<射撃ニュース8月>

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(保護区でシカ捕獲、「30万頭以下」達成狙い:北海道)
道は今冬から、野生鳥獣の捕獲を規制する鳥獣保護区などの一部で、エゾシカの捕獲事業に乗り出す。道は「2021年度末までに推定生息数30万頭以下」を目指すが、シカが保護区内へ逃げ込み、全体の捕獲数が減少傾向にあるためだ。保護区でのエゾシカ捕獲は、道や環境省が一部地域で試験的に実施した例はあるが、全道規模で本格的に行うのは初めて。秋までに対象地域を選定する。鳥獣保護区では原則として、エゾシカなどの捕獲は制限される。ただ、鳥獣保護法に基づき、生息数が著しく増え、生息地が拡大している鳥獣の管理が必要な場合は、道が策定する「管理計画」により保護区で捕獲できる。
(白神山地、イノシシを初確認:青森)
環境省東北地方環境事務所は9日、青森、秋田両県にまたがる白神山地の世界遺産地域周辺地域で、ニホンジカとイノシシが確認されたと発表した。イノシシの確認は初めて。今後、自治体や東北森林管理局、学識経験者らと生態系への影響を調べる。ニホンジカは、6月27日に世界遺産地域から南に約12キロの秋田県能代市二ツ井町梅内で性別不明の1頭が、7月19日に同地域から東に約7キロの青森県西目屋村砂子瀬でオス1頭が、それぞれ東北森林管理局が設置した自動撮影カメラに写った。イノシシは、世界遺産地域から南に約19キロの能代市二ツ井町麻生で、7月9日に2回、性別不明の各1頭が自動撮影された。野生動物管理学が専門の森林総合研究所(茨城県つくば市)の堀野真一研究専門員は「イノシシは条件次第では、爆発的に増える可能性がある。ブナ林への影響は(植物の芽を食い荒らす)シカに比べると限定的とみられるが、油断しないほうがいい」と話す。白神山地周辺では本年度、今月4日までにニホンジカが青森で2件、秋田で4件目撃されている。
(白いヒグマ、中学校のグラウンド付近に:北海道)
下川町内の下川中のグラウンド付近で9日午前7時50分ごろ、全身の毛が白いクマを清掃作業員の男性が発見し、学校関係者が撮影した。突然変異で色素が欠乏した「アルビノ」の個体とみられ、町民の間で話題になっている。町と名寄署によると、クマは体長1・5メートルほど。同校南側の下川スキー場の方向に向かっていったといい、その後も数回にわたり現場周辺で目撃されたという。目撃した町民の男性は「ライオンのようにも見えて本当に驚いた」と話す。同署は9日以降、現場周辺で住民に広報しながら巡回して注意を促し、町と猟友会がクマを捜索したが、12日午後6時現在、発見には至っていない。
(「ジビエカー」全国初導入:高知)
有害鳥獣として捕獲したシカやイノシシの有効活用を目指し、高知県高岡郡梼原町は8月12日、解体処理設備を搭載した車「ジビエカー」1台を全国で初めて導入した。集落活動センター「ゆすはら西」に配備し、食肉の供給事業を行う予定。行政関係者ら約60人が出席して納車の記念式典を行い、山の資源の産業化に期待を寄せた。ジビエカーは、一般社団法人「日本ジビエ振興協会」(長野県)と長野トヨタ自動車が共同開発し、2016年7月に完成した。車体は2トントラックがベースで、全長は約6・5メートル。獣は車外で洗浄し、箱形の荷台に備えた解体室で内臓摘出などができる。捕獲場所の近くに赴いて手早く処理した上で冷蔵できるため、運搬の負担が軽減でき、良質な食肉としての利用が期待されている。梼原町では年間約1500頭のシカやイノシシが捕獲されており、町はそれらを資源として活用しようとジビエカーを2175万円で購入した。梼原町総合庁舎前で開いた式典には山本有二・元農相らが出席し、テープカットで導入を祝った。ジビエカーが配備される「ゆすはら西」の西村建雄代表は「山に放置していた肉をお金に換える仕組みをつくり、活気ある地域づくりにつなげたい」。2018年春に完成する解体処理施設と合わせ、本格運用するという。またこの日、梼原町と梼原町猟友会、四万十森林管理署は、シカ被害対策とジビエの活用推進に関する協定を締結。四万十森林管理署が囲いわなの無償貸与などを行う。
(「クマとけんか」82歳女性けが:秋田)
10日午前11時ごろ、秋田県鹿角市八幡平字下葛岡のソバ畑に隣接する杉林で、近くに住む女性(82)がクマに襲われ、頭や左腕にけがを負った。女性は市内の病院に搬送されたが、命に別条はない。鹿角署などによると、女性は自宅敷地内で刈った草をそりに載せ、畑を挟んだ南側の林へ捨てに行った。林に入った辺りで体長約1メートルのクマに出くわし、複数箇所を引っかかれた。女性は自宅に戻り、家族が119番した。ひ孫の小学4年男児は「頭が血まみれになっていて、びっくりした。『クマとけんかした』と言っていた」と話した。
(クマ、比内地鶏15羽ペロリ?:秋田)
12日午前6時半ごろ、秋田県大館市比内町独鈷字炭谷の養鶏用ビニールハウスに直径約1メートルの穴が開けられ、比内地鶏約15羽が食い荒らされているのを所有者の60代男性が見つけ、市を通じて大館署に届け出た。同署はクマによる食害とみて注意を呼び掛けている。
(クマVS警察、深夜のにらみ合い:秋田)
クマの目撃が相次ぐ秋田県で、ニワトリ小屋に現れたクマと、緊迫のにらみ合いが繰り広げられました。人を怖がらないという新世代クマも出没。危険なクマ、そして人との距離、確実に縮まりつつありそうです。
(高校生らがクマに遭遇、全員避難:福島)
福島県北塩原村で、取材中の福島中央テレビのカメラがクマを撮影した。高校生らがトライアスロンの練習をしていたが、全員逃げてケガなどはなかった。9日午後4時40分の福島県北塩原村。取材スタッフは、県内外の学生などが参加するトライアスロンの合宿を取材していた。すると、県道脇の木の下に体長1メートルほどのクマ。トライアスロンの選手たちは、コーチの指示に従って、離れた場所に急きょ避難。一方でクマは、選手に近寄ってくることはなく、悠然と草むらを歩いたあと、10分ほどで姿を消した。幸い選手たちにケガなどはなかった。福島県内では9日、クマの目撃情報が相次いでいる。郡山市湖南町では、民家の庭先でクマ1頭を目撃した。クマはその場を立ち去ったが、トウモロコシなどが食い荒らされていたという。また、南会津町でも国道沿いでクマが目撃されていて、警察などが注意を呼び掛けている。
(磐越道で車とクマが衝突:福島)
11日午前5時20分ごろ、磐梯町更科字遠平の磐越道猪苗代磐梯高原―磐梯河東間下り線で、50代男性の乗用車とクマ1頭が衝突した。けが人はいなかった。県警高速隊によると、クマは体長約1.5メートル。衝突後、クマは逃げたという。
(テニスコートにクマ:秋田)
9日午前10時50分ごろ、五城目町高崎字広ケ野の五城目第一中学校の敷地内にクマがいるのを、男性職員が見つけ、110番した。校内に生徒はいなかった。職員ら数人いたがけが人はいなかった。五城目署によると、生徒らが利用する玄関内にいた男性職員が、約100メートル先のテニスコート付近から玄関の方へと歩いてくる体長約70センチのクマを目撃。クマは玄関から約5メートルのところで、テニスコートの方へと引き返し、南西側の山林に入っていったという。
(ツキノワグマ、写真家が目撃:高知)
愛媛県境と接する高知県吾川郡いの町本川地域の「よさこい峠」近くで8月8日、ツキノワグマとみられるクマの目撃情報があった。付近では2016年8月にも目撃されており、いの町本川総合支所が注意を呼び掛けている。
(四国のツキノワグマが20年後に絶滅?)
ツキノワグマは、九州ではすでに絶滅、四国でも絶滅の危機にあることはご存知だろうか? 四国のツキノワグマの個体数は十数頭と考えられており、四国に生息するツキノワグマが20年後に絶滅する確率を「6割以上」とする研究結果もある。四国では1986年以降捕獲記録はなく、1994年からは捕獲禁止の保護策もとられているが、個体数が増加する兆しが見られない。国際自然保護連合のレッドリストでは、絶滅の危険が増大している「危急種(絶滅危惧Ⅱ類)」として、保護の対象となっている。特に四国に生息するものについて、環境省のレッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」として絶滅が危惧されている。そこで、公益財団法人日本自然保護協会(会員2万4千人、理事長亀山章)は、四国に生息するツキノワグマの保全活動を、日本クマネットワーク(JBN)、四国自然史科学研究センターと連携して進めることとなった。今後3年間で、「広域かつ詳細な生息状況の把握」「四国でのツキノワグマと人とのかかわりや意識の把握」「長期的な生息環境の保全」「普及・啓発」に取り組むという。まずは、広域かつ詳細な調査によって分布域と子グマの行方を把握する調査が不可欠だが、今年度からこれらの調査等を進めるために、8月末までに500万円の資金が必要となる。そこで、一般からの支援を依頼することになった。
(イノシシ15頭を捕獲:沖縄)
宮古島市と猟友会は9日までに、北海岸に生息するイノシシとみられる個体15頭を捕獲、駆除した。全頭をわなで仕留めた。年度別に見ると2016年度の14頭を上回る実績で、捕獲頭数はさらに増えていくものとみられる。この結果を踏まえ、市はわなによる駆除を拡充させる方針。猟銃駆除は実施の有無を含めて見直される公算が大きい。サトウキビなど農作物を食害するとされるイノシシの駆除は、16年度から本格的に行っている。実施主体は市と猟友会だが、県やJAなど複数の農業関係団体が協力。同年度は猟銃とわなで14頭を駆除した。17年度は4月下旬に猟銃駆除を実施したが悪天候の影響で不発に終わった。ただ、そのために張り巡らせたネットによる包囲網が奏功し、その後は毎月のようにイノシシとみられる個体がわなにかかっている。わなは平良高野から城辺のオーシャンリンクス宮古島までの北海岸に30~40基を仕掛けてある。イノシシの足跡が確認できた獣道などに置いたワイヤ式と箱穴式のわなで捕獲した。これまでに雄5頭、雌10頭を駆除した。子を産む雌を多く捕獲、中には身ごもっている個体もあった。市は引き続きわなによる駆除を継続する方針だ。農政課の松原直樹課長は「順調に捕獲できている。わなを充実させて、さらに駆除したい」と強調。地域住民や市民には「情報提供をお願いしたい」と話し、イノシシとみられる個体の目撃情報の提供を求めた。イノシシとみられる個体の駆除頭数は開始2年で約30頭に達しており、北海岸を中心に多数生息しているのは確実な状況にある。イノシシはサトウキビやイモなどの農作物を食い荒らしているとみられ、土を掘り起こして苗ごと食べてしまう例もあるという。イモも同様な食害がある。
(イノシシが出没:熊本)
熊本県警荒尾署によると、11日午後3時20分ごろ、同県荒尾市原万田でイノシシ1頭が出没、捕獲されていない。イノシシを目撃した場合、驚いて大声を出さない、絶対に近づかず静かにその場を離れるよう、同署は呼びかけている。
(湿原植物群落にクマ、立ち入り禁止に:秋田)
13日午前7時半ごろ、秋田県大館市釈迦内字ヲコハの芝谷地湿原植物群落(国指定天然記念物)で、青森市の40代男性が体長約80センチのクマを見つけ、110番した。同群落を管理する大館市は立ち入り禁止とした。解除の時期は未定。
(クマ出没、公園再び一部閉鎖:秋田)
秋田県は11日、秋田市金足の小泉潟公園内にあるサイクリングロード付近にクマが出没したとして、女潟周辺の教育環境ゾーンとレクリエーションゾーンの一部区域を12日から閉鎖すると発表した。県は同公園付近で一定期間、クマの目撃がなかったなどとし、11日朝から水辺保全ゾーンの閉鎖を解除、全面開放したばかりだった。秋田臨港署や県によると、同日午後3時半ごろ、サイクリングロード脇の山林中に体長約1メートルのクマがいるのを、ジョギング中の男性が見つけた。
(クマ食害:秋田)
大館市内でクマによるとみられる農作物の食害が止まらない。先月中旬に中山地区の果樹園でリンゴの木5本の枝が折られた上、まだ青く小ぶりだった実約40個が食い荒らされたのを皮切りに、曲田地区や釈迦内地区でも毎日のようにリンゴやトウモロコシなどの被害が確認されている。今年はクマの好物とされるブナの凶作が見込まれており、今後も被害が続く恐れがある。
(山林でじゃれ合う母子ヒグマ:北海道)
札幌市、酪農学園大(江別)、道立総合研究機構(札幌)による札幌市街地周辺での昨年のヒグマ調査で、少なくとも33頭が生息していることが分かった。調査でカメラ撮影を担当した酪農学園大の佐藤喜和教授が北海道新聞に映像を提供した。母子3頭でじゃれ合ったり、木製のくいに背中をこすりつけたりするクマの姿を鮮明にとらえている。調査では昨年5~11月、手稲、西、中央、南、豊平、清田の6区の市街化区域から約4キロ圏内にある山林の25地点に自動撮影カメラを設置した。確認されたうち11頭は子グマで、佐藤教授は「札幌の市街地近くに、ヒグマが恒常的に生息していることが裏付けられた」と話している。ヒグマの生息域が人間に迫っていると言え、佐藤教授は「生ごみを軒先に置かないなど、クマを引き寄せない対策が必要」と指摘している。
(サルの目撃情報相次ぐ、1匹が移動か:埼玉)
