<射撃ニュース8月>
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(クマが台所に侵入、食料あさる:岩手)
25日午前4時20分ごろ、北上市和賀町、農業男性(79)方にクマ1頭が侵入した。窓の網戸を破って1階台所の食料をあさって逃げたが、家にいた男性と妻にけがはなかった。北上署などによると、台所の北側に面した窓は地上から高さ約1メートルで、15センチほど開けて網戸は閉めていた。起床した妻(51)が台所の戸を開けたところ、窓から外に出ようとするクマの尻が見えた。北西の雑木林に逃げ、体長は不明だが成獣とみられる。台所は調味料や鍋などが散乱し、足跡が残っていた。米袋は外に出されて約30キロの米が散らばり、電気炊飯器も壊され窓の下に落ちていた。

(「親子グマ」鶏舎襲う:福島)
24日午前9時30分ごろ、福島市の民家から「庭にクマが3頭いた」と福島署に通報があった。同署によると、鶏舎は扉が壊され、飼育していた鶏4羽のうち2羽が被害に遭った。家人が敷地内の鶏舎から逃げる親グマ1頭(体長約1メートル)と子グマ2頭(同約50センチ)を目撃しており、同署はクマによる被害とみて周辺住民に警戒を呼び掛けた。就寝中の家人が24日午前3時ごろ、物音に気付いて目を覚まし、逃げ去るクマを目撃したという。

(折原親子ら予選敗退、アジア大会)
ジャカルタ・アジア大会第9日(26日、インドネシア・ジャカルタほか)射撃クレー・スキート予選で、男子の折原研二(那須国際射撃場)は11位、横内誠(横内商店)は25位で決勝に進めなかった。女子は石原奈央子(古峯神社)が7位、折原梨花(文星芸大)が14位で敗退。

(射撃の折原梨花、念願の親子出場)
ジャカルタ・アジア大会第8日(25日、インドネシア・ジャカルタ)射撃のクレー・スキートの予選前半で、折原親子が念願の同時出場を果たした。女子の21歳、梨花は競技歴3年ながら自宅の射撃場で腕を磨き、初のアジア大会に臨んだ。「特別な緊張感を感じたけど、父に指導してもらってきた実力は出せた」と安堵感をにじませた。男女とも予選上位6人が決勝へ進む。娘は14位、45歳の父、研二は12位から巻き返しを期す。父は「2人ともにチャンスはある。特に梨花には」と親心をのぞかせた。

(列車がクマと衝突:北海道)
25日午前0時5分ごろ、苫小牧市のJR千歳線植苗―沼ノ端間で、札幌発苫小牧行きの普通列車(6両編成)がクマ1頭と衝突した。乗客約50人にけがはなく、列車は約30分後に運転を再開したが、死骸の撤去のため、25日朝の苫小牧と札幌・小樽を結ぶ普通列車3本が運休、または部分運休し、乗客約1200人に影響が出た。

(住宅地にクマ足跡:北海道)
白老町北吉原の住宅街の畑でクマの足跡が見つかった24日、町などの関係者は注意喚起など対応に追われた。町生活環境課によると、クマの足跡は町北吉原の住宅の畑で発見。縦14センチ、横17センチで体重200~300キロ、体長150~160センチの成獣のものとみられる。通報を受け、町は猟友会苫小牧支部白老部会、苫小牧署と共に現地を確認。付近の全10町内会にはクマ出没の情報を文書で伝えた。午後1時には、防災無線でクマの出没を伝え、全町に注意を呼び掛けた。

(イノシシが列車と衝突:鹿児島)
26日午後8時半頃、鹿児島市吉野町のJR竜ヶ水駅で、停車していたJR日豊線・鹿児島中央発宮崎行きの特急列車(4両編成)の乗客が「ゴトンと音がした」と係員に伝えた。JR九州や通報を受けた警察などが調べたところ、4両目の車両下に血痕が見つかり、同駅から離れた場所で死んでいるイノシシが見つかった。同社は血痕がイノシシのものであると断定し、約2時間後に運転を再開した。乗員乗客計約90人にけがはなかった。このため上下線2本が運休、特急を含む7本が最大2時間10分遅れ、約660人に影響が出た。

(公園にイノシシ出没:香川)
高松市の代表的な観光地、栗林公園にイノシシが入り込み、職員らが対応に追われている。対処法を説明した香川県作成のパンフレットを急きょ取り寄せて来園者に配布するなどしている。外国人の来園者も多いことから、英語版と中国語版の作成にも着手し、一両日中に配布を始める。イノシシは22日の早朝、来園者から3頭の目撃情報が2回寄せられ、同日夜の閉園後の巡回で園の宿直員も確認した。栗林公園で目撃されるのは初めて。西側の紫雲山から入り込んだとみられる。25日には金網のわなを設置し捕獲に着手する。高松市も訪日外国人客が増えており、人気スポットの栗林公園は2割近くを外国人客が占める。イノシシは夜行性で臆病な動物なので、外国人客が訪れる日中に歩き回る可能性は低いが、刺激すると危険なため、海外客への対応も急ぐ。

(クマ目撃:栃木)
27日午前11時半ごろ、横川、藤原消防団第7分団南10メートルの横川霊園内。1頭、体長約80センチ。

(ニホンジカ捕獲計画案は猟銃を重点的に:青森)
有識者による県ニホンジカ管理対策評価科学委員会(委員長・藤田均青森大学名誉教授)の今年度2回目の会合が24日、県庁で開かれ、ニホンジカ捕獲に関する2018年度県指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画案を承認した。計画案では白神山地周辺地域(西目屋村、鯵ケ沢町、深浦町)、三八地域ともに捕獲実績のある銃猟での捕獲を重点的に行うこととし、わな猟に関しては導入を検討していた囲いわなは使用を見送り、昨年度と同様に箱わなのみを使用する。計画は関係機関との合意形成を経て9月中に決定、公表する予定。

(有害鳥獣駆除ハンター養成講座:愛媛)
愛媛県有害鳥獣ハンター養成塾の開講式と第1、2回講座が26日、松山市上難波の県農林水産研究所であり、狩猟免許の取得を目指す農家や学生ら受講生18人が有害鳥獣の習性や捕獲の基礎知識などを学んだ。

(シカ柵初設置、高山植物の保護目指す:岩手)
花巻、宮古、遠野の3市にまたがる早池峰山(1917メートル)でニホンジカの食害が拡大している問題で、県は27日、高山植物を守るシカ柵を初めて設置した。現状のまま放置すれば、シカの食害で希少植物が失われる恐れがある。今回の設置は、柵の効果や強度を検証するための試験的な取り組み。効果が確認できれば、来春以降の高山帯への増設も視野に入れる。県職員や自然公園保護管理員ら約20人が作業。柵は河原の坊コースの森林帯3カ所に設置した。高さ1・8メートル、長さ15メートル~50メートルのナイロン製ネットで、マルバキンレイカの群落地や固有種ミヤマヤマブキショウマを囲った。ネットはシカにかみ切られないようステンレスが編み込まれている。柵は10月下旬まで設置。食害のあった植物の回復状況も観察する。県は効果があれば、来春以降に局所的な柵を増設する方針だ。東北森林管理局の昨夏の調査では、同山周辺のシカの生息密度は、2011年度比5・5倍に急増。同管理局も9月上旬に固有種がある高山帯など4カ所に試験設置する。

(野生動物研究の最前線体感:兵庫)
兵庫県丹波市青垣町沢野の県森林動物研究センターで26日、施設の一般公開があった。普段入ることができない研究室見学やシミュレーターを使った狩猟体験、シカ肉料理の販売、獣害対策のワナや柵の展示があり、親子連れたちが野生動物研究の最前線を楽しんだ。日ごろの調査研究の成果を広く知ってもらおうと開催される恒例行事。施設内には野生動物の骨や毛皮に加え、パチンコやプラスチック銃などの撃退用具も並んだ。シカ肉料理コーナーではミートローフやハム、赤ワイン煮込みやハンバーガーといった多彩な料理が販売された。シカ肉ハンバーガーを食べていた女児2人=共に青垣小2年=は「いつものハンバーガーと違う感じだけど、シカは普通においしかったです」と話していた。サイエンスカフェでは、兵庫県のサルをテーマに研究者と懇談。研究員が「畑に捨てた廃棄野菜も含め、人里をえさ場と認識させないことが最重要」と獣害対策のコツなどを紹介すると、会場からは「山の環境はどうなのか」「群れからはぐれる割合や数は?」と積極的に質問が飛びだしていた。

