<射撃ニュース4月>
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(吹き矢でシカ捕獲、警戒薄く2日で8頭:北海道)
市街地付近でエゾシカが生息する稚内市では、猟銃に加え、2017年度から麻酔薬を仕込んだ吹き矢でシカを捕獲している。猟銃が使えない市街地でも捕獲するための取り組みで、3年目の本年度は、初めて春と秋の2回実施する。22日から始まった吹き矢の捕獲を取材した。今回は25日までの計4日間の日程で、ノシャップや西浜など市内北地区が中心。吹き矢に使う筒はステンレス製で直径1・6センチ、長さは約90センチと約1・8メートルの2種類を使い分ける。先端に注射針を付けた麻酔の投薬器を入れて、息を吹き込んで飛ばす仕組みだ。22日の午後3時半ごろ、ノシャップ地区のカーリング場近くの草むらに約30頭のシカが群れていた。業務を請け負った札幌市のNPO法人の職員4人が無線でやりとりしながら様子を観察。周囲の安全を確認し、2人が吹き矢を手に、風下から少しずつ歩み寄った。シカも警戒はしているようだが、あまり遠くまでは逃げない。まず最も近くにいたシカに向けて矢を発射。さらに別の個体に向けても何発か放ったが、命中したシカは、少しだけ矢を気にした後、そのまま居続けた。

(野生のイノシシ、渥美半島で根絶へ:愛知)
愛知県の大村秀章知事は22日の定例会見で、豚コレラ感染が確認されている同県田原市などの渥美半島で、野生イノシシの根絶を図っていく方針を発表した。25日に地元自治体や関係団体、有識者による協議会を設置し、捕獲の取り組みを強化する。田原市は同県最大の養豚地域。渥美半島でイノシシの感染は確認されていないが、大村知事は「20年前にはイノシシがいなかった地域。根絶して感染のリスクを減らしたい」と述べた。県は2017年に策定した鳥獣管理計画で、田原市をイノシシの根絶エリアに指定している。

(野生のシカ、ドローン活用で初捕獲:山梨)
山梨大学などによる研究グループが小型無人機=ドローンと先端技術を活用し野性のニホンジカの捕獲に国内で初めて成功しました。増え過ぎたシカの効率的な捕獲につながると期待されています。野性のニホンジカは県内に推定で5万頭余りいるとみられ適正な生息数のおよそ11倍で木を食い荒らすなど生態系を保護する上で課題となっています。こうした中、山梨大学と県猟友会などによる共同研究グループが4月25日、国内初となる捕獲成果を公表しました。キーポイントは熱を感知する赤外線カメラを搭載したドローンとハンターを結ぶ仕組みで山梨大学が開発しました。シカの体温は周囲の森より高いため赤外線カメラは山林に隠れたシカでも画面上に白く姿を捉えることが出来ます。その位置を猟友会のハンターが無線で受け地図で確認しながらシカを追い込む作戦です。南アルプス市で4月20日に行われた実証実験では9頭を発見し1頭を捉えました。この方法はハンターの経験や勘を頼りにしたこれまでの捕獲より安全かつ効率的な捕獲が期待されています。共同グループでは技術の精度を更に高め、シカの捕獲に貢献したいとしています。

(男性が襲われた現場で子グマ駆除:石川)
20日、山菜採りをしていた男性がクマに襲われけがをした金沢市の山間部で、パトロールをしていた後猟友会のメンバーにより子グマ1頭が駆除されました。子グマが駆除されたのは金沢市北袋町の山間部で、21日午前10時すぎ、体長50センチほどの子グマ1頭が猟友会のメンバーにより猟銃で駆除されたということです。現場では、20日午後6時ごろ、山菜採りをしていた70代の男性がクマに襲われ、左足と顔にけがをして金沢市内の病院に運ばれ手当を受けたことから、猟友会のメンバーなどがパトロールを行っていました。金沢市によりますと、けがをした男性は「小さなクマに襲われた」と話していますが、駆除された子グマが男性を襲ったクマと同じか分からないということです。金沢市では、22日、クマが出た場合の対応を確認する会議を開くことにしています。県内では、4月18日にも、小松市の山林で山菜採りの70代の男性が体長1メートルほどのクマに襲われ、けがをしています。

(小学生、イノシシにかまれけが:鹿児島)
鹿児島市皇徳寺台の住宅街で23日午後、小学6年生の男の子がイノシシにかまれて軽いけがをした。男の子が通う宮川小学校によると、午後1時20分ごろ、男の子は友人と一緒に帰宅する途中に県営住宅の駐車場に止めてあった車の下をのぞき込み、中にいたイノシシを手で出そうとした際に左手をかまれたという。男の子は左手に軽いケガをした。かんだのはイノシシの子どもと見られる。学校は、全校児童の保護者に対し「イノシシが出た際には、刺激をせずにゆっくりその場を立ち去るようにして欲しい」と注意を呼び掛けるメールを送った。

(またサルの被害:で京都)
21日午後1時ごろ、京都市東山区泉涌寺山内町の墓園で、歩いていた女性(74)がサルに右脚をかまれ、軽傷を負った。3月下旬以降、同区の寺社などでサルにかまれる被害が相次いでおり、今回で6件目。東山署によると、女性が墓参りの帰りに園内の通路を歩いていたところ、サル2匹が山の斜面から現れ、うち1匹に右太ももをかまれたという。同署によると、これまでと同じサルかは不明といい、「周りをよく見て歩き、サルを見かけても絶対に近づかないでほしい」と注意を呼び掛けている。

(豚コレラ感染イノシシ23頭:岐阜)
岐阜県は23日、中津川市や本巣市など県内14市町で見つかった野生イノシシ計23頭の豚コレラ感染を確認した。中津川市での感染確認は初めてで、長野県境まで約5キロの地点。本巣市の確認地点は福井県境まで約10キロ。県内で感染を確認した野生イノシシの累計は351頭になった。

(野生イノシシに豚コレラ:長野)
岐阜県中津川市で死んでいた野生イノシシ1頭が豚コレラに感染していたことが23日に確認され、長野県は24日、県内の畜産農家らに注意を促す通知を出した。イノシシが見つかったのは木曽郡南木曽町境から西へ約5キロの地点で、中津川市での確認は初めて。木曽地域に養豚農家はないが、県は「侵入リスクが高まっている」として防疫対策の徹底を呼び掛けている。豚コレラウイルスの感染拡大が続く岐阜県は3月下旬から、ワクチンが入った野生イノシシ向けの餌を埋設している。同県畜産振興課によると、中津川市内ではワクチン入りの餌を埋設していないとし「今後埋設するかどうか検討していく」とする。長野県は2月、豚コレラの発生確認が続く岐阜、愛知両県に隣接する木曽、南信州地域を監視強化区域として設定。県鳥獣保護管理員や県猟友会、中部森林管理局(長野市)に監視や見回りを要請し、警戒を続けている。

(ワクチン散布後、イノシシ初感染:愛知)
県は25日、春日井市神屋町で死んで見つかった野生イノシシ1頭が豚コレラに感染していたと発表した。昨年9月に岐阜県で豚コレラが発生して以降、県内での野生イノシシ感染は14頭目だが、今年3月の経口ワクチン散布後に感染を確認したのは初めて。

(鳥獣農作物被害が最少:富山)
二〇一八年度の鳥獣による県内の農作物被害額が六千六百三十四万円だったことが、県のまとめで分かった。前年度よりも二千八百三十九万円減少し、統計を取り始めた一九九九年度以降で最少となった。二十三日に富山市の県民会館で開かれた野生動物被害防止対策会議で、県が明らかにした。県農村振興課によると、農地を囲う電気柵や防護柵の整備が進んだことが減少の要因とみられる。以前から被害が相次いでいた南砺市の一八年度の被害額は五百万円と、前年度から半減。富山市は八百万円と前年度から一千万円減った。被害を受けた農作物のほとんどが稲で食べられたり、通った際に押し倒されたりした。主要鳥獣別にみると、イノシシが五千三百三十二万円(前年度比千九百十八万円減)で最多となり、全体の八割を占めた。カラスが八百二十一万円(八百九十一万円減)、ニホンザルが三百七十二万円(二百六十七万円増)と続いた。過去最多の被害額は、〇二年度の一億四千七百十七万円。一五年度は一億六百十九万円だったが、その後は減少傾向にあり、一億円を下回っていた。

(IoT活用の狩猟わな、鳥獣被害対策で導入:群馬)
群馬県はあらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用した狩猟わなによる鳥獣被害対策に乗り出す。長野原町の牧場で、シカなどの捕獲のため実験的に活用を始めた。獲物を捕獲すると即時にスマートフォン(スマホ)などにメールが届くため、見回りの回数を減らせる。県内の狩猟者は高齢化が進んでいるため、活用を広げて負担軽減につなげたい考えだ。県が活用を始めたのはハンテック(東京・目黒)が開発した狩猟用センサー「スマートトラップ」。磁石付きのフックでセンサーとわなを接続して使う。わなに獲物がかかってフックが外れるとセンサーが感知し、猟師の携帯端末にメールで通知する。おりに獲物がかかると戸が閉まる「箱わな」のほか、ワイヤを脚にくくり付ける「くくりわな」とも接続できる。料金は本体価格が1台税別3万3800円で、システム利用料と通信料が月に同980円。登録した複数の端末にメールを送れるほか、全地球測位システム(GPS)で設置場所を知らせる。過去の捕獲場所や日時をネット上に記録できるため、捕獲の精度を高めることにも役立つ。群馬県は3月から浅間牧場(長野原町)にスマートトラップを導入し、効果を検証している。牧場内では以前から牛の餌となる牧草をシカなどに食べられてしまう被害があった。センサーをくくりわなに付けて捕獲に役立てる。牧場は県が管理しているが、高崎市にある県の鳥獣被害対策支援センターとは車で1時間半ほどの距離があり、見回りに負担がかかっていた。スマートトラップの活用で遠方地の管理効率化をはかりたい考えだ。群馬県内の野生鳥獣による農作物被害額は、2017年度に3億866万円だった。16年度から5%減るなど全体としては減少傾向にあるが、イノシシやシカによる被害額は増加している。狩猟者の高齢化が進む中、県はわなを管理するための自動通報システムの導入を以前から進めてきた。ただ通信費込みで15万円と高価だったり、わなの100メートル圏内に入らないと通知を受け取れなかったりと課題もあった。県は浅間牧場で効果が確認できれば、今後購入したスマートトラップを地域の猟友会に貸し出すなどして活用を広げたい考えだ。

