<射撃ニュース6月>
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(クマ襲撃の可能性、78歳男性と判明:秋田)
仙北市田沢湖玉川で23日に見つかった動物に損傷されたとみられる身元不明の遺体について、仙北署は25日、司法解剖の結果、行方不明だった秋田市将軍野桂町、無職、荒谷忠一さん(78)と発表した。頭や腹部などにかまれたり、ひっかかれたりしたような傷があり、同署はクマに襲われた可能性が高いとみて調べている。同署によると、荒谷さんは18日に山菜採りに出かけ、その後行方不明になっていた。捜索していた同署員らが23日朝に発見した。司法解剖の結果、死後数日程度たっていると判明。死因は外傷性ショックの可能性が高いという。発見時は着衣が破れていた。県や県警などの関係機関は25日、同市内で「ツキノワグマ被害緊急対策会議」を開き、クマ被害防止の対応などを確認した。会議で県警の担当者は「入山者を食い止めなければ、第2、第3の被害が出る恐れがある」と指摘。市の担当者は「看板設置で注意喚起するとともに、今後も危ない箇所には順次看板を設置したい」と話した。また、県自然保護課の担当者は「あれほどの傷をつけるのはクマとしか考えられない」と話し、「入山を自粛してほしい」と呼びかけた。玉川地区では、昨年5月、同市の60代の女性がクマに襲われて死亡している。県警地域課によると、24日現在、クマによるけが人は4人で、目撃情報は402件に上っている。

(クマ2頭と遭遇、88歳男性軽傷:岩手)
26日夕方、岩泉町の竹やぶでタケノコ採りをしていた88歳の男性がクマ2頭と遭遇し、うち1頭に襲われて軽いケガをした。26日午後6時頃、岩泉町穴沢の無職・中村馬太郎さん88歳が自宅から北に約100メートル離れた竹やぶで1人でタケノコ採りをしていたところ2頭のクマに遭遇した。中村さんは、このうち1頭のクマにひっかかれ、右耳や右腕に軽いケガをした。2頭のクマはいずれも体長約1メートルで、襲われた後、中村さんは持っていた鎌で追い払い、自力で自宅に戻って警察に通報したという。現場は山に囲まれた民家が点在する地域で、警察は付近をパトロールして注意を呼びかけ。

(日本クレー射撃協会、高橋会長を再任)
日本クレー射撃協会は27日、東京都内で理事会と総会を開き、高橋義博会長(70)を再任した。3期目で任期は2年。女優の夏樹陽子の理事留任も決まった。

(北海道開拓当初のエゾシカ個体数、70万頭と推定:北海道)
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの揚妻直樹准教授は、過去のシカ捕獲数記録から、1873年当時、北海道に少なくとも35~47万頭を超えるシカが生息していたこと、そして、近年の生息数と捕獲数のデータで補正すると、実際には70万頭ほどのシカが生息していた可能性があることを明らかにした。野生動物が過去にどれほど生息していたのかを知ることは、自然生態系の本来の姿や生物多様性のあり方を理解する上で重要だ。また、管理が必要な動物の場合は、適正頭数を考えるためにも必要な情報となる。北海道では、明治の開拓当初、多くのエゾシカが生息していたことが探検家・松浦武四郎などが残した文章から知られていたが、具体的にどれほどの数が生息していたのか、詳しくはわかっていなかった。揚妻教授は、北海道開拓初期の1873年から1882年までの10年間の年ごとのシカ捕獲数から、その捕獲数を実現するために生息していなければならないシカの数を単純に算出する方法を考案した。これによると、1873年には、少なく見積もっても35~47万頭を超えるエゾシカが生息していたことがわかった。さらに、この値を近年のシカの捕獲数と生息数の割合で補正したところ、1873年のエゾシカの生息数は、近年と同程度の約50~70万頭となることがわかった。当時の北海道は、シカの天敵であるオオカミが健在であり、加えて地球温暖化が進行する以前の厳しい気候条件下のため、シカの死亡率は今よりも高かったと想定される。それにも関わらず、シカ問題が深刻化している近年と同程度の数のシカが開拓当初に生息していたことを示した本成果は、北海道固有の生態系保全やシカ個体群管理を考える上で重要な意味を持つ。

(クマ出没、県全域に警報発令:秋田)
秋田県は26日、現在発令中の「ツキノワグマ出没に関する注意報」を警報に切り替えたと発表した。期間は8月31日までで県内全域が対象。仙北市田沢湖玉川の国有林で23日に遺体で見つかった男性がツキノワグマに襲われた可能性を否定できないことや、目撃情報が昨年度を上回ることから発令基準に該当したと判断した。県自然保護課の担当者は「タケノコ採りや行楽で山に入る機会が増えるが、今まで以上に気を付けてほしい」と注意を促す。県の警報発令制度は2016年度に導入。本年度は4月23日に注意報を発令していた。

(どうするクマ対策強化、頭抱える関係機関:秋田)
クマが人を襲う事故が起きたとみられる秋田県内で、山菜採りなどで入山しようとする人の安全をどう守るか、関係機関が模索を続けている。従来より踏み込んだ入山規制を求める声が出たが、入山を許可する制度があって実現は簡単ではない。従来の対策の限界も指摘され、議論は平行線をたどっている。道路脇に背丈を超える草木が生い茂る仙北市田沢湖玉川の国道341号。120メートルほど入った山林で23日朝、5日前に山菜採りに出掛けたまま行方不明だった秋田市の男性(78)が遺体で見つかった。秋田県警によると、動物に傷つけられたような損傷があったという。クマに襲撃された可能性が高いとみて、県は25日に緊急対策会議を開催。林道の通行止めや電気柵設置といった応急策を協議したが、さらに踏み込んだ対策を求める声が上がった。「林道だけでなく国道沿いに車を止めて山に入る人も多い。規制を強化する対策が必要だ」と指摘したのは県警幹部。国道沿いの空きスペースの利用を制限して駐車できなくする、徹底的な規制を提案した。提案を踏まえ、国有林を管理する秋田森林管理署(秋田市)は26日、空きスペースに規制線を張る取り組みを始めた。後藤敏次長は「設置箇所など全体像を把握し、可能な限り協力したい」と話すが、全面的な入山規制は「管理署単独では判断できない」と言う。背景にあるのは仙北市と結んでいる普通共用林野制度。市民が山菜採りなどを目的に国有林に入ることを許可している。市農林整備課の担当者は「締結解消は難しい。捕獲用のおりや注意を促す看板設置などを実施したい」と説明する。男性の遺体発見現場近くでは昨年5月にも山菜採り中の女性がクマに襲われて亡くなっている。国道まで30メートルほどの道路に近接した場所だった。県自然保護課によると、昨年の事故発生後、山奥に行かずに道路近くで山菜採りをする人が増えたという。しかし、高松武彦課長は「クマの行動範囲は広がっていて、山に入ること自体が危険。対策にも限界がある」と語る。仙北市の現場近くでは、14日に山菜採りで入山したとみられる男性も行方不明になっている。

(「伊豆大島のキョン」、捕獲強化で増加に歯止め:東京)
伊豆大島(東京都大島町)で増加が問題となっている外来生物「キョン」について、都は2017年の推定生息数は1万7109頭で、前年比57頭(0・3%)増と、ほぼ横ばいだったと発表した。ここ10年は年1000頭のペースで増えていたが、捕獲対策を強化したことで横ばいに転じたという。中国や台湾が原産のキョンは、体高約40センチ、体重約8キロの小型のシカ。オスには角と牙があり、メスは1歳になると子どもを産み、繁殖力が強い。草の根や低木を好んで食べ、生態系や農林業などに害を及ぼす特定外来生物に指定されている。同島では1970年、台風で都立公園の施設が壊れ、十数頭が逃げ出して繁殖。生息数は島民数(約7700人)の2倍以上にまで増え、島名産の野菜アシタバが食い荒らされるなど被害が相次いでいる。都が捕獲用の柵を増やすなど対策を強化し、昨年は過去最多の3541頭を駆除した。都の担当者は「対策により、生息数の増加に歯止めがかかった。今後もハンター増員など対策を強化し、根絶につなげたい」としている。

(工場敷地内にクマ:秋田)
27日午後3時5分頃、秋田市御所野下堤の工場敷地内にクマがいるのを、正門付近の警備室にいた男性警備員が目撃した。通報を受け、秋田東署員が駆けつけた時には、クマは見当たらず、同署でパトカーを巡回させて周辺住民に不要な外出を控えるよう注意を呼びかけ、一帯は騒然とした。同署の発表によると、クマは体長約1メートル。警備員がいた正門近くの植え込みの辺りから出てきて敷地内の道路を横切り、別の植え込みの方へ走っていったという。警備員は読売新聞の取材に対し、「クマの動きは素早くて一瞬で見失った」と答え、驚きを隠せない様子だった。工場では、従業員に注意を呼びかけるとともに、目撃現場付近の道路に看板を置き、クマが出たことを伝える貼り紙をした。現場は国道13号の南西約180メートルの、住宅や大型商業施設、工場、小学校などが立ち並ぶ一角。近くの介護施設で働く30歳代女性は「警察から連絡があり、利用者も不安がっている」と表情をこわばらせた。

(パーキングにクマ:秋田)
秋田県内では28日、クマの出没が相次いだ。けが人はいなかった。鹿角署によると、小坂町小坂では午前1時ごろ、東北自動車道下り線小坂パーキングエリアに体長約1メートルのクマがいるのを、トラックの車内で休憩していた青森県弘前市の50代男性運転手が見つけ、110番した。

(農作業小屋にクマ侵入:秋田)
秋田東署は25日、秋田市河辺赤平で、農作業小屋入り口の木製扉が壊され、中にあった米ぬかが荒らされているのが見つかった、と発表した。小屋の周辺にはクマのものとみられる足跡が残されており、同署は、クマが侵入したとみて、周辺住民らに注意を呼びかけている。発表によると、小屋は、所有者の70歳代男性の自宅敷地内にあり、23日午後10時半頃、男性が家の外で大きな物音がするのを聞き、翌24日朝に見に行ったところ、小屋の奥に置いてあった米ぬかが散乱しているのに気付いた。県警の発表によると、県内では25日も、人里近くでクマの出没が相次いだ。大館市釈迦内では午後5時50分頃、北陽中学校のグラウンド脇でクマ3頭が目撃された。大仙市太田町中里では午前8時40分頃、秋田市上新城中では午後1時10分頃、それぞれ民家近くにある田んぼ、県道に出た。大館市片山町では午前6時15分頃、県北秋田地域振興局の大館地区総合事務所近くの市道を横切った。このほか大仙市清水の田んぼ、秋田市柳田の市道、能代市浅内の県道、湯沢市皆瀬の草地などで目撃情報が相次いだ。

(クマと軽乗用車衝突:秋田)
秋田県内で25日、クマの出没が相次いだ。けが人はいなかった。秋田東署によると、同日午後8時15分ごろ、秋田市下北手松崎の県道で、城東十字路方向から秋田中央インターチェンジ方向に走っていた仙北市の60代女性の軽乗用車が、道路に出てきた体長約1メートルのクマと衝突した。クマはそのまま立ち去った。

(介護老人施設の敷地内にクマ:新潟)
28日午後3時すぎ、新潟県阿賀町あが野南の介護老人保健施設「三川しんあい園」の敷地内に体長約50センチのクマがいるのを施設職員が発見し、阿賀町消防署に通報した。付近には保育園や住宅があり、津川署などがパトロールをして警戒した。

(クマ目撃:栃木)
29日午前6時25分ごろ、日光市所野の県道上。体長約1メートル。道を南から北に横断し、山林内に走り去った。

(ヒグマ監視カメラ増設へ:北海道)
先月30日から、ヒグマの足跡などが見つかっている利尻島で26日、利尻町と利尻富士町の担当者らによる対策会議が利尻町役場で開かれた。ヒグマの動向を監視するため、これまで4台だった自動撮影カメラを両町で計9台に増やすことなどで一致した。島内では島南部の林道に設置したカメラが15日、ヒグマの姿を捉えている。両町による会議は2回目。これまでの経過や現状などを報告したほか、民家裏の畑に足跡が見つかったことの対策として、畑の周りの雑草を刈るなどして緩衝地帯を作り、ヒグマへの警戒を促すこととした。また道の狩猟許可が下りたことを受け、ヒグマが問題行動をとった際に箱わななどを設置するため、稚内の猟友会に協力を呼びかけ、島に招いて現地視察をしてもらうことを決めた。

(鳥獣被害7年連続減:長野)
上伊那地方の2017年度の野生鳥獣による農林業被害額は前年比約1380万円減の7890万円となり、7年連続で減ったことが27日、県上伊那地域振興局林務課への取材で分かった。被害の大部分を占めるシカのほか、サルや鳥類などの被害も総じて減少。市町村や猟友会、集落と連携して捕獲や防護、環境整備といった総合対策を継続してきた成果とみている。被害の内訳は農業関係が前年比約930万円減の6545万円、林業関係が同約460万円減の1345万円。獣種別ではシカが2972万円と全体の4割弱を占め、果樹被害などを出す鳥類2083万円、サル1221万円と続いた。これにイノシシを加えた4獣種は減ったが、クマだけが唯一微増した。シカの捕獲数は、個体数調整と狩猟を合わせて4483頭(速報値)となった。守りの対策では、 国の補助を活用して農地周辺に張った防護柵の総延長が昨年度末時点で約300キロに達しており、同課は 「シカの生息数自体が減っているかは不明だが、捕獲と防護対策の推進により、農地などへの出没が少なくなったとは言える」としている。上伊那地方の農林業被害額は07年度の2億1675万円がピーク。11年度からは減少を続けており、16年度には1億円を下回った。同課は、地域の尽力に感謝した上で「対策の手を緩めると再び被害が増える恐れもある」と指摘。高山植物の食害など数字には表れない被害もあり、引き続き総合対策を進めていく考えだ。

