<射撃ニュース7月>
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(北海道内国有林において令和元年度狩猟期間、銃器による狩猟を目的とした入林の取扱いについて:北海道)
昨年11月20日に発生した狩猟者の誤射による当局職員の死亡事故を踏まえ、狩猟者に対して狩猟関係法令及びルールの遵守徹底を促し、再発防止を図る目的で、去る1月15日~3月31日までの間、道内国有林において銃器による狩猟を禁止したところです。しかしながら、その間においても、国有林内においてエゾシカ残滓の放置や銃猟の痕跡が散見されました。また、7月8日に北海道猟友会から再発防止の取組状況について中間報告があったところですが、その中でも重要な位置づけにある銃猟経験の浅い会員を対象とした実猟研修は令和元年度狩猟期間に実施するとしており、再発防止の取組は未だ取組途上にあります。このように、引き続き、銃猟安全対策を徹底する必要がある状況を踏まえ、令和元年度狩猟期間における銃猟入林について、以下の取り扱いとすることとしたので、お知らせします。(ア)民間実施を含む各種森林作業が広く見込まれる平日については、銃器による狩猟を目的とした入林を禁止。ただし、有害鳥獣捕獲は除く。(イ)土・日・祝日・年末年始(12月29日~1月3日)(以下「休日等」という。)は可猟。ただし、休日等においても、ハイキングなどの一般入林や民間事業者による伐採などが見込まれる区域は一般銃猟を禁止。休日等において銃猟入林を禁止する区域は、令和元年度狩猟期間が始まる前に、当ホームページでその区域を「銃猟立入禁止区域」として図面を公表するとともに、現地には発砲禁止ののぼり等により表示を行うので、図面と現地の表示を十分に確認し、当該区域への銃猟目的の入林は行わないようお願いします。令和元年度狩猟期間においては、銃猟安全対策を徹底するため、北海道、道警、北海道猟友会等と連携した合同の狩猟パトロールを強化することとしています。また、国有林の現場で法令違反等を発見した場合は、入林届を没収するとともに、次年度の入林届を受理しないこととします。令和2年度以降の対応については、令和元年度狩猟期間における狩猟者の皆様の銃猟安全の取組状況等を踏まえて、あらためて関係機関で検討することになります。狩猟者の皆様におかれては、狩猟関係法令及びルールの遵守徹底を重ねて強くお願いします。

(マスコミが「豚コレラ」媒介の恐れ、「取材は控えて欲しい」:長野)
長野県で発生した家畜伝染病「豚(とん)コレラ」をめぐり、自民党の務台俊介・衆議院議員は2019年7月23日、マスコミに対して注意喚起した。感染したイノシシの現場と養豚場を車で往復することで、感染が拡大する恐れがあるとし、県の担当者も「取材は控えて欲しい」と要請する。豚コレラは18年9月に岐阜県で発生以降、各地に広がっている。長野県では2月5日、県内の養豚場で豚コレラに感染したブタが見つかり、7月8日には感染した野生のイノシシも発見された。県は24日に対策本部会議を開くなど、拡大防止に努める。そんな中、長野を地盤とする務台議員は23日、フェイスブックで県内の養豚家からの声を紹介。豚コレラに感染したイノシシがいた現場と養豚場をマスコミが同じ車で消毒せずに往復しているとして、「マスコミが感染を拡げているようなものだとの悲鳴」が寄せられたという。務台議員は「県当局にも伝えましたが、注意喚起させていただきます」と呼びかけた。県の公式サイトでも「今後とも、本病に関する速やかな情報提供に努めますので、現場での取材は本病のまん延を引き起こす恐れがあることから、厳に慎んでください」と要請している。園芸畜産課の担当者は25日、「現場はウイルスが潜在的にいる恐れがあり、ウイルスは人や車に付着する可能性があるので近づいた人はリスク要因になります。しかも報道の方は広範に活動されるので、取材は控えて欲しい」と背景を話す。農林水産省によれば、豚コレラはブタやイノシシには伝染力が強く致死率が高いが、人には感染しない。仮に豚コレラにかかった豚肉や内臓を食べても人体に影響はなく、感染したブタの肉が市場に出回ることはないという。長野県は、県内の山林に入った際、感染拡大を防ぐために下山後は靴底などの泥をよく落とすよう要請している。

(全国のジビエ、システム構築へ)
農水省はジビエ(野生鳥獣の肉)の利用拡大に向け、捕獲者や処理加工施設、飲食業者ら関係者が情報共有できるシステムの構築に乗り出した。インターネットを通じ、全国単位で捕獲・加工側の供給量や品質情報を実需側がリアルタイムで分かるようにして、取引量を増やすのが狙い。2020年度の概算要求に盛り込むことも視野に入れる。野生鳥獣の捕獲頭数や食肉への加工量などの情報は、捕獲者や処理加工施設にとどまるケースが多い。猟師や加工施設とのつながりを持っていない限り、飲食店が仕入れの見通しを立てるのは難しいのが実態だ。近年はジビエの認知度が高まり、17年度の利用量は前年度比27%増の1629トン。一方、捕獲頭数に対する利用率は低い。鹿とイノシシの合計で112万700頭に対し、ジビエへの利用率は8%にとどまる。需要拡大につなげるため同省は、飲食店側が利用しやすい環境を整える必要があると判断。課題だった数量、品質などの情報共有で全国単位のシステム構築に着手した。新たなシステムでは、飲食店側が食材として使う場合の必要な情報をカバーする予定だ。個体別に捕獲者や場所、方法などを把握。処理加工施設での解体日時、在庫なども分かるようにする。捕獲者や処理加工施設からの情報を集めるための仕組みづくりが課題。同省は、鳥獣の捕獲情報を市町村から収集している環境省と協議を重ねており、現場の情報をどう吸い上げるか検討する。処理加工業者らへの聞き取りも始めた。同省は「ジビエの品質や量が分かるようになれば利用も広がる。全国単位で情報共有できるようにして需要を増やし、鳥獣害対策につなげたい」(鳥獣対策・農村環境課)と展望する。

(豚コレラ県内初感染か:富山)
富山市大沢野地域で27日、死んだ野生イノシシが見つかり、県が簡易検査で調べたところ、家畜伝染病の「豚コレラ」ウイルスの陽性反応が出たことが29日、分かった。県は国の検査機関に検体を送り、確定検査を実施。30日昼にも結果が判明する見通しで、陽性だった場合、県内では初めてとなる。豚コレラは豚やイノシシ特有の病気で人には感染せず、感染した豚の肉を食べても影響はない。岐阜市の養豚場で昨年9月、国内26年ぶりのブタへの感染が判明して以降、現在までに出荷先を含めて7府県で34件の感染が確認されている。野生イノシシが媒介しているとみられている。県農業技術課によると、地元住民が27日午前、大沢野で死んだイノシシを発見。28日に県東部家畜保健衛生所で検査したところ、陽性反応が出た。発見場所は消石灰をまいて消毒し、死骸は検査に必要な部位以外は埋設処分した。同課によると、陽性が確定した場合、発見場所から半径10キロ圏内にある三つの養豚場を「監視対象農場」として監視を強化する。また、半径10キロ圏内を「調査対象区域」と位置付け、死骸だけでなく、わななどで捕獲した全てのイノシシの感染の有無を県が調べる。29日夜に会見した石井隆一知事は「陽性確定なら、防疫体制やイノシシの捕獲でさらなる対策強化を考えたい」と述べた。6月以降に富山県境から20~30キロ圏内にある岐阜県高山市で感染したイノシシが複数見つかっており、県が警戒を強めていた。

(クマに襲われ、男性登山者けが:北海道)
29日未明、北海道の日高山脈の山で男性登山者がクマに襲われ、けがをしました。この山では、今月12日にも登山者がクマに襲われていました。29日午前4時ごろ、北海道中札内村のカムイエクウチカウシ山で登山をしていた40代の札幌に住む男性から「クマにかまれた」と家族に連絡がありました。警察によりますと、男性は28日、1人で山に入り、29日朝早く、山頂を目指すためテントを出て準備を始めたところ、クマに襲われました。男性は頭と左足をかまれたということです。男性はヘリコプターで救助され、札幌市内の病院で手当てを受けていますが、血がにじむ程度のけがだということです。この山では、今月12日にも65歳の男性登山者がクマに襲われけがをしていて、警察や地元の役場が注意を呼びかけています。

(町議会副議長がクマに襲われけが:岩手)
27日午後、岩手県西和賀町で、西和賀町議会の副議長を務める68歳の男性が農作業中にクマに襲われ、けがをした。27日午後4時頃、西和賀町沢内の水田で、1人で農作業をしていた西和賀町議会の副議長で自営業の柿沢繁俊さん68歳が、1頭のクマに襲われた。柿沢さんはクマに両腕と両足を複数か所ひっかかれてけがをし、自力で町内の病院へ行き、その後ドクターヘリで県高度救命救急センターに搬送された。命に別条はないという。当時、柿沢さんは、自宅近くの水田で水の量や温度を調節していた。現場は山林と水田が隣接し民家が点在する農村地帯で、クマがよく目撃されるため警察は注意を呼び掛けている。

(クマに襲われ86歳男性軽傷:福島)
26日午後7時50分ごろ、福島県下郷町音金の住宅敷地内にある小屋で、住人の大井光儀さん(86)がクマに襲われ、額と首を引っかかれて軽傷を負った。県警南会津署によると、大井さんは小屋を見回りに行き、中にいた体長約1メートルのクマに襲われた。クマは逃げ、同署が周囲に警戒を呼び掛けている。

(忠犬クロお手柄!クマ撃退:秋田)
秋田県湯沢市松岡で19日、同所の齊藤忠助さん(75)の愛犬クロ(柴犬、雄5歳)が、身をていしてクマに襲われた主人を守る一幕があった。クロは下顎の骨が折れるなど全治1カ月の重傷。齊藤さんも右足に全治3週間のけがを負ったが「クロがいなければ、命が危なかったかもしれない。とても勇敢だった」と話している。齊藤さんによると、クマに襲われたのは自宅から200メートルほど離れた山際の農道。クロの散歩で毎晩歩いていたという。19日は普段より1時間ほど早い午後5時ごろに自宅を出発。5分ほど歩くと、クロが急に足を止めて周囲の臭いを嗅ぎ始めた。数秒後、体長約1メートルのクマが山中から現れ、齊藤さんの右足にかみついた。この時、クロがクマにかみついたとみられ、突然身を翻して山中に姿を消したという。かみついたクロをクマが振りほどこうとした時にクロの下顎の骨が折れたとみられる。歯も何本か折れた。クロは長男夫婦が湯沢市内の動物病院に連れて行き、すぐに手術を受けた。抜糸はまだ済んでいないという。

(熊の目撃情報:宮城)
29日6時20分頃、登米市登米町日野渡軍場(日野渡行政区)で熊の目撃情報がありました。

(熊の目撃情報:宮城)
7月28日、登米市登米町日野渡荒田待井(日野渡行政区)で熊の目撃情報がありました。

(飼い犬襲うクマ、海岸で徘徊:北海道)
飼い犬を襲うクマが北海道羅臼町峯浜町の海岸で徘徊しており、地元のハンターらが警戒を強めている。羅臼町のハンター桜井憲二さん(56)や知床財団などによると、クマは26日夜、峯浜町の住宅敷地内の飼い犬を襲った。桜井さんや財団職員らが27日午前9時半頃、現場付近の海岸を捜索中、突然クマが現れて、驚いた財団職員と桜井さんが転倒し、職員が足を骨折、桜井さんは頭を打つ軽傷を負った。クマは国道を横切って山奥に逃げた。現場付近では28日にもクマの新しい足跡が見つかっており、注意を呼びかけている。

(飼い犬またクマに襲われる、捜索の2人接近した際けが:北海道)
27日午前9時ごろ、根室管内羅臼町峯浜町の民家の住民から、屋外につないでいた飼い犬が行方不明でクマに襲われた可能性があると、ハンターを通じて羅臼町役場に通報があった。捜索中の男性2人がクマの気配を感じて転倒し、けがを負った。現場付近では、飼い犬のちぎれた足とクマのふんが発見された。羅臼町内では、昨年8月と今年7月にも飼い犬がクマに襲われたとみられる事案が発生しており、町などは警戒を強めている。

(車とクマ衝突、バンパー壊れる:秋田)
27日午前7時50分ごろ、秋田市金足浦山の秋田自動車道上り線の昭和男鹿半島インターチェンジ(IC)-秋田北IC間で、三種町の40代男性のワゴン車が道路を横切るクマと衝突した。バンパーは壊れたが、男性にけがはなく、クマは近くの山林に去った。県警高速隊によると、車の進行方向左の山林から体長約1・5メートルのクマが出てきて車の右前部にぶつかった。現場は昭和男鹿半島ICの南約3キロ。

(クマ食害か、トウモロコシやスイカに食われた跡:秋田)
26日午前4時半ごろ、秋田県大館市十二所字水上の畑にクマがいるのを、畑の所有者の家族が見つけた。大館署によると、トウモロコシ約50本とスイカ8個が食われた跡があった。畑から家までは約30メートル。同市では午後3時ごろ、釈迦内字ヲコハの国道7号沿いでもクマが目撃された。

(乗用車と「クマ」衝突:福島)
福島、郡山、会津若松、喜多方、北塩原の5市村で27日、クマの目撃があった。このうち、郡山市喜久田町の磐越道上り線で午後0時30分ごろ、乗用車を運転していた仙台市の男性(44)から「クマとぶつかった」と110番通報があった。県警高速隊によると、クマの体長は約1メートル。隊員が現場に到着した時にはクマはいなかった。

(またクマ、捕獲用のおり設置:群馬)
26日午前11時25分ごろ、桐生市梅田町1丁目の住宅周辺で「体長1メートルのクマ1頭を目撃した」と桐生署に通報があった。けが人はいなかった。付近ではクマの目撃情報が相次いでいる。周辺には民家などが点在していることから、市は同日、捕獲用のおりを設置した。

(市街地近くでクマ:山形)
24日午前6時40分ごろ、市街地に近い尾花沢市尾花沢でクマ1頭が目撃された。前日夕にも近くの尾花沢小西側で目撃があり、市が「市街地出没事案」として24日午前から追い払いを開始した直後、参加者の前にクマが現れ、尾花沢猟友会が駆除した。同日午前10時半ごろ、猟友会メンバーや尾花沢署員が追い払いのために目撃現場近くに集まっていた。突然、「クマがいたぞっ」と大きな声が響いた。記者が市街地西側に広がる田んぼに目を向けると、400メートルほど先で、国道13号に向かって走るクマを発見。すぐに猟友会と署員が車で後を追った。クマは国道ののり面を上ったがフェンスがあったためか道路を越えられず、追い付いた猟友会メンバーに駆除された。市によると、クマは体長105センチ、体重約40キロのメス。尾花沢小付近で目撃されたクマと同じとみられる。現場で対応した同猟友会の井上節夫会長は「私が知る限り市街地で目撃されたのは2回目。住宅や学校が近かったが人的被害がなくて良かった」と話した。

(「横断するクマ」衝突後逃げる:秋田)
秋田県警の発表によると、26日から27日にかけて、県内各地でクマの目撃が相次いだ。大館市ではスイカの食害が発生し、秋田市の秋田自動車道では、走行中の車両とクマが衝突する事故もあった。大館市十二所では、27日午前5時頃、同市の70歳代男性が農作業のため、畑に出向いたところ、スイカ8玉が食い荒らされているのを発見。隣接する他の畑のスイカ5玉も食べられていたという。秋田市金足浦山では同日午前7時50分頃、秋田自動車道の上り線を横断するクマと、走行中の貨物自動車が衝突。車のバンパーが破損したが、運転者にけがはなかった。クマは道路外へ立ち去っていった。このほか、26日は、能代市二ツ井町小繋の国道7号で、27日には秋田市新藤田の市道でもクマが目撃された。由利本荘市鳥海町小川では、田んぼの農道脇の山際で約1時間半、その場から動かないクマ1頭が出没し、地元猟友会員がクマを駆除した。

(イノシシ出没、けが人情報なし:岡山)
津山市は25日、林田の高福寺の近くに24日夕、イノシシが出没したと発表した。けが人などの情報はない。市によると、同日午後6時55分ごろ、成獣とみられる1頭が同寺南東の荒れ地で目撃され、通報を受けた津山署員が寺の北側の山に逃げるのを確認したという。同寺付近では、21日にも1頭が出没しているが、同一の個体かは不明という。

(車とクマ衝突:秋田)
29日午前6時40分ごろ、秋田県北秋田市脇神字高森岱の秋田自動車道上り線の二井田真中インターチェンジ(IC)―鷹巣IC間で、大館市の50代男性の乗用車がクマと衝突した。車のバンパーが壊れたが、男性にけがはなかった。クマは死んだ。県警高速隊によると、車の進行方向左側の山林から体長約80センチのクマが出てきて、車の中央前部にぶつかった。現場は鷹巣ICの北東約800メートル。

(登山者クマ遭遇、ヘリから注意喚起:北海道)
十勝管内中札内村のカムイエクウチカウシ山(1979メートル)の山頂付近で今月、登山者がクマと遭遇して負傷する事故が2件相次いだことを受け、帯広署は30日から、ヘリコプターで同山の上空を旋回し、クマへの注意を呼び掛ける。道警航空隊のヘリが札幌から出動し、上空で毎日30分ほど拡声器で注意喚起する。活動は当分続ける予定で、同署は「同じクマによる襲撃の可能性もあり、再発の危険もある。できれば入山を控えてほしい」と話す。同山は登山や釣りなどの愛好家に人気があり、管外からも多く訪れる。山頂付近では、29日に札幌市の40代男性がクマに遭遇し頭などを負傷、11日にも同様に神戸市の60代男性が右腕に軽傷を負った。

(校庭にクマの足跡:山形)
22日午後3時ごろ、飯豊町手ノ子小(丸川和久校長、34人)のグラウンドでクマの足跡を見つけたと、同校職員が町役場を通じて長井署に届け出た。同署によると、クマの足跡は直径約20センチで、スクールバスを待っていた児童が見つけた。足跡は同校西側の山の斜面からグラウンド中央まで続き、斜面に戻っていた。同校は徒歩通学の一部児童を保護者の迎えで下校させ、全保護者にメールで注意を呼び掛けた。今後はスクールバスによる下校地区を広げるなど、26日の終業式まで警戒を続ける。丸川校長は「職員が見守り音楽を流すなどして、日中のプールや外遊びは通常通り実施する。児童の安全を考えて状況をみながら対応していきたい」と話した。22日午後6時40分ごろ、米沢市口田沢でクマ1頭を目撃したと、近くの30代女性が米沢署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートル。女性が車で帰宅途中、農道上にいるクマを目撃したが、自宅に車を止めてから確認したところ、クマは既に立ち去っていたという。現場は田沢コミュニティセンターの東側約500メートル付近。

(モモ畑でクマ1頭捕獲:山形)
29日午前5時ごろ、大江町冨沢のモモ畑で、箱わなにクマ1頭がかかっているのを地元猟友会員が見つけた。クマは体長1メートル以上のオスの成獣で、駆除された。同町によると、先月末ごろから近くのサクランボ畑やモモ畑で、クマによる食害が報告されていた。箱わなは猟友会のメンバーでつくる町鳥獣被害対策実施隊が設置。毎朝の見回りに来た隊員がクマがかかっているのを確認した。冨沢地区の堀英喜区長(67)は「近くには民家や公園があるので、捕まってほっとした」と話していた。

(クマ目撃:栃木)
28日午後5時50分ごろ、日光市所野の大谷川河川敷。1頭、体長約1メートル。

(サルの目撃2件:秋田)
秋田県男鹿市北浦相川の県道入道崎寒風山線で28日午前7時45分ごろ、サル1匹が目撃された。男鹿署によると、同市の50代男性が車で走行中、体長約50センチのサルが県道を横切るのを見た。周辺は田んぼや山林が広がっている。同日午前9時10分ごろには同市男鹿中山町で70代女性が自宅敷地内にサル1匹が入ってきたのを目撃。サルは東側の山林に去った。

(豚コレラ、感染イノシシ56頭に:愛知)
愛知県は26日、同県春日井市で捕獲された野生イノシシが豚コレラに感染していたと発表した。県内で感染が確認されたイノシシは計56頭になった。県によると、わなにかかっているのを猟友会が17日に見つけた。県の検査で25日に陽性と判明した。

(イノシシの豚コレラ、新たに4頭:長野)
県内で野生のイノシシの豚コレラへの感染が相次いでいる問題で、26日も新たに4頭の感染が確認されました。県は対策にかかる費用などの支援を国に申し入れ、「取れる対策はすべて取っていきたい」としています。26日、新たに野生のイノシシの感染が確認されたのは、塩尻市と木曽町、それに根羽村で、これで県内で感染が確認された野生のイノシシは合わせて19頭になりました。県によりますと、26日新たに感染が確認された4頭が見つかった場所の半径10キロ圏内には、いずれも養豚場はないということです。相次ぐ感染確認を受けて県は25日、ワクチンを混ぜた餌をまくのにかかる費用や、野生動物が養豚場に入るのを防ぐための防護柵を設置する費用の支援などを国に申し入れたということです。阿部知事は「養豚農家の不安は大変なものがある。その声にしっかり耳を傾けて取れる対策はすべて取るという姿勢で取り組んでいきたい。県境をまたいで起きている事案であり、国にはより強いリーダシップを取ってもらいたい」と述べました。

(豚コレラ感染防止へ緊急要望:長野)
県内で拡大している野生イノシシの豚コレラ感染を受け、県と県農協グループは25日、ウイルス感染とまん延の防止、養豚農家への支援などを農林水産省に緊急要望した。県農政部によると、野生イノシシへの経口ワクチン散布や、野生動物の養豚場侵入を防ぐ柵の設置の予算確保を求めたのに対し、農水省は「しっかり対応していく」と応じた。県はこの日、豚コレラに感染した野生イノシシが見つかった木曽郡木曽町と木祖村で19日に計400個散布した経口ワクチンを回収した。イノシシがどの程度食べたかを精査し、結果は後日公表する。農水省の新井ゆたか消費・安全局長(長野市出身)に対し、県農政部の山本智章部長、県農協中央会の武重正史専務理事らが要望書を提出した。豚コレラに関連して損害を受けた事業者の支援、松本空港など地方管理空港の検疫体制整備などを含む7項目。農家から求める声が強い飼育豚へのワクチン接種の検討も要望したが、具体的な回答はなかったという。県関係国会議員にも同様の要望をした。県内での野生イノシシの豚コレラ感染は25日時点で、塩尻市と木曽郡4町村、下伊那郡根羽村で計15例が判明している。

