<射撃ニュース3月>
3/13
(ワクチン餌900か所で:岐阜)
野生イノシシへの家畜伝染病「豚コレラ」の感染拡大を防ぐ経口ワクチン投与に向けて、県や関係市町、県猟友会などで構成する「県経口ワクチン対策協議会」が8日、設立された。今月25日から県内900か所でワクチンを混ぜた餌の散布を開始し、来年2月までの計6回、餌を食べたイノシシに、ウイルスの抗体が作られるかなどの効果を検証する。協議会は、県農政部や野生イノシシの感染が確認されている地域など18市町、県猟友会、県畜産協会、県養豚協会が参加。国が主導する経口ワクチン投与の円滑な実施を目指す。協議会内には、国や有識者が岐阜・愛知両県に技術的な助言を行う「アドバイザリー・グループ」と、ワクチンを混ぜた餌を散布する地域ごとの作業チームも設ける。この日、県庁で開かれた設立総会では、県農政部の長尾安博次長が「詳細を詰めながら、一致団結して作業を実施したい」とあいさつ。出席した農林水産省の石川清康・畜水産安全管理課長は「我が国にとっても初めての経験。長丁場になるが、協力をいただき、イノシシへの防疫を一歩ずつ進めたい」と述べた。経口ワクチンは、餌に混ぜた上で、野生イノシシの生息域の獣道などに埋め、効果が期待される5日間で回収する。県の実施計画によると、県内で約144キロにわたって設置された防護柵の周辺を中心に、〈1〉岐阜椿洞〈2〉岐阜大洞〈3〉美濃・関〈4〉可児〈5〉八百津〈6〉瑞浪・恵那――の各区域の計900か所で、1回あたり計3万6000個を散布。10日後から、野生イノシシを捕獲するなどして有効性を調べる。実施するのは、3~5月、7~9月、来年1~2月の計3期間。野生イノシシの状況を見ながら場所を選定し、各期間に2回ずつ、餌の散布から効果の検証まで行う。

(豚コレラは猟師にも打撃:岐阜)
イノシシやシカを狙う狩猟が、十五日の猟期終了を前に大詰めを迎えた。今シーズンは各地で豚(とん)コレラによる狩猟禁止が続き、中濃地域の十三自治体のうち制限を受けなかったのは、郡上市と東白川村だけだった。豚コレラの感染拡大に歯止めが掛からない中、猟友会員からは「このままの状況が続けば次の猟期はどうなるのか」という不安の声が出ている。十日朝、郡上市白鳥町では地元の建築業河合隆治さん(61)を中心とした十人のグループが出猟。四匹の猟犬を連れて山に入り、勢子(せこ)が追い出した獲物を猟銃で撃つ巻き狩りを繰り広げた。今年は例年に比べて降雪量が少なく、猟場に雪は残っていない。このため、獣の足跡の確認が難しく、最初の猟は空振りに終わった。しかし、二回目の猟でイノシシとシカを相次いで発見。岐阜市から参加した公務員日下部陽亮さん(38)が、体重一〇〇キロ近い雄のシカ一頭を仕留めた。グループとしては、これが今猟期最後の出猟となった。昨年九月、岐阜市の養豚場で発生した豚コレラは愛知、長野、滋賀県と大阪府に拡大。岐阜、愛知両県ではイノシシにも感染が広がったことから、十一月十五日解禁の狩猟が大幅に制限された。禁止区域は十一日現在、両県で三十三市町にも及ぶ。狩猟禁止は獣類だけでなくキジ、カモなどの鳥類も対象となった。多人数で獣を追う大物猟は地形を熟知していないと成り立たないため、地元の猟場を閉め出された人たちの多くは猟をあきらめた。白鳥町の河合さんのグループに参加している男性(74)=愛知県小牧市=は「愛知の狩猟者登録をしたが、一度も猟に行けなかった」と嘆く。東白川村産業振興課によると、今猟期は山に入る猟師が少なく、捕獲される獣も減っているという。猟友会は野生動物から農林業を守る有害鳥獣駆除も担っているが、全国的に高齢化が進んでいる。狩猟者登録には猟友会費や保険料などを含めて五万円近くかかることもあり、豚コレラによる狩猟禁止は大きな打撃になった。河合さんは「せっかく登録しても猟ができないのでは、猟師の意欲がそがれる。来猟期も狩猟が制限されるようなことになれば、猟をやめる人が増えるだろう」と話している。

(リトアニアへ職員派遣:岐阜)
古田肇知事は6日、アフリカ豚コレラが発生しているリトアニアへ県職員を派遣し、同国の防疫対策を研究している施設を視察する方針を示した。古田知事が同国のギエドリウス・スルプリース農相と県庁で会談後、報道陣に明らかにした。県によると、リトアニアでは2014年にアフリカ豚コレラの感染が判明し、野生イノシシの感染も相次いでいる。 会談で古田知事が助言を求めると、スルプリース氏は「衛生管理の意識を持ってもらうよう農場とのコミュニケーションを強化している」と話した。

(猟銃誤射防止考える、ハンターが集会:北海道)
恵庭市の国有林で昨年11月、作業中の北海道森林管理局の男性職員がエゾシカ猟のハンターの猟銃誤射で死亡した事故を受け、道内のハンターたちが10日、事故防止を考える集会を札幌市内で開いた。札幌市や後志管内余市町在住の狩猟者でつくる「安全銃猟と山林活動を考える有志の会」が主催した。同会は、ハンターによる誤射事故を繰り返さないための態勢づくりを目指し、今年1月に発足した。

(シカ捕獲、昨冬の2割以下:北海道)
北海道稚内市の市街地に出没するエゾシカの捕獲作戦がこの冬は大苦戦で終了した。原因は少雪。ササが雪の上に出てきて活動の妨げになった。越冬地の裏山での市による一斉捕獲は、3回で計14頭で終わり、昨冬の2割に満たなかった。道も小型囲いわななどで市の捕獲を支援したが、こちらも目標を大きく下回った。市は毎冬、地元猟友会の会員ら約20人による一斉捕獲を計画。予定日を6日設け、最大4回実施するが、今冬は最初の2回が少雪で中止、この後、3回続けて実施できたが、雪解けが急速に進み、今月10日の最後の予定を断念した。裏山は鳥獣保護区や公園などがあり、銃による捕獲が原則できないため、市は2010年度から、一般の人が立ち入れない冬に限って一斉捕獲を続けてきた。毎冬50頭の目標を達成。目標を設けなかった昨冬は、相次ぐ暴風雪で3回しか実施できなかったものの、83頭を捕獲した。市の担当者は「昨年は雪が多かったことでシカが木の皮などを食べに裏山に集まり、捕獲しやすかった」という。

(クマ生息数、推定3700頭:秋田)
県は2018年度のツキノワグマの県内推定生息数を前年度比約6割増の3700頭とする方針だ。調査の精度を向上させたことに加え、捕獲数を繁殖数が上回ったとみられることなどが主な要因。県は19年度の狩猟期間を従来よりも2週間長く設定し、人里に出てくるクマを減らしたい考えだ。県自然保護課の担当者は「間もなく冬眠シーズンが終わるので、クマが人里や山林に出没する可能性が高くなる」と警戒を呼び掛けている。

(イノシシ被害激増で対策を協議:秋田)
去年から被害が増えている、イノシシによる農業被害の対策を検討する協議会が12日、湯沢市で開かれ、今後、駆除に向けて有効な捕獲方法を決めたうえで対策していくことを確認しました。この協議会は、県が初めて開いたもので、県の担当者や猟友会のメンバーなどおよそ40人が出席しました。最初に県の担当者から、今年度、県内でのイノシシの目撃件数は11日までで100頭にのぼり、去年1年間の農業被害も200万円余りと、おととしのおよそ2万円から大幅に増えていることが報告されました。このあとの意見交換では、猟友会のメンバーから、これからの時期、山菜採りで山に入る人が増えるうえ、イノシシは動きが速いことから、銃だけでなく、わなを含め、捕獲方法を検討する必要があるという意見が出され、協議会は今後、駆除に向けた有効な捕獲方法を決めていくことを確認しました。県によりますと、県内では、長い間、野生のイノシシの生息は確認されていませんでしたが、平成24年以降は湯沢市などで確認されていて、県は岩手県や宮城県などから県境を越えてきたものとみています。県自然保護課の高松武彦課長は、「どのような捕獲方法が有効か検討しつつ、猟友会と一丸となり対策に取り組みたい」と話しています。

(豚コレラ、ワクチン月内散布:愛知)
野生イノシシに対する豚コレラの経口ワクチン散布体制を整えるため、県は8日、対策協議会を設立した。同日開かれた設立総会には散布対象となる犬山、春日井、小牧各市の関係者や猟友会、JA関係者らが出席。互いに連携し、豚コレラを封じ込めることで一致した。

(「ジビエカー」4月から運用:岡山)
有害獣を速やかに解体、運搬しジビエ(狩猟肉)として活用する目的で真庭市が導入した「ジビエカー」が10日、市内で披露された。採用は全国2例目。4月から運用し、農林業被害の軽減やジビエを使った地域活性化に役立てる。ジビエカーは2トントラックがベース。荷台に解体室や、シカやイノシシなど5頭分の枝肉を保管できる冷凍庫を備える。購入費は約2700万円。捕獲場所近くまで駆け付けてすぐに解体できるため、新鮮で高品質の肉を確保でき、需要の掘り起こしが期待できる。捕獲者の運搬負担も減る。地域おこし協力隊員ら3人が、地元猟友会と協力し、まず久世地域で試験運用しながら対象エリアを広げる。ジビエカーでは精肉にできないため、当面は美作市の食肉処理施設に枝肉を買い取ってもらう。真庭市は、真庭高の生徒が開発するジビエ加工品の販路拡大やジビエを味わうツアー企画などを支援し、消費拡大や産業振興を目指す。この日、同市勝山の勝山文化センターであったSDGsフォーラムの会場でジビエカーを展示。開発業者が機能を説明した。同市によると、近年は市東部を中心にシカが増え、ヒノキの樹皮が剥がされる被害が目立っているという。

(ニホンジカ捕獲7269頭:愛媛)
愛媛県特定鳥獣(イノシシ・ニホンジカ)適正管理検討委員会が12日、松山市内であった。事務局の県は、2017年度の狩猟などによるニホンジカの捕獲数は7269頭(前年度比20%増)で過去最高だったと報告した。

(アライグマ対策フォーラム:北海道)
アライグマ対策フォーラム(道猟友会帯広支部)が9日、帯広市内のとかち館で開かれ、約70人が参加した。帯広畜産大学の浅利裕伸特任講師が「十勝におけるアライグマの研究について」をテーマに講演。アライグマは十勝では森林や水辺、小屋などを使っているとみられるが、いつ、どこで、どのように生息しているのか不明な部分が多いとした。

(ノネコ捕獲、8カ月で38匹:鹿児島)
奄美大島で希少動物を襲う野生化した猫(ノネコ)の捕獲数が、捕獲が始まった昨夏から8カ月で計38匹にとどまり、目標の月間約30匹を大きく下回った。捕獲の対象地域に相当数のノネコがいるのは撮影データから確認できており、事業主体の環境省は「想定よりも捕獲が難しかった。エサやワナの工夫を行い、捕獲の効率を上げていきたい」としている。6日に鹿児島県奄美市であった捕獲状況などの検討会で報告された。捕獲は同省と県、島内5市町村が共同で策定した管理計画に基づき、昨年7月に開始。当初は1地域(16平方キロ)に約100基の生け捕り用のワナを置き、2カ月ほどで次の地域に移っていく予定だった。だが8月に11匹を捕らえた以外は毎月1桁の捕獲数にとどまり、周辺に設置した自動撮影カメラにはノネコが映る状況が続いたため、同じ地域での捕獲を継続。今年1月から作業員を1人増やして計4人としたうえで、新たな1地域を加えた計2地域を対象にした。あわせて、ノネコの目撃情報があった地点にワナを置く「ピンポイント捕獲」も続けている。捕獲した38匹のうち36匹は、責任を持って飼ってくれると確認できた個人や団体に譲渡され、残る2匹も引き取り手との面会を待つ状態という。同省によると、島の森林部にいるノネコの推定生息数は600~1200匹、推定密度は1平方キロあたり約1~2匹で、捕獲対象の1地域には20~30匹ほどがいると想定されている。最初の対象地域では実際に20匹以上が捕獲されており、検討会の座長で東京女子大の石井信夫教授(保全生態学)は「捕獲効率に課題はあるが、推定通りにノネコがいることが分かったのは一つの成果だ」と話した。

(イノシシ路上侵入阻止:富山)
砺波市は新年度、電気柵を置けない道路上でイノシシの侵入を防ぐU字溝を中山間地の市道に設置する。U字溝の路面側に穴が蜂の巣状に付いており、ひづめが挟まることを嫌う動物を遠ざける。

(東京五輪へ照準、クレー射撃が第1号か:栃木)
東京五輪まで12日で500日となり、代表争いも本格化する。県勢代表決定第1号の可能性があるのがクレー射撃。男女に有力候補がめじろ押しで、今月15日に開幕するワールドカップなどで「既に出場権を獲得した選手を除き2位以内」に入り、国・地域別出場枠を得た選手がそのまま代表に決まる。スキートは親子同時出場を目指す折原研二(おりはらけんじ)(那須国際射撃場)と折原梨花(おりはらりか)(文星芸大)、リオデジャネイロ五輪代表の石原奈央子(いしはらなおこ)(古峯神社)、トラップは5度目の五輪出場を目指す中山由起枝(なかやまゆきえ)(小山市生まれ、日立建機)が各種目最大2人ずつの出場権を巡りしのぎを削る。

(駆除したシカを観光資源に:兵庫)
獣害対策で駆除されるシカを観光資源に生かそうと、解体見学やシカ肉料理を味わうイベント「シカフェス」が9日、丹波並木道中央公園(兵庫県篠山市西古佐)で開かれた。神戸山手大(神戸市中央区)の歴史文化ツーリズム研究会が企画し、今年で2回目。同研究会は、同大現代社会学部観光学科の高根沢均准教授の指導で、篠山市の若手猟師と共にシカの活用方法を考えている。今回は同研究会の学生8人と市内外の9人が参加した。シカフェスでは、若手猟師の新田哲也さん(34)がシカの生態や獣害を説明。「毎年狩猟されたシカのうち9割が捨てられているが、シカ肉は鉄分が豊富で、カロリーも低い上質な肉だ」とし、「もっとシカを活用できる方法を考えたい」と強調した。その後、前日に捕まえた雄のシカを新田さんが解体。参加者らは徐々に食肉に近づくシカの姿を、真剣に見守った。皮剥を体験した同大1年生の男子学生(19)は「毛皮は分厚くて弾力がすごかった。毛も硬く、普段触れる革製品とは全く違った」と話した。解体後は、シカ肉を使ったつみれ汁と香草パン粉焼きが振る舞われた。角を輪切りにして中をくりぬき、ネックレスやストラップを作る体験もあった。

(ジビエ処理加工施設整備指針案作成:徳島)
徳島県は、「県野生鳥獣肉解体処理加工施設整備指針(案)」をまとめた。4月5日までパブリックコメントの手続きを行っている。指針は、ジビエの利活用を通した狩猟の魅力向上を図るため、野生鳥獣肉解体処理加工施設(ジビエ処理加工施設)の整備の基本方針を定めるもの。

(シカの食糧事情は「劣悪」?:鳥取)
鳥取県若桜町のシカの食料事情は劣悪――?こんな調査結果が鳥取大教授らの研究で浮かび上がってきた。シカのフンを調べたところ、本来食べるはずのササではなく、枯れ葉や樹皮などの割合が多かったからだ。ササなど下草が食べ尽くされ、食料事情が悪くなったと考えられるという。鳥取大の永松大教授(植物生態学)と鳥取出身でシカ研究者の高槻成紀・麻布大いのちの博物館上席学芸員が調査した。草食動物であるシカ(ニホンジカ)は近年、全国的に増加し、林業被害が広がっている。永松教授らは2013年、県東部の八頭町や若桜町、智頭町で人工林や天然林へのシカによる被害を調べたところ、シカ密度が高いところでササや低木層が食べられていたという。

