<射撃ニュース5月>

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(クマに襲われ女性死亡か:秋田)
27日、秋田県仙北市田沢湖玉川の山林でタケノコ採りをしていた市内に住む看護助手の大石正子さん(61)が死亡しているのが見つかりました。警察は、傷の状態からクマに襲われたと見て調べています。この被害を受けて、秋田県は、独自に制度を設けている「クマ警報」を県の全域に発令しました。「クマ警報」は去年、5月から6月にかけて、仙北市の隣の鹿角市の山林でタケノコ採りをしていた人が相次いでクマに襲われ4人が死亡した被害を受けて県が始めたもので、クマによる被害や目撃情報が相次いだ際に発令されることになっています。ことしに入り「クマ警報」が発令されたのは初めてです。秋田県は、クマが生息する山には立ち入らないことや、山に近い場所での農作業はなるべく複数で行うなど警戒を呼びかけています。現場の警戒にあたった地元の田沢湖猟友会の中島秀美理事(67)は「この周辺はもともとクマの数が多いうえ、ことしは足跡の大きさから特に大きなクマもいて何か起こるのではと思っていたやさきだった」と話していました。また、現場の状況について「クマがタケノコを食べた跡もあったので、自分の餌を横取りされたと感じて人間を襲ったのではないか」と話していました。そして「いちど人間を襲ったクマは再び人を襲う危険性が高くなる。一般的なクマよけの道具として使われている鈴などが効果がなくなっている可能性があるので、山林に絶対に近づかないでほしい」と呼びかけていました。
(コウノトリ、猟友会の誤射で死ぬ:島根)
島根県雲南市教育委員会は19日、同市大東町の電柱で営巣し、4月にヒナの誕生が確認されていた国の特別天然記念物コウノトリのペアのうち、雌が死んだと発表した。猟友会の会員が、駆除の期間中だったサギと誤認し、射殺したという。兵庫県豊岡市で生まれた5歳で、福井県で放鳥された雄(2歳)との間に生まれたヒナは、1971年に野生で姿を消して以来、豊岡市一帯以外の野外で誕生した国内2例目だった。ヒナは無事という。
(市、猟友会に注意喚起せず:島根)
雲南市で19日、国の特別天然記念物・コウノトリの雌(5歳)がサギ駆除中の雲南市猟友会員による誤射で死んだ。雄(2歳)とペアで営巣して産卵、4月下旬以降に孵化ふかしたヒナ4羽を子育て中で、放鳥されたコウノトリが撃たれて死んだのは初めて。同市は同猟友会に対し、誤射への注意喚起をしていなかった。事故が起きたのは19日午前10時頃。同猟友会の60歳代男性が市内の田んぼで、稲を踏み倒すとされるサギと間違えてコウノトリの雌を散弾銃で撃って死なせた。兵庫県立コウノトリの郷さと公園(兵庫県豊岡市)が放鳥前、個体識別用に着けた足輪を見てコウノトリと気づき、連絡を受けた別の猟友会員が市に報告した。巣から2~3キロ離れた地点だった。死んだ雌は体長1・1メートル。同公園によると、サギの中でもアオサギはコウノトリより一回り小さいが、体形などがコウノトリに似ている。最大の違いは飛び方で、サギは首をS字状に曲げるが、コウノトリは首を真っすぐに伸ばして飛ぶという。男性は同市に「射殺する前はコウノトリの特徴の黒い羽が見えず、サギだと思った」と話した。雲南署は19日、男性から事情を聞くなどし、文化財保護法や銃刀法に違反していないか調べている。関係者によると、男性は19日、ひどく落ち込んでいたが、20日は猟友会の関係者らに陳謝して回っていたという。見守りを担当する同市教委は、ヒナの生育に悪影響が及ぶことを恐れて、巣の近くの住民を除き、巣の場所を明らかにしておらず、同猟友会にも伝えていなかった。同市教委の小山伸しん教育部長は「コウノトリの営巣は初めてのことで、サギと似ていることをきちんと伝えることに思いが至らなかった。今後はこういうことが起きないように啓発していきたい」と話す。また、有害鳥獣駆除を担当する同市林業畜産課の杉原律雄課長は「これまでは人がけがをする事故を起こさないようにとの注意喚起しかしていなかった。これを機にコウノトリへの誤射が起こらないような対策を検討する」と話した。一方、コウノトリの飛来を受け、狩猟を禁止するなどの対策に乗り出した自治体もある。徳島県は2015年、鳴門市でコウノトリが営巣したため、周辺地域を鳥獣保護区に指定し、鳥獣の捕獲・狩猟を禁止した。雲南市は事故前、ペアでの子育てが順調にいけば、ヒナは7月にも巣立つとみていた。同市は20日早朝から職員が交代で、巣に残された雄やヒナを見守った。雄は夕方までに9回、ヒナに餌や水を与えるために飛び立ち、その間、巣がヒナだけになっていたという。同市教委文化財課の担当者は「親がいない隙にカラスなどに襲われる危険性がある。ヒナの保護を含めて、コウノトリの郷公園などの助言を受けながら、今後の対応を早急に決めたい」と話した。日本コウノトリの会(豊岡市)の佐竹節夫代表の話「雲南市は外部の人間から巣やヒナを守る対応を取っていたが、猟友会との間で、コウノトリとサギを見分ける知識を共有しておくべきだった。コウノトリが突然、営巣したため、完璧に対応するのは難しいことだが、今回の事故を教訓として同様の事故を防ぎたい」
(獲物使い回し請求300件:鹿児島)
鹿児島県霧島市で、農作物に被害を与えるイノシシなどを捕獲した際に支払われる「報償費」の虚偽申請が発覚し、実態を調べている市が近く調査結果を公表する。同様の不正は他の自治体でも報告されており、農林水産省も対策を検討する方針だ。霧島市の許可を受けて鳥獣を駆除する「捕獲隊員」が、報償費を虚偽申請した疑いが発覚したのは昨年7月。関係者によると、同年4~6月の3カ月分の報償費として、数人の隊員が計約300万円超を申請したことを知った別の隊員が「あまりに請求が多いのではないか」と、市に調査を要求したのがきっかけだった。霧島市の場合、報償費を申請する際に、捕獲した動物の写真のほか、両耳や尾を一緒に提出する必要がある。不正の手口は、同じ個体を角度を変えて撮影した写真を別の個体として申請したり、通常猟期(秋から翌年春)に捕れた個体の尾などを提出したりして実績をでっち上げていた。報償費は、通常の猟期以外に捕獲したイノシシやシカに対して支給され、成獣1頭当たりは国の補助金も含めて1万2000円。一方、霧島市の捕獲隊員は260人(今年4月現在)おり、年間の申請は、2013年度3031件▽14年度2680件▽15年度3150件--だった。関係者によると、申請に写真の添付を求めるようにした13年度から16年度までの市内全体の申請を調べ直したところ、少なくとも300件の虚偽申請があった。市は今月中にも調査結果を明らかにする予定だが、全てがイノシシやシカの成獣だと仮定すれば、不正受給額は単純計算で360万円に上る。捕獲の方法は猟銃とわなの2種類あるが、地元猟友会のメンバーは「グループでイノシシを一日中追いかけても捕れない日もある」と話す。一部のハンターがチェックの甘さを狙って虚偽申請した可能性があり、猟友会幹部は「ほとんどの人はまじめにやっているのに」と憤った。イノシシやシカなど野生鳥獣による農業被害などは全国的に深刻な問題になっており、国も2013年度から補助金を出して自治体の駆除を後押しする。農林水産省によると、15年度の農作物への鳥獣被害額は約176億円。200億円超の被害があった12年度から年々減少しているものの、同省鳥獣対策室の担当者は「被害は高止まりしているという印象だ」と話す。しかし、報償費を巡る不正は霧島市以外でも発覚している。兵庫県佐用町では昨年、本来は禁止されている網で捕らえたシカやイノシシを、わなで捕らえたと虚偽申請し、町が国の補助金約27万円を返還した。農水省は4月から各自治体のチェック方法について初の全国調査を始め、今月中に現状を把握し、対応を検討することにしている。
(鳥獣駆除不正、霧島市議も虚偽申請:鹿児島)
鹿児島県霧島市でイノシシなど有害鳥獣の捕獲を偽り、捕獲隊員が報償費を不正受給した問題で、市は29日、2013年度からの4年間で252件の不正があり、総額は241万8200円に上るとの調査結果を市議会全員協議会で明らかにした。不正を認めた隊員は29人で、現職市議1人が含まれることが分かった。市議は同じ個体の写真を使い回して虚偽申請していた。西日本新聞の取材に「写真に問題はあるが、捕獲はしている。でっち上げではない」などと釈明した。市は29人に不正受給の返還を求める。報償費受給には、捕獲した個体の尾と両耳、写真の提出が必要。市議は、捕獲した際にカメラがなかったとき、耳などを持ち帰り、後日捕獲した別の個体を撮影して申請していたと説明する。こうしたケースが4年で数十件に上るという。市は、仮に市議の説明が事実でも不正受給に当たると判断。市議は「カメラを取りに帰宅するのは面倒だった。実際に捕獲はしているので問題ないと思い、軽い気持ちでやってしまった」などと説明している。市によると、捕獲実績のある165人中29人が不正を認めた。1人1~40件で、返還を求める最高額は41万2千円。市は不正が1件の10人を捕獲従事者の資格停止2カ月、複数だった19人を同1年の処分にする。他に1人が調査で不正と判断されながら否定している。市は認めるよう説得を続け、応じなければ詐欺容疑で県警に告発する方針。市は、捕獲した鳥獣の数や種類に応じ、国の補助金を含む報償費を交付している。イノシシとシカは1頭1万2千円(国補助金8千円)。今回判明した不正で国補助金を活用した154件、92万9千円を国に返還する。
(県猟友会、使途不明金2900万円:奈良)
県猟友会の会計に総額約2900万円の使途不明金があることが28日、同会や県への取材で分かった。今月73歳で死亡した前会長が私的に流用していた疑いが持たれており、同会は全容解明と再発防止に取り組む。一方、奈良新聞社の取材に対し、前会長は生前、私的流用については否定しながらも「会計の管理ができてなかった」と述べていた。同会は県内各市町村や郡部にある猟友会34支部で構成。会員は約1000人。前会長は約10年前から同職を務めていたが、今月9日に自宅で心不全により死亡した。
(被災の浜からシカ肉提供、解体施設の上棟式:宮城)
東日本大震災で被災した石巻市の牡鹿半島を中心に7月22日から開催されるアートと音楽、食の総合祭「リボーンアート・フェスティバル(RAF)2017」の実行委員会は26日、半島の小積浜地区に整備するシカの解体処理加工施設の上棟式を開いた。シカの食害や猟師の高齢化など地域の課題解決に向け、実行委が出資し建設する。木造平屋の約100平方メートルで、完成は7月上旬の予定。加工したシカ肉は、半島の荻浜地区に整備する「牡鹿ビレッジ」などで提供する。式典には、関係者や地域住民約40人が出席。実行委の松村豪太事務局長は「RAFはただのお祭りではなく、地域の課題を解決するためのもの。新しい地域の資源として全国に発信したい」と述べた。小積浜集会所でシカ料理の試食会もあり、シカ肉の入ったカレーなどが振る舞われた。石巻市小積浜の自営業菅野香世子さん(44)は「シカ肉はローストビーフのように食べやすく、おいしかった」と話した。
(クマ被害、山菜採り男性襲う:青森)