(地震で損壊「シカ柵」設置始まる:北海道)
胆振東部地震による土砂崩れなどで被災した厚真町の農地で23日、営農再開に向けたエゾシカ侵入防止柵の再設置作業が始まった。初日は町や農業関係団体などで組織する厚真町鳥獣被害防止対策協議会のメンバーのほか、地元の農業者や約30人のボランティアを含む合計50人で作業を行った。降雪期までに総延長44キロの再設置作業を終わらせる方針だ。町内では米や麦、大豆などの多くの農作物を生産しているが、近年はエゾシカの食害が多発。農地周辺に柵を設けて侵入を防止する取り組みを進めてきた。しかし昨年9月の胆振東部地震で多くの農地に土砂が流入。延長約46キロの柵が被害を受けたため、国の鳥獣被害総合対策事業の補助金を活用し、再設置することを決めた。初日の作業は幌内地区からスタート。地元農業者の指導の下、5メートル間隔で柱となる高さ2メートルの鉄柱を設置し、ネット柵を取り付けた。札幌市からボランティアで参加した高松優さん(23)は「被害を受けた農家の皆さんの日常生活を取り戻す手助けになれば」と話した。米や麦、カボチャなどを生産する山本隆司さん(54)は「1年かけて育てた作物がエゾシカに食べられると大きな損害。皆さんに柵の設置に協力していただき、本当にありがたい」と感謝の言葉を述べた。ネット柵の設置作業は幌内と吉野、富里、宇隆など6地区(延長約26キロ)が5月5日まで。美里や朝日などの4地区(同10キロ)は6月から作業を始め、幌内と富里、高丘の一部では、収穫を終えてから金網柵を取り付けていく。

(イノシシ捕獲わな、情報通信活用:千葉)
イノシシによる農作物の被害を減らそうと、木更津市はNTT東日本と共同で、ネットワークカメラで捕獲用のわなを監視する実証実験を始めた。監視したデータを分析して捕獲率を高め、肉はジビエ料理として販売する。情報通信技術(ICT)に基づく街づくりの一環で、実験期間は四月から二〇二〇年三月までの一年間。NTT東にとって初の試み。共同実験のパートナーに木更津市を選んだ理由について、同社の担当者は「鳥獣を捕獲するだけでなく、食産業に生かすネットワークがある」と説明した。同様の取り組みは、NTT西日本が長崎・五島列島で先行しているという。実証実験は、被害に悩む市内の山間部二カ所で実施する。わなの形態は、鉄製のおりと自動給餌(きゅうじ)システム、イノシシを監視する赤外線センサー付きカメラからなる。センサーがイノシシを感知すると、撮影した画像が直ちにパソコンやスマートフォンに転送される仕組みだ。捕獲したイノシシの頭数や大きさをデータとして蓄積すれば、生態の把握や効率的なわなの設置が可能になるという。メリットは、捕獲が確認されれば現場に駆け付ければ良く、わなを毎日、見回る必要がなくなること。えさが少なくなれば、パソコンなどで遠隔操作して自動給餌システムを作動させ、補給の手間も省ける。捕獲したイノシシは地元猟友会の協力を得て、ジビエ料理として食肉加工し、市内や東京都内で販売する。

(水路用電気柵で侵入99%撃退:山梨)
野生動物による食害の軽減に向け、県が開発した新しい電気柵が実用化された。従来の柵では難しかった用水路からの侵入防止に的を絞ったタイプで、高い効果が期待される。新しい電気柵は県総合農業技術センターが開発したもので、農業用水路などからの動物の進入を防ぐため、水の流れを妨げない暖簾型になっている。センターは、韮崎市や北杜市の農業用水路で3年間、実証実験を行って効果を確認したところ、二ホンジカは99%、サルの場合は98.9%、その進入を防ぐことができたという。またハクビシンやタヌキなど、小動物にも同様の効果があった。のれん型電気柵は商品化され、今月から販売が始まっている。

(スキー場で子グマ3頭駆除:北海道)
22日午前10時半ごろ、富良野市中御料の富良野スキー場富良野ゾーンで、子グマ3頭がコース内を歩いているのをリフトに乗っていたスキー指導員の女性が目撃し、従業員が富良野署に通報した。猟友会などが捜索し、午後4時ごろ、クマの巣穴を発見、子グマ3頭を駆除した。同署などによると、近くにいるとみられる母グマはまだ見つかっていない。クマ発見後、スキー場は客を下山させて、営業を取りやめた。23日朝から母グマを捜索し、安全が確認されるまで営業再開しない方針。

(野生のサル1匹捕獲:青森)
青森県大鰐町は25日、唐牛地区南部の国道7号沿いの山林付近で野生のサル1匹を捕獲したと発表した。

(小学校でクマ目撃:青森)
24日午前10時頃、五所川原市飯詰にある、いずみ小学校の体育館裏で体長1メートルほどのクマのような動物がいるのを教職員が見つけました。このため、いずみ小学校では歩いて下校する児童の保護者に迎えに来てもらうよう連絡し、引き渡しました。学校から報告を受けた市は県猟友会に付近のパトロールを依頼し、およそ2時間探しましたが今のところクマの手がかりは見つかっていません。いずみ小学校では25日も歩いて通う児童については保護者に付き添いを依頼するなど警戒を続けます。

(クマ目撃相次ぐ:北海道)
21日深夜から22日未明にかけて、札幌市清田区や北広島市の市街地でクマの目撃情報が6件相次いだ。体長約1メートルの同じクマとみられ、道警などが注意を呼びかけている。21日午後11時15分ごろ、札幌市清田区美しが丘4の5の市道で、クマ1頭が歩いているのを通りかかった男性が目撃し、110番した。その直後も付近で同様のクマの目撃情報が2件相次ぎ、札幌豊平署員らが周囲を捜索したところ、21日午後11時45分ごろから22日午前0時半ごろにかけて、同市清田区里塚2の7のカー用品店「イエローハット札幌里塚店」や、北広島市大曲幸町3の「三井アウトレットパーク札幌北広島」の駐車場などで発見した。クマはその後、清田区里塚の里塚霊園方向に走り去ったという。同署などがパトロールを強化している。

(住宅街を歩くクマ:北海道)
札幌市清田区や北広島市でクマの目撃情報が相次いでいますが、23日夜も新たに札幌市南区で、4件の目撃情報がありました。札幌市南区の小学校では教職員らによる見守り登校が実施されました。子どもたちのランドセルには学校で配布されたクマよけの鈴も。住宅街で次々と目撃されるクマ。クマが活発になる夜間や早朝は特に、1人歩きを控えるなど、十分に注意が必要です。

(23日夜もクマ目撃:北海道)
クマの出没が相次いでいる北海道・札幌市で、23日夜もまた、住宅街などでクマが目撃された。クマを目撃した人は、「(クマも)立ち上がってこっち見て、お互いに見つめ合う形で、3分くらいたったら、奥のほうに下りて行った」と話した。南区の真駒内や石山では、バス停付近や住宅街などで、23日夕方以降、体長2メートルほどのクマの目撃情報が4件相次いだ。南区石山では、22日未明にも国道を横断するクマの姿が目撃されている。警察が、パトロールを強化するとともに、付近の小学校も集団下校するなどの警戒を続けている。

(クマ目撃情報:京都)
23日午後1時ごろ、南丹市美山町北のガソリンスタンド東側で「クマを目撃した」と、車で通りかかった人から警察に通報があった。市によると、クマは70~100センチの大きさで、府道38号を北から南へ横断したという。

(子グマ増え、遭遇確率も増加か:新潟)
新潟県は27日からの10連休中、山菜採りや登山で山に入る人が増えると見込まれることから、ツキノワグマへの注意を呼び掛けている。昨秋はブナの実が豊作だったため、子グマの増加が予想されており遭遇する確率は上がる見込みだという。県によると、クマの目撃情報は近年、春にも多い。昨年の目撃・痕跡報告件数は4月35件、5月129件で、山菜採り中に襲われ負傷した人もいた。これまでもブナの実が豊作だった翌年は目撃・痕跡報告件数が増える傾向にあり、注意が必要という。県はクマとの遭遇を防ぐため、ホームページに最新の出没情報を掲載。入山時は単独行動を避けてラジオや鈴など音の鳴る物を持つことや、クマの活動が活発な早朝や夕方の入山を避けることを勧めている。県環境企画課は「10連休に山に入る人は多いと思うが、子グマでも安心できない。近くに親グマが必ずいるため注意してほしい」としている。

(「ピヨピヨ」音でハト撃退:山梨)
「ピヨピヨピヨ」。JR甲府駅南口で鳥の鳴き声のような音が聞こえてくる。道行く人たちが思わず見上げる。音の正体は、駅ビル「セレオ甲府」がハトのフン害を防ごうと3月から設置している「鳥よけ装置」。効果は抜群だという。セレオによると、昨年末から南口にハトの群れが現れ、テナントのコンビニ店やファストフード店のひさしに列を作って止まるようになった。ハトのフンや抜け落ちた羽根で周辺が汚れるようになり、対策に乗り出した。専門業者が開発した装置を約20万円で購入し、ビル壁面に取り付けた。ハトやカラス、ヒヨドリなどが嫌がる周波数の音を流し、約30メートルの範囲で効果を発揮するという。利用者から「あの音は何?」と問い合わせがあり、近くに「鳥糞対策実施中」と記した表示も掲示した。昨秋からビル北側の外階段に装置を設置していたが、南口のハトの増加に伴い移動した。セレオの担当者は「ハトの群れが北口から南口に移動してきたのでは」と推測する。設置から約2か月。店舗周辺にハトの姿はなく、フンや羽根も見当たらない。餌を与える人がいる武田信玄公像の前やバス乗り場付近で数羽が見られるだけだ。今のところ、利用者らから「耳障りだ」といった苦情はないという。セレオはハトの動向を見ながら、設置を続ける方針。担当者は「山梨の玄関口として、お客さまが気持ちよく利用できるようにしたい」と話している。

(カラスの巣は内陸に移動?:宮城)
東北電力送配電カンパニー宮城支社(青田直広支社長)エリアでは、電柱に作られたカラスの巣の除去数が高止まり傾向にある。2018年度は過去10年間で最多の2677個を除去。17年度は2112個と前年度より少なかったが、15、16年度はともに2500個を超えている。カラスが営巣していた沿岸部の防風林などが東日本大震災による津波で流され、内陸部の電柱に移動してきた可能性もあるという。営巣が盛んになるのは3~5月。この時期、同支社ではカラスとの知恵比べに追われている。

(カラスの巣の撤去作業を公開:新潟)
新潟市内にある電柱です。東北電力がパトロール中にカラスの巣を発見しました。ハンガーなどの針金が電線と接触することで漏電し、停電につながる恐れがあります。新潟県内で今年、巣による停電の被害はすでに6件報告されていて、撤去した巣の数は1770個に上ります。カラスは繁殖期の3月から5月にかけて巣を作ることから、作業員は撤去に追われています。撤去した後は同じ場所で巣を作らないよう防止器具を設置しました。

(カラスが巣作りの季節、東北電は617個除去:青森)
3~5月はカラスの巣作り、子育ての時期。カラスはひなを見守りながら餌取りができる、見晴らしの良い電柱に巣を作る傾向があるが、巣の材料が電線に触れて停電が起こるケースがあった。東北電力が今春も3月1カ月間で617個を除去したが、巣が原因とみられる停電が八戸、弘前両地区で発生しており、同社は「巣を見掛けたら教えてほしい」と呼び掛けている。

