<射撃ニュース11月>
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(道有林野における狩猟区域図について:北海道)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/dyr/R1syuryoukuikizu.htm
表の管理区名をクリックすると、各森林室ごとの狩猟区域図をダウンロードできます。また、スマートホンによる現在地確認ができる「Web GIS」でも道有林及び国有林の狩猟区域図をご確認できますのでご利用ください。
http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/apply/nyurin/attach/jyuukinnzu.html

(クマに襲われ男女3人重軽傷:富山)
7日午前、富山市大山地域で、男女あわせ3人がクマに襲われ、1人が重傷、残る2人も頭や足などに軽いけがをしました。命に別状はないということですが県内でのクマによる人身被害は、これで7件目です。県などによりますと、7日午前11時ごろ、富山市田畠の住宅で、この家に住む70代の夫婦が、納屋から出てきたクマに相次いで襲われました。クマは、74歳の夫の頭と腕に、72歳の妻の手とひざにそれぞれ軽いけがを負わせ、逃げ去ったということです。クマに襲われた妻「ドンドンと(納屋の扉を)たたいたら、クマが起きて顔を見たから、クマが寝ていると思って家の前まで逃げてきたが、間に合わなくてクマと遭遇した」そのおよそ20分後には、南におよそ1.3キロ離れた富山市中大浦の住宅で、この家の84歳の男性が、クマに襲われました。男性は、顔や腕をひっかかれ重傷だということです。市と地元の猟友会が付近を捜索したところ、午後2時20分ごろ、近くを流れる熊野川の河川敷で、襲ったとみられるクマ2頭を見つけ猟友会が射殺しました。クマはいずれも雄で、体長およそ130センチ、体重は100キロを超えるとみられます。県は納屋や車庫の戸締りや、早朝や夕方の外出を控えるなど注意を呼びかけています。

(台風で柵倒壊、サル百匹野放し:千葉)
9月の台風15号の影響で、千葉県富津市にある高宕山自然動物園のサル用の柵が倒壊し、飼育していたニホンザル約100匹が約2カ月間にわたり、放し飼いの状態になっていることが7日、園を管理する富津市への取材で分かった。けが人は確認されていない。市や県によると、動物園は、サルの生息地として国の天然記念物に指定されている高宕山に隣接している。1959年に地元の観光協会が開設し、その後市が管理するようになった。市観光協会の担当者は「サルが危害を加えることはないと思うが、野放しの状態を早く解消したい」と話した。

(住宅地緊急点検、男性襲われ失明事故受け:秋田)
10月31日に秋田市添川の自宅敷地内で40代男性がツキノワグマに襲われ失明した事故を受け、秋田県や同市などは7日、現場周辺でクマが出没する可能性のある場所を緊急点検した。関係者12人が、男性の自宅付近や近くにある旭川小の通学路周辺で、やぶが生い茂る所やごみ集積所などを見て回った。男性宅の周りでクマが隠れやすそうな場所を確認した。県と市は近く草木を刈り取る。付近の丘陵地の麓を走るサイクリングロードには餌となるドングリが落ちており、クマが出没することも考えられるという。県の担当者は「生活圏にクマが隠れやすい場所が多かった。関係機関と協力し、クマを近づけさせないことが大切になる」と危機感を募らせた。

(豚コレラ確認半月前、"衰弱イノシシ"生かせず:静岡)
野生イノシシから豚コレラ感染が確認された静岡県藤枝市で、最初の感染判明の約2週間前からイノシシが次々と死んでいたことが地元猟友会への取材で判明した。猟友会は10月上旬、弱ったイノシシを見つけて県に通報したが、県は死んでいないことを理由に豚コレラの検査をしなかった。この対応に不信感を抱いた猟師たちは、死んだイノシシ数頭を県に連絡せずに埋めていた。両者の連携不足で感染確認が遅れた可能性がある。

(野生イノシシ、ワクチン129個を摂取:埼玉)
埼玉県農業支援課は、1日に寄居町で散布した野生イノシシ用経口ワクチン200個を6日に回収し、64.5%に当たる129個がイノシシによって摂取されていたと7日発表した。経口ワクチンはアルミホイルに包まれた上、トウモロコシ粉で覆われており、イノシシに摂取されたものはアルミホイルにかんだ跡が付き、中のワクチンがなくなっているものもあったという。同課は「他の小動物などが食べた可能性もなくはないが、ワクチンを設置した場所と周囲にイノシシの新しい足跡があったので、イノシシにより摂取されたと考えられる」と説明した。ワクチン回収から5日後の11日以降、寄居町では月に1頭以上を目標にイノシシの捕獲、検査を進める。

(エゾシカ2頭を捕獲、道が設置の囲いわな:北海道)
北海道釧路市の市街地に出没するエゾシカ対策として、道が中心部に近い市有地に設置した囲いわなで2頭が捕獲され、報道陣に6日公開された。囲いわなでの捕獲目標は60頭で、12月からはより生息地に近い高山地区に移転し、来年2月まで行われる。同市では昨年、エゾシカが市街地に出没して家庭菜園を荒らしたり、車と接触しそうになったりするなどの被害が続出。市街地では猟銃が使えないため、道は鉄パイプと合板で作った囲いわな(全周約29メートル、高さ約2・7メートル)を10月末に設置し、5日から捕獲を始めていた。設置場所は住宅地などに近い春採湖のほとりにある市有地で、2頭はいずれも雌だった。餌を置いた内部におびき寄せ、24時間態勢で監視する指定業者が遠隔操作で出口を閉じる仕組みで、5日午後7時過ぎに捕獲した。6日には業者が木製の箱に追い込んでトラックに積み込み、釧路市阿寒町の保管場所まで運んだ。委託を受けている北泉開発の田口嘉浩課長は「これまでの定点観測で何度も確認されていた個体。大きさから見て親子ではないか」と話した。

(イノシシが出没、捕物劇:群馬)
群馬県高崎市大八木町で6日、親子らしきイノシシ4頭が出没した。市によると、子どもとみられる1頭は捕獲したが、2頭は逃げ、1頭は車にひかれて死んだ。午前11時ごろ、近くの畑から帰宅した須藤サトさん(87)が庭にいたイノシシに遭遇。須藤さんの娘婿の御幡昭司さん(62)によると、通報で駆けつけた高崎署員や市職員ら約20人が追ったが、親と子1頭はすぐ逃走。残った子2頭のうち1頭を捕獲した。御幡さんが趣味のカメラで捕物劇を捉えた。もう1頭は夕方、路上で死んでいるのが見つかったという。現場はJR井野駅の西約1・7キロ、高崎駅の北約4キロで、住宅や農地が混在する地域。国道17号や高崎環状線も近く、大型店が並ぶ。

(イノシシ目撃相次ぐ:栃木)
那須塩原署によると、8日午前8時50分ごろ、那須塩原市豊住町の道路で、体長約1メートルのイノシシ1頭を通行人が発見した。けが人や物的被害はなかった。同9時ごろには、同市材木町の畑と道路でも同様の大きさのイノシシが目撃されている。

(イノシシが出没か:佐賀)
佐賀北署は7日、佐賀市大和町久池井の運動広場付近で同日午後4時15分ごろ、イノシシが出没したとして、メールで注意を呼びかけた。

(中心街にサル、市民驚かサれル:青森)
7日午前8時半過ぎ、青森市役所に警察や市の教育委員会からサルの目撃情報が相次いで寄せられました。最初にサルが目撃されたのは青森市石江のショッピングモール付近です。その後は沖館中学校付近や青森ベイブリッジなど目撃情報が相次ぎました。サルは最初に目撃された場所から直線距離で6.5キロ離れた港町3丁目にある木材会社の倉庫に逃げ込みました。サルは倉庫の天井付近から降りてこないため、市の職員が鉄骨を叩いたり陸上競技で使うスターターピストルで大きな音を鳴らし、驚かせようとします。倉庫内を逃げ回ること1時間半、ついにその瞬間が訪れました。職員が隙間から飛び出したサルを網で押さえました。体長が約1メートルのサルは少し抵抗しましたが、網のなかでお手上げ状態です。捕獲されたサルは7日のうちに山に放されたということです。

(フェレットにかまれ17年後死亡:大分)
2002年、捕まえようとしたフェレットにかまれて感染症になり、今年1月に41歳で亡くなった大分県警地域課の男性警部補が、公務員の労働災害に当たる公務災害と認定されていたことが7日、県警への取材で分かった。県警によると、02年6月、大分中央署の交番で勤務していた警部補は「公園にフェレットがいる」と110番を受け、捕獲を試みた。その際両手をかまれ、3カ月後に蜂窩織炎を発症。治療のため休職と復職を繰り返していたが、今年1月に県内の病院で死亡した。地方公務員災害補償基金大分県支部は、かまれたことと死亡に因果関係があると判断、7月26日付で公務災害と認定した。

(「鳥獣管理士」全国300人超に:栃木)
野生動物による農業被害を防ぐ専門家を育てようと、宇都宮大教授らが創設した民間資格「鳥獣管理士」の取得者が全国に広がっている。養成講座も開かれ、資格取得者は今年1月時点で34都道府県の315人。鳥獣害対策は行政だけでは限界があり、資格を認定する鳥獣管理技術協会(宇都宮市)は「地域に密着し、住民を支援する専門家が必要だ」としている。「あそこに足跡が見えます」。9月中旬、栃木県栃木市で開かれた養成講座の現地実習。講師役の鳥獣管理士が指をさした先には、イノシシのものとみられる足跡がいくつもあった。イノシシは防護柵を乗り越えてしまうことがあるとの鳥獣管理士の説明に、15人の参加者は真剣な表情で聞き入った。鳥獣管理士は、宇都宮大や栃木県が2009年、社会人や自治体職員を対象に始めた鳥獣害対策の人材育成プログラムを基にスタート。農作物の被害防止に必要な知識や技術の程度に応じて1~3級まであり、防護柵の設置指導経験や猟友会の捕獲活動への協力、学会への参加などを「単位」と認定。一定数を取得して試験に合格すれば、昇級できる仕組みだ。受験資格が得られる協会の養成講座は、動物の生態を学ぶ座学や、現地で対策を考える実習も用意。正確な知識や現場経験を重視し、即戦力の育成を目指しているのが特徴だ。東京都や大阪府でも始まり、本年度は初めて熊本県で開いた。協会の事務局長を務める宇都宮大の高橋俊守教授(地域生態学)は「受験者には地域に貢献したいという、シニア層も多い」と話す。鳥獣害対策は、地域住民が一体となって草刈りや見回りを続ける必要もあり、「対策を通じて地域社会を再構築することにもつながる」と説明する。鳥獣管理士が全国最多の栃木県(112人)では、鳥獣被害に悩む市や町から要請を受けた県が鳥獣管理士を現地に派遣。住民を対象に勉強会を開き、動物が隠れやすい場所を地図化したり、動物に侵入されにくい防護柵の設置方法を指導したりする。こうした対策で大きな被害を免れている地域もあるといい、県も「異動がある行政職員と違い、継続的に地域を見守れる」と評価する。野生動物による農業被害は深刻化しており、全国の被害額は18年度で約158億円。中でも野生イノシシは、感染が拡大する豚コレラのウイルスを媒介しているとされ、対策が急務だ。高橋教授は「高い能力を持つ鳥獣管理士を養成し、対策の正しい知識を普及させたい」と強調した。

(イノシシの農業被害拡大、生息域広がり捕獲数増加:岩手)
イノシシによる農業被害が岩手県内で増加傾向にある。県によると、出没情報は2017年度の13市町91件から18年度は26市町401件に拡大。生息地域も広がっており、県は研修会などを通してイノシシ対策を進めている。10月上旬に洋野町で開かれた研修会。県内の自治体担当者や地元の猟友会の会員ら約40人が集まり、イノシシから農作物を守る電気柵や、捕獲するための箱わなの使い方を学んだ。電気柵は5千ボルト以上の電圧が流れ、イノシシに電気ショックを与える。イノシシに「嫌な場所」と認識させるため、寄せ付けたくない時期以外でも通電し続けることが大切だとの説明に、地元の猟友会の男性(77)は「参考になった」と納得した様子だった。洋野町で研修会が開かれたのは昨年度、この町で初めてイノシシが捕獲されたためだ。県の担当者は「ここ数年でイノシシの生息域が拡大している」と警鐘を鳴らす。県内ではイノシシは明治の頃の乱獲や病気などで姿を消したとされていたが、2010年度に一関市で農業被害が確認された。このため、11年度に一関市が対策に乗り出し2頭を捕獲。13年度は狩猟と合わせた捕獲数は37頭と2桁台になった。その後、一関以外でも農業被害が出始めたため、16年度前後から他の自治体や県も捕獲を始め、18年度の捕獲数は計243頭となった。18年度の捕獲場所は一関市が最も多い110頭で、奥州市の43頭、平泉町の39頭と続く。捕獲場所は内陸部が中心だが、陸前高田市でも9頭が捕獲された。捕獲数に比例するように、農業への被害も拡大している。10年度は一関市で稲が倒される被害があり被害額は約67万円だったが、18年度に被害を受けた地域は10自治体に広がり、被害額も約1530万円に上った。被害を受けた農作物も稲だけでなく、飼料作物やいも類、野菜類などに及んでいる。イノシシの雌は1回に4~5頭ほどを出産し、群れごとに捕獲しないと、数は減らないという。県の担当者は「野生動物はえさを求めてくるので、畑以外でも残飯などの生ごみを放置せず寄せつけないことが大事だ」と強調する。

(児童がクマの生態学ぶ:岩手)
市街地等「人の生活域」でクマの目撃情報が相次いでいる岩手・北上市の小学校で7日、子どもたちが生態を学ぶ出前授業が行われた。北上市のいわさき小学校で行われた出前授業は県が企画したもので、岩手大学農学部で野生動物管理学を研究している山内貴義准教授が講師を務めた。北上市では、ことし9月末までの半年間にクマの目撃情報が119件あり、このうち、いわさき小学校の学区内では15件目撃されている。授業で山内准教授は「山に1人で入らない」ことや「クマと遭遇しにくいよう草刈りをこまめにして、視界を確保する」ことなど被害に遭わないための方法をわかりやすく伝えた。児童は「(クマに出会わないように)熊鈴を持ったりホイッスルを吹いたりすることを教えてもらった」、「クマに会ったときに逃げられる方法を勉強した」と話していた。子どもたちは学んだクマの対処法を忘れず、万が一遭遇した場合には落ち着いて行動することの大切さを改めて感じていた。

(イノシシ被害防ぐ、電気柵の通電開始:新潟)
上越市西戸野のたにはま公園で7日から、イノシシによる芝生の掘り起こし対策として、夜間の電気柵の通電が始まった。これに伴い同日から12月上旬の冬季閉鎖開始までの午後7時から翌日午前6時まで、公園への立ち入りが規制される(日中は利用可)。

(冬眠前は気性荒く警戒必要:山梨)
山梨県内は冬の足音が近づいていますが注意が必要なのはクマです。県内は11月に入ってもクマの目撃情報が途絶えず、特に8月以降の目撃件数は去年の3倍に上っています。要因のひとつに考えられるのが相次ぐ台風の影響です。山中湖村と山梨市で相次いでクマの目撃情報が寄せられました。いずれも別荘や住宅が点在する場所で、県内は11月に入ってもクマの目撃情報が途絶えません。今年県内で確認されたクマの目撃は18の市町村で158件で2人が襲われけがをしました。8月以降にクマの目撃が急増していることが今年の特徴です。今年は8月が26件、9月は34件、10月は20件のあわせて80件で、これは去年の同じ時期の3倍以上で統計を取り始めてから過去2番目に多い水準です。30年以上クマを研究している専門家は8月以降に相次いだ台風や林業の衰退が影響しているといいます。紅葉シーズンでこれから山へ入る人の増加が見込まれますが、この時期のクマには特に警戒が必要です。一方、万が一クマに遭遇した際持っていると有効なグッズもあります。それがクマよけスプレーです。また、山に入る時に鈴やラジオなど音が出るものを持ち歩くことでクマよけの効果があるとされます。また、人里では畑にクマのエサとなるような果物などを放置しないことも重要です。クマは12月中旬頃に冬眠に入るとされ、それまで警戒が必要になります。

(クマ被害相次ぎ、知事「県民は注意を」:新潟)
新潟県内でクマによる人身被害が相次いでいることについて、花角英世知事は7日の定例会見で「今秋は特に市街地周辺で多く発生している。県民に注意をお願いしたい」と呼び掛けた。知事は庭先の柿や栗の早めの収穫や、家の周りに生ゴミや不要な農作物を放置しないことなどの対策を求めた。「出没情報があるところにはできるだけ近づかず、付近での単独行動も避けてほしい」と強調した。県のクマ対策として、市町村、警察、猟友会などとつくる「鳥獣被害対策チーム」でパトロールなどに取り組んでいるとし、「チームで情報収集し、注意喚起やパトロールを徹底していきたい」と語った。県環境企画課によると、本年度、クマによる人身被害は6日現在17人。記録が残る1994年度以降で過去最多となっている。

(豚コレラ経口ワクチン包囲網、立て直し急務)
豚コレラの拡大防止に向け、国が野生イノシシ対策の柱に掲げる経口ワクチンベルトの構築が進んでいる。日本農業新聞の調べでは、11月中旬までに約10万個の経口ワクチンが8県85市町村で散布される見通しだ。ただ、豚コレラは既にベルトの外側にも広がっており、「対策の根幹を揺るがす事態」との指摘もある。豚コレラの封じ込めに向けて、対策の立て直しが急務となっている。農水省が野生イノシシ対策として、経口ワクチンベルトの構築を打ち出したのは9月上旬。豚コレラ防疫対策本部で、豚コレラの終息に向けた対応方針として示した。それ以降、“包囲網”の構築に向け、各県が散布に乗り出している。本紙は7日までに、各県の担当者から取り組み状況を聞き取った。ベルト対策が打ち出される以前に散布された経口ワクチンであっても、ワクチンベルトとして機能しているものは含めた。その結果、中部地方を取り囲むように、8県85市町村で計9万7346個の経口ワクチンが散布されつつあることが分かった。進捗(しんちょく)状況を見ると、長野を除く7県で散布が完了。長野県は「現状、7割程度の散布を終了し、11月15日までに全て終える」(家畜防疫対策室)としており、全般的に経口ワクチンベルトの構築が進む。ただ、豚コレラは既にベルトの外側に広がりつつある。9月には、埼玉県の養豚場で飼養豚の感染を確認。野生イノシシも含め、関東で初めて豚コレラが確認された。10月には群馬、山梨両県で立て続けに感染イノシシを確認。静岡県でもベルトの外側で感染イノシシが見つかった。現状では、豚コレラの拡大に歯止めがかかっていない。事態を受け、同省はベルト対策を抜本的に見直すことを決めた。具体的にはベルトの位置を「野生イノシシの感染が確認された地点」に応じて見直す。感染イノシシが新たに見つかった群馬や埼玉、山梨県に加え、隣接する神奈川県も含め散布を検討。現行の東ベルトをさらに東側に設定し直すものとみられる。見直しでは、散布作業の効率化も検討する。現在、経口ワクチンは地元猟友会の関係者や県職員らが手作業で地中に埋めて設置している。ただ設置スピードに限界があり、人が立ち入れない山奥などでは散布すらできないという課題があった。そこで防衛省など関係省庁と連携し、自衛隊のヘリコプターや飛行機などを利用した経口ワクチンの空中散布を検討する。大量のワクチンを広範囲に散布することで、感染イノシシの拡大を一気に封じ込めたい考え。江藤拓農相は「野生イノシシで清浄化しない限り、飼養豚への感染リスクは今後も減らない」と危機感を示す。発生地域での封じ込めという前提が揺らぐ中、ベルト対策の立て直しが急務となっている。経口ワクチンベルトとは豚コレラの発生地域一帯を取り囲むように、野生イノシシ向け経口ワクチンを帯状に散布する対策。野生イノシシがベルトの外側の未発生地域に豚コレラウイルスを拡散するのを防ぐ。これまでは愛知、長野、静岡、富山、石川の5県を「東ベルト」、三重、福井、滋賀の3県を「西ベルト」に設定。東西から発生地域を挟み込み、豚コレラの封じ込めを図っている。北海道大学大学院獣医学研究院の迫田義博教授に、経口ワクチンベルト対策の今後のポイントについて聞いた。経口ワクチンベルトの構築が着々と進み、各県の取り組み状況は一定に評価できる。だが、豚コレラは既にベルトの外側に広がり、ベルト対策の根幹を揺るがす事態に陥っている。ベルトの外側にあった埼玉県や群馬県は、それまで感染イノシシが確認されていなかった。そのため養豚関係者といった「人の動き」で豚コレラが広がった可能性が考えられる。これは非常に大きな問題だ。そもそもベルト対策は一定のエリアに豚コレラを封じ込め、感染拡大を止めるのが狙いだ。人による拡散があちこちで発生すれば、ベルト対策は意味をなさなくなる。今後、経口ワクチンベルトの範囲を見直すにしても、今回の二の舞となってはならない。国は飼養豚へのワクチン接種に踏み切ったが、接種しても豚コレラに感染する豚は必ず出てくる。結局、野生イノシシで豚コレラを終息させなければ、生産者は常に豚コレラの侵入リスクを抱えながら養豚を営むことになる。野生イノシシの豚コレラ対策は長期戦。今後、ベルト対策がうまくいっても終息まで10年程度かかる可能性もある。ベルト対策と併せて衛生管理を徹底するなど、人による拡散を防ぐ対策が重要だ。

