<射撃ニュース6月>

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(日本クレー射撃協会、女優の夏樹陽子さんを新理事に)
日本クレー射撃協会は28日、東京都内で総会を開き、初の女性理事として女優の夏樹陽子さんを選任した。協会は昨年の総会で定員20人のうち19人の理事を選任した上で、女性の候補を探していた。夏樹さんはクレー射撃の愛好者で、昨年末に就任の内諾を得たことで新たに承認した。協会の女性の登録会員は昨年3月末現在で全体の3.6%にとどまっており、拡充が大きな課題となっている。大江直之事務局長は「女性にも愛される協会づくりを期待したい」と話した。
(クマに襲われ女性軽傷:新潟)
29日午前9時半ごろ、村上市高根の畑で草取りをしていた近くの女性(80)が熊に襲われたと、110番通報があった。女性は右腕や右足を引っかかれ、軽傷。女性が大声を上げると熊は山の方向に逃げていったという。村上署によると、女性は1人で草取りをしていたところ、背後から近づいてきた熊に襲われた。自力でオートバイを運転して自宅に戻った後、病院に運ばれた。命に別条はない。女性は「大型犬よりも少し大きいくらいの熊だった」と話しているという。現場は、JR羽越線村上駅の北東約20キロにある高根集落から南西に400メートルほど離れた高根川近くの畑。同署は市や地元の猟友会と連携し警戒に当たり、住民に注意を呼び掛けている。県によると、県内での熊による人身被害は今年度に入って3件目。29日までの今年度の目撃情報は268件で、今月に入り急増している。県環境企画課は「ラジオや鈴など音の鳴るものを携帯し、熊の活動が活発な早朝や夕方の入山は避けてほしい」としている。
(男性がクマに襲われけが:秋田)
28日夕方、鹿角市八幡平の民家が点在する地域で、男性がクマに襲われけがをしました。命に別条はないということです。現場は、鹿角市八幡平字林崎の県道わきの杉林です。鹿角警察署の調べによりますと28日午後6時前、近くに住む67歳の男性が杉林で木の苗を植える作業をしていたところクマに襲われました。男性の親族が警察に通報しました。男性は頭や左目付近などをひっかかれ、けがをして病院で手当を受けていますが、命に別条はないということです。地元の自治会の会長は「このように出くわして引っかかれたというのは初めてだから、びっくりしてます。」と話していました。現場周辺は杉林に囲まれ民家が点在している場所で、男性は「気づいたら目の前にクマがいて襲われた。」と話しているということです。
(83歳男性、クマに襲われ手製の護身具で撃退:兵庫)
27日午前6時半ごろ、兵庫県新温泉町竹田のナシ園で、近くの農業男性(83)が体長約1・3メートルのクマに襲われ、顔や右腕に軽傷を負った。男性は護身用に持っていた手製の護身具でクマを殴り撃退したという。美方署や男性によると、男性がナシ園を見回っていた際、ナシの木に登っていたクマが突然、向かってきた。男性が転倒すると、クマは上半身に覆いかぶさり、右腕をかんだり、爪で鼻や頬を引っかいたりした。護身具で頭付近を殴るとひるんだように逃げたという。男性は「数日前からクマの姿を見かけ、警戒していたが、まさか向かってくるとは思わなかった」。若いころに中国武術を習い、ここ数日は壊れた枝切りばさみを鉄パイプで補強して携帯していたといい、「身を守るのに役立ったと思う」と振り返った。兵庫県森林動物研究センターによると、県内のクマによる負傷事故は、5月の香美町小代区に続いて今年2件目。昨年は宍粟市と養父市で計3件発生している。新温泉町有害鳥獣捕獲班が27日、現場近くに捕獲用のおり1基を設置した。
(クマ1頭駆除:滋賀)
28日朝、高島市今津町椋川(むくがわ)の民家近くでクマ1頭がオリにかかっているのを住民が発見し、市に通報した。連絡を受けた県は業者に依頼し麻酔で眠らせた。体長147センチ、体重92キロのオスで15歳以上と推定され、かなり大型で高齢という。
(クマ1頭駆除、野鳥観察の男性が目撃:秋田)
27日午前6時20分ごろと同8時ごろ、秋田市仁別の市植物園付近の北側山林にクマがいるのを、野鳥観察していた70代男性が見つけ、秋田東署に届け出た。けが人はいなかった。同署などによると、いずれもクマは山林の奥に入っていった。市の要請で地元猟友会が午後1時50分ごろ、同園内で体長約1メートルのクマ1頭を駆除した。目撃されたクマと同一の個体かは分からないという。現場から約400メートル南東の太平山自然学習センター「まんたらめ」では、利用者に1人で出歩かないよう呼び掛けた。このほか県内でクマの出没が相次いだ。主な目撃情報は次の通り。▽羽後町西馬音内堀回字深山の県道(午前5時10分ごろ)▽横手市増田町吉野字村ノ後の市道脇(同7時半ごろ)▽北秋田市綴子の国道7号(午後3時15分ごろ)▽仙北市角館町雲然山崎の国道341号
(クマ警戒、サクランボ被害相次ぐ:山形)
クマによるものとみられる被害が見つかった南陽市羽付の畑。26日、地元の猟友会が罠を設置した。ここでサクランボを育てている安部吉雄さん(63)。畑の異変に気づいたのは25日の早朝5時ごろだった。
(山形新幹線がクマと衝突:山形)
29日午後6時50分ごろ、奥羽線赤岩(福島市)-板谷(山形県米沢市)間の線路上で、東京発山形行きの山形新幹線つばさ149号がクマと衝突し、緊急停止した。クマは死に、乗客270人らにけがはなかった。
(ミツバチの巣にクマの爪痕:山形)
27日午後3時ごろ、山形県尾花沢市の神社で、敷地内にある小屋の板塀が壊されているのが見つかりました。床下には縦60センチ、横60センチほどのミツバチの巣があり、食い荒らされていました。発見者:「去年も板が壊された跡があった。ハチミツ作っているのを分かっているから何回もクマが来る」神社の本殿には、クマの爪痕とみられる傷があり、小屋を破壊したのはクマの仕業とみられています。警察では現場付近のパトロールを行い、住民に注意を呼び掛けています。
(熊の目撃情報:宮城)
27日13時頃、登米市東和町米谷字福平地内(三陸自動車道三滝堂IC付近)で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(中学校近くにクマ出没:岩手)
29日午前5時半前、八幡平市堀切の西根第一中学校西側の県道で散歩で通りかかった男性が歩いている成獣と見られるクマ一頭を見つけました。クマはそのまま北の山の方へ向かいけが人などの被害はありませんでした。現場付近は中学校のほか、民家が点在しています。警察は生徒の登校時間にあわせてパトカーで警戒を呼び掛けたほか、市が地元猟友会に協力を要請して見回りをしています。八幡平市では、28日、柏台小学校付近でもクマが目撃されていて、市は改めてクマに警戒するよう呼びかけています。
(小学校の敷地内でクマ目撃:岩手)
28日朝、八幡平市の小学校の敷地内でクマ1頭が目撃され、市や警察では警戒を続けている。28日午前6時ごろ、八幡平市柏台にある柏台小学校の敷地内の遊具付近と学校脇の山林の間をクマがうろついているのを近くの病院の職員が見つけ、警察に通報した。目撃されたのは、子グマとみられる1頭で、警察がパトカーで付近を警戒したが、クマは見つからなかった。学校では保護者全員に対して、メールで注意を呼びかけ、28日朝は保護者付き添いで児童を登校させたという。今のところ被害は確認されていないが、近くには保育園や病院もあるため、市は猟友会に見回りを依頼するなどして警戒している。
(“手負いのクマ”警戒続く:北海道)
道内ではクマの目撃が相次いでいます。網走市では、猟銃の弾が命中して傷を負ったクマへの警戒が続いています。網走市ではおととい午後6時ごろ、ハンターが発砲した弾がクマに命中しましたが、クマはそのまま逃げ、現在も見つかっていません。また、このクマとは別のクマの目撃情報もあり、市や猟友会のハンターによる警戒が続いています。(ハンター)「(傷を負ったクマは)川のそばで倒れていると思う」また泊村ではきょう午前7時半ごろ、釣りを終えて帰ろうとした男性が、旧国道上で体長1メートルから1.5メートルほどのクマを目撃しました。付近は釣り人が多く、警察がパトロールを続けています。
(シカ目撃相次ぐ、温泉街のため銃での捕獲困難:北海道)
函館市湯川町の温泉街周辺の河川敷で、エゾシカ1頭が相次いで目撃されている。26日には同町に住む日本野鳥の会道南檜山の奥田孝一代表(68)が目撃し、写真撮影した。同じ場所に数日間とどまっているとみられる。市は「民家が近く、捕獲のための銃は使えない」と山に戻るのを待っているが、突然、道路側へ飛び出してこないか気をもんでいる。奥田さんは26日朝、松倉川沿いを散歩中、道道函館上磯線の松倉橋近くの河川敷で、草を食べるシカ1頭を発見、カメラのシャッターを切った。シカは約2分間動かず奥田さんの方を見ていたが、その後、草むらに逃げた。オスで、2歳程度の大きさだったという。奥田さんは25日午前中にも、野鳥を観察中に同じ個体とみられるシカを目撃。「こんな街中でシカを2日連続見るなんて」と驚く。
(再びクマが出没、警戒続く:新潟)
クマが目撃されたのは新発田市下飯塚の農道だ。27日午前8時20分ごろ、体長1メートルに満たない1頭のクマを見たと、市に通報があった。現場の農道はJR羽越本線の中浦駅に近く、民家から80メートルしか離れていない場所で、クマは山の方へ逃げていったという。新発田市ではクマの出没が相次いでいる。今月22日に月岡温泉の旅館の中庭にクマが出没したほか、翌日には近くの農道でも目撃されている。相次ぐクマの目撃に、住民も不安の色を見せている。これを受け、新発田市と警察は、朝から地元の猟友会と協力して、およそ10人態勢で近くの住民などに警戒を呼びかけた。市は28日以降も猟友会と協力して警戒を続ける方針だ。
(また横手公園にクマ:秋田)
横手市の横手公園で、26日昼ごろ、木に登っているクマが目撃されました。公園を一時封鎖して、クマを捜しましたが、発見には至りませんでした。
(クマ目撃情報、警戒呼び掛け:兵庫)
兵庫県宝塚市は29日、市北部の山あいでツキノワグマとみられる動物の目撃情報があったと発表した。付近にあった糞の写真を兵庫県森林動物研究センター(丹波市)に送ったところ、「クマの糞である可能性が高い」と回答があった。22日にも市北部で目撃情報があり、隣接の三田市では18日に目撃されているという。市によると、25日午後6時ごろ、同市切畑で男性が車の中からツキノワグマらしき動物を発見し、27日に市へ通報。市職員などが現場近くで糞を見つけた。市は29日、市民や小中学校などにメールを送り、「山へ行く時は音が出る物を身に付けて」と呼び掛けている。県鳥獣対策課は「宝塚市での目撃は非常に珍しい」と驚く。ツキノワグマは但馬地域での目撃が多いが、近年は丹波地域など目撃情報が南下。今の時期は繁殖期にあたり、「雄が雌を求めて広範囲で動くことが想定される」としている。
(クマの目撃情報相次ぎ注意呼び掛け:山梨)
大月市などによると、29日午前5時ごろ大月市大月町で体長1㍍を超えるとみられるクマが畑にいるところを近くに住む住民が見つけ、市へ通報した。この住民が花火を使って音を立てたところ、クマは逃げ出し周辺住民などに被害はなかった。大月市内ではこのほか真木地区の中央道の側道付近でもクマの目撃情報があったほか初狩駅の近くではクマの足跡が見つかり、市や県が注意を呼び掛けている。県によると県内では4月以降56件のクマの目撃情報があり、去年の同じ時期を21件上回っている。去年はクマのえさとなるどんぐりが豊作で、出産数が増えたことが増加の一因とみられ、県の担当者は「クマを見つけても決して刺激せず静かにその場から離れてほしい」と話している。
(市街地にクマ出没で警戒:北海道)
29日朝早く、道北の美深町の市街地でクマが目撃されました。現場近くには小学校などがあり、警察やハンターが巡回するなど、警戒を続けています。午前4時半すぎ、美深町西3条北3丁目で、新聞配達をしていた男性が体長およそ1.5メートルのクマを目撃しました。(ハンター)「ここのエリアは、ほとんど出たことない、初めて」午前6時ごろ、警戒中の警察官が天塩川の川岸の茂みに入るクマを目撃していますが、その後の動きはわかっていません。現場近くの小学校ではけさ、保護者が児童を校門まで車で送り届けていました。現場付近では、現在も警察やハンターなどが天塩川付近を中心に巡回し、警戒を強めています。
(クマの姿、ドライブレコーダーに:岩手)
岩手県内ではクマの出没が相次いでいますが、視聴者から28日朝、西和賀町の国道で道路を横切る子グマを撮影したという映像が届きました。映像は28日午前8時前に、西和賀町の錦秋湖近くの国道107号で撮影されました。画面右から左に走る小さなクマが写っています。車のドライブレコーダーで撮影されたもので、運転していた菅原敦彦さんは、西和賀町内の職場に向かう途中に、前を走っていた同僚の車が急ブレーキを踏んだため、「何だろう」と思ったところ、黒いものが横切ったということです。その時はクマかどうかわからず、横切った地点を通過した際に、ガードレールからクマが顔をのぞかせていて気づいたということです。菅原さんは警察にクマを目撃したことを通報したということで、「初めてクマを見て驚きました」と話していました。
(クマ襲撃で規制後も入山者続々と:秋田)
秋田県仙北市はクマによる死亡事故が起きた先月27日から今月20日までの25日間、同市田沢湖玉川の現場付近の林道2カ所(黒石、小和瀬)でタケノコ採りの入山状況を調査し、結果をまとめた。入山者数は延べ3209人。昨年のタケノコ採りシーズン(5月28日~6月16日)の3402人を下回ったものの、微減にとどまった。
(別の2頭もDNA不一致:秋田)
先月27日に秋田県仙北市田沢湖玉川でタケノコ採りをしていた女性がクマに襲われ死亡した事故で、県は27日、現場近くで捕獲したクマ2頭の体毛をDNA鑑定した結果、女性を襲ったクマとは別の個体だったと発表した。
(クマの目撃情報:和歌山)
御坊市塩屋町北塩屋地内、御坊工業団地近くの市道で去る23日、クマの目撃情報があった。御坊市内での目撃情報はこれまでほとんどなく、御坊市農林水産課が注意を呼びかけている。場所は御坊工業団地東側、御坊大橋から印南町へ抜ける市道との交差点とのほぼ中間地点。同日午後9時30分ごろ、同工業団地の企業従業員が市道を北側から南側へ横断するクマを見つけた。体長は1㍍80㌢ほどに見えたという。26日夕方に通報を受けた市農林水産課は御坊保健所へ連絡するとともに、近隣の各地区長や学校に連絡。注意を促すチラシも近隣地区民に全戸配布した。保健所が鳥獣保護管理員と現場を調査したが、足跡や爪でひっかいた形跡などは確認できなかった。現場周辺は通学路ではないが、農林水産課では「十分注意して、見かけた場合は連絡してほしい」と話している。
(エリア限定で来月シカ捕獲へ:奈良)
奈良市一円で保護の対象となってきた「奈良の鹿」について、奈良県は七月下旬から捕獲を始める。一九五七年に国の天然記念物に指定されて以来初めてで、市東部の限られたエリアで予定。近年、個体数の急増に伴い農作物被害などが増えており、対策が課題となっていた。県などによると「奈良の鹿」の定義は広く、合併前の旧奈良市域に生息する全ての鹿が天然記念物に指定。古来春日大社の神の使い「神鹿(しんろく)」として大切にされ、鹿を殺した人間が死刑になった時代もあった。一方、農作物被害には以前から悩まされており、農家と国などの間で訴訟に発展し、八五年に和解。保護の必要度に応じて鹿の生息区域を四つに分け、一部では文化庁と県の許可が出れば捕獲が可能になっていたが、県によると、申請が出たことはない。「人間と鹿の長い歴史があり、慎重にならざるを得なかったのでは」と理由を推測する。防鹿柵を設置して対策してきたが、被害は続いた。今回は、以前からある四つの生息区域を元に、実態に即して範囲や保護の基準を見直した。その結果、奈良公園中心部や春日山原始林などを含む「保護地区」と捕獲を実施する「管理地区」にエリアを大別。全体で約四千頭の鹿がいると推定されるが、このうち奈良公園(鹿苑含む)に生息する約千四百頭は管理地区への行き来はないという。初めてとなる七月以降は、市東部の田原地区と東里地区に約二十基のおりを設置し、一年間で百二十頭の捕獲を想定。捕まえた鹿は栄養状態や遺伝子検査を行い、今後の調査に役立てる。県奈良公園室の北畑雄一郎室長補佐は「農林業被害を減らすためにも必要な対策」と話した。
(入山時は痕跡に注意を:秋田)
秋田県鹿角市八幡平字林崎の林で地元の男性がクマに襲われ負傷した事故を受け、市は29日、市役所で緊急対策会議を開いた。行政、警察、消防などから15人が出席。猟友会の関係者は「山や林に入る時は、樹皮の爪痕や枝折れなどクマの痕跡に注意を払ってほしい」と呼び掛けた。
(ツキノワグマ、17年ぶり狩猟解禁:岡山)
絶滅の恐れがあるとして全面的に禁止されている県内でのツキノワグマの狩猟が今秋、17年ぶりに一部解禁される。人里への出没件数が増えるなど生息数が回復傾向にあるとみられる中、人が襲われる被害を未然に防ごうとの狙いがある。ただ、ハンターの多くはツキノワグマの捕獲経験に乏しく、安全確保や技術向上が課題となりそうだ。
(狩猟者の世代交代進む、新規登録が堅調:京都)
京都府内で狩猟者の世代交代が進みつつある。高齢化で免許を更新しない人が増えたことで、狩猟登録件数は1976年度から減少傾向が続き、2016年度はピーク時の3割を切った。一方で、府が試験回数を増やしたことなどで30~50代を中心とした新規登録はここ数年、堅調だ。シカやイノシシなどによる農作物被害は年間3億円に達しており、府は新規登録者をさらに増やすことで狩猟者を確保する。狩猟免許には、主に鳥類を捕獲する「網猟」と獣類を対象にした「わな猟」、猟銃を用いる「銃猟」の3種類がある。こうした免許の所持件数のうち実際に狩猟活動ができる登録件数は、最も多かった1976年度で9356件だったが、2016年度は2776件にまで落ち込んだ。高齢化で60歳以上が6割を占め、3年ごとの免許更新率が8割程度にとどまっていることが原因とみられる。そこで、府は14年度から免許試験を2回から4回に増やし、府猟友会と協力して狩猟の魅力をPRするセミナーを年1回開催。この結果、12年度に172件にとどまっていた新規登録件数は16年度に480件まで増えた。府が昨年12月の試験合格者約150人を対象に実施したアンケートでは、20~30代が4割、40~50代が5割を占めており、徐々にだが世代交代が進みつつある。一方、シカやイノシシなどによる農作物被害はピークだった08年度と比べて4割程度に落ち着いたものの、16年度でなお3億円の被害が出ている。府農村振興課は「有害鳥獣の捕獲に力を貸してほしい」と呼び掛けており、7月から狩猟免許試験を実施する。
(鳥獣被害1億円下回る:長野)
上伊那地方の2016年度の野生鳥獣による農林業被害額は、前年比1800万円減の約9273万円と6年連続で減り、過去最高となった07年度以降で初めて1億円を下回ったことが07日、県上伊那地域振興局林務課のまとめで分かった.
