<射撃ニュース8月>
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(報償金不正受給、3人が鳥獣捕獲偽造報告:徳島)
三好市は8日、有害鳥獣捕獲事業を巡り、捕獲員の資格を持つ市内の猟師3人が実績報告を偽造し、報償金を不正受給していたと発表した。報償金は国と市が分担しており、被害額は計26万4000円。市は詐欺の疑いで三好署への刑事告発を検討している。市によると、6月に70代男性、8月に2人の60代男性の不正が分かった。

(許可ない町議「わなに餌」、違法の可能性:島根)
島根県美郷町の岩根和博町議(74)が6月議会で「イノシシのわなに(餌の)ぬかを仕掛けた」との趣旨の発言をしていたことが9日、県や町への取材で分かった。町議は狩猟免許や害獣駆除許可を持っておらず、県は鳥獣保護法違反の可能性があるとして県警に相談している。県などによると、イノシシなどのわなの設置には、狩猟免許や有害鳥獣駆除の許可が必要。入り口が開いたおりに餌を置くだけでも許可は必要だが、町議はいずれも持っていなかった。岩根町議は6月11日の本会議で鳥獣や森林管理について質問し「狩猟許可は持っていない」「イノシシのおりにぬかなどをやっている」と発言。住民から指摘を受けた町が県とともに町議から聴取。県は法に触れる疑いがあるとして7月11日に県警に相談した。岩根町議は取材に「違法とは知らなかった。自らの経験を交えてイノシシによる田畑への害を説明したかった」と話している。

(エゾシカの数はピーク時より減少:北海道)
道内の昨年度(平成30年度)のエゾシカの生息数はピーク時だった7年前より10%余り減りました。深刻な農林業への被害が続いていることから、道は引き続き計画的にエゾシカの数を減らしていきたいとしています。道によりますと、昨年度の道内のエゾシカの生息数は、推定で前の年度と同じ66万頭と、過去最も多かった7年前の平成23年度の77万頭からおよそ14%減りました。一方でエゾシカによる農林業への被害額は平成29年度がおよそ39億円にのぼり、依然として深刻な状態が続いています。道はエゾシカの数を30万頭以下に減らす管理計画に取り組んでいますが、ハンターの高齢化や猟銃以外の捕獲方法の確立が課題になっています。道のエゾシカ対策課は新人ハンターの育成に力を入れるほか、エゾシカの食材としての魅力をアピールするなどして、生息数を計画的に減らしていきたいとしています。

(狩猟禁止区域指定へ、イノシシ豚コレラで県が緊急対策:長野)
県内で野生イノシシへの豚コレラ感染が拡大していることを受け、県は9日、緊急対策を発表した。養豚場へのウイルス侵入を食い止めるため、養豚場出入り口を通る車両を消毒する装置の設置に対し、県独自の補助制度を創設する。野生イノシシへの対策では、感染地域を拡大させないために、感染イノシシを発見した自治体やその周辺を本年度、「狩猟禁止区域」に指定する。養豚農家が豚コレラ問題の抜本的な解決策として要望する飼育豚へのワクチン接種に対し、国は慎重な姿勢を示している。こうした中、阿部守一知事は9日の定例記者会見で「できる対策を最大限していく」と説明した。県は緊急対策の予算として、専決処分などで約2億円を充てる方針。養豚場への支援は、県内で6頭以上を飼育する計81戸が対象。出入り口に消毒ゲートまたは消毒の噴霧器を設置する費用の半分を県が補助して支援。残り半分は市町村への協力を求め、農家負担がないようにする方針だ。養豚場の周辺にまく消毒用の消石灰も無料配布。野生動物の侵入を防ぐ防護柵設置に対する補助も継続する。一方、養豚場にウイルスを持ち込む可能性がある野生イノシシを巡る対策も強化する。県内で9日までに確認された感染イノシシは9市町村で計55頭。狩猟禁止区域は同日時点で、発見地点から半径10キロ圏内に含まれる中南信計24市町村の全域が対象となる。狩猟期間の11月15日から3カ月、趣味での狩猟を禁じ、人を介したウイルス拡散を防ぐ。猟友会の協力を得て、イノシシの捕獲にも力を入れる。また県内で死んだ状態で見つかったり、捕獲されたりした野生イノシシの豚コレラ検査を行っている県松本家畜保健衛生所(松本市)には、イノシシ専用の検査場所と機器を整備する計画だ。

(豚コレラ「汚染肉食べた野生のイノシシが発端」)
岐阜県を中心に、近隣の府県で豚コレラの感染が拡大している問題を受けて、農林水産省は8日、疫学調査チームによる検討会を開き、最初にウイルスが侵入した経緯について、「検疫を受けずに持ち込まれた旅行者の手荷物や国際小包に入っていた汚染肉が廃棄されて、それを野生のイノシシが食べて感染した可能性がある」という見解を示した。日本国内では昨年9月に岐阜県の養豚場で26年ぶりに豚コレラが発生して以来、今年7月29日までに岐阜県、愛知県、長野県、滋賀県、大阪府、三重県、福井県の1府6県で確認されている。専門家で作る農水省の調査チームが8日に取りまとめた中間報告によると、これまでに農場や野生イノシシから検出されたウイルスは、過去に国内で確認されたウイルスとは異なる遺伝子型であることから、中国か周辺国から侵入したウイルスである可能性が高いという。ウイルスの感染性を試験した結果、病原性は毒性が弱く、イノシシとブタをかけ合わせたイノブタとブタ各3頭で実験したところ、ブタはすべて生き残り、イノブタは2頭が2週間以上過ぎてから死亡した。さらに1例目の岐阜県の農場では、海外との接点はなく、周辺ではその2カ月前から野生のイノシシの死亡があいついでいたことから、海外から輸入検疫を受けずに、旅行者の手荷物や国際小包で持ち込まれた汚染肉が、不適切に廃棄されて野生のイノシシが感染。それが1例目の養豚場に広がった可能性が極めて高いと結論付けられた。チームは、「野生のイノシシの感染が続いているなか、防護柵の設置や消石灰などの散布の徹底、ネズミの駆除や防鳥ネットの設置など、野生動物が侵入しないよう、ウイルス侵入ルートを徹底的に遮断してほしい」と対策を呼びかけた。

(クマに襲われ猟友会員が軽傷:長野)
11日午後3時ごろ、上田市上塩尻の山中で、同市の猟友会員で自営業の男性(61)がツキノワグマに襲われた。顔や首、右脇腹などを引っかかれてけがを負い、市内の病院に搬送された。熊はその場で別の猟友会員が射殺した。この熊は同日朝、イノシシなど有害鳥獣捕獲用のくくりわなに誤ってかかっているのが見つかり、麻酔銃で眠らせた後、人里から離れた場所で放す予定だった。くくりわなは、地元の上小猟友会が設置していた。イノシシなどの駆除用のため、熊は捕獲対象でない「錯誤捕獲」に当たり、鳥獣保護管理法に基づき原則放獣が必要。このため、同日朝発見した猟友会員は上田市に連絡し、NPO法人ピッキオ(北佐久郡軽井沢町)との共同作業で午後3時から麻酔処置をすることにしていた。現場に居合わせた人たちによると、男性を先頭に5人で熊の様子を見に行った際、熊が右前方から襲いかかってきた。わなは熊が勢いよく動いたはずみで切れた。男性の後方にいた別の猟友会員が熊を射殺した。ピッキオによると、熊は体重約102キロ、体長は約130センチの雄で大型の部類。現場は、国道18号上田バイパスから北に入った人里に近い山中で、付近はこれまでも熊の目撃情報がある。

(ランニング中にクマに襲われけが:岩手)
13日午前7時前、釜石市釜石の県道のトンネル付近で、市内に住む藤崎文男さん(86)が1人でランニングをしていたところ、クマに襲われました。警察によりますと、藤崎さんは前方に子グマがいるのを見つけた直後に、道路の右側から出てきた親とみられるクマに襲われ、顔や右太ももをひっかかれたということです。クマはその後、現場から立ち去り、藤崎さんは病院に駆け込んで手当てを受けましたが、命に別状はないということです。現場はJR釜石駅から北西に1キロ余り離れた山林を通る県道で、クマの目撃情報が多い地域だということです。岩手県内ではことしに入ってから12日までにクマに襲われてけがをした人が12人に上っていて、去年の同じ時期よりも3人多いということです。ことしはクマの餌となるブナの実が不作で、餌を求めて人里近くまで下りてくるクマが増えているということで、釜石市はクマの出没に注意するよう呼びかけています。

(クマに襲われ68歳女性けが:秋田)
14日午前3時半ごろ、秋田県大仙市太田町の民家敷地内で、新聞配達をしていた同県美郷町の農業、草薙和子さん(68)がクマに襲われ、頭や顔にけがを負った。命に別条はない。大仙署によると、クマは体長約1メートル。草薙さんを襲った後、現場から逃げ去った。クマは、ビニールハウスから出てきた。中にあった米ぬかの袋が荒らされていたという。草薙さんは車に戻って、携帯電話で家族に連絡、家族が119番した。

(県内で4頭目、イノシシに豚コレラ感染:富山)
県内で野生のイノシシに感染が確認されている豚コレラで、県は、9日、砺波市庄川町で捕獲したメスのイノシシが豚コレラに感染していたと発表しました。確認検査で陽性反応が出たのはこれで4頭目、死骸ではなく生きた状態で捕獲したイノシシの陽性反応は初めてです。県によりますと県内で監視対象となっている養豚施設でこれまでに異常は報告されていないということです。

(住宅街に1週間連続ヒグマ:北海道)
住宅街を悠然と歩く、体長1.5メートルほどのヒグマの姿。住民のカメラが、12日朝にとらえた映像。クマを撮影した人は、「たぶん1時間くらいいたと思います。普段、小学校の通学路なんですよ。夜行性の感じしますけども、こんな朝方、6時半ごろからこんなところ通るなんて。実際に見たら、大きさにビックリしました」と話した。北海道・札幌市南区の住宅街では、6日からクマの出没が相次いでいる。ある家の家庭菜園ではトウモロコシを食い荒らし、やがて、満足したようにトウモロコシを口にくわえたまま、どこかへ。住宅の敷地内にクマが現れ、巡回中のパトカーがライトで照らし、山に帰そうとしても、クマは逃げようとはせず...。高さおよそ1メートルの塀に軽い身のこなしでよじ登ると、住宅の庭に消えていった。クマの出没は、12日で1週間連続となり、不安は広がっている。墓参りに来た人「お供えものは、ある程度のものは持って帰ります。墓参りするにも大変、本当に」クマを撮影した人「住民の方も、お盆で帰省される方もいると思うので、本当に心配だと思います。駆除というのかわからないですけど、早く安心できる生活を送りたいです」近隣住民「猟友会の人も銃は待ってたけど、『撃てないんだ』と言っていたので。なんかね、歯がゆいところが。安全に森に帰ってほしい気もするし」札幌市では、これまで捕獲用のわなを設置していたが、12日、猟友会に協力を要請。今後は、銃による捕獲も視野に入れ、対応する方針。

(クマ、銃で駆除へ:北海道)
札幌市は12日、南区藤野、簾舞の両地区の住宅地に出没しているヒグマについて、猟銃を使って駆除する方針を決めた。北海道猟友会に協力を要請、道警と連携し、13日早朝以降に駆除する。これまでの出没は夜間だったが、12日は未明から朝にかけて藤野地区の住宅街に現れたため、銃器使用を含めて対応することとした。発砲は安全確保が難しい夜間は行わない。両地区では8月、同一個体の可能性があるクマが頻繁に出没。家庭菜園の食害などが出る一方、パトカーと遭遇しても逃げない様子が確認され、同市は付近に箱わな2基を設けている。11日夜から12日朝にかけては両地区の複数地点で目撃が相次ぎ、午前8時ごろに藤野5の8付近でやぶの中に入った。人の活動時間帯も住宅街をうろつく状況となり、市環境共生担当課は「行動がエスカレートし、危険な状況」とみて、早期駆除が必要と判断した。

(クマ駆除で墓参り自粛解除:北海道)
連日、クマが出没していた北海道札幌市の住宅街近くの山で14日朝、クマ1頭が猟友会によって駆除された。このクマは、連日姿を現していた問題の個体であることが確認された。札幌市南区藤野の住宅街では、14日朝も道路を歩くクマの姿を取材班のカメラが捉えた。出没はこれで9日連続となり、警察や猟友会などがこのクマの足取りを追っていた。そして午前6時すぎ、近くの山中で姿を確認し猟銃によって駆除した。札幌市によると駆除されたのはメスのクマ1頭で、これまで出没していた問題の個体だと確認された。藤野墓地では札幌市がこれまで墓参りの自粛を呼びかけていたが、駆除をうけ、解除となった。しかし墓参り客は、念のため供え物は持ち帰るようにすると話していた。

(住宅の和室に子グマが侵入、山に放されるも:山口)
山口・下松市で、子グマが住宅に侵入。子グマはその後、山に放された。住宅の和室に入り込んだ子グマ。体長は、50cmほどとみられている。警察によると、12日午後3時半ごろ、山口・下松市大藤谷で住宅にクマが入ってきたことにこの家に住む70代の女性が気づいた。住宅の和室にいたのは子グマ1頭で、女性にけがはなかった。子グマはおよそ2時間後、地元の猟友会に捕獲され、近くの山に放された。下松猟友会・清水守会長は、「居間の物置みたいなところに入って、じっとかがんでいた。(子グマ)生後4~5カ月程度、乳離れに一生懸命だと思う」と話した。子グマはその後、再び姿を現し、市の職員がもう一度山に放したという。

(ヒグマ、悠然と:北海道)
白老町内で6月から今月にかけてヒグマの目撃情報が相次ぐ中、野鳥カメラマンの男性が今月4日、ポロト湖畔に出没したヒグマを写真に収めた。撮影したのは室蘭市の鎌田博さん(62)。4日午前6時40分ごろ、ポロト自然休養林入り口の道路付近で湖を眺めていたところ、体長1メートル余りの若いヒグマが姿を現した。その距離数十メートル。鎌田さんを見て驚いたり、威嚇したりするわけでもなく、平然としていたという。全身が水でぬれており、「ポロト湖で水遊びをしていたのでは」と鎌田さん。湖側から道路を悠々と横切って林の中に消えていき、その一部始終を手にしていたカメラで捉えた。近くに民家が立ち並んでいるため、警察に通報。猟友会や町職員らが現地を確認し、地域住民に注意を呼び掛けるなど対応に当たった。鎌田さんは「最初は大きな犬かと思ったが、よく見るとクマ。人に対して全く警戒心のない様子だった」と振り返る。同日は、同じ個体とみられる目撃情報がポロト湖付近、社台のゴルフ場や牧場近くなどで計5件あった。町生活環境課は「猟友会の見立てでは、親離れしたばかりの3歳くらいの若グマ。餌探しや好奇心もあって盛んに動き回り、人目に付いたのだろう」と推察する。ヒグマは通常、人間の目を避けて用心深く行動するが、経験や学習の乏しさから無防備に動く若いクマも少なくないとされる。町内では6月以降、陸自白老駐屯地近くや町環境衛生センター、白老霊園の付近など各所で目撃情報が相次いだ。同課は「森林域はクマの生息地であることを認識し、危険な遭遇、人的被害を避けるため、鈴などで音を出しながら歩くなど注意してほしい」としている。

(「クマ」目撃2件相次ぐ:福島)
福島市松川町で10日、クマの目撃情報が2件相次いだ。けが人はいなかったが、目撃された場所は約300メートルの距離で、福島署は注意を呼び掛けている。同署によると、午後0時10分ごろ、同市松川町字伊藤前で、県道を車で運転していた30代女性が水田の中を走る1頭を目撃。また午後0時50分ごろには、同市松川町字熊ノ田で、70代女性が自宅の裏山の斜面を下ってくる1頭を目撃した。クマの体長はいずれも約1メートルで、その後山に戻っていったという。

(クマ目撃急増、開発で生息域変化か:宮城)
仙台市泉区の住宅地、北中山と南中山両地区で7月、クマの目撃が相次いだ。目撃情報は7月中旬以降、7件に上る。昨年は1件もなく、周辺の宅地開発でクマの生息域が変わった可能性を指摘する声もある。住民は不安を募らせており、市や宮城県警泉署が周辺の警戒や広報を強化している。泉署によると、両地区でクマが目撃された日時と場所は表と地図の通り。地区を横切る東北自動車道沿いに集中している。東北道周辺の雑木林にいたり、住宅地の道路を横断したりする姿が昼夜を問わず目撃された。民家から数メートル離れた場所で見つかったケースもあった。目撃現場に近い北中山1丁目に住んで30年以上になる無職藤田雄吉さん(74)は「この辺りでこんなにクマが目撃されたことは今までなかった。夜、徒歩での外出は控えるようにした。実際にクマに遭遇したらと思うと恐ろしい」と話す。泉区役所は目撃情報が入り次第、地区の学校や町内会などに速報を出し、広報車で出没を知らせてきた。通報の多い北中山地区ではチラシも配り、注意を促してきた。泉署も両地区内のパトロールを強化し、パトカーの巡回を増やすよう管轄の交番に指示した。両地区から約4キロ北に離れた泉区根白石地区などでは約150ヘクタールの山林が切り開かれ、泉パークタウン第6住区の開発が進む。昨年、周辺の寺岡、紫山両地区ではクマの目撃情報が相次いだが、今年は全くない。北中山1丁目の無職仙石建治さん(71)は「周辺の環境が大きく変化したため、クマの生息域が変わり、北中山や南中山に影響が出たのではないか」と懸念する。

(クマ食害か、トウモロコシ8本:秋田)
9日午前6時ごろ、秋田県大仙市太田町永代字沖台の畑でトウモロコシ8本が食い荒らされているのを、所有者の80代男性が見つけ、大仙署に通報した。畑は男性宅裏にあり、クマのものとみられる足跡が残っていた。

(モモ30個、食い荒らされる:秋田)
12日午前5時ごろ、秋田県鹿角市十和田錦木字申ケ平の果樹園でモモ約30個(3千円相当)が食い荒らされているのを、園を所有する40代男性の家族が見つけ、110番した。鹿角署によると、近くにはクマのものとみられるふんが確認されており、食害とみている。

(民家敷地にクマ、被害なし:秋田)
秋田県内は10日、クマの目撃が相次いだ。被害は確認されていない。午前6時25分ごろ、鹿角市花輪字妻ノ神の民家敷地内で、体長約1メートルのクマ1頭がいるのを住人の70代男性が見つけ、鹿角署に届け出た。同署によると、クマはすぐに敷地を出て近くの林に走り去った。

(クマ目撃情報、相次ぐ:宮城)
10~11日、仙台市内の住宅地でクマの目撃情報が相次いだ。いずれも1~1・5メートルのツキノワグマとみられ、県警や市は警戒を呼びかけている。県警によると、10日午後9時45分ごろ、同市青葉区国見5の住宅地で体長1・5メートルほどのクマがいると近隣から通報が入った。

(クマ目撃:栃木)
12日午前7時25分ごろ、那須塩原市千本松の山林。1頭、体長約1.5メートル。

(イノシシ出没の可能性:岡山)
岡山県警によると、9日午後9時36分ごろ、岡山市北区原にイノシシとみられる動物が出没しました。(

(イノシシはねて列車に遅れ:佐賀)
8日午後9時15分ごろ、JR唐津線の中多久-多久駅間で、佐賀発西唐津行きの下り普通列車(2両編成)が走行中にイノシシをはねた。乗客にけがはなかった。

(豚コレラ対策、欧州2カ国調査へ:岐阜)
県は13日、豚(とん)コレラの感染拡大防止に向け、ドイツとリトアニアの欧州2カ国を現地調査すると発表した。有識者と岐阜、三重両県担当者の合わせて9人を18日から24日まで派遣する。ウイルスを媒介するとされる野生イノシシ対策の先進地である欧州の状況を調査。県内で発生が相次ぐ豚コレラ施策に活用する。

(豚コレラ、検査地域拡大へ:長野)
県は13日、豚コレラの感染が確認されていない地域でも野生イノシシの検査を実施する「特別警戒指定区域」を県独自で選定する方針を決めた。また同日、感染拡大防止に向けた一般会計補正予算約2億1000万円の専決処分を発表した。

(豚コレラ問題、「できる対策全部やる」:長野)
県内で豚コレラの野生イノシシへの感染が急速に拡大していることを受け、県は9日、新たな緊急対策を実施すると発表した。記者会見で阿部守一知事は「養豚農場に侵入させないためにできる対策を最大限取り組みたい」と述べた。養豚場への野生イノシシの侵入を防ぐ柵やネットの設置補助に加え、養豚場に出入りする車両を介した感染拡大を防ぐための消毒ゲートや動力噴霧器の設置補助▽ネズミなど小型野生生物を念頭に専門家による衛生指導▽イノシシの感染検査に必要な機器や資材の整備、検査補助員の増強--などを始める。

