<射撃ニュース7月>

7/14
(自転車生徒の目前にクマ、目撃相次ぐ:山形)
小国町で12日夜から13日にかけ、クマの目撃が相次いだ。12日午後7時ごろ、同町叶水で、自転車に乗っていた基督教独立学園高の女子生徒(17)が子グマ1頭を目撃。13日に学校を通じて小国署に通報した。クマは生徒の前方5~10メートルの路上にいたが、生徒の気配に気付いて近くの山に逃げた。13日午後4時50分ごろ、同町増岡で、車で走行中の男性会社員(43)が体長約1・3メートルのクマ1頭を目撃した。県道を横切りやぶの中に入った後、地元猟友会が花火で同一とみられるクマを山林に追い払った。同日午後7時15分ごろ、同町市野沢で、女性会社員(53)が自宅敷地内でクマ1頭を目撃した。クマの体長は約1・5メートルで約60メートル離れた田んぼの中を通り、草むらに入っていった。12日午前7時50分ごろ、庄内町立谷沢の宿泊施設「北月山荘」駐車場でクマ1頭を目撃したと、町内の男性(32)が13日、町役場を通じて庄内署に届け出た。同署によると、体長約1.5メートルで、近くの北月山龍神観音堂の裏から出てきたという。男性が大声を出すと山林に戻っていった。13日午後5時10分ごろには、同町科沢の農道でクマ1頭を目撃したと、近くの工事現場事務所で作業中だった男性(39)が町役場を通じて同署に届け出た。体長約1メートルで、立谷沢川に向かって歩いていったという。現場は工藤沢公民館の南東約250メートル。13日午後8時40分ごろ、山形市上山家町でクマ1頭を目撃したと、車で通り掛かった男性(24)が110番通報した。山形署によると、クマの体長は約1メートルで道路を横断し、やぶの中に入っていったという。現場は山あいの道路で付近に民家はない。13日午後7時45分ごろ、鶴岡市鼠ケ関の国道345号でクマ1頭を目撃したと、車で通り掛かった市内の男性(53)が鶴岡署に通報した。現場は鼠ケ関小から南に約300メートルと近く、14日の登校時間帯に教職員が通学路で立哨する。同署によると、男性は道路を横断する体長約1.5メートルのクマを見た。13日午前8時15分ごろ、天童市奈良沢でクマ1頭を目撃したと、車で通り掛かった男性(42)が天童署に届け出た。同署によると、体長は約1メートル。茂みから市道に出てきたが、すぐに戻ったという。現場は蜂谷川橋の北約100メートルで果樹園が広がっている。
(クマの目撃相次ぐ:兵庫)
阪神北部でツキノワグマとみられるクマの目撃情報が相次いでいる。6月下旬、兵庫県宝塚市では10年以上ぶりに目撃情報が2件あり、猪名川町では7月11、12日に3カ所で確認された。この時期のクマは繁殖行動のため行動範囲が広がっており、各自治体は出没地点を中心に注意を呼び掛けている。宝塚市によると、6月22日午後4時ごろ、JR武田尾駅近くで道路整備をしていた男性が目撃。同25日にも宝塚市切畑の山あいで別の男性が見つけ、市に通報した。市が付近にあったふんの写真を県森林動物研究センター(丹波市)に送ると「クマのふんである可能性が高い」と回答。市教育委員会を通じて学校園にメールで注意喚起をした。7月11日午後6時45分ごろ、宝塚市から北東に位置する猪名川町紫合の県道沿で、車で通りかかった男性(36)が見つけ通報。その2時間後、約1・6キロ南の同町上野の町道で、犬の散歩中の女性(42)が遭遇した。「20メートルくらい先に、こっちを向いている姿が見えた。逃げようとしたが背を向けるのが怖くて後ずさりしたら、川の方に下りていった。こんな経験は初めて。とても怖かった」。翌12日午前5時50分ごろ、南に約2キロの同町差組でも目撃された。猪名川町産業観光課は12日午前、目撃情報のある周辺12自治会を対象にビラ約900枚を配布。担当者が自治会長宅を回り、注意を呼び掛けた。町内の全公立小中学校の保護者にメールを送り、教諭が通学路に立って警戒を続けた。県猟友会猪名川支部長で、猪名川町の鳥獣被害対策実施隊長も務める久保正養さん(68)は、クマには方々を渡り歩く習性があるといい、「多く生息する丹波地域から離れてきた個体ではないか」と推測。最後に、町南部で目撃され、さらに南に向かっていたことから「山伝いに武田尾方面に向かうのではないか。騒ぎを起こさず元の居場所に戻ってほしい」と困惑していた。県森林動物研究センターの話では、クマは基本的に臆病で人を避けるが、ドングリなどが凶作の年は秋口に人里へ出てくることがある。阪神間で初夏に目撃されている理由として、ツキノワグマの県内生息数が増加傾向にあり、分布域が広がっている▽雄が雌を求めて行動範囲が広がっている▽車や人間を怖いと思っていない若い個体がうろついている-などが考えられる。
(クマか、町内会館の外壁剥がされる:秋田)
13日午後4時ごろ、秋田市山内字藤倉で、町内会館玄関脇の外壁の一部が剥がされているのを住民が見つけ、秋田東署に届け出た。同署は現場にあった足跡からクマによる被害とみている。同署によると、剥がされた外壁はトタンで、幅約40センチ、高さ約1・2メートル。外壁から約50センチ先の柱には長さ約10センチ、幅約6センチのクマの足跡があった。内壁には、はちみつのにおいがする液体が付着していた。住民が10日ごろに通り掛かった際には、異常はなかったという。現場は太平山スキー場オーパスから南西に約2・5キロの集落。民家までは約50メートル。
(「冷や汗出た」、玄関先にクマ現る:山形)
山形県鶴岡市の民家の玄関先にクマが出没。その瞬間をカメラが捉えた。  12日、家の中にいた女性が撮影したクマの映像。玄関に寄りかかり、屋根の上に登るためか、手足を動かすしぐさも。さらに、胸元には白い月の輪の模様も確認できる。撮影した佐藤紗織さん(34)「すっごい怖かったですね。20分ぐらい手が震えっぱなしで、冷や汗もだらだら出た」  佐藤さんは、クマが現れたとき家の中に1人でいたという。クマは10分ほど家の周りをうろついた後、壁をつたい、玄関の屋根の上によじ登った。  佐藤さん「玄関の上に登ってたり、ずっとたたいている音が聞こえている間も、家が壊れて中に入ってきたらどうしようって」  佐藤さんにケガはなく、通報によって駆けつけた警察官によってクマは追い払われた。  目撃から約1時間半後、民家から800メートルほど離れた場所で、目撃されたクマとみられる体長約1.3メートルのオスのクマが駆除されたという。
(クマ目撃情報:山梨)
13日午前10時半ごろ、都留市大幡の県道で、車で通行中の女性が森林の中に入っていくクマを目撃したと都留市役所に届けた。同県道沿いでは6月1日、大月市初狩でクマが目撃されたほか、都留市金井の山中では6月14日、男性がクマに襲われて負傷している。
(クマ3頭目撃:青森)
むつ市大畑町堂近地区で12日午前、市道を横切る3頭のクマが目撃された。これまでのところ人や農作物などへの被害は確認されていないが、近くには民家があり住民たちが驚いていた。むつ市は現場周辺の警戒を強化して、クマに注意するよう呼びかけている。
(クマ出没件数過去最多、里グマ化か:福井)
福井県内で本年度にツキノワグマの出没が相次ぎ、市町などに寄せられた目撃などの情報は201件(10日現在)に上っている。4~6月の出没件数は2004年度の調査開始から最多で、集落に近い山際での目撃が目立ち、5月には小浜市で人が襲われる被害も発生した。人里近くに住み着く「里グマ化」や生息数そのものが増えているとの見方もあり、県や市町は注意を呼びかけている。県自然環境課のまとめで、04年度以降の4~6月の出没件数を比べると、初めて100件を超えた14年度の138件がこれまで最も多く、15年度132件、16年度114件と推移していた。本年度は6月に入って急増し、1カ月だけで125件に達し、3カ月間で184件になった。市町別では、福井市が32件で最も多く、小浜市24件、高浜町23件、越前市とおおい町がともに18件で、嶺南地方での出没が目立つ。同じ個体が繰り返し目撃されたとみられるケースもある。集落や耕作地近くに仕掛けたイノシシ、シカ対策のおり、わなに誤ってクマがかかるなどして、39頭が有害捕獲された。15年度(38頭)、16年度(41頭)の1年間と同水準になっている。春から夏にかけては、繁殖期の雄が広範囲に動き回るほか、親離れしたばかりで人に対する警戒心が薄い若いクマが集落付近をうろつく。冬眠に備え、奥山のクマが餌を求めて大量出没する秋とは行動が異なるという。県自然環境課の担当者は「住民のクマに対する意識が高まり、近年は情報が集まりやすくなっている」と前置きした上で、「人口減や高齢化で中山間地での人の活動が低下しており、クマに限らず、イノシシやシカ、サルを含め、人里近くで生息数が増えている可能性がある。中山間地が新たな居場所となって、人目に付きやすい平野部まで活動範囲が広がっている場合もある」と指摘する。小浜市では今年5月、子グマを見かけた70代男性が、周囲を確認中に親グマに足を引っかかれ、けがを負った。市農林水産課によると、山あいを通る若狭西街道沿いでの目撃例が多く、情報が寄せられるとすぐに市職員や地元猟友会で周辺をパトロールするほか、防災無線の全戸放送や自治会などを通じて注意を呼び掛けている。通学路近くで目撃された場合、地元住民と協力して登下校に付き添うなど対応に追われる同市の担当者は「クマは保護の対象で、生息数が増えていると感じる。猟友会の話では、人を恐れずに平気で近づく個体もいるようだ」と話す。ある猟友会の関係者は「奥山にクマの餌になる実のなる木を増やすなど長期的な対策が必要だ」と語った。
(クマのエサ、ことしはブナの実凶作:石川)
ことし県内で多く目撃されているクマ。冬眠前には多くのエサを求めるが、そのエサとなるブナの実が凶作となる見通しであることがわかった。県と市や町、猟友会などで開かれたこの日の会議では、クマの主要なエサであるブナ科植物の調査結果が報告された。ブナの実は凶作と予測されるものの、ミズナラは豊作、コナラは並作となるため、大量出没の可能性は高くないという。ことしは6月末までで目撃件数が99件と、過去2番目に多く、人への被害が1件発生している。県は目撃情報が多いところでは、特にクマの出没に対して注意を呼びかけていきたいとしている。
(ブナ今年も「凶作」、クマ出没懸念も:秋田)
東北森林管理局(秋田市)は13日、福島を除く東北5県のブナの開花状況と結実予測を発表した。平年並みの「並作」は青森だけで、宮城と山形が「大凶作」、岩手と秋田は「凶作」となる見通し。5県とも大凶作だった昨年に続き、厳しい予測となった。管内である5県の144地点を5~6月に目視で調べた。約3割の44カ所は花が付いていない「非開花」で、木全体に花が付く「全体開花」は青森4地点、岩手1地点のみだった。実を付ける秋に結果を調べるが、好転する可能性は低いとみられる。ブナの実は冬眠前のツキノワグマの餌の一つで、凶作となった場合、クマが餌を求め人里に出没する可能性が高くなる恐れもある。野生動物管理学が専門の青井俊樹岩手大名誉教授(66)は「ブナは7年程度の周期で豊作となるほかは凶作で、ミズナラやクリの実がなれば、ブナが凶作でも過剰に反応する必要はない」と指摘する。
(ジビエ普及の切り札に:東京)
安全で良質なジビエ(野生鳥獣肉)供給の切り札に――。公明党の農林水産部会(稲津久部会長=衆院議員)と野生動物被害対策プロジェクトチーム(PT、座長=谷合正明参院議員)は12日、農水省で開催中の特別展示「ジビエをもっと知ろう!」を視察し、「移動式解体処理車」(ジビエカー)について説明を受けた。ジビエカーは、農作物被害をもたらすシカやイノシシを捕獲現場近くで素早く衛生的に解体し、安全で鮮度の高いジビエを得るための特殊車両。昨年開発され、現在、二つの自治体が導入を予定しているという。稲津部会長らは「ジビエカーは(捕獲した鳥獣の)食品としての利用促進に貢献することが期待される。党としてもジビエ普及の取り組みを強化したい」と述べた。
(地元ジビエ使い魅力発信:三重)
過疎化が進む津市美杉町太郎生地区に、地元で捕れたジビエ(野生鳥獣肉)を使ったご当地グルメ「津ぎょうざ」を提供するレストランを津市の建設会社経営山崎倫敬さん(47)が開いている。「都会から人を呼び込むきっかけをつくり、移住者の増加につなげたい」と始めた店は、観光客や住民らが集まる憩いの場となりつつある。市中心部から車で約1時間半。三重と奈良の県境に位置する太郎生地区は、山あい一面に緑豊かな自然が広がる。妻の実家があり、市街地の自宅から足を運ぶ山崎さんは「ホタルがたくさん飛んで、飲み水がおいしい」と魅力を語る。だが徐々に高齢化し、平成22年に地区の小学校が閉校に追い込まれた。5年ほど前、妻の親戚の猟師が「シカやイノシシの数が増え、食肉処理が追い付かない」と悩みを打ち明けた。昔から「田舎が寂れていくのが残念」と感じていた山崎さんは、直径15センチの皮を使って揚げる津ぎょうざのあんとしてジビエを有効活用することを思いついた。材料のシカ肉は特有の臭みが残るため、香辛料や豚肉を混ぜ合わせ改良を重ねた。「ヘルシーで、誰でも食べやすい自信作」と胸を張る。昨年3月、レストラン「ようこそ」をオープンした。土産用に市内の道の駅などで冷凍品を販売するが、実際に地区を訪れてもらうため、調理した津ぎょうざを提供するのはレストランのみ。「太郎生の人には当たり前の自然に感動してもらえるはず」との思いからだ。週3日の開店日には料理目当ての観光客や住民が訪れ、店は少しずつにぎわいを見せるように。これまでに数人が移住してきた。畑で婚活したり、企業の研修の一環に田植えをしたりとイベントも企画する。「閉校した小学校を再開させるのが最大の目標」。楽しそうに笑みを浮かべた山崎さんの頭の中には、人を呼び込むアイデアが次々と生まれ続けている。
(サル肉」料理を完全予約制にて提供:東京)
