<射撃ニュース7月>
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(狩猟事故共済普通保険の内容が一部変更されます)
大日本猟友会の主力事業の一つである「狩猟事故共済保険事業」については、制度発足以来約40年が経過し、一部の補償内容等が現状に合わなくなってきていることや保険金請求・支払い手続きの迅速化など改正が必要な点が多くあることから、本会では、かねてよりその内容を定める「狩猟事故共済普通保険約款」の見直しを進めていました。今般環境大臣から変更認可を受け、本年秋の猟期から、保険の内容の一部を変更しますのでお知らせいたします。(それに合わせ、保険申込書の様式も従来の様式から一部変更がありますので、ご承知おきください。)主な変更内容と変更後の約款は次のとおりであり、本会構成員の皆様には、9月に配付予定の「日猟会報」で、その詳細についてお知らせいたします。

(観賞用銃を改造、20丁押収:山形)
拳銃に金属棒を詰めて使用できなくした観賞用の「無可動銃」を発射できるように改造、所持したとして兵庫、山形、福岡3県警が銃刀法違反(複数所持)の疑いで男を逮捕し、自宅から拳銃と小銃計20丁が見つかっていたことが8日、兵庫県警への取材で分かった。「本物に近づけるために自分で詰め物を抜き、観賞用として持っていた」と供述しているという。兵庫県警によると、男は山形市の無職鈴木淳一被告(55)=同罪で起訴。無可動銃は、海外などで製造された銃を加工して発射できなくしたもの。国内でも販売され、合法的に購入できる。鈴木被告は国内で購入して改造したとみられる。

(軽井沢のホテルに子グマ、麻酔銃で捕獲:長野)
7日午後4時半ごろ、長野県軽井沢町の「ホテルマロウド軽井沢」の建物内に子グマ1頭が入ってきたと軽井沢署に通報があった。子グマは麻酔銃を使って捕獲され、宿泊客や職員にけがはなかった。署によると、子グマは体長約1メートル、体重約30キロで、1~2歳の雄とみられる。署員や町役場の職員ら約10人が駆け付け、午後5時40分ごろ、女子トイレ内に入り込んでいた子グマを捕まえた。

(クマに襲われて男性けが:石川)
5日夕方、金沢市の山間部で男性がサイクリングをしていたところクマに襲われ、足にけがをしました。5日午後5時半ごろ、金沢市小菱池町で付近の住民から「クマに引っかかれた人がいる」と警察に通報がありました。警察によりますと、この男性はスポーツ用の自転車に乗ってサイクリングしていたところ、クマに襲われて右足をひっかかれ、自分で病院に向かったということです。男性は意識があり、命に別状はないということです。男性の話によりますと、現場には成獣が1頭、子グマが数頭いたということで警察や地元の猟友会などが日没まで現場周辺をパトロールしましたがクマは見つかっていないということです。現場は金沢市の山間部を通る県道209号線沿いです。

(男性がクマに襲われて顔にけが:長野)
7日午前、野沢温泉村の河原で男性がクマにひっかかれて顔に大けがをしました。命に別状はないということですがクマはその場からいなくなり、警察や村では周辺をパトロールするなどして注意を呼びかけています。7日午前9時すぎ、野沢温泉村豊郷の河原で近くに住む建設業の篠田秀人さん(58)がクマに襲われました。篠田さんは爪で引っかかれて左の頬などに大けがをして病院に搬送されました。警察によりますと、命に別状はないということです。当時、篠田さんは地区の草刈り作業に参加していて、クマに襲われた時は1人離れた場所で作業をしていたということです。警察や猟友会などがその場からいなくなったクマを探すとともに、村が車で付近をパトロールし、住民に注意を呼びかけています。

(日本勢は予選敗退、クレー射撃世界選手権)
クレー射撃の世界選手権は6日、イタリアのロナトで行われ、男子スキート予選で井川寛之(モダンビル管理)が56位、丸山和成(三晃ドリリング)が65位、脇屋昴(上野ガス)は124位でいずれも決勝に進めなかった。

(クレー混合、日本は決勝進めず)
クレー射撃の世界選手権は7日、イタリアのロナトで行われ、混合スキートで井川寛之(モダンビル管理)石原奈央子(古峯神社)組の日本は予選10位となり、決勝に進めなかった。

(石原は予選敗退、クレー射撃)
クレー射撃の世界選手権は10日、イタリアのロナトで行われ、女子スキートの石原奈央子(古峯神社)は予選45位で決勝に進出できなかった。

(熊の目撃情報:宮城)
8日午前7時5分頃、登米市迫町新田字番屋(品ノ浦行政区)で熊の目撃情報がありました。屋外では音の出るものを身に着けるなどの対策を行い、十分に注意してください。

(福井で感染イノシシ初確認:福井)
福井県は7日、同県大野市で見つかった野生イノシシ2頭が豚コレラに感染していたと発表した。豚コレラは岐阜、愛知両県の養豚場で相次いでいるほか、三重を含めた3県で感染した野生イノシシが多数見つかっている。福井県内での確認は初めてで、養豚場への感染拡大が懸念される。県によると、県内では8施設で約2600頭を飼育している。豚コレラは昨年9月に岐阜市内の養豚場で判明して以降、岐阜と愛知両県で相次ぎ、出荷先も含め計5府県で確認された。6月24日には福井県境から約1・2キロの岐阜県郡上市で感染したイノシシが見つかり、福井県は自治体や猟友会と連携してイノシシの捕獲、検査を強化していた。

(豚コレラ感染イノシシ、ワクチン散布へ:福井)
福井県は8日、同県越前市で捕獲された野生イノシシ1頭が豚コレラに感染していたと発表した。同県内で野生イノシシの感染が確認されたのは、大野市の2頭に続き3頭目。イノシシの捕獲場所から2キロ圏内に養豚場が2カ所あるが、県の聞き取り調査の結果、いずれも飼育している豚に異常はない。7日午後2時ごろ、越前市東樫尾町で、市民から「林道をよたよた歩いているイノシシがいる」と市に通報があり、地元猟友会が捕獲。8日に県の検査で陽性反応が出た。県は9日、この2カ所へ立ち入り検査を行い、豚に異常がないか確認する。捕獲場所から最も近い養豚場は約800メートルの距離にある。感染イノシシが捕獲された場所から半径10キロ以内にある養豚場は、大野市内を含めると3カ所となった。いずれも監視対象農場として、豚に異常がないか毎日、県への報告を求める。県は8日、対応連絡会議を開き、嶺北の全11市町で近く、野生イノシシの調査捕獲を開始することや野生イノシシへの経口ワクチンを散布することを決めた。

(野生イノシシ、越前市と池田町でも発見:)
福井県で豚コレラに感染した野生のイノシシが見つかった問題で、福井県は同県越前市と池田町でも感染したイノシシが見つかったと発表した。同県内では計4頭となった。越前市の発見場所から800~1500メートルの場所に養豚場が2軒あり、県は豚の様子などを毎日報告するよう求める監視対象農場に指定した。県内で豚への感染は確認されていない。越前市内の林道で歩行できなくなっていたイノシシを通行人が見つけ、市の猟友会が捕獲した。連絡を受けた県の獣医師が検査したところ、豚コレラの陽性反応が出たという。7日には岐阜県境に近い福井県大野市内で感染したイノシシ2頭が発見されたが、越前市にも広がっていたことになる。同県内の約2600頭の豚のうち、8割以上が越前市内で飼育されており、県は養豚農家に柵の設置や消毒の徹底を呼びかけている。

(クマが駆け回る、駆除:秋田)
9日、横手市増田町から十文字町にかけて同一とみられるクマの目撃情報が相次ぎました。警戒に当たっていた地元猟友会がクマを発見し、駆除しています。横手警察署によりますと、9日午前9時半ごろ、横手市増田町亀田の住宅の近くを歩くクマ1頭が目撃されました。その後、昼前にかけて平鹿町醍醐や十文字町腕越でも同一とみられるクマの目撃情報が相次ぎました。最後の目撃情報があった場所は、JR十文字駅から800メートルほどの住宅や会社が立ち並ぶエリアです。警察や地元猟友会が警戒に当たっていたところ、墓地の近くの木のかげに潜むクマを発見しました。地元猟友会が午後6時40分ごろにクマを駆除しました。けがをした人などはいませんでした。

(日光にほぼ毎日「クマ」:栃木)
日光東照宮の近くにも出没し、観光客から不安の声が上がっている。1週間前、栃木県日光市に現れたクマ。目撃者が通報し、警察も駆け付けたという。草地に置いた茶色い何かを鋭い爪や口を使ってしきりにむしるようなしぐさを見せる。体長は約1メートル。民家の近くに現れたクマは比較的、痩せて見える。警察によると、この地域に生息するのはツキノワグマだという。7月に入り日光市では、ほぼ毎日のようにクマが目撃されている。5日には日光東照宮の関連施設で普段は観光客の立ち入りが禁止されている御旅所敷地内でもクマが目撃されている。目撃情報がすべて同じクマかは分かっていないが、警察はそれぞれの場所の距離などから複数のクマだとみている。

(住宅敷地にクマ:北海道)
南富良野町幾寅の自宅の庭で、クマ1頭が歩き回る姿を町社会福祉協議会地域包括支援センターの松田育代センター長(60)が撮影した。庭の草刈り作業の途中で自宅内に戻った松田さんは6月24日午前7時ごろ、今まで自分がいた庭をクマが歩き回る姿を発見。スマートフォンを使って、10分ほどとどまっていたクマの写真と動画を撮影した。松田さんは「もしも庭で直接出くわしていたらと思うと怖い」と振り返る。7月5日朝にもクマが庭の石をひっくり返し、アリを食べたとみられる形跡が残っていたという。

(クマ出没相次ぎ、遊歩道の一部立ち入り禁止:青森)
十和田八幡平国立公園にある奥入瀬渓流の石ケ戸地区で、ツキノワグマが相次いで出没し、青森県が管理する遊歩道の一部区間を立ち入り禁止にしたことが8日、県などへの取材で分かった。多くの来訪者が集まる石ケ戸休憩所から、渓流美が人気の「三乱(さみだれ)の流れ」まで約900メートルの区間で、3日夕から通行止めとした。散策する来訪者の安全確保のために緊急避難的な措置だが、極めて珍しいケース。今後の対応ついて県観光企画課は、関係機関と情報交換しながら判断する考えだ。県などによると、6月29日から同休憩所付近でクマの目撃情報が相次ぎ、7月3日には遊歩道付近でうろついたり、木の上で休んだりしている親子のクマを観光客らが発見した。同休憩所付近は多くの来訪者が集まる場所。県は非常に危険と判断し、緊急的に立ち入り禁止の措置を講じた。禁止区間には目立つように注意を喚起する看板やバリケードを設置。外国人観光客にも分かるように、英語や韓国語、中国語の多言語で対応している。同課の沖沢進課長は「来訪者の安全を第一に考え、当面の間は立ち入り禁止とした。今週中にも関係機関と情報交換しながら、今後の対応を判断したい」と説明した。十和田市農林商工部の本宿貴一部長は「遊歩道をずっと通行止めにするわけにはいかない。来訪者の安全と観光振興の両面で、解除する時期を見極める必要がある」と述べた。

(クマの目撃相次ぐ:秋田)
秋田県内各地で8日、クマの出没が相次いだ。県警によると同じ場所に複数現れるなど計10頭以上が目撃された。秋田東署によると、午後3時45分ごろ、秋田市河辺神内字鶴巻の秋田中央広域農道で、車を運転中の同市の60代男性が、道路を横断して山林に入るクマ3頭を目撃した。親1頭と子グマ2頭とみられる。近くには集落があり、直近の民家まで約100メートル。仙北市角館町雲然田中、三種町鹿渡字諏訪長根、北秋田市川井字相善岱などでも目撃された。

(小学校敷地内にクマ出没:山形)
8日午前8時ごろ、山形県白鷹町鮎貝の町立鮎貝小学校の敷地内で、クマが歩いているのを教員が目撃し、学校が長井署に通報した。通学時間と重なり、校内にも児童や教員がいたが、けが人はなかった。長井署や鮎貝小によると、クマは体長約1メートル。学校は山の麓にあり、クマは体育館付近を歩いた後、近くの林に走り去った。学校はプールの授業など校外活動を見合わせ、集団下校とした。長井署はパトカーで警戒し、住民に注意を呼び掛けた。

(公園に親子グマ、利用客千人避難:北海道)
札幌市南区の国営滝野すずらん丘陵公園を管理する札幌開建は5日、園内の監視カメラに4日午後7時ごろ、親子とみられるヒグマ2頭が写っていたと発表した。公園は利用客約千人を避難させ、臨時閉園した。公園職員が5日午前11時半にカメラを回収し、クマの姿を確認した。現場は園内南西側で「滝野の森口」の南東約500メートルの森林。公園外周は高さ約2・9メートルの柵で囲われており、札幌開建は「侵入経路は調査中」としている。園内のクマ出没は2017年9月以来となる。再開時期は未定。園内にある札幌市営野外教育施設「青少年山の家」では、市内2小学校の児童計146人が5日に宿泊予定だったが帰宅した。山の家も当面休館する。

(捕獲イノシシの検査呼びかけ:福井)
福井県大野市で豚コレラに感染した野生のイノシシが見つかったことを受け、福井県は8日、関係する市町の担当者などを集めた連絡会議を開催した。猟友会などが、わななどでイノシシを捕獲した場合、検査のために各市町を通じて県に申し出るよう呼びかけた。参加したのは県北部の11市町や県猟友会の担当者ら。県の担当者は「各市町でそれぞれ10頭ぐらいずつサンプリングして調査したい」と説明。死んだイノシシを埋設する際には深く掘ることや、消石灰で消毒することなども呼びかけた。野生イノシシ向けのワクチン入り餌を頒布する。今後、協議会を作って頒布時期や場所を検討する。すでに8日からイノシシを呼び込む餌まきを始めており、県の担当者は「各市町の理解を得て国からワクチンが届き次第開始したい」と話す。石川県も8日、県庁内の関係部局による連絡会議を開いた。豚コレラ発生防止に向けて、県内の養豚場に野生動物の侵入防止などの徹底を指示したほか、県内の市町や猟友会に対し死んだイノシシの検査で協力を依頼したことを報告した。県内には養豚場が15施設あり、飼養頭数は約2万頭。国の補助制度を紹介するなどして野生イノシシの侵入を防ぐための防護柵設置を促していく方針。県によると、福井県で飼養された豚は金沢市内の食肉処理場にも出荷されているという。

(三重もワクチン入り餌埋設:三重)
三重県は5日、豚コレラの県内養豚場への拡大を防ぐため、野生イノシシ向けのワクチン入り餌の埋設を始めた。養豚場での感染が相次いでいる岐阜、愛知両県に続く対応。三重県内の施設では発生していないが、岐阜県と接しているいなべ市でイノシシ計4頭の感染が確認されている。三重県によると、感染イノシシが捕獲された同県いなべ市で、養豚場1施設の周辺5カ所に計100個を埋めた。16~18日にも同市のほか、隣接する桑名市と菰野町の山間部やその周辺約100カ所に埋設する。県は、埋めた5日後にワクチンを回収して摂取状況を確認した上で、イノシシを捕獲してワクチンの効果を調べる。三重県では6月26日、いなべ市で捕獲されたイノシシ2頭の感染が初めて確認され、今月1日にも同市で2頭の感染が判明した。.

(豚コレラの防疫対策、柵設置など3800万円計上:富山)
富山県は5日、隣県の岐阜県で発生している豚コレラ対策予算に3800万円を計上すると発表した。当初予算の予備費を活用し、病気を媒介する野生イノシシの侵入防止柵の設置を補助するなどして県内の防疫体制を強化する。養豚農家が農場周囲に侵入防止柵を設置する費用の一部を補助するほか、感染検査に必要な機器を新たに導入する。岐阜県に隣接する富山市と南砺市で現在170カ所あるわなも105カ所増やす。石井隆一知事は「富山県から近いところで発生している。防疫策が緊急に必要」と話す。県境から約20キロ離れた岐阜県内でも4日に豚コレラの発生が確認された。富山県内では19の養豚農家が約3万頭を飼育しており、県の危機感は強い。県境近くで感染のリスクが高まれば9月の補正予算で追加対応する。

(野生イノシシにえさ型ワクチン導入:長野)
愛知、岐阜両県などで感染が相次いでいる家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の被害を防ぐため、長野県は野生イノシシ向けのえさ型ワクチンを県内でも導入する方針を決めた。阿部守一知事が5日、会見で明らかにした。導入されるのは、トウモロコシ粉の中に生ワクチンを仕込んだ縦横4センチほどの固形物。山中に埋めてイノシシに食べさせることで、感染拡大を防ぐ効果を狙う。具体的には農林水産省と調整中だという。県内では2月、豚コレラに感染した子豚が愛知県から運び込まれ、宮田村の養豚場などで感染が起きた。県は豚約2500頭を殺処分し、その後は県内では封じ込めに成功している。

(捕獲従事者育成事業委託業務」公募型プロポーザルの実施:北海道)
生物多様性保全課では、令和元年(2019年)7月5日に「令和元年度(2019年度)捕獲従事者育成事業委託業務」に係る公募型プロポーザルを実施する旨公告しました。都市部の若手狩猟者を対象に、銃器の安全な取扱い等の安全教育を実施するとともに、エゾシカの捕獲技術等を習得させることで、将来的に捕獲体制の維持に苦慮している地域の捕獲従事者確保に寄与することを目的とする。

(クマ出没増加、秋以降も注意:石川)
今年の県内でのツキノワグマ目撃数は今月5日時点で150件と、現行の調査を開始した2005年以降、同時期としては最多であることが8日に県庁で行われた連絡会議で報告された。県は秋も出没が増える可能性があるとみて、関係者に注意を呼びかけている。

(イノシシが急増、人的被害など警戒:栃木)
2018年度に小山市内で捕獲されたイノシシは100頭となり、初めて三桁の大台に乗ったことが、市農政課のまとめで分かった。19年度に入ってからも4~6月の3カ月間で23頭が既に捕獲され、前年同期の9頭を大幅に超え、生息頭数の急増ぶりがうかがえる。農作物への被害や人的被害の恐れもあるため、市は警戒を強めている。市によると、18年10月~19年3月、県と市が思川河川敷に13基の箱わな、くくりわなを設置し、市が71頭、県が29頭のイノシシを捕獲し合計100頭となった。昨年度の農作物への被害額はサツマイモやトウモロコシなど推計58万8千円。これまでのところ自家消費用がほとんどで、捕獲圧力を高めて被害の拡大を水際で食い止めている。イノシシは年に1回出産し4、5頭の子を産む。かつては市内では生息していなかったが、生息域の県西部から河川敷伝いに移動してきたとみられる。15年度に市内で2頭が初めて捕獲され、16年度に14頭、17年度に46頭捕獲とねずみ算式に増えた。現在は市北西部の思川周辺に100頭前後が生息しているとみられ、農地や集落、ゴルフ場などで出没が確認されている。

(今年のブナ「大凶作」予測、クマ出没に注意:東北)
東北森林管理局は5日、福島を除く東北5県のブナの結実予測を発表し、秋田県ではほとんどの木が結実しない「大凶作」になるとした。同局職員が4~6月、国有林145カ所のブナの開花状況を目視で調査。「豊作」「並作」「凶作」「大凶作」の4段階で実のつき具合を予測した。本県55カ所のうち、ごくわずかに花がついているのが30カ所、全く開花していないのが24カ所。木全体で開花したのは1カ所だけだった。岩手、宮城、山形も本県と同じ「大凶作」で、青森は「凶作」の予想だった。

(出没相次ぐヒグマ、200万都市ほんろう:北海道)
札幌ドームが372個入る丘陵にうっそうとした森が広がる。北海道江別市のほか、札幌、北広島両市にかかる道立野幌森林公園は市街地や農地と隣り合い、ヒグマがいないことでハイカーらが集う。その森で6月10日にヒグマが目撃され、まもなく1カ月になる。札幌市厚別区の主婦佐藤朋子さんもこの森に親しんできた一人。この騒動で、夫とウォーキングしたり花や野鳥の写真を撮ったりする週末の楽しみが途絶えた。「人に危害を加えようとしているわけではないのでしょうが、怖くて行けない」と話す。捕獲までしてほしくはないが、被害が出てからでは遅いこともわかる。「すっと、山に戻ってくれないでしょうか」森に隣接する江別市立文京台小学校は6月中、自治会や保護者の協力を得て登下校時の見守りや付き添いを続けた。「本日は見守り登校とします」。渡辺琢史教頭が朝、警察や市役所に電話して新たな情報を確かめ、6時に保護者に一斉メールした。今も出没情報が出ると同じ態勢をとる。簑島裕二校長は「まだ落ち着きません」と気をもむ。

(野生鳥獣の被害急増、最高の2000万円超:北海道)
白老町でエゾシカやアライグマなど野生鳥獣による1次産業被害が近年、急増している。町によると、2018年度の被害額は農業と水産業を合わせて前年度の1・5倍の2275万円に上り、過去最高に達した。露地栽培の作物が食害に遭うケースが多く、作付面積の拡大や生息数の増加が背景にあるとみられる。町は捕獲や侵入防護柵の普及推進を図り、被害の防止につなげる考えだ。18年度の動物別の被害額は農業でエゾシカ1620万8000円、ヒグマ258万1000円、アライグマ162万円、カラス4万8000円、漁業でオットセイ229万3000円。被害総額は17年度に比べ749万7000円も増加した。被害の多くを占めているのは、ブロッコリーやキャベツ、アスパラガス、スイートコーンなど露地栽培作物の食害。畑に侵入したエゾシカやアライグマ、ヒグマが作物を食い荒らし、踏み倒したりするケースも目立った。中でもアスパラガスは、エゾシカの食害で出荷できなくなる深刻な状況に見舞われたという。漁業では、白老沖に回遊してきたオットセイが定置網に掛かった魚を狙い、網を破る漁具被害が17年度に続いて発生した。白老町では、野生鳥獣による農水産業被害額が年間ほぼ200万円台で推移していたものの、ここ2年間は急激に増加している。16年度は259万3000円だったが、17年度は約6倍の1525万3000円となり、18年度はついに2000万円を突破した。背景について町は、町内での野菜の作付面積拡大があるとみている。社台や石山、竹浦地区などの農家で近年、野菜の露地栽培が積極的に行われるようになり、これに伴って被害が増えている。さらにエゾシカやアライグマの生息数増加も理由としている。対策で町は、鳥獣被害防止対策協議会を通じて、畑を金網や電気柵で囲う防護柵の普及に努めるほか、有害鳥獣駆除を推進する考えだ。しかし、捕獲の効果はあまり上がっていない。同協議会は毎年、エゾシカを1500頭ほど捕獲しているものの、「なかなか減らない状況にある」(町農林水産課)。繁殖率の高さから個体数減少に至らず、捕獲してもすぐに増えるという”いたちごっこ”を繰り返している。アライグマも同様。町は農家などに箱わなを貸し出したり、町独自で捕獲を進めたりしているが、目に見えた減少にはつながっていない。18年度の捕獲数は173頭と、前年度より15頭増えたという。こうした状況に町も頭を痛め、「今はできる限りの対策を地道に続けるしかない」としている。

(ヒグマ、個体数増加・生活圏へ侵入:北海道)
6月上旬、札幌市内の森林でヒグマの個体数の動向をみる酪農学園大の佐藤喜和教授(野生動物生態学)らの調査に同行した。ヒグマが木に背中などをこすりつける習性を利用し、来そうな場所にカメラをセットして撮影するのが調査のねらいだ。毛が残されていれば採取し、DNAを調べて個体の識別に生かす。ささやぶが開けたポイントに着くと、学生の1人がカメラを木に固定し、レンズの先に設置した杭には別の学生が毛を取るための有刺鉄線を巻き付けた。「カメラの前で長く滞在させたい。立ち上がれば体の大きさがわかることもある」。佐藤教授はそう言い、杭の奥に回り込まないよう小枝などを置いていった。札幌市と酪農学園大のそんな共同調査は、中央、南、西、手稲、豊平、清田の6区で2014年度に始まった。市街地から4キロ圏内の二十数地点で調べた結果、16年度には同圏内だけで少なくとも33頭がいることを確かめた。さらに15年度からの4年間、少ない年でも3組、多い年は7組の母子が含まれ、子グマ2頭を連れた母グマもいたという。佐藤教授は「繁殖が続いており、増えているのは間違いない」と指摘する。生息の密度が低いヒグマは、そもそも個体数の把握が難しい。捕獲頭数や痕跡の動向などから道が推定した直近の生息数は、12年度で1万600頭±6700頭。推定の幅は広いが、1990年度以降の23年間に平均で1・8倍になった。「トレンドは今も変わらない」と道立総合研究機構環境科学研究センターの間野勉・自然環境部長は言う。佐藤教授は「分布も広がり、昨年の島牧村の住宅街など、今まであまり出なかったところにも出るようになった」と話す。影響は当然、農業地域にも及ぶ。農業と漁業が盛んな道南の森町。養豚業を営む青山久雄さん(79)は、北海道猟友会森支部長も務めるベテランハンターだ。山を下りて畑に出てくるヒグマが増えたと感じる。「春グマ駆除をやめたからでしょう」。ヒグマの狩猟自体、今はほとんどしていない。「だって食べないでしょ? 食べないなら捕らなくていい。撃つならきちんと解体して、利用できるものはしないといけない」農家への被害を食い止めるため、畑に来る問題グマをわなで捕って仕留めるだけで今は大忙しだ。「クマが出始めたら、休みなくなっちゃう」とこぼす。「ここも畑だったところです」。森町役場のパソコンで町内の山林を写した衛星画像を示しながら、農林課の浅利誓史郎・林務係長が言う。周囲より緑が薄く、四角く区切られた土地がいくつもあった。「離農や人口減が進んで遊休農地化してしまった。その分、クマが下りてくるようになった」とみる。「かつての農村には店も郵便局も学校もあり、バスも走っていた。畑の周りは芝を刈って手入れしてあったからクマは隠れにくく、番犬もいたから居着けなかった。住む人の生活によって結果的に緊張感のある野生動物との関係が成り立っていた」。環境科学研究センターの間野部長はそう説明する。「そこから人間が引いてしまい、クマのほうが人間の生活圏を侵しつつある。クマの逆襲が始まっているのです」

(クマ出没可能性「低い」:石川)
県は今秋のツキノワグマが平野部に出没する可能性は低いとの予測を発表した。県が実施したクマの餌である木の実の状況を調査した結果、ブナが凶作、ミズナラが豊作、コナラが並作になる見通しとなったためだ。県は、五、六月に金沢市、小松市や宝達志水町など五市三町でブナ、ミズナラ、コナラの雄花の落下状況を調査。一平方メートルあたりの雄花の落下数で木の実の豊凶を予測した。ここ数年、ブナの実がなる周期が狂っているとの見方もある。県によると、ブナは一年おきに豊作と凶作を繰り返す。これにより、ブナの実を食べる虫の数は増えない。しかし、一部のブナが何年も続けて実をつけるものもあるという。このため、秋にはブナの実が食べられてしまい、クマの餌としては期待できないことも考えられる。県は、今回の予測よりもクマの出没が多くなる可能性もあるとしている。八月に実際の木の実のなり具合を調査し、改めて予測をする。また、五日までのツキノワグマの目撃情報は百五十件で、同時期の目撃情報ではこの十六年で過去最多。県はキノコ採りなどで山に入る際などは二人以上で行動し、存在を知らせるために鈴やラジオを持っていくことなどを呼び掛ける。