(「狩女の会」:石川)
狩猟を愛する女性たちによる「狩女(かりじょ)の会」を設立して丸3年。会は当初、県内で狩猟免許を取得した知り合い5人の集まりだったが、講演活動やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でつながりを広げ、今では北海道から鹿児島まで50人以上が所属する。自身は輪島市や穴水町で革細工教室の講師を務める他、会の顔として講演の依頼に応じたり、ジビエ(野生鳥獣肉)の利活用の拡大を図る。

(シカ2頭目撃:熊本)
熊本県警御船署によると、11日午後7時前、嘉島町上島の森崎橋右岸土手で、角がある大きめのシカ2頭が目撃された。目撃しても近づいたり大声を出したりしないよう注意を呼び掛けている。

(サルが出没:大阪)
平成31年3月10日 日曜日、市内でサル1匹が目撃されました。午前11時33分頃、枚方市伊加賀本町13番付近、午後12時07分頃、枚方市伊加賀西町33番付近。サルは移動速度が速く、静観していれば立ち去ります。近づいたり、いたずらに騒ぐなどの刺激を与えると危険ですのでご注意ください。

(野生動物、ハチ羽音で撃退:広島)
スズメバチの羽音やにおいを使ってシカやクマなどの野生動物を撃退する装置を県内の養蜂業者が開発した。列車と動物の衝突事故防止に活用しようと、岩手県を通るJR山田線の線路脇に装置を設置した実験で効果が確認され、2019年度中に他路線での実施も検討中だ。ネズミに悩まされている都市部の飲食店などでも導入が始まっている。

(高校生、ジビエ料理に挑戦:大分)
佐伯市の佐伯豊南高校で2月26日、ジビエ料理教室があった。

(ジビエなど特産品アピール:静岡)
浜松市中山間地域特産品プロモーションフェア(実行委主催、静岡新聞社・静岡放送協力)が14日、天竜区内で初開催される。ジビエ(野生鳥獣肉)などを使ったフランス料理を提供し、生産者と小売・飲食業者との商談会も行う。参加無料。市内の中山間地域の特産品を市内外にPRし、新たな人やモノの流れを創出するのが目的。同日午前11時~午後1時、同区船明の船明荘でフレンチコース料理の試食会(定員は先着15人)を実施。食材は天竜産のイノシシや陸上養殖したアワビ、シイタケなどを使い、同店シェフの大橋正諭さん(45)が調理し、シカの血を固めて焼いたソーセージの一種なども提供する。

(児童がジビエ料理教室:静岡)
南伊豆町の小学生たちが、山の植物を荒らすため駆除された野生のシカの肉を使った料理を体験しました。この料理教室は、南伊豆町の教育委員会が企画し、町内の小学4年生から6年生までの児童25人が参加しました。はじめに、地元で食肉処理業を営む黒田利貴男さんが、南伊豆町ではこの数年野生のシカが増え、山の植物を食い荒らしているため生態系にも影響を与えるおそれがあることなどを説明しました。このあと、子どもたちは、駆除されたシカのひき肉を使ったミートソースパスタ作りを体験しました。シカの肉は、脂身が少なく、鉄分が多く含まれているのが特徴で、子どもたちはひき肉とタマネギを炒めたあと、トマトケチャップなどで味をつけ、ミートソースを仕上げました。そして、大きな鍋でゆでたパスタにミートソースをかけ、おいしそうに味わっていました。パスタを食べた子どもは「シカの肉は弾力があります。今まで食べた肉の中で一番おいしいです」と話していました。

(猪骨ラーメン特産化いける:鳥取)
道の駅奥大山(江府町佐川)を運営する奥大山ドリームは8日、同駅のレストランでイノシシの骨でスープのだしを取った“猪骨”ラーメンの試食会を開いた。猟師や町議、町職員らが味わい、特産品になることを期待した。

(しし焼肉でジビエ料理PR:佐賀)
鹿島市中心市街地にある「相生(あいおい)通り」でこのほど、第2回にぎわいフェスティバルが開かれた。ジビエ料理研究会による「しし焼肉」をメインに通りは歩行者天国となり、訪れた人はビールを片手にほろ酔い気分を楽しんだ。イノシシによる被害が課題となる中で、ジビエ料理の魅力をPRした。田中敏幸会長(54)は「フランス料理としてのジビエではなく家庭の味で」と焼肉で提供。鹿島猟友会の会員は高齢化が進むが、血抜きの技術に長け「臭いイメージは変わるはず」と企画した。市の飲食店街の店主らや市産業支援課が「元気発信」を合言葉に出店。好天にも恵まれ、盛況だった。下村将史・実行委員長は「多くの人出があり、今後も楽しく続けて、鹿島を盛り上げて行きたい」と話した。

(イノシシ肉を使ったラーメンの試食会:鳥取)
農作物に被害をもたらすやっかいものとして駆除されるイノシシを有効活用しようと、イノシシの肉を使ったラーメンが開発され、鳥取県米子市で試食会が開かれました。このラーメンは、米子市と横浜市でラーメン店を経営する会社が開発し、試食会には県や地元の関係者などおよそ20人が参加しました。スープには鳥取県倉吉市にある食肉処理場で加工されたイノシシの肉が使われていて、試食した人たちは、「臭みがなく、すっきりしている」などと話しながらラーメンを味わっていました。鳥取県によりますと、昨年度、捕獲されたイノシシ5500頭余りのうち、食用に使われたのはおよそ15%ほどで、ほとんどが廃棄されているということです。試食した鳥取県「食のみやこ推進課」の塗師木太一課長は「イノシシのうまみがあって非常に食べやすかったです。このラーメンをきっかけに鳥取のジビエが全国に広まることを期待したい」と話していました。ラーメンを開発した佐藤義大社長は「ことしがいのしし年ということもあって挑戦しました。ジビエというとにおいで敬遠されがちですが、きちんと調理すればおいしい肉だということを知ってもらいたい」と話していました。

(人間の食べ物の味を覚えたクマは冬眠期間が短くなって老化が早まる可能性がある:アメリカ)
アメリカ全土に生息するアメリカグマはおよそ5~7カ月もの間、食事や排せつを一切行わずに巣穴の中で冬眠を行います。クマは冬眠時期が近付くと木の実などを食べて脂肪を蓄えますが、近年は人里に降りてきてゴミ捨て場をあさるクマも現れて問題となっています。ジャンクフードやお菓子など、砂糖やトウモロコシをたくさん含む加工食品の味を覚えたクマは冬眠期間が短くなり、さらには老化が加速しているかもしれないという研究結果が発表されています。ウィスコンシン大学マディソン校のジョナサン・パウリ氏は、2011年から2015年冬にかけて、コロラド州に生息するアメリカグマが何を食べているのかを調査するため、州中のクマにGPSを取り付けてその行動をチェックしていました。すると、本来自然の木の実や動物を食べるはずのクマがゴミ捨て場をあさり、ドーナツやキャンディーなどの加工食品を食べていたことが判明しました。ジャンクフードやお菓子に多く用いられるトウモロコシやサトウキビなどの作物は、大気中に散在する炭素13という炭素の安定同位体を吸収し、濃縮します。そのため、トウモロコシやサトウキビでできた加工食品を食べると、野生植物を食べるよりも高濃度で炭素13を摂取することになります。そのため、砂糖やコーンスターチを使った加工食品への依存度が高いほど、体内の炭素13の量は増加する傾向にあります。パウリ氏は、コロラド州の公園と野生生物局の監視下にあるメスのクロクマ30匹に注目し、それぞれの冬眠期間や細胞の老化状況を調べました。そしてクマの体毛に含まれる炭素13の濃度を調べた結果、高濃度であるほど冬眠する期間が短くなることがわかりました。また、パウリ氏率いる研究チームは細胞の老化状況を測定するために、クマのテロメアの相対的変化について調べました。テロメアとは繰り返し配列を持つDNAとタンパク質からなる染色体の末端部分です。テロメアは体細胞分裂の際、染色体が複製を繰り返すたびに短くなっていくため、テロメアの長さは細胞老化の目安と考えられています。冬眠期間が通常より短いクマのテロメアを調べたところ、他のクマよりも早く短縮していることがわかったとのこと。なぜ冬眠が短いとテロメアの短縮速度が上がるのかは明らかになっていませんが、冬眠中のクマは代謝機能が低下するため、冬眠が短くなることで老化のスピードが上がってしまうのではないか、と研究チームは推察しています。ただし、論文共著者であるレベッカ・カービィ氏は、今回の調査結果で得られた証拠は「示唆に富む」としながらも、「調査対象だった30匹のクマは決して研究に協力的だったわけではなかったため、『砂糖やコーンスターチをたっぷり含んだ加工食品に依存すること』と『テロメアの短縮スピードが上がること』に直接的な関係があるとは必ずしも断言できません」と述べていました。

TOPへ

3/8
(山林に大量の動物死骸不法投棄か:和歌山)
和歌山県田辺市の山林で鹿やイノシシなどとみられる死骸が大量に見つかり、警察は何者かが不法に捨てたとみて、廃棄物処理法違反の疑いで捜査しています。警察によりますと、先月18日、和歌山県田辺市本宮町の山林で近くに住む人から「動物の死骸のようなものが捨てられている」という通報とともに、死骸や骨などが撮影された写真の提供があったということです。警察が調べたところ、現場には鹿やイノシシなどとみられる死骸が、大量に見つかったということです。現場は、田辺市の本宮小学校から南東に2キロほど離れた山林で、警察は、何者かが不法に捨てたとみて、廃棄物処理法違反の疑いで捜査しています。

(野生イノシシ用ワクチン25日から散布:岐阜)
豚コレラ」の拡大防止策として野生イノシシへの経口ワクチンの投与を国が決めたことを受け、岐阜県は7日、25日から県内で散布する計画を発表した。感染したイノシシを介して養豚場にウイルスが広がったとみられており、144キロにわたる防護柵の周辺や、2月以降に感染イノシシが新たに確認された地域の900カ所に3万6千個をまく。来年3月までの1年間に3期間に分けて実施し、効果を検証する。ドイツなどでの使用例はあるが、国内では初めてで効果は未知数。7日には山県市で豚コレラの発生が確認されており、拡大防止につながるか注目される。同日に県庁で開いた防疫対策本部員会議で計画を決めた。県と主に感染イノシシが発見された18市町、県猟友会などで「県経口ワクチン対策協議会」を8日に設立。協議会内に、国と有識者でつくる「アドバイザリー・グループ」と、県、市町、猟友会支部などの散布作業を担う「散布地区タスクフォース」を置く。最初に散布候補地でイノシシが近づくように餌付けする。アドバイザリー・グループの助言を受け、タスクフォースが散布地を決定。イノシシが地面を鼻先で掘り起こす習性を利用し、輸入したワクチンを25日から5日間で、1カ所に40個程度埋める。ワクチンの効果が弱まるため5日後に回収し、食べた痕跡を確認。イノシシを捕獲し、散布の実効性や有効性を分析する。2回目は4月下旬から5月に実施。7~9月を第2期、来年1~3月を第3期とし、いずれも2回ずつ同様に散布する。古田肇知事は「国や愛知県とも連携し、オール岐阜県で取り組みたい」と述べた。また、県は豚コレラが発生した養豚場や出荷制限を受けた農家などの経営支援策も明らかにした。

(感染イノシシ205頭に:岐阜)
岐阜県は4日、瑞浪市など県内3市町の山中で見つかったイノシシ計4頭が豚コレラに感染していたと発表した。同県で感染が確認された野生イノシシは205頭となった。県によると、瑞浪市で先月26日、付近の住民が死んでいる1頭を発見。山県市で1頭、川辺町では2頭がわなにかかっているのを今月1日、地元猟友会が見つけた。いずれも4日の県の遺伝子検査で陽性だった。周辺ではこれまでも感染した野生イノシシが見つかっている。

(感染イノシシ12頭目:愛知)
愛知県は6日、同県犬山市の山林で捕獲された野生イノシシ1頭が豚コレラに感染していたと発表した。県内で感染が確認されたイノシシは12頭目。県によると、地元猟友会が3日にわなにかかっているのを見つけ、5日に県が実施した遺伝子検査で陽性と判明した。周辺では、これまでもイノシシの感染が確認されている。

(防護柵で誘導しシカ捕獲:和歌山)
和歌山県林業試験場(上富田町)は、スギ・ヒノキの植栽地の防護柵を活用したシカの誘導捕獲技術を開発した。シカが植栽地に集まり、防護柵の周囲を歩くとされる習性に着目。くくりわなを使った40日の捕獲試験で13匹を捕まえた。狩猟初心者にも分かりやすいように、捕獲方法のマニュアルを作ってホームページに掲載、希望者には配布している。試験場では、5カ所の植栽地の防護柵沿いにそれぞれ自動撮影カメラを5台設置して検証。シカは毎日出没せず、同じ植栽地でも出没頻度にばらつきがあり、出没がゼロの地点もあった。単純にわなを仕掛けるだけでは、捕獲する確率が低くなることが分かった。この結果を受けて、干し草を固めたヘイキューブを使い、くくりわなにシカを誘導する方法を検討。三つの植栽地で3~5台のカメラを置いて給餌前と給餌後のそれぞれ3週間観察した。給餌後、多くの地点で出没日数が増加し、給餌前にゼロだった地点でも頻繁に出没するようになった。季節を問わず、ほぼ3週間で餌付けできることが分かった。夏と秋に場所を変えて2カ所で、くくりわなによる捕獲試験を行った結果、40日で13匹を捕まえ、複数同時捕獲や連続捕獲にも成功した。ただ、捕獲したシカを運び出すのに手間がかかるため、わなの設置場所には注意が必要という。