宮下企画が運営する「パンとサーカス」では、7/10(月)からサルを使ったメニューを数量限定で提供する。ここ数年前でジビエ(狩猟で得た野生肉)ブームで鹿や猪は身近な存在になったが、かたや滅多に出回らない幻の肉「サル」。昭和初期までは山間部で親しまれてきた日本の食文化の一つであった。近年ではサルの増加で農作物被害額は年間11億円にも及んでいる。昭和の初め頃までは「ほかの山野獣に比べサルの肉は最も美味である」として食べられてきたサル。寒中のサルの肉は、黄色の脂がこってり付き、砂糖で味付けしたような甘味があり、比内鶏より数段美味いと記録されている。枝肉を味噌漬けにし、焼肉として食べるなど、冬の旬の味として珍重されていた。東北では、サルの胎児を妊婦に食べさせると良いという民間信仰があったそう。アフリカ、南米、東南アジアなどの主なサル生息地では今でも普通に霊長類の肉を食べており、他の哺乳類と区別していないよう。※1974年に狩猟対象獣から外され、狩猟鳥獣に指定されていない=猟期でも捕獲はできない。(捕獲可能なのは有害駆除許可が下りた時だけ)今回は島根県奥出雲で有害駆除されたニホンザルとなっている。
(ご当地ジビエバーガー:福岡)
田川市猪国にある廃校を利用した複合施設「いいかねPalette(パレット)」で15日から、イノシシ肉100%のご当地ジビエバーガー「猪国バーガー」が販売される。福岡県は野生鳥獣による農作物の被害額が年間10億円を超し、全国2番目の規模という。施設運営会社の宮本しほさん(29)と山野真実さん(29)が中心になり、被害をもたらすイノシシの肉を逆に活用しようと、5月から開発を進めてきた。
(イノシシ排除に新兵器:大阪)
和田電器(大阪府門真市、和田晃一社長、06・6900・8008)は、高輝度の発光ダイオード(LED)などを活用してイノシシなどの害獣を追い払う「イノバスター」を発売した。センサーで感知し超音波を発する「INB―01」と、高輝度LEDが点滅する「INB―02」を用意した。山間部の農家などでは獣に農作物を荒らされる被害が増えており、こうした農家に訴求し、それぞれ年間40―50台の販売を目指す。センサーは前方の100度角の範囲において、20メートル以内の対象物を感知する。電源は直流(AC)100ボルトに対応する。INB―01の大きさは高さ350ミリ×幅200ミリ×奥行き160ミリメートルで、重量は5キログラム。40デシベルの超音波を発して撃退するほか、別売りの高輝度LEDライトも取り付け可能。民家近くなどへの設置を想定する。一方、INB―02の大きさは高さ300ミリ×幅600ミリ×奥行き187ミリメートルで、重量は11キログラム。1万ルーメンの高輝度LEDライトが点滅する。山間部など生活圏から離れた場所での使用を見込む。

TOPへ

7/12
(女児が「サル」に引っかかれる:福島)
6日夕、広野町の町営住宅団地近くの広場で、小学4年の女児がサル1匹に足を引っかかれた。女児は足に軽いけが。町内では同日、サルの目撃が相次ぎ、町と町教委は防災行政無線や保護者向けの緊急メールで注意を呼び掛けている。町と町教委によると、女児は下校後、広場で友人と2人で遊んでいたところ、サルが近づいてきて足を引っかかれたとみられる。同町では同日、午前に同町の住民から「サル1匹を目撃した」と町に連絡があった。午後1時ごろには同町の広野幼稚園近くの土手でもサルが目撃された。
(シカの「囲いわな」盗難:静岡)
県富士農林事務所はこのほど、富士山麓で多発しているシカの食害対策として購入した実証事業用の「囲いわな」の金属製フェンスが保管中に盗まれたと発表した。同事務所は富士署に被害届を提出している。同事務所によると、囲いわなは2月2日から3月10日までの間、富士宮市の朝霧高原で試験的に導入した。高さ2メートル、5メートル四方のフェンス内にえさを置いてシカの群れをおびき寄せ、周囲に設置したカメラからスマートフォンに送信される動画で遠隔監視・操作し、出入り口のシャッターを閉鎖して捕獲する仕組み。センサーなどの機材を含めて約197万円で購入した。盗まれたのはフェンス部分(約70万円相当)で、実証事業後は解体して富士市今宮の同事務所育種場の保管庫に収納していた。6月26日に職員が定期巡視した際、盗難に気付いた。保管庫の鍵は老朽化し、壊れたまま取り換えていなかった。同事務所は「簡単に侵入できる状態になっていて管理に不備があった。二度と起こさないよう、反省したい」としている。
(2年前三重県が放獣のクマを捕獲:岐阜)
10日午前6時ごろ、岐阜県養老郡養老町一色の山林で、養老郡猟友会員の男性(65)が、シカなどの捕獲用わなにツキノワグマの成獣一頭がかかっているのを見つけた。その後、クマは射殺された。首に発信器が装着されており、2015年5月に三重県が滋賀県に連絡しないまま県境で放獣したクマと確認された。人的被害はなかった。養老署や養老町などによると、クマは体長約1・3メートル、体重約80キロのオス。シカなどの有害鳥獣駆除を目的に仕掛けられたワイヤ式のわなに、左前足の一部を引っかける形で見つかった。場所は、同町一色の熊野神社から西方約50メートル、最も近い人家まで約500メートルだった。町は同猟友会の報告を受け、人身保護を最優先し殺処分を決めた。2年前に三重県が捕獲したクマを希少種保護のため県境で放獣した問題で、当時は発信器の発信源が海津市や養老町、大垣市上石津町付近で相次いで確認され、地元猟友会などが一斉に捜索したが、発見には至らなかった。今回見つかった発信器の個体識別番号などから同じツキノワグマと確認された。
(こまちとシカ衝突:岩手)
10日午後5時25分ごろ、岩手県雫石町のJR田沢湖線赤渕駅付近で、上りの秋田新幹線こまち28号がニホンジカをはね、緊急停止した。乗客約200人にけがはなかった。この影響で秋田新幹線こまち上下6本と普通列車上下2本に最大1時間36分の遅れが出た。
(クマと乗用車衝突、クマ死ぬ:秋田)
11日午前3時5分ごろ、大館市大子内の秋田自動車道下り線で、北秋田市の20代男性の乗用車が道路を横切ってきたクマと衝突した。車のフロントガラスやバンパーなどが壊れ、クマは死んだ。男性にけがはなかった。
(カラスでショート、5500戸停電:福岡)
5日午前9時5分ごろ、福岡市博多区美野島3丁目の電線がショートし、同区美野島や住吉、博多駅前の約5500戸が数分から10分前後にわたり停電した。近くのマンションでは親子3人がエレベーターに数分間閉じ込められた。電柱にカラスの死骸が引っかかっており、九州電力はカラスが止まったことでショートが起きたとみて調べている。「爆発音がして停電した」と110番があり、消防と警察が駆け付けたところ、電柱から煙が上がっているのが見つかった。九電によると、電柱上部の電線2本に絶縁体で覆われていない部分があり、カラスがそこに止まったことで2本の電線をつなぐ結果となり、高電流が流れた可能性があるという。1カ所でショートが起こると、一帯への送電が自動的にストップする仕組みになっている。一帯は信号機が止まったり、エレベーターが止まったりして一時混乱した。近くに住む男性(74)は「ガーンという雷が落ちたような音と同時に停電して驚いた。まさかカラスとは思わなかった」と話した。
(クマ出没、県立中央公園の一部閉鎖:秋田)
秋田県は12日、秋田市雄和の県立中央公園の一部区域(フィールドアスレチック、若人の丘、キャンプ場)を閉鎖した。11日夜に同公園近くの県道でクマが目撃されたため。
(市内中心部でクマ目撃相次ぐ:秋田)
大館市中心部でクマ目撃が相次いでいます。7日、大館市の神社の境内にあるこども園では早速、張り紙で保護者にクマの出没を知らせ、消防も注意を呼びかけていました。相次ぐ目撃を受けて大館市の猟友会が現場近くで警戒にあたったほか、警察はヘリを出して目撃場所の上空から捜索しました。
(小学校近くでクマ目撃相次ぐ:岩手)
クマの目撃が相次いでいるのは、花巻市下幅の桜台小学校の周辺です。7日朝、児童はクマよけの鈴をつけて集団登校したり、保護者に送られて登校したりしました。6日午後11時半ごろ、学校北側にある太陽光発電所の防犯カメラの映像に、クマ1頭が写っているのを、警備会社の担当者が発見し警察に通報しました。発電所の防犯装置が作動して、警備会社に知らせが行き、担当者がカメラの録画映像を確認したところ、クマが写っていたということです。5日の午後8時ごろと午後9時半ごろには、近くを走るJR釜石線の線路上に、クマがいるのを列車の運転士が相次いで目撃していました。警察と市、地元猟友会は6日から、児童の登下校時に合わせて見回りをするとともに、警戒を呼びかけています。
("クマのふん"発見で集団登校:北海道)
5日釧路市でクマのフンが発見され、警察や猟友会などが見守る中、阿寒湖小学校の児童およそ60人の児童は集団登校しました。
(散歩中の女性クマ目撃、同じ地域で4日連続:福島)
10日午前5時ごろ、福島市松川町浅川の市道で、散歩中の女性(69)がクマ1頭を目撃したとして、110番通報した。福島署によると、クマの体長は約1メートル。同署が周辺をパトロールし注意を呼び掛けた。付近では7日から4日連続でクマが目撃されており、今回の目撃場所は9日にクマが目撃された福島医大構内の駐車場から約1キロ南東側に離れた位置にある。
(クマ目撃相次ぐ:福島)
8日午前11時40分ごろ、福島市松川町浅川の福島大近くの雑木林で、40代男性がクマ1頭を目撃した。7日には同大駐車場で1頭が目撃されている。福島署によると、体長は約1メートル。同署が周辺をパトロールし注意を呼び掛けた。8日はこのほか、会津美里町西尾字宮前のため池でミズバショウの葉を食べているクマが近隣住民に目撃された。同町鶴野辺字北三百苅の畑ではクマの足跡が見つかり、同町役場を通して会津若松署に通報があった。また、会津若松市河東町東長原字長谷地のJR磐越西線の線路上で、男性車掌が線路を横切るクマ1頭を目撃した。
(市街地にクマ:青森)
5日夜、むつ市中央2丁目で県道を横切る体長約1mのクマが目撃された。現場は市役所から南に450m離れた県道で、周辺には大型店や住宅などが並ぶむつ市の中心部。むつ市ではことし、市街地でもクマの目撃が相次ぎ、警察が注意を呼びかけている。
(車の男性がクマ目撃:愛知)
5日夕方、愛知県豊田市の路上で、ツキノワグマとみられるクマが目撃された。豊田市は周辺住民に注意を呼び掛けている。豊田市によると、5日午後4時20分ごろ、豊田市田津原町で、車で走っていた男性が路上にいたクマを発見した。
(射撃体験で国体PR、五輪4位・中山選手:茨城)
2019年茨城国体で笠間市がクレー射撃の開催地となるのを踏まえ、市体育協会と国体市実行委員会は、同市赤坂の笠間ショッピングセンターポレポレシティで競技体験イベントを開き、来場者が「シミュレーターゲーム」を楽しんだ。結城市在住で北京五輪で4位の中山選手が始動した。
(シカ捕獲減少、わな見分け猟師警戒:長野)
ニホンジカやイノシシなどへの対策を考える長野県の「野生鳥獣被害対策本部会議」の今年度初会合が11日、県庁で開かれた。食害など農林被害が最も大きいニホンジカの昨年度の捕獲数は目標を大きく下回り、中島恵理副知事は「被害が減少し成果は出ているが、新たな対策に取り組みたい」と話した。昨年度のニホンジカ捕獲の目標数は4万頭だったが、実際に捕獲できたのは2万5733頭だった。また、昨年度の野生鳥獣による農林業の被害額は約9億2000万円で前年度から4.4%減少。ニホンジカによる被害が最大の37.4%を占めており、ツキノワグマが10.9%、ニホンザル10.3%、イノシシ8.6%と続いた。県鳥獣・ジビエ振興室によると、捕獲が進み、ニホンジカはわなの特徴を分かるようになったり、猟師が近づくと逃げたりするなど警戒心が高くなっており、捕獲数の減少につながっているという。被害拡大している地域でGPS機器による行動調査を行うほか、夜間に猟をするなど新たな手法を使って、捕獲増を狙う。佐藤繁室長は「警戒心が低くなるようにいろいろな対策を試したい」と話した。
(食害増でシカ包囲網拡大:奈良)
奈良・三重両県の県境に位置する吉野熊野国立公園内の大台ケ原と大杉谷地域で、ニホンジカによる森林被害が深刻化していることを受け、上北山村、環境省近畿地方環境事務所、林野庁三重森林管理署の3者は、連携してシカを捕獲し、個体数を調整するための協定を結んだ。大台ケ原一帯は昭和30年代まではトウヒなどの針葉樹林に覆われていたが、増えすぎたシカが樹木の皮を剥いで食べることで木が枯れる被害が増加。森林は急速に衰退し、現在はササの草地が広がっている。事態を憂慮した環境省は平成14年度から、奈良県の大台ケ原の国有林でシカの捕獲を開始。隣接する三重県の大杉谷国有林でも同様の被害があり、所管する林野庁が26年から捕獲を行っている。一連の対策によって両地域での生息数は減ってきているものの、その後の調査で、捕獲対象外だった大台ケ原の上北山村村有林でもシカの食害が拡大していることが判明。村有林は大杉谷地域とも隣接していることから、各森林を所管する3者で連携した捕獲作戦を実施することとなった。協定によって、今後は両地域で期間を合わせて効率的な捕獲を実施。村有林での捕獲は環境省が担当し、同村は大台ケ原・大杉谷両地域で捕獲されたシカの処分地を提供する。捕獲は今月中旬から30日間試験的に行い、個体数の調整目標などを決めるという。同村担当者は「放置すれば森林が衰退し、土砂流出などの被害が生じる。今まで手を付けていなかった村有林でもシカの個体数を調整し、森林のダメージを回復させたい」と話した。
(クマ目撃地点示す『熊っぷ』作製:福島)