(豚コレラ防疫、連携強め重層的な対策を)
飼育豚に対する豚コレラのワクチン接種が始まっている。13年ぶりの接種であり、当面は120万頭が対象となる。感染拡大に一定の歯止めがかかると期待されている。政府は適切な接種計画策定と接種率向上にまずは努めてほしい。無論、これだけでは十分でない。ワクチン接種は予防策の一つにすぎず、併せて養豚場や食肉市場の衛生管理強化や、感染源の野生イノシシ対策を重層的に進める必要がある。その効果を高めるためにも、農林水産省や環境省など複数省庁の縦割りを排し、国と地方、養豚農家が一体となって対策を進める体制を確立しなければならない。ワクチン接種は岐阜県や愛知県などで始まった。岐阜で豚コレラが発覚してから1年後の接種である。養豚農家は早々に接種の必要性を訴えたが、接種で日本が国際獣疫事務局(OIE)が認定する「清浄国」でなくなることを懸念する農水省は慎重だった。ワクチン接種に限らず、従来の豚コレラ対策が概して一体感に欠けていたことは否めまい。野生イノシシ対策は典型だろう。すでに農水省は、ワクチン入りのえさを山に散布する対策を実施している。イノシシ対策には個体数や行動範囲の把握が不可欠である。ところが、野生イノシシを管轄する環境省の情報を農水省が適切に得ていたとはいえず、専門家は、対策が後手に回る要因の一つになったと指摘する。環境省が所管するイノシシの狩猟については、実態に応じて都道府県の判断で実施してきた。だが、イノシシからみて県境はない。県ごとに対応が違えば、感染防止も徹底できまい。政府は10月、ようやく「豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」を改正し、捕獲強化や経口ワクチンの散布などのイノシシ対策についても、国と地方が一丸となって進める体制を整えた。農水省は環境省が行ってきたイノシシの捕獲や検査に関われるようになる。対策の実効性をいかに高められるかが問われよう。養豚場の衛生管理も徹底しなければならない。ドイツなど欧州に比べて、日本の養豚場は衛生面の管理が遅れている。人や車の出入りに加えて、ネズミなどの小動物の侵入対策も必要だ。ここでも国と地方の連携が何よりも重要なことは当然である。

(シカと車の事故が急増:北海道)
北海道でエゾシカと車の衝突事故などが急増し、年間で過去最悪だった昨年を上回るペースとなっている。繁殖期に当たる10月からはシカの活動がさらに活発化し、札幌市の市街地でも出没が相次いでおり、市や道警などが事故を防ぐため対応に追われている。道警などによると、シカと車の事故は8月末時点で既に1403件。昨年同月末時点の1133件より2割以上多い。例年9~12月はシカの事故が増えるといい、道警は「警戒標識があったり、道路脇に林があったりする場所には特に注意してほしい」と呼び掛ける。シカの生態に詳しい北海道立総合研究機構の間野勉部長は「シカは冬は群れで行動するため、車で出会っても一頭だけだとは思わない方がいい」と警鐘を鳴らした。.

(クマ大量出没、人悩ます「新世代」:福井)
福井県内でクマの出没が相次ぐ中、勝山市では10月以降、目撃・痕跡情報が100件を優に超え、5人が負傷した。市街地での出没が目立ち、居座りも起きた。餌となる木の実が凶作、不作の中、同市で出没、被害が集中するのはなぜか。現場を見た関係者は山と市街地が近接する地理的条件、住宅街の柿に誘引される状況、人を怖がらない“新世代”のクマといった複数の要因を指摘する。「勝山市は市街地と山が接している。山際の集落とつながり、緩衝の田んぼや畑、林などが少ない」。山岸正裕市長は11月5日の記者会見で、クマが市街地に出没する要因に山との位置関係を挙げた。実際どうなのか。同市在住で元県自然保護センター所長の松村俊幸さんは、市街地周辺の山は一部せり出す「半島形」になっており「山を下りてきたクマがそのまま市街地に出やすい」と解説する。出没が相次ぐ長山公園周辺と沢町、芳野町の住宅密集地との位置関係がそれに当てはまり、けが人が出た旭町も山からの距離が比較的近い。県自然環境課の西垣正男主任も「(山際から)いきなり市街地になるため、地理的に出没しやすいのではないか」と指摘。隣の大野市も山に囲まれているが、広い盆地と山際から市街地までの距離が長い点が異なるという。さらに「クマは人を怖がるのに、それでもまちなかに来るのは魅力的な場所があるから」。目当ては住宅街などにある柿の実。「目撃情報や人身被害があった現場近くには必ず柿の木がある。クマは鼻がいいので熟した柿のにおいなどに誘引される」として早急な収穫、撤去を促す。10月下旬、芳野町1丁目の住宅街にある柿の木で見つかったクマ2頭が隣の杉の木に居座り続けた事例も当てはまる。クマは山奥や森の中では昼行性だが、人がいる集落や市街地では夜行性になる傾向があり、市などが「夕方以降から早朝にかけての外出をできるだけ控えてほしい」と求めるのはそのためだ。「クマ自体が人を怖がらなくなっている」と話すのは、県猟友会勝山支部の上弥吉支部長。昨夏ごろ、市内の宿泊施設そばにいたクマ2頭を建物上から見た際、親グマはあおむけになって子グマに乳を与えていた。「こちらに気づいているのに全く構わず。人は怖いと知らないまま育ったクマが山里や市街地に出てきている可能性もある」とみる。松村さんも「市街地を怖がらない、人慣れしたクマが増えている」と指摘。10メートル四方ほどの茂みがあればクマは身を隠すことができ、「近くに柿の木や栗の木があるやぶには近づかないでほしい。11月下旬までは警戒が必要」と話す。上さんは鈴をつけ、ラジオを鳴らしてもクマは近くに潜むだけの場合があり「決して安全ではないことを知ってほしい」と呼び掛けている。

(ヒグマ対策、発砲許可出ず現場困惑:北海道)
8月13日、札幌市南区藤野の住宅街。市の要請でヒグマに猟銃を向けていた道猟友会札幌支部のハンターは立ち会っていた警察官に「よろしいですか」と何度も発砲許可を求めた。だが警察官は「判断できません」と慎重な言葉を繰り返すばかり。ヒグマは結局、翌14日早朝、住宅街近くの山林にいる時に射殺された。札幌支部でヒグマ駆除に出るのは熟練の20人。ハンターは「安全に撃てる機会は何度もあった。上から撃ち、貫通しても弾が畑に入るような場所でしか指示は求めていない。市民が襲われてからでは遅い」と警察官の対応に疑問を呈した。鳥獣保護法などは安全面から住宅街での発砲を厳しく制限する。ただ、住宅街で人がクマに襲われる被害が全国で相次ぎ、警察庁は2012年、人の生命を守るためなら警察官職務執行法(警職法)に基づき、警察官がハンターに住宅街でのクマ駆除を命じることができるとの通達を出した。道警生活安全部保安課は「命じるのは危険が極めて切迫し、他に方法がない場合」とし、南区では「そういう状況にならなかったか、別の方法があった」と説明する。南区のようにクマが住宅街を歩いている状況では「切迫」しておらず、人に向かってくるなどしない限り命令は困難と判断しているとみられる。だが、ハンター側には住宅街にクマがいること自体、「切迫」しているとの認識が根強い。10月23日の道ヒグマ保護管理検討会でも、知床でクマを含む自然環境の保護管理に当たる知床財団(オホーツク管内斜里町)の山中正実事務局長が「警察庁通達があるのに使えないのは極めておかしい。道と道警がきちんと協議し、使える手段にしてほしい」と訴えた。12年の通達後、住宅街でツキノワグマ5頭を射殺した京都府は「府警と詳しく手順を確認しあっている」という。警察官とハンターの葛藤はこれだけではない。10月18日、空知管内上砂川町の茂みでうなり声が響いた。「クマだ。近いぞ」。現場を訪れた町職員らに緊張が走った。ただ、町の要請で駆け付けた道猟友会砂川支部の池上治男支部長(70)は手ぶら。4月に猟銃の所持許可を取り消されたためだ。「丸腰じゃ危ない」。みな現場を離れた。池上さんは昨年8月、砂川市に要請され、警察官立ち会いのもと農村部でクマを射殺した。だが砂川署は今年2月、「人家の方向に発砲した」として鳥獣保護法違反などで池上さんを書類送検。起訴猶予になったが、道公安委員会に銃の所持許可を取り消された。池上さんは「クマの背後に高さ9メートルの斜面があり、安全な駆除だった。違法なら警察官が発砲を制止すればよかった」と取り消しは不当だと訴える。道も「違反は確認できない」と池上さんの狩猟免許を更新し、公安委と対応は分かれた。池上さんが刑事事件に問われたことは関係者に波紋を広げ、道猟友会新函館支部は今春、「自分たちも所持許可を取り消されかねない」とクマ駆除を当面自粛するよう会員に通知した。「伝家の宝刀」なのになかなか抜けない―。警察官やハンターはいかに対応すべきか、関係機関がその場しのぎの対応を続ければ、猟銃使用を巡る現場の困惑は解消しそうにない。警職法4条で、人に危険を及ぼす恐れのある「狂犬や奔馬等」の出現で「特に急を要する場合」、警察官は危険防止の措置を「命じることができる」と定める。警察庁は2012年4月に出した通達で、「積極的に推進できるとまでは言えない」と前置きしつつ、住宅街にクマが現れた場合もこの4条を根拠に警察官がハンターに猟銃による駆除を命じることは「行い得る」との解釈を示した。

(ヒグマ対策、追い払い犬共存に効果:北海道)
7月中旬、オホーツク管内遠軽町丸瀬布の林道で、大型犬2匹を連れた男性の約50メートル先に300キロはある大型のヒグマが現れた。犬1匹が牙をむいて「ウー」とうなり、クマを脅すかのように飛びかかって尻にかみつくと、クマは一瞬ひるんだかに見えた。さらにもう1匹がうなり続けると、にらみ合うこと数分、クマは身の安全を優先するかのように立ち去っていった。クマに出くわしたのはクマとの共生を目指す「羆(ひぐま)塾」を同町で主宰する岩井基樹さん(56)とヒグマ対策犬「ベアドッグ」として飼われるジャーマンシェパードの2歳の雌「愛」、愛とオオカミ犬から生まれた11カ月の雄「飛龍(ひりゅう)」。岩井さんは実際にあった光景を振り返り、「子グマだとおびえて木に登り、ふんを漏らすこともある。この犬たちがいないとクマ対策はままならない」と力を込めた。ベアドッグの任務は、クマが人里に出没する間際の山中でうなり声を上げ、恐怖心を与えて「人に近寄るな」と教え込むこと。人懐っこい姿はクマに出合うと一変し、クマがやぶに隠れても臭いで見つけだす。岩井さんは山林に設置した40台の無人カメラでクマの動きを把握し、犬を送り出しては脅す作業を繰り返す。東京育ちで北大を卒業した岩井さんは、大自然に憧れて米アラスカで約20年間過ごした。2000年に丸瀬布に移住し、クマが箱わなで大量に駆除される場面に直面。アラスカでも駆除はあったが、もっとクマと共存していたはずだと疑問を持ち、05年に羆塾を設立し、独自にクマを人里から遠ざける追い払いを模索し始めた。活動は試行錯誤。「ゴム弾は茂みに隠れられたら使えず、クマも学習してしまった」。たどり着いたのがかつて暮らしたアラスカで実績を上げつつあったベアドッグだった。09年に育成し始めた当初は半信半疑だったが、何度もしつこくうなり続ける犬がクマに与える「教育効果」は小さくないと確信。今は子供たち対象の野外活動や山岳レースのトレイルランを行う地元団体に協力し、追い払いを行っている。長野県軽井沢町のNPO法人ピッキオは04年、ツキノワグマ対策のベアドッグを米国から導入。町の委託で2匹が年間延べ約160回出動し、住宅地に近づくクマを追い払っている。ピッキオの田中純平さん(45)は「住宅地へのクマ侵入は当初の年約40件から1桁に減った」と強調。今年は札幌開建の要請で札幌市南区の国営滝野すずらん丘陵公園に侵入したヒグマの動向確認にも活用された。ただ、犬の育成費は追い払いの派遣収入だけでは賄えず、「資金確保が課題」(田中さん)。犬を管理する担い手を育成する必要もあり、札幌市環境局のクマ担当部署も「ベアドッグ導入の予定はない」。犬の効果を認めるクマ専門家も少なくないが、NPOなど担い手が現れるかは微妙だ。札幌市は住宅街へのクマ出没が予想される地域には電気柵の導入を呼び掛けているが、費用負担のほか、誤作動を防ぐ下草刈りなど日常管理も伴うため、なかなか進まない。人とクマの共存をいかに実現するか―。生息数の増加で今後も住宅街への出没が増えかねない中、新たな知恵や対策も問われている。

(人里を守ったウシに「ありがとう」:富山)
南砺市福光地域で、クマなどが人里に下りてくるのを防ぐために放牧されていたウシ2頭が7日、今シーズンの役目を終え、農場に帰りました。7日に役目を終えたのは、雌の「さとこ」と「ももこ」です。南砺市の福光里山体育館にある農園に、ことし6月から放牧され、人里を守ってきました。クマやイノシシ対策にウシを放牧する、この「カウベルト」の取り組みは、野生動物が、自分より体の大きな動物に近づかないという習性を利用したものです。加えてウシが草を食べることで土地が荒れるのを防ぐ狙いもあり、この農園では12年前から毎年ウシを放牧しています。きょうは地元の園児が、5か月間の役目を終えた2頭に感謝の言葉を贈りました。「里山を守ってくれてありがとう」カウベルトを始めて以降、この地域ではクマやイノシシによる農作物への被害がなくなったということで、2頭は来年もこの地域を守る予定です。

(通電「のれん」が水路侵入防ぐ:山梨)
集落単位で電気柵を張る際、水路対策は欠かせない。集落全体を囲んでも、水路との交差点を完全に封鎖できていないと動物に付け入る隙を与えてしまう。山梨県総合農業技術センターでは、通電部分を「のれん型」にして水路の上からつり下げる新技術を考案。中型~大型動物の侵入防止に高い効果を発揮する。のれん部分にはステンレス製網戸、骨組みにはビニールハウスに使うパイプとパッカーを採用した。網戸を数枚重ね合わせ、柵とつなげる電線と一緒に固定。のれん下部には金属板に穴を開けたパンチングメタルを結束バンドでくくりつける。動物の剛毛は電気を通しづらいため、重みを持たせてくぐる時に皮膚に触れさせる仕組みだ。幅が広い水路やU字形の小型水路まで、水路に合わせて形状を調節できる。下端は水面から10センチほどの高さになるよう設置するが、万が一増水して水につかると漏電し、連結している柵の効果も弱まるため要注意。柵とのれんの間に漏電防止装置を挟めば全体の電圧低下を防げる。中山間集落の水路を使った実証実験では、シカやサル、ハクビシン、タヌキなど幅広い動物で、100日当たりの通過数を1頭以内に抑えられた。侵入防止効果は97%以上だ。自動撮影カメラには、感電した動物が学習し、のれんに触れるのを避ける様子も映っていたという。

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11/7
(クレー射撃の中山由起枝、5度目の五輪代表)
射撃のアジア選手権が6日、ドーハで行われ、東京五輪の代表権を争うクレー種目のトラップで、女子の中山由起枝(日立建機)が5度目の五輪代表を決めた。男子は大山重隆(大山商事)が代表になった。

(クマに襲われ70代女性が軽傷:島根)
5日午後4時40分ごろ、浜田市三隅町井野地区で、自宅近くの山でしいたけを採っていた70代の女性が、竹やぶから現れたクマに襲われました。女性は尻をかまれて病院に運ばれましたが、けがは軽く、命に別状はないということです。浜田市によりますと、クマは、女性を襲ったあと山の中へ逃げたということで、警察や市が現場周辺でパトロールを行っています。浜田市は、クマが活発に活動する早朝や夕方の時間帯は、外出の際にラジオや鈴といった音が出るものを身につけるなど、対策をとるよう呼びかけています。

(警察官2人、クマに襲われけが:鳥取)
6日午後、鳥取県八頭町で警察官2人がクマに襲われ、足や顔にけがをしました。2人とも意識はあるということで、クマは地元の猟友会にその場で駆除されました。6日午後1時半すぎ、八頭町用呂に住む男性から「裏庭の柿の木にクマがよじ登って柿を食べている」と、地元の猟友会から町を通じて警察に通報がありました。警察官や町の職員が周囲を捜索しましたがクマは見つからず、クマを脅かして山に逃がそうと、打ち上げ花火をあげたところ、突然、クマが飛び出し、警察官2人を襲ったということです。警察によりますと、襲われたのは26歳と50歳の警察官で、足や顔にけがをし病院に搬送されましたが、いずれも意識はあるということです。クマは、その場で地元の猟友会のメンバーが駆除したということです。八頭町によりますと、ことしは餌となるドングリが不足していることなどから各地でクマの出没が相次いでいるということで、クマを目撃したら近づかず速やかに通報するよう注意を呼びかけています。

(クマに襲われ70代男性けが:秋田)
6日午後3時ごろ、秋田県八峰町峰浜高野々の塙川堤防付近でキノコ採りをしていた同町峰浜田中の男性(72)がクマに襲われ、額などにけがを負った。命に別条はない。能代署などによると、男性が堤防近くの林でキノコを採っていたところ、突然出て来たクマに襲われた。男性は自力で帰宅。自ら119番して能代市内の病院に搬送された後、秋田市の病院に移されて治療を受けた。能代署員や地元猟友会が付近を見回ったが、クマは見つからなかった。7日も朝から周辺を警戒する。

(車のドアフレームに穴、弾痕か:栃木)
4日、日光市、嘱託職員女性(42)から、乗用車に銃弾のような跡があると警察に申告があった。今市署は銃刀法や鳥獣保護法違反事件などの疑いがあるとして捜査している。

(豚コレラ拡大防止へ、イノシシ捕獲強化:群馬)
群馬県は家畜伝染病「豚コレラ」の感染拡大を防止するために、野生イノシシの捕獲を強化する。狩猟者によるウイルス拡散を防ぐために全面禁猟を決める他県がある中、群馬県は予定通り15日の狩猟解禁に踏み切り、狩猟者に対する防疫措置も増強した上で、今猟期の狩猟制限を行わない。有害鳥獣捕獲で捕まえた場合の捕獲奨励金を8000円上乗せし、さらなる捕獲を促す。

