<射撃ニュース4月>
4/12
(サルに追われて交通事故か:青森)
10日夕方、大鰐町の町道交差点で男子小学生2人がワンボックスカーにはねられ、重軽傷を負いました。子どもたちはサルに追いかけられて事故にあった可能性があるということで、警察が下校に付き添うなど警戒しています。事故があったのは大鰐町唐牛の町道交差点です。午後4時ごろ、歩いていた近くに住む小学生 岸雅貴くん10歳と自転車に乗っていた友達の9歳の男の子が交差点の右側から直進してきたワンボックスカーにはねられました。この事故で岸くんは頭を強く打つ大けがをして今も意識が戻っておらず、9歳の男の子は左足に軽いけがをしました。現場は見通しが悪い丁字路交差点で、カーブミラーが設置されていました。はねられた男の子は事故のあと駆けつけた警察や近所の人に「サルに追いかけられていた」と話したということです。町によりますと唐牛地区では3年ほど前から3頭ほどのはぐれザルの目撃が相次いでいました。去年は人に噛み付くなど、子どもを追い掛け回す事案が相次いでいました。サルの被害が事故の原因になった可能性があるとして、町や警察が小学生の下校に立ち会い警戒しました。黒石警察署が詳しい事故の原因を調べています。

(カラスの巣接触、442戸一時停電:宮城)
11日午前6時40分ごろ、宮城県栗原市栗駒、金成両地区の一部で計442戸が停電し、約1時間20分後に復旧した。東北電力宮城支社によると、電柱のカラスの巣が高圧配電線に接触したことが原因という。

(クマ、早めの冬眠明け:石川)
白山麓に生息する野生動物を観察できる白山市尾添(おぞう)の県白山自然保護センターブナオ山観察舎は、冬眠から目覚めて活動を始めたツキノワグマについて、今季は三月二十三日に初確認した。雪が少なかったため、例年よりも一~二週間ほど早かったという。観察舎には望遠鏡や双眼鏡が置いてあり、約五百~六百メートル離れたブナオ山(一、三六五メートル)の斜面に現れるクマやニホンカモシカ、イノシシ、クマタカなどの野生動物を観察できる。初確認されたクマは、斜面右側の中腹にいるのが見つかった。今季は施設内に二月十五日~四月十五日の日付を記した表をボード上に掲示し、クマが冬眠から目覚めて初観察できると予想される日にシールを貼ってもらっていた。訪れた約百人が参加し、「三月二十三日」と予想した人は三人いた。十一日には、雪が解けた斜面に芽吹き始めた草の新芽を食べるなどするクマやニホンカモシカの姿が確認できた。施設内のモニターには望遠レンズで撮影したライブ映像が流れ、動物たちが活動する様子が楽しめる。クマは周辺を動いたり、草を食べるしぐさをしたりしていた。観察舎は今季、五月六日まで開館する(利用時間は午前十時から午後四時まで)。運が良ければ、クマの親子や斜面に生えるブナの木の花を食べようと木に登る光景を見ることができるという。観察舎の担当者は「これから暖かくなってくると、動物たちがたくさん出てくるようになる。動物たちの自然の姿を楽しんで」と話している。

(日出生台演習場で有害鳥獣92頭捕獲:大分)
県は6、7の両日、由布市と玖珠、九重両町の猟友会と連携し、陸上自衛隊日出生台演習場で有害鳥獣を捕獲した。

(ドローンを使った鳥獣被害対策:四国)
シカなどの鳥獣被害が増える中、対策の省力化を目指そうと四国森林管理局がドローンを使った技術開発を進めている。害獣駆除などの目的で県内で捕獲された野生鳥獣は2017年度、シカとイノシシがそれぞれおよそ2万頭にのぼり大きな問題となっている。四国森林管理局は県内にドローンを25機配備し2016年から有効な対策につながる技術開発を進めている。防護柵は山の急こう配に取り付けられたものが多く徒歩での確認作業を省力化しようと取り入れたもので、徒歩では約1時間かかる確認作業がドローンでは10分以内で終了したという。また、新たな開発として山中に設置したワナに発信器をつけドローンを中継機とすることで、シカが捕獲されたかどうかを地上で確認する仕組みも導入している。四国森林管理局ではドローンを使った有効な鳥獣対策について技術開発を進め今後は民間にも普及させたいとしている。

(「かみつきザル」観光客の被害続出:京都)
京都市内で野生のサルが観光客らにかみつく被害が相次いでいる。その手口をみると、高齢者や女性、子供らを標的に、ふくらはぎなどの部位を狙うのが特徴だ。傷口から破傷風などに感染する恐れもあるだけに、サルの習性と知能について知っておきたい。京都市東山区の「蹴上(けあげ)インクライン」で7日、大津市の女性(25)がサルに右腕をかまれ、軽傷を負う被害に遭った。スカートに触れた子ザルを振り払おうとすると親ザルが現れたとされる。同市内では2月以降、観光客らが、野生のサルにかまれたり、引っかかれたりする被害が相次いでいる。同区の知恩院境内では3日、観光客の女性(69)が右ふくらはぎをかまれた。4日には、左京区で観光中のスウェーデン人の女児(10)が右ふくらはぎをかまれた。いずれも子ザルが先に近づき、後に親ザルから襲撃されるパターンだった。「出生から約半年から1年の子ザルは乳離れが進み、好奇心が芽生え始める。母親は少しずつ経験させようとして近くで見張り、子ザルに接触などしようとする動物を脅すことがある」と解説するのは動物行動学者の新宅広二氏。「ターゲットにした人物に逃げられた場合、偶然、居合わせた人を襲う場合もある。旅行の団体自体が嫌いで怒りを向けることもある」という。環境省の統計では、京都で2000年代から10年代にかけて、ニホンザルの生息数が「やや増」との分析もある。過去には日本各地で被害例が報告されている。10年夏には静岡県内で野生のニホンザルに約120人がかまれる被害に遭った。13年7月にも同富士市で女子高校生(15)が野生のサルに右ふくらはぎと左足首を、居合わせた50代の女性も右足の太ももなどをかまれた。男子中学生(14)も襲われている。「サルは人間の弱い点を知っている」と前出の新宅氏。「大人の男性は強いと分かるので、高齢者や女性、子供を狙う。背後からの不意打ちが効果的とも分かっており、アキレス腱(けん)やふくらはぎなど痛みを感じやすい部位を狙う」恐ろしいのは、かまれた場合だ。「メスでも3~4センチ以上の犬歯を持つため傷口は深くなる。唾液などを経由して人獣共通感染症にかかる危険もある。発熱や頭痛、嘔吐(おうと)などを催すBウイルスや肝炎、破傷風の恐れもある」(同)10連休を控え、観光地に出かける機会も増える。サルに出くわしたらどう身を守るか。「子ザルは常に母ザルが見張っていると思った方がよい。子育て中の母ザルは命がけで子ザルを守ろうとするのでオス並みに怖い」と新宅氏。「コンビニ袋などを持っていると食べ物が入っていると判断されるので、サルの前で食べ物やゴミを出さないことだ。サルが眼(ガン)をつけ、上目遣いで口を縦長に開いていたら『次はかむぞ』という前兆とみてよい。もしかまれたら、すぐ最寄りの病院に行くべきだ」

(タケノコ、裏年に加えイノシシ被害:石川)
春の味覚の代表格の一つ、タケノコ。県内ではすでに一部の産地からの出荷が始まっているが、農家の方々は今、ある悩みを抱えていた。出荷が始まっているのは、小松市東山町のタケノコ。3月下旬から5月上旬にかけてピークを迎える。タケノコは豊作の表年と不作の裏年が交互にやってくる。小松では、裏年にあたることしの出荷量はおよそ20トンと見込んでいる。収穫が始まったこの時期、農家にとって1番の懸念はというと、タケノコを掘り起こす天敵のイノシシだ。収穫前のタケノコを食べられてしまい、全体の3割から4割ほどが被害にあったという。ある農家ではビニールひもを張り巡らせたり、ライトを照らして威嚇するなどの対策をとっているが、ことしは雪が少なかったこともあり、特に被害が深刻だという。裏年ということで、ただでさえ量が少ないとみられることし。農家とイノシシの知恵くらべは続きそうだ。

(イノシシ肉で町おこし:栃木)
那珂川町は、町周辺で捕獲・処理したイノシシ肉を「八溝ししまる」と名付け、売り込みに力を入れている。2011年の東京電力福島第1原発事故の影響で売り上げが一時停滞したが、徐々に回復。今年は亥(い)年(どし)でもあり、町は「ししまるの良さを広め、販路を拡大させたい」と意気込んでいる。「こんなに軟らかくておいしいとは知らなかった。ビールに合いそう」。4月上旬、那珂川町に隣接するさくら市。飲食料品を扱う移動販売車の前で、同県下野市の男性会社員(27)が、八溝ししまるを使った空揚げを頬張った。

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4/11
(大山重隆は予選敗退、クレー射撃W杯)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は9日、アラブ首長国連邦のアルアインで行われ、男子トラップ予選で日本の大山重隆(大山商事)は122点の11位で上位6人による決勝に進めず、今大会での2020年東京五輪出場枠の獲得はならなかった。

(中山・大山組は予選敗退、クレー射撃W杯)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は10日、アラブ首長国連邦のアルアインで混合トラップ予選が行われ、中山由起枝(日立建機)64点、大山重隆(大山商事)73点、組は25位で決勝に進めなかった。

