<射撃ニュース5月>
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(散弾銃が暴発:和歌山)
御坊署内で10日朝、銃砲一斉点検の準備中の散弾銃が暴発する事故があった。暴発があった現場は、猟銃所持者に義務付けられている銃砲一斉点検の会場になっていた3階大会議室。暴発した散弾銃の所持者は、御坊市薗の男性(70)で、午前9時27分ごろ、検査のために訪れ、散弾銃をケースから出して検査を受ける前の準備をしていたところ、銃に弾が入っていないと勘違いし、引き金を引いてしまったとみられている。狩猟で使う散弾銃の弾は狙う動物によって一発だけが飛んだり、小さな弾が100発以上飛び散るタイプもあるが、今回の事故があった弾は一発しか飛ばないタイプ。床で跳ね、約5㍍先の壁に当たった。会場には猟銃所持者13人がおり、検査する署員が数人出入りしていた。散弾銃は弾を抜いて持ち運ばなければならないが、男性は検査の準備段階で確認したところ、1発の模擬弾が入っており、それを取り出し、もうないと思ったというが、暴発後、もう1発の弾が残っていたという。大野矢雄署長は「銃の所有は基本を徹底し、法令を順守してほしい」とコメントした。

(有害鳥獣協会、捕獲謝金未払い裁判:鹿児島)
鹿児島県阿久根市の有害鳥獣捕獲協会をめぐる問題です。本来、支払われるべき謝礼金などが未払いだとして、協会の会員が前の会長や協会の関連団体に対し、900万円余りの支払いを求めた裁判の初めての口頭弁論が13日、鹿児島地方裁判所川内支部で開かれ、被告の前会長や協会は全面的に争う姿勢を示しました。訴えているのは、阿久根市の有害鳥獣捕獲協会の会員26人です。イノシシやシカによる農林業への被害を防ぐ取り組みとして、阿久根市有害鳥獣捕獲協会の会員には、国から支払われる謝礼金とは別に、阿久根市から1頭につき6000円の謝礼金と、日数に応じた出動経費がいずれも協会を通じて支払われています。訴えによりますと、原告の会員は阿久根市から謝礼金や出動経費が支払われることを知らされていなかったとしています。そして、協会の前の会長と協会の関連団体「いかくら阿久根」に対し、いずれも2013年度から2年分の謝礼金と3年分の出動経費、あわせて900万円余りの支払いを求めています。13日の第1回口頭弁論で、被告側は訴えの棄却を求め、争う姿勢を示しました。

(イノシシ6頭の感染確認:岐阜)
家畜伝染病「豚コレラ」の感染が拡大している問題で、岐阜県は10日、同県瑞浪市など4市で捕獲した野生イノシシ6頭について、新たに感染を確認したと発表した。県内の感染は累計398頭となった。

(クマに襲われ60代男性けが:山梨)
12日午前11時10分ごろ、山梨県都留市大幡の山中で、同市の60代の男性がクマに襲われ、けがをしたと近所の人から119番があった。大月署によると、男性はドクターヘリで甲府市内の病院に搬送。顔などにけがをしたが、命に別条はない。男性は林道を散歩中、クマ1頭に襲われた。自力で追い払って下山し、近所の民家に助けを求めたという。

(クマに襲われ男性軽傷:栃木)
11日午前10時50分ごろ、塩谷町上寺島の山林で、東京都中野区、自営業男性(69)がクマに左太ももをかまれ、軽いけがをした。県によると、クマによる人的被害は県内で今年初めて。県はホームページ(HP)で緊急的に注意喚起をしたほか、同町は現場のある遊歩道を立ち入り禁止にするなど対応に追われた。矢板署によると、写真撮影で移動中だった男性が、近くを流れる沢の対岸に親子のクマを発見。突進して来た親のクマ(体長約1メートル)に太ももをかみつかれて出血したが、クマが転倒した隙を見て逃げたという。襲われたのを見ていたレジャー客が110番した。現場は、県道藤原宇都宮線付近から尚仁沢湧水の源泉まで向かう遊歩道(約1・5キロ)の途中で、源泉まで約100~150メートルの地点。塩谷町は、県猟友会塩谷支部塩谷分会に依頼し、12日から現場付近で空砲を撃ち、クマを追い払う活動を実施する。県自然環境課によると、春はクマの子育てシーズン。担当者は「子連れのクマは興奮して子クマを守ろうとする。見かけても決して近づかないでほしい」と呼び掛けている。

(イノシシに突進されてけが:山形)
13日午後6時ごろ、村山市土生田の山で市内に住む80代の男性が山菜採りを終えて自宅に帰ろうと歩いていたところ、イノシシが正面から突進してきて、体をぶつけた。男性はその後、自力で下山し近くの住民に助けを求めて住民が119番通報した。男性は病院に搬送されたが、両ひざに打撲のけがをした。現場は、袖崎小学校から東に約500メートルの山中で、地元の人の話によると、現場付近では過去にも、イノシシだけでなくクマなどが目撃されているという。近くに住む人は「けもの道があり、襲われる可能性があるので気をつけてほしい」と話した。警察の調べによると、イノシシは体長が約1メートルで男性にぶつかった後、近くにいた子どものイノシシ4頭と山の方に走り去ったという。県みどり自然課によると、県内のイノシシは年々増加していて、2017年度の捕獲頭数は888頭に上り、2013年度の79頭から10倍以上に増えている。

(クマ被害相次ぐ:岩手)
県内で14日、山菜採りをしていた男性2人がクマに襲われ、けがを負った。県はツキノワグマの出没に関する注意報を発令し、警戒を呼び掛けている。午前6時ごろ、宮古市平津戸の山林で紫波町の男性(82)がクマに頭をひっかかれ、数十針を縫う切り傷を負った。男性は乗用車を運転し帰宅後、紫波町内の病院を受診。盛岡市の岩手医大付属病院に転院搬送され、入院した。命に別状はない。宮古署によると、クマは成獣1頭とみられる。同11時40分ごろ、同市川目の山林で、同市の男性(45)がクマに襲われたと近隣住民が119番通報した。男性は顔と右腕にけがを負い、同市の県高度救命救急センターに運ばれた。命に別状はない。盛岡東署によると、男性は1人で入山。クマに襲われた後、付近の民家まで歩き、助けを求めた。県は今年、クマ出没注意報を2年ぶりに発令。降雪量が少なく、例年よりも冬ごもり明けが早い。餌不足の年にも当たることから、人里での出没が懸念される。

(イノシシ、子連れが男性に体当たり:山形)
13日午後6時ごろ、村山市土生田の山中で、山菜採りから帰宅途中だった市内の80代無職男性がイノシシに体当たりされた。男性は自力で下山し、付近住民に助けを求め、救急搬送された。両膝付近の打撲で軽傷という。

(クレー射撃女子は予選敗退)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は15日、韓国の昌原で行われ、女子トラップ予選で日本勢は上位6人による決勝に進めず、今大会での2020年東京五輪出場枠の獲得はならなかった。中山由起枝(日立建機)は26位、大前有希(都商事)が39位、木吉りよ(大阪府協会)が50位だった。

(クレー射撃男子は予選敗退)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は11日、韓国の昌原で行われ、男子スキート予選で井川寛之(モダンビル管理)が47位、鈴木貴秀(東京都協会)が75位、折原研二(那須国際射撃場)が77位となり、上位6人による決勝に進めなかった。

(日本勢は予選敗退、クレー射撃W杯)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は10日、韓国の昌原で行われ、女子スキート予選で日本勢は上位6人による決勝に進めず、今大会での2020年東京五輪出場枠の獲得はならなかった。折原梨花(林テレンプ)は31位、石原奈央子(古峯神社)は46位、南谷奈穂(オークテック)は53位だった。

(クマ1頭捕獲、県が殺処分に:山口)
県自然保護課は12日、岩国市周東町川上の山中で雌のツキノワグマ1頭を捕獲し、住民の不安が強いため殺処分したと発表した。 県によると、クマは体長約1・3メートル、体重38キロの成獣。

(民家近くにクマ、駆除:新潟)
今月に入ってクマの目撃情報が相次ぐ十日町市では、12日朝早く、山間部にある民家の近くにクマが現れ、人に危害を及ぼす恐れがあるとして地元の猟友会のメンバーに射殺されました。12日午前5時15分ごろ、十日町市庚で農作業をしていた男性が民家から30メートルほど離れたところにクマがいるのを見つけ警察に通報しました。警察と十日町市、それに地元の猟友会のメンバーが付近を捜索したところ、およそ1時間半後に民家から200メートルほど離れた田んぼにいるところを見つけました。クマは体長1メートル20センチほどのオスのツキノワグマで、人に危害を及ぼす恐れがあるとしてその場で猟友会のメンバーに射殺されました。警察によりますと、現場付近では今月9日以降、クマの目撃情報が相次いでいたということです。また、12日は阿賀野市次郎丸の民家の近くでも体長1メートルほどのクマが目撃されていて警察は、付近の住民に注意を呼びかけています。

(農作業小屋に大きな穴、クマの仕業か:山形)
山形市で農作業小屋の壁が壊されているのが見つかった。警察はクマによる被害とみて警戒に当たっている。0日午後6時ごろ、山形市村木沢にある農作業小屋に所有者の70代男性が向かった所、小屋の外壁が壊されているのを発見した。壁には横50センチ、縦15センチほどの穴が開けられ、辺りに木の板が散乱していた。警察は壁に残っていた爪の痕からクマの仕業とみている。小屋の中にはハチの巣があった他、農作業の休憩中に食べるため果物が残されていた。所有者の男性が最後に使った7日午前以降に壊されたとみられている。現場は長根集会所の西約270メートルで、警察と市が10日も付近のパトロールし警戒に当たっている。

(クマ民家敷地に、9時間後に捕獲:新潟)
上越市で9日、クマが民家の敷地の樹上に逃げ込み約9時間後に捕獲された。近くには地裁高田支部や住宅地などがある中心市街地。けが人はなかったが、周辺は騒然とした。市や警察によると、午前5時45分ごろ、同市大貫2でクマを見たとの通報があった。同6時半ごろには1・5キロ離れた同市西城町3の青田川の岸辺を歩くクマを、散歩をしていた近所の住民が見つけ通報。

(人間より幅利かせる「アーバン・イノシシ」)
アーバン・イノシシというらしい。イノシシの都市出没が増えている。41の都府県の都市で確認され、温暖化のせいか、北陸や東北でも見られるようになった。環境省の推定では、2015年で89万頭で、平成で3倍という。人を襲い、バイクとの衝突では死者も出た。衝撃の映像があった。住宅脇から飛び出したイノシシが歩いていた男性を跳ね飛ばし、再三にわたって突きかかり、噛み付いて逃げた。野生のイノシシは人を避けようとするものだが、都会のイノシシは人に挑みかかる。福岡のことだが、広島、京都でも同じような襲撃った。埼玉・ふじみ野市で6年前、住宅地に現れたイノシシに小学生が噛まれた。半径20キロ内に山はなく、人口11万人の住宅・商店街の街だ。イノシシがどこから来たのか謎だった。「クロ現+」は2人の専門家に現地を歩いてもらった。地形や水路、目撃証言などから、用水路が浮かんだ。荒川沿いの周辺の市でも目撃されていた。荒川につながる用水路を伝って山から下って来たと推測された。東京では、とくに多摩川周辺で目撃が増えている。夜のあきる野市内を堂々と歩く子連れ。府中市では通勤電車に激突した。昭島市は夜間にドローンを飛ばした。すると、30分もしないうちに2匹の大型が現れた。しかも、観測ポイントから20メートルのところに潜んでいた。専門家も「これでは、下流にいきなり現れても不思議じゃない」と驚いた。 スタジオに置かれたイノシシの剥製は、体長1・5メートル、体重80キロ。これが山で生息する個体の標準で、武田真一キャスターは「原付バイクぐらいありますね」という。ある観測では、70キロの個体がわずか2秒で時速24キロのスピードになって、フェンスに激突していた。そんな衝撃に耐えられる人間はいない。アーバン・イノシシはもっと大きい。餌を探して動き回る必要もなく、いわばメタボ状態である。兵庫では160キロの個体が捕らえられたことがある。都会育ちは土を掘ったりすることもないため、牙が摩耗しておらず鋭い。ますます危険だ。定住が確認されている神戸では、「コンビニの後ろにいた」「犬と散歩していたら、襲いかかってきた」など、接触が年に200回もある。彼らが何を食べているかを調べた兵庫県立大の横山真弓教授は、「本来はミミズや昆虫、木の根などを食べています。それが都市で高カロリーの生ごみを食べたら、もう麻薬と同じ。元には戻れません」と解説する。高山哲哉アナは「(アーバン・イノシシは)人間は栄養価の高い食べ物を持っていて、攻撃してはこない、と学習しているんです」と報告する。だから、生ごみを漁る。コンビニの外で待ち伏せして突撃し、弁当を奪うのだという。イノシシが山を降りた理由はもう1つある。山が変わったのだ。荒川上流の秩父山地では、里山で農業する人が8割も減った。「人の気配」がなくなって、田んぼがイノシシの遊び場になり、果樹や木の実は食べ放題。それが都会への流れを誘発したらしい。政府は2023年を目標に、捕獲による「半減計画」を進めている。神戸市も条例を作って、生ごみ注意、餌やり禁止などを進める。しかし、捕獲や駆除では繁殖に追いつくまいという懸念はある。作家の石井光太さんは「駆除は根本対策になりません。新しい共存の道はないか」という。武田キャスターも「社会の変化、生き方の変化、これでいいのか、もう1度問い直す必要がある」とNHKらしく締めくくった。しかし、いまさら里山を再生させるなんて、できない相談だ。ましてイノシシと共存? 豚コレラの汚染源という差し迫った問題もある。そんなきれいごとですむ話ではあるまい。

(クマ目撃最多ペース:福島)
福島県内各地でのクマ目撃情報が相次ぎ、過去最多だった昨年を上回るペースで増えている。今月上旬には湖畔を散歩中の男性がクマに襲われ、重傷を負った。山間部に限らず、市街地近くでも目撃されている。「クマに襲われた。助けて」。大型連休中、観光客でにぎわう北塩原村桧原の桧原湖畔のペンション。3日午前7時15分ごろ、顔から血を流した東京都西東京市に住む地方公務員の男性(64)が駆け込んできた。経営者の女性(63)はすぐに中に入れ、男性を椅子に座らせた。バスタオルを渡し、119番通報。10分ほどで救急車が到着し、男性は搬送された。女性は「この辺りでクマは時々目撃されるが、人が襲われたというのは聞いたことがない」と、驚いた様子で話した。男性は旅行中で、犬と遊歩道を散歩していたところ、クマに襲われ、自力でペンションに駆け込んだ。喜多方署によると、男性はクマに前脚で顔を殴られてあごを骨折。足をかまれる重傷を負った。今も入院を続けているという。

(クマ、「月の輪」で個体識別:神奈川)
ツキノワグマの名前の元になった胸の白い斑紋(月の輪)の形やDNAを分析するなどして、丹沢にすむクマ1頭1頭の個体識別をしようと、神奈川県が新たな試みを始めている。県はこれまでも生息数をおおむね40頭と推計しているが、精度は高くない。今回の手法の導入によって推計の精度を高めるとともに、生息状況を把握してクマの保護や地域住民の安全確保にもつなげていきたい考えだ。月の輪は、「カメラトラップ」と呼ばれる手法で撮影する。2本の立ち木の間に高さ1・5メートルほどの横木を渡してクマの好物を置き、2メートルほど離れた場所に自動撮影できるカメラを設置。誘われたクマが好物を食べようと後ろ足で立ち上がり、前足を横木に掛ける「バンザイ」のような姿勢を取った際に、カメラの方に見せた月の輪を撮る。県は昨年8~9月、丹沢の奥山域2カ所で調査を実施し、静止画222枚、動画71本を撮影。そのうち静止画91枚、動画31本でクマが写った。静止画はぶれが大きくて個体を識別できるものは少なかったが、動画は半数で個体識別ができ、1カ所で2頭、もう1カ所で別の1頭の計3頭が写っていたことが分かった。一方、月の輪のパターンだけでなく、県は糞(ふん)から採取したDNAを分析。1頭1頭異なるDNAで個体識別する。これまでは好物でクマを誘引する「ヘアトラップ」法で得た体毛を使っており、現在の生息数推計は、2006~10年に実施したヘアトラップ法によるDNA分析などを基にはじき出している。これに対して、新手法は糞を見つけられれば分析できる手軽さのほか、林業関係者や市町村職員、NPOなどの協力を得られれば、より多くの採取につながることがメリットだ。また、クマがスギなどの皮を剥ぐ「クマハギ」の跡に残った歯茎の細胞などからも採取できるという。県は「近年、人里へのクマの出没数が増え、麓の市町村から『クマが増えているのではないか』という問い合わせもある。だが、クマの数を知ることは非常に困難」と説明。「クマの生息状況を知るために、今回取り組んだ新たな手法の開発を進めていきたい」としている。

