<射撃ニュース10月>
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(クマに襲われけがの被害相次ぐ:福井)
28日から29日朝早くにかけて、福井市内で人がクマに襲われてけがをする被害が2件相次ぎました。1頭のクマは住宅の車庫に逃げ込みましたが、29日正午ごろ現場で駆除されました。福井市によりますと、28日午後6時半ごろ、福井市稲津町で55歳の男性が、車庫に車をとめて自宅に入ろうとしたところクマに襲われました。男性は、右足のふくらはぎを引っかかれるなどして、軽いけがをしました。クマはいったん現場から逃げましたが、29日未明になって、隣の住宅の車庫の中に潜んでいるところを住人が見つけ、市に連絡しました。クマは車庫の中に居座ったため、警察が周辺の立ち入りを規制して警戒を続けていましたが、29日正午ごろ現場で駆除されました。一方、およそ3キロ離れた福井市篠尾町にある山あいの集落では、29日朝4時前、新聞配達をしていた69歳の男性が突然現れたクマに襲われました。男性は、自力で帰宅したあと家族と病院を訪れましたが、顔をひっかかれて大けがをしているということです。クマの行方はわかっていないということです。2つの現場に近い酒生小学校では、29日の登校の時間帯に保護者が子どもを車で送ったり、地域の人たちが校門まで付き添ったりする姿が見られました。福井県によりますと、今年度、県内でクマに襲われてけがをした人は、統計を開始して以降、最も多かった平成16年の14人に迫る12人となっていて、県などが注意と対策を呼びかけています。

(イノシシに突進され女性転倒:香川)
28日午前7時30分頃、香川県丸亀市土器町北の工場構内で、40歳代の女性従業員が体長約1メートルのイノシシに背後から突進され、転倒した。女性は足首などに痛みを訴え、救急搬送された。市農林水産課や丸亀署によると、現場から半径600メートルほどの住宅街などでは、午前6時45分頃から「イノシシが敷地に入ってきた」「信号待ちから車を発進させた直後にイノシシとぶつかった」などの情報が相次いでいたという。イノシシは約1時間後、猟友会会員らにより駆除された。

(自宅敷地内でクマに襲われけが:福井)
28日午後6時半ごろ、福井市稲津町の55歳男性が、自宅の敷地内でクマに右のふくらはぎをひっかかれ軽傷を負った。クマはその場から逃げており、市が周辺住民に注意を呼び掛けている。市によると、男性が車庫に止めた車から降り、自宅へ入ろうとした際に襲われた。クマは体長約1メートルで成獣とみられる。クマが現れたのは、北陸自動車道福井インターチェンジ(IC)近くの田畑が広がる地区。市内ではクマの目撃や痕跡の情報が相次いでいるが、けが人の被害は今年初めて。

(ノシシにかまれけが:島根)
27日朝早く、松江市の松江城の近くで、ランニングをしていた男性がイノシシにかまれけがをしました。イノシシはそのまま走り去り、松江市や警察は、注意するよう呼びかけています。27日午前5時50分ごろ、松江市の松江城の北側にある小泉八雲記念館付近の道路で、「イノシシがいる」と近くにいた人から警察に通報がありました。駆けつけた警察官が警戒していたところ、午前6時10分ごろに、イノシシは近くをランニングしていた40代の男性にかみついたということです。消防によりますと、男性は手首をかまれてけがをしたということです。その後、イノシシは、午前6時25分ごろに近くのガソリンスタンド付近を北に走るのが目撃されましたが、そのまま走り去りました。ガソリンスタンドの店員の男性は、「シャッターを開けると、コツコツ音がして前を見ると、何か黒いものがいて、よく見ると体長が1メートルほどあるイノシシが自分のほうに向かって来た。自分の手前まで来たので、どうしようかと思ったが、両腕を勢いよく横に大きく開いたら、自分の右を通って逃げて行った」と話していました。ガソリンスタンドにある車庫の地面には、イノシシのものとみられる足跡が残っていました。松江市と警察は、周辺の学校などに注意するよう呼びかけています。

(野生イノシシ、初の豚熱感染:大阪)
大阪・茨木市の山林で野生のイノシシ1頭が死んでいるのが見つかり、研究機関の検査で豚の伝染病「CSF」=豚熱に感染していたことがわかりました。府内でイノシシから「CSF」の感染が確認されたのは初めてです。大阪府によりますと、27日、茨木市の山林で野生のオスのイノシシ1頭が死んでいるのが見つかり、府や国の研究機関が検査をしたところ、29日、「CSF」に感染していたことがわかったということです。府内でイノシシから「CSF」の感染が確認されたのは初めてです。「CSF」は人には感染せず、感染した豚の肉を食べても健康に影響はありませんが、ブタやイノシシが感染すると高い確率で死に至ります。死んでいるイノシシが見つかった場所から半径10キロ以内に養豚場はなく、ことし6月から府内すべての養豚場のあわせて2800頭の豚に対してワクチンの接種を済ませているため府は、出荷などの制限はしないということです。一方で、一部の市や町では野生のイノシシを対象に今月からワクチンを散布する対策を行っていましたが、今回、見つかった場所では散布は行われていなかったため府は、山林に立ち入った際は靴底の土を洗い流すなどして、ウイルスの拡散を防止するよう呼びかけています。

(鳥獣駆除へライフル射撃場計画進む:新潟)
クマなど大型動物の捕獲に必要な大口径ライフルの射撃場の整備計画が、新潟市秋葉区矢代田で進んでいる。クマ、イノシシによる人身被害や農作物被害に対し、駆除などの担い手を育成するのが狙いで新潟県内初めての施設となる。

(コロナで銃砲一斉検査中止:北海道)
新型コロナウイルスの影響で、道内の猟銃所持者などを対象に、警察署で行う銃砲の一斉検査が本年度は中止となった。釧路市の整骨院長で狩猟免許を持つ野村香さん(51)は「自己点検に努めて事故を防ごう」と啓発ステッカーを作製し、11月1日から販売する。銃砲検査は、銃身の長さを変えるなどの違法改造や、許可された用途に適しているかなどを調べるのが目的。銃刀法で規定され、道内では道公安委員会の指示の下、例年は春ごろ、各地の警察署で行われている。

(高校にクマ侵入、麻酔銃使用も暴れて駆除:石川)
29日朝、小松商高の敷地内にクマ1頭が侵入した。クマは校舎の建物の隙間にとどまり、石川県と小松市、小松署は麻酔銃で捕獲を試みたが、クマが暴れたため、午前8時55分、猟友会員が銃で駆除した。生徒約460人や教職員にけがはなかった。校舎内には規制線が張られ、生徒が教室に待機する中、捕獲の銃声が響くなど、校内は一時騒然とした。市と小松商高によると、29日午前6時35分ごろ、東陵小グラウンドでクマ1頭を付近住民が目撃。同45分ごろには、西に約100メートルの小松商高で、女子生徒が校舎西側の駐輪場からグラウンドの方へ歩くクマを見つけた。同7時17分ごろ、教職員が南側の校舎と機械室の間に潜んでいるのを確認、市や市消防本部に通報した。市や小松署などは生徒や教職員を現場から離れた北側の校舎に退避させ、県白山自然保護センターの職員が麻酔銃を1発撃って命中させた。クマが暴れたため、小松署員の命令を受けた猟友会員が銃を1発撃って駆除した。クマは体長120センチ、体重45キロで雄の成獣。小松商高は小松駅の東約4キロに立地し、周囲に住宅団地が広がる。東側に東陵小、西側に小松市立高が近接する。市は周辺の町内会にクマ出没と外出禁止を伝える町内放送を求めた。小松市内ではクマの出没が後を絶たず、今年の目撃件数は過去最多の190件に上っている。24日には中心部の松任町で成獣1頭が捕獲され、26日には丸内中でふんが見つかっている。

(車庫内のクマ駆除:福井)
福井県福井市稲津町の集落内にある車庫に入り込み、警察や猟友会などが監視を続けていたクマの成獣は10月29日午前、車庫内で麻酔銃を使って眠らされた後に駆除された。同日午後0時10分ごろに現場から運び出された。

(小学校グラウンドに「クマが入っていった」:石川)
29日午前6時半頃、石川県小松市西軽海町の市立東陵小学校のグラウンドに「クマが入っていった」と、付近住民から110番があった。西に約200メートル離れた県立小松商業高校の敷地内でも目撃情報が寄せられ、小松署や市、猟友会が捜索。同9時頃、猟友会が駆除した。けが人はなかった。クマは体長約1・2メートルで成獣とみられる。現場はJR小松駅の東約4キロの住宅街。

(シャインマスカット食べるクマと目が合い…:山形)
山形県の農園にクマが出没し、高級ブドウの「シャインマスカット」が、食い荒らされる被害がでています。2本足で立ち上がっているのは、体長1.2メートルほどのクマ。そのクマが木からもぎとっていたのは、一房2000円ほどの高級ブドウ『シャインマスカット』です。その後、クマはシャインマスカットをくわえたまま茂みの奥へと消えていきました。動画が撮影されたのは、26日、山形県高畠町のブドウ農園です。撮影者は当時の様子について…。田制農園・田制裕基さん「ここからいれてこういう感じで撮影してました。びっくりしましたね。最初来た時は黒い木だと思って近づいてみたら木じゃなくて、本物のクマですごい衝撃でした」。好奇心からクマをスマートフォンで撮影した男性。しかし、すぐ後悔したといいます。田制農園・田制裕基さん「自分と目が合いまして、(クマと)5秒間くらい目が合ってたんですけど、あの時は本当に心臓がバクンバクンしてスマホで撮影したことを後悔しましたね」。クマと目があったものの、幸いにも襲われずにすんだといいます。クマが去ったあと、シャインマスカットの木の下を確認すると…。ブドウを包んでいた袋と、実だけ食べられた房の部分だけが大量に落ちていました。この農園では、今月中旬から27日までにおよそ60房・40キロのシャインマスカットが食べられていて、被害総額は10万円ほどになるといいます。クマが出没した高畠町は、すでに花火を使って追い払うなどしています。さらに今後、ワナを設置することなどを猟友会と共に検討することにしています。

(住宅敷地内にクマか:北海道)
29日午前、後志の余市町で住宅の敷地内にあったクリの木の実が動物に食べられ、木の下にはクマのものとみられるふんが落ちていたことから、警察はクマに注意するよう付近の住民に呼びかけています。警察によりますと、29日午前9時半ごろ、余市町登町の住宅の敷地内でクマのふんらしきものを見つけたと警察に通報がありました。警察や役場の職員が駆けつけたところ、住宅の敷地内にあったクリの木の実が動物に食べられていて、木の下にはクマのものとみられるふんが落ちていました。現場は住宅が点在する森に囲まれた地域で、警察や町によりますと、ふんの量から出没したクマは1頭と見られるということです。余市町内では今月に入ってからクマの出没に関する情報が今回も含めて2件寄せられていて、警察はパトカーで地域を巡回して警戒にあたるとともに、付近の住民にクマに注意するよう呼びかけています。

(クマ1頭目撃、駆除:山形)
28日午前7時半ごろ、鶴岡市千安京田でクマ1頭を目撃したと、近くの80代女性がパトロール中の鶴岡署員に伝えた。市や地元猟友会が捜索し同10時55分ごろ、茂みから田んぼに出てきたクマを発見し駆除した。市や同署によると同日午前6時ごろ、付近でクマの足跡を見つけたとの情報が寄せられ、市が追跡していた。その後、女性が千安京田集会所の約50メートル南の集落付近で再びクマを発見。茂みに潜んだが、市職員や地元猟友会が花火を使って追い出した。体長約1.6メートルの雄だった。捕殺されたクマについて市は、小真木原町などの住宅地に26日に現れた個体とは別とみて、引き続き警戒を呼び掛けている。

(小学校と高校にクマ侵入:石川)
29日午前6時半ごろ、石川県小松市西軽海(かるみ)町1丁目の市立東陵小学校のグラウンド付近で、近くの住民から「グラウンドにクマが入ったり出たりしている」と110番通報があった。小松署員や猟友会のメンバーが到着したところ姿はなかったが、同7時15分ごろ、西に約50メートル離れた県立小松商業高校(同市希望丘)の職員から「正面玄関付近にクマがいる」と小松市消防本部に通報があった。市によると、クマは高校の敷地内にいたが、午前8時55分ごろに駆除された。高校にはすでに登校していた生徒もいたが、けが人はなかったという。小松商業高校の山本民夫校長によると、生徒が駐輪場からグラウンドに向かって走るクマを目撃。職員が巡回し、機械室と校舎の間の隙間に潜んでいるのを見つけたという。「クマの出没や目撃情報はかなりあって注意していたが、本当に敷地内に来るとは思わなかった。生徒らにけががなくて良かった」と話した。現場はJR北陸線の小松駅から東約4キロの住宅街。石川県内では、19日に加賀市の複合商業施設にクマが侵入するなど、クマの目撃情報が400件を超えており、県は最高警戒レベルの「出没警戒情報」を10年ぶりに発令している。

(母親と娘、恐怖の数分間:石川)
声を震わせる女性。暗闇の先にいたのはクマ。目撃されたのは、石川・小松市の住宅地。辺りを見回し動くクマ。女性は車内に立てこもり、おびえながらもカメラを回し続けた。その横には小学生の娘が。娘「そのままあっちいけばいいやん」。母「いやあっち行ったらダメやろ、いやこっちきとるわ」。徐々に近づく、クマ。娘「近づいてきとる」。母「ちょっと、おうちの方に行ってしまったらまずいぞ。これ今車庫の後ろやし、いいけど。いやぁ~こっちめっちゃ近寄ってきたやん」。親子の気配に気づいたのか、クマがこちらのほうを見つめた。その時、車内にいた母と娘は...。クマに遭遇した母「目が光ったのと、首の下が白い月の形をしていたので、すぐにわかった。子どもは固まっているし、途中で泣き出すし...」。予期せず起こった恐怖の遭遇。一体なぜ、クマは親子の前に現れたのだろうか。クマに遭遇した母「家側の柿の木に近づいて、木に登り、枝を折って...。ご飯なくてクマもおなかすいてるのかと、かわいそうかなという気もした」。現場の近くにあった柿の木を狙い、さまよっていた。その後、クマはパトカーに驚き、その場から逃げて行ったという。

(クマ被害、目撃相次ぐ:山形)
6日午後4時半ごろ、高畠町竹森のブドウ畑で、シャインマスカットを食べているクマを所有者の30代男性が見つけ、町役場を通じて南陽署に届け出た。クマの体長は約1.2メートル。男性がブドウ収穫のため自宅敷地内にある畑に行ったところ、約20メートル先でクマが立ち上がってブドウ棚の果実をむさぼっていた。男性はすぐ自宅に避難し、通報した。被害は約30房(約3万円相当)。現場は大笹生公民館から西約630メートルで付近には民家が点在している。26日午後5時25分ごろ、鶴岡市黒川の果樹園で、木に実っていたリンゴ約100個が食い荒らされていると、栽培している70代女性が市櫛引庁舎を通じて鶴岡署に届け出た。クマによる食害とみられる。鶴岡署によると、近くにクマのふんが多く点在していたという。23日午後4時ごろ~26日午後3時ごろに食べられたとみられる。現場は滝の上集落の南端から南西に約270メートル。26日午前5時50分ごろ、小国町北で、50代男性が自宅近くでクマを目撃し、小国署に届け出た。クマは体長約1メートルで、自宅の約20メートル先の畑にいた。その後、西側の田沢川方向へ逃げていった。現場は下田沢川橋の約100メートル東。周辺に住宅地がある。26日午前7時半ごろ、飯豊町椿で、登校中の女子中学生が2頭のクマを目撃し、学校を通じて長井署に届け出た。クマは体長が約1メートルと約50センチで、飯豊中へ向かっていた中学生の約150メートル先を横切り、山林へ逃げた。現場は町民野球場の約100メートル東。周辺には町役場や学校があり、27日朝も登校時間帯に合わせてパトロールを行う。同校では27、28日の登下校時に保護者の送迎を依頼した。26日午前10時10分ごろ、舟形町舟形のやぶの中にクマがいるのを、散歩中の80代女性が見つけ、町役場を通じて新庄署に届け出た。クマは体長約1.5メートルで、舟形ほほえみ保育園北側のがけ下付近にある通称「町民沼」北のやぶにいた。現場近くには舟形小、町民グラウンドなどがある。26日午後5時10分ごろ、鶴岡市由良1丁目でクマ1頭を目撃したと、市内の30代男性が110番通報した。鶴岡署によると、クマは体長約1.5メートル。男性が道路で仕事仲間と話をしていた際、西に約15メートルの山の斜面にいるのを見つけた。現場は県漁業協同組合由良総括支所の西約450メートルの山中。26日午後6時45分ごろ、遊佐町杉沢でクマ1頭を目撃したと、犬の散歩をしていた近くの40代男性が酒田署に届け出た。クマは体長1.2メートル。男性がライトで周辺を照らしながら歩いていたところ、約50メートル先の山の斜面にいるのを目撃した。クマはそのまま山中に入っていった。現場は開畑公民館から約900メートル南東。25日午後10時15分ごろ、米沢市万世町刈安の国道13号で、50代男性の大型トラックとクマが衝突した。男性にけがはなかった。米沢署によると、男性が東進中、道路上で体長約1メートルのクマを見つけ、ブレーキをかけたが間に合わず、ぶつかった。クマは道路左側のやぶへ走り去った。現場は国土交通省刈安防災除雪ステーションの西約200メートル付近。

(クマと車の衝突相次ぐ:山形)
27日夜、川西町で車とクマの衝突事故が相次ぎました。いずれもけが人はいませんでしたが、現場の近くでは、26日、女性がクマに襲われてけがをしていて、警察は付近の住民に注意するよう呼びかけています。27日夜9時ごろ、川西町大舟の県道で、40代の男性が運転する乗用車が、左側から飛び出してきた体長およそ1メートルのクマと衝突しました。さらにそのおよそ30分後、北東に3キロほど離れた同じ県道で、40代の女性が運転する軽トラックが、左側から出てきた体長およそ1メートルのクマと衝突しました。車を運転していた2人は、いずれもけがはありませんでした。ぶつかったクマは、現場から逃走しましたが、警察は同じクマかどうかはわからないとしています。現場の近くでは、26日、70代の女性がクマに襲われて左足をけがをしていて、警察は付近の住民に注意するよう呼びかけています。

(クマが庭で寝ている!:富山)
27日朝、小矢部市の住宅の庭で、眠っているクマ1頭が目撃されました。クマは逃げ去りまだ見つかっていませんが、この地区ではきのうからクマの目撃が続いていて警察などが注意を呼びかけています。クマが寝ていたのは、小矢部市箕輪の住宅で、27日6時20分ごろ、庭で寝ているのを住人が目撃しました。クマは体長1.2メートルほどの成獣とみられ、その後、目を覚まし逃げ去ったということです。この家の庭にはカキの木があり、周囲に食べかけのカキなどが落ちていたことから、クマはカキを目当てにやってきたとみられます。この地区では26日夜にも、この家から50メートルほど離れた道路で成獣のクマが1頭が目撃されているほか、27日夕方にもクマが目撃されています。猟友会がわなを仕掛けるなどして捕獲を試みていますが、クマはまだ見つかっておらず、警察などが付近の住民に不要不急の外出を控えるなど注意を呼びかけています。27日県内ではこのほか、立山町と南砺市でもクマが目撃されています。くれぐれも注意してください。

(果樹園のリンゴ100個食害、クマか:山形)
26日午後3時ごろ、山形県鶴岡市黒川滝の上の果樹園で、リンゴ約100個が動物に食い荒らされているのを生産者の70代女性が見つけた。県警鶴岡署によると、周辺にはふんが点在しており、クマによる食害とみられる。現場は果樹園や田んぼが点在する田園地帯。女性が23日午後4時ごろに訪れた際には被害はなかった。

(住家に連日クマ、犬の餌目当てか:岩手)
29日午後3時45分ごろ、矢巾町和味、ブリーダーの男性(79)が自宅兼犬舎でクマを目撃し、同居する長男が110番通報した。男性方では25日から毎日、ドッグフードが目当てと見られるクマが目撃されており、町猟友会と紫波署が警戒を呼び掛けている。同署によると、クマは体長約1・2メートルの成獣。男性方では25日に勝手口の扉が破られていた。26日は鉄製の柵で作ったバリケードが壊されており、台所で保管しているドッグフードの匂いにつられて出没しているとみられる。

(列車がシカと接触、2本部分運休:北海道)
29日午後5時20分ごろ、苫小牧市のJR千歳線植苗―沼ノ端間で、小樽発苫小牧行き普通列車(3両編成、乗客76人)がシカと接触し、停車した。JR北海道によると、乗客や乗員にケガはなかった。JRは車両に異常がないことを確認し、約10分後に運転を再開した。このため普通列車2本が部分運休し、約200人に影響が出た。

(イノシシはね、一部運休:佐賀)
29日午後6時10分ごろ、JR唐津線岩屋-厳木で、西唐津発佐賀行き普通列車(2両編成)がイノシシをはねた。JR九州によると、普通列車上下2本が運休するなど500人に影響が出た。

(イノシシの出没相次ぐ:香川)
香川県内ではきのう28日、丸亀市や坂出市など3つの市でイノシシの出没が相次ぎ、あわせて2人がケガをしました。まだ捕獲されていないイノシシもいることから、香川県が注意を呼びかけています。きのう午後8時半過ぎ、丸亀市津森町の市道で、自転車で帰宅していた16歳の男子高校生が、飛び出してきたイノシシと衝突し足に軽いケガをしました。イノシシは体長1メートルくらいの成獣で、そのまま南へ逃げたということです。丸亀市内ではきのう朝にも、市街地の工場にイノシシが出没し、40代の女性従業員が軽いケガをしています。また、きのう午前から午後にかけて坂出市の番の州公園と坂出港にもイノシシが出没。1頭は坂出港で捕獲されましたが、番の州公園で目撃されたイノシシとは別とみられていて、市は園内に捕獲の檻を設けるなど対策をとっています。このほか、三豊市でもイノシシが目撃されていて、県内ではきのうだけで少なくとも5件の出没が確認されました。例年、10月と11月はイノシシの出没が増える時期で、県では遭遇しても刺激せず、静かにその場を立ち去る様、注意を呼びかけています。

(クマ襲撃か、ニワトリ50羽死ぬ:富山)
富山市大沢野地域の山あいにある農場で、飼育されていたニワトリが傷つけられて死んでいるのが28、29の両日の朝に見つかった。被害は計約50羽に上り、現場の状況からクマが襲ったとみられる。農場の代表者によると、28日午前7時ごろ、スタッフがビニールハウスの鶏舎を訪れた際、約20羽が死んでいるのを見つけた。ビニールに穴が空いており、その大きさや付近の足跡から、前日夕から当日朝までにクマが襲ったと判断。周囲に電気柵を設置した。29日朝には、別の木造鶏舎で約30羽が死んでいた。農場は市や警察に連絡するとともに、この鶏舎の周囲にも電気柵を設けた。代表者によると、農場周辺にはクマが生息していて、これまでは共生してきたという。大きな被害が出たのは初めてだといい、代表者は「驚くと同時にスタッフに何かあったらと思うと心配。しばらくは警戒していきたい」と話した。

(クマ生息域、全国で4割拡大:秋田)
全国各地でクマが生息エリアを広げている。環境省が昨年3月にまとめた調査結果では、過去15年間に生息域は4割拡大。住宅地などへの出没が目立つ今年の状況を読み解く鍵となっている。クマの分布調査は、動植物の現況を把握するため国が定期的に行っている「自然環境保全基礎調査」の一環で実施。2010~17年度の出没状況について環境省が都道府県や市町村を通じて調べ、18年度に結果をまとめた。クマに関し前回まとめた調査は03年度で、15年ぶり。全国を5キロ四方のマス目で区切り、クマが恒常的に生息している区域と、一時的に生息が確認された区域の数を合計した。今回は全国1万7068区域のうち、半数超の9358区域でクマを確認。03年度の6735区域に比べ、38・9%増えた。前回に比べ、人里に近い平野部や過去に目撃のなかった沿岸部でも多く確認された。

(ツキノワグマ出没警報を延長:秋田)
県内各地でクマの目撃情報が依然として後を絶たないことを受けて、秋田県は、「ツキノワグマ出没警報」を11月末まで延長しました。県では、音が出るものを身につけて行動するなど、引き続き、被害にあわないための対策を徹底するよう呼びかけています。ことし県内では、28日までに、クマに襲われて7人がけがをし、1人が死亡していて、県は今月15日、県内全域に「ツキノワグマ出没警報」を出しました。しかし、その後も目撃情報が後を絶たず、10月に入ってから、26日までに警察に寄せられたクマの目撃情報は106件と、過去5年間の平均の2倍以上にのぼっていて、このうち11件は住宅地だったということです。このため、県は、「ツキノワグマ出没警報」を11月末まで延長することを決めました。県は、自宅近くで目撃情報があった場合は、できるだけ外出を控えるとともに、外出する場合は、2人以上で、鈴やラジオなど音が出るものを鳴らしながら行動するよう呼びかけています。また、玄関先でクマに遭遇するケースも増えていることから、薄暗い時間帯には、まず音を立ててから行動するなど、被害にあわないような対策を徹底することを呼びかけています。

(クマよけ対策費助成、目撃情報相次ぎ:石川)
石川県小松市は28日までに、市内でクマの目撃情報が相次いでいることを受け、全245の町内会を対象にエサとなる木の実の除去や、下草刈りなどの費用として最大8万円を助成すると発表した。山間部の一部地域で既に実施していたが、住宅街での出没が増えているため、対象を市内全域に拡大した。市によると、2020年度の市内でのクマ目撃情報は約190件に上っている。10月下旬にはJR小松駅周辺の市中心部でクマが捕獲された。石川県内では10月に入り、小松市や金沢市、白山市などでクマによる人身被害が発生している。

(クマ襲撃、条件は早朝・栗(エサ)・川沿い:新潟)
全国各地でクマによる被害が相次いでいる。新潟県内でも、19年ぶりの死亡事故が起きるなど、県は最大級の警戒を呼びかけている。それでも、クマの被害に遭うケースは後を絶たない。クマの被害を最小限にするためにどんなことができるのか。1日午前9時半ごろ、関川村下関で、男性(63)が自宅近くの田んぼで刈った稲を束にする作業をしていた時だった。ふと顔を上げると、目の前に体長1メートルほどのクマがいた。歯は白くとがり、ギラギラとした目が殺気を放っていた。「背中を向けると襲われる」。とっさに3秒ほど見つめると、クマが突然頭にかみついてきた。反射的に首を両手で覆い、地面にうずくまり大声で叫んだ。すると、クマは山へ逃げていった。男性は頭から血を流しながら、近所の民家に助けを求め、ドクターヘリで新潟市内の病院に搬送された。頭部を20針以上縫い、鼻も骨折していた。山沿いではなく、村役場や小学校がある市街地近くでクマを見たのは初めてという。「まさか田んぼで襲われるとは。突然でどうしようもなかった。本当に命の危険を感じた」と男性は振り返った。県によると、今年度、県内では27日までに14人がクマに襲われけがをした被害があった。統計を始めた1994年以降で最多だった昨年度に匹敵するペース。2001年以来となる死亡事故も発生。こうした事態を受け、県は「クマ出没特別警報」を発令し、市町村に対しクマ捕獲の強化や住民への注意喚起をするよう呼びかける。新潟大学農学部の箕口秀夫教授(森林生態学)は、クマの出没が相次ぐ理由について「クマの生息域が人里近くにまで広がっている」と指摘。木の実も凶作で、エサを求めて広範囲を移動しているとみる。また人里近くで育ち、人の生活圏に入ることを怖がらない「新世代クマ」と言える個体も出てきているという。

(クマによる食害、去年の倍以上:秋田)
クマによる被害が全国で相次いでいますが、秋田県内ではクマに農作物などを食べられる被害がことしはすでに去年1年間の倍以上に増えています。被害の9割以上が人里で起きていることがわかり、秋田県は農作物の管理などクマを近づけない対策を徹底するよう呼びかけています。秋田県内ではことし7月以降、クマに農作物などを食べられる被害が相次いでいて、27日までに警察に寄せられた被害は61件と、ことしはすでに去年1年間の29件の倍以上に増えています。NHKが秋田県と共同で被害状況を調べたところ、全体の9割以上にあたる59件が近くに住宅がある人里で起きていたことがわかりました。中には、住宅の敷地内までクマがやってきてクリを食べられた被害や、果樹園で繰り返しりんごを食べられた被害も確認されています。また、秋田県内ではクマに人が襲われる被害も相次いでいます。ことしは27日までに7人がけが、1人が死亡していて、このうち3人が人里で被害に遭っています。秋田県は県内全域に「ツキノワグマ出没警報」を出し、農作物の管理などクマを近づけない対策を徹底するよう呼びかけています。

(鹿の個体数、3年前上回る:長野)
茅野市は26日夜、ニホンジカの個体数調査「ライトセンサス」を2017年以来3年ぶりに市内で行った。約2時間で雄6頭、雌51頭の計57頭が確認され、17年調査の47頭を上回った。別荘地周辺2カ所では15頭以上の群れが見つかり、市は対策を検討する考えだ。市農林課によると、わなを中心に捕獲する鳥獣被害対策実施隊による鹿の今年度の捕獲頭数は9月末で995頭に上り、昨年度1年間の913頭を上回っている。ただ、個体数が増えたのか、実施隊員が精力的に活動したためなのか分からない-とし、調査することにした。ライトセンサスはライトの光に反射した動物の目を数えて個体数を把握する方法。同課職員3人が低速走行の車内や車から降りてライトで照らした。目撃情報が多く寄せられている北山のほか、湖東、豊平、泉野、玉川地区などを回った。調査の結果、湖東地籍の別荘地周辺に26頭おり、うち15頭は群れだった。玉川地籍の別荘地周辺では22頭の群れが確認された。北山では職員が乗る車の前を何かが横切り、山側を見ると実施隊員が仕掛けたわなに1頭が掛かっていた。同課の担当者は「1ルートのみの調査なので市内で個体数が増えているとは言い切れないが予想以上に多かった」とした上で、「別荘地内はわなが掛けられず、鹿が安全だと知って集まっている可能性がある。わなの設置場所を変えるなど捕獲強化を検討したい」とした。ライトセンサスは11月にも同じルートで行い、来年2月予定の市鳥獣被害対策協議会で結果を報告する。

(空き家に出没したクマに対して追い払いを実施:新潟)
新潟県三条市は27日、空き家にクマが出没しているとの報告を受け、クマに対して追い払いを実施した。クマは山の方面に逃げたことを確認したが、その後のパトロールにおいてクマの発見はできていない。明日、午前6時から改めてパトロールを実施し、住宅地でのクマの捜索を行うという。

(クマ被害多発受け中学校で勉強会:新潟)
クマによる被害が各地で相次ぐ中、関川村の中学校ではクマの生態や被害に遭わないための対策について学ぶ勉強会が開かれました。勉強会は、クマの目撃が相次ぎ、今月にはクマに襲われた女性が死亡する被害も出た関川村の関川中学校で行われ、体育館には全校生徒およそ100人が集まりました。勉強会は野生動物による被害防止のための啓発活動などを行っている長岡市の会社の担当者が講師を務め、まず県内に生息する、ツキノワグマの生態について説明しました。担当者はツキノワグマは基本的に臆病な性質である一方、不意に人に遭遇してパニックを起こしたときや、子どもを守ろうとする母グマは攻撃的になることなどを説明しました。そして、万が一遭遇したときは、大声で威嚇したり急に動き出したりしてクマを刺激しないように気をつけ、ゆっくりと後ずさりしてその場から離れることが大事だとアドバイスしていました。参加した男子生徒は「関川村でもクマの被害があったので、逃げるときは後ずさりすることなど家族にも伝えたい」と話していました。また、別の女子生徒は「クマが出て不安だったのでどう対応したら良いのか分かってよかった」と話していました。県内ではこの春以降、27日までに14人がクマに襲われてけがをし、このうち関川村の女性が死亡していて、県は「クマ出没特別警報」を出して引き続き県民に厳重に警戒するよう呼びかけています。

(クマ出没で中止、入善駅伝:富山)
11月1日の第48回入善町駅伝大会について、町教委は28日、コース周辺でクマの目撃情報が続いているため急きょ中止を決めた。新型コロナウイルスの影響で各地のマラソン大会などが中止となる中、万全の対策で実施を予定していただけに関係者は残念がっている。入善署は28日、近くで目撃情報のあった黒東小の登下校時に移動交番車を配置し、見守り活動を強化した。駅伝大会は町をほぼ1周する28・1キロのコースで行われる。町教委と町体育協会は、伝統ある大会の開催を熱望する声が多かったことから準備を進めていた。例年は約40チーム(1チーム9人)が参加するが、今年は新型コロナの影響もあり、22チームが出場を予定していた。スタッフを含めると約300人が参加し、町民も沿道での応援を楽しみにしていた。ところが、26日に山側の墓ノ木、28日はまちなかの国道8号沿いの下飯野などでクマの目撃情報があったことから、安全、安心な大会の実施が困難として中止とした。町教委の担当者は「選手やスタッフも大会を楽しみにしていた。中止は初めてのことで、苦渋の決断だ」と話した。町によると、1昨年のクマの目撃情報はゼロで、昨年は10月末までに1件。今年は13日に海に近い春日で駆除された1頭のほか、28日までに2件の目撃情報がある。隣の黒部市では昨年は28日までに23件だったが今年は既に42件で、28日は海に近い同市犬山でも目撃された。移動交番車が配置された黒東小は26日に目撃情報のあった墓ノ木に近く、入善署は同日からパトカーで警戒している。同校は地区ごとに教員が付き添い、集団登下校を続けている。移動交番車は登下校の時間帯に配置し、地元の小摺戸地区防犯パトロール隊も青パトで巡回している。町教委は可能な限り保護者に送迎を依頼している。

(クマ、目線低く人間と不意に遭遇も)
冬眠前のツキノワグマが餌への執着を増し、活発に動き回る出没のピーク時期に入った。福井県内では9月末から人身被害が相次ぎ、人里での大胆な行動も目立っている。クマの生態や痕跡の特徴、遭遇した場合の対応をまとめた。繁殖年齢を迎えたおおよそ3~4歳以上のクマが成獣とされ、体長120~145センチ、体重60~80キロ程度。中には100キロを超える個体もいる。時速40~50キロで走るといわれ、泳ぎもうまい。2歳ごろまでは親と一緒に行動するため、幼獣であっても近寄るのは危険だ。嗅覚は犬並みの鋭さだが、視覚は遠近感や動体視力が弱めという。低音にも鈍感で、他の肉食獣より足音などを聞き分けるのは苦手のようだ。立ち上がらなければ、目線の高さは40~50センチほど。勾配がある場所や草丈が高い所では、その先にいる人間に気付かず、不意に遭遇する可能性があるという。今秋、人身被害が起きた民家敷地内では、大量のふんが見つかった。被害発生日の数日前から現場に現れていたとみられる。福井県の担当者は「家や田畑の周囲に爪痕やふんなどの痕跡があるかどうかを、まず確認してほしい」と話す。足跡は前足が横長、後ろ足は縦長に残り、成獣の後ろ足は長さ15センチ、幅10センチ程度で5本の爪痕が残る。木を登る時には幹にひっかき傷が残る。柿の木などは樹皮の色が暗いため傷が目立ちやすく、特に爪痕が黄色い場合は新しい証拠だ。ふんの色や形は食べ物や体調によって変わり、柿を食べればオレンジ色、栗はきれいな茶色になるという。木の周辺に、人間ほどの量のふんがあればクマの可能性が高い。誘因物となる柿や栗などの実を放置しないことが対策の一つ。ただ、クマが餌に執着する今の時期は、人が実を取ったり、木を伐採したりした時に餌を守ろうと襲う可能性も否定できない。痕跡を確認した場合、県の担当者は「不用意に近づかず、周囲を十分確認してほしい」と注意を促す。クマが人を襲うきっかけは、驚いた時が多いという。遭遇した場合の対処として、県の担当者は「興奮させないように騒がず、走らず、ゆっくりと後退を」と呼び掛ける。逃げるものを追いかける習性もあるとみられ、県内でもジョギング中や、走って逃げた住民が追いかけられて襲われたケースがあるという。立ち上がって前足を振り下ろすように引っかかれたり、鋭い犬歯でかまれたりして、時には失明など重大な事故に至ることもある。万が一、攻撃を避けられない時は「地面に伏せて両手で首の後ろをガードし、急所の頭と首を守ってほしい」としている。

(クマ被害、東濃でも注意:岐阜)
全国的にツキノワグマに人が襲われたり住宅地に入り込んだりするトラブルが多発しているが、東濃地区でもクマの目撃が多く報告されている。五市の中では中津川市が突出して多い。今夏以降はこれまでに人的な被害は出ていないが、接触回数が増えると襲われたりする可能性が高くなるだけに、行政などが注意を呼び掛けている。中津川市では、四~九月にクマが目撃された件数は四十件に上った。昨年同期より十六件減っているが、捕獲数は今月までに三十頭で、昨年より一頭増えた。坂下猟友会の吉村俊広会長(71)は「豚熱対策で仕掛けたイノシシ用のわなにクマがかかるケースが増えた」と話す。昨年は、同会でのクマの捕獲はなかったが、今年はエリアの坂下地区で三頭、山口地区で三頭を捕まえた。減ったイノシシの生息域に、クマが入り込んでいる可能性もあると吉村さんはみている。ただ、昨年に比べて両地区でもクマの目撃は多くなく、個体数が増えているかは分からないという。出没の情報を受けての出動も今年は六回で、十回以上あった昨年より少ない。それでも、例年は十一月ごろまで目撃があるため、まだクマとの遭遇には注意が必要という。

(クマ出没で通行止めにして追い払い花火:新潟)
10月27日午後、新潟県三条市下田地区の笹岡地内でクマが目撃され、付近の道路を通行止めにして追い払い花火を打ち上げている。笹岡地内で体長約1メートルのクマ1頭がカキの木に登っているのが目撃された。そのため、やまなみロードの下田中学校前交差点から白山橋までを通行止めにして、追い払い花火を打っている。このため周辺の道路が渋滞している。三条市や警察、消防などでは現地や市役所にクマ出没対策本部を設置して警戒している。また付近住民にも外出を控えるよう呼びかけている。

(住宅地でもイノシシ対策:神奈川)
田畑を荒らして農作物に被害を与えるだけでなく、近年は住宅地にも出没しているイノシシを寄せ付けないために、大磯町で10月24日と25日に鳥獣害対策の講習会が開かれた。二宮町と中井町でも市街地での目撃情報が寄せられ、町が注意を呼び掛けている。大磯町保健センターで24日午前に座学があり、かながわ鳥獣被害対策支援センターの職員が住宅地における獣害対策の方法について解説。やぶの繁茂や山林・竹林の放置が、動物にねぐらやひそみ場を作らせる原因になっていると話した。また、収穫しないままの庭の果樹や家庭菜園の農作物、地域ねこのえさの放置は餌付けと人馴れにつながるため、餌付けを断ち、地域ぐるみで対策に取り組むことが重要だと伝えた。午後には東小磯の台町地区を受講者と県・町の職員ら約30人が歩いて回った。公園や駐車場の木、空き地の草むら、民家の垣根、果樹などの現状を点検。「イノシシの目線は人の膝から下あたり。地面からその高さの見通しをよくすることが住宅地における防衛の第一歩」と、同センターの石川智弘さんが具体的な環境整備の仕方を説明した。「みかんや柿が落ちて餌になる。ひそみ場とセットになると、どんどん集まってくる。イノシシをゼロにするのは無理。住宅地に来させないような環境を整えることを目指して」と訴えた。道路にはイノシシの足跡も確認された。地域点検は25日に西小磯東と高麗でも行われた。一色地区が県の鳥獣被害対策重点地域になっている二宮町では、市街地での目撃情報が2018年に5件、19年は11件、今年は10月初めまでに9件寄せられた。緑が丘、中里、百合が丘などに出没。町生活環境課によると、一色小学校付近の住宅地で今月、イノシシが道路を走っていたとの情報があったという。菜園に被害が及んだ松根地区では住民が町から箱わなを借りて設置した。中井町では10月2日、井ノ口でイノシシに接触されてけがをした人がいたという。企業団地グリーンテクなかいにも出没しており、町は企業と協力して対策を実施。ホームページなどで町民に注意を促している。イノシシは元々、警戒心が強く、臆病な性質。もしも遭遇したときは、落ち着いて背中を見せずにゆっくりとその場から離れる。ウリボウには近づかない。刺激を与えないことが大事で、追い払おうとしたり、犬に威嚇させたりするのはかえって危険を招くという。

