<射撃ニュース9月>
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(クレー射撃は出場枠獲得選手が東京五輪代表)
日本クレー射撃協会は7日、東京都内で理事会を開き、2020年東京五輪の代表選考に関し、開催中の世界選手権(昌原=韓国)や来年のワールドカップ(W杯)、アジア選手権で国・地域別の出場枠を獲得した選手を、そのまま五輪代表とすることを決めた。出場枠が懸かる最初の大会となる世界選手権ではトラップとスキートで各4枠が争われている。トラップは既に終了し、日本は獲得を逃した。個人種目の国別出場枠は最大2で、日本は出場枠を獲得できなかった場合でも、開催国として各種目で1枠が保証されている。開催国枠で出場する場合の選考方式は今後決める。

(豚コレラ、国内26年ぶり:岐阜)
岐阜県は九日、岐阜市内の養豚場で飼育されていた豚が、家畜伝染病「豚(とん)コレラ」ウイルスに感染していたと発表した。国内での感染は一九九二年に熊本県で確認されて以来、二十六年ぶり。感染経路は分かっておらず、県は農林水産省のチームと連携して究明を進める。農水省は同日、豚肉の輸出を停止した。県はこの養豚場の豚五百四十六頭を十日朝までに全て殺処分した。七日昼時点では六百十頭いたが、殺処分の作業中にも六十四頭が死んだといい、豚コレラ感染が原因だった可能性があるという。十一日中に養豚場の敷地内で、埋却を済ませる方針。県によると、中国で感染が拡大し、国内への伝染が懸念されている「アフリカ豚コレラ」とは別種。豚やイノシシが感染し致死率が高いとされるが、人には感染しない。豚肉を食べても人体に影響はないという。県はこの養豚場から半径十キロ圏を「搬出制限区域」に指定し、区域内にある岐阜市と各務原市の三農場に豚の圏外への移動や出荷を禁止。周辺の主要道五カ所に、畜産関係の車両向け消毒ポイントを設置した。養豚場では、出荷向けの肥育豚一頭が三日に急死し、市の獣医師が県に検査を依頼。県は同日から検査を重ね、七、八両日には豚コレラの陽性反応が出た。九日朝になり、国の検査機関による遺伝子検査で、最終的に感染が確認された。この業者は八日、県に対し同日までに約八十頭が死んだと説明したという。県は県内の飼育農家全五十一戸に聞き取りしたが、異常は確認されていない。県は九日、古田肇知事をトップとする家畜伝染病防疫対策本部を設置した。

(ヒツジ70頭襲ったクマ捕獲か:北海道)
十勝管内池田町のヒツジ生産牧場「ボーヤ・ファーム」の放牧地でヒグマに襲われたとみられるヒツジの死骸が見つかった問題で、同町は8日、この放牧地に仕掛けた箱わなでヒグマ1頭を捕獲、駆除した。ヒグマは4~5歳のオスで、体長170センチ、体重157キロ。現場近くにあった足跡とほぼ一致した。今後、道立総合研究機構(札幌)に、食べたものなどの分析を依頼する。同町は、駆除したヒグマがヒツジを襲った個体と同一かは現時点で判断できないとして、当面は警戒を続ける方針だ。

(「有害鳥獣焼却場」を建設:福島)
東京電力福島第1原発事故に伴う避難区域を中心に野生のイノシシなどの有害鳥獣が増加している問題を受け、南相馬市は同市原町区小沢に有害鳥獣焼却施設を建設する。8日、安全祈願祭を現地で行い、関係者が工事の安全を願った。市によると県内の有害鳥獣焼却施設設置は2カ所目で、来年度からの稼働を目指す。施設は鉄骨2階建てで、建築面積約390平方メートルの棟内に焼却炉2基を設置。有害鳥獣を1日当たり500キロ、年間最大1500頭を処理できる。総工費は3億6180万円。安全祈願祭には約40人が出席。神事の後、門馬和夫市長が「焼却処分による衛生的な処理が可能となり、有害鳥獣対策の大きな前進となる」などとあいさつした。

(職員らの食害対策隊発足:静岡)
野生動物による食害などに対応するため掛川市は職員をメンバーとする「鳥獣被害対策実施隊」を発足させ6日、市役所で任命式が行われた。10人の隊員が地元の猟友会などと連携し被害の減少を目指す。隊員は農林課職員を中心に選考。4人は狩猟免許(わな猟)を所持し、うち1人は猟銃を扱う資格もある。

(新人ハンターにコツ伝授:茨城)
狩猟免許を取得して3年以内のハンターに猟のコツを伝授する「新人ハンタースキルアップ研修会」が8日、石岡市で開かれた。鳥獣による農業被害が深刻化する一方、狩猟者登録件数は高齢化などによって減少している。狩猟免許を取得したものの、狩猟のコツが分からないなどの理由で出猟できていない新人ハンターに研修の場を提供しようと県が初めて企画した。県内各地から20人が参加し、講師は、ともに地元のベテランハンター下河辺賢一さん(66)と坂本悌二さん(63)が担当。掘った穴にイノシシが足を踏み入れると、輪になったワイヤが締まる「くくりわな」の仕掛け方の見本を見せ、参加者も5人1組となって実践した。参加した桜川市の会社員栗崎優さん(33)は「農業被害の防止に貢献できればと狩猟免許を取得したが、猟のことを誰に聞いたらいいか分からなかった」と話していた。

(市街地イノシシ緊急対応研修会:香川)
イノシシの市街地への出没が増加する秋口を迎えて香川県は7日、高松市内の県東部林業事務所で平成30年度「市街地イノシシ緊急対応研修会」を開いた。イノシシが出没した際、人身被害を防ぐために市町や猟友会などが連携して追い払いや捕獲など緊急時の対応力強化が目的。県、市町の鳥獣行政担当者、県警生活安全企画課、地区猟友会から約50人が参加した。県が緊急捕獲などの具体的な手順をまとめた「市街地イノシシ緊急対応ガイドライン」「イノシシ等が出没したときの対応マニュアル」に基づき、人身被害の発生を防ぐことを最優先することなど現場対応の手順を確認。今年、高松市と三豊市に出没時の緊急対応事例を紹介した。このあと、住宅街に出没したとの想定で、県職員がイノシシ役となり、ネットと盾を使って住宅地や道路側に逃げ込まないように追い詰めて捕獲する実技研修に取り組んだ。県内には推定で約2万9千頭が生息し、毎年1万千~1万2千頭を捕獲している。県内での出没情報は平成28年度が270件、29年度が216件。今年度は高松市内の栗林公園など8月末までに75件で、うち2件で2人がけがをしている。県は、県民がイノシシに遭遇した時の対処法を「興奮させない、絶対に刺激しないこと」として、背をむけずにゆっくりと後退して電柱や街路樹、塀などのかげに隠れることなどを挙げている。