(若者・女性、狩猟の担い手に)
狩猟者の減少や高齢化が深刻な課題となる中、狩猟免許を取得する女性や若者が増加しており、狩猟者人口の減少に歯止めがかかってきた。大日本猟友会の会員数は2017年度に10万5700人を超え、前年度から500人以上増え、会員増はここ40年で2回目となる。若者らで青年部を立ち上げるなど、仲間づくりや狩猟ビジネスに挑戦。市民へ、狩猟の魅力発信にも貢献する。三重県大台町の瀬古愛弥さん(28)は、父や知人とグループを組んで鹿、イノシシといった野生の獣を撃つ女性ハンターだ。解体した枝肉を販売する他、管理人を務めるキャンプ場でもジビエ(野生鳥獣の肉)を骨付きや丸焼きで提供する。狩猟を始めたきっかけは、地域住民の生活圏に獣が現れるようになったことだ。電車や乗用車と、増加する鹿との衝突事故が頻発していた。夜になると民家の庭先にも現れ、家庭菜園もままならない状況だった。「誰かが手を打たないと、いつか命を落とす人が出る」──。21歳になる年に第一種銃猟免許を取得し、猟銃所持の許可を受けて、狩猟を始めた。有害鳥獣駆除だけでも、イノシシと鹿を年間合わせ、約150頭に上る。「まだまだ被害はあるが、始めた頃に比べれば改善された」と実感するという。冬場は狩猟、夏場はキャンプ場を運営し、周年で解体した枝肉を販売して生計を立てている。注文があれば、キャンプ場のバーベキューでも鹿の骨付き肉やイノシシの丸焼きを提供する。狩猟や解体処理施設の見学会も開き、一般の人が狩猟の現場に触れ、獣害の現状を知ってもらう機会をつくっている。狩猟に興味を持つ人は増えているが「銃で狙いを定めたり地形を覚えたり、狩りには慣れが必要。経験が浅いと危険も多く伴い、参加のハードルは高い」と話す。現在の目標は、多くの人にジビエを知ってもらうこと。「獣肉が売れることが猟師の励みにつながる。現場に入らなくても、応援できることを知ってほしい」と話す。兵庫県猟友会姫路支部は、40代までの部員による青年部を立ち上げ、若手同士で活発に交流する。部員数は約50人。仲間づくりや消費者向けの情報発信などに力を入れる。青年部の大前有希さん(30)は「一人でも多く狩猟に興味を持ってもらって、若い仲間を増やしたい」と明るい。大前さんらは、猟友会員が捕獲した鹿の解体体験やジビエ料理のワークショップなど、地元のアウトドアイベントに参加し、狩猟や鳥獣害被害に携わる猟友会の役割を伝える。参加者に鹿の解体を指導しながら、ジビエや狩猟の魅力を伝える。青年部員が狩猟免許を取得したきっかけは「食べ物に関わる仕事をしていて、捕って食べることに関心があった」「魚釣りから狩猟に興味を持った」など、さまざまだ。青年部員は無料通信アプリ「LINE(ライン)」で連絡を取り合って情報交換したり集まってコミュニケーションをとったりと、同世代という気安さがある。青年部が上の世代との調整役を果たして先輩狩猟者の経験に学びながら、同年代の横のつながりを狩猟参加に結び付けている。橋本勝弘さん(45)は「昔は徒弟制度で猟を行っていた。若い人が狩猟の世界に入っていくのはハードルが高いが、今は若手のグループがその手助けをしている」と、青年部の意義を実感している。

(新規狩猟者増を目指し研修会:和歌山)
年間で3億円を超えるという県内の野生鳥獣による農作物被害を食い止めようと、県が新規狩猟者の確保に力を入れている。県内の狩猟免許取得者数は増えつつあるが、全体的に高齢化が進んでいるため、県は狩猟の魅力を知ってもらおうと、7月に現役狩猟者の講演や体験イベントなどを盛り込んだ研修会を開催する。県によると、平成28年度の野生鳥獣による農作物への被害金額は3億2824万円で、22年度以降は毎年3億円を超えるペースで推移している。中でも深刻なのがイノシシによる被害で、28年度の被害金額の51・6%を占めているという。一方、県内の狩猟者は高齢化が進み、23年度に4289人だった狩猟免許取得者数が24年度は3862人に減少している。このため、県は25年度から新規狩猟者の増加につなげようと、狩猟の魅力を知ってもらう研修会を実施するとともに、狩猟で得た野生鳥獣の肉(ジビエ)を食べて鳥獣害を減らす意識も浸透させるため、ジビエ料理に親しむイベントも開催。28年度の狩猟免許取得者数は4016人と再び増加しつつある。今年度の研修会は7月7日にわかやま農協中央営農センター(和歌山市栗栖)で開かれ、現役の若手女性狩猟者が講演会で狩猟の魅力を語るほか、県猟友会和歌山支部のメンバーによる狩猟体験談の披露や、ジビエ料理の試食会などのイベントが催される。県農業環境・鳥獣害対策室の担当者は「最近は少しずつだが、狩猟免許の取得者数も増えつつある。ぜひ気軽に足を運んで狩猟に興味を持ってもらいたい」と話している。

(県内クマの人身被害5人:新潟)
県は25日までに、2017年度の県内のツキノワグマによる人身被害が前年度より1人多い5人だったことを明らかにした。出没・目撃は前年度比で139件減の808件だが、依然高水準だった。18年度に入ってからも出没や目撃が相次ぎ、けが人も出ていることから、県は引き続き注意を呼び掛けている。

(摘果でクマ被害防ぐ:福島)
飯坂温泉観光協会(畠隆章会長)は27日、福島市飯坂町の花の名所「飯坂温泉花ももの里」で、ハナモモの果実を取り除く摘果作業に汗を流した。観賞用ハナモモの果実は食用に適さないが、実ったまま放置しておくとクマなどの野生動物に荒らされる恐れがあることなどから、毎年実施している。同協会の会員や職員ら約20人が参加。約400本の木に実った青い果実を一つ一つ丁寧にもぎ取り、色とりどりの花が咲き誇る来年の春に思いをはせた。

(ササユリ全滅、食害の原因はサル:長野)
飯田市大瀬木の梅ケ久保公園と北方の佐倉様周辺に自生するササユリが、動物の食害によりほぼ全滅した。県が設置したセンサーカメラには、サルがササユリの花を摘み取って食べる様子が捉えられていた。保護活動に取り組む関係者は「来年以降どうしたらいいのか」と頭を悩ませている。梅ケ久保公園と佐倉様では、今月初旬からササユリの食害が相次いでいた。県南信州地域振興局の協力で調査を行い、22日に梅ケ久保公園に2台のセンサーカメラを設置。23日に梅ケ久保自然愛護会が草刈り作業に訪れたところ、残っていた花がなくなっていた。梅ケ久保公園で食害にあったササユリは400本以上。周囲の果樹園でまだ青いリンゴがかじられる被害も見つかった。愛護会の桜井光之事務局長(40)は「サルはどうしようもない。捕獲以外手がないのでは」と肩を落とした。佐倉様では、24日早朝に残っていたササユリが、同日昼ごろまでに被害を受けた。同所で保護活動に取り組む近藤純治さん(75)は「1本もなくなってしまってがっかり。何かいい方法があったら教えてほしい」と話した。

(サル、奇跡の生還:滋賀)
名神高速道路で走行中の車にはねられ、ボンネットの中に入り込んだ子ザルが見つかり、愛知県警西枇杷島署が27日までに保護した。衝突のはずみでボンネット内のわずかな隙間に挟まったとみられ、捜査関係者は「生還は奇跡」と驚いている。同署によると、事故があったのは24日午後4時ごろ。滋賀県米原市付近の同高速上り線で乗用車がサルをはねた。車の男性の説明では、前部がへこんだが、サルは見当たらなかったという。ところが、翌日、ボンネットを開けると、エンジンとラジエーターの間からサルが顔をのぞかせた。車は事故後、数十キロ走行していたが、サルは丸1日、身動きできないまま、隙間に挟まっていた。

(若手農家有志によるイノシシ対策チーム、オリワナシステムの運用を開始:熊本)
熊本県内各地の若手農家有志による組織「くまもと☆農家ハンター」(所在地:熊本県宇城市、代表:宮川 将人)と ICTによる地方インフラ構築支援の株式会社フォレストシー(本社:東京都江東区、代表取締役:時田 義明)は、同県宇城市内における鳥獣被害対策の一環として携帯圏外でも通信可能な野生動物の捕獲通知システムの運用を開始。当社はこれまで基本的に行政への販売に限定していましたが、くまもと☆農家ハンターの活動趣旨に賛同し協業に至りました。熊本県の発表によると、2016年度の鳥獣による県内の農作物被害額は前年度から減少しているものの全体で4億9955万円、うちイノシシによる被害額は2億7241万円と5割を超えています。宇城市が2017年に発表した鳥獣被害防止計画によると、特に1999年(平成21年)まで捕獲実績がなかった同市三角町では、数年前からイノシシの個体数が増加しており、2018年(平成30年)度の捕獲実績は500頭を超えたにもかかわらずデコポンなどの柑橘類、タケノコ、生姜など産地の主力商品の被害は今もなお拡大しています。くまもと☆農家ハンターは、2016年4月、熊本県内の25~40歳の若手農家の有志により組織されました。地域を災害から守る消防団活動のように鳥獣被害から地域を守り、被害による離農ゼロを目標に掲げ、イノシシ対策の活動を始めました。農作物に被害を及ぼす主にイノシシを中心とした鳥獣の調査や防護、捕獲、ジビエ加工や商品開発など、入口から出口まで行うことで他地域のモデルになることを目指しています。 ※下図:くまもと☆農家ハンター作成。「地域と畑は自分たちで守る!」を合言葉に、80人を超えるメンバーが積極的にICTを活用しながら現地研修、農家ハンターサミットなどの専門家を招いた農家ハンターの座学も行っており、鳥獣対策だけでなく地域の担い手を育てる組織として行政からの期待が大きいのも特徴です。フォレストシーの「オリワナシステム」は、通信範囲の広さと省電力性に優れたLPWA(エルピーダブリューエー/Low Power Wide Area)無線技術による独自規格「LP-WAVE(エルピーウェイブ)」により、くくりわな・箱わな・囲いわなの作動状況をリアルタイムに監視するICT機器です。最大の特徴は高い電波出力と中継機能により、山間部などの携帯電波圏外エリアでも通信を可能にする広範囲の通信インフラが構築できることです。わなが作動すると利用者の端末へ通知が届き、GPS機能で位置情報も把握・共有できるので、地域ぐるみで連携して迅速な後処理が可能になり、鳥獣行政担当者や捕獲従事者のわなの管理負担を大幅に軽減できます。くまもと☆農家ハンターは、これまでクラウドファンディングを実施することにより野生動物の捕獲通知システムを装備するために必要な箱わなとセンサー、監視(発信機能付き)カメラを購入できました。しかし、通信機器や通信費用が高額なことや、携帯圏外エリアでの運用など課題を抱えていました。フォレストシーは、農水省が進めるジビエ利用のモデル地区にも選ばれた火の国熊本で、課題解決のために立ち上がった有志「くまもと☆農家ハンター」の活動趣旨に賛同し、行政以外の団体への提供を決断。親機1台と子機20台で「オリワナシステム」の運用を開始しました。両者は、このたびの運用を通して農家主体による鳥獣被害対策の新たなモデルを確立し、全国の農家に発信したいと考えています。

(カラス捕獲に自作わな、駆除3倍:広島)
尾道市因島三庄町で、市の有害鳥獣捕獲班員が住民と連携し、特産のかんきつなどに被害を与えるカラスの捕獲に力を入れている。今年は5月までに、昨年の3倍となる485羽を捕らえた。捕獲のノウハウを他地域に広め、島しょ部全体で成果を挙げたいとしている。

(イノシシ防護柵が最優秀賞:群馬)
日本環境化学会主催の第13回高校環境化学賞(5月23日、那覇市)で、利根実業高(横手静夫校長)の生物資源研究部が、初出場で最優秀賞「松居記念賞」に輝いた。26日には、群馬県沼田市の同校で報告会が開かれた。同部は2008年度から、昭和村にある同校の演習林や市内の水田でイノシシなどの生態を調査。農業廃材を利用した防護柵を設置し、侵入防護効果を調べる実験を続けている。

(高速道レストランが鹿肉料理競う:北海道)
エゾシカ肉の消費を増やそうと、道内高速道路のサービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)の食堂10カ所が考えた鹿肉料理のコンテストが25日、札幌市内の商業施設で開かれた。東日本高速道路道支社などが毎年夏に企画。各食堂の従業員が試作した丼や定食、カレーライスなどの味を競いあった。料理は7月から9月末まで、それぞれ考案した食堂で販売され、一般客らが楽しめる。最優秀賞は砂川SAの「エゾ鹿うま辛丼」(800円)。エゾシカ肉の甘辛い味付けや彩りよい道産野菜の盛り付けが評価され、審査員は「どれもおいしいですが、1番はこれシカありません」と太鼓判。

(獣肉生産組合、NPO法人化目指す:新潟)
魚津、黒部両市の鳥獣被害対策実施隊メンバーを中心とした「新川地区獣肉生産組合」の設立総会が二十六日、魚津市内のホテルであった。農作物の被害が拡大しているイノシシの肉のジビエ料理などへの有効活用を図るため発足。八月までにNPO法人化を目指す。理事長には、黒部市鳥獣被害対策実施隊の野村春幸さんが就任。今後の活動には両市の商工会や農協、観光協会なども協力する。黒部市から無償譲渡される高齢者共同作業センター(同市窪野)を年末までに加工施設に改修することも決め、二〇一八年度に五十頭、一九年度に三百頭の処理を予定。施設整備は国と黒部、魚津両市からの補助金計約八千百万円で進める。新川地区は最近五年でイノシシによる農作物被害が急速に拡大。耕作放棄地が増えるなど中山間地域荒廃の一因となっている。黒部市が連携を近隣市町に呼び掛けたところ、魚津市が応じ、組合の設立準備委員会を昨年十二月に設置した。総会であいさつに立った黒部市の大野久芳市長は「鳥獣被害への対策は喫緊の課題。加工処理した肉の販路確保が肝要で、ジビエ料理の積極的営業活動を」と激励。魚津市の村椿晃市長も「両市で連携を取りながら課題解決に動きだしたい」と期待を寄せた。

(ジビエ加工施設を建設:広島)
東広島市は、獣害対策で捕獲したイノシシとシカを食肉用に処理する加工施設を豊栄町に建設する。捕獲数は急増しているのに市内には民間の処理施設1カ所しかなく、そこもフル稼働状態で施設も手狭になっているためという。市は、地元産の野生鳥獣の肉(ジビエ)を新しい特産品として期待。売り込みを図る方針だ。