シカやサル、鳥類の被害が総じて減少。市町村や猟友会などの関係機関・団体が連携し、捕獲や防護、環境整備といった総合対策を続けてきた成果とみている。伊那市内で開いた野生鳥獣対策の協議会で報告した。上伊那が関係する南アルプス域のシカは一時期より少なくなったと推定されており、シカについては生息数自体の減少も一因と分析する。同課によると、被害の内訳は農業関係が前年比1570万円減の7471万円、林業関係が229万円減の1802万円。獣種別では、シカが3589万円と4割近くを占め、カラス、ムクドリなどの鳥類が2302万円、サルが1398万円と続いた。イノシシ以外は前年より少なかったという。市町村別では、サルの農業被害が目立った宮田村で増加したものの、他7市町村は減り辰野町では農業被害がほぼ半減した。農地に張り巡らされた防護柵の総延長は288キロに達しており「防除の対策も大きい」と同課。ただ、カラスによる果樹被害が多い箕輪町では「防鳥網の設置を進めているが、広い面積に掛けられない課題もある」とした。16年度のシカ捕獲数は、個体数調整と狩猟を合わせて3474頭(暫定値)。これに国有林の捕獲実績と圏域外のハンターが上伊那で捕った数を加えて確定させるが、総数は3年連続で減る見通し。年間捕獲目標はすでに達成している。協議会は、サルの今年度捕獲上限を643頭にすることを承認。一昨年にサルに体当たりされて、観光客がけがを負う事故があった駒ケ根市は前年の50頭から100頭に引き上げられる。
(イノシシ急増、市街地を猛進:京都)
街の中心部に突然、イノシシが現れ、住民らが襲われて負傷するケースが全国各地で相次いでいる。生息頭数が20年前と比べ3倍以上に増加し、山を下りて急速に行動範囲を拡大させているのが要因という。想定外の市街地での遭遇に、どう対処すればいいのか。平安神宮があり、観光客らでにぎわう京都市の中心部。その一角にある京都大の学生寮「熊野寮」が13日夕方、騒然となった。外から侵入してきた約1メートルのイノシシが、敷地内を暴走。最後は、寮内の廊下まで入り込んだ。猟友会のメンバーと学生が取り押さえたが、体当たりされた男性が軽傷を負った。同市内では1か月前にも、多くの外国人が宿泊する「ウェスティン都ホテル京都」のロビーにイノシシが侵入、捕獲しようとした従業員が負傷したばかりだ。
(クマ対処ハンターに学ぶ:秋田)
秋田県内でツキノワグマの目撃が相次いでいるのを受け、県警は26日、県内の小中学校でクマの被害防止講座を始めた。初日は秋田臨港署と横手署が計4校で開いた。秋田臨港署は秋田市飯島南小(児童397人)と同市外旭川中(生徒271人)で実施した。外旭川中では全学年が参加。地元猟友会員や市役所職員らがクマの生態などを説明した後、生徒10人が下校中にクマに遭遇した設定で対処法を実演。「目をそらさない」「集団になって大声を出す」などの対策を確認した。3年菅原小春さん(14)は「学校は山に近くてクマに遭遇する不安もあるが、学んだことを生かして冷静に対応したい」と話した。同署管内では5月19日~6月25日、クマの目撃情報が25件あり、6件は小中学校から1キロ以内だった。同署は管内の小中学校5校でも同様の講座を開く予定。県警は他の13署でも順次実施する方針。
(小学生がクマに遭遇した場合の対応学ぶ:秋田)
横手市では、小学校近くの横手公園に連日クマが出没しています。こうした事態を受け、横手市の小学校では、クマに遭遇した場合の対応を学ぶ全校集会が開かれました。全校集会が開かれたのは、横手公園のすぐそばにある横手南小学校です。クマの目撃情報が横手公園の周辺に集中していることを受け、警察が関係機関に呼びかけて開きました。集会では、横手地区猟友会の柴田和広会長が、「クマは走るものに興味を持つので、逃げる際は絶対に走らないこと。」「クマは目が悪いので、電柱などの物陰に身を隠し大声を上げて驚かすのが効果的。」などと、クマと遭遇した場合の対応を説明しました。また、万が一襲われた場合は、ランドセルなど身の回りのもので頭を守り、何もない場合は大きな血管がある首の後ろを両手で覆うことでけがの程度を軽くできるとアドバイスしました。横手市のまとめによりますと、6月8日以降、横手公園周辺でのクマの目撃情報は17件にのぼっています。横手市では、6月いっぱいとしていた横手公園の散策路などの封鎖を、7月10日まで延長することを決めています。
(親離れ期の若グマに注意:岩手)
県内でツキノワグマの出没が相次ぐ中、今年もクマが親離れする「分散期」がやってきた。夏になると山に餌が少なくなり、今後は餌を求めるクマに加え、親離れしたばかりで警戒心の薄い若いクマが人里に近づく恐れがある。盛岡市と花巻市の小学校や保育園では27日、前日に付近で目撃情報があったことから関係者が安全確保に力を入れた。同日午後5時ごろ、盛岡市乙部の都南東小(畠山隆校長、児童179人)の昇降口前は保護者らの車で埋まり、慌ただしい雰囲気となった。教職員は子どもの名前を保護者に確認した上で、次々と引き渡した。県や市町村によると、県内のクマ出没情報は4月から6月23日午前までに864件、うち人的被害は9件だった。今シーズンは餌となるブナの実の状況では大量出没の予測年ではないが、目撃件数は高水準で推移。県は今月、クマ出没の注意報を発令した。花巻猟友会の藤沼弘文会長は「クマは嗅覚が良く、遠くからも生ごみなどのにおいを感知する。自宅や裏山に置かないでほしい」と強く呼び掛ける。
(野生獣類の農作物被害、過去最高3億円超:栃木)
県内の2016年度の野生獣類による農作物被害額は3億200万円で、過去最高となったことが県の調査で分かった。3億円を超えたのは初めて。イノシシによる被害が51%を占め、捕獲数も過去最多だった。イノシシの生息域の拡大や餌となるドングリの不作が影響したとみられる。県によると、鳥類を含めた一六年度の農作物被害額は前年度比3%増の三億八千三百万円。このうち獣類による被害は前年度より5%増え、二億八千七百万円だったこれまでの過去最高額を更新した。獣類が占める割合は79%に上った。被害額が一六年度に近い三億九千百万円だった〇九年度は、鳥類52%、獣類48%だった。獣類が占める割合は増加傾向にあり、被害が深刻化している実態が浮かんでいる。一六年度被害額を獣種別に見ると、51%のイノシシから多い順に、ハクビシン15%、シカ15%、サル12%だった。単価が高い野菜や果樹を狙うハクビシンは前年度と比べほぼ倍増した。作物別では、イネ42%、野菜31%、果樹9%、イモ類7%の順だった。一六年度の捕獲数は、イノシシが前年度比76%増の一万三千四百四十二頭、シカが同25%増の八千七百三十五頭で、ともに過去最多となった。県は被害額や捕獲数の増加について、イノシシが全国的に生息域を拡大する傾向にある中、ドングリの不作で餌を求めて行動域をさらに広げたことが一因と分析している。県は鳥獣被害対策の基本として、あらためて「捕獲」「環境整備」「防護」の三点を挙げる。環境整備は農地や住居に鳥獣類を寄せつけないようにすること。隠れ場所となるやぶの刈り払いや、放置したままの果樹の除去などが有効という。防護は田畑への侵入経路を断つことで、電気柵の設置などが全国的に広まっている。県はこうした対策は地域ぐるみで実践することが重要と考えており、対策を検討している地域に対し、鳥獣管理の専門家を派遣するなどして支援している。
(イノシシ被害対策で講習会:富山)
イノシシによる農作物への被害を食い止めようと県西部の5つの市が連携し農家の人を対象にした被害防止対策の講習会が開かれました。この講習会は、近年、イノシシによる農作物への被害が拡大していることを受け、高岡市、射水市、氷見市、砺波市、小矢部市の鳥獣被害防止対策協議会が合同で企画したものです。このうち28日は、高岡市で被害防止対策の講習会が開かれ農業関係者およそ60人が参加しました。去年、高岡市でのイノシシによる農作物への被害額はおよそ160万円とおととしに比べておよそ46万円増えています。講習会では、西日本農業研究センターの堂山宗一郎さんが、イノシシは繁殖能力が強く、学習能力が高いため、農作物への被害が拡大している現状があり、まずはイノシシの生態や特徴を知ることが重要だと説明。具体的な対策としては田んぼや畑の周りにやぶや草むらがある場合は、除去しイノシシが身を隠せる場所をなくすこと、電気柵はイノシシの目線に合わせて地面から20センチの位置に設置し、隙間をなくすことをあげました。高岡市では今後これらの対応策を広く周知し、農作物被害の軽減につなげたいとしています。講習会は、28日はこのほか砺波市と小矢部市でも行われ29日は射水市と氷見市で実施されます。
(クマに行動パターン、曇りや雨の早朝は注意:山形)
「曇りや雨の早朝」「草に覆われた川の近く」に注意――。山形県鶴岡市の慶応大先端生命科学研究所員で、クマの生態などを研究している鵜野うのレイナさん(41)が「市街地に下りてくるクマには行動パターンがあり、それを意識して対応することで被害を最小限に防げる」との調査成果をまとめた。相次ぐクマの目撃情報に効果的な対応をして住民の安全を守ってもらおうと、鶴岡署の依頼で20日に同署で講演し、署員ら約70人に伝授した。鵜野さんは慶応大環境情報学部(神奈川県藤沢市)を卒業後、2001年から同研究所で学んだ。遺伝子学などが専門だが、県内でクマに襲われて負傷する事故が起きていることを知り、「クマの行動を知ることで共存を図り、事故を減らせるのではないか」と考え、鶴岡市朝日地区で猟師に同行するなどし、05年頃、山形大理学部の研究者らとクマの生態調査に乗り出した。鵜野さんは、県内で起きたクマによる事故や、現地調査などをもとに、クマが市街地で目撃された状況にいくつかの共通点を浮かび上がらせた。その一つが、目撃は「曇りや雨の日の早朝が多い」ということ。鵜野さんは「クマは夜に人里に下りてきて餌を探すが、天気のいい日には明るくなる午前4時頃に山に戻る。だが、曇りや雨の日は朝になっても薄暗いので、油断して人が起きてくる時間帯までウロウロしてしまうのではないか」と指摘する。また、クマが市街地に出てくる際、「川を伝って下りてくる」ことが目立つという。草が生い茂った川岸で木の実などを食べながら移動するためとみられ、「岸に草が生い茂る川は『緑のベルト』が途切れず、クマにとって体を隠しながら移動できる『道路』のような存在ではないか」と推定する。昨年5月17日に鶴岡市茅原ちわらの「県立こころの医療センター」近くでクマが目撃されたのは霧雨の午前6時45分頃。今年5月13日に同市と三川町の境近くの国道7号付近での目撃も、薄曇りの午前6時15分頃だった。鵜野さんはいずれも近くの川を下ってきた典型的なケースとみている。また、人里に下りてくるのは若いクマが多いという。大きな力のある雄グマが餌がある山の“一等地”に居座り、若いクマが大きなクマを恐れ、餌を探して里に居着いてしまうためとみられるという。こうしたことを踏まえ、被害に遭わないためには、餌になるものを自宅近くから取り除いたうえ、「早朝に農作業などで自宅を出る際は、歌うなど声を出して戸を開けることをお勧めする。特に天気の悪い日、川沿いの民家は要注意」(鵜野さん)と呼び掛けている。さらに、クマは人間を回避しようとする動物のため、遭遇した際には、「追いつめず逃げる退路を確保してあげる」「走って逃げると興奮するので、ゆっくり歩いて距離をとる。リュックを置いて気をそらすのも一案」「最初の一撃だけで立ち去るクマが多いので、それを回避することが大事」などとアドバイスした。県警によると、県内では今年184件(27日現在)のクマの目撃・足跡などの情報が寄せられている。かつて長井署に勤務していた際、体長140センチのクマが中学校に逃げ込み、廊下で2メートルの距離でにらみあったという、鶴岡署地域課の五十嵐文哉課長は「クマの行動パターンを知ることがいかに大切か分かった」と、真剣な表情で説明に聞き入っていた。
(クマ目撃情報受け保護者に送られ登校:岩手)
クマの目撃が相次ぐ中、26日午後、近くでクマ1頭が目撃された盛岡市の小学校では27日、子どもたちが保護者に送られて登校した。盛岡市の手代森では、26日午後3時半頃、体長約1メートルのクマ一頭が国道396号線を横切り、手代森小学校のある方角へ向かっていくのが目撃された。これを受けて、児童209人が通う手代森小学校では、保護者にメールで子どもを学校へ送るよう呼びかけ、27日朝は、児童たちが車などで親に送られて登校した。手代森小学校では、27日から3日間、登下校の際に親が送り迎えをする対応をとるという。
(子育てカラスの威嚇注意:北海道)
カラスの幼鳥が今年も巣立ちの時期を迎えている。石狩管内の公園や街路樹でも飛行訓練を重ね、次々飛び立っていく。この時期に注意したいのが、幼鳥を守ろうと、過敏になっている親鳥の人間への威嚇攻撃だ。自治体や専門家は、被害を避ける手だてを周知し、巣立ちを温かく見守るよう呼び掛けている。「カッカッカッ」。6月下旬の札幌・大通公園。樹上から鳴き声が聞こえ、大小2羽のカラスを見つけた。「枝伝いに移動したり、羽ばたいたり。親子で巣立ちの特訓中です」。NPO法人札幌カラス研究会(北区)の中村真樹子代表(51)が教えてくれた。カラスは4月に営巣して産卵、5月以降は子育てに入る。巣立ちのピークは6月中旬から7月上旬にかけてだ。巣はオフィス街の街路樹や住宅地の公園など至る所に点在しており、大通公園には「1丁目ごとに1個の巣がある」(中村代表)という。巣立ちの際は幼鳥が地面に落ちたり、人間にいたずらをされたりする懸念があり、親鳥は過敏になる。巣に近づく人を鳴き声で威嚇したり、後方から頭部を脚で攻撃したりして追い払おうとする。研究会が昨春、作成した手引書によると、親鳥の攻撃から身を守る方法は三つ。▽傘や帽子で頭を守る▽両腕を上げてカラスが頭上を飛ぶのを邪魔する▽走って逃げると追いかけられるため歩いて去る―ことだ。カラスが営巣する林の隣に住む豊平区西岡の70代男性は「時に憎くもなるが、子供を守るために必死なのは人もカラスも同じ。短い期間なので我慢する」と話す。中村代表は「人間が一歩引くことがカラスと共生するコツ」と指摘する。
(市役所の周辺でカラスに注意を:神奈川)
カラスにご用心-。相模原市中央区の市役所・市体育館駐車場の植え込みや立ち木に、繁殖期のカラスの威嚇行動についての注意書きが掲示されている。5月31日午後、通りかかった男性が頭をつつかれ、けがをしたことを受けての措置。男性は頭から出血した状態で、「傷の手当てができるところはないか」と市役所本館を訪れたという。管財課職員が駐車場内の木の上に巣を確認。水みどり環境課と相談し、その日のうちに注意表示を用意した。その後の被害報告はないが、繁殖期は5~7月ごろとされており、状況を注視していくという。
(改造拳銃所持の疑い、モデルガンでは満足できず:千葉)
殺傷能力がある改造拳銃10丁などを自宅に隠し持っていたとして、千葉県の66歳の男が警視庁に逮捕されました。「西部劇のファンで、自分でモデルガンを改造して作った」と供述しているということです。逮捕されたのは、千葉県袖ケ浦市の無職、山川晴男容疑者(66)で、警視庁の調べによりますと、ことし4月、殺傷能力がある改造拳銃10丁などを自宅に隠し持っていたとして、銃刀法違反の疑いが持たれています。警視庁がことし4月、自宅を捜索したところ、2階の部屋に改造拳銃6丁が壁に飾られていたほか、改造に使ったと見られる工具なども見つかったということです。警視庁によりますと、自宅には西部劇のビデオが多数あり、調べに対し、山川容疑者は「西部劇のファンで、30年くらい前からモデルガンを集め始めた。本物の拳銃と同じ構造の銃でないと我慢できなくなり、自分でモデルガンを改造して作った」などと供述し、容疑を認めているということです。
(児童が「忠犬タマ公」像を清掃:新潟)
雪崩から飼い主の命を救った「忠犬タマ公」のふるさと、五泉市の小学生が28日、新潟市の公園にあるタマ公の銅像を掃除した。新潟市中央区の白山公園にある忠犬タマ公像を掃除したのは、五泉市・愛宕小学校の3年生およそ20人だ。タマ公は旧村松町の猟師に育てられた猟犬で、メスの柴犬だ。昭和の初めに2度、猟の途中で雪崩にあった飼い主を救ったことで知られている。その忠誠心と活躍を称えて、五泉市の愛宕小学校や新潟駅などにも銅像が建てられている。児童は総合学習の授業でタマ公について学んでいて、県内にある銅像の清掃活動も行っている。児童たちはことし10月、学習したタマ公の物語をミュージカルにして発表する予定だ。
(カウベルト入牧式:富山)
牛を放牧してイノシシやクマの害を防ぐカウベルト(牛の放牧地帯)の入牧式が二十八日、南砺市の福光里山野営場レクリエーション農場であった。効果は絶大で、十年目のこれまで被害は皆無。今年は木酢(もくさく)液を忌避剤にしたニホンジカ対策にも初めて取り組む。
入牧したのは雌牛二頭で、いずれも妊娠中。十一月まで電気柵で囲った一ヘクタールで放し飼いにする。うち一頭は出産も予定されている。クマ、イノシシが畑を荒らすのを防ぐだけでなく、里へ下りるのを防ぎ、下草もきれいに食べてくれるという。福光南部あおぞら保育園の年長児九人が「里山を守ってください」と牛に呼び掛け、餌をやった。県によると昨年度、水田などへの簡易放牧を含め、黒部、立山、富山、氷見、小矢部、南砺の六市町の三十三カ所で牛が放たれている。ニホンジカは近くで目撃情報があり、予防的に対策に取り組んだ。シカは放牧の牛を恐れないという。上部側面に穴を開けたペットボトルを地面に打ち込んだ竹に下げ、中の木酢液を揮発させ、臭いでシカを遠ざける。五百ミリリットルサイズの百六十本を電気柵の外側に設置した。
(エゴマ種まき、特産品化目指す:熊本)
エゴマ油の特産品化を目指す農家約20戸でつくる「菊池えごま生産研究会」は28日、菊陽町の畑で、エゴマの種まきを行った。エゴマはシソ科で、種を搾って油が採れる。同研究会によると、イノシシやシカが油のにおいを嫌うため、食害を防ぐことができるほか、動脈硬化や認知症の予防に効果がある物質も豊富に含まれるという。この日は約20人が、縦約30センチ、横約60センチの育苗トレーのくぼみ一つ一つに種をまいた。7月下旬に、高さ約15センチに育った苗を近くの畑に植え替え、10月下旬に種を収穫する。大津町内の製油業者が搾油し、12月頃から販売するという。今季は約600キロの生産を目指している。研究会会長の上村幸男さん(72)は「いずれは、首都圏などへも販路を拡大したい」と話した。
(イノシシよけにブタ放牧:福井)
あわら市北潟の富津地区で二十九日、若手のサツマイモ農家が豚の放牧を始めた。一番の目的は農作物に被害を及ぼすイノシシよけや耕作放棄地の解消だが、特産「とみつ金時」の廃棄イモを餌に利用することで、ブランド豚の育成も目指している。県内での豚の放牧は初めて。農家は、吉村智和さん(40)、福島一欽さん(44)、杉田康彰さん(27)、上田貴央さん(42)、新井利幸さん(45)の五人。富山県の限界集落で放牧豚が獣害対策に役立っている事例を視察するなど、昨秋から準備を重ねてきた。放牧豚事業に向け、四月に株式会社とみつを設立し、吉村さんが社長に就いた。この日、越前市の養豚農家から仕入れた十頭の三元豚を耕作放棄地と休耕畑の二カ所、計五十アールに放った。ともにイノシシの足跡が多く見つかった場所。周辺では春先に植えた苗が掘り返されるなど、被害が近年増えている。豚たちは鼻息荒くサツマイモに突進し、茂った雑草も食べた。現在は生後四カ月で体重五〇キロほど。一〇〇キロ以上に育て、年内に出荷する。とみつ金時の収穫量は全体で七百トン前後だが、その一割は割れや虫食いなどで廃棄してきた。まず餌に占めるイモを六割と三割の二班に分け、生育状況や味を比較するという。飼育に協力する県畜産試験場の向井寿輔場長は「イモのでんぷん質が肉の味にいい影響を与える可能性がある」と期待する。放牧で運動量が増えれば、イノシン酸など、うま味成分の多い赤身部分も増える。豚の購入や金網柵の設置など初期投資は百五十万円。将来は放牧地を増やして集落を囲み、二百~三百頭を飼育する計画を描く。
(「猪国バーガー」発売:福岡)
福岡県田川市にイノシシ肉を使ったジビエ料理「猪国(いのくに)バーガー」が誕生した=写真。同市猪国の旧猪位金(いいかね)小の廃校舎を再利用した交流施設「いいかねPalette(パレット)」で7月15日から販売する。地元をPRしようと、施設を運営する企画会社が考案した。農林水産省によると、2015年度、福岡県の野生鳥獣による農作物被害額は全国2位。廃校舎と捕獲したイノシシ肉の活用という一石二鳥を狙う。「高タンパク、低カロリー、コラーゲンも豊富」とアピールする関係者。人気に火が付けば、ジビエ料理のトップブランドを名乗っても「いい、かね?」。
(流行のジビエ料理、E型肝炎の危険)