(ヒグマ、散策路すっきり出没減る:北海道)
ヒグマの出没を食い止めるにはどうしたらいいか。サクランボが赤く色づいた札幌市南区藤野の内藤弘志さん(78)の果樹園のそばにヒグマが現れたのは、昨年の今ごろのことだ。トラクターを出そうと小屋のシャッターを開けた時、畑に隣接する林の中に目をやると、木からヒグマが下りてきた。ヒグマまでの距離、約10メートル。冷静でいられたのは、間に電気柵を張ってあったからだ。その7年前の夏は、プルーンを食べられた。ヒグマの仕業とわかり、すぐに電気柵を設置。鼻先などで触れると感電し、近づきたくなくなるとされる。自宅まで取り囲む形で約400メートルある柵を12月にいったん撤去し、雪解け後に再び張るのは手間だが、その後農業被害は出ていない。南区は森林に囲まれ、札幌市内でもヒグマの出没情報が多い。同区藤野6条2丁目の児童養護施設「札幌育児園」もここ数年、出没対策を講じてきた。2010年に初めて敷地に入ってきたため電気柵を設置。翌年春、柵を張る前に園舎の窓の下まで来たことがわかって危機感を強め、ヒグマ対応のごみステーションの設置や草刈りなど7項目を盛り込んだ対策のほか、「子どもを建物内に避難させる」など9項目からなる出没時の職員の行動マニュアルを作った。ごみステーションは鉄製の大型で、ヒグマの前脚では扉を開けられない造り。ツキノワグマ対策で軽井沢のNPOが開発した1基を買って参考にし、業者に造ってもらった。工事費を含め100万円以上かかったが、開けられも倒されもしていない。随時、職員が行う草刈りの際は、熊撃退スプレーを携帯させる。「素人でできることはこれ以上ないでしょう」と千葉徹理事長(66)。ヒグマとの向き合い方について「人間は怖いと学習させ、山側に押し返すべきだ。距離をもっと取るため、山林の持ち主に間伐を条例などで義務づける仕組みが必要では」と提案する。地域ぐるみの取り組みもある。同市南区の石山地区を流れる穴の川の散策路「ハーブの小径(こみち)」は750メートルの区間にウッドチップや赤れんがが敷かれ、住民がウォーキングを楽しむ。飛び石がある小川の風景や手入れされたハーブの緑が楽しめるのも人気の理由だ。かつては草木が茂って薄暗く、ヒグマが通ったこともあったらしい。気味悪がって近寄りたがらない人も多かったという。砂防事業で小径ができたのに合わせ、みんなが楽しく歩けるような場所をつくろうと05年、「ハーブの小径を愛する会」が誕生。先輩格のグループとともに見通しを確保するため雑木の伐採や笹の刈り取りなどを数年間重ね、利用者の不安解消を図ってきた。活動日に訪れると、笑顔でハーブの植え替えに精を出す女性たちの姿があった。「ハーブの小径を愛する会」世話人代表の斉藤正三さん(76)は「見通しが良くなった上、利用者が増えたことで、ヒグマが警戒して出てきにくくなった」と受け止める。「クマは、遠くまで見通しが効いて自分が丸見えになる場所を好まない。人が気持ち良く過ごせる場所をつくることが、結果的にクマ対策につながっているのかもしれない」。酪農学園大の佐藤喜和教授(野生動物生態学)はそう話す。

(イノシシ行動調査もとに被害対策:福島)
川内村は8日までに、村役場で鳥獣被害対策研修会を開いた。県自然保護課の溝口俊夫野生動物調査専門官が、村内の雄と雌のイノシシ2頭に全地球測位システム(GPS)を搭載した首輪を付けて行った調査結果を報告した。首輪は、今年1月に雄に付け、3月には雌に装着した。溝口専門官によると、イノシシの雌は子育て中の防衛手段として、数頭がグループを組んで行動しており、農作物に特に大きな被害をもたらす。村内の農地の近くなど南北2キロ、東西1.5キロの範囲が行動圏だったという。雄は成獣になると単独で行動し、繁殖期には10~30キロの範囲で移動することもあるという。溝口専門官は「農地や河川敷に出没する際に姿を隠す場所の草刈りや、フェンスで囲う対策が必要」と指摘した。研修会には、村民や避難指示が出た市町村の職員ら約50人が参加し、侵入防止柵の設置方法も学んだ。

(イノシシ侵入防止へ側溝ふた:富山)
砺波市の般若自治振興会と同市鳥獣被害防止対策協議会は、同市福山の市道にイノシシなどの侵入防止用の側溝ふたを市内で初めて設置した。路面に平らに設置でき、ひづめが挟まることを嫌う動物の侵入を防ぐ効果が期待される。関係者が10日、設置状況を確認した。市によると、本年度に市内で捕獲されたイノシシは9日時点で53頭で、昨年より33頭少ない。成獣が占める割合が多いという。般若地区では2015年から電気柵や耐雪型侵入防止柵などを設置し、被害は年々減少していた。今回は対策をより強化するため側溝ふたを設置した。側溝ふたは鉄製で幅5メートル、長さ1・8メートル。路面側に約8センチの蜂の巣状の穴が付いている。道沿いに設置した電気柵と合わせてイノシシやシカなどの侵入を防止する。人や車は通行できる。6月28日に工事を始め、7月8日に完成した。市の“となみ創生”地域交付金と国の交付金など約200万円を費用に充てた。市や般若自治振興会の約10人が10日、設置状況を確認した。牛古一善会長(67)は「人的被害を起こさないため、これで少し安心できる」と話した。今後は、側溝ふたと合わせて設置した監視カメラを使って効果を確かめる。14日には未施工だった防止柵160メートルの延長を行う。

(ブナの実、「大凶作」予測:山形)
県内で学校周辺などでのクマ出没が相次いでいる。8日も白鷹町鮎貝小の敷地で目撃された。人里に現れるケースが目立つ中、クマが森で好んで食べるブナの実が、東北森林管理局の今秋の結実予測では「大凶作」。エサを求め行動範囲が広がり、人と遭遇する機会が増える可能性もあるという。例年、目撃や出没件数が増えるのは夏から秋。県は一層の注意を呼び掛けている。今年のクマ目撃件数(6月末現在)は昨年同期比9件減の144件だが、6月は93件と急増している。中でも学校などの教育施設に出没したり、近くで目撃されたりするケースが続発。同6日に山形市の山形聾(ろう)学校の敷地内にクマが侵入、校舎渡り廊下のガラス戸を割った跡が見つかった。26日には金山町有屋小周辺にクマが出没し、屋外にいた児童が校舎内に退避する騒ぎになったばかりだ。例年、夏から秋にかけて目撃や出没件数が増加するが、さらに今秋のブナの「大凶作」予測に、関係者は危機感を募らせる。2015~19年のクマの目撃件数とブナの豊凶はグラフの通り。県みどり自然課などによると、「豊作」だった18年(323件)、15年(225件)に対し、「大凶作」の17年(471件)、16年(575件)は目撃件数が多い傾向にある。秋以降(9~12月)の数値を比べると、18年は4~15件、15年は1~9件にとどまっているが、17、16年はそれぞれ3~44件、5~40件と増えている。同管理局は福島県を除く東北5県の145カ所でブナを調査した。本県の観測地点22カ所の開花状況は19カ所が「まったく花がついていない」、3カ所が「ごくわずかに花がついている」で、花が多くついている状態は見つからなかった。豊凶指数(5~0)は0.1で、東北5県で最も低い数値だった。近年のクマの年間目撃件数が800件を超える秋田県は16年度に「ツキノワグマ出没警報等発令制度」を導入。注意報と警報の2種類があり、注意報を出す基準としてクマの目撃件数や人身被害への懸念に加え、ブナの豊凶も判断材料としている。秋田も今秋の予測は「大凶作」で、関係者は「市街地への出没が懸念される」と警戒を強める。これから秋にかけ、県内でもキャンプやキノコ採りなどで山に入る機会が増える。県みどり自然課は「山中はもちろん、山に近い人里などでもクマが出るかもしれないという意識を持ってほしい」としている。

(公園、新たにクマの食害みつかる:北海道)
クマが目撃されたため今月5日から閉鎖している札幌市南区の「滝野すずらん丘陵公園」で、新たにクマの食害などが見つかりました。公園は現在も閉鎖となっていて再開のめどは立っていません。根元から食い荒らされたウド。こちらは力強く剥ぐように切り崩された切り株。撮影されたのは札幌市南区の「滝野すずらん丘陵公園」で、8日公園内を巡視していた係員がフキやウドを食い荒らしたクマの痕跡を発見しました。園内では今月5日に親子とみられるクマ2頭が監視カメラに映っていて、今回の被害もこのクマの親子によるものとみられています。公園は5日から閉鎖していて再開のめどは立っていないということです。

(「ヒグマ目撃」大幅増:北海道)
1~6月に東胆振1市4町に寄せられたヒグマの目撃情報は、前年同期比43件増の75件に上った。7月に入ってからも出没が相次いでおり、各自治体や北海道猟友会苫小牧支部(荒木義信支部長)など関係機関・団体が現場周辺でのパトロールを強化している。目撃件数は、各自治体がまとめた統計を集計した。75件の内訳を見ると29件の苫小牧市が最多で、厚真町27件、むかわ町11件、白老町5件、安平町3件と続いた。市内では4月以降、高丘の国道276号、柏原の国道235号沿いや静川の苫小牧東部の石油備蓄基地周辺など広範囲でヒグマが出没。今月9日にも、樽前の民家周辺を徘徊(はいかい)するヒグマが目撃されている近年、1~6月の半年間に東胆振の各自治体に寄せられた目撃件数は、17年が17件、18年が32件と増加傾向。今年はこれまでに人畜への大きな被害は確認されていないものの、6月26日にはむかわ町穂別安住のカンロ(アジウリ)を栽培するビニールハウス内で、クマの食痕や足跡が見つかっている。ヒグマ防除隊長も務める道猟友会苫小牧支部の荒木支部長は、目撃件数の急増について「今年は若いクマが親離れする年に当たる」とし「経験の少ないクマが人目に付く場所に姿を見せているのでは」と分析する。その上で、「胆振東部地震による土砂崩れの影響により、山の下まで降りてきている可能性もある」と指摘。「必ずしも個体数が増加しているわけではない」との見方を示した。登山や山菜採りなどで入山する際の注意点としては、単独行動を避け、体に鳴り物を身に付けることなどを挙げ「自分自身の安全を最優先に考えてほしい」と呼び掛ける。苫小牧市内では15日から、同支部のハンターが週1回、3人グループで植苗や静川などヒグマの頻出エリアを中心に巡回。9月末までパトロールを展開し、警戒を強める。

(クマ出没注意報:秋田)
県は10日、ツキノワグマ出没注意報を出し、クマ被害への警戒呼びかけを強化した。農作物被害があり、人身被害の危険も大きい場合は有害獣駆除の対象になる。6月の駆除頭数が50頭と平年の2・5倍に上った。さらに、東北森林管理局のブナ結実予測が今年は「大凶作」で、県自然保護課は「餌を求め人里への出没が今後さらに増えると危惧される」という。注意報の期間は8月31日までだが、今後の状況によって延長する方針。県内のブナ結実は一作年の大凶作から昨年は並作となり、クマの繁殖が進んだとみられる。

(クマ目撃で中止:秋田)
秋田県鹿角市教育委員会は11日、クマの目撃情報を受けて9日から中止していた同市十和田大湯の国特別史跡「大湯環状列石」の見学を再開した。職員による遺跡内の見回りを強化し、安全確保に努める。市教委によると、9日以降、職員が遺跡内を巡回し、クマの出没や安全対策として遺跡周辺に設置している電気柵の通電状況を確認。11日朝の見回りでクマの形跡がなかったため、来客者の受け入れが可能と判断した。従来、1日2回程度だった巡回を1時間ごとに行う体制とする。

(ツキノワグマ出没注意報:秋田)
秋田県は10日、ツキノワグマの6月の捕獲数が例年より倍増したことや、東北森林管理局(秋田市)のブナの結実予測が「大凶作」となったことを踏まえ、ツキノワグマ出没に関する注意報を11日に発令すると発表した。期間は8月31日まで。県自然保護課によると、6月の捕獲数は50頭と、過去10年の平均19.9頭に比べ倍以上になった。さらに餌となるブナの結実不足の予測が出たことから、クマの人里への出没が懸念されている。同課は「7、8月は山奥に餌が少なくなるため、クマは住宅地や農地に出没する傾向にある」と注意を呼び掛けている。昨年は4月23日に注意報を発令し、6月26日に警報に切り替えた。警報期間は10月末まで延長した。

(住宅街の市道にクマ:北海道)
7日午後2時50分ごろ、札幌市南区藤野5の8の市道で、クマ1頭が道路脇の山林を歩いているのを、車で通りかかった女性が目撃し、110番した。札幌南署によると、クマは体長約1メートルで、南側の山中に去ったという。現場は市立藤野中から南西に約500メートルの住宅街。

(住宅街近くでクマの目撃情報が相次ぎ警戒続く:北海道)
札幌市南区の住宅街の近くでクマの目撃情報が相次いでいることをうけて、近くの小学校では見守り登校が行われるなど、警戒を強めています。札幌市南区藤野5条8丁目で7日午後3時ごろ、付近を通りかかった女性から、住宅地の裏にある山で1頭のクマが歩く姿を見たと警察に通報がありました。また、先月24日には、付近の住宅の庭でもクマが目撃されています。「すごく怖いです。野生のクマを見るのは初めて」相次ぐクマの目撃をうけ、近くの小学校では8日朝も見守り登校が行われました。「しばらくは(車での送迎を)しようかと思います」警察や札幌市はパトロールを強化するなど、警戒を強めています。

(クマ目撃、県内各地で相次ぐ:栃木)
足利や佐野、那須塩原、日光市など県内各地でツキノワグマの目撃が相次いでいる。6月の目撃情報などは25件に上り、件数を比較できる2014年度以降で最も多かったことが7日までに、県への取材で分かった。7月も続いているほか、今年はクマにかまれ、けがをする被害も発生。例年出没が多い時季を迎え、県は「音で存在を知らせるなど、クマと出合わないための行動を心掛けてほしい」と呼び掛けている。新聞報道に基づく県自然環境課の集計によると、本年度にクマを目撃したり、遭遇したりしたなどの情報は4月2件、5月1件だったが、6月に急増した。県内では例年5~9月に件数が多い傾向にあるが、6月をみると、14年5件、15年6件、16年23件、17年16件、18年10件で、今年は特に多かった。同課は「(急増の)理由は、はっきりしない」と話す。例年この時季は、餌の木の実が減ってクマが人里に近づく一方で、人もレジャーなどで山に入る機会が多くなるため、目撃情報などが増えるという。今年は5月11日に塩谷町上寺島の山林で、写真撮影のため移動中だった69歳男性が子グマを連れた親グマに左太ももをかまれ、軽いけがをした。6月19日には那須塩原市埼玉の黒磯北中の敷地内で、クマのものとみられるふんが見つかった。同課によると、県内のツキノワグマの生息数は推定461頭。那須、那須塩原、矢板、塩谷、日光、鹿沼、栃木、佐野、足利の9市町に生息しているとされ、他市町に現れることもあるという。同課は本年度、この9市町の小中学校やビジターセンターなど343カ所にチラシ1800枚を配布するなどして注意喚起している。同課は「クマは基本的に臆病な動物」と指摘。「1人での行動は避け、鈴や笛、ラジオなど音で存在を知らせるなどして、まずは近づかせないよう努めてほしい。目撃例が多い朝夕は、特に注意が必要」としている。

(県内クマ出没、6月過去5年で最多:滋賀)
県内では6月、クマの出没が急増し、過去5年間で最多となった。23日には高島市今津町梅原で、自宅の庭に現れた子グマ2頭を追い払おうとした男性(70)が、近くにいた親グマに襲われ、軽傷を負う事案も発生した。県や高島市などは、連日パトロールを行い、クマとの遭遇を避けるよう住民に注意を呼び掛けている。県のクマの出没状況は、4月が1件、5月が11件だったが、6月は33件と急増した。地域別では、4月以降で高島市が16件、大津市が12件、長浜市が9件、米原市で6件、東近江市と近江八幡市が1件ずつ。山間部やその周辺で出没が続いている。男性が襲われた集落も山麓の林の中で、獣害防止用の柵より山側に位置していた。県自然環境保全課によると、初夏の時期に出没するクマは、人に不慣れで状況判断が甘い若い個体が多く、集落近くまでさまよい出てくる可能性もあるという。県と高島市は、この集落周辺を朝晩2回、広報車で巡回し「クマの出没が相次いでいる。収穫物や草刈り機の燃料の保管場所に注意して」と啓発している。県内に生息するのはツキノワグマ。同課の担当者は「ツキノワグマは本来、臆病。遭遇しないことが、被害防止につながる」と強調する。「早朝や夕方に出没するため、この時間の外出は極力避ける」「食べ物のにおいで来てしまうので、生ごみや、庭の木の果物などを放置しない」ことが重要だという。それでも遭遇してしまった場合、クマの側もパニックになり、襲われる危険もあるという。担当者は「万一の時は、背を見せずにゆっくり後退し、クマを刺激しないように。自分の急所を隠して」と説明している。

(民家にクマ、県内で目撃相次ぐ:秋田)
秋田県内は6日、クマの目撃が相次いだ。被害は確認されていない。午後3時半ごろ、鹿角市八幡平字大里川原の民家敷地内に体長約60センチのクマ1頭がいるのを、この家に住む30代男性が見つけた。クマはすぐに敷地外へ走り去った。

(ブナ大凶作予測、クマ出没要警戒:岩手)
東北森林管理局(秋田市)は5日、本年度のブナ開花状況と結実予測を発表し、本県は秋に実がほとんどならない「大凶作」となった。特に沿岸北部で花のつきが悪い。餌を求めてクマが人里に出没する危険性が高く、注意が必要だ。4月中旬から5月にかけて、県内の定点24カ所を目視調査した。10カ所は全く花がなく、ごくわずかに花がついたのが12カ所、部分的に多くついた地点が2カ所あった。非開花は宮古から久慈地域にかけての沿岸北部に多かった。結果を数値化した豊凶指数は0・8で、1・0未満が該当する大凶作と判定した。大凶作予測は2016年度以来。ブナの実はクマが好む食糧の一つで、不作だと餌不足に陥る。本県のクマ出没情報は平均すると単年度2400件程度で推移するが、大凶作予測だった16年度は3070件に上った。

(ブナ結実、「凶作」予想:青森)
東北森林管理局は5日、福島を除く東北5県の今年のブナの結実予測を発表した。青森県は「凶作」となった。ブナの実などのドングリ類はクマの好物。科学的な解明はこれからだが、餌が少なくなるとクマが里に下りてくる-との見方もあり、関係者は動向に注目している。

(サル捕獲騒動:佐賀)
9日午前11時15分ごろ、神埼市神埼町尾崎の事業所で「サルが出た」と神埼署に通報があり、署員と市職員計6人が向かった。手に携えたのは、直径40センチ、柄の部分が長さ1メートルの網。同署管内では2月からサル出没の通報が相次いでいるが、いずれも目の前で取り逃がしたり空振りだったりと網が役目を果たしたことはなかった。この日も敷地内を追いかけ回すこと30分。網を振り下ろすチャンスは一度もなかった。そこへ千載一遇の好機が。市職員が建物とフェンスの間に逃げ込んだサルを両側から追い込み、一方に気を取られたサルの後方から網を一振り。捕まえたサルはそのまま山へ運んで放した。「市民やサルにけががなく良かった」。サルものは追わず-。

(カラスの巣が原因、430戸が一時停電:佐賀)
10日午後8時10分ごろ、佐賀市の赤松町や鬼丸町などの約1430戸が数分間停電した。このうち25戸は約35分間停電した。九州電力佐賀支社によると、カラスの巣の接触が原因で、事故やけが人の情報は入っていないという。

(クマ目撃情報:神奈川)
南足柄市狩野・中沼付近の広域農道で6月28日午後5時頃、クマと思われる動物の目撃情報があり、南足柄市は翌29日から1日2回のペースで防災行政無線を通して注意を呼びかけている。7月1日の時点で目撃情報は当初の1件のみ。同市では今年2月、矢倉沢でクマの襲撃と思われる家畜の被害が発生している。

(クマ目撃:栃木)
5日午後2時10分ごろ、日光市山内の東照宮御旅所敷地内。1頭、体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
8日午後0時40分ごろ、日光市野口の住宅敷地内。1頭、体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
6日午後3時ごろ、日光市久次良町の日光中の北西約360メートルの路上。1頭、体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
7日午前6時50分ごろ、日光市花石町の東京都葛飾区立日光林間学園敷地内。体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
10日午後7時ごろ、那須塩原市横林の道路沿い草むら。1頭、体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
9日午後0時50分ごろ、日光市野口の竹林、1頭、体長約1メートル。9日午後1時ごろ、日光市清滝安良沢町の住宅敷地内、1頭、体長約1メートル。

(イノシシ被害防止、おり寄贈:和歌山)
地域貢献活動の一環としてJA紀の里農業協同組合は9日、岩出市に「イノシシ捕獲おり」を寄贈。田哲男代表理事組合長が中芝正幸市長に目録を手渡した。市役所で行われた贈呈式には松浦克仁代表理事専務、大原稔常務理事、河里芳広営農支援課長が出席。捕獲おり7基(70万円分)を寄贈し、中芝市長から田代表理事組合長に感謝状が贈られた。田代表理事組合長は「地域貢献の役に立てればうれしい。イノシシ捕獲おりで被害防止の一助になれば」とあいさつ。中芝市長は「寄贈いただいたおりを大切に使っていきたい」と感謝を述べた。同市によると、2017年度のイノシシによる同市の農作物被害額は米などを中心に9万2000円に上るという。

(「ハンター」の技紹介:茨城)
坂東市大崎の茨城県自然博物館で6日、狩りをする生き物たちを集めた企画展「狩 ハンターたちの研ぎ澄まされた技と姿」が開幕した。ほ乳類や鳥類、は虫類、昆虫、クモ、食虫植物まで世界中に生息するさまざまなハンターたちの剥製や標本など643点を展示。博物館周辺で見られるハンターを紹介するコーナーやクイズコーナーなどもあり、子どもたちの夏休みの自由研究に一役買いそうだ。今展は(1)狩りの技(2)剥製(3)身近-の三つのキーワードで開催。狩りをする生きものたちが持つ走る▽跳ぶ▽蹴る▽咬(か)む-など15の技を紹介するコーナーがあり、ヘビの頭部を何度も蹴りつけて弱らせてから捕食する「ヘビクイワシ」の映像や剥製のほか、ネズミを狩ろうとするフクロウの剥製、シカに跳び掛かるピューマの剥製などが並ぶ。生き物たちの命を懸けた壮絶なドラマに触れるとともに、自然の大切さや命の尊さを学ぶ企画展で、企画展チーフの後藤優介主任学芸員はオープニングセレモニーで「ハンティングシーンを再現した剥製に注目してほしい。狩られるものの目線で剥製と目を合わせてもらい、ドキドキ感を味わってほしい」と語った。

(シカのポリ袋誤食防げ:奈良)
国の天然記念物「奈良のシカ」が観光客が捨てるポリ袋などを食べ、衰弱死する例が相次いでいることを踏まえ、奈良の鹿愛護会は10日、奈良公園の周辺で清掃イベント「クリーンアップならディアパーク2019」を開いた。イベントには、県内外から約140人がボランティアで参加。午前10時から約1時間半、東大寺大仏殿や春日大社、興福寺の周辺を歩き、落ちているレジ袋やペットボトルなどを拾い集めた。ごみの総重量は53キロにも及んだという。愛護会によると、ごみは歩道などの人通りが多い場所で目立った。今年生まれた子ジカ約150匹(10日現在)は今月下旬、公園デビューを飾るといい、同会の蘆村好高事務局長は「こんなにごみが落ちているとは想像以上だった。子ジカを公園に戻す前に少しでもごみを減らしたい」と意気込んだ。兵庫県川西市から参加した主婦の白川智恵子さん(51)は「溝にペットボトルや紙ごみ、ポリ袋などが多く落ちていた。今回の活動が観光客への啓発となり、シカの誤食防止につながれば」と話していた。

(捕獲、処理情報を一元化:石川)
小松市で9月にジビエの出荷が始まる獣肉処理加工施設「ジビエ・アトリエ加賀の國(くに)」で、トレーサビリティー(生産流通履歴)の管理システムが導入されることになった。イノシシの搬入段階で個体ごとに番号を割り当て、捕獲から加工、包装、販売までの情報を一元管理する。北陸三県では初の採用で、捕獲者や詳細な処理情報を公開して安全性を高め、イノシシ肉の需要を喚起する。新たに導入するシステムでは、出荷するジビエのラベルにQRコードを記載する。消費者はスマートフォンでQRコードを読み取ると、捕獲や解体、加工の日付のほか、捕獲方法に関する情報も確認できる。同施設によると、ジビエの生産流通履歴を照会する仕組みは全国的にも少なく、大半の施設では、出荷する商品に捕獲地や賞味期限、加工者などを表示するにとどまっているという。石川県と隣接する大野市など福井県内で豚コレラに感染した野生のイノシシが発見されており、今後、ジビエの消費拡大に向けてはより高いレベルの衛生管理が重要になるとみられる。今回のシステムは、安全なジビエを普及させる目的で農林水産省が定めた「国際ジビエ認証制度」の取得に必要で、ジビエ・アトリエ加賀の國は、ジビエの安全性向上と流通の透明性を確保して認証の取得を目指す。ジビエ・アトリエ加賀の國は南加賀地区で初となる獣肉処理加工施設で、小松、加賀、能美、川北4市町と猟友会などでつくる「南加賀ジビエコンソーシアム」が運営する。北陸で最大規模の年間1千頭のイノシシを処理でき、精肉に加え、併設する加工室でソーセージやハムなども作る。今月から段階的にイノシシの受け入れを始め、試験販売を経て9月上旬の本格出荷を予定する。コンソーシアムの小谷口幸司会長(南加賀鳥獣被害対策協議会長)は「安全性を担保することでイノシシの有効活用が広がれば、猟師の意欲も高まる」と話している。