21日午前7時ごろ、弘前市百沢東岩木山の山中で、山菜採りをしていた同市内の男性会社員(52)がクマに襲われ、右手をかまれてけがをした。弘前署によると、クマは体長約1・5メートル。男性が蹴りつけると、山中に逃げた。弘前市は現場周辺の2カ所に「危険 クマに注意」と書かれた看板を設置したほか、弘前署がパトカーで巡回して注意を呼びかけている。県内では鰺ケ沢町の雑木林で20日、山菜採りをしていた男性(66)がクマに襲われたほか、弘前市内でも先月末、70代女性が太ももをかまれる被害が出ている。
(山菜採りでクマ被害相次ぐ:青森)
行楽日和が続く中、山菜採りの間にクマに襲われるケースが相次いでいる。青森市内で今年初の真夏日となるなど各地で気温が上がった20日、青森県鰺ケ沢町では、クマに襲われた男性が顔などにけがをした。先月末には弘前市内で女性が負傷したばかり。県警などは目撃情報のあった山林へ入らないよう呼びかけている。
(イノシシに路上で男性襲われ軽傷:長野)
26日午前5時20分ごろ、長野市栗田の東口病院東側の路上にイノシシ1頭が現れ、散歩中だった同市内の男性(60)を襲った。男性の右太ももに牙が刺さり軽傷。イノシシはそのまま逃げた。現場はJR長野駅の南約300メートルの住宅地。長野中央署員らが付近を捜索し、南に約1・5キロ離れた同市若里のマンション敷地内に追い込み、午前9時55分ごろ、麻酔銃を使って捕獲した。イノシシは体長約1・2メートル。その後死んだ。長野市いのしか対策課によると、4月以降、市内でイノシシの目撃情報は8件あり、昨年同時期の2倍。イノシシが犬に追われるなどして興奮した状態だと、人に襲いかかってくることがあるという。同課は、イノシシに遭遇した場合、急に走り出したり、後ろを向いて逃げたりしないよう呼びかけている。
(クマに襲われ男性軽いけが:福井)
小浜市役所に19日午後4時半ごろ、同市須縄(すの)の無職男性(72)から「集落近くの山林でクマに襲われけがをした」と通報があった。男性は右足に軽い切り傷を負った。市職員と県猟友会メンバー計4人が周辺を調べ、市は午後7時40分、防災無線で注意を呼びかけた。市によると、男性は午前11時ごろ、動物捕獲用のおり(間口約1メートル、奥行き約1・5メートル)を点検中、ツキノワグマ(体長約80センチ)を発見。写真を撮ろうとした際、親とみられるクマ(1メートル数十センチ)に襲われた。市には先月から5件の目撃情報が寄せられている。
(山への立ち入り防止で入山料徴収中止:秋田)
秋田県仙北市の山林で、クマに襲われたと見られるタケノコ採りの女性が死亡したことを受け、仙北市内の国有林では、危険な山への立ち入りを助長しかねないとして、今シーズンは入山料の徴収を取りやめることになりました。今月27日、仙北市田沢湖玉川の国有林で、タケノコ採りに来ていた61歳の女性が死亡し、傷の状態からクマに襲われたと見られています。仙北市では、この現場とは別の国有林およそ1万5700ヘクタールで、地元の人たちで作る協議会がタケノコ採りや山菜採りで山に入る人から入山料を徴収し、林道の整備などに活用してきました。今回の被害を受け、協議会が29日に緊急の会合を開いて検討した結果、危険な山への立ち入りを助長しかねないとして、今シーズンは料金の徴収を取りやめることになりました。協議会の千葉恒昭会長は「クマの被害を防ぐためにやむをえない判断だ。決定は残念だが、なんともならないというのが正直な思いだ」と話していました。
(稚内市、エゾシカ緊急捕獲:北海道)
稚内市が市街地に出没するエゾシカの対策に頭を悩ませている。昨年度に過去最多の778頭を捕獲したにもかかわらず、富士見やノシャップ地区には連日、数十頭の群れが出没。住民からは「今年は特に多い」との声も聞かれる。本格的な観光シーズンに入る前にシカと車の事故を防ごうと、市は富士見地区で3年半ぶりに緊急捕獲を実施している。市は毎年、冬期間に富士見やノシャップ地区の裏山でエゾシカを捕獲しているが、緊急捕獲は2013年11月以来。エゾシカに関する市民からの苦情も例年より多かったことから、ハンター個人による駆除とは別に実施することにした。今月16~30日に富士見地区の4カ所で、ライフル銃を使って計5回実施する計画で、これまでに行った2回で計12頭を捕獲した。
(シカ被害対策に車流し猟:栃木)
ニホンジカが増え、生態系に被害が出ている日光国立公園の奥日光地域(日光市)で、車を使った流し猟「モバイルカリング」が行われている。ハンターが高齢化などで減る中、効率的にシカを捕獲する手段として二〇一四年に導入された。従来の猟とどう違うのか、取材した。四月上旬。県林業センターの特別研究員丸山哲也さん(50)がトラックの荷台に木製の射撃台を取り付けていた。「撃ちやすくするため、手作りしています」。日光森林管理署員らも集結、捕獲班、回収班など十五人前後が車五台に分乗した。中禅寺湖の西側の市道には、人に慣れたシカが昼間も出没する。「警戒心が弱く、車が来てもすぐに逃げない。モバイルカリングの実施条件です」と丸山さん。市道の四・八キロ間に十カ所を選んで餌を置き、現れたシカを車から狙う寸法だ。午後四時、猟が始まった。先頭の捕獲トラックの荷台で地元猟友会の石川晴朗さん(68)が銃を構える。シカを回収するトラック、回収を手伝う班の乗用車が安全に配慮して車間距離を取り、ゆっくり続く。出発地点は積雪数十センチ。「こんなに積もるとシカは出ないかな」と、乗用車では不安そうな参加者も。シカの出没は雪解けと関わる。モバイルカリングは警察への道路使用許可の申請などが必要で、日程変更が難しい。道を進むにつれ残雪が少なくなり、カラマツの根もとの地肌が目立ってきた。開始四十五分。無線から「四・四キロ地点左側、シカ発見」と丸山さんの声が響き、緊張が走る。ほどなく「パーン」という銃声が聞こえ「命中」と丸山さんが報告する。回収班が道路から数十メートルの斜面に倒れていた二頭をトラックに載せた。「通常は的が大きい胸を狙うが、モバイルカリングでは頭部を撃つ。射台のおかげで銃がぶれず、確実性が上がる」と二頭を仕留めた石川さん。シカが銃を学習しないよう、群れの全頭捕獲を目指して五頭以上の群れは狙わず、小さい弾を使って発砲音を抑えるなど工夫も凝らす。午後六時前、猟を終えた。以前、福島県会津地方で、ハンター数人が獲物を追い込む巻き狩りを取材したことがある。何時間も雪山を歩き回ったあの時と比べ、射撃に専念できてハンターの体力的な負担は格段に少ないと思った。一方で石川さんは「実施までに多くの人が関わって準備をする。撃ち手のプレッシャーは大きい」と明かす。行政担当者も同行し、役割分担で効率を高める。シカの警戒心や周辺環境、観光客への配慮などから実施できる場所や時期は限られるが、生態系のバランスを取り戻すのに有効な方法だと感じた。
(イノシシ捕獲事業参入へ、ALSOK:福島)
ALSOK福島(本社・郡山市)は早ければ平成29年度内に、イノシシをわなで捕獲する有害鳥獣捕獲の事業に新たに参入する。東京電力福島第一原発事故の発生後、双葉郡などの被災地ではイノシシ被害が深刻化しており、同社は事業拡大で被災地の復興加速化につなげたい考えだ。年度内にも双葉郡をはじめとした県内市町村で事業を受注し、わなを使った有害鳥獣捕獲サービスを提供する。わなには監視カメラが設置されており、イノシシを捕獲すると、自動的にメールで画像が送信されるシステムで、省力化が図れる。同社は24日までに、県から事業化に不可欠な鳥獣捕獲等事業者の認定を受けた。同日現在、同社のわな猟免許取得者は7人。今後2年以内で40人まで増やす方針。同社によると、東日本大震災後イノシシの処分方法が課題となっている。当面は許可を受けた場所に埋設する方針。将来的には焼却施設の整備などを検討している。県によると、県内の年間のイノシシによる農作物などの被害額は23年度が約4900万円、27年度が約6500万円と年々深刻化している。県内のイノシシの生息数の推計値も22年度が約3万5000頭、26年度が約4万9000頭と増加傾向にある。
(襲撃した個体特定のためDNA保存へ:秋田)
秋田県仙北市の山中でクマに襲われたとみられる女性が死亡したことを受け、県は28日、仙北市内でツキノワグマ被害緊急対策会議を開いた。県は被害拡大を防ぐため、被害者に付着したクマの体毛を採取し、DNAデータを保存。今後、地元猟友会が駆除したクマと比較し、襲撃した個体を特定する。高松武彦自然保護課長は「山菜採りには文化的な側面もあり全域での入山禁止は難しいが、粘り強く注意喚起したい」と話した。秋田県では昨年5から6月にも鹿角市で、クマに襲われたとみられる計4人が遺体で見つかった。
(山形新幹線、カモシカと衝突:山形)
27日午前8時25分ごろ、山形県米沢市のJR奥羽線米沢ー置賜駅間で、東京発新庄行きの山形新幹線「つばさ121号」(7両編成)が、線路内に入り込んだニホンカモシカと衝突した。列車はその場で緊急停止したが、乗客ら約260人にけがはなかった。車両を点検し、約30分後に運転を再開した。後続列車などに影響はなかった。JR東日本山形支店によると、国の特別天然記念物に指定されているニホンカモシカと列車の衝突事故は毎年数件あり、今年度は2件目。
(前にクマ後ろに警官、逃走の3人「挟み撃ち」:栃木)
宇都宮市の住宅で住人の女性(75)ら2人にけがを負わせたうえ、660万円相当の宝石が入った金庫などを奪ったとして、強盗致傷容疑で追跡されていた男3人が、栃木県日光市の山林を逃走中にクマに遭遇、県警の捜査員とクマに「挟み撃ち」される形となり、身柄を確保されていたことがわかった。事件は今月23日午後2時50分頃、県庁近くの住宅で発生。北九州市の18~22歳の男3人はこの日のうちに宇都宮市内に移送され、緊急逮捕された。捜査関係者によると、3人は住宅から約50キロ西の日光市足尾地区まで車で逃げた後、県警ヘリの追尾をかわそうと、国道のトンネル内に車を乗り捨てて山林に逃げ込んだ。地上からは20人以上の捜査員が後を追った。
(イノシシ目撃相次ぐ:石川)
15~16日にかけて小松、金沢両市の市街地でクマの目撃が相次ぎ、周辺の小中学校の通学路では見守り活動が行われた。クマは見つかっておらず、警察や猟友会が警戒を続けている。小松市符津町では15日午後3時45分ごろ、道路脇の林から体長約1メートルのクマが顔を出したのを通行人が見つけ、同日午後11時ごろまでに周辺で計6件の目撃情報があった。市は対策本部を設置し、小松署員らと周辺を見回ったが、クマの発見に至っていない。付近には住宅や学校もあり、16日には周辺の小中学校計4校で子供たちの登下校に合わせ職員らが見守りを実施。今後、1週間程度は警戒を続けるという。市や警察、猟友会は同日、合同で対策会議を開いた。また、16日午前6時50分ごろ、金沢市大桑町の犀川の河川敷で、体長約1メートルのクマが歩いているのを通行人が見つけた。駆け付けた金沢中署員らが、上流方向に移動するクマを確認。午前9時前、やぶの中に姿を消したという。近くにはスーパーや住宅もあり、金沢市教委は周辺の小中学校計8校に注意を呼びかけた。
(エアガン違法所持、容疑で消防職員書類送検:福井)
人を傷つける威力があるエアガン「準空気銃」を違法に所持していたとして、敦賀署が敦賀美方消防組合の男性消防職員を、銃刀法違反容疑(準空気銃の所持)で書類送検していたことが分かった。18日付。同組合によると、職員はインターネットオークションで準空気銃2丁を落札し、観賞用として所持。今年3月に敦賀署が職員の自宅や職場を家宅捜索し、押収した。同組合は「公務員として法令順守、服務規律の確保に努めていきたい」とコメントし、処分を検討している。
(クマと倉庫で鉢合わせ、64歳女性足かまれる:兵庫)
