<射撃ニュース11月>
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(相馬・初野射撃場オープン:福島)
相馬市が改修工事を行ってきた同市初野の「初野射撃場」が22日までにオープンした。相馬地方はイノシシの増加が問題となっており、人材育成や射撃技術向上の研修施設としての活用も期待されている。施設は老朽化に伴い改修。市によると、市内では特にイノブタが増加しており、原発事故の避難区域から移動してきた可能性が高いという。また、有害鳥獣駆除の主体となる猟友会員の減少も課題となっている。施設にはイノシシ駆除で使用するスラッグ弾で射撃練習できる「50メートルライフル射撃場」を新設。トラップ射撃場も設置した。敷地面積は2万2000平方メートルで整備費用は約7000万円。落成式は9日行われ、関係者がテープカットで完成を祝ったほか、猟友会員による試射が行われた。

(ハンター誤射、再発防止へ安全徹底を:北海道)
恵庭市の国有林で、北海道森林管理局の森林官がエゾシカ猟をしていた自営業の男に猟銃で撃たれ、死亡した。男は「シカと間違えて撃った」と供述しているとされ、誤射したとみられる。道内では過去にも類似の事故が起きている。悲劇を繰り返さないために、道や道警は徹底的に原因を究明するべきだ。今季のエゾシカ猟は来年3月末まで続く。ハンターは安全の基本をいま一度確認し、細心の注意を払う必要がある。道内では近年、新たに狩猟を始める人が増え、経験の浅さゆえの事故も懸念されている。道や猟友会には、狩猟技術やルールを体系的に継承する取り組みの強化が求められる。千歳署などによると、現場は狩猟が可能な地域だったが、男は銃に付いているスコープで十分に確認せずに撃ったという。2011年にも、胆振管内厚真町の民有林で、林業作業員がハンターによる誤射とみられる銃弾を受けて死亡した。今も誰が撃ったか分からず、未解決のままだ。人里から離れた山林とはいえ、林道が整備され、伐採などの作業に当たる人がいる。事故が起きる危険性が常に隣り合わせであることを決して忘れず、獲物を確認してから銃に弾を込めるといった基本動作を忠実に守らなければならない。深刻な農林業被害をもたらすエゾシカの捕獲は、趣味やボランティアのハンターに頼っている。ハンターの高齢化で担い手が減る一方、散弾銃とライフルの狩猟免許を新たに取得する人はこの15年ほどで3倍近くに増えた。今回事故を起こした男も、免許取得から4年と狩猟歴は短い。野生鳥獣肉(ジビエ)のブームを受け、若い世代も少なくないが、射撃のコツなどは、猟場での経験や先輩からの伝承で習得しているのが実態だ。安全対策も含め、現場のハンター任せでは心もとない。猟場でより実践的な研修を行うなど、若手ハンターの安全指導を強化する手だてを検討すべき時期に来ている。一般社団法人「エゾシカ協会」(札幌)は、エゾシカの生態や狩猟関係法令、捕獲方法などの専門知識を身に付け、試験に合格したハンターに認証を与える制度を設けている。こうした制度も活用しながら、高度な知識と技術を備えたハンターを育成しなければならない。

(イノシシと衝突、運転見合わせ:大分)
23日午後8時ごろ、JR久大線豊後三芳-豊後中川間で、下り特急ゆふ5号(博多午後6時36分発、大分行)がイノシシと衝突。車両の一部が損傷し、現場確認を行っている。この影響で、久大線日田-由布院間は上下線とも運転を見合わせ、久留米-日田、由布院-大分間の上下線、鹿児島線上り博多-久留米間に遅れが生じている。

(イノシシと乗用車が衝突:岐阜)
岐阜県関市の旭ヶ丘中学校横の路上で25日夜、イノシシと車が衝突しました。けが人はなく、警察がイノシシの行方を追っています。警察によると、25日午後8時15分ごろ、乗用車を運転していた男性(45)から「イノシシとぶつかった」と現場近くの交番に通報がありました。事故の約10分前には南西約500メートル先で、イノシシの目撃情報の通報もあったということです。男性によると、イノシシは体長1メートルほどで西に向かって逃げたといい、現場近くの学校では登校時の見守り活動を強化するということです。

(イノシシと列車の衝突続出:山形)
JR東日本が山形県内で相次ぐイノシシと列車の衝突事故に手を焼いている。衝突した列車に平均40~50分の遅れが出て、後続のダイヤも乱れがちだ。昨年12月には多発区間に初めて侵入防止柵を設置したが、効果はいまひとつ。専門家は「イノシシは柵のない所から侵入するため効果は期待薄」と指摘しており、打つ手がないのが実情だ。JR東によると、県内のイノシシとの衝突事故は2015年に初めて発生。年2、3件ずつあったが、今年は既に5件になった。この4年間で、仙山線では面白山高原-山寺間、山寺-高瀬間で各2件、奥羽線では羽前中山-かみのやま温泉間で3件、赤湯-中川間2件、板谷-峠間1件の計6件に上る。今年は初めて陸羽東線でも発生し、瀬見温泉-東長沢間で2件起きている。同社は昨年12月、最も件数が多い奥羽線の羽前中山-かみのやま温泉間の線路東側に長さ約50メートル、高さ約1.5メートルの動物侵入防止の柵を設けた。しかし、今年5月には、同区間の柵のない場所でイノシシとの衝突が再び発生した。今月8日夕には一つ南の中川-羽前中山間でも普通列車にイノシシの可能性がある動物が衝突。この日は山形市で全国農業担い手サミットの全体会があり、出席された皇太子さまが後続の山形新幹線で帰途に就いていたが、衝突の影響で東京駅到着が予定より11分遅れた。イノシシなどの動物と衝突した列車は乗客の無事と車両の安全を確認した上で徐行運転し、次の駅で安全点検をすることになっている。死骸が線路に残っている場合は、社員が現場に向かって撤去するまで運転を再開できないため、さらに遅れは拡大する。陸羽東線の瀬見温泉-東長沢間で13日に起きた衝突でも、死骸の撤去に新庄駅から社員2人が出動。最終的に上下計3本に最大1時間5分の遅れが出た。死骸は通常、地元猟友会に引き渡し、自治体の処分場などに運ばれるほか、土地所有者の許可を得て現場近くに埋めるケースもあるという。JR東日本山形支店は安全性や定時性確保のため、今後も多発区間に柵の設置を検討する方針。だが、山形大理学部の玉手英利教授(生物学)は「イノシシは柵のない場所から線路に入る。周辺の環境調査で原因を明確にした上で柵を設置しなければ、効果は限定的でコストもかさむだろう」と話す。山形県内では明治末期からイノシシの生息情報が途絶えていたが、近年、村山地方、置賜地方で捕獲数や目撃情報が増えている。2017年度の捕獲数は888頭、農作物被害額は5000万円を超えた。特に村山地方には仙台市西部からイノシシが侵出しているとみられ、奥羽山脈沿いの自治体で被害が集中。山形、天童、上山の各市では17年度までの5年間で被害が数倍から数十倍に激増している。

(原発事故で出荷制限、イノシシ処分苦慮:福島)
東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で、捕獲したイノシシをジビエ(野生鳥獣の肉)として流通させられない福島県などの地域の狩猟者らが、今年も処分に苦慮している。原発事故前は狩猟者らで食べるなど活用をしてきたが、焼却炉を建設した一部地域を除き埋設するしかなく、11月半ばから狩猟シーズンを迎えた中、埋却は狩猟者にとっての相当な負担となっている。事故から7年たった今も、現場では捕獲後の出口が見えない状況が続く。イノシシが荒らし稲刈りができなかった田んぼや、事故後に鳥獣害などを理由に耕作をやめた農地を回りながら、福島県田村市船引町の狩猟者、助川秀俊さん(74)が険しい表情で話す。「原発事故前は、イノシシの被害は深刻じゃなかった」事故前、同町で捕獲したイノシシは年間5頭前後で、地域で祝って食用にしていたほど貴重だった。しかし、県猟友会田村支部の支部長を務める助川さんによると、事故で人が住めなくなった家や農地などにイノシシが押し寄せ、繁殖率も高まり、農作物被害は一気に全域に広がった。同市によると、助川さんら実施隊が昨年捕獲したイノシシは989頭にも上る。狩猟歴54年の助川さんは昔、農地の隅々まで桑や葉タバコが作られていた状況を知るだけに、荒れる古里が悲しい。食い止めようと捕獲を頑張るが、地主の許可を得てスコップで1メートル以上の穴を掘って埋める作業について「高齢の狩猟者が、重機の入らない、山道もない場所で掘るのは大変な苦労だ」と明かす。イノシシの増加が耕作放棄地増加の原因となり、荒れ地がイノシシの隠れ場所となり、さらにイノシシが増え農家が離農するという悪循環に現場は陥っているという。同県は事故前までシイタケの原木を県外に出荷する筆頭産地だったが、出荷できないために山に入らない農林家が増え、山道もなくなり、狩猟が難しくなっている。事故前は5000万円前後だった県の農作物の鳥獣被害額は、原発周辺12市町村を除いて現在9000万円前後で推移。田村市の農家で狩猟者の荒井久二男さん(68)は「捕獲しても処分は狩猟現場に丸投げの状況が続く。農家、地域のために捕獲を続けるが、減らない農業被害にむなしくなる。このままでは地域がイノシシの勢力に負けてしまうんじゃないか」と苦悩する。農水省によると、ジビエ利用については、福島県は摂取制限と出荷制限、岩手、山形、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉の全域と、新潟、長野の一部地域は出荷制限の状況だ。行政から処分や捕獲の費用として報奨金は出るが、問題解決には至っていない。福島県内では自治体によって差があるものの、国、県、市町村の補助金合わせて1頭当たり2万円前後になる。県内では鳥獣害対策として農家が狩猟免許を取得する傾向もあるが、実際の現場で活躍するには技術が必要となる。県は「狩猟者に大変苦労を掛けていることは承知している。高温で発酵させて処分する実証実験も進めているが、抜本的な処分の解決方法がない」(環境保全農業課)と説明する。2億円近い工事費をかけて有害鳥獣専用の焼却処理施設を建設した地域もあるが、莫大(ばくだい)な維持運営費や人員が必要となる。宮城県丸森町の元農家、一條功さん(68)は狩猟者と共に立ち上げたジビエの加工施設を事故の影響で閉鎖した。「イノシシの流通が再開できれば捕獲数も増えるのではないか。今のままでは、イノシシ害の解決策が見えない」と嘆く。農水省は、ジビエの出荷制限が長引いていることに「餌となる野生のきのこから基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性物質が検出されていることから、まだ当面は全面解除は難しい。一部解除を続けていく」(農村環境課)としている。

(わなの捕獲状況無線で通知:長野)
南信森林管理署(伊那市)は、国有林のニホンジカの食害対策の一環で、無線通信でわなの捕獲状況を通知するシステムの実証実験を下伊那郡大鹿村の大河原国有林で始めた。わなの見回りの負担を軽減し、ニホンジカの効率的な捕獲につなげる狙い。システムの有効性を検証するとともに、猟友会などと情報を共有し、今後の取り組みに生かしていく考えだ。同署によると、わなの見回りは狩猟従事者の負担が大きく、効率化が課題だった。このため、ICT(情報通信技術)に関するサービスを手掛けるフォレストシー(東京)が提供する野生動物捕獲通知システムに着目。同社独自の通信技術「LP―WAVE」は携帯電話の圏外でも使えることから、携帯電話の電波が届かない同国有林でも導入が可能と判断した。動物がくくりわなにかかると、子機につなげた端子が外れ、中継機を介して親機に通知される仕組み。同署は7月に電波の到達試験を行った上で、親機1台と子機8台(1台は中継用)を購入。11月初めに大鹿森林事務所に親機、地蔵峠に中継機、大河原国有林内に子機7台を設置し、運用を開始した。親機は同事務所のパソコンと接続。わなの作動状況を確認できる。現在は行っていないものの、スマートフォンなどとつなげれば遠隔地からリアルタイムで確認することも可能という。同署の渡邊修森林技術指導官は「わなの見回りは大変で、何もかかっていない場合もある」と指摘。「ニホンジカの食害は全国共通の問題であり、このシステムを含めてさまざまな技術が開発されている。有効性を検証していきたい」と話す。ただ、「本格導入にはわなの数に見合った台数が必要になるが、費用の問題もあり、現時点では実験の段階にとどまる」と説明。「猟友会や食害対策協議会と情報を共有しながら取り組んでいきたい」としている。

(ドローン活用しイノシシを追放:福島)
東京電力は、福島第1原発事故による避難指示が一部で解除された浪江町で、避難中に増えたイノシシを小型無人機ドローンから発する超音波で追い払う実証実験をした結果、イノシシが逃げ出すなど一定の効果があったと発表した。今後も実験を続けて実用化できるか探る。

(JALネクストアスリートマイル、クレー射撃への支援でプレゼント)
JALマイレージバンク(JMB)は2018年12月18日(火)まで、「JALネクストアスリート・マイル プレゼントキャンペーン」を開催しています。期間中、JALネクストアスリート・マイルの「クレー射撃」に1口以上を支援した方の中から抽選で、オリジナル吸水タオルが10名にプレゼントされます。「JALネクストアスリート・マイル」は次世代アスリートの育成をマイルで支援するプロジェクトで、1口は2,000マイルとなっています。クレー射撃への支援、およびキャンペーンへの参加は、キャンペーン専用ウェブサイトで受け付けています。

(猿の目撃情報相次ぐ:福岡)
24日午前、博多駅近くなどの福岡市中心部で猿1匹の目撃情報が相次いだ。同市博多区や中央区でうろつく姿が目撃されているという。けが人の情報はない。県警は「遭遇したら目を合わさず、近づかないで」と注意を促している。午前11時半ごろ、博多区の原三信病院付近で目撃されたのを最後に、見失ったという。

(イノシシ、生活圏出没相次ぐ:栃木)
10月下旬から11月にかけて、県内でイノシシの目撃が市街地周辺で相次いだ。足利市と真岡市では人の生活圏に出没し、けが人も出た。専門家は、過疎化などを背景に人とイノシシの「すみ分け」が崩れている現状を指摘。イノシシに対して、人間の存在感を示すメッセージを送ることが必要だと訴える。真岡市では10月30日、同市亀山の畑でイノシシが目撃された。現場は住宅が点在し、付近には小学校もある。駆け付けた猟友会のメンバーが銃で駆除した。

(小学校近くで大型のイノシシ:佐賀)
佐賀県警唐津署によると、22日午前10時45分ごろ、同県唐津市立大良小学校南側の林で大型のイノシシ1匹が出没したという。同署は「民家付近に出没する可能性もある」として注意を呼びかけている。