(停電防止へカラスの巣除去:長野)
中部電力諏訪営業所(下諏訪町)が、停電防止のために電柱上部で行うカラスの巣の除去がピークを迎えている。電気の流れを制御する「開閉器」付近などに営巣すると停電の原因になり得ることから、産卵期のこの時期は多い日だと1日約15カ所で作業。除去してすぐに同じ場所で営巣するケースがあり、対策に苦慮する面もあるという。24日は諏訪市湖南で作業した。産卵期の巣の除去は2月下旬から5月の連休明けごろまでが中心。今季は諏訪6市町村や辰野町などの同営業所管内で昨季より80カ所ほど少ない約350カ所で確認し、これまでに約190カ所で除去した。開閉器周囲など停電が発生しそうな巣から優先的に撤去。可能性が低い場所は9月ごろまでに行う予定。湖南での作業は高所作業車のバケット部分に2人が乗り、地上の1人と連絡を取って安全を確保しながら進めた。作業員が感電しないよう電線周辺を絶 縁カバーで覆ってから取り除いた。カラスが運んだとみら れる木の枝などで作られた巣は直径40センチ、高さ20センチほどで標準的な大きさという。巣の中にはカラスの卵が四つあった。卵の採取は県の許可を得ているという。作業は20分程度で終わった。同営業所によると、カラスの習性か除去しても 同じ場所に営巣することがあり、「プロペラ」と呼ばれる小型の風車を設け、物理的に営巣できないようにしているという。ただ、そのような対策を取っても隣の電柱に営巣してしまうなど「いたちごっこになっている」という。同営業所は「これからも停電の未然防止に努めたい」としている。

(希少ワシが「鉛中毒死」狩猟の鉛弾が原因:アメリカ)
米アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州にまたがるイエローストーン国立公園はアメリカ初の国立公園であり、世界遺産にも登録されている。手つかずの自然や野生動物を一目見ようと毎年多くの観光客が訪れるが、その公園周辺は絶好の狩猟地となっており、ハンターたちが使用する鉛弾によって希少なワシが危機的状況にあることが明らかになった。2018年12月6日、イエローストーン公園北部ファントム湖の近くでイヌワシ(Golden Eagle)が死んでいるのが発見された。このイヌワシは同公園内で初めて小型の無線送信機を装着した5歳のメスで、渡りの実態や生殖、生態、行動などついて調査が行われていた。調査はイエローストーン国立公園だけでなくモンタナ大学、同公園の保護・教育に携わるNPO法人「イエローストーン・フォーエバー(Yellowstone Forever)」、アメリカ地質調査所が中心となって実施されていたが、このほどイヌワシが「鉛中毒」により死亡したことが公表された。集められたデータによると、イヌワシは2018年秋の狩猟シーズンに公園北側の広い範囲を移動していたことが分かっている。この時期は公園の近くで狩猟が盛んに行われていたため、イヌワシはハンターによって放置されたシカの肉片と一緒に鉛弾の破片をついばみ、高濃度の鉛中毒に陥ったようだ。調査チームは、タカやフクロウなどの猛禽類はシカの臓器などを好んで食べることから、被害はイヌワシだけに留まらないとみている。オレゴン州で30年以上にわたり鉛中毒から鳥類を救う活動をしている「ブルー・マウンテン・ワイルドライフ・リハビリテーション&教育センター」の理事であるライアン・トンプキンスさんは、鉛中毒の恐ろしさについて『The Dodo』にこう語っている。「鉛によって神経系が冒された鳥は、脳や筋肉だけでなく身体の全ての運動能力に影響が現れます。徐々に身体が衰弱し、立つことさえできなくなり、呼吸困難に陥るのです。くちばしを開けることもできず死に至ります。」「オレゴンのセンターでは2016年に160羽の鳥の調査を行っていますが、ワシの80%、タカの30%、アメリカワシミミズクの25%の血液中に鉛が発見されました。また保護して治療を施しても、頭部を真っ直ぐ保つことができず身体が麻痺したイヌワシが命を落とすことは珍しくありません。鉛弾でなくても狩猟は可能であるにもかかわらず、いまだに広く使用されていることに憤りを感じます。」この調査結果はオレゴン州のものであるが、猛禽類はかなり高い確率で鉛に汚染されていることが分かる。アメリカでは2017年、当時の大統領バラク・オバマ氏が任期が切れる直前に、米魚類野生生物局が管理している連邦政府の所有地での鉛弾や鉛の釣り具の使用を禁止した。しかしその2か月後、当時の内務長官ライアン・ジンキ氏が再び使用を認める決断を下していた。『The Guardian』によると、鉛弾の使用についてスポーツハンティング愛好家らは次のように述べている。「鉛弾は数百年にわたり狩猟で使用されており、代替弾は費用が高くつきます。イヌワシの生息数が減少しているとすれば、鉛弾だけではなく生息地の減少や風力発電など他の要因もあるはずです。ハンターが残していった肉片や臓器が環境に大きな影響を与えるのであれば、土に埋めて処理するなどの方法をとることも可能なのです。」しかし、イエローストーン国立公園の調査に携わる研究員や野生生物学者らはこのように主張した。「鉛中毒が深刻な問題になっているのは誰もが知るところです。ただ今回の調査で、イエローストーン国立公園のように野生動物が保護されている区域に生息する鳥たちにも、鉛の被害が広がっていることが明白となりました。公園内でのイヌワシの数はいまのところ安定していますが、生殖能力が低下しています。今年の初めには新たに5羽のイヌワシに無線送信機が装着されました。まだ調査は始まったばかりですが、公園の境界付近で行われている人間の活動によって希少な生き物が死に至る可能性があることを多くの人に知ってもらいたいと思います。」

(イノシシ肉の新料理続々:石川)
白山麓で地元産のイノシシ肉を使った新メニューを考案する飲食、宿泊施設が増えている。今年の干支(えと)が「亥(い)(イノシシ)」であることを商機とし、一般的な鍋や丼物に加え、チャーシュー、骨付きステーキなど食べ方を工夫したジビエ料理が目立ってきている。関係者は霊峰白山の恵みをアピールするとともに、地域の獣害対策にもつながると期待している。白山市瀬波の研修交流館「白山里」では23日から、イノシシ肉のチャーシューを具材にしたラーメンの提供を開始する。施設周辺では近年、イノシシが田畑を荒らす被害や、のり面から道路に石を落とすケースが見られ、地元で捕獲されたイノシシを有効利用しようと、料理担当の葛西正幸さんがチャーシューに加工することにした。チャーシューはロースやもも肉の表面を焼いた後、特製の甘辛いたれで煮込んで肉と脂の味を引き立たせているそうで、あっさりとしたしょうゆ味のスープ、麺と合わせた。今後はイノシシ肉のしょうが焼きも提供する予定で、葛西さんは「イノシシ肉はまだ『臭い』『硬い』などのイメージが強いが、加工や調理次第でおいしく食べられることを知ってほしい」と力を込めた。白山一里野温泉の「一里野高原ホテルろあん」(同市尾添(おぞう))では亥年にちなみ、館内の食事処(どころ)で、手づかみで食べることができる骨付きのリブロース、トマホークステーキを販売している。白山麓の獣肉加工施設で処理された熟成肉を使い、リブロースはいろりの炭火で客自身が焼き上げ、トマホークは鉄板焼きで出している。食べた人からは「柔らかくてがぶりとかみつける」「ジビエがこんなにおいしいと初めて知った」と好評だという。ホテルではこれからもイノシシ肉を使った新メニューを出す方針で、山崎太一朗社長は「白山で育ったイノシシがおいしいと周知していきたい」と話している。

(シカ肉、くせなくヘルシー:山梨)
全国でシカやイノシシによる森林や農作物への被害が深刻化する中、山梨県でもシカ肉の食用が徐々に広がっている。臭みが少なく食べやすいシカ肉は評判も高く、県も独自の認証制度を設けて安全性をアピールする。ジビエ肉の活用が進む富士河口湖町を訪ねた。フランス料理店「TOYOSHIMA」の店主、豊島雅也さん(34)はシカ肉の調理だけでなく、狩猟から解体までする。かつて、地元の猟師からもらったシカ肉の料理を店で出したところ、客に好評だったため、メニューに加えたという。豊島さんによると、シカ肉の硬さや臭いは処理方法だけでなく、性別や季節によっても変わってくる。「食べ慣れていない人には冬に取れるメスが、くせが少なく食べやすい。何度か食べたことのある人は脂の乗った春先から秋ごろのオスを試してほしい」

(捕獲イノシシをカレーに:佐賀)
厳木高(唐津市)の食物研究部が、農作物を食い荒らすイノシシの捕獲後の処分に悩んでいた地元住民の要望を受け、イノシシ肉を使ったカレーを開発した。肉特有の臭みを消し、軟らかく煮込んだカレーは「おいしい」と好評。道の駅厳木「風のふるさと館」(同市厳木町)で、「厳木ウマ猪(イノ)カレー」の商品名で販売されており、新たな特産品として人気を呼びそうだ。同部はお菓子作りや調理に取り組み、男女9人が所属。イノシシカレーの開発に着手したのは、地域住民からの悩み相談がきっかけだった。山間部に位置する同町浦川内地区では、放棄地が増えたことなどを理由に10年ほど前からイノシシによる農作物被害が深刻化。被害対策に取り組む「浦川内を守る会」は昨年1年間で53頭を捕獲した。ただ、捕獲後に住民がせっかくイノシシ肉を使った料理を作っても独特の風味を苦手とする人も多く、解体にかかる手間もあり大半を埋設処分せざるを得なかったという。そこで同会は昨年、親交のあった食物研究部に調理を依頼。部員らによるイノシシカレーの開発が始まった。部員らはイノシシの栄養成分を学び、骨部分と一緒に臭み消しのネギやショウガなどを計12時間煮込んだコラーゲンたっぷりのスープを開発。風味が強く、歯応えがある肉はしょうゆや酒で下味を付け、煮込むタイミングを試行錯誤して程よいやわらかさを追求した。完成後に開いた試食会では、地域の人から「おいしい」と好評を博した。レトルトカレーの製造には障がい者就労支援施設「イエローキッチン」(同市相知町)が協力。守る会が先月から販売を始めた。食物研究部3年の堂脇琴美さん(17)は「お肉も軟らかく、食べやすい味になっているので一度口にしてほしい」と期待を込める。