7月下旬から加須、久喜市で、サルの目撃情報が相次いでいる。両市などを管轄する県東部環境管理事務所が受けたサルの受けた目撃件数は8日現在、18件に上る。サルに危害を加えられたなどの情報はないという。関連各所によると、最初の目撃情報は7月28日午後、加須市北川辺地区。その後、8月3日まで、加須市内で目撃され、7日に同市水深で、8日に同市南篠崎で目撃情報があった。加須市と隣接する久喜市内では3日、栗橋地区で最初に目撃され、6日から8日まで、鷲宮地区で目撃されている。目撃された場所はガードレール上や畑、スーパー近くなど、多岐に渡る。目撃されたサルはニホンザルの可能性が高く、1匹のサルが移動しているとみられている。加須、久喜市ともに平野部で山地ではなく、サルの目撃情報もここ2年程度はなかった。目撃されたサルが野生か、ペットとして飼われていたサルかは分からないという。加須、久喜市ともにサルを目撃した場合は近寄らず、刺激せずに、ゆっくりその場を離れ、警察や行政などの関係機関に通報するよう防災行政無線などで注意を呼び掛けている。
(お供え狙うクマに注意:岩手)
8月に入り、県内の山はクワやミズナラなどツキノワグマの好物の木の実が少ない「餌の端境期」を迎えている。影響で里に下りて田畑を荒らすクマが急増しており、盆には墓の供物を狙うクマと墓参者が出くわす恐れもある。関係者は墓に供物を置きっぱなしにしないよう呼び掛けている。大船渡市三陸町吉浜の千歳(せんざい)集落の墓地では昨年の盆前後にクマが出没した。墓参者から連絡を受けた同集落の県鳥獣保護管理員・千葉信夫さん(70)が駆けつけると、成獣らしきクマ1頭が墓地の上の林に見えた。墓の供物を狙っているのか、クマは墓地を眺めながらウロウロ。花火でクマを追い払ったが1時間後には再び出没の連絡があった。同集落会長の漁業佐藤善公さん(62)は「皆心配している。クマが供物を食べに来て危険な状況になりかねない」と危惧する。
(鷹模したドローンで猿撃退:大分)
大分市は、野生のニホンザルの餌付けで知られる高崎山自然動物園周辺で、群れに属さずに山を下りて農作物を荒らすサルを、天敵のタカを模した小型無人機ドローンを飛ばして追い払う取り組みを続けている。県農業協同組合のビワ担当阿南智浩さん(36)は「田ノ浦地区は県内最大のビワの産地。観光も大事だが、被害を少しでも減らしたい」と訴える。市によると、高崎山の東側に位置する田ノ浦地区は、ビワやイチジク、ミカンの生産が盛んだが、サル被害に長年悩まされてきた。ドローン使用はこれまで4回で、ビワの収穫期の5月末に開始。目やくちばしなどを付けてタカを模したドローンにサルのぬいぐるみをつり下げ、録音したサルの悲鳴をスピーカーから流すなどした。サルが捕食される状況を再現し、怖がらせる作戦という。具体的な効果はまだ不明も、本年度の農作物の被害報告は減っているという。
(獣害対策、対照的に:千葉)
イノシシやシカなどの有害鳥獣による農作物への被害が深刻化している内房地域で、木更津市と市原市が対照的な獣害対策を実施している。JA木更津市は、最新鋭の光学機器を装備したオオカミに似せた模型ロボットで有害獣の「追い払い作戦」を展開。「スーパーモンスターウルフ」と名付けたロボットは全長65センチ、高さ50センチ。野生動物が近づくと赤外線センサーが感知し、目に仕込んだ発光ダイオード(LED)が赤く点滅。オオカミやイノシシ、人の声など50種類の音が最大90デシベルの音量で鳴り、威嚇する仕組みだ。同市農林水産課によると、有害鳥獣による市内の農作物被害額は昨年度で2197万円と、5年前に比べ約4・5倍に増えている。JA木更津市の山口嘉男・専務理事(75)は「7月の設置当初より音量を上げ、音の種類も増やした。周囲にイノシシが現れた形跡はない」と効果に自信を示す。同市矢那の田んぼで実証実験を行っており、効果が認められれば本格導入を検討する。一方、市原市は市鳥獣被害対策実施隊員を増強し、人間力での「捕獲作戦」に力を入れている。昨年7月、被害防止技術の向上や普及指導に取り組む市鳥獣被害対策実施隊を新設。市民4人を隊員に任命して防止策を推進した結果、昨年度に有害鳥獣を捕獲した町会は過去最多の96町会に及んだ。捕獲に従事した人は5年前の53人から228人に増加。捕獲頭数は4年前と比べ、2525頭多い2998頭で6倍になった。同市農林業振興課によると、有害鳥獣による被害額は、一昨年度までの4年間は4500万円前後で推移してきたが、昨年度は2869万円にまで減少したという。地域ぐるみで鳥獣被害対策の強化を図るため同市は10日、市民6人を新たに市鳥獣被害対策実施隊員に任命する。
(活動に共感する料理人と交流:宮城)
宮城県石巻市の猟師・小野寺望さん(49)は、牡鹿半島で地元猟師と有害捕獲に当たりながら、「食猟師」として活動している。20年前、同半島で捕獲されるシカは1シーズンに30頭ほどだったが、急激に生息数が増え、山の荒廃が進んでいる。夏も週に2~3度は出猟し捕獲しているが、大半はジビエとして活用できず、埋設しなければならない現状に心を傷めていた。
(クマ出没地HPで公開:山梨)
上野原市は、帝京科学大と連携して、市内でクマが目撃された位置を示す地図「クマップ」を作り、ホームページ(HP)で公開している。昨年から市内でクマの目撃が相次いでいることから、被害を未然に防ごうと企画。
(「四国のツキノワグマ」企画展:高知)
四国で絶滅が心配されるツキノワグマの生態を紹介する企画展が、高知県高岡郡越知町越知丙の横倉山自然の森博物館で開かれている。四国内で8体しかないとされる剥製のうち、7体を展示しているほか、クマの子育てのビデオ映像など貴重な資料が集まっている。9月3日まで。四国のツキノワグマは環境省のレッドリストで「絶滅の恐れのある地域個体群」とされ、現在は剣山系などで十数頭しか確認されていない。四国内で生息調査を行っている「四国自然史科学研究センター」(須崎市)の協力で、夏休みの企画展として開かれた。展示室中央に剥製7体を設置。主に1960年代~80年代に捕獲されたもので、捕獲地は徳島県が5体で、愛媛県と高知県が1体ずつ。7体もの剥製がそろう機会は極めて貴重だ。映像コーナーでは、徳島県内でセンサーカメラを使って撮影された、子グマ2頭の愛らしい姿や、安芸市で確認された姿などが放映されている。このほか、骨格標本や、位置情報発信器を取り付けられた個体のパネル写真なども展示され、四国のツキノワグマの実態が詳しく紹介されている。横倉山自然の森博物館の安井敏夫学芸員は「貴重な四国のツキノワグマに関心をもってもらえたら」と話している。
(大学生が狩猟サークル発足:徳島)
徳島大の学生が、狩猟のサークル「レビアヤークト」を発足させた。野生鳥獣による農作物への被害が各地で深刻化する中、国家資格のわな猟免許を取得して被害軽減に貢献するほか、高齢化などで減少している狩猟者の確保に向けた啓発活動などに取り組む。県消費者くらし政策課によると、大学生の狩猟サークルは全国的に珍しく、県内では初めて。会長を務める大学院総合科学教育部1年の髙橋優子さん(22)=徳島市南前川町=が呼び掛け、6月に立ち上げた。髙橋さんのほか総合科学部と医学部の1~3年生9人が加入しており、各都道府県が実施する試験(徳島県は年3回)を順次受け、わな猟免許を取得する予定。本年度の猟期(11月15日~翌年3月31日)に、三好市の西祖谷地区猟友会の協力を得てニホンジカのわな猟に挑戦する。7月には、県職員や猟友会会員を講師に招いて狩猟に関する講習会を3回開催。狩猟に興味のある学生も募って、約20人が県内の食害の現状や狩猟に関する法令、ワイヤロープを使ったわなの作り方などを学んだ。髙橋さんは、地域の課題解決を考える授業の一環で2014~16年に三好市や岐阜県の中山間地を訪れ、食害に悩む農家の実情、狩猟者の高齢化など狩猟を取り巻く課題を目の当たりにした。学生の力を生かしたいと考え、知人に声を掛けたりチラシを配ったりして会員を集めた。県によると、県内でわなや銃での狩猟登録者は1978年度に6577人いたが、2016年度は2413人に減少。60歳以上が約7割を占めている。今後、学生や農家らにわな猟の免許取得を呼び掛けるなど、狩猟者の拡大にも取り組む考え。10月の大学祭では、会員がシカ肉のソーセージを使ったホットドッグなどを販売し、野生鳥獣肉(ジビエ)料理の魅力をPRする。髙橋さんは「狩猟の意義や魅力を多くの人に伝えて、ハンターの減少に歯止めをかけたい。食害は山間部だけでなく、身近な問題であることも啓発できれば」と話している。
(池田高校の名将の孫、徳島に貢献:徳島)
先月末に奈良県が初めて鹿の捕獲をスタートさせるなど、鳥獣による農作物への被害は全国的に問題となっている。そんな中、徳島県では駆除した鹿の革を使い、地元の伝統工芸である藍染めを施した製品を作るプロジェクト「DIYA(ディヤ)」が立ち上がり、年内の製品流通開始を目指している。中心となるのは「さわやかイレブン」「やまびこ打線」で甲子園を沸かせた池田高校の名将・蔦文也さんの孫で、映画監督でもある蔦哲一朗さん(33)。その蔦さんに「DIYA」に懸ける思いを聞いた。「じいちゃんとは違う形で地元・徳島に元気をもたらすと同時に、田舎の現実を知ってもらいたい」―。蔦さんの思いが込められたプロジェクト「DIYA」が今、花開こうとしている。蔦さんが徳島の獣害について知ったのは7年前、映画の題材を探すために故郷の祖谷地方を巡っている時、畑を襲う野生動物から野菜を守るために銃を持って山に入る「東祖谷猟友会」のメンバーと交流を持ったのがきっかけだった。駆除の様子は、監督デビュー作「祖谷物語―おくのひと―」にも収められたが、その後も蔦さんの頭の中には害獣駆除のことが残っていた。「尾の一部を切って持ち帰れば駆除したと認められるので、死体は供養もされないで山に放置されているのがほとんど。最近はジビエ料理がブームになったこともあって肉は活用されていますが、皮は産業廃棄物としてお金を払って引き取ってもらう。『もったいないなあ』と感じていました」。2014年に、猟友会が鳥獣処理加工施設「祖谷の地美栄」を開設したことをきっかけに、皮の利用方法を改めて考えたという。「安易かもしれませんが『革といえば財布かな』と思ったのがきっかけです」と蔦さん。でも、ただ鹿革を使って何かを作るというだけでは、「徳島らしさ」が生まれない―。そんな時、平安時代に起源があるともいわれる地元の伝統工芸が頭に浮かんだ。「鹿革を藍染めしてみたら、あまり見たことのないものができるのではないかと思ったんです」。そこから「DIYA」が本格的にスタートした。藍染めをするにあたっては、まず最初に地元で布を染めている企業と挑戦したものの、均一に染まらなかったり色づけした後の革のケアができなかったりと、作業は難航。その後、牛革を染めている人にアドバイスをもらい、業者を紹介してもらった。最終的には、地元で取れた皮を和歌山県でなめして革にし、徳島県産の本藍を使用して京都で藍染めしたものを地元の革職人が製品化するという「流れ」ができあがった。交渉の過程でさまざまな人と出会う際には、「蔦」の名前が役に立った。「地元では『蔦』と聞けばすぐにじいちゃんのことが思い浮かぶでしょうし、地元以外であっても、ある世代以上の人だったら『ん?』と興味を示してくれる。大きなプラスになりましたね」。和歌山に行った時には、同県の古豪・箕島高校を率いた元監督の尾藤公さんと祖父の蔦監督との交流が深かったことから、大いに盛り上がったという。もちろん、「地元の英雄」である蔦監督の名前を利用することを良しとしない声が一部ではあるだろうことも理解している。「本当のじいちゃんのファン、池田高校野球部のファンにとっては面白くないところがあるかもしれませんし、いろいろ言われることもあります。でも、それに関しては気にしていないですね」と蔦さん。そこには「徳島のことを、もっと発信していきたい。そのためには“武器”になる名前も使えるし、じいちゃんとは戦う分野も違うので」という強い気持ちがある。「DIYA」という名は、鹿(Deer)と祖谷(IYA)を組み合わせたものだ。「徳島、祖谷の人たちに支えられたからこそ、僕は地元で映画を撮ることができたし、このプロジェクトをたちあげることができました。そのお礼ではないですが、何か還元することができれば」と蔦さんは言葉に力を込めた。現在は年内にネット販売をスタートすることができるよう、準備を進めている最中。長財布や名刺入れ、iPhoneカバーや手袋などを「第1弾」の商品として考えている。また、準備資金調達などを目的としたクラウドファンディングを実施している。
(冷凍庫増強へ資金公募:奈良)
五條市は、市直営の食肉加工処理施設「ジビエール五條」に新しい大型冷凍庫を整備する資金の一部を調達するため、不特定多数の人たちから出資を募るクラウドファンディング(CF)を実施している。目標は300万円で、返礼品としてジビエ食肉セットとレトルトカレーを用意。受け付けは10月18日まで。ジビエール五條は、農作物を荒らすシカやイノシシを食材として有効活用するため、2015年秋に完成。土産物品として市が企画したレトルトカレーや薫製などの材料も増量が見込まれるため、現在の冷凍庫だけでは容量が不足していた。新しい冷凍庫は施設に隣接して設置する予定。容量は現在の3倍以上の約5トンになるという。出資は、南都銀行と投資サイト運営会社ミュージックセキュリティーズの協力で、CFの仲介サイト「BOOSTER(ブースター)」が窓口になる。1口1万円で、返礼品(限定500口)はイノシシ肉500グラム、イノシシ細切れ500グラム、ジビエレトルトカレーのシシ肉、シカ肉各3食分のセット。市農林政策課は「増える注文に対応するため、全国から支援をいただきたい」としている。