(タカ使いカラス追う:青森)
弘前市は昨年度に引き続き、今年度も鷹匠によるカラスの追い払いを実施している。21日は鷹匠が市役所や鍛冶町周辺を巡回し、ねぐらを探して電線に集まってきたカラスを追い払った。市の担当者は「一定の効果が見られる。中心街にカラスがとどまる時間を減らしたい」としている。カラスのねぐらは弘前公園や弘前駅周辺に分散しており、特に電線に止まった場合は路上などに落ちるふんが市民を悩ませている。市は昨年度、カラス対策として天敵の猛禽(もうきん)類で追い払う実証実験を実施し、一定の効果があったことから今年度も継続した。

(新政権下で銃販売減少:アメリカ)
トランプ政権発足後、銃器の販売が減少、調査会社によると10月の販売数は過去7年間で最低を記録した。アナリストらによると、低迷の主要要因は、トランプ政権発足後、銃規制強化の可能性がなくなり、銃愛好者らが購入を急がなくなったためだとみている。オバマ前政権中は銃の販売数は大幅に増えていた。調査会社「スモール・アームズ・アナリティクス・アンド・フォーキャスティング(SAAF)」の主任経済学者ユルゲン・ブラウアー氏は「トランプ氏が選出されたことで(規制への)懸念が消えた。2017年に大幅に減少し、その傾向はこの秋になっても続いている」と、トランプ政権発足後の銃販売数の減少傾向「トランプ・スランプ」が続いていることを強調した。一方、銃規制に詳しいSUNYコートランド大学のロバート・スピツァー教授は、「最大の銃保有層が減少を続け、それに代わる層がいない。高齢の白人男性だ」と、人口動態的な要因から長期的に銃の販売は減少するとみている。SAAFによると、10月の銃販売数は約105万丁で、昨年同月から12%減少。今年1月から10月までの販売数は1080万丁で、昨年同期の1140万丁、一昨年同期の1290万丁から大幅に減少した。ブラウアー氏は、「今年ほどではない」が、来年も減少は続くと予測している。2月のフロリダ州パークランドで起きた銃撃事件を受けて、銃規制への議論が高まり、銀行が半自動小銃メーカーへの融資を控えるなどの影響も出ていた。スピツァー氏は「政治の風は、銃産業に逆風となっている。人口動態、政治、トランプ・スランプが現状をよく説明している」と指摘した。

(地域食材の魅力再認識:北海道)
日高管内消費者協会連合会、ひだか食育推進協議会主催の「ひだか食育セミナー」がこのほど、新ひだか町保健福祉センターで開かれ、参加者が料理教室や講演で地域食材の良さを再認識した。静内御幸町2のお料理「あま屋」の店主・天野洋海さんが「地産地消を学ぶエゾシカ肉を使った料理教室」と「地場産品を使ったおもてなし」の演題で講演。また、町役場健康推進課の日開めぐみ主任管理栄養士が「新ひだか町の食育の取組」、日高振興局環境生活課道民生活係の堀田哲哉係長が「食品の品質表示の見方」を情報提供した。料理教室には静内農業高生や管内消費者協会連合会から25人が参加。5班に分かれて天野さんが考えた(1)ゴボウが入ったエゾシカカレー(2)キノコと玉子の和風スープ(3)トマトの甘酢生姜サラダ―の3品を調理した。あま屋では、トマトベースのスープと3週間ほど熟成させたシカ肉のしゃぶしゃぶなどのシカ肉料理を提供。AAO(安心・安全・おいしくてヘルシー)エゾシカ料理推進協議会のマイスターでもある天野さんは、調理を前に「日高のエゾシカは牧草を食べているから本当においしい。農業被害だが、シカにとってみるとものすごい良いごちそうを食べている。そんなシカは日高にしかいない。冬でもやせないし、風味も良い」と魅力を話した。続いて、各料理の調理ポイントを解説し、メインのカレーについては「シカ肉は土っぽかったりするが、逆に土っぽいゴボウと合わせてあげることでおいしく食べられる」、「肉を炒めてからカレーを作る人がいるが、あれはナンセンス。肉のうま味を出すのであれば最初に入れても良いが、肉を食べるなら最後に入れた方が良い」とプロの知識を惜しみなく伝授した。早速調理に取り掛かり、高校生を中心に協力しながら3品を完成させ、試食会ではあらかじめ2時間ほど蒸して柔らかくなったエゾシカ肉などに舌鼓を打っていた。谷川辰実君(静内農高食品科学科3年)は「シカ肉がホロホロしていておいしい。ちょっと工夫すれば、家でもプロの味が作れることが分かったので挑戦してみたい」と話していた。

(1度に大物猪2頭:兵庫)
狩猟解禁から最初の週末の11月17日、兵庫県丹波市青垣町神楽地区の惣持、小稗、大稗で126キロ、120キロの大物2頭を含むオス5頭、総重量300キロ以上が仕留められた。ハンターは、幸先の良いスタートに気を良くしている。狩猟に青垣に30年通っている浦崎攻治さん(74)=同県三木市吉川町=をリーダーとする10人が犬を使った「追い山猟」を展開。同じ山で1度に大物2頭が立て続けに捕れた。宮田克規さん(70)と谷石昌一さん(66)=同=が一頭ずつライフルで仕留めた。宮田さんは「いつも通り、来た来た、という感じだった」とニンマリ。谷石さんは「巨体が走るので、ドドドドと地響きがした」と笑っていた。飼料用の稲を食べるなど近くでイノシシによる農作物被害が出ており、猟に参加した小谷隆司さん(77)=同県丹波市青垣町山垣=は「相当この辺りを荒らしていた。みんな助かるだろう」と喜んでいた。

(体長1・5㍍の大イノシシ捕獲:和歌山)
和歌山県和歌山市口須佐の山林で24日、体長約1・5㍍、体重推定130㌔のオスの巨大イノシシが捕獲された。地元住民の要請を受けて駆除に当たった、県猟友会和歌山市支部の会員で県鳥獣保護管理員の岩橋勝利さん(73)は「100㌔を超えるイノシシは珍しい。農家のためにも、被害軽減につながれば」と話している。岩橋さんは同日の朝、イノシシによる農作物被害に苦しむ住民から、「仕掛けた駆除用の箱わなに大きなイノシシがかかった」と連絡を受け、同支部に所属する顧問の水浦健さん(79)、原宗夫さん(69)にも協力を求めた。場所は山東小学校の東側、県道から50㍍ほど入った山すそ。1㍍を超えれば「大物」とされるが、今回捕獲されたのは丸々と太った超大物。同地区ではタケノコやミカン、畑の農作物などが荒らされる被害に悩まされている。水浦さんは「50年猟をやっているが、この大きさを捕獲することはめったにない」と驚き、原さんは「これほど大きいのだから、相当田畑を荒らしてきたのでは」と話していた。イノシシの肉は、仲間で分け、調理するなどして活用された。イノシシといえば、来年のえとで主役。岩橋さんは「躍動の年であってほしいものの、できるだけ農作物の被害は少ないことを願います」と話していた。

(イノシシ猟解禁、販売催し:兵庫)
イノシシ猟が今月15日に解禁されたのに合わせて、パスカルさんだ一番館(兵庫県三田市川除)で24日、市内の農家の女性が調理した「しし汁」を販売するイベントがあった。ほのかに甘いみその香りが周囲に漂い、訪れた人たちが旬の味覚に舌鼓を打った。地元の食材を味わってもらおうと、市内の60、70代の女性5人でつくる料理研究グループ「旬彩」が企画した。しし汁用にと、今年捕れたイノシシ約1キロを用意。約3年間熟成させた黒豆みそで味付けし、メンバーが畑で育てたハクサイやダイコン、ニンジンなど6種類の野菜と一緒に大鍋で約80人分を煮込んだ。訪れた人たちは、具だくさんでこくのある汁をすすって季節の味を堪能。中にはおかわりする人もいた。祖母と訪れた、あかしあ台小学校6年の女児(11)は「しし肉と野菜がいっぱい入ってとってもおいしかったし、体がぽかぽかになった。おばあちゃんに作ってもらって、家でも食べたい」と笑顔を見せた。調理した女性(70)は「イノシシと新鮮な野菜を食べて、寒い冬を乗り越えてほしい」と話していた。しし汁の販売は12月15日もある。また、同館ではしし肉を100グラム700円前後で販売している。来年3月下旬ごろまで。

(ジビエにぞっこん:長野)
長野県中川村の地域おこし協力隊員、高橋詩織さんは(30)は、村が運営する施設で働きながら、ジビエ(野生鳥獣の肉)の魅力を発信している。施設のキッチンで鹿肉を使った家庭料理を作り、イベントや祭りで提供。地域住民や観光客らを楽しませている。「山肉文化が伝わる南信州で、山からの恵みに生かされていることを広く共有したい」と普及に力を入れる。ジビエに関する知識と技術は、山好きが高じた暮らしの中で身に付けた。雄大な山脈を望む伊那谷(伊那盆地)で生まれ育った。首都圏の大学に進学したが、情報があふれる都市生活より、自然の中での簡素な暮らしに強く引かれた。卒業後すぐに、「山で暮らそう」と長野に戻り、南アルプスの山小屋などで働く生活を始めた。登山や渓流釣りに親しむ中で、猟師と出会った。「ジビエをごく普通に日常の中で食す姿に感動した」と、わな猟の免許を取得。2016年に協力隊員となり、地元の猟友会が運営するジビエ加工施設「かつらの丘ジビエ工房」で、鹿の解体、精肉、販売まで、一手に担うようになった。「畑が荒らされた」と農家に相談され、鹿の捕獲に奔走したこともある。工房の仕事は後任に技術を伝え、現在はシェアオフィス施設の管理人をしながら、鹿肉を使ったカレーやおやき、スープなど、多彩なメニュー作りに打ち込む。隊員の任期は、あと半年ほど。今後も地域でジビエの活用や普及に携わるつもりだ。「伊那谷の環境は素晴らしく、離れる理由が見当たらない。気が済むまでここで暮らすのだと思う」。高橋さんの山での生活は続く。

(はじめての獲物:服部文祥)
チームとしてはほぼ毎週のように獲物が獲れた。だが初年度、私のタツマ(待ち伏せ場所)にケモノが追い出されてくることはなかった。体力以外狩猟者としてはからきしの私は、一番遠いタツマに急ぎ、獲物が獲れたら急いで下山して、獲物を下ろす、の繰り返しだった。私の最終目的は単独猟で獲物を仕留め、独りで解体し、独りで下ろして、正しい肉の味を知ることである。先輩たちにもそれは告げてあり、巻き狩りの前後に、周辺の山を独りで歩いた。タツマに向かう途中の道すがら、ベテラン猟師が足跡やケモノ道の見方について細かく講釈してくれ、これまでのケモノとの遭遇経験も具体的な場所を示しながらひとつひとつ教えてくれた。村外から参加しているメンバーの車に、村に入るときに便乗させてもらいがてら、いろいろな経験談も聞いた。そして毎週のように先輩が仕留めた獲物を解体し、解体だけは上手になった。住宅街で育った私にとって、大きなケモノが檻(おり)を隔てずに同じ空間にいるということに最初はまったくなじめなかった。だが、体験談を聞きながら山を歩き、解体を繰り返して、自分の街と地続きの森に、大きな哺乳類が暮らしているということを体で理解するようになっていた。それは狩猟上達の大きな一歩だったと思う。2シーズン目には巻き狩りがどう展開しているのか、すこしイメージできるようになり、足跡の新旧も多少は見分けられるようになった。単独忍び猟で山を歩いていても、鹿とニアミスすることが増えていった(撃つことはできなかった)。そしてシーズン終了直前の2月中旬、巻き狩りで追い出された若い雄鹿が私のタツマにガサガサと登ってきた。犬と狩猟者(犬掛け)が山の斜面を混ぜたので、それを嫌ってちょっと峠まで上がってきましたという感じだった。樹を背に座っていた私のほんの10メートルほど前を、鹿はゆっくり通り過ぎ、やれやれという感じで立ち止まった。私は抱えていた銃をそっと上げ、安全装置を解除した。鹿が私を見た。私は引き金を引いた。鹿は横から激しく押されたように倒れ、そのまま斜面を落ちていった。立ち上がってあとを追うと、すぐしたの灌木(かんぼく)に引っかかって暴れていた。銃でトドメを刺したくなかった。イワナの頭を叩(たた)くときに感じる感情の陰りが、飛び道具では感じられない気がしたのだ。ナイフを出し、細い角をつかんで地面に押さえつけ、のど元を切ろうとしたその瞬間、鹿がビュヘーッと激しく鳴いた。まったく想定していない反応だったので狼狽(ろうばい)したが、それでもなんとか気を取り直し、私は腕に力を込めた。これが私が仕留めた最初の鹿である。獲物を撃つ瞬間に躊躇(ちゅうちょ)しないのか、と聞かれることがある。「殺し」の瞬間は、時間にすれば狩猟行為全体のごくごくわずかな一瞬でしかない。狩猟者はそこにたどり着くまで、膨大な労力と時間とお金を費やしている。撃つ瞬間はそれらすべてを意味あるものにする唯一の結果に集中しており、雑念はない。ただ傷つき倒れ、急速に死に向かって落ちていくケモノを目の前にすると、取り返しのつかないことをやってしまった悔恨と責任が、ゆっくりとのしかかってくる。

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11/22
(「白いタオルがシカの尻に…」猟銃で誤射:北海道)
札幌市の自営業・佐孝英司容疑者(49)は20日午後2時前、北海道恵庭市の国有林でシカと間違えて銃弾を発射し、恵庭森林事務所の職員・菅田健太郎さんを死亡させた疑いが持たれています。菅田さんは林道で倒木の確認作業中でした。警察によりますと、佐孝容疑者は「男性が身に着けていた白いタオルがシカの尻に見えた」などと供述しているということです。石狩森林管理署によりますと、佐孝容疑者は狩猟者登録は行っていましたが、入林届は出していませんでした。

(野生イノシシ感染54頭に:岐阜)
岐阜県は21日、岐阜市と同県関市で20日に見つかった野生イノシシ2頭が豚コレラに感染していたと発表した。感染が確認された野生イノシシは54頭となった。県によると、岐阜市の1頭は9月に豚コレラが判明した同市の養豚場から約8キロ西、今月16日に感染が確認された市畜産センター公園から約2キロ南西の水路で死んでいるのを住民が発見。関市の1頭は養豚場から約8キロ東、公園から約15キロ東の山中でわなにかかっているのを地元猟友会が見つけた。いずれも県の遺伝子検査で21日に陽性が判明した。周辺ではこれまでにも感染イノシシが見つかっている。

