<射撃ニュース8月>

8/31
(イノシシと衝突、乗用車が炎上:富山)
29日夜、氷見市の能越自動車道で乗用車とイノシシが衝突する事故がありました。車は大破して炎上し、運転していた男性が軽いけがをしました。男性は「何かわからない物体にぶつかり、ものすごい衝撃を受けた」と話しています。前方部分が大破し、見るも無残に焼け焦げた、この車。その原因はなんと、イノシシでした。29日午後10時20分ごろ、氷見市の能越道下り線で乗用車がイノシシと衝突しました。車は、はずみで対向車線側ののり面に乗り上げ、車両の前方部分から出火し、全焼しました。車を運転していたのは、石川県七尾市で働く21歳の男性で左腕を打つなどの軽いけがをしました。この事故で能越道は、上下線が1時間40分にわたって通行止めとなりました。男性は、氷見市の実家に帰る途中で、「何かわからない物体にぶつかった。ものすごい衝撃だった」と話しています。事故があったのは氷見市の宇波(うなみ)地区で県警高速隊によりますと、29日は現場周辺で他にもイノシシと車が接触する事故があったということです。また、事故現場に近いこちらの田んぼでは頻繁にイノシシが出没し、稲が踏み倒されるなど農作物の被害が相次いでいるということです。氷見市によりますとイノシシは秋にかけて出没のピークを迎えるということで、山間部や見通しの悪い道路では速度を落として運転するよう注意を呼びかけています。
(同じカボチャ畑にクマ、何度も出没:北海道)
留萌市留萌村の農業東太彦さん(81)のカボチャ畑にクマが頻繁に出没している。24、29日に続き30日早朝にも現れ、栽培中のカボチャを食べていた。留萌署などが付近住民に注意を呼び掛けている。市や同署によると、クマはいずれも午前5時~同9時10分の間に東さんの自宅裏の畑で、東さんや付近住民に目撃された。四つんばいになるなどしてカボチャを食べていたという。体長は2~3メートルで、同署は同一のクマとみている。東さんは「3日で、10個以上が食べられてしまった。今までこんなことはなかった」と驚いた様子。現場近くで農作業をしていた女性(63)は「最近、クマがたびたび出没すると聞いている。大変怖い。周りに注意しながら作業しなければ」と話した。
(住宅街にクマ、警戒続く:北海道)
28日北見市内の住宅街でクマが目撃されましたが、付近の小学校ではけさも教員らが登校を見守るなど警戒が続いています。クマが目撃された付近の北見市立南小学校では、けさも児童が学校の職員や保護者らに見守られながら登校しました。おととい、北見市南町1丁目7番地付近の道路で、近くに住む男性が体長およそ1メートルのクマ1頭を目撃。道路にはクマのフンや足跡も見つかっています。(北見市立南小学校・清水明校長)「当面の間は登下校の様子を見守っていきたい」北見市によりますと、けさになっておとといクマが目撃された場所からおよそ500メートル離れた公園でもクマの足跡が発見されたということです。警察も登下校時間を中心にパトロールを強化しています。
(小学生が下校中に「クマ目撃」:福島)
29日午後4時50分ごろ、福島市庄野字茶畑前を下校中の小学5、6年男児2人組が、水田のあぜ道を歩くクマ1頭を目撃したとして、学校を通じて福島署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートル。あぜ道を南側に逃げ去った。同署が近隣住民に注意を呼び掛けた。福島市教委は、周辺の学校を通じて児童らにクマへの注意を呼び掛けた。また、市などは30日に通学路などでパトロールを行う。
(クマ出没警報、10月末まで延長:秋田)
秋田県は29日、8月末までの期間で発令していたツキノワグマ出没警報を10月末まで延長すると発表した。6月以降、目撃情報が昨年を上回る状況が続いているため。延長は5月27日の発令から2度目。県自然保護課によると、8月の目撃件数は28日現在で207件に上り、過去5年で最多だった昨年8月を59件上回った。同課は、7月までに親離れした子グマが餌の豊富な里山やその周辺にとどまり、目撃件数の増加につながっているとみている。
(クマ対策会議、出没時の対応など情報共有:兵庫)
秋に活発になるツキノワグマの対策を話し合う会議が29日、兵庫県丹波市柏原町柏原の丹波県民局で開かれた。丹波、篠山両市の猟師や関係者23人が集まり、クマの生態や住民への注意喚起、人への被害が心配される場合に有害獣として捕獲することなどを確認し合った。丹波地域の住民に注意を呼び掛けようと丹波農林振興事務所が企画。近年、県の中南部でも出没が増えており、両市でも昨年度急増。本年度も7月末時点で32件と、昨年度同時期と比べて倍近い目撃情報が寄せられている。会議では、同事務所担当者らが有害獣としてのクマの捕獲は県の許可が必要で、両市の一部地域で既に仕掛けられているわなの設置状況を報告。今後も目撃情報が多い場所などを中心に、積極的に許可を出していく方針を説明した。また、県森林動物研究センターの職員が出没時の対応や県内の生息動向などを解説し、好物のカキの実を早期に取り除くなど、人里に近づけないための予防の徹底を呼び掛けた。同事務所によると、県内のツキノワグマは推定940頭(2015年度)。基準とされる800頭を超えたことから、昨年20年ぶりにクマ猟が解禁され「保護」から「管理」へかじが切られた。今年もクマ猟は継続される予定。
(飛騨市が9月補正予算案:岐阜)
飛騨市は、9月補正予算案として一般会計に4億6568万円を追加した。、飛騨猟友会の新射撃場整備に対し1500万円を補助する。
(尾瀬ビジョン改定:群馬)
尾瀬国立公園の保護と適正利用、管理運営の基本方針などを定めた「尾瀬ビジョン」が2018年にも改定されることが分かった。尾瀬保護財団が準備作業を進め、外国人客の増加や携帯電話利用の拡大、シカ食害の深刻化など、策定された06年以降の変化を踏まえ、対策と今後の方向性を盛り込む。片品村で30日に開幕した「尾瀬サミット」では群馬、福島、新潟の3県知事らの会合が31日に予定され、新たなビジョンにトップの意見が反映される方向だ。
(知ってほしい、高山のシカ食害:山梨)
シカによる食害が南アルプスなどの高山帯でも深刻化している。この現状を多くの人に知ってもらおうと県森林総合研究所が南アルプスにおける食害の現状をまとめた冊子を作った。冊子は南アルプスや富士山でシカの食害を長年研究している県森林総合研究所の長池卓男主幹研究員らが作成した。冊子には標高3千mの稜線までシカが現れ希少な高山植物が食べられている現状や、地表の植生がシカに食べ尽くされ岩がむき出しになった花畑の様子が写真やグラフで紹介されている。これまでの調査で広河原を拠点に南アルプスに登った登山者の6割がシカの食害を知らないと答えたことから「山を楽しむ人こそ問題を共有してほしい」としている。長池研究員は昨年シカの個体数管理で先進的な取り組みを行うアメリカ、ペンシルベニア州で研修に参加し抜本的な対策には「行政や研究者だけでなく民間の協力も必要」という。冊子は北岳周辺の山小屋のほか県のホームページで閲覧することができる。
(獣肉処理施設建設へ、ジビエ食材として出荷目指す:福岡)
豊前市は29日、今年度内にイノシシやシカといった有害鳥獣の獣肉処理施設を市内の市有地に建設する、と発表した。市によると、関東方面でジビエ料理の関心が高いといい、処理した食肉は、こうした料理の食材として出荷を目指す。施設が完成すれば、京築地域ではみやこ町についで2施設目。稼働は来年夏ごろを見込む。
(獣肉活用、うまい技:香川)
県は、捕獲数が年々増えているイノシシとシカの解体処理方法や、肉を使った料理のレシピをまとめた冊子を作った。県内では、獣肉を食べる習慣があまりなく、捕獲しても土に埋めて処分することが多いという。捕ったイノシシとシカの活用を促すのが狙いで、冊子を作成した県みどり保全課は「適切に処理すれば、おいしく食べられることを知ってもらい、狩猟の動機付けになれば」としている。農地を荒らしたり、市街地で暴れて人にけがをさせたり、近年、イノシシの被害が目立つ。県内の市町では2001年度から、1頭の捕獲につき1万円程度の奨励金を支給する制度を設けてきた。その結果、年間捕獲数は00年度の1081頭から16年度は1万2118頭と大幅に増えた。しかし同課によると、捕獲したイノシシの多くは、肉や革などに加工されることなく、土に埋められて処分されているという。シカの捕獲数も年々増加。ほとんどが小豆島内での捕獲だが、00年度は70頭だったのが、16年度は1527頭に。その肉は、イノシシ同様、多くは利用されていないという。このため、県は「イノシシ・ニホンジカ解体技術プログラム」(A4判、23ページ)と「かがわ里山の恵みレシピ集」(A4判、8ページ)を作成。プログラムでは捕獲や血抜きなどの方法を写真つきで紹介し、処理する際は「食用部分を傷つけないようにする」、「内臓は熱湯で消毒したナイフを使い、すみやかに摘出する」などとポイントを記した。レシピ集には、ピラフやレモン煮込み、コンフィなどイノシシとシカを使った料理5種類を掲載。「変色した部分は多めに取り除く」、「イノシシは下ゆでをすると軟らかくなる」といったコツも分かる。同課の真鍋和恵さんは、狩猟免許を持っており、自ら猟で仕留めたイノシシの肉を冷凍し、1年間食べ続けているという。「適切に処理したイノシシは脂身にうまみがあり、臭くない。たまに外食で牛や豚を食べると、逆に臭いが気になるくらいです」と話す。小豆島町でブドウを栽培する岡田有功さん(47)は、畑を守るため、3年前に狩猟免許を取得。「これまでは、動画サイトで解体法を学んでいた。図解で分かりやすく、ありがたい」と反応は上々だ。冊子は、同課(087・832・3212)で希望者に配布している。
(野生イノシシ肉、ブランド化:栃木)
獣害をもたらす動物を名物に。そんな発想で発売された野生イノシシ肉「八溝ししまる」が、徐々に売り上げを伸ばしている。山間部にある那珂川町では長年イノシシによる農作物被害に悩まされてきた。一方、豊かな自然の中で十分に栄養を取って育ったイノシシ肉は脂ののりが良く、味は抜群なことから、2009年に専用の食肉処理施設を建設してブランド化を進めてきた。

TOPへ

8/29
(クマ追い払おうとした男性襲われる:岩手)
23日午後0時45分ごろ、盛岡市上厨川の雫石川河川敷で、同市の盛岡猟友会員の自営業三田地鉄夫さん(62)がツキノワグマに襲われた。三田地さんは前頭部と左手首に裂創を負い、同市の県高度救命救急センターに運ばれた。命に別条はない。市によると、三田地さんは周辺で農作物被害やクマの足跡の目撃情報が相次いだため市の要請で出動。クマを追い払うため、同0時10分から市職員や猟友会員、盛岡西署員の計14人で爆竹を鳴らすなどしていた。三田地さんと2人で行動していた猟友会員(68)によると、爆竹を鳴らして歩いていたところ、3、4メートル離れたやぶから突然クマが現れ三田地さん目掛けて走ってきた。
(イノシシに襲われ帰宅中の男性けが:兵庫)
26日午後9時40分ごろ、神戸市東灘区住吉本町3で、歩いて帰宅中の男性(60)がイノシシに尻をかまれ、軽傷を負った。兵庫県警東灘署によると、男性が手にしていた買い物袋に向かってイノシシが突進してきたため、袋を持ち上げてかわしたところ、後ろから襲われたという。男性が袋を路上に投げると、かむのをやめて袋の中身を物色し始めたため、その間に逃げたという。23日にも現場の北東約1キロの路上で買い物袋を持った女性(80)がイノシシに襲われ、軽傷を負った。
(クマに襲われけが:福島)
27日午後6時50分ごろ、福島県猪苗代町の林道で、歩いていた同町の作業員男性(60)がクマに襲われた。男性は胸や左側頭部などに軽傷を負った。猪苗代署によると、男性は磐梯山側の自宅から町側へ買い物に行く途中に襲われたという。男性は自力で逃げ、近くの民家に助けを求めた。119番通報した男性(70)は「左胸や側頭部、左手に爪痕が見られた。最近は近所にクマのフンが多く見られるようになっていた」と話した。同署は現場周辺でパトカーによる広報活動を行い、注意を呼び掛けた。
(住宅密集地にクマ:北海道)
28日午前0時ごろ、北見市南町1でクマ1頭を目撃したと、男性から同日午前10時ごろ北見市役所に通報があった。現場はJR北見駅から南に約1キロの住宅密集地。住民からは「こんな場所にクマが出たのは初めて」と驚きと不安の声が上がり、付近の小学校は集団下校となった。通報を受け、市と道猟友会北見支部が周辺を捜索したところ、市道でクマのふんを確認した。通報者ではないが、目撃情報と同じころ、自宅の窓からクマを見たという同市南町1の無職沢田清さん(78)によると、体長は1メートル前後で、自宅前の市道を西側に向かって走っていったという。
(クマの目撃情報相次ぐ:北海道)