(豚コレラ対応確認:和歌山)
三重県いなべ市の養豚場で豚コレラ感染が確認された問題で、隣接する和歌山県は25日、対策本部を設置し、関係部署の責任者らを集めた幹事会を開催。和歌山県内の飼養農家への対応などを確認した。和歌山県は今年2月、豚コレラの対応マニュアルを策定しており、隣接府県で感染が確認された場合、対策本部を設置するとしている。設置は今回が初めて。幹事会では、角谷博史農林水産部長が「緊張感を持って対応し、万が一の場合は速やかに必要な役割をお願いしたい」と発言。24~26日に和歌山県内11市町でイノシシ、イノブタも含めた飼養農家全27戸に立ち入り検査すると報告した。野生動物の侵入防止徹底や飼育の衛生管理基準の順守なども指導していく。今後感染地点が拡大して10キロ圏内の制限区域に和歌山県が入れば、現地対策本部を設置する方針。

(豚コレラの経口ワクチン、初散布:長野)
県内で豚コレラに感染した野生イノシシが相次いで発見されている問題で、県は29日、感染拡大の防止のため、諏訪市や岡谷市、塩尻市、辰野町など県内5市町で野生イノシシ用の経口ワクチンを散布した。県による散布はこれで3回目で、この日実施した地域では初めて。県職員が地元の猟友会などの協力を得て山林に入り、5市町内の40カ所に800個を埋めた。県は、散布した詳しい場所を明らかにしていないが、諏訪地域振興局管内では諏訪市と岡谷市の計10カ所に200個を散布。諏訪地方のほか、伊那市と辰野町では計25カ所に500個、塩尻市では5カ所に100個を使用した。野生イノシシに食べさせて抗体を持たせ、感染や拡散を防ぐ目的。事前に猟友会などと検証したイノシシの出現しやすい場所に、トウモロコシの粉で覆ったワクチン入りのカプセルを埋めた。諏訪地方では8月6日に掘り返し、どの程度食べられたかを確かめる。さらに、近くで捕獲したイノシシに抗体ができたかを調べる予定。県は、8月下旬に国の事業を活用して本格散布を始める予定で、県園芸畜産課の小林安男課長は「感染の拡大を食い止めるために今回の事例を検証し、より効果的な形で行えるようにしたい」としている。

(豚コレラ、近隣自治体警戒強める:三重)
いなべ市の養豚場で豚コレラ感染が確認されたことを受け、近隣の菰野町や四日市市は感染拡大への警戒感を強めている。両市町の担当者は「県と連携し、精いっぱい対策に取り組んで何とか波及を食い止めたい」と話している。いなべ市に隣接する菰野町には養豚場が3カ所あり、計9000頭程度を飼育している。町観光産業課農林振興係の担当者は「緊張感を持ち、関係者が一丸となって対策を進めるしかない」と話す。

(熊、各地で被害相次ぐ)
各地で熊による被害や目撃情報が相次いでいる。人に危害を加えるだけでなく、北海道では放牧中の乳牛を襲う事件も発生。栃木では、飼料の貯蔵タンクに熊の親子が落ちるという被害も出ている。主食となるブナの大凶作が大きな要因とみられ、専門家は特に東北で「今年は熊が出る年だ」と言い切る。夏から秋にかけての入山には注意が必要だ。栃木県内での熊の目撃情報は、4月から7月25日までで既に55件と、早くも昨年度1年間の61件に迫りつつある。5月中旬には塩谷町の山林で60代の男性が熊に太ももをかまれ、軽いけがをした。6月下旬からは日光市で目撃情報が相次ぐ。7月14日、塩谷町の町営豊月平放牧場で、飼料タンクの中に入り込んだ親子とみられる熊3頭が見つかった。町は熊を外に出そうと18日午後にクレーンを使い、高さ6メートルあるタンクを倒した。2頭は山に去ったが、親熊とみられる1頭はタンク内で死んでいたという。県や市町は、パトロールの強化やちらしの配布、小・中学校で熊に関する授業を展開するなどして注意を呼び掛けている。6月に入ってからは那須塩原市や那須町、足利市、矢板市、佐野市などで目撃情報が急増。日光市では6月下旬から20件以上目撃されている。民家や会社の敷地内などに出没しており、世界遺産の日光東照宮付近でも観光客に目撃された。県は「熊は臆病なので、まずは熊に出合わないようにする。1人での行動は避け、ラジオや鈴などで音を出し人の存在に気付かせ、近づかせないようにしてほしい」(自然環境課)と呼び掛ける。東北でも被害が続出している。岩手県北上市では7月14日、散歩中の50代男性が熊に遭遇し軽傷を負った。宮城県では同11日、蔵王山の山頂付近で山形市の80代の男性が足をかまれるけがをした。17日には、山形市の山林で山菜採りをしていた60代の男性が頭などをかまれる被害もあった。秋田県の4月から7月21日までの目撃件数は、前年同期より272件少ない359件だが、捕獲数が7月15日現在で前年同期より7頭多い116頭となっている。県は11日付でツキノワグマに関する注意報を発令、一部地域で入山規制を行うなど警戒を強めている。島根県鳥獣対策室によるとツキノワグマ捕獲数は7月24日現在で72頭、目撃は6月30日現在で334件と過去最多。島根、広島、山口の3県にまたがる西中国地域個体群は環境省が絶滅の恐れがあるとしてレッドデータブックに記載し、保護計画に基づき管理してきた。近年、若齢個体の捕獲が増えており、生息頭数が増えているとみている。林野庁東北森林管理局管内(青森、岩手、宮城、秋田、山形)で毎年度行っているブナの結実予測によると、今年度は青森で凶作、それ以外の県は大凶作と予測されている。同庁によると、ブナは豊作の後は凶作になる傾向があり、前年度が豊作だった山形では、今年度は特に大凶作となる予測となっている。森林総合研究所東北支所動物生態遺伝チームの大西尚樹チーム長によると「ブナの結実と熊の出没は密接にリンクしている。東北では、今年は熊が出る年と断言できる」と分析する。東北以外でも山の実りと熊の出没は関係しており、山の実りが少ない年は出没が多くなるという。近年はハンターの減少や中山間地域の過疎化、耕作放棄地の増加などで熊が増えやすい環境にある。頭数そのものが増え、分布域が広がっているとの声もある。大西チーム長は「全国的に頻繁に出没する状況が普通になってきている」とみている。北海道標茶町下オソツベツ地区で放牧中のホルスタイン牛1頭がヒグマに襲われて死亡する事件が発生した。7月16日午後3時半ごろ見回り中の牧場主が発見し、地元警察署に届けた。乳牛は2歳の雌で、10月に分娩(ぶんべん)予定だった。襲われた乳牛にはヒグマの爪痕や腹部に裂かれた痕があった。同町は直ちにファクスとメールで注意を促した。地元猟友会によると、ヒグマが家畜を襲う事案はここ数十年聞いたことがないという。

(シカ、過去最多更新:奈良)
奈良公園(奈良市)に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」が今年、1388頭と前年より28頭増え、過去最多を更新したことが29日、シカの保護活動に取り組む「奈良の鹿愛護会」の調査で分かった。愛護会は「子ジカが昨年より37頭多く生まれたため」としている。シカの頭数は3年連続で増加。内訳は雄357頭、雌756頭、子ジカが275頭だった。6月末までの1年間に死んだシカの数は、昨年より9頭少ない179頭だった。死因別では、病気が87頭で最も多く、このうちレジ袋などを誤食して死んだシカが3頭いた。交通事故死は34頭。調査は毎年、雌が出産を終える7月に合わせて、1950年代から実施。調査員が一直線に並び、奈良公園の東にある若草山から餌を求めて下りてくるシカを迎える形で、西から東へ向かって歩きながら目視で数える方法が取られている。

(鳥獣被害6年連続減、5.2億円:群馬)
野生鳥獣による県内の2018年度の農林業被害額(速報値)は前年度比7.3%減の5億2369万円で、6年連続で減少し、過去10年で最も少なかったことが26日、県のまとめで分かった。イノシシなどの侵入防止柵の設置が進んだことなどが要因。近年大きな農林業被害をもたらしているニホンジカは生息頭数の増加や生息域の拡大に伴い、捕獲頭数が過去最多となった。県によると、農業被害額は前年度比7.7%減の2億8489万円、林業被害額は6.9%減の2億3880万円と、いずれも過去10年で最も少なかった。総額はピークの12年度と比べ半減している。

(鳥獣被害、昨年度7億9543万円:長野)
ニホンジカやツキノワグマによる農作物被害や対策について考える県の「野生鳥獣被害対策本部会議」(本部長・太田寛副知事)の今年度初会合がこのほど県庁で開かれ、昨年度の野生鳥獣による農林業への被害総額が7億9543万円(速報値)に上ったことが報告された。また、鳥獣別の加害状況は、シカによる農林業被害が全体の33・2%を占めて最多。鳥類21・2%▽クマ13・4%▽その他獣類13・1%▽サル10・9%--と続く。

(ハクビシン、繁華街へ:愛媛)
29日午前0時ごろ、松山市の中心市街地にある大街道商店街に面した商業ビルで、ジャコウネコ科のハクビシンが見つかった。商店街からは飲食店などが集まる繁華街が広がるが通報から約20分後に捕獲され、人的な被害はなかった。愛媛県警松山東署によると、警備会社から「センサーが鳴った」と通報があり、署員らが駆け付けたところ、ビル2階のリサイクルショップにハクビシン1匹がいたという。署員が毛布などを使って捕獲し、松山猟友会に引き渡した。殺処分はせず、市内の山に返す。当時1階入り口のシャッターは閉まっていたが6階の小窓が開いていたため、そこから侵入した可能性があるという。松山市農林水産課によると、同市ではハクビシンが農作物を荒らす被害が増えており、昨年度ハクビシンを有害鳥獣として捕獲対象に加え67匹を捕獲したが、担当者は「市街地に出没するのは聞いたことがない」と話している。

(石垣守れ、イノシシ対策:石川)
金沢市上辰巳町の国史跡、辰巳用水の「三段石垣」周辺でイノシシの被害が相次ぎ、地元の農家有志が23日までに、遺構を保護する活動に乗りだした。藩政期、用水を守るため斜面に造られた三段石垣は雑木に覆われ、イノシシの格好の通り道となっている。同地は地盤が弱く、石垣に被害が及びかねないとし、有志らは「農地だけでなく、郷土の遺跡も獣害から守りたい」と思いを新たにしている。同地区では6年ほど前からイノシシが出没し、農作物への被害が出るようになった。2017年には米がほぼ収穫できなくなる記録的被害となり、有志が「イノシシから田畑を守る辰巳の会」を結成。電気柵を設置し、小坂隆会長ら会員が年に2回、水田や川沿いの雑木を払い、イノシシの侵入を防いできた。一方、山の斜面にある三段石垣は夏になると雑木が生い茂り、周辺のあぜや休耕田などでは依然として敷地が掘り起こされる被害が相次いでいた。イノシシの成獣は鼻の力で70キロ以上の石を動かせる力もあるとされる。ふるさとの遺跡を獣害から守り、歴史ある里山の景観を保とうと、今年から石垣での活動を開始することにした。今季は、守る会と県のいしかわ農村ボランティア、県立大の援農隊あぐりの約50人が参加。雑木や草で覆われていた石垣が姿を現した。同所は歴史愛好家や、ふるさと学習に取り組む子どもたちも訪れており、辰巳町の辰野善典町会長は「活動を継続し、人が訪れる場所となることでイノシシを追い払いたい」と話す。犀川の河川敷でも、草刈り機やチェーンソーを使って作業に取り組んだ。佐野直茂事務局長は「将来的には親子が訪れ、水辺の活動を楽しめる場に整備し、里山の風景を取り戻したい」と語った。

(一部区域規制解除、クマ目撃で入園禁止の公園:秋田)
秋田県大館市教育委員会はあす27日、近隣でクマが目撃されたため4日から入園禁止としていた同市餅田の二ツ山総合公園のうち、斜面広場を除いて規制を解除する。同日の目撃後、園内や公園周辺で足跡などの痕跡が確認されなかったことから解除を決めた。利用を再開するのは多目的運動広場とテニスコート、子ども遊び広場など。斜面広場は森林に囲まれた山腹にあり、引き続き立ち入り禁止とする。開園時間は当面午前9時~午後5時。

(クマ対策犬で安全確認:北海道)
ヒグマ出没のため5日から閉鎖していた国営滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)が29日に再開される見通しとなった。札幌開発建設部が25日のクマ対策会議で、クマが園外に出た可能性が高いとの判断を示した。札幌開建は26日に犬を使って最終の安全確認を行う。公園の外周には7.1キロの電気柵を取り付ける。調査担当のNPO法人エンヴィジョン環境保全事務所(札幌)などによると、4日に母親とみられるクマが公園南側の高さ約2.9メートルの柵を乗り越えて園内に侵入。続いて子グマが柵の下に穴を掘り、入ったようだという。柵の上の有刺鉄線にはクマの毛が残っていた。

(クマ「新世代」猛威、人を恐れず住宅街出没:石川)
川県内でツキノワグマの目撃が相次いでいる。山だけでなく住宅街にも現れる。なぜクマが人里に下りているのか。専門家は、人を恐れない「新世代クマ」の増加を背景に挙げる。「餌やすみかを探して山際まで下りたまま戻らない」と明かし、山と違って猟銃が使えない住宅街を想定した捕獲訓練など、新世代クマの増加に対応した新たな安全対策の必要性を訴える。金沢市神谷内町の民家の庭で六月十六日、体長約一メートルのクマ一頭が捕獲された。目撃はベッドタウンの田上地区や同市森本地区にも。金沢市内で四月からの目撃は七月二十一日現在、前年同期比三十四件増の八十五件。市森林再生課の担当者は「山がある山側環状道路の東側ではなく、住宅街がある西側での出没はこれまでめったになかった」と驚く。西側での出没は昨年はゼロだったが、今年は十二件に上る。出没しているのはほぼ三歳未満とみられる。五、六月は繁殖期な上、若い個体はすみかが定まっておらず、広く動き回る。野生動物の生態を研究する石川県立大(野々市市)の大井徹教授は「県内で二〇〇〇年代から、山に戻らず集落近くで越冬する個体が増えてきた」と明かす。理由の一つは生息数の増加だ。県によると、県内のクマは一六年度末で千五十二頭と推定されている。推定数で十年間で約二百七十頭増えた。生息域も拡大し、野々市市、川北、内灘町を除く十六市町にいると考えられている。里山も変化した。人が手入れしなくなった里山の竹林や杉林に、すみ着いたのが新世代クマだ。「普通は三十メートルくらいで人間に近づくと逃げるのに、四~五メートル近くでも姿を見せる」。田上や森本周辺のクマも新世代とみられる。人里がクマのすみかとなり、山との境界が曖昧になった市街地。市は緩衝帯としてやぶ刈りを呼び掛けている。一八年度から町会へのやぶ刈りの助成金を、年一回から二回分に増やした。大井教授は「一度人に慣れると、追い払いは難しい。庭にある木の実やペットフードが狙われる可能性もある」と注意を促す。「全国的にも新世代クマは増えている。もし市街地で麻酔銃を撃ち込まれたクマがパニックを起こせば、人を傷つけかねない。住宅街への進入路を断ち、安全な捕獲態勢を考えるべきだ」と強調している。半世紀余りクマ猟にかかわってきた石川県白山市白峰の元猟師加藤隆夫さん(78)は、人里に下りてくるクマに若い個体が多いことに注目する。「木の実などの餌場が少なくなり、餌の奪い合いになっている。確保しにくい子グマが押し出されている可能性がある」餌場はなぜ少なくなっているのか。天然林の再生活動に20年余り取り組む「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)は「スギやヒノキを植林する造林政策が大きな原因の一つ」と指摘する。人工林の木材は近年、価格の安い外材に押されて伐採や間伐が進まず、多くの森林が放置されたまま。日光が差さず下草が消え、雨で表土が流出して保水力が低下し、クマの餌になる木の実も育たなくなっているという。人工林が多く、手入れが行き届かなくなっている金沢、小松市の山で目撃情報が多く、木の実がなる天然林が残る白山麓では少なくなっている。日本熊森協会は、2019年度から新設された森林環境譲与税による国の交付金を利用し、天然林を増やし整備するよう石川県内の自治体にも働き掛けている。室谷悠子会長は「クマは本来、山奥にすむ臆病な動物。人間とクマはこれまでうまくすみ分けてきたし、今後も共生できるはず」と訴える。

(9月以降クマ多数出没の危険、ブナの実が大凶作:秋田)
今年は秋田県内でブナの実が凶作となりそうだ。10月ごろにピークを迎えるブナの実はツキノワグマにとって貴重な栄養源。例年、9月以降の山林はドングリなどエサが豊富にあるため里でのクマの目撃件数は少なくなるが、ブナの実が凶作となれば事情は別。関係者からは「腹をすかして里に下りてくるのでは」と懸念の声が上がる。ブナの実は100グラムでコメ2~3杯分の栄養が摂取できるとされ、クマの好物といわれる。しかし、前年の気温などで結実状況は変わり、豊作は5~7年に1回とされる。東北森林管理局によると、2019年度の県内の結実予測は3年ぶりの大凶作。4~6月に55カ所で開花状況を目視調査したところ、多くの花が咲いていたのは男鹿の国有林のみ。30カ所はわずか、残り24カ所は全く咲いていないという。担当者は「害虫被害などでさらに結実状況は悪くなる」と指摘する。県はクマによる人身被害への警戒を強めている。6月の捕獲頭数が過去10年平均の2・5倍の50頭だったことも受けて11日には今年初の「ツキノワグマ出没に関する注意報」を県内全域に発令。対象期間は最も目撃件数が増える8月末までとし、注意を促している。県内ではクマによる被害が後を絶たない。13~18年度に襲われたのは計69人。うち5人が死亡した。同期の食害は1億2769万円分という。今年は5月ににかほ市の山林で70代女性が山菜採り中に腕をかまれるなどし、7月には湯沢市の農道で70代男性が飼い犬の散歩中に右足のすねをかまれた。クマとみられる食害はこれまで4件。大館市では養蜂箱7箱が壊され、箱内のハチミツが食い荒らされた跡があったという。観光業も痛手を負った。「北海道・北東北の縄文遺跡群」として国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産登録を目指す鹿角市の「大湯環状列石」では今月、敷地内にクマが2回出没。計9日間、遺跡への立ち入りが終日禁止された。24日には鹿角市の大日霊貴(おおひるめむち)神社(通称・大日堂)の建物の外壁にクマとみられるひっかき傷が見つかり、敷居も一部折られた。鹿角署によると、外壁の裏にはミツバチの巣があるという。県は3月、18年度にブナの実が並作だったことなどを考慮してクマの推定生息数を前年度比約6割増の3700頭と過去最多に設定した。県警地域課によると、7月23日現在、目撃情報は372件、409頭。前年同期比で43%、41%減少したが、7月単月で131件と急増しているという。県自然保護課の担当者は「捕獲頭数が伸びれば9月以降も出没注意報の継続や警告への格上げを検討する」と説明する。クマの生態に詳しい県立大の星崎和彦教授は「山は9月ごろから山菜が少なくなり、クマは木の実を求めるようになる」と説明。昨年はブナの実がなったことで秋以降は出没が激減したといい「凶作であれば出没リスクがある」と指摘している。

(ヌートリアの脅威、なぜ各地で繁殖:奈良)
奈良県内の大和川河川敷に何やら見慣れぬ動物が生息しているらしい。そんな噂を聞きつけ、県西部の王寺町に向かった。目の当たりにしたのはせっせと草をはむカピバラに似た生き物。正体は南米原産の大型ネズミ、ヌートリアだ。各地で深刻な農作物被害が報告されているほか、ため池や水路も決壊させる厄介者で、生態系に影響を及ぼす恐れのある環境省の特定外来生物に指定されている。奈良県内では6月以降、目撃情報が相次いでおり、自治体などが捕獲を続けながら注意を呼びかけている。「ヌートリアが攻撃してくる可能性は低いが、見つけても近寄らず、絶対に餌をあげないでほしい」。王寺町の担当者はこう話す。目撃情報が急増しているのは大和川の河川敷。ヌートリアは数匹おり、他の地域から移ってきて定着したともみられる。河川敷には遊具もあり、子供やジョギングの市民らが訪れるため、大和川を管理する国土交通省大和川河川事務所は「餌(えさ)を与えないでください」という看板を設置した。また王寺町は目撃情報のあった場所近くに捕獲器を2器設置し、これまでに4匹を捕獲した。しかし、ほかにも目撃情報があり、増殖している可能性もあるとして当面は設置を続ける方針だ。ヌートリアは体長50~70センチ。長い尻尾とオレンジ色の前歯が特徴で、水辺付近に生息している。明治後半に輸入され、第二次大戦中には防寒性に優れる毛皮の採取を目的に飼育ブームが起きた。戦後の食糧難の時代には食肉用として重宝されたが、その後放逐され、野生化したという。ヌートリアの生態に詳しい岡山理科大の小林秀司教授(56)は「かつては40近い都道府県で飼育していた記録が残っている。米国による食料供給や豊作の影響で、食料としては必要とされなくなった」と説明する。繁殖力が極めて高く、最新の研究では年2~3回の出産で平均6・5匹の子を産むとされる。西日本を中心に分布し、大阪府や京都府、兵庫県でも定着。県内のほぼ全域で定着している岡山県では、かつて一斉駆除に着手したこともあったが、そのかいもなく、生息数はわずか半年で元に戻ったという。農林水産省が公表している「野生鳥獣による農作物被害状況」(平成29年度)によると、ヌートリアについては全国で年間約5800万円の被害報告がある。水辺の草を引っこ抜き、根の部分を食べるヌートリアはかなりの大食漢で、1日に体重の20%に相当する量を食べることも。頭も良く、侵入防止柵の突破できそうな場所を探し、集中的に攻撃する習性も確認されている。奈良県が28年度、県内約1800の農業集落を対象に有害鳥獣の被害状況などに関するアンケートを実施したところ、ヌートリアが「いる」と回答したのは33集落で、「ほとんど被害対策は実施されていないのが現状」だった。同じく特定外来生物に指定され、561集落で確認されたアライグマと比較するとまだ少ないが、小林教授は「目撃情報が増えているのであれば、県全域に増殖する可能性も十分にある。被害が拡大する前に捕獲し、分布域を押し戻す必要がある」と話す。被害は農作物だけにとどまらない。ヌートリアは水辺にトンネルを掘って巣を作るため、ため池や河川の堤防、田んぼの水路を決壊させる恐れも指摘されている。岡山市では昨夏の西日本豪雨が引き金となり、ヌートリアの巣穴を原因とするため池の部分崩落が起きたという。小林教授は「管理が行き届かなくなった田んぼやため池は、ヌートリアにとって格好の隠れ場所になるので注意してほしい」と話している。

