<射撃ニュース12月>
12/11
(「クマ」に襲われ男性けが:福島)
8日午前11時30分ごろ、郡山市熱海町の磐越道磐梯熱海インターチェンジ北側の山林で須賀川市の会社員男性(64)がクマに襲われ、顔などに軽傷を負った。郡山北署によると、男性はイノシシ猟のため40代男性と2人で山林に入ったが、1人でいた際に体長約1.2メートルのクマと遭遇。頭をかまれ、顔を引っかかれたという。けがをした男性は40代男性の運転で病院に向かい、手当てを受けた。

(ウォーキング中クマに襲われ71歳の女性がけが:和歌山)
8日夕方、和歌山県有田川町でウォーキングをしていた71歳の女性が、突然、クマに襲われ軽傷を負いました。8日午後5時前、和歌山県有田川町押手で、71歳の女性が自宅近くの道路をウォーキングしていたところ、山の方から、突然、クマが現れました。体長80センチほどの子グマで、女性の左手首などを引っかき、そばを流れる川の方に逃げて行ったということです。女性は全治1週間ほどの軽傷です。このあたりは、住宅や空き家が10軒ほどある山間部の集落で、警察は「クマを発見した時は絶対に近づかず、夜間の外出は、できるだけ控えてほしい」と、周囲に注意を呼びかけています。

(イノシシ30年で3倍、87万頭に)
環境省の推計によると、2017年度の全国のイノシシの個体数は約87万頭。ピークだった10年度の約114万頭からは減ったが、推計を始めた1989年度(約24万頭)の3倍以上となっている。農業被害も深刻だ。農林水産省によると、2018年度にイノシシがイネや果樹などを食い荒らして生じた農作物被害は約47億円で、野生鳥獣による被害総額の約3割を占める。近年は豚の感染症である豚コレラ(CSF)の感染源とも指摘される。対策の中心は捕獲になる。環境省は年間16億円(19年度)を投じ、イノシシの捕獲などにかかる費用を自治体に補助している。18年度は全国で約60万頭を捕獲したが「繁殖力が高いイノシシを減らすには時間がかかる」としている。

(野生イノシシ5頭、豚コレラ陽性確認:福井)
県は十日、鯖江市など三市町で見つかった野生イノシシ計五頭が、家畜伝染病「豚コレラ(CSF)」に感染していたと発表した。野生イノシシの感染は県内で計三十八頭となった。県によると、十一月二十七日から十二月五日にかけ、いずれも地元猟友会がおりで捕獲した鯖江市上戸口町の二頭と永平寺町松岡志比堺、同町松岡石舟、あわら市宮谷の各一頭が十日の遺伝子検査で陽性反応を示した。

(3期目散布、34市町村で:岐阜)
野生イノシシの間で感染が拡大している家畜伝染病「豚(とん)コレラ(CSF)」の対策のため、県は十六日から、県内三十四市町村で三期目の経口ワクチンの散布を始める。五日間かけ、千二百カ所に二万四千個を埋める。各務原市が今回、初めて実施する。同市は、これまでイノシシの豚コレラ陽性率が高かったため、ワクチンを散布しても効果がないと判断されていた。散布したワクチンは二十一日から回収し、イノシシが食べたかどうかを調べる。来年一月二日からイノシシを捕獲して抗体の保有を確認する。現在、捕獲されたイノシシのうち、ウイルスが検出されないのに抗体を持っていた個体の割合は四割台に高まっている。六割まで向上すると終息に向かうとされる。ワクチンは、春、夏、冬の三期に、それぞれ二回ずつ計六回散布する計画。冬期の二回目の散布は二月十二~十六日を予定する。県は十日、岐阜市など二市で見つかった野生イノシシ二頭について、豚コレラの感染を確認した。県内の感染は累計で千百十三頭となった。

(95%に豚コレラ抗体:長野)
県農政部は9日、豚コレラ(CSF)感染予防のためワクチンを接種した豚のうち、2日時点で95・6%で抗体の保有を確認できたと明らかにした。11月30日までに県内83施設の計5万7330頭に接種。うち270頭を抽出して検査した結果、258頭に抗体があった。県農政部は9日の県会農政林務委員会で「高い率で抗体が確認されている」と報告。ただ、ワクチンを打っても十分な抵抗力がつかない豚がいることや、致死率が高いアフリカ豚コレラ(ASF)がアジアで広がっていることを踏まえ、各養豚場での防疫対策徹底が引き続き重要とした。県内を縦断する形で野生イノシシ向け経口ワクチンを大規模にまく「ワクチンベルト」では、11月26日までに県内37市町村に計2万9020個を散布し、68%がイノシシに摂取されたと推定されると説明。今後も感染イノシシの確認状況を踏まえ、国と協議しながら散布を続ける。

(イノシシ出没、逃走中:東京)
東京・八王子市の住宅街にイノシシが現れ、現在市が捕獲作業を続けている。10日正午前、八王子市を流れる南浅川の川辺にイノシシがいると110番通報。警視庁などによると、イノシシは川の上流からきたとみられ、下流に向けてしばらく走った後、一時住宅の裏庭に逃げ込むなどした。現在は行ったり来たりを繰り返しているということで、市はイノシシが住宅街に逃げ込まないよう捕獲作業を続けている。

(1メートル超イノシシ、商店街疾走:神奈川)
10日朝、観光客でにぎわう神奈川・箱根の温泉街に、人に危害を及ぼすおそれもある大きなイノシシが現れた。まだシャッターの閉まった商店街をうろついているのは、3頭のイノシシ。親子なのか、3頭ひとつになって、あたりを徘徊(はいかい)している。その後、車道に出たイノシシは、車が接近すると、駆け足で反対車線へ。このあと3頭は、温泉街から姿を消した。箱根町の人は「体長は1メートルを超えてましたね。何か探しているような様子はありました」、「最近多いですね。よく出るようになりました」、「芸者さん同士でも、『帰りにイノシシがいて、怖かったんだよね』とか言ったら、『わたしも見たよ』とか」などと話した。箱根で相次ぐ、イノシシの目撃情報。過去には、「10年前ちょっとぐらい前に、イノシシ見て、大きい声出したか何かして、イノシシが興奮して突っ込んできて、牙が刺さったことがあった」と、田中さんは話す。鋭い牙で、人がけがをする危険な状況に、町も対策に乗り出している。箱根町役場の人「(これが?)イノシシ用の箱わなです。(どういう仕組みなんですか?)ワイヤがありまして、イノシシが触れると...」おびき寄せるための餌は、イノシシの好物だという「米ぬか」。また、塩分を求める習性があることから、「めんつゆ」もまいているという。このわなを町内13カ所に設置し、駆除を進めていた。箱根町役場の人「今年度は山の実りがかなり悪いので、エサを求めて人里に下りてきてしまっている」

(迷惑サル、ついに「御用」:佐賀)
市街地に近い佐賀市諸富町の平野部で4月末から軒先の果物や作物を食い荒らすなどの迷惑行為を繰り返していた野生の雄サルが11月下旬、捕獲された。人をあざ笑うかのように逃げ回り、7カ月も居座っていたが、最後は暴漢対応のネットでお縄に。ようやく地域に平穏が訪れそうだ。11月21日午後4時半ごろ、同市川副町早津江の住宅街。市川副支所職員の横尾平和さんと山本和樹さんが巡回していると、地元住民に声を掛けられた。「サル、いたよ」。急いで現場に駆けつけると、道路上でサルが近くの女性を威嚇していた。大きな網を持って近づく横尾さんに驚き、すぐに逃げ出した。このサルが同市諸富町為重や寺井津に現れたのは4月末。軒先に実ったビワを次々と食べ、9~10月には大豆畑を荒らした。10月下旬からは隣接の川副町早津江の各民家でこしらえていた干し柿が狙われた。「子どもたちが怖がっている」。川副支所に相談が相次いだ。市民の不安を解消しようと巡回部隊を結成し、早津江地区をパトロール。多い日には十数人で捕獲を試みたが、取り逃がしていた。横尾さんと山本さんも、このサルを見たことはあっても、近づくところまではいかなかった。「今度こそ」。2人は二手に分かれて、逃げたサルを追跡。山本さんが民家駐車場にいるサルを見つけた。逃げるどころか、威嚇し、じりじりと近づくサル。その距離2~3メートルほど。山本さんは「秘密兵器」を出した。護身用のネットランチャー。引き金を引くと網が飛び出し、サルの左足を捉えた。サルは慌てて逃げ出そうとしたものの、暴れれば暴れるほど網は絡まり、ついに観念。午後4時45分に“逮捕”された。「市民が困っていたのでなんとかしたかった。捕獲はたまたま」と横尾さん。11月22日、市は専門家のアドバイスを受けて市内の山奥にサルを放した。おりでおとなしくしていたサルは、山を勢いよく駆けていったという。市は一連の迷惑行為について、このサルの“単独犯”とみる。諸富町の40代女性は「捕まったと聞いて一安心。ただ、サルはほかにもいると言う人もいる。油断はできない」と話す。

(クマ捕獲し町有林に放す:三重)
三重県紀北町の長島港で8日、ツキノワグマ1頭が消波ブロックの間に挟まり、身動きがとれなくなっているのが見つかった。町は9日に狩猟免許を持つ獣医師を神戸市から呼び、麻酔銃で眠らせて捕獲。個体識別のためのICチップを付け、同日午後5時ごろに人家から約3キロ離れた同町相賀の町有林に放した。県尾鷲農林水産事務所によると、クマは体長1・2メートル、体重35キロの雄の成獣。獣医師は午後2時半ごろ、消波ブロックの約5メートル上方にある遊歩道から麻酔銃1発を撃ち、クマの尻に命中させた。眠ったのを確認し、ロープで手足を縛り、担架に乗せて引き上げ、おりに入れた。獣医師によると、クマは痩せており、えさを求めて近くの山から下りてきたと考えられる。町によると、8日午後4時ごろ、付近の住民から「長島港の海岸付近にクマがいる」と町に通報があった。同日夕に町や県の職員らが現場に到着した時には、既に消波ブロックに挟まっていた。現場は、JR紀伊長島駅の南約1キロの江ノ浦大橋近く。

(イノシシ2頭目撃か:熊本)
熊本県警大津署は10日、菊陽町馬場楠のバス停付近で同日午後2時20分ごろ、イノシシ2頭が目撃されたとして、メールで警戒を呼びかけた。

(関東甲信越、クマ出没が90%増)
関東甲信越では、クマが人里に出没するケースが増えています。ことし4月からこれまでにクマが目撃されたり、形跡が見つかったりした件数は、関東甲信越の1都9県で少なくとも4348件に上り、昨年度1年間の2290件と比べておよそ90%増加しています。また、けがをした人の数は、少なくとも34人に上り、昨年度1年間の16人と比べて2倍以上に増えています。クマの出没が増えている理由について、埼玉県の担当者は「主食のドングリが全国的に作況がよくないうえ、台風で木の実が被害を受けたことがあるのではないか。手入れが行き届いた中山間地が過疎化で衰退し、動物が住宅街まで流れてくるようになった影響もあるとみられる」と話しています。クマの生態に詳しい新潟大学農学部の箕口秀夫教授は、捕獲された3頭は親子とみられるとしたうえで「エサを求めて人里にあらわれた親子のクマが一時的に休憩をするためか、冬眠の場所を求めた可能性がある」と話しています。そして「クマは非常に慎重な動物で、本来人の気配が感じられる場所で休むことは考えにくいが、最近は人里に近いところで生活しているクマも多い。狩猟で追い立てられる記憶や人に対する恐怖心がだんだんと薄らいでいるのではないか」と分析しています。クマに対する注意点としては、「庭の柿の実や家庭菜園の野菜はすべて収穫し、生ゴミも長期間放置しないように」と述べ、クマを人里に呼び寄せ付けないことが重要だとしています。そのうえで「クマは頭が入れば、小さなすき間からでも入り込むことができる。夜間は倉庫のシャッターを下ろしたり、しっかりとしたカギをつけることも必要だ」として、厳重な戸締まりを呼びかけています。

(イノシシが激増:鹿児島)
龍郷町全域でイノシシの被害相談が増加している。有害鳥獣の捕獲が認められる4~10月中の捕獲頭数は今年193頭で、例年の約4倍。畑や民家の庭で被害が多発しているほか、通学路近くでも地面を掘り返した跡が見つかっており、町は注意を呼び掛けている。町農林水産課によると、イノシシ被害の相談は6月ごろから寄せられ、夏になって増加。町猟友会に依頼して捕獲を進めているものの、寄せられる相談数は減っていないという。町は2010年度から県事業で継続してイノシシ防護柵の設置を進めている。担当者は「本当は山を囲むように一気に設置した方が効率がいいが、事業上地域をまたいでの設置が難しい」ともらした。現状は地形や予算の関係もあり、防護柵でほ場を囲む形になっているという。イノシシ被害はこれまでに大きな被害報告がなかった地域にも拡大している。1日は住民の要望を受けて手広地区で説明会があり、町職員が住民と被害地域の範囲や防護方法について話し合った。小中学校や福祉施設近くの道路脇でもイノシシが地面を掘った跡が見つかっている。町猟友会(会員約50人)の西田重彦会長(60)は「ここ2、3年シイの実が豊富だったので山のイノシシが増えていた。今年は食べ物が減り人里まで下りてきたのでは」と分析。住民から猟友会への相談も多いが「会員だけじゃ手が回らない状況」。応急的な自衛策として、人のにおいの付いた服をつるしたり車の芳香剤をまくなどでイノシシを近寄らせない方法を伝えているという。西田会長は「けがをしているなどよほど追い詰められていたりしない限り、出合ったとしても向こうが逃げていく。イノシシが増えて山から下りてくることは過去にもあった。(猟シーズンが終わった)来年以降は落ち着くのでは」と話した。

(鳥獣被害額3年連続減:熊本)
熊本県は9日、県内の2018年度の野生鳥獣による農作物被害額が前年度比7・6%減の4億4096万円だったと発表した。減少は3年連続。被害額の半分を占めるイノシシをはじめ、カラス、シカの被害が減った。鳥獣別では、イノシシが10%減の2億2176万円、カラスは2%減の6287万円、シカは32%減の4341万円だった。鳥獣の餌になる野菜くずを畑から撤去するといった地域ぐるみの取り組みや侵入防止柵の設置、捕獲など対策の効果が出たとみている。一方、カモは35%増の4757万円、タヌキは56%増の1572万円だった。いずれも八代地域の被害が目立った。地域別の被害額は、八代が1億541万円で最多。熊本7649万円、宇城7125万円と続いた。上益城や鹿本など5地域は減少したが、八代や熊本など6地域で増加した。同日の県議会農林水産常任委員会で県が報告。県議からは「減少幅には、被害で耕作を諦めて報告しなくなった分が含まれているのではないか」との指摘があった。県むらづくり課は「耕作放棄の実態や家庭菜園の被害の状況は把握していない」として来年度、聞き取り調査に着手する方針だ。

(カラスの鳴き声聞かせてカラス撃退:福井)
福井県あわら市は、カラスによる農作物や景観、ふんなどの被害を防ぐため、カラスの鳴き声を利用して追い払う実証実験に乗り出す。本年度いっぱい、特に被害の多い地域で定期的に鳴き声を流し、効果を検証する。同市では昨年度、波松地区で収穫前のナシ3500個がカラスに食べられる被害があった。あわら温泉街につながる県道の電線にカラスが集まり、景観を壊すなどの被害も出ている。農家では、ナシ園に網を張って侵入を防いだり、市街地周辺でも捕獲おりを設置したりして対策を講じているものの、十分な効果は得られていないのが現状。鳴き声を使った追い払いは、全国でカラス対策を行っている企業「CrowLab(クロウラボ)」(栃木県宇都宮市)が開発。カラス同士のコミュニケーションを利用し、スピーカーからカラスをパニックにさせる鳴き声を数秒間再生して、その場所が危険だと認識させる仕組み。既に全国の複数の箇所で成果が出ているという。あわら市は、同市を含め一年を通して全国的に生息数の多いハシブトガラスとハシボソガラスの2種類のカラスの鳴き声を加工した音声データと、約1ヘクタールの範囲で追い払いが可能なスピーカー1台を借り受けた。今後、波松区や坂ノ下区など特に被害が多く出ている数カ所で流す予定。12月9日にはクロウラボの塚原直樹代表が同市を訪れ、市の担当職員に機器の使用法を説明した。また、塚原代表らによる研修会を同市中央公民館で開催。市の担当者や地域住民ら約20人が参加した。塚原代表は、音声機器の効果の説明のほか、田畑に農作物を放置しないといった対策をアドバイスした。市鳥獣害対策室は「単に追い払って、違う場所に居つくようになっても解決にならない。音声の効果を見極め、近隣市町や住民と一緒になって解決策を考えていきたい」としている。