暑寒別岳(1492メートル)で今年、クマの目撃情報が相次いでいる。20日には下山途中の札幌の女性(36)がクマに遭遇し、逃げる際に崖から転落する事故もあった。ふんも登山道で多数見つかっており、関係者は注意を呼び掛けている。増毛町の堀雅志町長(62)は7月7日、増毛中2年生の登山に同行。暑寒ルートの3~9合目でクマのふんを計9カ所発見した。「2、3カ所程度なら、これまでもあったが、これほど多いのは初めて」と驚く。増毛山岳会の野上泰宜会長(69)によると、8月初旬には登山者が同ルートの2合目付近で親子のクマを目撃。もう一つの箸別ルートでも1合目や2合目といった低層にある標柱がクマにかじられていたという。
(踏切付近に「クマ」:静岡)
▼午後2時35分ごろ、磐梯町更科字狐松のJR磐越西線の七ツ森踏切付近でクマ1頭を目撃したとして、同社の運転士から猪苗代署に通報があった。同署によると、クマは線路左脇の山林に入っていったという。電車は午後2時23分に猪苗代駅を発車した下り線で、運行に支障はなかった。▼午後4時ごろ、猪苗代町蚕養字沼尻山甲の施設敷地内でクマ1頭を目撃したとして、50代の男性職員から猪苗代署に通報があった。同署によると、クマは体長約50センチで、施設南側の山林に入っていったという。▼午後10時20分ごろ、猪苗代町字北ノ林の県道でクマを目撃したとして、車で走行していた40代女性から猪苗代署に通報があった。同署によると、クマの体長は約1メートルで、県道上に立ち止まっていたが、車が停止したところ、山林に入っていったという。
(電車にシカが衝突、身延線遅れる:静岡)
25日午前10時40分ごろ、静岡県富士宮市のJR身延線芝川-稲子駅間で、下り特急「ワイドビューふじかわ」3号にシカが衝突した。同電車は緊急停車して安全確認後、運転を再開した。 JR東海によると、同電車と上り普通電車に13から11分の遅れが出た。
(クマ目撃情報:静岡)
27日午後4時ごろ、静岡市清水区梅ケ谷「梅ケ谷ふれあいの里」の北西約600メートルの山林でクマ1頭がいるのを散歩中の男性(67)が発見し、清水署に通報した。クマの体長は約1メートル60センチという。男性は後ずさりで逃げ、けがはなかった。同署は同日、目撃場所付近を捜索した。クマの姿や痕跡は確認されなかったが、同署は付近での農作業や入山時に注意するよう呼び掛けている。
(住宅地に「サルうろうろ」:青森)
青森県八戸市中心街から北西に2キロほど離れた石堂2丁目の国道45号交差点付近で25日朝、サルを目撃したとの情報が相次いで市に寄せられた。被害は確認されていないが、市は住民らに危険が及ばないように注意を呼び掛けた。
(サル1群、全頭捕獲へ:神奈川)
厚木市は市北西部を中心に畑や住宅地に出没して被害が続いている野生ザルの対策を強化する。追い払いや防護柵設置支援の現行対策は人慣れしたサルに効果が低いため、県の管理捕獲の方針に基づき、2017年度に鳶尾(とびお)群での実施を皮切りに、市内で行動する8群を対象に全頭捕獲と縮小に踏み切る。
(尾瀬国立公園、環境省防護柵でシカ食害対策:福島)
尾瀬国立公園でニホンジカによる植物の食害が深刻化している現状を受け、環境省は2021年度までに重要保全エリアを設定する方針を固めた。本県側は燧ケ岳や尾瀬ケ原の見晴地区など貴重な草花が群生する場所を想定し、県や地元と連携して防護柵設置や集中的な駆除に取り組む。今年度から想定エリア内で試験的に対策を実施して効果を検証し、本県が誇る観光資源の保護につなげる。環境省が検討している主な重要保全エリアは、観光客に人気のミズバショウやニッコウキスゲなどが群生し、近年の調査でニホンジカによる植物の食害が広がっている地域を候補とした。設定エリアは少なくとも8カ所計約80ヘクタールに上る見通し。このうち、大江湿原では既に防護柵を設け、効果を上げていることから、今後、他のエリアへの防護柵設置を検討する。6月に始まった尾瀬総合学術調査の結果を踏まえ、重点保全のエリアや植物の種類を絞り込む。日本百名山の燧ケ岳(標高2,356メートル)では、湿原のミズバショウや紅葉の時期に赤く染まるナナカマドが食害に遭うなど年々被害が拡大している。環境省は今夏から山頂付近に試験的に防護柵を設置しており、効果や周囲環境への影響を調べた上で本格的な防護柵設置を目指す。尾瀬ケ原で山小屋が集まる見晴地区周辺でも、白い花のミツガシワがシカなどに掘り起こされる被害が広がっている。チョウジギクなど尾瀬でも分布が限定的な草花があるため、重点的に対策を進める。ニッコウキスゲの群落などがある尾瀬ケ原の竜宮、下ノ大堀など群馬県側の地域も含めエリア設定を検討する。さらに、重要保全エリアとその周辺でのシカの捕獲も強化する。シカの活動が活発になる夜間の銃による捕獲や、遠隔操作のカメラでシカを確認し網を落として捕らえるドロップネットなどの導入、鳥獣が嫌がる音を出す超音波装置など効果的な対策を順次導入する。
(伊勢堂岱遺跡、閉鎖3月までに:秋田)
北秋田市脇神の国指定史跡「伊勢堂岱遺跡」の敷地内で先月、同市生涯学習課の課長がクマに襲われ、遺跡が閉鎖されている問題で、市は24日、来年3月末までの閉鎖延長を決めた。2018年4月の公開を目指し、遺跡周辺の立木伐採など環境整備を進める。
(イノシシ天国、ほたるの里荒れ放題:群馬)
20年前に開所した長尾根ほたるの里公園(みどり市大間々町)が荒れている。園内を流れる二重沢川沿いの柵が壊れたままで、水路は土で埋まりベンチは腐食している。ホタル観察会は約10年前を最後に行われていない。地元住民は「まるでイノシシの運動場」と嘆いている。市は「柵が崩落したエリアに入園者が近づけないように対策を講じたい。当面は公園の現状維持に努める」(建設課)としている。
(有害鳥獣から農地守れ:鳥取)
日南、日野、江府の3町の日野郡鳥獣被害防止計画がまとまった。計画期間は2017年度から3カ年で、被害面積、被害額ともに16年度ベースで3割減を目指す。農家の生産意欲をそぐイノシシなど有害鳥獣の捕獲計画数は過去最大にした。空洞化が進む集落単位での住民参加型被害対策を促し「農地を守る」機運の醸成にも力を注ぐ。
(オオタカ、希少種指定解除へ)
中央環境審議会(環境相の諮問機関)の小委員会は23日、絶滅が危惧されていたオオタカについて、生息数が回復したことから、9月21日に種の保存法に基づく「国内希少野生動植物種」(希少種)の指定を解除することを了承した。希少種の指定が解除されるのは2008年のカラス科のルリカケス以来2例目。オオタカは食物連鎖の頂点に位置する猛禽(もうきん)類だが、生息地の里山が宅地造成で開発されたことなどにより、1984年の調査では全国で500羽以下に減少。密猟の報告も相次いでいたため、93年の同法施行時に希少種に指定され、捕獲や譲渡が禁止された。その後、生息地の保全対策などが功を奏し、生息数は少なくとも2000羽以上と推定されるまでに回復。06年にはレッドリストで絶滅危惧種から「準絶滅危惧」に格下げされ、小委員会が13年から指定解除を検討していた。小委員会では、指定解除後も鳥獣保護法で引き続き捕獲やペット目的の飼育が規制され、再び絶滅の恐れが出れば速やかに希少種に再指定することが確認された。
(免許所持者は3年で1・5倍、「狩りガール」増で業界活性化)
農作物を荒らすイノシシやシカを駆除するハンターが高齢化で不足する中、女だてらに狩猟免許を取った「狩りガール」が注目されている。環境省の資料によると、2014年度の女性の狩猟免許所持者数は3184人(うち猟銃を扱う第1種は1205人)。2年で約1.5倍増だ。「大日本猟友会」の浅野能昭専務理事に聞いた。「統計はとっていませんが、30歳前後が中心という印象で、ジビエなどの食をキッカケに興味を持った人が多いですね。鳥獣被害の現状を知り、社会貢献したいという熱い思いを抱いて来る人もいます」今どきの女性は好奇心旺盛。同会では13年から「目指せ!狩りガール」なるサイトを設立。女性にPRしているが、ハードルは高い。増えたといっても、全体のわずか1・6%。重い銃や仕掛けを背負い、山の道なき道を行かねばならぬなど体力的な問題は大きい。やっぱり男性が中心だ。さらに“偏見”という見えない壁もある。「電車の中で女性が狩猟免許の教本を開いているとギョッとされることが多いそうです。また、銃を扱うためには、狩猟免許とは別に『銃の所持許可』を取らなければなりませんが、その際、公安委員会による身辺調査で事情を知った身内や上司から、“女のくせに”“やめてくれ”と言われるケースもあると聞いています」それでも頑張ってハンターになった女性は、並のオトコよりたくましいだろう。実際、仕留めた獲物を解体する場面では「女性の方が腹が据わっている」という。現場では、思わぬ“副産物”も。「高齢ハンターの中に引退を撤回して“もう一度頑張る”と言い出す方が出てきているんです。狩りはチームワーク。先輩から後輩に教えることは多い。若い女性ハンターが増えて、張り合いが生まれているのでしょう。狩猟後の楽しみである、獲物の鍋を囲んだ“反省会”でも、女性がいると盛り上がります。狩りガールのおかげで、狩猟業界自体が活性化しつつあります」社会貢献にもなる狩猟は、リタイアした男性にこそオススメ。今なら“狩りガール”との交流という特典も付いてくる?
(鳥獣わな、スマホで監視:香川)
四国電力の情報通信子会社、STNet(高松市)はイノシシなどの鳥獣捕獲を知らせる遠隔監視装置の実証実験を始めた。わなに取り付けた装置が捕獲後の撮影写真を登録先のメールに通知する。自社の格安スマートフォン(スマホ)の通信回線を活用。あらゆるものがネットにつながる「IoT」サービスの一環として農業者や自治体向けに今秋にも発売する。耕作放棄地や荒廃森林の増加に伴い、イノシシやシカなどの鳥獣が増え、農産物被害も多く報告されている。例えば香川県では2016年度の農産物被害は1億6500万円に上る。同社は高松市、高知県南国市と協力して山間部で実験を開始。効果を確認し、わなの巡回作業の軽減などにつなげる。実験では箱型のわなをしかけ、鳥獣が中に入って扉が閉まると、結びつけたヒモが引っ張られカメラ付き監視装置のスイッチが入る。格安スマホサービス「フィーモ」と同じ通信網を通じて、最大5つのメールアドレスに写真とともに送る。また、過去の捕獲状況をパソコンなどで閲覧できるようにする。監視装置は2年間の利用で20万円前後、以降は月2千円程度を想定しており、実験を踏まえ詳細を詰める。
(車に動物よけ警笛、シカと衝突防げるか:北海道)
北海道科学大(札幌、旧道工大)の松崎博季教授(49)と学生たちが9月4日から3日間、エゾシカによる自動車との衝突事故を防ぐための実験を、上士幌町の三国峠(国道273号)で始める。「動物よけ警笛」を車に取り付けて走行する実験で、警笛を販売する輸入商品卸業アバ(東京)と共同で行い、警笛を聞いたエゾシカの行動に変化が表れるかを検証する。実験はアバ社が市販しているオーストリア製の警笛(長さ5センチ、高さ4センチ)を自動車前方に左右2個取り付け、風の力で警笛を鳴らし、日中や夜間に走行して音波の到達範囲や野生動物の反応を調べる。
(ジビエで地方創成:高知)
四国山脈の奥深く、吉野川の谷合いにある長岡郡大豊町では、獣がのさばり、鹿による食害で山は荒れ、果樹は実ったところで猿に食べられる。わが物顔に徘徊(はいかい)するのはイノシシで、高齢者を脅かす。そんな地元で高まっているのは「ジビエ」熱だ。ジビエはフランス語で、狩りで獲った野生鳥獣の食肉のことで、欧州では貴族の伝統料理として古くから発展してきた食文化を表す。地元の人々はジビエに着目し、わなで鹿やイノシシをとらえ、高級食材にするプロジェクトの検討を進めている。人の口に合わせるためには、捕獲後の処理、保存に工夫が必要で、設備にカネがかかる。需要元はジビエ料理店だが、地元周辺で数は限られるし、新鮮な食材を大都市まで届ける流通ルート開拓には時間がかかる。野生相手だから、まとまった量を安定供給できるかどうか、不安が残る。そんな折、地元関係者が殺菌処理しただけの鹿肉を飼い犬に与えてみたところ、むしゃぶりつく。老犬の毛並みはつやつやになり、市販のペットフードで肥満気味だった若い犬たちは引き締まり、駆け回る。そこで、地元で年金生活を過ごす小森将義さん(70)は一念発起して、起業を決意した。犬用ジビエを製品化し、全国に売り出す計画で、工場を建てる。「最初は2、3人しか雇えないが、地元に若者の雇用の場をつくれる」と小森さんは張り切っている。ペット用だと、ヒト用と違って鹿肉の処理は簡便で、殺菌と乾燥用の設備投資で済む。あとは全国での販売網を開拓し、ブランドを確立させると、規模拡大できる。
(「鹿肉おいしい」:長野)
