<射撃ニュース3月>
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(セコム、ドローンでシカ害対策実験)
セコムは4月、シカによる農作物の被害を防ぐため、自社開発したドローンを使った実証実験を本格的に始める。田畑などへのシカの侵入を検知すると、ドローンがシカを追尾し、追い払う。シカによる農作物の被害額は鳥獣類の中で最も多い。同社は警備で培ったドローンの運用ノウハウを農業向けに転用する。シカの侵入を外付けのレーザーセンサーで検知すると、ドローンは基地から発進する。ドローンが発する音や光などでシカを驚かせて撃退する。飛行から帰還、充電までを全て自動で行う。
(レミントン・アウトドア社が連邦破産法11条を申請:アメリカ)
米老舗銃器メーカーのレミントン・アウトドアは25日付で、デラウェア州の連邦破産裁判所に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、経営破綻した。米メディアによると銃規制強化派のオバマ前政権では駆け込み需要で販売が好調だったものの、銃に寛容なトランプ米大統領が当選して「規制が遠のく」との見方が広がり急減した。事業の運営は当面続ける。同社は以前から破産法の適用申請を検討しており、2月に7億ドル(約735億円)の債務減免などで債権者と合意した。2月にフロリダ州の高校で17人が死亡する銃乱射事件があり、申請手続きが遅れていたという。銃ロビー団体の支持を受けるトランプ政権の発足で銃規制は難しくなったとの見方で販売が低迷。一方、フロリダの高校の銃乱射事件で銃器メーカーへの風当たりは強まり、経営再建への道筋は険しそうだ。レミントンは1816年に創業した拳銃やライフルなどの老舗企業だ。
(ジビエ「もう一度食べたい」7割超す)
日本政策金融公庫(日本公庫)農林水産事業本部は3月22日、ジビエの消費動向の調査結果を発表した。これは「平成29年度下半期消費動向調査」の一環として今年1月、インターネット方式で行われたもので、全国の20歳代から70歳代の男女2000名(男女各1000名)を対象とした。その結果、ジビエを食べたことのある人のうち、「再度食べてみたい」と考えている人が7割以上いることが分かった。理由は「おいしかった」が最多回答。またジビエを食べた経験のない人でも、4割が「食べてみたい」と回答している。詳細は次の通り。 「ジビエ」という言葉を知っていたかを聞いたところ、6割強が「知っていた」との回答。年代別では50代で「知っていた」が最多で、50代から離れるにつれて、その認知度は低くなる結果となった。また「ジビエを食べたことがあるか」では、3割強が「食べたことがある」との回答。年代別では、年代が上がるほど食べた経験がある人が多くなる傾向があり、50代以上では約4割が「食べたことがある」という結果だった。また、ジビエを「食べたことがある」と回答した人の食べる頻度の質問では「年に数回未満」(74.6%)が最多だった。食べたことのあるジビエの種類では、イノシシ(75.9%)、シカ(64.8%)、鴨(53.1%)、キジ(21.6%)、クマ(19.9%)の順。またジビエを食べたことがあると回答した人に「再度食べてみたいか」との質問では7割強が「再度食べてみたい」と回答した。理由は「おいしかった」(72.4%)が最多で、反対に「再度食べてみたくない」の理由では「おいしくなかった」(41.6%)が最も多く「肉に臭みがあった」(40.9%)、「衛生面に不安がある」(23.4%)、「野生鳥獣を食べることに抵抗がある」(20.1%)の順だつた。さらにジビエを「食べたことがない」と回答した人のうち、4割が「食べてみたい」と回答。20代では約5割が「食べてみたい」と回答している。「食べてみたい」理由は「珍しい」(63.1%)が最多で、次いで「おいしそう」(45.3%)の順。調査結果を踏まえて、日本公庫では、ジビエの消費拡大のためには、衛生面への不安や肉の臭みの解消などにより、「ジビエを食べてみたい」とする若年層を消費の入口へ向かわせるための積極的なPR活動がカギになると話している。
(新射撃場の建設是非「結論棚上げ」:山梨)
県立射撃場建設の是非を検討する委員会が開かれ、整備の必要性について、「判断するのは難しい」と結論付けた。27日の委員会では、委員の意見を基に県側が取りまとめ案を作成し、大筋で了承された。取りまとめでは、スポーツ振興や鳥獣害対策の観点から、射撃場の必要性を認める一方で、巨額の建設費がかかることから「現時点では、県が施設整備の必要性まで判断するのは難しい」と結論付けた。去年1月に出された中間とりまとめの表現を踏襲した格好で、当面は民間射撃場を活用して、練習環境の充実を図るよう求めている。
(市街地に「イノシシ」出現、猟友会など捕獲:福島)
29日午前6時20分ごろ、福島市を通行中の男性から「イノシシが市街地を徘徊(はいかい)している」などと110番通報があり、約1時間後には同市の女性からも目撃情報が寄せられた。福島署が同市でイノシシを見つけ、近くのグラウンドに追い込み同9時15分ごろ、猟友会などと捕獲した。被害はなかった。同署によると、イノシシは体長80センチ程度。グラウンドを所有する日東紡福島工場の副工場長(59)は「イノシシが出たと聞いて驚いた。けが人が出なくてよかった」とホッとした様子。市の担当者は「福島市の山間部では目撃情報があるが、市街地に出るのは珍しい」と驚きを隠さなかった。
(クマ対策、森林・市街地周辺・市街地の3ゾーンに分け:秋田)
秋田県は、クマの出没が多い地域でクマの生息域と人間の生活圏などを三つのゾーンに区分する「ゾーニング管理」を、2018年度から県内全域で本格導入する。行政や住民の役割を明確化するもので、クマ被害の新たな防止策として期待されている。秋田県内では17年、クマに襲われた死傷者が過去最悪の20人に上るなど、被害が深刻化。今年に入っても冬期間の目撃数が増加傾向にあるなど、春先以降のクマ被害が懸念されている。秋田県自然保護課によると、ゾーニング管理は、奥山のクマの生息地で定住者がいない地域を「森林ゾーン」▽里山や中山間地など農林業が盛んな地域を「市街地周辺ゾーン」▽集落など人間の居住地を「市街地ゾーン」--の三つに区分する。森林ゾーンでは、入山者にクマ対策装備を徹底してもらう▽市街地周辺ゾーンでは、農家に廃棄農産物を放置しないよう求め、行政は電気柵を設置▽市街地ゾーンでは、住民に家庭ごみの適切な処理をしてもらう--など、ゾーンごとに行政や住民が行う役割を明確にする。秋田県は17年夏、鹿角市花輪の小平(こびら)集落をモデル地区として、ゾーニング管理を試行。同様の区分けなどを実施すると、目撃数や農作物への被害が減少した。一定の成果がみられたため、県内全域で取り組むことにした。同課の担当者は「ゾーニングの効果が出るには、行政だけでなく住民が主体的に取り組む姿勢も必要となるので、協力を呼びかけたい」としている。