(全国でクマ出没、国の広域的対策が必要:秋田)
クマの出没やクマによる人身被害が全国で相次いでいる。背景には人口減や過疎化という全国共通の問題があるとみられる。都道府県を越えて広域的に対策を講じる必要がある。藤里町と新潟県で今月、クマに襲われて2人が死亡。石川県では商業施設にクマが侵入し射殺された。環境省などが26日に開いた対策会議では、今年4~9月の出没数は全国で1万3670件に上り、2016年度以降の同期比で最多だったことが報告された。本来は出没数が少ない夏場にも目撃が相次ぐなど、例年とは異なる傾向が見られる。環境省は、いつもならクマの活動が減る冬になっても「警戒は緩められない」としている。クマの世界にどのような変化が起きているのか。興味深いデータがある。10~17年度の全国の出没状況を環境省が都道府県などを通じて調べ、昨年まとめた結果だ。全国を5キロ四方のマス目で区切った計1万7068区域中、クマの生息が一時的にでも確認された場所は54・8%に当たる9358カ所。03年度にまとめた同様の調査では6735カ所だった。15年間で生息域が約4割広がったことになる。本県も例外ではない。県土全体の92・2%に当たる区域でクマの生息が確認され、生息域は約3割広がった。クマの大量出没は数年置きに確認されている。森林総合研究所(茨城県)などによると、複数の県で広域的に捕獲数が急増した年は2000年代に入って以降、04、06、10、12、14の各年などだった。偶数年に捕獲数が多く、奇数年に少ない傾向があり、今年も同様だ。大量出没の要因として、ブナの実やドングリなど山の実りの豊凶が一定の影響を及ぼしているとされるが、それだけで全て説明が付くわけではなく定説はない。環境省は過疎化などに伴い里山が荒廃し、クマが人間の生活領域に近づきやすくなったことが状況を加速させているとの見方を示す。人口減、過疎化が続く一方でクマの生息域拡大が進行していることを考えれば、妥当な見方と言えるだろう。県内自治体の対策は従来、出没した個体の捕獲を中心とする対症療法的な対策だった。だが過去最多の目撃件数、捕獲頭数を記録した17年を境に転換。やぶを刈り払って人の生活圏とクマの行動域の間に緩衝帯を設け、クマの食物になる果実や農作物の処分を徹底するなど、クマと人のすみ分けを促すようになった。これにより人とクマの接触が減ることが期待される。クマの生息域は全国18エリアに分かれるとされ、都道府県を越えて広がる。しかし本県のような取り組みは、まだ一部の自治体に限られる。人口減など社会の変化を背景に全国に問題が広がっている今、国が積極的に関与し、広域的な取り組みを支援、促進することを求めたい。

(クマ被害多発、現場を訪ねると…:石川)
「まさか、こんなところにまで」。全国各地でクマの出没が増え、国の集計で2020年度上半期は1万3670件と、公表している16年度以降最多となった。中でも石川県は10月にクマに襲われた負傷者が10人と、新潟県(うち1人は死亡)と共に全国最多(27日時点、毎日新聞調べ)。駅前の商業施設に入り込む異例の事態が起きた他、市役所がある中心街、学校の中にまで出没しており、住民たちは厳戒態勢だ。負傷した女性をはじめ、関係者の声を聞いて歩いた。シャリン、シャリン、シャリン――。10月23日午後3時半、石川県小松市木場町の市立木場小学校(児童数75人)の校門付近で鈴の音が響き始めた。下校する児童らがランドセルにぶらさげたクマよけだ。同県では20年、16日までに435件のクマ目撃情報があり、29日までに12人が負傷した。小松市では目撃が170件を超えた23日夜から24日午後にかけ、市役所や県立小松高校がある市中心部に1頭が出没。住宅街で麻酔銃で捕獲されるまで市は外出を控えるよう呼びかけた。29日早朝にも市役所から約5キロ東の市立東陵小と県立小松商業高の敷地内でクマが目撃され、猟友会のメンバーが射殺した。県内のホームセンターなどではクマよけの鈴やスプレーの売れ行きが例年よりよい。木場小付近でもクマが複数回目撃され、2週間ほど前から集団下校を始めた。山本秀徳校長は「地域の人と協力しながら安全を確保したい」と話す。7日午前6時ごろ、木場小から約5キロ離れた市内の住宅街では70代の住民女性が自宅敷地内で襲われた。「後で体長1メートルと聞いたが、間近で見ると自分の背丈以上に感じた」。15日に訪ねた記者を前に、生々しく恐怖を振り返る。新聞を取ろうと玄関を一歩出た瞬間、すぐ脇の木立から「黒いものが手を上げて来た」。引っかかれ、頭や背中などを負傷。クマが去った後、通報しようと自力で家の中に戻ったが、通った跡は血だらけだった。「まさか玄関先で襲われるなんて」。今も信じられないという。11月1日に同市で予定される全国高校駅伝競走大会石川県予選は一般道路を走るルートから陸上競技場のトラックを周回する方式に変更された。発着点付近でクマ出没が相次いだためだ。主催者は「安全に行うための苦渋の選択」と話す。西隣の同県加賀市で、JR加賀温泉駅に隣接するショッピングセンター「アビオシティ加賀」にクマが侵入したのは10月19日。開店前の午前7時50分ごろ、商品搬入口から店内に入ったところを目撃され、県警や地元猟友会が駆けつけた。防犯カメラと市所有のドローンを投入して居場所を絞り込み、倉庫内で射殺したのは午後9時10分。テレビ中継もされた大捕物は約13時間に及んだ。クマの出没は観光地も揺るがす。19年に73万人が訪れた同市の名湯・山代温泉では少なくとも二つの旅館の庭にクマが侵入し、ガラス戸にぶつかるなどした。温泉街付近ではこれまで男女4人が襲われて負傷。新型コロナウイルスで落ちた客足が戻りつつある中、各旅館は警備員を増やすなどの対応を迫られている。「カキやクリは早めに収穫を」「家の周りに生ゴミを放置しないで」加賀市は23日から市や消防、猟友会などが合同パトロールを開始し、市全域で注意を促している。クマが身を隠すやぶの刈り払いに助成金を出すことを決めるなど、「やれることは何でもやる」(市農林水産課)という。石川県によると、クマが冬眠に入るのは例年12月ごろで、当面は警戒が必要だとしている。

(移動交番車、クマを警戒:富山)
県内各地でクマの目撃や痕跡の情報が相次ぐ中、入善署は二十八日、児童をクマから守るため、入善町黒東小学校の登下校時間帯に同校に移動交番車を配置し、地区防犯組織の協力も得て警戒にあたった。二十七日未明に同校の南東約三キロの同町墓ノ木でクマの成獣一頭の目撃情報があったことから配置を決めた。当面、三十日まで交番車を拠点にパトカー数台で通学路を巡回するほか、地区防犯組織の車両にも出動してもらう。同校は以前にもクマの目撃情報があったため、二十六日から集団下校を実施。保護者に送迎依頼もしている。二十八日午後、児童は地区ごとにグループをつくり、教職員が付き添って家路に就いた。同町内は、ひばり野小、飯野小校区でもクマ情報があり、保護者に送迎を依頼しているほか、猟友会などに警戒体制を取ってもらっている。

(クマ出没、厳戒下の登校:新潟)
27日に新潟県の上越地域でクマによる人身被害が発生したことから、現場に近い上越市清里区の清里小学校では28日、保護者が子どもを車で送迎するなど警戒が続いた。この日も付近でクマが目撃され、市などはパトロールを強化している。清里区では27日に東戸野の山中で、同所の70代男性がクマに襲われ重傷を負った。清里小は当初、大人が付き添う集団登校を予定していたが、襲われたら対処できないと判断。保護者に車で送迎するよう連絡し、児童105人を登下校させた。登下校時には、学校職員らが車で校区内をパトロールした。下校時間の午後4時前には東戸野の市道付近で、体長約1メートルのクマ1頭の目撃情報があった。稲毛真哉校長は「当面は児童だけで登下校させず、子どもたちへの安全指導も行っていく」と話した。上越地域ではほかにも目撃情報が相次ぎ、板倉区達野の市道と妙高市姫川原の県道でそれぞれクマ1頭が目撃された。

(ドングリ不作、広がる生息域)
全国各地で相次ぐクマの出没。ここ数年は山間部だけでなく市街地でも目立つようになった。過疎化や高齢化で中山間地域の人口が減るなどしてクマの生息域は拡大が進んでおり、特に今年はドングリが不作だった地域のクマが、餌を求めて市街地に遠征していると考えられる。専門家は「東北や東日本では、茨城や千葉を除き、平地周辺の森にはクマがいると考えた方がよい。市街地での遭遇はどこで起きてもおかしくない」と警戒を呼び掛ける。クマとの共存に向け、調査活動などを行うNGO「日本クマネットワーク」の副代表で東京農工大の小池伸介准教授によると、クマの大量出没は平成10年代から数年おきに各地で発生。特に市街地では、ここ10年ほどで繰り返し確認されるようになった。26年に同団体が発表した報告書は、目撃・痕跡情報などから、多くの地域でクマの生息域が拡大していると指摘。生息域は東京都内でも関東平野を境にした高尾山周辺まで東に及んでいるという。クマは秋にドングリ(ブナ、ミズナラなどの実)を食べて冬眠に入るが、ドングリの豊凶は年によって異なり、不作の場合は餌を求めて行動範囲を広げる。小池准教授によると、クマは単独行動で、過去に人が暮らす地域で柿や栗、生ごみなどを手に入れた「成功体験」があると、味を占めて再びやってくる可能性があるという。ただ、クマは臆病な性格で、本来は人里に向かうことを好まない。十分な餌を補給できない場合は早めに冬眠に入るといい、小池准教授は、山際や庭に自生する柿などの実を取り払い、クマを引き寄せてしまう食べ物自体をなくしてしまうことが有効な対策だと指摘する。また、クマは藪(やぶ)や河原に沿って山から市街地に入ってくることが多い。過去の目撃情報などから通行ルートを確認し、樹木の伐採などで見通しをよくしてクマ自身に警戒感を抱かせることも重要だという。小池准教授は「クマが市街地の近くまで生息域を拡大し、人と隣接した状態になっている。現れたクマを駆除するのは対症療法で、人が暮らす場所にクマを入れない対策を取る必要がある」と強調した。

(クマ被害受け小学校で送迎対応:新潟)
27日、上越市清里区東戸野集落で男性がクマに襲われケガを負ったことを受け、今朝の清里小学校では安全を考慮し、登下校する児童に保護者が付き添うか車で送迎をする対応がとられた。 清里小学校では今週いっぱい、すべての児童の登下校について、徒歩の場合は保護者が付き添うか、または車で送迎する対応としている。また、スクールバスを利用する児童には、家から停留所までの間を大人が見守るか送迎する。今後のクマの出没状況によっては、教育委員会と協議しながら、来週も同様の対応を継続するとしている。児童は「結構怖い。家の人に車で連れてきたもらった。普段の通学路は森の真横を通るので(送ってもらって)安心感はあった」と話した。県のクマ出没特別警報を受けて、学校は先週、クマ除けの鈴 約80個を主に田畑や野山のそばを歩いて通学する児童に配布した。鈴は、以前から学校で保管されていたものを再利用。さらに登下校に限らず、外出するときは、鈴をつけるよう保護者に依頼するということ。今朝は、クラスごとに当分の間、学校以外の屋外で遊ばないことと、クマに出会ったときの注意などが伝えられた。上越市立清里小学校の稲毛真哉 校長は「児童は比較的落ち着いていたが普段よりは笑顔は少ない。まずはクマに出会わないようにすることを第一に指導した。保護者、地域、行政で連携して子どもが安全安心に登下校する、地域で過ごすことを大切にしていきたい」と話した。なお、きょう28日は3件のクマの目撃情報があった。目撃されたのは、上越市清里区東戸野の市道、上越市板倉区達野の市道、妙高市姫川原の県道新井中郷線の3か所。姫川原では民家から約15mのところで、クマが道路を横切ったということ。県や市ではクマの出没があった所には近づかず、単独行動を避けて、音の鳴るものを携行するなど注意を呼びかけている。

(中学校の生徒がクマへの対処法学ぶ:新潟)
クマに襲われ女性が死亡した新潟県関川村で28日朝、勉強会が開かれ、中学生がクマへの対処法を学んだ。勉強会は関川村の関川中学校で開かれ、各地でクマ対策を進めている長岡市の会社が生徒に対処法などを指導した。生徒は、登下校の時間と重なる明け方と夕方にクマの活動が活発になること。クマと遭遇したらゆっくり後ずさりすることなどを学んでいた。生徒は「クマはもともとけっこうかわいいと思っていたんですけどいまの話を聞いて怖いと思って気を付けたい」と話した。関川村では10月1日に女性1人がクマに襲われ死亡している。また県内では、10月27日までに計14人がクマに襲われていて、県は「クマ出没特別警報」を出し警戒を呼び掛けている。

(クマ情報自治体間の壁:石川)
金沢市以南の自治体でクマによる人的被害が増えている。クマは市町の境界にかかわらず移動するため、自治体間や住民との情報共有が十分でなければならないが、住民への目撃情報の発信基準などには自治体間でばらつきがある。明治大危機管理研究センターの市川宏雄所長は「危機管理にやり過ぎはない。クマの被害を災害と捉え、市町が共有した情報は素早く住民に伝える連携が必要」と指摘する。石川県白山市明法島(みょうほうじま)町で十六日に男女四人が襲われた。最初の被害が確認されたのは午後零時十分ごろ。白山市は十五分後に市民に防災メールなどで注意を喚起した。現場から六百メートル南の川北町が、住民に向けて防災無線で周知したのは約二時間後の午後二時半ごろだった。町によると、午後一時ごろ、町民が白山市の出没情報を入手し、学校を通じて町に連絡があり、白山市に問い合わせた。各市町は、クマが隣接自治体に移動する可能性があると、実務的に相互に連絡を取り合っている。だが、「広域連携のルールはない」(川北町)。さらに、隣接自治体での出没情報を、住民に発信する明確な決まりもない。クマが出没した場所の近くに住んでいても、自治体が違うと遅くなったり、伝わらなかったりする恐れがある。住民への情報発信自体にも違いがある。目撃件数が県内最多の小松市は防災無線のほか、市公式LINE(ライン)で市民からの情報を地図付きで発信。担当課を超えた職員五人体制の五班が、交代で二十四時間通報を受け付けている。担当者は「被害を防ぐには迅速な発信が大事」と話す。金沢、白山、加賀の三市は無線と市民向けの防災メール。金沢市は「目撃情報があればすぐに」、白山、加賀両市は「市街地に出没し、緊急性が高いと判断すれば」との条件だったが、人身被害や商業施設への侵入があった加賀市は二十一日から、目撃情報が入った時点でメールを送信するようにし、市公式フェイスブックでも周知を始めた。情報発信は通報に頼る部分が大きいが、白山麓に住む農業の男性(84)は「クマは怖いが、よく出るから『またか』という感じ。通報はしない」と、地域で温度差もあるのが実情だ。秋田県鹿角(かづの)市では、住民の警戒意識を高めて対策を進める。二〇一六年、クマによる人的被害や農作物の食害が深刻化。山間部ではクマに慣れた住民も多いが、人命に関わるとして情報発信を強化した。同市担当者は「出たかも、という情報でも発信の条件にした」とし、被害は減少傾向だ。今秋のクマの例年にない出没に対し、市川所長は災害と見なした対応を求め、「自治体は、出没場所や危険度など市町を超えて詳しく発信すべきだ」と警鐘を鳴らす。

(全国でクマ出没、平野・海沿い・都市部にも)
全国各地でクマの出没や人身被害が相次いでいることを受け、環境省は26日、農林水産、警察など関係省庁と対策会議を開き、今年4~9月の各地におけるクマの出没数が1万3670件に上り、現時点で公表している2016年度以降の同期比で最多だったと明らかにした。背景について、生息分布エリアが山間部から、平野部や海沿いにまで拡大しているとの見方を示した。集計によると、今年8、9月の出没数は16年度以降の同月比で最多、8月の人身被害も27件と近年で最も多かった。環境省野生生物課の中尾文子課長は会議後、報道陣に「本来(出没数が)減る夏にも増えており、今までと違う傾向が出ている。これから冬に入っていくが警戒は緩められない」と話した。環境省は、クマがいない九州・沖縄地方を除いた各地で10~17年度に実施した調査で、人里近い平野部や海沿い、都市部などで広くクマの生息を確認。00~03年度の調査では山間部に集中していたことから、同省はこれ以降、クマの生息域が広がっていったと分析した。過疎化などで里山が荒廃し、クマが人里に近づくハードルが低くなったことが状況を加速させているとの考えも示した。関係省庁は、都道府県にクマ出没時の連絡態勢の整備や住民らへの注意喚起、防止対策を徹底するよう通知することで一致した。さらに、個体数自体が増えている可能性もあるとみて、これまでクマが出現していなかった地域にも早期の備えを呼び掛け、誘因物の処理など、被害防止策を記した対応マニュアルを再周知する方針だ。環境省は現行のマニュアルに最新の知見を加え、21年度中に改める。今年は10月に入り、新潟、秋田両県ではクマに襲われ計2人が死亡したほか、石川県加賀市の商業施設にはクマが侵入し、射殺された。

(住宅地でクマ目撃相次ぐ:宮城)
仙台市は29日、太白区向山1丁目と泉区上谷刈で午前6時~午後0時45分ごろにかけ、ツキノワグマの目撃情報が4件あったと発表した。市内では21日以降、クマの目撃が相次ぎ、付近の小中学校が警戒している。市によると、29日は体長1メートルを超えるクマ1頭が向山1丁目の広瀬川、上谷刈の七北田川沿いの雑木林で目撃された。21日は青葉区霊屋下、22、23日は同区錦ケ丘、26、27日は錦ケ丘や泉区北中山2丁目に出没。市に寄せられた目撃情報は29日までに33件に上っている。付近の小中学校は子どもたちを集団下校させたり、校内放送や学活で注意喚起するなどした。泉区の野村小は29日、保護者に迎えに来てもらい、児童を下校させた。

(野生動物被害、意外な場所でも:岩手)
今年は全国でクマの出没が相次いでいますが、冬を前にえさを探す野生動物に農作物などが荒らされる被害はクマに限らず近年、頻発しています。芝生に数多くの掘り返された穴。その犯人は監視カメラが捉えていました。闇夜にうごめくのは…イノシシです。しかも、このイノシシ被害に遭っている場所は…。岩手県花巻市湯口にあるクレー射撃場です。いわて国体のクレー射撃の競技会場にもなり、本来なら、動物が怖がりそうな場所ですが…。イノシシの出没はおよそ3年前から。複数のイノシシが目撃されていて、3日から4日に一度は姿を見せるといいます。また射撃場隣りの広場には、25mプール2面分のユリの花が毎年咲き誇っていたそうですが、イノシシに根を食べられて以降、咲かなくなってしまいました。藤沼さんによりますと、周囲の農家では農作物も被害に遭ったということです。花巻市猟友会の会長も務める藤沼さんは、クマに加えてイノシシの駆除も重要と話します。鉄砲をも恐れないイノシシ。野生動物と人間の距離がいっそう近くなっているようです。

(クマの目撃情報相次ぐ:富山)
富山市八尾町では、28日夕方に続いて29日朝早くにも住宅の庭先でクマとみられる動物の目撃情報があり、警察や地元の猟友会などが警戒に当たっています。29日午前5時50分ごろ、富山市八尾町角間で地域住民が住宅の敷地内でカキの木に登るクマとみられる動物を目撃し警察に通報しました。人身被害はありませんでしたが、警察や地元の猟友会などが周辺をパトロールし、29日11時現在、まだ、クマとみられる動物は見つかっていません。近くの八尾小学校では、安全メールを保護者に向けて送り注意喚起を行った他、屋外での体育や外遊びを取りやめるなどの対応が取られています。この近くでは、28日夕方に県道を走るクマの成獣1頭が目撃されており、警察や猟友会では、引き続き警戒に当たるとしています。29日朝は、この他、富山市春日や滑川市小森、南砺市才川七など山沿いの地域でクマの痕跡やクマの目撃情報が相次いでます。

(クマ出没、県西部急増:富山)
県西部でクマの出没が増えている。今月26日時点で、氷見市では昨年のほぼ同じ時期と比べ目撃数が42倍となっている。

(複数箇所でクマの痕跡と目撃情報を確認:新潟)
新潟県三条市は、29日16時30分頃に中野原地内の市道中野原福沢線周辺の畑でクマの痕跡(柿の木に爪痕、枝折れ、フン)が確認されたと発表した。また、同日18時頃には、高岡地内五十嵐川右岸側の山際と、矢田地内しらさぎ森林公園付近でクマの目撃情報も確認されている。

(クマ目撃情報、周辺へ注意喚起:北海道)
札幌市南区真駒内にある遊歩道で28日朝、クマの目撃情報がありました。住宅街が近く利用者も多い場所での目撃情報に、警察などは警戒を強めています。クマの目撃があったのは、札幌市南区真駒内の桜山にある遊歩道の入り口です。午前6時半ごろ、車で通勤中の女性から警察に通報がありました。通報を受けた警察と札幌市役所の職員などが確認しましたが、クマの痕跡は見つかっていません。目撃場所は住宅街に近く、遊歩道で散歩やジョギングをする人が多いということで、警察では付近の住民や学校などに注意喚起を行っています。

(河川敷サイクリングコースに現れたのは"迷い鹿":北海道)
札幌市の市街地を流れる豊平川の河川敷で、シカが歩いているのが目撃されました。シカの姿が目撃されたのは、10月26日午後2時すぎ。南19条大橋付近のサイクリングコースをジョギングしていた30代の男性が、1頭の雄のシカが歩いているのに気づき、持っていたスマートフォンで撮影しました。シカはしばらく男性と並ぶようにして歩いていましたが、その後、柵を乗り換えて川原に降り立ち、流れに沿うように市街地中心部に向けて立ち去ったということです。

(市道や国道でクマの目撃相次ぐ:滋賀)
27日午前10時45分ごろ、滋賀県彦根市善谷町の市道を、クマ3頭が横断するのを近くの男性(81)が目撃した。滋賀県警彦根署によると、子グマ2頭と親グマ1頭で、山中に向かって行ったという。滋賀県長浜市西浅井町でも同日午後4時45分ごろ、体長約1メートルのクマ1頭が国道303号を横断するのが目撃された。県警木之本署によると、東約200メートル先には西浅井中がある。両署が住民に注意を呼び掛けている。

(越冬準備のムクドリが群れ:和歌山)
和歌山県紀南地方の市街地で、ムクドリ(ムクドリ科)が越冬準備で群れをつくっている。日本野鳥の会県支部会員によると、今夏の多雨がさまざまな鳥類に影響しているとみており、ムクドリも群れをつくる時期が遅れているという。ムクドリは、その年生まれの若鳥が徐々に集まり、初夏のころから大きな群れが見られるようになるが、今年は秋が深まるころまで確認できなかった。以前は田辺市の天神崎や元島などを越冬のねぐらに使っていたという。田辺市下三栖では薄暮の時間帯に、数百羽のムクドリが集まった。電線数十メートルにわたりぎっしり止まり、騒がしい鳴き声を響かせた。

(ツキノワグマの成獣を目撃:兵庫)
26日午前2時ごろ、兵庫県丹波市春日町稲塚の稲塚交流センターで、新聞配達中の男性が成獣のツキノワグマを目撃した。同センターは県道から北に約100メートル。周囲には民家がある。市農業振興課によると、近くの柿の木周辺にふんが落ちていたという。

(栗園にクマが来ています!:秋田)
秋田県仙北市西木町小山田の齋藤農園が、特産の西明寺栗を食い荒らすツキノワグマの姿をセンサーカメラで撮影し、フェイスブック(FB)で動画を公開している。農園には毎年秋、複数のクマが収穫期を迎えたクリを目当てに現れるが、今年は特に多いようだという。

(女性記者が取材中にクマと遭遇:石川)
石川県小松市で相次ぐクマ。先週、取材中にクマと遭遇した記者が当時の恐怖を証言しました。住宅街の近くに出没するクマ。小松市で目撃されたクマは10月だけで100件。去年の10倍です。北陸中日新聞 小松支局 井上京佳記者:「出会ってしまったらなす術がなかったので…」こう話すのは北陸中日新聞の井上記者。先週取材中にクマと遭遇しました。10月24日、小松市中心部にクマが出没。井上記者は消防隊員などがクマを探す様子を取材していました。井上記者:「用水を見終えて、空き家にいくというので靴を履き替えようと思って…」車に戻ろうとしたその時でした。井上記者:「なんとなく後ろをみたら柵の下からクマが」その距離、わずか5メートル。井上記者:「焦ってしまって、とりあえず逃げようと思って。そしたら転んでしまって。目の前の住宅に男性が立っていたので『クマ!』っていって中にいれてもらいました」間一髪、難を逃れました。クマはその後、近くの住宅の庭で捕獲されました。井上記者:「(クマに会ったら)びっくりしてしまって、ゆっくり後ずさりなんてできない。だからクマに出会わないようにすることが重要です」相次ぐクマの出没に、小松市は町会単位で柿やクリの実を取る費用の補助を急きょ決定しました。またクマが山から下りてくるルートとみられるのが河川敷。県は27日から梯川の堤防の草を緊急で刈りとりました。小松市 農林水産課 山崎課長:「市街地でクマの目撃をしたときいて大変な衝撃を受けた。すぐ近くにクマがいると思って注意をしてほしい」クマの冬眠まであと1か月あまり。住民の不安な日々が続きます。

(中学校の校庭にクマの足跡:山形)
山形県新庄市の市街地にある中学校では、グラウンドを横切ったクマの足跡が見つかり、28日部活動が中止された。また、高畠町の高級ブドウ、シャインマスカットの畑では、3日連続で目撃され、警戒を強めている。新庄市松本にある日新中学校のグラウンドで27日正午前、授業で外にいた男性教諭がクマのものとみられる足跡を発見した。学校は、教育委員会を通じて警察に通報した。足跡は、校舎側から北に向かってグラウンドを斜めに横切るように約120メートルにわたって残されていた。警察では、足跡を大きさや形から成獣のクマのものと断定、体長1メートルほどではとみられている。同校は27日午後3時に一斉下校とし、28日は、放課後の部活動を中止し、生徒の安全が図られた。門脇潤校長は「この近辺でクマの目撃はここ数年聞いたことがない思いがけない出来事に生徒たちは驚いた様子だった」と振り返る。同校は、JR新庄駅から南西に1キロほどの市街地にあり、クマが逃げたとされる学校の北側には、住宅街や商業施設があり警察や市が注意を呼び掛けている。一方、高畠町竹森の田制農園のブドウ畑では、26日からクマ1頭が目撃されていて、高級ブドウ・シャインマスカットの食害が相次いでいた。クマは体長1・2メートルほどで、持ち主の田制裕基さんは、2日連続でシャインマスカットの房をもぎ取る様子を確認したほか、28日午前中にも、目撃している。被害の大きさから、今月中旬からほぼ毎日畑に来ていたとみられている。シャインマスカットはこれまで、約70房・50キロがもぎ取られ、被害は11万円に上るという。田制さんは「クマが居ついていると思うので、毎年来る可能性があると思うので電気柵やわななど自分で対策を講じないといけない」と話す。田制さんはクマがこれ以上畑に来ないようシャインマスカットの収穫を、28日中にすべて終わらせたという。地元の猟友会では今後、畑周辺にわなを設置することにしている。

(民家脇から山林に入っていくクマの目撃情報:新潟)
新潟県三条市は28日、同日午後4時55分頃、樽山地内の民家脇から山林に入っていくクマの目撃情報があった、と発表した。

(ママアスリートの先駆者、クレー射撃・中山由起枝が変えたい日本社会の理解度)
クレー射撃日本代表として東京五輪の出場が内定している中山由起枝。正式決定となれば夏季五輪出場は5回を数え、柔道の谷亮子氏に並び女性選手では2人目の偉業となる。24年にわたる競技生活の大半をママアスリートとして過ごしてきた中山は、「子どもを産んでからの方がドッシリ進められているのかなって思います。いやぁ、一皮むけましたね」と笑顔を弾けさせた。クレー射撃日本代表として東京五輪の出場が内定している中山由起枝。正式決定となれば夏季五輪出場は5回を数え、柔道の谷亮子氏に並び女性選手では2人目の偉業となる。24年にわたる競技生活の大半をママアスリートとして過ごしてきた中山は、「子どもを産んでからの方がドッシリ進められているのかなって思います。いやぁ、一皮むけましたね」と笑顔を弾けさせた。初出場は2000年のシドニー五輪。競技生活わずか2年余りで挑んだ大舞台は「真っ白だったので覚えてないです(笑)」。その翌年に長女を出産し、一時競技を離れたが、2003年に復帰。子育て、競技生活を両立させ、2008年の北京からロンドン、リオデジャネイロと3大会連続で五輪出場を果たした。ママアスリートの先駆者として愛娘と二人三脚で競技人生を歩んできた中山は、今年3月3日に設立された一般社団法人MAN(Mama Athletes Network)の理事に就任。産前・産後の女性アスリートをサポートする活動にも力を入れている。MANは、女性アスリートのサポート組織として2014年にスタート。女性アスリートが子どもを持ちながらも競技生活を続けていける社会の実現をめざし、活動しており、中山はワーキングメンバーとして自身の経験に基づく情報を伝えてきた。こうした活動に参加する背景には、「競技生活と子育てを両立させることでメンタルが安定し、すごくいい励みになりました」という自身の経験がある。女性アスリートの多くは、結婚、出産という人生の節目を迎えると、競技を続けるか否かという究極の選択に頭を悩ませる。競技を優先させるべきか。結婚・出産を優先させるべきか。両方を同時進行させるのは欲張りなのか。こういった悩みはアスリートに限らず、働く女性にも共通するものだろう。そんな悩める女性たちに、中山はシンプルなメッセージを送る。「一度しかない人生なので、悔いの残らないように。女性としての幸せと競技者としての幸せ、2つを同時期に得ることに対して、日本はなかなか理解が深まらないんですけど、子育てをしながら女性としても競技者としても頑張れるという想いをしてほしいんです」。中山がママアスリートとして歩み始めた当時は、日本に子育てをしている女性アスリートはほとんどいなかった。「相談する人や情報を発信して下さる機関がなかったので、試行錯誤しました」と振り返るが、同時に「子育てと競技を両立していく苦しみや苦労はあまり考えず、自分たちに出せる色を出していけばいい」と芯をぶらさず、自然体を続けた。だが、もし当時、相談や協力できる場所があったら、どれほど心強かっただろうか。「もちろん、そういう意味も込めてMANを一般社団法人化したという経緯もあります。まだまだ情報発信は不足している部分でもありますし、現役のママアスリートはもちろん、将来ママになっても競技を続けたいと思っている選手にも、私たちが何かお手伝いできることがあるかもしれない。そう思って発信している団体なので、ぜひ活用してもらいたいと思います」海外を転戦したり、海外の女性アスリートと交流したりする中で、子どもを持つ女性が競技を続けたり、仕事を続けたりするためには、日本の社会全体の理解が進む必要があると感じている。「クレー射撃は特に生涯スポーツなので、女性アスリートが子どもを連れて海外を遠征する形を取る国が結構あるんですね。リオデジャネイロ五輪に出た選手は半数近くがママアスリートか既婚女性でした。結婚、出産後も競技が続けられる環境が整っていれば、女性の幸せも掴みやすいんじゃないかと思います。海外に比べると日本はまだ、アスリートママ、働くワークママが珍しいと見られている社会がある。競技をしながら周囲の方々の協力や理解を得ることが、社会認知に繋げるためにも必要なことだと考えています」  愛娘は今年、大学1年生になった。来年は成人を迎え、子育てもが一段落する。中山は、東京五輪を“集大成”と位置づけるが、ここまで決して順風満帆とはいかなかった。学校行事に参加できないことは日常茶飯事。「遠征で留守にしている時とか、子どもが怪我をしてしまった時とかが一番しんどかったです。近くにいてあげられないことが、こんなにも辛いものかという現実に、何度か競技を引退すべきか考えました」と胸の内を明かす。2度目の五輪となった2008年の北京大会。中山は4位入賞という快挙を遂げたが、当時6歳だった娘から次のロンドン五輪で競技を辞めてほしいと言われたという。だが、その4年後、ロンドン五輪の出場を決めると、誰よりも喜んでくれたのが娘であり、ずっと競技を続けてほしいと言ってくれた。「この4年間の成長っていうのは、本当に大きな大きな進歩。ちょうど幼稚園から小学1、2年生の時期が一番寂しかったと思うんですよね。その時期にちょうど北京五輪だったので。でも、ロンドンまでの4年間で、娘が自分の中で殻を破ったというか、まだまだ頑張ってほしいという気持ちになったんだと思います」リオデジャネイロ五輪が終わった後、順天堂大学大学院へ進学した中山は、女性アスリートが活躍できる環境作りについて研究。同時期に高校へ進学した娘と、同じ学生として切磋琢磨した。「私の方が先に大学院を終えたんですけど、娘の大学受験と自分の5度目の五輪予選が重なって、本当に家の中はピリピリしていましたよ(笑)。でも、お互いに『今度は自分の番だ』って活力になったと思います」と笑顔で振り返る。大学1年生になった娘から、今では「お母さんは唯一無二の存在」だと言われているという。「この言葉が私にとっては励みになっています。私たちらしい色であって、私たちらしい形。オリンピックまでのプロセスを通して成長した親子、ここにあり、みたいな(笑)。こういう親子なので関係性としては本当に愛おしいし、本当に私の宝物になっていることが何よりもうれしいですね。子育てと競技をやってきた私にしか味わえないことなのかなと思える瞬間です」愛娘の話になると、心の底からうれしそうに目を細め、声を弾ませながらエピソードを披露してくれる。その姿を見るだけでも中山家の絆の深さが伺えるが、さらにこう続けた。「本当に1/3くらいしか伝わっていないと思うんですよ(笑)。今度、娘を同伴して話を聞いてくれたら一番いいと思います。それくらいハチャメチャな子育てです(笑)。私にとっては子育てと競技生活の両立だったんですけど、やりたいことをやる、その姿勢を娘が受け継いでくれたのか、娘自身も自分の好きなことに突き進んでいく姿勢が見られるので、とても逞しく育っていますよ」。娘は母を「唯一無二」だと称え、母は娘を「とても逞しく育った」と胸を張る。中山母娘の姿は、ママアスリートが目指す女性アスリートの道を、明るく照らす一つの道標となりそうだ。

(窓からドローン投入、クマ捜索職員に感謝状:石川)
石川県加賀市作見町の複合商業施設「アビオシティ加賀」に侵入したクマの捜索をドローンでサポートした加賀市の職員3人に29日、大聖寺署が感謝状を贈った。同署などによると、クマを見つけるため、現場の警察官がドローンの活用を提案し、加賀市役所に打診。広報資料の空撮などにドローンを使っていた都市計画課の竹田健成さん(31)、中川大雅さん(29)、篠藤翼さん(29)の3人が向かった。捜索拠点の防災センターは、クマが隠れたバックヤードとつながっており、窓を一瞬開けて投入。警察官の進行方向にドローンを先回りさせ、死角などにクマがいないか、手元のスマートフォンで映像をチェックした。操縦した竹田さんは「室内で本格的に飛ばすのは初めて。物も多く、いつも以上に細心の注意を払った」。計4回飛ばし、1回は天井にぶつかって落下するアクシデントもあったが、警察官が回収してくれたという。ドローンのサポートもあって、クマの大まかな位置が特定でき、侵入から約13時間後に駆除することができた。竹田さんは「想像もしていなかった使い方だったけど、人の安全につながって良かった」と振り返った。岡部雅彦署長は「ドローンの活用で、負傷者を出さずにクマを発見できた」と感謝を伝えた。

(ジビエ工房、大学ゼミで獣害研究の若者3人:京都)
龍谷大政策学部の深尾昌峰教授(非営利組織論)のゼミで、京都府笠置町の獣害などを研究した若者3人が、町内にジビエ肉の「やまとある工房」を建てた。「山と共にある」との意味を込めたといい、29日からジビエ肉の加工・販売を始める。笠井大輝さん(23)、山本海都さん(23)、江口和さん(23)の3人。3年の時、農作物などを荒らすシカやイノシシの肉を、地域活性化に役立てられないか考えた。徳島県那賀町でシカ肉を処理し、販売していると知り、昨年5月から約3カ月間泊まり込み、処理方法などを学んだ。深尾教授から出資などを受けて昨年11月、在学中に起業。地元の猟友会メンバーから借りた土地に工房を建て、わなにかかったシカなどの処理を引き受けることになった。シカ肉のステーキ用で100グラムあたり750円、ブロックで同450円。地域の飲食店に卸すほか、道の駅などで販売する予定。笠井さんは「ようやく踏み出せるところまできた」と語り、山本さんは、仕入れを安定させるため「猟の技術を高め、周辺地域との連携も進めたい」と強調。江口さんは「ただ売るだけでなく、ジビエの魅力や貴重な命をさばく作業についても伝えたい」と話した。

(鹿肉の消費回復へ一歩:長野)
国産ジビエ(野生鳥獣肉)の普及を目指す日本ジビエ振興協会(茅野市)が、ジビエの消費回復に向けて奔走している。新型コロナウイルスの影響でジビエを扱う飲食店の多くが休業したため、鹿肉の消費が落ち込んだ。同協会はPR活動を強化し、11月の陸上自衛隊松本駐屯地(松本市)の昼食メニューに採用された。同協会は「ジビエを知ってもらう機会になり、消費拡大にもつながる」と期待している。ジビエ料理は、農作物被害をもたらす野生鳥獣の活用策として期待される一方、流通ルートの確保が課題。さらに今年は新型コロナで県内外のジビエを扱う飲食店が休業し、鹿肉の処理加工施設は在庫過多になった。同協会によると、全国に17ある農林水産省の国産ジビエ認証施設のうち、県外5施設で捕獲した鹿を受け入れられない事態に。県内でもほぼ満杯になっている施設があるという。同協会は、ジビエのレトルト食品を作るなど販路拡大を模索。7月と10月に防衛省(東京都)で試食会などの開催にこぎ着けた。鹿肉は牛肉や豚肉よりタンパク質や鉄分が豊富で、提供が決まった。11月18日に松本駐屯地で出される昼食メニューは「鹿肉のメンチカツ」。臭みがなく、塩、こしょうによるシンプルな味付けが特徴だ。同駐屯地は隊員の意見を聞いて今後も鹿肉を扱うか検討する。同協会代表理事の藤木徳彦さん(49)=茅野市=は「高栄養価で安心安全な食肉として鹿肉が広まるきっかけになる。食文化に組み込む第一歩にしたい」としている。

(LEDでムクドリ追い払え:静岡)
光学機器メーカーのパイフォトニクス(浜松市)が同市と連携し、発光ダイオード(LED)投光器を使ってムクドリを追い払う実証実験を進めている。ムクドリの大群によるフン害や騒音被害は市内でも問題となっていた。技術の使い勝手を高め、今後は全国の自治体などに売り込みたいという。27日、市内街中でムクドリが集まりやすい街路樹などに携帯型の投光器で光をあてて、同鳥を追い払えるか試した。商店街のアーケード屋根に設置した投光器から街路樹に光を自動照射し、同鳥の反応を観察した。市は従来、大きな音を立てたり木をたたいたりして追い払う対策を試みてきたが、大きな効果を上げられていない。市は今回の対策に「追い払う効果は十分」と評価。大きな音を立てない利点などもあるとする。従来の対策はムクドリが慣れてしまい一時的な効果にとどまる課題もある。同社の池田貴裕代表は「慣れさせないよう光のあて方を変えるような対策にも取り組みたい」と話している。同社の対策には既にほかの地域からも引き合いが来ているという。