(イノシシ進入ゼロに、コース外周に柵:山形)
県内のゴルフ場でイノシシにコースの芝生を掘り返される被害が相次ぐ中、天童市の天童カントリークラブがコースに金網フェンスを張り巡らす対策を講じたところ、イノシシの進入がなくなり被害が解消された。クラブ側は胸をなで下ろし「イノシシ被害はうちだけでなはく、県全体の風評の払拭(ふっしょく)につなげたい」としている。イノシシは地中のミミズを食べたり、体に泥を塗り付けたりするため、芝生を掘り返すとされる。奥羽山系に位置する同クラブでは3年ほど前から痕跡が確認され、去年一気に深刻化した。フェアウエーも被害に遭うなど、コース全体で約50カ所に上った。地元猟友会が捕獲に乗り出したが、繁殖力が強く被害は収まらなかった。プレーヤーから「イノシシを飼っている」という皮肉も浴びせられた。ラジオや発光ダイオード(LED)、オオカミの臭いがする液体などのグッズを取り入れたが、いずれも不発に終わった。芝の張り替えや修繕もままならない。宮城や福島県のクラブの事例を参考に、フェンスを設置することにした。張り巡らした金網はコースの外周約4.3キロ。設置する地形に合わせ、ロール状とパネル式を使い分けた。2千万円をかけた。雪解けが始まる3月から敷設に取りかかり、4月下旬に完了させた。正門にはイノシシが嫌がる音波を発する機材も設置した。フェンス効果は絶大で、ホームページでは「進入ゼロ」を宣言している。被害を受けたコースも7月までにほぼ回復した。降雪期に合わせ、フェンスの倒壊防止策が必要となる。県ゴルフ連盟(寒河江浩二理事長)によると、イノシシ被害が確認されているのは同クラブを含め4施設を数える。連盟は今年1月、県に対し電気柵やフェンス設置などへの財政支援を要請している。

(クマ、4年に一度の大量出没?:長野)
長野県内でクマの出没が増えている。4~6月に里地で目撃された件数は296件にのぼり、前年の2・4倍。統計を見ると、今年は4年に一度の「大量出没イヤー」という指摘もある。大量出没年には秋以降も出没が増える傾向があることから、いくつかの対策も進められている。県の鳥獣対策・ジビエ振興室。担当者はこう警戒を呼びかける。「ことしは4年に一度の大量出没となる可能性があります」里地での目撃情報をまとめ始めた2005年以降、06年、10年、14年と4年ごとに目撃件数が跳ね上がっているからだ。実際、ことし春以降の目撃件数は、すでに前年の件数を上回っている。8月上旬には木曽町三岳の80代の男性が自宅近くでクマに遭遇し、顔や頭を引っかかれて重傷を負った。上田市鹿教湯温泉では8月中旬、養蜂施設がクマに襲われ、養蜂箱が荒らされた。いつもの年だと山にまだエサが少なく、農作物が収穫期となる8月が里地での目撃のピーク。だが大量出没の年は平均で、9月の目撃件数が平年の5倍以上の600件以上になり、10月、11月も多いまま推移する傾向がある。大量出没に備えて長野県は今年、新たな手を打つ。クマは川に沿って山から里に下りてくるため、川沿いの樹木を伐採し、見通しを良くするのだ。「クマは臆病なので、隠れる木がなくなれば下りてきにくい」(担当者)という。河川まわりの伐採のため、県は今年度、森林づくり県民税も財源に1億1250万円を予算化。すでに伐採を始めた王滝村や朝日村を含め、計37カ所で伐採を計画している。子どもへの安全対策をしている自治体もある。飯山市教育委員会は6月、クマの目撃情報のある地域の小中学校に通う子どもたちにクマよけの鈴を84個貸し出した。その後も目撃情報が増えていることから、補正予算を組んで新たに100個を購入し、貸し出す。同教委の担当者は「学校近くや市街地での出没情報もある」と話す。「今年はこれからも確実に出ると思う。通学路近くのやぶを刈るなど、地域でも対策してもらっています」

(鹿ソニックで動物のロードキル防げ:山梨)
富士北麓(ほくろく)にある山梨県富士河口湖町船津の自動車部品販売会社が、野生動物の交通事故死(ロードキル)を減らそうと、動物が嫌う音を出す装置「鹿(しか)ソニック」を作った。車の前部バンパー付近に取り付け、動物を森へ帰す仕組みだ。高速走行の風圧を利用し、動物だけに聞こえる音が鳴る「鹿避け笛」はすでにあるが、ゆっくり走っても効果が出るようにと開発した。動物と車の事故が絶えない北海道など全国での活用が期待されている。開発したのは「T・M・WORKS」。きっかけは5年前、轟(とどろき)秀明社長(53)が出身高校の同級生と集まった際、15人中5人が運転中にシカとの衝突を経験していたことだった。富士山麓でロードキルは日常だ。環境保全団体「富士山アウトドアミュージアム」(富士河口湖町)によると、今年3月までの4年間に710件発生。シカが150件と最も多く、タヌキが90件で続いた。舟津宏昭代表(45)は協力者約150人から事故の一報が届くと、早朝や深夜でも現場に直行して調べている。「森に逃げ込んでから死ぬ動物もいるので実際のロードキルの数は2~3倍」と話す。轟社長によると、シカとまともにぶつかれば車の修理費は平均50万円以上。「車の部品を売る会社として共存共栄を模索したい」と昨年4月に開発に着手した。鹿ソニックは約5センチ四方で、車のバッテリーにつないで使用。人には聞こえない20~30キロヘルツの高周波音を出す。同じ音を続けると動物が慣れ、動物によって苦手な音も異なるため、周波数が不規則に変わるようにした。富士北麓で動物への照射を繰り返し、約50メートル先のシカに当てると数秒で逃げることを確認。タヌキなどほかの動物でも効果を確認できた。法定速度を守れば衝突事故を防げるという。鹿避け笛と併用すればさらに効果は上がるが、轟社長は「『動物のすみかにお邪魔します』という優しい気持ちを持ち、衝突事故の多発地区では徐行してほしい」と呼びかける。

(里山文化復活でクマと人の共存を:岡山)
岡山県はツキノワグマの絶滅危惧地域に指定され、長年保護活動が展開されてきたが、近年生息数が増加していることから、県などは期間、猟具、頭数を制限して銃による狩猟を解禁している。ツキノワグマと人が共存できる社会の実現のために今何が求められているのか。18年間にわたりツキノワグマの生態を調査、保護活動を続けている五味和也さん(37)=美作市小野=に話を聞いた。―6月に美作市内の山中で男性がツキノワグマに襲われけがを負った。ツキノワグマは危険な野生動物なのか。ツキノワグマは中国にもロシアにも生息している。日本のクマはより小型で少しどんくさい感じがして、どちらかというとかわいいイメージがある。ところが人に出会ったときは全身の毛が逆立ち筋肉が盛り上がり、地響きを立て走って逃げていく。外見に似合わず臆病な動物だが、力は強く生身の人間は到底かなわない。私の家のすぐ裏山にも夜になるとガサガサと音を立てクマが歩いているし、月夜に木に登っているクマを見ることもある。日常的にクマがすぐそばにいるが、だからといって人間を狙って来ているわけではない。ツキノワグマは本来ブナやコナラ、ミズナラなどのドングリの実や昆虫などを捕食しているおとなしい性格の動物。しかし、突発的に出くわした場合や子グマなどを連れているときは、わが子を守るために威嚇(いかく)してくることはある。クマを見ただけで「怖い」「危険」といい、殺処分してくれと言う人が多いが、特別のことがない限り、めったにクマが人間を襲ったりはしない。クマも人間が一番怖いからだ。―これまでクマは県北部で出没するケースが多かったが、最近、和気町や総社市など県南部での目撃情報が相次いでいる。クマの出没エリアが南下しているのは、本来クマがすみかとする奥山でドングリなどの食料が不足し、人里にえさを求めて山を下りてくるからだといわれているが、そればかりではない。近年人里と奥山を隔てていた里山が利用されず、クマと人の緩衝地帯になっていた里山が放置されてきたことが最も大きな原因ではないか。かつて里山は雑木などを伐採して薪炭や果樹畑などに利用していたが、近年は利用されず里山が雑木林になって奥山化している。管理された里山はクマも人目を警戒して出てこなかったが、今や放置された里山に人は入らず、ドングリや柿、栗の実があり、クマの格好のえさ場になっている。一方で奥山はスギやヒノキの人工林が増え、ドングリの木や下草などにいる昆虫類などが減り、クマのえさが少なくなっている。結果、人間の生活圏と重なる里山に出没しているケースが目立っている。クマが里山にやってくるのは自然の現象で何もクマのせいではない。―今冬は昨年に続いて銃によるクマの狩猟が一部解禁される。その影響は。今年も狩猟頭数の上限が引き上げられたが、それはクマの生息数が増えているというデータを根拠にしている。岡山県を含む鳥取、兵庫県の東中国地域個体群エリアは絶滅危惧地域に指定され、岡山県はこれまで保護活動を行ってきた。その結果、生息数が増えていることは確かだが、一般からの目撃情報だけでは正確な生息数はカウントできないのでは。例えばクマは1日で数キロ移動することも珍しくないので、同じ個体をダブルカウントすることだってないとはいえない。クマは原則、銃による狩猟に限定されている。イノシシ、シカなどの狩猟を目的とした箱わなやくくりわなで誤ってクマが捕獲された場合は、錯誤捕獲とされ原則放獣することになっている。例外として何度も人里に出没して危険性があるクマは、わなにかかった場合でも殺処分が許されている。しかし、殺処分されるべきクマなのかどうかを判断することは非常に難しい。これまでに出没した爪痕や足跡、目印のタグなどをつけて判定するが、最近は住民感情が優先されている。目撃数が増えれば住民に恐怖感が広がり、殺してくれという声は大きくなる。特に今年みたいに人身被害が出れば、そうした声は一層強くなるだろう。半面保護してほしいという意見はあまり聞かれない。住民が訴えれば行政は対応せざるをえなくなる。それが当たり前だと考えるようになれば怖いことだ。欧米などではクマが残した痕跡物からDNA検査を行い、同じ個体かどうかを調査したうえで、被害が出た場合や想定される場合に殺処分している。―ツキノワグマと人との関係はどうあるべきか。クマとの共存など必要ないと言う人もいると思うが、クマと人が共存できる社会ということは、大型の野生動物が生きられる豊かな自然が日本にはまだあるということの証明だと思う。クマが森を作っていることを忘れてはならない。例えば未消化の糞(ふん)には大量の種子が含まれているし、体毛に植物の種子をびっしり付着させて、1日に何キロ、何十キロも山を移動して、広範囲に種をばらまき、それが発芽して森を豊かにしている。猟師の中にはクマも森にいなくてはならない、生きてもらわないと豊かな森は広がらない、という考え方を持っている人はいる。クマがすめなくなることは、豊かな奥山などの自然が荒廃していることへの警鐘だ。発展途上の東南アジアの国でさえ野生動物の保護管理に政府が積極的に対応している。野生動物を観光客に見てもらうワイルドライフツアーなどを企画してインバウンド効果を上げている。それが観光資源になる。日本でも海外からわざわざクマを見に来る人がいる。日本は森林面積の割合も多くクマが生息できる自然豊かな国として評価はされている。もちろんクマの事故は防ぐべきだが、まず里山や天然林の復活などでクマが人里に近寄らないで済むような環境を整えることが必要。里山は大型野生動物を人家に寄せ付けない先人の知恵であり文化だと思う。集落にクマが出たからすぐ捕獲を、殺処分しろという考えは、自然との共生、野生動物の保護という観点からは間違っている。私たち人間の考え方を変えていかないと、クマと人とが共存できる社会は実現しないだろう。