(「シカ空白県」で目撃情報:茨城)
大正時代を最後に茨城県内では絶滅したとされるニホンジカの目撃情報が相次いでいる。ニホンジカの食害は各地で問題となっており、定着すれば全国有数の産地である農林業に大きな被害を及ぼす。国内で唯一の非生息地域のため、対策のノウハウは乏しく、関係者の間で懸念が広がっている。暗闇の中に光る目、頭には枝分かれした角。県内では約100年前に絶滅したとされていたニホンジカの雄の姿が昨年11月下旬、大子町の最北にある八溝山付近の国有林で撮影された。撮影したのは県内の国有林を管轄する茨城森林管理署(水戸市)。センサーカメラで撮影した。菊池毅・地域林政調整官は「予想はしていたが、やはり来ているのか……という思いでした」と話す。県内では1920年代に常陸太田市や大子町で捕獲記録があるが、その後は野生のシカは絶滅したとされてきた。環境省などの野生動物の生息調査でも、県内は全国で唯一の空白県だ。だが、ここ数年は目撃や撮影が相次いでいる。最初に撮影に成功したのは、国立研究開発法人の農研機構中央農業研究センター。一昨年の11月、やはり八溝山山頂付近で撮影した。3枚の写真に2頭の雄シカが写っていた。シカはどこから来たのか?可能性が高いとされているのが、大子町と県境を接する栃木県だ。栃木県西部では80年代から生息数が増え、最近は県東部にまで広がっている。隣接する福島県南部もニホンジカの空白地域だったが、昨年から複数回、目撃や撮影をされており、県境を越えて来ているとみられている。生息域の拡大で最大の問題は「食害」だ。雌は1歳ごろから子どもを生み始め、寿命は15~20年ある。増えたシカは農作物や林業への被害だけでなく、山の下草を食べ尽くすことで土壌流出にもつながっている。栃木県では2011年に922頭だった捕獲頭数を、17年には6088頭まで増やしたが、被害拡大は止まっていない。懸念されるのは、八溝山山頂付近の生態系の保全だ。山頂付近は県内では数少ない手つかずの広葉樹林とされ、県自然公園の特別地域に指定されている。最初に撮影されたのはこの地域内だ。同センターの竹内正彦・鳥獣害グループ長は「対策を急がないと植生があっという間に変わってしまう」と訴える。経済的損失の問題もある。県内の国有林の管理面積は4万5千ヘクタールと全国120森林管理署などで中位だが、木材の収穫量は約30万立方メートルと全国1位が続く。だが、シカは樹木の表皮を食べることで木材価値を下げるだけでなく、伐採後に植えた苗を食べてしまうという。さらに、酪農が盛んな大子町では山裾まで牧草地が広がる。また特産のリンゴ畑も林地沿いまで迫っているため、エサには事欠かない。シカが苦手とする雪も少ないため、入り込んだら駆除は難しい。これまでに県内で撮影されたのは雄だけ。まだ食害も確認はされていない。竹内さんは「秋から冬にかけて、雌やエサ探しで広範囲を移動する。定着はしていない可能性は高い。早めに対応をすれば被害は防げる」と話す。県も対策に動く。県境をまたいで移動するシカに対応するため、新年度に福島、栃木の両県と生息調査を行う予定だ。GPS(全地球測位システム)を活用した移動ルートの解明などに取り組む。2月に農林業関係者を対象にした講演会で、被害対策について説明した国立研究開発法人「森林総合研究所」の岡輝樹・野生動物研究領域長は、「対策に偏りが出ないようにするには、農業、林業、自然環境といった代表の人たちで行う必要がある」と話す。そのうえで目撃情報収集の重要性を強調する。2年前から「シカ情報マップ」(https://shikadoko.jp/別ウインドウで開きます)というホームページで、投稿を募っている。「柵を設置するには費用がかかるし、メンテナンスの労力も膨大。どこから入ってきているのかを確認することで精度の高い対策につなげたい」

(県猟友会員を雇用へ:神奈川)
イノシシやシカによる農作物への被害が市内で深刻化しているのを踏まえ、秦野市は2019年度、県猟友会員を非常勤職員として雇用し、殺処分後の埋める作業などが負担になっている農家のサポートなどに取り組む。雇用する人数は60人以内とし、19年度当初予算案に人件費など675万円を盛り込んだ。市農産課によると、被害は市内の広範囲で確認されている。2017年度の鳥獣による農作物への被害額は約2300万円で、14年度に比べて600万円ほど増えている。同課は、増加理由について「山に近い場所の田畑が荒廃し、鳥獣にとってすみやすい隠れ場所となった。防護柵で人とすみ分けをすることもなく、人里に近づいてしまった」と分析。職員による市鳥獣被害対策実施隊を結成して現在、鳥獣被害防止計画の策定を進めているほか、イノシシなどを捕獲するおりの設置に取り組んでいる。一方で、課題となっているのが農家の負担増。高齢化により殺処分されたイノシシなどを埋めるのが手間になっているという。そこで市は19年度、市内で活動する県猟友会西秦野支部、県猟友会秦野支部の猟友会員を非常勤職員として雇い、同対策実施隊員に委嘱することにした。農家に代わって殺処分された動物を埋めたり、食肉として持ち帰ったりしてもらうことで農家の負担軽減を図る。また、これまでも捕獲した動物の殺処分については猟友会員に依頼していたが、委嘱により処分の迅速化が図られるとしている。鳥獣被害が多い土地では銃器による駆除にもあたってもらう。同課は「市だけで取り組むのは限界がある。わなで捕獲するシカやイノシシの個体数を増やし、被害の軽減につなげていきたい」と話している。

(ハンター高齢化、5割は60代以上:北海道)
十勝管内で、エゾシカ捕獲の担い手となるハンターの高齢化が進んでいる。60歳以上が5割近くを占め、近い将来、ハンターの人数は急減する恐れがある。シカの捕獲数減少につながり、農業や林業の食害拡大が懸念される。管内の狩猟免許所有者は石狩に次いで多く、2017年度で1547人。このうち60歳以上は754人で、全体の48・7%。集計のある2001年度から見るとほぼ倍以上となっている。

(駆除動物処分施設整備へ:北海道)
ヒグマやエゾシカの食害が深刻になっているとして八雲町は新年度、道南の自治体では初めて、駆除した大型の野生動物の解体処分施設を整備する方針を固めました。八雲町が発表した新年度の一般会計当初予算案の総額はおよそ140億3400万円と、今年度の当初予算を1900万円余り、率にして1.4%上回り、過去10年で最大となりました。八雲町は酪農が盛んですが、ここ数年ヒグマやエゾシカによる飼料用の作物の食害が深刻になっています。このため町は、道南の自治体では初めて、駆除した大型の野生動物の解体処分施設を整備する方針を固め、事業費として1700万円余りを盛り込みました。また、熊石地区で老朽化している2つの保育園を統合し、新しい建物を整備する費用に1億5900万円余りを計上しました。また、歳入については、町税が2.2%増える見込みですが、新年度の大型事業に伴う財源不足を補うため、8億5000万円余りの町債を新たに発行するとしています。八雲町の新年度当初予算案は、今月11日に始まる町議会に提案されます。

(ノネコ捕獲等検討会:鹿児島)
2018年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に関わる検討会(座長・石井信夫東京女子大学教授)が6日、奄美市名瀬のAiAiひろば会議室で開かれた。昨年7月から開始されたノネコ捕獲作業の状況やモニタリング状況を報告。捕獲効率などについて意見交換し、新年度の作業方針案の検討を行った。奄美大島ではノネコ(野生化した猫)が山中で、希少種などを捕食する問題がありノネコ管理計画を策定。同計画は▽森林内からノネコの捕獲排除▽ノネコの発生源対策を2本柱として、国・県・奄美大島5市町村が役割分担して実行するもの。同検討会には有識者5人の検討委員のほか、環境省や関係機関、市町村の担当者らが出席。石井委員が座長に選出され議事を進行した。ノネコ対策の実施状況、ノネコの捕獲状況、モニタリング結果などを、環境省奄美野生生物保護センター職員や市町村担当などが報告。捕獲状況は2月末現在、捕獲数38匹で譲渡数も38匹、安楽死の措置ゼロ。発生源対策の野良猫TNR事業は、5市町村で864匹と報告された。捕獲作業は今年1月から、作業エリアを追加しカゴわなの稼働日数を増やすなど強化。また作業エリア以外で、希少種が多い森林内での目撃情報に基づくピンポイント捕獲作業の実施も報告された。カゴわなにハシブトカラスの混獲が発生している状況があり、委員からは「本土で使用されているアライグマ用のわなを使用してはどうか」との提言も。また既にノネコ捕獲に取り組んでいる小笠原の事例から、その知見の活用を求める意見などが出された。今後の方針について、月あたりの捕獲努力量を拡充しノネコの個体数低減などを図る案を提示。委員からは「いかに効率的に捕獲していくか。奄美大島の生態系保全に向けて取り組んで行くかを考えてもらいたい」「モニタリングを継続して、作業効率を上げてもらいたい」などの意見が出された。環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室の番匠克二室長は、報道陣の取材に対し「一定の成果確認できたことは大きい。引き続き地元の協力を得て、進めていくことが大事」「どの餌が良いかなど現場で引き続き工夫していく必要ある。限られた場所では、成果が出ている。これを広げていく努力をする必要がある」と語った。

(繁華街にカラス大群、ふん害:福井)
福井県福井市の繁華街・通称「片町」で今冬から春にかけて、カラスが毎晩、大挙して飛来している。電線に黒い影が“鈴なり”で、道路はふんだらけ。不“ウン”にも酔客や通行車両に直撃もあるという。飲食店主らは「こんな事態は初めて」と困惑気味。市有害鳥獣対策室には苦情が寄せられている。同室によると、市街地のカラスは主に足羽三山をねぐらにしている。ここ数年、一部が花堂周辺にねぐらを移したため、市は昨年度から試験的にタカを飛ばして捕獲おりのある足羽山へ追い払うよう誘導しているが、本年度は効果があまり上がっていないという。片町での大量出現について同室は「今まで聞いたことがない。理由も分からない」。片町の中でねぐらは決まっておらず、主に東側の順化1丁目内を転々としているという。同室には1月上旬から「ふんで道路が汚い」との苦情が4件以上寄せられ、対策に頭を悩ませている。足羽三山の個体かどうかや種類は確認できていない。目撃した50代の会社員男性は「地面でびちゃっと音がして、雨かと思ったら違った」。見上げたら大量のカラスがおり、驚いたという。片町のすし店男性店長(38)は「なぜ突然これだけ大量のカラスが飛来するようになったのだろう。早くいなくなってくれればいい」と不気味に感じていた。福井市自然史博物館の学芸員、出口翔大さんは「明るくて人通りが多い場所のため、外敵に襲われにくいのは確かだが…。大量に片町に住み着いた理由は思い当たらない」と話していた。

(カラス大群にお手上げ:青森)
青森市中心部の「青い森公園」とその周辺の県庁や商業ビルが並ぶ長島地区などの住民らが近年、多数のカラスに頭を悩ませている。ふん害をはじめ騒音となる鳴き声のほか、景観や街のイメージの悪化を懸念する声もある。カラス追い払いに決め手はなく、市側も頭を抱えている。

(外来イノシシ急増でウミガメも被害:沖縄)
国立公園に指定され、5日で満5年を迎えた慶良間諸島。2003年以前に渡嘉敷島へ持ち込まれた外来種のニホンイノシシが、14年から座間味島や阿嘉、慶留間島にも生息域を急速に広げている。農作物やウミガメの卵の被害も激しくなっており、住民からは対策を求める声が上がる。識者は「外来種の安易な持ち込みは島独自の生態系のかく乱につながる」と早急な対策を訴える。渡嘉敷村で最初にイノシシが捕獲されたのは03年ごろ。住民が食用として九州から雄1頭と雌2頭を持ち込み、逃げ出した個体が繁殖したものとみられている。村は11年に「村鳥獣被害対策協議会」を立ち上げ、駆除に乗り出した。 箱わなを仕掛けて年間約100頭ほどを捕獲し、これまでに約700頭を駆除してきた。だが、村担当者は「イノシシは毎年4頭前後を出産するなど繁殖力が高い。肌感覚では、生息数は逆に増えている」という。座間味村の外地島では14年3月ごろに初めて1頭が捕獲された。村担当者は「新たなえさ場を求めて渡嘉敷島から渡ってきた」とみる。17年からは座間味島の畑でジャガイモやサツマイモが食害に遭うように。これまでに少なくとも20人以上の農家から被害の報告が寄せられており、耕作をやめた農家も出ている。18年9月には、座間味島北西にあるウミガメの産卵地として有名な「ニタ浜」で、アオウミガメの卵が食い荒らされているのが発見された。すり鉢状の穴の周囲に卵の殻が散乱していたという。村も17年から箱わなを仕掛けているが、初年度の駆除数は2頭、18年度は7頭にとどまり、十分な効果は上げていない。2月初旬にネギ畑を荒らされたという座間味区の梅田昇さん(89)は「畑のそばにあるシークヮーサーの根っこもやられた。今年は花が咲かないんじゃないか」と不安をのぞかせる。阿真区の中村正男さん(76)は、昨年の冬に自前でフェンスを巡らしたといい「費用がかかって大変」と顔を曇らせた。座間味村は17年12月、県に対策を要請した。県は有識者らでつくる鳥獣捕獲事業検討委員会を立ち上げ、両村で根絶に向けた効果的な駆除方法の検討を開始。18年7月から11月にかけて同諸島の10島を調査した結果、渡嘉敷、儀志布、座間味、阿嘉、慶留間の5島でイノシシの痕跡が確認された。県の担当者は「渡嘉敷だけでなく、座間味島でも全域で痕跡が見つかったことに驚いている。このままだと他の島にも広がりかねない」と危機感を募らせる。県は19年度~20年度で村内のハンターの育成や捕獲手法を確立し、21年度から集中的に大量捕獲を目指すとしているが、「全国的にも根絶の事例はなく、難しい事業になるだろう」と厳しい見通しを示す。沖縄国際大の宮城邦治名誉教授(動物生態学)は「住民や観光客への被害も想定される。遅きに失した感はあるが、県や村は早急に対策に取り組むべきだ」と指摘する。

(停電の原因はカラスの巣:徳島)
6日夕方、徳島県小松島市を中心に約2900戸が停電しました。電柱の上に作られたカラスの巣が原因と見られます。四国電力によりますと6日午後6時40分、小松島市の中心部や徳島市の一部などの約2900戸で停電が発生しました。小松島警察署管内の信号機12か所も停電し、警察官らが交通整理にあたりました。約1時間後にはすべて復旧しました。小松島市神田瀬町の民家の敷地内にある高さ約10メートルの電柱の上に1週間ほど前からカラスが巣を作っていて、このカラスの巣に雨が当たり漏電したと見られます四国電力は「電柱に鳥の巣を見かけた場合はすぐに連絡して欲しい」と呼びかけています。

(民家のベランダにサルが出没か:熊本)
熊本県警山鹿署によると、8日午前8時半ごろ、同県山鹿市菊鹿町で、民家のベランダにサル1匹がいるのが目撃された。同署はサルに遭遇した場合、不用意に近寄ったり、大声を出したりしないよう注意を呼び掛けている。

(「奈良のシカ小型化」ホント?)
複数の取材先から「最近の奈良のシカは昔より小さい」と聞いた。確かに子供の頃、遠足などで見たシカに比べ小さく、おとなしい気がする。異変が起きているのだろうか。まず奈良県庁の奈良公園室に尋ねた。国の天然記念物の奈良のシカは野生動物で所有者はいない。歴史上、社寺が関わったこともあったが、近年は保護や管理、環境整備を主導するのは県だ。だが「データは取っていない」という。一般財団法人奈良の鹿愛護会にデータが存在した。同会は人に危害を加えないよう角を切るため、毎年、夏から冬に300頭以上のオスジカを捕獲する。その際に計測した体重と全長の一部を集計してもらった。推定5歳のオスの平均は2018年が74キロと158.3センチ。集計可能な1999年以降、むしろ少し大きくなっているようだが、変動もある。事務局長の蘆村好高さんは「小型化というより、昔より人に慣れているように感じる。(警戒心が強いはずの)子ジカを見掛けることも多くなった」と教えてくれた。県ビジターズビューロー専務理事の中西康博さんは、長年シカを巡る環境整備に尽力してきた。50年近く前、東大寺周辺で過ごした中高生の頃の脅威は春のメスジカ。子ジカが通りかかるやいなや、母ジカに体当たりされ、眼鏡が壊れたこともあった。今は愛護会が産前産後の多くのシカを一時保護し、母子が落ち着いてから外に放す。気の立った母ジカとの遭遇は減っているようだ。「シカはペットではない。地元の子らは『怖い』と知っていた」と強調する。「ケンカを『犬鹿』と書くほどシカは犬を恐れる」ともいうが、近年、犬連れの行楽客も珍しくない。小型化説の背景にはライフスタイルやシカへの意識の変化があるのかもしれない。「昔のシカの角がある」と聞き、春日大社の国宝殿に向かった。神様が白鹿に乗ってやって来たという伝説から、奈良の町が千年以上「神鹿(しんろく)」を守る発端となった神社だ。通常は非公開の「大鹿之角」。木箱を開けると巨大な角が現れた。「貴重品台帳」によると長さ2尺3寸5分。実際に測ると70センチ超といったところだが、根元の直径は7~8センチもあり、ずっしりと重い。天正19年(1591年)に大神鹿が現れ、凶暴なオオカミとにらみ合い、オオカミが恐れをなして逃げ出した――。箱の裏にはそうあるが、詳しいことは分からない。もちろん当時の平均的なシカではないようで、学芸員の松村和歌子さんは「大鹿はすでに伝説の一端だったのだろう」と話した。ニホンジカの体格は地域差が大きく、奈良のシカはもともと小ぶりという。ただ気になるのは、広島の宮島のように頭数が増えすぎると餌が減り、小型化するという例だ。現在、奈良のシカは1360頭で戦後で最も多い。北海道大学大学院の立澤史郎助教(保全生態学)は詳細な調査が必要とした上で「島での小型化は定説だが、奈良でもかなり限定されたエリアに生息する。草など自然の餌が減り、人への依存度が高まっている可能性はある」とみる。保護施設「鹿苑(ろくえん)」で、ドングリを金網越しにやると、角の生えたオスがゆっくりと集まってきた。威嚇し合う角ジカはなかなかの迫力だ。県は鹿苑を再整備し、シカに関する教育啓発機能を充実させる方針。古都奈良の景観はりんとして美しいシカなしには成り立たない。正しく知り、正しく畏れる。自然との付き合い方を再確認する必要性を痛感した。