(花園ラグビー場に今年もタカ登場:大阪)
9月に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)の会場の一つ、花園ラグビー場(大阪府東大阪市)で29日、タカを使ったカラス駆除が行われた。カラスなどが天敵を避ける習性を利用した糞(ふん)害対策。鷹匠(たかじょう)の江頭千景さん(22)がスタンドでタカを放った。昨夏も実施したところカラスなどが激減したといい、市の担当者は「効果は抜群。W杯を気持ちよく迎えたい」と話した。

(「えひめ地域鳥獣管理専門員」制度を創設:愛媛)
各地で農家を悩ませる鳥獣害。対策を強化しようにも、専門的な立場で現場に指導できる人材の不足が問題となっている。そこで愛媛県は昨年度、「えひめ地域鳥獣管理専門員」制度を創設した。目指すは鳥獣害対策のエキスパートの育成だ。市町村やJA職員、県の普及指導員、地域おこし協力隊員などが対象で、座学での基礎講座と現場での実践講座を重ねて知識や技術を身につける。最終的には修了試験と活動報告会で習熟度を審査。昨年度は10人の専門員が誕生した。特に実践講座に力点を置く。全員が1カ所で一度に講座を受けるだけではなく、受講生それぞれの担当地域でほぼ1対1の指導を受けられる形をとった。一口に鳥獣害といっても獣種や作目、地形などにより対策はさまざまなため、地域の実情に応じた手を打つ必要があるからだ。受講生は初めにそれぞれの地元の課題をテーマに活動計画を立てる。そして講師に迎えた専門業者とともに集落内を点検し、侵入経路の見極め方や罠・防護柵の設置方法、現場指導のノウハウなどを学ぶ。受講生はそれをもとに猟友会などと連携した対策を日常的に進め、定期報告会で活動経過を発表。講師からフィードバックを受け、さらに対策を磨いていく。

(有害鳥獣捕獲入門講座、狩猟マイスター育成スクール:兵庫)
兵庫県では、シカ、イノシシなど有害鳥獣による農林業被害が深刻な問題となっています。一方、有害鳥獣の捕獲を担う狩猟者の高齢化が進んでおり、数年後には捕獲従事者の不足による有害鳥獣捕獲活動の停滞が危惧されます。そこで、将来にわたり、有害鳥獣捕獲に従事しようとする狩猟初心者を対象に、狩猟知識や技術を習得する『狩猟マイスター育成スクール』を開講し、捕獲従事者の人材育成に取り組みます。

(ノネコ捕獲作業1年経過:鹿児島)
環境省奄美群島国立公園管理事務所が、ノネコ管理計画に基づく捕獲作業を開始してから1年が経過した。同事務所は作業員増員やカゴわなの工夫など、捕獲効率を上げるため試行錯誤している。また捕獲に注力するだけでなく収容されたノネコのスムーズな譲渡や、山中にノラネコが入り込まないようにする島内5市町村の発生源対策も重要だという。捕獲作業は収容施設である「奄美ノネコセンター」が奄美市名瀬浦上に整備され、モニタリング調査で作業エリア(16平方㌔)を選定して昨年7月17日から開始。作業員3人がエリア内に設置したカゴわな100基を点検などして、捕獲したノネコはセンターに移送して収容され譲渡希望者に譲渡されていた。昨年7月から今年6月末までで、ノネコ75匹を捕獲し73匹を希望者に譲渡。2匹は収容中に発病したり不慮の事故で命を落としたが、安楽死処分はゼロとなっている。同事務所の早瀬保奈実国立公園管理官によると、スタートしてからしばらくは捕獲数が低調だったため作業量などをこれまでに二度見直し。今年1月からは作業エリアを2倍にして、作業員は4人に増員。5月からは作業エリア80平方㌔に拡大され、作業員は6人に拡充されたという。また作業ではこの75匹とは別に、飼い猫とみられるネコ3匹も捕獲。内訳はマイクロチップを装着したネコ1匹、首輪をしたネコが2匹だった。3匹は1匹が飼い主に引き渡されており、残りは希望者などに譲渡された。作業エリアが拡大したことで、ハシブトカラスなどの在来種の混獲も発生。「カゴわな内のえさを抜き取られないようにメッシュして保護したえさを用いたら、ハシブトカラスの混獲が減った。ノネコだけを捕獲できるカゴわなの導入を検討している」(早瀬管理官)。早瀬管理官は捕獲作業が1年経過して、作業前に比べてノネコが減って来ていると実感するものの、モニタリング調査で移入してきたネコが確認されている点を懸念する。「作業で捕獲数は上がってきているが、減少傾向はつかめない。移入も確認されており、5市町村の発生源対策も重要となる」と語った。主な発生源対策としては、ノラネコに対するTNR事業が挙げられる。ノラネコを捕まえて不妊手術を施し、元に放してノラネコの繁殖を抑制する事業だ。2018年度までは奄美大島5市町村が個別に取り組み、13年度からの累計で約3200匹を処置した。島内5市町村でつくる奄美大島ねこ対策協議会(事務局=奄美市環境対策課)は、今年度からTNR事業を一本化する。市町村個別では一部の自治体でしか実施されていなかったモニタリングも、今年度は受託する業者が捕獲や手術と合わせて実施するという。同事務局は依然としてネコを放し飼いしたり、ノラネコにえさを与える住民がいることから住民に対する啓発活動を重視。今後も住民にネコの適正飼養や、飼い猫の登録、マイクロチップ装着などの周知を図る考えだ。またノネコセンターが収容数50匹と限られていて、できるだけ多くの譲渡対象者の確保も求められる。事務局は現在、11の個人・団体を譲渡対象者に認定。一部からの意見も踏まえ、より多くが認定されるよう譲渡対象者の認定要領見直しを検討している。今秋には、二度目となるIUCN(国際自然保護連合)の現地調査が控える。早瀬管理官は、「協議会と連携して捕獲作業や譲渡などを両立してやっていることを、しっかり説明してアピールしたい」と話した。前回の現地調査ではマングース防除事業やノネコ管理計画策定などに対して、外来種対策として一定の評価が得られたという。奄美大島の生態系保全に向け住民への普及啓発や、捕獲作業と発生源対策のより一層の連携が必要だろう。

(ジビエ肉の衛生的な処理学ぶ:岡山)
農作物への被害を減らすために、捕獲したイノシシなどの野生動物を「ジビエ」料理の食材として、有効に活用する取り組みを進めようと、食肉加工業者などが衛生的な処理方法を学ぶ講座が岡山市で開かれました。岡山市によりますと、去年、市内で確認されたイノシシなど野生動物による農作物の被害額は5400万円あまりに上ります。イノシシだけで多い年には4000頭あまりを捕獲していますが、ほとんどは土に埋めたり、焼却したりして処分されています。講座は、こうした捕獲した野生動物を、ジビエ料理の食材として有効に活用しようと、岡山市や地元の猟友会などで作る協議会が初めて開き、食肉加工業者や猟師などおよそ10人が参加しました。ジビエの普及に取り組む専門家が講師となり、実際に捕獲されたイノシシを使って衛生的な食肉処理の方法を学びました。講師は動物の体を殺菌をするためには、熱水が有効なことや、体内に寄生虫がいないかしっかりと確認することが重要だと説明していました。また、捕獲した動物が食べているものを確認して、わなに仕掛けるエサにすると捕獲しやすくなることが多いと説明していました。講師を務めた和田晴美さんは「ジビエ料理が有害な野生動物の解決につながる期待がある。岡山ならではの食べ方とか、岡山のイノシシやシカのおいしい時期などを情報発信していってほしい」と話していました。

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(気仙沼の山中でクマに襲われ男性死亡:宮城)
19日午後0時50分ごろ、気仙沼市関根の山中で、同市芳ノ口、農業菅原琢磨さん(88)が血を流しているのを知人の70代の男性が見つけ、119番した。菅原さんは現場で死亡が確認された。気仙沼署によると顔に爪で引っかかれたとみられる傷があり、クマに襲われたとみられる。地元猟友会のメンバーが現場から約100メートル離れた場所にいたクマを見つけ射殺した。同署や猟友会によると体長1・2メートル、体重約85キロの雄のツキノワグマ。菅原さんの鎌によるものとみられる傷痕があった。現場は同市月立小(児童人)から西に約2キロ、岩手県境付近の山林。

(気仙沼大島でクマの足跡、市は全域で警戒:宮城)
21日午前5時ごろ、宮城県気仙沼市大島の磯草の市道にクマとみられる足跡があるのを近所の住民が見つけ、知人を通じて気仙沼署に通報した。気仙沼市と地元猟友会が現地でクマの足跡と確認した。同署によると、足跡は15~20センチ弱。市によると、小型のクマとみられる。19日には同市関根の山中で男性がクマに襲われ死亡しており、市は大島を含む市内全域に防災無線で注意を呼び掛けた。大島の小田の浜海水浴場は20日に海開きしたばかり。混雑日に海水浴場を警戒する気仙沼署員2人が、クマの出没にも備えた。

(散弾銃無許可で狩猟に使用疑い、男逮捕:千葉)
狩猟の許可を得ていないにもかかわらず、平成31年1月14日、印西市内の山林内で、イノシシを捕獲する目的で、散弾銃を携帯運搬し、発射した自称農業の男(70)を7月22日逮捕

(銃弾飛んできた?鉄板の壁に直径1センチの穴:兵庫)
20日午後4時10分ごろ、兵庫県上郡町の男性から「銃弾が飛んできたようだ」と110番があった。同県警相生署員が駆け付けたところ、作業所2階の物置で鉄板張りの壁に、直径約1センチの穴が開いていた。相生署によると、猟友会のメンバーが有害鳥獣駆除のために周辺で猟銃を発砲していた。同署は猟友会のメンバーに事情を聴くとともに、建物内で銃弾を探している。当時、男性は妻と1階で仕事中だった。男性は「パーン、パーンと猟銃の音がするなと思っていたら、バチーンと建物に当たったような音がした。銃弾だったとしたら、数メートル下に飛んでいれば当たっていたかもしれない」と声を震わせた。

(イノシシ生息域拡大、北部でも目撃や被害:岩手)
雫石町でイノシシが生息域を広げている。これまでほとんど目撃されていなかった地区にも北上し、2018年度から目撃情報や農地への被害が確認されるようになった。町では農地への侵入を防ぐ電気柵への補助を行ったり、広報で注意喚起しながら被害防止へ力を注ぐ。イノシシは鼻で田畑を踏み荒らしたり、あぜ道を掘り返して農作物に被害を及ぼすほか、人を襲う可能性もある。6月上旬に同町御明神の水路に落ちた状態で発見された雌のイノシシは繁殖力の高さを物語るように4匹の子を宿していた。18年度の町内での目撃・被害件数は113件と、前年度の45件から約2・5倍に急増。これまでは南部の御所地区が中心だったが、以前にほとんど情報がなかった北部の西山地区でも15件に上り、町鳥獣被害対策実施隊はわなと猟銃で7頭を捕獲・駆除した。同町西安庭の農業三河尚さん(66)は17年、ソーラー電池式の電気柵を導入。それまであった掘り返し被害がなくなり「費用がかかったのは最初だけだった。草刈りの手間はあるが、電気柵の威力を感じる」と話す。町では15年度から農地への電気柵設置への補助金を交付。本年度は124万5千円を予算化し、農作物の販売目的の場合2分の1(上限5万円)、自家消費の場合3分の1(上限1万5千円)を補助する。今月8日現在で11件(補助額計41万4千円)の申請がある。

(イノシシ対策で自衛隊OBと連携:富山)
富山県は23日、自衛隊OBでつくる富山県隊友会と連携してイノシシの被害対策を始めると発表した。同県砺波市の中山間地域で、住民と県・市が計画する全長約7.5キロの電気柵の設置作業に共同で取り組む。同エリアではイノシシによる農作物被害が問題になっている。隊友会による鳥獣被害防止対策の支援は全国初だという。27日に予定するイノシシの侵入を防止するための電気柵設置作業に、隊友会のメンバー16人が協力する。県農林水産部農村振興課の担当者は「高齢化と過疎化で地元住民だけで作業をこなすことが難しくなっている」と連携の背景を説明する。作業には住民に加えて県と市の担当者25人程度も参加する。同県の中山間部ではイノシシによる稲の食害対策が課題になっている。田んぼに侵入されると稲を踏み倒されてしまうこともあり、新米の季節までに水田への侵入を防ぐ体制を整えてコメの安定出荷につなげたい考えだ。

(養豚場で初の豚コレラか:三重)
三重県は23日、同県いなべ市の養豚場から飼育する豚2頭が死んでいると22日に連絡があり、県の検査で豚コレラの陽性反応が出たと発表した。23日に国が検査し、確定すれば県内の養豚場での発生は初。岐阜市の養豚場で2018年9月に判明して以降、岐阜、愛知両県に続いて3県目となる。県によると、22日午前10時45分ごろ、養豚場から豚が死んでいると報告があった。県は23日朝から養豚場の立ち入り検査などを実施する。国の検査は同日夜に確定する予定だ。三重県では6月、いなべ市で捕獲された野生イノシシの感染が初めて確認され、これまでに計4頭の感染が判明している。発生施設からの出荷先では、長野、岐阜、愛知、滋賀、大阪の養豚場でも感染が確認されている。

(野生イノシシ、新たに1頭感染:長野)
県内で野生のイノシシへの豚コレラの感染が相次いで確認されるなか、19日、新たに木祖村で死んだ1頭の感染が確認されました。県によりますと、今月17日に木祖村で見つかった死んだ野生のイノシシを調べたところ、19日、豚コレラに感染していたことがわかりました。県内では、今月13日以降、木曽町と根羽村で野生のイノシシの豚コレラの感染が確認されていて、野生のイノシシへの感染が確認されたのは、これで6頭目です。県は、野生のイノシシへの感染拡大を防ぐため、19日、木曽町と木祖村の山林でワクチンを混ぜたエサをまいたほか、今月22日には、根羽村とその周辺でもエサをまくことにしています。

(野生イノシシ向け豚コレラワクチンを散布:長野)
長野県は19日、野生イノシシ向けの豚コレラ経口ワクチンを木曽町と木祖村で散布した。県内では木曽地域を中心に感染したイノシシが相次いで見つかっており、ワクチン散布で食い止めを図る。22日には根羽村など南信州地域で散布するほか、8月下旬にはエリアを拡大して再び散布する予定。感染イノシシが見つかった木曽町の地点から半径10キロの範囲を中心に、400個のワクチン入りのエサを20カ所に設置した。22日も、根羽村や平谷村に20カ所設置する。19日には、県内で最初に感染イノシシが発見された場所から北東に10キロの木祖村内で見つかったイノシシの感染が新たに確認された。長野県内ではこれまで103頭の野生イノシシを検査し、6頭で豚コレラの陽性反応が出たことになる。このほか、木曽町で4頭、根羽村で1頭が確認されている。阿部守一知事は19日の定例会見で「引き続き危機感を持って対応したい」と述べた。

(豚コレラワクチン散布へ:長野)
長野県は24日、豚コレラの対策本部会議(本部長=阿部守一知事)を開き、県内の野生イノシシで感染が広がる豚コレラへの対応策を協議した。諏訪や伊那、塩尻の各市と辰野町で29日にイノシシ向け経口ワクチンを散布し、感染拡大を食い止める。県職員らが県内の全養豚農家を訪問し、鳥獣の侵入防止対策の補助事業などを説明する。家畜保健衛生所や県の技術系職員が養豚農家69戸を訪問し、防疫体制を確認する。野生鳥獣の侵入を防ぐ電気防護策や防鳥ネットの設置費用の半分を助成する県の補助金制度も周知する。市町村にも補助制度の負担を求め、養豚農家が少ない負担で防疫体制を整えられるようにしたいという。また、感染したイノシシが見つかった付近の登山道の一部を消毒するほか、人がウイルスの「運び役」とならないように登山者や林業事業者などへ注意喚起する。県は25日、検疫や防疫対策の強化などを国へ要請する。

(また感染イノシシ確認:長野)
県内で野生のイノシシの豚コレラへの感染が相次ぐ中、23日も新たに塩尻市と木曽町で、3頭のイノシシが豚コレラに感染しているのが確認されました。県内では今月に入ってから、豚コレラに感染した野生のイノシシが相次いで見つかっていて、23日は、半径10キロ圏内で感染したイノシシが見つかった塩尻市の県畜産試験場で、ブタへの感染を防ぐため、訪れる車を消毒する作業が行われました。こうした中、23日、新たに塩尻市の2か所と木曽町の1か所で合わせて3頭の野生のイノシシの感染が確認されました。これで県内で豚コレラへの感染が確認された野生のイノシシは15頭となりました。21日には、県畜産試験場など塩尻市内の2か所の養豚場の半径10キロ圏内で豚コレラに感染したイノシシが見つかり、県は22日、これらの養豚場に立ち入り検査を行いました。その結果、ブタへの感染は確認されなかったということです。また、この2か所の養豚場は23日に新たに感染が確認されたイノシシが見つかった場所からも半径10キロ圏内にありますが、県によりますとこれまでのところ異常はないということです。

(経口ワクチン散布、7市町村拡大:愛知)
県は24日、豚コレラの感染拡大を防ぐため、野生イノシシに対する経口ワクチン入り餌の散布範囲を豊田市や岡崎市、新城市など7市町村に拡大すると発表した。豊田市では7月上旬以降、ウイルスに感染したイノシシが9頭確認されている。県畜産課は「イノシシの感染が広がりつつある」としている。

(クマに脚かまれる、農道散歩中の男性:秋田)
19日午後5時ごろ、秋田県湯沢市松岡字中田の農道で、犬の散歩をしていた近所の男性(75)がクマに右脚をかまれ、全治3週間のけがを負った。命に別条はない。湯沢署によると、体長約1メートルのクマが山中から現れ、農道にいた男性を襲った後、逃げた。携帯電話で男性から連絡を受けた家族が車で市内の病院に搬送した。現場から近くの民家まで約190メートル。

(温泉施設近くの市道にクマ:秋田)
21日午前8時すぎ、秋田県横手市大森町の温泉施設「さくら荘」の近くの市道にクマがいるのを、車で通り掛かった60代男性が見つけ、横手署に届け出た。被害はなかった。同署によると、クマは体長約1メートル。市道脇の林から出てきた後、引き返して林の中に立ち去った。現場からさくら荘までは約120メートル。周囲には体育館や野球場などの公共施設もあり、同署がパトカーで巡回して注意を呼び掛けた。

(「クマが庭に来ているのでは」:富山)
21日午前2時半頃、富山市小羽の民家に住む女性から、「庭の木の付近で音がしており、クマが来ているのではないか」という110番があった。富山南署員が駆けつけたところ、民家の外壁の一部がはがれており、爪痕などからクマによる被害の可能性が高い。外壁にあった蜂の巣を食べる目的だった可能性もあるという。

(山林で雌クマ駆除:北海道)
22日午前11時50分ごろ、千歳市平和の山林で、ヒグマ1頭を地元猟友会のハンターでつくる市クマ防除隊が駆除した。市などによると、クマは体長約1メートルの雌。平和付近の航空自衛隊千歳基地や道央道などでは6月3日から22日まで目撃情報が10回相次いだ。22日午前6時には市美々の道道をクマ1頭が横切るのを男性運転手が見つけ、千歳署に通報。同署や市が4人体制で現場近隣の山林を警戒していた。

(小学校近くでクマを捕獲:山形)
クマの目撃が相次いでいる白鷹町鮎貝小近くで23日朝、捕獲用に設置していた箱わなにクマ1頭がかかっているのを地元猟友会が見つけた。クマは体長約1.4メートルのオスの成獣(推定5歳)で、駆除された。同校には8、11日に相次いでクマが出没したため、町は猟友会と連携し、学校裏の「教育の森」に10日ほど前に箱わなを仕掛けた。猟友会によると、23日午前5時半ごろ、毎朝の見回りに来た会員がクマがかかっていたのを確認した。学区内では子グマの死体が見つかっており、他にメスのクマがいる可能性が高く、今後も警戒を続けるという。同校では終業式のあす25日まで、一斉下校などの対応は継続。丸川康博PTA会長は「学校が職員の付き添いや一斉下校をしてくれたので助かった。山も近いので地域で児童を見守っていくしかない」と話した。学校近くに住む馬下美由貴さん(33)は「取りあえず1頭捕まったので少し安心した。子どもが外で活動できるようになって良かった」と語り、長男の6年優弥君(11)と次男の5年智貴君(10)は「外に出られず退屈だった。2週間ぶりに外で遊んで楽しかった」と話した。

(小学校の校庭にクマの足跡:山形)
22日午後3時ごろ、飯豊町手ノ子小(丸川和久校長、34人)のグラウンドでクマの足跡を見つけたと、同校職員が町役場を通じて長井署に届け出た。同署によると、クマの足跡は直径約20センチで、スクールバスを待っていた児童が見つけた。足跡は同校西側の山の斜面からグラウンド中央まで続き、斜面に戻っていた。同校は徒歩通学の一部児童を保護者の迎えで下校させ、全保護者にメールで注意を呼び掛けた。今後はスクールバスによる下校地区を広げるなど、26日の終業式まで警戒を続ける。丸川校長は「職員が見守り音楽を流すなどして、日中のプールや外遊びは通常通り実施する。児童の安全を考えて状況をみながら対応していきたい」と話した。22日午後6時40分ごろ、米沢市口田沢でクマ1頭を目撃したと、近くの30代女性が米沢署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートル。女性が車で帰宅途中、農道上にいるクマを目撃したが、自宅に車を止めてから確認したところ、クマは既に立ち去っていたという。現場は田沢コミュニティセンターの東側約500メートル付近。

(神社外壁に傷、クマがひっかく?:秋田)
24日午前7時ごろ、秋田県鹿角市八幡平字堂の上の大日霊貴神社(おおひるめむちじんじゃ)の北側外壁にクマがひっかいたような傷があるのを神社の男性職員が見つけ、安倍良行宮司(69)が鹿角署八幡平駐在所に届け出た。同神社では毎年1月2日、国の重要無形民俗文化財でユネスコの無形文化遺産の大日堂舞楽が奉納される。

(クマによる食害?目撃相次ぐ:秋田)
23日午前5時半ごろ、秋田県大仙市協和船岡の畑で、トウモロコシ約50本が食い荒らされているのを所有者の60代男性が見つけ110番した。大仙署によると畑にはクマのものとみられる足跡が残っていた。近くの民家まで約30メートル。大館市雪沢字黒沢の住宅では、20日午後8時ごろから22日午前6時ごろにかけ、敷地内に置いていた養蜂箱7個が壊され、中の巣が食べられたようにちぎれていた。蜂蜜などの被害額は約42万円。所有者の60代男性が23日、大館署に届け出た。同署はクマによる食害とみている。

(クマ目撃情報:島根)
松江市によると20日午後4時半ごろ、同市宍道町上来待で、散歩中の女性が県道を北東から南西に横切るクマらしき動物を目撃した。けが人はなかった。