(イノシシわな設置費補助:岡山)
9月定例笠岡市議会は6日、個人質問を行い、4氏が市政全般をただした。市内でイノシシによる農作物被害が目立つことを踏まえ、市は2019年度からわなの設置費用に対する補助を行う考えを示した。

(獣害対策ロボの効果検証:福井)
音声や光で獣を威嚇するオオカミ型ロボットの獣害対策効果を検証する取り組みが六日、越前市奥宮谷町の山あいで始まった。三年間かけて試験を行い、メカニズムの解明などに役立てる。仁愛大人間学部コミュニケーション学科の安彦(あびこ)智史講師の研究室と越前市、東京都のソフトウエア開発「イーエックスメディア」が産官学連携で取り組む情報通信技術(ICT)を使った獣害対策研究の一環。ロボットは北海道奈井江町の精密加工会社「太田精器」が開発した「スーパーモンスターウルフ」で、全国的に効果を挙げていることに着目した。設置は北陸初。ロボットは、オオカミとほぼ同じ大きさで体長六五センチ。同社の太田裕治社長(59)によると、動物実験でオオカミの形がもっとも獣を寄せ付けないというデータがあり、採用した。獣が半径二十~三十メートルに近づくとセンサーが感知し、オオカミの鳴き声や人の声など五十七種類から無作為に一つの音声が流れる。赤い目を光らせて首を振ったり、イノシシが嫌うという青色の発光ダイオード(LED)ライトを足元で光らせたりして威嚇する。獣が近づかなくても、三十分~一時間間隔で自動的に作動させる。一年目はロボットの音声が届かない場所にもセンサーとカメラを設置して獣の出没量を比較。二年目以降は、他の場所でも検証する。効果が実証されれば、獣を寄せ付けないメカニズムを調べ、導入に必要な一基約六十万円の価格を下げるための提案もしていく。初日は、太田社長や安彦講師、地元の山口弘幸区長(66)、市関係者らが設置に立ち会った。山口区長は「五、六年ほど前からシカやイノシシ、サルなどの被害が増え、住民からもなんとかしてほしいとの声が上がっている」と効果に期待し、安彦講師は「何が効果があり、どういうことをしたらいいか検証したい」と話した。

(ジビエ認証第1号:京都)
野生のシカとイノシシの肉(ジビエ)を首都圏の飲食店などに供給している京都府京丹波町の食肉処理施設「京丹波自然工房」が、農林水産省が設けた「国産ジビエ認証制度」の第1号の施設となった。同省が7日、発表した。国が定めたルールのもとで衛生管理などを適切に行っていると認められた。農水省によると2016年度、国内でシカとイノシシ計約120万頭が捕獲されたが、食肉として処理されたのは全国約560施設での約8万3千頭にとどまる。ジビエは処理時に食中毒の原因となる細菌が付着する恐れがあることなどから、大半が焼却・埋設処分されているという。この制度では「日本ジビエ振興協会」(長野県茅野市)が認証機関となり、刃物の消毒といった衛生管理などで一定の基準を満たしているかを審査する。京丹波自然工房の運営会社「ART CUBE」の垣内規誠(ただまさ)社長(57)は「安心・安全の証しとして認証を活用し、ジビエの普及拡大に努めたい。ほかの施設も認証されていけば、ジビエ業界全体の底上げにもつながる」と話す。現在は京都府内などで捕獲したシカとイノシシを年間約400頭処理して府内や首都圏に供給しているが、19年度は1千頭の処理を目指すという。

(野生鳥獣肉からセシウム基準超え:群馬)
野生鳥獣肉の放射性物質検査を実施した群馬県は6日、50検体のうち17検体から、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。いずれも出荷制限が実施されており、一般には流通していない。17検体の内訳はツキノワグマ9頭、イノシシ7頭、ニホンジカ1頭。検査は7月中旬~8月末、県内23市町村で捕獲した野生鳥獣を対象に実施した。

(レンゲショウマ、シカ食害続く:東京)
青梅市の御岳山で、山野草のレンゲショウマがシカによる食害に遭っている。都はシカが近寄れないようにする柵を設置したが、今も群生地周辺で被害は続いているという。豊かな自然が残る御岳山には、5万株に及ぶ山野草のレンゲショウマの群生地がある。その薄紫がかったかれんな花が、同山の夏の風物詩になっている。一方で、都御岳ビジターセンターは2013年春頃、この群生地でレンゲショウマが食害に遭っていることに気づいた。センサー付きカメラで調べたところ、ニホンジカが夜やってきて、葉を食べる姿が確認された。都は2015年冬、防獣柵を設けたが、被害は根絶できていないという。環境省奥多摩自然保護官事務所は、食害の実態を知ってもらおうと、食害調査を体験する子ども向けイベント「子どもパークレンジャー」を開く。1回目は30日。動物の足跡やふん、食害の痕跡などを探したり、センサー付きカメラを設置したりする。2回目の10月28日には、カメラを回収して映像を見る。両日とも環境省の職員が同行し、自然保護の実情を説明する。

(箱根山地でニホンジカ食害被害調査:神奈川)
森林の保全活動に取り組むNPO法人「小田原山盛の会」(兵頭昌雄理事長)は、箱根山地でのニホンジカによる食害被害実態をまとめた。丹沢や伊豆方面から移動したとみられるシカの定着が懸念される同山地を、2015年から3年弱かけて踏査。

(シカ肉料理店がジビエ料理拡充:兵庫)
シカ肉料理店の無鹿が旧柏原藩陣屋町の町家(兵庫県丹波市柏原町柏原)から同市春日町下三井庄の古民家に移転し、8日から無鹿リゾートとして新装する。体験型施設として農泊設備などを新設し、看板のシカやイノシシ以外に、ハクビシンやアナグマといった珍しい野生動物のジビエ料理も本格的に提供し始めるという。無鹿は柏原高卒業後、料理人として働いていた鴻谷佳彦さん(41)が県森林動物研究センター研究員の勧めで食べたシカ肉に魅了され、2010年に開店。交通の便もよく来客も好調だったが、「自然の料理を自然豊かな環境で楽しんでほしい」と、築100年ほどの古民家に移転を決めた。移転を機に季節限定ながらアナグマやナマズ、スッポンなど新たな食材のほか、食べ慣れた人が多いアマゴもメニューに加えた。獣害対策で期待されるジビエ振興に加えて空き家活用の狙いもあり、国などの補助金を活用。蔵を宿泊客室とし、料理教室用の調理場も確保している。鴻谷さんは「野菜も含め、素材は丹波や但馬など近隣産ばかり。ここでしか味わえない食材と料理を提供したい」と話している。