(国のジビエ認証、県内初登録:長野)
諏訪郡富士見町の「信州富士見高原ファーム」の食肉処理加工施設が、農林水産省が2018年5月に制度化した「国産ジビエ認証施設」に登録された。県内初で、全国では3番目。適切な衛生管理や流通規格に従ってジビエ(野生鳥獣肉)を扱っているとの認証で、登録施設だけが使えるロゴマークをジビエのパックに貼って安全性をアピールすることができる。農作物保護のために捕獲された鹿やイノシシの食肉利用を進めるのが制度の目的。捕獲や解体、搬送の際の衛生指針や、モモやロースなど部位別の切り分け方を定めた「カットチャート」を順守しているかどうかを認証機関が審査する。認証機関は日本ジビエ振興協会(茅野市)、ジビエラボラトリー(広島市)。信州富士見高原ファームは、13年に町内の猟友会員らが設立。富士見町内に14年に開設した加工施設では町内で捕獲した年間約300から350頭のニホンジカの肉を処理している。県内外のレストランに卸したり、パック詰めを大手スーパーなどで販売したりしている。3月29日付で登録された。加工施設では、肉の処理では毛が付着しないようにするなど衛生管理を徹底。パックには鹿の捕獲日や体重、性別などを表示するQRコードを印刷したシールを貼り、捕獲以降の過程をたどることができるトレーサビリティー(生産流通履歴)を確保している。こうした取り組みが登録につながった。同ファームの戸井口裕貴さん(38)は「(登録によって)鹿肉になじみのない人が食べるきっかけになればうれしい」と話した。日本ジビエ振興協会によると、ジビエ処理施設は現在全国約600カ所で、県内は33カ所。藤木徳彦代表理事(47)は、登録制度がジビエの品質の担保や形状の均一化に役立つとし「外食産業でも扱いやすくなり、消費拡大につながる」と期待している。

(「ひたジビエ」加工作業見学:大分)
福岡市の人気飲食店の料理人たちが、日田市上津江町の市獣肉処理施設で、野生獣肉「ひたジビエ」の加工作業を見学した。施設を運営する獣肉処理施設管理組合の組合員による丁寧な作業に、参加者は品質への信頼を深めていた。同市では、商品の販売体制の構築などを目指して市ジビエ推進協議会を設立し、委託を受けた「ラブエフエム国際放送」(福岡市)がPRや販路拡大キャンペーンを展開。見学会は、キャンペーン参加店からの要望を受けて、同社が企画した。2017年にも行われ、新規取引につながった。17日にあった見学会には3店舗から4人が参加し、シカ肉の加工作業を見学した。組合員2人が、食べた時に口に残るという肉の筋や薄膜を器用にナイフを使って取り除く様子を、参加者はじっくり見たり写真を撮ったりしていた。日本料理店「久岡家」店主の久岡久志さん(57)は「ひたジビエはクセがなくおいしい。どんな場所で、どんな人がさばいているのか直接見られて、より安心して料理に使えます」と話した。

(猟師直結の精肉工場から猪を『一頭買い』:東京)
株式会社Labotホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役社長:日下部 繁次)は、東京都浜松町にあるジビエをカジュアルに楽しむ「町屋個室×肉バル ジビエズマーケット 大門・浜松町店」にて、猪の『一頭買い』を開始。猟師と直結の精肉工場から仕入れた猪肉を、希少部位を含め、多彩なメニューにてご提供いたします。

(二ホンジカの毛皮を使った純国産カーミットチェアカバー)
アウトドアギアメーカ「野良道具製作所」(株式会社ノラクリエイト 代表:里崎亮)は、害獣駆除で狩られた動物の有効利用を考える狩猟者団体「物語」と共同で製作した、二ホンジカの毛皮を用いたカーミットチェアカバー「OCHIBA」をクラウドファンディングCAMPFIREで先行リリースいたしました。

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(クマに襲われ、山菜取りの男性けが:石川)
20日午後6時ごろ、金沢市北袋町で、山菜採りをしていた同市内の男性(72)がクマに襲われた。顔を爪で引っかかれ、左足をかまれるなどのけがを負い、家族の車で病院に運ばれた。意識はあり、命に別条はないとみられる。金沢中署や金沢市によると、現場は障害者支援施設「愛育学園」裏の土手で、男性が1人で山菜を採っていたところ、クマに襲われた。その後、クマは去り、男性が妻に連絡し、助けを求めた。市は「クマ人身事故情報」のメールを配信し、同署は周辺をパトロールした。石川県内では18日、小松市の山中で山菜採りをしていた70代男性がクマに襲われて大けがを負う被害に遭ったばかり。県によると、今年の目撃件数は17日時点で6件だった。

(クマ1頭捕獲、タグを付け解放:岡山)
19日午前11時半ごろ、岡山県和気町北部の田土地区で、雄のツキノワグマ1頭がイノシシ用のおり(高さ、幅各1メートル、奥行き2メートル)に入っているのが見つかった。町や県によると、推定3、4歳で体長1・33メートル、体重48キロ。捕獲場所が集落から離れており、人に被害を与える恐れは低いとして、山に放された。同町佐伯庁舎から北東に約4キロの山中におりはあり、巡回中の林野庁岡山森林管理署の職員が発見した。町を通じて連絡を受けた美作県民局の特定鳥獣専門指導員が麻酔銃で眠らせ、個体を識別するタグを付けてから解放した。同町内では昨年2件の目撃情報があったという。同県民局は「冬眠から目覚め、餌を探して南下したとみられる。山に入る際は、ラジオや鈴などで自分の存在を知らせるとともに、足跡を見つけたら急いで引き返してほしい」としている。県のまとめでは、18年度の出没件数は186件で前年度の126件を上回っている。

(サルのかみつき被害多発:京都)
京都市内の人気観光地で2月中旬以降、野生のニホンザルのかみつき被害が30件以上相次いでいる。群れからはぐれた親子が観光客を襲ったとみられ、市や京都府警は「ここまで被害が連続するのは聞いたことがなく、異常事態だ」と警戒を強めている。市によると、京都市街東側に広がる山沿いで、外国人を含む約30人が被害に遭った。南禅寺や知恩院、伏見稲荷大社などでの出没が多く、今月上旬には花見客も襲われた。近づいてくる子ザルに気を取られ、直後に現れた親ザルにかみつかれるケースが多く、同じ親子ザルによる被害との見方が強い。京都市動物園の岡橋要さん(51)は「群れからはぐれ、人間から餌をもらうことに慣れたサルではないか」と分析する。住民の高齢化などによる里山の荒廃を背景に、観光名所や住宅地に山が迫っている市街東側では、餌を求めたり、迷ったりした野生動物が人間の生活圏に出没しやすいという。子ザルは警戒心が薄く、餌を期待して人間に近づくことが多い。親ザルが攻撃する理由について「危険を感じて、子を守ろうとしているのだろう」とみている。鳥獣保護法で原則禁じられている上、サルの行動範囲が広いので、捕獲は現実的ではない。市の担当者は「威嚇して追い払うしかない」とため息をつく。市職員らが、3月から大きな声や音を出して周辺を巡回し、4月には民間警備員を増員。近隣の警察署は、4カ国語で注意を呼び掛けるチラシを作って観光客に配布するなど、啓発を強化している。「山に食べ物が増える時期で、今後被害は減るかも」と岡橋さんは推測する。とはいえ油断禁物だ。「見掛けても絶対に餌をあげたり近づいたりせず、目をそらし、後ずさりして逃げてほしい。子ザルにも気を付けて。そばには必ず親ザルが目を光らせています」(

(110人態勢でサル追い払い:青森)
青森県大鰐町唐牛地区の町道で、サルに追い掛けられたとみられる児童2人が車にはねられ重軽傷を負った事故から8日目の18日早朝、大鰐町は町職員や猟友会、地区住民ら約110人態勢でサルの追い払いを行った。大規模な追い払いは事故後初。関係者は「1匹発見したが、本当は捕獲できればよかった」と話した。

(クマ目撃か:静岡)
浜松市浜北区大平の新東名高速道の橋脚付近で「クマを見た」という情報があり、地元住民らが警戒している。住民らによると18日午前11時半ごろ、同高速道浜松サービスエリア上りから西に約1キロの雑木林で子グマらしき動物2頭が歩くのを、近くに住む女性(66)が自宅から見た。この女性は「カモシカより丸く、黒色だった」と話す。女性の相談を受けた自治会役員が隣保班長を通じて地区内の100軒以上に情報を伝え、同市や浜北署に通報した。同市林業振興課と同署がそれぞれ同日中に現地を確認し、クマは見つからなかったが、同署はパトロールを強化して警戒を続けている。大平町内会長の矢部健一さん(68)によると、大平地区では数年前にもクマの目撃情報があった。矢部さんは「橋脚の下部周辺はフェンスや川があって民家とは隔てられているが、もし本当にクマだとしたら怖い。においの強いゴミを出す際には注意してほしい」と呼び掛けている。

(クマ目撃相次ぐ:北海道)
21日深夜から22日朝にかけて、札幌市清田区や北広島市の市街地でクマの目撃情報が7件相次いだ。道警によると体長約1メートルの同じクマとみられ、道警などが注意を呼びかけている。21日午後11時15分ごろ、清田区美しが丘4の5の市道で、クマ1頭が歩いているのを通りかかった男性が目撃し、110番した。札幌豊平署員らが周囲を捜索したところ、21日午後11時45分ごろから22日午前0時半ごろにかけて、清田区里塚2の7のカー用品店「イエローハット札幌里塚店」や、北広島市大曲幸町3の「三井アウトレットパーク札幌北広島」の駐車場などで発見。クマはその後、清田区里塚の里塚霊園方向に走り去ったという。22日午前7時ごろには、「ニトリ平岡店」(清田区平岡1の6)近くの路上で、地元住民が「クマ1頭を目撃した」と北広島市役所などを通じて同署に通報。同署員らが周囲を捜索しているが見つかっていない。現場は札幌真栄中から約200メートルの住宅や商業施設が立ち並ぶ地域で、同署などがパトロールを強化している。

(クマ3頭目撃:秋田)
19日午後2時半ごろ、秋田県横手市山内大松川の県道近くの山林で、クマ3頭がいるのを車で通り掛かった70代男性が見つけ、横手署に届け出た。被害は確認されていない。

(カラスが原因で停電:鳥取)
中国電力からの情報によりますと、13時05分頃から北栄町江北、国坂、国坂浜地区の約240戸で発生していた停電は、14時41分に復旧しました。停電の原因は、カラスの電線接触による感電との事。

(イノシシ料理たくさん:佐賀)
イノシシ肉料理を楽しめるイベントが20日、佐賀市城内1丁目の「JONAI SQUARE GARDEN」で始まった。武雄市の特産品などを扱う催しの一環で、同市にある食肉加工会社「やまんくじら」で処理した肉を使っている。「猪(しし)、食いねぇ!武雄マルシェ」で、28日までの土日に開かれる。初日の20日は10店ほどが軒を連ね、イノシシ肉を使ったピザやハンバーグ、串焼きなどを来場者が楽しんでいた。家族と通りかかったという吉野ケ里町の原井悠輔さん(25)はイノシシ肉入りのカレーを食べたといい「臭みもなく、おいしかった」と話した。