(侵入したアライグマ追い出そうと…、住宅焼け男性けが:神奈川)
8日午後11時45分ごろ、神奈川県厚木市愛甲の会社員男性(51)方の木造2階建て住宅から出火。約1時間後に消し止められたが、2階の一部が焼け、消火をしようとした男性が煙を吸い、救急搬送された。厚木署によると、男性は「アライグマが家に入り込んだ。うるさいので、火を使って追い出そうとした」と話しているという。署が詳しい出火原因を調べている。厚木市によると、2018年度はアライグマの目撃などの相談や連絡が約10件市に寄せられたという。市は捕獲許可の申請を受け付け、わなを貸し出すなどしている。市の担当者は「家の中で物音や鳴き声がする場合、アライグマやハクビシンということも考えられる。気づいたときは相談して下さい」と話している。

(豚コレラ、野生イノシシ5頭:岐阜)
家畜伝染病「豚コレラ」の感染が拡大している問題で、岐阜県は9日、同県土岐市、郡上市などで死んでいたり捕まえたりした野生イノシシ計5頭について、豚コレラ感染を確認したと発表した。土岐市内で感染イノシシが見つかるのは初めて。同県内の累計は計255頭。

(建物や農地「イノシシ天下」:福島)
避難指示が10日に解除された福島県大熊町大川原、中屋敷両地区は、8年以上の住民不在の間に野生動物による被害が多発した。「イノシシ天下」(住民)となった場所もあり、荒らされた痕跡が残る。山間部の中屋敷では集会所の通用口がイノシシに破られた。国道沿いの土手が掘り起こされ、でこぼこになった箇所があった。町によると道路が崩れたケースもあるという。会津若松市に避難する中屋敷区長の佐藤順さん(70)の自宅ではジネンジョやユリの畑が荒らされた。佐藤さんは「野菜がいっぱいあったが全部駄目。イノシシは利口で捕獲わなもあまり効果がない」と話す。イノシシ被害は原発事故後1年目あたりから始まった。ハクビシンやネズミの被害に遭った家もあり、多くが既に取り壊された。町は前年度、2地区で約10件の農地被害を確認し、捕獲や電気柵の対策を講じた。「人の動きが増えれば生態も変わる」(産業建設課)とみて、今後も実情把握に努める考えだ。

(低病原性鳥インフル:佐賀)
環境省と佐賀県は9日、3月に伊万里市の長浜干拓で回収した野鳥のふんから鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。

(イノシシ被害、パインの芯食べられる:沖縄)
石垣市嵩田地区のパイン畑で苗の芯がイノシシに食べられる被害が発生している。昨年12月に植えた苗がことし2月に被害に遭ったばかり。今回は7日から連日続いている。同地で栽培する東金三さん(66)は「今の電気柵だけでは、イノシシが簡単に入ってくる。被害を食い止めるため、次の手だてが必要だ」と困り果てた表情で話した。40㌃にピーチ、ボゴール、ハワイ種が植えられており、ハワイ種の芯のみ食い荒らされている。東さんによると、収穫は来年の夏ごろを予定。被害箇所には新たに補植が必要なため、同じ畑で収穫時期に大きなずれが出る。畑の周囲には電気柵が設置されているが、成獣だと簡単に飛び越えられそうな高さになっている。東さんは「農家にとって死活問題。何のために生産しているか分からなくなる。今の電気柵だけでは限界がある。行政には柵を高くするか、山からの侵入を防ぐため猪垣を造るなどの策を考えてもらいたい」と要望した。東さんの畑周辺では、わなでのイノシシ駆除が実施されている。市農政経済課によると、2017年度のイノシシによる果樹類(主にパイン)の被害総額は41万円。

(市街地、エゾシカ出没:北海道)
稚内市の市街地で9日午前8時40分ごろ、小学校前の道道わきに7頭のエゾシカが現れた。交通量も多く、警察官2人が道路に飛び出さないようにらみを利かせ、市の職員の応援を得て裏山に追い返した。

(停電防止へカラスの巣除去:宮城)
東北電力宮城支店は9日、仙台市内の電柱に作られたカラスの巣の除去作業を公開した=写真。3~5月は巣作りのピーク。巣に使われる枝やハンガーなどが設備に触れると停電の原因にもなるため、同社は作業を急ぐ。

(新1年生にクマよけ鈴を配布:福井)
福井市内の新小学1年生に、リンリンと大きな音色でクマから身を守る鈴が配られ、さっそく真新しいランドセルに付けていました。このうち近くに山がある福井市の鶉小学校では、きのう入学したばかりの新1年生32人がクマよけの鈴を受け取りました。クマよけの鈴を贈ったのは、福井フェニックスライオンズクラブで、今年は市内の小中学校のうち、過去に校区内でクマの目撃情報があった33校にあわせて700個を届けます。県によりますと、今年に入ってからきのうまでに県内で確認されたツキノワグマの出没情報は5件あり、例年並みの動きとなっています。暖冬に加え、今の時期はクマの動きが活発になっていて、山菜採りや登山、それに大型連休のレジャーの際には注意が必要です。

(ジビエの魅力を弁当に:高知)
ジビエの魅力を広めようと、香美市香北町吉野の「ヌックスキッチン」(西村直子代表)が毎月第1土、日曜日限定で「ジビエ弁当」の販売を始めた。初日の6日は2時間ほどで売り切れる人気ぶりで、西村代表は「誰もが知らないジビエのおいしさを用意しています」とPRしている。

(ジビエ料理、親しんで:新潟)
野生のイノシシ肉を使った「ジビエ料理」の講習会・試食会が8日、糸魚川市の糸魚川地区公民館で開かれ、市民25人が参加した。市が企画し今年で3回目。なじみの薄いジビエ料理に親しんでもらい、消費拡大とともに、「捕って食べる」ことで、野生鳥獣による農業被害を抑制する狙いもある。

(鹿やイノシシを捕獲、調理:長野)
諏訪地方などの若者有志が、農作物被害が問題になっている鹿やイノシシの捕獲から解体、調理までを体験して学ぶ活動を富士見町を拠点に行っている。若者たちは「自分で狩猟や調理をしてみて生き物の命をいただくありがたさも分かった」などと話している。重機が入れない場所での特殊伐採の仕事の傍ら、猟友会員として有害鳥獣駆除に携わっている中林昌人さん(41)=同町=が、「狩猟従事者が高齢化する中、若者に捕獲や食べ方を知ってもらうことで後継者育成や被害の減少、ジビエ料理の普及につながれば」と企画。SNS(インターネット交流サイト)などで参加を呼び掛けた。会社員や公務員、大学生、農業など職業もさまざまな20~40代の約20人が集まり、半年ほど前から本格的な活動が始まった。月1回のペースで集まり、くくりわなの作り方を学び、山林に仕掛けて鹿やイノシシを捕獲。解体して、食肉を使ったソーセージ、生ハム、チャーシューといったさまざまなジビエ料理作りにも取り組んでいる。活動を機にわななどの狩猟免許を取得したメンバーも多い。公務員の佐々木麗美さん(33)=茅野市=は「鹿食免など諏訪地方と鹿は古くからつながりがある一方で農業被害が課題となっている現状を知り、「現場に出て勉強したい」と参加。「捕獲した動物の命をいただく経験ができた。仲間での作業を通して新しい友達もできた」と話す。農業の東城高太郎さん(44)=同=は「駆除した鹿やイノシシもおいしく食べられ、自然の恵みを分けてもらっていると感じる」という。山荘に勤務する小島由希子さん(41)=下諏訪町=は「ジビエ料理のメニューを増やしたいと思い参加した。利用が広がれば価格も下がるはず」と話していた。

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(交通トラブル暴力的言動で猟銃許可取消は違法:兵庫)
交通トラブルで暴力的な言動があったとして、兵庫県公安委員会が、70代男性の狩猟用の銃所持許可を取り消した処分を巡り、男性が「事実誤認で処分は違法」などと訴えた訴訟の判決が29日、神戸地裁であった。山口浩司裁判長は男性の主張を認め、処分を違法として取り消した。県公安委は2017年5月、他人の生命、身体などを害するなどのおそれがあるとして男性の銃所持許可を取り消した。山口裁判長は、男性が周囲から温厚と評価され、北播磨の狩猟団体で有害獣駆除などに貢献してきた点などに触れ、処分について「慎重な調査や適正な考慮がなかった」と判断した。

(ハトに劇物食べさせ殺した疑い、大東文化大准教授を逮捕:東京)
ハトに劇物を混ぜた米を食べさせて殺したとして、警視庁は3日、大東文化大外国語学部准教授の藤井康成容疑者(51)=東京都北区赤羽西1丁目=を鳥獣保護法違反(危険猟法の禁止など)の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。逮捕前の任意の調べに、「勝手に鳥にエサを上げる人が嫌だった。鳥がいなくなればエサをあげなくなると思った」などと述べていたという。赤羽署によると、藤井容疑者は1月13日午前11時半ごろ、東京都北区神谷2丁目の公園で農薬に含まれる劇物メソミルを混ぜた米をまき、ハト4羽に食べさせて殺した疑いがある。逮捕前の聴取に対し、通販で購入した農薬を溶かした水に米をつけて乾燥させてまいたと説明していたという。防犯カメラの捜査から浮上した。区内では2016年4月ごろから、今回の現場を含む十数カ所でハトやスズメなど計約100羽が死んでおり、署が関連を調べている。