(ツキノワグマ、「保護」か「管理」か:岡山)
本年度に入ってから岡山県内では例年を上回るペースでツキノワグマ(以下クマ)が目撃され、6月には美作市内の山中で男性が襲われけがを負う被害が発生した。かつてクマの目撃情報は美作市や西粟倉村などの県北部が中心だったが、今年は総社、赤磐市、和気町など県中部から南部にかけての出没も目立っている。専門家の間ではクマの生息数が増え繁殖活動が広域化しているとの見方もある。半面、人身被害の発生や度重なる出没で住民の間で恐怖感が強まり、保護政策がこれまでの「保護」一辺倒から、個体の間引きを行う「管理」へ転換しつつあることも事実だ。豊かな自然を守るため、クマと人が共存できる社会は実現できるのだろうか―。識者や保護団体関係者らにクマを取り巻く環境の変化や今後の保護活動などについて取材した。8月5日、連日35度前後の高温が続く中、鳥取、兵庫県に接する英田郡西粟倉村の若杉天然林で「第23回くまもり原生林ツアー」(主催・一般財団法人日本熊森協会)が行われた。兵庫、徳島、岡山県などから家族連れら約40人が参加、記者もツアーに同行した。参加者たちはこの日早朝、兵庫県西宮市を貸し切りバスで出発。龍野公園動物園(同県たつの市)でクマを観察した後、クマのすみかが減少している同県佐用町の人工林を見学、午後から若杉天然林を訪れ、協会職員らの案内のもとに散策。参加者は協会職員からクマの習性や好む樹木の種類などの説明を受けたり、冷たいわき水に手をつけたり、樹木の葉などに触れるなど森林浴を楽しんだ。同協会(西宮市)の水見竜哉調査委員は「県北部はクマのえさが少ない人工林ではクマの姿がほとんど見られない。生息エリアの天然林でも最近は生息が確認されにくい」と話す。同天然林は83ヘクタールの広さにクマが好むドングリ類のブナ、ミズナラをはじめ、トチノキ、カエデなど約200種類の樹木が生い茂り、氷ノ山後山那岐山国定公園の特別保護地区に指定、環境省がクマの絶滅危惧地域個体群に指定する東中国地域個体群(岡山県北東部、鳥取県東部、兵庫県北西部)のエリアにも含まれている。同協会は同天然林で22年前から毎年一般からの参加者を募ってクマの生態調査を兼ねた観察ツアーを行っている。しかし、ここ十数年は天然林でクマの生息の痕跡が確認されていない。水見調査員は「クマがすめる奥山は本来、自然環境に恵まれているはず。その奥山の天然林や人工林で生息が確認されにくくなり、逆に県南、中部での目撃情報が増えてきている。奥山が何らかの理由で生息に適応しない環境になり、えさが簡単に手に入りやすい人里近い場所に出没しているのではないか。奥山の荒廃がクマの絶滅を招き、ひいては自然が破壊される連鎖が問題だ」と警鐘を鳴らす。今年、クマの出没地域が例年に比べて広域化している。岡山県内では本年度になってクマの目撃が急増。県自然環境課の調べによると、4~7月の出没件数は、わなにかかったケースなどを含めると122件で、4カ月間ですでに前年度の年間出没件数(126件)とほぼ並んでいる。大量出没した2016年度の4~7月期の70件をも大幅に上回る。発生地域的には美作市、西粟倉村などの美作地域が71件、新見、倉敷、総社市など備中地域が15件、和気町、赤磐市など備前地域が2件。総社市では同市原の高梁川河川敷で目撃され、同市での出没は過去初めてだという。和気町では本地区の住宅地に近い県道沿いそば、赤磐市では吉井地区の市道などで目撃されている。美作市では6月21日、真殿の山中で男性が襲われけがを負う被害が発生、県内では16年ぶりの人身被害が出た。クマがこれまであまり目撃されなかった県南部や人里に近い場所で出没していることについて、県自然環境課の田中康敬副参事は「県中南部に出没しているケースでは、親離れして間もない若いクマが目立つ。一昨年はドングリ類などが豊作で昨年に子グマが多く生まれて、乳離れしたクマが新たなテリトリーを求めて行動圏を広げている可能性があるが、はっきりとした原因は分からない」という。クマなどの野生動物の生態研究を行っている兵庫県森林動物研究センター(同県丹波市)の森山真弓研究部長(兵庫県立大教授)も活動エリアの広域化に注目しており、「6~7月はクマの雄が繁殖のため雌を求めて行動範囲が広域化する習性がある。クマの生息数が増えれば、雄が雌を求めて南下する可能性もある。奥山のえさの状況も関係していることも考えられる」という。例年だとクマの出没は夏場に一段落し、秋になると冬眠に備えてドングリ類などのえさを求め、再び活動が広域化する。県は今秋も出没件数が増えるとみて、人身事故などが起きないよう安全対策に万全を期す方針だ。環境省はクマが絶滅危惧される東中国地域個体群(岡山県北東部、鳥取県東部、兵庫県北西部)をレッドデータブックに掲載(1991年)。これを受け岡山県は10頭程度の生息維持を目標に2000年に銃による狩猟を禁止。以後16年まで狩猟禁止を継続した。翌17年に推定生息数が同個体群の3県エリアで800頭を超え、絶滅のガイドラインをクリアしたとして、11月15日~12月14日の1カ月間に限り、30頭を上限に銃による狩猟を一部解禁した。今年も同期間で引き続き38頭を上限に狩猟を一部解禁する。県内のクマの生息数は現在、254頭(17年度末現在)と推定され、生息数は急速に回復しているとみられている。保護活動を展開する関係者の間では、最近の生息数の回復や、人的被害の発生でこれまでの保護政策への影響を懸念する。ある県北の猟友会会員は「昨年、30頭の枠で銃による狩猟が解禁されたが、狩猟期間中に射止めたクマはわずか1頭だけだった。クマ撃ちの経験がある猟師が県内にほとんどいないので、目標の30頭を仕留めるのは到底無理。生息数を削減するならイノシシなどのわなにかかったクマも処分すべきだ」と主張する。これに対し日本熊森協会の森山まり子会長は「生息数が増えていることは事実だが、これまで奥山で人目に触れず暮らしていたクマが、えさ不足などで奥山を追われ、目撃されやすい人里に近いところに出てきている。当然出没、目撃件数は増えるはずで、それだけをもってクマが大幅に増えていると推定するのは無理がある」と反論、狩猟解禁やわなによる殺処分は慎重に行うべきだと主張する。また18年間にわたってクマの生態を調査し、保護活動に携わってきた五味和也さん(37)=美作市小野=は「目撃件数が増えれば住民の恐怖感は拡大し、殺せという声は必然的に強くなるが、集落にクマが出たらすぐ殺処分しろとか、捕獲しろという考え方は賛成できない。殺処分が行き過ぎれば、あっという間に絶滅する恐れがある」と訴える。岡山県のクマの保護政策は長年、狩猟を禁止することで絶滅危惧のボーダーラインとなる生息数を維持してきた。しかし、現在は生息数が大幅に増加したため、農作物や人的被害に対応して「保護」一辺倒から、殺処分によって生息数を調節する「管理」の時代に入ったともいえる。しかし保護団体などからは「管理という名の下、人間の手で殺処分を行うことは本来の野生動物の保護精神にそぐわない」(日本熊森協会)という意見もある。こうした中、環境省が保護対策の一環として指導している人工林の見直しが注目を集めている。人工林はクマが好む昆虫類や笹など草本類が育ちにくく、クマがすみかを追われ、人里に近づく一因になっている。県自然環境課の田中副参事は「採算性の低い人工林を天然林や針葉樹と広葉樹の混合林に戻し、クマを奥山に帰すことが結果的に人との接触を少なくする。集落とクマの生活圏を隔てていた里山の復活も有効」と話す。岡山県は全国でも人工林の割合が高く、その人工林の荒廃が指摘されている。人工林を自然林に復元し、クマをはじめ野生動物が多く生息できる自然豊かな奥山を復活させることも保護政策の重要な視点だ。全国で人工林を買い取り自然林に戻すトラスト運動を展開している日本熊森協会の森山会長は「殺処分で生息数を調整するのは対処療法的な手段。クマと人が共存できる条件として昔ながらの豊かな自然を取り戻すことが、クマにも人間にも大切。長期的に粘り強く保護政策を展開していくことが大切」と提言する。近畿を境とする東日本はクマの生息数が多いことから、銃による狩猟は解禁されている地域が多い。西日本は東日本に比べ生息数が少ないため狩猟を禁止したり、期間や頭数の制限を設けたりした上で一部解禁しているところもある。東中国地域個体群エリアは岡山、兵庫県が狩猟を一部解禁、鳥取県は禁止している。3県はいずれも県境付近にクマの生息地があり、行動範囲が広いクマの習性から県境を越境するケースも考えられ、3県が連携した保護対策が求められている。今年から同個体群エリアの3県と、北近畿地域個体群エリアの京都、大阪府が共同で情報交換の場を設けている。