(宮内庁新浜鴨場を行く:千葉)
皇族方が各国の駐日大使や国会議員らを招き、伝統的なカモ猟を紹介する恒例行事が行われる宮内庁の施設、新浜(しんはま)鴨場(千葉県市川市)。平成4年10月に皇太子さまが極秘で訪れ、皇太子妃雅子さまにプロポーズされた場所としても有名だ。28年度から政府の観光政策の一環で、千葉県や宮内庁が主催する一般向け見学会が年数回行われている。東京メトロ東西線行徳駅から南に商店街や住宅を歩くこと約15分。「宮内庁新浜鴨場」と書かれた看板が掛かった大きな門が目に入る。新浜鴨場の入り口だ。この日は午前、午後の2回、それぞれ抽選で選ばれた約30人の県民が参加した。案内役の宮内庁式部職企画専門官の市村有弘さんによると、新浜鴨場全体の敷地面積は約19万6000平方メートル。県の狩猟期間にあたる11月15日から2月15日にかけて、皇族の方々が接待役として、国内外の賓客に、おとりのアヒルを使い、元溜(もとだまり)という大きな池から引堀という細い水路におびき寄せたカモを網で傷つけずに捕獲する伝統的なカモ猟を実際に体験してもらっている。捕らえたカモは足環をつけ、池のほとりで放され、鳥類の保護や観察に役立てている。一般向けの公開は、猟期ではない時期に行われている。鴨場の中に入ると、豊かな自然に囲まれているせいか、住宅街の喧噪(けんそう)から離れた静けさが感じられた。少し歩くと、目に入ってくる大きな池。ほとりには皇族の方々や招待客の休憩所、食事をとる食堂が入った木造の建屋もある。「招待客らに振る舞われる料理のメインは『鴨すき』」と市村さん。それ以外のメニューは大きく和食と洋食を選べるが、外国大使の中には肉類を一切食べない人もおり、そうした人には別のメニューを提供するという。池のほとりは松の木がところどころに植えられ、日本庭園のような景観が広がる。皇太子さまと雅子さまは池のほとりを散策したり、食事をしながらお二人で話をされたと推測される。この日は、見学会向けに実際に猟で使う叉手網(さであみ)といわれる網や、捕獲したカモを入れる鴨溜籠、招待客が訪れる際に出迎える職員が着る鷹匠(たかじょう)姿のマネキンも展示されていた。さらに奥に進むと、密生した竹やぶと人工的に作られた小さな土手、実際にカモ猟を行う水路が並ぶ場所に出る。土手の中心は小さなのぞき穴になっており、水路をのぞくことが可能。水路は池に向かって南北に分かれて配置されており、人の気配やにおいに敏感なカモに気付かれないように風向きによって、使い分けているという。見学会は全体で約1時間半で終了。参加者は笑顔で鴨場を後にした。船橋市から夫婦で来た、土田栄一さん(68)は「何度か申し込んで初めて当選した。自然が豊かで広くて気持ちよかった」と話していた。

(みえジビエフードシステム登録制度の運用を開始:三重)
三重県内で捕獲、生産された鹿肉や猪肉のうち、県が定めたマニュアルに基づいたものを県のジビエブランド「みえジビエ」として、推進していますが、今回、さらにみえジビエの衛生管理及び品質管理の高水準化を図るため、これまでのマニュアル及び登録制度を見直し、新たに「みえジビエフードシステム衛生・品質管理マニュアル」、「みえジビエフードシステム登録制度」の運用を下開始します。

(創作ジビエ料理いかが:宮崎)
延岡産の野生鳥獣肉(ジビエ)を活用しようと、延岡市内の料理店5店舗が連携して独自メニューを開発した。イノシシやシカ肉を地元野菜と一緒に調理し、ジビエ料理の発信を目指す。「のべおかジビエフェア」と銘打ち、各店舗で31日まで取り扱う。

(ジビエスタンプラリー、応募条件緩和:大分)
大分ジビエ振興協議会(事務局・県森との共生推進室、TEL 097-506-3876)は3月15日まで実施している「ジビエスタンプラリー」の応募条件を「スタンプ3つ」から「1つから」に引き下げた。3月4日現在、当選数218本に対して応募数15件という現状に対する緊急措置。担当者は「このままだと当選率は100%。思いは複雑だが応募数が増えることを願っている」と気をもんでいる。スタンプラリーはイノシシやシカ肉のジビエ料理の浸透を図る目的で2月9日から実施。特賞はジビエを使ったフランス料理のコースペア食事券(2万円相当、2本)、A賞はイノシシ鍋やシカ肉ソーセージなどのセット(1万円相当、3本)、B~D賞は5,000~3,000円相当の県産ジビエ関連商品(90本)で、参加賞(1,000円相当)でもジビエ商品が123人に当たる。応募は参加20店のうち3店でジビエ料理を食べ、専用はがきにスタンプを押してもらい、3つためて切手を貼って郵送する形を取っていた。期間中はコマーシャルなどを通してスタンプラリーをPR。2月に開いたジビエイベントでもスタンプ1つを押した応募はがきを約600枚を配布するなどしてきたが、反応は極めて希薄。応募開始から3週間たった時点で届いたハガキは12枚にとどまっていた。事務局担当者は「イベントも大いに盛り上がり、県民のジビエに対する興味の高さを肌で感じただけに信じられない思い」と困惑するが、ラリー参加者からは「チャレンジしたいが自宅から遠い店が多い」「日曜に営業していない」「県内に店が点在し、しかも夜だけの営業の店もある。その中で3つ集めるのは大変」などの声も多く寄せられていたという。こうした状況を受けて3月1日からスタンプ数によって抽選を受けられる範囲が変わる仕様に変更。スタンプ1つは参加賞、2つはB~D賞と参加賞、3つは全ての賞品を対象に抽選することにした。3つを集めると「特賞・A賞」「B~D賞」「参加賞」の順で3回の抽選が受けられる。スタンプ2つも同様に抽選機会が2回に増える。「初めての試みで反省すべき点も多々あった。条件を緩和したことで応募も3件増えた」と担当者。料理については、道の駅せせらぎ郷かみつえ(日田市)のジビエカレー(780円)、バーガーショップUSA(宇佐市)の戦国バーガー(500円)、山香温泉風の郷(杵築市)のしし煮込みうどん(972円)、レストランうめりあ(佐伯市)のししラーメン(800円)などいわゆる「一品料理」が人気で、「こういった店ではスタンプもたくさん押している」という。応募方法に関しては郵送のほか、県庁舎本館8階の森との共生推進室への持ち込みも可能とした。担当者は「イベントで配布したものと合わせて『スタンプ1つ』を家で眠らせている人も多いと思う。そのまま応募してもいいし、スタンプを2つ、3つと増やすほど上位賞品が当たるので挑戦してみてほしい」と呼び掛けている。3月15日の消印有効。応募はがきの付いたリーフレットは参加各店、県内の道の駅、18市町村の観光案内所などで配布している。

(イノシシ肉の長所を考える:石川)
イノシシ肉といったジビエ(野生鳥獣肉)をテーマにした講演会が三日、穴水町保健センターであり、主に町民ら二十五人が魅力を考えた。ジビエの利活用を広く呼び掛けている福岡富士子さん(48)=穴水町=が登壇した。イノシシ肉が豚肉と比べて鉄分が約四倍であるほか、高タンパクや低カロリーであるため、「最高のアスリート食になる」と長所を熱弁した。近年、能登地方で頭数が増えているのは「農村の過疎化や狩猟者の減少、地球温暖化などの影響を受けているから」と指摘した。講演会に続き、町食生活改善推進協議会の桶本直子会長(67)=同町=と福岡さんが講師を務める調理実習を実施。参加者はイノシシ肉の甘露煮や汁物などを作り、おいしく味わった。穴水公民館が今年のえと、亥(いのしし)にちなみ、初めて開いた。

(エゾシカ肉知名度向上へ:北海道)
根室産エゾシカ肉の知名度向上を目指す「根室管内エゾシカ地域ブランド化協議会」は4日、根室市内で会合を開き、シカ肉のブランド名を「根室ディア(ディアは英語でシカの意味)」に決めた。ブランド化は根室振興局の独自事業。海霧に含まれるミネラル豊富な草を食べる管内のエゾシカの肉は良質とされ、ブランド化によってシカ肉の知名度向上と消費拡大を図る狙い。自治体や加工業者、飲食店などで構成する協議会は、レストランでのシカ肉を活用した共通メニューの提供などを目指し、昨年8月から会合を重ねてきた。ブランド名は前回会合で候補を絞り、管内の小学5、6年生1249人にアンケートを実施したところ、「根室ディア」が最多の356票を集めた。次点は「根室美味鹿(おいしか)」だった。

(ジビエ試食会に9団体:岐阜)
郡上産のシカとイノシシを使った「地美恵(ジビエ)料理」の試食会が六日、郡上市大和町の料理旅館清竜で開かれた。獣肉を扱う業者は豚(とん)コレラの風評被害を受けているが、郡上のイノシシ肉は東京都内で二月に開かれた全国コンテスト「日本猪(いのしし)祭り」でグランプリを獲得した。関係者は「おいしい料理で悪いイメージを払拭(ふっしょく)したい」と話している。試食会には市内の飲食店など九団体が参加。「ロースト鹿にぎり」「猪鍋」「鹿の信田巻き」など計十一点を並べ、市や商工会、猟友会関係者ら四十人に味わってもらった。地元で獣肉処理施設を運営する郡上地美恵は、郷土料理「鶏(けい)ちゃん」のようにみそ、しょうゆで味付けした「猪鹿(いのしか)ちゃん」を発表。脂が乗ったイノシシとシカ肉の絶妙なバランスが人気を呼んだ。郡上市では五日現在、イノシシの豚コレラ感染は確認されておらず、狩猟も制限されていないが、獣肉処理施設へのシシ肉の引き合いは激減した。影響はシカ肉にも及び、郡上地美恵は売り込み先の新規開拓に苦労しているという。郡上は天城山(静岡県)、丹波篠山(兵庫県)と並ぶ三大イノシシ産地。試食会を主催した郡上調理師会の林健吉会長は「ジビエ料理の魅力を幅広く発信するため、店のメニューに入れてもらえるよう呼び掛けたい」と語った。

(ジビエ料理でダブル入賞:栃木)
ジビエ(野生鳥獣肉)を使った料理を競う全国大会「第3回ジビエ料理コンテスト」(日本ジビエ振興協会主催)で、町地域おこし協力隊員の戸松淑朗(とまつとしろう)さん(59)と磯野勇(いそのいさむ)さん(38)がそろって入賞した。町特産品のイノシシ肉「八溝ししまる」を使い、戸松さんが「猪肉(ししにく)の甘煮とアボカドのポキ丼」、磯野さんが「猪天(ししてん)」のレシピを考案した。2人は「びっくりしたけどうれしい」と喜び、町内の飲食店などでの受賞料理の提供を目指している。コンテストはジビエをより日常的な食材として普及させる目的。多くの人に提供できる安全でおいしい料理をテーマに、国産のイノシシ肉かシカ肉を食材に使うことなどを条件とした。戸松さんと磯野さんは町内のまちづくり会社「創生なかがわ」で特産品のPRなどに携わる。今回は八溝ししまるの部位のうち、普段あまり食べられていないスネ肉を食材に選んだ。戸松さんは魚介類を甘辛いタレに絡めるハワイ料理のポキ丼をアレンジし、良質な脂質を持つアボカドと組み合わせた。磯野さんはしょうゆなどで下味を付けた後に天ぷらに揚げた。2人とも肉をしっかりと煮込んで柔らかくするなどの工夫をしたという。コンテストには93点の応募があり、ソムリエの田崎真也(たさきしんや)さんが審査委員長を務めた。書類審査を通過した20点のレシピを審査委員会が忠実に再現し、実食審査も行って肉の特長を生かしているかやインパクト、再現性などを評価した。審査結果は1月下旬に発表され、2人は農林水産大臣賞など上位3賞に次ぐ入賞の17点に選ばれた。2人は「自分たちが考えた料理を多くの人に食べてもらい、八溝ししまるの魅力をさらに広めたい」と話した。

(いのしし肉入りカレー缶完成:島根)
鳥獣害対策で交流のある美郷町のイノシシのひき肉と三重県津市美里町の大豆を使ったカレーの缶詰が完成し、7日にお披露目会が開かれました。このカレーの缶詰は、町名が同じ読み方をする「みさとちょう」で、鳥獣害対策で交流があるふたつの町の住民と自治体などが共同で開発しました。7日は美郷町の乙原集会所でお披露目会が開かれ、嘉戸隆町長や地元住民など30人が出席して試食しました。カレーには美郷町が「山くじら」のブランド名で町の特産品としているイノシシの肉と、三重県津市美里町が田んぼのあぜ道で栽培していた在来種の大豆「美里在来」が使われていて、粗めに引いた大豆とイノシシの肉の歯ごたえと甘みを生かすようにスパイスが調整してあります。試食した嘉戸町長は「完食しました。毎日でも食べたいです。お互いの自然のもので、どこにもない組み合わせで大変おいしいです」と話していました。美郷町産業振興課の安田亮課長補佐は「同じような地域づくりの理念や鳥獣害対策を広げていくようなブランドづくりにつなげていきたい」と話していました。この缶詰は、7日から美郷町と三重県津市美里町などで販売されるということです。

(建設会社がキジの養殖:高知)
高知県内で初めてキジ養殖を行ったとされるいの町本川地区で、消えかかっていた養殖の取り組みを地元の建設会社が受け継ぎ、ブランド化を目指している。1941年創業の「手箱建設」(いの町戸中)は2009年、新業種への参入を促す国の補助金を利用し、キジ養殖を始めた。不景気で公共工事の受注が落ち込み、「地域のためできることがあればしたかった」と山本周児社長(59)は話す。とはいえ、キジ養殖は全くの未経験だった。地元の生産組合に教わりながらノウハウを学んだ。ひとまず千羽を購入し、社員の川村英一さん(47)が飼育担当に就任した。

TOPへ

3/4
(狩猟中に滑落か、75歳男性が死亡:山梨)
山梨県富士川町の山中で狩猟をしていたところ滑落したとみられる75歳の男性が死亡しました。死亡したのは、富士川町鰍沢の無職、野沢潔さん75歳です。警察によりますと野沢さんは、4日前から連絡が取れず1日、車が見つかった付近の山中で心肺停止の状態で発見されていました。そして、2日あさ、警察などの捜索隊に収容され死亡が確認されました。死因は低体温症とみられています。野沢さんは地元の猟友会に所属していて、シカやイノシシを捕まえるための罠を準備していたところ斜面から滑落した可能性が高いということです。また、救助に向かっていた男性警察官が足を滑らせ滑落し軽いけがをしました。