(「富士山麓ジビエ」が完成:静岡)
富士山麓(さんろく)で捕獲した野生のシカを処理加工する「富士山麓ジビエ」が富士宮市上条に完成し、開所式があった。食害をもたらすシカの肉を食材として有効活用し、被害低減を図る。施設は市内3カ所の設置が検討されており、第1号になった。市によると、富士山麓の静岡県側はシカが約2万3700頭生息し、市内の農林業被害は鳥獣全体で年間約1200万円。市は、県や農協、猟友会などと鳥獣被害防止対策協議会を設けて活動し、今年度はシカ1500頭を捕獲した。大半は埋設処分している。施設は、建築面積43・5平方メートル。約2000万円をかけて建設し、シカを年間150頭処理する能力がある。運営するのは、地元で自然学校や農産物生産を手がける企業、ホールアース。猟師から買い入れたシカを安全で衛生的に処理し、飲食店などに販売しジビエ料理の普及を図る。23日に開かれた式典で、浅子智昭所長(42)は「シカの買い入れは、捕獲の推進につながる。動物の命をむだにせず、富士宮の特産品の一つにも育てたい」と話した。須藤秀忠市長は「ジビエ食文化の先駆けとなり、鳥獣被害対策の新しい仕組みとして定着してほしい」、県富士農林事務所の田島章次所長は「被害は深刻。生息数の制限でバランスを保ちたい」と語った。
(ジビエ加工施設がオープン:大分)
ジビエ肉の消費拡大に向けて、宇佐市に加工施設が新たにオープンし、28日現地で記念式典が開かれました。宇佐市院内町にオープンした「宇佐ジビエファクトリー」は、市内の食肉加工処理業・「サンセイ」が運営する施設です。今年2月末に建物が完成し、本格的な操業が始まったことを受けて28日、現地で記念式典が開かれました。「宇佐ジビエファクトリー」は、建物面積が220平方メートルの鉄骨平屋建てです。施設では、地元の猟師が捕獲したイノシシやシカなどを処理し、ハムやソーセージといった商品に加工するまでの作業を行うことができます。施設内では、ジビエ肉を使ったソーセージ作りの体験教室も開催される予定です。会社側は、学校給食に食材を提供することにしていて「消費拡大を目指すとともに、雇用創出も図っていきたい」と話しています。
(クマ対策で管理計画を連携策定:岡山)
岡山県の伊原木隆太知事と兵庫県の井戸敏三知事が政策課題について話し合う会議が27日、岡山市内のホテルで開かれた。両県をまたぐ中国山地でツキノワグマの推定生息数が増加していることを受け、連携して管理計画の策定を目指すことで合意した。鳥取を含めた3県で協力し、生息数の調査や駆除の方向性を盛り込んだ計画を想定している。井戸知事が「狩猟許可を出して捕獲しているが、効果が上がっていない。共同で広域的な計画を作りたい」と持ち掛け、伊原木知事は「クマは県境を越えて行き来している。人命を守るためにも協力したい」と応じた。両知事はまた、シカやカワウなど有害鳥獣対策で連携するほか、備中松山城(高梁市)や竹田城跡(兵庫県朝来市)の山城巡りなどテーマを持たせた観光ルートづくりに取り組むことで一致。産業用地確保のため、農地転用の規制緩和を国に働き掛けることも確認した。同会議は2002年度から開いており、7回目。
(神戸市と三田市が連携協定:兵庫)
緑豊かな里山地域を保全・活用しようと、神戸、三田両市は27日、自然環境の保全や、イノシシやシカといった有害鳥獣対策などを共同で実施する連携協定を締結したと発表した。協定書にそろって署名した神戸市の久元喜造市長と三田市の森哲男市長は「互いの知識や経験を共有していきたい」と述べた。神戸市はこれまで、六甲山や須磨海岸などの自然環境を保全・活用するため、市民団体や大学による希少種の保全活動や、里山地域への移住を促す農業体験などを実施。一方、約500種類に及ぶ多種多様な動植物が生息する「皿池湿原」など、豊かな自然環境を抱える三田市も、同様の取り組みを行ってきた。そこで、互いの経験を生かそうと、神戸市が昨年9月に三田市に打診し、協定締結につながった。両市は今後、シンポジウムや自然観察会の共同開催を検討していくほか、農作物被害が相次ぐイノシシなど有害鳥獣の捕獲に向け、生態調査や被害状況の情報共有を進める。また、人口減少が進む里山地域に、子育て世代などの移住を呼びかけるPRイベントも行う。神戸市役所での会見で、久元市長は「有害鳥獣の駆除対策や生態系の保護など三田市の取り組みを共有していきたい」と強調。森市長も「里山地域を生かした街作りを神戸市と進めていければ」と応じていた。
(クマとの共生考える:鳥取)
クマとの共生について考えるシンポジウム(日本熊森協会鳥取県支部主催)が24日、鳥取市西町2丁目の市福祉文化会館で開かれた。講演や鳥取県内のツキノワグマの生息状況に関する報告があった。
(モンキードッグに3匹認定:兵庫)
兵庫県篠山市は26日、同市日置の城東多目的広場で、所定の認定テストに合格したイヌ3匹に「篠山モンキードッグ」の認定証を交付した。ニホンザルを追い払い、農作物の被害を減らすことが期待されており、現役で活動するイヌは今回を含めて計17匹となる。市内には5群約200匹のニホンザルがいるとされる。サルを含む野生動物による農業被害額は近年、年間約2千万円で推移。同市では2010年度にモンキードッグの認定事業をはじめ、電気柵の設置などと合わせて対策を講じている。今回認定されたのは、カイイヌ、ゴールデンレトリバー、シバイヌで、いずれもサルがよく出没する地域に住む飼い主が応募。約半年の訓練やテストを経て、認定に至った。認定されたイヌは集落内で飼い主が放してもよく、サルを確認すると山へ追い返す。この日は認定証のほか、専用のオレンジの首輪が付けられ、呼び戻しなど訓練の成果が披露された。同市大上の中野操さん(64)は「地元の集落ではサルがよく出て住民の方が困っている。自分は自治会長でもあるので、少しでも集落の役に立てればうれしい」と話していた。
(農家・住民VSイノシシ、農業だけじゃない「地域問題だ」)
