<射撃ニュース11月>
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(射撃場から実弾2発盗んだ日本人逮捕:韓国)
ソウルの繁華街・明洞にある射撃場から実弾2発を盗んで逃走した日本人が7日深夜、緊急逮捕された。ソウル南大門署によると、同日午後1時半ごろ、射撃場から実弾2発が紛失したと通報があり、警察は実弾を持ち出したとみられる日本人のA容疑者の行方を追った結果、午後10時15分ごろ、明洞のマッサージ店でA容疑者を発見した。A容疑者は中国人と共に射撃場を訪れ、射撃を行った後、安全担当者が銃器に弾を装填する間に実弾2発を盗んだ。警察は射撃場の利用者リストと周辺の監視カメラの映像からA容疑者を追跡。宿泊先を特定し、実弾を回収した。警察関係者は「A容疑者と一緒にいた中国人も取り調べる。深夜の逮捕で通訳が必要となるため、取り調べには時間がかかる」と説明した。犯行現場となった射撃場では、今年9月16日に映画の製作スタッフの男性(36)が自殺する事件が起きている。

(JOC、競技団体会長に適正運営求める:東京)
スポーツ界の相次ぐ不祥事を受け、日本オリンピック委員会(JOC)は7日、東京都内で加盟競技団体の会長を集めた会議を初めて開き、適正な組織運営の徹底を図った。54競技団体の幹部が出席。強化責任者のパワーハラスメントが問題視されたレスリングや、補助金の不正流用などがあったボクシングの団体トップが不祥事の背景や対応を説明した。これまでもJOCは各競技団体の担当者や選手らにスポーツのインテグリティー(高潔性)の重要性を伝えてきたが、会長を対象にした会議は初めて。JOCの竹田恒和会長は「リーダーシップをもって組織を引き締めてほしい」と狙いを説明した。スポーツ庁の鈴木大地長官も出席し、超党派のスポーツ議員連盟が設置した有識者の会議で「国の関与を強化すべきだ」という意見が出ていることなどを紹介。日本クレー射撃協会の高橋義博会長は「政治がスポーツを引っ張っていくということか」と疑問を呈したが、竹田会長は「国といい関係を保ち、自立した組織を目指すことが大事」と訴えた。

(クマとの共生考えよう:秋田)
クマとの共生を考える公開講座が7日、北秋田市脇神の伊勢堂岱縄文館で開かれた。大学院教授らがクマの生態や本県の生息動向について講演し、被害防止対策などに理解を深めた。講座は、北秋田市と北海道大大学院の獣医学・農学両研究院が昨年6月に結んだ協定に基づき開催。国指定史跡・伊勢堂岱遺跡のボランティアガイドらが参加した。同大学院の坪田敏男教授(野生動物医学)は、「クマってどんな動物?」と題して講演。進化の過程で肉食から植物食に変わり、妊娠した雌は冬眠中に出産することを説明した。秋に餌を探して動き回ることについて、「冬眠中の体を維持し、繁殖を成功させるためだ」と解説した。

(イノシシ被害減、狩猟者高齢化進む:佐賀)
お隣の福岡県で、イノシシが砂防施設に転落して出られなくなったことが話題になった。佐賀県内にもイノシシはたくさんすんでいる。事情はどうなっているのか。調べてみた。県生産者支援課によると、県内の野生動物による農作物被害額は2002年度の約7億円をピークに、17年度は1億4500万円まで減った。柵などの「侵入防止」、猟などの「捕獲」、畑に取り残しの作物を放置しないなどの「すみ分け」の各対策が功を奏しているとみている。ただ、捕獲を担う狩猟者らは高齢化が進む。狩猟免許を持つ人の延べ人数は03年が1878人、17年は1748人と徐々に減っているが、大きくは変わっていない。しかし、60歳以上の人の割合は47・4%から65・9%へと増えた。散弾銃・ライフル銃を使う「第一種銃猟」が半減した一方、「わな猟」がじわりと増えている。食害に悩む農家が取得することが多いとみられる。被害の約6割はイノシシだ。17年度の被害額は9110万円。米、果物などの被害が特に大きい。捕獲数はここ数年2万頭台で、17年度は2万2千頭だった。数が増え過ぎて農作物に危害を及ぼすとして、猟期に関わらずに捕獲できる「有害捕獲」が多く、行政は「報奨金」で後押しする。県によると、捕らえられたイノシシのほとんどは埋められるなどして処分され、食肉になるのは数%だという。担当者は理由として、食肉処理施設の少なさや県内のジビエ文化の薄さを挙げる。県内では武雄市に民間の加工処理施設があり、吉野ケ里町、基山町にもこの春、行政が解体処理施設を整備した。消費者の掘り起こしも進めたいという。

(イノシシ被害拡大、捕獲技術の研修会:山形)
県によると、昨年度のイノシシによる農作物への被害額は5086万円に上り、前の年度の2633万円から2倍近くに増えている。こうした事態を受け、県は6日、天童市で猟友会のメンバーを対象に技術向上のための研修会を開催した。地元の猟友会の会員など約90人が参加。兵庫県でイノシシなどの捕獲にあたる会社の上田剛平社長が講師を務めた。上田社長は「イノシシは寝床が決まっているのでその場所を狙うとよい」「走るスピードが速いので、上り坂で待ちぶせすると撃ちやすい」などと習性を踏まえて対応することが大切とアドバイスしていた。猟友会メンバーは「駆除はずっとやってきた。農家の皆さんのためにやらないといけない」と話した。県は今後、猟友会と協力して、被害が特に多い村山と置賜地方で、来年2月下旬までに計150頭を捕獲したいとしている。

(鳥獣捕獲、4年連続2万匹突破:徳島)
2017年度に徳島県内で捕獲された野生鳥獣(サル、シカ、イノシシ)は2万1628匹で、4年連続で2万匹を超えたことが県のまとめで分かった。農作物被害額は1億1148万円とほぼ横ばいで、9年連続で1億円を超えた。狩猟者の高齢化も深刻で、県は担い手の育成を急いでいる。県によると、17年度の捕獲数はニホンジカ1万2752匹(前年比1261匹減)、イノシシ7488匹(1109匹増)、サル1388匹(54匹減)だった。総捕獲数は15年度の2万3068匹が最多で、16年度は2万1834匹だった。県内の農作物被害額は09年度に1億235万円を記録して以降、一度も1億円を下回っていない。県農山漁村振興課によると、ここ5年間は1億1千万~1億2千万円台で推移している。野生鳥獣が大量捕獲されているにもかかわらず、被害額が減らない背景には中山間地の過疎高齢化、耕作放棄地の増加がある。管理者のいない果樹園は格好の餌場。人がおらず、追い払われないことが分かれば、恐れることなく集落に進入してくるという。県農山漁村振興課は放置された果樹の除去や、農地、果樹林への防護柵設置を呼び掛ける。また県消費者くらし政策課は、狩猟期間の延長や直径12センチ超のくくりわなの解禁といった規制緩和を進め、狩猟を促している。ただ狩猟者登録数は年間2300人前後と横ばいが続き、60歳以上が75%を占める。17年度に狩猟者登録を届け出た20代以下の人数は26人で、全体(2280人)の1・1%にすぎない。ベテラン世代が引退すれば、貴重な狩猟技術も失われる恐れがある。同課は高校や大学での出前授業、ハンティングスクールを開くなど若いハンターの確保に努めており、「若い狩猟者を増やすのは簡単でないが、地道に続けていきたい」としている。

(クマパトロール休止、3カ月以上痕跡なし:北海道)
今年5月、106年ぶりにヒグマの上陸が確認された利尻島の宗谷管内利尻富士町と利尻町は6日、警戒パトロールの休止を決めた。足跡など新たな痕跡が見つかれば再開する。島内では3カ月以上、新たなフンや足跡などの痕跡が見つかっていない。10月31日の対策会議で、専門家が「99・9%生息していない」との見解を示したため判断した。両町は引き続き、町民には屋外に生ごみを放置しないよう呼びかける。

(国道でシカひかれる:群馬)
7日午後5時20分ごろ、群馬県伊勢崎市美茂呂町の国道462号でシカがひかれていると同市役所に情報があった。駆け付けた職員が死がいを回収した。市によると、シカは体長約1.1メートルの雄。現場は市役所から南におよそ1キロの住宅街。同日朝、現場の南にある「いせさき市民のもり公園」付近でシカが目撃されており、市がメールで注意を呼び掛けていた。

(瀬戸内海で泳ぐイノシシ目撃:愛媛)
6日午前11時半ごろ、愛媛県四国中央市土居町蕪崎沖約3キロの燧灘で、パトロール中の今治海上保安部巡視艇「せとぎり」が、体長1メートル未満のイノシシ1頭が泳いでいるのを発見。左右に尻を振って懸命に進む姿に乗組員から笑みがこぼれた。同海保によると、乗組員が黒い漂流物を見つけた。回収しようと近づくとイノシシで、猛進することなく優雅に犬かき中。撮影する若手乗組員にピンクの鼻を向けて近づき、「かわいい」と見守られながら北の広島県方面へ消えていった。目撃ポイントから陸地へは最短でも約10キロ先の股島(香川県観音寺市)という。来年のイノシシ年の年男で同海保管理課の岩本大輔さん(35)は「えとのニュースにはちょっと早かったが、何とか無事に陸にたどり着いていてくれれば」と話した。

(サル、市街地で目撃情報相次ぐ:大阪)
大阪、兵庫両府県の市街地で10月下旬、サルの目撃情報が100件以上相次いだ。大阪府北部の山を下ったサルが大阪市内を西に移動し、兵庫県西宮市周辺から山に戻ったとみられる。移動距離は50キロ以上。専門家によると、サルは秋から冬にかけて繁殖期に入り、オスがメスを求めて市街地に迷い込んだ可能性がある。自治体の担当者らは「今後も出没する恐れがあるので近づかないで」と注意を呼び掛けている。発端は10月23日午後。大阪府豊中市の住宅街でサル1匹が歩いているとの目撃情報が市に寄せられ、25日までに市内で計22件に上った。ツイッターでは「豊中市の真ん中でお猿さんがいるなんて不思議」などの書き込みが相次いだ。大阪市の淀川、東淀川、西淀川の3区でも24~28日に計30件以上の目撃情報があり、豊中市から南下したとみられる。淀川区に住む高校3年の男子生徒(18)は27日早朝、登校中にサルを見かけ、スマートフォンで動画を撮影した。サルは道路を悠然と歩き、後ろ足で顔をかく仕草も。西淀川区の男性会社員(37)は27日昼、住宅の屋根に座るサルを見た。他にも民家の庭で柿を食べたり、河川敷を疾走したりする姿が報告されている。その後、隣接の兵庫県尼崎市などで目撃が増加。29日、山のふもとにある同県西宮市の公園を最後に情報は途絶えた。けが人は確認されていない。府などによると、サルが集団で生息しているのは箕面市や高槻市の山中。豊中市で目撃されたサルとは別に、高槻市と隣接する茨木市からも大阪市内に入った目撃情報もある。サルの生態に詳しい金沢忠博・大阪大大学院教授(比較発達心理学)は「11月は交尾期なので、メスを求めて移動するうちに市街地に入ってしまったのでは」と推測。大谷洋介・大阪大特任講師(霊長類生態学)は「市街地でこれだけ目撃情報が多発するのは珍しい」と話した。今回はサルが威嚇するなどして市民らに危害を加えることはなかったが、「発情期はオスが攻撃的になる。目を合わせたり、写真を撮ったりするのは危険で、なるべく近づかない方がいい」と指摘した。

(群馬で暮らす、変化と不変の調和探る)
いよいよ待ちに待った狩猟シーズン。群馬県の猟期は通常11月15日から2月15日の3カ月間です。私を含め多くの猟師は本業が他にある人が多く、サラリーマンなら土日をフルに使っても20~30日しか出猟できないので、この期間は他の予定をなるべく入れないようにしている人が多いのではないでしょうか。群馬に来て狩猟を始めてから4年ですが、この数年で狩猟に対する世間のイメージが少しマイルドになったような気がします。解体手順の写真などを掲載した雑誌が一般の書店に並び、都心のジビエ料理店は人気漫画の影響もあり女性客が多く訪れています。私が狩猟免許をとった時、東京の試験は年に2回でしたが、今年は4回になりました。それだけ狩猟に興味を持つ人が増えたのだろうと思います。ただ、東京の人が猟場を探して実際に猟を始めるのはハードルが高くペーパー猟師になる人も少なくないようです。地方で猟師が減って困っている一方で東京ではペーパー猟師が増えているという状況の解消を目指し、わなをシェアしたり、初心者が入りやすい新しい仕組みを始めた団体もあるようですが、趣味で狩猟を体験したいというニーズと、専業では食えないけど地域の担い手は欲しいという現実を埋めるのは簡単ではありません。また、多くがネットを活用し情報発信をしていますが、狩猟の世界は昔から動物虐待とたたかれたり、SNSやブログが広まった数年前も獲物をとった写真をアップして炎上したりと、あまり情報を出さないようにしていた背景があります。発信者は今でも探り探りで、他の分野にはないストレスを感じています。一方、ユーチューブで狩猟の映像を見て参考にしたり、獲物がわなにかかった時に携帯にメールが届く道具ができたりと、猟師もITを活用する時代になりました。一生安泰で正解というものがなくなってきた今、その時々に合わせた道具の使い方や伝え方を考え続けていかないといけないのだろうと思います。狩猟分野に限らず、群馬に移住して仕事をする中で、地方やニッチな業界こそネットやITの活用で機会を増やせるようになると実感しています。群馬にある良いものを知ってもらい、地域で働ける人や仕事を増やせるよう、今秋から中小企業と地方のウェブマーケティング支援を行う会社で働くことになりました。趣味志向が多様化している中で、興味があるか分からない多くの人にPRするより、興味を持って検索している潜在顧客に見つけてもらう仕組みをウェブで作っていく技術が必要になってきています。変わらない良いものを残すことと新しい変化を楽しむことのバランスを自分なりに探しながら、これからも群馬の暮らしを楽しんでいければと思います。