(高校生がジビエカフェ:和歌山)
ジビエ料理で地元に貢献しようと、日高川町の県立日高高校中津分校の生徒が、町産のシカ肉を使ったパスタを提供する「CAFE NAKATSU」を開く。有田川町野田のスペインバル「SAKAZRA」で、12日から27日までの土、日曜日の午前11時半~午後2時。パスタはスープやドリンク、パンが付いて1000円(税込み)。生徒たちは「たくさんの人に食べてほしい」と張り切っている。東さくらさんと井手段いでだんなゆさん、水原沙弥香さんの生徒会役員を中心に、2年生33人全員でメニューを考案。「夏に食べやすいものを」とパスタは冷製にし、県産の梅干しや日高川町産のオクラ、水菜などを添え、地産地消を強調した。調理する生徒会の3人は7月、和歌山市で行われたジビエ料理の講習会に参加し、肉を軟らかくし、臭みを消す方法などを学んだといい、東さんが「男女、年齢を問わず、おいしく食べてもらえると思う。ジビエを味わうきっかけになればうれしい」と話す自信作だ。2年生は今年度、総合学習で、シカなど害獣による町内の農作物被害について学んだ。一昨年の被害が約1400万円で、年約2000頭が駆除されるが、食肉にされるのは1割強に過ぎず、ジビエの普及が駆除の促進と被害軽減、地域活性化につながると考えたという。学習の一環でこれまでもレシピを開発し、「シカ肉のしゃぶしゃぶ」が「SAKAZRA」のメニューに採用されるなどしている。
(ジビエ肉食べよう:千葉)
市原市うるいど南の「潤井戸ふれあい公園」で20日、市津商店会夏祭りと市津市民祭りが開かれる。イノシシ肉を使ったそばやホットドッグなど珍しいジビエ料理が販売されるほか、定番の盆踊りやフラダンス、カラオケ大会などが行われる。市原商工会議所市津支部と市津商店会、市津地区町会長会が主催する夏の恒例行事。地域活性化や思い出づくりを目的とし、今年も子どもから大人までが楽しめる催しを取りそろえた。同市のジビエ料理は“地域の厄介者”を活用する取り組みとして誕生。今回は焼きそばも並ぶといい、関係者は「ジビエ料理をおいしく召し上がるチャンス。安心・安全なので食べてみてほしい」としている。両祭りではこのほかに地元出身の演歌歌手、杉田淳さんのショーやサッカーの市民クラブVONDS市原との交流などを予定している。午後8時半からは花火の打ち上げがあるという。市津商店会夏祭りは午前11時~午後5時半、市津市民祭りが午後6~9時。小雨決行、荒天順延。会場に駐車場はなく、帝京平成大千葉キャンパスから無料シャトルバスを運行する。
(金属製格子にシート、小型も侵入軽減:山口)
山口県農林総合技術センターは、地面に設置して鹿やイノシシなどの侵入を防ぐ金属製格子「グレーチング」を切れ込みのあるシートで覆うと、小型獣にも効果が高まることを突き止めた。グレーチングを通ることが多かったタヌキの侵入回数を3分の1に減らせた。切れ込みのあるシートで隠すことで“落とし穴”のように見せ、恐怖感をあおるとみられる。グレーチングは防護柵の出入り口に設置し、野生動物の侵入を防ぐ。鹿やイノシシはひづめがはまるため、グレーチングを嫌って通らないが、タヌキやキツネ、イタチなどは通ってしまう。同センターは、雪でグレーチングが隠れると小型獣が避けるのをヒントに、ブルーシートで覆う方法を考案。シートはグレーチングの目合い(長さ9センチ、幅5.5センチ)に合わせ長さ7センチ、幅3センチ程度の切れ込みを入れる。知らずに小型獣が踏み込むと、切れ込みから足が落ちる仕組みだ。小型獣の中でもグレーチングの効果が低かったタヌキを調べた結果、シートなしの侵入回数は60日間で337回だったが、シート被覆では同119回と3分の1に減った。大型獣への効果は変わらないとみる。同センターは、身近な素材で効果が高められる技術として特許を出願。「迷彩模様など目立たない素材を使えば、効果がより高まるかもしれない」(経営技術研究室)と話す。
(飲食店での導入が進むジビエ料理)
野生鳥獣を食材とするジビエ料理。テレビや新聞で取り上げられる機会が増え、フランス料理店など、日本でも徐々に扱う店舗が増えてきた。2014年には、ジビエ料理がぐるなび総研の「今年の一皿」に選ばれたこともあり、一般消費者の関心も高まっている。行政もジビエ活用を推進するなど、大手の外食チェーンが参入する態勢は整ってきた。消費者の食の嗜好の多様性と、行政が目指す流れの2つの要素がマッチし、一気に広まる可能性もある。ジビエの現状と将来、行政の動き等について、一般社団法人日本ジビエ振興協会の理事長で、ジビエ料理を提供するフランス料理店のオーナーシェフでもある、藤木徳彦氏にお話を伺った。ジビエはフランス語(gibier)で、食材として捕獲された鳥獣を指す。フランスでは「山の恵み」として、高級料理に位置付けられる。日本では、イノシシの肉を使った「ぼたん鍋」などが食文化としてあるが、専門店での提供に限られていた。藤木氏によると、ジビエの注目度は、2014年にぐるなび総研が「今年の一皿」にジビエ料理を選出したことで一気にアップしたという。「今年の一皿に選ばれたのは大きかったですね。協会への『ジビエ肉はどこで買えますか?』という問い合わせが増えましたし、私の店(フランス料理店のオーベルジュ・エスポワール=長野県)でもジビエのオーダーが増えました」そもそもジビエ肉は、野山をかけめぐる野生動物のため脂肪が少なく、牛肉・豚肉・鶏肉より身が引き締まっていると言われる。イノシシには脂身があるが、豚と違ってコラーゲン(タンパク質の一種)のため、しつこさもなく食べやすいのが特徴だ。「たとえばシカはほとんど脂身がなく、ほぼ赤身だけなのでヘルシーです。一般的に赤身肉は鉄分が多く、ヘム鉄(鉄とポルフィリン環で形成され、酸素を体の隅々に運ぶ役割を果たす)も多く含んでいるため、貧血予防にも役立ちます。ダイエットにも向いている、高タンパク低カロリーの肉なのです」実際にジビエ肉を扱う場合の注意点や、調理方法を教えていただいた。ジビエ肉は、急に熱を加えると硬くなり食べにくくなる一方で、ナマ食は危険が伴うという。「そもそも生肉の喫食には注意が必要ですが、ジビエ肉は特に注意が必要です。シカの刺身を食べた方が肝炎で亡くなられた例もあります。しっかり火を通す必要がありますが、強火で調理すると肉が硬くなりますから、弱火で調理しましょう。生姜焼きなら、熱したフライパンの上で焼くのではなく、フライパンが熱くなる前から、弱火で焼くと柔らかく仕上がります。ジビエに強火は禁物です」その他、ハンバーガーなどにも利用される。少しクセがあると言われることもあるシカ肉だが、デミグラスソースなどを使ってクセを抑え風味を出す。これもジビエ料理の工夫の一つだろう。「ジビエを扱うメリットの1つは、メニューに新しいラインナップをつくれることです。牛、豚、鶏については素材で特徴は出すのは難しいですから。それに天然の肉を食べるのは、天然の魚を食べるのと同じように魅力的だと思います」そうした特性と社会的な注目度の上昇もあって「炉とマタギ」(株式会社スパイスワークス)、「罠」(株式会社夢屋)など、ジビエを扱う外食企業も増えている。また、JR東日本フードビジネスが運営する「ベッカーズ」では、期間限定メニューとして、2013年からジビエ料理を提供している。2017年は8月1日から9月30日(予定)まで、藤木氏がメニューの監修をしたシカ肉を使ったハンバーガー「別格 信州ジビエ ザ★鹿肉バーガー」を販売する。ジビエ肉の消費が増えることで、野生鳥獣による農作物への被害が削減できるのでは、という期待もある。シカやイノシシなどの野生鳥獣による農作物への被害は深刻だ。農林水産省の発表によると、2015年度の被害額は176億円と、非常に甚大な被害をもたらしている。中でも、シカとイノシシによる被害が全体の6割以上を占めており、鳥獣被害を減らすためにも両種の駆除は喫緊の課題である。ところが、現在の駆逐数は環境省の目標に比べ、6割強ほどに留まる。その理由として、駆除後の処分が重労働な点、狩猟者の高齢化などのほか、狩猟者のある思いが影響しているという。「猟師の『無駄な殺生はしたくない』という思いです。駆除後、焼却や埋め立てなどの処分では、せっかくの命が無駄になっていると感じているのです。ジビエ肉を使った料理に、その命を生かしたいということですね」だが大手企業の参入が進まず、消費量が増えない。その理由は、ジビエ肉の安定した供給と、安全性の確保にある。しかし、そうした流れが近年変わりつつある。行政によるジビエ振興が打ち出されたのである。農水省と環境省では2013年12月に「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」を掲げ、ニホンジカとイノシシの駆除の増加を目指し、2015年に鳥獣保護法が改正された。また、現在は駆除された野生動物がジビエとして利用されるのは5%程度と言われており、農水省では2019年までに30%に引き上げたい意向だ。これにより絶対量が増え、安定した供給が可能になる。また、ジビエ肉の安全性についても、大幅に改善できる可能性を秘めているのが、農水省の補助事業として今年度施行予定の「国産ジビエ流通規格」(通称ガイドライン)である。農水省が公認する認証機関によって、ジビエの処理加工施設に対して厚労省が定める衛生基準などに適合しているかが審査され、合格した施設で処理されたジビエ肉に認証マークが貼られる。「協会としても、衛生的な処理に取り組んできました。長野トヨタ自動車と共同で、移動式の解体処理車『ジビエカー』を開発したのもその一環です。今まで衛生基準等を満たしているという保証はありませんでしたが、今回のガイドラインはトレーサビリティが保証できるところは認証シールを貼り、他のあいまいな肉とは線引きをしようということです」この制度が始まれば、認証マークがあるジビエ肉は衛生基準などに適合していることが担保されるため、大手企業も扱いやすくなる。「先日、外食企業で作る協会の方々が、今後ジビエを使った料理を提供していきたいと、当協会に話を聞きに来てくれました。会長からも『(体制が)整ったら使いたい』と言っていただきました。このルールがうまく運用できれば川上(産地)と川下(消費地)の接点ができて、両者がつながるはずです」大手外食企業はもちろん、小売店でも扱いが増えることで、ジビエを国民の食材として根付かせる。それこそが藤木氏の目指すところである。その大きな流れは、もう目の前に迫っている。

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(射撃場で男性死亡、散弾銃による事故や自殺視野:千葉)
8日午後6時半ごろ、千葉県印西市の「成田射撃場」で、50代ぐらいの利用者の男性が顔から血を流して倒れているのを射撃場の関係者が見つけ、110番した。病院に搬送したが、約1時間後に死亡が確認された。印西署は散弾銃による事故や自殺の可能性があるとみて、捜査している。射撃場によると、男性は同県船橋市の能楽師橋岡佐喜男さん(49)とみられる。署によると、男性は施設に預けていた散弾銃を抱きかかえるようにして、敷地内の芝生にうつぶせの状態で倒れていた。銃弾が顔に当たったとみられる。署や射撃場によると、従業員が午後6時前、男性に間もなく営業時間が終わることを伝えた際に、変わった様子はなかった。その後、銃を預けていた施設の関係者が倒れているのを見つけた。他の客はいなかったとみられる。成田射撃場は、北総鉄道印旛日本医大駅から南東約4キロの林の中にある。ホームページによると、クレー射撃の大会なども開かれている。
(イノシシ出没、中学生と80代女性けが:佐賀)
7日午後5時35分ごろ、唐津市西浜町の県道に「イノシシがいる」と通行人から110番があった。直後にイノシシは県道脇の歩道を自転車で走行していた市内の男子中学生と衝突。中学生は転倒した際、左肩打撲の軽傷を負った。約15分後には、300メートルほど離れた同市菜畑の民家の敷地内にも出没。縁側で昼寝をしていた80代女性が左肩をかまれ、内出血などの軽傷を負った。同署によると、いずれの被害も同じイノシシによるものとみられる。イノシシの体長は約100センチとみられる。イノシシは女性宅近くの山に逃げていったという。
(山菜採りの男性、クマに襲われけが:秋田)
8日午前7時10分ごろ、秋田県仙北市田沢湖田沢字先達の山林で、山菜採りをしていた大仙市の男性(74)がクマに襲われ、顔や両腕、背中、右足に裂傷などを負った。男性は大仙市内の病院に搬送されたが、命に別条はない。
(病院駐車場にクマ:宮城)
6日夕方、宮城県富谷市の病院の敷地内でクマ1頭が目撃され、警察が注意を呼びかけています。駐車場をうろつく体長1メートルほどの1頭のクマ。しばらくすると、南東の藪の中に走り去っていきました。6日午後6時前、富谷市上桜木の富谷中央病院の駐車場に、クマがいるのを警備員が見つけました。病院は6日は休みでけがをした人はいませんでした。クマの出没を受け、市の職員らが7日朝、周辺の調査を行いました。現場は人通りの多い場所で、警察では、住民に注意を呼びかけています。
(野生鳥獣被害過去10年で最小、柵など効果:群馬)
2016年度の野生鳥獣による農林業の被害額は6億993万円(前年度比11・4%減)で、過去10年で最少だったことが県の調べで分かった。県によると、侵入防止柵の設置や緩衝帯の整備が進んだことなどが要因とみられる。
(クマ被害を減らすには「観光」しかない)