中川村地域おこし協力隊員の高橋詩織さん(29)は、同村四徳の四徳温泉キャンプ場で、地元で獲れたニホンジカや野菜、山菜などを食材にした料理を出すカフェを開いている。登山を続けているうちに野生鳥獣の肉(山肉)の活用に興味を持ち、隊員としては食肉加工に携わる高橋さんが「おいしい鹿肉を多くの人に知ってほしい」と始めた。カフェは4月からキャンプ場の利用者向けに開始。ほぼ毎週土曜日の午前11時~午後4時頃に開店する。料理は鹿肉カレーや肺のトマト煮、アキレス腱の筋煮込み、レバーペースト、季節の野菜料理などさまざま。内臓を使った料理も多いが、独自の調理法でシカ特有の臭いはなく、都会から来た顧客にも人気だ。高橋さんは父の影響で幼い頃から登山を始め、県内各地の山へ登った。大学卒業後に勤めた南アルプスの山小屋で地元の猟師と出会い、「山肉を食べるのは、畑で育てた野菜を食べるのと同じように自然なこと」と感じた。昨年隊員に着任後は、村猟友会が運営に携わる「かつらの丘ジビエ加工所」で猟師が獲ったシカの加工を任されている。加工では、搬入したシカの内蔵を取って皮をはぎ、モモやロースなどの部位ごとに解体、精肉にする。迅速な解体と衛生管理、適切な保存で「固くてくさいイメージはなくなる」という。「シカは野草を餌にしており、鉄分や良質なたんぱく質が豊富。半面、脂質は牛肉の半分で健康的。女性やアスリートに最適な食材」ともアピールする。調理では「肉は部位ごとに軟らかく食べやすい切り方がある」とし、「カフェでは料理を出しながら、お客さんに鹿肉の魅力や調理方法も伝え、身近な食肉として普及させたい」と話している。

TOPへ

8/25
(街なかのエゾシカ、吹き矢で捕獲作戦:北海道)
市街地に出没するエゾシカに頭を抱える北海道稚内市は、麻酔薬を仕込んだ「吹き矢」による捕獲を決めた。銃による捕獲は民家近くではできず、場所も限定され、苦戦していた。一般会計の9月補正予算案に事業費を盛り込み、定例市議会で可決されれば10月にも着手する。稚内では市役所周辺や繁華街にも出没するが、日本海側のノシャップ岬から西浜地区までの約5キロは出没多発地域。道道沿いに民家や公共施設などが点在し、群れが民家の間を行き来したり、昆布干し場でフンをしたり、交通事故も絶えない。パークゴルフ場では人がいてもお構いなしに下草を食べている。背後の丘陵地がすみかだが、鳥獣保護区や稚内公園、自衛隊施設があり、銃による捕獲は原則できない。積雪で人が立ち入れない2月に地元猟友会に銃による捕獲を委託しているが、目に見えた効果は上がっておらず、対策を求める市民からの要望は絶えない。
(白神山地でイノシシ初確認:青森)
環境省東北地方環境事務所は23日、青森、秋田両県にまたがる白神山地の世界遺産地域周辺地域の青森県側で、イノシシが初めて確認されたと発表した。青森県が設置した自動撮影カメラに写っていた。同県自然保護課によると、県全体でもイノシシが撮影されたのは初めて。今月13~15日に世界遺産地域から北に約7.3キロの青森県深浦町森山で、性別不明の1頭が7回撮影された。県などは同一個体と推定している。白神山地周辺では、7月9日に秋田県側の能代市二ツ井町で初めて確認されていた。このほか、ニホンジカが今月3日と9日、世界遺産地域から南に約4.1キロの秋田県八峰町八森で2回撮影された。いずれも1頭で、3日は性別不明で、9日は雄だった。
(河川敷でクマ、男性ケガ:岩手)
23日昼頃、盛岡市の河川敷でクマの警戒活動をしていた猟友会の男性がクマに襲われケガをした。クマは猟銃で撃たれて射殺された。ケガをしたのは、盛岡猟友会のメンバーで盛岡市桜台の自営業・三田地哲夫さん(62)三田地さんは23日午後0時45分ごろ、クマの出没情報を受け、盛岡市上厨川の雫石川河川敷で他の猟友会のメンバーなどとクマを追い払うための爆竹を鳴らしていたところ、クマ1頭が藪からいきなり現れたため猟銃を1発発砲した。しかし、その後もクマは襲い掛かってきたため、三田地さんはさらに猟銃を1発発砲したということです。クマはその場で射殺されたが、三田地さんは、クマに額や手首をツメで引っかかれケガをした。命に別条はないという。盛岡市によるとクマは体長約180センチ、体重が約100キロの成獣だという。
(住宅街で女性がイノシシに尻かまれる:兵庫)
23日午後8時半ごろ、神戸市東灘区岡本4の路上で、歩いて帰宅中の女性(80)が、イノシシに尻をかまれ、軽傷を負った。東灘署によると、女性はイノシシとすれ違おうとしたところ、後ろから襲われたという。持っていた買い物袋を路上に投げると、かむのをやめて袋の中身を物色し始めたため、女性はそのまま逃げたという。
(ツキノワグマ、また1頭捕獲:山口)
県は22日、山口市徳地深谷の養蜂場で雄のツキノワグマ1頭を捕獲し、住民の不安が強いため殺処分したと発表した。県によると、クマは体長約1・5メートル、体重85キロの成獣。この養蜂場では19日、蜂の巣箱が壊される被害が発生したため、地元猟友会員が県の許可を受けてわなを設置していた。
(市内でクマ?住民が目撃情報:京都)
京都市北区西賀茂上庄田町でクマとみられる動物1頭の目撃情報があり、府京都林務事務所や北区役所が注意を呼び掛けている。北区役所によると、22日午後10時ごろに付近の住民が、地域の西側にある山でクマらしき動物を見つけ、警察に通報した。被害は確認されていない。暗かったためクマとは断定できなかったが、回覧板などで地域住民に注意喚起する他、北署がパトロールを強化している。府京都林務事務所は「クマを見つけたら、騒いだりして興奮させてはいけない。背中を見せずにそっと下がりながら距離を取って避難してほしい」としている。
(イノシシ1頭の目撃情報:佐賀)
佐賀県警鹿島署は、23日午後6時半ごろ、嬉野市塩田町において、イノシシ1頭が目撃されたと発表した。
(御嶽山でシカの侵入進む:岐阜)
林野庁中部森林管理局岐阜森林管理署(下呂市小坂町大島)は、御嶽山岐阜側八合目付近(標高二、五〇〇メートル)で、今年六月と七月の二回、別個体とみられるニホンジカを確認したと発表した。ニホンジカの高山帯侵入が確実に進んでいると警戒を強めている。同署は二〇一六年十月三十一日~今年八月三日、岐阜側からの登山道五カ所にセンサーカメラを設置。ニホンジカの生息状況を調査していた。八合目付近のカメラが六月十三日に性別不明の一頭、七月三日に雌と思われる一頭を撮影していた。岐阜側でのニホンジカ確認は一六年十月三日、標高一、八八〇メートル付近で撮影された雄一頭が初めて。今回の二例はより高地で確認され、高山帯への侵入は確実視できるという。隣の長野県ではニホンジカによる被害で、南アルプス・仙丈ケ岳「馬の背のお花畑」(標高二、七〇〇メートル)がいったん消滅。八ケ岳連峰・横岳でもコマクサが食い荒らされている。同署の松嶋克彰・総括地域林政調整官は「現在はまだ植生などへの被害は出ていないが、七月に撮影された個体が雌だとすると繁殖している可能性もある」と警鐘を鳴らす。同署はニホンジカの御嶽山侵入を下呂市、県、岐阜大、飛騨森林管理署などに知らせたほか、岐阜側九合目の山小屋「五の池小屋」や登山客に情報提供を依頼。正確な実態把握に努めている。
(イノシシ対策へ集中パトロール:岡山)
イノシシによる農産物被害を防ごうと、浅口市は集中パトロールを市内の遙照、竜王の両山系で行っている。「市鳥獣被害対策実施隊」に委嘱された猟友会メンバーが10月末まで週2回程度、山に入っている。
(人襲う悪いクマ、紙芝居に:山形)
南陽署は23日、園児を対象とした「クマ被害防止教室」を、高畠町元和田の町立和田保育園で開いた。岩手県宮古市で7月26日、小学1年生の女児が下校中にクマに体当たりされ、けがをした事案を受け、初めて実施した。同署地域課の太田久康課長と菅野弘幸巡査部長が、人を襲う悪いクマがいることを優しいクマが教えてくれる内容の自作の紙芝居を園児15人の前で披露。「クマに近づかない」「まわりに注意する」「大人に知らせる」の三つの注意事項を伝えた。その後、注意事項が書かれた紙を折ってお守りを作った。菅井星奏ららかちゃん(5)は「お守りをかばんに付けてクマにあわないように気をつけます」と話していた。
(シカとの共生を高校生が研究:岩手)
岩手県立遠野緑峰高校の生徒たちが、ニホンジカによる農作物への被害を調べ、捕獲されたシカを資源として活用しようと研究しています。シカとの共生を目指す高校生たちの取り組みです。遠野緑峰高校の生産技術科の生徒たち10人が、加工作業に取り組んでいるのは、学校の農場でひろったニホンジカの角です。生産技術科で農業を学んでいる生徒たちは、3年前からシカによる農作物への被害を調べ、捕獲されたシカの革や角を、資源として活用できないか研究を重ねています。研究のきっかけは学校の農場が、シカに食い荒らされ、大切に育てた作物が被害を受けたことでした。「高校1年生のときに起きた事件だったので、かなりショックを受けました」遠野市では去年、シカによる農作物や牧草への被害額はおよそ1億円で、県全体の被害額の半分を占める深刻な事態になっています。増え過ぎたシカは市内で毎年2000頭ほどが駆除されています。「ニュージーランド、中国、スウェーデン、オーストラリアから輸入されているのに対して、国内で捕獲されたシカのほとんどが埋設処分されています」生徒たちは処分されるシカの命をむだにしたくないと、3年間にわたって研究を重ね、いくつか出来上がった試作品のひとつが、シカ角のボールペンです。角を旋盤で削って形を整え、紙やすりでていねいに磨いてつやを出します。「刃の角度が微妙なので難しいです」きれいに仕上がった角に、ペンの部品を取り付けると模様や色、形が同じものがふたつとない、シカ角のボールペンが出来上がります。「いい重量感があって非常に書きやすいですね」生徒たちはこの取り組みをまとめ、6月に行われた岩手県学校農業クラブ連盟大会で発表し、最優秀賞を受賞。青森県で行なわれる東北大会で25日に発表します。狙うはさらにその上の全国大会ですが、このプロジェクトにはそれ以上に大切な目的があります。それは。「被災地の支援活動として、ボールペンなどを作って協力できたらいいなと研究しています」東日本大震災、熊本地震、台風10号に九州北部豪雨。生徒たちは全国で相次ぐ自然災害に心を痛め、被災地の力になりたいと願っています。遠野では鹿踊りの神様としても身近な存在のニホンジカ。その命の大切さと向き合いながら、生徒たちの奮闘は続きます。
(ジビエ頂く、命をいかす)
鉄砲で猟をする日は、朝から山に入ります。犬や仲間の猟師と協力して、シカやイノシシを徐々に追い込む。射程は、散弾銃なら50メートル、ライフルは150メートルほどです。仕留めた獲物は、大きいと100キロ近いことも。引きずったりして車まで運び、自宅脇の処理施設で皮をはいで解体します。仕留めて2時間以内に、血抜きと内臓処理を終えないと臭くなる。解体も2時間ほどかかります。年間に取れるのは、シカとイノシシを合わせて300~400頭ぐらい。でも、良い肉が取れるのは2割ほどかな。一頭から取れる肉も、イノシシで体重の6割、鹿は2~3割ほど。通信販売もしますが、主に料理店に卸しています。店での出し方は、シンプルに焼いたり、パテにしたりと色々です。家では手軽に食べます。角切りの鹿肉をゆでて冷凍にしておき、レトルト食品とあわせて鹿カレーに。ミンチにしておけば、パパッと鹿ハンバーグも作れます。運動量が多いため、歯ごたえと風味があり、脂が食べやすいのがジビエ(野生鳥獣の肉)の魅力です。ジビエが注目されながら、爆発的に広まらない理由の一つに、品質管理の難しさがあります。色々な所で色々な人が採るため、処理から出荷までの手順がバラバラになりがちです。食べる側も、つい均質な味や流通量を期待しがちですが、野生のものだから味はバラつくし、取れる数も変わる。大量流通・大量消費より、味の個体差を魅力として生かせるプロのシェフに、広く使って頂くのがいいように思います。父が猟をしており、自然とこの世界に入りました。プロとして単なる殺生にならないよう、獲物は少しでも「いかす」よう心がけています。重くて山からおろせなくても、その場で肉や角だけ切りとり、全く無駄にはしない。ところが最近は、害獣駆除の正義感を振りかざす人や、報奨金ねらいで数ありきの人も出てきた。改めて、命の教育が大切と感じます。昔は家の鶏をつぶして食べたりしましたが、今はそういう経験もしない。ケンカの力加減や、ペットの育て方が分からない人もいます。やがて、肉は石油からできていると思うようになりかねません。だから私、講演する時に、わざと酷な言い方をすることがあります。トレーの中の牛肉は、皆さんが食べるために、だれかが殺している。私は、それを自分でします。あなたがたは人任せにして、まるで自分は殺していないような顔をして食べていませんか、と。肉を頂くとは、どういうことか。それを自覚して初めて私たちは、ほかの命や自然と、共生できるようになると思っています。
(狩猟する美術家、命の感触その手で記録:京都)
京都在住の美術家、井上亜美(26)は猟をしに山へ出かける。その足で森を歩き、その目で獲物を見定め、その手で銃の引き金を引く。一方的に狙う私と、狙われる獣。「獲物を撃つ感覚はカメラのシャッターを押す感覚に少し似ている」と井上は言う。来春開幕するシドニー・ビエンナーレの参加作家に選ばれるなど注目の若手。京都市東山区にあるHAPSオフィスの1階スペースで終夜展示する個展「まなざしをさす」が開催中だ。道路からガラス越しに鑑賞する仕掛けで、猟の写真やメモで構成された新作インスタレーションを発表。作家にとって日常と地続きにある狩猟の営みを淡々と伝える。
(地図を活用して獣害の悩みを解決:愛知)