最近しばしば耳にするジビエ料理、つまり狩猟鳥獣の肉料理は、日本において畜産肉が普及する明治時代以前より食されてきた、日本の伝統食ともいえるものです。シカ、クマ、イノシシなどが国産ジビエの代表ですが、特にシカ肉は低カロリーで高タンパク質、鉄分やDHAも含むことから、ヘルシーな肉料理の食材として人気が出ています。シカは九州から北海道まで、日本全国に生息しています。日本は島国なのでシカは海を越えて交配することはできず、本州、九州、対馬、屋久島など多くの島に固有種、つまりその島でしか見ることのできないシカが生息しています。北海道の固有種である蝦夷鹿は、体重が100kg前後もある日本最大級のシカです。明治初期の北海道開拓の時代には、肉を輸出するために乱獲され、何度も絶滅の危機に瀕しました。「萩の葉を加へて寝たる鹿子哉」(小林一茶)鹿は春に生まれて、秋に次の子孫を産む準備に入るので、子どものシカは夏の季語、親のシカは秋の季語です。江戸時代を代表する俳諧師・一茶は、スヤスヤと眠る子鹿を、まるでごはんを食べている途中に眠気に負けて眠ってしまった子どものように詠みましたが、俳句の穏やかな雰囲気とは異なり、野生のシカの繁殖力はすさまじいものがあります。第二次大戦直後に最後の絶滅の危機を乗り越えた蝦夷鹿は、天敵の減少や冬期気候の温暖化などのさまざまな要因で、今では北海道全土で毎年20%近い個体数増加率で急速に個体数を増やしています。現在でも狩猟鳥獣として食料になっている蝦夷鹿ですが、含まれる栄養成分を調べてみると、肉の中でもきわめて個性的であることがわかります。現代の日本人は、流行のポンドステーキやレアハンバーグなどを頻繁に摂取することによって、生命維持に必要な量をはるかに超えた肉類を摂取している人が多くいます。そんな人にとってシカ肉がいいのは、脂質含量が非常に少ないため、1食あたりの脂肪摂取量を低く抑えることができ、繰り返し食べても脂質の過剰摂取になりにくいからです。さらに、シカ肉の脂質は牛肉などとは異なり、必須脂肪酸のリノール酸をはじめとする多価不飽和脂肪酸含量が多く、鉄分も多く含むとても良質な脂肪です。鉄は酸素と結合しやすい性質を持つため、血液中のヘモグロビンとして酸素の運搬にかかわっている重要な元素です。鉄がなければ、血液は酸素を運搬することができなくなります。その結果、貧血の症状、元気が出ない、気候に体力がついていかない、頭の回転が遅くなるなど、さまざまな不具合が体に生じます。鉄分は、ブタやニワトリの肝臓にも豊富に含まれていますが、それらは鉄分と共に脂肪分も大量に含んでいます。シカは鶏ササミと同じくらい淡泊な赤身部分に鉄分を多く含む点が非常に特徴的です。また、シカ肉にはカルノシンが多く含まれています。カルノシンは、2個のアミノ酸が結合しているためジペプチドと呼ばれる分子です。カルノシンには、酸化ストレスを抑える抗酸化作用や体液のイオンバランスを一定に保つ緩衝作用があるといわれています。それによって、タンパク質分解による細胞の老化や病気を抑える効果があるとされています。さらには、運動中に筋肉で生成する乳酸を緩衝作用によって中和することで、筋肉が酸性化することを防ぎ、運動能力の向上につながる可能性も指摘されています。また、十分に研究が進んでいないものの、交感神経系に作用することで血糖や血圧を低下させる効果も指摘されています。カルノシンはブタロースにもシカと同程度の量が含まれていますが、前述の通り、脂肪の良質さと少なさでシカのほうが栄養バランスの点では勝っています。とはいえ、野生生物を食べるときには気をつけなければならないことがあります。それは、E型肝炎です。E型肝炎はウイルスの感染によって引き起こされる急性肝炎で、発熱、嘔吐などの消化器系症状を伴い、悪化すると劇症肝炎となって、死に至ることもある恐ろしい感染症です。日本においては近年増加傾向にあるため、当局も警戒している疾患です。日本での増加の理由はウイルスに汚染されたブタ、イノシシ、シカの肉やレバーなどの内臓を加熱不十分な状態で食べたことによるものが多くを占めるということがわかっています。原因動物別では、ブタ、イノシシに次いで多いのがシカです。シカの肉は脂肪が少ないために熱が通りやすく、ブタやイノシシよりも感染を防ぎやすいという利点があります。シカ肉は、「肉を食べた」という満足感があるにもかかわらず、良質な脂肪を含み、健康増進作用もある素晴らしい食材です。過剰に規制されることなく食べられるように、適切な調理をしてジビエを楽しみたいですね。
(駆除シカ皮を藍染:徳島)
徳島県内で駆除されたシカの皮を活用し、藍染革製品の開発を進めている三好市出身の映画監督蔦哲一朗さん(32)=東京都中野区=らが、製品を完成させた。シカ皮本来の柔らかさを生かすとともに、鮮やかなジャパンブルーの仕上がりとなっている。インターネット上で製造資金を調達するクラウドファンディング(CF)で活動資金を集め、今冬にも販売を始める。製品は財布、手袋、名刺入れなど12種類。吉野川市川島町桑村の革工芸作家、三木直人さん(41)と共に昨年9月に試作したが、革が固くなったり藍染の色が薄くなったりしたため、なめし方を変えるといった試行錯誤を重ねて製品化した。CFの資金提供者には、革製品を特典としてプレゼントする。募集額は製品ごとに3千~25万円で、販売価格の半額程度をCFで賄いたい計画。県内外の百貨店への販路開拓を目指し、販売促進費に充てるほか、販売専用のホームページ(HP)作成に使う。8月20日まで募り、目標額は300万円。蔦監督は映画撮影で訪れた三好市祖谷地方で、駆除したシカの皮が廃棄されているのを知り、有効活用のため革製品にすることを思い立った。製品は徳島市福島1の市立木工会館で26日から展示が始まった。オープニングに訪れた蔦監督は「シカ皮の魅力を多くの人に知ってほしい。今後も新たに質の高い製品を開発していきたい」と話した。

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(クマに襲われ夫婦大けが:秋田)
24日午前10時ごろ、秋田県藤里町の素波里湖付近の山林で、沢沿いを前後に並んで歩いていた会社役員の石塚修さん(56)と妻昌子さん(61)=いずれも秋田市=が、左前方の茂みから突然現れたクマ1頭に襲われた。修さんはのどや腕、昌子さんは顔や腕を引っかかれ、大けがをした。2人は自力で下山し、病院に運ばれた。2人はクマよけの鈴を身につけていたという。県警能代署などによると、2人は渓流釣りのため午前9時ごろ入山。釣り場所を変えるため移動していた際に襲われた。クマは前を歩いていた修さんに襲いかかり、その後、登山用ステッキを振り回した昌子さんを引っかいた。修さんは襲われた際、沢に転落したという。
(クマに襲われ82歳重傷:岐阜)
22日午後3時20分ごろ、岐阜県高山市丹生川町久手の山中で、近くに住む無職の男性(82)が「クマに襲われた」と親戚の女性を通じて119番した。男性は市内の病院に搬送されたが、後頭部や右肩をかまれるなどしており重傷。クマはそのまま逃げた。高山署によると、現場は国道158号から北に約200メートル入った大洲谷堰堤近くの沢沿い。現場で山菜の入ったリュックが見つかった。男性は1人で山菜採りに山に入り、襲われたとみられる。襲われた後、自力で自宅に戻り、親戚の女性に電話で連絡した。逃げたクマを地元の猟友会の会員と署員が捜したが、見つからなかった。大きさは分かっていない。署は、23日早朝から付近をパトロールする。同市石浦町では今年4月、住宅街で男女3人がクマに襲われ、重軽傷を負った。高山市丹生川町久手で男性がクマに襲われた被害を受け、同市は22日、広報車で現場周辺をパトロールし、住民に注意喚起した。同市の4月以降のクマ目撃情報は、22日午後6時までに77件、今月だけで46件あった。市によると毎年、人が山に入る時期の6~8月に目撃情報が増えるという。丹生川中学校と丹生川小学校は久手地区の児童生徒5人を自宅前までスクールバスで送った。23日もパトロールを継続し、クマ捕獲用のわなを仕掛ける。
(シカと車が衝突、男性軽傷:滋賀)
21日午前8時半ごろ、大津市京町1の国道161号で、浜大津方面から京都方面に向かっていた同市の看護助手の女性(54)運転の軽乗用車が京町南の交差点を左折しようとしたところ、左側から飛び出してきたシカと衝突。助手席側の窓ガラスが割れ、助手席に乗っていた専門学校生の息子(23)が腕に軽傷を負った。
(ライトバンとクマ衝突:秋田)
22日午後7時半ごろ、秋田県大仙市協和荒川の広域農道で、秋田市の30代男性が運転するライトバンがクマと衝突した。車のバンパーや左のライトが破損した。男性にけがはなかった。
(クマ、乗用車と衝突:宮城)
20日午後2時5分ごろ、宮城県川崎町今宿の山形自動車道上り線で、山形市の男性会社員(51)の乗用車が道路を横切っていたクマと衝突した。けが人はなかった。県警高速隊によると、クマは体長約120センチで、現場で死んだ。
(クマ出没、ニワトリ10羽被害:岩手)
岩手県奥州市江刺区伊手の自営業・佐々木良治さん60歳の住宅です。ニワトリ小屋の異変に気づき、家族が20日午前8時すぎに警察に通報しました。警察官が駆け付けると、小屋の網は壊され、周りにニワトリの羽根や血のほか、成獣のクマのものとみられる足跡がいくつも残されていました。ニワトリは飼っていた半数にあたる10羽ほどがいなくなっていたということです。クマは19日夜6時半から20日朝5時ごろの間に現れたと見られていますが、直接の目撃はありません。周辺には住宅が点在していて、警察が警戒を呼び掛けています。
(県道にクマ飛び出し車と衝突:滋賀)
事故があったのは高島市新旭町饗庭の県道で22日午後3時すぎ軽四の貨物自動車の前に突然、クマが飛び出し自動車と衝突した。運転していた高島市の職員(58)にけがはなし。クマは体長80センチほどのツキノワグマで琵琶湖方面に逃げたという。
(列車にはねられ、クマ死ぬ:長野)
20日午後6時40分ごろ、長野県塩尻市上西条のJR中央線小野―塩尻駅間のトンネル内で、辰野発塩尻行きの普通列車(2両編成)にクマが衝突した。列車に損傷はなく、乗員乗客計15人にけがはなかった。列車は安全確認後、4分後に運転を再開した。JR東日本長野支社によると、警察や地元猟友会などがトンネル内で死んだクマを撤去するため、後続の上下線計4本が運休、同日午後9時過ぎに運転を再開した。塩尻署によると、クマは体長約1・2メートル、体重約50キロで、4歳くらいの雄だという。県内では、今月12日にも大町市平のJR大糸線南神城―簗場駅間でクマと列車が衝突する事案が発生している。このときもけが人はいなかった。
(温泉に熊、宿泊影響なし:新潟)
22日から23日にかけて新発田市の月岡温泉や周辺の人通りのある場所に体長約1メートルの熊が出没し、一時は旅館の敷地内に侵入するなど、県内を代表する温泉街に緊張が走った。23日は朝から新発田署員と地元の猟友会、市職員が協力して警戒に当たり、鈴を鳴らして集団登校する地元の本田小の児童らを見守った。月岡温泉観光協会によると、週末の宿泊予約はキャンセルが増えるようなことはなく、今のところ影響は出ていないものの、各宿泊施設などは利用客に注意を呼び掛ける構えだ。同署によると、熊の目撃情報が最初に寄せられたのは22日午後4時15分ごろ。同市岡屋敷の介護施設近くで通行人が見かけた。その約1時間後、警戒に当たっていた同署の署員が月岡温泉街の旅館「さかえ館」の敷地内で熊を発見。中庭の木に登ったりした後、近くの山に逃げた。23日は、同市上中山の民家から約300メートルの田んぼで午前5時10分ごろに目撃されたのに続き、午後2時10分ごろには同市荒川の道路上で通行人が月岡温泉方向に向かう熊を発見した。月岡温泉街では22日の夜間、宿泊客らに外を出歩かないように呼び掛ける放送を流した。さかえ館を運営する和田渉さん(60)も「しばらくは気をつけないといけない」と警戒。同館では窓や扉の戸締まりを徹底し、宿泊客に注意を促しているという。地元の猟友会は約10人のメンバーが二手に分かれ、23日午前6時から2時間かけて設置済みのわなを確かめたが、かかってはいなかった。メンバーらは「熊に気を付けてください」と近くの農家らに注意を呼び掛けながら、畑に荒らされた跡があるかなどを調べた。温泉街の近くで農作業をしていた60代の女性は「熊の足跡を以前見たこともあり怖い」と不安そうに話し、上越市から訪れた宿泊客の男性(57)は「あまり外に出歩かないようにしたい」と困惑していた。猟友会の岩山豊さん(66)によると、梅雨には熊の目撃情報が毎年多く、昨年もこの時期に温泉街の周辺で3頭を捕獲したという。岩山さんは「体長が1メートルくらいでも、立ち上がれば長い爪で人の顔を引っかける」と危険性を指摘。「熊が目撃されており、山菜採りなどで山に入らないようにしてほしい」と呼び掛けている。新発田市では、山のふもとや温泉街の外れで熊が出没した例はあるものの、温泉街のほぼ中心で出没した例はなく、23日に現地に入った市環境衛生課の伊藤治仁主事(33)は「驚いている」と話した。春に生まれた子熊が独り立ちする時期にちょうど当たり「親から離れた子熊が土地勘がないところでウロウロし、方向を誤った可能性もある」(伊藤主事)。県環境企画課によると、山菜採りで熊に襲われないようにする場合は「ラジオや鈴などで音を鳴らす」といった対策を促せるものの「人の往来の多い市街地での対応は難しい」(担当者)と打つ手に乏しい。県内に生息する熊は全てツキノワグマで、今月中の目撃・痕跡報告件数は23日現在で119件と昨年同期より59件少ないものの、過去10年では2番目に多い。
(クマ出没を警戒、登校見守り:新潟)
新発田市月岡温泉の温泉街にクマが出没して一夜明けた23日朝、新発田署などはクマが再び現れることを警戒し、近くにある本田小学校の児童の登校を見守った。本田小では普段から集団で登下校し、児童はランドセルなどにクマよけの鈴を付けている。この日は同署や地元の猟友会、市職員ら十数人が各地で見守る中、鈴を鳴らしながら通学路を学校へ向かった。本田小の多田和幸校長は「できるだけ1人で出歩かないよう児童に伝え、危険な目に遭わせないようにしたい」と話した。23日午前5時すぎには、月岡温泉街から南西へ約1キロ離れた同市上中山の田んぼで、体長1メートル未満のクマを住民が目撃した。地元猟友会は「22日に月岡温泉に現れたクマではないか」とみている。
(保育園近くにクマ、警戒続く:岩手)
22日午後7時過ぎ、花巻市東和町北川目の畑の近くで、成獣のクマが歩いているのを、近くに住む男性が目撃して、警察に110番通報しました。また同じころ別の住民が、周辺の沢を歩いているクマを目撃しました。けが人はいませんでした。クマが目撃された場所は田畑が広がり、民家が点在する所で、近くには小山田保育園があります。小山田保育園の園児は普段から全員、保護者に車で送り迎えされていて、23日も通常通りの登園でしたが、園内にクマの出没を知らせる紙を貼って、警戒を呼びかけていました。また周辺では警察や地元の猟友会、花巻市の職員らが警戒を続けています。
(小2男児、クマと遭遇:山形)
22日午前7時20分頃、山形県鶴岡市大山の住宅の柿の木(高さ約3メートル)に、体長約1メートルのクマが登っているのを、登校中の市立大山小学校2年生の男子児童(7)が見つけ、学校を通じて山形県警鶴岡署に通報した。クマは男児と目が合うと追いかけてきたといい、その後、姿を消した。近くの畑では、クマとみられる足跡が見つかっており、同署はパトカー5台を出して警戒するとともに、同小では集団下校の措置を取った。クマが出たのは、大山小の西500メートルの住宅地。近くにある上池沿いの畑ではクマとみられる足跡が見つかり、地元猟友会がハチミツを入れたわなを設置した。クマを目撃したという男子児童は取材に対し、「柿の木の途中に黒いクマがいて、目が合うと追いかけてきた。慌てて道路反対側の家の塀に隠れた。しばらくしてのぞくと、クマが家と家の間を歩いて行くのが見えた」と振り返った。男子児童の祖父(69)は「こんな住宅地でクマが目撃されたのは初めて」と話していた。同小では下校時、体育館に全校児童を集め、奥山慎校長が「家の近くも危ないので外に出て遊ばないように」と注意を呼び掛けた。その後、児童を約30のグループに分け、集団下校させた。学校から一斉メールで連絡を受け、車で迎えにくる保護者もいた。近くの市立鶴岡第五中学校でも部活動を中止にして生徒を帰宅させた。
(有害鳥獣、分解し乾燥:千葉)
富津市は、駆除した有害鳥獣を圧力容器で加水分解し、乾燥処理する実証実験を来月から始める。実証実験は東京工業大学と、環境プラントを手がけるLEC(船橋市)が共同で実施。富津市内に食肉処分場がなく、年間3000頭を超える駆除動物の処理に頭を抱えていた同市が全国に先駆けて導入を決めた。駆除動物を高温・高圧水蒸気で加水分解後、乾燥して粉末にする。一度にイノシシ2頭分、約120キロの処理能力がある。市内の有害鳥獣被害額は2014年度の1691万円以降、年間約100万円ずつ増加。市は昨年度、イノシシ3377頭、シカ393頭などを駆除したが、ジビエ料理などの食材に用いるには放射能検査が必要など諸条件があり、大半は埋設処分してきた。市は実験結果を見て、施設拡充も検討する。
(県道にクマ、2小学校集団下校:宮城)
21日午前9時35分ごろ、宮城県利府町菅谷台2丁目の県道で、体長60センチのクマの目撃情報があり、近くの利府二小と菅谷台小は帰宅時に集団下校した。周辺では前日も親子とみられるクマ2頭の目撃情報があった。
(クマ捕獲用わな設置:岩手)
北上市内では21日、県立中部病院の近くでも、成獣と見られるクマ1頭が目撃されました。市内では今週すでに、11件のクマの目撃情報が市に寄せられています。22日、市は目撃情報に基づいて、今年初めて罠の設置を行いました。地元の猟友会に要請して、昼過ぎに和賀町横川目の用水路の近くに、ドラム缶式のワナを設置したほか、20日、21日と目撃のあった県立中部病院の西側にある、ドッグランの敷地内でも設置作業を進めています。市はクマを見かけたら、市や警察に連絡するよう呼びかけています。
(クマが出た現場周辺に猟友会がわなを設置:岐阜)
岐阜県高山市丹生川町で、22日に82歳の男性がクマに襲われたことを受け、現場の周辺にわなが仕掛けられました。クマのわなは高山市の猟友会が設置したもので、ドラム缶式と箱型のわな合計3基が、男性が襲われた現場周辺に設置されました。高山市によりますと、クマの目撃情報は23日午前10時現在で82件と例年よりも多いということです。襲われた男性は頭や顔をかまれ重傷です。警察はパトカー2台で巡回して警戒を呼びかけています。
(ニホンジカの目撃相次ぐ:青森)
20日、三沢市でニホンジカ2頭が目撃された。このほか、市内では20日から21日にかけて5件のシカの目撃が相次いでいる。三沢市では18日にイノシシのような動物の目撃もあり、市はシカやイノシシを目撃した時には近づかないよう注意を呼びかけている。
(住民が目撃、野生のイノシシか:青森)
三沢市六川目5丁目の民家の敷地内で20日、この家の男性がイノシシのような動物1頭を目撃した。野生のイノシシは県内で絶滅したとされているが、4年前には盛岡市で目撃され、北上してきた可能性を指摘する専門家もおり、市は足跡の確認などを急いでいる。
(小学校近くでクマ目撃情報:岩手)
盛岡市手代森では26日午後3時半すぎ、通行人が体長約1メートルのクマ1頭が、国道396号線を横切り、盛岡市立手代森小学校のある東の方へ向かっていくのを発見し、警察に通報した。その後、警察が現場周辺をパトカーで警戒したが、クマは見つからなかったという。また、ほぼ同じ時刻の午後3時半ごろ、盛岡市乙部でもクマ1頭が国道396号線を横切り、都南東小学校方向へ向かうのが目撃された。今のところ被害は確認されていないが、警察では注意を呼びかけている。
(住宅街でクマ:島根)
21日午前8時15分ごろ、浜田市殿町の妙智寺にクマがいるのを、近くを歩いていた同市浅井町の会社員女性(22)が発見した。女性は逃げて無事だった。クマは寺の裏手にある鏡山の山林に逃げ、浜田署と市が注意を呼び掛けている。現場は浜田市中心部で、市役所から北に約500メートルの住宅街。
(4市計6回、クマ目撃相次ぐ:福島)
24日から25日にかけ、福島市と須賀川市、会津若松市、喜多方市でクマとみられる動物が6回目撃され、県警などが周辺住民らに警戒を呼び掛けている。目撃されたのは、福島市で土湯温泉町の早乙女橋付近で24日午後8時ごろ▽約9キロ東の同市平石柏平で25日午前10時40分ごろ▽須賀川市北横田では25日午前7時ごろと同8時ごろ▽会津若松市大戸町上小塩の会津鉄道会津線舟子街道踏切内で25日午前10時45分ごろ▽喜多方市山都町小舟寺で25日午後6時35分ごろ。福島市と喜多方市のクマはいずれも体長約1メートル。須賀川市と会津若松市は同40~70センチのクマだった。
(クマ出没注意:新潟)
24日午後7時半ころ、田上町吉田新田戊地内のへぎそば「こんごう庵」田上店付近で体長約1メートルのクマ1頭が目撃された。田上町役場から加茂署へ通報があったもの。主要地方道村松田上線を五泉方向から車で進行中、クマが道路を横切り、山手方向へ走り去るのが目撃された。加茂署や関係自治体では、被害防止の注意を呼びかけている。主要地方道村松田上線は、大沢峠のある道路。
(クマ出没相次ぐ:滋賀)
滋賀県米原市で、23日夜、道路を横断するクマが目撃された。県内では目撃情報が相次ぎ、警察は注意を呼びかけている。23日午後6時前、米原市山室の県道で、市の職員が運転する車の20メートルほど前に体長50センチほどの子グマが飛び出し、道路を横断した。
(クマ出没、近くの中学校で集団登校:岩手)
岩手県内では20日夕方から21日未明にかけて、クマの目撃が相次ぎました。いずれも学校の近くで目撃されていて、警察は警戒を呼びかけています。20日午後4時半前、盛岡市黒川の住宅の庭で、子グマとみられるクマ1頭が目撃されました。現場の目の前には乙部中学校があります。学校は20日、保護者への一斉メールと電話の連絡網で、複数人で登校するように注意を呼びかけました。これを受けて21日朝は、自転車でまとまって登校する生徒が多く、保護者に車で送ってもらった生徒もいました。また21日午前0時ごろには、岩手町川口でもクマの目撃情報がありました。こちらもすぐ近くに小学校や中学校などがあり、警察が警戒を呼びかけています。