(農作物鳥獣被害5649万円:青森)
県内の2018年度の野生鳥獣による農作物被害額(速報値)は、前年度比28%減の5649万円だった。ツキノワグマやニホンザルの出没減少などで、例年被害の多い中南地域で大幅に減ったことが主な要因。被害面積は20・85ヘクタールで同42%減少した。県は今年度、クマやシカ、イノシシなどを捕獲するわなの稼働状況をICT技術で管理・共有するモデルの実証や、カラス対策を効率的に進めるために必要な行動域調査を実施する。

(クマの出没、登山や催しの妨げに:秋田)
秋田県五城目町の森山(325メートル)周辺へのクマ出没が町の悩みだ。町によると近年、周辺でクマによる人的被害の報告はないが、猟友会が設置したわなには今月7日に1頭、昨年春にも立て続けに3頭が掛かった。今年は6月下旬からクマの目撃情報も寄せられていたことから、町は先月から入山自粛を呼び掛け、秋の登山イベントなどの開催見送りを決めた。森山は、山頂途中の第2高地(約285メートル)までの車道の改善が難しいため、町はこれまで、徒歩での入山を勧めてきたが、クマの危険性がそれをも阻んでいる。「クマ出没 入山を控えてください」。先月18日、森山周辺の道路脇3カ所に、こう記した看板が設置された。町幹部の会議で入山自粛を求める方針が決まり、町が設置した。町は広報などでも入山自粛を呼び掛けている。

(今秋、ブナ等不作でクマ出没可能性:新潟)
県は8日、ツキノワグマの秋季の餌となるブナ等の堅果類の豊凶状況(速報)について発表した。それによると、今秋のブナ等は不作が予想されるため、ツキノワグマが人里に出没する可能性が高いとして注意を呼び掛けている。

(お盆の墓参り注意、イノシシ被害増:福井)
福井県の福井市東山墓地公園で、墓の周辺の土がイノシシに荒らされる被害が急増している。公園を管理する市は7月末までに約40区画で被害を確認した。市はイノシシを引き寄せる原因になるとして、お盆の墓参り時に供え物を必ず持ち帰るよう呼び掛けている。東山墓地公園は6・1ヘクタールに約4800区画ある。イノシシによる被害は3年ほど前から年に数区画確認されていたが、今年は7月下旬の調査で約40区画と大幅に増えた。区画内のほとんどが無残に掘り起こされ、礎石があらわになった墓もある。園路も荒らされ、市は対策として8月から、イノシシの侵入を防ぐ柵の設置を始めた。市公園課によると、イノシシは草の根や土の中のミミズを餌にしている。墓地公園の近くでは7月下旬にクマの成獣も目撃されており、同課は「草取りや清掃をこまめに行い、供え物は必ず持ち帰ってほしい」と話している。同課によると、市が管理する足羽山西墓地公園と兎越山墓地公園はイノシシの被害を確認していない。

(電気柵、冬撤去で夏設置:長野)
豪雪地帯の長野県小谷村では、毎年夏に電気柵を設置し直し、環境整備を徹底して鳥獣害を防いでいる。池原地域では、約15年前から耕作放棄地をソバなどの共同圃場として再生し、地域で協力して集中的に対策する動きも進んでいる。「きちんと電気柵を張ればほとんどの獣害を防げる」と話すのは伊折地域の坂井昭十さん(83)。イノシシやサル、シカに加え、ハクビシンなどの小動物の侵入を防いでいる。同村は冬には2メートル近く雪が積もるため、冬の間は電気柵を撤去する。毎年獣害が出始める6~7月頃に設置し、この時に周囲の除草や環境の整備を徹底する。柵を適切な環境に保つことができ、獣害の防止に効果を発揮している。柵の資材は設置や撤去がしやすい軽いものを使う。一方で、農地の多くは傾斜地にあり、柵の設置や撤去が農家の大きな負担になっている点が課題だ。一人で作業すると時間がかかり、身体的、精神的に負担になる。同村では20年ほど前からイノシシやサルの被害が深刻になった。農業をするには電気柵の設置が必須なため、「柵を張るのが大変で離農する人もいる」という。池原地域では約30戸の農家が協力してこうした負担の軽減を目指す。まとまった耕作放棄地約1ヘクタールを共同圃場として再生し、集落全体で獣害対策を実施する。「一人で対策するより作業の負担が少ない。集落みんなで協力することは大切」との声が寄せられる。村は電気柵の設置に資材費の50~80%を補助する。農家の負担を減らすため、隣り合った農地は個人でなく、まとめて囲むよう提案している。一方、電気柵を設置しない農地に害獣が移動してしまう課題もある。同村は「里山や集落環境の整備、集落全体での防除対策を支援していきたい」と話す。

(獣害対策、電気柵を設置:秋田)
増田高農業科学科(横手市)は9日、同高果樹園に獣害対策用の電気柵を試験的に設置した。電気柵の効果を検証し、県内に普及させるのが狙い。降雪前まで設置する。県内ではハクビシンやタヌキなど野生動物による食害が課題になっており、県によると昨年度の農作物の被害額は約4500万円に上った。また、深刻な食害をもたらすイノシシが東北地方で生息域を広げているとされ、対策の必要性を指摘する声もある。JA全農あきたによると、電気柵は、設置が簡単で導入費用も比較的安価だという。

(ニホンジカ白山に定着:石川)
白山に生息するニホンジカの状況などを紹介する講座「白山研究最前線」(県白山自然保護センター主催)が十一日、山の日に合わせ、金沢市広坂のしいのき迎賓館で開かれた。昨年の調査で、標高の低い多くの地点で姿が確認され、生息地として定着していることが報告された。センターの技師北市(きたいち)仁さんが、白山の中宮、白峰に設置したカメラで昨年六~十一月にかけて調べた結果を説明。シカが写った地点が多かったことから「将来、生態系に変化を及ぼす可能性がある。全国的に生息域が広がり、県内でも南部から北へ拡大している」と伝え、シカを目撃した場合の情報提供を呼び掛けた。ブナ科の木の実、アリの生息状況についての講演もあった。四十人が来場した。

(ライフル射撃、待望の拠点でラストスパート)
東京五輪まで1年を切った今夏、ライフル射撃関係者が待ち望んだ施設が本格稼働する。東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)近郊に、第2NTC地下の射撃場が新設された。10メートルの的が25カ所、25メートルと併用できる50メートルの的が15カ所そろい、国内ではかつてない規模。選手宿舎も隣接し、充実した環境が整った。ライフル射撃はこれまで国内に拠点がなく、ナショナルチームの強化といっても国際大会の前に短期間の合宿をする程度だった。最近では欧州の強豪国で合宿も何度か行ったが、資金面を考えれば頻繁にできないのが現実。日本ライフル射撃協会選手強化委員長の田村恒彦氏は「施設を造っていただいて非常にありがたい。ここの活用が一番大きくなる」とフル活用での集中強化をもくろむ。入賞者なしに終わったリオデジャネイロ五輪以降、協会は指導体制の整備にも注力。昨年11月にはライフル種目のコーチに1988年ソウル五輪金メダルのゴラン・マクシモビッチ氏(セルビア)ら、2人の外国人を招いた。「(五輪まで)1年半なので、50メートル種目と10メートル種目で2人体制にした」と田村氏。カウンセラーとも契約し、安定した射撃に不可欠なメンタル面での助言も選手に与えている。東京五輪では開会式翌日の7月25日に行われる女子エアライフルが、全競技を通じて最初にメダルが決まる種目。そこでメダルを獲得すれば、日本選手団全体に勢いがつく。「注目していただいている。難しい部分はあるが、何とかしたい」。目標に掲げるメダル二つ獲得へ、ラストスパートで飛躍を目指す。

(今は無き行川アイランド、その周辺である生き物が大繁殖:千葉)
山へ海へとお出かけの機会の多い夏休みシーズンたけなわですね。首都圏の夏の観光地、房総半島。中でも綺麗な水質と美しい景観を誇り、海水浴、サーフィン、ダイビング、磯釣り、海産グルメと、さまざまな海のレジャーが楽しめる外房地域の御宿、勝浦、鴨川周辺も観光客でにぎわっているようです。そんな南国の空気も漂うのどかな海辺のこの一帯に、夜な夜な人とも犬とも鳥とも、またサルとも海獣ともつかない奇妙な吠え声を、訪れる人たちが耳にしているようです。有名な心霊スポットもあるこの一帯。一体何がいるのでしょうか。海岸沿いというのは、いわゆる「心霊スポット」の元ネタとなるような出来事、エピソードが形成されがちです。九十九里浜南端の大東崎から大原、御宿、勝浦、鴨川沿岸もその例にもれません。全国的にも有名らしい「おせんころがし」や「金山ダム」などの恐怖スポットが知られます。つげ義春の全盛期のおどろおどろしい作品群もこの付近を舞台にした作品が多く(「ねじ式」「海辺の叙景」「紅い花」など)、そんな海岸沿いを夜そぞろ歩いていて、不気味な吠え声を聞いたらゾッとしますよね。「うぉーーー」と聞こえる、しわがれて脅すような、鳥にしては重量感のある声です。かといって、鹿やサルやキツネなどの在来獣の声とも違う。もしかして心霊現象?と思う人もいるようです。その正体は、房総半島南部一帯で大繁殖している外来生物「キョン」の吠え声なのです。キョン(羌 Muntiacus reevesi)はウシ目シカ科キョン属に属する草食哺乳類。台湾キョンとも「ヨツメジカ」とも言われ、自然では中国南東部と台湾に分布する小型のシカです。体長約100cm、尾長約15cm、体高40~80cm、体重15~18kg。体色は茶褐色の、いわゆるシカ科の被毛色。オスには二枝の小さなツノがあり、前頭部の毛は長く、角座の基部を隠します。キョン属のツノと角座はほぼ同じ長さで、ツノの基部からごく短い側枝が出ており、角座は畝状に眉の部分まで伸びています。また両目の涙腺の延長上の眼下にはよく目立つ眼下腺があり、これがちょうどもう一組の目のように見えるため「四つ目鹿」の異名があります。同じキョン属のインドキョンが別名「ホエジカ」と呼ばれるように、小さな体とかわいい顔に似合わず、野太い吠えるような声でよく鳴きます。ずっと体の大きいニホンジカの細く澄んだ笛のような声とはまったく異なります。群れを作らず、単独もしくはつがいで行動します。メスが一度に生む子供の数は基本一頭ですが、繁殖は一年中、春から秋にかけての出産が多いようです。食欲は旺盛で、落葉木や常緑樹の葉を主に食し、秋にはシイ・カシ類の堅果、いわゆるドングリも好んで食べます。葉の間に鋭い棘があってニホンジカが食べないアリドオシやジュズネノキももりもり食べてしまいます。房総半島には暖地に自生するキョンの大好物カクレミノも多く、一年中食べ物には困らないようです。現在、2017~2018年度の推定で房総半島には5万頭以上の野生キョンが生息しているといわれ、鳴き声を聞いたり姿を見たり、あるいは近隣の農家が農作物被害にあうなどの事態が相次いでいます。房総半島のキョンは2000年ごろから目立つようになり、その頃は生息数は1000頭ほどと推定されていましたが、15年ほどの間に50倍に増えたことになります。もともと日本にいなかったキョンがなぜ房総半島にいるのでしょうか。勝浦市浜行川で営業していたテーマパーク「行川(なめがわ)アイランド」で飼育されていた個体が脱走して次第に野生化していった、といわれています。行川アイランド?もしかしたら関東地方以外の人や若い世代にはその名すら知らない人がいるかもしれません。日本国内には、大人気のメガ遊園地を筆頭として、多種多様なテーマパーク、レジャースポットが存在します。中には、一時期は抜群の人気と知名度を誇っていたのに、需要や社会状況の変化という時代の波に乗り切れず、消えていった有名施設も数多いものです。高度成長期、ベビーブームの真っ只中の1960年代に、南房総国定公園の各地に、ホテル三日月(1961年開業)、マザー牧場(1962年開園)といった現在でも続く施設が開業した時代、勝浦市の浜行川(はまなめがわ)に1964年に開業したのが「行川アイランド」です。トロピカルリゾートへの憧れが大きかった昭和中期、南国のフラミンゴや孔雀、オオハシ、コンゴウインコ、熱帯地域のサル、水牛、アシカなどの動物や南国の植物、ポリネシアンショーにプールやゴーカートなどのアクティビティを組み合わせた広大なリゾート施設として、人気を博しました。何しろこの施設のために国鉄(現在のJR東日本)外房線に専用駅が作られるほどで、車社会前の鉄道での旅ブームにもマッチしていました。アイランド=島と言う名がついていますが、敷地は島ではなく、海沿いの森林を切り開いたものです。しかし、海側は名「おせんころがし」と呼ばれる断崖絶壁で、陸地側は鬱蒼とした山がそそり立ち、切り通しの道などない天然の要害のような場所。施設に入るには、山を穿った怪しい長いアプローチトンネルをくぐることになります。南国の動物の絵などがペイントされたトンネルは現実と途絶された異世界感をかきたて、当時訪れた子供たちは「秘密基地」へと潜入するようなわくわく感を味わったものでした。園内に入っても、各所に細い手彫りトンネルや、迷路のようなつづら折れの杣道、不可解な造形物に出くわしたり、断崖と断崖の間に一部開けたプライベートビーチのような渚に行き当たったりと、秘密めいた雰囲気は満載で、フラミンゴや孔雀のショーの背景には、昼なお暗いジャングルのような原生林がかぶさるように茂り、今国内のどこを探しても、あのような雰囲気のテーマパークは存在しないでしょう。それもそのはず、天然の要害と書きましたが、実際この地は戦前旧日本軍の秘密基地で、トンネルも日本軍によって掘削されたものを再利用したものだったのです。こうした独特の雰囲気から子供向けの特撮ヒーロー者のロケ地としても頻繁に活用され、怪人や悪の組織が、園を取り巻く森から出現するシーンをテレビで見たものです。子供が多かった時代は活況だった行川アイランドも、1970年に隣市の鴨川市に「鴨川シーワールド」、1983年に同県内浦安市に巨大テーマパークと、強力な集客を誇る施設が開園したこととあいまって、少子化傾向と同期するように来園数が減り、2001年に惜しまれながら閉園してしまいました。ちなみにキョンの飼育は園の歴史の前半からはじまったようです。「放し飼い、もしくは半放し飼い」という飼育法のせいだったのか、何回かにわたり脱走があったとも聞きます。野生化した先輩キョンに誘い出されて、飼育された後輩キョンが逃げ出す、なんてこともあったのかもしれません。行川アイランドは、マニアには有名な巨大廃墟でしたが、2018年ついに再開発計画がスタートし、2020年にホテルリゾートが着工されることになったようです。今はなき、この行川アイランド一帯は、房総半島の中でもキョンの生息密度がもっと高い地域。再開発を受けて、どう変わっていくのでしょうか。キョンのなめし皮は、宝飾品やめがね、楽器などの汚れをふき取り、加脂、除脂、塩素吸着の効能がある最高級のセーム革(シカ、ヤギ、ヒツジなどのなめし皮)で、一般的な羊皮よりも上質であるということは、一部ではよく知られています。柔軟性と吸湿性、そして髪の毛の太さの1/150万という超微細でなめらかなキョンの皮は古代中国では水を漉して飲料水を造るためにも使われてきました。日本でも飛鳥時代からキョン皮は輸入され珍重され、「小唐」「古唐」の名で、弓のゆがけ(弓懸/弓を射る際の特殊な手袋)でも最高級品とされているように、中世までさまざまな武具に使用されてきました。江戸時代になり鎖国となると、キョン皮に代わりニホンジカの皮を使った印伝(セーム革細工品)が主流に、そして明治以降は輸入品を使うケースが多くなり、「鹿皮」というときにそれが何の鹿なのか、年齢や雌雄ほどは気にされていませんが、「小鹿の柔らかい高級輸入革」とされるものは多くの場合キョン皮であるようです。千葉県や東京都では、房総半島や伊豆大島で急速に増加している(伊豆大島では、人口よりもキョンの数が多いとか)ことを受けて、捕獲駆除事業を始めていますが、捕らえられたキョンは殺処分され捨てられてしまうようです。いすみ市では捕獲したキョンの革や肉の利用を試み始めていて、一般の関心も高まてきています。このまま増え続けて農業被害が深刻になる前に、早いうちに適宜狩猟をし、獲ったキョンは無駄にせずに活用し、地域と生き物との共存の道を模索してほしいものです。

(猟銃製造のミロク、IoTとAI活用で業務改善子会社:高知)
猟銃製造のミロクは、あらゆるものがインターネットにつながる「IoT」技術と人工知能(AI)をそれぞれ活用して、ものづくりの現場の業務改善を提案する子会社を8月5日付で設立した。新会社はまずミロクグループでサービスを展開し2、3年後をメドにグループ外にも広げる。新会社「ミロクリエ」(高知県南国市)は資本金4000万円。社長はミロクの井戸隆雄取締役が就任し、社員は2人。社員はエンジニアで、IoTとAIを駆使して生産現場の効率化を目的とした業務改善案を企画したり最適デバイスの導入を支援したりする。当面、グループ中核会社であるミロクの業務改善にあたる。猟銃製造でいかに人手をかけないかが主眼。例えば工場内の熱源であるボイラーをヒトではなくスマートフォン内蔵のカメラで遠隔監視し、異常が生じれば携帯通信でオフィスのパソコンに知らせるといったIoT技術を提案する。AIの活用では、銃のシリアルナンバーという個体識別番号の一括管理などの緻密な作業を想定している。

(「ヤクシカ」の肉を住民に振舞う:鹿児島)
世界自然遺産の島、屋久島で育ったヤクシカの肉を味わうイベントが9日開かれました。これは、きょう8月9日が「やく」と読めることにちなみ、ヤクシカの精肉・販売を行っている会社、屋久鹿ジビエ王国が初めて開いたものです。屋久島には島固有のヤクシカが1万3000頭から2万頭生息していると推定されていて、イベントでは猟師が捕獲したヤクシカ4頭分の肉が、地元の人たちに無料で振舞われました。(参加した子ども)「チャーシューが脂がのっていてとてもおいしい。後味がちょっと違う、豚肉とか牛肉とはまた違っておいしい」(屋久鹿ジビエ王国山浦健太さん)「あまり火を入れすぎると硬くなるので、余熱で火を通してやると独特の食感や味を楽しめる」屋久鹿ジビエ王国は、今月から東京都内のラーメン店にヤクシカの肉を提供していて、今後、都内のホテルなどでもヤクシカの肉を取り入れてもらえるよう販路の拡大に力を入れていくということです。

(アスリート向けジビエ販売にも挑戦:和歌山)
千葉県から古座川町(こざがわちょう)に移住した総合格闘家の男性が、アスリート向けのジビエ肉の販売に挑戦しています。シカ肉やイノシシ肉の食用加工施設「古座川ジビエ山の光工房(やまのひかりこうぼう)」に勤める鈴木貴裕(すずき・たかひろ)さん32歳は千葉県白井市(しろいし)の出身で「ジャイアン貴裕(たかひろ)」のリングネームで総合格闘技の選手として活躍しています。白浜町(しらはまちょう)出身の妻との間に子どもが生まれたことから紀南地方への移住を考え、県ふるさと定住センターなどに相談し、おととし(2017年)3月、古座川町へ移住しました。鈴木さんは、格闘技の特技を活かして、週1回、町内の集会所で道場を開くとともに、工房の先輩から狩猟(しゅりょう)や解体の技術を学びながら、古座川町の職員らとジビエ肉の販売にも力を入れています。いまは鹿肉を真空パックに加工した新商品「ビュート・ミート」をPRしていて、先月(7月)さいたまスーパーアリーナで行われた総合格闘技の大会「RIZIN(ライジン)」の会場を訪れ、キックボクサーの那須川天心(なすかわ・てんしん)選手らに試食してもらうなど普及に努めています。鈴木さんは「鹿肉は高タンパク・低カロリーなうえ、鉄分も豊富で、アスリートの肉体づくりや、ダイエット中の女性に効果的です。多くの人に古座川ジビエの魅力を発信したいです」と話していて、山の光工房のウェブショップでの注文を呼びかけています。