(山の魅力を発信するハンター:岩手)
森尾絵美里アナウンサー「岩手県大槌町に農家などを困らせている「ある動物」を狩る男性ハンターがいます。その「肉」を使って地元の山の魅力を発信しようと奮闘する男性を取材しました」。美味しそうな焼き色と、中はほんのりピンク色の「鹿の肉」。岩手・盛岡市内のレストランで、月に数回、入荷した時だけ味わえる特別な料理(大槌鹿肉のロティ)だ。グラスト 村松卓哉シェフ「やっぱり一番は鮮度が良いっていう部分で臭みがが無く、使い勝手が良い。なんでも料理に合わせられるような鹿肉だと思う」。シェフが絶賛する鹿肉を出荷しているのは大槌町の兼澤幸男さん、35歳。狩猟免許を取って5年。町内では若手のハンターだ。猟は早朝から始まり、山の中を車で移動しながらシカを探す。兼澤幸男さん「シカの被害がひどくて、米を全然収穫できないって言われて」。実は、2019年度、岩手県内のシカによる農作物への被害額は2億1200万円で、10年前と比較すると約1.5倍。こうした被害を少しでも減らそうと、増えすぎたシカが、毎年1万3000頭ほど駆除されている。兼澤幸男さん「ハンターの特殊な免許を使って有害駆除できるって知って、ハンターになろうと思った」。しかしハンターになって2年目、感じた事があった。兼澤幸男さん「有害駆除でとったやつはそのまま焼却炉にポイってする。だったら食べる人を探せばいいやって思って」。こうして兼澤さんは駆除を兼ねた猟を始めた。この日は体重70キロほどの2歳のオス鹿を仕留めた。兼澤幸男さん「食肉で扱うのはオスは3歳まで、メスは4歳までって決めてて」。さらに氷で冷やすことで鮮度が保たれ、肉の味が格段に良くなるという。町の中心部にある兼澤さんの会社・MOMIJI(もみじ)。県内初のジビエ加工場だ。持ち帰ったシカは1時間以内に肉として加工することで、柔らかく臭みのない肉を提供出来るという。兼澤幸男さん「35(歳)になって、この先なんかチャレンジするってもう厳しいだろうなって」。高校卒業後、東京の海運会社に就職した兼澤さん。東日本大震災の津波で流された母親を探すため、すぐに故郷に帰ってきた。一時は地元の会社で働くが、豊かな大槌の自然の中で育ったシカに魅せられ、2020年4月、自ら鹿肉を販売する会社を立ち上げた。兼澤さんをそばで支える妻の華奈さん。最初は会社を立ち上げることに反対したという。妻・華奈さん「子供も小さかったり、不安もあった。でもその不安を吹き飛ばすくらいの勢いと熱意に押されてしまって」。今では幸男さんが獲ってきたシカの角や骨などを使ってタペストリーなどのインテリア作品を制作、販売している。さらに緊急事態宣言で飲食店が営業を自粛していた時期に開業したため、ほとんどの店に鹿肉を卸せないなど苦労の連続だった。それでもインターネットでの販売を中心に徐々に取扱う量も増えてきている。また、おいしい鹿肉のうわさはシェフの間で広まり、県内外のホテルやレストランから注文が入っている。盛岡市内のレストラン・グラスト。森尾絵美里アナウンサー「柔らかい。牛肉とかとは違って、お肉はあっさりしていて、噛めば噛むほど肉のうまみを感じます」。大槌の自然が育んだ最高の鹿肉。臭みがなくジビエ初心者も食べやすいと人気だ。兼澤さんの頭の片隅にはどんな時も大好きな故郷の自然があった。兼澤幸男さん「大人になった時にすごい地元が恋しくなるの。よその海を見た時に大槌の海きれいだったなとか。それって宝なんだなって。海は海で大槌の宝物だし、山は山ですごい豊かな山だから、大槌の魅力だよって教えていきたい」。兼澤さんはきょうも大槌の山の宝を追い続ける。

(急増する銃購入者、パンデミック・抗議デモ・政治情勢にあおられ:アメリカ)
米国では都市部でも地方部でも、銃の購入熱が沸騰している。人々を駆り立てている要因は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)と、人種差別に抗議するデモの激化、そして政治情勢だ。南部ミシシッピ州の最大都市ジャクソン(Jackson)郊外にある射撃練習場「ブーンドックス・ファイヤーアームス・アカデミー(Boondocks Firearms Academy)」では、60代の白人女性ブレンダ・デュマ(Brenda Dumas)さんが、購入したばかりの銃で段ボールの標的を狙っていた。「いざという時に、自分で自分の身を守れるようになりたくて」。6回目の結婚記念日に夫を説得して、銃の安全な使い方を学ぶコースに一緒に参加したのだというデュマさん。「今テレビでは、いつも暴力沙汰が報じられている」から「以前よりも不安を感じている」と訴える。米国は、アフリカ系米国人のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが白人警官に拘束され死亡した5月以降、反人種差別デモに揺れている。ほとんどのデモは平和的だが、一部で略奪や放火が起きている。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、暴力沙汰の責任は「急進左派」にあるとして、11月3日の大統領選で自分が再選することが「法と秩序」を回復する唯一の道だと主張している。一方、デュマさんと同じコースに参加していたアフリカ系米国人男性は、全く異なる見解を示した。匿名で取材に応じたこの男性は、「抗議デモは権利だ。デモの参加者は、混乱の原因ではない」と指摘。「今の大統領は(問題を)好転させるどころか、悪化させている」と批判した。今回初めて拳銃を購入したが、それは「自衛のため」だという。ジャクソンから北に約2000キロ離れたニューヨーク州ロングアイランド(Long Island)でも、銃販売店「コリシウム・ガン・トレーダーズ(Coliseum Gun Traders)」に購入希望客の行列ができていた。予備の銃弾を購入した40代の白人男性アル・マテラゾ(Al Materazo)さんは、これまで銃を所持することなど考えたこともなかったが、「パンデミック初期の、たしか2月末」に人生初の銃を購入したと語った。感染拡大のニュースを聞き、多くの人々が失業することになるだろうと予想。「強盗という手段に出る連中が現れるかもしれないから、家族を守れるようになりたかった」という。コリシウム・ガン・トレーダーズの経営者アンドルー・チャーノフ(Andrew Chernoff)氏は、2月から店は大繁盛だと話した。客層は「18歳から80歳まで、あらゆる職業・階層」に及んでいる。銃価格も、需要に伴って高騰している。ブーンドックス・ファイヤーアームス・アカデミーで銃を購入した受講者の一人は、通常なら499ドル(約5万2000円)で買える半自動小銃を今しがた800ドル(約8万4000円)で購入したと教えてくれた。ミシシッピ州より銃規制の厳しいニューヨークでは、銃所持許可証の取得希望者の順番待ちが長期化している。クイーンズ(Queens)地区にある銃器販売店兼射撃練習場「セネカ・スポーティング・レンジ(Seneca Sporting Range)」の経営者ジョン・デロカ(John DeLoca)氏によれば、ニューヨーク市ではこれまで6か月以内に許可証を取得できていたが、今は14か月待ちの状態だ。「白人、黒人、ヒスパニック系、若者から高齢者まで。85歳の双子の姉妹が銃所持許可証を求めて来たこともある」とデロカ氏は明かした。銃需要の高まりは、認可を受けた銃器販売店から銃を購入する際に求められる連邦当局への犯罪歴の照会件数が急増していることからも分かる。2019年には月平均230万件だった照会件数は、今年6月には同390万件と過去最高を記録した。

(熊の目撃情報:宮城)
28日午後3時30分頃、東和町錦織字芝山地内(錦織第1行政区)で熊の目撃情報がありました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、30日午前3時30分ごろ、栗原市栗駒松倉根岸にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、29日午後4時50分ごろ、栗原市栗駒沼倉釘ノ子にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午後0時45分ごろ、仙台市泉区上谷刈3丁目の雑木林にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日朝、仙台市泉区上谷刈熊ノ林にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午前6時ごろ、仙台市太白区向山1丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
大崎市によると、28日、大崎市古川宮沢新田町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午前6時15分ごろ、仙台市青葉区上愛子下遠野原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日深夜、仙台市青葉区芋沢大竹南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日、仙台市泉区西田中杭城山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午後3時10分ごろ、仙台市青葉区芋沢柿崎にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後4時30分ごろ、仙台市青葉区熊ケ根檀の原一番にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前8時ごろ、仙台市青葉区錦ケ丘9丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、25日午前11時32分ごろ、富谷市西成田白鳥付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、25日午前10時20分ごろ、富谷市穀田土屋沢付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、24日午後0時15分ごろ、富谷市西成田金ケ崎付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前6時45分ごろ、仙台市泉区北中山2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、10月下旬、白石市大平地区にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、10月下旬、白石市斎川にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、10月下旬、白石市越河にクマが出没しました。

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10/27
(シカ駆除中に猟友会員撃たれる:山梨)
山梨県南アルプス市の山林で猟友会がシカの有害駆除を行っていたところ、会員の男性が別の男性にあごの付近を撃たれました。撃たれた男性の命に別状はないということです。25日午前10時ごろ、南アルプス市の山林内で13人の猟友会員がシカの有害駆除をしていました。会員がそれぞれの場所で活動していたところ、男性会員(67)が撃った散弾銃の弾1発が別の男性会員(65)のあごの付近に当たりました。付近で農作業をしていた目撃者が119番通報をし、撃たれた男性は甲府市内の病院に運ばれました。命に別状はなく全治2週間の見込みということです。警察は散弾銃を撃った男性などから事情を聴いて原因について調べています。

(クマに襲われけが、全国で計63人うち2人が死亡)
この秋、各地でクマの出没が相次いでいます。先月以降に全国で少なくとも63人がクマに襲われてけがをし、このうち2人が死亡したことが、NHKのまとめでわかりました。ことしはクマが人里に出没するケースが多発し、襲われてけがをする人も相次いでいます。NHKが各地の放送局を通じて、23日の時点で全国の状況をまとめた結果、先月から今月にかけて、クマに襲われてけがをした人は少なくとも63人に上ることが分かりました。このうち、秋田県と新潟県でそれぞれ1人がその後、死亡しています。けがをした人が最も多かったのは▽新潟県で13人、▽次いで石川県が11人、▽岩手県が9人、▽福井県が8人、▽福島県と群馬県がそれぞれ5人などとなっています。また、今年度の4月以降にけがをした人は、合わせて123人となりました。これは、一昨年度1年間の53人をすでに大幅に超えていて、この10年では昨年度1年間の157人に次いで2番目に多くなっています。また、北海道などを除くクマの出没情報は、先月と今月で少なくとも4097件に上っています。去年と比較できる9月の件数でみると、ことしは2471件と、去年より312件多くなっています。クマの生態に詳しい東京農業大学の山崎晃司教授は、クマの出没が多発している理由について、ことしは餌となる木の実が不作で少なくなった地域もあり、クマが食べ物を求めて人里にやってきていること、過疎や高齢化によって、もともと人間が使っていた場所が森に戻りつつあり、クマの生息区域が広がっていることなどを挙げています。そのうえで、クマの出没を防ぐための対策として「人家の周辺に食べ物が豊富にあれば何度でもやってくるので、野菜や果物を早めに収穫するほか、ドッグフードの保管場所などにも注意を払ってほしい」と話しています。さらに「用水路など熊の通路になりそうな場所では、茂っている木を切ったり電気柵を張ったりして、熊が市街地まで移動できる手段を絶つことも重要だ。クマと人の住む場所を明確に分ける取り組みが行政などに求められる」と話していました。

(クマに自宅前で太ももかまれる:山形)
26日午前、山形県川西町で、自宅の前にいた70歳の女性がクマに太ももをかまれ軽いけがをしました。26日午前9時半すぎ山形県川西町時田で、70歳の女性がクマに襲われたと家族から消防に通報がありました。警察によりますと、女性は自宅の玄関前で落ち葉を掃除していたところ、体長1メートルほどのクマに襲われ、左の太ももをかまれたということです。女性は病院で手当てを受けていますが、自力で歩くことができ軽傷だということです。現場は住宅が点在している地域でクマは、女性の住宅の南側に広がるやぶのほうに逃げたということです。警察は地元の猟友会などとパトロールをして、クマの捜索を行っています。山形県内で今月に入ってから起きたクマの人的被害は、これが3件目で警察や猟友会などが注意を呼びかけています。

(柿収穫中にクマ、男性けが:新潟)
新潟県五泉市で70代男性が柿を収穫していたところ、クマに襲われ顔や手にけがをしました。五泉市ではクマによる被害が相次いでいます。警察などによりますと、22日午前10時半ごろ五泉市木越の住宅の敷地内で、柿を採っていた新潟市東区の70代男性が、体長およそ1.1メートルのクマに襲われました。男性は顔や手にけがをし病院に運ばれましたが、意識はあり命に別状はありません。クマは男性を襲った後も敷地内にいたため、猟友会が駆除しました。新潟県内では今年、クマによる被害が相次いでいて、県は柿や栗を早めに採るよう呼び掛けています。新潟県内では22日までにクマにより13人がけがをし、このうち1人が死亡しています。

(クマに襲われ50代男性けが:京都)
24日午前7時50分ごろ、京都府与謝野町温江の民家裏で、住人の農業男性(58)がクマに襲われ、左側頭部に全治1週間のけがを負った。町は捕獲おりを設置し、警戒を呼び掛けている。男性によると、日課のクリ拾いを終えて家に戻ろうとした際、ササ林から体長約1メートルのクマが出没し、走って向かってきた。あおむけに押し倒され顔を引っかかれたという。男性が火箸で顔をたたき返すと、クマは逃げたという。男性は左耳の周り2カ所を計9針縫ったといい「カキを食べに来ているという話は聞いていたが、まさか襲われるとは」と話していた。

(70代男性が畑でクマに襲われけが:新潟)
新潟県上越市によると2020年10月27日午前11時半頃、同市清里区東戸野に住む70代男性が、近所の畑で作業中、体長約1mのクマに襲われた。男性は頭部裂傷のほか、腕や太ももをかまれるけがを負った。男性は現在、県立中央病院で治療中。命に別条はない模様。同市によると、けがを負った男性は自ら車を運転して同区岡嶺新田の清里診療所へ行ったという。出血などがあったため、同診療所から県立中央病院に救急搬送された。同市が男性から聞き取りをしたところ、クマは2頭いたという。現場近くには住宅も多く点在し、同市は上越警察署、猟友会と連携し、周辺をパトロールしているほか、付近に注意を呼びかけている。

(野生イノシシが豚熱感染:群馬)
群馬県は23日、みなかみ町で捕獲された野生イノシシ1頭について、同日の遺伝子検査の結果、豚熱(CSF)感染が確認されたと発表した。県内の感染事例は計62頭となった。

(クマと車の衝突事故相次ぐ:山形)
県内各地でクマの目撃情報が相次いで寄せられていますが、22日夜、新庄市と米沢市で車とクマの衝突事故が相次ぎました。いずれもけが人はいませんでした。22日午後5時すぎ、新庄市鳥越の国道13号線で、仕事から帰宅途中だった50代の男性が運転する乗用車が左側から飛び出してきた体長およそ1メートルのクマと衝突しました。クマは、元の方向に逃げ去り男性にケガはありませんでしたが、車の左前部分のバンパーが壊れたということです。そのおよそ2時間後の午後7時ごろには、米沢市竹井の市道で勤務先に行く途中だった40代の男性が運転する軽乗用車が左側から飛び出してきた体長およそ1.5メートルのクマと衝突しました。男性と同乗していた30代の同僚の女性にケガはありませんでしたが、車両前方のバンパーなどが壊れました。ぶつかったクマは一緒にいた子グマ2頭ととともに道路を横断してそのまま逃げたということです。警察は警戒するとともに、付近の住民に注意するよう呼びかけています。

(中心部にクマ、民家庭で捕獲:石川)
23日深夜から24日午後にかけて、小松市中心部にクマ1頭が出没し、住民の目撃情報が相次いだ。市と小松署、猟友会が捜索を進め、同日午後6時54分ごろ、同市松任町の民家の庭で捕獲した。けが人はいなかった。市は近隣住民に外出しないよう呼び掛け、芦城公園を立ち入り禁止にするなどし、週末の街中は終日騒然とした。市によると、23日午後10時13分ごろ、松任町の2カ所の交差点付近で、相次いでクマが目撃された。24日午前0時半ごろには、巡回中の市職員が丸内中北側の来生寺(らいしょうじ)の前でふんを見つけた。小松署や市消防本部、猟友会が24日早朝から、ドローンも使って周辺を捜索する中、午後0時半ごろ、松任町に隣接する新町の民家庭にクマが出没。市職員や署員が周辺を調べたところ、同3時43分ごろ、松任町の民家の庭に潜んでいるのを確認した。現場は規制線が張られ、盾を手にした署員が警戒に当たり、物々しい雰囲気に包まれた。午後6時ごろ、石川県白山自然保護センター職員が麻酔銃を2発命中させ、動かなくなったのを確認した上でおりに収容した。クマは体長約1メートルの成獣の雌で、今後については未定。現場は住宅や商店が密集する旧市街地の北部で、市役所や小松高が近接する。土曜のこの日、小松高は3年生の模試や部活を実施しており、保護者の迎えを求めた。近くのアル・プラザ小松は搬入口のシャッターを小まめに閉め、入り口でラジオを流すなどの対策を講じた。市は早朝から対策会議を開き、芦城公園をはじめ周辺の公園を立ち入り禁止とした。防災行政無線で外出を控えるよう繰り返し呼び掛けた。

(託児所敷地にイノシシ侵入、4時間半後に駆除:茨城)
25日午前11時ごろ、土浦市中神立町の託児所敷地内にイノシシが侵入し、約4時間半後、猟友会員らが長さ約1メートルの電気やりでイノシシを駆除した。土浦署によると、目撃者が「イノシシが敷地に入ってきた」と110番通報。駆け付けた署員がイノシシを発見した。イノシシはいったん姿を消し、同署は県猟友会土浦支部に協力を要請。同日午後3時ごろ、約10人の警察官が取り囲み、同3時半ごろ、駆除に至った。同署によると、イノシシは体長約70センチの雄で、生まれて数年程度とみられるという。当時、託児所は子どもを預かっていたが、けが人などはいなかった。

(クマ出没でJR北陸線見合わせ:福井)
23日、JR北陸本線は敦賀駅付近でクマが出没した影響で、敦賀駅と新疋田駅の間の上り線で運転を見合わせています。

(小学校グラウンド、イノシシ被害:山形)
南陽市の山あいに近い小学校2校のグラウンドで、土が掘り返されるなど、イノシシによる被害が確認された。遭遇した子どもたちが危害を受ける可能性もあり、学校では防護ネットの設置などの対策を講じている。山間部にある荻小(児童数13人)で19日朝、グラウンドの一角が重機で掘り返したように荒れているのが見つかった。地面は足を取られるほどでこぼこで、遊具にも近づけない状態。佐野浩士教頭は「これでは子どもたちを外で遊ばせられない」と話す。地元猟友会によると、イノシシは土中のミミズなどの虫を食べるため掘り起こしたとみられる。草刈りや爆竹を鳴らすといった対策をしていたというが、19日にはグラウンドの山際に防護ネットを設置した。その後は被害がないという。佐野教頭は「大自然に囲まれた学習環境は荻小の魅力。外の活動を再開できるよう整備を急ぐ」と話す。一方、山の麓にあり住宅地にも近い漆山小(同74人)のグラウンドではことし7月、児童が体長約30センチのイノシシ2頭を目撃した。教員が現場を確認したところ、グラウンドの周囲を掘った跡があり、地域住民も含めて注意を促した。イノシシの生態に詳しい山形大農学部の江成広斗准教授は「学校への被害は個体数の増加が原因。イノシシは今後も増え続け、対策が必要だ」と指摘し、「イノシシは人を恐れるため、グラウンドを使うことが被害防止にもつながる」とする。除草の徹底や餌となる野菜クズや残飯の処理なども呼び掛けている。

(クマの目撃情報、25日だけで15件:新潟)
新潟県内ではクマの目撃情報が25日だけで15件に上り、このうち村上市では国道で車とクマが衝突しました。けが人はいませんでした。新潟県内で警察などに寄せられたクマの目撃情報は、25日だけで▽五泉市で4件、▽阿賀町で4件、▽村上市と南魚沼市でそれぞれ2件、▽長岡市、上越市、三条市でそれぞれ1件と、合わせて15件に上っています。このうち、村上市では午前8時半前、国道345号線で車とクマが衝突しました。けが人はいませんでした。新潟県は引き続き、「クマ出没特別警報」を出して、クマの出没が確認された場所には近づかず、山に入る際には音の鳴るものを持ち歩くなど厳重な警戒を呼びかけています。

(託児所敷地にイノシシ:茨城)
25日午前11時ごろ、茨城県土浦市中神立町の託児所敷地内にイノシシ1頭がいるのをパトロール中の県警土浦署員が見つけた。署員が地元猟友会と連携して約4時間半後、電気やりを用いて捕獲した。託児所にいた子供数人は避難し、けが人はいなかった。署によると、イノシシは体長約70センチの雄で、複数の目撃情報を受けて署員が付近をパトロールしていた。現場はJR神立駅の南西約1キロの住宅街。

(イノシシがコンクリ舗装はがす:長崎)
長崎県対馬市中部の美津島町緒方(おかた)にある明治時代の戦争遺構「姫神山砲台跡」(市指定文化財)の砲床跡が、イノシシによる掘削被害に遭ったことが25日分かった。市教委文化財課は「地中のミミズを食べようと掘ったのだろうが、コンクリート舗装部に達した被害は初めて。土の状態から、この数日のうちに掘ったのではないか」としている。同課によると姫神山砲台跡は旧日本陸軍が対馬海峡を望む姫神山(標高172メートル)山頂に築いた砲台跡で、1901年に完成。日露戦争が始まった04年、三つの砲座にそれぞれ2砲床(計6門)の28センチりゅう弾砲を整備。太平洋戦争が終わる45年までに廃止された。被害を受けたのは中央部にある第二砲座跡の周辺。3カ所のコンクリート舗装がはがされ、最も被害の大きな箇所は直径約3メートル、深さ約50センチにわたっており、円形の砲床跡も一部崩れていた。同日、砲台跡管理のため訪れた同課の担当者は「多くの観光客が訪れる場所であり被害状況を確認後、埋め戻し安全を確保したい」と話した。

(イノシシと「衝突」、オートバイの男性重傷:福島)
25日午前2時5分ごろ、白河市の国道294号で、茨城県東海村、アルバイト、男性(70)運転のオートバイがイノシシと衝突した。男性は転倒し、胸や腰の骨を折る重傷を負った。白河署によると、男性は同市から天栄村方面に向かっていた。

(クリ食害、クマか:秋田)
25日午前8時ごろ、秋田県由利本荘市鳥海町上笹子字皿川の民家で、庭のクリが食い荒らされているのを住人の70代男性が発見した。

(バスとクマが衝突:石川)
26日、石川県加賀市でバスとクマが衝突する事故がありました。けが人はいませんでしたが、クマは衝突の衝撃で死にました。きのう午後6時50分ごろ、加賀市永井町の片山津ゴルフ倶楽部から国道305号に向かう道路で、走行中のバスとクマが衝突しクマは死にました。市によりますと、死んだクマは体長約80センチの子グマとみられます。衝突したバスには運転手のほかに乗客はおらず、けが人はいませんでした。また午後7時ごろには、加賀市小塩町でも付近の住民からクマ1頭の目撃情報がありました。警察が周辺を捜索しましたが、クマは見つかっていません。目撃情報があった場所は海に近い橋立小学校・橋立中学校周辺で、学校では教職員らが登下校の時間に合わせて見守りを行うなど、クマへの警戒を強めています。

(クマ、民家で天日干しのクリ食べる:秋田)
26日午後2時20分ごろ、秋田県由利本荘市鳥海町上笹子字中村の民家で、クマが敷地内に天日干ししていたクリを食べているのを住人の30代男性が発見した。男性は屋内におり、けがはなかった。

(クマ、大型トラックにはねられ死ぬ:福島)
25日午前11時5分頃、福島市松川町の東北道下りで、宮城県の50歳代の会社員男性が運転する大型トラックがクマをはねた。福島県警高速隊によると、現場は見通しの良い片側2車線の直線。男性にけがはなかった。クマは体長約1メートルで、道を横断しようとしていたとみられ、中央分離帯付近で死んでいるのが見つかった。

(井川寛之“下克上”V:神奈川)
<クレー射撃:全日本選手権>◇最終日◇25日◇神奈川・伊勢原射撃場◇スキート 東京オリンピック(五輪)クレー射撃男子スキート代表の井川寛之(32=モダンビル管理)が優勝した。上位6人で争われるファイナルには125発中、命中114発の6番手での進出だった。その滑り込んだファイナルで抜群の勝負強さが見せ、“下克上”で頂点に立った。「すごくうれしいです」と振り返った。井川は昨年11月のアジア選手権で日本勢最上位に入り、開催国枠で五輪に初出場を決めていた。

(“神職スナイパー”石原奈央子14位:神奈川)
<クレー射撃:全日本選手権>◇最終日◇25日◇神奈川・伊勢原射撃場◇スキート 東京オリンピック(五輪)クレー射撃女子スキート代表の“神職スナイパー”石原奈央子(46=古峯神社)は14位に終わった。2日間合計で計125発中、的中は107発。「立て直せなかった。難しい射撃道でした」。男子選手も混じった戦いとはいえ、初日の13位スタートから巻き返せず、ガックリだった。実家である栃木・古峯神社は約1300年の歴史を誇り、日本庭園を有する広大な敷地には射撃場もある。そこで練習しながら、「権禰宜(ごんねぎ)」として、神社敷地内の清掃などを行う。父敬士さん(77)は、第84代の宮司であり、悲運の経歴を持つ元クレー射撃選手だった。68年メキシコ大会、80年モスクワ大会と2度の五輪の切符をつかんでいたが、それぞれ競技団体の不祥事、日本選手団のボイコットにより、出場は幻となった。そんな他の人にはない背景を持つスナイパーだが、自身もスゴイ。純心女子学園高までは女子サッカーに打ち込み、FWとして都リーグの最優秀選手に輝いた実績も持つ。国学院大を卒業後は、英国へ語学留学。クレー射撃を始めたのは32歳と遅かったが、16年リオデジャネイロ五輪にスキートの日本人女子としては、史上初となる五輪出場を果たしている。昨年11月のアジア選手権(ドーハ)で日本勢最上位となり、開催国枠で2大会連続の五輪を決めた。大会は1年延期となったが、父からは「練習する時間が増えたのだから、前向きにやりなさい」と言われたという。また五輪後は、神社を継ぐようにも促されている。「将来的には宮司になれたらいい。ダメと言われるかもしれないですけど」と笑う。現在は競技生活に重点を置いているが、五輪の後は神社の仕事を増やす意向だ。だから、東京五輪は集大成の舞台だ。「1枚でも多くのクレーを割り続ける。おのずと結果は出ると思います」。地道な努力を積み重ねて、勝負の御利益を引き寄せる。クレー射撃スキート 2箇所の装置から1枚あるいは2枚同時に噴出されるクレー(約直径11センチ)を撃つ。決められた8箇所を移動しながら、標的となるクレーを撃ち抜いた合計得点を競う。1920年ごろに米国で猟の練習用として考案された。

(クマ出没、5年で最多)
全国でクマによる人への被害が相次いでいることを受け、政府は26日、環境、警察、農林水産など関係省庁による課長級の連絡会議を開いた。会議では今年の4~9月のクマ出没件数が1万3670件と過去5年で最も多かったことが報告された。通報を受けて即座に対応できるよう、自治体に対し、あらかじめ地元の警察や猟友会などと連携体制を整備するよう求める方針を決めた。連絡会議はこれまで担当者レベルで毎年開催してきたが、クマ被害が深刻化しているため、今回は課長級に格上げした。この日は4~9月の人身被害が暫定値で80件(86人)だったことも報告された。近年、冬眠前の秋を中心に、クマが野山から市街地に侵入し、住民などを襲う被害が頻発。餌となるドングリの不作が主な原因とされ、クマが人に慣れてきたことから、生息地域自体も年々広がりつつある。しかし、住民からの通報があっても、猟友会への連絡に時間がかかるなど、出動に手間取るケースもあり、対応が急務となっていた。

(クマ出没、4~9月は5年間で最多の1万3670件)
環境省は26日、今年4~9月のクマの出没件数は1万3670件で、2016年以降の5年間で最多となっていることを明らかにした。9月末時点で86人が被害に遭っているという。各地で人がクマに襲われる事例が相次いでいることを受け、この日、開かれた省庁連絡会議で公表した。例年、クマの出没のピークは冬眠から覚める5~6月だが、今年は8~9月も件数が増えているという。出没件数を公表していない北海道と、2012年に野生のツキノワグマが絶滅したと断定された九州、クマが生息していない沖縄は統計に含まれていない。9月末までの人的被害は岩手県が23人と最多で、秋田県と長野県が各7人で続いた。農作業中に襲われるケースが目立っている。10月に入ってからは、新潟県と秋田県で死者も出ている。環境省は今年、クマの出没が多い理由について、餌となるドングリが2年連続の凶作傾向で、餌を求めたクマが農作物などを目当てに人里へ近づいていると分析している。同省は都道府県に対し、▽クマの出没時の連絡・情報共有態勢の整備▽放置農作物や生ゴミの撤去などを求める。会議に参加した農林水産省と林野庁、警察庁も都道府県の所管部署へ通知を出して注意喚起を図る。環境省の担当者は「迅速に意思疎通ができるよう、各省庁で連携していきたい」と話している。

(クマの生息分布エリア、近年拡大)
クマの被害防止に向けた関係省庁連絡会議で、環境省は26日、クマの出没数が本年度増加していることの背景として、生息分布エリアが近年、各地で山間部から平野部や海沿いにまで拡大しているとの見方を示した。クマがいない九州・沖縄地方を除いた各地で2010~17年度に実施した環境省の調査では、人里近い平野部や海沿い、都市部などで広くクマの生息が確認された。00~03年度の調査では山間部に集中していたことから、この調査期間以降、生息域が広がっていったと分析。過疎化などで里山が荒廃し、クマが人里に近づくハードルが低くなったことが状況を加速させているとの考えも示した。

(相次ぐクマ被害)
全国各地で相次ぐクマの出没。ここ数年は山間部だけでなく市街地でも目立つようになった。過疎化や高齢化で中山間地域の人口が減るなどしてクマの生息域は拡大が進んでおり、特に今年はドングリが不作だった地域のクマが、餌を求めて市街地に遠征していると考えられる。専門家は「東北や東日本では、茨城や千葉を除き、平地周辺の森にはクマがいると考えた方がよい。市街地での遭遇はどこで起きてもおかしくない」と警戒を呼び掛ける。クマとの共存に向け、調査活動などを行うNGO「日本クマネットワーク」の副代表で東京農工大の小池伸介准教授によると、クマの大量出没は平成10年代から数年おきに各地で発生。特に市街地では、ここ10年ほどで繰り返し確認されるようになった。26年に同団体が発表した報告書は、目撃・痕跡情報などから、多くの地域でクマの生息域が拡大していると指摘。生息域は東京都内でも関東平野を境にした高尾山周辺まで東に及んでいるという。クマは秋にドングリ(ブナ、ミズナラなどの実)を食べて冬眠に入るが、ドングリの豊凶は年によって異なり、不作の場合は餌を求めて行動範囲を広げる。小池准教授によると、クマは単独行動で、過去に人が暮らす地域で柿や栗、生ごみなどを手に入れた「成功体験」があると、味を占めて再びやってくる可能性があるという。ただ、クマは臆病な性格で、本来は人里に向かうことを好まない。十分な餌を補給できない場合は早めに冬眠に入るといい、小池准教授は、山際や庭に自生する柿などの実を取り払い、クマを引き寄せてしまう食べ物自体をなくしてしまうことが有効な対策だと指摘する。また、クマは藪(やぶ)や河原に沿って山から市街地に入ってくることが多い。過去の目撃情報などから通行ルートを確認し、樹木の伐採などで見通しをよくしてクマ自身に警戒感を抱かせることも重要だという。小池准教授は「クマが市街地の近くまで生息域を拡大し、人と隣接した状態になっている。現れたクマを駆除するのは対症療法で、人が暮らす場所にクマを入れない対策を取る必要がある」と強調した。

(クマ出没多発、エサ凶作原因か)
クマの出没や人的被害が止まらない。環境省によると、4~9月の出没は全国で1万3千件に上り、過去5年で最多となった。国は26日、クマ対策で初となる関係省庁の連絡会議を開いたが、山形県では同日、高齢女性が襲われた。背景にはエサ不足があるとみられるほか、人口減少などの問題を指摘する声もある。環境省によると、4~9月のクマの出没件数は1万3670件で、直近5年間の同時期で最も多い。例年は7~8月ごろから減るが、今年は8月になっても増加が続いた。人的被害も9月までで86人に上った。目立つのが、住宅地や商業地など「人の生活圏」での出没だ。山形県川西町では26日午前9時半ごろ、住宅の庭で落ち葉の掃除をしていた女性(70)がクマに襲われ、軽傷を負った。県警米沢署によると、クマは体長約1メートルで、女性を襲った後にやぶに逃げた。JR加賀温泉駅前の商業施設「アビオシティ加賀」(石川県加賀市)に19日に侵入したクマは、約13時間後に射殺された。秋田県藤里町でも7日、80代の女性が襲われ、1週間後に死亡した。町役場から約200メートルの住宅地で、県によると住宅地でクマに襲われた死亡例は初めてという。人里に姿を見せる原因の一つがエサの凶作だ。環境省の担当者は「エサの実の生育状況とクマの出没は連動している」と話す。クマが好んで食べるブナは今年、環境省に結実状況を報告した23都道府県のうち17道府県が凶作だった。東京農業大の山崎晃司教授(動物生態学)は「エサ不足だけでなく、複合的要因の可能性がある」と指摘し、人口減少の影響に注目する。農林業センサスによると、1990年に約14万だった農業集落数は2015年までの25年間で1800以上減った。山崎教授は「高齢化や過疎化で人里の人口が減り、クマの分布が広がってきた」と分析する。実際にクマの生息域は広がっている。環境省によると、5キロメッシュ単位でクマの目撃情報があったメッシュ数は、03年度の6735から18年度は9358と39%増えた。生息していないとされてきた大阪府などでも近年、目撃情報が増えている。一方、クマを駆除する狩猟者は減っている。環境省によると、16年の狩猟免許所持者数は約20万人で、1975年の半分以下に落ち込んだ。60歳以上が6割超を占め、高齢化も深刻だ。国は26日の関係省庁連絡会議で、環境省、警察庁、農林水産省、林野庁の担当課が被害情報を共有し、自治体への注意喚起や出没時の連絡体制の整備などで連携することを確認。専門家の意見を踏まえ、自治体職員向けの「対応マニュアル」も修正する予定だ。自治体も対応を急ぐ。ツキノワグマを絶滅寸前種に指定して狩猟を禁じてきた京都府は、保護政策を見直す方向で検討を始めた。秋田県はクマとの共生を探り、道路脇のやぶを刈って見通しを良くした「緩衝地帯」を20年度末までに計325ヘクタール設ける。県森林整備課の担当者は「人とクマがばったり出合うことなく、うまいことすみ分けられれば」と話す。近畿大の沢畠拓夫准教授(動物生態学)は「人を恐れず、人里を採餌場とするクマが増えている」と、クマが人間社会に依存し始めていることを問題視する。「山の中に果樹を植えるなどして、クマに山に帰ってもらう方法も考えるべきだ」と話している。国内には北海道に生息するヒグマと、本州で多く出没するツキノワグマがいる。冬眠に備える秋は食欲が増し、エサを求めて行動が活発になる。今秋は民家付近だけでなく、紅葉スポットや温泉地などでクマに襲われるケースも確認されている。環境省によると、ヒグマは大きい個体で体長が2メートル以上、ツキノワグマは1メートル以上に達する。朝や夕暮れを中心に行動するとされ、基本的に臆病な性格ながら、ヒトの食べ物の味を覚えると執着するといった性質も持つ。NPO法人、日本ツキノワグマ研究所(広島県)は、クマを生活圏に引き寄せない対策として、柿や栗などは実ったまま放置せず、残飯を入れたコンポスト容器も庭先に置かないことなどを挙げる。遭遇時は冷静に行動するのが第一だ。クマと20メートル以上距離がある際は、背中を見せず後ずさりをして離れる方法などがあるという。米田一彦理事長は「攻撃された場合は、首などを守る防御姿勢を取るのが望ましい。目や鼻に吹きかける撃退スプレーがあれば有効な手段になる」と話す。

(渡嘉敷島で繁殖の野生イノシシを捕獲へ:沖縄)
県環境部による「慶良間諸島における外来イノシシ対策事業について」の住民説明会が13日、村中央公民館で村住民ら多数が出席して開かれた。現在、県環境部では、慶良間諸島に生息する外来イノシシ対策を行っており、2020年度の事業では、渡嘉敷村での捕獲作業を11月3日~11月末に実施する予定。説明会で同部自然保護課担当職員は、渡嘉敷村で2003年ごろからイノシシが野生化して繁殖し、海を渡り座間味島、慶留間島などでも農作物などへの被害が相次いでいると説明。それ以外にも島の貴重な生物への生態系へ影響が懸念されることから野生イノシシの根絶、生態系保存対策などについて話した。引き続き、県環境科学センター担当職員が、わなによるイノシシの捕獲方法(囲いわな、箱わな、くくりわな)、銃による発砲駆除などを説明した。また、捕獲にあたり住民や観光客への注意喚起や安全対策などを呼び掛けた。住民の吉川義勝さん(81)は「島の貴重な自然、植物、生物などを守るためにもぜひ野生イノシシの根絶を図ってほしい」と要望した。

(奈良のシカ、公園離れ山里へ:奈良)
奈良公園(奈良市)周辺にいるシカの頭数が、新型コロナウイルスの感染拡大による観光客の減少で一時、年初より3~4割減少していたことが専門家の調査で分かった。餌の鹿せんべいを与えていたインバウンド(訪日外国人)の激減が一因とみられる。観光地としての魅力の低下のほか、餌を求めて周辺に移動したシカによる農業被害なども懸念されている。

(クマの捕獲数上限見直しも:石川)
石川県内でクマによる被害が相次いでいることを受けて、石川県の谷本知事は、現在、県の管理計画で定められている年間の捕獲数の上限について今後、見直す場合もあるという認識を示しました。石川県はツキノワグマの「管理計画」の中で県内のクマの個体の数を目撃件数や捕獲数などから1052頭と推定した上で、捕獲数については生態系への影響がない推定個体数の12%=126頭を上限としています。一方、クマの出没が各地で相次いでいることしは、10月16日までに統計を取り始めた平成17年以降で最多となる78頭をすでに捕獲しています。谷本知事は、23日金沢市内で取材に答え、クマによる被害を抑えるため、捕獲や駆除をさらに積極的に進めていく方針を示しました。そのうえで、「捕獲数が上限に迫れば、計画の見直しを検討する必要がある」と述べ、今後、状況に応じて県の管理計画を見直し、捕獲数の上限を引き上げる場合があるという考えを示しました。

(鳥獣被害7年ぶり増、4億2000万円:宮崎)
シカやイノシシなど野生鳥獣による県内農林作物の2019年度の被害額は、4億2562万円と前年度比で23%増え、7年ぶりに増加に転じたことが県のまとめで分かった。作物別被害では果樹が前年度の2・2倍に膨らみ、全体を押し上げた。これまで目立たなかったヒヨドリによる食害の影響が大きいとみられ、農家からは「生産意欲がそがれる」「行政による対策費の助成拡大も必要」などの声が上がっている。

(イノシシ被害が続く町、豪雨被害影響も:広島)
実りの秋に収穫前の田んぼを襲ったのは、イノシシ。豪雨災害からの復旧とイノシシの被害に苦しむ農家を取材しました。この地区で農業を営む寺垣内沂登(てらがうちさかと)さん。仲間の田んぼが収穫間際、イノシシの被害にあいました。呉市安浦町は2年前の豪雨災害で被害を受けました。今も用水路には土砂がたまり、田んぼも水はけが悪くなっています。イノシシやシカから農地を守る柵にも被害も出ました。行政は壊れた柵を復旧する費用の一部を補助するなど支援しています。寺垣内さんはシカを防ぐこともできる高さ約2mの柵を、3件の農家で協力し470mにわたって設置しました。実は広島県のイノシシによる農作物被害は全国2位。去年も約3億5千万円の被害が出ました。猟友会で調査員をしている助永さんは被害にあった農家へのアドバイスやわなにかかった有害動物を処分しています。高齢化などで耕作地を放棄してしまうこともイノシシの被害が増える原因になっているといいます。呉市が普及を進めているわなはICTを活用し自宅にいながら罠を閉じることができるので見回り回数を減らすことが可能です。

(ツキノワグマ目撃、昨年に比べ少なく323件:兵庫)
兵庫県内でも但馬や丹波地域などを中心に、クマの目撃や痕跡が確認されている。県森林動物研究センター(丹波市)のまとめでは、今年4~9月の半年間で県内のツキノワグマの目撃・痕跡件数は323件で、昨年同期に比べて兵庫は116件少なかった。県内の目撃・痕跡件数を地域別にみると、但馬が最多で192件と全体の約6割を占める。次いで西播、中播が47件、丹波が28件などと続く。神戸と東播は0件だった。同センターは被害対策として、クマは冬眠前の時期に夕方から朝にかけて餌を求めて行動が活発になり、外出に注意が必要とする。またホームページなどで、クマと遭遇しないための対策などを紹介。山林に行くときは鈴やラジオなど音の出るものを携行する▽ごみを野外に置かない-などと呼び掛けている。