(豚コレラ対策を強化:千葉)
千葉県内の自治体が豚コレラの予防対策を拡充している。県は埼玉や茨城との県境付近で感染源となる野生イノシシの集中捕獲事業に乗り出す。捕獲したイノシシは血液を検査し、ウイルスの有無を確認する。豚コレラが発生した事態を想定し、初の防疫演習も実施した。県内の豚飼養頭数は全国5位と生産規模が大きく、水際での予防体制充実で被害を防ぐ。県は香取市や旭市、成田市など埼玉、茨城両県に近く、養豚が盛んな6市町を重点エリアに指定し、ウイルスを持ち込むおそれのある野生イノシシを捕獲する。猟友会に委託し、最大50人体制での集中捕獲事業を週内にも始める。捕獲したイノシシの一部から血液を採取し、県の家畜保健衛生所でウイルス感染の有無を検査する。「感染が確認されれば速やかに広く周知する」(県自然保護課)重点エリアの6市町では以前から有害鳥獣対策としてイノシシの駆除を進めてきたが「これほど大規模に捕獲に乗り出すのは例がない」(同)。2020年3月までの集中捕獲事業を通じ、19年度は重点エリア内で前年度より300頭多い1530頭の捕獲を目指す。県は6市町を含む全市町村にイノシシの捕獲強化を要請しており「ワナ増設の準備を進めている自治体もある」(同)という。旭市はホームページ等で「においでイノシシを呼び込まないよう、ゴミは密閉して捨ててください」と呼びかけるなど住民にも協力を呼びかけている。現時点では豚コレラが発生しておらず、農林水産省が定める予防ワクチンの接種対象地域に千葉県は含まれていない。森田健作知事は3日、県内を訪問した江藤拓農相に予防接種の実現を要望したが、在庫不足などを理由に前向きな回答を得られなかった。県内での予防接種が当面見込めないなか、感染源になりうる野生イノシシの侵入自体を防ぐ必要性が一段と高まっている。養豚場で豚コレラが発生した場合、感染拡大を防ぐ初動対応が重要な課題となる。県は県職員やJA関係者ら140人を集めた「豚コレラ防疫演習」を10月29日に開催。参加者は本番さながらに防護服を着用し、実物大の豚の模型を使った殺処分や消毒作業の流れなどを模擬体験した。県は04年から鳥インフルエンザなどの防疫演習を実施しているが「豚コレラは初めて」(畜産課)。事前に具体的な作業内容を関係者に周知し、円滑な初動につなげる。農水省の集計によると県内の豚飼養頭数は60万3800頭(2月1日現在)と全国5位。県内には台風や大雨で甚大な被害を受けた養豚農家も多く、豚コレラが追い打ちを掛ければ畜産業への打撃は計り知れない。

(豚コレラワクチン補助、県が検討:山梨)
山梨県内でも野生イノシシの感染が確認された豚コレラについて県は養豚農場のワクチン接種費を補助する検討を始めた。県内では、先月末北杜市明野町で、豚コレラに感染した野生のイノシシが見つかり、農林水産省が豚コレラワクチンの接種推奨地域に山梨県を追加した。県も今月中旬からの接種開始をめざして、準備を進めている。こうした中、長崎知事は6日の定例会見で、養豚農場の接種費の補助を検討していることを明らかにした。県内では、およそ1万7千頭のブタが飼育されていて、接種費用は1頭につき1回240円。

(豚コレラ、高まる緊張感:神奈川)
豚コレラの感染拡大に、県内関係者の緊張が高まっている。山間部が接している静岡、山梨両県で10月に豚コレラに感染した野生イノシシが相次いで見つかり、「西と北が囲まれている状態」(県内養豚関係者)のためだ。生産農家などからはワクチン接種を求める声があがるが、県は農林水産省の接種推奨地域に入っておらず、対策には限界があるのが現状だ。

(福岡空港にイノシシ出没:福岡)
6日午前7時45分ごろ、福岡市博多区青木の福岡空港国際線ターミナルビル前の駐車場で「イノシシが徘徊している」と、空港関係者の男性から110番があった。福岡空港署によると、イノシシは体長約1メートルで性別は不明。通報の約15分後、駐車場南側にある航空自衛隊春日基地の敷地内で自衛隊員が見掛けた。さらに1時間後、直線距離で2キロほど離れた博多区月隈3丁目の交差点付近で、歩道を歩いているのを通行人の女性が目撃した。その後の目撃情報はないという。イノシシは助走なしで1メートルの高さを飛び越え、鼻先で70キログラムの物を持ち上げることができるとされる。警戒心が強くあまり人前に姿を見せないが、パニックになると“猪突猛進”することも。目撃された現場は国道3号線や福岡都市高速道路に近く、企業や住宅が立ち並ぶ。署は「遭遇したら近づかずに逃げてほしい」と呼び掛けている。

(車がクマはねる:新潟)
5日午後5時半前、新潟県村上市鵜渡路の国道7号で、走行中の車2台が立て続けにクマをはねる事故があった。運転手や同乗者にけがはなかった。村上署によると、山形方面に向かっていた乗用車がクマをはね、対向車線の軽乗用車がさらにクマをはねた。クマは体長約1メートルで、その場で死んでいるのが確認された。現場は民家から約100メートル。

(2カ所にクマの痕跡:新潟)
11月5日、新潟県三条市の三条地区2カ所のカキの木の近くでクマの痕跡が見つかった。1カ所は午前8時半ごろに下保内地内、もう1カ所は午前10時ごろに麻布地内で見つかった。いずれも民家付近でクマの食害やつめあとが確認された。クマの出没情報のほとんどは山手の下田地区での出没だが、今回は2件とも三条地区で、人への被害が出る可能性が高まっており、くれぐれも注意が必要だ。

(別荘地でクマ目撃、県内150件超:山梨)
11月5日、山梨県山中湖村の別荘地でクマ1頭が目撃され、警察や猟友会が周辺をパトロールしました。県内では今年度、クマの目撃情報は150件を越え、過去7年間で最多となっています。この日、午前7時過ぎ、山中湖村平野の路上で犬の散歩をしていた住民がクマ1頭を目撃しました。住民によりますと、クマは体長およそ1メートルで、道路わきの茂みを北側の山中湖畔に向かって歩いて行ったということです。現場は山中湖の南東側に位置する別荘地で、目撃情報を受け、警察や猟友会が周辺をパトロールしました。クマは11月1日にも山中湖村で民家の敷地内で3頭が目撃されています。県によりますと今年度の県内でのクマの目撃情報は158件と、過去7年間で最多となっていて県ではエサとなる農作物を放置しないよう注意を呼びかけています。

(クマ目撃相次ぐ、人里に餌場作らない工夫必要:兵庫)
但馬地域や丹波地域などでこの秋、クマの目撃情報が相次いでいる。主食であるドングリの実りが良くないためとみられ、柿などを求めて人里に現れるケースが多いようだ。兵庫県森林動物研究センター(兵庫県丹波市)によると、クマが好む、ブナ、コナラ、ミズナラの実は、県内で総合的に「凶作」といい、クマへの注意を促している。同センターでは毎年、ブナ、コナラ、ミズナラの結実具合を調べている。今年は8月28日から9月10日に、県内や県境の254地点で調査があった。判定は「大豊作」から「大凶作」の6段階。調査結果によると、ブナが「大凶作」、コナラが下から3番目の「並作下」、ミズナラが「凶作」と、3種とも「不作」と評された昨年と同等か、もしくは評価が悪化している。ドングリは隔年で「豊作」と「凶作」を繰り返すといわれるが、まれに「凶作」が続く年もある。今年は特に但馬地域が不振で、養父市と鳥取県の県境にある氷ノ山周辺では、ブナの結実が極端に少なかったという。同センターによると、今年4~9月末時点、県内のツキノワグマの目撃や痕跡発見の累計件数は438件で、前年同期比20件増。餌が不足する年は、阪神地域や姫路市などでもクマが出没しやすいという。クマは本来、臆病な性格で、人間を避けて生活する動物とされる。人間と鉢合わせた際に驚いて攻撃することはあるが、同センターの担当者は「『人食いクマ』は存在しません」と断言する。ただ、クマはいったん餌場を見つけるとその場所に執着し、繰り返し出没するようになる。柿などの果実は早めに収穫し、ドッグフードや飼料は、施錠できる屋内に保管するなど、人里に餌場を作らない工夫が必要という。担当者は「餌がなければ、クマは絶対に出てこない。特に、道端や人家に近い果樹はしっかり管理し、近隣住民や子どもたちへの被害を防ぐ努力を」と呼び掛けている。

(「イノシシに注意」呼びかけ:香川)
3日、小豆島町の観光名所、「小豆島オリーブ公園」やその周辺で観光客3人がイノシシに襲われてけがをしたことを受けて、町は4日、防災行政無線などで注意を呼びかけました。「小豆島オリーブ公園」やおよそ300メートル離れたオリーブ園には3日、体長80センチほどのイノシシが現れ、高松市や中国などから訪れた観光客3人が体当たりされたり、手足をかまれたりして病院に運ばれました。これを受けて小豆島町の職員は4日の朝から、地元の猟友会のメンバーとともにオリーブ公園周辺でイノシシを捜索したり、公園と山林の境に設けられた防護柵が壊れていないかを点検したりしていました。また、町は4日、防災行政無線でも注意を呼びかけ、町内すべての小学生の保護者に5日以降、児童が登校する際はイノシシに気をつけるよう電子メールで呼びかけたということです。小豆島オリーブ公園には年間およそ30万人が訪れるということで、4日は公園の職員も注意を呼びかける看板を設置したり、スピーカーでイノシシが嫌がる音を流したりしていました。公園を管理する団体の城博史専務理事は「柵を設置するなど対策はしていましたが、こういう結果になり残念です。今後も防護柵を定期的に点検し、不備があればただちに直したいと思います」と話していました。

(マラソン、クマ出没で中止:新潟)
新潟県魚沼市は6日、市内でクマが相次ぎ出没していることを受け、10日に予定していた「第8回魚沼コシヒカリ紅葉マラソン」(同実行委員会主催)の中止を発表した。大会は、同市七日市新田の薬師スキー場前を発着点に、ハーフ(約21キロ)、10キロ、2キロの3コースを設定。年齢や性別などで分けた21部門に、県内外から1500人超がエントリーしていた。大会事務局の市教育委員会生涯学習課は「クマ出没の終息が見えない中、参加者やスタッフの安全を最優先に考え、やむなく中止を判断した」と話した。

(クマ駆除数310頭、18年度の3倍:新潟)
本年度、野生のツキノワグマによる人身被害があった新潟県内8市町で駆除したクマは計310頭に上り、計91頭だった2018年度1年間の駆除頭数の3倍以上になっていることが5日、新潟日報社の調べで分かった。クマによる人身被害が多発する中、駆除頭数も急増。中山間地などではクマが冬眠期に入るまで緊迫した状況が続く可能性があり、関係者は注意を呼び掛けている。調査の対象は、本年度、クマに住民が襲われた長岡市、村上市、糸魚川市、妙高市、阿賀野市、魚沼市、南魚沼市、阿賀町の8市町。有害鳥獣として駆除した頭数について10月末か11月5日現在の状況を尋ねた。最多は糸魚川市の101頭(10月末現在)。統計が残る06年度以降では、これまで最も多かった10年度の55頭を大幅に上回った。南魚沼市も67頭(同)で、前年度同期の10頭に比べ7倍近くに急増した。これらの自治体では、子どもの安全確保に努めている。南魚沼市の一部学校では、冬季のみのスクールバスを、前倒しで運行を始めた。また、糸魚川市では小中学校の登下校時に広報車を走らせて注意喚起するなどしている。10月に2日間で計6人が襲われた魚沼市では10月末現在、10頭駆除した。前年度同期比で4頭増となっている。「駆除力」を高めようと、わなを従来の9基から15基に増やす方針だ。本年度は、住民が多く暮らす住宅街に出没するケースも多い。阿賀野市での駆除数は9頭(5日現在)。同市市民生活課は「人家の柿の木に生々しい爪痕があったり、食べたばかりの柿の実の残りが見つかったりしている。例年以上に人里付近でクマがうろうろしている」と危機感を募らせる。また、駆除に苦慮している自治体も少なくない。阿賀町の佐藤信彦有害鳥獣係長は「住宅街では銃器を使うのは難しい。わなも、えさが他のクマも引き寄せてしまう可能性があり、単純に増やせばいいというものでもない」と語る。本年度、クマに襲われてけがを負った人数は5日現在で17人。県に記録が残る1994年度以降で過去最多となっている。県環境企画課は「例年は冬になれば冬眠でクマの出没も減るが、今シーズンは暖かい気候が続き、冬眠に入るのが遅くなる可能性もある。引き続き警戒してほしい」としている。

(イノシシ狩猟期間を延長:石川)
石川県は、イノシシの生息数が増え、農作物などへの被害の拡大が懸念されることから、狩猟期間を延長し、捕獲や駆除などの対応を強化することになりました。県自然環境課によりますと、平成29年度末の県内のイノシシの生息数は2万9000頭程度と推定されていて、前の年度と比べておよそ1万頭増えました。これにともない、昨年度に狩猟で捕獲されたり、有害鳥獣として駆除されたりしたイノシシの数も1万5501頭と過去最高にのぼっています。このため県では、イノシシが市街地に現れたり、農作物を食い荒らしたりするなど、被害の拡大が懸念されることから、狩猟期間を延長し、捕獲や駆除などの対応を強化することを決めました。例年の狩猟期間を2か月延長して、11月1日から来年3月31日までの5か月間とする方針です。また、県内では、野生のイノシシの豚コレラへの感染確認が相次いでいることから、県では感染が確認された地域で捕獲されたイノシシについては、現場周辺で地中に埋めるなど速やかに処分するよう指導することにしています。

(獣害の拡大を懸念、台風・大雨で森林荒廃:千葉)
農作物に対するイノシシやシカなどの獣害に悩む君津市は、今秋の台風・大雨で多くの森林が被災したことで、餌を求める動物の行動域が広がり、被害が拡大しないか懸念を強めている。市農政課は「倒木でまだ立ち入れない場所もあるが、地元猟友会と連携し、捕獲を進めたい」としている。君津市山奥の利根地区。点在する民家の屋根は、台風で吹き飛ばされ、雨よけ用のブルーシートが張られたままだ。イノシシから田畑を守ろうと設置された金網柵には、竹木が覆いかぶさり、一部の支柱は根元から倒壊し、動物が進入できる状態になっている。地元農家の斎藤健吉さん(66)によると、金網柵は二〇一七年度に設置したもので、利根地区で管理。高さ一・二メートルで総延長三キロに及び、九月の台風15号以降、十カ所(計約百メートル)で損壊が確認された。「今まではイノシシを防げたが、こんな柵では役に立たない。土を掘り返す習性があるので、このまま放置できない」と斎藤さん。狩猟解禁となる今月十五日を前に柵を撤去し、新たな柵を設ける方針だ。君津市の鳥獣被害は県内最悪水準で、昨年度の農作物被害額は四千五百万円に達し、シカやイノシシ、キョンなどの捕獲頭数は五千七百頭を数えた。本年度は台風で一時、捕獲に支障が出たものの、十一月一日現在、市が把握しているイノシシの捕獲頭数は九百頭余り。市は本年度のイノシシ捕獲頭数を昨年度並みの三千頭と予想する。君津市は有害鳥獣駆除を看板政策としており、猟友会の協力を得ながら、捕獲動物をジビエ料理として販売している。今年四月には、民間企業のノウハウを生かし、狩猟の知識・技術・ビジネスを学べる狩猟ビジネス学校を開校した。同じく獣害に悩む館山市では、市の記録としては最大級となる百五十キロの雄のイノシシが捕獲された。捕獲した地元猟友会の平嶋好和さん(74)は「台風で山が荒れたため、自然の餌が少ないのかも。住宅地に出没する可能性もあるので、交通事故も含め注意を」と危機感を強めている。市によると、イノシシは十月十九日、有害鳥獣捕獲用のくくりわなに掛かった。現場は山林だが、自動車学校や住宅地まで五百メートルほど。昨年十二月にも市内で百五十キロ級の大型イノシシが捕獲されているが、山の実が多い十月に人家近くで捕獲されたのは初めてという。

(AI搭載ドローンでクマ探せ:北海道)
道は5日、札幌市南区で、人工知能(AI)などを搭載した小型無人機ドローンを使って市街地近くに潜むヒグマを発見するための実証実験を始めた。ソフト制作のサンクレエ(札幌)と連携し、同区の市藤野野外スポーツ交流施設(フッズ)で行った。クマやシカの画像を学習して個体識別ができるAIと温度を感知する赤外線センサー、高倍率カメラをドローンに載せて約20分間、上空から敷地内を探索。この日はクマは見つからなかったが、体形などから林の中にいたシカを識別した。3年後の実用化を目指し、クマを判別して音や光を発して追い払う技術を検証する。道がクマ対策にドローンを使用するのは初めて。道生物多様性保全課は「市街地周辺にいるクマを早く見つけて森に追い払う技術を確立し、道内市町村にもノウハウを提供したい」と話している。

(小学校でクマへの対応学ぶ講習:秋田)
秋田県仙北市の市立生保内(おぼない)小学校で5日、クマに遭遇した際の対応を学ぶ講習が開かれた。地元の田沢湖猟友会の中島秀美さん(69)が講師を務め、登下校時の注意を児童に呼びかけた。同小の全校児童約180人を前に、中島さんは「クマに遭遇したら、『クマだー』と叫べば、だいたい逃げる」と話した。有志の児童たちが、クマの剥製(はくせい)の2メートルほど前に立ち、実際に叫ぶ練習をした。中島さんによると、「このくらい近くで遭遇すると、(何もしなければ)クマは逃げずに襲ってくる」のだという。「これ以上ないくらい、腹の底から声を出す」ことが重要だといい、「恥ずかしいと思わねで」と繰り返した。

(第2回獣がいフォーラム:兵庫)
このフォーラムでは地域を元気にする新しい「獣がい」対策の可能性を検討します!地域に与える負の影響から「獣害」と表記されることが一般的ですが、本来、野生動物は豊かな里地里山の構成員であり地域の魅力の一つです。また、人口減少・高齢化社会が迫る現在、確実な手法で「害」を軽減するとともに、地域を活性化していく新たな対策が必要です。このフォーラムでは、参加者と共に、魅力ある地域を守るために、被害を受ける当事者だけでなく地域内外の多様な関係者が協力できる仕組みをつくり、野生動物を地域にとってプラスの存在に変えていく対策(獣がい対策)を考えます。

(人と熊の歴史、縄文期から紹介:青森)
八戸市博物館は11月17日まで、秋季特別展「クマと生きる-資料でたどる人と熊-」を開催している。現代でこそ人里への脅威から駆除されることもあるクマだが、八戸地域でのクマと人との関わりは縄文時代にさかのぼる。同展では縄文時代から現代までの資料を展示。同市畑内遺跡から見つかった牙を使用した装飾品やクマの姿を模したと思われる石製品、藩政期に猟師やマタギが捕獲したクマの胆(い)(胆のう)や毛皮が上納された記録などを紹介している。