(クマの目撃情報:長野)
19日、伊那市木下一の宮の住宅付近の山林でクマの目撃情報がありました。
(シカ目撃、食害懸念:三重)
鳥羽市の離島の答志島で、いないとされるシカの目撃情報が多数寄せられていることが21日、分かった。島では7年前に確認されたイノシシの被害が相次いでおり、島民らは「シカの食害まで警戒しなければならないのか」と困り切っている。シカを目撃したという答志和具町内会長の浜口博さん(64)によると、3月10日夕、島の尾根を走る答志島スカイラインを走行中に遭遇。車の速度を落とし約15メートルまで近づいた。「体長は2・5メートルほどの成獣で、頭からしっぽの先まで観察したが、シカに間違いない」と証言する。
(シカ、中心部に出没:滋賀)
二十一日朝、大津市中心部で野生の雄シカが現れた。シカは民家の窓を突き破ったり、車と衝突したりした後、近くの山へ“逃走”。民家や商店、官公庁などが集まる市街地での出没に、住民らは「こんな経験初めて」と驚いた様子だった。大津署や住民らによると午前七時五十分ごろ、同市京町一の民家南側の庭に体高一メートルほどのシカが座っているのを、この家の住人が発見し、一一〇番。署員が駆け付けたところ、シカは猛スピードで走りだし、南側の窓を突き破って家の中を縦断し、北側の窓も破って出て行った。その後、近くの国道161号交差点で、左折してきた市内の看護助手女性(54)が運転する軽乗用車と衝突。そのまま、西の山の方へ逃げていったという。窓を破られた家の女性(72)は「まさか窓を突き破ってくるとは」と振り返りつつ、家族はとっさに突進を避けて大きなけががなかったことに「不幸中の幸いというシカない」と苦笑いしていた。現場はJR大津駅から北西に五百メートルほどの市街地。
(天然記念物のサル、島から対岸へ:宮崎)
イモ洗い行動で知られる天然記念物のニホンザルが生息する宮崎県串間市の幸島(こうじま)で、サルが歩いて対岸に渡る行動を始めた。砂が堆積(たいせき)して対岸と陸続きになったためで、サルの「離島」を防ぐために市が委託している監視員が目撃した。京都大野生動物研究センター幸島観察所によると、ボスザルが渡った可能性が高いという。約100匹のサルがいる幸島は対岸と200~300メートル離れているが、3月ごろから干潮時は歩いて行き来できるようになった。市は4月から昼の干潮時に監視員を置き、棒を振るなどして離島を阻んできた。ただ、砂は増え続け、6月には干潮時の幅が100メートルほどにまで広がった。それにつれて、島の陸側に姿を見せるサルが増えていた。監視員によると、13日午後6時ごろ、島の陸側に現れた15匹ほどのサルのうち1匹が、目を離した隙に砂の上を走って対岸に渡った。16日午後1時ごろには逆に、対岸の駐車場付近から島に向かうサルを複数の人が目撃した。監視員の一人は「突進するように島に向かった。潮がひくのを待って島に戻ったのかも。島と陸の間を行き来するサルが出てきたようだ」と話した。駐車場のそばで店番をしていた女性も「こちらから島に渡って崖を登るサルを見た。陸に来ることに慣れなければいいが」と心配する。幸島観察所によると、渡っているのはボスザル「ケイ」とみられる。昨夏にナンバー3から一挙にボスの座を射止めた9代目で、今月6日ごろから群れからしばしば姿を消すようになった。観察所職員の鈴村崇文さんは「好奇心が強く対岸の山への興味が膨らみ、渡っていると思う。ケイがいない間はナンバー2の『シカ』が群れの中心に居座るが、ケイが戻ると中心の座を明け渡している」。現段階では群れに大きな影響はないという。市教委の宮田浩二係長は「監視員がいない隙を見はからい、対岸に渡ったようだ。人や農作物の被害がないよう注意しつつ、状況を見守りたい」と話した。
(市街地でサル目撃相次ぐ:福島)
いわき市内で2月下旬から、市街地などでサルの目撃情報が相次いでいる。目撃情報が出始めた2月25日から6月22日までに、市に314件の目撃情報が寄せられている。小学生が足をつかまれたり、民家の庭の果実や農作物が食べられたりする被害もあった。市によると、サルは市南部や中心部など市内広範囲で目撃されている。市は県と協力しわなを仕掛けるなどしたが捕まっていない。移動の状況や目撃情報からニホンザル1頭が移動しているとみられる。サルが長期間にわたって市街地に出没することは珍しいという。市はホームページで目撃情報を随時更新するとともに、「ドアや窓を開けっ放しにしない」「エサを与えない」などの注意点を紹介している。現在、目撃情報が出ている同市好間町の好間四小では、子どもの安全のため車で送り迎えをする保護者もいるという。
(カワウVSドローン:群馬)
カワウによる川魚の食害対策にドローンを使う動きが始まっている。ただ追い払うだけではなく、巣にドライアイスを投下するなどして、ゆくゆくは繁殖そのものを抑制するのが狙いだ。ダダーン! 川面を飛行するドローンがぶら下げたスピーカーから銃声が響く。桐生市の渡良瀬川。ヤマメやアユの人気釣り場で、地元の両毛漁協はカワウ被害に頭を悩ませている。川岸の木々にカワウが一カ所で五百~六百羽の巨大コロニーをつくり、放流された稚魚を捕食する。「カワウは大食漢で一羽が一日に五百グラムの魚を食べる」と話すのは、中島淳志組合長(45)。跳ねる魚を待ち伏せするしかないアオサギなどと違って、カワウは潜水能力が高く、一〇メートル以上潜ることができるという。五百グラムはヤマメの稚魚二百匹分にも及ぶ。銃声を聞いたカワウは水面を蹴って逃げていったが、これはあくまで「餌場」から追い出して恐怖心を持たせるのが目的。ドローンでむやみにコロニーから追い払えば、大集団が別の地域に移動して他県にまで被害が拡大する恐れもある。同漁協では巣の拡大を防ぐため、巣を作りそうな所に釣りざおを使ってテープを巡らせる試みをしていた。ドローンを活用したところ、高い場所まで張ることができた。テープが風になびく音をカワウが嫌う効果も期待できる。カワウの数は全国的に増加傾向にある。その原因は何なのか。中央水産研究所内水面研究センターの坪井潤一研究員(38)は「地球温暖化です。魚食性の鳥は全世界的に増えているといわれています」と説明する。「シカの増殖と同じで、冬を越すのが容易になり、幼鳥が死ななくなった」。一方で、護岸工事で魚が身を隠す場所が減ったことや、放流数が増えたことにより、鳥が魚を捕食しやすくなり、個体数増加に拍車をかけた面もあるという。地道だが空気銃による有害駆除が最も効果的だ。百五十メートルほど離れた対岸からコロニーを見ると、一本の木に何十というカワウが止まっている。テープで拡大を防いで一カ所に集中させたところを、空気銃で狙う。昨年実施したハンターによる射撃では、三百五十羽以上を駆除できた。坪井研究員が提唱するもう一つの策が「ドライアイス投下」だ。タブレット端末の画面を見ながらドローンを操縦し、木の上にある巣の中にドライアイスを落とす。「卵の一部に触れただけでもふ化しなくなります」。想像するとクレーンゲームのような光景だが、繁殖抑制に効果が期待されている。
(クマ被害防止対策、小中学校で講座開催へ:秋田)
秋田県警は22日、県内でクマの目撃情報が相次いでいることから、小、中学校でクマ被害防止対策講座を開くことを明らかにした。クマの習性や通学、登山中に遭遇した際の対応などを教える。児童・生徒を対象に県警が講座を開くのは初めて。秋田臨港署(秋田市)が26日に始め、今後、他の14署も開催する方針。22日の県議会教育公安委員会で県警が説明した。秋田臨港署は7月13日まで、小、中学校7校で開く。いずれも全校児童・生徒が対象で、地元猟友会員が講師を務める。秋田市北部を管轄する同署には5月19日~6月21日、クマを目撃したという通報が19件あった。うち6件は学校から1キロ以内。残る13件も住宅周辺が多く、子どもが遭遇する可能性があることから企画した。クマは背を向けて走るものを追い掛ける習性があるとされ、児童や生徒が驚いて逃げ出した場合、襲われる恐れもある。同署の石川幸一副署長は「遭遇したときにどう対応すべきか、正しい知識を持ってほしい」と話す。県内は今年に入り、21日までに311件、360頭の目撃情報があった。
(クマ目撃相次ぎ、集団下校やイベント中止:秋田)
秋田県横手市中心部で今月、クマの目撃が相次いでいる問題で、今月最初(8日)の目撃から22日で2週間になる。目撃件数は20日午後8時現在、市立横手南小学校や市立横手病院の付近、横手公園などで少なくとも12件に上る。同校は集団下校を続けるほか、公園では予定のイベントが中止に追い込まれるなど余波が広がっている。市は20日、公園内のスキー場での目撃情報を受け、新たに捕獲用オリを設置した。市農林整備課によると、公園内に設置したオリで17日にクマ2頭の捕獲が確認され、駆除したものの、その2日後の19日には、横手城の北東約500メートルのスキー場で体長約1・5メートルの成獣とみられるクマ1頭が目撃された。その一方で、公園内の噴水近くや横手南小学校周辺では、体長約60~80センチの子グマとみられるクマも目撃されている。同じような場所で何度も目撃されていることなどから、子グマは1頭の可能性が高いという。公園の東側には山林が広がり、例年は山林沿いの広域農道「みずほの里ロード」周辺の果樹園や農道脇での目撃が多いが、今年は行動範囲が広がっており、目撃件数も多い。同課の柿崎政人課長は「ここ数年で、里に下りれば食べ物があることをクマが覚えたため、行動範囲が広がった可能性がある」と話す。クマの目撃を受けて、市は13日、公園内の散策路14か所を閉鎖した。この影響で、18日に公園内の牛沼で予定されていたヘラブナ釣り大会は中止を余儀なくされた。毎年恒例のイベントで、今年は市内外から約30人の申し込みがあったという。主催の「横手へら鮒ぶな釣研究会」の大関文雄会長(72)は「20年以上開催してきたが、中止は初めてだ。残念だが、危険性を考えたら仕方ない」と肩を落とす。公園内にある横手城の展望台は入場可能だが、県外から訪れる客も多く、窓口では公園内の散策を控えるよう、注意を呼びかけている。また、散策路の閉鎖は20日正午までの予定だったが、市は19日、クマの目撃が続いたことを受け、「30日正午まで」に延期すると決めた。市は17日に2頭の捕獲を確認した後、オリを公園内に再び設置したが、子グマの目撃場所は公園外の横手南小やみずほの里ロード周辺に集中している。市は地元猟友会と協議して、オリの設置場所を変更する可能性もある。横手南小学校は教職員による登校時のパトロール活動や学年ごとの集団下校を続けている。佐藤克己教頭は「いつクマが出るか、予測できないので対応が難しいが、公園の散策路閉鎖が解除されるまでは警戒を続ける」と話した。
(激増キョン駆除、捕獲チームのロゴ募集:東京)
推定生息数が伊豆大島(東京都大島町)の人口を超え、深刻な農業被害を及ぼしている特定外来生物のキョン。駆除に本腰を入れる都が今月、島の小中学生らを対象に捕獲チームのロゴマークを募集したところ、町議会で「動物の駆除に関わらせるのは教育上よくない」との意見が出て、高校生だけを対象とすることに変更された。命を慈しむことと奪うことにどう向き合うのか。島の心は揺れている。「島の子どもたちは、日常的にサルとかキジとかキョンを見て、自然の中で育つ。仲良く生きる中で、生きられない命があることを説明するには、もうちょっと(成長するまで)時間がほしい」。つつじ小学校の樺沢一彦副校長は、慎重に言葉を選んで話した。つばき小学校の河津力副校長も「まずは生命を慈しむ心を育んでほしい」と言う。キョンは大島の在来種ではなく、台湾などに分布するシカ科で、体高は四〇センチほど。一九七〇年の台風で都立大島公園(動物園)の柵が壊れ、逃げ出した十数匹が野生化した。人を襲うことはないが、アシタバなど農産物への被害は深刻だ。二〇〇五年施行の外来生物法で特定外来生物に指定され、都は〇七年度から駆除を始めた。だが、駆除は追いついておらず、推定生息数は約一万五千匹を超える。人口は今年四月末で八千人を切り、島民よりキョンの方が多い。事態を重く見た都は五月、捕獲業者や島民で捕獲チームを結成することを発表。六月一日から、チーム名を都民から、ロゴマークを島の小中学生と高校生から募集し始めた。小池百合子知事も環境相時代に鹿児島県の奄美大島で、捕獲チーム「マングースバスターズ」を発足させて成果を上げたとして「今度はみんなでキョン対策を進めていくムーブメントにしたい」と盛り上げた。一方、ロゴマークの募集が子どもたちを対象としていることに、島では困惑が広がった。「動物を駆除処分するチームに島の子どもたちを関与させていいのか」。六月十三日の大島町議会全員協議会では、反対意見が相次ぐなど紛糾した。高橋千香議長は「都の支援強化はありがたい。だが、子どもたちが駆除を想像してロゴマークを描くことが、本当に理解につながるのか」と疑問を投げ掛ける。都の担当者は「一体感を狙った取り組みだっただけに残念。外来生物の駆除を考えてもらうきっかけにしてもらいたかった」と説明する。
(鳥獣害対策、年間捕獲数引き上げ:愛媛)
農林業の鳥獣害対策については、年間捕獲目標頭数をイノシシで2割増、ニホンジカで3倍以上に引き上げるほか、若い狩猟者の育成や狩猟名人の技の伝承、ICT(情報通信技術)を活用した大量捕獲の技術実用化に向けた実証研究などを行う。
(クマ目撃101件、11年度以降で最多:群馬)
群馬県内で4、5月に捕獲・殺処分されたツキノワグマは34頭で目撃件数は101件と、比較可能な2011年度以降、いずれも最多だったことが20日、分かった。今春以降に親離れした若い個体が例年より多いためとみられる。本年度は人身被害がまだ発生していないが、県鳥獣被害対策支援センターは「今後の出没状況によっては注意喚起を強めることを検討したい」としている。
(わな設置1か月、サル捕まらない:神奈川)
神奈川県清川村が、ニホンザルによる農作物の被害に頭を悩ませている。5月には、金網製巨大わなを山間部の集落近くに設置したが、1か月以上捕獲ゼロが続く。村では「人的被害が出る前に防がなくては」と、監視を続けている。同村では約200頭のニホンザルが複数の群れを作り、各地を重複して行動域にしているとされる。被害は深刻で、ある農家は「ジャガイモ、大根、ナス、キュウリなど片っ端から被害に遭っている」と嘆く。高齢化で対応も追いついていない。村は人的被害への危機感も募らせ、わなの設置を決定。今年度予算から120万円を投じ、静岡県のメーカーから囲いわなを購入した。縦8メートル、横5メートル、高さ2・7メートル。天井の開口部の縁に幅1メートルの滑りやすい金属板が斜めに張られ、これが「返し」となって外へ出られなくなる仕組みだ。おびき寄せるエサはサツマイモと、十数個の夏ミカンやリンゴ。村産業観光課は「外から手を伸ばし果物に触れても取り出せない。いら立ったサルは、網の向こう側に行こうとしてわなにかかる」と説明する。5月9日、同村煤ヶ谷の片原地区に設置。これまでに1度、エサを取ろうとした形跡があったが、群れではなく、はぐれザルとみられる。同課は「まだ1か月余。怠らずに監視を続けたい」としている。
(クマ対策限界、頭抱える農家ら:秋田)
家畜の牛や鶏がクマに襲われる被害が、県北地域で相次いでいる。被害の拡大を防ごうと、農家らは警戒を強めているが、できる対策は限られており、不安の声も上がっている。今月11日早朝。大館市十二所の養鶏農家、福岡和英さん(52)は、水やりのため比内地鶏約1000羽を飼う鶏舎のビニールハウスに向かい、異変に気付いた。ハウス内で約350羽が死んでおり、一部の鶏には、動物にかまれたような痕跡があった。「これまでも小動物や鳥に襲われたことはあったが、被害の甚大ぶりが別次元だった」と福岡さん。ハウスの内側に張られた金網が破られており、クマに襲われたと直感した。同市によると、市内では昨年も、クマが鶏舎に侵入し、鶏が死ぬ事故があったが、鶏が食べられた痕跡はなかったという。JAあきた北央(北秋田市)管内の比内地鶏生産者団体の代表を務める後藤久美さん(71)は「以前は『クマは肉を食べない』というのが共通認識で、飼料を襲われても鶏自体が被害に遭うことはなかった。クマと人間の生活圏が近付き、クマが人間の食べ物から肉の味を覚えたのではないか」と驚く。福岡さんは今回の被害を受け、鶏舎の外側に点滅ライトを新たに設置したほか、ハウス内は夜も明るく照らし、ラジオを流し続けることにした。「養鶏は15年ほど続けているが、これまでクマの被害がなかったから油断していた。可能な限りの手を打ちたい」と警戒を強める。一方、2日前の9日昼には、鹿角市十和田大湯地区の山林で、生後間もない子牛1頭が、腹部を食べられた状態で見つかった。周辺にはクマの足跡が残され、やはりクマに襲われたとみられている。同市によると、市内では地元のブランド牛「短角牛」や黒毛和種が飼育され、夏場は牛の交配やリフレッシュを目的に、家畜を放牧する。公共管理の放牧地が4カ所あるほか、今回被害があった所のように、個人農家が管理する放牧地もある。同市は被害を受けて、管理者に巡回活動の強化などを呼びかけているが、「暑さを避けようと山林深くに入り込む牛もいる。人間の見回りだけでは限界があるだろう」と頭を悩ませている。
(クマから身を守る方法学ぶ:秋田)
クマの出没が相次いでいることを受け、秋田県警秋田臨港署(泉浩毅署長)は26日、登下校時などにクマから身を守る方法を学ぶ安全対策教室を秋田市の飯島南小学校と外旭川中学校で行った。この日は横手署も管内の2小学校で実施。県警は今後、各署で同様の教室を開催するとしている。飯島南小では児童約400が参加。地元の「みなと猟友会」の佐藤恵次会長(73)が、クマは夜行性であることや警戒心が強いことなど生態について説明。「クマは自分よりも大きいものに対して近づいてこないので、ばらばらにならず、集団で行動することが重要。みんなで集まり、クマに向かって大きな声を出して」などと呼び掛けた。
(山菜目当て、入山後絶たず:秋田)
仙北市田沢湖玉川で5月27日に山菜採りの女性がツキノワグマに襲われたとみられる事故で死亡したのを受け、市などは地区への入山自粛を呼び掛けている。しかし、人気の高いネマガリダケが採れる時季とあって、入山者は5月末からの25日間で延べ3209人と、昨年に比べて微減にとどまっている。同地区では、国有林の維持管理を図る活動をしている市普通共用林野運営協議会が5月27日~6月20日、2カ所の林道に職員を配置して入山者を数えた。昨年はほぼ同時期の20日間で延べ3402人だった。日数は違うものの、今年は約200人しか減っていない。職員を配置した林道は、管理する秋田森林管理署が移動式のフェンスで道を封鎖。だが、多くはフェンスを動かして車で通り抜けているという。玉川地区のネマガリダケは、生えている林道の奥の国有林まで車で行くことができ、場所によっては林道脇で手軽に採ることもできる。しかも、業者が1キロ700~800円で買い取る。入山者の大半はネマガリダケ採りの「常連」で、収入目当てなどから自粛に応じていないものとみられる。今季、地区では死亡事故のほか、山菜採りに伴う遭難が4件発生した。市総合防災課の担当者は「捜索隊がクマに遭遇し、二次被害が起こりかねなかった」と語り、引き続き入山自粛を呼び掛ける。
(シカと列車の衝突事故が起きる原因は「鉄分」だった)
シカが線路内に侵入して鉄道会社が困っている──。国内鉄鋼メーカートップである新日鐵住金のグループ会社、日鐵住金建材で商品開発に携わる梶村典彦の目に、そんな新聞記事が飛び込んできた。普通の人なら「ふーん、そうか」と読み流す程度の記事だろう。だが、どんな些事にも関心を抱く性分の梶村は違った。「どれほど困っているのか鉄道会社にヒアリングしたい」と即行動に移した。そして、全国で年間約5000件もシカと列車の衝突事故が起きて遅延や死骸処理など大きな損失を出し、防止柵で対策してもシカの侵入を一向に防げず、むしろ被害が拡大していたことが分かった。これが、鉄道のシカ被害を低減する「ユクリッド」を開発することになったきっかけだった。「社会問題を探し出し、それを解決する商品開発が使命だった」という梶村は、すぐさま研究に着手する。全国の鉄道会社や有識者の元を行脚しリサーチしたが、シカで困っているのに鉄道に出没するシカを研究する人がいない。暗中模索のスタートだった。当時は新入社員だった、梶村の部下の見城映(あきら)。彼が学んだ大学教授は、シカに関する研究をしていた。梶村はその研究を足掛かりに、見城と二人三脚で開発に取り組んだ。「最も苦労したのは相手が動物だったこと」と梶村は振り返る。話が通じず、人がいると警戒して姿を現さないからだ。そこで、シカが出没すると作動するセンサー付き定点カメラで観察した。1カ月に2000~3000件ものデータを集め、見城が頭数、性別、線路に侵入してから出ていくまでの時間などで分類、数値化して分析した。
(世界遺産のシカを獲るのは是か非か)