イノシシにかまれて指を切断したり、道路で突き倒されて打撲したりするなど全国でイノシシによる人的被害が後を絶たない。背景に野生獣の生息範囲の拡大がある。近年は田畑だけでなく住宅地にも出没し、人を襲う。農家だけでなく一般住民が参加する駆除の取り組みが広がってきた。町ぐるみでわなを見回ったり隠れ場を草刈りしたりして、被害を食い止めている。足跡だ。近くまで来ている──。3月中旬、千葉県市原市の山間地でイノシシの箱わなを確認していたのは磯ケ谷町会駆除会のメンバー。会員23人の半数は、農家ではない住民たちだ。町内に6台のわなを仕掛け、交代で毎日見回る。イノシシがわなに掛かっていれば、猟友会を呼んで仕留めてもらう。農家でない住民も駆除活動をするようになった経緯を、泉水良樹さん(70)は「イノシシが通学路に出たり、軽トラックにぶつかったりするようになった」と振り返る。町内会長だった泉水さんが「農家だけの問題ではない。人身被害を防ごう」と駆除会づくりを提案、2015年に発足した。磯ケ谷町会は、市営住宅を除く220世帯で構成する。駆除会には、会社員や定年退職者ら44~79歳が参加。うち2人が市の補助を受け、わな猟免許を取得した。16年度は25頭を捕獲。17年度は現時点で13頭と昨年より減ったが、農業被害が2件と前年の5分の1に減った。農家は獣の餌にするサツマイモなどを同会に寄付し、同会は会報に捕獲数や写真を掲載し「餌をありがとう」と農家への感謝も記す。わな免許を持つ柴崎等さん(64)も「箱わなを私有地に仕掛けさせてくれる」と農家に感謝する。メンバーの吉野隆さん(68)は会社員時代に培った組織運営力で、活動を始めたい近隣町会への説明会を開く。今年から同会の指導で、近隣の松崎町でも駆除が始まる。市原市内で駆除会を持つ町会は09年に17町会だったが、今年は100町会に増えた。高齢者や子どもは柿や栗、畑の残さを拾って獣の餌をなくしたり、箱わなに入れる米ぬかを集めたりして活動に加わる。同市農林業振興課によると、市内のイノシシ被害地域の7割が町会駆除を実施する。活動が奏功し、昨年度は市内の捕獲頭数が2998頭と4年前の6倍以上。農作物被害は前年度比5割減の2800万円だった。市は各町会へのアンケートを毎年行い、捕獲数が低い地域を専門家と共に診断する。同課の高塚幸二係長は「農家の高齢化と耕作放棄地増大がイノシシを生活圏に踏み込ませた。行政と町民と農家の共助対策は不可欠」と言う。住民挙げた駆除組織の取り組みは、各地で広がっている。愛知県豊橋市多米町では、鳥獣駆除をする多米猪鹿鳥クラブを16年に設立。約40人の会員は、毎日交代でわなの見回りや餌の仕掛けを分担し、イノシシを年間40頭捕獲する。栃木県益子町西明寺地区でも15、16年に住民全員で集落を歩いてイノシシの隠れ場所や餌場の情報を集め、電気柵を設置した。耕作放棄地の草刈りを継続する。農水省鳥獣対策室は「鳥獣害対策は集落機能を生かして継続することが必要。人の少ない耕作放棄地で住民が草を刈れば、イノシシが人の気配を察知し、近寄らなくなる“追い払い”の効果もある」と説明する。今年1月、茨城県つくば市の自転車専用道で、男性がイノシシと20分以上もみ合って右手親指を切断する重傷を負った。同市内では散歩中の女性もイノシシにかまれた。2月には、愛媛県新居浜市で女性が自宅玄関でイノシシにのしかかられ、かまれる事件があった。今月には、新潟県五泉市の住宅街でイノシシに衝突された男性2人が足を打撲。愛知県蒲郡市でも、男女3人がイノシシにかまれて病院に搬送された。環境省によると、イノシシの人的被害は、2016年度は47件59人だったが、今年度は1月末までに既に42件53人に上っている。
(銃の連射可能にする部品、販売・所持禁止へ:アメリカ)
米司法省は23日、銃の分類に関する政府規制を見直し、銃の連射を可能にする部品「バンプ・ファイア・ストック」などの販売・所持を禁止する方針を発表した。24日にワシントンで銃規制強化を訴える大規模な抗議集会が予定されており、銃規制に消極的との批判をかわす狙いがありそうだ。昨年10月に58人が犠牲となったラスベガスの銃乱射事件など、米国では連射部品を使った乱射事件が相次いでいる。銃規制強化を求める声の高まりを受け、トランプ大統領が同省に早急な見直しを命じていた。今回の見直しにより、半自動小銃の連射を可能にする部品全般が「機関銃」に分類され、一般向けの販売・所持が違法になるという。
(野生動物どう共生、こども記者が議論や発表:鳥取)
東京で27日に開幕した「第2回こども新聞サミット」に、新日本海新聞社から鳥取大付属小の新6年生、森躍翔君(11)=鳥取県倉吉市みどり町=が「こども記者」として参加した。森君は「人と動物、うまく暮らすには」がテーマのグループに所属。全国から集まったこども記者たちと野生動物による被害を防ぐ方法などを議論した。同グループには、北海道や長野県などの地方新聞4社から5人のこども記者が参加。各地の課題や取り組みなど、事前に学習してきた内容をそれぞれが発表した。ゲストスピーカーに秋田県北秋田市の打当(うっとう)マタギのシカリ(頭領)、鈴木英雄さん(71)を招き、クマ猟の体験談などを聞いた。森君たちは、鈴木さんが持参したクマの毛皮やクマが食料とするクリやクルミの実に興味津々。「マタギはクマを山の神からの授かり物だと考えている」という鈴木さんの話に聞き入り、熱心にメモを取った。1日目を終えた森君は「『ベアドッグ(ほえてクマを追い払う犬)』など初めて知ることがたくさんあって面白かった」と話した。
(鳥獣被害対策にICTを導入:岡山)
美作市とICTによる地方インフラ構築支援の株式会社フォレストシーは、市内における鳥獣被害対策の一環としてフォレストシーが開発した野生動物の捕獲を通知するシステム「オリワナ通信」を導入、2018年4月から運用を開始することを本日発表します。美作市内でのニホンジカ、イノシシの捕獲実績を見ると8割以上がわなでの捕獲です。猟師は毎朝見回りし、掛かっていれば自己処理、あるいは獣肉処理施設に搬入しています。しかし、処理施設搬入後に他のわなでの捕獲が判明する場合もあり、1日2回搬送が必要になるなど、見回りには多大な労力を費やしていました。わなの設置場所は見回るのが困難な場所が多く、猟師の作業負担が軽減され、ジビエ利活用が可能となるICT機器を探していました。フォレストシーの「オリワナ通信」は、通信範囲の広さ・省電力性に優れたLPWA(エルピーダブリューエー/Low Power Wide Area)無線技術による独自規格「LP-WAVE(エルピーウェイブ)」により、くくりわな・箱わな・囲いわなの作動状況をリアルタイムに監視するシステムです。最大の特徴は高い電波出力と中継機能により、山間部などの携帯電波圏外エリアでも通信を可能にする広範囲の通信インフラが構築できることです。わなが作動すると利用者の端末へ通知が届き、GPS機能で位置情報も把握・共有できるので、地域ぐるみで連携して迅速な後処理が可能になり、鳥獣行政担当者や捕獲従事者のわなの管理負担を大幅に軽減できます。美作市森林政策課は、フォレストシーの「オリワナ通信」が有害獣の捕獲通知のみならず、他の分野へも応用できる可能性もあり、今後の展開に期待できるものだと判断し、2018年3月に導入を決定しました。同年12月に実証実験を行ったところ見回り労力の軽減により、捕獲から解体処理までの円滑な流れが確認され、良質なジビエ個体の確保に期待されるようになりました。フォレストシーは2018年3月20日に美作市に納入、親機1台を美作市役所大原総合支所庁舎屋上に、子機49台を同支所から約20km以上離れた山間部などに設置しました。同25日には設置してもらう猟師に集まってもらい、4月から運用を開始するために捕獲センサーシステムの説明会を開催します。美作市は、ジビエ利活用にも積極的に活用することでより良質なジビエを一般消費者に提供できるとみています。猟師も処理施設も共存共栄できるような仕組みを構築するとともに、温度や水位管理など農業分野への利用が広がることを期待しています。フォレストシーは、現在美作市を含め2018年4月から運用開始する自治体などが5件、2020年には累計500件の導入・運用を目指します。