福島市で4~6月末に、クマの目撃が20件超と多発しているのを受け、福島署は11日までに、クマ目撃情報があった地点を示した地図「Kuma―Map!(熊っぷ)」を作製した。過去にクマの目撃があった場所を示し、住民にクマ出没への注意を呼び掛ける。マップは同署管内の交番や駐在所などに配布し、掲示する。同署地域課の福富夏織巡査は「住宅地周辺にも出没する可能性があるので、十分に警戒してほしい」と注意を呼び掛けている。
(クマによる人身被害:秋田)
クマによる人身被害が後を絶たない。5、6月の山菜採りシーズンの事故が注目されているが、昨年は農作業や散歩の時にクマに襲われる事故も多発した。作物が実るこれからの季節は、餌を求めるクマが人里に近づきやすくなる。市街地や集落で遭遇する危険性が高く、注意が必要だ。県自然保護課のまとめによると、県内では2014年4月~今年6月の3年余りで42件の人身事故が発生した。市町村別では鹿角市が17件で全体の4割を占め、突出している。同市は昨年だけで12件発生しており、全体の件数を押し上げた格好。中でも十和田大湯の熊取平(くまとりたい)、田代平(たしろたい)の両地区では4人が立て続けに命を落とし、クマの脅威が広く知れ渡った。
(小学生、クマ遭遇防止策学ぶ:秋田)
クマによる人身被害の防止策を学ぶ教室が10日、秋田県湯沢市の駒形小学校(船山真校長)で開かれた。雄勝東部猟友会の新山冨雄さん(76)と佐藤信さん(61)が講師を務め、全校児童76人がクマに出合わないための方法や遭遇した際の対処法を学んだ。新山さんは「クマは嗅覚が鋭い。一度食べた物の味を忘れず、餌を求めて同じ場所に出てくることがある。外出先に残飯などを放置せず、しっかり持ち帰ってほしい」と呼び掛けた。クマとの遭遇を防ぐ方法の一つとして「大きな声や音を出して人間の存在を知らせることが重要」と指摘。出合ってしまった場合の対処法としては、▽身に着けている衣服を投げてクマの気をそらす▽背を向けずに逃げる―などを挙げた。
(誤射で母失った4羽、コウノトリのヒナ飛び立つ:島根)
島根県雲南市で5月19日、国の特別天然記念物・コウノトリのペアの雌(5歳)が誤射で死んだ後、兵庫県立コウノトリの郷さと公園(豊岡市)で育てられていたペアのヒナ4羽が12日、雲南市から放鳥された。ヒナは、この約2か月で体重が約1キロ増え、成鳥並みの4キロ前後に。12日午前11時15分頃から、同公園の山岸哲園長や地元の小学生ら約300人が見守る中、2羽ずつ飛び立った。直前の記念式典では、速水雄一・雲南市長が「多くの皆様のおかげで、今日を迎えることができた。コウノトリがすむのにふさわしいまちづくりに努めていきたい」とあいさつした。雲南市は、農業被害を防止するため、有害鳥獣と定めたタヌキなどについて猟友会に許可証を交付して狩猟を認めており、誤射した会員の男性(69)も、2年ほど前から本格的に駆除に取り組んでいた。
(鳴き声でシカの侵入を検知:山形)
山形大学の江成広斗准教授は6日、深刻な農業被害や森林の荒廃をもたらしているシカの侵入を鳴き声で検知する手法を開発したと発表した。地元ハンターでも見つけられないほど少数の侵入であっても早期に捉えられ、侵入経路の特定や被害の未然防止に役立つとみている。新手法は、海外で鳥の調査に使われる高性能集音器を使って、オスジカが秋に発する鳴き声を自動的に記録して侵入をとらえる方法。現在、自動撮影カメラなどが使われているが、個体数の少ない初期段階ではなかなか捉えられず、被害拡大を防げていない。集音器を使えば1台で約6ヘクタールがカバーできるようになり、検知面積はカメラの200倍以上に広がる。画像一枚一枚チェックする必要も無く大幅な省力化が可能。シカによる農業被害は年60億~70億円。森林も荒らすため土砂災害の危険すらある。シカの繁殖力は高く、侵入に気づいたころには手遅れとなっている。新手法を普及させれば侵入経路の特定だけでなく、分布拡大予測、被害軽減、頭数管理などに使えるとみている。
(雑草抑制で電気柵管理を省力化:富山)
イノシシによる農作物被害に悩む南砺市南蟹谷地区(福光)で、県立大と住民が電気柵管理の省力化を目指し、漏電を引き起こす雑草を抑制する実証実験に取り組む。8日に、雑草の繁殖を抑えるイワダレソウの苗植えや芝の種まきをした。中山間地の南蟹谷地区では、イノシシによる農作物被害を防ぐため、ほぼ全てのあぜ道に電気柵を設置してきたが、20~40センチの高さに張られている電線に雑草が触れて漏電するケースが頻発。農業の担い手不足の中、電池の点検や入れ替え、草刈りがなかなか行き届かなかった。
(獣害対策の“秘密兵器”、吠えるオオカミフィギュア:千葉)
イノシシなど野生動物が農作物を荒らす被害が千葉県でも深刻化する中、JA木更津市(梅澤千加夫代表理事組合長)は11日、同市矢那地区の水田近くに“秘密兵器”を繰り出す。北海道生まれのオオカミ型フィギュア(模型)「スーパーモンスターウルフ」。動物を赤外線センサーで感知すると、咆哮音を発し、目が炎の色に点滅。その迫力に防衛本能に目覚めた動物が出没しなくなるという優れモノ。本州以南での設置は千葉県が初で、撃退効果への期待が高まる。JAが試験的に設置するスーパーモンスターウルフは北海道奈井江町の機械部品加工、太田精器(太田裕治社長)が北海道大、東京農業大と共同研究で約7年かけて開発した。同社はLED(発光ダイオード)を応用したモノ作りも手掛けるが、「テレビのサブリミナル効果にヒントを得、農地を荒らすエゾシカを点滅光で追い払えないかと考えたのが開発の端緒」と、かつて茂原市内で暮らしたこともある太田社長は話す。当初は、LED照明を複数埋め込み、野球場のスタンドライトに似たただの機械だった。だが、動物が天敵と認識する犬型四つ足動物のフィギュアなら、動物がより危険視すると予測。オオカミの姿をリアルに模したウルフが誕生した。体長65センチ、体高50センチ。“四肢”には鉄パイプを使った。開いた口から鋭い牙がのぞく。LED照明を埋め込んだ目は火炎色に点滅、首も動く。内蔵スピーカーからの出力音は最大90デシベル。オオカミの咆え声は無論、銃発砲音と猟犬の声や、動物を不快にさせる人工音など数十種類の威嚇音が出せ、到達圏は約1平方キロ四方。バッテリーにソーラーパネルをつなげて電源とする。音と光と姿の三乗効果で動物に天敵と認識させ、寄せ付けなくする作戦。「動物は模型と見破り慣れてしまうのでは? と効果を疑う人が多いのは承知の上。共同研究で、設定で威嚇音を変えられるので動物は慣れないし、不快な物事への危険察知・回避能力が高いゆえに逆に効果ありと推測した」と太田社長。道内では計5カ所の耕作地周辺にウルフを設置、監視カメラで半年余り様子を観測したところ、シカやクマが耕作地に出なくなったという。「威嚇音の到達圏に限りがある分、狭い農耕地が多い本州向きでは? かつて暮らした千葉に貢献したい」(太田社長)。“ウルフ作戦”を試みるJA木更津市は今春、田植えを間近に控えた海辺近くの水田耕作地帯にイノシシが出た事実を重大視。「生息区域を拡げる動物の農作物荒らしを止めないと千葉の農業は崩壊しかねない」と太田精器に相談した。設置場所は木更津市内の矢那地区内にある水田の近く。「効果を分析することで人と動物の共生にも配慮しながらの対策も検討できる、と期待したい」(JA木更津市)。今回の試みについて、農業・食品産業技術総合研究機構の仲谷淳専門員(動物生態学)は「一般論としては、光や音で威しても、追いかけられるなど物理的危害を被らなければ、動物は慣れるといわれる。だが、少しでも効果がみられるなら一歩前進の対策となる」と評価し、「自治体や研究者も加えて効果を見、結果を整理して次の改善策につなげるという協力作業こそ望ましい」と指摘する。
(乗鞍岳カラス捕獲作戦:岐阜)
岐阜・長野県境の乗鞍岳(3026メートル)に生息する国の特別天然記念物「ニホンライチョウ」を守るため、環境省は今月からカラスの試験捕獲に乗り出した。国内初の試みで、ライチョウの卵を食べるカラスを減らし、日本アルプスの自然のシンボルを増やしたい考えだ。現地を調査している同省は昨年度、山頂付近で卵を食べるカラスを初めてカメラで撮影した。一方、山頂方向へ向かう観光バスを追いかけるように山麓から飛ぶカラスが2、3羽いるのを確認。カラスが登山者や観光客が出す食べこぼしや生ごみを目当てに移動し、ライチョウの巣を見つけて中の卵を食べているとみている。ライチョウは同省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されており、乗鞍岳ではこの10年間、130~140羽で推移。一方、カラスは1970年代後半以降、標高2400メートル以上の高山帯にも現れるようになり、現在は長野県側の標高500メートルの山麓周辺に10~20羽がいるという。このため、同省は「本来は人里にすむカラスが高山帯に現れるようになると、生態系に悪影響を与える恐れがある」と判断して、この夏、ハンターら5人でつくる対策チームを結成。山頂に向かうカラスが含まれるとみられる山麓の数羽を散弾銃で撃ち、ライチョウの被害防止に効果があるかを見極める。チームは今月6日、活動を開始。長野県松本市のスキー場周辺で録音したカラスの鳴き声を流し、カラスを誘い出そうとしたが、猛禽もうきん類のノスリが反応し、カラスは寄りつかなかったため引き揚げた。近く、改めて出動するという。同省長野自然環境事務所の福田真・自然保護官は「乗鞍岳は、国内有数のニホンライチョウの生息地。カラスを減らして卵が捕食されなくなれば、一層の繁殖が期待できる」と強調している。環境省は、乗鞍岳で採取したニホンライチョウの卵を使った人工繁殖にも力を入れている。6月には、1998年の大町山岳博物館(長野県大町市)以来という19年ぶりの人工繁殖に成功した。同省は乗鞍岳で2015~16年度、計22個を採卵。上野動物園(東京都台東区)、富山市ファミリーパーク、同博物館の3施設で孵化ふかに取り組み、計14羽が育っている。今年4月以降、この14羽のうち6羽でつがいを作ったところ、計56個を産卵。卵は6月中旬以降、次々とかえり、今月5日までに15羽の人工繁殖に成功して、うち13羽が元気に育っているという。環境省と連携し、人工繁殖に取り組む日本動物園水族館協会の広報担当者は「これを機に、ライチョウの人工繁殖と飼育の技術を確立したい」と意気込む。同省長野自然環境事務所は「順調に進めば、ライチョウを動物園などで展示できるようになる日も近い」と期待している。
(クマについて考えるフォーラム:石川)
このフォーラムはクマの情報を共有し、被害や対策について考えようと県が毎年、開いている。県などが行う被害防止の取り組みなどが報告されたほか、県内での目撃件数の推移では、クマの分布が奥能登にまで広がっている現状が説明された。
(「出没注意報」創設、死亡事故発生で警報に:青森)
クマによる人的被害や食害が相次いでいることを受けて、青森県は6日、クマ出没注意報・警報制度を創設し運用を始めた。県民にクマへの注意を促して被害防止を目指す。同様の制度は秋田、岩手両県が既に導入している。注意報は▽クマが好むブナの実が「豊作」か「並作」▽人的被害が懸念される▽出没件数(1カ月間)が過去5年間の平均の1.5倍以上になった--のいずれかに該当すれば発令する。死亡事故が起きたり、出没件数が過去5年間平均の2倍以上になったりした場合は警報を出す。注意報、警報とも発令期間はクマが冬眠に入って活動しなくなる11月30日まで。県ホームページへの掲載や記者会見を通じて周知する。県自然保護課などによると、今年上半期(1~6月)の県内でのクマ出没数は122件と、前年同期より77件少なかったが、人的被害(負傷事故)は4件で、0件より増加した。また、農作物の被害額は毎年約1000万円に上る。
(サル食害、ササユリ無残:滋賀)
滋賀県甲賀市内の里山を再現し、市民の憩いの場となっている「みなくち子どもの森」(水口町)に、今春以降サルの群れが月に1度のペースでやってきて、「市の花」であるササユリのつぼみを食べるなどの被害が出ている。同森は「来園者が危険な目に合うのでは」と不安を募らせている。同森は同市甲南町から続く山の北端に位置し、近くには北内貴などの住宅街が広がる。河瀬直幹学芸員(43)によると、サルは市が「甲賀D」と呼ぶ35匹ほどの群れ。5年ほど前から、夏野菜が実る7月と木の実がなる10月ごろ、定期的にやってくるようになった。そのため市民向け「体験農場」でトマト、ナス、キュウリなどの栽培をやめた。今年3月ごろから頻度が増え、園内の花などを食べた形跡が見つかるようになった。5月下旬にはササユリのつぼみを茎ごと引きちぎって食べていた。同森は今年から開花時期の6月中旬を「ササユリ週間」としてPRしているが「20株ほど食べられたのでは」と河瀬さんは話す。県自然環境保全課によると、同市のサルは13群あり、県内4番目に多い。個体数は約520匹で減少傾向にあるが、市獣害対策課は「住宅街まで下りてくる群れもあり、人慣れして追い返すのが難しくなった」とする。北内貴の倉田治喜区長(63)によると、群れは今年になって近江鉄道の線路を越えて集落に入るようになったという。農作物が取られる被害が相次いでおり、市の積極的な駆除策を望んでいる。
(サル対策、共存の道「狩り」から「草刈り」へ:山形)