(シカ食害深刻、土壌露出で災害リスク:滋賀)
滋賀県内でシカによる森林被害が深刻化している。県の調査では近年、湖北や湖東地域を中心に低木や下草が食べられて消失し、土壌が露出した山が広がっており、表土流出や水源かん養機能の低下が懸念される。県は捕獲に力を注ぐが、食害による植生の衰退は止まらない。県内のスギやヒノキの人工林(約8万5千ヘクタール)でシカに苗木や枝を食べられたり、樹皮をむかれたりして枯れた被害は、2012年度の約280ヘクタールをピークに、近年は200ヘクタール前後で推移している。県はシカの捕獲を本格化させた12年度以降、年間1万頭以上を捕獲しており、被害抑止に一定の効果を上げている。だが、県が県内の森林を5キロ四方メッシュをめどに設定した180カ所で実施した下層植生衰退度調査(17年度)では、8割以上の樹木が食害で枯れるなど衰退度が高い地点は35カ所に上り、全体の2割に達した。5年前の調査と比べると、被害は湖西地域で減少し、湖北や湖東地域で拡大している。衰退度が高い地点の数は前回(36カ所)とほぼ同じだったものの、被害が全くない地点は前回(32カ所)から12カ所減り、全体の1割にとどまった。県によると、植生が回復しにくい頂上付近や間伐した人工林でも表土の崩壊が見られ、東近江市の永源寺ダムでは土砂の流入量が増える傾向にあるという。県では植樹した造林地を防護柵で囲んだり、樹皮をはがされないようビニールテープを巻いたりして食害を防いでいる。水が集まりやすい場所では枝を集めて簡易ダムを造り表土流出対策も行う。山林所有者向けの対策マニュアルも14年度に作成した。県森林政策課は「雨の降り方が変化する中で土砂災害のリスクは高まっている。土壌が崩れやすい場所の対策が必要だ」とし、年度内に見直す基本計画に、表土流出対策の項目を初めて盛り込む方針だ。

(外来イノシシ繁殖、本腰入れて捕獲・駆除を:沖縄)
渡嘉敷島、座間味島で外来種のイノシシが繁殖し家畜や農作物に深刻な被害を及ぼしている。ウミガメの卵を食い荒らした跡も確認された。このままでは国立公園の貴重な生態系が破壊されかねない。人身への被害も懸念される。行政当局はイノシシの捕獲・駆除に本腰を入れて取り組むべきだ。イノシシは十数年前に食肉用として渡嘉敷島に持ち込まれ、逃げ出して繁殖したとみられる。天敵がおらず生態系のトップに君臨していると専門家は指摘する。一部は豚と交配しイノブタが出現した。イノシシの数倍、繁殖力が強いという。座間味島のイノシシは渡嘉敷島から泳いで渡ってきたらしい。畑を荒らされる被害は後を絶たない。家畜のヤギも襲われた。国の天然記念物リュウキュウヤマガメの卵が食べられたという情報もある。渡嘉敷村は2011年ごろから捕獲用のわなを仕掛けたり、田畑への侵入防止柵を設置したりして、本格的な対策に乗り出した。17年度までに664頭を捕獲したものの、依然として数百頭が生息しているとみられている。座間味島を含め、効果的な駆除方法が見つからず、対応に苦慮しているのが実情だ。渡嘉敷、座間味両島を中心とする慶良間諸島と周囲の海域は14年に31番目の国立公園に指定された。優れた自然を守り、後世に伝えていかなければならない地域だ。座間味村の屋嘉比島、慶留間島、阿嘉島などには国の天然記念物に指定されているケラマジカも生息している。もとより人間によって連れてこられたイノシシに罪はない。かといってこのまま放置することはできない。イノシシの分布が広がれば、被害は一層深刻化するだろう。本土では人を襲うケースが頻繁に起きている。渡嘉敷島でも人家近くでイノシシが目撃された。いずれ人身に危害を加えないか心配だ。そのような事態は何としても避けなければならない。県は18年度からイノシシの現地調査を始めた。早ければ年内にはまとまる見通しだ。その結果を踏まえ、県と渡嘉敷、座間味両村が連携して駆除に向けた計画を策定するという。県外では、駆除対策に工夫を凝らすことで一定の成果を上げている地域もあるようだ。県外自治体の事例も参考にしながら、当地の実情に即した対策を講じてほしい。まずは、イノシシの生態を知ることが不可欠だ。イノシシはもともと食用として飼われていた。状況によっては、捕獲したイノシシの肉を資源化する可能性を含め検討する価値はあるだろう。外来種が流入すると、そこに生息する動植物を食べたり、在来生物を追い払ったり、雑種を出現させたりする。生態系に及ぼす悪影響は甚大だ。そのことをよく肝に銘じたい。

(クマ、中学校に:岡山)
20日午前8時半ごろ、岡山県西粟倉村影石、西粟倉中グラウンドにツキノワグマ1頭がいるのを近くの住民が目撃し、学校南の村教委事務局を訪れて知らせた。関正治教育長が確認に出たところ、クマはグラウンドのフェンス(高さ約3メートル)を乗り越えようとして約5分走り回り、フェンスの途切れた校門付近から出て東の国道373号を横切り、山中へ逃げた。けが人はいなかった。当時、校内には生徒と教職員計43人がいた。部活動を中止して午後4時前から一斉下校にし、教職員が通学路で見守った。関教育長によると、クマは体長約1メートル。確認時、足跡がグラウンドに点々と残り、学校西側から侵入した可能性があるという。「クマがグラウンドに出るとはここ何年も聞いたことがない。登校時間帯と重ならず、本当によかった」と話した。県によると、2018年度の県内のツキノワグマ出没件数(15日現在)は171件(前年度同期比63件増)で、捕獲は16頭(同5頭増)。このうち西粟倉村の出没件数は6件(同5件減)。美作市真殿の山中では6月、60代男性が襲われて負傷している。

(猟友会、ペーパー狩猟者に現場体験を:山梨)
15日の解禁で今年も本格的な狩猟シーズンに入ったが、近年はジビエ料理の人気などを背景に、「狩りガール」と呼ばれる女性も含む若手の免許取得者が増えている。ただ、現場に出る機会が少ない「ペーパー・ハンター」も多いという。平成25年、若手育成を目的に全国初の「青年部」を結成した県猟友会は、「ベテランの卓越した技能を学ぶには、現場に出ることが必要だ」と強調している。狩猟免許保有者のうち、60歳以上が6割以上を占めている。だが、近年は若手の比率が高まっている。県内では特に、県が農林業に被害を及ぼすニホンジカなどを管理捕獲する若手ハンターを増やそうと、新規の免許取得者に支援を始めた24年度以降、若手の比率が高まった。県みどり自然課によると、24年度の保有者3193人のうち、60歳以上は2087人(65・4%)、49歳以下は536人(16・8%)だった。一方、29年度は保有者3597人うち、60歳以上は2205人(61・3%)だったのに対し、49歳以下は906人(25・2%)となった。特に20代の伸びが顕著で、24年度の60人から124人と倍増した。県の取り組みは、市町村による新規免許取得者への最大1万7500円の助成のほか、狩猟やジビエのシンポジウム開催、若手ハンターの現場体験事業への支援などだ。ジビエ料理のブームなども、若い免許保有者の増加を後押ししたとみられる。ただ、関係者は狩猟に出ない「ペーパー・ハンター」も多いと危惧する。県猟友会が25年に発足させた青年部は、20~40代のハンターで構成し、管理捕獲への若手の参加を促している。管理捕獲は県が頭数を定め、ニホンジカ、イノシシ、ニホンザルを禁猟期間を設けずに捕獲するもので、猟友会が担う。青年部の羽田健志部長(46)は「市町村の助成を目当てに取得する人や、狩猟に出ずに、免許保有をジビエレストランなどのビジネスでアピールする人も増えている」と指摘する。活動は多くのメンバーに好評だ。勝俣麻里加さん(28)は「大学で鳥獣被害を学び、興味があった。現場ではチームプレーに魅了された」と話す。羽田さんは「狩猟は地域の猟師と行動しないと先人の技術を学べる機会が少ない。管理捕獲に参加してほしい」と訴える。

(狩猟解禁、臨機応変にシカ追うハンターに密着:山梨)
野生動物に農作物や森林が食い荒らされる被害が山梨県内でも深刻になっている。生態系を維持しながら、適正な数を保つために欠かせないのがハンター。今月15日に狩猟が解禁されて最初の週末、山梨市牧丘町の県有林に入った「成猟会」に同行した。17日午前7時、会長の一ノ瀬永二さん(66)らメンバー6人が犬1匹を連れ、標高1700メートルの山中に入った。狙いはニホンジカだ。カラマツと広葉樹の混交林はすでに落葉している。地形を熟知するメンバーは、シカを追い出す「勢子(せこ)」と、待ち受ける「たつま」に分かれ、猟を始めた。記者はたつまの一ノ瀬さんの横で見守った。見通しのきくカラマツとモミの林で待つこと約1時間、3歳の猟犬「小鉄」のほえ声が迫ってきた。一ノ瀬さんが目配せしてくる。記者はとっさにビデオカメラを構えるが、肩すかし。「シカは別方向の斜面に逃げたらしい」いったんメンバーが集まり、それぞれの配置や戦略を練り直す。間もなく、別の山域へ移動。沢沿いの急斜面を約30分かけて下り、広葉樹の林で待機する。一ノ瀬さんのデジタル無線機からメンバーの会話が聞こえてくる。「だめだ。犬が反対方向に行っちまったよ」「しょうがない。わしが勢子やります」。臨機応変に役割を変えながらシカを追う。目の前の斜面をシカが駆け下りてくる――。そう待ち構えた瞬間もあったが、結局、記者は1頭もシカの姿を見られなかった。この日の獲物は2頭。1頭を仕留めた山梨市の会社員、小沢進也さん(52)は元兼業農家。ジャガイモやトウモロコシを山間の畑で育てていたが、シカやイノシシに荒らされ続けた。なんとかしたいと、約20年前にハンターになった。「すれ違う登山客から可哀想と言われるけれど、シカが増えすぎて植林が進まない。タラノメなど山菜も食べ尽くされてしまう。現状を知って欲しい」県内には適正頭数の約13倍にあたる約6万3千頭のシカが生息しているとされる。県は2023年度までに半減させる計画を立てている。猟銃による狩猟者数は減少傾向が続く。県によると、17年度のライフル銃と散弾銃による狩猟者登録数は2340人。07年度の3505人より3割以上減った。シカ、イノシシの狩猟期間は来年3月15日まで。

(ジビエ料理、消費促進へ:和歌山)
農作物を食い荒らすシカやイノシシなどジビエの消費促進に取り組む「シカレディース」はシカ肉を使ったチャーハンやショウガ焼きなどの新メニューを作り出した。シカレディースは、隊長を務める由良町の後藤明子さん(64)や、印南町の坂口久美子さん(56)ら御坊市と日高郡の農家でつくられる。

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11/21
(シカ猟誤射、容疑の男を逮捕:北海道)
恵庭市盤尻(ばんじり)の国有林で20日に北海道森林管理局恵庭森林事務所の森林官菅田(すがた)健太郎さん(38)=千歳市大和4=が猟銃で腹部を撃たれ死亡した事故で、千歳署は21日、誤射により菅田さんを死亡させたとして、業務上過失致死の疑いで札幌市中央区南21西12、自営業佐孝英司容疑者(49)を逮捕した。逮捕容疑は20日午後1時50分ごろ、恵庭市盤尻の山林で、林道を巡回していた菅田さんをエゾシカと間違えて猟銃で撃ち、死亡させた疑い。同署などによると、佐孝容疑者は、銃に付いているスコープで十分に標的を確認せずに、約130メートル先の斜面の高い位置にいた菅田さんを単発弾(スラッグ弾)で撃った。佐孝容疑者は「シカと間違えて撃った」と供述している。

(クレー協会不正受給、補助金453万円を県に返還:福島)
福島県クレー射撃協会による補助金不正受給問題で、県体育協会が県からの補助金453万円を返還したことが20日、分かった。告訴・告発するかどうかについて、県体協は「今後、判断する」と説明した。返還したのは、県体協がクレー協会に交付していた2013~17年度の県の補助金全額。県が7月26日に返還を命じ、県体協が8月3日に応じた。問題発覚を受け、クレー協会が7月10日、県体協に返していた。補助金は国体選手向けで、本来は合宿費や練習場使用料などに充てられる。県体協によると、クレー協会の会計担当者が領収証の偽造などで練習したように装い、補助金を不正に受け取っていたという。クレー協会は再発防止策などを提出しており、県体協の尾形幸男事務局長は「(対策の)実効性や有効性を確認し、19年度以降の補助金を交付するかどうか判断する」と話した。

(住宅街で散弾銃、シカ駆除依頼の市と男性を書類送検:広島)
広島県安芸高田市の住宅街で8月、市からシカの駆除を依頼された男性が散弾銃2発を発射しました。現場は中学校や市役所にも近い住宅地でしたが、けが人はいませんでした。現場は法律で銃を使った狩猟行為が禁じられている地域で、警察は駆除を依頼した市と男性を書類送検しました。市は銃の使用が禁止されている場所だと認識していましたが、駆除方法を指示していなかったということです。

(ニホンジカ増加、捕獲効率化へ:群馬)
ニホンジカの増加による森林の荒廃を防ごうと、日本自然保護協会(東京都)が群馬県みなかみ町の国有林「赤谷の森」(約1万ヘクタール)で捕獲実験を始めた。わなにセンサーを取り付け、シカがかかると情報が管理者に伝わる仕組み。わなの様子を見回る必要がなく、効率的にシカを捕獲できる。個体数管理の効果を確かめ、野生動物とバランス良く共存するための新技術として全国への普及を目指す。ニホンジカは樹皮や草、落ち葉などを餌にするため、極端に増えると森林の荒廃につながる。協会はニホンジカの管理を国内の森における最大の課題と捉え、地域住民と協力しながらシカの生息数を管理する方法を探っている。協会は2008年、赤谷の森で自動カメラによる観測を開始。10年間でシカの出現地点が10倍に増加したことが分かった。被害が深刻になる前に、個体数を適正水準に保つ「低密度管理」を進めるため、捕獲実験の実施を決めた。導入したのは金属製の「箱わな」と高さ約2メートルのネットによる「囲いわな」の2種類。わなにはセンサーが付いていて、シカがわなに入ると、携帯電話の電波を利用して協会の管理者に通知される。定期的にわなを確認しに行く必要がなくなるため、捕獲作業の効率が良くなる。協会で捕獲プロジェクトを担当する松井宏宇(ひろたか)さんは、シカ被害が西日本から東日本に拡大していると指摘。「みなかみの森でシカの新しい管理法を確立し、全国に応用していきたい」と話す。協会の取り組みに協力している県林業試験場の坂庭浩之主任研究員は「日本で初めての方法を試している。国内関係者からの注目度も高い」と成果を期待する。協会は捕獲実験を進めるため、活動に賛同する人からの寄付も募っている。5千円以上の寄付者に捕獲したシカの皮で作ったオリジナルグッズを贈る予定。赤谷の森は17年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の生物圏保存地域(エコパーク)に登録されたエリア内にあり、人と自然の共生を進めるモデル地域となっている。

(ハクチョウ類飛来最多:宮城)
県が今月実施したガンカモ類生息調査で、県内に今シーズン飛来したハクチョウ類は前年同期比967羽増の6050羽確認され、これまで最多だった平成28年度の5854羽を追い抜き、調査史上最も多くなっていることが分かった。県では昭和47年度からガン類・ハクチョウ類・カモ類の生息調査を毎年11、1、3月のほぼ同時期に実施。今月8日、県内の飛来地約500カ所で県職員や自然保護団体関係者ら約100人が確認にあたった。