(クマと遭遇、その時どうする?)
本州最強の「猛獣」ツキノワグマ。近年、京都・滋賀で目撃が相次ぎ、人間社会との距離が近づいている。6月には滋賀県高島市で人が襲われ負傷し、10月には京都市左京区の市街地に出没した。もし、出合ってしまったらどうすればいいのか。6月23日の午前5時前。高島市今津町梅原の男性(70)は、ガサゴソという物音で目が覚めた。自宅2階の窓から裏の畑を見ると、柴犬ほどの大きさの子グマが2頭、畑にまいた野菜くずを食べていた。追い払おうと、畑に向かった。親グマは見当たらない。近づくと、1頭は近くの樹木に登り、もう1頭は山へ逃げた。そのとき、4メートルほど先にある高さ約1・5メートルの塀の上に親グマの顔が現れた。そう気づいた瞬間、左肩を引っかかれて倒れ、とっさに出した左腕に痛みが走った。「やられた」。かみつかれていた。男性は「むちゃくちゃ俊敏で、クマがどうやって塀を越えてきたのか、見る余裕がなかった」と振り返る。かみついた後、親クマは山に姿を消した。男性は約30針を縫い、1カ月間は中指が動かなかった。今も傷跡が残る。男性は「行ったら逃げるだろう」と思い、何も持たずに畑へ向かった。今は山に入るときは意識して足音をたて、自宅周辺の木は見通しを良くするために切った。「こんな怖いもんと思わんかった。クマは別格だ」。クマに遭遇しないための注意点と、出合った場合の対処法を、東京農工大の小池伸介准教授(40)=生態学=と京都市動物園(左京区)への取材からまとめた。小池准教授によると、クマは基本的に臆病な動物で、人に危害を加えるためでなく、パニックになって防護のために襲うという。山林など生息域に入る場合、有効なのは鈴やラジオなど音のする物を携帯すること。「人より耳が良い」ため、先に気づいて逃げていく。また、目撃情報を事前に仕入れ、樹皮剥ぎの跡やふんに注意する。それでも遭遇した場合、気づかれなければ、静かにクマが立ち去るのを待つ。気づかれても、大声を出したり逃げたりすると、逆に攻撃を誘発してしまう。実は「必ずうまくいく」という正解はない、という。よく言われる「死んだふり」は、「クマは動物の死骸を食べるため、逆に食べられる危険もある」(市動物園)。鼻を殴って撃退できたケースもまれにあるが、人間は一対一の格闘ではまず勝てない。立ち向かうのは厳禁だ。小池准教授は「クマによる死亡事故で、最も多いのは失血死とみられる。『死なないこと』を目標にするなら、うつぶせになり、けい動脈を切られないよう、両手で首の後ろを押さえてクマが離れるのを待つしかない」とする。ツキノワグマは、奥山に暮らす動物だったが、近年、社会環境の変化や生息数増加のため、人との接触が相次ぐようになった。今秋は主食のドングリの実りが悪いといい、例年以上に注意が必要だという。京都・滋賀では行われていない狩猟の解禁を検討する動きもある。京都府や滋賀県によると、ツキノワグマの推定生息数は、京都が約1400頭(2018年度)、滋賀が182~467頭(17年度)。狩猟圧がないため、増え続けているとみられる。目撃も相次いでいる。最多はドングリが大不作だった10年で、京都が1976件、滋賀が322件だった。過去10年における遭遇による人身事故は、京都・滋賀で23件発生した。死者はなかった。クマが人の生活圏に出没するようになった原因には、個体数の増加に加え、生活の変化で「里山」が放置されたことや、農村の過疎化が原因と指摘されている。府や県、森林総合研究所(茨城県つくば市)などによると、薪炭材入手のため人が出入りしていた里山が緩衝地帯の役目を果たし、クマは人里まで降りてこなかった。しかし、里山に手が入らなくなると、山に食べ物がないときは、人里近くで探すようになった。近年は過疎化などから農村で人の姿が見られなくなり、人を恐れない「新しい世代のクマ」が人里にいつくようになったという。滋賀では今年、ブナとミズナラが「凶作」でコナラが「不作」、京都では全体的に「凶作」だった。冬眠前に餌が森にない状態になるため、クマが行動範囲を広げ、11月末ごろまで出没すると予想される。県や府は、クマを近づけないため、カキの果実の除去や生ごみの管理、見通しの悪いやぶの除去などを呼びかけている。狩猟対象でないのも一因だ。県は、レッドデータブックで「希少種」に指定しており、10年以上、猟の「自粛」を続ける。府では「絶滅寸前種」指定で、狩猟は禁止だ。だが、個体数増加を受け、府は解禁も視野に指定の見直しを始めた。ただ、狩猟解禁には厳密な検証が必要という指摘がある。府県で生息数の計算方法が異なり、個体の数がはっきりしないほか、動態も正確に分かっていない。東京農工大の小池伸介准教授は「自然の仕組みは我々の想像をはるかに超える。クマを減らすとすぐに森の姿が変わるわけではないが、どんな影響が出るか分からない」とする。たとえば、クマは果実の種を食べて排せつし、種子散布者の役割を担う。行動範囲が広いため、散布はタヌキやサルより広範囲に及び、生態系の中で群を抜く。小池准教授は「その場しのぎでなく、科学的な根拠に基づき、対応しないといけない」と指摘する。

(クマの苦手を探せ、忌避製品開発めざす:秋田)
ツキノワグマが苦手な臭いやモノは一体何なのか――。人里での熊の目撃や獣害が相次ぐ中、木材加工業の第三セクター「ウッディさんない」(秋田県横手市)と秋田大大学院理工学研究科(秋田市)が、大森山動物園(同)の協力を得て熊の苦手な臭いやモノと木材を組み合わせた製品開発に取り組んでいる。将来は特許取得も視野に入れており、関係者らは「人と熊の共存に役立てたい」と意気込んでいる。大森山動物園の熊展示場に直径20センチ、高さ15センチの杉の丸太が2本置かれた。1本は未加工、もう一方には熊が好む匂いとされる防腐剤が注入され、側面の3カ所の穴にワサビパウダーの固形物5グラム分が詰め込まれている。普段、動物園で飼育されている雄の「コゴミ」(6歳)は興味津々の様子で防腐剤の注入された丸太に近づくと、ワサビパウダーをペロリとなめた。その様子をビデオカメラで撮っていた、秋田大の野田龍講師(42)=生物資源科学専攻=は「ワサビは苦手ではなさそうだ」。研究の名称は「ツキノワグマによる標柱・案内板等の被害を防ぐ塗装・加工技術の開発と新製品の開発」。今年4月からウッディと秋田大が、大森山動物園の協力を得て取り組む研究だ。公益財団法人「あきた企業活性化センター」から約279万円の補助金を受けている。ウッディと秋田大は2018年度、防腐処理された登山道の標柱や看板がかじられる被害を防ぐための塗装技術の開発に着手した。19年度は新たにツキノワグマを飼育する大森山動物園の協力を得ることとし、実証実験に踏み切った形。20年3月をめどに熊がどんな臭いやモノが苦手なのか報告書でまとめたい考え。ゆくゆくはその成分を活用した木材加工技術の特許を取得し、製品化につなげる青写真を描いている。熊の撃退グッズを巡っては、米国のカウンターアソールト社が1991年に世界で初めて商品化した熊忌避スプレーが有名だ。唐辛子の成分が入っているとされ、北米に生息するハイイログマだけでなくツキノワグマにも有効とされ、支持を集めてきた。野田講師は「住宅の外壁や登山道の標柱などの分野で熊の苦手な臭いやモノを含めた木材製品を開発できれば、里と熊の生息域に境界線がつくれるはず」と話す。秋田県内では山間部の過疎化などで熊が人里に出やすくなっており、人と熊の生息域が重なりつつある。県自然保護課によると県内では過去10年の目撃数が平均571件、人身被害は平均11人だった。今年は熊の餌となるブナの実が山間部で凶作となっており、1日時点で目撃件数は629件、かまれるなど直接的な被害は12人となっている。

(害獣捕獲を遠隔通知:岩手)
テレビアンテナなどの製造・販売を手掛けるマスプロ電工(愛知県日進市、端山佳誠社長)は無線ネットワークを使った有害獣用わなの遠隔通知システムを開発し、滝沢市と雫石町で実証実験を行っている。イノシシやニホンジカなどがわなに掛かると、離れた場所の設置者らに即時通知が届く。農作物被害が増える一方、ハンターは人手不足の状況で、わなの効率的な運用と被害防止を助ける。通知システム「ワナの番人」は電池式の通信端末(縦17・5センチ、横13センチ、高さ4・5センチ)と、はめ込み式センサーを使用。わなが作動してセンサーが反応すると、携帯電話などにメールが届く。箱わなのほか、くくりわなにも対応する。本体は5万円程度で、年間維持費は1台当たり約5千円。電源工事や特別なアプリケーションなどは要らず、単3電池2本で約2年運用でき、維持管理がしやすい。通信にはLPWA(ロー・パワー・ワイド・エリア)の一つで、消費電力が少なく広域向けのSigfox(シグフォックス)を採用している。実証実験は今秋着手し、滝沢市と雫石町にそれぞれ2台を無償貸与。滝沢は相の沢牧野、雫石は西根地区の農地などに設置した。

(豚コレラ対策商品の問い合わせ増加:群馬)
群馬県内で野生イノシシの豚とんコレラ感染が確認されたのを受け、対策商品を扱う企業への問い合わせが増えている。各社はウイルスの拡散防止効果が期待される液体を発売したり、イノシシの侵入防護柵の品ぞろえを充実させたりと対応。関係者は感染を食い止めようと神経をとがらせている。総合警備業のシムックス(太田市)は電解水「シムックスA・I・W(アルカリ・イオン・ウォーター)」を商品化し、水で薄めて使う1リットル入りのパックを販売している。登山や山菜採りなどで山に入る際に使うことでウイルスの拡散が防げるという。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県つくば市)などは強アルカリ性水溶液が除菌に有効なことを発表。シムックスはこれをきっかけに、ビル清掃用に自社で製造している電解水の販売を決めた。県内の猟友会や畜産農家、林業関係者、自治体に売り込んでいる。養豚場へのイノシシ侵入を防ぐ柵も売れている。農業用資材を販売する井上ビニール(前橋市)の営業担当者によると、ウイルスに感染したイノシシが捕獲された藤岡市を中心に問い合わせが多いという。「電気柵や金網が品薄になりつつある。設置工事に時間がかかる場合もあるので早めに注文を」と呼び掛ける。

(ジビエの魅力、ラーメンで:岐阜)
高山市にイノシシのラーメンを看板メニューにする店がある。ジビエの魅力を伝えたいと、元すし職人が約1年かけてスープの取り方から試行錯誤し、完成させた。高山市国府町の県道沿いに、ジビエラーメン「山くじら」はある。今年4月にオープン。看板メニューの猪(いのしし)ラーメン(850円)は、イノシシの骨からとったスープに、焼いたイノシシ肉、地域で食べられているヒメタケでつくったメンマ丸々1本が乗る。イノシシのスープと聞くと、ジビエならではの野性味あふれる味をイメージするが、さっぱりしたしょうゆスープで、縮れた麺がよく絡む。「わずかに香るうまみ、風味がイノシシの味」と店長の真田康平さん(29)は話す。店はジビエの捕獲から解体、加工販売までを手がける「飛騨狩人工房」が出した。「高価」「臭い」など、ジビエの悪いイメージを覆そうと、子どもでも食べられるラーメンに挑戦した。大阪・難波の有名すし店で修業し、Uターンした真田さんを店長に抜擢(ばってき)し、スープづくりから始めた。イノシシはうまみが強い一方、独特のくせもある。雄と雌でも味が異なり、個体ごとの差も大きい。和食の道で腕を磨いた真田さんは「吸い物よりも繊細で難しい」と話す。イノシシの骨から2日半かけてとったスープに、煮干し、鶏ガラ、昆布でとっただしを合わせる。試行錯誤しながら約1年かけ、今のすっきりしたスープにたどり着いた。イノシシラーメンと知らずに来店した客にも「ジビエと言われなかったら気づかない」と人気だ。くせが少ない理由について、真田さんは捕獲から解体までを一貫して行っていることを挙げる。「血抜きなどの処理を適切にできる猟のプロ集団だから」と自負する。高山市では6月に家畜伝染病「豚コレラ」に感染した野生イノシシがみつかり、市内各地で感染が広がっている。「悪いイメージからか、少し客足が遠のいた時期もあった」と真田さん。店で使うイノシシは、感染が広がる前の冬の猟期に捕獲したものだという。「地元にこんなにおいしい食材があることを知ってほしい。農作物を荒らす厄介者かもしれないが、命を奪う以上、おいしく食べてあげたい」と真田さん。ラーメンのほか、イノシシ、シカ、クマの肉を使ったカレーもある。

(罠シェアリングのスタートアップ企業「カリラボ」:埼玉)
秩父郡横瀬町発の狩猟ビジネス スタートアップ企業、株式会社カリラボ(本社:秩父郡横瀬町、創業:吉田 隼介、以下カリラボ)は、Makuake(クラウドファンディングサービス)にて罠シェアリングサービスプロジェクトを10月23日に開始し、開始後1日間で目標金額300,000円を突破いたしました。11月6日現在162%の達成率で進捗しています。Makuake特別価格として、約10%割引き価格を設定し、SNS上から状況確認・作戦会議・情報発信/交換できるワナウォッチングのWeb会員サービス(シーズン会費6,000円)や、ワナウォッチングに加え体験イベントも含む正会員サービス(シーズン会費60,000円)を販売。そのほかMakuake限定メニューとなる、「特製ジビエセット」10,000円や、町おこし応援パックとして1,100円の「横瀬の和紅茶」等も用意しました。主に関東圏の方々より申し仕込みが相次ぎ、開始22時間で目標金額を突破いたしました。2021年1月23日までプロジェクトは継続いたします。ワナウォッチングサービスはネットワーク機能付きのトレイルカメラやセンサーによる罠の作動監視を利用し、昼夜間問わずリアルタイムにメール連携が可能です。また一部カメラは、動画で撮影を行い、罠付近での動物の反応を正確に把握できるようにします。山間の各所に設置されたトレイルカメラの映像を参考に、どの場所でどのような罠タイプのものを設置するか戦略を立て、データに基づいた狩猟活動を行います。Web会員、正会員に対して、SNSに加え、写真や動画を共有できるクラウドサービスを利用し、確認ができる仕組みです。現在は12台のトレイルカメラを設置しており、11月15日の猟期開始に向け場所による獣の出現頻度/時間帯/気象条件等のデータを収集・分析を開始しています。ワナシェア(罠シェアリング事業)とは少額の出資を募り、罠を共同購入し、獣害に悩む地域部に罠を設置します。罠の動作状況・見回状況等は、トレイルカメラ・センサーなどIoTを駆使した仕組みを提供し、SNSを活用しオンライン上で共有します。また、オンラインのみならず、実際の設置や回収等の体験イベントや、ジビエイベントも実施します。地域住民や農家の方々にとっては、少ない負担で罠を設置し、畑等の被害につながる鳥獣害を防止できるメリットがあります。罠猟や狩猟そのものに興味がある方々や、ジビエに興味がある方、地域課題解決などの社会貢献に関心のある方、フィールドワークを希望する学生の方などが対象のサービスです。

(クマ研究者、駆除と保護のはざまで)
東京農業大学教授の山崎晃司さん(58)は1980年代から、ツキノワグマの生態を研究してきた。近年は人里や市街地に出没し、住民を襲う被害も少なくない。ヒトとクマが共存するにはどうしたらいいのか。国内の研究者らと連携して、駆除一辺倒でなく過激な野生動物愛護でもない道を探っている。ツキノワグマはアジアに広く分布する中型の森林性のクマです。開発に伴う生息環境の悪化と、漢方薬となる胆のうなどを目当てとした密猟によって、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは個体数がこの30年に30~50%も減り「絶滅危惧種」に指定されています。初めて野生のツキノワグマを見た時の感激は今も忘れません。80年代前半、東京農工大学の学生だった私はシカの調査のため足しげく栃木県の足尾山地に通っていました。山火事や足尾鉱山の希硫酸を含む排煙によってはげ山や草地など開放的な景観となった足尾は、野生動物の観察にはうってつけでした。ある日、数百メートル先の斜面に黒いものが動いていた。見慣れたシカとは全く違う質感。日が当たると圧倒的な筋肉のうねりが紫を帯び艶やかに輝く。望遠鏡の視野一杯に躍動する優美な姿に見とれた。シカの研究は神奈川県の丹沢山地にフィールドを移して続けましたが、ある時、日本の先駆的なツキノワグマ研究者から『丹沢で調査をするので手伝ってほしい』と声をかけられました。山中にドラム缶を二連につないだ罠(わな)を仕掛け、生け捕りしたクマに電波発信器を着けて追跡するのです。初めて捕獲したクマは狭い罠の中で暴れていました。ドラム缶の接合部のさびた鉄板を折り曲げ顔を出そうとします。慌てて、念のため持参した鉄板で隙間をふさぎます。体重をかけて押さえている鉄板がぐいぐいと持ち上がり、クマの強い意志と圧倒的な力が伝わってきます。獣医が打った麻酔が効くまでの時間が長く感じられました。やっと動かなくなったクマを罠から引き出し、体の計測や採血、電波発信器の装着などを数人がかりで進めます。その後麻酔から覚めて森に帰ったクマを追跡して行動を調べるのです。全地球測位システム(GPS)で位置を確認する現在と違い、当時のビーコン式発信器は3つ以上の地点から方位角を測り、交点を求める作業が必要でした。尾根を走り谷を渡る超人的な体力の勝負だったのです。クマはオスの成獣で約100平方キロメートル、メスで約50平方キロメートルも行動するので、アンテナを付けた車で探索することもありました。「ピッ、ピッ」というビーコン音を頼りに、くねった山道を何時間も走るのです。雑音混じりのスピーカーに意識を集中していると、幻聴のようなものまで聞こえる気がしました。罠を背負子(しょいこ)にくくり付けて山道を上る荷物運びもつらかったですが、クマの調査は新鮮で面白く、その後の研究者人生の原点となりました。

(容易ではない麻酔銃での捕獲と飼育:北海道)
8月14日早朝、札幌市南区藤野に住む中島聖子さん(43)は「パンパーン」という甲高い音で目が覚めた。付近の住宅街では8月初旬からヒグマの出没が相次ぎ、市が猟友会の協力で駆除に乗り出していた。外に出ると家の前の山林の下から「ロープ持って来て」との声が聞こえ、「やっと駆除された」と安堵(あんど)した。出没中は「小学4年の娘を1人では外出させられず、家族はみなストレスを感じていた」。ただ、ヒグマに罪があるわけではない。「麻酔で眠らせて施設で保護したり、山に戻したりするなど別な方法はなかったのか」。中島さんは複雑な心境も吐露する。かつては射殺したクマを横に誇らしげな猟師の写真が新聞紙面を飾ったが、時代は変わり、動物愛護、自然保護などの価値観が定着。市には賛否の声が600件以上寄せられ、6割は「ヒグマがかわいそう」などと反対論だった。本当に駆除以外の方法はなかったのだろうか。尻に麻酔の投薬器を撃たれたら、振り返って反撃しようとするクマの方が多い。住宅街で麻酔を使えば突進してくる恐れがあり、現実的ではない」。2006年から根室管内標津町でヒグマの行動を調査してきたNPO法人南知床・ヒグマ情報センターの藤本靖理事長(58)はこう言い切る。調査ではこれまで、箱わなに掛かったヒグマ約30頭に麻酔を撃ってきた。ただ、眠るまでに掛かる時間は早くて15分、長いと3時間半。住宅街などで自由に動き回るヒグマを相手にした場合、射程2~3メートルの吹き矢は安全な距離を保てるとはいえない。射程50メートルのガス銃でも驚いて暴れだしたり、撃ち手に向かってきたりした場合は「射殺するしかない」(藤本理事長)。住宅街での使用は現実的ではないのはこのためで、環境省のガイドラインも「効くまで時間がかかり、周辺住民に危害を及ぼす可能性が高まる」として原則、住宅街ではニホンザルにしか使用を認めていない。今年8月の札幌市南区でのヒグマ駆除を巡り、札幌市に寄せられた市民の抗議や反対の声をまとめると、「麻酔銃で眠らせたり、箱わなを仕掛けたりして捕獲し、山に戻すか、動物園など施設で保護すべきではないか」という内容に集約される。ただ、標津での調査成果でも分かるように住宅街で麻酔銃を使うのは危険を伴う。箱わなで捕獲したとしても山に戻したり、施設で保護したりすることはなく、そのまま射殺するのが通常の流れだ。専門家に尋ねると、保護の難しさが浮かび上がってきた。「野生で育ったヒグマを飼いならされたヒグマの群れの中に入れたら一斉に襲われ、最悪の場合殺されてしまう」。国内最多のヒグマ75頭を飼う「のぼりべつクマ牧場」(登別)で1988年から飼育に携わる最ベテランの坂元秀行飼育係長(54)はこう指摘する。ヒグマは本来群れず、成獣となれば森の中では単独で暮らす。「群れで飼うには1歳未満の小さい時から慣らす必要がある」(坂元さん)。そうすることで閉ざされた牧場内の暮らしやクマ同士の臭いにも慣れ、集団生活が可能になる。それでも最後までなじめず、いじめられたりして一生個室暮らしとなる個体がいるほか、20年ほど前には夜間に集団から襲われ、骨まで食べられた個体もいたという。「群れになじみにくい野生のクマなら間違いなく襲われる」。このため同牧場で飼育する個体はほぼ全てが牧場生まれ。今年5月に日高管内新ひだか町で保護された生後3~4カ月の子グマを引き取ったが、まれな例だ。野生のクマを個室で飼う選択肢もなくはないが、「ストレスで体調を崩してしまうでしょう。非常に繊細な生き物なんです。施設に収容することが彼らの幸せになるのでしょうか」と坂元さん。保護したいという市民の思いとは裏腹に、そう容易ではない現実が立ちはだかっている。