野生動物による農作物や森林の被害問題を解決する 獣害対策支援アプリ「やるシカない!」はシカの出現予測、罠の設置に役立ち、被害防止に活用されています。農林水産省が取りまとめた平成27年度の全国の野生鳥獣による農作物被害状況として、被害総額が176億円、被害面積は8万1千ha、被害量50万tに上ります。主要な獣種別の被害金額で見ると、最も高い被害金額を出したのは60億円で、シカによる被害でした。また、林野庁によると、平成27年度における野生鳥獣による森林被害面積は全国で約8千haとなっており、このうち、シカによる枝葉の食害と剥皮被害が全体の約8割を占めている状況です。シカによる被害は、年々減少する傾向ではあるが、深刻な問題であることに変わりはありません。問題を解決するためには、地域住民と専門家が協力し合う必要があります。野生動物の性質、行動特性を知り、それに合わせて効果的かつ効率的な対策を行い、耕作地や森林を守る活動を継続していかなければなりません。しかし、被害を受けた地域や野生動物の目撃情報は自治体や関連機関が個別で保有されているが、様々な情報の共有が困難で全体像が見えていないのが現状です。そこで、弊社が愛知県森林・林業技術センター、NPO法人穂の国森林探偵事務所と協力して、シカによる獣害対策支援アプリ「やるシカない!」を開発しました。本アプリの最大の特長は、地図上でシカによる被害地域や目撃情報を重ね合わせて一度に可視化できることです。地図を活用することで、全体像の把握や迅速な情報共有が容易になります。また、シカが出現しやすいエリアや被害が起きやすいエリアも予測できるようになり、防護柵や捕獲罠の効果的な設置場所の選定に役立っています。「やるシカない!」を活用して、確実かつ効率的な獣害対策が期待できます。
(カラス対策にフラッシュ光の「新兵器」:宮崎)
宮崎県日向市と東臼杵郡門川町にまたがる丘陵に、出力約24.5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「日向日知屋太陽光発電所」がある。総合建設会社(ゼネコン)大手の大林組が開発し、特定目的会社(SPC)のOCE日向メガソーラー(日向市梶木町)が発電事業者となる。このメガソーラーでは、2つのカラス対策が導入されている。丘陵という立地もあり、施工時から、カラスがフェンスにとまることが多かった。中には、石をくわえて飛び、太陽光パネルの上に落とすことがあり、パネルのカバーガラスが割れる被害が相次いだ。こうした被害は、国内の多くのメガソーラーに共通した悩みの一つとなっている。太陽光パネルのガラス割れだけでなく、日射計や水道管などにも悪戯し、損傷させる例が知られている。日向市のメガソーラーが導入したカラス対策の一つは、テグス(釣り糸)である。外周を囲むフェンスの上に、わずかに隙間を空けて張った。カラスがフェンスの上にとまるときに、足にテグスが絡まることを嫌がる効果を狙っている。テグスを張ったフェンスの上には、カラスがとまることは見られなくなった。もう一つの対策として、アレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)の上に向けて、カラスが嫌がるように光を発する機器を取り付けた。アレイの高部に、この光を発するLEDライトを設置している。日中、定期的にさまざまなパターンの光を、カラスが嫌がるようにアレイ上空に向けて発する。この機器は、専用の太陽光パネルを備えており、専用の外部電源は要らない。小型・軽量で、場所を取らずに架台の隅に簡単に取り付けられる。元々、電柱での活用を想定して開発されたカラスの営巣防止装置を、太陽光発電所で活用することにした。導入したのは、東神電気(大阪市淀川区)製の「ビー・ビー・フラッシュ」で、2種類を10カ所に設置している。大林組によると、日向市のメガソーラーに設置した目的は、この発電所における効果を確かめるためという。設置した2種類のうち、1種類は既存の製品(第2世代品)、もう1種類は、東神電気が開発中の新製品(第3世代品)で、フィールドテストに協力している。

TOPへ

8/23
(クマの仕業か、トウモロコシ400本被害:山形)
22日朝早く、南陽市の畑で収穫前のトウモロコシおよそ400本が食い荒らされているが発見された。クマの仕業とみられている。22日午前5時すぎ、南陽市池黒の畑で、トウモロコシおよそ400本が食い荒らされているのを所有者の男性が見つけ、警察などに届け出た。現場の痕跡や近くの畑に残された足跡などからクマの仕業とみられている。現場は四谷橋から南の方に150メートルほど離れた畑。警察で現場付近にパトカーを出場させ、付近の住民に注意を呼び掛けている。
(駅周辺でクマ目撃:北海道)
21日夜、名寄市のJR風連駅付近で、クマが目撃されました。現場周辺では、けさ4時半からハンターらが警戒を続けています。クマが目撃されたのは、名寄市のJR風連駅から、およそ100メートル離れた道路上です。きのう午後7時半ごろ、学校から歩いて帰宅していた女子高校生がクマを目撃し、警察に通報しました。周辺ではその他にもクマの目撃が相次いでいて、足跡らしきものも見つかっています。(目撃した人)「あそこの消火栓のところから(歩いてきた)。ここは水銀灯がついているから(夜でも)はっきり見えた」けさは、夜明けと同時にハンターが出動してクマを捜索しているほか、付近の小学校では保護者に児童の送り迎えを呼び掛けるなど、警戒が続いています。
(クマ出没で県が注意報:青森)
県は21日、今年のツキノワグマによる人身被害が2011年に並ぶ5件(同日現在)となり、今後も同様の被害発生が懸念されるとして「ツキノワグマ出没注意報」を県内全域に発表した。県は7月、クマの被害状況に応じて注意報、警報を発表することを決定しており、今回が初ケースとなった。11月末まで、クマ出没が確認されている場所には近づかない―といった注意喚起を行う。県自然保護課によると、ツキノワグマによる人身被害は12年以降0~3件で推移していたが、今年に入って弘前市や鯵ケ沢町などで5件が発生。「ツキノワグマ出没注意報等発表実施要項」の規定に該当する状況と判断した。1992年以降のツキノワグマの出没は06年の8件が最高で、01年と09年、11年が各5件となっている。県は各市町村や関係団体などに対し、注意報発表を通知するとともに、ホームページなどを通じて注意を呼び掛けている。同課は「クマの目撃情報をできるだけ確認し、その場所に入らないようにするのが大事。もし入る場合は複数で行動し、音を出しながら歩くなど対策を徹底して」と話した。
(中心部にサル、警察も捕獲できず:京都)
22日午前9時半ごろ、京都市下京区で「サルが道路を走っている」と近くの男性から京都府警下京署に通報があった。署によると、サルは1匹。署員ら約10人が網などを使って捕まえようとしたが、逃げられ、同日夜までに捕獲できなかった。けが人は確認されていないが、府警はサルを見つけても近づかないよう注意を呼びかけている。現場は阪急大宮駅の南東約500メートルの商店や住宅が立ち並ぶ地域で、近くに世界遺産・西本願寺などがある。目撃した女性(68)は「物音がしたら、うちの庭にサルがいた。目が合ってびっくりした」と話した。また、現場から北に約2キロにある世界遺産・二条城内でも20、21日、サルが目撃されていたことが、城を管理する京都市の元離宮二条城事務所への取材でわかった。二条城にサルが出没するのは珍しいという。京都市動物園の坂本英房副園長は「サルは基本的に人を攻撃しないが、買い物袋の食べ物などを狙う可能性もある。むやみに近寄らず、刺激をしないようにしてほしい」と話している。
(サル60頭以上の群れ確認:青森)
サルの食害が相次ぐむつ市田名部宮後地区では畑の周りに60頭以上のサルの群れがいることが判った。住民たちはこれまでにない規模の群れが確認されたことで困惑している。むつ市は市街地に侵入しないよう見回りを強化している。
(イノシシ、どう対策?:岩手)
秋田県や雫石町などは22日、イノシシ被害防止対策現地研修会を同町千刈田の町総合福祉センターで開き、生息域を広げているイノシシの被害状況や防除対策の情報を共有した。秋田県内の自治体職員や狩猟関係者ら約40人が参加し、同町農林課の谷崎修主任が講師を務めた。谷崎主任は進入防止柵設置や、警戒心の強いイノシシが田畑に近づきにくいよう山際のやぶの刈り払いを行う重要性を説き「生ごみや野菜くずを放置しないなど、イノシシにとって魅力のない地域にすることが大切だ」と訴えた。踏み荒らし被害があった同町の水稲や、電気柵も見学した。
(「第1種銃猟」減少顕著、鳥獣の食害拡大懸念:静岡)
2016年度の県内狩猟者登録のうち、散弾銃やライフル銃を使用する「第1種銃猟」の登録が2839人と、前年度より119人減少したことが、県への取材で分かった。登録数は年々減少傾向にある一方、野生鳥獣による農林産物の被害は深刻な状況が続く。県や猟友会は、担い手不足による田畑などへの被害拡大を懸念している。県自然保護課によると、空気銃の「第2種銃猟」と「わな猟」「網猟」を含めた全体の狩猟者登録も減少傾向が続き、16年度は5158人(前年度比33人減)。減少が著しい「第1種銃猟」は、02年度(5556人)の約半数となった。同課の杉村龍二・主事は「猟師の高齢化が進み、引退する数に新規登録の数が追いついていない」とする。一方で、野生鳥獣による農林産物への被害額は増加し、ピーク時の09年度は約7億円に上った。その後、農業従事者らの間でわなの設置による対策が浸透し、16年度は約4億2000万円にまで減少したものの「被害は依然として深刻」(県地域農業課)という。中でもニホンジカとイノシシの被害は全体の7割以上を占める。温暖化で越冬する個体が増えたことも原因の一つとされ、県自然保護課は「シカたちが農作物を荒らすだけでなく、山の草木を食べ尽くし、生態系に影響が出かねない。捕獲などによる適正な個体数の管理は必要だ」としている。一般の人が実際に猟に出るには、狩猟免許を取得した上で、出猟したい都道府県で年度ごとの「狩猟者登録」が必要。銃の所持には、銃刀法に基づき、講習会や考査などを受け、所持許可を受けなければならない。県猟友会によると、こうした手続きの費用と銃などの装備をそろえるため、初期投資には25万円前後かかる。長田浩一事務局長は「(費用がかかることが)始める際のハードルになっている」と明かす。こうした現状から、県猟友会や県は近年、新規参入者のサポートに力を入れている。「実包無し。異物無し」。県猟友会が7月に静岡市内で開いた「狩猟免許試験予備講習会」。参加者は指導員の指示に従い、模擬銃を使って安全確認をしていた。県猟友会は年2回の免許試験前に、受験者のための講習会を実施している。浜松市北区の事務職、金子了子(りょうこ)さん(43)は、テレビでシカによる農作物被害の特集を見たのがきっかけで参加。「大自然の山中を歩いたら楽しそうと思ったけれど、銃やレバーが重くて大変だった」と振り返った。県猟友会はこのほか、会員への中古銃の紹介や、ベテラン猟師による猟場案内や実技指導も行っている。長田事務局長は「各地区の猟友会がそれぞれ面倒を見てくれるので、若い人に興味を持ってもらい、担い手となってほしい」と話している。
(鳥獣の農作物被害深刻:鳥取)
イノシシやクマなどの野生鳥獣による農作物などへの被害が深刻だ。県のまとめでは、2016年度の被害額は約9000万円で、15年度の1・5倍。県は、農地への侵入防止柵の設置方法などを住民に教える〈指導者〉を養成したり、柵の材料購入費を補助したりして、対策を進める。県鳥獣対策センターによると、昨年度の農作物などへの被害額は、イノシシが6923万円(前年度比55%増)で最も多く、クマ683万円(同358%増)、カラス260万円(同52%減)、シカ236万円(同41%減)と続く。イノシシとクマによる被害が大幅に増加したのは、餌になる山のドングリが周期的に不作の年で、果樹園や水田などに下りてきたことが原因とみられる。イノシシによる被害は県全域で水稲が9割近くを占め、稲穂が食べられたり、踏み倒されたりした。クマは県東部が多く、作物では梨が86%、柿が14%だった。わなや猟銃による捕獲数は、イノシシ約1万2000頭、シカ約7300頭といずれも過去最多だった。イノシシの捕獲数は、15年度の約8200頭から大幅に増え、県の「鳥獣保護管理事業計画」(2017~21年度)で目標とされている年間6000頭の2倍に達したが、農作物などの被害額は増大した。捕獲だけでは、対応が追い付いていないのが現状だ。県は、農地への侵入を防止するため、集落ぐるみで農地を見回ったり、触れると電気が流れる電気柵を設置したりする場合に経費を補助している。今年度は新たに、住民に方策を助言する人材の育成に取り組む。捕獲や柵設置の担当として各市町村が職員や地域住民の中から任命している「鳥獣被害対策実施隊」のメンバーを対象に研修を行い、他の住民に侵入防止柵を設置する時のコツや注意点などを伝えてもらう。ハンターの養成も必要だ。県内の狩猟免許取得者はのべ2023人(16年度)で、60歳以上が6割を超える。県は若手育成のため、昨年度から、50歳未満を対象に狩猟の基本技術を学ばせる「ハンター養成スクール」を実施している。同センターの井上喜一郎副所長は「住民自身が、『自分たちの農地は自分たちで守る』という意識を持つことが大切。県内の成功例を広めるなどして、地道に取り組みたい」と話す。