(豚コレラ拡大防止へ、イノシシワクチン散布地で:岐阜)
家畜伝染病「豚とんコレラ」の拡大防止策として国内で初めて実施されている野生イノシシへのエサ型ワクチン投与で、県は、散布地域での捕獲を開始した。散布したエサ型ワクチン約2万4000個のうち、7割以上を食べた可能性があるといい、今後、ウイルスの抗体ができるかなどの検証を進める。県内では、先月24~29日に地元猟友会や委託業者らが18市町に約2万4000個のエサ型ワクチンを散布。今月3日までに回収作業を行った結果、野生イノシシが食べたことで回収できなかったものも含め、推計で7割以上の約1万7700個を食べた形跡があった。一方で、野生イノシシの拡大防止のために県が設置した防護柵よりも北部にある郡上市内でも先月28日、今月3日に2頭の感染が確認された。県は、次回のワクチン散布の際に対象エリアを拡大するか検討する。県庁では4日、県と農林水産省の担当者による意見交換会が開かれた。農水省の熊谷法夫・動物衛生課長は冒頭で「終息の見込みは明らかになっていないが、国も岐阜県も一体となって万全を期したい」とあいさつ。その後は、非公開で行われた。県によると、養豚農家の飼養衛生管理基準や、感染の可能性がある場合の早期通報を徹底することなどを確認したという。

(豚コレラワクチン、6割に投与成功:愛知)
野生イノシシの豚コレラ拡大を防ぐため、愛知県内で3月に散布された経口ワクチン2400個のうち、約6割が投与に成功したとみられることがわかった。愛知県内では3月24~25日、犬山、春日井、小牧3市の山中にトウモロコシ粉の皮で包んだワクチンを埋めた。その後、29~30日に調べたところ、イノシシの歯形がついた容器の残骸などが残っていたものが415個、穴を掘り起こされてなくなっていたものが1014個だった。県は今後、現場に設置したビデオカメラの映像を解析するほか、周辺のイノシシを捕獲して抗体の有無を検査し、ワクチンの効果などを検証する。家畜伝染病「豚(とん)コレラ」で出荷制限が続く愛知県田原市の養豚農家らが3日、川崎市川崎区のオフィスビルで、愛知県東三河地域の豚肉や加工品を販売するマルシェを開いた。首都圏の消費者に豚肉の安全性をPRするのが目的で、6日まで続けられる。マルシェに参加したのは、田原市の養豚農家や同県豊橋市の精肉店経営者ら約20人。2月に豚コレラの発生が続いた田原市は、3月25日に豚の出荷制限がいったん解除された。しかし、直後の3月28日に新たな感染が確認され、再び出荷ができなくなった。鈴木美仁さん(53)は、出荷制限が一時的に解除された際に出された豚肉や、豚コレラが発生する前に加工したハム、ソーセージ、ベーコンをマルシェで並べた。豚コレラは人には感染せず、感染した豚などの肉を食べても人体に影響はないとされる。マルシェに参加した精肉店経営の市川勝丸さん(37)は「豚コレラの風評被害を払拭(ふっしょく)したい」。同じ養豚団地の農家で感染が発覚し、自らの養豚場で飼育していたすべての豚の殺処分に協力した田原市の瓜生陽一さん(53)は「仲間の豚の販売を応援したい」と、会場に駆けつけた。「風評被害の払拭に尽くしてくれる仲間に感謝している。厳しい状況だが、できるだけ早く経営を再開したい」と話した。

(ワクチン摂取イノシシ肉、人への健康影響なし)
野生イノシシ向けの豚コレラワクチンの安全性について審議していた、内閣府食品安全委員会の動物用医薬品専門調査会は3日、ワクチンを摂取したイノシシの肉などを人間が食べても健康に影響はないとする評価案をまとめた。同委員会は17日まで一般からの意見募集(パブリックコメント)をする。その結果を踏まえて早ければ4月中にも最終的な評価を決める。農水省は豚コレラの発生を抑えるため、野生イノシシへの生ワクチンの使用を開始。その一方で、ワクチンを食べた野生イノシシの食用に問題がないか同委員会に評価を求めていた。専門調査会がまとめた評価書の案は、豚コレラウイルスに人への病原性がないことや、ワクチンに含まれる添加剤が人の健康に影響しないことから、ワクチンを食べたイノシシに由来する食品について、人の健康に影響を与える可能性は「無視できる程度」とした。2日の同委の会合では、専門調査会が出した評価書案の内容に対する意見はなく、おおむね了承された。意見募集は通常30日の期間を設けるが、今回は15日間と短くした。農水省が審議の迅速化を求めていたため。2004年の鳥インフルエンザの不活化ワクチンの安全性評価で15日間にした例にならった。

(家畜伝染病対策、農水省が厳格化)
農林水産省は2日、中国からの旅行者が1月、愛知県の中部空港に土産として持ち込んだ豚肉のソーセージから、アフリカ豚コレラの生きたウイルスを確認したと発表した。感染力のあるウイルスの持ち込みが判明したのは初めて。農水省は22日から水際対策を強化する。

(豚コレラ初期症状の事例集作成へ:岐阜)
豚(とん)コレラの感染防止に向けた県と農林水産省の意見交換会が四日、県庁であり、感染の早期発見のため、これまでの初期症状を集めた事例集を作っていくことが必要だという認識で一致した。農水省の熊谷法夫動物衛生課長、県の渡辺正信農政部長らが出席した。養豚場から県への通報が遅かったとされる事例が挙げられる一方、現在、感染が広がっている豚コレラの型は初期症状が他の病気と判別しづらいという指摘もあった。「これまでの症例をまとめた事例集をつくってはどうか」と意見が出た。会合の終了後、県の担当者は「県単独でも症例集をつくれないか検討したい」と述べた。また県によると、野生イノシシへの経口ワクチンの散布と回収は、初回の二万四千個分を三日までに終えた。形跡から、イノシシに与えられたのは一万七千七百個(74%)と推計される。

(クレー射撃、日本勢は予選敗退)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は8日、アラブ首長国連邦のアルアインで行われ、女子トラップ予選で日本勢は上位6人による決勝に進めず、今大会での2020年東京五輪出場枠の獲得はならなかった。中山由起枝(日立建機)は13位、井上恵(ナスタジャパン)は60位だった。

(またかみつきサル、桜見物の女性けが:京都)
7日午後0時半ごろ、京都市東山区で、観光していた大津市の女性(25)がサルに右腕をかまれ、軽傷を負った。周辺では、同じサルによるとみられるかみつき被害が連日のように発生しており、東山署が注意を呼び掛けている。同署によると、現場は桜の名所として知られる「蹴上インクライン」。子ザルが近づいてきてスカートを触ったため振り払うと、親ザルが現れ、かみついたという。京都市内では2月中旬以降、知恩院、南禅寺など人気観光地を中心に、観光客らがサルにかまれたりひっかかれたりしてけがをする被害が相次いでいる。

(射撃競技の開催都市に朝霞PR:埼玉)
二〇二〇年東京五輪・パラリンピックの射撃競技をPRする巨大ラッピングが、同競技の開催都市である朝霞市の東武東上線朝霞駅南口に設置された。大会機運を盛り上げようと、市が設置したラッピングは高さ四・二メートル、幅一・三メートル。日本を代表する競技選手の小西ゆかりさん(〇四年アテネ、一二年ロンドン五輪出場)、田口亜希さん(アテネ、〇八年北京、ロンドンのパラリンピックに三大会連続出場)らの競技写真計六カットに、東京五輪・パラリンピックの大会エンブレムやマスコットを添えた。写真は、公益社団法人日本ライフル射撃協会と一般社団法人日本クレー射撃協会からの提供で、射撃の迫力や緊張感が伝わってくる。写真やラッピング下部にある両大会の開催日までの日付を表示する電光掲示板を見た市内の三十代主婦は「地元開催の五輪がいよいよ、近づいてきたと実感できますね」と話していた。

(豚コレラの潜伏期間など再確認へ)
家畜伝染病「豚(とん)コレラ」が愛知県内で相次いでいる問題で、農林水産省は、豚コレラウイルスの特徴を改めて確認するため、4月にも豚への感染試験を実施する方針を明らかにした。県によると、3月29日に同県瀬戸市と田原市の養豚農場で新たな感染が確認された。今回の瀬戸市の農場は3月27日に感染が確認された「養豚団地」の中にある。田原市では翌28日に別の農場で感染が確認されており、県内では3日連続で感染が明らかになった。農水省によると、豚への感染試験は、ウイルスの潜伏期間や症状の変化、抗体ができるタイミングなどを確認する狙いがある。昨秋にも実施し、豚に感染させて約2週間、症状などを確認したが、今回は試験の期間をより長くするという。愛知、岐阜両県では野生イノシシへのワクチン散布が始まっているが、養豚農家からは飼育する豚へのワクチン接種を求める声があがっている。吉川貴盛農水相は3月29日の記者会見で、「(すべてのことをやった上で)それでどうしますか、という次なる手としてはあると思うが、今はまだ『直ちに』ということにはなっていない」と述べた。