22日午後2時ごろ、兵庫県香美(かみ)町小代区新屋(おじろくにいや)で、近くに住む女性(64)が農機具倉庫に入ったところ、中にいたクマと鉢合わせになった。県警によると、女性は太もも付近をかまれて転倒。はずみで農機具が倒れて大きな音が鳴り、クマは外へ逃げたという。美方(みかた)署によると、クマは体長1・2メートルぐらい。女性は自分で近くの診療所に行き、軽傷だった。倉庫の中に食べ物は置いていなかったという。現場は兵庫県北部の山あいの集落。署員がパトカーで巡回し、住民に注意を呼びかけている。
(JR長野駅近くにイノシシ、男性襲われけが:長野)
26日午前5時20分ごろ、長野市のJR長野駅から南に300メートルほど離れた路上で、近くに住む60歳の男性が散歩していたところ、突然、イノシシが現れました。警察によりますと、イノシシは男性に向かって突進し、男性は牙で右のふとももを2か所刺されてケガをしました。ケガの程度は軽く、命に別状はないということです。イノシシは体長が1メートルほどあり、男性を襲ったあとそのまま逃げ、その後も東に1キロ余り離れた小学校のそばなど、市内各地で目撃情報が相次ぎました。午前8時すぎには、男性が襲われた現場から、南に1.5キロほど離れた路上で、警戒にあたっていた警察官や猟友会の人たちがイノシシを見つけ、周囲を取り囲んで捕まえようとしましたが、逃げられました。その後、イノシシは近くの集合住宅の建物と塀の間の幅およそ1メートルの隙間に追い込まれ、警察官などに左右をふさがれてじっとしているということです。警察などでは麻酔銃を使うなどして捕獲することにしています。
(クマ、連日の人里出没:石川)
十六日午前六時五十分ごろ、金沢市大桑町の犀川河川敷で、散歩中だった高齢の夫婦がクマを見つけ、パトロール中の警察官に伝えた。石川県警と県猟友会、市の担当者ら計十七人が、河川敷を犀川上流に向かってゆっくりと歩く体長一メートルほどの成獣を発見。クマは午前八時すぎ、約一キロ先の大桑貝殻橋付近の茂みに入って姿を消した。金沢中署などによると、クマが最初に発見された現場は大型の家電量販店や公園、民家が立ち並ぶ住宅街の一角。畑で農作業をする住民も多い。県自然環境課によると、今の時期は親グマから独り立ちした若いクマが元の生息地を離れる。繁殖期が近いこともあって広範囲に動き、人里に現れることがあるという。発見場所の近くを歩いていた市内の無職男性(67)は「この辺りには中学校もある。私自身、散歩コースにしているので怖い」と話していた。市教委は、クマが発見された場所の近くにある七校の小中学校に注意喚起をした。十五日にクマの目撃情報が相次いだ石川県小松市は十六日、現地対策本部を設置し、パトロールを強化するなど警戒を強めた。クマは住宅密集地にも出没しており、市は範囲を広げて見回りを続ける。クマは体長約一メートル。十五日午後三時四十五分ごろから同十一時ごろにかけて、市南部に位置するJR粟津駅周辺の符津町と矢田野町、蓑輪町で計六回目撃された。場所はいずれも市街地で、目撃状況から山地がある東部へと移動したとみられる。人への被害などは確認されていない。市は、防災行政無線で市全域にできるだけ外出を控えるよう注意喚起した。現場周辺では早朝から消防、警察が連携してパトロール。周辺の小中学校では教職員らが通学路で登校を見守り、下校では一部で授業を短縮し、児童、生徒全員をクマの活動が活発になる日没前に帰宅させた。十七日以降も山地方面へと範囲を広げてパトロールを続けるほか、山あいの小学校でも見守り活動を強化する。小松市内では昨年六十九件のクマ目撃情報が寄せられるなど、クマ出没が多発している。その多くは南東部の山あいだったが、今回は交通量の多い二本の国道、さらにJR北陸線の線路を越え市街地で姿が確認された。市農林水産課の山本哲也課長は「線路を越えたことは今までなかったのではないか」と驚く。山本課長によると、この時期は冬眠から覚めたクマが餌を求め活動が活発になる。地元猟友会の会員は「(目撃されたクマは)親離れして間もないのではないか」と指摘し、餌を求めて移動中に市街地へと迷い込んだ可能性がある。ただ移動ルートの特定は困難だ。クマは一晩で三十~四十キロを歩くこともあることから、今回のクマは同市の木場潟東部から加賀市の動橋地区周辺までの広い範囲が移動エリアになりうる。今回のように市街地に出没した場合でも麻酔銃の使用には警察の許可が必要。追い込んで捕獲するとしても職員の安全を考えると現実的ではない。山本課長は「そっと帰ってもらうことを願うしかない」と苦渋の表情を浮かべた。
(相次ぐクマ目撃、捕獲用おり新たに設置:兵庫)
兵庫県姫路市内で相次ぐクマの目撃情報を受けて、市は15日、同市夢前町又坂の山中に新たに捕獲用のおりを設置した。市内では4月以降、クマやふんとみられるものの発見が10件あり、看板を立てるなどして注意を呼び掛けている。おりは直径約60センチ、奥行き約180センチのドラム缶形。かごに入れたミツバチの巣を中につるした。触れて体重がかかると、入り口のふたが落ちる仕組み。市職員と猟友会のメンバーらが設置した。市などによると、市内では4月に5件の目撃情報が寄せられた。今月も7日に太市中の農道や、12日には夢前町寺の山裾でクマのものとみられるふんが見つかるなど5件の情報があるという。新たにおりを設置した夢前町又坂では3日に果樹園で、7日には山道でふんが発見された。個体の目撃情報はないが、近くに小中学校があるため警戒を強めている。近くの置塩中学校の上田美幸教頭(48)は「住宅街に出てくると怖い。生徒には夕方以降は山に近づかないように呼び掛けている」と話した。市は2日にも青山の山中におりを仕掛けたが、捕獲には至っていない。
(ニホンカモシカ、市街地逃走:愛知)
愛知県尾張旭市の市街地で12日朝、国特別天然記念物のニホンカモシカ1頭が見つかった。県警などが同日午後、無事捕獲した。守山署によると、午前7時すぎに「シカがいる」と目撃者から110番があった。署員や市職員が向かい、同市下井町下井の運送会社敷地内に逃げ込んだニホンカモシカの周囲を封鎖し、保護した。市の担当者は「近くに森や山はなく、どこから来たのか分からない」と話している。文化庁は「東北などで住宅街に出てきた例がある」としている。現場は名鉄瀬戸線三郷駅の南約1キロ。工場や住宅が密集し、近くには川が流れている。
(タケノコ食害、犯人はイノシシ?:徳島)
野生鳥獣による農作物被害が深刻化する中、阿南市山口町の山林で特産のタケノコを狙って夜間に動き回るイノシシの姿を、赤外線カメラが鮮明に捉えた。撮影したのは、環境省が行う里山調査にボランティアで参加している自然観察指導員の林秀則さん(67)=徳島市津田本町5。指定された調査エリアで生息する野生動物を確認するため、獣道にカメラを設置しており、10日夜、暗闇に浮かび上がる2頭のイノシシをレンズに収めた。イノシシ、シカ、サルを中心に、県内での野生動物の食害は年々拡大。林さんが管理する竹林のタケノコも、今季は3割ほどがイノシシなどに荒らされたという。林さんは「今後も撮影した野生動物の写真を公開していきたい」と話している。
(クマ?出没注意:徳島)
神山町下分の四国霊場12番札所・焼山寺付近で、クマのような動物を見たとの情報が県に寄せられていたことが26日、分かった。町が看板を立てるなどして注意を呼び掛けている。寺によると、現場は寺から約1キロ北の釘貫地区。19日午後8時ごろ、住職の親族の男性が自動車で走っていたところ、黒くて足が太い中型犬ほどの動物を見たという。昨年5、12月と今年4月にも周辺で「クマかもしれない動物を見た」と目撃情報があったため、寺は今月22日、県に連絡。県と町の職員が現地や付近を調査し、動物のものとみられる爪痕などが見つかったが、クマの痕跡とは断定できなかった。町は24、25日に寺周辺の自治会長らに口頭で注意を呼び掛け、寺入り口など3カ所に看板を設置。目撃された場所などにセンサーカメラ2台を取り付けた。
(クマ被害防止へ広報活動:青森)
岩木山麓とその周辺で先月から、山菜採りに出掛けた入山者がクマに襲われる事案が相次いでいることを受け、警察署など各関係機関は26日、弘前市十面沢の県道岩木山環状線(通称ネックレスロード)で、クマの被害を防止するための広報活動を行った。関係者は「熊除(よ)けスプレーや鈴を持参し、複数で行動するようにして下さい」などと書かれたチラシ、笛など約100セットを用意。15人ほどが道行く車やバイクの運転者を呼び止め、「この辺りもクマが出ます」「(音を出せばクマが逃げるので)笛を鳴らして山に入ってください」などと呼び掛けた。
(クマ目撃情報で2校が集団下校:宮城)
25日午後0時40分ごろ、宮城県利府町神谷沢北沢の県道で体長0.6メートルのクマの目撃情報があり、近くの利府二小(児童370人)と菅谷台小(334人)は教諭らが先導し、集団下校した。県内では仙台市泉区根白石青笹山でも午後5時半ごろ、体長約1.5メートルのクマの目撃情報があった。
(遭難やクマに注意、臨時交番開設:青森)
黒石警察署は25日、タケノコ採りなどが入山する平川市葛川地区に臨時交番を設置した。県内ではことしクマの出没情報が36件あり、3人がクマに襲われてけがをした。臨時交番では6月末までの土日に警察官が泊り込み、遭難やクマ出没に注意を呼びかける。
(小学校近くにクマ:青森)
むつ市北関根で25日午前クマ1頭が目撃された。すぐそばにある関根小学校では安全確保のため児童の下校に教職員や保護者が付き添った。むつ市ではこの1週間でクマの目撃情報が5件相次いでおり、市や警察が注意を呼び掛けている。
(車の陰にクマ:福島)
24日午後7時35分ごろ、会津若松市宝町の駐車場で、車に乗り込んだ男性から「クマを目撃した」と会津若松署に通報があった。同署によると、クマは体長約1.3メートル。男性が車に乗り込み、ライトを点けた際、前方に止まっていた別の車の陰にクマ1頭がいるのを目撃した。クマは、東に走って湯川方面に逃げたという。現場は住宅やアパートが密集する住宅地。同署は市に連絡するとともにパトロールするなどして注意を呼び掛けている。
(林道にクマ2頭:秋田)
24日午前9時50分ごろ、秋田県鹿角市十和田大湯字大平の林道にクマ2頭がいるのを、青森県から山菜採りに訪れた男性が見つけた。鹿角署によると、クマは体長約1メートルと約50センチで、親子とみられる。男性が車で走っていたところ、2頭は林道を横切り山林内に入っていった。現場は十和田湖近くの発荷峠から東南へ約500メートル。昨年クマによる人身被害が相次いだ熊取平、田代平に近く、同署は山菜・タケノコ採りでの入山自粛を呼び掛けている。
(クマ1頭目撃:宮城)
24日午前6時ごろ、仙台市泉区寺岡2丁目の市道で、体長約1.2メートルのクマ1頭が道路を横切り、道路脇の草むらに入っていくのを通行人が目撃した。現場は寺岡中から南に約600メートルの住宅街。泉署などが注意を呼び掛けている。
(クマが車に衝突:宮城)
23日午前8時ごろ、宮城県大崎市岩出山上真山の市道で、栗原市の会社員男性(25)の乗用車が道路脇から出てきたクマと衝突した。クマはすぐに現場から立ち去り、男性にけがはなかった。男性によると、クマの体長は1メートル強で「最初は黒い塊にしか見えず、クマと分からなかった。怖かった」と話した。現場は山林に囲まれた道路で真山小から約300メートルと近く、鳴子署などが注意を呼び掛けている。県内では23日、午後2時15分ごろ仙台市宮城野区岩切台屋敷で、午後6時10分ごろには大和町小野煤懸でもクマが目撃された。