(マタギを観光資源に:秋田)
狩猟で生活を営んでいた阿仁地域のマタギ文化。今も地域の人々の暮らしにその文化の一端が残る。訪日外国人が増加傾向にある中、独自の地域資源として見直されつつある。「マタギに会える マタギになれる 北秋田」をコンセプトに、マタギの観光ブランド化に取り組む「『やってみよう!北秋田』北秋田地域素材活用推進協議会」。「マタギはこの地域にとって固有の資源。観光化に向け、PR活動に力を入れる」と意気込む。

(イケメンマタギ、5人募集:秋田)
秋田内陸縦貫鉄道や北秋田市観光物産協会などでつくる「『やってみよう!北秋田』北秋田地域素材活用推進協議会」は、北秋田の伝統猟法を伝える阿仁マタギの衣装を着てマタギ文化をPRするハンサムな「イケメンマタギ」を募集している。協議会は、阿仁マタギのブランド化を目指して4月に発足。イケメンマタギの公募もPR活動の一環。募集人数は5人で、マタギ衣装姿でイベント等に参加できる18歳以上の品行方正な男性が条件。

(ハンター困惑、揺れるヒグマ対策の現場:北海道)
去年、クマ騒動に揺れた北海道島牧村。今年もクマの出没が30件近くにのぼるなか、ハンターが出動できない緊急事態に陥っています。さらに北海道内ではそのハンターの存在意義すら否定するような動きも出ています。クマとハンターを巡る問題の解決策を探ります。去年8月、北海道島牧村で起きた「クマ騒動」。村を荒らしまわったヒグマはハンターに駆除され、一件落着…と思いきや、今年もクマの出没は続いていました。「クマですね!」「クマだ、クマだ、立っている、立っている」「あれ絶対クマいるぞ…おっ!」先月、視聴者と取材班がとらえたヒグマ。今年、島牧村では30件近くのクマの出没情報が相次ぎ、去年の同じ時期の3倍以上にのぼっています。去年、クマの出没地域になってしまったこの元町、原歌地区に電気柵が張り巡らされるということです」村は今年、クマの侵入を防ぐ電気柵を広範囲に設置。200万円以上の予算を投入し、総距離6キロにも及ぶ電気柵を張り巡らせることにしました。対策は万全に見えますが、ある問題が起きていました。去年クマの被害にあった住民 小川只義さん:「クマ出ても、今はハンターが出てくれないようだから、みんな不安でいるべさ。我々村民からしたら困ったもんだよ」去年よりクマが出ているのに今年はハンターが1度も出動していないというのです。理由はハンターへの出動要請や助成に関する規定が今年変更されたことにありました。先月初めて開かれた新しい条例の説明会では…。道猟友会島牧分会 高島紀彦会長:「我々はあえて危険なところに行く。仮に死亡事故にあって、一時の保険金が300~500万円で残った家族は暮らせるかな。その程度でだれが有害駆除やるのか」去年村では、クマ対策への支出が前年の約2倍、2000万円近くかかりました。これを受け今年1月、村議会議員が新条例を提案し、村が一部を改正。例えば、ハンターが死亡した時に支払われる保険金は一括6000万円出ることになっていましたが、今年は最大500万円の一時金、または遺族への年金へ変更する提案がされました。これには猟友会から、「ヒグマと対峙する内容になっていない」と異論が噴出しました。:「村としては早く出動要請できる形にしていきたい」ハンターに今年、出動要請ができない緊急事態。そもそも新条例ができた発端は、夜間発砲ができず長期の警戒で1000万円以上にふくらんだ去年のハンターへの報奨金でした。去年までの要綱では、出動1回あたり通常2万円、緊急時は3万円という規定。村は運用実績からすべて緊急扱いにし、補正予算案を出しましたが議会は否決。一部の村議は、「決して、報奨金を出さないわけではなかった。ただ、通常と緊急を使い分けるべきだった。算出方法の再考もされず、否決せざるを得なかった」と話しています。結局、村長の専決処分で報奨金はハンターに支払われましたが今年1月の議会で、報奨金の上限を年240万円にする新条例が可決。村が出動の単価や傷害保険などを見直したものの折り合いがつかず、ハンターに出動要請ができていないのです。:「もっと純粋に原点(住民の安全)に返って、村と議会で話し合えればいいと思う」時に命を落とすかもしれないヒグマ対応。村の猟友会長、高島紀彦さんは早急な環境整備を訴えます。道猟友会島牧分会 高島紀彦会長:「出たくないとかじゃなくて、きちっとクマの警戒で出られるように、村と議会が環境整備尾考えてほしい」着地点を模索する島牧村。一方、隣の寿都町では。島牧村を手本にハンター育成にむけ一歩踏み出しています。:「全道各地の狩猟免許等の助成制度を調べたら、島牧村の助成制度がハンターになるためにかかる経費をほぼ全額を網羅して助成していて、それを参考にした。島牧村が先駆的だと思っている」現在、寿都町には60代のハンターが2人だけ。一方、島牧村はハンターが14人いて、平均年齢は45歳ほどと後継者が育っています。そこで寿都町は、総額40万円以上とも言われるハンターになる際の費用を手厚く補助。改正前の島牧村の制度を手本に、狩猟免許や銃の所持資格の費用は全額、銃の購入費用は最大34万円まで補助することを決め、4月以降、20代から40代の4人がハンターに名乗りをあげています。「昨年、隣の島牧村でクマ騒動があり、これがもし寿都で起きたら大変なことになると思い、遅ればせながら、急きょハンターの育成に力を入れることにした。原点に返って、地域は地域で守っていきましょうとクマが教えてくれたのかなと」後任の育成を担う寿都のベテランハンターは…。道猟友会寿都分会 木村政喜会長:「一生懸命要綱を作ってくれて、猟友会としてはありがたい。免許取った時点で新人には手取り足取り、一緒に山を歩いて育成していきたい」北海道内では他にも新人ハンター育成に力を入れる自治体がありますが、去年、ハンターの存在意義を脅かす問題が起きました。:「ハンターにクマの駆除を頼んでおいて、片方で『撃っちゃダメだった』と。何を信用したらいいのか、おかしいよ、本当に」砂川市のハンター、池上治男さん。去年、市の要請を受け、職員と警察官が立会い、周辺住民が避難した上でヒグマを1頭駆除しました。しかし、後になって鳥獣保護法違反の疑いで書類送検される事態に。不起訴にはなったものの、公安委員会から建物近くで発砲したことが問題視され、猟銃の所持資格を停止されてしまいました。「私たちは何も悪いことをしていない。市民のためにクマを駆除している。クマを駆除して警察官も『よかったよかった』と言っていた」この件に関し、警察は「発砲を許可した事実はない」とコメント。一方、市は「発砲してもいい場所で、警察も同意した」と主張は食い違ったまま。このトラブルが現在、銃を扱うハンターの存在意義を揺るがしているのです。先月、江別市では78年ぶりにクマが確認されたほか、今年は北広島市や札幌市清田区、さらに南区でもクマの目撃情報が相次いでいます。専門家は今後はこれまでとは違うクマ対策の必要性を訴えます。:「『クマが出たら猟友会』という、ハンター任せが多いが、本来は行政自らヒグマ対策を推し進めるべき。第一にヒグマの対策をする専門家を各地域に配置すること。夜間発砲も警察の許可がなくても、鳥獣対策の専門家たちの中で独自に発砲の判断ができる仕組みを考えるべき」個体数の増加に伴い、これからもクマは人里に現れることが予想されます。ハンターを育成しながら任せきりにせず、北海道の関係機関が一体となって取り組む時期が来ているといえそうです。

(野生動物:角山茂章 会津大学前学長)
チェルノブイリ事故から三十年以上たった北欧で、自然環境がどのように変化したか、野生動物の専門家の話をお聞きしたので紹介したい。北欧諸国を訪れると、季節によってはトナカイやヘラジカといった日本ではお目にかかることが無い動物の肉料理を販売しているところを目にする。知り合いの家にお邪魔した際にも、もてなしの料理としてこれらの肉料理をいただくことはめずらしくないとのこと。トナカイは家畜であるが、日本における牛や豚などとは異なり、北欧の広大な自然の中で放牧されており、食べているものも野生の地衣類や草木だ。ヘラジカにいたっては野生の動物だが、その味は臭みも無く、牛や豚などと比べてもそん色ないほど美味である。料理もハンバーガーやシチューといった定番料理から、サラミや干し肉といった保存食にまで幅広く使われ、北欧に住む人々にとって重要な食物の一つだ。しかしながら、チェルノブイリ事故で、彼らはこれらの食物を食べられなくなってしまった。放出された放射性物質は、北欧の国土の一部を通過し、雨が降った地域は汚染した。当然、野生の下で暮らしていたトナカイやヘラジカも、食物を通して放射性物質を体内に取り込んだため、体内の放射性物質濃度が高い動物については、その肉を食べることが制限された。その後の徹底したモニタリング等によって、現在では街中のレストランや売店で食べることが可能になった。福島でも、昔から野生動物は重要な資源である。例えばイノシシは、主に中通りや浜通りで狩猟の対象となってきたが、その肉は臭みも少なく、脂肪には甘味がありとてもおいしい。会津地方で特筆すべき狩猟対象動物といえば、ツキノワグマである。食肉としても利用されるが、胆のうは熊の胆[い]として漢方として重宝された。しかし、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響により、筋肉中から食品の基準値(一〇〇ベクレル/キロ)を超える放射性セシウム濃度が検出されているため、多くの動物では出荷制限が、またイノシシについては出荷制限に加え、原発周辺地域では摂取制限が設けられている。野生動物の放射性物質汚染が解決したかに見える北欧諸国だが、この問題は未だに現在進行中だ。スウェーデンでは、事故から三十年以上たった昨年にも、イノシシの体内から基準値の一五〇〇ベクレル/キロを超す一万ベクレル/キロの放射性セシウムが検出され、ニュースになった。これまでイノシシが住んでいなかった汚染地域にイノシシが生息地を拡大したためだ。このように野生動物の放射性物質汚染には野生動物の生態が大きく関わっている。福島においても、これらの野生動物を安心して資源として利用できる日が来るよう、今後も徹底したモニタリングや、汚染と野生動物の生態の関係についての研究が望まれる。(

(脱走ニホンザル「みわ」捕獲:京都)
京都府の福知山市動物園(福知山市猪崎)から6月28日に脱走したニホンザルの「みわ」(雄、9歳)は7日、市内で捕獲され、9日ぶりに園に戻された。みわはけがも無く元気だが、おりの中でおとなしく反省している様子だった。みわ脱走後に休園していた園の再開について、市は「関係機関と協議して早急に決めたい」としている。福知山市によると、見つかったのは市動物園から東約2.5キロの福知山市川北の里山。7日朝に畑にサルがいるのを住民が見つけ、連絡を受けた市職員が畑と山の境界付近に餌のバナナを置いたおりを設置し、正午過ぎに捕獲した。体内に埋め込まれたマイクロチップで、みわと確認された。みわは子ザルだった2010年ごろ、イノシシの背中にしがみついて走る姿で人気を集めた。二本松俊邦園長は「皆さんに本当に心配をかけました。おりは再点検して不備な箇所は全て修理したので、今後は厳重管理を徹底したい」と話した。

(イノシシ肉、味追求続く:富山)
氷見高校農業科学科と海洋科学科の三年生が四日、昨年に続きイノシシ肉のチャーシューや、氷見産煮干しのだしを使ったカレーの缶詰十五個を試作した。今年はイノシシ肉をヨーグルトに漬けることで軟らかく仕上げた。農業科学科六人、海洋科学科三人が「課題研究」の授業で取り組んだ。農業科学科の生徒はイノシシ肉チャーシューを担当。炭酸水やみそなど試行錯誤した結果、ヨーグルトに一週間漬け込むと肉が軟らかくなることを発見した。海洋科学科の生徒は氷見産煮干しでだしを取り、タマネギやニンジンを使ってカレーを作った。四日は生徒たちが缶詰にカレーとチャーシューを入れ、試食もした。農業科学科の河原萌さん(18)は「イノシシ肉は味が染みとっておいしいが、脂身が多くてくどく感じる」、海洋科学科の林陸斗さん(17)は「だしの味がカレーのスパイスに負けている」とそれぞれ改善点を話していた。缶詰は授業でさらに改良し、おいしいカレーを目指す。氷見市内ではイノシシによる農作物への被害が多発しており、駆除が行われている。イノシシ肉を有効活用できないかと、農業科学科は四年前から食肉加工品の開発に取り組んでいる。

(鹿革で「初めての靴」づくり:神奈川)
7月23日・30日・8月6日(いずれも(火))の3日間を通じ、鹿革を使い、子どもが初めて履く「ファーストシューズ」を作る講座が、相模湖公民館で開かれる。

(シカ角で新ビジネス:岩手)
本県でシカによる農作物被害が後を絶たない中、県内の若手経営者2人が本年度、「シカ角ビジネス」を本格化させる。東京電力福島第1原発事故の影響でシカ肉の出荷制限が続いているが、捨てられてきた角をアクセサリーやキャンプ用品などとして商品化。猟師の収入に結びつく仕組みづくりを進め「後継ハンター」の確保にも貢献する考えだ。手掛けるのは、住田町地域おこし協力隊員で、町内の特産品を開発・販売するHUB(ハブ)の菊池顕(けん)代表(32)=釜石市出身=と、盛岡市のハンドメードアクセサリー・雑貨店「旅人屋(たびびとや)」のオーナー松尾純子さん(42)=滝沢市出身。1年半前に狩猟免許を取得した菊池さんは、同町で駆除後に捨てられていた角に目を付けた。自身が材料の調達役となり、友人の松尾さんがデザインや製造を担う。商品は壁掛け、お守り、ピンバッジ、箸置きなどで、昨年6月から販売を始めた。2人は猟師の稼げる環境を整えることで後継者不足の改善、シカ被害の減少を期待。菊池さんは「被害の現状はあまり知られていない。商品をきっかけに認知され、少しずつ緩和されればいい」と願う。

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(7県、えさ型ワクチン散布可能に)
農林水産省は、愛知、岐阜両県で相次ぐ家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の拡大防止のため、両県に隣接する7県でも、えさ型ワクチンを散布できるようにすることを決めた。地元の同意を得たところから順次実施する。対象は三重、富山、石川、福井、長野、静岡、滋賀の7県。同省は、豚コレラウイルスが野生イノシシを介して広がっているとみて、愛知、岐阜両県で野生イノシシの捕獲調査とえさ型ワクチンの散布をしてきた。だが6月25日に三重県いなべ市で捕獲された野生イノシシから豚コレラの陽性反応が出て、隣県に被害が広がる可能性が高まりつつある。えさ型ワクチンは、トウモロコシ粉の中に弱毒性の生ワクチンを仕込んだ縦横4センチの固形物で、山中に埋めてイノシシに食べさせる。農水省が今年3月から、国内で初めて愛知、岐阜両県で散布している。岐阜県は3日、同県恵那市の養豚場の豚から家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の陽性反応が出たと発表した。県内の施設で感染が確認されたのは19カ所目。飼育している豚約4800頭は殺処分される。県は、陸上自衛隊に災害派遣を要請した。県によると、2日に養豚場から通報があり、検査を実施した。この養豚場は豚コレラに感染した野生イノシシが確認された地点から10キロ以内にあり、監視対象になっていた。豚コレラは人には感染せず、感染豚の肉が市場に出回ることはない。内閣府の食品安全委員会は仮に感染した豚の肉を食べても健康への影響はないと説明している。

(豚コレラ、ワクチン散布前倒し:三重)
県は2日、野生イノシシ2頭の豚コレラ感染を受け、野生イノシシへの経口ワクチン散布時期を前倒しすると発表した。「今月下旬から」との予定だったが、5日にいなべ市の監視対象農場付近の計5カ所で先行実施する。16日から本格実施する。

(豚コレラ、9月目標に餌型ワクチン:長野)
豚コレラの感染拡大を防ぐため県は5日、野生のイノシシに対して今年9月を目標にワクチンを混ぜたえさをまく方針を示した。まく時期や方法などについては農林水産省と調整を進めている。豚コレラは今年2月に宮田村で確認されている。

(「ぎふジビエ」に逆風:岐阜)
家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染は野生イノシシにも広がった。イノシシがウイルスを運び、養豚場での発生につながっているとも指摘される。あおりを受けてイノシシの捕獲は広範囲で制限され、ジビエ(野生鳥獣肉)を取り扱う業者らに影を落とす。「イノシシを8割扱っていたら倒産だったよ」。里山ジビエ会の代表理事で猟師の近藤正男さん(75)は浮かない表情で語った。会は2016年3月に本巣市内にジビエの処理施設を建設した。17年度から本格的に稼働し、軌道に乗った18年度に豚コレラの問題に巻き込まれた。猟師が市内で捕ったイノシシとシカを生肉に処理し、販売している。シカを扱う施設が少ないことに目を付け、イノシシの取扱量は2割にとどめていた。昨シーズンは感染イノシシが見つかったことで、市内の一部の地域は狩猟期の11月を迎えても銃やわなで捕獲できなくなった。施設にイノシシはほとんど持ち込まれず、イノシシの感染状況の把握と個体数を削減する「調査捕獲」やワクチンの散布作業などに猟師が追われているために忙しく、シカの入荷するペースも、例年の年間900頭の半分にとどまる。「イノシシとシカの取扱量が逆だったら」。背筋が凍るような思いだった。少量を取引していた料理店からの注文はほとんどなくなった。国は豚コレラに感染した豚やイノシシの肉を食べても人体に影響しないという見解を示しているが「客が気にするのだろう」と察する。感染していないか確認されることもある。施設の冷凍庫には市産のイノシシ肉が360キロ残るのみ。枯渇に備え、不本意だが他県産を仕入れる準備を整えた。岐阜市の「日本料理桜梅桃李(おうばいとうり)」の店主玉越勝利さん(51)は県産のイノシシ肉を鉄板焼きや鍋料理、薫製などにして振る舞っている。県内で捕れ、県が独自に策定したガイドラインに沿って処理されるイノシシやシカの肉の「ぎふジビエ」を提供する飲食店の一つ。仕入れている処理施設の在庫は5月に底を突いた。「仕入れのめどが立たず、寂しい」。今季も県内のイノシシを使いたいと願うが、他県産の購入も視野に入れている。県は調査捕獲の対象地域を7月から県内全域に拡大する方針を示す。イノシシの年間捕獲数約1万頭に3千頭を上乗せした頭数を捕獲目標数に掲げ、生息数を少しでも減らす狙いだ。近藤さんは「もっと早い時期に減らしておくべきだった。他県にも広がらなかっただろう」と指摘する。美濃加茂市の男性猟師は、イノシシが逃げて感染を広げる恐れがあるという理由から調査捕獲に銃を用いない考えに「わなにかからないイノシシは一定数いる。警戒心が強い動物だ。銃を使わないと捕りきれないのではないか」と疑問を呈す。狩猟のできない地域が広がり、禁猟期間が長引けば、猟師が減少する恐れがある。県内の狩猟免許の所持者は1971年に延べ約1万3900人いたが、2006年には延べ約3700人に落ち込んだ。その後は若い世代を中心に増加傾向に転じ、17年度は延べ約5千人に増えたが、5人に3人は60歳以上だ。「山を1年間歩かなければ、体力的に猟をできなくなってしまう」。男性猟師は行く末に危機感を抱く。

(シカが路上に飛び出した?バイクと衝突:北海道)
現場は森に囲まれている場所でした。3日午後、北海道上士幌町の国道でバイクがシカと衝突し、乗っていた男女がけがをしました。事故があったのは、上士幌町幌加の国道273号線です。3日午後1時ごろ、近くを通りかかったドライバーが「バイクとシカが衝突している」と、警察に通報しました。バイクが帯広方面に走っていたところ、バイクの右から出てきたシカと衝突したとみられます。この事故でバイクを運転していた秋田県の59歳の男性と同乗していた女性が病院に搬送され治療を受けています。シカは死にました。現場は片側1車線で道路の両側は森に囲まれた場所でした。警察はシカが急に路上に飛び出し、バイクが避けきれなかったとみて事故の原因を調べています。

(日本勢は予選敗退、クレー射撃世界選手権)
クレー射撃の世界選手権は3日、イタリアのロナトで行われ、トラップで日本勢は決勝に進めなかった。予選で女子の中山由起枝(日立建機)が15位、木吉りよ(大阪府協会)が32位、小島千恵美(登利平)が46位だった。男子は秋葉隆行(西千葉接骨院)が99位、田中進一(中四国セキスイハイム工業)は101位、大山重隆(大山商事)は127位。

(クレー日本勢は予選敗退、混合トラップ)
クレー射撃の世界選手権は4日、イタリアのロナトで行われ、混合トラップで日本勢は予選敗退した。大山重隆(大山商事)中山由起枝(日立建機)組が22位、田中進一(中四国セキスイハイム工業)小島千恵美(登利平)組が43位だった。

(イノシシ調査捕獲、防護服に身を包み狩猟:岐阜)
パーン、パーン-。乾いた銃声が中津川市の山林に響いた。銃口の先には、谷筋のくくりわなに掛かり、さっきまで暴れ回っていたイノシシがぐったりと横たわっていた。豚(とん)コレラの防疫対策のため、普段の猟では着ない白い防護服を着た猟友会員の一人はイノシシの腹部を確認し、斜面で小さな足跡をいくつも見つけると、声を上げた。「雌だ。この春に子どもを6匹ぐらい産んでいる」軽トラックにくくり付けたロープで、体長約130センチ、体重約80キロの巨体を引き上げ、シートに包むと、3人がかりで荷台に載せた。捕獲現場や長靴、軽トラのタイヤなどの消毒を終えたときには、顔から汗が吹き出ていた。「趣味の猟と違って面白くはないね」。何度も通って仕掛けたわなを確認し、捕獲の喜びに浸る間もなく、すぐに別のポイントに向かい、計27カ所を見回った。片道2時間半かけて軽トラを運転し、午後3時に間に合うように岐阜市内の検査場に運び入れた。朝早くに猟に出て帰宅したのは夕方になった頃だった。このイノシシは翌日の遺伝子検査で豚コレラの感染が確認された。中津川市では、4月22日に豚(とん)コレラに感染した野生イノシシの死骸が初めて確認されたことを受け、5月に始まった2回目の経口ワクチンの散布から調査捕獲が始まった。中津川市猟友会の中川征児会長(81)は「昨年9月に岐阜市で最初の感染が分かってから、いずれは来るだろうと覚悟していた」と厳しい表情で話す。市猟友会には約130人の会員がいるが、調査捕獲に従事できるのは基本的に県猟友会の講習を受けた14人のみ。2人一組で担当地域を回って、捕獲や運搬の際には仲間の協力を得ながら乗り切っている。「夏場はさらに暑くなる。無理だけはしないようにと伝えている」と話す。21日時点で検査した県内の1462頭の野生イノシシのうち、豚コレラに感染していたのは645頭。3月に経口ワクチンの散布が始まって以降、抗体陽性率が上昇しているが、ワクチンによる抗体かどうかは多くの場合、分かっていない。北海道大大学院獣医学研究院の迫田義博教授(ウイルス学)は「北に西に東にと、イノシシの感染が広がっており、感染エリア以外でのワクチン戦略を踏まえた計画を練ることが必要だ。岐阜、愛知以外のプラスアルファ(隣県)も一緒になってやっていかないといけない」と指摘する。農林水産省の担当者によると、5月下旬にあった国の会議で岐阜県内の発見場所から10キロ圏の三重県と長野県には経口ワクチンの散布の実施に向けた準備を求めた。今月には高山市でも見つかり、対象県を増やすことも視野に入れ、効果的な散布方法や調査捕獲の可否も含め、議論を重ねているという。長野県の担当者は「いつ見つかってもおかしくない状況。散布できるエリアを検討している」と危機感を持つ。岐阜県は捕獲による個体数削減を目指して、市町村が担う有害捕獲に対する奨励金を増額するほか、これまでなかった狩猟期における報奨金制度の創設を検討する。岐阜大応用生物科学部の鈴木正嗣教授(野生動物管理学)は「一定の効果はあるだろうが、いずれ頭打ちになる。相手も賢い動物で、限界があることは認識してほしい」と話す。その上で「イノシシ対策はもちろん大事だが、養豚場の周囲の防疫措置を徹底するなど、いかに養豚農家を守るのか考えるべきではないか」と投げ掛ける。

(市街地でイノシシとシカ目撃:岡山)
津山市は3日、市街地で同日、イノシシ2頭とシカ1頭の目撃情報が市民から寄せられたと発表した。けが人の情報はない。市によると、イノシシは午前10時前に河辺、午後4時ごろに押入で目撃された。押入では、連絡を受けた市職員がイノシシを発見したが捕獲はできなかった。シカは午前11時半ごろ、二宮で目撃されたという。市と津山署が現場周辺の学校や町内会に連絡し、注意を呼び掛けている。

(サルの大群、30匹以上目撃も:静岡)
1日夜から2日午前にかけて、浜松市浜北区根堅や於呂の住宅地でサルの群れが目撃された。市林業振興課によると、人的被害は確認されていない。同区根堅に住む女子高校生(17)は2日午前10時ごろ、30匹以上のサルが電線をつたって移動する様子を目撃したという。自宅の外に置いていた野菜が取られたほか、隣の家の屋根が一部破損する被害も出たといい、「こんなに大群は初めて見た。怖い」と語った。市は大きな音を出すなどし、2日昼ごろまでに近くの山林に追い払った。近くの小中学校や幼稚園には注意喚起の文書を送付。今回の目撃場所付近では以前にも出没していて、同課はサルに目線を合わせたり餌をあげたりしないよう呼び掛けている。

(クマがスイカ食い荒らす:山形)
スイカが食い荒らされた。県内でのクマによるスイカの食害は今シーズン初めて。3日午前4時半ごろ、尾花沢市下柳渡戸の農業・笹原勘悦さん(67)の住宅の敷地内にある畑で、家庭用に育てていたスイカがクマに食い荒らされているのが見つかった。笹原さんによると、自宅付近で体長約1メートルのクマが歩いているのを近所の人が目撃し、通報を受けた猟友会が地区内をパトロールしていたところ、被害に気づいた。畑にはクマの足跡が複数あり、育てていたスイカのうち6個が食べられ、皮だけの状態になっていたという。「隣の家と私の家の間を通って林の方に(逃げた)。自宅のそばなので非常に不安」この地区では、数日前からクマの目撃情報があり、スイカ畑が踏み荒らされる被害も出ていたが、スイカの食害は今シーズン初めて。

(クマ目撃相次ぐ:秋田)
秋田県内は2日、クマの目撃が相次いだ。被害は確認されていない。横手市前郷字兀山で午後4時ごろ、民家前の市道を体長約1メートルのクマが歩いているのを、この家に住む40代女性が見つけ横手署に届け出た。女性が1階居間の窓から外を見たところ、約2メートル先の市道を歩いていた。