(「のとしし大作戦」猛進:石川)
獣害軽減へ「のとしし」猛進──。石川県羽咋市で、能登産イノシシ肉「のとしし」の特産化を目指す「のとしし大作戦」が軌道に乗り始めている。徹底した鮮度と衛生管理、レストランなどの要望へのきめ細かな対応が評判を呼び、東京や金沢などの消費地で取引先が拡大。2017年には、販売拠点となる道の駅もオープンし、のとししを使った加工品が人気を集めている。同市は冬場の積雪量の減少などを背景に、イノシシが急増し、農業被害が課題となっていた。捕獲したイノシシを地域の特産品として有効活用しようと、同市が中心となり始動したのが「のとしし大作戦」だ。15年に、市内唯一の獣肉処理施設が稼働し、イノシシ肉の販売が始まった。中核を担うのが、施設を運営する合同会社「のとしし団」。メンバーは、地域おこし協力隊の元隊員や現隊員の若者らで構成する。取引先と無料通話アプリのLINE(ライン)でやりとりして好みの部位を聞いたり、施設に直接招いて意見交換したりと、新たな発想で積極的にのとししを売り込む。年間4、5トンを販売する。取引先から高い評価を得る品質管理の要となるのが、徹底した鮮度・衛生管理だ。とめ刺しにはのとしし団の職員が出向き、生きている状態を確認。搬入後、1時間以内に内蔵を取り出す。カットした肉は全て番号で管理し、いつ処理したものかが分かるようにする。地元の販売拠点となる「道の駅のと千里浜」では、のとししを使ったジャーキーが、月に200パック (1パック 40グラム)ほどを売り上げる人気商品となっている。同市の元地域おこし協力隊員で、のとしし団の代表を務める加藤晋司さん(31)は「能登の羽咋といえばイノシシと言われるぐらい有名にし、持続的な取り組みにしていきたい」と意気込む。

(ジビエ肉を産業に:高知)
農地を荒らすイノシシやシカの肉を売り出し、地域の産業に育てる取り組みを高知県高岡郡梼原町が進めている。昨夏、全国で初めて導入した「ジビエカー」に続き、解体から肉のパック詰めまでを行う施設「ゆすはらジビエの里」が今春稼働。精肉のほか、加工品の販路も少しずつ広がっている。梼原町猟友会がわなで捕獲したイノシシとシカは、2008年の153頭から右肩上がりで増加。15年は1572頭で、その後も千頭超が続いている。捕獲増に伴い、農作物などへの被害は減少した。一方、猟師の間で「味はいい」とされながら、解体の手間や衛生面が課題で、これまで獲物のほとんどが廃棄されてきた。そんな中、近年のジビエ人気を背景に、同町は2175万円でジビエカー1台を購入し、同町広野の集落活動センター「ゆすはら西」に配備。猟師から獲物を集める試験運用を約1年前に始めた。さらに町は事業費3542万円で今年4月、集落活動センター近くに「―ジビエの里」を整備した。解体処理の年間目標は410頭で、8月中旬までの4カ月余りで155頭と順調なペースという。運営するNPO法人の職員、平脇慶一さん(32)は「安定的に肉を使ってくれる店がないと」と、町内外の飲食店への売り込みに懸命だ。加工にも力を入れ、愛媛県西予市の加工場で薫製にした一口サイズのハム(100グラム500円)を町内のスーパーなどで販売。同町松原のパン工房「シェ・ムワ」が、ジビエの合いびき肉のメンチカツバーガー(450円)を売り出すなど利用が増えてきた。6月には、臭みが出ない調理法を肉購入者に紹介するレシピ冊子も完成。同集落活動センターを運営し、NPO法人の代表を務める西村建雄・西区区長(64)は「町内外と交流しながらジビエや野菜を買ってもらう場になれば」と期待を込めた。

(猟協、日本の獣害問題の解決に挑む:埼玉)
未来の日本の自然をより豊かなものにすることを目的とし、一般社団法人 猟協(所在地:埼玉県飯能市、代表理事:原田 祐介)が2018年8月に発足いたしました。猟協は狩猟業界における、一向に軽減しない鳥獣被害、後継者不足、度重なる銃砲による事故、鳥獣害防止総合対策交付金の不正受給といった決して健全とは言えない状況を憂い、その改善を目指して発足いたしました。業界の健全化や鳥獣の駆除及び防除事業を中心とした次世代の担い手(若手ハンター)の育成、また狩猟という分野における新たな市場の創造を目的としています。猟協は一般社団法人ですが、狩猟だけに特化することなく、狩猟者や食肉加工など、広く狩猟関連のビジネスを行う団体や企業、及び個人などが、国・地方自治体などとも協同し、その事業によって日本の豊かな自然を守り後世に引き継ぐこと、それを担う次世代の人材を育成する事を目的とした相互扶助の理念を持った組織です。※会費には猟協と東京海上日動が共同で開発した独自のハンター保険料が含まれております。猟協では捕獲した個体の食肉化におけるコスト削減のため、簡易食肉処理施設「かいたい君」を開発。この施設を導入にすることにより、従来のコストを半分以下に引き下げることが可能となっています。またGPSを搭載し、自動で獲物を目的地まで運搬する「かいしゅう君」など、これまでにないアイデアを基に製品化を進め、日本国内の害獣対策に取り組んでいきます。

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8/24
(平成30年度夜間銃猟安全管理講習会と射撃技能を開催へ)
環境省は、「夜間銃猟安全管理講習」と「夜間銃猟をする際の安全確保に関する技能の要件」のうち、射撃技能の再確認を実施すると発表した。都道府県等が夜間銃猟を含む指定管理鳥獣捕獲等事業を実施する場合は、夜間銃猟に係る認定基準を満たす認定鳥獣捕獲等事業者に委託しなければならない。夜間銃猟に係る認定基準の一つとして、事業管理責任者及び夜間銃猟をする捕獲従事者は、「夜間銃猟安全管理講習」を修了することが義務付けられている。さらに、夜間銃猟をする捕獲従事者は、「夜間銃猟をする際の安全確保に関する技能の要件」(射撃技術、捕獲実績、人格識見に関するもの)を満たす必要がある。そこで環境省は、「夜間銃猟安全管理講習」を開催するとともに、併せて、「夜間銃猟をする際の安全確保に関する技能要件」のうち、射撃技能の確認を実施する。会場は、北海道、群馬県、京都府の3カ所。

(サルの目撃情報:宮城)
23日午前8時00分頃、登米市東和町米谷字細野地内でサルの目撃情報がありましたので屋外では十分に注意してください。

(射撃女子中山、3大会連続メダルならず)
ジャカルタ・アジア大会第3日(20日、インドネシア・ジャカルタ)射撃女子クレー・トラップで中山由起枝(日立建機)は予選20位にとどまり、上位6人による決勝進出を逃した。前々回は優勝、前回は2位に入った女子クレー・トラップの中山がまさかの予選20位に終わった。19日の予選前半は第1ラウンドで25点中24点の好スタートを切ったものの、第3ラウンドで19点と失速。一夜明けての後半も悪い流れを断ち切れず「フィーリングをうまくつかめず、今日に持ち越してしまった」と唇をかんだ。4月のワールドカップ(W杯)でリオデジャネイロ五輪以来となる国際大会に臨み、いきなり決勝進出ラインと1点差の予選7位となるなど実力は健在。今回は不完全燃焼に終わったが「射撃に向き合って楽しむことを意識したい」と39歳の意欲は衰えていない。