山形県米沢市三沢地区の住民らが、道路沿いや河川敷、空き地などの草刈りを行い、景観整備を進めている。地区内にある小野川温泉周辺の美観を保つと同時に、サルによる農作物被害を減らす効果も期待している。荒廃地を減らし、人の往来を増やすことで、サルと人との生活領域に線を引くことができれば、狩猟に頼らない共存型の猿害対策につながるという。温泉街に近い県道234号の沿道で6月下旬、住民たちが草刈りに汗を流した。のり面を覆った木々を業者に伐採してもらった後、持ち寄った鎌などで、すっきりと雑草を刈り取っていった。小野川地区町内会長の吾妻静夫さん(67)は「草刈りは定期的にやっている。景観を整えれば、人が近づき、サルが出没しにくくなる」と話す。三沢地区内で小野川温泉のある地域は、約150戸、500人が暮らす集落。周囲を山に囲まれ、近くを川が流れている。豊かな自然を生かし、カブトムシやトンボを観察できる場所を整備したり、夏にはホタルまつりを開いたりして、地道に景観整備に努めてきた。しかし、温泉街周辺の農地では10年ほど前から、サルの出没が目立ち始め、畑を荒らされる被害が徐々に深刻化。各農家が電気柵を設けるなどしていたが、サルとのいたちごっこが続いたという。行政や住民らで構成する三沢・田沢地区猿害対策協議会では、地元の景観整備の取り組みを拡大し、猿害対策に生かそうと小野川温泉のある地域をモデル地区に指定。2014年度に組織づくりを始め、緑道整備や空き地の草刈り、サルの餌となる柿のもぎ取りの徹底などを行ってきた。地元では40匹から80匹のサルの群れが観察されている。これまでの取り組みで具体的にどのくらい被害が減少したのか現時点で不明だが、吾妻さんは「害を及ぼすようなサルの出没が減ってきている感触はある」と話す。協議会事務局を務める米沢市農林課の担当者は「従来の駆除では限界があった。観光地として景観を整えていくことで人とサルの共存関係を生み、被害を減少させていければと期待している」と話す。
(新幹線駅にカラスの巣、トラブル防止へ撤去:富山)
開業から3年目を迎えた北陸新幹線の富山、新高岡両駅構内でカラスの巣が初めて確認され、関係者が撤去などの対策を進めている。構内に居着けば、運行トラブルやふん害が出る恐れがある。カラスの生態に詳しい専門家は「開業から時間がたち、駅構内も営巣できる環境だと認識したのではないか」と分析。同じ場所に巣を作る習性があり、継続的な対策が必要だと指摘する。県内でよく見られるのはハシボソガラスとハシブトガラスで、繁殖のため3~4月を中心に巣を作る。JR富山駅の構内では4月中旬からカラスが5カ所ほどで巣を作り始めた。
(狩猟体験ツアー、命と食を学ぶ)
肉料理は好きだが、“さばかれた”肉しか見たことがない、という人は多い。飼育場は見たことがあっても、狩猟の現場、となると更に貴重な機会だ。グランピングリゾート「星のや富士」ではこの秋、狩猟歴40年以上のベテラン地元猟師から、狩猟肉(ジビエ)について学ぶ「命と食を学ぶ狩猟体験ツアー」を開催する。星のや富士では、鹿肉や猪肉などのジビエ料理が食べられるが、その背景には、昨今、全国的に増えている鹿や猪などによる農・林業への被害の深刻化という問題が横たわっている。シェフやスタッフが狩猟の現場に出向き、地元猟師から直に教えを受け、命の重みや、美味しい食材として料理するための狩猟や解体の技術などを学んできたという。ツアーでは、猟師とともに富士山麓の森に入り、わな・銃それぞれの狩猟方法で鹿を狙う様子を見学。仕留められた鹿が食肉としてさばかれていく工程を、技術、温度管理などのこだわりを聞きながら見学できる。
(「ジビエ」の解体処理技術共有を、首都圏での販売力高める:鳥取)
シカやイノシシなど野生鳥獣肉(ジビエ)の活用を鳥取県が加速させている。獣を解体処理する高度な技術の共有を県内施設で進める一方、“川下”の料理人らにもメニュー化の機運が高まる。ジビエ活用を全県で展開しブランド化を進め、首都圏など大市場でも販売力を高める方針だ。6月24日、県東部の若桜町の解体処理施設「わかさ29(にく)工房」で、鳥取市の食肉処理会社の技術者4人がシカの解体に目をこらした。ナイフをふるうのは北海道根室市のエゾシカ肉販売会社の工場長。同社はHACCP(ハサップ、危険度分析による衛生管理)の認証をいち早く受けており、県外の先進技術を学ぶ研修会が開かれたのだ。同工房も6月2日、鳥取県のジビエ解体処理施設では初のHACCP認定を受けた。施設管理責任者、河戸建樹さんは「首都圏での販売では、HACCPははずして通れない」と言う。もとより同工房は技術に定評があった。年間解体処理数もシカとイノシシ計約1800頭と県内全12施設で群を抜く。HACCP認定という「安全安心の担保」も得たため、県は同工房をジビエ解体処理の先行モデルとしてノウハウを広め、全県で解体処理の水準を上げる考えだ。同工房をはじめ、鳥取のジビエ活用は県東部中心に進んできた。平成24年には全国でも珍しい、狩猟者から飲食店までジビエ活用の全段階が集結した「いなばのジビエ推進協議会」が発足。捕獲したシカやイノシシが解体される割合の「利用率」は、23年の6%が27年は15%へ跳ね上がった。課題は、こうした川上から川下まで連携した振興体制を全県へ広げることだ。5月31日には、全県のジビエ関係者が結集した初の会議が県中部・倉吉市で開かれた。県西部のホテルや県全体の料理人組織などからは「夢のある料理を考えたい」「未来のある食材」とジビエ使用に積極的な声が相次いだ。県はこうした機運をとらえ県内の飲食店でさらにジビエ普及を図り、捕獲・解体から消費までジビエ活用の大きな流れを起こすことが全県の振興体制づくりに結びつくと考えている。農産物被害対策に端を発したジビエ活用だが、県産はこれまでの個別の優れた取り組みで、著名料理人らから品質に高い評価を得ている。県は今後、高級感あるブランド化を進め、「ジビエを食べる新たな文化」(食のみやこ推進課)の構築を視野に入れている。
(ジビエ処理、初のハサップ:鳥取)
シカ肉などの処理施設「わかさ29にく工房」(若桜町)が先月、衛生管理が優れているとして、「県HACCP(ハサップ=危険度分析に基づく重点衛生管理)適合施設」に認定された。獣肉加工処理施設では初めて。農作物への獣害を防ぐため、県はジビエ(野生鳥獣肉)のブランド化を進めており、関係者は「商品の信頼につながり、販路拡大の弾みになる」と期待している。ハサップは、食品の製造工程を監視・記録する国際的な衛生管理法。県は2015年度、ハサップを導入している事業者の認定を始めた。認定施設は現在、29工房を含めて計54施設ある。29工房は、猟師が捕獲・駆除したシカやイノシシを食肉として活用するため、若桜、八頭の両町が国の助成金も活用し、約2700万円かけて整備。13年7月から稼働している。当初は若桜町の直営だったが、16年度からは、町内で別の施設「猪鹿庵ジビエアン」を営む河戸健さん(73)が指定管理者となって運営。同年度はシカ1748頭、イノシシ109頭を処理し、関東や関西の飲食店やホテルなど約100か所と取引した。百貨店やホテルなど大手取引先から、衛生管理の裏付けを求められることがあり、販路拡大のために県認定を申請した。認定には、衛生面の危険要因を分析したうえで製造法の手引を作り、実施記録を残す必要がある。29工房は従来、体表についた泥や寄生虫感染の恐れのある内臓などで肉を汚染しないよう、内臓処理や解体、包装などの工程をそれぞれ別室で行ってきた。冷蔵庫や冷凍庫の温度管理もしていたが、日々の確認を朝夕2回と決めて記録をつけるなど、厳密化。シカ肉について認定を受けた。県緑豊かな自然課によると、県内のシカの推定生息数は03年度の約1万1600頭から、15年度には4万2700頭に増加。県と市町が捕獲奨励金を出すなどした効果もあり、03年度に161頭だった捕獲数は15年度には6097頭に増えたが、同年度の鳥獣による農業被害は約5800万円に上った。県は15年から、新たな特産品創出も目的に、「とっとりジビエ」として県産獣肉のブランド化を推進。首都圏や関西圏での試食会に出品するなどしている。県食のみやこ推進課の塗師木ぬしき太一課長は「ジビエを売り出す府県が増える中、県認定で衛生管理をアピールできれば、他府県産との差別化が図れる」と話す。県内の獣肉加工処理施設は、29工房を含め12か所あり、来春に智頭町で1施設が新設される。河戸さんは「県認定を受ける施設が増えれば、県産ジビエの価値が高まる。認定に必要な手引作成のノウハウなどで協力したい」と話している。
(高島屋が初の「ジビエ」常設売り場:京都)
百貨店大手の高島屋は12日、野生のシカの肉などのジビエ(野生鳥獣肉)を販売する常設売り場を洛西店(京都市西京区)に開設する。同社の店舗網でジビエ売り場を常設化するのは全国初。ジビエの加工販売を行う京丹波自然工房(京丹波町)と連携し、府内産のシカやイノシシの冷凍肉を販売する。高島屋によると、洛西店で今年4月、ジビエの試験販売を行ったところ、消費者から好評で売り場の常設化を決めた。同社は「獣害対策になるだけでなく、安心・安全なジビエの肉を気軽に購入できる機会を提供できる」としている。
(シカの活用へ県が協議会:山梨)
山林や畑を荒らすために駆除したニホンジカの活用を進めようと、県は有識者による協議会を設置した。2015年度には1万3169頭が駆除されたが、食肉として活用されたのは2・5%どまりで、革製品に利用されたものも少ない。県は、シカ肉の安全性と品質を保証する認証制度を作ったり、シカ皮を使った革製品をブランド化したりすることで、駆除したシカの活用を目指す。県によると、15年度に県内に生息していたニホンジカは約7万1000頭と推定される。木の皮や植えたばかりの苗を食べたり、木に角をこすりつけて傷つけたりするため、15年度の農林業への被害は3億6400万円に上り、11年度の1・7倍に増えた。被害を減らそうと、県と猟友会はシカの駆除に取り組んでいる。駆除した頭数は、15年度は1万3169頭で、11年度の7191頭から約6000頭増えた。それでも被害額が増えているのは、林業従事者の高齢化や担い手不足で、シカから木を守る網を巻くなどの対策が取れなくなっているためだ。また、駆除されたシカの活用は進んでいない。県内で15年度に食肉に処理されたシカは、駆除されたうちの323頭、2・5%しかない。腹部を撃つと内臓が傷つき、内臓の内容物や細菌が肉を汚染する。このため、県のガイドラインは、シカを食肉用に販売するためには、頭部を撃たなければならないと定めている。ただ、頭部の面積はシカの体全体の1割程度しかなく、銃弾を命中させるのは難しいため、食肉用にシカを撃つハンターは少ない。多くのハンターが目的にしているのは、シカの駆除を進めるために、県などが猟友会を通して支給している1頭当たり1万5000円の補助金だ。あるハンターは「食肉用に頭部を撃つのは難しいので、1万5000円をもらうために、胴体を撃って確実に仕留めている」と話す。ただ、胴体を撃たれたシカの皮は大きく傷つくため、革製品にも使えない。また、革製品に使う場合は、シカの皮を丁寧に剥ぐ必要があるが、皮を扱う業者は少なく、皮を革製品用に販売するためにシカを撃つハンターもほとんどいない。駆除したシカを活用するためには、ハンターが、シカを食肉や革製品用に撃とうと考えるようになる動機付けが必要だ。このため、県が計画したのが、肉や革製品をブランド化して、肉や皮の取引を活発にすることだ。シカ肉をブランド化するため、県は今年秋、安全性と品質を保証する県独自の認証制度を創設する。体内に銃弾が残っていないかどうかを調べるために金属探知機を設置したり、微生物検査を年2回以上行ったりするなどの基準を満たした処理施設で処理された食肉を認証する。認証されたシカ肉が高価格で販売されるようになれば、食肉用にシカを撃とうというハンターが増えると期待されている。革製品のブランド化のためには、県産業技術センターなどが、15年から白いシカ革の開発に取り組み、8月から、印伝専門店「印伝の山本」(甲府市)などで、印伝の技法で作った名刺ケースや長財布を販売する予定。同センターの担当者は「革製品用に売れることがわかれば、ハンターもシカ皮に価値を見いだし、シカを撃ったり皮を剥いだりする際に注意を払うようになるのではないか」と期待している。
(種まき前に獣害防止柵設置:長野)
そばの在来種の復活を目指す伊那市のそば店主や愛好者らでつくる「信州そば発祥の地伊那そば振興会」(飯島進会長)は10日、今年新たに同市長谷浦に開墾した休耕畑に獣害対策用の柵を設置した。シカ、イノシシなどによる被害を防ぐもので、19、27の両日に予定する種まきに向けて万全を期した。同会のメンバーのほか、在来種の復活プロジェクトを共同で行っている入野谷そば振興会、信州大学などから約30人が参加。800平方メートルの畑の周囲に高さ約2メートルの支柱を何本も建て、網を張った。在来種は県の花き試験場でわずか20グラム見つかり昨年、浦の200平方メートルの畑で栽培。2年目の今年は栽培面積が5倍になり、飯島会長は「浦の畑は原種を育てる種採り場にしたい。今年成功すれば、来年以降はふもとへ生産を広げる。何とか無事に育ってほしい」と期待を込める。協力する信大農学部の井上直人教授によると、在来種は夏型の早生。直播し、65日後程度で収穫する。昨年は18キロを収穫したが、今年は50~60キロを見込む。監視カメラも設置して、獣害から在来種を守る。
(「ジビエ」おいしく、シェフが実演:和歌山)
獣害対策の一環として普及に期待が集まるイノシシやシカの肉「ジビエ」の料理講習会が6日、和歌山市内であった。飲食店スタッフら約30人が参加。ジビエ料理が豊富な仏料理の一流シェフによる調理を見学し、ジビエの特性を学んだ。
(鳥獣被害防ごう、合同パトロール:福井)
奥越農業振興協議会が六日、大野、勝山両市の農地を鳥獣被害から守るため合同パトロールを始めた。設置された電気柵の管理状況を区ごとに確認し、住民に改善策などを提案していく。協議会は大野、勝山両市と県奥越農林総合事務所、JAテラル越前で構成。イノシシやシカ、サルなどの鳥獣被害が多い大野市八地区と勝山市三地区を、二十日までパトロールする。初日は三カ所で実施。このうち、大野市蕨生では区や農家組合の代表を交え、十二人で巡回した。区内では昨年、水稲被害はなかったが、ソバは作付けの約九割が被害に遭ったという。電気柵は、農地に面した山際の延長二キロにわたって設置されていたが、近くの畑ではイノシシの足跡が確認された。県奥越農林総合事務所の滝波正人さん(52)は「電気柵の設置場所は山際から五~十メートルの山中が理想」と助言。山中は地面が湿っているため電気柵の電圧が低下しにくく、点検のために住民が山中を歩くことで、動物に心理的圧力をかけて、山中に追いやることができると説明した。