この季節、野山でアウトドアを楽しむ方も多いが、そこで心配なのが「熊」の存在ではないだろうか。ニュースでもちょこちょこ報じられているように、熊に襲われる被害が最近増えている。環境省によると、1980~90年代の熊による死傷者数は年間20~40人で横ばいが続いていたが、2000年代に入ると年間50人以上に跳ね上がり、時には100人超という年もあるという。その襲われ方もかなりヤバくなっている。2016年、秋田県鹿角市で起きた男女4人が殺害され、3人が重症を負った痛ましい事件では、3~4頭のツキノワグマが人を食べたのではないか、と専門家はみている。もともと熊は臆病な動物で、人間の気配を察すると自ら去っていくくらいだが、一方で非常に高い学習能力を持っているため、一度でも「人間の味」を知ってしまうと、人間を「獲物」とみてしまうという。つまり、キャンプ場や登山道で大自然を満喫していたら、「殺人熊」にバッタリなんて可能性もゼロではないのだ。熊が出て危ないと警告されるような場所にズカズカと足を踏み入れるからそういう痛い目に遭うのだ、と自己責任論を唱える方もいらっしゃるかもしれないが、近年では山深い場所だけではなく、住宅地や人の多い観光地のような場所にまで熊が出没している。例えば、2009年には数百人の登山客であふれる乗鞍岳の畳平バスターミナルに突如現れた熊は、恐怖で騒ぐ登山客や巨大なバスに遭遇してパニック状態に陥り、9人の行楽客やバスターミナルの従業員を無差別に次々と襲った。そう聞くと、「好き勝手に自然を破壊して熊の居場所を奪った罰だ」なんて感じで「もののけ姫」的な戒めを口にする方もいるが、そういう単純な自然保護論を振りかざしているだけでは、100年経ってもこの問題は解決しない。クマ被害が近年増えているのは、我々日本人が自然の開発から無責任に撤退してしまったことが大きいからだ。熊の研究者などでつくるNGO「日本クマネットワーク」が2014年に実施した調査によると、熊の生息域は、環境省が2003年に調べた時と比較して全国的に拡大している。原因としては、猟を行う人々が年々減少していることで、熊の脅威が少なくなったこともあるが、なによりも大きいのは過疎化だ。「クマは隠れる場所がないところを嫌う習性があるため、手入れがされた里山はクマと人のそれぞれの生活圏を隔てるいわば“防波堤”のような役割を担ってきた。しかし、過疎化が進むと里山が荒廃し、草木が生い茂る場所にクマが入り込むようになった結果、クマの分布エリアが広がったとみられている」(日テレNEWS24 2017年6月2日)要するに、これまでは人間がある程度、自然を整備してきたことで、自然界と文明社会の壁ができて、熊も人間もある程度の距離をもって生きることができたが、その整備を行う体制が少子高齢化で崩壊してしまったというわけだ。手つかずの自然に人間が介入することが、実は人間にとっても、熊にとってもベストの策だというのは、高樹沙耶さん的なナチュラリストのみなさんからするとなかなか受け入れがたい話かもしれないが、熊の生態に詳しい北海道大の坪田敏男教授(野生動物医学)もこんな提言をされている。「荒れた里山や耕作放棄地を見通しよく整備してクマが入り込みにくくするなど、行政は人里に寄せ付けない対策を急ぐべきだ」このような自然の整備の最たるものが、「カウベルト」である。先ほども申し上げたように、熊はもともと臆病なので、自分よりも大きな生き物を避ける。そこで、牛を放牧することで、人間の居住エリアに熊が立ち入れない壁にしようという施策がカウベルトで、現在富山県などが推進している。ただ、残念ながらこれだけでは根本的な問題解決にならない。カウベルト自体は非常に有効な対策ではあるのだが、現実問題として年金もパンクするという財政状況の今の日本で、この施策にどれだけ税金が注ぎ込めるのかという大きな問題がある。そこは民間の活力で、と気軽に言う人がいるが、獣害を減らすため里山や耕作放棄地を整備してくれと呼びかけても、民間にはなんのメリットもない。補助金や自治体の手厚いサポートをちらつかせても、田舎暮らしに憧れた人なんかが1年くらいで音をあげて都会に帰ってしまうように長く居座ってはくれない。では、どうすれば熊が人間を襲うような悲劇を少しでも減らすことができるのか。いろいろなご意見があるだろうが、抜本的な対策として現実的に実行できそうなのは、「観光」しかないのではないかと思っている。日本では熊が目撃されると観光地は大打撃を受けるが、世界的にはまったく逆で、野生の熊は「観光資源」として重宝されている。その代表が、カナダのブリティッシュコロンビア州(以下、BC州)だ。ここの観光局Webサイトにはクーズマティーン自然保護区など「クマに会える厳選スポット10選」が以下のような宣伝文句とともに紹介されている。『広大な荒れ地があるBC州では、至る所でクマを見ることができます。BC観光局のフェイスブックファンの皆さんの協力を得て、ベアウォッチングのベストスポットを厳選しました』なぜBC州がこのようなベアウォッチングに力を入れるのかというと、すべては自然の整備のためである。広大な自然を整備するのは多くの金がかかる。動物を守るためのレンジャーなど多くの人件費がかかる。絶滅危惧種を保護するための施設や、研究者だっている。それらの莫大な費用を国や自治体がサポートするといっても限界があることは言うまでもない。そこで広大な自然を観光資源として活用し、世界中から観光客を招くことで得た資金で自然の整備を行っているのだ。もちろん、日本の国立公園なんかのように手つかずで荒れ放題の自然を見せても、観光客は金を落とさない。そこで、ベアウォッチングのようにその地でしかできないような自然体験ツアーを「観光の目玉」としているのだ。野生動物まで金もうけのネタにするなんて、自然を畏(おそ)れ敬(うやま)ってきた我々日本人には信じられないという人もいるかもしれないが、日本には海外の動物愛護団体から「商業目的の虐待飼育」と批判されている「クマ牧場」がある。経験豊富なレンジャーに引率された観光客から遠目で観察され、整備された自然のなかで駆け回るBC州のクマと、コンクリートの檻のなかで芸を仕込まれるクマのどちらが野生動物として幸せなのかは、言うまでもないだろう。文化財にも通じることだが、日本人はとにもかくにも手をつけないことが「保護」だと信じて疑わない。だから、文化財や自然を観光資源として整備しようという話が出ると、「マナー知らずの外国人観光客に日本の美しい自然や伝統文化が破壊される!」と半狂乱になる人が多いが、実は自然も文化財も手をつけないことで、衰退の一途をたどっているというなんとも皮肉な状況がある。本連載で何度か紹介している文化財保護会社を経営しているデービッド・アトキンソン氏など当事者はその危機が分かっているので、「放置」ではなく「整備」の必要を訴える。自然に関してもまったく同じだ。2013年2月14日のクローズアップ現代「ハンターが絶滅する!? ~見直される“狩猟文化”~」(NHK)という番組のなかで、猟師の千松信也さんがこんなことをおっしゃっている。「さんざんこれまで人間が自然に手を加えて、手付かずの自然なんてもう日本にはほとんど存在しないです。昔から人間というのは自然の一部として、関わりを続けてきた。さんざん手を入れて、ある一方でひどいことをして、それをそのまま放置するっていうのは、それ自体がさらなる自然破壊。決して自然は、そのまま放置しておいていい状態ではないというのが現状だと思います」人間が自然を制御できる、というのは大きな思い上がりだが、「いろいろ昔は荒らしたけど、自然なんだから放っておけば勝手に蘇るでしょ」という考えはそれ以上に傲慢(ごうまん)ではないか。自分たちが放ったらかしにして生息地を拡大させておきながら、そこで熊が好き勝手に振る舞うと、「害獣」として撃ち殺す。熊からすればこんな理不尽な話はない。熊たちが人間に牙をむくのは、そんな怒りからなのかもしれない。
(漁師と猟師のトークイベント:東京)
座・高円寺2(杉並区高円寺北2)で9月15日、すぎなみ地域大学(TEL 03-3312-2381)特別講演会「南伊豆町の達人に学ぶ!自然との共生による地域の魅力づくり」が開催される。「すぎなみ地域大学」は地域活動に必要な知識や技術を学び、住みやすい街づくりや仲間づくり、活躍できる場を広げることを目的に2006年開講。これまで1万2000人がさまざまな講義に参加している。今回、区の交流自治体である静岡県南伊豆町の自然の魅力や自然保全活動の大切さを知ってほしい」と同講演会を開く。区と南伊豆町は、区役所前で南伊豆町の観光・名産物産展の開催や区内の小学4~6年生を南伊豆町内に招待し、地元の小学生と干物作りや海遊び体験を通じた交流などを行っている。そのほか、お試し移住セミナーの開催や移住窓口の開設、2018年3月には連携して南伊豆町に開設する特別養護老人ホームのオープンが決まっている。講師は現地の漁師で、小学生の交流の際に磯観察の指導を担当する大野良司さんと、野生動物対策と山林再生のため、鹿やイノシシのジビエ食材加工と山林保護活動を行う会社を立ち上げた猟師の黒田利貴男さん。自然や南伊豆町のことを身近に感じてもらえるようなトークを展開するという。すぎなみ地域大学の石川雄太さんは「現役の海の達人と山の達人が語り合う『生』の自然をお楽しみいただき、家族そろって南伊豆に出掛けるきっかけになれば」と来場を呼び掛ける。

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(クマに襲われ、渓流釣り男性けが:栃木)
5日午後0時50分ごろ、那須塩原市内の病院から「クマに襲われた男性が病院に来ている」と那須塩原署に通報があった。男性はかまれるなどして頭や背中に軽いけがをした。同署によると、けがをしたのは同市湯宮、会社員男性(53)で、同日午前10時20分ごろ、那須町大島の山林内の沢で、1人で渓流釣りをしていたところ、体長約1・3メートルのクマに遭遇し、襲われた。その後、男性は自分で車を運転して病院に行き、治療を受けた。現場は、那須どうぶつ王国とスキー場「マウントジーンズ那須」の間の山林の沢。県道から歩いて入った場所で、人の立ち入りは少ないという。同町内で今年、人がクマに襲われたのは2件目で、同署などが警戒を強めている。町農林振興課によると、本年度の町内でのクマの目撃情報は2日までに18件寄せられている。
(背後からクマに襲われ85歳男性が軽傷:福島)
4日午前6時40分ごろ、会津美里町の墓地を訪れた男性(85)の家族から「家族がクマらしき動物に襲われた」と119番通報があった。会津若松署会津美里分庁舎によると、男性は背中などに軽いけがをし、会津若松市の病院に搬送されたが、命に別条はないという。同分庁舎によると、男性は同5時30分ごろ、墓地で掃除をしていた際、後ろから体長約1メートルのクマに襲われた。男性が振り向くとクマは逃げ去ったという。男性は自力で自宅に戻った。同署員や町職員、鳥獣被害対策実施隊が周囲を捜索したが、クマは発見できなかった。ほぼ同じ時間帯に、別の男性がこの墓地でクマを目撃しており、同分庁舎はこのクマが男性を襲ったとみている。現場はさくら保育所の東約260メートルの墓地で、同保育所は園児の外遊びを1週間控えることなどを決めた。現場から東に約400メートルの宮川小は同日、プール開放日だったが、学校周辺に教諭を配置し、児童の登下校を見守った。町の担当者は「墓地に食べ物や花などの供え物は置かないでほしい」と話した。
(鶏小屋、2日連続でクマ被害:岩手)
5日朝、一関市の民家で、鶏小屋がクマによって荒らされ、中にいた鶏9羽が被害に遭った。2日連続の被害。5日午前7時前、一関市萩荘の農業・千葉盛さん(67)が、自宅の敷地内にある鶏小屋が荒らされているのを見つけ、市に連絡した。警察官が駆けつけたところ、中にいたニワトリ13羽のうち9羽がいなくなっていて、血の痕や、羽が散乱するなど、襲われた痕跡が確認された。鶏小屋の網戸には、クマの爪痕が残されていたことから、クマによる被害とみられる。千葉さん方の鶏小屋は、4日もクマによる被害に遭い、中にいた鶏20羽のうち7羽が襲われていた。クマは見つかっておらず、警察などが注意を呼びかけている。
(猟友会、領収書なし1100万円:奈良)
元事務局長が着服し弁済するなどして使途不明金問題で揺れる県猟友会(中川徹会長)だが、新たに上田光彦前会長(今年5月に死去)が就任する以前の平成7年から17年までにも、領収書のない経費が1100万円以上あることが6日までに、奈良新聞社の調べで分かった。一連の問題で現会長の中川氏が上田前会長の管理責任を追及してきたが、その当時、会計担当副会長として同会の経理の実権を握ってきただけに、自らの責任が問われることになりそうだ。中川氏は本紙の取材に応じていない。猟友会の会長は平成7年5月から17年5月まで、大西茂雄氏(故人)が務めてきた。この間、副会長は中川氏と他の1人が務めていたが、11年からは上田氏が中川氏とともに副会長職に就いた。そして17年5月に大西会長の退任を受け、後から副会長になった上田氏が会長に就任、中川氏は副会長を外れて一理事になっている。
(奈良のシカ捕獲開始、農業被害に歯止め:奈良)