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(シカ、捕獲数増へ:奈良)
奈良市東部での農作物の被害防止を目的に県が昨年7月末から初めて取り組んだ国天然記念物「奈良のシカ」の捕獲について、2018年度は、開始時期の前倒しや対象地域の拡大などで捕獲数を増やすことが決まった。有識者らでつくる保護管理計画検討委員会の22日の会合で、県が提示した方針が了承された。18年度の捕獲の上限は17年度と同じ120頭とする。今月中に国に許可を申請し、許可が得られ次第、捕獲に着手する。17年度は、田原と東里の2地区のみでの実施だったが、農作物の被害が多く、捕獲の要望があった柳生や狭川などを加えた6地区で行う。また、手法についても餌を置いておびき寄せる「箱わな」だけでなく、より手軽な「くくりわな」などを試験的に導入する。会合で県側は、今月15日で終了した17年度の捕獲数が、認められていた上限の120頭を大きく下回る19頭だったことなどを報告した。
(シカの事故防止柵設置へ:奈良)
国の天然記念物「奈良のシカ」の交通事故が奈良市の奈良公園周辺で頻発していることを受け、県は新年度、シカの飛び出しを防ぐ柵を設置し、効果を検証する実証実験を行う。市内で22日に開かれたシカの保護などを検討する有識者委員会で県が考えを示し、認められた。柵は高さ70センチ以上とし、シカが簡単には跳び越えられないようにする。大仏殿交差点の南側の南北道路に沿って設置する。柵の形状や詳細な設置場所などは今後、検討する。県は、シカの道路横断が防げるかどうかや、交通渋滞の状況などを調べ、効果があると分かれば他の場所にも置きたいという。
(鳥獣被害対策事業、捕獲目標達成1地点のみ:群馬)
県が平成29年度中に国の交付金を利用し、農林業に深刻な被害をもたらすニホンジカとイノシシの捕獲事業を行う県内の5地点のうち、捕獲頭数が目標に達したのは1地点だけだったことが23日、分かった。同日行われた県鳥獣被害対策会議で報告された。目標に達したのはニホンジカを捕獲している「尾瀬地区」だけで、その他の「神津」「赤城」「赤城南麓」「太田金山」の各地区では下回った。会議では、想定していた頭数よりも実際の生息数が大幅に少なかった可能性などが原因として挙げられた。また、県警が会議で示した資料によると、同年度中(今年1月末現在)の野生鳥獣による被害は、認知件数が3件(前年度比6件減)、死傷者数は3人(同10人減)だった。県は30年度当初予算で、有害鳥獣対策に約7億8700万円を計上。地域ぐるみの対策で、これまで着実に効果を上げている一方、県全体でみると被害地域が拡大していることが課題となっている。
(クマよけの電気柵を設置:秋田)
去年、クマによる人への被害や目撃情報が相次いだ北秋田市の伊勢堂岱遺跡で、クマよけの電気柵を設置する工事が始まりました。北秋田市は今月末までに設置を完了させ、来月下旬には遺跡の公開をはじめたい考えです。電気柵は4つのストーンサークルと、周りの遊歩道を含む約5ヘクタールのエリアを囲むように設置されます。景観を考慮して、遺跡の周りに生えている木にくくり付けます。柵にかかる電圧は、ヒトが触れると痛みを感じる6,000ボルト以上に設定します。伊勢堂岱遺跡では去年、クマによるけが人が出たほか、クマの目撃情報が相次ぎました。6月に全面閉鎖し、その後も安全面の問題から再開できず、そのまま冬期閉鎖に入っています。北秋田市は、沢がある遺跡の南側からクマが侵入すると考え、この間、周辺のスギを伐採して緩衝帯をつくるなど対策を行ってきました。縄文遺跡群として世界遺産の登録を目指す中、安全な環境での一般公開が欠かせません。北秋田市生涯学習課の榎本剛治主査は「対策は一つだけじゃなくて、いくつかの組み合わせだと考えています」「出来るだけ早期に再開して、多くの方に遺跡を見て頂いて世界遺産登録に弾みをつけたいなと考えております。」と話していました。北秋田市は今月末までに電気柵の設置を完了させて、連休前の来月下旬には遺跡を公開したい考えです。
(シカと2度衝突、列車運休:山梨)
22日夜、山梨県南部を走行していたJR身延線の富士発甲府行き普通列車(2両編成)が2度にわたりシカと衝突した。JR東海によると、乗客乗員計5人にけがはなかった。23日朝に甲府-鰍沢口間の上下線2本が運休し、約470人に影響が出た。JR東海によると、22日午後10時40分ごろ、内船-甲斐大島間でシカ1頭と衝突。約40分後に運転を再開したが、約20分後に身延-塩之沢間で再び5頭前後のシカとぶつかった。甲府駅到着後、先頭車両床下の部品に異常を確認したため、23日の運転を取りやめた。
(農業の被害多発、迫る人的被害:神奈川)
葉山町では二子山を中心にイノシシが生息し、農業への被害が発生している。人的被害も危惧されるなか、町民有志からなる「葉山わな猟の会」が対策に乗り出している。このシリーズでは3回にわたって実態を追う。2月12日、大型のイノシシが捕獲された。体長約1m35cm 、体重 73キロ、推定4から5歳のオスだった。場所は町立上山口小学校の裏手にある竹林。校舎まで歩いて数分の距離だ。「ようやく捕まえることができた」と語るのは葉山わな猟の会代表を務める石井喜三郎さん。この個体は3年ほど前に1度罠にかかったものの、取り逃していた。ケガをして痩せていたが、その牙は大きな存在感を放っていた。「生命力には驚くばかり。もし怪我もなく育っていたらどんなに大きくなっていたことか」と語る。葉山町は全域が猟銃禁止地域に指定されており、他の鳥獣被害に苦しむ地域と大きな違いがある。使用できるのは箱罠やくくり罠などに限られ、設置や管理に手間がかかるほか、電気を使った「止め刺し機」を使う際にも危険が伴う。県によれば町内のイノシシによる農作物被害は14年度から増加している。16年度は野菜、イモ類、果樹あわせて約0・8トン、被害額は約32万円だった。家庭菜園や個人が所有する竹林で筍が食い荒らされる被害もあわせると、さらに大きくなると同会はみる。こうした状況を受け、農業従事者や町民有志は16年に同会を発足。現在は38人のメンバーがおり、各自でわな猟免許を取得しているほか、名産のキャベツが大きな被害を受けている群馬県嬬恋村を訪れて研修を受けるなどしている。これまで会の運営は会員たちのボランティアや農林水産省からの交付金に頼っていた。しかし生活被害も含む対応を実施するため、葉山町は18年度当初予算で初めて「イノシシ捕獲業務委託」を計上。自治体として対策に本腰を入れる。同会は現在、二子山山系を中心に約60頭が生息していると推定する。しかし、現地を見た専門家からはこう言われたという。「温暖で餌となる木の実や野菜が豊富にあり、イノシシにとっては日本で5本の指に入るほど良い環境。放っておけば10年後には200頭に増えているかもしれない」