(高速道でクマをはねる:山形)
18日午後4時45分ごろ、山形県米沢市万世町梓山の東北中央自動車道下り線で、米沢市の50代男性が運転する乗用車がクマをはねた。クマは横転した後、道路の外へと逃げ去ったという。山形県警高速道路交通警察隊によると、乗用車が、東北中央自動車道を福島方面から米沢八幡原インターチェンジ方向に西進中にクマが横断してきたという。クマは体長約1メートルで、乗用車は右全部がへこんだという。

(クマ目撃:栃木)
24日午後1時35分ごろ、那須塩原市寺子の山林、1頭、体長約1メートル。

(クマ目撃:栃木)
20日午前6時15分ごろ、那須塩原市高久乙の雑木林、旧室野井小南方約100メートル、1頭、体長約0.8メートル。

(商店街に突然サルの集団現る:静岡)
商店街に突然サルが集団で現れた。住民も「こんなことは初めて」と驚いている。集団で現れたそのワケとは!?突如、町中に現れた、野生のサル。先週土曜日、浜松市天竜区で約20匹のサルが現れたが人に危害を加えることも、威嚇することもなかったという。そしてサルたちは画面奥の山の方へ向かっていったという。ことし1月、青森県でもサルの“集団移動”が撮影されていた。一体ナゼこのような行動をするのでしょうか?サルは行動範囲を変えることもあり。“引っ越しの最中”に町中を通った可能性があるという。

(野生サルの目撃情報:大阪)
2019年7月19日(金)から、野生のサルの目撃情報が相次いでいるとのこと。目撃情報のあった地域は、高槻市古曽部町2丁目、天神町2丁目、奥天神町1丁目、日吉台4番町、月見町、真上町1~3丁目、土室町です。高槻市ではこれまでも山間部を中心に、市街地でもサルの目撃情報が寄せられています。

(住宅地で、またサル目撃:秋田)
秋田県男鹿市船川港船川の住宅地で23日午前7時40分ごろ、サル1匹が目撃された。被害は確認されていない。男鹿署によると、同市の70代女性が徒歩で通勤中、体長約50センチのサルが道路を横切るのを見た。現場は市保健福祉センター近く。

(クマによる人身被害4件、緊急対策会議:福島)
福島県会津地方振興局は24日、管内でツキノワグマによる人身被害が相次いでいることを受け、会津地域13市町村の担当者を集めた緊急対策会議を会津若松市で開いた。観光客や帰省客が安心して地域を訪れることができるよう、対応に万全を期すことを確認した。県によると、クマによる管内の人身被害は本年度4件発生し、5人がけがをした。2018年度はゼロ。過去10年では10年度の9件(けが9人)が最多だった。山菜採りで被害に遭うケースが多かったが、近年は登山中や遊歩道散策中など人里での被害が増えているという。本年度は外国人旅行者や県外からの観光客も被害に遭った。会議で県は従来の電気柵などの設置に加え、出没危険箇所の朝晩の巡回、観光客に携帯してもらうクマ鈴の旅館などへの無料貸与など緊急対策を提案した。観光関係者も対象にした専門家による研修会を30日に、市内で開くことも説明した。県の担当者は「観光客への過度な注意喚起は逆に客足を遠のかせる。クマが観光エリアに近づかないような環境づくりが大事だ」と話した。

(イノシシ被害、集落にも:福井)
越前市横住町でイノシシによる被害が深刻化している。近年、畑の作物を食い散らす被害はあったが、今年は民家の玄関が破損され、人にも危険が及びかねない状況に住民は不安を募らせている。県内でも豚コレラに感染した野生イノシシが見つかり対策が進むが、横住町の渡辺栄区長は「養豚業者だけでなく、私たちも守ってほしい」と切実に訴える。渡辺区長によると、近年、イノシシによる被害が続いており、畑を荒らされ、野菜作りをあきらめた住民もいる。民家に被害が出たのは七月に入ってからで、引き戸の一部が破壊され、戸にはイノシシが付けたと見られる泥が付着していた。この家に住む女性は、早朝の散歩に出掛ける際に、玄関が壊れていることに気付いた。家の中への侵入はなかったが「怖い。万が一、入ってきたらと思うとゾッとする」と不安を漏らす。困惑しながら、玄関前に電気柵を設置する対策を進める。町内では、倉庫や小屋の戸が破壊されるなどの被害も相次ぎ、渡辺区長らは十九日、町内におり二カ所を設置するよう市に求めた。渡辺区長は被害に頭を悩ませ、「豚コレラが問題になっているが、集落もイノシシには困っていることを知ってほしい」と話した。

(イノシシ捕獲数が急増、市街地にも出没:栃木)
小山市でイノシシの捕獲頭数が急増している。北西部の思川河川敷や竹やぶでの捕獲や目撃例が多く、市街地にも活動範囲を広げている。市は「遭遇した場合は、イノシシを驚かせないように注意して行動して」と呼び掛けている。市農政課によると、二〇一五年度に二頭が初めて捕獲されて以来、増加傾向にある。一八年度は百頭で、本年度も七月十八日までに三十四頭が捕獲されている。今年三月には市南部の間々田地区の市街地でも見つかった。今月初旬にも、市若木町一のごみ収集場の周辺で目撃されている。思川河川敷はイモ類やタケノコなどの餌が豊富にあり、河川敷のやぶで繁殖しているらしい。イノシシは刺激するとパニック状態になり、人に襲い掛かることもある。同課の担当者は「かわいいうり坊(子ども)でも近くに親のイノシシがいる可能性もあり注意が必要」と話す。市は注意喚起のほか、ごみ収集場が荒らされないよう囲いなどの対策を取る協議を各自治会と進めているという。

(11年連続で減少、野生鳥獣の県内農林業被害:長野)
2018年度の県内の野生鳥獣による農林業被害は7億9500万円で前年度比約4000万円、4・9%減となり、11年連続で減少していることが県のまとめで分かった(速報値)。県鳥獣対策・ジビエ振興室は「総合的な捕獲、防除対策の効果が表れてきているが、依然として被害額は高い水準」とし、引き続きハンターの養成などに取り組む。鳥獣別ではニホンジカの被害が33・2%を占めて最も大きい。ほか、鳥類21・2%、ツキノワグマ13・4%、ニホンザル10・9%、イノシシ8・1%など。全体的に被害額が減少している一方で、ツキノワグマとカラスなど鳥類による被害がやや増えた。地域別では南信州の被害額が2億5600万円で最も多く、全体の32・2%を占める。南信州ではニホンジカのほか、ツキノワグマによる造林木の皮剥被害やサルによる農作物被害が大きくなっている。諏訪地域の被害額は前年度比8・5%減の5406万円。鳥獣別ではニホンジカ3439万円、イノシシ125万円、クマ47万円、サル236万円。18年度のニホンジカの捕獲実績は目標4万頭に対して2万4557頭(速報値)。人間の仕掛けるわなに慣れたシカが増えていることや、捕獲が進んだ地域では密度が低くなって生息場所を捉えにくくなっていることなどが理由という。県では引き続きハンターの養成のほか、集落ぐるみでのわな購入や侵入防止柵整備を支援するなどの対策に取り組む。

(カワウふん害か、樹木の立ち枯れ広がる:愛知)
蒲郡市の三河大島で、カワウのふんが原因とみられる樹木の立ち枯れが広がっている。海水浴やバーベキューに訪れる渡船客の目には触れにくい島の南側だが、関係者によると年々その範囲が拡大しており、山肌が崩れるおそれもある。三河大島は三谷町財産区が所有する約六・五ヘクタールの無人島。立ち枯れが目立つエリアは、七~八月に運航される定期船が着く渡船場からは反対側にある。西浜で売店を営み、家族向けのカヌー体験などで島を一周する機会も多い柘植基成さん(56)の案内で、現地を訪れた。ヨットで西側から回り込んでいくと、島を覆う常緑樹の中に、枝がむき出しになった箇所が目につく。南の沖合から眺めると、島の西端から中ほどにかけて標高四十メートルほどの山の所々が枯れて灰色になり、まだら模様に見えた。山頂付近の木々の枝には、無数のカワウ。一斉に飛び立った群れを見ると、少なくとも数百羽はいそうだ。柘植さんによると、二十年前はカワウは目立たなかったが、よそから移ってきて営巣・繁殖するようになったとみられる。海の魚を食べた大量のふんが木を衰弱させ、立ち枯れの範囲が広がってきた。「国定公園の三河大島を守っていかないと。カワウは羽が傷つくのを嫌がるので、木の枝にテグス(釣り糸)を張るなどの対策を考えるべきだ」と危機感を募らせる。財産区管理会の小林俊雄会長(73)も「島の南側は風をしのげて暖かく、産卵や子育ての場になっているのだろう。駆除するすべがなく手の打ちようがない」と頭を悩ませている。県自然環境課によると、三河大島は二〇〇五~〇九年には県内に約三十カ所あるカワウ調査地点の一つだった。当時、県は千~千三百羽前後の生息を確認したが「(産卵・繁殖する)コロニーは見られない」と判断し、調査を打ち切った。その後の推移は「把握していない」という。カワウは一九七〇年ごろには絶滅が心配されたほどだったが、その後急増して各地でふん害や漁業被害が問題になっている。県内では今も積極的な駆除は行われておらず、日本野鳥の会愛知県支部は「追い払って分散させるのが現実的な対策だろう」と話す。滋賀県や山梨県では、アユなどが食べられる被害を重く見て駆除に乗り出したり、巣に偽卵やドライアイスを投入して繁殖を抑えたりする事例がある。

(集落単位で協力し猪被害防止対策:岡山)
岡山県吉備中央町は集落ぐるみで鳥獣被害防止に取り組んでいる。各集落単位で住人が協力し、町内の農地の約9割に防護柵を設置。狩猟者とも連携し、猪の捕獲頭数は年間千頭を超える。町もさまざまな制度で、この動きを後押ししている。竹部地区投打集落は農家5戸でグループを作っている。中山間地域に位置し、水田面積は約5ヘクタール。1枚当たりの面積は10アールに満たない。今年、全水田の外周(約3キロ)に高さ1メートルのワイヤーメッシュ柵を設置した。同町で鳥獣被害対策を担当する農林課の山口文亮参事(55)は同集落の代表者も務めている。「去年まで電気柵で、一つの円を描くように囲っていたが、猪の被害が出始めた。今回は二つの円で囲い、去年までの倍の長さにした」と話す。設置には約15人が集まり1日で作業を終えた。今のところ被害は出ていない。柵の設置にかかった費用は約225万円。約半額を町が助成した。残りは面積割りで集落内の農家5戸で分配するが、中山間地域等直接支払交付金の支援対象にもなっている。町の補助はトタン金網(ワイヤーメッシュ柵)で1メートル当たり650円。電気柵は1段当たり同125円で、3段張れば375円だ。すでに設置している箇所も5年経てば新たに申し込める。昨年度は、電気柵で約28キロ、ワイヤーメッシュ柵で約40キロで申請があった。

(アライグマ捕獲倍増、後絶たぬ農業被害:北海道)
北広島市内で捕獲されるアライグマの数が急増している。本年度は18日時点で122匹となり、昨年同時期の2倍を超えた。過去最多だった昨年度の141匹を上回るのは確実とみられている。市はわなの数を増やして駆除に本腰を入れるが、農家の作物を食い荒らす被害は後を絶たず、頭を悩ませている。アライグマは北米原産の特定外来生物。ペットとして日本に輸入されたが、飼い主が放置したり、逃げ出したりして野生化した。市環境課によると、10年度に28匹だった捕獲数は14年度に100匹に達し、その後も増加傾向が続いている。本年度は、春先に生まれた子供の捕獲が増えているという。

(クマ対策のごみ箱設置:北海道)
生ごみを荒らすヒグマが問題になっている知床半島の斜里町で、クマの力でも壊せないほど頑丈だというごみステーション3台が設置されました。ヒグマ対策のごみステーション「とれんベア」は、ヒグマの管理や保護を行う「知床財団」が導入したもので、22日は、斜里町内の住宅やアパートの前に3台が設置されました。ごみステーションは高さ1メートルあまり、重さはおよそ1トンで、取っ手には、クマが開けられないよう、鉄のカバーがつけられています。また、厚さ2ミリの鉄板が使われていて、動物園で行った実験では、ヒグマが強く押しても壊れなかったことが確認されています。価格は1台40万円で、知床財団がインターネットを通じて資金を集めていて、斜里町での導入はこれで9台目となります。斜里町ではここ数年、住宅地でヒグマの出没が相次ぎ、ごみを荒らす様子も目撃されていて、住民の間で不安が広がっていました。近くに住む70代の男性は「このあたりはヒグマが当たり前のように出るのでとてもありがたいです」と話していました。知床財団の葛西真輔さんは「強度もあるし、ヒグマには開けられない構造になっているので、住民は安心してごみを出してもらいたい」と話していました

(愛媛大で「有害鳥獣ハンター養成塾」:愛媛)
有害鳥獣駆除の担い手を育成する「県有害鳥獣ハンター養成塾」の第2回講座が21日、松山市文京町の愛媛大であり、狩猟免許の取得を目指す愛媛大の学生ら約50人が野生鳥獣対策連携センター(兵庫県)の阿部豪専務から有害鳥獣の習性や捕獲の基礎知識を学んだ。

(ふくしま・けも人交流フェア:福島)
福島県では、地域密着型の鳥獣被害対策を推進するため、“鳥獣被害対策市町村リーダー(市町村等における鳥獣被害対策推進の中心的な役割を担う人)の配置と、その活動を支援する取り組みを重点的に行うことにより、農業を通じた地域の振興を目指しています。今回は、県の取り組みの紹介や、県内で活躍中の市町村リーダーとの交流を通して、「ふくしま・けも人」の活動を気軽に知っていただけるイベントです。※「けも人(けもんちゅ)」とは・・・けものに関わる仕事をしている人を指す造語です。

(石垣守れ、イノシシ対策:石川)
金沢市上辰巳町の国史跡、辰巳用水の「三段石垣」周辺でイノシシの被害が相次ぎ、地元の農家有志が23日までに、遺構を保護する活動に乗りだした。藩政期、用水を守るため斜面に造られた三段石垣は雑木に覆われ、イノシシの格好の通り道となっている。同地は地盤が弱く、石垣に被害が及びかねないとし、有志らは「農地だけでなく、郷土の遺跡も獣害から守りたい」と思いを新たにしている。同地区では6年ほど前からイノシシが出没し、農作物への被害が出るようになった。2017年には米がほぼ収穫できなくなる記録的被害となり、有志が「イノシシから田畑を守る辰巳の会」を結成。電気柵を設置し、小坂隆会長ら会員が年に2回、水田や川沿いの雑木を払い、イノシシの侵入を防いできた。一方、山の斜面にある三段石垣は夏になると雑木が生い茂り、周辺のあぜや休耕田などでは依然として敷地が掘り起こされる被害が相次いでいた。イノシシの成獣は鼻の力で70キロ以上の石を動かせる力もあるとされる。ふるさとの遺跡を獣害から守り、歴史ある里山の景観を保とうと、今年から石垣での活動を開始することにした。今季は、守る会と県のいしかわ農村ボランティア、県立大の援農隊あぐりの約50人が参加。雑木や草で覆われていた石垣が姿を現した。同所は歴史愛好家や、ふるさと学習に取り組む子どもたちも訪れており、辰巳町の辰野善典町会長は「活動を継続し、人が訪れる場所となることでイノシシを追い払いたい」と話す。犀川の河川敷でも、草刈り機やチェーンソーを使って作業に取り組んだ。佐野直茂事務局長は「将来的には親子が訪れ、水辺の活動を楽しめる場に整備し、里山の風景を取り戻したい」と語った。

(ジビエ事業用施設供用開始、のとしし拡販進むか:石川)
羽咋市産のイノシシ「のとしし」の食肉出荷に追い風となるか-。同市飯山町で、市はくい地域産業センターのジビエ(野生鳥獣の食肉)事業用施設の供用が始まった。手狭だった施設の広さは三倍となり、食肉処理は効率的に。市のふるさと納税返礼品の柱と言えるまでに成長したのとしし。さらなる販路拡大が今後の課題となる。施設は、二〇一五年に事業を廃止した旧先端医学薬学研究センターの建屋の一区画を、県と市が改修した。施設整備費は、県が三千五百五十万円、市が二千九百五十万円を負担。害獣駆除とイノシシの有効活用を図る合同会社「のとしし団」が利用する。昨年の市のふるさと納税三億八千万円のうち、のとししの返礼分は三千万円だった。二千百万円だった前年に比べ、四割以上の伸び。自然栽培の米などとともに、市の看板商品となった。道の駅のと千里浜でも、のとししのカレーやちまきは人気を集める。のとしし団にとって、ジビエ事業用施設の狭さは泣きどころだった。内臓を除いた後につるす冷蔵庫は、四、五頭がせいいっぱい。昨年度は三百三十六頭を食肉処理したが、最大でも四百頭が限界とみていた。新しい施設の冷蔵室は、十頭以上をつるせる。皮はぎ用の電動ナイフも導入し、作業の効率性を高めた。本年度は五百頭という高い目標を掲げ、販売額も前年度から六百万円増の三千万円を目指している。食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の認証を目指し、洗浄と皮はぎ、内臓摘出、熟成保存、部位分けはそれぞれの部屋で可能に。これまでとは工程が大きく変わったため、加藤晋司代表(32)は「みんなの習熟度の向上が必要。早く慣れないと」と話す。一方、収益向上のためには新たな販路開拓が不可欠となる。現在は、販売額のうち、ふるさと納税の返礼品が35%、道の駅が30%程度を占める。首都圏では常時十店以上の飲食店などに販売しているが、さらに増やそうと商談会にも積極的に出向く。兵庫県丹波地方のイノシシがブランドとして認知されている関西圏でも、おいしさと割安感が武器になると考えている。加藤代表は当面の戦略について「イノシシ肉が出回らない都市部で、商談を進めたい」と語る。県外向けに一定の販路を確保するなど実績を上げているのとししだが、市内での利用は広がっていない。豚や牛と比べ、割高と感じる事業者が多いようだ。施設近くの飲食店では、しょうが焼きが提供されていたが、4月末で閉店してしまった。市によると、ふるさと納税の返礼品では、スライス肉が人気だ。せっかくの特別な肉。そのままおいしさを堪能できる店が増えればと願っている。

(高知県産2品が食コンテストで最高賞、大豊町ワインとジビエ料理:高知)
全国の優れた食品にスポットを当てる「にっぽんの宝物・ジャパングランプリ」がこのほど東京都で行われ、長岡郡大豊町産ワインとジビエ料理の「おおとよのマリアージュ」が地域共創部門で、安芸グループふぁーむ(安芸市)の「焼きナスのアイス」がスイーツ部門でそれぞれグランプリに輝いた。

(捕獲のイノシシ肉でカレー:岡山)
ジビエ加工販売の「ミナミ」(新見市上市)は、市内で捕獲したイノシシ肉をふんだんに使ったレトルトカレー「ぼたんカリー213(にいみ)」の販売を始めた。臭みがなく、脂がたっぷり乗った新見産イノシシ肉の中でも、特に脂が多いバラ肉約50グラムを使用。津山市出身の料理研究家・有坂翔太さんが味の最終調整を行い、肉の甘みと脂身、ルーの適度な辛さが絶妙にマッチする仕上がりになっている。市特産のイノシシ肉を使い、常温で手軽に持ち歩ける土産品を―と、昨年10月から開発を進め、市の支援事業も活用して今月発売した。南将夫社長は「高タンパクで低カロリーなイノシシ肉の魅力を多くの人に知ってもらいたい」とPRしている。

(「第4回ジビエ料理コンテスト」の募集)
農林水産省は、ジビエの普及啓発や調査実証等に取り組む「鳥獣利活用推進支援事業」の一環として、7月24日から8月31日まで「第4回ジビエ料理コンテスト」のレシピを募集します。

(ジビエ給食、来年導入:福井)
小浜市は来年一月をめどに、市内の小中学校全十一校でシカなどの野生鳥獣の肉を活用したジビエ給食を採用する。二十四日、小浜美郷(みさと)小で、学校給食調理員を対象にした調理実習が開かれた。市は二〇一二年度から有害鳥獣として駆除するシカ肉の活用を探り、一四年度から内外海(うちとみ)、中名田の両小学校でジビエ給食を実施した。次代を担う子どもたちに理解を深めてもらおうと、一九年度は全校で取り組むことになり、各校で給食を担当する調理員に手法を学んでもらうことにした。男女二十九人が受講。嶺南地方で捕獲してミンチ状にしたシカ肉をナス、ピーマン、トマト、タマネギと一緒に炒めて麦飯に盛り付けたカレー味の「タコライス」を作った。市内でレストランを経営し、五年ほど前からジビエ料理を研究する高野滋光さん(50)が講師となり、シカ肉の竜田揚げなども披露し、加熱時間と肉質の関係を紹介した。ジビエ給食について子どもたちや保護者の声が気になるが、普及に力を入れる市の担当者は「一歩前進」と今後の事業展開を模索する。

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(競技ライフル規制を見直しへ、10センチ短く)
警察庁は18日、射撃競技用ライフル銃の全長を93・9センチ超とする銃刀法施行規則の規定を見直し、83・9センチ超とする改正案を公表した。国際的に全長が短いタイプの競技使用が主流になりつつある。日本選手は銃刀法の規制に縛られ国内大会で使用できず、2020年東京五輪・パラリンピックに向け競技団体から改正の要望が上がっていた。今月22日~8月20日にパブリックコメント(意見公募)を実施。今秋の施行を目指す。警察庁によると、現行の規定は、ライフル銃を衣服の中に隠して所持できないよう一定の長さが必要との観点で、1966年施行の改正銃刀法施行規則などで決まった。

(豚コレラ、ネズミが媒介か)
家畜伝染病の豚コレラの感染経路を調べる農林水産省の疫学調査チームが18日、会合を開いた。5、6月に岐阜、愛知両県の養豚農場で発生した6件の事例について、ネズミなどの野生動物や車両を介してウイルスが農場の内部に侵入した可能性が高いとする分析結果を明らかにした。農水省は今後、農場内のネズミの駆除や出入りする全ての車両の消毒を徹底するよう農家に求める方針だ。両県に隣接する長野県などでも呼び掛ける。以前に豚コレラが発生した別の農場や、豚コレラに感染した野生イノシシの発見場所が近くにあったケースが多く、ネズミや車両がウイルスを農場内に運んだとみられるという。