(中学校でイノシシ鍋:岡山)
美作市の中学校で、地元で採れたイノシシの肉や野菜などを、大鍋で煮込んで生徒にふるまう催しが開かれました。催しは、美作中学校で放課後の学習の支援をしている地元の団体やPTAが、受験を控えた3年生などを応援しようと、毎年、この時期に開いています。9日は、中学校の中庭に2つの大鍋が用意され、団体の人たちなどが、およそ40キロのイノシシの肉と、白菜や大根などを1時間以上煮込んで400人分の鍋を完成させました。そして、授業が終わった生徒たちが次々と中庭を訪れ、何度もおかわりしながらおいしそうに食べていました。鍋をふるまった「いきいき応援団」の里見力団長は「地域とのきずなづくりにも役立っているので、これからも続けて美作中学校の伝統にしたい」と話していました。男子生徒は「3杯ぐらい、おかわりしました。こくがあっておいしかった」と話していました。

(伊勢志摩産ジビエ料理専門店:三重)
伊勢志摩産のジビエを使った料理を提供する「伊勢志摩ジビエ バンビ」で現在、「イノシシのしゃぶしゃぶ鍋(シシしゃぶ)」が人気を集めている。10月1日、伊勢市の古市街道沿いにオープンした同店。伊勢神宮の森からつながる伊勢志摩の野山で育ったシカやイノシシの肉を扱うジビエ料理専門店で、オーナーシェフの村瀬滋さん自らが、肉の解体、血抜き、熟成などの処理を行い、約10年間掛けて研究したというオリジナルメニューを提供する。村瀬さんは「寒くなってきたので、『シシしゃぶ』が人気になっている。伊勢志摩にはドングリのなる木がたくさんあり、イノシシたちの豊富な食料となっている。中でもシイの実を食べるイノシシの脂身は真っ白で臭みがなくとてもおいしい。真っ赤な赤身と真っ白な脂身がとても美しい」と話す。「シシしゃぶ」は、村瀬さんが「バンビ農園」で育てた水菜とシイタケに、薄くスライスした紅白のイノシシ肉が付く。「バンビ農園」のゴマの実を振りかけたゴマダレとポン酢に、だしなど何も加えない水を沸騰させただけの湯にイノシシ肉をくぐらせ、しゃぶしゃぶにして提供する。村瀬さんは「50頭に1頭くらいの割合で、赤身の部分に天然のサシが入るイノシシがある。それは特においしい」と話す。「タマゴ、ダイコン、コンニャク、ゴボテンに加えて子シシの骨付きスネ肉のおでんも始めた。冬のジビエを楽しんでいただければ」とも。

(害獣駆除、SNSでつなげ:埼玉)
イノシシやシカなど鳥獣による農作物被害が全国で158億円(2018年度)に上る中、有害鳥獣を駆除する狩猟免許の所持者は高齢化し、減少の一途をたどっている。そんな中、埼玉県横瀬町のベンチャー企業がインターネットを介した「有害鳥獣対策プロジェクト」を立ち上げた。都市部の狩猟免許保持者を里山にいざなうとともに、資金も集めて害獣駆除を進める取り組みだ。

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(排水から基準値超えの鉛検出:神奈川)
県は5日、県立伊勢原射撃場(伊勢原市上粕屋)の排水から、県の基準値を超える鉛が検出された、と発表した。県スポーツ課は、クレー射撃の弾に含まれた鉛がしみ出した可能性があるとみている。同課によると、雨水が流れ込む排水溝で採取した水から、県の基準値(1リットル当たり0・10ミリグラム以下)を上回る0・14ミリグラムの鉛が検出された。県は今後、周辺の排水溝や地下水を調べる。

(県警部長「拳銃では倒せない」:秋田)
6日の秋田県議会教育公安委員会で、11月に鹿角市十和田大湯で猟友会員と警察官の男性計3人がクマに襲われ重軽傷を負った人身被害発生当時の警察の対応を巡り、委員から疑問が投げかけられた。県警側は、警察官が所持する拳銃の威力は、クマに効かないとの認識を示した。鹿角市鹿角郡区選出の児玉政明委員(自民党)は、地元住民の不安を代弁し、「襲われる前に発砲できなかったのか」とただした。泉浩毅・県警生活安全部長は「人身被害の危険性があり、安全が確保できれば、警察官の命令で猟友会員が発砲できる」とし、「拳銃でクマは倒せないと認識している」と付け加えた。

(警備員の男性がイノシシに襲われ脚や背中をかまれて大けが:香川)
6日夕方三豊市で男性がイノシシに襲われ大けがをしました。6日午後4時30分ごろ三豊市山本町神田の道路工事現場にいた人から「男性がイノシシにかまれた」と警察と消防に通報がありました。イノシシに襲われたのは工事現場で交通整理をしていた55歳の男性警備員で左脚と背中をかまれました。男性は観音寺市内の病院に搬送されましたが、全治2ヵ月の重症です。「それはもうびっくりしました。時々見ることはありますけど、人が襲われるのを見たことはない」。イノシシは、体長1メートル10センチほどの成獣で、警察や三豊市の職員らが捜索しましたが、つかまっていません。

(関東全域でワクチン接種を)
群馬県の山本一太知事ら北関東3県の知事が6日、首相官邸を訪れ、国内で流行する豚コレラ対策で、豚へのワクチン接種を関東全域で行えるようにすることを安倍晋三首相に要望した。栃木の福田富一知事、茨城の大井川和彦知事が同行した。ワクチン接種地域は現在、飼育する豚や野生イノシシでの感染が見つかった群馬などの12県が対象。栃木、茨城などでは感染が確認されておらず対象地域にはなっていない。取りまとめを担った山本知事は「関東は有数の養豚地帯。広域接種が可能となるようにし、ワクチンの早期確保をお願いしたい」と述べた。安倍首相は「あらゆる対策を取りたい」と応じた。

(豚コレラ、新たに2頭感染:群馬)
県は6日、藤岡市と甘楽町で捕獲した野生イノシシ2頭の豚コレラ(CSF)感染を確認したと発表した。2頭とも遺伝子検査で陽性反応があり感染が確定した。県内の感染事例は計11頭となった。2頭の捕獲地点から半径10キロ圏内で、豚コレラワクチンの接種が終わってない養豚場が1カ所あり、県は監視対象農場に指定した。

(イノシシ向けワクチン散布へ:栃木)
栃木県は6日、野生イノシシ向けのCSF(豚コレラ)経口ワクチン散布の対象県になったことを受け、「家畜防疫班」を農政部畜産振興課内に設置した。CSFの発生予防と防疫体制の強化が狙い。経口ワクチンの散布は2020年1月に県南部で始める考えだという。野生イノシシへの経口ワクチン散布をめぐっては、農林水産省が12月3日付で同県を散布対象に加えると決めた。

(森林公園でエゾシカ初捕獲:北海道)
エゾシカによる森林や住宅への被害が深刻化している釧路町別保地区の町森林公園で7日、地元猟友会や町関係者による一斉捕獲が行われた。町鳥獣被害防止実施隊(隊長・小松茂町長)が同公園で初めて実施し、日の出から2時間ほどで7頭を捕獲。小松町長は「一定の効果はあった。今後も機会を見て継続したい」と述べた。別保地区は、町役場庁舎や一般住宅、学校などの周辺に山林が広がり自然豊かな地域である一方、エゾシカが住宅地に頻繁に出没し、ふんをしたり、花壇や家庭菜園への食害など住民からの苦情が多く寄せられている。

(「クマが車にぶつかってきた」:福島)
7日午後3時ごろ、天栄村田良尾字道木沢の国道118号で「クマが車にぶつかってきた」と、乗用車を運転していた同村の70代男性から須賀川署に通報があった。男性にけがはなかった。同署によると、男性は同日午前11時ごろ、国道を歩く体長約50センチの子グマを目撃。停車したところ、親とみられる体長約1.5メートルのクマが突然現れ、車の左前部に突進し衝突した。その後、2頭は付近の山林に去って行ったという。同署は付近を巡回し、注意を呼び掛けた。

(診療所倉庫でクマ3頭捕獲:新潟)
新潟県警南魚沼署は9日、南魚沼市二日町の二日町診療所の敷地内にある倉庫でクマ3頭が見つかり、麻酔銃を使うなどしていずれも捕獲したと発表した。署によると、負傷者はいない。専門家は冬眠状態だった可能性を指摘している。体長は1頭が約1・5メートル、2頭が約0・5メートルで、親子とみられる。8日午前8時45分ごろ、クマがいると署に通報があった。追い払おうとしていると向かってきたため、9日朝、猟友会会員が散弾銃を1発発射。倉庫は半地下の部分にあった。ツキノワグマの生態に詳しい箕口秀夫新潟大教授(森林学)は「冬眠状態に入っている可能性がある。クマは冬眠しても刺激すれば覚醒する。注意してほしい」としている。

(消波ブロックにツキノワグマ挟まる:三重)
三重県紀北町の長島港で、ツキノワグマ1頭が消波ブロックの間に挟まり、動けなくなっているのが9日午前までに見つかった。町は県外の獣医師を呼んでおり、現場に到着し次第、麻酔銃を使って捕獲する。周辺は立ち入りが禁じられた。町によると、体長100―120センチの成獣。性別は不明という。8日午後、「クマがいる」との通報が役場に寄せられた。役場職員が現場で監視を始めたが、最初の通報当時は、消波ブロックの間に挟まっていなかったとみられる。いつ挟まったのかは不明。現場は、JR紀伊長島駅から約1キロ離れた江ノ浦大橋近く。

(民家の床下にツキノワグマか:福井)
坂井市丸岡町の住宅の床下に、ツキノワグマが入っていくところを家の住人が目撃し、その後クマの行方は分かっていません。クマが現れたのは坂井市丸岡町山崎三ケの集落です。市によりますと、5日午前6時半ごろ、この家の住人が庭にいた体長1・2メートルから1・4メートルほどのツキノワグマが、床下に入るところを目撃しました。きょうになってもクマは床下にいる恐れがあるということです。市では家の周囲に檻やカメラを仕掛けて監視している他、警察と連携して近所をパトロールし警戒を呼びかけています。

(生乳積んだトレーラー横転、近くの川に流れ込み:兵庫)
6日午前4時50分ごろ、兵庫県丹波篠山市藤坂の国道173号で、生乳を積んだトレーラーが横転した。積み荷の生乳は農業用排水路を介して近くの藤坂川に流れ込んだ。市によると、現場の下流1キロ付近が一時白く染まったという。現場を確認した丹波県民局環境課によると、積んでいた17トンのうち4分の1程度が川に流れ出たとみられる。生乳は徐々に薄まっており、同課は「生態系に影響はない」とみている。油の流出も一部みられたが、市職員らが吸着パッドで吸い取った。篠山署によると、運転していた男性にけがはないとみられ、「シカをよけようとして横転した」と話しているという。上水道を取水する篠山川では汚濁は見られなかった。市は「生乳なので人体に直接的な影響はないのではないか」としている。

(空港にイノシシ出没:福岡)
6日午前7時45分ごろ、福岡市博多区青木の福岡空港国際線ターミナルビル前の駐車場で「イノシシが徘徊している」と、空港関係者の男性から110番があった。福岡空港署によると、イノシシは体長約1メートルで性別は不明。通報の約15分後、駐車場南側にある航空自衛隊春日基地の敷地内で自衛隊員が見掛けた。さらに1時間後、直線距離で2キロほど離れた博多区月隈3丁目の交差点付近で、歩道を歩いているのを通行人の女性が目撃した。その後の目撃情報はないという。イノシシは助走なしで1メートルの高さを飛び越え、鼻先で70キログラムの物を持ち上げることができるとされる。警戒心が強くあまり人前に姿を見せないが、パニックになると“猪突猛進”することも。目撃された現場は国道3号線や福岡都市高速道路に近く、企業や住宅が立ち並ぶ。署は「遭遇したら近づかずに逃げてほしい」と呼び掛けている。

(渡良瀬遊水地周辺でイノシシ捕獲急増:栃木)
台風19号の発生後、渡良瀬遊水地を囲む4県の4市2町のうち上流側の野木町、小山、栃木両市でイノシシの捕獲や目撃が相次いでいる。特に遊水地に近い野木町では、台風通過後の1カ月間で15頭も捕獲した。前年までの通算捕獲頭数が1頭だったことからすれば、まさに異例の事態。一方、遊水地の下流側では捕獲、目撃とも報告がない。冠水でねぐらを失った遊水地のイノシシは、川沿いに北上して本県に広がったと推測される。10月13日に台風19号が通過し、渡良瀬遊水地はほぼ満水状態に冠水した。このため遊水地内に生息していたイノシシが一斉に堤防を越えたり河川敷に逃げたりした。その数は100頭以上と推測される。野木町内のわなの数は前年までと同じ3カ所。いずれも遊水地に近い場所にある。1日で5頭捕獲した日もあった。ほとんどが生後1年前後の幼獣で、同じわなに4頭同時に入っていたこともあったという。「いることは分かっていたが、まさかこんなに捕れるとは」。野木町産業課の真瀬英樹(ませひでき)課長補佐は驚きを隠せない。今後はわなの数を増やすという。小山市でも台風19号通過後の1カ月間で11頭捕獲した。ただ遊水地周辺にはわなを設置していないため、遊水地由来のイノシシではない。市農政課によると、「遊水地に近い普段いないところでの目撃情報が相次いでいる」という。栃木市では台風通過後から10月末までの捕獲頭数が、前年同期を10頭下回る86頭だった。遊水地に近い藤岡地区では1頭のみ。ただこれまでにあまり出没していなかった大平、藤岡地区での目撃情報が20件ほどある。同市農林整備課では「遊水地のすみかを失ったイノシシが川沿いに北上してきた可能性がある」としている。野生のイノシシは豚コレラウイルスを保有している可能性もあり、関係者は警戒している。一方、遊水地南側の茨城県古河市、埼玉県加須市、群馬県板倉町で同時期のイノシシ捕獲例はない。目撃情報も台風以前からほとんどなく、古河市の遊水地に隣接する古河ゴルフリンクスで「年に1、2回の目撃情報がある程度」(同市環境課)という。

(クマ被害、過去最悪ペース:富山)
各地でクマの出没が相次ぐ中、富山県では6日までに20人と、過去最悪のペースで人的被害が出ている。冬眠を前に、餌のドングリが少ないことが原因とみられ、隣の新潟県でも市街地で4人が襲われるなど被害が多発。生息域の積雪が深くなるまで出没する可能性があり、専門家は「街中でも安心しないで」と注意を呼び掛ける。環境省によると、東北や中部地方を中心に被害を出しているのはツキノワグマで、本州と四国に分布。北海道でのヒグマ被害を含め、本年度の全国の人的被害は10月末までの速報値で116人。昨年度の53人の倍以上で、過去10年で最多の2010年度の150人に迫る勢いだ。

(カワウ繁殖、アユ食い荒らす:秋田)
野鳥のカワウが米代川流域を中心に増加し、アユを食い荒らしているとして、河川漁協関係者らが水産資源の減少に危機感を強めている。ここ数年で雄物川や子吉川の流域でも数を増やしているとみられるが、秋田県の動きが遅れており、個体数調査や駆除といった対策は一部にとどまる。水産資源保護に向け、官民一体となった取り組みが急務となっている。「ここ数年で一気に数が増えたと感じる。被害は深刻」。県内水面漁協連合会の湊屋啓二会長はそう話す。昨年度のアユの被害推定額は1660万円。稚魚を放流して漁業権を設定している内水面漁業者にとって、アユを大量に食べるカワウの存在は悩みの種で、産卵期(9~11月)の個体が狙われると特に影響が大きいという。カワウの影響で釣果が見込めないことから足が遠のいた釣り客もおり、「地域にマイナス」と強調する。カワウはクマなどと共に第2種特定鳥獣に指定されている。第2種特定鳥獣が生息域を拡大すると、生態系や農林水産業に被害が及ぶ恐れがあり、都道府県が管理計画を定めて個体数管理や被害対策を講じることとなっている。県水産振興センターによると、カワウの推定生息数はこの10年間、千~1200羽で推移。一方、米代川など3流域で昨年度から個体数を調査しているNPO法人・秋田水生生物保全協会の杉山秀樹理事長は「最低でも2千羽はいるのではないか」と話す。本格的な個体数調査は行われておらず、実態はつかみ切れていない。