(クマの出没件数が過去最多:福井)
福井県内でツキノワグマの出没が多発し、人身被害も出ている。県によると、4~9月の出没件数は過去最多で、今年は平野部への大胆な出没例もある。木の実の不作が原因とみられ、県は12月ごろまで出没する恐れがあるとして、庭木を伐採するなどの対策、警戒を呼びかけている。23日午前8時半ごろ、敦賀市の北陸新幹線の工事現場付近に、体長約1メートルの成獣のクマ1頭が出没。JR西日本の50代男性社員が耳や肩などをひっかかれ、約10分後、別会社の40代男性作業員が足を骨折するなどの重傷を負った。クマは約2時間半後、猟友会によって駆除された。近くには住宅街があり、市の担当者は「市内で人出が多い平野部に出没するのはあまりない」という。9月30日には、勝山市の民家の庭に体長約1・2メートルの成獣1頭が出没。庭作業中の70代男性が襲われ、顔や腕に軽傷を負った。庭には柿の木があり、ふんも大量にあったことから、数日にわたって柿を食べに来ていたとみられる。県によると、今年度は越前市、小浜市、大野市で各1件、南越前町と敦賀市で各2件、勝山市で3件の計10件の人身被害が起きている。今年度の出没件数は772件(10月19日時点)。4~9月の出没件数は517件で、統計を始めた2004年度以降で最多だった昨年度の391件を大幅に超えた。大量出没の原因として、主要なエサとなる木の実の不作が考えられるという。ミズナラやコナラは不作で、ブナは凶作。数年に1度、不作が重なる「裏の年」があり、今年はそれに当たった。昨年も同様で、2年連続で裏の年になるのは、県が豊凶調査を始めた05年以降で初めてという。今年の不作は深刻で、クマはエサを求めて長距離移動するようになった。福井市大和田の商業地付近や、坂井市の文化施設「ハートピア春江」の近くなど、平野部での出没も相次いでいるのが特徴という。庭木の柿などの果実に誘われる事例が多く、県は果実の収穫や木の伐採などを呼びかけている。冬眠に入る12月ごろまでは注意が必要で、県の担当者は「例年以上に人身被害に警戒してほしい」と話す。各自治体も、パトロールや注意喚起のチラシ配布など対応にあたる。勝山市では、柿の木の伐採を業者に委託するなどの費用として、個人に上限2万円、地区には上限5万円を補助。市役所の駐車場には、柿の実を捨てられる回収車も常駐している。広島県廿日市市の「日本ツキノワグマ研究所」の米田(まいた)一彦理事長(72)によると、今年は東北から北陸の日本海側の地域で出没が増えているという。4~6月ごろにコロナ禍で人や車の往来が減り、クマが市街地まで出てきやすかった。行動範囲を広げたクマが、引き続き市街地に現れる可能性がある。長野県では、コロナ禍で人気が高まっているキャンプ地で遭遇した例もあるという。平野部は隠れ場所がないため、緊張状態にあるクマは人を襲いやすくなる。朝夕の散歩を控え、外出時には鈴やラジオを携帯することが重要だ。遭遇してしまった場合は、クマに見られている間は動かず、そっぽを向いた隙に電柱などに隠れると良いという。米田理事長は、近年は過疎化で里山が減り、人とクマの生息域は近くなったと指摘。「大量出没は珍しいことではなくなるだろう。今年を特別とするのではなく、常に注意する心持ちでいるべきだ」と警鐘を鳴らしている。

(各地でクマ出没被害続発、県内では食害増加:青森)
この秋、東北や北陸など各地でクマが出没し、中には住宅街で人が襲われる被害も発生している。青森県内での今年の人身被害はこれまで4件で、昨年の同じ時期より1件少ないが、ブドウやリンゴなど農作物への食害は昨年より増えている。県や専門家は、入山や畑仕事の際は出没情報に注意し、万が一のために撃退スプレーを携帯するよう呼びかけている。青森県むつ市川内町のワイン醸造会社「サンマモルワイナリー」は「下北ワイン」で知られる。同社から約2キロの丘陵に広がる約11ヘクタールのワイン用ブドウ畑は、数年前からクマによるものとみられる食害を受けてきた。今年も9月2日、畑の北端、山林に接している場所で最初の食害を確認。畑を管理する同社のグループ会社「エムケイヴィンヤード」の築舘文徳・圃場(ほじょう)管理部長は「主犯」を突き止めようと、カメラをつけてみることにした。5日、動体感知型の監視カメラを食害のあった畑の近くに設置すると、その日の深夜から6日未明にかけて、カメラはクマの姿を捉えていた。映像には両目を光らせたクマが後ろ脚で立ち、畑の外周を覆う動物よけネットを押し下げるようにして乗り越える様子が録画されていた。山林との境のフェンスの木製支柱を、ずうずうしいほど悠然と上ったり下りたりする姿もくっきりと映っていた。その後も連日、カメラはクマの姿をとらえた。狙われたのは白ワイン用の匂いの強い品種だけ。10月に入ってその品種の収穫が終わると、隣接する赤ワイン用のブドウが被害を受け始めたという。被害は約5千房(約400キロ)、金額にすると数十万円に及ぶ。一定の時間をおいて大きな音を出す爆音機や、動きを感知すると音や赤色光を発する防犯センサーなども設置しているが、「一瞬、音にびびったような様子が(カメラに)映っていたんだけど、2日ぐらいですぐ慣れて全然気にしなくなった」と築舘部長は話す。「やはり人的被害が一番怖い」という築舘部長は、社員やパートの人たちに、「一人だけで畑作業をしないように」と呼びかけている。県によると、今年のクマの出没件数は10月22日時点で414件。前年同時期を5件上回っている。目撃件数は338件と42件減っているが、食害は72件で、前年同時期より48件増加している。人身被害は前年同期より1件少ない4件。5月に弘前市、7月は田子町でいずれも山菜採りの男性が顔や腕をクマに引っかかれるなどのけがをした。8月は2件で、いずれも弘前市のリンゴ園で作業中だった男性が顔や手にけがをしている。今年の出没件数を市町村別でみると、10月5日時点でむつ市が104件で最も多い。八戸市は昨年1年間で14件だったが、今年は10月5日時点で56件と大幅に増えている。県自然保護課は「八戸市での増加の原因は明確にはわからないが、クマの行動範囲が年々広がっているとみられる」としている。昨年1年間で出没が94件あった深浦町は、10月5日時点で28件と少ない。同町大間越地区では昨秋、住宅地近くのクリやクルミの木に登るクマが頻繁に目撃され、9月に自宅のすぐそばで70代の男性がクマに襲われ、顔などに大けがをした。同じ地区の小さな畑でイモなどを育てている女性(93)は「今年はまだクマを見ていないけど、毎日のように畑に行くので、やっぱり怖い」と話す。NPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田一彦理事長(72)は十和田市出身。秋田県自然保護課などで勤務し、退職後に同研究所を設立してクマの研究を続けている。米田理事長は、青森県で秋の食害が増えていることについて、「東北の他県や北陸なども同じだが、食害が目立つのは単純に山にクマのエサとなるドングリなどが少ないから」と話す。エサ不足になると山の奥にいる大きなオスが少し下りてくる。すると母グマや若いクマも人里近いところに出てくるという。米田理事長は「里山がかつてのように管理が行き届かず、人がいなくなり、クマが活動できる範囲が広がっている。そこで繁殖していくのだから、個体数は増えてしまう」とも話す。米田理事長は「エサ不足で食本能に目覚めているクマはとても危険で、人間への重大な事故がおこりかねない」と注意を呼びかける。山に入ったり、山林近くで農作業をしたりする時は「クマ用の撃退スプレーを持参してほしい。(遭遇した直後の)5秒、10秒が大切。ひと吹き目が勝負」と話している。

(1日平均75件、相次ぐクマ出現は「コロナが原因」って本当)
毎日どこかの街にクマが出没している。全国で相次ぐクマ被害を受け、環境省、農水省、林野庁、警察庁は26日、連絡会議を開いた。今年4~9月の出没数は、過去5年で最も多い1万3670件。平均すると、1日に約75件も目撃されていることになる。会議があった26日朝にも、山形県の女性(70)が襲われた。落ち葉の掃除をしている際、太ももをかまれてしまった。なぜ、1万件以上も目撃されるのか。「コロナが原因」といった報道もある。外出自粛や休校で街から人が減ったため、クマは人を恐れず街へ出てくるというのだ。環境省は、「食糧の不作や、過疎化で手入れされていない田畑が増えたことが主な理由とみられます。コロナが一因という可能性もありますが、詳細は分かりません」(野生生物課)と話した。一方、クマの専門家として秋田県自然保護課に採用された近藤麻実氏はこう話す。なぜ、1万件以上も目撃されるのか。「コロナが原因」といった報道もある。外出自粛や休校で街から人が減ったため、クマは人を恐れず街へ出てくるというのだ。環境省は、「食糧の不作や、過疎化で手入れされていない田畑が増えたことが主な理由とみられます。コロナが一因という可能性もありますが、詳細は分かりません」(野生生物課)と話した。一方、クマの専門家として秋田県自然保護課に採用された近藤麻実氏はこう話す。

(クマ目撃、過去10年で最多:山形)
今年の県内のクマの目撃件数は608件(10月21日現在)に上り、過去10年で最多となっている。26日には川西町で女性が襲われてけがを負ったほか、鶴岡市の住宅地に出没するなど、冬眠を前に活動が活発化しており、注意が必要だ。県みどり自然課によると、2010年以降のクマの目撃件数は概ね年間200~400件前後で推移。2016年の575件が最多だったが、今年は既にこの数値を超えた。20年を月別でみると、6~9月は100近い件数だったが、10月は突出して多く、179件(21日現在)に上っている。今月に入って急増した背景について同課は、今年は餌となるブナの結実が「大凶作」と見込まれることから、「冬眠に向け、人里まで餌を探しに出て来ている可能性がある」としている。

(熊目撃63件、昨年の倍に:長野)
安曇野市内で今年、昨年の倍近い熊の目撃情報が市役所などに寄せられている。場所は穂高地域の西山山麓周辺がほとんどで、市は「外出する際はクマ鈴やラジオなど音の鳴る物を携帯し、熊に人間の存在を伝えてほしい」と注意を呼び掛けている。

(中心部に再びクマ:石川)
25日夜、小松市中心部の大川町でクマの目撃情報があり、26日午前7時10分ごろ、近くの丸内中敷地内でふんが見つかった。付近に潜んでいるとみられ、市と小松署、猟友会が捜索している。周辺では2日前に成獣1頭が捕獲されたばかりで、相次ぐ出没に住民の恐怖感が高まっている。地元の小中学校は一時、登校を見合わせ、芦城公園は再び立ち入り禁止を余儀なくされた。市によると、25日午後8時25分ごろ、小松市大川町1丁目のアパートで、帰宅した女性が「クマらしき動物を目撃した」と小松署に通報した。女性が玄関ドアを開けた際、背後で物音がしたため振り返ると、黒いクマのような動物が横切るのが見えたという。市と市消防本部、小松署、猟友会は26日午前6時から、大川町1丁目をパトロールし、午前7時10分ごろ、丸内中の生徒玄関前の芝生広場にふんが落ちているのを市職員が見つけた。ふんは柿の実が混ざった新しい状態で、24日に捕獲された成獣とは別の個体のものとみられる。現場は旧市街地の北部で、24日夜に成獣1頭が捕獲された同市松任町の北約580メートル。ふんが見つかったことを受け、丸内中と稚松小は登校を一時見合わせ、市職員や消防署員が見守る中、児童生徒は午前10時から足早に学校へ向かった。小松高は保護者に送迎を呼び掛け、通常通り登校した。市消防本部は丸内中の運動場でドローンを飛ばし、上空からクマの居場所を捜した。市は24日に続いて芦城公園を閉鎖し、周辺の公共施設は自動ドアを手動に切り替えた。市役所本庁舎は入り口を一部閉鎖し、正面玄関には職員を配置した。丸内中は午後3時半に生徒を下校させ、複数人で帰宅するよう指導する。廣瀬眞樹校長は「また街中で出るとは思ってもみなかった。細心の注意を払い、安全第一で対応したい」と緊張感を漂わせた。稚松小も町内会ごとに集団下校し、教職員が引率する。市は防災行政無線でクマのふんが見つかったことを知らせ、家の周囲に潜んでいる可能性があるとして注意を呼び掛けた。同市大川町3丁目の会社員落合亮介さん(27)は「心配した友人から連絡が絶えずきている。早く見つかってほしい」と不安を口にした。同市大川町1丁目の無職女性(70)は「この前のクマが捕獲されて安心したばかりなのに。外出もままならない」と声を落とした。

(クマ目撃多発、住宅地畑で足跡発見も:山形)
24日午前7時ごろ、山形市風間の80代女性が自宅敷地内の畑でクマの足跡を見つけたと、知人を通じて山形署に届け出た。同署によると、足跡は全長約20センチ、幅約15センチで20個ほどあった。畑の野菜に被害はなかった。現場は高楯中から約500メートル西側の住宅地。24日午後3時20分ごろ、寒河江市箕輪でクマ1頭を目撃したと、車で通り掛かった近くの20代女性が寒河江署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートルで、箕輪公民館東側の道路を横断し、西側の山に入っていった。24日午前6時40分ごろ、真室川町釜渕でクマ1頭を目撃したと、車で通り掛かった鮭川村の20代男性が新庄署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートル。男性が走行中、道路そばから右側の林方面に進むところを見た。現場は町釜渕保育所から約900メートル南側の主要地方道真室川鮭川線。

(警戒呼びかけ、クマ目撃情報:山梨)
10月甲斐市の住宅地近くの畑で子グマが捕獲されたばかりですが、10月26日も甲府市で目撃情報がありました。甲府市は看板を設置し警戒を呼び掛けています。甲府市によりますと26日8時半ごろ甲府市和田町で通りかかった人からクマを目撃したという情報が警察に寄せられました。クマは体長1メートルほどで山の方に入っていったということです。目撃された現場は花園病院のすぐ北側で200メートルほど離れたところには住宅地もあります。これを受け甲府市は防災無線や防災メールなどで住民に警戒を呼びかけたほか現場付近にクマが出没したことを知らせる看板を設置しました。山梨県内では10月22日に甲斐市で子グマが捕獲されるなど民家の近くでの出没が相次いでいます。

(車の間をギリギリで駆け抜ける:福岡)
福岡県内の国道を走る車。ドライブレコーダーの映像、車の前方に何やら黒い影が現れました。右の車線を走る車にぶつかると思った次の瞬間。間一髪、車をよけてそのまま道路の外に走り去りました。運転手がとっさにブレーキを掛けなければ、あわや大惨事になっていたかもしれません。現れたのは体長80センチほどのイノシシで、撮影した男性によりますと、「どっちに行っていいか分からない様子だった」といいます。警察によりますと、福岡県太宰府市内では22日に3件のイノシシ目撃情報があり、軽乗用車とイノシシが接触する事故も起きています。

(山から離れた場所でクマ出没相次ぐ:秋田)
秋田県横手市十文字町と平鹿町で24日、クマが目撃された。いずれも山に囲まれていない田園地帯。けが人はいなかった。市農林整備課は「近くに山がないから安全ということはない。川ややぶを移動している可能性もある。散歩など外出時は気を付けてほしい」と呼び掛けている。

(学校付近にクマ:秋田)
23日午後1時ごろ、秋田県北秋田市七日市字家向の比内支援学校たかのす校敷地に隣接するリンゴ畑にクマ1頭がいるのを、高等部の男子生徒が目撃した。生徒や職員にけがはなかった。

(駅近くの市街地中心部にクマ、現在も茂みなどに“潜伏”か:石川)
石川県小松市の中心部でクマが出没しているとして、市はむやみに外出しないよう注意を呼び掛けています。小松市によりますと、23日夜10時半ごろ、小松市大川町と松任町で子グマが目撃されたということです。この場所は、JR小松駅から北におよそ800メートルほどの所で、近くには市役所や丸内中学がある市街地です。このため市は、午前5時半から対策会議を開き、市民に外出を控えるよう呼びかけました。さらに24日朝から警察や消防などと合同でパトロールを実施し、クマを探しましたが、今のところクマは見つかっていないということです。市はクマは梯川沿いに下って来たとみていて、川沿いの茂みなどに潜んでいる可能性があるとみて、引き続き市民に注意を呼びかけています。

("ヒグマと距離を”知床でマイカー規制:北海道)
世界自然遺産・知床。年間100万人以上が訪れる道内有数の観光地です。しかし、その自然を象徴するヒグマによる人身事故が発生する危険性が高まっていると問題視されています。その背景にあるのは、ヒグマと人との距離の近さ。観光客がヒグマを見ようと餌を与えたり、写真を撮影しようと近づいたりしているのです。これを解決しようと、10月の3日間、試験的にマイカーの乗り入れを大幅に制限し、代わりにシャトルバスを運行する実証実験が初めて行われました。この期間、観光振興に一定の効果が見られたものの課題も。これから知床の交通はどうなっていくのか。今、地元では模索が続いてます。知床は15年前に世界自然遺産に登録され、年間100万人以上の観光客が訪れています。しかし、知床の象徴といえるヒグマを見ようしたり、写真を撮ろうと不用意に近づくといった問題が相次いでいます。その結果、人を恐れないクマ、いわゆる“人慣れクマ”が増加しています。ヒグマと人の距離が近くなり、人身事故の危険性が高まっているのです。ヒグマと人の距離を保ち、観光客が安全に自然を楽しめるように、知床観光のあり方の大きく見直すことが検討されています。その第一歩として広範囲でのマイカー規制と無料のシャトルバス運行が試験的に実施されました。地元の斜里町や環境省、それに知床財団などでつくる協議会は、ヒグマと観光客との距離を適切に保つために、10月2日から4日までの3日間、試験的に大規模なマイカー規制を行いました。これまでは、観光客が多く集まる夏の観光シーズンに合わせて、知床五湖からカムイワッカ湯の滝までマイカー規制をしてシャトルバスを運行していましたが、今回はマイカー規制の区間を大幅に拡大し、シャトルバスの運行も1系統から4系統に増やして行われました。規制区間は、「知床自然センター」から「カムイワッカ湯の滝」の道道と「岩尾別地区」から「羅臼岳登山口」の町道です。規制区間では、観光客に知床の自然について知ってもらおうと、地元の自然ガイドがシャトルバスに同乗して案内することも試験的に行いました。シャトルバスは、すべて無料で、4つの路線で運行しました。バスに同乗していた地元の自然ガイドの方は、知床の多様な生態系などの解説に加え、餌を与えるとヒグマが人に慣れてしまうことや安全を確保するために野生動物と距離をとることが必要といった説明をしていました。私はマイカーで何度も知床を訪れたことがありますが、実際に景色や動物を見ながら、自然ガイドの方の解説を受けるのは、とても新鮮で興味深いものでした。この取り組みについて報告を行う会議が、10月15日に道東の標津町で行われ、3日間の期間中に3000人あまりが利用したことが報告されました。斜里町は、▽3日間で3068人がシャトルバスを利用したことや、▽バスの乗降地点にある道の駅や知床自然センターで利用者が大幅に増えたことなど観光振興に一定の効果があったことを報告しました。一方、地域住民からは「ガイド付きのシャトルバスなど新しい魅力を実感できたが、これから取り組むべき課題も多くあり、地域住民と協議をしながら丁寧に進めて行ってもらいたい」などと意見が出ました。知床が世界自然遺産に登録されて15年。これまで積み上げられてきた課題を解決しながら、新たな価値を創出していくためにはどうしたらよいのか。世界遺産地域の利用のあり方を検討する会議の委員を務める大学教授からは、「ヒグマとの距離などの課題を解決しながら世界遺産地域の魅力を創出するための1つの突破口として期待したい」や「今後の知床の利用のあり方に大きな影響を持つ、転換点にもなりうる事業であり、今後も関係各所と状況を共有しながら進めて欲しい」などと意見が出ました。今回の取り組みについて、北海道大学などは、シャトルバスの利用者に満足度などを聞くアンケート調査を行っていて、斜里町などは今後の世界自然遺産地域内の交通のあり方を考える上での参考にしていくことにしています。地元では、知床の豊かな自然を守りながら、野生動物と人が、どのように距離を取れば良いのか模索が続いています。

(高校駅伝予選はトラック周回に:石川)
石川県内でクマの出没が相次いでいることを受け、同県小松市内で11月1日に行われる全国高校駅伝競走大会県予選会(県高体連・県教委・石川陸協主催、毎日新聞社後援)のコースが例年の一般道路を走るものから陸上競技場のトラックを周回する方式に変更されることになった。たすきリレーは行わず、区間ごとに走ってタイムを記録し、その合計で順位を決める。主催者によると、クマの影響によるコース変更は初めてで、担当者は「クマの行動は予測がつかない。安全に配慮した上で選手の出場機会を確保するため、苦渋の選択だった」と話している。県内では今年、クマの出没が相次ぎ、小松市内での目撃件数は160件を超え、男女2人がけがをした。高校駅伝石川県予選会で例年、発着点となっている市郊外のこまつドーム周辺でも複数回目撃されている。主催者は警察や市と協議を重ねた結果、22日の会議で小松運動公園末広陸上競技場内の周回コースにすることを決めた。トラック(1周400メートル)を7・5~25周し、男子7区(計42キロ)、女子5区(計21キロ)で順位を競う。新型コロナウイルス対策として無観客で行われる。大会の男女優勝校は12月に京都市で開かれる男子第71回、女子第32回全国高校駅伝競走大会に出場する。

(シカ、引き取ってくれませんか?:愛媛)
愛媛県伊予市が、同市中山町中山の栗の里公園で飼育しているシカの譲渡先を探している。施設の老朽化などから頭数調整が必要になったため。「幸せに暮らせる場所を見つけてあげたい」という。公園のシカは旧中山町が飼育を始め、2005年の合併後、伊予市が引き継いだ。山あいの約1ヘクタールの傾斜地を柵で囲み、約40頭を飼育して公開。公園内には宿泊施設や遊具広場があり、訪れた客が自動販売機で買ったエサをシカに与えることもできる。しかし数年前から、増えたシカが草を食べ尽くして土砂が流出する恐れがあり、数の調整が必要という声が出始めた。オスの去勢手術をしたが、うまくいかず、施設も老朽化したため、市は譲渡先を募ることにした。対象は、責任を持って飼育できる法人や団体で、個人は対象外。自然に戻さないという誓約書の提出も求める。市の担当者は「譲渡後の飼育計画を確認してから引き渡すなど責任は果たしたい。シカを幸せにしてくれるお話を待っています」と話している。

(クマよけ鈴やラジオに注目集まる:石川)
クマによるけが人が発生し、市街地や温泉街への出没が相次いでいる加賀市では、鈴などクマよけの商品を買い求める人が増えています。加賀市加茂町のホームセンターでは、県が10年ぶりとなるクマの「出没警戒情報」を出した2週間ほど前から、クマに人の存在を知らせて近づかせないための鈴やラジオなどを買い求める人が増え始めました。市街地や温泉街で、相次いでクマが目撃されけが人も発生した先週以降は、売り上げが特に伸びているということです。去年、ほとんど買う人がいなかったクマよけのための鈴が、今は1日平均で30個ほど売れていて、一時、品薄になることもありました。鈴を買いに訪れた70代の女性は「散策の時に身につけるために買いました。クマがこんなに近くで出るとは思っていなかったので怖いです」と話していました。ホームセンターの辰田保店長は「鈴を一度に5つ買っていく人もいて、ここまで売れるとは思っていませんでした。品切れにならないよう在庫管理を徹底したい」と話していました。

(クマとともに生きるには、写真家の願い:北海道)
世界有数のヒグマの密集地、世界自然遺産の知床では、20年以上から人を恐れない人慣れクマが増え、問題になっていました。この問題を伝えようと活動する動物写真家の男性の思いとは…。動物写真家 伊藤彰浩さん「道路の真ん中をずっと歩き続けている状況でした人間と野生動物との境界線みたいなものがちょっと狂ってしまっているような感じがします。普通だと車が周りにたくさんいたりすれば道路脇の茂みに入ったりとか逃げていく姿勢を見せるんですけどこの子たちがどうなっていってしまうのかすごく心配な気持ちになった」。伊藤さんは全国各地で野生動物を撮影しています。知床では15年前からヒグマを撮り続けきました。その中で感じたのが知床で人を恐れないヒグマが増え続けていることです。「人慣れクマ」の問題について知ってもらいたいと伊藤さんは、9月に1冊の本を出版しました。タイトルは「世界遺産知床の自然と人とヒグマの暮らし」。知床のヒグマの生態について紹介しています。“川で泳ぐヒグマ”や“おなかの下に隠して子グマを守る母グマ”など知床の自然の中で生きる姿をありのままに写しています。また、ヒグマとともに生きるためにも地元では人からヒグマを「遠ざけようと」水産加工場や番屋でごみの管理を徹底したり、畑に電気柵を設置するなどの取り組みを行っていることも紹介し、人とともに暮らすためには日々の努力が欠かせないと訴えています。伊藤さんは、ヒグマを殺処分している地元の人たちの「痛み」も想像して欲しいといいます。ヒグマは、知床の象徴で、保護の対象です。しかし、人を守るために保護活動をしている人たちがやむなく殺処分しているのです。伊藤さん「殺処分であったりとかそういう数の調整みたいな事をしなくてはならなくて、殺処分をしなくてはならない人が動物が大好きな人だったりする訳ですよね、心を痛めながら人々の生活を守っている」。本は地元の人たちの協力を得て完成しました。羅臼岳登山口のそばにある山小屋を管理している四井弘さんもその1人です。四井さんは本について地元の人にも気づきを与えるのではないかと期待しています。伊藤さんは、一緒に本を出版した妻のかおりさんと斜里町ウトロで4月から10月末までの季節限定でカフェを開いています。地元で暮らす人たちと観光客が交流することで、お互いに知床の課題を知る場所にしたいと考えています。

(クマに死んだふりは有効か、8回襲われた専門家の教え:広島)
全国でクマが人里に出没し、人を襲う事件が相次いでいる。今月中旬には石川県のショッピングセンターに現れ、射殺された。もしもクマに遭遇したらどうすればいいのか。目を離さずに静かに後ろへ下がるなどの方法が報道されているが、よく言われる「死んだふり」は効果があるのだろうか――。専門家に聞いてみた。日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田(まいた)一彦理事長(72)は、これまでに3千頭のクマに遭遇し、8回襲われた経験がある。「熊が人を襲うとき」(つり人社)という著書もある。「ばったり出くわしたら、地面に伏せて首をガードし、1撃目を食らわないのが大事」。クマが攻撃してくるときは、抱きついてきて鼻にかみつき、窒息させることもあるため、立ったままでいると重篤化し、死亡することも多いという。そのため、米田さんは「死んだふりは効果がある」と話す。また、ステッキやスコップ、ピッケルなどを振り回すと、クマは怖がるらしい。「クマはクマが怖い。ピッケルなどキラキラ光るものが、クマの爪にみえる」。鎌などを持っていた場合は、振り回し、できるだけ自分の体を大きく見せるのがいい、とも。90代の女性が、熊手を振り上げて助かった例もある。一方で、目の前で遭遇したのではなく、山の中で離れたところで見つけたときは、木の後ろに隠れ、木のふりをすることが有効だとする。クマは動くものには目が早いが、じっとしているものは何か判別できないという。

(イノシシが人里へ、農家に被害も:千葉)
野生のイノシシが山を下り、人里へ出没するケースが増えているといいます。26日も体長1メートルのイノシシが捕獲されましたが、作物が食べられるなど、農家の被害も広がっています。千葉県南部の館山市。山の中にいたのは、野生のイノシシ。体長1メートルを超える、大きなメスのイノシシがワナにかかっていました。駆けつけたのは害獣駆除を行う団体です。特製の道具を使い、激しく暴れるイノシシと格闘。なんとか動きを止めると、イノシシを捕まえることに成功しました。26日捕獲された2頭のイノシシ。実は今年、館山市では野生のイノシシの出没が、増えているというのです。先月、市内で撮影された映像には、道路を横切るイノシシの群れが。また別の日には、道路脇で体をぶつけあい、激しくケンカする様子も目撃されていました。イノシシの駆除もする農家の早川さんは、今月初めに思わぬ場所でイノシシと遭遇。それは…。イノシシと遭遇 早川満さん「うっすらと影だけが玄関の前に2つ見えたんです。初めてですね」。なんと自宅の目の前。そのときに撮影した映像。懐中電灯の明かりの先でうごめく黒い影がそのイノシシです。早川満さん「掘り掘りというしぐさで、えさを探しているような状況でした」。2頭のイノシシは、エサを探すように庭を掘り返していたといいます。その後イノシシは…。早川満さん「車の前を通りまして、ちょうどこの辺りまで2頭が来たんです」。家族が過ごす部屋のすぐ近くまで接近。危険を感じ、早川さんが捕まえようとすると。早川満さん「いきなり突っ込んできまして。やばいと思って逃げて横にかわすと、そのまままっすぐ逃げていきました」。人里に出没することが増えたというイノシシ。館山市によりますと、先月までの半年間で捕獲されたイノシシは、1000頭以上。例年の2倍以上のペースだといいます。周辺の農家では…。被害にあった農家「これゆうべ。きのうの夜」。畑に残されたのはイノシシに荒らされたあと。25日の夜、育てていたサツマイモやネギが掘り返されていたといいます。被害にあった農家「農家はみんな困るでしょうね。どうしたらいいのかわかんない。不安ですよね」。いったい何が起きているのでしょうか。市の担当者の案内で山へ入ると。館山市地域おこし協力隊 沖浩志さん「これは全部イノシシが食べたあとですね」。見つかったのはイノシシが食べたどんぐりの殻。沖浩志さん「今年どんぐりが全国的に不作で。あまりどんぐりが落ちていなくて、山にエサが少ないので、人里の方に下りてきているような状態なのかなと」。しかし、今年はどんぐりが不作に。去年の台風や、虫がすみ着き樹木が枯れる「ナラ枯れ」などの影響で、どんぐりが減り、エサを求めてイノシシが人里へやってくるといいます。また専門家は、最近の環境の変化を指摘。宇都宮大学・農学部 小寺祐二准教授「近年は人間が森林の管理をする機会が減ってしまって、それによって人間の活動領域近辺の森林が豊かになってしまっている。その結果、住宅地等にイノシシが出やすくなってきていると考えられます」。人里に近い場所に、イノシシのすみやすい環境が増えているということです。人の生活圏に近づくことが増える野生のイノシシ。市は、イノシシを見かけても不用意に近づかないよう、注意を呼びかけています。

(クマ目撃「増」、配信登録「増」:石川)
金沢市内でクマの目撃情報が相次ぐ中、目撃や痕跡の情報があった日時や場所をメール配信する市のサービス「金沢ぼうさいドットコム」の登録者が増えている。二月中旬の二万六百件余りから、今月二十三日現在、二万三千四百二十件と約二千八百件増加。担当者は「より多くの人に発信し、クマによる事故の防止につなげたい」と話す。市内での本年度の目撃、痕跡情報件数は二十五日現在、今月だけで百十二件に上り、累計二百十五件。統計のある一九九七年度以降では、二〇〇四年度の三百三十二件に次いで多い。市が設置するおりによる五月以降の捕獲頭数も五十四頭で、既に昨年度の三十七頭を大きく超えている。少なくともここ八年では最多という。近年の目撃情報増加を受け、市は四年前からクマ情報メールの配信を開始。住民らからの情報提供を基に、市森林再生課の職員が日時と場所の地図、目撃されたクマの大きさや痕跡の内容を記して逐一送る。住民により早く注意を呼び掛けられるよう、夜間や早朝も交代で対応している。元は災害情報の発信のため〇五年に始まったサービスで、クマ情報を始める前の登録数は一万七千件ほどだった。利用者が増えるにつれ、クマのふんや足跡を見つけたという連絡も増えてきたという。担当者は「住民がクマに敏感になり、かなり注意をしてくれていると感じる」と話す。金沢ぼうさいドットコムは携帯電話やパソコンから無料で登録できる。大雨警報などの気象情報や災害発生時の避難場所情報、クマ以外のイノシシ、サルなど野生動物の出没情報も配信される。市内全域の情報を受け取れるが、自分の住む区域だけに設定することもできる。

(鳥獣駆除の担い手を育成:神奈川)
有害鳥獣対策の一環として、松田町鳥獣被害防止対策推進協議会は11月3、8日に「まつだハンター塾」を開く。駆除を担うハンターの高齢化が進み、人材不足が課題となる中、狩猟免許はあるものの長期間活動していない人や免許取得を考えている人らを対象に体験型講習会で担い手の育成を図る。講習会は午前(参加費無料)と午後(参加費千円)の2部制で、どちらかのみの参加も可能。3日は松田会場(松田町役場)、8日は寄会場(町立寄小学校)で実施する。午前は「わな猟」体験会、午後はジビエのバーベキューを行い、8日午後は解体体験会も開く。両日とも午前は9時から、午後は松田会場が0時半、寄会場が1時から。定員は各20人で、応募多数の場合は抽選。

(シカが嫌がる鳴き声を流せる車両:岡山)
列車とシカが接触する事故を防ごうと、JR西日本は、シカが嫌がるイヌやオオカミの鳴き声などを混ぜた音声を流して遠ざける装置を、岡山県内などを走る一部の車両に設置することになりました。この装置は鉄道総合技術研究所が開発し、23日にJR岡山駅の車庫で報道陣に公開されました。装置を取り付けた車両がシカが生息するとみられる場所を走行すると、シカが警戒するときに出す鳴き声や、シカが嫌がるイヌやオオカミの鳴き声などを混ぜた音声が、スピーカーから流れる仕組みになっています。JRによりますと昨年度、岡山県内で列車とシカが接触した事故は129件と増加傾向にあるということです。今回の装置のほか、これまでに、シカが鉄分を求めて線路に近づかないよう鉄分を含むブロックを線路から離れた場所に置いて遠ざける対策などを進めているということです。今月27日からJR姫新線の新見駅から兵庫県の佐用駅までの区間で試験的に運用し、効果が確かめられれば実用化したいとしています。JR西日本の前田武郎岡山気動車区長は「列車とシカの接触を少しでも減らし、お客様がより安心して安全に利用できるようにしたい」と話していました。

(捕獲動物をジビエ料理に有効活用:山口)
野生動物による農林業への被害を減らすとともに、捕獲した動物をジビエ料理として有効活用し地域の活性化にもつなげようと、防府市の飲食店で、イノシシを使った肉料理を、インターネットで販売する取り組みが始まりました。山口県によりますと、野生の動物などによる農林業への被害は、昨年度、金額にして4億3000万円余りに上っていて、県は被害を減らそうと捕獲を進めています。一方で捕獲した動物を有効活用し、地域の活性化にもつなげようと、ジビエ料理として普及させることを目指しています。こうしたなか防府市にある飲食店が、県や市の呼びかけに応じてイノシシの肉の煮込み料理を考案し、今月19日にインターネット販売を始めました。店では地元産のタマネギを使ったソースとともに、イノシシの肉を10時間以上煮込んだ料理を真空パック状態にして冷凍保存し、インターネットを通じた注文に応じて配送するということです。新たに販売を始めた「洋食堂なか田」の店長の中田佑輔さんは「食べず嫌いな人も多いがイノシシの肉はおいしいので、ぜひ多くの方に食べていただきたい」と話しています。

(狩猟やジビエを身近に:神奈川)
女性ハンターの裾野を広げようと、2年前に立ち上げた「神奈川県県猟ガールズ」。今後はより公益的な活動にも取り組んでいこうと、今年9月には一般社団法人「JHG」として新たに始動させた。「狩猟やジビエのことはもちろん、地元猟友会の活動も知ってもらえたらうれしい」とにこやか。福島県で3姉妹の次女として生まれた。父親が猟をしていたことから、物心ついたときから近くの山や川は身近な存在。そうした原体験が「今の自分につながっているのかもしれない」。高校卒業後は一旦、ブライダル関連の学校に進むも、28歳で大好きな犬と一緒に活動できるハンターの世界に足を踏み入れた。山を訪れ、歩き、少しずつ知る中で感じたのは、狩猟者の高齢化、担い手不足、鳥獣被害の深刻な現状。これが自ら免許を取得するきっかけだった。日々、農作物に甚大な被害を与えるシカやイノシシといった有害鳥獣駆除をはじめ、わなの設置などのために山の見回りが欠かせない。並行してジビエ解体・試食・狩猟体験といったイベントを各地で開き、参加者たちに山の現状と狩猟の役割、そして命と食について考えてもらう機会にしている。「ハンターもそうでない人も、野生鳥獣との関係を意識し、気持ちよく共生できる社会が理想」という。夫と2人の子どもの4人家族。狩猟の活動で多忙な中、時間があれば陶芸教室に通っている。「気晴らしのはずが、気がつけば大好きな犬の置物や犬が使う器を作っている」と頭をかく。「地元住民でも、近くにシカやイノシシがすんでいることを知らない人がいる。狩猟やジビエがもっと身近な存在になるよう、かじを取りたい」と目を輝かせる。

(ジビエおいしく学んで:山口)
田布施町波野の田布施農工高校食品科学科3年の15人が22日、ジビエ(野生鳥獣肉)の活用を進める食育授業を受けた。県内の鳥獣被害の現状や対策を学び、ジビエ肉を試食するなどしてジビエの利用拡大に向け理解を深めた。県柳井農林水産事務所によると、野生のイノシシやシカなどが農地や森林を荒らすなどして県内の農林業の被害額は年4億円以上。県では管理捕獲や生息地管理などを通じ対策を推進しているという。やまだ精肉店(周防大島町)の山田修代表(61)がジビエ肉について「栄養価が高く、高齢化社会の中で最高の食材」などと伝えた。生徒は、同店が手掛けた周防大島町産のイノシシ肉を使ったハンバーガーやチャーシューを試食。同事務所と同校が初めて実施。同事務所担当者は「食育授業を通じてジビエの利活用に少しでも関心を高めてもらえたら」と話した。

(ジビエカレー試験販売中:富山)
黒部、魚津両市内のイノシシを食肉処理するNPO法人「新川地区獣肉生産組合」は、イノシシ肉を使ったレトルトカレー「にいかわジビエカレー」を試作し、今月から試験販売を始めている。両市は現在、豚熱(CSF)感染確認地域でイノシシの食肉利用はできないが、許可が下り次第、本格生産、販売に入る。試作品は感染地域指定前に捕獲されたイノシシの肉をさいの目切りにし、一箱(一人前、二百グラム)あたり四十グラム使っている。高圧、高温で処理し、臭みがなく軟らかい肉にした。カレーはやや辛めに仕上げた。電子レンジで調理できる。組合では黒部市に食肉処理施設が完成した二〇一九年二月ごろから、イノシシ肉の利用方法としてレトルトカレーの検討を開始。同年夏には試作第一号が完成した。その後、味やパッケージデザインも含め、三、四回試作を繰り返した。組合の野村春幸理事長が九月末に市役所を訪問。大野久芳市長に試作品完成を報告し、試食してもらった。カレー好きという市長は「イノシシ肉にくせがなく、カレーにもコクがあっておいしい」と絶賛。野村理事長は「イノシシ肉の品質、味には自信がある」と話した。現在、組合事務所や黒部峡谷鉄道宇奈月駅、北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅隣接の市地域観光ギャラリー「のわまーと」で一箱二百八十円(税込み)の特別価格で販売している。通常価格は六百三十円(同)。また、十月三十一、十一月一の両日、富山市の富山産業展示館テクノホールで開かれる「越中とやま食の王国フェスタ2020」に出品。購入者から味、パッケージなどについてアンケートを採る。黒部市の大野久芳市長と幹部職員が昼食を取りながら意見、情報を交換するランチミーティングが十九日、市役所で本年度初めてあり、NPO法人新川地区獣肉生産組合が試験販売を始めた「ジビエカレー」を試食した。大野市長は「辛さは大人向けだが、まろやか」と感想を話し、市内小中学校一斉にジビエカレー給食を実現するよう指示を出した。