(ゴルフ場に「クマ」:福島)
20日午前11時ごろ、会津若松市のゴルフ場で、プレー客やコース内で作業をしていた従業員がコース内を歩くクマを目撃、会津若松署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートルで、コースを横切り逃げたという。ゴルフ場関係者によると、これまでに周辺での目撃情報はあったが、コース内では初めて。同日は営業を続け、クラブハウス内などに注意を呼び掛ける貼り紙を出した。プレー終了後、市有害鳥獣捕獲隊が付近をパトロールしたが、クマの姿は確認できなかった。同署は安全確保のためパトカーで現場付近をパトロールし、広報するなど注意を呼び掛けている。
(クマ出没注意:鳥取)
19日午前5時ごろ、鳥取市の久松山登山道の4~5合目付近を歩いていた男性が、ツキノワグマを目撃した。近くには県庁や小学校もあり、市が注意を呼び掛けている。市農業振興課によると、男性が木の揺れる音に気付いて見たところ、クマが山中に入っていった。成獣よりも小さかったという。
(クマ3頭を目撃:福島)
19日午後6時25分ごろ、会津若松市門田町黒岩字花見ケ丘で犬の散歩をしていた自営業男性(59)から「クマ3頭を目撃した」と会津若松署に通報があった。同署によると、クマは体長約1メートルが1頭、体長約50センチが2頭で、親子とみられる。山の山頂方面に逃げたという。同署が注意を呼び掛けている。クマは今回の目撃現場周辺で4月16日と同30日、今月2、6の両日にも確認されている。
(クマ目撃:福島)
18日午前3時55分ごろ、喜多方市慶徳町山科の県道でクマ1頭を目撃したと、車で通行していた男性から喜多方署に通報があった。同署によると、クマは体長約1メートル。阿賀川の河川敷から山林に向かって道路を横断したという。
(住宅地にクマ出没:栃木)
17日午前8時5分ごろ、日光市高徳、会社員男性(55)が「自宅敷地内の小屋にクマが入り込んでいた」と今市署高徳駐在所に通報した。現場は山際の住宅地で、約500メートル西に東武鬼怒川線新高徳駅がある。同署によると、男性は同0時半ごろ、ガラスが割れる音を聞き屋外に出たところ、小屋にクマが入り込んでいるのを目撃。懐中電灯で照らしたところ、隣接する山の方に逃げたという。小屋には植物や肥料が保管してあり、出入り口の窓ガラスが割れたが、けが人はなかった。
(クマの目撃情報相次ぎ通学路で見回り:石川)
15日夕方から夜にかけて石川県小松市の住宅地で、クマが相次いで目撃され、16日朝、近くの小中学校では通学路での見回りが行われた。15日午後4時頃から午後11時頃にかけて石川県小松市の住宅地などでクマの目撃情報が6件寄せられた。
(木の上のクマ目撃:福島)
16日午前6時45分ごろ、会津若松市河東町八田で、犬の散歩をしていた男性が木の上にいるクマを目撃したと、同市を通じて会津若松署に通報があった。同署によると、クマの体長は約1メートルで、木から降りて近くの山林に逃げたという。同署や市が注意を呼び掛けている。
(住宅街にサル出没:福島)
いわき市泉玉露の住宅街に18日、サル1頭が姿を現した。市によると、このサルは昨年夏ごろから市内各地に出没しているサルとみられ、市や県が足取りを追っている。市によると、同日午前から泉地区での目撃情報が寄せられた。午後3時50分ごろ、サルは再び同市泉玉露に姿を見せた。同市はサルを見た場合、近づいたり大声を出したり、餌をやることなどをしないよう呼び掛けている。このサルはカメラの前でも動じず、人に慣れた様子。民家の柵の上に座ったが、すぐに姿を消した。各地を転々としているとみられるが、住宅街にサルが安住できる「サルノコシカケ」はなさそうだ。
(政府、ジビエ利用拡大方針)
政府は23日、「農林水産業・地域の活力創造本部」(本部長・安倍晋三首相)を開き、シカやイノシシなど野生鳥獣の肉を食材にする「ジビエ」の利用を拡大する方針を明らかにした。来年度に全国で12のモデル地区を指定し、狩猟者の育成や流通体制の確立を目指す。2019年度にはジビエの消費量を倍増させる考えだ。ジビエは欧州発祥の食文化で、脂肪が少なく引き締まった肉質で栄養が豊富なことから日本でも人気が高い。農業被害を防ぐため、シカやイノシシを駆除する農村地域では、食肉利用で所得向上にも役立つ一石二鳥の切り札として注目を集めている。だが、ジビエの普及には安定的な捕獲や供給が不可欠。狩猟者が高齢化で減少し、流通体制も整っていない現状では、利用拡大に課題が多かった。そこで政府は来年度、全国で12のモデル地区を公募により指定し、ジビエの利用拡大に向けた支援を始める。狩猟者に野生鳥獣を食肉として利用するための処理方法を教える研修を行い、人材を確保する。捕獲後すぐに解体処理できるトラックや、年間1000頭以上を処理できる地域の中核となる処理加工施設も整備する。野生鳥獣にいる細菌や寄生虫の感染拡大を防ぐため、適切な衛生管理を行っている処理施設を認証する制度も設ける。消費者の安心のためには、保冷施設に保管するジビエの捕獲日や捕獲者などの情報を提供する情報管理システムの開発を支援する。ジビエ料理を扱うレストランのガイドマップのほか、家庭でジビエ料理を楽しんでもらうため、コンテストも計画する。現時点では、ジビエ利用の正確な統計はないという。政府は今後、消費量を調査し「19年度にはジビエ消費を倍増させたい」(農林水産省)としている。
(シカと列車接触、10年前の4倍:岩手)
シカと列車との接触・衝突が頻発している。2016年度にJR盛岡支社管内で発生したシカとの接触事故は263件(カモシカを含む)と、10年前の約4倍に上った。同支社では様々な対策を講じているが、接触事故を抑え込むには至っていない。背景に狩猟者の減少などによるシカの捕獲域の拡大がある。同支社管内でのシカとの接触事故は、06年度は62件だったが、09年度は203件、10年度には229件と年々増え、13、14年度は300件を超えた。けが人が出る事態にはなっていないが、車両下にシカが巻き込まれると、乗務員1人で重さ数十キロのシカを取り除かねばならず、列車が遅れるケースもある。中でも接触事故が多いのが釜石線で、昨年度の263件のうち162件と半数以上を占める。岩手県によると、シカに野菜やコメ、牧草のほか、スギやカラマツの芽が食べられる農林業被害が出ており、自然植生への影響も懸念される。被害額は15年度、約2億2000万円に上った。シカが捕獲された場所は、06年度は釜石市や大船渡市などにまたがる五葉山を中心とした地域だったが、15年度には秋田県境の一部自治体を除き、県内ほぼ全てで捕獲され、北に広がっている。環境省の推計では県内のシカの生息数は約4万頭。個体数が増加傾向にあり、餌を求めて北上しているとみられる。その背景にあるのは、高齢化による狩猟者の減少や耕作放棄地の増加だ。15年度、県内で狩猟免許を所持するのは約2800人と1989年の約半分にまで落ち込んだ。自治体などは電気柵の設置や狩猟免許の取得費用の補助といった対策を取っているが、被害を抑え込めてはいない。県は「特効薬的な対策はなく、様々な対策を組み合わせ、地域ぐるみで地道に取り組むしかない」とする。同支社は今年2月から、シカと接触した際に早期に運転再開できるよう、釜石線や東北線を走る車両1両の前面下部に排障器を試験的に設置した。ハの字形、ステンレス製で、ぶつかった際にシカを線路外に押し出し、車両の下に巻き込みにくくした。このほか釜石線では、ライオンのふんから成分を抽出したシカの忌避剤散布や、沿線の計4・4キロにわたって高さ2メートルの侵入防止ネットを設置するなどの対策を行っている。ただ、忌避剤の散布は衝突の多い春と秋の2回程度。同支社では排障器の効果を見守るとともに、侵入防止ネットの延伸も予定する。「シカの増加にかかわらず、接触を減らし、遅れをなくすことが重要。対策は簡単ではないが、できることはやっていきたい」としている。
(増えすぎたキョン、被害深刻:東京)
伊豆大島で小型のシカ・キョンが増え、農作物の被害が深刻化している。推定約1万3千匹。都は捕獲を強化することを決めた。キョンは中国東南部や台湾が原産で、国内は大島と千葉県の房総半島にすみついた特定外来生物だ。大島では1970年、都立大島公園の施設が台風で壊れ、園内で放し飼いだったキョン十数匹が逃げて野生化し、増えてしまった。日没迫るころ、島を回り始めた。民家がなく車もあまり通らない東側に入ると、道路脇の草むらに50センチほどの茶色の姿が見えた。キョンだ。あっという間に森に逃げ込む。警戒心が強い。暗がりに1匹、また1匹……。急に車の前に小さな姿が飛び出した。「ごつ!」と鈍い音。「ひいちゃった?」、すぐ外に出て見たが、逃げた後だった。1時間半で9匹遭遇した。翌朝は歩いて2匹見た。車やバイクの運転中、キョンをよけてけがをした人もいたという。農家は特産のアシタバや園芸植物、サツマイモなどを食べられ困っている。農作物被害は少なくとも年間370万円前後にのぼる。和泉登宇子(とうこ)さん(53)は「父の生活の糧だった4千平方メートルのアシタバ畑が、1週間で丸裸にされた」と話す。3年前のことだ。父・参郎(さぶろう)さんは網を張ったが、破られた。都や大島町、省庁にも対策や補償を訴え続け、昨秋亡くなった。「都にはキョンを逃がした責任がある。こんなに増える前に手を打てなかったのか」と登宇子さんは悔しがる。キョンのメスは1歳で子を産めるようになり、年に1匹出産する。大島には天敵もいないので、何もしないと増える一方だ。都が捕獲を始めたのは2007年で、94匹だった。銃や様々なわなを使って14年は千匹超を捕獲。昨年度は島外からハンターチームも呼び、約2200匹捕った。農家の要望を受け、町も昨年度から網を付け始めた。作業者たちは毎日、農家を回り、高さ約1メートルの網で畑を囲っていく。「超えないよう、もう少し高さがほしい」「捕獲網も仕掛けたいが、畑を守るのが優先。希望が多くて作業が追いつかない」とこぼす。高木章雄・都自然環境部計画課森林再生担当課長は「根絶が最終目標だが、島民の協力を得て、まずは増加を抑えたい」としている。小池知事は26日の定例会見で、大島で増えている特定外来生物キョンの捕獲チームをつくり、名前やロゴマークを募集すると発表した。「キョンの問題を知っていただく効果を期待し、皆で対策を進めていきたい」と話した。
(猟銃購入費助成を拡大:山形)
鳥獣被害対策の担い手となる狩猟人口を確保するため、山形県は本年度、銃などの購入費用の助成事業を拡大する。助成対象を昨年度の40人から80人に倍増させる。初期費用の負担を軽減し、狩猟の裾野を若い世代にも広げたい考えだ。対象は狩猟免許試験に合格し、県猟友会に加入した人。銃や保管庫の購入費用の3分の1(上限5万円)を補助する。県は本年度、昨年度の約2倍となる408万円を予算に計上した。県みどり自然課によると、県猟友会の会員は1978年度の7141人をピークに減少を続けてきた。啓発活動の強化などで2015年度に37年ぶりに増加に転じたものの、昨年度の会員数は1460人にとどまる。会員の高齢化も深刻で、約7割が60歳以上だ。狩猟免許試験は受験手数料が5200円かかるほか、猟銃は最低でも10万円程度、銃を保管する「ガンロッカー」も3万円程度が必要。新たに狩猟を始めるための経済的な負担は決して軽くない。県みどり自然課の担当者は「ベテランの猟師は今後数年から10年で一気に引退してしまう。将来を見据え、一定の狩猟人口を維持していきたい」と話す。県園芸農業推進課によると、サルやイノシシ、クマなどの野生鳥獣による農作物被害額は、04年度をピークに減少傾向にあるが、15年度も約5億8100万円に上っている。サクランボなど果樹の被害が約8割を占める。