(空が真っ黒、水鳥「カワウ」の恐怖:滋賀)
ヒチコック監督のパニック映画「鳥」で描かれているように、無数の鳥は人間に恐怖を覚えさせることがある。そんな情景が今、日本の各地で見られるようになった。鳥の正体は大型の水鳥「カワウ」。全国で生息域を広げ、アユを大量に捕食したり、フンで樹木が枯死したりする被害も発生している。国内最大の生息地・琵琶湖(滋賀県)を有する関西広域連合は、県境を越えて移動するカワウ対策を実施。国と足並みをそろえ、「数年で半減」の目標を掲げている。「憎たらしい存在。1日に2万~3万羽がやってきて空は真っ黒。放流したアユを食い尽くし、壊滅させたこともある」滋賀県河川漁業協同組合連合会の佐野昇会長(64)はそう憤った。佐野会長によると、地元の大戸川では放流したアユをカワウに補食される被害が絶えず、ピーク時の約20年前は、約1トンを放しても1週間もたたずに根こそぎ食べられていたという。漁協は、禁漁期間中に川の水面の上に糸を張ってカワウを近づかせない対策を行うことで、一定の効果を上げた。ただ、毎年6~9月のアユ釣り解禁中は糸を切らざるを得えず、カワウは釣り客がいないタイミングを狙って接近してくる。そのため、毎日午前4時ごろから数時間、組合員数人が川沿いに1キロ間隔で並び、時間差で5連発の花火を放ち、カワウを少しずつ上空に遠ざけるという地道な対策を取り続けている。佐野会長は「大変な労力だし、ここまでやっている組合は他にない。それくらいしないと追い払えない」と苦々しく話す。環境省などによると、カワウはペリカンの仲間で、体長約80センチ、体重1・5~2・5キロの水鳥。岐阜県の長良川などで行われる「鵜飼漁」で使われるウミウとは別の種類だ。水に潜ってアユやウグイなど魚種を問わずに捕らえ、1日に300~500グラムを食べる。高い移動能力を誇り、日常的な行動範囲は直径数十~50キロ。調査では、霞ケ浦(茨城県)から浜名湖(静岡県)の間を3日で往復したケースもあったという。昭和30~40年代には環境汚染や干潟の埋め立てなどで激減し、46年には全国で3千羽まで減少して絶滅の恐れもあった。しかし、環境改善や河川改修で魚が隠れる場所が少なくなったこともあり、平成に入るころから急激に増加。現在は約10万羽が生息しているとされる。増加に合わせて漁業被害も深刻化した。全国内水面漁連の平成20年の試算では、推定被害額は103億円。滋賀県の場合、28年度のアユなどの漁獲量が1千トンだったのに対し、カワウの捕食量は494トン。ピークの20年度は漁獲量1800トンを上回る2771トンが食べられた。フン害も軽視できない。琵琶湖の観光地・竹生(ちくぶ)島では一時、カワウに木の枝を折られた上、土壌を酸性化させるカワウのフンによって大半の樹木が枯れた。カワウ被害が全国で問題になったことから、環境省は19年、カワウを鳥獣保護法に基づく狩猟鳥に指定、特別な許可がなくても捕獲できるようにした。駆除したカワウを1羽あたり5千円で買い取っている漁協もある。さらに同省は26年、「被害を与えるカワウの個体数を2023(令和5)年度までに半減させる」との目標を設定した。県境を越えて広範囲に移動する習性上、対策には自治体間の連携が必要になる。滋賀県や大阪府など8府県と政令市で構成する関西広域連合は23年度から、個体数調査や効果的な対策の情報共有を図っている。同連合自然環境保全課の間野智也主査は「大規模な捕獲で総数が減り、被害が少なくなってきたという漁協も多い」と手応えを口にし、「分散しているねぐらの位置を把握し、対処すれば5年後に半減させる目標達成は可能。人間とカワウが共生できるような環境にしたい」としている。

(野生動物の農業被害10年前から激減:京都)
京都府内で猛威を振るった獣害が近年減少し、昨年の野生鳥獣による農作物被害額は10年前と比べて約3分の1に減った。府などによると、防護柵による農地の囲い込みと猟期外の捕獲などが功を奏したとみられるという。ただ、有害鳥獣駆除にあたる免許取得者の高齢化など課題は残る。府によると、府内の農作物への被害額は2007年度まで5億円前後で推移し、ピークの2008年度には約7億4400万円に達した。被害軽減を目的に同年施行された鳥獣被害防止特措法で、捕獲許可権限が市町村に委譲され、猟期(府内は11月15日~翌年2月15日)外での有害駆除が強化された。駆除費が上乗せされた影響もあり、年間の捕獲実績が最も多かった15年度は、09年度と比べて約2倍となるシカ約2万3千頭、イノシシ約1万4千頭を駆除した。また、防護柵による農地や集落の囲い込みが推奨され、国や府の補助金によって設置された府内全体の防護柵の総延長は11年度から昨年度末までで約3200キロに及んだ。これらの対策により、被害額は年々減り、16年度からの3年間は3億円を割り込み、昨年度は約2億7400万円にまで減少。被害の大きい府丹後広域振興局は「農地の囲い込みが一定終わり、個体数も減ったことが被害減につながった」と話す。一方で、狩猟免許の登録者数の高齢化が深刻だ。19年現在、府内で約3300人が登録するが、60代が約22%、70代以上が約26%で、60代以上が全体の約半数を占める。府では講習会を催すなど新たな捕獲の担い手育成に力を入れている。同振興局は「全体の被害は減ったとしても、個々の農家の被害の実感は強い。今後も有害鳥獣駆除の担い手を確保して対策していきたい」と話している。

(豚コレラ対策、研修会:群馬)
豚コレラ対策に向けた野生イノシシの捕獲強化のため、群馬県鳥獣被害対策支援センターと利根沼田鳥獣被害対策推進会議は5日、沼田市の利根沼田合同庁舎で捕獲用機器研修会を初開催した。捕獲隊や行政関係者34人がわなの設置などについて理解を深めた。通信を活用した捕獲用機器を開発したアイエスイー(三重県)の高橋完さん(40)が、遠隔操作ができる囲いわなやセンサーなどの装置を紹介した。高橋さんは「わなの外に餌を置き、イノシシをだんだん近づけることが必要。餌を切らさないように」と助言。最後に設置しやすい箱わなとセンサーの実物を駐車場で組み立て、使い方などを解説した。

(林業関係者ら、熊の生態学ぶ:秋田)
秋田市の東北森林管理局で4日、熊の生態に詳しい県立大(秋田市)の星崎和彦教授を招いた公開講座が開かれ、同局職員や林業関係者など約70人が熊の生態などを学んだ。県自然保護課によると県内では熊の目撃が相次ぎ、2019年度は秋田市の住宅地などでも人が襲われ、16人の重軽傷が出ている。

(鳥獣対策入門セミナー、全国8箇所で開催)
鳥獣による農林水産業等に係る被害については、鳥獣の生息分布域の拡大、農山漁村における過疎化や高齢化の進展による耕作放棄地の増加等に伴い、中山間地域等を中心に全国的に深刻化しています。また、鳥獣による農林水産業等に係る被害は、農林漁業者の営農・林業経営意欲の低下等を通じて、耕作放棄地の増加等をもたらし、これが更なる被害を招く悪循環を生じさせています。 鳥獣対策を行う上で、捕獲従事者の高齢化が進む中、新規の担い手の掘り起こしや人材育成が喫緊の課題となっています。狩猟免許を持っているが活動が出来ていない方、鳥獣対策に関心がある若者や女性の方々を対象に、先輩ハンターや鳥獣対策の経験豊富な専門家が無料で研修会を全国8カ所で開催します。是非ご参加ください。

(鳥にエサ「ダメ」ルール化進む)
住宅街に集まる野生のハトやカラスへのエサやりを取り締まる自治体が増えている。大阪市では一部地域でエサやりが景観悪化や騒音を深刻化させており、苦情を受けた市が条例による規制に動き出した。各地で同様の取り組みが広がる一方、専門家は「エサやりをする人に声かけするなど、地域でできる対策も欠かせない」と指摘する。

(イノシシ駆除団体が初の供養:石川)
七尾市大泊町の住民でつくるイノシシ駆除団体「大泊イノシシ・ボイコットの会」は7日、同町の真宗大谷派専念寺でイノシシの供養を初めて営んだ。会員ら10人が命の大切さを改めて実感し、来年以降も続けることを検討している。同会は2017年4月に設立した。石川県が定めるイノシシの狩猟期間は11月1日~3月31日だが、農地荒らしを防ぐため、市の許可を得て年間を通して駆除活動に取り組んでいる。駆除方法は餌となる米ぬかをおりの中に置き、おびき寄せたイノシシを閉じ込めた後、「止めさし」と呼ばれる電気が流れる棒で感電させる。濱田純人(すみと)会長によると、地区では13年ごろからイノシシが増え始め、今年は7日時点で90頭を駆除した。昨年の駆除数(60頭)を上回る増加ぶりで、会員から「あやめたイノシシが夢に出てきた」「夜中にうめき声を上げていると家族に言われた」などの声があり、供養を企画した。昇融(ほしのぼりとおる)住職が読経した後、「罪悪感はあるかもしれないが、命に感謝し、いただくという気持ちを忘れなければ救われる」と説法した。供養後、「しし鍋」が振る舞われ、会員は感謝しながら味わった。濱田会長は「やらなければと思っていた供養が実現できてうれしい。これからも続け、住民の皆さんにも広めていきたい」と話した。

(ニホンザル保護管理に関する研究の最前線:東京)
霊長類による農業・生活被害は世界各地で深刻な問題となっており、関連する研究報告は増加傾向にある。日本でも、ニホンザルによる被害問題が顕在化した1990年代以降、行政や研究機関各種が主導して、被害防除の技術開発から、個体群や生息地の管理にかかわる知見の集積、さらにはそれらの技術や知見を現場に生かすための政策的研究まで幅広く進められてきた。また、被害問題とは別に、過去に導入されたアカゲザルやタイワンザルとの交雑により在来種ニホンザルの遺伝的多様性が消失するという別の問題も発生しており、その影響評価と対策も着実に進められてきている。しかし、こうした取り組みが英文誌で公表される機会がこれまで少なかったため、こうした成果は海外ではほとんど知られていない。そこで、関連する研究者・実務者により、英文誌に関連成果を紹介する特集を計画している。この度開催する本研究会を、この特集記事の取りまとめを兼ねた成果報告会の場として活用し、幅広い分野や立場の参加者を交えた議論の場としたい。

(「未来大使」新たに3人:栃木)
県は7日、本県の魅力をPRする「とちぎ未来大使」に、天皇即位祭典で国歌独唱を務めたオペラ歌手森谷真理(もりやまり)さん(41)=小山市出身、クレー射撃で東京五輪に出場する石原奈央子(いしはらなおこ)さん(45)=鹿沼市、本年度の県文化功労者に選ばれた民俗学者柏村祐司(かしわむらゆうじ)さん(75)=宇都宮市=の3人を任命した。

(野生の鳥獣肉「ジビエ」はなぜダイエットにおすすめなのか)
食肉として飼育される牛や豚などと異なり、狩猟によって捕獲された野生の鳥獣肉、ジビエ。もともとは秋冬の狩猟解禁中だけ楽しめるフランス料理の高級食材というイメージでしたが、最近では年間を通して気軽にジビエ料理を楽しめる飲食店も増えてきています。特に近年、ジビエが高タンパク、低カロリーで栄養価が高く、アスリートの身体づくりにぴったりなヘルシー食材だということに注目が集まっています。実際にジビエを摂ることで、身体にどんな効果が期待できるのでしょうか。名古屋のジビエレストラン『百獣屋 然喰(ももんじぜんくう)』のオーナーでありアスリートフードマイスターの資格をもつ國井克己さんにお話を伺いました。筋肉量を落とさず体重を落とす。シカ肉は減量中のアスリートにオススメ國井さんは猟期には愛犬とともに山を駆け巡りジビエを調達。調理もこなします。アスリート向けに食事を提供する一方で、自身もバイアスロンを嗜み、毎日トレーニングをかかさないアスリートです。「国内で食べられるジビエにはシカ、イノシシ、クマ、野鳥などがありますが、アスリートにすすめるのはシカ肉とイノシシ肉。特にシカは牛や豚に比べて、低カロリー低脂肪ながら栄養素が群を抜いて豊富。まさに究極のダイエットフードです」(國井さん)。シカ肉のカロリーは牛肉の約3分の1、脂質は約7分の1であるのにもかかわらず、たんぱく質は約1.5倍! シカ肉を摂ることを続ければ、筋肉を維持しながら脂肪を大幅に落とすことが可能です。実際に、減量中のボディビルダーに提供することが多いとのこと。さらに注目したいのが、鉄分の豊富さ。日々ハードなトレーニングをしているアスリートが陥りやすいスポーツ性貧血の予防に最適な食材といえます。「なかでもエゾシカの肉は圧倒的に鉄分が多い。実際に自分は毎日エゾシカを食べ続けて、1か月間でヘモグロビン量が11g/dlから16.5g/dlまで増えました。体内の鉄分が増えることで持久力も上がりますよ」(國井さん)。「イノシシ肉は必須脂肪酸を豊富に含んでいます。低糖質食でエネルギー不足になりやすいアスリートはイノシシ肉を食べれば良質の脂肪でカロリー摂取することができます。鍋など煮込み料理に脂溶性ビタミンを含む根菜、野菜類を加えればより効果的なビタミン摂取が可能です」(國井さん)。イノシシ肉はシカ肉に比べれば高カロリーですが、それでも牛や豚に比べれば低く、シカ肉同様ビタミンや鉄分などの栄養素が豊富に含まれています。「数値で見ると脂質も多いように感じますが、イノシシの脂の成分は不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。魚の脂のように、体内に溜まりにくい良質の脂なんです」(國井さん)。シカ肉もイノシシ肉もビタミンB群が豊富に含まれており、疲労回復効果も期待できるそう。アスリートの身体にはいいことずくめですね。レストランへ行かなくても、家庭でおいしくジビエ料理を食べることはできるのでしょうか。「イノシシ肉は豚肉と一緒。豚肉料理と同じ調理方法でおいしく食べられます。シカ肉はしっかり火を通す必要があります。薄切りにして焼くのがおすすめです」(國井さん)。「ジビエ肉の肉質は、誰が捕獲して、誰が解体して、誰が肉にしたかで決まります。ジビエは臭みがあるとか、硬いとか、マイナスイメージがある人もいるかもしれませんが、しっかり処理された肉であれば間違いなくおいしく食べられます。今はデパートの肉売り場で買えるところもありますし、きちんとした業者の肉がネット販売でも手に入ります」(國井さん)。きちんと管理された商品は製品表示ラベルの個体番号によって管理されており、生産者がわかるようになっています。安全・安心なジビエ肉を選び、しっかり加熱調理をしておいしくいただきましょう。

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12/6
(ハンターの違反行為横行、猟友会6件確認:北海道)
10月から狩猟期間となり、趣味でエゾシカなどを撃つハンターによる違反行為が夕張市内で横行している。狩猟禁止区域で林道のゲートを開けて中に入ったり、法律で禁止されている公道からの射撃(公道発射)を行ったりするハンターが後を絶たない。一般社団法人北海道猟友会夕張支部は「公道発射は大事故につながりかねない」として、法令順守を訴えている。同支部では頻繁に市内をパトロールしており、10月下旬には、狩猟が禁止されている紅葉山の林道内で、ハンターの男性の車と遭遇した。同支部の小林和拓(かずひろ)副支部長が問い詰めたところ「エゾシカを撃てるかもと思って中に入った」と認めたという。

(シカの死骸不法投棄疑い書類送検:和歌山)
ことし2月、田辺市の山林にシカの死骸を不法に捨てたとして、食肉処理販売業の男性ら2人が、廃棄物処理法違反の疑いで、27日書類送検されました。書類送検されたのは、田辺市で食肉処理販売業を営む66歳の男性と、従業員の39歳の男性の2人です。警察によりますと、2人は、ことし2月5日から21日にかけて、あわせて8回にわたり、田辺市本宮町の山林にシカの死骸およそ340キログラムを不法に捨てたとして廃棄物処理法違反の疑いが持たれています。ことし2月18日に、近くに住む人から「シカの死骸が不法投棄されている」と通報があり、警察が聞き込みなどを行ったところ、2人が捨てていたことがわかったということです。警察の調べに対し、2人は容疑を認め、「在庫がたまり、処分するのに困って捨てた」と話しているということです。

(キノコ採り中クマに襲われる:福島)
1日午後4時35分ごろ、西会津町の雑木林で「家族がクマにかまれた」と、被害に遭った男性の妻から119番通報があった。喜多方署によると、キノコ採りをしていた同町の男性(80)がクマに襲われ、頭や左腕から出血する重傷を負った。同署によると、男性は1人でキノコ採り中にクマに襲われたとみられる。頭などをけがしたが、自力で近くの商店に逃げ込み、助けを求めたという。クマの体長は約1メートルで、その後の行方は分かっていない。同署は現場周辺でパトロールを行い、注意を呼び掛けた。現場は同町のさゆり公園から北東に約1.8キロの住宅が点在する地域。