(シシ肉、ジビエで特産化順調:鳥取)
鳥取県北栄町の日本猪(いのしし)牧場は、捕獲した野生のイノシシを飼養し、良質な野生鳥獣の肉(ジビエ)として出荷している。イノシシは神経質で管理が難しいため頭数は少ないが、今後拡大して安定的に出荷することで、特産品として地域を盛り上げる考えだ。飼養は2013年から始めた。農業被害をもたらす厄介者を特産にしようと、県中部の倉吉市、湯梨浜町、三朝町、北栄町、琴浦町や県、観光協会などと「鳥取中部イノシシ産業化プロジェクト」を設立。市町から許可を得て捕らえたイノシシを、15年度は5頭、16年度は10頭を育てて販売した。「イノシシはストレスに弱く、管理が難しい」と同牧場代表の徳岡憲一さん(52)。徳岡さんの父はイノシシの繁殖から精肉までを手掛け、多い時には400~500頭を飼養していた。父の死後は事業をやめていたが、プロジェクトの設立に伴い再開した。イノシシは本来群れないが、限られたスペースで管理するために、強制的に群れをつくらせる。相性が悪いと群れの中でいじめや共食いが起きる。牧場では現在3アールの敷地を複数に区切り、18頭を兄弟や相性の良い個体ごとに分けて管理。餌はトウモロコシと麦を基本に、果実など少なくとも4種類を与える。飼育イノシシの肉を使う青森県八戸市の日本料理店「金剛」は、インターネットで取り組みを知り、2年前から購入している。夏堀康夫料理長は「野生の肉は品質に当たり外れがあるが、飼養したものは安定している」と評価。客の評判も上々で注文は増えている。捕獲・駆除したイノシシも県内全域から受け入れ、食肉処理している。食肉処理だけをするイノシシを含め、15年度は約300頭、16年度は約600頭を出荷して黒字化を達成。17年度は1000頭が目標だ。将来的には野生飼養繁殖飼養――に分けてブランド化し、牧場を広げて頭数拡大を目指す。今後、飲食店も交え中西部の協議会を設立。イベントの企画や商品開発などでイノシシ肉のイメージ向上と消費拡大を図る。徳岡さんは「観光農園が目標。さらに中山間地域の高齢者が作る野菜も売って、地域の活性化を目指す」と意気込む。
(鳥獣保護管理で2人に感謝状:佐賀)
鳥獣保護区の管理や狩猟の監視、生物の保護などに貢献したとして、佐賀市富士町の鳥獣保護管理員、友岡剛さん(69)と山崎友重さん(71)に環境省自然環境局長感謝状が贈られた。県内関係者の受賞は4年ぶり。2人は猟友会で指導的立場だったこともあって2001年11月に管理員に任命され、狩猟シーズンの巡視などを担う。富士町の山間部はイノシシによる農産物被害が深刻で、わなが適切に設置されているかをチェックするなど対策に腐心した。最近は被害が減少し、県外から集まっていた狩猟者も減ってきたという。伝達式が5日、県庁であり、御厨秀樹県農林水産部長から感謝状を受け取った友岡さんは「ありがたく、感激している。これからも頑張りたい」と受賞を喜んだ。山崎さんは「大変な名誉。山間部の鳥獣被害の軽減に努める」と話した。鳥獣保護管理員は鳥獣保護や狩猟の知識と経験が豊富な人の中から市町長が推薦して知事が任命しており、県内では34人が活動している。

TOPへ

7/6
(クマに襲われ69歳男性ケガ:岩手)
4日午後、盛岡市で散歩をしていた69歳の男性がクマに襲われケガをした。市や警察で注意を呼びかけている。4日午後3時半ごろ、盛岡市川目の無職・四日市健一さん(69)が、1人で自宅近くを散歩中、突然現れた成獣と見られるクマ1頭に背後から襲われた。四日市さんは、杖代わりに持ち歩いていた長さ約1メートルの木の棒で抵抗し、クマは、約1分後、現場に近づいてきた車に気づいて山林に逃げたという。四日市さんは、病院で手当てを受けたが、頭や両腕などをひっかかれ、約40針を縫うケガをした。四日市さんは、クマ除けのため、ラジオを持ち歩いていたが、テレビ岩手の取材に対し、「まさか自分がクマに襲われるとは」と話している。
(クマが会社敷地内で木登り、猟友会が射殺:秋田)
5日午前9時35分ごろ、秋田県鹿角市十和田末広字白根方の会社敷地内で、木の上にクマがいるのを男性経営者が見つけ、鹿角署に届け出た。市からの要請で地元猟友会員が約1時間40分後にクマを射殺した。
(シカ捕獲用わな発注収賄、市職員を再逮捕:北海道)
北海道紋別市のエゾシカ捕獲用囲いわなの発注を巡る汚職事件で、道警紋別署は3日、加重収賄罪で起訴された同市職員、菅原豪被告(47)を詐欺と脅迫などの容疑で再逮捕した。再逮捕の容疑は2014年2~3月、わな設置に伴い、資材運搬の作業があったように装い、市から2回にわたって、それぞれ十数万円を不正に受給。また、同年8月ごろ、勤務中の車内で、同乗した別の男性職員(当時26歳)に背後から猟銃のケースを押しつけ「必ず殺すから」などと脅し、胸部を数回殴ったとされる。同署は菅原容疑者の認否について明らかにしていない。菅原容疑者は13年4月~16年3月、市農政林務課主任として、地元の鳥獣被害防止対策協議会の事務局を担当。14年2月、石狩地方の業者に入札の便宜を図った見返りに現金約100万円を受け取ったとして逮捕、起訴されている。
(熊の目撃情報:宮城)
4日15時頃、登米市東和町米川字北上沢地内で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(ワゴン車がクマと衝突:宮城)
4日午前5時50分ごろ、仙台市太白区茂庭生出森東の東北自動車道下り線で、福島県桑折町の農業男性(43)のワゴン車が道路を横切っていたクマと衝突した。男性にけがはなかった。宮城県警高速隊によると、体長約1メートルのクマは現場で死亡した。
(観光地でクマの目撃情報:山梨)
4日午前、多くの観光客が訪れる富士吉田市の新倉山浅間公園の忠霊塔近くでクマの目撃情報があり、市や警察が注意を呼び掛けている。富士吉田警察署によると、4日午前10時頃、富士吉田市の新倉山で登山をしていた男性から、「クマを見た」と通報があった。クマは体長約1㍍で富士山の眺望スポットとして多くの観光客が訪れる新倉山浅間公園の忠霊塔から約700メートル登った山中から、麓の方へ下っていったという。地元の猟友会や市の担当者などが現場を調査した結果、クマの足跡が見つかり、足跡の大きさなどから、子グマだと推測されるという。市は4日防災無線やメールで市民に注意を呼びかけたほか、5日はクマの出没を知らせる看板を設置するという。県によると県内では4月以降、去年の同じ時期を28件上回る64件のクマの目撃情報があり、市の担当者は、「ハイカーや観光客が増える時期なので引き続き警戒をしていきたい」と話している。
(車の男性がクマ目撃:愛知)
5日夕方、愛知県豊田市の路上で、ツキノワグマとみられるクマが目撃された。豊田市は周辺住民に注意を呼び掛けている。豊田市によると、5日午後4時20分ごろ、豊田市田津原町で、車で走っていた男性が路上にいたクマを発見した。男性がクラクションを鳴らすと、クマは山の中へ逃げたという。男性は「初めて見た、この集落で。民家も近いから、やばいかなと思いました」などと話していた。目撃されたクマは体長70ー80センチで、足跡や草がなぎ倒された跡などから、「ツキノワグマ」である可能性が高いという。
(クマと車が接触:青森)
むつ市城ヶ沢の国道338号で5日朝、車が道路脇の林から飛び出してきたクマとぶつかった。運転していた男性にけがはなく、車の破損もなかった。付近ではクマの目撃が相次いでおり、住民からは不安の声が聞かれた。市や警察が注意を呼びかけている。
(ツキノワグマが養蜂箱を壊す:新潟)
4日午後、三条市下田地区の大谷地集落内に設置されていた養蜂(ようほう)箱がクマに破壊されたと三条市農林課に連絡があった。養蜂箱は最も近い住宅から数十メートルと離れていない。養蜂箱は2箱設置されており、2箱とも壊されていた。誰もクマを見た人はいないが、状況からツキノワグマが壊したものと見られる。市では大谷地集落に近い防災行政無線を流したり、集落にちらしを配布したりしてクマに会わないようにし、クマに会ったときの対処法を周知している。
(クマの目撃情報:長野)
5日の早朝に、上古田、下古田境の深沢川付近でクマの目撃情報がありました。
(谷村PA近くでクマ目撃情報:山梨)
5日午前7時40分ごろ、都留市の中央自動車道富士吉田線の谷村パーキングエリア(PA)近くでクマらしきものを見たと市に情報が寄せられた。
(ツキノワグマ?畑に足跡:兵庫)
三田市母子(もうし)で3日、ツキノワグマのものとみられる足跡が見つかった。市内で6月以降、目撃情報が続く。市は、ラジオの音を出して携帯するなど、クマとの鉢合わせを避けるよう注意を呼びかけている。市農村整備課によると同日午前10時半ごろ、農作業に出向いた男性がキュウリ畑に数十カ所の足跡を見つけた。
(乗用車とクマ衝突、けが人なし:秋田)
4日午前7時50分ごろ、秋田県大仙市協和荒川字上田表の国道46号で、潟上市の60代男性の乗用車とクマが衝突した。男性にけがはなかった。
(女性に付着の体毛は雌、クマ襲撃死亡事故:秋田)
秋田県仙北市田沢湖玉川で5月27日にタケノコ採り中の女性がクマに襲われて死亡した事故で、県は4日、女性に付着していたクマの体毛が雌のものだったと発表した。また、現場近くで先月24日に捕獲した雌のクマとは別の個体だったことも分かった。
(クマ駆除の許可、権限委譲を検討:秋田)
県議会は3日に続き、総括審査が行われました。被害や目撃が相次いでいるクマを駆除するには県の許可が必要ですが、佐竹知事は迅速な対応に向け「市町村への権限委譲を検討したい。」と述べました。県によりますと、今年の県内のクマの目撃件数は今月2日時点で438件で、過去最多となった去年の同じ時期を14件上回っています。その都度、地元猟友会などが警戒にあたっていますが、秋田では県がクマの駆除の許可権限を持っていて、市町村は猟友会に駆除を要請する前に県の許可を得なければいけません。県議会の総括審査では、迅速なクマ対応のため条例を改正してはどうかという質問に、佐竹知事が見解を述べました。「市町村権限については他の県の状況、一部私が現職の時、地方課長のとき異論があったと記憶している。研究しながら、市町村合併で市町村の規模大きくなったから、逆に言えば市町村に一定の権限を委譲する、これも一つの方法だと思う。それも検討課題の一つに捉えていきます。」県はあわせて、狩猟者を確保するための対策を進め、クマ被害の防止に総合的に取り組んでいく考えを示しています。
(1頭なのに2頭駆除とウソ、「写真ミス」と言い逃れる:鹿児島)
害獣駆除の報奨金を不正受給していたと疑われている鹿児島県・霧島市議会議員の強引な言い逃れが顰蹙(ひんしゅく)をかっている。問題の人物は、厚地覺(さとる)市議(73)。『ビビット』スタッフがこの市議を直撃したが、逃げ切られてしまった。その開き直りの強引さは、どこか国会の現状に似ており気になる。霧島市はイノシシやシカが畑や田んぼを荒らす被害がひどく、猟友会を中心に害獣捕獲隊を結成し、年間1400万円の予算を組んで報奨金を支給してきた。市の規定では、イノシシやシカを駆除した場合、駆除した害獣の写真と両耳と尻尾を提出すれば、1頭当たり1万2000円の報奨金を支給する。内訳は市予算4000円、国の補助金8000円となっている。ところが市が調べたところ、厚木市議を含め29人がカメラの角度を変えて別の個体を捕獲したように見せかけ、1頭につき2頭分の報奨金を不正に受け取り、その金額は241万8200円にのぼっていたことが判明した。しかし、市の調査結果に厚地市議は「写真ミスで反省はしているが、捕獲数の水増しはしていない」と主張。このほど開かれた市議会本会議も初日と閉会日に出席しただけであとは「体調不良」で欠席してしまった。害獣捕獲隊の米満廣志隊長は「写真ミスが1枚ならまだ許せても、それを毎年10枚も20枚持っていう形では間違いだったでは通らない」と怒る。そこで『ビビット』のスタッフが閉会日に待ち構え厚地市議を捕まえたが、「写真のミスで捕獲数の水増しはしていない」とする文書を手渡された挙句に、質問しても「文書を読めばわかる」と繰り返され逃げ切られてしまった。市の規定では、写真のほか駆除した害獣の両耳と尻尾を提出することになっており、数を合わせれば不正はできないはずなのに一体どうなっているのか。市もルーズだったのか。司会の国分太一「あまりにもひどすぎますね~」と嘆いたが、肝心の点については番組も持触れなかった。
(クマ注意報・警報新設へ:青森)
クマによる人への被害が今年県内で4件相次いだことを受け、県はクマ出没注意報と警報を設けることを決めた。県のホームページに掲載し市町村の防災無線なども活用し被害防止を呼びかける。
(サル被害深刻化、住民ら座談会で窮状訴え:兵庫)
兵庫県香美町内でニホンザルの生息域が拡大し、小代区や村岡区の住民らが農作物被害などに苦しめられている。町も対策を進める中、同町議会議員の有志が5日、村岡区入江の射添会館で、住民から直接意見を聞く座談会を開いた。町農林水産課によると、町内には現在二つの群れのサルが生息しており、2016年度は計24匹確認された。小代区内では以前から生息していたというが、近年は村岡区の射添地区を中心に、別の群れも出没するように。農作物が食い荒らされるなどの被害が深刻化している。一方、県森林動物研究センター(丹波市青垣町)によると、絶滅を防ぐため、頭数が少ない群れは県の保護管理計画で捕獲を見合わせることになっているという。香美町の二つの群れはいずれも捕獲対象の頭数に達しておらず、思うように駆除できない状況が続く。この日の座談会には住民ら約30人が出席。「畑に柵を設けても電柱をよじ登って侵入してくる」「家の中に入り、仏壇の供え物をとっていく」などと窮状を訴えた。その上で「花火を鳴らして追い払っているが、高齢者が多いので大変だ」「このままでは農業を続ける意欲が失われる」などとし、駆除を求める声も多く出ていた。自身もサル被害に遭ったという小代区の藤井昌彦町議は、「事態の深刻さを痛感した。住民の思いを町政に届けられるよう力を尽くしたい」と話していた。