ニホンオオカミ絶滅後の近代の日本では、シカなどの野生鳥獣の「天敵」は狩猟者と猟犬だった。狩猟の衰退とともにシカは各地で激増し、農林業被害だけでなく、屋久島や知床などでは自然保護区の貴重な植物への食害が深刻である。白神にもニホンジカの足跡が見えつつある。明治時代には豪雪年に半分が越冬できずに自然死したエゾシカも、近年では豪雪年にも個体数が減る気配がない。シカの分布は中山間地の人口と気候変動と森林率に左右され、東北地方を中心に今後ますます分布が拡大する懸念がある。とくに、世界遺産などとして自然を守ろうとしている地域については、対策を考えていかなければならない。国立公園制度はアメリカのイエローストーンから始まった。19世紀の西部開拓時代、残された自然をありのままに残す場所を作ったのである。世界自然遺産も、世界的に顕著で普遍的な価値を持つ原生自然を遺すための制度である。世界遺産委員会では、各地の世界遺産における気候変動影響を調べ、必要な対策を立てることを、2007年に決議した。それ以来、日本森林技術協会は林野庁の委託を受けて、その検討委員会を開いてきた。世界遺産といえども、完全に人の手が入ったことのない場所はほとんどない。科学的知見は各地の自然保護のあり方をも変えてきた。依然としてシカの捕獲調整に反対している科学者がいる屋久島に対し、1998年の北海道東部 、2005年の知床世界遺産地域 、2007年の神奈川県丹沢 と、時期は様々だがシカの捕獲に舵を切った地域がある。前世紀末には自然保護団体も個体数調整に反対し、市民も交えた激しい論争があった。今では彼らもその必要性を認めている。しかし、決めるのはあくまで地域社会であって、科学者ではない。世界遺産の自然も大切だが、地域の人々の暮らしのほうがさらに大切だ。 1999年に鳥獣保護法(鳥獣保護及び狩猟に関する法律)が改訂され、科学的計画的な個体数調整を行う「特定計画」制度が導入された。その際に、主に4つの点が議論された。(1)そもそもシカを捕獲することで減らすことができるか。(2)放置していてもやがてシカは増加を止め、自然植生への食害は限定的ではないか。(3)本来ゲームであるはずの狩猟に頼って再び乱獲に陥らないように制御できるか。(4)そもそも問題はシカの天敵がいないことだから、オオカミを再導入すればよい。農林業被害対策として、農地を長大なシカ侵入防止柵で囲う方策も進んでいるし、農地に入るシカの駆除には異論が少ない。ユネスコエコパーク登録地大台ケ原では、自然林を長大な柵で囲っている。屋久島や知床を始め各地でも小規模な植生保護策が設置されている。だが、全くシカがいない環境もまた不自然である。さらに、知床世界自然遺産の最奥部である知床岬には、シカ大量捕獲のための柵が設置されている。4つの論点について、その後の状況は以下のようになっている。(1)自然増加以上に獲らなければ、捕獲による個体数調整は成功しない。屋久島では全島の管理計画が2012年から進められ、最近ようやく個体数が減少に転じたとみられる。2008年頃のシカ捕獲数は毎年約300頭だが、1,000頭獲っても島全体の個体数を減らすことはできないと試算され、当時は私も、世界遺産のある山岳部と西部地域は増えるに任せ、農地の多い南部中心に個体数管理を行うべきと考えていた。2013年から15年には年に4000頭以上捕獲しているが、捕獲は麓の農地等に限られ、世界遺産地域の林床植生が激甚な食害を受けている。(2)日本各地でシカが大発生し、逆に餌不足等による大量死が散見される。放置すれば自然が安定した定常状態に達するというのは幻想にすぎない。(3)駆除捕獲を狩猟者に頼る限界は各地で指摘され、2015年に鳥獣保護法が鳥獣保護管理法に改正されたとき、捕獲専門家制度が導入された。シカ肉等が十分に利用されていない現状では、捕獲したシカの多くは産業廃棄物になる。この現状で狩猟者に頼るのにはたしかに限界がある。
(今注目のエアライフルハンティング)
「ハンティング」という言葉を聞いた人の多くは、『モンスターハンター』のようなゲームの世界や、海外の超お金持ちの娯楽を想像されるのではないでしょうか。確かに、日本国内で銃を撃って動物を仕留めるなんて趣味は、金銭的にも時間的にも普通のサラリーマンにとってはハードルの高い世界のように思えます。しかし実は今、『エアライフルハンティング』というアウトドアが、都心住まいのサラリーマンを中心に注目されてきているのをご存じでしょうか?このエアライフルハンティングは、従来のショットガンやライフル、罠を使ったハンティングよりも簡単に始めることができ、山奥まで行かなくても都心から1時間程度の場所で手軽に遊ぶことができ、さらに美味しいジビエをゲットできてしまうなど、様々な魅力が詰まっているのだそうです。そこで今回は『これから始める人のための エアライフル猟の教科書』(秀和システム刊)著者の東雲輝之さんと佐藤一博さんに、エアライフルハンティングの魅力についてお話をおうかがいました。都心に住んでいてもできる エアライフル猟の魅力に迫る!――ではまず、そもそもエアライフルというのはどういったものなのでしょうか。佐藤:簡単にいえば、弾を火薬ではなく銃の中に溜めておいた空気の力で飛ばす銃です。法的にはショットガンやライフルといった銃が「猟銃」と呼ばれるのに対して、エアライフルは「空気銃」という別の扱いになっています。なのでエアライフル猟は猟銃を使う狩猟よりも免許を取るのが簡単で、狩猟をするときに16,500円支払う狩猟税も半額以下の5,500円で済みます。つまり一般的なハンティングよりも手軽に始めることができるというわけです。東雲:またエアライフルの良いところはショットガンやライフルに比べて、発射音が格段に小さいところです。火薬を使った銃を撃つと、とんでもない爆音がしますが、エアライフルはスリッパで廊下をブッ叩くぐらいの音しかでません。なので、山奥に入らずとも比較的民家が近い場所でも撃てるので手軽に狩猟を楽しむことができるんです。――空気圧を使うってことは、エアライフルはショットガンやライフルよりもパワーが劣る銃だってことですか?佐藤:いやいや、全然弱くないですよ(笑)。エアライフルと言うと、よくおもちゃのエアガンを想像する人がいますが、エアライフルは鉛玉を使ううえエアガンとは比べ物にならないほど凄まじいパワーを持っています。カモやキジといった鳥であれば100m先にいても仕留められますし、至近距離ならイノシシやシカも一撃です。――ご著書では、ハンティング可能な動物に色々な鳥が紹介されていましたが、エアライフル猟のターゲットは鳥だけなんですか?東雲:基本的にスズメやキジバト、カモやキジといった鳥だけだと思ってください。一応、イノシシやシカを仕留めることもできますが、とても初心者が一人で挑む相手ではありません。初心者がソロでイャンクック に挑むぐらい無謀です。イノシシやシカなどの大型獣を仕留めたいのなら、ショットガンを持ってグループを組んで狩りに出かけましょう。――ちなみに、鴨などは東京に住んでいても水場で見かけることがありますが、撃っちゃっていいんですか?佐藤:11月15日から2月15日の猟期中であり、そこが鳥獣保護区という場所でないなら獲って食べても問題ないです。ただ、東京はほぼ全域が銃を撃ってはいけない区域なので、エアライフルで鴨を仕留めることはできないですね。でも、僕が住んでいる埼玉の加須あたりまでくれば色んな鳥が撃てますよ。ショットガンやライフルで大物猟をする場合は、車で片道3,4時間かけて群馬や山梨の山奥まで行かないといけませんが、エアライフルであれば都心から車で1時間です。――エアライフル猟の魅力は、やっぱり近場で狩猟ができることなんですね。東雲:そうですね、気軽にハンティングができるというのがエアライフル猟の最大の魅力ですね。東京以外の都心でも車で1時間も走れば良い狩猟スポットが見つかります。郊外の農家さんとお話をしていると、「最近このあたりの畑に○○が出て困ってるから、退治してくれ!」なんていう討伐クエストが発生することもありますよ(笑)佐藤:獲物は鳥が基本なので、一人でふらっと行けるのも魅力だと思います。これが熊やイノシシの猟だと、「獲物を誘い出す人」と「撃つ人」など役割分担のあるグループ猟になりますから、大掛かりになりますし、どうしても気軽に楽しむことはできないんですよ。――お話は少しかわりますが、そもそもお二人が猟に関心を持たれたきっかけはどんなことだったんですか?東雲:僕は昔から料理が好きで、自分で釣った魚をさばいて食べるのが好きだったんです。でも僕の住んでた北九州って場所は、冬場は北風が吹くので海が荒れて魚があまり釣れないんですよね。なので「魚が料理できないなら鳥獣を料理しようか」ってノリで始めたのが狩猟でした。あと、単純に「ハンター」って言葉の響きがかっこよかったっていうのもあります(笑)。佐藤:僕は母の実家の近くの山に、子どもの頃から親しんでいたのが大きかったですね。そこはイノシシや鹿が出る山だったのですが、大人になってからもそういう場所が好きで、車に乗って一人で出かけたりしていたんです。ある冬に、やはり一人で山まで出かけていったら、ちょうど猟をする格好をしたおじいさんが、犬を連れて下山してくるところでした。その姿がとにかくかっこよかったんですよ。「あ、俺もやろう!」と(笑)。それからハマってしまって、もう15年ですね。――東雲さんは5年、佐藤さんは15年ハンティングをされてきたとのことですが、これまでに経験した怖かったエピソードとかありましたらお聞きしたいです。佐藤:これはエアライフル猟ではなくて、猟銃を使った大物猟をしていた時の話なのですが、当時僕はまだ猟をはじめて2年目で、獣の足跡の見分けがきちんとつけられなかったんです。山で鹿の足跡らしきものを見つけて、その跡をたどっていったら、それは鹿ではなくてカモシカでした。カモシカって岩場の切り立った狭い場所も登っていくんですよ。僕はというと足跡を追うのに夢中で、知らないうちに足場の狭い岩場の、断崖絶壁みたいなところに誘導されてしまったんです。これ以上登るのも無理だし、かといって降りられもしないという、にっちもさっちもいかない状況でした。仕方ないから、荷物の中から獲物を縛って運ぶためのロープを出して、それをつなげて命綱にして、足場を探しながら少しずつ降りたのですが、怖かったですね。東雲:僕は山で迷ったことですね。山の中って思った以上に迷いやすくって、しかも暗くなるのも平地より早いんですよ。真っ暗な森の中、手探りで道なき道を進んでいく・・・しかも周りから何だか聞いたこともない変な音がするし・・・。結局、無事に林道に出ることができたんですが、基本的にハンティングで入るような里山は、観光地化された山に比べて格段に迷いやすいんです。これから猟をはじめる人には、身近な山に入る時でも絶対にライターやライトを携帯しておくようにと言っています。――銃を持っているということで、何かトラブルがあったりしませんでしたか? 東雲:僕自身はないですが、友達はエアライフル猟をしていたら警察がやってきて事情聴取されたことがあります。ほら、今って誰でも携帯電話を持っているから『気軽に通報』ができちゃうんですよ。もちろん合法的に狩猟をやっているとわかっていても、警察は通報を受けたら動かざるをえません。貴重な休日に、誤報というバカバカしいトラブルでストレスを感じないためにも、エアライフル猟では獲物以上に人間に気が付かれないようにするのが凄く重要だったりします。――周辺住民からの誤解を避けるための工夫として有効なものがありましたら教えていただきたいです。佐藤:僕は、周りに変に警戒されないように、エアライフルをギターケースに入れて持ち運ぶようにしています。それと、猟では誤射を防ぐためにオレンジ色の帽子やジャケットを着用するのですが、テレビで見る猟友会の人のイメージなのか、「ハンター=オレンジ」という印象が定着してしまっているんですよね。だから、山の近くでは車の外からオレンジのジャケットが見えないようにしまっておくとか、山を出たらジャケットは脱ぐとかはやったほうがいいのかなと思います。――ところで・・・「趣味でハンティングをしている」というと、男らしくてモテそうですね。実際はいかがですか?東雲:そう思うでしょ!?僕もそう思って、気になってた女の子に「俺、ハンターだぜ!」って自慢気に言ったんですよ。そしたらドン引きされまして。それはもう尋常じゃないぐらい嫌われました。だから、今は「ハンティング」とか「狩猟」とか言うのではなくて「鹿肉って凄く美味しいんだぜ?」とか「ジビエ食べに行かない?」とか、『ジビエ』ってワードを使って気を引いてます。これは女の子もノってきますよ!・・・でも、デートで凄く高いジビエレストランに行く羽目になるので、オススメはできません。佐藤:よく「銃を持っている人って怖そう」って言われますが、エアライフルも含めて、銃の所持許可証を取る時に「暴力団じゃないか、家族に暴力団関係者がいないか」とか「健康状態は大丈夫か」とか、「薬物を使ったことはないか」とか、警察から身辺調査を受けるんですよ。逆説的ですけど、狩猟用の銃を持っているということは、その調査をクリアしたということですから、国から「安全な人」であることのお墨付きをもらったようなものです。東雲君は見た目が怪しいんだから、そこは女の子に強くアピールしておいたほうがいいと思うよ(笑)。
(おいしいジビエ、探求心に火:山梨)
ハンターの義父と夫が昨年6月に開設した「明野ジビエ肉処理加工施設」(北杜市明野町上手)。当初、肉を真空パックする担当をしていた五味舞さん(26)は今年2月、散弾銃やライフルも扱える狩猟免許(1種)を取得した。食肉加工に携わることで、おいしいジビエ(シカ肉)の探求心に火がついたという。射撃場に通いながら猟場デビューへ向け、銃の腕を磨く日々が続く。五味さんにとり、夫の誠さん(37)は、シカの狩猟から食肉加工に至る“師匠”だ。「シカ撃ち、血抜き、解体、食肉の成形から製品化まで、主人の一連の技術を近くで見ながら『私も本物のジビエを加工してみたい』という思いが募っていきました」最終工程となる真空パックを担当していた五味さんは、連日1、2頭、年間では約400頭が搬入されるシカの加工技術を身につけていった。検温、内臓摘出、皮の剥離、4日間の冷蔵保管を経て、背ロースやもも肉を切り出した後、ナイフカットで成形した肉を真空パックする。これが加工処理の全工程だ。体重60~80キロのシカ1頭から、ジビエとして使えるのは骨、内臓などを除いた約半分という。「最初は内臓を見るのも嫌だった」という五味さん。「昨年冬から自信が出てきました。命をいただくのだから、いい肉に加工しなければという気持ちで取り組んでいます」と力を込める。肉の成形だけは経験と技術が必要で、師匠にすべて委ねている。「いい肉」の条件は、柔らかくて臭みがなく、プリプリの食感があることだという。それを生み出す秘訣(ひけつ)が仕留めた後の「血抜き」。誠さんは「いかに完全に血を抜けるかで味や品質が変わる」と説明する。血が残るほど肉は硬く、臭みが増す。五味さんは昨秋、「いい肉と、悪い肉の区別ができるようになり、自分の手で射止めたいと思うようになった」という。筆記、実技試験に合格し、念願のハンターに。だが、猟場デビューの時期は未定だ。いい肉を手にするには、誠さんのように、シカの頭を狙えるようになる必要があるからだ。胴体に当たると内臓破裂を起こし、売り物にならなくなるという。五味さんのハンターとしての素質について、誠さんは「引き金を引くまでの一連の動作がきれいで、命中の精度が高いと思う。たいこ判を押せる」と高く評価している。
(エゾシカ革製品ネット販売:北海道)
池田町地域おこし協力隊員の長谷耕平さん(32)は、町内で駆除されたエゾシカの皮で作った靴やバッグなどを販売するネットショップ「エゾレザーワークス」を開設した。町のエゾシカ解体施設で勤務しながら、自らもエゾシカ猟をする長谷さんは「エゾシカの肉だけでなく、皮も付加価値を付けて有効活用したい」と意気込んでいる。販売を始めたのは靴やバッグ、ポーチなど5種類、価格は5600円~3万5640円で、いずれも受注生産。全ての商品に、原料の皮がどこで狩猟されたのかを地図アプリで表示できる座標番号を添付する。いわば皮の“産地表示”で、狩猟地を把握できる施設の強みを生かした、国内でも珍しい試みだ。町内ではエゾシカが年600頭ほど駆除されており、長谷さんの施設ではこのうち300頭ほどを解体処理し、肉は町内外で販売している。今回は皮を東京の業者になめしてもらい、兵庫と大阪の工房に革製品への加工を委託。エゾシカ特有の柔らかい風合いとしなやかさを引き立てた商品に仕上げた。
(クマ、撃たれないことを知っている?)
秋田県で例年、発生するツキノワグマによる被害、今年は出没が以前より人里近くに集中しているのが特徴だ。横手市の観光名所、横手公園では目撃情報が相次ぎ、付近にクマのねぐららしき場所が見つかったことで、6月13日から広い範囲で立ち入り禁止となった。県内では民家の外壁が壊されたり、家畜が襲われるなどの被害も発生。人を恐れ、ドングリやタケノコを好物としていたはずのクマに、いったい何が起きているのか。横手公園は一部が山林に面しており、付近でクマのねぐららしき場所が2カ所見つかった。親子とみられるクマが6月に入って頻繁に目撃され、17日には2頭が捕獲されたが、近くの小学校では、保護者が児童の登下校に付き添うなど影響が広がっている。秋田市の県立小泉潟公園でも目撃情報が相次ぎ、6日から一部区域を立ち入り禁止とした。民家でも被害が発生した。秋田市郊外では8日、家の外壁が壊されているのが見つかった。外壁と内壁の間に蜂の巣があり、クマがハチミツを狙って壊したらしい。同市の国際教養大学など、学校の近くでの目撃情報も相次いでいる。クマが家畜を襲ったとみられる事件も起きた。9日には鹿角市十和田大湯の山林で、放牧されていた子牛1頭(40万円相当)が、腹部を食べられて死亡しているのが見つかった。11日には大館市十二所の養鶏用ビニールハウスで、飼育されていた比内地鶏350羽(70万円相当)が、食べられるなどして死んでいるのが見つかった。被害は従来、クマの大好物でもあるタケノコを取りに行き、山中で鉢合わせして襲われたケースが中心だった。県内では5月末、仙北市田沢湖玉川で女性(61)が襲われて死亡。県警や県は入山規制をするなど注意を喚起している。だが最近はより人里に近い場所での被害が頻発。そのため、「タケノコ取りで被害に遭うのは自己責任だが、観光地や学校の近くで出会ったらどうするのか」といった懸念の声が出始めた。こうした指摘を受け県は、公園や学校の近くに、被害を防ぐための電気柵を設置する検討に着手した。果たしてクマの数は増えているのか。県警によると21日現在、県内のクマ目撃情報は311件(360頭)で、昨年同時期(316件、340頭)とほぼ横ばい。ただ生息数は増えているとみられている。秋田県立大の星崎和彦准教授によると、一昨年はクマの餌となるブナの実が豊作で、昨年は生まれた子グマの多くが生き残った。今年夏はその子グマが独り立ちする時期に当たる。県によると、県内の生息数は1000頭前後。ただ計測方法には限界もあり、実際は「2000~5000頭の間に推定されるのではないか」と星崎さんはみる。狩猟に従事するハンターの不足と、県内の過疎化がクマを人里に近づけている側面もある。秋田県内の狩猟免許登録者は、ピークの昭和49年には8865人だったが、平成28年には1669人と5分の1に激減。高齢化に加え、免許維持にかかる費用が高く若い人が参入しにくい。そのため「クマが『撃たれることはない』と高をくくって、山中から下りてくるようになった」(鹿角市の旅館経営者)。過疎化の進む県では、中山間地域の耕作放棄地が増えて、放置されたリンゴや柿などの果樹が、山中から下りたクマの被害にあったとみられるケースが多数、報告されている。クマは雑食で、果物に加え「花粉のタンパク質を求めて花も食べる。状況次第では動物も襲う習性はある」と星崎教授。さらに人間を「弁当などおいしいものを持つ存在」と認識して襲う可能性も指摘されており、過去には「動かない遺体となった後で、その一部を食べた」(県自然保護課)とみられるケースもあった。クマに出合ってしまったらどうするか。従来「クマよけ」とされた鈴やラジオは、人里に慣れてきたせいで「タケノコに夢中になっているクマにはBGMのように聞こえてしまい、効かない可能性が高い」と星崎さん。「2人以上で大声で話せば、人間がいると分かって近寄ってこない」。とはいえクマと人間の共存は喫緊の課題。「クマの移動距離は鳥より長い。木の実を食べたクマが山頂で糞(ふん)を落とし、その中に含まれるタネが芽を出し、大木となれば、温暖化など環境変化に樹木もうまく対応できる」と星崎さん。マタギによるツアーなど、観光資源化の方法を考えることも一案となりそうだ。
(クマ襲撃多発、「命懸け」の入山なぜ:秋田)
タケノコ採りなどの最中にクマに襲われる被害が今年も東北で相次いでいる。それでも入山者は途切れない。なぜ危険を冒して山に入るのか。クマに襲われたとみられる女性(61)が5月末に死亡したタケノコの名産地、秋田県仙北市田沢湖の玉川地区を訪ねた。この時期、県内外から多くの人が地区を訪れる。秋田でタケノコといえば、ネマガリダケというササ竹の一種。やわらかく、みずみずしい食感で、人だけでなくクマの好物でもある。5月の女性死亡を受け、県は「クマ出没警報」を全県に発令。玉川地区では入山自粛を求め、国有林内の林道の入り口に柵を置き、現場近くの国道沿いにはロープを張った。県警は毎朝、パトロールで注意を呼びかけている。それでも、地区の中で入山者が多い二つの林道では、5月末から6月13日までに延べ約2千人が入山した。昨年同時期の延べ約3300人からは減ったが、途切れはしない。林道の入り口に置かれた柵の外で待っていると、秋田市の男性(83)がタケノコ採りから戻ってきた。日焼けした肌に、鋭い眼光。クマの爪から頭を守るためのヘルメットには笛をぶらさげる。 「今日もクマがいた」と事も無げに話した。「命懸け。その覚悟がないと山に入ってはいけない」。タケノコは缶詰業者に持っていく。一度山に入ると60キロほど採れ、7万~8万円の収入になるという。クマはあまり音を立てずに歩く。近づいて来ても気づきにくい。「ポキッ、ポキッ」とクマがタケノコを折る音で気づくこともある。遭遇した時は、目をそらしたり、逃げたりしてはいけない。弱いと思われたら、やられる。「どでんして(驚いて)逃げても、クマは足が速い」走って逃げるのが一番危ない。県自然保護課によると、大声はクマを興奮させかねない。にらみつけながらゆっくりと後ずさるのが基本という。