(シカ衝突事故5年で最多:北海道)
根室市内で1~10月、車とエゾシカが衝突する事故が47件(昨年同期比12件増)発生している。同時期の統計では2014年以降の5年間で最多。11月以降は特に事故が起こりやすくなるといい、根室署は「1頭でも見かけたら徐行して」と注意を呼びかけている。同署によると、今年のエゾシカとの衝突場所は、国道44号での発生が30件と大半を占め、川口、湖南、酪陽が特に多い。1月に10件発生した後、2~8月は4件以下で推移していたが、9月に8件、10月に12件発生。今年はエゾシカの餌となるドングリの不作などで、餌を探すために道路を頻繁に横断しているためとみられる。事故は例年、繁殖期で行動が活発化する10月以降に集中している。17年の統計では全56件のうち、10~12月の発生が35件と6割を占める。時間帯は午後5~9時が多かった。

(サル出没で公園閉鎖:高知)
高知県安芸市川北地区でニホンザルが出没し、かまれたり、引っかかれたりするなど被害が相次いでいる。9~11月、家族連れでにぎわう安芸広域公園のこども広場(通称・なす公園)で幼児4人がけがを負った。事態を重くみた市は近く対策に乗り出し、県安芸土木事務所も11月16日から当面の間、広場への立ち入りを禁止する措置を取った。市農林課によると、昨年から安芸川東岸の川北地区でサルの目撃情報があり、今年8月以降に人を追い掛け回すなどの通報が増加。9月24日に同広場で遊んでいた幼児が肩をかまれ、軽いけがを負った。

(豚コレラ、岐阜市で2例目:岐阜)
岐阜県は16日、岐阜市椿洞の市畜産センター公園で、豚2頭が豚コレラに感染したと発表した。9月に約8キロ離れた同市内の養豚場で、国内で26年ぶりとなる感染が確認されて以後、豚の感染は2例目。9月と同じ型のウイルスが国の遺伝子検査で検出された。県は同日、対策会議を開き、古田肇知事は「危惧していた『振り出しに戻る』事例が発生し大変残念だ。これ以上、発生しないよう万全を期してほしい」と危機感をあらわにした。

(3市が狩猟禁止に:愛知)
愛知県は9日、豚コレラに感染した野生イノシシが県に隣接する岐阜県可児市で見つかったことを受け、発見場所から半径10キロ圏内に入る愛知県犬山、小牧、春日井の3市で15日から来年2~3月まで、イノシシやシカの狩猟を禁止すると発表した。県によると、狩猟で追われたイノシシが普段の生活圏から逃げ、ウイルスが拡散することを防ぐための措置で、銃器やわなを使った鳥獣の猟を禁止する。期間は小牧市が来年2月15日、イノシシの多い犬山、春日井の両市は3月15日までとしている。愛知県の大村秀章知事は今月6日の定例記者会見で「感染したイノシシが県と地続きの可児市で見つかり、事態は切迫している」と指摘していた。

(狩猟禁止延長、猟友会に説明:岐阜)
岐阜県内の野生イノシシに豚コレラの感染が広がっている問題で、県は8日、県猟友会の支部長会議で、20市町で鳥獣全般の狩猟禁止を来年3月15日まで延長したことを説明した。県内では8日現在、死亡や捕獲した野生イノシシ46頭から感染を確認。

(狩猟禁止20市町、戸惑い:岐阜)
散弾銃やライフル銃を使う狩猟が十五日、全国で始まった。県内は岐阜市の養豚場の豚が感染した家畜伝染病「豚(とん)コレラ」が野生イノシシに広がっていることから、二十市町にまたがるエリアの狩猟が来年三月十五日まで禁止されるという異例のシーズン入りとなった。厳しい状況に直面した猟友会員からは「いつまで豚コレラ騒動が続くのか」という不安の声が聞かれた。狩猟は夜明けとともに解禁された。海津市の養老山地には地元の仲間十三人が集まり、猟犬を連れた勢子が中心になってイノシシやシカを追う大物猟を展開。早々とシカ一頭を捕獲して解禁日を盛り上げた。一方で狩猟禁止区域は岐阜、関、美濃、本巣市、揖斐川町など広範囲に及び、獣類の銃猟とわな猟のほかキジやカモを狙う平野部の鳥猟も禁止されている。県内で狩猟者登録をする人は例年、県外在住者を含めて約三千五百人いるが、多くが猟場を閉め出された形だ。美濃市の小池富男さん(70)は「地形を知らない山だと大物猟はできない。鳥猟専門の人を含め、みんな行く所がなくて困っている」と嘆く。市町によっては禁止区域が細かく分かれており、県には「うちの猟場は入れるのか」という問い合わせもあるという。大物猟はグループで行うことが多く、射手の適切な配置など誤射事故を起こさないための安全確保が欠かせない。郡上市猟友会は、禁止区域の人が同市内の慣れない猟場に入ることを想定し、文書で会員に注意を求めた。同市白鳥町の松川哲也さん(37)は「今のところ郡上は猟ができるが、イノシシが移動先で感染することも考えられる。これからが心配だ」と話した。出猟をあきらめる人が目立つ中、岐阜市の奥田銃砲火薬店では狩猟用の弾の売れ行きが例年の三割ほどに落ち込んだ。同店は「こんな状態が続けば、猟をやめる人も出てくるのでは」と心配する。豚コレラは、有害鳥獣駆除を担う猟友会の活動にも影を落とす。元県猟友会副会長の竹中孝道さん(74)=海津市=は、狩猟禁止区域の獣類が増えて農林業に食害を及ぼす可能性を指摘した上で「感染の恐れがあるイノシシを集中的に駆除する対策も必要ではないか」と話した。銃やわなを使う狩猟が解禁された十五日、県と各自治体、県警各署と地元猟友会の会員らが合同で、狩猟での法令順守を呼び掛ける県内一斉のパトロールを実施した。豚コレラの影響で狩猟禁止区域になった関市西神野の山林では、許可を受けた有害鳥獣駆除や調査捕獲以外に、違法に猟が行われていないか確認した。中濃県事務所職員、関市職員、関署員ら六人が、市猟友会の会員二人の案内で、昨年の猟期に猟が行われていた山林を巡回。違法なわながないかどうかを確かめた。

(狩猟解禁、違反取り締まり開始:岡山)
鳥獣の狩猟が15日解禁され、岡山県警は正しい猟銃の取り扱いと誤射などの事故防止に向け、県内の猟場で違反行為の一斉取り締まりを始めた。初日は警察官約200人が出動。鳥獣保護区や公道などの禁止区域での発砲、実弾を装てんしたままの猟銃携帯といった違反行為を監視し、ハンターには銃の適切な取り扱いを指導して回った。玉野市東七区の児島湖畔では、午前6時半ごろから玉野署員や県鳥獣保護管理員ら計7人が巡回。ハンターの狩猟免許や猟銃の所持許可証を確認した。カモ猟に訪れた男性公務員(51)=倉敷市=は「決められた区域を守り、誤射のないように方向をしっかり確かめるなど安全に気を付けて楽しむ」と話した。県警生活安全企画課によると、県内では10月末現在、2143人が計3886丁の猟銃を所持している。狩猟の法定期間は来年2月15日まで。推定生息数の増加で昨シーズンから狩猟を解禁したツキノワグマは12月14日まで、農作物に大きな被害を与えるイノシシとニホンジカは来年3月15日までとなっている。

(カモだ!逃すな「坂網猟」:石川)
狩猟が解禁された15日、石川県加賀市片野町のラムサール条約登録湿地・片野鴨池周辺で、江戸時代から伝わる県有形民俗文化財のカモ猟「坂網猟」が始まった。坂網猟は餌を求めて鴨池を飛び立つカモを高台から狙う。39~83歳の猟師19人が日没に合わせて鴨池の周囲に潜み、群れが上空を通る瞬間に長さ約3.5メートルのY字形の網を頭上に投げ上げた。初日は3羽を仕留めた。大聖寺捕鴨猟区協同組合の浜坂加寿夫理事長(69)は「まずまずのスタート。カモが目に入った瞬間に手に力が入る」と話した。坂網猟は空腹時のカモを無傷で捕らえるため臭みがなく、高級食材「坂網鴨」として市内の料理店で提供される。猟期は来年2月15日まで。

(クマ猟始まる、ハンター減成果いかに:秋田)
狩猟鳥獣の猟期が15日始まり、秋田県内では昨年に続き自粛措置が解かれたツキノワグマ猟もスタートした。人間への恐怖心を植え付けて出没を抑制する効果が期待されているが、ハンターの高齢化や減少が進む中で、109頭という捕獲上限に迫るような頭数となるかは不透明だ。同日午前8時すぎ、北秋田市阿仁の山中にある通称「マタギ神社」を、近くに住む鈴木英雄さん(71)が詣でた。「山の神に感謝し、クマを授かるよう祈った」。ライフル銃を背に、鈴木さんは山へ入って行った。県は一昨年度まで8年間、11月15日から翌年2月15日までの猟期にクマ猟を自粛するよう、県猟友会に要請してきた。個体数を維持するための保護政策だった。

(ツキノワグマの狩猟、15日解禁:兵庫)
兵庫県内でツキノワグマなどの狩猟が15日から解禁される。生息頭数の回復などを受けて2016年度に再開されたツキノワグマの狩猟数は初年度が4頭で、17年度は1頭のみだった。3年目の本年度、県は「狩猟者1人当たり1頭」としていた制限を撤廃する。県内のツキノワグマは、絶滅の恐れから、20年間狩猟が禁止されていた。しかし推定生息数が「絶滅の恐れは当面ない」とされる800頭を超えたため、県は16年度に狩猟を再開した。一方、クマの生息数増加に伴い、農家やハイカーらが襲われる事案も発生。本年度は人的被害はなかったが、9月までの目撃・痕跡情報は418件。但馬地域が約7割を占め、阪神、北播磨でも報告があった。県は毎年度、クマの生息数に応じ、狩猟だけでなく、行政から駆除の依頼を受けた有害鳥獣対策も含めた捕獲上限数を設ける。本年度は、17年当初の推定生息数918頭の15%に当たる137頭。すでに有害鳥獣対策で9月末までに46頭が捕獲されている。県内でのクマの狩猟は、免許の所持などに加え、特別な安全講習を受けた承認者だけに認められる。その数は16年度140人、17年度154人、本年度168人と増えているが、狩猟数は2年間で5頭にとどまる。担当者は「捕獲数は想定の範囲内。シカなどを狙いながら、護身のために承認を受ける人がほとんど。クマを人里から離れた奥山に戻す効果もある」と話す。県内での狩猟は15日から、イノシシやニホンジカ、マガモなど計48種で解禁。期間はクマが12月14日まで、イノシシとニホンジカが来年3月15日まで。その他は同2月15日までとなっている。

(イノシシ、シカ目撃急増:秋田)
イノシシとニホンジカの秋田県内での目撃数が近年、急速に増えている。10年ほど前に姿を現すようになったばかりだが、ここ5年でイノシシは20倍、ニホンジカは5倍に急増。長く続いた絶滅期を経て、生態系や農林業への脅威として浮上しつつある。先月9日、にかほ市の高原地帯で1頭のイノシシが有害駆除された。市内では、8月半ばからサツマイモや稲が獣に食べられる被害が続いていた。捕獲用のおりを見回った猟友会員の桜山繁良さん(66)が、近くにいたイノシシを銃で仕留めた。

(有害鳥獣処理の負担軽減:岐阜)
農作物を荒らすシカやイノシシなどの有害鳥獣について、下呂市は駆除された有害鳥獣を処理する施設を年度内に整備する。

(「ついで見回り」シカ害防止奏功:長野)
伊那市長谷・浦地区の国有林内で、効率的にニホンジカを捕獲するため、治山工事の作業員が作業中にわなを確認する「ついで見回り・通報」で、8月末のわな設置以降、計158頭が捕獲されたことが12日、分かった。本年度は降雪を前にわなを3日に撤去しており、捕獲目標(100頭)を大幅に上回った。南信森林管理署(伊那市)などは猟友会の負担軽減や山奥でのシカ害防止に効果があるとみて、来年度も続ける考えだ。南信地方の市町村長や同管理署長らでつくる協議会の本年度総会で報告された。浦地区では、樹皮が食べられるなどシカの影響が深刻化し、上伊那猟友会に委託し、わな猟をしてきた。猟友会員の高齢化などへの対策として、中部森林管理局(長野市)管内の長野、愛知、岐阜、富山の4県で初めて実施した。上伊那猟友会と地滑り防止工事をする宮下建設(伊那市)が協力。猟友会員が作業道沿いにわなを仕掛け、同社作業員が見回った。作業員がわなに掛かったシカを見つけて猟友会員に連絡した。南信森林管理署の久保芳文署長は、浦地区のような山の奥地での捕獲態勢づくりは難しいとし、「初年度にしては順調だった。来年度も関係団体と協力しながら続けたい」と話した。

(サル出没、対策難しく:京都)
京都府相楽東部の南山城村や和束町でサルなどの獣害が頻発し、関係者が防除に苦労している。農業への影響が大きいが、家庭菜園は対策への補助や被害補償がほとんどない。豊かな自然の中で野菜作りを楽しみにするお年寄りらの生きがいが奪われている。周囲を山々に囲まれた南山城村高尾の畑。女性(85)は主に自家用として約70年、野菜やコメを育ててきたが、「年々、サルの被害が増えている」とため息をつく。夏に育てたスイカはほぼ全滅、荒らされたサツマイモを植え直す傍らで、再びサルが土を掘り返す。カボチャ、タマネギ、ジャガイモなど被害は数知れない。イノシシやシカも出没するため防護柵を設置しているが、「サルは何をやってもだめ」。昨年、同村に開業した道の駅に野菜を出荷し、やりがいも感じていたが、収穫のタイミングを見計らうかのように現れては次々に作物を取る。「先祖代々の土地を守ろうと思って田畑を続けているが、腹が立つし、やめたくもなる」と肩を落とした。農家には、防護柵設置に対する国の補助や、農業共済制度による被害補償がある。しかし、「趣味」とされる家庭菜園への支援策はほとんどない。被害集計もないため実態は不明だが、相楽東部は自然豊かな土地柄、土いじりを楽しむ人は多い。獣害で意欲を失い、野菜作りを諦める人も出ている。サルが屋根瓦をはいだり、雨どいを壊したりと家屋の被害もあるという。村は、村内の道の駅や直売所などへ5年間、作物を出荷することを条件に、防護柵設置に補助する独自の制度を設けている。ただ、村産業生活課によると「今年はサルに関する被害報告が非常に多い」という。村は9、10月に追い払い専用花火の住民向け講習会を初めて開催した。参加者に花火を配布し、各自で活用してもらっている。ただ、効果は一時的。根本的な対策に向けて、「来年度にも京都府とサルの群れの調査をできれば」(同課)としている。和束町も数年前からサル被害が増加している。昨年から猟友会メンバーにサルの追い払いに特化した活動を依頼、2日に1回のペースで活動してもらっている。取り組みが奏功したのか、「被害報告は減っている」(町農村振興課)。だが、家庭菜園を荒らされた住民から「春から大切に育てたのに」と泣きながらかかってきた電話もあったという。町は、家庭菜園で土に親しむことは健康寿命を延ばす有効な手段として、被害が続くようであれば、家庭菜園への獣害対策の支援を検討するとしている。