(ヒグマ対策、事故招かぬ知識持とう:北海道)
今春も全道各地でヒグマの目撃情報が相次いでいる。先月は札幌市清田区や北広島市の市街を歩く姿が確認された。若い雄が強い雄のいない場所を探して人里のそばに現れたり、雌が市街地周辺の山林で繁殖するといったケースもあるという。肝心なのは、不幸な事故を起こさぬよう、ヒグマとの遭遇を避け、共生を図ることだ。自治体など関係機関は、目撃情報の提供や、正しい知識の普及啓発に取り組んでもらいたい。道によると、2018年度までの30年間に計41人がヒグマによる人身被害に遭い、そのうち15人が亡くなっている。被害が最も多いのが、春の山菜採りと秋のキノコ採りで全体の68%を占める。山菜はヒグマの好物でもあり、その餌場に入っているとの意識を持つ必要がある。1人で山に入らず、鈴や笛などで自分の存在を知らせ、遭遇しても走って逃げないといった基礎知識を頭に入れてほしい。ふんや足跡などを見つけたら、必ず引き返さなければいけない。ヒグマは学習能力が高く、残飯などの味を覚えてしまう。登山やキャンプでは、ごみを持ち帰らないと、後から来た人を危険に陥れることを肝に銘じたい。市街地への出没をさせない工夫も求められる。ごみステーションを頑丈にし、ごみ出しのルールを守る。山野と市街地をつなぐ林の下草を刈り取って、隠れ場所をなくすことも効果があるという。知床国立公園では、観光客のマナーが問題となっている。沿道に車を止め、ヒグマに近づいて写真を撮ったり、餌をやる人が後を絶たない。そのため、「クマ渋滞」も起きている。人に慣れたヒグマが、人から食べ物を奪おうと、車に近づいたり、家屋の中に侵入しようとする懸念もある。これでは重大な事故につながりかねない。昨年3~12月のオホーツク管内斜里町でのヒグマが目撃された件数は、1618件で過去2番目に多かった。人慣れしたヒグマと観光客が遭遇したことも増加の一因とされる。知床世界自然遺産地域科学委員会のワーキンググループは、ヒグマと人や車の接近を避けるガイドラインの策定を検討している。知床の豊かな自然が守られ、人とヒグマがより良い関係を築けるよう、実効性のある対策へと練り上げてほしい。

(内各地でクマの目撃相次ぐ:秋田))
秋田県内各地で11日、クマの目撃が相次いだ。県警によると被害は確認されていない。仙北市田沢湖生保内で午後0時20分ごろ、60代男性が自宅の北東約50メートルの山林に1頭がいるのを目撃。体長約1・2メートルで、山林の奥へ立ち去った。仙北署が付近住民に注意を呼び掛けた。

(県内、クマ出没相次ぐ:秋田)
秋田県内は15日、クマの目撃が相次いだ。被害は確認されていない。県警によると、午前11時半ごろ、秋田市濁川字後田の県道秋田昭和線(通称・横山金足線)沿いの山林に、体長約1メートルのクマがいるのを通行中の40代男性が目撃。西に約500メートル離れた同市外旭川字大堤の同線沿いの山林でも、体長約1メートルのクマを40代男性が見つけた。同じクマの可能性がある。

(ニホンザル現る:富山)
13日朝の中学校にも姿を現した。富山市の中心部にニホンザルが現れ、警察や猟友会が出動する騒ぎとなった。サルは今も捕まっていない。中学校の校門前には網を持って待機する警察官が…。富山市で午前6時40分ごろ、サルを見た住民が通報。サルは一時、中学校のベランダにも入り込んだ。猟友会と警察が住宅街をくまなく探す。すると、屋根から道路に下りるサルの姿が。しかし、距離を詰めると路地を逃げたのか、姿が消える。さらに捜索すると、家と家の隙間を移動するサルを発見。ところが、向かってきたサルが消える。次の瞬間、サルは屋根の上にいた。そして、再びサルが地上に下りて捕獲のチャンスかと思いきや猛スピードでカメラの前から再び姿を消した。素早さは人間の数段上。現れては消えるサルに地元猟友会はどう対処するのか…。地元猟友会の会長:「人に危害を加えることがない限りはそっと見守ってほしいというのが県の自然保護課の話です。黙って見守ってあげてということです」猟友会が専門家に聞いた話ではサルは元気な状態だといい、弱ったところを捕まえる状況にはなりにくいという。

(子グマらしき動物、周辺で目撃情報相次ぐ:新潟)
2019年5月12日朝、新潟県上越市上富川や国道18号子安交差点付近などで、子グマらしき動物を目撃したという情報が市などに相次いで寄せられた。市では注意を呼びかけている。市によると、午前4時30分頃、上富川の男性が自宅から100m程離れたやぶの中を移動する子グマらしき動物1頭を目撃。その後、午前5時17分に国道18号子安交差点でも子グマらしき動物の目撃情報があり、さらに午前5時43分には子安新田ではイノシシらしき動物の目撃情報があった。周辺にはショッピングセンターなどがあり、住宅地が広がる。市内では、クマの出没が相次いでおり、9日には西城町3の市街地で子グマ1頭が捕獲されている。

(川にニホンカモシカ?:栃木)
芳井の人里に国の天然記念物で県獣のニホンカモシカとみられる動物が出現し、地元の人たちを驚かせている。無職、福島治行(ふくしまはるゆき)さん(69)は10日朝、自宅の裏山で体長約1メートルのニホンカモシカとみられる動物を発見。慌てて自宅にカメラを取りに戻り、写真に収めた。福島さんと2分ほど「にらめっこ」が続いた後、動物は山の中に戻っていったという。本県では日光市足尾町などの岩場、林間で見られるニホンカモシカ。今回の目撃場所は県道矢板那珂川線のすぐ近くで、福島さんは「イノシシはいっぱいいるが、カモシカを見るのは初めて。どうしてこんな所にいるのか」と驚いていた。

(学校の敷地内にイノシシ?:石川)
子どもたちの学び舎にイノシシ出没。13日午後6時前のこと。イノシシが逃げ込んだという溝をのぞいてみると、何やら確かに獣のようなシルエット。先生たちも集まってきた。だいぶ無理な姿勢で穴の中をのぞき込む。よく見えないことが見たいという欲求を刺激する。何?イノシシじゃない?確かにその顔つきはイノシシではない。専門家に画像を確認してもらったところ、この生き物はアナグマと判明。アナグマはその名の通り穴の中が大好き。ただ、14日になって確認すると、すでにその姿はなかったという…。

(住宅近くにイノシシ出没:山梨)
15日朝、富士吉田市の住宅近くにイノシシ2頭が出没し、市が注意を呼び掛けている。富士吉田市によると、15日午前7時40分ごろ、富士吉田市旭5丁目でイノシシ2頭を目撃したと住民から通報があった。イノシシは体長60センチほどで、すぐに山の方向へ逃げたという。通報を受け、市は地元の猟友会と協力し、捕獲用のワナを設置することを決めた。近くに住む人によると、現場周辺では、今月に入り少なくとも3回イノシシが目撃されていて、いずれも2頭だったという。一方、市の教育委員会は、市内の小中学校に注意を呼びかけ、下吉田第一小学校では、現場近くを下校する児童に教員が付き添う措置を取った。

(クマが国道横断、県内で目撃相次ぐ:福島)
県内で14日、クマの目撃が相次いだ。けが人はいなかった。▼午前7時50分ごろ、二本松市岳温泉4の国道459号を横断する1頭を車で走行中の女性が目撃。二本松署によると、体長約1.5メートル▼午前10時10分ごろ、猪苗代町の国道49号を横断する1頭を車で走行中の男性が目撃。猪苗代署によると、体長約1メートル▼午前11時40分ごろ、猪苗代町の国道49号を横断する1頭を車で走行中の女性が目撃。猪苗代署によると、体長約80センチ▼午後6時ごろ、会津若松市湊町静潟の民家で女性が庭にいる1頭を目撃。会津若松署によると、体長約1メートル。

(サル、住宅地や学校で目撃情報:富山)
13日午前6時40分ごろ、富山市常盤台の住民から「屋根伝いにサルが歩いている」と110番があった。サルはさらに近くの同市立新庄中学校の敷地や複数の住宅などの付近で目撃された。

(クマ目撃情報でパトロール継続:新潟)
9日にクマ1頭が市街地に現れ捕獲まで約10時間かかる騒ぎがあった新潟県上越市で、高田公園でも2頭の目撃情報があったことから、10日も市職員や消防団員がパトロールを継続した。公園近くの大手町小学校では登下校時に教職員らが通学路に立ち、児童を見守った。高田公園では9日午後2時ごろ、高田城三重櫓(やぐら)付近でクマの目撃情報があった。10日も捜索したが、足跡などは見つからず新たな目撃情報もないという。9日午後から利用禁止となっていた公園の屋外施設は11日から通常通り利用できる。市は定期的に見回りをする。大手町小で子どもを迎えに来た30代の母親は「万が一まだこの辺りにいたらと思うと、不安でもやもやする」と話した。10日午前8時ごろには、同市名立区の宝田小学校近くの斜面に体長約60センチのクマがいるのを児童が発見。同日午後7時前には、同市滝寺の愛の風公園の駐車場に体長約1メートルのクマがいるのを近隣住民が見つけた。市や上越署は名立区内の保育園や小中学校、滝寺の住民らに注意を呼び掛けた。市街地に現れ捕獲されたクマは地元猟友会が10日朝、市内の山奥に逃がした。

(住宅街でクマの目撃情報相次ぐ:北海道)
札幌市の住宅街で15日夜から16日未明にかけて、クマの目撃が相次ぎました。15日午後11時すぎ、札幌市南区の住宅街で、道路を横断するクマを住民が見つけ、警察に通報しました。そのおよそ20分後、500メートルほど離れた道路で車とクマが接触しました。運転していた60代の男性にけがはなく、クマはその場から逃げたといいます。さらにその後もコンサートなどが行われる真駒内アイスアリーナ近くでクマのふんが見つかるなど、あわせて4件の目撃が相次ぎました。いずれも体長1メートルほどの同じクマと思われます。現場の近くには小中学校があり、教職員や警察が子どもたちの登校を見守りました。

(クマ目撃相次ぐ:北海道)
札幌市南区の真駒内公園で16日朝、クマが道道を横断しているのが目撃されました。午前3時15分ごろ、札幌市南区真駒内公園内の道道、通称「五輪通」を車で走行していた女性が、道道を南から北に横断するクマ1頭を目撃しました。近くには「真駒内セキスイハイムアイスアリーナ」などがあり、豊平川や真駒内川が流れています。札幌市南区では15日夜にも、真駒内川流域の石山地区で、クマと車が接触するなど16日朝にかけてあわせて3件、クマの目撃が相次いでいます。付近には小学校などもあり、警察などはパトロールを強化するなど、警戒を強めています。

(住宅脇からクマ横断:新潟)
14日午後5時すぎ、新潟県上越市中郷区藤沢の県道で、体長約70センチのクマが横断したと妙高署へ通報があった。民家までは約200メートル離れている。同日午後5時半ごろにも、同所の集落内の住宅脇から県道を横断するクマの目撃情報があった。同署は同じクマの可能性が高いとみている。同署などが住民に注意を呼び掛け、警戒を強めている。

(秋田県立中央公園、クマ目撃情報で一部休業:秋田)
秋田市雄和椿川の県立中央公園を管理する県総合公社中央公園事務所は13日、付近でクマの目撃情報があったとして、公園内の一部区域について14日から臨時休業すると発表した。休業するのは、フィールドアスレチックやファミリーキャンプ場、マウンテンバイクコースなどがある青少年教育ゾーン。同事務所によると、フィールドアスレチックの近くで13日午前8時半ごろ子グマを含む3頭のクマが目撃されたといい、「利用者の安全確保のため、専門家の意見を踏まえ再開は決定する」としている。

(熊目撃相次ぐ:長野)
長野市戸隠の戸隠森林植物園や隣接する戸隠神社奥社の参道で、熊の出没が相次いでいる。市戸隠支所によると、付近での目撃は4月27日から5月9日までに15件。一帯は熊の生息域で、専門家らは近づいて刺激しないよう呼び掛けている。同支所によると、目撃されたのはミズバショウ群生地や奥社入り口付近など。市いのしか対策課によると例年、4月中下旬から目撃が増える。奥社参道付近では昨年5月にも熊が参拝客らの間近を歩くのが確認され、同課は「同一の熊の可能性もある」とみる。植物園内にある戸隠森林学習館は、熊よけの鈴を無料で貸し出して警戒を求める。芦沢征雄館長は「熊を見つけたら驚かせず、近寄らないでほしい。食べ残しを放置したり餌をあげたりは絶対にしないで」と強調。10日に目撃した信濃毎日新聞記者は望遠レンズで7から8メートル離れて撮影したが、同課は観光客らに「カメラを構えて近づくといった行為は危険」と注意を促す。北佐久郡軽井沢町で熊の生態を調査するNPO法人ピッキオの玉谷宏夫さん(46)は、10日に撮られた熊について「親熊から別れて間もない若い熊とみられる」と指摘。若い熊は年を重ねた熊に比べ人との距離が近くなる傾向があるものの「人間に慣れているわけではない。人間側から刺激して緊張感を高めてはいけない」と訴えている。

(クマ目撃相次ぎ対策:山口)
岩国市では今月クマの目撃情報が相次いで寄せられている。12日は、小学校の近くでもクマが目撃されていて、学校も対策をとっている。

(クジャク300羽捕獲:沖縄)
市農政課は14日までに、2018年度の有害鳥獣捕獲実績をまとめた。外来種のインドクジャクは前年度の157羽からほぼ倍増の300羽を捕らえ、増加する生息数を裏付けた。城辺の北海岸で増えているイノシシは35匹を捕獲した。これらの鳥獣は生態系に影響を及ぼすほか、農産物等を食い荒らしているとみられることから、被害の広がりが懸念される。市は駆除対策を強化する方針。クジャクの10年前の捕獲は30~50羽だったが、09年度に100羽を数えて以降は毎年100~200羽が捕獲、駆除されている。クジャクは雑食だが、近年は農産物を食い荒らしているという被害報告が各地から寄せられている。今年3月には城辺保良の畑で80代農家が栽培するニンジンの葉が被害に遭った。最近では同じ保良地区でソバ畑を荒らしているという被害情報も入っている。生息域は宮古島全域とみられ、市は「今も増え続けている」としている。その上で新たな駆除対策としてクジャクの卵を孵化させない手に打って出た。被害原野に犬を放ち、卵を見つけて巣から除去する作業を14日から行っている。一方、17年度のDNA鑑定で生息が確認されているイノシシも増え続けているとみられる。猟銃での一斉駆除を見送った18年度は35匹(わなで捕獲)と前年度を6匹下回っているが、城辺地区の北海岸線を中心に50~100匹は生息していると見る向きが強い。城辺長北地区では、一部のサトウキビ畑が掘り起こされ、キビが根元から倒れる被害が発生している。ここ最近では平良の島尻地区でも農産物の食害が確認されており、足跡の大きさなどからイノシシによるものとみられ、生息域の広がりが懸念される。市は今週中に北海岸の山林内に入り、イノシシの獣道などの有無を調べ、猟銃駆除の再開を検討する。担当する市農政課の福里匡課長は「調査し、猟友会と相談しながら猟銃駆除及び実施時期などの検討に入りたい」と話す。市民に向けては「農産物の食害や足跡などを見付けたら、農政課まで連絡してほしい」などと呼び掛けている。