(相次いでクマを目撃:青森)
青森県の八甲田や奥入瀬渓流などでクマが相次いで目撃され、警察が注意を呼びかけている。道路を挟んだ3メートルほど先の茂みの中から1頭のクマが出てきた。青森県の八甲田、谷地温泉近くの国道沿い。クマは車の通過に反応し、茂みから出たり入ったりして5分ほどうろついていた。クマを撮影した山辺努さん「かなり往来が激しかったんですけど、車が通った瞬間は一瞬ちょっと身を潜めるんですけど、すぐまた出てくるという。車に相当慣れているような感じです」撮影したのは青森市の会社員、山辺努さん(52)。休みを利用して八甲田に行った際、車の中からクマがいるのを目撃し、撮影した。山辺さんは昼過ぎにもクマを撮影していた。太い木の上に大人のクマ、そして1メートルほど先の枝に子グマがいた。クマまでの距離はおよそ10メートルで、通報を聞いて駆けつけた警察官や数人の観光客も遠巻きに見ていたそうだ。山辺努さん「親グマが木の上にいて、子グマがさらにもう少し上にいまして、ちょうど遊歩道の木の上でしたので、もし人が通ったらかなり危ない状況だったと思います」十和田警察署は夏の行楽シーズンに向けて、クマに注意するよう呼びかけている。

(原生林でクマ親子撮影:北海道)
足寄町内の原生林で、親子とみられるクマを帯広市広野町の主婦、松原明美さん(68)が見つけ、写真に収めた。松原さんは6月27日、同町オンネトーでの撮影会から写真仲間と車で帰宅中、道路を横断するクマ2頭に遭遇。路肩に停車し、約50メートル離れた車内から親子の様子を20分間カメラで撮影した。車の方に振り向くなど「こちらに気づいていたが、特に気にする様子もなかった」と松原さんは話す。子グマは体長約1メートル、親はその倍程度で、2頭はつかず離れずの距離で穴を掘ったり、餌を探したり。松原さんは野生のクマを見るのは初めてだったというが、6月には広野町内でクマが目撃されていることもあり「シャッターを押している間は夢中だったけど、終わった後にじわじわと怖くなってきた」と振り返った。

(クマ目撃相次ぐ、週末の催し中止も:北海道)
空知管内で7月に入ってからクマの出没が相次いでいる。美唄市や夕張市、奈井江町など複数の市町で「クマが歩いていた」などの目撃情報が警察に寄せられており、週末の開催を予定していた屋外行事を取りやめたところもある。警察は「クマを目撃したら、すぐに通報してほしい」と注意を呼び掛けている。美唄市内では1日、東明公園内で体長約1・6メートルのクマの目撃情報があった。クマは見つかっておらず、美唄市は現在も、公園内の展望台ゲートと市道の一部を閉鎖。2、3日には茶志内町でも目撃情報があり、市や警察、猟友会がパトロールを実施している。3日には、砂川市と芦別市、浦臼町、奈井江町でも目撃情報があった。このうち、奈井江町では「にわ山森林自然公園」第1展望台付近でクマのフンが見つかり、町は公園に入る町道を閉鎖した。岩見沢市内では、6月30日に東山7の市道で、クマの出没情報があった。市によると、体長2メートルほどで、通行する車に気づいてすぐに林の中に入っていったという。

(イノシシ、1頭が広島港を“遊泳”:広島)
3日午前7時35分、広島海上保安部に「宇品旅客ターミナル沖でイノシシ1頭が泳いでいる」と通報があった。巡視艇「あきかぜ」が現場に向かったところ、広島シーサイド病院岸壁沿いで“遊泳”するイノシシを発見。岸壁の階段から陸に上がり、南に走って行ったという。

(事業所敷地にクマ、二ツ山公園入園禁止に:秋田)
4日午後3時40分ごろ、秋田県大館市餅田1丁目の国道7号沿いの事業所敷地内で、体長約1メートルのクマが歩いているのを40代男性従業員が見つけた。大館署などによると、クマは事業所隣りの畑を横切り、二ツ山方向へ走り去った。目撃現場周辺には大館桂桜高校や飲食店、ショッピングモールなどがある。近くの二ツ山総合公園を管理する市は、安全を確認するまで、入園禁止とした。公園は5月もクマの目撃を受け、一部を立ち入り禁止としていた。

(クマ目撃20件に:北海道)
クマの目撃が相次いでいる、北海道江別市の野幌森林公園の近くで、4日もクマのフンが目撃されました。こうした目撃情報は、先月から20件に上っていて、市などは警戒を続けています。野幌森林公園では、先月、公園内に設置されたカメラにクマが映るなど、これまでに、クマの目撃が相次いでいます。こうした中、4日午前5時半すぎ、野幌森林公園に隣接する、野幌総合運動公園のゲート前で、巡回中の警備員がクマのフンを発見しました。すぐ近くには、多くの人が利用するパークゴルフ場などがあり、江別市は付近の住民などに注意を呼び掛けています。市によりますと、野幌森林公園と周辺でのクマとフンの目撃は、先月10日からこれで20件目ということです。

(学園の敷地にクマ:山形)
大江町藤田の児童自立支援施設「県立朝日学園」で3日午後1時ごろ、施設職員が施設のグランド脇に動物のふんを発見し、防犯カメラの映像を確認したところ、午前5時15分ごろ、体長およそ1メートル50センチのクマが走っていく姿が映っていた。当時、施設の寮には複数の児童がいたがけが人はなく、建物への被害もなかった。大江町役場では、周辺の学校や介護施設などに情報提供するとともに注意を呼び掛けている。

(国道でクマの目撃情報:岡山)
4日午前6時15分ごろ、岡山県吉備中央町湯山の国道484号で、ツキノワグマが歩いているのを町内の男性が目撃し、町に通報した。けが人などの被害は確認されていない。男性が撮影した写真や現場付近の足跡から、体長約1・2メートルとみられるという。町は現場から北約500メートルの下竹荘小(同所)全児童17人にクマよけの鈴を配るなどした。告知放送でも全戸に注意を呼び掛けた。同町では6月10日にもクマの目撃情報が寄せられている。

(クマ目撃情報:新潟)
7月3日午後6時20分ごろ、新潟県三条市北五百川地内の八木橋付近で国道289号沿いの県道鞍掛八木向線交差点から三条市街地方面手前200メートル付近でツキノワグマが目撃された。同じ日の同じ時間ごろに、この目撃情報があった場所から近い三条市長野地内でもクマの目撃情報があったが、長野地内で目撃されたクマに比べて小型のクマとの情報で、別のクマの可能性が高く、三条市では足跡を調べるなどして確認する。地元猟友会によると、昨年はクマのえさとなるブナの実が豊作だったが、ことしは実があまりならないためにクマが人里へ降りてきていると話しており、クマに遭遇しないよう注意を呼びかけている。

(クマ目撃情報で公園北部を閉鎖:群馬)
群馬県渋川市渋川の市総合公園内でクマの目撃情報が相次いでいることを受け、市は3日、園内のうち、キャンプ場などがある北部エリアを閉鎖した。12日まで入場を規制し、その後、解除するか判断する。市によると、2日午後6時10分ごろ、園内で車に乗っていた男性がクマを目撃した。5月下旬にも目撃情報があった。目撃場所がバーベキュー場やキャンプ場、クロスカントリーの一部コースがある北部エリアに集中しているため、このエリアの閉鎖を決めた。バリケードなどを置いて立ち入れないようにした。看板を設置して注意を促すほか、パトロールも強化する。

(クマ対策で爆竹:山形)
2日から全面閉鎖されている山形市の西蔵王公園では3日午前9時から、園内のキャンプ場や駐車場合わせて3か所で爆竹を使用し、音でクマを威嚇して園内に近づけないようにする対策が講じられた。午前と夕方合わせて1日2回のペースでこの対策を続けていく予定。西蔵王公園では2日午前9時ごろ、キャンプ場付近の広場でクマ1頭が散歩中の男性によって目撃され、園内を全面閉鎖する措置がとられている。県村山総合支庁などによると閉鎖は今後2週間は続く見込み。

(遊歩道、クマ目撃で閉鎖:岐阜)
高山市は2日、同市城山の高山城跡一帯に広がる城山公園の遊歩道を閉鎖したと発表した。付近でクマの目撃情報があったためで、閉鎖期間は安全が確認されるまでの間としている。

(クマ目撃:栃木)
3日午後6時半ごろ、那須塩原市箭坪の高林中北約20メートルの山林内。体長約1メートル1頭と体長30~40センチが4頭ぐらい。

(クマ目撃:栃木)
3日午前11時45分ごろ、日光市若杉町の住宅敷地。1頭、体長約1メートル。

(食害対策、暗中模索:愛知)
収穫期を迎えた小牧市の特産品モモに、鳥による食害が目立ち、生産者を悩ませている。大切な果実を鳥に奪われないよう工夫を凝らすが、効果は長続きしない。市も対策に乗り出すが決め手はなく、生産者の暗中模索が続く。被害は年々広がっているが、モモについての詳細な数値はまだない。市農政課が市内の生産者2000戸に実施したアンケートでは、鳥による作物全般の被害面積は、2017年度の1万3300平方メートルから18年度は1万4400平方メートルと1年で8・3%増えた。被害はモモなどの果樹が中心で、ほとんどはカラスによる食害だ。JA尾張中央(本店・小牧市高根二)の営農技術指導員によると、モモの産地の西側に位置する小牧市上末とその周辺でここ数年、カラスの被害を訴える農家が増えた。カラスのねぐらとなる山に餌が減ったことが原因だと考えられる。同市上末の生産者、鈴木孝一さん(86)も被害を嘆く一人。鈴木さんによると、3、4年前から被害が目立ち始めた。鈴木さんは、畑の木の上端に細く見えにくい糸を張り巡らして、糸に当たるのを嫌がるカラスが飛来しないようにしている。それでも全ては防ぎきれず、「上空から木に近づきづらいと悟ると、人のいないときに地上を歩いて果樹園の中に入ってくる」と渋い表情だ。先日、近所の生産仲間の畑で一本丸ごと被害を受けた木があった。カラスに食べられて穴の開いた果実が幾つも袋ごと地面に落ちているのを見た鈴木さんは「ひどいことをやっとるで」と、しばらく動けなかった。1ヘクタール余と大規模にモモ栽培を手掛ける小牧市高根三、伊藤初美さん(66)は、カラスだけでなくヒヨドリや近年増えた野生のハクビシンの被害もあると指摘する。ハクビシンはネコの仲間で、タヌキやアライグマに似ている。動きは素早く、果物を好んで食べる。伊藤さんの畑では毎年、鳥獣による被害が10万円ほどに上るという。ヒヨドリは袋の隙間から実を突き、ハクビシンは木に登り実をもぎとって食べる。伊藤さんは鳥を威嚇するため、タカに似せた器具を畑に取り付けているが、ハクビシンのような哺乳類には新たな対策が必要となっている。市は7月に入り、鳥類が嫌がる音を出す電子防鳥機1台をJA尾張中央に貸し出した。希望する生産者に無償で使ってもらう。市農政課の担当者は「鳥は移動が素早く、被害の把握が難しい。市鳥獣被害防止対策協議会でも何とかできないか検討している」と話す。生産者の鈴木さんは「個人ではもう限界。市や県と協力して良い施策ができれば」と特産モモを守るために連携した対策を願う。

(「ヒグマに気をつけて」バスに動画広告:北海道)
ヒグマの出没情報が本年度だけで既に100件余りと記録的な多さになっている札幌市で、クマへの警戒や対策を呼びかけるアニメーションの15秒広告が31日まで路線バスの車内で放映されている。札幌市が今春制作したクマ対策のアニメ4作品の一つ。家庭菜園のトウモロコシが収穫直前にクマに食べられて落ち込む住民にクマ自ら「作物を狙って近づくことがあるよ」と解説し、電気柵導入を訴える。市は電気柵の無料貸出制度の利用拡大に向け、出没情報の多い市内の南部で、映像設備のある北海道中央バス(小樽)の車両約100台で流している。クマとの共存の道を目指し、きょうもバスは行く―。

(ニホンジカ対策で狩猟者育成事業:青森)
第19回白神山地世界遺産地域科学委員会が3日、秋田市の東北森林管理局で開かれた。青森県がニホンジカの捕獲数増加を目指し、狩猟者の育成事業を今年度から新たに実施する方針を示した。委員会ではこのほか、「白神山地の管理に関する意見交換会」(主催・白神山地世界遺産地域連絡会議)を新たに実施すると発表。周辺地域との協力を図ろうと、関係団体や地域住民を対象に誰でも参加可能とした。青森県、秋田県で交互に年1回実施する予定で、第1回は今年秋~冬ごろに弘前市で開く。

(ヤマビル、何の血吸って生息拡大?:新潟)
森の忍者とも呼ばれ、山中で人や動物の血を吸う「ヤマビル」を実地で観察し捕獲するイベントが6月30日、新潟県阿賀町で開かれた。同町では生息範囲が拡大傾向。捕まえたヤマビルをDNA分析し、どんな動物の血を吸って生息範囲を広げているのか解明につなげるのが狙い。県内外から集結した約20人が、ピンセットを片手にサンプルを求めて草むらに目を凝らした。町観光協会の主催。厄介者のヤマビルを活用して町おこしを狙うイベント「ヤマビル蛭蛭ミーティングin阿賀町Ⅱ」の一環。昨年に続き一泊二日で行われた。初日の座学には45人が参加。ヤマビルの生態や分布について地元の自然同好会メンバーらが発表した。企画した地域おこし協力隊の堀口一彦さん(51)は「ヤマビルはよく見るとユーモラスで、血を吸われても痛くない。そんなに怖くないよと伝えたい」と語った。堀口さんらによると、ヤマビルはかつては阿賀野川左岸地域に生息していたが、15年ほど前から右岸地域にも増え始めたという。ヤマビルが血を吸う主な動物はニホンジカやカモシカだが、地元ではサルを有力視する声がある。2日目の捕獲ツアーは雨の中、ヤマビルの多い柳新田の山中で実施した。ヤマビルは「森の忍者」の異名の通り、神出鬼没に現れては素早く参加者の足元や襟元をはっていた。神戸市から夫婦で参加し、ヤマビルに吸われた会社員(30)は「気がついたらこめかみにいて驚いた。思ったより吸盤の力がすごかった」と笑顔だった。この日は50匹を捕獲。サンプル用に30匹を宮崎大教育学部の西田伸准教授にクール便で送り、吸った血のDNA分析をしてもらう。結果が出たら公開する予定だ。

(キャンパスでイノシシ対策工事を実施:福岡)
国立大学法人九州大学・施設部施設企画課は、九州大学伊都キャンパス内へのイノシシの進入防止を目的として、一般競争入札で「九州大学(伊都)ウエストゾーン他イノシシ柵設置工事」を実施する。同工事は、九州大学構内(福岡市西区元岡)を中心に計4カ所、イノシシの進入を防ぐためのフェンスを設置するもので、フェンスの概要はH=1.2m、L=3,540m(最大区間連続長さ790m)。入札は今週7月5日(金)正午まで受け付けており、工期は2019年10月31日までを予定している。九州大学伊都キャンパスでは昨年、原付きバイクに乗った大学院生がイノシシと衝突し、同大学院生がケガを負うなど、イノシシによる被害が出ていた。

(わな作り「農家の力に」、無料で提供:熊本)
鹿の捕獲量が5年で17倍に増えた熊本県水俣市。被害にあえぐ農家を助けようと、県立水俣高校の機械科生徒が捕獲用の箱わな作りに立ち上がった。作り方は佐賀県内の猟師に学び、授業で学んだ溶接技術を応用する。完成品は無料で農家に提供する。生徒の思いに共感した地元猟友会は材料費の補助や、生徒らが狩猟免許を取得する費用を援助する考え。地域を挙げた捕獲作戦が動きだした。箱わなに使う金属を溶接し、部品をかなづちで打って曲げていく生徒。寸法を間違えれば全てやり直し。同科なら誰もが習得する溶接技術だが、丁寧な作業が求められる。作業開始から4時間以上かけてやっと1基が完成。生徒らは、年内に16基作る予定だ。鳥獣害の防止柵に使うワイヤメッシュを組み合わせ、扉には鉄板を使った。入り口の高さ約90センチ、幅90センチ、奥行き約2メートルと市販品より大きめで、イノシシも鹿も捕獲できる。余計な鉄骨を外し、一般的な箱わなより20キロ以上軽くした。箱の側面は高さ20センチほどまでは網目を細かくし、イノシシの子どもや小動物が逃げられないよう工夫した。作り方は佐賀県嬉野市で箱わなを生産販売する「太田製作所」の代表・太田政信さん(30)から学んだ。その特徴は「たわむようなしなやかさ」と太田さん。現役猟師ならではの視線で開発した“逸品”だ。熊本県猟友会によると通常の箱わなは1基当たり5万~10万円。複数を設置するには農家負担が大きい。今回は手作りのため、材料費は1基1万5000円ほどで済んだ。3年生の男子生徒6人と若手教師2人が作り上げる。久村峻太郎さん(17)は「地元にイノシシや鹿が多いことを知らなかった。力になりたい」と意気込む。水俣市によると人通りが少ない農地で鳥獣被害が目立つ。特に鹿の捕獲数は2018年、187頭に達した。14年の17倍だ。イノシシも毎年300頭前後の捕獲が続いている。猟友会も高齢化し、銃猟より、わな猟の要望が高まっている。箱わな作りは、地元で鳥獣害の被害が増えている実態を知り、課題研究の授業の一環で始めた。完成品は農家に提供し、畑に設置する。捕獲した動物は地元猟友会の力を借りて解体して食べるまでを学ぶ。生徒のやる気に地元猟友会も協力。完成したわなの設置や、捕獲獣の解体方法を教える。一連の学びをきっかけに狩猟免許取得を希望する教師や生徒の支援もする。材料費も学校に支払う考えだ。生徒の技術力の高さに驚く県猟友会の高橋重徳副会長は「箱わな作りをきっかけに若い子が農業への関心を高め、命について考える機会にもなる」と期待する。

(学生狩猟サークル、害獣捕獲:埼玉)
東京都内の大学の狩猟サークル有志が、昨年冬から入間市金子地区の山林でアライグマなど外来動物の調査・捕獲に取り組んでいる。都心に近い山林で、狩りの経験が少ない学生の訓練も兼ねているといい、こうした活動が将来、獣害防除などの専門家を輩出する基盤になる可能性もある。獣害に悩む市も学生らとの連携を模索している。活動に取り組んでいるのは東京大、東京農工大、日本獣医生命科学大、早稲田大の4大学の有志。

(シカ肉「ジンギスカン」に:北海道)
エゾシカ肉の消費拡大を図る留萌市内の飲食業川崎正紀さん(46)が「シカジスカン」を考案した。肉質を柔らかくするため、天塩町の放牧牛から搾った牛乳で一晩漬けおくなどの工夫をし、シカ肉でジンギスカン風に調理した。留萌合同庁舎内で行われた弁当40食の試験販売は好評だった。エゾシカ対策に取り組む留萌振興局が川崎さんを含む市内の飲食業者にメニュー開発を依頼し、今年1月には試食・意見交換会も実施。「シカストロガノフ」、竜田揚げなどが提供されたが、野生肉の味わいを残しながら、柔らかさを出し臭みを取る調理の手間に苦慮しているという。考案したシカジスカンのシカ肉は恵庭産のモモ肉と肩肉を使用。天塩町で放牧酪農に取り組む宇野牧場の牛乳に一晩漬け置き、肉質を柔らかくした。その後、たれに30分間ほど漬け込み、ジンギスカン風に仕上げた。弁当の試験販売は6月25日に行われ、買い求めた人はシカ肉と感じさせない出来栄えに感心した様子。川崎さんは「弁当なので、冷めてもおいしく味わえるように味を調節した」と明かす。

(ジビエ加工施設、豚コレラ警戒:長野)
岐阜、愛知県で豚コレラの感染が拡大する中、両県と接する飯田下伊那地域の野生鳥獣肉(ジビエ)加工施設で、感染源の一つとみられる野生イノシシの受け入れを取りやめる動きが出ている。営業許可を得ている9カ所のうち少なくとも5カ所で中止。いずれも養豚業に被害が及ばないようにするなどの狙いだが、ジビエは同地域の特産。このままではイノシシ肉が手に入らず困るとの声もある。長野県が経口ワクチン散布の検討を始める中、関係者は早期終息を願っている。「飯田下伊那には養豚業者が多い。万が一を考え、イノシシの取り扱いは停止中」。熊、鹿、ウサギといったジビエなどを使った人気の味付け肉「遠山ジンギス」を販売する飯田市南信濃の「肉のスズキヤ」の社長、鈴木理(まさし)さん(58)は言う。商品にはイノシシ肉に味を付けた「猪(しし)ジン」もあるが、愛知、岐阜で感染が確認された昨年9月以降は両県や県境近くで捕れたイノシシの仕入れをやめた。上伊那郡宮田村の養豚場で今年2月、豚コレラ陽性の豚が出て以降は、長野県内で捕れたイノシシも受け入れていない。猪ジンは現在、在庫をさばいている状況だ。2017年完成の最新型加工施設がある下伊那郡泰阜村は、5月に同郡阿智村境から約2キロの岐阜県中津川市で豚コレラ陽性の野生イノシシが発見され、イノシシ受け入れを止めた。泰阜村は同県境からは離れているが、村猟友会長で施設を運営する村ジビエ加工組合「もみじや」の組合長、森下操さん(68)は「野生イノシシは山を越え、川も渡って数十キロも動き回る。少しでも被害拡大を防ぐ対策をしたい」とする。岐阜県と隣接する阿智村や同郡根羽村では、いずれも村内の一部が「調査対象区域」(感染確認地点から半径10キロ圏内)となり、村内の施設ではイノシシを受け入れていない。同郡大鹿村でも感染を未然に防ぎたいと、受け入れを止めている施設がある。

(高校生が缶詰試作:富山)
氷見高の生徒がイノシシ肉を使ったカレーの缶詰を試作した。イノシシ肉をチャーシューに加工し、氷見産の煮干しでだしを取り、市内で採れたニンジン、タマネギを使うなど、地元の山と海の恵みが融合した製品に仕上げた。氷見市と連携協定を結ぶ名城大農学部との共同研究で、農業科学、海洋科学の2学科の3年生計9人が取り組んだ。農業被害が深刻なイノシシ肉を活用しようと、農業科学科の生徒6人がチャーシューを作った。難点である肉の硬さを解消するため、ヨーグルトと味噌、炭酸水に漬けて比較した。ヨーグルトに漬けた肉が普通の豚肉と変わらないほどに軟らかくなり、臭みも薄れた。水上純菜さんは「味を含めていい感じにできた」と笑顔を見せた。カレーは海洋科学科の生徒が煮干しやニンジン、タマネギを調理した。林陸斗さんは「煮干しをよく煮込んだら、魚の風味が出たカレーになった」と振り返った。

(国産ジビエ認証施設の第6号及び第7号認証)
国産ジビエ認証制度に係る認証機関により、国産ジビエ認証施設(第6号及び第7号)として、食肉処理施設「宇佐ジビエファクトリー」及び「わかさ29工房(にくこうぼう)」がそれぞれ認証されました。農林水産省では、衛生管理基準及びカットチャートによる流通規格の遵守、適切なラベル表示によるトレーサビリティの確保等に適切に取り組む食肉処理施設の認証を行う「国産ジビエ認証制度」(以下「制度」という。)を平成30年5月18日に制定し、より安全なジビエの提供と消費者のジビエに対する安心の確保を図る制度の運用を行ってきたところです。この度、国産ジビエ認証委員会により登録された認証機関(一般社団法人日本ジビエ振興協会)において、認証申請のあった食肉処理施設「宇佐ジビエファクトリー」及び「わかさ29工房」の審査が行われた結果、制度に規定する全ての要件を満たすと認められたため、本日付けでそれぞれ「国産ジビエ認証施設(第6号及び第7号)」の食肉処理施設に認証されました。

(頂いた命、無駄にしない:山梨)
今、ジビエブームとも言われます。低カロリーで高たんぱく、鉄分が豊富とあって人気が高い。ジビエの活用に取り組む理由を教えてください。望月秀樹さん(52)ー猟師の4代目で幼少の頃から父親と一緒に山に入っていました。猟は見よう見まねで覚えました。21歳の時、建設会社に勤めながら一人で銃による狩猟を始めました。ワナは使いません。素朴な味のシカ肉が好物という単純な理由です。

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(三重で初の豚コレラ、イノシシ2頭感染:三重)
三重県は26日、県北端のいなべ市内で捕獲した2頭の野生イノシシから、家畜伝染病「豚(とん)コレラ」のウイルスを検出したと発表した。三重での感染確認は初めて。県は野生イノシシへのワクチン散布を決めた。2頭は岐阜県境に近い畑で25日朝に捕獲された体長100センチのメスの成体と、85センチのオスの子ども。26日に国が実施した遺伝子検査で陽性が確定し、ウイルスの型は、岐阜県内で検出されたのと同じだった。岐阜、愛知両県で豚コレラの発生が相次ぐ中、今月7日には三重県境から1・5キロの岐阜県養老町で見つかった野生イノシシで感染が確認された。三重県は全養豚農家に消石灰による消毒を命じるなど警戒を強めていた。岐阜県は26日、郡上市や川辺町など県内7市町で捕獲されるなどして見つかった野生イノシシから計8頭の感染を確認した。県内の感染確認の累計は669頭。愛知県も同日、豊田市で新たに野生イノシシ4頭の感染を確認したと発表した。同県での野生イノシシ感染は33頭となった。

(猟銃誤射死亡、被告に有罪判決:北海道)
恵庭市の国有林で昨年11月、北海道森林管理局職員の男性が猟銃で撃たれて死亡した事故で、誤射で男性を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた札幌市中央区、美容室経営佐孝(さこう)英司被告(50)の判決公判が26日、札幌地裁であった。中川正隆裁判長は「軽率な判断で発砲した過失は重い」として禁錮2年、執行猶予5年(求刑禁錮2年)を言い渡した。判決理由で中川裁判長は「林道があり木々も密集した場所ながら、確認を尽くさず、少ない情報で男性をシカと決めつけた」と指摘。佐孝被告が銃猟をやめると説明したことなどから執行猶予を付けたが「過失と被害結果は重大」と述べ、期間を最長の5年とした。

(伊豆大島のキョン生息数、18年末5%減:東京)
伊豆大島の特定外来生物「キョン」の推定生息数が2018年末時点で、前年比5%減の約1万5500頭になったことが東京都の調査でわかった。キョンは11~16年には、年間1千頭超のペースで増加していた。都によると、ハンターによる捕獲などが奏功し本格的な減少に転じたという。特定外来生物であるキョンは体の高さが約40センチで、シカ科ホエジカ属に分類されるシカの一種。もともと都立公園で飼育されていたが、台風で柵が壊れて逃げ出し野生化して数が増えた。大島町の特産品であるアシタバを食べるなど農業に被害を及ぼしている。絶滅危惧種の植物「キンラン」もエサにしており、生態系にも影響を与えている。都は柵やわなの設置を進め、18年度は約4千頭以上を捕獲した。19年度からは地権者が不明な土地にもわななどを設置し、対策を強化する。