(イノシシの骨使い児童が絵の具作り:大分)
佐伯市の宇目緑豊小学校(伊東俊昭校長、91人)で25、26の両日、地元特産のジビエ料理の材料となるイノシシの骨を使い、黒色の絵の具を作るワークショップがあった。県芸術文化スポーツ振興財団と大分大学でつくる「地域の色・自分の色」実行委員会が主催。美術に親しみながら地域の魅力を体感してもらおうと、県内各地で開いている教育普及プログラムとして取り組んだ。6年生約20人が参加。地元のジビエ料理店から提供してもらったイノシシの骨を蒸し焼きにして細かく砕き、黒い粉末を作った。にかわを混ぜて手製の絵の具を作り、模造紙に思い思いの絵を描いた。講師を務めた県立美術館のエデュケーターが絵の具の歴史を紹介。かつては動物の骨や桃の種、イカスミなどいろいろなものから黒い絵の具を作ったことを説明した。佐藤有莉さん(11)は「動物の骨から絵の具ができるとは思わなかった。同じ黒色でも作り方で微妙に色が違い、味わいがあって面白かった」と話した。

(イノシシ肉のジャーキー、道の駅で販売:島根)
道の駅「サンエイト美都」(益田市美都町宇津川)はこのほど、獣害として駆除された市内のイノシシ肉を使った「しまねっこちょいワルジャーキー猪」を発売した。同駅が市のふるさと納税返礼品で扱うイノシシ肉が好評なことから昨春、常温保存できるジャーキーを企画していた。市内のイノシシ専門精肉店から赤身肉を仕入れ、熊本県の業者に製造を委託。精肉店によると、脂が乗らず、赤身だけの夏場のイノシシは需要がないため、ほとんど廃棄処分されており、赤身を使うジャーキーの開発を歓迎しているという。1袋(20グラム)税込み486円。ラベルは県観光キャラクター「しまねっこ」やサングラスをかけたイノシシをあしらった。同駅は「かむほどに野趣あふれるうまみが出る。シカ肉ジャーキーも予定しています」とPR。同駅や美都温泉湯元館、萩・石見空港、市内のスーパーなど計6カ所で販売している。

(クマ鈴、高音遠くまで:富山)
仏具メーカー「山口久乗きゅうじょう」(高岡市内免)は7月から、仏具のおりんを使ったクマよけの鈴(クマ鈴)を販売する。クマ鈴は山に入る際、リュックやベルトにぶら下げて鳴らし、人の存在をクマに気付かせて遭遇を防ぐための鈴。室内用の呼び鈴をクマ鈴として活用しているという顧客の声をもとにクマ鈴を開発した。商品名は「くまりん」で、音が遠くまで届くよう縁を厚くし、高い音が鳴るようになっている。銅合金製で直径4・7センチ、140グラム。税込み9720円。富山駅のとやマルシェ、高岡駅のクルン高岡、富山空港などで販売される。

(害獣駆除されたシカ肉を食べる会:東京)
江東区の民家(江東区常盤1)で6月23日、深川北エリアの情報発信を行うウェブサイト「いいね森下」(常盤2)が中心となり、「鹿肉を食べる会」が開催された。現在、日本全国におけるシカの個体数は約400万頭と言われ、農地や森林への食害や車や電車に接触する事故などが多数報告されている。毎年害獣駆除されるシカの肉を食用として、さらに多く流通させることで、個体数を減らす手伝いはできないか、と同サイトのイワタマサヨシさんと、兵庫県神戸市在住の狩人・新田哲也さんが同会を企画。「深川で鹿を食べる文化を築こう」というテーマを掲げ、研修と試食を兼ねた食事会が行われた。同日、近隣の飲食店10店舗ほどの店主が招待され、「味や量など安定供給できるのか」「深川を盛り上げるためにも、できる限り前向きに検討した」「命をいただくありがたみがテーマなら、今後も積極的に参加したい」など、多くの意見が交わされた。同企画は5月にも行われ、早速1店舗、シカ肉を取り入れたメニューを始めるなど、少しずつではあるがシカ肉利用が広がっている。次回の開催は未定だが、「反省点などもあるので、準備を整えて秋ごろ開催できれば」とイワタさん。

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6/25
(ライフル銃と散弾銃盗まれる:茨城)
22日午後0時半ごろ、茨城県土浦市佐野子の塗装工の男性(65)方から、警備会社を通じて110番通報があり、現場に駆けつけた県警土浦署員がライフル銃と散弾銃が1丁ずつ盗まれていることを確認した。県警捜査3課によると、ライフル銃と散弾銃は狩猟用で男性は許可を得て所持していた。それぞれ弾を装填(そうてん)する役割を果たす「ボルト」と「先台」が取り外された状態で盗まれており、弾の被害もなかったという。ライフル銃と散弾銃が保管されていた銃専用のロッカーにこじ開けられた跡があり、同署は窃盗事件として捜査を進めている。男性は90代の父親と2人暮らしで、2人とも外出していた。

(動物襲撃か遺体発見、付近でクマ出没相次ぐ:秋田)
秋田県仙北市田沢湖玉川の山林で、動物に傷つけられたような痕が複数ある身元不明の遺体が見つかったことが25日、仙北署への取材で分かった。現場付近では昨年5月、クマに襲われたとみられる60代女性が死亡したほか、毎年クマの目撃が相次いでおり、同署はクマによる被害の可能性もあるとみて死因や身元の特定を急ぐ。仙北署によると23日午前8時40分ごろ、行方不明者の捜索をしていた同署員らが、うつぶせで倒れている遺体を発見した。損傷が激しく性別は不明。長袖シャツやズボンを着ていたが、身元特定につながる所持品はないという。付近では、タケノコ採りに来た秋田市の男性(66)が14日から、同市の男性(78)が18日からそれぞれ行方不明になっており、近くで2人の軽トラックと軽乗用車が見つかった。

(クレー選手の資格停止処分取り消す、日本スポーツ仲裁機構)
日本スポーツ仲裁機構(JSAA)は22日、福島県クレー射撃協会会長の経歴詐称問題を指摘する文書を関係者に送付したことが問題視され、同協会から3年間の資格停止処分を科された福島県のクレー射撃選手が求めた申し立てを認め、処分を取り消すと発表した。同協会は資格審査委員会、理事会、臨時総会でいずれも承認を得て処分を決議し、選手からその過程で弁明の機会を与えたと主張した。しかし、JSAAは選手による会長の経歴詐称の指摘は「事実を開示して改善を促すものであった」と判断した。選手が資格審査委員会に呼び出された事実も認められず「弁明の機会を与えられていなかった」と協会側の瑕疵を認定し、処分取り消しに至った経緯を説明した。

(利尻島のヒグマ、道が捕獲許可:北海道)
北海道の利尻島で確認されたヒグマを巡る問題で、道は22日、利尻富士町と利尻町に捕獲許可を出した。ヒグマが島民の生活に影響を及ぼすなど逼迫(ひっぱく)した場合に備えた事前措置で、今後も注意深くヒグマの行動を把握していく。捕獲許可の申請は、道が両町と関係機関を集めた7日の対策連絡会議で決まり、21日に両町が申請した。鳥獣保護管理法に基づき、狩猟以外のヒグマの捕獲には知事の許可が必要。ヒグマが問題行動を起こした後に手続きをしていては迅速に対応できないため、事前に申請した。許可期間は冬眠時期の12月末まで。ただ、島にトド撃ちハンターはいてもヒグマの捕獲経験があるハンターはおらず、箱わなの免許を持っている人もいない。このため、両町は銃猟とわな捕獲の資格を持つハンターの協力を稚内市の猟友会に求め、箱わなも本島から借りる手配をした。ヒグマは林道の固定カメラで撮影された15日以降、民家の数メートル先の畑や温泉施設のすぐそばでも足跡が見つかっている。依然、行動は夜間だが、温泉施設近くの足跡は21日、登山道入り口に続く町道脇の分電盤で見つかった。立ち上がって付けた前脚の跡だ。登山道入り口には野営場があり、夜も人の往来がある。今のところ、両町は捕獲には慎重だ。しかし、民家など人の生活に近い場所での出没がさらに頻繁になり、追い払いも通じない状況になれば、道のヒグマ管理計画にある有害性の段階(レベル0~3)に照らし、レベル1以上になった段階で捕獲を判断する。研究者は「島内にメスがいなければ本島に戻る可能性がある」というが、繁殖期は7月上旬ごろまで。それまでに本島に戻らなければ島に居座ることも考えられる。こうしたことも踏まえ、両町は26日に道などを交えた会議を開き、捕獲を判断するタイミングなど今後の方向性を詰める。(

(一斗缶かぶったクマを撮影:岩手)
中に餌があると勘違い?宮古市神林の会社員白間正人さん(59)は同市田老の旧田老鉱山跡地で、一斗缶を頭にかぶったクマを撮影した。現場は市田老総合支所の北に約3キロ。白間さんは5月下旬、跡地内で土砂の搬送作業中、近くを通りかかる猟友会関係者の車両を発見。300メートルほど車で後を追うと、一斗缶に頭を突っ込んだ体長約1・4メートルの成獣らしいクマを発見した。仕事用カメラを持ち歩いていた白間さんは3メートルほどの距離まで近づき、シャッターを切った。クマは人の気配を察知したのか、抵抗するように暴れ回ったが、頭は缶から抜けず、間もなく猟友会関係者に駆除された。

(シカと衝突、ダイヤ乱れ:大分)
23日午後7時54分ごろ、JR日豊線の宗太郎―市棚間で下り特急にちりん23号(午後6時5分大分発、南宮崎行)がシカと衝突。確認作業のため、大分―南宮崎間で上下線とも20分から10分ほどの遅れが生じている。

(クマ目撃相次ぐ:新潟)
24日午後、湯沢町のJR越後湯沢駅周辺に体長約1メートルのクマが現れたと、通報が相次いだ。南魚沼署は警察車両を配備し、駅周辺や温泉街で「不要不急の外出は控えるように」と注意を呼び掛けた。同署によると、午後3時前、駅東口から約300メートル離れた県道でクマが歩いているのを住民が見つけ、110番通報。約20分後に駅の地下駐車場で目撃された。さらに上越線の線路沿いに群馬方向へ歩く姿も発見された。午後3時半ごろ、駅から南東約600メートルの城平墓園で目撃されたのを最後に、近くの秋葉山に逃げたとみられる。同署や町職員、地元猟友会メンバーらが警戒に当たり、駅周辺は騒然とした。駅東口近くで和菓子店「萬亀」を営む高橋孝之さん(48)は「これだけ駅に近い場所でクマが目撃されたのは記憶にない」と驚いていた。24日午前9時ごろにも、駅から南に約700メートル離れたホテル「NASPAニューオータニ」付近の県道で体長約1メートルのクマが目撃されており、同じクマの可能性があるという。

(サル目撃相次ぐ:栃木)
22日午前7時40分ごろ、宇都宮市長岡町の雑木林にサル1匹がいるのが目撃された。さらにその後も同市山本町と八幡台の住宅で目撃が相次いだ。警察や県猟友会などが警戒を続けている。市農林生産流通課によると、今月18日から市北部の農村地域でサルが目撃され、徐々に南下してきた可能性がある。大人のニホンザルとみられ、被害は確認されていない。同課は「目撃しても近づかず警察や市役所に通報し、家屋内に入らないように戸締まりをしてほしい」と呼び掛けている。

(サル目撃相次ぐ、同一の個体か:栃木)
宇都宮市本丸町の宇都宮城址(じょうし)公園付近や同市江曽島町などで23日早朝から夕方までに、サルの目撃情報が県警に少なくとも8件寄せられた。市農林生産流通課は同じサルとみており、見つけた場合は近づかず警察署や市に通報するよう呼び掛けている。

(15年ぶり負傷者も、クマの出没2倍に:岡山)
岡山県美作市北部の勝田地域で21日、同県津山市の男性(63)がツキノワグマに襲われてけがをした。県によると、県内でのクマによる負傷事案は2003年8月に東粟倉村(現美作市)で発生して以来、15年ぶり。今年4月以降の出没件数は71件(20日現在)と、前年同時期の約2倍に上っているといい、県や美作市が注意を呼びかけている。県などによると、被害男性は午前9時過ぎから、神棚に供える榊さかきを取るために実家の裏にある山に入り、尾根付近まで行ったところで、約10メートル先にある木の上から下りてきたクマに襲われたという。男性はつえ代わりに持っていた木の棒で追い払ったが、引っかかれて右手足にけがを負った。市に通報があったのは午前10時頃で、男性から「クマにやられた」と伝えられた近所の男性が連絡したという。現場に最も近い集落は、県道から約700メートル離れており、日中でも人通りは少ないという。住人の女性(78)は「約40年間住んでいるけど、人が襲われたという話はなかった。聞いた時には恐怖で足が震えた。早く捕まえてほしい」と不安げな表情を浮かべていた。市によると、勝田地域では4月以降、目撃や痕跡などの情報が5件ほどあるほか、シカやイノシシ用のわなにかかっていたケースが2件あるといい、市勝田総合支所では「今年は出没件数が多いが、理由は全然分からない」としている。今回の負傷事案を受けて、県や市は、クマが集落に近づかないよう、現場付近で花火の音による追い払い対策を数回実施。市は有線放送を通じて、「クマが出ました。近くにいるかもしれないので、気をつけてください」と各家庭に注意を促し、捕獲わなの設置許可も出す予定。県は22日に市内で緊急対策会議を開き、美作署や地元の猟友会などと情報の共有を進める。クマに遭遇した時の対応について、県自然環境課の担当者は「まず落ち着いて行動することが大切。遠くに見つけた場合には、静かにその場を離れ、近づいてきたらクマの動きに注意しながら、背中を見せないようにゆっくりと後退してください」としている。(川口崇史、望月尭之)

(クマ出没で山林に捕獲用おり設置:岡山)
美作市真殿の山中で21日に男性(63)がクマに襲われて負傷したのを受けて、同市などは22日、現場近くの山林に捕獲用のおりを設置した。岡山県は同日、緊急会議を開き、対策を協議した。おりは高さ約1・2メートル、幅約1・1メートル、奥行き約2メートル。美作市からクマの殺処分許可を受けた市猟友会勝田分会の皆木吉博さん(70)が当面は7月20日まで管理する。市職員6人が組み立て、バケツに蜂蜜を入れ、わなを仕掛けた。皆木さんは「今年はクマの目撃が多いと受け止めていたが、けが人が出てしまった。地区は高齢者ばかりなので心配。早く捕まえたい」と話した。県美作県民局勝英地域事務所での緊急対策会議には周辺自治体や猟友会、美作署などの担当者が出席。住民への注意喚起、花火による追い払いといった取り組みを報告し、同県民局の担当者は「山で不穏な音を聞いたら、それ以上入らないよう強く広報してほしい」と訴えた。自治体や猟友会からは「(最長3カ月となっている)クマ用わなの設置期間の延長を」「(シカやイノシシのわなにかかった)錯誤捕獲のクマを処分できるようにできないか」といった注文が出た。県によると、県内での2018年度のクマ出没件数は6月20日までに71件(痕跡含む)で、同時期では16年度の46件を上回り過去最多。捕獲も7頭に上っている。県内で人が襲われたのは03年8月以来、15年ぶり2件目。