(青い光点滅、クマ威嚇:宮城)
宮城県大崎市鳴子温泉鬼首の男性が開発したクマの威嚇装置が注目を集めている。青い光の点滅で畑などに近づくのを防ぐ仕組み。エンジニアの経験を生かし、市販の部品で組み上げた。複数箇所に設置したところ効果があったといい、男性は「被害に悩む人に製作ノウハウを伝えたい」と話している。装置を開発したのは伊藤昌幸さん(72)。市販の点滅装置に青色の発光ダイオード(LED)を取り付けた。ソーラーパネルを使ったバッテリーで、日没から夜明けまで一定間隔で点滅させる。2019年に実用新案登録した。伊藤さんは仙台市で電子機器会社に長年勤めた。鬼首の温泉が気に入り、ログハウスを自力で建てて定年後に移住した。家庭菜園を楽しんできたが、クマによる食害に悩まされた。16年5月に菜園に自作の点滅装置を設置。「青色や紫外線を野生動物は嫌うだろう」と光の色や点滅間隔の試行錯誤を重ね、現在の仕組みにたどり着いた。イノシシ、ハクビシンなども光が当たる範囲には寄り付かなかった。地形などに応じて照明の高さ、光量を変える。発光部分とソーラーパネル、バッテリーを合わせても部品代は約10万円。装置が評判を呼び、仙台市などの知人宅の畑5カ所に設置した。いずれも害獣の侵入防止に効果を上げているという。東北各地でクマによる人的、農作物被害が多発している。伊藤さんは「威嚇装置は、地形が複雑で電気柵を設置しにくい場所でも使える。自分で量産はできないが、興味がある会社や人には製作ノウハウを教えたい」と技術の活用を望んでいる。

(国産ジビエ認証施設の第17号認証について:北海道)
国産ジビエ認証制度に係る認証機関により、国産ジビエ認証施設(第17号)として、株式会社アイマトンが運営する食肉処理施設「北海道シュヴルイユ浦臼工場(浦臼町ジビエ処理加工センター)(北海道浦臼町)」が認証されました。

(ジビエフェア、11月15日まで:福岡)
「ふくおかジビエフェア秋」が開催中だ。鳥獣被害が多い福岡で、捕獲したシカやイノシシを新たな特産にしようと2013年度から始まった取り組みで、福岡、北九州、久留米、飯塚の4市の18店舗が参加している。11月15日まで。「ジビエ」は、食用に狩猟で捕獲されたシカやイノシシ、カモ、ウサギなどの野生鳥獣のこと。古来ヨーロッパの貴族が高級食材として好んだといい、近年は国内でも人気が高まっている。県農山漁村振興課によると、県内では野生鳥獣による農林水産物への被害額が北海道に次いで多く、ピークの10年度には15億8千万円に上った。対策を講じ昨年度は7億6千万円に半減したものの、なお大きい。年間でイノシシ約2万5千頭、シカ約1万1千頭を捕獲しているが、食用として流通しているのは1割に満たないという。この鳥獣を新たな資源として活用し、鳥獣被害にも関心を持ってもらおうと、県は13年度から年1回、ジビエフェアを企画してきた。今年度はフェアを年2回に増やすほか、県内で処理加工されたジビエを常設メニューとして提供する飲食店を県が「ふくおかジビエの店」として認定。今月1日に22店舗を第一弾として認定し、フェアにはそのうち18店が参加している。参加店の「リストランテKubotsu」で14日に開かれた認定式では、フェアで提供する「糸島産猪(イノシシ)の自家製サルシッチャと九州の旬野菜」の試食も。獣肉の処理や加工、販売を手がける「糸島ジビエ研究所」と組んで作った期間限定メニューで、「臭みはなく肉の味がしっかりする」「とてもおいしい」と感嘆の声が上がった。同店の窪津朋生料理長は「処理がとても上手ないいイノシシ肉が手に入り、野性味や風味を生かすよう心がけました」と話した。フェアでは抽選で食事券のプレゼントも。詳細は「ふくおかジビエフェア」で検索、県の特設ページで。春のフェアは来年2月上旬に予定している。

(鶴巻温泉、ジビエで元気に:神奈川)
秦野市の小田急線鶴巻温泉駅周辺の旅館や飲食店12店が24日からジビエ(野生鳥獣の肉)料理などを提供する試みを始める。地元で捕獲したイノシシやシカ肉などを提供し、ジビエを目玉に駅周辺のにぎわいを生み出す狙い。初の試みで12月13日まで行う。  参加するのは、旅館やイタリア料理、焼き鳥店など。地元で捕れたイノシシやシカのほか、カモの肉などを調理し、鍋料理やピザ、炭火焼き、ハンバーグなど多彩なメニューに仕立てて提供する。

(地元食材使用のカレー発売:静岡)
食品スーパーの田子重(焼津市)は25日、地元食材を使い、藤枝北高と共同開発したカレーの販売を開始した。発売初日は藤枝市清里の田子重清里店で発案した同校の生徒5人がPRした。授業の一環で考案したカレーは2種類で、藤枝と焼津の食材をそれぞれ生かした。藤枝産のシイタケやキクラゲ、イノシシ肉を使い、インパクトが出るようにゆで卵をまるごと1個入れた。甘酒も使用してまろやかな味に仕上げた。もう1種類は焼津名産の黒はんぺんを1枚使い、隠し味にヨーグルトも入れた。高校生は店頭でチラシを配布しながら、元気よく買い物客に商品を勧めた。3年生の生徒(17)は「小さな子どもからお年寄りまで食べやすい味になっている。買ってくれる人も多くてうれしい」と話した。レトルトが298円で、カレーライスが398円(いずれも税別)。焼津、藤枝、島田の田子重計7店舗で販売している。

(シカの角で小鳥のさえずり:京都)
京都府福知山市内記二丁目の理容店「ヘアーサロンまいた」の店主、高橋友樹さん(39)がシカの角でバードコール(鳥笛)を作り、来店客や近所の人に配って喜ばれている。店の前で丸のこを使って作業。試しに鳴らすと小鳥のさえずりのような音色があたりに響く。通常のバードコールは、木片にねじを差し込んで作る。ねじを回す時の摩擦音が鳥の鳴き声のように聞こえ、力加減や回転速度で音色が変わる。高橋さんが作り始めたのは、新型コロナウイルスがきっかけだった。感染拡大防止で子ども2人が通う小学校が今春に臨時休校になり、外出自粛の影響で理容店の客足が遠のいた時期でもあり「暇を持て余していた」。そこで、子どもと一緒に木の棚を組み立てるなど、ものづくりを始めた。だんだんとものづくりが楽しくなり、知人から譲り受けるシカの角でランタンスタンドも自作するようになった。そんな折に、子どもが旅行の土産で買ってきた木製のバードコールを見てひらめいた。ランタンスタンドを作る際に出るシカの角の端材にねじを差し込んでバードコールを試作。一つひとつ形が違って味があり、程よい硬さで手触りも良い。作りためて話のネタになればと来店客や近所の子どもたちにプレゼントするようになった。軽い脳こうそくで手が動きにくかった高齢の来店客が、バードコールを使った手首の運動で調子が良くなったという話も舞い込み、高橋さんは「遊びでやっていただけだから恥ずかしいんだけど」と照れながら、「喜んでもらえるとうれしいですね」と笑った。

(「ニコル哲学」香る鹿肉料理:長野)
長野県信濃町の黒姫地区を拠点に環境保護を訴え、4月に79歳で死去した作家のC・W・ニコルさん直伝の鹿肉のハーブシチューが、生前に交流を深めた同県飯綱町のレストランでメニューになった。欧州では鹿肉は高級で、英国ウェールズ出身のニコルさんは「鹿肉は格別な存在。日本でも流通を広め、日本人に食べてもらいたい」と語っていた。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前5時30分ごろ、仙台市太白区秋保町馬場町南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後4時30分ごろ、仙台市太白区秋保町馬場町南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前6時40分ごろ、仙台市泉区実沢六堂屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後7時40分ごろ、仙台市泉区実沢段ノ原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後1時40分ごろ、仙台市青葉区芋沢釜前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日早朝、仙台市青葉区上愛子西原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後5時10分ごろ、仙台市青葉区八幡6丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後11時50分ごろ、仙台市青葉区新川中村にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
柴田町によると、26日朝、柴田町葉坂雷でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日早朝、仙台市青葉区赤坂2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午後3時10分ごろ、仙台市青葉区芋沢柿崎にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後4時30分ごろ、仙台市青葉区熊ケ根檀の原一番にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前8時ごろ、仙台市青葉区錦ケ丘9丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、25日午前11時32分ごろ、富谷市西成田白鳥付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、25日午前10時20分ごろ、富谷市穀田土屋沢付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、24日午後0時15分ごろ、富谷市西成田金ケ崎付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前6時45分ごろ、仙台市泉区北中山2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、10月下旬、白石市大平地区にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、10月下旬、白石市斎川にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
白石市によると、10月下旬、白石市越河にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
大和町によると、10月下旬、大和町宮床下小路付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後2時45分ごろ、仙台市青葉区錦ケ丘9丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後8時50分ごろ、仙台市青葉区錦ケ丘7丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後8時10分ごろ、仙台市青葉区芋沢赤坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後3時20分ごろ、仙台市太白区秋保町馬場滝原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日早朝、仙台市青葉区芋沢大竹南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、23日午前8時30分ごろ、栗原市鶯沢南郷舘浦にクマが出没しました。

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10/23
(警察で押印廃止、年明けまでに)
警察庁は22日、車庫証明や道路使用許可など、警察への申請や届け出が必要な315の手続きで、押印を廃止する方針を決めた。年内に内閣府令や国家公安委員会規則を改正し、遅くとも年明けには新たな様式で手続きできるようにする。政府は7月に閣議決定した規制改革実施計画で、行政手続きでの押印を原則廃止する方針を示している。警察庁によると、315のうち年間1万件以上申請や届け出が行われる手続きは36ある。平成30年度は、自動車の保管場所登録に必要な車庫証明の申請が約790万件、軽自動車の保管場所に関する届け出が約130万件、工事やイベントを行う際に求められる道路使用許可の申請が約360万件。古物商や質店の営業許可、猟銃または空気銃の所持許可、警備業の認定なども対象となる。運転免許証関連は押印が必要な様式はない。同庁の担当者は「押印の廃止とともに、行政手続きのオンライン化も検討していく」としている。

(潜伏約13時間半、ショッピングセンターに侵入したクマを駆除:石川)
19日午前7時50分ごろ、石川県加賀市作見町の商業施設「アビオシティ加賀」の敷地内で従業員がクマ1頭を目撃、警察に通報した。クマは施設内の倉庫に侵入。県警大聖寺署員らが周囲を警戒する中、午後9時すぎに地元猟友会が駆除した。同施設は従業員を退避させ、臨時休業した。けが人はなかった。現場付近に住む50代の主婦は「びっくりした。ただ、近くでもクマが出たばかりなので、どこに出てもおかしくないのかなと思う」と不安そうに話した。加賀市では17日に男女3人がクマに襲われ、猟友会が駆除したばかり。16日にも同県白山市で男女4人が襲われるなど、被害が相次いでいる。県は8日に出没警戒情報を発令し、県民に早朝・夜間の外出抑制などを呼び掛けている。

(男性が熊に襲われ重傷:長野)
18日午前9時40分ころ、塩尻市広丘郷原の路上で、近くの農業・赤羽佳さん(95)が熊に襲われたと110番通報があった。赤羽さんは首などをかまれ、重傷のもよう。市や塩尻署、地元猟友会が現場付近を捜索したが、同日午後5時半現在、熊は見つかっていない。市や同署によると、熊は成獣とみられる。赤羽さんはごみを捨てるために手押し車を押していて熊に遭遇し、襲われたという。同日午前5時50分ころには、赤羽さんが襲われた場所から北に約150メートル離れた広丘堅石の堅石三社の西側でも熊が目撃されており、同じ個体の可能性もあるとみて調べている。現場は県道原洗馬停車場線(通称・郷原街道)沿いに広がる住宅地から西に200メートルほどの場所で、道沿いには段丘林が茂っている。住宅地が近いことから市は防災行政無線や緊急メールで注意を呼び掛けた。19日以降も市内全域に防災行政無線で注意を呼び掛けるとともに、市職員や猟友会員が朝と夕方にパトロールを行う。熊を捕らえるおりの設置も検討するという。

(温泉街でクマが男女3人襲う:石川)
17日午前10時35分頃、石川県加賀市山代温泉で、男女3人が相次いでクマに襲われた。同市などによると、70歳代と80歳代の女性2人が頭などにけがを負って病院に運ばれたが、命に別条はないという。男性1人は軽傷。クマは約2時間後に猟友会が駆除した。現場はJR北陸線の加賀温泉駅から約3キロ南の温泉街。周辺には住宅や旅館などがある。同県内では16日にも白山市で男女4人がクマに襲われ、重軽傷を負った。

(男女4人襲ったクマ、猟友会が射殺:石川)
16日午後、石川県白山市明法島町で、50~90代の男女4人がクマに相次いで襲われ負傷した。地元消防によると、いずれも意識はあり命に別条はない。県警によると、4人を襲ったとみられるクマは民家に逃げ込み、午後5時半ごろ猟友会に射殺された。白山野々市広域消防本部によると午後0時10分ごろ、男性(95)が畑で血を流しているのが見つかり、家族の119番で駆けつけた消防がけがの状況からクマに襲われたと判断し搬送した。午後3時15分ごろには近所に住む女性(63)が襲われ、約30分後に猟友会の57歳と72歳の男性も襲われた。

(玄関開けたらクマ、男性けが:新潟)
新潟県阿賀町と五泉市で21日朝、男性2人が相次いでクマに襲われ、頭などを負傷した。阿賀町小花地では、午前6時ごろに70代男性が自宅玄関前でクマに襲われ、親戚が町消防本部に通報した。男性は頭や手などを負傷し、新潟市内の病院に搬送されたが、命に別条はない。近所に住む男性の姉(83)によると、男性がごみ出しのために玄関を開けたところ、クマに引っかかれたという。姉は「(男性は)頭の右側にタオルを当てながら『小さいクマに襲われた』と言って家に来た。眉の上の方に10センチくらいの傷があったが、目ではなくてよかった」と話した。集落に住む80代女性は1週間ほど前の夕方、車で買い物に行く途中、畑で小さいクマ2頭を見たという。「晴れているので、外で洗い物をしようと思っていたがやめた。家の中にいる」とおびえた表情で話した。また、五泉市小面谷では午前8時半すぎ、70代男性が県道で倒れていると、近隣住民から119番通報があった。男性は頭や顔を負傷し、ドクターヘリで新潟市内の病院に運ばれた。クマに襲われたと話していたという。五泉署によると、現場は山あいの早出川沿いで、民家から約150メートル。近くには男性のものとみられる自転車が倒れていた。

(クマに襲われ男性けが:石川)
22日午前6時ごろ、金沢市小池町の路上で、新聞配達のアルバイトを終えて帰宅中だった男性(77)がクマに襲われた。左手をかまれたが、命に別条はない。クマは男性を襲った後、姿が見えなくなり、猟友会などが付近を捜索している。市によると、周囲の民家に侵入した痕跡はなく、山中に逃げたとみられる。現場は山あいの集落で、IRいしかわ鉄道森本駅から東に約5キロ。金沢東署によると、男性は自宅近くで自転車を押しながら歩いていた際に突然現れたクマに左手の親指をかまれた。男性は転倒し、左手首を骨折したとみられる。そのまま帰宅し、市内の病院で手当てを受けた。

(2頭のイノシシ、自宅に出没:千葉)
民家の庭先に現れたのは、2頭のイノシシ。クマの出没が全国的に問題になる中、実はイノシシの目撃情報も急増していて、被害が広がっている。メスを奪い合い、けんかする2頭のイノシシ。激しく興奮していて危険な状態。そして時には、人に向かって猛突進。この秋、千葉県では住宅付近などに数多く出没し、捕獲されるケースが急増している。取材班は、イノシシの目撃情報が相次ぐ、千葉・館山市に向かった。農家を営む早川満さんが、自宅でイノシシに襲われたのは、10月5日の午後11時ごろだった。懐中電灯の光の先にいたのは、2頭のイノシシ。庭を掘り返しながら、餌を探していたという。早川さん「餌を鼻でほじくるようなしぐさで、餌を探していたような、食べるものがなくて、たぶん下りてきた。そのあと車の前を通り、イノシシがここまで出てきた。これはちょっと危険だなと...。何が危険かというと、そちらの部屋に子どもとおばあさんがいたので」。頭のイノシシは、家族がいる部屋に接近。すると突然、その向きを変え、早川さんめがけて突進してきた。早川満さん「威嚇的な感じで鳴き声を発しながらイノシシが来たので、まずいなと思って車の方にサッと避けた。そうするとイノシシはまっすぐ出て行った」。館山市で捕獲されたイノシシは、2019年1年間で899頭。しかし、2020年はすでに、およそ1,100頭と急増している。隣接する南房総市でも、2019年の2,153頭から、2020年はすでに3,434頭と1.5倍に増えている。その原因は、2020年の山の状況にあるといいう。館山市地域おこし協力隊・沖浩志さん「このへんがドングリのなる木ですね。ことしはちょっと不作で、あまり落ちてないですね...」。イノシシが餌とするドングリが、2020年は不作。そのため、イノシシが餌を求めて、山から下りてきているという。沖さん「イノシシが人にあっても、人は追っ払ったりしないので、人は大丈夫な生き物と思うイノシシがいて、最近では明るい時間に出てきて餌を食べている状況」。実は、このドングリの不作。全国で出没しているクマとも大きく関係していた。クマが出没している県を見てみると、2020年はドングリがまったく実らない凶作や、それに次ぐ不作となっていた。新潟大学 農学部・箕口秀夫教授「ドングリは、ことしは全国的に不作のようです。クマは餌を求めて、人里、さらには市街地まで出没していると考える。(家などの)庭に植えられている柿の木・栗・くるみは、そのまま木につけたまま放置するのは危険です」。ではなぜ、ドングリが不作となっているのか。箕口教授「台風の影響によって、ドングリが成長途中で落ちてしまった。春から夏にかけての気象条件が関係していると考えている」。山に餌が乏しい地域では、イノシシやクマの被害に今後も注意が必要。

(クマに襲われる被害相次ぐ)
新潟県と長野県で18日、人がクマに襲われる被害が相次ぎました。新潟県新発田市の観光施設「市島邸」で18日、観光客の男性がクマに襲われる被害がありました。警察などによりますと、男性が犬と間違えて蔵の脇に潜んでいた子グマに近づいたところ、背後から親グマに襲われたということです。男性は着ていた服を破られましたが、けがはありませんでした。長野県塩尻市では18日午前10時前、赤羽佳さん(95)が自宅の近くを歩いていたところ、クマに首などをかみつかれ大けがをしました。現場は山すそから直線で4キロほどの住宅や田畑が広がる場所で、警察が注意を呼びかけています。

(観光客がクマに襲われる:新潟)
18日午前、新潟県新発田市にある新潟県の指定文化財で、紅葉の時期の観光スポットとしても知られる「市島邸」で、観光客の男性がクマに襲われました。男性は服を破られましたが、けがはなかったということです。また、新潟県内では17日から18日にかけて車がクマと衝突する事故が3件相次ぎ、警察は事故現場周辺でのクマへの警戒を呼びかけています。18日午前10時20分ごろ、新発田市天王にある市島邸から「訪れていた男性がクマに襲われた」という内容の通報が警察に入りました。警察が調べたところ、男性は観覧コース内で、後ろからクマに襲われ、服を破られていましたが、けがはなかったということです。クマは2頭いたということで、男性は小さいクマに近づいたところ、後ろからもう1頭のクマに襲われたと話しているということです。市島邸は越後の大地主として知られた市島家の住宅で、明治初期に建てられた12の建物などが新潟県の文化財に指定されています。庭園や建物の一部が一般公開され、紅葉も楽しめることから、秋の観光スポットして人気があります。クマが現れたとき、市島邸には15人ほどの観光客がいたということで、警察や新発田市が周辺を警戒しています。市島邸を管理している新発田市の石井昭仁観光振興課長は「お客さんがかわいい犬だと思い手をのばしたところ、後ろから別のクマにつかまれたということです。けがには至らなかったが、ジャンパーは鋭く切られていました。まさかここでクマが出るとは思わなかった」と話していました。市島邸は当面閉館して、クマの食料になる可能性がある柿やくりを庭から取り除くなどの対策を講じるということで、石井課長は「これから紅葉シーズンという時に休館せざるをえないのは残念でしかたありません」と話していました。また、18日午前7時半ごろ、新発田市東赤谷を走行していた車のドライバーから「運転中に体長50センチくらいのクマと衝突した」という連絡が警察に入りました。この現場から最寄りの住宅まではおよそ400メートルだということで、警察は新発田市とともに周辺でクマへの警戒を呼びかけています。17日午前4時半ごろには、村上市鵜渡路の国道上で軽乗用車が体長1メートル50センチほどのクマに衝突しました。現場は最寄りの住宅からおよそ100メートルのところだったということです。17日午前8時すぎには、三条市棚鱗の市道上でも軽乗用車が体長1メートルほどのクマに衝突しました。クマはその後およそ300メートル離れた住宅街の方向へ逃げていったということで、警察が警戒を呼びかけています。新潟県内では、今月1日には関川村の畑で70代の女性がクマに襲われて頭などに大けがをして、その後死亡しています。被害が相次いでいることから、新潟県は今月12日に初めて「クマ出没特別警報」を出してクマへの厳重な警戒を呼びかけています。

(くり拾い中クマに、82歳けが:宮城)
16日正午ごろ、栗原市の山林で、くり拾いをしていた82歳の女性がクマに襲われ、頭と腕にけがをしました。クマの被害でけが人が出たのは、今年度初めてで、県が注意を呼びかけています。県によりますと、16日正午ごろ、栗原市築館の築館新八ツ沢の山林で、近くに住む82歳の女性がくり拾いをしていたところ、クマに襲われました。女性は、自力で逃げて自宅に戻ったあと、家族の119番通報で病院に運ばれ、頭と腕に軽いけがをしたということです。県によりますと、今年度は800件あまりのクマの目撃情報が寄せられていますが、けが人が出たのは初めてです。冬眠前のこの時期は、クマの活動が活発化し、エサを求めて市街地に出てくることが多くなるということです。また、ことしは、クマの好物のブナが凶作と予想されています。このため、県は、山林やその近くを歩くときは、ラジオや鈴、笛などで音を出すことや、朝と夕方の単独での行動を控えること、クマと遭遇した場合には、急な動作をせず、落ち着いてその場から離れることなど、注意を呼びかけています。

(クマに襲われ2人けが:福井)
10月23日午前8時半ごろ、福井県敦賀市長沢で会社員の50代男性がクマに襲われ、顔をひっかかれるけがをした。同40分ごろには数百メートル離れた同市樋ノ水町の北陸新幹線工事現場の40代男性作業員も襲われ、左足を折るなど重傷を負った。クマは、新幹線の工事現場内に侵入しているとみられ、市や地元猟友会、敦賀署が警戒に当たっている。市によると、22日夜に長沢で目撃された成獣とみられる。敦賀市で2人にけがを負わせたクマは午前11時ごろ、同市樋ノ水町の北陸新幹線工事現場付近で、猟友会により射殺された。

(ツキノワグマに襲われ60代男性が大けが:島根)
16日午後6時ごろ、島根県津和野町名賀(なよし)で60代の男性が自宅の裏山でツキノワグマに襲われ大けがをした。男性が自宅裏の山林でイノシシの防護柵を点検していたところクマと遭遇した。男性はクマに頭や顔をかまれ重傷だが、命に別状はないという。県と町では、17日、現場付近に檻を設置し注意喚起のパトロールを行った。ツキノワグマの被害に遭わないため、県では、山林に入るときには2人以上で行動すること。クマが行動する早朝や夕方の時間帯は特に気を付け鈴や笛など音の出るものを身に着けるよう注意を呼びかけている。

(クマに襲われ70代女性けが:福井)
福井県警によると、23日午後1時ごろ、大野市の住宅敷地内で70代の女性がクマに襲われ、けがをした。命に別条はないという。

(相次ぐクマ被害で26日に関係省庁連絡会議開催へ)
加藤勝信官房長官は22日の記者会見で、人がクマに襲われるなどの被害が新潟県など各地で相次いでいることから、26日にクマ被害対策に関する関係省庁連絡会議を開催すると明らかにした。「関係省庁が一層緊密に連携して、クマによる事故防止に向けた取り組みを進めていきたい」と述べた。加藤氏はクマの市街地への出没が増加している要因について「餌となるドングリなどが不作で、生ごみや庭先の果実などに誘導されて人里に多く出没していること、地域によっては生息数そのものが増加していることなどが考えられている」とも語った。

(ヒグマ狩猟期間、道が延長検討:北海道)
ヒグマの出没が北海道内各地で相次いでいることを受け、道は狩猟期間を延長する方向で検討を始めた。2022年から許可制の捕獲事業の期間を延ばし、その後26年からは狩猟期間も延長することが検討されている。捕獲する期間を長くすることで、近年人を恐れなくなっているヒグマに、人への警戒感を植え付ける狙いだ。有識者が参加する「道ヒグマ保護管理検討会」で、道が20日に方針案を示した。鳥獣保護法により、道内では免許を持つハンターによるヒグマの狩猟期間は10月1日から翌年1月31日までと定められている。また、狩猟期間とは別に、ヒグマ対策のための若手ハンター育成を目的とした「許可制捕獲」も3月上旬から5月上旬まで認められている。道はまず、この許可制捕獲の枠組みを活用。22年からは、期間を1カ月前倒して2月上旬から、道内全域でヒグマを猟銃などで捕獲できるモデル事業を行う。渡島半島などでは、現在は認められていない親子グマの捕獲も一部地域でできるようにする。道はこのモデル事業の効果を検証したうえで、26年2月からは狩猟期間を延長する方向だ。1月末までの狩猟期間を、鳥獣保護法が上限とする4月15日まで延長することが検討されている。足跡が見つけやすく、比較的安全にヒグマを捕獲できる残雪期まで狩猟期間を延ばす。人は警戒すべき対象であるということをヒグマに学習させ、市街地や人里への出没を抑制することを狙う。道内では1966年から、冬眠明けのクマを狙う春グマ駆除が行われていたが、個体数減少の懸念などから90年に廃止された。道内に現在生息するヒグマの正確な数は不明だが、捕獲数と農業被害額は増加傾向にある。道によると、18年度は918頭が捕獲され、農業被害額は2億2800万円。昨年度までの過去10年間での人身被害は28件で、うち6人が死亡した。20年度は滝上町と士別市でヒグマに襲われる事故が起きている。

(イノシシ目撃情報:宮城)
22日午後1時頃、登米市東和町米川字軽米地内(第9行政区)のほたる橋付近でイノシシの目撃情報がありました。

(死亡のイノシシ、豚熱感染を確認:群馬)
県は21日、渋川市で死亡した状態で見つかった野生イノシシ1頭について、遺伝子検査の結果、豚熱(CSF)感染を確認したと発表した。県内の感染事例は計61頭となった。

(殺虫剤入りの餌を食べさせてカラス7羽を殺害した疑い:宮城)
宮城県警仙台南署は20日、仙台市太白区の無職男(78)を鳥獣保護法違反の疑いで仙台地検に書類送検した。発表によると、男は7月10日午後6時30分頃から12日午後3時30分頃までの間、自宅近くのゴミ集積所に殺虫剤を混入させたマヨネーズを塗ったコロッケを置いてカラスに食べさせ、7羽を殺した疑い。「カラスを駆除しないといけないと思っていたが、法律違反とは知らなかった」と話しているという。

(クマの出没情報が増加)
人里や住宅地でのクマの出没情報が、連日のように報道されている。ここ数年多かった台風の被害で山が荒れ、ドングリなどのエサが不足しているのが原因との見方もある。環境省の調査によると、2019年度(19年4月~20年3月)のクマの出没情報(北海道を除く)は1万8314件あり、18年度の1万2809件から4割以上増加した。20年度も8月末までの5カ月間で既に1万1112件となっている。19年度のクマの捕獲数(都道府県知事などが許可した許可捕獲数)は、前年度(3586頭)から75.2%も増加し、6285頭となった。20年度も8月末までの5カ月間で3207頭と、ハイペースで推移している。クマが人間を襲うケースも増えている。同省の統計「クマ類による人身被害について」(速報値)によると、19年度の全国の被害件数は、前年度の51件から3倍近く増えて140件となった。20年度は、8月までの5カ月間で56件。北海道や東北、北陸、信越地方で被害が相次いでいる。最近では10月1日、新潟県内で住民がクマに襲われる被害が相次ぎ、関川村の70代女性が後に大量出血が原因で死亡した。7日には、秋田県藤里町の住宅街で83歳の女性がクマに襲われ、一週間後に脳挫傷のため死亡している。石川県加賀市、白山市では16日から18日にかけて計8人が負傷。19日には加賀市のショッピングセンターにクマが侵入し、施設が臨時休業する騒ぎとなった。例年、クマは冬眠から目覚めた直後の4月ごろから冬眠直前の晩秋の11月ごろまで、出没情報が数多く寄せられる。普段は山奥に生息するクマが人里に降りてくる要因は、エサとなるドングリ類の不足などが考えられている。同省は、クマの多い地域では、放置果樹、廃棄農作物、生ゴミといったクマを誘引するものを除去することや、農耕地への電気柵の設置などの防止策をとるよう呼び掛けている。

(駆除、過去5年で最少:北海道)
今秋も道内でヒグマの出没は相次ぐが、4~8月の駆除件数は過去5年で最少の242頭にとどまり、目撃件数も前年を下回った。件数が減ったことについて、道は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ハンターや市民が外出を控えた結果とみており「ヒグマの生息数が減ったわけではない」と注意を呼びかける。道によると、駆除件数(4~8月)は2018年は550頭、19年は542頭で、今年は半分以下。道警に寄せられた足跡やふんを含むクマの目撃情報(1~8月)は1379件で、前年同期より94件少ない。

(乗用車とクマ衝突:秋田)
20日午後10時半ごろ、秋田県北秋田市阿仁水無字広岨の国道105号で、同市の30代男性の乗用車が体長約1メートルのクマと衝突した。男性にけがはなかった。

(車とクマ衝突:秋田)
19日午後9時ごろ、秋田県由利本荘市岩野目沢字岩野目沢の市道で、同市の30代男性が運転するワゴン車が体長約1・5メートルのクマと衝突した。男性にけがはなく、クマは山林に逃げていった。

(クマ目撃・食害相次ぐ:秋田)
22日午後7時50分ごろ、横手市睦成字吉沢上台の民家敷地内に、クマ1頭がいるのをこの家に住む女子中学生が見つけた。けが人はいなかった。横手署によると、帰宅した中学生が玄関付近に体長約1・5メートルのクマがいるのを発見。母親が同署に通報した。クマは東側の山林に消えた。現場は横手高校の東約900メートルの民家が点在する地域。22日午後4時40分ごろ、北秋田市七日市字中道岱の児童養護施設「陽清学園」敷地内のクリ林にクマ1頭がいるのを、50代男性職員が目撃した。

(クマか?リンゴ食い荒らす:秋田)
21日午前8時ごろ、秋田県横手市外目字大谷地のリンゴ畑で、リンゴ約10個が食い荒らされているのを所有する60代男性が見つけた。

(りんご食べられる、クマか:秋田)
横手市のりんご畑で、19日朝、りんごが食べられるなどの被害が見つかり、警察では、クマによるものとみて、注意を呼びかけています。警察によりますと、19日朝7時ごろ、横手市大屋寺内のりんご畑で、畑を所有する男性が見回りをしていたところ、りんご、およそ30個が食べられているのを見つけ、警察に通報しました。警察が詳しく調べたところ、りんごの木の枝が折られていたほか、食べられたりんごのかけらや、クマのものと見られるふんが残っていました。このため、警察では、クマによる被害とみて、注意を呼びかけています。畑を所有する79歳の男性は「クマの被害はいままでなかったので、本当にびっくりしました。まだこのあたりにクマがいるのではないかと思い、怖いです」と話していました。また、横手市によりますと、畑の近くにある山林に動物が行き来した跡が残っていたことから、まだ近くにクマがいるとみて、地元の猟友会がおりの設置を検討しているということです。

(新幹線がイノシシと衝突:山形)
21日午後2時半ごろ、山形県上山市のJR奥羽線羽前中山-かみのやま温泉間で東京発新庄行き山形新幹線つばさ137号がイノシシと衝突、現場に一時停車した。乗客約90人にけがはなかった。JR東日本山形支店によると、車両に異常がなかったため、かみのやま温泉駅まで運転。同駅で再度車両を点検し、43分遅れで運転を再開した。山形新幹線は在来線と同じ区間を走る「ミニ新幹線」。

(イノシシと「衝突」、軽乗用車から出火:福島)
19日午後7時45分ごろ、郡山市の国道49号で、同市、パート職員、女性(57)の軽乗用車から出火、エンジンルームを焼いた。57歳女性と車内に一緒にいた女性にけがはなかった。郡山署によると、57歳女性が軽乗用車を運転中、左から走ってきたイノシシと衝突。57歳女性らが車外に出た後に車の前方から出火したという。火災の影響で、国道49号は同日午後7時55分ごろから約40分間通行止めとなった。

(クマ侵入、緊迫の13時間:石川)
加賀温泉郷の玄関口、JR加賀温泉駅前の商業施設にツキノワグマが侵入し、射殺された19日の騒動。駆除するまでに要した時間は13時間余り。一体何があったのか。19日午後9時10分ごろ、施設内で銃声が鳴り響いた。施設の外で事態を見守っていた報道陣らの耳にも聞こえるぐらいの大きさだった。関係者によると、その2~3時間ほど前に、施設や市の担当者に警察から「実弾で撃ってもいいでしょうか」「建物が破損するかもしれない」との連絡が入った。猟友会員や県警機動隊員が駆除に向かっていったという。銃声の9分後には加賀市が「駆除されました」と防災メールを配信。さらにその20分後にはクマが袋に入れて運び出され、報道陣のフラッシュが現場を照らした。市によると、体長約130センチ、推定体重100キロ超の大人のオスのツキノワグマだった。クマが立てこもったのは、駅前の商業施設「アビオシティ加賀」(石川県加賀市作見町)のバックヤードだ。一夜明けた20日、運営会社「加賀コミュニティプラザ」がその内部を公開した。射殺されたのは、食品売り場の裏側にある資材が集積したエリア。侵入した商品の搬入口のすぐそばだった。暴れ回った形跡はなかった。クマが侵入したと施設から通報があったのは19日午前7時50分ごろ。そこから駆除まで丸一日かかったのは、広く、構造が複雑な商業施設への侵入だったためだ。食品スーパーのほか、衣料品やドラッグストアなど約70店舗が入居する上、バックヤードと売り場を仕切る複数の扉の中には押せば開くものも。売り場に向かった可能性も考えられたため、人が直接捜すには慎重さが求められた。その結果、市や警察は、防犯カメラの映像でクマが施設の外に出ていないことを確認し、市が所有するドローンを使って店内の撮影まで実施。しらみつぶしに捜したという。バックヤードにとどまっているとわかった時には、すでに夕方になっていた。バックヤードの資材置き場の隅でクマが動いたのを目視し、駆除が本格化。商品などの入った段ボールを運搬する際に使う1・7メートルほどの鉄製の台車をバリケード代わりに動かしながら、クマを包囲していったという。加賀市内では17、18日にもクマが出没し、けが人も出ている。施設は、20日朝通常どおり営業を再開したが、今後クマが侵入した搬入口をこまめに閉めるほか、警備員も配置するなどの対応を取るという。運営会社の斉川健一業務部長は「安心して来店してほしい」と話していた。日用品を買うために同施設をいつも利用するという70代女性は「(駆除まで)長い時間がかかっていたので心配でしたが、ひとまず安心です」と話す。ただ一方で「エサが足りなくなって(市街地に)下りてくるらしいけど、もとはといえば山を切り開いてきた人間が悪いのかもしれないね」とも語っていた。加賀市内では、加賀温泉駅から南に約3・5キロの人気の観光地「山代温泉」にもクマが出没している。新型コロナウイルスで落ち込んでいた客足が、国の「Go To トラベル」で盛り返してきた矢先の出来事だけに、観光への打撃を懸念する声もある。温泉街の旅館に勤める男性は「今のところ、クマが出たからと言って予約をキャンセルされたことはない」と話すが、近くの商店で手作りの和菓子や温泉たまごを販売する桶谷孝士さん(55)は「旅館に来ても(客が)こもってしまったら、私たちのような商店には大打撃です」。20日は観光客の散策にもってこいの秋晴れだったがクマの影響か、客足は鈍いという。加賀市農林水産課の山岸由紀夫課長は「今後も住民にクマへの注意喚起は行うが、発信方法など観光部局と話し合いながら、慎重に行っていきたい」と話していた。

(クマ侵入騒動、ドローン活躍し捜索に協力:石川)
加賀市作見町のショッピングセンター「アビオシティ加賀」で19日、クマが施設内に侵入した一件は、多くの市民が利用する駅前の大型施設で大型野生動物が半日以上潜み続けるという前代未聞の騒動となった。捜索には市が公園などの空撮用に保有していたドローンまで投入。巨大な商業施設内で居場所を少しずつ絞り込んでいく地道な作戦の末、クマは猟友会に駆除された。「パーン」「パーン」。夜のとばりがおりた午後9時10分、施設周辺に銃声らしい音が2度響いた。通報から13時間半。30分後には袋に入れられたクマが軽トラックの荷台に乗せられ運び出された。市によると、オスの成獣で、体長は約130センチだった。

(クマ1頭を駆除:栃木)
21日午後0時半ごろ、栃木市梓町の山林内で、通行人がクマ1頭(体長約80センチ)を目撃した。栃木署によると、市の要請を受けた猟友会が約4時間後にクマを発見、駆除したという。

(やぶに逃げ込んで一夜、クマを駆除:新潟)
16日長岡市で、走行中の軽トラックに衝突し藪の中に逃げ込んだクマを17日猟友会が駆除しました。17日午前6時半ころ長岡市山口で地元の猟友会らが藪に潜んでいるクマの追い払いを行いました。このクマは16日午後3時ごろ、走っていた軽トラックと衝突。そのまま近くの藪に潜み長岡市の職員らが夜通しで警戒にあたっていました。長岡市は今後も人里に降りてくる可能性があると判断しクマは猟友会によって駆除されました。長岡市が引き続きクマへの警戒を呼び掛けています。

(住宅地にクマ、猟友会が駆除:富山)
県内で、クマの目撃情報が相次ぐ中、14日クマが目撃されていた魚津市で、15日もクマが出没しました。住宅地に現れたクマは地元の猟友会によって駆除され、人身被害はありませんでした。クマの目撃情報があったのは、あいの風とやま鉄道の線路から海側の魚津市仏田の住宅地で、15日午前11時40分頃、「小グマが隣の家の茂みに入った」と住民から警察に通報がありました。その後、警察や地元の猟友会が茂みから追い出すために爆竹を鳴らすなどし、目撃から4時間後、民家の軒下に出てきたところを猟銃で駆除しました。駆除されたクマは体長80センチ、体重20キロの小グマと見られています。近くの中学校ではクマの目撃情報があったことから、部活をとりやめて教員が見守る中一斉下校しました。14日はおよそ5キロ山側の魚津市青柳でもクマが目撃されていました。県によりますと、9月に入ってクマの出没件数は増加しており、9月末までで281件と去年の1.5倍になっています。また、15日は黒部市浜石田でもクマが目撃されるなどと相次いでいて、県は「クマの活動が活発になる朝や夕方の外出を避けることや、外出の際は、音の出るものを携帯してほしい」と呼びかけています。

(県立音楽堂の敷地内にクマ逃げ込み、猟友会が駆除:福井)
22日午前6時45分ごろ、福井市下河北町付近でクマを見たとの複数の通報が警察に寄せられた。警察や同市が目撃情報を基に捜索したところ、同市今市町の県立音楽堂の敷地内に逃げ込んだのが分かり、監視を続けた。午前9時ごろ、クマは成獣とみられ住民に被害を及ぼす危険が高いと判断され、警察の許可を得て猟友会のメンバーが射殺した。クマは、体長約1・4mの雄で推定年齢は7歳。住民や家屋などへの被害はなかった。同市では今年度に入ってから21日までに、クマの目撃や痕跡の情報は計70件に上り、既に昨年度1年間を9件上回っている。10月に入ってから急増している。