(クジャクの営巣卵駆除:沖縄)
急増するインドクジャクの駆除作業で、宮古島市が営巣卵を駆除する新たな試みを始めている。専門の研究所に依頼して13日から実施しており、15日午前までの作業で13個の卵を巣から取り出した。今年度から始めた箱わなでも同日までに1羽を捕獲した。市は営巣卵の駆除と成体捕獲を同時に実施してクジャクの増殖を食い止めたい考えだ。営巣卵の駆除は繁殖期を狙って13日から4日間の日程で実施している。場所は城辺北海岸の山林内。探索犬を使って営巣卵を見つけて卵を取り除いている。15日の朝に行った作業では5個の卵を取った。大きさは7~8㌢で重さは80㌘ほど。鶏卵より堅い。駆除を実施する南西環境研究所によると、クジャクの巣には4~6個の卵があるといい、多い巣では10個を超えることもある。同所は6月にも営巣卵の駆除を行い、秋口にはくくりわなを使って成体の捕獲を実施する。これら一連の作業と調査を通じて島内におけるクジャクの生態と生息域などを分析し、より効果的な駆除計画を立てて次年度以降に生かす。一方、箱わなを使った成体捕獲も今年度から始めている。城辺長間に仕掛けた箱わなでは15日までに1羽を捕獲した。市は範囲を広げて捕獲数を増やす。担当する市環境衛生課では「これまで同様、猟友会による銃器を使った駆除のほかに、わなを使った捕獲や営巣卵の駆除も同時に行うことで駆除効果を高めていきたい」としている。外来種のインドクジャクは、島全域に生息しているとみられる。近年は農作物を食い荒らしたり、畑を荒らしたりする被害が各地から寄せられている。

(害獣対策で共同研究:石川)
四十万の里山整備に取り組む住民団体「みんなの畑の会」は14日までに、県立大と金沢工大、地元企業と連携し、害獣対策に向けた本格的な共同研究に乗りだした。監視カメラを設置して野生動物の生態を調べ、畑周辺から害獣を遠ざけるロボットや、害獣が嫌う臭いの開発などを行う。自然豊かなフィールドを学生の研究に生かす試みも進める。畑の会は生い茂った竹を使ったビニールハウス作りや市民向けのタケノコ掘り体験などを通じ、持ち主の高齢化で手入れが難しくなった里山の保全に取り組んでいる。一方、イノシシなどによる里山の農作物被害は近年深刻さを増しており、効果的な対策を講じるため、西田敏明代表が各大学と企業に協力を依頼した。共同研究には、動物生態学を専門とする県立大の大井徹教授、ロボットシステム専門の土居隆宏准教授が参加し、無人搬送システムの設計などを行う物流運搬設備製造業の「シコウ」(進和町)が技術面でサポートする。現時点では人工知能(AI)を備え、害獣を追い払うロボットや、害獣が忌避反応を示す臭いの開発などを想定している。臭い成分については、多くの害獣にとって天敵とみられる、オオカミの尿などが研究対象となっている。西田代表は「アイデアを出し合い、全国でも広く利用できるようなシステムを打ち出したい」と話した。

(ドローンでカラス撃退:佐賀)
カラスによる農産物被害やふん害などを防止しようと、県内外の企業3社が13日、カラスが嫌がる音をスピーカーから流す撃退用ドローンの実証実験を唐津市佐志の山間部で行った。3社は、太陽光パネルの工事を専門とする「日本環境テクノ」(佐賀市)と、鳥獣撃退装置製造、販売の「ECO-5」(佐賀市)「UVCシステム研究所」(福岡市)。日本環境テクノはこの山間部に約3200枚の太陽光パネルを設置しているが、カラスに上空から石を落とされ2年間で7枚が破損。ふんの被害も多かったという。このため、3月に敷地内に撃退用音声装置を設置。さらにカラスを遠くへ追いやるため、3社で撃退用ドローンを共同開発した。機体には、カラスが苦しむ時に出す「ギャー ギャー」という悲鳴を流すスピーカーを搭載。機体への攻撃を受けないよう、カラスに見えにくくなるシートを機体に貼るなどしている。実験では、音を出したドローンが近づくと、山中から数羽のカラスが姿を現し、遠くへ逃げていく場面があった。日本環境テクノの小室光春社長(51)は「効果があることは分かったが、カラスは頭が良く音に慣れる。効果的な音の種類や出し方も探りたい」と話した。

(若手狩猟者が技術向上射撃会:宮城)
野生動物による農作物などへの被害が相次ぐなか若手狩猟者の技術の向上をはかろうと村田町で射撃会が開かれました。村田町にある宮城県クレー射撃場で開かれた射撃会には、県内に住むおよそ20人の猟友会の若手メンバーが参加しました。はじめに猟銃を使ったクレー射撃を行って飛んでくる的を狙って撃ちそれぞれの実力を確認していきました。また、ベテランのメンバーから猟銃を安全に使うための知識や射撃場でのマナーなどの指導も受けました。県内の野生動物による農作物の被害は、東日本大震災が発生した平成23年ころから毎年増え続け、平成29年度には1億900万円にのぼっていて駆除にあたる若手狩猟者の育成が求められているということです。仙台市から参加した30代の女性は「先輩に教えてもらいながら初心者どうしの悩みを解決できてとてもよかったです。安全第1で機会があればこれからどんどん現場に出て活躍したいです」と話していました。

(わなセンサー来年度導入:長野)
上伊那8市町村や関係団体でつくる上伊那鳥獣被害対策協議会(会長・白鳥孝伊那市長)は来年度、ニホンジカを中心とした被害防止対策の一環で、わなセンサーを導入する。わなの作動を感知して無線で通知する仕組みで、わなの見回りの負担を軽減し、捕獲数の増加につなげる狙い。同市が伊那市有線放送農協や信州大学と協力して開発したシステムを上伊那全体に広げる形で導入を目指す。有害鳥獣を捕獲するためにはわなを増やす必要があるが、わなの見回りは狩猟従事者の負担が大きく、効率化が課題だった。同市は有線放送が運用する通信規格「LoRaWAN(ローラワン)」を活用して地域課題を解決するアプリの開発イベント「伊那ハッカソン」でわなセンサーのアイデアが出されたことをきっかけに、2016年度からシステムの開発や実証実験に取り組んできた。わなセンサーは動物がわなにかかると、ワイヤでつながった端末から端子が外れ、スマートフォンなどに通知される。くくりわなやおりわなでも使うことができる。ハッカソンからわなセンサーの開発に協力する信大農学部(南箕輪村)の渡邉修准教授は総務省所管の情報通信研究機構(NICT)の助成を受け、ローラワンの通信試験を実施。山などの死角に入ると電波が届きにくいが、見通しが良ければ約30キロ届くことが分かったという。渡邉准教授はローラワンを活用したシステムについて、一つの中継機で広範囲をカバーできることやキャリア回線不要で低コストで運用できることを指摘。中継機の設置場所として有線放送の電柱など既存のインフラを使えるというメリットも挙げた。同協議会は15日に開いた定期役員総会で、わなセンサーの来年度の導入に向けて今年度から中継機の設置場所の検討を始める方針を確認。端末や中継機は同協議会が購入し、猟友会員に貸し出す形で導入を目指す考えだ。わなセンサーの開発に取り組んだ伊那市耕地林務課の担当者は「わなは毎日の見回りが必要だが、猟友会員の高齢化や仕事との掛け持ちもあって負担が大きい」と説明。「端末の量産のめどが立った」とし、「上伊那全体に広げていければ」と話した。

(「カラスの巣」を撤去:岩手)
カラスの巣による停電を防ごうという取り組みです。15日、東北電力の職員が電柱の上にできた巣の撤去作業を特別に公開しました。カラスの繁殖期は3月から5月にかけてピークを迎えます。東北電力では、毎年この時期にパトロールを強化し、電柱の上にできた巣の撤去を行っています。今回巣が見つかったのは、盛岡市飯岡新田の西バイパス付近の電柱です。巣の横には6600ボルトの電気が流れる電線が通っているため、感電しないよう施された特別な器具を使って作業します。東北電力の職員は中に卵や雛がいないことを確認し、高所作業用のクレーンで地上からおよそ12メートルの高さの巣に慎重に近づきます。撤去された巣の大きさは、直径およそ40センチから50センチ。枝と羽で作られたものでしたが、中にはハンガーや針金などの金属を使ったものもあり、電線に触れると漏電が起こり、停電の原因となります。東北電力によりますと、岩手県内では去年、カラスの巣による停電が6件ありました。今年は3月から4月にかけての2か月間で600を超える巣をすでに撤去していますが、先月27日にも盛岡市太田地区でカラスの巣による停電が起きています。(東北電力盛岡電力センター配電技術サービス課・大場義之配電技術長)「通電性のあるものを素材として(巣が)作られることもあります。電柱の上の電線等に接触してしまうと、そこから漏電というかたちで地面に電気が流れてしまって、停電の危険があるので、早期発見、早期撤去に努めています」。東北電力は、電柱の上に巣があるのを見つけた場合には、すぐにコールセンターに連絡して欲しいと話しています。

(「狩猟セミナー」専用シミュレーターによる射撃の模擬体験も:大分)
狩猟者の確保と育成を目的とした「狩猟を新たに始めるためのスタートアップセミナー」が5月26日、大分県庁舎(大分市大手町3)の正庁ホールで開かれる。ハンターによる講義のほか、狩猟のシミュレーションソフトを使った射撃体験を初めて実施する。大分県森との共生推進室では「ゲーム体験の延長で狩猟の世界をのぞいてほしい」と参加を呼び掛けている。同推進室(TEL097-506-3876)によると、2017年の狩猟免許所持者数は「網・わな」3464人、「銃(一・二種)」1932人の5396人。近年は増加傾向にあるが、長期的には1989年(5605人)からほぼ横ばいで、74.4%が60歳以上と高齢化が定着している。鳥獣被害額は、2017年は1億9,500万円で1987(昭和62)年以来、30年ぶりに2億円を下回るなど確実に減少しているが「今後の鳥獣被害対策を見越して新規取得者を増やしたい」とする。セミナーは狩猟の魅力や社会的役割を伝え、興味を持ってもらおうと2015年から開催。同日に講義と狩猟体験を行うのは今回が初めて。9時30分から自然環境研究センター研究員の湯瀬智世さんが「狩猟のはなしと銃猟を始めたきっかけ」、大分レディースハンタークラブ副会長の広畑美加さんが「狩猟を始めたきっかけ」について語り、同推進室が狩猟免許制度の概要について説明する。13時からは、実際のくくりわなや箱わなのかけ方を解説するほか、専用ソフトを使った狩猟の模擬体験を行う。スクリーンに映った鳥獣を専用のライフル銃で狙うといった内容で「シューティングゲームとほぼ同じ。狩猟の雰囲気を体感できる」という。参加条件は18歳以上。自衛隊や警察OB、農林業系の高校生や大学生、新規就農者のほか、狩猟に興味があれば参加できる。定員は先着100人で、狩猟模擬体験は定員50人(抽選)。狩猟免許所持者は参加不可。専用用紙をダウンロードしてメールなどで申し込む。締め切りは今月20日。参加無料。昼食は各自準備する(ジビエ料理の試食あり)。県庁駐車場使用の場合は事前申し込みが必要。同推進室では「農業被害などで差し迫った狩猟のほか、趣味としての狩猟があることを知ってほしい。セミナー後も初心者講習会や各種イベントを紹介するなどフォローもしていくので、気軽に参加してほしい」としている。

(宮内庁埼玉鴨場、日本古来の文化伝承:埼玉)
越谷市内を流れる元荒川のほとりに明治時代にタイムスリップしたような緑地がある。約11万6000平方メートル、県内唯一の皇室関連施設「宮内庁埼玉鴨場(かもば)」だ。松や竹林で幾重にも囲まれ内部はうかがい知れない。何が行われる場所なのか。代替わりにあたり現地を訪ねた。東武伊勢崎線北越谷駅から約1キロ。旧日光街道脇の武家屋敷のような門をくぐると、芝生の広場とハスの泉が広がる。ヤマザクラやシイの大木と、創建当時の姿で寄せ棟造りの食堂が建つ。皇室の儀式や雅楽などを担当する宮内庁式部職が所管する。

(国産ジビエ48種から選抜!?「GBE48総選挙」:東京)
プロ猟師軍団「猪鹿庁」×ジビエを扱う肉バル「パンとサーカス」のコラボレーションイベント【GBE48総選挙Vol.1】を5/19(日)に東京・新宿で開催します。猟師の話を聞き、解体を学び、実食する、新しいジビエ体験型イベント。Vol.1では4種類のジビエ肉〈シカ・ウサギ・キジ・イノシシ〉が登場。回(予選)を重ねるごとに異なる肉が登場し、最終的には国産ジビエ全48種類の中から”推しメン”ならぬ”推し肉”を発見、よりジビエに親しんでいただくことを目的としています。

(「山くじら」加盟店制度でPR:島根)
イノシシ肉を「山くじら」と名付け、特産品づくりに取り組む島根県美郷町が、関連の飲食メニューや商品を取り扱う町内外の店舗や団体を「おおち山くじら取扱い加盟店」として認定する制度を始めた。第1弾として、町内の道の駅や産直市、旅館など8店舗・団体を選定。店頭などにPR用のエンブレムを掲げてもらい、山くじらの消費を促し、地域経済の振興につなげる。山くじらは、獣害駆除したイノシシを独自の手法で処理するなどし、臭みがなく、肉質がやわらかいのが特長。4月の機構改革で発足した町山くじらブランド推進課が、特産品を広く知ってもらおうと制度創設を発案した。今後、認定店舗・団体を町外にも広げる。認定した店舗や団体には、縦横各30センチのアルミ複合版製のエンブレムを配布。3月末に町と包括連携協定を結んだ麻布大(神奈川県相模原市)の教授らが作成したイノシシをデザインしたロゴを入れ、PRする。嘉戸隆町長が9日、山くじらを使ったカレーや炊き込みご飯などを提供する「道の駅グリーンロード大和」(美郷町長藤)内のカフェを訪問。運営会社「だいわもんど」の吉田晃司代表社員にエンブレムを手渡し、一緒に入口に掲げた。嘉戸町長は「山くじらの取り扱い店は増えており、さらなる拡大を期待したい」と力を込め、吉田代表社員は「山くじらを使ったおいしいメニューを提供し、交流人口を増やしていきたい」と話した。

(ジビエ処理施設、丹波篠山に完成:兵庫)
丹波篠山市畑地区を担当する地域おこし協力隊員、新田哲也さん(35)=同市大上=が鹿を中心としたジビエの処理施設をこのほど丹波篠山市大上に完成させた。4月29日には、里山セミナー「ニホンジカの意外な活用-スポーツ医学のための解剖学」を開催して、参加者に鹿の精肉処理の見学や試食などを体験してもらった。

(発酵食品活用、ジビエ料理考案:静岡)
静岡県立藤枝北高食品サイエンス部は11日、地元産のジビエや発酵調味料を使った料理教室を藤枝市の同校で開いた。藤枝の魅力を体感する「藤枝おんぱく 藤枝温故知新博覧会2019」の一環。料理メニューは同部が計画する浜松市天竜区水窪町の空き家を活用した農家民宿での提供を予定している。一般の参加者と生徒ら計約20人が参加し、甘酒を使った鹿肉ソーセージや酒かすドレッシングサラダ、イノシシ肉入りかす汁など9品を調理した。地元産のジビエ肉や酒かすを使用し、レシピは生徒が考案した。甘酒を使うことで肉がやわらかくジューシーになったり、うまみを引き出したりできるという。3年生の女子生徒(18)は「さまざまな効能がある発酵食品に、多くの人が気軽に興味を持ってくれるとうれしい」と話した。同部は同町のNPO法人などともに、2020年春の農家民宿開業を目指していて、空き家の改修費用などを募るクラウドファンディングに挑戦する。6月初めには概要を記したホームページを公開し、発酵食品を使った提供メニューなども紹介する予定。