(鹿肉を大手外食に販売へ:長野)
日本ジビエ振興協会(茅野市)が、食肉処理加工施設の信州富士見高原ファーム(諏訪郡富士見町)との連携により、全国の処理施設から出た鹿の骨付き肉を同ファームに集めて加工し、大手外食チェーンに販売する計画を進めていることが11日、分かった。骨付近の肉は一定の分量があるものの、骨を取り除く手間がかかり、廃棄するかペットフードに加工しているのが現状。同ファームに集約することで、まとまった量を低価格で販売することが可能になり、大手への流通ルート確保で鹿肉の消費に弾みがつくと見込む。賛同する外食チェーンによる鹿肉料理のメニュー化は今秋を予定している。振興協会の藤木徳彦代表理事(47)によると、鳥取、大分、宮崎、徳島各県にあり、農林水産省の「国産ジビエ認証施設」に登録された計4処理施設から、同ファームが前脚の骨付き肉を買い取る。骨を取り除き、大手外食チェーンに販売。ハンバーグなどにして全国千店舗以上で提供する構想だ。鹿肉にはももやロース、すね、肩などの部位がある。だが料理店で扱われるのはステーキなどで提供できるももやロースといった塊肉が大半で、1頭から10キロ余りしか取れない。重量ベースで2割ほどの前脚の骨付き肉など、残りの部位はほとんど商品価値がない現状にあるという。大手外食チェーンに出荷するには衛生管理が徹底された肉を低価格で安定的に供給する必要があり、ハードルが高かった。このため、国産ジビエ認証施設に限って仕入れる仕組みを整えた。大手外食チェーン側には、外食業界最大規模の団体、日本フードサービス協会(東京)を通じて協力を打診。同協会が「鹿肉は牛肉、豚肉、鶏肉に続く第4の肉になり得る。大きなチャレンジ」(事務局)と加盟企業に働き掛けた。藤木代表理事によると、計画に賛同して鹿肉を使ったメニューを検討中の企業は現時点で、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」を運営する「ロイヤルホールディングス」やハンバーガーチェーンの「ロッテリア」、JR東日本グループの外食事業を受け持つ「ジェイアール東日本フードビジネス」など。ハンバーグやハンバーガーといったメニューを用意する予定だ。藤木代表理事は、いずれは全国各地に信州富士見高原ファームと同様の役割を担う拠点施設を置き、鹿肉の「地産地消」につなげる展望を描く。同ファーム責任者の戸井口裕貴さん(38)は「鹿肉が消費者の選択肢として定着してほしい」と普及の起爆剤になることを期待している。

(鹿肉ジャーキー、食害対策で開発:長野)
松川町でソーセージ、ジュース、シードルなど食品加工・販売を手がける「さんさんファーム森の家」(同町大島)が食害対策で捕獲された鹿の肉を使った「鹿肉ジャーキー」を商品開発し、飯田市内で披露した。同ファームによると、原材料の鹿肉は県内で捕獲された鹿のモモ肉や肩肉。

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(大日本猟友会、10年で会員2割減)
猟友会の会員が10年間で2割減っていることが大日本猟友会のまとめで分かった。同会によると2018年度の会員数は10万5050人と、17年度から736人減り、10年で約2割減。一方で女性会員数は野生鳥獣の肉(ジビエ)の人気などを背景に増加傾向で、初めて2000人を超えた。同会は、高齢化や若者の新規参入が進んでいないことを課題とする。同会によると、18年度は散弾銃やライフルを扱う第1種銃猟免許の所持者数が前年度から1539人減の6万5905人。ピークである1978年度(41万2440人)から減少し続けている。空気銃を扱う第2種銃猟免許の所有者数はここ10年間、2200人前後で、横ばいの状態だ。網・わな猟は統計開始の75年度から増加傾向にあり、18年度は前年度から255人増の3万6403人だった。同会によると、会員の3分の2以上が60歳以上と高齢化が進む。わなに掛かったイノシシなどに銃でとどめを刺す“止め刺し”をするが、それができる狩猟者が減少し、有害獣駆除を行う狩猟者の大半はボランティアで、全国的に熊の出現など突発的な対応が難しくなっているという。一方で女性会員は全国的に増加している。15年度1183人、16年度1571人、17年度1908人で、18年度は2127人と初めて2000人を超えた。同会によると女性向けアピールや、近年のジビエブームが影響している。会員数が増加している県もある。宮城県では鳥獣害に悩む農家が団体で狩猟免許を取る傾向が近年続いている。同県猟友会の尾形正行事務局長は「会員の高齢化などで有害獣駆除で回りきれない地域もあり、自分たちの農地は自分たちで守るという意識が高まっている」と話している。大日本猟友会の浅野能昭専務理事は「各県猟友会の取り組みを支援し、若者や女性の参入を促したい」としている。

(シカ猟のハンターが行方不明:北海道)
北海道標茶町で男性がシカ猟に出かけたまま7日から行方不明になっています。警察などはシカ猟をしていたと思われる場所を中心に、8日朝から捜索していますが男性は見つかっていません。行方が分からなくなっているのは、標茶町の中出國男さん86歳です。中出さんは、7日午後4時ごろ、有害駆除のシカ猟に出かけましたが夜になっても帰宅しませんでした。警察や猟友会などは8日朝から、25人体制で中出さんがシカ猟をしていたとみられる標茶町のオソツベツ地区を中心に乗っていた紺色の車などを捜索していますが、中出さんはいまも見つかっていません。役場や警察は午後から人員を増やして捜索にあたることにしています。

(イノシシに襲われ男性大けが:岐阜)
7日朝早く、岐阜県高山市国府町宮地の山中で猟友会のメンバーの67歳の男性が罠から外れたイノシシに左の太ももをかみ付かれました。警察によりますと、男性は豚コレラ対策のために設置された罠の見回りをしていたところでした。イノシシは男性を襲った後、山の中に逃げたということです。その後、男性は歩いて自宅に戻り、午前6時45分ごろ、妻と一緒に国府町の消防署に駆け込み、市内の病院に運ばれて重傷だということです。

(クマに襲われ男性けが:福島)
5日午前8時ごろ、福島県南会津町の山中で、埼玉県草加市新善町の無職、秋葉晴(はれ)さん(77)がクマに襲われ、左手の指を骨折するなどのけがを負った。命に別条はない。県警南会津署によると、1人で渓流釣りをしていた秋葉さんが、釣った魚を川沿いでさばいていると、後ろからクマ1頭に襲われた。近くに子グマも1頭いたという

(散歩中の男性がクマに襲われけが:岩手)
岩手県遠野市で5日朝、自宅近くを散歩中の男性がクマに襲われ、けがをした。現場近くには小学校があり、市や警察が注意を呼びかけている。記者「遠野市上郷町の現場。男性はこちらの道を歩いていて突然クマに襲われたという」。5日午前5時頃、遠野市上郷町の無職、金濱誠さん81歳が自宅から1人で散歩に出かけ、市道を歩いていたところ突然クマに襲われた。金濱さんは右頬や左手首を引っ掻かれ、出血した状態で歩いているところを親戚が発見し、消防に通報した。金濱さんは病院に搬送され、手当てをうけているが、会話ができる状態だという。警察によると、クマは成獣1頭とみられ、現場の近くには小学校があり、遠野市と警察が付近の住民に注意を呼びかけている。住民「クマは多いな、確かに多い、(近所で)話を聞いてみると」。岩手県によると県内では去年、7月末までに7人がクマに襲われケガをしているが、ことしは、少なくとも5日までに12人がケガをしたことになる。

(イノシシにかまれ男性大けが:岐阜)
7日朝、岐阜県高山市で、わなの見回りをしていた67歳の男性が、わなを抜け出したイノシシに左足をかまれて大けがをしました。7日午前6時40分ごろ、高山市国府町宮地の山中で、地元の猟友会に所属する67歳の男性がわなの見回りをしていたところ、脚を縛られてわなにかかったイノシシを見つけました。男性が近づいたところ、イノシシは突然わなを抜け出して男性に襲いかかり、男性は左足の太ももをかまれる大けがをしました。男性は自力で自宅に戻ったあと病院に救急搬送されましたが、警察によりますと命に別状はないということです。イノシシは、男性を襲ったあと山に逃げたということで、高山市では、猟友会の会員にわながきちんと作動することを確認した上で、外れないように正しく設置することや、できるかぎり2人でわなの見回りを行うなど注意を呼びかけています。

(住宅街にクマ、パトカーが巡回し警戒:秋田)
4日午後6時40分ごろ、秋田県横手市南町の民家敷地内から体長約50センチのクマが市道に飛び出してきたのを50代男性が見つけ、横手署に届け出た。同署によると、現場は横手清陵学院中学・高校の西約900メートルの住宅街。クマは北の方向に走り去り、同署がパトカーで巡回し警戒した。

(同じ熊か、目撃4日連続:長野)
塩尻市洗馬で6日午後、熊1頭が目撃された。付近では3日から連日、熊が目撃されており、市森林課によると、同じ熊の可能性がある。この日は専門家や猟友会員らが麻酔銃で捕獲を試みたが、逃げられた。けが人はいない。6日午後2時前、洗馬の小曽部川の雑木林で目撃され、近所の人が「茂みの方から音がする」と市に通報した。市職員や塩尻署員、猟友会員らが付近を捜し、熊を発見。近くには民家があり、銃を使えないため、同5時ごろ、麻酔銃で捕獲を試みた。熊は左岸のやぶの中にいたが、河原に現れると、辺りをうかがうようにしながら幅数メートルの川を横断。麻酔薬入りの注射器のような弾は当たったが、途中で外れたため薬が入り切らなかったとみられ、熊はそのまま山へ逃げた。市は4日に餌を入れたおりを付近に設置。6日は、熊が逃げ込んだ山中の沓沢湖周辺に新たにおりを仕掛けた。市などは7日以降も麻酔銃やわなによる捕獲を試みるとしている。

(クマが住宅に侵入、冷蔵庫開ける:埼玉)
埼玉県秩父市で7月下旬、住宅にクマが侵入し、冷蔵庫を物色するなどしていたことが6日分かった。秩父地方は例年春から秋にかけてクマの出没が増えるが、住宅が狙われるのは珍しいという。同市などはわなを仕掛け、猟友会に捕獲を依頼するなど、警戒態勢を取っている。市生活衛生課によると、7月28日夜から翌未明、同市浦山の一人暮らしの女性宅にクマが侵入。家具などを壊したほか、冷蔵庫の扉を強引に開けて外し、冷凍食品も含めてごっそり食べた跡があった。玄関から出て行ったようだが、侵入口が分からず、おそらく窓からではないかという。ツキノワグマとみられる。女性宅は森林に近い住宅が点在する地区。前日からクマが目撃され、住宅の壁をたたくなどしたため、恐れた女性は近くの娘宅に避難して無事だった。同課によると、今年はほかの地区でもクマが住宅に接近しているとの目撃情報が多いという。住宅を襲う行為は、「もう何年も前にあったという記憶しかない。危機感を持っています」と担当者は話す。山林に生息するクマは春から秋にかけて活発に行動するという。県内の出没件数は昨年34件、今年は6月末現在で16件。登山やハイキング、渓流釣りなどで入山する場合は注意が必要だ。

(ヒグマとみられる乳牛被害相次ぐ:北海道)
標茶町郊外の乳牛の放牧場2カ所で、乳牛が相次いで襲われていたことが6日、分かった。同日朝、町に「牛がクマに襲われたらしい」と連絡があり、駆けつけた猟友会員らが牧場の放牧場で乳牛3頭が死に、1頭が大けがをしているのを見つけた。また、約20キロ離れた共同牧野でも4頭が死に、3頭が行方不明になっていた。いずれも、爪痕やかみ痕などがあり、ヒグマに襲われたとみられる。町は2カ所に箱わなを仕掛け、猟友会と協力して見回る一方、各農家に放牧中の牛を引き揚げるよう要請した。標茶猟友会の後藤勲会長によると、最初の現場のクマはツメの大きさなどから中型で、2件目は大型とみられるという。「50年以上クマ撃ちをしているが、こんなことは初めて。放牧場に牛がいなくなったら、次は人家に近い牛舎を襲う危険性もある」と指摘している。

(クマと走行中の車が衝突:秋田)
突然、姿を現したクマが道路を横切ろうとして走行中の車と衝突します。映像は6月29日午後7時すぎ、秋田県能代市の国道で撮影されました。撮影した淡路柊子さん:「暴れ出すのを見るとすごく怖くて。どうしたらいいか分からなくてパニックになっていたので、むちゃくちゃ怖かったですね」撮影した女性によりますと、このクマは衝突した直後に起き上がって道路脇の草むらへ逃げて行ったということです。

(クマが鶏小屋襲う被害:青森)
青森県平内町の民家で飼っていたニワトリがクマに襲われる被害があった。人里でのクマの出没に町や警察が注意を呼びかけている。6日午前8時前、平内町狩場沢の民家で撮影された動画には、体長1メートル40センチほどのクマが敷地内にあるニワトリ小屋を襲う様子が映っている。動画を撮影した人によると、クマはツメで小屋を壊し、ニワトリをひっかくなどしていた。通報を受けて駆けつけた警察や消防の10人に囲まれても2時間にわたってニワトリを襲い続け、その後山の方へ去っていったという。平内町農政課・飯田千代志課長「これからトウモロコシ等の被害が多くなると思いますので、クマに出合った時は静かに落ち着いてできる限り騒がないようにしていれば立ち去る可能性が大きいので、そういうふうにして対応していただきたい」現場は国道4号沿いの狩場沢公民館近くにある住宅が立ち並ぶ地区で、町ではワナを設置したほか、町内の防災無線でクマを見ても近づかないよう注意を呼びかけている。

(トウモロコシ畑、クマが食い荒らす:北海道)
北海道士別市で、4日、トウモロコシ畑がクマに食い荒らされているのが見つかりました。市内では、先月末からクマによるトウモロコシの食害が相次いでいて、市や警察では警戒を続けています。被害があったのは、北海道士別市武徳町のトウモロコシ畑です。警察によりますと4日、畑のトウモロコシが食い荒らされているのを畑を所有する農家が見つけ、5日農協に通報しました。(被害にあった農家)「50本か100本かやられている。楽しみにしていたものが全部食べられるのは困る」士別市内ではクマの食害が相次いでて、市や猟友会などは箱ワナの設置やパトロールなどを行っています。

(札幌市でまたクマ出没:北海道)
札幌市南区でまた、クマの出没です。7日朝、トウモロコシ畑がクマに食い荒らされているのが見つかったほか、近くの民家ではプラムの木によじ登るクマの姿が目撃されました。市や警察で注意を呼びかけています。被害があったのは札幌市南区藤野4条11丁目のトウモロコシ畑です。午前5時半ごろ、トウモロコシが食い荒らされているのを畑を所有する男性が見つけ、警察に通報しました。近くではクマのふんや足跡も見つかっています。(畑の所有者)「クマが来たのは初めてだ。この年になって。うちのそばまで来てやられるのは感じはよくない」また、6日夜には畑から数百メートル離れた民家でプラムの木によじ登るクマが目撃され実が食べられる被害も出ています。南区ではことし、クマの目撃情報が100件以上寄せられていて、市や警察は、引き続き注意を呼びかけています。

(水田ど真ん中に雄シカ出現:福井)
福井県坂井市春江町の水田地帯に8月8日、シカが出現。福井県警坂井警察署のパトカーも2台出動。市役所の職員らが農道や田んぼの周囲を囲んで捕まえようとした。角が生えていて日本シカの若い雄と見られる。午前6時過ぎに目撃の連絡があり、市の職員らが出動した。午前10時20分ごろには同市春江町石塚に移動し、パトカーも出動して遠巻きに囲んだが、道具を持って待ち構えていた人たちの横をすばやくすり抜け、田んぼに入ったり、再び農道に戻ったり俊敏な動きであっという間に逃げていった。最後は農道を通り市内の中心部方向の東へ走っていった。坂井市は人口約9万1600人の福井県第2の都市。水田や商業地、住宅が多くシカの住む山間部は中心部からは遠い。しかし最近はシカの目撃情報が寄せられることもありことし5月17日には坂井中学校のグラウンドにも現れた。このときは雌のシカだった。今回シカが現れたのは四季の花が咲く花畑で人気のある「ゆりの里公園」から300メートルほどの近さ。

(住宅街にクマ、9時間居座る:北海道)
7日夜、札幌市南区にクマが現れ、およそ9時間にわたって住宅街に居座り続けました。午後7時すぎ、札幌市南区簾舞と藤野の住宅街にクマが現れました。クマは体長およそ2メートルで、住宅の敷地にある家庭菜園のとうもろこしを食べたあと、パトカーがクラクションで追い払おうとしても動じることなく、住宅街を悠然と歩き続けました。クマはおよそ9時間住宅街をさまよい、午前4時20分ごろ、山に帰って行ったということです。南区藤野の住宅では、おとといにも庭に植えられていたプラムがクマに食べられていて、住人の男性はきょう、クマが来ないようプラムの木を切り落としました。警察は引き続き周辺の住民に注意を呼び掛けています。

(クマ出没2夜連続:北海道)
8日午後6時15分ごろ、札幌市南区簾舞3の2の民家の庭で、クマ1頭が木に登っているのを住民の男性が目撃し、110番した。駆け付けた札幌南署員がクマを発見、9日午前0時現在、追跡している。けが人はいない。付近は住宅街で7日夜から8日早朝にかけてもクマがうろついた。2夜連続の出没に、住民から不安の声が上がっている。同署によると、クマは体長約1・5メートル。札幌市立簾舞中から東に約300メートルの住宅街で目撃され、付近を移動。隣接する藤野地区の公園にとどまるなどした。パトカー4台が追跡しながら、住民に外出を控えるよう呼び掛けている。8日夕方に空き地にいるクマを自宅2階から目撃した会社員男性(70)は「大きな体格で驚いた。大声を出しても逃げず、ゆっくりと民家の塀を越えていった」。

(クマの目撃相次ぐ:北海道)
4日午前6時50分ごろ、白老町若草町2のポロト自然休養林入り口付近の遊歩道で、散策中の男性がクマ1頭を目撃し、苫小牧署に通報した。同署によると、クマの体長は約1・5メートル。現場は住宅地から約150メートル。同日午前8時ごろにも、同休養林インフォメーションセンターから北に約200メートルの地点でクマ1頭が目撃された。体長は約1・5メートル。道猟友会苫小牧支部白老部会のハンターらが周囲を捜索したが、クマは見つからなかった。クマが目撃された2地点は約500メートル離れており、同署は同一のクマではないかとみている。

(イノシシの出没について:佐賀)
8月8日午前6時40分ころ、佐賀市金立町大字金立所在の畑において中型のイノシシ1頭が出没しました。今後も出没する可能性がありますので、外出の際は十分注意してください。

(クマ、今度は住宅の庭に:北海道)
7日から札幌市の住宅街に出没し、山に戻ったとみられていたクマですが、8日夕方、住宅の庭に現れ、警察が警戒を続けています。8日午後6時すぎ、クマが再び現れたのは、札幌市南区の住宅の庭でした。体長1メートル以上あるクマが辺りを見回し、そして木に登って、まだ熟していない青いリンゴを食べ始めました。7日に出没したクマも近くの家庭菜園でリンゴやプラム、トウモロコシなどを食べていました。「(トウモロコシは)もう作れない。こういう被害が出たら」(トウモロコシを食べられた住人)首の周りの毛が白いことや、出没場所が近いことなどから、警察は、一連の被害を同じ個体によるものとみています。札幌市は、このクマを駆除する方針ですが、住宅街であることや出没が夜であることなどから、具体的な方法について検討しています。

(網戸一枚挟んで対面、家の中のぞく親子グマ:京都)
網戸を挟み、わずか数十センチの距離でクマと対面-。京都府福知山市一ノ宮の石田卓さん(84)は8日朝、家の中にいながら、こんな恐ろしい体験をした。朝から暑く、午前6時30分すぎ、サッシ戸を開けて網戸だけにしていた部屋で涼もうとしたところ、目の前にクマが1頭現れた。急いでカメラを取りにいくと、クマは裏山へ姿を消した。ところが、間もなく再び山から戻ってきた。今度は子グマを連れて。ちょうど朝食の準備中で、家の中から良い匂いがしていたからか、好奇心旺盛な子グマは、網戸に両手をかけて、しきりに中をのぞく。石田さんはガラス戸をすぐに締められる態勢を取りながらシャッターを何度か切った。網戸越しなので、クマがシルエットのようにしか映らないが、さすがに網戸を開けて撮ることはできない。こうして数分。親子は山へ帰った。このところ近辺でクマの目撃情報が多く、石田さんは、同じ個体かもしれないという。「近ごろのクマは人を恐れず、人の気配がしても逃げないので、バタッと出会うのが怖いですね」と話す。もし、網戸も開けていたら、クマはおそらく家の中。網戸一枚が、野生の世界と人間の生活圏を分けた。