(野生イノシシへのワクチン投与:岐阜)
古田肇岐阜県知事と小里泰弘農林水産副大臣は1日、県庁で面談し、家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染拡大防止策として今月着手する野生イノシシへの経口ワクチンの投与について連携することを確認した。農水省は感染拡大の要因とされる野生イノシシが穴を掘って餌を取る習性を利用し、トウモロコシ粉などに包んだ液状ワクチンを地中に埋めて食べさせることを表明した。今月中旬から岐阜県と愛知県の一部で実施する。面談で小里副大臣から連携の求めを受けた古田知事は、感染した野生イノシシが2月末で200頭に達したことに触れ「捕獲のスピードよりもまん延が早くなっていると考えている。連携し、ワクチンの効果があるようにしたい」と応じた。面談後、取材に応じた小里副大臣は「(野生イノシシの移動を防ぐ)柵の設置がほぼ完了し、効果的にワクチンを投与できる環境が整った」と投与を判断した理由を説明。一方、養豚農家から要望の声が上がる飼育豚へのワクチン接種には「(接種に)頼っても農家の衛生管理水準が上がるわけでない」と否定的な見解を改めて示し、国内での発生が危惧されるがワクチンのないアフリカ豚コレラの感染を防ぐために、農家が衛生管理を徹底することの必要性を指摘した。

(許可区域ではカルガモ狩猟可能:東京)
東京都江戸川区に流れる新中川の河川敷で、自分で食べるために野生のカルガモ2羽を捕獲したとして、警視庁葛西署は1日、鳥獣保護法違反の疑いで江戸川区在住のベトナム国籍の男性会社員(32)を書類送検した。男性は調べに対し、日本の食事が口に合わなかったと説明し「自分で捕まえて調理しようと思った」と容疑を認めている。鳥獣保護法では、野生の鳥や哺乳類は原則、捕獲や殺傷、卵の採取、飼育が禁止されている。一方で、東京都では例年11月15日から翌2月15日には狩猟可能な区域で、認められた48種の狩猟鳥獣は狩猟、捕獲できる。カルガモも48種に入っており、マガモや他のカモと1日合計5羽まで狩猟できる。学術研究や生活環境、農林水産業など生態系に関わる被害防止など、定められた目的で一定の要件を満たし環境大臣や知事、市町村長の許可を受けた場合も狩猟と捕獲は可能だ。東京23区は銃器の使用が禁じられた特定猟具使用禁止・制限区域。都内における同法違反容疑での摘発は異例で、最近では14年に高尾署がニホンジカを狩猟した人を書類送検した件がある。

(島牧村にクマ再び出没:北海道)
1日午後、村内の雪原に残されたクマの足跡を猟友会が発見。2月28日も、同じ場所でクマが目撃されています。雪の上に点々と残るクマの足跡…。1日午後1時ごろ、後志の島牧村で猟友会が発見しました。島牧村では2018年8月からヒグマが住宅地に頻繁に現れ、作業小屋が壊されたり、墓石が倒されるなど住民生活に深刻な影響を与えました。1日発見された足跡は15センチほど。発見現場は山の中の道道で、一番近い住宅地から8キロ、去年頻繁に姿を現した住宅地からは、20キロほど離れています。猟友会によりますと、冬眠明けのクマの出没が確認されたのは、去年よりも2週間ほど早いということです。

(害獣捕獲、県でも実施:愛知)
県は新年度、イノシシなどの鳥獣管理対策を強化する。当初予算案に関連予算3030万円を計上した。生息域の拡大を踏まえ、市町村とは別に計画的な捕獲を進めるなどし、農作物の被害を防ぐ。県内の養豚場で家畜伝染病「豚とんコレラ」の感染が確認される中、感染源となり得るイノシシの数を減らすことで、感染防止の効果も期待される。「今年度は、2月末時点で前年度の倍の180頭を捕獲した。正直驚いている」。犬山市から委託され、市内でイノシシの駆除にあたる犬山猟友会の丸山泰裕会長(64)は、イノシシの急増ぶりをこう説明する。県によると、イノシシの生息数は変動が大きく、正確な把握は困難だが、県内では生息域が拡大している。捕獲や農林地の被害対策などを定めたイノシシの管理計画について、県はこれまで県内11市町村を対象としてきたが、2017年度から春日井、犬山、田原の3市を加えた。犬山市ではここ数年、山間部だけでなく、街中にもイノシシが出没するケースが相次ぎ、13年度に20万円だった農作物の被害は、17年度は390万円に急増した。県内全体の被害も、1億8000万円に及んだ10年度をピークに減少したが、1億円前後で高止まりしている。一方で、主に市町村が行ってきた捕獲は、県が計画で目安とする約1万頭に対し、17年度は約8100頭にとどまるなど十分でない。このため、県は、独自に捕獲に取り組む必要があると判断した。今後、管理計画の14市町村を対象に、捕獲地域や捕獲目標数などを定めた実施計画を策定。県有林など市町村の捕獲が行き届いていない場所を中心に、事業者に委託して、ニホンジカとあわせて数百頭程度を目標に捕獲を進める予定だ。イノシシを巡っては、昨年12月以降、犬山、春日井市で計11頭の豚コレラ感染が確認された。国は豚コレラ対策として、今月中にワクチンの投与を始める。県自然環境課は「豚コレラの感染が拡大しないよう、速やかに実施計画をつくり、捕獲を進めたい」としている。

(イノシシが夜の公園で大暴れ:新潟)
新潟県上越市の五智公園(五智6)とたにはま公園(西戸野)で、野生のイノシシが芝生を掘り起こす被害が広がっている。広場などの芝生が広範囲に深く掘り起こされ、地中の土がむき出しになっている。たにはま公園では昨年度も被害があり市が補修工事を行ったばかり。市内ではイノシシによる農作物の被害が深刻な問題となっているが、市民の憩いの場である身近な公園にも影響が及んでいる。同市などによると、イノシシが芝生を掘り起こすのは主に夜間で、土の中の植物の根やミミズなどの食べ物を求めているとみられる。五智公園では公園入り口の駐車場に近い「ちびっこ広場」付近の芝生が被害に遭い、2019年2月25日には芝生が掘り起こされ荒れた畑のようになっていた。市は27日に市民からの通報で被害を確認したという。里山の自然を利用した同公園では、2017年6月に自生するササユリの球根が大量に掘り起こされ、当初は盗掘と思われたが、実はイノシシの食害だったことが判明している。当時は公園入口から離れた山の中での被害だったが、今回は公園入り口付近。公園の周囲は住宅地が広がっている。公園内を散策していた近くに住む70代の女性は「以前はこんなことなかった。昨年もイノシシが出たと聞いたので、恐ろしくて公園の奥の方へ行かないようにしていたのだが、こんなに入り口近くまで来るなんて」と驚いていた。たにはま公園では、市内最大の大型複合遊具などがある芝生の多目的広場約1万9000平方mのうち、約6000平方mが被害にあった。1月末に地元住民からの連絡で、市が被害を確認した。2017年秋にも同じ場所で約9000平方mにわたって掘り起こされ、市は約250万円をかけて砂を入れて芝を再度定着させる補修工事を行ったばかりだった。同公園は毎年12月中旬から3月中旬の冬期間は閉鎖されているが、市は今年も開園までに再び砂を入れて敷ならす工事を行うという。市都市整備部では「2年連続の被害。やられては直すだけではない対策を考えていきたい」としており、鳥獣被害を担当する自治・市民環境部と連携して抜本的な対策を含めて検討する。

(イノシシの大きさ「食べごろ」:大分)
27日夜、大分市内の男性から「自宅の近くにイノシシが出た」と大分東署に通報があった。「危険ですから外には出ないように」と注意を呼び掛け、「どのくらいの大きさですか」と署員が尋ねた。すると男性は「食べごろの大きさです」。署員は想像しながら現場へ急行したが、すでに逃げていた。「『食べごろ』とは、どんなイノシシだったのだろうか」と、後でみんなで話し合ったとか。

(猟銃事故防げ、県警がヒヤリハット事例集:山口)
秋から春にかけての狩猟期間中の猟銃による事故を防ごうと、山口県警は事故一歩手前の「ヒヤリハット」の事例をハンドブックにまとめ、関係者に配った。ホームページでも公開している。猟銃の暴発や誤射などで狩猟期間中に人がけがをしたり死亡したりした事故は2017年までの5年間に全国で52件起きた。県内でも11年にイノシシ猟をしていた男性が仲間に散弾銃で撃たれ、死亡している。ハンドブックには「猟銃を岩の上に落とし、撃鉄が作動していた」「足音の方向に銃を向けたところ人だった」といった事故寸前の事例が並ぶ。獲物を確実に確認したり、見えやすい服を着たりする防止策も添えられている。県警生活安全企画課によると、県内には銃猟をする人が1070人いる。今回はそのうちベテランの猟銃安全指導委員が協力した。生活安全企画課は「事故防止には、まずはヒヤリハットをなくすことが重要」としている。

(やまぬ鳥獣被害、大幅減でも年3000万円超:福岡)
雄大な筑後川と肥沃(ひよく)な筑紫平野を抱え、県内トップの農業産出額を誇る久留米市。しかし農業が盛んなだけに、市東部の耳納(みのう)連山周辺をはじめ農作物の鳥獣被害も相次いでいる。農家や行政の対策が進み、一時期に比べて被害は減りつつあるが、年間の被害額は3千万円を超える。現状を探った。市によると、市内で確認された有害鳥獣の農作物被害額は、2011年度の約1億3千万円から減少しており、14~17年度は4千万円前後と「下げ止まりの状況」(市みどりの里づくり推進課)にある。だが耳納連山周辺ではイノシシ、平野部の城島町地区や三潴町地区ではカラスやドバトによる被害が依然として多いという。各地で相次ぐ鳥獣被害に対応するため、被害防止に対する国の補助金制度が08年度にスタート。農家が自ら設置する場合は、侵入防止用の電気柵やワイヤメッシュ柵、防鳥ネットが無償で支給される。久留米市は12年度から制度利用を開始し、17年度までに市内の計341農家が補助金を活用、設置された柵の総延長は136キロ、ネットの総面積は5万平方メートルに及ぶ。市は、国の補助金制度の活用に合わせて対策を強化。市内JAや猟友会とつくる対策協議会では、農家から被害報告が寄せられると、猟友会や猟友会員の中から市が選任した鳥獣被害対策実施隊が猟銃による駆除やわなの設置に取り掛かる。12~17年度の駆除数は累計で鳥5189羽、獣724匹に上る。16年度からは、イノシシが多く出没する耳納連山に近い陸上自衛隊高良台演習場にも陸自の協力を得てわなを配置。これまでに100匹近くを駆除した。耳納連山西端に位置する同市藤山町地区は、ブランド梨「藤山梨」の産地。ナシやブドウなどの果樹園や観光農園を営む中村裕さん(57)も、国の制度を使って柵やネットを設置している。「行政の対策は非常に助かっている。10年前に比べたら被害は大幅に減った」。山あいに広がる果樹園の周囲はワイヤメッシュ柵で囲まれ、ナシの木はネットできれいに覆われていた。最近はイノシシが人里近くまで出没するようになったという。日が暮れると、数匹のうり坊を連れて道路を横切るイノシシをたびたび見掛ける。昨年は収穫直前の水田が荒らされ、柵を設置した。中村さんは「猟友会の人も大変やろうけど、イノシシの絶対数を減らしてもらいたい」と願う。柵のおかげでイノシシの被害は減ったが、他にも心配なことがある。中村さんが取り出したスマートフォンには駆除されたシカの画像が写っていた。「うちの果樹園のすぐそばに出たんです」。これまで耳納連山に生息するシカはごく少数とみられていたが、ここ1~2年で、複数の目撃情報や鳴き声を聞いたという情報が市に寄せられている。「シカなら成木の実にも届くし、柵(高さ約1・2メートル)も簡単に飛び越える」。中村さんの不安は尽きない。

(豚コレラ、ジビエ大ピンチ:岐阜)
豚コレラの拡大で、岐阜県や愛知県のジビエ(野生鳥獣の肉)関係者に深刻な影響が及んでいる。政府は野生イノシシへのワクチン(餌に混合)を3月から、まずは1年間設置し効果を検証する方針。当該地域の狩猟が規制されるため影響は長期化する見通しだ。狩猟から解体施設、加工所、特産品、地域振興まで及び、裾野は広い。狩猟者やジビエを扱う店からは、一刻も早い終息を願う声とともに「死活問題」「先行きが見えない」など切実な意見も出ている。愛知県新城市作手地区。豚コレラに伴うイノシシの調査捕獲に向け、くくりわなを仕掛けながら、農家で狩猟者の鈴木康弘さん(66)は険しい表情を浮かべる。同市では感染したイノシシは発見されていないが、鈴木さんは「ジビエを核にもうかる地域を目指そうと頑張ってきた中で、大打撃」とうなだれる。猟友会の同地区長を務め、後継者育成のため今春にはNPO法人発足も予定する鈴木さん。狩猟やジビエの加工・販売などに取り組む若者をけん引する存在だ。学校跡地を解体場にし、ジビエ肉を販売して旅館や店などで売り出す「ジビエ街道」をつくろうと、2年前から仲間と構想を練ってきた。特産品だけでなく、イノシシを活用したペットフードや皮革製品、都市住民に獣道を案内するツアーもしたいと考えていた。捕獲してもイノシシの大半を捨てていたことから「捨てるものに価値を生む」と夢を描いていた矢先だった。今後、計画を実行するにも風評被害に不安が募る。農水省によると、豚コレラに伴うジビエへの支援策は現時点ではないという。このため鈴木さんは「仲間の中には死活問題になっている人もいる。狩猟から特産品まで現場は、これから豚コレラとの長い長い闘いを強いられる」と危機感を募らせる。現場への素早い情報伝達や、影響を受けるジビエ関係者への支援を求める。豚コレラ対策で狩猟が禁止されている自治体は1日現在で、岐阜県42市町村のうち27市町(一部含む)、愛知県54市町村のうち6市(一部含む)。両県ともワクチンを設置する市町村は現在検討中。農水省によると、ワクチンを散布する地域では狩猟を規制し、調査捕獲を行う方針だ。調査捕獲したイノシシは全て処分し、食用に回さない考えという。岐阜県恵那市の狩猟者、村上誠治さん(68)は2年前、師匠とイノシシ肉の解体や販売などをする「ジビエの里山舎」を立ち上げた。地域資源に育てたいとの思いで貯金を投資し運営してきたが、豚コレラ発生で事実上、運営ができなくなった。「もうかるわけではないが、細々と頑張ってきたのに、どうしていいか分からない。情報が全くなく対処ができない。先行きが見えない」と嘆く。風評被害で在庫分も売れないという。狩猟ができていないのに、狩猟税が返金されないことも重い負担だ。総務省によると、災害などの場合、狩猟税の減免ができる条例を地方公共団体が作ることができる。しかし、地方税法には豚コレラに伴う狩猟禁止に関する記載がなく、狩猟税1万6500円(第一種銃猟の場合)などは狩猟者に返金できない。村上さんは「ジビエや狩猟をやめる人が出てくるのは間違いない。狩猟もジビエも長期間、下火になるだろう」と嘆く。愛知県豊田市でジビエの解体や販売をする猪鹿工房山恵は、豚コレラの発生を受けイノシシの受け入れを自粛する。鈴木良秋さん(67)は「影響がこれ以上長引けば、つぶれるかどうかの問題になる。経営へのダメージは非常に大きく、何らかの形で支援策を講じてほしい」と切実に求める。