(金魚被害157万匹、「野鳥の食害」:愛知)
全国有数の金魚産地として知られる愛知県弥富市周辺の養殖池から大量の金魚が消えた問題で、弥富金魚漁業協同組合(同市)が組合員に実態調査を行い、回答した業者の約九割が野鳥などの食害を訴えたことが分かった。昨年一年間の被害は一緒に養殖するメダカを含め、組合全体の生産量の一割に当たる約百五十七万匹(推計値)に上った。実態調査は一九六〇年の組合設立以来初。県の協力を得て五月末までに同県弥富、津島、愛西の計三市と飛島村で金魚を養殖している全組合員計九十一軒に昨年の被害状況についてアンケートを実施し、七十六軒(83%)から回答を得た。七十六軒のうち、七十一軒が食害があったと回答。原因を尋ねた設問(複数回答)では、サギが六十七件と最も多く、カモ六十一件、カワウ六十件、カラス四十二件などと続いた。イタチ(二十七件)やカメ(四十二件)などもあったが、目撃証言などから野鳥が主な原因とみている。被害は、ラムサール条約登録湿地の藤前干潟(名古屋市港区)など、渡り鳥の飛来地が広がる名古屋港臨海部だけでなく、すべての地区で確認された。組合によると、今夏の需要期は乗り切れる見通し。渡り鳥の飛来が活発になる今冬ごろまでに、池の上や周辺に網を張るなどの対策を強化する方針。組合は六月中旬、調査結果を弥富市などに報告し、対策の支援を要望した。伊藤恵造組合長(64)は取材に「高齢化と担い手不足で業者は減り続けている。飛来する鳥の数は変わっていないようなので、被害が集中しやすくなっている」と指摘。「ブランドを守るために対策を講じたい」と話した。弥富市の服部彰文市長は「地場産業を守っていくために、どういう支援が良いか、組合側と協議していきたい」と話した。
(拳銃など所持容疑、医師を逮捕:神奈川)
改造拳銃3丁と空気銃・準空気銃計99丁を隠し持っていたとして、兵庫県警は26日、神奈川県小田原市本町1丁目の医師、清水昭男容疑者(60)を銃刀法違反容疑で逮捕し、発表した。清水容疑者は所持は認めているが「大半がインターネットで買ったもので、合法か違法か判断できなかった」と話しているという。生活環境課によると、清水容疑者は小田原市内の診療所院長。昨年2月と11月、自宅マンションなどに改造拳銃3丁と殺傷力のある空気銃19丁、人を傷つける威力のある準空気銃80丁を保管していた疑いがある。拳銃はモデルガンの銃口などに穴を開け、発射できるよう改造されていた。兵庫県警が昨年、銃刀法違反容疑で逮捕した神戸市の男(35)が、清水容疑者にネットオークションで準空気銃を売却していたことが捜査の端緒という。県警は清水容疑者宅の家宅捜索でモデルガンなど302丁を押収し、違法なものか鑑定を進めていた。
(イノシシ肉を食卓に、北陸3県で取り組み)
北陸3県で、農作物の食害をもたらす野生のイノシシの肉を「ジビエ料理」として活用する動きが広がってきた。石川県では今年度から家庭向け料理教室を開催し、富山県は商品開発やPRイベントの企画を募っている。イノシシの生息域が拡大、捕獲頭数が年々増加するなか、害獣を地域活性化の資源としてとらえ直している。石川県は早ければ7月にも、県内市町と連携して16カ所でイノシシ肉を使った一般家庭向けの料理教室を始める。肉には硬くてクセのあるイメージもあるが、一流料理人が講師となってハンバーグなど食べやすい料理の調理法を指導する。公民館などを会場に各回20~40人の参加を見込む。県は2015年以降、調理師学校の教員や生徒向けの研修会を開催しており、今年度はいずれも回数を増やす。県は14年度に狩猟や獣肉処理、調理師学校などで組織する連携組織「いしかわジビエ利用促進研究会」を創設。「捕獲や流通、消費に至るすべての関係者と連携して取り組みたい」(農林水産部)と話す。富山県は5月、イノシシ肉を使った低価格商品の開発や普及に向けたイベントを企画する委託事業者を募る公募型プロポーザルの募集を始めた。牛肉などと比べて手ごろな価格の商品が販売されれば「イノシシ肉の魅力を知ってもらえる」(農村振興課)と期待する。2~3月には栄養士や飲食店関係者を対象とした調理講習会を開催した。福井県は今春、ジビエ料理のガイドブックを3年ぶりにリニューアル。家庭でもできる料理のレシピ、ジビエ料理が味わえる料理店などの紹介例を充実させた。同県は消費の裾野拡大にも取り組む。市町を対象にジビエ普及を後押しする制度を設けており、14年度から小浜市や若狭町が制度を使って小学校などでジビエ給食を提供している。小さい頃から親しんでもらうことで消費拡大が狙えるほか「命の大切さなどを学ぶ総合学習としても利用されている」(県地域農業課)という。
(アスリートにはシカ肉を)
有害鳥獣として捕獲されるシカ肉の栄養価に注目して、健康食やアスリート向けの食事として活用しようという動きが出てきた。「野生の肉には抵抗がある」「くせも強いのでは」――。そんな従来のイメージを変えられるか。スポーツ選手も訪れるという静岡県藤枝市青木3丁目のカフェ「くるみキッチン」。看板メニューの一つがシカ肉のハンバーグだ。「(脂身の多い)ハンバーグは普段食べられないが、これなら大丈夫。肉の味がしておいしい」。19日午後、たまたま食事にきていた清水エスパルスのDF村松大輔さん(27)が、シカ肉ハンバーグの感想を話してくれた。店主の中野ヤスコさん(42)は管理栄養士。プロサッカー選手や実業団の陸上選手の栄養指導のほか、スポーツ選手の栄養に関する講演なども行ってきた。中野さんによると、シカ肉の栄養価はアスリートにとって理想的だという。運動で消費される鉄分を多く含み、脂質が少ない。日本食品標準成分表によると、ニホンジカの肉に含まれる鉄分は100グラムあたり3・4ミリグラム。和牛(サーロイン)の約4倍、豚(ロース)の約11倍にも上る。一方、脂質は100グラムあたり5・2グラムで和牛の8分の1程度、豚の約半分。カロリーは和牛の3分の1だ。高たんぱく、低脂肪の食材として、中野さんは栄養指導するアスリートにも勧めているという。中野さんは県の水産業者や農家とともに県産品を使った加工食品の開発を手がけてきた。そんな活動を通して県内でもシカの食害が深刻で、駆除されても有効利用されていないことを知った。ちょうど県内に食肉処理場が相次いででき、シカ肉が入手しやすくなったこともあり、メニューに加えることを決めたという。ハンバーグにしたのは、シカに苦手意識がある人にも食べやすいと考えたからだ。「『ジビエ』というと高級レストランで出てくるイメージだが、調理方法も牛肉と変わらず、気軽においしく食べられるということを知ってほしい」低カロリーに着目したのが静岡市清水区真砂町のホテルクエスト清水にあるイタリアンレストラン「クオモ」。同店の売りは「糖尿病患者でも食べられるフルコース」だ。静岡の食材を使い、糖質40グラム以下、エネルギー700キロカロリー以下、塩分3グラム以下――などの条件で医師と相談しながら作っている。クオモの青木一敏料理長(48)は、コースの3~5月のメイン料理に県内でとれたシカ肉のローストを採用した。「低カロリーなのにボリュームがあり、コースの趣旨に合う」ためだ。「えっ獣肉?」とコースメニューを見て食べることをちゅうちょする客もいるという。青木さんはそのたびにシカ肉の栄養価の高さや臭みがないことをていねいに説明してきた。「食べた皆さんは『牛肉みたい』と驚いています」しかし、シカ肉が日本の食卓に定着するにはまだ時間がかかりそうだと感じてもいる。「コースの一部だから食べてくれるが、単品で頼むのは本当に好きな人だけ」と青木さん。「地元の食害のことも考えながら、いつか多くの家庭でも気軽に食べてもらえたら」と期待している。
(駆除した鳥獣食べて農作物被害減らそう:香川)
農作物被害防止などのために駆除された野生鳥獣を食材として有効活用してもらおうと、香川県は「イノシシ・ニホンジカ解体技術プログラム」と「里山の恵みレシピ集」の2種類の冊子を作成した。狩猟免許取得者へ送付するほか、県みどり保全課で配布している。駆除されたイノシシやシカなどの肉は、適切に解体処理しなければ肉に臭みが残るうえ、調理法が普及していないため、ほとんどが捕獲後に食べられることなく廃棄されている。県はこうしたイノシシやシカの肉の活用方法を紹介することで狩猟が活発になり、農作物被害の抑制につながるようにと企画した。「解体技術プログラム」はA4判28ページ。捕獲から解体、部位ごとに分けて保管するまでの流れや各工程のポイント、必要な器具などが、イラストや写真とともに丁寧に解説されている。「レシピ集」はA4判12ページで、イノシシ肉のみそづけやイノシシのレモン煮、シカの簡単コンフィなど、ジビエ料理家の藤本よしこさんが考案したレシピ5品を掲載。また、イノシシとシカ肉の部位ごとの特徴も紹介している。県みどり保全課の担当者は「イノシシやシカ肉の料理を敬遠する人もいるが、しっかりと調理すれば驚くほどおいしい。多くの人にその魅力を知ってほしい」と話している。
(シカ肉と梅のパスタ:和歌山)
日高川町西原にある日高高校中津分校(池田尚弘校長)では同町のシカ肉PRへ、2年生の女子3人が中心となり、8月に有田川町の飲食店でオリジナル料理を提供する。23日にはメニューとなる「シカ肉と梅の冷製パスタ」を試作。今後、改良を重ねて完成させる。もともと生徒たちで料理を考え教諭の知人が経営する有田川町の多国籍料理バル「サカズラ」でレシピのみ提供する予定だったが、8月中のランチで生徒自らが調理して提供する機会を与えてもらい、23日はその際の料理を試作した。調理は2年生の東さくらさん(御坊市)、水原沙弥香さん(日高町)、井手段なゆさん(日高川町)の女子3人が中心となり、他の生徒もサポート。料理は、南高梅と和風出汁で作ったソースとパスタをからめ、オクラやトマトなどの夏野菜と、低温で長時間茹でて柔らかくしたシカ肉を添えた。23日は試作第1号を作り試食。「酸味があっておいしい。シカ肉も柔らかい」とおおむね好評だったが、細かな味付けなどで意見を交わした。東さんは「さっぱりして夏に最適。シカ肉はヘルシーなので特に女性の方に喜んでもらえそう」と話していた。今後も改良を進めるとともに、7月6日に和歌山市で開かれる県のジビエ料理講習会に参加し、講師に意見を求める。販売は8月中の土日を予定。同店は夜営業のみのため、昼間店を借りてランチ営業する。レシピの提供は「鹿しゃぶ」「鹿の燻製肉」となっている。
(獣害対策にGIS開発キット:愛知)
GIS開発の株式会社マップクエスト(本社:愛知県豊橋市 代表取締役社長:佐藤亮介)が開発、販売中のGIS開発キット「MapQuestDotNET」を使って、シカ害対策を目的とした地図アプリ「やるシカない!」を開発しました。地図アプリ「やるシカない!」は、GISの可能性を広げる取り組みの一環として、愛知県森林・林業技術センター(新城市)、NPO法人穂の国森林探偵事務所と協力して開発しました。地図の活用でシカ密度マップとシカハザードマップを重ねて把握することで、シカがよく出る地域における柵や罠の設置など効果的なシカ害防止対策の検討が容易になります。また、シカが少ない地域を把握することによる予防策の検討にも役立てられます。

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(有害獣駆除の流れ弾当たる、83歳女性けが:三重)
6月18日午後2時50分ごろ、名張市布生の県道沿いにある田んぼののり面で除草作業をしていた近くに住む女性(83)の頭に、有害獣駆除のために使われる散弾銃の流れ弾が当たった。女性は右側頭部を10針縫う全治2週間のけがを負い、名張署では業務上過失傷害の可能性も視野に調べている。同署と市農林資源室によると、この日は名張市猟友会の会員14人が現場周辺で駆除のため活動しており、このうち市内に住む会員男性(78)が鹿を狙って放った9粒入り金属製散弾のうち1粒(直径約8・4ミリ)が当たったとみられている。女性は発砲音の直後に頭部に痛みを感じ、出血があったため帰宅。その直後、同猟友会の別の会員が確認のため女性宅を訪ね、女性が負傷していたことから119番通報し、女性は市内の病院で治療を受けた。会員男性から女性までの距離は約120メートルあったといい、会員男性は「鹿を狙って撃ったが、人に当たっているとは気付かなかった」と話しているという。今回使われたものと同様の大粒散弾(6、9、15粒)は、近年全国で事故が多発していることを受け、大日本猟友会が今年2月、各都道府県猟友会に向けて、今秋以降の猟期では使用を禁止するよう通知している。
(宮崎国体、クレー射撃なし:宮崎)
日本体協は16日、国体委員会を都内で開き、2023年の第78回国体から26年に本県で開催予定の第81回国体で、隔年実施が決定していたボクシングとクレー射撃について、本県ではボクシングを行うことが決まった。
(タケノコ採りで遭難、クマから逃げ4日ぶり保護:秋田)
タケノコを採るために秋田県仙北市田沢湖玉川の山中に15日に入ったまま遭難していた美郷町の土木作業員の男性(59)が19日、発見された。男性は4日ぶりに発見され、衰弱して脱水症状があり、擦過傷程度のけがを負ったものの、命に別条はない。仙北署の発表によると、男性は15日午前9時頃に入山し、同日中にクマを2回見た。最初に遭遇した時は逃げたが、クマは追ってこなかった。2回目に見た時は、クマが自分に向かってきたため、夢中で逃げて道に迷ったという。今年5月に玉川地区でクマに襲われたとみられる女性が死亡したことから、市などが入山の自粛を求めていた場所で男性はクマと遭遇していた。男性は19日午前11時頃、入山地点から南西方向に約3・5キロ地点で工事をしていた関係者に助けを求め、市内の病院に搬送された。男性は食料を持っておらず、沢の水を飲んでいたという。
(泳ぐツキノワグマ、相模湖で目撃:神奈川)
神奈川県相模原市は16日、緑区若柳の相模湖で、泳いで岸に上がるツキノワグマの目撃があったと発表した。市水みどり環境課によると、泳いでいるクマの目撃は相模原市では初めてという。市によると、16日午前10時半ごろ、ボートで釣りをしていた緑区在住の40代男性が目撃。クマはボートの約50メートル先で岸に上がり、斜面の茂みを上っていったという。体長は約1メートル。15日午前にも約200メートル離れた対岸の3カ所で目撃があり、市は同一のクマではないかとみている。市立博物館の秋山幸也・生物担当学芸員は「斜面でえさを食べていて、湖に転落したことも考えられる。クマは泳ぎます。むしろ哺乳類で泳げない動物はいません。泳いでおぼれるのは人間ぐらいです」と話す。津久井署はパトカー4台で周辺を警戒し、市は防災行政無線放送で注意を呼びかけた。
(公園でクマ2頭捕獲:秋田)
17日午前0時半ごろ、横手市城山町の横手公園でツキノワグマ2頭がおりにかかっているのを、「クマの鳴き声を聞いた」という市民の通報を受けて巡回中の市職員らが発見した。地元猟友会が駆除した。人的被害はなかった。市によると、おりは別々の場所に設置。体長約1.5メートル、体重約120キロの7歳の雄と、体長約1.2メートル、体重約60キロの3歳の雌がかかっていた。同市内では8日以降、クマの目撃情報が相次いでおり、17日は午前6時半ごろに公園に近い横手南小の北東約50メートルで、午後6時25分ごろには同市睦成の市道脇で、それぞれ体長約80センチのクマを見たとの通報が横手署にあった。
(スキー場にクマ:秋田)
19日午後4時ごろ、秋田県横手市睦成の横手公園スキー場の斜面にクマがいるのを、巡回中の地元猟友会の男性が見つけ、市を通じて横手署に届け出た。現場は横手公園の牛沼から北東約500メートル。同公園付近では8日以降、クマの出没が相次いでいる。
(ツキノワグマ捕獲:滋賀)
滋賀県湖北森林整備事務所によると、18日朝、長浜市湖北町の小谷山周辺に仕掛けられた檻(おり)に、ツキノワグマがかかっているのが見つかった。同事務所によると、管内(長浜市、米原市)では、5月上旬から今月18日までのクマの目撃情報は計14件となり「今後発情期を迎え、クマの活動が活発になる。山などでは注意してほしい」と呼びかけている。捕獲されたクマは体長約1メートルで推定年齢は1歳半。現場は県道近くの林の中で、地元住民が発見した。連絡を受けた同事務所の職員が確認。檻はシカやイノシシを捕獲するために狩猟団体のメンバーが設けたという。県は「県ツキノワグマ第1種特定鳥獣保護計画」で狩猟の自粛を求めており、同事務所の職員が周辺の安全を確認後に放したという。
(クマ、国道で車と衝突:秋田)
18日は、県内でクマとの衝突事故があったほか、目撃が相次いだ。五城目町富津内中津又の国道285号では、午後4時15分ごろ、上小阿仁村の60代男性の乗用車が左側の山林から出てきた体長約50センチのクマと衝突した。五城目署によると、乗用車のバンパーを軽く破損。男性と助手席に同乗していた妻にけがはなかった。
(乗用車が「クマ」に衝突:福島)
18日午後3時5分ごろ、猪苗代町字三ツ屋の県道で、男性の乗用車がクマ1頭に衝突した。バンパーが割れるなど車の一部が壊れたが、男性にけがはなかった。猪苗代署によると、クマは体長約1メートルで、道路東側の水田から飛び出してきた。衝突後、そのまま水田側に戻って行ったという。同署が現場周辺で注意を呼び掛けた。また、会津若松市北青木で同日午後0時55分ごろ、小田山公園近くの山林の斜面で男性が1頭を目撃。会津若松署によると、体長は約90センチ。同日午後3時35分ごろには、須賀川市梅田字川原田の川沿いの土手で通行人男性が1頭を目撃し、須賀川署に通報した。
(イノシシ解剖設備も:福島)
福大環境放射能研究所では、施設に大型のイノシシを解剖するための部屋などが新たに設けられ、福島第一原発の事故で飛散した放射性物質が野生動物や土壌に及ぼす影響などについて、研究を進める。
(クマ対策限界、頭抱える農家ら:秋田)
家畜の牛や鶏がクマに襲われる被害が、秋田県の県北地域で相次いでいる。被害の拡大を防ごうと、農家らは警戒を強めているが、できる対策は限られており、不安の声も上がっている。
(ゆり園、住民がイノシシ対策:宮城)
栗原市一迫の「南くりこま高原一迫ゆり園」が16日開園した。住民グループ「町おこしユリの会」(黒澤征男会長、7人)が急増するイノシシ対策に気を配りながら、27回目の開園を迎えた。同ゆり園(約3万平方メートル)には200品種15万株が植えられている。同会は林との間に草を刈り取り花を植えない幅2メートル以上の「緩衝地帯」を設けた。
(ニホンジカ被害深刻化、協議会で活用検討:山梨)
食害が深刻化するニホンジカをめぐり県は管理捕獲したニホンジカを有効活用をするため、活用法を検討する協議会を新たに発足させた。県内ではニホンジカによる林業や農業への被害が深刻化していて、県は2023年度までにニホンジカの生息数を半減させる計画を進めている。こうした中県はニホンジカの肉や皮の活用法を検討する協議会を設置し、19日は初めての会合が開かれた。会合では県が、シカ肉には潜在的な需要があるとして、今年度、他県との差別化を図るため、山梨独自の認証制度の運用を目指す考えを示した。これに対し、委員からはシカ肉の処理が「捕獲から2時間」と規定されていることについて、時間内に処理が間に合わず活用が進まないとして、見直しを求める声などが出た。また、シカ肉の利用を促すためにジビエ料理のレシピなどを普及させていく必要があるといった意見も出た。次回の会議は10月ごろをめどに開き、認証制度の運用法について意見を求める予定だ。
(イノシシ増加、農業被害に警戒強めよ:秋田)
県内でイノシシの目撃情報が増えており、農作物が食い荒らされる被害が出始めている。イノシシは短期間に増える可能性があるだけに、県、市町村、猟友会など関係機関が連携し、被害を食い止める対策を先手先手で講じてほしい。県自然保護課によると、2012年2月に湯沢市秋ノ宮で成獣の雄1頭が捕獲されて以降、イノシシの目撃情報が増えている。11~13年度各2件(2頭)、14年度5件(5頭)、15年度6件(8頭)と推移。それが16年度は29件(42頭)と一気に増加した。昨年は大館市、仙北市で新たに出没が確認されるなど、県内のほぼ全域に生息が拡大しているとみられる。16年度までは三種町での1件のみだった農業被害も拡大が懸念される。本年度は5月に北秋田市で、今月10日に大館市でジャガイモの食害がそれぞれ見つかったほか、秋田市太平では4月に水田が掘り起こされる被害があった。まだ数は少ないが、農作物被害の多発に備えて警戒を強めるべきだ。イノシシの生息域は近年、温暖化などを背景に北上。福島、宮城、山形、岩手各県では農業被害が頻発している。4県の15年度の被害総額は約1億6千万円に上る。山形県では3頭が捕獲された04年度以降、生息数が急増。15年度末の推定個体数は約1900頭に上り、同県担当者は「予想を上回るペースで増えた」と振り返る。16年度は有害駆除や狩猟による捕獲数が単年度目標の440頭を超える見込みだという。仙北市に隣接する岩手県雫石町ではイノシシの出没が16年2月までなかったが、16年度は目撃が37件、農業被害が93万円(201アール)に及んだ。2カ所では稲が踏み荒らされ、全く収穫できなかった。このようにイノシシの被害は一気に広がる恐れがあることを肝に銘じる必要がある。県は本年度、イノシシを有害駆除対象に加え、「発見したら駆除」の方針を打ち出している。さらに11月ごろから湯沢市でおりを設置しての試験捕獲に乗り出す計画だ。ただし県内各地の猟友会は慢性的に人員が不足している。人的被害が発生する恐れの強いクマと違い、イノシシの場合は行政が猟友会に有害駆除を依頼するのは難しいという。狩猟免許取得者の数を増やし、「発見したら駆除」できる態勢をしっかりと構築することが急務だ。本県にとってはイノシシの個体数がそれほど多くないとみられる今が、隣県からの侵入阻止と、県内に生息させない対策を取るべき時期である。目撃が頻発している湯沢市、由利本荘市などは大きな農業被害がいつ出てもおかしくない状況にある。県はこうした地域を重点対策地域に据えて一斉捕獲を行うなど、実効性のある対策を検討してもらいたい。