(クマ出没相次ぎ、運動施設が閉鎖:北海道)
23、24両日、札幌市南区で親子とみられるクマ3頭の目撃情報や足跡の発見が相次ぎ、同区のスポーツ施設が当面閉鎖することを決めた。札幌南署によると、23日午後10時55分ごろ、同区藤野4の11の札幌南陵高校前の市道で、「歩道にクマがいた」と車で近くを通行した男性から110番があった。体長約1メートル1頭、約50センチ2頭の計3頭で、札幌南区役所が付近を捜索したが見つからなかった。24日午前4時半には同校から約200メートル離れた札幌市藤野野外スポーツ交流施設で、親子とみられる足跡やフキを食べた跡などが見つかり、施設は安全が確保されるまで全面閉鎖される。今月に入り、同区簾舞などでもクマの出没が多発しているという。

(クマ出没相次ぐ:秋田)
秋田県内で24日、クマの出没が相次いだ。けが人はいなかった。秋田臨港署によると、午後3時10分ごろ、秋田市飯島字前田表で、クマが県道を横断するのを散歩中の60代男性が目撃した。クマは体長約1メートル。県道を横断後、交差する市道上を歩いていったという。

(クマ目撃:栃木)
24日午後4時10分ごろ、湯元、レストハウス湯滝有料駐車場の南、約30メートルの山林。1頭、体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
25日午後0時15分ごろ、日光市湯元の湯滝駐車場付近。1頭、体長約50センチ。

(クマ目撃:栃木)
24日午前5時40分ごろ、那須塩原市小結、りんどう大橋下流約500メートルの那珂川河川敷。1頭、体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
22日午後3時半ごろ、日光市野口、体長約1メートル。東武日光線の運転手が線路を横切るクマ1頭を目撃した。

(小学校近くでクマ目撃:岩手)
22日午前、遠野市青笹を流れる河内川河川敷の四日市橋付近で、子どもとみられるクマ1頭が目撃されました。クマはそのまま川の上流に向かって、逃げていったということです。警察によりますと今のところ、けが人や物的被害は確認されていません。目撃を受けて付近では警察が、パトロールしながら注意を呼びかけたほか、市が防災行政無線で住民に注意喚起しました。現場は住宅が点在する地域で、200メートルほど南には青笹小学校もあります。市によりますと、この地域ではここ数日、クマの目撃が相次いでいて、成獣とみられるクマの目撃情報も寄せられているということです。

(クマ」目撃、道路横切り林へ:福島)
23日午前3時50分ごろ、福島市清水町の国道4号でクマを目撃したと、車で通行していた男性から福島署に通報があった。同署によると、クマは体長約1メートルで、道路を東から西に横切り、林に入っていったという。現場は国道4号の伏拝交差点から郡山方面に約100メートル離れた場所。同署が周辺をパトロールした。会津若松、二本松両市などで23日、クマの目撃情報があった。県警が注意を呼び掛けている。

(グラウンド近くの路上にクマ:京都)
20日午後7時ごろ、京都市北区上賀茂神山の京都産業大総合グラウンド付近の路上で「成獣のクマを見た」と近隣住民から110番があった。北署によると、署員らが付近を探したが見つからず、山に戻ったとみられるという。けが人はなかった。同日午後0時50分ごろに現場付近で子熊の目撃情報もあったという。京産大は総合グラウンドに注意喚起の看板を設置した。同署は「クマを見つけたら近づかずに速やかに通報してほしい」と呼びかけている。

(ヒグマ、人の生活圏に接近:北海道)
住宅の庭でクマの出没情報が相次いだ札幌市南区で、市立簾舞中(簾舞3)のそばでもふんなどの痕跡が見つかった。現場は校舎から100メートルほどの山林内の遊歩道。歩く人は少ない場所だが、人間の生活圏に近く、市や道警は引き続き住民に注意を呼び掛けている。ふんは簾舞中から100メートルほど離れた計3カ所で見つかった。餌のアリを探してクマが掘ったとみられる穴も校舎そばで確認された。17日午後、近くに住む黒岩裕(ゆたか)さん(71)が発見し、18日に市に伝えた。黒岩さんは「生まれてから簾舞に住んでいるが、クマのふんを見たのは初めて」と驚く。現場は、生ごみから堆肥を作るコンポストが16日夜に荒らされた簾舞4の住宅と、17日に足跡が見つかった藤野6の住宅を結ぶ場所で、同じ個体の痕跡の可能性もある。札幌南署は18日、子供の登下校時間に周辺を巡回。札幌市はクマ出没を伝える看板を簾舞地区に設け、警戒を呼び掛けている。簾舞中も同日、生徒に対し、ふんが見つかった場所に立ち入らないよう指導した。市によると、2018年度の市内のクマ出没情報は18日までで43件。出没情報が年間106件に上った17年度の同時期と比べ、約1・7倍の多さだ。コンポストを荒らしたクマが、照明をつけてもなかなか逃げなかったことから、市熊対策調整担当係は「今回のクマは生ごみに執着しており、いつもと違う」と警戒。市は山林近くに住む市民に対し、17年度に始めた電気柵の無料貸出制度の利用も呼び掛けている。

(クマが寄り付かぬ環境に向けて:秋田)
秋田県がクマ対策として本年度から取り組んでいる「ゾーニング管理」の現地調査が23日、鹿角市の小平(こびら)地区周辺で行われた。専門家や住民ら約20人が地区にクマが入り込む原因や対策を考えた。ゾーニング管理は、人里に近い森林の草木を伐採して緩衝帯を設けるなどし、クマが寄り付きにくい環境にする対策。この日は岩手大の青井俊樹名誉教授(野生動物管理学)が訪れ、クマが頻繁に目撃される場所を県職員や住民と共に見て回った。

(農業被害防止へシカ全頭捕獲に本腰:新潟)
野生化したシカによる被害を未然に防ごうと、粟島浦村が全頭捕獲に向けて対策を進めている。7年ほど前から取り組んでいるが、繁殖力の強さなどからいまだ実現していない。数が増えすぎると島の生態系に影響を与えることもあり、本年度から対策を強化する。

(キョン増加に歯止め:東京)
東京都は伊豆大島で繁殖する特定外来生物「キョン」の生息数(推定値)が2017年の調査で前年比57頭増の1万7109頭だったと発表した。16年以前は年間1000頭を超すペースで急増していたが、増加に歯止めがかかった。捕獲のための柵を増やすといった対策が奏功した。キョンはシカに似ており、体の高さが約40センチ、体重約8キロと中型犬ほどの大きさがある。もともと都立大島公園で飼育されていた。1970年の台風で柵が壊れ十数頭が逃げ出し、野生化して頭数が増えた。農作物への被害が深刻化しているため、対策を進めている。都などは17年に約3500頭を捕獲した。18年はハンターの増員などにより、捕獲をさらに強化したい考えだ。

(タケノコが品薄、クマの影響も:秋田)
秋田、岩手両県にまたがる秋田駒ケ岳など仙北市田沢湖地域で採れるネマガリダケが今年、品薄となっている。関係者によると、春先に降った大雪が解け残っている影響で生育が悪いことに加え、昨年7、8月の大雨で林道が崩れたことやクマの動きが活発化していることが重なり、タケノコを採りに行く人が少ないことが響いているとみられる。今月中旬、同市西木町の農産物直売所むらっこ物産館で「山の幸祭り」が開かれた。例年は「たけのこ祭り」として開いてきたが、今年はタケノコの入荷量が少なかったことから名称を変更。タケノコは午前中で完売し、多くの観光客はイワナの塩焼きやフキなどを買い求めていた。

(個体数調整によるカワウと人の共存)
森林文化協会が発行している月刊「グリーン・パワー」は森林を軸に自然環境や生活文化の話題を幅広く発信しています。6月号の連載「現代の『シシ垣』を築け! ~野生動物対策の次なるステップへ~」では、琵琶湖の淡水魚を食害し、樹木の枯死を招く「カワウ」対策の実例について、㈱イーグレット・オフィス専務取締役の須藤明子さんが報告しています。環境省のカワウ保護管理の手引きには、科学的根拠に基づき計画的に実施する個体数調整は、被害時期に被害地で行う有害捕獲とは一線を画すものであり、中長期的な目標設定のもと、相当な覚悟を持って、専門技術と組織体制で挑まねばならないと記されている。本稿では、専門的・職能的捕獲技術者の導入によって、カワウの個体数を減らして被害を軽減させた成功事例を紹介し、カワウ管理における個体数調整のあり方について考える。カワウは大型の水鳥で、河川や湖沼をはじめ沿岸部にも生息し、潜水してウグイ、アユ、コイなどを捕食する。季節に応じて採食水域を変え、冬季はオオクチバスやブルーギルなどの外来魚を食べることが多い。水辺の林などに集団でねぐらをとり、集団で営巣してコロニーを形成する。20世紀前半までは全国に生息していたが、1970年代には、狩猟、河川改修などの生息環境破壊、PCB・DDT・ダイオキシン類などによる化学物質汚染の影響で個体数が減少して絶滅が危惧された。1980年代になると、禁猟、化学物質規制などによってカワウの個体数は回復しはじめ、現在、個体数増加と分布拡大にともなって、放流魚の食害など内水面漁業の被害が全国で発生している。また、コロニーやねぐらでは、巣材のための枝折りと多量の糞(ふん)によって樹木の枯死や土壌流出が発生、糞や鳴き声による生活被害も起きている。滋賀県では、1990年から猟友会等の一般狩猟者に依頼する従来型の有害捕獲を継続してきたが、カワウは増加し続け、2004から08年の県内生息数は、繁殖前期( 孵化〈ふか〉前)に3から4万羽、繁殖後期(巣立ち後)に4から8万羽となり、被害は深刻化する一方であった。そこで、滋賀県は特定鳥獣保護管理計画を策定し、琵琶湖の巨大コロニー竹生島と伊崎半島において、プロジェクトKSS(*)を開始した。KSSでは、モニタリング体制と捕獲体制を刷新して、専門的・職能的捕獲技術者による科学的根拠に基づく計画的な個体数調整、すなわち精度の高い個体数推定、ならびに少数精鋭による成鳥の選択的・高効率捕獲を行った。2009から15年の間に、射手2から3人/日で165日間(のべ373人)に5万4585羽を捕獲した。その結果、繁殖前期では、3万7066羽(2008年)から7659羽(2015年)に、繁殖後期では、7万4688羽から5940羽に減少し、目標生息数の4000羽に近づいている。カワウの減少によって、コロニーでは顕著な植生の回復が見られ、漁業被害の軽減が認められている。カワウの日常の行動範囲は半径15km以内が多く、40km以上離れた採食地に通うことも珍しくないため、市町村域に収まらないことが多い。また、巣立ちした幼鳥は、数100km以上移動することが知られており、都府県域を管理ユニットとして設定した上で、広域を見渡して管理方針を決定することが求められる。優先的に守るべき場所はどこで、カワウを許容できる場所はどこなのか。どの程度の数なら許容できそうか。主に外来魚を食べているカワウは許容できるかもしれない。このように、管理ユニット内での対策にメリハリをつけることが必要であるが、あらゆる対策を手当たり次第に実施してしまい、努力が逆効果となっているケースもある。例えば竹生島のように、カワウを集めて捕獲する個体数調整の場では、追い払い対策をすべきではない。対策同士が足を引っ張り合わないように調整する行政の役割はたいへん重要であり、オーケストラの指揮者に例えることができる。指揮者(行政)が全体を見渡して、対策の強弱や適切なタイミングを決め、演奏者(関係者)がこれに調和することで最高の音楽(対策)が奏でられるに違いない。筆者は、これまでに関東から九州の複数府県において、滋賀県と同様のKSS事業を実施しているが、被害軽減に成功した事例では共通して、行政が関係者間の調整をやり抜いている。とにかくたくさん捕れというプレッシャーをはねのけるのは並大抵のことではないだろう。その努力のおかげで、適切な時期に適正数を捕獲できている。捕獲数のみで評価されがちな捕獲事業であるが、実は一定数のカワウを残すことが増加を抑制して被害軽減につながる場合が多い。効果的な捕獲とは「量より質」なのである。専門的・職能的捕獲技術者は、見通しの利かない林内で、警戒心が強く耳と目の良いカワウに見つかるよりも先にカワウを発見して接近するストーキング技術、数10から100mの距離でカワウの急所である脳・心臓(直径2から3cm)に命中させる射撃技術、成鳥・幼鳥・雛(ひな)を判別する観察眼など、高い技能が求められると同時に、目の前のカワウを捕獲すべきなのか残すべきなのか、管理方針に沿って迅速かつ的確に判断できなければならない。撃てる状況でも引き金を引かない決断力が必要であり、それは捕獲の目的を深く理解することで養われる。カワウと日本人の歴史は古く、古墳時代の遺跡から鵜飼(うかい)の埴輪(はにわ)が出土し、万葉集にも登場する。竹生島でも、カワウの鵜飼や糞の肥料利用が明治時代まで続いていた。しかし、カワウを利用する生活技術や思想は、河川環境における生物多様性の喪失と化学肥料の台頭によって、失われてしまった。堰(せき)やダムで分断された河川では、遡上(そじょう)性の魚が激減し、少ない魚を人とカワウが取り合っている。カワウから逃れるすべを知らない放流魚や外来魚が、カワウの増加に一役買っている。河川環境の自然を再生し、おびただしい数の天然魚が遡上する本来の日本の河川を取り戻すことが、人とカワウの共存に欠かせない。