(シカ肉ジャーキー工場、年間150頭の処理達成:大分)
全国でも珍しいペット用シカ肉ジャーキーの製造販売を手掛ける「タグナイト」が国東市内に工場を構えて5年が経過した。県外から注文するリピーターが増え、ふるさと納税の返礼品として人気を集める。昨年は設立時の目標だった年間150頭のシカ処理を達成。市もジビエ加工や山林管理に取り組む地域おこし協力隊を募集し、バックアップする。シカ肉は牛や豚に比べ、高タンパクで低カロリー。工場では搬入から解体、加工、乾燥、包装までを担う。工場新設などの費用約1千万円のうち半額は県が補助した。3月からは新たに従業員1人を雇用し、事業拡大に力を入れる。同社代表の久保幸子さんは「150頭は1人で処理できる最大の数として掲げた目標。作業を効率化し、1カ月で15~20頭を処理できるようになった」と話す。今後は農林水産省の「国産ジビエ認証制度」認定を目指す。久保さんは「認証されれば県内初。信頼度が格段に上がる」と意欲を見せている。市は害獣対策や雇用創出に期待する。市内では年間約5千頭のシカを駆除するが、処理が追い付かない状態。東京都出身の平久井裕一(ひらくい・ゆういち)さん(44)は協力隊として研修中。現在は猟師とわなの見回りを担当する。「わなを使った猟に興味があった。命の大切さを改めて学んでいる。全く違う仕事で新鮮」と話す。協力隊は三大都市圏在住者などが対象。応募条件の詳細は市ホームページで確認できる。

(ジビエ食肉処理・加工施設がオープン:長崎)
2018年9月2日(日曜日)、五島列島福江島にジビエ食肉処理・加工施設がオープンします。この施設は、約30年間使われていなかった廃校を野生動物肉の処理施設に改修したもの。オーナーは、長崎県長崎市出身の永田義次さんです。五島市初のジビエ食肉処理・加工施設のオーナーは、長崎県長崎市出身の永田義次(ながたよしつぐ)さん。永田さんは、東京で約40年激務の都会生活を過ごし、長年連れ添ったご伴侶がお亡くなりになった後、余生をのんびり送ろうと五島市に移住。市内の仲間たちと「ジビエ加工施設を作れば、五島市で問題になりつつある野生動物の廃棄処理問題が解決できるし、駆除して焼かれる野生動物を少しでも減らすことができるよね」と盛り上がり、五島ジビエ合同会社を設立。約30年間使われていなかった旧岐宿小学校旭分校校舎を野生動物肉の処理施設に改修しました。なお、この施設は、国境離島新法に基づく「雇用機会拡充事業(創業・事業拡大支援)」の補助を受けて新設したものです。

(ジビエ味わい懇談:富山)
黒部市の大野久芳市長と幹部職員によるランチミーティングが10日、市役所で開かれ、「にいかわジビエ」として商品化しているイノシシ肉を試食しながら懇談した。市長と職員がざっくばらんに語り合う場を設けようと開き、3回目。この日は、NPO法人新川地区獣肉生産組合(黒部市窪野)が、2月から運営している「新川地区獣肉加工施設 阿窪(あくぼ)の森工房」で加工した「にいかわジビエ」を味わった。メニューは、市内で捕獲したイノシシの肩ロースを用いた「シシカツ」。市長らは「臭みがなくておいしい」「食べやすい」と感想を話し、ジビエの現状などを話題に和やかに会食した。山本稔浩産業経済部長は「黒部、魚津市内の飲食店や旅館のほか、インターネットなどで販売していきたい」と話した。

(日本中の猟師と交流、珍しいクジャクも:東京)
胃袋の底からジビエを欲する時に訪ねるのが今回紹介するビストロの「サンフォコン」だ。場所は東京メトロと小田急線の代々木上原駅前。多様なジビエを手ごろな価格で食べさせるのが魅力だ。33平方メートル、8席のカウンターを含め16席ながら、月商は約300万円を維持。人手不足でランチ営業を予約制にしているが、フル営業できれば伸びしろはありそうだ。オーナーの千葉貴大シェフは、白ワインで有名なフランスのロワール地方で修業後、東京・幡ケ谷で開業。その後現在の店に移転した。フランスでは季節ごとに多彩なジビエを使って料理していたが、日本ではイノシシやシカなど、種類が限られることに疑問を感じていた。そこで知り合いを通じて日本中のハンターと交流を持ち、一般には入手が難しいジビエ食材の入手に成功した。忘れられないのが「カラス」と「アナグマ」。食通の先輩方から「あれはうまい!」と聞いていた。同店で念願かなって両方とも食べることができた。適切な処理がされているので臭みはなく、独特の食感とうまみを心ゆくまで楽しめた。特にカラスは悪食で知られるが、山中で捕獲された山ガラスは木の実などを食べているので味が良いそうで、クロケット仕立てで供された。クジャク、ヌートリアなど、害獣として駆除されたジビエも食べられる。筆者はこれらを“駆除ジビエ”や“未利用ジビエ”と呼んでいる。ジビエには猟期があるものが多いが、駆除ジビエは通年手に入る。目を向けられなかった害獣を利用することで途切れることなくジビエを提供する。ジビエはそれぞれクセがあり、仕込みに時間がかかる。同店のキッチンは狭く、処理後の保存が悩みの種だった。それを解決したのが発売されたばかりの「ドロワー(引き出し)型真空包装機」だ。それまで家庭用の真空包装機を使っていたが、「液体をパックできない」「真空が弱い」などの問題があり、使い物にならなかった。一方、業務用の製品は、サイズが大きくてキッチンには入らない。ドロワー型なら、業務用の機能を備えつつ、サイズは約半分なので設置できた。例えばウサギやカモを使ったパテなどは手間がかかるが、まとめて仕込み、カットして真空包装すれば日持ちがする。「現在のフランス料理には低温調理から食材の保存まで、真空包装機は欠かせない。コンパクトな製品のおかげでいろんなジビエ料理に挑戦できる」(千葉シェフ)。“害獣”とは人間勝手だが、食べれば“食材”だ。ジビエにはそれぞれストーリーがあり、それを聞きながら食べると、味覚の発見だけでなく、地方が抱える問題が見える。ランチは完全予約制で3800円から。ディナーは8皿5千円の「ラルクコース」とジビエが入った6660円の「シエルコース」、ふんだんにジビエが入る9999円の「おまかせコース」がある。駆除ジビエは処理後、熟成などの手当が必要なので、在庫を確認し1週間以上前に予約するのが望ましい。

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(国産ジビエ認証、安全裏付け販路拡大)
農水省は、野生鳥獣の肉(ジビエ)の処理事業者に対し、「国産ジビエ認証」などを取得するための費用助成を始めた。地方自治体が独自に設ける認証も対象で、1施設当たり35万円を上限に支援する。ジビエの利用拡大に向けて、衛生管理の順守やトレーサビリティー(生産・流通を追跡する仕組み)を設けるなど安全性を裏付ける認証の取得を通じ、販路拡大を後押しする。2019年度予算に102億円を計上した鳥獣被害防止総合対策交付金を活用し、取得にかかる費用を助成する。国産ジビエ認証を得るには1施設当たり35万円かかることを踏まえ、助成の上限額を35万円と設定。全額を助成する。北海道や長野県など、一部自治体では独自に衛生管理認証制度を展開しており、そうした認証を得るための費用も35万円を上限に助成する。同省は、ジビエの安全性を保証するため国産ジビエ認証を開始。厚生労働省の指針に基づき約80項目を定めた。衛生管理では、捕獲後の迅速な食肉処理施設への搬入、処理に使うナイフの消毒、枝肉や内臓に病的なこぶや寄生虫など異常がないかの確認などを求める。外食業者などが販売しやすいよう、枝肉の部位別の正しい切り分け方を絵で示し、共通の流通規格を設けた。トレーサビリティーは、2次元コード(QRコード)で捕獲の日付や方法の情報をたどれることなどを求める。消費者や流通、小売業者の信頼を得て販路の拡大につながるよう、多岐にわたる項目を設ける一方、昨年7月の制度始動後、認証取得は3件にとどまっている。同省は「処理事業者にとっては費用面も認証取得のハードルになっている」(鳥獣対策・農村環境課)と指摘。今回の助成を決めた。農水、環境両省の調べによると、17年度の鹿とイノシシの捕獲頭数は112万700頭だが、ジビエとして解体されたのは9万2444頭。利用率は8%と低い。同省は認証取得によってジビエを販売しやすくして、利用を増やしたい考えだ。

(クマの足跡、大橋開通後初:宮城)
7日午前6時半ごろ、宮城県気仙沼市大島の外畑でクマとみられる足跡を公務員の男性(44)が自宅の敷地内で発見し、気仙沼署に通報した。同署と気仙沼市、地元猟友会が現地を確認した。気仙沼大島大橋の開通で観光客が増加しており、関係機関が警戒を強めている。気仙沼署によると足跡は12センチほどで、子グマのものとみられる。市は午前中、島内全域に防災無線で注意を促した。大橋開通前の離島・大島では昨年5月下旬以降、それまで生息が確認されていなかったクマの目撃情報が24件(フンなどの痕跡も含む)あった。市は計3カ所にわなを仕掛けたが捕獲できなかった。市農林課は「母親のクマが一緒にいる可能性が高い。住民への注意を喚起すると同時に、(わななどの設置については)猟友会とも相談しながら対応を決めたい」と話している。

(豚コレラ感染拡大:愛知)
豚コレラの感染拡大を受け、愛知県はワクチン散布の対象に新たに瀬戸市を加えました。瀬戸市では3月から4月にかけて養豚場で豚コレラに感染した豚が見つかり、計1万1000頭あまりが殺処分されました。野生イノシシからの感染拡大を防ぐためドイツから輸入した経口ワクチンについて、愛知県はこれまでの犬山市、小牧市、春日井市に加え、今回の散布で瀬戸市も対象としました。愛知県は7日、瀬戸市内24カ所で720個のワクチンを散布し、17日から野生のイノシシを捕獲して、ウイルスへの抗体ができているか確かめるということです。大村秀章愛知県知事は7日の会見で、「時間はかかると思う。専門家の知見をいただきながら、粘り強く取り組みたい」と話しました。愛知県は今後も定期的にワクチンの散布を行い、効果を検証する予定です。

(観光客とヒグマ超接近、警察注意呼びかけ:北海道)
5日午後4時ごろ、北海道知床半島の斜里町・岩宇別(いわうべつ)で、町道をパトロールしていた警察官が、道路脇に体長約70センチの野生のヒグマがいるのを見つけました。クマを見ようと、周りには数台の車が止まっていて、3~4人の観光客は車から出ていました。中には2メートルほどまで接近し、写真を撮っていた人もいたということです。警察は観光客に注意しクマから離れさせると、その後クマは山のほうへ立ち去ったということです。警察ではクマが急に襲ってくることや、近くに親グマがいる可能性もあるとして、注意を呼び掛けています。知床半島は野生のヒグマが多く出没し観光シーズンは近くで写真を撮る観光客の姿もみられ、問題になっています。

(傷ついたオオワシ過去最多、シカ死骸に誘われ列車事故:北海道)
道内で2018年度、けがや病気で国などの施設に収容されたオオワシは32羽(前年度比5羽増)で、統計開始の2000年度以降で最多だった。原因は「列車事故」が8羽と最も多く、列車と衝突したエゾシカの死骸を食べようと線路に近づいたためとみられる。環境省釧路自然環境事務所(釧路市)と同省北海道地方環境事務所(札幌市)がまとめた。同省は希少野生動物に指定されているオオワシ、シマフクロウ、オジロワシ(いずれも国の天然記念物)、タンチョウ(国の特別天然記念物)について道内で死骸を含む傷病個体が見つかると、釧路市内の国などの施設に収容し、原因を発表している。

(連休最終日の小樽駅停電:北海道)
JR小樽駅で6日朝に起きた停電では、列車の遅れや運休はなかったが券売機や改札機が使えなくなった。駅構内の商業施設は開店時間の繰り下げや臨時休業を余儀なくされ、大型連休最終日にため息が漏れた。JR北海道によると、停電は6日午前8時55分に発生。駅構内に電力を供給する電柱にあったカラスの巣の金属片が原因でショートしたとみられる。停電は同11時25分ごろに解消した。通常は午前9時に開店する駅構内の物産店「タルシェ」では開店準備が整ったところで停電。店員の大泉あゆみさん(40)は「突然のことで驚いた」と話す。

(市街地でクマ捕獲:新潟)
9日午前6時半ごろ、新潟県上越市西城町3の路上で体長約70センチのクマ1頭が歩いているのを近所の住民が見つけ、上越署に通報した。上越署員や市職員、地元猟友会などが捜索し、近くの民家の庭木に登っているのを発見。市の依頼を受けた茶臼山動物園(長野市)の職員らが麻酔銃を撃ち、午後4時半前、市職員らが捕獲した。けが人はいなかった。現場はえちごトキめき鉄道・高田駅から約600メートルの住宅地。付近は小中学校や高校、幼稚園、病院などが密集しているほか、繁華街にも近い。市環境保全課によると、過去に高田地区での目撃情報はあったが、「今回のように実際に街なかに出没したケースは承知していない」とする。捕獲したクマは現在、市が委託する猟友会関係者に保護されている。後日、山に戻す方向。また、同日午後2時ごろ、上越市本城町の高田公園の高田城三重櫓(やぐら)付近でクマ2頭を目撃したとの通報が市に入った。市や上越署などが、公園の一部を封鎖して付近を捜したが、足跡などは見つからなかったという。市は9日夜から10日朝まで、市庁舎に職員を特別に配置し、徹夜で通報対応などに当たる。付近の学校では10日早朝から教職員らが登校時の見守りを行うほか、公園周辺を消防団がパトロールする予定。「まさかこんな街なかに」-。9日、突然現れたクマに白昼の上越市の街なかは騒然となった。発見から約10時間に及ぶ大捕物の末、ようやくクマは捕獲。現場近くには小学校などの公共施設も多い。けが人が出なかったことに、安堵(あんど)感が漂った。クマは逃げ込んだ民家の庭以外にも、近くを流れ市民の散策の場となっている青田川沿いや商店街を行き来していたとみられる。午前6時ごろ、商店街でクマと出くわした上越市大町の主婦(73)は「大きな犬かと思ったが、クマだと気付いて急いで逃げ帰った」と話した。同市大手町の無職男性(60)は自宅前の青田川にいるクマを目撃。「40年以上住んでいるが、こんな街なかで見たのは初めて」と驚く。クマは民家の木に登り、警察や市職員とにらみ合う時間が続いた。午後0時半すぎには、突然木から下りたクマの行方を追い切れずに一時見失った。敷地内の別の木で見つかったが、緊迫した雰囲気に包まれた。近隣の小中学校では、下校時に教職員が引率したり、保護者が迎えに来たりしていた。大手町小の塚田賢校長は「グラウンドでの体育や校外学習を中止し、全て屋内にした。何事もなくて良かった」と話した。上越市の要請で駆け付けた長野市の動物園職員らにより、麻酔銃が放たれたのは午後4時すぎ。クマは麻酔が効くまで逃げ回り、近くの別の民家の敷地内で倒れているのが見つかった。クマを発見した上越市西城町の女性(58)は「遠くまで逃げずに済んで良かった」。クマが庭に居座った民家の女性は「窓からずっと見ていた。人的被害がなくて良かったが、疲れた…」と胸をなで下ろしていた。一方、捕獲したクマとは別のクマが出没したとの情報もあり、9日夜も市などによる警戒が続く。市民から「まだ他にもいるのか」と心配する声も聞こえた。

(新たにクマ2頭の目撃情報:新潟)
2019年5月9日午後、高田公園内の高田城三重櫓付近で2頭のクマが目撃されたという通報が市役所にあった。市などは一時、公園の一部を封鎖し、クマの警戒と探索にあたったが、足跡や痕跡は発見されなかったという。同市では朝から、市街地にクマが出没し、西城町3の民家敷地では午後4時半頃、1頭が麻酔銃で捕獲されている。高田公園の2頭は西城町とは別の目撃情報で、市によると公園内の高田城三重櫓付近で目撃されたという。クマの目撃情報が相次いだことから、近くの学校では、保護者に児童生徒を迎えに来るよう要請した。

(三陸鉄道列車がクマと衝突:岩手)
7日午後8時55分ごろ、岩手県釜石市の三陸鉄道リアス線両石-釜石間で、宮古発釜石行きの上り列車がクマと衝突した。乗客1人と運転士にけがはなかった。クマは死んだ。釜石署によると、列車は約2時間にわたり停車した。同署が詳しい状況を調べている。

