<射撃ニュース4月>
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(原爆ドーム前にイノシシ出没:広島)
25日午前、広島市内でイノシシが見つかった。イノシシはその後、中心部にまで逃走し、約3時間半の大捕物となった。ケガ人などはいないという。25日昼前、川を泳ぐ1頭のイノシシ。その後、階段を駆け上がると一目散に走り去っていった。場所は、広島市の原爆ドーム前を流れる元安川。イノシシの目撃情報が入ったのは午前9時半ごろで、住宅地から中心部へと逃走してきた。目撃者「ここを猪突(ちょとつ)猛進で、ダーン!!」イノシシは午後1時すぎ、広島城の堀を泳いでいるのが見つかった。駆けつけた広島市の職員に麻酔銃をうたれたイノシシは、ぐったりしたところを捕獲された。イノシシは体長は約1メートル、体重50キロで、ケガをした人などはいないという。

(イノシシ捕獲隊、駆除を推進:福島)
東京電力福島第1原発事故に伴い全町避難が続く双葉町は5月末にも、避難指示解除準備区域内でイノシシを駆除する捕獲隊を新たに編成する。原発事故前まで町内で有害鳥獣の駆除を担っていた猟友会員らがメンバーとなり、イノシシの駆除を推進し、一時帰宅などで町に立ち入る町民らの安全を確保する。25日にいわき市で開かれた双葉町行政区長会で示された。昨年度までは、町から委託を受けた業者が避難指示解除準備区域のイノシシを捕獲。箱わなの設置数の増加により、帰還困難区域を含むイノシシの捕獲数は毎年増えているが、家屋や田畑などを荒らされる被害が依然として相次いでおり、対策の強化が急務となっている。現在の捕獲隊の人数は、県内外に避難する町民5人。町内の地理やイノシシの習性などに精通した町民がメンバーとなることで、より効率的、効果的にイノシシを捕獲する狙いだ。早期の活動開始を目指し、今後、組織体制や活動日程などの詳細を協議する。さらに町は、被害実態やイノシシの行動を把握する痕跡の調査なども実施する予定。イノシシの餌となる庭先のカキの木の枝を切り落とす対策にも試験的に取り組む。また帰還困難区域内では、環境省が引き続きイノシシやアライグマなどの野生鳥獣を捕獲する。本年度は箱わなの数を倍増する計画で、イノシシ用約100台、アライグマ用約70台が町内の同区域に設置される。

(ニホンジカの侵入防げ、わな作動開始:青森)
本県と秋田県にまたがる世界自然遺産・白神山地の遺産地域へのニホンジカ侵入を防ごうと、林野庁東北森林管理局は25日、今年もシカを捕獲、データ収集するするための小型囲いわなの作動を開始した。本県側では、同局津軽白神森林生態系保全センターの職員が深浦町の国有林内で、わなを作動させるための作業を行った。わなを作動するのは今年で3年目。捕獲したシカは歯や内臓を調べ、DNAデータを採取するほか、年齢や健康状態、食べ物、どこから来たのかを探るとともに、本格的な捕獲に向けた可能性を検証する。

(クマ1頭目撃:島根)
22日午後1時10分ごろ、松江市東出雲町上意東の本谷中組集会所の北側付近で、クマ1頭が歩いているのを付近住民が目撃した。松江市が23日発表した。市は近くの道路5カ所に看板を設置し、注意を呼びかけている。クマは体長約1メートルで、道路脇の山へ入っていったという。地元猟友会メンバーらは23日、延べ12人でクマを捜索したが発見できなかった。

(クマ出没、注意報発令:秋田)
秋田県は23日、ツキノワグマの目撃件数が例年以上のペースで続いていることや、今年初の人身事故が発生したことを受け、ツキノワグマ出没に関する注意報を発令した。発令期間は7月15日まで。間もなく大型連休に入ることから、県自然保護課は「山菜採りなどで山に入る機会が増えるが、必ず単独ではなく複数で行動してほしい」と注意を呼び掛けている。同課によると、今月1~22日の目撃件数は20件で、6件だった前年同期の3倍超。22日には北秋田市内の山林で市内の男性がクマに襲われ重傷を負った。県は基準に当たるとして注意報を出した。昨年は5月9日に注意報を発令。仙北市田沢湖玉川で山菜採りに来た女性がクマに襲われて死亡する事故が起きたため、警報に格上げした。昨年の警報は12月20日まで継続した。

(木の実不作、クマ大量出没の恐れ:福井)
クマに襲われる被害を防ごうと、福井県勝山市の熊対策連絡協議会が4月26日、同市役所で開かれた。今年は4年に1度の山の木の実が実らない年に当たり、関係者から「秋以降、クマの大量出没につながる恐れがある」と警戒を呼び掛ける報告があった。同市によると、昨年度の市内のクマ出没件数は8件で人身被害はなく県内自治体の中でも少なかった。奥越地方の出没件数では2014年度が334件と突出して多く、以降は30件前後と低く推移している。クマのエサとなるブナ、ミズナラ、クヌギの木の実はそれぞれの周期で不作の年があり、4年ごとに一致するとされる。同協議会事務局の市林業振興課によると、06年度、10年度にも県内でクマが大量出没しており「木の実の不作年とクマの大量出没年は重なっている」との認識だ。大量出没した14年度から4年が経過し、会合では県猟友会勝山支部から「今秋は、かなりクマが出没するのではないか」との見解が出された。事務局からは「木の実の付き具合が8月の調査で分かる。クマの大量出没があるのか予想できる」との報告があった。これから山菜採りのシーズンを迎え、出席者からは鈴などのクマよけについて「音で逃げるクマとその場に隠れるクマは半々の割合でいる。音を鳴らしているからといって安心するのは危険」との指摘もあった。

(クマと遭遇に注意を、山菜採りに呼び掛け:青森)
県自然保護課などは26日、弘前市百沢の岩木総合公園近くの県道で、遭難防止とクマ被害防止のための広報活動を行った。山菜採りなどで入山者が増えるこれからのシーズンに向け、参加者は安全な行動の周知に努めた。県警地域課の坪田彰地域安全係長は「昨年は、山で道に迷って遭難した人が多かった。早めの下山と、無理をしないことを心掛けてもらいたい」と話した。

(カラスの巣が原因、3516戸で停電:宮城)
仙台市太白区と若林区で25日朝、電柱にあったカラスの巣が原因で電線が焼け、停電が相次いだ。仙台南署によると、太白区袋原4丁目で午前4時45分ごろ、若林区上飯田2丁目で午前5時55分ごろ、それぞれ電線が焦げるなどした。東北電力宮城支店によると、この影響で太白区と若林区の計3516戸が停電し、いずれも約1時間半後に復旧した。同支店などは、電柱の上にできたカラスの巣が電線に接触して漏電したため、出火し停電したとみている。若林区内の国道4号など計7カ所で信号が停止し、南署員が交通整理に当たった。信号は午前7時10分ごろ、全面復旧した。

(カラスの巣が原因、700戸停電:新潟)
24日午後2時すぎ、新潟市江南区天野などで延べ736戸が停電し、午後3時すぎに復旧した。カラスの巣が高圧線に接触したことが原因とみられる。

(鹿のわな、山の仕事で見回りを:長野)
中部森林管理局(長野市)は23日、山林や田畑などで食害や踏み荒らしの問題を起こしているニホンジカへの対策として、造林や治山などの事業で国有林内に入る請負業者に、わなの見回りなどをしてもらうことを試行すると発表した。これまで委託した猟友会員らが見回れる範囲でわなを仕掛けていたが、頻繁に山に入る業者に作業中や現場までの移動中に見回ってもらうことで、わなを仕掛ける範囲を広げたい考えだ。同管理局管内の長野、富山、岐阜、愛知各県の国有林では、職員や委託した猟友会員らが鹿対策で「くくりわな」などを仕掛けている。2016年度は15年度比816頭増の3422頭を捕獲した。ただ、鹿の生息域か不確かだったり、山奥や見回りが難しかったりする場所は、わなを仕掛けていなかった。18年度からは、請負業者の協力を得られる場合、猟友会員が作業現場付近などにわなを仕掛け、日常の見回りは業者が実施。鹿が掛かっていた場合、猟友会員に連絡し、捕獲してもらう。業者に狩猟免許を持つ人がいる場合は、わなの設置なども直接行ってもらう。市町村への捕獲許可申請や猟友会との調整は各森林管理署が担う。協力業者には、19年度以降の森林事業の入札での優遇なども検討する。今後、各種会合や事業の契約時などに、業者側に協力を依頼。一定の効果があれば、19年度以降に本格実施し、他の森林管理局にも情報提供する。中部森林管理局の宮沢俊輔局長は「鹿の捕獲に向け、攻めていく場所を広げたい。地域で(山林に携わる人の)スクラムが組めるといい」と話した。

(2017年度鳥獣被害対策、優良活動表彰:広島)
広島県福山市の中心部から北西約10キロにある芦田町福田割石地区。この地区で発足した鳥獣被害対策協議会は、地道な周辺環境整備などで、イノシシの被害を激減させている。同地区は230戸、870人ほどの人口を抱え、住宅地が多い地域。年々イノシシによる被害が増加し、2013年には地区全体で31戸での被害が発生。農産物被害は約210万円に及んだ。自身も鳥獣被害を受けていた國頭敬市さん(68)は、イノシシが増えれば、地域の安全が守られず、子供・女性・高齢者などへの被害が出る可能性があることを一戸ずつ説明し、対策の必要性を訴えた。その結果、同地区の68%にもなる157戸が入会し、國頭さんが代表を務める芦田町福田割石地区鳥獣被害対策協議会が発足した。

(飛騨猟友会射撃場新築を青木組で:岐阜)
飛騨猟友会(高山市西之一色町3ノ1000、中村慈代表理事)の飛騨猟友会射撃場新築を青木組(高山市)が造成と施設一括で受注し、着工した。10月31日の完成を目指す。開発面積は、9・8㌶。

(鳥インフル監視指定を解除:兵庫)
兵庫県は25日、伊丹市の昆陽池(こやいけ)公園で見つかったカラスの死骸から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N6型)が検出された問題で、回収地点から半径10キロの野鳥監視重点区域の指定について、環境省が同日午前0時に解除したと発表した。