(ムクドリの群れ、姿消す:大分)
大分市の中央通りの街路樹からムクドリの群れが姿を消している。20年近く鳴き声やふんの被害が後を絶たなかったが、昨年11月以降は確認されていない。例年、葉が落ちる冬場は飛来する数が減るが「これだけ長い間来ないのは初めて」と市の担当者。天敵のタカを放ったり、職員が小まめに木を揺するなどした効果が出ているのではないかとみている。群れは夕方現れ、街路樹をねぐらとする。通行人や近くの商店街関係者らは「ギャアギャア」という鳴き声や大量のふんに悩まされてきた。市は木に寄り付かないよう剪定(せんてい)したり、方向感覚を狂わせる磁石や嫌うにおいを付けたりしたが、“特効薬”にはならなかった。タカを使って追い払う作戦に乗り出したのは2016年8月。佐賀県から鷹匠(たかじょう)を招き、17年7月まで3回実施したところ、戻ってくる間隔が長くなった。葉が茂り始めた昨年5月には、大群が飛来したのを機に、市道路維持課の職員がローテーションを組んで毎日追い払いに出るように。1週間ほど木を揺すったり、光を当て続けると姿を見せなくなった。何度か群れが戻ってきても集中的に追い払うと数日で逃げていったという。最後に追い払ったのは昨年11月上旬。3日ほど続けると姿を消した。「居心地が悪くなり、安全ではない場所だと認識したのではないか」と担当者。通り沿いにある金融機関の職員は「ひどいときは店内まで鳴き声が聞こえていた。最近は全く聞かず、ふんもほとんど落ちていない」と喜ぶ。ムクドリはどこに行ったのか。日本野鳥の会県支部の江口初男研究部長(68)=大分市宮河内ハイランド=は昨年10、11月ごろ、市中心部の大分城址公園や春日神社のクスノキに300~500羽単位でいるのを目撃した。「中央通りに千羽単位でいた群れが、餌のある所に分散した可能性がある」とみる。ムクドリは2月ごろから繁殖期に入るため、つがいで行動し始める。再び群れをつくるのは子育てが終わった6、7月ごろ。「中央通りから本当に群れが去ったかどうかは、一年を通して観察した方がいい」と江口さん。市は「また戻ってきたらすぐ動く」。今後も根気強い“闘い”を覚悟している。

(農水省表彰、有害鳥獣対策委:長野)
辰野町川島区の有害鳥獣対策委員会(飯澤勝治委員長)が、農林水産省の今年度鳥獣対策優良活動表彰で、最高賞の農林水産大臣賞を受けた。サルの生態学習や行動調査、追い払いなどの活動を通じて、住民参加の体制づくりと農業被害の軽減につなげた功績が評価された。「地域ぐるみで農地と暮らしを守る活動が実った。今後の励みになる」と喜んでいる。同委員会は1980年代に地元7集落で設立した野生鳥獣対策の協議会を母体に、2002年に現委員会へ改組。従来のイノシ シに加えてサルの農業被害も増加する中、住民へ呼び掛けて実態を知るための講座から活動を始めた。対策では県や町、JA上伊那、信州大学などと連携し、専門知識や最先端機器を活用した対策を展開。県モデルの電気柵を区内のほ場に設置した実証実験、会員考案のペットボトルを使う威嚇用ロケット花火の発射装置の普及など、工夫を凝らして活動を進めた。講座では女性向けのサル対策方法も紹介し、追い払いへの参加を促した。こうした活動を経て、サルによる農業被害額(野菜類)は、13年度約312万円から17年度約50万円と大幅減。専門業者によるGPS(衛星測位システム)を用いた群れの行動追跡調査では、今冬まで過去4年間の比較で人里への出没頻度が下がるなど、追い払いの効果を裏付ける科学的データも得られた。同委員会や区の役員が1日に町役場を訪問し 、武居保男町長へ受賞を 報告。飯澤委員長(76)は、「サル対策は継続が何より大切。受賞を糧に、積み重ねた対策をさらに充実させていきたい」と話した。今後に向け、対策アドバイザーなど住 民活動のリーダー育成、人間とサルの境界線整備の強化を課題に上げた。武居町長は「有害鳥獣の被害に悩む全国の各地域にとって、勇気が湧く受賞事例になるのでは。行政も協力、支援の体制を一層強くしたい」とたたえた。

(ドローンでサル撃退:神奈川)
農地などに出没して農産物に被害をもたらすサルの群れをドローンで追い払えるか。そんな試みに相模原市が県と手を組んで取り組んでいる。このほど同市緑区寸沢嵐などの山林で実験をスタート。サルが嫌がると考えられる猛禽(もうきん)類の鳴き声を出すドローンが群れの上空に近づくと、かなりの速度でサルたちがその場を離れるなどの効果が見られた。市は「今後も検証を続けたい」としている。実験では、同市津久井地域経済課と、県かながわ鳥獣被害対策支援センター(平塚市西八幡)が協力して実施。県が企業や大学の技術を組み合わせてロボットを最短期間で商品化する「神奈川版オープンイノベーション」の取り組みの一環として、明光電子(横浜市港北区)などが開発したドローンを使った。実験では、相模原市内や市周辺に生息する五つのサルの群れのうち「ダムサイト分裂群」と呼ばれる群れが、寸沢嵐の道志川周辺の住宅に近い林にいることを把握。群れには以前から、衛星利用測位システム(GPS)情報と電波を発する首輪を付けたサルがおり、これらの情報から群れの位置をタブレット端末で確認した後、職員らがドローンを離陸させた。群れがいる林の上空でドローンから「ピーッ、ピーッ」という鋭く高い猛禽類の鳴き声が響くと、しばらくして群れは道志川沿いなどを数百メートル移動。数分間の飛行だったものの、同センター職員は移動の速度について「ダッシュして走るような相当なスピードだ」と解説した。県の2017年度の農作物被害調査では、市内でのサルによる被害額は約262万円。鳥獣の種類別で最も多額になっている。市津久井地域経済課によると、大きな音の出る花火などで追い払いを試みているが、周辺住民から花火の音に苦情が出ることも。ドローンを使うことで大きな音を出さずに済んだり、人間が近寄りにくい場所の追い払いに活用できたり、といったメリットが期待されている。同課は「一定の効果はあったようだが、さらに引き続き検証が必要と思う。ドローンの利用が有効なら、農産物被害軽減につなげたい」としている。

(ハクチョウ周辺に分散:栃木)
ハクチョウの飛来地として知られる大田原市羽田(はんだ)の羽田沼で見られるハクチョウの数が大きく減少している。最盛期には200羽を超えるほどだったが、最近では一羽もいない時間帯も。国の天然記念物ミヤコタナゴの保護区への影響を避けるために始めた餌やりの自粛が背景にあり、周辺の農地などに分散したとみられる。戸惑う見物客も多く、関係者は頭を悩ませている。「カモしかいない」2月26日午前、羽田沼を訪れた芳賀町の夫婦はがくぜんとした様子。「ハクチョウの飛来地と聞いて来たのに」一方、羽田沼から北東に約1キロ離れた麦畑。約120羽のハクチョウが新芽をついばんだり、のんびりと羽を休めたりしていた。ハクチョウが分散するようになったのはここ数年。羽田沼には、最盛期は200羽を超えるハクチョウが集まっていたが、徐々に減少している。市観光協会は、見物目的の問い合わせに「ハクチョウが必ずしも沼にいるとは限りません」と言い添えている。

(渡り鳥オオバンが3年連続減:滋賀)
県は、一月に琵琶湖など県内の水辺で観測した、水鳥の生息状況の調査結果を発表した。今回は前年比千百六十羽(1・1%)減の十万八千九百十三羽を観察。クイナ科の渡り鳥オオバンが一万八千七百五十二羽と最も多く見られたが、前年比では23・6%減で三年連続で減少した。オオバンは、二〇一二年に四万羽、一五年に六万羽、一六年に八万羽を超える数が観測されたが、一七年に半数を割る三万六千羽に減少。昨年は二万四千羽で、今年はついに二万羽を切った。調査に協力した日本野鳥の会滋賀保護研究部(守山市)の担当者は「原因は分からない」と前置きしつつ、「分布が変わったことが考えられる。オオバンは北海道やユーラシア大陸の北の方から来る。以前に中国で減少した時に、滋賀で観測数が増えた。それがまた移動したのでは。琵琶湖の生態系が変わったからではないと思う」と話す。また、観測地点ではない県内の内陸部に生息する可能性も指摘した。一方で、マガモは前年比22・0%増の一万六千三百九十七羽。マガモを含むカモ科は同7・0%増で、観測された上位六種のうち五種を占めた。そのほか、カモメ科は同32・4%減の九百九十一羽で、現行の調査体制になった〇九年以来、初めて千羽を切った。カイツブリ科は同2・0%減の五千七百九十六羽だった。観察対象は、アビ科、ウ科、カイツブリ科、カモ科、カモメ科、クイナ科で、今回は三十六種が見られた。一月四~十四日に、内湖や河川など県内百八十四カ所で、日本野鳥の会滋賀を中心に、県野鳥の会、湖北野鳥の会などの会員計四十五人で実施した。県自然環境保全課は「水鳥は群れで移動することが多く、今回の結果のみで増減を判断することはできない」としている。

(のとしし、コロッケ新発売:石川)
羽咋市でイノシシの狩猟や食肉処理事業をしている「のとしし団」の取り組みが次々と高い評価を得ていることから、看板商品としている同市の道の駅のと千里浜は、三月を「月間のとしし」と位置付け、新商品発売や特売を企画する。昨年、農林水産省の「ディスカバー農村漁村(むら)の宝」のジビエグルメ賞を受けたほか、先月は「第三回日本猪祭りin東京」で準グランプリを獲得している。のとししは、道の駅開業当初からの主力商品だ。今回は、「のとししコロッケ」を新発売。市内で自然栽培に取り組む新田聡さんの原木シイタケを練り込んだ。味付けは、ソースではなく塩にすることで、風味をより感じられるように。トリュフで香り付けした。また、自然栽培の農家自らが、羽咋米を使った「のとししライスバーガー」を用意。道の駅の看板二商品がタッグを組む。今後は、ピザや塩こうじ漬けの串焼きを新発売する予定。また、期間中、のとししを使った商品を購入した人を対象に、ビンゴカードを配布する。すべてそろうと、先着三人に羽咋米五キロが贈られる。野間仁駅長は「のとししの活躍を知ってもらうとともに、おいしく味わうことで応援してほしい」と期待を込めた。

(シカ肉料理の試食会:兵庫)
西播磨のシカ肉を使った料理の試食会「森の恵みをいただく」が2月28日夜、兵庫県上郡町の欧風家庭料理「FUKUTEI」で開かれた。播磨科学公園都市の関係者や県職員など約50人が参加し、多彩なシカ肉料理を堪能した。店主の福本明生さん(48)が、西播磨に多く生息し、天然資源であるシカ肉のおいしさを地元の人にもっと知ってもらおうと、初めて企画。低温調理や塩こうじの活用、肉の切り方などを記したメモも配り、シカ肉の調理法も紹介した。

(高校生がジビエ料理で出店:和歌山)
和歌山県田辺市上芳養の紀州石神田辺梅林で3日午前10時~午後3時、同市文里2丁目、神島高校の生徒が売店を出す。地元農家らと協力して、ジビエや梅を使ったメニューを提供する。同校では課題研究「商品開発」の選択生や有志が地域の特産物である梅を使った商品を考案し、地域の催しで販売するなどしている。田辺梅林へは2013年度から毎年出店している。今回、企画に取り組むのは有志の1、2年生。上芳養の日向地区の若手農家でつくる「チームひなた」(岡本和宜代表)の協力でジビエ料理にも取り組む。生徒は事前に上芳養の山林やジビエ処理施設で狩猟や解体の様子を見学し、ジビエについて勉強した。当日は、生徒十数人が参加する予定。梅林の駐車場横に出店し、イノシシ汁と生徒考案の梅を使ったおにぎり2個のセット(1人前300円)を販売する。100食限定。梅やきとり(1本70円)の販売もある。なくなり次第終了。催しに備えて1日、生徒8人が学校の調理教室でイノシシ汁の仕込み作業とおにぎりの試作をした。「チームひなた」サポートメンバーの料理人、更井亮介さん(29)も参加し、ジビエのおいしい調理法や料理のこつをアドバイスした。

(マタギ文化を国内外へ:秋田)
秋田県北秋田市が発祥とされる狩猟集団「マタギ」の魅力を国内外に発信しようと、同市に昨年2月、横浜市から移住した男性が奮闘している。自らもマタギとして狩猟の奥深さを学びつつ、文化の継承にも意欲をみせている。この男性は、同市の地域おこし協力隊にあたる「観光振興コーディネーター」に昨年4月に着任した高橋了介さん(43)=東京都足立区出身。「阿仁マタギ」に代表される市内のマタギ文化は、文化庁による日本遺産への認定に向けて再挑戦中。その魅力を県内外に紹介するのが大きな任務で、今年2月には香港でもマタギ姿を披露した。協力隊への応募を勧めたのは、妻の彩子さん(33)だった。酒好きが高じて「どぶろくコーディネーター」への応募を決めた彩子さんが、「マタギの継承もあるよ」と教えてくれた。当時、プロのダーツ選手として神奈川県相模原市のダーツバーで働いていた高橋さんは、「マタギ」という言葉を知らなかった。

(女性ガンスミス、銃の安全整備へ心砕:埼玉)
銃規制が厳しい国内で、銃砲店「豊和精機製作所」(加須市)の高橋七海さんは、国内でも数少ない女性の「ガンスミス」だ。顧客が持ち込んだ狩猟用などの銃を手入れしたり、修理したりする職人はガンスミスと呼ばれ、いわば銃の整備士。高橋さんに銃を扱う仕事の魅力などについて聞いた。--就職したきっかけは「もともと父がこの店のお客だったんです。私が新しい勤め先を探していたときに、社員を募集していることを父から教えてもらったのが縁です。銃の知識はありませんでしたが、社長から『分からなければ教えてあげる』と言ってもらい、働くことになりました」--就職してどれくらいですか?「今年で3年目ですね。就職して1年で、1人である程度、手入れができるようになりました。今では昔に比べ4分の1程度の時間で、分解から組み立てまでこなすことができるようになりました」--仕事で苦労したことは「銃を分解する際、ミリ単位の微妙な調整が求められる場面もあれば、力が必要な場面もあります。お客さんから預かった大切な銃を壊すわけにはいかないので、慣れるまで何をするにもおっかなびっくりでしたね」--今まで手入れした銃の数は「1年で約350丁なので、3年間で1千丁ぐらいですかね」--仕事の魅力は「何より1丁を整備し終えたときの達成感は大きいですね。それに私が手入れした銃をお客さんが使っている様子を見ると、『ちゃんと動いてくれている』とうれしい気持ちになります」--銃を扱うだけに責任も重い?「銃は使いようによって人を傷つけてしまうものですから、安全に使ってもらえるよう、細心の注意を払って手入れしています。使い手の気持ちを知らないといけないと思い、私自身も狩猟免許や空気銃、散弾銃の免許も取得したこともあります。実際に、これまで何度か加須市内の川辺でキジバトを狩ったことなどがあります」--父も狩猟をされていた「正直、学生時代は父の狩猟趣味について、ちょっと嫌だなと思ったこともあります。家の前に獲物が置かれていたこともあったので…。でも、この職に就いてから、スーパーで肉を買うことと、生き物を狩って肉をいただくことは、違いがないと受け入れられるようになりました」--これまでを振り返ると「右も左も分からない状態から3年働かせてもらえて、本当にありがたかったです。普通に生きていれば、なかなか触れられない世界や会えない人を知ることができて、自分の世界が広がりました。この経験は今後の人生でもきっと役立つと思います」--今後は「いったん区切りということで、今月いっぱいでこちらの会社を退職し、ワーキングホリデーで英国に行きます。お金に困ったら、これまで学ばせてもらった技術を生かして、現地の銃砲店で働くかもしれません」