(サル被害多発、下校中男児ら襲われけが:三重)
志摩市磯部町で子供や大人がサルに襲われ、けがをする被害が多発している。5日朝、同市磯部町の市磯部浄水場で、出勤した40代の男性職員がふくらはぎをかまれ、病院で治療を受けた。後ろから不意に襲われ、かみつかれたという。市内でサルが人を襲う「事件」は今年になってからという。事態を重く見た市は、猟友会に依頼し駆除に乗り出すとともに、看板の設置やチラシ配布などで、注意を呼びかけている。

(校庭にヒグマ、猟友会駆除:北海道)
1日午前1時50分ごろ、北海道帯広市西16条南31丁目の路上をクマが歩いているのを、車で通り掛かった男性が発見し110番した。クマはその後、同市西8条南5丁目の市立帯広小の校庭に入り、猟友会のハンターが午前11時ごろ、敷地内の木に登っているところを射殺し駆除した。帯広署によると、学校の窓ガラスが2枚割れたが、けが人はいなかった。クマは体長約1・5メートルの雌とみられる。同小付近は市役所などがある帯広市の中心部。署は一時、周辺の住民に外出を控えるよう呼び掛けた。

(県立射撃場計画、コメント避ける:山梨)
県が整備方針を示した新しい県立射撃場を巡り、韮崎市穂坂町三之蔵の県有地が建設候補地に浮上していることについて、同市の内藤久夫市長は28日の定例会見で「現段階ではコメントできない」と述べた。

(市街地で初のわな、捕獲はひと月20頭:北海道)
北海道釧路総合振興局は29日、エゾシカの目撃が相次ぐ釧路市の市街地に仕掛けた囲いわなで、約1か月間に20頭を捕獲したと発表した。道が市街地でわなによるシカの捕獲を行ったのは初めて。同市に寄せられたシカの目撃通報は、2016年度に13件だったが、18年度は57件に急増。市役所から約1・5キロの春採湖周辺の住宅地では、家庭菜園の野菜を食べられたり、車道に飛び出してきたりするケースが相次いでいた。市街地では猟銃が使えないため、10月25日~11月29日、春採湖畔に囲いわな(外周29メートル、高さ2・7メートル)を設置した。ベニヤ板でほぼ円形に囲み、入り口が1か所ある。餌を仕掛けてカメラで24時間監視し、シカが入ったら遠隔で扉を閉める方法で雄1頭、雌19頭を捕獲した。同振興局は5月、湖周辺で少なくとも24頭の群れを確認しており、一定の成果が上がったとみている。捕獲したシカは食肉として活用する。道の推計によると、道内のシカの生息数(南部を除く)は18年度に66万頭。同年度の農林業被害額は約38億円で、振興局別では釧路が約11億円で最も多い。

(野生イノシシ2頭が豚コレラ:三重)
三重県は27日、菰野町で見つかった野生イノシシ2頭がCSF(豚コレラ)に感染していたと発表した。県内で感染が確認されたイノシシは27頭となった。県によると、感染が確認されたイノシシは21日、同町千草と同町田口の林で、地元猟友会が捕獲した。県の検査で27日に陽性が確認された。捕獲地点から半径10キロ圏の養豚場では、全ての豚にワクチンの接種が完了しているため、今回の感染確認で新たな監視対象農場の設定はない。

(CSFイノシシ、11頭目:石川)
26日に能美市で見つかったイノシシ1頭がCSF、いわゆる豚コレラに感染していることが確認され、県内で感染が確認されたイノシシは11頭となりました。CSF、いわゆる豚コレラの感染が確認されたのは、26日に能美市灯台笹町の林道で死亡した状態で見つかったメスのイノシシ1頭です。県内では、これまでに白山市と小松市、それに金沢市と加賀市でCSFに感染したイノシシが見つかっていて、県内では、これで11頭目となります。能美市でCSFに感染したイノシシが見つかるのは、今回が初めてです。石川県は10月末から、感染拡大を防ぐため、県内の養豚場で飼育されている豚すべてを対象にワクチン接種を進めています。また県では、風評被害の防止に向け▼CSFが人に感染しないことや▼万が一、人が食べても健康には影響がないことなどを広く発信していきたいとしています。

(CSF感染のイノシシ7頭目確認:群馬)
ブタの伝染病のCSF、いわゆる豚コレラの感染が相次ぐ中、新たに神流町で捕獲された野生イノシシ1頭が感染していたことが国の研究機関の検査で確認されました。これで県内で感染が確認された野生イノシシは7頭目となります。県によりますと、このイノシシが捕獲された場所から半径10キロ圏内に養豚場はなく、監視対象となる養豚場の追加はないということです。

(新たに2頭の豚コレラ感染:群馬)
県は4日、南牧村と神流町で捕獲した野生イノシシ2頭の豚コレラ感染を確認したと発表した。いずれも遺伝子検査で陽性反応があり、感染が確定した。県内の感染事例は計9頭となった。県によると、2頭が捕獲された地点から半径10キロ圏内に立地する4カ所の養豚場では既に豚コレラワクチンの接種が完了しているため、監視対象農場には指定されないという。

(野生イノシシ14頭、新たに豚コレラ感染確認:滋賀)
滋賀県は2日、豚コレラ(CSF)に感染した野生イノシシが長浜、米原、東近江の3市で計14頭、新たに見つかったと発表した。東近江市の捕獲場所から半径10キロ圏内には養豚農家3戸があり、県は引き続き衛生管理の徹底を指導する。県内で感染が確認された野生イノシシは9月以降、計58頭(米原市25、長浜市24、東近江市7、多賀町2)となった。

(イノシシが河川敷に出現、区役所職員が捕獲へ:東京)
東京の荒川河川敷で、野生とみられるイノシシ一頭が見つかり、現在も警視庁や区役所の職員が捕獲に向けた作業をしている。足立区役所などによると、3日正午ごろ、足立区の江北橋付近でイノシシの目撃情報があった。警視庁などが付近を捜索すると荒川の河川敷で、野生とみられるイノシシ一頭を発見したという。イノシシの体長は、およそ1メートルくらいで、荒川を泳いだりして逃げたりしたため現在も捕獲できていないという。この辺りではここ数日、イノシシの目撃情報が相次いでいるということで、区役所は見かけても近寄らずに通報してほしいとしている。

(なぜ?荒川の河川敷にイノシシ:東京)
東京・足立区の荒川の河川敷周辺で2日から3日にかけて、体長約1メートルほどのイノシシが目撃され、区役所や警視庁に通報が相次いでいるという。3日午後0時15分ごろ「江北橋付近にイノシシが1匹いる」と110番通報があった。警察官が出動し、その大捕り物もツイッター上の動画でアップされた。その後も捕獲作戦が続いたが、イノシシは荒川を泳いで逃走し、幅約200メートルの川を渡って千住側に到達し、再び逃走。河川敷を北に移動し、扇大橋付近で目撃されたが、3日中には捕獲されなかった。東京23区内でイノシシが闊歩するのは極めて珍しいという。ある行政関係者は「近年、山間部から住宅地に下りてくるイノシシは全国的に多くなっている印象。里山にドングリが実らない杉を植えすぎてエサが減ったとか、人が捨てた生ゴミの味を覚えたなどの情報や、関東では台風による水害で山に何らかの変化があったのではないかともいわれていますが、原因は正確にはわかっていない」と話している。

(クマの親子か、目撃情報:三重)
27日午前9時ごろ、三重県尾鷲市天満浦古里の県道で親子とみられるクマらしき動物を見たと介護施設職員から市に通報があった。クマの目撃情報は今年に入って初めて。市水産農林課によると、クマはそれぞれ体長1メートルと50センチほど。山側に向かって逃げたという。市は付近をパトロールしたり防災行政無線で注意を呼び掛けたりしている。

(ライトバンがクマに衝突:秋田)
26日午後6時20分ごろ、秋田県三種町鯉川字川代の秋田自動車道上り線・琴丘森岳インターチェンジ(IC)―五城目八郎潟IC間で、由利本荘市の50代男性が運転するライトバンがクマと衝突した。男性にけがはなかった。

(イノシシの目撃情報相次ぐ:埼玉)
4日朝、埼玉県南部の志木市や富士見市で、イノシシの目撃情報が相次ぎました。イノシシはその後、富士見市内の畑で見つかり、警察や消防が地元の猟友会とともに取り囲んで午前11時すぎに捕獲しました。警察によりますと、4日午前7時半ごろから埼玉県志木市を流れる新河岸川で「体長1メートルほどのイノシシが河川敷を歩いている」という通報が相次いで寄せられました。イノシシはその後、富士見市内の民家の脇にある畑にいるのが見つかり、警察や消防が地元の猟友会とともに、網などを準備して取り囲みました。イノシシは、1時間以上、畑の土を掘り返すなどしていましたが、午前11時すぎに捕獲されたということです。捕獲された現場は、東武東上線のみずほ台駅から2キロほど離れた住宅街で、警察によりますと、これまでのところけが人は確認されていないということです。イノシシは3日、東京 足立区の荒川の河川敷でも目撃されていましたが、埼玉県警によりますと、新河岸川と荒川はつながっていることから、捕獲されたのは同じイノシシの可能性があるということです。足立区によりますと、2日から区内でイノシシの目撃情報が寄せられ、3日は荒川の河川敷で体長およそ1メートルのイノシシ1頭が走り回っているのが確認され、区は住民に近寄らないよう注意を呼びかけていました。区によりますと、目撃情報は昨夜8時ごろを最後にその後は寄せられておらず、4日もこれまでのところ区内でのイノシシの目撃情報はないということです。足立区は埼玉県富士見市で捕まったイノシシと同じイノシシかどうか、富士見市に問い合わせるなどして調べているということです。

(ツキノワグマ出没警報延長、12月末まで:秋田)
秋田県は28日、今月末までの発令を予定していたツキノワグマ出没警報の期間を12月31日まで延長すると発表した。11月も県内でクマが人を襲う事故が複数発生したことなどを受けた。東北森林管理局がまとめた今年の県内のブナの結実状況は「大凶作」。冬眠を控えたクマが餌を求めて12月も広範囲で活動することが予想され、引き続き警戒を強める。県内で本年度発生したクマによる人身被害は14件、16人に上る。このうち9件は住宅地の近くで起きた。県は被害拡大を防ごうと、例年より2週間早い11月1日にクマの猟を解禁するなど対策を強化している。

(通学路に猿出没:栃木)
農地が広がる鹿沼市の加蘇地域で、野生ザルの出没が増加している。集団で歩き回り、人に遭っても逃げない。威嚇することも珍しくないという。通学路を我がもの顔でうろつく目撃も相次ぎ、学校側も頭を悩ませている。春以降、鹿沼市に報告されているだけで5件の目撃情報があった。11月は3件。20日には加蘇中学校の通学路近くで体長約50センチのサルがわなを仕掛けたオリにかかった。教員は「生徒に危害を加える可能性もある。何かあってからでは遅いので通報しているが、1年を通して出没する」ともらした。実際、報告しない市民も多く、複数の集団が周辺に生息しているとみられている。県自然環境課によると、県内の野生ザルは1980年代以降、増加傾向にあるという。88年度の捕獲数は32頭だったが、2014年度は1070頭。県北や県西地域に集中し、農業被害も相次いでいる。

(またクマ目撃:山梨)
クマの目撃情報が相次いでいる山梨県笛吹市一宮町で2頭のクマが目撃され、市は警戒を強化しています。28日、午後11時過ぎ笛吹市一宮町石の県道で車で帰宅途中の男性が道路上にクマ2頭がいるのを見つけました。市や警察によりますとクマはいずれも体長約1メートルで、男性が車のライトをあてると逃げていったということです。市や警察は現場周辺のパトロールを行いましたが見つかっておらず、被害は確認されていません。現場から約1キロ離れたところには一宮南小学校があり、学校は保護者にメールでクマへの注意を呼びかけました。笛吹市では去年はゼロだった10月以降のクマの目撃情報が今年は7件寄せられ、市は猟友会と連携して警戒を強化しています。

(「イノシシ泳いでいる」通報続々:埼玉)
4日午前9時半ごろ、埼玉県富士見市下南畑の民家の畑にイノシシ1頭がいるのを住民の男性が発見し、110番した。東入間署員や消防隊員、地元の猟友会員などが駆けつけ、午前11時10分ごろ、約20人が取り囲んで網を仕掛けて捕獲、駆除した。県警によると、朝霞市の新河岸川の河川敷で午前7時半ごろ、「約1メートルのイノシシ1頭がいる」と110番があり、その後も「イノシシが泳いでいる」などの通報が相次いでいた。イノシシは富士見市で捕獲されるまで約1時間半、畑の農作物を食べたり、穴を掘ったりしていたという。けが人はいなかった。この民家の男性は「80年以上住んでいるが、イノシシの出没は初めて」と驚いていた。東京都足立区役所によると、今月2~3日には同区の荒川付近でもイノシシが目撃されていた。

(イノシシの目撃情報相次ぐ:大分)
大分市の住宅地でイノシシの目撃情報。TOSに視聴者から寄せられた動画には住宅地を悠然と歩くイノシシの姿が。撮影された大分市高江周辺では目撃情報が相次いでいて、市がパトロールを行うとともに「遭遇した際は刺激せず逃げて」と注意を呼び掛けている。

(商業施設にイノシシ、市が注意促す:群馬)
群馬県高崎市棟高町の大型商業施設、イオンモール高崎周辺で3日、イノシシ1頭が出没し、同店内や近くの小学校敷地への侵入が目撃された。けが人はいない。4日も捕獲されておらず、同市は注意を促している。市群馬支所などによると、最初の目撃は3日午前7時40分ごろ。イノシシが高崎桜山小の駐車場に侵入して5分ほど走り回り、敷地の外へ出た。児童はほぼ全員が校舎内にいて無事。その後、高崎金古南小近くでも目撃されたという。複数の目撃者によると、イノシシは同日午前、イオンモール高崎の店内にも一時侵入。買い物をしていた70代男性は「体長約1.5メートルのイノシシが店内を歩いていて驚いた。けがをしているようだった」と説明。40代女性は「店に入るといきなり『逃げて』と言われたのでびっくりした。店員が刺股を持っていたので何事かと思った」と話した。イオンモール広報は「近くにイノシシがいたとは聞いているが、(店内に侵入したかは)コメントできない」としている。付近は住宅や田んぼが混在。同支所は「見掛けても近づかずに情報を寄せてほしい」と呼び掛けている。

(イノシシ出現情報、市民に注意喚起:埼玉)
野生のイノシシが5日、埼玉・川口市赤井周辺で目撃されたという情報が埼玉県警にあった。市職員らが現地を捜索したが確認はできなかった。4日に埼玉・富士見市で全長1・2メートル、体重約70キロのオスのイノシシが捕獲されたばかり。川口市役所はメールで市民に注意喚起した。富士見市で捕獲されたイノシシは2日から東京・足立区の荒川周辺に出現したイノシシとは別の個体である可能性もあり、足立区役所では引き続き、警戒を行っている。

(イノシシ1頭を民家の畑で捕獲:埼玉)
4日午前9時半ごろ、富士見市下南畑の民家の畑にイノシシ1頭がいるのを住民の男性が発見し、110番した。東入間署員や消防隊員、地元の猟友会員などが駆けつけ、午前11時10分ごろ、約20人が取り囲んで網を仕掛けて捕獲、駆除した。

(住宅地付近にイノシシ出没:徳島)
3日午後3時ごろ、美馬市美馬町竹ノ内の市道にイノシシ1匹が出没したと美馬署に通報があった。住宅地が近いため、署員がパトロールをして注意を呼び掛けている。イノシシは体長約1メートル。路上をうろついた後、竹やぶに逃げた。けが人はいない。署は「イノシシを見つけても大声を出したり、近づいたりしないで通報してほしい」としている。

(イノシシの出没:埼玉)
11月30日(土)午前11時5分ころ、大字川田谷地内で、イノシシを目撃したとの情報が寄せられました。外出した際は十分注意し、発見した際は近寄らず、身の安全を最優先としてください。

(大型のイノシシか、公園周辺で目撃情報:沖縄)
沖縄県北中城村の中城公園周辺で、イノシシの目撃情報が寄せられている。県警によると25日ごろ、同村荻道の芋畑でイノシシが畑を荒らし、中城公園方面に逃げていった。畑にあった足跡から、大型のイノシシである可能性が高いという。同村教育委員会は28日午前、村内の小中学校に児童・生徒や保護者らに向けて注意喚起をするよう通達した。

(河川敷で1メートルのクマ目撃:宮城)
4日午後8時45分ごろ、仙台市青葉区米ケ袋3の広瀬川の河川敷で、車で走行中の男性が体長約1メートルのクマを目撃し、仙台中央署に通報した。現場は住宅街や観光地に近く、付近には学校もあることから、同署は近隣住民に注意を呼びかけている。