国の天然記念物「奈良のシカ」の捕獲が奈良市東部の2地区(田原、東里)で始まった。奈良公園周辺で食害による農業被害に歯止めがかからないためで、奈良県は文化庁の許可を得て、本年度は120頭を上限に捕獲する。頭数管理のための捕獲は天然記念物に指定された1957年以降初めて。捕獲手法は箱わなで、おりの中に餌を置きおびき寄せ捕らえる。2地区は同公園から約5キロ離れ、農業被害が集中する地域。県猟友会の協力で7月31日、計6基のおりを設置した。県によると4日現在、鹿は捕獲されていない。「奈良のシカ」は春日大社の神の使い「神鹿(しんろく)」とされ、観光資源として保護されてきた。県によると、保護の対象区域は2005年の合併前の旧市内全域で約4000頭が生息するとみる。食害は稲を中心に柿、シイタケ、茶など多岐にわたる。農家は実質追い払いしかできず、防護柵の設置も農地全てを囲むことは困難で、被害の根絶にはつながらなかった。県の農業被害アンケートで、13年度までの5年間で「被害が増えた」と回答した旧市内を含む県北部の農家は7割を超えた。過去には鹿害に苦しむ地元農家が行政を相手取り損害賠償請求を起こした他、地元農家が64年に結成した「奈良市鹿害阻止農家組合」が県知事へ鹿害対策の要望書を提出するなど、幾度となく被害抑制策を求めていた。同組合の福井甚三組合長は「捕獲は農家組合にとって大きな一歩」と力を込める。担当する県奈良公園室は「農家とのあつれきをなくし、人と鹿との共存を図っていきたい」と話す。
(雨で土砂流出、鹿食害も一因?:鳥取)
5、6月の局地的な大雨で鳥取県智頭町市瀬の国道53号付近の山林から土砂が流出し、智頭トンネル(783・5メートル)の通行が規制される事態が続いている。国土交通省鳥取河川国道事務所は土のうや防護柵を設置したが、雨が降る度に流出の危険が生じており、全面復旧にはほど遠い。山林の頂上付近の木が鹿による食害で減少し、地盤が緩んだことが一因とみられ、県は土砂流出の対策工事を進めるとともに、獣害の実態調査にも乗り出した。5月31日夕と6月1日夕、同トンネル付近で1時間39~53ミリの大雨が降り、山林から計約380立方メートルの土砂が国道に流れ出した。鳥取河川国道事務所は、トンネルを通行止めにし、応急処置としてトンネル出口付近に土のうを積んで高さ5メートルの防護柵を設置した。現在、通行止めは解除されているが、トンネルは片側交互通行になっている。大量の土砂を防ぐには道路上に土のうを並べる必要があるためだ。周辺の時間雨量が20ミリを超えた場合などには、土砂が土のうを越える恐れがあり、再び通行止めにする措置が繰り返されている。県は6月、土砂流出の原因を探るため、ドローンやヘリコプターで上空から山林を撮影。山頂部の木が枯れ、山肌が露出している箇所が複数、確認された。職員が登って調べたところ、立ち枯れした木の幹に、鹿が樹皮を食べたとみられる跡が残り、周囲に鹿のふんが落ちていた。県は、鹿の食害による山林の荒廃が土砂流出を引き起こした可能性もあるとみて、詳しい原因を調べる。猟友会による駆除も検討するという。周辺の山林は、土砂災害防止などのため、森林法に基づく「保安林」に指定されているが、約10年前から地元住民らが「山が荒れてきた」と指摘。県は2009年度以降、砂防ダムの造成や土の流出を防ぐ金網の設置などを進めたが、今回の大雨による土砂の流れを止めることは出来なかった。県治山砂防課は「想定外だった。十分な再発防止策を講じたい」とする。鳥取河川国道事務所は7月、土砂の通り道になる渓流の向きを変える工事の手続きを始めた。トンネル出口にも、土砂が道路に流れ出るのを防ぐ構造物(洞門)を設ける予定だが、すべての工事が完了し、全面通行を再開できるのは来年末になる見込みだ。同事務所の担当者は「県東部の幹線道路なので、安心して通れるようにしたいが、大規模な作業になるため時間が必要だ」と話している。
(熊の目撃情報:宮城)
5日15時頃、登米町日根牛入谷地内で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(イノシシ定住?国道に2頭の死骸:福井)
福井県坂井市三国町地域のテクノポート福井付近にイノシシが“進出”している。4日朝には、同市三国町黒目の国道305号で、車と衝突したとみられる2頭が死んでいるのが確認された。一帯ではここ数年出没情報が寄せられている。市は「1、2年前のピークに比べ少なくなっている」とするが、車との衝突や農作物の被害は依然少なくないという。県自然保護センターによると、イノシシは福井市の国見岳周辺から三里浜緩衝緑地を伝って北上し、同緑地にすみ着いている可能性がある。2頭が見つかった現場は、緑地帯脇にあり、道の駅みくにの南約200メートル。1頭は体長約1・5メートル、もう1頭は体長約30センチ。同センターは母親と子どもではないかとしている。三里浜特産農協によると、一帯ではスイカやサツマイモ、カボチャが食い荒らされている。月岡透組合長は「被害防止へ対策をもっと強化してほしい」と訴える。市農業振興課は「市が仕掛けたおりや、県による同緑地帯の木々の伐採の効果が出ると思う」としている。
(「人なれサル」、地域ぐるみで駆除:長野)
人間を恐れない「人なれ」が進む駒ケ根高原のニホンザルについて、駒ケ根市有害鳥獣駆除対策協議会は地元地区や駒ケ根市猟友会と連携し、本格的な対策に乗り出す方針を固めた。捕獲おりを新たに設置して悪質なサルの除去を図るほか、住民参加による地域ぐるみの追い払いの仕組みをつくり、被害防止を目指す。駒ケ根高原一帯は近年になりサルの出没が頻発。観光地のため人に接する機会が多く「人なれ」が進んでいるのが特徴で、観光施設に入り込むこともあり、住民や観光客への被害も心配されている。県は、同市の中央アルプス側には三つの群れで計約230頭が生息していると推測。駒ケ根高原は恒常的に被害があり、サルが人を見ても逃げないことから加害レベルを最高水準の「レベル4」に位置付け、加害の可能性が高く駆除の必要性もあるとして、同市の今年度の捕獲上限値を昨年度までの50頭から100頭に引き上げた。3日夜に同市の駒ケ根キャンプセンターで開いた住民向け学習会で、協議会はこうした状況を踏まえ、駒ケ根市猟友会と協力して移動式捕獲おりを新たに設置する方針を説明。地元の北割一区、北割二区に対し効果的な設置場所について候補地選定への協力を求めた。さらに有効な防除対策には組織的な追い払いが不可欠と強調。農地周辺の草を刈る、カキなど果樹を放置しないといった対策と合わせ、地域ぐるみでの粘り強い対応が必要とし、「北割一区、北割二区をモデル地区としたい」と主体的な取り組みを呼び掛けた。協議会事務局の市農林課は「協議会として協力するのはもちろん、自分たちの地域は自分たちで守るという意識を持ってもらうことがまずは大切。駒ケ根高原のサルは特に被害を与える恐れが大きいので、しっかりと連携して対処していきたい」としている。
(害獣を駆除できるハンターが人手不足に)
鳥獣を減少させ、自然の生態系を守り、農林水産業の発展と地域の安全を守ることがハンターの仕事だ。そのハンターの数が足りず、危機的な状況を迎えつつある。「わが世の春を謳歌するシカやイノシシに比べ、ハンターこそが“絶滅危惧種”です。狩猟免許を持つ人は1970年代には全国で51万人いましたが、現在は20万人を下回っています。年齢を見ると半数以上が60歳以上で、20代や30代がいません。このままだとごく近い将来にはハンターがいなくなります」(環境省鳥獣保護業務室)宮城県ではイノシシやニホンジカの農作物被害を食い止めるために、毎年ふたりずつ狩猟専門の非常勤職員を採用することにしている。また、世界遺産である北海道の知床で野生生物の保護などを行う『知床財団』は、環境省から鳥獣捕獲等事業者に認定されている。「正規と出向の職員27名のうち、11名がエゾシカやヒグマ狩りなどで銃使用の業務に携わり、それ以外にも猟銃免許を持っている職員は数人います。狩猟免許、あるいは罠猟免許所持者、動物園勤務経験者、獣医師などは採用の際に優遇されます」(財団事務局)一方で、カミツキガメやワニガメの駆除に悩む千葉県では『タートルズハンター』を採用している。「昨年11月、千葉県内で繁殖する両種のカメを捕獲するため、専門知識を持つ職員を公募しました。今年の2月1日、ペットショップに勤務経験のある人物が職員(任期3年)に採用されています。千葉県は全国的に見てもカミツキガメやワニガメの生息数が多く、印旛沼周辺には1万6000匹以上が生息していると推定されているほどです。大量繁殖が確認されたことで、新たな捕獲方法を開発するために専門知識を持つ職員を公募することにしたのです」(県生物多様性センター)ワニガメの口はまさにワニのようで、素人に駆除できるものではなく、専門家による駆除がぜひとも必要だという。このように各地それぞれ、当面は“公務員ハンター”に頑張ってもらうしかないようだ。
(カラス対策、妙案は?:兵庫)
朝、ごみステーションを通りかかると、ビニール袋が破られ、周囲には生魚や野菜くず、紙くず…。領収書の紙片まで散らばり、目を覆いたくなる。電線の上では、数羽がカァー、カァー。また、やられた。カラスにごみ袋を荒らされる被害は一向になくならない。ごみ袋にネットをかぶせていても、硬いくちばしで、編み目や地面との隙間から抜き出してしまう。行政も対策に乗り出すが、効果は今ひとつ。ヒトとカラスの知略戦の行方は?7月下旬、燃えるごみ収集日の朝。兵庫県西宮市内のごみステーションを巡ってみた。甲子園町では総菜や飲料のパック、ティッシュ、ビニール袋などが歩道いっぱいに広がっている。車道にはズタズタになった黒いごみ袋。路線バスが避けるように運行していた。姿こそ見えなかったが、「カァー、カァー」とあざ笑うような鳴き声が聞こえる。「燃えるごみの日の朝のはこの状態。この1年は特にひどい」と近所のサンドイッチ店の店主(54)は諦め顔だ。付近は自転車で駅に向かうサラリーマンや学生らが行き交う。「ごみが広がって、通行も危ない。何とかならへんもんか」。2013年度の西宮市民意識調査によると、生活の中でカラスによる何らかの被害を受けたことがある人は約7割に達していた。そのうち58%が「ごみの散乱」を挙げ、「鳴き声がうるさい」(28%)「人への攻撃」(10%)などを抑えて断トツに多かった。尼崎市でも、カラスが絡むごみの相談が年間80~130件前後寄せられているという。各自治体は独自対策を講じている。宝塚市では10年以上前から、網にカプサイシンを含んだ「辛み成分入りネット」を貸し出しているが、担当者は「被害はまだまだ多い」。西宮市は昨年から、鷹匠を招きタカを飛ばしてカラスを追い払う試みを始めたが、効果は一時的。コスト面でも継続は難しい。効果があった取り組みもある。伊丹市では、田んぼと農道を間仕切るあぜ板と、ネットを組み合わせた道具の活用を提案する。ごみ袋を外に引っ張り出すのが難しい構造となり、地面とネットの隙間も小さい。効果てきめんで、今では約1700のステーションが導入。市から無償で借りられるのも利点だ。市民はどう考えているのだろうか。西宮市の東町2丁目自治会は、かつてカラスの被害に頭を悩ませていたが、現在は減少傾向にあるという。会長の酒井教雄さん(77)は「自治会として特別な対策はしていない」ときっぱり。被害の相談に来るステーションの管理者には、ネットの端をごみ袋の下に潜りこませるのを徹底させる▽ネットに穴が空けば、こまめに補修する-といった助言をするぐらい。「特効薬はない。みんなが地道にルールを守り続けることでしか被害は減らない」。重い言葉だ。カラスは肉類や油物、甘い物などのカロリーが高い物が好き。普段は木の実や昆虫、小動物を食べるが、人間が出す残飯はごちそう。ごみを荒らすのは全国的な問題だ。視力は人間よりもはるかに良いが、嗅覚は弱く、臭いで餌を探すことはない。辛み成分の入ったネットがごみ袋に掛かっていても、カラスは網を交わしてごみをつつくし、臭いで避けることもない。タカを飛ばすのも効果は一瞬だけでは。タカが来ると逃げるというより、大騒ぎして挑んでいく。タカにかなわないことは分かっているので、攻撃はしないが、しばらくは興奮状態になり、餌どころではなくなり、ごみ袋からは離れていく。でも「タカがいるからあそこはやめよう」とはならず、また戻ってくる。東京で言えば、タカの繁殖地である明治神宮と、カラスのねぐらがある代々木公園は隣接している。ごみ被害の対策は、カラスに触らせないこと。長さ7~8センチのくちばしが届かないようにする。ごみにバケツや目の細かいネットをかぶせるとか、フェンスを張って近づかせないようにするとか。地味だが、そういった方法でしか解決できない。
(獣害対策にIT活用:京都)