(田舎の恵み、お裾分け:島根)
美郷町特産のイノシシ肉を製造・販売する「おおち山くじら」(美郷町乙原)が活動を支援してもらうとともに、田舎の恵みをお裾分けしようと、インターネットのファンクラブサイトを立ち上げ、仲間づくりを進めている。月3500円を出資した「贈り物会員」には毎月、イノシシ肉や野菜など“田舎のいいもの”を提供。サイトを通した交流で美郷暮らしの魅力を発信する。サイトは「イノシシ屋あかねの田舎暮らし」。クラウドファンディング大手「キャンプファイヤー」が展開するサービスを利用して開設した。担当するのは同社共同代表で、福岡県出身の森田朱音さん(35)。「美郷町では近所の方がマツタケをくれたり、田んぼ作業のお礼に米をくれたりした。地方移住者が感じた、都会では考えられない田舎の魅力や温かさを共有してもらえればうれしい」と話す。会員は2種類。月500円の「ファンクラブ会員」には、交流サイト「フェイスブック」への招待と、新商品を優先的に案内する特典がある。「贈り物会員」には二つの特典に加えて毎月1回、山や川の幸を提供。これまでに七草やイノシシ肉のセットの他、天然ウナギなどを送った。6日時点でファンクラブ会員は2人、贈り物会員は17人が登録しているという。同社は西日本豪雨で運営するイノシシの処理施設が被災したが、片付けや復旧の資金提供で大勢の支援を受け、8月21日にイノシシ肉の出荷を再開した。森田さんは「応援してくれる方がたくさんいると実感した。サイトなどを通じ、これからもファンの方とのつながりを深めたい」と望む。

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(市道でクマに襲われ男性けが:福島)
6日午前8時15分ごろ、福島市土湯温泉町の市道で「男性がクマに襲われ、けがをしている」と通行人の女性から市消防本部に通報があった。福島署によると、犬の散歩をしていた同市の70代男性がクマに両足のふくらはぎをかまれた。意識があり、命に別条はないという。県警によると、今年に入りクマによる人的被害は初めて。同署によると、男性は市道脇の崖から降りてきた子グマ2頭(いずれも体長約50センチ)と遭遇。足で追い払おうとしたところ、後から出てきた親グマ(体長約1メートル)にかまれた。男性はかまれたまま引きずられそうになったが、ガードレールにしがみついて抵抗した。クマは崖下に降りていったという。現場は土湯温泉の中心部から北に約250メートル離れ、女沼に向かう途中にある山林の市道。署員や市職員らがパトロールし、注意を呼び掛けた。旅館関係者の50代女性は「こんな近くで被害が出るとは思わなかった。これから秋の行楽期を迎えるので、影響が心配」と表情を曇らせた。

(クマ目撃:栃木)
6日午後9時40分ごろ、足尾町、社会福祉法人すかい職員の社宅駐車場。1頭、体長体長約1メートル。人に驚いて同所東の神子内川方面に逃げる際、駐車中の軽乗用車に衝突し、後部バンパーを破損させたという。

(ジビエの安全な調理技術習得のための独自カリキュラム提供:大阪)
食のプロを育成する教育機関、辻調理師専門学校(大阪市、校長:辻芳樹)は、一般社団法人日本ジビエ振興協会(長野県、理事長:藤木徳彦)に協力し、「調理科教員向け国産ジビエ料理セミナー」を2018年11月3日(土・祝)に大阪で、2019年2月17日(日)に東京で開催いたします。ジビエは2016年の「鳥獣被害防止特措法」改正により、捕獲された野生鳥獣は食肉として積極的に利活用されるべきものと明確に位置づけられています。また今年5月には「国産ジビエ認証制度」が制定され、食肉処理施設における衛生管理基準や認証体制等が整備されました。ジビエの一般消費拡大に向けて環境が整っていく中、調理師養成施設において、ジビエに関する授業の設置は各校の判断に委ねられており、ほとんど実施されていないのが現状です。未来の料理人が早い段階からジビエに触れ、正しい知識と調理技術を身に付けることは急務であることから、初めて調理科教員向けの国産ジビエ料理セミナーを実施するに至りました。本セミナーは、昨年より実施している「プロ向け国産ジビエ料理セミナー」とは一線を画し、教育機関の授業で指導する際、そのまま持ち帰っていただけるカリキュラムとして提供いたします。

(新型獣害防護柵を発売:兵庫)
線材二次加工メーカー大手の日亜鋼業(本社=兵庫県尼崎市、国峰淳社長)は、新型獣害防護柵「アンダープロテクトフェンス」を、今月から販売開始する。本製品は、溶接金網製獣害柵の課題である柵下部からのイノシシなどの侵入を防ぐ増設補強型獣害防護柵。柔軟な金網構造でさまざまな地面の形状に対応でき、簡易に設置できることから、同社は既設の溶接金網製獣害柵を持つ農家や地方自治体、ゴルフ場などをターゲットに販路拡充を図る方針。

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(JA、ニホンジカイノシシの許可捕獲スタート:京都)
JAグループ京都(京都市)は3日、京都府南丹市日吉町でニホンジカやイノシシを捕獲するわなの設置を始めた。南丹市が11月14日まで約2カ月半の間、捕獲を許可したためで、JAが地元の行政や住民と有害鳥獣対策に取り組むのは全国初だという。「ここ数年、シカやイノシシが増え、コメや野菜がやられた年もある。今年も被害が出ないか、心配だ」南丹市日吉町の農家、北井完司さん(39)は、有害鳥獣による食害対策に頭を悩ます。府内での有害鳥獣の狩猟は毎年11月15日~翌年3月15日に行われるが、食害が出るのは夏から秋にかけての収穫前が多い。府によると、府内の有害鳥獣による農産物被害(平成28年度)は2億9933万円。府内の農家からは「4~10月も駆除ができないか」という声があがっていた。JAグループ京都も平成27年度に有害鳥獣対策本部を設置。職員が捕獲従事者としてわなの設置ができるよう訓練するなど対策を準備してきた。南丹市も、昼夜を問わず出没するシカは、住民への安全面も考慮すると「市の大きな課題」(山内守副市長)との認識。狩猟期間外でも捕獲に理解を示す姿勢に転じたことから、今回の捕獲が実現した。今回は、期間内に駆除を希望する農家の土地で、わなを計10カ所に設置。最大でニホンジカ200頭、イノシシ50頭を捕獲する計画だ。捕獲した個体は焼却処分にする。JA京都中央会の村上友一・総合企画部次長は「南丹での取り組みを成功させ、今後は通年で有害鳥獣の捕獲ができるよう、府や市町村などに働きかけていきたい」と話す。