(米国が栃木産クリの輸入停止解除、シカ肉は一部追加)
農林水産省は23日、米国政府が東京電力福島第1原発事故に伴う食品輸入制限措置の対象から栃木県産のクリを20日付で除外したと発表した。宮城県産と長野県産のシカ肉は輸入制限の対象に加えた。米国政府の輸入制限は日本政府の国内の出荷制限と連動している。クリは今年2月に出荷制限の対象から外れ、シカ肉は昨年12月に加わった。

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(東京五輪の射撃、12種目で日本に開催国枠)
国際射撃連盟は20日、2020年東京五輪の予選方式を発表し、日本は開催国枠として男女個人各6種目で1枠ずつ、計12枠が確保された。各種目とも国・地域別の出場枠は最大2。五輪予選は今年9月に韓国の昌原で開催される世界選手権で始まり、同選手権では個人種目のほかに東京五輪で新たに採用された男女混合3種目の各2枠ずつが決まる。
(全国初、県が捕獲の専門チーム設立:兵庫)
県は2018年度、農作物に被害を与えるシカやイノシシの有害捕獲の専門家チームを設立する。遠隔操作や自動感知装置などのICT(情報通信技術)が搭載されたオリも持つ“仕事人集団”だ。市町レベルの捕獲チームや捕獲班の中には、狩猟者の高齢化に伴うメンバー減少に悩むところもあることから、県は捕獲力が落ちた市町へチームを派遣する。チームは狩猟のベテランを公募し、1班10人程度で構成する。ICTを活用したオリも全部で10基程度を配備する。センサーで設定した頭数に達すると入り口が閉じるオリは、親子や集団で行動するシカやイノシシを一網打尽にできる。スマートフォンで遠隔操作できるタイプでは、シカが入った様子などがオリについたカメラから送信されると、入り口を閉めることができる。年1500頭の捕獲が目標で、事業費として3360万円を18年度当初予算案に計上した。県内の野生動物の捕獲数は増加傾向にあり、16年度はイノシシが1万9648頭で過去10年で最高を記録した。シカも14~16年度は4万頭を超えている。農業被害額は10年度(9億7400万円)をピークに減り続け16年度は5億3100万円だ。一方で、県内の狩猟免許保持者は05年の5042人から15年の4731人まで減少した。60歳以上は7割を超える。市町からは「捕獲チームの人手が足りない」との声が上がっていた。狩猟者拡大のため、県は射撃場やわなの設置を学ぶ研修施設を備えた全国初の「狩猟者育成センター(仮称)」も設置する方針。18年度予算でも調査費用として174万円を計上している。
(猟犬事故、抜本的な対策必要:徳島)
徳島市の民家敷地で18日、小学生の女児3人が猟犬にかまれ重軽傷を負った事故を受け、県などは20日、緊急会議を開き、猟師へ再発防止を呼び掛けた。ただ、逃げ出した犬の行方を把握する機器の装着などは義務化されていないうえ、人をかまない訓練などは飼い主に委ねられているのが実状。抜本的な対策が求められる。県や動物愛護管理センター、猟友会から約40人が参加。県消費者くらし政策課は事故防止に向け、狩猟前に住宅地など危険箇所を把握する▽猟犬が飼い主に従うよう訓練を徹底する▽首輪に連絡先などを記載し発信器などを付ける▽事故時は人命救助や通報を行い、地区会長へ報告する--ことなどを求めた。阿南地区の松木伸夫会長は「被害者の方へおわびに伺った。かなり立腹されており、できる限りのことはしていきたい」と説明。猟友会の濱口靖徳会長は「人をかまないための訓練の徹底を求め、事故防止に努めたい」としたが、「見知らぬ犬を見つけた場合は、近づいたり刺激しないように気をつけてほしい」と付け加えた。今回女児をかんだ猟犬を飼う阿南市の男性(77)は、取材に「取り返しのつかないことをしてしまい大変申し訳ない。被害に遭った方が心配で夜も眠れない」と話した。普段は人をかまないため、想定できていなかったという。県などによると、飼い主には動物が逃げ出さないための措置が求められる。ただ、全地球測位システム(GPS)発信器を装着することなどは義務化されておらず、県や猟友会は装着を推奨するにとどまっている。男性は犬に無線で大まかな居場所がわかる発信器を装着していたが、住宅地で人にけがをさせていたことは連絡があるまで気づかなかったという。事故は18日午後3時半ごろ発生。男性は佐那河内村で猟犬4匹を連れて狩猟をしており、はぐれた2匹が民家敷地内に入り、このうち1匹が姉妹の児童3人にかみついたとされる。この事故で次女(10)が両脚などに重傷を負い、病院に搬送された。
(「ジビエカー」の購入費支援、県が取りやめ:神奈川)
農作物に被害をもたらす鳥獣を捕獲した後、すぐに新鮮な食肉(ジビエ)として処理するための「移動式解体処理車」の導入促進を目指していた県は、予定していた民間事業者への車両購入費支援をやめた。採算性の確保が困難なことがわかり、2017年度当初予算に計上していた1台分1500万円を減額補正する予算案を県議会に提案。20日に可決された。県によると、食肉処理する動物は主にイノシシを想定。車両は「ジビエカー」と呼ばれ、捕獲したイノシシを食肉として活用し、地域おこしにつなげようと「日本ジビエ振興協議会」などが開発。自治体や農家が捕獲したイノシシの収集と食肉処理を目的に民間事業者がジビエカーを購入する場合、県が1台分1500万円の補助金を出す仕組みで予算計上していた。民間事業者の公募を開始して昨年5月、1社からいったん応募があったが、その後の検討の結果、販路の開拓やコスト面などから最終的に辞退していた。県も食肉業界などへのリサーチを重ねたが、消費者の間でのジビエに関する理解が進んでおらず、「飲食店や旅館などで食肉を使ってもらえなければ供給先がなく、現時点ではビジネスとして成立しない」と判断、支援を断念した。昨年試験的にジビエカーで行った解体実習では、衛生管理面での問題はなかったという。県内で、イノシシによる農作物の被害額は増加する一方だ。11年度の鳥獣による被害額は全体で約9900万円。うちイノシシは約2千万円だった。それが16年度は、全体で約2億5千万円、うちイノシシは約8100万円に達した。このため県は、イノシシ対策の一環としてのジビエ活用を今後も模索する方針で、県西部の商工会や飲食店から、ジビエ活用に抵抗がある理由や活用する場合の肉質や量などについて聞き取り、今後の施策に生かす考えだ。県の調べによると、国内では高知県梼原町が全国の自治体で唯一、昨年8月にジビエカーを導入しているという。