(市街地でサルの目撃相次ぐ:兵庫)
兵庫県三木市内の市街地でサルの目撃情報が今月に入って2件相次いでおり、市は「餌を与えない、見せない」「近づかない」「戸締まりをきちんとする」という基本の3点を挙げて注意を呼び掛けている。5日午前9時半ごろ、同市緑が丘町東3の住宅街で、民家の門扉からサルが出て行く姿を男性が発見。14日午前10時半ごろには同市岩宮の岩壺神社付近で、木々の間にサルがいるのを女性が目撃したという。同市農業振興課によると、群れからはぐれた雄が市街地に出没する場合があるといい「危害を加えたり物を取ったりする習性のないサルなら(接触しなければ)問題ない」としている。
(サルの目撃相次ぐ:福島)
いわき市で野生のサルの目撃が相次いでいる中、今度は民家にも出没。 いわき市では捕獲は難しいとしているが、住民の間では不安が広がっている。
(電柱のカラスの巣、あえて放置:愛知)
カラスの巣を残しています――。中部電力が、そんな標識を電柱にはっている。巣は停電の原因となり、2月から7月にかけては社員が対策に追われる日々だ。その巣を、わざわざ残すわけは?名古屋市守山区の交差点付近にある高さ約14メートルの電柱。「カラスの巣 残置中」と知らせる緑色の標識が巻かれていた。見上げると、カラスの巣。今年3月に見つかり、中電が標識を設置したという。カラスは、雨にぬれた木の枝や針金など電気を通すものを巣作りに使う。電線に触れることで漏電やショートを引き起こし、停電につながる恐れがある。名古屋市と近隣35市町村を管轄する名古屋支店は、昨年約100件の停電があり、そのうち約10件がカラスの営巣によるものだった。今年もすでに8件(6月5日現在)あり、4月上旬には名古屋市北区と西区で計約1400戸の停電があった。名古屋支店では、素材に針金が使われるなど停電リスクの高い約2100カ所(6月5日現在)の巣を撤去した。1日約100カ所撤去したこともある。ただ、停電につながりそうにない巣は標識を設置した上で残しておく。巣を撤去されたカラスが別の電柱に営巣する可能性があるためで、5日時点で約1千カ所にのぼる。広報担当者は「撤去すれば良いということではない」と語る。中電では、遅くても1999年ごろから標識を設置してきた。営巣の季節が過ぎると、「引っ越し」のリスクがなくなったとして、巣をすべて撤去するという。担当者は「標識のない電柱で巣を見つけたら、停電の恐れがあるので最寄りの営業所に連絡を」と呼びかけている。
(スイレン池復活、シカ食害と闘い3年:愛知)
ニホンジカの群れに食い荒らされ、一時は全滅寸前だった豊根村三沢のスイレン池が見事に復活した。管理人の黍(きび)島和代さん(65)の三年間にわたる奮闘がようやく実を結んだ。咲き始めた白や赤の花が、水面を美しく彩っている。池は自然体験施設「村営三沢高原いこいの里」の貸別荘前にあり、直径約十メートル。二十年ほど前に植えられたスイレンが広がり、毎年六月中旬から九月下旬にかけ、涼しげな花を咲かせてきた。ところが二〇一四年秋からシカの群れが出没し始め、葉っぱを食い荒らすようになった。侵入を防ごうと、黍島さんは高さ一・五メートルの獣害防止ネットを周囲に張ったが、「見事に倒されちゃいました」。味を覚えたシカたちは夜ごと池を襲い、そのたびに補修して防戦。「一昨年は支柱を頑丈な鉄パイプに換え、昨年は漁網も加えて三重に巡らしました」。ようやく沈静化したと思いきや、ネットの下部をくぐって侵入され、スイレンはピンチに陥った。今春、黍島さんはネットの下部を丸太で押さえ、くぐれないようにした。苗を購入し、補植も続けた。毎日池を訪れ、異常がないかどうか点検する。懸命の努力が実り、スイレンは水面の三分の二を覆うまでに復活した。七月には村の補助を受け、地元住民も手伝って金属製のフェンスを設置する。標高八百メートル。冬は氷点下一〇度以下に冷え込むスイレン池。「高冷地での開花は珍しいと聞きます。観光客の皆さんに楽しんでいただけるよう、頑張って世話を続けます」。花を眺めながら、黍島さんは笑顔で話した。
(ヤギ放牧で獣害対策:兵庫)
ヤギが兵庫県南あわじ市八木大久保の耕作放棄地で放牧されている。世話をするのは、市地域おこし協力隊の山田孝夫さん(37)と住民ら。“八木でヤギ”とはシャレのようだが、獣害対策やミルクを使った特産品開発など狙いは大まじめだ。地元では収穫間近の農作物がイノシシやシカに食べられる被害が続出。目を付けたのがヤギだ。雑草を食べさせて見通しを良くし、警戒した獣が田畑に近づかないよう緩衝帯を作る。
(残りだれでクマ捕獲、佃煮業者が自治体に提供:秋田)
クマに人が襲われる事故を低コストで効果的に防ごうと、秋田県潟上市のつくだ煮製造業「菅英佃煮本舗」が、製造過程で出るたれの残りなどを秋田県内の市町村に無料で提供する取り組みを始めた。捕獲用のおり内でクマの気を引く誘引剤として使ってもらう。たれには水あめや砂糖、しょうゆなどが含まれており、甘辛い香りがある。ワカサギを油で揚げた商品を製造する際に出る天かすと併用すると効果が増すため、合わせて提供する。「クマに壊されない金属製容器に入れて使う」といったノウハウをまとめた注意書きも添付した。約10年前、同社近くに出没したクマを捕獲する際、残っていたたれを地元猟友会に提供。誘引剤として効果があったため、近隣の要望に応じて譲ってきた。今回、県を通じて提供を申し出たところ、鹿角、横手両市など6市町から要望があった。多くの自治体は、クマの誘引剤に蜂蜜入りシロップを使っている。ハチが蜜を吸うこともあるため定期的に補充する必要があり、26台のおりを所有する鹿角市の場合、年間3万~4万円の蜂蜜を購入している。同市農林課の担当者は「届いたら、すぐに使ってみたい」と期待を寄せる。製造上、たれが残る量は少ないため、2週間待ちだという。要望が多ければ、来年以降は廃棄していた分を冷凍保存し、提供することを検討している。菅原英孝社長(65)は「クマの個体数が増え、人家近くまで出る例もあると聞く。捕獲に協力したい」と話した。
(サラリーマンでもできる週末ハンティング)
“WANTED(おたずねもの)”を探して野を駆け巡り、持っていた銃で獲物を仕留めるスナイパー、あなたも男の子であれば一度は『賞金稼ぎ』という仕事に憧れたことがあるはずです。しかしそんなのは映画やゲームの中でのお話、とても現実世界ではありえないように思えます。・・・いえ、実はそんなことはありません。驚くことに『賞金稼ぎ』という仕事は現代日本にも存在します。しかも普段は都会で働くサラリーマンのあなたでも、週末だけで月に数万円の副収入を稼ぐことも可能なのだそうです。現代日本における“WANTED”とは、人間社会で悪さをする野生動物たち。例えば、近年凶暴化が目立つクマや、農作物を食い荒らすイノシシ、林業に大被害を与えるシカ、ゴルフ場で貴金属を盗んでいくカラス、ごみ箱を開けて無茶苦茶にするアライグマなどの、世に言う害獣たちのことで、自治体は税金を使って駆除を実施しています。その駆除は狩猟の免許を持った『ハンター』たちが行っており、駆除に従事したハンターは仕留めた動物に応じて1匹あたり1万円から数千円の報奨金を受け取る仕組みになっています。ベテランハンターの中には月に十数万円もの報奨金を受け取る人もいるのだそうです。もちろん、獲物を仕留めるテクニックや知識は一朝一夕でなるものではありません。遠くにいるターゲットを一発で仕留めるスナイパーの腕も、獲物に気づかれないように罠を仕掛ける腕も、20年、30年の修業が必要なのだとか。実情がそれなのでは“賞金稼ぎ“は金持ちの道楽か老後の楽しみでしかないように思えます。しかしハンターの世界には、所持許可を取るのが比較的簡単で維持費も安く、さらに初心者であってもベテランスナイパー並みの射撃が行える『エアライフル』と呼ばれる銃が存在するのだといいます。このエアライフルであれば、週末に一人でぶらりと野山を歩き、ターゲットを見つけたらスコープ越しに長距離スナイピングで報奨金をGET、さらに捕獲した動物によっては『ジビエ』として美味しく食べることもできます。エアライフルで仕留める“WANTED”には、稲を食害するカルガモや、かんきつ類を荒らすヒヨドリなどがおり、これらは食べても非常に美味しい鳥です。ちなみに、あのカラスでさえも、料理方法と味付けを工夫すれば臭みもなくおいしく食べられるというから驚きです。『これから始める人のためのエアライフル猟の教科書』は、エアライフルを使ったハンティングでの免許の取り方から、銃の選び方、銃の撃ち方、ターゲットの見分け方、さらには獲物の捌き方から調理法まで解説している一冊です。これまでどこか遠い存在であった「狩猟」の世界も、エアライフル猟であれば忙しい生活の合間に始めることが可能です。あなたもエアライフルを背負い、週末は“賞金稼ぎ”、はじめてみませんか?
(駆除イノシシの頭蓋骨スピーカー:岡山)
駆除されたイノシシやシカ、地元の山の木材を使ってスマートフォン用のスピーカーや壁飾りを作っている男性がいる。岡山県鏡野町百谷の竹下桂輔さん(47)。地域に眠る資源を実用的で美しい作品に変えている。四つの牙をむいたイノシシの頭蓋骨(ずがいこつ)から音楽が流れてくる。所有する山に生える桜の木と組み合わせ、スマホの音量を2倍ほどに大きくし、やわらかい音色を出す。廃棄されるはずだったイノシシの骨を活用した、インパクトのあるスピーカーだ。このほかにも、牛の角を使ったラッパ付きスピーカーや、シカの頭蓋骨を使った壁飾りもある。いずれの材料も鏡野町のものだ。「ジビエの皮や骨もうまく処理すれば資源になる」と竹下さんは言う。同町の出身で、都内でドラマーとして活動した後、2008年に実家に戻ってきた。農業と林業を営む傍ら、山林の木を使ってスピーカーやイスを作っていた。昨年、同町の青年農業者クラブ泉会と協力し、有害駆除されたイノシシやシカを活用した作品づくりに取り組んだ。東京で音楽活動をしている知人らにスピーカーを贈ると、「これはすごい」と評判になった。共通の知人から竹下さんのスピーカーを紹介されたという三重県桑名市に住む奈城(なしろ)由大(よしひろ)さん(33)は「圧倒的な存在感がある」と評する。「音楽に携わっていた竹下さんだからこそ、音もこだわり抜かれている。優しい、特別な音になっている」と話す。名古屋市の飲食店などに作品を販売しようと準備中だ。竹下さんの作品には、家の後ろにそびえる標高1209メートルの泉山(いずみがせん)を模した焼き印が入る。「大好きな地域で育まれたものを使い、作品を作れるなんて、こんなに素晴らしいことはない」と話す。県鳥獣害対策室によると、イノシシやシカによる農作物の被害額は昨年、計1億2740万円にのぼった。捕獲件数はイノシシ約2万頭、シカ約1万5千頭(いずれも2015年度)で、増加傾向にあるものの、そのほとんどが活用されずに廃棄されているという。県は今年度からシカやイノシシを食肉として有効活用しようと、加工品の開発や販路開拓に取り組む岡山市と倉敷市の事業者に補助(上限70万円)を始めた。担当者は「地域資源として新たな需要を掘り起こしてほしい」と期待する。
(県庁食堂で、限定ジビエ:石川)
野生イノシシの肉を使うジビエ料理が二十八、二十九の両日、県庁二階にある誰でも利用できる庁内食堂で、昼の特別メニューとして提供される。初日は「イノシシ肉ハンバーグ」(三百二十円)を五十食、二日目は「イノシシそぼろ丼」(四百五十円)を六十食、それぞれ午前十一時半から限定販売する。農作物を荒らす野生動物の駆除を促す上、生態系のバランスを保つことにつながって小動物や草木を適正に保護でき、新たな名物料理にもなり得ると注目を集めているのがジビエ料理だ。今回は「実際に食べられる機会を提供し、認知度を上げよう」と県里山振興室が企画し、食堂の運営業者にメニュー化を依頼した。試食した担当職員は「軟らかくジューシーで、牛肉や豚肉だと言われれば、そのまま信じて食べてしまいそうな感じだった」。ジビエと聞いて連想しがちな臭みも「全くなかった」という。合計百十食のため、あっという間に売り切れる可能性はある。担当職員は「未知の試みなので、とりあえずの数量とした。売れ行き次第では、第二弾も検討されると思う」と話した。ジビエの需要が高まれば、狩猟免許を取得して駆除に取り組む人が増える可能性もある。
(駆除した鹿イノシシ、工芸品として活用:山梨)
山梨県大月市の藤本二菜さん(35)は、土に埋めたり、処分されたりする鹿やイノシシの命を無駄にしたくないと、かばんやポーチ、アクセサリーなどの工芸品にしてよみがえらせている。「ちょっと前まで生きていた命を無駄にせず、活用したい」との願いを込めた。藤本さんは、都内で皮革製品のデザインや縫製を学び、工芸品メーカーで働いていた経験を生かし、実家のある大月市に戻り、3年前に工房兼作業場をオープンした。実家は、山間部にあることから鹿やイノシシなどの鳥獣被害は切実な問題だった。都内に1枚からでも獣皮をなめしてくれる業者があることを知り、「地元で駆除された鹿やイノシシの皮を使って何か作れるのではないか」と思いつき、地元の狩猟会と交流を始めた。ハンターから獣皮の提供を受け、「多くの人に使ってもらいたい」と、約1年前からかばんや小物などを作り始めた。県内の東部地域は「郡内」と呼ばれることから商品は「郡内レザー」と名付けて販売。ロゴマークにもこだわり、郡内の頭文字の「g」に、角が生えたようなデザインを考案。工芸品に付けて、人と自然に優しいエコレザーとして、県内外のイベントやワークショップでアピールしている。昨年は第一種狩猟免許も取得。昨年末に初めて狩猟に挑戦し、イノシシを仕留めた。藤本さんは「動物の命を無駄にしたくない。郡内レザーを通じて、地域の自然や野生動物のことを知ってもらいたい。工芸品作りが地域資源を生かした産業となり、定着すれば雇用の創出にもなる」と期待を込める。

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(銃期限誤記載で男性に費用賠償:島根)
県警は15日、猟銃・空気銃の所持に必要な許可証の有効期間を安来署員が誤って記載したことが原因で、安来市内に住む男性の許可証が失効し、新たな許可証取得のために発生した費用約19万円を男性に賠償したことを明らかにした。県警によると、この男性は2013年に安来署で許可証の交付を受けた。有効期限は申請から3回目の誕生日だが、誤って1年先の16年の誕生日を記載した。誤記載は、16年に県警が実施した更新調査で発覚。男性は、更新手続きの機会を逃したため、新たな許可証取得に必要な講習や申請、銃の保管料などが発生した。県警生活安全部は「申し訳ない。今後、チェックを強化していく」としている。
(クマに襲われ猟友会男性重傷:富山)
14日午後3時50分ごろ、富山市八尾町三田の山林で、ツキノワグマの駆除に向かった地元猟友会会員の無職、佐々木孝さん(69)がクマに襲われた。佐々木さんはあごをかまれるなど重傷を負ったが、命に別条はない。富山西署などによると、午後3時5分ごろパトロール中の富山県の職員がイノシシ用のわなにかかったクマを見つけ、佐々木さんに射殺を依頼。佐々木さんは県職員2人と入山しクマを撃とうとしたが、わなが外れて襲われたという。クマは体長約1メートル、体重は70キロ程度とみられ、県職員がクマよけのスプレーを吹き付けるなどしたところ、山中に逃げた。
(猟犬にかまれ死亡、飼い主に有罪判決:和歌山)
去年、和歌山県田辺市で93歳の女性が猟犬にかまれて死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われた飼い主の75歳の男に対し、和歌山地方裁判所田辺支部は「猟犬の訓練や管理が不十分だった」として、禁錮10か月、執行猶予3年を言い渡しました。和歌山県田辺市中辺路町の坂本年弘被告(75)は、去年10月、市内の山でイノシシ狩りをした際、安全を十分確認しないまま3頭の猟犬を放し、近くに住む横堀正枝さん(当時93)がかまれて死亡したとして、業務上過失致死の罪に問われました。15日の判決で、和歌山地方裁判所田辺支部の上田卓哉裁判官は「猟犬の訓練や現場での管理が不十分で、狩猟という危険な行為を行う者として注意義務を怠った過失は重い」と指摘しました。一方で、「狩猟はイノシシによる農作物の被害に悩む地域住民のために行っていて、反省もしている」として、禁錮10か月、執行猶予3年を言い渡しました。
(ユリ球根被害、犯人はイノシシの可能性:新潟)
上越市は15日、五智公園でユリの球根が約100カ所で引き抜かれていたのは、その後の調査でイノシシの仕業による可能性が高いことが分かったと発表した。同市は当初、何者かが盗掘した可能性が高いとしていたが、15日に専門家が現地で調査した結果、誤りだと判明したという。市の都市整備課によると、イノシシが鼻を押しつけて土ごとユリの球根を食べるとスコップで掘り返したような跡になることから、人為的な盗掘だと当初の判断を誤ってしまったという。また、被害のあった場所の近くではヤマイモが動物に食べられていたが、ユリの球根がなくなる現象との関連性までは見抜けなかったとしている。五智公園内では自生しているユリの根が今月上旬から園内で掘り返される被害が続いていた。同課によると、同公園内でイノシシが目撃される情報が近年増えており、今後は地元の猟友会との連携も含めてイノシシ対策を検討する。
(動物園からシカ逃走、依然捜索続く:岡山)
今月13日、岡山市北区の池田動物園から脱走したシカの捜索が続いています。脱走したのは体長1メートルから1.5メートルほどのニホンジカのオス1頭で、職員がえさやりの際、檻の扉を開けた隙に脱走しました。近くの小学校では児童の安全確保のために14日も集団下校を行っています。池田動物園では16日まで臨時休園し、シカの捜索にあたります。
(捕獲報奨金の詐欺が横行する“鹿肉商売”の闇)
農林水産省の鳥獣対策室によると、野生鳥獣による農作物被害額は年間200億円前後で「高止まりの状態」だという。特に多いのがシカによる食害だ。「推定生息数は、本州以南のニホンジカが305万頭、北海道のエゾシカが57万頭。これは2013年のデータで、シカ類の数はイノシシの4倍強といわれています。本州以南のニホンオオカミ、北海道のエゾオオカミという捕食者が絶滅したので、シカ類はまさに“わが世の春”を謳歌しています」(同省対策室)今年4月、政府が官邸主導でジビエ(野生鳥獣肉)料理の利用拡大を目指す対策を発表した。例えば『カレーハウスCoCo壱番屋』では、滋賀県の店舗が'10年から提供を始めたシカ肉カレーが、北海道や長野県などの店に広がっているように、ちまたで目にする機会も増えている。しかし、滋賀を除いて常にあるわけではないようだ。「シカ肉はビジネスをする上で障害が多い。シカは銃弾が頭か首を撃ち抜いた場合のみ食肉に使えるのですが、それでも売り物になるのは背ロースとモモ肉ぐらいで、100グラム当たり700円前後で取引されるものの、全体の約15%に過ぎません。肉の注文が増えても十分に供給できず、廃棄費用を考慮すると利益が出ないのです」(グルメライター)一方、鹿児島県霧島市では、鳥獣捕獲を依頼する猟師を『捕獲隊員』として任命し、イノシシとシカを捕獲すると1頭1万2000円の報償金が出るが、このカネ目当ての詐欺が横行しているという。「捕獲に対する国の補助金制度が始まった'13年度からの3年間で、不正受給は少なくとも300件を超えるとみられます。こうしたことから農水省は、捕獲の確認方法を調査する方針を明らかにしました」(地元紙記者)生態系は一度破壊されると、人間の手では負えなくなる。ジビエ料理を推進したところで、オオカミの代わりは無理なのだろう。
(鳥獣被害3億8300万円、生息域拡大し3%増:栃木)