(ハンターは減りすぎたのか、獣害問題の統計に操作疑惑)
毎年、タケノコを掘っている山に行くと、見るも無残だった。一面穴だらけなのだ。そして食い散らかしたタケノコの残骸が落ちている。イノシシだ。やられた~とため息が出る。被害はタケノコだけでなく、地面を掘り起こしているので自然破壊的である。日本列島で獣害が蔓延している。その理由は、野生動物が増えたことだ。なぜ増えたのかと言えば、動物を狩るハンターの減少したことが指摘されている。それを示す統計も紹介されている。たとえば農水省のHPには、イノシシやシカの生息数が80年代の5倍以上に増えていること、一方で狩猟免許の所持者数は、1975年には51万8000人だったが、1990年には29万人、2014年は19万4000人と急減していること……などが紹介されている。だが以前も、ハンター数と駆除数は連動しないことを紹介した。もう一つ疑問が出てきた。こうした統計では、たいてい1970年代から現代に至るまでの間しか示されていないことにちょっと引っかかった。たかだか戦後50年程度で生息数やハンターの推移がかわるだろうか。そこでもっと古い資料を探した。すると意外な状況が浮かび上がる。まず江戸時代は、今以上に獣害が苛烈を極めていたようだ。さすがに生息数の統計はないが、各種の古文書には田畑の6割を獣に荒らされたとか、年貢の支払いができなくなった……といった記述が各所に出てくるのだ。江戸時代は、鉄砲を武士より農民の方が多く持っていたというのも驚きだ。もちろん駆除のためである。昔は人と野生動物が共生していた、わけでは決してないのだ。ところが明治から昭和にかけて、多くの動物が激減する。そのためシカやカモシカの保護策が講じられたほどだ。たとえばエゾシカは1877年に猟の一部規制、1890年に全面禁猟措置がとられた。ニホンジカは一歳以下の捕獲禁止措置がとられた。戦後も長くメスジカは狩猟獣から外されていた。カモシカにいたっては絶滅を心配されて特別天然記念物に指定されるほどだった。野生動物の生息数を長いスパンで見ると、U字を描くようだ。江戸時代は多かったものの、明治・大正・昭和初期と減少を続ける。ところが1980年代から増加に転じている。それを折れ線グラフにするとU字になるのだ。言い換えると1970年代はもっとも生息数が少ない時期だった。その頃と現代を比べたらこんなに増えている! というのはフェアではない。それを異常というより明治以前の状態にもどったと見るべきだろう。一方で狩猟者数の統計も、歴史上もっとも数が多かったのも1970年前後のようで、それ以前はかなり少ない。1950年代は12,3万人なのだ。戦前は10万人を切っていた時期もあるという。こちらをグラフにすると逆U字、山形だろうか。現在も20万人近くいることを考えると、必ずしも減りすぎたとは言えない。ましてや少ないハンターでも多くの駆除を行えているのだ。では、なぜ明治から昭和にかけて野生動物は少なくなったのだろうか。原因として考えられるのは、やはり明治になって高性能の銃が導入されて駆除が進んだことがある。そして毛皮需要が高まったことも外せない。毛皮は、欧米への輸出商品として人気だったうえに軍事物資としても重要で、捕獲が奨励された。1880年代に軍用の毛皮を調達するための制度がつくられている。全国に猟友会が結成されたのも、その一環としての国策だったのである。おかげで毛皮となる野生動物が先を争うように捕獲され、それでも足りずにキツネやウサギ、ミンク、ヌートリアなどが養殖されるようになった。それが現在の外来種問題までつながっている。また山野の荒廃が野生動物の生息を厳しくした面もある。幕府や藩が定めた禁伐令が撤廃されて、森林の伐採が猛烈に進んだ。その結果、日本全土にはげ山が広がったのである。そのため棲家が奪われて数を減少させたことが想像できる。とすると、現在の獣害問題は保護策が稔って野生動物が増加した証拠と言えなくもない。増えたことは異常ではなく、ようやく江戸時代と同じ程度までもどったとも言える。統計のスパンをちょっと変えるだけで、日本の自然の姿をまったく違って見せてしまう。もちろん、だから獣害なんて気にするな、というわけではない。ただ対策を取る場合に基礎的な認識となるべき日本の自然状況を把握しておかねば、間違った施策を採りかねない。加えて世間に誤解を招きかねない。今回の統計の示し方も、シカやイノシシが異常に増えていることを印象づけようと恣意的に操作したかのように感じてしまう。もっと真摯に向き合うべきだろう。

(STOPイノシシ、青色で警戒させて食害防ぐ)
被害金額51億円、被害面積8200ヘクタール。北海道と青森、秋田両県を除く全都府県で平成28年度に発生したイノシシによる農作物被害の統計だ。高齢化が進む中山間地域では、農業断念の引き金にもなっている。国も頭を痛める獣害だが、その軽減に一役買いそうな研究が群馬県沼田市の高校で進んでいる。担い手が女子生徒たちなのも驚きだ。コストはかからず、設置に体力も要さない。イノシシの色彩認識の特性に着目した農地の侵略防衛策は、生徒間での10年にわたる研究のバトンリレーの成果なのだ。群馬県立利根実業高校を訪ねると生物生産科教諭で農場長の小林勝さんが迎えてくれた。同行してくれた3年生の我妻園華さんと高山七星さんは、イノシシよけの課題に取り組む生物資源研究部のメンバーだ。小林先生によると、部員たちの同校演習林での研究は、平成20年に始まったということだ。車で到着した演習林は赤城山の北西山麓。標高約700メートルで、ニホンジカ、ツキノワグマ、カモシカなども現れる。研究の現場には3つの実験区画があった。2つの区画は1メートル角ほどで意外に小さい。4本の支柱が地面に立てられ、地上30センチの高さに張ったロープに、園芸用の樹脂製小型ポットが20個ほど首飾りのように連ねられている。ポットの色は、赤と青。区画の柵の内側にサツマイモを置いておく。赤色ポット柵内のイモはイノシシに食べられるが、青色ポット柵内のイモは荒らされない。警戒する様子が無人観察カメラに記録されている。この比較実験は、27年1月に始まったが、青色ポット柵は、現在まで3年以上、イノシシの成獣の侵入を許していない。イノシシは青色を警戒して避けているのだ。生物資源研究部の取り組みで、青色が着目されたきっかけを高山さんと我妻さんが教えてくれた。「畜産の授業でブタの色覚を学んだことで、同類のイノシシも青系の色彩しか認識できないのでは、となったのです」。その仮説と侵入防護効果を確認する実験は、点滅する青色ダイオードを導入した3つ目の区画でも継続中だ。水田でも成功している。イノシシの被害を受けていた水田に、青色ポットと軍手を多数取り付けたロープを張ったところ、3年連続で侵入を防いでいる。軍手が揺れることも効果的らしい。生徒たちは毎年、稲の収穫後に防護ロープを回収している。イノシシが青色ポットに慣れないようにするための気配りだ。小林先生によると、生徒が工夫したイノシシの侵入防護装置は、青色ポットも軍手もロープも使用済みの農業廃棄物。軽量かつ単純な構造なので、設置も他所への移動もたやすい。防獣フェンスや電気柵の効果は大きいが、傾斜地への設置は労力を要し、電気柵では下草刈りが大変だ。併用を含めて、青色ポット柵の出番が増えそうだ。生物資源研究部では、青色ポットの効果に到達するまでに、他のイノシシ撃退方法も調べている。トウガラシの辛み成分のカプサイシンの散布には短期的な効果があったが、トウガラシそのものを並べる方法ではだめだった。大きな音も怖がらないし、オオカミの排泄(はいせつ)物の臭いも気にしないらしい。生徒たちは、日本哺乳類学会などで発表しつつ、専門家からアドバイスを受けるとともに、技術普及の情報発信にも努めている。青色ポットのロープを地上30センチに渡すのは、イノシシの目線に合わせるノウハウだ。ブルーシートを利用する農家も現れた。シカやクマへの効果はないものの、全獣類被害金額の37%を占めるイノシシの侵入防止策の登場は、朗報だ。高校生の頑張りが日本を元気にしてくれる。

(鹿肉カレー、試食会:兵庫)
吉備国際大農学部が狩猟で捕獲した野生の鹿肉を用いたジビエカレーを開発し、25日、同大南あわじ志知キャンパス(南あわじ市)で市民らを対象にした試食会があった。鹿肉に淡路島特産のタマネギなどを加えた特製品で、夏以降の商品化を目指す。南あわじ市では鹿やイノシシによる作物被害が増加。2014年に農学部の学生たちが狩猟サークルを発足させ、わな猟免許を取って捕獲に乗り出し、ヘルシーな鹿肉を有効利用する方法を探ってきた。昨年、食品化学加工学ゼミの学生が、鹿肉を使ったカレーの商品化を提案。狩猟サークルの学生たちが、ゼミの学生が考えたレシピを基に取り組んできた。試作品はデミグラスソースに10種類以上の香辛料、調味料を加えて仕上げた。試食会では市民や教員、学生らから味や辛さ、鹿肉の大きさ、においなどについてアンケートを取った。農学部醸造学科の金沢功助教(32)は「学生が捕獲した鹿の肉と、学校の農場で学生が収穫するタマネギを使って商品にしたい」と意気込みを見せた。

(イノシシ肉ランチにどうぞ:島根)
美郷町長藤の道の駅グリーンロード大和の「カフェ グリーンロード」が28日から、同町特産のイノシシ肉「おおち山くじら」を使った新ランチメニューを提供する。ステーキやハンバーグ、カレーなど7種類で、関係者は「特産の肉をたっぷりと味わってほしい」と来店を呼び掛けている。おおち山くじらは、野生のイノシシを生きたまま町内の専用施設に搬送し、処理した高い品質のイノシシ肉。同町によると、牛肉や豚肉に比べて高タンパクで低カロリーという。新メニューは、特産肉の普及に取り組む町から提案を受け、2月に検討を始めた。商品開発の専門家の協力を得てレシピを作り、試作するなどして決定した。看板メニューは、やわらかな食感とスパイシーな味わいが特徴の「おおち山くじらマリネードステーキ」(1100円)と、イノシシ肉100%のひき肉にタマネギやニンジンを加えたボリューム満点の「おおち山くじらハンバーグ」(850円)。ともにご飯とみそ汁、サラダ付きで提供する。他に「おおち山くじら丼」(みそ汁とサラダ付き750円)や「おおち山くじらカレー」(スープとサラダ付き千円)などがある。提供開始がゴールデンウイーク初日ということもあり、カフェを運営する合同会社「だいわもんど」の吉田晃司代表社員(79)は「町民をはじめ、帰省客や隣接する広島県の人たちにも食べてほしい。この味を求めて来町してもらえるような人気メニューになればうれしい」と話した。

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(山菜採りの男性クマにかまれる:宮城)
21日午前7時ごろ、宮城県色麻町平沢の山中で、山菜採りをしていた仙台市青葉区の会社役員男性(68)がクマにかまれ、右足にけがをした。出血したものの、命に別条はないという。加美署によると、クマは体長約1メートル。現場は平沢交流センター「かっぱのゆ」の南西約500メートルの山中。一緒にいた知人4人にけがはなかった。県によると、クマによる人身被害は本年度初で、出没件数は9件目になった。県自然保護課は「冬眠から覚めたクマが餌を求めて活動を始める時期。十分注意してほしい」と呼び掛けている。