(射撃会で18枚撃つも…練習は嘘をつかない)
鉄砲所持者の多くは、おそらく「銃砲安全協会」なる親睦団体に入会する。“銃安協”は警察による組織ではないが、読んで字のごとく安全、適法な使用や保管を目的としたもの。春の銃検査のほか特別な活動はないが、年に2度、所轄の担当警察官も顔を出す「射撃会」を実施している。だから「可能な限りは」と警察からも参加を促される。6月某日、千葉県内の射撃場。射撃はいわゆるクレー射撃で、その中にもいくつかの競技がある。「トラップ」は横に5つ並んだ射台で順番に計25枚のクレー(皿)を撃つもので、「スキート」は半円形の射台を移動しながら左右から出るクレーをこちらも25枚撃つ。いずれも五輪の主な競技だ。散弾銃も大まかにどちらかの競技向きがあり、最初に手にしたのは入門的なトラップ銃。さて久しぶりの1ラウンド目は18枚。「なんだ、やるじゃん、俺」とか思いながら実は不安もよぎる。いつも1Rが一番よくて、徐々に落ちていくのだ。やはり…。2Rは16、3Rはなんと12、最後の4Rはなんとか16枚。この日は日頃世話になっている銃砲店の射撃会も開催されていて、店の方に「欲を出して“もっといける”と思っちゃうからだめなんだよ。無欲でリズム感よく」とアドバイスされた。とはいえ、練習もしていないからまあまあ…か。われわれの会で“満射”が出た。ベテランの方で、前のラウンドは惜しくも1枚外していた。次々とヒットし、周囲に人が集まってきた。緊張感が走るなか、最後の1枚も見事的中すると拍手が起こった。「やっぱり、練習だな」とため息をついていると、銃砲店の店主が現れた。「今度、うちの会でスキートもやってみなよ」とのお誘い。実は狩猟用の銃は構造上トラップには不向き。スキートはどちらかというと、鴨撃ちのイメージにも近い。シーズン前に、今度チャレンジしてみよう。某日。都内で行われたワークショップに参加した。東海地方のある県で、地方の活性化と移住を主なテーマにしたもので、30代の若い世代が中心となって活動しているという。実は興味があったのはその中で狩猟と食肉で起業した方。散会後にほんの数分だけだったが、ドローンを使った狩猟などなかなか興味深い話を聞いた。なにしろ高齢化が深刻な猟師の世界、また話を聞いてみたくなった。

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(クマに襲われ負傷:岡山)
美作市北部の勝田地域で21日、津山市の男性(63)がツキノワグマに襲われてけがをした。県によると、県内でのクマによる負傷事案は2003年8月に東粟倉村(現美作市)で発生して以来、15年ぶり。今年4月以降の出没件数は71件(20日現在)と、前年同時期の約2倍に上っているといい、県や美作市が注意を呼びかけている。県などによると、被害男性は午前9時過ぎから、神棚に供える榊さかきを取るために実家の裏にある山に入り、尾根付近まで行ったところで、約10メートル先にある木の上から下りてきたクマに襲われたという。男性はつえ代わりに持っていた木の棒で追い払ったが、引っかかれて右手足にけがを負った。市に通報があったのは午前10時頃で、男性から「クマにやられた」と伝えられた近所の男性が連絡したという。現場に最も近い集落は、県道から約700メートル離れており、日中でも人通りは少ないという。住人の女性(78)は「約40年間住んでいるけど、人が襲われたという話はなかった。聞いた時には恐怖で足が震えた。早く捕まえてほしい」と不安げな表情を浮かべていた。市によると、勝田地域では4月以降、目撃や痕跡などの情報が5件ほどあるほか、シカやイノシシ用のわなにかかっていたケースが2件あるといい、市勝田総合支所では「今年は出没件数が多いが、理由は全然分からない」としている。今回の負傷事案を受けて、県や市は、クマが集落に近づかないよう、現場付近で花火の音による追い払い対策を数回実施。市は有線放送を通じて、「クマが出ました。近くにいるかもしれないので、気をつけてください」と各家庭に注意を促し、捕獲わなの設置許可も出す予定。県は22日に市内で緊急対策会議を開き、美作署や地元の猟友会などと情報の共有を進める。クマに遭遇した時の対応について、県自然環境課の担当者は「まず落ち着いて行動することが大切。遠くに見つけた場合には、静かにその場を離れ、近づいてきたらクマの動きに注意しながら、背中を見せないようにゆっくりと後退してください」としている。

(クマ、養蜂場でハチミツ食い荒らす:秋田)
21日午後9時40分ごろ、秋田県鹿角市八幡平字長内で、養蜂場を経営する男性がクマを目撃し110番した。巣箱が倒され、ハチミツが食べられていた。被害額は1万8千円。

(クマ出没、児童ら集団下校:宮城)
21日午前9時20分ごろ、宮城県利府町森郷内ノ目北の利府ゴルフ倶楽部駐車場で、従業員が山に入るクマ1頭を目撃したと、町に連絡があった。近くの青山小(児童335人)は屋外授業を中止し、集団下校した。しらかし台小(児童290人)としらかし台中(生徒327人)も集団下校などの措置を執った。

(小学校近くにクマ出没:秋田)
秋田県内で21日、クマの出没が相次いだ。けが人はいなかった。横手署によると、午後6時5分ごろ、横手市赤坂字山崎の旭小学校グラウンドに面した市道のり面にクマがいるのを、車で通り掛かった男性が見つけ同校に連絡、110番した。

(クマ目撃相次ぐ:鳥取)
鳥取県大山町でクマの目撃が相次いでいる。町に寄せられる目撃情報は例年2~3件だが、本年度は5月以降で既に6件。今のところクマによる被害は報告されていない。

(小学校近くにシカが出没:山梨)
20日朝、南アルプス市の小学校近くの畑で、シカ1頭が出没し警察や猟友会などが捕獲した。南アルプス警察署によると20日午前6時半ごろ、南アルプス市吉田地内の畑にシカ1頭がいるのを通りがかった人が見つけ通報した。シカは体長が1㍍ほどで昼前、警察や市、それに猟友会が網などを使って捕獲した。シカが出没したのは市立豊小学校やJA豊支所の近くで、人に危害を加えないよう警察や市の職員らが警戒に当たった。

(クマよけに通学路でパトカーがサイレン:秋田)
秋田県大館市内でクマの目撃情報が相次いでいることを受け、大館署は20日、同市釈迦内の北陽中学校(長岐公二校長)の下校時間に合わせ、通学路でパトカーのサイレンを鳴らす取り組みを始めた。クマを寄せ付けない手段を探る試みで、県内でも珍しいという。29日までの平日に実施する。同署によると、今年4月4日~6月13日、市内のクマの目撃件数は33件で、うち6件が釈迦内地区だった。今月5日には登校途中の同校生徒が学校近くの市道を横切るクマを目撃。大館署、北陽中、市の3者で意見交換して具体的な対策を検討、サイレンを鳴らすことでクマに人間の存在を知らせることにした。

(利尻島のヒグマ、2町が捕獲の申請書送付:北海道)
ヒグマの姿が確認された宗谷管内利尻島の利尻、利尻富士両町は21日、ヒグマの捕獲に必要な申請書を道に提出した。捕獲許可申請書や銃器と箱ワナ設置に関する申請書などの書類を各町が整え、21日付で提出した。両町は7日の対策連絡会議で、万一に備えて捕獲できるよう体制を整えることを決め、準備を進めていた。島内では15日、山林内に設置された固定カメラにクマの姿が写っていた。

(有害鳥獣駆除だけでなく活用を:愛知)
有害鳥獣害対策を考えてもらおうと新城市猟友会(佐藤勝彦会長)は20日夜、新城観光ホテルで地元の議員らを招いて懇談会を開いた。会員らはシカやイノシシなどは狩猟による駆除だけでなく地域ぐるみでの対応の必要性を訴えたほか、ジビエ料理に舌鼓を打ち活用法を考えた。同会が有害鳥獣害を社会的問題として現状を知ってもらおうと、会員でもある滝川健司市議に要請。市議会からは14人と峰野修県議、関係機関の市役所と、新城設楽の鳥獣対策協議会が出席した。現状では鳥獣保護管理委員の高橋啓さんが「捕獲のみを考えると猟友会員の負担が増大するため、地域住民との連携が必要。野生のシカやイノシシは山をめぐっており、一つの地域では収まらない」と現状を報告した。佐藤会長は「市内では畑への侵入防止柵が張りめぐらされ、人がその中で住んでいるようになっている。猟友会員の高齢化もあるため、有害鳥獣への対策を地域ぐるみで協力体制ができないかを考えたかった」と話した。続いてジビエ料理が紹介され、出席者はイノシシ肉のロース焼きや、麻婆豆腐、シカ肉での青椒ロースなど6品を味わった。滝川市議は「網や柵は対処療法でしかない。猟友会員が増えれば良いがそうはいかない。行政と地域との連携は必要」と語った。また下江洋行市議は「鳥獣は資源として活用できる。貴重な食材にもなるため、使ってもらえる飲食店が広がっていけば」とジビエ料理としての利用拡大にも期待を込めた。

(アジサイ、シカ食害でわずか2割:福井)
アジサイの名所、若狭町天徳寺の若狭瓜割名水公園のアジサイ園の開花が、シカの食害で例年の二割程度にとどまっている。公園は一九九〇年に造られ、七年後、新たな魅力づくりのため、地元住民が斜面におよそ一万本のアジサイを植えた。地元住民でつくる同公園管理組合によると、新芽が出始める二月中旬から被害が見られ、斜面の低い部分の約二千本はほぼ全滅した。組合理事の朝倉収さん(68)は「これまでもシカの被害はあったが、ここまでになったのは初めて」と困惑。昨年も雪害で一割ほどしか開花しておらず、開花不良は二年連続だ。朝倉さんは「われわれの学習不足があった。来年はシカ対策用の防護ネットを張り巡らせる」と話している。

(ICT活用し見回り省力化:栃木)
栃木県は2016年からICT(情報通信技術)を活用した鳥獣害防除対策の実証実験に取り組んでいる。同県は、鳥獣による農産物被害が年々増加傾向にあり、2017年度の被害額は3億3600万円にも上った。中でもイノシシによる被害額は、4割を占めている。県自然環境課野生鳥獣対策班の丸山哲也副主幹は「以前は中山間地が中心だったイノシシ被害が、今では人の生活域に近い場所にも拡大している」と現場の状況を話す。捕獲に携わる狩猟者の減少や高齢化などから、現場における捕獲作業の効率化、省力化は重要な課題となっていた。また、銃の所持許可のハードルが高いこともあり、狩猟免許と捕獲許可で行えるわなでの獣害対策が増えていた。そこで同県は、国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用し、実証実験に乗り出した。

(ドローンで鳥獣対策:神奈川)
愛川町の田代地区で6月13日、ドローン(無人航空機)を使った鳥獣被害対策現場の環境調査が初めて行われた。調査は主にイノシシに主眼が置かれ、掘り起こしの痕跡や獣道など、空から撮影を行った。神奈川県内の鳥獣による農作物被害は、2016年度に約2億5千万円といわれ、増加傾向にある。愛川町も例にもれず、町農政課の調査では2017年度に約147万円の農作物被害があったという。これを受け県では2017年4月、地域ぐるみで取り組む鳥獣被害対策を支援する専門部署として「かながわ鳥獣被害対策支援センター」を設置。地域と連携して現地調査などを実施してきた。同センターでは、被害現場調査の負担軽減のためにドローン2機を導入し、昨年は大磯町や相模原市で上空からの調査を試行した。通常、調査は鳥獣が生息する藪の中に入るほか、集落の農作物作付け状況を確認するなど目視で行うため、日数がかかるうえに急傾斜地では危険が伴う。ドローンを使うことで調査が効率化でき、カメラの精度も高まっていることから、空撮でも詳細な調査が可能だという。

(乗鞍岳山頂でカラス駆除:長野)
北アルプス乗鞍岳(3026メートル)で、絶滅の恐れがある国特別天然記念物ニホンライチョウの卵をハシブトガラスが捕食している現状を受け、環境省は本年度、山麓から山頂付近にかけての範囲でカラスの駆除を行う。山頂付近は国立公園の特別保護地区に該当。同地区でライチョウ保護のため野生動物を駆除、捕獲する事業は、南アルプス北岳周辺でキツネやテンを捕獲するのに続き2例目となる。中部山岳国立公園内にある乗鞍岳では2016年6月、同省が山頂周辺に設置したセンサーカメラで、ハシブトガラスがライチョウの卵を捕食する姿を撮影した。同省は、高山帯に進出するカラスによる卵の捕食がライチョウの生息数減少につながっていると判断。16年秋、複数のカラスのねぐらが確認された山麓のスキー場一帯で、専門業者に委託して猟銃を使った駆除を始めた。同省信越自然環境事務所(長野市)によると、16年度は駆除できなかったものの、17年度は6から10月に2羽を駆除。しかし、山頂付近を飛び交うハシブトガラスはまだ確認されるという。このため本年度は高山帯に上がる習性を持った一部のカラスに対象を絞り、山頂付近で6から10月に駆除すると決めた。夏季は登山者や観光客も多いため、わなによる捕獲も検討する。カラスは、登山者らが捨てる生ごみなどを餌にして高山帯に進出したとみられ、夏季に多く上がっているという。同事務所の福田真・希少生物係長は「駆除は応急処置的な対策。高山帯に侵入する原因も本格的に探りたい」としている。

(カモ類例年より少なめ:長野)
県諏訪地域振興局は20日、鳥獣保護管理員らと協力し、銃猟が禁止されている諏訪湖の主な流入出河川で今年度1回目のカモ類生息数調査を実施した。関係者12人が4グループに分かれ、状況を調べた。雨天の影響で確認した個体数は例年よりも少なかった。同局林務課によると、雨天で見通しが悪く、湖上では岸近くでの個体確認が中心となった。河川では鳥が草に隠れて姿を現さなかったケースもあったという。調査結果によると、確認したカモ類は前年同期比120羽減の159羽でこのうち、カルガモが145羽(93羽減)で大半を占めた。カモ類以外では魚食性鳥類のカワウが43羽増の60羽となった。オオバンは25羽(1羽減)、カイツブリは24羽(3羽減)でほぼ前年同期並みだった。諏訪湖は1995年度から銃猟禁止区域に指定されている。調査は毎年6、10、1月に実施しており、このうち渡り鳥が定着する1月は全国一斉調査、6、10月は諏訪湖独自で調査を重ねている。

(小中学校でジビエ給食:長崎)
対馬市で捕獲されたイノシシやシカ肉を使ったジビエ料理の給食が19、20日の2日間で、市内の全小中学校で一斉に提供された。小学校18校、中学校13校で計2339食のジビエが子どもたちの机の上に並んだ。市によると、一つの自治体が全小中学校の学校給食でジビエを一斉に提供するのは県内で初めて。イノシシとシカ肉は市営の加工処理施設で衛生的に解体処理されたものを使用。児童たちが好きな竜田揚げやカレーなどが出された。同市峰町佐賀の東小(72人)では19日、イノシシ肉を使ったスパゲティミートソースが給食で出され、児童たちは教室で地域の人たちと一緒に味わった。6年の山本結花さん(11)は「スパゲティはとてもおいしかった。また食べたい」と話した。ジビエ給食は食育の一環で実施。市内では昨年度、有害鳥獣としてイノシシ3069頭、シカ5365頭が捕獲されたが、大部分を埋設処理しているという。市有害鳥獣対策室は「子どもたちが害獣対策を知るきっかけにもつながる。今後も実施したい」としている。

