ながら、対策に取り組みたい」と話した。
(野生サル浜松中心部縦断:静岡)
二日午前七時ごろ、浜松市中区曳馬周辺で野生とみられるサルの目撃情報が、浜松市に寄せられた。それ以降も市や警察に複数の目撃情報が寄せられ、市は市内の小中学校や幼稚園・保育園に通知したほか、ホームページなどで注意を呼び掛けている。市林業振興課によると、最初の目撃情報が寄せられてから、中区のアクトシティや静岡文化芸術大周辺でも「サルが出没した」との情報が寄せられた。サルは次第に南下し、同十時ごろに南区寺脇町内で目撃されたのを最後に出没情報はない。市や警察が目撃地点の周辺を見回りしたが、発見には至っていない。三日以降も出没情報があれば、パトロールを行うという。同課によると、サルの体長は約七〇センチで、これまで危害を加えたとの報告はない。「サルを目撃した場合は刺激しないで、屋外の餌になりそうな食べ物や野菜を片付けて」と注意を呼び掛けている。
(サル対策にドローン:神奈川)
公明党の鈴木秀志・神奈川県議はこのほど、同県厚木市にある県立自然環境保全センターを訪れ、ドローンを利用したニホンザルの追い払い支援ロボットの実証実験を視察した。実証実験は、「さがみロボット産業特区」に関連した取り組みの一環で、民間企業の技術を活用した共同開発プロジェクトとして進められている。県内のニホンザルは、主に県の北部から中央部と西部にかけて生息。果樹や野菜などが食べられてしまう農作物被害は、2013年度が約1432万円、14年度は約2520万円に上っている。このため、鈴木県議は昨年6月の県議会環境農政委員会で、ドローンを活用した鳥獣被害対策を進めるよう提案。今回の実証実験に結び付いた。計画によれば、衛星利用測位システム(GPS)を群れの中のサルに取り付け、巡回・監視するドローンが群れの位置を把握。群れが移動すれば追尾し、何らかの方法で追い払ったり、山奥まで誘導するといった対策を試みる。現在は、GPSを装着したサルの位置情報で群れを確認し、ドローンによる追い払い効果をテストしている段階で、今後、さまざまな課題の検証に基づく成果を踏まえ、事業化をめざす方針だ。鈴木県議は「ドローンをはじめ、ロボットを効果的に活用し、県民が安全で安心して暮らせる環境づくりに力を尽くしたい」と語っていた。
(八島ケ原湿原のシカ侵入、年間1頭:長野)
ニホンジカの食害や踏み荒らし被害をなくすため、外周4キロを防護柵でぐるりと囲う霧ケ峰・八島ケ原湿原(下諏訪町、諏訪市)=国天然記念物=で、今年度に湿原に入り込んだシカは1頭で、滞在時間はわずか1日程度と推定されることが2日、信大農学部の調査で分かった。「侵入頭数は徐々に減り、長期の湿原利用も見られなくなった」と説明。「効果の持続」に向けて維持管理を引き続き徹底するよう求めている。美しい環境づくり諏訪地域推進会議などが諏訪市内で開いた「ニホンジカ食害対策報告会」で、農学部の泉山茂之教授と瀧井暁子助教が明らかにした。防護柵は高さ2メートルで、林野庁のモデル事業を活用して2010年度に半周が、11年度に全周が完成した。農学部は一部個体にGPS発信器を付けたり、柵周辺に自動撮影カメラを複数置いたりしてシカの行動変化や侵入状況を継続調査している。瀧井助教によると、全周完成後に湿原内侵入したのは10頭おり、大雪で破損し、高さが不足した箇所などから飛び越えたとみられると解説した。11、14年度にはそれぞれ3頭の侵入を確認。中には300日以上湿原内にとどまる個体もいた。今年度の1頭は幼獣で、瀧井助教は、カメラの映像から6月1日に侵入し、その日のうちに柵外へ出たとみられるとした。無理をして柵を飛び越えようとする行動も減っていると分析。散策者用ゲートの閉め忘れが対策を台無しにする可能性があるとして、散策者への注意喚起を継続することも改めて呼び掛けた。一方、同日開かれた霧ケ峰自然環境保全協議会で、県は霧ケ峰やその周辺で行うシカの出現状況調査(ライトセンサス)について報告。一昨年をピークに発見頭数は減少しているとした。