(高圧線、カラス感電で爆発音騒ぎ:福岡)
5日午前9時5分ごろ、福岡市博多区美野島付近で、住民から「爆発音がする」と110番通報が入り、付近の約5500世帯が停電した。警察や消防が出動する騒ぎになったが、九州電力の調査で、近くの高圧線でカラス1羽が引っかかって死んでいるのが見つかった。カラスが接触し、感電したのが原因とみられている。
(高山植物保護取り締まり:長野)
南信地方の行政や山岳、観光団体などでつくる高山植物等保護対策協議会南信地区協議会は4日、伊那市内で総会を開いた。事務局の南信森林管理署(同市)は、地域内の山岳・自然公園での昨年度の保護取り締まり件数は142件で、前年より117件少なかったと報告。八ケ岳・硫黄岳直下の標高2400メートル地帯で行うシカ捕獲について、6月中旬のわな設置以降すでに4頭を捕ったと報告。「数はまだ伸びる」と見通した。生息数が増えているとされる中アに関しては「実施中の各種調査により、いつ、どこで、どんな対策をすべきかが見えてくる」と説明した。
(住宅街にアナグマ、駆除に厳しい現実:福岡)
飯塚市二瀬地区の民家で6月30日、有害鳥獣のアナグマが捕獲された。本来は山地や森林地帯に生息するアナグマが住宅街で見つかったことも驚きだが、駆除の現場に立ち会うと思いがけない問題点を知ることになった。「丹精込めて育てたスイカやトマトをこれ以上食べられてはたまらないという、すがるような気持ちでわな(捕獲器)を置いた」おりの中から低いうなり声を上げるアナグマは、体長約50センチのメス。捕獲した70代の男性はほっとした様子で語り始めた。自宅で家庭菜園を楽しんでいたが、2年前から被害が出るようになった。空き家になった近くの民家に巣があるとみられ、防護ネットを張っても乗り越えたり、穴を掘って侵入したりで効果はなかったという。市内のホームセンターで捕獲器を1万円で購入して約半月、設置場所やエサを変えながらようやく捕獲に成功した。処分を依頼するため市に連絡すると、駆けつけた農林振興課職員は予想外の言葉を告げた。「(禁猟期である)今の時期、無許可で捕獲器の設置は認められていません」鳥獣保護法では、わなを設置するのが自宅の敷地内であっても、猟期(11月15日~翌年2月15日)以外の期間ならば、わな猟免許が必要。今回のケースも厳密には違法行為となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される恐れもある。ただし捕獲器の購入・販売については、猟銃のような厳しい制限はない。「安い買い物じゃないのに、店も説明してほしかった」と不満げな男性。1頭は捕獲できたがアナグマに家族がいれば被害は続く。「これからどうすればいいのか」と困惑する。イノシシなどに比べれば食害被害を聞くことが少ないアナグマ。そもそも同市では今年の6月23日に初めて有害鳥獣として駆除が可能になったばかりで、これまで偶然わなにかかっても逃がすしかなかった。今後は、市に通報があるたびに有害鳥獣駆除員に連絡して派遣することになる。市によると、アナグマ駆除の許可を持つのは市内の駆除員59人中28人。30日に二瀬地区の男性宅を訪れたのは旧飯塚地区担当の広渡八郎さん(73)で、同市内での駆除は1例目。炎天下、職員と2人がかりで1時間以上作業を続けた。有害鳥獣であっても命に手を下すことに変わりはなく大変な作業だが、自治体から支払われる「報奨金」についても、広渡さんから厳しい現状を聞いた。駆除現場や殺処分後に搬入する飯塚市クリーンセンターに向かうガソリン代、市に提出する証拠写真代などを含めて、アナグマ駆除に支払われるのは国の基準に沿った千円のみ。「カラスなんて1羽200円。猟銃の弾1発(約240円)で赤字。だから駆除員に声を掛けてもなかなか集まらない」と打ち明けた。飯塚市ではイノシシとシカの駆除に対しては、国の基準(8千円)に市独自の補助金(7千円)を上乗せしている。アナグマなどまだ被害規模などが不明な有害鳥獣についても、対策を真剣に考えることが問題の抜本的な解決につながると感じた。
(狩りガール急増、5年で倍に)
農林業に有害なイノシシ、シカなどの野生鳥獣を駆除するハンターが高齢化で年々減る中、狩猟免許を取る女性が近年急増している。地域への貢献や鳥獣肉(ジビエ)料理の魅力など「狩りガール」の動機はさまざまだが、被害削減の一翼を担う存在になりつつあると期待を集めている。野生鳥獣による農作物の被害は2015年度に176億円と高水準が続くのに対し、狩猟免許を持つ人は14年度に19万4000人と約40年前の3割台に低迷。60歳以上の人が65%を占める。ただ、女性の免許所持者数は3184人に達し、5年間で2倍になった。
(アイヌ協会、伝統儀式「シラッチセカムイノミ」:北海道)
恵庭アイヌ協会(藤原顕達会長)は、恵庭市盤尻にあるヒグマの送り場跡「シラッチセ(岩屋)」で祈りの伝統儀式「シラッチセカムイノミ」を千歳アイヌ協会(中村吉雄会長)の協力を得て2012年から行っている。ここには祭壇やクマの頭骨、当時アイヌ民族が寝泊まりした跡も残り、中村会長は、こうした場で今もシラッチセカムイノミを行うのは国内で唯一とみている。恵庭や千歳はかつてヒグマが多く生息している地域として知られ、恵庭市内にはシラッチセが5カ所確認され、うち1カ所は軟石だったため4年前に崩落している。この日儀式を行ったシラッチセではかつて、アイヌ民族が自然への感謝を込めて仕留めたヒグマの魂を天に送る儀式「シラッチセカムイノミ」を執り行っており、祭壇などの送り場が残っている。そのほかに、火を使った跡や飯ごうなどの道具も見つかっており、かつてこの場で寝泊まりしながらヒグマ猟をしていたことがうかがえる。中村会長は「飯ごうなどが残っているのは、ここで寝泊まりしていたということ。アイヌ民族は、シラッチセに次に来る人が食料に困らないよう、自分たちの食料をこの場に残して絶やさないようにしていた。慈しみ、優しさの跡だ」と語る。自身の親戚が関わっていたことから、このシラッチセは少なくとも120年前よりも古いという。この場は地元の元猟師が今から60年以上前にアイヌ民族の友人から託され、恵庭猟友会として儀式を行い守り続けてきた。中村会長がこの元猟師から相談を受け、12年に恵庭アイヌ協会が引き継いで毎年、文化伝承のためにこの儀式を執り行うこととした。中村会長は「自分は別の地域でシラッチセカムイノミを執り行っているのを聞いたことがない。全国でここだけだと考えている」と話す。今月2日にも、恵庭アイヌ協会の会員や中村会長、苫小牧アイヌ協会の澤田一憲会長など約20人が参加して儀式を執り行った。木を薄く削って作ったイナウを祭壇にささげた後、祈りの言葉を口にしながらトノト(お神酒)もささげた。終了後には近くの森の中で交流会も開いた。恵庭アイヌ協会の藤原会長は「さまざまな人の手で長年守られ続けてきた大切な場所。これからも、儀式を長く続けていきたい」と話している。
(ジビエ加工施設計画:和歌山)
和歌山県田辺市は、同市上芳養で建設予定の野生鳥獣肉(ジビエ)処理加工施設に対し、整備費の補助を計画している。市内では2件目。施設は捕獲したイノシシやシカの解体・加工から、販売まで手掛ける。地元農家は「やっかいものが特産品になればうれしい」と期待している。施設は延べ床面積100平方メートル以内の規模で、洗浄や解体処理、冷蔵、加工の設備を設ける。年間約千匹の処理能力を見込んでいる。運営は「紀州ジビエ生産販売企業組合」(玉置俊久理事長)で、施設建設を機に事務所を和歌山市から上芳養に移転する。県内外のホテルや飲食店、産直店とジビエの取引があり、紀南でも販路を拡大したいという。市農業振興課によると、野生鳥獣による農作物被害は年間3500万円以上。2016年度は3721万円だった。うち、イノシシが565万円、シカは905万円。そのため、わなの狩猟免許を取る農家が増えている。15年度はイノシシ1655匹、シカ2729匹を捕獲した。しかし、市内のジビエ処理施設は本宮町にしかなく、旧田辺市の農家は捕獲しても自家消費以外は、山中に埋めることが多かった。ジビエは捕獲後、素早く解体して、血抜きなどの処理ができるかどうかで肉の質が変わる。組合は連絡を受けると、わなで捕獲したイノシシやシカに止めを刺し、施設まで運搬する。農家の負担を大幅に軽減できるという。総事業費は2037万円で、市は補助費320万円を6月市議会の一般会計補正予算案に計上した。予算案が可決すれば着工し、完成は10月の予定。
(ハンターがぶっちゃけるジビエの魅力)
ここ1,2年で都内でも取り扱うお店が増えてきたジビエ(野生肉)料理。その魅力は何といっても、畜産物にはない強いクセと旨味が詰まったワイルディッシュさにあります。しかし狩猟で捕獲できる獲物はジビエ料理の定番のシカやマガモだけではありません。ピヨピヨかわいいスズメから、巨大で獰猛なヒグマまで、日本国内で捕獲できる獲物は48種類にものぼります。そこで今回は、獲物の捕獲方法から解体、ソースづくり、料理方法まで手広くカバーされた本『これから始める人のためのエアライフル猟の教科書』(秀和システム刊)の著者、東雲輝之さんと佐藤一博さんに、ジビエ料理の魅力について語っていただきました。カラスは肉まで黒い。2人のハンターが激白、ジビエの世界!――自分で捕獲した獲物を調理して食べるのは格別だと思います。これまでに食べたジビエでおいしかったものを教えていただけますか?東雲:僕は鹿肉です。しかも生の鹿肉。本当は衛生上良くないので決しておすすめはできませんが、獲れたての、まだ筋肉がビクビク動いている鹿の肉を噛みしめた時は衝撃的でした。犬歯が肉に食い込む瞬間、それは性欲にも似た本能的な喜びが溢れだして・・・言葉で説明するのが難しいんですが、僕の体の中にある原始時代のDNAが喜んでる感じです。現代社会では忘れてしまった、『生存欲求』を満たす喜びと言っていいでしょう。佐藤:僕はツキノワグマが一番おいしかったです。「熊の肉は臭い」っていいますけど、臭いのは、ハンターが悪いんですよ。山の猟師は獲物を山分けするとビニール袋に入れて持って帰るんですけど、食べきれない分はビニール袋に入れたまま何日か後におすそわけするんです。ビニール袋に数日入れられた肉は中で血浸けになっているので、血生臭さがこびり付いて・・・それはもう臭いに決まっています。――鳥で言えば、これまでの人生の中で一番おいしかったのはなんですか?東雲:鳥の中で一番おいしいのは何かって聞かれたら・・・そりゃ、まぁニワトリですよ。だってニワトリは食べられるために生まれてきているわけですから。佐藤:単純に旨みでいえば、ニワトリが一番おいしいというのは同感です。――えー、それでは、ニワトリよりもオイシイ鳥っていないんですか (汗) ?東雲:いえいえ、そういうわけではないんです。ジビエの魅力って味だけじゃなくて、「ドラマ」にあります。例えば、自分で育てた野菜や自分で釣った魚を自分で食べるのは、普段の食事とは違う特別な美味しさがありますよね?ジビエも自分で生きた動物を仕留めたという思い出が、特別な『味』になるんです。これはオイシイとかマズイといった言葉では表しきれないことです。佐藤:やっぱり、自分で狩ったものを食べるのは格別ですね。個人的にいえば、撃ち落した鳥がまだ温かいうちに殺すということは、釣った魚を締めるよりもハードルが一つ上かなと思いますが、その分喜びも大きいのではないかと思います。――えー・・・では、あえてニワトリ以外で美味しい鳥を挙げるなら、どうでしょうか?佐藤:僕はカルガモかなあ。秋というか、11月(北海道は除く)に猟が解禁された直後の時期のカルガモが一番好きです。――脂が乗ってるんですか?佐藤:いや、特にそういうわけじゃないんですけど、ちょうど稲刈りが終わった時期で、お米を食べているので、肉からほんのり糠の匂いがするんです。それがいいんですよ。冬になるともっと脂が乗ってくるんですけど、その時期よりも秋のカルガモが好きですね。ただ、15年猟をやっていますけど、カルガモとマガモは、肉だけ出されたら区別がつかないですね、いまだに(笑)東雲:僕はヒヨドリです。小鳥なんですけど、だいたい1月くらいになるとミカン畑に出てくるんです。お尻に黄色い脂が乗っていて、それが甘くてすごくおいしい。実はヒヨドリは結構珍しい鳥で、日本以外ではあまり見られないから、ジビエをよく取り入れるフランス料理でも、ヒヨドリ料理はありません。日本独特のジビエなので、ぜひ捕獲して、味わっていただきたいですね。佐藤:それと、やっぱり野鳥なので、市販の肉のように味に均一性がないのがジビエのおもしろいところですよね。個体差が大きいですし、同じ鳥でも地域によって味が違いますし、処理の仕方でも味は変わってきます。東雲:今、それぞれ好きなジビエを挙げましたけど、どの鳥がおいしいかっていう好みも、人によって千差万別です。いろいろ食べてみて自分好みのジビエを探すっていうのも楽しみ方だと思います。――ちなみに、カラスって食べたことはありますか?東雲:ありますよ。見た目の話からすると、カラスの肉は黒いんですよ。赤黒いっていうか、くすんだ色をしています。佐藤:私もあります。カラスってすごくマッチョで肉厚な鳥なんですよ。――臭くなかったですか?東雲:臭みとかはないですがカラスの肉には独特のクセがあります。