京都府綾部市睦寄町古屋でITを使った獣害対策プロジェクトが進行している。人の目が届かない森林を、センサーで24時間監視し、鳥獣の出没地点を予測して駆除につなげる試みだ。過疎高齢化の進む中山間地での効果的な対策として期待され、取り組むIT関係者や猟師、地元住民は、初秋に一定の成果を出したい考えだ。「ひづめが土に入ってるのが見える。子ジカかな」。6月下旬、古屋公民館から数十メートル離れたわなの近くで、猟師の林利栄子さん(29)が解説した。近くに備えたカメラの映像を公民館で確認すると、わなの中にある餌を狙うシカ3匹の姿が映っていた。プロジェクトは、シカ害に悩む古屋周辺のトチノキ林にセンサーを取り付け、パソコンでシカの行動をデータ化して把握。出没地点を予測して効果的な駆除を狙う試みだ。市内のIT関係者でつくるNPO法人「綾部ITワークス」や地元の古屋自治会などが行う。「民家近くまでシカが出ます」と自治会長の渡邉和重さん(65)はぼやく。古屋では菓子製造に使う特産のトチへのシカ害が悩みの種となっている。ボランティアらとシカ除け柵を毎年設置するが、800本近いすべての木には不可能で、多くが食害に遭っているのが現状という。取り組みは4月下旬から始め、小型パソコンをつないだ人感センサー20個を林に設置した。場所は、猟師の林さんや地元の渡邉さんらがトチノキ林をフィールドワークしたり、集落近くにわなを置き足跡を分析したりして決めた。今後は集まったデータを解析して獣道を特定する。ITプロデューサー洪裕智さん(40)は「現在の駆除は猟師の勘だけに頼っており、データを多くとれば効率的に対応できる」と意義を話す。センサーを利用した獣害対策では長野県塩尻市が成果を挙げている。農地で実証したところ、2011年には全体面積の85%が被害に遭っていたが、3年間でなくなったという報告がある。綾部では森林での対策で、センサーの無線通信距離や電源に課題もある。だが、システム作りを担当する舞鶴工業高等専門学校の技術職員古林達哉さん(27)は「必要な機器はより安く高性能化するはずで、もっと充実できる」と指摘する。
(漏電検出しロボで除草、防獣対策電気柵で活用:福島)
県ハイテクプラザは、イノシシなどの防獣対策として設置する電気柵の漏電検出通報装置と、電気柵周辺を除草する自走式ロボットを開発した。実証試験を経て実用化を目指す。同施設が4日、郡山市で開いた研究成果発表会で示した。同施設によると、伸びた雑草が電気柵に接触して漏電する場合がある。漏電を確認した際は、メールでパソコンや携帯電話に通知し、ロボットで周辺を除草する仕組みで、農作物への被害防止につなげる。県内では、原発事故の避難区域を中心にイノシシなどによる被害が深刻化している。技術開発部プロジェクト研究科の三浦勝吏研究員は「早期の実用化を目指して、農家のために役立てたい」と話した。研究員7人が研究成果を発表し、産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所の古谷博秀氏が「水素エネルギー利用の実現に向けた技術開発」の題で特別講演した。

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8/4
(奈良のシカ捕獲中止を要望:奈良)
自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)は3日、奈良県庁で記者会見し、奈良県が農林業被害対策として一部の地域で始めた国の天然記念物「奈良のシカ」の捕獲について「祖先が徹底して守ってきたシカとの共存の文化を壊さないで」と訴えた。1日に捕獲中止を求める要望書を同県に提出した。奈良県は7月31日、農作物の被害が多い奈良市東部に6基のおりを設置。本年度は120頭を上限として捕獲を始めた。知事宛ての要望書で協会は、捕獲よりも、シカの侵入を防ぐ柵の設置が被害防止に効果的だと主張している。奈良のシカは「神鹿」として大切にされ、昭和32年に合併前の旧奈良市内に生息する全てのシカが天然記念物に指定された。捕獲するのは指定後初めてで、観光名所の奈良公園周辺は対象地域になっていない。
(銃刀法違反容疑で男を逮捕:新潟)
けん銃や準空気銃を不法に所持していたとして、警察は胎内市に住む男を逮捕した。銃刀法違反の疑いで逮捕されたのは、胎内市表町の建具店勤務・小野俊彦容疑者(58)だ。小野容疑者は、自宅にけん銃1丁と準空気銃2丁を所持していた疑いがもたれている。警察によると、準空気銃は人を傷つけるおそれがあるという。また、警察は、胎内市に住む40歳代の男を、準空気銃6丁を所持した疑いで書類送検している。男が所持していた準空気銃の一部は、小野容疑者から入手したとみられている。2人は容疑を認めていて、警察が入手先などを調べている。
(クマが国道横切る:秋田)
2日午前10時40分ごろ、秋田市金足下刈字北野の国道7号にクマがいるのを、車で通り掛かった60代男性が見つけ、110番した。秋田臨港署によると、クマは体長約1メートルで、国道を横切り、西側の林に入っていったという。現場は金足西小学校から南西約500メートル。付近には民家が点在しており、同署や地元猟友会が警戒に当たった。同校周辺では先月19日にクマが2度目撃されている。同校は保護者に注意喚起のメールを配信し、プールやスポーツ少年団の活動で学校を訪れる際の送迎を呼び掛けた。
(熊の目撃情報:宮城)
4日8時23分頃、登米市迫町新田字山守屋敷付近で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(クマ出没、4時間近く堂々居座る:滋賀)
三日午後零時五十五分ごろ、長浜市大依町のごみ処理施設「クリーンプラント」隣の山裾で、体長約八十センチのクマが草むらにいるのを職員が見つけた。その後、クマは四時間近く現場に居座った。クマは、高さ約二十メートルの木のてっぺんでじっとしたり、別の木によじ登って木の実を食べたりした=写真。長浜署員や市職員が爆竹やクマ撃退用のスプレーを準備して十数メートルの距離から警戒したが、怖がる様子もなく居座り続けた。午後四時四十五分ごろ、クマは木から降り市職員が爆竹を鳴らして追い払った。山の奥のほうに入っていったが、すぐに近くの別の木によじのぼって姿が見えなくなった。発見した職員の嘉数末広さん(52)は「黒い物が、がさがさ動いていたので、確認したらクマでびっくりした。職場に近くて怖い」と話した。現場は中山間地に近く、最寄りの住宅まで約五十メートル。周辺では、先月二十七日からこの日までに計五件のクマの目撃情報が寄せられている。署は、同じ個体の可能性もあるとみて注意を呼び掛けている。
(クマの生息調べる自動カメラ設置:秋田)
県と県立大学は3日、北秋田市森吉の市有林山中に、センサーで自動撮影が可能なクマ生息調査用「カメラトラップ」を設置した。県内各地で昨年来、クマに襲われて人が死傷する例が相次いでいることを受け、撮影データを新たな生息数推定に使用し、クマの保護管理計画にも役立てる。今月中旬までに115か所に設置し、観測を開始する予定だ。カメラトラップは2本の立ち木にロープを渡し、クマが好むにおいを発する誘引剤をつり下げる。クマが近づくと撮影が自動で始まり、立ち上がった際の「月の輪形」の胸の斑紋で、個体の識別が可能になる。複数のトラップを集計することで、エリア内の個体数や移動範囲の推定などが可能になるという。調査は、10月上旬に中間報告を予定し、狩猟期間中の適正な捕獲数設定などの参考にする。県立大の星崎和彦准教授は「目視調査の見落としなどの限界をカバーし、より正確な生息調査ができる」とメリットを説明した。
(ドローンでカワウ撃退、空気銃も効果:群馬)
ヤマメやアユの人気釣り場である群馬県桐生市の渡良瀬川で、カワウの食害に頭を悩ませる両毛漁協が4月から6月にかけ、川の上にドローンを飛ばし、ぶら下げたスピーカーから爆音を響かせ、カワウを追い払った。駆除対策には他に空気銃を使う方法など現場では試行錯誤が続く。同漁協組合長の中島淳志さん(45)は「カワウは大食漢で1羽が1日に500グラムの魚を食べる」と言い、川岸の木々にカワウが1カ所で500~600羽の巨大コロニーをつくり、放流された稚魚を捕食するという。500グラムはヤマメの稚魚200匹分にも及ぶ。中島さんは「ドローンで追い払う効果は確認できたが、相手は生き物。制限がある中、いろいろなことをやり続けないといけない」と話す。音でカワウを追い払うというのは、中央水産研究所内水面研究センター(栃木県日光市)の研究員、坪井潤一さん(38)のアイデア。「ドローンでカワウの生息地にロケット花火を落とすことを考えたが、法規制で火薬を使えず、爆音を使ってみた」と話す。これは一定の効果を上げたが、カワウは逃げても、「学習効果で危害が及ばないことが分かると戻ってくる」(坪井さん)。このため、同センターでは、カワウの巣にドローンでドライアイスを落とし、卵を孵化(ふか)させなくする作戦も実施。「甲府市内で行ったが、7月にかえった卵がなかったことを確認した」という。県内では、空気銃を使ってカワウを駆除する「シャープシューティング」を昨年から各地で実施。県によると、28年度は前年度の297羽の3倍超、1034羽を駆除し、効果をあげた。坪井さんは「駆除には適材適所がある。空気銃とドローンの活用など複数の手段が効果をあげるだろう」と話している。
(イノシシの生息域が拡大中、わなの設置研修会:岩手)
岩手県内に生息範囲を広げつつある、イノシシの被害を防ごうと3日、一関市で「わな」の設置についての研修会が開かれました。研修会は県自然保護課が開いたもので、地元の農家や猟友会、それに自治体の職員など、合わせておよそ120人が参加しました。講師は東北野生動物保護管理センターの浅井隆之さんが務め、イノシシの捕獲方法について、「わなの中をえさ場だと思わせ、一度に多くの個体を効率的に捕まえる」といったアドバイスをしました。これまでイノシシの生息域は、宮城県が北限とされていましたが、最近は県内でも目撃や農業被害が相次いでいます。昨年度のイノシシによる農業被害は、県が把握しているだけでも600万円余りに上っています。「28年度の捕獲数が、27年度に比べますと2倍程度になっていますので、やっぱりそういう生息数とか個体数は、増えてきてるんではないかなと考えております。イノシシっていうのは毎年、子どもを生む数も多いですから、個体数とか生息域が急激に広がらないうちにですね、的確に対策を講じていきたいと思います」講義のあとには実際に、檻の形のわなを使った研修も行われ、使用するエサの種類や、わなの耐久性について質問が出されていました。参加者の中には既に、イノシシの被害に悩まされている、一関市の農家の男性もいました。「いっぱい増えてますよ。朝起きて田んぼの見回り行くとね、だーっと走ってくやつもあるんですよ。ほんと見かけます、最近は。田んぼ、休耕田とかもああいうのもみんな掘っちゃって、すごいです、大変です」県は今後も研修会を開いて、イノシシについての知識と対策を周知する予定です。
(クマ出没、目撃情報をマップに表示:山梨)
クマの出没が相次ぐ上野原市が目撃情報を地図に落とし込んだマップの公開をスタートさせた。地元の帝京科学大学などが開発したデータベースを利用したもので、積極的な活用を呼びかけている。上野原市がHPで公開をはじめたのはクマ目撃マップ「KUMAP」。KUMAPには帝京科学大学アニマルサイエンス学科の古瀬浩史教授らが開発した動植物の情報を地図上に落とし込むデータベースが利用されている。マップには現在、上野原市と東京都の奥多摩地区で去年と今年に目撃されたクマの情報が記されていて、場所や時間当時のクマの様子などが確認できる。古瀬教授らのデータベースは位置情報を登録すれば即座にマップに落とし込むことが可能で、市町村や都道府県などのエリアに関係なく利用できることが大きなメリット。古瀬教授は「ほかの自治体からも要望があれば協力していきたい」と話している。
(農作物の鳥獣被害深刻、紀南はサルとシカ:和歌山)
和歌山県内で野生鳥獣による農作物への被害が深刻化している。被害金額が近年、3億円前後の高いままになっているからだ。紀南地方ではとりわけ、サルとシカの被害が多く、農家らは対策に頭を抱えている。県農業環境・鳥獣害対策室がまとめた2016年度の被害状況によると、被害額は3億2824万円で15年度より1479万円(4%)少ないが、過去10年間だけで見ても3億円前後で推移し、あまり減らない状況が続いている。種類別では全体の半数ほど(51・6%)を占めたイノシシが1億6936万円で、15年度の48万円減。15・7%のシカは5165万円で15年度より295万円少なく、14・0%のサルも4582万円で15年度より402万円少なかったが、ほぼ横ばいの状態。地方別に見ると、紀南地方ではシカとサルの被害が目立っている。シカは有田以南で全体の約82%、サルは日高以南で約92%を占めた。中でも田辺市はシカもサルも県内で最多。とりわけサルは16年度の被害額が1592万円に上り、県内全体の約34%を占めた。過去5年間で見ても1400万円台~1600万円台の高い状態が続いている。市農業振興課によると、サルの被害に遭う農作物は約9割がかんきつなどの果樹で、ほとんどが旧田辺市の山間部で発生している。防護と捕獲の両面で対策を進めているが、防護は園地が広いことなどから難しい状況。捕獲はここ数年200匹を超えているが、市内で推定38といわれる群れの数は変わらないという。
(交通安全「シカよけの笛」ドライバーに配布:岩手)
ちょっと変わった交通安全の呼びかけ。ドライバーに配られたのは「シカよけの笛」。野生のシカとの衝突事故を防ごうというもの。大船渡市三陸町の国道45号線。市のPRキャラクター「おおふなトン」や「大船渡つばき娘」などがドライバーに配っているのは「シカよけの笛」。気仙地域は、運転中に野生のシカと出くわすことが少なくない。この笛は車のバンパーに装着して走ることでシカが不快に感じる特殊な音を発するというもので、インターネットなどで購入できるという。大船渡警察署の交通課長は、「ハンドルを切ると車が思わぬ方向に走ってしまうので、できるだけブレーキ操作で対応していただく、注意しながら速度を落として安全運転に努めてほしい」と呼びかけた。大船渡警察署管内ではことし3月、シカを避けようとして発生した交通事故で1人が死亡するなど、7月末までに28件のシカが原因と見られる事故が発生していて、警察で注意を呼びかけている。