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4/19
(クマ、男性けが:石川)
18日午前6時58分ごろ、小松市大杉町の山中で山菜採りをしていた同市の男性(71)がクマに襲われたと119番通報があった。男性は顔や胸、手を負傷して金沢市内の病院に搬送されたが、意識はあり、命に別条はないという。石川県内でクマによる人身被害は今年初めて。県猟友会は「冬眠から覚めた今の時期が最も危ない。子育て中の母グマは警戒心が強く、気が立っている」と注意を呼び掛けている。市や小松署によると、現場は、里山自然学校大杉みどりの里から南に約500メートル離れた林道で、クマは体長約1メートルの成獣とみられる。男性は、1人でバイクに乗って杉の子広場の登山口から山に入った後、クマに襲われ、男性が家族を通じて通報した。林道には、男性の所有物とみられるバイクと、山菜が入ったショルダーバッグがあった。バッグには複数の血痕があり、中にはゼンマイが入っていたという。市は、杉の子広場など近隣5カ所に看板を設置して注意喚起した。防災メールを配信したほか、署や猟友会員ら約20人が周辺のパトロールに当たった。現場近くにいた金沢市内の女性は「友人と4人で登山に来たが、山に入らないよう注意を受けた」とパトロールの様子を遠巻きに眺めた。地元の大杉本町町内会長の角義美(すみよしみ)さん(65)は「朝8時ごろに市役所から連絡があり、電話で住民に注意を呼び掛けた。クマの足跡があると聞いたことはあるが、襲われた話は初めて」と驚いた様子だった。県によると、昨年のクマによる人身被害は金沢市内で2件。今年の目撃件数は17日時点で6件となっている。県猟友会能美小松支部長の太田博士さん(64)は「冬眠から覚めたばかりのクマは腹をすかせており、活動が活発になるので山に入るときは十分注意してほしい」と話した。

(クマ目撃相次ぐ:北海道)
18日午前8時40分ごろ、札幌市南区石山の草地で、クマ1頭が歩いているのを近くに住む女性が目撃し、札幌南署に通報した。同署によると、クマは体長約1メートルで、付近の山林に立ち去ったという。現場は市立石山東小から南に約500メートルの住宅街。約1時間後にも現場から西に約700メートル離れた草地でクマの目撃情報があり、同署が警戒を呼び掛けている。市内では昨年より16日早い8日に、今季初めてのヒグマの出没が藻岩山の自然歩道で確認されている。

(イノシシ箱わな捕獲、ミカン廃棄場で成果:静岡)
野生鳥獣による農作物被害の対策を考えている県森林・林業研究センター(浜松市浜北区)は、ミカンの廃棄場所に箱わなを仕掛けてイノシシを捕獲する方法で成果を挙げている。出産で個体数が増える五月以前に捕まえることができるという。今後は講習会などで農家に方法を広める。イノシシの捕獲は、一般的には、米ぬかをまいておびき寄せ、警戒心が薄くなったところで箱わなを仕掛ける。十一月から翌年四月ごろまで廃棄が続くミカンは、イノシシにとっては餌の少ない冬場の貴重な食料になっているとみられる。研究センターは、「ミカンの廃棄場所が、自然の餌付け場所になっているのでは」と推察。昨年二月上旬から四月中旬に捕獲実験を実施した。イノシシの成獣は幼獣に比べ警戒心が高いことが、これまでの研究で明らかになっているが、三月九日~四月十五日までに四頭の捕獲に成功した。センターでは、廃棄場所に現れるイノシシは食べ慣れたミカンに対して執着心があるとみている。研究センターの水井陽介上席研究員(39)によると、二〇一七年度の県内の野生鳥獣による農作物被害額は約三億一千九百万円で、このうちイノシシによるものは一億三千六百万円。「廃棄されたミカンを食べることで餓死が減ったり、丈夫な子が生まれたりしている可能性が高い。今回の方法を用いれば、個体数の増加も防げそう」と期待している。

(狩猟免許取得、3年連続100人超:秋田)
秋田県内の新たな狩猟免許取得者がここ3年、年間100人を超える高水準だったことが17日分かった。いずれの年も取得者に占める20~40代の割合は5割以上で、若年層の取得が目立つ。一方で、免許所有者の総数は高齢者の引退で右肩下がり。鳥獣害が増える中、狩猟者確保の課題は棚上げされたままだ。仙北市の会社員藤島亜砂美さん(35)は、昨年12月の狩猟免許試験で、わなを用いた猟の免許を取った。それまで家庭では、狩猟免許を持つ夫と義父が捕ってきたウサギなどを調理する役だった。調理するうち、自分も捕ってみたくなった。年4回ある免許試験で、藤島さんが受験した回は24人が挑み、20人が合格。うち40代までの合格者は13人と過半数だった。県自然保護課によると、県内で狩猟免許を新規取得したのは、2016年度108人、17年度188人、18年度165人。同課に統計が残る1993年度以降で100人を超えたのは、16~18年度を除けば、02年度(115人)の1回だけ。10年度は28人まで落ち込んだ。ここ3年間は近年では高水準だ。

(停電の原因「カラスの巣」撤去急げ:秋田)
東北電力送配電カンパニー秋田支社は、カラスが電柱に作った巣の撤去作業に追われている。今年は3月末までに400個以上の巣を撤去した。巣が原因の停電も発生しており、同支社は「電柱に巣を見つけたら速やかに連絡してほしい」と呼び掛けている。16日には、秋田市雄和芝野新田の電柱にある巣を撤去した。木の枝で作られた巣は地上約12メートルにあり、高所作業車に乗った社員が専用の機材で巣を壊し、5分ほどで作業を終えた。同支社によると、カラスは毎年3月以降に繁殖期を迎え、4月中旬~5月上旬に巣作りのピークを迎える。同支社は毎年この時期、管内の7電力センターで分担して電柱をパトロールし、巣を見つけ次第撤去している。

(停電の原因となる電柱に作られたカラスの巣の撤去作業:愛知)
停電の原因となる電柱に作られたカラスの巣の撤去作業が、名古屋市港区の公園で公開されました。撤去作業は中部電力が港区の宝神中央公園で公開しました。カラスの巣作りは2月から6月にかけて最も多くなります。巣を作るために集めたハンガーや針金などが原因とみられる停電は、2018年に愛知県で54件報告されています。作業員が高所作業車に乗って慎重に巣を取り除いていました。中部電力は巣を見つけたら近くの営業所に連絡するよう呼び掛けています。

(拳銃5丁と散弾銃、実弾など隠し持つ:埼玉)
自宅に拳銃5丁と散弾銃1丁、実弾などを隠し持っていたとして、埼玉県警組織犯罪総合対策本部(薬物銃器対策課)と越谷署は18日までに、銃刀法違反(複数所持など)と火薬類取締法違反(所持)、大麻取締法違反(所持)の疑いで、川口市東領家、建設作業員の男(50)を逮捕し、さいたま地検に送検した。逮捕容疑は3月26日、自宅で拳銃5丁と散弾銃1丁、実弾69個、散弾32個を所持した疑い。また、同日、自宅で大麻約0・73グラムを所持した疑い。県警は銃刀法違反容疑の認否を明らかにしていない。大麻取締法違反容疑については「覚えていない。分からない」と否認しているという。同課によると、押収された拳銃5丁の内訳は、フィリピン製の38口径回転弾倉式拳銃2丁、口径9ミリの自動装てん式拳銃2丁、改造されたとみられる箱型拳銃1丁(縦4センチ、横12センチ、厚さ1センチ)。散弾銃は水平二連式の全長75センチで、県公安委員会の許可を得ていなかった。いずれも殺傷能力があり、新品ではないが、過去に事件などで使用された形跡はないという。実弾は装てんしていなかった。男に関して覚せい剤取締法違反容疑が浮上し、自宅を捜索したところ、拳銃などが見つかったという。県警は3月26日、銃刀法違反容疑などで、男を現行犯逮捕。16日に大麻取締法違反容疑で再逮捕していた。県警は拳銃などの入手元や隠し持っていた経緯について調べている。同課によると、県内でこれだけ複数の拳銃が一度に押収されるのは珍しいという。県警が昨年1年間に押収した銃器は前年より2丁少ない17丁で、押収数は全国5位だった。うち8丁が暴力団の管理下にあるものだった。発砲事件は2年連続でなかった。

(格闘家がジビエの道へ:和歌山)
総合格闘家「ジャイアン貴裕」としても活動している鈴木貴裕さん(32)=和歌山県古座川町宇津木=がこの春から、古座川町の鳥獣食肉処理加工施設「古座川ジビエ山の光工房」(古座川町月野瀬)で働き始めた。先輩たちから狩猟や解体の技術を学び、今後はアスリート向けのジビエのPRにも力を入れていきたいという。鈴木さんは千葉県出身。自然豊かな場所で暮らしたいと白浜町出身の妻と2014年に生まれた長女と共に、17年に古座川町に移住した。県ふるさと定住センター(同町直見)で移住の支援員として2年間勤務し、この4月から町の臨時職員(鳥獣害対策実施隊員)として山の光工房で働くことになった。鳥獣肉の中でも特にシカ肉は高タンパク、低カロリーで、鉄分が豊富であるなど栄養価が高く、アスリートの体づくりに適した食材。鈴木さんは移住前から同町のジビエに関心があり、この工房が15年に設立されたことも移住を決めた理由の一つだったという。移住を機に町の鳥獣害担当職員と知り合い、工房で働く以前から町産鳥獣肉のブランド「古座川ジビエ」のPRに関わってきた。狩猟免許は昨秋取得。今年3月には猟銃の所持許可も取った。シカの解体も勉強中だ。

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4/18
(サル害やまぬ:京都)
京都市内で子連れのサル、京都市伏見区役所深草支所提供=による人的被害が相次いでいる問題で、東山署は16日、9日以降新たに東山区と伏見区でサルに襲われたり威嚇されたりする被害が計3件あったと発表した。いずれもけが人はなかったが、同じサルとみられる。市によると、2月中旬から東山、左京、伏見区などで被害は計24件を数え、約30人がかまれるなどして軽傷を負った。

(クマ被害防止へ、対策を確認:青森)
ツキノワグマの活動が今後活発になることから、人や農産物の被害を防ぐための会議が青森県庁で開かれ、関係機関が協力して注意喚起や防止対策に取り組むことを申し合わせました。17日、県庁で開かれた会議には県や警察の担当者が参加し、ツキノワグマの出没状況が報告されました。報告によりますと、去年1年間に県内でクマの出没が確認された件数は400件で、前の年を19件下回りました。このうち人的な被害に至ったのは3件で、去年7月には深浦町で犬の散歩中にクマに遭遇した60代の男性が顔面や腹などにけがをしています。またとうもろこしやスイカなどの農作物を荒らす被害は21件で、被害金額は323万円でした。例年、4月ごろから冬眠から冷めたクマの活動が活発になるとして、会議では、クマ出没の最新情報を県のホームページでいち早く伝えるほか、多く出没する場所に電気柵を設けるなど、関係機関が協力して対策に取り組むことを申し合わせました。県自然保護課の工藤亨課長は「山に入る際は、最新の出没情報を確認し、対策を十分にしてほしい」と話していました。

(クマ活動期、入山注意を:青森)
本格的な山菜採りシーズンを前に、ツキノワグマが行動を活発化し始めている。クマと遭遇したら「背中を見せて走って逃げない」など、青森県は出没対応マニュアルや被害防止のリーフレットを作成し、入山者や地域住民に注意を呼び掛けている。