(豚コレラ中間まとめ、イノシシ由来86%)
農水省の拡大豚コレラ疫学調査チームは8日、昨年9月から6月までに岐阜と愛知の養豚場で発生した28事例について、侵入要因などの疫学調査の中間取りまとめをした。86%に当たる24事例が、感染野生イノシシ由来のウイルスであると推定。まん延防止に向けた対策として、農家に対し防護柵の設置といった野生動物対策など7項目を提言し、対策を確実に実行することを呼び掛けた。28例目までの発生について、ウイルスの確認状況を記した農場の見取り図を初めて公開した他、侵入経路や時期の推定根拠とした情報を示した。農場と豚舎へのウイルス侵入要因として、多くが感染野生イノシシから小動物や人、車などを通じて持ち込まれたと指摘。愛知県田原市の5事例は、最初に持ち込まれた以外の4事例で近隣農場からの感染が考えられるとした。同チームは野生イノシシの感染確認が続いていることから、農場と養豚場内へのウイルスの侵入ルートを遮断するため、7項目を提言した。各農場で採取したウイルスの全ゲノム(遺伝情報)配列を調べたところ、同じ田原市の発生でも、農場によって侵入経路が違う可能性があると指摘。100キロ以上離れた岐阜県山県市の農場で似た配列が見つかった。感染イノシシが近くで見つかっていなくても衛生対策を十分に行う必要性を強調した。また、旅行者の手荷物などで持ち込まれた肉・肉製品から野生イノシシに感染し、農場に侵入したとの見解を改めて示した。同チームは今後、29例目以降の事例を検討していく他、発生農場と非発生農場の対策の違いや豚舎外でのウイルス調査を進めるとしている。

(豚コレラ感染「重大局面」、対策を徹底)
ブタの伝染病、豚コレラの感染が拡大していることについて、菅官房長官は極めて重大な局面を迎えているとして、感染拡大の要因となっている野生イノシシへのワクチンの散布など、対策を徹底していくと強調しました。ブタの伝染病、豚コレラは、去年9月に岐阜県で発生が確認されたあと、これまでに7府県に拡大していて、終息する見通しが立っていません。これについて菅官房長官は記者会見で「さらなる発生を予防することが第一だ。極めて重大な局面を迎えているとの認識のもと、政府一体となって、野生イノシシへのワクチン散布などの対策を徹底して強化している」と強調しました。一方、岐阜県などが要望している、農家が飼育しているブタへのワクチンの接種については、豚肉の輸出への影響などの課題もあるとして慎重に検討していく必要があるという認識を示しました。

(豚コレラ、感染地域が拡大)
豚コレラの感染地域が拡大している。養豚場での感染は7月に入って三重、福井でも確認され、富山、長野では野生イノシシの感染が判明。複数の養豚場で感染が見つかった岐阜、愛知を含めて感染は6県に広がった。主要な生産地として知られる群馬などへの感染拡大も懸念されており、政府は封じ込め対策の強化を急いでいる。「感染地域の拡大に危機感を持っている」。7月31日に開かれた農林水産省の防疫対策本部会議で吉川貴盛農相は対策の強化を指示した。野生のイノシシが養豚場に入ることを防ぐ防護柵の設置を全国で義務付けるほか、豚を早期に出荷することで豚舎を空にし、施設の消毒など感染防止対策を徹底していく方針を確認した。昨年9月に岐阜で確認されて以来、1年近く経過したが、終息の兆しは見えない。

(豚コレラ対策、関東農政局が説明会:長野)
県内で野生イノシシへの豚コレラ感染が拡大していることを受け、農林水産省関東農政局長野県拠点(長野市)は8日、養豚農家や市町村職員らを対象にした対策説明会を飯田市と塩尻市の2会場で開いた。計約100人が参加。農水省の担当者が、飼育豚へのワクチン接種に現時点で慎重な姿勢を示す理由などを説明した。阿部守一知事も8日、東京都内の農水省に吉川貴盛農相を訪ね、「農家は一日も早いワクチン接種を望んでいる。全国的な合意形成、態勢整備を進めてほしい」と要望。これに対し農相は「極めて慎重にやらないといけない。他県のこと、全体のこともある」と述べた。飯田と塩尻両市の説明会は非公開。担当者によると、ワクチンを使うと国際ルール上「非清浄国」とみなされ、豚肉の輸出入に影響が出る可能性がある他、トレーサビリティー(生産流通履歴)の把握など厳格な流通管理体制の構築が必要になることを説明。改めて衛生管理の徹底を求めたという。飯田市会場に参加した養豚農家は早期のワクチン接種を期待した。「考えに隔たりはある。今後も対策について丁寧な説明を続けてほしい」とした。一方、知事は養豚農家が感染防止を目的に豚を早期出荷した場合の補償、車両消毒設備を設置する農場への支援も農相に求めた。

(豚コレライノシシ、新たに12頭:長野)
県内で豚コレラに感染した野生のイノシシが相次いで見つかるなか、6日も新たに王滝村などで12頭の感染が確認されました。県によりますと、感染が新たに確認されたのは、松本市と塩尻市、上松町、木曽町、木祖村、それに王滝村で見つかった野生のイノシシ、合わせて12頭です。王滝村で見つかったのは今回が初めてで、これで県内で感染が確認されたイノシシはあわせて51頭になりました。養豚場の半径10キロ圏内で豚コレラに感染したイノシシが見つかった場合、その農場は県から「監視対象農場」に指定されますが、県によりますと、今回の感染確認で新たに指定される養豚場はないということです。

(豚コレラ感染、県内3頭目:富山)
豚コレラウイルスに感染した野生のイノシシが5日、南砺市でも見つかりました。これで県内で野生イノシシへの感染が確認されたのは3頭目です。県によりますと、感染が確認されたのは体長およそ70センチでメスの野生イノシシで、5日午前に、南砺市菅沼の国道156号の道路脇で死んでいるのを付近の住民が発見したということです。野生イノシシへの豚コレラの感染は先月27日の富山市、今月1日の砺波市の例に続き3例目となります。半径10キロ以内に養豚場はなく、監視対象となる農場の追加指定はありません。これまでのところ県内の養豚場の豚への感染は確認されていないということです。県は、野生イノシシへの感染拡大を防ぐため8日から餌に混ぜた経口ワクチンの散布を開始する予定です。豚コレラは豚とイノシシ特有の病気で人には感染しません。

(豚へ豚コレラワクチン接種を、農水省に県が要望書:長野)
県内でも野生イノシシの家畜伝染病「豚コレラ」への感染確認が相次ぎ、六日には王滝村でも初確認されて中南信地域の九市町村に広がった。感染拡大を防ぐため、県内の養豚農家からは飼育している豚へのワクチン接種を求める声が高まっており、太田寛(ゆたか)副知事は同日、「早期に接種できる体制を整備すること」と盛り込んだ要望書を農林水産省に提出した。しかし、同省は豚へのワクチン接種に慎重な姿勢を崩しておらず、県内関係者は危機感を募らせている。「感染防止策を徹底しているが、いつ養豚場で豚コレラが発生してもおかしくない」。喬木村で養豚業を営む知久隆文さん(48)は訴える。知久さんは親子二代続く養豚農家。現在は二百頭の親豚を育て、年間三千~三千五百頭の子豚を出荷している。今年二月に宮田村の養豚場で豚コレラが発生し、同村の養豚場などで二千四百頭以上が殺処分されたことで警戒を強めた。いったんは収束したが、七月に木曽町で野生イノシシの感染を確認。野生イノシシの感染確認は今月に入っても中南信地域で頭数や発見場所が広がり続けており、知久さんは「自分の農場で発生するかもしれないと考えると、ストレスで倒れそうだ」と切迫感を打ち明ける。県では防疫措置として、塩尻市や木曽町、木祖村などの発見場所周辺の山麓に野生イノシシ向けの経口ワクチンを散布。塩尻市では発見場所から半径十キロの範囲に養豚場が二カ所あるため、監視を強めているが、高い効果が期待される養豚場でのワクチン接種はしていない。農水省の防疫指針に「平常時の予防的な接種はしない」と明記されているからだ。同省動物衛生課の担当者は「ワクチンには高い効果が認められているが、完璧ではない」と説明。ワクチンが効かなかった豚から感染が広がる余地などもあるとして、養豚場ごとの衛生管理の徹底などを優先させる考えだ。ワクチンを接種すると、政府間機関の国際獣疫事務局(OIE)から日本が「非清浄国」に認定される可能性も指摘。非清浄国であることを理由に、豚肉の輸入を制限してきた相手国から日本市場を開放する圧力が高まる恐れや輸出への悪影響も懸念する。これに対し、県養豚協会の中村秀司会長は「岐阜県の養豚場で昨年九月に豚コレラが発生してから約一年がたつが、沈静化するどころか広まっている」と現在の厳しい状況を強調。その上で「衛生管理にも限界がある。ワクチン接種を早く決断してほしい」と話し、今後、長野県選出の国会議員らを通じて農水省に実現を強く働き掛ける構えだ。

(豚コレラワクチン接種、知事が農相に要請:福井)
越前市の養豚場で七月下旬に家畜伝染病「豚コレラ」が発生したことを受け、杉本達治知事は七日、農林水産省で吉川貴盛農相と面談し、感染拡大防止のため飼育豚へのワクチン接種などを求めた。吉川農相は豚肉の輸出入への影響などを懸念して否定的な姿勢を崩さなかったが、地域限定での接種については関係機関と相談を続ける方針を示した。面談は冒頭を除き非公開だった。提出した要望書では、豚コレラの発生を「全国どこでも起こりうる、まさに国家レベルの災害」と指摘。養豚農家が豚用ワクチン接種を「切望している」と国の決断を迫った。県によると、杉本知事は感染拡大の原因とみられる野生イノシシが県境を越えて広がっているとし、国が責任を持って主導権を発揮するよう訴えた。吉川農相は、県単位でのワクチン接種を考えた場合、福井県には食肉処理場がないため、隣県との調整が必要だと指摘。豚や食肉の厳格な流通管理も欠かせず、実施には課題が多いとの見解を示し、引き続き国際機関「国際獣疫事務局(OIE)」などと相談するとした。面談後、杉本知事は豚へのワクチン接種について、他県との共同要請の可能性に言及しつつ「基本的には国の主体的な判断が重要。県の問題と言われると、矮小(わいしょう)化されてしまう」と国の積極的な関与を促した。このほか要望書に盛り込まれた農家の経営支援、野生イノシシへの経口ワクチン散布拡大、養豚場への侵入防止用の柵・ネットの設置支援などは、国が前向きに進めていく考えを示したという。豚コレラは、豚やイノシシに感染する伝染病で、野生イノシシを介して広がっているとみられている。県内には七日現在、六施設で計二千六百五頭の豚が飼育されている。

(豚コレラ、補助増へ:富山)
豚コレラに感染した野生イノシシが南砺市で発見されたことを受け、同市の田中幹夫市長は6日の定例記者会見で養豚場での柵の設置を進めるため、設置費用の20%だった市の補助割合を25%に増やすと発表した。

(豚コレラ、ワクチン2000個散布へ:石川)
富山、福井など近隣県で豚コレラに感染した野生イノシシが見つかったことを受け、県は6日、関係機関でつくる県豚コレラ感染拡大防止対策協議会を金沢市内で開いた。県は7日から、かほく、津幡両市町でワクチン散布に向けた作業を開始することや、8、9月にワクチン計2000個を散布することなどを説明した。

(減らせエゾシカ、夏も囲いわな:北海道)
宗谷総合振興局は、人慣れしたエゾシカの群れが定着している市内ノシャップ地区に、餌でおびき寄せる囲いわなを設置した。わなは、食べ物が枯渇する秋から春にかけては設置されたことがあるが、夏は初めて。シカにとって魅力的な餌を夏場も使い、年間を通じたシカの捕獲につなげたい考えで、6日までに12頭を捕獲した。事業は北海道猟友会と野生動物の調査などを担う構研エンジニアリング(札幌)が受託。7月18日に同地区の弓道場裏に設置した。わなは8メートル四方で、高さは3・6メートル。周囲には計8台の監視カメラを設置。入り口のカメラはスマートフォンに連動しており、映像で現状を確認しながら、シカが入っているタイミングを見て、遠隔操作で入り口を閉じることができる。餌には甘みのあるビートの搾りかすや牧草を固めたものなどの配合飼料を採用した。わなを設置後、定期的に餌を置いたところ、さっそく多くのシカが食べに来て、日をおかずに空になった。中には囲いわなの中でくつろいでいるシカもいたという。

(人里へのクマ出没に警戒を、餌のブナが不作:新潟)
ツキノワグマの餌となるブナやコナラなどの実が今秋は全県で不作の見通しであることが8日、新潟県の調査(速報)で分かった。県は秋にかけ、クマが餌を求めて人里に出没する可能性が非常に高くなるとして、注意を呼び掛けている。調査は7月1日~8月2日、県内の170地点で行われた。クマの餌となるブナ、ミズナラ、コナラ、クリ、オニグルミの5種類について結実状況を調べ、凶作、不作、並作、豊作の4段階で評価。県全体でブナとコナラの実が「凶作~不作」で、残る3種類は「不作~並作」だった。中でもブナは山奥に分布し、クマが好んで実を食べるという。ブナの実が豊作の年は秋のクマ目撃件数が少ない一方で、不作の年は餌を求めて人里に出てくるためか、目撃が増える傾向にある。また、餌の豊凶状況に左右されづらい4~8月の県内のクマ目撃件数は近年、500件超で推移。100件超程度だった10年前から大幅に増えている。県は「ツキノワグマの分布域が10年で約1・5倍に広がっているというデータがある」と説明する。「要因は特定できない」とするが、中山間地で耕作放棄地などが増え、クマの行動範囲が広がっているという見方もある。今年は4~7月に405件の目撃・出没情報があり、妙高市と阿賀町で2人が襲われてけがをした。上越市では5月、高田地区中心部の市街地に現れて捕獲されたケースもあった。お盆を控えるこの時期は、墓に果物や野菜を供えることでクマを誘引する恐れがある。県環境企画課は「クマを引きつける農作物や生ごみなどを外に放置しないようにしてほしい」とし、クマが活発になる早朝や夕方の入山についても、注意を呼び掛けている。クマによる人身被害を防ごうと、県はホームページにクマの目撃情報をまとめた「にいがたクマ出没マップ」を公表している。自治体でも対策が進み、三条市は出没地域にチラシや防災無線などで注意喚起し、長岡市は注意看板の設置を増やすなどした。5月に市街地にクマが出没した際の対応で遅れが生じた上越市は、大型動物への対応マニュアルの更新を進めている。

(JR釜石線、シカの衝突防げ:岩手)
岩手県釜石市が試合会場の一つとなるラグビーワールドカップ(W杯)の開催を今秋に控え、JR東日本盛岡支社が釜石線でシカなどの衝突防止対策を強化している。レーザー光で線路内への侵入を防ぐ装置を新たに山間部に導入したほか、ライオンの糞(ふん)から成分を抽出した忌避剤の散布などを実施。W杯の試合当日に観戦客の交通手段となる同線の安定輸送を目指す。

(ゼニガタアザラシ、捕獲上限80頭:北海道)
環境省は5日、えりも町で「えりも地域ゼニガタアザラシ保護管理協議会(地域協議会)」を開き、襟裳岬周辺での今年度の捕獲頭数の上限を40頭から80頭に増やすことを地元漁業者らに報告し、了承された。今年は春の「捕獲作戦」などで33頭を捕獲していることも報告した。

(四国の野生クマ、危機的状況に)
環境破壊などで減少し、絶滅が心配されている四国のツキノワグマの個体数を推定した初めての研究結果がまとまり、現在、野生状態では、もっとも多く見積もっても24頭しか生息していないという危機的な状況が明らかになりました。これは、四国のツキノワグマの研究を続けているNPO法人・四国自然史科学研究センターがこのほど専門誌に論文を発表して明らかにしました。研究では徳島県と高知県で捕獲されたツキノワグマのオス5頭、メス8頭のあわせて13頭の遺伝子を解析しました。解析の結果、繁殖に関わっていたのはオス2頭、メス4頭のみで、遺伝子の多様性が失われて近親交配が進んでいることが明らかになりました。血縁関係から推定すると、四国のツキノワグマは野生状態では16頭からもっとも多く見積もっても24頭しか生息していないと推定されました。四国のツキノワグマは生息地の環境破壊などで数を減らし、環境省が「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定していますが、今回の研究結果で生息が危機的な状況にあることが改めて裏付けられました。四国自然史科学研究センターの山田孝樹研究員は「四国のツキノワグマはこのままでは絶滅してしまう可能性が非常に高く、行政なども含めた関係機関が連携して、保全計画を早急に進めていく必要がある」と話しています。

(若手ハンター育成狙う、体験型セミナー開催:茨城)
農作物を荒らす有害鳥獣を駆除するハンターが高齢化し、担い手が減っている。県は9月1日、城里町で狩猟の魅力をアピールするセミナーを開催。女性ハンター「狩りガール」による講演や、イノシシの解体など体験型セミナーで若手ハンターの増加を狙う。セミナーは昨年度に始まり今回で3回目。「ハンティングの魅力セミナー」と題し、城里町総合野外活動センターふれあいの里(同町上入野)で開催する。

(ドローンでシカ防護柵点検:鳥取)
鳥取県東部森林組合は、植林後の苗をシカの食害から守る防護柵「シカフェンス」の維持管理に小型無人機「ドローン」の活用を検討している。植林面積の増加に伴って延び続け、総延長22キロに達するフェンスの点検作業の省力化が期待される。

(耕作放棄地、再生を:石川)
白山市木滑の耕作放棄地を借りて開墾し、加賀市山代温泉の会社員、本田直次さん(56)と妻淳子さん(50)が、中山間地の農地再生に向けて取り組んでいる。獣害対策として動物の習性を利用した自作の忌避装置を試験的に導入したほか、新たな農産品の開発にも着手。二人は「人間と動物の心地よいすみ分けを実現したい」と話す。本田さんが知人から借りた広さ約一ヘクタールの畑は、山の中腹にある。かつては養蚕に使う桑畑が広がっていたが、住民の高齢化もあり、周囲はやぶに覆われ耕作放棄地になっていた。昨年四月から開墾を始め、四カ月かけて草木を刈り払い農地に再整備した。現在はキュウリやトマトなど約九種の農産品を育てている。きっかけは、何げなく見た空撮写真だった。「なぜ農地が荒れているのだろう」。疑問に思い、勤務先で話したところ、同僚の出身地であることが判明。本田さんは「自分も農家育ち。何か力になれないか」と土地を借り受けた。周囲で現在、大きな問題になっているのはイノシシやシカによる獣害問題だ。本田さんは動物に関して調べ、イノシシは「鼻が良いが目が悪い」「明るいところが苦手」といった動物の特性を対策に活用することを思い付いた。動物が嫌う山の草木が焼けるような臭いがする市販の忌避剤を改良し、ペットボトルを使った装置を自作。本田さんは「昔は野焼きの臭いが天然の忌避剤として機能していた」と話す。ほかにも蛇を模してロープを畑の周りにつるすなどした。畑の周囲にロープを高さ四十センチほどの位置に張れば、シカが畑に入らないことは地元の人から教わった。こうした獣害対策の結果、一年目は獣害被害はほとんどなかったという。さらに畑に残った桑の木を増やし、桑の葉を粉末状にしたお茶作りを進めている。本田さんは「地域の人たちと協力して、里山の再生を目指したい」と話している。

(安全狩猟射撃大会:長野)
南箕輪村猟友会会員で自営業の加藤尚さん(55)=同村田畑=が、射撃の腕前や判断力などを競う「安全狩猟射撃全国大会」(9月29日、大阪府)のフィールド競技65歳未満クラスに、県代表として出場する。主催する大日本猟友会の設立80周年を記念し14年ぶりに開かれる大会で、加藤さんは「若い人たちに猟友会に興味を持ってもらえるよう、全国舞台で活躍したい」と意気込んでいる。加藤さんは狩猟歴約35年。6月に辰野町であった県大会の同クラスで、出場者42人のトップに立ち、全国切符を獲得した。月1回ペースで県内外の射撃場で練習し、腕を磨いている。競技は、散弾銃を使って、直径約10センチの円盤状の標的を狙う4種目の総合点(計100点)で争う。標的2個が同時に放出されたり、時速50キロほどで近づくように飛んできたりと難関の種目ばかり。撃てばマイナスポイントになる特別な標的もあり、「メンタルの強さと集中力が大切」(加藤さん)という。加藤さんは8日に村役場を訪問し、原茂樹副村長に出場を報告。県内の猟友会員数は全国屈指の規模を誇るといい、「県代表の名に恥じないよう、大会では3位以内を目指したい」と決意表明。後進育成への熱意を語り、「若手の目標になれるよう大会で頑張ることで、有害鳥獣駆除活動がさらに活発化していけば」と期待した。