(ハンター育成へ、農水省が制度新設)
農水省は、野生鳥獣の肉(ジビエ)利用の拡大に向けて、捕獲後に適切な衛生処理ができる「ジビエハンター」の育成に乗り出す。ジビエとしての利用を前提に、良質な肉を確保できる捕獲方法などが学べる研修制度の新設を目指す。品質の良い肉の流通量を増やし、利用する飲食店やファンを増やすのが狙いだ。2020年度予算の概算要求に盛り込むことを視野に入れる。ジビエに向く良質な肉を確保するには注意点が多い。内臓が破裂し細菌が肉に付くのを避けるため腹部は撃たないことや、肉に臭みが出ないよう血抜きを徹底することなどが求められる。捕獲者が獣を捕まえた現場段階から、ジビエ用の作業が必要だ。同省によると、ジビエの17年度の年間利用量は1629トン。前年度から27%増えているが、鹿とイノシシの捕獲頭数が112万700頭に対し、ジビエとして解体されたのは9万2444頭。利用は8%と低い。ジビエ利用をさらに広めるため、同省は、良質な肉を確保する必要があると判断。利用に適した捕獲、解体方法を身に付けた捕獲者をジビエハンターとして育成する考えだ。ジビエ利用を前提にした捕獲方法などが学べる場は少ない。そのため育成の具体策として、全国規模の研修制度の新設を目指す。ジビエ向けの高度な技術、知識を持つ捕獲者や獣医らが講師を務め、座学と実技で学ぶことを想定している。良質な肉の確保と並行して、同省は、厚生労働省や環境省と連携し、ジビエの衛生管理のマニュアル化を念頭に検討を始めた。最適な保管方法、期間などを見極め、ジビエ流通の拡大に役立てる。

(ワクチン散布など確認、県内担当者ら対策会議:石川)
福井県などで豚コレラに感染したイノシシが相次いで見つかったことを受け、県や県内各市町、県養豚協会、県猟友会の担当者らが十七日、金沢市内で対策会議を開いた。「感染拡大防止対策協議会」を設置し、経口ワクチンの散布や、生きたイノシシの捕獲調査をする方針を確認した。県の担当者が、地理やイノシシの生態に詳しい各地の猟友会と森林組合などに、経口ワクチンの配布と捕獲調査に協力するよう依頼。捕獲開始に向け、おりの早期設置なども要請した。県養豚協会などによると、農家からは豚へのワクチン接種を望む声が強まっている。協会は県に六月下旬、早期の接種を国に働き掛けるよう要望書を出した。会議には、約九十人が出席した。

(豚コレラ対策、県のワクチン散布:長野)
県は18日、県内でも豚コレラ感染の確認例が出た野生イノシシへの経口ワクチン散布について、19日に木曽郡木曽町と木祖村で、22日に下伊那郡根羽村と平谷村でそれぞれ行うと発表した。県内での野生イノシシへの感染は木曽町で13日に初めて確認されて以降、同町と根羽村で計5例が判明している。県は当初9月としていたワクチンの散布開始時期を前倒しして緊急的に実施、感染拡大防止につなげる考えだ。県農政部によると、散布場所は感染イノシシの発見箇所から半径10キロ圏内の「調査対象区域」内。木曽、下伊那両郡で散布エリア(各2平方キロメートル)を20カ所ずつ選び、1エリアにつき1カ所の散布範囲(各100平方メートル)を設ける。散布範囲1カ所ごとに深さ約10センチの穴を10カ所掘り、一つの穴に2個ずつワクチンを埋める。両郡各400個のワクチンを散布する。散布場所は、地元の町村や猟友会と相談して選んだ。経口ワクチンは、液状ワクチンをトウモロコシ粉などで覆ったもので、イノシシが出現しやすい場所に埋めて食べさせる。19日は県職員ら20人ほどで作業する予定。荒天時は延期する。県は、散布してからおおむね5日後に、ワクチンをイノシシが食べたか確認する。散布地域の周辺で捕獲されたイノシシについては、ワクチンにより抗体ができているかも調べる。国の指針に基づく散布では、県や地元猟友会、市町村関係者らでつくる協議会が事業主体となるが、今回は緊急のため県が散布する。県は近く指針に基づく協議会を立ち上げ、8月下旬により広範囲で2回目の散布を行う予定だ。

(山間部でも県がワクチン散布:福井)
家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染拡大を防ぐため県は十七日、大野市の山間部二カ所で野生イノシシに食べさせるタイプのワクチン四十個を散布した。同市と県の職員、猟友会支部員の計五人で実施。十二日には越前市の山間部で散布している。また越前町とあわら、福井、鯖江、坂井の四市で十一日と十六日に捕獲したイノシシ五頭を十七日に遺伝子検査した結果、いずれも陰性だった。県によると十七日現在、ブタを飼育している県内八施設で異常は確認されていない。

(クマに襲われ乳牛死ぬ:北海道)
16日午後3時半ごろ、釧路管内標茶町オソツベツの牧場で、放牧中の乳牛1頭がクマに襲われているのを牧場の男性従業員が見つけた。同町によると、クマが乳牛1頭を引きずっているのを従業員が目撃。クマは従業員に気づき山の方向へ逃げた。襲われた牛は腹を裂かれた状態で死んでいた。現場は同町中心部から約8キロ離れた山中にある牧草地。

(トンネルにシカの親子、1時間にわたり列車立ち往生:北海道)
15日、北海道オホーツクの遠軽町にあるJR石北線のトンネルで特急列車の目の前にシカが現れました。警笛にも全く動じる様子がないシカの親子。列車が何とかトンネルを抜けてもシカはまだ線路の上にいます。親子の動きに合わせて時速約3キロの超低速で移動した特急列車。シカの親子は約1時間にわたって列車の行く手を阻み続けました。専門家は、シカが線路にとどまり続けた理由について「線路の鉄分をなめているのかもしれない」としています。

(飼料タンクに親子グマ転落:栃木)
ツキノワグマの親子あわせて3頭が閉じ込められている場所は、トウモロコシがびっしり詰まった牧場のタンク。餌を求めて転落し、今も出られないという。14日午前、栃木・塩谷町にある町営豊月平放牧場で、管理担当者がトウモロコシなどの配合飼料を貯蔵するタンクのふたが開いていることに気づき、中を確認したところ、クマ3頭が出られなくなっているのを発見したという。1頭は全長およそ1メートル、ほか2頭はおよそ40cmで、ツキノワグマの親子とみられる。大人のクマは息は荒く、子グマ2頭はおとなしく横たわっている。餌を求めて高さおよそ6メートルのタンク外側のハシゴを登り、直径およそ50cmのふたを開けて中に落ちた可能性があるという。3頭は今もタンクの中にいて、町役場は、猟友会などと協力して山に放すことにしている。

(飼料タンクのクマ救出、2頭山へ1頭は死ぬ:栃木)
塩谷町上寺島の町営豊月平放牧場でクマ3頭が高さ約6メートルの飼料タンク内から出られなくなっていたことを受け、町は18日、タンクをクレーンなどを使って倒して救出した。子グマとみられる2頭は近くの山林へ入っていったが、親グマとみられる1頭はタンク内で既に死んでいた。対応を検討していた町が、もともとクマが住む地域であることや、人に危害を加えていないことから山へ放すことを決めた。この日は午後から地元の建設業者3人が作業を行い、タンクの下部を切断してクレーンでタンクを倒した。猟友会メンバーや救急車が近くに待機したほか、付近の県道を約2時間にわたって通行止めにした。町担当者は「想定外の事だったが、今後は飼料管理を徹底する」と話した。

(イノシシのわなに絶滅危惧種のツキノワグマかかる:神奈川)
県は17日、相模原市緑区牧野の山中に仕掛けたわなにオスのツキノワグマ1頭(体長93センチ、体重18キロ)がかかったと発表した。同日夕、丹沢山中に放った。県央地域県政総合センターによると、同日早朝、イノシシ捕獲用に設置されたわなにかかっている子グマを住民が発見し、県に連絡した。丹沢のツキノワグマの生息数は40頭前後と少なく、県から絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。

(クマ目撃相次ぐ:北海道)
17日午前8時10分ごろ、紋別市上渚滑町11の市営住宅付近にヒグマ1頭がいるのを、在宅中の70代女性が見つけ110番した。紋別署などによると、クマは体長約1メートル。市営住宅は上渚滑町民センターの隣で、クマは建物から約10メートル離れた市道を歩き、北東の山林方向へ立ち去ったという。上渚滑町内ではこの1週間、住宅近くでクマの目撃が相次いでいる。15日朝、上渚滑町3の住宅敷地内の草地で1頭を確認した。10日夕は、町和訓辺の住宅から約40メートル先の草地で1頭が見つかっている。

(クマ目撃相次ぐ:北海道)
雨竜町でクマの目撃が相次いでいる。人畜被害はないが、通報を受けた深川署などは注意を呼びかけている。15日午後7時ごろ、町内恵岱別の畑でクマ1頭が堆肥をあさっているのを近くの住民が発見した。最寄りの民家までは約450メートルだった。16日午前4時10分ごろと、17日午前6時50分ごろには、同住所の国道をクマ1頭が横断するのを運転中の男性や近くの住民が目撃した。同署によるとクマはいずれも体長約2メートル。

(ヒグマ目撃相次ぐ:北海道)
千歳市内でヒグマの目撃報告件数が7月中旬としては3年ぶりの多さとなっている。市のまとめによると、春先の4月以降7月17日までに前年同期比10件増の13件に上った。特に6月下旬以降で確認された出没は8件あり、そのうち7件は泉沢、平和地区に集中。関係者は一帯を行き来している若いヒグマとみて、徒歩や自転車による早朝や夕方の外出に警戒を呼び掛けている。直近3年間4~7月の目撃件数は、2016年12件、17年5件、18年3件。今年最初の目撃情報は4月23日に寄せられ、道道支笏湖公園線や道央自動車道新千歳空港インターチェンジ(IC)周辺での出没だった。4月に1件、5月に2件だったが、6月に入ると5件に増えた。24日に平和の航空自衛隊千歳基地で姿が見られ、翌25日朝に同基地から立ち去る様子が確認された。7月には3、4両日と6日、16、17両日と目撃情報が相次いだ。現場は6日の水明郷を除き、泉沢の道央道と市道真町泉沢大通りで千歳IC周辺に集まった。通報者が証言した体長は1~1・5メートルが多かった。一般的に成獣の体長は雄が1・9~2・3メートル、雌が1・6~1・8メートルという。ハンターで構成する市クマ防除隊の坂井憲一隊長(70)はこのところ当地で出没するヒグマについて「今春に親離れしてこの地域をうろつき、自分の領域を探している若いクマだろう。ここ最近で目撃されているのは、同一の個体ではないか」と推察する。5~7月にヒグマは繁殖期を迎えるため、市の担当者も「年長だったり、強かったりするヒグマに追いやられた個体の可能性もある」との考えだ。これまでのところ人や家畜、農作物などへの被害情報は市に寄せられていない。道路の横断や路肩にいる目撃にとどまるため、当面の対応は周辺の警戒と市民への注意喚起が軸となる。坂井さんは人前への出没を繰り返す個体に「人慣れすると危険」と指摘し、「残飯を屋外に置かず、早朝と夕方のジョギングや散歩はできるだけ避けてほしい」と呼び掛ける。市や千歳署は目撃報告を受けると、それぞれのメール配信サービスでも周知している。

(住宅街でクマ2頭目撃:北海道)
クマの目撃が相次いでいる札幌市南区の住宅街で、また、クマ2頭が目撃されました。付近でのクマの目撃などの情報は、100件を超えていて、市が注意を呼びかけています。札幌市南区藤野の住宅街では、先月24日に住宅の庭にいたクマが撮影されるなど、たびたびクマが目撃されています。こうした中、新たに18日正午ごろ、札幌市南区藤野6条6丁目で、住宅街から山奥に逃げていくクマ2頭の姿を、近くの住民が目撃しました。「あちらの奥の茂みで2頭のクマが目撃され、そのまま山の中に去って行ったということです」住民が大きな音を立てたところ、クマは山の奥に去って行ったということです。「こんなに近くに(クマが)出たのはびっくりでした」付近でのクマの目撃は、足跡などの情報を含めて4月から今回で106件目ということで、市は注意を呼びかけています。

(クマ目撃相次ぐ:秋田)
16日午後5時20分ごろ、秋田市南ケ丘の民家から約10メートル離れた草むらにクマ1頭がいるのを、この民家で花壇に水やりをしていた70代女性が目撃し、秋田東署に通報した。被害は確認されていない。同署によると、クマは体長約1メートル。女性が大きな音を出したところ、クマは草むらの奥に去った。現場は住宅密集地の一角。また同日午後7時ごろには、同市手形字大松沢の林道に体長約1メートルのクマ1頭がいるのを、ランニング中の50代男性が見つけた。直近の民家から約50メートル。

(クマ目撃で閉鎖の西蔵王公園が利用再開:山形)
山形市の西蔵王公園は今月2日、キャンプ場近くでクマが目撃されたため、全面閉鎖し、爆竹を使ったクマの追い払いや巡回を強化していた。その後、公園内や周辺地域でのクマの目撃情報がないことから、18日午前9時30分から、半月ぶりに公園の利用を再開されることになった。県では当面の間、爆竹による追い払いや巡回などの対応を継続するとともに、利用者に対して残飯や生ゴミの持ち帰りなどの徹底を呼びかけることにしている。

(投票所にクマよけ爆竹:岐阜)
参院選の投票日に向けて、岐阜県高山市選挙管理委員会が、投票所に配るクマよけの爆竹の準備を進めている。市内ではクマの目撃情報が相次ぎ、投票所の安全と投票機会を確保するためだ。市選管の担当者は「安全に配慮しているので、投票に来てほしい」と話す。高山市では2014年秋、市民が相次いでクマに襲われ、1人が死亡。この年の12月に衆院選が予定されていたことから、投票所にクマよけの爆竹を配った。以来、国政選挙では毎回、爆竹を準備している。市内では、7月1日から10日までの目撃情報が46件あり、昨年7月の1カ月間の43件をすでに上回っている。観光名所の「古い町並(まちなみ)」近くでも目撃されていて、市が警戒を呼びかけている。投票日の21日には、市内66カ所の投票所のうち山間部に近い25カ所に爆竹30箱を配る。当日、付近で目撃情報があった場合、投票管理者らが金属製のバケツに入れた爆竹を鳴らし、破裂音と火薬のにおいで、クマを近づけないようにする。

(ツキノワグマか、目撃情報:岡山)
津山市は18日、吉見の岩尾寺近くで17日夜、ツキノワグマとみられる動物1頭が目撃されたと発表した。市によると、同日午後7時25分ごろ、同所の住民が、成獣とみられる大きさの1頭が田を走っているのを目撃した。けが人などの報告はない。現場は、JR美作滝尾駅から北西約1キロで、民家が点在している。近くの清泉小(綾部)には津山署が連絡し、地元町内会には市が注意喚起を促すちらしを配った。

(クマの足跡発見で住民に注意呼びかけ:島根)
松江市宍道町白石の市道で、クマのものと見られる足跡が発見され市が住民に注意を呼びかけている。16日午後4時頃、車で通りがかった住民が道路上に動物の足跡を発見し、市に連絡した。調査の結果、クマの足跡である可能性が高いと判断された。クマは足跡や雑草の倒れ方などから道路を南から北へ横断し、山の中へ入ったと推測されるという。近くには住宅が点在するほか、数キロ離れた場所には住宅地もあることから、松江市では学校への情報提供の他防災メールや防災無線を使って市民に注意を呼び掛けている。

(サルの目撃情報、住民に注意呼び掛け:大分)
大分市西部地域でサルの目撃情報が相次いでいる。16日夕までに人的被害は確認されていないものの、市や大分中央署は住民に注意を促している。

(カワウから漁場守れ:長野)
伊那市や南箕輪村の天竜川で、天竜川漁協第3区支部の有志らが、漁場をカワウから守ろうと奮闘している。カワウの飛来数の確認を兼ねて追い払い作戦を試行。アユの友釣りが解禁される前の6月16日から早朝の見張りを始め、雨の日も欠かさず河原に立っている。大群が通過―と、下流から情報が入った。南の空に姿を見せたV字編隊が三峰川合流点の上空にどんどん近づいてくる。250羽を超える大きな群れだった。3発、4発とロケット花火を打ち上げると、大群は隊列を乱し、西方に進路を変えた。カワウは魚食性で、1羽が一日に食べる量は約500グラムといわれる。アユに換算すると10匹分にも相当する。去年の友釣りは出だしこそ好調だったが、7月下旬から釣れなくなった。原隆義支部長は「投網にも入らなかったところをみると、根こそぎ捕られてしまったのだと思う」と話す。食害を防ぐため、今季は有志で追い払いを行い、効果をみることにした。見張りは午前4時半から。支部管内の数カ所に分かれ、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使ってカワウの通過情報を共有。三峰川合流点付近でロケット花火を打ち上げ、追い払う作戦だ。カワウは飛行ルートも時間も日によってまちまち。群れの大きさも違い、水面ぎりぎりを飛んでいく日もある。「とにかく利口で忍者みたい。今風に言えば、まるでステルス。雨が降っていようが、川が濁っていようがやつらはやってくる」。早起きが1カ月続いている有志からは「もはや消耗戦だな」という声も聞かれる。「釣れなくなってしまうと釣り人が来なくなる。その結果漁協の収入が減れば稚アユの放流量も少なくなる」と負の連鎖を心配する組合員。原支部長は「梅雨が明ければ本格的なアユ釣りシーズン。それまでは漁場を守り、釣り人に十分な数のアユを残してあげたい」と話す。追い払いの効果を見ながら、しばらくは見張りを続ける方針だ。

(タカでムクドリ追い払う:三重)
三重県四日市市は、近鉄四日市駅から国道1号にかけての中央通りのクス並木に飛来するムクドリを追い払うため、放鷹(ほうよう)を始めた。2年前から実施している事業。ムクドリが集まってくる夕方に鷹匠2人とタカ2羽が出動する。8月2日までにあと4回実施する予定。午後5時半ごろから同8時まで、ムクドリの飛来状況などをみて行う。交通規制などは行わない。初日となった16日は午後6時ごろからムクドリが集まり始めた。鷹匠がタカを放つ様子は通行人らから注目を集めていた。

(獣害減らした伊賀の里山、悩む人々にノウハウ伝授:三重)
三重県伊賀市で、地域住民や行政、研究機関、メーカーが連携して農作物の獣害対策を指導する全国でも珍しい法人が活動している。一般社団法人の獣害対策先進技術管理組合で、同市阿波地域で確立した情報通信技術(ICT)などを活用した猿・鹿・イノシシ対策のノウハウを、被害に悩む他の地域に普及させることを目指している。同法人は、同地域住民自治協議会副会長の村上靖尚さん(67)を代表に、鳥羽商船高等専門学校(鳥羽市)、兵庫県立大学、獣害対策機器メーカーのアイエスイー(伊勢市)で構成。三重県と伊賀市の協力を得て、昨年11月に設立した。メンバーは10年以上、同地域の獣害軽減に一丸となって取り組んできた。「われわれが実証してきた成果を、悪戦苦闘の歴史と共に伝えたい」と村上さんは話す。法人はこれまで6回の研修会を開き、参加者は県内外から延べ100人を超えた。獣害対策の一つのモデルを提案している。同地域はかつて、猿の群れと、鹿の密度が県で最も多く、農作物被害が甚大だった。住民らが助けを求めた先が、当時県農業研究所にいた山端直人研究員(現・兵庫県立大教授)で、害獣の生息地管理と個体数管理の両方を進めてきた。集落全体を防護柵で囲い、それでも用水路などを伝って侵入してくる鹿やイノシシは、ICTを活用した箱わなで捕獲。スマートフォンでわなの映像を見ながら扉を閉められるシステムで、群れごと捕まえて個体数を減らした。猿の追い払いや駆除も進めた結果、被害額を8割以上減らすことができた集落もある。山端教授は「獣害はゼロにはならなくても、必ずコントロールはできる。だがそのためには、住民が主体となって取り組む必要がある」と指摘。阿波地域では、集落ぐるみの追い払いや、収穫残さの除去など、地域を挙げて対策を進めたことが奏功したという。法人は年5回ほどの定期研修会を開く他、視察研修も随時受け付けている。7月3日に視察に訪れた福島県桑折町議会の議員らには、主にイノシシ対策を指導。柵の張り方や、箱わなの効果的な設置場所などを説明した。同町でもイノシシ被害が深刻化。議員の一人は「どうにか住民を巻き込んだ対策を進めたかった。その成功例として阿波地域を参考にしたい」と話した。研修はいずれも有料で、同地域の獣害対策維持費などに充てる。村上さんは「獣害対策は個体数が減った後でも、続けていくことが重要だ。地域の未来のために、維持費を賄う仕組みを作っていく」と話している。

(家族でクレー射撃、全日本大会に合わせ朝霞で:埼玉)
東京五輪・パラリンピックの射撃競技会場となる朝霞市で、開幕1年前イベントがあった。全日本ライフル射撃大会も同時開催され、訪れた人たちは1年後に迫る大会の雰囲気を味わった。射撃競技は市内にある陸上自衛隊朝霞訓練場で来年7月25日から8月3日まで行われ、日本人選手の活躍が期待される。1年前イベントは市立総合体育館で開かれ、この日はビームライフルやクレー射撃シミュレータの体験コーナーがあった。

(公園生息数1388頭、過去最多を更新:奈良)
奈良の鹿愛護会は17日、奈良市の奈良公園区域に生息する国天然記念物「奈良のシカ」の生息頭数調査の結果を発表した。保護施設の鹿苑に収容された鹿を除く公園生息数は前年よりも24頭増えた1388頭で、3年連続の増加。昭和30年の調査開始以来最多を更新した。調査は今月15、16の両日、同会の職員ら延べ72人が目視により実施。鹿苑内を除く公園生息数の内訳は雄357頭(前年比2頭増)、雌756頭(同11頭減)。今年生まれた子鹿は前年より37頭多い275頭となり、4年連続で200頭を超えた。

(エゾシカGI指定を支援へ:北海道)
食肉としての活用が期待されているエゾシカの消費拡大を目的に、道は日本各地の特産品を国が地域ブランドとして保護する「GI=地理的表示制度」の指定を目指し、生産者団体を支援していくことになりました。エゾシカは農作物に被害を及ぼすとして駆除が進められていて、道内では毎年、約13万頭が捕獲されていますが、食肉として活用されるのは2割ほどにとどまっています。このため道はエゾシカの消費拡大に向けて、一定の要件を満たした農林水産物などの特産品を国が地域ブランドとして保護する「GI=地理的表示制度」の指定を目指すことになりました。具体的には▼必要な情報を関係団体から収集したり▼指定に必要な品質基準など、登録に向けた課題を整理したりして、生産者団体が国へ申請するための環境を整えるということです。道はGIの指定によってエゾシカのブランド力を高め、消費拡大につなげるとともに、新たな雇用や産業の創出など、地域振興にもつなげたい考えです。