ただ、ニワトリにもクセがあって、それが嫌いな人もいるので好みの問題ですね。味は獣肉にも似た濃い旨味があって個人的には大好きです。クセを消すためにバターを使うのがオススメです。佐藤:カラスに限らずジビエは、食べているエサによって肉の味は変わってきます。うちの方はミカン畑などがないので、特別美味しいわけではないですよ。カラスの周りには、キジバトやキジなどの食べておいしい鳥がたくさんいるので、あえて獲ろうという気はないですね(笑)――ジビエをおいしく調理するコツをお聞きしたいです。東雲:ジビエ料理のコツはなんといっても火の入れ方です。例えばカラスの肉は火を入れすぎるとレバーっぽい臭いと食感がでます。なので、肉に熱がまわりすぎないように、かつ食中毒のリスクを抑えられるように絶妙な火加減で料理をしないと美味しくなりません。まぁ、これぐらい難しいからこそジビエ料理はフレンチの中でも最高の技術が必要とされるわけです。――どうしても食べられなかった鳥も聞いていいですか?東雲:う~ん。カワウって鳥がいるんですがニスのような脂臭さがあって苦手ですね。水鳥ってお尻から出る脂で羽をコーティングすることで水に浮いていられるのですが、その脂が化学物質っぽい臭いがするんですよ。なので今は、調理する時は羽を毟るだけでなく皮も剥いでしまってますね。佐藤:これはうまいまずいというよりは、処理の不手際で申し訳なかったという話ですが、バンという鳥がいて、江戸時代に珍重されていた鳥なんですけど、足が早いんです。普通の鳥のつもりで冷蔵庫で熟成させて、さあ食べようと思ったら、もう腐りかけていて、アンモニア臭を発していた、ということがありました。バンはおいしい鳥なのですが、都道府県によっては狩猟禁止の鳥になっているので、注意が必要です。――「狩り」というと原始的な印象ですが、いかに捕獲から調理までを総合的に見ると、知的というか、文化的な要素もありますね。東雲:僕は「トータルアウトドア」という言い方をしています。ハンティングは銃を撃つのも楽しいですし、獲物の痕跡を探す楽しみもあります。猟犬と一緒なら自然の中を一緒に歩いているだけでも楽しいですし、もちろん調理やグルメとして極める道もあります。ハンティングというなかに、いろいろな楽しみが含まれているんです。――捕獲した獲物をジビエ料理のお店に買い取ってもらうことも可能だと聞きました。プロの猟師になってそれで生計を立てていく道も可能なのでしょうか。東雲:それは可能だと思います。ハンターをとりまく環境はここ数年で大きく変わってきていて、これまではハンターが獲物を適当に解体して、つながりのある店に売るだけだったんですけど、今はきちんとした解体所や保存施設を設置したり、農水省がジビエの食肉利用率を倍増させるという目標を発表したり、ジビエをビジネスにしていこうという動きが加速度的に進んでいます。さらに現在は、害獣駆除で鹿を捕獲したら1頭8,000円から18,000円の報奨金が出ますから、月に8頭捕獲すれば10万円くらいにはなりますよね。それとニホンミツバチなどの小規模高付加価値の農産物、さらにジビエの生産を合わせていくと、現状でも生活していけるくらいは稼げます。ただ、一番の問題は販売先を探すことになるので、僕は職業ハンターさんとレストランなどの売り先をつなげる仕事もしています。1,2年後にはハンターを育成する学校やセミナーなどが行政主導で整いつつあるので、これらからはさらに、職業としてのハンターが注目されるでしょう。――佐藤さんは銃砲店をされていますね?銃職人(ガンスミス)って仕事としてはどうなのでしょうか?佐藤:狩猟人口の減少が叫ばれていた10年前に始めた時は「狂気の沙汰」と言われましたが、始めてみると狩猟の衰退を感じることはなくて、むしろ関心を持つ人が増えていると感じます。国内には銃を専門的に扱える人も減ってきているので、きちんとした仕事のできるガンスミスは今後需要が高まるでしょう。ちなみに、うちで働いているガンスミスには2人とも若い女性なんですよ(笑)――最後になりますが、エアライフル猟を含めて、ハンティングに興味を持っている人にアドバイスをいただけますか。佐藤:楽しく続けるために大切なのは「無理をしないこと」です。貴重な週末に山まで来て獲物を見つけると、「何とかものにしたい」ということで周りが見えなくなって、無理をして追いかけてケガをしてしまったり、撃っちゃいけない場所に立ち入って撃ってしまったり、警察を呼ばれたりといったトラブルになりやすいんです。銃の所持許可は自動車免許と違って減点式ではなくて、OKかダメかしかないので、何か違反をしてしまったら所持許可は取り消しです。その時は千載一遇のチャンスと思うかもしれませんが、山には獲物がたくさんいます。絶対に次のチャンスがくるので、くれぐれも無理をしないことが長く楽しむ秘訣だと思いますね。東雲:ハンティングを始める人の傾向として「孤高のハンター」を目指したがるんですけど、結構すぐに辞めてしまう人が多いんです。やっぱり仲間を作った方が楽しいですよ。今はSNSがあるので仲間づくりは決して難しくはありません。エアライフル猟は一人で手軽にできると言いましたが、続けていくといろいろな人と知り合います。若い人もいるでしょうし、70代、80代の人もいる。そういった人とチームを作って一緒にハンティングをしたり、獲物を分け合ったり、食べながら話をするっていうのは、思えば太古の昔に我々がやっていたことなんですよね。また、普段しまい込みがちな自己顕示欲の発散という意味でも、仲間を作ってハンティングをするのはいいことなんです。獲物を捕獲したら思い切り自慢して、仲間は「すげえ!」といって一緒に喜んで、他の人が獲物を捕獲したら自分も同じようにする。そんな関係を仲間同士で作っていくと、現代社会では忘れてしまった不思議な絆が芽生えてくるんですよ。
(鳥獣撃退で台湾企業とタッグ:京都)
京都府森林技術センターと台湾の元皓能源(デジマックス)は、超音波と光で鳥獣被害を防ぐ鳥獣撃退器「UP169」を共同開発した。従来製品に比べ安価・軽量で高耐久性に優れている。

TOPへ

7/4
(鳥獣駆除の不正、報奨金ルール作りへ)
有害鳥獣の捕獲頭数を水増しして国の報奨金をだまし取るなどの不正が相次いでいる問題で、農林水産省は30日、国の補助金対象の自治体の約15%で捕獲個体の確認方法が不十分だったと発表した。確認方法が自治体ごとに異なることが不正の背景にあるとして、全国統一のルール作りに乗り出す。同省は実質的に2013年度から、有害鳥獣1頭あたり最大8千円を「捕獲活動経費」(報奨金)として、一定の条件を満たす自治体を通じて狩猟者に支給。確認方法は「現地確認が基本」としつつも自治体に委ねている。だが鹿児島県霧島市などで狩猟者の虚偽申請による不正が相次ぎ、15、16年度に補助金の対象となった929自治体に確認方法の一斉点検を行った。不正防止に最も有効な市町村職員による「現地確認」を採用するのは約2割の159自治体にとどまり、残る770自治体は狩猟者が提出する個体の写真や耳などの証拠物で確認していた。このうち140自治体は、写真の撮り方のルールを定めないなど確認方法が不十分とされた。1頭を裏返して撮影して複数を捕獲したように見せかける偽装が可能だったり、報奨金の対象となるワナや猟銃で捕獲された個体かどうかを確認していなかったりするところがあったという。同省の担当者は「不正を防ぐためには全国的なルール作りが必要。都道府県と相談しながら早急に定めたい」と話した。
(サバゲーフィールド付近で地元猟師がシカを狙って実弾発砲:三重)
7月1日11時30分ごろ、三重県いなべ市のサバイバルゲームフィールドの従業員から、いなべ警察署に通報があり、地元猟師が放った銃弾を巡ってトラブルになっていたことが分かりました。フィールド側を取材したところ、敷地内に第三者(猟師)が無断で侵入し、猟銃を発砲したとのこと。この発砲によるけが人などは出ておらず、今後の対応については顧問弁護士に相談をしているとのこと。猟師は、当時フィールド付近にいたシカを狙って発砲したものとみられており、発砲直後にフィールドの担当者が事情を聴こうとしたものの、名前を明かすことなく車で立ち去ってしまったといいます。フィールドのオーナーは「ご迷惑をおかけして大変申し訳ない」と利用客らに謝罪するとともに、困惑した様子を見せました。また通報を受けたいなべ警察署にも取材したところ、担当者は現場のいなべ市について「山間部のため、普段からイノシシやシカといった害獣が多いエリア」と話し、地元の自治体(=いなべ市)が害獣駆除のため、禁猟期間であっても特別に猟の許可を与えている猟師がいると明かしました。現在は立ち去ってしまった猟師に対して事情を聴くべく、連絡を取っているとのことで、「こうしたトラブルは非常に珍しい」と語りました。
(タヌキ無許可捕獲で男性書類送検:宮城)
登米市で農業を営む男性が農作物を荒らすタヌキを許可を得ないままわなで捕獲したとして、3日、鳥獣保護法違反の疑いで書類送検されました。書類送検されたのは登米市で農業を営む72歳の男性です。佐沼警察署によりますと、男性はことし4月、自分が所有している畑で許可を得ないままわなを設置し、タヌキ1匹を捕獲したとして鳥獣保護法違反の疑いが持たれています。タヌキがわなにかかっているのを目撃した人が警察に通報して発覚したということで、男性は「手続きが必要なことはわかっていたが、畑が荒らされて困り、わなをしかけた」と話しているということです。捕獲されたタヌキはその後、県の職員によって、わなをはずされ、近くの山に逃がされたということです。宮城県によりますと、男性が使用していたトラバサミと呼ばれるわなは使用が禁止されていますが、簡易なわなであれば狩猟免許がなくても地元自治体の許可を得るだけで設置が可能だと言うことで、県の農産園芸環境課は「鳥獣を駆除したい場合は地元自治体に相談してほしい」と話しています。
(新幹線クマと衝突、500人に影響:福島)
29日午後6時50分ごろ、福島県福島市のJR奥羽線赤岩-板谷間で、東京発山形行きの山形新幹線下りつばさ149号(7両編成)がクマと衝突、約1時間後に運転を再開した。乗客約270人と乗務員にけがはない。JR東日本福島支店によると、後続の山形新幹線と在来の普通列車の下り各1本を含め、乗客計500人が影響を受けた。
(「クマ」と軽乗用車が衝突:福島)
2日午後4時45分ごろ、郡山市湖南町の県道で、同市の無職男性(61)の軽乗用車と県道を横切ろうとしたクマ1頭が衝突した。車の一部が壊れたが、男性にけがはなかった。郡山北署によると、クマの体長は約1メートルで、道路西側の水田から飛び出し、衝突後、東側の雑木林に逃げたという。
(列車がシカと衝突:静岡)
3日午前7時5分ごろ、沼津市大岡のJR東海道線沼津―三島駅間で、沼津発古河行き上り普通電車がシカと衝突した。安全確認のため上下線で一時運転を見合わせた。JR東海静岡支社によると、上下計5本が運休、上下計5本が部分運休したほか、上下計11本が最大で58分遅れ、約8800人に影響が出た。
(ヒグマ出没相次ぐ:北海道)
観光シーズンを迎えた道内で、ヒグマの出没が相次いでいる。道警によると、6月の目撃情報の件数は241件(速報値)で昨年同月の198件より2割以上増え、7月に入っても目撃数のペースは加速している。専門家によると、生息する個体数の増加に加え、この時季は親離れした若いクマが活発に動き回るという。道警などは「若いクマは警戒心が弱いため、人目に付く時間や場所にも現れやすい」と注意を呼び掛けている。道警によると、今年の道内のクマの姿や足跡、ふんなどの目撃情報は1~6月で441件(速報値)と、昨年同期の383件を大きく上回った。7月に入っても目撃は相次ぎ、1、2日で24件に上った。砂川市のゴルフ場や十勝管内大樹町のキャンプ場などでうろつく姿などが目撃された。道の推計によると、道内のヒグマの推定生息数は春グマ駆除が禁止された1990年度に5800頭だったが、2012年度は約1・8倍の1万600頭に増えた。北大大学院の坪田敏男教授(野生動物学)は「クマの個体数が徐々に増えていることは確実だ。ハンターの高齢化などで人が山に入る機会が減り、人里近くまでクマの活動範囲が広がってきている」と説明する。
(クマ遭遇、田園や民家駆け回る:岩手)
県内でツキノワグマの出没が相次ぐ中、30日午前10時半ごろ、北上市和賀町藤根地区に成獣1頭が出没し、取材中に偶然遭遇した。クマは田んぼのあぜ道や用水路内を走り、フェンスをよじ登るなど、田園地帯や民家の周りなどを縦横無尽に駆け回った。発見地点から林に逃げ込むまでの約2キロを慎重に取材した。現場は市中心部から北西に約9キロで、民家が点在。車で走行中に50メートルほど先の水田の稲をかき分け、あぜ道から現れた。車を止めて市に通報し、写真を撮ろうとすると、北西の水田に向かって一気に駆けだした。体長1メートルほどの体を自在に動かし、音を立てながら水田を進んだり、用水路脇のフェンスを軽々とよじ登った。民家の敷地では右往左往しながら、草をかき分けて走った。スピードはジョギング程度で、穏やかに林の中に逃げた。発見から約40分後に市の担当者や警察と合流したが、クマは林から出てこなかった。同市の6月のクマ出没件数は55件(前年同期比1件増)で、村崎野や飯豊など住宅地付近でも目撃されている。市農業振興課の石岡拓也主査は「屋外にごみを出さないなど、クマを呼び込まない対策を徹底してほしい」と呼び掛けている。
(クマ目撃:兵庫)
宝塚市内で6月下旬に入り、ツキノワグマとみられる動物が2件立て続けに目撃された。今月上旬には大阪府能勢町、中旬には三田市でも目撃情報があり、宝塚市は注意を呼び掛けている。市農政課によると、22日午後4時ごろ、市玉瀬のJR武田尾駅の北東約1・2キロにある県道327号沿いで1頭。
(クマ再び、注意呼び掛け:神奈川)