(クマなどの被害対策にドローン:秋田)
クマなどによる被害対策にドローンを活用しようというセミナーが、20日、大館市で開かれました。狩猟にあたる猟友会の会員減少や高齢化が進む中、ドローンの効果に期待が寄せられています。 県と大館市のドローンメーカー、東光鉄工が開いたセミナーには、猟友会の会員が参加しました。体温を感知する赤外線カメラを搭載したドローンを使うことで、クマなど動物の位置や動きを安全な場所から確認できます。このため、人身被害や農業被害を防ぐ効果が期待されています。参加者はドローンの操縦も体験し、現場での活用策を探りました。ドローンの利用には国の許可などが必要になる場合もありますが、県は操縦技術や専門知識を習得できる環境整備を進め、導入につなげたい考えです。

(鳥獣被害、17年度は11億8672万円:宮崎)
熊本、宮崎、鹿児島3県で農作物の鳥獣被害が年々減っている。防護柵の普及や動物を農地に近づけない取り組みなど、各種対策が徐々に広がっていることが奏功しているが、それでも2017年度の被害は3県で11億8672万円(前年度比7%減)。高齢農家が被害を機に営農意欲を失って離農するケースも後を絶たず、各県は対策に余念がない。

(新たなシカ捕獲法学ぶ:岡山)
岡山森林管理署(津山市小田中)は14日、新たなシカの捕獲法をテーマにした現地検討会を市内で開いた。食害といった共通の悩みに直面している岡山、鳥取、兵庫県の行政担当者ら約30人が、わなの仕組みや設置のこつを学んだ。検討会は、近畿中国森林管理局が森林管理署を地域別に分けて昨年から始め、県内では初開催。共通課題の解決を目的としており、今回はシカをテーマにした。市勝北文化センター(新野東)で座学があり、担当者が同局管内の被害状況や傾向を説明。ここ数年で開発された新捕獲法として、餌でおびき寄せ、獣道以外にも仕掛けられるわなが紹介された。実際に今年の捕獲実績が多かった津川山国有林(奥津川)の林道奧に移動して、シカの生態やわなの機能を考慮した効果的な設置場所や餌の置き方を専門業者が実演しながら伝えた。津山市加茂支所の男性主任(59)は「新しい方法は有効で参考になった。猟師にも紹介し、食害防止につなげたい」と話した。

(ジビエ加工施設、完成:宮崎)
延岡市のジビエ(狩猟で得た野生鳥獣の食肉)処理加工施設が完成し、16日に落成式典があった。ジビエの利用倍増を目指すモデル地区に選定され、農林水産省の交付金を受けて同市松原町の市立土々呂中学校前に建設した。式典には河野俊嗣知事や読谷山洋司市長らが出席。延岡地区では2017年度、シカやイノシシ約100頭をジビエとして利用した。19年度は1000頭を目指す。

(猟期を前に駆除鳥獣を供養:佐賀)
駆除したイノシシなどの魂を慰める霊魂祭が9日夕、有田町の法泉寺(桃谷法信住職)で行われた。県猟友会有田支部や町職員約20人が出席、捕獲した動物を供養し、猟の安全を祈った。11月15日~2月15日の一般の猟期を前に開いた。同町では作物被害を受けた農家などの依頼を受け、町の許可で鳥獣駆除を行い、年間約800頭を捕獲している。霊魂祭では桃谷住職が読経し、この1年間に捕獲、駆除されたイノシシやアライグマ、アナグマを弔った。原口隆支部長は「駆除とはいえ、命をいただく動物たちの鎮魂のため手を合わせた。支部会員の心の負担が少しでも減らせれば」と話した。

(獣害抑止の知恵絞ろう:三重)
名張市の名張鳥獣害問題連絡会は二十五日、市比奈知市民センターで課題と対策を話し合う研修会「集落みんなで取り組む獣害対策」を開く。農業被害にとどまらず、住宅への侵入例もあるサルをはじめ、シカやイノシシの生態を学び、地域を挙げた対策の必要性を語り合う。市内にはサルの群れが二つあり、青蓮寺ダム湖を基点に東で活動する群れを「A群」、西を「B群」と呼ぶ。市や連絡会が雌の首に付けた発信機の信号を基に、山中の動向や人里への出没地点を調査し、住民に注意喚起しているが、四月にはつつじが丘地区で登校中の女子中学生がサルに脚をつかまれる被害があった。研修会では、A群を追跡調査する古川高志さん(77)=つつじが丘南8=が二〇一五年春からの出没傾向をまとめた資料を配布。サルが蜜を好む花が咲いたり、クワの実がなったりする時期は人里に出るのがまれで、逆に出没頻度が高い警戒時期があるという。こうした傾向を基に、防護ネットの隙間から畑に侵入するサルの動画を見て、有効な対策を解説する。続いて県伊賀地域農業改良普及センターの市川昌樹さんがシカやイノシシへの対策について講演。市農林資源室の茶谷真人係長は防護柵の設置補助やサルの出没情報をメール配信する市の制度を紹介する。主催者の一人で、〇七年から毎月、獣害対策紙「猿(さる)新聞」を発行する山村準さん(85)=矢川=は「サルやシカは年々、人に慣れて数も増えている。問題を行政任せにせず、被害が大きくなる前に地域が一丸となって追い払うための知恵を絞らなければ」と参加を呼び掛けている。

(放置竹林でイノシシ捕獲用おり作製:兵庫)
兵庫県洲本市五色町の鮎原下地区の住民が、里山を荒廃させる放置竹林対策として、伐採した竹を使ってイノシシ捕獲用のおりを作った。野生動物による農作物被害の軽減と合わせて「一石二鳥」の効果を目指す。11日に開かれる農産品販売イベントでお披露目する。淡路島内では放置竹林が拡大しつつあり、イノシシやシカなど野生動物のすみかになり農作物が荒らされるほか、他の樹木の成長を阻害するなどの問題点が指摘されている。

(シカ被害対策を強化、県民局が初の指導員育成研修:岡山)
農作物被害をもたらすニホンジカが、作州地域で分布を拡大している。10年前は鳥取、兵庫県境に近い美作市、岡山県奈義町、西粟倉村にほぼ限定されていた捕獲数が近年、津山市、鏡野町、真庭市で急増。

(有害リスから島守れ:長崎)
長崎県五島市福江島で繁殖し、ツバキなどの樹皮や果実の食害を引き起こす特定外来生物クリハラリス(タイワンリス)について、長崎県立五島高の生徒が調査に取り組んでいる。「島の生態系を守りたい」と始め、夏以降に仕掛けたわなで4匹を捕まえた。駆除に取り組む市の担当者や研究者の助言も受け、さらに効果的な捕獲方法を模索している。研究しているのは杉侑亮さん(17)、田口克樹さん(17)ら2年生5人。同校の総合的な学習「バラモンプラン」のテーマを探す中で、五島市内の有害鳥獣問題に関心を持ったという。7月にインターネットなどで調べ始め、対策や捕獲に取り組む市農業振興課を訪問。個体数や生息域、現状の対策などを学んだ他、担当者らの案内でリスが多く生息する鬼岳周辺を訪れて被害状況を確認した。杉さんと田口さんは8月に市の安全講習会を受けた上で、同市下大津町の八幡神社の敷地内にわな4個を設置。2週間ほどで計4匹がわなにかかり、市が引き取った。先月末は、クリハラリス調査のため五島を訪れた森林総合研究所九州支所(熊本市)の安田雅俊・森林動物研究グループ長と会い、リスの生息の有無を判断するために痕跡の見つけ方や、捕獲効率を高めるわなの設置方法などについてアドバイスを受けた。生徒たちは今後、録音した鳴き声をスピーカーで流してリスを誘う方法など、新たな捕獲方法も試していく考えという。田口さんは「ツバキなど大切な五島の自然を守っていきたい」、杉さんは「自分たちの活動を通じて他の市民にもリスの問題を知ってもらい、多くの人に捕獲に参加してもらいたい」と話している。

(ニホンジカ捕獲推進:群馬)
野生鳥獣による農林業や人的被害の軽減に向け、群馬県鳥獣被害対策本部(本部長・反町敦副知事)は19日に開いた会議で、2019年度の取り組みの方向性を確認した。ニホンジカの捕獲を推進するほか、市街地に出没する鳥獣対策を拡充し、捕獲の担い手の確保と育成を継続する。生息数が増加し生息域が拡大しているニホンジカについて、県の担当者は「農地周辺に出没するのを待って捕るには限界がある」と指摘。農地に出没させないためにICT(情報技術)を活用するなどして、森林内での捕獲に力を入れる。昨年11月に大泉町で女児が手をイノシシにかまれて軽傷を負った事案などを受け、野生鳥獣の市街地出没時の対策を強化する。河川で伐木や除草をして移動経路を寸断するほか、市町村職員らを対象にした研修会を開いて対応できる人材を育成する。減少傾向にある銃猟の狩猟者を確保するため、19年度に供用開始予定のクレー・ライフル射撃場(安中市)を、担い手を確保、育成する拠点に位置付ける方針も示された。同日報告された17年度の野生鳥獣の農林業被害額は、前年度比7.3%減の5億6522万円で過去10年間で最も少なかった。一方、シカの捕獲数は2.0%増の8508頭で過去最多だった。

(イノシシ駆除、難航:沖縄)
深刻化しているイノシシ被害を食い止めようと、渡嘉敷・座間味の両村がわなを仕掛けるなど、駆除を試みている。渡嘉敷では年間約100頭前後を捕獲、駆除しているが、島内にはまだ数百頭のイノシシが生息していると見られ、村は「効果的な駆除方法が見つからない」と頭を抱える。イノシシの一部は繁殖力がより強いイノブタになっているものもおり、本来の生態系を取り戻すにはかなり時間がかかりそうだ。渡嘉敷は2011年ごろから本格的に対策に乗り出した。捕獲用のわなを設置し、農家の要望を受けて田畑進入防止柵も設置している。11~17年度までに664頭を捕獲した。座間味島でも同様のわなを仕掛けているが、15年から現在までに3頭しか捕らえられていない。島内の生息数は不明だが、5年ほど前から村役場への相談が増えている。担当者は「イノシシ対策なんてこれまでやったことがない。農家もどう対策したらいいのか分からず困っているようだ」と困惑ぎみだ。行政だけに頼らず、独自に被害防止を取り組む住民もいる。渡嘉敷の住民男性(66)は「原野で飼っていた友人のヤギが被害に遭った。同じことにならないよう、最近は家の敷地内にヤギを入れている」と言う。両村からの要望を受け、県は本年度から現地調査を始めた。結果はまだまとめられておらず、早くて年末になる見通しだ。渡嘉敷、座間味の両村は今後、追加調査やまとめ作業などに取り組んでいる県の実態調査を踏まえ、連携して策定する駆除計画に沿って、駆除方法や規模を再検討する予定だ。1週間ほど前、渡嘉敷で集落内に仕掛けられたわなにイノシシが掛かった。捕獲されたイノシシを見た小嶺智秀さん(66)によると「掛かったイノシシは、イノブタだった」繁殖しているイノシシの一部は、豚と交配してイノブタになり、さらに増えている。宮城邦治沖国大名誉教授(動物生態学)によると、イノシシは一度に4~5頭産むが、イノブタは一度に5~6頭出産するという。周年繁殖し、性成熟するまでおよそ1年半と短い。繁殖力はイノシシの数倍上だ。宮城氏は「村だけで解決できる問題ではない。長くかかるだろうが、県の実態調査の結果を踏まえて根気強く取り組まなければならない」と指摘した。

(イノシシと車の衝突事故多発:兵庫)
山を切り開いて昨年3月に開通した兵庫県小野市南東部の市道「新都市中央線」で、イノシシと車の衝突事故が相次いでいる。昨年3月以降に市内で起きたイノシシと車の事故14件のうち8件が発生。小野署の担当者は「ライトをハイビームにして、安全速度で走行を」と呼び掛けている。朝夕に発生する渋滞を解消するため、北播磨総合医療センター(同市市場町)と小野工業団地(同市匠台)を結ぶ2・8キロを、市が約23億円を費やして8年がかりで整備。幅3メートルの2車線に歩道や路肩を含め、全幅10メートルになる。同署によると、8件はすべて普通車の物損事故で、発生時間帯は午後6時半~9時半だった。イノシシの事故は全国で後を絶たない。広島県では2010年、車にはねられたイノシシにバイクが乗り上げて転倒し、男性が後続車にひかれて死亡。三田市では14年、イノシシを避けようとした車がガードレールに衝突し、運転者の男性が骨折した。動物との事故が深刻な地域では、さまざまな対策を講じている。県新温泉土木事務所(新温泉町)によると、香美町香住区余部にはかつて、動物との共生を目指す「エコロード」があり、車のヘッドライトを乱反射させ、車の接近をイノシシなどに知らせる反射板や、道路下に「獣道」となる専用トンネルを設け、効果を上げたという。小野市は今年9月、啓発チラシを配布。「夜間は付近が暗いので、飛び出した動物の発見が遅れがち」と減速を勧める。10月末には注意を呼び掛ける看板(高さ約2メートル)を2カ所に設置した。小野署の担当者は「イノシシとの事故率が高い新都市中央線では特に慎重に走ってほしい」としている。

(クマ観察車両、知床財団が実験検討:北海道)
知床財団は19日、サケ・マス類の遡上(そじょう)や捕食するヒグマを観察するための自然観察車両を知床国立公園内で運行する社会実験を検討していると明らかにした。知床観光の新たな目玉として集客を図るとともに、ヒグマへの不用意な接近や観光客の集中に伴う交通渋滞などを防止し、人とヒグマの摩擦を避ける狙いだ。釧路市内で同日始まった知床世界自然遺産地域科学委員会エゾシカ・ヒグマワーキンググループ(WG)の本度第2回会合で素案を報告した。会合には環境省や地元自治体の関係者、学識者ら35人が出席した。観察車両はオホーツク管内斜里町内を流れる岩尾別川沿いの町道での運行を検討。観光客は自家用車から観察車両に乗り換え、車内からサケ・マスを捕食する野生のヒグマを観察できる。車両にはヒグマから車内が見えないよう目隠しネットを設置することで、ヒグマの人慣れを防ぐ。国立公園内の川沿いでは、遡上するサケをくわえるヒグマを目当てにカメラマンや観光客が集まり、渋滞で動けない車両にヒグマが近寄るなど危険な状況が相次ぐ。一般車両の通行を制限することで安全を確保するほか、車内ではヒグマに不用意に近づかないなど観光客に対する啓発も行う。