(イノシシ食べて夏満喫:京都)
京丹後市弥栄町味土野で8月4日、イノシシの肉を使ったカレーとバーベキュー体験が開かれる。イベントを主催する味土野区の住民は「暑い夏を味土野で暴れ回るイノシシを食べて乗り切ろう」と参加を呼び掛けている。

(“IoT罠”で獣害対策:埼玉)
埼玉県飯能市と京セラコミュニケーションシステム(KCCS)が、Sigfoxを活用した“IoT罠”による獣害対策に乗り出した。住民生活を脅かす害獣との長期戦を勝ち抜く武器として、対策隊は大きな期待を寄せる。農林水産省によれば、2017年度の野生鳥獣による農作物被害は約164億円にのぼる。被害額は5年連続で減少したものの依然として高い水準にあり、営農意欲の減退など数字に表れない影響も無視できない。加えて厄介なのが、被害は農林業に留まらないことだ。埼玉県飯能市産業環境部 農業振興課 鳥獣被害対策室の室長を務める森田高広氏は、「近年、生活面での被害も非常に増えてきた」と話す。イノシシや鹿、アライグマ等が住民の生活圏にも出没。深刻な被害が出始めてきた。例えば山間地域では、イノシシや鹿が斜面を通る際に岩や土砂が崩れ、住宅地に落下。庭先の草花が食べられるケースも頻発している。昨年には、鹿の往来によって市道ののり面が崩れ、道路公園課に整備要請が来た。「2014年ごろから生活圏での被害報告が増えた」と農業振興課長 兼 農業委員会事務局長の木﨑晃典氏は語る。他にも住宅や市施設への侵入、自動車や列車との衝突なども発生。鳥獣害対策は、「生活を守るための最重要課題の1つに位置づけなければならなくなった」。抜本的な対策に乗り出したのが2017年4月のことだ。それまでは農林業被害という観点から農林課の職員が対応していたが、体制を見直し。市の正規職員74名からなる組織横断的プロジェクトチームとして飯能市鳥獣被害対策隊が発足した。中心となった木﨑氏も同年に狩猟免許を取得。捕獲従事者として活動しており、月に15頭も捕獲することがあるという。鳥獣害に悩む自治体は多く、飯能市の対策隊立ち上げのニュースは当時、全国の自治体から関心を集めた。

(ドローンでカラスを撃退:佐賀)
国内のさまざまな施設が、カラスに悩まされている。その対策として、佐賀県にある太陽光発電所で、これまでにない手法が導入されて、成果を上げている。ドローン(無人小型飛行体)と地上に置いた定置型のスピーカーを組み合わせ、地上と上空からカラスが嫌がる音声を拡声するというものだ。太陽光発電関連やドローンのスクール運営などを手掛けている日本環境テクノ(佐賀市)が、自社で開発・運営している出力約930kWの太陽光発電所で、効果を確認した。スピーカーを備えたドローンが、太陽光発電所の上空を、カラスの悲鳴などの音声を鳴り響かせながら飛び回ると、発電所内や近隣の樹木にとまっているカラスが、慌てて右往左往して飛び去っていく。この太陽光発電所の周囲には、数百~1000羽程度のカラスの群れが日常的に飛来していた。この動画は、初めてドローンを飛ばしてカラスが嫌がる音声を拡声した時のもので、カラスの大群が一斉に逃げ出している様子がわかる。ドローンと地上の定置型のスピーカーによる拡声を組み合わせたカラス撃退法の効果は持続性があり、現在では、この太陽光発電所の周辺にカラスが寄り付かなくなったという。日本環境テクノでは、この手法の有効性の認知度を高めようと、地元の佐賀に拠点を置く新聞社やテレビ局を招いて、デモンストレーションを披露する機会を設けた。この際、太陽光発電所の周辺には、すでにカラスが寄り付かない状況になっていた。そこで、近隣のカラスが残っている山を探し、そこでデモを実施しなければならなくなっていたほど効果があると強調している。新手法でカラスを撃退している太陽光発電所は、唐津市佐志の山間部に立地している。設置した約3200枚の太陽光パネルのうち、カラスが石などを咥えて飛来し、太陽光パネルの上に落とすことで、これまでに7枚のパネルが割られていた。さらに、フンによる被害やさまざまな悪戯も含めて、カラスによる被害に悩まされてきた。太陽光パネルの下に植えている約3000本のシイタケの木に糞尿をかけられたり、カバーガラスが割れていた太陽光パネルの上に、割れた茶碗がのっていたこともある。近隣の農家なども、カラスの被害に苦しんできた。イチゴを栽培しているビニールハウスに穴をあけたり、栽培中のタバコの苗を引き抜いたり、豚舎や牛舎では、飼料を食べるだけでなく、エサの中にフンを落としていくため、家畜が病気になる原因にもなっている。同社はこれまで、別の太陽光発電所で追尾式の架台システムを採用するなど、小室光春代表取締役のアイデアを積極的に事業化してきた。カラス対策でも、これまでさまざまな既存の手法を取り入れ、効果を試してみた。例えば、カラスがとまりやすい、アレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)の最上部に釣り糸を張り、足に釣り糸が絡むことを嫌がる効果を狙ったり、カラスが嫌がるタイプのフラッシュ光をLEDで上空に向けて発する機器を設置したりしたほか、爆竹やロケット花火、エアーガン、反射テープなど、さまざまな方法を試した。しかし、どの手法も決め手となるような効果は得られなかった。このうち、フラッシュ光を上空に向けて発する機器は、電柱の営巣対策向けに開発・製品化されたもので、電力会社に広く採用されているだけでなく、国内のメガソーラー(大規模太陽光発電所)でも採用が広がっている。しかし、この太陽光発電所では、十分な効果を発揮したのは当初だけで、持続的な効果はなかったという。カラスが飛散したのは設置後、約1週間にとどまり、その後は、慣れてしまい再び寄りつくようになり、この機器の上にカラスがとまったり、さらには、LEDの発光部の上にフンを落とし、光が出ない状態になったという。こうした状況の中、日本環境テクノの小室代表取締役は、鳥獣害防止システムを開発しているベンチャー企業である、ECO-5(佐賀市)の開発した「音声によるカラス撃退法」を知り、太陽光発電所に導入して効果を確かめることにした。ECO-5は、カラスだけでなく、イノシシやシカなど、さまざまな動物による被害への対策に、鳥獣による音声を使った鳥獣害防止システムを開発・販売している。おもにスピーカーを備えた定置型のシステムを使い、天敵の声や、天敵に襲われている時に発する鳴き声などを組み合わせ、さまざまな場所から流す。同社の永野洋一代表取締役によると、そうした音声もただ拡声するだけでは効果が長続きせず、定置システムを置く場所を頻繁に変えたり、流す音声をスピーカーごとに変えたり、音声そのものも時折変えていくといった、鳥獣が慣れない工夫が重要と言う。どこから、どのタイミングで、どのような音声が流れてくるのかわからない環境を作ることが、効果を持続させるコツの一つのようである。カラス対策では、タカやハヤブサ、ワシなどの天敵の鳴き声のほか、猟銃の音、カラスの怯えた時の鳴き声だけでなく、意外なところでは、ウミガモの声など、幅広い種類の音声を拡声している。カラスは特に頭が良く、効果的な音の種類や出し方がポイントとしている。日本環境テクノの太陽光発電所では、地上に10台の撃退用スピーカーを置いている。このうち8台はカラス、残りの2台はイノシシ向けとなっている。近隣の山の斜面をイノシシが頻繁に掘っており、この行動を防ぐ目的で、夜間に犬が吠える声を拡声している。この定置型スピーカーを導入したところ、カラスが怯えて逃げ出し、急激に少なくなった。置く場所や拡声する音声を変えていくことで、効果が持続することもわかった。こうした経緯から、日本環境テクノでは、自社のもう1つの事業の柱であるドローンを組み合わせれば、より効果的なカラス撃退法を実現できるのではないかと考えた。小室代表取締役によると、定置型とドローンのどちらかに偏った手法では、効果に限界がり、両方を組み合わせることで、初めて持続的な対策を実現できる。冒頭の動画は、初めて発電所で試した時の様子で、小型のドローンを使った。音声の効果は確認できたものの、ドローンが小型なために、カラスがアタックすることも観察された。また、小型ドローンが備えているスピーカーの出力が、カラスを怖がらせるレベルに拡声するには不十分なこともわかった。そこで、ドローンを、より適切なものに変え、拡声器の出力を上げた。この拡声器を搭載しながら、安定して飛行するためには、より大きなドローンの機体が必要になった。この機体の大型化は、カラスによるアタックを抑制する効果にも繋がった。また、反射光を発しやすい部材を機体に後付けするなど、視覚的にもカラスが嫌がる工夫を加えた。ドローンの飛ばし方にも、コツがある。高速で飛ばしながら拡声するのではなく、ゆっくり飛ばしたり、ホバリングさせたりすることを組み合わせる方が効果的という。対策の対象がイノシシやシカに変わると、また飛ばし方が変わってくる。こうして確立した新たなカラス撃退法によって、日本環境テクノの太陽光発電所では、カラスがほとんど寄り付かなくなり、フンによる被害も目に見えて減った。周辺の農家や畜産家は、当初、音声の不気味さと大きさには驚いたものの、カラス対策の恩恵を受けられることから、協力的としている。カラスが寄り付かなくなる効果を見て、定置型スピーカーによる拡声のタイミングは1分間隔から5分間隔に広げ、ドローンによる拡声も1カ月に2回に減らした。それでも、同様の効果が持続している。日本環境テクノとECO-5では、このカラス撃退法に必要な機材やノウハウを広く拡販していく構想もある。


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(渥美半島のイノシシ根絶で協議:愛知)
野生のイノシシを介した豚コレラの感染拡大を食い止めようと、東海3県で最も多くの豚を飼育している愛知県の渥美半島で、野生イノシシの根絶を目指す協議会が開かれました。田原市と豊橋市にまたがる渥美半島では、20年ほど前までは、野生のイノシシはいませんでしたが、近年、急増して愛知県の推定で740頭が生息しているとみられ、県では、豚コレラの感染を拡大させるおそれがあるとして、わなを使った捕獲を強化しています。16日の会議には、地元の猟友会や学識経験者などが参加し、まず愛知県の担当者から今年度は6月末までの3か月間で、2つの市で106頭が捕獲できたことや、1キロ四方ごとに自動撮影カメラを設置して、イノシシの行動の把握につとめていることが紹介されました。また、イノシシの生態に詳しい研究者から子どもよりも大人のイノシシを捕獲したほうが、より効果的だとして、捕獲したイノシシの前歯が乳歯か永久歯か調査し、生殖年齢に達しているかどうか調べることが大切だとアドバイスを受けたということです。渥美半島では、豚コレラの発生で飼育されているブタ3万5800頭があまりが殺処分になっているだけに、関係者は今後も定期的に野生イノシシの根絶に向けた話し合いを続けることにしています。

(豚コレラ餌ワクチンでクマ出没、周辺の調査中止へ:岐阜)
豚(とん)コレラが岐阜県内外の野生イノシシに広がる中、高山市で6月に野生イノシシの有害捕獲用のわなにかかったツキノワグマに男性2人が襲われた事故を受け、県は、イノシシ用の経口ワクチンの散布場所などにクマの出現が確認された場合、周辺での調査捕獲を中止することを決めた。東北地方ではイノシシを捕獲するためにまいた餌を求めてクマが頻繁に寄りつく事例が確認されており、有識者は「経口ワクチンの散布もイノシシだけでなくクマへの餌付けとなる認識を持つ必要がある」と話している。「イノシシの捕獲にはクマの問題がつきまとう」。6日に岐阜大(岐阜市)で開かれた「安定的にツキノワグマがいる地域の現状と課題」を考える講演会で、野生動物と人の共生に取り組む合同会社「東北野生動物保護管理センター」(仙台市)の代表社員宇野壮春さん(40)は、イノシシ用の箱わなの中にある餌を求めてクマが現れる映像を見せ、東北地方の現状を報告した。調査のため設置した箱わな(4~10月)のほとんどの場所にクマが現れたという。クマとイノシシは餌の好みが一緒で「力関係はクマの方が上。クマはイノシシ以上に警戒心が低いので餌付いてしまう」と指摘した。岐阜県は、5月に行った経口ワクチンの散布で2カ所でイノシシ確認用のカメラにクマが写っていたが、特段の対応は取っていなかった。12日に始まった第2期1回目のワクチン散布からは、カメラ映像や周辺の痕跡でクマの出現が確認された場合、周辺での調査捕獲などの作業を中止することにした。ワクチン散布の際は、クマ撃退用のスプレーなどを携帯し、3人一組で作業に当たることを徹底している。県担当者は「中止にする範囲は、猟友会の意見や現場の状況などを踏まえて判断したい」と説明する。県内のツキノワグマの個体数水準は東北地方と同程度と推定される。北アルプス地域の個体群は増加傾向で、白山・奥美濃地域の個体群は横ばいで推移しており、県内の山林のほぼ全域でクマと遭遇する可能性がある。岐阜大の鈴木正嗣教授(野生動物管理学)は「(クマに対する)危機管理体制を整える必要がある。センサーカメラを増やし、しっかりとモニタリングすることが必要ではないか」と話している。

(クマに襲われ女性けが:福島)
15日午前9時ごろ、福島県北塩原村檜原の毘沙門沼ボート乗り場付近で、観光に来ていた千葉県市原市の女性(44)がクマに襲われた。女性は顔や背中などを引っかかれる軽いけがを負い、クマは沼を泳いで逃げた。猪苗代署によると、女性は親族と沼近くの遊歩道を歩いていたところ、体長約80センチのクマが正面から向かってきた。同署や地元の猟友会などが周辺を捜索したが、見つからなかった。

(クマに襲われ女性重傷:岐阜)
14日午後5時50分ごろ、恵那市上矢作町の畑で、近くのパートの女性(72)がクマ1頭に襲われた。女性は自宅へ逃げ戻り、家族を通して119番し、病院へ運ばれたが、右手親指骨折の重傷を負った。意識はあるという。恵那署によると、現場は恵那市上矢作振興事務所から東へ4・4キロ離れた人家もまばらな地域。女性は自宅から約50メートル離れた畑の様子を見に行ったところ、クマに襲われた。クマは2頭いて1頭に右手をかまれたとみられる。体長などは分かっていない。署や市は行政無線や市民メールなどで注意を呼び掛けている。隣接する中津川市では、先月末から先週にかけ、住民らがクマに襲われる被害が2件続いていた。

(山林でクマに襲われ男性けが:岩手)
14日昼過ぎ、岩手県北上市の山林で、男性が親子と見られるクマに襲われけがをしました。クマは今も見つかっておらず、警察と市が注意を呼びかけています。14日午後0時過ぎ、北上市和賀町藤根の山林で、北上市飯豊の自営業・大森広美さん52歳が散歩中に、突然現れた親子と見られるクマに襲われました。大森さんは顔や頭、左腕を引っかかれましたが、自ら消防に通報し現在病院で治療を受けています。意識もあり命に別状はないということです。親子と見られるクマは大森さんを襲った後、現場から逃げ去り、警察や北上市がパトロールを行っています。子どもを守ろうと親グマが攻撃してくる危険もあるため、見つけても刺激しないよう呼びかけています。

(ヒグマがまた飼い犬襲撃か:北海道)
根室管内羅臼町海岸町で11日、民家の飼い犬が血痕を残して不明になり、現場を調べた知床財団(オホーツク管内斜里町)が近くにあったヒグマのふんのDNAを外部に委託して解析したところ、昨年8月に付近で飼い犬2頭を襲った個体のものと一致したことが分かった。2年連続で特定のクマが飼い犬を襲った可能性が高く、同財団や町は住民に警戒を呼び掛けている。財団によると、10日夜、民家の庭先に鎖でつながれていた中型の雑種犬がしきりにほえた後に静かになり、11日朝、飼い主が確認すると血痕を残していなくなっていた。通報を受けた財団が民家から数十メートル先の茂みに犬の毛とクマのふんが落ちているのを見つけ、北大大学院にふんを送ってDNA解析を行っていた。

(登山の男性、クマに襲われけが:北海道)
11日、十勝の中札内村と日高の新ひだか町にまたがるカムイエクウチカウシ山で、登山をしていた神戸市の男性がクマに襲われ、腕に軽いけがをしていたことがわかりました。警察によりますと11日午前4時40分ごろ、カムイエクウチカウシ山の登山道を登っていた神戸市灘区の65歳の男性が、上から降りてきた体長1メートル50センチ程度のクマ1頭に襲われました。男性が持っていた杖などで抵抗したところ、クマはその場から逃げたということです。男性は抵抗した際、右腕に10センチ程度の切り傷を負いました。男性はその後も登山を続けて11日夕方に下山し、中札内村役場を訪れたことからクマに襲われたことがわかったということです。カムイエクウチカウシ山は標高1979メートルと日高山脈で2番目に高い山で、登山者に人気がありますが、昭和45年には大学の登山隊がヒグマに襲われ、あわせて3人が死亡しています。警察は登山者に対し、クマには十分に気をつけるよう呼びかけています。

(観光牧場、「クマ」に従業員襲わる:福島)
11日午前6時45分ごろ、郡山市熱海町の牧場で、従業員の男性(67)が野生のクマに襲われた。男性は手や頭をかまれたり引っかかれたりしてけがをした。命に別条はないという。郡山北署や同牧場によると、男性が牧場内を巡回していた際、遊歩道の奥の山林から出てきたクマと遭遇。クマは体長約1メートルで、男性を襲った後、山林に立ち去ったという。同署や地元猟友会が周辺をパトロールしたが、クマはいなかった。同牧場は、来場者の安全対策のため、当面の間は臨時休場とする。来場者が山林の方に立ち入らないよう、注意喚起の看板や柵などを設置するという。

(バイクとカモシカが衝突、男性が軽傷:秋田)
15日昼ごろ、湯沢市の国道でバイクの事故がありました。バイクが衝突したのは道路を横断してきたカモシカでした。カモシカは死にバイクを運転していた男性は軽いけがをしました。事故があったのは、湯沢市皆瀬の国道398号です。湯沢警察署の調べによりますと、15日正午ごろ、30代の男性が小安峡方向から湯沢市中心部方向にバイクで走っていたところ、国道を右からを横断してきたカモシカと衝突し転倒しました。バイクは、車体の前の部分が壊れ運転していた男性は肩と膝にけがをしましたが、けがの程度は軽いということです。衝突の後カモシカは死にました。現場は片側一車線で国道沿いには林や藪がありけがをした男性と一緒に、ツーリングをしていた男性は「右側からものすごい速さでカモシカが出てきた」と話していました。県内では車がクマと衝突する事故も各地で起きています。

(クマに襲われ釣り人重傷:岐阜)
12日午後2時10分ごろ、岐阜県中津川市中津川の正ケ根川で「クマに襲われた」と渓流釣りをしていた男性会社員(44)=同市千旦林=から消防に通報があった。中津川署によると、男性は頭部を約30針縫うけがのほか、手の指を骨折するなどのけがを負った。釣りをしていた男性は物音がして振り返ると、クマが襲いかかってきたという。クマは成獣とみられる。現場は恵那神社から東約300メートルの山あいにある。市内では、6月下旬に高齢女性がクマに襲われるなどクマの目撃情報が相次いでおり、市はパトロールを強化している。

(御釜近くで83歳男性クマに襲われけが:宮城)
11日午後2時ごろ、宮城県川崎町の蔵王の火口湖・「御釜」近くの登山道で、山形市に住む無職の83歳の男性が、高山植物を撮影するため1人で歩いていたところ、一頭のクマに襲われた。警察の調べによると、クマは体長約1メートル。

(世界トップ選手が集結:神奈川)
クレー射撃の国際大会「第23回環太平洋射撃選手権大会」が、7月5日から7日まで県立伊勢原射撃場で初開催された。2020年東京五輪のリハーサル大会に位置付けられていて、日本をはじめ台北、韓国、オーストラリア、アメリカ、香港の6つの国と地域から75選手が出場した。環太平洋射撃選手権大会は環太平洋リーグ加盟国が持ち回りで実施している大会で、日本での開催は4回目。世界の射撃競技を統括するISSF(国際射撃スポーツ連盟)のルールで、海外選手と競える貴重な機会として注目されていた。クレー射撃は、石炭などで作られたクレー(標的)を空中に飛ばし、散弾銃で射撃して命中した数を競う競技。今大会はスキート競技(左右に飛び交うクレーを撃ち落とす競技)とトラップ競技(遠くに飛び去るクレーを追い撃ちする競技)の2種目で行われ、世界トップレベルの選手が2日間にわたり熱戦を繰り広げた。試合前日の5日に伊勢原市は、海外から大会に訪れた選手らのおもてなし事業として「大山観光ツアー」を実施。これは、主催者の(一社)日本クレー射撃協会の依頼で大会を盛り上げるためのアトラクションとして企画したもので、当日は選手ら18人が参加した。参加者は語学ボランティア「KSGG(神奈川善意通訳者の会)」のガイドのもと、大山ケーブルバス停から歩いてこま参道を通り、ケーブルカーで大山阿夫利神社下社へ。到着後同下社で参拝した。ツアーを企画した市商工観光課の担当者は「予想以上の参加者だった。天気は曇りだったが、皆楽しんでいる様子がうかがえた。初の試みだったが伊勢原のPRになったのでは」と話す。また期間中会場では同事業の一環として、「日本遺産のまち伊勢原うまいものセレクト」の特産品が販売された。「伊勢原産トマト」や「大山地ビール」「伊勢原漿倶(しるく)(豆腐)」「大山阿夫利246(生乳茶果)」などが販売され、特産品で出場選手らに伊勢原市をPRした。2020年東京五輪の射撃競技は、陸上自衛隊朝霞訓練場で開催される。