(クマに襲われ男性大けが:岩手)
27日朝、八幡平市の松川渓谷周辺の山林で建設作業をしていた男性がクマに襲われ、大けがをしました。クマに襲われたのは八幡平市平舘の会社員、大花森裕さん(60)です。大花森さんは27日午前8時半ごろ、八幡平市松尾寄木の芭蕉沼近くの山林で作業をしていたところクマに襲われ、顔や右肩、右わき腹にけがをしました。叫び声を聞いて駆け付けた同僚が、倒れてる大花森さんを発見して消防に通報し、大花森さんは県高度救命救急センターに運ばれました。鎖骨を折るなどの重傷ですが、会話はでき、命に別状はないということです。クマは成獣とみられ、山へ逃げたとみられています。八幡平市は周辺に注意を呼びかける看板を設置しました。芭蕉沼は地元の観光協会などが遊歩道などを整備し、多くの人が訪れる場所です。

(クマに襲われ84歳女性けが:岐阜)
27日午前7時すぎ、岐阜県中津川市阿木で、畑の草取りをしていた近くの無職女性(84)がクマに襲われた。女性は頭や顔をひっかかれて出血したが、意識はあり、市内の病院で手当てを受けている。中津川署によると、女性は自宅から約100メートル離れた山沿いの畑で襲われたという。クマは成獣のツキノワグマとみられ、地元の猟友会が探している。現場は、市立阿木小学校の南側約1・2キロの畑。同小学校では、通学時、職員が通学路を見回り、近隣の児童は保護者と一緒に登校した。児童にけが人はいないという。

(知事、刷新アピール:山梨)
28日に閉会した6月定例山梨県議会では、長崎幸太郎知事は約8年間にわたって再整備が棚上げされてきた県立射撃場の建設を表明するなど、後藤斎前知事の県政運営との差別化を図る姿勢を鮮明にした。

(山下JOC会長が誕生)
日本オリンピック委員会(JOC)は27日、東京都内で評議員会と理事会を開き、役員改選で柔道五輪金メダリストの山下泰裕氏(62)を同日付で会長に選出した。2020年東京五輪を翌年に控え、新体制となった。東京五輪招致の贈賄疑惑でフランス司法当局の捜査対象となった竹田恒和会長(71)は01年からの長期体制だったが、任期満了でこの日退任。山下氏はJOCが日本体育協会(現日本スポーツ協会)から独立後、5人目の会長となった。山下新会長は記者会見で「責任の重さを痛感している。東京五輪に関わる多くの皆さんと心を一つにして、大会を成功に導いていきたい」と抱負を述べた。副会長はスピードスケートでメダリストの橋本聖子氏(54)が留任し、日本サッカー協会会長の田嶋幸三氏(61)と日本ライフル射撃協会会長の松丸喜一郎氏(65)が新任。専務理事にはテニスの福井烈氏(62)が常務理事から昇格した。山下氏が務めていた選手強化本部長には、陸上の尾県貢氏(59)が就いた。

(ワクチン散布へ協議加速:長野)
長野県境に近い岐阜県内で豚コレラに感染した野生イノシシが見つかっている問題で、長野県は経口ワクチン散布に向け、農林水産省との協議を加速させる。同省が2日、長野、三重、富山、石川、福井、静岡、滋賀の7県で新たに散布できるようになったと発表したことを受けた対応。同省はこれまでワクチン散布を、養豚場で豚コレラ感染が相次いでいる岐阜と愛知の2県のみで認めていたが、6月26日に三重県内でもイノシシの感染が初めて確認され、散布可能な範囲を広げた。岐阜県では4月に木曽郡南木曽町境から約5キロ地点、5月には下伊那郡阿智村境から約2キロ地点、同郡根羽村境から約7キロ地点でイノシシの感染が判明。その後も近くで感染イノシシが見つかり、3町村の一部はより厳重な豚コレラ検査が必要な「調査対象区域」(発生地点から半径10キロ圏内)になっている。長野県農政部によると3町村に養豚場はないが、放置すると感染した野生イノシシが県内に侵入し、周辺の市町村の養豚場に感染が広がりかねないと懸念。岐阜県境に近い地域でワクチンを混ぜた餌をまく方向で検討している。同省は「県の費用負担はないようにしたい」とし、費用は基本的に国が持つ方針だ。岐阜県では感染イノシシ発見が続いており、長野県農政部は「危機感を持った対応を進める必要がある」と強調。6月3日には、同省にワクチン散布の検討を申し入れていた。県養豚協会の中村秀司会長は「養豚農家は不安を抱えながら仕事をしている。一刻も早く具体的な実施計画を示してほしい」としている。

(クマ出没で西蔵王公園を一時閉園:山形)
2日午前9時ごろ、山形市の西蔵王公園にクマ1頭がいるのを散歩中の男性が目撃した。クマは体長が1メートルから1.2メートルほどで園内の西側にあるキャンプ場付近で目撃され、その後、公園の中心部方面に逃げていったという。当時、園内には複数の利用者がいたが、職員が避難を呼び掛け、けが人はいなかった。西蔵王公園を管理する県によると、公園の敷地内でクマが目撃されたのは今回が初めてで、当面の間園内を全面閉鎖するという。3日以降、公園の職員が定期的に爆竹による追い払いや巡回などを行うことにしている。

(県道でトラックとクマ衝突:秋田)
26日午前6時50分ごろ、秋田県八峰町峰浜目名潟字目名潟の県道で、三種町の50代男性が運転する大型トラックが、道路を横切ろうとした体長約1メートルのクマと衝突した。男性にけがはなく、トラックは右前部のバンパーが壊れた。能代署によると、男性が能代市方向から八峰町八森方向に走行中、進行方向右側に体長約1・5メートルのクマがいるのを発見。その直後、左側から道路に飛び出してきたクマとぶつかった。2頭はそのまま北側の山林に入って行った。

(クマが民家敷地内に逃げる:秋田)
27日午前7時25分ごろ、秋田県三種町豊岡金田字石持の県道で、路上にいたクマ1頭が民家敷地内に逃げていくのを車で通り掛かった40代男性が目撃し、能代署に通報した。けが人はいなかった。

(軽乗用車がクマと衝突:秋田)
秋田県内は1日、クマの目撃が相次いだ。県警によると、被害は確認されていない。午後0時25分ごろ、北秋田市小森字逆川の国道285号で、仙北市の60代男性の軽乗用車が、左から横断してきた体長約80センチのクマと衝突した。男性にけがはなく、クマは近くの山林に立ち去った。車はバンパーが破損した。

(クマ目撃相次ぐ:秋田)
秋田県内は30日、クマの目撃が相次いだ。県警によると、被害は確認されていない。午後1時50分ごろ、秋田市上新城中字槻ノ木の秋田自動車道で、20代男性が車で秋田市方向から能代市方向に走行中、左から右に道路を横切るクマ1頭を目撃した。秋田臨港署によると、体長は約1メートルで、横断後、山林に入っていった。

(クマ目撃相次ぐ:秋田)
秋田県内各地で29日、クマの目撃が相次いだ。けが人はいなかった。能代署によると、午後7時5分ごろ、能代市二ツ井町小繋の国道7号で、大館市の40代女性が運転する乗用車が道路を横切るクマにぶつかった。現場は北秋田市との市境で、クマは体長約1メートル。車は右前部のバンパーが壊れたが、女性にけがはなかった。午前8時15分には仙北市西木町小渕野の田んぼのあぜ道で1頭が目撃された。直近の民家まで約100メートルだった。ほかに大仙市協和船岡、三種町森岳字東飛塚、能代市扇田字樋口などの県道や市道でも目撃された。

(民家敷地内にクマ、木の実食べる:福島)
午前10時20分ごろ、会津若松市大戸町の民家で、敷地内の木の実を食べている1頭を家人の50代女性が目撃。会津若松署によると、体長は約1.5メートルで、山林に逃げていったという。

(脱走サル14匹全て捕獲:沖縄)
沖縄県沖縄市の動物園「沖縄こどもの国」は29日、飼育舎から脱走したサル14匹のうち、新たに4匹を捕獲したと明らかにした。28日までに10匹を捕まえており、これで全て捕獲した。臨時閉園していたが、30日に営業を再開する。園によると、脱走したのはニホンザルの亜種ヤクシマザル(ヤクザル)で、27日に鍵が開いたままになっていた飼育舎から逃げ出した。園に隣接する雑木林や飼育舎近くで麻酔銃を使用するなどして順次捕まえた。29日も早朝から約100人態勢で捜索し、7歳のメスと1歳のオスの親子ら4匹を捕獲した。

(山林でツキノワグマ捕獲:岐阜)
29日午前10時ごろ、瑞浪市大湫町神田の山林で、イノシシ捕獲用のわなにツキノワグマ1頭がかかっているのを市猟友会の男性が見つけて市へ連絡した。市は県と協議し、殺処分した。市によると、クマは体長111センチの雌の成獣。市猟友会が設置したわなを、男性が撤去しにいった際に見つけた。発見場所の500㍍圏内に民家が数軒ある。22日にも、今回の発見場所から約4キロ離れた場所でクマの目撃情報があった。他のクマがいる可能性もあるため、市は注意を呼び掛けている。

(白いウリ坊、一度に2頭:熊本)
宇城市三角町の戸馳島で、体毛が白い2頭の子どものイノシシが捕獲された。捕獲に立ち会った猟友会三角支部の山本哲彦支部長は「年間に数百頭を駆除しているが、白いウリ坊は初めて」と驚いた様子。

(クマが養蜂箱荒らす:山形)
29日午前9時ごろ、山形県最上町志茂(しも)で養蜂業を営む30代男性が設置した養蜂箱が横倒しになっていることに気づき、新庄署に通報した。同署によると、4つ設置してあった養蜂箱のうち1個が倒されていた。蓋が外され、箱の中の蜂の巣が食い荒らされていたという。現場は、上鵜杉公民館から北へ約300メートルいった大横川の川沿いに養蜂箱は設置してあった。人的被害はなく同署ではクマによる食害とみて最上町役場に連絡しパトカーを出動させ警戒している。

(クマ目撃相次ぐ:秋田)
秋田県内各地で29日、クマの目撃が相次いだ。けが人はいなかった。能代署によると、午後7時5分ごろ、能代市二ツ井町小繋の国道7号で、大館市の40代女性が運転する乗用車が道路を横切るクマにぶつかった。現場は北秋田市との市境で、クマは体長約1メートル。車は右前部のバンパーが壊れたが、女性にけがはなかった。午前8時15分には仙北市西木町小渕野の田んぼのあぜ道で1頭が目撃された。直近の民家まで約100メートルだった。ほかに大仙市協和船岡、三種町森岳字東飛塚、能代市扇田字樋口などの県道や市道でも目撃された。

(クマ目撃情報相次ぐ:北海道)
札幌市南区簾舞の住宅街で午後2時ごろ、クマ2頭が目撃されました。南区簾舞では、午前中にも市役所の職員がクマを目撃していて、市や警察は警戒を強めています。2頭のクマが目撃されたのは、札幌市南区簾舞6条2丁目の住宅街です。午後2時ごろ付近に住む男性から「クマ2頭が茂みの中から立ってこちらをみていた」と警察に通報がありました。クマは付近の住宅の犬の鳴き声に反応し、山の中に逃げていったということです。また南区簾舞では午前11時前にも、クマのフンの調査に来ていた市役所の職員が簾舞霊園の近くで道路を走って横断するクマを発見するなど目撃情報が相次ぎました。市と警察ではパトロールを強化するなど警戒を強めています。

(「ウコッケイいない」クマ被害か?:福島)
30日午前8時25分ごろ、喜多方市の民家で、「飼っているウコッケイがいなくなった」と、家人の60代男性から喜多方署に通報があった。民家近くにウコッケイの羽根が散乱していたため、同署はクマによる被害とみている。同署と家人によると、同6時30分ごろ、ウコッケイが敷地内を歩いていたため、確認すると鶏小屋の金網が破られていたことに気付いた。鶏小屋にいたウコッケイ3羽のうち2羽がいなくなっていたという。同署は地域住民に注意を呼び掛けている。

(クマの目撃情報相次ぐ:岐阜)
高山市中心部にある城山公園(同市城山)の遊歩道で二日、クマの目撃情報が相次ぎ、市は遊歩道を閉鎖した。閉鎖期間は未定。市によると、同日午後零時四十分ごろ、散歩中の夫婦が遊歩道を横切る小型のクマを目撃。その後も二件の目撃情報が寄せられた。市都市計画課の担当者は「カモシカとの見間違えも多いが、今回は複数の情報が寄せられたので、クマだと判断して閉鎖した」と話している。十七カ所ある遊歩道の入り口には、日本語と英語、中国語で立ち入り禁止の看板などが設置され、市民や観光客に注意を呼びかけている。市職員らは猟友会員とともに見回りをしている。

(南紀白浜空港にアライグマ、1カ月で10匹捕獲:和歌山)
南紀白浜空港(和歌山県白浜町)で、アライグマの捕獲が相次いでいる。箱わなを設けるようにしたところ、1カ月ほどで10匹が掛かった。運営する「南紀白浜エアポート」は「これほど多いとは」と驚いている。エアポート社では運用・保安グループが空港内の点検を担当。小動物の侵入がないかも確認しているが、敷地外との境に設けているフェンス下に数カ所、小動物が掘った形跡が見つかった。見つけ次第、石を詰めたり木材を敷いたりしてきたが「いたちごっこ」の状態だったため、箱わなを置くようにした。トウモロコシやサツマイモ、オレンジなどを餌にしている。設置を始めた5月下旬以降、2日までに10匹のアライグマを捕獲した。通り道となりそうな地点に3箱を置いているが、1箱に2匹入っている日も2度あった。北東側の飛行場外周道路沿いが多いという。捕獲したアライグマは町に引き取ってもらっている。担当の一人で県営時代から勤務するエアポート社シニア職員の森正之さん(72)は「朝に確認すると入っているので、夜間に掛かるのだろう。空港で働くようになって18年になるが、これだけ(アライグマが)出てくるのは初めて」と驚きつつ「動物が空港にいること自体が危ない。安全のためにも取り組みを続けないといけない」と話す。

(シカ目撃、捕獲目指し網囲い:北海道)
北見市中心部の住宅街で、今年も相次いでエゾシカが目撃されている。昨夏に住宅街周辺に居着いた個体とみられているが、捕獲はおろか、まだ頭数など全体像も把握できていない状態で、交通事故などにつながる恐れも懸念されている。市などは6月から、生息しているとみられる場所を網で囲って捕まえる作戦に乗り出した。昨年7月、北見中心部ではシカの目撃情報が相次ぎ、15日に東陵公園付近で5頭、18日には北見北斗高や中央小のグラウンド、北見赤十字病院付近などで6頭が目撃され、道猟友会北見支部の会員や市職員らが付近を巡回する騒動となった。今年に入ってからも、5月上旬の美山町南の路上をはじめ、高栄東町の家電量販店裏、寿町と花月町の路上など、昨年と同じ一帯でシカの目撃情報が市に寄せられている。北見市環境課によると、複数のシカがエサとなる草が多い花月町の私設庭園「河西ぼたん園」を拠点に周辺を巡っているといい、市職員らが付近の警戒に当たっているものの、正確な頭数などは分かっていない。

(住宅地で子グマ目撃:岐阜)
28日午後1時10分ごろ、岐阜県中津川市坂下の住宅地で子グマを目撃したと、車で通った女性から市坂下総合事務所に連絡が入った。中津川署によると、子グマは山に逃げていったという。署によると、現場は坂下中学校から南約400メートルの住宅地。地元の猟友会が見回ったが、見つからなかった。27日に同市阿木で高齢女性を襲ったクマとは違うという。

(住宅街でサギ大量繁殖:栃木)
木から木へと移動し、住宅街のそばを飛び回る白い鳥の大群。その正体は大型の野鳥、サギだ。栃木県大田原市でサギが年々増殖し続け、道には羽が落ち、草はフンによって一面が真っ白に。卵の殻のようなものも見られるなど、問題となっている。さらに、雑木林では全長2mにもなる羽を広げてサギの集団がバタバタと飛び交い、市によるとその数は100羽を超えるという。実は今、サギは繁殖の季節。巣の中にはヒナの姿があるように、ますます増加し続けているというのだ。昨年撮影した雑木林の映像を今年の映像と比較すると、さらに木々を占領していることがわかる。広大な田んぼと多くの住宅に囲まれている雑木林を真上から見ると、サギの巣が無数にある。近隣の住民に取材をすると、日常生活への支障が出ていることがわかってきた。雑木林の周辺にはサギのフンが大量に散乱し、悪臭を放っていた。その横で農作業を行っていたという男性に話を聞いた。60代男性:まあ臭いですね一番は。もう、ちょっと1時間も2時間もここにいられない状態で、荒れた状態になってますよね。臭いに耐えられず農作業を諦めたといい、畑は荒れ地となっていた。さらに近隣住民の生活を脅かしているのが、24時間続く不気味な鳴き声だ。60代男性:ヒナの鳴き声なんて、ひっきりなしに鳴いてるわけだよ。この音が一番嫌なの。時々鳴かれるんならいいんだけど、ずーっと鳴いてる。これが一晩中鳴いてる。朝から晩まで24時間、聞こえてくる鳴き声。特にこの時期は、卵からヒナが孵って鳴き声が増しているという。さらに、もうひとつ近隣住民の不安がある。60代男性:一番気になるのが衛生問題です。人に害があるのか。しかも粉が飛んで来てるからね。取材中も乾燥したサギのフンや鳥の羽が空から降ってきた。60代女性:すごいですよね。羽が落ちてくるからちょっと気持ち悪いので、マスクしないではいられないですね。近隣住民は、日常生活の中で常に心配しているというのだ。サギに詳しい専門家に人体への影響について聞いた。筑波大学生命環境系・徳永幸彦准教授:(雑木林には)大量のフンがありますので、それが乾いて舞い上がる。それで咳き込むのはあると思います。さまざまな問題を引き起こしているサギの大群。周辺の田んぼでは、ある変化が起きていた。60代男性:サギが住み着いてからカエルの鳴き声がなくなっちゃったんですよ、田んぼに。ここから少し離れるとカエルの鳴き声がするんですけど、聞こえないってことは全部食べられちゃったということですよね。確かに、田んぼからはカエルの声は聞こえなかった。専門家によると、サギはカエルが大好物で、繁殖期である今は朝晩含めて4回は取りに出かけるという。さらに、雑木林から5kmほど離れた養魚場でも異変が…。関根養魚場・関根禎行代表:毎日10羽ぐらいサギが飛んできて食べられてしまう。年間被害額は100万円ほど出てしまっている、死活問題ですよ。大切に育てた養殖のサケやマスを食べられたと憤る男性。6月14日に撮影された防犯カメラの映像を確認すると、画面右側から突如としてサギが現れた。じっと水面を見つめた次の瞬間、羽を広げて勢いよく顔を水中に突っ込み、魚を捕っていた。増え続けるサギをなんとかできないのか?そこには法律の壁が立ちはだかっていた。住民の生活に影響をもたらしているサギですが、捕獲・駆除できないのには2つの理由があります。1つは、保護・愛護の観点です。鳥獣保護法では、基本的に“罪のない”野鳥を撃ってはいけないという大前提があります。カラスなどは有害鳥獣駆除に指定されているので駆除することができますが、筑波大学の徳永准教授によると、サギは巣を作っているだけなので難しく、繁殖中はヒナがたくさんいるため、この観点から駆除ができないといいます。また、取材した栃木県大田原市にはシラサギが5~6種類生息しているということですが、そのうちの1種である「チュウサギ」は準絶滅危惧種のため、駆除は難しいのです。そして、この地域は「特定猟具使用禁止区域」に指定されています。住居が集合している地域・広場・駅など複数の者が集合する場所では、銃猟 が禁止されているため、現状では我慢するしかないということなんです。しかし、都道府県知事の認可のもと「有害鳥獣」に認められれば、駆除はできますよね。もう少し地域住民のことも考えてあげないと。ただ動物がかわいい、生かしてあげなきゃということだけでは共存できないよね。

(シカたない、三鉄遅れ:岩手)
27日夜、釜石市の三陸鉄道リアス線石塚トンネルに子鹿が迷い込んだ。徐行した上り列車に追いかけられて4・6キロのトンネルを出た子鹿は、下り列車が来ると再び侵入。列車は約40分遅れたが、子鹿は入り口で待っていた親とみられる鹿の元に無事戻った。同社によると、同日午後9時5分ごろ、同市の平田(へいた)駅を出た上り列車が、同トンネル入り口付近で3頭の鹿を発見し停車した。2頭は線路外に逃げたが、子鹿とみられる1頭がトンネル内に入ったことから徐行して運転。次の唐丹(とうに)駅に42分遅れで到着した。その後、別の下り列車が唐丹駅を発車すると、子鹿が再びトンネルに入り込んだため、徐行。トンネルを出ると、親と思われる鹿が2頭待っていた。この列車は平田駅に40分遅れで到着した。

(シカ目撃、高山植物の食害懸念:石川)
白山山頂近くの室堂(標高2450メートル)周辺で26日、ニホンジカ1頭が目撃された。県などによると、室堂周辺で目撃されたのは初めて。近年、日本各地でシカによる食害が深刻化しており、南アルプスでは植生や景観が破壊される事例も報告されている。白山の頂上付近にはクロユリなどの希少な高山植物の群生地があり、関係者の間に衝撃が広がっている。

(クマ出没の野営場閉鎖:北海道)
クマの目撃情報が相次ぐ中、せたな町内大成区のキャンプ場、大成野営場が一時閉鎖される事態となっている。同野営場は日帰り入浴ができる温泉宿「国民宿舎あわび山荘」のすぐ近くにあり、観光客に人気のスポット。キャンプ場の利用客が増える夏を前に関係者は「いつ再開できるのか」と頭を悩ませている。町によると、せたな青少年旅行村(瀬棚区)、真駒内ダム公園(北檜山区)、大成野営場の3カ所のキャンプ場は今シーズン、4月下旬から5月上旬にかけてオープンした。週末には道外からの利用客も訪れ始めている。ところが、大成野営場では6月17日にクマの目撃情報があり、町は急きょ入り口にロープを張り巡らせ、表示板を設置して一時閉鎖とした。

(クマ出没情報はや100件超:北海道)
札幌市内で2019年度に確認されたヒグマの出没情報が100件を突破し、2日午後6時までに103件と前年度同期の約1・7倍に達した。記録が残る09年度以降で最も多いペースで推移しており、2日には南区の市立簾舞中敷地内でふんなどの痕跡を発見するなど7月に入ってから南区では5件。南区のサクランボは収穫期を迎えており、果樹園は警戒を強めている。簾舞中で見つかった痕跡は2日午前6時50分ごろ、付近を通りかかった男性が発見し、札幌南署に通報した。市などによると、今回の痕跡は、ふん、サクランボの木に付いた爪痕や毛、アリを食べるために掘った穴の三つ。いずれも学校西側の温室そばの敷地内や隣接地だった。同中の山田千晶教頭は「昨年7月も同じような場所で痕跡が見つかった」と警戒。2日の部活動は通常より30分早い午後6時半で終わらせた。2、3日は教員が登下校時に通学路で生徒を見守ることを決めた。

(中学校敷地の中にクマのふん:北海道)
札幌市南区の中学校の敷地内で2日朝、クマのフンが見つかりました。付近では1日も2件クマの痕跡が見つかっていて警察などが警戒を強めています。クマのフンが発見されたのは札幌市南区の簾舞中学校です。午前7時前近くに住む男性が、中学校の敷地内にクマのフンがあるのを見つけ学校に連絡しました。また、フンのそばにはクマが掘ったとみられる50センチほどの穴もあったということです。付近では1日もクマのフンや足跡が2か所で見つかっていて、簾舞中学校と簾舞小学校では保護者に注意を促す文書を送るほか、登下校の際は職員による見守りを実施するなど、警戒を強めています。

(クマと衝突、一部始終:北海道)
道路脇から突然、あの動物が。北海道・根室市で27日朝、走行中の車が、突然現れたクマと衝突した。ドライブレコーダーが、一部始終をとらえていた。走行中の乗用車の前に突然現れたのは、クマ。道路を横断しようとして、乗用車と衝突した。27日午前6時20分ごろ、北海道・根室市の国道で、56歳の男性が運転する車がクマと衝突した。車は、右側のヘッドライト部分が大きく壊れ、周りにはクマの体毛が。運転していた男性にけがはなく、クマも元来た方向に逃げていったという。北海道では、24日にも高速道路に迷い込んだ3頭の親子グマのうち、母グマが車と衝突する事故が起きているほか、札幌周辺でもクマの出没が相次いでいる。

(クマ目撃:栃木)
2日午後5時10分ごろ、那須塩原市箭坪の高林中の北約800メートルの山林内、1頭、体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
2日午後3時15分ごろ、日光市所野の道路脇。1頭、体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
29日午後3時20分ごろ、日光市七里の志渡渕川沿い、1頭、体長約1メートル

(団地付近でクマ目撃情報:群馬)
26日午前9時40分ごろ、群馬県渋川市行幸田の市道を車で走行中の男性から「クマが道路脇の草むらを歩いている」と渋川署に通報があった。けが人はいなかった。目撃されたのは行幸田団地の西約200メートルで、体長50センチほどの子グマ1頭とみられる。現場付近には団地など民家が点在している。

(サル目撃11件:千葉)
1日午前8時45分ごろ、千葉市花見川区幕張本郷6の泉保育園から「サルがいる」と、千葉県葛南地域振興事務所に連絡があった。午前11時ごろにも、習志野市内でサルの目撃情報に関する110番通報が相次いだ。6月27日には千葉市内でも目撃されており、習志野署で同一のサルとみて調べるとともに、情報提供を呼び掛けている。習志野市公園緑地課や同署によると、サルの目撃情報は午前9時~午後4時までに11件寄せられた。目撃された場所は保育園から東西約600メートルの範囲で、午前11時ごろに同市花咲地区で「庭先にサルがいる」といった通報が4件相次いだ後、午後2時ごろには同市鷺沼台地区の路上で「屋根の上にサルがいる」と同市に連絡があった。けが人などの報告はなかった。同署は「ちば安全・安心メール」を通して注意喚起を図り「野生のサルが市原市や千葉市から北上しているとみられる。見かけたらすぐに連絡して」としている。同市もパトロールカーで「習志野市でサルが見つかったので注意してください」と住民に呼び掛けた。