(原発事故後のサル、成長遅れ:福島)
福島県内に生息する野生のニホンザルについて、福島第1原発事故後、成獣の骨髄で血液のもとになる成分が減ったり、胎児の成長が遅れたりしたとする研究成果が米科学誌に相次いで報告された。事故で放出された放射性セシウムを木の皮などの食べ物から取り込んだことなどによる被ばくの影響の可能性があるという。

(JR特急、シカと衝突:北海道)
17日午後7時55分ごろ、上川管内上川町とオホーツク管内遠軽町のJR石北線上川―白滝間で、札幌発網走行き特急オホーツク3号(4両編成)がシカと衝突し、停車した。乗客69人にけがはなかった。JR北海道によると、列車は16分遅れで運転を再開したが、運行後の点検で車輪に基準を超える傷が見つかった。傷はシカと衝突した際にできたとみられる。修理のため、この列車を使う予定だった18日午前の網走発旭川行き特急大雪2号を運休し、同区間で臨時列車を運行した。約120人に影響が出た。

(初日から80キロ超の大物イノシシ:兵庫)
兵庫県内各地で15日から狩猟が解禁された。猪肉を使ったジビエ料理で、郷土料理でもある「ボタン鍋」の季節を迎える同県篠山市では、早朝より猟師が山へ入り、イノシシを追った。ボタン鍋は薄くスライスした猪肉を牡丹の花のように盛りつけることが名前の由来。同市の冬の風物詩として知られている。同市今田町の山中では、狩猟歴45年の猟師が80キロ近いオスのイノシシを仕留め、初日から気持ちを高ぶらせた。「今田ではシカよりもイノシシの被害が深刻だ。初日から脂の乗った巨漢を仕留めることができ、幸先がいい」と話し、獣害対策と郷土料理の食材という”一石二鳥”を喜んだ。同市住山で狩猟肉を扱うジビエ専門店「山大(やまだい)」の店主、西村大二郎さんは、「今年は寒くなるのが遅れている分、イノシシの脂の乗りも若干遅れ気味。しかし、これからがシーズン本番なので十分に期待できる」と話している。狩猟期間はイノシシとシカが3月15日まで、一昨年から狩猟が解禁されたクマは12月14日まで。

(住宅街の国道でシカひかれる:群馬)
7日午後5時20分ごろ、群馬県伊勢崎市美茂呂町の国道462号でシカがひかれていると同市役所に情報があった。駆け付けた職員が死がいを回収した。市によると、シカは体長約1.1メートルの雄。現場は市役所から南におよそ1キロの住宅街。同日朝、現場の南にある「いせさき市民のもり公園」付近でシカが目撃されており、市がメールで注意を呼び掛けていた。

(クマ目撃:北海道)
11日午後3時55分ごろ、千歳市泉沢の青葉公園内を歩いていた女性がクマを発見し、公園管理者を通じて千歳署に通報した。同署によると、クマは公園内の雑木林の中に逃げていったという。現場は青葉公園の西端で、住宅地から南へ約300メートルの距離。同署は現場付近でパトロールを強化している。

(イノシシの出没について:佐賀)
21日午前8時ころ、伊万里市松島町の路上において、イノシシ1匹が出没しています。

(クマ目撃情報:群馬)
11日午後1時ごろ、飛駒町の県道飛駒-足利線上、体長約50センチ。

(市街地でサルの目撃相次ぐ:福岡)
豊前市の市街地で、体長1メートルほどのサルの目撃情報が、市や豊前署に相次いで寄せられている。民家の軒先で干し柿を食べたり、屋根を走ったりしていたという。人的被害は確認されていない。市などによると、10月ごろから豊築地域や大分県中津市で目撃された野生のニホンザルとみられ、11日には豊前市のJR三毛門駅付近で見つかった。12、13の両日は2キロほど離れた同市赤熊の足切神社や民家などで目撃されたという。近くには宇島小や豊前幼稚園などがあり、市や署は警戒している。市農林水産課の横川要課長補佐は「サルを見掛けたら目を合わさず、近づかないでほしい」と注意を呼び掛けている。

(カラス個体数が460羽増加:青森)
弘前市カラス対策連絡協議会が8日、市立観光館で開かれた。市環境管理課と日本野鳥の会弘前支部が10月27日に行った個体数調査で確認されたカラスは3831羽で、前年同時期より約460羽増加。中国大陸から渡ってくるミヤマガラスが例年より多かったことが増加の一因との見解を示した。市内のカラスは、大部分が弘前公園周辺とJR弘前駅前周辺をねぐらとしている。市は昨年から実施している鷹匠(たかじょう)による追い払いを継続し、街なかのカラスの数などに変化が見られるかを今後検証していくとした。現在行っている10項目の対策を来年度も継続する。また、弘前大学農学生命科学部生物学科の東信行教授が、カラスにタグや全地球測位システム(GPS)の発信器を付けて活動場所を調査する計画があると発表。市、周辺市町村に協力を呼び掛けた。

(身近なカモ、見て知って:埼玉)
カモは代表的な冬の渡り鳥として多くの人に親しまれているが、その全体像はあまり知られていない。県内で見られるカモについて、「見る・知る・獲(と)る・食う」という四つの視点から幅広く紹介する珍しい特別展「カモ・鴨-見・知・獲・食-」が県立川の博物館(寄居町小園)で開かれている。来年1月6日まで。同展によると、日本国内で確認されているカモは56種。うち県内では31種が観察され、マガモやカルガモ、コガモ、オナガガモなどがよく見られる。季節による移動をしない留鳥のカルガモを除き、多くは秋に日本に渡ってきて冬を越す。

(「罠師」グランプリ受賞:静岡)
民放連は7日、日本民間放送連盟賞を発表し、テレビ番組部門の最高賞「グランプリ」に静岡放送の「SBSスペシャル 罠師~片桐邦雄・ジビエの極意~」(5月放映)が選ばれた。同番組は、ジビエ料理を看板に掲げて45年にわたり割烹「竹染」(浜松市天竜区)を営む片桐さんに密着したドキュメンタリー。銃を使わず、手作りのわなを仕掛けて鹿やイノシシを捕獲する猟の様子や、自然の恵みを大切にする料理人の生き方が共感を呼んだ。表彰式では、番組を制作した柏木秀晃ディレクターに表彰盾と報奨金1千万円が贈られた。柏木ディレクターは「片桐さんを通じて命の大切さ、いただきますの言葉の意味を伝えられたと思う」と喜びを語った。

(はじめての巻き狩り:服部文祥)
猟の先輩たちが口を揃(そろ)えるように、銃の所持許可と狩猟免許を取得するのは、なかなか大変だった。特に銃の所持許可は公安委員会が、やさしく丁寧に時間をかけて嫌がらせをして、銃の所持を諦めさせようとしていると感じられた。それに腹を立てず、時間をかけて、冷静に大人の対応をしたものだけが、銃を所持することができる。日本の銃規制は厳し過ぎるという狩猟者もいるが、狩猟を通して銃の威力を知るにつれて、この程度はしょうがない、と思うようになった。所持許可が複雑で面倒なことより、短気な人や捨て鉢な人が簡単に銃を所持できる世の中の方がよっぽど困る。銃と同じように便利で危険な道具である車の免許に比べれば、教習所に通わなくてもよいぶん、規制はゆるいということもできる。心身ともに健康で善良な社会人(私がそこにいれてもらえるかは微妙だが)が少々の費用と平日の時間を使い、辛抱強さを持って挑めば、銃の所持許可はほぼ取得できる一方で、狩猟免許はそれなりに勉強して試験に受からなくてはならない。けっこう難しく、私が受けたときは受験者の半分が不合格だった。山梨県の小菅村で狩猟仲間に入れてもらえることになり、許可と免許を取得する活動を6月に始めて、許可、免許、銃、狩猟登録、そして弾までのすべてが揃ったのは猟期が始まる5日前だった。かなり急いだうえにほぼロスタイムなしでも半年である。そして撃ったことがない猟銃を抱えて小菅村に行った。「とりあえずここにいてみろ」と、待ち伏せ場所をあてがわれ、ケモノが来ませんように、と祈りながら無線を聞いていた。巻き狩りという猟法で、足跡や出没情報からケモノが潜んでいる場所を想定し、そこから延びるケモノ道上に狩猟者を配置して囲み、犬をけしかけて追い出して、撃ち止めるというものである。仲間がやり取りする無線には猟師言葉とローカルな地名が飛び交っている。私にはひとつもわからない。「起こしたぞ」と犬をかける担当が無線でするどく叫び、ワンワンワンという犬の声が山に響いた。来て欲しいような欲しくないような……。バーンと銃声が森に轟(とどろ)き、しばらくしてから「止まったぞ」と無線が飛んできて、ようやく肩の力を抜いた。指示された場所に駆けつけてみると、私より200メートルほど下の持ち場でベテランが雄鹿を仕留めていた。死体とはいえ大きなケモノが檻(おり)を隔てず、同じ空間に横たわっているというのは、心の置き場がない感じがした。息絶えた鹿に触れてみることで、そんなギスギスした心持ちが収まっていく。チーム一番の新人かつその日集まった狩猟者の中では最若手、しかも山登りで鍛えていたつもりだったので、運搬は率先しておこなった。ただ、運びながら、このあと解体を目の前にしても自分は大丈夫だろうかと、内心はびくついていた。教えてもらいながら実際に手を動かして見ると、鹿がまだ温かいこともあって、解体に気持ちが悪いとか怖いという感情はまったくなかった。血なまぐさく、脂ぎっていて、グロテスクなのだが、「だからこそ旨(うま)そう」という予感が優(まさ)って、どちらかと言うと、喜びを持って作業に集中することができた。

(壇蜜、『体育会TV』クレー射撃部に参戦)
タレントの壇蜜が、TBS系バラエティ番組『炎の体育会TV』(毎週土曜19:00~)の「クレー射撃部」に参戦することが、17日放送の番組内で発表された。今回、4回目となる「クレー射撃対決」が行われ、競技歴20年のヒロミと競技歴3年の加藤浩次が、2020年東京オリンピック候補の大川明久選手と対決。激戦の末、これまで3連敗していた体育会TVクレー射撃部が初勝利をつかんだ。その対決に続いて、クレー射撃部に入部希望の新メンバーとして壇蜜を紹介。「免許とったばっかり。今年の春にとりました」と免許を取得したそうで、「いつも見ててクレー射撃部かっこいいなと思っていたんです。いつかクレー射撃部の一員になれたらいいなって練習をしたいなと思っています」とクレー射撃部への憧れを明かした。そして、免許取得後初となる練習の様子を公開。1トンと言われる銃の衝撃にまだ耐えられず「大変だ」と吐露しつつ、必死に練習する姿が放送された。現在、元世界ジュニアチャンピオンのコーチとともに猛練習中だという。

(22歳大学院生が猟師デビュー:岐阜)
郡上市白鳥町出身で東京在住の大学院生片桐裕基さん(22)が十八日、猟銃でイノシシやシカを狙う大物猟に初挑戦した。同市猟友会には約二百四十人が所属しているが、片桐さんは猟銃所持者の最年少会員。猟友会は高齢化と後継者不足に直面しているだけに、関係者は若い仲間を大歓迎している。同日朝、大物猟の拠点になっている白鳥町大島の河隆建築にオレンジ色のベストを着込んだ会員八人が集まった。片桐さんは、猟の師匠で同社社長河合隆治さん(61)の指示を受け、地元の猟場に車で出発。猟犬を連れて獲物を追い、射手が待機した待ち場まで追い込む「勢子(せこ)」を務めた。自動式散弾銃を背負った片桐さんは、先輩猟師と一緒に山を歩き、滑り落ちてしまいそうな急斜面や深いやぶを汗だくで乗り越えた。この日はイノシシの足跡やシカの鳴き声を何度か確認したものの、猟果には結び付かなかった。初めての銃猟を終えた片桐さんは「銃の重さをあらためて感じたが、みんなで力を合わせる狩猟は楽しい。これからも郡上で猟を続けながら、同世代の仲間を増やすために情報発信したいと思います」と話した。片桐さんは同志社大から早稲田大大学院環境・エネルギー研究科に進み、現在は東京都内で暮らしている。大学三年の時、テレビ番組で知った狩猟に興味を持ち、父と親交がある河合さんの協力で大物猟の現場を何度も見学。四年生で「わな猟」の狩猟免許を取得したのに続き、今年夏に猟銃の所持許可を取った。「初めてシカを撃つ現場を見た時は、これが猟師の世界なんだと圧倒された。それまでは、郡上が狩猟の盛んな土地だということさえ知りませんでした」と片桐さん。東京から夜行バスなどで戻ってくるのは大変だが、狩猟と郡上の自然の魅力にはまっている。大日本猟友会によると、一九八〇年度に全国で約五十五万六千八百人いた猟銃所持者は、二〇一五年度で約九万八千六百人まで激減。同年度の狩猟免許所持者約十九万人のうち63・3%が六十歳以上で占められ、狩猟が将来も存続できるか心配されている。片桐さんを迎えたグループの杉浦良照さん(69)らは「若い人が猟を始めてくれるのは大歓迎だ。猟友会も新人が入りやすい雰囲気をつくり、狩猟技術を伝える努力が必要だと思う」と話していた。

(デザイナーが語る「単独猟の魅力」:長野)
東京で働いていたものの、突如長野に移住し、狩猟の魅力にどっぷりと浸かってしまったーー。そんなデザイナーの川端俊弘さんが、移住の現実やひとりで猟を行う「単独猟」の魅力について記した電子書籍『ひとり気ままな狩猟生活―東京のデザイナー、長野で猟師になる―』(代官山ブックス)が11月15日、Amazon Kindleで発売されました。川端さんは、「狩猟に興味があるけど一歩踏み出せない人に読んでほしい」と話します。川端さんは1981年生まれで、福岡県の出身です。大学進学のために上京し、卒業後は昔からの夢だった出版業界に就職しました。仕事は順調で、学生時代に知り合った彼女と結婚し、子どももできました。池袋のデザイナーズマンションに住み、休日は乗馬などを楽しむ。それなりに満ち足りた生活だったといいます。しかし、2012年に突如、東京から長野県上田市へ移住します。前年の東日本大震災の時に、子どもと安心して暮らせる場所に住みたいと思ったことが理由です。そして、長野に移り住むと、どっぷりと狩猟の世界にのめりこみました。猟師の家系に育ったわけではなく、それまで東京で働いていた川端さんにとって、「狩猟」は全てが新鮮でした。 初めて鉄砲を撃った日、初めて獲物の命を自分で奪った日、初めて自分の手で解体して食べた日――。自分の撃った弾が当たり、目の前で死んでいく生き物を見て、感じたこと。本の中ではそんな心の動きが描かれています。猟を始めた当初は、知り合い猟師のチームに参加する「集団猟」を行っていたという川端さんですが、だんだんとひとりで行う「単独猟」に傾倒します。自分で好きな道を選べて、休みたいときに休むことができる。狩猟のときの服装も人の目を気にしなくていい。本書では、「単独猟」の魅力が存分に語られています。川端さんはDANRO編集部の取材に対して、「単独猟」はリラクゼーションやワークアウトに近いと説明します。「ひとりで山へ入る事への孤独と恐怖、獲物と対峙した際の緊迫感は凄まじく、思い出すだけで心拍数が上がってしまいます。だからこそ、頭と体を存分に働かせ、それらに抗い、うち勝つ事で得られる脱力は、私にとって何物にも代えがたいリラクゼーションになります。ワークアウトに近いかもしれません」また、ぜひ狩猟の未経験者も読んでほしいと語っています。「狩猟に興味があるけど一歩踏み出せない人に読んでほしいと思います。私自身がまだまだ修行中の身なので、大きなことが言えないのですが、だからこそ猟師になりたい人の気持ちがよくわかっていると思います。今回の本は、狩猟界の入り口近辺の話を書かせていただきましたので、『狩猟界ってこんなものか』と少しでも理解していただけるとうれしいです」