(美食“自然と共生”は地元愛:)
プロの料理人向けのジビエ(野生動物の肉)セミナーも今年から来年にかけて開催している。シカやイノシシが農作物を荒らす獣害を、おいしいジビエ料理を提供することで解決しようという試みだ。実は日本には、ジビエ料理をきちんと教えられる教師はほとんどいない。だが、辻調にはいる。日本ジビエ振興協会理事長でシェフでもある藤木徳彦さん(46)は「硬いシカ肉でも技術があればカバーできる。料理人が地域の力になるために、ジビエの加工技術を教えられる辻調への期待は大きい」と語る。

(自然魅せられ「マタギ」弟子入り:福島)
古来の方法でクマや鹿などの狩猟を行うマタギの世界に飛び込む若者が金山町にいる。埼玉県出身で、同町地域おこし協力隊の八須友磨さん(26)。同町のマタギ猪俣昭夫さん(67)に弟子入りし、今秋から狩猟を始める八須さんは「自然とともに生きていきたい」と意気込んでいる。「これが鹿で、これがクマの足跡。この感じだとつい最近歩いたものだな」。金山町中心部から車で20分ほどの林。木々が紅葉に染まった2日午後、八須さんは、猪俣さんの言葉一つ一つをうなずきながら聞いていた。狩猟解禁となる15日からは猪俣さんと一緒に山に入り、いよいよマタギとしての一歩を踏み出す。埼玉県鴻巣市出身。両親の影響を受け幼いころから自然が大好きで、東京農大国際農業開発学科に進み、環境保全や自然との共生を学んだ。卒業後、食品会社に就職したが1年半ほどで退職し、国内外を旅した。金山町との出合いは東北を歩いて巡る旅の途中に訪れたことだった。自然豊かな町の雰囲気や、人の温かさが心に残った。転機となったのは、その後の5カ月にわたるアラスカの旅。キャンプ道具を詰め込み、ベーリング海に注ぐユーコン川をカヌーで下った。一人きりで自然と向き合うと、日の光にさえ感謝の気持ちを覚えるほど五感が研ぎ澄まされ、自然の一部になった幸福感を味わった。旅の間は常に木々に囲まれていた。急斜面などどんな環境でもたくましく育つ姿を見て「自分も根を下ろして生活しなければ」と帰国を決断した。定住先として選んだのが金山町だった。昨年11月に町の古民家に移住。冬の間はスキー場のアルバイトで生活していたが、自然を相手にする猪俣さんの生活に憧れを抱き、弟子入りを決めた。今年5月には地域おこし協力隊の一員となり、猪俣さんの教えを受けながら、養蜂や赤カボチャの生産などに携わってきた。「自然と話ができるようになれ」。猪俣さんから受け取った言葉の一つ一つに重みを感じている。今はまだ分からなくても、自然と向き合うことで見えるものがあると信じる。来春には自分の手で町内に小屋を建て、そこで生活する計画も立てている。八須さんは「自然の中で生きていくということを、いろいろな人に伝えていきたい」と力を込める。

(クマ対策犬の国内初繁殖に成功:長野)
人里に近づくクマにほえ、人間を襲ったりする前に森に追い返すクマ対策犬。クマを表す英語を冠し「ベアドッグ」と呼ばれる。ベアドッグのハンドラー(飼育・訓練士)として、日本初の繁殖を成功させた。生活の場は長野県軽井沢町にある13畳ほどの飼育小屋。母親のベアドッグ、タマに加え、タマが今年春に生んだ子犬6匹と寝食を共にし、シャワー以外は自宅に戻らない徹底ぶりだ。タマの出産では自ら6匹を取り上げた。うち2匹がベアドッグの適性検査に合格。約1年間にわたって訓練を積み、来年春のデビューを目指す。北海道大大学院で大型野生生物の研究に没頭。約15年前からハンドラー。ベアドッグにならない4匹が関係先に引き取られ“親離れ”したら、中断していた米作りを再開する予定だ。44歳。

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11/6
(クマ報奨金、1割減額し専決処分:北海道)
後志管内島牧村の藤沢克(まさる)村長は31日、クマの捕獲や出動時に猟友会へ支払う報奨金について、算定基準となる要綱の運用を見直し、従来の約1割減とした予算案を専決処分する方針を村議会の全員協議会に示した。村は同日、専決処分の手続きを行った。7~9月にクマの出没が相次いだため、村は報奨金1156万円を村一般会計補正予算案に計上したが、9月の定例村議会で複数の村議が「高すぎる」と反対し、否決された。要綱によると、クマ出没時の猟友会への出動要請は「緊急時」扱いの1回3万円となり、原則、出動回数で積み重ねる方式。村は否決後、1日の出動時間や時間帯を踏まえて算定するよう運用を見直した。

(豚コレラ問題で20市町区域狩猟禁止大:岐阜)
岐阜市の養豚場の豚が家畜伝染病「豚(とん)コレラ」に感染した問題で、県は5日、銃猟が始まる今月15日から来年3月15日のシーズン終了まで、県内20市町にまたがるエリアで全ての狩猟を禁止すると決めた。今月に入り可児市など新たな地域で感染イノシシが見つかるなど感染の広がりが確認されたことから、狩猟者が山に入り野生イノシシを追うことでさらに拡大するのを防ぐため。狩猟禁止エリアは、主に感染イノシシが見つかっている岐阜市椿洞地区と同市大洞地区、さらに今月1日に初めて木曽川左岸で感染イノシシが見つかった可児市の発見場所周辺。今月1~14日は17市町(7日以降は20市町)を禁猟としていたが、15日以降も狩猟を制限する。一方で、制限地域を市町域の中で細かく分けることで、狩猟者にも一定の配慮をした。有害鳥獣駆除は、従来通り市町村と県の許可を受ければ可能とする。県の狩猟者登録を受けている約3600人に文書で通知した。県猟友会や市町村向けに近く説明会を開く。区域内で捕れた野生鳥獣肉(ジビエ)の食肉利用も自粛を要請する。感染状況の把握と個体数を減らすための調査捕獲は今月末まで継続する。愛知県と山続きの可児市で感染イノシシが見つかったことを受け、同市と愛知県犬山市にまたがる山中に防護柵や緩衝帯を設ける。愛知県も5日、岐阜県との県境近くの一部区域で猟禁止を決めた。県豚コレラ検証作業チームは5日、初期対応の検証結果や対策をまとめた。豚コレラの発生を想定していなかったことが対応の遅れを招いたと指摘。対策として県は年度内に豚コレラ防疫要領を全面改訂する。県中央家畜保健衛生所が8月24日に血液検査をした際、感染症を疑いながらも熱射病と判断したことを問題視し「国の防疫指針にのっとった対応をすべきだった」とした。また、岐阜市の獣医師が8月9~23日に4度、発生農場を訪れて豚の衰弱などを把握していたとし「もっと早く県と情報共有すべきだった」と指摘。県が発生当初、8月中の農場とのやり取りを公表していなかったことは「(熱射病との判断を)隠す意図はなかったが、不適切だった」とした。現在、国の疫学調査チームが感染時期やウイルスの侵入要因などの調査を継続しており、検証チームも引き続き連携を図っていく。県の防疫要領は現在、国の防疫指針を反映しておらず、細かなマニュアルもないため、初期対応部分を年内に策定し、年度内には全面改訂する。家畜伝染病が発生した際に「情報集約センター」を立ち上げ、正確な情報の収集や共有、広報を一元的に行うこととし、年内に体制を整える。

(ローストしたクマ肉で旋毛虫症、ジビエブームにリスク)
クマの肉を食べたことで旋毛虫症を発症した事例が、相次いで3例発生したことが報告された。いずれも同じ1頭のクマの肉が原因食品で、うち2例はローストして食べ、1例はカツにして食べていた。市立札幌病院感染症内科の児玉文宏氏らが、第67回日本感染症学会東日本地方会学術集会(2018年10月24~26日、東京)で報告した。同氏らは、野生鳥獣肉(ジビエ)ブームの中、旋毛虫症などの感染症リスクが高まっているとし、一般消費者へのさらなる啓蒙が必要と指摘している。症例1の経緯はこうだ。特記すべき既往歴のない北海道在住の40歳代男性で、2018年春にハンターから譲渡された狩猟直後のクマ肉を1週間程度、冷蔵保存。その後、自宅でロースト調理し食べたという。喫食から22日後に発熱。その後、かゆみを伴う全身発疹が現れ、咳、呼吸困難感、口唇腫脹、四肢筋肉痛も出現した。近医を受診しアレルギーとして治療後、いったん呼吸困難感や発疹は改善したが、その後かゆみが悪化したため市立札幌病院を受診した。白血球の一種である好酸球数が多く、また患者からローストしたクマ肉を食べたことが聴取できていたことから、旋毛虫感染症を疑い治療を開始した。その結果、次第に改善し、クマ肉を食べてから10週後に完全に消失した。治療開始と並行して寄生虫検査も行ったが、当初は抗旋毛虫の抗体価が低く、喫食37日後に陽性となった。また、喫食翌日から冷凍保存されていた同じ個体のクマ肉から旋毛虫が検出され、旋毛虫症と確定した。患者からの聞き取りで、食べたクマ肉は塊ごと約10分間表面を焼き、その後余熱で加熱していた。表面以外の内部の肉は「赤いまま」だったことが分かっている。症例2は30歳代女性で、症例1と同じ日に、同じローストしたクマ肉を食べていた。喫食20日後に症例1とほぼ同様の症状、所見を呈した。同じような経過をたどり、症例1と同様の治療により、症状が消失した。クマ肉の喫食が原因で旋毛虫症を発症した事例が2例と続いたことから、同じクマ肉を食べた人を追跡調査したところ、症例2の母(症例3)が抗旋毛虫抗体価が陽性となった。症例3は、生のクマ肉をカツにして食べていた。1カ月ほどして発熱、四肢・体幹筋肉痛、発疹が出現したが、その後数日で症状は自然消失していた。治療はしていない。 児玉氏は、2016年に茨城県で旋毛虫による集団食中毒が発生したことを受けて、厚生労働省が「クマ肉による旋毛虫(トリヒナ)食中毒事案について」を発信し、改めて「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針」(厚労省、2014年)の順守を求めたことに言及。しかし、今回、3例の旋毛虫症例が相次いで発生した背景には「シカ肉と同様に、ローストすればクマ肉も安全との誤解があった」と指摘。ジビエ食による感染症リスクの認識やその予防法が広まっていない可能性があるとし、さらなる啓蒙が必要とまとめた。

(クマ生息調査区域を3割減:秋田)
ツキノワグマの生息数を推定する現地調査について、秋田県は来年度から対象区域を約3割減らすことを決めた。調査を担う県猟友会員の高齢化と減少が理由。県は「赤外線カメラを使った新たな調査のデータも活用し、精度の高い推定値を出すよう努める」としている。現地調査は従来、県土全体を3キロ四方に区切った1415の升目から180区域を抽出し、冬ごもり明けの4~5月に猟友会員が山中を歩いて実施。クマの姿や足跡、ふんなどを確認し、そのデータを基に生息数を推定してきた。県は、来年度の調査から対象を50区域減らして130区域とする案を10月17日の県環境審議会自然環境部会に示し、了承された。県による生息数調査は1980年度にスタート。クマによる人身被害が前年、死者1人、重傷者12人に上り、捕獲数が当時過去最多の290頭を数えたのを受けた取り組みだった。

(今季のクマ猟解禁、半月前倒し:岩手)
県内で1日、今季のツキノワグマ猟が始まった。今季は冬ごもり前のクマに人間の怖さや存在を教えるため、東北で初めて解禁日を半月前倒し。岩手日報社の調べでは4~9月の目撃情報は1661件、物的被害は581件と高水準で推移し、人的被害も1日までに13件に上っている。人や農作物に深刻な被害が出る中、クマとの共存に向けた模索が続いている。県猟友会青年部の西村昭二部長(46)は同日、ハンター仲間5人と共に、犬1匹を連れて宮古市の山に入った。勢子(せこ)役が冬ごもりに向け餌を探し求めているクマを追い立て、反対側で待ち伏せるハンターが仕留める「巻き狩り」を行った。来月中旬からは寝ぐらを探す猟に切り替える。沢沿いから山に入るやいなや、クマが土手から下りた足跡を発見。西村さんが「まだ新しい」と目を光らせると、近くに乾いていないふんやクマ棚と呼ばれる枝を折った跡が見つかり、メンバーは生息を肌で感じた。

(ニホンジカ捕獲開始:青森)
青森県は1日、県内で目撃情報が相次いでいるニホンジカの2018年度の捕獲事業を開始した。三八地域と白神山地周辺が対象で、実施は2年目。わなと銃による猟を来年3月まで行い、県全体で53頭の駆除を目指す。