(「買い物袋奪われた」サル目撃相次ぐ:千葉)
市原や袖ケ浦、千葉市の市街地でニホンザルの目撃が相次いでいる。市原市では先月からこれまでに約50件の通報が寄せられ、中には「買い物袋を奪われた」との被害も。27日には千葉市内でも確認され、同じ個体ならば数十キロを北上したことになる。けが人は確認されていないが、各自治体は「見つけても刺激しないで」と注意を呼び掛けている。市原市農林業振興課などによると、5月17日の同市牛久地区から、姉崎地区など人口の多い市街地で目撃情報が相次いだ。同地区では今月13日、住民がコンビニ店の買い物袋を奪われ、おにぎりを取られた。市民などからの目撃情報は一時期を除いてほぼ連日。26日には山倉ダム北側に出没。同日、パトロールをしていた職員が同市能満の墓地近くで雄のニホンザルを見つけた。「捕獲しようとしたが、木に登って逃げられた」という。1カ月以上に及ぶ目撃は市内では初めてという。その後、サルは千葉市境に出現。同市環境保全課によると、26日に中央区南生実町で目撃され、27日には同区仁戸名町、若葉区加曽利町にも出没した。この間、袖ケ浦市内でも多数の目撃があり、5月31日には隣接する木更津市の三井アウトレットパーク木更津近くからも情報が寄せられた。千葉市の担当者は、袖ケ浦方面から来たサル1匹が市原を経由して千葉市に入ってきた可能性を指摘。「南房総に生息する野生の雄サルが猿山のボス争いに敗れるなどして群れを離れた可能性がある」という。市原市では、サルに遭遇した場合の注意点を情報配信メールで市民に知らせ、学校にも注意喚起。千葉市は「見つけても刺激せず、市か警察に通報を」と呼び掛けている。

(宇宙センターに難敵のイノシシ:宮城)
ロケットエンジンの開発拠点、宮城県角田市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)角田宇宙センターに難敵がいた。イノシシだ。柵の下を掘って敷地内に入り、芝生などを荒らす。今のところ事業への支障はないが、箱わなを仕掛け、3年で約60頭を捕獲した。柵の下をふさぎ、新たな侵入は防いでいる。監視カメラで敷地内に数頭の生息を確認したが、「繁殖し、恐らくもっと多い」。地上の生命体にも目を光らせる。

(刃渡り40センチ、自作「なぎなた」で襲う:徳島)
知人の60代男性の頭部をなぎなたのような刃物で切りつけたとして、徳島県警捜査1課と三好署は2日、殺人未遂の疑いで、東みよし町足代、無職の男(80)を逮捕した。男性は頭に約1週間のけが。男は「(被害者と)以前からもめており、痛い目に遭わせるためにやった」と供述している。逮捕容疑は、2日午前6時25分ごろ、東みよし町足代の民家の敷地内で、刃物を両手で振り下ろし、同町内の60代の知人男性を殺害しようとしたとしている。署によると、刃物は刃渡り約40センチで、柄の長さが約60センチある。男は「イノシシを仕留める時に使うため、自分で作った」と供述している。当時、男性は散歩中で、軽トラックに乗った男が近くに車を止めて襲い掛かった。男性は近くの民家に逃げ込み、住人が110番した。男は車で走り去り、事件発生から約20分後、近くの駐在所に「恨みを持っていた相手が歩いているところを刃物で切りつけた」と電話した。署員が自宅にいた男に任意同行を求めた。男と男性は顔見知り程度の間柄。被害者によると、数年前に互いの飼い犬同士がけんかするトラブルがあった。以降は、道で擦れ違っても会話したことはなかったという。署はこのトラブルが犯行の動機になったとみて調べている。

(県境3市町の一部、イノシシ調査区に:滋賀)
三重県いなべ市で豚コレラに感染した野生イノシシが見つかった問題で、県は二十七日、確認場所から半径十キロ圏にある米原、多賀、東近江の三市町の一部が野生イノシシの捕獲調査区域になったと発表した。この日の県議会環境・農水委員会で明らかにした。感染した野生イノシシが確認された場所は、滋賀、三重、岐阜の県境付近。昨年九月に岐阜県で豚コレラの感染が発覚して以来、野生イノシシの捕獲調査区域を、滋賀県内で設けたのは初めて。今後、野生イノシシを捕獲した場合、感染確認の検査を実施する。県は今後、県猟友会に対し、野生イノシシを捕獲した場合はその場で血液を採取し、死体を埋却して周囲を消毒するよう要請する。血液は、県家畜保健衛生所(近江八幡市)が回収・検査する。

(鳥獣被害額、ピーク時から半減:静岡)
賀茂地区の農林産物の鳥獣被害額がピーク時から半減したことを25日、県が発表した。2018年度の被害額は速報値で3100万円強で、09、15、16年度のおよそ半分だった。特に松崎町の減少が大きかった。一方で下田市・南伊豆町でシカの生息密度が増加傾向にあり、他地域からの流入の恐れもあるという。過去10年間の被害額は09、15、16年度が激増し、いずれも6千万円を超えた。18年度は各市町共に減少し、松崎町は16年度から1千万円以上減らした。南伊豆町は約1500万円の被害があり、賀茂の被害額の半分を占めた。県によると現在の伊豆半島のシカ推定生息頭数は1万4700頭で、県による管理捕獲や市町による有害捕獲が功を奏し、15年から半減した。地域別の生息密度調査でも全体的に減少したが、下田市・南伊豆町は増加傾向にある。両市町の生息密度は15年が1平方キロ当たり10・7頭と伊豆半島で最も少なかったが、17年には15・7頭に増えた。県賀茂農林事務所では「シカが減少傾向にある天城の国有林からの流入が考えられる」と推測する。県では17年から大型の囲いわなを管内12カ所に巡回設置しシカ13頭、イノシシ16頭を捕獲した。広域連携による対策や、市町の境界になる奥山での捕獲も強化している。

(鳥獣被害額、過去最少の1億9200万円:大分)
県内で2018年度に確認された農林水産物の鳥獣被害は1億9175万円(17年度比約300万円減)で、過去最低額となった。県は、報償金制度の拡充や集落ぐるみの対策など、総合的な取り組みの成果と分析。

(イノシシやサル、農作物被害額が最少に:香川)
イノシシやサルなどの有害鳥獣による香川県内の昨年度の農作物への被害額が、過去最も少なくなったことが県のまとめで分かりました。県によりますと、県内の昨年度の有害鳥獣による農作物への被害額は、1億473万円で、記録の残る1998年度以降最も少なくなりました。被害の内訳は、イノシシが4621万円と、初めて5000万円を下回り、サルが1681万円、カラスが1448万円と続きます。毎年、被害額全体の5割を占めているイノシシは、前年度に比べて約1100万円減少しています。イノシシの捕獲期間と奨励金の対象期間を通年にしたことや、猟師を対象に捕獲技術の向上を目的とした講習会を定期的に開催したことなどが、減少の要因と見られています。県は「被害額は減少しているものの、状況は深刻で、継続して対策していきたい。」としています。

(再び”集団カワウ”:長野)
魚食性鳥類のカワウが、諏訪市上川の上川右岸に生える高さ15メートルほどの木などに再び集まり始めている。県諏訪地域振興局林務課によると、ねぐらとなっているようだが、コロニー(集団営巣地)とはなっていない模様。県水産試験場諏訪支場(下諏訪町)が1月に自然分解されるテープを巻いて寄り付けなくしたが、現在はテープがほとんどなくなった。夕方には多くのカワウが集まり、枝を埋めている。同支場が1月に行った上川の3カ所の木にテープを巻き付ける実験では、密集していたカワウがいなくなった。風になびくテープの音を嫌い、ねぐらをほかの場所に移したとみられる。テープが見られなくなるにつれ、カワウが目立つようになった。今月14日午前に同課や県鳥獣保護管理員などが行ったカモ類の調査では、上川でカワウを29羽確認した。夕方になると、さらに多くの個体が木に集まってくる様子が見られる。野鳥の保護と管理を担当する同課、水産資源を担当する同局農政課ともに「現在のところ大きな被害は出ていない。しばらくは状況を見守りたい」としている。カワウは水辺近くの木をねぐらにし、日中は餌場などで過ごしている。春から夏にかけての繁殖期には集団で営巣する。10年ほど前は上伊那地方の天竜川や支流などに設けたねぐら、コロニーから諏訪湖を目指し、日没前に戻る個体が多かったが、徐々に上川で夜を明かすカワウが増え、昨年末には過密状態となっていた。ねぐらと諏訪湖や周辺河川との距離が近いと、魚を食べる個体数が増え、狩りをする時間も長くなる。同支場は水産資源の保護を目的に、トウモロコシを原料とし、自然界でバクテリアによって分解されるテープをねぐらとなっていた木に巻いた。一方で林務課によると、テープに対し、「景観的にあまり良くない」とする市民の声もあったという。同支場の星河廣樹研究員は「水産資源の保護の観点からは、繁殖により個体数が一気に増えるコロニーとなることは避けなければならない。繁殖期になると、親鳥はひなの分まで餌を取るので魚の被害は一層大きくなる。現状は緊急的に何かしなければいけない状況ではないかもしれないが、来年の繁殖期に向けてどう対応するかについては、関係機関との検討が必要になるかもしれない」と話している。

(イノシシか、石畳掘り返す:三重)
東紀州の峠道などが世界遺産登録されている熊野古道伊勢路。その一部となっている熊野市の大吹峠の峠道で、道に敷かれた石畳の石が掘り返される被害が出た。イノシシの仕業とみられ、熊野古道の保全活動に取り組む住民たちが頭を悩ませている。熊野古道伊勢路は、伊勢神宮から和歌山県南部の熊野三山(本宮、那智、速玉大社)をつないでいる。世界遺産登録は二〇〇四年七月で、今年は十五周年の節目となる。大吹峠の峠道は、熊野市波田須(はだす)町と同市大泊町を結ぶ約一キロで、熊野古道の特徴でもある石畳が大部分に敷かれている。石畳が掘り返されているのが見つかったのは五月下旬。峠から波田須町側へ約二百メートルの峠道で、周囲には竹林が生い茂っている。直径五十センチほどの石が複数転がり、道には陥没したところもあった。熊野古道の保全に取り組むボランティア団体「熊野レストレーション」によると、掘り返したのはイノシシの可能性が高い。竹林で、タケノコや地中のミミズを食べようと土を掘り起こした際に、石畳の部分も一緒に掘ってしまうらしい。熊野市教委によると、この現場は世界遺産の核心地域。修復が大規模になると文化庁との協議が必要だが、今回のように軽微なケースであれば、市教委の責任で積み直すことができる。熊野古道では、峠道ごとに県教委や市教委などから委嘱された市民らがパトロールをしており、異変に気付けば報告する。今回も県教委から委嘱された地元の郷土史家向井弘晏さん(77)の報告を受け、市教委職員四人が転がった石をすぐに元に戻した。向井さんによると、同様の被害はこれまでにもあったが、今年は特にたくさんの石が転がっているという。「被害を大きくしないためには、早期に見つけて対処することが重要だが、保全活動の担い手は少なくなってきている」と話す。県教委によると、パトロールに取り組む人たちは世界遺産登録のころから活動を続けており、高齢になってきている。新たな担い手も少ない。担当者は「作業には体力がいる。世界遺産登録十五周年という節目を機に、保全にも関心を向けてほしい」と話す。

(サル被害で100万円:福井)
福井県大野市の集落で、サルによる農作物被害が相次いでいる。露地栽培の農作物を群れで荒らし、今春だけで100万円以上の損失を出した農家もある。集落に現れた30匹以上の“大群”を目撃した住民もいる。同市には、ここ2、3年で被害相談が多く寄せられるようになったが、有効な手だてが見つかっていないのが現状だ。市によると、今年被害が報告されているのは上丁や下黒谷、阿難祖領家など市の北西に位置する飯降山周辺が中心。福井県のまとめでは、2018年、同市のサルによる農作物被害額は25万円。県奥越農林総合事務所では、報告されない被害はさらに大きいとみる。ジャガイモやトマト、キャベツ、白菜、キュウリ、トウモロコシなど4~12月にかけて収穫期を迎えたものから被害に遭っている。被害は家庭菜園が中心だが、農家への影響も出始めている。阿難祖領家のシイタケ農家の男性(89)は4月上旬、山の斜面で栽培する乾物用シイタケ200キロが一晩で食い荒らされた。市のふるさと納税の礼品にも登録もされ、損害額は100万円を超えるという。礼品の分は被害を受ける前の収穫分で賄ったが、地元のスーパーや野菜直売所への出荷はできなくなった。「自分たちの力だけでは防ぎようもない。毎年楽しみにしてくれているお客さんには申し訳ない」と声を落とす。被害に遭うのなら来年以降は、栽培量そのものを減らすことも検討しているという。イノシシやシカ用の電気柵や網では、身軽に飛び越えたり、くぐったりしてしまうのでサルの対策にはならない。市農業林業振興課は「動きが素早く、賢いのでサルの捕獲は難しい。民家周辺が安全な場所と認識されないためにも見かけたら追い払ってほしい」と呼び掛ける。6月30日には捕獲用おりを、要請があった上丁の山中に設置する予定。仕掛けに使う餌の準備などの管理は地区の住民でされる。

(イノシシの被害拡大:富山)
高岡市福岡地域でイノシシの被害が拡大している。山裾の地区にも出没するようになり、農作物を食い荒らしたり、住宅の敷地内に現れたりして住民の頭を悩ませている。高岡市の全域でも個体数や生息地域が拡大しているとみられ、中心市街地でも目撃されている。市は電気柵や捕獲おりの設置を進めるほか、耕作放棄地が餌場やすみかとならないよう下草刈りをするなど管理の徹底を呼び掛けている。福岡地域の山あいにある小野地区では、イノシシにのり面や田んぼの土手を荒らされる被害が多発。掘り返された泥や石が用水路や側溝に溜まり、雨水が道路にあふれることもある。5月末にジャガイモ畑が踏み荒らされた山岸定子さん(84)は「芽が出たばかりだった。今年はもう諦めた」と落胆する。地元の市鳥獣被害対策実施隊員、宮崎三郎さん(70)によると、小野地区での2018年度の捕獲頭数は約60頭で、17年度の3倍になった。「人とイノシシとのすみ分けが理想。だけど、イノシシの住むエリアを全て柵で囲うことはできない」と話す。近年は山裾や福岡中学校に近い集落にもイノシシの被害が及んでいる。西明寺地区では数年前からおりを設置し、今年4月から6月下旬までに3頭を捕獲。5月には1人暮らしの高齢者宅の納屋に幼獣が入り込んだ。谷崎茂樹自治会長(59)は「イノシシが現れるようになって、驚き、心細い思いをしている高齢者は多い」と話す。小矢部川に面する下向田地区でも近年は目撃情報が増えているという。高岡市全体を見ても、イノシシの個体数や生息域は拡大しているとみられる。市農業水産課によると、18年度の捕獲頭数は319頭と17年度より103頭多く、農作物被害額は456万円で198万円増えた。今年1月には中心市街地でも目撃が相次いだほか、二上山キャンプ場は敷地が掘り返されたため、今季の利用を休止している。市は被害を防ぐため、19年度から「有害捕獲」を通年で許可し、捕獲した場合は補助金を出す。これまで狩猟期間の11~3月は捕獲しても補助がなかった。市農業水産課は、「イノシシが人里に来ないよう、身を隠せないよう茂みの草を刈ったり、餌となる農作物を田畑に残さないようにしたりして、地域で対策を徹底してほしい」としている。

(高山植物食害防げ、防鹿柵:岩手)
早池峰山でニホンジカによる高山植物の食害が確認されているのを受け、花巻市東部と遠野市の国有林を管理する岩手南部森林管理署遠野支署は26日、河原の坊登山口から入山し、登山コースに防鹿柵を設置した。同支署、東北森林管理局から8人が参加。現在閉鎖されている河原の坊登山道の標高1500メートル付近に強化繊維を使ったネットを設置した。同支署などは2018年度からネット設置に取り組んでおり、前回の周囲50メートルから今回は約150メートルに区域を拡張。支柱を立てるのに難航し一部でネットを設置できなかったが近日中に再び作業に当たるという。ネットは降雪前の11月上旬に撤去し、来春再び設置する予定。早池峰山周辺ではシカの生息頭数が増加しており、東北森林管理局の調査によると、生息密度は11年から17年にかけて5・5倍となった。近年は標高1500メートル付近にも出現するようになり、ミヤマヤマブキショウマや固有種のナンブトウウチソウなどに食痕が確認されているという。同支署の野木宏祐支署長は「来月以降、県と三陸北部森林管理署が小田越コースの周辺にも複数箇所設置する予定で、当支署としても取り組みを継続していくよう努める。根本的には捕獲を通じて適正な個体数を維持する必要があり、関係自治体と連携、協力して促進したい」としている。

(列車とシカの衝突頻発:岡山)
列車と野生のシカの衝突が岡山県内で頻発している。4月から6月15日までの2カ月半で32件と昨年のほぼ倍のペースで発生。シカの生息数が増え、活動範囲が広がっているためとみられる。JR西日本岡山支社は線路内への侵入を防ぐ柵を設けるなど対策を取っているが、決め手を欠き、試行錯誤を続けている。岡山支社によると、シカとの衝突は2018年度は71件と15年度(56件)の約1・3倍。本年度も昨年4~6月の17件を大幅に上回っている。シカの生息数が多いとされる県東部の赤穂、山陽、因美線を中心に起きている。中でも赤穂線は6月だけで7件(15日時点)発生。11日は午後8時~9時に2回立て続けにぶつかり、上下7本で遅れが生じ、千人以上に影響した。岡山市への通勤で同線を使う男性(58)=兵庫県赤穂市=は「『またか』という感じで慣れっこになった。いつも帰りの列車で起きるので大きな影響はないが…」と話す。県鳥獣害対策室によると、県内のニホンジカの生息数は17年度末の推計で8万7470頭と6年連続で増え、データが残る11年度以降では最多。岡山理科大の小林秀司教授(動物系統分類学)は「増えたシカが餌を求めて山を下りているのだろう」とみる。岡山支社も対策を進めている。衝突が多い線路脇に侵入防止柵を設け、列車の前照灯もより明るいLED(発光ダイオード)に交換。シカが好む塩分や鉄分を含んだ固形の誘引物を線路近くに置いて“足止め”する対策も行っている。16年度末からは「シカ踏切」と呼ばれるシステムを導入。現在2カ所で侵入防止柵にシカの通り道を設け、運行時間帯だけシカが嫌う超音波を流している。システムを開発した近畿日本鉄道(大阪市)では、場所によっては年に10件以上あった衝突がほぼなくなったという。「さまざまな対策を組み合わせ、安全、安定輸送に努めたい」とJR西日本岡山支社。小林教授は「シカは警戒心が強く、学習能力も高い。その習性を利用し、線路に近づかないようにする対策を講じてほしい」と話している。

(ツキノワグマ被害多数、ニワトリ50羽を一度で餌食に:長野)
人口約1万2300人の小さな町で惨劇は起きた。志賀高原や湯田中渋温泉郷などで知られ、長野県北東部に位置する山ノ内町。町内で農業を営む小坂隆さん(62)が6月14日、飼育していた鶏の世話に出かけると、小屋の周囲には鶏の頭や脚、無数の羽が散乱していたのだ。「最初は、野良犬かキツネの仕業かと思いました」こう語るのは、小坂さんご本人だ。「知人の猟友会の会員に電話して来てもらうと、足跡からツキノワグマだというのです。100羽いた鶏の半数ほどが食べられていました」餌食になった鶏は、食用でなく観賞用だった。小坂さんが続ける。「品評会で優勝したカツラチャボや、国の天然記念物に指定されている薩摩鶏もいました。薩摩鶏は雄と雌1対で8万円ほどで、被害総額は100万円を下らないでしょう。長年、可愛がっていたので悔しいですが、野生のクマが相手ですから諦めるよりほかありません」こうした惨事はよくあることなのか。山ノ内町役場耕地林務係に聞くと、「この辺りでも、クマの目撃情報は年に十数件ありますが、今回のような被害は初めて。早速、クマが大好きな蜂蜜をエサにして町内に捕獲用の檻を仕掛けました」実は、長野県は本州では東北各県や京都府と並び、クマの目撃情報が多く、農作物の被害も深刻なのだ。長野県庁林務部鳥獣対策・ジビエ振興室の解説では、「原因は判明していませんが、長野県には4年に1度大量出没する“クマイヤー”があります。その年には、目撃情報が例年より多く千件を超えていました」クマイヤーだった2006年度のデータを見ると、目撃情報は3362件で、農林業の被害額は約2億947万円に上っていた。「実は、昨年度も“クマイヤー”でしたが、幸い目撃情報は千件を下回る749件でした」(同)目撃情報は約4分の1に減った計算で、被害額も1億円を下回りそうだという。他県では目撃情報や被害額が増加か横ばいなのに対し、長野県が成果を上げられた理由は何か。再び、鳥獣対策・ジビエ振興室に聞くと、「電流の流れる電気柵を山と里の間に設置するなどの防御や捕獲、そして環境改善を行っています。環境改善の例として、廃業したリンゴ農家がリンゴ園を放置しておくと、里に下りてきたクマがそれを食べてしまう。未然に防ぐために、秋になったらリンゴを収穫してしまうのです」クマとの熾烈な戦争に終わりはない。

(豚コレラ防止、支援を:富山)
岐阜県や愛知県などで豚コレラの感染が拡大していることを受け、県内の養豚生産者でつくる県養豚組合連合会は二日、感染防止に対する支援を石井隆一知事に要請した。豚コレラの感染源とされる野生のイノシシの農場侵入を防ぐ防護柵設置の支援や野生イノシシの捕獲、経口ワクチン投与の検討など三項目を求めた。新村嘉久会長が石井知事に要望書を手渡した。新村会長は「おいしい豚肉を届ける役割を果たせなくなってしまうのではと恐れている。おのおので努力はしているが限界がある」と訴えた。石井知事は「相当真剣に対策を考えないといけない。どういう支援ができるか検討し、対応していきたい」と応じた。県農業技術課によると、県内での感染は確認されていないが、六月十一日に県境から約三十キロ離れた岐阜県高山市で豚コレラに感染した野生イノシシの死骸が発見されている。県は野生動物が嫌がる「消石灰」を県内十九農場に配布するなどの対策を進めている。

(利尻島のヒグマ、終息宣言:北海道)
昨年5月に北海道の利尻島で106年ぶりにヒグマが上陸した問題で、道と利尻町、利尻富士町などは28日、すでに島内に生息していないと判断し、終息宣言を発表した。ただ、ヒグマは上陸時同様に北海道本土側に泳いで離れたとみられ、「今後も別のクマの上陸が起きない保証はない」として、対応を検討することになった。昨年上陸したのは雄1頭で、6月に利尻町が設置したカメラに歩く姿が映り、7月までフンや足跡も見つかったが、直接の目撃例はなかった。道立総合研究機構環境科学研究センターの間野勉・自然環境部長は、繁殖のためメスを探して泳いで上陸し、メスがいなかったため北海道本土側に向け再び泳いで離れた可能性を指摘した。フンなどを調べた結果、対岸の稚内市の南側に隣接する豊富町のクマに共通する遺伝子の型を持っていた。北海道本土と利尻島の間は南から北に向かう海流があり、豊富町周辺から北に流される形で島に到着したとみられる。最初に足跡が見つかった島南岸は稚内市から最短で約20キロだが、実際にはもっと長距離を泳いだとみられる。島を離れる際は同じ海流が原因で北海道本土にはたどり着けなかった可能性もあるという。終息宣言は、生息を確認するためにハチミツ入り容器近くに設置したカメラに姿が映らなかったほか、今春の雪解け後も新たなフンや足跡が見つからなかったことなどから判断した。ただ、間野氏は「今回の経験を生かし、今後のヒグマの渡島を想定した準備が必要」と指摘する。島内では北海道本土と違いクマよけ対策に慣れていない住民がほとんどで、昨年は厳重な警戒など「騒動」を引き起こしただけに、島の2町は引き続き道や警察などとの連絡体制を維持する考え。

(鳥獣害対策向上へ、専門員育成講座開講:愛媛)
担当地域で鳥獣害対策の基幹的役割を担う「えひめ地域鳥獣管理専門員」を育成する講座の開講式が1日、松山市堀之内の県美術館であった。県やJAの職員ら8人が知識と技術の習得を目指す。

(ニホンジカの捕獲、事業計画案:青森)
県内でも頻繁に目撃されるようになったニホンジカについて青森県は、昨年度の捕獲頭数が目標を大幅に下回ったことから、今年度、銃による猟の回数を大幅に増やし50頭余りの捕獲目標達成を目指すとする事業計画案をとりまとめました。ニホンジカは、かつて県内には生息していないとされていましたが、昨年度までの2年間で200頭以上が目撃されていて、このまま増え続けると、生態系に影響を及ぼすおそれがあります。県は2年前から本格的な駆除を進めていますが、昨年度の捕獲頭数は目標の53頭に対し、三八地域で6頭、白神山地の周辺で1頭のあわせて7頭にとどまりました。7頭は、いずれも猟銃で捕獲され、わなによる捕獲はありませんでした。このため県は、今年度も、53頭の捕獲目標を掲げたうえで、「銃による猟」の回数をこれまでより大幅に増やして駆除を進めていくとする事業計画の案を取りまとめました。県は関係市町村などの同意を取り付けたうえで、今月中旬にも、事業計画を正式に決定することにしています。県自然保護課の工藤亨課長は、「今のところ、農作物の被害や生態系への影響は確認されておらず、この現状を維持していきたい」と話しています。

(ドローンで生態調査:埼玉)
秩父市、横瀬、皆野、長瀞、小鹿野町の官民でつくる「秩父地域鳥獣害対策協議会」(事務局・県秩父農林振興センター)は今秋、ドローンを使った野生のサルやシカの生態調査に乗りだす。ドローンに搭載した赤外線カメラで動物の体温を感知し、群れの動きを把握する。農作物の鳥獣被害を減らすのが狙いで、県内では初めての試みという。ドローンは、目標とする群れの上空約百メートルから撮影し、操縦者のパソコンやスマートフォンに画像を送る。動物は体温で赤く表示されるため、地表や草木と識別できる。同センターが五月上旬に長瀞町の宝登山(ほどさん)小動物公園で試験的に運用したところ、園内のサルやシカの群れを正確に捉えることができたという。実地調査を秋に予定しているのは、地表面の温度が下がり、動物との識別が容易になるため。秩父市荒川地区では、荒川沿いのソバ畑がシカに食い荒らされる被害が多発しており、担当者は「群れが河川敷を移動する様子を確認し、すみかを突き止めたい」と話す。同センターによると、二〇一七年度の秩父地域の農作物の鳥獣被害金額は三千四十四万円で、一一年度よりも四割以上減った。イノシシを対象にした侵入防止柵の設置やサルの追い払いなどが奏功した形だが、シカによる大豆や米などの食害は減っていない。センターの根岸七緒・農業支援部担当部長は「荒川下流の桶川市や上尾市でもシカの目撃情報があり、群れの動きを把握しなくてはならない。学術的な見地を生かしながら、対策を取っていきたい」と話している。