(住宅付近にクマ:秋田)
5日午前10時ごろ、秋田市南ケ丘3丁目の住宅地近くの山林にクマがいるのを同所の80代女性が目撃し、秋田東署に通報した。約50分後には南ケ丘1丁目の市道を横切るクマが目撃された。被害は確認されていない。同署によると、自宅にいた女性が、北側にある山林の奥に入っていく体長約1メートルのクマを目撃した。直近の民家まで約20メートル。市道ではドライバーが目撃した。直近の民家まで約80メートル。

(クマ目撃24件、箱わな捕獲6件:秋田)
秋田県東成瀬村議会は3日、12月定例会議を開会。提出案件は19年度一般会計補正予算案、20年度から会計年度任用職員制度を導入することに伴う条例制定案など10件。会期は13日まで。行政報告で佐々木哲男村長は「今年、村内でのクマの目撃情報は24件で、箱わなによる捕獲事案は6件だった。

(シカがBRTが接触、35分遅れる:岩手)
3日午後5時10分ごろ、陸前高田市気仙町のJR大船渡線バス高速輸送システム(BRT)長部-唐桑大沢間の国道45号で、上り車両がニホンジカと接触した。乗客4人は代替車両に乗り換え、このBRTが約35分遅れた。

(越冬カラスのふん害深刻:熊本)
夕暮れの熊本市中心街をカラスの大群が飛び回り、ねぐらとなっている中央区の花畑公園周辺ではふん害をもたらしている。多くは中国大陸や朝鮮半島から越冬のため渡ってくるミヤマガラスとみられ、市は有効な対策を探るため生態調査に乗りだした。市によると、市内にはくちばしが太いハシブトガラスと細いハシボソガラスが生息。ミヤマガラスはそれらより小さく、くちばしの付け根が白っぽい。10月下旬に飛来し、2月下旬に飛び立つ。中心街で目立ち始めたのは昨年から。日本野鳥の会県支部の原口研治事務局長(66)は「市内に飛来するミヤマガラスは20年前から崇城大近くの竹やぶをねぐらにしている。その一部が街中に出てきたようだ」とみる。日中、ミヤマガラスは郊外で落ち穂を食べ、夕方になると中心街の街路樹や電線に戻ってくる。このため市役所近くの歩道橋や花畑公園がふんで汚れ、市には昨年度、「どうにかしてほしい」「ふんがひどく、観光によくない」などの苦情が12件寄せられた。「カラス博士」として知られる東都大(千葉市)の杉田昭栄教授(67)の話では、国内に飛来するミヤマガラスは年々増え、分布も九州や日本海側から全国に拡大している。このうち佐賀市ではミヤマガラスの“都市化”が問題となり、市による昨年2月の調査では中心街で1万羽以上を確認した。樹木にテグス(糸)を仕掛けたり、電線をLEDライトで照らしたりする対策を講じても解決に至らないという。熊本市は本年度、ねぐらや餌場、行動範囲などの生態調査を佐賀大に、飛来数の調査を日本野鳥の会県支部にそれぞれ依頼。市鳥獣対策室は「実態把握や他都市の対策を研究しながら、効果的な対策を見いだしたい」としている。

(アライグマ被害深刻:茨城)
坂東市で外来種のアライグマによる農作物や住宅への被害が深刻化している。昨年度の捕獲頭数は県全体の約4割を占める401頭に達し、本年度も500頭を超える勢い。数年前は河川敷に多く生息し、畑や庭に出没しては農作物を食い荒らしていたが、近年は空き家や民家の屋根裏にすみ着くケースが増加。市は無料で箱わなを市民に貸し出すなど対策を強化しているが、繁殖力が強く、市の担当者は頭を抱えている。「スイカを含め、アライグマの餌になる農作物を全部作っている。昨年夏、畑の隅にある竹やぶの中に箱わなを設置した。もう約60頭も捕獲したよ」。自宅の畑でトウモロコシなどを栽培する坂東市内の男性(69)は困り顔で打ち明けた。アライグマは北米原産だが、ペットから野生化して分布域を全国に拡大。環境省は2005年、ニホンザリガニなど絶滅危惧種を捕食するほか、農作物被害や感染症を引き起こす可能性があるとして、特定外来生物に指定した。同市内では農作物の被害が深刻だが、最近は「空き家や住宅の屋根裏にすみ着いた」との被害報告が、ハクビシンを含め年間約50件も市に寄せられている。40代男性は、自宅敷地内に建つ空き家にアライグマが出入りする様子を何度も目撃。「もう3日連続で来ている。アライグマのすみかのようだ」と不快感を隠さない。出没は特に春の3、4月が多いという。同市ではアライグマを中心にハクビシン、クリハラリス(通称タイワンリス)など中型獣類の被害が年々増加。2016年度に計137頭だった捕獲頭数は、17年度に計180頭、捕獲体制を整えた18年度は計464頭に達した。本年度は11月29日現在でアライグマ336頭、ハクビシン61頭、クリハラリス10頭の計407頭を捕獲。市農業政策課は「捕獲と防除を同時並行で」と、市民に“二正面作戦”への協力を訴えている。被害の増加を受け、市は国の交付金を活用し、14台しかなかった貸し出し用箱わなを17年度に54台、18年度に74台、19年度に84台と拡充。これまで原則1個の貸し出しを、被害の多い住宅には2個に増やすことも検討中だ。またアライグマの習性や生態を詳しく知ろうと、今年新たにセンサーカメラ5台を導入した。県全体のアライグマの捕獲頭数は昨年度、坂東市の401頭を筆頭に過去最高の974頭に上った。ここ数年で倍増の勢いで、市や県の担当者は「野生化し繁殖を繰り返しているほか、もともと分布数が多かった千葉県や埼玉県などから北上してきた可能性もある」と要因を指摘する。昨年度の捕獲を地域別に見ると、県西が546頭、県南も397頭と多く、県央15頭、鹿行10頭、県北6頭。ただ、捕獲した自治体数は29に拡大しており、農研機構中央農業研究センター研究員の小坂井千夏さんは「坂東市の近隣にもアライグマの生息適地がある。今後ほかの自治体に広がっていく可能性がある」と警鐘を鳴らす。野生鳥獣にとって農作物はエネルギー効率の高い魅力的な餌で、人間が捨てる農作物でも構わない。同市や農研機構中央農業研究センターは「電気柵を設置するなどして、耕作放棄された畑や廃果場、空き家などを適切に管理し、野生鳥獣を寄せ付けない対策を」と呼び掛け、「侵入されてしまったら初期の段階で徹底的に捕獲してほしい」と話している。

(野生イノシシへワクチンを散布、豚コレラ対策実験:群馬)
CSF、いわゆる豚コレラの発生が広がる中、農水省は28日、群馬県でCSFワクチンをヘリコプターで空からまく初の実証実験を行った。国内で猛威を振るっているCSFをめぐっては、野生のイノシシも感染の原因とされている。そのため、ことし3月からはワクチンを手作業で山林などにまいていたが、人が立ち入りにくい場所も含め、広範囲にワクチン散布をするために、農林水産省は28日、群馬県の畜産試験場で、自衛隊のヘリコプターを使って空中からワクチンをまく初の実証実験を行った。ワクチンは餌の中に入っていて、餌でイノシシをおびき寄せ、食べさせることで接種させるという。28日の結果を受け、ヘリコプターの高度やスピードの違いによるワクチン散布の効果を検証し、12月以降に、本格的な空中散布を実施していく方針。

(野生イノシシの捕獲等に関する防疫措置の手引きの公表について)
環境省と農林水産省では、「CSF・ASF対策としての野生イノシシの捕獲等に関する防疫措置の手引き」を作成しましたので、お知らせします。平成30年9月、我が国において、豚・イノシシに感染・伝播する伝染病であるCSF(豚コレラ)が26年振りに発生し、野生イノシシにおいても感染が確認されるとともに、さらにその拡大が確認されています。CSF対策として野生イノシシの捕獲強化を図っていくことが重要となっている一方で、捕獲行為には、野生イノシシへの接触を通じて、CSFウイルスの拡散リスクが伴うことから、捕獲した個体を適切かつ確実に処理するとともに、衣服や猟具、車両等に付着したウイルスを非意図的に感染確認区域外へ持ち出すことがないよう、捕獲従事者及び狩猟者の防疫措置の実施について徹底する必要があります。本手引きは、「CSFに関する特定家畜伝染病防疫指針」及び「ASF(アフリカ豚コレラ)に関する特定家畜伝染病防疫指針」を始めとした既存の関連指針を踏まえつつ、指定管理鳥獣捕獲等事業や許可捕獲、狩猟を実施するに当たって効果的な防疫措置を整理し、都道府県等が捕獲従事者や狩猟者への周知徹底を図る際に参照する資料として作成したものです。なお、本手引きで示した防疫措置は、ASFに関する防疫措置としても活用できるように配慮し、作成しています。

(豚コレラ背景にイノシシ増)
豚コレラ(CSF)の流行が収まらない。2018年9月に岐阜県で発生してから、11月末現在で1府8県の養豚場で感染が確認されている。ウイルス感染した野生イノシシによって流行地域が広がったとみられている。動物生態学が専門の農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の平田滋樹上級研究員に、野生イノシシを通じた豚コレラの対処方法を聞いた。――野生イノシシが豚コレラの流行拡大の原因とみられています。「日本はかつてないほど野生イノシシの数が増えている。環境省の調べによれば、1990年代前半の1年間の捕獲頭数は10万頭未満だが、近年は約50万頭だ。個体数が増えると野生イノシシ同士の接触も増加する。こうした状況で豚コレラのウイルスが国内に入り、養豚場の豚だけでなく野生イノシシにも感染したことが流行の長期化に影響している」――イノシシはなぜ増えているのでしょうか。「生息に適した土地が増えているためだ。高度経済成長期以前は、国内では山奥まで農地が広がる所が多かった。農地が使われなくなると、イノシシが土地を利用するようになる。60年代や70年代の環境変化が徐々に個体数に影響し、ここ数十年の増加につながっているとみられる」――捕獲やワクチン投与といった野生イノシシ対策が本格化しています。「数週間や数カ月で沈静化させるのは難しく、中長期の対処が重要だ。野生イノシシへの感染が広がった後で豚コレラを撲滅したドイツでも20年はかかった」「欧州は丘陵地が多く、イノシシを食肉加工して食べる習慣がある。日本は険しい地形が多く、捕獲したイノシシのほとんどが埋設処分だ。環境と習慣が大きく違う。欧州の成功例に学びつつ日本の実情に即したモデルの考案が必要だ」「捕獲の方法でも様々な工夫がいる。効率よく捕獲すると共に、わなの周りに集まったイノシシ同士の感染を防ぐ必要もある。人が関与できない山奥ではワクチン入りのエサをまくのも効果的だ。ただ、まく頻度や場所は試行錯誤を重ねて地域ごとに最適解を探す必要がある」――一般の人にもできる対策はありますか。「生ごみを屋外に放置せず、家の周りの草刈りをすることは人の利用する土地へイノシシを入れない重要な対策となる。キャンプ地などでの残飯の放置はもってのほかだ。養豚農家やイノシシの捕獲に従事する作業者に任せっきりにするのではなく、人間と動物のあつれきを減らすという観点から多くの人の理解と協力を促したい」人の目が届く豚舎などの中と違い、イノシシをはじめとした野生動物が媒介する病気は対策が難しい。人員も限られ、現場の負担の少ない手法を確立する必要がある。アジア各国で感染報告が相次ぐアフリカ豚コレラをはじめ、豚などにかかる複数の病気が野生のイノシシに感染することが知られている。豚コレラでの対策は、現在は国内で流行していない病気への備えにもつながる。収束を急ごうとして様々な施策を場当たり的に打ち出すのではなく、個々の手法の効果を丁寧に検証して将来の家畜伝染病対策にも生かす視点が重要になってくる。

(イノシシ検査拡大、豚コレラ対策:宮崎)
豚コレラ(CSF)の県内侵入に対する監視態勢を強化するため、県は4日、例年は野生イノシシ100~200頭を対象に行っている感染状況の検査について、本年度は千頭に拡充して実施する方針を明らかにした。県議会一般質問で横田照夫議員(自民、宮崎市区)の質問に答えた。

(ワクチンの接種、飼育豚など完了:山梨)
県畜産課は30日、県内で飼育されている豚とイノシシ約1万2000頭に対する豚コレラ(CSF)のワクチン接種が同日終了したと発表した。同課によると、ワクチン接種は11月17日から始まり、養豚農家16戸1万1442頭▽研究・教育施設等7戸328頭▽イノシシ飼育者5戸22頭――の計1万1792頭が対象。

(豚コレラ「国が積極的関与を」:岐阜)
全国知事会に設置された、家畜伝染病「豚(とん)コレラ(CSF)」の対策プロジェクトチームリーダーを務める古田肇知事が二十七日、農林水産省で江藤拓農相と面会し、対策を提言した。養豚場の衛生管理の向上やウイルスを媒介する野生イノシシの対策について、国の強い関与を求めた。古田知事は、衛生管理の向上について「国が積極的に関与をしてほしい。ルールもしっかりと定め(衛生管理を)厳しくすることに対する財政支援もお願いしたい」と要請した。また、アフリカ豚コレラ(ASF)の国内発生時に検討されている予防的殺処分の発動要件や経営再開要件なども明確化するよう要望した。面談後の記者説明で、古田知事は「これまで、予算は既存の制度を活用しながらやりくりをしてきたが、長期戦の構えで、CSF対策予算という門構えをつくったらどうかと話した。財源問題も含め、法律を整理していく中で検討するとの返答だった」と述べた。江藤農相は、野生イノシシへの感染が広がる中、飼育豚を守り抜いた県内の養豚場について、どのような衛生管理をしていたのか、省として実態を把握する考えも示したという。今後、プロジェクトチームは、予算編成や法案作成など国の動きに応じて開催し、提言活動をしていく。

(イノシシ捕獲数2倍以上、生息範囲拡大の恐れ:兵庫)
農作物に被害をもたらすイノシシが、狩猟期間(11月15日~翌年3月15日)以外の有害捕獲期間に、兵庫県南あわじ市で昨年の2倍以上も捕獲されたことが分かった。同県淡路市や洲本市でも増加している。南あわじ市では、これまで出没していなかった住宅地でも被害の相談が寄せられており、今春の繁殖で生息範囲を広げた恐れがある。野生のイノシシやシカを捕獲できる狩猟期間以外は、農作物被害などがある地域で市が捕獲を許可している。各市によると、今年の有害捕獲期間には、南あわじ市で1895頭と昨年より1030頭も増加。淡路市では359頭多い2286頭、洲本市で約20頭多い約1100頭だったという。

(相次ぐイノシシ出没:香川)
高松市中心部にイノシシが相次いで出没しています。山間部ならともかく、市街地では、遭遇した人はパニックになってしまいます。10月13日朝に高松駅に現れた時には、私も居合わせ、ぎょっとしました。人身被害も出ており、高松市役所は近く対策会議を開く予定です。高松駅のケースでは、私は大阪に行くため駅前広場を歩いていると、視界を何かが走り抜けました。「犬? でも大きすぎる。ひょっとして」。やはりイノシシでした。間もなく、警察官が盾を持って追いかけてきました。イノシシは駅コンコースに入り込み、取り押さえられました。私は列車の時刻が迫っていたため、恐る恐る駅舎に入り、捕獲現場を横目に改札を通りました。「体当たりでもされたら」と怖さを感じました。

(北陸3県でクマによる人身被害続出)
北陸3県で、クマの目撃や襲われる被害が止まらない。富山県では今年1月~11月27日までに発生したクマによる人身被害は20人で、統計を取り始めた2004年の24人に次いで過去2番目に多く、県は2年ぶりに出没警報を発令した。冬ごもりの季節が近づいているが、まだ油断はできない。どのように身を守れば良いのか。11月21日には富山市の民家の庭でクマのふんを片付けていた40代の男性がやぶから飛び出してきたクマに引っかかれ、顔の骨を折るけがをしたほか、この男性の70代の父親と近くに住む90代の女性も次々と襲われけがをした。今年はクマが主食としている山のミズナラやブナなどのドングリの実りが悪く、人里まで降りてきて、人が遭遇するケースが多い。富山県内では民家の庭に柿の木が植えられていることが多く、実を狙っている可能性が高いことから、県は対策として柿の木の伐採を呼び掛けている。ただ、一人暮らしの高齢者などが木の伐採をするのは容易ではない。そこで、クマの被害が相次いだ富山県立山町では、75歳以上の高齢者宅で、作業ができる親類などがいない人に限り、町職員が伐採するという緊急対策を11月20日から開始。27日までに4軒の作業を実施したという。では、クマの被害に遭わないためにはどうしたらよいか。野生動物の生態に詳しい「富山県立山カルデラ砂防博物館」(同町)の白石俊明学芸員は「各人が当事者意識を持つことが大切」と説明する。クマは人里で柿の実を食べて味を占めると、学習してまたその柿の木に来てしまうことがある。白石学芸員は「自分だけでなく、他人にも被害を生じさせないように考えて対策することが重要だ」と自治体や地域での取り組みを呼び掛ける。一方で、白石学芸員はクマの生態が変化していることも指摘する。猟が減少し、人に追われた経験がない上、人工の建造物を見慣れていることなどで人を恐れない「新世代クマ」がいるという。新世代クマは人を見ても逃げないどころか、納屋などで眠って山に帰らず、滞留する可能性がある。白石学芸員によると、車から見かけたときにはクラクションを鳴らすなど、人の存在をクマに知らせることが大切だという。