(ヒグマ、車3台と衝突:北海道)
23日午後8時50分ごろ、北海道美唄市光珠内の道央自動車道上り線で、追い越し車線にいたヒグマ1頭に乗用車3台が相次いでぶつかった。3台に計5人が乗っていたが、けが人はいなかった。最初に衝突した車は右側が破損し、運転していた女性が警察に通報した。道警高速隊によると、クマは体長1・7メートル、体重220キロで死んだ。この事故の影響で、同道三笠インターチェンジ(IC)から美唄IC間の上下線が一時通行止めとなった。

(特急列車がヒグマはねる:北海道)
19日午前7時35分頃、北海道南富良野町落合のJR石勝線第1串内トンネル付近で、帯広発札幌行きの特急列車(5両編成)が線路にいたヒグマ1頭をはねた。富良野署の発表などによると、特急列車の乗客乗員約90人にけがはなかった。ヒグマは、地元の猟友会が現場近くの線路脇で死んでいるのを発見した。

(クマの食害かスイカ10個が食い荒らされる:山形)
被害に遭ったのは、天童市下荻野戸の自営業、工藤忠彦さん(67)のスイカ畑だ。警察の調べによると、23日午前5時半ごろ、畑に来た工藤さんが、自家用に栽培していた収穫前のスイカが10個ほど食い荒らされているのを発見した。近くには、クマの足跡が多数あったことから、クマによる食害とみられている。工藤さんによると先月には、近くの別の畑でもクマがスイカを食い荒らしたとみられる被害があったという。県警察本部のまとめでは、ことし県内でのクマの目撃、出没件数は先月末現在、262件で、去年の同じ時期より93件少なくなっているが、食害は去年より5件多い17件となっている。畑は、集落から北に100メートルほどにあり、警察はパトカーを出動させるなどして、近くの住民たちに注意を呼び掛けている。また、現場から700メートルほど離れた干布小学校では、クマの出没を受け、教職員が付き添って一斉下校するなどの対応を取った。

(クマが民家を壊す:山形)
クマが目撃されたのは白鷹町十王の海老名哲夫さん(72)の自宅。警察の調べによると16日午前2時ごろ、寝ていた海老名さんが物音に気付いて自宅の中から外を確認したところ、床下の換気口を壊し、前足を入れているクマを発見した。クマは体長1・2メートル。

(クマがリンゴ300個食い荒らす:北海道)
大量のリンゴを食い荒らしていたのは野生のクマだった。その体の大きさに栽培していた夫婦も絶句だ。ほんのり色づき始めたリンゴの実はどんな味がするのだろうか。北海道島牧村のリンゴ畑。ここに…。クマ出没。暗闇のなかでリンゴをもぐもぐ。座り込んでリンゴをもぐもぐ。映像には21日の夜から22日朝にかけ、誰にも邪魔されることなくリンゴを食べる様子が映されていた。リンゴを育ててきたご夫婦にこの映像を見てもらう。映っていたのはクマ1頭。1週間前にもすぐ隣のリンゴの木で約200個が被害に遭っていた。この時は親子と思われる大小2つの足跡が確認されたという。島牧村では先月29日からクマの目撃や被害情報が続々と寄せられている。

(クマか、収穫直前のスイカ無残:北海道)
20日午前6時ごろ、市内カーウシュナイ、農場経営松下宣二さん(75)の畑でスイカ約20個が食い荒らされているのを、松下さんが見つけ、美唄署に通報した。畑にクマとみられる大小2頭分の足跡が残されており、同署は付近の住民に注意を呼びかけている。同署によると、松下さんが最後に畑を確認した19日午後6時から20日午前6時の間に出没したとみられる。農場関係者によると、過去にも同じ畑にクマが出没していた。スイカは自宅で食べるために栽培し、この日に収穫する予定だった。

(シカ出没、警察官ら“大捕物”:東京)
22日未明、東京・国立市にシカが現れた。シカは隣の立川市に逃げ込み、発見からおよそ12時間がたった、正午過ぎに捕獲された。警視庁によると、22日午前0時過ぎ、国立市で「シカがいる」と110番通報があった。警察官が捕獲を試みたが、シカは逃げ続けて、午前7時すぎに、隣の立川市中心部にある建物の敷地に逃げ込んだという。警察官や多摩動物公園の職員が建物を取り囲み、正午過ぎにシカを捕獲した。東京都によると、捕獲したシカは多摩地区の山に運ばれ、野生に返されるという。

(住宅街にイノシシ出没:岡山)
19日午後3時50分ごろ、倉敷市真備町岡田の住宅街で「イノシシを見た」と住民から110番があった。駆け付けた玉島署員や地元猟友会員が捕獲の準備をしていると、北へ走り去り、約100メートル先の草むらに入ったところで見失った。同署によると、目撃されたのは西日本豪雨で浸水被害を受けた住民が避難している岡田小学校から南約230メートル。イノシシは体長約1メートルの1頭だった。けが人の情報は入っていない。同署は同小で校内放送を使って出没を知らせたほか、パトカーを周辺に巡回させて警戒を続けている。

(市街地でイノシシ1頭捕獲:長野)
長野市街地で18日未明から、イノシシの目撃情報が相次いだ。正午ごろには、同市若里の店舗にイノシシが突進し、窓ガラスが割れる被害が発生。長野中央署員や猟友会員が捜索し、午後2時50分ごろ、同市中御所の路地で1頭を発見し、吹き矢で麻酔を撃って捕獲した。けが人はいなかった。同署によると、目撃情報は同市吉田の路上で午前2時40分ごろ、同市稲葉の民家の庭で午前9時45分ごろ、近くの塗装会社前で午前10時10分ごろにあった。体長はいずれも約1メートル。捕獲されたイノシシが若里で窓ガラスを割ったとみられる一方、吉田や稲葉で目撃された個体と同一かは不明という。塗装会社の従業員、町田聡子さん(48)は、会社の駐車スペースを動き回るイノシシを目撃。「初めは大きな野良犬が入ってきたのかと思った」といい、「まさかこんな市街地にイノシシがいるとは思わなかった。どこから来たんだろう」と話していた。

(公園でイノシシ3頭目撃:香川)
国の特別名勝・栗林公園で22日、イノシシ3頭が出没した。けが人は確認されていない。公園観光事務所によると、園内でのイノシシの目撃は「聞いたことがない」といい、見かけても近寄らないよう掲示板などで注意を呼びかけている。事務所によると、22日の早朝と夜、園の北側の3カ所で来園者らが相次いで目撃し、券売所に連絡した。目撃されたのはいずれも3頭で、同じ群れの可能性が高い。公園は紫雲山の東のふもとにあり、イノシシは山の西側で目撃された例はあるが、公園内では珍しい。事務所は「もし見かけても、近寄ったり刺激したりすることなく、静かに離れてください」と注意を促す紙を園内に掲示。高松市は近くわなを設置する。

(列車がイノシシと衝突:兵庫)
21日午後8時10分ごろ、兵庫県小野市のJR加古川線市場-小野町間で、加古川発西脇市行きの下り普通列車が、線路内にいたイノシシと思われる動物1匹と衝突した。JR西日本によると、走行中に動物の姿を発見した運転士が非常ブレーキをかけたが間に合わなかった。乗客約150人にけがはなく、列車は運転を再開した。後続の列車が徐行運転で確認し、線路内に動物を発見したため、午後8時50分ごろから厄神-西脇市間で運転を見合わせたが、同9時40分に運転を再開。上下計4本が運休や部分運休したほか、計2本に最大1時間25分の遅れが出て、約480人に影響した。

(小学校近くにクマ:北海道)
23日午前10時45分ごろ、村上興部の上興部小裏の100メートル離れた草地にクマ1頭がいるのを、敷地内で草刈りしていた同小の職員が目撃した。すぐにクマは山林に入ったが、その後、職員は山の斜面で連れ添う2頭のクマを再び見つけ、興部署に通報した。当時、児童は校舎内にいて無事だった。興部署によると、2頭のクマはそれぞれ体長約1メートル。同小は午後の授業終了後、全校児童20人を教師引率で集団下校させた。また、村の全675世帯に注意を呼びかけるとともに、同署と連携して警戒に当たっている。同小付近では、7月10日にも親子とみられるクマ4頭が目撃されており、村が同校近くに箱わなを設置。22日には、わなで約1・8メートルの雌グマを捕獲し、駆除している。

(クマ目撃:栃木)
23日午後5時10分ごろ、引田、大芦川右岸の茂み。体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
20日午前11時ごろ、高阿津、高阿津集落センターから東に約750メートルの山林内。体長約1メートル。山林にいるクマ1頭を目撃した。

(ゴルフ場コースにクマ:宮城)
18日午前11時ごろ、大崎市三本木伊場野のゴルフ場「大崎ゴルフ倶楽部」で、プレー中の男性が東側のコースで体長約1メートルのクマを目撃した。ゴルフ場によると、隣接する南側のコースでも目撃され、プレー客に注意を呼び掛けている。同日午前8時40分ごろ、気仙沼市本吉町蕨野(わらびの)で体長約1メートル、午後10時50分ごろには同市小々汐で約1.5メートルのクマがそれぞれ目撃された。