(イノシシ年1千頭加工、北陸最大規模処理施設が完成:石川)
小松市江指町で27日、南加賀地区で初となる獣肉処理加工施設「ジビエアトリエ加賀の國(くに)」が完成した。年間1千頭のイノシシを処理することが可能で、北陸三県では最大規模の施設となる。7月に稼働し、9月から精肉や加工品を出荷する。イノシシによる農作物被害は南加賀でも増加傾向にあり、自治体や猟友会はイノシシ肉の有効活用を推進することで捕獲頭数を増やし、被害の抑制につなげる。施設は小松、加賀、能美、川北4市町と猟友会で構成する「南加賀ジビエコンソーシアム」が運営する。鉄筋平屋建てで、建屋面積は約200平方メートル、敷地面積は約1400平方メートル。併設する加工室でソーセージやハムなどを作る。施設の総事業費は1億8千万円で、農林水産省の「ジビエ倍増モデル」事業に選定され、2018年度から整備が進められてきた。精肉や加工品は道の駅などで販売され、ふるさと納税の返礼品としても利用する予定だ。27日に行われた竣工(しゅんこう)式には自治体関係者ら約40人が出席した。コンソーシアムの小谷口幸司会長(南加賀鳥獣被害対策協議会長)が式辞、奥田透北陸農政局長、和田慎司小松市長が祝辞を述べた。続けて小松市地域おこし協力隊員で、ジビエを活用した加工品開発などに取り組む福岡大平さんが施設従業員を紹介した。県によると、18年度に捕獲されたイノシシは、捕獲実績がなかった川北を除く3市の合計で1790頭となり、前年度に比べて約3割増となっている。農作物被害額は前年度と同程度の2362万円だが、近年は増加傾向にある。小谷口会長は「イノシシが食肉に転用されることで猟師の意欲が高まる。捕獲数を増やすことで農作物被害を減らしたい」と話した。

(「とくしまハンティングスクール」受講生募集中:徳島)
「とくしまハンティングスクール」は、若い世代の方の狩猟免許取得の支援と、取得した方が山野で鳥獣(主にニホンジカ、イノシシ)を捕獲し、利活用するための実践的な技術の支援を目的とし、次に掲げるような方を対象として実施します。地域の生物多様性を保全し、次世代に継承する意欲を持っている方、野生鳥獣被害に関心を持ち、自らその対策に取り組む意欲を持っている方、現に狩猟免許を取得していないものの、上記の目的を達成するために狩猟免許の取得を志している方。徳島県に住所を有する40歳未満の方を対象とします。また、受講者の方に本物の狩猟者になっていただくため、このほかにも条件を設けています。詳しくは、別添の「とくしまハンティングスクール実施要領」をご参照ください。

(イノシシ対策学び、児童ら田植え:熊本)
熊本市北区の龍田西小の5年生が26日、近くの田んぼで田植えを体験した。南西にある立田山のイノシシに荒らされないよう、電気柵も設置。子どもたちは「イノシシに負けず、無事に収穫するのがみんなの願い」と声をそろえた。同校の5年生は毎年、総合学習の一つとしてコメを作っているが、立田山一帯では数年前からイノシシが急増。昨年10月には、当時の5年生が植えた稲が収穫直前に食い荒らされた。付近の女性が目撃していた。この経験を踏まえ、学校では市鳥獣対策室の職員を招いて話を聞いたり、自らインターネットで調べたりして、イノシシの生態や被害に遭わない方策を学んできた。田植えには雨の中、5年生約100人が参加。近くの農業後藤新介さん(42)らの指導を受け、約1・5アールの田んぼに丁寧に苗を植えた。電気柵は市の協力を得て設置。同室の職員4人が駆けつけ、田んぼの周り約60メートルに張り巡らした。宇野太智君は「電気柵をつけてもらったので、イノシシ対策はばっちり。秋に収穫して、おいしいお米を食べたい」と話していた。

(鳥獣捕獲検知しメール、実証実験開始:青森)
青森県平川市は、省電力の無線通信技術(LPWA)を活用した鳥獣捕獲の検知システム「わなベル」の実証実験を始めた。わなに鳥獣ががかかると利用者にメールなどで通知される仕組みで、わなの見回りの負担を軽減するのが狙いだ。「わなベル」は10センチ四方の装置で、「オリわな」や「箱わな」、「くくりわな」などに設置する。鳥獣がわなにかかりオリが閉じるとセンサーが検知し、捕獲情報や位置情報が利用者に通知される。同市の企業「ジョイ・ワールド・パシフィック」が開発した。実験は平川市と同社が共同して実施し、わなベルを付けた熊用のオリわなを同市の山間地や畑などに3機設置。期間は6月20日から約2カ月間で、成功すれば、市内の約15カ所に設置する。これまでのところ、わなにかかった鳥獣はまだないという(1日現在)。同市農林課によると、市内では約3年前から熊などの目撃が増えているといい、昨年のツキノワグマやイノシシなど害獣の出没件数は21件。わなの設置場所が山間部など車では入れないような場所もある上、冬季以外は毎日交代で見回りをする必要があるという。害獣の駆除にあたる同市の猟友会のメンバーは現在26人いるが、70代以上が中心で高齢化が進んでおり、市は対応策を模索していた。猟友会会長の葛西昇さん(71)は「年を取って、見回りも体力的にきつくなってきた。見回り負担が軽くなればありがたい」と話す。また、同課の葛西康太主事も「負担の軽減とともに見回りにかかる人件費の削減も期待できる」と話している。

(「宮内庁鴨場」一般公開:千葉)
市川市新浜にある「宮内庁新浜鴨場」の県民向け見学会が1日開かれ、午前・午後でそれぞれ約30人が貴重な施設を見て回った。鴨場は国内外の賓客を招待して、伝統的な鴨猟を体験してもらう約19万6千平方メートルの皇室関連施設。例年11月~翌2月に在日外交官や閣僚らを招待し、一般公開は猟期以外に限られる。天皇陛下が皇后さまにプロポーズされた場所としても有名。見学会では、映像で鴨場の役割や猟の方法を解説。事前に調教したおとりのアヒルを使い、飛来したカモを「引堀」と呼ばれる水路にえさでおびき出し、竹と絹糸で造られた叉手網(さであみ)で捕獲する方法を学んだ。捕らえられたカモは足環を付けて放鳥し、鳥類の保護や国際的な調査に役立てているという。見学者たちは、引堀にアヒルが入る様子を眺めたり、賓客がカモ料理などを味わう食堂を見たりした。この日の見学会の参加者は抽選で選ばれ、倍率は8倍ほど。市川市の社労士、藤浦隆則さん(70)は「(見学は)念願だったのでうれしい。伝統的な技術を継承していくのは大変なことだが、いつまでも残り続けてほしい施設」とうなずいた。

(害獣忌避剤、ハバネロで撃退:兵庫)
養父市は関西大学と共同で害獣忌避剤「ハバネロシールド」を開発した。耕作放棄地の再生に取り組む特区戦略事業者で農業法人の三大=同市八鹿町、吉井忠大社長=が、同大学環境都市工学部の山本秀樹教授の協力を得て、香辛料として使用される自社栽培のハバネロを原料に作った。

(アライグマの捕獲学ぶ講習会:北海道)
十勝地方でアライグマによる農作物の被害が急増していることを受けて、捕獲のためのわなの仕掛け方を学ぶ講習会が芽室町で開かれました。芽室町の農場で開かれた講習会には、町の有害鳥獣駆除員を中心に10人あまりが参加しました。参加者は、専門家からアライグマを餌でおびき寄せておりの中に閉じ込める「箱わな」の仕組みや組み立て方について説明を受けました。このあと、アライグマがよく通るとされる用水路の近くに箱わなを設置し、わなの周囲にエサとなる飼料用のトウモロコシをまきました。アライグマは北アメリカの原産ですが、ペットが野生化して道内で生息数が拡大し、平成29年度には全道で1万6000頭あまりが捕獲されています。十勝地方でも平成17年に初めて捕獲されて以来、平成28年度は129頭、平成29年度は282頭と捕獲数が急増しています。芽室町役場農産係の阿部壮一郎主事は「芽室町内でもアライグマの被害は急に増えている。効果的な箱わなの仕掛け方を学んで駆除を進めたい」と話していました。

(イノシシ防ぐ電気柵設置:富山)
氷見市西部中の「社会に学ぶ14歳の挑戦」は1日、市内でスタートし、生徒がイノシシを防ぐ電気柵の設置に挑戦した。中山間地域の同校区は被害が深刻で、今年度は新たに「地区応援隊」活動を始め、地元住民の要望に応え、課題解決に取り組んだ。地区応援隊の活動は、14歳の挑戦に参加する2年生29人のうち9人が、3グループに分かれて行う。内容はブルーベリー摘みや野菜作り、個人宅の草むしり、道路看板作成など多岐に渡る。起業体験として、伝統工芸の藤箕や畳を使った商品開発にも挑戦する。この日は、新保営農組合の片折郁夫さん(72)ら組合員5人が男子生徒5人に電気柵の設置方法を指導した。生徒は新保地区の山ぎわにある水田を囲むように支柱を2メートル間隔で打ち込んだ後、ワイヤを張った。生徒は、イノシシを見た経験はあるものの、電気柵を設置するのは初めて。関谷駿汰君は蒸し暑い中での作業に汗びっしょりになりながら「じいちゃんの苦労がわかった」と話した。新保地区ではイノシシによって水田が踏み荒らされたり、用水路が土で埋まるなど被害が続き、営農組合は約10ヘクタールの水田に電気柵を設置する。正常に稼動させるには草むしりなどの手間がかかるのが悩みの種となっている。片折さんは「作業を覚えてくれるだけで将来きっと役に立つ」と期待を込めた。

(ササユリ荒らす、侵入防ぐ電気柵設置へ:石川)
穴水町越の原に群生しているササユリが、イノシシに荒らされ、花がほんのわずかしか残っていない状況になっていることが分かった。ササユリは県の準絶滅危惧種に分類されており、同町の「町の花」として地域を代表する植物。近くの住民4人でつくる保存会は今後、貴重な花を守り抜こうと動物の侵入を防ぐ電気柵を初めて設置する。保存会によると、群生地は主に三カ所に分かれ、被害が明らかになったのはそのうち一カ所で、道路に面した三千平方メートル以上の土地。例年六月二十日前後に白やピンクの花を咲かせるが、今年は花がほとんど見当たらず、土が掘り起こされた状態になっている。春から六月にかけ、イノシシが餌を求め、土の中の球根を次々に食べたためだ。「ひどいもんじゃ」。会員の田小路(たしょうじ)勝治さん(76)=同町宇留地=は六月二十八日、群生地を訪れ、嘆いた。草刈りや見回りなどを行う保存会が発足した二〇一二年以降、イノシシの影響がなかったわけではないが、ここまでひどいのは初めて。能登地方は年々、イノシシによる農作物の被害が増加しており、群生地も例外ではない。昨年までの“天敵”は心無い人の行為だったといい、田小路さんは「花を抜いたり球根を持ち去ったりする人がいた」と振り返る。しかし、今年はそれをはるかに上回るイノシシの被害を受けた。「気が付いたらすごいことになっていた」と戸惑いを隠せない。毎年見頃になると、町内外から多くの人が訪れる観光の名所。町の花を象徴する場所だけに、保存会の四人は「絶やしたくない。花を増やしたい」との思いを新たにし、動物侵入を防ぐ電気柵設置に踏み切る。わずかに残ったササユリと、町外の人から譲ってもらって三年ほど前に植えた球根に望みを託すため、被害の広がりを食い止める。保存会は今後、現状を把握していない奥地の残り二カ所もイノシシの被害がないか調べる。

(きれいに咲いてニッコウキスゲ:長野)
諏訪市小和田牧野農業協同組合(宮坂廣司組合長)は29日、同市郊外の霧ケ峰高原の蛙原(げえろっぱら)でニッコウキスゲを植栽した。同市上諏訪中学校、高島小学校有志の児童生徒ら総勢約100人が、同組合所有の花畑に2200株の苗を植えた。同組合はニホンジカによるニッコウキスゲの花芽の食害や植生地の踏み荒し被害を受け、2007年に牧草地だった蛙原の所有地で在来植生復元事業を開始。約10年前から子どもと共に植栽している。種をまいて2、3年経った草丈20~40センチほどの苗を使用。1万8000平方メートルある花畑のうち、600~700平方メートルの範囲に50~60センチ間隔で掘った穴に植え付けた。根と土が密着するように土をかぶせ、水をやってきれいな花が咲くよう願った。約2年後に花を付けるという。植栽は同市から多くの学校が参加しており、上諏訪中学校は6年前から育苗や植栽に協力し、この日は74人が活動。同校ボランティア委員長の今井結菜(ゆいな)さん(14)=3年=は「きれいに咲いて、見る人に喜んでもらいたい」と笑顔を見せた。宮坂組合長(68)=同市高島=は「毎年花が増えているのは子どもたちのおかげ。花が咲く範囲をどんどん広げられたら」と話していた。ニッコウキスゲは夏の乾燥に弱く、雨が降るこの時期に植栽する。はじめは車山肩や霧の駅周辺の群生地から種をもらってじかまきしたが、芽が出ずに試行錯誤して徐々に咲いたという。マツムシソウやヤナギランなども植え、6~9月まで楽しめる。7月7日は城南小学校や諏訪地域のボーイスカウトが約700株を植える。

(大和川にヌートリア:奈良)
王寺町の大和川左岸河川敷の遊歩道周辺で最近、生態系などに被害を及ぼす特定外来生物「ヌートリア」の目撃が相次いでいる。河川を管理する国土交通省の出先機関が餌付けしないよう呼びかける看板を6月26日に設置。近くには乳幼児も遊ぶ滑り台やブランコなど遊具がある。ヌートリアは鋭い前歯を持っているため、王寺町は捕獲を含めた事故防止策の検討を始めた。

(クマ対策、特性を知り遭わない工夫を:福島)
人的被害を防ぐためには、生態を理解し、クマを近づけない行動の徹底が必要だ。県内でクマの目撃が続いている。県警によると、今年の目撃件数は204件(25日現在)で、前年同期比で63件減っている。ただ、前年は年間で1人だったけが人が、既に4人に上っている。今月7日には会津若松市の遊歩道で観光に来ていた少女がクマにかまれてけがをする被害があった。クマの主な活動区域は山林など自然の残る場所だ。クマが餌にしている山菜やキノコを採りに山に入る際には、餌を探しているクマと遭遇する可能性がある。決して一人では山に入らないことが大切だ。鈴やラジオで音を出すなど、クマを遠ざける工夫を怠らないようにしたい。5月には福島市中心部の弁天山公園で相次いでクマが見つかるなど、市街地周辺での目撃が目立っている。クマは臆病な性質だが、近年は過疎化などの影響でクマの生育域周辺での人の活動が減ったことから、人を警戒しない「新世代」のクマが増えている。こうしたクマが人里に出没していると指摘する専門家もいる。県警によると、人里に来たクマは餌を人に取られたくないと感じ、山にいる時よりも攻撃的となることがあるという。野菜や果物などの生ごみや、食べ残しで作る堆肥がクマを人の生活圏に引き寄せる要因となる。餌となり得るものをクマに発見されないよう、しっかりと管理することが重要だ。県はクマと住民の生活圏を分けることでクマを遠ざけようと、草やぶや河川敷を除草するなどの取り組みを進めている。クマが視界の広い空間を嫌う習性を利用して、クマの移動経路や隠れ場所を減らすのが狙いで、福島市ではクマの出没が減る効果が確認されている。生活圏にクマが入ってこないよう、県や市町村と住民が協力しながら、取り組みを進めていくことが求められる。クマが近くにいるのを見つけた際には、目をそらさず、ゆっくりと後ずさりしながら去るのがポイントだ。クマは敵に対して一度攻撃を加えると、そのまま逃走する場合が多い。県警によると、攻撃対象となりやすいのは顔や頭だ。両腕で頭を覆うことで被害を最小限にすることができるという。こうした対策も覚えておきたい。クマを目撃した場合は被害がない場合でも警察に通報することが大切だ。目撃場所付近にクマがいることを周囲に知らせ、警戒を促すことで、ほかの人が被害に遭う可能性を低くすることができる。

(カラスが人間を攻撃、身を守るためには:北海道)
北海道・札幌市で、通行人がカラスに攻撃をされる被害が相次いでいる。いまの時期は、特に注意が必要なのだという。身を守るためには、どうしたらよいのだろうか。多くの観光客が訪れる、北海道・札幌市の大通公園。そこには、鳴き声をあげながら通行人を威嚇するカラスが。さらに、カラスが女性の頭めがけて、ものすごい勢いで飛んでくる。この時期、札幌市内ではカラスが人に対して威嚇や攻撃することが相次いでいた。一体、カラスはなぜ、このような行動をとるのだろうか。ヒナだろうか、なかなか飛べずに歩道を歩いているカラスが1羽確認できる。実は、威嚇していたのは子育て中の親ガラス。いまはカラスのヒナにとって巣立ちの時期で、飛ぶ練習をするヒナを守るため巣に近づく人間に対して親のカラスが攻撃的な行動をとっているのだ。札幌カラス研究会 中村眞樹子さん「あれがヒナですね。親(カラス)は人との距離すごく近くなって、もうパニックおこしちゃって、とにかく周りに人が来てほしくないから、来る人来る人に威嚇しちゃう」では、カラスに襲われないようにするにはどうしたらよいのだろうか。札幌カラス研究会 中村眞樹子さん「一番いいのは、腕を上げてまっすぐ動かさないで、走らずに通り過ぎる。人間の腕が翼に引っかかって邪魔になって、頭を蹴られなくて済む」。そして、一番大事なことは、むやみに刺激しないこと。手で追い払おうとしたりカバンなど持ち物を振り回したりすると、カラスはより攻撃的になるという。この時期、都内では別のカラスによる被害も深刻な問題になっていた。狛江市の農園を訪ねると──農家 須田和男さん「こういう感じでなっている青いトマト。これをカラスがね、つっついて落としちゃうんですよ」。トマトやナス、ブルーベリーなどを育てている須田和男さんは、長年、収穫間際の農作物をカラスなどに荒らされる被害に悩まされてきた。農家 須田和男さん「カラス5羽くらいで来ますから、だいたい。そうするとね、あっという間にやられてしまいますね」。そこで──小屋から出てきたのは、ハリスホークという種類のタカ。3年ほど前から飼育し、止まり木で番をさせたり、飛び回らせたりしているという。農家 須田和男さん「カラスなんかも(ハリスホークが)本当にここに止まっているだけでね、警戒しちゃってうちの上飛ばなくなりましたからね」カラスが近づかなくなり、いまではほとんど被害がないという。ただ、この時期はカラスもヒナの巣立ち前で攻撃的になっているため、タカを農園内で飛ばすのは控えているという。来月上旬ごろまでがピークだというヒナの巣立ち。それまでは、カラスを刺激しないように注意が必要だ。

(イノシシ防ぐ金網柵設置補助:群馬)
豚コレラ防疫策として渋川市は26日、市内養豚農家を対象に野生イノシシの侵入を防ぐ金網柵の設置費用の一部を補助すると発表した。電牧柵より維持管理が容易という。

(サルの「みわ」が行方不明、脱走か:京都)
京都府の福知山市動物園で飼育されているニホンザルのみわ(雄、9歳)が園舎から逃げて行方が分からなくなっている。28日午前9時ごろ、飼育員が園舎を見回っていたところ、みわの園舎の金具が壊れており、脱走したとみている。27日の閉園時には園舎内にいたという。市職員ら約30人で園周辺を捜しているが28日午後5時現在、見つかっていない。同園は29、30両日を休園し、捜索するとしている。みわはイノシシのウリボウの背に乗り「お猿のロデオ」で人気を集め、一緒の園舎で生活をしていた。

(野生動物との共生考える:兵庫)
兵庫県豊岡市但東町に生息する野生動物と人間の共生を考える講義が28日、同町三原の但東中学校であった。近年増加している野生動物による農作物の被害などで悩む同町の地元住民らが、研究者とともに、地域で課題を解決しようと始めた取り組みの一環で、全校生徒約90人が動物の生態や対策などを学んだ。同町では農林業の担い手の減少などからシカやクマ、ハクビシンなどによる作物被害などが増えている。水谷保昭さん(67)=同市=ら地元有志が、野生動物の生態に詳しい県立大自然・環境科学研究所(同県丹波市)の横山真弓教授の協力のもと、害獣駆除だけではない選択肢を模索しようと、数年前から検討していた。講義では横山教授が動物の生態や特性、動物が人里に降りてくるようになった理由などを話した。その後、三つの対策として、防護柵を設置する▽捕獲する▽追い払う・引き寄せない-を提示。クマの出没エリアには柿の木があることが多く、200本ほど密集していた柿の木を伐採し、出没を減らした同町の集落などを紹介した。最後には同大大学院生らが寸劇で、クマと遭遇した際に取るべき対応の一つとして、大きく手を振って穏やかに話し掛けながら後ずさりすることを教えた。3年の男子生徒(14)は「地元の自然は見慣れているけど、今どうなっているのか、どのような取り組みがされているのかをもっと知りたいと思った」。女子生徒(15)は「イノシシが柵を乗り越えられるほどジャンプできるなど、意外な特性も知れた」と話した。講義は同日、同町に隣接する同市出石町の出石中学校でも行われ、今後出石高校でも実施予定。水谷さんは「具体的なことはこれからだが、子どもたちとともに地元の将来を考えていきたい」と話している。

(シカの生態、解体作業学ぶ:山梨)
早川町の早川子どもクラブは22日、子どもたちにシカの生態や解体作業を知ってもらい食への理解を深めてもらおうと、活動拠点となっている同町中之島地区の空き家で食育教室を開いた。町内の猟師3人を講師に招いた。

(駆除したエゾシカから“ED治療薬”:北海道)
北海道だけに生息する野生のエゾシカは、明治初期の乱獲や大雪などの影響で一時は絶滅寸前だったが、政府の保護政策で現在は道内全体で推定60万頭以上も生息する。今度は増え過ぎたエゾシカの採食や踏み付けが生態系に悪影響を与えるようになり、畑の作物や植林の木の芽や樹皮を食い荒らし、農林業の被害が拡大。車や列車との衝突事故も増加傾向にあり、害獣となっている。そんな駆除されたエゾシカを“勃起薬”などの生薬素材として“リサイクル”に成功した人物がいる。エゾシカの捕獲頭数は年間約12万5000頭(2015年調査)。このうち、ジビエとして食肉に利用されるのは17・6%だけで残りは廃棄されているという。廃棄されるエゾシカを有効活用した生薬素材を開発した北海道鹿美健株式会社の代表取締役の鄭権氏はこう語る。「駆除されたエゾシカの皮・骨は、ほぼ利用されず、産廃物として焼却処分されています。これに伴う焼却費用の発生、環境汚染の誘発も懸念されており、各自治体を悩ませているそうです。エゾシカが大量に廃棄されていることを知って、心を痛めていました。シカは中国伝統医学では宝。もったいない、かわいそうだと思いました。私のノウハウがお役に立てればと参画を決心しました」鄭氏は、東京で株式会社健康ビジネスインフォを営み、ロバの膠(にかわ)である「阿膠(あきょう)」の健康食品で成功。その成功とノウハウを生かして、北海道・新ひだか町の廃校のビジネス活用企画公募に参画し、鹿皮を利用した生薬素材の開発・製造と地域交流多目的施設を始めた。しかし、原料の調達から苦労の連続だった。捨てるのはもったいないと分かっていても、小人数で運営している鹿肉施設にとっては、保管する手間は負担になるようだ。「将来の見通しが不透明とのことで、協力したい気持ちがあるが、なかなか応じていただけませんでした」(鄭氏)その他、他社で皮骨の利活用の失敗事例があったので、最初はなかなか信用されなかった。失敗して夜逃げした業者や、代金未払いで被害を被った鹿関係者の信用を得るのにも苦労した。さらに、経験豊富な膠職人を中国から招聘するにあたり、前例がないので、最初はビザが取れなかった。輸送距離、コスト、冷凍設備の故障で使えなくなってしまった廃棄物の悪臭など、さまざまな苦労を乗り越えて、汗と涙の結晶「鹿膠(ろくきょう)」は完成した。そこまで尽力したのは、効用が魅力的なので日本に広めたいという鄭氏の思いもあった。「鹿皮、鹿骨から作られる鹿膠は造血、免疫力増強、抗疲労、抗老化などの作用があり、再生不良性貧血、ED、痴呆症、不妊症、乳腺症、呼吸器疾患に加え骨折、椎間板ヘルニア、骨粗しょう症などに対する効果が期待されるとして、中国では長年にわたって重用されています」と薬学博士でもある鄭氏は語る。また、薬剤師の大野登志生氏は「腰椎・頸椎などの椎間板ヘルニアによる腰・首の痛み、関節痛、頻尿・尿漏れなどの臨床治療のデータをまとめた論文が多く発表されています。また、動物実験では抗疲労、免疫増強、抗酸化などの薬理作用があることも発表されています」と言う。道内でエゾシカ専門の処理加工と販売を手掛ける業者から調達する契約を結び、地元で活躍しているハンターたちとも交流を深めながら、2年間かけて製造に成功した生薬素材は、町の希望の新ビジネスだ。

(ジビエ肉のるハヤシライス:石川)
昼でも薄暗い、白山麓の森の中にあるログハウス。猟師の長田泉(いずみ)さん(53)が運営し、自分で捕獲したジビエ(野生鳥獣肉)を使った料理を提供する。「ハヤシライス」(税込み1200円)はイノシシのスペアリブが載る。骨で取っただしや赤ワインでじっくり煮込み、さんしょうがアクセントを加えている。金沢市の有機野菜や白山麓の米も使用。旬の食材を使うので、メニューはその都度変わる。イノシシなどは敷地内にあるジビエ専門の食肉解体処理施設で長田さんがさばく。新鮮でリーズナブルなジビエ肉を味わえるのが特徴だ。長田さんは「利益は出ないが、価値ある命を多くの人に食べてもらいたい」と話す。

(ジビエBBQ、11月開催:千葉)
鋸南町は11月3日、観光名所の佐久間ダム公園(同町大崩)でイノシシ肉に舌鼓を打つ恒例の「きょなん地美恵(ジビエ)BBQ大会」(同町実行委員会主催)を開催する。7月1日から参加者を募集する。先着600人で参加無料とする。参加者にはイノシシ肉100グラムとぼたん汁を振る舞う。

(イノシシ肉でラーメン3種:島根)
島根県内産のイノシシ肉を使ったラーメンが、雲南市三刀屋町の飲食店「うんなん咲場 幸乃家」に登場した。獣臭が強いなどのマイナスのイメージが強いイノシシ肉を、じっくりと煮込んだ特製スープとチャーシューに仕上げた。地元産の食材と合わせて楽しんでもらおうと考案した。