(市街地にクマ出没、ワナで捕獲:栃木)
1週間ほど前から栃木県日光市今市地区の市街地で目撃情報が相次いでいたツキノワグマが19日朝、捕獲された。同地域では小学校の登下校時を中心に、今市署員や市職員、猟友会のメンバーが警戒態勢をとっていた。クマは報徳二宮神社近くのやぶに仕掛けた、ハチミツを仕込んだ専用のわなにかかった。体長は約70センチ。同日午前7時すぎ、巡回パトロールをしていた市農林課職員と猟友会のメンバーが確認した。クマは人里から離れた山奥の市有林に放された。最初に今市地区でクマの出没が確認されたのは12日夜。報徳二宮神社や東武鉄道下今市駅付近の市街地で目撃情報が相次いだ。14日夜には居酒屋の女性店主ら2人が目撃した。店主によると、店の戸がガタガタ揺れたので外に出てみると、近くのゴミ集積所にいたクマが振り返り向かってきたという。「110番したが怖くて」と振り返った。市は警察や自治会、猟友会を協力して住民に注意を呼びかけ、立て看板も設けた。クマの足跡が集中していた2カ所にわなも設置した。クマ捕獲の連絡に、緊張した日々を送ってきた住民たちは安心した表情を見せていた。県自然環境課のまとめによると、4月から今月19日までに寄せられた県内のクマの目撃情報は84件。昨年同期の95件に比べると減っているが、9月以降で比較すると、12件だった昨年を上回る27件に上った。7、8月には塩谷町と鹿沼市、日光市で山菜採りの男性ら3人がクマに襲われて重軽傷を負った。県の調査では、今年は長雨などの影響でクマの好物のコナラやミズナラのドングリのできが悪く、エサを求めて人里に出没している可能性もあるという。県は「入山する際は複数人で行動し、安全を確保してほしい」と呼びかけている。

(クマ、トラックや車と衝突:新潟)
19日未明、新潟県の南魚沼市と新発田市で、車とクマの衝突事故が相次いだ。南魚沼署によると、午前1時すぎ、南魚沼市大沢の県道で、市外の20代男性が運転する中型トラックが道路を横切っていたクマと衝突した。男性にけがはなかった。クマは逃げたという。クマは体長約2メートル。現場は民家まで約700メートル。新発田署によると、午前2時すぎ、新発田市下小中山の国道7号で、乗用車とクマが衝突した。クマの体長は不明。運転手にけがはなかった。現場は民家まで約70メートル。

(クマ警戒最高レベル、パトカーも襲われパンク:石川)
16、17日に石川県加賀地方でクマによる襲撃が相次ぎ、負傷者は2日間で7人に上った。警戒に当たった2台の県警パトカーも襲われ、車輪がパンクする被害も。県内では最高レベルとなるクマの「出没警戒情報」が10年ぶりに出される中、神出鬼没のクマに住民の不安が高まっている。17日午前に加賀市山代温泉から次々と目撃や被害の情報が消防などに寄せられた。市消防本部などによると、70、80代の女性と高齢男性が襲われ、頭などにけがをした。クマは雄の成獣で体長は約1・2メートル。白山市では16日午前11時半ごろ、井口町のショッピングセンター「コア」にいた男性からクマがいると110番があった。警察官がパトカーを降りて捜そうとしたところ、クマが向かってきたという。クマは運転席の窓を引っかいたが、車内の警察官にけがはなかった。正午ごろには同市明法島町で別のパトカーの左後輪をクマが引っかき、パンクした。その後、午後0時10分ごろに住民の男性(95)、午後3時過ぎには近くの女性(63)、猟友会の57歳と72歳の男性が襲われた。クマは成獣で体長約1・3メートル、体重約100キロ以上。県内ではクマの餌となる木の実が不作で、8日に出没警戒情報を発出。目撃情報は400件(13日時点)で過去最多となっている。

(市街地でシカ捕獲:静岡)
静岡市駿河区の市街地に出没したシカが18日午前10時半ごろ、同区池田の大慈悲院川で捕獲された。同区聖一色の駿河消防署東豊田出張所の敷地内で見つかってから始まった“逃走劇”は、約20時間で幕を閉じた。市や市消防局、静岡南署、地元猟友会の関係者らが同日午前8時ごろから、同区の大谷川放水路に逃げ込んでいたシカの捕獲作戦を開始した。逃げ回った末、動きを止めたシカに麻酔銃を命中させ、取り押さえた。捕獲現場を訪れた近隣の男性(55)は「住民にけががなくて安心した」と話した。シカは体長1.5メートルぐらい、体重約70キロ。雄で、推定年齢は4歳。静岡市中山間地振興課の望月健さん(59)は「縄張り争いに負けて山から降りてきたのではないか」と推測した。

(イノシシ3頭と車が衝突:山形)
16日の夜、山形県最上町で乗用車が親子とみられるイノシシ3頭と衝突しました。3頭とも死亡して道路をふさいだため、現場一帯が約2時間にわたって通行止めとなりました。16日の午後7時半頃、最上町堺田の国道47号で、宮城方面から来た普通乗用車が左の茂みから現れたイノシシと衝突しました。3頭は親子とみられ、道路を横断しようとして車にはねられました。車を運転していたのは山形市に住む40歳の会社員の女性で、仙台市での仕事を終え帰宅する途中でした。この事故で、現場一帯は約2時間に渡って通行止めとなりました。

(民家の庭にクマ、住宅街移動中に捕殺:福井)
十七日午前七時二十分ごろ、大野市有明町の民家の庭で、体長一・二メートルの雄のツキノワグマ一頭が寝ているのを、住人が家の中から発見した。通報を受けた市職員や大野署員、地元猟友会メンバーが駆けつけて駆除した。けが人はいなかった。

(クマが住宅の窓を叩いたり引っかいたり:秋田)
大仙市では住宅の窓をたたかれたりひっかかれたりする被害がありました。午前6時ごろ大仙市横堀にある住宅の敷地にクマが現れました。クマは1階の窓をドンドンと強くたたき、その後走り去ったということです。窓には爪でひっかかれた痕や足跡がはっきりと残っています。クマが住宅まで来たのは初めてのことだといいます。クマは建物の間をすりぬけて走り去っていきました。近くでは、同じ時間帯にこのクマとみられる目撃情報が2件寄せられています。県内のクマの目撃件数は去年の同じ時期より200件ほど多く、県はクマによる死亡事故などを受けてツキノワグマ出没の注意報を警報に切り替え警戒を呼び掛けています。

(線路脇に3日間座り込んだシカ、重傷のため安楽死:埼玉)
埼玉・滑川町の東武東上線の線路脇に、約3日間、動けずに座り込んでいたシカが16日、捕獲活動が行われたものの、けがの状態がひどく、その場で安楽死の措置がとられた。現場は同町の森林公園駅近く。東武鉄道によると、13日午前0時17分、シカ1頭が電車と接触した。その後、駅から数百メートル離れた線路脇に座り込んだと推測されるという。埼玉県などと連携して対応を検討し、この日午前1時6分に森林公園駅に終列車が到着後、捕獲作業を開始。同社や県の職員が参加した。県のみどり自然課によると、麻酔後に現場にいた獣医師が診断したところ、前脚骨折のほか、骨盤から後ろ脚にかけてまひが見られ、動かせない状態だったため、その場で安楽死の措置がとられた。野生のメスのニホンジカとみられる。同課は、線路脇にシカが居続けたのは「おそらく初めてのケース」と話した。東武鉄道によると、シカが座り込んでいたことによる運行への支障はなかったという。捕獲活動までの3日間は「シカに近づくことで、暴れ出して電車が止まってしまう恐れもあり、見守らせていただいた」と説明。同課は「野生動物を捕まえるには許可が必要な上に、今回は鉄道の敷地内ということで、入れる時間も限られている。野生動物は力が強いので、蹴られてけがをすることもある。段取りなどを慎重に進めた」とした。近所に住む30代男性は「イノシシやタヌキの目撃情報はたまに聞くが、シカは初めて」と驚いていた。

(水田でイノシシ駆除:新潟)
10月23日午前9時30分頃、新潟県上越市頸城区下米岡で、イノシシ1頭を目撃したとの通報が、午前10時10分に同区総合事務所にあった。市職員と警察ら約15人が追跡し、同日午後0時40分頃に同市石橋新田付近の国道8号そばの水田で、地元猟友会によって射殺された。駆除されたイノシシは体長1m弱。通報により市職員らが駆け付けた後、イノシシは田んぼの茂みに逃げこみ姿が見えなくなった。監視を続けたが出てこなかったため、防護用盾を持って近付くことで追い出した。イノシシは水田地帯を走り、石橋新田付近まで逃げて駆除された。同区では前日にもイノシシが目撃されており、市職員や警察が半日追跡したが捕獲できなかった。市環境保全課では今回駆除されたイノシシについて、「断言はできないが、(前日出没したイノシシと)同じ個体と思われる」と話している。

(柿畑でクマ捕獲:山梨)
目撃情報が相次いでいた甲斐市で10月22日クマが捕獲されました。クマは午後3時半に甲斐市の柿畑で柿の木の上にいたところを地元の猟友会のメンバーらに発見されました。クマが木から飛び降りたところを猟友会と市の担当者らが網で捕獲しました。捕獲されたクマは体長50センチから60センチ、重さ10キロほどの子グマとみられています。付近では10月20日からクマの目撃情報が相次いでいて、10月22日も市の担当者や地元の猟友会などが小型無人機、ドローンで付近を捜索するなど警戒していました。市によりますと捕獲されたクマは10月20日から目撃されていたクマと特徴が似ていることから同じクマとみられ人に危害を加えていないので駆除はせずに山奥に返されたということです。

(クマ1頭駆除:山形)
20日午前6時半すぎ、鶴岡市羽黒町手向で箱わなで捕獲されたクマ。まもなく、地元の猟友会が駆除した。クマは、体長約1・5メートル、体重100キロほどのメス。箱わなは、大東保育園から南に約100メートル離れた山の中に、今月15日に設置され、近くでは19日もクマが目撃されていた。一方、19日午後9時半すぎ、米沢市六郷町の第六中学校南側の歩道上で、車で通りかかった女性がクマ1頭を目撃した。クマは体長約1メートルで、中学校の敷地方向に走り去ったという。米沢六中は20日朝、生徒たちが登校する前に教職員が学校周辺を見回ったが、クマの痕跡などは見つからなかった。米沢六中の石垣岳郎教頭は「(目撃)情報が多いということは、それだけ身近にいるということなので子供たちには気を付けてもらいたい。クマ鈴を持たせることも今後検討していく」と話した。県警察によると、10月に入って、県内のクマの目撃件数は、19日までに163件となり、去年の同じ時期と比べて6・5倍を超える異常なペースとなっている。さらに20日は、長井市歌丸で20日午前6時半ごろ、豊田小学校から約400メートル先の川でクマ2頭がいるのが見つかったほか、午前9時半前には小国町叶水では、叶水小中学校から約200メートル離れた田んぼで一頭が目撃され、昨夜は、小国町立病院近くでも確認されている。いずれも学校や病院など人が集まる場所に近く、警察などで警戒を呼び掛けている。

(イノシシが脱走、13日間行方不明:徳島)
徳島県那賀町谷内の民家でペットとして飼われていたイノシシが脱走し、13日間行方不明になっている。町などによると、けが人や目撃情報は確認されていない。地元の猟友会がパトロールしている。飼い主の男性(83)によると、イノシシは体長約1.5メートル、体重約150キロの雄。敷地内のおりで飼っていた。9日午前に餌を与え、昼すぎに見に行くといなくなっていた。鍵を掛け忘れたという。男性は「人懐っこい性格で危害を加えるようなことはないと思うが心配」と話している。

(シカと接触し特急など運休:北海道)
21日午前7時20分ごろ、上川管内中川町のJR宗谷線天塩中川―佐久間を走行中の稚内発名寄行き普通列車(1両編成)がシカと接触し、緊急停止した。車両前部の床下のエンジンから油漏れが確認され、この列車は運休した。JR北海道によると、この影響で特急列車2本が部分運休。接触した列車を含む普通列車4本が運休または部分運休した。

(駅付近に熊、北陸線に遅れ:福井)
JR西日本によると10月23日、午前8時50分頃にJR敦賀駅(福井県敦賀市)付近でクマが出没したため、小浜線の敦賀駅~粟野駅間で一時運転を見合わせたほか、北陸線の特急サンダーバード、しらさぎなどに遅れが出た。

(クマ出没もう1万件超)
クマの出没が相次いでいる。山間部だけでなく市街地での目撃もあり、石川県では商業施設にクマが侵入、射殺されるまで施設は臨時休業となった。エサであるドングリの凶作が要因とみられ、全国での出没確認はすでに1万件超。人の死傷事故も起きており、専門家は注意を呼びかけている。「今年は圧倒的に多い」。クマの情報を集める自治体担当者は口をそろえる。環境省によると、4~8月の全国のクマの目撃情報は速報値で1万1112件。過去と比較しても、多いペースで推移する。10月19日朝、石川県加賀市の商業施設「アビオシティ加賀」にツキノワグマ1頭が侵入したと110番があった。体長約1・3メートルの雄の成獣。約13時間後、施設内で地元の猟友会が射殺した。けが人はなかった。加賀市の担当者は「(クマの出没は)これまでは山間部や民家が多く、商業施設への侵入は記憶にない」。石川県内の4~10月のクマの出没数は400件。9月だけで100件に上るなどしたことから、県は10年ぶりに「出没警戒情報」を発令した。10月22日にも、金沢市の路上で、新聞配達のアルバイト男性(77)がクマに襲われ左手をかまれた。日本国内にはヒグマとツキノワグマの2種類が生息する。本州や四国に生息するツキノワグマは食物の9割以上が植物。特に秋は12月ごろからの冬眠に備え、ドングリなどの木の実を食べて栄養を蓄える。クマが人里へと行動範囲を広げている地域では、ドングリ類が凶作傾向にあるとされる。新潟県新発田(しばた)市の県指定文化財「市島邸」。10月18日、敷地内にクマが出没し、男性客が服を破られた。新潟県では今秋、ドングリ類の多くが凶作や不作に。市島邸の庭園の木に実る栗や柿が目当てだったとみられる。新発田市は実を木から落とすなどの対策を取り、安全確保ができるまでの休館を決めた。関西でも注意が必要だ。京都市の山間部や京丹後市、南丹市などで目撃がある京都府でも、ドングリ類が軒並み凶作。同じく凶作だった昨年は、クマの目撃数が前年比で約1・4倍となっており、府は警戒を呼び掛けている。人的被害も目立つ。これまでに少なくとも全国で2人が死亡。また環境省のまとめでは、4~8月で59人がツキノワグマに襲われ負傷した。加賀市の商業施設へのクマ侵入などを受け、国は関係省庁の連絡会議を26日に開催することを決めた。担当者は「ドングリの結実状況などでクマの出没が増えている地域もある。自治体からの情報に注意してほしい」と話している。相次ぐクマ出没の背景を、大日本猟友会(東京)の浅野能昭専務理事はこう分析する。「(一昨年に)クマの『ベビーラッシュ』を迎えていたのでは」。直近とは異なり平成29年はドングリが全国的に豊作だった。浅野専務理事は同年に繁殖活動が進み、翌年以降に多数のクマが誕生したとみている。一方、東京農業大の山崎晃司教授(動物生態学)は「今年に限らずクマの出没件数は近年高止まり状態にある」と指摘。少子高齢化や人間の生活様式の変化に伴い、放置された里山にクマがすみ着くケースは珍しくない。クマの生息地域は広がっているとの見方があり、出没は今後、さらに増えることも考えられる。「クマが身近にいるという前提で生活すべきだ」と山崎教授。「庭先に残飯を捨てないようにするなど、クマをひきつけない工夫も必要だ」とする。それでも実際にクマと遭遇したときにはどうすればいいのか。浅野専務理事によると、クマは本来、臆病な性格で人間を恐れている。そのため「バンザイをしてクマより自分が大きいことをアピールすることが効果的」。腕力では絶対に勝てないため「もし目が合ったら背を見せずに後ずさりをしながら逃げるべきだ」と話した。

(木の危機、「クマ剥ぎ」被害大:山形)
県内で今年、クマの出没が相次いでいるが、これに伴いクマが木材となる木の皮を剥ぐ「クマ剥ぎ」と呼ばれる被害も増えている。置賜森林管理署(三原隆義署長)によると、被害は約20年前から確認され、5年前からは当初に比べて倍増の傾向が続くという。そこで同署は20日、小国町黒沢の国有林で、「町内クマ剥ぎ対策検討会」を初めて開き、関係者が発生状況や対応策を学んだ。クマ剥ぎはクマが木の樹液をなめるため、木の皮を根元付近から下顎の歯で削り取ることで起こる被害。同署によると、主に樹木の成長が盛んな5月中旬から9月下旬に発生する。被害に遭いやすい木の種類は、スギやヒノキ、カラマツなどの針葉樹。スギの場合は、成長が良く真っすぐで、樹齢が25年以上の商品価値の高い木が被害を受けやすいという。被害はツキノワグマが生息する都府県で全国的に発生しており、本県では▽鳥海山▽奥羽山脈▽月山・朝日飯豊連峰―の3地域で大きな被害が発生しており、置賜地方が特に多い。1度発生してしまうと、クマが味をしめて何度も訪れ、一つの人工林エリアと仮定すれば、多いときでそのうちの8割の樹皮が剥がされてしまうという。皮が剥がされると、木が枯れたり根元が腐れたりするため、木材として使用できなくなる。三原署長は「スギの木を木材として出荷するには55年程度かかる。伐採直前に被害に遭ってしまうと目も当てられない」と語った。この日は、森林の所有者や林業従事者など約30人が参加。同署の担当者が被害状況などを説明後、木にシートやテープを巻く対策方法を実演した。シートなどをクマの目線に巻くとクマがその木に手を出しにくくなるという。同署の石田健森林技術指導官は「人が入るエリアでは被害があまり見られない。そのため根本的な対策としては山を定期的に手入れし、人間の存在をアピールすることが望ましい」と話した。

(ヒグマの出没抑制に、人を警戒する場を増やす:北海道)
道は、ヒグマを捕獲する人材の育成のために設定している「許可捕獲」の期間を一部で前倒しして拡大する方針で、ヒグマが人を警戒する機会を増やして出没を減らす狙いです。道は、20日、札幌市内でヒグマの専門家を集めた会合を開き、担当者が、ヒグマの捕獲数が年々増えていることや、人を恐れないヒグマの出没が相次いでいることなどを説明しました。こうした状況に対応するため、道は、ヒグマを捕獲する人材を育成する場として毎年3月上旬から5月上旬に設定している「許可捕獲」の期間を、一部で前倒しして広げる方針を示しました。具体的には、研究環境が比較的整っている渡島地方について、再来年から、「許可捕獲」の期間を1か月前倒しすることで、ヒグマが人を警戒する機会を増やして、市街地への出没を減らす狙いです。会合に出席した専門家からは、渡島以外の地域でも期間を変更すべきではないかと意見が出されました。道側は効果を検証したうえで、順次、地域を拡大したい考えです。

(ヒグマ対策専門員:北海道)
道内ではクマの対応にあたる人手不足が差し迫った課題となっています。近年、市街地などへのクマの出没が相次ぎ、駆除される頭数も平成30年度には過去最多となりました。一方で、対応にあたる猟友会の負担も増える一方です。ひとたび市街地にクマが現れたら連日、出動を要請されることも珍しくないためです。とはいえ、猟友会のメンバーはほとんどが本業の仕事との二足のわらじで、その担い手も最盛期の4分の1程度、およそ5000人ほどにまで減っているのが実情です。今後も猟友会が持続的に対応できるのか懸念される中、上川の占冠村ではヒグマ対策の「専門員」を独自に導入して、事態の打開に乗り出しています。村役場の林業振興室で仕事をしている浦田剛さんは、学生時代にクマの生態や被害対策などを研究してきました。その後、村の地域おこし協力隊に応募。3年前から村役場の「野生鳥獣専門員」として働いています。専門員はクマが出没した場合、警察や猟友会に代わって現場調査のほか、駆除の必要性の判断などを担います。また、状況に応じて自ら駆除にあたることもあるということです。占冠村の猟友会メンバーに話を聞いたところ「浦田さんが専門員になってくれて本当に助かっています。肩の荷が少し下りたような感じです」と話していました。専門員の浦田剛さんは「今まで“動物のことは猟友会に丸投げして任せておけばいい”と考えられてきましたが、そういう役割分担が技術的にもうまくいかなくなってきています。人任せにするのではなくて、行政が責任の一端をもちますという意思を表明することは非常に大切なことだと思います」と話しています。駆除まで担える専門員は、猟友会にとって頼もしい存在と言えますが、実は道内では占冠村のほかに導入が進んでいないのが現状です。その理由としては、まず雇用の枠組みが国や都道府県で定められていないことにあります。各市町村が独自に雇用して配置するしかなく、それがネックとなって、導入する自治体はなかなか増えていないのです。また、地域によっては「駆除などの対策は猟友会が担う」という考え方が定着しているところが少なくありません。そうした場合、専門員が受け入れられるまでに時間がかかることも予想されます。その点、占冠村では、浦田さんの地域おこし協力隊時代の実績が評価されていたことで、専門員として受け入れられやすい素地があったといいます。浦田さんは「占冠村での成功や失敗も含めて情報を共有し、専門員の仕事について発信していきます。それを多くの自治体に参考にしてもらえれば、次の世代につながっていくのではないかと思います」と話していました。専門員の導入がヒグマ対策に生かされていくのか、今後の動向を引き続き、取材していこうと思います。

(ヒグマの出没防げ:北海道)
市街地へのヒグマの出没を防ぐため、通り道になりそうな場所での草刈りなどの活動が札幌市南区で広がっている。ヒグマは市街地に来てしまうと人や車に慣れ、最終的に駆除せざるを得なくなることが少なくない。住民の生活を守り、ヒグマとの共生にもつながることが活動を後押ししているようだ。市街地に現れるヒグマは、自分の身を隠せる、草木が茂った場所を移動しているうちに入り込んでしまうことが多い。市街地につながるルートを草刈りして見通しをよくすれば、身を隠せなくなり、出没を抑える効果があるとされる。市環境共生担当課が把握する範囲で、ヒグマ対策として今年度に草刈りをしたのは南区の5地区。昨年度から3地区が増えた。担い手は住民や環境問題に携わる市民団体、大学生などさまざまだ。このうち中ノ沢地区は7月1日からヒグマの目撃が相次ぎ、同時に2頭見たとの情報もあった。特に頻繁に目撃された私道沿いでは同月21日、住民が市の担当者と一緒に草刈りをした。「1・5メートルほど伸びた場所もあったが、すっきりした」と中ノ沢町内会副会長の市村良一さん(73)。2日後に1頭が駆除されたあと、目撃情報は途絶えた。こうした活動の先駆けとなったのが、2014年から取り組む石山地区だ。前年の13年、豊平川の河畔林でヒグマの目撃が相次ぎ、北へ約2キロ離れた公園付近で駆除された。駆除の是非が議論となるなか、駆除しなくてもすむように出没予防策を、とヒグマを調査研究する佐藤喜和・酪農学園大教授(野生動物生態学)が提案し、住民が佐藤教授や教え子の学生たちと一緒に始めた。ヒグマの生態の勉強会を兼ねた草刈りは夏の恒例となり、8月9日にあった今年は約40人が参加した。石山地区まちづくり協議会副会長の寺田政男さん(71)は「毎年続けることで、効果があるんだという意識が浸透してきた。地域のつながりを保つことにも役立っている」と話す。人口減や離農に伴い、栽培が放棄された果樹もヒグマを市街地に誘い込む原因となる。果樹は毎年実を付け、格好のえさ場となるからだ。南区にはそんな放棄果樹が点在し、これらの伐採も有効な出没予防策とされる。ただ、市は放棄果樹対策の重要性を認識しつつも、費用がかかる伐採を私有地で行政サービスとして行うのは難しいとして対応に苦慮してきた。環境市民団体「エコ・ネットワーク」などはこの夏以降、南区の3地区で5回にわたり、市に所有者の了解を得てもらい、サクランボなどの果樹を無償で伐採した。ボランティアも参加し、切った木材は薪ストーブ用などに持ち帰ってもよいことにした。ヒグマの目撃情報は昨年に比べて減ったという。佐藤教授は「昨年、札幌市南区などで出没が相次ぎ、意識が高まったのだろう。草を刈ったりごみを拾ったりした場所には愛着がわき、関心をもって見るようになるので変化があれば気づきやすくなる」と歓迎する。また、「草刈りは大掃除と一緒で、やるとすっきりする。薪ストーブ好きには、放棄果樹を自分で切って割った薪で暖まれるのは理想的だ。自分が楽しめて、結果的にヒグマのためにもなる活動は持続可能性が高い」とも指摘する。ヒグマが世界的にも高い密度で生息する知床でも、同様の活動が始まった。斜里町ウトロ地区で三つの宿泊施設を経営する「北こぶしリゾート」。今年、CSR(企業の社会的責任)活動として人とヒグマの共存を図る活動「クマ活」を始めた。野生生物の保護管理などにあたる知床財団の助言を受けて5~7月の5回、草刈りに取り組んだ。ウトロの市街地の周囲は海に面した西側を除き、森との境界にヒグマやエゾシカの侵入防止柵が張られているが、万全ではないという。草刈りには従業員や財団職員、観光関係者ら延べ約200人が参加した。クマ活の「実行隊長」を任された経営戦略室の村上晴花さん(25)は「私たちの活動は地域の力になれる、と参加者が認識できた」と手応えを語る。クマ活をきっかけに、地域のごみ拾いに参加するようになったスタッフもいるという。「今後は観光のお客様にも取り組んでいただけるよう活動を広げたい」知床半島東側の羅臼町でも5~7月、中心市街地以外のほぼ全域にあたる10町内会の約170人が草刈りをした。昨年の1町内会から一気に広がった。

(熊、寄せ付けない町へ)
熊の捕獲や人身被害が相次ぐ中、人間の生活圏に熊を近づけない対策が各地で広がってきた。訓練を受けた犬による追い払い、餌となる果実の回収などで熊が来ない環境をつくり、出没件数が減る効果も出ている。専門家は「地域ぐるみの対応が成功の鍵を握る」と指摘する。山あいの道をぐんぐんと進む犬。熊のにおいがしないか探りながら歩き、遭遇したら吠えて威嚇し、追い払う。長野県軽井沢町の委託を受け、地元のNPO法人ピッキオが育成した「ベアドッグ」のタマだ。6~10月は、ベアドッグを連れたNPOスタッフが昼夜問わず町内を巡回する。「追い払いを繰り返すことで、熊は『ここは危険』と認識し、近寄らなくなる」。犬の飼育兼訓練士を務める田中純平さん(46)は、そう強調する。町内では、かつて市街地での出没件数が年間50件、多い年で100件以上あった。町とNPOは、米国の事例などを参考に2004年度からベアドッグを導入。巡回活動を続けたことで、09年度には市街地での出没件数が6件にまで減った。19年度までの平均年間出没件数も9件と、ピーク時を大きく下回る水準で推移。20年度の出没件数は取りまとめ中だが、例年並みの見込みだ。NPOには、猟犬の血筋を持ち熊に立ち向かえるよう訓練した「カレリア犬」4頭が常駐する。地域住民から熊を目撃したという連絡があると現地に向かい、追い払う。町は「町を挙げて、追い払いや近づけない工夫を続けることが大事。親熊から子熊に人里に近づかない習性を受け継がせ、共生につなげる」(環境課)と強調。広報誌などを通じてNPOへの連絡を町民に呼び掛ける。夏と冬の年2回、町民向けに勉強会も開いている。自家用に栽培する柿の実は放置されることが多く、餌となって熊を誘い込む恐れがある。そのため福井県勝山市は昨年から、食べる予定がない果実を無料で処理し、出没件数の減少に貢献している。市によると、自家用の柿は実が付いても食べないものが、毎年一定量出る。処分に費用がかかる場合もあり、肥料として農地にまく人がいる。においに誘われた熊を引き寄せないよう、指定する場所に持ち込めば市が処理を請け負う。市内の約7000戸にちらしを配るなどして周知している。熊の動きが活発になるのは10月以降。その前に果実を回収しておこうと、今年は9月末から回収を始めた。既に10トン以上が集まり、10月25日まで受け付ける。今年の熊の出没件数は、前年同期と比べて3割程度少ない状況だ。市は「熊は柿を好む。人間の生活圏に入ってくることがないよう、地域には可能な限り屋外に果実を残さない状態にしたい」(農林政策課)とする。環境省によると、2020年度の捕獲数(8月時点)は3207頭。4月以降は増加傾向にあり、統計を公表している08年以降で過去最高だった19年度の8月時点の3681頭と、ほぼ同水準で推移する。人身被害の人数も19年度8月時点と同じ60人に上る。19年度は捕獲、人身被害数とも大きく増えたが、その要因の一つは熊にとって秋の餌となるドングリ(堅果類)の全国的な凶作だ。20年度も凶作傾向が懸念されている。9月末現在で、同省に情報提供のあった17都府県のうち、ブナ、コナラともに7割が凶作だった。東日本の複数の市町村担当者からは「去年に続いてドングリは少ない。目撃や捕獲は増えており、冬眠の時期まで警戒が必要」との声が出ている。獣害対策に詳しい福島大学の望月翔太准教授の話。熊の出没に対する根本的な対策は①誘因物の除去②緩衝帯の設置③出てきた際の捕獲への準備──が重要だ。これらを実践することで、人間と熊の生活圏を分けることができる。逆に言うと、どれかが一つでも欠ければ、熊の出没や被害を減らすことは難しくなる。対策は地域を挙げて実践する必要がある。特定の場所で対策をしても、できていない所から侵入されるからだ。

(紅葉や秋の味覚、クマ出没に影響)
ナラやシイの木に虫がすみつき、枯れてしまう、いわゆる「ナラ枯れ」が全国に広がっています。見頃をむかえた紅葉や、秋の味覚に影を落とすだけでなく、いま急増するクマの出没にも影響を及ぼしていました。赤や黄色に色づき始めた葉、色鮮やかな秋の装いを楽しめる季節ですが、ある異変が起きていました。静岡県御殿場市の公園。本来、紅葉が楽しめるのは来月ですが、一足早い色彩の変化が。実はこれ「紅葉」ではありません。近づいてみると、葉っぱが枯れてしまっています。なんと、葉が枯れて変色していたのです。虫がすみ着き、樹木が枯れる「ナラ枯れ」。こちらの公園では、紅葉シーズンを前に184本の木が枯れてしまったということです。各地で発生している「ナラ枯れ」。鳥取県大山の高原では、過去最悪のペースで被害が拡大。秋田県と青森県に広がる世界自然遺産、白神山地のふもとでも被害が確認できました。さらに「ナラ枯れ」は住宅街にほど近い場所でも。神奈川県座間市の公園では、去年の10倍を超える、260本以上の木が被害に。枝の落下などの危険がある場合、伐採するということですが…。対策が急がれる中、費用や時間など課題も多いということです。こうした中、民有林など市内全体で7000本の被害が推定される御殿場市では…。伐採や虫の駆除にかかる費用の一部を補助する制度を創設。神社やゴルフ場などから、あわせて50件ほど問い合わせがあるということです。行楽シーズンに影を落とす「ナラ枯れ」。思わぬところにも影響を。30年にわたって、伊豆市で原木しいたけを育てる森野さん。その栽培場で「ナラ枯れ」が発生したのです。直射日光の遮断が欠かせない原木しいたけ。「ナラ枯れ」で日差しが届いてしまうといいます。来年以降のしいたけの生育に影響がでるかもしれない、ということです。さらに、「ナラ枯れ」はあの動物にも影響が。日本ツキノワグマ研究所 米田一彦理事長「(ナラ枯れで)凶作になると、山奥に熊のえさが何もない状態になる。これが一番の出没要因で、奥にいる熊が一歩里に近づくと」。今年、各地で目撃されている熊。さらに「ナラ枯れ」が深刻化すると、今以上に熊が出没することも、考えられるということです。自治体は被害拡大防止に取り組んでいます。

(電気柵などクマ対策徹底を:秋田)
秋田県藤里町の80代女性が住宅地でクマに襲われて死亡したことを受け、町と県は22日、町内でクマの出没や被害の恐れがある場所の緊急点検を行った。町職員が県の専門家とともに町内で過去にクマの目撃や食害があった地点を回り、対策などを検討した。女性が襲われたのは7日正午ごろ。町役場から約200メートル北の住宅地で、クリ拾いから帰宅途中に頭などに大けがを負い、搬送時に「クマに襲われた」と話した。1週間後の14日に脳挫傷で死亡した。

(ヒグマ出没今年は少ない?:北海道)
札幌市内で確認された本年度のヒグマの出没情報件数が18日現在、83件と過去10年で2番目に多かった2019年度(196件)の半分にとどまっている。市は耕作放棄果樹の伐採や河川敷の草刈りが一定の成果を上げているとみる。一方、今年は餌となるドングリの生育状況が悪く、冬眠前のクマが市街地や農地に出没する可能性もあり、市は紅葉シーズンの山歩きなどに注意を呼び掛けている。今年4月以降、クマの目撃やフンなどの痕跡が確認された出没情報83件のうち67件が南区。市は、昨年8月に南区藤野地区の住宅街に出没を繰り返し、駆除された「問題グマ」のような例がなかったことが全体の出没情報の減少につながっているとみる。

(ヒグマ捕獲期間前倒し方針:北海道)
道は、住宅地でのヒグマの出没が相次いでいることなどを受けて20日、専門家を集めた会議を開き、ヒグマの捕獲に対応出来る人材の育成を目的に、渡島半島地域で許可による捕獲の期間を1か月前倒しで行う方針を示しました。会議は、ヒグマが住宅地に相次いで出没していることなどを受け、道が専門家の意見を聞くために札幌市で開きました。このなかで道の担当者は、ヒグマの捕獲数が年々増えていることや、人を恐れないヒグマの出没が相次いでいることなどを説明しました。その上で、ヒグマの捕獲に対応出来る人材の育成を目的に毎年3月上旬から5月上旬に行っている許可による捕獲について、再来年からは渡島半島地域では1か月前倒しで行う方針を示しました。これに対し専門家からは、ほかの地域でも期間を変更すべきだとの意見も挙がり、道の担当者は検討していく考えを示しました。道は今後、会議を重ねてヒグマ対策を見直し、令和4年度から始める「ヒグマ管理計画」に新たな対策を反映させることにしています。

(クマ死亡事故受け対策共有、県が連絡会議開催:秋田)
秋田県は19日、住宅地でツキノワグマの目撃が相次いでいるのを受け、被害防止連絡会議を秋田市文化会館で開いた。市町村の担当者約60人が参加し、人身被害を防ぐための情報を共有した。県内では7日に藤里町役場近くで80代女性がクマに襲われ死亡したほか、16、17日には大仙市の住宅地で複数の目撃情報が寄せられるなど市街地でクマの目撃が相次いでいる。会議では、防災無線などで注意を呼び掛ける際のポイントを県の担当者が説明。「クマ対策を明確に伝えることが重要だ」とし、具体例として(1)朝晩の散歩は控える(2)夜間はスマートフォンなどで音を立てる(3)栗や柿などは収穫・伐採する-などを挙げた。出席した美郷町農政課の高橋正樹主査は「町でも最近クマが目撃されており住民から不安の声が上がっていた。対策を実践し人身被害を防ぎたい」と話した。県によると、今年のクマの目撃件数は12日現在799件で昨年同期に比べ183件増加。今後、冬眠に向けクマが活発になることが予想されており、県は警戒を強めている。

(クマと人の「緩衝帯」整備:秋田)
秋田県民が広く負担している、県の「水と緑の森づくり税」を活用してクマ対策に取り組む地域が県内で増えている。道路脇のやぶを刈り払い、クマが身を隠せる場所を減らすことで人の生活圏とクマの行動範囲に「緩衝帯」を整備する取り組み。本年度は国の臨時交付金も活用し、16市町村の計160ヘクタールで行っている。潟上市昭和豊川地区では8月から9月末にかけ、元木山公園の東側にある龍毛堤の周辺で緩衝帯の整備を進めた。

(クマ被害・目撃増で会議:秋田)
秋田県内で住宅地や市街地へのクマ出没が相次いでいること受け、県や市町村が対策を共有する連絡会議が19日、秋田市文化会館で開かれた。人身被害を防ぐため、県の担当者がクマの習性や出没時の対処法を紹介。各市町村に出没時の対応マニュアルを作成することも促した。県によると、本年度のクマ目撃件数(12日現在)は799件で、2019年度の年間件数(672件)を既に大きく上回っている。今月に入り藤里町の住宅地でクマに襲われた女性が死亡したほか、大仙市や羽後町の住宅地近く、横手市の市街地にも出没した。会議には市町村や県警、東北森林管理局などから約60人が参加。県自然保護課の澤田智志課長は「地域で連携を強化し、訓練などを通して被害防止に取り組んでいくことが重要だ」と述べた。

(サル被害が深刻化、地域が一丸:山形)
県内を代表する観光地、山形市山寺地区でニホンザルによる被害が深刻化している。畑を荒らすだけでなく、住民の生活圏や観光エリアに出没して住民や観光客を威嚇し、けがをさせるケースも出ている。同地区は本年度、市と共に住民主体のサル防除策を確立する取り組みを進めており、サルの正しい追い払い方や電気柵の張り方を学ぶ実地研修が19日、地区内の農地で行われた。県みどり自然課によるとサルによる県内の農作物被害額は、侵入防止柵の設置や捕獲などの対策が進んで年々減少傾向にあるが、山寺地区ではサルを含めた鳥獣による被害額が横ばいで推移している。こうした農作物被害も問題だが、むしろここ数年は、サルが登下校中の児童生徒を威嚇したり、走行する車を追いかけたりと、住民の生活上の不安が増大している。昨年は、門前町界隈(かいわい)でサルに威嚇された観光客が逃げる途中にけがをしたり、墓参り客が腕をつかまれ擦り傷を負ったりする人身被害も起きた。同課の担当者は「サルは日中に活動し、最初は人がいないところで農作物を狙っていたが、人里に下りる回数が増え人に慣れてしまった可能性が考えられる」と話す。同地区ではこうした状況から、野生鳥獣の生態に詳しい合同会社・東北野生動物保護管理センターの指導の下で7月から研修会を重ね、これまで地区の現状確認や他の観光地での事例などを学んできた。初の実地研修となった今回は住民約20人が参加し、銃声に近い音がする専用の花火やエアガンによるサルの追い払い方法を体験した。花火はサル出没の情報を地区内で共有する意味で発見したら必ず使用し、被害の有無に関わらず、群れになるべく近づいて発射すると威嚇効果があるという。同センターの宇野壮春代表は「1人が花火を使ったら住民みんなが続けて使わないと、サルが一時逃げるだけで終わってしまう。集落からサルがいなくなるまで追い払うやり方を、継続的に行う必要がある」と説明した。他に電気柵の正しい設置の仕方も確認した。山寺地区振興会の矢萩昭夫会長(74)は「これまで個別に対策をしてきたが、サルにここは危険な場所だと認識させるため、地域全体で継続して取り組んでいくことが大切だ」と話し、今後も市と共に実効策を探っていくとしている。

(「クマとぶつかっても車外に出ないで」:新潟)
住宅地にクマが現れる背景について新潟大農学部の箕口秀夫教授(森林生態学)は、二つの要因があると指摘する。一つは生ごみやカキ、クリなど餌が豊富なこと。もう一つは、犬にほえられて追い返されるなど嫌な思いをする「負の記憶」がないことだという。夜間に来て簡単に餌が得られる経験を積み重ね、住宅地は安全な領域だと学んでいると推測する。箕口教授は「住宅地で遭遇したら、刺激せず頑丈な建物に逃げ込んでほしい」と助言。冬眠を控え、自然界の洞穴に近い環境のガレージや物置などに入り込むケースも想定されるため、鍵をかけるなどの対策を求める。新潟県内では車との衝突事故も発生している。「手負いのクマ」は攻撃性が高まる。箕口教授は「ぶつかっても車外に出ず、警察などに通報してほしい」とし、車が動かせる場合は安全な場所への移動を勧めた。

(クマ大量出没、山のドングリ増なら?:福井)
2年連続でクマが大量出没している福井県内。「エサが不足しているなら山中にドングリがなる木を植栽しては?」。福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に、そんな声が寄せられた。県に聞くと、ドングリが実る広葉樹を針葉樹林に増やす「針広混交林」の拡大は既に進められており、2024年度には現在の倍以上の2300ヘクタールになる計画という。ドングリは奥山なら主にブナやミズナラ、標高が比較的低い場所はコナラなどに実る。クマの大量出没はこれらの実りが悪かったことが原因だ。広葉樹の植栽について県自然環境課は「ドングリの豊凶の仕組みは十分に分かっておらず、クマの人身被害対策としては今後の研究課題」とする。スギなど針葉樹林の針広混交林化は、木材需要の低迷なども背景に10年以上前から進められている。スギを列状に伐採し光が差し込むようにすることで、自然に広葉樹を増やす。県は「ふくいの森林・林業基本計画」で、昨年度960ヘクタールだった針広混交林を、24年度に2300ヘクタールとする構想を描く。県内の民有林は半分近い12万ヘクタールがスギなどの人工林。将来的にはそのうち奥山に当たる7万ヘクタールを、広葉樹も生えた多様な森にする考えだ。民間でも県内各地で広葉樹の植栽が行われており、大野市では森林保全団体が苗木を育て、山に植樹するボランティア活動が長年続けられている。広葉樹にはドングリが実らないものも含まれるが、針葉樹だけに比べればクマのエサは増える。ただ長い時間が必要で、クマの出没が11月にかけてピークになると考えられることから、県自然環境課は「集落の柿や栗を早期に収穫し、朝夕は出歩かないなど、対策を取ってほしい」と当面の注意徹底を呼び掛けている。