(熊、ニワトリ襲う:福島)
四日午前二時ごろ、福島市荒井字田狢(たむじな)の民家にある鶏舎を荒らす熊二頭を家人が目撃した。一羽が死に、一羽はいなくなった。八月二十四日にも鶏二羽が熊に襲われた。福島署は周辺の住民に警戒を呼び掛けている。市は猟友会に駆除を依頼するか検討している。

(クマ襲撃?牧場にヒツジ死骸:北海道)
十勝管内池田町のヒツジ生産牧場「ボーヤ・ファーム」(安西浩社長)の放牧地で、ヒグマに襲われたとみられるヒツジの死骸が見つかった。同町によると、町内でのヒグマに関連した家畜被害は初めてという。この放牧地では今年6月以降ヒツジ数十頭が行方不明になっており、町などが警戒を強めている。被害が出たのは同町様舞(さままい)の山林にある放牧地(約50ヘクタール)。今年6月以降、メス480頭を放した。例年20~30頭が自然死するが、今年8月上旬に確認すると70頭が行方不明となっていた。また、その後に放したオス10頭も姿を消していた。

("矢"カモを発見:東京)
4日午前11時40分ごろ、東京都立井の頭恩賜公園(三鷹市など)で、通行人から「矢のようなものが刺さったカモがいる」と警視庁三鷹署に届け出があった。署員らが公園内の池にいたカモを保護しようとしたが、捕獲には至らなかった。三鷹署によると、矢のようなものはカモの胴体に刺さっていた。5日に再度捕獲を試みるという。何者かが刺した可能性もあるとみて、鳥獣保護法違反も視野に捜査をしている。

(ヤギとヒツジ、除草に“出動”:栃木)
閑馬町の有志で組織する「里山を守る会」(星野和雄(ほしのかずお)会長)が地区内の山の斜面で、ヤギとヒツジを使った「除草作業」を行っている。約5年前に始め、今年も効果を上げている。柵で囲った広さ約60アールのエリアに、ヤギ2頭とヒツジ2頭を放牧している。以前はアズマネザサが高さ3メートルほどにまで生い茂り、農作物を荒らすイノシシやシカの隠れ場所となっていた。ヤギたちに食べられ、やぶはほぼ姿を消した。周囲に侵入防止柵を設けるなど複数の対策を続けたこともあり、農作物の被害も減っているという。同会メンバー、星野祐治(ほしのゆうじ)さん(56)は「ヤギたちにとってはエサを食べているだけだろうが、一定の効果を上げてくれている」と笑顔を見せていた。

(ジビエ試食会、保護者ら60人味わう:長崎)
地元で捕獲されたイノシシの消費を拡大しようと、島原市が学校給食でイノシシ肉を活用することを検討している。夏休み中には、学校給食調理員が手がけた料理の試食会も開催しており、関係者は「子供たちにイノシシ肉をおいしいと認識してもらいたい」と述べている。

(農地を開墾、ソバ栽培:宮城)
初秋の山里に真っ白な花が咲いた。宮城県七ケ宿町湯原(ゆのはら)。国道113号沿いの集落にはかつて荒れた田んぼが広がった。山田益広さん(63)がソバの種をまき、地元で初めてのそば店を開いて20年目の花の風景だ。酪農と稲作、炭焼きが生業だった湯原では早くから高齢化が進んだ。農家の長男だが役場勤めを選んだ山田さんは、耕作放棄で寂れる古里に胸を痛めたという。高冷地に合うソバ作りを試して「北海道産より味がいい」と自信を得、名物を育てる夢に懸けた。44歳で退職し、荒れた農地も開墾しての初栽培で2.5トンを収穫。自ら手打ちする「農民そばや 芭蕉庵」を店開きし評判になった。1999年秋だ。ソバ栽培は集落に広がり、そば店の開業も町で続いた。今は「七ケ宿そば街道」の名で有名に。その後の湯原集落には別な悩みも生まれた。さらなる高齢化で農地の守り手は減り、イノシシなどのわが物顔の侵入がひどくなった。山田さんの22ヘクタールのソバ畑も一昨年、3割近くをサルの群れに荒らされた。山田さんら住民が知恵を絞った対策は、県の支援で募った大学生らボランティアとの協働だ。地元と合わせ約60人が昨年と今年の夏、ソバ畑や水田を延長12キロもの電気柵で囲った。今の夢は「ソバの花が咲く古里を未来に残したい」。

(仕事体験通じ、人とクマの共生を考える:長野)
自然観察ツアーを行うピッキオ(長野県・軽井沢町)は10月28日(日)と11月4日(日)、小学生対象対象の仕事体験プログラム「こどもインターンシップ」を行う。「人の安全を守ること」と「クマを絶滅させないこと」の両立をめざし、1998年からクマの調査や被害対策に携わっているピッキオ。今回行うプログラムでは①「電波発信器でクマの居場所を調べる」②「クマの捕獲罠を設置する」③「糞を分析して食べ物を知る」④「ベアドッグと森をパトロールする」――の4つの専門的な仕事を体験。スタッフが森に隠しておいた発信器の在りかを見つけ出すゲームなど、遊び要素を体験に組み込むことで、小学生が理解しやすいようにしている。担当者は「ピッキオの取り組みを実際に体験することで、クマとの共存について考える機会にしてほしい」と語った。

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(クマ襲撃男性けが:山梨)
北杜市武川町黒沢の山中で、同市の猟友会メンバーの80代男性がクマに襲われ、頭などに軽いけがを負っていたことが30日、分かった。 同市林政課などによると、現場は第二石空橋の近くの林道沿い。