(「ジビエグルメの町」発信:高知)
高知県梼原町は、野生のシカやイノシシの狩猟肉(ジビエ)を生かした地域活性化に取り組む。全国で初めて移動式のジビエ解体処理車(ジビエカー)を今月導入した。来年3月には町内に処理施設が稼働する予定。年間400~500頭を食肉に加工し出荷する。農作物への鳥獣被害を減らしながら、ジビエグルメの町をアピールする。導入したジビエカーは、長野トヨタ自動車(長野市)と日本ジビエ振興協会(長野県茅野市)が共同開発した。2トントラックを改装し、高圧洗浄装置や解体・冷蔵用の部屋などを備える。解体で出た内臓のほか汚水も現場に残さないなど、環境にも配慮している。捕獲場所の近くまで移動して解体処理できるため、鮮度を落とさず良質の肉が得られる。最大で5頭分の枝肉を冷蔵・冷凍保管できる。矢野富夫町長は「今まで捨てていたものが収入に代わり雇用も生まれる」と話す。車両の購入価格は2175万円で、55%は国の補助金でまかなった。ジビエカーは地域住民が主体となり地域振興を担う集落活動センター「ゆすはら西」に町が貸与する。猟友会と協力し町内全域をカバーし解体処理にあたる。同センターには県などの支援で来年3月に食肉処理施設も完成する予定で、1次処理した枝肉を運んでブロック肉などに加工する。同町の2016年度のシカとイノシシの捕獲数は約1500頭で、08年度に比べて10倍に増えている。大半が埋めて捨てられている。ジビエカーと処理施設の稼働で年400~500頭を食肉として出荷する計画だ。町と同町猟友会はジビエカー導入に合わせて、四万十森林管理署(高知県四万十市)とシカの被害対策とジビエ活用を推進する協定を結んだ。管理署は捕獲情報の提供や、囲いわなを無償で貸し出すなどして、ジビエ振興を後押しする。町は9月に「ジビエのまちづくりプロジェクトチーム」を発足させる。町や集落活動センターのほか、商工団体、県外の民間企業2社も加わりジビエ活用策を検討する。農家民宿や道の駅など町内での提供法や、県外への販路開拓に向けたブランドづくりも研究する。同町は著名な建築家、隈研吾氏が設計した木造建築物が多いことで知られる。森林を活用したセラピーロードを整備するなど、健康づくりや癒やしをテーマにした滞在型の観光に力を入れている。ジビエは健康食としても注目されており、誘客の大きな柱に育てる。
(夕張鹿鳴館、ジビエ料理など提供:北海道)
休館中の国の登録有形文化財「夕張鹿鳴館」(夕張市鹿の谷)が10月にも、約2年ぶりに営業を再開することになった。夕張市内で観光施設を運営する「元大げんだいグループ」が、同館を所有する札幌市の一般財団法人から、建物を買い取る契約を結んだ。同グループの関連会社が運営する。夕張鹿鳴館は、「北海道炭鉱汽船」(北炭)が来賓の接待などのために1913年(大正2年)に建築。約1500平方メートルの木造平屋で、54年には昭和天皇が宿泊され、2011年、国の登録有形文化財になった。運営するのは「元大夕張鹿鳴館」。アジアなどの富裕層向けの「オーベルジュ」(宿泊施設付きレストラン)を基本概念とし、レストランではシカやイノシシの肉「ジビエ」を出すなどして付加価値を高める考えだ。1泊2食で2万円台からを想定している。現在3室ある宿泊用の客室は将来、20室程度増やすという。茶道など文化的な活動で利用したい地元住民ら向けに、施設の開放も検討している。建物は、同市が財政破綻した後の09年、小樽市の産廃業者が購入したが赤字状態で、15年12月から休館していた。土地約9万平方メートルを所有する夕張市は、元大夕張鹿鳴館に土地を無償で貸し出す。同グループは「歴史的な建物を放置しておくのではなく、夕張全体の観光に生かしたい」としている。
(「猪骨ラーメン」の専門店がオープン:愛媛)
牛、豚、鶏に続き、ここ数年でジビエとして注目を浴びる「イノシシ」。そんなイノシシをたっぷり使った「猪骨ラーメン」が堪能できる専門店が、2018年4月に愛媛県今治市にオープンします。猟師である店主(現・地域おこし協力隊)自らが捕獲から解体、調理に携わるとのことですが、捕獲から調理までを一貫して行う猪骨ラーメンの専門店は、日本初となるのだとか。店舗予定地(愛媛県今治市大三島町宮浦5516)は、絶景スポット「しまなみ海道」やサイクリストの聖地としても知られる「大三島」(おおみしま)だそうです。

TOPへ

8/21
(クマ1頭捕獲、殺処分:山口)
クマの出没が相次いでいる山口市徳地船路で18日、雄のツキノワグマ1頭が地元猟友会員が設置したわなにかかり、殺処分された。同地区では今月10日から養蜂場がクマに荒らされる被害が続き、15日には男性が襲われけがを負っている。市は、捕獲したクマと一連の被害の関係は不明として、引き続き警戒を呼びかけている。市などによると、クマは体長約1・3メートル、体重72キロの成獣で、18日午前4時ごろ、養蜂場に設置したわなにかかっているのが見つかった。養蜂場では、養蜂用の箱が17日までほぼ連日クマに壊される被害があった。また、養蜂場から北東約1キロの山で水路の掃除中だった80代男性がクマとみられる動物に襲われており、県の許可を受け猟友会が付近にわなを二つ仕掛けていた。
(物置小屋にクマ:秋田)
19日午後5時半ごろ、秋田県五城目町馬場目字関ケ沢の民家敷地内の物置小屋から、体長約1メートルのクマが出てきたのを、この家に住む70代女性が見つけ、近所の住民を通じて五城目署に届け出た。けが人はいなかった。同署によると、クマは女性の脇を通り民家北側の山林に逃げていったという。小屋の中には、漬物が入ったプラスチック製たるが倒され、肥料袋が破かれるなどしていた。
(飛び出した「クマ」に乗用車衝突:福島)
17日午後10時40分ごろ、金山町の国道252号で、走行中の男性の乗用車が道路に飛び出したクマ1頭に衝突した。車の一部は壊れたが、男性にけがはない。会津坂下署によると、クマの体長は約1.2メートルで、衝突後に道路脇の山林に逃げ込んだという。
(イノシシの目撃相次ぐ:長野)
20日午前8時ごろ、長野市安茂里の大門地区にある畑で体長約1メートルのイノシシが目撃された。イノシシは近くの山に走り去り、けがをした人はいないという。大門地区では午前10時ごろにもイノシシが目撃され、1週間ほど前から近くにある住宅の玄関前などでもイノシシが通るのが目撃されている。警察などが警戒を続けている。
(ニホンカモシカ見たら教えて:神奈川)
神奈川県では2009年度からニホンカモシカの目撃情報を集めている。ニホンカモシカは体長1mから1m20cm、オス・メス共に短い角があるのが特徴。シカに比べて肉付きが良く、脚が短い。比較的おとなしいが、見た場合は必要以上に近づかずに様子を見守った方がいいそう。ニホンカモシカを見た人は、目撃した場所、その場所の環境、何をしていたか、親子で居たか等を県立秦野ビジターセンター(秦野市堀山下1513)へ直接報告を。寄せられた情報は「ニホンカモシカ目撃情報記録票」へ記入し、神奈川県自然環境保全センター野生生物課へ提出される。
(中山間地の農地保全へ意見交換:佐賀)
「中山間の人と農地を考える」と題したシンポジウムが10日、嬉野市で開かれた。同市や隣接の鹿島市などから約500人が参加。農家の高齢化や担い手の減少、農作物の鳥獣被害など、中山間地の農業が直面する課題の解決に向けて意見を出し合った。鹿島市、嬉野市、藤津郡太良町の各担当者が、イノシシ侵入防止対策として電気牧柵やワイヤメッシュの設置、狩猟免許取得を助成していることなどを報告。カラスが生息しづらい環境にするために、鷹匠(たかじょう)と委託契約を結んで対応している取り組みも紹介された。講演では、県の担当者がイノシシの特性を説明し、被害防止対策については集落全体で取り組むよう強調した。集落の農地を維持する一つの手段として、農家の所得を補償する直接支払制度を紹介した。参加者からは鳥獣被害に関する質問が集中した。「イノシシの数を減らすために、生活できるレベルまで報奨金を増やす必要があるのでは」「猟友会の高齢化対策が必要」といった意見も出た。藤津地区の農地の約5割は中山間地に位置する。将来にわたって集落や農地を保全する機運を高めようと、関係市町やJA、農林事務所などが企画した。会場では、メーカー各社による中山間地向けの農業機械の展示もあった。
(シカ肉専門店オープン:北海道)
シカ肉と加工品の専門店「エゾの杜(もり)」(三坂一茂社長)が15日、池田町大通4にオープンした。狩猟した十勝東部の鹿のブロック肉や、ハムやソーセージを販売。農業被害などをもたらす野生の鹿をジビエとして有効活用して販売する拠点ができたことで、池田の新たな特産品となりそうだ。シカは池田町や周辺の豊頃、幕別、浦幌町などでハンターが仕留め、池田町内に昨年4月に稼動した「エゾシカ等解体加工施設」で処理。ハムやソーセージへの加工は道内の業者に委託して製造している。同社は、同加工施設で食品衛生管理「北海道HACCP(ハサップ)」認証の入り口となる評価事業を受け、保健所の最高評価「A」と判定された。商品は「エゾ鹿クラコウソーセージ」(3本240グラム900円)、「エゾ鹿ボロニアソーセージ」(200グラム900円)、「生ハム」「スモークハム」(各100グラム600円)。ブロック肉は部位により価格が異なり1キロ2500~4300円。ハンバーグも取り扱う。ペットフードも手掛け、エゾの杜の町川合工場で製造。「エゾ鹿肉ジャーキー」「エゾ鹿のスジ肉」(各40グラム600円)、「エゾ鹿の骨」(50グラム600円)で販売している。販売店舗は、かつて飲食店などとして使われていた空き店舗を改修し、「いけだ夏まつり」開催日(15日)に合わせてお披露目された。三坂社長の長男で、「エゾシカ等解体加工施設」を担当する町地域おこし協力隊の幸宏さんも手伝ってシカ肉をPRした。消費者からシカ肉への関心も寄せられたり、ハンターになる方法を尋ねられたりと注目された。店舗は販売員の確保や態勢が整うまで不定期で営業するため、当面は予約販売で受け付ける。今後、ホームページを立ち上げて、インターネット販売も予定。三坂社長は「シカ肉の販売拠点を設けたことで、多くの人にシカ肉の味を覚えてもらえれば」と話す。
(高校生がジビエカフェ:和歌山)
県立日高高校中津分校(日高川町西原)の女子生徒3人が今月中の土日の昼、有田川町野田でシカ肉のジビエ料理を提供する「CAFE NAKATSU(カフェ ナカツ)」を開いている。同校は2年生の総合学習の授業に日高川町寒川地区の「地域おこし協力隊」の村越拓也さんを招き、シカやイノシシによる農作物の獣害や「ジビエ」(野生鳥獣の肉)を使った料理などを学んできた。先月には和歌山市であった県のジビエ料理講習会にも参加した。
(ジビエ料理に舌鼓:千葉)
市原市市津地区の市津商店会夏祭りと市津市民祭りが20日、同市うるいど南の「潤井戸ふれあい公園」で開かれた。来場者は話題のジビエ料理などに舌鼓を打ちながらフラダンスやカラオケ大会といった催しを楽しみ、世代を超えて夏の思い出をつくった。両行事はふれあいのある地域づくりを進めるため、市原商工会議所市津支部と市津商店会、同地区町会長会が主催している。祭りに欠かせない飲食のブースでは、今年もジビエ料理が勢ぞろい。イノシシ肉を使った焼きそばやホットドッグ、せいろそばなどが販売されると、購入者からは「硬くて臭いイメージがあったが、とてもおいしい」などと味に太鼓判を押す声が相次いだ。一方、ステージでは優美な踊りや自慢の歌声が披露され、来場者が力の入ったパフォーマンスの数々を満喫。会場には帝京平成大学の学生による健康チェックコーナーやメダカすくい、たこ作りのブースなども設けられ、親子連れらでにぎわった。
(超音波で害鳥撃退:岐阜)
風力発電事業を手掛けるTOYAMAX(高岡市)の橋田洋社長(67)と富山県立大の岡田敏美名誉教授(67)が新しい害鳥撃退装置を開発した。この装置は「超音波メガホン」と名付けられ、装置から出された超音波が周囲の樹木や壁などの障害物に当たることにより拡散し、ICレコーダに取り込んだ音が立体的に周囲に響き、有害鳥獣を追い払うというもの。氏は地元の富山市で地球環境と里山再生のボランティア活動に従事する中で、メンバーから「山の木や畑がイノシシやカラス・熊に荒らされ、大変困っている」と言う声を聞き、この装置を開発したという。装置は縦約40センチ、横約70センチの木製の箱に、800個もの直径約1センチの小型スピーカーが取り付けられている。重さは約5キロで、充電式で持ち運びもできる。試験の結果、約100メートル離れた200羽以上のカラスや、イノシシ・鹿・熊などにも効果があることを確認したという。今後、タイマー機能や防水加工を施し、実用化を目指す。