清川村は28日、同村煤ケ谷の県道脇でクマが目撃されたと発表した。周辺は東丹沢の山麓域で、昨年もクマの目撃が相次いでおり、村は注意を呼び掛けている。同日午後6時ごろ、清川カントリークラブの入り口近くを車で通り掛かった人が目撃し、カメラで撮影。写真には首に発信器を付けたツキノワグマが写っていた。同様のクマは14日夕、現場から約500メートル離れた厚木市七沢の七沢自然ふれあいセンター付近の林道で目撃されている。県によると、丹沢の生息数は40頭と推定。保護のため、行動域を調査する発信器を付けた個体は現在1頭のみ。昨年11月に伊勢原市内で捕獲され、奥山に放獣された雌という。
(山形新幹線、常にカモシカ対策:山形)
奥羽線をひた走るE3系「つばさ」。JR東日本の菅野隆也・主務運転士は運転席で、前方への視線を無意識に左右に走らせる。落石、倒木、それ以上に注意すべきはカモシカの飛び込みだ。土砂崩れなどには線路近くに設置されたセンサーが警告してくれるが、動物相手では確実な解決策はない。通常の新幹線の線路は防音壁に囲まれ、高架上にあるなど外部からの物理的侵入を難しくしている。「新幹線特例法」によっても守られ、線路内への立ち入りは5年以下の懲役または5万円以下の罰金が科される。ただし、新幹線ではない山形新幹線には同法は適用されない。
(動物との衝突、後絶たず:山梨)
山梨県内で列車や車と、シカやタヌキなど動物がぶつかる事故が後を絶たない。本年度は6月18日現在、JR身延線は昨年同期を6件上回る24件発生し、国道は4、5月の2カ月で100件を超えた。鉄道各社や道路管理者はシカ対策に重点を置いている。
(鉄道会社のニホンジカ対策、あの手この手:青森)
青森県をはじめ北東北で目撃例が増えているニホンジカ。鉄道会社は列車との接触事故に頭を悩ませている。JR東日本盛岡支社は線路への侵入を防ぐため、あの手この手の対策を打っているが、繁殖能力が高いニホンジカの増加に追い付いていないのが現状だ。今年からは侵入防止に加え、事故が起きても早期に運転再開できるよう、試験的な対策も行うなど、試行錯誤を続けている。
(狩猟関係者ら、副総務相に現状報告:香川)
赤間二郎副総務相がこのほど、土庄町であった「車座ふるさとトーク」に参加し、年々深刻化する鳥獣被害について、町内の狩猟、農業関係者11人と意見交換した。トークでは、大臣や副大臣らが地域の課題に耳を傾ける。
(ニホンジカ捕獲へ協力:奈良)
森林の生態系に深刻な影響を与えている大台ケ原周辺地域のニホンジカ対策で、環境省近畿地方環境事務所と林野庁三重森林管理署、上北山村は6月30日、連携協定を結んだ。シカの捕獲と処分で協力、データを共有して今後の捕獲効率向上につなげる。吉野熊野国立公園の大台ケ原では、環境省が平成14年からニホンジカの捕獲による個体数調整に取り組み、1平方キロ当たり40頭から現在6頭にまで減ったが、自然の植生回復には至っていない。
(シカ生息域、県東へ拡大の兆し:栃木)
農作物や樹木の食害で農林業に被害をもたらすニホンジカの生息域が栃木県東地域への拡大の兆しがあるとして、県や関係団体が6月、「県東地域ニホンジカ対策協議会」を設立、シカの生息状況について情報収集を進めている。県西部ではシカ対策が進むが、目立った被害がない県東地域で対策を急ぐ理由とは-。「被害が出てからでは後手後手に回る。八溝地域は県内有数の林業地帯。捕獲や柵の設置などシカ対策に手間も費用もかかるようになると、損失も大きい」県自然環境課で野生鳥獣を担当する伊藤誠記(まさき)課長補佐はこう話す。福島、茨城県境の八溝山地周辺の県北東部は良質の木材が育っており、林業を守るためにシカ対策は重要という。シカに樹木の表皮を剥がされると、木材としての価値が下がるだけでなく、水や養分を運ぶ形成層がダメージを受け、枯れる場合もある。また、苗木も被害に遭いやすい。シカの捕獲には補助制度があるが、捕獲効率の低い市町も取り組めるよう、県は補助額算出に「均等割経費」を導入。捕獲数0~20頭でも事業を実施した市町に一定の補助金が出る仕組みを提示する。6月設置の対策協議会には、県東地域の10市町と各地域の森林組合、県猟友会各支部、国の関係機関が参加。10市町の東北自動車道東側を対象地域として、シカ目撃の情報収集を始め、情報の共有化を図る。6月9日の初会合では、協議会の会長に就いた県自然環境課の琴寄行雄課長が「シカの生息域拡大が本格化すると、八溝地域の林業に大きな影響が出かねない。地域によって差はあるが、早めの予防策が必要」と訴えた。県東地域ではシカの目撃情報が増えつつあるが、目立った被害が報告されていない。県全体では平成28年度の捕獲数は8535頭で過去最多。27年度も7010頭。6~21年度は2千頭前後だったが、24年度以降は毎年増え続けている。鹿沼市、日光市などが多く、東北道以東は26年度に大田原市2頭、27年度に那須烏山市1頭だった。伊藤課長補佐は「昭和50年代後半は大雪の影響で頭数が減り、保護的対応を取った時期もあったが、その後はあっという間に増え、今では脅威となる状況」と説明。25年度末に初めて生息数を2万3600頭と推計。10年後に半減させようと、年間7400頭の捕獲を目標としている。県林業センターは「シカは一夫多妻で繁殖力が高い。胃が4つある反芻(はんすう)動物で固い樹皮も消化し、あらゆる植物を食べる」と、農業、林業、高山植物の生態系への被害を懸念する。那珂川沿いに南下し、壁になっていた東北道も越えて生息域を拡大する可能性を指摘。協議会の会合では出席者から「県西部のようにならないうちに早く手を打ってほしい」と要望が出た。協議会では東北道以東での対象地域で、目撃情報の収集、共有化を進める。目撃した場合の対応マニュアルでは、当日に猟友会支部へ連絡がいく仕組みだ。侵入防止柵はイノシシ用では低く、飛び越える可能性もあり、1・8メートル以上にする必要があるという。また、忌避剤散布、樹木に獣害防止テープを巻くことも剥皮対策になる。県は27年度、イノシシ捕獲強化事業として2307万7千円の予算を計上していたが、28年度はシカも対象に加え、5808万7千円に増額。29年度も5902万5千円を計上した。県自然環境課は「捕獲だけでも侵入防止だけでもなく、総合的にやっていくのが大切」と説明する。
(益城町の県総合射撃場、ライフル場再開:熊本)
熊本地震で大きな被害を受けた益城町にある県総合射撃場のライフル射撃場が再開し、2日初めての大会が開かれました。益城町の県総合射撃場県総合射撃場は1999年(平成11年)の『くまもと未来国体』の開催にあわせて整備されたライフル射撃とクレー射撃に対応した施設です。去年の熊本地震では天井が落下するなどの被害を受け利用できなくなりましたが復旧工事が進み去年9月から一部の射撃場が再開。エアライフルの射撃場は1日から利用可能となり2日、再開後、初めての大会が開かれました。大会には熊本や長崎など九州・沖縄6県から小中学生あわせて43人の選手が参加。10メートルエアライフルやビームライフルなど4種目に分かれ、真剣な表情で的を狙っていました。
(「狩りガール」急増中、5年で2倍:佐賀)
農林業に有害なイノシシ、シカなどの野生鳥獣を駆除するハンターが高齢化で年々減る中、狩猟免許を取る女性が近年急増している。地域への貢献や鳥獣肉(ジビエ)料理の魅力など「狩りガール」の動機はさまざまだが、被害削減の一翼を担う存在になりつつあると期待を集めている。野生鳥獣による農作物の被害は2015年度に176億円と高水準が続くのに対し、狩猟免許を持つ人は14年度に19万4千人と約40年前の3割台に低迷。60歳以上の人が65%を占める。ただ、女性の免許所持者数は3184人に達し、5年間で2倍になった。13年度にわな猟の免許を取った福岡県糸島市の畠山千春さん(31)は、生活物資の供給が途絶えた東日本大震災を機に、動物の命をもらって成り立っている食の意義を見つめ直すようになった。自ら動物の解体も手掛けており「抵抗はあるけれど動物が畑を荒らしているのも事実。一面だけでは語れない」と話す。石川県の女性ハンターが「狩女(かりじょ)の会」を結成してジビエ料理の情報をSNS上で交換するなど、団体の活動も活発だ。「女性の社会進出で鳥獣駆除に貢献したい人が増えたようだ」と分析する大日本猟友会(東京)は最近、女性ハンターを起用したポスターを作成したほか、「目指せ!狩りガール」と題したホームページを運営し、志願者の呼び込みに動いている。農林水産省の担当者は「大きなうねりにはなっていないが、熟練ハンターだけでは限界がある駆除に女性が増えるのは意味深い」と話している。
(技能の向上を目指して狩猟射撃大会:鳥取)
猟銃の技能向上を目指す狩猟射撃大会が2日、鳥取市のクレー射撃場で開かれた。鳥獣被害対策を担うハンターが猟銃を使って安全に捕獲作業ができるよう鳥取県猟友会が毎年開いている。今年は、減少している狩猟者の育成などのため8年ぶりに再オープンとなった鳥取クレー射撃場で行われた。上位入賞者は、9月に島根県で開かれる中四国大会に出場することになっている。
(子育てカラスの威嚇注意:北海道)
カラスの幼鳥が今年も巣立ちの時期を迎えている。石狩管内の公園や街路樹でも飛行訓練を重ね、次々飛び立っていく。この時期に注意したいのが、幼鳥を守ろうと、過敏になっている親鳥の人間への威嚇攻撃だ。自治体や専門家は、被害を避ける手だてを周知し、巣立ちを温かく見守るよう呼び掛けている。「カッカッカッ」。6月下旬の札幌・大通公園。樹上から鳴き声が聞こえ、大小2羽のカラスを見つけた。「枝伝いに移動したり、羽ばたいたり。親子で巣立ちの特訓中です」。NPO法人札幌カラス研究会(北区)の中村真樹子代表(51)が教えてくれた。カラスは4月に営巣して産卵、5月以降は子育てに入る。巣立ちのピークは6月中旬から7月上旬にかけてだ。巣はオフィス街の街路樹や住宅地の公園など至る所に点在しており、大通公園には「1丁目ごとに1個の巣がある」(中村代表)という。巣立ちの際は幼鳥が地面に落ちたり、人間にいたずらをされたりする懸念があり、親鳥は過敏になる。巣に近づく人を鳴き声で威嚇したり、後方から頭部を脚で攻撃したりして追い払おうとする。研究会が昨春、作成した手引書によると、親鳥の攻撃から身を守る方法は三つ。▽傘や帽子で頭を守る▽両腕を上げてカラスが頭上を飛ぶのを邪魔する▽走って逃げると追いかけられるため歩いて去る―ことだ。カラスが営巣する林の隣に住む豊平区西岡の70代男性は「時に憎くもなるが、子供を守るために必死なのは人もカラスも同じ。短い期間なので我慢する」と話す。中村代表は「人間が一歩引くことがカラスと共生するコツ」と指摘する。
(シシ肉、特産化順調:鳥取)
鳥取県北栄町の日本猪(いのしし)牧場は、捕獲した野生のイノシシを飼養し、良質な野生鳥獣の肉(ジビエ)として出荷している。イノシシは神経質で管理が難しいため頭数は少ないが、今後拡大して安定的に出荷することで、特産品として地域を盛り上げる考えだ。飼養は2013年から始めた。農業被害をもたらす厄介者を特産にしようと、県中部の倉吉市、湯梨浜町、三朝町、北栄町、琴浦町や県、観光協会などと「鳥取中部イノシシ産業化プロジェクト」を設立。市町から許可を得て捕らえたイノシシを、15年度は5頭、16年度は10頭を育てて販売した。「イノシシはストレスに弱く、管理が難しい」と同牧場代表の徳岡憲一さん(52)。徳岡さんの父はイノシシの繁殖から精肉までを手掛け、多い時には400~500頭を飼養していた。父の死後は事業をやめていたが、プロジェクトの設立に伴い再開した。イノシシは本来群れないが、限られたスペースで管理するために、強制的に群れをつくらせる。相性が悪いと群れの中でいじめや共食いが起きる。牧場では現在3アールの敷地を複数に区切り、18頭を兄弟や相性の良い個体ごとに分けて管理。餌はトウモロコシと麦を基本に、果実など少なくとも4種類を与える。飼育イノシシの肉を使う青森県八戸市の日本料理店「金剛」は、インターネットで取り組みを知り、2年前から購入している。夏堀康夫料理長は「野生の肉は品質に当たり外れがあるが、飼養したものは安定している」と評価。客の評判も上々で注文は増えている。捕獲・駆除したイノシシも県内全域から受け入れ、食肉処理している。食肉処理だけをするイノシシを含め、15年度は約300頭、16年度は約600頭を出荷して黒字化を達成。17年度は1000頭が目標だ。将来的には①野生②飼養③繁殖飼養――に分けてブランド化し、牧場を広げて頭数拡大を目指す。今後、飲食店も交え中西部の協議会を設立。イベントの企画や商品開発などでイノシシ肉のイメージ向上と消費拡大を図る。徳岡さんは「観光農園が目標。さらに中山間地域の高齢者が作る野菜も売って、地域の活性化を目指す」と意気込む。
(火縄銃など盗まれる:山梨)
1日午前、山梨市下栗原にある古物商の経営者の男性から「銃を盗まれた」と110番通報がありました。警察が調べたところ、店にあった火縄銃3丁や日本刀3本など合わせて32点、200万円相当が盗まれていました。経営者の男性:「残念ですけど、寂しい。ものだけでも返ってきてほしい。登録も付いている。盗難届を出します」警察によりますと、男性は先月25日から29日まで店を閉めて山梨県内の病院に入院していて、その間に盗まれたとみられています。店の窓ガラスの一部が壊されていて、警察は何者かが侵入して盗んだとみて捜査しています。
(高校生、キジを活用:沖縄)
第65回沖縄県学校農業クラブ連盟大会で八重山農林高校の生徒が多分野で最優秀賞と優秀賞を獲得。九州・全国大会での活躍が期待される。なかでも、農作物に被害を出す害鳥のキジを活用したジビエ料理を紹介した嶺井泰志君は、1年生ながら意見発表で最優秀賞を獲得。農業と地域が関わり厄介者のキジを地域資源に変える研究を進めている。

TOPへ