(ニホンザル逃走劇:茨城)
石岡署は20日、石岡市吉生の自然動物公園「東筑波ユートピア」で飼育されていたニホンザル3匹が午前中におりから逃げ出し、わなで捕獲するなどし、夕方までに全てがおりに戻ったと発表した。同署や同園によると、金属製のおりの扉の枠部分が腐食し、地面との間に14センチほどの隙間ができていたのが原因という。発表によると、3匹が逃げたのは20日午前8時から同10時50分頃の間で、1匹はすぐにおりに戻った。残る2匹は同日午後2時50分頃と同5時10分頃、園内に仕掛けたわなでそれぞれ捕まった。園内にはサルが全部で9匹おり、鉄製の網で囲われた上下2段のおりで飼育されていた。逃げたのは下のおりで飼育されていた5匹のうちの3匹。

(市街地にニホンザル:長野)
19日午前11時35分ごろ、茅野市ちのにあるJR茅野駅近くの交差点周辺にニホンザルがいる―と、通行人から110番通報があった。茅野署員や県諏訪地域振興局、茅野市の職員ら約10人が駆け付け、交差点近くの電柱上にサルが1匹いるのを確認。麻酔銃を使って約3時間40分後に捕まえた。けが人はなかった。同署などによると、サルは体長59センチの雄で、10歳以上とみられる。高さ約12メートルの電柱最上部にうずくまっているところを捕獲し、山に放したという。同振興局林務課によると、群れからはぐれたサルとみられる。現場近くでスマートフォン修理店を経営する赤松泰三さん(54)は「市街地にサルが出没するなんて聞いたことがない」と驚いていた。

(人慣れクマ出没30件超、住民疲弊:北海道)
建物の一部を壊したり畑を荒らしたりとクマによる被害や目撃が止まらない北海道島牧村で、7月29日以降の出没件数が30件を超えた。今回のクマの最大の特徴は、人を恐れないこと。警察や地元猟友会が警戒を続け村も一部地区で異例の夜間外出自粛を呼びかけているが、長期化に地域住民には疲労の色がにじむ。14日午後7時50分ごろ、同村の原歌地区で警戒中の道猟友会島牧分会長、高島紀彦さん(61)に「近くの住宅の裏でクマらしき物音がしたという通報があった」と連絡が入った。ただちに車で現場へ急行。仲間2人と暗闇を懐中電灯などで照らして慎重に探した。結局クマの姿を確認できなかったが「昨日も出た場所。まだ近くにいる可能性がある」と判断し、駆けつけた警察官らと深夜まで探索やパトロールを続けた。付近の住宅の窓から、不安そうに外の様子を見る住民の姿も見られた。クマの出没が止まらず、目撃地域の広さや特徴から、地元では「複数のクマが人里に姿を見せているのでは」との見方も。一方で、これまでに駆除・捕獲には至っていない。村や寿都署によると、人命の危険にさらされている場合など例外を除くと夜間や住宅地近辺での発砲は禁じられている。村、道後志振興局、警察、猟友会による13日の対策会議で猟銃使用の規制緩和が話題に上ったが、結論は出なかった。捕獲用のおりを4カ所に設置したが、クマが近づく様子はない。高島さんは「賢いうえに人を恐れない。爆竹を使ってもすぐに別の場所に現れたことも。このようなクマは、今後被害がさらに大きくなる可能性がある」と危機感を抱く。目撃数の半分以上を占め被害も出ている原歌地区は、海岸沿いの国道に面して家一軒ずつが並び、そのすぐ後ろには広大な山林が広がっている。自宅裏に13、14日と続けてクマが現れた田中トミ子さん(74)によると、地域では昔から親子のクマが出没していた。「代々人里に出てくることで、人を恐れないクマが育ったのではないか」と推測。夕方以降は玄関に侵入を防ぐ板を置き、絶対に外に出ないようにしている。村内の猟友会のメンバー13人は7月末以降、分担して深夜・早朝のパトロールを継続。目撃情報があれば徹夜の活動になることもある。お盆で墓参をする人たちに付き添い、昼も警戒に当たった。日中は仕事をしている会員も多く疲労が蓄積しているが、先が見えない状況が続く。小中学校の始業式を前に、町などは登下校時の付き添いなど子供たちの安全対策について協議している。地区会長の大西敏夫さん(64)は「一時的に追い払ってもすぐ戻ってきて、問題は解決しない。不安で熟睡できないという声も上がっている。行政には捕獲など踏み込んだ対応をお願いしたい」と強調した。

(ドローンでカワウ撃退:長野)
県諏訪地域振興局などは28日、スピーカーをつるした小型無人機ドローンを諏訪湖に飛ばし、魚を捕食する水鳥カワウを追い払う初めての実験を行う。個体数が増えているためで、同振興局は「有効な対策を見つけ、増え過ぎる前に許容範囲まで減らしたい」と説明。今冬は、ワカサギなどを捕食する冬鳥カワアイサの追い払いも予定している。実験は午前8時すぎから2時間ほどを予定。湖の船上でドローンを操作し、下諏訪町漕艇場沖の防波堤で羽を休めるカワウに近づけ、スピーカーから銃声を響かせて驚かせる計画だ。県内では、下伊那漁協(飯田市)が昨年夏から天竜川にいるカワウにドローンを接近させる手法で追い払っている。同振興局によると、諏訪湖と周辺の13河川では、毎年6月に水鳥の個体数調査を実施。確認されるカワウは例年20羽以下だったが、今年は60羽に急増。追い払いが必要と判断した。実験で効果があるか見極める。日本野鳥の会諏訪支部の林正敏支部長(74)によると、諏訪地域ではカワウのコロニー(集団営巣地)は確認されていないが、諏訪市上川の上川右岸などにねぐらがある。林支部長は「長期的には、周辺の森林などにコロニーを作ることは考えられる」とする。諏訪湖漁協(諏訪市)は、カワウの増加に伴う漁業被害の拡大を懸念。ただ、カワウは単独で魚を捕るため、船を使った追い払いはしていない。武居薫組合長(67)は「諏訪湖では銃による駆除が禁じられている。船で追い払うとしても組合員の負担が大き過ぎる」と話している。

(住宅地にサギが大群で営巣:栃木)
大田原市中心部にほど近い雑木林にサギが大群で営巣し、大量のふんや悪臭、鳴き声などで近隣住宅地の住民を悩ませている。21日早朝、小型無人機「ドローン」で営巣地を上空から見ると、多数のサギが高木の上に止まったり、飛び立ったりする姿が確認できた。地元の紫塚地区の住民らによると、サギは約8年前から集団で営巣するようになり、ここ4年ほどで急増した。今年は7月ごろがピークで、現在は3分の1ほどに減ったが、約100羽が飛び回っている。日本野鳥の会栃木によると、営巣しているのはダイサギ、アオサギなど数種類。サギは2月中旬から9月ごろまでの繁殖期にコロニー(集団営巣地)を作り、その後は分散して越冬に備えるという。近隣住民からの苦情を受け、市は昨年3月~今年6月中旬にカラス避けの音波発信装置を設置したが、効果は得られなかった。民家に近いため銃による駆除は難しく、民有地なので簡単に伐採もできない。市の担当者は「有効な策がないか情報収集するしかない」と頭を抱えている。住民男性(62)は「活動が活発化する夏場は夜眠れないほど鳴き声の騒音がひどい。早く解決策を見いだしてほしい」と嘆いた。

(農産物食害、外来種捕獲に手応え)
人の手によって国内に持ち込まれた外来生物が各地で増殖し、農作物を食い荒らすなどの問題を起こす中、捕獲や駆除に成果を上げる地域が出始めている。千葉県では特定外来生物のキョンを駆除する専門職員を採用して対策を強化。熊本県宇土半島ではタイワンリスについて、住民を挙げた捕獲で根絶にめどを立てた。各地域は、地域を挙げた対策で被害抑止を狙う。生態系や農林水産業に被害を及ぼす恐れがある「特定外来生物」のキョンが大繁殖している千葉県。1980年ごろ、勝浦市にあった観光施設から逃げ出したとみられる。2009年に推計1万頭だった生息数は、15年に同5万頭と爆発的に増加。これに伴い、農業被害額は15年度が95万円、16年度が132万円と1年間で4割増えた。16年度の捕獲実績は約2400頭で「捕獲数より繁殖数が多く追い付かない」(県自然保護課)状況にある。捕獲対策について、千葉県で活動するハンター石川雄揮さんは「群れで動かないので鹿のように囲い込めず、有効な捕獲方法がない」と頭を抱える。このまま増えると山の栄養が失われ、土砂災害が起こりやすくなる他、マダニを付着させて街に降りてくるので、人への健康被害も懸念されるという。こうした状況を受け県は8月、キョンの駆除に特化した専門職員を配置した。採用された安田邦夫さん(53)は元館山市職員で、有害獣対策の担当者としてキョンの捕獲経験もある。キョンにGPS発信機を取り付けたり、監視カメラを設置したりして行動を把握しつつ、新たなわなの開発や地元猟友会に捕獲技術を指導して捕獲数の向上につなげる予定だ。東京・伊豆大島では1970年に東京都大島公園の施設から逃げ出し繁殖。2014年度は島特産のアシタバなどで380万円の農業被害があった。都は17年11月、捕獲業者と住民らでつくる捕獲チーム「キョンとるず」を結成。17年度は3500頭を捕獲した。都環境局の職員は「推定生息数を横ばいにすることができた。これから減少に転じていきたい」と手応えをつかんでいる。熊本県の宇土半島で、農業被害をもたらしていた特定外来生物のタイワンリスが根絶に近づいている。県内で廃園となった動物園から逃げた個体が拡散したとみられ、宇土半島では一時、推計6000匹まで繁殖したが、現在は65匹に減った。専門家は「繁殖力が高い特定外来生物の防除が根絶寸前まで進むのは、全国でも例がない」と注目する。防除に協力した森林総合研究所九州支所の安田雅俊・森林動物研究グループ長は、成功要因として「初動の動きの早さ」を挙げる。行政がタイワンリスの生息を確認した2009年の翌年には、猟友会や地元のJAなどが協議会を発足。かんきつやブドウの食害を受けた果樹農家を含め、地域を挙げてわなの設置に乗り出した。安田グループ長は「行政の対応を早めた要因の一つはマスコミ各社の報道だ」と指摘する。協議会は、根絶に向けたパンフレットの作成や専門家による講演会などを通じて情報を発信し、報道されやすいよう工夫した。「住民の意識醸成に加え、議会で取り上げられる可能性も大幅に上がる」と有用性を強調する。県は10年度、1頭当たり800円の報酬金を出して捕獲を促進。同年度に3112頭が捕獲されるなど、捕獲が軌道に乗った。年度内の捕獲数が1000匹を切った12年度以降は、報酬金を停止した一方、代替策として地元の自治体が猟友会員らを捕獲専門員として臨時に雇用。メンバーは日給を受けながら捕獲を続け、根絶を目指している。