(JAグループ、豚コレラで防疫強化)
JA全農は4月1日、豚コレラ発生に対するJAグループの防疫強化の取り組みを公表した。強い除菌力を持つ過酢酸製剤を岐阜、愛知の養豚場に試用配布したり啓発活動の強化などに取り組んでいく。豚コレラは3月30日現在、5府県で17例の発生が確認されている。これまでに7万頭を超える豚が殺処分され、岐阜県と愛知県では3月27日現在、豚コレラに感染した野生イノシシが241頭確認されている。また、昨年8月以降、中国などでアフリカ豚コレラが発生しており、3月28日現在、中国132か所、ベトナム211か所、モンゴル11か所で確認されている。こうしたなかJA全農はこれまで以下のような防疫対策を実施してきた。くみあい配合飼料工場では、全国の工場(総合工場、豚鶏工場)で1日1回以上の構内消毒と飼料配送車両の消毒を実施している。ハイコープ種豚場では、強い除菌力を発揮する過酢酸製剤を用いて踏み込み消毒と車両消毒を実施。ハイコープ種豚とAI精液の生産農場から一般養豚場への輸送にあたっては、中継地で積み替えするなど同一車両で輸送しないよう交差汚染対策を徹底している。また、踏み込み消毒用として使用している過酢酸製剤「ビネパワー」5kg(600倍希釈で1日50リットル=約60日間分)を岐阜県と愛知県のくみあい配合飼料を利用する養豚農家92戸へ試用配布している。そのほか、豚コレラの発生が確認された昨年9月以降、啓発チラシを作成し畜産関係者への配布や豚コレラに関する情報を畜産総合情報サイト、JACCネットに掲載するなど啓発活動に取り組んできた。今後は警戒地域のくみあい飼料工場と中継基地で「ビネパワー」による飼料配送車両の消毒を実施するほか、「ビネパワー」専用の動力噴霧器を開発し、飼料工場や食肉センターなど畜産関連施設の防疫強化も行う。ビネパワーについては全国のくみあい配合飼料を利用する養豚農家への試用配布と普及拡大を図る。 ビネパワーは、有機物存在下でも強い除菌力を発揮するが、残留性がなく人体への安全性が高いのが特徴。国内では人工透析装置や内視鏡洗浄などの医療現場、飲料用ペットボトル洗浄など高い衛生レベルが求められる場面で利用され、28年に食肉、野菜、果実などの表面除菌用として食品添加物に認可された。

(鳥獣被害、2年連続増加:新潟)
農林水産省北陸農政局は、2017年度の野生鳥獣による農作物被害状況をまとめた。新潟県の被害金額は前年度比2・5%増の2億4521万円で、2年連続で増加した=グラフ参照=。イノシシによる被害が約2・6倍に急増したことが影響した。農水省などはイノシシの捕獲に力を入れるが、繁殖力が強く対策が追い付いていない状況だ。被害金額の内訳は、スズメやハトなどの鳥類が10・3%減の1億4647万円となった一方、サルやイノシシなどの獣類が30・1%増の9874万円だった。被害金額はカラスの8059万円が最多で、全体の33%を占めた。イノシシ3870万円、ムクドリ2936万円と続き、3種で被害の約6割を占めた。イノシシは16年度の1479万円から大幅に増加。一方、カラスは16年度比で1447万円(15・2%)減となった。北陸農政局によると、これらの増減の原因は不明だが、イノシシは特に上越市での被害が目立ったという。北陸農政局によると、県内のイノシシの有害捕獲頭数は、17年度が1388頭で前年度より341頭増えた。「イノシシは繁殖力が非常に強く、頭数が減らない。ジビエ(野生鳥獣肉)としての利用を推進することも重要だ」としている。野生鳥獣による県内の被害面積は前年度比9・1%減の1554ヘクタール。カラス490ヘクタール、ムクドリ435ヘクタール、ヒヨドリ154ヘクタールの順に被害が大きかった。全国の被害金額は4・5%減の163億8654万円で、5年連続で減少した。被害面積は18・5%減の5万3167ヘクタールだった。

(カラスの巣接触、423戸一時停電:宮城)
2日午後4時ごろ、仙台市若林区荒井や六丁の目の一部で計423戸が停電した。約1時間後に全て復旧した。東北電力宮城支社によると、電柱にあったカラスの巣が高圧配電線に接触したことが原因という。

(カラスの巣で漏電か、1600軒停電:神奈川)
31日午後7時5分ごろ、川崎市川崎区の約1600軒で停電が発生した。約1時間後に全て復旧した。東京電力パワーグリッド川崎支社によると、停電したのは川崎区の大島、桜本など。カラスが電柱に巣をつくり漏電したのが原因とみられる。

(各地で停電相次ぐ)
30日夕方から夜にかけて、大阪や京都の各地で停電が相次いでいる。関西電力によると大阪府河内長野市で午後5時ごろから、約390軒で停電が発生。約1時間で復旧した。電線と電線が接触したことが原因だったという。寝屋川市では午後7時ごろから約1時間半にわたり、約290軒で停電。電柱にできたカラスの巣が、風などの理由で電線に接触したことが原因だった。また、午後8時半すぎからは枚方市と京都市伏見区でそでそれぞれ約390軒が停電している。伏見区もカラスの巣が原因で、午後10時40分ごろに復旧見込み。枚方市は午後9時半現在、復旧の見込みはたっていない。関西電力が原因を調査している。

(死んだシカの胃から“ポリ袋”:奈良)
国の天然記念物「奈良のシカ」。その胃の中からポリ袋らしき塊が出てきました。くすんだ色の大きな塊。重さは3.2キロもあり、ポリ袋とみられます。これは1頭のシカの胃の中から出てきたものです。先月23日、奈良・東大寺の近くで立てないシカを「奈良の鹿愛護会」が保護しました。獣医師・丸子理恵さん:「(ポリ袋を)ちょっとずつ食べてだんだんおなかの中でたまっていって、最終的にあの大きさになって詰まってしまったのかなと」

(ジビエ肉の商品管理システムを構築:長野)
長野市は、中条地区に開設したジビエ肉処理加工施設「長野市ジビエ加工センター」で安全なジビエの供給を支える商品管理システムを構築し、4月1日の施設開設に合わせて稼働を開始した。同システムの構築を手掛けた富士通が発表した。ジビエは、狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉。農林水産省が野生鳥獣のジビエ利用拡大に向けて全国17地区をジビエ利用モデル地区に選定している。また、野生鳥獣の食利用における衛生管理の徹底のため「国産ジビエ認証制度」を制定し、厚生労働省のガイドラインや、カットチャートによる流通規格の遵守、適切なラベル表示による追跡に取り組む処理加工施設を認証している。長野市は、野生鳥獣による農作物被害対策の一環で、捕獲したイノシシとニホンジカを新たな地域資源として活用する取り組みを推進しており、ジビエ利用モデル地区にも選定されている。富士通によると、これまで民間の専門施設でジビエの加工を行っていたが、ジビエは野生鳥獣の狩猟を主軸とする分、安定的な供給や高品質化、消費者からの安全に対する要求への対応などに課題があったという。そこで長野市が、市内全域のジビエを一括で運用、管理するジビエ肉処理加工施設として「長野市ジビエ加工センター」を開設したと説明する。この施設では、ジビエの処理に関わる安全基準を満たす衛生管理の仕組みと設備のもと、ジビエ商品管理システムにより持ち込まれたジビエを受入から加工、販売までを一気通貫で個体管理し、精度の高い追跡を実現すると富士通は語る。また、商品ラベルのQRコードを通して、消費者にジビエの詳細情報を公開することで、ジビエの安全提供を強化するという。富士通は、畜産農家向けサービス「FUJITSU Intelligent Society Solution 食・農クラウド Akisai肉牛生産管理SaaS」で培ったノウハウをもとに、捕獲状態などに応じた管理など、ジビエ特有の個体管理機能を長野市のシステムに提供する。さらに、6次産業化に取り組む生産法人向けサービス「Akisai 農産加工販売SaaS」で得た知見を活用し、加工から販売過程のシステムを構築することで、ジビエの受け入れから加工、販売までを一元管理するシステムを実現した。同システムでは、狩猟を行う猟友会員により施設に持ち込まれたジビエに対し「国産ジビエ認証制度」「信州産シカ肉認証制度」に準拠した個体番号を発番、管理するとともに、ジビエの処理加工、在庫、販売を一元管理することで、確実な追跡を実現するという。また、同システムで管理するジビエの追跡情報を消費者が容易に確認できるよう、商品に張り付けるラベルにQRコードを記載する。これにより、安全なジビエ供給が可能になるとしている。