(イノシシ捕獲、人材確保:茨城)
土浦市は、イノシシによる農業被害や市街地への出没の増加を受け、狩猟に従事する人材の確保に力を入れる。狩猟免許保有者の高齢化に伴い担い手不足が懸念される中、本年度、農村部以外の若手を含め広く狩猟の魅力を伝える講演会を開くほか、免許取得の際の費用の一部補助を行う。市農林水産課は「趣味としての狩猟をする人から女性まで人材確保を進めたい」と見据えている。同課や県猟友会によると、市内ではイノシシは山間の新治地区のほか、おおつ野地区の土浦協同病院周辺などで出没。2015年度で稲や果樹に計約627万円の農業被害が出た。市街地での生息拡大も確認され、市民生活への危険性も懸念されている。イノシシの捕獲頭数は北部の新治地区を中心に年150頭ほど。捕獲は市が猟友会土浦支部に委託している。ただ同支部の会員数は06年度の約170人に対し、16年度には94人とほぼ半減し、捕獲にも影響が出ているという。県内の猟友会の平均年齢は66歳。高齢化が進み、3年ごとの免許更新のたびに辞めていく人が増えているという。このため市は本年度、一般向けの狩猟講演会を企画。狩猟の魅力を伝える初の講演会が16日、同市国分町の四中地区公民館であり、市内外の6人が参加した。狩猟歴50年のベテランで県猟友会理事の清水昂さん(73)が講師となり、イノシシなどの害獣の繁殖や狩猟の状況、くくりわなや箱わな、猟銃の使い方を参加者に説明した。清水さんは「このまま狩猟免許取得者が減り、5年もたつと有害駆除隊が編成できなくなる」と危機感を募らせる。講習会に参加した牛久市の男性(43)は「イノシシによる農業被害を知って参加した。生の話を聞いて狩猟をやってみたいと興味を持てた」と話した。また市は狩猟免許(わな)取得費のうち、最大約1万3千円を補助する制度を始めた。同課は「免許は年間の費用がかかるので少しでも支援したい」とし、清水さんは「一人でも二人でも狩猟免許取得者を増やし、うまく世代交代していければ」と期待を込めた。
(カワウの営巣急増、銃は使えず:岐阜)
約260年前の「宝暦治水」の歴史を伝える岐阜県海津市の「千本松原」。国史跡でもある松林でカワウの営巣が急増し、松が枯れる心配が出てきた。松林を管理する国は対策の必要性を認めているが、銃が使いにくい場所なうえ、追い払えば営巣地の拡散を招きかねない。国も県も頭を抱えている。千本松原の正式な名称は「油島千本松締切堤(あぶらじませんぼんまつしめきりづつみ)」。長良川と揖斐川を分ける堤防上に、約1千本の松が南北1キロ近く続く。松は江戸時代、多くの犠牲者を出して薩摩藩が実施した治水工事「宝暦治水」を記念して植えられたと伝えられる。5月中旬、松林の下の歩道を歩くと、松林のほぼ半分で鳥の巣を確認した。頭上から「ピーピー」「ガーガー」という鳴き声が間断なく響いてきて、足元に視線を落とせば白いふんが多く落ちている。ふんの独特のにおいが鼻につく。千本松原を管理する国土交通省木曽川下流河川事務所海津出張所によると、カワウが増え始めたのは数年前。原因は不明だという。急増を受けて県が昨年、初めて生息数を調べたところ約200羽を確認した。環境省がカワウの保護管理ガイドラインで挙げる具体的な被害が、樹木の枯死だ。千本松原でも巣が集まる周囲では葉の減少は確認できる。愛知県・知多半島にある国指定天然記念物「鵜の山ウ繁殖地」では、ふんによる松林の枯死が起きている。河川事務所の担当者は「対策の必要性を感じている」と話す。専門家に聞くなどして具体的な対策方法を検討しているという。ただ、すぐ効く対策はない。松林に沿うように県道がのびており、カワウ対策を担う岐阜県農村振興課の担当者は「銃を使うには安全が確保できない」。岐阜県内ではここ10年ほど、カワウによる漁業被害額が年間2千万~5千万円程度ある。被害の9割近くはカワウに食べられたアユだ。カワウは巣から20キロ以上飛んでエサをとりにいくため、同課の担当者は「追い払っても繁殖地を拡散させたら漁業被害対策の意味がない」ともらす。県は昨年、2023年度までにカワウを半減させる目標を設定。昨年度から別の繁殖地で高性能の空気銃を使った個体数調整に乗り出し、今年度は卵が孵化しなくなる作用がある液剤をドローンで巣に散布する研究も始めた。カワウは在来種で、環境省はガイドラインで「平和的共存」を目指すと定めている。ただ、岐阜県を含む各地の自治体でカワウ対策の支援をする「イーグレット・オフィス」(滋賀県)の須藤明子専務は「国史跡の千本松原は共存を許容できる場所ではないだろう」と話す。拡散を覚悟して追い出すか、県道を通行止めにして捕獲する選択肢が考えられ、「放っておけば松は枯れる。対策をとるべきでは」と指摘する。
(歴史ある猟区を後世に:神奈川)
市内唯一の猟区として親しまれる鳥屋猟区を管理する「相模原市鳥屋鳥獣保護協会」(秋本昭一会長)がこの程、設立50周年を迎えた。秋本会長は「人間と動物が共存出来る環境づくりに、今後も取り組んでいきたい」と話す。猟区とは狩猟ができる区域。「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」に基づき設定され、地方公共団体が、各都道府県知事の認可を得て設定している。神奈川県内には、鳥屋の他、清川村、山北町三保、同世附の3つの猟区があり、鳥屋猟区は2013年11月から10年間の認可が県知事から更新されている。1921年に開設された鳥屋猟区。鳥屋地区の奥山である早戸川流域と串川源流部及び宮ヶ瀬湖畔の南山に位置し、面積は2995haほどの広さを擁する。首都圏から近く、自然に繁殖されたキジ、ヤマドリなどの鳥類や野兎、狐、狸、猪、鹿など数多くの獲物が豊富な猟区として、多くのハンターに親しまれてきた。そうした中、63年に「狩猟法」が改正され、鳥獣の保護を優先した法律に変更されたのを機に、鳥屋地区の住民が中心となり、旧津久井町から委託を受ける形で、猟区を保護管理していく協議を開始。67年5月25日に地元有志35人により「鳥屋鳥獣保護協会」が設立された。鳥屋猟区は11月15日から2月末日の土日が開猟期間。同区で狩猟を行うには、事前に県から入猟の承認(1日6300円)を受け、案内人が同行し、グループ単位(組猟)での入猟が原則となる。県内4猟区の内、このように保護協会を設立して猟区を管理しているのは鳥屋猟区だけだ。狩猟の区域、人数、日時などの制限を設けることで、事故の防止や鳥獣類の乱獲を防ぐことができ、自然環境と生物多様性の維持にも役立っている。現在協会の会員は62人。会員は区域内の清掃、森林整備や道路・橋の修復、管理捕獲や有害動物の駆除なども実施。安全に狩猟を楽しめる環境づくりにも力を注いでいる。秋本会長は「地域の方の理解と協力を得て、満50周年を迎えることが出来ました。今では、宮ヶ瀬ダムの建設による自然環境等の変化もあり、里山まで鹿や猪がエサを求め下りはじめ、農作物等の被害が大きく問題視されています。人間と動物が共生できる自然環境を作っていくことはとても大切なことなので、今後も引き続き努力していきたい」と話した。
(猟友会員で隊結成:山梨)
富士川町は、イノシシやシカなど野生鳥獣による農作物の被害が深刻化していることから、「鳥獣被害対策実施隊」を結成した。隊員は町猟友会員41人。
(狩猟免許取得の受講料など補助:山梨)
富士吉田市では新規で狩猟免許などを取得した市民を対象に、セミナーや教習にかかった受講料を補助する事業を始めた。
(日本各地でイノシシ猟師の「補助金詐欺」が激増中)
農作物に被害を与える鳥獣の捕獲を偽装して、市町村などから出る補助金を騙し取る詐欺が横行している。農林水産省によると、先ごろ全国の自治体に補助金申請時のチェックを徹底するよう通知したというが、そもそも補助金制度そのものが大きな利権になっているという見方もある。「鹿児島ではイノシシ1頭あたり1万2,000円の補助金が出るんですが、うち8,000円は国が補助する仕組みになっていて、自治体はとにかくこれを増やして金儲けしたいという感じでしたから、詐欺の増加もその副産物という気がします」こう話すのは鹿児島・霧島市の農業関連事業者で「地域によっては猟師が補助金目当てで、農家の被害以上のイノシシを捕獲しようとしている有様」だという。「イノシシが出ていなくても、被害報告を作ってくれと猟師が依頼しているんです。報告書を書いてくれたら5,000円の謝礼をするとかね」(同)実際、同市ではイノシシやシカに出る補助金が大量に騙し取られている。2013年度からの3年間で、少なくとも300件を超える不正が判明。この補助金は農家の被害報告を受け、猟師が捕獲したイノシシなどを時間や場所などを書いたボードと一緒に撮影、提出する形となっているが、同じ獣の写真を使い回すなどの虚偽が横行しているという。約3年前、和歌山で同種の詐欺をして書類送検された職員は、約10万円の不正補助金を手にしていたが、調べに対し「100件以上やっていた」と余罪を供述。この職員はシカやイノシシなど野生動物の肉を食用とするジビエの推進をする団体に勤めていて、その手の事情に精通していた。この職員を知る団体関係者によると「問題の職員は、ジビエなんか売るより補助金の方が儲かる、とハッキリ言っていた」という。「実際にそうなんですよ。捕獲イノシシの食肉流用は、あくまで個体の再利用の話。主軸は補助金なので、和歌山県内でもジビエに流用するのは捕獲した数の2%程度。それでも、猟師の収入を増やすために『補助金の枠を拡大しよう』ってやっている。これは行政の歪な仕組みも影響していて、農作物の被害に遭う農家は農林水産省の管轄でも、鳥獣退治に出る猟師は環境省の管轄。本来、農家が自分で罠を作って捕まえたっていいんですが、そうすると猟師の食い扶持が減るから、基本は猟師に依頼する形を勧めているんです。ジビエ普及なんて言っても、本音は高額な補助金を国から取りたいだけでしょう。ジビエは生肉を求める消費者はほとんどいないので、加工するための施設が必要になり、これまた採算度外視で公共事業が生まれてます」。政府は今、ジビエ普及を拡大するため、菅義偉官房長官を議長とする対策会議を設置。山林から消費地までの運搬ルートを強化して狩猟関係者が取り組みやすい仕組み作りに着手しているが、「捕獲した個体に補助金を出すことで成り立つビジネスだから、みんなが税金に群がっているだけ」と関係者。「結局、農水省や農協資本の業者、林野庁の残党みたいな連中が躍起になって起こしている巨大利権みたいなものにしか見えないんです。不正受給の取り締まりを強化しても、過剰な補助金の捻出があれば同じこと」(同)ある猟友会のメンバーに話を聞くと、「補助金制度をやめるなら、海外のように狩猟をスポーツ化して一般人にハンターをさせれば儲かる」と言っていた。動物殺しをレジャーにするなんて話が日本で理解を得られるはずもなく、ジビエ拡大を看板とした補助金枠の拡大が促されていくのだろうか。
(減少する狩猟文化の担い手:和歌山)