(「野生動物と人間との関わりを考える」:東京)
東京女子大学(東京都杉並区、学長:茂里 一紘)は2019年8月31日(土)・9月1日(日)の2日間、2019年度夏季特別講座を開催する。今年度は「野生動物と人間との関わりを考える」をテーマに、人間と自然、とくに野生動物との関わりを科学的な観点から改めて認識し、今後の方向性を考える。定員は各回250名 (先着順)、事前申込制、受講料は1コマ 1,000円。東京女子大学は、伝統的な知見と最新の研究成果を地域と連携し還元することも重要な使命と考え、年間を通して大学の知的資源を活用した各種の公開授業や講演会を実施。地域住民へ学びの場を提供している。今回は「野生動物と人間との関わりを考える」がテーマ。同大現代教養学部数理科学科情報理学専攻の石井信夫教授がコーディネーターとなり、3名の外部講師を招いた全4コマの講座を開講する。人類は他の生物と深い関わりをもちながら進化してきた。しかし、大部分の人々が都市に生活する現在、世界的にも日本でも、人類が自然に及ぼす甚大な影響、人間と野生動物との関わりを実感することが少なくなり、山積するさまざまな問題への適切な対処も難しくなっている。講座では人間と自然、とくに野生動物との関わりを科学的な観点から改めて認識し、今後の方向性を考えていく。

(高校生が開発した「イノシシラーメン」:大阪)
大阪・岬町の高校生が開発した「イノシシラーメン」を紹介。岬町は大阪の最南端にある人口およそ1万5000人の町です。イルカのショーで知られる「みさき公園」があり、町内の約80%が山地という自然豊かなところです。そんな自然豊かな岬町ですが、害獣のイノシシが出没し、農作物を中心に被害が出ています。地元農家の丸山満寿夫さんによると、イノシシはエサのミミズを食べるため、畑の土を掘り起こしてたり、カボチャやジャガイモを食べたりするそうです。そうした状況から、猟師がイノシシを駆除するようになりました。この駆除されたイノシシを使って、地元の府立岬高校の生徒たちがラーメンを作り、それが町の新たな名物になりつつあります。その名も猪骨(ししこつ)ラーメンです。岬高校には料理を専門的に学ぶコースはありませんが、たまたま若い頃にラーメン屋をしていたという数学の先生の指導のもとに生徒達が作る猪骨ラーメンは、油っぽさがなく、ダシを丁寧にとったことがわかる逸品だそうです。

(愛犬・愛猫向け「エゾ鹿ハンバーグ」:北海道)
AEI INTER WORLD(北海道札幌市)より、「北海道産 酵素 エゾ鹿ハンバーグ」が、8月5日月曜日より発売される。「AEI INTER WORLD(アエイインターワールド)」は、2002年設立。レストラン事業では、炭火焼ハンバーグレストラン「竈 円山」。お土産事業では、「円山ぴりか」などの北海道食材を使用したお菓子。ペットフード&サプリメント事業では、北海道食材を使用したヘルシーアニマルズシリーズを製造、販売している。本商品は、手作りで犬や猫の食事を作っている飼い主向けに開発した「手づくりご飯サポートシリーズmamafoods」の第6弾商品。日常の食事としてはもちろん、ハレの日を一緒にお祝いする食事として、また一緒に外出する時の食事として使うことができる。炭火焼ハンバーグレストラン「竃 円山」(KAMADO)が監修しており、人気ハンバーグレストランの監修の元、エゾ鹿ハンバーグを発売するのは北海道初となる。内容量70g、価格は842円(税込)。

(山くじら取り組みの紙芝居完成:島根)
イノシシの肉などを「山くじら」のブランド名で特産化している美郷町で、町の鳥獣害対策やブランド化への取り組みなどを紹介する紙芝居が、このほど完成し、町では今後PRに活用することにしています。完成した紙芝居は「山くじらものがたり災い転じて福となす」というタイトルで、イノシシやサルの被害に苦しんできた美郷町の吾郷地区で、住民と町が一体となって鳥獣害対策に取り組んできた歩みなどを紹介しています。この中では、地区の女性たちが中心となって、畑などに被害防止の柵を設置したり、収穫した農産物を持ち寄る市場が住民の集いの場所となっていることなどが描かれています。ストーリーは住民などが考え、絵はイラストを趣味としている地元の女性が担当したということです。美郷町などでは、この紙芝居を全国から訪れる視察の場や、町内のイベントなどで披露するほか、イノシシの肉や皮を使った加工品づくりなどを紹介する、紙芝居も今後作る予定だということです。吾郷地域婦人会の安田兼子会長は「他の地域で鳥獣害で困っている人もたくさんいると思うので、紙芝居がきっかけとなって、みなさんで一体となって取り組んでいただければ幸せです」と話していました。

(トマト銀の創業支援ファンド、ジビエ加工業者に出資:岡山)
トマト銀行は、創業や業態転換を支援するファンドから、ジビエ(野生の鳥獣肉)の加工・販売を手掛ける暁(岡山市)に1000万円出資したと発表した。同社は冷蔵施設の増設や商品カタログ・パンフレットの作成、商談会への出展など広告宣伝の費用に充てる。暁はイノシシやシカなど鳥獣の有効活用に向け、シェフの野上雄一社長らが2018年4月に設立。市内の給食センター跡を賃借し、改装して同年7月に加工場を稼働させた。独自のガイドラインで契約猟師から質の高い個体の供給を受けており、トレーサビリティー(生産履歴追跡)など食の安全・安心に向けた取り組みも進めている。同行は17年10月に、フューチャーベンチャーキャピタルと総額3億円の「トマト創業支援ファンド」を創設。ベンチャーへの出資は今回で9社目で、投資総額は約1億1900万円に膨らんだ。

(動物園のライオンの餌に害獣の駆除個体を与える深い意味:田中淳夫)
深刻化する獣害。シカやイノシシの増加が、農作物を荒らすほか森林環境にも大きな影響を与えていることが問題となってきた。そのため駆除が進められているが、年間数十万頭にも及ぶその個体は、ほとんど無為に処分されている。少しでも有効利用できないか……。そこに新たな試みが行われている。動物園大型肉食獣、たとえばライオンやトラの餌に、駆除した害獣の肉を使おうというものだ。動物園の肉食獣には、通常ウマなど家畜の肉を切り刻んで精肉にしたものを餌として供している。しかし本来の肉食獣なら、自らの牙で皮を剥ぎ、骨をしゃぶったりかみ砕いて肉を食っているはずだ。実際の生息環境との違いは、動物たちにストレスを感じさせてしまい、異常行動の元にもなるという。また本来の動物の生態を見せるという動物園の役割からズレているとも言える。すでに欧米の動物園では、肉食獣の採食に家畜の精肉を与えるのではなく、動物そのままの形で与える「屠体給餌」の手法が採られるようになってきた。こうした飼育動物の環境を自然界に近くしてよくすることを「環境エンリッチメント」と呼ぶ。日本でも、この二つの問題~害獣駆除個体の有効利用と動物園の飼育環境~をドッキングさせて「屠体給餌」を実現できないか。そんな話をたまたましたのが、科学コミュニケーターの大渕希郷さんと、福岡県の大牟田市動物園の伴和幸さんである。この構想は、その後九州大学の持続可能な社会のための決断科学センターのメンバーも加わってとんとん拍子に進む。そして2017年の夏に初めて行われた。その時に供せられたのは、屋久島で駆除されたヤクシカだった。もっとも、駆除したシカやイノシシの遺体を単に肉食獣に与えたらよいというものではない。野生鳥獣には寄生虫や病原体を持つものが多く、飼育下にある動物への感染が心配されるからである。たとえばマダニが寄生していることもあるほか、E型肝炎ウイルス、重傷熱性血小板減少症候群ウイルスなどが野生のイノシシやシカから検出されている。そこで、まず駆除個体の頭を落とし内臓を抜いた状態で冷凍することで寄生虫を死滅させるとともに、給餌前に熱処理することにした。しかし肉を高温にさらすと、肉質が変わり食感も違うようになるだろう。肉食獣の嗜好に合わなくなるかもしれないし、何より自然な採食にはならない。そこで生肉に近い食感を保つことのできる低温殺菌処理(63℃、30分)を行うことにした。これは定温を保つ調理器具を使えば比較的簡単に可能だ。もう一つ心配なのは、見学者の反応だった。毛皮付きの動物の形を残す餌に肉食獣が食いつくシーンを残酷だと感じて、否定的な反応が出る可能性もある。そのため事前に見学者へ向けてていねいな解説と対話を行うことにした。そこでは本来の野生動物が食べている餌の話や、広がっている獣害と駆除個体の問題などを説明し、それらの課題解決の一つの方法であることを紹介してから実施するのである。実際に行った際の観察では、ライオンとトラは骨や蹄を含めてすべて平らげた。とくに一頭の雌ライオンは、通常の給餌と違って、ほえる、くわえて走る、前肢でつつくなどの行動を見せ、骨も砕きながら摂餌した。これは自然界の行動に近い。なお難消化性の骨を食べるのは、整腸作用を促進し、体調をよくする効果も見込めるそうだ。見学者にとったアンケートによると、採食の様子を見るのに抵抗を感じた人は1割程度で、多くが肯定的だったという。その後、実験に関わったメンバーを中心に「ワイルド・ミート・ズー」と言うグループを立ち上げて、この「屠体給餌」活動を継続している。大牟田市動物園では、今では月に幾度か「屠体給餌」が行われるようになった。与えられるのは福岡県の「糸島ジビエ研究所」から提供される近隣の山で駆除されたシカやイノシシである。また京都市動物園でも試みられている。代表を勤める大渕希郷さんは「何もすべての餌を駆除個体にしようというわけではありません。動物の飼育環境をよくするだけでなく、見学者にとっても、動物が快適に生きる条件とは何かとか、獣害問題について考えてもらうきっかけになればと思っています」駆除個体の利用という点からも、可能性を広げるだろう。近頃流行りのジビエ(野生鳥獣の食肉)として利用されるのは、ハンティングされたうちの1割にも満たない。有害駆除とジビエ利用は別物で、駆除個体を食肉として流通させるのは法的な観点や肉質の面からいろいろ難しい点が多いからだ。たとえば銃で仕留める場合、頭か首、もしくは胸部を撃ち抜き即死させねばならない。腹部に銃弾が当たると、衛生面から肉は食用には回せない。さらに仕留めてから1~2時間以内に認定された解体処理施設で解体する必要がある。その解体にも技術がいる。また罠で捕獲した場合、暴れた個体は体温が上がり、俗に蒸れ肉と呼ぶ状態となり食用には向かなくなる。「屠体給餌」は、駆除個体の有効利用として、もっと注目すべきだろう。またイヌネコを含めたペットの餌としての加工を考えてもよいかもしれない。すでにシカ肉の干し肉などは、人気のペットフードである。もちろん全国で駆除されているシカやイノシシの数を考えると、仮に全国の動物園が「屠体給餌」を採用しても、捌ける肉の量はしれている。しかし生あるものを殺しておきながら遺体を単に焼却や埋没処分する倫理面、そしてハンターの心理的負担の面から考えても一考に値するかもしれない。

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(クマに襲われ、74歳男性重傷:岐阜)
3日午後3時20分ごろ、岐阜県恵那市明智町の農道で、近くに住む無職の男性(74)がウオーキングをしていたところ、クマに襲われた。男性は妻の車で近くの消防署に搬送された。恵那署によると、男性は頭や腕をかまれ、左腕骨折の重傷。恵那市内では先月14日にも上矢作町で女性がクマに襲われ、けがをした。

(ワクチン接種の是非検討)
家畜伝染病「豚コレラ」が7月以降、三重、福井両県の養豚場に拡大したことから、農林水産省は、発生県の豚に対するワクチン接種の是非について検討を始めた。ワクチンを使った豚肉が地域外に流通しない厳格な仕組みの構築も支援。日本の豚肉輸出への影響を最小限に抑えたい考えだ。「豚肉の輸出拡大を進める中、ワクチンは打ちたくないのが本音だ」-。ワクチンを使うと、国際ルール上「非清浄国」とみなされ、豚肉の輸出は困難になるため農水省幹部はこう繰り返している。それにもかかわらず、接種の是非について検討を始めたのは、岐阜、愛知両県に発生が集中していた豚コレラが、7月に入り三重、福井両県に広がったためだ。ウイルスの媒介役とされる野生イノシシの感染事例はさらに広域に及び、新たな発生県がいつ出てもおかしくない状況。「不測の事態への備えも必要」(同省)と判断した。ワクチン接種をめぐっては、ルールを定める国際機関「国際獣疫事務局(OIE)」とも協議を開始。対象地域の豚の移動を制限したり、豚肉が域外で販売されないようにしたりした上で、未使用エリアを「清浄国」として認めるよう求めていく。こうした協議をにらみ、農水省はトレーサビリティー(生産流通履歴)の把握など厳格な流通管理体制の構築を、発生各県に促す考え。ワクチンを接種しても管理が不十分とみなされれば、輸入停止を決める国が相次ぐことが想定されるためだ。農水省はまた、衛生管理の強化に向けて、豚コレラの発生地域で豚舎をいったん空にしたり、野生イノシシの侵入を防ぐ防護柵の設置を全国の養豚場に義務付けたりする方針だ。

(イノシシ243頭捕獲、過去最多:岩手)
2019年度イノシシ管理検討委員会は2日、盛岡市内で開かれた。県によると、18年度の県内捕獲頭数は243頭(前年度比163頭増)と急増し、捕獲を開始した11年度以降、過去最多となった。農業被害額も1529万円(同440万円増)で過去最高だった。いずれも生息数の増加が背景にあるとみられる。県は今年度から集落アンケートを実施。出没状況などを把握し、さらなる捕獲促進につなげる。委員会には学識経験者や県猟友会、行政機関などから9人が出席。県が昨年度のイノシシ管理対策実施状況などについて報告した。県によると、県内のイノシシ捕獲数は13年度から増加。昨年度は狩猟10頭、有害鳥獣捕獲100頭、指定管理133頭の計243頭を捕獲した。11~14年度は一関市のみで捕獲されていたが、徐々に生息域が拡大。ここ数年で県央にも広がり、昨年度は県北の洋野を含め、盛岡、紫波の3市町で初めて捕獲された。農業被害は10市町村で発生。被害額は捕獲を開始した11年度以降、過去最高の1529万円となった。このうち水稲被害は1167万円(前年度比529万円増)で、全体の約76%を占めた。次いで飼料作物159万円(同142万円減)、芋類63万円(同14万円減)、野菜類38万円(同23万円増)などとなった。県は捕獲数が大幅に増えた要因について、「狩猟者の技術向上や生息数の増加で狩猟機会が増えた」と分析。生息域が拡大していることから、さらなる捕獲が必要だと強調した。一方で県内の生息数は不明といい、委員からは「生息数が分からないと、具体的な捕獲目標が立てられない」「しっかり調査して今後の方向性を決めるべきだ」といった意見が出された。今年度は狩猟規制の緩和などに引き続き取り組むほか、指定管理鳥獣捕獲等事業を活用し、県内全域における捕獲を強化。新たに県内の農業集落を対象としたアンケート調査を実施する。調査で出没状況や農業被害状況を詳細に把握することで、捕獲促進を図りながら、計画的な管理施策を推進する方針。本県に生息するニホンジカの保護管理などを検討するシカ管理検討委員会は2日、盛岡市内で開かれ、2018年度の捕獲頭数は前年度を1780頭下回る1万2538頭となった。農業被害は前年度より393万円少ない27市町村で1億8833万円となった。市町村による有害捕獲は、28市町村で実績があり前年度を上回った。今年度の捕獲目標は1万2200頭に設定する。県によると、捕獲頭数の内訳は、有害捕獲が7399頭、指定管理の捕獲事業4595頭、狩猟544頭。「高密度段階」に位置付けられている北上高地南部地域は、1万1102頭と全体の9割を占めた。次に「定着段階」の北上高地北部地域は1263頭、「侵入初期段階」の奥羽山脈地域は173頭だった。市町村の有害捕獲頭数は、遠野の1425頭が最も多く、次に大船渡の1355頭、釜石市1007頭と続く。県南では、花巻が424頭、奥州219頭、一関の235頭などとなった。農業被害の作物別では、水稲7190万円(前年度5727万円)、飼料作物5292万円(同7363万円)、果樹3558万円(同3453万円)、野菜類1629万円(同1450万円)、その他1161万円(同1231万円)で、飼料作物などは減少した一方、水稲や野菜類は増加した。今年度の管理対策によると、希少な高山植物を食害から守るため、早池峰山周辺地域での捕獲強化として、県猟友会と一斉捕獲を実施するほか、今年度も引き続き県と東北森林管理局が連携して、登山道周へに約900メートルの防鹿柵を設置する予定。このほか、各市町村では鳥獣被害防止対策交付金などを活用し侵入防止柵の設置や農業者を対象にした研修会を開催する。

(クマ、家よじのぼり壁破壊:福島)
30日深夜、猪苗代町の80代男性方の敷地内でクマ1頭を目撃したと猪苗代署に通報があった。同署などによると、家の中で物音を聞いた男性が午後11時10分ごろ、家の裏手に出てみると、体長約1メートルのクマがよじ登って壁を壊していた。男性が棒で壁をたたくなどしたところ、クマは東側の山林に逃げていったという。壁のトタンや中の断熱材が剥がされ、水道管なども壊された。壁の内部にミツバチの巣があり、蜂蜜を狙ったものとみられる。男性は「必死に壁をたたいた。道路を横断したり、庭先にいたという話は聞いてたが、まさか蜂蜜欲しさに壁を壊すとは」と話していた。猪苗代町農林課は、クマが再び来ないよう、現場近くに電気柵を設けた。

(住宅の網戸、クマに破られる:岩手)
1日未明、宮古市の住宅でクマに網戸が破られる被害がありました。住人にけがはありませんでしたが、警察は注意を呼びかけています。1日午前1時半ごろ、宮古市長根の住宅で、寝ていた住人が物音で目が覚め、確認したところ寝室南側の窓の網戸が破られていました。朝になって警察に相談し、網戸の破れ具合などからクマによる被害と認められました。現場は住宅が密集する地域で、ここ2週間のあいだに数件の目撃情報が寄せられていました。警察は付近をパトロールして注意を呼び掛けています。県の自然保護課によりますと、クマは生ごみや野菜などを目当てに人里に下りてきている可能性があるため、クマのエサになるようなものは外に置かず、処理をするなど対策を呼びかけています。

(大垣市と飛騨市で初の感染イノシシ:岐阜)
岐阜県は1日、大垣市や飛騨市など8市2町で見つかった野生イノシシ計14頭が豚コレラに感染していたと発表した。大垣市と飛騨市での感染確認は初めて。県によると、いずれも7月29~31日に見つかった野生イノシシで、1日の遺伝子検査で陽性と判明した。県内で感染が確認された野生イノシシは計794頭になった。大垣市では29日、上石津町の山中でイノシシの子ども1頭がわなにかかっているのを地元の猟友会員が見つけた。飛騨市でも同日、河合町の山中で雌の成獣1頭が死んでいるのを住民が見つけた。

(豚コレラのイノシシ新たに12頭:長野)
県内で豚コレラに感染した野生のイノシシが相次いで見つかるなか、2日も新たに辰野町などで12頭の感染が確認されました。県によりますと、豚コレラへの感染が新たに確認された野生のイノシシは、松本市と塩尻市、辰野町、上松町、木曽町、木祖村、それに大桑村で見つかった12頭です。辰野町で見つかったのは今回が初めてで、これで県内で感染が確認されたイノシシはあわせて39頭になりました。12頭が見つかった場所の半径10キロ圏内にはいずれも養豚場はないということです。県はこれまでに木曽町や塩尻市など9つの市町村の山林でワクチンを混ぜたエサをまいていて、現在、ワクチンが作用しているかどうかなどを調べています。

(車庫にクマが、米袋食い荒らす:山形)
クマが現れたのは、尾花沢市丹生の民家の車庫。警察の調べなどによると、1日午後10時半ごろ、自宅に帰宅した20代の男性が車庫から飛び出してきたクマ1頭を目撃した。体長は1メートルほどのクマで、車庫の中に置いてあった30キロの米袋、12袋のうち、7袋が食い荒らされていた。けが人はなかった。クマを目撃した男性は「夜、帰ってきたらここのシャッターが1メートルくらい開いていて、気にせずに家に入ろうとしたら、この隙間から黒い大きなかたまりが出てきてスロープを使って山に逃げていった。怖いね。食べて味しめたならまた来るんじゃないかという恐怖はある」と話した。現場は、丹生第一公民館から東に500メートルほどの民家で、警察は、パトカーを出動させ、近くの住民に注意を呼びかけている。このほか、2日午前9時半ごろには、山形市飯田の農地でクマがプラムを食い荒らす被害が確認されている。