(ヒグマ対策、駆除と保護のはざまで:北海道)
世界自然遺産知床。世界有数の生息数を誇るヒグマの保護管理に当たる知床財団(オホーツク管内斜里町)のハンターが道路脇の斜面に座ったヒグマにゴム弾を命中させ、森に追い払う動画を見せてもらった。ヒグマはビクンと跳びはね、ものすごい速さで斜面を駆け上がって逃げ去った。財団はクマを保護する観点から駆除は必要最小限に抑え、人里に近づく前に森に追い払う対策を積極的に取り入れてきた。追い払いは《1》手をたたく、大声を出す《2》大きな音を出す火薬玉を投げる《3》トウガラシ入りの撃退スプレーを噴射する《4》散弾銃で花火弾を発射する《5》散弾銃で硬質ゴム弾を当て痛みを与える―の5段階で行う。動画を見る限り、最も威力があるゴム弾の効果は絶大だ。しかし、そのゴム弾ですら、人里を怖がらせる「教育的効果」が長続きするかというとそう単純ではない。「痛さは一時的でたまたまの出来事と感じるのか、何度追い払っても人里近くに出没してくるクマは少なくない」。財団の葛西真輔保護管理係長(40)はこう指摘する。まして人里にある食べ物の味をしめた「問題グマ」を人里から遠ざけるのは至難の業という。財団も人身被害などを避けるため、例年10頭から70頭近くはやむなく駆除する。「出没を繰り返せば最終的には銃で駆除するしか道はない」(葛西さん)。「滋賀県内に放獣したと連絡せず、住民の皆さんにご心配、ご迷惑をおかけしました。あり得ない対応があったことにおわび申し上げたい」。2015年5月29日、三重県の鈴木英敬知事は記者会見で平身低頭だった。発端は三重県が5月17日、箱わなで捕獲したツキノワグマを無断で滋賀県側に放ったこと。同27日には滋賀県内の女性がクマに襲われ大けがを負い、クマを放った三重県の対応が批判を浴び、謝罪に追い込まれたのだ。最終的には別のクマの仕業と判明したが、県は放獣は県内の捕獲した市町村内に限ると対応マニュアルを見直す結果となった。今年8月、札幌市南区の住宅街に出没を繰り返したヒグマの駆除を巡っても、市には市民から「眠らせて山に戻すことはできなかったのか」と疑問の声が多数寄せられた。だが、近隣の山林に戻せば再び住宅街に出没しかねない。かといって遠く離れた場所に移せば、三重県と滋賀県のような地域間のトラブルになりかねない。箱わなで捕獲したヒグマもほぼ射殺している。山に戻すのは基本的に研究目的だけで、08年~17年の10年間でも18頭にとどまる。南区のクマの場合、家庭菜園のトウモロコシや果樹園のプルーンを味わって「問題グマ」となったあとだっただけに山に戻しても出没を繰り返すことが予想され、道立総合研究機構環境科学研究センター(札幌)の間野勉自然環境部長も「住宅街や畑など人の生活圏に一度入られたら完全な負け戦」と指摘し、駆除はやむなしだとみる。人の生活圏に入らせない水際作戦をいかに徹底させるか、人とクマの知恵比べが続く。

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(農作業の男性がクマに襲われけが:富山)
2日朝、富山市で自宅近くの畑で農作業をしていた70代の男性が突然現れたクマに襲われ、顔などにけがをしました。2日午前8時20分ごろ、富山市西番の自宅近くの畑で農作業をしていた70代の男性がクマに襲われました。男性は、顔をひっかかれるなどのけがをしましたが自宅に戻って助けを求め、妻が消防に通報したということで、病院で手当てを受けています。警察によりますと、命に別状はないということです。クマは東の方向に逃げ、警察や富山市、それに猟友会のメンバーが周囲を捜索しましたがいまも見つかっていないということです。近くに住む87歳の男性は「ここに87年間住んでいるけどこれまでクマが出るようなことはなかった」と驚いた表情で話していました。富山県内では、ことしツキノワグマの主なエサになるドングリの実りが悪いため、人里へおりるクマが増えていて目撃情報は10月28日時点で602件と、すでに去年1年間の4倍以上になっています。県は、鈴などを持って外出したり、クマが活発に活動する早朝や夕方の時間の外出を控えたりするなど対策を行うよう呼びかけています。

(キノコ採りの女性がクマに襲われけが:新潟)
4日午後1時ごろ、新潟県長岡市山古志東竹沢の山中で、キノコ採りをしていた同所の70代女性がクマに襲われ、頭部に重傷を負った。長岡署によると、女性は体長約1メートルのクマに前足で右こめかみ付近を引っかかれた。襲われた後、近くの民家に助けを求め、住民が110番通報した。現場は東竹沢の梶金集落の住宅から、100メートルほどの場所だった。梶金集落の区長の男性(63)は「以前からクマの足跡を見かけたという話はあったが、こんなに近くで出るとは」と心配していた。

(イノシシが観光客を次々襲う:香川)
香川県の小豆島の観光施設でイノシシが次々と観光客を襲い、男女3人がけがをしました。イノシシは逃げたということで、町が注意を呼びかけています。3日午前11時半ごろ、小豆島町の観光施設「道の駅小豆島オリーブ公園」にイノシシが現れ、観光客を次々に襲いました。高松市の59歳の女性と、友人で香川県土庄町に住む59歳の女性がイノシシに体当たりされて、ももやひじにけがをしました。また、300mほど離れた「小豆島オリーブ園」のオリーブ畑でも、中国から観光に訪れていた39歳の男性が足や手をかまれたということです。3人は病院に搬送されたということで、けがの程度は分かっていませんが、意識はあるということです。町や警察によりますと、イノシシは体長およそ80センチで、3人を襲ったあと山のほうへ逃げたということです。現場は島で人気の観光施設で、3年に1度の「瀬戸内国際芸術祭」が開催されていることもあり、大勢の観光客でにぎわっていたということです。紅葉が見頃になる毎年11月に観光のピークを迎えるということで、町は防災行政無線で注意を呼びけるとともに、町内に設置しているイノシシの防護柵を緊急点検したり、地元の猟友会と捜索したりして対策を進めています。

(クマに襲われ男性けが、3日連続被害:福井)
一日午後一時五十分ごろ、勝山市平泉寺町大渡の白山神社から南東二百メートルの林の中で、木の実を採っていた近くの六十代男性が、クマに襲われ、顔などに軽いけがを負った。市内でのクマによる人身被害は三日連続で、今季五件目。市によると、男性は林の中でクルミを拾い集めていた。近くのギンナンの木も確認しようとしたが、背後に気配を感じて振り向いたところ、飛びかかって来た子グマ一頭に顔を引っかかれ、倒れた際に頭にも擦り傷を負った。男性は近くにいた人に助けを求め、救急搬送された。林から百メートルほど離れた畑で農作業をしていたという男性(71)は「朝に動物の鳴き声が聞こえたが、まさか襲われるとは」と驚き、同じく農作業をしていた男性(75)は「目撃は最近少なくなっていたけど、足跡やふんなどクマの痕跡はあった」と話した。現場周辺には、柿の木も多くあった。市は、引き続き市役所南側駐車場で柿の実の回収をしており、甘柿だけでなく渋柿も収穫するよう呼び掛けている。

(山形新幹線、イノシシに衝突:山形)
2日午後9時49分頃、山形新幹線の東京発新庄行き「つばさ157号」が奥羽線(山形線)の羽前中山―かみのやま温泉駅(いずれも山形県上山市)間でイノシシに衝突した。この事故で、乗客の60歳代男性が軽傷を負った。JR東日本によると、つばさ157号は衝突現場に停車していたが、車両点検の結果、異常が見られなかったため、午後10時25分に運転を再開した。事故により、上下線各1本が遅れ、約435人の乗客の足に影響が出た。

(イノシシと衝突、男性が頭にけが:栃木)
28日夕、栃木市大平町西水代の国道50号交差点付近で、男性がイノシシと衝突し頭にけがをしたことが29日、栃木市への取材で分かった。市によると、同所付近でのイノシシの目撃情報は初めてという。市農林整備課は「台風19号による増水の影響ですみかを失い、ここまで追われてきたのでは」と推測し、イノシシを見つけても刺激せず、市や警察に連絡するよう呼び掛けている。現場は工場や民家が並ぶ住宅街。同課によると、男性は突進してきたイノシシ1体と正面から衝突。転倒し頭部を地面に強打した。現場には体長1・3メートルと1メートル弱のイノシシ2頭がいたという。

(全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定等の結果について)
環境省では、全国的なニホンジカ及びイノシシの生息状況の動向を把握するため、平成25年度より、統計手法を用いて、全国の個体数の推定等を実施しています。平成29年度末におけるニホンジカ(本州以南)の推定個体数は約244万頭(中央値)、イノシシの推定個体数は約88万頭(中央値)となり、平成26年度以降、減少傾向にあります。近年、ニホンジカ及びイノシシについては、急速な生息数の増加や生息域の拡大により、自然生態系、農林水産業及び生活環境に深刻な被害を及ぼしており、捕獲による個体群管理が不可欠となっています。このため、環境省と農林水産省は「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」(平成25年12月)を共同で取りまとめ、「ニホンジカ、イノシシの個体数を10年後(令和5年度)までに半減」することを当面の捕獲目標(以下「半減目標」という。)としました。この目標を達成するため、環境省では、鳥獣保護管理法に基づき、集中的かつ広域的に管理を図る必要がある鳥獣としてニホンジカ及びイノシシを「指定管理鳥獣」に指定するとともに、都道府県等による捕獲事業を交付金により支援しています。全国的な観点から科学的・計画的に管理を推進するためには、生息状況の動向を把握する必要があることから、環境省では、平成25年度より、全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定等を実施しています。今般、平成29年度末時点の推計結果を取りまとめたので公表します。指定管理鳥獣の全国的な個体数の動向を把握するため、全国的なとりまとめが完了している平成29年度までの捕獲数等の情報をもとに、階層ベイズモデルによるハーベストベースモデルと呼ばれる統計手法を用いて、本州以南※のニホンジカ及び全国のイノシシについて平成29年度末の個体数推定を実施しました。平成29年度末におけるニホンジカの個体数は、中央値で約244万頭(90%信用区間:約192万~329万頭)、イノシシの個体数は、中央値で約88万頭(90%信用区間約62万~122万頭)と推定され、平成26年度以降、ニホンジカ、イノシシともに、減少傾向が継続しています。また、本州以南のニホンジカの個体数について将来予測を行ったところ、半減目標を達成するためには、令和元年度以降に平成30年度の約1.77倍の捕獲率(推定個体数に対する捕獲数の割合)を確保する必要があるという結果が得られました。※北海道におけるニホンジカの個体数については、北海道が独自に推定を実施しており(平成29年度末時点で約66万頭と推定)、計算結果のデータ形式が異なり、別の地域の計算結果と科学的に妥当な方法で足し合わせることが困難なため、本推定では別で取り扱うこととしています。.

(餌ワクチン、山林はヘリで散布)
農水省は、防衛省と協力し、豚コレラのイノシシ向けの経口ワクチンを自衛隊のヘリコプターから山林へ散布する。12月に予定する第3期ワクチン投与に合わせて取り組む。人の立ち入りが難しい険しい山奥、設置・回収に長距離の移動が必要な地域などで使う。効率的なワクチン散布で、豚コレラウイルスの封じ込めを狙う。

(豚コレラの野生イノシシ新たに5頭:滋賀)
滋賀県は1日、米原市などで捕獲された野生イノシシ5頭から豚コレラウイルスを検出したと発表した。5頭は米原市と長浜市、多賀町で10月24~29日に捕獲された。9月以降に県内で感染が分かった野生イノシシは計9頭となった。内訳は長浜市4頭、米原市3頭、多賀町2頭。県は今後も県東北部を中心とする捕獲重点区域(5市4町)で捕獲を続ける。

(豚コレラ、県内5例目:静岡)
静岡県は2日、藤枝市北方で見つかった死骸の野生イノシシ1頭が、豚コレラに感染していたと発表した。県内での感染確認は5例目で、いずれも藤枝市内。県によると、10月18日に1頭目が発見された場所から南西約4・7キロの地点で発見されたという。

(ワクチン接種、豚コレラ予防9万頭超:静岡)
静岡県は3日、豚コレラ感染予防のため、飼育豚へのワクチン接種を始めた。県内の全養豚場110カ所や動物園などが対象で、県は計約9万5千頭としている。同県島田市の中部家畜保健衛生所では同日午前8時10分ごろ、家畜防疫員8人が管内の養豚場2カ所へ出発した。柴田正志所長は「ワクチンを接種しても警戒を続け、県内では絶対に豚コレラを発生させないようにしたい」と記者団に話した。初回の接種は18日までに終える予定。同県では藤枝市で感染した野生イノシシが5頭見つかったが、いずれも発見場所から10キロ内に養豚場はなく、飼育豚への感染は確認されていない。

(豚コレラ終息まで「長い戦いに」:静岡)
豚コレラ感染予防のため豚へのワクチン接種が静岡県内で始まった3日、ウイルス侵入を警戒していた養豚農家からは安堵(あんど)の声が広がった。ただ、ワクチンを接種しても感染を完全に防げるわけではなく、終息には長い時間が必要とされる。県はウイルスを媒介するイノシシ対策を徹底する方針で、農家に対して「衛生レベルを維持してほしい」と防疫体制を緩めないよう求める。「ようやく始まった。ほっとしている」。静岡県養豚協会の中嶋克巳会長(66)=湖西市=はワクチン接種開始を歓迎した。他県の業界団体と連携し、国に要望を続けてきただけに「県の迅速な対応に感謝している。できるだけ早く接種を終えて豚コレラの侵入を防ぎたい」と語った。国の対応遅れに対する批判も根強い。県西部の農家は「感染の恐怖で現場は疲弊している。国はもっと早く接種の決断をできなかったのか」と語気を強めた。県によると、ワクチンを接種しても抗体ができるまでには10日から2週間程度かかる上、全ての豚が十分な抗体を得られるわけではないという。伊藤謙一畜産振興課長は「接種は一つの区切りだが、ワクチンだけで豚コレラを防げるとは思っていない。養豚場の衛生レベルをより高めてほしい」と呼び掛ける。中部や北陸、関東で感染拡大に歯止めがかからない野生イノシシ対策も大きな課題だ。県はイノシシの捕獲を重点的に進めるが、藤枝市で感染したイノシシの死骸が相次いで見つかり、感染経路もいまだに明らかになっていない。養豚業界からは「豚コレラとは10年以上の長い戦いになる」(中嶋会長)との見方も出ている。豚コレラとは別の家畜伝染病で、有効なワクチンがないアフリカ豚コレラの国内侵入への懸念も強まっている。

(豚コレラ感染拡大防止へ、ワクチン入りの餌まく:三重)
豚の伝染病、豚コレラの感染の拡大に歯止めがかからないことから、長野県は野生のイノシシでの感染の拡大を防ごうと、東部の佐久地域でワクチン入りの餌をまく作業を5日から始めました。群馬県と埼玉県では、ことし9月から豚コレラに感染した野生のイノシシが相次いで見つかっていて、長野県は2つの県に隣接する佐久地域でワクチン入りの餌をまく作業を始めました。初日の5日は軽井沢町役場に自治体の職員など15人が集まり、ワクチン入りの餌をまく際の穴の堀り方など作業の手順を確認しました。県は、佐久地域の佐久市、佐久穂町、川上村など6つの市町村の合わせて110か所でワクチン入りの餌2200個をまく計画で、1週間ほどで作業を終える予定です。このほか、県内では5か所の重点エリアを設けてワクチン入りの餌をまく作業が行われていますが、県によりますと、これまでに全体の60%余りの場所で散布を終えたということです。一方、県内の養豚場の豚などを対象に先月26日から行われていたワクチンの接種は、予定どおり終えたということです。県佐久地域振興局農政課の吉田新一課長は「これから冬になりますが、豚コレラの感染に季節は関係ありません。県境にワクチンを散布して感染拡大を防ぎたいです」と話していました。

(豚ワクチン、県内施設接種完了:富山)
家畜伝染病「豚コレラ」の感染防止のため、飼育されている豚やイノシシへのワクチン接種を実施している富山県は一日、県内の養豚場や動物園など計二十二施設の約二万頭への接種を完了した。十月二十五日から八日間かけてワクチンを打った。出荷間際の豚や接種しても効果が見込めない誕生直後の子豚は対象外とした。今後、新たに生まれた豚は生後一カ月をめどに随時接種していく。

(野生イノシシ向け経口ワクチン散布:埼玉)
埼玉県は1日、豚コレラの感染拡大を防ぐため、野生イノシシへの経口ワクチン散布を始めた。国から緊急対策として800個のワクチンを受け取り、40カ所に埋める予定。併せて養豚場の豚に対するワクチン接種も始めた。

(ドローンでクマ探索、民家で3頭目撃:新潟)
新潟県の魚沼市、糸魚川市などでクマによる人身被害が相次ぐ中、10月31日朝に三条市北五百川の民家でクマ3頭が目撃され、消防や警察が出動した。クマは数時間民家の敷地にとどまった後、山に逃げた。被害はなかったが、三条市は今年初の試みとして小型無人機ドローンを導入しており、同日もドローンでクマを探索した。31日に目撃された3頭は親子とみられ、民家の柿の木に登っていた。この家の男性(82)は「クマがまた来ると思うので、枝を切っておかないといけない」と話した。ドローンでクマは発見されなかったが、市は今後も北五百川など目撃情報が多い下田地区を中心に飛ばし、被害を防ぎたい考えだ。市は6月に市内の企業からドローンを寄贈された。市消防本部に導入し、火災現場の調査などで利用している。上空から広範囲を効率的に探せるため、クマ探索にも効果的とみられ、クマ対策として使うことにした。10月28~30日には下田地区を中心にクマの調査に当たった。29日にクマが車と接触した南五百川や、足跡が見つかった笹岡小付近を調べた。ドローンの操作は消防職員が担当し、半径約5キロの範囲で最大約150メートルの高さまで飛ばした。ドローンは望遠機能付きカメラ、熱感知カメラも搭載し、職員はモニターを見ながら周辺にクマがいないか調べた。市農林課によると、今年のクマの目撃件数は下田地域を中心に30日までに66件に上る。例年より多めに推移している。同課は「クマが住宅地で目撃され、どこに逃げたかわからないときにもドローンは有効だろう」と効果に期待する。「ドローン自体にクマを追い払う機能はないので、発見した場合は警察や猟友会と連携し、周辺住民に注意を喚起したい」としている。