(狩猟で食べていく、モンゴルで修業中:高知)
「本場の狩猟、家畜文化を学びたい―」。この春、高知県内に住む男性が、はるか中央アジアへと旅に出た。シカやイノシシを捕るわな猟を主ななりわいとし、〈猟師/漁師〉を名乗る野尻幸弥(こうや)さん(25)。「猟で食べていく。いずれは高知でそんなスタイルを実現したい」と目を輝かせる。3月上旬、高知県香南市の山奥。早朝からの強い雨で、地面はひどくぬかるんでいた。「滑るんで、気をつけてください」。同行する記者に声を掛けながら、白いかっぱを着た野尻さんが、道なき斜面を軽快に進んでいく。はぐれないようついて行くが、足元を気にして少し目を離すと、その背中があっという間に遠くにある。4時間ほどかけて、山のあちこちに仕掛けた約20カ所のわなを確認して回った。11月から3月までの猟期の間は、ほぼ毎日わなを確認する。

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(知事「他競技調査」検討へ:福島)
県クレー射撃協会が県体育協会の選手強化費を不正受給していた問題を受け、内堀雅雄知事は18日の定例記者会見で、再発防止に向け、ほかの競技団体についても補助金交付に問題がないかの確認を行うことを視野に、対応を検討する考えを示した。射撃協会は県の「ふくしまトップアスリートサポート事業」など3事業補助金453万3000円を領収書を偽造するなどして5年間にわたり不正受給していた。内堀知事は「県の公金が不正に受給されていたことは誠に遺憾」と述べ、県体協に再発防止策を求めたことを明らかにした。その上で「再発防止は、ほかの競技団体も含め適正な対応をすることが基本だ。水平展開の在り方も含め、今後の対応を考えたい」と述べた。県クレー射撃協会が県体育協会の選手強化費を不正受給していた問題で、県体協は今月中にも、不正受給が把握できた2013(平成25)~17年度の5年間の選手強化費全額、計453万3000円の返還を射撃協会に請求する方針を固めた。県体協は過去5年間に報告書に添付した射撃場の使用料や装弾代の領収書109枚全てが偽造されており、極めて不適切な会計処理と判断した。クレー射撃協会長(72)は福島民友新聞社の取材に対し「協会をつぶすわけにはいかない。大変だが資金繰りをして全額返金したい」との意向を示しており、近く開く理事会で補助金の返還方法などについて協議するとしている。

(熊出没、麻酔銃で捕獲される:福島)
19日午前7時25分ごろ、会津美里町宮林で、車で通勤途中の男性が宮川河川敷から伊佐須美神社の境内に入るクマ1頭を目撃したとして、会津若松署会津美里分庁舎に通報した。町職員や同署員、町鳥獣被害対策実施隊などが駆け付け、約10時間後の午後5時30分ごろ、神社境内にいたクマを麻酔銃で捕獲した。けが人はいなかった。付近では12、13の両日、宮川河川敷でクマの目撃が相次いでいた。同分庁舎によるとクマの体長は約1メートル。町によると、クマを麻酔銃で撃った後、ロープを掛けてわなに入れ、軽トラックで山中に戻したという。同神社内のあやめ苑では「あやめ祭り」を開催中。クマ目撃を受け町や同署などは19日午後に緊急の対策会議を開き、一時は交通規制なども検討したが、捕獲を受け、祭りを通常通り開催することを確認した。

(「アライグマいる」通報、実は子グマ?:岐阜)
岐阜市は15日、同市福富で見つかった小型獣をアライグマとみて処分した。その後、子グマだった可能性があることが判明したと発表した。今のところ周辺でクマの目撃情報はないが、親グマの徘徊(はいかい)に警戒するよう注意を呼び掛けている。市によると、同日午前10時30分ごろ、同市福富の工場の倉庫内で、体長約30センチの小型獣を発見した女性経営者が「アライグマのような動物を捕まえたので回収してほしい」と市に相談。市職員や処分委託業者が現場を訪問した際、アライグマとみなし、特定外来生物に指定されていることなどから焼却処分を行ったという。その後、専門家や別の市職員が現場の写真などを確認したところ、全身が真っ黒で、尾が短いことから子グマの可能性があると指摘した。市などは現場周辺をパトロールして警戒に当たっている。

(林道歩くヒグマとらえた:北海道)
106年ぶりにフンなどヒグマの痕跡が見つかった北海道北部の利尻島で15日夜、林野庁が島内に設置した固定カメラが、林道を歩くヒグマを撮影した。姿が確認されたのは初めて。島内では5月下旬から各所で足跡やフンが見つかり、林野庁・宗谷森林管理署が11日、夜間も自動撮影ができるカメラを島南西部の国有林内に4台設置。18日にデータを確認したところ、15日午後10時40分、林道を移動するヒグマの姿が写っていた。今後、背後に写る草の丈から、ヒグマの体の大きさを調べる。この時期はヒグマの繁殖期。対岸の稚内市から最短で約20キロあるが、現地調査をした道立総合研究機構・環境科学研究センターの間野勉・自然環境部長は「オスの成獣で、交尾する相手を求めて泳いで渡ったとみられる。メスがいないことがわかれば本島に戻る可能性もある」とみている。ただ、日中の目撃がなく、住宅地での痕跡もないことから、間野さんは「いまは野草を中心に食べているようだ。行動も夜にしているようで、非常に警戒心が強い」という。今のところ、島では住民生活や観光に影響を及ぼす問題行動が見られないため、地元自治体は駆除には慎重だ。日常的にヒグマの目撃や痕跡情報がある本島と違い、島民にとってヒグマは初めての体験。島ではクマよけの鈴や撃退スプレーが売られ、小学校では教員による登下校時の通学路での見守りが続く。本格的な登山シーズンを前にした利尻富士登山の安全祈願祭では、クマよけの祈念もするなど、「ヒグマ騒動」は続いている。

(民家敷地内にクマ:秋田)
県内で18日、クマの出没が相次いだ。けが人はいなかった。由利本荘署によると、午後9時40分ごろ、秋田県由利本荘市岩城内道川の民家敷地内にクマがいるのを、住人の男性が見つけた。男性が帰宅したところ、玄関付近で鉢合わせした。クマは体長約1メートルで、北側の山林へ走り去ったという。

(公園にクマ出没、「天空の城」立ち入り禁止に:福井)
16日午前6時半頃、福井県大野市城町の亀山公園で、ラジオ体操に訪れたグループが、クマの成獣1頭(体長約1・2メートル)を目撃し、市に通報した。市は「天空の城」として知られる観光名所・越前大野城を含む同公園と、隣接する市民俗資料館を、立ち入り禁止とした。猟友会、市職員ら約40人が捜索し、園内3か所におりを設置。17日も引き続き、警戒にあたる。市によると、城近くの広場に集まっていた男性らが、東側斜面にいるクマを見つけ、大声を出したところ、クマは驚いて逃げていったという。

(入山禁止を解除:福井)
大野市は18日、市中心部の城町にある亀山の入山禁止措置を解除した。住民から16日朝に寄せられたクマの目撃情報に基づいて入山を禁止し、市や地元猟友会などの延べ約70人態勢で探索していた。クマは見つからなかったが、木登りする際の爪痕など新たに周囲で活動した痕跡がなく、安全と判断した。3基設けたおりにもかからず、爆竹を鳴らしても出没しなかった。これに伴い、ふもとにある越前大野城や市民俗資料館も18日に開館した。

(露天風呂にクマ:秋田)
露天風呂にクマが出た!!――。15日午後5時45分頃、横手市睦成の「ホテルテトラリゾート秋田横手温泉」で、露天風呂を利用していた入浴客の女性2人が、風呂場内に入ってきた子グマを目撃した。横手署の発表によると、クマは体長約50センチ。女性らが、露天風呂の風呂場内から高さ約2メートルの柵を挟んだ敷地の外を見ていると、茂みからクマが出てきた。女性らは「仕切り板の端からクマが現れた」と話しているという。女性らにけがなどはなく、連絡を受けた同ホテル従業員が周囲を確認したが、クマはいなくなっていた。県警の発表によると、県内では15日もクマの目撃が相次ぎ、秋田市では1頭が地元猟友会員によって駆除された。秋田市河辺三内で午後3時50分頃、県道を歩くクマが目撃され、連絡を受けた地元猟友会員が、現場近くの山林で体長約80センチのクマを発見。猟銃で射殺した。このほか、北秋田市脇神では午前10時20分頃、鷹巣南中の敷地南側の田んぼを歩くクマ、鹿角市尾去沢でも同じ頃、貯水施設の敷地内の木に登るクマが目撃された。尾去沢では午後6時50分頃にも畑に2頭のクマが出た。県警でパトカーを出動させるなどし、周辺住民らに注意を呼びかけた。

(グラウンドにクマ出没:新潟)
20日午前8時すぎ、上越市名立区赤野俣の名立中学校グラウンドで体長約70センチのクマが歩いているのを、学校職員が発見し、名立区総合事務所に通報した。クマ目撃情報を受け、市職員や猟友会メンバーらが区内の小中学校の下校時にパトロールを実施。付近には住宅もあり、市は防災無線や安全安心メールで注意を呼び掛けている。名立区では同日午前6時半すぎにも、赤野俣から約800メートル離れた名立大町の県道で、体長約70センチのクマを目撃したという通報が2件あった。

(ヒグマ出没で警戒:北海道)
16日から17日にかけて、札幌市南区の住宅の敷地内などで、ヒグマが現れたという情報が相次ぎました。付近の小学校などでは、警察がパトロールするなど警戒が続いています。クマの目撃が相次いだ札幌市南区では、朝から警察が小学生の登校にあわせて付近をパトロールしました。札幌市南区簾舞では、おととい、住宅の敷地内にヒグマがいるのを住民の男性が発見し、コンポストが荒らされたほか、フンも見つかっています。また、札幌市によりますと、きのうも南区藤野の林道でクマの目撃情報があったということです。警察などでは、引き続きパトロールなどをして注意を呼びかけるということです。

(山林でクマ目撃:栃木)
18日午前10時40分ごろ、湯元の湯元駐在所北西約200メートルの山林、体長約1メートル。

(「クマとぶつかった」、乗用車の男性通報:福島)
16日午後8時50分ごろ、西会津町の磐越道西会津―会津坂下インターチェンジ間上り線を乗用車で走行していた男性から「クマとぶつかった」と東日本高速道路に通報があった。男性にけがはなかった。県警高速隊によると、クマは体長約40センチで、事故現場で死んだという。

(クマの出没相次ぐ:秋田)
秋田県内で16日、クマの出没が相次いだ。けが人はいなかった。五城目署によると、午前8時15分ごろ、八郎潟町真坂字大沢の国道7号で、クマが道路沿いの飲食店の駐車場から出てきて横断、やぶの中に入っていくのを車で通り掛かった男性が目撃した。クマは体長約1メートルだったという。

(クマ目撃情報:新潟)
15日午後8時ごろ、三条市下田地区の駒込下地内、観音堂付近の住宅前でクマが目撃され、三条市では注意を呼びかけている。駒込下は大新潟カントリークラブ三条コースに近い。今年度に入って下田地区のクマの目撃情報はこれで10件目。駒込下地内では、この13日前の2日にも目撃情報があり、さらにさかのぼると5月15日にも駒込下より少し奥の広手地内でも目撃情報があることから、この付近に同じクマが出没していると思われ、くれぐれも注意が必要だ。市では、むやみに山には入ったり、近づいたりしないこと、畑作業などで山間地へ出掛けるときは鈴はラジオなど音の出るものを身につけてクマに十分、注意するよう呼びかけている。

(畑でクマ目撃:栃木)
16日午前11時55分ごろ、宇都宮市新里町の畑内、体長約50センチのクマ1頭。

(クマが農機具置き場の扉を壊す:福島)
15日午後9時ごろ、喜多方市塩川町中屋沢の住宅で家人の男性から「敷地内にクマがいる」と110番があった。喜多方署によると、住宅の農機具置き場の扉をクマが壊した跡があったが、男性にけがはなかった。体長は約1メートルで、近くの山に入っていったという。

(田んぼにクマ:秋田)
15日午前10時20分ごろ、秋田県北秋田市脇神字塚ノ岱の鷹巣南中学校近くの田んぼにクマがいるのを同校の男性教員が見つけ、北秋田署に届け出た。当時、校内には生徒がいたが、けが人はいなかった。

(クマ、県内各地で出没:山梨)
県内各地で熊の出没が相次いでいる。11日にも南アルプス市の県道に現れた。県が確認している今年度の目撃情報は33件35頭(12日現在)で過去最多のペースで推移している。ただ熊は本来おとなしい性格で、県は「見かけても騒いだりして刺激しないでほしい。まずは熊に遭遇しないための対策を」と呼び掛けている。南アルプス署によると、11日午後6時半ごろ、南アルプス市須沢の県道を車で走行していた通行人が体長約1メートルの熊が道路を横断しているのを発見した。県によると、同市では5月28日にも須沢のキャンプ場で目撃情報があったという。甲州市でも12日に目撃情報があり、県内最多の6件もの情報が寄せられている。県みどり自然課によると、目撃されているのは、いずれもツキノワグマ。昨年度は4人が襲われ、けがをする被害に遭った。一年を通してもっとも目撃が多いのは繁殖期を迎える6~7月で、昨年度の目撃情報の122件のうち半数の63件がこの時期だ。今年5月末までの目撃情報は26件で、統計を始めた2013年度以降最も多かった昨年度の24件を超えている。目撃場所は13市町村で、県道などの道路が最も多い。今のところけが人は確認されていない。一方、県によると、ツキノワグマは本来おとなしく、刺激をしない限り攻撃をしてこない動物。狩猟の対象だが、四国地方では絶滅危機にあり、全国的に減少傾向にあるとされる。県では昨年、「県ツキノワグマ保護管理指針」を策定し、ツキノワグマの捕獲を年70頭と定めるなど保護の方向で動いている。同課は、比較的通行者の多い道の利用を呼び掛けるとともに、「残飯や空き缶が熊を引きつける原因となる。ちょっとした心遣いで熊の有害駆除を減らすことができる」と話している。

(クマ目撃情報:福島)
会津地方でこの時期、役所や警察から報道機関向けに出る情報で多いのが「クマ目撃情報」。住民の目撃が1日に10件近くに上ることもある。目立つのは人口12万の中心都市・会津若松市内。市外の友人は「会津若松はそんなにクマが多いの?」と驚く。出没頭数が増加したというより、特定のクマを見て通報する人が増えている。報道によって関心が高まることも、通報の増加につながっているようだ。都市部から離れた奥会津の人に聞くと「クマはいるけれど見ても、いちいち通報しない」と言う。「クマは居て当たり前」。そう捉えると、ニュースにならないということか。震災報道もどこか似ている。遅々として進まない復興、やまない東京電力福島第1原発事故による風評。「もはや日常」と捉えてしまっては、被災地の現状は埋没し、風化するだけだ。会津地方の主な産業は観光。観光客数は事故前の水準に回復していない。しっかり見ていきたい。