(エゾシカ肉、もっと食べて:北海道)
北海道が、エゾシカ肉の販路拡大とブランド化に取り組んでいる。増え過ぎたシカによる農林業被害が問題となっており、食肉利用を進めることで捕獲数の増加につなげる狙いだ。衛生管理のため、処理施設の認証制度を新設。小売店や飲食店とも協力し、官民挙げてPRに努めている。道は14年に成立した「エゾシカ対策推進条例」で食肉の活用をうたった。昨年10月に運用を始めた処理施設の認証制度では、衛生管理で道の基準を守る11施設を認証。これらの施設で処理、加工された肉は、包装などに独自のロゴマークを表示することができる。道は12年から、国内外の観光客でにぎわう「さっぽろ雪まつり」の期間に合わせて「エゾシカウィーク」も開催。飲食店が工夫を凝らしたシカ料理を提供しており、参加店舗は12年の77店から今年は137店に増えた。.
(狩猟肉、活用後押し:大分)
竹田市直入町の地元猟師らでつくるグループ「鹿猪(かい)の蔵」(大久保光紀代表、14人)が、町内長湯に狩猟肉(ジビエ)を取り扱う加工所を整備した。現地で開所式があった。これまで地元猟師らは仕留めたシカやイノシシを仲間内でさばいて食べていた。「新鮮でおいしい肉を多くの人に味わってほしい」と、昨年11月に鹿猪の蔵を結成し、販売許可が得られる加工所の整備を決めた。加工所(鉄骨平屋、約40平方メートル)は鳥獣害対策の一環として、県と市の助成(計400万円)を受けて整備。会員が持ち込んだ年間約150頭を処理して冷凍保存し、地元旅館や飲食店、一般客に販売する。市によると、市猟友会の昨年度捕獲数はイノシシ約2700頭、シカ約1300頭。多くがその場で埋設処分されている。市内でジビエの加工所は2カ所目で、活用を後押しするため、加工所に鹿猪の蔵会員以外が持ち込める仕組みを整える。2月中旬にあった開所式には関係者約30人が参加。しし鍋などを味わいながら、施設の完成を祝った。加工所に隣接する自宅倉庫でジビエ食堂を開く予定の大久保代表(61)は「獣肉の食用化が進めば猟師の担い手が増えて農作物の被害減少にもつながる。販路を拡大し、地域経済の活性化に貢献したい」と話している。加工所で販売するジビエはシカ(500グラム・1500円から)とイノシシ(同・千円から)。それぞれブロックとスライスの2種類がある。
(福岡ジビエフェスタ:福岡)
ジビエとは??野生鳥獣の肉のこと。福岡ではイノシシやシカがメインです。栄養豊富できちんと処理すれば臭みもなく柔らかです。近年ブームの「ジビエ」、ヨーロッパでは古くから身近な食材として親しまれてきました。山野を駆け回り豊かな自然の恵みを餌としているため、その肉は栄養満点。低脂肪で高タンパク、ビタミンや鉄分が豊富で特に女性に大人気!知ってましたか?福岡は実は野生の猪肉や鹿肉の名産地!福岡は野生鳥獣による農作物被害が全国で北海道に次いで大きくイノシシを年間約20,000頭、シカを年間約6,000頭捕獲していますが、その利活用が大きな課題。そこで「福岡ジビエフェスタ」ではジビエを使った様々な料理を提供し、ジビエ肉の利活用向上をサポートしていきます。美味しいジビエメニューが大集合!イノシシ肉のパエリアやうどん、カレー、シカ肉のジャーキー、ジビエドッグにジビエ肉まん、ジビエ餃子などなど!豊富なジビエ料理が盛りだくさん!この機会に食材として大きな可能性を秘めているジビエに触れてみてください!