(定点カメラでクマ調査へ:北海道)
クマの目撃情報が相次いでいることを受けて、網走市は5月から定点カメラを設置してクマの生息数や移動ルートなどを詳しく調べることにしています。網走市ではことし3月までの1年間に寄せられたクマに関する通報が過去最高の44件に上るなど、クマの目撃情報が急増しています。

(また「クマ」目撃、注意呼び掛け:福島)
9日午前9時25分ごろ、福島市の国道4号沿いの弁天山で、「知人がクマ1頭を目撃した」と同市の80代男性から福島署に通報があった。付近では4日、目撃情報に基づいてクマ1頭が駆除されており、同署や市鳥獣被害対策実施隊などが注意を呼び掛けている。同署によると、同日午前5時30分ごろ、同市の70代男性が体長50~70センチのクマ1頭を目撃。クマは弁天山西側の市水道局浄水場跡地付近の路上を北東から南西方向の山林に走っていったという。市は弁天山にある弁天山公園の立ち入りを制限し、同署や同隊、県が広報警戒パトロールを実施。県によると、市の有害捕獲許可でわなを仕掛けたという。付近で子どもの登下校の見守り活動を行っている男性(76)は「クマが頻繁に出没していて驚いている。子どもに危害を加えることがないよう早く捕まえてほしい」と話した。

(熊の目撃情報:福島)
福島市渡利の住宅街の近くで、熊の目撃情報があった。市は熊が目撃された公園を立ち入り禁止にして注意を呼び掛けている。「福島市の弁天山公園で先ほどクマの目撃があり、公園内は立ち入り禁止となっている」午前10時ごろ、福島市渡利の弁天山で熊の目撃情報があった。熊は、体長50センチから70センチほどで、子熊と見られる。目撃情報を受けて福島市は、熊を捕獲する罠を公園内に設置したほか、近くの小学校では教職員が付き添い、子どもを下校させるなどの対応をとっている。弁天山では、今月4日に別の熊が発見され、駆除されていた。市や警察が注意を呼び掛けている。

(中心部にクマ、目撃情報相次ぐ:山形)
上山市中心部の月岡公園周辺で6日、クマの目撃情報が相次いだ。体長は約1メートルで、同一個体の可能性もある。公園付近には上山小や上山城、温泉街などがあり、上山署は周辺住民らに注意を呼び掛けた。同署によると、同日午前7時ごろ、公園内で清掃作業中だった70代のアルバイト男性がクマを目撃し110番通報。午後4時20分ごろには、公園近くのホテルの男性従業員(60)から「月岡公園内でクマを見た」と届け出があった。通報を受けて周辺を警戒していた同署員が、公園北側の同市湯町でクマを発見したが見失った。同5時20分ごろには、さらに北方の同市軽井沢2丁目の浄光寺近くで目撃したとの情報が寄せられた。連休最終日で公園周辺や温泉街には観光客らもいたが、被害はなかった。同署は県猟友会上山支部と連携し、花火の打ち上げによる追い払いなどを行った。市は公園内に注意喚起の看板を設置。8日は、目撃エリアと学区が重なる上山小と上山北中の通学路で教職員が見守りに当たる。6日午前8時40分ごろ、南陽市下荻で子グマ1頭を目撃したと、近くに住む会社員女性(33)が家族を通して南陽署に届け出た。同署によると、子グマは体長約80センチ。同日午前8時半ごろ、自宅玄関脇の窓から外を眺めていた女性が山の斜面を登っていく子グマの姿を見つけた。現場は泉高院の南西約250メートルで、付近に民家はない。

(イノシシの出没について:佐賀)
5月9日午後5時45分ころ、鹿島市古枝付近において、イノシシ1頭が目撃されています。

(ツキノワグマ、出没注意:岩手)
県は、山菜採りなどで人が山林に立ち入る機会が増える時期を前に「ツキノワグマの出没に関する注意報」を出した。今冬は積雪量が少なかったためクマの冬眠明けの活動が早まり、子連れのクマが出没する可能性が高いため、警戒を呼びかけている。

(クマ出没メール、イノシシなど追加:石川)
金沢市は、3年前からクマの出没情報をメールで市民に配信して注意を呼びかけてきました。しかし、去年10月に、国道8号線沿いや金沢市中心部の県立歴史博物館の周辺などでイノシシの目撃情報が相次いだことから、イノシシやサル、それにニホンジカの出没情報を追加して配信することを決めました。この情報は、金沢市の災害情報などを配信している「金沢ぼうさいドットコム」に登録すると、イノシシやサルなど野生動物が目撃された時間や場所などの情報を閲覧出来ます。金沢市は、メール配信を委託している業者に補修管理費用などとして20万円あまりの予算を計上していて、金沢市農業水産振興課は、「各地で出没情報を活用してもらい、事故防止につながるように周知していきたい」としています。

(遭難時の捜索費を明文化:北海道)
八雲町は本年度、山菜採りや山歩きによる遭難者の捜索救助活動にかかわる「遭難対策に関する実施要綱」の施行を開始した。捜索活動に加わるハンターの人件費を遭難者または捜索要請者に請求することを明文化した。遭難時の責任の所在を明確にするとともに、入山者に安全確保の徹底を求めるのが狙い。山菜採りなどの遭難者の捜索時は、警察や消防、森林管理団体などの関係機関のほか、ヒグマと遭遇する恐れがある場合、猟友会のハンターも出動する。ハンターはこれまで遭難者か捜索要請者に承諾を得た上で、捜索範囲に応じて1日4~5人が出動。1人3万3千円の人件費(燃料代を含む)を請求していた。町内では例年4月~6月にギョウジャニンニクやタケノコなどを求め、町内外から多くの人が入山する。昨年の5月と6月、熊石地区の雲石峠の頂上付近で、タケノコ採りに出たいずれも70代の高齢者が遭難。一人は斜面に滑落して骨折し、ヘリコプターで救助された。4人のハンターが出動し、それぞれ13万2千円が請求された。

(若手4人が株式会社、3年で400頭超捕獲:和歌山)
和歌山県田辺市上芳養地区で、若手農家ら4人が「株式会社日向屋」を立ち上げ、鳥獣害対策に大きな成果を上げている。1人一つの山を管理する仕組みで、3年間でイノシシや鹿など400頭以上を捕獲。野生鳥獣による被害が深刻な上、高齢化も進む中山間地域の同地区の農家は「被害が目に見えて減った」と喜ぶ。加工処理施設とも連携して野生鳥獣の肉(ジビエ)の普及も進め、中山間地域を盛り立てる。野生鳥獣対策を担う日向屋は、同地区で梅やミカンを栽培する若手農家らでつくる。代表の岡本和宣さん(40)、辻田直樹さん(36)、更井孝行さん(37)、湯川俊之さん(41)の4人がメンバーだ。同地区では、イノシシや鹿、猿、ウサギなどが出没。園地を掘り起こされたり、ミカンを食べられたりする被害が連日起きていた。「山に行って花火で追い払っても、効果があるのは数日。すぐに被害が出始めてきりがなかった」と岡本さん。「朝、園地に向かうと一面にミカンの皮が落ちていることもあった」(更井さん)という。市によると、2017年度の野生鳥獣による被害額は約3600万円。5年前の12年度と比べると約8%減ったが、依然として3500万円以上が続いている。「上芳養地区は市内でも被害が多い地域」(市農業振興課)で、特産の梅やミカンなど果樹で被害が深刻だ。被害が続く中、仲間で話し合った。「被害を減らすには追い払いや柵だけでは駄目だ。捕獲するしかない」。協力して捕獲する必要があると話がまとまり、3年前に前身の「チームひなた」を結成。活動を盛り上げようと1年ほど前に法人化した。捕獲に当たっては、辻田さんを中心に地区の農家から被害情報を収集し、情報を基にわなを仕掛ける場所を決める。捕獲する際には、山一つ当たり30基ほどのわなを仕掛け、それぞれが一つの山を受け持って管理。毎朝、30分程度の見回りが日課だ。連絡には、無料通信アプリ「LINE」などを活用する。捕獲を確認したら、すぐに情報共有し、迅速な対応を心掛ける。毎月、イノシシを中心に10頭ほど捕獲する。同地区で梅やミカンを2ヘクタールで栽培する更井寛司さん(58)は「鹿やイノシシなどによる被害が減って助かっている。近所の農家からも被害が減ったとよく聞く」と笑顔を見せる。捕獲したイノシシなどを有効利用しようと、ジビエの処理施設の誘致にも動いた。区長や地元の市議会議員らに協力を呼び掛け、18年にジビエの処理施設「ひなたの杜」を誘致した。ジビエを普及しようと同施設と協力し、地元のシェフを招いて食べ方の提案をする他、JA紀南の農産物直売「紀菜柑(きさいかん)」でイノシシ肉を使ったみそ汁を提供し、中学校にジビエの説明に出向くなどしている。狩猟体験も企画している。岡本さんは「仲間がいたから、ここまで成果を上げることができた。今後も活動を広げていきたい」と意気込む。

(駆除、捕獲した鳥獣の慰霊祭:大分)
県猟友会(冨田能範会長)は4月26日、別府市の志高湖畔にある鳥獣供養塔前で、駆除、捕獲したイノシシやシカなどを供養する慰霊祭をした。狩猟シーズン後に毎年開いており、43回目。

(イノシシやシカ捕らえて”褒美”:兵庫)
春の深まりとともに農作業が本格化しているが、現今、話題になっているのがイノシシやシカなどによる農作物被害。農水省によると、2017年度の全国の被害額は約164億円に上り、せっかく実った農作物が被害に遭い、農家の栽培意欲をへし折るなど、深刻さを増している。ただ獣害は今に始まったことではなく、昔々からあったよう。そのことを示す資料として、230年ほど前、イノシシやシカを捕らえると、褒美にお金を支給することを「村の定め」として取り決めたことを記した文書が、兵庫県の山間の地に伝わっている。兵庫県丹波市柏原町上小倉に伝わる江戸時代の寛政2年(1790)の古文書。「神社での神事に関わって行われる寄り合いに際して供するお神酒は二献だけとする」など、倹約を徹底することを申し合わせた上小倉村の「倹約定書」の中に、“イノシシ褒美”“シカ褒美”の条文がある。それによると、正月から9日までの間に、3年子以上のイノシシを捕らえると、1頭当たり銀15匁(約2万5千円)、2年子なら銀5匁(約8千円)、1年子なら銀2匁(約3300円)を褒美として与えるとしている。また、シカについては、年齢にかかわらず1頭当たり銀5匁としている。褒美の額が違うが、捕らえた者が村人だけか、他村の村と組んでいるかどうかでも異なっていた。イノシシは、村人が他村の者と組んで捕らえた場合でも同じ額の褒美を与えるが、シカは、他村の者と組んで捕らえた場合は与えないとしている。イノシシとシカとでは、イノシシの害の方が大きかったと推測される。この定書の最後には、「以上の通り、村役人と五人組頭が寄り合って協議のうえ定めたものなので、末永く厳しく適用すること」とあり、時代が下っても、イノシシ褒美とシカ褒美は堅く守られていたのかもしれない。江戸時代の村では、しばしばその村独自の「村掟」が定められたという。内容はさまざまだそうで、この条文もその一例と言える。

(道有林に背こすりトラップ設置:北海道)
酪農学園大学(江別市)の学生を中心に十勝、釧路の両管内でヒグマの生態を研究している「浦幌ヒグマ調査会」(佐藤芳雄代表)の定期総会が3日、町内のレストラン大和で開かれた。総会には35人が出席。

(霧ヶ峰でシカよけの電気柵設置:長野)
霧ヶ峰高原の夏を彩る「ニッコウキスゲ」がシカに荒らされないよう、群生地の周辺に電気が流れる柵を設置する作業が行われました。霧ヶ峰高原で行われた作業には、県の職員や地元の関係者などおよそ40人が参加しました。霧ヶ峰高原では、夏場に黄色い花を咲かせる「ニッコウキスゲ」がニホンジカに食べられる被害が相次いでいるため、毎年この時期に群生地の周辺に電気柵を設置しています。参加した人たちは、高さ1.5メートルほどのくいを、およそ6メートル間隔で立て、そこに電気が流れるワイヤーをつけていきました。霧ヶ峰高原での電気柵の設置作業は来週にかけてほかにも4か所で行われ、合わせておよそ10キロにわたって設けられる予定です。県諏訪地域振興局環境課の是永剛課長は「電気柵を設置することによる効果が確認できています。これから訪れた人たちには、美しい豊かな信州の自然を満喫してほしいです」と話していました。

(富士通、ジビエ管理システム:長野)
長野市で野生鳥獣の肉「ジビエ」普及を目指し、捕獲から処理、販売までの履歴管理(トレーサビリティー)システムを備えた加工センターが7月から本格稼働の予定だ。ジビエの消費拡大は農作物の鳥獣被害防止や地域振興に貢献する一方、衛生管理の向上が不可欠。システムを開発した富士通は、野生イノシシによる媒介が疑われる豚コレラの感染ルート解明への活用にも期待する。「長野市ジビエ加工センター」の総事業費は約3億5000万円。年間1000頭分のシカ、イノシシの処理能力がある。従来は、猟友会が捕獲した野生動物は保健所の許可を得た施設へ持ち込まれていた。今後は、冷凍庫などを備えた同センターを使うことで供給能力や衛生管理の水準が大幅に向上する。富士通は長野市とともに約2年かけて、個体識別番号を使ってジビエの受け入れから処理加工、在庫・販売管理までを行うシステムを開発した。消費者はQRコードを読み取ることで、いつ、どこで捕獲されたかも追跡可能。「顔が見えるジビエ」として消費者の安心感を高めたい考え。さらに同システムでは捕獲場所を記録することで、「豚コレラなどのウイルス感染ルートの推測に役立つ」(富士通広報IR室)という。万が一、感染が発覚した場合、加工した肉の流通経路を把握できるため、迅速な回収が可能だ。センター担当者は「ジビエを地元の新たな観光資源に育てたい」と話している。

(シカ肉400キロを1700人ぺろり:高知)
シカ肉の魅力をPRする催し「シカニクの日!」がこのほど、香美市物部町のべふ峡温泉で開かれた。約1700人の親子連れらが訪れ、用意された約400キロの肉がすべて、みんなの胃袋に収まった。市観光協会の主催で5回目。ジビエ人気もあってか4月29日は、小雨にもかかわらず過去最高の人出となった。無料で振る舞われた500人前のカレーは、1時間ほどで鍋が空に。ソーセージやパテなどを販売する屋台には行列ができ、来場者は「あっさりでも、うま味たっぷり」とほおばっていた。カレーパンやジャーキーを販売した高知商業高3年の竹村音葉さん(17)は「シカ肉はカロリーが低くて、ダイエットにぴったり」とPRし、「売りまくって、べふ峡を盛り上げたいな」。同温泉は2017年に台風被害を受け、4月1日にリニューアルオープンしたばかり。この日、温泉やレストランは終日大入りとなり、岩崎寛史支配人代理(36)は「おいしいジビエと美しい自然を武器に、売り上げアップに努めます」と、ほくほく顔だった。

(マタギに会える、マタギになれる:秋田)
北秋田市の地域資源を生かして独自の観光ブランド確立を目指そうと、「やってみよう!北秋田」北秋田地域素材活用推進協議会が発足した。地域活性化に向けた実行組織として市内の団体や企業が手を携えて取り組む。本年度は一般社団法人秋田犬ツーリズム(大館市)との共同事業で、伝統的な狩猟文化が残る阿仁地区の「阿仁マタギ」を情報発信していく。協議会には秋田内陸縦貫鉄道、市観光物産協会、鷹巣阿仁青年会議所、第三セクターのマタギの里観光開発などが参加。阿仁に本社がある内陸縦貫鉄道に事務局を置く。阿仁マタギの文化は阿仁の人々の営みに今も息づき、市は日本遺産登録を目指しているが、地域内外での理解は十分と言えない。こうした点を踏まえ、市民によるPR事業「マタギに会える、マタギになれる 北秋田」を展開して周知を図る。事業期間は2020年2月まで。主なイベントとして、公募の市民マタギが参加する「市民マタギウオーク」を前期と後期の計10回実施。秋田犬ツーリズムと内陸縦貫鉄道が作製したマタギ衣装30セットを貸与する。ウオークに合わせ、年2回現役マタギの鈴木英雄氏による「マタギ語り」を行う。マタギ資料館やマタギが使う刃物を製作する西根刃物製作所などを巡る阿仁地区の周遊ルートを整備し、マップを作成。阿仁マタギの歴史や固有の世界観などをまとめた電子図書を作る。イケメンマタギを募集するほか、6月に市内で開かれる全国マタギサミットへの参加を予定する。13日に北秋田市であった設立総会では、事業計画や役員体制を決めた。会長に選ばれた鷹巣阿仁青年会議所の沢田吉宏理事長(39)は「停滞はマイナス。やってみようというフレーズと共に各団体と連携して前に進みたい」と意気込みを語った。