(イノシシ目撃:栃木)
17日午後9時10分ごろ、下野市国分寺の路上でイノシシ1頭が通行人に目撃された。けが人はなかった。

(ハンティングスクール開講:徳島)
猟師になって山林を駆け巡ろう――。徳島県は、7月に始める若手狩猟者養成の「ハンティングスクール」の参加者を募集している。猟具の扱い方など狩猟免許の取得に必要な知識を学べるほか、実際に猟の体験もできるのが特徴だ。スクールはわな猟と銃猟の二つの講座があり、各4日間。前半2日間は、猟具や銃器の扱い方や知識を学ぶ座学。講師は県の鳥獣対策の専門家が務め、ベテランのハンターから猟の心構えや鳥獣被害の現状などを聞ける。狩猟免許の試験を受けた後にある3、4日目は実地研修。徳島市近郊の山林に出かけ、イノシシやシカの痕跡の見つけ方やわなの仕掛け方、猟犬を使った狩りも体験する。ジビエ料理の試食や解体実習、猟友会関係者との交流もある。座学は7月10日(共通)と17日(わな猟)、25日(銃猟)。7月29日か8月26日のいずれかに免許試験を受け、11月~1月中旬に実地研修。参加費無料。対象は県内在住の40歳未満。定員はわな猟と猟銃各10人。

(サル対策、追い払いの専門職員を配置:長野)
北アルプス上高地(松本市安曇)のニホンザルが「人慣れ」している問題で、一帯の環境保全に取り組む自然公園財団上高地支部は、エアガンなどを使ったサルの追い払いや観光客の啓発を担う専門職員1人を配置した。多い日は1日約20キロを歩いて巡視を続けている。配置したのは「野生動物対策専門スタッフ」で、環境省が同支部に委託した。市川亜沙美さん(35)が5月に着任。都内の企業に勤務する傍ら趣味の写真撮影で上高地を訪れていたことがきっかけで応募し、採用された。20日も雨の中、専用の機器を使って発信機を付けたサルの居場所を探した。遊歩道や道路で姿を見かけた場合、エアガンで威嚇したり、石を投げたりして山中に追い払うという。一帯を散策する観光客には、機会を見つけて「目線を合わせない」「近づきすぎない」などと助言する。上高地ビジターセンターに寄せられた昨年の開山期間中(4から11月)のサルの目撃件数は108件。一帯では明神池近くにある穂高神社奥宮本殿の柱などがかじられるといった被害が数年前から確認されており、人慣れがさらに進むとサルが観光客らに危害を加える恐れがあるという。市川さんは「本当はサルが大好き」としつつ、「上高地を観光地にしたのは人間。今後、サルが害獣にならないためにも責任を果たしていきたい」としている。

(鳥獣被害12%減:栃木)
2017年度の栃木県内の農作物の鳥獣被害額は16年度比12%減の3億3600万円だった。減少は4年ぶり。同県は「捕獲に加え、侵入防止柵の設置が効果を上げたのではないか」(環境森林部)とみている。被害額はイノシシによるものが1億4400万円と最も大きく、ハクビシン、シカ、サルが続いた。作物別では稲が1億6100万円と半分近くを占め、野菜、果樹、イモ類が上位に並んだ。捕獲数はシカが12%増の9784頭、イノシシが35%減の8692頭。ドングリの実の成り具合が16年度に比べてよかったため「イノシシは山から下りる必要がなかったようだ」(同)という。県は5月、鳥獣被害に関する部局横断の対策本部を設置するなど、駆除の強化に動いている。

(農作物の鳥獣被害防ごう、指導員養成研修:佐賀)
野生鳥獣による農作物被害を防ぐための対策指導員養成研修がこのほど、小城市で開かれた。市町やJA、狩猟関係者などが出席し、イノシシをはじめとする野生鳥獣の生態や効果的な対策などを学んだ。県の担当者が、鳥獣被害の現状や効果的な対策について説明。捕獲による個体数の管理▽侵入防止柵の適切な設置と管理▽農地や集落周辺の環境を改善して鳥獣を近づけない-という、三つの対策を総合的に進める必要があると強調した。県猟友会のメンバーが、箱ワナや猟銃(模擬銃)などの使い方を実演したほか、被害防止に向けた県内市町の取り組み事例の報告もあった。野生鳥獣による県内の農作物被害は約1億6800万円(2016年度)。その大半を占めるイノシシ被害は地域全体での対策が進み、ピーク時の02年度(約4億1700万円)の約4分の1となる1億500万円まで減少した。ただ、侵入防止柵の機能維持や狩猟免許取得者の高齢化などが課題になっている。

(猟友会員減少に歯止め、若者・女性が底上げ)
狩猟者が集まる大日本猟友会の会員数が2017年度は10万5786人と、前年度から528人増えたことが分かった。会員増は2年ぶりで、ここ40年で2回目。ピークの1978年度(42万4820人)から続く減少傾向に歯止めがかかってきている。20~40代の若者を中心に、女性やわな免許取得者の入会が増加した。鳥獣による農産物被害の拡大は狩猟者の減少が一つの要因ともされている。狩猟の増加が、被害の抑制につながるとして、産地の期待が高まっている。女性会員の拡大が、全体の会員数を底上げした。17年度の女性会員は1908人。15年度は1183人、16年度は1571人と着実に増えている。散弾銃といった銃を使わずに、わなを仕掛けて捕獲するわな免許を所持する会員も増え、16年度から1785人増の3万5788人となった。同会の浅野能昭専務は「ジビエ(野生鳥獣の肉)や狩猟をテーマにした漫画などの影響で関心が高まったことに加え、行政と連携したPR活動が実を結んだ」と会員増を分析する。会員数の増加が目立った都道府県は石川県、宮城県、長崎県。特に石川県猟友会は、17年度が1371人と1年で136人も増えた。県内でイノシシの出没が増え、農業者のわな免許取得が進んだという。また、県が行う狩猟免許試験を4回に増やし、農閑期の2月にも行うなど、地道な活動が実を結んだ。試験の事前講習費用を県猟友会が負担したことも奏功した。環境省の調べによると、15年度の20代の狩猟免許所持者は6481人と10年間で3倍近くに倍増し、30、40代の所持者も回復傾向で、50代以上は減少傾向となっている。狩猟免許所持者の実数は近年15万人前後で推移する。一方、免許を取得しても狩猟に結び付かなかったり、免許更新をしなかったりといった課題もあることから、大日本猟友会は、各都道府県の猟友会に青年部、女性部の設立を呼び掛け、会員同士の横のつながりを深めて狩猟への参加を促すとともに一層の狩猟者確保に力を入れていく方針だ。深刻化する鳥獣害への対策へ、若手狩猟者の確保に一定の成果が見られた。今後は、実際に現場で活躍できる担い手を育成することが重要になる。若手狩猟者や鳥獣関係の仕事に関心を持つ若者に話を聞くと「農業被害を解決したい」「捕獲して、食べることに興味があった」など、さまざまなきっかけが挙がる。「自分もやってみたい」という若い女性の声も多く聞く。ただ、課題は狩猟免許を取っただけの“ペーパードライバー”が多いことだ。「役に立ちたい」「楽しみたい」といった思いを生かしながら狩猟の現場に入る仕組み作り、仲間づくりが鍵となる。近年は、インターネット交流サイト(SNS)を活用した狩猟者同士のつながりづくりや情報発信も盛んだ。また、猟友会が青年部や女性部を設立して横のつながりをつくったり、免許取得後の講習会で上の世代に学んだりといった工夫も現場では進んでいる。新たな狩猟者を確保するだけで終わってはならない。実際に現場で学ぶきっかけをつくることがが欠かせない。行政やJAなど地域の連携が重要になる。

(クマ出没で対応強化:富山)
砺波市は18日、市内平野部に初めてクマが出没し、駆除したことを受け、同市役所で緊急対策会議を開いた。市や県、砺波署の担当者約30人が平野部や市街地におけるクマ出没時の連携体制を確認し、早期の情報共有や連携対応強化を申し合わせた。同市では14日、クマの成獣1頭が砺波平野の散居村地域に現れ、道路や水田などを約4時間うろついた後、民家に侵入したところで駆除された。対策会議では、齊藤一夫副市長があいさつした後、県担当者からクマの出没に関する状況が報告された。今年はクマの活動が活発化しているとし、今秋は2年に1回の凶作の年であるため、クマの大量出没に注意が必要との説明があった。市は14日のクマ出没の経緯や対応について報告した。この中で、▽目撃者から写真を入手したことでクマの確認を早期にできた▽地元では住民のネットワークで情報共有が図れた▽緊急捕獲の連携がスムーズだった―などを評価できるとした。▽午後の再確認場所が第1目撃場所付近だった▽散居村は見通しが良いが屋敷林の民家に入った場合は見失う可能性がある―などを今後の課題とした。市では今後、平野部でクマ情報があった場合、対応する職員を増やすほか、農業振興課だけでなく企画調整課や総務課などと連携して情報発信を図るなど、対応を強化することを決めた。

(新型くくりわな、設置広がる:長野)
高知県内で開発された鹿やイノシシの捕獲用のくくりわな「いのしか御用(ごよう)」が、足の大きい熊だと掛かりにくい可能性があることが分かり、長野県内で試験的に設置する動きが広がっている。鹿などの捕獲用のわなに熊が掛かることは「錯誤捕獲」と呼ばれ、鳥獣保護管理法に基づき、原則、放獣が必要。放獣には麻酔などの費用がかかる一方、作業中に熊に襲われる事故も起きており、自治体などの悩みの種になっていた。中部森林管理局(長野市)や県は、錯誤捕獲の減少につながると期待している。いのしか御用は、高知県三原村森林組合が2014年度に開発。価格は種類によって異なるが、1組1万円前後で販売している。円状のわなに放射線状の切り込みがあり、獣が足を踏み入れて動くと内部に仕掛けたワイヤが絞まる仕組み。一般的なばね式のくくりわなとは異なり、大きく、平たい熊の足は切り込みに邪魔されて入りにくい。熊の錯誤捕獲対策として開発されたものではないが、長野県南信州地域振興局(飯田市)林務課の職員が雑誌で目にし、「熊は掛からないかもしれない」と着目。同振興局は昨年度、2個購入して下伊那郡大鹿、下條両村に仕掛けた。話を聞いた中部森林管理局も昨年度、佐久市や下伊那郡松川町、木曽郡木曽町などに約60個を設置。鹿やイノシシは掛かった一方、熊の錯誤捕獲はなかった。伊那市横山の山林では今月5日、伊那猟友会長の牧田文男さん(73)がいのしか御用を鹿の食害が心配される林の獣道に仕掛けた。市が本年度購入した50個を借り、今月初めから順次設置している。これまでは、わなに掛かった熊が暴れると危険なため、熊が人里近くに現れる6から10月はわなを仕掛けられなかった。牧田さんは「熊の危険性が減り、鹿を捕れるようになる」と効果に期待する。伊那市では昨年度、農業被害などから許可を受けて捕獲した熊は0頭だったのに対し、錯誤捕獲は49頭に上った。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、県内で昨年度、247頭の錯誤捕獲があった。錯誤捕獲があった場合、同市では市職員や猟友会員らが4人がかりで放獣に当たっており、1回の放獣にかかる費用は麻酔代などを含めて約7万円という。一方、16年10月に下水内郡栄村で、17年9月に木曽郡南木曽町で錯誤捕獲された熊が暴れ、猟友会員らがけがをする事故も起きている。錯誤捕獲の減少につながるとの期待がかかるいのしか御用だが、鹿などの捕獲率が「一般的なばね式のくくりわなと比べて低い」(中部森林管理局)との見方もある。伊那猟友会は独自にいのしか御用の改良を進めている。同室によると、県内の熊の目撃件数は例年、年間600から800件だが、06年は約3千件、10、14年は約1500件と激増。この3年間は、通常なら目撃件数が減る9月以降も減らなかった。同室の担当者は「今年も増える可能性がある」と警戒を呼び掛けている。

(わなに工夫し獣害対策:愛知)
イノシシやシカによる中山間地域の獣害は、農家を悩ませる。少しでも被害を減らそうと豊田市内でも捕獲に懸命に取り組む。監視カメラ付きで遠隔操作ができる最先端のわなの実験が進む一方、自然の竹を用いたわなで効果を上げている農家もいる。市農政課によると、イノシシとシカによる市内の被害金額は、統計をまとめ始めた二〇〇八年の約三千六百万円から一七年には五千万円と増加した。獣害に遭う足助地区の連谷町では昨年九月、地元農家らがJAあいち豊田と共同で、新型の囲いわなを同町の畑周辺に設置した。県農業総合試験場などが開発した「おりべえ2」というわなだ。五・六メートル四方を高さ二・七メートルの鉄筋で囲い、上部には一台の監視カメラが取り付けられている。二十四時間撮影し、離れた場所のタブレット端末で様子を観察できる。中央にはおびき寄せるエサとしてサツマイモを植え、中に入った動物をセンサーが感知すると利用者にメールが届く。周囲も観察できるように、地上にも二台カメラを設置した。端末の捕獲ボタンを押すと、緑のパネルが降りて四方を遮断。外の景色が見えないと暴れないイノシシの習性を利用するという。わなを管理する同町の農家安藤久夫さん(69)は「家に居て見られるのはすごく便利」と話すが、課題は囲いの中にどうおびき寄せるか。警戒心の強いイノシシやシカは近くまで来てもなかなか中に入ってくれない。動線上にエサを置いて誘い込むよう仕掛ける。JAあいち豊田の営農企画課の鈴木裕志さん(48)は「群れごと捕まえることができる。効果が見えてくれば普及させたい」と期待する。一方で同じ足助地区の五反田町の農家鈴木十(つなし)さん(76)は、鉄製など人工的なわなでは、警戒心が強くて鼻が利くイノシシは捕まりにくいと感じている。六年前から竹で自作したわなを近くの山に設置する。高さ百二十センチ、幅九十センチ、奥行き百八十センチ。木の枠組みに、竹を縦格子に組み、中のワイヤに触れると入り口が閉まる。鈴木さんは「鉄のわなでは警戒心の薄い子どもばかり捕まるが、竹のわなだと親イノシシが三頭一度に捕まったこともある」と話す。さらに、鉄製ではイノシシが暴れて壊し逃げ出すことがあるが、竹ではおとなしくしていることが多いという。「自然のものを使っているのが大きい。手間はかかるが、捕獲により、実際にイノシシがこの辺りでは最近減ってきた」と効果を実感している。