TOPへ

8/18
(ワナにかかった子グマ見てたら親グマ出現、男性が重傷:長野)
16日午前6時10分ごろ、長野県信濃町大井の山中で、近くに住む猟友会所属の建設作業員、島田輝明さん(60)がクマに頭などをかまれたと、島田さんの友人から119番通報があった。長野中央署と長野市消防局鳥居川消防署によると、島田さんは、頭から顔にかけて複数回かまれて重傷を負い、長野市内の病院に搬送された。島田さんはイノシシを捕獲するため山中にワナを仕掛けていて、ワナにかかった子グマ(体長約75センチ)の様子を見ていたところ、親とみられるクマが現れ、かまれたという。島田さんは近くの道路まで逃げ、友人に電話した。信濃町産業観光課農林畜産係によると、猟友会や町職員が現場に駆けつけた時、子グマは助けを求めて鳴き声を上げ続け、親とみられるクマは、逃げ去らずに興奮状態にあった。猟友会が子グマを殺処分すると、親とみられるクマは姿を消したという。同係は「クマを落ち着かせるため、子グマの鳴き声を止めなければならず、殺処分せざるを得ない状況だった。近くに人家もあり、子グマが成獣になった時、再びこの場所に現れ、人を襲うなどする危険性も高いと判断し、猟友会などと話し合って殺処分を決めた」と説明している。
(間一髪、クマに襲われ足蹴り:岐阜)
16日午後2時20分ごろ、岐阜県恵那市明智町杉野の林道で、ヘボ(蜂の子)取りをしていた同町の会社員山田俊治さん(69)がクマに襲われた。山田さんは腕を引っかかれて軽傷。クマはその場から立ち去った。恵那市猟友会、恵那署が付近を探したが、クマは見つからなかった。同署などによると、山田さんはクロスズメバチの巣を探すため林道に1人で入り、クマと遭遇した。クマは体長約1・5メートル。山田さんは驚いて転倒したところ、クマが襲ってきたため、足で蹴り飛ばしたという。山田さんは明智消防署にクマに襲われたと連絡。自ら車を運転して病院に行き、右腕の4カ所に7針縫う処置を受けた。恵那市は17日、市猟友会明智支部と協力して、被害に遭わないようクマよけの花火を打ち上げるなどの対策を取る予定。山中で一人でクマに遭遇するという絶体絶命の危機を間一髪逃れた山田俊治さんが本紙の取材に応じ、当時の状況を生々しく振り返った。クロスズメバチの巣を探すため、木にハチの餌をくくり付けようとしゃがみ込んでいたら、後ろに気配を感じた。振り返ると1メートル後ろにいたのは、前足を広げ、仁王立ちをしているクマ。「グワー、グワー」と威嚇するような声に驚き、転んだ際に爪で引っかかれた。苦し紛れに蹴り飛ばそうとしたところ、左前足の付け根付近に命中、クマは逃げていった。一瞬の晴れ間に急いでいたため、クマよけの鈴を持たず軽装だった。「振り返るのが遅れたら、命の危険もあったかもしれない。これからは一人で山に入らないし、鈴を必ず持って行こうと思う」と神妙な表情で話した。
(崖から車転落、運転男性をクマが?:東京)
2017年4月、東京・檜原村で、崖の下に転落した車と、運転していた男性の遺体が見つかった。周辺にあったクマとみられる動物のふんから、男性の衣服の一部のようなものが見つかっている。檜原村の林道からおよそ25メートル崖下に転落した車が発見され、車のそばで、運転手の男性が白骨化した遺体で見つかった。男性の衣服は、動物に引き裂かれていて、近くには、クマとみられる動物のふんから、男性の衣服の一部のようなものが見つかったという。現場周辺は、これまでもクマなどの動物が出没していて、檜原村役場は、周辺の住民などに注意を促している。
(「奈良のシカ」を初捕獲、農林業被害深刻化で対策:奈良)
奈良県は17日、国の天然記念物「奈良のシカ」1頭を奈良市東部の東里地区で初めて捕獲したと明らかにした。農林業被害が深刻化しているため、県は7月末から市東部の2地区に計6基のおりを設置して対策に乗り出していた。県によると、捕獲したのは雄の成獣。午前7時40分ごろ、見回りに来た県猟友会のメンバーが、おりに入っているのを見つけた。今後、遺伝子検査や胃の内容物などを調べる。奈良のシカは、古くから「神鹿(しんろく)」として大切にされ、1957年に、合併前の旧奈良市に生息する全てのシカが天然記念物に指定された。捕獲は指定後初めてで、本年度は120頭を上限としている。観光名所の奈良公園周辺のシカは捕獲対象になっていない。
(逃亡7日間、子ザル“御用”:青森)
17日午前10時半ごろ、青森市中央1丁目の青森市役所付近で、「サルがいる」という通報が市に相次いで寄せられました。市の職員や警察官が駆けつけ、網で捕獲しようと試みましたが、サルは建物と建物の間を飛び移るなどして周囲を逃げ回りました。市には、その後も、付近で目撃情報が相次いで寄せられ、市の職員や警察官が出て捕獲作業にあたった結果、サルは午後5時前、市の中心部の路上で捕獲されました。市によりますと、人が襲われてけがをしたといった情報は寄せられていないということです。サルは、体長およそ40センチで、子ザルとみられ、市は、捕獲したあとサルを郊外の山に放したということです。サルを捕獲した青森市環境政策課の相馬喜範技師は、「今は捕まえることができてホッとしている。協力していただいたたくさんの市民に感謝します」と話していました。
(クマ2頭目撃:北海道)
17日午前5時半ごろ、岩見沢市内の市街地南東に位置する利根別原生林内のウオーキングコースを、親子とみられるクマ2頭が歩いているのを観光客が目撃し、ウオーキングセンター職員を通じて市に届け出た。市農務課によると、目撃されたのは体長約1・5メートルの親グマ1頭と子グマ1頭。地元の猟友会が現場周辺を捜索したが見つからなかった。
(サル食害、市街地に迫る:青森)
むつ市では市街地に近い市内田名部宮後地区の畑でニホンザルの食害が相次いでいる。7月中旬から8月14日までに少なくとも5軒の畑で収穫間近のカボチャや枝豆などが食い荒らされているのが見つかった。市や猟友会はおりを設置し、監視体制を強化している。
(クマに襲われた現場周辺でパトロール:岐阜)
岐阜県恵那市で16日、男性がクマに襲われ、けがをしたことを受け、現場周辺では17日、パトロールが行われた。クマに襲われた恵那市の山道では17日朝、市職員や猟友会のメンバーが集まり、クマの警戒のためクマよけの花火を鳴らしたり、立て看板を設置する作業が行われた。警察によると、16日午後2時20分ごろ、市内に住む男性(69)が蜂の子をとるために1人で山に入ったところ、体長1.5メートルほどのクマに遭遇し、右腕をひっかかれて軽いけがをした。男性が足をばたつかせて反撃をすると、クマは山の中に逃げていったという。恵那市は、再びクマが現れる可能性があることから、住民に対して防災無線で注意を呼びかけるなど、警戒を続けている。
(クマが出るぞ!注意喚起看板設置:岐阜)
恵那市明智町の林道で市内の男性会社員(69)がクマと遭遇して負傷したことを受け、市は十七日、現場付近に注意喚起の看板を設置した。A3判で「熊出没注意! 山に入るな!」と書いた。市林政課と県恵那農林事務所の職員、市猟友会明智支部の成瀬茂支部長が現場に行き、林道の出入り口や分岐点の四カ所に取り付けた。現場周辺ではクマよけにロケット花火を打ち上げた。男性会社員は十六日午後、蜂の子取りで山に入ってクマに出くわした。市林政課の担当者は「山に入る時は近場でもクマよけの鈴を持ち歩き、できるだけ複数人で行動して人の気配をクマに伝えて」と呼び掛けている。
(イノシシの目撃情報相次ぐ:福岡)
福岡県警小倉北署によると、16日午後4~6時、北九州市小倉北区でイノシシ1頭の目撃情報が相次いでいる。イノシシは体長約1メートル。目撃場所は黒原1丁目の足立公園と妙見町。
(サル目撃相次ぐ、はぐれ個体か:群馬)
群馬県館林市と明和町で、サルの目撃情報が相次いで寄せられている。同市内でサルの出没が確認されたのは2012年秋以来、5年ぶり。けが人や農作物被害は確認されていないが、市はホームページやメールで注意を呼び掛けるとともに、情報提供を求めている。サルの目撃情報は7月下旬から今月14日までに、館林東部の楠町をはじめ、明和、埼玉・羽生、加須などで寄せられた。いずれも大きめのサル1匹を見たとの情報で、同一個体の可能性もある。13日午前10時40分ごろ、明和町千津井の花農家、野本和雄さん(58)が自宅裏で除草剤をまいていたところ、桑の木の近くで物音がした。その後、近くの道路を1匹のサルが歩いているのを発見。町職員と一緒に確認しようとしたが見失った。体長は70センチほどだったという。「この辺りでサルを見るのは初めて。親猿のような風格があった」と振り返る。ナシ産地の明和町では、本格的な収穫期を前に、農家が気をもんでいる。サルの目撃場所に隣接する田島地区のナシ農家、矢沢宏太さん(54)は「ようやく実が熟したのに、荒らされては困る。注意深く見守りたい」と神経をとがらせる。県鳥獣被害対策支援センター(高崎市)は、サルが桐生や太田などの山林から来た可能性があるとする。「群れから離れてしまったはぐれザルとみられる。威嚇したり、目を合わせたりするのは危険。もし見かけたら、速やかに自治体へ報告してほしい」と呼び掛けている。12年の出没時は農作物が食い荒らされる被害があり、館林市が捕獲した。市や近隣自治体は目撃情報が集まり次第、わなを仕掛けるなどして捕獲に向けて動きだす。
(クマ目撃、夏季に集中:宮城)
夏休みでキャンプや登山などで山に入る機会が増えるなか、県内でも各地でクマが目撃されており、今年度はすでに500件を超えた。夏季はクマと遭遇する可能性が高まることから、専門家らは複数人で入山するなどの対策を呼び掛けている。県自然保護課によると、2017年度のクマの目撃数は8月1日時点で529件。クマの目撃は夏に集中することが知られ、年間目撃数が過去最多の1642件に達した16年度も、6~8月の3か月間で半数近くを占めた。同課によると、入山者の増加や、好物であるトウモロコシやベリー類の収穫期に重なることも背景にあるという。16年度の目撃数が大幅に増加し前年の3倍を超えたのは、クマのエサとなるブナの実が大凶作だったためとみられている。今年度は16年度を下回るペースで推移しているが、林野庁東北森林管理局は今秋もブナの実の凶作を予想し、里山や市街地に出没しやすい状況が続くとみている。入山時の留意点は何か。野生動物の生態に詳しい岩手大の青井俊樹名誉教授(67)は「複数人で声を出しながら入山することが大切」と話す。出没が多いツキノワグマは基本的に突然襲ってくることはなく、人に気付くと警戒して立ち去ることが多い。万が一、至近距離で出合った場合は、クマを興奮させないようにゆっくりと後ずさりをし、去るのを待つのがよいという。また、襲われた場合に備え、青井名誉教授は、唐辛子の主成分であるカプサイシンの入ったクマ撃退用のスプレーの携帯も推奨している。
(クマ目撃件数、過去最多の去年を上回る:秋田)
今年に入ってから警察に届け出があったクマの目撃件数は、過去最多だった去年1年間の872件をすでに上回ったことがわかりました。今年は3月26日に秋田市雄和の国際教養大学の構内でクマ1頭が目撃されたのがはじめでした。午後11時ごろ、大学院生が構内の寮に帰る際、体長1メートルほどのクマを講義棟の前で目撃しました。その後、クマの目撃情報は4月には15件でしたが、5月になると100件を超え、6月、7月に入るとそれぞれ300件を超える目撃情報が寄せられました。1日の通報が20件を超える日もありました。県警察本部のまとめによりますと、今年のクマの目撃件数は15日までで872件と、過去最多だった去年1年間の件数に並びました。さらに16日も午後4時までに10件の目撃情報が警察に寄せられ、去年1年間の数字を上回りました。例年、クマの目撃情報は11月ごろまで寄せられ、今年の目撃件数はさらに増えるものとみられます。
(クマ、餌求め人里に大量出没の恐れ:新潟)
ツキノワグマの主な餌となる木の実の今秋の豊凶状況は、奥山にあるブナが県内全域で凶作または不作、人里近くに分布するクリ、オニグルミも不作が見込まれることが16日、県の調査で分かった。県や専門家はツキノワグマが餌を求め、畑や果樹園に出没する恐れが大きいとみて、注意を呼び掛けている。
(地域ぐるみでニホンザル被害対策:福島)
東日本大震災と福島第1原発事故後の相双地方でニホンザルの生息範囲が拡大していることを受け、県相双農林事務所は16日までに、南相馬市馬事公苑で「ニホンザル被害対策研修会」を開き、関係者がニホンザルの生態や被害対策を学んだ。昨年7月に一部地域を除き避難指示が解除された南相馬市小高区などでニホンザルの目撃情報が多く寄せられていることから、地域ぐるみでの適正な被害対策が必要だとして開催された。自治体職員や農業者、地元猟友会員ら約40人が参加した。研修会では同事務所の職員が「鳥獣被害対策のすすめ方について」と題し、ニホンザルやイノシシなどの有害鳥獣の被害が増加する背景や対策を説明。東北野生動物保護管理センターの三木清雅研究員が「ニホンザルの生態と被害対策について」をテーマに講話した。鳥獣被害対策で使う花火の安全な使用法についても県消防保安課の職員から説明を受けた。参加者は実際に筒状の追い払い花火の使い方も学んだ。