(イノシシ捕獲、監視カメラからスマホへ:千葉)
イノシシの農作物被害に悩む千葉県木更津市はNTT東日本と協力し、ICT(情報通信技術)を使ってイノシシを監視し、捕獲する実証実験を始めた。イノシシの動きをセンサーで感知し、捕獲する様子を監視カメラで撮影してスマートフォンに知らせる仕組みで、1年間にわたって効果をみる。関係者は「被害防止だけでなく、ジビエ産業にも貢献できる」と一石二鳥の成果を期待する。市と同社が呼びかけ、木更津高専の学生、望月雄太さん(20)が捕獲用のおりにイノシシをおびき寄せる給餌機を開発し、地元の猟友会や農家、ジビエ加工会社が協力した。おりは横1.5メートル、幅1メートル、高さ0.8メートルで、市内で無農薬米を生産する山野晃弘さん(51)の自宅裏山など2カ所に仕掛けた。おりの周辺には、イノシシを赤外線センサーで感知し、作動する監視カメラも設置。撮影した動画は山野さんのスマホに送られる。NTT東日本によると、自動給餌機で定期的に餌をまくことで捕獲率が向上し、捕獲したかどうかを確認するために見回りする必要がなくなる。データを蓄積し、地理情報システムも使って効率的に捕獲するためにはどこにおりを設置したらいいかなどに役立てる。同市内のイノシシによる農作物被害は鳥獣被害全体の6割を占める。昨年度は、捕獲数が前年度の387頭の2倍超の937頭(2月末現在)で、被害額は5年前の2.5倍の2200万円超に膨らむ見通しだ。山野さんは80アールの田んぼを持つが、「昨年イノシシに荒らされ、コメを収穫できなかった。最新の技術を活用して被害を防止したい」と期待を寄せた。

(鳥獣罠センサーの実証型研究開発:長野)
新光商事株式会社(代表:小川達哉)は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT: National Institute of Information and Communications Technology)の委託研究の公募において、「信州伊那谷におけるLPWA(LoRaWAN等)鳥獣罠センサーの高度活用」というテーマに参加することが決まりました。 国立大学法人信州大学を中心に当社、伊那市有線放送農業協同組合、ソフトバンク株式会社と共に、長野県伊那市、上伊那猟友会と連携し実証実験を推進します。現在、政府においては、超スマート社会として「Society 5.0」の実現を推進するとともに、ビッグデータとAIの活用によるイノベーションや分野横断的・産業横断的なデータの連携・利活用を新たな価値創出等の重要課題としています。また、日本では森林面積の減少などの要因から、住宅地・農地などへの野生動物が出現するようになってきており、野生鳥獣による農作物被害が問題となってきています。(被害額は平成28年度で約172億円に達しています。)このため、平成30年現在では、全国約1700の地方自治体の内、約1500の地方自治体が鳥獣被害にあっており、その内、約1200の地方自治体が、鳥獣被害防止対策を計画・実施している状況です。反面、鳥獣被害対策の一翼を担っていた猟友会の高齢化や人材不足も加速しており、その人手不足を効率的に補うため長野県伊那市と共に鳥獣被害の軽減に向けてLPWA技術を使った安価で使い易い「くくり罠センサー」を開発してきました。現在、主に獣害(鹿・イノシシ)軽減を目的に、約30ヶ所にくくり罠センサーを設置して実証実験を実施しています。この度、これらの活動から国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT: National Institute of Information and Communications Technology) の委託研究の公募に採択され,今後,通信環境の厳しい山地や谷で実証試験を進めていきます。

(駆除動物の微生物分解装置:北海道)
正和電工(北海道旭川市、橘井敏弘社長、0166・39・7611)は、駆除したシカなど野生動物の死骸を分解する処理装置を実用化した。

(豚コレラ確認、来季のイノシシ猟に影響も:岐阜)
郡上市和良町の山で死んでいたイノシシ一頭が豚コレラに感染していたことが二十八日、確認された。同市はこれまで豚コレラを免れ、狩猟も制限を受けないまま十五日に終わっている。郡上は天城山(静岡県)、丹波篠山(兵庫県)と並ぶ三大イノシシ産地とされるだけに、ジビエを扱う業者や猟友会関係者らに当惑の声が広がっている。豚コレラは人間に感染することはない。仮に感染した豚やイノシシの肉を食べても人体に影響はないが、悪いイメージが風評被害を招いてきた。同市大和町の獣肉処理施設「ジビエITAYA」では昨年九月の豚コレラ発生以降、シシ肉の注文が五割ほど落ち込んだ。施設を運営する坪井富男さん(69)は「次のシーズンに狩猟が禁止されるようなことになれば、シカ肉も含めて仕入れに影響が出る」と話す。郡上産ジビエの加工品を扱っている同町の道の駅「古今伝授の里やまと」も、今後の影響を懸念。郡上大和総合開発の出崎善久統括は「商品の販売はこれまで通り続けるが、材料の肉が入らなくなる恐れがある」と語った。郡上産のシシ肉は、東京都内で二月に開かれた全国コンクールでグランプリに輝いたが、豚コレラに売り込みのチャンスを邪魔された形だ。岐阜、愛知両県では今猟期、三十三市町に及ぶ地域ですべての狩猟が禁止された。郡上市の猟師(40)は「来猟期がどうなるか不安だ。感染が広がれば、シシの数も減ってしまうのではないか」と心配していた。郡上市によると、市内には養豚場一施設があり、野生動物の侵入を防ぐ電気柵の設置などで感染防止を徹底しているという。

(暖冬後の鳥獣害対策:福井)
37年ぶりとなる昨年冬の記録的な豪雪から一転、今冬の県内は雪がほとんど降らなかった。敦賀市では昨年12月から今年2月まで3カ月の合計降雪量がたったの3センチ(平年197センチ)。1953年の観測開始以来最も少なかった。福井市でもわずか42センチ(同257センチ)で過去2番目の少雪だった。近年まれに見る異常なほどの暖冬である。福井地方気象台によると、エルニーニョ現象の影響で偏西風が北寄りに蛇行。南からの暖かい空気が流れ込んだ影響らしい。こうした状況を受け、農作業シーズンを迎えた地域住民から「イノシシやシカの被害が一段と増えるのでは…」と心配の声が高まっている。効果的な対応はあるのだろうか。県内の農村で電気柵の電線張りやワイヤメッシュの補修作業が行われている。イノシシやシカが農地に侵入するのを防止するためだ。既に20年近く前から住民総出で行われ、最近では春先の恒例行事になっている。その中でこんな不安がつぶやかれている。今年は積雪が少なかったため、イノシシの子どもが無事に越冬し個体数が多くなっていないか。被害も例年以上に拡大し、対策に苦しめられるのではないか―。現に、早くからイノシシが柵の中に入り込み、あぜ際や土手を掘り起こしている。また夜間にシカが飛び出し自動車と衝突した事例もあるからだ。動物の生息数と降雪の因果関係については、科学的にまだ十分検証されていない。ただ環境省は積雪量の減少を個体数増大の一要因に挙げており、全くの眉唾と言えないことが懸念を招いている。有害鳥獣の農作物被害の県内実態は、2017年はイノシシが面積130ヘクタールで金額9250万円と全体の90%弱を占める。シカは10ヘクタールで490万円、サルは2ヘクタールで204万円。カラスやほかの動物を含めた合計は148ヘクタールで1億403万円だった。過去15年で比較すると、面積で最大だった03年の658ヘクタールの22%、金額では同10年の1億2940万円の80%まで減少。防止対策の効果もあって、おおむね減少に転じている。しかし、農家のやり場のない憤りや無力感など心理的負担は統計数値以上に大きい。さらに被害地域も年によって一様ではない。例えばイノシシは今も全県的に出没しているが、かつて嶺南で活発だったシカは近ごろ丹南地区で猛威を振るい、次第に坂井地区などに北上している。このためシカ対応が遅れているところも多い。こうした不安に対し、県は骨格予算である新年度当初予算にほぼこれまで通り5億4千万円の対策費を計上。侵入防止柵の補助のほか、ICT(情報通信技術)の活用促進、狩猟者養成など体制強化に注力する。自治体でも本年度、あわら市と越前市が「鳥獣害対策室」を新設。特にあわら市は国の交付金を活用し、動物が渡りにくいグレーチング付きU字溝を県内で初めて敷設する予定だ。有害鳥獣の増減を予測するのは難しく、被害撲滅の特効薬もまだない。やはり基本3原則の「侵入を防止する」「集落の草地・エサ管理」「捕獲する」を集落ぐるみで再度徹底し、継続的に実践すること。防止柵のこまめな点検などで食い止めるのが当面の対抗措置となる。さらに抜け道となりやすい境界付近の対応として、集落中心だった従来の取り組みを、隣接の集落間や地域内、あるいは市町同士で連携する広域的なものとすることも、今後の課題となりそうだ。

(カラスの巣除去、停電防げ:山形)
県内でカラスの繁殖期となり、停電の原因にもなる電柱上の営巣がピークを迎えている。停電の発生を防ごうと、東北電力はパトロールによる営巣の早期発見、巣の除去、営巣防止用のカバー設置などに努めているが、抜本的な解決に至っていないのが実情。引き続き効果的な対策を模索するとともに、営巣を見つけた際の県民からの情報提供を求めている。東北電力送配電カンパニー山形支社によると、巣の材料に使われる鉄線や針金が通電部に触れて漏電したり、小枝やビニールひもが電線の間でショートしたりして停電が発生する。営巣を見つけて除去しても、直後に同じ場所に巣が作られることもある。2017年は除去数が県内で8849件と、この10年で最も多く、除去作業の負担軽減も課題になっている。こうした中、18年は停電にすぐつながりそうな危険箇所を除き、6~7月の巣立ちの後に巣を取り除く方法に切り替えた。除去数は4819件と前年に比べて半数近くに減ったが、営巣に伴う停電回数は7回から8回とわずかに1回増えただけにとどまった。ある程度の効率化が図られたとして、今年もこの方法を継続するという。5日は中山町達磨寺の国道112号沿いで見つかった巣の除去作業を報道機関に公開した。作業員が高所作業車に乗り、木の枝やわらなどでできた直径60~70センチほどの巣を取り除いた。担当者は「停電のリスクを少なくするため、今後も対策を試行錯誤していく」とする一方、「営巣を見つけたら連絡してほしい」と呼び掛けている。