(ツキノワグマの子育てを確認:徳島)
絶滅の恐れがある四国のツキノワグマの生息状況を把握するため中国四国地方環境事務所などが行っている2017年の調査で、那賀町の剣山山系に設置したセンサーカメラが親子の姿を捉えた。親子の撮影は2年連続で、「種の保存」が確認された。調査は6~12月に徳島、高知両県にまたがる23カ所に餌を仕掛け、66個のセンサーカメラを置いて実施。ツキノワグマは42回撮影され、少なくとも10頭の個別の個体を確認。那賀町の民有林では親子1組の姿が撮影された。剣山山系に生息するツキノワグマは50頭未満と推計されており、徳島、高知両県のツキノワグマは1991年に「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定されている。中国四国地方環境事務所と四国森林管理局、NPO法人四国自然史科学研究センターが共同で毎年調査している。16年の調査では2組の親子を含む11頭が確認されていた。ツキノワグマの保護活動などを行う「日本クマネットワーク」(東京)も17年8月、これまで生息が確認されていなかった美馬市の山林で、親子かきょうだいの可能性がある2頭のツキノワグマの撮影に成功している。
(カワウ被害防止へ岡山県が初指針:岡山)
岡山県は19日、アユやフナを食べる水鳥カワウによる漁業被害を防ぐための対策指針をまとめた。カワウの生息数の増加を受けて初めて策定。4月から5年間の対策期間中に、ねぐらの数を現在の26カ所から21カ所以下に減らし、営巣や繁殖の抑止に取り組む。県によると、カワウによる漁業被害は1994年ごろから、岡山市の児島湾近くの河川などで確認されている。2016年の県内被害額は約3600万円(前年比17・4%減)と鳥獣による農林水産被害額ではイノシシに次いで2番目に多い。近年は生息域も県北部に拡大し、16年度冬の調査では生息数が3629羽(前年同期比489羽増)、ねぐら数は26カ所(同2カ所増)と増加傾向にある。指針では、カワウが繁殖の準備に入る冬季のねぐら数を22年度までに21カ所以下に減らす。「あらゆる対策を試しながら行うため、5年間で少なくとも5カ所減らすのが目標」と県水産課。県北部を中心とする生息数50羽以下の小規模ねぐらでは、花火による威嚇や樹木にビニールひもを張るといった営巣防止策に取り組む。大規模なねぐらが多い県南部では、営巣防止に向けた追い出しは生息域の分散をかえって助長する恐れがあるため、巣の卵をドライアイスで凍らせたり、偽卵にすり替えたりして繁殖の抑制につなげる。カワウによる漁業被害はアユなどの淡水魚に加え、スズキやママカリといった海水魚で生じている。このため瀬戸内海沿岸に生息するカワウを捕獲し、胃の内容物を調べるなど海水域での実態把握にも努める。この日は県や関係市町村、漁協などでつくる県カワウ対策協議会が岡山市内であり、指針を承認した。県水産課は「これまで県内でカワウ対策を明文化したものがなかった。関係機関の連携を深め、漁業被害を抑制したい」としている。
(3月のガンカモ類生息数、過去最多12万3643羽:宮城)
県が行ったガンカモ類生息調査で、県内のガン類・ハクチョウ類・カモ類が計12万3643羽確認された。県では昭和47年度から生息調査を年3回実施しており、3月分では、平成24年度(25年3月)の11万8876羽を抜いて過去最多となった。専門家によると、20日の時点ではすでに多くが北方に渡ったという。調査は今月8日、県内のガン、ハクチョウ、カモなどの飛来地約500カ所で県職員や県自然保護員、日本雁を保護する会の会員ら103人で実施。生息調査は毎年11、1、3月のほぼ同時期に行われている。今回の調査結果ではカモ類が特に多く確認されており、過去最多の4万5341羽(23年度)を超える7万975羽を確認。ガン類は過去2番目に多い4万9321羽、ハクチョウ類は過去22番目の3347羽だった。昨年3月に比べてガン、ハクチョウ、カモ類はそれぞれ約3万4千羽、約3千羽、約5万1千羽多い。主な確認地は、ガン類では伊豆沼・内沼(登米市・栗原市)が最も多く、2万9038羽。昨年同期2372羽の10倍以上だった。蕪栗沼(大崎市)は1万5971羽(昨年同期は1万1299羽)。ハクチョウ類は昨年同期に確認されなかった江合川(大崎市)で755羽、昨年1羽だけみられた花山ダム(栗原市)では今回567羽だった。カモ類は化女(けじょ)沼(大崎市)で3万8831羽が確認され、昨年同期(604羽)の60倍以上。県自然保護課の担当者は「沼全体をカモが覆うような状態で、沼表面がカモの羽の色で染まっていたと報告を受けた」という。伊豆沼・内沼にいたのは8549羽だった(昨年同期は2233羽)。同課では「寒波の影響で北帰行が遅れていたと思われる」と分析。「宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター」によると、伊豆沼・内沼では、ガン、カモ類は今月10日頃から次々と北に渡り去っており、20日の時点ではガン類はほぼ残っていない状態。カモ類は一部残っており、「今の時期としては、例年より少し多い方」(同センターの職員、高橋佑亮さん)と話している。

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(イノシシ猟からはぐれた猟犬?女児3人にかみつく:徳島)
18日午後3時半ごろ、徳島市上八万町の住宅の敷地に犬1頭が入り込み、この家に住む女児3人に次々とかみついた。小学4年生の女児(10)が両足と右腕をかまれ重傷。6年生の女児(12)と2年生の女児(8)も足などに軽いけがをした。かみついた犬は逃げ出したが、父親が近くにいたもう1頭の犬を取り押さえた。徳島東署によると、2頭は徳島県阿南市加茂町の農業の男性(77)所有の猟犬とみられる。男性はこの日午後1時ごろから、仲間5人と共に猟犬4頭を連れて、徳島市に隣接する同県佐那河内村の山中でイノシシ猟をしていたが、このうち2頭の行方が分からなくなっていた。かみついたとみられる犬はその後、男性のもとに戻ったという。