(豚コレラ、イノシシ感染急拡大)
豚コレラウイルスに感染した野生イノシシが岐阜や愛知だけでなく、福井や三重にも広がった。感染イノシシの発見頭数は11日午後7時の段階で、岐阜713頭(27市町村)、愛知36頭(4市)、三重4頭(1市)、福井5頭(4市町)の計758頭。岐阜県内ではほぼ毎日見つかっており、ここ1カ月で急速に感染イノシシの分布が広がった。東海地域の各養豚協会会長は「危機のステージが大きく高まった」とし、切迫感が広がる。全42市町村のうち半数を超す27市町村で713頭の感染イノシシが見つかった岐阜県。県中央部の岐阜市と関市では発見頭数がともに70頭を超えた。県北側の飛騨地域ではしばらく発生が確認されていなかったが、5月23日に下呂市、6月11日に高山市でそれぞれ初めて見つかった。分布図は県内全域に広がり、長野や福井の県境でも相次いで発覚している。三重県境にある岐阜県養老町でも5月下旬に初の感染を確認した。愛知県でも感染イノシシの数拡大に歯止めがかからない。昨年12月に岐阜に隣接する犬山市で初めて確認されて以降、全54市町村のうち春日井市、瀬戸市、豊田市の4市でこれまでに36頭が見つかった。県は「感染イノシシの発見ペースが非常に速い」と危機感を募らせている。福井県では今月7日に大野市で2頭が初めて確認され、越前市と池田町でもそれぞれ1頭ずつ確認。11日には勝山市で新たに1頭が見つかった。三重県では6月26日にいなべ市での初確認以降、これまでに同市で4頭見つかった。同県でも経口ワクチンの埋設を16日から本格的に始める方針だ。生産現場からは「イノシシが少ない地域でも養豚場で豚コレラが発生している」との声が一部出ている。これに対し、農研機構・西日本農業研究センター畜産・鳥獣害研究領域鳥獣害対策技術グループの江口祐輔グループ長は「人間が気づいていないだけでイノシシはいる」とみる。岐阜や愛知以外でも豚コレラウイルスに感染した野生イノシシが相次いで発覚していることに「これまでイノシシの広がりを抑えられていたとも言える。ただ、発生した養豚場には人間によるウイルスの持ち込みも想定され、イノシシだけに注目していても感染は防げない」と強調し、総合的な対策の必要性を指摘する。イノシシの行動範囲はひとくくりにはできないが、餌があれば動かないが、なければ移動する。他の動物に比べ、環境によって大きく行動範囲が変わるのが特徴だ。雄の方が分散し、雌は定着性がやや高いとは言える。猟などで追い回せば長い距離を移動することがあるが、狩猟をやめたりイノシシが移動した先で密度が高かったりすると戻るデータもある。1、2歳になれば親離れし、雄は単独で移動する。雌は基本的に出生地を中心に子どもを連れて生活する。出産は春から夏にかけてで、6月がピーク。出産期は警戒心が上がり、移動距離も狭まる。ただ、一般的に子どもを生んで数週間たてば、雌のイノシシが子どもを連れてうろつく。発情期の冬になると雄が出歩き、雌を求めて本来の行動範囲より広がって移動することもある。

(豚コレラで農水省検討、10キロ圏から防護柵設置)
農水省は豚コレラ感染拡大の要因であるイノシシ対策で、新たに農場を囲む防護柵の設置などを支援する方向で検討に入った。飼養豚へのワクチン接種は現時点で実行せず、飼養衛生管理基準を徹底する方針。他の疾病対策も視野に入れ、農場の管理強化を後押しする。ウイルスに感染した野生イノシシが見付かった場所の近隣地域から、優先的に対応する見通しだ。同省は、飼養豚へのワクチン接種を巡り、発症がなくなるなどのメリットがある一方、接種豚と野外で感染した豚が区別できなくなるため、移動制限が必要になるなどのデメリットがあることを問題視する。現段階では飼養衛生管理基準に基づき、ウイルスの侵入防止対策を徹底する方針を継続する考えだ。発生農場周辺では、感染イノシシが発見される事例が相次ぐ。同省は、イノシシを通じ、人や小動物がウイルスを養豚場に持ち込む可能性が高いとみる。このため飼養衛生管理基準を徹底する一環で、農場を囲う防護柵の設置の支援などを検討する。イノシシが農場に近付けないようにし、感染リスクを引き下げる。農場防護柵の設置を含め、イノシシ対策を講じる対象地域は、イノシシの発生状況などを踏まえて4種類に分ける方向。このうち、対策を最優先するのは、感染イノシシが見付かった地点から半径10キロ圏内にする案が浮上している。防護柵設置は、アジアで猛威を振るうアフリカ豚コレラなどの対策としても位置付け、広い範囲で推進する方針だ。

(新たに感染イノシシ3頭:長野)
長野県は15日、同県木曽町と根羽村で家畜伝染病「豚コレラ」に感染した野生イノシシ計3頭が見つかったと発表した。同県内では、13日に木曽町で野生イノシシの豚コレラ感染が初めて確認されており、累計で4頭となる。県園芸畜産課によると、12日に根羽村でメスのイノシシがわなで捕獲された。愛知県豊田市と岐阜県恵那市で感染したイノシシが見つかった両地点からそれぞれ10キロ以内だったため、検査したところ陽性が確認された。木曽町では、初めて感染した個体が発見された地点から3~6キロほど離れた場所で、死んだメスのイノシシが13、14日に1頭ずつ見つかり、ともに陽性だった。県などは感染イノシシの見つかった木曽町、根羽村の現場付近を消石灰などで消毒。県は、県内の養豚農家全117戸に異常がないか聞き取りを始めた。発見地点から半径10キロで捕獲されたイノシシは全頭検査する。9月に予定していた経口ワクチンの散布は前倒しする方向で検討している。

(野生イノシシ、豚コレラ感染確定:長野)
県は13日、木曽郡木曽町で見つかり豚コレラ感染が疑われていた野生イノシシについて、国の検査機関による確定検査で感染を確認したと発表した。遺伝子解析の結果、これまでに他県で確認されたのと同じ配列の豚コレラウイルスを確認した。野生イノシシの感染は県内では初めてで、岐阜、愛知、三重、福井に続き、5県に広がった。感染確定を受け、発見地点から半径10キロ圏内の木曽町、木曽郡上松町、王滝村、木祖村、塩尻市の一部は、より厳重な豚コレラ検査が必要な「調査対象区域」となった。区域内では死骸だけでなく、わななどで捕獲したイノシシも感染の有無を長野県が調べる。県園芸畜産課によると、区域内に養豚場はない。県は13日、全117戸の養豚農家などに、木曽町の野生イノシシの豚コレラ感染が確定したことを通知し、改めて防疫対策の徹底を呼び掛けた。12日から聞き取り調査をした結果、全てで豚などに異常がないことを確認した。また、10キロ圏内で死んだり、捕獲したりした野生イノシシについて、焼却や埋却などで適切に処理するよう、地元の市町村や猟友会などに求めた。今後、野生イノシシへの経口ワクチン散布に向け、国との協議を急ぐ。同課担当者は「養豚場に感染が広がらないよう、スピード感を持って対応していく」としている。感染が確定したイノシシは雄の成獣で、8日に木曽町新開杭の原の住宅前で死んだ状態で見つかった。県松本家畜保健衛生所(松本市)が遺伝子検査をし、12日に陽性を確認。県は検体を国の検査機関に送り、確定検査を依頼していた。結果は当初、13日午前に判明する見通しだったが、うまく出ずに再検査し、県には同日午後6時ごろに農林水産省から連絡があった。

(「今週中の散布目指す」、豚コレラ経口ワクチン:長野)
県内で野生イノシシの感染が確認された家畜伝染病「豚コレラ」について、JA長野中央会の雨宮勇会長らが十六日、県庁を訪れ、阿部守一知事に感染拡大の防止を要請した。阿部知事は、九月に予定していた経口ワクチンの散布を前倒しし、今週中の実施を目指す考えを示した。県によると、経口ワクチン散布は通常、県や市町村、地元猟友会などでつくる協議会の議論を経て、国の事業として行う。野生イノシシの感染が相次いで確認されたことを受け、今回は緊急対策として協議会の議論を省略して県の責任で実施する方針で、市町村などとの調整を急いでいる。ワクチンは、エサとなるトウモロコシの粉末と一緒に土中に埋め、野生イノシシに食べさせる。県内で感染が確認された五頭のうち四頭が見つかった木曽地域から始める方針で、残り一頭が見つかった南信地域での散布も検討する。JAはこの日、経口ワクチンの散布前倒しや野生鳥獣の侵入防止対策拡充など五項目を要請。雨宮会長は「とても憂慮している。力を貸してほしい」と訴えた。阿部知事は「問題意識は一致している。今後も現場の声を共有し、気を引き締めて取り組む」と応えた。

(豚コレラのイノシシ、感染拡大:長野)
長野県は16日、同県木曽町で捕獲された野生イノシシ1頭を県の検査機関で調査した結果、豚コレラへの感染を確認したと発表した。15日には、県内で死んだ状態などで発見された野生イノシシ3頭が豚コレラに感染していたと発表。同県での野生イノシシへの感染確認は計5頭になった。県によると、新たに感染が確認されたのは、12日に根羽村の民間のわなで捕獲された1頭と13、14両日、木曽町で相次いで死んでいるのが見つかった2頭、15日に木曽町でわなにかかった状態で見つかった1頭の計4頭。いずれの発見場所からも半径10キロ圏内に養豚場はないという。

(野性イノシシ初感染、豚コレラ:岐阜)
岐阜県は16日、海津市や加茂郡七宗町など4市2町で見つかった野生イノシシ計9頭が豚コレラに感染していたと発表した。海津市では初めて確認され、12日に南濃町の山中で雄の成獣1頭がわなにかかっているのを地元の猟友会が見つけた。全て16日の県の遺伝子検査で陽性と判明した。県内で感染が確認された野生イノシシは28市町村で計726頭となった。

(豚コレラ、ワクチン入り餌散布へ:石川)
福井県内で豚コレラに感染した野生イノシシが相次いで見つかったことを受け、県は12日、県庁で緊急の対策会議を開いた。ウイルスの侵入リスクが高まっているとして、谷本正憲知事は8月にもワクチン入りの餌を散布する方針を示した。県によると、12日夕時点で県内での感染は確認されていない。

(豚コレラ、食い止めに全力挙げねば:長野)
豚コレラに感染した野生のイノシシが木曽と下伊那で相次いで確認された。急速な拡大につながりかねない状況だ。養豚場での感染を防ぐ対策に全力を挙げなくてはならない。木曽町と根羽村で、死骸が見つかったり捕獲したりした5頭が感染していた。いずれも感染経路は分かっていない。多くのイノシシの感染が確認されている岐阜県、愛知県から県境を越えて広がった可能性がある。木曽町で最初に死骸が見つかったのは岐阜県境から20キロほど長野県側だという。木曽町と根羽村は直線距離でおよそ70キロ離れている。イノシシの行動範囲が半径数キロ~数十キロにわたることも考えると、県内の広い範囲に感染が及んでいる恐れが否定できない。2月に上伊那郡宮田村の養豚場で豚コレラが確認された際は、愛知の養豚場から直前に仕入れた豚が原因だった。今回、事態はより深刻と見るべきだろう。感染力が強く、致死率が高い伝染病だ。養豚場に広がれば、甚大な損害が避けられない。野生動物が入り込まないよう防護柵や電気柵を設ける、車や靴の消毒を怠らない、といった対策を再度徹底することが欠かせない。岐阜、愛知では野生イノシシへの経口ワクチンの散布を既に行っている。長野県は9月にも始める予定を木曽で前倒しするほか、下伊那でも検討するという。対応が後手に回っていないか、あらためて点検する必要がある。養豚業者からは、イノシシだけでなく豚へのワクチン接種を求める声が出ている。ただ、政府は否定的な姿勢を変えていない。投与すると、国際的に「清浄国」とみなされなくなり、輸出に影響するためだ。再び清浄国と認められるには時間がかかる。とはいえ、ためらっているうちに打つ手がなくなりはしないか。現時点では避けるというなら、どの段階で投与に踏み切るのかを明確にしておくべきだ。豚コレラは昨秋、国内では26年ぶりに岐阜の養豚場で発生した。外国人旅行者らが持ち込んだ豚肉製品などにウイルスが含まれていて、イノシシを介して豚に感染したとみられている。初動のまずさから早期の封じ込めに失敗し、今も終息の兆しは見えない。防疫の強化とともに大事なのは、消費者の不安をあおらないことだ。豚コレラは人には感染せず、仮に感染した肉を食べても人体に影響はない。正確な情報を伝えることも行政の役目である。

(豚コレラ、防護柵に半額助成)
農水省は16日、豚コレラ拡大防止の新たな対策として、感染要因の野生イノシシなどが農場に近づけないようにする防護柵の設置費用の半額を助成すると発表した。アフリカ豚コレラ(ASF)対策も視野に入れ、約60億円の財源を確保。感染地域だけでなく全国の地域を対象とする。防疫対策の一層の強化へ、飼養衛生管理基準を早急に見直す方針も明らかにした。吉川貴盛農相は同日の会見で、ASFに対し「アジアでの拡大に歯止めがかかっていない」と危機感を表明した。豚コレラの発生が止まらないことも踏まえ、関連する特定家畜伝染病の指針、飼養衛生管理基準について「適宜、適切に見直し、総合的な対策を実施する」と述べた。見直しに当たり「家畜伝染病予防法との関連も出てくる。大至急まとめたい」と法改正も視野に検討を急ぐ考えを示した。農場防護柵の設置支援は、ASFを視野に入れた防疫対策と位置付ける。農場周辺に網目の細かい防護柵を設け、ウイルスに感染した恐れのあるイノシシや小動物の侵入を防ぐ。農畜産業振興機構の事業を活用し、設置費用の半額を助成する。ウイルスに感染した野生イノシシが見つかった地域だけでなく、全国の農場が対象だ。柵の長さは、1農家当たり平均700メートル程度を想定する。イノシシは土を掘る習性があることを考慮し、農場側へ潜り込めないよう地中50センチ程度まで柵を埋め込む設置方法を推進する。ASFの水際対策として、感染源となり得る畜産物の持ち込みを防ぐ検疫探知犬の増頭も決めた。現在40頭の検疫探知犬を年度内までに13頭増やし、計53頭を全国の空港に配置する。空港での靴底消毒も広げる。国際線が就航する29空港、6港の計35カ所で導入しているが、国際線から国内線への乗り継ぎ便がある空港も対象に加える。

(豚コレラのワクチン埋設:福井)
福井県内で豚コレラに感染した野生イノシシが相次ぎ見つかっている問題で、福井県は12日、同県越前市内で野生イノシシ向けのワクチン入り餌を埋設した。県中山間農業・畜産課は「今後、大野市内でも埋設する計画。それ以降は国と相談しながら進める」としている。県内で豚への感染は見つかっていない。同県内では7日までに大野市で感染した野生イノシシが初めて確認された。11日にも勝山市内で捕獲した雄の幼体で感染が確認され、県内で見つかった感染例は計5頭となった。県は養豚場に対して消毒や柵の設置の徹底を呼びかけている。石川県も同日、知事や各部局長らが参加する豚コレラ緊急対策警戒本部会議を開いた。

(ニホンカモシカ生息域に変化、シカに縄張り追われる?:栃木)
国天然記念物で県獣のニホンカモシカを確認できる地域が県内で減っている。環境省が13日までに公表した調査報告書によると、今回の調査(2010~17年度)で生息を確認した5キロ四方メッシュの数は95カ所で、16年前に公表された前回調査から17カ所減少した。生息確認地域は日光や那須塩原市など県北西部で減った一方、足利や佐野市、県北東部の県境付近で新たに確認され、生息域に変化がみられた。専門家は、生息域が拡大しているニホンジカの影響で分散したとみている。同省生物多様性センターが公表した「中大型哺乳類分布調査業務調査報告書」は、国や都道府県による調査、自治体・猟友会へのアンケートなどから、カモシカの生息の有無を確認しメッシュ分布図にまとめた。本県は295カ所のメッシュに区分され、うち95カ所で生息を確認。03年公表の前回調査では112カ所で確認されていた。減少率は15・2%で、生息が確認されている34都府県で京都の33・9%、大分の20・7%に次いで高かった。

(小学校、クマ再出現:山形)
山形県警長井署は12日、同県白鷹町の町立鮎貝小学校の敷地内を11日にクマが歩いている様子が防犯カメラに写っていたと発表した。けが人はなかった。同校の敷地内では今月8日にもクマが目撃され、町がカメラを設置したばかりだった。同署や町の教育委員会によると、クマは体長約1メートルで、11日午後7時半ごろ、伐採したスモモの木から落ちた実を食べているような様子が写っていた。地元の猟友会関係者が映像を確認し、教委を通じて12日午前9時55分ごろ署に通報した。同校はプールでの授業を取りやめたほか、休み時間に校庭で遊ばないよう児童に呼び掛け、下校時は集団で帰宅させた。

(くちばしをガムテープで縛られたカモ保護:滋賀)
14日午前9時40分ごろ、滋賀県彦根市平田町のアパート3階ベランダで、くちばしをガムテープで縛られたカルガモがいるのを、部屋に住む50代男性が発見、110番した。カルガモは県内では禁猟期で、県警彦根署は何者かに捕獲され逃げ出したとみて、鳥獣保護法違反の疑いもあるとみて調べる。彦根署によると、体長約40センチで、くちばしをガムテープで二重に巻かれ、羽内側の胴体部分をひもで縛られていた。羽ばたける状態で、同署は保護した後、琵琶湖に放した。カルガモの狩猟期間は県内では11月15日~2月15日。

(花火で威嚇、クマは山林へ:福島)
13日午前10時ごろ、猪苗代町長田字不動の町道で、道路を横切るクマ1頭を目撃したと、道路を歩いていた男性から110番通報があった。猪苗代署によると、クマは体長約1メートル。同署員と町職員が現場で、クマ1頭(体長約70センチ)を発見した。同署員が花火で威嚇し、近くの山林へ誘導したという。

(クマに倉庫の壁破られる:福島)
13日午後4時50分ごろ、喜多方市の寺院の家人から「倉庫にクマがひっかいたような傷がある」と喜多方署に通報があった。同署によると、境内の倉庫のトタン壁の一部が破られていた。同署はクマによる被害とみている。同署によると同日午後4時20分ごろ、寺の住職の家族が倉庫のトタン壁の一部がはがれていたのを発見。壁の柱にはクマの爪痕のような傷があり、近くにミツバチの巣もあった。被害に遭ったのは12日正午から13日午後4時20分ごろにかけてとみられる。住職を含む家族にけがはなかった。

(野幌森林公園、またクマ出現:北海道)
道立野幌森林公園内のハスカップ畑(江別市西野幌987)に江別市が設置した監視カメラが16日、クマ1頭を撮影した。午前5時ごろの撮影で、同畑でクマが撮影されるのは、7月に入ってから3回目。カメラ映像は静止画で、クマの後頭部から背中が写っていた。このハスカップ畑では、5日朝と6日夕にも市の別のカメラがクマを撮影した。市はいずれのクマも、6月10日以降に公園内外に出没している同じ個体とみて、注意を呼び掛けている。

(温泉近くで子グマ目撃:石川)
粟津温泉からほど近い小松市おびし町の住宅地で、午前7時半過ぎ、付近の住民が体長50センチほどの子グマを見つけ、警察に通報した。警察や猟友会のメンバーらが現地を捜索したがクマは見つからなかった。

(畑でクマ目撃:北海道)
14日午前7時30分ごろ、厚真町宇隆の民家敷地内の畑にクマがいるのを、この家に住む40代男性が目撃し、苫小牧署に通報した。同署によるとクマは体長約1・5メートル。犬の散歩中だった男性は自宅から約200メートル離れた地点で、20メートル先にいるクマを発見。犬がほえたところ、クマは敷地と山林を隔てる高さ2メートルのシカ侵入防止柵をよじ登り、山の方へ逃げていったという。男性にけがはなかった。同署は注意を呼び掛けている。

(イノシシ出没か:佐賀)
佐賀県警小城署は16日、小城市芦刈町永田85番地の水田付近で同日朝、体長約60センチのイノシシ1頭が出没したとして、メールで注意を呼び掛けた。

(イノシシの出没について:佐賀)
15日午後5時30分ころ、小城市芦刈町三王崎所在の東戸崎橋付近において、体長約60センチメートルくらいのイノシシ1頭が出没しました。今後も出没する可能性がありますので、注意してください。

(クマ目撃情報急増:栃木)
日光市内で15日から16日にかけ、クマの目撃情報が4件相次いだ。15日には同市山内の日光東照宮の奥宮付近でも出没。7月に入り観光客が多い二社一寺周辺でも目撃が続いており、同市は17日、近くの山林にわなを設置する予定だ。日光署などによると、15、16日は同市山内や本町、足尾町砂畑でクマの目撃があった。体長は約80センチ~1メートル。15日は午前8時ごろ、日光東照宮奥宮御宝塔付近で、観光客の男性がクマを目撃。午後には日光山輪王寺大猷院(たいゆういん)付近の山林で目撃された。移動するクマを撮影する観光客もいたという。二社一寺周辺では、先月から稲荷川近くの同市萩垣面(はんがきめん)、本町などで目撃が目立っている。社寺関係者からは「参拝者に被害が出ては大変だし、風評で来なくなっても困るので早く捕獲してほしい」との声が上がる。同署管内でクマの目撃情報は4月から計36件。7月は24件と急増している。

(「クマ目撃」、7月に入り23件:栃木)
日光市でクマの目撃情報が、16日の2件を含めて、7月に入ってからあわせて23件にのぼっていることがわかった。クマの写真は、7月6日午後3時半ごろ、日光市の川沿いの空き地で撮影されたもの。撮影した人は、「(クマは)ことしは多いみたいですよ。ほとんど毎日のように、誰かしら見てる」、「怖いもの知らずだから、人間見ても、きょとんとしてるくらい」などと話した。一方、12日朝、日光市内の事業所の防犯カメラがとらえたクマの映像。日光市内では、クマの目撃情報が相次いでいるが、16日も午前8時半ごろと午後2時40分ごろに、それぞれ目撃された。日光市内での目撃情報は、7月に入ってから、あわせて23件にのぼっている。

(道路でクマ目撃:栃木)
16日午前8時半ごろ、日光市本町の道路上、1頭、体長約1メートル。

(観光客がクマ目撃:栃木)
15日午後5時40分ごろ、日光市本町の山林内。1頭、体長約1メートル。

(日光東照宮で「クマ見た」相次ぐ:栃木)
栃木県の日光東照宮で観光客がクマを目撃したと警察に通報がありました。東照宮は看板を設置して注意を呼び掛けています。15日午前8時すぎ、日光東照宮の敷地内の重要文化財に指定されている奥宮御宝塔の付近で観光客の男性が1頭のクマを目撃し、連絡を受けた東照宮の職員が警察に通報しました。クマは体長1メートルほどでいずれかの方向に立ち去り、男性にけがはありませんでした。日光東照宮でも券売機のそばに看板を設置し、観光客に注意を呼び掛けています。日光市では先月末から連日、クマの目撃情報が寄せられていて、日光市は市内の2カ所に罠を設置するなど対策を取っています。

(クマ目撃:栃木)
13日午前10時50分ごろ、日光市山内の道路上。1頭、体長約1メートル。

(会社敷地内でクマ目撃:栃木)
12日午前7時ごろ、日光市本町の会社敷地内。1頭、体長約1メートル。

(クマの仕業か、養蜂箱荒らす:山形)
16日午前、山形市蔵王上野の農地でミツバチの養蜂箱が壊され、食い荒らされていると所有者から地元の猟友会を通じて市に通報があった。山形市によると、計10数箱ある養蜂箱のうち、3つの箱が壊され、食い荒らされていたという。現場には、クマのものとみられる足跡が残されており、クマによる食害とみられている。県内では、このほか金山町でも16日午後1時すぎ、金山小学校から北東に300メートルほど離れた民家の畑で、クマが出没したのを住民の女性が目撃した。クマはそのまま現場から走り去り、被害はなかった。