(クマに襲われ猟友会の男性けが:山形)
21日午後4時45分ごろ、山形県西川町大井沢、地元猟友会会員の無職鈴木嘉則さん(58)が自宅近くの山林で体長約1.8メートルのクマにかまれ、顔や手など約20カ所にけがをした。寒河江署などによると、鈴木さんが駆除のため発砲後、クマに襲われた。鈴木さんは県防災ヘリで救助され、意識はあるという。

(クマに襲われ男性けが:秋田)
22日午後3時10分ごろ、秋田県北秋田市七日市の山林で、地元猟友会の男性(79)がクマに襲われ、頭や顔にけがを負った。2週間の入院が必要という。23日朝に北秋田署に届け出があった。県内のクマによる人身被害は今年初。

(活発化するヒグマ注意、山菜採り男性けが:北海道)
道南に生息するクマが冬眠から目覚め始め、活動を活発化させている。函館市鉄山町の山林では20日、山菜採りの男性(66)がクマに襲われ、頭を10針縫うなどの大けがを負った。今年に入り道内でクマに襲われ負傷者が出たのは初めてで、道南では2014年4月にせたな町で当時40代の女性が被害に遭って以来になる。春先はクマの餌場と山菜採りスポットが重なり、遭遇する危険性が高い。専門家や道警は、単独で山奥に入るのを避けるよう呼び掛けている。「見回り中も林道には車がぽつぽつとあった。この時期に山菜採りをする人は相当多い」。20日夕~22日、男性を襲ったクマを探して山林に入った北海道猟友会新函館支部の水島隆支部長は不安を口にする。クマは山菜を含む新芽や若い草を食べる。雪のない山林ではクマの足跡を見つけにくく、発見は難しい。水島支部長は「(クマに出くわす可能性が高い)山奥に入るのはやめたほうがいい」と忠告する。函館中央署によると、男性は20日午後2時ごろ、1人で入山し、同4時ごろに約150メートル入った場所で2頭のクマと遭遇、うち1頭から襲われた。クマよけの爆竹は入山時に鳴らしただけ。崖から落ちたことで逃げ延びたという。

(クレー射撃W杯、中山・木吉は予選敗退)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は23日、韓国の昌原で女子トラップが行われ、中山由起枝(日立建機)は予選7位で、上位6人による決勝に進めなかった。木吉りよ(大阪府協会)は41位だった。

(カモシカ市街地疾走、捕獲用網からするりと逃走:宮城)
20日午前11時すぎ、宮城県登米市迫町佐沼の市街地にカモシカがいると、佐沼署などに通報があった。署員や市職員が駆け付けたところ、体長1メートル超のカモシカ1匹が雑木林に潜んでいた。近くに保育施設などがあるため、同署や市が周囲に警戒を呼び掛ける一方で捕獲を試みたがカモシカは逃げた。けが人はなかった。付近住民によると、捕獲用の網や刺股を持った署員と市職員約10人が、カモシカのいる雑木林を取り囲み、約1時間ほどにらみ合いが続いた。追い詰められたカモシカは突然走りだして一時は網の中に入ったものの、するりと逃げ出し姿が見えなくなった。近くの佐沼明星子ども園(園児87人)の佐野秀道園長は「こんな市街地にカモシカが出るなんて驚いた。子どもたちに被害がなくて良かった」と話した。現場は市迫図書館や商工会などがある住宅地。

(町道にクマ:北海道)
22日午前11時ごろ、せたな町大成区宮野の町道を横断して北側の山林に立ち去るクマ1頭を、運転中の女性が目撃し、せたな署宮野駐在所に届け出た。同署によると、現場は秘湯で知られる町営日帰り温泉「湯とぴあ臼別」への一本道で、温泉から約3キロ、人家から約250メートル離れている。同署への通報はこれが今季初で、警戒を呼びかけている。

(市道にクマ:福島)
21日午後7時ごろ、福島市飯坂町の市道でクマ1頭を目撃したと、乗用車を運転していた男性から、市役所を通じて福島北署に通報があった。けが人はいなかった。同署によると、男性が目撃したのは同日午後4時ごろで、クマの体長は約1メートル。市道を横切って北側の山林に入っていったという。同署が周辺をパトロールして注意を呼び掛けている。

(クマの目撃情報相次ぐ:群馬)
21日午前9時半ごろ、前橋市富士見町時沢の草むらにクマが1頭いるのを近くに住む男性が見つけ、110番通報した。同日午後4時ごろには同地区の時中会館付近にいた痕跡があるとの情報が寄せられた。被害は確認されていないが、群馬県警前橋署がパトロールしたほか、痕跡のあった地点など計3カ所に市が注意を呼び掛ける看板を設置した。市赤城森林事務所によると、通報が寄せられた2地点は人家が近く、直線距離で約1キロ。足跡が類似していることから、同一個体とみられる。

(川を泳ぐクマ目撃:秋田)
20日午前9時半ごろ、能代市二ツ井町飛根の水田にクマがいるのを近くで農作業をしていた男性が発見し警察に通報しました。最初に目撃されてから最後に目撃されるまでおよそ3時間半。クマは姿を消したり現わしたりを繰り返したといいます。クマの出没を受けて近くの小学校では、急きょ保護者に下校の際の付き添いを要請しました。20日の県内のクマの目撃情報は能代市と秋田市であわせて3件。今年の目撃件数は24件にのぼっています。

(市街地にサル、市職員ら一日がかりで追いかける:長野)
長野県上田市の市街地で19日、ニホンザルの目撃情報が相次いだ。いずれも体長60~70センチで、同じ雄ザルとみられる。けが人などは出なかったが、市職員ら十数人が一日がかりで追いかける「騒動」となった。市によると、午前8時20分頃、上田電鉄別所線の運転士が千曲川の鉄橋付近にサルがいるのを発見。同10時頃には上田高校敷地内、同11時15分頃には上田城跡公園に現れた。連絡を受けた市職員らは、捕獲用の網を手に車や自転車、徒歩で追跡を開始。約3時間半後に公園の北側約500メートルの長野地裁上田支部付近で見つけると、捕獲せずに市北部の太郎山方面に追いやったという。群れを離れた若いサルとみられ、市職員は「一日振り回された。サルも新しい自分の居場所を探す途中に公園に寄ったのではないか」と話していた。

(2017年度鳥獣被害対策優良活動表彰:岩手)
シカによる農作物被害の増加と裏腹に、高齢化などで弱体化する捕獲体制――。そんな課題を抱えていた岩手県遠野市では、地域住民からなる「遠野市ニホンジカ捕獲応援隊」が2014年に発足した。捕獲の実働部隊である鳥獣被害対策実施隊を、狩猟免許がなくてもできる作業でサポートし、捕獲の負担減と被害抑止につなげている。応援隊に入るには市が毎年開く安全講習会への参加が必須だ。被害の現状や鳥獣保護法などの基礎知識、くくりわなの仕組みなどを学び、修了者には市が認定証を交付する。メンバーは2016年時点で125人で、約8割を農家が占めている。

(有害駆除の助成金支給期間を拡大:岡山)
岡山県は2018年度から、猟友会などが農作物被害を防ぐためにイノシシ、シカ、サルを捕獲する「有害駆除」への助成金について、支給期間を拡大した。生息数の増加を受け、捕獲を促すのが狙い。これまで支給期間はいずれも3カ月だったが、シカとサルは通年、イノシシは8カ月に延長する。県の助成金は1頭当たり2千~4千円で、市町村が独自に設けている助成金に上乗せしている。支給期間は多くの農作物が収穫期を迎える7月1日~9月30日の3カ月間だったが、18年度からはシカとサルが通年、イノシシは3月16日~11月14日の8カ月間に広げた。県は18年度予算に関連事業費8575万円を計上している。シカ、サル、イノシシの捕獲は原則として、猟期(11月15日~3月15日)に限られるが、農作物被害が深刻な場合、猟友会員や農家が市町村の認可を得て捕獲できる。今回支給期間を拡大した助成金は、こうした駆除目的の捕獲が対象となる。イノシシによる16年度の県内農作物の被害額は、15年度比で27・0%減ったものの9310万円と高止まり。サルは10・5%増の2952万円。シカは44・0%減の3429万円ながら推定生息数は8万5100頭(16年度末)に増えている。県鳥獣害対策室は「有害鳥獣による農作物被害は深刻。助成金の弾力的な運用で被害抑制に努めたい」としている。

(秋田内陸線、マタギをイメージ:秋田)
「秋田内陸線夢列車プロジェクト」(西木正明実行委員長)が全国から集めた寄付約1880万円で改修したお座敷車両が完成し、北秋田市の阿仁合駅で21日、お披露目会が行われた。内外装とも沿線文化を象徴する「マタギ」のイメージで統一した。同プロジェクトは、赤字経営が続く内陸線を応援しようと、2015年6月から募金活動をスタート。目標とする新車両購入のための1億5千万円には届かなかったが、2年間で全国の鉄道ファンや沿線住民から1879万2311円が寄せられた。車両のリニューアルに計画を変更し、今年3月から改修工事に取りかかっていた。完成した車両は、赤とベージュの2色で塗装され、側面にはクマとマタギのシルエットが描かれているほか、「叉鬼(またぎ)」の文字を図案化したロゴマークもあしらわれた。車内はテーブルや畳を新調し、トイレは洋式にした。クマの毛皮の敷物やみの、草履なども展示されており、マタギの雰囲気を感じることができる。

(毛皮、需要減り厄介:秋田)
秋田市の80代男性は、自宅2階にツキノワグマの剥製を置いている。地域の猟友会に所属していた20年ほど前、有害駆除で仕留めた。同市楢山で小笠原はくせい店を経営する小笠原彰さん(74)が当時、男性の依頼で制作した。「クマの剥製なんて、もう随分やってないな。昔はかなりあったんだけど」熊の胆(い)や肉とともに、古くからクマの部位の中で広く利用されてきたのが、毛皮だった。江戸期には、熊の胆とともに藩が毎年一定量を買い上げていたとされる。