(住宅街でイノシシ目撃情報:佐賀)
佐賀市の住宅街で2日夜、イノシシの目撃情報があった。体長50センチ程度の子どもとみられ、平野部で目撃されるのは珍しいという。通報を受けた佐賀県警佐賀南署は「見かけた際は近づかず、刺激しないで警察に通報してほしい」と呼びかけている。署によると、現場は県庁から西に約2キロの同市八戸1丁目。目撃した住民は「クリークを走っていった」と話したという。署員が駆けつけたときはすでにいなかった。県内では、7月中旬に小城市芦刈町内でも目撃情報が相次いだ。佐賀市の現場からは西南方向に8キロほど離れた場所になる。ここでは体長100センチ前後と60センチ前後という、2頭の目撃情報があった。周囲は水田地帯で、山から川沿いにやってきた可能性があるという。猟友会が同月18日に体長約90センチの1頭を捕獲したが、小さい方の1頭は捕まっていなかった。

(アナグマ3匹捕獲、住民に注意呼びかけ:静岡)
磐田市福田の女性(85)宅の敷地内で2日から3日未明にかけて、アナグマの雌と子とみられる2匹の計3匹が立て続けにおりに捕獲された。女性は約3週間前、台所の床下でドンドン、ガリガリという音がするのに気付いた。住宅回りの土も掘り起こされ、後日侵入を防ごうと置いたブロックも蹴散らされた。女性は一人暮らし。「家に入ってきたら怖い」と耐えかね、専門業者を通じておりを設置。すぐに捕らえられた体長30センチほどのアナグマの子は近隣に響きわたる鳴き声で激しく跳ね回っていたという。現場は福田海岸に近く、住宅や農地も広がる。連絡を受けて駆けつけた地元、福田南まちづくり協議会の星野秀次郎会長(72)は「ハクビシンの例はあるが、アナグマの出没は初めて聞いた。住民は安全に気を付けてほしい」と呼び掛ける。

(雄のニホンジカ1頭、白神山地で確認:青森)
東北地方環境事務所は2日、青森県鰺ケ沢町の白神山地世界遺産核心地域で、7月に雄のニホンジカ1頭が確認されたと発表した。核心地域では2017年8月以来2例目。ニホンジカは同事務所が設置している自動撮影装置で7月19日午後3時10分ごろ撮影された。18年に核心地域で初めて確認された地点の近くだった。核心地域を取り囲む緩衝地域では、これまで青森県西目屋村と秋田県藤里町で計2例が確認されている。白神山地周辺には本来、ニホンジカは生息しておらず、繁殖が進んだ場合に生態系への悪影響が懸念される。同事務所の担当者は「核心地域では5年の調査で2例目であり、数は多くない。今後も注意深く監視していきたい」と話した。

(住宅街でまたクマ:北海道)
3日午後11時ごろ、札幌市南区簾舞5の2の市道交差点で、車で通りかかった60代男性がクマ1頭を目撃し、110番した。札幌南署員が周囲を捜索したが、クマは見つからなかった。同署によると、現場は簾舞中から南東に約600メートルの住宅街。クマは体長約1・2メートルで、車を見て市道を南へ数十メートル走り、住宅の間の空き地へ去ったという。付近では2日夜、クマ1頭が目撃されている。4日午後4時30分ごろには、簾舞4の2の民家の敷地内でクマのふんが見つかった。

(クマが犬襲撃、被害5匹目:北海道)
3日夕、根室管内羅臼町春日町の民家の住民から、屋外で飼っていた犬がいなくなったと、町役場に通報があった。町や知床財団(オホーツク管内斜里町)、地元のハンターらが周辺を調べたところ、川の近くで食いちぎられた犬の残骸とクマのふんが見つかった。町内では昨年8月から今年7月にかけて3回にわたり、計4匹の飼い犬が同じヒグマに襲われており、今回も同一個体とみて、地元関係者は警戒を強めている。飼い主の家族によると、正午ごろいつもと違う犬の鳴き声が聞こえていたという。午後4時半ごろ世帯主の男性が仕事を終え、自宅に戻ると犬の姿がなく、つないでいた鎖がちぎれていた。ハンターらが敷地から40メートルほどのやぶの中で、犬の体の一部とクマのふんを見つけた。

(クマ被害か、モモ40個食べられる:福島)
4日午前7時25分ごろ、福島市在庭坂字原ノ内の農業、男性(72)から「モモの枝が折られ、実を食べられた跡がある」と福島署に通報があった。同署によると、男性の果樹園のモモの枝4本が折れ、約40個のモモに食べられた跡があった。同署がクマによる被害とみて調べている。男性が農作業をしに畑に向かったところ、枝が折られているのを確認。クマは目撃されていないが、折られた枝に爪痕があった。男性は「大切に育ててきたモモがようやく実った矢先に食べられてしまい、とても残念」と肩を落とした。このほか、3日夜に会津若松市大戸町上雨屋の国道118号で、4日早朝に国見町泉田字普蔵の普蔵川沿いで、クマの目撃情報があった。

(クマの目撃:北海道)
4日午前から午後にかけ、八雲町内でクマの目撃が相次いだ。八雲署などが注意を呼び掛けている。午前11時50分ごろ、八雲町落部の落部漁港近くの海岸で磯遊びに来ていた父子がクマ1頭を目撃し、同署に通報した。同署によるとクマは体長約1・5メートルで、海岸付近には民家がある。また、午後4時40分ごろには同町花浦の道央道八雲インターチェンジ(IC)―国縫IC間で、道路上にいるクマ1頭を東日本高速道路の社員が目撃し、道警高速隊に通報した。同区間は午後6時50分まで上下線で通行止めとなった。函館機動警察隊によると、現場は八雲ICから2~3キロ札幌方向の地点で、クマは1メートルほどだった。

(クマ目撃、中学校から50メートル:北海道)
2日午後9時20分ごろ、札幌市南区簾舞3の3の市道を横切るクマ1頭を、近くに住む男性が目撃し、110番した。札幌南署員が周囲を捜索したが、クマは見つからなかった。同署によると、クマは体長約1メートル。現場は市立簾舞中学校から南に約50メートルの住宅街で、同署はパトカーで巡回し注意を呼びかけた。

(トラック、クマと衝突:秋田)
午前11時35分ごろ、小坂町小坂字姥渕の東北自動車道下り線(小坂インターチェンジ―小坂ジャンクション間)で、八郎潟町の50代会社員男性の中型トラックが、道路を横切るクマと衝突した。トラックはバンパーが壊れ、クマは道路脇の山林に去った。

(公園にクマ出没?休園に:富山)
31日午前8時半ごろ、射水市黒河の県民公園太閤山ランドの「バーベキューコーナー」の近くで、巡回中だった同園の作業員がクマらしき動物を目撃した。同園は園内放送などで来園者に退園を呼び掛け、同日午前9時から臨時休業とした。

(クマ目撃:栃木)
2日午前9時20分ごろ、日光市山内の山林。1頭、体長約1メートル。

(イノシシの出没:佐賀)
2日午後7時00分ころ、佐賀市八戸一丁目において、体長50センチメートルくらいのイノシシ1頭が出没しました。

(感染したイノシシを発見:富山)
県は1日、砺波市庄川町で豚コレラに感染した野生イノシシが新たに1頭見つかったと発表した。イノシシが見つかった場所から半径10キロ圏内に養豚場が2カ所あり、新たに監視対象となった。監視対象は計5カ所となった。

(大湯環状列石、クマ対策に頭悩ます:秋田)
鹿角市の大湯環状列石と北秋田市の伊勢堂岱遺跡など17遺跡で構成する「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、2021年の世界文化遺産登録に向け、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦される見通しとなった。登録に向け大きな前進ではあるが、今後もユネスコの諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)による現地調査への準備や、増加が予想される見学者への対応など、取り組むべき課題は多い。両遺跡の現状と展望を探った。「昔はそんなにクマの出没は多くはなかったように思うのだが…」。国特別史跡・大湯環状列石を管理する鹿角市教育委員会生涯学習課の花ノ木正彦課長(51)は不思議そうに首をかしげる。史跡では7月にクマの目撃が相次ぎ、市は2度にわたって立ち入り禁止とした。計11日間の公開中止期間には3連休が含まれ、九州や四国などからの来訪者は見学できずに帰った。史跡のボランティアガイド高木豊平さん(84)は「人的被害があっては大変だということは分かるが、遠方からの来訪者に史跡を見せられないのは残念だ」と話す。

(鳥獣被害3割減5650万円:青森)
野生鳥獣による2018年度の青森県内の農作物被害(速報値)は、面積が21ヘクタール、金額が5649万円で、前年度と比べそれぞれ42%、28%減少した。弘前市でニホンザルとツキノワグマの食害が激減したことが主な要因で、県は園地への出没が減った上、電気柵の設置や追い払い、捕獲などの効果が出ている結果-とみている。ただ今後、目撃が相次いでいるイノシシ、ニホンジカなど、新たな獣類による被害拡大が懸念されており、県は危機感を募らせている。

(ヌートリア出没で注意呼びかけ:奈良)
奈良県王寺町の大和川河川敷に特定外来生物のヌートリアが出没している問題で、町はホームページや広報紙を通じ、住民に注意喚起を始めた。7月中旬に捕獲器で4匹を捕まえたが、その後も目撃情報があり、町は「生息数は特定できておらず、目撃が増える可能性がある」としている。ホームページには7月30日に「お知らせ」を掲載。見かけても、餌を与えないよう呼びかけている。町は捕獲器2基で4匹を捕まえた後、目撃情報に基づき、1基を下流部に移している。一方、捕獲地点の上流約400メートルのジョギングコース沿いでは1日、子供とみられるヌートリア1匹が姿を見せ、悠々と草を食べていた。

(イノシシ農業被害、水際阻止へ今が正念場:秋田)
イノシシの農業被害が湯沢雄勝地域を中心に拡大している。宮城や山形から県境を越えて北上してきたとみられる。出産を終え、餌を求めて活動が活発化する時期に入った。繁殖力が高いだけに、水際対策は急務である。イノシシは雑食性で、土を掘って植物の根や昆虫などを食べる。1、2歳で繁殖能力を備え、4~6月に4、5頭を産む。全国の個体数は2016年度末で89万頭と推計されている。国は23年度に50万頭まで減らすことを目標に掲げて捕獲を強化しており、頭数は減少傾向にある。一方で、生息域は北上しており、注意が必要だ。東北各県の農業被害を17年度のデータで比較すると、宮城県1億800万円、福島県7800万円、山形県5千万円、岩手県1090万円。青森県では確認されず、本県も2万円足らずにとどまった。だが本県では18年度にジャガイモやサツマイモ、イネが食い荒らされたり、あぜが崩されたりする被害が急増し、被害額は217万円に上った。うち195万円が湯沢雄勝地域に集中している。このため県は6月議会で、イノシシ対策としては初の予算380万円を措置した。講習会開催や監視カメラ設置などに充てる。猟友会会員はイノシシ捕獲の経験がほとんどないため、西日本など先進地のやり方を学ぶことが重要だ。リアルタイムでイノシシの出没を把握できるカメラも役立つ。早期に事業を実施し、捕獲態勢を整える必要がある。06年度まで被害がなかった山形県で、被害額がこの10年ほどの間に急増したことは見逃せない。同県は捕獲するだけでなく、電気柵の設置など農作物の被害防止策にも取り組むべきだったと振り返る。本県の被害はまだ少ない方だが、油断は禁物だ。先例を参考に対策を進めるべきである。住民も情報提供に協力することが求められる。まだ生息密度は低く、個体数や通り道が把握できていないからだ。県南が中心ではあるが、県央、県北からも目撃情報は寄せられている。全県で監視を強めることが効率的な捕獲につながるだろう。イノシシに関しては豚コレラ対策の点からも警戒が欠かせない。昨年9月に国内では26年ぶりに岐阜市の養豚場で確認された豚コレラも、感染源は野生イノシシとされる。養豚が盛んな本県で被害を出さないため、死骸を見つけた際は市町村など関係機関への連絡を徹底したい。農業被害が拡大すれば、中山間地域の住民は離農や離村を余儀なくされる恐れがある。人がいなくなれば、イノシシの生息域がさらに拡大し、地域社会に重大な影響をもたらすだろう。被害が軽微な今だからこそ、県や市町村、猟友会、森林組合、JAなどが連携し、対策に全力を挙げなければならない。

(クマ対策を検討:富山)
7月31日に魚津市で工場の空き地にクマが逃げ込んだ際、駆除までに時間がかかったことをうけて、市は工場側と協議をして生い茂った木や草を取り除くなどの対策を検討することになりました。7月31日、魚津市の市街地に近い場所でクマが見つかり、その後、工場の空き地に逃げ込みましたが、草木が生い茂げるなどクマの場所を確認するのに時間がかかり、地元の猟友会によって駆除されたのは発見からおよそ9時間後でした。この場所は、9年前の平成22年にもクマが逃げ込み、2日間にわたって潜んでいたということです。こうした状況をうけて魚津市では工場の空き地はクマなどの野生動物が逃げ込みやすいうえ、捕獲や駆除する際の妨げになるとして、今後、空き地を所有する企業側と協議し、草や木の取り除くなど対策を検討することになりました。魚津市の村椿晃市長は会見で、「クマがいるのがわかっていて捕まえられないのは市民の不安をあおることになる。この状態を早く解消したい」と話しています。また、村椿市長は「人の命にかかわる情報については、時間にとらわれず、早めに伝える必要がある」として、今後、深夜・早朝でも防災行政無線などの活用方法を見直す考えも示しました。

(大学の森の動物たち、共生へ取り組み:宮城)
クマ、カモシカ、イノシシ、キツネ……。名取市西部の丘の上にある尚絅学院大学の周りには、実に様々な生き物たちが暮らしている。人間社会と自然の「共生」はどうあるべきか。改めて考えようと、大学は「里山再生プロジェクト」に取り組んでいる。仙台市中心部から車で約30分。一帯の山々は30~40年前、近郊住宅地として次々に造成・開発された。大学は1989年、ゆりが丘団地の隣接地に仙台から移転。標高200メートル前後、約30ヘクタールの校地の3分の2は、コナラやクリが生い茂る落葉広葉樹などの森だ。同大准教授の鳥羽妙さんはこの森に2012年から赤外線カメラを置き、調査を続ける。動物の体温を感知してシャッターを切るしくみで、現在14台だ。キャンパスでもよく見かけるのが、国の特別天然記念物のカモシカ。顔立ちから5~7匹が識別でき、「ガングロくん」「シシガミ」などと名前もつけた。ツキノワグマも年に数回現れる。広い縄張りの端っこになっているとみられ、初夏のころ、より西側の山からえさを探しに来るらしい。ここ数年で急に増えたのがイノシシだ。2群れの10匹余りがすみつき、徒党を組んで駆け回る。5年ほど前には、大学のグラウンドが一夜にしてでこぼこに掘り返される被害が相次いだ。今は、ワナや柵で防いでいるという。ホンドギツネは2匹、きれいなヤマブキ色のホンドテン、下ばかり向いて歩くニホンアナグマ、クルミが好物のリス……。外来種のアライグマもやって来た。福島県内で増えているとされ、北上してきたようだ。宮城県が北限とされる、500円玉大ほどのカヤネズミも確認されている。住宅地や学校のそばに迫る動物王国。鳥羽さんは、「人間と自然との境界について、考え直すべきだ」と指摘する。かつて森は地域住民の生活の場の一部だった。木を切ってまきにし、山菜やキノコ、たきつけ用の枝やカゴを編むつるを取り、風通しや日当たりをよくした。人が森の手入れをすることで、動物との間でも適度な距離が保たれていた。ところが、宅地開発が進む一方で、そうした里山を維持してきた地域共同体はなくなりつつある。結果、動物の行動範囲が広がり、農作物の獣害は深刻さを増し、車道でひかれる例も頻発している。「こうしたトラブルを回避するためにも、里山再生は必要。森を利用する者同士、緊張関係を保ちつつ、共生すべきだ」と鳥羽さんは説く。3年前、尚絅学院学院長の佐々木公明さんが提唱して始まったのが「里山再生プロジェクト」だ。毎月第2土曜日、学生や地域の人、NPO関係者ら20人ほどがノコギリやカマを手に大学の森に入り、木の伐採や下草刈りをし、小屋をつくったりワークショップを開いたりする。

(豚コレラ、緊急対策に4600万円:富山)
野生イノシシの豚コレラの感染が県内で初めて確認されたことを受け、県は31日、緊急対策を実施すると発表した。 予備費4600万円を拠出し、イノシシの感染検査に必要な機器や資材の整備や、岐阜県境に近い富山市や南砺市にあるイノシシ捕獲用わなに遠隔操作カメラを設置する。

(「サル害」に農家悲鳴:京都)
京都府京丹波町和知地区でサルの農作物被害が深刻化している。農家からは「農業が成り立たない」との悲痛な声が上がっており、サルへの早急の行政対応を求めている。サルの群れは府内に37群あり、1700匹前後生息していると推定されている。町によると、和知には3群あって1群につき30~40匹という。京丹波町で営農する農業生産法人「たんば村」(同町升谷)は同町市場で育てていたトウモロコシが6月30日にサルの被害に遭い、約600本が食べられた。中野武久代表(54)は「移住して9年目だが、被害が年々ひどくなっている。周囲には野菜を作るのをやめた人もいる」と語る。福井県おおい町でも営農しているが、「行政に抜本的な駆除を求めても改善されない。被害が続けば、別のところに移ることも計画している」と憤る。同町市場の農業の男性(68)もサル被害に悩まされ続けており、「苗から育てた黒枝豆が食べられた。撃退用の花火にも慣れてしまって効果が無い。農作物は大切な生活の糧でどうにかしてほしい」。府は昨年度、和知地区で農作物への加害性の強いサルを選んで5匹を捕獲したが、地元の30代の男性農家は「群れが分かれただけで被害は収まっていない」とみている。隣の兵庫県では丹波篠山市を中心に専門の監視員を配置してサルの出没位置をメール配信している。兵庫県に隣接する京丹波町の西部はサルの位置情報が把握できるが、和知のサルは兵庫県に移動しないため、対象外だ。府農村振興課の野生鳥獣対策担当者は「町に個体数調整を呼び掛けている」という。大規模駆除ができる個体数調整には、市町村が対象の群れの行動圏や加害レベル、被害状況などをまとめた計画を作成し、専門家会議にかけて府が許可する。京丹波町は人手不足で個体数調整に必要な調査ができていない、という。捕獲数に制限がある有害鳥獣対策としてサル専用のおりで、新たに捕獲を試みる予定だ。同町農林振興課は「被害が深刻なのは認識しており、個体数調整も視野に入れて検討したい」としている。

(豚コレラ、緊急ワクチン接種を:三重)
鈴木英敬知事は1日、豚コレラ対策に関する緊急要請書を農林水産省に提出した。豚への緊急ワクチン接種の実施などを求める内容で、吉川貴盛農相に手渡した。県内では、6月にいなべ市で捕獲した野生イノシシから豚コレラの陽性反応が出たことを受け、同市内の養豚場1施設の周辺5カ所にイノシシ向けの経口ワクチン計100個を埋めるなどの対策を実施。

(豚コレラ防止策、県に緊急要望書:長野)
野生イノシシへの豚コレラ感染問題で、県市長会と県町村会は1日、感染拡大防止の緊急要望書を県に提出した。感染イノシシの発見地点から半径10キロ圏内の調査対象区域に含まれる地域全域と同区域外の広範囲への経口ワクチン散布を求めた。要望書は、猟友会や畜産農家から適切な予防対策を望む多くの声が寄せられているとし、「早急かつ一層の対策の強化」を求めている。県内の感染イノシシは7月13日に木曽郡木曽町で初確認され、これまでに計27例。県は木曽町と木祖村、下伊那郡根羽村と平谷村、塩尻、諏訪、岡谷、伊那の各市と上伊那郡辰野町に計1600個の経口ワクチンを緊急散布した。8月下旬から9月にかけては、国の指針に基づく本格散布を下伊那、上伊那、松本地域で実施予定。散布エリアは、今後の感染状況を踏まえて効果的な場所を検討する。