(減るハンター、若手育成へ:群馬)
群馬県内で狩猟者登録をする人の数が減り、ハンターの高齢化が進んでいる。野生鳥獣による農林業被害額は減少傾向にあるが、このうちシカやイノシシによる被害は増えており、県は捕獲数の増加を目指して、わな猟などの若手ハンター育成に乗り出している。県によると、鳥獣に農作物を食べられたり、樹皮をはがされたりする被害は、昨年度は5億6522万円。前年度に比べ4470万円減り、過去10年で最も少なかった。農地への侵入防止柵の設置が進んだことや、食料となる木の実などの実りが良く、農地への動物の出没が少なかったことなどが理由という。ただ、シカやイノシシによる被害は増えており、昨年度の被害額はシカによるものが1億9390万円、イノシシが7537万円だった。前年度に比べて、それぞれ16・3%、3・2%増えている。県は対策として野生鳥獣の捕獲強化を進めており、昨年度はイノシシ、シカ、カモシカ、サル、クマの5種で計1万6294頭を捕獲した。これは2008年の約2・4倍にのぼる。一方で、狩猟者登録数は1970年度の1万8947人をピークに減り続け、2016年度は3452人に。散弾銃など猟銃を使う登録者が大幅に減っていることが主な理由で、高齢化も進んでいるという。若手ハンター育成のため、県は農林大学校や高校でわな猟の講習会を開催。今年度からは、18、19歳のわな猟免許の受験料を免除した。今月1日に県庁であった狩猟免許試験では、3人が初めてこの制度を利用して免許を取得した。その一人、藤岡工業高校3年の小暮啓介さん(18)は、祖父母の畑がイノシシやシカの食害に遭っているという。「家の畑や山にわなを仕掛け、少しでも被害を抑えたい」と話した。

(北秋田の襲撃受け、県が緊急会議:秋田)
北秋田市脇神で農作業中の男性がクマに襲われ重傷を負った事故を受けて、県は14日、同市で緊急対策会議を開いた。同市や北秋田署、地元猟友会など、関係者約20人が出席した。

(奈良のシカ、過去最多の1360頭)
奈良公園(奈良市)に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」が今年、1955年の調査開始以来最多の1360頭に上ったことが17日までに、シカを保護する「奈良の鹿愛護会」の調べで分かった。増えた要因について同会は「公園内のパトロールなど保護活動の成果が出たのではないか。県や市の協力で取り組む交通事故防止策の効果もあるのでは」と話している。調査開始時に378頭だったシカは94年に1293頭となり、いったんピークを記録。その後、緩やかに増減を繰り返し、今年は昨年に続き増加した。238頭が生まれ、病気や事故で死んだのは昨年より26頭減少し188頭だった。頭数は増えているが、観光客の増加に伴い、パンフレットなどの紙類やスナック菓子を与えるといった間違った餌やりが目立ってきているという。同会の蘆村好高事務局長は「最近、突然死んだシカの胃の中を調べると、ビニールの塊が出てきた。人とシカが仲良く暮らせるように観光客も気を付けて」と呼び掛けた。同会は毎年7月に奈良公園と若草山周辺で目視によって頭数を数える調査を実施。24時間体制で、病気やけがをしたシカの救助や治療をしている。

(立木利用し防獣ネット、植栽地囲うコスト削減へ:和歌山)
和歌山森林管理署(和歌山県田辺市新庄町)は、造林のコストを削減するため、立木を利用した防獣ネットの斜め張りを研究している。2017年3月から、すさみ町佐本東栗垣内の国有林(約0・7ヘクタール)で実地調査をしているが、今のところ苗木に被害は出ていない。一般的に、皆伐して苗木を植栽する場合、市販の支柱を2メートル間隔で設置して、そこにステンレスワイヤ入りの防獣ネットを張って植栽地を囲う。森林管理署が提案しているのは、皆伐の時点で計画的に周囲の立木を4メートル以内の間隔で残し、安価なナイロン製の防獣ネットを斜めに張る方法。苗木を最も食害するシカは、脚にネットが絡むと嫌がる性質があり、斜めに張ることでネットの幅が伸び、侵入を防げているという。市販の支柱を極力使わずに済み、ステンレスワイヤ入りのネットからナイロン製にすることで、価格が大幅に抑えられた。1ヘクタール当たりで比較すると、柵は約500メートル必要になり、従来型だと約100万円かかるが、斜め張りだと約60万円で済んだ。支柱を打ち込む作業が要らず、作業員が慣れてくれば、さらに安くできるとみている。他の木が倒れかかってきても、立木に強度があって壊れないため補修も簡単にできるメリットがある。

(4年連続最少、農産物2億3994万円被害:岐阜)
県は2017年度の野生鳥獣による農作物被害が前年度比14%減の2億3994万円だったと発表した。イノシシを前年度より1758頭多い1万2174頭、シカも同5527頭多い1万7908頭を捕獲するなどし、農作物被害を防いできた。

(「猿の落園」郡上で実証試験:岐阜)
県と郡上市民でつくる獣害対策グループが、サルの捕獲用の囲いわなを考案し、同市和良町の休耕地に設置した。サルの群れが里山に出没しやすい秋から春にかけて実証試験を行い、獣害に悩む県内の主に中山間地での普及を図る。「猿の落園」と名付けられたわなは、縦横三・六メートル、高さ二・七メートル。建築現場の足場材を骨組みに使い、ワイヤメッシュで覆っている。天井中央に侵入口を設け、餌につられて中に入ったサルが出られないように、滑りやすいトタンで仕切った。これまでにも県は二〇一六年にサルの囲いわなを考案し、県内約十カ所に設置して一定の効果を上げた。だが、大型のために設置に労力がかかり、サルの群れの移動に合わせた柔軟な活用が難しかった。新しいわなは従来型より小さく、三人ほどで半日で組み上げることができ、設置費も四十万~五十万円に抑えた。昨年度の県の農作物鳥獣被害額は約二億三千九百万円。うち最も多いイノシシ被害が一億一千万円で、次いでサルが三千七百万円。サルは侵入防止柵では防ぎにくく、狩猟対象にもなっていないため、花火などで追い払うしかないのが現状という。考案に携わった県の鳥獣被害対策広域指導員の酒井義広さん(64)は「サルは群れで集落を転々とするので、それに対応したわなの活用ができるのではないか」と話している。

(「河川敷」でイノシシ捕獲せよ:栃木)
鳥獣害による農作物被害が高止まりする中、県は本年度、小山市内の思川河川敷でイノシシを捕獲する実証実験に乗り出している。同市郊外の農村地帯、飯塚・小宅地区周辺の河川敷に広がるやぶには、数年前から多くのイノシシが住みつき、農作物被害が拡大。県は6月にセンサーカメラを設置し、今後20基のわなを仕掛けて河川敷での効率的な捕獲方法を探る。「このままではイノシシが住宅街に入ってきてもおかしくない」。7月中旬、同市の飯塚文化伝承館で開かれた学習会。アドバイザーとして派遣された鳥獣管理士が、集まった飯塚地区の住民に警告した。

(農作物の鳥獣被害が4年ぶり減:栃木)
県内の2017年度の野生鳥獣による農作物被害額は、前年度比12%減の3億3600万円と4年ぶりに減少したことが、17日までに県のまとめで分かった。ドングリなどの餌が豊富で人里に出没するイノシシなどが少なかった上、田畑への侵入防止柵設置などの対策が進んだことが要因とみられる。県は「被害額はまだ高止まりしており、捕獲、防除措置、環境整備を一体となって進めていきたい」としている。