農作物の鳥獣害対策で捕獲されたイノシシやシカなどの肉が「ジビエ」として食材に活用され、猟期以外でもジビエ料理を提供する飲食店などが増え、より県民にも親しみの深いものになりつつあるが、狩猟の免許取得者は高齢化に伴って減少しており、全国的にハンターは「絶滅危惧種」だという声も聞かれる。確かな腕を持つハンターは地域の狩猟文化の数少ない担い手でもあり、継承が課題となっている。県内の熟練ハンターを取材した。平成27年度の県内のイノシシによる農作物被害額は1億6984万5000円円。被害額が大きく、増加傾向にある地域の一つが有田川町で、1953万8000円に上った。要因の一つにハンターの高齢化があるといわれている。こうした現状にあって、同町では深瀬俊一さん(64)を中心に高い捕獲率で活動をしているハンターグループがある。昨シーズンの猟期後半を迎えた1月中旬、深瀬さんは広川町の阪和自動車道広川インターチェンジに近い柳瀬山を狩猟の場に選び、平均年齢約70歳のメンバー4人と、飼育している猟犬ゴマとムクを連れて集まった。ふもとの山肌に新しい足跡がついていれば、イノシシが付近の寝床周辺にいると予測できるため、メンバーは毎回の集合前に足跡を探し、その情報を基に作戦会議を開く。この日は深瀬さんが足跡を発見した場所から犬を山に放すことに決まり、尾根付近に適度な間隔を空けて3人、そして、尾根づたいの谷川に1人のハンターを配置した。首に無線と鈴をつけたゴマとムクを山に放すと、メンバーはそれぞれの持ち場につき、トランシーバーに入ってくる鈴の音や吠え声で山中の様子を推察する。ふもとで待機していた深瀬さんは、次第に激しくなる吠え声を頼りに、しばをかき分けて山中に入り、尾根でゴマとムクが追い立てているイノシシを発見し、発砲。弾は惜しくも外れ、イノシシは山の斜面を逃走し谷川へと逃げ去った。谷川で身を隠すように待機していた永田佳造さん(80)は、すぐそばでピチャピチャという水の音を耳にし、「イノシシが逃げてきた」と即座に察した。息をひそめながら少し待ち、川から上がってくるイノシシに至近距離で発砲し、見事に命中した。銃声が山中に鳴り響いた後、永田さんが捕獲に成功したことをトランシーバーで聞いた深瀬さんは、絶好のチャンスを逃さずイノシシを仕留めた永田さんに声を掛け、「何年ぶりかな。良かったね」とたたえた。永田さんの持ち場は、サッカーに例えるとゴール前でシュートのチャンスを狙うトップの攻撃陣。狩猟を行う山をフィールドと捉え、効率よく捕獲する作戦を立て、銃の腕も確かな深瀬さんは司令塔兼エースだ。「狩猟は第一に猟欲のある犬、第二に銃の腕前、第三に山をよく知っていること」と話す深瀬さんの狩猟歴は44年。この日は早朝から昼過ぎまでにイノシシ2頭、午後からシカ1頭を捕獲した。高い捕獲率を誇る深瀬さんらのチーム戦は、11月から翌年3月までの猟期中、雨天でない限り毎週末に行い、成果を上げ続けている。
(鍵を握る猟犬の育成:和歌山)
イノシシの狩猟において、捕獲の鍵を握るのは犬だといわれており、古くからイノシシ猟に従事してきた人は、優れた猟犬を育てることに苦慮してきた。20歳の頃から猟を始めた有田川町の深瀬俊一(64)さんは、これまでに飼育してきた20匹の猟犬の中で「100点をつけられるのはわずか2匹だけ。良い猟犬は貴重」と話す。優れた猟犬は、山中でイノシシを発見すると攻撃的に吠え、気迫でイノシシをその場から動けなくする。そのため、ハンターが銃で仕留めるのが容易になり、捕獲の成功率も高くなるという。犬と共に山に入り、ホイッスルで誘導する役目「勢子(せこ)」を務める深瀬さんが現在飼育しているのは、3歳の雄のゴマと雌のムクのきょうだい。体重は2匹とも15~16㌔。黒目の部分が金色の「金目」で、猟犬に向いているという説もある。きょうだいの母・ココは気性が強く95点、その気性を受け継いでいるゴマは90点、気の優しいムクは55点と深瀬さんは評価する。「100点だった」と深瀬さんが思い出すのは、田辺市龍神村で過ごした少年時代に活躍していた雌のルビー。その胸には、勇敢さを証明するように数々の負傷の跡が刻まれていたが、ルビーは傷を負うたびに、積極的に攻撃する“猟欲”が強くなっていったという。近所の大人たちが狩猟を終え、獲物の処理などをしながらあれこれと報告をするのを聞きながら、深瀬少年はルビーの活躍ぶりに胸を躍らせていた。ルビーの血を引くココやゴマには猟欲の強さがしっかりと受け継がれているが、ムクは負傷の経験以来、恐怖心を抱いてやや消極的になったという。「50点の犬も勢子との信頼関係が築かれていれば、ちゃんとシシが狩れる」と深瀬さんは話す。犬の性格の違いを観察しながら、生まれて3カ月の子犬から一人前の猟犬になるまで訓練する過程がとても楽しいと笑顔を見せ、今後も育成を続けていこうと考えている。
(師から受け継ぐ経験と知恵:和歌山)
晩秋から早春にかけてが最盛期のイノシシやシカの害獣駆除は、山の厳しい自然と人が対峙(たいじ)することも強いられる。イノシシが発見されるまで、山中の自分の持ち場で待機する時間が長いと、寒さで手足は凍える。人と猟犬の疲労を軽減できる効率の良い猟のためには、イノシシが確実に山中にいることを示す、新しい足跡の見極めが重要だ。山肌についたイノシシの足跡の新旧を判別するのは非常に難しいが、有田川町の深瀬俊一さん(64)は20歳のころ、その見極めを当時70代だった中尾常楠さんに教わった。修行1年目は常に随行し、「これは昨日の」「これは夕べのやぞ」などと中尾さんが示す足跡を丹念に観察し、その形や土の乾き方などを目に焼き付けた。翌年からは、中尾さんが深瀬さんより一足早く、午前5時から山中に入り、懐中電灯を頼りに足跡を探し当て、頂上で待つというトレーニング法となった。6時に山のふもとに来るよう命じられた深瀬さんは、登りながら足跡を見つけ、頂上の中尾さんに報告できるかどうか試されるのだ。中尾さんに「あったか?」と聞かれ、「なかった」と答えると、ふもとまで約30分の道のりを戻される。3度ほどそれを繰り返すと、「桜の木の根元をよく見ろ」などとヒントをくれた。深瀬さんは足跡の見極めを習得するのに、約10年かかったという。足跡から「この辺りで(イノシシが)寝間を探しとる」とまで判別できた中尾さんだが、銃は不得手だった。銃の扱いや猟犬、山の知識については、それぞれ当時50代~70代だった松本健さん、松本哲さん、皆瀬貞弘さんらに教わった。故郷の田辺市龍神村で活動していたハンターチームのメンバーを師匠に、古くから厳しい自然の中で野生動物と付き合ってきた「狩猟文化」にのめり込み、体得していった深瀬さん。40年以上の豊富な経験から身に付けたものは「鋭い勘」だという。「厳しく、それぞれに完璧だった師匠のおかげで今がある」と感謝を話す深瀬さんは、5、6年に及ぶ猟師の見習い期間を終えた頃、持ち前の銃の腕前と優れた猟犬との出合いが相まって、猟期の捕獲頭数を飛躍的に伸ばした。病気で亡くなった中尾さんに見てもらえなかったことが心残りだが、今では見習い当時に教わった師匠たちの技を超えることができたことが誇りだ。今後も自分たちのチームで狩猟を続けていくという深瀬さん。経験に裏打ちされた巧みな技と狩猟文化を次代に受け継ぐことは、数多くの野生動物と向き合わなければならない、豊かな山を持つ和歌山にあって、重要性を増していく。
(わなマニュアル、県が作製:千葉)
イノシシなどによる農作物被害の拡大を受け、県は「イノシシ・ニホンジカ わな捕獲マニュアル」を作製した。わな猟のコツなどを具体的に解説し、有害鳥獣対策の拡大を目指している。
(白神のシカ監視強化:秋田)
白神山地の世界自然遺産地域周辺で目撃されているニホンジカ対策として、国と秋田、青森両県で組織する白神山地世界遺産地域連絡会議は、本年度も監視カメラを設置して生息状況の把握に努める。昨年度より17台多い130台を設置する計画で、25日には林野庁東北森林管理局が八峰町八森字真瀬沢の国有林に、冬場取り外していたカメラ1台を再設置した。本年度のカメラ設置は先月中旬に始まり、この日は遺産地域の西約4・1キロの地点に設置。ここでは昨年10月30日に雄1頭が撮影されていた。同管理局藤里森林生態系保全センター(泉光博所長)の職員3人が、林道脇の立ち木にワイヤで取り付けた。また遺産地域の西約6・5キロの国有林(八森字八森山)に、4月17日に設置したカメラのデータを回収。シカが映った形跡はなかった。この地点では昨年9~11月に雄1頭が4回撮影されたという。
(イノシシ被害対策確認、指導員に研修会:佐賀)
イノシシなど野生鳥獣による農作物被害を防ごうと、佐賀県は23日、小城市三日月町で対策指導員向けの研修会を開いた。市町やJAの担当者、猟友会メンバーらが被害の現状や効果的な対策を確認した。野生鳥獣による県内の15年度の農作物被害額は1億7500万円。ワイヤメッシュ柵の設置など対策が進み、02年度の7億円をピークに減少しているものの、イノシシによる被害は1億1千万円と全体の63%を占めている。研修では、県農業技術防除センターの担当者が、イノシシは学習能力が高く、防護柵に慣れてしまった個体は捕獲しなければ1頭でも被害が発生すると説明した。イノシシによる被害が相次ぐ要因には「人工林の手入れが行き届かず、耕作放棄地も拡大していることがある」とし、イノシシの捕獲だけでなく、集落周辺の環境改善や農地管理を徹底するよう呼び掛けた。研修は2006年から毎年実施。鳥獣捕獲の関係法令や先進地の取り組み事例の説明もあった。
(イノシシ被害防ぐ:滋賀)
滋賀県の彦根市農業委員会農政部会(田中金二部会長)は、市と共同でイノシシによる農作物被害を防ぐため、今年2月から荒神山の林道で獣害グレーチングの設置による実証実験に取り組んでいる。一般的なグレーチングは、側溝などで多く使われる格子状の金属製のフタであるが、彦根市の獣害対策では格子状でなく、六角形タイプを使っており、県内初の取り組み。また、付近にはセンサー付きカメラを設置してイノシシの行動も把握するという。イノシシは、神経質で警戒心が強く、学習能力も高いといわれているが、このグレーチングは、イノシシが渡りにくいという特長をもっている(図参照)。県内では、格子の間隔が広い獣害グレーチングを導入している地域もある。しかし、設置する林道は、荒神山の山頂にある神社の参道としても利用され、また、ウォーキングやロードバイクなどで人が多く通行する。そのため、人が安全に通行でき、イノシシよけにもなる一石二鳥の役目を果たす六角形のグレーチングの導入にたどり着いた。彦根市の中央部に位置する同山は、平野部にある独立した山であり、周囲には圃場整備された水田が広がっている。この山にイノシシが生息し始めたのは、10年ほど前。そのころから、農地への被害が深刻となった。そのため、市では山の周囲に柵を設置。この山は、他の山と連なっていないため、全体を柵で囲えば被害は防げるが、林道は柵が設置できず、被害が防げなかった。参道の近くで耕作している同農業委員会の田口源太郎会長も被害にあった担い手の一人。「対策を打たなければ、優良農地が耕作放棄地になり、担い手の集積に支障が出かねない」と危機感を感じていたという。そのため、同部会では、先進的に獣害対策に取り組んでいる県内の先進地を視察。その後、委員会の中に獣害対策を検討しようという機運が高まり、市や県と連携して検討してきた。農業委員会も、市長への建議の中でこのグレーチングの設置を強く要望した結果、2016年度に予算化され、設置が実現した。「今後も獣害対策を農業委員会の重点課題として、地域の農家が安心して耕作できるようしっかりと取り組んでいきたい」と田中部会長は意欲を見せる。