(ヒヨドリの群れ、海峡渡る:北海道)
渡り鳥の通過ルートとして知られる北海道最南端の渡島管内松前町の白神岬で、ヒヨドリの群れが越冬のため、津軽海峡対岸の青森県竜飛崎へ向けて飛び立っている。17日の早朝、白神岬付近の草地には、「ピー、ピー」という鳴き声とともに、数百羽のヒヨドリが姿を現した。飛び立った群れは上空で他の一群と合流してさらに大きくなり、猛禽(もうきん)類を避けるために海面すれすれへ急降下し、約20キロの海峡を渡っていった。

(クマ・イノシシ、行動『分析』:福島)
県生活環境部は18日、会津美里町の八木沢地区で、クマやイノシシなどの行動を分析する集落環境診断を実施した。住民らが専門家と共に地域を巡り、鳥獣被害防止に向けて対策を考えた。住民らは2グループに分かれ、山際に沿って設置された電気柵の周辺などを点検。野生動物が隠れることができる場所や通り道などを確認した後、対策を話し合った。今年は、地区周辺でイノシシによる畑の掘り起こしなどの被害が目立つという。児島宗一区長は「イノシシなどが入って来られない環境をつくることで、地域を歩く人の安心につなげたい」と話した。

(集落の「餌」管理徹底を:新潟)
人を恐れない「新世代クマ」。餌となる果樹や生ごみなどの管理を徹底し、クマを人里に近寄らせないことが重要-とされる。冬眠する12月までは警戒が必要だ。鳥獣害対策を支援する会社「うぃるこ」(新潟県長岡市)の清水あゆみさん(24)の現地調査に同行し、対策の方向性を考えた。山あいに位置する長岡市栃尾地域の人面(ひとづら)集落で9月26日早朝、男性がクマに襲われ、重傷を負った。清水さんは今月16日、長岡市からの依頼を受け、事故の検証のため訪れた。男性は、高台の畑につながる坂道で襲われたとみられる。現場にはクリがたくさん落ちていた。周辺にはカキの木もあり、住民によると、クマの爪痕も確認されているという。清水さんは、近くを流れる川沿いを移動したクマが餌となるカキを求め畑に近づき男性と遭遇、驚いたクマが攻撃したと推測した。「事故の典型的なパターンだが、防げた可能性もある」と険しい表情で語った。人面では毎年のようにクマの痕跡が確認されている。9月23日には同じ栃尾地域の北荷頃でも人身被害が起きていた。人面の現場近くで農作業をしていた男性(66)は「この辺で人が襲われるのは初めてだ」とショックを隠さない。住民らは以前から一定の注意を払っており、クラクションを鳴らしたり、ロケット花火を使ったり対策もしていたからだ。清水さんは、クマと遭遇しない対策を徹底する必要性を訴える一方で、「クマを寄せ付ける集落の『餌』の管理も重要」と力を込める。クマは縄張りを持たないため、駆除しても別のクマがまた寄ってくる。新世代クマの増加について「クマの行動原理は変わらない。餌があることが集落に寄ってくる原因だ」と指摘。現状のままだと、クマが人里に安定して餌があると認識し、今後はブナなどの実が豊作でも、人里に降りてくる可能性もあるという。清水さんによると、クマに「集落に餌がある」と学習させないために、カキやクリの木を電気柵で囲ったり、伐採したりする必要がある。早めに収穫し、地面に落ちた実も放置せず、処分するのが有効だ。所有者が不明な果樹を伐採できる合意形成の仕組みづくりも欠かせないという。うぃるこでは、行政や住民と連携し、集落単位での鳥獣害対策を考える「集落環境診断」を村上市や妙高市など各地で実施している。住民と一緒に集落を回り、被害状況を確認し、「動物を引き寄せる原因や電気柵の張り方を見直し、住民自身が持続可能な対策に結びつける」のが狙いだ。清水さんは強調する。「クマの習性を理解して、対策をすれば被害は防げる」

(ブナ「実りゼロ」、クマ大量出没を懸念:富山)
ことし、県内ではクマの人里への出没が秋になっていっそう目立っています。その背景にあるのが、山でクマの餌となる木の実の実りが非常に悪いことです。山で何が起きているのか、ブナの実り具合を調査している林野庁の職員に同行しました。吉田記者がお伝えします。標高およそ1100メートルに位置する立山の美女平。ブナの木が立ち並ぶこの道は、その光景から「ブナ坂」という名前がつけられています。今月13日、林野庁 立山森林事務所の桑原優太さんと歩いてみると…。中部森林管理局立山森林事務所 桑原優太森林官「あちらがブナの木になるんですけれどもことしは先端部分に1つだけ実が確認できるだけでその他には確認することができないので凶作なのかと思います」。林野庁は毎年、県内の国有林23地点を対象にブナの実り具合を調べています。ことし8月に調査を行ったところ全ての地点でブナの実が全く実っていない状態でした。全く実らないのは2005年に統計を取り始めてから初めてのことです。桑原さんは、実り具合に周期があるのではないかと話します。桑原優太森林官「(ブナの)実がなっていないときは木自体がエネルギーを蓄えていて何年か後に豊作というような時期が来ると思って調査しています」。ブナの実はクマの餌となりますが、これで2年連続の凶作で、餌を求めてクマがいっそう人里に出てくることが心配されています。ことし県内ではクマの目撃や、ふんなど痕跡の発見が18日までに410件にのぼっています。このうち先月末までは318件でこれは去年より3割近く増えています。また人への被害も5人にのぼっています。さらに秋は例年、出没が増えます。これは去年、県内でクマが出没した件数のグラフですが、10月、11月に非常に多いことがわかります。例年、冬ごもりの前に餌を求めて人里に出没するクマ。 ことしは木の実がないことで、今後ますます出没する可能性があります。県は人への被害を防ぐため、人里にあるカキなどの実は速やかに取り除くこと、クマが姿を隠すことができる集落周辺のやぶや河川敷の草むらを刈り取ることなどを対策として呼びかけています。クマはこのところ市街地でも目撃されています。また隣りの石川県では先週からけが人も複数出ています。クマが出没する地域では警戒を続けてください。

(シカと列車、事故急増)
動物との衝突などで、鉄道が大幅に遅れたり運休したりする例が近年になって急増している。中でも全国的に目立つのがシカとの衝突だ。鉄道会社は、運行への影響や犠牲になる動物を減らすための取り組みを各地で続けている。国土交通省の「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」によると、運休や30分以上の遅れが出た「輸送障害」は2019年度、前年度より48件少ない5665件だった。半面、動物が原因だったのは822件と118件増えた。年間4千~6千件の間で推移する輸送障害のうち、動物関連は全体の1割以上を占めている。なぜ増えたのか。公益財団法人鉄道総合技術研究所(東京)で生物工学を研究する志村稔さんは「多くのケースで原因となっているシカの個体数が増えた」と説明する。環境省の推計では、ニホンジカの頭数(北海道を除く)は1989年度の31万頭程度(中央値)から年々増え続け、2014年度には289万頭程度(同)にまでなった。同省によると、明治期に乱獲で激減したニホンジカは捕獲規制で、戦後しばらくして減少に歯止めがかかった。もともと繁殖力は高いが、中山間地の過疎化による耕作放棄地の拡大▽造林などで餌となる植物の増加▽狩猟者の減少――といった要因が重なり、増加に転じたと考えられている。国は駆除など対策を強化しており、ここ数年はやや減る傾向にあるとされる。志村さんは「農村部の過疎化で人と野生動物がすむ区域の境目があいまいになり、シカの生息域が拡大して里に近づいている。頭数が減っても事故はなかなか減らない」とも指摘する。動物対策の現場はどうなっているのか。7月上旬の岩手県釜石市。山あいを走るJR釜石線の線路脇に、体長1メートルに満たないシカの死骸があった。「昨夜はねられたシカです」。同行したJR東日本盛岡支社の社員が説明してくれた。前夜にワンマン運行の1両編成がぶつかり、運転士はすぐに死骸を線路脇に寄せて運行を再開。6分の遅れが出たという。シカを車体の下に巻き込んでしまえば保線作業員が現場に出動するが、遅れはそれだけ大きくなる。盛岡支社は岩手県や青森県の山間部を走る路線などを管轄。JR東日本の中で動物と列車の衝突などによる遅れが最も多い。19年度は30分未満の遅れも含め、前の年より6件多い523件の遅延が発生。うち8割はシカが原因だった。「対策をして横ばいにとどまっている」と担当者は話す。シカが出没するのは夜間が多い。運転士は経験から出没しやすい場所を把握し、シカを見かけると徐行してライトで照らしたり警笛を鳴らしたりする。鉄道各社は様々な対策を試みている。盛岡支社では、衝突が多発する地点の線路脇に、侵入を防ぐための高さ約2メートルの「シカネット」を設けた。シカがにおいを嫌がるというライオンのふんを混ぜた薬剤もまき、苦手とされる赤と緑の光を点滅させる機械「クルナレーザー」も導入。宮城県内などを管轄する仙台支社は、青色の発光と超音波を発する装置「害獣王」を採用した。JR西日本は、シカが鉄分をとるために鉄製のレールをなめにくることに着目。線路から離れた場所に鉄分とミネラルを配合した固形の誘引材を置き、一定の効果を上げたという。JR北海道は約100キロにわたりエゾシカ対策の柵を設けている。ただ、沿線は約2500キロと長大で、カバーするにも限界がある。鉄道総研はこうした状況に対応するため、シカが仲間に危険を知らせる声と犬のほえ声を組み合わせた手法の開発を進めている。様々な対策を打ち出しても、決定打は見つかっていない。費用やメンテナンスに加え、効果が持続する期間なども課題となる。動物が絡む輸送障害の内訳を、全国の鉄道会社からの報告を国がまとめた「運転事故等整理表」で分析した。18年度の704件のうち、動物別ではシカが374件と過半数を占め、イノシシ123件。カラスなどの鳥類49件、カモシカ44件、クマ23件と続いた。地域では、東北が149件で最多だった。近畿(121件)、北海道(115件)も100件を超え、中部92件、関東70件、中国66件、九州50件、北陸信越36件。5件だった四国と、モノレールしかなくゼロだった沖縄を除けば、地域に極端な偏りは見られなかった。輸送障害の原因には、衝突以外に「動物が斜面を踏み荒らしたことによる落石」「カラスの置き石」などもあった。

(好物のドングリ凶作、餌を求めたクマの出没に注意:群馬)
群馬県内で秋以降、冬眠前のクマが餌を求めて人里に出没する危険性が高まっている。今年はドングリが全般的に凶作で、県鳥獣被害対策支援センターによると、これまでの調査で最低水準。農作物の適切な処理など注意を呼びかける。同センターによると、今年はミズナラ、コナラ、クリが不作、ミズキが凶作、ブナが大凶作で、ドングリは全般的に凶作となった。現在の調査方法は2011年度から採用しているが、極端に悪いという。クマは冬眠前に体重を増やすため、栄養価の高いドングリを多く食べるが、山林に餌が少なくなると、人里へ現れる傾向が高まるという。県内のツキノワグマは増加しているとみられ、推計で約1200頭(18年度)が生息する。ドングリが「豊作」となった15年の目撃頭数は36頭だったのに対し、「不作」の昨年は6倍超の234頭に上った。今年は8、9月に沼田市やみなかみ町、中之条町、川場村の登山道や渓流などで、釣り人らがクマに襲われる被害が5件(負傷者6人)発生している。同センターは、登山者や山菜採りで山林へ入る人に対し、鈴やラジオなど音が出るものを携帯するように求めるとともに、人里へクマを引き寄せないため、「畑などに農作物や果樹を放棄しないようにしてほしい」と呼びかけている。

(クマ目撃最多ペース:京都)
京都府南丹市における2020年度のクマの目撃件数が11日までで33件に上っている。同時期と比べて07年度以降で最多で、1年間を通して最多だった10年度の48件を上回るペースだ。柿が青いうちから食べるという過去にないケースも今年は見つかっている。10月中旬から活動が最も盛んになるため、市が警戒を呼び掛けている。20年度の目撃件数は、19年度同時期の12件の3倍近い。19年度は10月12日以降に24件の目撃があった。冬眠に向けて、10月中旬から12月初旬まで活発に動き回るため、今後、さらに目撃が増える可能性が高い。個体数の増加が一因とみられる。京丹波町や亀岡市など、由良川の東で生息する丹波個体群は約10年で2倍超の480頭に増えたとみられる。増加に伴って出没範囲も拡大。昨年は南丹市日吉町胡麻のJR胡麻駅付近など今まで情報がなかった地域で目撃された。今年の新たな特徴が、熟していない柿を食べた痕跡が同市美山町の荒倉や下平屋などで散見されている点だ。市農山村振興課の奥村豊課長補佐は「青いうちから食べるのは聞いたことがない」と驚く。昨年に続いてドングリが凶作なことが背景にあると考えられ、飢えている恐れがあるという。身を守るには、出くわさないようにするのが重要だ。柿や栗などの実を庭の木から取っておくほか、夜間は車から降りる前にクラクションを鳴らして人間の存在を知らせておくといった対策が有効という。近く、注意点をまとめた生活情報誌を全戸配布する同課の片山正人課長は「現状で人的被害はないが、今後さらに注意してほしい」と強調する。

(止まらないクマ出没、対策は:福井)
この秋、各地でクマの出没が相次ぎ、現場の人たちは対策に追われています。例年とことしの9月のクマの出没件数を比較すると、例年は30件前後で推移していましたが、大量出没した去年は78件。ところがことしはさらにその2倍近くの136件に増えています。10月に入っても14日までに170件と、前半2週間だけですでに9月1か月分を上回っているんです。クマを出没させないための対策のひとつが、エサとなる住宅の近くの柿の実などを取り除くことです。勝山市での取り組みを取材しました。勝山市です。去年に続いてことしもクマが大量に出没し、被害も相次いでいます。10月2日には自宅の花壇に水やりをしていた89歳の女性が、背後からクマにぶつかられました。女性をはじめ、市内では9月以降いずれも山に近い地区で3人がけがをしています。一方でこれまでのところ、市の中心部では被害は出ていません。市内各地でクマが大量に出没した去年は、中心部でも被害や出没が相次ぎました。市役所から数百メートルほどの芳野地区でも、柿の実を食べに来た親子とみられる2頭のクマが住宅地の木にのぼり3日間居座り、地区一帯で警戒が続く異例の事態となりました。地区の住民も、これまでにない対策を求められました。地区に住む加藤謙二さん(63)は、市や地区の呼びかけを受けて毎年実がなっていた柿の木の枝をすべて切ることにしました。去年、地区全体で対策に取り組んだ芳野地区。加藤さんは、ことしも油断はできないと話しています。2年連続で大量出没となる中、行政は対策の強化を迫られています。住宅近くの柿の実をできるだけ早くとってもらうため、市役所への収集車の設置を去年より1か月早めて今月からスタート。開始から2週間足らずですでに去年の8割にあたる5.8トンの柿が寄せられました。もうひとつの対策は、柿の木の伐採にかかる費用への補助金の支給です。自分の力だけでは木を切れない人も多く、業者などに委託するとどうしても費用がかかってしまうためです。(勝山市クマ対策警戒連絡室 伊藤寿康室長)「柿の木を切るにもなかなか大きい柿の木ですとご自身で切るのはかなり難しい、あとは費用負担も発生しますので、そこをなんとか手助けできないかということで」。こうした後押しをいかした取り組みも進んでいます。山あいにある伊知地地区です。区長の仲谷傳次さんは、去年から柿の木を切れない人に代わって区の役員で伐採を請け負うなど地区を挙げて取り組んでいます。高齢化と人口減少が進む中、地区には持ち主が不在の住宅も増えています。この木は県外に住む持ち主に電話で許可をとって伐採しました。(仲谷傳次区長)「なかなかこちらのほうに来られる機会も少ないものですから、電話で連絡して「地元の人にできるだけ迷惑かからないように」ということで了解していただきました」。仲谷さんらの呼びかけで、ことしはこれまでに8人から依頼が寄せられました。伐採を依頼した男性は、最近は実がなってもほとんど食べなくなっていましたが、手間と時間がかかるため自分で切ろうとは考えていませんでした。「自分でクマが来たから、さあ切ろうかっていうことはない。区長からのきっかけでみんなこうやって切ってる」。個人では難しくても、誰かが手伝ってくれるならお願いできる。仲谷区長は、住民どうしの支え合いで対策が進みつつあると実感しています。(仲谷区長)「区のほうに『切ってや』って言えば切ってくれるっていう気安い頼みかたができるんで、そういう面では割とそういう雰囲気はだんだん根付いてきてるんかなっていう風に思います。人間の生命や財産、命をまず第一に考えて、できることを区としても応援していきたい」。一方、県内にはまだ住宅近くに柿の実が残る地区も少なくありません。専門家は、クマの出没を防ぐには地区全体でムラなく取り組むことが大切だとと指摘します。(石川県立大学 大井徹教授)「村の多くの柿の木を除去してしまっても、集落の真ん中に何本か残っているとすればそこを目指してクマがやってきて、通過するところで事故が起こることもあるわけです。ですからクマが侵入したら困る場所については広く一斉に柿の木を除去する、あるいは柿の実を除去してしまうということが必要になってきます」。「福井県でも2004年以降、福井平野に伸びる丘陵地帯などに新しくクマが分布を広げて恒常的に生活するような状態になっているようです。そういう状態のときにクマのエサが不作ですと、簡単にクマは集落とか市街地に出てしまうということが考えられます」。「もう少しクマの生息場所を山奥のほうに後退させるということが必要だと思います。クマを誘因しているようなもの、柿だとか栗だとかクルミ、そういったものを人里周辺から除いてしまうと。あとは集落と森林の間を伐採して緩衝地帯をつくる。そういったことも必要だと思います」。記憶に新しいところでは、去年は12月に入っても出没が続きました。県は12月中ごろまでは警戒が必要だとしています。具体的な対策としては、紹介した柿の木の伐採や実の除去のほか、自力で実を取れない場合などは柿の木などの幹にトタンを巻いてクマが登れないようにする対策も効果があるということです。このほか被害を防ぐには▼早朝や夕方の薄暗い時間帯の外出はできるだけ避けることや▼ことしは日中の出没も比較的多いため、明るい時間帯でも外ではクマ鈴やラジオを鳴らしてクマに人の存在を知らせることなどが有効だということです。

(クマ襲撃相次ぎ、緊急会議:石川)
22日午前6時頃、金沢市小池町の農道で、近くに住む男性(77)がクマに襲われた。男性は左手をかまれて腕をひっかかれたほか、左手首を骨折するけがを負った。石川県警金沢東署の発表などによると、男性は新聞配達のアルバイトを終え、自転車を押しながら歩いて帰宅していたところ、左側から出てきたクマに襲われたという。襲ったのは子グマとみられており、その後、山林内に逃げていった。県内では今月に入り、市街地などへのクマの出没が相次ぎ、人身被害は今月だけで計10人に上る。現場近くに住む無職の男性(82)は「自分もいつ襲われるか分からず、とても怖い」と話していた。男性がクマに襲われたことを受け、金沢市は22日、約20人の幹部職員による緊急連絡会議を開き、現場周辺でパトロールをしたり、捕獲用のオリを設置したりして警戒態勢を強化することを確認した。会議では、今年度の市内でのクマの目撃・痕跡情報が同日午前9時までに、過去10年で最も多い200件に達し、10月だけで半数近い97件に上っていることが報告された。被害が発生した地域にある小学校では、スクールバスに教員が同乗し、バス停まで保護者が迎えに来る対応を取ることを確認。また、現在26基ある捕獲用のオリを3基増設するという。市森林再生課の西川修一課長は「クマの活動が活発になる早朝や夕方の散歩やジョギングはなるべく控え、12月頭まで警戒を続けてほしい」と呼びかけている。

(「放任果樹」、クマの餌場に:島根)
クマの出没が急増し、島根県内でも津和野町で人的被害が出る中、収穫されない「放任果樹」の存在が問題になっている。特に熟れた柿はツキノワグマの大好物で、餌場になる可能性が高い。地方自治体は管理できなくなった木を伐採するよう呼び掛けているものの、生息域に面する中山間地域では所有者がよく分からないなどの理由で、適切な管理ができない現状がある。

(クマ出没に厳戒:石川)
小松、白山、加賀市で人がツキノワグマに襲われ、JR北陸線加賀温泉駅前のショッピングセンター店内に半日も侵入されるなど、南加賀では市中でのクマの目撃、人的被害が相次ぐ。市町は警報を出すなど警戒を強めている。小松市は県の「出没警戒情報」(八日)より早く、九月二日にクマ出没警報を発令した。那谷町の県道で男性が襲われたのがきっかけ。中山間地を中心に、消防車や市の公用車で毎日、パトロールする。クマを引き寄せる市中のカキの摘み取りや隠れ場となるやぶの刈り取りについて町内会向けの補助制度を新設。人家にクマを引き寄せないよう取り組む。クマの出没が過去最多を更新しており、今月十二日、市民向けにクマと合わない、引き寄せない、出合った場合の対処を記したポスターを五百枚作製。クマが多く出没する地域にあるこまつドームには十五日、現地指揮本部を設置。竹村信一副市長が陣頭指揮する。加賀市のショッピングセンターへのクマ侵入を受け、二十一日に小松商工会議所を通じて二百二十一の役員の会員事業所に警戒を促す文書を送った。「玄関、搬入口、裏口など、建物への入り口を短時間でも開けた状態で放置しない」などの対策が書いてある。市民向けポスターのデータも小松商議所ホームページに出すなど人的被害を出さないよう躍起だ。白山市は 十六日、明法島町で男女四人が相次いで襲われた。クマが住宅街に出没した場合、出没場所付近の町内会で音声告知放送を流すほか、各家庭に順次、配っている防災行政無線で注意を求めている。市民の安全に緊急性が高いと判断した場合、市民向けの防災メールも送信している。二十一日に対策会議を開き、市民に注意喚起を促すちらしを今月中に、市内の全三百八十八町内会に回覧すると決めた。加賀市は四人が襲われ、駅前のショッピングセンターに侵入されたのを受け、二十日、初の緊急対策本部を設けて「緊急警報」を出した。防災メールや防災行政無線、市ホームページなどで最大限の警戒を市民に呼び掛けている。全町内会を通じて注意喚起の文書を送り、餌になる果実の回収、音の鳴る物の携行を促す。捕獲用のおりは十月当初、山間部に二基置いたが、十八日に五基増やして計七基に。さらに五基の増設を予定する。小松市同様、やぶの刈り払い費の町内会向け助成などの制度を早急に整えるとしている。捜索や追い払いにドローンの活用も検討する。ドローンからクマが嫌う音や超音波を出し山に追いやる。定点カメラなど情報通信技術(ICT)機器を使い、リアルタイムで監視・通報するシステムの導入も検討する。市消防は朝夕の通勤、通学時間帯に消防車が警鐘を鳴らし市内を巡回。二十三日には消防や警察、猟友会などと合同パトロール出発式を行う。能美市は目撃情報が今月急増し二十一日時点で、昨年の十二件の四倍以上の五十四件になった。山間地を抱える辰口地区と寺井地区の一部は市職員が小中学校の登下校時に巡回。児童館には子どもだけで訪れないよう求める。生ごみを外に置かず、柿の実の早期の摘み取りも呼び掛ける。川北町は十二日にクマの目撃情報があった。町内に山間地がなく、町はクマは生息していないと考え、町の担当者は「何十年ぶりかの目撃」と驚く。今月いっぱい警戒し柿の実の摘み取り、茂みの撤去などを呼び掛ける。町にほど近い白山市明法島町で十六日に四人が襲われた際、町は情報を把握していなかった。担当者は「自治体間で情報共有できる仕組みを考えたい」と課題点を指摘した。

(クマ出没、観光客減に懸念)
北陸3県の市街地でクマの出没が増えている。商業施設や温泉街などに現れ、人的被害も発生している。政府の旅行需要喚起策「Go To トラベル」の効果もあり、客足が戻りつつあった観光関連業界は出没による需要減少を懸念する。新型コロナウイルスの感染防止だけでなく、クマへの対策も急いでいる。「『Go To』で観光客が増えていたところだったのに」。山代温泉通り商店街振興組合(石川県加賀市)の下達也理事長はため息をつく。商店街にある小売店などは「様々な対策を取っているが、風評被害が出ないか不安だ」。加賀市では10月に入ってクマの出没頻度が高くなっている。9月は12件だったが、10月は約2週間で22件にのぼる。特に加賀温泉郷の山代温泉では17日、3人がクマに襲われた。旅館や飲食店は施設への侵入防止などの対策に乗りだした。自動ドアを手動に切り替えたり、ドアや裏手の搬入口を施錠したりしている。2つの旅館を運営するよろづや観光(加賀市)は、宿泊客がもう一方の旅館の温泉に入れるサービスを休止した。萬谷浩幸社長は「宿泊客の恐怖心をあおりすぎないよう、注意喚起しなければならない」と気を引き締める。JR加賀温泉駅前でプリン専門店「かがの湯ぷりん」を運営する鴨出円さんは「こんな街中まで出てきて驚いている」と話す。営業への影響はまだないものの「観光客が減るのではないかと危惧している。ただ、どう対策をしていいかも分からない」という。石川県全体の2020年のクマの目撃件数は400件に達し、年途中ながら記録のある05年以降の最多を更新した。クマによる負傷者は12人出ている。19日には加賀市の商業施設にクマが逃げこんだ。運営会社は従業員を避難させ、終日休業とした。地元の猟友会がクマを駆除した。石川県は8日、県内にクマの出没警戒情報を発令していた。19日に改めて市町に対策を徹底するよう通知した。必要に応じて小学校は集団下校とするほか、住民に深夜と早朝に出歩かないよう注意喚起した。福井県も4~9月の出没件数が517件と過去最多となった。出没の影響で児童科学館「エンゼルランドふくい」(坂井市)が臨時休館となることもあった。富山県でも1~9月に目撃情報が281件寄せられ、前年同期を上回っている。ツキノワグマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹教授は、長梅雨でエサとなるブナやミズナラなどの木の実が凶作だったことが出没増加の要因と指摘する。「秋は冬眠に備えて食欲が高まる。山にエサがなければ人間の生活域に出没する」大井教授は「河川沿いの林などクマの移動経路を推定し、環境整備や捕獲などで市街地への道をふさぐことが効果的」とも話す。北陸では新型コロナの感染拡大が落ち着きをみせており、春から夏にかけて需要減少に直面した宿泊施設などは、秋の行楽シーズンに期待している。クマの出没が続けば、客足の回復に水を差しかねない。

(市街地のクマ対策、餌と経路断ち出没減らそう:福島)
市街地でクマの目撃が相次いでいる。石川県加賀市ではおととい、商業施設にクマが入り込むケースがあった。本県では喜多方市中心部で今月上旬、男性がクマに襲われ、手足にけがをした。例年10月から11月にかけては、冬眠に備えて脂肪を蓄える時期に当たる。県の調査によると、今年はクマの栄養源となるドングリの生育が悪く、餌を求めるクマが人里に出没する可能性が特に高い。山林などに入る際は、クマよけの鈴やスプレーを持つなどの対策を取ることができるが、市街地でクマが出没することを想定している人は少ないだろう。クマは人里では攻撃性が高まることもあり、山林で遭遇した場合より危険だ。市街地からいかにクマを遠ざけるかが重要だ。クマが出没したのはJR喜多方駅から北西に約150メートルの住宅などの密集地だった。クマは餌を探していた可能性があり、目撃現場はソバ畑の近くだったという。市は、餌となる農作物を収穫しきれず、畑などに放置したり、庭木のカキやクリの実を取らずにおいたりすると、クマを呼び寄せる恐れがあるとして注意を呼び掛けている。生ごみやペットの餌もクマを引き寄せる要因となる。餌となりそうなものを放置しないことで、被害を未然に防止したい。市の調査によると、クマは喜多方駅から西に数百メートル離れた川を伝って、線路や水路を移動するうちに住宅街に迷い込んだとみられる。このケースに限らず、クマは川沿いや高速道路の斜面などを通って市街地に近づくことが多い。クマは見通しの良い空間を嫌う性質があり、河川敷などの草を刈ると、クマの出没が減ることが確認されている。クマが近くに生息している市町村は、クマが潜みやすい場所などを確認して、対策を進めてほしい。クマの目撃情報は、朝と夕方が多い。喜多方市で被害に遭った男性は朝、通勤のため自宅を出たところでクマに遭遇した。東北のクマの生態に詳しい慶大先端生命科学研究所の鵜野レイナさんは「家を出てすぐにクマと鉢合わせするのを防ぐには、逃げるきっかけを与えてあげることが有効だ」と指摘する。具体的には、家を出る前にわざと物音を出すことで近くに人がいることを気付かせるのが効果的だという。クマは県内の山林に広く生息している。市街地までクマが下りてくる恐れは冬眠前まで続く。簡単にできる対策を知っておくことで、けがなどの被害を少しでも減らしたい。

(ドングリなど凶作、高まるクマ出没のおそれ:群馬)
群馬県内でドングリなどの堅果(けんか)類の実りを示す豊凶指数が今年は7段階の区分で下から3番目の「凶作」となり、餌を求めて人里にクマが出没する恐れが高まっている。例年は現れない場所にも出没する可能性があるとして、県が注意を呼びかけている。みなかみ町藤原の旅館「宝川温泉 汪泉閣」で16日、露天風呂に入るため屋外通路を歩いていた宿泊客の男性がクマに襲われ、左腕や右太ももに軽傷を負った。クマはそばに自生していたクルミが目当てだったらしい。9月16日には沼田市佐山町の沢へ釣りに来ていた男性が襲われて重傷。8月23日にはみなかみ町月夜野の雑木林で散歩中の男性が襲われ、重傷を負った。現場は上越新幹線上毛高原駅近くで、民家が点在する地域だった。8~9月で被害は5件で計6人が負傷した。県鳥獣被害対策支援センターによると、被害件数は2017~19年度が各2件で、16年度は6件、14年度は4件、12年度は7件。堅果類の豊凶指数と相関関係があり、豊作の年に比べて不作の年の方が多い傾向があるという。センターは9月上~中旬、利根沼田地域で堅果類の実りを調査した。ブナは大凶作、ミズキは凶作、ミズナラ、コナラ、クリは不作で、5樹種の合計では凶作となった。担当者は「気候などによるとの見方もあるが、はっきりした理由はわからない」としている。出没頭数自体も豊凶指数に左右される。不作だった19年度は被害は比較的少なかったものの、過去10年で最多の234頭が出没。並作だった17年度は78頭、18年度は95頭で、不作だった16年度は177頭だった。凶作の今年は「例年出ない場所にも出没する可能性があり、出没情報に注意してほしい」とセンターの担当者。入山時は鈴やラジオなど音が出るものを携帯し、収穫した農作物の残りや収穫予定のない果物類を処分するよう呼びかける。16日にけが人が出た旅館では、敷地内に捕獲用のオリを設置したり、クマが近づかないよう通路の照明を明るくしたりした。自生しているクルミの木3本は伐採予定という。社長の男性は「30年ここにいるが、敷地内でクマが出たのは初めてで驚いている。できるだけの対策をしたい」と話した。

(熊出没、市や猟友会が警戒呼びかけ:長野)
塩尻市内で10日以降、熊の目撃が相次いでいる。市などは19日までに、市民に注意を呼び掛ける情報9件を発信した。18日朝には広丘郷原で、95歳の男性が熊に襲われて大けがをした。19日未明には同じ雑木林で成獣1頭が目撃され、市や猟友会、塩尻署が現地をパトロールしており、市などは警戒を強めている。10日以降に熊が目撃された地域は、市西部の奈良井川の右岸と、片丘から上西条にかけての東部に大きく分けられる。市森林課は、西側と東側の個体は別の熊で、少なくとも2頭いたとみている。西部では10~19日に計5カ所で目撃された。熊は段丘林に沿って移動しているとみられる10日と12日は宗賀の畑の柿の木や、梨畑にいるところが目撃された。9月には洗馬梨ノ木でも出没し、ブドウの農作物被害も出ている。東部では13、14日の2日間で、いずれも子熊が目撃された。熊の相次ぐ出没を受けて市と市猟友会は19日、18日に広丘郷原で男性が襲われた現場付近と、19日の洗馬の目撃現場から南に約3キロの畑に捕獲用のおりを設置した。目撃された場所に近い広丘小学校や洗馬小学校などは、児童になるべく複数でまとまって下校するよう呼び掛けた。市教育委員会も、小中学校保護者向けの緊急メールで登下校時の注意を呼び掛けた。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、県内では今秋、ドングリが一定程度実っているものの、地域や樹種などで実り方に差があることから、熊が餌を求めて広範囲を行動する可能性がある。柿や不要な野菜、果物などを適正に処理するよう呼び掛けている。市森林課は熊と遭遇しないポイントとして、熊の活動が活発になる薄暮時や夜間はなるべく1人で出歩かないこと、屋外で活動する際は鈴など音の出るものを携行することなどを挙げ「常に警戒して」と呼び掛けている。

(おり2基設置、クマ捕獲作戦:長野)
塩尻市広丘郷原で十八日、近くに住む男性(95)がクマに襲われて重傷を負ったのを受け、市と市猟友会などは十九日、早朝から現場付近をパトロールするとともに、逃げているクマを捕獲するため、男性が襲われた場所の近くなど二カ所におりを設置した。同市では十九日未明にも、男性が襲われた場所から三キロ北の洗馬でクマ一頭が目撃され、市や塩尻署などは住民に注意を呼び掛けている。

(あわや衝突、交差点横切るシカ:静岡)
思いもよらぬ動物が現れた。静岡市駿河区の住宅街に姿を見せたのは「シカ」。あわや車と衝突という危険な場面をカメラが捉えていた。10月17日の午後3時半ごろ、静岡市駿河区を走っていたタクシーのドライブレコーダーには、交差点をシカが猛スピードで横切る様子が映っていた。あわや車と衝突という危険な場面だった。17日静岡市の住宅街に突然姿を現したのは成獣のシカ。最初の目撃は、午前6時ごろ静岡市駿河区国吉田で「シカを目撃した」と警察に通報があった。その後、約1キロ離れた消防署の敷地内で再び発見されると…放水路に逃げ込み、その場所で一夜を明かした。18日の朝、捕獲作業は消防や市の職員など20人態勢で始まった。市の職員がシカに向かって麻酔銃を撃つが、うまく命中せず。シカは放水路を走り、約1キロ離れた橋の下に逃げ込み、付近の様子を伺う。シカを移動させようと、消防隊員がロケット花火を使うが、シカはびくともしない。その後、消防隊員の誘導によって、再び逃げたシカは、約30分にわたって、住宅街の放水路を行ったり来たり。最後は動きが止まったシカに、麻酔銃が打たれ、最初の目撃情報から約30時間が経って、ようやく捕獲された。近くで見た人は「動物園で飼われているのよりも迫力があった」「こんなところでシカが現れると思わないから、捕獲されてホッとしてる。」などと話していた。捕獲されたのは体重70キロ、4歳ほどのオスのニホンジカだった。なぜ、この時期に住宅地に現れたのか?静岡市の担当者は「これから発情期に入り、オスが縄張りを持つので、縄張りを持っている強いオスから追い出されたのではないかと想像できる」と話している。市の担当者は、縄張り争いに敗れたシカが静岡市葵区の山間部から長尾川沿いを下ってきた可能性が高いとみている。静岡市ではシカを見つけたらむやみに刺激せず、市や警察に通報してほしいと呼びかけている。

(イノシシ捕獲、県南で急増:千葉)
県南部の館山、南房総両市を中心に、イノシシの捕獲頭数が急増している。今月5日には館山市内の民家で住人男性が襲われ、危うく難を逃れた。昨年の台風15号による被害や、急速に広がったナラ枯れによる餌不足などが背景にあるとみられ、市などは注意を呼び掛けている。館山市地域おこし協力隊の沖浩志さんによると、民家にイノシシが現れたのは5日深夜。同市布沼の早川満さん宅に2頭が現れ、庭を掘り返しながら餌を食べていた。体長は1メートル以上で、早川さんに気付くと突進してきたという。早川さんはとっさに身をかわして無事だったが「自宅には高齢の両親や子供もいるので、農作物だけでなく人的被害もありうる」と心配する。館山市農水産課によると、市内で捕獲されたイノシシの頭数は昨年1年間で899頭だったが、今年は9月末時点で既に約1100頭に達した。どんぐりを主食としていたイノシシが、台風やナラ枯れなどによる森林環境の悪化で飢え、餌にありつこうと山を下りてきたとみられる。同課は「人間の食べ物の味を覚えてしまうと、追い払うのも難しくなるので、注意してほしい」と話す。一方、館山市を囲む形で隣接している南房総市でも、捕獲頭数は急増している。市農林水産課によると、今年は4月から9月までに3434頭で、同期間に2153頭だった昨年と比べ、1・5倍以上に達した。同課は「昨年9月に台風15号で大きな被害を受けて以降、イノシシを捕獲する人たちが山に入る機会が減少したことで、繁殖したのでは」と分析。これを裏付けるかのように「うり坊」と呼ばれる子供のイノシシの捕獲頭数が、かなり増えているという。このほか勝浦市でも捕獲頭数は1・5倍以上に増えている。14日夜には富津市のJR内房線上総湊駅構内で、到着間近の普通電車がイノシシと衝突。けが人はいなかったが、車両に不具合が生じて1時間以上もダイヤが乱れ、帰宅客ら約200人に影響した。けが人の発生や農作物への被害拡大などが懸念され、県でも情報収集を進めている。

(登校見守りも、クマ目撃情報相次ぐ:山梨)
山梨県内で、クマの目撃情報が相次いでいます。このうち、10月20日から3件の情報が寄せられている甲斐市では、畑に罠を設置するなど警戒しています。甲斐市によりますと10月21日午前11時20分頃、甲斐市天狗沢の市道でクマ1頭が道路を横断していたと市に情報が寄せられました。市内では、10月20日もカキ畑とブドウ畑で2件の目撃情報が寄せられています。クマが目撃された3か所は1キロ圏内で、交通量の多い県道や住宅街が近くにあります。クマは、いずれも体長1メートルほどで目撃現場が近いことから同じクマとみられています。これを受けて、近くの双葉東小学校の児童は10月21日朝、教員や地元のボランティアなどが見守る中、登校しました。市と地元猟友会では、10月20日にクマが目撃されたカキ畑に10月21日、罠を設置するなど警戒を強化しています。このほか10月21日午前6時40分頃、笛吹市芦川町でも体長1メートルほどのクマ1頭が目撃されるなど県内ではクマの目撃情報が相次いでいます。

(クマ、能登島でも相次ぐ目撃:石川)
県内で目撃情報が相次ぎ加賀地方では人身被害も続出するクマ。能登地方は幸い人的被害は出ていないが、多数の目撃情報が寄せられ警戒が必要だ。七尾市でも今年は十三件(十九日現在)の目撃情報が寄せられ、既に年間件数で過去最多を更新。能登島では二十日、地域住民たちが下校時に児童を見守る活動を始めた。「いつ自分の在所にクマが現れるか分からない。まずは子どもの安全を確保しないと」。能登島地域づくり協議会事務局長の原田一則さん(61)が力を込める。能登島は今年、七月~十月十六日に五件の目撃情報があった。協議会は夏に注意喚起のポスターを作製し全戸配布。原田さんは「あくまで五件は通報があった数。目撃自体はもっと多い恐れもある」と指摘する。七、八月は島東部の野崎町、九月は南部の須曽町、今月は北部の曲町に出没し、目撃情報は転々とする。原田さんは「イノシシと見間違えているのではと疑う人もいるが、島ではクマの足跡も確認されている。ひとごとでないという認識が被害防止のために大切だ」と語る。児童の安全確保のため、夏に続き、地域住民による下校時の見守り活動がスタート。登校は原則保護者が学校まで送る。原田さんは「何かあってからでは遅い。一人一人が気を引き締めないといけない」と話す。七尾市では能登島のほか、東部の富山湾寄りの崎山地区でも目撃情報が相次ぐ。同地区コミュニティセンターは今夏、広報用の通信で住民に注意喚起。センター長の山崎時春さん(72)は「クマも食べ物を探しグルグル回っているのだろう。生ごみをきちんと処理するなどそれぞれが意識を高めクマを寄せ付けないことが大事」と話す。