(首都圏「リケジョ」に諏訪の製造業PR:長野)
首都圏の大学で学ぶ理系の女子学生を諏訪市に招き、市内企業を紹介する「リケジョツアー」が行われ、参加者が22日、製造業の3社を巡った。ものづくり企業が多い同市への就職を考えてもらおうと、市が昨年に続いて実施。21日から3日間の予定で、東京工業大、東京理科大、工学院大、東京電機大から約30人が参加している。光学機器製造のライト光機製作所では、双眼鏡やライフルスコープの製造現場などを見学。「高級品に特化し、米国や欧州を中心に海外にも輸出している」などの説明を受け、製造工程ではレンズにごみが入らないよう特に気を配っていると紹介された。完成品にも触れた。東工大大学院で学ぶ静岡県出身の奥萌奈(もえな)さん(23)は、昨年のツアーを体験した友人の話を聞いて就職の参考にしようと参加。「諏訪にはさまざまな部品を作る企業が多いことを知り、興味が湧いた」と話した。一行は23日に市郊外の霧ケ峰高原などを訪れ、観光も楽しむ予定だ。

(「あおられた」後続車止め空気銃で脅す:徳島)
徳島県警牟岐署は17日、脅迫の疑いで、海陽町高園、自称トラック運転手の男(53)を逮捕した。逮捕容疑は、16日午後6時50分ごろ、同町多良の町道で後続の軽乗用車を停止させて詰め寄り、窓ガラス越しに運転席の海部郡内の40代女性に拳銃型のエアガンを見せて「撃つぞこら」などと怒鳴って脅したとしている。署によると、男は事件当時、酒に酔っており、知人女性の運転する軽ワゴン車の助手席に乗っていた。男は「ライトをつけて後ろからあおってきたから怒った。エアガンは勤務先の運送会社に寄ってくるカラス駆除のため通販で購入した」と供述しているという。男がトラブルから約10分後、あおり行為の被害に遭ったと近くの大里駐在所に訴え、経緯を説明したため発覚。後続車の女性は「ライトはつけていたが、あおったつもりはない」と話している。

(ライオンの糞の臭いでシカ害防ぐ:オランダ)
オランダの北海沿岸の町で、ライオンの糞の臭いを拡散して、道路や公園に侵入するシカを追い払うという対応策が検討されている。アムステルダム西郊の町ザントフォールト(Zandvoort)では、過去10年にわたり、気性の激しいダマジカが多数、道路に入ったり住宅の庭を荒らしたりするという問題が起きている。ダマジカは付近に設定された砂地の保護区よりも、緑の多いザントフォールトの環境を好んでいる様子で、ゲートやフェンスなどが設置されたものの、ダマジカの侵入防止にはほとんど効果がないという。だが今回、当局はライオンの糞に似た臭いを放つ新兵器の導入を検討。ダマジカを怖がらせ、追い払うことが期待されている。「臭い拡散器」を開発した企業で働くパトリック・スタイハー(Patrick Stijger)氏は現地紙ヘット・パロール(Het Parool)に対し、本物のライオンの糞を使うのではなく、油や17種類のハーブ、さらに雨に3日間さらした灰皿のような臭いの物質を混ぜ合わせて糞に似た臭いをつくり上げたと説明。もともとこの物質は、ドイツの科学者がクリスマスツリー用の苗木を育てる農園をシカから守るために開発されたといい、シカを「少しばかり不安にさせる」と話した。オランダのダマジカたちが本物のライオンに遭遇したことはないはずだが、アムステルダム自由大学(Vrije University)のニコ・ファンスターレン(Nico van Staalen)教授によれば、この臭いは全ての動物に深く根付いた恐怖心を刺激するという。

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(親子のクマ2頭目撃:栃木)
16日午後2時30分ごろ、酒野谷の杉本稲荷神社から南西約300メートルの大芦川河川敷。親子2頭で、親の体長は約1メートル。川を北へ渡っていった。

(狩猟者の担い手確保へ、猟友会が体験会:長野)
諏訪猟友会は狩猟者の担い手確保に向け、初めてとなる射撃の体験会を計画している。時期は未定だが、年度内には実施したい考え。猟友会は狩猟者の親睦団体だが、有害鳥獣の被害が拡大する中で個体数調整など社会的な役割も大きくなっている。一方で会員の減少、高齢化が進んでおり、新たな企画で関心がある人の発掘を目指す。諏訪猟友会の事務局によると、会員数は1975(昭和50)年に1474人いたが、89(平成元)年には450人となり、昨年は280人(賛助会員含む)となっている。平均年齢は上がっており、現在は61・7歳。全会員のうち60歳以上は65%を占める。新入会員が増えないまま年齢や体力を理由に退会する人が出ているのが現状だ。体験会は辰野町の県営総合射撃場を会場に実施する方針。経験豊富な現会員が指導し、横から飛ぶ皿をねらって打つフィールド射撃を試してもらう予定だ。猟友会員への入会は現会員からの友人、知人への勧めによることがほとんど。射撃に関心があっても現会員の知り合いなどではないために入会方法を知らずにいたり、入会のきっかけを得られずにいたりする場合が考えらえることから、体験会を周知し、射撃や狩猟に関心がある人に参加してもらい、猟友会の活動も紹介していく。ニホンジカやイノシシなどの農業、林業への被害、高山植物や高原の花の食害による観光への影響などは依然として大きな社会問題の一つ。同会は「担い手減少の対策として、まずは狩猟や射撃に興味がある人に猟友会の存在を知ってもらうことから始めたい」と話している。

(侵入経路に防護柵、野生動物の被害:長野)
上伊那地方の市町村や国、県の関係機関でつくる中央アルプス野生動物対策協議会(会長・杉本幸治駒ケ根市長)は、中アでの増加が懸念されているニホンジカをはじめ、ニホンザルやツキノワグマによる被害防止を目的とした行動計画の素案をまとめた。南アから侵入しているとされるシカについては、侵入経路とみられる河畔林への防護柵設置などを提言している。中アには従来、シカは生息していなかったとされるが、近年は目撃が増加。千畳敷近くや濃ケ池周辺、南越百山など標高2500メートルを超える高山帯でも確認され、高山植物への食害が心配されている。農業被害が課題となっているサルやクマについても、効果的な対策が必要と判断。今年度中の行動計画策定と、来年度からの本格的な取り組みの着手を目指す。素案では、シカについては「極力排除を目指す」と捕獲対策の強化を強調。高山帯は侵入状況の把握と高山植物など保全すべき場所の選定が重要と指摘した。南アからの侵入防止では、天竜川や支流の河畔林や河岸段丘林の侵入経路を把握し、防護柵でふさぐほか、くくりわなによる捕獲を行うとした。南アの山際への柵の設置や、樹林化が進む河川内や山林などの環境整備も検討課題に挙げた。人なれが課題となっているサルは、人との距離を保つための追い払いや観光客などへの啓発、農地などと山林の境となる緩衝帯の整備を推進。クマはミツバチの飼育箱やスイートコーンに誘引されることが多いとし、侵入防止柵などによる対策を進めるとした。協議会は素案を検討した上で具体的な対策などについて肉付けし、実効性の高い計画に仕上げたいとしている。

(シカが侵入、太陽光パネル上に乗って破損)
国内各地の森林や里山で、近年、シカが急激に増えている。個体数の増加に伴い、木の皮をはがす、木の芽や草を食べつくすなど、食害による生物多様性への影響が深刻化している。人里に近づいて、農作物を食べるといった被害も相次いでいる。シカは、太陽光発電所に侵入することもある。シカは、跳躍する能力が高い。高さ1.8mといったフェンスを外周に設置していても、フェンスの外側が斜面で、上っていくような地形など、周辺環境や設置の状況によっては、フェンスを飛び越えて敷地内に侵入してくることがある。また、フェンスに隙間が空いていると、そこから侵入してくることもある。千葉県の太陽光発電所に点検に向かうと、太陽光パネルのカバーガラスが割れ、その割れの起点に大きな打痕のような跡が残っていた。強い力と重さが加わったことがわかるような複数の打痕が、一定の間隔で残っていた。カバーガラスの割れでは、カラスによる石落としの被害が多い。しかし、今回は、カラスが石をくわえ、上から落としてできる跡とは、明らかに違っていたという。近くには山林があり、シカがいそうな場所であること、また、残っていた強い打痕の一部が、シカの蹄(ひづめ)の形に見えることから、シカが敷地内に侵入し、太陽光パネルの上に飛び乗ることによって、蹄が乗った部分に大きな衝撃がかかり、割れたものと推測した。この太陽光発電所の場合、比較的、積雪の少ない地域に立地することから、太陽光パネル低部の地面からの設置高は1m以下となっている。シカが飛び乗れる高さだった。もし、多積雪地域で太陽光パネルの設置高が、一定以上に高かったならば、こうした被害は受けなかった可能性があるとしている。被害に遭った太陽光発電所では、今後、シカが侵入しにくくなるような対策が急務になる。まず、フェンスに隙間がある場合、ふさぐことが必要になる。また、下ってくる斜面の下側に太陽光発電所が位置する場合には、フェンスの上に「忍び返し」と呼ばれる金具を取り付けることも有効な場合がある。敷地の外あるいは内に向けて折り曲げたような部材で、シカにとって、柵の上に向かって飛んでも、飛び越えられないように見えて抑止策になる。忍び返しは、イノシシ対策としても知られている。また、遠隔監視用の赤外線カメラを使い、シカなどが侵入していないかどうかの確認に使っているメガソーラー(大規模太陽光発電所)もある。

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