(シカ、交通事故から守れ:奈良)
奈良市の奈良公園周辺で生息する国の天然記念物「奈良のシカ」が車両にはねられる交通事故を減らそうと、県は今秋にも社会実験を始める。事故発生率が最も高い公園道の一部に、シカが飛び越えにくい高さ70~100センチの柵を設置。人の通路で柵を設置できない場所には、「シカの通り道」といった標識を目立たせることを検討している。県が管理する公園道(大仏殿~高畑町)の一部280メートル程度に新たな柵を設置する。ただ、バス停と春日大社の参拝道の計3カ所には設けず、人やシカの横断を可能とする。専門家の意見を踏まえて、この3カ所付近に標識や看板をより大きくしたり、増やしたりするという。この一帯は高さ50センチ程度のコンクリート製くいが打ち込まれている箇所が多いが、ロープが張られていないこともあり、シカがすり抜けて頻繁に横断している。毎日新聞が5月下旬の夕方に調べたところ、30分間でシカ14頭が西から東へ横断していた。停車を余儀なくされる車が相次いだ。県奈良公園室によると、この公園道では2014~16年の3年間にシカがはねられるなどの事故が55件発生。奈良公園周辺の6主要道路では3番目の水準だが、車の交通量当たりの事故率は最も高いという。県は昨年6月13日、このうち5主要道を対象に実態調査を行った。173件329頭の横断が確認され、最も多かったのは国道169号(県庁東~福智院)の65件。ただ、県庁近くでは東側に高さ1メートルを超える柵が、西側には同65センチ程度の柵が一帯に整備され、柵を乗り越えて横断するシカは確認されず、南側の信号付き横断歩道に迂回(うかい)して観光客らと一緒に横切る姿が目立ったという。一般財団法人「奈良の鹿愛護会」によると、17年に死んだシカ416頭のうち、交通事故は約2割の91頭。うち奈良公園内では57頭が死んでいるという。県奈良公園室の担当者は「シカが飛び出して来る場所を絞った上で事故防止策を講じて、効果を検証したい」と話している。

(スーパーモンスターウルフ、有害鳥獣を撃退:兵庫)
兵庫県淡路市は、農業に被害をもたらす有害鳥獣対策としてオオカミ型ロボット「スーパーモンスターウルフ」の導入を検討する。リアルな外観に加え、音と光でイノシシやシカを撃退。現在市役所本庁舎に実物を展示中で、関係者は「農作物を守る切り札に」と期待を寄せる。スーパーモンスターウルフは、北海道奈井江町の機械部品加工「太田精機」が北海道大、東京農大と共同開発。体長65センチ、高さ50センチで、野生動物をセンサーで感知すると、首を振り光を放つ。オオカミの鳴き声など50種以上の威嚇音は、1~2キロ先まで到達する。現在、関東を中心に28台が設置され、効果が確認されているという。多くのメディアに取り上げられ全国で注目を集めるが、関西では今回が初のお目見えとなる。15日、市会6月定例会で一般質問があり、市議が「展示中のウルフの活用法は」と質問。市は「防護柵と捕獲が対策の両輪」とした上で、「有害鳥獣対策協議会でウルフの使用を検討する。実証実験で効果が確認できれば、導入に向けた予算措置も考える」と前向きな姿勢を示した。太田精機の太田裕治代表(59)は神戸新聞社の取材に「ばかばかしいと言われたこともあったが、最近は自信を深めている。まずは効果を確かめて」とアピール。市担当者は「2016年度の被害額は約1200万円。リースなら1体月2万円ほどなので、試す価値はあるのでは」と話す。

(シカの食害に悩む名所:鹿児島)
地元住民が大事に育て、アジサイの名所として親しまれてきた鹿児島県薩摩川内市の「あじさいロード」が、シカの食害に見舞われている。例年なら6月中旬ごろに見頃を迎えるが、花芽を食い荒らされて無残な姿に。地域おこしのために開かれてきたウォーキングイベントも、花つきが悪かった昨年に続いて2年連続で中止に追い込まれた。同市田海町の西川内地区の「あじさいロード」は、市中心部から10キロほど離れた山里にある。過疎化が進む地域の活性化をめざして1996年に発足した有志グループ「245(にしご)会」が、「花と緑の西川内」をキャッチフレーズに休耕田にヒマワリを植えるなどの活動をスタート。2000年ごろから地区を貫く市道沿いにアジサイを植え始め、現在は約3千株が3キロ近くにわたって続く。

(雑草、鳥獣対策の“メェ案”:富山)
耕作放棄地対策として、ヒツジの放牧が立山町の東谷地区で十八日、始まった。中山間地域の同地区は人口減や高齢化から農業の担い手不足が深刻。ヒツジに草を食べてもらうことで、草刈りの負担軽減のほか、イノシシなどの鳥獣対策も目指す。町はサフォーク種二匹、コリデール種一匹の計三匹を放牧。町地域おこし協力隊員で、若い女性による農業振興を目指す“農業女子”の宮内七生(ななみ)さん(28)が中心となって、世話をする。三匹は今後、新設した放牧地近くの小屋で暮らす。宮内さんは「最初は不安なこともあったが、ヒツジが懐いてくれてやりがいを感じる。大事に育てていきたい」と意気込んだ。サフォーク種は、筋肉質で脂身が少なく希少価値がある食肉用の品種。町はヒツジの放牧が農家の新たな収入源になる可能性もあるとみて、二匹を食肉用に育てて処理をした上で十二月には販売も目指す。町農林課の担当者は「どれくらいの価値で売れるのか実験する。モデルケースになればいい」と話した。

(イノシシ対策、休耕田で草刈り:石川)
金沢市辰巳地区の農家でつくる「イノシシから田畑を守る辰巳の会」の今年度第1回の活動は17日、同市辰巳町の水田周辺で行われ、約40人が休耕田の下草刈りに取り組み、獣害に備えた。参加者は草刈り機で休耕田の雑草を刈り取った。水田周辺の竹林の一部も伐採して見通しを確保し、イノシシが人を警戒して寄り付かなくなることを期待した。県のいしかわ農村ボランティアと県立大学生援農隊あぐりも参加した。会は昨年、地区の水田がイノシシに荒らされたことを受けて結成した。今後も定期的に草刈りを実施する。

(ハナショウブ、イノシシが荒らす:神奈川)
神奈川県伊勢原市日向の休耕田に植えられたハナショウブがイノシシに荒らされ、大切に育ててきた伊勢原ハイキングクラブの会員たちが肩を落としている。約1000平方メートルの休耕田は日向薬師入り口に広がる自然豊かな里山にあり、昨年の初夏にはハナショウブが白や紫の色鮮やかな花を咲かせた。周囲はアジサイやヒガンバナも群生し、散策スポットとして知られていた。ところが、餌を探し求めるイノシシが入り込み、多くのハナショウブが掘り起こされてしまったという。会員たちは懸命に植え直したものの、現在はわずかに花が開いた程度にとどまっている。クラブでは近くに看板を立て、楽しみにしていたハイカーらに報告。「今にみておれイノシシ君。来年は最高の花を咲かせてみせる」と決意も示した。

(小学校グラウンドに首のないカラス:神奈川)
相模原市南区の市立小学校のグラウンドで、首のないカラス2羽の死骸が見つかっていたことが19日、分かった。 相模原南署などによると、1日午前8時半ごろに死骸が発見され、学校から連絡を受けた同市教育委員会が同署に通報した。

(獣肉処理、ジビエで解決:富山)
獣害対策で捕獲したイノシシなどの肉をジビエとして有効活用する動きが富山県内で、なかなか広まらない。捕獲や処理の方法によって肉質が劣化する難しさや、処理施設の少なさが背景にある。この課題に立ち向かおうと、富山市八尾町中島の石黒木太郎(もくたろう)さん(26)が、市の山間部に県内初のジビエ専門食肉処理施設「大長谷ハンターズジビエ」を開設。ジビエの魅力を発信しようと奮闘している。石黒さんが施設をオープンしたのは二〇一六年十一月。地元の納屋を譲り受け、自ら改修した。イノシシやシカ、クマ肉を扱い、県内外のイタリア料理店などに出荷している。イノシシは一七年度、約五十頭を処理した。幼い頃からジビエに親しみ、食べることも好きだった。地元の猟師が減る中、「あんにゃも鉄砲やってみんか」と誘われ、二十三歳で狩猟の免許を取得した。販売するつもりはなかったが、自分だけでは食べきれない上、販売を求める声も寄せられるようになった。縁あって京都で処理施設を見学し、「自分でもつくれる」と決意。知人らに厨房(ちゅうぼう)の流し台などを譲り受け、完成させた。富山県は一二年度から獣肉の活用を促すため、処理施設の整備にかかる費用の三分の一(上限百万円)を補助している。石黒さんもこの制度を活用した。県内の処理施設は現在、五カ所あり、そのうち四施設が補助を受け、施設数は少しずつ増えている。だが、一七年度に全施設で処理したイノシシは、捕獲した約五千頭に対し百七頭にとどまった。石黒さんは「(施設は)まだ足りない。それに場所が山から遠い」と課題を挙げる。イノシシは仕留めてから一分でも早く血抜きや内臓摘出などの処理を施すことが品質確保につながる。「最初の処理で味が変わる。猟場から近いのが最重要」と語り、捕獲場付近に一時処理施設を設けることも対応策の一つと提案する。肉質の管理や処理の難しさ、高価格など課題が多いイノシシ肉。一方で、高タンパクで低脂肪、低カロリー、ビタミンB群も多く健康的といった良い面も。「おいしくないものを食べたら、また食べたいとは思わない」と石黒さん。「僕らは最初から食べるために捕っている。品質を上げるために真剣に取り組まないといけない」。獣害駆除でも、食用としての活用を見据えた捕獲方法や処理方法の実践が求められる。二〇一七年度に富山県内で捕獲されたイノシシは初めて五千頭を超え、過去最多になる見通しになった。捕獲者の増加に加え、生息数自体が増えている可能性もある。農作物などへの有害捕獲と狩猟捕獲を合わせて五千二百四十七頭(速報値)で、内訳は有害が四千百二十一頭、狩猟が千百二十六頭。一六年度は計四千三百六十頭だった。県は一五年度末に、生息数を約五千頭と推定していたが、実態は分からない。農作物への被害は深刻化しており、一七年度の被害額は過去最高の七千二百五十万円を記録した。

(ジビエカレー商品化:石川)
白山市鶴来本町の障害者就労支援施設「生きがいワークス白山」は、同市の特産品を使った「白山麓ジビエゴロゴロカレー」を商品化した。冷凍して市内のスーパーや道の駅で販売し、施設で働く障害者への利益還元や地元食材の消費増を目指す。カレーは白山麓で捕獲されたイノシシの肉と、同市剣崎町特産のトウガラシ「剣崎なんば」を使い、四日かけて煮込んだ。施設の飲食部門「みらくる」で、障害者五人と職員二人が調理を担当している。「みらくる」では一食六百四十八円(税込み)で食べられる。十六日には試食会があり、来場者がイノシシ肉がふんだんに入った辛口の味わいを堪能した。また施設外に販路を開拓しようと、真空パックして冷凍した「販売用」を作っている。市内のスーパーや道の駅などに卸す予定で、まずは月に約千五百食を生産するという。施設を運営する「生きがい工房」(金沢市)の奥田和也社長は「販売数を増やし、障害者の工賃増につなげたい。好評なら地元産トマトや鹿肉入りのカレーも企画したい」と話した。

(美味イノシシバーガー:千葉)
大多喜町の「道の駅たけゆらの里おおたき」で、イノシシ肉のメンチカツバーガーが登場し、ちょっとした話題になっている。心配された臭みはなく、厚切りトマトにキャベツ、レタスがトッピングされ、食べ応えは十分だ。担当者は「食べてびっくりするほどのおいしさ」と、売り込みに懸命だ。道の駅にはイノシシを利活用する解体処理施設があり、売店では生肉や加工肉、食堂では丼物などの食事を提供。丁寧に肉の下処理をするため、野生獣肉特有の臭みがなく、一部の関係者からは「いける」と太鼓判。そこで消費拡大を狙い、幅広い世代から人気のハンバーガーに目を付けた。料理名は「セルフバーガーセット」。パンとメンチカツ、トマト、レタス、キャベツを皿にのせて提供し、購入者が具材を挟んで料理を完成させる。全部トッピングすると高さ約8センチ直径約12センチになる。

(農家民宿、ジビエ料理も:新潟)
山、川、田んぼ……。豊かな自然に囲まれた十日町市の中山間地に農家民宿「茅屋(かや)や」はある。四季折々、自然界の変化が視覚や嗅覚に訴え、騒音が届かない環境は聴覚に優しい。「今はカエルの合唱がにぎやかですけどね。冬季間は本当に音のない世界になります」と、経営する高橋美佐子さん(45)はほほ笑んだ。同市出身の高橋さんは市内の高校を卒業後、首都圏のホテルや食品会社で働いた。Uターンを考えるきっかけの一つになったのが2011年3月11日に発生した東日本大震災だった。Uターンして市内で地域おこし協力隊となり、飛渡地区を担当した。「古民家で民宿をやってみたい」という思いが強くなり、協力隊を退任。担当していた地域にあった築100年以上のかやぶきの家を譲り受け、農家民宿をオープンさせた。16年1月11日だった。玄関に掛けられた「茅屋や」の看板。室内には囲炉裏があり、露出した黒々とした大きなはりが長年風雪に耐え抜いた歴史を伝える。訪れる人たちには近くの田んぼで育てているコシヒカリを提供する。畑で採れた野菜や山菜を食材に調理。今の時期は一歩、山に入ればさまざまな山の幸があり、まさに宝庫だ。煮物や山菜料理を教わりながら一品一品、献立を増やしていく。そして、自分自身が狩猟免許を持ち、山で仕留めたイノシシやウサギを認可を受けた加工場で処理して出すジビエ料理。「猟友会にも入れてもらいました。ジビエ料理を目指して来る人も少しずつ増えている」という。現在、茅屋やがある集落は世帯数5戸、住民は10人。高齢化も進んでいる。それでも、幅広い人たちの協力を得ながら夏は盆踊り、冬は小正月行事を続けている。「この地域の良さは人の温かさ。豊かな自然も何ものにも代え難い。多くの人に訪れてもらい、魅力を感じてほしいと思います」

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