(「野生イノシシ激増」の現場に見えた難題:千葉)
日本全国でイノシシやシカの生息地が拡大し、人口減少が顕著な農村地帯を直撃している。イノシシとの闘いの最前線の1つ、千葉県館山市を訪ねると、「イベリコ豚もびっくりのおいしさのイノシシを売りだしたらどうか」。そんな秘策を練っている人たちがいた。地元の農家に加え、最近この地域に移り住んだり、新たにビジネスを始めたりした人々。状況反転はなるのか――。「そこの田んぼが、全部ダメになりました」千葉県館山市の中心部から約10キロメートル、田畑が広がる神余(かなまり)地区で、農業を営む、長田等さん(56歳)は、今も憤懣やるかたない。「イノシシは、山奥で、背の高いヨシなどの周りをぐるぐる回って倒し、その下にもぐって、テントみたいな巣を作る。それをなぜか稲のところでやったんですよ。習性があるのかなあ。獣の臭いがついてしまい、稲は全部ダメになりました」こうしたイノシシによる被害が悪化、神余地区では4年前から侵入防止柵の設置を進めた。今では、延長2キロメートル以上にわたって、高さ90センチの鉄製ワイヤーメッシュによる防護柵、その上には電気柵が張り巡らされた中で、集落の農家約30軒が生活している。3月17日の日曜には、防護柵の外側に、つっかえ棒のような形で別のメッシュフェンスを立てかける補強作業が、集落総出で行われた。「それは、俺のアイディア」。そう胸を張る長田さんによると、イノシシは、防護柵の下の部分を鼻で押し、隙間を作って入ろうとする。しかし、その外側に、より低い防護柵を立てかけると、入ってこないという。同じ神余地区で、忙しいスケジュールの合間を縫って農作業も行う館山市議会議員、鈴木正一さん(68歳)は、「近隣のほかの市町村でイノシシの被害が悪化したため、『いずれはこちらにも来るぞー』と6年前に館山有害鳥獣対策協議会ができた。でもまさかこんなに増えるとは思ってもみなかった」とため息をつく。館山市のイノシシ捕獲数は、2008年度には31頭だったのが、倍々ゲームで増え、2018年度は3月上旬までで950頭と、1000頭にも迫る勢いで急増。10年間で32倍にもなった。狩猟免許を取る人が増えたことをはじめ、協議会の努力もあるが、「野生イノシシの繁殖力の尋常でない強さ」(鈴木市議)が大きいという。神余集落の近くには、「東紅苑」という住宅地がある。もとは分譲別荘地だったが、今は5割近くの住民が定住している。6年前、両親に合流する形でここに住み始めた加藤茂さん(39歳)は証言する。「イノシシが庭に入ってくるんです。近所の家では、庭を掘って水道管を壊し、水が噴き出した。気づいたときには、もう庭が沼になっていました。空き家の庭にウリ坊たちが集まり、合宿所みたいになってしまったこともあります。チビたちが住宅地内の道路をテコテコ歩き回る始末。追い払うのが大変でした」加藤さんは本業の翻訳・通訳のほか、紀州犬、四国犬などの日本の犬を猟犬として訓練する仕事をしている。銃やわなを使える狩猟免許を持ち、犬とともに地元の有害鳥獣駆除隊に加わることもある。一昨年、2017年の12月24日に起きたことは、忘れられない。加藤さんは振り返る。「犬2匹とともにイノシシを追って山に入った。ちょうど竹やぶの上のほうに60頭余りのアカゲザルの群れがいた。犬の1匹が山の奥のほうに入って戻ってこないので、私が見に行っているうちに、残った1匹がサルに囲まれ、ボコボコにされた。駆け付けた直後、犬は数歩歩いて倒れた。動脈をかまれて出血がすごく、脚も肉が骨から離れ、靱帯が切れて骨が見えていた。頭もやられ、耳がぶらぶらしている。抱き上げて山から降ろし、動物病院に連れて行った。病院の措置のおかげで犬は一命をとりとめたが障害が残り、猟から引退しました」田畑や住宅地はもちろん、道路上にもイノシシ被害が及んでいた。イノシシは道路脇の斜面や草地を掘り返す。ミミズを探して食べるためだが、植わっている木が倒れるほど深く激しく掘り返すので、地元では雪をかき分けて進むラッセル車にたとえて、“ラッセル掘り”とも呼んでいる。道路脇の草地からは、絶えず大きな石がごろごろ転がり出て、運転する側にとっては危険極まりない。イノシシが道路上に飛び出し、バイクや車にぶつかる交通事故も珍しくない。昨年6月には、新聞配達のバイクにイノシシが体当たりし、バイクに乗っていた人が川底に落ちて数週間のケガを負った。今年1月には、農家の人の車と飛び出してきたイノシシが衝突し、車が大破する事故があったという。野生のイノシシの生息域は拡大している。緑の国勢調査として知られる環境省の「自然環境保全基礎調査」による直近のデータは、2004年に実施された哺乳類分布調査によるものだ。今から15年前の調査になるが、この時点で、千葉県は「それ以前には生息が確認されておらず、新たにイノシシが見つかった場所」だった。環境省の堀上勝(まさる)・野生生物課長は「全国各地で耕作放棄地が広がり、里に人が少なくなってきたことが大きな要因となり、生息域が急拡大している。人が生活するところにイノシシの生息域が近づいてきているので、被害が増えている」と話す。昨年は、イノシシによる「人身被害」も目立った。読売新聞によると、2月24日には茨城県常陸太田市の山林で、伐採作業中の37歳の男性が尻や腕をかまれてケガをし、2月26日には山梨県市川三郷町で農作業中の60代男性が左手をかまれ、全治1カ月のケガを負った。死亡事故も起きた。9月23日に静岡県南伊豆町の国道で、友人とバイクのツーリング中だった51歳の会社員が、右から飛び出して来たイノシシと衝突し、胸などを強く打って搬送先の病院で死亡した。福島県で子どもの自然体験キャンプ事業を続けている「野外計画」は、館山市の牧場跡に宿泊施設「シーマたてやま体験センター」を開いた。今年は本格稼働3年目。近隣の農家とタイアップしての農業体験プログラムなどを行ってきたが、今年1月、初めてイノシシをテーマに据えた野外体験キャンプを実施した。「東紅苑」の住人でイノシシの有害駆除を行う加藤茂さんは、講師の1人。銃を持ち、猟犬とともに、参加者を引率して入り、イノシシの生態や暮らしぶりについて説明した。途中、4回にわたって、イノシシと遭遇。その都度、緊迫したが捕獲には至らなかった。東京から来た人が主だった参加者の中に、シーマたてやま体験センター隣の畑集落の石井唯行さん(41歳)がいた。石井さんは31歳のとき、東京でケーブルテレビ会社の営業や工事を請け負う「ワンズディー」を設立し、館山に戻るつもりはなかったという。ところが2年前に、1000年以上の歴史を持つ畑集落の歴史を知り、館山支店を開いて館山に人と仕事を呼ぶ事業に乗り出した。キャンプ2日目の朝、石井さんの父(72歳)から、「箱わなに、イノシシ3頭がかかった」と連絡があり、急きょ、講師の加藤さんがイノシシ肉をさばく作業を見せる展開になった。「野外計画」の八木信行さん(68歳)は「スケジュールになかったことなので、参加者一同、びっくり。キャンプの食事は自炊ですが、加藤さんによる解体作業を見た後、そのイノシシの肉を、あらかじめ加藤さんが持ってきた肉や手作りのソーセージとともに味わった。おいしかったですよ」と話す。石井さんはこのとき、初めてイノシシの肉を「おいしい」と思ったという。「農業被害を防ぐため、父は箱わなをしかけてはイノシシを捕獲し、それをさばいて冷凍庫に入れていましたが、イノシシ肉は家族には不評でした。固いし、臭いし。ここのイノシシはミミズばかり食べているからまずい、とも言われていた。それなのに、加藤さんがさばいたイノシシの肉は柔らかい。脂身に甘味があっておいしい。さっぱりしている。衝撃でした」。加藤さんは、全国を歩き、名の知られたハンターのもとで修業。各地のセミナーにも参加して、イノシシ肉のさばき方を身に付けたという。石井さんは、肉のさばき方に秘訣があると知った。地域おこし協力隊員として館山市で獣害対策支援を行う沖浩志さん(36歳)は、「館山の山には、炭焼きに使うマテバシイというドングリのなる木が多い。炭焼きは行われなくなったが、秋から冬にかけて、山にはドングリの実がたくさん落ちている。それを食べ、走り回っているので、ここのイノシシはおいしいのではないか」と考えている。イベリア半島にあるスペイン産のイベリコ豚は、「ドングリを食べているからおいしい」をうたい文句に、日本で人気を博した。館山のイノシシの味はイベリコ豚の味に似るはず、というわけだ。ただ、たまたま捕獲したイノシシの肉を家族や知り合いに分けて食べることはできても、それを売ることはできない。保健所の許可を受けた解体施設を作り、県が主催する講習を受ける必要がある。沖さんは「自分で獲物を取って食べることに惹かれる人が増えている。農家には、こだわりを持って作業できる人が多いので、イノシシ解体技術の向上も期待できる」と思う。加藤さん、石井さん、八木さん、鈴木市議らとともに、額を突き合わせては、イノシシの肉を売る事業化への道を探っている。2016年11月には議員立法により鳥獣被害防止措置法が改正され、「捕獲した鳥獣の食品(ジビエ)としての利用の推進」が盛り込まれた。2018年度中に全国17のモデル地区が整備され、今後、捕獲から搬送、処理加工をスムーズに行うスキルアップが図られる。解体技術の問題のほかにも、野生イノシシは時期や固体によって味のばらつきがあり、安定供給が難しいことなどが課題だ、と館山の人々は頭を抱えていた。ジビエの事業化を目指す全国各地で、さまざまな課題への取り組みが始まっている。環境省が2018年10月に発表したイノシシの個体数推定結果によると、2016年時点が89万頭で、2010年以降は減少傾向にある。同省の堀上勝・野生生物課長は、「急増が止まっているので、捕獲圧をかけてきたことの効果があったのだと思う」としながら、「現状を維持し、さらにやっていかねばならない。分布が広がっているところを抑えないと。被害が多いところだけ捕獲するのでは不十分」と表情を引き締める。環境省は、農業や林業への被害のあるなしにかかわらず、各県が個体数を調整していく「指定管理鳥獣捕獲等事業」を進めている。しかし、館山市はその対象にはなっていない。実は、千葉県館山市で最近になってイノシシやサルの生息数が増えた背景には、ハンティングのためにイノブタを故意に放した、もしくは、廃園になった動物園からアカゲザルが逃げ出した、など人間側の不適切な行動があったとも指摘されている。野生動物の生息数を適正に保つというのは、言うに易く、行うに難しい。