(ヒグマも個体数調整を考えるべきだ:北海道)
札幌市の市街地でヒグマがしばしば出没している。2015年に知床世界遺産地域のヒグマの人慣れ問題を紹介したが、もはや国立公園だけでなく、政令指定都市でさえもクマ問題が深刻化している。環境省、北海道、札幌市の行政とクマ学者の対応が後手に回っていると言わざるを得ない。増えすぎた野生動物への対処法として、「個体数調整」(駆除により生息数をコントロールすること)がある。エゾシカを含むニホンジカは、1970年代は個体数が少なく、保護対象だったが、数が増えたために1998年に道東地域エゾシカ保護管理計画を策定して個体数調整を始めた。この時は、多くの批判が寄せられた。けれども、今では世界遺産地域の知床や屋久島でもシカの個体数調整を行っている。シカと異なり、クマの被害は人命にかかわり、市街地に出没するだけで子供の登下校やマラソン行事中止などの制約を受ける。札幌市は「事前に、各区のホームページなどからヒグマの出没情報を収集し、出没している場所には近づかないようにしてください」(ヒグマに遭わないために)と記しているが、そのような対応だけで住民は安心できるのだろうか。現在の管理計画は、人に意図的に近づくまたは農地を荒らす「問題個体」を個体群存続に影響のない範囲で捕殺数に上限を求めて駆除するとしている。そうではなく、エゾシカと同様に個体数調整に転換するという選択肢を考えるべきではないかというのが筆者の意見である。しかし、これが意外と簡単ではなく、多くの課題がある。札幌市に出没するヒグマは「積丹・恵庭個体群」であるが、隣接する「天塩・増毛個体群」とともに、環境省により「絶滅の恐れのある地域個体群」に指定されている。近年の積丹・恵庭個体群の個体数推定値は800頭±600頭(つまり、200~1400頭)とされている。この推定値も科学的根拠が十分とは言えないが、本当に200頭ならば保護すべきである。だが、問題個体の数はかなり多く、それを減らしていくと地域絶滅の恐れが増してしまう。一方、天塩・増毛個体群については、問題個体も他地域に比べてけた違いに低いから、駆除の必要性は薄い。いずれにせよ、より精緻な個体数推定が必要だが、環境省は今年度から知床のクマ個体群の推定に研究予算を付けたが、札幌のクマの個体数推定は目途すらついていない。個体数調整を議論するには、個体数の推定精度を高めておく必要があるので、これは困ったことである。環境省としては国立公園の施策を重視するのかもしれないが、市街地での人と野生動物の関係も重要課題のはずだ。5月には札幌市内で自転車を追いかけたかに見えるクマを見つけて自動車で体当たりした事件があった。どうやらこのクマは意図的に追尾したのではなかったらしく、危険性は少ないという。しかし、そもそも、百万都市の市街地に野生のクマと人間が共存することを受け入れるべきなのか。ヒグマ対策では、個体数よりも、人慣れなどクマの質が問題だった。古来、アイヌはクマをキムンカムイ(非問題個体)とウェンカムイ(問題個体)に分けて認識していたという。それならば両者の個体数を分けて推定する方向を目指せないか。それができれば、個体群動態モデルに基づく管理ができる。現状では、非問題個体の数は不確実だが、人前に出没する問題個体数はある程度把握できるようになっている(ヒグマ管理計画の資料6)。そして、札幌市を含む積丹・恵庭地域の捕獲数は図2のように少ないが、問題個体(表1の段階2以上)の数はかなり多いという実態も明らかになっている。エゾシカが先例となった鳥獣保護管理法の特定計画制度は、状況に応じて方策を変える「順応的管理」を標榜している。個体数の増減に応じて、①非問題個体も捕獲して全個体数を減らす場合、②問題個体のみを駆除して個体数を維持し被害のみを減らす場合、③問題個体もすぐには捕殺せず学習放獣して絶滅回避を目指す場合、を使い分けてよい。1990年に春グマ駆除を禁止してから、クマの個体数も分布も問題個体数も大きく変化した。それにもかかわらず対応方針を変えないというのであれば、順応的管理の原則が生かされているとは言いがたい。トドやゼニガタアザラシの場合、漁業被害が深刻となり、2015年に国内で準絶滅危惧種に格下げした上で個体数を減らす目標を定め、それぞれ水産庁と環境省が個体数調整を始めた。札幌市に出没するクマについては生息数の推定誤差が大きすぎ、絶滅危惧個体群の指定を見直す動きもない。いずれにしても、科学ができることは、クマの市街地への出没を減らすための方策とか、市街地に出没するクマをできるだけ刺激しない方法を検討することである。そのどちらを選ぶかは社会の選択であり、科学的に決められることではない。ただし、後者については札幌市も取り組んでいるが、前者については議論さえされていない。市街地への出没を減らすための個体数調整を社会が望んだときに備え、本来ならばもう少し科学的調査と検討が欲しいところだ。本州と四国には、ツキノワグマが生息している。四国のツキノワグマは十数頭しか確認できず、絶滅の恐れがかなり高い。ツキノワグマでは、特に冬眠明け個体の肥大した胆嚢(熊の胆)が高価で取引されうる。この状況は北海道に生息するヒグマも同じだ。クマはワシントン条約(絶滅の恐れのある野生生物の国際取引に関する条約)では附属書IまたはIIに指定されている。もし大量に捕獲するならば、熊の胆の流通の適正化を図るなど熊胆管理体制の構築を図る必要性が指摘されている。また、政令指定都市の市街地やその近郊の森や公園で、どのようにクマを駆除するかも注意を要する。クマの銃猟の経験のある猟師の数は減り、技術的な検討が必要だろう。1998年にエゾシカの個体数調整を始めた時と比べても、クマの個体数調整には課題が多い。だが、少なくとも、社会がそれを選択肢の一つにできる準備は、行政と科学者の側で進めておいたほうがよいと思う。これは北海道のヒグマだけにとどまらない。四国のツキノワグマは絶滅危惧と述べたが、かつては問題個体も生け捕りにして放獣していた兵庫県も、最近では駆除するようになっている。近畿、中部、東日本にかけては、やはり方針転換を技術的に検討すべき段階にきているかもしれない。

(自転車追走のクマ、店主が車で追っ払う:北海道)
札幌市南区の市道で5月半ばの深夜、ヒグマに追いかけられた自転車の若者を守ろうと、運転する乗用車をクマにぶつけて阻止した焼き肉店主を7月31日、自転車に乗っていた男子大学生が訪ね、「とっさの判断に助けられた」と感謝を伝えた。大学生はクマに気付かず通り過ぎたが、この話を人づてに知り、「それは私しかいない」と確信したという。クマが自転車を追っていたのは5月15日深夜。札幌市清田区在住の焼き肉店主渡辺義章さん(62)が妻と一緒に南区藤野方面から自宅に帰る途中、南区石山の石山陸橋付近で向こうから走ってくる自転車と後ろを追うクマを発見。とっさにハンドルを切り、車をクマに当てて追い払った。体長1メートルほどの若いクマだったという。車に大きな傷はなかった。自転車の若者は気付かずに去った。

(豚コレラ拡大阻止へ、猟友会奮闘)
岐阜や愛知などイノシシの経口ワクチン設置地域で、調査捕獲が狩猟者の大きな負担となっている。感染イノシシが拡大し、設置地域も広がる中、猟友会は重要な役割を担う。しかし、捕獲は防護服を着用した過酷な作業で、今シーズンは熊の遭遇など危険も伴う。専門家は「猟友会に過度な負担を強いる状況は見直す必要がある」と警鐘を鳴らす。岐阜県中津川市。山道を登り、イノシシの通るけもの道を見極めながら同市猟友会会長の中川征児さん(81)が汗を拭う。「消毒や防護服の着脱など普段の狩猟とは異なる工程が多い。炎天下で非常にきつい過酷な作業。少なくとも10人の人手が足りない」と語る。同市では平均年齢70歳を超す猟友会の15人が経口ワクチンを設置した山林各地にわなを仕掛け、イノシシの調査捕獲のため点在する山を回っている。今夏に仕掛けるわなは180基。2人1組で、餌付けをするなど準備も重ねる。調査捕獲でイノシシが捕まっていれば、防護服に着替え、猟銃でとどめを刺し、ブルーシートにくるみ、軽トラックを駐車した場所まで運ぶ。ウイルスを拡散させないよう、タイヤや靴などは徹底消毒し、防護服は作業ごとに着替える。午前中に30カ所程度、各山林のわなを見回り、午後からは車で2時間半以上もかかる岐阜市まで捕獲したイノシシを運搬する。この作業を当面は繰り返す。狩猟者に日当(9000円)はあるが、防護服は通気性が悪く、準備や資料作成も含めて負担が大きく、自らやりたいと名乗り出る人はいない。しかも、今シーズンは熊の目撃情報が続出。同市猟友会でも誤って熊がわなにかかってしまった。篠原忠夫さん(71)は「捕獲には危険も伴うし、防護服の着脱などは相当しんどい。豚コレラで養豚農家が非常に厳しい立場にあり、狩猟者として協力しなければという使命感で頑張っている」と明かす。狩猟者の中には「経口ワクチンが餌となって熊も誘引しているのではないか」といった声もある。県によると同市以外でも、熊の錯誤捕獲が続く。高山市では猟友会の70代の男性2人がイノシシのわなにかかった熊に襲われるなど、深刻な被害も出ている。県と県猟友会は連携しながら経口ワクチン設置、餌付け、わな設置、調査捕獲をするが、狩猟者が少ないためワクチン設置は業者や行政職員が請け負う。設置する県内29市町村の多くで人手が不足し、狩猟者には重い負担となっている。イノシシは初夏が繁殖のピーク。繁殖を終えて数週間たてば雌が子どもを連れて餌を求め、うろつく時期になる。1日現在、豚コレラに感染したイノシシは6県で確認されている。秋口にかけて増える餌を求めて行動範囲を広げる特徴を踏まえれば、豚コレラの感染イノシシは今後さらに広がる恐れがある。昨シーズンは一部地域だった狩猟禁止の範囲や野生鳥獣の肉(ジビエ)規制が、感染イノシシの拡大や経口ワクチンの設置に伴い今シーズンはさらに広がる見通しだ。「意欲減退などで狩猟をやめる人が増え、豚コレラが狩猟者不足にさらに拍車を掛ける恐れがある」(大日本猟友会)といった懸念もある。岐阜大学の鈴木正嗣教授は「経口ワクチンを単に散布するのでは効果は見込めず、科学的な知見に基づいた戦略が欠かせない。それに伴い猟友会任せにするのではなく、体制整備が必要だ」と指摘する。豚コレラに感染したイノシシが急増し、岐阜、愛知、長野、三重、富山、福井の6県46市町村878頭に広がっている。ここ2カ月で感染イノシシは一気に拡大。農水省は経口ワクチンで感染拡大防止を目指すが、岐阜県で抗体ができていた個体は16%にとどまり、目標ラインの40~60%に程遠い。経口ワクチンの設置は7月から長野、三重、福井でも始まったが、狩猟者不足などで現場は深刻な状況だ。<イノシシの経口ワクチン>弱毒化した生ワクチンをカプセルに入れ、トウモロコシの粉などで作った餌に包んだもの。豚コレラウイルス拡散を防ぐため、岐阜と愛知で3月から散布し、7月からは長野、三重、福井でも始めた。ワクチンを散布し、約1週間後に食べているかを確認。その上で、イノシシにウイルスの抗体ができているか検査を進める。生産者からはイノシシだけではなく、豚へのワクチン接種を求める声が出ている。

(農家グループが防護柵自主施工・管理:静岡)
静岡県浜松市では、ミカン園などのイノシシ被害を抑えるため、農家グループによる大規模な防護柵の自主施工・管理活動で成果を上げている。防護柵(ワイヤメッシュ柵と電気柵)の整備は国の鳥獣被害防止総合対策交付金事業を活用。浜松地域鳥獣被害対策協議会を通じて3人以上の農家グループに無償貸与し、複数の樹園地を大規模に囲むことで効率よく農地を守る。2011年度から事業を開始。2018年度までの8年間で約80の農家グループが総延長約150キロの防護柵で樹園地を囲んだ結果、2011年度に3277万円だった市内のイノシシの農作物被害が、2018年度は約30%減少し2290万円となった。同事業では耐用年数に合わせワイヤメッシュ柵は14年間、電気柵は8年間の管理義務が課せられる。各農家グループでは責任者1人と数人の役員を決め、管理期間は交代で管理作業を受け持つ。比較的強度のあるワイヤメッシュ柵だが、イノシシが柵の下を掘ったり、降雨で侵食があるため日々の保全活動が欠かせない。防護柵の近くには1カ所以上の捕獲ワナを設置し、狩猟免許保持者による捕獲も行う。

(ヒグマ対策にドローン活用:北海道)
道内の市街地に相次ぎ出没しているヒグマ対策として、道は、人工知能(AI)や小型無人機ドローンを活用した技術の確立に向けた取り組みに着手した。自動飛行できるドローンにクマの個体識別装置を搭載し、上空からクマを発見し、音や光を発して追い払うもので、3年後の実用化を目指す。道がヒグマ対策にドローンを使用するのは初めて。本年度補正予算案に530万円を計上し、実証実験を始める。道内では、6月に道立野幌森林公園(札幌市厚別区、江別市、北広島市)で78年ぶりにクマが出没するなど、市街地近くでの目撃が多発。これまで固定式の装置で音や光を出して追い払うといった対策を続けてきた。しかし、クマが学習して驚かなくなるなど課題も多く、新たな手法を考案する必要に迫られた。具体的には、AIと赤外線カメラを活用した個体識別装置を自動飛行のドローンに載せ、目撃情報のあった地域で上空から捜索。クマを探知し、市街地に近づくと、個体に向けて音や光で刺激を与えて追い返す。

(終息見えぬ豚コレラ、“長期戦”団結を)
豚コレラがまん延する東海地方を中心に養豚農家ら400人が、名古屋市で開かれた決起集会に集結し、一致団結して難局を乗り越えていくことを誓った。終息が見えず東海の養豚業が危機的な状況にあることに、涙を流し声を詰まらす農家も目立った。全員が豚へのワクチン接種を強く求めた他、接種後の課題や防疫について言及する意見が出た。感染リスクがある中、入念な対策をした上で関係者が一堂に集まり、展望が見えない状況に対する強い危機感を訴えた。愛知県半田市で母豚770頭を飼育する石川養豚場の代表、石川安俊さん(70)は「一度感染すると再開が難しくなり、誰もがおびえながら経営している。投資を諦める農家もいて、希望がない」と厳しい現状を説明。大規模化し、従業員を抱える農家が多い状況を踏まえ「豚コレラに会社の存続や多くの人の人生が懸かっている。安心して豚を飼育できる環境を取り戻したい」と主張した。農水省がワクチン接種を検討し始めたことから、接種後に想定される多くの課題を指摘する声も出た。津市で1500頭の母豚を飼育する大里畜産の獣医師、杉山明さん(72)は「感染経路は多岐にわたり複雑なので、防疫が難しい。ワクチン接種後を見据え、長期的な対策を養豚業界が団結して考えたい」と強調した。若い世代の参加も多かった。静岡県御前崎市で母豚300頭を飼育する栗山畜産の代表、栗山貴之さん(47)は「自己防衛を徹底することが基本。行政批判をしても解決しないので、豚へのワクチン接種に向け、行政と連携したい」と訴えた。静岡県浜松市で母豚180頭の他、直売も行う鈴木芳雄さん(70)は「非常事態の中、400人を超す農家や関係者が集まったのは危機感と団結への強い思いの表れ。種豚農家もいる中でワクチン接種にはハードルもあるが、団結して克服したい」と見据えた。岐阜市で最初に発生が確認されてから11カ月がたった。終わりが見えない豚コレラとの闘いに、農家には緊張感が張り詰めている。津市の養豚場の従業員、後藤和弘さん(34)は「防疫の徹底は限界まで毎日やっている。ワクチン接種後もまだ長期戦を覚悟しなければいけない」と話した。防疫対策に正確な情報が届いていないことに対する問題提起もあった。石川県能登町の養豚農家、吉中伸一さん(63)は「柵の設置に750万円はかかるが、何とか防ぎたい。どんな柵なら最適か、何が正しい防疫か、情報がほしい」と主張した。発生農場の被害者も多く参加。岐阜県山県市の武藤政臣さん(39)は5月下旬に2050頭を殺処分した。従業員を抱え再開を模索するが、感染イノシシが拡大する中で踏み切れない状況が続く。殺処分の手当金や補償金はまだ支払われていない。武藤さんは「どうやって生活すれば良いのか。ワクチン接種後は、と畜場や精肉店ともタッグを組む体制は整えている。国には早急に決断してほしい」と切実な表情で話した。代表発起人で、愛知県の養豚農家有志代表として参加した西尾市の山本孝徳さん(51)は「愛知は県組織として意見集約ができていない。今こそ養豚農家が一丸となり、声を上げていくべきだ」と訴えた。質疑応答ではイノシシへの経口ワクチンの効果や縦割り行政、ワクチン接種の判断の遅さなど、政府への不満や怒りの意見が続出した。集会後、長野県飯田市の養豚農家の今村篤さん(48)は「やるべきことや課題は山積するが、豚コレラ撲滅には協同の力が何よりも大切だと改めて感じた」と感想を話した。

(駆除した命おいしく:山梨)
早川町のそばを走るJR身延線では2日に1頭、鹿が電車にぶつかる。町内を車で走れば、鹿、猿、テンの姿が目に入る。町民は言う。「動物園に行く必要ないだろ」。川の次は山だ。食害を防ぐためのワナを使った鹿の捕獲に同行した。「ワナは獣との知恵比べ。ウト(獣道)には国道、県道、町道があってな、毎日通るような国道にかければ一発だ」野太い声の主は長谷川空五たかゆきさん(76)。森林組合に長く勤め、狩猟歴45年。猟の手ほどきを受ける若手から「師匠」と敬愛されている。7月23日、軽トラに同乗して長谷川さん宅の裏山に向かう。1分ほどで止まる。「ここがウト」。何か所か見て回り、「斜面がきつくて、うまくかかるか分からんが」と言いながら穴を掘り始める。ワナは板を鹿が踏むとバネが作動し、ワイヤで足を締める仕掛けだ。木の根の近くにセットし、最後に落ち葉をかける。この間30分ほど。2日後の朝。暴れた末に横倒しになった鹿がワナにかかっていた。2歳くらいのメスで体重約40キロ。「死んでるか。ちょっとぶったたいてみろ」と長谷川さん。自慢ではないが、記者は実家(神奈川)のペット犬、ビーグルを散歩させたこともない。恐る恐る触れると、ぴくりと動いた。近くの大窪毅さん(43)が応援に駆け付け、手際よく作業する。まずい。このままでは、鹿の解体までちゃっちゃっと進んでしまいそうだ。記事の取れ高が……。思い切ってお願いする。「手伝わせてもらえませんか」。「やってみろ」と長谷川さんが無造作に言う。受け取ったナイフを鹿の首筋に当てる。大窪さんが鹿の目の辺りを踏みつけて暴れないように押さえる。鹿は「メェー」と鳴き声を上げ、ばたつかせた足は徐々に収まっていく――。「仕事とは言え、殺やっちゃったな」。長谷川さん宅の解体場へ運び、記者の隣人の上原佑貴さん(40)もやって来る。後ろ足をつり下げて解体に入る。「殺っちゃった感」を引きずったまま少し手伝う。ほのかに温かさが残る皮を剥ぐ。応援の2人は慣れた手つきで下腹部から縦に裂き、内臓を取り出す。ショックだったはずが、だんだん肉らしく見えてくるから不思議だ。「どう食べたらおいしいかな」なんて考えている。美味な部位の一つ、ロースは背骨に沿って切り取っていく。あばらを切断し、足を外してほぼ終了。森林が96%を占める町では、かつて猟が生活の一部だった。高齢化が進み、今や猟友会員は30人余りしかいない。農作物の食害は絶えない。「牛だって解体して食べる。都会では見えないだけ。おいしく食べなきゃいけないさ」。大窪さんの励ましの言葉を思い出しながら、その夜は、あばらで作ったスープをすすった。

(シカ肉ソーセージ試作:徳島)
シカ肉の利用拡大に向けて県と徳島大学産業院が開発した生ソーセージの製造技術を学ぶ研修会(県、徳島大主催)が、石井町の徳島大生物資源産業学部農場であり、県内の鳥獣肉処理加工施設の7人が参加した。徳島大の森松文毅教授(畜産食品学)がレシピを紹介。参加者はシカのもも肉と豚の肩肉がほぼ1対1で塩漬けされた合いびき肉を充てん機に入れ、羊腸に詰めた。完成品をゆでて食べ、味を確認した。美馬市木屋平八幡の加工業者川窪憲治さん(67)は「レシピを基に製造し、調味料にユズを加えたアレンジにも挑戦したい」と話した。研修会は6月から始まり、2回目。8、9月にも開かれる。

(ジビエ業者、シカに活路:岐阜)
野生イノシシへの豚コレラの感染拡大が続く中、イノシシを中心に据えてきた岐阜のジビエ業界が打撃を受けている。収束が見通せない中、山県市のジビエ業者は「シカ」に活路を見いだした。「これ食ってみて」。山県市の山あいにある「ジビエ山県」を訪ねると、代表の臼井勝義さん(66)がシカ肉を出してくれた。モモや背ロースの部分。予想した獣臭さはなく、さっぱりした味わいだ。「一度食べてもらえたらうまさが分かるはず」と胸を張る。狩猟歴30年以上の臼井さんがジビエ山県を立ち上げたのは昨年7月。「駆除した動物の命を無駄にせず、有効活用したかった。これで一旗揚げようなんて気持ちはまったくなかった」と話す。軌道に乗ったら、地域の高齢者の雇用にもつながればという気持ちもあったという。