(シカやイノシシ、ICTわなで一網打尽:静岡)
農作物などの鳥獣被害が深刻な伊豆半島や静岡県東部の市町が、ICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット)を活用したわなの設置を進めている。2017年度に県東部農林事務所と県賀茂農林事務所のほか5市町がICTわなの実証実験を行い、18年度は県東部農林事務所が御殿場市、熱海市と協力してIoTわなの実験に乗り出した。猟友会の人手不足や高齢化が進む中、わなの見回りなどの負担軽減を目指す。13日午前1時半ごろ、伊豆市与市坂に設置された5メートル四方の囲いわなに、餌を求めて3頭のシカが入った。入り口のセンサーが反応した数十秒後、自動で扉が閉まり、群れを一網打尽に-。「シカの行動パターンを読み、餌づけしながらわなに慣れさせ、ようやく捕獲できた」。県東部農林事務所の柴田茂樹課長(59)は、ほっと息をついた。警戒心が強く、学習能力の高いシカやイノシシの捕獲は簡単ではなく、わなの設置場所の選定や餌のまき方など、試行錯誤の繰り返しだ。県東部の自治体の中で17年度捕獲頭数最多は伊豆市だった。ICTわな3台を市内に設置し、2月までにシカ40頭以上、イノシシ20頭以上を捕獲した。3月から、くくりわなや箱わなに付けた発信器がスマホの専用アプリに捕獲を通知する、IoTを活用したタイプも導入した。わなを管理する市農林水産課の担当者は「ICTのタイプは人への安全性や捕獲の確実性が高く、IoTのタイプは見回りの効率向上が期待できる。いずれもわなに掛かっていることが事前に分かるのが利点」と分析する。農林水産省によると、ICTを活用したわなは全国の333市町村が設置を進めているという。県東部農林事務所の柴田課長は「コストや効率、地域の特性を考えながら実験を進めていきたい」と話した。ICTわなは囲いわなにセンサーや監視カメラを設置し、シカやイノシシなどが入ると、自動、または遠隔操作で扉が閉まる。動物の捕獲頭数や、センサー感知後から扉が閉まるまでの秒数などを細かく設定できる。IoTわなはくくりわなや箱わなに発信器を付け、動物を捕獲するとクラウドなどを通じてスマートフォンに通知が送られる。ICTわなに比べてコンパクトで、低コスト。

(捕獲した有害鳥獣、微生物で分解:福井)
大野市鳥獣害対策協議会が導入を進めていた有害鳥獣分解処理装置施設(同市木本)の稼働式が、20日に行われた。イノシシなど捕獲した有害鳥獣をまるごとおがくずの微生物の力で分解する装置で、導入は全国で初めてという。猟友会員らでつくる捕獲隊員の作業負担の軽減とコストの削減が図られ、有害鳥獣対策が進むことが期待される。有害鳥獣による農作物や山林の被害は年々増え、捕獲頭数も平成29年度はイノシシ239頭(前年度174頭)、ニホンジカ360頭(337頭)と前年度を上回った。捕獲した有害鳥獣は土中に埋める処理や解体して小動物用の焼却処理などをしなければならず、労力負担などが課題となっていた。処理装置は、九頭竜森林組合が所有する旧バーク製炭工場の鉄骨平屋建ての建物内に2基設置。1基の大きさは幅1・2メートル、高さ1・4メートル、長さ7・2メートルの鋼製直方体(重さ4・5トン)で内部が発酵槽になっている。イノシシをまるごと発酵槽に入れ、おがくずと混ぜ合わせ、スクリューによる攪拌(かくはん)と加熱(約60度)、おがくずの微生物で分解処理を速く行う。1基あたり一度に最大でイノシシやニホンジカ6~8頭(重量で約300キロ)を投入できる。イノシシは約6~9日、シカは約10~14日で分解処理ができ、年間約400頭の処理能力がある。捕獲した有害鳥獣を入れる冷蔵庫と骨の粉砕機などもある。事業費は約5千万円。同市や関係区長会、森林組合などで構成する同協議会が運営する。稼働式には、岡田高大大野市長ら約40人が出席。同協議会の黒田宗雲会長が「市民らの協力を得て県内一、被害の少ない市にしたい」とあいさつした。

(クマ対策、今年も入山規制:秋田)
秋田県鹿角市は20日、一昨年5~6月にクマに襲われて4人が死亡する事故が発生した十和田高原地区で、春から秋にかけて入山を昨年に続き規制する方針を明らかにした。市役所で同日開かれた市遭難対策委員会で報告した。規制箇所は、事故が起きた熊取平(くまとりたい)と田代平(たしろたい)に通じる市道2路線。タケノコ採りが本格化する前の5月1日から、11月16日まで通行止めとする。

(カラス「追い払い」より「捕獲」:富山)
富山市は、市街地のカラス対策について、追い払い重視から捕獲重視に切り替える。今年度は前年度当初比で3倍にあたる2700万円の予算を計上し、捕獲専用のおりを増設。市民や観光客らが多く訪れる市中心部の富山城址公園などで鳴き声やふんの被害が続く中、捕獲の強化により数の減少を目指す。「役所は何か対策をしているのか。もう長い間、カラスの基地のようになっている」。4月上旬、県庁前公園での散歩を日課にしている富山市安田町の男性(80)は苦り切った表情で話した。ねぐらとなっている同公園を囲む木々や周辺の建物には日没頃、カラスが群れをなし、大きな鳴き声が響き渡る。「カラスの大群がいること以外はいい公園なんだけど……。小さな子供を連れた人は怖いだろうね」市はこれまで、大きな破裂音を出したりハンドライトの光などを当てたりしてカラスの接近を防ぐ「追い払い」に重点を置いてきた。しかし、観光客や住民の通行量が多い富山城址公園と富山県庁前公園周辺がカラスのねぐらとなっている現状に変化はなく、歩道のあちこちにふんが落ち、悪臭を放つこともある。一方で、効果を上げ始めたのが2006年度から始めていた捕獲作戦だった。市の調査によると、市内のカラス生息数は08年度の約9200羽から16年度には約3300羽に減少。市は追い払いより捕獲の方が効果が高いと判断し、捕獲作戦を強化することにした。作戦の核になるのは専用の「おり」だ。木材と金網を組み合わせた高さ約3メートル、幅約4メートルのおりに、水や鶏肉などのエサと、おとりのカラス数羽を入れておく。上部の狭い入り口から入ると、羽ばたきを妨害する針金が垂れ下がっており、出られなくなる仕組みで、3月中に7基から10基に増設し、今年度中には12基まで増やす予定だ。すでに設置していた富山城址公園のほかに、中心部のビル屋上や県庁前公園にも増設した。富山県も足並みをそろえ、今年度中に策定するカラス対策の新指針では従来の追い払い重視から捕獲重視へ転換する方針。県自然保護課は「カラスは小動物の死骸を食べて街をきれいに保つ役割も持っている。バランスを取りながら、対策を進めたい」としている。

(停電防げ、カラスの巣撤去:秋田)
カラスの繁殖期を迎え、東北電力秋田支店は電柱の上などに作られた巣の撤去作業に追われている。巣には鉄線や針金が含まれており、電線に触れて停電を招く恐れがあるため。同支店は「巣を見つけ次第すぐに知らせてほしい」と呼び掛けている。同支店によると、県内では昨年1年間で、カラスの巣が原因とみられる停電が5件発生し、計1972戸に影響が及んだ。営巣は例年、3月中旬から7月上旬ごろまで続くといい、今年は3月から既に4件の停電が発生した。男鹿市では3月22日の停電で、1095戸が最大約3時間にわたり影響を受けた。

(住民襲撃や停電原因、カラスの巣にやきもき:北海道)
カラスの巣づくりが盛んな季節を迎え、東胆振・日高地方の自治体や北海道電力に、住民から巣の撤去要請が相次いでいる。親鳥は生まれたばかりのひなを守るため、巣に近づく住民を襲うこともある。白老町では昨年4月、カラスの巣が原因で停電が発生しており、北電苫小牧支店などは情報提供を呼び掛けている。カラスの巣づくりは、3月下旬から4月ごろがピークで、ひなは6月ごろまで巣で過ごす。北電苫小牧、室蘭両支店によると3月以降、東胆振・日高地方の12市町で、電柱上のカラスなどの巣を撤去したのは153件に上る。北電苫小牧支店によると、カラスの巣は木枝や針金でつくられ、電線に触れるとショートするなどの恐れがあるという。昨年4月、白老町ではカラスの巣が原因で約460戸が停電した。そのため同支店は「停電を防ぐためにも、電柱に巣を見つけたら早く通報してほしい」と呼び掛ける。苫小牧市では昨年度1年間で59件の撤去要請があり、うち9割が4~6月に集中。本年度も18日時点ですでに14件に上っている。

(カラス停電防止へ巣を撤去:新潟)
春先に多いカラスの営巣による停電トラブルを未然に防ごうと、東北電力が県内でパトロールを強化している。19日は同社新潟営業所が新潟市江南区で、電柱に作られた巣の撤去作業を行った。カラスは3~5月に、見晴らしのよい高所に巣を作る習性がある。巣の材料にはハンガーなどの鉄線類を使うことがあり、電線と接触すると停電トラブルを引き起こすという。県内でも今年3月末までに7件のトラブルが発生。既に1800個以上の巣を撤去した。この日は作業を報道陣に公開した。作業員が高所作業車に乗り、地上13メートルに作られた巣を撤去。カラスが同じ場所に巣を作らないようプラスチック製の営巣防止器具を取り付けた。新潟営業所の関清副所長は「市民からの連絡も撤去作業に大きく貢献している。近くで巣を見かけたら連絡してほしい」と話した。

(登山や川遊び、里山体感施設完成:福井)
登山や田舎暮らしなどの体験を通して里山の魅力を体感してもらう福井県美浜町の「新庄里地里山の恵み体感プロジェクト」の完了記念式典が4月22日、同町新庄で行われた。3年間をかけ、トレッキングコースの登山道や古民家を改修した宿泊可能な休憩施設など自然と触れ合える環境を整備し、交流人口の拡大や地域活性化につなげる。新庄区は町の観光を担う三つのエリアの一つ「新庄山里ゾーン」に含まれ、山や川、食材などの地域資源を生かした地域振興を目指し、2015年度にプロジェクトが始動した。区が実施主体となり全体計画をまとめ、町や県も参加。総事業費は約1億7千万円で、うち1億円は県ふるさと創造プロジェクト事業補助金を活用した。区内の松屋集落にある古民家を、トレッキングや川遊びの拠点としての利用を想定した宿泊可能な休憩施設に改修。内部にはいろりやかまどを備え、昔ながらの田舎暮らしを家族やグループで体験できる。併せて供用を開始する獣肉加工施設は渓流の里近くに整備され、有害捕獲されたシカやイノシシなどのジビエ肉を加工処理し販売。料理体験などのプログラムも計画している。休憩施設から西に約50メートルの山あいに整備したカフェではジビエのほか、地場産野菜を使った軽食やスイーツを提供し、地元のコミュニティーとしても活用してもらう。運営はハンターや若手有志らで組織するNPO法人「自然と共に生きる会サンガ」(同町)が区の委託を受けて行う。式典には関係者ら約60人が出席。山口治太郎町長は「町内外の人に新庄の山の恵みを知ってもらいたい」とあいさつ。各施設の内覧会もあり、同法人の中村俊彦理事長(54)は「周辺の観光拠点とも連携しながら、地域活性化に向け集落を刺激することができれば」と話していた。

(「鴨場」の見学会、参加者募集)
宮内庁は23日、埼玉県と千葉県にある「鴨場」の見学会を、6、9月にそれぞれ4回ずつ実施すると発表し、参加者の募集を始めた。同庁ホームページで詳細を公表している。 見学会の参加費は無料。参加者はカモ猟に関するビデオを見た後、場内を見学する。募集は埼玉県越谷市の「埼玉鴨場」が6月29日と9月28日で、千葉県市川市の「新浜鴨場」が6月22日と9月26日。両鴨場とも、それぞれ午前と午後の1日2回開催する。 定員は各回30人程度。