(クマ出没増、警戒を:鳥取)
全国でツキノワグマの出没が相次いでいる。今月に入り、青森や新潟などで山菜採りをしていた人が襲われて負傷する事案も発生。県内でも目撃情報が急増している。5、6月は冬眠明けのクマが食料などを求めて人里近くまで下りてくる時期で、県などは注意を呼びかけている。県によると23日現在、県内でクマの目撃情報は12件。足跡などが見つかった「痕跡」事案は2件で、イノシシ用のワナにかかるなどした「捕獲」事案が9件寄せられている。19日には、登山客の多い久松山(鳥取市)の山道脇で子グマ1頭が目撃された。今のところ負傷者はいないが、集落近くに頻繁に出没している例もあるという。県は今年度、保護管理計画を見直し、集落や田畑などと、その境目から約200メートルまでの範囲を「人の生活ゾーン」、その外を「クマの生息ゾーン」に区分。人ゾーンで捕獲された個体については、人や農作物の被害がなくても、住民が不安を感じるなど「精神的被害」が認められれば殺処分すると決めた。23日までに人ゾーンで7頭が捕獲され、うち2頭が殺処分された。5、6月はクマの繁殖期で、若い雄が雌や食料を求めて行動範囲を広げる。山菜採りやハイキングで山中に入る人が増える時期と重なり、いっそうの警戒が必要だ。対処法として、鈴やラジオなどの音で「人の存在」を知らせることが大事とされる。ただ、ツキノワグマの生態に詳しい兵庫県森林動物研究センターの田口彰・業務部副部長は「山菜などに夢中になっているのはクマも同じ。音が聞こえていない場合もある」と注意を促す。また、クマは本来臆病な動物で、人がいるとわかれば近づいてこないと指摘。「急に人に出くわすと、一撃を与えてから逃げようとする習性がある。不用意に山中に入らず、見かけたら静かに立ち去るなど、『鉢合わせ』をしない工夫が必要」としている。
(クマ出没、前年度比で倍増:新潟)
2016年度の県内のツキノワグマ出没・目撃件数が前年度から倍増し、947件に上ったことが18日、県のまとめで明らかになった。15年度に餌になるブナの実が豊作で子グマが増えたが、16年度は不作で餌を求めて人里に下りるケースが多かったとみられる。17年度に入った4月以降もクマの目撃が相次ぎ、襲われてけがをした例も出ていることから、県などは注意を呼び掛けている。出没件数は、新潟市中央区で開かれた野生鳥獣の保護や管理対策を考える検討会で報告された。16年度の出没・目撃は15年度(445件)の2倍を超え、クマに引っかかれたり、体当たりされたりして、胎内市や長岡市などで4人が負傷した。17年度も17日現在で46件の出没・目撃があり、今月14日には阿賀町で山菜採りの70代男性1人が襲われてけがをした。検討会で委員を務める箕口秀夫・新潟大教授は「2年続けてのブナの不作は過去10年はないが、山の状況を見ると、ことしも引き続き不作。クマが多く出る可能性はある」と指摘。県内では近年、秋よりも春に出没が多く、15年度の豊作で増えたクマが繁殖期を迎えて初夏ごろに行動範囲を広げるとして、注意を促した。検討会ではこのほか、農産物被害の多いサルやイノシシについて、専門家が「わなによる捕獲の研修会を開催してはどうか」などと提案した。県は、県内で漁業被害が出ているカワウについても17年度中に被害金額をまとめ、管理計画を策定する方針を示した。
(イノシシ急増、対策実施隊22人任命:愛知)
瀬戸市内における2016年度のイノシシの目撃情報が、統計を始めた12年度以来、最多を記録した。71件だった15年度に対し、16年度は約2.5倍の176件に。市は被害防止に取り組んでいるが、急増に頭を悩ませている。市文化センターの隣にある同市西茨町の南公園。犬の散歩をする人や学校帰りの中学生らがひんぱんに行き交う道のそばに「イノシシに注意」の看板が立っている。今月上旬、市民から目撃情報が多数上がっていることを受けて市が設置した。ふだん夕方に犬の散歩をしている六十代の主婦は「四月前半に、散歩中にイノシシがいるのを二回も見た。人になれているようで、道から一メートルくらいしか離れていなかった。休日は小さい子どもも遊びに来るし、犬も襲われたら怖い」と顔をくもらせた。市アグリカルチャー推進プロジェクトチームによると、市民公園や東公園、南公園など都市公園周辺で目撃が多い。公園の芝生の掘り返しや、農作物被害が発生しているという。市内には約百二十カ所におりを設置し、今年三月には東公園の林の中におり一基を設置した。公園内に置くのは初めてという。おりで捕獲した数は、一六年度は二百五十四頭に上った。急増した理由は不明だが、同プロジェクトチーム担当者は「単純に人がいる場所だから目撃が集中しているということもあるが、えさを求めて市街地に下りてきている。年に一回ではなく二回出産するイノシシも出てきており、個体数が増えているのでは」と推測する。市は四月十九日、瀬戸、品野猟友会が推薦する猟師二十二人を新たに「市鳥獣被害対策実施隊」に任命した。実施隊を設置している地方自治体としては、県内で十三番目になる。これまではボランティアで両猟友会にイノシシなどの害獣駆除をしてもらっていた。今回、実施隊に任命することで非常勤の公務員に位置付け、日当を支給し、活動中にけがなどをした場合には公務災害として補償することにした。活動しやすい環境を整えることで、鳥獣害対策を促す狙いがある。品野猟友会の江尻達彦会長(73)は「(イノシシは)おりの存在も警戒して簡単にはかからない。追い払うだけで終わってしまう場合も多い。どんどん駆除しなければならないが、猟師は高齢者ばかりで大変」と話した。担当者は「捕獲と、柵を設置するなどの防除を徹底するしかない。市民には、イノシシを目撃しても自力で追い払おうとせず、近寄らないで通報してほしい」と話した。
(ツキノワグマ出没注意報:秋田)
秋田県が現在、ツキノワグマの目撃情報をインターネットの地図上に公開するなどして、注意を呼び掛けている。県内では昨年、ツキノワグマ出没が相次ぎ、5月・6月には死亡事故4件を含む8件の人身事故が発生。今年も5月9日に、大仙市協和で山菜採りの男性がクマと遭遇し重傷を負う事故が発生し、鹿角市十和田大湯熊取平と田代平地域では、周辺地域の立ち入り規制を行っている。県は、注意を呼び掛けるため、県内全域に「ツキノワグマ出没注意報」を発令し、「人身被害発生」「捕獲」「目撃情報」に分けてクマの出没地点を掲載したグーグルマップやリーフレットを作成。「2人以上で行動すること」「音を出しながら行動すること」「クマと遭遇したら、ゆっくり後ろに下がり、静かにその場から立ち去ること」「クマを引き寄せないため、生ごみや残飯などを放置しないこと」などの注意を呼び掛ける。県自然保護課の担当者は「これからの季節、クマの繁殖行動や親子グマの出没に注意が必要。特に、山に入る際は自分の身を守る対策や、地域の目撃情報を確認するなどの予防対策も重要」と話す。地図などの情報は、県警察本部が提供する目撃情報などにより更新する。
(クマ撃退へ超音波装置試験:長野)
伊那市有害鳥獣対策協議会(会長・白鳥孝市長)はツキノワグマを人里に近寄らせない対策として、地震の前兆で発生するのと同じ超音波を使って撃退する鳥獣被害対策装置を同市平沢に試験導入した。近隣には伊那西小学校があり、児童の安全確保にもつなげながら効果を検証する。22日に市役所で開いた同協議会総会で報告した。超音波は地面に亀裂が入る時に起きる「AE波」で、鳥獣は付近一帯を危険と認識して周辺から忌避するという。今回導入したのは群馬県のアンナカが開発したAE波発生装置「バリアトーン」。全国の自治体や民間約300カ所で利用され、鳥獣対策に効果を上げているという。クマについても県内では上高井郡高山村で導入されており、同社の安中浩社長(65)は「ひと山(2~3キロ)程度撃退でき、音波が出ている限り効果が持続する」と説明する。伊那市の協議会はクマ対策に先駆けて4月、カラス対策用として同市西春近のブロッコリー畑に同装置を設置。畑が掘り返されるなどの被害がなくなっており、関係者はクマへの効果も期待する。同市の昨年度の有害鳥獣捕獲数で、クマは63頭と過去5年間で最多。前年度に比べて2.5倍に増加した。近年のクマの農業被害は年間100万円前後だが、目撃情報などを合わせて西山山ろくの横山、ますみケ丘、西春近に集中している。今回の装置はアンナカ社から無償貸与を受け、横山、ますみケ丘にも近くクマがたびたび出没する小沢川の段丘上の山林に設置した。この日の同協議会総会では、同市の有害鳥獣対策事業の状況を報告した。ニホンジカの捕獲数は前年度よりも296頭少ない1170頭で5年連続減少。「対策効果で個体数が減っているのでは」との見方も示される一方、中央アルプスの高山帯への拡大防止の推進など対策の継続を確認した。
(クマ出没、ネットで共有:北海道)
インターネットを通じてクマの出没情報を共有するシステム「ひぐまっぷ」の運用が、道南の自治体を中心に今月から始まった。自治体担当者がクマの出没情報をパソコンに入力すると、関係者の間でリアルタイムに情報共有でき、迅速に対策を取ることができる。クマが多く生息する渡島半島での出没状況を把握するため、道立総合研究機構道南地区野生生物室(檜山管内江差町)などが、渡島管内八雲町と森町での実証試験を経て、開発した。渡島、檜山管内の17市町、後志管内3町村の計20市町村と道がシステムに登録。自治体の担当者が出没場所や被害の有無を入力すると、ネットの地図上に表示される。情報を受けた野生生物室は「出没地点周辺にごみの散乱がないか」といった危険回避の助言を、該当自治体の担当者に電話などで伝える。
(「カラス侵入禁止」の張り紙を貼ったらカラスがやってこなくなった:岩手)
大槌湾に面した東京大学国際沿岸海洋研究センターは2011年の震災時に津波が最上階の3階に達したため、3階のみ仮復旧して、1、2階は片づけた後物置として使っていたという。カラスの被害が目立ち始めたのは2015年春のことで、建物の窓や扉がないことに目を付けたカラスが、1階の天井配管の断熱材を巣作りに拝借するようになったという。センター職員から相談を受けた佐藤教授にもよいアイデアが浮かばず、知人でカラスの専門家という宇都宮大・雑草と里山の科学教育研究センターの竹田努研究員(環境医学)に相談したところ、「警告文を出してみては」というアドバイス。半信半疑で張り紙を出してみたら、これが効果絶大だという。竹田研究員によると、警告文を目にした職員や学生がカラスに視線を向けたり指さしたりすることで警戒して寄りつかなくなるらしい。そのためカラスを見る人が増えるほど効果的だという。
(山菜採りの入山「注意を」:秋田)
秋田、青森の両県警は18日朝、昨年クマによる死亡事故が相次いだ鹿角市の十和田高原地区周辺で通行車両に注意を促す合同検問を実施した。死亡事故の現場付近では今季もクマの生息が確認されており、鹿角署は「危険がある場所には入らないでほしい」と求めている。昨年、同地区でクマに襲われ犠牲となった4人のうち、2人が青森県民だったことから初めて合同検問を行った。この日は両県警のほか、青森県や周辺市町村の関係者ら約40人が参加。国道沿いなど4カ所で通行車両を呼び止め、「クマの出没地域には入らない」「クマが活発に動く夕暮れや明け方には注意」などと書かれたチラシをドライバーに配った。
(クマに気を付けて、チラシ配り注意喚起:秋田)