(仕留めたシカで革製品:北海道)
3月末まで池田町の地域おこし協力隊員だった長谷耕平さん(33)が経営するエゾシカ革製品などの販売店「EZO LEATHER WORKS(エゾレザーワークス)」が、4月27日にオープンした。同町清見163のD型ハウス(約200平方メートル)を購入し、自らの手で改修。実店舗(約25平方メートル)や事務スペース(約10平方メートル)、住居のタイニーハウス(約17平方メートル)などを配置した。長谷さんは、所持する狩猟免許を生かし、自ら仕留めたエゾシカの皮をなめし、その革を素材に全国各地の革作家に製品化を依頼。店舗ではエゾシカ狩猟で得たシカ革でつくったバッグや靴、財布や名刺入れなど30点の見本が並び、注文を受け付けている。ドライブ途中に立ち寄った帯広市の会社員の男性(64)と妻(67)は「D型ハウスの中に店舗や住居があるのは初めて見た。シカ革製品もすてき」と話した。長谷さんは「たくさんの人が気軽に立ち寄れる場所になれば」と話している。実店舗のほか、17年5月にオープンしたオンラインショップも継続する。

(クマの脂で保湿クリーム:岩手)
西和賀町湯本の温泉旅館「一城」(佐川圭館主)は、同町のクマの脂を原料にした「ベアオイルクリーム」を販売している。天然の保湿成分に着目し、全身に使える商品として女性や年配者を中心に好評だ。

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(山菜採り男性2人が襲われけが:岩手)
岩手県内ではクマによる被害が相次いでいます。岩手町では4日午前、山菜採りをしていた男性2人がクマに襲われけがをしました。4日午前11時半ごろ岩手町一方井の山林で、山菜採りをしていた岩手町黒内の会社員、田村正則さん66歳と60代の弟が、クマにひっかかれたりかまれたりしました。田村さんと弟はその後、自力で下山し110番通報しました。田村さんは頭や顔などに大けがをし、弟もけがをして病院に運ばれましたが、2人とも搬送時には意識があり会話もできる状態でした。一方、一関市東山町の農家の牛舎では4日朝、クマが牛のエサを食べているのを農家の人が見つけたほか、宮古市田老では農家の倉庫にあったリンゴ11キロが食べられ、クマによるものと見られています。

(クマに襲われ男性重傷:福島)
3日午前7時15分ごろ、福島県北塩原村桧原字館山の桧原湖畔の遊歩道で「クマに襲われた人がいる」と近くのペンションの男性から119番通報があった。喜多方署によると、東京都の公務員男性(64)がクマに襲われ、顔などに重傷を負った。同署によると、男性は家族で旅行に来ており、同7時ごろ、犬の散歩で遊歩道を1人で歩いていた際、突然目の前にクマが現れ襲われた。顔を引っかかれたほか、足をかまれ、抵抗できない状態だったという。クマはそのまま去っていき、男性は自力で近くのペンションまで逃げて助けを求めた。クマの体長は不明。男性の命に別条はないという。同署や村職員が現場周辺をパトロールしたほか、地元の猟友会が駆除のためクマを探したが、発見されていない。クマの被害を巡っては、4月28日に会津美里町東尾岐字烏帽子嶽の山林で山菜採りをしていた女性2人がクマに襲われ、重軽傷を負った。

(クマに襲われ70代女性けが:新潟)
3日午後2時ごろ、新潟県阿賀町七名(ななめ)乙の住宅裏で、畑作業をしていた70代の女性がクマに襲われた。女性はかまれたり引っかかれたりして、顔や頭、右手を負傷した。津川署などによると、クマは体長約1メートル。女性は新潟市の病院に救急搬送されたが、命に別条はないという。

(クマに襲われ女性けが :秋田)
1日午前6時ごろ、にかほ市の山林で、夫と一緒に山菜採りをしていた由利本荘市の70歳の女性が、クマ1頭に襲われた。女性はクマに右腕をかまれたほか、右耳をひっかかれ、けがをしたが、命に別条はないという。女性は、夫と離れた場所で山菜を採っている際にクマと遭遇し、声を上げたところ、クマが襲ってきたと話している。クマは女性を襲ったあと、現場から去っていった。秋田県内でクマに襲われ、けがをしたのは、2019年初めて。

(牛舎に子グマ、牛の飼料食べ逃げる:岩手)
4日午前4時過ぎ、一関市東山町田河津の農業、那須野義勇さん78歳方の牛舎で、牛が騒いでいたことから那須野さんが牛舎に行ったところ、牛舎を囲っているシートが破られ、子グマ1頭が牛の飼料を食べているのを見つけました。那須野さんが声をあげたところ、子グマは逃げていったということです。那須野さんにけがはありませんでした。千厩警察署などが現場付近の住民に注意を呼びかけています。

(鳥獣による農作物被害増も免許所持者は減:宮城)
宮城県と県猟友会が、イノシシなど野生鳥獣による農作物被害を減らす取り組みを本格化させる。狩猟者の高齢化と減少に伴い駆除が十分できず、被害の拡大に歯止めがかからないためだ。県などは本年度も新人ハンター養成講座を開き、若い担い手確保に力を注ぐ。県内の農作物被害額は2017年度で約1億7800万円を記録し、10年前の1.5倍に増えた。特にイノシシによる被害が深刻で、全体の6割(約1億800万円)を占める。被害増加と対照的に、わなや銃の狩猟免許所持者は減少。50年前の1969年度に延べ1万925人だった所持者は18年度に3516人まで減った。60歳以上の割合も6割を超える。狩猟者の減少と農作物被害の増加を食い止めようと、県は県猟友会と協力してハンター養成講座を13年度に始めた。18年度までの6年間で計130人が受講した。県によると、近年のジビエ(野生鳥獣肉)ブームもあり、女性の参加者も増えている。受講した29人が県猟友会の会員になったが、人材はまだ不足気味だ。県猟友会の尾形正行事務局長は「狩猟の技術を伝える貴重な機会にしたい」と参加を呼び掛ける。本年度の養成講座は6月15日~12月8日に計7回、県クレー射撃場(村田町)などで実施。20~50歳が対象で定員20人。受講料2000円。イノシシやシカの生態、わなや銃の使い方、狩猟後の解体方法を学ぶ。

(クマと衝突、JR仙山線列車遅れ:宮城)
2日午後10時35分ごろ、仙台市青葉区のJR仙山線葛岡-陸前落合駅間で、仙台発山形行き下り普通列車がクマと衝突し、約45分遅れた。約140人の乗客、乗務員にけがはなかった。

(観光地、サル出没注意:京都)
京都市の観光名所の周辺で、サルの被害が相次いでいる。2月以降、30人がかまれたり、ひっかかれたりした。外国人観光客の被害が多いという。人の多い観光地なので麻酔銃は使えず、市職員が連休中も巡回して注意を呼びかけている。4月4日、南禅寺(左京区)近くの歩道で、旅行中のスウェーデン人の女児(10)がふくらはぎをかまれた。近づいてきた子ザルを見ていた時、親とみられるサルが襲ってきたという。4月15日には伏見区深草車阪町の路上で、通行人の男性(38)が、足にしがみついてきたサルに威嚇された。近所の女性は「2月から頻繁に見かける。人を怖がらないし、子ザルはやんちゃ。近づかないようにしている」という。京都市によると、千本鳥居で知られる伏見稲荷大社(伏見区)で2月14日に観光客がかまれて以降、4月18日までに30人が被害に遭った。半数以上は外国人観光客で、子ザルに餌をあげたり写真を撮ろうとしたりして、親らしきサルにかまれたケースが多い。被害現場は南北5キロ、東西2キロほどの範囲に集中している。京都市の担当者は、京都盆地に連なる東山三十六峰の山々を同じ親子が行き来したとみている。

(レーザー光の銃でシカ狙えます:神奈川)
県猟友会(熊澤收会長)はハンターの人数を増やそうと6月8、22の両日、県立伊勢原射撃場ライフル射場(伊勢原市上粕屋)でセミナーを開催する。県内で鳥獣被害が絶えないのを踏まえ、担い手を確保するのが目的。レーザー光を利用した銃で射撃体験ができるシューティングシミュレーターを初めて使い、参加者に興味を持ってもらう。セミナーはまだ狩猟免許を持っていない人や、持っていても実際の狩猟体験が少ない人向けに開催する。同会などによると、シューティングシミュレーターは、スクリーンに山野の映像とともにシカやカモが動く映像を映し出す。レーザー光を使った銃で獲物を狙って撃ち、当たると映像のシカやカモが倒れ、実際に狩猟をしているかのような体験ができる。セミナーはこれまでも実施しているが、猟友会員らが射撃場で銃を撃つ様子を見学したり、狩猟についての座学を受けたりすることにとどまっていた。シューティングシミュレーターを導入することで、さらに参加者の興味を引き、免許取得につなげていく狙い。県によると、県内の狩猟免許所持者数は2017年度で約5420人。16年度から2カ年連続で微増している。

(ロマンスカー落石接触、容疑者はイノシシ:神奈川)
国内有数の観光地・箱根で4月に特急ロマンスカーが線路間にあった大型の石と接触、約1時間半にわたって立ち往生した事故。何者かによる悪質な置き石かと思いきや、意外な“容疑者”が浮上している。鉄道事業者は、線路脇にある崖の斜面にイノシシが穴を掘ったことで落石が起きたとほぼ断定。神奈川県箱根町内ではイノシシの出没数が増えており、関係者は落石対策の強化を迫られている。箱根登山鉄道(小田原市)によると、4月15日午後6時40分ごろ、箱根登山電車の箱根湯本-入生田間で、箱根湯本発新宿行き特急ロマンスカーの運転士が線路間にある約45センチ四方、厚さ約25センチの石を発見。ブレーキをかけたが間に合わず、石が車両の下に入り込んだ。けが人はなかったが、同電車は約1時間半にわたり乗客を乗せたまま停車。小田原-箱根湯本間で運転を一時見合わせ、上下線計17本が運休した。線路の片側は高い崖になっており、同社が現場周辺を翌日調べると、線路から40メートルほど上の斜面で、地面が掘り起こされた跡や、周辺にかじられた山芋が見つかった。同社担当者は「九分九厘、イノシシによる落石」とほぼ断定した。同社によると、線路周辺に小さな石が落ちていることは珍しくない。雨などの浸食で生じた浮き石が線路まで転がってくることもあるが、イノシシが地中のミミズや山芋を食べるために斜面を掘った際に一緒に石が掘り起こされて落石が起きているという。過去には電車がイノシシやシカと衝突して数分止まることがあったものの、イノシシによる落石で今回のように運転が長時間ストップするケースは近年なかったという。2012年6月には、台風に伴う豪雨で線路間に落ちてきた直径約70センチの石に普通電車が乗り上げ脱線する事故があった。担当者は「今回は石が平べったく、(当時の石より)小さかったのが不幸中の幸い」と胸をなで下ろす。

(厚真にエゾシカ侵入防止柵設置:北海道)
昨年9月の胆振東部地震で大きな被害を受けた厚真町幌内地区などで、破損したエゾシカの侵入防止柵の設置作業が始まり、初日の23日は約30人のボランティアが作業を手伝った。地震で家族を失った自治会長の山本隆司さん(54)は「再建への大きな励みになる」と感謝した。山本さんは厚真町市街地のみなし仮設住宅で生活する。地震による土砂崩れで自宅は流され、当時77歳の両親と50歳の妹を失った。心の傷は今も癒えないが、親族や住民に励まされ再建を目指している。

(ヒグマ目撃相次ぐ:北海道)
苫小牧署管内(東胆振1市4町)で4月以降、ヒグマの目撃情報が相次いでいる。同月、同署に寄せられた目撃情報は、前年同月比7件増の10件。民家近くにも出没しており、関係機関・団体が警戒を強めている。同署によると、10件の内訳は苫小牧市が7件と最も多く、厚真町、安平町、むかわ町はそれぞれ1件だった。「大きな黒いヒグマが歩いていた」。4月12日、苫小牧市植苗の80代女性は、自宅庭の畑を横切る体長約2メートルのヒグマ1頭を目撃。人畜への被害は無かったが、女性は「また出没しないか」と不安そうにしていた。同月22日には安平町遠浅の遠浅神社の敷地内で、通行人が体長約1・5メートルのヒグマ1頭を目撃した。同署に寄せられたヒグマの目撃情報(年間件数)は、2014年6件、15年16件、16年20件、17年36件、18年36件と増加傾向にある。いずれも目立った被害は報告されていないが、一歩間違えれば突然襲われたり、交通事故に発展する危険性もあったりしたため、同署は目撃現場周辺のパトロールを強化。市や猟友会も警戒を強めている。山菜採りや登山などで森林に入る際のヒグマ対策としては▽熊よけの鈴やラジオ携行▽単独での入山を避ける▽大声を出すなどして刺激しない―ことなどが挙げられる。同署地域課の大平浩喜地域官は「行楽シーズンを迎え、外出する機会が増えるが山林や路上にごみを含め、餌になるような食べ物を放置しないでほしい」と呼び掛ける。

(市街地にクマ:福島)
3日深夜から4日にかけて、福島市街地の公園などでクマの出没が相次いだ。県内では大型連休に入ってから、クマに襲われてけが人も出ており、県警や県は注意を呼びかけている。福島署によると、3日午後11時50分頃、福島市小倉寺の市道で、帰宅中の男性が体長約1メートル50のクマを目撃。クマは近くの弁天山公園に逃げた。翌4日午前8時45分頃にも、同公園内の山を下るクマを近所の女性が目撃し、110番した。同公園は県庁から南東に約1キロで、住宅や中学校が周辺にある。市は4日午前10時半頃から公園全域を立ち入り禁止にし、署員や市職員ら20人体制で捜索。約6時間後に猟友会員が園内で雄のクマを発見し、駆除した。近くに住む男性(94)は「この辺りでクマが出るのは珍しいので怖い」と不安げに話していた。会津坂下町宇内の田畑では4日午前7時35分頃、近所の男性が体長約1メートルのクマを目撃。会津坂下署員と猟友会員が約2時間後に近くの山林で雄のクマを見つけ、駆除した。4月28日、5月3日には、会津美里町と北塩原村で計3人がクマに襲われ重軽傷を負った。県自然保護課によると、クマに遭遇した場合は▽興奮させないよう大声を出さない▽目を離さず後ずさりして立ち去る――などが有効という。同課の担当者は「目撃情報を知ったら、できるだけ近づかないで」と呼びかけている。

(クマ出没:岩手)
5月4日午前11時39分ごろ、岩手町一方井の山林で山菜採りをしていた60歳代の男性2人がクマに襲われて顔面などを負傷した。また、同2日未明から4日朝までの間の夜間、宮古市田老字摂待でも倉庫のサッシ戸などがクマに壊され、倉庫内のリンゴを食べられる被害があった。警察は周辺地域に注意を呼び掛けている。

(公園にクマ:秋田)
秋田県内では3日、クマの出没が相次いだ。いずれもけが人はいない。大館市餅田の二ツ山総合公園で午前9時40分ごろ、公園を訪れた10代男性が体長約1メートルのクマ1頭を見つけた。クマは山に逃げていった。五城目町高崎では午前10時半ごろ、体長約1メートルのクマ1頭が田んぼから林に向かうのを農作業中の60代男性が目撃。大仙市大沢郷宿でも午後4時25分ごろ、体長約1メートルのクマ1頭が田んぼから林に入るのを車で通り掛かった70代男性が目撃した。

(住宅地でクマ目撃情報:山口)
1日午前10時ごろ、岩国市室の木町5付近の畑で、「クマを見た」と警察に通報があった。岩国署によると、クマは体長約1メートルで、現場から北の山の方向に立ち去ったという。