(北陸道にクマ、車2台が衝突:新潟)
3日午後10時30分ごろ、糸魚川市内の北陸自動車道下り線の大平寺トンネルと鬼伏トンネル間で、普通乗用車2台が相次ぎクマ1頭と衝突した。それぞれの車の運転者や同乗者にけがはなかった。

(商業施設トイレにイノシシ、暴れ回るもけが人なし:栃木)
2日午後8時35分ごろ、栃木県さくら市桜野の大型商業施設のトイレにイノシシが入っていくのを同市の女性買い物客が発見し110番した。イノシシはトイレ内で3分間暴れ回った後、施設の北方へ走り去ったという。けが人はいなかった。さくら署によると、イノシシは1頭で体長約1メートル。外に面したトイレの自動ドアのガラスを突き破り、男性用、女性用、障害者用の各トイレの壁などに体当たりした後、開いた自動ドアから出て行った。トイレ内にはイノシシの血痕があり、出血しているとみられる。イノシシの侵入時、トイレ内には2人の利用者がいたが、けがはなかった。同署は周辺の警戒を強化している。

(台所にクマ、女性の横をすり抜ける:新潟)
3日午前8時半すぎ、魚沼市江口の住民から「家の中にクマが1頭入っている」と小出署に通報があった。台所の食べ物が荒らされた形跡があった。午前10時すぎに同署と猟友会などが家を確認したが、クマはいなくなっていた。けが人はいなかった。小出署によると、クマは体長約1・3メートル。クマが出没した民家は3人暮らしで、当時家の中には女性2人がいた。女性1人が台所近くの勝手口で作業していたところ、クマが横をすり抜け、台所に入ったという。女性2人は隣の家に逃げ込み、隣人宅から110番通報した。現場周辺では午前8時半ごろから、この件を含めて4件の目撃情報があり、小出署と魚沼市などが注意を呼び掛けている。

(イノシシ出没、民家から200メートル:新潟)
3日午前8時半ごろ、新潟市中央区窪田町の海岸付近でイノシシを目撃したと、近くの海で船に乗っていた人や通行人から通報があった。イノシシは松林に逃げた。現場は民家から約200メートルで、付近には入船みなとタワーなどがある。新潟中央署や市が注意を呼び掛けている。同署によると、イノシシは1頭で体長約1メートル。入船みなとタワーや突堤の付近を走り回った後、近くの松林に入った。松林付近ではイノシシとみられる足跡が見つかった。午後1時ごろに海を泳ぐイノシシを見たという通報もあった。同署は「イノシシ出没中」と書かれた表示を現場付近に設置した。イノシシを目撃したという50代男性は「釣りをしていたら、イノシシが突堤を海から陸側に走っていた。うそだと思った」と信じられない様子。入船みなとタワーを訪れた新潟市東区の篠部美枝子さん(78)は「時々来るランニングコースだが、1人で来るのが少し怖くなった」と驚いたように話した。新潟市内では昨年から西蒲区や西区でイノシシの目撃が報告されている。野生動物に詳しい箕口秀夫・新潟大教授は「西蒲区や西区から海岸林を伝って移動し、迷い込んだ可能性がある」と指摘。人に慣れていないイノシシは警戒心が強く、興奮して攻撃する可能性があるとして「しばらくは警戒を続けてほしい」としている。また、小千谷市では同日昼すぎ、東吉谷の住宅地で体長約1メートルのイノシシ2頭が見つかった。小千谷署によると、追い払おうとしたが地域内にとどまっていたため、地元猟友会が駆除した。

(サンダーバードがシカ?と接触:滋賀)
2日午前1時25分ごろ、JR湖西線和邇―蓬莱間で、金沢発大阪行きの特急サンダーバード44号がシカとみられる動物と接触し、一時運転を見合わせた。乗客にけがはなかった。同電車は、1日夜に福井県内のJR北陸線で発生した別の電車とイノシシの接触事故の影響で遅れて運行していたが、さらに遅れが生じ、出発から約13時間後の午前7時50分ごろ、当初予定から約10時間半遅れて大阪駅に到着した。JR西日本によると、同電車を含む下り4本が遅れ、下り2本が運休した。約1400人に影響した。

(イノシシはね列車に遅れ:佐賀)
31日午後7時25分ごろ、武雄市のJR佐世保線武雄温泉-永尾駅間で、鳥栖発早岐行き下り普通列車(2両編成)が走行中にイノシシをはねた。JR九州によると、乗客約250人にけがはなかった。この影響で特急や普通列車に最大約20分の遅れが出た。

(高速道でクマと車の衝突相次ぐ:新潟)
3日深夜から4日未明にかけ、新潟県内の高速道路でクマが乗用車にひかれる事故が相次いだ。3日午後10時半ごろ、糸魚川市鬼舞の北陸道下り線でクマ1頭が乗用車にひかれた。さらに後続の乗用車がクマをはねた。運転者や同乗者らにけがはなかったが、最初にぶつかった車は破損し自走不能になった。県警高速隊によるとクマは体長約1・3メートルで、付近で死んでいるのが発見された。現場は民家から約300メートル。4日午前2時半すぎには、魚沼市七日市の関越道上り線で、乗用車が対向車線から中央分離帯を越えてきたクマ1頭をはねた。運転者にけがはなく、車の右前部が破損した。同隊によるとクマは体長約1・2メートルで、付近の中央分離帯で死んでいた。現場は民家から約300メートル。

(クマの痕跡:新潟)
新潟県三条市によると11月4日午前9時半ごろ、三条市上大浦地内の稲荷神社付近の柿の木でクマの痕跡の食害、爪痕、枝折れ、ふんが確認された。

(クマ出没、住民重傷被害現場近く:秋田)
2日午後5時35分ごろ、秋田市濁川字家ノ前の旭川沿いの草むらにクマがいるのを、近くに住む10代女性が見つけた。直近の民家まで約20メートル。秋田東署によるとクマは体長約1メートル。現場近くの同市添川字地ノ内では10月31日、男性が自宅前でクマに襲われて重傷を負っており、同署はパトカーで周辺を警戒した。

(熊の目撃情報:宮城)
5日11時50分頃、登米市登米町日野渡軍場地内(日野渡行政区)で熊の目撃情報がありました。

(クマに襲われ男性重傷、県が緊急対策会議:秋田)
秋田市の住宅地で10月31日に男性(46)がクマに襲われて重傷を負う事故があり、県は1日に「ツキノワグマ被害緊急対策会議」を開いて対応を協議した。10月に入っても県内各地でクマの目撃情報が相次いでおり、県は餌となる生ごみや柿、栗などをきちんと管理することや、クマの動きが活発になる朝夕の注意などを呼びかけている。

(南区で目撃のクマは北広島で駆除:北海道)
ことし5月から6月にかけて、札幌市南区などで相次いで目撃されたクマは、その後、9月になって北広島市で駆除されていたことがわかりました。道は、人間の生活圏に現れるクマは一部に限られるとしているものの、今後、狩猟期間の延長などを検討することにしています。ことし5月、札幌市南区の真駒内公園でクマの目撃が相次ぎ、さらに6月には江別市の野幌森林公園にも現れ、自治体などが対応に追われました。その後、9月になって、クマ1頭が北広島市が設置した「わな」で捕獲され、駆除されました。このクマについて、道立総合研究機構がDNAを分析したところ、5月から6月にかけて相次いで目撃されたクマとフンや体毛が一致し、同じ個体であることが分かったということです。このクマは、3歳から4歳ほどのオスとみられ、直線距離にして20キロあまりを移動していたことになります。道は、人間の生活圏に現れるクマは一部に限られるとしているものの、今後、対策を見直す必要があるとして、狩猟期間の延長などを検討することにしています。

(ヒグマ駆除数、最多の827頭:北海道)
住宅街や畑に入り込み、有害獣として駆除された道内のヒグマの数が2018年度、環境省や道の速報値で827頭となり、統計が残る1962年度以降で最多となった。狩猟による捕殺を含めても62年度(868頭)に次ぐ860頭前後になる見通し。札幌市内は08~19年度の駆除数が18頭に限られ、安全面などから都市部での駆除には困難も伴うが、本年度は6頭に上る。ヒグマの死因の8~9割は駆除と狩猟で占められるとの推計もあり、対策見直しを求める専門家もいる。道は家畜被害の増加などを受けて1966年以降、生息数を大幅に減らすことを目的に、足跡の追跡などが容易な残雪期に駆除・狩猟を奨励する「春グマ駆除」を進めてきた。これにより80年代序盤までは毎年度、駆除や狩猟による捕殺が300頭台中盤から600頭台中盤で推移してきた。ただ、生息数の減少で89年度に捕殺数が200頭を切り、ヒグマの保護議論も活発となったため、道は90年春から春グマ駆除を中止し、必要に応じて駆除する対応に変更していた。生息数はその後の30年で徐々に回復しているとみられる。予算や時間の制約から道は正確な調査を行っていないが、猟友会などからの聞き取りを基にした推計では1990年に5800±2300頭(3500~8100頭)だった生息数は12年には1万600±6700頭(3900~1万7300頭)となった。これに伴い捕殺数も増加傾向に転じ、03年度以降は300頭台中盤以上を維持。17年度は851頭を記録、18年度はそれを10頭前後上回る見通しとなった。ただ、ヒグマの生態に詳しい酪農学園大の佐藤喜和教授は「自然死は一握りで、成獣の死因の8~9割は駆除や狩猟など人為的なものだ」と推計。道立総合研究機構環境科学研究センターの間野勉・自然環境部長もヒグマの生息数が回復する中、高度成長期に広がった住宅街や耕作地が人口減少で空き家や耕作放棄地になるなど後退し、ヒグマの行動域が再び拡大して駆除増加につながったとみる。

(ヒグマ増加傾向、北大「クマ研」が講座:北海道)
北大のサークル「ヒグマ研究グループ」(クマ研)と北大天塩研究林(幌延町問寒別)が3日、同研究林で住民向けの講座「ヒグマしり隊! 問寒別のヒグマを知ろう」を開催した。町内や上川管内中川町などから18人が参加し、研究林のヒグマの動向や、クマ研の活動について学んだ。ヒグマの生態やクマ研について、広く知ってもらう目的で初めて開いた。クマ研の学生4人が講師を務めた。クマ研は1970年の設立で、75年から研究林で調査を始めた。この日はフンから取り出した内容物を入れたビンを参加者に見せ、「毛が多いフンはエゾシカ、繊維が多いのはフキ。最近はデントコーンが多く、酪農家が困っている」と説明。研究林内の個体数は、残雪期に駆除・狩猟を奨励する「春グマ駆除」の影響で80年代に一度減少したが、最近はまた増えていることを紹介した。

(市街地でクマの罠を設置:福井)
勝山市の中心部でのクマの目撃が続く勝山市は、市街地の敷地内や茂みなどにクマが潜伏している恐れがあるとして、市街地の公園内にクマの捕獲用の檻を設置しました。 勝山市では、旭町や元町など住宅地で、親子とみられるクマがたびたび目撃され、クマは市街地の敷地内や茂みに潜伏している恐れがあるとして、市街地にある公園2か所と幼稚園の敷地内に、クマの捕獲用のオリ6基を設置しました。また、近くの工場などの敷地にあるススキなど茂みの草刈りも実施することにしています。市では、1日から、クマの目撃が多い早朝6時かた8時半の間、車2台による市街地のパトロールを行い、市民にクマへのいっそうの警戒を呼びかけています。市では、ことしのクマは柿の木の下に落ちている柿や渋柿も食べると言うことで、クマを呼び寄せる原因となる柿の実の収穫を呼びかけています。

(野生動物被害1億3000万円:石川)
昨年度、野生動物による県内の農作物被害は総額1億3000万円に上り、前の年に比べて800万円あまり増えたことが分かりました。北陸農政局によりますと、昨年度、野生動物による県内の農作物の被害は総額1億2936万円で、前の年に比べて841万円、率にして7%増えました。被害の内、最も多いのは▽農作物を食い荒らすイノシシによるもので被害額全体の90%を占めています。続いて多いのが▽河北潟などでレンコンの葉や茎を食べるカモの被害が6%、▽カラスの被害が1%などとなっています。イノシシの被害が増えていることについて、北陸農政局農村環境課は「これまで生息していなかった能登半島でもイノシシが捕獲されるようになるなど、イノシシが周辺から県内に流入していると見られる。国の交付金もあるので、地域ぐるみで野生動物対策に取り組んでほしい」と話しています。

(クマ被害に住民不安、近くの小学校でも警戒:秋田)
31日夜に秋田市添川の住宅街で男性(46)がクマに襲われ重傷を負った事故を受け、近隣住民が不安を募らせている。識者は「どこに出没してもおかしくない」と警鐘を鳴らす。一夜明けた1日早朝、現場周辺では秋田東署員や市職員、猟友会員が集まり警戒して回った。クマとの遭遇を恐れてか、出歩く住民の姿はほとんど見られなかった。近くに住む女性(50)は、中学生の長男を乗せた夫の車を自宅前で見送った。長男は普段、自転車で通学しているが、この日は安全確保のため夫が車で送ることにした。女性は「こんな近くにクマが出るなんて。20年以上ここに住んでいるが、初めての経験」と話す。現場の南約1・7キロにある旭川小学校の伊藤弘幸教頭(56)は「学区内での目撃情報は以前もあったが、人が被害に遭うのは緊急事態だ」と危機感を強める。

(野草園が再オープン、クマ対策終える:山形)
敷地内にクマが侵入したため休園となっていた山形市野草園が1日、再オープンした。安全対策としてクマが目撃された敷地東側の「深樹の小径(こみち)」を立ち入り禁止にしたほか、園内にクマよけの鈴を設置した。同園では9月29日と10月7日にクマの侵入が確認され、同31日まで休園していた。園を囲むフェンス上部に有刺鉄線を取り付けるなど侵入防止策を取った上で開園した。営業は今月30日まで。

(クマ出没に注意喚起:新潟)
クマによる人的被害が多発している魚沼市は、市民に注意を促すチラシを配布する。1日までに約1万3400枚を用意した。

(2週間早くクマなどの狩猟が解禁:秋田)
秋田県は、クマの被害を防ぐため、今年度からクマなどの狩猟期間の開始を2週間早め、1日県内で狩猟が解禁されました。県内では、この数年、人里でのクマの目撃情報が急増していて、ことしは、先月27日時点で629件にのぼっています。また、クマに襲われてけがをする被害も相次いでいて、先月3日には、鹿角市の山の中で、80代の男性がクマに襲われてけがをしました。こうした中、県はクマの被害を防ぐため、ツキノワグマの狩猟期間の開始を今年度から2週間早め、1日、県内で狩猟が解禁されました。また、イノシシとニホンジカの狩猟期間も2週間延長し、1日、解禁されました。いずれも狩猟期間は、来年2月15日までの107日間で、ツキノワグマの今年度の捕獲数の上限は、198頭だということです。県自然保護課は、「狩猟期間の延長で捕獲数が増え、クマの出没が減ることを期待したい。またキノコ採りなどで山に入る際は、狩猟者に注意して欲しい」と話しています。

(狩猟解禁、一斉指導:静岡)
静岡県内で1日、イノシシとニホンジカの狩猟が解禁され、県警などが一斉指導と取り締まりを実施した。先月18日に藤枝市で野生イノシシが豚コレラに感染したことを受け、関係機関は感染拡大防止に向け検査や捕獲の強化にも乗り出している。同市では、県、市、藤枝署の担当者、地元猟友会員らが山間部をパトロールし、わな猟の設置状況や野生イノシシの足跡などを確認した。志太猟友会藤枝第二支所有害鳥獣捕獲班長の久住英樹さん(75)は「豚コレラに感染したイノシシが見つかった付近で弱っている個体がいないか確認したい」と話した。県志太榛原農林事務所の担当者は「野生イノシシの検査を強化し、今後は発生場所の半径10キロ圏外周辺のワクチン散布に取り組みたい。猟友会の負担もなるべく減らしたい」と述べた。この日の解禁はイノシシとニホンジカの銃猟とわな猟で、来年3月15日まで。それ以外の鳥などの狩猟期間は今月15日から来年2月15日まで。

(狩猟が解禁:和歌山)
イノシシとニホンジカの狩猟が解禁された1日、印南町の稲原平野班(平野勇班長)が大物のイノシシを仕留めた。メンバー10人が午前8時ごろから印南原白河の山に入り、犬4匹を放してイノシシを追い出し、小山富久さん(75)が猟銃で撃った。重さ約80㌔のオス。午後からは古井の山でさらに大物を発見したが、惜しくも逃した。平野班長(64)は「犬が横腹をイノシシにやられたが、仕留められてよかった。逃した獲物は大きいが、まずまず幸先のよいスタート」と話していた。

(イノシシ猟1日に解禁:石川)
イノシシとニホンジカの狩猟が1日、石川県で解禁される。今年は白山、小松両市で野生イノシシの豚コレラ感染が確認されており、県は狩猟者らに対し、消毒などの協力を求めている。通常の狩猟期間は15日~来年2月15日。ただ、生息数が多く農作物被害の原因となっているイノシシとニホンジカに限り、11月1日~14日および2月16日~3月31日の期間も猟の種類によっては狩猟が可能になる。また豚コレラ対策として、感染イノシシが確認された地点から半径10キロ圏内では、圏外へのイノシシの持ち出しをしないことや猟の後に靴底や衣服などの消毒を行うよう求めている。

(カモ猟解禁、岸辺に隠れパーン:山形)
カモ類を対象とした狩猟が1日早朝、県内で解禁された。県猟友会西おきたま支部(小笠原吉広支部長)の会員が長井市内で行った初カモ猟に、第1種銃猟免状を持つ20代の記者が同行した。吹く風が頬に冷たい午前5時半、豊田地区公民館に10人ほどの会員が集合した。薄暗い中、猟場を打ち合わせ、安全対策を確認する。今季から同市舟場の銃猟禁止区域は、カワウによるアユの食害対策のため十数年ぶりに縮小された。「猟期中にカワウも取って食害防止に貢献したい。猟場が変わったので、例年以上に安全に留意していく」。小笠原支部長はそう話し、表情を引き締めた。向かったのは今季、猟ができるようになった同市河井の最上川。河畔のやぶに入り、岸辺の木や枯れ草に隠れられる場所に移動する。数カ所に分かれて身を潜めた。「(カモが)下ったぞ狙え」「上からぼって(追い立てて)くれ」。上流と下流側に分かれた会員が無線でやり取りする。散弾銃に弾を込めて15分ほど待つ。ようやくカモが飛来し、水面に降り立つ瞬間を狙い発砲。「パーン! パーン!」と乾いた音が響き、数羽が力なく落下した。「落ちたぞー、拾ってくれ」との声に、下流の会員が猟犬を川に放つ。犬はすいすいと泳ぎ、カモをくわえて岸に上がった。待機と発砲を繰り返し、10回撃った。正午近くになり、初日の猟は終了。猟果は全員で13羽だった。夜には反省会が開かれ、全員でカモ鍋を囲んだ。「久しぶりの場所だったが、事故なく無事に終えられたのが一番」と狩猟歴50年の遠藤孝吉さん(71)。40年以上猟を続ける渡部仁さん(68)は「初日にこんなに撃ったのは久しぶり。カモの脂も甘くておいしい」と笑顔を見せ、1年ぶりの旬を味わい、杯を飲み干した。県猟友会によると、10月末現在の会員数は1575人で、近年は増加傾向にある。県内でイノシシによる農業被害が相次いでいることを背景に、農家がわな免許を取得するケースが増えているという。一方でハンターの高齢化が進んでおり、同会は講習会を開くなどして若い世代の獲得に力を入れている。ハンターは有害鳥獣の駆除などで大きな役割を果たしており、同会は「新規会員には指導も行っている。ぜひ入会してもらいたい」としている。