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(シカ駆除、初日85頭:北海道)
エゾシカによる農業被害を減らすための特別駆除が26日、冬季に雌が多く集まる旭川市郊外の神居古潭地区で始まった。「旭川市鳥獣被害対策実施隊」として、市から委嘱された北海道猟友会旭川支部(高梨秀二支部長)の会員が3月12日まで計3回、約150頭を駆除する予定。高梨支部長は「適正な個体数管理に協力したい」と話している。今年で7年目で初日は約80人が参加した。午前8時、参加者が図面を見て狩猟場所や発砲のルールなどを確認。シカを追い立てるグループと、待ち受けて撃つグループに分かれ、それぞれの持ち場へ移動した。「へいへいへいへい」―。普段は川の水が流れる音しか聞こえない静かな山中に、沢を隔てた対岸からシカを追い立てる人々の声が響く。麓にシカを追い立てると、待ち受けた猟友会員たちが狙い済まし、次々と発砲した。この日仕留めたのは雌を中心に85頭。重い個体で約110キロにもなるシカの死骸をロープに結んで引っ張り、回収する場所へ搬送。午後3時半すぎから、シカはペットフード業者に引き取られた。
(ミロクが一時24%高、トランプ演説控え関連銘柄として思惑人気高まる)
ミロクが急騰し、一時、前日比74円(23.7%)高の386円まで買われている。この日は、日本時間午前11時にトランプ米大統領の就任後初の議会演説を控えているが、トランプ大統領関連として人気が高まっているようだ。同社は、米ブローニング社などにライフルや猟銃をOEM供給しており、銃規制の強化に反対するトランプ大統領関連銘柄の一角。仮に演説で銃保有に関しての発言があれば、人気がさらに高まるとの思惑が働ているようだ。
(空気銃密輸の男性を不起訴、殺傷能力立証できず:愛媛)
金沢地検は27日、空気銃1丁を密輸したとして、銃刀法違反と関税法違反の疑いで逮捕された無職男性(63)=愛媛県大洲市=を嫌疑不十分で不起訴処分とした。殺傷能力のある銃と立証できなかったとしている。一方、金沢区検は正当な理由なく空気銃や準空気銃を所持したとする別の銃刀法違反罪で、男性を略式起訴した。金沢簡裁は罰金50万円の略式命令を出し、即日納付された。27日付。石川、愛媛両県警は1月17日、威力の強い空気銃など14丁を所持したとして銃刀法違反の疑いで男性を逮捕。今月6日には、空気銃をドイツから密輸したとして再逮捕していた。
(イノシシ対策講習、担当者らに:群馬)
昨秋以降、高崎や伊勢崎などの市街地でイノシシの目撃情報が増え、けが人も出ている状況を受け、県鳥獣被害対策支援センターは、前橋市と太田市で、市町村の担当者らを対象に、安全対策講習会を開いた。講師を務めた専門家は「市街地への出没の予防や出没後の捕獲には、全県的な取り組みが必要。県と県警本部などが中心になって、各地の現場に情報提供する」。
(「整列」カラス、「一つの景色」という市民の声も:青森)
弘前市南塘町の五差路の電線に集まるカラスが「四方八方に整列している」と話題になっている。カラスはハシボソカラスと呼ばれる種類で、弘前市環境管理課の調査によると同市内には約4500羽が生息しているという。同課の担当者は「今の時期は繁殖期を迎え、つがいを求めて集団で夜を明かすことが多い」と話す。1~2週間で場所を変える傾向にあり、市街地の電線に集まるカラスは、テレビやネットでも度々話題となる。この五差路は、集まりやすいといわれる弘前大学病院や弘前公園の近くにあり、五差路を中心にそれぞれの電線にカラスたちが広がるように整列している。「糞害や『気持ち悪い』という連絡が住民からある」と話す担当者。「カラス対策用のテグスや追い払い用の懐中電灯、清掃用具の貸し出しや無償提供なども行っているので、利用してほしい」と呼び掛ける。付近を通りかかった弘前在住の30代男性は「もはや弘前の一つの景色として定着しているのでは」と自嘲気味に話す。