(地域おこし協力隊員、シカ肉処理業で起業:兵庫)
兵庫県丹波篠山市の地域おこし協力隊員の新田哲也さん(35)=神戸市出身、同市大上=が、自宅横にシカなどの食肉処理施設を構え、起業した。最新の設備をそろえており、年間400頭の処理が目標。猟師から買い取ったシカなどを精肉にしたり、ソーセージなどに加工して販売しているほか、今後は皮や骨の有効活用にも取り組むという。「大切な命を捨てることなく使って丹波篠山ブランドの一つとして売り出していき、猟師のみなさんをはじめ、地域の人たちに喜んでもらえる施設にしたい」と意気込んでいる。屋号は、「狩り」と新田さんが愛するカレーから、「カーリマン」にした。施設は約50平方メートル。入り口の扉前まで猟師らにトラックでシカなどを持ち込んでもらい、クレーンで吊り上げて施設内へ搬入。大型の冷蔵庫で10日ほど低温熟成した後、解体して処理する。施設内にはほかに、銃弾が残っていないか確認するための金属探知機や真空パックにする機械のほか、肉の重さや誰が獲ったものかまでの情報をまとめて、「QRコード」で表示できる機器など最新設備を導入。農水省の「国産ジビエ認証制度」や、食品の衛生管理手順を「見える化」する国際基準で、近く日本でも義務化される「HACCP(ハサップ)」への認証も目指す。肉は部位ごとに精肉として販売するほか、ソーセージやサラミ、ハムなどにして販売。添加物などを使わないオーガニック製品で、将来は都市部の百貨店などでも販売し、丹波篠山のジビエの味を市外にも売り込む。また、行政や大学などとの「産官学連携」にも取り組む。このほど、さっそく神戸大学の黒田慶子教授と一般社団法人「ヤンマー資源循環支援機構」の共同事業の一環で、同大学医学部の学生らが訪れ、新田さんの指導でシカの解体を体験。「スポーツ医学」への活用を目的に、筋肉がどのようについているかや、神経がどう通っているかなど、解剖研修の場としても使用された。新田さんは、一度はゼネコンに就職したものの、もともと抱いていた「カレー屋」になりたいという夢をかなえるために退職。その後、知り合いの猟師からもらったイノシシの肉の味に感動し、自身も猟師になった。京都府南丹市美山町で自給自足をテーマにした宿泊施設に勤務したり、大阪の有名カレー店で修業する中、2017年から協力隊員に就任。畑地区を拠点に活動し、市の猟友会にも所属するなどしてさまざまな獣害対策に取り組んできた。当初から処理施設の建設を目標にしており、国や県、市などの行政のほか、地域の人たちの支えで、ついに念願を果たした。新田さんは、「たくさんの人の支援、応援があって施設が完成した。何よりは妻の叱咤激励です」と言い、「いろんな人とコラボレーションして、ジビエを使ったさまざまな事業に取り組みたい。ソーセージやハムなどで、”シカのお歳暮”も作れたら。また、シカ肉は低脂肪高たんぱくなので、アスリートの人にも知ってもらいたい」とほほ笑んでいる。ソーセージは96グラム入りのミニサイズと120グラム入りのロングサイズをともに500円(税別)で販売している。

(イノシシのラーメン作り、元屋台経営の教員指導:大阪)
豚骨ならぬ猪骨(ししこつ)ラーメンを地域の名物に――。大阪府岬町の府立岬高校の生徒が、地域で農作物を荒らす害獣となっているイノシシの骨を使ったラーメン作りに取り組んでいる。ラーメン屋台を営んだ異色の経歴を持つ教師が一肌脱いで猪骨ラーメンは見事完成。7月には一般向けの試食会も開く予定だ。1、2年生9人が6月11日、高校の化学教室に集まった。大鍋やずん胴鍋が並ぶ中、数学教師の山本真也さん(45)が「スープは沸騰しすぎないように」などと生徒にアドバイス。生徒は麺を湯がいたり、具材を盛りつけたりと、てきぱき動く。できあがったラーメンを試食した3年生や教員は口々に「おいしい」「店の味みたい」と驚いていた。湯切りをした1年の松永晏奈(あんな)さんは「本格的なラーメン作りを学校で教えてもらえるとは思わなかった。教室での勉強より楽しいし、食べた人が喜んでくれるとやりがいがある」と笑顔だった。

(シシ肉使った新メニュー:大分)
佐伯市特産のそばとシシ肉を使った地産地消の新メニュー「猪仔(いのこ)南蛮そば」と「いのしし南蛮そば」が誕生した。食で地域を盛り上げる「東九州バスク化構想」佐伯推進協議会(会長・田中利明市長)の事業。20日から市内本匠と直川にある飲食店3店舗で販売を始める。佐伯市内の山間部地域が連携し、食材の魅力を高める取り組み。同市本匠産のそばを使った「南蛮そば」の具に子イノシシの肉を使っている。シシ肉は、同市でジビエなどの食品加工販売を手掛ける「オートモズ・フィッシュ&ファーム」が提供。山の幸が“共演”する佐伯ならではのメニューとなっている。「猪仔そば」を販売するのは同市本匠小半の「水車茶屋なのはな」で、温かいそばに柔らかいシシ肉を添えたメニュー。「いのししそば」は、同市直川にあるレストラン「コリーヌ」(上直見)と「四季」(赤木)で提供する。あぶって香ばしさを加えたシシ肉とそばを、だしの利いたつゆで味わえる。各店とも1日限定10食、千円(税込み)で販売する。「コリーヌ」で6月20日に試食会があり、田中会長ら関係者約20人が出席。「シシ肉は臭みがなく、柔らかい」「そばとよくマッチする」と新メニューに太鼓判を押した。「バスク化構想」は、フランスとスペインにまたがる世界一の美食の街バスク地方にちなんだ取り組み。大分、宮崎両県にまたがる佐伯市と延岡市が連携して2016年に始まった。協議会は8月3日まで、3店舗中2店舗でそばを食べると、地元の特産品(3千円相当)が当たるスタンプラリーも開く。「この機会に多くの人に楽しんでほしい」と呼び掛けている。

(ヤクシカ肉などの新たな魅力引き出す:鹿児島)
料理人の山崎真人さんが島の食材で作ったコース料理を振る舞う「屋久島を喰(く)らう会」が6月29日、「民宿nicoichi」(屋久島町原、TEL 090-1218-7663)で開催された。山崎さんは海外の人気レストランや、ミシュランの2つ星レストランなどで料理の修業を重ね、料理人コンテスト「RED U-35」の入賞経歴を持つ。現在は全国各地のレストランやイベント会場から依頼を受ける出張料理人として活躍の場を広げる。スポーツ選手の栄養をサポートする鵜沼拓也さんが、山崎さんと行ったアスリート向けの食事会で、高タンパク、低脂質でアスリートに最適な食材として紹介されたヤクシカ肉に魅力を感じ、当イベントを企画。鵜沼さんとつながりのある同民宿の都築岳人さんに、地元の人と交流するための食事会を提案した。島の食事情に詳しい島民や事業者が集い、島ならではの食材のリストアップや入手場所などの情報を提供した。ヤクシカ肉を加工する「屋久島ジビエ加工センター」をはじめ、水産品加工場、農家の直売所、養蜂場など、島に点在する商店や生産者の元へ山崎さんも直接足を運び、食材を調達した。当日のメニューはカメノテにパッションフルーツを組み合わせたマリネや、シカ肉をタンカンの枝に刺した串焼き、エディブルフラワーの盛り合わせ、シカ肉のローストにさば煎じと蜂蜜のソースをかけた一品など、華やかな見た目と斬新な食材の組み合わせの料理に、参加者から何度も驚きの声が上がった。山崎さんは「屋久島は屋久杉のイメージしかなかったが、これまで知らなかったヤクシカ肉と出合い、もっと素材の魅力を引き出せるのではと可能性を感じた。島へ来てみると他にも面白い食材がたくさんあり、なぜ知られていないのか不思議に思った。島内外関わらず屋久島の魅力を広めるイベントやツアーを今後開催できたら」と展望を語る。

(農作物の鳥獣被害はなぜ起こる?)
イノシシやサル、シカなどの野生動物が田畑に侵入して農作物を食い荒らす被害が大きな社会問題になっています。全国で起きている野生動物による農作物被害は年間200億円前後で20年近く推移してきました。一方、獣類の捕獲頭数は年々増加し、現在は年間120万頭以上が捕獲されています(1997年は20万頭程度)。野生動物はどうしてここまで繁殖してしまったのでしょう。時代と共に変化する、野生動物を取り巻く環境について解説します。なぜ野生動物が人里にやってくるのかを知るには、野生動物の素顔を知り、私たち人の生活と野生動物の生活が大きく違うことを認識する必要があります。そんなことは当たり前だと思っていても、私たちはつい、人の価値観で野生動物を見ています。野生動物は生活のほとんどを休息と餌の探査で占められています。たとえばイノシシ。彼らは1日のうちの3分の2を休息に費やし、3分の1を活動に充てています。活動のほとんどが餌探しで、1日7~8時間餌を探していることになります。言い換えると、休息以外の時間のほとんどを割いて餌を探さなければ命をつなぐことができないのです。イノシシは、土を掘って植物の根や幼虫を見つけ、河原では石を転がして川虫やサワガニを探します。体の大きなイノシシにとって、ひたすら石を転がしても、得られる川虫などは豆粒のようなものです。皆さんの食生活はいかがでしょうか。忙しい現代人は1日の食事時間が1時間に満たない方も多いのではないでしょうか。イノシシの気持ちになってみましょう。まず、皆さんが食べるお茶碗のお米を外にばらまいてください。次にばらまいたお米を一粒ずつ探して食べてみましょう。普段ならあっという間に食べてしまうお茶碗一杯のお米を、全部見つけて食べるのに1時間や2時間かかってしまうのではないでしょうか。そして、これだけ苦労したら、食べ終わった時にお腹が減ってしまうのではないでしょうか。生動物にとっての餌は確実性が低く、低密度に存在する場合が多いのです。季節や年による変動も大きく、冬場や凶作の年では餌が不足して餓死したり、抵抗力の低下から風邪をこじらせ死にいたったりすることもあります。いわゆる自然死です。真冬の餌のない時期の野生動物は必死に餌を探します。餌がなかなか得られなくなったイノシシは普段より遠くまで餌を探し歩きます。以前は山の中で薪(たきぎ)をとるなど、多くの人が作業をしていました。イノシシは山際に近づくと人に見つかり追いかけられます。うまく人を避けて、山際に出てきても、昔は人がたくさん住んでおり、子供達が数十人まとまって遊んでいます。子供達に見つかろうものなら、集団に追いかけられて逃げるしかありません。それに気づいた大人が鉄砲を持ち出し……。結局、元の場所で餌を探すしかなく、死んでいきます。ところが今はイノシシが山を下りても人を見かけない、山際の竹林も管理が放棄されて真っ暗で良い隠れ場所であることを学習します。すると、12月になれば地中に埋まったタケノコを食べはじめます。竹林から顔を出しても人の気配はほとんどなく、代わりに山際に捨てられた作物残渣(ざんさ)の山を見つけます。そこには、白菜やレタスなどの冬野菜やかんきつ類が捨てられています。人にとっては泥がついたり、虫が食ったりしたゴミですが、シカやイノシシにとっては、山の中では見たことのない、最高にみずみずしく栄養価が高くおいしい作物です。かんきつ類に至っては、甘くておいしくビタミンC豊富です。野生動物は風邪をひかないでみんな生き残るかもしれません。山際にジャガイモの種イモを捨ててある光景もよく見かけます。1日に何時間もかけて餌を探す野生動物が、ジャガイモの山に遭遇したらどうなるでしょう。まるで、短時間でお腹を満たすことのできるバイキングレストランです。こうして徐々に、野生動物たちは人里の餌の価値に気づいていきます。本来、餌がない冬場は、野生動物が自然死によって自ら個体数を減らすことができます。しかし、野生動物が一年を通して栄養価が高く、高密度に餌が存在する場所を知ってしまったら、どのような行動をとるでしょう。人里では山際から人が消え、誰も収穫しない柿、栗、ビワ、クワなどの放任果樹や、竹林などが散在しています。後継者がなく、閉園した栗園を想像してください。数百本の栗の木が伐採されることなく放置されます。もう、人は来ません。翌年からたわわに実った栗は全て野生動物の餌になります。加えて、農地周辺では耕作放棄地が増加しています。野生動物はこの環境が格好の隠れ場所であることに気づきました。耕作放棄地に隠れて、作物残渣や放任果樹を食べて冬場の命をつなぎながら、春には最高においしい畑や水田に気がつくのです。私たちは知らず知らずのうちに野生動物に餌付けを行い、誘引し、隠れ場所まで提供しているのです。これらの野生動物に対する餌付け行為は、人里に行けば一年中安定して餌が得られることを野生動物に学習させています。人が作った環境が年間通して野生動物を養い、自然死を減少させ、農作物の価値さえも教えているのです。

(駆除しても被害が減らないのはなぜ?)
イノシシやサル、シカなどの野生動物が田畑に侵入して農作物を食い荒らす被害が大きな社会問題になっています。全国で起きている野生動物による農作物被害は年間200億円前後で20年近く推移してきました。一方、獣類の捕獲頭数は年々増加し、現在は年間120万頭以上が捕獲されています(1997年は20万頭程度)。捕獲しても思うように被害が減らないのはなぜでしょう。突然ですが、台所で生ゴミにハエがたかっていたらどうしますか?庭に落ちているあめ玉にアリが集まっていたらどうしますか?ハエやアリを追い払うと思いますが、それだけではないはずです。台所の生ゴミや庭に落ちたあめ玉をそのまま放置していたら、またハエやアリが集まってくるので掃除をするでしょう。ところが、イノシシなどの野生動物による農作物被害への対策の場合は状況が異なります。私たちは、放任果樹や放置された作物残渣(ざんさ)、耕作放棄地などによって、知らず知らずのうちに野生動物を誘引し、隠れ場所を提供しています。調査研究によってこれらのことが明らかになったのですから、生ゴミやあめ玉と同じように、放任果樹や作物残渣を野生動物の餌にならないように処理する環境管理が必要です。しかし、ほとんどの被害現場では、捕獲だけに頼ってしまうことが多いのです。残念ながら、野生動物を誘引してしまう要因を除去していく対策はほとんど行われていません。したがって、野生動物を次から次へと人里に誘引してしまう状況がなくなりません。これではきりがありません。なぜか私たちは、野生動物が相手となると「捕獲が一番良い対策だ」「捕獲すれば被害はなくなるはずだ」と考えてしまいます。現在、イノシシとシカだけで1年間に120万頭以上捕獲されています。ところが、20年前に被害が社会問題となって捕獲が奨励されるようになってから今日に至るまで、被害は6倍以上に増えてしまいました。被害を出す個体、特にイノシシは集落周辺を生活の拠点とすることが多く、山奥から通ってくる個体はあまりいません。ところが、駆除されるほとんどの個体は山の中で捕獲されます。農地に侵入していない個体が、無実の罪によって命を奪われているのです。なぜこのような事態になっているのでしょうか。ハエやアリであれば、生ゴミやあめ玉の周辺で捕まえることもできますが、イノシシ、シカなどの野生動物をその場で捕まえることは困難です。野生動物は、耕作放棄地や竹林など、農地周辺で隠れながら人の動きを察知しています。そして、人の気配を感じるとすぐに逃げてしまいます。そのため、仮に野生動物を見つけても、ハンターが駆けつけた時にはすでに姿を消しています。こうして多くのイノシシやシカは、人目を避けて夜に農地へやってきます。たくさん捕獲して、野生動物の個体数や密度を調整すること自体は悪いことではありません(適切な個体数や密度の議論は非常に難しいのですが)。しかし、人里に侵入する個体の行動特性を考えると、現在行われている捕獲手法では、農作物被害を減少させるのに効果的な手法とは言えません。しかし、個体数調整と被害対策のための捕獲は混同されることが多く、個体数調整が進めば農作物被害が減るような誤解をしている人々が多いのです。私は野生動物に関して、科学的根拠がなく一時的な効果しかない対策や、昔ながらの言い伝えや勘違いを「農村伝説」と名付けました。野生動物は、農家が思っている以上に農作物に価値を見出しているのですが、農家は農地の周囲に柵を設置する労力を避け、野生動物が嫌がる忌避物質等で野生動物を手軽に追い払えないかと考えてしまいます。私たちは、野生動物の「本能」に目を向けて、本能的に忌避するものがあるはずと考えがちです。例えば、イノシシの天敵であるオオカミの尿や猛獣のふんなどのにおいを用いてイノシシの行動を調査しましたが、イノシシがオオカミの尿や猛獣のふんを忌避する可能性はきわめて低いことがわかっています。におい、音、光による忌避効果は「ハチに刺されたら尿をかけとけば大丈夫」と同じでおまじないのようなものです。確かに病害虫に効果のある忌避剤は存在します。科学的根拠もあります。しかし、イノシシやサル、タヌキなど、哺乳類は優れた脳を持ち、さまざまな学習や経験をふまえて行動します。例えば、農地ににおい物質をまいた場合、野生動物はまず、環境に変化があることを認識して、その環境の変化が自分にとって安全であるか否か、様子見を行います。様子見は数日で終わることもあれば、数週間、数カ月続くこともあります。この様子見を、人間は「野生動物は怖がっている、忌避している」と勝手に判断してしまいます。しかし、野生動物は冷静に判断し、環境の変化に危険は無いことを確認して田畑に侵入するようになります。さらに、野生動物は餌と餌のある条件とを結びつけることができます。人間が設置した光やにおい、音のある場所には餌がある、とそれらを目印として学習します。また、イノシシやシカは本来、昼間でも行動する動物です。しかし人里では、危険を回避するために夜間活動します。そのため人間は、「野生動物は夜に活動するから光が苦手なはずだ」と勝手に勘違いしてしまいます。一方の野生動物は、人が来ない時間帯に田畑が光で照らされるため餌探しにとって好都合となるのです。このように、「イノシシは夜行性だ」「最近のシカは双子ばかり産むようになった」「シカの唾液には毒があり植物を枯らす」「サルに石を投げると投げ返されるから危険だ」「モグラに野菜を食べられる」など、農村伝説は枚挙にいとまがありません。これら根拠のない説に惑わされず、きちんと野生動物の生態や特性を理解して対策をとることが、鳥獣被害を減らすためには大切なことなのです。

(好きだからこそ命を奪う:京都)
古賀達也、京都大学農学研究科、修士1年。森林人間関係学研究室に所属し、森林政策について研究する傍ら、シカのハンターとしても活躍する。「好きだからこそシカの命を奪う」、彼のシカへの思いと環境問題について、解決するべき社会課題も踏まえた見解を伺いました。-まず、どうして狩猟の免許を取ろうと思ったのか、きっかけをお伺いできますか。元々、なんとなく生態系とかが好きで、農学部の森林学科にいたということもあるんですけど、大学2回生の冬に、読んだ村上龍の『愛と幻想のファシズム』という本がきっかけですね。その中で日本人のハンターがアラスカでエルク(アメリカアカシカ)という巨大な鹿を狩猟することを生業としていたんですが、それがとても格好良くて。その時あんまり自分自身、目標とか何もなかったから、「よし、僕も猟師になってアラスカのエルク倒すのに人生賭けてみるか」と思ったのが始まりですね。-エルクってどういう鹿なんですか?エゾシカみたいな?いや、エゾシカとは種類が違って、とても巨大で、車が衝突したらドライバーも死ぬくらいの巨大な鹿ですね。毎年アラスカでも人間に被害が出たりしてますね。(エルクの大量発生は、ヤナギ類を初めとした植生の消滅、裸地の出現など生態系への影響がとても大きいとされている。)-じゃあ鹿が憎いみたいな感情があって狩猟をという感じですか?いや、逆で、鹿は大好きなんですよ。狩りたいのは狩りたいですけど、それ以上に鹿のことキレイだなと思う気持ちの方が強いです。ハンターっていうと、何か残酷で、動物を殺すことを楽しみにしてるみたいなイメージをもたれがちかもしれないですけど、そうじゃなくて、僕は鹿のことを誰よりも“愛している”と言えますね。猟師の一般的なイメージってやっぱり、「動物が憎くてやっている」みたいなものがあるかもしれないですけど、僕の周りの猟師も同じように動物が好きだという感情があってやっている人ばかりです。自分が獲ったやつですけど、こういう骨格とか、とっても綺麗だなと思うんですよね。-すごいですね…。これはどういう猟でとられているんですか?これは、罠ですね。もちろん罠をかけるだけでも免許がいるので、僕も当然、狩猟免許を持っています。猟の流れとしては、罠はいろんな種類があるんですが、くくりわなを使ってあしを固定して、そのあとロープをかけるという感じですね。イメージとして、銃の方が危ない(誤射するなど含めて)というものがあるかもしれないですが、罠も同じように危険です。例えばイノシシって、下からもぐりこんで突き上げるように攻撃してくるんですけど、一度その牙が右半身をかすめたこともありましたし。-「狩猟」って私が生きてきた中であまり馴染みのない言葉でイメージが全くつかないのですが、そんな危険を冒してまで続けるモチベーションってどこにあるんですか。「狩猟」はシカやイノシシの個体数が爆発的に増加している今、森林を守るために絶対に欠かせないものなんです。同時に、僕は鹿を本当に美しい生き物だと思うし、本当に大好きなんです。これはほとんどの猟友会の方に共通していると思います。一般的なイメージとは全く逆ですよね。「狩猟が趣味」と聞くと、どうしても生き物の命を奪うという側面が強いので、「残酷」というイメージを持たれがちですし、殺すことに楽しさを覚えるという風に思われているかもしれません。でも実際はこれと全く正反対なんです。-私にとっては感情と行動が相反しているように思えるので驚きです。ちなみに狩ったシカはどうしているんでしょうか。もちろん、狩ったシカは自分で血抜きなどの処理をして食べています。食べるために狩っているので。-食べるために狩っているんですか。大好きなシカを食べることに抵抗はないですか?食べないのであれば獲らないです。僕が最も大切にしている考え方の一つに「殺すことは同化」というものがあります。これは先ほどの村上龍の小説の一文なのですが、殺して食べることは生態系の循環の一部でしかなく、食べたら自分の体の一部になる、ということです。だから自分の体はシカで成り立っていると思うし、それがシカにとってかわいそうといったことはあまり考えていません。シカを愛する者として、狩猟したシカの命をしっかり使い切りたい、という気持ちが大きいです。一方で、日本全国で狩猟されたシカの約92%が狩猟されるだけされて捨てられているという現実があります。この状態をなんとか改善しようと、今はシカ肉の資源利用化の研究をしています。-どうして92%が捨てられてしまうほど、シカが狩猟されているのでしょうか。シカはここ20年で頭数が10倍にまで増大しています。なので、この数を統制するために狩猟するしかないんです。-そんなに個体数が増えているのにはどんな原因があるのでしょうか。はっきりとしているわけではないのですが、この理由として、先程も述べた通り、シカはそもそも毎年1.2倍ずつ個体数が増えるんです。それは種のシステムとして、狼に捕食されたり、人間に狩猟されたり、冬の厳しい寒さといった理由で生存率が低かったので、たくさん殺されても生き残っていけるように繁殖力が高くなっているからです。しかし今は狼も絶滅し、狩猟する人も減って、鹿の個体数を抑制できなくなった、かつ、温暖化が進んでいるので冬も暖くなり小雪化し、森林の植物も豊富で繁殖しやすい環境が整っているんですよね。-シカの個体数が増えたことで具体的にどんな問題点があるのでしょうか。森の植物を食い荒らされたり、農業や林業に被害が出ます。こういった被害は全国的に起きていて、毎年被害額は200億円まで登り、この被害額は例えると去年の台風21号が3日に1回きているのと同じ計算なんです。去年の台風21号は、京都駅ビルの天井のガラスが割れるほど強烈だったので記憶にも新しいと思います。-シカはそんなに甚大な被害をもたらすんですね…だから狩猟するしかないんですね。その対策として政府主導で捕獲数はかなり拡大したんですが、今はまだその捕獲されたシカ肉を利用するシステムが出来上がっていないんです。飼われている牛や豚のように殺してすぐ加工できるわけでもなく、山でいつどれだけ獲れるかもわからないので供給体制が整っていません。それに加えて最大の問題は、『ジビエ(狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉)』と聞くと、「臭い」「まずい」「固そう」といったイメージが強く謙遜されがちで、消費者の需要もまだまだなんです。それに今猟友会にいる人は40代でも若いと言われるほど、平均年齢がかなり高いです。その人たちがいなくなって狩猟する人が本格的にいなくなってきたらどうするんだって話ですよね。-今後、狩猟はどのような体制に変革されていくのが理想的なのでしょうか。猟友会って本来は趣味の団体なんですけど、今は政府が猟友会にお金を出してシカを狩ってもらうという体制になっています。しかし、これでは狩猟の目的が混在してシカ肉が最大限に利用できなくなってしまいます。僕のビジョンとしては、シカを狩猟する人を3つのカテゴリーにしっかりと分類するというものがあります。す。1つ目は、猟友会といった趣味として狩猟をする人。地方の人たちの生きがいとしての狩猟ですね。この狩猟では、狩猟した人がシカ肉を処理して食べます。2つ目は、「プロジビエハンター制度」です。猟友会の狩猟は、涼しい、かつ、落葉して視界が開け狩猟しやすい11月頃から3月頃まで行われますが、夏も森の植物が大量にシカに食い荒らされる時期なので、プロのジビエハンターは夏にも行うというものです。その許可を行政から頂こうと。狩猟で獲れたシカ肉は、ジビエ産業で利用します。3つ目は、有害鳥獣管理としてのハンターです。このハンターは狩猟が大変な地域、例えばヘリコプターで行ったりする高山地帯などで狩猟する人です。有害鳥獣管理として狩猟された場合は、捕獲数が重視されるので、シカ肉の利用としての側面は考慮しません。-少子化や年金問題といった日本の社会問題は認識していましたが、自分の知らない「森林」という部分にも大きな社会問題があるということを思い知りました。そうですね。ドーナツ化現象で農村に人がいなくなったことで鹿の生息域が拡大していって、農業にも林業にも被害がどんどん大きくなる。でも、だからといって狩猟する個体数を単純に増やしただけでは、需要体制が整っていない今、鹿の命がおろそかになっていしまいます。自分の手でシカを狩猟している身としては殺した命は可能な限り100%に近い割合で活かしたいですし、それに、“ただかける罠を増やす”といっただけではこの問題は解決できないと思うんです。-環境問題も社会問題も内包された複雑な問題なんですね。私たちが実際に狩猟に踏み出すことは難しいかもしれませんが、私たちに何かできることはありますか。ジビエ料理ぜひ食べてみてください!!血抜きなどの処理をしっかりしたシカ肉は本当に美味しいんですよ。京大付近にもジビエを出す店はあって、そこでイベントをしたりしますし、実際に食してもらって、ジビエに対する臭いとか癖が強いといった悪いイメージを払拭してもらえたら嬉しいです。そういった消費を通じて、シカの数をコントロールして森を守っていくことに繋がるので。

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