(クマの次はイノシシ警戒:宮城)
宮城県気仙沼市内でこれまで生息しないとされてきたイノシシの目撃情報がじわじわ増えている。今年は初めて農作物の被害も確認された。生息しないはずの大島で目撃情報が増えたクマに続き、新たに警戒が必要な有害鳥獣の出現に、市は地元猟友会の会員でつくる「鳥獣被害対策実施隊」の隊員を倍増させるなど本格的な対策に乗り出した。市は8月31日付で、非常勤特別職の市鳥獣被害対策実施隊の人員をこれまでの20人から39人に増やした。市が2015年に設置した実施隊(任期3年)は当初、急増したニホンジカの駆除が目的だったが、新たな体制となった本年度は、初めてイノシシが対象に加わった。駆除した隊員に支払う手当ての増額も検討している。市内でのイノシシの目撃情報は数年前から寄せられ始め、昨年度までは不確定な情報も含めて2、3件程度だった。だが本年度は8月末現在ですでに10件の目撃情報が市に寄せられ、実際にタケノコが掘り返された跡や足跡などが確認された。県自然保護課によると、かつては県内のイノシシの生息域は県南のみと考えられていたが、最近は県北に拡大している。13年度に初めて2頭が捕獲された栗原市では昨年度、82頭が捕まった。同課は「えさを求めて奥羽山脈沿いに北上している。さらに東部に拡大する可能性はある」と話す。イノシシは繁殖力が強く、年1回の出産で平均4、5頭の子を生み、農作物に大きな被害を出す。17年度の気仙沼市の有害鳥獣による農作物の被害額は約980万円で3割はニホンジカによる被害。実施隊発足前の14年度(約3770万円)と比べ減少しているが、市農林課は「イノシシが増えれば、被害額は膨らむ可能性がある」と警戒する。8月31日に市役所で実施隊の辞令交付式があり、菅原茂市長から隊員に辞令が手渡された。隊長に就いた菅野克由さん(68)は「大島のクマに続き、イノシシが増えれば、市民の不安はさらに高まる。農作物の被害を出さないよう、できるだけ早く、多くのイノシシを駆除したい」と話した。

(中学校付近でクマ1頭目撃:宮城)
30日午前6時50分ごろ、大和町宮床の宮床中近くの路上で、クマ1頭(体長約1メートル)が歩いているのを車で通った男性が見つけ、大和署に通報した。けが人はいない。同校は保護者宛てに電子メールを送り、注意を呼び掛けた。

(鶏被害、クマか:福島)
2日午前6時ごろ、福島市佐原の民家で、敷地内の鶏舎の金網が壊され、鶏1羽がいなくなっているのを家人の男性が発見、福島署に通報した。付近にクマのものとみられる足跡や鶏の死骸があったことから、同署はクマによる被害とみて周辺住民に注意を呼び掛けた。家人によると、敷地内に植えていたトウモロコシ約20本も被害に遭った。鶏舎には鶏が5羽いたという。

(ヒグマ駆除される:北海道)
住宅地でクマの出没が相次いでいる北海道島牧村で、1日夕方、水田を荒らしていたヒグマ1頭が駆除されました。体長およそ1.9メートル、体重200キロあまりで、7~8歳のオスとみられる。

(列車とクマ接触:北海道)
2日午後8時15分ごろ、後志管内仁木町のJR函館線然別―銀山間で、小樽発長万部行きの普通列車(2両編成)がクマと接触し、非常停止した。乗客乗員約50人にけがはなかった。この影響で、乗客は約6時間にわたって列車内で足止めされた。

(ヒグマ捕獲、民家から200メートル:北海道)
苫前町三渓のスイートコーン畑の近くで2日、ヒグマ1頭が捕獲され、地元猟友会のハンターが駆除した。推定6~7歳の雄で、体長190センチ、体重245キロ。付近ではクマの目撃情報が相次ぎ、農作物が荒らされる被害も出ていた。町によると、町内でクマが捕獲されたのは2015年以来、3年ぶり。三渓の道道苫前小平線沿いでは8月27日、大小2頭のクマを目撃したとの情報が近隣住民から寄せられ、翌28日に三毛別川近くのコーン畑の脇に捕獲用の箱わなを仕掛けた。2日朝、わなにかかっているのが見つかった。

(トウモロコシ畑に巨大クマ:北海道)
30日午前7時ごろ、北海道・砂川市の住民から、自宅横の「トウモロコシ畑がクマに荒らされたようだ」と警察に通報があった。調べたところ、トウモロコシが20本ほど食べられていて、クマのものとみられる足跡も残されていた。砂川市によると、現場の畑は4日前にも荒らされていて、猟友会のハンターや警察が警戒している。

(トウモロコシ畑にクマ:北海道)
真っ暗なトウモロコシ畑に現れたのは体長1.5メートルほどのクマです。撮影されたのはクマによる被害が相次いでいる北海道美瑛町の農園で、1日午前0時半ごろに仕掛けた赤外線カメラの前に突然、姿を現しました。クマはトウモロコシの葉や地面に鼻を近付けた後、カメラに向かって近付いてきました。農園では、先月中旬から合わせて50本ほどのトウモロコシがクマに食べられたということです。

(列車がシカと衝突:岡山)
30日午前6時10分ごろ、備前市穂浪、JR赤穂線伊里―日生間で、岡山発播州赤穂行き普通列車(6両編成)がシカと衝突した。乗客約50人にけがはなかった。JR西日本岡山支社によると、衝突によってブレーキに不具合が生じ、修理のため播州赤穂―備前片上間で2時間20分運転を見合わせた。上下6本が部分運休、16本が最大2時間33分遅れ、約2千人に影響した。

(シカによるJR運休・遅れ頻発:北海道)
エゾシカの線路侵入に伴うJR北海道の列車の運休と遅れが2017年度、計116件に上り、統計を取り始めた1987年度以降で最多だったことが、同社への取材で分かった。本年度も既に前年度を上回るペース。背景にはシカの生息域の拡大などのほか、JRが脱線防止に向けて車輪の傷の整備基準を厳しくしたことがある。例年、秋以降は繁殖のために行動が活発化し、衝突が増える傾向にあるだけにJRは頭を抱えている。JRはシカの侵入が原因で運休、遅れ(30分以上)が出たケースを1件として数えており、100件を超えたのは初めて。今年4~6月も既に14件と前年度同期を3件上回っている。道によると、2000年度に35万頭だった道内のシカの推定生息数は、ピークの10年度に約2倍の68万頭に達した。これに連動し、列車とシカの衝突件数は1995年度に500件を突破し、2012年度には2376件に達した。道などが10年度から捕獲を強化した結果、17年度には45万頭にまで減ったが、衝突件数は1747件と高水準のままだ。今年も4~6月の衝突件数が344件と前年同期を16件上回る。衝突のうち、実際に運休や30分以上の遅れにつながる例は一部だが「他の野生生物と比べて桁違いの多さ」(JR広報部)という。衝突件数が劇的には減らない理由は、森林の草地化などによって生息域が広がり、シカが線路を横断する機会が増えたためとみられている。実際、発生場所は山間部を走る宗谷線(旭川―稚内間)が全体の4割を占めるものの、近年は都市部でも起きている。6月13日には千歳市の千歳線長都―千歳間で快速エアポートがシカと接触し、列車10本が運休している。一方、運休・遅れの件数増加については、JRが11年の石勝線の特急脱線炎上事故を受け、車輪の整備基準を厳格化したことも影響している。事故以前は長さ7・5センチ以上の単体の傷を修理対象としていたが、事故後、周辺の傷を含めて合計で7・5センチ以上になる場合も対象に加えた。列車の運転士は線路上でシカを見つけた際、非常ブレーキをかけるため、車輪に傷がつきやすい。衝突を避けることができても、基準に基づいて修理に出さざるを得ないケースが増えているという。JRはシカ対策として17年度までに10億円を投じて侵入防止柵を設置した。ただ、総延長は103キロと、宗谷線換算で4割にとどまる。巨額の費用がかかることから、13年に根室市の根室線別当賀(べっとが)―落石間で、大型動物が近づくとライオンの鳴き声などを流し追い返す装置の導入を試みた。だが、「シカは2、3年で慣れてしまい、効果はなくなった」(広報部)。野生動物の交通事故に詳しい一般社団法人北海道開発技術センター(札幌)の野呂美紗子主任研究員は「生息数が減っても、シカの生息密度にはムラがある。JRだけの対策には限界があり、道などと情報共有し、頻繁にシカが出没する地点に重点的に柵を設置するなどの対策をとるべきだ」と指摘している。