(「狩りガール」が急増)
一見すると超男社会と思われがちな狩猟の世界でも、女子の進出が増えている。山を駆け回り、危険とも隣り合わせで、仕留めた獲物を山から引きずりおろしてくる女性たち。趣味としてや野生動物の駆除、動物好きなど動機はさまざまで、高齢化で減少する狩猟者の世界を活気づかせている。美容師の児玉千明さんは25歳で大阪から福井県高浜町へUターンした。2015年には最年少の26歳で町議会議員となった。その間、銃免許を25歳で取得した。「田舎で暇だった。日本海側は冬に天気が悪くて、することがなく、冬の趣味がほしかった」児玉さんは山に一人で入ることが多く、シカやイノシシを撃つ。獲物は軽トラックまで運び、自らさばいて食べている。都内に住む30代のOL、有賀千春さんは射撃に興味があった。クレー射撃に取り組もうとしていたが、狩猟関係者の勧めで狩猟をすると決意。なじみがなかったので、冬の猟期には北海道を訪ね、釧路を拠点にエゾシカを撃つ猟師に同行することを5年ほど続けた。昨年、ついに銃免許を取得。現在は千葉県で猟友会メンバーとシカやイノシシ、カモを撃っている。「猟期の週末は猟に出かけっぱなし。獲物は仲間と分けて持って帰ることが多い。狩猟はずっと続けたい」猟師が高齢化し減少するなか、最近は女性が増えている。大日本猟友会の会員数は1978年度42万4820人のピークから減少傾向だったが、17年度は10万5786人と前年度に比べ528人増加。女性会員は15年度1183人、16年度1571人、17年度1908人と増加し、全体を底上げしている。狩猟の世界に若い人が入らず、3分の2が60歳以上で、大日本猟友会は危機感を持っている。「山ガール」ブームにヒントを得て、ここ数年は「狩りガール」のキャンペーンを展開し、女性に浸透しつつある。趣味として狩猟をする女性もいる一方、野生動物の農作物被害が増え、駆除に立ち上がる女性もいる。三重県大台町でオートキャンプ場の管理人をする瀬古愛弥さん。7~8年前の20代初め、銃免許を取得した。地元は庭先の植物をシカが食べていくところで、農作物を守るためシカやイノシシなどを駆除する猟師になった。自分で3代目という猟師一家だ。仲間と猟に出て、シカやイノシシは解体し食べている。地元のほか、鳥羽方面の答志島でも活動する。「イノシシは海をわたり答志島に来たようだ。島にエサが少なく、以前は骨ばった姿だったが、かなり駆除して、最近はまともな姿になってきている。数も減って、観光客も安心して散歩できるようになった」瀬古さんによると、獲物の解体は3~4人で3~4時間かかる。男性の作業は粗っぽいが、女性は処理がきれいと重宝されている。最近は各地でイノシシやシカ、クマが畑を荒らし、人里に出てきて、人を襲う被害も出ている。野生動物が増えているのは、温暖化で積雪が減り、冬に死なず越冬するようになったため。また、以前は希少で保護を優先した法制面の問題もある。さらに、農林業者の高齢化や減少で農山村が衰退し、耕作放棄された果樹園や畑がエサ場となり、人がいなくなり野生動物が人を怖がらなくなったという。猟師のすそ野を広げる動きは大学にも出ている。早稲田大学で昨年4月、狩り部というサークルを立ち上げ、顧問に人間・環境学が専門の岩井雪乃准教授が就任した。部員は16人で、うち女性が3人。料理、ジビエ好きが多いという。岩井さんによると、9月初旬に千葉県君津市で「学生狩猟サミット」があった。酪農学園大学や東京農工大学、東京大学、奈良女子大学、三重大学、高知大学、九州大学など十数大学の狩猟団体が集い、狩猟や地域課題を議論した。参加者は30人ほどで女性が3分の1ぐらい。学生時代に狩猟に関心を持ったことで狩猟者になる女性も増えそうだ。女性狩猟者には動物好きもいる。北海道で最大震度7を記録した9月の地震の震源地近く、むかわ町で猟師をするのは本川哲代さん。小学6年生のとき家の事情で愛犬を手放し、保健所へ連れていった体験がいまも強く心に残る。猟師の高齢化や減少というテレビ報道で、シカを殺すのを見てかわいそうになったという。数が多くなりすぎ悪者扱いされるシカへの強い愛情が、数を減らせば悪者扱いされなくなると本川さんを猟師に駆り立てた。11年に38歳で会社を辞め、札幌で農業を学びながら銃免許を取得。「親分」と呼ぶ先輩猟師の紹介で、むかわ町に移住。親分のもとエゾシカ猟をして、「むかわのジビエ」代表としてシカの解体処理にも携わる。「シカにはいっぱい愛情をかけていて、肉になってもいとおしい。シカを殺し食べることは、私にとって償い。食べることで体の中で生きてもらう」長野県泰阜村で「けもかわプロジェクト」代表を務める井野春香さんも、小さいころから動物好き。郷里の熊本の高校では畜産科で学んだ。島根大学生物資源科学部に進学した際、アルバイトが猟師へのきっかけとなった。駆除期間に猟師が捕ってきたシカを、山の解体現場で体重を量るなど手伝う仕事だ。「おじいちゃん猟師たちが山を駆け回っていて、すごいなあと思った」井野さんが銃免許を取得したのは4年ほど前の20代半ば。数人の仲間とシカを中心にイノシシも捕る。肉を扱うところは多いが、誰も扱わない皮の活用から始めようと「けもかわプロジェクト」に取り組む。井野さんによると、最近は近隣でも女性が狩猟の世界へ入ってきており、ジビエへの興味や、狩猟を取り上げた本や漫画を見て関心を持った人たちだという。NPO「いのちの里京都村」事務局長の林利栄子さんは5年ほど前の20代半ばに銃免許を取得した。大阪で生命保険会社の営業をしていたが、仕事が合っていないと辞め、現在のNPOに転職。京都府内の地域物産を企業につなぐなど農村と都市部を結びつける仕事だ。地域のことを何も知らないまま仕事を始め、猟師なら週末に山に入れると勧められたのがきっかけ。猟期の毎週日曜は仲間とシカやイノシシを捕る。女性から見た猟師について、早大准教授の岩井さんは経験と知識の奥深さから「かっこいいなあ、すごいなあ」と話す。猟師はけもの道で足跡を見分け、交差点もわかるのは驚きで、いつも通る道、季節により一時的に通る道まで見分けるという。どこで水を飲むのか、植物や天候、地形などあらゆる知識がないと野生動物は捕れないと話す。岩井さん自身も狩猟者になった。夫が脱サラして千葉県鴨川市で農業を始めたが、イノシシが作物を全滅させた。岩井さんは駆除に立ち上がり、3年前に、わな免許を取得している。女性が狩猟を始める動機はさまざまだ。大日本猟友会の浅野能昭専務理事は女性狩猟者が増えている理由について、農作物被害に農家の女性や、社会的貢献として一般女性が立ち上がっているほか、ジビエブームで関心を持つ女性が増えていると指摘。男社会の猟友会に女性が入ると「高齢猟師がもう少しがんばろうと引退を撤回するなど活性化につながっている」という。

(鳥獣駆除、利活用ビジネス:奈良)
シカやイノシシなどの獣害が絶えない。奈良県内の農作物被害額(2017年度)は、届け出分だけでも1億7246万円に達している。林業などを含めた被害実態は、その数倍だろう。だから害獣の個体数を減少させる駆除活動は必須だ。一方でジビエ(野生鳥獣の肉)供給を山村振興につなげる企ても各地で模索されている。そこで狩猟をビジネスとして展開するのが、株式会社TSJ(奈良市)である。「奈良県の認定鳥獣捕獲等事業者となって、現在ハンターは11人を組織しています。」

(古式銃の魅力知って:神奈川)
小鍋島の浅見洋男さん(80)は約20年間、民家などから掘り出された古式銃を調べて文化財として登録する神奈川県の鉄砲刀剣類鑑定審査委員を務め、今年3月に引退した。銃の美術的・歴史的価値に光を当て、「銃からわかる歴史がある。美術品としての銃を知ってほしい」という。日本の銃は、1543年に種子島に上陸したポルトガル人が所持していた火縄銃が始まりとされる。長篠の戦い(1575年)で織田信長が鉄砲隊で武田騎馬隊に勝ったことなどを機に全国に普及した。一方で銃は農作物の鳥獣被害を防ぐために農民の所持が認められ、生活と密接に関わっていた。こうした背景から民家の蔵や天井裏などから銃が発見されることが多い。県が委託する鉄砲刀剣類鑑定審査委員は、見つかった銃を警察署と県教育委員会を経由して、装飾や着火様式などから製造時代や種別などを鑑定する。銃が概ね1867年以前の製造と判明すれば古式銃に認定。文化財として登録証が発行され、美術品コレクターらが所有できるようになる。埼玉県に生まれた浅見さんは、第二次世界大戦直後の貴重なタンパク源となるウサギやキジを猟銃で狩る父の姿を見て育った。「子供ながら鉄砲の弾は速くてかっこいいと憧れた」。18歳で狩猟免許を取得し野山でハトやコジュケイを狩ったり、各地の射撃技術流派の門をたたいて学んだりした。69歳の時には仲間と箱根観光協会に働きかけ、秋の風物詩「箱根大名行列」に随行し、火縄銃を空に向かって発砲する操練演武を実現。今なお続く見所の立役者となった。

(シーズン2開幕、解禁日の成果やいかに)
11月15日。野球記者ならフリーエージェント(FA)の交渉解禁日、世間はボジョレーヌーボーが本国に先駆けて解禁となったこの日。猟師の世界では、狩猟解禁日(一部地域除く)なのである。千葉県市原市某所。この冬、初めて最低気温が10度を割った寒い朝だ。午前7時過ぎ、初猟ということもあって、いつもの集合場所に15人が顔をそろえた。猟が許されるのは日の出から日の入りまで。早くも遠くでは号砲が響いている。さっそく、昨季は100キロ級の猪を取り逃がした位置についた。先輩から「犬が追い出してくるから、このルートで出てくると思うよ」というポイントを見ながら、慎重に薬室に大物を狙う「スラグ」と呼ばれる装弾をこめる。しばらくすると、違う方向に枯れ草を踏む音がした。静かに首だけを左に45度回すと、約20メートル先の生物と目があった。今季初対面したのは小型の獣「キョン」だ。千葉県では最近、その大繁殖ぶりから鹿や猪に次ぐ農業被害が伝えられている。勝浦市にあったレジャー施設「行川アイランド」で飼われていたものが閉園とともに脱走、野生化したといわれている。にらみ合うこと10秒。視線を外され、軽い足取りで急斜面を軽やかに走り去っていった。1時間弱ほど待ったころだろうか? 「川のほうについている人。猪だね。そっちに行ったぞ」と勢子(せこ=狩猟犬を操り獣を追い出す役目)から無線が飛び込んできた。ぐっと緊張感が高まる。決められたポイントの後方で草を踏む音…。その数十秒後、隣のタツ(あるいはタツマ=それぞれ配置で銃を持って仕留める役目)のHさんのポイントで銃声が計5発響いた。「小さいのが3頭出た。倒れたのは1頭だけだね」川の左側に下りてくればこちらだったが、右側のHさんの方に歩くように姿をみせたという。10キロほどの小さいな個体を2人で交代で持ちながら、山中の集合場所へ。血抜き処理をして、川にひたして身を冷やす。この手間をかけなければ、たとえ冬でもあっという間に肉質は劣化する。離れた場所でも2頭。「親がいるはずなんだが姿がないな」。ベテランでグループのリーダー、勢子を務めるIさんの苦々しい声が無線で流れた。猟果を挙げたいのはだれしも同じだ。だが結局、この日は小猪3頭で終わりだった。後ろ髪を引かれる思いで山を降りた。それでもシーンと静まりかえった山中でじっと耳をすませ、気持ちを研ぎ澄ませて待つ緊張感は現場でしか味わえない。帰り際、Iさんが「1頭持って帰りなよ」と渡してくれた。血抜きと内臓抜きは済んでいるが、さすがに都内の自宅では解体できない。千葉県の実家で、初めて自身の手で“食肉”へと変えた。見よう見まねで覚えた技術で皮をはぎ、わずかなロースともも肉を取り出してみる。練習にはちょうどいいサイズだったかもしれない。撃つのはもちろん、解体の技術も身につけるのが今季の目標でもある。

(狩猟に女性が活躍:神奈川)
愛川町が設置している有害鳥獣対策実施隊に、本年度から唯一の女性隊員として厚木市在住の林野庁職員、三浦祥子さん(49)が加わった。4月から毎週のように駆除活動に参加。逃げられてしまうことも多かったが、シカ1頭を撃ち止める成果も上げた。「もっと多くの女性が狩猟に参加して、ジビエ(野生鳥獣肉の料理)の活用などを進められたら」と願っている。三浦さんは林野庁治山課課長補佐で、民有林の管理などに携わる山のプロ。だが、狩猟経験はまだ浅い。北海道庁林務局への出向時代に地元ハンターとの付き合いが広がり、4年前に狩猟免許を取得した。北海道では本州のシカよりも体の大きいエゾシカが一時は70万頭近くにまで増え、植林したカラマツの苗木を食べるなど食害が深刻だ。「仕事柄、ハンターの皆さんがどんな苦労をして駆除活動をしているかを理解するために、自ら狩猟免許を取ろうと思った」と三浦さん。林野庁山梨森林管理事務所長を務めた際には、南アルプス・仙丈ケ岳の高山植物がシカに食べられて、地面がむき出しになる被害も目の当たりにした。これらの経験を踏まえて2年前、県猟友会に入会。町が農作物被害を防ぐために2015年度に設置した有害鳥獣対策実施隊にも参加した。同隊発足以来唯一の女性メンバーだ。三浦さんは「まだ、丹沢をすべて歩いたわけではないが、現在の丹沢はシカの生息密度が高く、下草が全くなくなって裸地化している所も多いと聞いている」と指摘。「まだまだ自分は経験が浅いが、先輩たちからしっかり教えてもらって、山を守ることに貢献したい」と話す。猟銃だけで重さ4キロ、狙いを定めるスコープ、解体用のナイフなど装備を身に着けるとずっしり重い。女性には体力的に厳しい世界だが、「もっと多くの女性に入ってきてもらい、捕獲したシカなどをジビエとしておいしく食べる工夫をできたら」と考えている。