昨年5~6月に秋田県鹿角市でクマに襲われる事故が相次ぎ、4人が死亡したことを受け、県警は20日、県内全15署の管内でそれぞれ、クマによる人身被害防止を呼び掛ける広報活動を行った。このうち今年初の人身被害が管内で発生した大仙署は、同署や消防、大仙市協和支所の計18人が山菜採りの入山者へチラシを配布し、注意喚起した。
(シカの食害、物語で解説:山梨)
南アルプスユネスコエコパーク県連絡協議会(会長・金丸一元南アルプス市長)は、ニホンジカによる食害を解説するパンフレットを作った。少年が食害について関心を深めていくストーリーを絵本仕立てにしている。
(シカ食害から緑を守れ:高知)
シカの食害で荒廃した山に植物を取り戻そうと5月20日、高知県香美市物部町の三嶺山系「さおりが原」周辺で、香美市内外のボランティア120人が食害から植物を守るネット柵を設置した。「三嶺の森をまもるみんなの会」(依光良三代表)と高知中部森林管理署が主催し、毎年実施している。
(捕獲動物の利活用探る:大分)
鹿やイノシシなど、狩猟で捕獲した野生生物から得た肉(ジビエ)や皮革を利活用するための具体策を探るシンポジウムが、大分市であった。近年、野生動物の有害駆除が増加していることを受け、捕獲した野生動物の「資源化」に注目が集まっていることもあり、参加者はそれぞれの立場から真剣に知恵を出し合っていた。
(シカ肉のジャーキー販売:兵庫)
獣害問題の“主役”でもあるシカ。その肉の活用になればと、まちおこしの研究実践に取り組む兵庫県の丹波地域ビジョン委員会の「発見『食』丹波」グループが、シカ肉ジャーキーを開発し、篠山、丹波両市内で試験販売を始めた。メンバーは「気軽に食べられる肉と思ってほしい」とし、消費拡大を通じて猟師不足など肉の流通が広がらない現状の改善を願っている。ビジョン委員会は地域づくりの研究や実践に取り組む住民グループで、各地の県民局が事務局を務める。食グループには篠山、丹波両市在住在勤の30代~60代の約15人が所属。昨年4月から活動方針を議論する中で、有害獣として駆除されたシカが山中で処分されていることを知り、シカの有効活用を探り始めた。ジャーキーにしたのは味や高級感に加え、保存性が高く販売戦略が立てやすいと考えたから。シカ肉加工の「丹波姫もみじ」(丹波市氷上町)から内もも肉を仕入れ、ハムなどの製造会社丸優(三田市)に加工を依頼した。黒こしょうが利いてうま味も豊富といい、昨年末に試作品が完成。先月から販売を始めた。ただ販売までの過程で、価格面からイノシシより狩猟の優先度が低く、食肉処理よりも駆除が優先されていることや、猟師の絶対数が不足していることなど、流通が拡大しにくい要因も学んだという。グループリーダーの山本浩之さん(41)は「消費が少しでも拡大することで、逆に食肉として活用できるような狩猟が広がるきっかけになれば」と話す。丹波市ではシカ肉料理専門店「無鹿」、柏原八幡宮近くで月1回開催の「丹波ハピネスマーケット」、北近畿豊岡道氷上PAの「丹波いっぷく茶屋」、篠山市では酒販店「葡萄屋晴治郎」で、20グラム入り千円前後で販売中といい、メンバーは今後も販売場所を増やしていきたいとしている。
(広がる「ジビエ」活用:静岡)
農作物に被害をもたらすイノシシやシカの肉を活用したジビエ料理。全国的に認知度が高まる中、広大な山林を抱える浜松市天竜区でも消費が伸びてきた。地域活性化につながると期待されている。同区横川の喫茶店「クライネスカフェ」。ジビエが定着するスイス、ドイツで長年暮らした店長の戸村由香さん(51)は「都市部の客に響く料理を」と、四月からランチでジビエ料理を始めた。欧州のレシピを応用し、イノシシ肉とひよこ豆を使ったトマト煮込み、シカ肉のキーマカレーなどを出す。客にはジビエの背景を説明し、家庭で調理できるようにレシピも渡す。「ジビエを入り口に、環境や食を考える機会になれば」との思いからだ。ジビエはフランス語で狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉を意味する。日本ジビエ振興協会によると、野生の動物の肉は引き締まり、低脂肪、高タンパクが特徴。ただ、流通には捕獲後の素早い解体、処理が欠かせない。これまで捕獲しても大半が捨てられたり、猟師が自分で消費したりしていた。昨年九月、同区春野町に市内初の大規模ジビエ解体加工施設「ジミート」が開所。地元のNPO法人が運営し、初年は四十頭、四年後は百頭の処理を目標にする。戸村さんもここから仕入れ、価格は部位により一キロ千五百~五千円ほどだ。ジビエが消費者に受け入れられてきたと実感するのは、十一年前から地元産ジビエを提供する同区船明のフランス料理店「船明荘」の料理長大橋正諭(まさつぐ)さん(43)。最初は勧めても敬遠する客もいたが、「メディアなどの情報で興味を持つ人が増え、この一、二年でぐっと伸びた」という。店では三月末、ジビエと地元スイーツを味わう催しが開かれ、二十人の定員がすぐ埋まった。イノシシとシカのロールキャベツ赤ワイン煮などの料理に、参加者からは「レバーみたいで野生の香りがする」「思ったよりフルーティー」といった感想が聞かれた。母親とメニューを味わった神戸市の会社員杉山あゆみさん(33)=浜松市南区出身=は「臭みがなくて食べやすい。抵抗感がなくなった」。店ではいま、六割以上の客がジビエを選ぶ。大橋さんは「小規模でも解体施設が増え、流通が良くなれば、まだ伸びる」と期待する。天竜区二俣町の料理店「竹染」では店主の片桐邦雄さん(65)が捕獲したイノシシなどを提供し、ネット通販でも肉を売り出す。シカ肉のジャーキー、イノシシ肉の角煮などの加工品も地元の道の駅で販売している。ジビエの提供店は市内全体でも増えているが、消費促進には安定供給が欠かせない。交付金でジミート開設を支援した市の担当者は、猟師の高齢化や減少を課題に挙げる。「若い世代にわなの技術を継承し、春野での取り組みを他地域にも広げていきたい」と話す。県内で野生鳥獣による農産物などの被害は二〇一五年度で約四億九千万円。シカの被害額が一三年度から三年連続で増え、一五年度に初めてイノシシを上回った。浜松市では四千四百万円で、イノシシが二千百万円と半分近い。県内のジビエ解体加工施設は消費が盛んな伊豆市のほかに、静岡、浜松市などに大小十三カ所ある。ジビエの消費促進に向けては政府が五月、研修で処理加工に携わる人材の育成を支援したり、情報発信のためジビエ料理を扱う全国のレストランマップを作製したりする方針を示した。
(ソースかつ丼をアレンジ:長野)
老舗ソースカツ丼店の明治亭(駒ケ根市)は19日、JR長野駅ビル内の店舗で信州産シカ肉を使ったソースカツ丼とカツカレーの販売を始める。長野県がジビエ利用促進事業の一環として、シカ肉流通業者と明治亭を仲介し、開発につなげた。長野県とJRグループが7~9月に実施する観光企画「信州デスティネーションキャンペーン(DC)」に合わせた。県内のシカ肉は大きな塊で流通しており、カット肉が手に入らず調理が難しかった。県の要請を受け流通企業がカット肉の取り扱い始めたことで商品化できた。ソースカツ丼は税別1750円、カツカレーは同1500円。JR長野駅ビルの「明治亭 長野駅店」で提供する。持ち帰り用の弁当も販売する予定だ。
(エゾシカ油配合のシャンプーいかが:山梨)
革製品などを扱う札幌市の企業「和楊徳信」が、エゾシカの油を配合したシャンプーやボディーソープを発売した。
(キッチンカーでイノシシ肉まん販売:奈良)
奈良県山添村が地方創生加速化交付金で購入したキッチンカーが、今年4月から村内の観光スポット神野山やイベントなどで活躍している。村で捕獲したイノシシの肉を使った全て手作りの「神野山名物シシ・肉まん」が人気メニューだ。キッチンカーでシシ肉まん販売を担当する中間良一さん(63)は「(イノシシの)バラやロース肉を細かくみじん切りにして味付けし、地元で採れた新鮮なタケノコやシイタケも入れているので、肉にくせのある匂いもなく、子どもも喜んで食べますよ」と出来栄えに自信を見せる。シシ肉まんは一昨年から販売を始めているが、キッチンカーだけで4月以降1000個が売れた。イノシシは夏になると味が落ちるので、シシ肉まんは秋から春までの限定メニュー。中間さんは夏季の目玉商品を考案中だ。キッチンカーは村の観光スポット神野山にある羊の牧場「めえめえ牧場(まきば)」で土日や祝日に営業するほか、村のイベントなどでも活躍している。
(ジビエ給食に児童ら舌鼓:島根)
地元の食材の魅力を知ってもらおうと、松江市大輪町の島根大学教育学部付属小学校で23日、市内でとれたイノシシ肉や野菜を使った「まつえジビエ宝刀(ほうとう)スープ」の給食が振る舞われた。官民でつくるまつえ農水商工連携事業推進協議会が商品化を目指す新レシピで、全校児童ら400人が舌鼓を打った。ジビエ宝刀スープは、島根県立大学短期大学部(松江市浜乃木7丁目)の籠橋有紀子准教授の研究室で学ぶ学生が開発。忌部地区のコメ粉麺を使ったほうとうや八雲町産のイノシシ肉、宍道湖産のシジミ、地元野菜など8種類の食材を使い、鹿島町産のみそで味付けする。ほうとうやイノシシ肉のもちもちした食感が特徴という。この日は6年生児童が、JAしまねや宍道湖漁協、八雲しし肉生産組合などの関係者と会食。おわんいっぱいに宝刀スープをよそい、地元食材の魅力を味わった。6年生の太田明佳(はるか)さん(11)は「シシ肉が軟らかくておいしかった。また食べたい」と話した。同協議会は今秋にもレトルト食品に商品化し、松江の新産品として観光客向けに売り出したい考え。
(イノシシバーガー発案:石川)
中能登町で捕獲数が増えているイノシシ肉を有効活用しようと、同町良川の社会福祉法人つばさの会がシシ肉バーガーを考案した。二十七、二十八日に金沢市のイベントで販売する。町のイノシシ肉を活用した商品開発に取り組む町料理飲食組合に、つばさの会が運営するカフェとりのすが加盟している縁で開発が始まった。町内で捕まえたイノシシは羽咋市の獣肉処理施設で処理。肉本来のうま味を味わってもらうために、焼いたミンチ状のイノシシ肉の味付けは塩とこしょうのみ。ハーブ農園ペザン(津幡町)のハーブで香り付けした。仕上げにつばさの会の障害者支援施設で作るバンズで挟み、シンプルな一品に。考案した施設職員の小開(こびらき)誠さん(29)は「ペザンさんのハーブとコラボし、肉の味をより楽しめるように工夫した」と話す。二十一日には施設で開かれた地域交流イベント「つばさ祭り」で試作品を販売した。二十七、二十八日に金沢市の近江町いちば館のイベントで提供するほか、カフェとりのすでも秋から販売する予定。
(シシ肉弁当うまいぞ:岐阜)
獣害防止で駆除されたイノシシを活用しようと、岐阜県恵那市飯地町の食堂「あすこ」は、地元産のイノシシ肉の焼き肉弁当など4品を発案した。20日に市中心市街地で行われるイベント「まちなか市」で販売する。焼き肉弁当のほか、ソース串カツ、いのしし丼、ししまぶし弁当を販売。店主の平井肇さん(70)、調理担当の妻の和子さん(60)が、年齢層を問わず親しみやすいよう、和風の味にこだわって発案した。同店は、予約制の季節料理の飲食店。これまでしし鍋は振る舞ってきており、店の新たなメニュー候補として考案した。2人は「イノシシ肉の新たな味わい方。試してもらえれば」と話している。「まちなか市」では丼、弁当は500円、ソース串カツは1本300円で販売する。

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