(女性ハンター、処理場開設:北海道)
むかわ町の有害鳥獣駆除隊員で女性ハンター本川哲代(もとかわあきよ)さん(43)が昨秋、町春日に開設したエゾシカの食肉処理場「むかわのジビエ」が軌道に乗り始めた。ジビエ(野生鳥獣肉)料理人気の中、自ら地元で捕獲したシカ肉を道内外のレストランに流通。食用だけでなく、犬や猫などペットフード用の販売にも力を注ぎ、シカ肉の魅力をPRしている。道によると、東胆振・日高地方のシカ肉処理場は、むかわ町3カ所、白老、えりも両町が各2カ所、新ひだか、新冠、平取各町で各1カ所。札幌出身の本川さんは狩猟免許を取得し、2012年にむかわ町へ移住。有害鳥獣駆除隊員として駆除を続けるうちに「奪った命を無駄にしたくない」と考え、保健所の許可を受け、4年ほど前からシカ肉処理と販売に乗り出した。
(食害対策で駆除のシカ、財布や名刺入れに変身:栃木)
食害対策で駆除したニホンジカの皮を財布や名刺入れなどの革製品に加工する取り組みが、日光市で進んでいる。野生の命を価値ある資源として活用しようと地元有志が始動させた「日光MOMIJIKA(もみじか)プロジェクト」だ。環境省日光自然環境事務所にシカ対策専門官として二〇一五年三月まで勤務し、現在は民間事業者の立場で対策に携わる須藤幸喜(こうき)さん(34)。同年春、中心になって始めたプロジェクトの名前には、日光のシカやモミジ、人の調和を目指したいとの思いを込めた。樹皮や農作物を食べる野生のシカは有害鳥獣とされる。日光市によると、市内では一五年度に三千三百五十三頭、一六年度には四千三百十六頭が捕獲されており、食害防止は依然として大きな課題だ。従来、捕獲したシカは猟師らが食用にするなどしていた。しかし一一年の東京電力福島第一原発事故の後、放射性物質の影響で食用にできなくなり、駆除しても廃棄するだけになった。「資源として活用できないだろうか」と模索していた須藤さんは、東京都内の皮革工場を見学。シカ皮で製品を作ろうと決め、生産販売に乗り出した。シカは牛などに比べて皮の繊維が細かくて薄いのが特徴。猟師の間には「柔らかすぎて革製品には向かない」との声もあったが、しなやかな素材を生かしてバッグなどを作ると好評になった。捕獲したシカは傷つけないように運び、一頭ずつ手作業で皮を剥ぐ。なめした後はクラフト職人に渡して製品に仕上げ、須藤さんが道の駅などに持ち込み販売する。売り上げは職人に還元している。昨年からクラフト体験教室も開いており「楽しい」「手触りが良い」と参加者の反応は上々という。須藤さんは「製品を手に取ってくれた人に、食害や駆除を巡るシカと人間の問題を知ってもらいたい」と話している。

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8/2
(県猟友会不明金着服、弁済で和解:奈良)
県猟友会(中川徹会長)の約2900万円に上る使途不明金問題で、上田光彦前会長(今年5月に会長職のまま急逝)時代の平成19年~24年の間に、女性の元事務局長が同会名義の預金口座から252回にわたって現金を引き出し、合わせて1696万円を着服していたことが30日までに、元役員らの証言で分かった。同会は弁護士を通じて26年4月に元事務局長を奈良署に刑事告訴した。被害弁償を求め双方の弁護士らと交渉し、1425万円の弁済で示談が成立したため、昨年1月、元事務局長に対する刑事告訴を取り下げた。こうした一連の経緯は理事会および昨年の通常総会でも報告され承認されている。ところが急逝した上田会長の後を受けて新会長に就任した中川氏は「疑惑の解明をする」と、あえて問題視する姿勢を示した。これについて前副会長ら複数の元役員、会員の間から「故・上田前会長を貶(おとし)めようとする不自然なものだ」として、中川氏に対して疑問の声が高まっている。同会関係者らによると、元事務局長は同10年に採用。14年には事務局長となって預金などの会計管理を全面的に任されていた。
(クマにかまれ男性けが、放した直後:山形)
1日午前7時20分ごろ、山形県尾花沢市鶴子の御所の水公園近くで、地元猟友会の男性(68)がクマに右腕を複数回かまれて負傷した。命に別条はないという。おりにかかった2頭のうち1頭しか有害駆除の許可が出ていなかったため、放した1頭にその場で襲われた。尾花沢署などによると、市内でクマの目撃情報が相次いだため、4日前から駆除用のおりを公園付近の林に設置。1日朝、市職員と猟友会メンバーが確認すると、2頭のクマが約50メートル離れた別々のおりにかかっていた。だが駆除の許可は1頭分だけだったため、小さい雌のクマを放したところ、おりを開ける作業をしていた男性を襲った。その後、2頭とも射殺した。尾花沢市によると、駆除の許可は被害が確認されていない場合、1頭ずつしか出さないという。
(釣りの男性2人、熊に襲われ重傷:長野)
28日午前9時20分ごろ、松本市安曇の梓川近くで、川釣りに訪れていた茅野市米沢の自営業、伊東和明さん(68)と、同市豊平の無職、飯田荘象さん(76)が熊1頭に襲われた。2人は熊に頭や腕を噛まれるなどして重傷を負った。襲ったのは、体長約120センチほどの子熊とみられ、県警と地元猟友会などが警戒している。県内では、18日にも山ノ内町の山林で、渓流釣りに訪れていた男性が、熊1頭と遭遇し、顔や腕をかまれるなどの重傷を負った。県は、繁殖期で熊の行動範囲が広がる7~9月は目撃数が1年で最も多いとして、「音が出るものを携帯して警戒してほしい」と呼びかけている。
(熊に襲われ男性軽傷:山梨)
31日午後5時ごろ、笛吹市芦川町鶯宿の山林内の畑で、農作業中の男性(68)が、熊に正面から襲いかかられた。熊が振り下ろした前足が頭頂部に当たり軽いけが。熊はそのまま山中に逃げた。笛吹署によると、現場は芦川スポーツ広場の北方約200メートル。男性はイノシシ除けの補修をしていた。市が同署に通報。住民に防災無線で注意を呼びかけた。
(クマに襲われ42歳男性が軽傷:山梨)
28日午後3時25分ごろ、山梨県小菅村の狩場山(1376メートル)の登山道で、東京都小金井市の男性会社員(42)がクマに襲われ、左腕をかまれて軽傷を負った。上野原署によると、男性は1人で山を走るトレイルランニングをしていて、親子と思われる2頭のクマに遭遇した。このうち親と思われるクマが正面から男性に襲いかかり、腕をかんだ後、そのまま山中に逃げたという。男性は自力で下山し、小菅村役場に救助を求めた。
(男性がクマに襲われケガ:新潟)
先月31日の夕方、長岡市・旧栃尾市の集落で、男性がクマに襲われケガをした。命に別条はないという。警察によると、31日午後6時半ごろ、長岡市赤谷で、60歳代の男性が体長およそ1メートルのクマ1頭に襲われた。男性は顔や腕、背中などをひっかかれるケガをして病院に搬送されたが、命に別条はないという。田んぼは自宅から200メートルほど離れた山あいにあり、男性は自力で自宅に戻って警察に通報したという。長岡市栃尾地区ではことし、クマの目撃や足跡などの痕跡情報が57件もあるということで、警察などが注意を呼びかけている。
(クマと車衝突、クマ死ぬ:秋田)
31日午前8時ごろ、秋田市下北手黒川字新田の秋田自動車道下り線で、大仙市の30代女性の乗用車が道路に飛び出してきたクマと衝突した。車のバンパーなどが壊れ、クマは死んだ。女性にけがはなかった。
(民家の小屋にクマ、精米機引きずり出す:岩手)
30日夜、大槌町の民家で、物置小屋の壁や中にあった精米機が壊されているのが見つかりました。現場の状況からクマによる被害と見られています。被害があったのは、大槌町大槌の無職・佐々木徳一さん(83)の住宅の敷地にある物置小屋です。30日午後9時前、佐々木さんの妻が何かを壊すような物音を聞き息子に知らせて110番通報しました。息子と警察が物置を確認したところ、トタンの壁が縦60センチ横25センチほどの大きさで破られ、中にあった精米機が外に引きずり出されていました。けが人はいませんでした。破られたトタンの周りにはクマの毛や足跡があり、警察は現場の状況からクマが物置に侵入したと見て警戒を呼びかけています。現場は大槌町の中心部から10キロほど離れた、山に囲まれた民家が点在するところです。
(道の駅敷地内にクマ出没:岩手)
28日午前10時15分ごろ、遠野市綾織町新里にある道の駅「遠野風の丘」の敷地内で、クマ1頭が施設の裏側にある展望デッキ付近を歩いているのを利用客が目撃し、市に通報した。その後、警察や猟友会が出動し、見回りを行ったが、クマはみつからなかった。
(イノシシ出没:熊本)
熊本県警荒尾署によると、31日午後7時頃から荒尾市万田付近でイノシシ1頭が出没している。同日午後9時現在、捕獲されていない。同署は、イノシシを目撃した場合、驚いて大声を出したりせず、絶対に近づかず静かにその場から離れるよう注意している。
(農道で「クマ」目撃:福島)
29日午後4時30分ごろ、福島市大笹生の広域農道でクマを目撃したと、車で走行中の男性から福島署を通じ、福島北署に通報があった。けが人はいなかった。福島北署によると、クマは体長約1.5メートル。目撃現場は福島スカイパーク東側で、道路を西から東に横切り、山林に入っていったという。同署は注意を呼び掛けている。
(県立中央公園、29日に閉鎖を解除:秋田)
秋田県は28日、クマの出没を受け秋田市雄和の県立中央公園で閉鎖していた一部区域を、29日に開放することを発表した。同市金足の小泉潟公園でも同日から閉鎖区域を開放するが、28日にクマが目撃された男潟周辺(水辺保全ゾーン)を、新たに29日から閉鎖する。
(「奈良の鹿」一部地域で捕獲・殺処分へ:奈良)
奈良県は31日、国の天然記念物「奈良のシカ」による農作物の被害を減らすため、奈良市東部の農村部6か所にわなを設置したと発表した。11月14日までの間、120頭を上限に捕獲する。県奈良公園室によると、捕獲は、1957年に天然記念物に指定されて以来、初めて。被害状況や生息密度などを考慮し、今年度は田原地区3か所(上限70頭)、東里地区3か所(同50頭)で実施。県の委託を受けた県猟友会の会員らが幅約1メートル、奥行き約2メートル、高さ約1・2メートルの箱わなを仕掛けた。捕獲したシカは、年齢や、何を食べているかなどを調べ、今後の対策に生かす。奈良公園一帯には約1200頭のシカが生息し、春日大社の「神鹿」として保護されている。現地は東へ5キロほど離れており、公園のシカが紛れ込む可能性は低いという。同市には奈良公園外にも数千頭が生息していると推定されているが、これまでは旧月ヶ瀬村、都祁村を除く市全域で捕獲できず、農業被害が深刻化していた。県は市域を4エリアに分け、奈良公園から離れた地域のシカを保護対象外とする管理計画を策定。5月に文化庁から文化財保護法の例外とする「現状変更」の許可を受けた。来年以降は改めて検討する。
(ヒグマ目撃、昨年度比2倍19件:北海道)
池田町内でヒグマの目撃などが増加している。町産業振興課によると4月から7月末までの足跡や個体目撃が計19件と、昨年度の計9件を大きく上回る。個体目撃やクマの痕跡が例年に比べて高島や池田の市街地に近づいており、町は注意を呼びかけている。直近では7月30日午後5時25分ごろ、町高島市街地から1・5キロほどの牧草地でヒグマ2頭が歩いているのを地元のハンターの男性が目撃し、町役場に通報。いずれも子グマとみられ、ハンターが1頭を射殺したが、1頭は逃走した。同3日には西2の11の池田消防署近くの町有地で足跡やふんなどが確認され、このクマの足跡とみられる痕跡が池田家畜診療所(西1の10)の車両にも残っていた。
(エゾシカ駆除に地域差、自治区に猟友会管轄の壁:北海道)
北見市内で、ハンターがエゾシカなどの有害駆除に対応できないケースが出ている。道猟友会北見支部は市内4自治区ごとに部会を設けている。会員は所属部会の管轄エリア内でしか有害駆除を行えない決まりがあり、ハンターの減少や高齢化が著しい部会では、スムーズに駆除が進まないのが実情。駆除エリアの制限撤廃に向けた動きもあるが、一部農家の反対などで暗礁に乗り上げている。「3年前ぐらいからハンターを見なくなったな」。エゾシカに食い荒らされたビートを見つめ、北見市留辺蘂町の60代男性農家が嘆いた。6月下旬、ビート畑と白花豆畑で食害を受けたため、知人を通じてハンターに駆除を頼んだが、来てもらえなかったという。市によると、2016年度のエゾシカによる農業被害額は前年度比1230万円増の6210万円。昨夏の大雨でシカの侵入防止柵周辺の土砂が流れて「抜け道」ができた影響もあったというが、被害額増加は5年ぶり。同町瑞穂地区の長瀬順一自治区長(68)は「多くの農家から、ハンターが来なくて困っているという話を聞く」と話す。
(ニホンジカ生息数調査にドローン:福井)