(狩猟免許取得に補助1万円、イノシシ肉の安定供給も目的:栃木)
農作物の被害防止と野生イノシシ肉「八溝ししまる」の販路拡大を目指す町は4月からイノシシなどの狩猟免許(銃猟・わな猟)を取得する町民に対し最大で1人当たり1万円の助成を行う。高齢化する狩猟者の確保と町が管理するイノシシ肉加工施設へ材料の安定供給などが目的。町によると県内で同様の助成を行っているのは日光や那須烏山市などがあるという。町によると狩猟免許を取得する場合、わな猟が1万4500円、銃猟は1万5500円ほどの費用が掛かる。狩猟者登録には、わな猟2万2500円、銃猟が4万800円ほどの費用が必要とされる。助成は狩猟免許取得が1万円、狩猟者登録は5千円を補助。事業費は30万円で、約60人分の補助となる。町では「特産品の八溝ししまるの安定供給の一助になれば」と話している。
(鳥獣対策で小諸市などに大賞:東京)
農水省は2月28日、同省舎で、「平成28年度鳥獣被害対策優良活動表彰」の表彰式を開催。その後、合同会社まかく堂主催の「第4回全国鳥獣被害対策サミット」が行われ、約300人が出席した。礒崎陽輔農林水産副大臣はあいさつで鳥獣害による農作物の被害が甚大であることを訴え、「農産漁村を美しく活力あるものとしていくために、鳥獣被害に負けない地域づくりが重要」だと話した。「平成28年度鳥獣被害対策優良活動表彰」の受賞者は既報の通り。なお、今表彰では、捕獲した鳥獣を食品として利用する「捕獲鳥獣利活用部門」の表彰が新たに設けられた。全国鳥獣被害対策サミットで、受賞者の取り組み事例発表も実施された。農林水産大臣賞(被害防止部門(団体))を受賞した長野県の小諸市では、限られた予算の中で、長期的で費用対効果のある対策を練るため、平成23年度に鳥獣の生態などの知識を持つ野生鳥獣専門員(1名)を採用。25年度には正職員として雇用した。捕獲については猟友会が請け負うが、会員は減少傾向にある。そのため、市の若手職員に免許取得などを促した。大型鳥獣は猟友会、ハクビシンなど小・中型の鳥獣は市の職員というすみわけを行いながら、猟友会との信頼関係を構築。28年末には実施隊のメンバーの環境を改善し、捕獲頭数の増加、農作物被害額の減少につながった。しかし、財源は猟友会への経費や捕獲したあとの処理などでひっ迫。捕獲したシカ肉を商品化し、ペットフードとして販売することにした。一般的なペットフードより高額となるが、(1)捕獲鳥獣の個体管理、(2)処理施設の衛生管理、(3)シカ肉の栄養性などをPR、(4)売上金を環境保全や鳥獣害対策に使うこと、という付加価値をつけた。今後は近隣市町村から捕獲鳥獣を小諸市の処理施設へ受け入れたり、シカ皮などを商品化して小諸市のブランド商品として販売したりしていくという。農林水産大臣賞(捕獲鳥獣利活用部門(団体))を受賞した、熊本県のくまもとジビエ研究会は、平成24年度に設立された。県内で捕獲されたイノシシやシカ肉を地域資源として活用するため、県内の処理加工施設、飲食店、捕獲従事者、行政など、現在60団体で構成されている。シカ肉が取れない福岡県で商談会を開催したり、くまもとジビエ料理フェアを開いたりして、ジビエの認知度を向上させた。また県内唯一の調理師専門学校で、全国初のジビエ授業を、正式なカリキュラムとして行った。フェアでは、客に「おいしいジビエ料理がありますよ」と声かけができるよう、店のホールスタッフにジビエの魅力を伝えたことが効果的だったとした。(1)直接的な利益を得ないコーディネーター、(2)県内の流通卸(ジビエ肉が入ってこないとレストランでも使えない)、(3)既存の飲食店グループを母体とすることなどが大切だと訴えた。当日は捕獲檻やワナ、電気柵などのブース展示、小セミナーなども行われた。