(サルの出没:佐賀)
3日午前7時00分ころ、佐賀市諸富町大字寺井津に猿1匹が出没しました。今後も出没する可能性がありますので、注意してください。

(カラス巣作りに注意:北海道)
4~6月はカラスの営巣、繁殖が活発になる時期。北海道電力千歳ネットワークセンターは、電柱でのカラスの巣作りを見つけた際、迅速な同社への連絡に協力を呼び掛けている。巣の材料に使われる針金などが電線や機器に接触した場合、ショートするなどして送電に異常が発生し、停電になる可能性があるからだ。カラスは繁殖期の春から初夏にかけて、樹木や電柱を利用して営巣する。素材は木の枝が中心だが、ハンガーや建設資材などの針金を用いることも多い。同社は、千歳、恵庭市内で2015年度に54件、16年度に42件、17年度に40件の巣を撤去。18年度は49件だった。昨年はカラスの営巣による停電が1件発生するなど影響が出た。19年度は、大型連休前の4月26日までに千歳、恵庭市内での撤去事例は11件。いずれも市街地の電柱に営巣していた。餌を得やすいごみ集積場の付近を選んだとみられる。同社はトラブルを防ぐため、電柱に巣がないか小まめにパトロール。巣を作らせないよう、電柱上の機器類に専用カバーや風車を取り付けるなどの対策をとる。カラスが巣を作るペースは速く、担当者は「午前中に巣を撤去した同じ電柱に、午後に再び巣を作られたこともある。あっという間です」と話す。トラブル防止には市民の迅速な通報が不可欠だ。鳥獣保護法により産卵後の卵やひなは撤去できないが、電柱にできた巣の撤去は危険性が高いため、市に届け出た上で実施している。同社では「たった一本の針金でも、広域にわたり一時停電する可能性がある。見つけたらご連絡をお願いします」と呼び掛ける。

(タカのにらみ、カラスも猫も寄りつかず:東京)
狛江市の農家、須田和男さん(70)は、タカと共に農地を守っている。園地に設置した止まり木から作物を荒らす侵入者を監視。タカの飼育を始めてからは、野菜やブルーベリーの生産で鳥害や猫のふん害を気にする必要がなくなり、須田さんのストレス軽減にもつながっている。須田さんは庭先販売をメインに、多品目の野菜とブルーベリーを栽培している。7月上旬~9月下旬は生のブルーベリーを販売。9~12月は冷凍にしたブルーベリーを取り扱う。野菜を含め、地域の消費者の予約だけで完売する日があるほど人気だ。これまで、カラスなど鳥による収穫直前のトマトやキュウリの食害が止まらず、猫のふん害にも困っていた。以前から関心があったタカを農地のそばで飼育することで、「被害が軽減するのではないか」(須田さん)と考えた。5年前にタカ(ハリスホーク)を35万円ほどで購入し、飼育を開始。温厚な性格で人に懐きやすく、須田さん以外の人と一緒にいても危害を加えることはないという。タカは、鳥小屋から出して農地に設置した止まり木につなぎ、番をさせるのが日課だ。タカが2、3分、危険を察知した鳴き方をすると、農地にいた猫や上空の鳥が去るほど、効果はてきめん。カラスなどが向かって来るまで攻撃することはなく、抑止力が強い。過去には、近隣の農家の鳥害を防ぐため、試験的にこのタカの鳴き声を録音し、農地で再生。1週間ほどは鳥害が止まったという。須田さんはタカを放つときは、できる限り日の出や夕方など、人通りが少ない時間帯を選び、地域住民を驚かせないように配慮している。最近では、近隣の保育園児や幼稚園児らが散歩中に須田さんの農地に寄り、迫力あるタカが飛び立つ姿や戻ってくる姿を見学するなど、地域住民との触れ合いの場にもなっている。須田さんは「タカはパートナー。タカを危険だと思っている人は多いだろうが、忠実で誠実な素晴らしい生態をもっと知ってもらいたい」と笑顔で話した。

(「見たことない」珍しい色のキジか:栃木)
鹿沼市内で4月29日、下野写真協会員の宇都宮市一条3丁目、無職岡田好行(おかだよしゆき)さん(65)がキジとみられる珍しい色の鳥を見つけ、撮影した。岡田さんによると、同日午後3時ごろ、鹿沼市野沢町の田んぼで、体は茶色で首から上が青い鳥を発見した。岡田さんは繁殖期のキジを撮影しようと同所を訪れ、約30メートル先にいる鳥に気付き、写真に収めたという。雄のキジを追いかけるように歩いていた。個体は1時間ほど、田んぼの周辺を歩き回った後、隣接する河川敷へ入っていった。野鳥の撮影を始めて5年の岡田さんは「貴重な経験ができてよかった」と話した。県立博物館の林光武(はやしてるたけ)自然課長は「キジ科の個体と思われるが、通常、雌のキジは全身が茶色。初めて見たので断定できないが、雄のような体色が出た雌の可能性がある」と分析。日本野鳥の会理事長の遠藤孝一(えんどうこういち)さんは「見たことがない。珍しい個体ですね」と驚いていた。

(「幻」の鹿肉、風と海のうまみ:宮城)
「プレサレ」と呼ばれる幻の子羊がフランスにいる。前もって(プレ)塩気がある(サレ)という意味だ。世界遺産の島モンサンミッシェルの周辺で育った羊で、潮をかぶった牧草を食べるため、うまみを存分に感じられる肉として知られている。そのプレサレのような強い味わいで知られるのが、宮城県石巻市河北地区の鹿肉だ。宮城と山形にまたがる蔵王連峰から吹き下ろす強風「蔵王おろし」により、北上川河口の海水と混じった水が飛び散り、鹿たちはその塩分やミネラルを含む草を食べて育つ。JR石巻駅近くのcafe蓮(れん)は週末と祝日だけ、その鹿肉の背ロースを使ったロースト丼(サラダとスープつき、税別千円)を出している。オーナーシェフの斎藤ゆかりさん(42)は「くせがなく軟らかいうえ、鉄分も豊富なので人気の料理。6月になると提供できる子鹿の肉は、もっと軟らかい」。表面だけ焼き色をつけ、あとは低温でじわじわと熱を加えることで、肉のうまみを閉じ込めるという。店に鹿肉を卸しているのは県猟友会の河北支部長、三浦信昭さん(77)だ。鹿は農作物を食い荒らし、車にぶつかる事故も絶えない。河北地区周辺では昨年度、有害鳥獣として約1千頭の鹿が捕獲された。「多くの人に食べてもらえば、命を取られた鹿も本望だろう」。そう考えた三浦さんが、自宅に食肉処理施設をつくったのは2008年だ。「捕ったら1時間半以内に血抜きをしなければ、臭くて食べられない。のんびりしていられない」県自然保護課によると、鹿は、江戸時代には宮城県内全域で生息していたが、乱獲で激減し、石巻湾に浮かぶ離島・金華山や牡鹿(おしか)半島でのみ生息する「幻の獣」になった。捕獲数が減ったことなどにより、生息域が再び広がった。現代の鹿猟はハイテク機器に支えられている。猟犬にはGPS端末がつけられ、鹿が逃げる位置がハンターに瞬時に伝わる。捕獲できる数は以前より増えた。ただ、処理できる数に限りがあるため、スーパーや精肉店で売られることはほとんどない。「ジビエ」ブームもあって三浦さんのもとには東京のフランス料理店などからの注文も絶えない。だが、三浦さんは言う。「特別な料理じゃなく、家庭でもっと気軽に食べられる肉として広げたいね」

(「山から授かった」マタギのクマ鍋:秋田)
クマを狩猟するマタギ。秋田県北秋田市の山間部、森吉山(もりよしざん)(1454メートル)のふもとにある阿仁(あに)地区は、マタギ発祥の地と言われる。マタギの頭領は「シカリ」と呼ばれ、集落ごとに受け継がれてきた。その一人、鈴木英雄さん(72)は「クマは獲物じゃない。山の神からの授かりものです」と話す。15歳でマタギになり、クマに畏敬(いけい)の念を持つ。マタギは十数人で山に入り、クマを仕留めると儀式をして供養し、その魂は山の神に返す。肉は平等に分け合う。「マタギ勘定と言います。山は神聖な場所。そこで授かったものだから、粗末にはしない。肉は全部混ぜて、仲間で分け隔てなく」鈴木さんはクマ鍋づくりの名人でもある。5年ほど前には、サッカー元日本代表の中田英寿(ひでとし)さん(42)に振る舞った。中田さんは各地の伝統文化を紹介する企画で阿仁を訪れ、マタギについて鈴木さんに取材した。クマ鍋でもてなすと、「世界中を回ってきましたが、こんなにおいしい肉は初めてです」と絶賛したという。クマ肉を酒、みそ、塩で煮ただけの鍋だった。「余計なものは入れない。肉の味を生かすのには、それが一番」。中でも秋に捕れたクマは木の実を食べているせいか、脂がのっているそうだ。料理のコツは、あまり煮こまないこと。「肉が柔らかいうちに味付けをするといいです。脂も独特で、くせがありません」

(ジビエ流通拡大に向けたトレーサビリティシステム:東京)
狩猟関連機器・サービスの企画・開発・販売を行う株式会社huntech(本社:東京都目黒区、代表取締役:川崎亘、読み:ハンテック)は、2019年5月7日に、安全なジビエの流通管理を実現するトレーサビリティシステム「ジビエクラウド」の提供を開始いたします。本サービスは、ジビエを取り扱う食肉処理施設向けのクラウドサービスで、農林水産省の定める「国産ジビエ認証制度」(参考資料1)に準拠した形で、個体ごとの捕獲・加工情報の登録、製品ラベルに表示するためのQRコードの作成が可能です。登録した情報を開示することで、安全性を重視する消費者に信頼性の高いジビエを安定して供給することが可能になります。huntechでは、野生鳥獣被害が深刻な自治体等を中心に本サービスの導入を進め、2019年末までに、40の処理場への納品を目指します。

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(長男に空気銃発砲か:茨城)
茨城県警石岡署は29日、殺人未遂と銃刀法違反の容疑で、同県石岡市栄松の会社役員、坂本悌二(ていじ)容疑者(63)を逮捕した。調べに対し、黙秘している。逮捕容疑は14日午前2時10分ごろ、自宅で無職の長男(31)に狩猟用の空気銃を複数回発砲し、銃で殴るなどして頭や胸に重傷を負わせたとしている。同署によると、長男が坂本容疑者の自宅にガソリンをまくなどしていたところを発砲したという。事件当時、妻が在宅していたがけがはなかった。長男は15日、現住建造物等放火未遂の容疑で同署に逮捕されており、供述などから今回の容疑が浮上した。同署は家庭内でトラブルがあったとみて動機などを調べている。

(神経研ぎ澄まし的撃つ:岐阜)
昨年11月に新しく完成した美女高原射撃場(高山市久々野町)で28日、県猟友会主催のクレー射撃大会があり、県内12支部から62人が参加した。

(クマに襲われ姉妹が重軽傷:福島)
28日午前9時50分頃、福島県会津美里町東尾岐の山林で、山菜採りをしていた埼玉県の女性(66)と妹で会津若松市の女性(62)が、体長約1メートルのクマに襲われた。姉妹は会津若松市内の病院に搬送されたが、姉は顔をひっかかれて重傷、妹は左腕をかまれて軽傷を負った。会津若松署によると、姉妹は男性1人、女性3人の計4人で山菜採りをしていた。クマは山中に逃げたという。署員が付近をパトロールしたほか、町が防災無線で注意を呼びかけた。

(クマに襲われ顔や足かまれる:新潟)
2019年4月28日午前10時頃、新潟県妙高市関山の妙高山中で、県猟友会に所属する同市の60歳代の男性が、有害鳥獣の捕獲作業中にクマに襲われた。男性は顔などをかまれ、上越市内の病院に搬送された。命に別状はないという。

(山菜採りの女性がクマに襲われけが:秋田)
1日午前6時ごろ、秋田県にかほ市院内の山林で山菜採りをしていた同県由利本荘市の女性(70)がクマに襲われ負傷した。同県警由利本荘署によると、女性は右腕をかまれたり、右耳を引っかかれたりしてけがをしたが、命に別条はないという。秋田県内でクマによる人的被害は今年初めて。同署によると、女性は「山菜を採っていてふと顔を上げたらクマがいた。『クマだ!』と叫んだが、襲われた」と話し、体長は約1メートルだったと説明しているという。叫び声で近くにいた夫(69)が駆け付けたが、クマは逃げた後だったという。この事故を受け、にかほ市は市民に注意喚起を呼び掛ける「防災あんしんメール」を配信。地元の猟友会にも連絡した。秋田県は2018年度、県内にツキノワグマが3700頭生息していると推定している。

(ワクチンで抗体1割、捕獲イノシシを検査)
農水省は27日、豚コレラ拡大要因となっている野生イノシシ対策として岐阜、愛知両県で始めた経口ワクチン使用の進捗(しんちょく)状況を初めて公表した。捕獲したイノシシは188頭で83頭がウイルスの抗体を持っていたが、そのうちワクチン餌を食べて抗体を持った可能性がある個体は9頭と、1割にとどまった。同省はワクチン由来の抗体を持つイノシシを増やすため、設置場所などの改善策を検討する。

(中国で猛威「アフリカ豚コレラ」)
東海地方で発生した「豚コレラ」への対応に追われる農林水産省が、さらなる脅威として中国で猛威をふるう「アフリカ豚コレラ(ASF)」の上陸を警戒している。通常の豚コレラより感染力が強い上、治療法やワクチンがなく、侵入すれば畜産業に深刻な打撃を与えるからだ。中国の訪日客らが違法に持ち込んだ豚肉製品からASFが検出される中、農水省は、渡航者が増える10連休中の空港での水際対策に懸命だ。農水省は22日、違法な肉類の持ち込みへの対応を厳格化。輸入検査を受けずに肉類を持ち込んだ場合、従来は空港で没収するだけだった。しかし、同日以降は、再発防止を求める警告書への氏名やパスポート番号などの記載を義務化。動物検疫所でデータベース化し、違法性を認識した上で持ち込みをくり返せば、刑事告発も検討する姿勢を打ち出した。家畜伝染病予防法は、輸入検査証明書を添付していない肉類の持ち込みを禁止。違反すれば3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる。日本に豚肉を輸出できるのは、口蹄疫(こうていえき)やASFの発生がない豪州やカナダなど30カ国のみ。牛や豚に口蹄疫が流行したアジアからの輸入は停止しており、正規の手続きを経ても輸入できない状況となっている。訪日客が土産や自分で食べるために手荷物として持ち込む肉製品も対象だが、違法な持ち込みが後を絶たない。農水省によると、この5年間で肉類の持ち込み数は2倍に急増。昨年8月、アジアで初めて中国でASFの感染が確認され、農水省は危機感を高めた。中国では感染が全土に広がり、90万頭以上の豚が殺処分されているほか、モンゴルやベトナムにも飛び火している。ASFは豚やイノシシに感染する伝染病で、致死率はきわめて高い。病勢が強く、抗体ができにくいため、有効なワクチンや治療法は見つかっていない。ウイルスは豚の血液や排せつ物の中で1年半生存できる。70度以上の高温で30分以上加熱すれば死滅するが、塩漬けハムで140日間、冷凍肉では数年間生き続ける。農水省は、検疫探知犬を主要7空港や、国際郵便の小包が集まる川崎市の郵便局に計33頭配置。これまで中国やベトナムからの訪日客から没収したソーセージやギョーザなど計30件でASFを検出。中部空港で没収したソーセージからは感染力のあるウイルスも確認された。中国当局は「正規のルートで購入した豚肉や豚肉製品は心配ない」とするが、当局の監視の目をくぐって感染した豚肉製品が流通し、日本に持ち込まれる懸念もある。日本では、昨年9月、岐阜市で26年ぶりに豚コレラの国内感染が確認され、愛知など東海地方を中心に感染が広がった。農水省は豚の殺処分や周辺農場の豚の移動制限による封じ込めに躍起だが、終息の見通しは立っていない。そんな中、より強力なASFが中国などから上陸すれば、「対処できなくなる恐れ」(農水省幹部)があり、水際対策に懸命となっている。