(避難解除地域、野生動物すみ着く:福島)
東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が解除された地域で、街中にすみ着いた野生動物から帰還者の生活を守ろうと、人家を丸ごと柵で囲う作戦が試験的に始まった。避難指示期間中に市街地で生まれ育った動物の個体数が増え続けた一方で、解除後の住民の帰還率が2割程度と低いことが背景にあるという。駆除にも限界があり、当面、街を動物とすみ分ける試行錯誤が続きそうだ。「『人間が檻(おり)に入る』なんて冗談みたいだけど、イノシシの侵入が防げるならありがたい」。避難先から夫と福島県浪江町の自宅に戻った40代女性が、50メートル四方の敷地をぐるりと囲った高さ1・2メートルの鉄製フェンスを見ながら言った。フェンスは、県などが原発事故で避難を強いられた周辺12市町村を対象に試験的な設置を始めたもので、女性は「イノシシは毎夜のように来る。群れで現れたり納屋を開けようとしたり、怖い思いを毎日してきた」と歓迎した。町も効果を検証した上で、宅地へのフェンス設置費用を補助する施策を検討する。福島県内の避難指示は今春までに、大熊町や双葉町などの帰還困難区域を除くほとんどの地域で解除された。だが、避難の長期化で、イノシシが市街地の竹やぶや川沿いの草むらを寝床にしたり、ハクビシンやアライグマは天井裏をすみかにしたりしてしまった。こうした状況は、帰還率が上がらない一因にもなっているという。除染の一環でやぶを刈ったり、荒廃した家屋の解体が進んだりして動物がすみづらい環境になってきてはいる。だが、市街地で生まれ、山の生活を知らない個体への代替わりが進んでおり、昼間に街に出現する頻度は減っても、山に戻すのは容易ではないという。富岡町では、町に委託された猟友会員が町内約30カ所にわなを仕掛け、捕獲を続けている。だが、12人の会員は大半が60~70代と高齢で、現在も町外に避難しており、活動には限界がある。福島の野生動物を調べている東京農工大の奥田圭助教(野生動物管理学)は、「戻った住民が使う場所と動物が暮らす場所を把握し、効率よく、長く続けられる対策を模索するしかない」と話す。
(減った鳥獣被害額、00年度以降で最低に:大分)
2016年度、県内で報告された農林水産物の鳥獣被害額は2億2500万円で、00年度以降、最も少なかった。県によると、住民と連携して重点的に対策を取る「予防強化集落」の指定地域を増やしたことが効果を上げた。深刻な被害を受けているケースもまだ多いことから、県は予防強化集落の取り組みを広げる他、鳥獣被害防止対策の知識の普及啓発に力を入れる。地域別の被害額は▽東部 3984万円(15年度比2%減)▽中部 4079万円(同16%減)▽南部 1468万円(同8%減)▽豊肥 5099万円(同30%減)▽西部 4400万円(同7%減)▽北部 3477万円(同17%減)。最も減少幅が大きかった豊肥地区は16年度、新たに51カ所を予防強化集落に指定。柵の設置や住民への啓発活動を集中的に実施した。竹田市の片ケ瀬地区は、昨年度から指定された強化集落の一つ。住民で集まり、地図を見ながら被害に遭いやすい水田、鳥獣が集落に侵入してくるポイントを確認し、重点的に防護柵を設けた。イノシシが掘り起こすのを防ぐため、柵と地面が接する場所に重しの金属パイプや目隠しのトタンを設置するなど工夫。地区の農事組合法人白百合のメンバーが中心になり見回りや補修も小まめにした結果、15年度に比べ水稲の被害面積が6割減った。同法人の伊東三明代表理事(65)は「一度、イノシシやシカが集落に入ると、餌場と認識して被害が拡大する。柵に穴が開いている部分がないか見回り、餌となる果樹を放置しないなど、住民全体の意識が重要」と強調する。一方で、集落を挙げての対策は負担が大きい。「農家が減り他の仕事をしている人が多い中では難しい」(県北の農家)との声も。県は本年度、予防強化集落の指定をさらに増やす。被害軽減に成功した集落のノウハウを広め、鳥獣害対策アドバイザーの養成と再研修にも力を入れる。県森との共生推進室は「集落ぐるみの対策が難しいところがあることは課題の一つ。職員がなるべく地域に入って理解を求め、適した対策を考えていきたい」としている。
(農作物鳥獣被害854万円、出没情報3年連続増:広島)
福山市は、有害鳥獣による2016年度の農作物被害状況をまとめた。被害額は、最も多いイノシシは5年連続で減少した一方で、カモによるレンコンの食害があった影響で前年度比40万円増の854万円となった。
(食害深刻、観光リンゴ園オープン中止:徳島)
美馬市脇町の山間部にある観光リンゴ園が、今年はオープンを見送る。サルやイノシシが動物よけの柵や網を突破し、成熟前の果実を食べるなど被害が大きかったため。中止は1997年の開園以来初めてで、関係者は残念がっている。リンゴ園は、中川芳一さん(80)=同市脇町横倉=が阿讃山脈中腹(標高600メートル)の約30アールで栽培している。「さんさ」「つがる」など230本を育て、市内の産直市に年間200~300キロを出荷するほか、脇町のリンゴをPRするため観光リンゴ園を開いている。生育状況にもよるが、例年8月上中旬から約1カ月間オープンし、100人ほどが訪れている。中川さんによると、10年前からサルやイノシシによる被害が出始めたため、捕獲用のおりを設置するとともに周囲を金属製の柵やトタン板で囲った。しかし効果は上がっていない。おりは2基設けているものの、これまでにかかったのは1回のみ。囲いは、地形上や下草処理の手入れ、経済面などの問題から全体の7割ほどにとどまっており、隙間から侵入しているとみられる。被害が目立つのが、高さ1・5メートル以下の低い木で、枝が折られていたり実を食べられたりしている。現状では「背の低い子どもが、リンゴの収穫が楽しめない」として中止を決めた。年々被害は拡大しており、近年の収穫量は97年の開園当初の3分の1ほどになっているという。中川さんは「丹精込めて世話をしてきたリンゴをサルやイノシシに食べられるのはつらい。どうやって防げばいいのか」と頭を抱えている。
(5年ぶりのクマ出没警報:山口)
15日、ツキノワグマに襲われ、85歳の男性が大ケガをしたことを受け、県は5年ぶりとなるクマ出没警報を出し警戒を強めている。15日午後、山口市徳地船路で農作業中だった85歳の男性がツキノワグマに襲われた。男性は目の上や耳などをツメで引っかかれ、大ケガをした。クマは山に逃走したという。今回クマが出た周辺の、八坂地区では、養蜂用の箱がクマに荒らされる被害が報告されていて、14日、山口市が捕獲用のワナを設置したばかりだった。今回の人身被害を受けて、県や山口市、警察などが15日夜、クマ出没緊急対策会議を開き、県内では5年ぶりとなるクマ出没警報を山口市八坂地区に出した。発令期間は28日までで、広報やパトロールを強化することにしている。山口市では防災無線による警戒の呼びかけも1日に3回行っている。
(害獣駆除にIoT:長野)
伊那市はモノがネットにつながる「IoT」の新技術を活用し、農作物に被害を与える有害鳥獣の駆除対策に乗り出す。捕獲用のわなにセンサーを付け、かかった時に無線で知らせる技術で、産官学で実証試験などに取り組む検討会を18日に発足させる。来年度にも実用化し、重労働の捕獲作業の負担軽減につなげたい考え。設置するのは「くくりワナセンサー検討会」。通信事業者や猟友会など有識者、信州大、行政機関などで構成する。新技術では捕獲用の「くくりわな」を利用する。捕獲時にセンサーで装置にスイッチが入り、いつ、どこでセンサーが作動したか情報を無線でユーザーに送るシステム。低コストで長距離通信ができるとして注目されている無線規格「LoRaWAN(ローラワン)」を利用する。6月に「LoRaWAN」のアイデアを競うイベントが伊那市で開催され、そこで捕獲用にセンサーの開発が提案されたことがきっかけとなった。検討会ではセンサーの開発状況や仕様を確認して実用化を支援する。また実際の捕獲現場で性能を調査する。9キロメートル圏内で通信が可能とされており、森林の中で無線が届くかどうか実証試験を進める。伊那市でもシカなどによる農作物被害が深刻になっている。わなは有害鳥獣がかかっているか毎日見回りする必要があり作業者の負担が大きい。
(イノシシわな遠隔監視:高知)
インターネットで遠隔地の装置を操作・監視する「IoT(モノのインターネット)」の技術を活用し、農作物を食い荒らすイノシシの捕獲を省力化する実験を高知県南国市が行っている。わなに掛かるとメールで農家などに画像を送信する仕組みで、1年かけて効果を検証する。南国市によると、北部の山間部では近年、イノシシやシカが増加。2016年度は稲やタケノコの食害総額が210万円に上った。9割がイノシシによる被害という。情報通信会社「STNet」(高松市)が2017年5月、インターネット回線を使った監視装置の設置を南国市に提案。南国市中谷で特産の四方竹を育てる川村昌三さん(62)が自宅近くに仕掛けた箱おりに、県内で初めて導入された。監視装置はおりとひもでつながり、イノシシが掛かるとひもが外れてネット回線に接続。登録しておいた農家や南国市役所などのアドレスに、わなの画像とともに捕獲を知らせるメールが送信される。わなの稼働データもネット上で管理できるという。南国市によると、1日の導入後、2頭が捕獲されたというメールが届いた。川村さんは「ぎっちり食べられて困っていた。自動で連絡が来るので便利ですね」と話した。STNetは「四国の地域課題にIoT技術で貢献していきたい」とコメント。南国市農林水産課も「狩猟者も高齢化が進んでおり、最新技術で被害が少しでも減ればと思い導入した」と期待を寄せている。 
(小水力発電でイノシシ対策:山口)
山口県で設置しやすい簡易型の小水力発電機の導入が広がっている。このほど県東南部に位置する光市塩田地区の農業用水路で、新たに導入した発電機が稼働を開始した。導入したのは里山などの整備活動に取り組む光市竹林会。農業用水路に県内のメーカーである大晃機械工業製の簡易型小水力発電機を1台導入した。設置に掛かったコストは総額30万円で、費用の全額はセブンイレブン記念財団から助成を受けた。簡易型小水力発電機の出力は4.8W(ワット)。0.8mの落差と、毎秒4リットルの水量を利用して発電を行う。発電した電力は、総延長約3000mの電気柵と夜間街灯として利用するLED照明に供給する。これらの設備は、農作物をイノシシなどの被害から守るためのものだ。
(ジビエ、県がお墨付き:山梨)
県は今夏、衛生管理基準を満たしたシカ肉処理施設で適切に処理されたシカ肉を「やまなしジビエ」として認証する制度の運用を始めた。食肉関係者らでつくる認証会議が審査し、施設と処理工程の安全性に“お墨付き”を与える。

TOPへ

8/16
(シカ一斉捕獲、遠隔操作で:岩手)
ニホンジカの農作物被害が深刻化する中、県は遠隔操作で多数頭を一斉捕獲する新装置の実証実験を続けている。高齢化などで猟師の減少も続く現状を受け、県の担当者は「シカ捕獲の省力化につなげ、有効策を打ち出したい」と期待を込める。シカによる農林業被害は全国的な問題で、国は2023年度までにニホンジカの国内生息数を11年度比で半減させるとしている。県内では、11年度のシカによる農作物被害額は、12市町村で1億5651万円だったが、16年度には、21市町村で2億1978万円(速報値)に上り、拡大が続く。環境省の推計では、県内のシカ生息数は約4万頭(12年度末)。県は毎年、シカの狩猟期の延長を続け、年間1万頭以上の捕獲を目標に設定している。一方、県内の狩猟免許保有者は1990年3月末に5384人いたが、今年3月末には、約6割の2995人に減少している。県や各市町村は、免許取得の助成や、取得後の育成など支援策に力を入れるが、県担当者は「今後は、高齢化で免許を更新しない猟師の増加が懸念される」と危機感をにじませる。そんな中、県が導入を目指すのが、遠隔操作で多数頭のシカを捕獲する新装置「ドロップネット」だ。高さ約3メートルの支柱で、18メートル四方の網を支え、下に入ったシカの集団を一網打尽にするわなだ。シカが入ると、センサーが感知し、スマートフォンの専用アプリやメールで猟師に通知。猟師はカメラで状況を確認し、スマホの画面ボタンで網を落下させる仕組みだ。人への警戒心が強く、夜間の行動が多いシカの習性に有効だが、わなに野菜くずなどを仕掛け、シカの群れを上手に誘い込めるかどうかが課題となりそうだ。新装置は、民間の電子機器メーカーから県が約230万円で購入し、昨年、宮古市で実証実験を開始した。今月2日には、遠野市でも山沿いの草地にわなを設置し、実験を重ねている。県農業振興課は「猟師のマンパワーには限界がある。効率的な捕獲策を打ち出し、県内に普及させていきたい」と語る。
(農作業で山に入った男性、クマに襲われ軽傷:山口)