(ヒキガエル生息急減、イノシシ食害など影響:岐阜)
ガマガエルの俗称で知られる「アズマヒキガエル」の生息域が、岐阜市で急速に減少している。同市版レッドリストは、将来の絶滅が心配される「準絶滅危惧」に分類。保護のため、市は20日までに、同市梅林南町の梅林公園の池に仕切り網を設置した。アズマヒキガエルは体長4~16センチで、「クックック」と鳴く。東日本に広く分布していたが、開発に伴い平野部で急減。市内でも金華山周辺などに限られるが、イノシシの食害で姿を消しつつある。梅林公園では、岐阜高の高木雅紀教諭(52)が一昨年、成体3匹分の卵塊を持ち帰ってふ化させるなど保護に取り組み始めた。今春には15匹が姿を見せるまでに個体数が回復し、採取した卵から、2~3万匹分のオタマジャクシを池に戻すことに成功。「(同所の)絶滅ぎりぎりのタイミングだった」(高木教諭)という。ただ、コイに食べられる恐れがあるため、幼体が上陸する5月末まで網を張ってすみ分けることにした。設置を手伝った岐阜大地域科学部の向井貴彦准教授(保全生態学)は「身近なところに貴重な野生の生き物が残っていることを知ってほしい」と話している。

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(警察署で空気銃暴発:新潟)
新潟県警新潟北署は19日、新潟市北区木崎の署内講堂で行っていた猟銃などの定期検査中、検査台にあった空気銃が暴発し、鉛弾を発射したと発表した。検査に来ていた男性数人と警察官5人がいたが、けが人はなかった。同署によると、検査台には銃が数丁あった。使用時以外に弾を入れるのは禁じられており、同署は銃刀法違反容疑で暴発の経緯を調べている。同日午前10時ごろ、発砲音がして、検査台の周囲を確認すると、鉛弾が床で見つかった。銃口は約30センチ離れた壁に向いていたが、壁に傷はないという。検査は年に1度、狩猟や競技のために登録されている銃を対象に改造がないかなどを調べる。
(クマに襲われ80代女性ケガ:新潟)
18日午前9時半すぎ、十日町市津池の山林で山菜採りをしていた市内の80代女性がクマに襲われ、足に3~4週間のけがを負った。女性が受診した病院が市役所に通報した。県によると、クマによる人身被害はことし初めて。市農林課によると、女性は1人で山に入り斜面を登っていたところ、正面からクマに襲われた。自力で帰宅した後、診察を受け、右足首付近にかまれたような傷があった。現場付近の雪の上にあった足跡から、クマは体長80センチ~1メートルとみられる。現場は、ほくほく線美佐島駅から東約600メートル。十日町署や猟友会などが周囲の警戒に当たっている。
(シカの夜間銃猟、目標下回る:和歌山)
県は、野生鳥獣による農林業被害の防止を目的としたニホンジカの夜間銃猟で、昨年度は42頭を捕獲したと発表した。2015年度から始まり、今回も目標とする100頭には届かなかった。県はシカが多数集まる場所を特定するなど効果的な対策を検討しながら今後も継続する方針。県の委託を受けた県猟友会メンバーが、シカの集まる餌場を巡回して捕獲する。1月30日~3月23日に田辺市、紀美野町、日高町、古座川町の計5地区で計27回実施し、各地区で4~14頭を捕獲した。県によると、県内に生息するニホンジカは推定約5万4000頭で、県は2023年度に約2万2500頭以下に減らす目標を掲げている。新たに誕生する個体も多数に上るため、県は年1万7000頭以上の捕獲を必要としているが、例年約1万6000頭と目標に届いていない。夜間銃猟は捕獲数を増やすための試みとして、環境省主導で15年度から可能となった。
(伏見稲荷拝所の屋根燃える、カラスがろうそく落とす?:京都)
18日午後3時ごろ、京都市伏見区の伏見稲荷大社の職員から「ほこらが燃えている」と119番があった。境内にある木造平屋の拝所の屋根の一部、約0・6平方メートルが燃えた。屋根からはろうそくが見つかっており、市消防局はカラスがろうそくを落としたことによって出火した可能性もあるとみている。伏見署によると、拝所は稲荷山の中腹にある熊鷹社の近くにあり、火が出ているのを通行人が見つけ、近くの茶店の店員がバケツを使って消火した。けが人はなかった。周辺では、過去にカラスが境内に供えられた火の付いたろうそくを運んだことが原因とみられるぼやもあったという。
(熊の目撃情報:宮城)
18日16時50分頃、登米市米山町字善王寺末田地内で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。
(カモシカの出没情報::宮城)
20日午前11時30分頃、登米市迫町佐沼の迫図書館付近でカモシカの出没情報がありましたので屋外では十分に注意してください。
(クマ出没、公園一部を封鎖:秋田)
横手市は17日、市中心部の横手公園にツキノワグマが出没したとして、公園内の「牛沼バラ園」を当面立ち入り禁止とした。市によると、同日午前8時半ごろ、公園近くでクマを見たとの連絡があった。担当者が地元猟友会の会員とともに体長約1メートルのクマを確認。その後、クマは公園内の牛沼バラ園近くに侵入し、午後1時半ごろ、公園東側の山林に逃げたという。
(サル追跡、大わらわ:長野)
上田市の市街地で19日、ニホンザルの目撃情報が相次いだ。いずれも体長60~70センチで、同じ雄ザルとみられる。けが人などは出なかったが、市職員ら十数人が一日がかりで追いかける「騒動」となった。市によると、午前8時20分頃、上田電鉄別所線の運転士が千曲川の鉄橋付近にサルがいるのを発見。同10時頃には上田高校敷地内、同11時15分頃には上田城跡公園に現れた。連絡を受けた市職員らは、捕獲用の網を手に車や自転車、徒歩で追跡を開始。約3時間半後に公園の北側約500メートルの長野地裁上田支部付近で見つけると、捕獲せずに市北部の太郎山方面に追いやったという。群れを離れた若いサルとみられ、市職員は「一日振り回された。サルも新しい自分の居場所を探す途中に公園に寄ったのではないか」と話していた。
(公園にクマのふん:秋田)
18日午前6時半ごろ、秋田市浜田稗田沢の大森山公園内の市道で、クマのものとみられるふんを付近住民が見つけ、秋田中央署に届け出た。ふんがあった場所は、大森山動物園の正面入り口から南に約1キロ。市は同日、公園内の3カ所に注意を促す看板を設置。動物園は通常通り営業した。
(ドローンでサル追い払える?:神奈川)
野生のニホンザルによる農作物などへの被害を防ごうと、神奈川県相模原市が、小型無人機「ドローン」を活用してサルを追い払う計画を進めている。搭載カメラで生息状況を把握したり、取り付けたスピーカーからの音で威嚇したりして、群れを追い払う効果を調べる考えだ。日中に出没し、農作物被害や生活被害をもたらすニホンザル。市によると、自然豊かな緑区内で、計約400頭が七つの群れに分かれて生息しているという。県がまとめた2016年度の野生鳥獣による農作物被害調査の結果では、市内のサルによる農作物の被害額は計410万円。集落の人口減少に伴い、ここ10年ほどの間に被害が増えた。市津久井地域経済課は「いまは住民が花火などで追い払っているが、それも限界がある」という。そこで市は昨年12月と今年2月の2回、緑区三井地区や小原地区などで、ドローンを使った実証実験を実施。ドローンに取り付けた赤外線カメラで群れの生息状況を把握するとともに、超音波発信機と、犬やタカの鳴き声を出すスピーカーも搭載して効果的な追い払い方法を探った。県内では初めての試みという。1回目の実験では、ドローン飛行中にサルの群れ全体が深いやぶの中に逃げ、明らかにおびえた様子を見せたという。ただ、同課は「飛行物体としてのドローンにおびえたのか、スピーカーからの鳴き声におびえたのかはさらに検証が必要」とする。一方、2回目の実験は、群れの移動が見られたものの、ドローンによる追い払いが原因かどうかは確認できなかったという。市は今年度、さらに効果を検証するため、県と連携してドローンによるサルの追い払いの実証実験を行う方針だ。2回の実験では委託した民間業者がドローンを飛ばしたため、今度は市職員がドローンを操作できるようにし、威嚇音声で追い払いを行う。夏ごろの実験を目指して県と調整中という。同課の奈良潔課長は「いまのところ、ドローンでこうすればサルが追い払えるという正解はない。今後も研究を継続し、ニホンザルによる被害を減らしたい」と話している。
(イノシシを微生物で分解処理する施設:宮城)
村田町は今年の予算で駆除したイノシシを微生物で分解処理する施設を設け、被害対策に当たる猟友会の負担を軽くする。
(シカよけ柵も設置開始:神奈川)
仙石原のススキ草原を貫く県道75号線の一部が、歩道の接続に向けて拡幅される事になった。貴重な植物がシカに食べられないよう、金属製柵の設置も進んでいる。箱根町内シカは増加傾向にあり、ススキ草原内でも食痕や進入の姿が確認されているほか、住宅地でもアオキなど餌になる植物が食べられたり、樹木の皮がツノ擦りで傷むなどの被害が出ている。環境省によると、今年度中に湿生花園までを囲む計画という。