(このイノシシ、一体どこから)
埼玉県富士見市の民家敷地内で4日午前、イノシシ1頭が捕獲された。2日以降、東京都足立区の荒川近くでイノシシが目撃されていたが、富士見市によると、隣接する志木市でも1日に目撃されていたという。富士見市は移動距離などから、捕獲されたのは志木市のイノシシと同一で足立区のものとは別とみているが、真相は不明だ。県警などによると、4日午前7時半ごろから、志木市を流れる新河岸(しんがし)川の河川敷で体長1メートルくらいのイノシシが移動しているとの110番通報が相次いだ。同9時半ごろには隣接する富士見市下南畑の民家の住人から「敷地内にイノシシが入ってきた」と110番通報があった。イノシシは畑で野菜を食べたり寝転んだりしていたが、同11時10分ごろ、警察や消防が網で取り囲んで捕獲した。けが人はいなかった。安全面や農作物への被害防止を考え、市は同日、イノシシを殺処分した。通報した吉川利雄さん(81)は犬の鳴き方がおかしかったため外に出ると、畑にイノシシがいたという。「長年猟友会員をしているが、このあたりでイノシシが出たのは初めて。体がぬれていたから川を泳いできたのではないか」と話した。捕獲されたイノシシは体長120センチほどで体重約70キロのオス。1日に志木市内で似たイノシシが目撃されているという。

(イノシシの捕獲頭数競う、豚コレラ蔓延防止へ:群馬)
県吾妻振興局と県猟友会吾妻支部は狩猟シーズンに合わせ、狩猟者が野生イノシシの捕獲頭数を競うイベント「吾(あが)猪(しし)狩りコンテスト」を12月1日~来年2月29日に実施する。捕獲頭数が最も多かった狩猟者には最高5万円の賞金を贈る。今月28日時点で、県内で豚コレラ(CSF)に感染した野生イノシシは7頭となった。コンテストを通じて豚コレラ感染源の野生イノシシ捕獲を促し、蔓延(まんえん)防止に役立てる。参加を募るのは狩猟登録を済ませた個人の部と、狩猟登録者でつくるグループの部。両部門とも捕獲頭数の多い順に1~3位を決め、副賞の賞金は1位5万円、2位3万円、3位1万円としている。また、体長が最大の野生イノシシを捕獲した人には「山主(やまぬし)賞」を贈呈。最も若い捕獲者に贈る「最年少狩人賞」なども設け、狩猟を奨励する。同振興局などは、捕獲後の野生イノシシは豚コレラ感染の有無を確認するため血液検体の提供協力を求める。県は28日、神流町で捕獲した野生イノシシ1頭について、豚コレラ感染を確認したと発表。遺伝子検査で陽性反応があり感染が確定した。県内の感染事例は7頭目。

(市街地のイノシシ対応、県内初の連絡会:香川)
高松市は市内でイノシシが相次いで出没し被害が出ていることを受け、きょう、中心市街地でのイノシシ対策に特化した県内初の連絡会を開催しました。連絡会には香川県や高松市の担当者、猟友会のメンバーなどおよそ20人が参加しました。高松市内では今年10月以降、イノシシの出没が相次ぎ子どもを送迎中の自転車が衝突されてケガをするなど被害が複数出ています。今年の出没件数はすでに去年を上回っていて、全ての人身被害が沿岸部で起きていることから、連絡会では海からの上陸を防ぐ防護ネットの設置や屋島の西側での捕獲強化など具体的な対応策が話し合われました。連絡会では今後、イノシシの生態に詳しい専門家などからも意見を聞き被害防止のための連携態勢を整えたいとしています。

(狩猟期における事故防止:三重)
2019年度の県内における狩猟については、豚コレラの発生に伴う指定猟法禁止区域(桑名市、いなべ市、四日市市、鈴鹿市、亀山市及び菰野町)を除き、11月1日から猟銃などによる狩猟が解禁となりました。狩猟期間は「ニホンジカ、イノシシ」については11月1日から来年3月15日まで、「その他の狩猟鳥獣」については11月15日から来年2月15日までとなっています。例年、全国的に狩猟期間中の猟銃などによる事故が発生しています。猟銃などで狩猟をされる方については、次のことに十分注意してください。狩猟のため、猟銃などを公道上で携帯、運搬する際には▼銃をケースなどに入れて持ち歩く▼銃に弾をしたままにしない▼所持許可証などを必ず携帯する▼銃や弾を車内に置いたままにしないなどについて順守してください。狩猟を行う際には▼ハンターベストなど目立つ色の服装をする▼射撃の必要がない時は銃に弾を装填しない▼射撃する時は銃の矢先の安全を確認する▼獲物を確実に判別してから射撃する、以上のことを徹底し、猟銃などによる事故の防止に努めてください。また、ハイキングや山菜採りなどで入山される方については、安全対策として▼ハンターに分かりやすいようにオレンジ色や黄色など目立つ服装をする▼近くで銃声が聞こえた場合は近づかないなど、事故に遭わないよう注意して入山するようにしてください。狩猟期間中は、特にこれらのことに注意して頂き、猟銃などによる事故の未然防止に努めて頂きますようお願いします。

(シカの新たな捕獲方法の説明会:鳥取)
シカによる農作物の被害が相次ぐ中、エサでおびき寄せて、わなで捕獲するという、林野庁が考案した新しい方法の説明会が、八頭町で開かれました。林野庁の鳥取森林管理署が八頭町で開いた説明会には、猟友会や自治体などからおよそ20人が参加しました。シカの捕獲は、これまで猟師の経験から通り道を探し、わなを仕掛けていましたが、林野庁が考案した新たな方法では、まず、複数の場所にエサをまき、頻繁に食べに来るポイントを見つけたら、次は、その場所にエサとともにわなを仕掛けます。林野庁によりますと、シカの生息数が増えてエサが少なくなっている地域では、おびき寄せる効果が高いということです。県によりますと県内の野生のシカの生息数は、平成29年度の推計で4万4000頭あまりと、10年前のおよそ2倍に増えたとみられ、農作物の被害も相次いでいます。一方で、猟師の高齢化が進んでいるため、仕掛けるのが簡単で捕獲の効率も高い新たな方法について、林野庁は県内でも導入の効果が十分あるとしています。説明会に参加した69歳の猟師の男性は「この捕獲方法は簡単そうなので使ってみたい。経験に頼らない方法なので、若い猟師が増えることにもつながるのではないか」と話していました。

(シカ被害防止わな猟研修:岡山)
シカによる農作物への被害を防ごうと、美作県民局が、狩猟者を育成する研修を行い、参加者がわなを使ったシカの捕獲を体験しました。この研修は、美作県民局が、農作物への被害が拡大しているニホンジカの駆除を進めるため、津山市の津川ダム周辺の国有林で開きました。民間の野生鳥獣対策連携センターの担当者が講師となって、わなの狩猟免許を取得してから3年以内の18人が参加しました。フンなど、最近出没した形跡がある場所に仕掛けたワイヤーロープのわなを見回りました。実際に体長およそ1メートル、体重25キロほどのメスのシカが掛かっていて、「止めさし」という方法で処分しました。美作県民局によりますと去年、管内で駆除されたシカは、7700頭余りにのぼり、おととしよりもおよそ1200頭も増えています。去年、わなの狩猟免許を取得した浦上孝治さんは「現場で仕掛けるのを教えてもらい、勉強になりました。次からも取れそうな感じがします」と話していました。野生鳥獣対策連携センターの阿部豪さんは「実際に捕まえるのと、イメージだけとは違うので、この経験を役立てて欲しい」と話していました。

(シカ・イノシシの捕獲技術、現地実習で伝授:京都)
京都府丹後広域振興局は12月7日、京丹後市峰山町の峰山林業総合センター「ウッディいさなご」で、シカ・イノシシ捕獲技術講習会を催す。おりやわなの設置方法などを動画や現地実習を通して解説する。捕獲技術向上と担い手育成を目的に企画した。野生鳥獣対策連携センター(兵庫県丹波市)の上田剛平さんが講師を務める。第1部は午前10時~正午で、野生鳥獣がおりにかかる様子を撮影した動画を見ながら獣の動きを学ぶ。第2部は午後0時40分~3時半で、近くの山に移動し、獣道の見分け方やわなを設置する場所のポイントなどを聞く。

(クマの生態などを学ぶ講座:秋田)
県内で、ことしクマに襲われる被害が相次ぐなか、ツキノワグマの生態などを学ぶ講座が秋田市で開かれ、専門家は被害の軽減に向けて「地域ぐるみでクマが嫌がる環境を作ることが大切だ」と強調しました。この講座は、東北森林管理局が行ったもので、森林管理署の職員ほか、県の職員や一般市民などおよそ60人が参加しました。講師で、ツキノワグマの生態を研究している秋田県立大学の星崎和彦教授は、平成26年までの21年間に県内でクマが目撃された場所を調べたところ、秋田市や能代市、それに由利本荘市など「本来、生息域ではない場所で目撃報告が増えている」と指摘しました。また、県内の森林に設置した赤外線カメラを使い、撮影されたクマの個体や場所のデータで推計した結果、「県内にはおよそ3700頭のクマが生息していると推測される」と述べました。その上で、近年クマによる被害が相次いでいることから「里にはクマの大好きな食べ物がたくさんあり、捕獲だけでは解決しない。草刈りや間伐など、地域ぐるみでクマが嫌がる環境を作ることが大切だ」と強調しました。講座に参加した森林管理署の男性職員は「里山が管理されないことでクマが近づきやすくなっているとのことなので、私たちや県、地元などが一緒になって、整備することが重要だと感じた」と話していました。

(農業高校生徒に鳥獣被害対策講習:宮城)
イノシシやカラスなど鳥獣による農作物への被害が増えていることを受けて、県は、対策を担う人材の確保につなげようと、農業高校の生徒らを対象にした講習会を初めて開き、狩猟免許の内容やわなの設置方法などを紹介しました。名取市で開かれた講習会には、県内の農業大学校や農業高校で学ぶ生徒など、およそ90人が参加しました。まず、県の担当者が、増加傾向にある農作物への被害について報告し、県内では昨年度、イノシシやシカ、カラスなどによる被害額が1億4000万円余りに上り、今後、さらに増えるおそれがあると説明しました。続いて、野生動物の調査をしている専門家が、動物の習性や狙われやすい作物などを紹介したあと、被害を減らすために、農業に携わる人たちみずから狩猟免許を取得することも対策の1つだと呼びかけました。このあと参加者たちは、イノシシなどを捕獲するわなをつくる体験も行い、ワイヤー型のわなを実際に踏んで、効果を確かめていました。参加した農業大学校の男子学生は「トウモロコシを育てた際にハクビシンに食べられたので、わなを使って防ぎたいと思いました」と話していました。講師を務めた東北野生動物保護管理センターの鈴木淳主任研究員は「農業に携わる若い人たちに動物への対策も重要であることを知ってもらい、高齢の農家には体力的に難しい、捕獲などの仕事を担ってほしい」と話していました。

(クマ対策「トウキビ作らない」提案も:北海道)
野生生物との付き合い方について学ぶ市民フォーラム「人と野生生物の距離」が1日、札幌市北区の札幌エルプラザで開かれ、自然環境に詳しいNPO法人の代表や獣医師らが講演した。札幌のNPO法人北海道市民環境ネットワーク「きたネット」の主催。環境の変化などで、人と野生生物が接触する機会が増えているため企画した。市民ら約110人が集まった。

(ヒグマとどう共生するか:北海道)
人里に近づいて駆除されるヒグマが急増している。2018年度は統計が残る1962年度以降で最多の827頭となった。今年8月には札幌市南区の住宅街を闊歩(かっぽ)するクマの姿が連日報じられ、茶の間でも駆除の賛否が議論された。今月1日には帯広市中心部の小学校敷地内に現れたクマが駆除された。人はクマとどう付き合うべきか、専門家と保護団体代表に聞いた。

(増加するシカ対策に、新たな捕獲法を実演:島根)
鳥取県東部を中心にシカによる農林業被害が増加する中、林野庁鳥取森林管理署は27日、八頭町の扇ノ山国有林で新たな捕獲方法の検討会を開いた。県や市町、鳥獣対策関係者らが参加し、同庁職員が考案した「小林式」と呼ばれる捕獲法を実践した。

(五輪に内定、クレー射撃・中山選手:栃木)
クレー射撃で2020年東京五輪の代表に内定した、小山市生まれの中山由起枝さん(40)=日立建機=が同市役所を訪れ、大久保寿夫市長に5度目の五輪出場を手中に収めたことを報告し「集大成の大会。メダルを取りたい」と意気込みを話した。中山さんは、第14回アジア大陸選手権大会クレー射撃女子トラップで3位に入り東京五輪の出場枠を獲得、同競技の五輪代表に内定した。アジア大会の予選は苦戦したという。決勝も「逆転サヨナラホームランを放ったような展開」で3位に食い込んだ。「最後まで諦めずにやった結果」と振り返る。五輪では、08年の北京大会で4位に入賞したのが最高。指導者になる勉強も続けているといい「競技人生の区切りになると思う。応援してくれる人たちのため、結果を出したい」と力を込めた。大久保市長は「小山市民が応援している。頑張ってほしい」と激励した。

(東京五輪で集大成のメダルを:茨城)
東京五輪代表に決まったクレー射撃女子トラップの中山由起枝選手(日立建機)が結城市の小林栄市長を表敬訪問し、今月のアジア選手権で獲得した銅メダルを手に、自身5度目となる五輪切符を報告した。結城市には幼少の頃から住んでいるといい「東京大会は集大成として臨み、メダルを取りたい」と意気込みを語った。小林市長は花束を贈呈し「最高の結果になることを祈っています」と激励した。過去4度の五輪の年に表紙を飾った市の広報誌も紹介され、中山選手は「(競技生活)22年の歴史が色濃く出ている」と、はにかみながら振り返った。

(朝霞市がボランティア募集:埼玉)
来年の東京五輪・パラリンピックの射撃会場となる朝霞市は、国内外から訪れる人たちを出迎える「おもてなしボランティア」を募集している。射撃競技の開催期間中に朝霞駅周辺でおもてなし活動の一環として、イベント補助や暑さ対策などを想定している。応募資格は中学生以上で朝霞市内在住、在勤、在学で、射撃競技の開催期間中(五輪は来年7月25日~8月3日、パラは8月31日~9月6日)に2日間以上活動できる人。募集人数は200人程度。

(小学生体験イベント:島根)
触れる機会の少ないスポーツを小学生が体験するイベントが30日、松江工業高校(松江市古志原4丁目)であった。県内の小学4~6年生34人がクレー射撃やカヌー、自転車など9競技を楽しんだ。

(クマ、ドングリ凶作で住宅街へ)
各地でツキノワグマの出没が増えている。冬眠に備えて食欲が旺盛になる秋に入って目撃が急増した自治体も目立ち、11月以降も住宅街などで人が襲われる事案が相次いだ。今年は主食となるドングリ類の実りが悪く人里に下りてきているとみられ、地域によっては9~10月に連続襲来した台風の影響を指摘する声も出ている。「山菜採りなどで山に入った人が襲われることはあったが、今年は住宅地での被害や目撃が目立つ」。人口約1万人、新潟県東部の山間地域にある阿賀町。農林課の職員は危機感を隠さない。町では今月9日以降だけで2人が被害に遭い、13日夜には車で帰宅した50代男性が玄関前で襲われて顔面などを負傷した。県全体でもクマによる負傷者は4月から11月25日までに19人(2018年度は6人)に上り、統計が残る1994年度以降で最悪となった。個体や痕跡の目撃情報は秋から目立って増えた。県によると、4月以降に寄せられた約1340件の6割を9~11月が占める。10月末までに18年度全体の8倍を超す約170件の目撃があった南魚沼市では、降雪対策などで12月初旬に始める一部小中学校でのスクールバス運行を今年は3週間早めた。明るいうちに児童を帰宅させるため、放課後の部活動を自粛した小学校もある。環境省によると、ツキノワグマが生息していない地域などを除く全国37都府県で19年4~9月に寄せられた出没情報は1万2226件。17、18年度を上回るのは確実なペースだ。新潟県の担当者は「今年は主な餌となるブナの実が最低レベルの凶作で、人里まで民家の柿や生ごみをあさりに来ている」とみる。福井県勝山市では10月下旬、親子とみられる2頭のクマが住宅街のスギの木などに居座り、周囲にある柿をとって食べるなどした。4日目に捕獲された。現場は市の中心部で、従来はクマの出没が見られなかったエリアという。環境省によると、各自治体の調査をもとにブナの結実が「凶作」と判定されたのは、情報を寄せた19都道府県中、新潟や福井を含む18地域に上った。ミズナラも凶作が「並作」を上回った。山梨県でツキノワグマの生態調査などに携わるNPO法人「山梨ツキノワグマレスキュー」の杉山慎二・副代表理事は、9~10月に関東地方などを通過した台風15、19号の影響も指摘する。強風や雨でブナの実などが熟す前に落ち「他の動物に食べられたり、不完全な実をクマが食べるのを嫌ったりして、山中のエサ不足が深刻になっている可能性がある」(杉山さん)という。体長1~1.5メートル程度のツキノワグマは本州以南に生息。九州では絶滅したとされ四国でも危機にひんしているが、自然環境研究センター(東京)の沢辺佳彦・主任研究員によると、全国的に見れば分布域は広がり、個体数も横ばいか増加している地域が多いという。過疎化などで柿の実などがなったまま放置されたり、人の生活圏に近い藪(やぶ)など動物が隠れやすい環境の管理が行き届かなかったりして「クマが人里近くに出やすい環境が広がっている」(沢辺さん)。人との住み分けを図るため「奥山との緩衝地帯となる里山などをどう管理していくか各地で考えていく必要がある」(同)という。