(日の出とともに狩猟解禁:山形)
カモ類を対象とした狩猟が1日早朝、県内で解禁された。ハンターたちは日の出とともに銃を構え、初猟に臨んだ。猟銃による事故も懸念されるため、県警はこの日、各署管内で適正に取り扱われているか警戒を強化。昨年度は事故が3件発生し、弾薬の取り扱いに関する法令違反の摘発も1件あった。県警の担当者は「規則を守って楽しんでほしい」と呼び掛けている。県警生活環境課によると、県内では昨年度までの5年間で猟銃による事故は9件確認されている。昨年度は解禁日に南陽市内で70代の男性が自分の足を誤射し、大けがをする事故が起きており、他にも散弾銃の実弾約30発を車内に残し、その場を離れたとして摘発された事例もあった。猟銃に関しては、銃刀法や火薬類取締法で扱いが厳しく規定されている。昨年度より前には、免許を持たないで猟をしようとしたケースや、軽トラックの荷台に銃を積んで移動し、実弾を落とすなどの違反行為が確認されている。誤射によってけが人が出るケースも発生。県外では死亡事故も起きている。猟銃は趣味としてだけでなく、有害鳥獣の駆除などでも役割が大きく、同課は「法律やルールを守って扱ってほしい」としている。猟期はカモ類が来年1月31日まで。キジ・ヤマドリ類は今月15日~来年2月15日、イノシシは今月15日~来年3月31日までとなっている。カモ猟に取り組むハンターにとって待ちに待った1日朝。県猟友会西おきたま支部(小笠原吉広支部長)の会員が長井市内で行った初カモ猟に、第1種銃猟免状を持つ記者が同行した。まだ薄暗い午前5時半。豊田地区公民館に猟友会員7人が集まり、カモ猟に向かう場所を打ち合わせた。「解禁日はカモも警戒心が薄く、捕りやすい」と小笠原支部長。「初日はみんなで回り、事故を起こさないようルールを確認し合っている。1月末までの猟期にみんなが無事故・無違反で終わることが何より大切だ」と表情を引き締めた。狙いを定めたのは同市平野の小川。小雨の中、日の出に合わせて移動し、堤防に向かう。人の気配を感じたカモは群れで飛び立つため、川に沿って横1列に並んで撃つのが基本だ。堤近くで散弾銃に弾を込め、合図と同時に一斉に近づくと、10羽以上のカモが飛び上がった。「ドン!」「ドン!」と重い銃声が響き、数羽が落下。「何羽撃った?」と声を掛け合いながら川辺に近づく。仕留めた人は実感があるのだろう。「2羽当てたぞ」などと興奮ぎみの声も聞こえる。記者も2発撃ったが、手応えはなかった。カモ猟は命中させるのはもちろん、獲物の回収も難しい。仕留めた5羽のうち1羽が川に落ち、会員が手作りのフック付き棒を使い何とかカモを拾い上げた。次に近くの川の合流部と伊佐沢のため池で猟をしたが、空振りとなり、初日の獲物は最初の5羽で終了。同猟友会員の渡部仁さん(67)=同市今泉=は「昨年の解禁日は駄目だったが、今年は初日に捕れて良かった。脂も乗っており、今年は期待できる」と笑顔を見せた。

(シカとイノシシ、獲物追いハンター山へ:滋賀)
今年度のシカとイノシシの狩猟が1日、県内で解禁された。農作物などへの被害が多いことから、今月15日に解禁されるカモなど一般の狩猟より半月早く、期間の前倒しは昨年度に続き2回目。狩猟期間もカモなどは来年2月15日までだが、イノシシとシカは同3月15日まで延長される。

(狩猟犬もう山中で迷わない、船舶レーダー大手が専用無線を開発:兵庫)
船舶レーダー大手の古野電気(兵庫県西宮市)が、狩猟犬向けの専用無線の開発に力を入れている。近年、シカやイノシシなど野生鳥獣による全国の農作物被害額は200億円前後で推移しており、国も捕獲の取り組みを強化する。同社は「国内電波法に適合した製品を供給する必要性が高まっている」として、新分野の開拓に乗り出した。同社が開発した商品は「ドッグナビ」。免許や登録が不要な特定小電力無線で、衛星利用測位システム(GPS)受信機やマイクが付いた専用の首輪を犬につけると、狩猟者用端末のモニターに狩猟犬の位置が表示され、犬の声が聞こえる。また、端末を持った狩猟仲間の位置も確認できる。狩猟は通常、先に山に入って待ち伏せる人や、猟犬を放つ人など役割分担して行う。現場では、仲間を誤って撃ったり、猟犬が山中で迷ったり、人を襲ったりすることなどが課題だが、同社によると、これまで現在地を表示できる電波法適合の無線はなかったという。一方、輸入品は電波の使用基準が日本と異なるため、消防無線を妨害するなどの問題が発生する。総務省から相談を受けた同社は、2012年から開発を始めた。担当者が狩猟免許を取得して猟友会に入会するなどして現場のニーズを調査。犬には体温が上がると水に飛び込む習性があるため、防水性を高めるなど工夫を重ねた。14年から販売を始め、昨年からは、機能を高めた製品も売り出している。環境省によると、狩猟や被害防止のために捕獲されたシカとイノシシの数は、06年度の計45万2千頭から10年で約2・6倍の計120万頭に増えている。同社ITSビジネスユニット営業2課の古野直樹課長(45)は「法律を正しく守って狩猟や駆除に取り組んでほしい」と話している。メーカー希望小売価格は狩猟者用が1台10万5千円、犬用が1台5万5千円(いずれも税別)。

(ワナに体重100kgのクマ、大量のリンゴ被害:山形)
リンゴがクマに食べられる被害が相次いでいる畑で5日朝、メスのクマ1頭が捕獲された。5日朝、山形市で捕獲されたクマは、体長1.4メートルほどのメスのツキノワグマで、体重は、およそ100kgとみられている。この地区では、10月から少なくとも50kgのリンゴがクマに食べられる被害が確認されていて、猟友会がわなを設置して、見回りを行っていた。

(公園に出没したイノシシ、最後の1頭を捕獲:香川)
今年8月、国の特別名勝、高松市の栗林公園でイノシシ3頭が出没し、うち2頭が捕獲されました。最後の1頭が31日朝、捕獲され、11月1日に予定していた臨時閉園は回避されました。今年8月22日、園内の池や橋の近くにイノシシ3頭がいるのが見つかりました。1週間後に2頭が捕獲されましたが、残りの1頭が捕まらず、10月11日には捕獲作業のため一時閉園する騒ぎになりました。そして栗林公園では、11月1日に臨時閉園して残りの1頭の捕獲作業を行うと発表していました。しかし、31日午前7時過ぎ、園内に仕掛けたワナにイノシシ1頭がかかり、猟友会によって殺処分されました。捕獲されたのは体長108センチ、体重約40キロのオスで、体の大きさや模様などから最後の1頭とみられます。捕獲を受けて栗林公園では、11月1日の臨時閉園を取り止めて通常通り開園します。

(キャンパスで原付きとイノシシが衝突:福岡)
3日午後10時ごろ、福岡市西区の九州大学伊都キャンパス内で、大学院生の男性(23)=福岡県糸島市=が運転する原付きバイクと、イノシシが衝突した。バイクは転倒し、男性は足の指の骨を折る重傷を負った。福岡県警西署によると、イノシシは逃げたが、バイクにイノシシの体毛が付着していた。

(シカと電車接触、一時運転見合わせ:兵庫)
1日午後6時20分ごろ、JR宝塚線の道場(神戸市北区)-三田(三田市)間で、新三田発高槻行き普通電車がシカと衝突した。乗客約100人にけがはなかった。JR西日本によると、同線は宝塚-新三田間で一時運転を見合わせ、上下計12本が運休(部分運休含む)、計17本が最大1時間1分遅れ、約1万2千人に影響した。現場は道場駅から北に約1・5キロの山中で、神戸市と三田市の市境付近。

(路上でイノシシ突進、警察官軽傷:兵庫)
5日午後3時前、神戸市灘区大土平町2の路上で、兵庫県警灘署の巡査長(49)が巡回中にイノシシに突進され、右脚に軽傷を負った。同署によると、巡査長は路上を歩いている成獣のイノシシを発見し、警戒のため徒歩で後を追ったが、突如イノシシが方向転換し、向かってきたという。現場は住宅街で、イノシシは山の方向に逃げたという。同日午前10時15分過ぎには同区八幡町1でイノシシの目撃情報があり、県警が「ひょうご防犯ネット」で注意を呼び掛けていた。

(イノシシ衝突、日豊線に乱れ:大分)
3日午後7時ごろ。

(国有林、クマ被害を懸念:秋田)
クマによるとみられる死亡事故が2年続けて起きた仙北市田沢湖玉川周辺の国有林を維持管理する「市普通共用林野運営協議会」は1日、来年も入山料を徴収しない方針を決めた。一昨年から3年連続の措置。入山者の減少を受け、協議会の存続については来年度に結論を出すとした。協議会は市や地元住民らで組織。地元以外から大量に訪れていたタケノコ採りの入山者を管理するため、1983年からシーズンに合わせて玉川周辺の林道で入山料を徴収し、林道整備や巡視活動などの費用に充ててきた。

(若手ハンター、養成着々:鳥取)
イノシシなどによる農作物の被害が深刻な県内で、捕獲事業に欠かせないハンターの人数がV字回復している。狩猟免許所持者は過去最低となった2012年以降、若手を中心に3割増加。かつての半分超の水準まで持ち直した。補助金やベテランハンターによる講習会などの支援策が奏功したといい、県は「狩猟に興味を持つ若者をさらに増やしたい」とする。狩猟解禁を間近に控えた10月下旬の鳥取クレー射撃場(鳥取市覚寺)。県が主催するハンター養成スクールの一環として、コンサルタント会社「野生鳥獣対策連携センター」(兵庫県丹波市)の社員を講師に招いた射撃の実習が行われた。受講生12人は、カラスなどに見立てた皿形の標的を猟銃で次々に撃ち抜いた。受講生の一人で、鳥取市職員の浅井崇典さん(30)は、市内の自宅周辺でイノシシに遭遇したことをきっかけに、昨年、免許を取得した。猟期(11月から翌年2月まで)に入ると、週末を中心に岩美町での狩りに参加したが、成果はゼロだったため、スクールに参加した。「去年はとても悔しい思いをした。今年こそは必ず仕留めたい」と意気込む。免許の所持者は記録の残る1980年の4024人から減り続け、2012年には過去最低の1712人まで落ち込んだ。そのうち、約65%が60歳以上と高齢化も進み、40歳代以下は15%にとどまった。一方で鳥獣による農作物の被害は04年に約2億6000万円を記録。大きな社会問題になった。そこで県は、12年に猟銃の技能講習料に対する補助金を創設。15年には、49歳までを対象として免許取得の費用に2万900~3万1800円を補助する新たな制度を設けた。16年にはスクールを開講した。ベテランハンターらを講師に招き、わなや猟銃による捕獲、ジビエの解体など、ハンターに必要な知識・技術を幅広く教える。3年間の受講者は、今年の46人を含めて100人を突破した。こうした取り組みが徐々に実を結び、17年の免許所持者は2241人にまで増えた。浅井さんのような40歳代以下の割合も26%にまで改善している。さらに17年からは、若手ハンターが身に付けたい技術の指導をマンツーマンで受けられるよう、ベテランハンターとマッチングする事業も始めた。県緑豊かな自然課の杉村素樹係長は「若返りのために、興味を持った人がスムーズに狩猟を始められる環境を作りたい」と話していた。

(ブナ、今秋は「凶作」:青森)
東北森林管理局は5日、青森県の今秋のブナの結実状況が昨秋同様「凶作」だったことを明らかにした。ブナの実はクマの餌として知られ、豊作の場合、翌年にクマの活動範囲が広がる傾向があるとされる。県は来年の「クマ出没注意報」の発令基準に現時点で該当しない-としているが、クマの出没件数が増加傾向にあることから、今後の動向を注視するという。

(イノシシでけが、全国最多:兵庫)
兵庫県内でイノシシにけがをさせられたり、農作物が荒らされたりする被害が相次いでいる。人身被害の件数は、環境省による全国調査が始まった2016年度以降、兵庫県が2年連続で全国最多で、主に神戸市内で起きている。市は長年対策を講じているが、今も夜になると住宅街を走り回る。子どもらが襲われないか心配する声も出ている。10月10日午後11時過ぎ、神戸市灘区の阪急電鉄六甲駅北側の交差点。帰宅中だった記者の目の前を体長60~70センチほどのイノシシ5、6頭が連なって通り過ぎた。走る車を気にせず道路を横断。帰宅する人たちを避けることなく、歩道を南下して走り去った。近くのごみ置き場にはごみ袋が捨てられ、イノシシが中身を散らかしていた。市の担当者は「生ごみの入った燃えるごみの日を覚えていて、前日の夜に山から下りてくる。夜にごみを出さないように呼びかけているのですが…」と話す。

(夜間運転、シカに注意:北海道)
稚内署管内で、シカと自動車が衝突したり、シカを避けようとして路外に逸脱するといったシカに関わる交通事故が10月以降急増している。同署によると、10月は前年同期比8件増の25件で、物損事故の4分の1を占めている。夜間の事故が大半を占めており、同署は注意を呼びかけている。同署によると、シカが関わる交通事故は今年1~9月に27件発生し、前年同期より26件少なかったが、10月に入り急増。市村別では稚内15件、猿払10件だった。25件のうち24件が午後5時~翌日午前6時の時間帯に発生した。11月に入ってもすでに3件発生しているという。