(豚コレラ感染防げ、狩猟解禁:滋賀)
県内の今年度のイノシシとシカの狩猟が1日、解禁された。県内の野山では早速、早朝から猟銃を手にしたハンターが、山に分け入る姿が見られた。9月以降、長浜、米原両市と多賀町で捕獲された野生イノシシから、豚コレラの感染が確認されており、感染拡大の防止からもイノシシの捕獲が期待されている。

(集落全体の勉強会やモデル圃場で学習:広島)
広島県三原市大和町椋梨集落の(農)むくなし(澤田博行代表理事)は、獣害対策に地域全体で取り組む意識の醸成と体制づくりを進め、成果を上げている。同集落ではイノシシなどの侵入を防ぐため、10年ほど前から山際に沿ってワイヤメッシュ柵を設置したが、管理不十分のため柵際まで茂みができ、農作物被害は減らなかった。そのため、むくなしでは2015年6月に同県鳥獣被害対策スペシャリストの井上雅央さんを招いて集落全体の勉強会を開催。「安心してエサを食べられる場所に現れる」というイノシシの生態や、イノシシが隠れる場所とエサとなる植物を減らす環境づくりに集落全体で取り組む重要性を学習した。井上さんの助言を受け、同年から約2.2ヘクタールの水田をモデル圃場に設定した。圃場を2ブロックに分け、山と河川からの侵入防止のため、県の鳥獣被害対策重点市町推進支援事業を活用して電気柵を設置。柵の内側に「植えないゾーン」を設けるなどの工夫も取り入れた。女性がイノシシなどの獣害対策に取り組みやすい機運をつくるため、家庭菜園のモデル圃場も設置。ワイヤメッシュ柵や侵入防止ネット、電気柵を併用して設置した他、栽培講習会も開いた。モデル圃場で学習した法人構成員の農家は、獣害で耕作放棄されていた圃場に電気柵を設置し、新たにキャベツやハトムギ栽培を始めた。

(鳥獣被害対策を:三重)
名張市内で増加している鳥獣害問題を考える「鳥獣被害対策講習会」が23日午後7~9時に、つつじが丘市民センター(つつじが丘北5)で開かれる。つつじが丘自治連合会や名張鳥獣害問題連絡会などが主催。参加費無料。

(市街地のムクドリ問題:福島)
秋深まる夕暮れ時の福島市。JR福島駅周辺の市街地では、市民の「天敵」とも言えるムクドリの大群と人間との“バトル”がピークを過ぎ、落ち着いた雰囲気を取り戻しつつある。ただ、ムクドリの鳴き声と糞(ふん)は、多くの住民にとって耐え難い“公害”となっており、関係者は対応に苦慮している。福島市の中心部には毎年夏から秋にかけ、ねぐらを求めてムクドリが群れでやってくる。福島市の「小鳥の森」には平成22年10月の調査結果で2万5千羽という記録が残る。小鳥の森のレンジャー、増渕翔太さんは「現在も同じくらいの数では」と分析する。ある日の夕方、JR福島駅近くでムクドリの集団に出くわした。空を埋め尽くす黒い群れは、一瞬で形を変えながら縦横無尽に空を舞った。一瞬、見とれてしまう集団飛行だった。15分ほどすると、一団は街路樹に急降下。今度は枝にとまり「キュルキュル…」と、大音量で鳴き始めた。増渕さんは「ムクドリは猛(もう)禽(きん)類などの天敵から身を守るため、群れで街中に住む『都会派』の留鳥」と指摘。春に巣作りして繁殖期が終わると、群れで行動する。夕方、集団で飛ぶことを「ねぐら入り」といい、天敵がいないかを確認しているのだという。ムクドリの鳴き声は夜が更けても騒々しく、糞は街路樹の下の歩道や車を白く染める。歩行者は直撃の危険もある。糞は乾燥すると風に舞う。雨でぬれると、ひどい悪臭を発する。県や市などには苦情が絶えず、ねぐらになる街路樹の管理者は枝の剪(せん)定(てい)などを行っている。枝や葉がない木では身を隠せずムクドリがねぐらにしないからだ。福島の市街地では大胆に枝を切られた街路樹が珍しくない。だが、ねぐらを奪われた鳥たちは場所を移して同じことを繰り返す。そこで苦情が出ると、また追い払う…。そんな、いたちごっこが毎年続いている。ムクドリの被害は静岡市や名古屋市など全国で報告されており、各地の行政機関が対応に苦慮している。街路樹の管理は国、県、市などがそれぞれ行う。福島駅の植え込みなどを管理する福島市交通政策課は、振り回して鳥の視覚を混乱させる「まとい」状の道具を使う。しかし「追い払っても戻ってくる。決定打にはならない」と担当者。市街地を南北に走る国道13号の街路樹を管理する国土交通省福島河川国道事務所は「いつどこにくるかも分からない。剪定と糞の掃除が作業の基本。これしかない」(道路管理課)という。県道の管理は県北建設事務所が行っている。道路の管理者らは「根本的な解決方法は見当たらない」と口をそろえ、解決の糸口は見えない。増渕さんは「ムクドリも自然の中の一員。難しいが共存の道を探れれば…」と話している。

(キジ8羽を放鳥、大空へ:兵庫)
兵庫県三木市志染町御坂、志染小学校の3年生12人が1日、キジ8羽を放す体験をした。狩猟期間が始まる15日を前に、兵庫県猟友会三木支部が保護、繁殖を啓発しようと毎年学校を変えて開催。子どもたちの腕から鳥が羽ばたくと、歓声が上がった。同支部副支部長の西阪義雄さん(74)=同県たつの市=がキジについて、日本の国鳥で、昔話の桃太郎に登場することを紹介。「ぎゅっと締め付けずに柔らかく触って」と助言した。甲高い鳴き声の録音を聴かせると、子どもたちは「コーコー」と声に出してまねていた。同支部員4人から手助けしてもらい、児童数人ずつが1組になって恐る恐るキジを支えた。「1、2、3」の合図で、両腕を上げて放鳥。音を立てて翼を広げ、羽根を落としながら大空へと舞う姿を見守った。同校の男児(9)は「モフモフして柔らかくて、自分の手から飛ばせてうれしい。日本でずっと暮らしてほしい」と目を輝かせていた。

(全国ジビエフェアの開催について)
農林水産省は、全国的なジビエ(野生鳥獣肉)の需要拡大等に取り組む「全国ジビエプロモーション事業」の一環として、1日より、「全国ジビエフェア」を開催します。野生鳥獣を適正な数にするため捕獲数が増加する中、捕獲した鳥獣を地域資源としてとらえ、ジビエとして有効活用する取組が拡大しています。このような中、農林水産省では、令和元年度全国ジビエプロモーション事業において、全国的なジビエの需要拡大、普及に資する取組を推進しています。本フェアは、この一環として事業実施主体である「一般社団法人日本フードサービス協会」が取り組むもので、期間を設定して全国の飲食店等でジビエメニューを提供することで、消費者にジビエを身近に感じていただき、全国的なジビエの需要拡大、普及推進を図るものです。

(ジビエで町に「生産者賞」:和歌山)
古座川町の食肉処理加工施設を活用して、捕獲したシカやイノシシなどの肉の有効利用を進めている「古座川ジビエ」。良質の肉を提供しながら、環境保護と地域活性化を図っていることが評価され、町が一般社団法人全日本・食学会(理事長=京都料亭「菊乃井」主人の村田吉弘さん)から顕彰された。町が受賞したのは、食分野の活動・技術・人材を支援するために同学会が今年創設した顕彰制度「bean(ビーン)47」の「生産者賞」(大賞含む9件)。学会の理事で、パン店「メゾンカイザー」を展開する「ブーランジェリーエリックカイザージャポン」(東京都)の木村周一郎社長(50)が3日夕、町役場を訪れ、西前啓市町長(70)に賞状を手渡した。西前町長は「これを契機に古座川ジビエをもっと宣伝していきたい」と語った。

(ジビエ専門店、オープン:熊本)
ジビエ(野生鳥獣肉)の専門店「猪王[ししおう]」が9日、熊本県八代市東陽町にオープンする。精肉や総菜を販売し、併設の飲食スペースでバーベキューを提供する。解体処理施設「猪鹿工房東陽」を運営する大寺順一さん(71)=同市鏡町=が、ジビエ料理を味わってもらおうと敷地内に開いた。イノシシやシカの精肉のほか、イノシシ肉のハンバーグやメンチカツなどの総菜を販売。ジビエのバーベキューは金土日曜と祝日限定で提供する。2日は現地で記念イベントがあり、加工施設などでつくる「くまもとジビエコンソーシアム」や自治体の関係者ら約50人がバーベキューやイノシシの丸焼きを堪能した。大寺さんは「念願かなって地元に店を開くことができた。対面でジビエ肉のおいしさを伝えていきたい」とあいさつした。

(シンプルにがぶり、鹿肉料理:岐阜)
岐阜市街地のレストランでは年中「ジビエ」の文字を目にする。なかでも一般的なのが県産の鹿肉料理だ。狩猟肉のジビエは秋から冬が旬と思われがちだが、保存やエイジング(熟成)の技術が進み、いつでも食べられる素材となった。下処理の工夫により、臭みのない味が楽しめる。柳ケ瀬商店街のミツバチ食堂は無農薬食材や自然派ワインにこだわる。「飛騨高山産シカのロースト」は定番の一つ。ご飯と味噌汁を追加して夕食にする常連客もいる。シェフの中根正貴さん(37)は「火を入れすぎるとパサパサになるので、ゆっくり加熱するのがコツ」と話す。

(エンリッチメント大賞に大牟田市動物園:福岡)
大牟田市動物園(椎原春一園長)は、飼育動物の福祉向上に工夫した取り組みをしたとして今年度の「エンリッチメント大賞2019」に選ばれた。2016年度以来2回目の受賞。12月に東京大で表彰式がある。同賞は、動物園・水族館に対する社会的な意識を高め、環境エンリッチメント(飼育動物たちの生活環境を豊かにする工夫や試み)を推進するためNPO法人市民ZOOネットワークが創設。18回目の今回は全国から50通の応募があり、市動物園は大賞の「インパクト賞」を受賞した。

(野生イノシシを追い払う「青く光る目玉」が人気:福井)
日本ダム(福井市、内山忍社長、0776・98・2000)は、野生イノシシを避ける目的の商品「イノ用心=写真」を月3000個ペースで量産を始めた。7月からホームセンターを通じ販売しているが、引き合い好調なため量産対応する。年内に月産1万個体制を目指す。同商品はイノシシの天敵であるオオカミの目玉を模した商品。蓄光塗料が夜間に青く光る。2018年秋までに福井県内外の約40カ所の農地で試験設置して評価を得た。同社によると田んぼの通り道に刺して使い、イノシシが忌避して逃げる姿を、夜間暗視カメラで確認したという。同社は衣類などのブランドラベルのメーカー。黄緑色の蓄光塗料で非常口サインシールを作った際に、青い光ならイノシシ避けに役立つと農業関係者からヒントを得た。天敵に着目し、オオカミの目の高さ、目の間隔を分析して、バネで吊り下げて揺らす商品に仕上げた。これまで試験設置、市販(消費税抜きの価格は1980円)を含め、累計6000本を出荷した。

(マタギ文化、ツアーに県内外から13人:秋田)
北秋田市阿仁地区のマタギ文化を学ぶ「マタギイズムの継承ツアー」が2日、同市で4日までの日程で始まった。ツアーは同市の主催で交流人口拡大を図る狙いがあるという。阿仁地区はマタギ発祥の地ともいわれ、県内外から男女計13人が参加した。

(「神戸レザー」ブランド化へ:兵庫)
神戸牛やイノシシの皮革を使う「神戸レザー」のブランド化を目指す神戸市内のファッション業者らが31日、素材と製品の開発に向けて、フランスのデザイナーを市内の革製品工房などに招き交流した。「神戸レザー協同組合」のメンバーら。皮革の有効活用を図ろうと来年にも素材や製品を手掛ける考えで、パリの見本市出展などを企画している。デザイナーのアーサー・レイトナーさんとアナイス・ゲリーさんは、紳士靴やバッグ作りを見学し、職人に製法や製品・素材の特徴を尋ねた。「有効活用の概念や、伝統と革新のバランスに可能性を感じる」と2人。同組合の片山喜市郎理事長は「神戸周辺には多様なネットワークがあり、お2人の感性をデザインに生かしたい」と話した。

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(クマに襲われ男性重傷:秋田)
31日午後8時ごろ、秋田市添川字地ノ内の住宅街で、同所の派遣社員の男性(46)がクマに襲われ、両目を失明したほか、頭の骨を折るなどの重傷を負った。男性自身が119番し、市内の病院に搬送された。同市でクマによる人身被害が起きたのは今年初めて。秋田東署によると、帰宅した男性が自転車を自宅敷地内に止めたところ、突然現れたクマに襲われた。クマはその後、立ち去った。

(クマに襲われ男性けが:福井)
三十一日午後六時四十分ごろ、勝山市村岡町浄土寺の浄土寺橋から南西に五十メートルの市道交差点付近で、市内の五十代男性が犬の散歩中にクマに襲われ、けがを負った。男性の家族から勝山消防署に通報があった。市によると、病院に運ばれたが意識はあるという。クマは成獣一頭と子グマ二頭が一緒だった。勝山市内でクマによる人身被害は四件目。市教委によると、被害現場が校区内にある村岡小学校では、注意喚起のメールを保護者に送った。三十一日朝、勝山市の旭町二と元町二の住宅街で、親子と見られるクマ二頭が相次いで目撃された。住宅の敷地内や周辺の茂みなどに潜んでいる可能性があるため、市は注意を呼び掛けている。午前六時半ごろに旭町二の南部第二公園と元町二の市道上でクマを見たとの通報があってから、七時十分までの間に周辺住民らから十件以上の目撃情報が市や勝山署に寄せられた。現場周辺に駆けつけた市職員も目撃し、クマは二組いる可能性が高い。市は、早朝の目撃情報に対応できるよう、一日以降は午前六時~同八時半に中心市街地で車両二台を使ってパトロールすることを決めた。旭町一、二と元町二にある公園や市有地に二基ずつ計六基の捕獲用おりを設置し、中心市街地にある柿の木の調査や早期収穫を市民に依頼した。市教委によると、校区内に出没場所がある成器南小学校では、おりが設置された公園に近づかないよう注意した。勝山南部、勝山中部両中学校や成器西小学校も含め、登下校時には保護者による送迎に協力を求めている。

(山梨県でも豚コレラ確認:山梨)
山梨県は31日、同県北杜市で捕獲した野生イノシシが豚コレラに感染していたことを確認したと発表した。農林水産省は同日夜、山梨県を豚コレラのワクチン接種推奨地域に指定した。指定は12県目。山梨県畜産課によると、10月29日に捕獲した雌のイノシシが、遺伝子検査で陽性だったという。県は今後、県内の養豚農家を対象としたワクチン接種の準備を進める。

(野生イノシシ、1頭で豚コレラ確認:埼玉)
県は三十一日、秩父市久那で捕獲した野生イノシシ一頭から「豚コレラ」が確認されたと発表した。県内で感染が確認された野生イノシシは十二頭目。県畜産安全課によると、今回は雌の成獣で、十三~二十八日に捕獲して検査した五十頭のうちの一頭。

(狩猟者に消毒薬提供:群馬)
群馬県は、11月からの狩猟解禁で豚(とん)コレラウイルスが狩猟者を介して拡散する危険性が高まるとして、全狩猟者に消毒薬の無償配布を始めた。狩猟者向け対策マニュアルも作成し、衛生管理の徹底で蔓延(まんえん)防止を図る。県が狩猟期に合わせ狩猟者向け豚コレラ対策を打ち出すのは初めて。県によると、今期の狩猟期間は11月15日~来年2月末。事前登録した約3500人が野生イノシシやニホンジカなどの狩猟に入る見込みだ。だが、今年は県内で豚コレラに感染した野生イノシシ5頭が見つかるなど感染拡大の懸念が高まっている。入山者が野生イノシシの生息域に入ることで狩猟者を介しウイルスが拡散しかねない。このため県は3種類の消毒薬約4000人分を確保。狩猟者に無償提供し、野生イノシシとの接触の有無に関係なく靴底や衣服、猟具などの消毒の徹底を呼びかける。イラストなどを多用したマニュアルも同時配布する。特に、感染した野生イノシシが見つかった「豚コレラ感染確認区域」では厳格な衛生管理を求める。消毒の対象を捕獲わなや廃棄物にまで拡大。捕獲後の野生イノシシは区域外への持ち出しを厳禁とし、死体は埋却した上で地面への消毒散布も要請した。県は、ウイルスの拡散懸念から今期の狩猟を禁止とした岐阜県の事例なども検討した。だが、豚コレラは野生イノシシを介して広がるため、蔓延防止には捕獲を優先する方が有効と判断した。県は狩猟期間中の野生イノシシの捕獲頭数は約2700頭と見込んでいる。

(豚コレラ、監視対象農場は20に:長野)
県は30日、下伊那郡阿智村で捕獲した野生イノシシ1頭の豚コレラ感染を確認したと発表した。同村では初めて。県は発見地点から半径10キロ圏内にある飯田市の養豚場3施設を新たに監視対象農場に指定した。県内の感染イノシシは計123頭に、監視対象農場は計20施設になった。県はこの3施設に立ち入り検査を実施。30日時点で異常は確認されていない。監視対象農場は異常な豚の有無を県に毎日報告することなどが求められる。県農政部によると、この3施設は豚へのワクチン接種を実施済みという。発見地点から半径10キロ圏内でより厳重な豚コレラ検査が必要な調査対象区域には新たに同郡下條村が加わり、中南信の33市町村になった。

(豚コレラのワクチンベルト:長野)
県は31日、野生イノシシの豚コレラ感染拡大を防ぐため、11月5日に佐久地域の6市町村で経口ワクチンの散布作業を始めると発表した。隣接する群馬、埼玉両県で感染イノシシの確認が続いていることを受けた対応。9月に始めた県内を縦断する形で大規模にワクチンをまく5エリアの「ワクチンベルト」に、佐久地域を加えて対策を強める。佐久市、南佐久郡佐久穂町、川上村、南相木村、北相木村、北佐久郡軽井沢町の山中に1週間ほどで計2200個のワクチンをまく。10月30日までに群馬県で計5頭、埼玉県で計11頭の感染イノシシが見つかっており、両県から西側に感染が広がらないようにする狙いだ。長野県農政部によると、9月に国や市町村などと連携して始めたワクチンベルト構築に向けた散布作業では、佐久地域も含めて県内に計3万6千個を散布する。10月30日までに計2万2320個をまき終えており、11月中旬まで続ける計画だ。県内では10月26日に飼育豚へのワクチン接種も始まった。同部によると、対象となっている県内全域の養豚場など86施設計約7万2千頭のうち、同30日までに50施設計約3万8千頭への接種を終えた。11月初旬にも1回目の接種を完了させる予定だ。同部は「豚へのワクチン接種と野生イノシシ対策を並行して行い、豚コレラを終息させていきたい」としている。

(イノシシ侵入防護に補助1748万円専決処分:茨城)
下妻市は10月31日までに、豚コレラ対策の一環で、野生イノシシなどの侵入を農場が防ぐ防護柵や可動柵(門扉)設置の補助事業として総額1748万円の専決処分を行ったと発表した。同3日付。

(豚コレラワクチン、正予算案など可決:埼玉)
県議会は三十一日、臨時会を開き、家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染予防ワクチン接種の経費などを計上した一般会計補正予算案と県手数料条例改正案を全会一致で可決した。県は一日、既に感染が確認されている秩父、児玉地域から接種を始めるほか、寄居町で野生イノシシ用の経口ワクチンを散布する。