(高校生、ジビエカーでイノシシ実習:岡山)
有害鳥獣として捕獲したイノシシやシカを食肉に処理するためのジビエカーを使った実習が15日、真庭市の高校で行われました。2トントラックを改造したジビエカーは、捕獲したイノシシやシカを現場近くで速やかに処理できるよう冷蔵室などを備え、真庭市が先月導入しました。このジビエカーを使った実習が真庭市にある真庭高校久世校地で行われ、食品加工などを学ぶ食品科学科の3年生5人が真庭市内で捕獲されたばかりの重さ50キロほどのイノシシの1次処理を体験しました。生徒たちはいずれもイノシシの1次処理作業は初めてということで、経験者から指導を受けながら作業に取り組んでいました。生徒の1人は「本物のイノシシを目の当たりにして恐怖を感じました。大変でしたが、生き物の命の大切さを学べました」と話していました。また、真庭市農業振興課の村松諭さんは「今後も猟友会や真庭高校と連携して、いろんな鳥獣害対策ができたらと思っています」と話していました。

(サル出没:佐賀)
佐賀市蓮池町にサルが出没しました。こちらは、午後5時ごろの映像です。佐賀市蓮池町では、最近たびたびサルが目撃されていて、17日は午後5時頃、姿を現しました。警察は、もしサルを見かけた際は、「歯を見せない」「不用意に近づかない」「目を合わせない」ことなどを呼び掛けています。また、佐賀市教育委員会も市内で目撃情報が相次いでいることから、学校に注意を呼び掛けています。

(イノシシ食べて愛を叫ぶ:佐賀)
今年のえと「亥年(いどし)」にちなんだイベント「猪(いのしし)喰(く)って想(おも)いのたけを叫べ!唐津絶景!大声大会」が20日、唐津市浜玉町横田下の観光花園「ブーゲンの森」野外特別会場で開かれる。

(敵はイノシシなり:群馬)
10年にわたる研究の末、イノシシ除よけに青色が効果があることを突き止めた生物資源研究部。大発見の裏側には命と向き合う日常生活があった。「え~と、イノシシの……」とある日の休み時間、廊下で先生に呼び止められ、アカネはムッとした表情を見せた。確かに部活でイノシシを研究してるけど、女子にそんな声のかけかたはないでしょ!! ……というわけではなく、利根実の生徒にとって、これはプライドの問題なのだ。「私、ウシですけど」かぶせ気味に放たれたアカネの言葉に先生は申し訳なさそうな顔をした。農業系と工業系の二つの学系がある利根実。アカネら農業系の生徒はそれぞれ専門分野を持ち、個々人で研究に取り組んでいる。アカネの専門はウシで、研究テーマは“おいしい和牛が育つ環境について”。学校から車で20分ほどの「赤城農場」に通い、牛舎の掃除や給餌をしながら、ウシの皮膚病を引き起こす虫の防除について学ぶ。イノシシの研究も大事だが、アカネにとって本業と言えば、やっぱりウシなのだ。ちなみにイノシシ班のほかの3年生だと、ミユはアカネと同じウシ担当。アヤは馬、ヨウコはニンニクを栽培している。生物資源研究部が10年の試行錯誤の末、画期的なイノシシ対策を練り上げることができたのも、多様な分野の専門知識がベースにあったことが大きい。1次産業について学ぶということは、命と向き合うことでもある。アカネには忘れられない授業がある。1年の3学期のこと。先生がクラスに10個の有精卵を持ってきた。卵から鶏になるまでを観察するという。「名前を付けてもいいですよ」。先生から促され、アカネは卵の一つに「恋羽こいは」という名前をつけた。孵卵ふらん器で温め、数時間おきに卵を転がすこと3週間。殻を破って出てきたのは、ふわっふわのひよこ。手のひらに乗っけると壊れそうだけど、温かかった。それからは毎日、エサをあげて、小屋を掃除して、ひよこの世話をする日々。スケッチするときに安心しきって腕の中でスヤスヤと寝ることもあったし、よちよちと人の後をついていく姿もかわいくて、何だかお母さんになった気分だった。だけど、孵化から3か月後、2年生になったアカネたちを待ち受けていたのは、悲しい別れだった。「そろそろ、食肉処理しましょう」やだ……。涙がこぼれる。「命をいただくまでが授業です」。先生のきっぱりとした一言にアカネは泣きじゃくりながら包丁を手に取った。数時間後、クラスで開かれたのは鶏をメインにしたバーベキュー大会。かみしめた鶏肉の味は本当においしくて、またちょっと涙が出た。そんな日常を送るイノシシ班の今の目標は、10月に鹿児島県で開かれる「日本学校農業クラブ全国大会」。同じく命と向き合う農業系学校に通う高校生が授業や部活での研究成果を発表する“農業高校の祭典”だ。沼田とは気候も文化も産業も異なる場所から集うライバルたちの発表はきっと、みな個性的。でも、我が利根実の発表だって負けてはいない。イノシシと本気で向き合った生物資源研究部の10年間。アカネたちはその全てをぶつけるつもりだ。もちろんイノシシへのとびっきりの愛を込めて。

(増えすぎたエゾシカを利活用で大好評:北海道)
北海道のエゾシカを利活用。伝統素材・国産「鹿膠(ロクキョウ)」が体力をサポート。 鹿由来和漢原料を開発・製造の北海道鹿美健株式会社(本社:北海道日高郡、代表取締役:鄭権)と和漢由来素材商品開発・販売の株式会社健康ビジネスインフォ(本社:東京都港区、代表取締役:鄭権)は、新生活で疲れやすい時期に活用できる「剛SUGI」を2019年4月17日から販売開始いたします。

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(豚コレラ、さらにイノシシ8頭の感染を確認:岐阜)
家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染が拡大している問題で、岐阜県は16日、同県白川町など6市町で捕獲した野生イノシシ8頭から、新たに感染を確認したと発表した。県内の感染は累計308頭となった。

(クマに襲われ男性けが:北海道)
16日午後0時45分ごろ、北海道斜里町峰浜の山林で、地元猟友会の会員で無職、坂本幸一さん(74)=斜里町豊倉=がクマを駆除する際に襲われ、顔や両腕にけがを負った。斜里署によると、命に別条はない。クマは雄で体長約1メートル。坂本さんは猟友会が行う訓練の下見のために1人で山林を訪れていたところ、クマを見つけ、ライフル銃で発砲。倒れたクマに近づくと襲われ、顔や腕をひっかかれた。坂本さんが再び発砲し、クマを射殺した。

(ワクチン摂食6割超、回収実績を報告)
愛知、岐阜両県は16日、野生イノシシを介した豚コレラの感染拡大を防ぐため、3月下旬に両県で始めた経口ワクチン散布の実績を明らかにした。岐阜県内は約2万4000個を回収し、うち74%に当たる1万7700個に摂食された形跡が見られた。愛知県内は2400個を回収し、うち60%に当たる1429個に摂食された形跡があった。センサーカメラによる確認実績では、両県とも設置カ所の6割でイノシシを確認した。両県は16日、岐阜市の岐阜県庁で、豚コレラへの対策に有識者らが助言などをする愛知県・岐阜県アドバイザリー・グループの第2回会議と岐阜県豚コレラ有識者会議の第3回会議を開催。経口ワクチンの散布実績はこの中で報告された。この日の会議では、養豚場の豚へのワクチン接種についても議論になった。生産者からワクチン接種を求める切実な声がある一方、まだ検討すべき課題も少なくないとして接種に慎重な意見もあった。このため、今後の捕獲イノシシ調査の結果などを見ながら、さらに議論を重ねることにしている。

(サル被害増加に住民不安:青森)
10日に大鰐町唐牛字沼田の町道で野生のニホンザルに追い掛けられたとみられる男子児童2人が車にはねられた事故で、近隣住民はさらなる被害の増加に不安を募らせている。ここ一年でサルの傍若無人な振る舞いに拍車が掛かっているとし、早急な対応を訴える声が聞かれた。

(百年ぶりシカ、食害懸念:茨城)
茨城県内で近年、約100年ぶりに野生のニホンジカが確認された。国内唯一の非生息地域とされるが、全国的な個体数急増に伴い、隣の栃木県から移動したとみられる。各地で農作物や樹木を食い荒らす「食害」が深刻化。国は捕獲で半減を狙うが難航している。茨城、栃木、福島の3県は合同で協議会を設け被害防止へ連携する方針。29年11月、茨城県北部の山中で、農業・食品産業技術総合研究機構中央農業研究センターが置いたセンサーカメラが2頭を捉えた。昨年10月に動画が撮影され、翌月には茨城森林管理署が国有林で写真を撮った。同署の菊池毅地域林政調整官は「ついに来たか」と頭を抱える。植林した木の皮も食べるニホンジカは脅威。栃木県では29年度、約9800頭を捕獲したが、食害は高止まり状態だ。3県が設ける協議会では、移動ルート解明に向け、シカへの衛星利用測位システム(GPS)装着などを検討する見通しだ。

(アライグマ捕獲数急増:北海道)
特定外来生物アライグマの町内の捕獲数が急増している。本年度は12日現在39匹で、すでに前年度の総数129匹の3割に達した。アライグマによる農業被害は増加しており、町は本年度、箱わなを増やしたり、捕獲者に報奨金を出すなど対策を強化した効果とみている。町が把握する町内の農業被害は2018年度は78万円で、前年度より約30万円増えた。被害に歯止めをかけようと町は対策を強化。農家らに無料で貸し出す箱わなを従来の3・5倍の70台に増やした。報奨金も新設し、町内でアライグマを捕獲し町役場に町民が持ち込めば1匹1600円を渡している。町は「子を産む春先にメスを捕獲できれば駆除の効率が上がる」として、農業団体の総会や広報誌を通じて町民に協力を求めた。すでに箱わなは全て貸し出され、12日までに町役場に持ち込まれたアライグマは前年同期比の3・5倍だ。

(クレー射撃W杯、日本勢は決勝進めず)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は15日、アラブ首長国連邦のアルアインで行われ、男子スキート予選で井川寛之(モダンビル管理)が68位、折原研二(那須国際射撃場)は81位、脇屋昴(上野ガス)は83位で、いずれも上位6人による決勝に進めなかった。

(クレー射撃W杯、五輪出場枠の獲得ならず)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は14日、アラブ首長国連邦のアルアインで行われ、女子スキート予選で日本勢は上位6人による決勝に進めず、今大会での2020年東京五輪出場枠の獲得はならなかった。石原奈央子(古峯神社)は26位、折原梨花(林テレンプ)は30位、南谷奈穂(オークテック)は65位だった。

(ホテルでクマの足跡発見:北海道)
16日午前5時ごろ、上川町層雲峡の層雲峡プリンスホテル朝陽亭敷地内で、クマの足跡を従業員が見つけ、ホテルを通じて旭川東署に届け出た。同署によると、現場はホテルのごみステーションの近く。残雪の上に、長さ15センチほどの足跡が4、5個残っていた。ごみは荒らされていなかった。同署や町は層雲峡温泉の宿泊施設に注意を呼び掛けている。