(国内初Bウイルス感染、サル由来「拡大の恐れなし」:鹿児島)
鹿児島市は28日、市内の研究施設で動物実験に携わる技術員1人が、脳炎などを引き起こす「Bウイルス」に感染したと発表した。市によると、Bウイルスはアカゲザルなど一部のサルに引っかかれるなどして感染するが、国内での確認は初めて。市は「施設が適切な対策を行っており、感染拡大の恐れはない」としている。市によると、Bウイルスは脳炎や接触部位のまひなどを引き起こす恐れがあり、世界で約50例が確認されている。感染したのは医薬品開発受託・研究会社「新日本科学」の市内にある研究施設の技術員で、2月に頭痛や発熱を訴えて医療機関を受診。11月上旬にBウイルスの感染が確認された。技術員は動物実験を補助していたが、サルに引っかかれるなどした記憶はないという。新日本科学によると、技術員は防護服を着て実験に当たっていたといい、「防護対策や管理体制をさらに強化する」とコメントした。

(伝統カモ猟、旬到来:新潟)
水田に白鳥が飛来する冬場は、カモ猟のシーズンでもある。新潟市西蒲区の潟東地区ではカモ猟が盛んで、1日にはカモ汁が振る舞われるイベントも。猟の現場を訪れた。地元猟友会の竹内春雄会長(70)に、「片無双」と呼ばれる網を使った猟を実演してもらった。遠くに角田山を望み、水田が広がる西蒲原平野。稲を刈り終えた田の中に、1枚だけ水が張られていた。「ここにエサをまいて、カモをおびき寄せる」と竹内さん。水面に、ナイロン製の網をくくりつけた長さ5メートルほどの竹の棒を2本置いている。「片無双」と呼ばれる仕掛けだ。

(狩猟女子急増、わな猟免許10年前の10倍に:山梨)
野生動物による農作物被害や人が襲われるケースが目立つ一方、野生動物を捕獲する猟友会員は高齢化で全国的に減少傾向が続き、山梨県内でも免許取得者が減っている。ところが、女性の取得者は逆に急増しており、わな猟免許は10年前の10倍を超える勢い。

(「エゾシカ」展で知る害獣の実像:北海道)
ニホンジカが全国的に急増し、農作物の食害や水源林の荒廃、列車との衝突が各地で深刻化した。しかし、頭数を減らすための駆除には「命を奪う」との批判もある。こうした野生動物と人間との関係を考える機会にしようと、北海道に生息するニホンジカに焦点を当てた企画展「エゾシカ」が、札幌市の道立北海道博物館で開かれている。シカをめぐる歴史からジビエ(野生鳥獣肉)料理まで、多角的な視点で害獣の実像に迫る。ニホンジカは、地域によってホンシュウジカやキュウシュウジカなどの亜種に分けられている。エゾシカも亜種(種の下の区分)の一つ。体が大きく、雄は体重130キロにもなる日本最大の草食獣だ。畑の大豆や牧草を食べたり、樹皮を食べて森を枯れさせたりといった農林業被害は年約40億円に上る。近年は年10万頭以上が捕獲され、一部はジビエとして出回るようになった。また、しばしば列車と衝突して遅延させ、市街地にも出没するが、ほとんどニュースにならないほど身近な野生動物となっている。だが、同博物館学芸主幹の水島未記さんは「ヒグマがマスコットキャラクターや木彫に使われるのに比べ、エゾシカはあまりキャラクターにされない」と指摘する。明治時代の初めに絶滅寸前まで減少しており、かつては身近にいなかったためとみられるという。明治政府が設置した官庁「開拓使」は、エゾシカを産物として重視し、なめし革や肉の缶詰などが製造された。開拓使は欧米にならって猟期を定めるなどの対策もとっていた。しかし、乱獲に加えて明治12(1879)年の大雪による大量死が起き、絶滅寸前まで減少。企画展では、人間とエゾシカとの関わりの歴史をたどる。エゾシカ猟は長い禁猟期を経て昭和32年から区域ごとに解禁されていった。それにもかかわらず、繁殖力の強いエゾシカは約30年前から北海道東部で増え始め、農林業被害や交通事故が問題化。ここ10年は、生息域が西へ拡大して北海道全域に広がった。「急増した要因は多数あるが、いずれも人間が関わっている」と水島さん。要因の一つには、天敵だったエゾオオカミが絶滅して繁殖しやすくなったことがある。大量死を引き起こす大雪が少なくなったことや、エサ場となる牧草地が広がったことなども頭数の急増につながった。また、道東での道路整備が進んだ際、道路の法面(のりめん)に草が植えられことなどが考えられるという。生息域の拡大に伴い、食害などへの対策が急務となっている。その一つが、捕獲したエゾシカを無駄に殺すのではなく、肉や皮革を有効に利用することだ。安全なシカ肉を流通させるため、食肉処理施設の認証制度などが整ってきており、北海道や首都圏など各地の飲食店でエゾシカのステーキやカツレツなどが食べられるようになった。企画展では、捕獲に用いられる囲いわなや加工食品のレトルトカレー、つくだ煮の瓶詰なども展示している。水島さんは「道東では増加は落ち着いてきたが、札幌近郊などでは増えている。野生動物と人間との関わりを考える機会にしてほしい」と話している。

(トキ元営巣地の稲作、イノシシ被害:石川)
国特別天然記念物「トキ」が戻る里山を目指し環境保全活動をする石川県七尾市の住民団体が、かつての営巣地だった山間地で栽培している米が、五年目の今季は収穫できなかった。九月の台風15号で水田を囲む柵が壊れ、イノシシが侵入した。無人集落の休耕田を使ったユニークな取り組みに水が差された格好だが、代表の唐川明史(めいし)さん(72)は「これも自然を相手にする経験」と前を向く。団体は同市中島町釶打(なたうち)地区を中心とする住民約四十人でつくる「朱鷺棲(ときす)む里山釶打クラブ」。地区内の須久保(すくぼ)集落(中島町河内)に一九六二~六三年、トキが生息していたことから、当時の環境を取り戻そうと、二〇一〇年に唐川さんらが生物調査や勉強会などを始めた。唐川さんは「トキは豊かな自然の象徴。もし戻ってきたら、能登もこの土地の農作物も評価される」と語る。別所岳を水源とする熊木川上流の山間地にある同集落は半世紀前に人口がゼロに。人の営みを絶やさないようにと、団体が四年前に約八百平方メートルの水田を借りて無農薬で稲作を始めた。一年目にイノシシ被害を受け、翌年にトタンや木の板で柵を設置したが、今回の台風で倒れるなどして再び侵入を許してしまった。例年は四十~五十キロを収穫し、付近の公園や温泉施設で販売してきた。もともと収量が少ない上、自然栽培に賛同する人も多く毎年売り切れ。直接注文するファンもいる人気ぶりだった。今年は水田に入ったイノシシが稲を食べたり、踏み倒したりして、においが米に付いたため商品にならないと判断し、全てを処分した。水田があるのは、人が通らなくなった草木が茂る砂利道を約八キロ上った先。日照時間が短い谷間にあるため、稲の生育も遅く、世話をするメンバーの負担は大きい。唐川さんは「春先から頑張ってきたので皆さんが気の毒」と語る。来年は柵を張り直して再挑戦する予定。「不便な場所だが、やらないと須久保もトキがいたことも忘れ去られてしまう。イノシシ被害も経験として次につなげる」と気を取り直す唐川さんは、「能登には豊かな自然が残っているが、意識しないと失われる。多くの人が自分の問題として考えてほしい」と話している。

(鳥獣対策へ隊員委嘱:群馬)
シカやイノシシが農作物を食い荒らすなどの有害鳥獣被害に歯止めをかけようと、甘楽町は3日、新たに3人を「鳥獣被害対策実施隊員」として委嘱した。

(イノシシ対策で助っ人、柵設置へ草刈り:富山)
自衛隊OBで組織する県隊友会は1日、上市町柿沢で、イノシシ侵入防止の恒久柵設置準備として草刈りや雑木処理を行い、被害に悩む集落を支援した。会員12人は、集落から200メートルほど離れた山裾に設置してある侵入防止柵の外側、幅1・5メートルの範囲で草刈り、雑木処理を行った。埜崎吉夫会長(71)は「今後も協力したい」と話した。県隊友会が県の協力依頼を受けて鳥獣被害防止対策の支援に当たるのは、7月の砺波市芹谷地区に続く2例目となる。

(イノシシ被害防止へ電気柵:新潟)
イノシシによる芝生の掘り返しなどの被害を防ごうと、新潟県上越市は同市西戸野のたにはま公園多目的広場に電気柵を設置し、通電している。市がイノシシ対策で電気柵を設置したのは初めて。通電後はイノシシによる被害が見られないことから、市は一定の効果があると期待を寄せている。通電は3月中旬までの予定。多目的広場は約1万9千平方メートル。2017年12月に約9千平方メートル、ことし1月には約6千平方メートルにわたり、イノシシが芝生や土を掘り返すなどした。ことし10月にも被害が確認されたことから、市は広場を取り囲むように長さ約900メートルの電気柵を設置。人の立ち入りを規制した上で、夜間の午後7時~午前6時に電気を流している。同公園は9日~3月中旬に冬季閉鎖されるが、その間も通電される予定。公園を管理する市都市整備課は「電気柵の設置後は被害が出ていない。結果を見ていきたい」と来春以降の設置も検討する。

(ハイテク機器でイノシシ捕獲:群馬)
県は4日、豚コレラ(CSF)の感染源である野生イノシシ捕獲強化のため、センサーや無線を活用するハイテク捕獲用機器の導入を加速する方針を示した。捕獲従事者の減少や高齢化に対応し、機器による省力化で捕獲効率を上げる。5、6の両日には捕獲従事者向け研修会を開き、導入を支援する。田中貴弘農政部参事は4日の県議会一般質問での答弁で、「捕獲従事者のマンパワー不足が大きな課題だ。効率化のためITなど(捕獲機器の)新しい技術を普及させる」と述べた。具体的には、鳥獣被害対策支援センター(高崎市)などが沼田市など県内3カ所で研修会を開催。成獣の野生イノシシがおりに入ると、赤外線センサーが感知して扉がすぐに閉じる仕掛けについて開発元が説明する。県によると、成獣の優先捕獲が進めば、出産が抑制されるため個体数の減少につながるという。また、山中に設置したわなの見回りが重い負担となっているため、野生イノシシがわなにかかった際に通知が無線で携帯電話などに届くシステムの研修も行う。県は、市町村がこうした機器を導入する際に国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用するよう呼びかけ、導入を後押しする。

(IoT活用の鳥獣わなセンサー開発:長野)
ソフトバンク(東京)はこのほど、ナローバンド(低速ネット接続、NB)によるIoT(モノのインターネット)「NB-IoT」通信を活用した「鳥獣わなセンサー」を国内で初めて開発し、信州大農学部(南箕輪村)で報道陣に公開した。伊那市など上伊那地域の山中約10カ所で実証実験を行い、2020年3月をめどに新製品を発売する予定。狩猟関連機器ベンチャーのハンテック(東京)と共同開発した。磁気センサーに、磁石で取り付けるフックとくくりわなをひもで連結。わなを踏み抜いた鹿やイノシシを捕獲した際に、フックが外れることでセンサーが検知し、リアルタイムで管理者の端末にメールで通知する仕組み。従来の3G通信から、消費電力の少ないNB-IoTを採用したことで「低コストで展開できる」という。単3電池4本で3カ月以上持つと想定する。実証実験では、信州大などとともにセンサー検知の通知や電池の寿命など各種機能を検証する。信州大農学部の渡辺修准教授(50)は「狩猟者の高齢化でわなの見回り業務は大変。負担軽減や省力化に期待できる。伊那市のように山の多い所で通信できれば他の地域でもいけるのではないか」と期待する。ハンテックは実勢価格5万円前後で販売する予定。

(おがくず微生物で有害鳥獣を分解:石川)
イノシシの捕獲頭数が近年増加していることを受け、穴水町は本年度、おがくずの微生物で有害鳥獣を分解する施設の基本設計に入ることが分かった。二〇二〇年度冬の試験運転を経て、二一年四月の開所を目指す。二十九日の議運委で町側が明らかにした。町は、町議会十二月定例会に提出する一九年度一般会計補正予算案に基本設計の業務委託料として千三百六十万円を盛り込んだ。基本設計は一九年度中に終わらせ、二〇年中に建設する。町内のイノシシ捕獲数は一九年度、十月末時点で二百八十一頭を記録し、前年度同期より百八頭上回っている。同予算案は全体で五千二百七十万円増額する。ほかに特別会計補正予算や条例改正の計八議案などを提出。定例会は十二月四日に開会する。

(コウノトリ撃たないで!「注意看板」:京都)
京都府内で狩猟が解禁されたことを受け、府南丹広域振興局は、亀岡市と南丹市に飛来している特別天然記念物コウノトリへの誤射防止を、注意看板で呼び掛けている。9月下旬、5年ぶりに亀岡市に飛来し、今も両市内の池などを往来するコウノトリの生息環境を守ろうと、同振興局や府緑の指導員らが設置を決めた。「コウノトリ飛来 特別天然記念物 発砲注意!」と記した看板は、A3判。月読橋球技場(亀岡市馬路町)や文覚池(南丹市八木町)など、猟師の主な駐車スペースや飛来場所計5カ所に設けた。同振興局の担当者は「コウノトリは猟銃の発砲音にも敏感。静かに見守ってほしい」と話している。