(イノシシ食べちゃおう:京都)
京丹後市弥栄町味土野で4日、イノシシの肉を使ったバーベキューとカレー作り体験があった。丹後半島の山中にある味土野区が地域の魅力を発信し、移住者を増やそうと企画した。題して「暑い夏を味土野で暴れ回るイノシシを食べて乗り切ろう」。

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(豚コレラ初確認、野生イノシシが検査で陽性:富山)
富山県は30日、県内で豚コレラの感染が初めて確認されたと発表した。27日に富山市で死んだ状態で発見された野生イノシシを国の検査機関で詳しく調べた結果、陽性判定が出た。発見場所の周辺にある養豚場では異常が認められていないが、県は感染を防止するため野生イノシシ向けの経口ワクチンの散布を強化する方針だ。豚コレラは豚やイノシシが感染する病気で、致死率が高く感染力も強いため、養豚場で発生が確認されると全頭を殺処分している。人には感染せず、感染した豚肉を万が一、食べたとしても健康には影響しない。県内では約3万頭の豚が飼育されている。県は防疫体制強化に向けて野生イノシシの発見場所に近い3つの養豚場を監視対象とし、豚の異常の有無を毎日、報告してもらう。並行して捕獲した野生イノシシの感染調査を実施していく。北陸3県では福井県の養豚場で感染が確認された。

(狩猟わなでコウノトリの幼鳥負傷:兵庫)
兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)は31日、国の特別天然記念物コウノトリの幼鳥1羽が、狩猟用のわなに左足を挟まれ、指の一部が壊死したと発表した。豊岡北署は鳥獣保護法違反の疑いがあるとみて調べる。同公園によると、24日、豊岡市の戸島湿地にある人工巣塔で「トラバサミ」と呼ばれるわなを足に絡ませた状態で帰巣した雄の幼鳥を発見。捕獲に向けた餌付けや観察を続けていたところ、30日に指の一部が壊死により脱落したことを確認した。わなは指とともに外れたという。トラバサミの使用は法律で原則禁止されている。

(エゾシカ、第2弾の捕獲作戦:北海道)
北海道稚内市の街中を我が物顔で闊歩(かっぽ)するエゾシカ対策として、北海道は31日から、小型囲いわなでの捕獲を始めた。昨年度の冬に次ぐ第2弾で、設置場所は夏場に多くの群れが集まる日本海側に設置した。9月末までに50頭の捕獲を目指す。小型囲いわなは約8メートル四方で高さは3・6メートル。赤外線センサー付きの自動撮影カメラが捉えた内部の様子を携帯電話でリアルタイムに確認し、遠隔操作で入り口を閉じる。内部にはビートパルプや米ぬか、牧草などを交ぜたエサを3カ所に置き、3~4頭が入ったところで地元猟友会のメンバーが入り口を閉じる手はずだ。稚内の市街地に出没するエゾシカは、ノシャップ岬南側の「裏山」と呼ばれる丘陵地をすみかにし、海岸線の市街地と行き来している。道は昨年11月中旬、裏山の東と西で捕獲した2頭にGPS(全地球測位システム)発信器を装着して活動範囲を追跡しているが、季節移動など大きな動きはみられなかった。昨年度の冬は裏山東側に小型囲いわなを仕掛けたが、道の担当者は「裏山のエゾシカの生活圏は思ったより狭い。西側に出没する群れは西側で」といい、今回は道道に面した弓道場裏に仕掛けた。すぐ北側にはパークゴルフ場があり、「もっともエゾシカが濃い地区」と言われている。囲いわな内には事前に誘引用のエサを置いたが、エゾシカは毎日のようにわなの中に入り、多いときで8頭が入っている日もあったという。エサについては甘みのあるビートパルプの食いつきが良いようで、道では「自然の中にエサがある時期の誘引に有効なエサの種類や捕獲手法を探りたい」と話している。事業費は690万円で、ワッカ原生花園(北見市)などでエゾシカ捕獲の実績のある北海道猟友会と構研エンジニアリング(札幌市)が受託。捕獲した全頭を専門の肉処理加工会社「サロベツベニソン」(豊富町)に運ぶ。昨年度の冬捕獲したエゾシカは現地で殺処理したが、今回は生きたまま運ぶことで、同社が需要に合わせて食肉として活用できるという。道では期間中、囲いわな周辺に立ち入らないよう注意と協力を呼びかけている。

(ニホンジカ対策で連携、3県協議会設置:茨城)
大子町の八溝山で食害をもたらす恐れのあるニホンジカが確認されたことを受け、茨城、栃木、福島の3県は30日、ニホンジカ対策で連携する「福島茨城栃木連携捕獲協議会」を立ち上げた。今秋にも県境での生息調査に乗り出すことで一致した。

(特産の高級スイカ50個食べられる:北海道)
北海道警旭川東署は30日、当麻町の畑で同町特産の高級スイカ「でんすけすいか」約50個が食べられる被害があったと明らかにした。署はヒグマによる食害とみている。署によると、畑を所有する農家の男性(50)が、23日ごろからスイカが食べられていることに気付いた。その後、クマのものとみられるふんが見つかり、町に相談した。町によると、クマは成獣で体が大きい個体とみられ、ハンターの出動を猟友会に要請。畑付近に箱わなを設置するなど警戒している。室屋尚弘農業振興課長(48)は「再発防止に向けて対策を考えたい」と話した。でんすけすいかは黒い皮が特徴の高級スイカで、今年の初競りでは過去最高額の1玉75万円の値が付いた。

(イノシシ感染、新たに8頭:長野)
県は30日、いずれも山林で捕獲された県内の野生イノシシ8頭で豚コレラ感染を新たに確認したと発表した。松本市奈川で雌の成獣1頭、塩尻市宗賀と同市小曽部でいずれも雌の子どもの計2頭、木曽郡上松町で雌の子ども1頭、木曽町で雌の成獣と雌の子どもの計2頭、木祖村で雄の子どもと雌の子どもの計2頭。県内での野生イノシシへの感染確認は計27例まで増えた。8頭とも県松本家畜保健衛生所(松本市)が遺伝子検査した。今回の感染確認で新たに監視対象農場となる養豚場はなく、従来通り塩尻市の2養豚場のみ。発見地点から半径10キロ圏内で、より厳重な豚コレラ検査が必要な「調査対象区域」に含まれるのは中南信の24市町村で変わらない。県は29日、ウイルスの拡散を防ぐため幹線道路での消毒薬散布を始めた。松本市波田の国道158号、塩尻市の国道153号善知鳥(うとう)峠、同市奈良井の国道361号、下伊那郡阿智村の国道256号、同郡平谷村の国道418号で当面、1~3日に1回程度まく。経口ワクチンは塩尻、諏訪、岡谷、伊那市など9市町村で散布した。

(クマが物置に侵入し玄米食い荒らす:福島)
窓から飛び出してきたのは体長80センチほどのクマでした。被害があったのは福島県猪苗代町の住宅です。30日午前5時すぎ、この家に住む男性が物音に気付いて外を見たところ、目に飛び込んできたのは物置の中にいる1頭のクマの姿でした。クマは体長80センチほどで、物置から出ると川の方へと走り去りました。クマが去った後の物置は木製の米びつが壊され、袋の中の玄米が食い荒らされていました。当時、母屋には家族4人がいましたが全員、無事でした。

(幼稚園にクマの足跡:山形)
29日午前11時25分ごろ、飯豊町手ノ子幼稚園(伊藤やよい園長、5人)の園庭でクマの足跡を見つけたと、園長が町役場を通じて長井署に届け出た。同署によると、伊藤園長が同日午前8時半ごろ、見回りで足跡(約15センチ)を発見した。26日午後3時半ごろに確認した際にはなかった。足跡は同園の南側の林から、園庭を横切り西側の林に続いていた。同園によると、園児は29日、中津川地区での交流学習に出掛けていたため、園庭は使っていなかった。終業式の8月9日まで使用を控えるという。伊藤園長は「クマよけの音楽を流しながら、園舎に隣接した屋根のあるテラスで遊ばせるなど、児童の安全を考えて対応したい」と話した。29日午前6時半ごろ、高畠町二井宿の畑でクマのものとみられる足跡を見つけたと、農作業に取り掛かろうとしていた所有者の60代女性が夫を通じて南陽署に届け出た。同署によると、足跡は長さ約23センチと約19センチの2種類。畑南側の茂みから約5メートル先の作業小屋まで向かい、引き返したとみられる。小屋にはデラウェアが保管され、畑ではナスやトウモロコシなどが栽培されていたが、食害は確認されなかった。現場は駄子町公民館から北西に約40メートルで民家が密集している。

(クマ出没で駆除:富山)
31日朝、魚津市の海岸近くでクマがみつかり、工場の空き地に逃げ込みましたが約9時間後に地元猟友会によって駆除されました。31日午前6時前、魚津市北鬼江の海岸沿いにある市の施設「ありそドーム」の近くでクマがいるのを付近の住民が見つけ、警察などに通報しました。警察では、地元の猟友会や消防とともにクマを捜索したところクマは近くにある工場の木が生い茂った空き地に逃げ込みました。警察などはクマが市街地に逃げ出さないよう警戒を続けていましたが、発見から9時間あまりが経った午後3時過ぎ、地元の猟友会のメンバーが犬とともにクマを追い込み駆除しました。駆除されたクマはオスの大人で、体長1メートル50センチ、高さは65センチほどだったということです。クマを巡っては30日夕方と31日朝、黒部市内でも目撃されていて、魚津市では同じクマではないかとみています。魚津市産業建設部の武田寛部長は「夏休み中で近くに体育館もあるため、心配しましたが、人に危害が及ばなかったのが何よりです」と話していました。

(福島駅近くでイノシシ出没、逃走4時間:福島)
31日午前5時10分ごろ、福島市大町にイノシシがいると通行人から110番通報があった。イノシシは福島駅東口方面から跨線橋(こせんきょう)を通って約1・3キロ離れた同市三河北町の工場内に逃げ込み、午前9時半ごろ、獣医師が麻酔銃を撃って捕獲。その後駆除された。福島署によると、体長約1メートルのオスだった。

(森林公園クマ警戒続く:北海道)
道立野幌森林公園(江別市、札幌市厚別区、北広島市)に6月10日、78年ぶりに姿を現したヒグマが7月17日の目撃情報を最後に公園内での出没が途絶えた。江別市は30日、市議会生活福祉委でクマの状況を「森林公園から去ったかどうか分からない。周辺の畑が収穫期を迎えるだけに、公園にクマがいる想定で箱わなや見回りを続ける」と強調した。クマは6月10日夜、森林公園の南端で目撃されて以来、7月30日までに公園内外の江別市域で目撃が13件、ふんが11カ所で確認された。専門家は親離れしたばかりの2、3歳の若い個体が公園南側の北広島市内に点在する緑地帯から園内に入ったとみている。

(市中心部の商店街で:愛媛)
松山市中心部の大街道商店街で29日午前0時ごろ、ジャコウネコ科のハクビシンが商業ビルに“侵入”。警備会社から「センサーが鳴った」と通報があり、愛媛県警松山東署員の手で“御用”に。

(行楽シーズン、県警警戒:秋田)
29日朝、由利本荘市の日本海沿岸東北自動車道(日東道)で軽乗用車2台が衝突し、3人が死傷した。また県内の高速道路ではクマとの衝突事故が相次ぎ、この日も北秋田市の鷹巣大館道路で乗用車がクマとぶつかった。これから高速道路が混雑する時期を迎え、県警高速隊は安全運転を心がけるよう訴えている。

(住宅の庭でクマ目撃:栃木)
30日午前2時10分ごろ、那須塩原市中塩原の住宅庭先。1頭、体長約1メートル。

(豚コレラ感染イノシシ、愛知は59頭岐阜は780頭)
愛知県は31日、同県豊田市の山ぎわで15~20日に捕獲した野生イノシシ3頭が豚コレラに感染していたと発表した。同県での野生イノシシ感染は計59頭。また岐阜県は31日、恵那、多治見、郡上の3市で見つかった野生イノシシ計4頭の感染を新たに確認した。県内の感染確認は累計780頭になった。

(豚コレラ防疫本部、防護柵義務付けへ)
農水省は31日、豚コレラ防疫対策本部を開き、全国の養豚農家に対し、防護柵の設置など野生動物の侵入防止対策を新たに義務付ける方向で検討に入った。飼養衛生管理基準を改正する方針。発生県が拡大していることを踏まえ、岐阜や愛知以外の県にも、豚舎の防疫対策と経営の早期再開のために、出荷適期になっていない豚を含めて全頭を出荷して豚舎を空にする「早期出荷」を働き掛けることも決めた。本部長を務める吉川貴盛農相は「非常に危機感を持っている。あらゆる手を尽くし終息を実現していく」と強調した。同省は、感染源となっている野生イノシシ対策を重視。飼養衛生管理基準を改正し、野生動物の侵入防止対策を義務付ける考え。発生県や隣接県だけでなく全国規模で、農場にイノシシなどが侵入するのを防ぐ囲い柵の設置を支援している。今後も推進する考えだが、侵入防止対策を義務付けることで、支援財源の確保が重要だ。野生イノシシによる感染拡大リスクが常にある地域では、早期出荷を働き掛ける。愛知、岐阜両県は8月上旬の実施を見込む。新たに養豚場で感染が確認された三重と福井両県、野生イノシシで感染が見つかった長野、富山両県にも検討を促す。新たに発生県が出た場合も、同様に早期出荷を働き掛ける方針だ。飼養豚へのワクチン接種については、メリットやデメリットなどを丁寧に説明する必要があることも確認した。アフリカ豚コレラ対策として、特定家畜伝染病防疫指針の改正も検討する。国内に侵入した場合に早期発見できるよう、県段階で検査ができるようにする考えだ。

(「誘因物の除去」大事、クマ被害防止へ研修:福島)
観光客などがクマに襲われる被害を未然に防ごうと、県会津地方振興局は30日、会津若松市で、自治体職員や猟友会員らを対象に緊急研修会を開いた。県野生動物調査専門官の溝口俊夫さんが「クマへの圧力」と「誘因物の除去」が大事とし「熊鈴やラジオ、ない場合は手をたたくなどしてクマに人の存在を知らせる」などとアドバイスした。同振興局によると、5月末時点のクマの目撃数は112件で、うち会津が58件と過半数を超える。同局管内では4件の人身事故があり、負傷した5人中4人が域外からの訪問者だった。溝口さんは「背中を見せて逃げると高確率で追ってくる」と説明。後ずさりすることや、頭を隠してうずくまり防御姿勢になることが大事だと助言した。またクマの好物米ぬかや玄ソバ、玄米などが入った袋、餌などを除去することを勧めた。特に観光地では生ごみや食べ物の包装紙、空き缶などの除去が必要とした。県鳥獣対策専門官の羽澄俊裕さんは、クマの人間への警戒感が薄れていることを指摘し、ハザードマップなどを活用した対処が緊急に求められるとした。

(ドングリ不作で鳥獣被害増:鳥取)
野生動物による昨年度の県内における農作物の被害額は、エサのドングリが不作で前の年度を3割近く上回る8000万円あまりとなり、県は今後も柵を設けるなどの対策を強めていくことにしています。県鳥獣対策センターによりますと、野生動物による昨年度の農作物の被害額は、およそ8060万円と前の年度を1700万円あまり、率にして27%上回りました。動物別に見ますと、イノシシが最も多く6700万円あまりで全体の8割を占め、次いでシカが400万円あまり、クマが前の年度の3倍近いおよそ360万円などとなっています。これは山でエサとなるドングリが不作で、食べ物を求めたイノシシやクマが人里で稲や梨などを食い荒らしたためだとみられています。一方で、駆除対策の強化によって捕獲数も増え、イノシシは前の年度の2倍近いおよそ1万1000頭、シカはおよそ7500頭で過去最多となりました。昨シーズンは暖冬だったこともあり、イノシシやシカの個体数が増加していると見込まれていることから、県鳥獣対策センターでは、ハンターの育成や侵入防止柵の設置などの対策を今後も強めていくことにしています。

(インドクジャク:沖縄)
南の島でクジャクの楽園-テレビ朝日のモーニングショーで取り上げられていた宮古島の話題だ。クジャクの群れがゴルフ場で遊んでいる姿が映っていた。報道姿勢は中立的、むしろ「一度、行って見たら」との観光宣伝のようでもあった。だが、事態は深刻だ。天然記念物ミヤコカナヘビ(トカゲ)を食すること、農作物を荒らし、ゴルフ場のグリーンを汚すなど宮古島にとっては〝害鳥〟になっている。宮古島で野生化しているインドクジャクは約2000羽だという。1980年代、学校などで観賞用として飼っていたクジャク。台風で飼育小屋が壊れて逃げ出したのが野生化の始まり。繁殖力が旺盛で、ねずみ算式に増えているという。現在取り組んでいる駆除方法は、人間による狩猟と犬の嗅覚による卵探索。狩猟は1日1~2羽、嗅覚犬による探索は1日1巣(卵4~5個)。今のペースだと、完全駆除は2050年になるとのこと。興味深い話も紹介されていた。地元の食堂で、クジャクの肉を食材化。「クジャクカレー」などが出ていた。珍しさも手伝って人気メニューになりそうだという。クジャク料理の研究開発が進めば、野生のクジャクだけでは原料不足が生じ、将来はクジャク養殖事業が起こるかもしれない。市場経済原理(商品化)の導入は、最も合理的な解決方法であろう。市場経済は、野放しでは希少動植物を絶滅させる恐れもあるが、智恵次第では有害動植物の駆除にも役立つ。フランス料理の名物具材「エスカルゴ」は、もとはといえばカタツムリだ。

(イノシシ侵入防護柵整備へ、独自の補助制度:石川)
福井県越前市の養豚場で飼育している豚が豚コレラに感染したことを受け、県は30日、県庁で緊急の対策会議を開いた。会議ではウイルスを媒介するイノシシを養豚場に侵入させない防護柵設置を進めるために、県独自の補助制度を新たに作ることが示された。

(ジビエ拡大へ食肉処理業者支援:愛知)
イノシシなどの野生動物を食材とする「ジビエ」の利用を拡大しようと、愛知県は、ことし秋以降に、飲食店や小売店などと県内の食肉処理業者の商談を後押しするといった取り組みを始める方針です。イノシシやシカなどの野生動物による農業被害が相次ぐ中、愛知県は、少しでも被害を減らそうと、イノシシなどの捕獲に加え、野生動物を食材とする「ジビエ」の利用拡大にも取り組んでいます。こうした中、愛知県は、新たに、ジビエを専門としている県内の10の食肉処理業者を支援する取り組みを始めることになりました。具体的には、ことし秋以降に、金融機関が開催する商談会の場に、飲食店や小売店などとジビエ専門の食肉処理業者を呼んで商談を後押しするほか、食肉処理業者の人材確保に向けて、県が主催する施設の見学会を開く予定です。愛知県は「野生動物の肉を地域の資源と位置づけて、積極的に活用していきたい。『ジビエ』の利用を拡大することで、地域の活性化にもつなげていきたい」としています。

(給食にジビエ「御膳」:長崎)
対馬の栄養士らでつくる対馬市学校給食研究会(東岡貢会長)が、島内で捕獲されたジビエ(野生鳥獣肉)の料理などからなる特別給食「対馬御膳」を考案した。11月の地場産物使用推進週間中、市内の各小中学校の給食でお披露目される予定だ。対馬御膳のメニューは▽対馬で捕獲されたイノシシやシカなどを使った「ジビエ肉団子」▽発酵させたサツマイモから取り出したでんぷんで作る対馬伝統の麺料理「ろくべえ汁」▽対馬産野菜を使ったサラダなど。市教委はジビエの有効活用を図るため、2016年度から学校給食に取り入れているが、対馬の伝統料理と組み合わせたセットメニューは初めてという。このほど厳原町であった試作会には、市内8カ所の学校給食共同調理場で働く栄養士ら約20人が参加した。福岡市内でフランス料理店を営む田畑伸弥さんが「ジビエ肉団子」について、豚肉をつなぎに入れることで肉団子がもっちりした食感になることや、表面をしっかり揚げることで肉汁が中にとどまることなどをアドバイス。肉団子に合う和・洋・中3種類のソースの作り方も教え、栄養士らが熱心にメモを取っていた。試作後は、「対馬御膳」を試食。ジビエ団子については「外はカリッとした食感で、中はジューシー」などと声が上がっていた。栄養士の阿比留智子さんは「とてもおいしいメニューができた。給食を通じ、対馬で生まれ育った子どもたちに地元の食文化、食材の良さを伝えていきたい」と話した。

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