(ウバメガシの食害対策:和歌山)
紀州備長炭の原木ウバメガシの萌芽(ほうが)株がシカの食害に遭って枯死する問題で、和歌山県林業試験場(上富田町)は、幹を選抜して伐採する「択伐」で枯死を防げることを突き止めた。ただ、枯死を免れても萌芽が食べられて成長が進まないため、試験場は「今後、被害地域の択伐株の更新技術の開発が必要」と話している。一般的にウバメガシ林は、伐採と萌芽による更新を繰り返しながら循環利用される。しかし、林内すべての木を伐採する「皆伐」の場合、シカの生息密度が高い地域では、萌芽が出ても繰り返し食害を受けて高い確率で株が枯死してしまう。一方、択伐の場合、萌芽が繰り返し食べられても株が枯死することはなかった。試験場が旧田辺市とすさみ町、串本町で萌芽株の食害を調査したところ、旧田辺市に比べ、すさみ町では約7倍、串本町では約5倍の被害レベルだった。さらに、枯死率の比較調査を串本町の2カ所で行ったところ、伐採後約2年の調査地は択抜で枯死は見られなかったが、皆伐では枯死率が75%に達した。皆伐でさらに年数がたつと全滅する恐れもあるという。

(外来リスに注意を:静岡)
特定外来種で農作物や生態系に被害を及ぼすクリハラリス(タイワンリス)の駆逐について学ぶ講演会が二十一日午後二時半~同三時半、浜松市浜北区の県立森林公園内研修施設「森の家」で開かれる。無料。講演会では市環境政策課の鈴木良実主任が「浜松市内のタイワンリス被害の現状と対策」と題して話す。主催は県立森林公園ボランティアの会。担当で自然解説員の瀬下亜希さんは「まずは多くの人に現状と対策について知っていただきたい」と、受講を呼び掛けている。タイワンリスは、かつて同市中区にあった動物園から逃げ出したのではないかとされていて、かんきつ類を食べたり、電線をかじったりする被害が確認されている。一般への周知が不十分なこともあり、中区の浜松城公園や佐鳴湖公園では、餌付け行為などが、繁殖を助長する結果も招いている。タイワンリスはここ数年、北、浜北両区でも確認されている。山間部に今後、生息域が広がれば、林業への被害拡大が心配されるという。

(減るライチョウ、手を打って:長野)
絶滅が危ぶまれている国特別天然記念物のニホンライチョウを守る方策を考える講演会が、松本市中央のMウイングで開かれた。県内外の高山で保護に取り組む信州大の中村浩志名誉教授(72)=鳥類生態学=が講師で、登山ガイドや山小屋関係者、登山愛好家など市内外の119人が耳を傾けた。松本市のNPO法人・信州まつもと山岳ガイド協会やまたみが主催。ライチョウの現状を山岳関係者に知ってもらい、保護の機運を盛り上げようと開いた。中村名誉教授は二十年近くライチョウ研究に携わる第一人者で、発信機による生態調査やDNA解析による遺伝系統の分類などで多くの成果を上げてきた。この日は、ライチョウが国内では北、中央、南アルプスなど、標高二、二〇〇メートル以上の高山にしか生息できないことや、一九八五年時点で三千羽ほどいたのが、現在は約千七百羽に激減していることを説明した。減った原因には、人間活動の影響を指摘。登山者の捨てるごみを目当てに、高山に進出したニホンザルやハシブトガラスにひなや卵が捕食されていることや、地球温暖化による低山性の植物の進出、シカなどによる食害で、エサとなる高山植物が失われつつあることなどを挙げた。その上で、高山でサルを見つけたら追い払うことや、高山植物の保全、ライチョウを見つけた際に写真を撮って環境省に提供することなどを呼び掛けた。ひな連れのライチョウをケージで保護し、ひなの生存率を高める活動も紹介し、一定の成果を上げつつあることを報告。「数が減りすぎては絶滅から救えない。コウノトリがその例。今手を付けないと危ない」と訴えた。

(カタクリ開花、十数輪だけ:岐阜)
美濃市蕨生の「蕨生自然公園かたくりの里」では今年、カタクリの開花状況が非常に悪く、十数輪しか咲いていない。獣害の影響が大きいとみられ、保存会代表の沢村直治さん(75)は「楽しみにしてくれた人に申し訳ない」と肩を落とす。五日は近くの牧谷小学校の児童や教員四十人を招いて見学会があった。山の斜面にぽつりぽつりと赤紫色の花がのぞき、子どもたちは宝探しのように「ここにもあったよ!」と声を上げていた。群生地は六百平方メートルで、住民有志が二〇〇二年ごろから保護活動を続けて増やしてきた。高齢化で保存会員は沢村さん一人になってしまったが、牧谷小児童や住民ボランティアの協力で維持している。下草刈りや遊歩道整備のほか、カタクリに必要な陰をつくるコナラを牧谷小三年生が毎年植樹してきた。沢村さんの孫の朱里さん(12)、彩乃さん(10)は「毎年楽しみにしているが、今年は特に少なくてびっくり。おじいちゃんがいろいろ対策してもシカが食べちゃうみたい」と話す。群生地の周囲はイノシシが掘り起こした直径五十センチの穴がいくつも開き、カタクリの横のササはシカが新芽を食べた跡が残る。沢村さんは「毎朝来るたびに動物の跡にびっくりする。センサーやライトを設置しているが効果が分からない。アイデアがあれば教えてほしい」とため息をつく。それでも「ギフチョウの好むカンアオイの木を移植して、ギフチョウが飛び交う森にするのが夢です」と前を向いた。

(小学生に地元産シカ革を使用したクマ鈴を配布:群馬)
ユネスコエコパークの町みなかみでは、群馬県利根郡産のシカ革を活用したクマ鈴を町立小学校の新入学生全員への入学記念品として配布します。 シカ革クマ鈴は、東京からみなかみ町に移住した女性猟師が運営する「尾瀬鹿工房(代表:本間優美)」のデザイン/素材提供によりみなかみ町内にある障害福祉サービス事業所「ぴっころ」が製作したもので、地域の若年層移住・捕獲した野生鳥獣の利活用・障がい者の自立支援にもつながる県内初めての取り組みとなります。

(若手猟師の輪広がれ:宮城)
この10年で4倍近くに膨れ上がったイノシシによる農作物被害を減らそうと、「新米猟師会」が今月発足する。高齢化に伴い猟師が減少の一途をたどるなか、若手猟師が交流を深め、情報交換できる場を作ることで、猟師の輪を広げようという試みだ。「こんな民家の近くで100キロ級のイノシシを捕まえた。危ないでしょ」。新米猟師会会長の岩沼市、高橋要さん(45)は、イノシシによって曲げられたというオリを指さしながら、昨年末に捕獲したときの様子を振り返る。害虫駆除の仕事をする高橋さんが、「何か地域貢献したい」と県猟友会岩沼支部に入ったのは40歳の時だが、年々増えるイノシシに「このままでは全ての畑を食い荒らされてしまう」と危機感を募らせ、「新米猟師会」の結成を決意したという。県農山漁村なりわい課によると、県内のイノシシによる農作物被害額は、2007年度の約2900万円から17年度の約1億900万円まで増加した。現在では、県内の野生動物による農作物被害の3分の2を、イノシシによる被害が占めている。一方、1966年に発足した県猟友会の会員数は、78年の8755人がピークで、2018年には5分の1の1724人まで減った。うち7割が60歳以上で、高齢化が進んでいる。しかし、猟師仲間を増やそうにも、「狩猟免許」の取得には、少なくとも半年以上の研修が必要で、費用も数万円かかる。また道具にかかる初期費用も、ワナが数万円、猟銃が数十万円以上と高額だ。「興味を持っても、情報を得る場が少なく、入門のハードルが高い。経験の浅い猟師が悩みを話し合う場も必要」と高橋さんは感じていた。猟師を始めてからSNSを使って狩猟活動を紹介したり、地元ラジオ局で週に1度パーソナリティーを務めたりして、自分なりに情報提供活動をしてきた。「新米猟師会」の発足に向け、県内の猟友会関係者らに声をかけると、約25人から賛同を得た。5月にも村田町で第1回の射撃練習会を行う。今後は、免許取得後5年以下の若手猟師を集め、毎月、事故事例やイノシシの解体手順を学ぶ勉強会も開く予定だ。少しでも興味を持った若手猟師たちをサポートする。これまでは地域ごとに猟友会の活動は分かれており、同世代が交わる機会は少なかった。高橋さんは「みんなで悩みを共有して助け合い、農作物の被害を防いでいきたい」と意気込む。