(クマ人的被害、過去最多の9人:青森)
クマ被害を防止する県の会議が17日開かれ、2017年のクマによる人的被害は過去20年で最も多い8件9人だったと報告された。会議では被害防止に向け広報活動や電気柵の整備など取り組みを確認した。4月2日現在9件のクマ目撃情報が寄せられている。
(クマの大量出没、今年も警戒:秋田)
雪解けとともに、秋田県内でクマの出没が相次いでいる。16日までの目撃情報は16件で、過去最多だった昨年の同時期に比べ13件多い。一昨年、昨年に続き、今年もクマは大量出没するのか。山菜採りシーズン本番を前に、専門家の見解を交えて展望してみると―。「通年では分からないが、春先は人里近くでの目撃が増えるかもしれない」。県によるクマの生息数調査に関わる県立大の星崎和彦准教授(森林生態学)はこう分析する。昨年は晩秋まで人里近くでクマの捕獲が続き、通常であればクマが冬ごもりをしているはずの今年1月になっても潟上市の国道7号近くなどに出没した。「里山で冬を越したクマが相当数いるのではないか」と星崎さんは言う。
(クマ捕獲数の5割超、県土6%の地域に集中:秋田)
秋田県内で過去2年間に捕獲されたツキノワグマ計1310頭の5割を超える666頭の捕獲場所が、県土全体の6%の地域に集中していたことが17日、県のまとめで分かった。クマが集中的に出没する何らかの要因が潜んでいる可能性があり、県は「理由が分かれば、それを排除することでクマと人の衝突を回避する効果が期待できる」としている。同日、県第2庁舎で開かれた関係機関による「ツキノワグマ被害防止連絡会議」で明らかにした。県は「クマを誘因している原因がないか確認してほしい」として、市町村の担当者らに注意を呼び掛けた。県自然保護課によると、県土を3キロ四方に区切った1415区域のうち、2016、17年度に5頭以上が捕獲されたのは83区域(5・9%)、計666頭に上り、両年度に捕獲された計1310頭の50・8%を占めた。
(イノシシ、生息地の拡大防止が急務:神奈川)
葉山町には二子山を中心にイノシシが生息し、農業への被害が発生している。人的被害も危惧されるなか、町民有志からなる「葉山わな猟の会」が対策に乗り出している。第2回目では、県と連携した取組を紹介する。葉山町内でイノシシ対策を行っている「葉山わな猟の会」(石井喜三郎会長)は、二子山山系に約60頭が生息していると推測している。隠れ場所やエサが豊富で繁殖能力が高いため、これ以上増えないようにするのが精一杯だという。しかし、イノシシはもともと生息していたわけではない。先祖代々、上山口で農業を営んでいる石井さんによれば、江戸時代末期にはイノシシは駆逐されていたという。燃料供給のため木が伐採しつくされ、住処が無くなったためだ。「明治から昭和にかけてイノシシがいたとは聞いたことがない」と振り返る。しかしその後、化石燃料の台頭や農業従事者の減少、森林組合の解散などで山が荒廃。イノシシにとって住みやすい環境ができあがると、2013年に初めて農作物の被害や痕跡を確認された。そしてその翌年、最初の個体が捕獲された。ただ、侵入経路は不明。県西方面から泳いできたか、誰かが放った可能性もあるという。葉山町の後に続くかのように、横須賀市では主に田浦町で14年頃から目撃情報や作物被害が発生。逗子市では16年11月に逗子中学校校門付近で目撃例があるほか、今年に入ってから3月末までに6頭が捕獲された。いずれも、二子山山系で生まれて育った個体と考えられ、生息域を広げていることが伺える。神奈川県は昨年、葉山町二子山地区を「野生鳥獣による被害対策のための重点取組地区」に選定。今年2月には地域と行政が協力してイノシシが通る可能性の高い県道27号(横須賀葉山)線にある滝の坂隧道の上に金網のフェンスを設置した。また、逗子市沼間と横須賀市田浦の境にある篠山公園の奥にも柵を設置しセンサーカメラを取り付け、イノシシの行動を監視している。いずれも横須賀・三浦方面への進出を防ぐためのものだ。三浦市ではまだ目撃情報はない。しかし「一大農地の三浦市まで進出したら大変なことになる。なんとかして葉山で食い止めないと」と同会は危機感を募らせている。
(シカ肉解体施設運営に挑戦:鳥取)
鳥取県智頭町に、シカ肉の解体処理施設「ちづDeer’S」がオープンした。運営するのは同町出身の赤堀広之さん(27)。農作物の鳥獣被害に悩む町にとって、新たな特産品として野生鳥獣肉(ジビエ)を売り出す機会になりそうだ。農林業が主な産業の町では、シカやイノシシによって毎年100万~200万円の農作物被害が出る。町内で駆除されるシカは、平均して年間約千頭に上る。町は駆除したハンターに奨励金を支払うなどの対策を取ってきた。地元農家らは、捕まえた動物の肉を食用にできないかと考え、解体施設の建設を町に要望。ただ、運営主体を町と民間のどちらにするかをめぐり、計画が進んでいなかった。赤堀さんは、平成26年にわな猟の免許を取得した現役のハンター。幼い頃から口にしてきたシカ肉を活用する試みが思うように進んでいないのを知り、「ならば自分が」と経営を引き受けた。開業に当たって県内の食肉加工施設で修業し、シカ肉の解体や衛生管理を学んだ。「難しかったが、半年学んだので形にはなった」と話す。備品を含めた建設費に約2千万円かかったが、うち約1200万円は町と県から補助が出た。猟友会のハンターが狩ったシカを持ち込んでもらい、解体と精肉を行う。県内外の加工業者や飲食店などに販売する予定だ。赤堀さんは「ジビエは新しい特産品としてはもちろん、農林業の保護にもつながる。いずれは販路も拡大し、智頭のシカ肉を多くの人に味わってほしい」と意気込んでいる。
(50以上の声で威嚇)
「ワォーン」「お前だけは許さない!」「ガルルルルガルルル」――農作物を守る、害獣よけロボット「スーパーモンスターウルフ」。奇抜なオオカミの姿も、奇妙な音声も、目を光らせるのも、全ては農作物を守るため。スーパーモンスターウルフを前にすると、シカも、クマも、サルも…動物たちは音と姿に驚いて逃げていきます。動物たちがロボットに慣れないように、音声は50種類以上を収録しています。オオカミの鳴き声や人の声、そしてイノシシの悲鳴、さらには「いたいた行くぞ!撃て撃て撃て」という声まで…さまざまな声を出すことで、動物たちは人や天敵の気配を感じて逃げていくそうです。このロボットは、急増するイノシシによる農作物の被害に悩むJA木更津市が提案し、音や光で害獣を駆除する機械を開発していた北海道の町工場・太田精器が開発しました。体長は65センチ。センサーで獣を感知。太陽光で動きます。JA木更津市・梅澤さん「イノシシが来ないから、(タケノコが)出すぎて採るのが大変らしい。貢献していると理解しています」スーパーモンスターウルフの威嚇範囲は、約1000メートル。その範囲には害獣たちは近寄らないといいます。現在は他県からも100件近くの問い合わせがあり、スーパーモンスターウルフを改良した、ウルトラモンスターウルフの開発を進めているそうです。
(タカ使いカラス追い払う:兵庫)
全国各地でカラスによる農産物などへの被害が相次ぐ中、兵庫県新温泉町の農事組合法人「アイガモの谷口」が、タカを使ったカラスの駆除や追い払いに取り組んでいる。同法人はアイガモ農法に力を入れており、田植え前に、京都府福知山市の鷹匠に依頼し、ヒナを狙うカラスの対策を進める考え。同法人は、約8ヘクタールの水田でアイガモ農法による稲作を行っている。例年5月10日ごろから約1カ月かけて苗を植え、計約1600羽のアイガモのヒナを放つ。ヒナは小さい時ほどよく動き、雑草を食べるが、小さい分、カラスに狙われやすい。放した直後は環境に慣らすため、水田の一画で網で囲って集めておくが、隙間を見つけたカラスに狙われ、数十羽が全滅してしまったこともあるという。依頼する鷹匠は、京都府福知山市の衣川正幸さん(65)。15羽のタカを飼い、農地のほか、カラスの対応に苦労しているゴルフ場や工場などから、駆除や追い払いの依頼を受けているという。初めて同農事組合法人からの依頼を受け、4月5日と12日、新温泉町を訪問した。12日には、南米原産のタカの仲間「ハリスホーク」の6歳雌と5歳雄の2羽を連れ、車で移動しながら水田を巡回した。5日には4羽を駆除したが、2回目の12日には、おびき寄せるためにシカ肉などを置いても、カラスが警戒してなかなか集まらなかった。「カラスは賢い。私の車を覚えてて、近づくだけで逃げていく」と衣川さん。「2回目でカラスは減っている。完全に無くすことは難しいが、被害を減らすために協力したい」とする。同農事組合法人では、田植えまでにもう一度、衣川さんに来てもらう予定で、谷口正友代表理事は「作業を終えて水田から離れた途端、近くの山から飛んでくるカラスも多い。アイガモ米はシンボルでもあり、費用もかけている。何とかカラスの被害を減らしたい」と話している。
(イノシシのかんきつ食害ほぼ年中:山口)
イノシシの食害被害が広がる山口県周防大島町で、山口大大学院の細井栄嗣准教授(動物生態学)が町内での食性調査結果をまとめた。ミカンなどのかんきつ類をほぼ年中食い荒らし、深刻な被害の状況を裏付けた。