(滝野すずらん公園、南側門扉4カ所開放:北海道)
札幌開発建設部は16日、ヒグマ侵入で5日から臨時閉園している国営滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)からクマを出すため、公園南側の門扉4カ所を14日から開放したと発表した。同公園は柵で囲まれ、ヒグマは穴を掘るなどしない限り、出られない。15日もクマがアリを食べた痕跡が園内で見つかった。札幌開建は開放した門扉の地面に石灰をまき、クマの退出が足跡で分かるようにしたほか、無人カメラで監視。クマの退去が確認されれば再び開園する。

(野生のツキノワグマ親子を撮影:岐阜)
野生のツキノワグマ親子の撮影に成功しました。観光客が「あそこ、動いている、動いている」と驚いているのは、13日、岐阜県と滋賀県の県境にある伊吹山で撮影された野生のツキノワグマ親子です。道路から約200メートル離れた山の斜面で、母親についていく2頭の子どもの姿が確認できます。伊吹山でクマを観察している専門家によると、クマは人里離れた山間地で生息していますが、エサを求めて人の近くに姿を現すこともあるということです。岐阜県内では、人間がクマに襲われる被害が相次いでいて、山に近づくときは、人間側が気をつける必要があると、注意を呼びかけています。

(クマ、スモモの木登る:秋田)
秋田県内は14日、クマの目撃が相次いだ。被害は確認されていない。横手市前郷では午前4時半ごろ、50代男性が自宅敷地内のスモモの木をクマ1頭がよじ登っているのを見つけた。体長約1メートルで、西側の山に立ち去った。

(クマ目撃相次ぐ、こまちと衝突も:秋田)
11日午後8時ごろ、仙北市のJR田沢湖線で、秋田発東京行きの秋田新幹線こまち42号が走行中にクマと衝突した。12日には羽後町の小学校敷地内などでクマが目撃された。いずれもけが人はいなかった。

(クマ出没、再び立ち入り禁止に:秋田)
12日午前11時40分ごろ、秋田県鹿角市十和田大湯字万座の国特別史跡「大湯環状列石」でクマが目撃され、史跡を管理する市は当面の間、立ち入り禁止とした。史跡では9日にもクマの目撃情報があったため市が立ち入りを禁じ、その後、出没した形跡が見られないとして11日に見学の受け入れを再開したばかりだった。市によると、見学者がクマを見つけ、ガイド施設「大湯ストーンサークル館」に通報した。体長は約60センチで、史跡と同館の間にある「縄文の森」近くを歩き、西側の林に入って行ったという。同館の職員が史跡内を見回りし、見学者2人を避難させた。

(クマ、住宅地周辺にすみかか:新潟)
新潟県糸魚川市の市街地で春からクマの目撃が相次いでいる。市は市街地周辺をすみかにしている可能性もあるとみて、市民に注意を呼び掛けている。市内でクマが目撃されたり、爪痕など痕跡が確認された件数は2018年度の39件に対し、19年度は今月10日現在で66件に上っている。ことしは市役所などがある一の宮地区や、商業施設が並ぶ上刈地区など、市街地周辺でも相次いでいる。住宅や幹線道路のそばで目撃された事例もある。市環境生活課は「個体数が増えているというより、特定の個体が住宅地周辺にすみ、相次いで目撃されている可能性がある」とみている。市民に対し、音で人間の存在を知らせることや、クマが行動する早朝や夕方の単独行動を避けること、餌になるごみを放置しないことなどを呼び掛けている。子グマの目撃も多いが、近くに母グマがいる可能性があるとして子グマに近づかないよう促す。

(住宅街にサル出没:徳島)
北島、松茂両町の住宅街で10日から11日にかけて、ニホンザルが相次いで目撃された。これまでにけが人はいない。両町は注意を呼び掛けている。北島町によると、10日午後4時半ごろ、鳴門市大麻町との町境付近で住民が体長70~80センチほどのサル1匹を目撃。その後、近くの住宅街の屋根や塀を移動していたという。11日午前11時ごろには北村、太郎八須地区で目撃された。松茂町の喜来小学校付近にも現れたという。同じサルかは不明。北島町でサルの目撃情報は15年ほどなかった。松茂町でもここ数年はないという。県立佐那河内いきものふれあいの里・ネイチャーセンターの市原眞一観察指導員は「大麻町付近で群れからはぐれたのでは。危害を加える恐れがあり、餌をやらないでほしい」と呼び掛けている。

(認定鳥獣捕獲等事業者講習会の開催について)
平成27年5月に鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第46号)が施行され、認定鳥獣捕獲等事業者制度が創設されました。環境省では、認定を受ける意向のある鳥獣捕獲等事業者の捕獲従事者等を対象に、認定基準として修了が義務付けられている「安全管理講習」及び「技能知識講習」を8月に東京都内で開催いたします。

(都道府県における鳥獣の保護及び管理に関する専門的な知見を有する職員の配置状況について)
環境省では、科学的・計画的な鳥獣の保護及び管理を効果的に推進するためには、専門的な知見を有する職員が都道府県等の行政機関に配置されることが重要であることに鑑み、都道府県ごとの専門的職員の配置状況について把握し、毎年公表することとしています。この度、平成31年4月1日現在における各都道府県での専門的職員の配置状況を調査したところ、36都道府県で162名(昨年度:148名)の専門的職員が配置されていると把握しましたのでお知らせします。

(ライチョウ、今世紀末絶滅か:長野)
国の特別天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウが、地球温暖化の影響で今世紀末までに絶滅する可能性があることが、長野県環境保全研究所や森林総合研究所などの研究で分かった。ライチョウが生息域とする高山植物の群落がほぼ消失するためとしている。英科学誌「BMCエコロジー」(電子版)に10日、論文が掲載された。ライチョウは北アルプスや南アルプスなど標高2000メートル級の高山帯を生息域とする。しかし、キツネやカラスといった天敵に食べられるなど生息環境が悪化しており、現在は2000羽以下に減ったとみられている。同県環境保全研究所の堀田昌伸自然環境部長らの研究グループは、2011年から槍ケ岳や穂高連峰など北アルプスの中南部を対象に研究を進めた。ライチョウが餌やすみかとする高山植物と気候変動の関連性に着目し、蓄積されたデータを基に影響を分析した。その結果、ライチョウは、ハイマツや、雪解け水でできる「雪田草原」、季節風が強い地の高山植物の群落がバランスよく存在する環境で生息する可能性が高いことを確認。その上で、現在の温室効果ガス排出のペースで2081~2100年に平均気温が2~4度上昇したと想定した場合、高山植物が減少し、ライチョウの生息域に適した環境は現在の0・4%までに減少すると予測した。堀田部長は、研究結果を「ライチョウの保全対策を考える上での貴重なデータ」とした上で「ライチョウの生存に影響する温暖化を抑えるためには、個人一人一人が努力しないといけないと知ってほしい」と話した。

(野生鳥獣による農林業被害額4・9%減:長野)
ニホンジカや熊、猿などの野生鳥獣による県内の2018年度の農林業被害額は前年度比4・9%減の7億9500万円で、11年連続で減少したことが12日、県林務部のまとめで分かった。同部は「総合的な捕獲、防除対策の効果が表れてきているが、依然として被害額は高い水準にある」としている。同日、県庁で開いた野生鳥獣被害対策本部会議で報告した。内訳は農業被害が前年度比1・8%減の5億4千万円、林業被害が10・7%減の2億5400万円だった。被害額のうち、ニホンジカによるものが2億6400万円で最多。ほかは鳥類1億6900万円、熊1億600万円、猿8600万円など。10広域圏別の被害額は飯田下伊那が2億5600万円と最大で、長野が9500万円で続いた。ニホンジカの捕獲頭数は、目標の4万頭に対して61・4%の2万4557頭だった。増殖を抑えるために重要な雌ジカの捕獲も、目標2万3600頭に対して55・3%の1万3057頭にとどまった。

(獣害被害額が減少傾向、防護柵設置が奏功:和歌山)
和歌山県みなべ町によると、町内の2018年度の野生動物による被害額は328万2千円で、17年度(451万9千円)や16年度(507万5千円)に比べ減少傾向にある。被害は続いているが、町産業課は「被害額が実際の被害のすべてだとはいえないかもしれないが、防護柵の設置が増えた効果が大きい」とみている。18年度の被害内訳はイノシシ124万7千円、サル48万5千円、シカ122万円、アライグマ33万円。17年度の被害内訳はイノシシ156万3千円、サル82万5千円、シカ180万4千円、アライグマ32万7千円だった。防護柵の設置に当たっては、町と県の補助を合わせて資材費の3分の2(上限1メートル当たり900円)を補助している。防護柵の補助実績は、15年度が20・6ヘクタールの1万4435メートル、16年度が21・4ヘクタールの1万6365メートル、17年度が15・8ヘクタールの1万1597メートル、18年度が29・4ヘクタールの1万6620メートル。同課は「被害額は徐々に減ってきている。防護柵の整備が進んでおり、設置した人からは被害がほぼなくなったと聞いているが、柵がない所は被害が多いと聞く」と話している。防護柵の設置効果として、17年度に設置した人に対し18年度にアンケートをしたところ、以前被害があった面積の約96%で被害がなかったという。

(シカ衝突防止にトライ、線路に嫌う液剤散布:岩手)
シカの衝突を防ぎ、ダイヤを守れ―。JR東日本盛岡支社は12日、山間部を走る釜石線で、接触事故を減らすためシカが嫌うとされる液剤を散布するなど対策を実施した。釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム(釜石市)でのラグビー・ワールドカップ(W杯)や、日本代表とフィジー代表との試合を前に、事故で観客らの移動に影響が出ないよう例年より実施を早めた。作業員が線路沿いの約5キロで、液剤約千リットルを散布。早朝や夜間にシカを遠ざけるためのレーザー光の照射も報道陣に公開した。同支社によると釜石線や、同様に山間部を通る山田線では昨年度、シカやカモシカとの衝突が計386件発生。JR東日本管内全体で811件だが5割近くを占める。死骸の除去や安全確認で列車が遅れ、乗客が乗り継ぐ新幹線やバスに間に合わなくなる恐れもある。2004年から同支社と岩手大が共同研究し、シカが嫌うとされるライオンのフンから、成分を抽出して液剤を開発。釜石線や山田線で散布している。ただ、天候などの影響もあり効果は2~4カ月程度と限定的。侵入を防ぐネットなども一部に設置したが完全な事故防止には至っていない。

(都市部のヒグマ、対応後手:北海道)
道立野幌森林公園(札幌市厚別区、江別市、北広島市)で、78年ぶりにヒグマが確認されて1カ月が経過した。現場は住宅街などに囲まれた平地林で、猟銃使用が難しいなど都市部特有の事情が絡む上、関係機関や自治体で見解が割れ対応が後手に回っている。7月にはクマによる農作物の被害も新たに発生。ようやく箱わなが設置されたが、捕獲のめどは立っていない。「もっと早く設置したかった」。11日、猟友会のメンバーらと箱わなを仕掛けた江別市の環境課職員はため息をついた。「広い森林公園にたった一つのわな。入ってくれるだろうか」最初に出没したのは6月10日。公園内と周辺の江別市内での目撃情報は7月14日も寄せられて計12件に達し、ふんも11カ所で確認された。専門家によると、親離れしたばかりの2、3歳の若い個体が、公園南側の北広島市内に点在する緑地帯から園内に入ったとみられる。野幌森林公園は面積が札幌ドーム373個分の2053ヘクタールで追跡は容易でない。住宅街に囲まれた孤立林という立地も対応を難しくしている。クマが山に戻る経路は「最初に公園内に入り込んだ道」とみられる北広島の緑地帯に限られるが、周囲に住宅もありそこまでの誘導は不可能に近い。猟銃による駆除も流れ弾の危険があり非現実的。近隣の学校では登下校時の見守りやイベントの中止、施設の一時閉鎖などが続く。3市にまたがる公園内で、最も目撃件数が多い江別市は元々、クマの捕獲経験が乏しく、「市単独で対応するのは難しい」と公園管理者の道に協力を要請した。猟友会など関係機関も、道に積極的な対応を求めた。だが道は「クマ捕獲の判断と対応は市町村が行い、道は助言する立場」と強調。出没したクマは当初、人と遭遇しても逃げるように姿を消しており、道は「現場は自然公園なのでクマの存在も想定される場所。問題行動を起こさない限り捕獲の必要はない」(生物多様性保全課)として住民への周知と見守りをするにとどまった。残る札幌、北広島の2市は「江別市の判断を尊重する」。足踏み状態が続いた。ところが7月上旬には園内で民間のハスカップ畑が食い荒らされた。江別市の相談を受けた道立総合研究機構環境科学研究センター(札幌)は駆除や捕獲の対象となるとみなしてわなによる捕獲を市に助言し、市はようやく箱わなを設置した。だが果実の味を覚えたクマは今後、人を恐れず畑に繰り返し現れる可能性も出てきた。地元では「自然公園だから」としゃくし定規に対応した道への不満が募る。江別市の三好昇市長は「関係機関や周辺自治体との連携が必要だ」と指摘する。クマの生態に詳しい同センターの間野勉自然環境部長は「今後も野幌森林公園への侵入は繰り返される。近隣自治体が協力し、クマの通り道となる茂みを草刈りするなどの対策が必要だ」と強調する。

(高校生が水田に電気柵、害獣対策の苦労知る:富山)
氷見市の歴史や文化、環境を学ぶ氷見高の「HIMI学」は12日、氷見市論田の水田で行われた。農業科学科1年生20人がイノシシを防ぐ電気柵の設置を体験し、農作物を害獣から守る苦労の一端を学んだ。HIMI学での電気柵の設置は初めて。地域住民でつくる論田推進協議会や教員、市職員らが協力した。協議会のメンバーが電気柵の設置方法を指導し、生徒は50アールの水田を囲むよう支柱を4メートル間隔で打ち込んだ後、約400メートルのワイヤを張り巡らせた。汗だくで作業に取り組んだ馳部涼太さんは「常に中腰での作業で、柵を設置するのにも力が要る。農家の苦労を身に染みて感じた」と話した。作業後、生徒は協議会のメンバーから、通常は同じ作業を約3時間かけて1人で行っていることや、電気柵を正常に稼働させるには収穫まで3、4回の草刈りをする手間がかかることなどについて説明を受けた。論田地区では集落が一体となり、2016年から毎年1キロずつ、山ぎわにフェンスを張り巡らせるなどしてイノシシ対策に取り組んでいる。論田推進協議会の堂田健市さんは「取り組んだ内容を経験にとどめず、ぜひ農業に役立ててほしい」と話した。

(ジビエ加工処理施設で商品披露:岐阜)
捕獲したシカやイノシシを食肉として加工する揖斐川町の施設で12日、関係者に施設で作られた商品が披露されました。この施設は揖斐川町が農作物の被害を防ぐために捕獲した、シカやイノシシを食肉として活用しようとことし3月に整備しました。12日は、関係者約50人が集まって施設や商品が披露され、シカやイノシシの肉をソーセージに加工する機械などの説明が行われたあと、ここで作られたシカ肉のソーセージなどの試食が行われました。県内では野生のイノシシの間でも豚コレラの感染が続き、岐阜県は感染したイノシシが見つかった周辺の39の市町村では食肉としての利用の自粛を要請していて、依然として影響が続いています。揖斐郡猟友会の若山文明理事は「冷凍庫にはイノシシの肉が山積みになったままで、このままだと廃棄になる。早く豚コレラが終息してほしい」と話していました。揖斐川町の富田和弘町長は「シカは豚コレラの影響を受けないから安心して食べることができる。ジビエを町の活性化の起爆剤にしていきたい」と話していました。

(ジビエ加工施設、8月に稼働:山口)
イノシシやシカなど野生獣の肉を加工処理する「西日本ジビエファーム」(山陽小野田市山川鋳物師屋)が、8月上旬に市内で初めてオープンする。増え続ける有害鳥獣を有効活用し市場に流通させようというもので、昨今のジビエブームも事業を後押ししている。開設するのは、厚狭鴨庄に住む仲村真哉さん(44)。読書好きの仲村さんは5年前にカモ猟をテーマにした本に出合い、自然を相手にするハンティングに魅了された。同じ頃、体調を崩しひどい貧血に悩まされていたが、造血成分を多く含むシカ肉を譲り受けて食べたところ体調が改善。趣味、仕事そして自身の健康保持のために猟の道に入ることを決めた。3年前に第1種猟銃免許、わな猟の免許を取得。地元山陽地区の猟友会に入り活動を始めた。会員のほとんどが仕留めたイノシシやシカを自分でさばき、自家用で食べていたが、そのおいしさ栄養価の高さを多くの人に知ってもらいたいと加工施設を開設しようと一念発起。起業セミナーなどにも参加し、金融機関から資金も調達し開設にこぎつけた。人里離れた山間部にあった牛舎施設を購入し、冷凍コンテナを加工用に改造。衛生安全面を徹底した鳥獣の持ち込み、加工、商品化(ブロック肉)の一連のラインを構築。コンテナの色は、猟友会ジャケットと同じオレンジ色にした。仲村さんは「猟友会の先輩と一緒に獲物をさばいていた時に習得した、温度管理を徹底した加工ノウハウを生かし、新鮮、清潔、臭みのない良質の肉を市場に提供していきたい」と話した。すでにジビエ料理を扱っているレストランなどからの打診もあるほか、ネット販売も視野に入れている。8月上旬にプレオープンし、狩猟期前の10月にフルオープン。地元を中心にイノシシ、シカなどの鳥獣類を受け入れる。県農林水産政策課によると2018年度の県農林業被害額は4億7452万円。10年度の8億132万円をピークに減少傾向にあるが、18年度は前の年度より1%増加。サル、シカの被害は減ったが、イノシシ被害は増えた。作物別では水稲42%、野菜19%、果樹18%、造林木11%の順に被害が多い。鳥獣被害対策班では「被害は漸減傾向というが、高止まりという印象の方が強い」と施設が増えるのを歓迎する。

(ジビエカレーに舌鼓:富山)
黒部市窪野の新川地区獣肉加工施設「阿窪の森 工房」で作られた無添加イノシシハムを使った「ジビエカレー」が十二日、市内小中学校、幼稚園の給食メニューになり、児童生徒、園児約三千二百人が未知の味を楽しんだ。年間五回予定されている黒部地場産学校給食の日の本年度第一弾。イノシシ肉は豚肉に比べ、鉄分は四倍、ビタミンB12は十二倍あるという。荻生小学校では大野久芳市長と全校児童百四十七人が会食した。児童は「歯応えがあっておいしい」などと初めてのイノシシハムに舌鼓を打っていた。

(廃校30年、「狩猟文化」拠点店舗に:千葉)
1988(昭和63)年に廃校となった君津市香木原(かぎはら)の香木原小学校の施設が、狩猟をテーマにした店舗「猟師工房ランド」として生まれ変わる。狩猟ビジネスを全国展開するTSJ(奈良市、仲村篤志社長)が君津市の公募に応じ、貸し付けが決定した。鳥獣被害に悩む市は、地域活性化の拠点として期待する。オープンは20日。同市の鳥獣被害は県内最悪の水準で、昨年度の農作物被害額は四千五百万円に達し、シカやイノシシ、キョンなどの捕獲頭数も五千七百頭を数えた。市は地元猟友会と協力し、わなや電気柵を設置。捕獲動物をジビエ料理として販売しており、有害鳥獣駆除は市の看板政策となっている。旧香木原小の施設を有効利用するため、今年一月、鳥獣被害対策を条件に民間事業者を公募。TSJ一社が名乗りを上げた。今年四月からの三年間、広さ七千九百二十二平方メートルの土地と広さ百三十三平方メートルの体育館を貸し付け、ジビエバーベキュー場やソロキャンプ場、ドッグランなどを整備。工芸品やジビエ料理の販売も行う。石井宏子市長は「地元の人も喜んでいると聞く。観光で訪れた人に、ジビエ料理などを楽しんでもらえれば」と期待を寄せた。六月からTSJ役員の原田祐介さん(46)が香木原に移住し、オープンの準備を進めている。自然豊かな空間に「ひとめぼれ」したと言う原田さん。「新たな狩猟文化の発信拠点にしたい」と意欲を見せる。猟師工房ランドは、オープンキャンペーンとして、七月二十日から八月三十一日まで、自社のフェイスブックを「いいね!」した人に、肉関連商品を10%割引する。

(シカに食べられシシランピンチ:鹿児島)
世界自然遺産の屋久島と、遺産登録を目指す奄美大島。世界でこの両島だけに自生する植物がある。シダの仲間で絶滅危惧種のオオバシシラン。5年前に新種と発表されたが、近年、ごくわずかしかない自生地で株数の減少が確認されており、「近い将来、絶滅の恐れもある。早急な対策が必要だ」と専門家が警鐘を鳴らしている。研究を続ける国立科学博物館の海老原淳研究主幹によると、オオバシシランは世界に約40種があるシシラン属のシダ植物。樹上や岩の上に着生して育つことが多く、葉の長さは20~30センチ、幅1・5~2センチ。以前は外国産の近縁種と同一とみられていたが、日本と台湾のチームによって2014年、日本固有の新種だと報告された。自生地は屋久島の3カ所と、新種発表後に判明した奄美大島の1カ所が知られるだけ。環境省レッドリストで絶滅の恐れが最も高い「絶滅危惧ⅠA類」に分類されている。特に屋久島ではシカの食害を受けており、「早急な対策が望まれる」と海老原さん。奄美でも盗採や生息環境の変化に伴う影響が心配され、継続的な監視や調査が必要だという。

(天然林で森を再生、クマとの共生説く:石川)
森の再生活動などに取り組む自然保護団体「日本熊森協会」県支部主催の講演会「森と水といのち、の今」が十三日、白山市鶴来総合文化会館クレインであった。同協会会長で弁護士の室谷悠子さん(兵庫県尼崎市)が放置されて荒れた状態になっているスギやヒノキといった人工林を、広葉樹などの天然林にして再生することを呼び掛けた。約百人が参加した。室谷さんは、戦後の拡大造林政策で天然林を伐採して人工林を植えたが、安い外材に押されて間伐や切り出しができず「多くの森が放置されている」と説明した。森が荒れた結果、土砂崩れや花粉症などの原因にもなっているほか、クマなどの野生動物にも影響を及ぼしていることを指摘。今年、通常国会で成立した森林環境税・森林環境譲与税にも触れ「自治体に交付される森林環境税を利用し、現在は天然林を増やすために使うよう働き掛ける活動をしている。人とクマとがうまくすみ分けられるような自然環境にしたい」と話した。

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