(イノシシ捕獲数急増:石川)
能登町全域で本年度に入り、有害鳥獣の一つであるイノシシの捕獲数が急増している。奥能登地域で生息個体数が増加していることが要因の一つとみられ、町農林水産課の担当者は「田や畑が荒らされる被害が出る前に柵の整備などの対策を」と呼び掛けている。同課によると、四月から八月末までのイノシシの有害捕獲頭数は四百六十八頭。昨年同期間の百二十七頭から約三・七倍に増加しており、昨年度一年間の二百六頭をすでに大幅に上回っている。背景には電気柵による囲い込みといった住民の捕獲技術の向上のほか、加賀地方などから移ったイノシシが、餌場が豊富な奥能登地域で大量繁殖している可能性もあるという。町はイノシシを捕獲した町民に対し、一頭につき一万~三万円の報奨金を出している。捕獲数が当初の予測を大きく上回ったため、三日の町議会に提出した一般会計補正予算案には、追加の報奨金費千三百万円が盛り込まれた。担当者は「電気柵で逃げ場を失ったイノシシが人里の畑や水田に集まる恐れがある」と警戒する。「電気柵がない農家らは早めの設置をしてほしい。実ったまま放置しているカキやミカンといった果実が近くにあると餌場になるのですぐに収穫して」と呼び掛けている。町は電気柵の貸し出しや購入助成を行っている。

(クマの通報相次ぐ:北海道)
29日午前8時半ごろ、、松前町白神の白神共同墓地内で、付近に住む女性がクマの足跡を発見し、知人男性を通じて松前署白神駐在所に通報した。同署によると、足跡は15~20センチ程度で、10個以上見つかった。供物などに被害はなかったという。民家からの距離は約120メートル。29日午後2時10分ごろ、厚沢部町木間内の町道を車で走行していた町内の80代男性が、道路脇の草むらにクマ1頭がいるのを目撃し、江差署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートル。現場から約50メートル先に民家がある。29日午後3時40分ごろ、せたな町大成区宮野の町道脇にいたクマ1頭が山中に姿を消すのを乗用車を運転していた男性が目撃、110番した。せたな署によると、現場は露天の日帰り温泉「湯とぴあ臼別」から約100メートル離れた一本道。

(小学校からわずか50メートル、クマを目撃:北海道)
28日の昼ごろ、北海道の滝上町でクマが目撃された。目撃された場所は小学校から、わずか50メートルほどの場所。小学校の防犯カメラが、クマの姿をとらえていた。滝上町立濁川小学校の防犯カメラが、28日午前11時半ごろに撮影した映像には、画面を左から右へと動く黒い物体が。防犯カメラが設置されている児童の玄関と、クマがいた場所の距離はわずか50メートル程だという。警察によると、クマが撮影された時間と同じころにも、近くを車で走っていた男性から、体長1.5メートル程のクマを目撃したとの通報があった。警察は、登下校時の見守りを今週いっぱい実施することにしている。

(有害鳥獣、狩猟期間外に捕獲:京都)
JAグループ京都有害鳥獣対策本部は27日、南丹市から狩猟期間外での有害鳥獣捕獲の許可を得た。9月3日から同市日吉町で、箱わなと囲いわなの設置作業に取り掛かる。11月14日までの期間内にニホンジカ200頭(雄・雌)、イノシシ50頭の捕獲を目指す。これまで捕獲は、府が定める毎年11月15日から翌年3月15日までの狩猟期間が一般的だった。一方、農業生産現場は、鳥獣による農産物被害が多発する4~10月の捕獲を切望していた。このことを受けて今回、狩猟期間外での許可を受けた。JAグループ京都が2014年度から取り組む有害鳥獣対策の一環。今回の取り組みは農産物被害を受けた組合員をはじめ、地域住民の依頼に基づき行う。行政、住民、JAが連携して有害鳥獣捕獲活動に取り組むのは全国で初めて。JAグループ京都が捕獲実施団体としてわなの架設や捕獲後の止め刺し、個体処理などを担い、地元住民も見回りや餌まきなどの協力活動を行う。許可権者となる同市が農産物被害の状況調査や有害鳥獣の生息確認などを行うことで、三者の連携・協力の下、効果的な捕獲活動を目指す。捕獲は市町村ごとに許可を得なければならず、被害農家の声に即応できない課題がある。今後、JAグループ京都は行政などに対して、年間を通じて捕獲活動が可能となるよう、猟期の通年化なども求めていくこととしている。対策本部の中川泰宏会長は「捕獲活動は地域住民が声を上げ、JAを中心に行政も巻き込んで地域の課題解決を図るという意義深い取り組みだ。必ず成功させたい。他地域でも同様の動きが広がってほしい」と今後の展開に期待を寄せた。

(キノコ採り前にクマ出没警報を延長:秋田)
秋田県は28日、今月末まで発令しているツキノワグマ出没警報を10月末まで延長すると発表した。同課は、食料を求めて人里近くにすみ着くクマが年々増えている可能性があると指摘。「これからキノコ採りシーズンを迎え、クマと遭遇するリスクが高まる。単独での入山は控え、クマが目撃された場所には絶対に近づかないでほしい」としている。