(ツキノワグマ出没が急増:兵庫)
兵庫県丹波市内で、冬眠を前にしたツキノワグマの目撃や痕跡情報が相次いでいる。特に10月中旬から急増している。柿を中心に食べられており、木にツメ跡などが見られたという。同県森林動物研究センターは、カキの実をもぐなどの対策を呼びかけている。同市春日町の工場隣の柿の木にツメ跡が残されていたほか、カキを食べた跡が10月18日朝に確認された。工場を経営する男性(51)は、「30個くらいのカキを食べていたのだろう。2年前にも出たが、その時には、5センチくらいの太さの枝も折っていた。今回はそんな状況は見られず、2年前の方が個体は大きかったのではないだろうか」と見る。19日夜には、同町の民家の庭先にクマが出没。家人の男性(67)は、「孫が黒い物が見えると指をさすので、懐中電灯で照らしたが、逃げた後だった。翌日、柿の木のひっかき傷や大きな糞を見て、クマと確信した」と話す。さらに、同市市島町では、20日夜に大きな音がしたという。家人の女性は、「翌日、犬の散歩をしている途中に、大きな糞を見つけた。家に戻ると、柿の木の実がすっかりなくなっていた。昨夜の大きな音は、クマが木に登って遊んでいたのかも知れない。恐ろしい」と肝を冷やした。県森林動物研究センターの9月末のツキノワグマの目撃情報によると、同市と、隣接する篠山市では、4―9月に累計35頭が目撃されており、同県内では4番目に多い。10月になって、両市ではすでに相当数の目撃があり、昨年度を上回りそうという。両市で、ここ数年で一番出没が目立ったのは、平成28年度の90頭。クマの出没とどんぐりの関係性が言われるが、「全県ではどんぐりは平年の生りだが、少ない地域もあり、山に食べ物がないため、里に出てきているのではないか」と同センターの動物専門員は話す。「ドングリに代わるものがカキ。今のうちに実をもいでしまうとか、不用な枝を切る、クマが登れないように木にトタンを巻くなどの対策を講じたい。対策をしないと同じところに出る可能性がある」と指摘する。同センターでは、コンポストなど残飯を目立つところに置かない、冬眠時期の12月中ごろまで警戒が必要、と注意を呼びかけている。

(さすらいサルはどこへ去る:群馬)
群馬県高崎市や前橋市の市街地で10月、ニホンザルの目撃情報が相次いだ。関越道側道に移り、最後は利根川沿いに北上するのが目撃されてから姿を消した。サルはどこからやって来て、どこへ向かったのか。サルが高崎市の市街地に現れたのは10月9日。JR群馬八幡駅や高崎署付近に出没し、12日までに県道高崎駒形線や関越道沿いで目撃。利根川西岸を北上し、前橋市の県庁近くの河川敷にも現れた。13日以降は吉岡町や渋川市で目撃されている。「写真を見るに、オスの若いサルだと思います。新しい群れを探していたんでしょう」と群馬県鳥獣被害対策支援センターの小林拓哉主幹。ニホンザルのオスは5~8歳になると、生まれた群れを離れて、別の群れに移る習性がある。その間、1~3匹で暮らすが、今回現れたのはそんな群れに属さない「ハナレザル」だとみられる。ただ、どの群れから来たのか特定はできていないという。県が昨年3月に策定したニホンザル適正管理計画によると、2015年度、県内生息のサルは推計で88群3220匹。高崎市内は倉渕地区を除き群れは確認されていない。最初に出没した八幡町はどの群れからも大きく離れている。目撃情報のあるサルが全て同じだとすれば、4日間で少なくとも20キロ移動したことになる。通常、群れでの移動は1~2時間で1キロ程度とされることから、この距離を移動したとしても不思議ではない。「今回のサルは見慣れない人や車に追われ、興奮状態。移動速度はかなり速かったのではないか」と推測する。目撃情報をたどると、利根川の河川敷から、渋川市方面に隠れるように北進し、本来の生息地である山林を目指したとみられる。見慣れぬ街を抜けたサルの目には、利根川の向こうに、赤城山が見えたのか――。「サルの目は人並みにいいですから、見えたのかもしれませんね」と小林さんは話した。サルによる農業被害自体は減少している。被害が目立ち始めたのは、1980年ごろで、農作物の被害金額は1996年度の約8580万円をピークに減少しており、2017年度は約1560万円と約2割にまで減った。同センターの高橋邦芳係長は「電気柵などの対策が進んだ」とみる。ただ、被害金額以上に、生活への支障や精神的ショックが大きいのが、サル被害の特徴だ。「屋根に上ってアンテナを折られたり、目の前で家庭菜園のカボチャを両脇に抱えて持っていかれたり。対策を訴える声は依然大きい」と話す。対策の難しさは、イノシシやシカと違い、むやみに捕獲できないことにもある。短期的に頭数を減らしても、群れが分裂し、かえって被害が広がることがあるからだという。「山にいてもらう分には問題ないため、群れの把握・管理が大切なのです」。今後もサルへの発信器の装着や放置された果樹の伐採などにより、人里に下りさせない対策を進める方針だ。

(獣害対策、集落みんなで:三重)
名張市内で増加している鳥獣害問題について考える研修会「集落みんなで取り組む獣害対策」が25日、比奈知市民センター(下比奈知)で開かれる。ひなち地域ゆめづくり委員会や名張鳥獣害問題連絡会などが主催。

(ハト対策にタカが活躍:東京)
1965(昭和40年)から入居を開始し、全59棟、約2000世帯が入居する同団地では現在、団地をすみかにするハトの増加が住民を悩ませている。住居のベランダに侵入し、ふんや巣を作るなどの被害が多発。各戸がベランダにネットを張るなどの対策を施してきたが、費用がかかる上、根本的排除に至っていないことから、同団地の管理を受託するURコミュニティー(立川市)が、関西などで倉庫や工場、団地などの害鳥駆除で実績を上げ注目されている放鷹による対策を提案し、実施に至った。同対策は、タカを敷地内で何度も飛ばすことで縄張り意識の高いハトを寄りつきにくくし、営巣を防ぎ、傷つけることなく根本排除につなげる。大阪に拠点を置くグリーンフィールド(大阪市)所属の鷹匠歴7年の安井寛さんは、以前マンション管理の仕事をしていた時に、タカの効果を目の当たりにし、「これからはタカだ」と、同社に入社。追い払い2回目となったこの日、安井さんとともにハリスホークというタカの樹(いつき・雌)と粋(すい・雄)が、住民らに見守られながら活動。安井さんの腕から放たれたタカが団地のベランダに飛来すると、ハトが飛び立ち、カラスはタカを威嚇、上空はやや騒然となった。散歩中の保育園児や親子らも足を止めては歓声を上げ、住民らもタカを見守った。途中、樹が近くの野川で水浴びを始めてしまうハプニングが起きるなど、タカの愛嬌(あいきょう)のある姿やイベント性も同対策の魅力という。URコミュニティーの木嶋基晴さんは「2回目で既にハトが激減している実感がある。景観や環境を壊さず、安全で確実な方法で成果が出せれば、住民にも受け入れやすい。この対策は、定期的にあと数回行い、根本排除に近づけていく予定。ほかにも害鳥に悩まされているエリアは多いので、良い事例になれば」と話し、安井さんは「ハトは縄張り意識が非常に強いので、追い払ったハトが、ほかの団地に住み着くことはなく、縄張りのない森などに逃げていくので安心してほしい。今後、新しいハトの飛来を防ぐには、住人がなるべく毎日ベランダに出るなどして、気配を感じさせることが大事。人とタカの協力で駆除していくのが一番」と話す。

(鳥獣による農作物被害など防ぐ対策会議:新潟)
カラスやムクドリによる農作物などへの被害を防ごうと、生息状況や被害対策について検討する会議が5日、県庁で開かれた。県はことし9月、農作物などに被害を生じさせるおそれがあるとして、特定野生鳥獣に「ハシボソガラス」と「ハシブトガラス」、そして「ムクドリ」の計3種目を新たに追加した。カラスやムクドリの農作物への被害額は、去年約1億1000万円にのぼっている。また、ゴミを荒らすなど生活環境への被害も多くなっているという。会議では被害が多い地域などでねぐらや巣の調査を行い捕獲方法を検討するほか、被害を防ぐ対策の地域指導者を養成する研修会を開催することなどが決まった。県民生活・環境部の米田和広参事は「全体の農作物の被害等の中に、カラスやムクドリ等の被害が非常に大きい割合を占めているということが分かりましたので、それらについても対応することにした」と話した。県は今後、地域や自治体と連携しながら具体的な対策を立てていくという。

(猪の出没:佐賀)
5日5時55分ころ、唐津市鏡所在の生駒大橋付近でイノシシ1匹が出没しています。民家付近に出没する可能性もありますので、十分注意してください。

(イノシシの出没について:佐賀)
小城警察署からのお知らせです。31日午後2時50分ころ、小城市芦刈町三王崎の東戸崎交差点付近において、中型のイノシシが出没しました。

(ジビエ、湖畔ウオーク堪能:千葉)
野生鳥獣肉(ジビエ)の料理を楽しむ「きょなん地美恵(じびえ)BBQ大会」が4日、鋸南町の佐久間ダム公園で開かれた。県内外から参加した家族連れら約600人が無料提供されたイノシシ焼き肉とぼたん汁を堪能。ダム周辺ではウオーキングイベントも初めて開催され、食と健康づくりを同時に楽しんだ。イベントは有害鳥獣として町民を悩ますイノシシを資源にしようと、町が町政50周年記念として2009年から毎年企画。定員を上回る申し込みがあった。今年は新たに2本のポールを使うことで健康効果が高いとされるノルディックウオーキングのイベントを同時開催。子どもからお年寄りまで幅広い年代が参加し、全日本ノルディック・ウォーク連盟の田村秀人技術委員から指導を受けながら湖畔を歩いた後、ジビエ料理を楽しんだ。ウオーキングに参加した千葉市花見川区の吉野俊江さん(68)は「景色がきれいで楽しい。おなかも空いたのでおいしく食べられた。また季節ごとのダムを見に来たい」と話した。

(野生の命、捨てずに活用:静岡)
有効活用されていないシカやイノシシなど野生鳥獣をペットのえさ用に加工する施設「DEER(ディア) BASE  (ベイス) izu(いず) しかまる」が、静岡県伊豆市吉奈(よしな)にオープンした。経営するのは、伊豆市が運営する野生鳥獣食肉加工施設「イズシカ問屋」で現場責任者を務めていた高山弘次(ひろつぐ)さん(46)。イズシカ問屋が受け入れていない小さめの個体を活用する試みで、高山さんは「野生の命を最大限有効に生かしたい」と意気込む。イズシカ問屋は二〇一一年四月のオープンで、地元の猟師が捕獲し、持ち込んだシカやイノシシを買い取り、主に食肉に加工して販売している。ただ、効率的に加工するため、重さ三十キロに満たないものは受け入れていない。そのため実際に活用されるのは捕獲頭数の四割程度にとどまっている。残りは自家消費したり、山に埋めて処分したりしている。高山さんはイズシカ問屋で開所から今年三月末まで現場責任者を七年間務めた。自らも狩猟をしていることから、在職中に「捕獲した動物を埋めるのは心苦しい」と考え、受け皿となる施設の設置を決意。イズシカ問屋とすみ分けをするため、ペット用の生肉やジャーキーの製造、販売に特化することにした。施設は九月十五日にオープン。広さ八畳のコンテナハウス二棟からなる。一棟は肉を加工する部屋と冷蔵室を備える。もう一棟は加工した食肉をジャーキーにするための乾燥室と、事務所を兼ねている。肉の洗浄には除菌効果のある電解水を使うなど、人間用の肉と同等の取り扱いをしているという。持ち込まれたシカやイノシシは一頭あたり千円で買い取る。重量は問わない。商品はインターネット通販や旅館などで販売する。シカの生肉で百グラム二百五十~三百円、ジャーキーが二十グラム七百円。高山さんは「活用しきれない個体を一つでも多く有効活用することで、捕獲者の負担が減り、さらなる捕獲が推進される」と期待。「結果として、農作物や森林への被害軽減にもつながれば」と話している。

(いのししカレー好評:大分)
竹田市久住町の国民宿舎「久住高原荘」がレストランのランチメニューとして、地元で捕獲したイノシシを使ったカレー(900円)を売り出した。県内ではジビエの消費が伸び悩んでおり、佐野護支配人(49)は「食べやすい味に仕上がった。注文も増え、お客さまの反応は上々」と手応えを感じている。県内でジビエ料理を提供する店は少なく、肉の9割以上は使われずに処分されている。一方、高タンパクでヘルシーな肉として認知度は高まっており、久住高原荘は県の呼び掛けに応じてメニュー作りをした。シカのステーキ、アナグマのすき焼きと合わせ3種類を試作。新鮮な肉を安定確保できることなどから、いのししカレーを第1弾にした。ジビエ特有の臭さを消す工夫は欠かせない。捕獲直後に猟師が血抜きして、真空パックに入れた冷凍肉を使用。解凍してニンニクなどで炒め、カレー粉で味付けする。ルウをかける直前にご飯にのせることで、味が混ざらないようにしている。季節の果物を添えて爽やかさも加えている。9月中旬にランチ営業を再開。牛肉カレー(800円)、牛丼(950円)と3品から選べるようにすると、くじゅう連山の登山客など県外から訪れた人が「せっかく竹田に来たんだから」と頼むようになった。多い日は10食ほど出る。厨房スタッフの桜井淳央(あつひろ)さん(38)は「正直未知数だったが、商品になると感じる」と話す。今後は懐石料理の一品に取り入れるなど、活用を広げていく考えだ。