福井県猟友会は、獣害対策に小型無人機ドローンの導入を検討している。今秋にも、ニホンジカやイノシシの生息数調査に活用したい考え。29、30の両日、福井市内で会員向けの研修会を初めて開き、実際に操縦して有効性を確認した。大型獣による農作物や樹木の被害は年々増加し、県猟友会が昨年度捕獲した頭数は、ニホンジカが約8300頭、イノシシが約9500頭に上る。特に嶺北のニホンジカの生息数が2011年の約1万頭から、15年には約2万7千頭に増加しており、県環境審議会は本年度から、嶺北での年間捕獲目標数をこれまでの3倍の4800頭以上に引き上げた。ドローンの効果が期待されるのは生息数調査。現状ではふんの数を調べる「糞塊(ふんかい)密度調査」のデータなどを基に生息数を推計しているが、ドローンを使って直接、個体を撮影することで、より実数に近いデータを得られる。昨年度は岩手、島根両県の猟友会が導入。本年度は福井を含め10府県が活用する予定という。研修は、大日本猟友会の委託を受けたインストラクターが指導に当たった。29日はドローンの操作法や使用に関する法律上の制限などを学習。30日は福井市の賀茂神社駐車場で実地研修を行い、3台のドローンを使って参加した会員12人全員が実際に操縦を体験した。上空30メートル付近まで上昇させて前後左右に動かすなど操作性を確認した。鳥獣害対策を担当する県や5市町の職員7人も参加。「操作できる人がたくさんいれば、鳥獣害対策に使うのは有効だと感じた」と話していた。県猟友会は今後、県外での講習に参加するなどして会員の習熟度を高め、今年秋から冬にかけて生息調査への導入を目指す。将来的には、10~20人のハンターで行うシカのグループ狩りで追跡に使ったり、捕獲が難しいサルをドローンの羽根の旋回音で山奥へ追い払うことも検討している。県猟友会の会員数は減少傾向にあり、事務局長の松田和博さん(61)は「ドローンを使うことで、若い世代や女性にも猟友会の活動に関心を持ってもらい、会員増にもつなげられれば」と話していた。
(イノシシ防ぐ電気柵、設置申請が急増:栃木)
大田原市内で農地などへのイノシシの侵入を防ぐ電気柵を中心とする防護柵の設置補助申請が本年度、急増している。農業被害の増加を背景に、住民自ら被害防止策を講じようとする意識が浸透してきたことや、従来のバッテリー式より手間が省けるソーラー式装置の普及などが要因とみられる。市は補助の増加に対応するため、9月定例市議会に事業費210万円の補正予算を提案する予定だ。イノシシによる農業被害が顕著な黒羽地区の個人を対象とする市の防護柵設置補助制度は2005年度から始まり、申請は10件前後で推移してきた。上限20万円、費用の3分の2まで補助率を引き上げた13年度以降も同様の件数だったが、15年度30件、16年度33件と近年は増加傾向となり、両年度とも補助額は約170万円となった。本年度は7月中旬で既に29件、約200万円に達している。コメの収穫期となる9月ごろまで申請が続くとみられる。市は補助金として230万円の本年度予算を確保しているが、不足することを見越して補正予算を組むことにした。
(吉野ケ里町、交流施設「当面は町営」:佐賀)
吉野ケ里町は、中山間地域の活性化を目指して新設する「ふれあい交流施設」の概要を公表した。農林産物の加工ができる施設で多良正裕町長は当面は町営で運営する方針を表明。併設するイノシシ処理場は隣の神埼市を含む広域で利用し、駆除活動や食肉生産の拠点にする。五ケ山ダムの振興事業で本年度中に整備する。ダム利水者の福岡県側が負担し、町が積み立ててきた基金を財源に松隈地区に建設する。既に造成が始まり約10ヘクタールを整備する。総事業費は約3億5千万円で、うち6千万円を国の農山漁村振興交付金から充てた。イノシシ処理場は木造平屋132平方メートル。神埼隊、脊振隊、吉野ケ里隊でつくる神埼地区駆除隊(42人)がイノシシの駆除・食肉処理にあたる。同地区では年間500~700頭を駆除しており、町農林課は「100頭の出荷を目標に販売面でバックアップし、特産化につなげたい」とする。維持費は人件費を除き年間約120万円と試算。同駆除隊、神埼市、吉野ケ里町で運営・管理体制を構築する。
(クマに注意を、県が呼び掛け:和歌山)
和歌山県内で本年度のツキノワグマの捕獲数は、7月31日現在で田辺市龍神村を含めて計3件あり、昨年度の捕獲数を上回った。県自然環境室は、秋にかけて里に出没する可能性が高いとして注意を呼び掛けている。 ツキノワグマは和歌山、奈良、三重の各県にまたがる深山に生息しており、龍神村も分布域に入る。自然環境室によると、ツキノワグマは、紀伊半島の地域個体群として絶滅の恐れがあるため、県のレッドデータブックで絶滅危惧1類に分類され、狩猟も禁止している。
(駒ケ根高原サル頻出、市民対策講習会:長野)
駒ケ根市の駒ケ根高原で、ニホンザルの出没が頻発している。観光地のため人に接する機会が多く、「人なれ」が進んでいるのが特徴だ。市有害鳥獣駆除対策協議会は、これ以上人なれが進むと人への被害に及ぶ可能性が高まると警戒。パトロールや捕獲など対応の強化を図るとともに、8月3日には市民を対象に講習会を開き、地域ぐるみの対策に乗り出したい考えだ。協議会によると、出没は1年中で、イチゴやカボチャ、ネギなどの被害が報告されている。サルが目撃されているのは光前寺や駒ケ根ファームス、駒ケ根キャンプセンターなどがある範囲。最近は観光施設に入り込むこともあるといい、サルに近寄らない、餌を与えないなどの注意を呼び掛ける看板があちらこちらに立てられている。少なくとも、中央アルプス山麓からと太田切川対岸の宮田村側から複数の群れが入り込んでいるとみられる。中ア山麓の古城公園近くに大型捕獲おりを設置し、一昨年度は約20頭、昨年度は約5頭を捕獲したが、出没頻度が減る様子はないという。近年では人が近くにいても逃げなかったり、農作物を食べる手を止めないなど人なれが進み、花火や爆音などの威嚇の効果も低下している。協議会は環境省の定める加害レベルが5段階のうち4程度まで上がっていると推測。「これ以上は看過できない」とし、朝夕にパトロールを行ったり、サルに直接痛みを与えるモデルガンを試験的に導入するなど、対策の強化を図っている。講習会は8月3日午後7時から、同市北割一区の駒ケ根キャンプセンターで開催。上伊那地方野生鳥獣対策チームや民間企業の専門家らがサルの生態や対策について説明するほか、市も行政の取り組みや対策について話す。協議会は、講習会を通じて地域ぐるみでの対策につなげたいほか、人なれが進み加害レベルが高くなったサルは捕獲も必要になることから、地域の協力に向け理解を得る狙いもある。
(狩りガールの活躍:佐賀)
有田町の九州陶磁文化館近くの森の中。仕掛けた「箱わな」にウリ坊(イノシシの子)が入っていた。「ここでかかったのは久しぶり」と、同町に暮らす池田直子さん(65)の声が弾んだ◆県猟友会有田支部では唯一の女性会員。農林業に有害なイノシシなど野生鳥獣を駆除するハンターが高齢化で減る中、狩猟免許を持つ女性、いわゆる「狩りガール」が活躍している。池田さんもその一人。会社を定年退職し、一昨年8月にわな猟の免許を取った◆収穫を目前にした稲がイノシシに食い荒らされた惨状を見て、いても立ってもいられなかった。「せっかく穂が出たのに全滅。実家が農家だからかなぁ。うわーっと思ってね。なら私が捕ろうと」。それからイノシシだけで200頭を捕獲した。支部で2番手の好成績だ◆佐賀県内の野生鳥獣による農作物被害は1億7500万円と多額に上っているが、狩猟免許を持つ人は減る一方。県猟友会によると県内では千人強で、35年前の3分の1と激減しているのに、女性は約20人と増加傾向。全国も同じで、男女の垣根が低くなり、池田さんのように駆除に貢献したい人が出てきた◆動物好きな池田さんは命の大切さは分かっている。「かわいそうとは思うけど、畑を荒らすなら仕留めるのも仕方ない」。共存できる日が来るまで続けるつもりだ。
(社会貢献、安全な狩猟心がけを:愛知)
新城市猟友会(佐藤勝彦会長、会員50人)の総会が28日、新城観光ホテルで開催された。会に先立ち、これまで捕獲した鳥獣の霊を慰めるため、桜淵公園内の鳥獣慰霊碑で慰霊祭も行われた。
(命つなぐ滋味、牡鹿半島のシカ肉:宮城)
三陸海岸南部の牡鹿(おしか)半島(宮城県石巻市)。リアス海岸が育むカキ、ホヤなど海の幸で有名だが、ここをシカ肉の特産地に、とのシャレのようなまじめな計画が進んでいる。「これは体格がいい。八〇キロはあるな」。今月中旬、半島中部に新設された食肉処理施設に捕獲された若い雄シカが運ばれた。ハンターの小野寺望(のぞむ)さん(49)と中野可菜さん(30)が日焼け顔をほころばせる。冬場の狩猟期でない現在は市の「有害捕獲」許可による狩猟。小野寺さんのチームは一日平均二十頭を仕留め、年格好がいい一~二頭を精肉にしている。牡鹿は伊達藩が狩り場としたほど野生動物が多く、近年は保護政策や温暖化で特にシカが繁殖。「今や人より数が多い」(小野寺さん)といい、放っておけば苗木などが食べられて一帯ははげ山になる。捕獲はこれを防ぐ目的。肉の販売には衛生管理の上、保健所の許可が必要で、ハンターが内輪で食べるだけで捨てていた。そんな中、小野寺さんが「こんなうまいものをもったいない」と地元料理人に振る舞ってきたところ「ジビエ人気の今、特産に」との声が高まった。折しも今月から石巻市では、音楽家で環境活動家の小林武史さん(58)らが震災復興の狙いを込め一流の芸術、音楽、食を集めた「リボーンアート・フェスティバル」を開催中。手始めにまずフェス会場でシカ肉料理を提供することにし、処理施設の建設と保健所の許可にこぎつけた。フェスの料理監修、目黒浩敬(ひろたか)シェフ(39)にローストを試食させてもらう。「これがシカ?」。全くクセがなく、赤身はかむほどに甘みを醸す。「海を育む山の恵みで育ったから同じように滋味豊か」と目黒さん。一つの命をいただくことで海山が守られ、次の命につながる-。そんないとおしい味わいがじわり舌に広がった。
(ジビエ特産化、キノコと共に:鳥取)
シカやイノシシなどの野生鳥獣肉(ジビエ)の特産化に取り組む若桜町は、ジビエ料理に合うとされるキノコ「ハタケシメジ」の栽培実証試験を7月から町有林で始めた。日本きのこセンター(鳥取市)から菌床の提供を受け、助言を得ながら進める。県もジビエのブランド化に積極的で、肉の加工品だけでなく、料理を通じたジビエのPR効果も期待でき、関係者は「キノコと組み合わせ、ジビエの特産化をいっそう進めたい」としている。ハタケシメジは、シメジ属の食用キノコ。同センターが2006年に栽培方法を確立した。シャキシャキした歯ごたえが特徴で、タンパク質を分解する酵素「プロテアーゼ」の一種が含まれ、肉を軟らかくする効果があるため、硬いジビエでも一緒に調理するとおいしく食べることができるという。町は、農作物に被害を及ぼす野生のシカやイノシシを捕獲、駆除した後、肉を資源として活用しようと、ジビエの特産化を進めている。12年には、獣肉解体処理施設「わかさ29にく工房」を整備し、ソーセージ、薫製肉などの加工品を東京都内の飲食店や町内の道の駅に出荷するなどしてきた。このたび、新たな売り出し方を探ろうと、同センターに協力を打診し、センター側も「ハタケシメジを広く知ってもらうきっかけになる」と応じた。町は7月から、センターから提供を受けたハタケシメジの菌床ブロック約30個を使い、町有林の土壌で試験栽培を始めた。センターが技術指導を担当。植え付けると、早ければ9月には収穫できるという。町は、来年以降も、菌床を新たに準備して栽培を続ける方針。安定生産のめどがつけば、ジビエとハタケシメジを使った料理のメニューを町内の飲食店や道の駅と協力して考案するなどし、新たな特産品としてPRしていく予定だ。小林昌司町長は「ジビエを特産化する動きが全国に広がる中、若桜の独自性が出せる」と期待。同センター菌蕈きんじん研究所の長谷部公三郎所長は「若桜町を起点に、ハタケシメジの活用を各地で進めたい」としている。
(ニガリでヤマビル退治:栃木)
山の中で働く林業従事者や登山者に取り付き、吸血するやっかいなヤマビルの被害が全国的に拡大する中、佐野市の公務員、中里司さん(66)がヤマビル退治用の新たな凝固剤を発明し、特許出願した。ニガリなど人体に影響のない溶液を使い、ヤマビルを凝固させて死滅させる。既に商品化し、8月からホームセンターなどで発売予定。ヤマビルは陸上に住む吸血性のヒルで、体長3センチ前後。山間部の沢筋などに生息し、人や野生動物に取り付いて吸血する。ニホンジカ、イノシシなどの生息域拡大に伴い被害が増え、林業従事者らの悩みの種になっている。ヤマビル凝固剤開発の発端は昨年夏、都内の商談会で、長男・延弘(のぶひろ)さん(42)が代表を務める農業、農産物加工業「佐野大黒屋」が出展した際、千葉県の製塩業者から「ニガリの利用を考えてもらえませんか」と相談を持ちかけられた。中里さんは県南環境森林事務所に勤務する県職員だが、「煮豆調理用の乾燥大豆の生成方法」など特許3件を持つ発明家でもある。業者の要請に熟慮していたところ、佐野市内もヤマビル被害が続出していることを知り、「ニガリをヤマビル退治に使えないか」と思い付いた。早速、自宅でヒルの一種を採集し、ニガリを付けてみると、ヒルはもだえ死んだ。ニガリの凝固作用だった。「これでいける」と確信し、ニガリの濃度や保湿作用のあるグリセリンを混合するなど試行錯誤を重ねた。実験用のヤマビルを採集するため地元の山に入り、吸血される苦労もあった。7月上旬、特許庁に特許出願する一方、千葉県の水産会社に商品製造を依頼。業務用「ツカサダウンヒル」(500ミリリットル、税別3600円)をはじめ家庭用など計3種類を商品化した。山地などヤマビルの生息域に入る前に衣服や靴などにスプレーで噴霧して使用する。ヒルが塗布面に接触すると死滅する効果があるという。中里さんは「林業や農業従事者、ゴルフ場の従業員ら多くの人が、ヤマビルの恐怖から解放されれば」と話している。

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