(カラスの農作物被害を防げ!生態にもとづく最新の対策:栃木)
シカ、イノシシに次いで農作物の被害金額が大きいカラス。非常に頭が良いと言われているカラスからの被害を防ぐには、カラスの生理・生態を知った上で、対策を取る必要があります。そこで栃木県・宇都宮大学で18年間カラスの生態について研究し、カラス被害対策の製品開発を行う「CrowLab(クロウラボ)」代表取締役の塚原直樹(つかはら・なおき)さんに、科学的根拠のあるカラス対策について話を聞きました。──長年の研究からわかった、カラスの生態について教えてください。カラスは鳥類の中でも発達した脳を持つ賢い動物です。餌場を覚えると、しつこく飛来します。一方で警戒心は強く、見慣れない物を置いただけで警戒して、しばらくカラスが近づかなくなることがあります。──カラスの被害を防ぐ上で、知っておくべき弱点はありますか?カラスは翼に物が当たるのを嫌がります。気流を巧みに捉えて飛ぶカラスは、翼が敏感なためです。このような習性を踏まえた対策が効果的です。──カラスに狙われやすい畑の特徴はありますか?ネットに隙間(すきま)があるとカラスが侵入できてしまいます。また、ネットの近くに作物がある場合は、ネット越しにその作物をついばみます。これでは、せっかくお金と労力をかけてネットを張っても十分な効果が出せません。周囲をネットで囲み畑の守りを固めます。上部にはテグスを張る方法をお勧めしています。ポイントはテグスを張る間隔を1メートル以内にすることです。カラスが翼を左右に広げた時の長さが1.4メートルくらいある事から、それより狭い幅であれば翼がテグスに触れます。カラスはそれを嫌がるため、侵入を防げます。──塚原先生の考える、カラス被害の根本的な解決方法を教えてください。カラス被害を根本的に解決するには、個体数を調整する必要があります。一般的には、わなによる捕獲や猟銃による駆除が行われています。しかし、そもそもわなは警戒され、個体数削減に貢献できるほど捕獲できません。また、猟銃による駆除は猟銃を使える区域が制限されている事から、猟銃を使える郊外から猟銃を使えない市街地へとカラスを誘導してしまうことにつながり、個体数を減らすどころか、市街地での被害を悪化させることがあります。そこで私は、「野生動物への無自覚な餌付けストップキャンペーン」を提唱しています。自然界の餌が乏しい冬にカラスの餌となる食物を徹底管理することで、カラスの個体数を調整できると考えています。具体的には、畑に放置された規格外の農作物を土中に埋めることや、木に残っている果実の摘果、ゴミ出しのマナー向上等を、住民の方と一緒になって地域で取り組むというキャンペーンです。時間はかかりますが最も効率的、かつ自然な形でカラスの個体数を調整できる方法だと考えています。──すぐに対処を必要とする農家さんに良い方法はありますか?前述の個体数調整には時間がかかります。カラス被害に遭われている方は、待ったなしの現状です。CrowLabではカラスに警戒心を抱かせる音声を使用する事で、カラスを追い払う「カラス追い払い音声貸出サービス」を提供しています。これまで、農地や畜産現場、市街地等、カラス被害に悩む現場にサービスを提供してきました。既存の対策のような一時的な効果ではなく、1年以上の長期的な効果を確認しています。それを可能にしているのは、当社が多くの音声を提供できるからです。新しい音声に交換すると慣れが解消され、効果が持続することを確認しています。さらに、18年間のカラス研究の知見を生かし、現場にあった適切な対策のコンサルティングも行っています。筆者はハンターである事から、鳥獣害を目の当たりにする機会が多々あります。その度に思い出すのは、先輩ハンターの「獣害対策は、野生動物との知恵比べ」という言葉です。彼らも生きるのに必死なので、餌を求めてなんとか畑に侵入しようと知恵を絞ります。そこでCrowLabの提唱する、野生動物の生態を知った上での対策や、野生動物への無自覚な餌付けを止める事で、効率的な鳥獣害対策につながるのではないかと感じました。

(雨竜沼湿原の現状詳細に:北海道)
ラムサール条約登録湿地・雨竜沼湿原の清掃美化活動などに取り組むボランティア団体「雨竜沼湿原を愛する会」の佐々木純一副会長(67)は、雨竜沼湿原の現状を記した報告書をまとめた。報告書ではヒグマの出没傾向や、シカの採食活動などを検証し、湿原植物を苦しめるエゾシカの食害対策として唐辛子エキスを使用するという新たな試みの提案もした。佐々木さんは今年、6月から10月までの計7回、雨竜沼湿原を訪れた。報告書は雨竜沼湿原でヒグマの出没が確認された2005年から毎年作成し、関係機関向けに送付している。

(豚コレラのイノシシ処理負担減へ:静岡)
藤枝市は5日の市議会11月定例会本会議で、有害鳥獣として捕獲したイノシシを微生物で分解処理する減容化施設を2020年度内に導入する考えを明らかにした。同市では10月中旬以降、豚コレラ(CSF)に感染したイノシシが相次いで見つかっている。感染防止策として捕獲を担う地元猟友会の負担軽減を図る考え。関連経費を20年度当初予算案に計上する。市内では10月18日に同市岡部町で豚コレラに感染した野生イノシシが静岡県内で初めて確認されて以降、12例の感染が確認されている。感染拡大を防ぐため、死骸を埋却処分する際は通常より深く地面に穴を掘り、消石灰をまいて消毒を徹底するなど地元猟友会の負担増が懸念されていた。減容化施設は、約80度で活性化する微生物の働きを利用し、野生動物の肉など軟らかい部分を1~2日、骨や硬い毛などを1週間程度で分解する仕組み。豚コレラウイルスは死滅し、残渣(さ)もほとんど出ないという。処理能力は1日200キロで、1頭約60キロで換算すると1日3頭前後処理できる見込み。市によると、有害鳥獣として18年度に市内で捕獲されたイノシシは778頭で、多くが埋却処分されている。施設は国の鳥獣被害防止総合対策事業費補助金を活用して整備する。

(プロの技学びジビエを理解:鳥取)
鳥取短期大(倉吉市)は26日、同大でプロのシェフによるジビエ料理の講習会を開いた。生活学科食物栄養専攻の1年生がシカとイノシシ肉を使った洋食作りに挑戦。

(ジビエで元気に:高知)
高知県吾川郡いの町本川地域の町施設内に、ジビエ料理などを提供する洋風料理店がオープンした。地域おこし協力隊員が金土日などに営業し、シカ肉やイノシシ肉の料理のほか、地元特産のキジ肉を使ったコース料理を提供。「本川を元気づけたい」と話している。神奈川県出身の唐木田雄太さん(34)。都内のイタリア料理店などで働いた経験があり、昨年4月からいの町の協力隊員として本川地域の観光振興や特産品開発などに取り組んできた。ジビエの合いびき肉などを使ったハンバーグのレシピを考案し、今年3月には県の「よさこいジビエコンテスト」で優秀賞を受賞した。そんな中、地元には「夜に食事ができる場所が少ない。自分でやってみたくなった」。いの町の野外レジャー施設「木の根ふれあいの森」(いの町戸中)の研修館内で始めることになった。「木の根ふれあいの森」は旧本川村が整備し、2003年に開業。研修館で軽食を提供していたが、2010年度いっぱいで休止に。唐木田さんは、そのキッチンを活用し、イノシシ肉のステーキやキジ肉を使ったクリームパスタ、コース料理などを用意。「ここから芽を出していこう」の思いを込め、「木の根に萌(きざ)す。」の名で、23日に開業した。22日夜には、地元住民やいの町職員らを招いた食事会を開催。地元で養殖されたニジマスのカルパッチョや、地元産のシカ肉のステーキなどが振る舞われ、来場者は「こんな本格的なコース料理が、本川で食べられるなんて」と笑顔。唐木田さんは「少しでも多くの人に足を運んでもらいたい」と話していた。

(害獣有効利用の特産品、「しし肉みそ」開発:福岡)
JAむなかた青壮年部(中村克也部長)は、市内の加工工場で適正に処理されたイノシシ肉や地元の大豆などを使った新商品「宗像育ち しし肉みそ」を開発した。害獣のイノシシを有効活用した特産品で、道の駅むなかたで販売している。

(ペット用ジビエの配送センターを廃校に開設:広島)
Forema(フォレマ)は、12月、国産ジビエを使ったペットフードの配送センターを、広島県安芸太田町の廃校に開設する。Foremaは、田畑を荒らす「害獣」として駆除され、多くは廃棄される運命にある野生の鹿や猪を、ペット用食材として販売している。2018年5月にスタートしたペット用ジビエ食材のサブスクリプションサービス「ペットさん定期便」が軌道に乗り始め、一定の物流が定期的に発生していることから、効率的な物流施設の設置が必要になっていた。害獣被害に悩む農村部のもう1つの大きな課題が、過疎化。今回、同社の新たな配送センターを開設した場所は、やはり過疎化が進む広島県安芸太田町の廃校、津浪小学校だ。校舎の活用方法を模索していた安芸太田町と話し合いを重ね、津浪小学校を物流拠点として整備。12月より全国へ商品の発送を開始する。

(淡路島のイノシシ肉とシカ肉をブランド化へ:兵庫)
兵庫県淡路島内で捕獲、処理されたイノシシ肉、シカ肉を「AWAJISHIMA shishika(淡路島シシカ)」と名付け、洲本、淡路市内17店で12月1日~29日、活用したメニューが提供される。農作物被害を減らそうと捕獲されるが、多くが処分されていた。島の料理人やシェフが、野生肉を使ったジビエ料理に工夫を凝らす。洲本市や市内の猟友会など、関係機関が集まる同市鳥獣被害防止対策協議会が企画した。同市内では、イノシシ、シカの農作物被害が深刻で、被害額は2018年度で約1300万円。軽減に向け、年間約2000頭が捕獲されるが、その多くは埋設処分されてきたという。そこで注目したのがジビエ料理。島内でわなにより捕獲され、島内の処理場を通した肉をブランド化しようと協賛店を募った。イノシシとシカを合わせ、shishika(シシカ)と命名。専用のロゴマークも作った。今年1~2月、洲本市内の和洋食など9店が参加する「shishikaフェスタ」を開き、売り出した。「うちで扱いたい」という店も増え、今回、2度目となるフェスタでは洲本、淡路市の17店に拡大。パスタやステーキ、カレーやぼたん鍋、チャーシューなど、各店それぞれの味わいを楽しめるという。洲本市農政課は「亥年の締めくくりに、淡路島でジビエを味わうのはいかが」と呼び掛ける。

(ジビエ料理の実演販売:高知)
香美市香北町吉野の「ジビエビジネスアカデミー」(西村直子代表)で30日と12月1日、ジビエ料理が実演販売される。メインは「スープ」。ジビエビジネスアカデミー研修生と西村代表が、シカ肉やイノシシ肉を使ったチャウダーやボルシチ、ポトフなどを調理し販売する。総菜やスイーツ、生ジビエ肉も並ぶ。

(今こそ知ろう!国産ジビエシンポジウム:東京)
公益財団法人日本食肉消費総合センター(所在地:東京都港区、理事長:田家 邦明)は、国産ジビエの認知向上と需要拡大を目的とした「今こそ知ろう!国産ジビエシンポジウム」を東京国際フォーラムにて開催しました。国産ジビエに関心のある150名が来場し、盛況のうちに幕を閉じることができました。シンポジウムは第1部で基調講演を行い、一般社団法人日本ジビエ振興協会 藤木 徳彦代表理事が「ジビエ振興の意義と取組みについて」、農林水産省 農村振興局 農村政策部 鳥獣対策・農村環境課 鳥獣対策室 仙波 徹室長が「ジビエ振興のための政府の取組」を専門的な見地から分かりやすく紹介しました。第2部ではパネルディスカッションを行い、ゲストパネリストにモデル・タレントとして活躍する押切 もえさん、パネリストとして東京国際大学 伊藤 匡美教授、麻布大学 押田 敏雄名誉教授、信州富士見高原ファーム 戸井口 裕貴氏、藤木 徳彦代表理事、京都大学 宮崎 昭名誉教授を迎え、ジビエの歴史・文化、安全・安心な供給への取組、国産ジビエ認証施設の安全・安心の取組、ジビエ流通の現状と展望など、様々な角度から意見交換がなされました。また、消費者の目線からジビエに対する様々な疑問をパネリストに解説してもらい、ジビエブームの兆しを見せる2019年、最新のジビエの動向や人に教えたくなるジビエ情報などをディスカッションし、ゲストパネリストの押切 もえさんを含めて来場者は興味深く耳を傾け、国産ジビエの魅力、可能性について理解を深められていました。

(高校生が鹿肉新メニューを発表:埼玉)
ちちぶのじか活性化協議会(所在地:埼玉県秩父郡小鹿野町小鹿野298-1 西秩父商工会内)は、埼玉県立小鹿野高等学校と連携して、地域の実態(鳥獣被害および対策・鹿の利活用による地域活性化)を高校生に知ってもらう授業を担当しています。自分たちが住む地域で発生している問題を知ってもらうとともに、地域問題を他人事として捉えるのではなく、「自分はなにができるか」という視点から考える意識を醸成することを目的に、高校生にオリジナル鹿肉新メニューを開発してもらっています。

(日本ジビエサミット:東京)
近年、野生鳥獣による農作物被害が深刻化する中、捕獲した鳥獣をジビエ(野生鳥獣の食肉)などの地域資源として利用する取組みが全国各地で進められている。18年度のジビエ利用量は1887tで、16年度と比べて1.5倍に増加。しかし、捕獲された野生鳥獣のほとんどは廃棄され、ジビエとしての利用率は9%にとどまっている。そうした中、政府は鳥獣被害対策として102億円を今年度予算に盛り込む。

(養豚農家、味わうイベント:群馬)
豚コレラ(CSF)対策のワクチンを接種した飼育豚の豚肉を味わうイベント「豚をまるごと一頭食べよう」が一日、高崎市の山名八幡宮であった。藤岡市などでCSFに感染した野生のイノシシが発見され警戒が高まる中、養豚農家が豚肉の安全性を訴えた。イベントは、藤岡市に養豚農場がある堀越ファームの堀越勝徳さん(41)が呼び掛けた。同ファームの農場では十月二十七日から、CSF対策として飼育豚へのワクチン接種を始め、先月二十八日に千頭全ての豚への接種が完了した。堀越さんは「いろいろな人の力を頂いて病気と闘える仕組みが整ったが、全国で多くの豚が犠牲になったことを忘れてはいけない」と話す。「群馬では野生イノシシに豚コレラの陽性反応が出たが、飼育豚では出ていない。ワクチンを接種しても人間に影響はないので、多くの人に安心して群馬の豚肉を食べてほしい」と力を込めた。会場では十月二十七日に接種を完了した豚一頭分、約六十キロのロースやバラ、モモなどの豚肉を販売。参加者は豚肉や地元野菜の盛り合わせなどを買い、その場でバーベキューにして焼きたての豚肉をほおばっていた。高崎市の会社経営、小池秀明さん(43)は妻と子ども三人で参加。「子どもたちも自分で豚肉を焼いて興味を持ってくれた。ワクチン接種について正しく知ることが大切だと思う」と話した。イベントに先立ち、豚など家畜への感謝をささげる鎮魂祭が行われた。同八幡宮の神職山口和也さん(34)がおはらいをし、祝詞を読み上げた。参加者も玉串を納めるなどして祈った。

(すご腕猟師がジビエレストラン:大分)
大分県佐伯市の矢野哲郎さん(63)は、林業をしながら自宅横でレストラン「リュオ」を営む。山間地だが「トトロの森」として知られ、訪れる中高年の女性が多い。メニューはパスタやピザなどが中心だが、すご腕猟師の矢野さんが捕る猪や鹿のジビエ料理も人気だ。「トトロの森」の由来は地名が「ととろ」だから。2006年に福岡のテレビ局が、大ヒットした映画「となりのトトロ」にちなんだ「大分のととろ」と紹介すると、一躍有名になった。観光客が訪れるようになり、矢野さんは2008年にリュオを開店。1年後、ジビエ料理をメニューに加えると、注文の4割を占めるまでになった。店名は近くの神社「龍王社」からとった。「猟師」の矢野さんは、20代から40年以上のキャリアを持つ。30機の箱罠やくくり罠を仕掛け、毎日山を歩いて年間100頭ほど捕獲する。設置場所はすべて持ち山だ。以前は銃猟もしていたが、近所に猟友会の仲間がいなくなったことと、センサー付きなど「罠の進化」もあって現在は罠専門。捕獲後は自分で解体し、1頭も無駄にしない。肉はリュオで提供し、内臓は犬用。角や牙はキーホルダーや犬のおしゃぶりなどに加工する。矢野さんに捕獲の秘訣を聞くと「うまい猟師は技は教えないんだが」と笑いながら、ポイントを話してくれた。それによると、罠は作物の収穫期より早い時期に、里につながる獣道に複数仕掛けること。仮に逃げられても警戒して近づかなくなる。

(変わりジビエ鍋3種食べ比べの会:岡山)
「変わりジビエ鍋3種食べ比べの会」が12月13日、ハッシュタグ(岡山市北区北長瀬表町2)で開かれる。主催の中川妙子さんは2016(平成28)年、備中ジビエ料理コンテストで「イノシシ肉のデミカツ丼」で優勝し、「ジビエクイーン」と呼ばれている。新見市哲西長の猟師さんが捕る臭みのないイノシシ肉に感銘を受け、これまでおいしくないと思っていた人に食べてもらうために、出張料理人として飲食店での提供や料理教室などを東京・岡山で開いている。当日は吉備中央町で捕れたイノシシ、備前市で捕れたシカ、岡山市一宮や足守で捕れたアナグマを鍋の具材とする。1つの鍋を4~5人で囲み、3種の鍋を順番に味わう。カレーしょうゆのイノシシ鍋には岡山パクチーを使う。すき焼き風のシカ鍋、脂身の多いアナグマはホルモンのような食感が楽しめる辛々鍋を用意する。香りはマツタケ、食感はシイタケに似ているといわれる「松きのこ」など、できるだけ岡山県産の野菜を使って作るという。中川さんは「駆除のために捕獲されるイノシシやシカのほとんどは捨てられる。食べることを前提に捕られてさばかれたものはおいしく、安全に食べることができる。低カロリー、高タンパクといわれるジビエのおいしさをこれまで知らなかった人にも味わってほしい」と話す。「アナグマは近年捕られるようになったが、まだ数は少ない。昔、たぬき汁と言われたものはほとんどがアナグマだったと聞いた。東京へ行くと高級食材として扱われることもある。楽しいとおいしいを届けることが私の幸せ」とも。

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