(シカ肉を使ったジビエ料理教室:兵庫)
イーグレ姫路(姫路市)で11月25日に『シカ肉を使ったジビエ料理教室』が開催される。脂肪が少なく、肉質もやわらかいシカ肉はヘルシーで高品質だという。当日は、愛deer料理教室の講師・林真理さんと一緒にシカ肉を使用した家庭料理を調理。その後兵庫県森林動物研究センターの野生鳥獣資源活用専門員・尾﨑真也さんより、「シカの生態と被害対策」についての講義が行われる。参加希望者は必要事項を記入のうえ、FAXまたはメールで11月19日までに申し込みが必要。

(猪鍋、地酒で煮込み軟らか:静岡)
静岡文化芸術大学(浜松市中区)で伝承文学を学ぶ学生らが3、4の両日、同大の学園祭で天竜区春野町地区のイノシシ肉を使った「春野の山の猪鍋いのししなべ」を販売する。取り組むのは、3年生3人と4年生6人。二本松康宏教授の指導を受けて過疎化が進む天竜区を訪ね、昔話や伝説を高齢者らから聞き取り、書籍にしている。地域の協力を求めるために郷土料理をPRすることにした。猪鍋は、地元の「ジビエ工房ジミート」から格安で提供を受けた春野産イノシシ肉に加え、大根やニンジン、ゴボウなどが入った具だくさん汁だ。中区寺島町の「加藤醤油しょうゆ」のしょうゆで味を付け、「山と街の味のハーモニー」を目指す。10月24日に学内で試作会を行い、地酒をたっぷりと加えて煮込んだところ、イノシシ肉独特の臭いはほとんどなく、肉は驚くほど軟らかく仕上がったという。青森出身の学生が故郷から取り寄せた特産のニンニクが隠し味だ。出店で幹事を務める3年の伊藤優華さん(20)は「イノシシ肉を食べたことのない人にも食べやすいものを目指して試作を重ねました。鍋を味わうとともに、ゼミの活動に興味や関心を持ってもらえるとうれしい」と話す。

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(クマ警戒報酬で猟友会に1100万円:北海道)
島牧村の藤沢克村長は31日、村の住宅地でクマの出没が相次いだとして、警戒に当たった地元猟友会への報酬約1100万円の支出を専決処分した。村によると7~9月、家庭菜園が荒らされるなどクマによる被害が相次ぎ、7月下旬から計約50日間、猟友会にパトロールを要請。

(野生鳥獣の農作物被害8億円減)
2017年度の野生鳥獣による農作物被害額は164億円で、前年度から5%減ったことが農水省の調べで分かった。国の支援事業を受けた自治体が捕獲数を伸ばし、被害額は毎年減少している一方、都道府県別に見ると被害が増加している地域もある。同省は引き続き対策を推進していく方針だ。同省が全国の自治体からの報告を基に集計。獣類で被害額が最も大きかったのは鹿の55億円で、前年度から2%(1億円)減った。イノシシは48億円で6%(3億円)減、猿は9億円で12%(1億円)減となった。鳥類ではカラスによる被害が15億円で最も大きく、前年から9%(1億円)減った。被害額は13年度から5年連続で減少している。しかし、同省は「被害が深刻な状況に変わりはない。地域によって被害の改善状況に差がある」(鳥獣対策室)と指摘する。都道府県別では、北海道や秋田、石川など11道府県で被害額が前年度を上回った。特に北海道は鹿による被害が深刻で、前年度比3%(1億円)増の46億円だった。政府は、13年からの10年間で鹿とイノシシの生息頭数を半減させる目標を掲げている。目標の実現に向けて、鳥獣被害防止総合対策交付金を通じ、捕獲機材の導入や捕獲した鳥獣の処理加工施設の整備を推進。19年度予算概算要求では、同交付金に前年度から約2割増となる122億円を計上した。狩猟者の高齢化などを考慮し、捕獲の負担を軽減していくことも重視。情報通信技術(ICT)を活用し、捕獲わなに鳥獣が侵入した際、パソコンやスマートフォンで確認し、遠隔操作で捕獲できる仕組みなどの導入を進めたい考えだ。

(猟銃2丁など盗む、民家侵入:茨城)
県警捜査3課と土浦、稲敷の両署は24日、土浦市内の民家から猟銃2丁を盗んだとして、同市神立町の無職、大槻優璃(22)▽同市永国の無職、佐藤春希(21)=いずれも別の窃盗罪などで起訴▽足場工の少年(17)--の3容疑者を、窃盗などの容疑で再逮捕した。

(ドローンの超音波でイノシシ駆除:福島)
人の少ない地域で農作物や家を荒らすイノシシ。その駆除に向け、東京電力は、ドローンを使って追い払う実証実験を浪江町で始めた。超音波を使ったところ、一定の効果があったという。国内でも初の試みだといい、将来は自動操縦のドローンで追い払うことを目指すという。イノシシや鹿などの野生動物は超音波を嫌がることが知られている。東電は、復興の推進活動の一環として、ドローンや電気柵を使ったイノシシの駆除対策を検討しており、31日に実証試験の成果を発表した。試験は、9月20日と10月3日の2日間、浪江町の両竹地区(避難指示解除地域)で行われた。まず、赤外線カメラ搭載のドローンがイノシシを見つけ、超音波発信機搭載のドローンが接近。鳥獣の嫌う4キロ~50キロヘルツの超音波を出すと、一目散に逃げていく様子が確認できたという。11頭に遭遇し、充電切れで確認できなかった1頭を除く、10頭が逃げたのが確認できた。そのうち、数頭の群れに超音波を出さずにドローンだけ近づけると、逃げなかったことも確認しており、超音波に一定の効果はあったとしている。画像解析は第一原発で培った技術を応用しているという。東電の担当者は「最終的には1台にし、無人で追い払えるようなものにしたい」と話している。

(クマ狩猟、半月前倒し11月1日解禁:岩手)
県内でツキノワグマの狩猟期間の解禁日が今年度から半月前倒しされ、11月1日になる。キノコ採りなどで入山した人が襲われる人身被害が後を絶たない中、冬眠する前のクマに人の怖さを十分に学習させ、人里への出没数を抑えることが狙いだ。東北6県では初めての試みといい、効果に注目が集まる。県によると、過去5年間のクマによる人身被害は年11~19件、市町村に寄せられた出没情報は年1370~3070件。いずれも毎年度、全国で最多または2番目に多い。人身被害の発生場所でみると、山菜やキノコを採るために入山してクマに襲われるケースが目立つ一方、人家のそばや通学路で被害に遭う事案も起きている。県猟友会の菅野範正専務理事は「人を怖がらないクマが多い。人が生活するエリアとクマの生息エリアが混在してしまっている」と課題を指摘する。野生鳥獣の狩猟期間は鳥獣保護管理法で定められているが、都道府県の判断で変更することができる。クマの狩猟期間は法定の「11月15日~翌年2月15日」だったが、県は環境審議会の答申を経て今年8月、解禁日の前倒しと期間の延長を図るため、「11月1日~翌年2月15日」にすると告示した。県猟友会によると、県内ではクマは12月頃から冬眠に入る。奥山で餌となる木の実が不作の場合、クマは11月のうちに栄養を蓄えようと、人里に下り、畑で栽培している飼料用トウモロコシやリンゴ、牛舎内の餌を狙うという。菅野専務理事は「従来の狩猟期間では猟師に追われる期間が短く、人間の怖さを知らないまま冬眠に入っていた。捕獲数を増やすわけではなく、銃声で怖さを学習させることに意味がある」と指摘する。県内では、農作物の食害を減らすため、2014年にシカ、17年にイノシシの狩猟期間を「11月1日~翌年3月31日」に変更している。シカを追う猟師が11月上旬にクマと遭遇した際、発砲できずに危険な目に遭うケースもあったといい、クマの狩猟期間の前倒しにより猟師の安全確保の効果も期待される。県自然保護課は、クマが人家に近づかないように庭先の果樹の早期収穫や生ごみの適切な処理を呼びかける。入山者には「クマ猟が早く始まることを認識し、万一の事故を避けるために目立つ色の服や帽子を着用してほしい」と求めている。

(クマ注意報に引き下げ:秋田)
県は1日、6月下旬から発令していた「ツキノワグマ出没警報」を「注意報」に切り替える。県内でのクマの目撃件数が減り始め、人的被害の発生も9月以降は確認されていないため、警戒レベルを引き下げる。ただ、クマはこれから冬眠に入るまでの間、栄養を蓄えるために餌を探して動きが活発になることから、県は、キノコ採りなどで入山する際には細心の注意を払うよう呼びかけている。県によると、今年4月以降のクマの目撃件数(10月22日現在)は907件(前年同期比311件減)。人的被害は、負傷者7人で、昨年の死傷者16人から大幅に減っている。今年はクマの餌となるブナの実が豊作で、人里へ下りる個体が減っているためとみられる。昨年は5月に警報が発令され、3度の期間延長を経て12月まで継続された。

(11月14日まで狩猟制限、豚コレラ問題:岐阜)
岐阜市の養豚場の豚が家畜伝染病「豚(とん)コレラ」に感染した問題で、県と県猟友会は25日、わな猟が解禁される11月1~14日の狩猟を制限することで合意した。野生イノシシの感染拡大を防ぐため、同会が県の要請に応じた形だが、銃猟が解禁される15日以降の対応については、同会が「それまでに終息宣言を」と期待する一方、県側が「厳しいのでは」と語るなど、見通しは立っていない。県猟友会は25日、岐阜市内で支部長会議を開き、全27支部の代表者らが出席。県農政部が調査捕獲の現状や1~14日の狩猟制限について説明した。出席者から大きな異論は出なかったという。15日以降については「本当に猟ができるのか、という質問はたくさん出た」と大野恵章会長。県の要請に応じて1日の解禁は見送ったが「陽性反応が出なくなり終息宣言が出せるよう、1頭でも多く減らし、15日の狩猟解禁につなげたい」と話した。一方、県は「15日以降の対応は未定」とした上で、陽性のイノシシが出ている現状で「全面解禁は厳しいのでは」としている。狩猟制限は、感染イノシシの発生が確認された場所から半径10キロ以内を含む全17市町村で、銃やわなでの猟を禁止する。また25日、関市迫間の山中で24日に死骸で見つかったイノシシ1頭の感染が判明した。感染が確認されたイノシシは37頭目。

(感染イノシシ40頭に:岐阜)
岐阜市内の養豚場の豚が家畜伝染病「豚(とん)コレラ」に感染した問題で、岐阜県は31日、同市彦坂の山中で捕獲した野生イノシシ1頭の感染を新たに確認したと発表した。イノシシの感染は40頭目。捕獲場所は養豚場の北西約9・9キロ。雌で体長約70センチの子ども。

(狩猟連続講座が人気:千葉)
狩猟を学べて魅力的。有害鳥獣による農作物被害に悩む君津市が今年4月に開設した連続講座「狩猟ビジネス学校」が、予想を上回る人気ぶりだ。捕獲や野生鳥獣肉(ジビエ)料理のプロたちから技や知識を学ぶ全12回の講座で、多角的な内容から定員を超える応募があった。料理やかばん作りへの活用を模索する参加者もおり、市は狩猟に携わる人の裾野の広がりに期待している。「このキジの胸肉で2人前のカルパッチョができます」。9月、市内の公民館であった6回目の講習で、講師の飲食店経営、岡野永佑さん(39)=東京都文京区=は、受講生の男女26人の前でキジの解体を実演し、調理法を説明した。この日は羽根を使った文房具作りも体験。自然との共存に関心があるという横浜市中区の会社員、西場純一さん(44)は「生き物が食べ物になる瞬間を見て、忘れられない経験になった。農業や飲食業などの観点からも狩猟を学べて魅力的」と話した。君津市によると、2017年度、有害鳥獣による市内の農作物被害は千葉県内最多の4600万円に上り、イノシシやシカなど4千頭以上を捕獲した。市内3カ所に獣肉処理加工施設があるが、処理が追い付かず大半は廃棄処分に。狩猟免許を持つ人たちの高齢化も進む。市は狩猟やジビエを商業化し、新たな名物にしようと、ハンター養成などをしている団体「猟師工房」(埼玉県飯能市)と連携し、今年4月に講座をスタート。来年3月までの計12回で、捕獲のためのわな作りや山中での設置方法、ジビエ料理店の経営実務までを各分野の専門家らが講義する。初回と2回目は定員50人に対し、65~70人の応募がある人気ぶり。くくりわな作りを学んだ3回目以降は、講師の目が行き届くよう定員30人で実施するが、市農政課は「予想以上の申し込みがあった。もう少し窓口を設けても良かったかな」と説明する。狩猟を12回連続で多角的に学べる講座は珍しく、人気の理由とみられる。現在は募集を締め切り、キャンセルが出れば受講可能な状態だ。受講者は埼玉、東京、神奈川など千葉県外からの参加が約3割で、年代は20~70代と幅広い。同課は「当初は狩猟者の育成を目的に開講したが、レストランやかばん作りに(鳥獣を)使いたいという参加者もいた。広がりのある事業になれば」と手応えを実感。来年度も継続させたいという。