(木曽地域、クマ注意報:長野)
県木曽地域振興局は二十九日、本年度に入りツキノワグマの目撃が目立って多くなっているのを受けて、初の「クマ注意報」を発令し、木曽郡内六町村に被害防止を呼び掛けるよう通知した。木曽郡内でのクマの目撃数は四~七月で二百二十三件で、記録がはっきり確認できる二〇一一年度以降では最多を記録している。目撃場所の内訳は、林内が八十七件、集落(里地)が百三十六件。特に集落での目撃数は、県内全体(四百五十四件)の約三割にあたる。八月分は未集計だが、五日に木曽町三岳の男性が顔や頭をひっかかれた人身被害一件をはじめ、継続して出没が確認されている。九月にさらに出没が増える可能性があるため、注意報を発令した。同地域振興局は「木曽ではほぼ隔年で出没数が増える。要因として、えさのドングリやヤマブドウの出来が良くないことなどが考えられる」と説明している。町村へは、通知と同時にチラシを配布。▽山に入る時は鈴などを持参する▽クマに遭遇したら静かに離れる▽食べ残した弁当などは持ち帰る-などの注意を呼び掛けている。

(クマよけ鈴で安全にね:岩手)
奥州市の水沢鋳物工業協同組合(及川勝比古(かつひこ)理事長、54事業所)は29日、同市水沢羽田町の羽田小(千葉栄校長、児童117人)に鋳物製クマよけ鈴130個を贈った。同組合の及川理事長と後藤安彦専務理事が同校を訪問。及川理事長は、同校運営委員の6年生4人に「クマの被害に遭わないよう、肌身離さず使ってほしい」と伝え、箱や袋に入った鈴を手渡した。同校によると、学区内では本年度、10件の出没情報があり、6月には学校近くでも目撃された。同組合は保護者の要望を受け、初めて寄贈した。

(イモ愛すイノシシ迷惑:滋賀)
日本で唯一の淡水湖に浮かぶ有人島として知られる琵琶湖・沖島(滋賀県近江八幡市、約1.5平方キロ、人口約250人)が、イノシシの被害に悩まされている。特産品として昨年から売り出したサツマイモのアイスクリームも畑を荒らされて来年からは販売が難しい状況で、島民は「何とか駆除してほしい」と頭を抱えている。沖島は琵琶湖の漁獲高のほぼ半分を占めるなど漁業が盛んで、サツマイモは主に島民の自給用として栽培していた。ただ、島の特産品を生みだそうと婦人会が昨年、地元の小学校に通う子供たちのアイデアを基にサツマイモを使ったアイスクリームを開発。観光客に年間約2500個を販売する人気商品となった。一方、数年前からサツマイモやタケノコなどの食害が深刻化。畑に張った動物対策の網も破られ、畑を掘り起こすなどの特徴から、イノシシによる被害の可能性が高まった。島内にはもともとイノシシが生息していなかったが、複数の島民が琵琶湖を泳いで渡る姿を目撃しており、市は畑にビデオカメラを設置。今月14日未明に初めてイノシシの撮影に成功した。同21日には島民による目撃情報も初めて寄せられたという。対岸の堀切港(近江八幡市)から沖島までは約3.5キロあるが、香川県小豆島町によると四国側から小豆島までイノシシが約20キロ泳いだケースなどもある。沖島町離島振興推進協議会事務局の本多有美子さん(46)は「学校で育てているサツマイモ畑は無事だが、それだけでは量が足りない。せっかく特産品作りに子供たちが取り組んできたのに台無しだ。何とかしてほしい」と訴えている。

(マタギ文化の学習会:秋田)
秋田県北秋田市に伝わるマタギ文化について地元小学生が学ぶ「マタギの地恵(ちえ)体験学習会」がこのほど、同市で開かれた。4~6年生18人が参加し、マタギの食文化やクマの生態などに理解を深めた。初日は前田公民館で、マタギが山中で食べたのが起源との説があるきりたんぽ鍋を作った。子どもたちは地域の女性たちのアドバイスを聞きながら、杉の棒につぶしたご飯を付け、出来栄えを見せ合っていた。鍋に入れるニワトリもその場で解体。真剣な表情で見守り、命の重さや食べることの意義などについて考えた。

(ジビエ、サイトでPR)
農水省は、野生鳥獣の肉(ジビエ)に関する情報を発信するウェブサイト「ジビエト」を立ち上げた。ジビエ料理が食べられる飲食店や地域のイベントを紹介。消費者にジビエを身近に感じてもらい、消費拡大につなげる。サイトは同省の全国ジビエプロモーション事業の支援を受け、テレビ東京コミュニケーションズが運営。「行く」「探す」「知る」の観点から情報を届ける。「行く」では、全国で開かれるイベント情報を掲載。鹿の捕獲から食肉加工までの流れを地元のベテラン猟師と一緒に体験できるツアー、イノシシの皮を使ったコインケース作りなど、家族で楽しめる最新のイベント情報を季節ごとに更新する。「探す」では、ジビエ料理を提供する飲食店を紹介。鹿肉でだしを取ったラーメン、ヒグマのスネ肉を使ったテリーヌなど各店自慢の味と店主のこだわりを説明する。「知る」では、野生鳥獣による農業被害の実態やジビエが消費者に届くまでの流れ、ジビエの栄養価を学べる情報を発信する。同社では、地域ならではのイベントやジビエを使った料理を提供する飲食店について情報を随時募集している。掲載希望があれば、同サイトから応募できる。

(国産ジビエ味わって)
日本フードサービス協会は、外食店に国産ジビエ(野生鳥獣の肉)の利活用を呼び掛ける「全国ジビエフェア」を30日から始める。全国約250店舗が参加。各店舗で、鹿肉やイノシシ肉を使ったラーメンや和食など幅広いメニューを提供。ジビエを身近に感じてもらい、消費拡大につなげる。9月30日まで。東京都内の居酒屋は北海道産鹿肉のロースト、静岡県藤枝市のそば店は地元産イノシシ肉のウインナー、福岡県の洋食店は鹿肉のハンバーガーと多様なメニューを用意する。50店舗は初めてジビエを扱うといい、利用の拡大につながっている。フェアの特設ホームページ(HP)やインターネット交流サイト(SNS)を開設。参加店舗はHPで確認でき、イベント期間中はSNSでメニュー情報などを発信する。ポスターや店内広告(POP)でもイベントを盛り上げる。同協会は「ジビエはフランス料理など高級店での利用が多く、消費者は敷居が高い印象を持っている。全国規模のイベントで認知を広げ、食べる機会を増やしたい」と話す。

(シカ肉ブランド化へ:北海道)
根室産エゾシカ肉のブランド化を目指す「根室管内エゾシカ地域ブランド化協議会」の初会合が29日、根室市内で開かれた。シカ肉のブランド名を決めた上で、レストランで共通メニューを提供、知名度アップを図り販売増に結びつける方向で一致した。協議会は大学教授やシカ肉処理加工施設、料理研究家らで構成。初会合には24人が出席した。海霧に含まれるミネラル豊富な草を食べる管内のエゾシカの肉質は良質とされ、根室市の食肉加工販売業「ユック」のシカ肉は東京の帝国ホテルや全国の著名なレストランに提供されている。