(キジ、元気に育って:京都)
宇治田原町の未山・くつわ池自然公園で、公園内で見つかった卵から人の手で育てられたキジ9羽を、自然に戻す放鳥が行われた。地元の小学校の児童らが「元気に育って」と見送った。今年5月、くつわ池周辺で放置された卵9個を公園管理人が発見。親鳥が帰るのを待ったが姿を現さず、箱に入れてカイロなどで温めると次々にヒナがかえった。

(シカやイノシシを味わう、ジビエフェスタ:和歌山)
和歌山県は12月から来年2月末まで、県内で捕獲されたシカやイノシシの肉料理のおいしさをPRしようと「わかやまジビエフェスタ」を開く。県内の飲食店や宿泊施設など59店舗が、趣向を凝らした料理を提供する。「フェスタ」は2011年度から毎年開き8回目。参加店舗数は昨年度より9店舗多い。県内の和食、フレンチ、イタリアンなどさまざまなジャンルの料理店などが、それぞれ独自メニューを提供する。県内で捕獲し、保健所から許可を得た県内施設で処理加工されたシカやイノシシの肉を使う。田辺・西牟婁では田辺市と白浜町、すさみ町の13店、新宮・東牟婁では串本町と古座川町の3店が参加する。フェスタ中でも、店舗によって提供期間が異なる。期間中に参加店でジビエ料理を食べ、応募すると、抽選で20人に、5千円相当の「わかやまジビエ(シカ、イノシシ肉)の詰め合わせ」が当たる。

(森の京都ジビエフェア:京都)
京都府では、京都府中部地域の「森の京都」エリアの豊かな食材のひとつであるジビエ(シカ肉・イノシシ肉)の魅力発信と消費拡大に取り組んでいます。
この度、平成30年12月8日(土)~平成31年2月11日(月・祝)の期間、京都府内合計62店の店舗で、様々なジャンルのジビエ料理をお楽しみいただける「第2回 森の京都ジビエフェア」を開催しますので、この機会にぜひお越しください。

(豊前ジビエセンター:福岡)
久池井明さんは護衛艦に乗り世界の海を駆け巡っていた海上自衛官から、シカやイノシシの解体、精肉に取り組みながらジビエのスペシャリストを目指す多忙な日々を送る。趣味も仕事もアウトドア派を自認。「山と海の違いはあれど、自然が相手。スケジュール通りにいかないという点が一緒」と楽しそうに話す。

(「みえジビエ」あれやこれやでPR:三重)
ジビエ猟が解禁になるこの季節、三重県は自然の恵み「みえジビエ」の消費拡大を図っている。フェアや初のフェスタ開催に加え、家庭で手軽に味わえる新商品も開発。あの手この手で県内産のシカやイノシシのおいしさ、安全性をPRする。みえジビエは県が2013年、捕獲から解体、加工、販売、飲食業まで業者の登録制度を作り、品質管理の基準を設けて認証した肉を15年に商標登録した。レストランなど50店あまりが参加するフェアは4回目で、11月から来年1月末までの3カ月間。参加店でみえジビエを食べたり買ったりすると、みえジビエ加工品が当たるスタンプラリーを展開している。今年は津市高野尾町の農産物直売所「朝津味」で初開催となるフェスタを11月10日に開き、来場者にもみじ鍋やぼたん鍋を振る舞った。プロのシェフによるシカ肉料理教室も開かれた。

(ジビエ、レシピグランプリ:大分)
日田市の獣肉処理施設で処理したシカ肉やイノシシ肉を使った料理の出来栄えと、アイデアを競う「第2回ひたジビエ レシピグランプリ」が、同市の昭和学園高であった。日田高と昭和学園高の8チーム30人が、テーマの「煮込み料理」に独自のレシピでチャレンジし、「仲良鹿鍋(なかよしかなべ)」が最優秀賞に輝いた。コンテストではシカ肉と日田梨を組み合わせたり、煮込む前に肉を炒めて柔らかくしたりと、それぞれのチームが工夫した料理を仕上げた。仲良鹿鍋は、昭和学園高の2年生4人のチーム「昭和っ子」が作った。4人は「食物アレルギーを気にせず誰でもおいしく食べられる料理にできた」と喜んだ。コンテストは高校生の感性で新しいジビエの食べ方を提案してもらい、おいしさを広く知ってもらおうと、市と市ジビエ推進協議会が18日に開催した。最優秀賞の鍋は、12月9日に同市のパトリア日田である「木と暮らしのフェア」で100食分が振る舞われる。年度内に小中学校の給食にも登場する予定。

(ジビエ料理好評:岐阜)
地域の特産品や新鮮な野菜などが並ぶJAフェスティバルが、山県市高富のJAぎふ高富支店で開かれ、多くの家族連れらでにぎわった。市特産のクリを揚げたマロンフライなどの屋台のほか、地元産のシカやイノシシをブランド化しようと七月に立ち上がった「ジビエ山県」も出店。豚コレラの発生以前に捕れたイノシシ肉で作ったシシ鍋を振る舞ったほか、たこ焼きの中身をシカ肉に替えた「シカ肉焼き」を販売した。家族三人で訪れた高富小四年、小森遥さん(9つ)は「たこ焼きとは違ったけど、シカ肉がやわらかくておいしかった」とにっこり。ジビエ山県代表の臼井勝義さん(65)は「『意外とおいしい』という声がたくさんあった。味を知って応援してもらえて大成功です」と話した。

(ジビエ給食に大満足:大分)
竹田、日田両市の学校で、シカやイノシシの肉を使ったジビエ給食が登場。いずれもカレーで、子どもたちが笑顔で味わった。小中学校18校で13日、シカ肉を使った給食が初めてお目見えした。消費拡大を進める県の呼び掛けに応じ、三つの給食共同調理場がキーマカレー1800食を作った。夏休みに栄養教諭らが集まり、シカ肉のメニューを研究した。調理はジビエを扱う市内のフランス料理店のシェフが助言した。直入町の直入小学校(田川勝樹校長、91人)では、栄養教諭が「駆除されたシカはほとんどが埋められている。食べて命をつなごう」とジビエ給食の意義を説明。6年の多田俊哉君(12)は「軟らかくてとてもおいしい」と話した。今回は有害鳥獣駆除や加工をする「竹田オーストリッチファーム解体・販売所」(飛田川)が10頭分の肉66キロを提供。ジビエ肉は高価なため、今後の実施は未定。児童と一緒に給食を食べた同ファームの吉良富伯(とみのり)代表(76)は「小さいときからジビエを食べ、消費拡大につながれば」と話した。16日、全小中学校と日田支援学校の計31校で、地元産のシシ肉を使った給食が出た。市ジビエ推進協議会が「食育の日」(11月19日)に合わせて企画。市内上津江町でシシ肉などを処理する市獣肉処理施設から仕入れた。メニューは「ひたジビエカレー」。五つの学校給食センターや調理場がイノシシのもも肉113キロと地元産や県産の野菜を使い、約5200人分を作った。光岡小学校(石原康広校長、529人)では、全校児童がおいしそうに頬張り、味を確かめた。6年の植田直希君(12)は「軟らかくて食べやすい。日田においしいジビエ肉があるとは知らなかった。また食べたい」と話した。

(鳥獣被害対策の一環、給食に:大分)
鳥獣被害対策の一環で、学校給食にジビエ料理を取り入れようと、佐伯市直川のレストラン「コリーヌ」で、試食検討会があった。栄養士や市教委など関係者25人がシカとイノシシの肉を使った料理を味わい、給食提供への課題を探った。林業などの振興に取り組む「佐伯地区流域林業活性化センター」の取り組み。市内の昨年度の捕獲頭数はシカが5507頭、イノシシが3247頭と県内でも多い地域。

(ジビエ、もっと身近に:高知)
高知県の官民がジビエ(野生鳥獣肉)の消費拡大に向けて知恵を絞っている。高知県は県庁食堂で運営事業者と協力し、シカ肉メニューの提供を始めた。ジビエ料理の専門家が「利き肉」クイズ付き弁当を商品化したり、高知大学の学生企業が特産ワインとジビエを一体でPRしたりする。捕獲量が増加するなかで、アイデアを生かして出口の消費拡大に取り組む。県庁本庁舎の地下食堂で15日、「高知家の鹿ダブル丼」の販売が始まった。21日まで1日20食を販売する限定メニュー。

(シカ肉メニュー考案:徳島)
四国大短期大学部の学生が、県の委託を受けて野生のシカ肉を使ったジビエ(野生鳥獣肉)料理のメニューを考案し、レシピ集の製作に取り組んでいる。県は、キャンペーンなどで農作物の食害対策として捕獲されるシカ肉の消費拡大を目指しているが道半ば。学生目線で、さらなるジビエ料理の周知を図る。製作しているのは人間健康科食物栄養専攻の2年生4人。

(ジビエを弁当で味比べ:高知)
高知県香美市香北町吉野の「ヌックスキッチン(Nook's Kitchen)」(西村直子代表)が11月10日から今月末までの毎週土日限定で肉の味比べができる「ジビエ弁当」を販売する。西村さんは「冷めていてもおいしい、ジビエの新たな魅力を味わって」と呼び掛けている。「ヌックスキッチン」は不定期でレストランを営業しながら、ジビエビジネスアカデミーとして商品開発や経営術を教えている。ジビエの活用法を模索する中、全国でも例の少ない弁当に着目。西村代表は「弁当は誰でも事業化しやすく展開力もある」と、モデルケースとして販売することにした。「利き肉付きおにぎり弁当」(税別900円)は、シカやカンガルーなど5種のフライをクイズ形式で味わえる(答えはジビエビジネスアカデミーのフェイスブックで)。シシの味噌(みそ)かす漬け、卵焼きなども入っている。そのほか「ジビエサンド」や「ジビエ丼」なども販売する。1日計約50個限定。

(イケアレストラン「ミート&ジビエフェア」)
イケアレストランで11月20日から登場する冬の限定メニュー、「ミート&ジビエフェア」。普段口にする機会の少ないジビエが気軽に味わえちゃうという企画です♪なんでも、スウェーデンで狩猟が盛んになる季節にあわせて、いろんなお肉料理が勢ぞろいするのだとか。

(イノシシ肉使う新メニュー:兵庫)
淡路島(兵庫県)で捕れた野生のイノシシ肉を使った新メニュー「淡路ホワイトぼたん鍋」を淡路市多賀の和食店「鼓や」が考案し、今月から提供を始めた。店主の原田兼次さん(51)は「きちんと選別、処理した肉は全く匂いもなく本当においしい」とアピールする。食材を取引する契約農家らから「イノシシの被害がひどい。何とかならないものか」と聞かされていた原田さん。「山あいの地方で一般的なぼたん鍋として親しまれるようになれば、獣害の解消や地域活性化につながるのでは」と考えた。狩猟から精肉、販売までを一括して行う南あわじ市の業者からイノシシ肉を購入。味を確かめたところ「想像以上のおいしさ。胸を張って出せる高いレベル」と自信を深めたという。鍋の味付けは「淡路島らしさを」と「千年一酒造」(淡路市)から仕入れた酒かすと白みそをベースに調合。甘みの強い特産のタマネギで味に深みを持たせた。10月末にあったグルメイベントで入場客に振る舞ったところ、「匂いがない」「味もおいしい」と好評だったという。「駆除しても焼却してしまうのはもったいない。狩猟免許も取得し、今後は狩りや食肉加工まで視野に入れたい」と意欲的な原田さん。「牛肉よりあっさりした味わいで、脂が乗っているがしつこくない。高タンパク低カロリーで美容やダイエットにも効果的」とPRする。

(クマ出没、干し柿作りで防げ:長野)
野生のクマのえさとなる柿を収穫し、干し柿にする試みを長野県木島平村の高校生らが始めた。えさを採ってしまうことでクマの出没を防ぐとともに、秋の味覚も楽しもうという一挙両得を狙った動きだ。干し柿作りを始めたのは、木島平村にある下高井農林高校の2年生28人。「シブガキ応援隊」を名乗り、10月末の2日間、学校近くの木に自然になった柿の実約80キロを収穫。その後、飯山市内の社会福祉法人を作業場に、干し柿作りに詳しい農家の指導も受けながら、皮むきやひもにつるす作業に精を出した。昨年に続いて2回目。きっかけは、現地を管轄する県北信地域振興局の担当者の考え。木島平村周辺では、収穫されずに木になったままの柿の実を狙い、クマがやってくることが少なくないが、地域の住民も高齢化して対応しきれない。困った同局が解決策の一つとして同校に協力を頼んだところ、学校側も地域貢献の良い機会になると考えた。

(イノシシを保湿オイルに:愛媛)
株式会社アップトゥーミーは、野生鳥獣による農作物被害の防除事業として捕獲されるイノシシの脂を活用した保湿化粧品「TAON ワイルドボア トリートメントバーム」を、2018年11月21日(水)より発売いたします。全国の野生鳥獣による農作物被害が深刻化する中、特に被害の大きいイノシシによる被害は全国で約51億円にも上ります。そのため、被害の防除策として年間53万頭以上のイノシシが捕獲処分されていますが、捕獲されたイノシシが食肉として活用されるのは5%未満に留まり、それ以外の多くが活動されることなく破棄処分されている現実があります。その現状を打破すべくイノシシの活用法を模索した結果、イノシシの脂が高い保湿力を持っていることが分かり、化粧品化することとなりました。浸透力に優れ、刺激が少ない上に保湿力が高いぼたん油(イノシシ脂)が主成分の保湿オイルです。イノシシの脂を精製し、馬の油のようにオイルをクリーム状にしました。融点が低いため、手に取ると体温で溶けてオイル状になります。顔はもちろんのこと、手、かかと、膝、肘など全身にご使用いただけます。手荒れや日焼け後のケア、男性の髭剃り後のスキンケアなど、用途はさまざまです。また、濡れている髪の毛に薄く付けていただくと、髪の毛のパサつきを抑えると共に、フケ・かゆみの予防にもなります。

(オオカミ復活提唱し企画展、シカの食害対策:静岡)
日本オオカミ協会静岡県支部は16日、伊東市八幡野の伊豆急行伊豆高原駅やまもプラザで、オオカミ復活による自然保護を提唱する企画展を開催した。18日まで。同協会は伊豆半島をはじめ全国各地で深刻化するシカの食害対策として、国内では1905年に絶滅したオオカミを海外から再導入しシカを捕食させる方策を訴えている。展示は世界で初めてオオカミの再導入により、エルクジカの食害で崩れた生態系を回復させることに成功した米イエローストン国立公園の事例を紹介。松川湖(伊東市)周辺の食害の現状や、人に危害を加えることがほぼないとされるオオカミの生態なども解説している。

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