(クマに襲われ83歳男性重傷:岩手)
31日午前9時ごろ、花巻市太田の男性(83)が自宅北西側の杉林でクマに襲われ、自ら119番通報した。男性はドクターヘリで盛岡市の県高度救命救急センターに運ばれ、頭や顔、右胸に全治約3カ月の重傷を負った。花巻市消防本部によると、男性は自宅近くの作業小屋から100~150メートル離れた場所で木を伐採していた際に横からいきなり襲われ、顔などを引っかかれて出血した。同市によると、市鳥獣被害対策実施隊員約20人が午後3時半ごろまでクマを捜索したが発見できなかった。市は1日も周辺をパトロールし、同隊は捜索を続ける。

(ニホンジカとの衝突事故が多発:岩手)
闇夜の中、道路を駆け抜ける1頭のシカ。立派なツノを持つオスのニホンジカ。今の時期、シカは繁殖期を迎えており、オスのシカが活発に行動することが多いという。岩手県内では各地でシカの目撃情報が…。今年7月には盛岡駅の前に迷い込む姿もとらえられた。今、シカとの衝突事故が増えているという。去年、大船渡市の国道では、道路上にいたシカをよけようと乗用車が防護柵に衝突し、1人が死亡。北上市の東北自動車道では、乗用車がシカに衝突し、車3台とオートバイ1台が絡む多重事故が発生し、3人が病院に搬送されている。シカとの事故の多くは夜間に発生。実際に事故が多発している道路を走ってみると、シカに遭遇。このときシカは、草を食べながら道路を渡り、山に帰っていった。シカと衝突し事故を起こした場合、物損事故の扱いとなるため、車両保険に加入していないと、保険が適用されず思わぬ出費となる場合がある。あるタクシー会社では、過去にシカと衝突し、自費で車両を修理した苦い経験がある。遠野交通・前川敬子代表取締役「警察に訴えてもしょうがないことですしね」「1回見かけたらそこは出てくると思って注意して走っているようですし、1頭通り過ぎたと思ったら、次続いて出てくると思って、全部確認して通り過ぎてから発進するようにしている」相次ぐ事故を防ごうと、警察は、注意を呼びかけている。遠野警察署交通課・城大介係長「夜間、原則ハイビームで走行していただきたい。道路上のシカを早めに発見することができます」こうした野生動物との事故は全国でも。各高速道路会社によると、2017年度の全国の高速道路上で事故などにあった野生動物を処理した件数はおよそ4万7000件に達している。警察は、野生動物が出没する道路では速度を落とし慎重に運転するよう呼びかけている。

(イノシシ殺処分、男性に突進しケガさせる:福岡)
26日午前7時ごろ、福岡市西区のJR筑肥線今宿駅前で、体長約1メートルのイノシシが通勤中の男性(48)に突進して逃げた。男性は太ももや膝に切り傷を負った。約5時間後、同区生の松原1丁目で、大きさや姿がよく似た1匹が海を泳いでいるのを、福岡県警西署員が発見。漁船で岸へ追い込み、地元の猟友会が同日午後1時半ごろに網で捕獲した。署によると、捕獲した場所は今宿駅前の東約1キロ。捕まったイノシシは殺処分となった。西区内では25日夕にも数件の目撃情報があったという。

(クマに襲われ男性重傷:長野)
29日午後2時ごろ、阿智村清内路の山中で、狩猟をしていた近くに住む農業、原勇二さん(72)がクマ一頭に襲われた。原さんは顔面などを引っ掻かれる重傷を負い、飯田市内の病院に搬送されたが命に別条はないという。現場は上清内路診療所から数百メートル離れた山中。クマは山中に逃げ、村職員や飯田署、猟友会などが捜索を行ったが見つかっておらず、同署は近隣住民に注意を呼び掛けている。同署によると、クマは成獣とみられ、原さんと遭遇時にはイノシシ用のワイヤー製罠(わな)にかかっていた。クマの出没を受けて清内路小学校は同日と翌30日、保護者を付き添わせて児童を登下校させた。今後は職員による見回りなどを行い、新たに被害・目撃情報がなければ通常の体制に戻すという。

(男性かんだイノシシを発見、駆除:福岡)
福岡県警西署は26日、福岡市西区のJR筑肥線今宿駅付近で同日朝に男性(48)をかんだイノシシを発見、地元猟友会が駆除したと発表した。イノシシは体長約1メートルのオス。男性がかまれてから約6時間半後の26日午後1時半ごろ、同区今宿の海を泳いでいるのを警察が発見。岩場にあがったところを猟友会が捕らえて殺処分した。男性は両足2カ所をかまれて病院に搬送されたが、命に別条はない。

(イノシシに襲われ、男性けが:栃木)
29日午前8時20分ごろ、足利市巴町の駐車場で、同市内在住の男性(66)がイノシシに襲われた。男性は左手親指を粉砕骨折したほか、右腕や両足の太ももなどにけがをする重傷。足利署によると、男性が庭木の剪定作業の準備中に、体長約1.5メートルのイノシシにかみつかれるなどしたという。イノシシは、その後織姫公園方面に立ち去った。現場はJR足利駅の北西約1キロ。近くには足利市役所や足利織姫神社、足利短大などがある。

(通勤の男性、イノシシと接触:奈良)
27日午前6時40分頃、奈良県香芝市穴虫の路上を歩いていた清掃員の男性(60)(大阪市)がイノシシと接触し、右手の甲に擦り傷を負った。香芝署の発表では、イノシシは体長約1メートル。男性は通勤中で、手に何かがあたったと感じたら、イノシシだったという。同署の連絡を受けた市職員が約4時間半後に現場付近で捕獲した。イノシシは後ろ足にけがをしており、ほとんど動けない状況だったという。

(ヒグマ「島離れた」「いない可能性99%」:北海道)
北海道の利尻島で今年5月、106年ぶりに確認されたヒグマの対策会議が31日、利尻富士町で開かれた。7月12日を最後に生息跡が見つからず専門家は「島からいなくなった可能性が99%」との見解を示した。

(ダムのイノシシ、残る1頭も救出:福岡)
北九州市門司区の砂防施設に今月12日からイノシシ2頭が転落して出られなくなり、市と福岡県によって27日までに捕獲された。高さ約6メートルの壁に囲まれた施設から2頭を出すため、市と県がわなを仕掛けるなどあの手この手で「救出作戦」を展開し、約2週間ぶりに山に返された。市によると、迷い込んだイノシシは1歳半ほどの成獣2頭で、体重約40キロ。施設は、県が近くの山からの土石流などを防ぐために設置したもので、幅約15メートル、長さ最大約25メートルのコンクリート造り。2頭は山の斜面から滑り落ちたとみられる。野生鳥獣は簡単に保護することができず、当初は市と県は静観していた。だが、イノシシが出られなくなっている様子がテレビで流され、市に「助けてあげて」といった電話やメールが400件を超えた。このため、市と県が協議し、救出に乗り出すことを決めた。24日に脱出用の長さ約6メートルのスロープを設置し、25日にスロープに餌を置いて誘導したが失敗。このため、26日に施設内に箱型のわなを仕掛けたところ、26日午後3時半ごろに1頭目を捕獲し、もう1頭も27日午後1時ごろに捕獲した。現場はJR鹿児島線・小森江駅から北東に約1キロにあり、付近には団地などがある。イノシシは畑を荒らしたり、人を襲ったりする害獣でもあるが、駆除を望む声はわずかだったという。県の担当者は「再発防止策を考えていきたい」と話した。

(イノシシ捕獲へ、臨時閉園:香川)
国の特別名勝・栗林公園(高松市)にイノシシが出没している問題で、同公園観光事務所は、11月1日に臨時閉園し、一斉捕獲を行う。事務所や県猟友会、高松市農林水産課などの計約60人態勢で捜索し、捕獲を目指す。事務所によると、8月22日に来園者がイノシシ3頭を目撃し、同29日には2頭が箱ワナにかかった。残りの1頭とみられるイノシシが最近でも閉園時間前後に園内で目撃され、来園者の安全確保のため臨時閉園に踏み切ることにした。園内の西湖に近い山林部に生息しているとみられ、今月11日にも園内で目撃され、約5時間半にわたって一時閉園していた。当日は午前8時に捕獲を始め、成功するか、園外の山林部へ追い払えたことが確認できれば開園するという。

(アライグマ捕獲:熊本)
農作物を荒らすことで知られるアライグマが、指宿市に続き29日、阿久根市で捕獲された。県によると29日午前9時頃、阿久根市脇本の人家近くの畑で、地元の猟友会が設置したワナにアライグマ1匹がかかっているのが見つかった。県内でアライグマが確認されたのは6例目で北薩地区では初めて。指宿市では今月13日に1匹が捕獲され、県が、捕獲用のワナとモニタリング用のカメラを設置した。県は30日阿久根市で対策会議を開き、今後の対応を話し合うことにしている。アライグマは、特定外来生物に指定されていて、農作物を荒らすことで知られている。

(イノシシ出没相次ぐ:福岡)
今月に入り、イノシシが住宅地などに出没し、人にけがを負わせる事故が福岡市で2件発生した。北九州市では、住宅地に隣接する砂防ダムに2頭が迷い込み、行政が救出に乗り出す騒ぎも。イノシシに遭遇した場合は刺激せずに静かに離れるよう、福岡県などが注意を呼びかけている。26日午前7時過ぎ、福岡市西区今宿駅前1のJR今宿駅前の路上で、通勤のために駅に向かっていた男性会社員(48)がイノシシに両足をかまれるなどし、計13針縫う大けがを負った。同日午後1時半頃、特徴が似ているイノシシを駅から約1キロ離れた海岸線で猟友会が捕獲し、殺処分した。西署などによると、捕獲されたのは体長約1メートルのオス。25日から周辺でイノシシの目撃情報が複数寄せられていた。男性が襲われた現場はマンションなどが立ち並ぶ住宅地で、通勤、通学の時間帯。近くの小学校では、職員や住民らが登校する児童の見守りに当たった。福岡市では12日にも、早良区梅林の路上を散歩していた女性(50歳代)がイノシシに襲われ、ひじに軽傷を負った。北九州市門司区北川町では、砂防ダムにイノシシ2頭が入り込み、2週間とどまっている。市によると、13日に地域住民からの連絡で事態を把握。ダムを管理する県北九州県土整備事務所がダムの外につながるスロープを設置したが、外に出ようとしなかった。26日にわなを仕掛けて1頭を捕獲し、山に放したが、もう1頭はダムにとどまっている。県は、イノシシに遭遇した場合は攻撃や刺激を与えず、静かにその場を離れるよう呼びかけている。県畜産課によると、イノシシは本来は臆病だが、興奮状態や発情期などには攻撃的になることがある。離れる際は背中を見せずに後退し、イノシシが見えない場所や高いところへの避難を求めている。

(イノシシ目撃相次ぐ、ドングリ不作など要因か:栃木)
足利市や真岡市など県内で29日以降、イノシシの目撃情報が相次いでいる。31日には宇都宮市の市街地でイノシシが店舗にぶつかり、走り去っていく姿が目撃された。県によると、今年は餌となるドングリが不作で、餌を求めて移動したイノシシが市街地に出没したとみられる。手や足をかんだり、人に突進したりするイノシシもおり、県などは注意を呼び掛けている。「ドンと大きな音がしたのでドアを見たら、イノシシだった。けが人が出なくて良かった」。宇都宮市下川俣町のタイヤ販売店「アップライジング宇都宮本店」で、斎藤幸一(さいとうこういち)社長は衝撃の瞬間を振り返った。同市などによると、31日午前9時ごろ、同店の入り口自動ドアにイノシシが2回突進した。ドアは開かず、イノシシはそのまま走り去ったという。同11時ごろには、付近の同市岩曽町の田んぼで、通行人がイノシシを見つけた。30日夜には、大田原市美原3丁目の西原小付近で、通行人がイノシシとみられる動物を目撃。同市によると、市街地近くで目撃されるのは珍しいという。県内では各地でイノシシが出没している。足利市の中心部では29日、男性がかまれ、重傷を負った。真岡市では30日、目撃情報を受け駆け付けた猟友会の方に突進してきたため、会のメンバーが射殺した。県自然環境課によると、目撃が相次ぐ背景にはドングリの不作のほか、生息域の拡大もあるという。2003年ごろまでは県東部の八溝山地など一部地域に限られていたが、すみかの一つになる耕作放棄地の増加に伴って生息域が拡大。現在はほぼ県内全域に生息している。同課は「イノシシを見つけたら刺激しないようにしながら、速やかにその場を離れてほしい。安全な場所に移動後、警察や市町に通報してほしい」と訴えている。宇都宮市や大田原市も住民に注意を呼び掛けている。

(サルとイノシシの出没情報:佐賀)
佐賀県警小城署によると、31日午後2時ごろ、同県小城市小城町松尾の住宅敷地内でサル1匹(体長不明)が出没した。同午後4時ごろには、同市牛津町下砥川の公民館付近でイノシシ1頭が確認されたという。同署は見かけた際は不用意に近づいたり、目を合わしたりせず、刺激しないよう注意を呼びかけている。