(獣害解消へ猟師募集:岐阜)
獣害に悩む農村と、狩猟に興味を持つ都市住民とを仲介し、協力して駆除を進めるためのサイト「クラウドハンター」が9月、本格稼働する。開設するのは岐阜県郡上市で里山保全事業に取り組む団体「猪鹿庁(いのしかちょう)」。今年5月の試行で手応えを得ており、全国展開を目指す。

(長泉射撃クラブ、大会300回:静岡)
1978年に結成した静岡県東部拠点の愛好家団体「長泉射撃クラブ」が26日、300回の記念大会を裾野市の須山クレー射撃場で開いた。参加した会員29人は40年の歴史をかみしめながら腕前を競った。県内最古の射撃愛好家団体。長泉猟友会のメンバーが県民スポーツ祭出場を契機に、クレー射撃の競技力向上を目指して10人で結成した。笠間恵一第3代会長(79)=長泉町=の父で、同猟友会長だった笠間豊氏(1993年死去)が初代会長に就いた。富士山麓の射撃場で定期的に会員大会を重ね、現在は県内外の30~80代約40人が切磋琢磨(せっさたくま)する。大会は年間10回行い、各大会では100回の射撃機会で飛行するクレー(皿)の命中数を競う。近年は狩猟は行わない競技だけが目的の会員もいるという。93年入会の菅野光明さん(70)=同町=はクレー射撃の魅力を「大会での成績が伸びても決して百発百中にはならず、常に向上の余地がある点」と語る。冬場は害獣駆除活動に従事する笠間会長は「山では一瞬のチャンスをものにできるかが成否を分ける」と語り、月1回の大会を通じて技術を維持する必要性を強調する。「これからも事故なく、安全に続けていきたい」と、大会を重ねる意欲を示した。

(カラス、盗んだせっけん30個を畑に隠す:沖縄)
宮城さんが草から取り出したせっけんは約30個。5月に隠されたという新しいものは縦約5センチ、横約10センチ。重さは約80グラムある。宮城さんは自宅隣の知人の畑で時々、草取りや果物の木を植えていた。異変に気付いたのは1年前。カラスがせっけんを草に隠した後、ブロック塀に移動しオオイタビの葉で口を拭く様子を確認した。自宅向かいに小学校があるが、学校関係者によると2年前から学校の手洗い場には固形ではなくプッシュ式のせっけんが置かれているという。宮城さんは「小学校で子どもが手を洗うせっけんをカラスが持って来たと思っていた。カラスは朝に名護城方面からやって来て、夕方に戻っていく」と説明する。近くの鉄工所に勤める次男の紀也さん(56)は「ヌスドゥ(盗人)たちが集めたせっけんの中から2~3個だけ鉄工所に持ち込んだら、直ちにヌスドゥたちに回収された」と笑う。長男嫁の美智子さん(43)は2カ月前、カラスに菓子を盗まれたことがあるといい、「そのまま木の高い所に隠していた。棒で突いて落としましたよ」と話す。名護民話の会代表で国頭村安波出身の宮城さんは「小学生の頃、川で洗濯に使う固形せっけんをカラスに盗まれたことを思い出す。カラスはせっけんを集める習性があるのかな」と不思議がる。“証拠品”のせっけんを前に「いずれにしてもヌスドゥガラサーはこのせっけんをどこから持って来たのか。集団窃盗団で前科30犯ですね」と話した。

(イノシシ脂のせっけん好評:岡山)
新見市で捕獲された野生イノシシ脂で作ったせっけんが好評です。保湿力が高く、化粧も落とせる洗浄力が“売り”で、5月に写真共有アプリ「インスタグラム」を立ち上げ紹介したところ、年数個だった売り上げが、月平均100個に大幅アップ。企画・販売に携わるアイクリエイティブ(東京都品川区)の松岡磨貴子さん(35)=岡山市出身=は「植物性が大勢を占める中、イノシシ脂の石けんは珍しい」と話しています。商品名は「TATSUMA」。超乾燥肌(ヒバの香り、100グラム3千円)、乾燥肌(ヒノキの香り、100グラム2700円)、普通肌(ラベンダーの香り、80グラム2500円)の3種類があり、名前は狩りで射手が立つ場所という意味です。12月下旬から2月下旬に捕獲したイノシシの脂を精製し、その脂を原料に合成界面活性剤や防腐剤などを使わずにせっけんを手掛ける福岡、兵庫県のメーカーが製造。独特の臭みを軽減するため、ラベンダーなどの精油を加えて仕上げています。松岡さんの父で印刷会社を経営していた邦和さん(69)=岡山市=が、狩猟仲間からイノシシ脂があかぎれ、やけどなど肌トラブルに効果があると聞き、アトピー性皮膚炎に悩んでいた従業員や家族に紹介。自然が好きな邦和さんはイノシシ脂の良さを広めたいと考え、4年前に商品化にこぎつけました。ただ、商品名が分かりにくいことやPR不足から年間の売り上げは二桁に届かない状態だったそうです。東京を拠点に印刷会社の営業・企画を担当する傍ら、せっけんの販路拡大を担うアイクリエイティブを立ち上げた磨貴子さん。5月に商品名をローマ字表記に変え、パッケージデザインを一新。ウェブサイトもリニューアルし、新たに開設したインスタグラムでも、県産であることやイノシシ脂の効用をPRしたところ、売り上げが一気に伸びたそうです。青森、長野県の雑貨店や美容師専用のウェブサイトなどにも取り上げられるようになりました。磨貴子さんは「私自身、日焼けで悩んでいた時、イノシシ脂のクリームを試したところ、症状が改善した。イノシシ脂の効果を実感した一人。特に肌トラブルに悩んでいる人の選択肢のひとつとして試してみてほしい」と話しています。

(クマの食べ物探すツアー:長野)
人とクマの共存をめざすNPO法人のピッキオ(長野県軽井沢町)は9月、ドングリやクリなどクマの食べ物を探すツアーを同町で開く。クマに実際に遭遇することなく、生態を学べるという。ツアーは9月15日から11月4日まで。クマは12月から4月まで冬眠に入るため、秋のうちに大量にエサを食べる。食べ物を探してクマが歩き回った足跡などから、冬眠前のクマの生態を探る。森の生態を調査するピッキオのスタッフがガイドになって森の中を歩く。料金は大人が2100円、4歳から小学生が1000円。ツアーは1日2回で、それぞれ2時間かかる。最少催行人数は1人。

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