(猟犬女児襲撃事件、飼い主「猟犬用GPS」装着せず:徳島)
徳島市上八万町の民家で小学生の姉妹3人が猟犬1匹にかまれ重軽傷を負った事故で、3人を襲った猟犬には衛星利用測位システム(GPS)端末が装着されていなかったことが19日、阿南市の飼い主の男性(77)への取材で分かった。犬の居場所を把握するのが遅れ、事故につながった可能性がある。男性によると、かみついた犬は近くの佐那河内村の山中でイノシシ猟をしている途中に行方が分からなくなった。犬には無線を使って大まかに居所を知る発信器を付けていたが、正確な位置はつかめなかったという。男性は「GPS端末を持ってはいるが、使い慣れている無線を多用している」と説明。事故について「人をかんだことはないのだがt…。申し訳ない」と話した。県消費者くらし政策課によると、鳥獣保護管理法に猟犬の管理に関する規定は盛り込まれておらず、猟師の裁量に任せられている。一方、動物愛護管理法などでは狩猟後、猟犬を速やかに確保することが義務付けられており、県や県猟友会はGPS端末の装着を推奨している。県は20日、県内44地区の猟友会会長を集めた緊急会議を開き、再発防止を呼び掛ける。事故は18日午後3時半ごろに発生。狩猟の途中ではぐれた2匹のうちの1匹が民家敷地内に入って3人にかみつき、次女(10)が両脚などに重傷を負った。
(シカ捕獲19頭、上限大きく下回る:奈良)
奈良市東部での農作物の被害防止を目的に県が昨年7月末から初めて取り組んでいた国天然記念物「奈良のシカ」の今年度の捕獲実績が19頭となったことが、県への取材で分かった。わなの設置が15日で終了した。県は国に天然記念物の現状変更の許可を申請し、今年度は120頭を上限に捕獲が認められていたが、この数字は大きく下回った。県は来年度も捕獲を続ける方針。専門家らでつくる検討委員会を22日に同市内で開き、手法や時期など今後の捕獲のあり方について協議する。県奈良公園室によると、捕獲は同市郊外にある田原と東里の2地区で行った。箱わなを使い、田原で8頭(雄5、雌3)、東里で11頭(雄9、雌2)を捕らえた。同室は「国へ許可申請する来年度の捕獲上限数は専門家らの意見を聞いて検討したい」としている。
(ドローン赤外線撮影、夜間の生態把握でイノシシ「駆除」:福島)
日大工学部は19日、葛尾村で実施した小型無人機「ドローン」を使ったイノシシ生態調査について、村関係者に報告した。村は調査を基にイノシシの活動を把握し、わなの設定など効率的な駆除につなげる考え。村と日大工学部は昨年9月、ドローンを活用した復興まちづくり協定を締結。村では営農再開に向け、イノシシ対策が課題となっていることから、工学部はドローン事業を展開するアルサ(郡山市)と連携、村内で調査を進めていた。報告会は村役場で行われ、赤外線カメラ付きのドローンで撮影した夜間のイノシシの映像を披露。アルサの鹿又将征社長によると、日中だと森林や土にまぎれてイノシシの動きが分かりにくいため、赤外線カメラの方が行動を把握しやすいという。出村克宣同学部長は「調査を継続し、イノシシのルートマップ製作につなげたい」と話した。
(県が市町村にクマの捕獲権限を移譲へ:秋田)
県内では今年度、クマによる人への被害、捕獲頭数、それに目撃件数がいずれも過去最多となっています。そうした状況を踏まえて、県はこれまで県の許可が必要とされてきたクマの有害捕獲に関して、緊急時の迅速な対応に繋げるため来年度からは各市町村に捕獲権限を移すことを決めました。県は去年、5か年の管理事業計画を策定し、ツキノワグマによる人的被害や農作物の被害防止を進めてきました。しかし、今年度はこれまでクマによる人への被害が20件、目撃件数が1302件、捕獲頭数が830頭といずれも過去最多となっています。そうした状況を踏まえて県は、これまで県の許可が必要とされてきたクマの有害捕獲に関して、市街地や集落に出没した際など、一定の条件を満たした場合に、捕獲権限を市町村に移譲することとしました。また県は、クマによる被害状況や目撃件数などをもとに地域を区分けして、対策や管理を進める「ゾーニング」を新たに導入することを決めました。来年度は、県内6つの地域をモデルとした上で、専門家を派遣して調査を進め、緩衝帯や電気柵の設置など、必要な対策を講じていくことにしています。県は来年度の予算に、ゾーニングを含めたクマ被害防止対策に4200万円余りを盛り込んでいて、被害の未然防止に向けた対策をさらに強化していく考えです。
(ブナ豊凶、クマ駆除数と相関:秋田)
年によってクマが大量出没する現象には木の実のなり具合が関係している、といわれてきた。クマが人里に下りてくるのは山に木の実が少ないからだという説明で、中でも、ブナはその代表格だ。クマが好んで実を食べるブナやミズナラ、コナラ、クリなどの樹木は、毎年同じように結実するわけではない。大量に実をつける「豊作」や、ほとんど実をつけない「凶作」、実の少ない「並作」や「不作」を周期的に繰り返す。ブナの場合、豊作の年は5~7年前後の間に1度だけ。この周期はかなり広い範囲で同調するため、ある地域のブナがある年に一斉に大量の実をつけるという現象が起きる。
(カラス対策など動画マニュアルで紹介:茨城)
農研機構は3月15日、パンフレット「農研機構の鳥害対策増補改訂版」を発行した。このパンフレットは、増補改訂前から紹介している果樹園のカラス対策「くぐれんテグス君」と「防鳥網の簡易設置技術」に加え、畑のカラス対策「畑作テグス君」、高さ3.5mの果樹対応の防鳥網の簡易設置技術「らくらく設置3.5」の合計4つの技術をわかりやすく紹介している。また「らくらく設置3.5」では、新たに動画マニュアルも作成し公開した。パンフレットでは、これまでの版に発展型の2つの技術を加えた4技術を紹介することで、対応できるほ場や作物の範囲を拡げるとともに、表紙には加害鳥種と対象作物を視覚的に明示した適用表を配することで、生産者のほ場で使える技術を選択しやすくしているのが特長だ。パンフレットは農林水産省の各地方農政局、都道府県を通じて、地域の鳥獣害担当部署に配布するほか直接送付も行う。
(射撃場問題、伊万里市議会:佐賀)
伊万里市議会の一般質問は12~14日の3日間で15人が登壇し、大川内町にある市営散弾銃射撃場の鉛汚染問題について考えをただした。射撃場一帯には市の推計で57トンの鉛弾が堆積しており、環境対策の方針を有識者や市幹部でつくる検討委員会で決めている。委員会の構成メンバーについて、現委員と異なる意見を持つ有識者や地元住民も加えて議論の幅を広げるべきと指摘があった。緒方俊夫教育部長は「(現委員は)九州では有数の研究者と認識しており、新たな有識者を加える考えはない。地元住民の参加に関しては、委員の有識者との意見交換会を開くなどして対応したい」とした。塚部芳和市長は「さまざまな意見があることは承知している。その人たちとも情報交換をしながら、解決に向けて一歩でも前に進めたい」と答えた。