(住宅地にイノシシが出没:福島)
29日、郡山市の中心部の公園の近くで、野生動物のイノシシが目撃された。山間部ではなく市街地での出没に、市民も驚きを隠せない。「イノシシ2頭が道路を歩いている」郡山警察署に通報があったのは、市民が寝静まったおとといの午前1時過ぎ。「公園の南側にあるこちらの道路の周辺で、イノシシが2頭目撃されたということです」出没したのは、郡山市の市街地の中心にある開成山公園のすぐそば。体長1メートルほどのイノシシ2頭が目撃された。周辺に住宅地が広がる場所で、イノシシが本来棲息する山はない。コンビニエンスストアの目の前で、人通りも多い場所。近くには子どもの遊び場もある。公園に訪れていた人は「びっくり。初めて聞いた。イノシシ出るんですね」開成山公園から2キロ離れた別の公園では、イノシシの糞のようなものも…。近くの住民によると、ゴミ置き場を荒らしていたとみられている。なぜ、市街地にイノシシが現れたのか?県内の動物の生態に詳しい専門家に話を聞いた。県鳥獣対策専門官・羽澄俊裕さん「野生動物が山里からだんだん市街地に出没するのは、全国的には同様の傾向でして」今月は、北九州市で、野生のイノシシが砂防施設に迷い込むニュースが話題となった。環境省の調査では、イノシシの数はこの20年余りで、およそ4倍に増えているという。そのワケは…。県鳥獣対策専門官・羽澄俊裕さん「猟師さんの数も(ピーク時の)5分の1くらいになって(減って)いますから、繁殖力がイノシシのようなタイプは増えて分布域を拡大している状況にありますね」県内に生息するイノシシを示した地図。1980年代までは、県の東側=阿武隈高地に限定されている。ただ、温暖化などでその生態系は変わり、2000年代になると、阿武隈高地の西側にまで広がっている。それにしても、なぜ、市街地にまで降りてきたのか…。県鳥獣対策専門官・羽澄俊裕さん「かつて活発に人間が活動していた所が、どんどん人の気配が減ることで自分の利用する空間が増えている状況になっていますから」原発事故で、多くの場所が避難区域となった福島県…。荒れ果てた町にはイノシシがはびこり、その数が急増している。全国では20年で4倍と言われるが、福島県の場合、20年で10倍にも増えている。都市部でも、耕作放棄地など手入れをしていない土地が増え、イノシシたちが人間の生活圏に棲息範囲を広げているという。県鳥獣対策専門官・羽澄俊裕さん「いずれ野生動物にのっとられてしまうというのが福島、日本全国の共通の課題になっていくと思います」こうした状況を受けて、郡山市も監視を強化している。郡山市農林部・阿部健司さん「農作物もそうなんですが、市街地ということなので、通常の市民の皆様の被害がないことが一番大事ですので、そこを中心に対策をしていきたいと思います」県内でも市街地に出没するイノシシ…。野生動物が生息しない環境作りが求められている。

(「イノシシ」目撃、車を運転の男性通報:福島)
28日午前1時5分ごろ、郡山市開成の県道で、車を運転していた男性(39)から「路上にイノシシ2頭がいた」と郡山署に通報があった。被害はなかった。同署によると、目撃したと通報があったイノシシはそれぞれ体長約1メートル。現場は開成山公園の南側の道路。署員が周囲を見回るなど警戒に当たったが、発見できなかった。同署には同日未明から早朝にかけて、同市の大槻町や亀田でイノシシを目撃したとの情報が複数件寄せられた。

(クマ2頭目撃:北海道)
クマが目撃されたのは、札幌市南区滝野の道道341号です。24日午前7時すぎ、車を運転していた男性が、道路脇の林にクマ2頭がいるのを目撃し警察に通報しました。警察によりますと、クマはそれぞれ体長が2メートルと1メートルほどで親子とみられています。

(サル目撃相次ぐ:宮崎)
宮崎市中心部で30日、サルを目撃したという情報4件が同市に寄せられた。出没場所の近くに学校や幼稚園があることから、市教委は周辺の小中学校に対し、子どもたちの安全を確保するよう注意を呼び掛けている。

(住宅街で猿出没相次ぐ:兵庫)
兵庫県西宮市南部の住宅街で27日、サルの目撃情報が相次いだ。県立鳴尾高校(学文殿町)の周辺では通報を受けた甲子園署員が網などを手にして捕獲作業に当たった。26日には同県尼崎市南部でも複数の目撃情報があった。同署は「危険なので目撃しても近づかないで」と呼びかけている。

(市街地でサル続々目撃:大阪)
大阪市北部の市街地でサルの目撃情報が26日までの3日間、相次いだ。府や市は刺激を与えると危険として「近づいたり、エサを与えたりしないで」と注意を呼びかけている。今のところ被害の情報はないという。26日午後4時50分頃、東淀川区柴島で「サルがいるのを見た」と府警に通報があった。26日は西淀川区でも目撃情報があり、府は、複数のサルが出没している可能性があるとみている。24日は淀川区の大阪メトロ東三国駅周辺などで、25日は淀川区の阪急十三駅周辺などでも目撃情報が府警や市に寄せられていた。府によると、府内では野生のニホンザルが箕面市内の山林に群れで生息しているといい、群れからはぐれ、市街地に入り込んだのではないかという。

(サル目撃相次ぐ:兵庫)
兵庫県尼崎市南部で26日、サルの目撃情報が相次いだ。尼崎南署には朝から夕方までに30件の通報があった。同一個体とみられる。被害は確認されていないが、同署は「遭遇した場合は、刺激しないで離れて」と注意を呼び掛けている。同署によると、同日午前8時10分ごろ、尼崎市東本町1の道をサルが歩いていたという。その後、目撃情報が各地から寄せられた。市南部を東から西へ移動したとみられ、午後4時前には、東本町から約4キロ西の同市大島1に出没した。

(サルの目撃情報:福岡)
福岡県警朝倉署によると、26日午前8時ごろから午後0時ごろまでの間、同県朝倉市田島、同市小田、同市甘木で、サルの目撃情報があった。現時点、人への危害などはないが、目撃した時はむやみに近づかず、身の安全を確保するよう呼びかけている。

(クマ対策4府県協議:兵庫)
兵庫、京都、岡山、鳥取の4府県は30日、ツキノワグマ対策を広域で進める協議会の初会合を神戸市内で開いた。大阪府も北部の箕面市や能勢町などで出没が増えているためオブザーバーで参加。捕獲したクマの共通データベースを構築し、広域の個体数を推計。2021年度の広域保護管理指針策定を目指し、4府県での狩猟解禁など生息数を抑制する方策を検討する。

(餌不足と人慣れ、ヒグマ目撃大幅増:北海道)
本年度の第1回知床世界自然遺産地域連絡会議が22日、羅臼町商工会館で開かれた。この中で、知床財団はオホーツク管内斜里町と羅臼町でのヒグマ目撃件数が大幅に増加している実態を明らかにした。知床財団が示した資料では、今年4~9月のヒグマ目撃件数は、斜里町が1424件で前年同期(1045件)より36%増、羅臼町が270件で同(179件)から50%増となった。有害駆除数は、斜里町が8頭で前年同期比4頭減、羅臼町は10頭で同4頭増えた。

(ヒグマ出没の活発化懸念:北海道)
冬眠を間近に控え、餌を求めて活動するヒグマの目撃や痕跡発見情報が相次ぐ中、苫小牧市や市内の猟友会関係者が出没の活発化を懸念している。今年はヒグマが好むドングリなどの実なりも凶作傾向で、台風や地震の影響もあり餌不足が顕著。このため行動範囲が平年より広がっていると指摘する声もある。9月以降の市内の目撃情報は10月30日時点で平年並みの9件だが「今後、目撃が増える可能性もある」と猟友会関係者。キノコ採りなどで入山する場合は十分に注意するよう呼び掛けている。市などによると、この時期は餌を求めてヒグマの行動が活発化。道は9月8日~10月31日までを「秋のヒグマ注意特別期間」としており、市も足並みをそろえる形で警戒中だ。例年は11月ごろから出没が減っていくが、今年は天候不順で果実の実なりが不良。9月の台風や胆振東部地震でヒグマが好むドングリやコクワ、ヤマブドウなどの実が成熟前に落ち、食べ物が不足。餌を求めて出没が続く可能性がある。市内では9月以降、柏原や静川、錦岡などで体長1メートル~2メートル程度のヒグマが踏切や国道を横断する姿が見られ、直近では22日に植苗の市道上で子グマも目撃されている。北海道猟友会苫小牧支部の荒木義信支部長(80)は、「今の時期は飢えたヒグマが食べ物を求めて移動しており、山中でも出合いやすい。市街地に近づく可能性もある」と指摘。紅葉狩りやキノコ採りの入山者に対しては「単独行動は避けること。山に入る場合は事前にヒグマの目撃情報を調べ、周囲の人に連絡するなど身を守ることが大切」と注意を促す。道環境局生物多様性保全課は入山時のヒグマ対策として、「鈴など音が鳴るものを身につけること。ふんや足跡を見たらすぐに引き返してほしい」と話す。市環境衛生課の職員は、ヒグマの特性として食べ物への執着が強いことを強調。「山中で捨てた弁当の残りなどの味を覚えると食材を持ち歩く人を襲う心配もある。必ずごみは持ち帰ること」と訴える。山などに近い市街地でも生ごみを屋外に置いておくと誘因要素になるため、臭いが出ないよう容器に保管するなどの対策が必要としている。

(増えすぎたツシマジカ:長崎)
深刻化するツシマジカ被害を受け、環境省、林野庁、県、市が連携して対策に乗り出す。来年初めにも「シカ対策戦略検討会議(仮称)」を設置。捕獲目標数などを協議していく方針だ。環境省などによると、対馬の昨年度のシカ捕獲数は5570頭。内訳は市が5401頭、林野庁117頭、県50頭、環境省2頭となっている。対馬のシカ推定生息数(3万9200頭)に自然増加率(16%)を掛けた「年間推定自然増加数」は6272頭。1年間に増える頭数よりも捕獲数が少なく、生息数減少にはつながっていないのが現状だ。県は対馬のシカ適正頭数を3500頭としている。一方、環境省は生態系への影響が少ない頭数を2100~3500頭と見積もっており、実現には長い年月がかかるとみられる。環境省対馬野生生物保護センターの山本以智人上席自然保護官は「生態系保全に向け、国と自治体がシカ対策で連携したのは屋久島(鹿児島県)などで数例あるだけ」とした上で、「対馬ではツシマヤマネコなどほかの野生生物にも配慮した捕獲法を検討する必要がある。会議を通じ、情報共有を進めていきたい」と話している。

(豪雨後イノシシ食害:広島)
7月の西日本豪雨の後、広島市南区の離島、似島でイノシシによる農作物の被害が相次いでいる。捕獲数は豪雨後の3カ月間で32頭に上る。豪雨前の3カ月は4頭で、昨年は年間を通じて4頭だった。個体数が増えていることに加え、土砂崩れと猛暑の影響で山に餌がなくなり、下りてきたとみられる。専門家は早めの駆除を呼び掛けている。

(有害鳥獣の対応マニュアル:熊本)
有害鳥獣に対応するため熊本市は30日、関係機関を集めて連絡会議を立ち上げ、住宅地などでの対応マニュアルをまとめました。

(児童らがキジ放鳥:三重)
名張市薦生(こもお)の市立薦原(こもはら)小学校で25日、6年生の児童が日本の国鳥・キジを放鳥した。11月15日から鳥類の狩猟期が始まるのを前に、市猟友会が農作物への被害が少ないキジを増やそうと実施。今年は岐阜県の繁殖会社から32羽を購入した。薦原小では雌雄10羽ずつを放鳥。秋晴れの校庭で、藤森俊一会長(70)ら市猟友会メンバーから恐る恐るキジを受け取った児童らが手を離すと、キジは周囲の山林に飛び込んだ。中にはすぐ飛ぶのをやめて校庭に立ち止まるキジもいた。南果鈴(かりん)さん(12)、岩口恵李那(えりな)さん(12)が放したキジは無事に校外へ。2人とも「キジの心臓の脈を感じた」と興奮していた。この日は市立比奈知小学校児童らの「みどりの少年隊」も12羽を放鳥した。

(過去最大級180キロイノシシ:石川)
能登町松波の工務店経営、谷口栄さん(58)が、自宅近くの山林で箱わなを仕掛け、体重180キロを超す大型のイノシシを捕獲した。町農林水産課などによると、成獣は通常40~80キロほどで、記録に残っているものとしては町内で過去最大級。例年にはない大きさの個体の目撃も増えており同課担当者は「被害拡大の前に対策が急務」と話す。イノシシは体長約160センチの雌で、推定4~5歳。18日午前6時ごろ、ワイヤに引っ掛かると入り口が閉まるおりの様子を見に行った際に見つけた。谷口さんは農業をする両親から獣害について相談を受け、今年5月から箱わな猟を始めた。超大型の個体を捕獲したのは初めてではないといい「体重を量ったのは今回が初めてだが、これよりも大きい雄を8月以降3匹ほど捕まえた」と話す。同課担当者も「『牛のようだ』という巨大な個体の目撃情報が多数寄せられている。えさ場の豊富な奥能登地域で大きく育っているのだろう」と指摘する。同町でも猟師らの講習会を開く兵庫県伊丹市の「野生鳥獣対策連携センター」の草間謙一さん(36)は「大きな個体ほど食べる量が多く力も強い。繁殖力もあり、野放しにすると被害は大きくなる」と指摘。「おりの中のワイヤの高さを高くするなど、大型個体を捕まえる工夫が必要」と語った。