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(セコムドローンでシカの食害対策)
セコムとグループ会社のパスコは、社会問題となっている野生鳥獣による農作物被害を減少させるために、民間防犯用の自律型飛行監視ロボット「セコムドローン」を活用し、日本初となるシカ食害対策の実証実験を開始した。セコムは、防犯用として提供してきたセコムドローンの「侵入監視サービス」で培った技術を応用し、京都府農林水産技術センター農林センターの協力のもと、京都府南丹市日吉町にある「STIHLの森京都(府民の森ひよし)」で、シカによる食害対策の予備実験を2017年11月から12月にかけて、延べ10日間実施している。予備実験では、監視区域内に侵入したシカをレーザーセンサーで検知し、その位置に向けて自動的に発進した完全自律飛行するセコムドローンが、シカを追跡して追い払うことができるかどうかを検証した。一定の成果を確認できたことから、起伏のある広範囲の監視区域を設定し、パスコの3次元地図データを活用して、さらに実用性を高めるための実証実験を行い、サービス実現を目指していく。
(狩猟をビジネスに、捕獲から販売まで:千葉)
イノシシやシカによる農作物への被害を減らしてジビエ(野生鳥獣肉)料理の振興も図ろうと、君津市は28日、「狩猟ビジネス学校」を開校する。自治体が狩猟手法から肉の販売の仕方まで教えるのは全国初とみられ、狩猟をビジネスとして捉え、担い手不足を解消したい考えだ。学校は、市が、食肉の加工・販売店舗「猟師工房」を運営する会社「プロット」(埼玉県飯能市)に委託する。猟師の育成もしている同社によると、自治体が同様の取り組みをする事例は聞いたことがないという。1年間に全12回の講座を用意し、フィールドワークでワナの作り方や肉の解体方法を実践したり、肉の販売や飲食店の運営のやり方を学んだりする。講師は、猟師や飲食店経営者らを予定している。初回と2回目のみの受講も可能で、市や同社は「まずは関心を持ってもらうため、気軽に参加してほしい」と話す。同市の野生動物による農作物の被害は年間約5000万円に上る。市内には加工処理施設が三つあるが、猟師や解体従事者が不足しており、処理も思うように進んでいない。市内の狩猟免許所持者の7割は60歳以上で、若い担い手の不足に市は頭を悩ませていた。市農政課の担当者は「捕獲に対する補助金頼みでなく、ビジネスとして地域資源の活用を創出することで、若者を君津に呼び込みたい」と話している。
(山林にクマ出没:秋田)
14日午前10時40分ごろ、秋田市浜田字滝ノ原の山林内にクマがいるのを、山菜採りをしていた同市の60代男性が見つけ、秋田中央署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートル。現場の約1キロ北には大森山動物園などがあり、同署が付近をパトロールして注意を呼び掛けている。
(小中学校のグラウンドにクマ:秋田)
15日午後4時20分ごろ、秋田県上小阿仁村小沢田の上小阿仁小中学校のグラウンドにクマがいるのを、校舎にいた教員が目撃し、北秋田署に届け出た。同署によると、クマは体長約50センチ。グラウンドを歩き回った後、近くの山林に入っていったという。横手市睦成字田ノ沢でも午後0時45分ごろ、上野台町内会館の裏山にクマがいるのを住民が目撃した。
(サル4匹目撃:新潟)
13日午前7時ごろ、柏崎市曽地の国道近くで、車で通勤中の男性がサル4匹を目撃し、柏崎署に通報した。連絡を受けた市は防災行政無線で注意を呼び掛けた。市によると、被害は確認されていない。市内にサルの生息域はないため、専門家は別の地域から離れた群れとみている。県と市によると、県内のサルの生息域は、下越、三条、南魚沼、津南、妙高、糸魚川の6地域。柏崎市では毎年数件の目撃情報があるが、一度に4匹は珍しいという。住民によると、現場周辺では過去にもサルが出没したという。近くの中通コミュニティセンターの遠藤春治センター長は「山林が多く、サルがいてもおかしくない場所ではあるが、4匹とは驚いた」と話す。野生動物に詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授は「定着する近隣地域から来たのだろう」と分析する。ニホンザルの雄は成長すると群れを追い出されたり、自ら離れたりして、新しい群れを探すという。グループで行動するケースがあり、100キロほど移動できることから「4匹で行動し、柏崎に来てもおかしくない」と指摘。目撃現場から離れるか、近くにとどまるかは「サルのみぞ知る」と言った。
(銃砲所持の許可者減少、高齢化や費用ネック:群馬)
群馬県内の銃砲所持許可者が減少している。比較可能な2011年以降右肩下がりが続き、今年2月末時点は2307人(5075丁)で過去最低を更新した。手続きや申請費用がネックとなり新規取得者が減っている上、高齢になって銃を手放す人が増えているためだ。動物による農作物被害が深刻な地域では、駆除活動への協力を条件に申請費用の一部を補助する自治体も出てきている。県警生活安全企画課によると、産業銃を統計に加えた11年末時点は2841人(6413丁)だったが、以降は年間30~140人ペースで減少。6年間で500人以上が銃を手放した。
(クマ被害防止へ対策実施隊新設:秋田)
クマ対策などの担い手を将来にわたって確保するため、秋田市は鳥獣被害対策実施隊を新設し5日、市内8猟友会の179人を隊員に任命した。ツキノワグマやタヌキ、ハクビシンなどの駆除や追い払いを行い、被害防止に努める。市産業振興部の本間斗部長が「クマの目撃が増え、市民からは不安の声が上がっている。地域の安心安全のため協力してほしい」とあいさつ。各猟友会の代表7人に任命書を交付した。
(イノシシ&シカ被害ストップ、県に捕獲専門チーム:富山)
イノシシやシカによる農作物被害を減らそうと、県は今年度、捕獲専門チームを作り、5月から県内5市で活動を始める。2016年度から行っている、県の捕獲技術研修を終えた若手狩猟者ら16人が、わなを使って捕獲に当たる。県自然保護課によると、県内のイノシシとニホンジカの生息数は年々増加。推定生息数は、ニホンジカが1038頭(16年度)、イノシシが4872頭(15年度)。特に、イノシシによる農作物被害は深刻で、昨年度の被害額は7250万円と過去最高になった。一方、銃猟免許の保持者の高齢化で、捕獲の担い手が減少。そこで県は16年度から、銃猟免許を持つ若手にわなによる捕獲にも取り組んでもらおうと、獲物の通り道に仕掛けて足がはまると逃げられなくなる「くくりわな」の使い方などの実地研修を重ねてきた。チームは、研修を終えた若手8人と県猟友会のベテラン8人の計16人で結成。県は、20年度までには30人に増やしたいという。今年度の捕獲は、チームや農業者、狩猟者による捕獲を合わせ、県全体でイノシシ4409頭以上、ニホンジカ177頭以上を目指す。同課の担当者は「冬場も含めて効率的な捕獲方法を探り、先手を打っていきたい」と話す。
(イノシシ、海渡って上陸か?:兵庫)
兵庫県南あわじ市の離島・沼島で、海を渡って上陸したとみられるイノシシが複数いることが分かった。地域おこし協力隊員が目撃し、カメラにも3月末、2頭が同時に写っていた。オス、メスの区別や親子なのかは分かっていない。沼島は、淡路島本島から3~4キロ離れている。もともと獣類はいなかったが、ここ数年、イノシシとみられる動物に各地の畑が荒らされる被害が出始めた。地域おこし協力隊員が、動くものに反応して自動撮影するカメラを設置し、2月に初めてイノシシの姿を捉えていた。そのカメラの前を3月31日午後8時半ごろ、2頭のイノシシが同時に通った。カメラを確認するため山に入った協力隊員も2頭が一緒にいるのを目撃。大きさはいずれも50~60キロほどあったという。妊娠していた成体が沼島に渡り、出産した子どもが大きくなったと考えられるほか、複数のイノシシが上陸し、沼島で繁殖している恐れもある。狩猟シーズンが終わった3月15日以降も有害鳥獣駆除の許可が下りたが、協力隊員は「わなにおびき寄せるため、まだえさの味を覚えさせている段階。気の長い話になりそうだ」としている。
(富山に「ヤクシカ」!?)
屋久島(鹿児島県)に生息する「ヤクシカ」とほぼ同じ遺伝子型のシカが、富山県内に生息していることが富山大の研究グループの遺伝子分析で分かった。かつて飼育されていたヤクシカが野生化して繁殖したとみられる。在来と外来の交雑による遺伝子変化や個体数の増加が危惧される。富大理学部の山崎裕治准教授(47)=保全遺伝学=らのグループが、県自然保護課と連携して研究を進めてきた。山崎准教授は「さらに詳しく遺伝情報を調べ、交雑の状況を明らかにするのが次のステップ」と話している。山崎准教授らが二〇一三~一六年、県内と近隣六県で捕獲されたニホンジカ百九十三頭を遺伝子分析したところ、十二種類の遺伝子型が見つかった。県内で捕獲された百二十五頭のうち五十一頭が、ヤクシカに非常に近い二種類の遺伝子型を示した。山崎准教授らによると、一九九〇年代に富山市の旧八尾町にあったシカ牧場で九州産のシカが飼育されていたといい、このシカが野生化したとみられる。ヤクシカとほぼ同じ遺伝子型のシカの多くは富山市内で見つかった。ただ、外見ではほとんど区別はつかない。山崎准教授は「当時のシカが生きているとは考えられず、在来の個体と交雑しているとみられる」と語った。残る十種類は富山や周辺県に共通する遺伝子型の在来個体だった。富山県内では在来と外来を合わせて九種類の型が確認された。県自然保護課の担当者は、周辺県のニホンジカとは違う遺伝子を持ったシカが見つかったことから、「県内のシカの移動状況や増え方を調べるのに役立つ」と話す。研究成果は今月六日、国際学術誌「ズーロジカル・サイエンス」電子版に掲載された。
(ヒグマ情報66件最多:北海道)
森町ヒグマ被害対策本部(本部長・梶谷恵造町長)に昨年度寄せられたヒグマの情報が前年度比12件増の66件で、このうち農作物などの被害が同17件増の40件となり、いずれも1991年度の統計開始以来、最悪となったことが分かった。町は本年度、畑へのクマの侵入を防ぐ電気柵の設置費用を補助するほか、くくりわなによる捕獲を再開し、農業被害の防止に努める。同本部は町、道猟友会森支部、森署、渡島総合振興局などで構成。11日に町役場で開かれた本年度第1回対策会議で、町が昨年度の被害状況について報告した。ヒグマの情報66件のうち、目撃は前年度より2件少ない18件、足跡は3件減の8件、農作物などの被害が17件増の40件だった。捕獲数は4頭増の7頭。農業被害額は49%増の326万円で過去15年間で最多となった。被害金額が最も多かったのはカボチャ・果物で231万円、次いでスイートコーン67万円、養蜂箱25万円。被害面積は計1・35ヘクタールで2・25倍だった。
(イノシシ、市街地への出没が2017年から増加:京都)
国内外からの観光客でごった返す春の京都に、“招かれざる客”が現れた――。3月31日午前、東山区の東福寺近くに親子2頭のイノシシが出没。突進や噛み付きで、老若男女5人に重軽傷を負わせたのである。「事件当時、現場一帯はパニック状態となっていましたね」とは、地元紙記者。「イノシシはかなり力があったらしく、駆け付けた男性が4人がかりで取り押さえようとしたのですが、暴れに暴れ、結局、取り逃がしてしまいました」もっとも、「この近くには竹林があり、春になるとそこへタケノコを食べにくることはあったそうですが、こんなふうに人を襲ったとは聞いたことがないですね」(同)京都府全域のイノシシの生息数は、府が出している資料によれば、約6万頭とされている。「ただこの数字はあくまで推計に過ぎません。実態はよくわかっていないというのがホンネです」と嘆くのは、府の担当者。「というのもイノシシは多産で、短期間で個体数の変動が起きる種なんですよ。なので環境省もきちんとした調査をしていません」ただ、「ひとつ言えるのは、捕獲頭数は確実に増加しているということです。1998年度では、3000頭ほどだったのですが……」(同)2015年度になると、「1万3500頭も捕まっている。もっとも捕獲技術の向上などもあるかもしれませんが、それ以上に絶対数が増えているのは間違いないでしょう」(同)それでも、「これまでは農産物への被害が中心で、人に危害を加えることはまれでした」(同)ところが、である。「理由はわかりませんが、昨年あたりから、今回のように、市街地に顔を出すケースが増えてきたのです。今後は、住民や観光客への注意喚起なども含めて、イノシシ対策を講じて行かないといけませんね」(同)そう遠くない未来、牡丹鍋が京都名物の代表格になるかもしれない。