(特急しなの、クマと衝突:長野)
28日午後7時35分ごろ、長野県塩尻市のJR中央線で、名古屋発長野行きの特急ワイドビューしなの21号が線路上にいたクマと衝突し、一時停車した。乗客250人にけがはなかった。JR東海によると、車両や線路の安全に問題がないことを確認してから運行を再開した。この列車は59分遅れた。他にも上下線計3本に遅れが出て、計330人に影響した。

(3県でシカ対策検討:栃木)
茨城県内で近年、約百年ぶりに野生のニホンジカが確認された。国内唯一の非生息地域とされるが、全国的な個体数急増に伴い、隣の栃木県から移動したとみられる。奈良公園では「神の使い」とされるが、各地で農作物や樹木を食い荒らす「食害」が深刻化。国は捕獲で半減を狙うが難航している。茨城、栃木、福島の三県は合同で協議会を設け、被害防止へ連携する方針だ。環境省によると、本州以南のニホンジカの推定個体数(中央値)は二〇一六年度で約二百七十二万頭と、一九八九年度の約十倍。高い繁殖力や狩猟者の減少、明治期以降の乱獲による激減で一時、狩猟規制したことなどが原因のようだ。山の野草を食べ尽くし土壌流出を招くなど、被害は農林業にとどまらない。同省は「爆発的増加だ」と危機感を示し、捕獲に理解を求めている。一七年十一月、茨城県北部の山中で、農業・食品産業技術総合研究機構中央農業研究センターが置いたセンサーカメラが二頭を捉えた。昨年十月に動画が撮影され、同十一月には茨城森林管理署が国有林で写真を撮った。同署の菊池毅地域林政調整官は「予想はしていたが、ついに来たか」と頭を抱える。植林した木の皮も食べるニホンジカは脅威だ。栃木県では一七年度、約九千八百頭を捕獲したが、食害は高止まりの状態が続く。三県が設ける協議会では、移動ルート解明に向け、シカへの衛星利用測位システム(GPS)装着などを検討する見通しだ。茨城県は「情報を共有して生態を解明し、シカの定着を防ぎたい」(自然環境課)とし、効果的手段を見いだすのに懸命だ。

(動物と衝突、輸送障害1.6倍:宮城)
JR東日本仙台支社の管内で、動物との衝突による輸送障害が2018年度は前年度比1.6倍の135件と過去最高になった。JR東北本線や仙石線ではイノシシなどとの事故が増えている。衝突すると運行が30分ほど遅れるため、対策を強化する。東北本線の越河―白石駅間や磐越西線の中山宿駅―沼上信号場間ではイノシシとの衝突件数が半数以上を占める。仙山線の陸前白沢―熊ケ根駅間や奥羽本線の北赤湯信号場―中川駅間ではカモシカや熊が目立っている。いずれも暖冬の影響で積雪量が少なく生息域が拡大したことや、耕作放棄地の増加が影響しているとみられる。衝突は夕方から夜間が多い。衝突した場合、ブレーキなどに異常がないか点検し、次の駅まで徐行しなくてはならず、30分程度の遅れが発生する。昨年6月には仙山線の葛岡駅近くでカモシカが衝突し、41分の遅れが出た。仙台支社は今年度、衝突が多い区間を中心に青色発光ダイオード(LED)の発光と超音波で動物を威嚇する装置を10カ所に設置する。これまでに設置した区間では衝突がなくなり、効果が出ている。他にも、進入防止柵の設置や唐辛子をもとにした動物忌避剤の散布を強化する。

(ニホンザル、261匹の群れ:和歌山)
県が日高、由良、広川の3町を対象エリアに県内で初めて実施した、「GPS首輪」を活用したニホンザル行動域調査の結果報告会が26日、日高町役場で開かれた。それによると、日高町内に261匹というニホンザルでは最大級の群れが存在することが判明。原因は放任果樹園の増加に伴い餌が豊富にあることで、対策が急務となっている。今回の調査は、サルの農作物被害が深刻な3町で効率的な捕獲につなげようと、モデル的に実施。それぞれの地域でサルを捕獲して、GPS(全地球測位システム)の機能が付いた首輪を装着。再び山に放ったうえで位置情報を確認し、行動範囲や群れの数などを調べた。県職員が調査したほか、㈱野生動物保護管理事務所にも委託して実施。県職員の調査では日高と由良の2町で昨年6月、それぞれ1匹ずつ捕獲してGPS首輪を取り付けたが、由良町は何らかの原因で電波を受信できなくなり、日高町もバッテリーの不具合で11月までの計測。行動域調査の結果、日高町の東は国道42号付近、西は海岸線まで広範囲に群れが移動していることが分かったが、詳細な個体数まで分からなかった。一方、同事務所の調査では、昨年7月に由良町、ことし2月に日高町でそれぞれ1匹ずつを捕獲して調査開始したが、由良は首輪が脱落したとみられ調査不能。日高町の方は3月まで調査し、サルの行動域は県職員の調査とほぼ同じであることが分かった。行動域を基に移動場所を予測して行う個体数調査には、ビデオカメラ5台を使い、人の目視でも確認。幅400㍍にわたって移動する261匹の巨大な群れがあることが判明。一般的に100匹を超えると群れは分裂するとされるが、大きな群れのままいることもある。また、推察されるメスザルの出産率は62%。これは餌が豊富にある人工的なサル山並み。日高町内に放任されたハッサクや甘夏など晩柑類の果樹園があることや出荷できない農作物の放棄などで、サルにとって絶好の餌場となっていることがうかがえる。このため、サルの群れは町内から出ることがなく、逆に巨大な群れがいるため町外から別の群れが入ってくることもないという。報告会には農業や狩猟の関係者ら16人が出席。県農業環境・鳥獣害対策室が調査結果を報告し、「放任果樹園の改善、防護柵の設置などの環境改善が必要」と訴えた。

(クマ、住宅街など路上で目撃:北海道)
27日午後11時半ごろ、札幌市南区真駒内602の駒岡清掃工場付近で、「路上をクマが横断している」と通行人の男性から110番通報があった。約3時間後、約2・5キロ離れた同区真駒内南町の住宅街の路上でもクマが目撃された。

(クマ目撃相次ぐ:北海道)
29日午後10時半ごろ、札幌市南区常盤1の1の公園付近で、クマ1頭がいるのを近くの住民が目撃し、110番した。札幌南署によるとクマは体長約1~1・5メートル。署員が周囲を捜索したが、クマは見つかっていない。また、これに先立つ28日にも、午後8時35分ごろ、常盤1の1の市道脇のごみ捨て場付近に体長約1メートルのクマ1頭がいるのを住民が見つけ、110番した。現場はいずれも市立石山東小から南東に約500メートルの住宅街。

(クマの目撃情報:山梨)
笛吹市の竹林でクマの目撃情報が寄せられました。この時期のクマは冬眠から覚めた直後で気性が荒いとされ県の研究所は警戒するよう呼び掛けています。4月26日正午過ぎ、笛吹市境川町藤垈で、水路工事をしていた男性が竹林でクマ1頭を目撃したと通報しました。通報を受けて警察と笛吹市、それに地元の猟友会は緊急のパトロールを行い、防災無線で注意を呼びかけました。目撃現場のおよそ100メートル西側に住宅が点在していますがクマによる被害は確認されていません。山梨県森林総合研究所によりますと、この時期のクマは冬眠から覚めたばかりで空腹のため気性も荒く、食べ物を求めて人里に降りてくるケースもあり、警戒が必要と呼びかけています。

(サルの出没:佐賀)
29日午前7時55分ころ、佐賀市諸富町大字山領所在の山領交差点西方付近に猿1匹が出没しました。今後も出没する可能性がありますので注意してください。

(カラスの巣で漏電:福岡)
29日午後3時、福岡県苅田町で約5千戸が停電した。うち9割超は5分以内に復旧したが、約300戸は40分に及んだ。九州電力によると、電柱に作られたカラスの巣が電線に接触し、漏電したことが原因という。同日午後8時半ごろには同県須恵町と粕屋町で計約4100戸が停電。うち約100戸は復旧まで1時間10分かかった。九電によると、須恵町の電柱にあったカラスの巣が原因とみられる。

(GWはクマに注意:福島)
福島県内でクマの目撃情報が相次いでいる。大型連休中は山登りや山菜採りで山に入る人も多く、クマと遭遇する恐れが高まる。県警が注意を呼びかけている。総合運用指令課によると、県警に寄せられたクマの目撃件数は25日現在で21件(前年同期比11件増)。データが残る2012年以降で最多だった昨年より多いペースだという。県警の担当者は「暖冬でクマの冬眠が短く、例年より活動を始めるのが早いのでは」と分析する。昨年9月には、福島市土湯温泉町で犬の散歩中の男性が、やぶから突然飛び出してきた子連れのクマに足をかまれてけがを負った。担当者は「クマ鈴などを携帯して不意に出会わないようにすることが大切」と呼びかけている。

(クマ出没注意:宮城)
宮城県は、春から活動期に入るクマの情報発信を強化している。今年は山菜採りや山歩きのシーズンと改元に伴う10連休が重なる。クマによる被害発生が懸念されるため、県は注意を呼び掛けている。県によると、県内のクマの目撃情報は4月だけでも18件(22日現在)に上っている。2018年4月には色麻町で山菜採りの男性がクマに襲われる被害が発生している。県はホームページに「クマ出没情報」を18年度開設。ツキノワグマの目撃情報や過去10年間に人が襲われた場所を地図で伝え、クマの生態や遭遇した際の注意点なども公開している。県自然保護課の担当者は「山菜が採れる場所とクマの行動範囲は似通っている。鈴などで音を立て、1人で動かないよう心掛けてほしい」と話す。

(イノシシから田畑守れ:岡山)
標高200メートルを超える山々に囲まれた岡山県吉備中央町では、イノシシやシカなどによる農業被害が深刻化している。田んぼや野菜を荒らすイノシシを追うのは、普段は農業などをしている地元の猟師たち。4月20日、イノシシハンターたちの狩りに同行した。午前8時、町北部の山中。竹林や木々に覆われた斜面に木漏れ日が差し込む。普段は稲作などをしている猟師の赤木邦彦さん(62)ら県猟友会加茂川分会の6人が、山を取り囲むように散り散りになった。「このへんウロウロしとるな、そっちの竹林はどう?」。山中を軽乗用車で巡回しながら、無線で仲間と連絡を取り合う赤木さん。山中のあちこちで、地面が動物の足形にえぐられている。土が乾いていれば足跡は古く、湿っていれば新しい。赤木さんは「獣道」に残るわずかな痕跡を頼りにイノシシの移動経路を頭の中で描いていくという。

(相次ぐ“カラス停電”、対策に奔走:新潟)
カラスが電柱に巣を作る時期を迎え、今年も新潟県内で電力会社が対応に追われている。巣作りによる停電が今年は28日までに16件あり、特に8~15日の8日間は7件と相次いだ。東北電力送配電カンパニー新潟支社は、過去のデータを元に巣のできやすい電柱を中心にパトロールを強化。営巣防止器具を設置するなど対策を講じているが抜本的な解決策はなく、カラスとのいたちごっこが続く。カラスは3~5月にかけて、見晴らしのよい高所に巣を作る習性を持ち、樹木の少ない場所では電柱上に営巣することがある。電柱上の巣に含まれるハンガーなどの鉄線類が電線に接触すると漏電し、停電の原因になる。今月8~15日には新発田、長岡、加茂、三条、胎内、十日町の各市で停電が発生した。同支社は23日、新潟市西区で巣の撤去作業を公開し、地上13メートルに作られた巣を取り除いて、営巣防止器具を取り付けた。3月までに1770個の巣を撤去しており、今年中に約6千個を撤去する見通し。2017年は7552個、18年は6951個を撤去している。カラス対策に電力会社側も知恵を絞る。現場で撤去作業に当たる同支社新潟電力センターは、今年から配電線の上に巣があったとしても停電に影響しないと判断したものは、あえて残しておくことにした。同支社総務広報グループによると「巣を撤去しても同じ場所に作るケースが最近増えており、取って作られての繰り返しになっているため」との理由からだ。巣は同支社のパトロールで7割、3割が市民からの連絡で発見、撤去されている。新潟電力センター配電技術サービス課の佐藤重明課長は「市民からの連絡で巣を撤去することも多く、停電防止につながっている。発見した時は連絡してほしい」と呼びかけている。

(クマ猟、伝統受け継ぐ:富山)
杉の木に開いた穴の周囲だけ雪がクマの体温で溶けていた。2月中旬、県東部の山中。「入っとるぞ」。老猟師が直感に頬を緩ませた。棒を穴に差し込むと、黒い影が動き、石黒木太郎さん(27)=富山市=が引き金を引いた。銃を手にし5回目の猟期。冬眠中のツキノワグマを狙う「穴回り」で初めて仕留めた獲物になった。石黒さんは雪をかき分け、脱力したクマに歩み寄り、先輩猟師の南本光信さん(70)=同、花木茂盛さん(69)=同=と握手した。南本さんは「ありがとう。よう肥えとう」とクマの背をなで、花木さんは小瓶のウイスキーを口に垂らした。

(ジビエで地域活性:宮崎)
日之影町大人地区住民でつくる「大人ジビエ振興協議会」(田中弘道会長、8人)は、新たに野生鳥獣肉(ジビエ)を解体処理、加工する施設を同地区に造った。町内で捕獲されたシカやイノシシをスライス肉などの状態で同町七折の道の駅「青雲橋」などで販売。今後、加工肉を生かした新商品開発も進め、特産品化することで地域活性化につなげる。

(イノシシ鍋で盛り上げ:福岡)
約3万株のツツジが見ごろを迎えた須恵町の皿山公園で29日、恒例の「つつじまつり」があった。あいにくの雨の中、太鼓演奏やダンス披露、フリーマーケットなどでにぎわった。ツツジは5月中旬ごろまで楽しめる。「じびえサミット」として、地元猟友会がイノシシ6頭を使ったイノシシ汁600人分を振る舞った。

(平戸いのししプロジェクト:長崎)
平戸市に事業所を置くIMFホールディングス(東京)が、有害鳥獣のイノシシの肉を「平戸いのしし」としてブランド化するプロジェクトを進めている。市内で捕らえて処理したイノシシ肉を首都圏などの高級レストラレストランに販売し、好評を得ている。市内に新工場建設も計画中だ。市によると、平戸では2016年度に約5600頭のイノシシが捕獲され、農作物被害は約2250万円に上った。これまでは一部が食用として消費されていたが、大半は焼却後に地中に埋めて処分していた。このため、同市出身で養豚事業などを手掛けるIMFの市山幹雄社長(70)が地域貢献をしたいと市に提案。事業化の足がかりとして17年、田平町に食肉処理をする事業所「平戸ファクトリー」を設立した。IMFは、オレイン酸を多く含むドングリが平戸に多く自生し、高級なイベリコ豚に近い肉質のイノシシが多いことに着目。臭みのない高品質な肉にするための手法を確立した。猟友会が捕獲後、肉の扱いに精通した従業員が内臓や骨を素早く処理し、酸性電解水で洗浄。金属探知機で異物がないか確認した後、急速冷凍する。菌検査を経て千葉県の加工場に出荷する流れだ。平戸ファクトリーは現在、年間約800頭を処理。イノシシ肉は地元レストランでしゃぶしゃぶとして提供していたが、昨年11月からブランド構築に乗りだし、関東・関西の高級店を中心にサンプルを送った。上質な味わいは一流シェフらも評価し、20店舗以上でロースやばら肉などが創作ジビエ料理などとして提供され、好評を得ている。店には通常のイノシシ肉よりも高値で卸しているという。捕獲の担い手になっている市内の猟友会員は高齢化が進んでいる。平戸ファクトリーの市山宗所長(39)は「ブランド化によって、存続が危ぶまれる猟友会の収入補填のほか、技術を継承する若手の育成にも貢献できれば」と話す。雇用創出にも期待が懸かる。平戸ファクトリーは地元から5人を採用。年内を目標に同市古江町に2千頭規模の処理能力を持つ新工場を建設する計画で、増員も予定している。商品のネット販売や、人が口にできる高品質な犬の餌の開発も手掛ける考えだ。将来的には平戸単独の事業として成立させ、地域の浮揚につなげたい」と市山所長。行政や地元企業との連携にも意欲的だ。害獣を生かした産業の創出は、若年層の人材流出が続く平戸を活性化する起爆剤にもなると期待されている。

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