平成28年度のイノシシやシカなど獣類による農作物被害額が前年度比3%増の3億8300万円に上ることが、県のまとめで分かった。野菜や果実を好むハクビシンによる被害が前年の2倍近くになり、他の獣類を含めて全体的に生息域が拡大していることが要因という。一方、林業は、クマによる剥皮(はくひ)被害が大幅に減少したため、27%減の3億6千万円だった。県農村振興課によると、鳥類被害は5%減の8100万円、獣類被害は5%増の3億200万円。獣種別では、イノシシによる被害が1億5400万円(13%減)で最多。ハクビシン4600万円(92%増)▽シカ4600万円(2%増)▽サル3500万円(9%増)▽クマ800万円(60%増)-などと続き、ハクビシンやクマの増加が目立った。作物別で被害が最も多かったのは稲の1億6千万円で、野菜は1億2100万円。県は鳥獣の捕獲や侵入防止柵の設置補助などで被害の軽減に取り組むが、被害額は横ばい状態が続き、減っていないのが現状だ。同課は「侵入防止柵などの対策を取っても、柵のない別の場所に移動してしまう。対策を取っている場所は被害が減少しているので地道に対応するしかない」とする。林業では、日光市や鹿沼市など県西部の標高約1千メートル以下のスギやヒノキを中心に被害面積は65ヘクタールで、被害額は、シカが5%減の2億1千万円、クマが44%減の1億5千万円だった。シカによる被害面積は11%増の40ヘクタールだったが、幼齢木の被害割合が前年度より大きかったことから全体の被害額は減少した。獣類の捕獲状況は、ドングリが不作だったため、イノシシやクマ、サルが例年より里に多く出没したという。イノシシ1万3442頭(76%増)▽シカ8735頭(25%増)▽サル586頭(33%増)▽クマ69頭(146%増)-となった。イノシシとシカの捕獲数は過去最多。作物や木々への食害で農業や林業に被害をもたらすシカの生息域が県東地域に広がる懸念があるとして、関係者が連携して被害防止策を協議する県東地域ニホンジカ対策協議会が設立された。日光市など県西部ではシカの食害で農林業や貴重な植物など生態系に大きな被害が出たとして、捕獲や柵による侵入防止などの対策が取られてきた。さらにここ数年、県東部で目撃情報が増え、県は「被害が出る前に対策を取りたい」として、国の出先機関や関係市町、各地の森林組合、猟友会の関係者で構成する協議会を立ち上げた。協議会には大田原市など県東部10市町が参加。東北自動車道東側を情報収集の対象とし、県塩谷庁舎(矢板市鹿島)で開かれた第1回会議では、目撃や捕獲した場合の連絡方法、食害や侵入への防止策が説明された。出席者からは「県西部のようにならないうちに早く手を打っていただきたい」と要望や質問が出た。協議会の会長を務める県自然環境課の琴寄行雄課長は「(県北東部の)八溝地域の森林で良質な材木が育っているが、シカの食害で皮をはぎ取られたり、新しく植え替えるところで苗を食べられたりしたら大きなダメージになる」と早期対策の重要性を訴えた。
(クマ出没、養蜂箱を破壊:青森)
青森県八戸市の大久保地区でクマの出没が相次いでいる。市が山林内にビデオカメラを設置したところ、クマ1頭が養蜂箱を襲う様子が撮影された。付近には学校もあり、市は広報車を巡回させるなどして注意を呼びかけている。撮影されたのは14日未明で、クマ1頭が午前0時過ぎに現れ、養蜂箱を荒らす様子が撮影されていた。ビデオカメラは12日に養蜂箱の被害があったことを受け、市農林畜産課が現場に3台を設置していた。大久保地区では、7日以降、畑近くの山林へ逃げていくクマなど5件の目撃情報があったほか、撮影された分を含め2件の養蜂箱の被害が続いている。養蜂箱が襲われた現場は県立八戸第一養護学校から約0・7キロ、市立町畑小学校からは約1・6キロしか離れておらず、市農林畜産課の担当者は「付近では道路を横切るクマも目撃されているので、外出時は十分注意してほしい」と呼びかけている。
(市道をクマ横切る:秋田)
15日午前9時15分ごろ、秋田市金足鳰崎の小泉潟公園近くの市道にクマがいるのを、車で通り掛かった女性が見つけ、秋田臨港署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートルで、市道を横切って北側の田んぼに走り去ったという。現場は同公園内の水心苑から北に約400メートル。付近では6、7日にもクマが目撃されており、県は同苑や一部区域を閉鎖し、立ち入りを禁止している。市は同苑付近に捕獲用のおりを設置しているが、捕獲には至っていない。
(乗用車とクマ衝突:秋田)
15日午後5時40分ごろ、秋田県五城目町高崎字白籏の秋田中央広域農道で、秋田市の60代男性が運転する乗用車がクマと衝突した。車のバンパーが破損した。男性にけがはなかった。
(クマ騒動:広島)
廿日市市のニュータウンと周辺で5月下旬からクマの目撃情報が相次いでいる。15日現在、警察や市に寄せられた情報は計10件。市は目撃情報があった場所の近くに捕獲用のわなやカメラを仕掛けるなど対応に追われている。「そういえば、どうなった?」約3400世帯7800人が暮らす阿品台地区(廿日市ニュータウン)。バスの車中や美容院ではクマが話題に上る。35年前から暮らすという男性(73)は「クマが出たなんて初めて」と驚き、保育園児から中学生までの子どもを持つ主婦(36)は「子どもだけで遊びに出せず、公園も使えないのは困る」とこぼす。約40年前に山を切りひらいて造成された住宅地。市役所から3・2キロ北西で、地区内には保育園や幼稚園、小中学校、日本赤十字広島看護大があり、県立廿日市特別支援学校も近い。最初の目撃情報は5月27日夕。国道2号バイパスに近い団地入り口付近で「子グマを見た」との通報が廿日市署にあった。これを手始めに、約1キロ離れた宮内工業団地や特別支援学校付近でも目撃情報が相次いだ。そのたびに、市は防災無線で住民に注意を呼びかけ、小学校では教員が付き添って集団下校。警戒が続く中、7日に工業団地に隣接する山陽自動車道と広島岩国道路の廿日市ジャンクションで、車にはねられたとみられる体長80センチのツキノワグマの死骸が見つかった。クマ騒動は終息するかと思われた。ところが、同じ日の午後、住宅団地の真ん中にある野球場やテニスコートを備えた阿品公園(7ヘクタール)でも目撃情報があり、「第2のクマ」の可能性が浮上する。9日午後にも公園内で目撃情報が寄せられたため、市は公園を封鎖。3か所にわなをしかけ、動く物に反応して自動撮影するセンサーカメラを設置し、夜間は市の委託を受けた警備会社が地区内のパトロールを始めた。騒動が始まって3週間。目撃情報のあった場所付近を市職員と専門家が調べているが、今のところ、足跡や爪痕、畑やゴミを荒らした跡、ふんなど、クマの痕跡を示す物は見つかっていない。市農林水産課の担当者は「見間違いの可能性や、既にクマが移動した可能性も否定できない」とするが、「逆に、クマがいないという証拠もない」と頭を悩ませる。市のパトロールは16日までとしているが、カメラでの監視、公園の封鎖をいつまで続けるのかは未定という。NPO法人「日本ツキノワグマ研究所」(廿日市市)の米田まいた一彦理事長(69)は「あと1週間、目撃情報がなければ、移動したか、死んだクマだったとみなしてよいのではないか。もうしばらくは夕方の犬の散歩やジョギングなどで外出するのは控えた方がいい」と話している。広島、山口、島根にまたがる「西中国地域」の個体群に分類されるツキノワグマの生息域は、県によると、この20年間で拡大傾向にある。絶滅の恐れがあるとして、1994年に当時の環境庁が西中国地域での狩猟を禁止。90年代後半に、この地域では280~680頭とされていた推計数は2014、15年度の調査では460~1270頭に増え、生息域も5000平方キロから8000平方キロに拡大した。一方、過疎、山間地と人間の住む地域を隔てる里山の荒廃などで、人里近くへの出没や農作物の被害などが問題になっている。県ツキノワグマ対策協議会は、出没地域で原因を調査し、パトロールやクマを寄せ付けないための方法を住民に教える「クマレンジャー」制度や、ツキノワグマが原因でけがをした人が対象の見舞金制度を設けている。
(クマ、住宅街にも出没:長野)
伊那市西町の城南町へ登る坂で15日クマの目撃情報がありました。近くを流れる小黒川流域では今月に入り目撃情報が8件入っていて県などは注意を呼びかけています。目撃された熊は体長1メートルほどで城南町へ登る坂の道路上にいたということです。午前8時25分頃、通勤のため車でこの坂を通りがかった伊那市平沢の建石由紀さんが熊を見つけ通報しました。その後建石さんは叔父で城南町に住む建石繁明さんに連絡しました。動物の生態に詳しい元信州大学農学部教授の建石さんがカメラを手にかけつけると熊は坂の横の木が生い茂る斜面にいたということです。上伊那地域振興局によりますと今年は5月末までに上伊那全体で6件、また今月に入り今日までに小黒川流域で8件の目撃情報が入っているということです。県では小黒川流域でこれまでに目撃された熊は同じものの可能性もあり住宅地まで入り込んでいるとして注意を呼びかけています。
(女子高校生らがクマ目撃:福島)
福島、西会津、南会津、天栄の4市町村で14日、クマの目撃があった。午前7時30分ごろ、西会津町野沢字如法寺乙の県道で、車を運転中の付近住民が目撃。喜多方署によると、体長約50センチ。午前8時50分ごろ、福島市松川町水原字熊野堂の市道で、車を運転中の男性が目撃。福島署によると、体長約70センチ。午後0時25分ごろ、南会津町永田字風下の河川敷で男性が目撃。南会津署によると、体長約1メートル。午後5時20分ごろ、天栄村湯本字下原の国道118号で通行人が目撃。体長は不明。午後7時ごろ、福島市山口字新林の国道115号沿いで、女子高校生が道路北側の斜面を登るクマを目撃。福島署によると、体長約70センチ。
(横手公園、クマ出没続きイベント中止:秋田)
秋田県横手市の横手公園でクマの出没が相次いでいることに伴い、公園内で予定されていたイベントは中止や会場変更を余儀なくされている。公園周辺では8日以降、クマが出没したとの情報が5件寄せられている。これまでに市は公園内の遊歩道14カ所を封鎖し、広い範囲で立ち入りを禁止。捕獲用のおり2基を設置したが、まだ捕獲には至っていない。遊歩道の封鎖に伴い、公園中央部に位置する牛沼への立ち入りができなくなり、18日に開催予定だったヘラブナ釣り大会は中止。主催する横手へら鮒釣研究会の大関文雄会長(72)は「20年以上開催しているが初めての中止。30人以上参加予定だったが、クマに遭遇し事故にあってからでは遅い。やむを得ない」と残念そうに語った。
(クマ、連日の目撃情報:神奈川)
厚木市は15日、同市七沢の七沢自然ふれあいセンター付近で、クマの目撃情報があったと発表した。14日午後6時ごろ、散歩していた男性が発信器のようなものを付けたクマを目撃し、同センターの警備会社に通報した。
(ゴルフ場内にクマの痕跡:栃木)
14日午前7時半ごろ、佐野市飛駒町の足利カントリークラブOBゾーンで、杉の木1本の幹にクマによるとみられる爪跡と、近くに足跡(全長約20センチ)があるのをコースキーパー職員が見つけ、佐野署に届け出た。同所の奈良部山では12日夕、登山中の男性がクマに襲われ重傷を負う事故が起きており、同署は赤色灯を回しながらパトカーで巡回するなど警戒を強めている。同クラブによると、職員がコース点検整備中に発見。杉は直径約60センチ。高さ約1・5メートルから根本までの範囲で、皮が縦方向にはぎ取られていた。奈良部山の山頂から同クラブまでは直線で約7キロ。現場はコース外で一般利用客が立ち入る場所ではないが、クマなど鳥獣の侵入を防ぐ電気柵の設置も検討しているという。
(クマ目撃相次ぎ、電気柵設置を検討:秋田)
秋田県内の学校や公園周辺などの市中心部で相次いでクマが目撃された事態を受け、県は13日、人里に近づくクマを追い払おうと、電気柵を設置するための検討に入った。人身事故を未然に防ぐ狙いで、6~11日にクマが出没した県立小泉潟公園(秋田市)の湿地や横手公園(横手市)の斜面、横手市立横手南小学校などの近くが設置場所として想定されている。県がクマ対策を目的に電気柵の設置を検討するのは初めてだ。県都市計画課は8日、小泉潟公園内にオリを設置したがクマ捕獲には至らず、公園の一部閉鎖が続いている。竹村勉課長は「公園は平日・休日を問わず幅広い年代の人が利用している。日々のパトロールにも限界はあり、電気柵は有効な選択肢の一つだ」と話す。クマ対策を目的とした設置は、秋田市で先行事例がある。同市仁別の市太平山自然学習センター「まんたらめ」は2004年、小中学生らが宿泊するキャンプ場周辺に、高さ約1メートルの電気柵を25万円前後で設置した。電気柵の外側では多くのクマが目撃されるものの、利用中のキャンプ場内側まで侵入したことはないという。県は電気柵を設置する検討のほか、人の生活圏と山林との境界部分の雑木などを伐採し、クマの人里への侵入を防ぐ「緩衝帯」の面積拡大についても検討していく。佐竹知事は13日に開会した県議会定例会で、「電気柵の設置や緩衝帯の拡大など、市町村や関係機関と十分連携しつつ、人身被害の未然防止対策に総合的に取り組んでいく」と強調した。
(クマ目撃、情報共有強化:福島)
5月末に会津若松市中心部でクマの目撃が相次ぎ、市役所の連絡の不備から学校への情報提供や市民への注意喚起が不十分だったことを受け、市は13日までに、クマの目撃情報の連絡体制を目撃場所に応じて3段階に分けて対応することにした。市役所や関係機関で横断的に情報を共有し、速やかに連絡する。緊急性の高い「レベル3」では全庁的な対応を実施し、必要に応じて区長会への連絡や消防団の広報、集落放送設備での広報などを行う。「レベル2」では教育委員会や健康福祉部から関係する学校などに速やかに連絡する。人家や学校から離れている場合は「レベル1」となり、防災情報メールで広く周知する。
(カワウ撃退、ドローン作戦:群馬)
カワウによる川魚の食害対策にドローンを使う動きが始まっている。ただ追い払うだけではなく、巣にドライアイスを投下するなどして、ゆくゆくは繁殖そのものを抑制するのが狙いだ。ダダーン!川面を飛行するドローンがぶら下げたスピーカーから銃声が響く。群馬県桐生市の渡良瀬川。ヤマメやアユの人気釣り場で、地元の両毛漁協はカワウ被害に頭を悩ませている。川岸の木々にカワウが1カ所で500~600羽の巨大コロニーをつくり、放流された稚魚を捕食する。「
(「熊マップ」作成:福島)
会津若松市の市街地などでクマの目撃情報が相次いでいることを受け、会津若松署(渡部敏久署長)はクマの目撃情報が寄せられた場所をまとめた「熊マップ」を作成した。熊マップは、目撃情報が寄せられた場所には紙製のクマや目撃された時間などを貼り付けた。作成担当者は手作り感あふれる出来栄えに自信満々。クマの目撃情報が途絶えるまでくまなくマップを更新する予定だ。
(鳥獣目撃情報アプリを公開:長野)
長野県岡谷市の農林水産課は14日、試験運用を開始した「鳥獣目撃情報アプリ」を公開した。動物の目撃情報をインターネットを通じて投稿してもらうことで即時に把握することができると同時に、住民の間で情報共有もでき、注意喚起に役立つとして、来年度の本格導入を目指す。熊やイノシシなどによる被害が各地で発生しており、岡谷市では5月26日には市役所の立体駐車場にカモシカが出没するなどしている。情報をより早く収集して注意喚起を促すために、同課などがスマートフォンやタブレットなどから投稿された目撃情報を、リアルタイムで市民に提供できるアプリケーションを開発。12日から試験運用している。アプリ利用者は、地図上の目撃箇所に見つけた動物のマークを追加する。動物の図形(アイコン)は猿、シカ、熊など8種類ある。猟友会とも情報共有するとともに、今後、情報の信ぴょう性なども検証するという。昨年度、岡谷市内では、カモシカやイノシシ、猿などによる農作物の食害や掘り起こしがあった。中島洋一農林水産課長は「市民の皆さんに周知を図り、アプリ活用で対策を検討したい」と話した。
(ニホンジカの生息状況把握へ、カメラ設置:佐賀)
九州では佐賀県にだけ生息していないとされるニホンジカの目撃情報が、3月に伊万里市内で相次ぎました。その生息状況を把握するため佐賀県は、目撃された現場付近などにこのほどカメラ17台を設置、本格的な調査に乗り出しました。佐賀県を除く九州各県に生息しているとされるニホンジカ。今年3月、本来はいるはずのない伊万里市木須町の採石場で目撃情報が…。この目撃情報から3カ月…。ニホンジカの生息状況を把握するため、今月9日、県と伊万里市の職員がカメラの設置作業にあたりました。事前に国の調査官が確認したシカの足跡やフンなどをもとに5カ所を選定し、新たに赤外線カメラ17台を設置。カメラは動くものにセンサーが反応し写真をおさえるもので、昼間は20mほど、夜間は5m先までと1日中撮影ができるということです。】「その場で見つけないと写真撮れないとなかなか確定できないということで、今回カメラを付けることで本当にきちんと捉えていきたいと思っている」3月の目撃情報以降、新たな情報はあったものの、シカと断定できるものはなく、県では頭数など実態をいち早く確認したいとしていて週に一度のペースで撮影データを確認するということです。
(キョン駆除、ロゴ募集待った:東京)
都は14日、伊豆大島(大島町)で増え過ぎたシカ科の特定外来生物「キョン」を駆除する事業のロゴマークを、町内の小中高校生から募集していた呼び掛けを見直し、対象から小、中学生を外すと発表した。捕獲したキョンは殺処分されるため、大島町議会から「駆除に子どもを関わらせるのは教育上、好ましくない」と“待った”がかかった。伊豆大島のキョンは、1970年の台風で動物園の柵が壊れて十数匹が逃げ出したのをきっかけに、野生で繁殖した。
(子鹿を捕えて飛ぶイヌワシ、カメラマンが撮影:滋賀)
滋賀県米原市の伊吹山で「イヌワシ」が子供のシカを捕獲して飛ぶ姿を愛好家が撮影した。イヌワシは野ウサギを餌にするケースが多いが、子鹿を捕らえる姿は珍しいという。琵琶湖水鳥・湿地センター(長浜市湖北町)の池田昇平専門員によると、イヌワシが子鹿をとらえた場面だという。イヌワシが大きく翼を広げ、黄色い両足で子鹿の尻の部分をつかんで飛ぶ姿をとらえている。撮影者は愛知県大府市追分町、元会社員、秋田豊和さん(62)。秋田さんによると、今月6日の昼ごろ、標高約1000メートル付近の伊吹山ドライブウェイで撮影した。秋田さんは8年前から年間40日以上伊吹山に通い、野鳥などの撮影を続けているという。秋田さんは「こんな写真は初めて」と話す。イヌワシは猛禽(もうきん)類で翼を広げると約2メートル。空中から急降下して野ウサギなどの小動物を狙う。絶滅危惧種で、全国での生息数は500羽程度とされる。伊吹山はイヌワシを山上から見下ろして撮影できる全国的に数少ない撮影スポットとされ、山上には多くの愛好家が訪れている。
(「新世代クマ」の恐怖、鈴やラジオの音を怖がらない)
秋田県仙北市の山中で5月末、女性が血を流して死亡しているのが発見された。遺体の状況からクマに襲われたとみられるが、クマよけ用の鈴を付けていたにもかかわらず被害に遭った。昨年は関東や関西地方の住宅地にもクマが出没しているが、惨劇を回避するにはどうすればいいのか。国道から30メートルほど入った山林で見つかった秋田県の女性(61)の遺体には頭部や腕、肩など上半身を中心に引っかかれたような傷が複数残されていた。女性はクマよけ用の鈴を2個付けており、鳴らしながら山に入っていたという。仙北市と地元住民で作る協議会は例年、市内の山林で1000円の入山料を徴収しタケノコ採りを許可していた。市の担当者は「今年も1日から山林を解放する予定だったが、逆に山に入らないよう呼びかけることになった」と話す。本州と四国の一部に生息するツキノワグマは、オスで最大1・5メートル、体重は60~100キロ程度。走るスピードは時速50キロに達し、鋭いツメで垂直の壁もよじ登る。出没地域は東北だけにとどまらない。5月には強盗致傷容疑の男らが栃木県内の山中に逃げ込んだところクマに遭遇、追跡中の警察と挟み撃ちになり逮捕された。昨年5月には、神奈川県相模原市の国道沿いのラーメン店のドアにクマが体当たりする騒動も。兵庫県でも昨年、集落にクマが近づくケースが増え、狩猟禁止を解除した。野生動物の生態・行動に詳しい元近畿大教授で宇部市ときわ動物園園長の宮下実氏は、クマによる事故が続発する理由を「里山が失われたため」だと指摘する。「昔は、農家が管理する里山がクマの住む山と、人間の住む街との『緩衝地帯』の役割を果たしていたが、現在はタケノコなどクマの好物を残したまま放置されている。タケノコ採りに出かけた人が事故に遭うのは、かつての里山がほとんどだろう」駆除にあたるハンターの高齢化や減少も問題だという。宮下氏は「クマは、鉄砲の音や火薬、ワナに使われる鉄のにおいなど自然にないものに敏感で恐れを抱く。こうしたものに触れる機会が減ったことで、人間とクマが遭遇する機会が増えているのかもしれない」と話す。宮下氏は、事故を避けるにはクマの生息地に立ち入らないことが一番だというが、「山菜採りなどを行う場合は、クマよけの鈴の音が常に鳴るように腕に取り付けるなど、自分の存在をクマに知らせ続けることだ」とアドバイスする。鈴やラジオの音を恐れない「新世代クマ」が登場しているとの見方もある。秋田県自然保護課は「クマは学習能力が高いので、人間が持っているリュックサックの食べ物を食べるなどしたことで、鈴の音を聞いて逆に人間に近づくクマも例外的にいるようだ。一度人間を襲ったクマはまた襲うとも言われているので、過去に被害があった地域は要注意だ」としている。昨年事故が起きたのもまさにいまの季節。注意しすぎても損はない。
(ジビエ料理を家庭にも)
野生鳥獣肉「ジビエ」の利用拡大に向けた動きが加速している。深刻な農作物被害を減らし、農村地域の所得を向上させるのが狙いで、官民一体で流通や加工体制の整備・消費拡大が進められている。ジビエ文化は広がるのか。脂肪が少なく引き締まり、栄養価の高い天然の肉を使ったジビエ料理。欧州では貴族の伝統料理として古くから根付いていた。一方、日本ではこれまで食品利用されず、ほとんどが埋設や焼却処分されてきた。安全性の確保や安定的な捕獲と供給、販路に大きな課題があるからだ。「シカやイノシシの肉をスーパーで畜産の肉と一緒に買えるよう普及し、家庭の献立にも並ぶようにしたい」

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