(パークゴルフ場はエゾシカの「楽園」:北海道)
北海道稚内市のノシャップ岬近くのパークゴルフ場はエゾシカの「楽園」だ。この時期は夕方近くに十数頭が現れ、プレーヤーを気にせず、くつろいでいる。いまはエゾシカの活動が活発になる繁殖期。場内には親子連れのメスやオスが入り交じり、なかには大型のオスもいる。時折、オス同士が角を突き合わすが、市民も気にすることなくプレーを続けている。周辺では、市が銃やわなによる捕獲作戦を展開しているが、ここは道路沿いで周囲に民家があり、対象地域から外れている。昨秋と今春、吹き矢で捕獲が試みられたことがある程度で、人を恐れる様子はない。地元の人は「ある意味、シカと人が共存している理想的な光景。初夏には近くで子どもを産むこともある」と苦笑する。ただ、道路を横断するシカも多く、市では「特に市外から来る人は事故に気を付けて」と注意を呼びかけている。

(今秋はクマに注意:群馬)
この秋、クマの出没に注意するよう群馬県が呼びかけている。クマの出没は1年ごとに増減を繰り返す傾向がある。その傾向に従えば、今年は増える年。実際、今年度の4~8月の県内でのクマの出没件数は近年では多く、けが人も出ている。県鳥獣被害対策支援センターによると、クマは出没件数が多くなる年と、少なくなる年を繰り返している。これは、エサとなるドングリなどの堅果類が豊作と不作を1年ごとに繰り返す現象が背景にある。クマは不作の年にエサを求めて人里まで出てくると考えられるからだという。とくに、冬眠のために栄養を蓄える必要がある秋は、年ごとに出没件数が増減する傾向が顕著だ。同センターの調査では、10~11月の出没件数は一昨年が103件、昨年は31件。こうした傾向から、今年はクマの出没が多い年だと考えられるという。

(広範囲でクマ出没の可能性:岡山)
岡山県は、冬眠前の活動期を迎えるツキノワグマの出没予測のため、餌となるドングリ類の生育状況について2018年度の調査結果をまとめた。標高が高い地域の一部で実りが悪く、人里に近い低地では豊富なことから、クマ出没の可能性が高いとしている。

(クマ出没増える恐れ:岐阜)
岐阜県は、飛騨地域で12月にかけて、冬眠前のツキノワグマが餌を求め人里周辺に出没する頻度が高まる恐れがあると発表した。秋の主な餌となるドングリ類のブナやミズナラが凶作、コナラが大凶作と予測されるため。県は被害に遭わないよう注意を呼び掛けている。例年9~10月には人里周辺でのクマ出没が増加する傾向にあるが、ドングリ類の豊凶がクマの行動に影響を与えるという。県は鈴で人の存在をクマに気付かせ、人家周辺や農地に餌になるものは置かないなど対策を促す。県全体でのクマ出没については、ここ5年ほどは2014年度の1446件を除き、年間400件前後で推移している。18年度は23日現在で257件となっている。

(カラスの対策会議:長野)
JR長野駅前で、ふんの苦情や相談が数多く寄せられているカラスについて29日、県や長野市の担当者などが対策会議を開いた。長野市では今後、ねぐらになっている街路樹のせん定などを検討するという。

(ジビエ新たに4商品:三重)
県や企業が連携して進めるジビエ(野生鳥獣肉)活用の一環で、一日から県内で鹿肉を使った新商品の販売が始まる。ジビエを使った事業に乗り出す企業が増え、農作物などの食害対策で捕獲したニホンジカの有効活用に貢献している。ただ、さらなる普及へ向け、消費拡大や高齢化が進む狩猟者の確保が課題となっている。新たに販売されるのは、ハンバーグ、焼き肉用の味付け肉、味付けミンチ、つみれの四種類で、津市高野尾町の農産物直売所「朝津味」や県内外のマックスバリュ計十五店で購入できる。「カレーハウスCoCo壱番屋」の県内全店では、シカ肉入りカレーを来年一月末までの期間限定で提供する。県は二〇〇八年から捕獲されたシカの肉を含むジビエを売り出そうと動き始めた。食品衛生法の規定に加え、品質や衛生管理の基準をまとめた独自のマニュアルをつくり、一三年に解体や加工などの事業者を登録する制度を導入した。解体や加工、販売などの登録事業者は現在までに百を超え、大量の発注に対応できる民間の加工施設が十月に伊賀市に完成した。品質や安全性を保証する制度が県外企業から評価され、有名ホテルや大手百貨店のお歳暮で県産の鹿肉が使われている。県フードイノベーション課の担当者は「県外で評価されている一方、地元では獣臭さや高級食材といった印象が根強くある。研究を重ねておいしく仕上がり、価格も抑えられるようになった。一般家庭でも味わってほしい」と新商品に期待をかける。一方、食害対策を背景に県内のシカの捕獲数は増え続け、昨年度は二万一千六百九十頭。そのうちジビエとして県の基準で加工されたのは千二十九頭だった。農林業の食害は減少していて一定の成果を上げているが、捕獲に必要な狩猟免許を持つ人は年配者が多く、少子高齢化が進む県内で食害対策やジビエ確保に取り組む後継者の確保は避けて通れない。県獣害対策課の担当者は「ジビエ活用が捕獲の拡大につながることが期待できる。課題となる狩猟者の高齢化は根本的な解決が難しいが、より多くの人に協力してもらえるよう呼び掛けていきたい」と話している。

(ジビエ、目指せ「脱・高級食材」)
狩猟したイノシシやシカを食肉として提供するジビエ。フランス料理などの高級食材というイメージが強く、一般の消費者にはまだなじみが薄い。外食業界ではジビエで未利用だった部位を使ったメニューを開発し、低価格化につなげる試みが広がり始めた。外食業界団体の日本フードサービス協会は12日、東京ガス業務用ショールーム「厨BO!SHIODOME」(東京・港)で、飲食店関係者向けにジビエメニューのセミナーを開いた。ジビエであまり使わないスネやモモの部位を使った料理を振る舞った。農林水産省によると、2016年度に食肉処理施設で卸売り・小売り販売されたジビエ肉の平均価格はイノシシが1キロ当たり3857円、シカが同2030円。国産豚ロースに比べて2~3倍だ。セミナーでメニューを提案した滝野衛シェフによると、使った食肉の原価は全部で1800~2000円ほど。ロースを使った場合の3分の1に抑えられるという。外食業界でも「低価格部位も使ったメニューを提案すれば多種多様な飲食店での採用が期待できる」(日本フードサービス協会)との声が出ている。ジビエは高級料理店のほか、居酒屋やハンバーガー店の関心も高まっている。普及の課題となるのがコスト。使う部位はヒレやロースなど一部の部位に偏り、低価格の部位は料理に向いているのか分からないという飲食店があり、多くが廃棄されている。国も動き出した。農水省は3月、長野市など17自治体や地域を「ジビエ利用モデル地区」に選定。補助金を交付し処理施設の拡充などを急ぐ。衛生管理の難しさや処理施設の不足といった課題の改善を目指す。捕獲現場で食肉処理ができる移動車両の導入も各地で広がっている。

(シカ革、新ブランド:山梨)
県は26日、山林や畑を荒らすとして駆除したニホンジカの有効活用に向け、兵庫県の業者と共同で皮を純白になめす新技術を開発したと発表した。来年5月をめどに、白いなめし革を使った甲州印伝の新ブランド「URUSHINASHIKA(ウルシナシカ)」をスタートさせる。白いなめし革は兵庫などで伝統的に作られてきたが、アイボリーに近い色合いにしかならず、県産業技術センターが2015年度から純白のシカ革を目指して研究に着手。薬剤を工夫することで開発に成功した。純白を生かした製品で他の印伝産地との差別化を図る。シカの皮は甲州印伝で使われているキョンに比べて4、5倍の大きさがあり、バッグなど大型商品も作れるという。昨年度、県内で駆除されたシカは約1万4000頭。うち500~600頭がジビエ肉として活用されているが、皮の利用には、胴体を撃たず、皮を傷つけずに処理する手間がかかり、ほとんど捨てられて活用されてこなかった。県は昨年度、猟友会、観光関係者らによる協議会を設置し、シカの有効活用を議論。狩猟関係者や処理施設へ皮を傷めない捕獲・処理方法への協力を呼びかけ、安定供給に向けた体制を整えた。今後、純白になめす技術の特許取得や商標登録、県内業者による商品開発を進め、来年5月の発売を目指す。26日の定例記者会見で後藤知事は「捕獲から製品開発まで一体となって進めることで地域経済の好循環が期待できる。県として支援を続けたい」と述べた。

(シカ肉、首都圏で高評価:鳥取)
農作物を荒らす野生のシカやイノシシを資源にしようと全国的に取り組まれているジビエ(野生鳥獣の食肉)の利活用。中でも鳥取県から出荷されるシカ肉は、質の良さで首都圏のホテル、レストランから高い評価を得ている。

(カラス対策のクロウラボが最優秀賞:栃木)
栃木銀行は23日、起業や販路開拓の支援を目的とする「とちぎんビジネスプランコンテスト」の最終審査会を宇都宮大学で開いた。カラスの撃退装置を販売するプランを発表したCrowLab(クロウラボ、宇都宮市)の塚原直樹代表が最優秀賞を受賞し、賞金300万円を手にした。塚原氏は農畜産業などの被害防止のため、カラスが近づかなくなる瀕死(ひんし)のカラスを模した装置を販売するプランを提案した。塚原氏は「栃木から世界に新しい価値を生み出すことを思って精進していく」と今後の意気込みを語った。

(猪鍋、大学祭で販売へ:静岡)
浜松市天竜区春野町で昔話の採録調査に取り組む静岡文化芸術大(中区)の学生が11月3、4日に同大で開かれる大学祭「碧風祭」で、同町産のイノシシ肉を使った「春野の山の猪鍋」を販売する。北遠のジビエを市民に味わってもらう企画で、24日には同大で試作をして味付けや調理方法を確かめた。調理、販売するのは文化政策学部で伝承文学を専攻する二本松康宏教授ゼミの3、4年生9人。同ゼミは同区内で調査を始めた2014年度から、訪れた土地の郷土料理や伝統行事食を再現し、大学祭で販売してきた。今回は同町のジビエ工房の協力を得て、イノシシ肉を調達。「ジビエが苦手な人でも食べやすい鍋」を目指し、独特の臭さを消すためにニンニクやショウガなどを使った。味のベースとなるしょうゆやみそは市内の業者の商品を選んだ。中心となって試作したのはいずれも3年の伊藤優華さん、吉高里さん、藤井優さんの3人。しょうゆとみその配合を工夫し、肉はじっくりと煮込んで柔らかく仕上げた。伊藤さんは「猪鍋をきっかけに春野のことを広く知ってもらえれば」と期待している。

(イノシシ駆除増加、皮を有効利用:茨城)
山で捕獲されたイノシシの皮を材料に、おしゃれな革製の小物入れや名刺入れを作っている若い女性が城里町にいる。過疎化などを背景に、イノシシによる獣害が増える中、捨てられている皮を有効利用することで、狩猟の活性化につなげる狙いもある。町地域おこし協力隊の瀬川礼江(ゆきえ)さん(26)は土浦市出身で、2016年4月に協力隊員になった。地元の猟友会が駆除したイノシシの解体作業を見学した際、肉が食用になる一方、皮が燃えるごみとして捨てられているのを知り、革製品ができないか模索を始めた。

(狩女がイノシシ料理店:石川)
イノシシ料理を味わえる専門店「味処 狩女(かりじょ)の里」が七尾市能登島須曽町にオープンした。店の企画、運営を担う狩猟に関する任意団体「狩女の会」(七尾市)の長田富士子さん(48)=穴水町=は「イノシシ肉のおいしさを味わい、臭いや硬いといった悪い印象を取り払ってほしい」と話す。長田さんがジビエ(野生鳥獣肉)料理や狩猟、革細工に関する情報共有や交流の輪を広げようと、主宰者として二〇一六年に女性でつくる狩女の会を設立した。現在、石川を含む十五都道府県に会員約五十人がいる。二年前に能登島でイノシシを解体して県内に肉を卸す事業所「山本ジビエ処理施設」がオープン。代表の山本善則さん(69)が、料理を提供したいと考えていたところ、知り合いだった長田さんらに相談し、処理施設の隣に狩女の里を開くことに。店代表は山本さん、調理や運営は狩女の会が担う。能登地方ではイノシシの頭数が年々増えており、長田さんは「魅力ある食材。普通に処分せず、食用で生かしたい」と意気込む。メニューは鍋料理のコースでみそ味のぼたん鍋、しゃぶしゃぶ、すき焼きを用意する。イノシシや野菜、山菜は能登島を含む能登地方の食材を使う。ほかに骨付きリブロースやバラ肉の酢みそ煮といった一品も提供する。いずれのコースも四千円から。二十六日に「女子会鍋パーティー」と題したオープン記念の催しがあり、狩女の会の会員や、ジビエ料理に興味がある県内外の女性計十二人が参加した。ぼたん鍋に舌鼓を打ち、「ガールズトーク」に花を咲かせた。穴水町で飲食店を営む斎藤祥江さん(38)は「イノシシ料理はクセがなく、食べやすくておいしかった。他の人に魅力を広めたい」と喜んだ。来店には四日前までに予約する必要がある。電話か店のフェイスブックのメッセージ機能で予約する。ドリンク代は別途支払う。営業時間は昼食が午前十一時~午後二時、夕食が午後五~九時。休みは不定。店では料理の提供に加え、革細工の体験会やジビエ料理教室、狩猟免許の取得に向けた勉強会などを開き、同志が集い、交流を深められる場を目指す。

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