(豚コレラ、拡散防止へ注意喚起:埼玉)
県内で豚コレラの感染が拡大している事態を受け、県はウイルス拡散を防止するため、ホームページなどを通じて注意喚起している。県によると、豚コレラウイルスは感染した野生イノシシの糞(ふん)にも混じっていることから、登山や狩猟などで山林に入る人たち向けに、下山する際は靴底や車両のタイヤなどに付着した土を落とすよう呼びかけている。また、バーベキューなどで食べ残した肉や野菜は野山に捨てず、持ち帰るか、指定された場所で処分してほしいとしている。食べ残しを野生動物が食べて感染し、家畜に病気を伝染させる可能性があるためだ。

(イノシシ猟1日解禁、狩猟者に消毒など協力要請:石川)
イノシシとニホンジカの狩猟が1日、石川県で解禁される。今年は白山、小松両市で野生イノシシの豚コレラ感染が確認されており、県は狩猟者らに対し、消毒などの協力を求めている。通常の狩猟期間は15日~来年2月15日。ただ、生息数が多く農作物被害の原因となっているイノシシとニホンジカに限り、11月1日~14日および2月16日~3月31日の期間も猟の種類によっては狩猟が可能になる。また豚コレラ対策として、感染イノシシが確認された地点から半径10キロ圏内では、圏外へのイノシシの持ち出しをしないことや猟の後に靴底や衣服などの消毒を行うよう求めている。

(豚コレラが発生したら、対応を確認:秋田)
ブタやイノシシがかかる伝染病・豚コレラの国内での感染が広がる中、県は県内で豚コレラが発生したことを想定して関係団体と対応を確認しました。県が開いた豚コレラの感染拡大防止対策を学ぶ会合には、県やJAなど関係団体から120人余りが参加しました。豚コレラは、人には感染しませんが、感染力が強く致死率が高い伝染病です。去年9月に岐阜県で国内で26年ぶりとなるブタへの感染が確認されて以降、これまでに9府県の86の農場で発生し150万頭近くが殺処分されています。農林水産省は今月25日から感染が確認された県でワクチンの接種を始めました。会合では、豚コレラが県内で発生した場合、感染したブタの速やかな殺処分や養豚場の消毒、検査などによるウイルスの封じ込めが拡大防止のポイントになることを確認しました。県は今後、関係機関との連携をさらに強化し、豚コレラの侵入防止と発生時の感染拡大防止対策にあたることにしています。

(住宅街にイノシシ:岡山)
30日未明、岡山市北区の住宅街でイノシシが目撃され、専門家は、市街地に降りてきたイノシシはパニックになっていることがあるため、注意してほしいと呼びかけています。イノシシが目撃されたのは、JR岡山駅から北におよそ1キロの岡山市北区伊福町の住宅街です。30日午前3時半頃に現場で目撃した吉岡彰宏さんによりますと、「車で通りかかった際、黒い影のような物が見えたので明かりを照らすと1メートルを超えるイノシシだった」ということです。イノシシはエサを探すような様子で住宅街を歩き回り、近くの県総合グラウンドの中に姿を消したということです。吉岡さんは「とにかくびっくりした。公園内には子どもも多いので110番通報した」と話していました。岡山市にある池田動物園の河田純司飼育課長は、「現場から北に3キロほど離れた山の周辺で生息が確認されているので、そのあたりから来たのではないか。市街地に降りてきたイノシシはどこに帰っていいかわからず、パニックになっているケースもあるので注意が必要。もし遭遇した場合は刺激を与えないようにゆっくり立ち去ること。自分に向かって走って来たら高い所に逃げる、傘を広げて進路を変えるなどして対処することが大切だ。目撃したら警察に通報してほしい」と話していました。」岡山西警察署によりますと、通報を受けた警察官が現場に向かいましたが、イノシシの姿は見つけられなかったということです。現場近くでは、24日の午後8時ごろにも国体町や奉還町などで「イノシシを見た」という通報が合わせて9件、相次いだということで、警察も注意を呼びかけています。

(クマの親子3頭が民家のカキの実を食べる:新潟)
新潟県三条市の山手の下田地区で10月31日、クマの親子3頭がカキの実を食べに民家の近くに現れ、小グマは5時間近くにわたって居座り続け、三条市と警察、消防、猟友会まで出動する騒ぎがあった。下田地区では29日にも車とクマがぶつかる事故があったばかり。日に日に人とクマの距離が接近しており、人的被害が心配される。午前7時45分ごろ、三条市北五百川地内に3頭のクマがいると通報があった。北五百川の棚田からさらに数百メートル山へ向かった民家と民家の間のカキの木に親グマ1頭と子グマ2頭が登って実を食べていた。三条市、警察、消防が現場へ向かい、しばらく見守ったあと追い払い花火を発砲すると、親グマは驚いて山奥の方へ走って逃げていった。しかし子グマ2頭はそのままカキの木に残っていたが、しばらくすると子グマは2頭ともそばのスギの木に登って動かなくなった。三条市は麻酔銃を手配することにしたが県内では対応できないため、長野県の業者に連絡したが、到着する前に午後0時20分に2頭とも木から下りて山の方へ逃げていった。親子グマは親が気が立っていて凶暴化する危険性があり、銃を撃ったり、わなで捕獲したりは難しく、対策は追い払いを基本。パトロールや住民への周知を続けていく。また、クマが発見されたのが登校時間に重なったため、三条市教育委員会では北五百川地区の小中学生に危険なので無理をしてまで登校しないよう連絡した。しかし全員がバスで登校し、欠席した子どもはなかった。

(民家敷地にクマ2頭:秋田)
30日午後0時50分ごろ、秋田県八峰町八森字本館の民家敷地に体長約60センチのクマ2頭がいるのを住民の80代男性が見つけ、役場に届け出た。被害はなかった。

(普通列車がイノシシと衝突:佐賀)
JR九州によると、31日午後7時25分ごろ、佐世保線武雄温泉-永尾間で、早岐行き下り普通列車がイノシシと衝突した。この影響で同8時現在、同線の上下線と長崎線上り線に遅れが発生している。

(アライグマ、被害減へ意見交換:茨城)
アライグマによる農作物への被害が増えている坂東市で28日、近隣自治体の鳥獣対策担当者らが参加して「アライグマなどの被害対策意見交換会」が開かれた。わなに掛かったアライグマの回収・処分・焼却まで一連の流れを見学後、情報交換を行い、侵入初期の徹底した捕獲で農作物被害を効率的に減らし、生産性を高める方法などを確認した。同市、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の共催。市によると、同市ではアライグマを中心に、ハクビシン、クリハラリス(通称・タイワンリス)による被害が増加しており、2016年度は計137頭だったのに対し、17年度は180頭に増加。捕獲体制が整った18年度は464頭を捕獲した。本年度は10月28日現在で、アライグマ313頭、ハクビシン56頭、リス8頭の計377頭に達し、「500頭を超える勢い」(同市)。以前は河川敷に生息していたが、近年はトウモロコシや柿、落花生、ブドウなどを狙って民家の畑や庭に来るケースが増えてきているという。この日は、参加者約20人が市職員に同行して10軒を回り、住民が設置した箱わなに掛かったアライグマを1頭ずつ回収。昨年夏ごろから被害に遭っている飯田修さん(69)は「雨どいを伝って自宅の天井裏に入られた。今は追い出したが、天井裏で子どもを産んでしまい、毎日が運動会のようだった」と振り返る。天井へ通じる穴はふさいだものの、アライグマはその後も頻繁に姿を見せるという。市役所で開かれた意見交換では、坂東市の捕獲事例や生息情報の調査方法などを同市職員が紹介するとともに、参加者が自由に意見を述べた。県自然環境課の菊池伸容係長は「県ではシカの情報を集めているが、まだ侵入初期で、現時点では『見掛けた』という情報が大事。市民に情報をどこに送ればいいのかお知らせすること、市民の協力を得ながら情報を集めていくことが大切」と話した。

(ハクビシンの捕獲急増:和歌山)
外来哺乳類「ハクビシン」(ジャコウネコ科)の捕獲数が、本年度に入って和歌山県紀南地方で急増している。調査している田辺市ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんの記録によると、9月までに26匹で昨年度(33匹)のペースを大きく上回っており、すさみ町とみなべ町でも初めて記録された。鈴木さんは「増加と分布拡大を防ぐには早期の捕獲が最善策。ここ数年の捕獲が今後を左右するだろう」と話している。県内のハクビシンは2009年にかつらぎ町で初確認、紀南では12年に白浜町十九渕で捕獲されたのが初めて。ハクビシンは、15年には国の重点対策外来種に分類され、対策の必要性が高い種と位置付けられた。県が今年作った外来種リストでも防除対策外来種に選定している。鈴木さんによると、紀南地方での駆除や交通事故による記録数は、12年度が旧白浜町と旧田辺市でそれぞれ2匹。13年度には旧日置川町(白浜町)も加え7匹となった。15年度は田辺市龍神村でも捕獲されて19匹と一気に増えた。16年度は上富田町や田辺市の本宮町、中辺路町、大塔地域でも記録された。18年度も増えて33匹となった。19年9月までの累積数は138匹で旧田辺市が74匹と最も多い。次いで旧白浜町の44匹。本年度、新たに記録されたすさみ町では7月に口和深で雌雄1匹ずつが捕獲され、雌は子育て中だった。みなべ町では8月に晩稲で妊娠している雌1匹が捕まった。また、ハクビシンの捕獲が増えるに伴って、在来種のアナグマ(イタチ科)をハクビシンと誤認する例が多くなっている。鈴木さんは「顔と体、尾の特徴に注目して判別してほしい」と呼び掛けている。

(鳥獣わなセンサー実験、見回り時間短縮で負担減図る:長野)
通信大手ソフトバンク(東京)は31日、鳥獣わなセンサーの性能を調べる実証実験を信州大学農学部(上伊那郡南箕輪村)などと伊那市で始めたと発表した。センサーは同社と狩猟関連機器開発のハンテック(東京)が開発。くくりわなやおりに付け、鹿やイノシシがかかると管理者にメールが届く。わなを見回る時間が短縮できれば高齢化する猟友会員の負担減につながるとし、両社は実験を踏まえて来春の商品化を目指している。センサーは縦17センチ、横10センチ、厚さ7センチほど。木の幹に取り付けてひもでわなと結ぶ。鹿やイノシシがわなにかかるとひもが抜けて稼働。時間、場所などの情報が管理者に届く。省電力で遠くまで電波を送れる通信規格部品が搭載されている。ソフトバンクの携帯基地局を利用している。実証実験は10月下旬に始め、これまで市内の山林内に数台を設置。今後は同大の渡辺修准教授(生産環境システム学)が伊那猟友会から鹿やイノシシが出没しやすい場所を聞き、12月までにさらに約10台を設置する。鹿やイノシシが出没しやすい時間帯や場所の情報を収集するほか、センサーの防水機能を確かめる。実験は来年3月まで。市耕地林務課によると市内の猟友会員200人余は高齢化が進み、2018年度の市内の野性鳥獣による農業被害は約2010万円。渡辺准教授は実証実験について「効率的にわなを見回れる範囲を調べて猟友会員の負担減につなげ、鳥獣の管理システムを作ることで農業被害の削減につなげたい」と話している。

(クマ生息調査に同行、集落近くにすみか:新潟)
新潟県内では今秋、人里でのツキノワグマの出没が相次いでいる。2019年度の人身被害は15人(10月28日現在)に上り、エリアも6人がけがをした魚沼市をはじめ、糸魚川市や村上市など県内各地に及んでいる。特に散歩中や出勤時など、日常生活を送る中で襲われる例が目立つ。専門家によると、餌不足に加え、クマの生息地が広がっているため、今後も住宅街での出没は増加が予想される。新潟大農学部の箕口秀夫教授(60)=森林・生態学=が阿賀町で行う調査に同行し、クマを巡る現状を探った。山の木々が赤や黄に色づいてきた10月下旬、箕口教授と学生2人とともに調査地の阿賀町を訪れた。指示された通り、長靴を履いてやぶに入ってもいい格好をし、頭にはしっかりとヘルメットをかぶった。教授らは7月ごろから初冬まで月2回現場を訪れ、熱に反応する自動撮影カメラの記録を確認する。この日、まず向かったのがクマの主な餌となるブナの林がある標高の高い奥山。移動中、ハンドルを握る箕口教授がオニグルミの木の上にある折れた枝の塊を見つけた。「あれはクマが登ってできた『クマ棚』だよ。今年のような餌がない年にたくさんできる」教えてもらったクマ棚は道中、何度も見かけた。ブナが凶作の今年は餌を求めてクマが奥山から里山に下ると考えられている。しかし標高約千メートル地点の獣道に設置したカメラに、体長約1・2メートルの雌が写っていた。周辺に暮らす個体という。ほかにも雄やまだ子どもと見られる小さな個体も確認できた。箕口教授は「ブナが凶作だからといって、全てが山を下りるわけではないと分かる」と語った。次はオニグルミ、クリ、コナラなどが生育する里山へ。標高数百メートルで集落がすぐ近くにある。コナラは今年不作で、周辺のカメラにはクマの姿は少ない。逆にまずまず実をつけたオニグルミ、クリの周辺は複数頭のクマが写っているポイントもあった。26カ所設置しているカメラの13カ所目、約1・7メートルもの大きな雄が写っていた。コナラ林で「炭焼きをやっていた時は、こんなに大きな林にはならない。今は不作でなければたくさんドングリが落ちる動物たちの楽園」と箕口教授は言う。ほかにも、コナラの近くにスギが植林され、実が採れて休息場にもなる「都合のいい場所」もあった。かつては伐採や枝打ちなど整備されていただろうが、現在は説明されなければ奥山との違いが分からないほど、うっそうとしていた。里山のカメラの多くにはクマが映り込んでいた。箕口教授によると近年、本県周辺のクマの個体数は増加している。個体数が増えたことで、人が管理しなくなった里山で生まれ、暮らしているクマも出現。「奥山と里山に集団がいて、今年のようにブナが不作だと里山の集団が膨らむ。そこから餌を求めて人里に出てくる」と、人里にクマが出てくる背景を説明する。最後に阿賀野川沿いの林のカメラを確認。親子グマが通り過ぎていく姿があった。旧鹿瀬小学校や集落はすぐそばだ。2012年から調査を継続する箕口教授は「当初は標高の低い場所ではあまり写らなかった。今はどこにでもいる」と実感を込めて話す。集落や車が頻繁に通る道など、人間の生活圏に近いやぶの中にもクマがいることに驚いた。「潜在的にはいつクマが人里に出てきてもおかしくない」。箕口教授は奥山と人里の緩衝地帯となる里山が整備されなくなり、クマのすみかとなっている現状は、県内のどの地域にも当てはまると強調する。「里山を整備するにしても、広域に計画的にやらないと意味がない。森、中山間地の管理の問題なので、結局はクマではなく人の問題」と力を込めた。県によると、本年度の県内のクマによる人身被害者は15人(28日現在)に上り、記録が残る1994年度以降では過去最多となっている。被害件数は11件。18、19日には魚沼市の市街地で6人が相次いでけがをするなど、新潟日報社の調べでは、8件12人が住宅街やその付近で襲われた。人里での被害者数は、2010年度からの10年間で最も多くなっている。人身被害はなかったが、5月には上越市の高田地区中心部に現れたクマが、麻酔銃で捕獲されている。本年度は痕跡を含む目撃件数も増加している。県によると、ここ10年の目撃件数は10年度の1229件が最多。本年度は25日時点で、すでに916件に上っている。県環境企画課は、「例年に比べれば目撃情報が多い。注意してほしい」と呼び掛けている。住宅街に頻繁に姿を現すツキノワグマの動きは、奥山から生活圏を広げているようにも見える。野生動物の問題を人間社会との関わりの面から研究する東北芸術工科大=山形市=の田口洋美教授(62)に背景や対策を聞いた。-全国のクマの出没状況はどうですか。「全国でも地方の市街地でクマは出没している。2010年以降に傾向が強まった。原因はクマに対する人間の『圧力』が低下したためだ」-圧力とは何ですか。「人間が住んでいれば、クマを近づけない圧力を生む。近年人口の東京一極集中が進み、地方でその圧力が減った。田畑や森林を人が利用すれば圧力になるが、それも減退した」「かつては市街地を取り囲む農山村や田畑が防衛ラインとなり、中心部へのクマの侵入を食い止めた。人口減や農林業の衰退で、この30、40年でその構造が崩壊した」-クマが侵入しやすい街の特徴はありますか。「河川が貫流している街で起こる。草が生えて身を隠しやすい河川敷を伝って来る。荒れた里山が近くにあり、郊外の山村で人口が急減しているような街が危ない。長岡市、上越市、村上市などは注意が必要だ」「元々は人間が農耕のために原野を切り開き、クマを奥山に追い上げた。地方の集落は高度成長期やバブル期に若者が東京に流出し(守りが)脆弱(ぜいじゃく)になった。クマはそうした場所を見抜き、従来の生活圏に戻ろうとしている」-対処法はありますか。「住宅地に来たクマを捕殺するだけでは、対症療法にすぎない。人間に恐れを抱くようなメッセージを分からせないと出続ける。集団で一斗缶などをたたきながら山に入るくらいの気迫がないと伝わらない」「犬の活用も有効だ。昔は集落の犬が、クマが出れば集団で立ち向かった。郊外の河川敷や山林で時間を決めて集団で放すなどして対策を取れないか。犬にGPS(衛星利用測位システム)を付けるなど最新技術を活用すれば、安全に管理できると思う」

(ジビエ給食が定着:和歌山)
和歌山県古座川町内の小中学校では、シカやイノシシの肉を使ったジビエ給食を月1回のペースで出しており、児童生徒に好評だ。町は2014年12月に「古座川ジビエ振興協議会」を発足させて以降、有害鳥獣をジビエとして売り出すことに取り組んでいる。その一環として16年1月から、ジビエ給食を導入した。メニューはカレーライス、ドライカレー、ミートスパゲティ、シチュー、コロッケなどで主にミンチを使用。調理員たちは研修会に参加するなどし、料理の幅を広げている。高池小学校(大畑眞校長、67人)の10月29日の給食は、シカ肉のミンチを使ったドライカレー。早々と完食した1年生の久堀徹真君(6)は「おいしかった」と笑顔。大畑校長(57)は「導入当初は抵抗感を持つ子どもや保護者もいたが、今は定着していて、みんなおいしく食べている」と話した。学校給食を担当している町教育委員会教育課の漁野貴洋さん(23)は「ジビエ給食が他の地域にもどんどん広がってくれれば」と話している。

(ジビエ料理教室:兵庫)
姫路市の「イーグレ姫路」などで12月1日と来年1月13日に『ジビエ料理教室』が開催される。申し込み受付中。ジビエ料理の「ジビエ」とは、フランス語で野生鳥獣の食肉を意味する言葉。脂肪が少なくヘルシーで、柔らかいシカ肉は、日本では11月15日から2月15日までが狩猟解禁期間。ワインに合う料理として近年人気を集めている。同イベントでは、シカの生態と被害対策の講義とともに、欧風家庭料理FUKITEIの福本明生さんから、シカ肉を家庭でおいしく食べられる料理のコツなどを学ぶことができる。

(イノシシ肉活用でコラボ:愛媛)
愛媛県今治市の岡山理科大獣医学部と今治明徳短大調理師専修科の学生が、同市の島嶼(とうしょ)部で捕獲されたイノシシを使った料理のレシピを考案する団体「猪彩結縁(いさいゆいえん)」をつくり、双方の学園祭で料理を披露する取り組みを進めている。11月2日には今治明徳短大の学生祭に岡山理大の学生が試食コーナーを設け、イノシシのシシカバブを提供する。今治市の伯方島を拠点にイノシシによる農業被害の調査や対策を実践する岡山理大獣医学部の準正課科目「野生鳥獣リスクマネジメント学」の一環。イノシシ肉の有効利用策として、調理師専修科のある今治明徳短大と共同でレシピを考案し、市民に提供する。10月に2回、今治明徳短大に双方の学生が集まり、学園祭に提供するのに適したメニューを絞り込んだ。岡山理大の学生はメンチカツ、ソーセージ、シシカバブ、タコスの4種類を試作。その中から、衛生面などを考慮してシシカバブを提供することに決めた。

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