(クマ目線で共存考える:福井)
福井市下馬町の県立図書館で18日、講演会「クマ目線で考える人とクマとの付き合い方」があった。冬眠明けのクマが出没する時季に合わせ、県自然保護センターが企画。講師を務めた茨城県自然博物館学芸員の後藤優介さん(36)がクマに取り付けたカメラで撮影した動画を基に、生態を詳しく説明した。
(ジビエPRへ:静岡)
浜松市天竜区産ジビエ(野生鳥獣肉)の魅力を伝える「天竜ジビエフェス」が四月十五日、中区佐鳴台のサーラプラザ佐鳴台で開かれる。ジビエを題材にしたセミナーのほか、ジビエを扱う各店が料理を提供する。ジビエの消費促進につなげようと、市内の提供店の代表ら有志でつくる天竜ジビエフェスプロジェクトが昨年秋に続いて企画した。セミナーは天竜区春野町のジビエ解体加工施設代表の天野進さん(午後一時~)、西部猟友会森町分会の白沢慶さん(同二時半~)が講師で、解体加工や狩猟の現状について話す。参加費は各回五百円で予約優先。会場では市内の五店舗が店ごとにジビエのサンド、シチュー、クッパなどの特色ある料理を売りだす。シカの革を活用したレザークラフトの販売や制作体験などもある。浜松市天竜区春野町の茶生産者や商工観光関係者らでつくる「春野町美しい茶園でつながるプロジェクト推進協議会」は、市内で天竜産のジビエを味わえる店をPRする小冊子を作った。春野町では二年前、市が市内初の本格的なジビエ解体加工施設「ジミート」を開所。地域で捕獲されたイノシシやシカの肉を食材に活用し、徐々に提供店を増やしている。茶と並ぶ春野の特産として売り込もうと、ジミートから肉を仕入れる六店を掲載した。ジビエの肉詰め油揚げを載せたそばを提供する春野町のそば店「まるなる」、前菜からメインまでジビエづくしのコースが味わえる同区船明のフランス料理店「船明荘」などを紹介している。小冊子はA4判七ページ。市内の公共施設などに配布した。
(「灰干し肉」を特産品に:熊本)
シカやイノシシの肉を火山灰で包んで作る乾物「灰干し肉」を地域の特産にしようと、熊本県南阿蘇村で試食会が開かれた。灰干しすると肉の臭みが消えてうま味が凝縮されるといい、新燃岳(しんもえだけ)や桜島の灰を使った干し肉を食べ比べた。豪雨や地震、火山噴火と災害が相次いだ阿蘇。野生鳥獣肉(ジビエ)料理の人気にもあやかり「地域資源を生かして復興の起爆剤に」と関係者は意気込む。2011年の新燃岳噴火以降、一足先に商品化に成功した宮崎県高原町の先達も出席し「火山灰も害獣もやっかいだが、マイナス同士を掛け合わせればプラスになる」とアドバイス。
(ジビエ料理の提供店舗が増加:神奈川)
小田原から湯河原地域でシカやイノシシなどのジビエ料理を提供する店舗が増え注目を集めている。農産物の生産が盛んな西湘地域。農園や畑に出没し、畑を荒らしてしまう有害鳥獣を捕獲し、地域で消費しようという動きがことの始まり。日本料理、フレンチ、イタリアンなど幅広く使うことができ、味の評価も良いことから普及を始めている。シカは牛よりも臭いがなくローストにすると柔らかな口当たりになる。イノシシは、脂がおいしく、焼くとナッツや麝香(じゃこう)の香りがすると好む人も多く、夏は煮込み料理などに向いていると人気がある。ジビエ料理が普及する背景には、湯河原の隣の熱海市泉地区に野生動物解体処理施設「山の恵(めぐみ)」の稼働が上げられる。この施設が動き出したことで、新鮮でリーズナブルな価格でジビエの素材入手が可能となった。箱根と湯河原で店舗を運営する安藤涼子さんは「ジビエ料理を提供する店舗が増えることで、調理手法や料理のアピール手法などが切磋琢磨(せっさたくま)されレベルが上がってきている。既にジビエ料理を味わうために来る人も現れている。ジビエ料理が定着することで観光の目玉になればうれしい」と話す。
(脂も毛もイノシシ活用)
捕獲したイノシシの、食べるだけではない利用が広がっている。縁起物とされるたてがみのお守りや、脂肪を使った保湿クリームを作り化粧品原料としての供給も目指す。厄介者のイノシシが宝に変わる?愛知県豊田市の竹尾博史さん(59)は、たてがみを使ったお守り「しし神守り」を考案した。毛先が枝分かれして広がっていることから、一部地域では昔から末広がりで縁起が良いとされている。亥(い)年の2019年を前に、他団体と商品化、販売する計画だ。竹尾さんは三州しし森社中の代表として、解体加工処理施設で出る鹿の角やイノシシの牙、毛皮で雑貨やアクセサリーを制作、販売している。商品開発を進める中、県外の複数地域でイノシシの毛は縁起が良いとの言い伝えがあると知り、お守りを考案した。毛先の広がりが見えるよう和紙に載せ、ラミネート加工。財布などに入れやすいようにした。密教では亥年生まれの「守り本尊」が阿弥陀如来とされることから、該当する梵字(ぼんじ)のスタンプも押した。御利益の説明カードも添付。毛が末広がりであることに加え、切れにくく丈夫で「金や縁が切れない」とされ、多産で子宝祈願になるとされることなどをまとめた。商品を改良し、今年中の発売を目指す。「この商品で、鳥獣害について考えるきっかけをつくりたい。神社や寺など、多くの人が集まる場所での販売が目標」と意気込む。馬油など動物性油脂を原料に化粧品を製造、販売する忠兼総本社(佐賀市)は、国産イノシシ脂100%の保湿オイル「ぼたん油」を発売した。県内でイノシシ被害が多いことを知り、「捕獲された個体を有効利用できないか」と考え開発した。原料は、食用にならず廃棄されることの多い内臓脂肪が中心。買い取り価格は部位にもよるが、内臓脂肪は1キロ100円程度だ。肉に血が回り食用に向かない個体でも、脂肪分は利用できる。同社による成分分析では、イノシシの脂身は馬など他の動物に比べ脂肪酸が人間に近い組成であることが判明。人の肌に浸透しやすく高い保湿効果が見込まれるという。「ぼたん油」は70ミリリットルの瓶入り。売れ行きは好調だが、課題は仕入れという。認知度が低く原料を供給する猟師が少ないため、全国の狩猟関係者に供給を募っている。百田忠兼社長は「費用を払って廃棄していたものに価格が付く。猟師の新たな収益源として定着するとうれしい」と話す。イノシシ油を化粧品原料として供給するには、成分を表示するための国際名称「INCI名」の登録が必要。同社は今年、INCI名を管轄する米国化粧品工業会に申請した。年内に登録される見込みで、国内だけでなく海外にも国産品として売り込みをかける計画だ。

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