(殺さずにクマをよけるクマ対策犬、効果は絶大だが課題も:アメリカ)
人が住む地域に入ることにクマが慣れつつある中、クマを殺さずに追い払えるカレリアン・ベア・ドッグが、新たな方法として野生生物当局の関心を集めている。「クマの仲間は本能的にイヌ科の動物を恐れています」と、クマに詳しい生物学者のキャリー・ハント氏は言う。「なぜかと言えば、コヨーテの群れなどに子グマを奪われることがあるからです」ハント氏は、クマを殺さずに人とクマの衝突を防ぐ有効な方法を見出すことをライフワークにしている。野生動物レンジャーが連れているイヌにクマが近づかないのを目にしたとき、彼女はひらめいた。1996年、モンタナ州フローレンスを拠点にウインド・リバー・ベア・インスティテュート(WRBI)を設立。特定の犬種を訓練し、「クマの牧羊犬」にすることを目指した。クマが人の住む地域に近づきすぎるとほえて追い払い、もう寄り付かないように仕向けるのだ。クマ対策犬として最も一般的な犬種が、白黒模様のカレリアン・ベア・ドッグだ。フィンランドからロシア北西端のカレリア地方の品種で、その名の通り主にクマ猟に使われてきたが、訓練すれば野生生物の管理にも役立つかもしれないと、あるときハント氏は気がついた。WRBIは、カレリアン・ベア・ドッグの繁殖、訓練、販売を行うほか、野生動物管理プログラムごと請け負ったりもしている。「クマを殺さないこの方法で、数千頭のクマが銃弾から逃れたと自信をもって言えます」。対策犬8匹を飼育するワシントン州野生生物局の野生生物学者、リッチ・ボーソレイユ氏はメールでこう答えた。クマ対策犬がとりわけ役立つのは、クマがごみ捨て場など特定の場所に来るのが習慣化してしまったときだ。野生生物の担当者はその場でクマを捕獲し、イヌを連れてくる。「イヌたちはクマに向かってほえ、怖がらせます。ここは来てよい場所ではなく、二度と来てはならないと分からせるのです」と、同じくワシントン州魚類野生生物局のアラン・マイヤーズ氏は言う。イヌをしばらくほえさせた後、担当者はクマのケージを開ける。「クマは慌てて去っていきます。まるでロケットを打ち上げたように」とマイヤーズ氏は話す。 時には、クマをさらにおどかすために殺傷力の低いビーンバッグ弾やゴム弾を撃ち、それからクマ対策犬を放す。「イヌたちは外へ出てクマを見つけたがります」と話すのは、WRBIのニルス・ピーダーソン氏だ。アラスカ州フェアバンクスにある支部の犬舎で、野生生物犬プログラムのコーディネーターを務めている。イヌはクマの痕跡を追い、ほえ、すぐそばまで追い詰め、トレーナーが呼び戻すまでやめない。そこまですれば、ここにはもう来たくないとクマは学習してしまう。「クマのいいところは、賢いので学習が早い点です。イヌに追われた場所に戻らない確率は非常に高いことが研究で分かっています」とマイヤーズ氏。ボーソレイユ氏はクマ対策犬と20年にわたって仕事をしてきたが、任務が理由でけがをしたイヌは見たことがないと言う。ハント氏もまた、イヌにクマを追わせる際の安全が大きな関心事だと強調しつつ、現場でイヌが負傷した例はないと話した。一部の州では野生生物管理の部門が熱心に取り組んでいるものの、カレリアン・ベア・ドッグは、どんな人や状況であってもベストの選択というわけではない。タホ湖でクマの保護活動に当たるボランティア団体「ベア・リーグ」の役員、アン・ブライアント氏は、人口密集地域でクマ対策犬を使おうとして壁にぶつかった。14年前、ベア・リーグは2匹のカレリアン・ベア・ドッグ「アーニャ」と「ディミトリー」をブリーダーから入手し、訓練を受けさせた。「アーニャとディミトリーは私たちの公開セミナーや奉仕活動で大評判となり、民家に近づいてきたクマを無事に追い返すのにも役立ちました」。ブライアント氏はメールでこう語る。「ですが、すぐに分かってきました。2匹がクマを追いかけて家々の間を通り抜けたり、交通の激しい道路を渡ったり、ショッピングセンターの駐車場を走ったりするのはいいことではないと」しかも、クマ対策犬の訓練には多大な労力がかかり、誰でもこなせるわけではない。「フルタイムの大仕事です。四六時中イヌと一緒にいるのですから」とブライアント氏は言う。「うまく行くこともありますが、万能薬ではありません。よく調査して、訓練に専念しなければなりません。イヌたちが自分の人生になるくらいでなければ」ネバダ州野生生物局でクマ対策犬チームを支援しているボランティアのデレク・ライシュ氏は、対策犬の訓練に必要な時間と資源の多さゆえに、クマ対策犬はなかなか拡大していないと話す。「多くの機関にとっては、単にクマを駆除する方が楽でしょう」。ライシュ氏はメールでこう話す。「アメリカクロクマは多くの州で狩猟の対象です。翌週には狩られているかもしれない動物に多くの労力や資源を投入しようとは思わないものです」WRBIを20年以上主導してきたハント氏は、間もなくこのプログラムから退く予定だと話す。ピーダーソン氏が取締役として仕事を引き継ぐという。「退任後はイヌの繁殖と飼育、そしてつながりのある機関へのマッチングと配置に集中するつもりです」とハント氏は話す。「米国東海岸などクマの問題を抱える地域で、これら対策犬を新たに活用できないか試してみたいと思っています」自らの遺産を誇りに思うとハント氏は言う。「かつて夢見たことを、決してあきらめなかったから実現できました。イヌやクマとコミュニケーションを取り、彼らを助ける仕事がしたいというのは、私のDNAの中にあった願いです」

(下院、銃規制法案可決:アメリカ)
米下院はこのほど、銃規制を強化する2本の法案を相次いで可決しました。米メディアは、法案の一つは四半世紀ぶりに厳しい規制を課す内容だと伝えています。後を絶たない銃撃事件への対策を求める世論を受けて、昨年の中間選挙で銃規制を公約した民主党議員が多く当選し、同党が過半数を奪還したことが背景にあります。2月27日に可決した法案は、これまで規制の抜け穴となってきたインターネットでの販売も含めてあらゆる小火器について購入時の身元調査を行うとする内容です。米メディアによると、下院がこうした規制法案を可決するのは、1994年に攻撃型の銃の所有、製造などを禁止する法案を可決して以来のことです。翌28日には、購入者の身元調査にかける日数を現行の3日から10日に延長する法案を可決しました。両法案とも主に民主党の議員が賛成しました。上院は銃規制に反対する共和党が多数を占めるため、可決は困難とみられています。しかし民主党のマイク・トンプソン議員は、共和党が下院で多数派だった時期は銃規制法案の審議や可決が困難だったと指摘。「きょうは新たな日だ」と語り、中間選挙後の下院の変化を強調しました。昨年の中間選挙ではフロリダ州の高校で起きた銃乱射事件を受けて、銃規制を公約する議員を当選させる運動が高校生を先頭に全米に広がりました。身元調査期間の延長法案を提案したジェイムズ・クライバン議員は、犯罪歴などのある人にも多くの銃が販売されていると指摘。「購入者が適切かどうか判断するのに3日は短すぎる」と述べました。同議員の出身地サウスカロライナ州では15年、男が教会で銃を乱射し、9人が死亡しました。身元調査期間がもっと長ければ、男が銃を入手することは防げたと同議員は強調します。米民間団体「銃の安全へどの町も」によると、09年から17年にかけて、4人以上が死亡した銃の事件は少なくとも173件発生し、死者は少なくとも1001人に上ります。同団体は「規制の抜け穴をふさごうと努力を強めている下院議員を称賛したい」と強調しています。

TOPへ

3/1
(シカ捕獲制限撤廃へ:福島)
ニホンジカによる農業被害の急増を受け、県は2019年度から捕獲制限の撤廃など対策強化に乗り出す。県によると、農作物がニホンジカに食い荒らされるなどの農業被害の金額は、16年度の94万円(被害面積1・4ヘクタール)から17年度は189万円(同5・1ヘクタール)に倍増した。県内の生息頭数は会津や中通り地方を中心に14年度時点で1850頭と推定され、生息域の拡大や頭数の増大に伴い被害の増加が懸念されている。県は24年度までに生息頭数を1000頭に減らす管理計画を作成。年間の捕獲目標を、狩猟と県や地元自治体による捕獲で計850頭としている。17年度は目標を上回る870頭を捕獲したものの、高齢化に伴う狩猟者数の減少などで今後の目標達成は難しいとみられる。このため管理計画を4月1日から改定し、1狩猟者当たり「1日1頭」としていた雄の捕獲頭数の制限を撤廃し、雌と同様に「制限なし」とする。また、生息頭数を管理する地域ごとのエリアに郡山市と須賀川市を追加し、計20市町村に細分化して管理の徹底を図る。県自然保護課の担当者は「農業や森林の生態系などへの被害が拡大する前に手を打ちたい」と話した。

(豚コレラ、感染イノシシ200頭に:岐阜)
岐阜県は28日、同県川辺町など3市町の山中で見つかったイノシシ計3頭が豚コレラに感染していたと発表した。県内で感染が確認された野生イノシシは200頭となった。県によると、川辺町と美濃市、関市で、26~27日に地元猟友会などがわなにかかったり死んだりしているイノシシを発見した。いずれも28日の県の遺伝子検査で陽性だった。周辺ではこれまでも感染した野生イノシシが見つかっている。

(公園のカルガモを捕獲したベトナム人が書類送検:東京)
東京・江戸川区の公園にいたカルガモが、近くに住むベトナム人に捕まえられてしまった。ベトナム人は「日本の食事が口に合わずカモを使ってベトナム料理を作るつもりだった」と話しており、警視庁は鳥獣保護法違反の疑いで書類送検した。捕まえたカルガモを自転車の前かごに入れて自宅に帰る途中に、警察官が職務質問をして発覚したという。カルガモは捕まえられたあと死んでしまったということで、近所の人は「かわいらしい姿を見せていたのに信じられません」と話した。

(冬眠は終わり?早くもクマ目撃:北海道)
連日の陽気のせいでしょうか?早くもクマが出没です。去年は北海道各地で出没が相次ぎました。今年はいったいどうなるんでしょうか?去年の北海道内のクマの目撃情報は1,714件。過去5年で最も多い年となりました。そして今年、早くも目撃情報が。26日午前10時ごろ、帯広市岩内町でクロスカントリーをしていた女性が体長およそ2メートルのクマを目撃。クマは川をわたり山に入って行ったということです。帯広署管内で去年初めてクマが目撃されたのは6月。今年はかなり早くなっています。また、今月22日には千歳市駒里の農家で約20センチのクマの足跡が見つかっています。「いた、いた、いた!」後志の島牧村では去年7月から、約2か月にわたってクマが夜な夜な出没し、住民を恐怖に陥れました。猟友会のメンバーが警戒に当たりましたが、夜間のため発砲できず騒動は長引きました。「クマとヘビはいないという感じだったので」去年9月には利尻島で106年ぶりにクマが確認されました。海を泳いで渡ったとみられます。また、札幌でも出没が相次ぎました。南区の豊滝市民の森では親子とみられる3頭のクマの姿が。人間の生活圏の近くまで行動範囲を広げていることが分かりました。今年も去年のようにクマの出没が相次ぐのでしょうか?酪農学園大学 野生動物生態学研究室 佐藤喜和教授:「暖かい気温が続いていたので、それが関係しているのかも。北海道全体でクマの数が増え、分布も拡大している。クマが冬眠から覚める前に、雪解けの時期からクマを誘引するものを管理し、対策を事前にしておくべき」

(ドローンでニホンジカ生態調査を試行:山梨)
南アルプス市のNPO法人がドローンを使ったニホンジカの生態調査の実用試験を始めた。上空からシカの体温を感知して居場所を可視化する試みで、効果的な管理捕獲や正確な頭数把握に役立つと期待されている。実用試験を始めたのは、南アルプス市のNPO法人「甲斐けもの社中」。ドローンには、動物の熱を感知するカメラを取り付け、通常のカメラでは居場所が分からない森の中の動物も専用のモニターに白く映し出せる。実用試験は28日、南アルプス市で行われ試験開始30分後にはシカ3頭とサルの群れを確認した。立ち会った猟友会のメンバーは「食害防止のためのシカの管理捕獲に役立つ」と話していた。「甲斐けもの社中」は、来月以降も実用試験を行い調査の精度を高めていく考え。

(ふくしまけも人交流・就職相談フェア:福島)
平成31年3月9日(土曜日)11時00分~15時30分。郡山ビューホテルアネックス3階「麓山」。対象は福島県内で鳥獣被害対策分野への就職を検討している求職者、学生等。

(市街地にシカ:北海道)
小樽市奥沢1の市街地に27日朝、子どもとみられるエゾシカ3頭が出没した。小樽署や市、市消防本部、北海道猟友会小樽支部が追い込み2頭は山に戻ったが、1頭の行方が分かっていない。現場は国道393号から十数メートルで工場や商店も近く、一時騒然となった。市は「見つけたら近づかず通報を」と呼び掛ける。同日午前8時20分ごろ、男性から「シカ3頭がいる」と110番が入った。市によると3頭は体長90~120センチで「親とはぐれた子どもでは」とみる。近所の主婦(78)は「40年くらい住んでいるが3頭も来たのは初めて」と驚いていた。

(豚コレラ、県内各地で対策:群馬)
家畜伝染病「豚コレラ」の感染が昨年9月以降、岐阜、長野、大阪など5府県に広がった問題で、畜産県の群馬では感染防止対策を強化するとともに、万が一感染が確認された場合に備えた体制づくりを進めている。

(イノシシ侵入、溝ふたで防止:富山)
イノシシによる農作物被害対策として、砺波市は新年度、般若地区の福山集落の市道に格子状の穴があるグレーチング(溝ふた)を設置する。イノシシが溝ふたの穴に足がはまるのを恐れて、山から侵入しないようにする。市は1年間、効果を検証し、被害の減少につなげる。中山間地域の福山集落の山すそには、イノシシ対策として延長5・6キロの電気柵が設けられている。しかし、昨年、電気柵のない市道から侵入したとみられるイノシシが水田を荒らす被害が確認された。このため、市は、幅5メートルの市道1カ所にU字溝をつくり、その上に縦1・5メートル、横5メートルの溝ふたを設置することにした。溝ふたによるイノシシ侵入対策は、土砂採取業者が砺波市安川の林道で行っており、効果があるという。県内では立山町、朝日町が昨年度、山間部の林道に溝ふたと監視カメラをつけている。砺波市内では今年度、279頭のイノシシが捕獲されており、昨年度1年間の242頭を上回っている。市農業振興課の担当者は「溝ふたの効果を確認して、電気柵と組み合わせた対策を進めたい」と話した。