(クマ出没:秋田)
16日午後3時25分ごろ、秋田県上小阿仁村南沢の国道285号の脇にクマ1頭がいるのを車で通り掛かった50代男性が見つけ、北秋田署に通報した。被害は確認されていない。同署によると、クマは体長約1メートル。現場は秋田峠トンネル近くで民家から約3キロ。同署はパトカーで付近を警戒した。

(早くもクマ目撃、注意点は:北海道)
道内ではここ最近、クマの目撃情報が増えています。専門家は、暖かい日が続いたことでエサとなる植物の芽が増え、この時期としてはクマの行動範囲が広くなっているとして注意を呼びかけています。道警本部のまとめによりますと、ことしに入って先月末までの3か月間に寄せられたクマの目撃情報は28件で、去年の同じ期間の8件と比べると3倍以上となっています。今月8日には、札幌市の藻岩山でも冬眠から目覚めたとみられるヒグマが目撃されました。市によりますと、藻岩山でのクマの目撃情報は去年よりも半月ほど早いということです。こうした中、札幌市のホームセンターでは、クマよけの関連商品の取り扱いを15日から増やしました。専用のコーナーを設け、鈴やホイッスル、大きな音が出るピストル型の道具、それに唐辛子の成分が入ったスプレーなど20種類あまりを取り扱っていて、使い方などの相談にも応じているということです。例年よりもクマの目撃情報が増えていることについて、クマの生態に詳しい道総研・環境科学研究センターの間野勉部長は、暖かい日が続いたことでエサとなるフキやタラなどの芽が増え、この時期としてはクマの行動範囲が広くなっているのではないかと指摘しています。また、山の南側の斜面では日当たりがよくて芽吹きも早いためクマがいる可能性があり、山菜採りで山に入る場合、こうした場所には注意が必要だとしています。そのうえで、クマに遭遇した際の対処方法として、「背中を見せて逃げると追いかける習性があるので、後ろを向いて逃げてはいけない。近くで遭遇しても大声を上げて、自分から石や棒などで攻撃するのはたいへん危険だ。それでも襲われそうになったら、唐辛子の成分が入ったクマよけのスプレーが効果的だ」と話しています。

(鳥獣被害対策隊5人に委嘱状:静岡)
鳥獣被害の軽減を目的に、沼津市が専門知識を持った市民や市職員で結成した「市鳥獣被害対策実施隊」の活動が2019年度で3年目を迎える。市による年間の捕獲頭数が発足前の約3倍になるなど成果を挙げていて、10日、本年度の隊員として駿東猟友会沼津支部会員5人に委嘱状を交付した。市役所で頼重秀一市長が委嘱状を手渡した。隊員は市職員7人を加えた計12人。住宅地のパトロールや市内に設置している箱わなの管理、市民からの被害報告への対応や捕獲に従事する。18年度から活動を継続している隊員は被害削減への手応えを語る一方、捕獲の様子を見た市民から鳥獣の保護を訴えられるなど、活動の意義が理解されていない現状を伝えた。市によると、農作物の被害見積額は15年度で約3200万円。同市では実施隊発足前、市職員と鳥獣保護員計2人で被害防止に取り組んでいたが、対応しきれず、新たに組織をつくった。猟友会に所属する隊員は、年間200日を目安に活動。その結果、市が実施するニホンジカとイノシシの捕獲実績は16年度で計17頭、17年度で計58頭、18年度で計56頭に達した。

(一時停電、カラスの営巣原因か:愛媛)
14日午後6時15分ごろ、松山市湊町地区などで計約1200戸が最大約1時間半停電した。電柱にカラスが営巣したのが原因とみられる。四国電力送配電カンパニー松山支社によると、同市湊町2丁目の電柱にカラスが巣を作り、金属製ハンガーが高圧電線に接触。ショートして火花や煙が発生した。近くの交差点では停電の影響で一時信号機が機能せず、松山東署員が交通整理を実施した。カラスは2~5月が繁殖期とされ、県内では過去に同様の原因で停電が発生している。同支社は「電柱にカラスの巣を見つけたら知らせてほしい」と呼び掛けている。

(ニホンカモシカ、撮った:宮崎)
国特別天然記念物のニホンカモシカが狩猟用わなに掛かっているのを、高千穂町岩戸の八大龍王水神社付近の山林で、佐藤高申(たかのぶ)さん(62)=県西臼杵支庁嘱託職員=が撮影した。生きている姿が撮られるのは珍しいという。場所は集落から山に約200メートル入った雑木林。10日午前10時ごろ、有害鳥獣駆除担当者の連絡で近くに住む佐藤さんが駆け付けたところ、鉄製のわなに掛かっていた。体長約1メートルでけがはなく、外すと山奥へ消えたという。佐藤さんは「何頭か山中で見たことはあったが、民家のすぐ近くで見られるとは思わなかった」と驚いていた。本県など3県教委の調査(2011、12年度)によると、ニホンカモシカは九州山地に推計812頭が生息。近年は小林市野尻でも目撃情報が寄せられ、生息の南限とされている。県は「シカの食害などで餌が少なく、民家周辺まで下りてきたのでは」と分析している。

(カラスから電気守るぞ、電柱の巣撤去公開:石川)
北陸電力石川送配電支社七尾配電・サービス部が十一日、七尾市下町でカラスの巣の撤去作業を公開した。安全確保のため絶縁体のゴム手袋を着けた作業員が高所作業車に乗り、電柱の上部に作られた巣を取り除いた。巣が電線に接触すると停電を起こす危険性があるという。同社ではカラスの営巣時期である三月初旬から五月下旬に毎年撤去を行っている。昨年は千四百四十五個の巣を取り除いた。

(敵はイノシシなり:群馬)
知略の限りを尽くし、戦国の世を生き抜いた真田家ゆかりの街・群馬県沼田市。赤城山のふもとに広がるその豊かな田園地帯が少女たちの戦場だ。利根実業高校「生物資源研究部」――。神出鬼没の野獣から農作物を守る方法を研究する部活で、おそらく日本一、イノシシに詳しい女子高生だ。「よ~し、OK。今日も無事だったね」8月中旬、市中心部から車で30分ほどの山の中。ロープで囲まれた2m四方のスペースに、掘り荒らされた跡がないことを確認し、アカネは大きく頷うなずいた。ここは生物資源研究部の実験区。チームで考案したイノシシ対策の仕掛けを試す場所だ。方法は至ってシンプルで、仕掛けを施した場所と、仕掛けのない場所にそれぞれリンゴや芋を埋め、食い荒らされないかをチェックする。近くにはカメラが3台設置されており、周辺で何かが動くと自動的にシャッターが切られる。アカネらは週に1度、ここを訪れ、“宿敵”の動向を確認している。部がこのプロジェクトを始めたのは2008年のことだ。手塩にかけて育てた田畑をぐちゃぐちゃに掘り返すイノシシは農家にとって天敵。被害額だって相当だし、地元のためにも、と研究をスタートさせた。ただ、それは“イノシシ10年戦争”と呼んでも過言ではない厳しい戦いとなった。カレらは動物離れした並はずれた知謀で、部員たちが繰り出す計略をことごとく打ち破ったのだ。過去10年間の主立った戦いをまとめると……。10年戦争の初期の代表的戦い。イノシシの侵攻を食い止めるため、部員らは実験区のロープに使い古した軍手を数十cmおきに設置。風に揺れる軍手に相手が恐れおののくと予想したが、実験区は56日で陥落。部員たちはその後、何度も軍手を武器に戦いを挑んだが、敗北を重ねた。軍手の戦いの最中に起きた戦闘。普通の軍手ではイノシシを撃退できないことから、校内で栽培した唐辛子から辛み成分のカプサイシンを抽出して軍手に塗布。抽出作業中は、あまりの刺激に目が痛くなる部員が続出したが、風雨にさらされて成分が薄れたのか、実験区内のエサは51日目に強奪された。恐怖心や刺激物を与える作戦の失敗を受け、物理的な防衛策に挑戦、実験区をロープでぐるぐる巻きにしてガードした。イノシシはロープに絡まるのを嫌がり、一時は13か月間も実験区の防衛に成功した。ただ、勝利目前と思われたある日、勇気あるイノシシ1頭がロープを突破。その後は36日間で21回もの猛攻を受け、ロープ柵はイノシシにとって「エサのあるランドマークタワー」的な目印となってしまった。と、まぁ、そんな度重なる苦い経験を経て、アカネたちは今、あと一歩で、イノシシ戦争に勝利できそうな作戦を編み出しつつある。「彼を知り、己を知れば、百戦危うからず」。孫子の兵法にもあるように、ヒントはイノシシの視点を知ることにあった。イノシシの撃退方法を研究する利根実業高の生物資源研究部。連戦連敗を重ねる中で、戦局を一変させる貴重な情報をつかむ。何でもイノシシの子孫・豚は「青色を見分けられる」というのだ。10年ほど前、イノシシから農作物を守る研究を始めた生物資源研究部。最初は神出鬼没のイノシシに連戦連敗を重ねたが、戦況はひょんなことから一変する。きっかけは4年前の畜産の授業だった。当時は、エサの周囲に軍手をつるしてイノシシを威嚇する「軍手作戦」が完全に行き詰まっていた時期。何とか、この局面を打開せねば……。イノシシ班の先輩たちは藁わらにもすがりたいぐらい追い込まれていたらしい。授業中に先生が放った何げない一言を聞き逃さなかった。「豚は、赤と緑を見分けられません。青はよく分かるんですけどね~」あっ、豚!その手があったか!!みんなも知ってるかもしれないけど、豚は、イノシシをより温和に、よりおいしく品種改良して家畜化したもの。つまり、イノシシは豚の祖先なのだ。ということは……?「青だ!青いものならイノシシを撃退できるかも」思い立ったが吉日、というよりは猪突ちょとつ猛進のイノシシ班。普通なら専門家に話を聞いたりして、青をどう活用するかじっくり検討するかもしれないが、まず、とにかくやってみる!!青、青、青……。先輩たちは校内で青いものを探し回った。見つけたのは、倉庫の隅に山積みになっていた廃棄予定の育苗容器だった。軟らかいポリエチレン製でポットと呼ばれる。普通は黒色だけど、利根実では、授業でいろんな野菜を少しずつ栽培するので、見分けがつくように、ピンクや赤、黄色など、カラフルなポットがたくさん置いてあるのだ。底に開いている水はけ用の穴にロープを通して、青いポットをずらりと連ねる。仕掛けはこれで完成。驚くほどシンプルだが、まずは実験、ということで、とりあえずエサを埋めた実験区に設置した。直感は大当たりだった。青のポット柵を置いてから3年半以上、実験区内に成獣(大人のイノシシ)の侵入はゼロ。比較のために置いた赤いポット柵の対照区はすぐ荒らされたので、青で囲まれた実験区はここだけ難攻不落、まさに“真田丸”状態となったのだ。こうして沼田市の農家の人たちは、長年苦しんだイノシシの恐怖から解放されることになったのでした。めでたし、めでたし……と、言いたいところだが、物語はそうは進まない。その後、アカネたち現3年がぶち当たったのは、「なんで効果があるの?」というそもそも論。確かに実験は大成功したがはっきり言って、思いつき。農家や自治体からも問い合わせも相次いだが、青が効果的な理由がはっきりわからないと、責任を持って農家の人たちに勧めることはできない。なぜ青ポットだけがイノシシを撃退できたのか――。難題を突きつけられ、悩んでいたアカネたちは2年前、筑波大で開かれた「日本哺乳類学会」である大学の先生からこんなアドバイスを受けた。「イノシシの視界を再現してみたらどう?」イノシシから農作物を守る対策を研究する生物資源研究部。「青色の仕掛け」に効果があることに気付いたが、それはなぜ?現3年生のアカネたちは2年前の冬、イノシシの視界を再現することにした。「よし!これで準備OK」2016年冬。アカネらは緊張した面持ちでパソコン画面を見守っていた。この日、彼女たちが挑戦したのは、グラフィックソフトを使ってイノシシの視界を再現する実験だ。▽緑色を感知する視細胞(錐体すいたい細胞)がない▽視力は0.1程度――など、イノシシのデータをソフトに入力し、アカネたちの仕掛けがどのように見えているのかを調べる。なぜ、青色ポットでイノシシを撃退できるのか。この先には、その答えが待っている。「いくよ」ポチッ。マウスを操作して画面の実行ボタンを押す。その瞬間……「おぉ~」およそ女子とは思えない野太いどよめきが上がった。画面に広がったのは、くすんだモノクロの世界。その中で、青色ポットだけがぼんやりと怪しく浮かび上がる。隣にセットした赤色ポットは、モノクロになり、見分けることも難しい。これを見れば、イノシシが青色ポットだけに反応する理由がよく分かる。青色作戦にはやっぱり根拠があった。でも……。喜びに沸くほかの部員を横目にアカネはちょっとだけイノシシに同情していた。「こんな味気ない世界しか見られないなんて、かわいそう」ちょうど同じ頃、イノシシ班はもう一つ、専門家から指摘された課題と向き合っていた。「イノシシは薄暗いところでも目が見えるけど、青色を判別できるかどうか……」幸い青色ポットはこれまで夜も襲撃を受けていない。ただ、コンピューターで夜の視界の再現は難しいらしく、暗闇での青色ポットの効果を証明する手段がなかった。思い悩んでいた12月の帰り道、アカネらは劇的な発想の転換に成功する。ヒントになったのは、校舎正面でキラキラと輝くクリスマスツリーだ。そうだ!!青が見えるかどうかを考えるんじゃなくて、青を見せればいいんだ。年明け、イノシシ班はさっそく青色のLED電飾を借りて、準備を始めた。青色ポットを連ねた仕掛けにひも状の電飾をはわせ、太陽光発電を取り入れて電気代もゼロに抑えた。200球のLED電球を配した仕掛けが実験区に設置されたのは2017年4月。残雪を青く照らしながら輝くそのロマンチックな光景に、アカネは満足感でいっぱいだった。「イノシシたちの味気ない視界をちょっとは楽しくすることができたかも」だけど、季節はずれの“クリスマスプレゼント”は少し刺激が強すぎたかもしれない。春先に活動を本格化させたイノシシたちは実験区に近寄ることすらなかったから。青色はイノシシ除よけに効果がある――。女子高生が発見したこのシンプルで財布にも優しいイノシシ対策は農業関係者に驚きをもって迎えられた。今年2月の「第3回全国ユース環境活動発表大会」では、研究のユニークさが注目されて特別賞を受賞したほか、5月に沖縄で開かれた「第13回高校環境化学賞」では最優秀賞に輝いた。仕掛けを取り入れる農家も増え、イノシシ撃退グッズを開発する企業から問い合わせが相次ぐ。真田の赤備えならぬ利根実の青備え。真田家ゆかりの街・沼田から農家を救う新たな伝説が生まれようとしている。