15日午後2時40分ごろ、山口市徳地船路で「農作業をしようと山に入った夫(85)がクマに襲われた」と妻から通報がありました。被害にあった男性の住宅から山を登ってきました。猟友会のメンバーが現場を調べています。クマがひっかいたのか木の皮が剥がれていました。警察によりますと、男性は左目の上や左耳をひっかかれて軽いけがをしました。「『やられた』と言うから、『何に』と言ったら『クマにやられた』と。血だらけでびっくり」(クマに襲われた男性の妻)クマは山に逃げたため、警察は付近をパトロールするとともに、周辺住民に注意を呼びかけています。
(イノシシに襲われ男性が軽傷:兵庫)
15日午後9時20分ごろ、神戸市東灘区西岡本の路上で、帰宅途中の会社員の男性(48)の手提げかばんに背後からイノシシがかみついた。男性はかばんを持ち去られそうになったため、取り返そうとした際に転倒。頭を打つなどして軽傷を負った。イノシシはそのまま逃げた。兵庫県警東灘署によると、東灘区内では数日前にもイノシシが出没したとの目撃情報があり、署員が周辺を警戒していたという。現場はJR住吉駅の北約700メートルで、住吉川沿いの住宅街。
(中学校に白いヒグマ、色素欠乏の「アルビノ」の個体か:北海道)
北海道北部の下川町で「白いヒグマ」が目撃された。同町役場によると、目撃された9日から6日目の朝となった14日午前も逃走中という。同町は「猟友会や研究者の方とも話したが、突然変異で色素が欠乏した『アルビノ』の個体とみられる」(森林総合産業推進課)と話している。同町によると、下川中のグラウンド付近で9日午前7時50分ごろ、全身が白いヒグマを学校の清掃ボランティアの男性が発見した。クマはその場から逃走したという。クマは学校のグラウンド付近の林道を歩いていた。クマは清掃ボランティアの男性が乗ってきた車に気がついていったんは逃げたが、すぐに戻ってきた。様子を見た学校関係者が写真を撮影し、ボランティアの男性に声をかけてそばに近寄ったところクマは逃げ、学校南東部の下川スキー場の方へ逃げたという。学校関係者は「忍び足で獲物を狙うような様子で林道を歩いていた。初めはライオンのように見えた」と話す。その上で「猟友会の人たちと現場を後で見たところ木の根にアリの巣があった。掘った穴があり、クマがアリを食べに学校付近の林道に入ってきていたのでは」と推測している。9日午後5時ごろには、クマはスキー場付近の牧場の草地で発見された。猟友会と警察が2回発砲したが当たらず、クマは茂みに逃げた。14日になってもクマの発見には至っていない。同町によると、この白いクマが最初に目撃されたのは約4年前といい、下川中学校の東側の西興部(にしおこっぺ)村で小熊の状態で見られた。その後、今年4月になって、スキー場付近で成獣になった状態の白いクマの目撃情報があり、同町が警戒していた。
(子グマ捕獲し、山に放す:栃木)
14日午後0時6分ごろ、日光市湯西川のホテル駐車場で、子グマ1頭が発見された。子グマはいったん捕獲された後、山に放された。今市署によると、子グマは体長約40センチメートル。うずくまっているのを発見した人が110番した。親グマの目撃情報などは無かったという。関係機関に通報し猟友会が子グマを捕獲。その後、人が立ち入らない山に放したという。
(小学校グラウンド内にクマ:秋田)
15日午後4時20分ごろ、秋田県仙北市角館町西野川原の角館小学校のグラウンド内にクマがいるのを、付近を散歩していた同市の40代男性が見つけ、110番した。校内に職員ら数人がいたが、けが人はいなかった。仙北署によると、男性はグラウンド東側から西側へ歩く体長約50センチのクマを目撃。クマはグラウンドの金網フェンスと地面の隙間を通り抜け西側の住宅地方向に立ち去ったという。
(クマの食害か、エダマメが被害:秋田)
大館市の畑で、エダマメがクマに食べられたとみられる被害が確認されました。被害に遭ったエダマメは、およそ300キログラムにのぼるとみられています。クマの被害に遭ったのは、大館市橋桁字橋桁にあるエダマメ畑です。13日に農家の男性が、エダマメを箱詰めしていたところ、いつもの年より箱の数が少ないことに気付きました。男性は以前、畑でクマがエダマメを食べているのを目撃していたということです。被害に遭ったエダマメは、およそ300キログラム、70万円相当とみられています。大館市ではクマの目撃が相次いでいて、13日は釈迦内地区の国指定天然記念物、芝谷地湿原植物群落で写真撮影をしていた男性が、体長およそ80センチのクマ1頭を目撃し、警察に連絡しました。大館市は安全確保のため、13日から群落への立ち入りを禁止しました。現在警察や大館市が、現場付近の警戒に当たっています。
(クマと衝突、列車に遅れ:山形)
13日午後11時15分ごろ、山形市山寺のJR仙山線山寺-高瀬間を走行中の下り普通列車(4両編成)がクマと衝突し、停車した。乗客38人にけがはなかった。JR東日本山形支店によると、列車は約30分後に運転を再開した。
(急増「イノシシ」、県が処分加速:福島)
東京電力福島第1原発事故後に急増したイノシシの捕獲・処分が市町村の負担となっている現状を踏まえ、県は埋設地を確保する新たな対応に着手する。さらに、イノシシを解体する担い手確保に向けたモデル事業を行い、年内にも地域ぐるみでイノシシの個体数を安定的に管理、処分できる方策をまとめ、市町村に提案する考えだ。原発事故後、政府は県内全域で捕獲されたイノシシの肉の出荷停止を指示しており、イノシシは事故前のように食べることはできない。2015(平成27)年度に捕獲した1万5467頭のうち、半数を超える約9600頭が埋設処分されており、16年度は2万4000頭(11年度比約8倍)以上が捕獲され、猟友会は埋設地の確保に苦慮している。埋設地の確保に向けて県が調整役となり、山林や遊休農地などを提供する地元農家と、捕獲を実施する市町村や猟友会を結び付ける。農家の土地を活用して埋設地を確保することで猟友会側は安定して捕獲を継続でき、農家にとっては農業被害が低減される。県は、相互に利益があり、地域内で捕獲から処分を完結できる仕組みづくりを目指す。埋設処分以外のイノシシは焼却処分され、一般廃棄物の焼却施設を利用している35市町村(3月時点)では、イノシシの事前解体を必要としている。会員の高齢化が進む中で、捕獲から解体までを一手に担う猟友会の負担を軽減するため、民間事業者らに解体作業を委託するなど、解体専門の担い手を確保したい考えだ。
(尾瀬で有害な鳥獣・植物増加、駆除活動の強化急務:福島)
単独国立公園となり30日で10年となる尾瀬では、貴重な自然環境を守るため、外来植物や有害鳥獣を駆除する取り組みの強化が急務となっている。尾瀬保護財団は今秋にも県、檜枝岐村、ボランティアなどと連携した官民合同の外来植物対策チームを発足させ、駆除活動を始める。尾瀬の入り口に当たる檜枝岐村の352号国道沿いで外来植物が群生している場所を調査し、根を引き抜く除去作業を行う予定だ。財団の担当者は「組織単体ではどこも人手が足りない。外来種対策の効果を上げるため、関係者が一体となった取り組みが必要だ」と強調する。一方、県は今年度、南会津地区でのニホンジカ捕獲目標を従来の年間実績の2倍程度の560頭に設定した。昨年度策定した管理計画に基づく野生鳥獣対策で、檜枝岐村や南会津町、地元の猟友会と連携し、本県側で越冬している群れなどを中心に捕まえる。関係機関が連携して対策を強める背景には、尾瀬国立公園で外来植物や有害鳥獣の脅威が年々、増している実態がある。檜枝岐村の尾瀬国立公園への入り口に当たる小沢(こぞう)平周辺では今年、環境省指定の特定外来植物・オオハンゴンソウの群生が確認された。繁殖力が強く、公園内に広がれば、貴重な在来種が駆逐されかねない。大勢の登山客が出入りすると種が湿原に運ばれる可能性があり、水際対策が急がれている。ニホンジカによる食害も後を絶たない。本県側の大江湿原では尾瀬が単独国立公園となった2007(平成19)年度以降、名物のニッコウキスゲの花芽が食い荒らされる被害が相次いでいる。林野庁は2014年度から、大江湿原を囲う防護柵を設置し、シカの侵入を防いでいる。近年は352号国道から尾瀬ケ原につながる燧裏林道にもシカが現れるようになった。林道沿いにはコバギボウシなどが咲く姫田代や上田代など貴重な湿原があり、被害の拡大が懸念されている。檜枝岐村の関係者は「尾瀬の本県側にいなかったイノシシが昨年、村内の沼山峠周辺で確認された。鳥獣被害対策の強化は待ったなしだ」と語気を強める。「自然保護活動の発祥の地」とされる尾瀬では、1960年代ごろから湿原の植生回復やごみの持ち帰りなどさまざまな運動が展開された。これにより、行政をはじめ登山客らの尾瀬を守る意識が高まったとされる。尾瀬は2005年度、ラムサール条約の湿地登録を受けるなど世界的に貴重な自然環境と評価されている。単独の国立公園となって10年を迎える中、改めて環境保全に向けた機運の醸成が求められているとの指摘は多い。星一彰県自然保護協会長(84)は「尾瀬は本県が誇る自然財産。多くの人の力で守られてきた経緯があり、今後も関係者が知恵を出し合って課題を乗り越えていくべき」と本県の宝を未来につなぐ取り組みを求めている。
(夏場のジビエ食べて:島根)
島根県美郷町の狩猟者らでつくる、おおち山くじら生産者組合は、需要の少ない夏場のイノシシ肉の利用拡大を進めている。缶詰を商品化した他、7月からはクラウドファンディングで薫製の商品化に向けた出資を募っている。脂の少ない夏のジビエ(野生鳥獣の肉)はシェフらに敬遠されるが、農作物の獣害を減らすためには年間を通して捕獲する必要があり、需要拡大の必要性を訴えていく。同組合では年間400、500頭のイノシシを捕獲し、食肉処理する。夏季に捕獲するのは300、400頭で、子どものイノシシも多い。2004年の組合設立当時から、処理場に生きた状態で運ぶことで、傷みやすい夏でも良質な肉の生産に取り組んできた。ただ脂の乗った冬場の肉を求める業者が多く夏場の需要は限られるという。夏場の肉も有効利用しようと、昨年は缶詰を開発。冬場は高級部位として取引されるが、夏は一番痩せていくバラ肉を使って商品化した。さらに、7月からはクラウドファンディングにも挑戦。夏場に捕獲数が増えるが処理に手間が掛かる子イノシシを薫製にして、出資者には返礼品として贈る。3年前には県内のカレーハウスcoco壱番屋4店舗で、夏の肉を使ったカレーを冬に提供する取り組みも始まった。同組合の森田朱音広報担当は「豚や牛とは規格が違うことを理解してほしい」と訴える。組合の設立から携わる、町産業振興課の安田亮課長補佐は「獣肉には旬があるが、被害を減らすためには夏場の肉も利用していかなければならない」と指摘。「川上の価値観に、川下の料理人らも共感してほしい」と強調する。
(クマ撃退にマタギ短刀バカ売れ:秋田)
全国でクマの出没や被害が相次ぐ中、東北地方の伝統的な狩猟集団でクマやシカなどの野生動物を狩る「マタギ」が使う短刀「山刀」が売れている。秋田県北秋田市の鍛冶職人、西根登さん(69)が熟練の手作業で作る「一本物」の評判はインターネットで拡散し、売り上げは年々増加。木の枝打ち用や包丁として使え、アウトドアを楽しむ人にも人気だ。「これ一本あれば山で生きられる」。西根さんはまだ刃物になる前の鉄片を指さしながら話す。鍛冶屋の門をたたいたのは50年以上も前。熱で真っ赤になった鉄片を力強くハンマーで打ち付け、黙々と鍛錬する。西根さんが経営する「西根鍛冶店」では、鎌やくわなど農具も作ってきたが、農家が減っていることもあり、今では注文はほとんどない。一方で山刀は週に約20本を製作する。刃渡りは15~25センチ程度で、一番の売れ筋の刃渡り21センチなら1本1万9000円。店頭やネットの通販で販売している。大量生産される一般の包丁やナイフとは違い、西根さんの作る山刀は「芯が硬く、刃こぼれしにくい」のが特長。獲物を仕留めて解体したり、太い木を切ったりと、さまざまな用途で使えるのだという。そんな刃物をどうやって作るのか、西根さんは多くを語らない。鍛錬する力加減や火の温度、冷却用の油の成分など、これまで培ってきた知識や感性は西根さんだけが知る経験のたまものだ。独自の製法で作り上げられた山刀は徐々に客を引きつけ、数年前からインターネットで「マタギの魂」「究極のサバイバルナイフ」などと話題に。ロープを切ったり、魚をさばいたりできるため、渓流釣りやキャンプをする人たちからも注文が入るようになり、売り上げは2、3年前から2割ほど増加した。クマの出没や事故が増えたことも、売り上げの変化と関係していると西根さんはみる。昨年からクマの襲撃で5人が死亡した秋田県だけでなく、全国的にクマの出没が増えて襲撃される事故が相次いだこともあり、クマなどを狩るマタギと、マタギが使う道具にも注目が集まるようになった。鍛錬作業の機械化が進む中、西根さんのもとに仕事が入ってくるのは「絶対に機械では作れないものを作っているから」と淡々と答える。作業が一段落し、金属を打つ音がやんだ。これまでの張り詰めた表情が緩み「長いことやってきて、最近になってやっと日の目を見た」と笑った。

TOPへ