(白山に冬眠から目覚めたクマ:石川)
3月下旬から暖かい日が続き、雪解けが進む白山のブナオ山。そこでいま、冬眠から目覚めた野生のクマが毎日のように姿を見せ、観察舎を訪れる人たちの人気を集めている。前足を器用に使い、木の芽を食べているのはツキノワグマだ。白山ろくにある標高1365メートルのブナオ山。山を一望できる観察舎からはいま、冬眠から目覚めた野生のツキノワグマを望遠鏡で見ることができる。なぜ、この場所に頻繁に現れるのだろうか。観察舎から見える斜面は南側で、雪解けが早く、食糧となる新芽が生えてくると、クマを頻繁に観察することができるようになるという。ことしは3月24日以降、連日のように目撃されていて、一度に複数のクマを観察できる日もあるという。白山ろくにようやく訪れた春。観察舎の今シーズンの開館時期は5月6日までとなっている。
(ジビエの魅力紹介:浜松)
浜松市天竜区産のジビエ(野生鳥獣肉)の魅力を紹介する「天竜ジビエフェス」が十五日、浜松市中区のサーラプラザ佐鳴台であった。各団体や事業者がジビエ料理や革を使った商品を販売。狩猟をテーマにした猟師の講義もあり、来場者がジビエに理解を深めた。講義では、天竜区春野町のジビエ解体加工施設「ジミート」代表の天野進さん(67)が三十年近い狩猟歴を踏まえ、野山のイノシシやシカが食肉になるまでの過程を紹介した。天野さんによると、狩猟者の高齢化が課題で、若い女性の担い手は近年増えてきたが、解体を手掛ける人は少ないという。捕獲の場所や時季などで肉質が異なるのがジビエの特徴といい「十頭いれば十頭の味がある。個体差を楽しんでほしい」と話した。若手の女性猟師で西部猟友会森町分会の森町職員、白沢慶さん(30)も登壇した。曽祖父が狩猟に携わっていたという白沢さんは「ジビエはおいしく、自分でも捕れたら」と三年前に狩猟の免許を取った。足跡の見分け方の解説では、シカとイノシシの脚の剥製を示し、来場者が興味深げに眺めたり手に取ったりした。会場では市内の五店舗が、シカ肉のクッパやシチューなどを販売し、完売する人気ぶりだった。肉以外の部位を活用する動きも広がりを見せ、事業者や猟師がシカの革を素材にした手提げカバンや靴、角を使ったアクセサリーなどを販売した。フェスは、ジビエの消費促進と天竜の活性化につなげようと、市内の提供店代表ら有志でつくる天竜ジビエフェスプロジェクトが昨年に続いて企画した。
(高校生のジビエバーガー:埼玉)
県立皆野高(皆野町)の生徒がシカとイノシシの肉を使って開発したジビエ料理の「激推(げきおし)イノシカバーガー」(1個500円)が、秩父市熊木町のパン店「橋本菓子工房」で毎週金曜日限定で販売されている。店主の橋本誠さん(54)は「生徒の商品開発から始まり、地域イベントでの販売実習を経て一般商品に育ったのは驚きだ。地域活性化のため、少なくとも年内は販売を継続したい」と話している。同高は昨夏から商業科の選択授業でジビエ・ハンバーガーの開発に取り組んだ。ジビエ料理は農産物などの食害被害を防ぐために捕獲したシカやイノシシの肉を用い、都市部で人気がある。生徒らは味と価格の市場調査を行い、ジビエ肉のくさみを消すレシピを考案。橋本さんと肉を提供する小鹿野町の食肉業、内田俊夫さん(46)の同高のOB2人も協力した。生徒たちは1月21日からほぼ毎週末、秩父地方の観光地や地場産品販売所、スーパーなどで販売実習を計13回実施し、用意した50~150個は全て完売。3月末までに計1200個を売り上げた。住民らから「どこで買えるのか」などと同高に問い合わせが相次いだため、今月13日から毎週金曜日に限定30個を販売してもらうことになった。販売実習でも協力した橋本さんは「学校の頑張りが大きいが、ジビエは観光客の好奇心を呼び、予想以上に売れた。反響の大きさから今度は地元住民が関心を持ち始めた」と指摘する。同高の浅見和義教頭は「商業高として地域を回り、触れ合い、応援してもらうのは今まであまりない体験だ。新年度は商業科全体で取り組み、イノシカバーガーの販売活動に力を入れる」と語った。
(プロの料理味わう、鳥獣害対策でジビエ普及へ:和歌山)
和歌山県田辺市上芳養の日向会館で14日、イノシシやシカなどジビエ(野生鳥獣肉)の魅力を紹介する催し「ジビエを知る会」があった。地元の住民ら約90人が、シカ肉のローストやイノシシの骨でスープをとったラーメンなどを味わった。同地区では2月から紀州ジビエ生産販売企業組合が、ジビエの加工施設を運営。農業が主産業の地区で、鳥獣害対策が進むと期待されている。地元農家でつくる会社で、農業や狩猟、産品販売を手掛ける「日向屋」が、施設のPRやジビエの普及のために催しを企画した。メニューは「シカすじポン酢」「シカ肉のロースト」「イノシシ骨ラーメンのイノシシチャーシュー載せ」「タケノコとエンドウ豆の炊き込みご飯」。上芳養在住で、フレンチが専門の料理人、更井亮介さん(28)が腕を振るった。会には子どもから高齢者まで幅広い世代が参加したが、どのテーブルもすぐに完食。地元の山添踊香さん(55)は「シカすじポン酢は添えていたオレンジがアクセントになって、女性向き。ローストは軟らかく、臭みが全くない。家庭では食べられないプロの味」と笑顔を見せた。
(イノシシ肉、テロワールでPR:岡山)
ワインを語る時によく使われるフランス語「テロワール」。造られた気候や地形、土壌など「風土の特徴」を示すこの言葉を使って、新見市産のイノシシ肉をPRしよう。そんな取り組みが行われている。一般社団法人「水辺のユニオン」(倉敷市)は2016年から新見市哲西町で捕れたイノシシ肉を飲食店に卸しているほか、缶詰「コン猪(シシ)」として販売している。ユニオンの岡野智博代表理事(55)が扱うシシ肉を説明する時に強調するのが「テロワール」だ。「捕らえられるその瞬間まで自然環境で生まれ育った生きもの。シシ肉にはその土地の特徴が刻み込まれている」。高梁川流域にある同市哲西町は自然豊かな地域にある。イノシシは山に自生するドングリや栗、タケノコを食べて育つ。昼夜の寒暖差の影響で、甘みのある脂肪もしっかりついているという。「シシ肉は哲西のテロワールがしっかり表現された食材。地域の特産に育てたい」と岡野さん。シシ肉を提供しているのは同市の猟師、長尾一三さん(74)だ。わなを使って年80頭以上のイノシシを捕る名人。自宅の敷地内にある施設で、仕留めてから数時間以内に解体している。「シシ肉を臭い、まずいと言う人がいるが、それは解体の中で、腐敗が進んだり、肉に雑菌が付いたりしたせい。肉本来の味じゃない」長尾さんが猟に力を入れるようになったのは10年ほど前。「イノシシに作物を食べられてかなわん」と嘆く声を地域の農家からよく聞くようになったからだ。捕獲量を増やすと自宅で消費しきれない肉が増えた。「こんなにうまい肉を捨てるのはもったいない」と知人だったユニオンの岡野さんと協力。15年に保健所の許可を得て解体所を作り、肉の販売許可も取得した。ジビエ人気の高まりもあり、販路は少しずつ広がっている。シシ肉を使った飲食店は少しずつ増え、缶詰はこれまでに2万個以上が売れた。長尾さんは「新見のシシ肉は新見の野菜や酒と食べると一層うまい。多くの人に味わって欲しい」と願っている。
(欧米銃器メーカーのインド生産が数年内に拡大か)
『インド製』の銃器が、米英の特殊部隊をはじめ、西側諸国の部隊で運用されるアサルトライフル、スナイパーライフルの間でそのシェアを拡大させるようだ。国内大手の英字紙「ザ・タイムズ・オブ・インディア」が報じている。ここでインド製と言っても、インドのメーカーが躍進することを指している訳では無く、この分野で技術的にリードしている米国をはじめとした西側諸国の銃器メーカーが、その生産ラインをインドに移す計画が拡大することを意味している。11日から14日に掛けて東部のサーウビダンダイでおこなわれた『デフエキスポ2018(DefExpo 2018)』の会場取材で明らかになったもので、具体的なところでは、米国のデザートテック(Desert Tech)社、ルイス・マシーン・アンド・ツール・カンパニー(LMT: Lewis Machine&Tool Company)、オーストリアのシュタイアー・マンリヒャー(Steyr Mannlicher)の名が挙がっており、それぞれインド側のパートナー企業が技術移転の下でその製造を請け負う計画となっている。一方タイムズ紙によると、粗悪な国産品に悩まされているインド軍が、これら先進的な銃器を導入するには、手続きが煩雑となるためすぐにはいかないようだ。新たな銃器製造拠点として白羽の矢が立っているのは、東部のベンガル湾に面するタミルナードゥ州チェンナイ。これまでインドでは、米・英とニュージーランド向けの銃本体製造は南部のカルナータカ州バンガロールで製造されているが、今回の計画ではチェンナイで銃本体と弾薬の製造が進むことになる。インド製の銃器は、チェコ、リトアニア、UAE、タイをはじめ今後は中東・東南アジア諸国に向けて輸出される。また弾薬については、世界第二位の規模を誇るブラジルのCBC社が、生産ラインの全てをインドに移管する計画を打ち出しているとのこと。
(フィンランド産シカで海綿状脳症)
農林水産省は4月13日、フィンランド共和国で起きたシカの慢性消耗病(CWD)の発生を受けて、同国からのシカ科動物とシカ科動物に由来する畜産物の輸入を停止した。これは13日、フィンランドの野生ヘラジカでCWDの発生が確認されたとの情報が同国家畜衛生当局から寄せられ、それを受けて輸入停止の措置を講じた。ただし、同省によると、フィンランドからのシカ科動物と同科動物由来畜産物のわが国への輸入実績はこれまでなく、またCWDがわが国で発生したことも確認されていないとしている。
(「猟師」が手掛けるジビエの店:東京)
ジビエこそ、近年最大の肉トレンドかもしれない。中でも東京・目白の「ジビエ料理 アンザイ」は正真正銘、出所のはっきりした猪や鹿を食べさせる。というのも、店主の安西康人さん自ら、静岡県浜松市の実家裏の里山まで猟に出て、獲物を仕留めてくるからだ。現に安西さんの名刺の肩書は「猟師」となっている。しかも、実家には工房も設けて解体処理までする。安西さん曰く、ジビエのおいしさは処理で決まるのだとか。「動く獣を銃で撃つと、どうしても急所を一発で仕留めるというわけにはいかない。弾が入った周囲は、被弾のダメージで血が集まり、臭みの元となって食肉として使えなくなってしまうんです。罠で捕らえたほうが確実。捕獲や解体にかかる手間や経費等を考慮して単価もなんとか設定しますが、そもそも家畜とは単価が違って当たり前です」狩猟は父の趣味で、「子どもの頃から身近だった」という安西さん。大学進学から東京に出て、大手メーカーの子会社で会計の仕事をしたり、秋葉原でメイド喫茶やメイドリフレ店の経営もしたりしたが、30代半ばでいったん実家に戻る。そこで急に時間を持て余し、狩猟免許を取得。元来凝り性で、趣味でやるくらいなら究めようと、昼間は狩猟をしながら夜は塾講師という生活をしばらく送り、11年8月、満を持して目白の住宅街にアンザイを開店した。今回は珍しいウリ坊の脚のローストと、客が自身で練り、たこ焼き器でミートボールにする鹿のミンチを堪能。どちらも臭みは一切なく、ほんのり山野の草木の香りがした。特にウリ坊の脂の旨みはこたえられない。安西さんによれば、山谷を駆け巡る本物の自然食だからこそ、「猟から手がけたいという若者も徐々に増えている」そうだ。そこで今後は後進の育成も視野に入れ、業容の拡張も考えているという。

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