(国産ジビエ認証施設の第3号認証:長野)
平成31年3月29日、農林水産省は、国産ジビエ認証制度に係る認証機関である(一社)日本ジビエ振興協会が、「国産ジビエ認証施設(第3号)」の食肉処理施設として「信州富士見高原ファーム」(代表者・戸井口裕)を、同日付で認証したことを発表した。農林水産省では、狩猟で得た自然の野生鳥獣の食肉(ジビエ)に関する衛生管理基準およびカットチャートによる流通規格の遵守、適切なラベル表示によるトレーサビリティの確保等に適切に取り組む食肉処理施設の認証を行う「国産ジビエ認証制度」を30年5月18日に制定し、より安全なジビエの提供と消費者のジビエに対する安心の確保を図る制度を運用している。日本ジビエ振興協会は、同制度の「国産ジビエ認証委員会」により登録された認証機関である。今回、認証された信州富士見高原ファームは、同制度に規定する全ての要件を満たすと認められたため認証された。同ファームは、長野県諏訪郡富士見町で年間259頭(29年度)のシカを処理し、長野県内外のレストラン、JA全農、イオングループ、JR東日本グループに精肉等として供給している。長野県「信州ジビエ衛生管理ガイドライン」に基づき徹底した品質・衛生管理を行い、「信州ジビエ」のブランド化と一般消費者へのジビエ普及に貢献している。

(ジビエ料理味見いかが:京都)
京都府南山城村で取れたイノシシとシカを使ったジビエ料理を振る舞うイベントが30日午前10時~午後2時に、同村北大河原の道の駅「お茶の京都 みなみやましろ村」で開かれる。獣害対策で捕獲した野生動物の有効活用を目指し、村と府山城広域振興局が初めて開く。山城地域でのジビエ料理普及の可能性を探ろうと企画した。村猟友会員が地元で捕獲したイノシシとシカを村の女性グループが調理し、しし汁とシカ肉のミートソースを約500人に無料で振る舞う。同振興局は、客の反応を確かめ、将来的に野生動物の解体施設を山城地域に設けるかどうか検討するとしている。

(「ひたジビエ」販売2倍増:大分)
日田市上津江町の施設で加工した野生獣肉「ひたジビエ」の出荷が好調だ。2016年に市や猟友会関係者でつくる協議会を設立して以降、販路を広げ、17年度の販売量は2倍に増加。高い技術による丁寧な処理で味も評価が高い。関係者は「安心・安全で高品質なひたジビエを広めたい」と意気込む。食材になる野生鳥獣肉を意味する「ジビエ」(フランス語)は、高タンパクでビタミン・鉄分も豊富と関心が高まっている。野生鳥獣による農業被害対策が課題となる中、農林水産省もジビエ活用を進めている。しかしジビエは「臭い」「硬い」といったマイナスイメージが根強く、販路拡大が課題だ。市は12年、イノシシとシカの解体、精肉加工、販売ができる県内唯一の公設民営の獣肉処理施設を上津江町に開設した。さらに商品開発や販売体制構築を目的に、16年10月「日田市ジビエ推進協議会」(事務局・市林業振興課)を設立。新メニューの開発や試食会開催に取り組み、17年度は学校給食での利用も始めた。PRにも力を入れ販路拡大を図る。「ラブエフエム国際放送」(福岡市)に委託し、同市の飲食店による期間限定メニューの開発・提供や、料理人を対象に日田市のジビエ関係施設を訪ねてもらうツアーを実施した。その結果、17年度の販売量は2・1トンに倍増、市外では福岡県を中心に3倍以上に伸びた。18年度はイノシシ肉の出荷シーズンの2月末時点で2・4トンで過去最高となった。ひたジビエは味の評価が高い。岐阜県の里山保全組織「猪鹿庁」主催で、全国各地のイノシシ肉がうまさを競う「日本猪祭り」では、17年(参加29施設)、18年(同26施設)続けて2位に入った。獣肉処理施設管理組合長で加工を担当する川津保夫さん(69)は「臭みは血のにおい。丁寧な血抜きがおいしさにつながっている」と話す。協議会は市民にもっと知ってもらうため2月下旬、同市石井町の里山カフェで食事会を開いた。50人が9品を味わい、「臭みが全くなく、こんなにおいしいとは予想外」と好評だった。硬くて食べにくい筋や薄膜を丁寧に取り除く処理技術も好評だ。飲食店の要望に合わせて加工方法を変える。「調理者のことを考えてさばかれ、余すところなく使えるひたジビエは良いと、どの料理人も口をそろえます」と、福岡市の飲食店で販促活動をしたラブエフエムの担当者は語る。消費者の衛生意識の高まりにも配慮を怠らない。現在は県の衛生基準で処理しているが、今後は農林水産省の「国産ジビエ認証制度」の認証取得や、食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の導入も視野に入れているという。協議会事務局の中村綾さん(42)は、「より厳しい基準で付加価値を高め、ひたジビエの人気をもっと高めていきたい」と話す。

(獣害で苦肉の策が大ヒット:山梨)
山梨県富士河口湖町の山間の集落で、地元の食材を使った「蕗薹(ふきのとう)なんばん」が大人気だ。フキノトウを里山で収穫し、高齢者が畑で作った唐辛子をあわせる。雑炊やお吸い物、冷ややっこ、塩振りの焼き鳥にまぶすと春の香りが広がる。「山里の名物にしたい」と住民の期待を集めている。集落は河口湖の西端にある長浜地区。同じ河口湖畔でも、大型ホテルが並んで外国人観光客でにぎわう湖東部とは雰囲気が異なる。御坂山地が湖に迫り、わずかな平地に約160世帯が暮らす。大半が60代後半の高齢者世帯だ。作り始めたのは深刻な獣害がきっかけだった。ダイコンやニンジン、ジャガイモを作っても、山から下りてくるシカやイノシシ、サルに全部食べられてしまう。電気柵に投資する余裕はない。唯一、無事に収穫できる作物が唐辛子だった。栽培は約20年前に始まり、富士北麓(ほくろく)名物「吉田うどん」の薬味として使われてきた。

(ジビエマップを作製、県内26店舗の情報掲載:山口)
山口県は、イノシシとシカの肉を使ったジビエ料理を提供する販売店マップを作った。ジビエの普及と消費拡大が狙いで、県農林水産政策課の担当者は「ジビエを食べられる場所を広く知ってもらい、普及につなげたい」と話す。

(イノシシ対策発信へ麻布大と協定:島根)
イノシシの肉を「山くじら」と銘打って特産化に取り組んでいる島根県美郷町は、麻布大(相模原市)と、獣害対策の研究などを目的にした包括的連携協定を結んだ。同町が大学と協定を締結するのは初めて。

(シカ革でトートバッグ:愛媛)
農作物や森林を荒らす有害獣として捕獲処分されているニホンジカの皮を有効活用しようと、愛媛県内の事業者がシカ革を使ったトートバッグを製作した。県の「鳥獣害防止人材育成総合支援事業」の一環。当面は受注販売となる予定で、3月には県庁でサンプル品が公開された。野生鳥獣による被害は、県内では特に南予地域で顕著だ。今回バッグの元になる皮を提供したのは、松野町で有害獣の精肉・販売を手がけるNPO法人「森の息吹」。獣肉加工施設長の森下孔明さん(39)によると、シカは年間350頭ほど処理しているものの、皮は県外のなめし業者に提供したあとは「ノータッチ」だった。「(この事業で)皮の活用に力を入れることができた。ありがたかった」と話す。県からシカの皮の活用を委託されたフードコーディネート会社「フードスタイル」(松山市)の近藤路子社長は昨年、森下さんからこの話を聞き、シカ革バッグを作ることで有効活用しようと考えたという。

(指輪の材料は「野生動物」:愛知)
ジビエ料理に広く利用されるようになってきた野生の鹿とイノシシ。その骨や角を使って工芸品を作る男性が愛知県豊田市にいる。約3年にわたる試行錯誤を経て、今月から本格的に販売を始めた。豊田市の山間部にある足助地区。3棟の手作りの小屋が竹尾博史さん(60)の工房「三州しし森社中」だ。一角のギャラリーに並ぶアクセサリー類は、鹿の角とイノシシの牙が材料。指輪、ネックレス、ピアス、キーホルダー、ブレスレットなどがあり、値段は税込みで1900円から5千円だ。鹿の角からは、燭台(しょくだい)(2万5千円から)やシャンデリア(注文制作、20万円から)も作った。

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