(イノシシ対策、捕獲7割が地域団体:茨城)
農作物などへのイノシシ被害が深刻化する中、笠間市内では、箱わなを使って捕獲する地域団体の取り組みが実績を上げている。15日現在、地域団体が本年度捕獲した頭数は485頭に上り、全捕獲頭数705頭の約7割を占めている。市は「地域団体の地道な活動が実を結んでいる。増え続ける農作物被害の抑制にもつながってほしい」と期待を寄せている。市農政課によると、2014年度から17年度にかけてのイノシシによる農業被害額は、1618万円、1716万円、2607万円、4013万円と増加の一途をたどっている。市はイノシシ対策の一環として14年5月、県猟友会会員を中心に駆除に当たる鳥獣被害対策実施隊を編成。17年12月からは、地域で5人以上の団体を組織して、箱わなを使った捕獲事業をスタートさせた。17年度の全捕獲頭数は410頭で、内訳は鳥獣被害対策実施隊119頭、地域団体29頭、一般狩猟者(鳥獣被害対策実施隊員を含む)262頭。対して15日現在の本年度の全捕獲頭数は705頭に上り、内訳は同じく99頭、485頭、121頭と地域団体の捕獲数が飛躍的な伸びを示している。市は25日、市内36の地域捕獲団体の連携や情報交換を目的に連絡協議会を設立。2年目の事業でもあるため、出席者からは要望や意見が寄せられた。福原関戸イノシシ捕獲隊代表の小林芳明さん(68)は、解体処理したイノシシをエコフロンティアかさまに搬入しているが、現状では土曜日しか預かってもらえないという。「気温が高くなる夏場は臭いなどが大変。ほかの焼却処分場でも対応できるようにしてほしい」と訴えた。このほか、出席者からは「現在、箱わな猟だけに限定されているが、くくりわなの使用も許可すべき」「捕獲と処分の補助申請を簡素化できないか」などの意見が出された。

(特産守れ、害獣対策一丸:宮崎)
「森と共生する林業立村のむらづくり」を進める宮崎県諸塚村では近年、村の特産品で高品質のスギやシイタケが野生動物に荒らされて問題になっている。村では害獣対策に力を入れつつ、狩猟後の有効活用も進める。2月24日午前、猟師7人と犬6匹が集まり、標高500メートルほどの民家近くの山中へ。場所を変えながら雄のシカ1頭を捕獲した。村特産品販売所「もろっこはうす」責任者で狩猟も担う黒木雄介さん(40)によると、被害をもたらすイノシシやシカの狩猟は「巻狩(まきがり)」と呼ばれる手法で、犬を使って獲物を追い出す「勢子(せこ)」役と、予測した獲物の逃げ道付近に待ち伏せして仕留める「間伏(まぶし)」役らで行う。

(鳥獣害対策、条例制定へ:群馬)
野生鳥獣による農林業被害への対策に県を挙げて取り組もうと、群馬県議会環境農林常任委員会は「県鳥獣被害対策の推進に関する条例」案を開会中の県議会第1回定例会に発議する。鳥獣害対策は県全体の課題と警鐘を鳴らした上で、県の責務と県民の役割を明示し、捕獲従事者の育成などの対策を計画的に進めることを求める内容。同様の条例は北海道、新潟、茨城の3道県が制定している。県の責務は大学や研究機関と連携した調査の実施、市町村への情報提供や技術的な助言などで、県民の役割は対策に理解を深め、推進に協力するよう努めることとしている。食肉や皮革などでの捕獲鳥獣の有効活用の推進や、顕著な功績があった人を顕彰することも盛り込んだ。

(ライオンのエサに、有害駆除されたシカやイノシシの肉:福岡)
有害駆除されたシカやイノシシの肉を、動物園のライオンやトラなどに与える取り組みを、福岡県の大牟田市動物園と九州大などが進めている。使われずに捨てられる肉を有効活用するとともに動物の飼育環境を改善し、来園者にはより野生に近い動物の姿を見せることが狙いだ。国内の動物園で実施している例は少なく、今月には取り組みを紹介するシンポジウムも企画されている。2月9日の大牟田市動物園。毛がそのまま残る生々しい肉の塊に雌ライオンの「リラ」がかぶりつき、引きちぎりながら食べる様子を、獣舎のガラス越しに来園者が見守っていた。「駆除されたシカの肉を、捨てずに活用しているんです」。飼育員の伴和幸さん(32)らの説明を聞きながら、来園者からは「すごいね」と声が上がる。市動物園では2017年夏から、不定期にイノシシやシカの肉をライオンやトラに与えている。九州大などのグループが福岡県糸島市で採れたイノシシや鹿児島県・屋久島のヤクシカを用意。これまでに10回ほどイベントを開催してきた。通常は馬肉や鶏肉を与えているが、皮や骨が残る肉を与えると、「くわえて走り回ったりじゃれたり、明らかに興奮する」と伴さん。当初は食べ方がわからない様子だったが、ワラの中に肉を隠すなど普段は見られない行動も観察されているという。動物園をよく訪れるという熊本県玉名市の会社員、井上共さん(30)は「農家の害獣被害も大きな問題だし、命を無駄にしないという園の考えも筋が通っている。抵抗がある人もいるかと思うが、いい取り組み」と理解を示す。欧米の動物園では家畜の肉をほぼそのまま与え、飼育された動物のストレスを軽減しようという「環境エンリッチメント」という取り組みがある。市動物園でも挑戦しようと考えた伴さんと、駆除されたシカなどの有効利用について研究していた九州大の細谷忠嗣准教授(生物多様性科学)らが手を組んだ。えさになるのは、ワナで捕獲され、ジビエの料理には使えないサイズの小さなシカやイノシシ。感染症のリスクがある頭部と内臓を除いたうえで、低温殺菌と冷凍処理したものを与えることにしている。骨や皮はそのままにしているが、「人間が食べてもいいレベルの処理をしている」と細谷さんは話す。市動物園でのイベントでは、利用されずに捨てられる有害鳥獣をえさにすることや「環境エンリッチメント」の意義を来園者に説明したうえで、動物の様子を見てもらう。来園者を対象にしたアンケートでは「残酷とは思わない」という回答が9割を占めるという。

(環境省と尾瀬高、全国初の連携協定:群馬)
尾瀬国立公園の環境保護などに協力して取り組もうと、群馬県立尾瀬高(沼田市、小林由隆校長)と環境省関東地方環境事務所は27日、連携協定を締結した。同省が高校と連携協定を結ぶのは全国初。同校が実施している環境調査や自然保護活動を同省が支援し、尾瀬をはじめとする国立公園の保護管理と環境教育の推進につなげる。同省は同校で、公園の管理・運営に携わる自然保護官(レンジャー)による出前授業を開き、環境分野の専門的な知識を教えるほか、技術面で環境調査を支える。生徒の研究や調査の結果を公園管理に活用するとともに、両者で協力してシカよけの柵の設置や尾瀬ケ原の保護活動などを進める。同校は尾瀬におけるシカの食害や野鳥の生態といった環境調査、日光国立公園のシラネアオイ群落の復元活動などに取り組んでいる。

(高校生ハンター3人誕生:高知)
南国市東崎の高知農業高校森林総合科3年の北野晴聖(はるまさ)さん(18)、田中颯真(そうま)さん(18)、谷内一成(いっせい)さん(18)がこのほど、わな猟の狩猟免許を取得した。現役高校生の取得は同校の女子生徒が2017年に取得して以来2年ぶり。3人は「若者が狩猟を面白がってくれるよう活動したい」と意気込んでいる。狩猟免許のうち、わな猟は15年の法改正で、取得可能年齢が引き下げられ、20歳以上が18歳以上になった。同校森林総合科では、林業の現場で必要な知識となる野生鳥獣の食害や狩猟について教えている。香美市香北町や香南市夜須町で暮らす3人は、イノシシなどによる田畑の食害が身近にあり、授業の一環で行う課題研究でも野生鳥獣について調査。狩猟への関心が高まり、「林業の現場への活用だけでなく、自然や生態系の学習にもなる」と免許取得に臨んだ。2月16日の試験に合格した3人は、今春から香美市の林業大学校に進み、将来は県内の森林組合で働きたいという。狩猟デビューは就職後となりそうだが「チャンスがあれば猟師に付いて山に行きたい」と意欲を見せる。県鳥獣対策課は17年度から鳥獣被害の現状や狩猟の関心を高めようと、同校など県内の高校や大学で出前授業を行っている。現在実施する高校は4校だが、19年度は9校に拡大する予定という。

(「命と食」狩猟者講演と記録映画で見直す:京都)
96分間のドキュメンタリー映画「カレーライスを一から作る」が2日、中京区烏丸通丸太町下ルのハートピア京都で上映される。テーマは命や食。上映を企画した配給会社「京都映画センター」(同区)から依頼を受け、6年前に狩猟免許を取った女性が「命をいただくということ」と題して語る。映画と講演の2本立てで考えを深めてもらう。2016年に公開されたこの映画は、大学のゼミの活動を扱った。野菜や肉、米、スパイスのほか、器やスプーンまですべて自分たちでつくり、カレーライスが完成するまでの流れを追った。ウコッケイとホロホロ鳥をかわいがって育てながら、食肉にすることに葛藤する場面もある。食べて、生きる日常を見つめ直す映画だ。講師は、上京区のNPO法人「いのちの里京都村」事務局長の林利栄子(りえこ)さん(30)=西京区=だ。生命保険の営業職から転職して半年たった13年秋、もっと農村の暮らしにかかわりたくて狩猟免許を取った。林さんは南丹市産や福知山市産の大根や白菜、ナス、トマト、みそ、ジャムといった農作物や加工食品の販売を通じ、農村と都市部をつなごうとしている。

(駆除したシカ、料理で有効活用を:兵庫)
シカによる農作物の被害が問題となる中、捕獲されたシカを食材として有効に活用しようと、さまざまなシカ肉の料理を紹介する催しが神戸市で開かれました。この催しは、兵庫県の猟友会や飲食店などの団体が、毎年この時期に開いています。神戸市中央区の生田神社の境内では、飲食店などが16のブースを設け、シカ肉を使ったコロッケやハム、ハンバーガーなどを販売しました。お昼どきにはたくさんの人たちでにぎわい、それぞれ好みの料理を味わっていました。ハンバーガーを食べていた40代の女性は、「シカの独特の肉の味がしっかりとあって、すごくおいしいです。もう少し簡単に肉が買えるようにしてもらえばうれしいです」と話していました。兵庫県によりますと、昨年度(平成29年度)、シカによる農林業への被害は県内で1億8000万円に上り、3万7000頭余りが駆除されましたが、このうち、食肉などに利用されたのは12.6%にとどまったということです。主催した団体の入舩郁也さんは、「シカは高タンパク低カロリーで、さまざまな料理にあうので、牛や豚とは違う魅力を食べて感じてもらいたい」と話していました。

(ジビエ料理コンテスト:長野)
県諏訪地域振興局は26日、諏訪地方のプロの料理人16人を集めた鹿肉ジビエ料理コンテストを諏訪市公民館「カルチャーホームすわ」で開いた。趣向を凝らした創作料理が出品され、最優秀賞に日本料理店「二十四節氣神楽」(下諏訪町)の武居章彦さん(49)の「鹿肉の七福味噌漬け」を選んだ。出品作は来年度作成予定のジビエ料理を中心に諏訪地方の食を伝えるガイドブックの中で紹介する。鹿肉の需要拡大と観光振興を目的に初めて企画した。出品された料理はパスタ、肉団子、チャーシュー、バーベキュースタイル、鹿肉丼、ステーキ、カレー、焼きしゃぶ、カルパッチョなどで和食、洋食、中華、エスニックなどジャンルも多彩だった。審査員は日本ジビエ振興協会の藤木徳彦理事長と鮎澤廉事務局長が務めた。▽肉の特長を生かしているか▽印象を残す要素があるか▽食欲を高めるような工夫やアイデアがあるかなどの観点から審査し、出品者も「おいしい」と感じる料理を選んで投票した。最優秀賞に選ばれた武居さんの作品は、リンゴ、クルミ、タマネギなど7種類の食材を練り込んだ信州産の味噌に鹿肉を2日間漬け込んで軟らかくし、焼き上げるシンプルな料理。藤木理事長は「じっくりと漬け込んだ鹿肉は軟らかく、それでいて歯切れがいい。鹿肉らしさを良い意味でかき消してとても食べやすく仕上げた」と評価。武居さんは「まさか選ばれると思っていなかったのでびっくりした。コンテストを知り、ジビエに初めて挑戦してみた。自店で提供したことはないが、今後、メニュー化を目指してみたい」と話した。優秀賞には宴屋とんぼ(諏訪市)の宮川裕城さんの「鹿ヒレ肉の焼きしゃぶ ネギ・ゴボウサラダと共に」と飲食処ばんや(同)の山田尚幸さんの「鹿団子の甘酢あんかけ」の2点が選ばれた。藤木理事長は講評で「全国各地でジビエ料理を競い合うように発信されている。鹿肉は信州産も甲州産も鹿児島産も味に大きな違いはない。信州産の食材との組み合わせがないと面白みに欠ける。ぜひ地域でまとまってジビエ料理を発信し、諏訪に観光客を呼び寄せてほしい」と語った。

(「鹿ーリングバーガー」メニューに:北海道)
オホーツク産のシカ肉を使い、北見北斗高定時制の生徒が考案したハンバーガーが1日、北見市山下町のオホーツクビアファクトリーで発売される。その名も「鹿(カ)ーリングバーガー」。カーリングのストーンの形をしたアイデアメニューだ。開発したのは定時制のビジネス情報部に所属する生徒5人。地元食品の認証制度「オホーツクブランド(オホブラ)」の対象品目となるシカ肉を食材に選び、バンズをストーンの形にすることで、北見らしさを表現した。オホーツクビアファクトリーの対馬幸治料理長の指導を受けながら、30回以上の試作を繰り返して完成させた。

(鹿肉おいしく、料理人腕比べ:長野)
県諏訪地域振興局は26日、ジビエ(野生鳥獣肉)の消費拡大を目的に、鹿肉を使った初の料理コンテストを諏訪市のカルチャーホームすわで開いた。諏訪地方の料理店やホテルなど16業者が、同地方の加工施設が処理した肉を使った料理を出品。下諏訪町の和食店「二十四節氣(せっき)神楽」の武居章彦さん(49)が考案した「鹿肉の七福味噌(みそ)漬け」が最優秀賞に選ばれた。参加者はあらかじめ調理した肉を持ち込み、切り分けて皿に盛ったり、花で飾ったりして出品した。肉団子やカルパッチョ、鹿丼などバラエティーに富んだ料理が並び、日本ジビエ振興協会(茅野市)の藤木徳彦代表理事ら2人が試食。肉の風味を生かしているか、加熱方法は適切かなど5項目で評価した。最優秀賞の武居さんは、リンゴやタマネギを混ぜた信州産みそに鹿肉を2日間漬け、低温でソテーした。歯切れの良い食感で、癖がなく食べやすいと評価された。ジビエ料理は初挑戦という武居さんは「ジビエは奥深い食材だと感じた」と話していた。同振興局は、コンテスト参加者の店の情報やレシピを冊子にまとめ、観光案内所などで配る予定。藤木代表理事は「信州ジビエと言えば諏訪とアピールできれば、首都圏などからの観光客が見込める。コンテストをきっかけに地域の店がまとまってジビエの魅力を発信してほしい」と話していた。

(特産の「山くじら」で連携協定:島根)
イノシシの肉を「山くじら」と名付けて町の特産としている美郷町と、鳥獣害対策の商品開発を進めている大阪のメーカーとの間で、包括的な連携を図る協定が結ばれました。美郷町役場で行われた協定の調印式には、嘉戸隆町長と大阪の合繊メーカーの秋田谷徹社長が出席し、協定書に署名押印しました。協定は、お互いが連携して鳥獣害対策をはじめとした商品開発のほか、学術研究や人材育成などを行って地域経済を活性化させることを目的としています。嘉戸町長は「本日の協定締結は『おおち山くじら』の魅力を引き出す環境づくりの創出に重要な第一歩を切ったとても意義のあるものと大変うれしく思っております」とあいさつしました。また、秋田谷社長は「美郷町の取り組みに我々のメーカーとしての『ものづくり』の知見や技術力を発揮し、新たな地域振興を起点としたテーマや取り組みについて、模索し続けていきたい」と話していました。美郷町では、新年度から「山くじらブランド推進課」を新設し、今後メーカーと連携しながら鳥獣害対策に関する商品開発などにも取り組むことにしています。

TOPへ