(信州ジビエ、ブランド化へネットワーク:長野)
長野県は県産の狩猟肉(ジビエ)のブランド化へ向け2017年度、首都圏などの飲食店と県内の処理施設をつなぐネットワークを作る。シカ肉の入荷情報を交流サイト(SNS)上で共有し、東京から距離の近い立地を生かして都内などの飲食店に新鮮なうちに流通させる。参加店から首都圏の消費者に信州ジビエの魅力を発信し、県内への誘客にもつなげる。
(ジビエコロッケに合う、ウメの酸味:山口)
シカやイノシシなどジビエを使ったコロッケを開発した下関市菊川町の田部高校(吹屋哲夫校長、生徒数228人)の総合生活科の生徒ら34人が、コロッケに合う特製ソースを地元のソース製造メーカー「勝俣商会」の協力を得て開発した。普通のコロッケや豚肉料理などにも合う、まろやかな味に仕上がっている。現在、菊川町の「道の駅」で試験販売しているほか今後、勝俣商会がネット販売を予定している。
(ジビエ料理味わうツアー:岩手)
久慈市の冬の大自然を満喫しながら、狩猟で得た野生鳥獣の肉「ジビエ」料理を味わう「地魅恵(じびえ)体験無料モニターツアー」が25日、同市で行われた。岩手県内外の20~30代の女性11人が参加し、スノーシュートレッキングで心地よい汗を流した後、カモやシカ、地元食材を使った特製の「ヘルシー地魅恵ランチ」を楽しんだ。
(ジビエの伝道師:福岡)
福岡県内のホテルや飲食店計61店が参加する「ふくおかジビエフェア」が3月5日まで開催中だ。参加店でアンケートに答えると、ジビエ(野生鳥獣)を使った県産品が当たる。田畑を荒らす鳥獣対策もあり、数年前からジビエの消費拡大に取り組む県畜産課などが企画した。
(ハンターが経営するバー、シカ肉ステーキなどのジビエ料理も:東京)
赤坂のカフェ&バー「BUCK SHOT」が、オープンから1カ月を迎えた。1月10日にオープンした同店。狩猟免許を取得して4年目のマネージャーの千葉智さんと、1年目の店長の森田哲永さんが経営する。シカやイノシシの肉を使ったジビエ料理を用意するほか、酒はウイスキーを中心に提供する。店内には、オブジェとしてシカの角や狩猟用の散弾銃の空薬莢(からやっきょう)などを飾る。千葉さんと森田さんは「神奈川県猟友会 南足柄支部」に所属しており、週末になると農作物などに害を与えかねない動物の駆除のため、自治体から依頼を受けた同支部の有害鳥獣駆除の活動に参加。現地の山間部などに足を運ぶ。森田さんは「保健所の決まりにより、自分で狩猟した肉を調理して提供することはできないが、もしいずれ可能になればぜひ」と話す。同店では、「グレンフィディック」(800円)などのシングルモルトや「白州」(900円)などのジャパニーズウイスキーのほか、スコッチ、バーボン、カクテル、ワイン、ソフトドリンクなども各種取り揃える。予約限定で「シカ肉のロースト」や「シカ肉ステーキ」(以上800円)などのジビエ料理も提供する。森田さんは「狩猟に興味がある人に気軽に足を運んでほしい。狩猟仲間も増やしたい。仕事帰りなどにふらっと寄っていただければ」と来店を呼びかける。

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