(ジビエ意気消沈「商売できぬ」)
豚コレラの続発で、野生鳥獣の肉(ジビエ)に深刻な影響が出ている。岐阜県や愛知県では、農家らが解体処理施設を立ち上げたり、飲食店がメニューを開発したりして、ジビエによる地域振興を進めてきたが、豚コレラの影響で経営や狩猟の展望が見えない状況が続いている。ジビエ振興を担ってきた狩猟者や飲食店は、養豚農家への支援の重要性を強調した上で、「ジビエも深刻な状況に陥っている」「政府の支援は待ったなし」と訴えている。イノシシの一大産地である岐阜県北部の郡上市。農家で狩猟者の坪井富男さん(70)は、9年前に個人で解体処理施設「ジビエITAYA」を立ち上げ、家族で運営を続けてきた。しかし、豚コレラの風評被害によって昨年の売り上げは平年の半分以下に激減。さらに3月末には、同市の山で死んでいたイノシシが豚コレラに感染していることが判明し、来期の狩猟は全く見通しが立てられなくなった。「小さい規模でも有害鳥獣をジビエに活用しようと頑張ってきたが、豚コレラで売り上げがほとんどなくなった。養豚農家や県が大変な中で言いにくいが、ジビエも深刻だ」と明かす。岐阜県と愛知県の狩猟者ら30人でつくる「AKジビエ研究会」。イノシシ肉のハム加工販売などを手掛けてきた。狩猟者でリーダーの藤本勝彦さん(57)は「商売ができず、先行きが見えない。個人では対応できないので、行政は解体処理施設にしっかり支援をしてほしい」と訴える。ジビエ処理施設は、規模が小さく、もうけより地域振興として、仲間で出資し合って運営する所が多い。農水省によると、豚コレラの影響でジビエ経営に被害が発生した場合、現時点で「減収など経営の補填(ほてん)をするような制度がない」という。内閣府食品安全委員会は、ワクチン餌を食べたイノシシの肉を人が食べても、影響がないとする評価案をまとめた。ただ、調査捕獲したイノシシは検査し、流通しない。さらに両県で野生イノシシへのワクチン餌の設置が始まり、当該地域の狩猟が規制されるため、ジビエへの影響は長引く見通しだ。岐阜県では「ぎふジビエ」として、地域一体で振興を進めてきた。ジビエのコース料理を提供するなど力を入れる岐阜市の日本料理店「桜梅桃李」。豚コレラ発生を受け、仕入れ先を変更して県内のイノシシ肉を確保してきたが、限界も感じる。シェフの玉越勝利さん(51)は「これだけ広がると、ぎふジビエの展望が全く見えない。苦労している解体施設や狩猟者に国の支援がないのはおかしい」と疑問を投げ掛ける。郡上市で里山保全、鳥獣対策や獣肉の販売、ツアーなどを幅広く手掛ける「猪鹿庁」の興膳健太さん(36)も「風評被害は実際に起きている。国はまずはアンケートなどを通じて、豚コレラで相当影響を受けているジビエの実態を把握してほしい」と求めている。愛知県岡崎市でイノシシ肉の販売などを行う「三州マタギ屋」では、豚コレラが県内で発生以降、肉の注文キャンセルが相次ぎ、今後は経営休止も考える。代表の日浅一さん(73)は「山間地の活性に向けてジビエ振興を頑張っている中で豚コレラが発生し、行き詰まってしまった。このまま国の補償がなければ、若者が挑戦する芽を摘むことになる」と主張する。

(農水省「ジビエ料理コンテスト」)
野生鳥獣肉(ジビエ)の普及、開発に取り組んでいる農林水産省はこのほど、「ジビエ料理コンテスト」の受賞者を発表。同省農村振興局長賞には都城グリーンホテル(宮崎県都城市)の料理が選ばれた。コンテストは鳥獣利活用推進支援事業の一環として実施、今回で3回目となる。事業実施主体は日本ジビエ振興協会。全国から93件の応募があり、書類・実食審査で選んだ。局長賞を受賞したのは同ホテルの小倉英隆氏が手掛けた「山の幸 鹿焼売 鹿汁あんかけ」。鹿のカタ肉を使った料理で「レストランでも比較的安易に出せるような料理に仕上げた」という。農林水産大臣賞は上屋薫里氏(岐阜県高山市の県飛騨猟友会清見支部)の「鹿肉のビビンバとスネ肉のスープ」、振興協会代表理事賞は木戸悠輔氏(宮崎県えびの市のヒカリキッチン)の「鹿肉のクスクス」がそれぞれ受賞した。

(ジビエ料理の収益、町に寄付:静岡)
賀茂猟友会西伊豆分会(藤井駒一会長)はこのほど、西伊豆町の黄金崎公園で開かれた黄金崎さくらまつりで、イノシシやシカの肉を使ったジビエ料理を販売した。初の試みで、来場者の人気を集めた。10日に役員が町役場を訪れ、売上金2万5千円を全額寄付した。同分会はこれまで、食肉加工処理場が近くにないため、イノシシやシカの肉の提供はしていなかった。地域おこし協力隊の堀浩一さんが町内で食肉加工会社を立ち上げたことから料理の販売を企画。調理については堀さんと、協力隊の神山和希さんの料理人2人からアドバイスを受けて調理し、イノシシ鍋とシカ肉のバーベキューを販売した。10日は、藤井会長と石川新一副会長が町役場を訪れ、星野浄晋町長に寄付金を手渡した。星野町長は寄付への感謝を述べ、「シカ肉がとてもおいしかった。認知度が上がればさらに人気になるだろう」と期待を寄せた。藤井会長は「これまで駆除しかなかった活動がさらに広がった。みんなで調理に挑戦し、団結力も高まった」と話した。

(ジビエ処理能力10倍に:長野)
長野市はイノシシとニホンジカなど野生鳥獣肉(ジビエ)の加工処理、販売まで一貫して手掛けるジビエ加工センターを開設した。7月をメドに販売を開始する。処理能力は年間1000頭規模と、市内の既存施設の10倍になる。ジビエの加工施設では国内初となる商品管理システムも導入し、安定的な供給体制を整える。新設した加工センターは、市の猟友会から持ち込まれたジビエを受け入れる荷受け室、死後硬直をほぐす熟成室、処理室、冷凍室、出荷室などを備える。センターには富士通が開発した商品管理システムを導入。ジビエ肉の処理加工から在庫、販売までを一元管理する。レストランや旅館などの購入者は、ラベルに添付されたQRコードでジビエの情報を取得できる。

(小動物も捕まえるワナ開発:栃木)
栃木県鹿沼市に生産拠点を置くバネ製造の鎌田スプリング(さいたま市)は、ハクビシンやアライグマなど小動物も捕獲できるワナを開発した。地中に埋めたワナを動物が踏むと、リング状のワイヤが脚の付け根に跳ね上がって捕らえる仕組み。農家はイノシシやシカだけでなく、小動物の被害にも頭を悩ませている。有効な対策として、全国の猟友会や自治体に販売していく。

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