(クマの出没相次ぐ:岡山)
美作市で18~21日、クマの出没が5件確認(21日午後3時現在)された。

(クマ目撃相次ぐ:富山)
20日、クマが度々出没した黒部市では、21日もクマの目撃が相次ぎました。猟友会がわなを仕掛けたほか、カキの木を自主的に切る住民もいて、周囲では警戒を続けています。黒部警察署によりますと21日午前5時ごろ、黒部市釈迦堂にある東布施駐在所の前に子グマがいるのを近所の人が見つけました。クマは逃げたということです。この場所は、20日に子グマがカキの木に登っているのが3回目撃された住宅敷地のすぐ近くです。警察は21日朝、通学時間帯に周囲をパトロールしました。また、20日夕方には猟友会がクマを捕獲するためのドラム缶式のわなを設置しました。またクマが近づかないようにと、実がなったカキの木の枝を切り落としている住民もいました。21日は黒部市窪野や富山市婦中町、砺波市などでもクマの姿や痕跡が目撃され、警察などは警戒を続けています。

(クマ目撃情報相次ぎ、注意呼びかけ:富山)
富山県黒部市で19日夜から子グマの目撃情報が相次ぎ、警察などは同じ子グマが動き回っている可能性があるとみて注意を呼びかけています。警察や黒部市によりますと、20日午前9時ごろ、黒部市釈迦堂にある住宅の柿の木に子グマが登っていると、近くの住民から通報がありました。警察や市役所の職員などが駆けつけたところ、子グマ1頭が木に登ったり住宅の庭を歩いたりしていました。近くでは、20日午前6時20分ごろにも柿の木に登っている子グマを見かけたという通報が寄せられるなど、19日夜からクマの目撃情報が相次いでいます。警察は、同じ子グマが辺りを動き回っている可能性があるとみてパトロールするとともに、子グマを見かけても近づかないよう呼びかけています。富山県によりますと、県内ではこの秋、クマを目撃したり足跡などの痕跡を確認したりした出没情報が相次ぎ、9月から19日までで189件に上っています。

(イノシシ出没、半日追跡も捕獲できず:新潟)
2020年10月22日午前7時40分頃、新潟県上越市頸城区の県南部産業団地の運送会社敷地内に体長約1~1.5mのイノシシがいるのを男性が目撃し、上越警察署に通報した。警察や市など、関係者が現地でイノシシを追跡したが、捕獲できなかった。最初に目撃されたのは午前7時半過ぎ、団地内の上越運送従業員駐車場。同社によると出勤時間帯だったため、出社した社員数人がイノシシの姿を確認したという。午前9時30分頃には関係者約8人が同社敷地内にいるイノシシを囲み、捕獲用ネットなどを使って捕獲に臨んだ。イノシシは人の間をすり抜けて逃げた。同社の西山新也総務課長は「いまだかつてイノシシを見たことがないので驚いた。社員には近付かないように呼び掛けた。イノシシは突進する感じではなく、元気がなかったようにも見えた」と当時を振り返った。

(住宅街にクマ:広島)
22日朝、広島市安佐北区の住宅街にクマが出没し、地元の猟友会が警戒にあたっている。けが人はないという。クマが現れたのは、広島市安佐北区あさひが丘の住宅地だ。午前8時前、男性が自宅にいたところ、クマが庭に入りドアを開けようとしたという。目撃情報によると、クマは体長70センチから1メートルほどで、小熊だとみられている。この住宅街でのクマの目撃は初めてだ。クマは山際で確認されたのを最後に、目撃情報が途絶えた。山に帰った可能性もあるが、地元の猟友会などが警戒に当たっている。

(堤防にクマ:秋田)
18日午前11時半ごろ、秋田県大仙市大曲字中良野の福部内川の堤防にクマがいるのを、近くに住む女性(82)が見つけた。けが人はいなかった。

(クマが平野部に迫る:新潟)
この秋は新潟県内でクマに襲われる被害が相次ぎ、県は10月12日から初めて「クマ出没特別警報」を出して県民に被害防止の注意を呼びかけているが、県央地域でも例年には見られない平野部に近い地域でもクマが出没しており、警戒を強めている。加茂市では18日午後9時20分ごろ、若宮町2地内で近所の人が外へたばこを吸いに出たときに、体長約1メートルのクマを見かけた。クマは南の山側へ逃げていった。目撃現場付近は若宮町団地があり、北東約200メートルには若宮中学校がある。翌19日、加茂市は目撃現場から山手側の鱈田沢不燃物埋立処分場の手前にクマを捕らえるおりを仕掛けた。今年度、加茂市のおりの設置はこれで11カ所目となった。あわせて地元の若宮町1、2丁目、秋房の自治会に注意喚起のちらしを全戸配布した。近所の人は「ウチらが引っ越してきた50年前にもクマが出たことがあった」と言い、極めて珍しいケース。また、ことしは珍しくサルも出たと言い、「畑のカボチャとスイカが全部やられた」が、サルに襲われることはなく、「クマばっかしゃ…」と怖がっていた。秋は冬眠前に脂肪を蓄えるため人里に出没することが多く、クマの食糧とするブナの実は昨年に続いて珍しい2年連続の不作。そのためクマの出没も2年続きで多発している。加茂市では昨年度、目撃23件、痕跡8件の31件の出没情報があった。それと比べると今年度は19日までに目撃9件、痕跡3件の12件と、まだ昨年度の3分の1ていどにとどまっており、昨年度は上回ることはなさそうだ。これまで加茂市はクマの出没状況を積極的に発信することはなかったが、藤田市政となってからは住民の安全確保に力を入れ、ホームページに市内のクマ出没情報を掲載して注意喚起している。三条市でも19日までに48件の出没情報があった。山手の下田地区では珍しくないが、うち5件が三条地区、1件が栄地区での情報。とくに保内地区では10月15日と18日に目撃情報と痕跡情報が1件ずつ、計4件の出没情報があり、この地域を学校区とする保内小と第四中は16日、早めに下校するなどの措置を行ったほか、看板の設置や防災無線による注意喚起を行っている。19日夜には保内地区に隣接する加茂市下条地内でクマが目撃され、クマの行動範囲を考えると、保内地区での目撃情報と加茂市内での目撃情報のうちいくつかは同じクマの可能性もありそうだ。

(人里近くクマ目撃相次ぐ:静岡)
静岡県内の山間部で夏から秋にかけて、人里近くまで下りてきたクマの目撃情報が相次いでいる。紅葉観賞のハイキングなど秋の行楽シーズンを迎える中、関係機関はクマとの遭遇に注意するよう呼び掛けている。「家の玄関前で寝ていて怖かった」。静岡市葵区梅ケ島地区の別荘地に住む女性は、8月上旬にクマを見つけた時のことを驚いた様子で語った。同地区では7月ごろから集落内でクマがたびたび出没した。中には住宅内の冷蔵庫の食料があさられるケースもあった。市は被害が出た民家にわなを仕掛け、9月中旬に2歳ぐらいの雄のツキノワグマ1頭を捕獲した。市によると、以降は集落付近での目撃情報はなく、別荘地の女性は「これで一安心」と胸をなで下ろした。県内では今月11日に焼津市の満観峰ハイキングコースで親子とみられる3頭が目撃された。12日にも、熱海市伊豆山の山中でクマのような動物1頭がいたとの情報があった。静岡市中山間地振興課によると、山中のドングリなどが不足することで餌を探し求めたり、動物の死骸の臭いを追ったりして人里に近づく可能性があるという。県内ではクマの狩猟が自粛されているため、生息数が増えている可能性もある。県自然保護課によると、クマは臆病な性格のため、山でのレジャーの際は、鈴の携帯や大声での会話などで人の存在をアピールすることが重要という。近距離で遭遇した場合は「背中を見せず、後ずさりで離れるように」(担当者)と呼び掛けている。

(クマ、街中にも)
中部地方など各地でクマの出没が相次いでいる。捕獲数が例年より多い地域や市街地に現れたケースも。専門家らは餌となるドングリの凶作が原因とみて、冬眠まで出没は増える可能性があると指摘。「鈴で人間の存在を知らせる」などの対策を呼び掛けている。平地にある福井県坂井市の県児童科学館。今月三日の土曜日も大勢の親子連れが屋外で遊んでいたが、隣の川で「クマがいた」と通報があった。警察からの連絡で科学館は建物内への避難を放送し、すぐに臨時休館とした。「まちのど真ん中に出たことはない」と県の担当者は驚く。餌を求めて川沿いを移動したと推測。県内では四~九月に全市町で計五百十七件の出没情報があり、二〇〇四年度以降で最多だ。けが人は六人。民家に居座る例もあった。岐阜県でも四~八月に四百二十五件の目撃があり、極めて多かった一九年度ほどではないが多発傾向という。中津川市では四月から既に三十頭を捕獲、前年度の年間捕獲数を上回った。九月に揖斐川町で愛知県の男性が襲われてけがをしており、県は「登山などでは鈴を着けるなどしてほしい」と注意を促す。

(超特大!135キロのイノシシ捕獲:兵庫)
兵庫県三田市中部にある末(すえ)地区の山林でこのほど、体重135キロという特大イノシシが捕獲された。通常サイズの3倍を超え、ぼたん鍋にしておよそ450人前になるという。しし肉加工業者も「年に1、2頭見るか見られないかくらいの超大物」と舌を巻く。捕獲したのは、三田、大阪、三木市などの有志18人で各地の有害鳥獣を駆除する環境省認定の私設団体メンバー。末地区では今夏からイノシシの農作物被害が相次ぎ、農会長から依頼されて獣道にわなを仕掛け、点検を続けていた。11日に隊員1人が見回ると、わなに引っかかり、草木をなぎ倒して暴れる1頭を発見。「で、でかい!」。体長約1・5メートル。近づくと襲いかかられる危険を感じ、急いで応援を呼んで仕留めた。隊長の乾福治さん(67)は「命がけのボランティア。地域の助けになれてよかった」と話す。肉は隊員たちで山分けする予定という。ぼたん鍋は1人前を150グラムで換算。さて、そのお味は?丹波篠山市の老舗しし肉店「おゝみや」によると、活発に動き回るようになる1、2月の繁殖期までは、どんなサイズでも肉は柔らかい。大きい分、大味になりがちだが脂は香ばしく、脂身もこりこりという。三田市の隊員は「三田産のいい農作物を食べてたんやもん。そりゃあ、おいしくなっているはず」と話す。

(クマ目撃で遭遇回避対応:新潟)
10月15日午後8時ごろ、新潟県三条市三条地区の上保内地内、県道大面保内線沿いの三王山古墳群入り口付近でクマが目撃されたことから翌16日、目撃場所が学校区に含まれる保内小学校と第四中学校はクマとの遭遇を回避する措置を行った。三条市内では山間部の下田地区でのクマの出没情報は珍しくないが、平野部の三条地区では珍しい。上保内地区の目撃場所はちょうど山と平野の境界に当たる。保内小は目撃場所から北東へ約500mしか離れていない。16日は同校からさらに北東へ約200mの三条市保内公園での校外活動を行う予定だったが、クマと遭遇の可能性があったため中止。教職員によるパトロール、保護者やボランティアによる見守り活動も行った。第四中は目撃場所から北西へ約1.6km離れているが、目撃場所付近から通っている生徒も多い。修学旅行に行っていた3年生はこの日、修学旅行から帰ったが、午後5時20分に学校に帰着予定だったが、できるだけ早く帰るようにした。ほかの学年も放課後を活動を中止するなど、日が暮れないうちに家に着くよう対応を急いだ。

(住宅街にクマ:広島)
22日朝、広島市安佐北区の住宅街にクマが出没し、地元の猟友会が警戒にあたっている。けが人はないという。クマが現れたのは、広島市安佐北区あさひが丘の住宅地だ。午前8時前、男性が自宅にいたところ、クマが庭に入りドアを開けようとしたという。目撃情報によると、クマは体長70センチから1メートルほどで、小熊だとみられている。この住宅街でのクマの目撃は初めてだ。クマは山際で確認されたのを最後に、目撃情報が途絶えた。山に帰った可能性もあるが、地元の猟友会などが警戒に当たっている。

(平野部にシカ出現の謎:新潟)
10月20日午後、新潟市西蒲区の潟東地区にシカが現れ、平野部だけに住民を驚かせた。午後2時半ごろ、三条市に住む会社員の40歳男性が仕事で同乗者と2人で車を運転中にシカを発見した。南区の鈴木仏壇店方向から国道460号を潟東方向へ進行し、中ノ口川を超え、上越新幹線の高架下をくぐり、潟東けやき病院の先、北陸自動車道の手前の今井地内付近でシカを発見した。丁字路を左折すると男性から見て右手の田んぼを並走するように同じ方向をシカが走っているのを見つけた。「最初はイヌかと思ったけど、そんなんじゃなかった」と男性は目を疑った。仕事でちょうど近くへ向かっていたところだったが、「おもしろうだったので」としばらく並走を続けたが、道がなくなって見失った。車から降りてシカを探すと用水路の中に落ちていた。用水路の水深はシカの背中がやっと水面から出るほど深かったが、シカは跳ねるようにして用水路を進み、思わず動画を撮影した。同乗者に110番通報を頼み、警察官や区役所が到着したところで現場を離れたが、想定外の珍事に対応に首をひねっていたと言う。猟友会に応援を求めたようだが、その後の対応は確認していない。シカは山手から来たと思われるが、現場は県境方向の山手からも逆に海側の角田山からも10kmほど離れている。さらに交通量の多い国道や線路も超えなければ現場まで来られない。ことしはクマが数多く出没し、サルやイノシシの目撃も多い。そこで今度はシカで、人間と野生動物が生きる場所の境界があいまいになっているようだ。

(イノシシ2頭目撃:新潟)
新潟県弥彦村で23日午前、イノシシ2頭が目撃され、弥彦村ではメール配信などで注意を呼びかけた。弥彦山登山道入り口付近でイノシシ2頭が目撃された。目撃の通報を受けた弥彦村は、防災室で午後0時半から1時間ほど山麓駅周辺をパトロールしたが、イノシシは確認されなかった。1週間後には弥彦菊まつりが始まり、多くの行楽客でにぎわうことから、村では警戒を強め、続く土、日曜も目撃情報があれば対応できるよう備えておく。9月2日にとなりの燕市で半日がかりのイノシシの捕り物があるなど、弥彦村や燕市ではイノシシの出没が珍しくなっている。迷い込んだのでなく、すでに地元で繁殖が始まっていると見る人もあり、複数のイノシシが目撃されたことでその可能性が高まった。

(住宅街でイノシシ目撃:栃木)
22日午前2時55分ごろ、佐野市堀米町の雑木林にイノシシ3頭が入っていくのを配達中の新聞配達員が目撃し、通報した。佐野署によると、イノシシの体長は約1~1・5メートル。付近は民家が並ぶ住宅街。警戒を強化している。

(河川敷でイノシシ4頭目撃:栃木)
21日午後3時半ごろ、足利市岩井町の渡良瀬川河川敷で、通行人がイノシシ4頭を目撃し、警察に通報した。イノシシはいずれも体長約1メートル。足利署で警戒を呼び掛けている。

(イノシシが出没か:佐賀)
佐賀県警鳥栖署は16日、基山町宮浦にある基山っ子みらい館北側付近で15日午後6時と午後11時ごろ、イノシシが出没したとして、防犯メールで警戒を呼びかけた。

(クマを目撃:新潟)
新潟県警加茂署は23日午前6時50分ごろ、加茂市狭口地内の住宅地でクマ1頭の目撃情報があったと発表した。クマは体長約1メートル。通報者から15メートルほど離れたカキの木から下りてきて、山手方向に歩いて行くクマを目撃した。付近には民家もあり、被害防止の中止を呼びかけている。

(公園付近にクマのふん:新潟)
新潟県三条市によると10月22日午後5時ごろ下田地区の上飯田地内、五輪平公園付近でクマのふんが確認された。

(クマの目撃情報:新潟)
22日午後4時35分頃、剣野町地内で50センチくらいの子グマを1頭見たとの情報が寄せられました。

(クマ目撃相次ぐ、専門家は注意呼びかけ:山梨)
20日から21日にかけ、甲斐市や笛吹市などでクマの目撃情報が相次いでいる。専門家は、山中の餌が不作のため、人の生活圏に近づくクマが増えたとみて注意を呼びかけている。山梨県内では、20日から21日にかけ、大月市大月町花咲の桂川大橋付近の山林と、笛吹市芦川町の県道でクマが目撃された。また、甲斐市では甲斐市竜地の住宅街周辺で3件の目撃情報が寄せられた。甲斐市内のクマは、体調1メートルほどの同じ子グマとみられ、20日は、住宅街にあるブドウ畑を、ゆっくりと歩く姿が目撃された。相次ぐ目撃を受け、21日は、猟友会がワナを仕掛けたほか、地域住民も児童の登校を見守るなど、対応に追われた。県によると、県内のクマの目撃情報は今年度121件で、過去最多となった昨年度に次ぐペースで推移している。クマの生態に詳しい専門家によると、目撃が相次ぐ背景としては、おととしの「ベビーラッシュ」によるクマの個体数増加や、ドングリなど山中の餌不作で人の生活圏に近づくクマが増えたとみている。専門家は「クマの行動が活発になる午前と午後の5時から8時は特に注意が必要」とし、目撃現場付近では外出を避けるよう呼びかけている。

(クマ目撃:新潟)
新潟県加茂市によると10月20日午後8時ごろ加茂市黒水東区の岩野橋の上の旧道中間付近で、道路の西側にうずくまっているクマが目撃された。前日19日夜も市内2カ所でクマが目撃され、うち1件は同じ黒水東地区だったので、同じクマの可能性が高い。

(クマ目撃:新潟)
新潟県三条市によると10月21日午前7時40分ごろ、下田地域・北五百川地内の民家裏の田んぼでクマが目撃された。

(峠をクマが横断:新潟)
新潟県三条市によると10月20日午後7時40分ごろ、三条市下田地区の牛ヶ首地内でクマ1頭が目撃された。クマは五輪峠の県道牛ヶ首・笹岡線を横断していた。

(住宅地でクマ目撃相次ぐ:新潟)
18日夜から19日にかけ、新潟県内の住宅地でクマの目撃情報が警察に寄せられた。けが人は出ていないが、関係機関が注意を呼び掛けている。18日午後9時半前、加茂市若宮町2の空き地に体長約1メートルのクマが出没した。現場は若宮中学校から約150メートルの住宅地。加茂市によると、記録が残る2008年度以降、若宮町2付近でのクマの目撃例はない。市は付近の山に捕獲用のわなを設置した。新発田市でも18日午後9時半ごろ、東新町3で体長約1メートルのクマが目撃された。近くには新発田商業高校やコンビニなどもある住宅密集地。住民の男性(71)は「この辺にクマは出ないと思っていたのに」と表情をこわばらせた。19日午前11時すぎには村上市有明の神林中付近の路上で体長約0・5メートルの子グマが目撃された。宮川佳代子校長は「クマがグラウンドにも現れたため使用を中止した。今週は屋外での部活動をやめたい」と話した。

(「クマが歩いている」中学生が通報:兵庫)
16日午後8時頃、兵庫県宝塚市花屋敷緑ガ丘の路上を「クマが歩いている」との通報が、宝塚署にあった。署員が付近を探したが、見つからなかった。通報したのは男子中学生で、体長が約1.5メートルあったという。現場は川西市境で、住宅街に近い。約7キロ北の川西市笹部付近では、8月以降、体長約1メートルのクマの目撃情報が相次いでおり、同署などが注意を呼びかけている。

(クマの捜索にも、ドローンの活用進む:石川)
県内の人里や市街地での出没が相次いでいるクマ。その捜索に、最近では「ドローン」の活用が進んでいる。ドローンを操っているのは加賀市の都市計画課の職員、竹田健成さん。こちらのドローンは本来、公園や道路の整備に向けて空から地上を撮影するために使われているが、3日前、加賀温泉駅近くの商業施設にクマが侵入した際も、居場所を特定するのに使われた。施設の中でドローンを飛ばし、安全な場所を確保しながら捜索範囲を絞り込む作戦で、その後、警察官がバックヤードに潜んでいたクマを見つけた。加賀市では今回のケースを機に、クマの捜索や追い払いにドローンを活用する方針を打ち出している。一方、22日に開かれた県議会の委員会で、県警は災害や事件事故などへのドローンの活用を見据え、7月にワーキンググループを設置したと説明した。現在、実用化に向けて操縦員を育成するための訓練を行っているほか、墜落事故の防止策の検討を進めているという。

(猿から農作物守れ、女性部がエアガンで追い払い:福井)
猿による農作物被害が深刻化するJA福井県美山支店管内で、JA女性部有志の対策チーム「モンキーバスターズ」が被害軽減に成果を上げている。地域住民の“110番”で現場に急行し、エアガンで猿を山奥に追い払う。同支店と大学、企業が連携する、出没予想場所を通知するシステムの研究にも参加。来春までに試験導入する計画で、より効果的な対策として期待されている。福井市の中心部から30キロほど離れた山間部に位置する同市計石町。周囲を山で囲まれた小さな集落に、約30世帯100人弱が暮らす。豪雪地帯として知られ、道路脇に3メートルを超える“雪の壁”ができることもある。モンキーバスターズは、リーダーの石村昌子さん(74)、木下たつ子さん(68)、伊井美由紀さん(68)の女性部員3人で5月に結成した。3人は、町内で「猿を見掛けた」という情報が入ると、エアガンを片手に現場に急行。土に返る「バイオBB弾」で威嚇射撃を繰り返し、猿を山に追い返す。石村さんは「逐一追い払うことで農作物被害は減った。最近では“銃”を見ると、猿が逃げるようになった」と手応えを感じている。同町ではここ数年、猿による農作物被害が急増している。従来は年に数回ほどの出現頻度だったが、昨年からほぼ毎日、群れで現れるようになった。防獣ネットやかかしも効果は小さく、野菜を食べたり、枝や支柱を折ったりして畑を荒らすという。同支店は「地域には猿はほとんどいなかったが、ここ数年で生息数が激増した。暖冬の影響で隣県から生息地が広がっていることに加え、冬を越せる個体も増えている」と指摘。少雪を受け、ここ1年は冬場を含めた通年で被害が出ている。事態を受けて同支店は3月、地域住民向けの猿対策相談会を開催。他地域の事例紹介に加え、エアガンの実演もした。これまで猿の出没情報などを共有していた3人も参加。「免許の要らないエアガンなら私たちでも扱える」と考えが一致し、モンキーバスターズを結成した。モンキーバスターズと同支店は現在、大学や企業と連携し、猿に発信機を取り付けて、群れが集落に近づくと住民に出没予想場所を通知するシステムの研究に取り組んでいる。来春までに試験的に導入し、効果的な追い払いにつなげる。一方、現行の対策を「対症療法にすぎない」として、駆除などの抜本的な対策を求める声もある。福井県の場合、市町村長の許可があれば猿の駆除が可能だ。ただ、現状は追い払いが基本で、「(駆除は)農作物被害などを分析し、慎重に判断している」(県中山間農業・畜産課)。姿や行動が人に近く、駆除への心理的ハードルが高いことも一因だ。それでも、石村さんは「(追い払いで)いたちごっこが続けば、営農意欲がそがれる。耕作放棄地を出さないためにも、抜本的な対策が必要だ」と訴える。

(イノシシ用ネットがクマの侵入防ぐ:山形)
21日未明から午前にかけ南陽市の荻小学校や宮内小学校の近くにクマが現れた。このうち、荻小学校ではイノシシ用のネットがクマが敷地内に侵入するのを防いだ。クマが目撃されたのは南陽市立荻小学校のグラウンドすぐ北側の山だ。体長1メートル弱のクマが登っていくのを職員室にいた教師たちが目撃した。当時、校舎内には、児童9人と教師8人がいて警察や市役所に通報し人的、物的な被害はなかった。荻小学校では先週からグラウンドをイノシシに荒らされる被害があり今週に入って山際の敷地の境界にネットを設置していた。このネットによりクマは学校の敷地に入ることができず、そのまま山に引き返したものとみられている。南陽市立荻小学校の多勢俊二校長は「子供たちに被害が及ばないような対策を取れたことは不幸中の幸い登校時間に出てこないこともない心配ではあるが対応をしっかりとっていきたい」と話す。学校では今後1週間程度外での体育の授業を見送るほか、スクールバスでの送迎を行うなどの対策をとるとという。このほか、南陽市宮内にある老人保健施設の駐車場や鶴岡市三千刈の畑でもクマが目撃・出没があった。警察ではクマを目撃したらすぐに警察や自治体に連絡するよう注意を呼び掛けている。

(猟友会がドローンの訓練場を開設:京都)
福知山市今安に、京都府猟友会のドローン(無人航空機)訓練場が開設された。16日に使用開始のセレモニーが開かれ、西村義一会長ら役員と福知山支部の会員、地元の人が参加し、ドローンの展示、デモンストレーションをした。府猟友会は、会員数の減少や高齢化、猟犬飼育者と犬の減少などが進むなかで、効率的、近代的な有害鳥獣駆除方法を検討。ドローンに着目し、活用方法などを研究してきた。この成果を全国組織の大日本猟友会に示し、ドローン活用の研究開発に同意を得て、全国のモデルケースとして実用化を目指すことになった。訓練場は会員が米を作っている田を活用。今後も米を栽培し、稲刈りをしたあとの田を訓練場として使用する。セレモニーは衆議院議員や地元の自治会長らも出席。それぞれ祝辞を述べ、ドローンの活用によって、増え続ける有害鳥獣の駆除が進むことを期待した。このあと、市内にトレーニングセンターを持つ一般社団法人無人航空機操縦士養成協会がデモンストレーションをした。カメラを取り付けたドローンを姫髪山近くまで飛ばし、送信されてくる画像を車載モニターで見てもらったり、農業用ドローンを訓練場で飛ばして能力の解説をしたりした。

(銃のミロクが戻り高値に進む、クマの出没が相次ぎ連想買いの様子)
ミロク<7983>(東2)は10月20日、1728円(23円高)まで上げる場面を見せ、出来高は少ないが戻り高値を更新している。猟銃、スポーツ銃メーカーで、このところ石川県などでクマの出没が相次ぎ、人的被害が出ているため、連想が働くようだ。

(皇室の恒例行事「鴨場接待」、平成以降初の見送りに)
晩秋から冬にかけて皇族方が鴨場で外国大使を接待する行事について、宮内庁は新型コロナウイルスの感染防止の観点から本年度の開催を全て見送ると発表しました。皇族方が伝統的な鴨猟を在京の外国大使に紹介する「外交団鴨場接待」は毎年11月中旬から12月中旬にかけて5回ほど宮内庁の鴨場で行われる皇室の恒例行事です。網を使って行う鴨猟は屋外で行われますが、屋内での食事が密になるなど新型コロナウイルスの感染リスクが避けられないと宮内庁は判断し、本年度は外国大使の鴨場接待を全て見送ることを決めました。全てが見送りとなるのは平成以降初めてです。

(将来はAIとムクドリの“学習合戦”に)
毎年、大音量の鳴き声や大量のフンの問題で人々を悩ませるムクドリ…今年も多くの自治体が対策に追われています。そんな中、最新技術を駆使した新たな対策が登場しています。10月15日、三重県四日市市の近鉄四日市駅近くに現れた大群は、しばらくあたりを旋回した後、一斉に道路の真ん中に生える街路樹にとまり始めました。その翌日、再び同じ時間帯に訪れると…同じような光景が。この鳥の正体は「ムクドリ」。毎年この時期には、毎日のように駅前に大群が集まり、問題になっているそうです。元々は田んぼや畑の害虫を食べてくれるムクドリでしたが、近年、その一部が都市を寝ぐらにするようになり、夏から冬にかけて繁華街に大群が…鳴き声の騒音や大量のフンが問題になっています。6~7年ほど前からムクドリに困っていた四日市市。4年前からある動物を使って対策をしていました。それはムクドリの天敵「タカ」です。「ここはタカがいる危ない場所だ」とムクドリに認識させて追い払う方法です。以前は、駅の東側にいたムクドリの群れ。タカの追い払い作戦が効いたのか、東側に姿は見られませんでしたが、反対の駅の西側に行くと…相変わらず大群が。ムクドリの大半は、近くに移動したり分散したりしているだけでした。といっても、今までの対策がまったく効果がなかったわけではなく、四日市市によると、ムクドリの全体数は減少傾向だということです。一方、根本的な解決が難しいムクドリ問題に、最新技術を使って立ち向かおうと、実験を行っているところがありました。それは、愛知県のお隣、静岡県浜松市。10年ほど前からムクドリに困っていた浜松市では、10月から特殊なLEDライトを使った実証実験を行っています。ビルの屋上に集まっているムクドリにライトを当てると…光を当てた途端、四方八方に逃げていきます。さらに今回の実験では、光の強さや動かし方などでムクドリの反応がどう変わるかなどのデータを集めていて、将来的にはAIが判断して光の当て方を調節する無人での運用を目指しているそうです。ムクドリ対策のライトにAIを導入すれば、収集したデータから、AIがムクドリに対する最も効果的な光の当て方を判断して自動で照射することができるようになるそうです。実用化すれば、周辺の自治体でも導入することで、ムクドリの動きのデータを共有できようになります。こうした“ムクドリのビッグデータ”を解析することで、より精度の高い対策が取れる可能性があります。こうしたデータを集めて、狙った場所にムクドリの群れを誘導することができるようになるかもしれないということです。

(動物を追い払う高周波音『新型鹿ソニック』)
T.M.WORKSは、2018年に山梨・静岡で実証実験を開始、2019年には北海道でも高い効果が得られた高周波音害獣忌避装置「鹿ソニック」を一新。「新型鹿ソニック」として販売を開始した。同製品は人間には聞こえない高周波音を照射し、シカやイノシシ、鳥や小動物に警告を行う仕組みになっている。12kHzから30kHzの高周波音を4パターンで切り替えることが可能だ。農地や施設に設置するためのソーラーパネルキットや電源キットも用意した。従来品では約60m、左右約30度(計60度)であった効果範囲を、新型では最大約80m、左右約50度(計100度)に拡大、効果を発揮する範囲は最大約0.56haと、従来品のほぼ3倍の面積で効果が期待できるという。また、効果範囲がさらに約2倍になるツースピーカータイプも用意されている。11月にはJR東日本中央線大月から勝沼間への設置も決定しており、様々な場所で活躍する低価格で設置の簡単な害獣忌避装置となっている。

(野生動物の事故をアプリで投稿、位置など記録)
各地で後を絶たない野生動物の交通事故被害(ロードキル)について、スマートフォンを使い全国の発生状況を把握する実験を、帯広畜産大(北海道帯広市)の特任講師、浅利裕伸さん(43)が始めた。目撃した人に事故に遭った動物の写真をアプリに投稿してもらい、位置情報などの記録を蓄積して事故対策に役立てたい考えだ。道内では2019年1年間でエゾシカの交通事故被害が3千件を超えたほか、沖縄県ではヤンバルクイナやイリオモテヤマネコといった希少な動物の被害が報告されている。事故が多いとされるタヌキなども含めた野生動物全体の統計はなく、浅利さんは「いったい事故がどれだけ起きているのか。運転する人の安全確保や野生動物の保全のためにも現状を把握する必要がある」と訴える。実験では、京都市の企業「バイオーム」が開発したアプリを利用。目撃した人に全地球測位システム(GPS)をオンにしたスマホのカメラで、道路上の動物の写真を撮影し、ハッシュタグ(検索目印)として「#ロードキル調査」を付けて投稿してもらう。動物の種類などを人工知能(AI)が自動で識別し、データベースに蓄積する。アプリは同社ホームページで無料でダウンロードできる。動物の種類などを人工知能(AI)が自動で識別し、データベースに蓄積する。アプリは同社ホームページで無料でダウンロードできる。実験では動物の種類や出没しやすい地点などのデータを、事故対策などに関わる行政機関や研究者らに提供するほか、一般向けにも公開する。浅利さんは「データが集まれば、どこを重点的に対策すべきかなど分かることも多いはず。できるだけたくさんの人に参加してもらえれば」と呼びかけている。実験期間は21年8月末まで。

(都民の5割が東京のクマの生息を「知らなかった」:東京)
今年度2回目のインターネット都政モニターのアンケート結果が公表されました。今回のアンケートは、野生鳥獣に係る各種保護管理計画の改定作業において参考とするために実施されました。けがや病気の鳥獣の保護に関する取り組みでは、「都民に被害をもたらす鳥獣などを除き、傷病鳥獣を保護するのがよい」が6割半ばで最も多く、「絶滅が危惧される種などに限定して保護するのがよい」が続きました。野生鳥獣による被害に関する認知度は、「ごみの散乱、糞尿による衛生環境の悪化」と「農作物の食害」が約9割で高く、「人への危害」「鳴き声による騒音」が続きました。カラスの被害などについては、「カラスの数が減り、被害も減ったと感じる」が約4割で最も高く、アライグマやハクビシン対策の協力については、「目撃情報の通報」が9割近くで最も高い結果となりました。東京のクマの生息などに関する認知度は、「テレビや新聞などの報道で知った」が4割半ばで高く、「知らなかった」は5割近くありました。

(「狼」がクマ撃退に効果的?:北海道)
9月、クマが住宅地近くで目撃された滝川市で、オオカミの形をしたクマ対策の装置が設置され、市では一定の効果があるとみて本格的な導入を検討するとしています。クマ対策として滝川市の住宅地に設置されたのは、「モンスターウルフ」と名付けられた、オオカミの形をした装置です。大きさは1メートルほどで、クマなどの野生動物が近づくと、赤外線センサーで感知し、首を振り、目の部分に組み込まれた赤色のLEDライトを点滅させながら、大きな音を発します。クマが装置に慣れないように、音の種類は、オオカミの鳴き声に加え、人の声や、銃声など、およそ60種類あります。滝川市では、9月、住宅地付近でクマの目撃や足跡の発見が相次いだことを受け、モンスターウルフを試験的に設置しましたが、設置後、その付近ではおよそ1か月、クマは出没していないということです。市は、クマ対策に一定の効果があるとみて、10月いっぱい設置したうえで、本格的な導入を検討するとしています。モンスターウルフを製作した、空知の奈井江町にある機械部品製造会社の太田裕治社長は、「いろんな工夫を凝らしたのでクマ撃退には自信があります。人とクマが共存できる環境づくりの助けになればうれしいです」と話していました。モンスターウルフは、すでに全国62か所で設置されているということです。

(シカさん対策「鹿ソニック」に効果はあるの?)
野生動物との衝突事故を経験したことがありますか?実は日本では、年間約10万件におよぶ野生動物との接触事故があるそうです。私が住む北海道においては、エゾシカが関係する交通事故件数は、毎年2000件を超えているそうです。「でも自分は大丈夫!」…私もそう思っていました。しかし、私は2020年2月に、エゾシカとの接触事故を経験したのです。この苦い経験から、新しく購入したキャンピングカーに、高周波音害獣忌避装置「新型鹿ソニック」を装備しました。この記事では、私の経験をもとに「新型鹿ソニック」について紹介しようと思います。筆者の住む北海道では、路肩で草を食べるエゾシカをみることは珍しくありません。また、地元の知人や友人がエゾシカと接触してクルマが壊れたとか、撮影旅行に来ていた方のクルマが全損したといった話を聞くこともありました。それでも、「自分だけは大丈夫だ」と思っていたのです。しかし、実際に筆者はエゾシカをはねてしまいました。それも、道東などではなく、新千歳空港から30分程度の場所で、です。新千歳空港からレンタカーを借りれば、誰でも通る可能性のある道といえます。特別に自然の豊かな場所でなくても、道内なら道路脇で見かけることの珍しくないエゾシカ。ニホンシカの亜種のなかでは最大級の大きさです。2月の北海道でしたので、道は圧雪アイスバーン、スピードはかなり控えめでした。とはいえ、ヘッドライトに照らされたエゾシカと目が合ってから、クルマの前に飛び出されては、ブレーキを踏むのが精いっぱいでした。幸いというか、クルマのスピードがさほど出ていなかったことと、ぶつかったエゾシカがさほど大きくないメスだったので、フロントグリルは破損したものの、自走できる程度の被害で済みました。しかし、精神的な衝撃はかなり大きいです。シカ以外のものと接触事故を起こしたことがないので比較できませんが、明らかにやわらかい生きものをはねてしまったという感触はあまり思い出したくありません。クルマが止まった後もしばらく心臓がバクバクしていました。この間に接触したシカは逃げていったのです。シカの頑丈さにも驚きましたが、2度したくない経験でした。シカの命に別状がないといいのですが、いくら丈夫とはいえ、その後無事だったとは思えません。エアバッグが開くほどの事故ではありませんでした。しかし、シカとぶつかったバンパー部分はしっかりとへこみ、フロントグリル部分のプラスチックパーツは無残に割れてしまいました。自分にケガがないことと、クルマが自走できることを確認して、少し落ち着いたところで保険会社などの手続きをしたわけです。クルマの修理費は30万円オーバーでした。自動車保険の対象だったので、保険を使用しましたが、保険等級は下がり、保険料はしっかりアップしたわけです。心にも、懐にも痛い事故といえます。エゾシカとの接触事故を起こして以来、路上でエゾシカを見かけると、ビクビクしながら運転していたわけです。それでも、全道各地で撮影をするために運転しないわけにはいきません。そしてその後、より美しい自然風景が撮影したいと考え、キャンピングカーを購入しました。キャンピングカーでエゾシカをはねたら、前回以上に深刻な事故になると思っていた筆者に知人が紹介してくれたのが「新型鹿ソニック」です。「新型鹿ソニック」は、人間には聞こえない高周波音で、動物を忌避する仕組みだといいます。本当に効くの? と思うのは筆者だけではないでしょう。今年2020年8月に発売された「新型鹿ソニック」。写真はスピーカーユニットがひとつ付属するRK004です。価格は26,000円税別、取り付け費用別になります。12kHz~30kHzの高周波音を4パターンで発生する「新型鹿ソニック」。クルマの前面に取り付けるとふたつのスピーカーから、左右約50度、合計約100度の角度で最大約80m先まで高周波音を照射し、シカはもちろん、イノシシや小動物、鳥にも忌避効果があるといいます。実際にシカをはねて、普通乗用車で30万円以上の修理費を払ったことがある筆者にとっては、本体価格26,000円+取り付け費用4,500円~(車種によって異なる)は決して高くはありません。今年2020年8月に発売された「新型鹿ソニック」。写真はスピーカーユニットがひとつ付属するRK004です。価格は26,000円税別、取り付け費用別になります。12kHz~30kHzの高周波音を4パターンで発生する「新型鹿ソニック」。クルマの前面に取り付けるとふたつのスピーカーから、左右約50度、合計約100度の角度で最大約80m先まで高周波音を照射し、シカはもちろん、イノシシや小動物、鳥にも忌避効果があるといいます。実際にシカをはねて、普通乗用車で30万円以上の修理費を払ったことがある筆者にとっては、本体価格26,000円+取り付け費用4,500円~(車種によって異なる)は決して高くはありません。本当に効果があるのか? この点だけが筆者の疑問です。そこで、T.M.WORKSが製造する新型鹿ソニックの北海道での販売を担当する(株)マツクラの松倉拓郎さんに、率直に疑問をぶつけてみました。松倉さんは、資料を確認しながら丁寧に質問に答えてくれました。現在もご自身のクルマでも実証実験を続けているといいます。単純かつ、最大の疑問は、鹿ソニックから出る高周波音で、野生動物たちが逃げてくれるのかです。これについては実際に、開発・製造を行っているT.M.WORKSさんでもクルマに搭載し、実証実験を行っています。そして松倉さんも自身のクルマに装備してエゾシカの多い場所を意図的に走行しているといいます。路上でシカと遭遇すると、シカが「鹿ソニック」を搭載したクルマに耳をそばだて、逃げていくのを何度も目撃しているそうです。以前から従来型(青丸のなかのもの)を装着していた松倉さんのクルマですが、現在は赤丸のなかの新型を取り付け、さらに実証実験を行っているそうです。ですが、路上でたまたま出会ったシカだけでは、効果を実証するには弱いのではないでしょうか。そこで、鹿ソニックは2018年から、開発元であるT.M.WORKSがある山梨や、現在の静岡県代理店であるVillage.lab畠山の協力で、静岡伊豆地方の農地、さらには北海道の代理店であるマツクラにより北海道の農地でも、車載に使用している鹿ソニックとまったく同じ装置で害獣の忌避効果を実証実験しているといいます。これらの実証実験は、農地だけでなく、富士急行線の路線やキャンプ場、ゴルフ場などでも害獣の忌避効果を検証しており、実際の効果が認められているといいます。これらの実証実験や設置実績が認められて、従来型の鹿ソニックの実証実験などの結果をフィードバックした「新型鹿ソニック」は、2020年11月にJR東日本の中央線、大月~勝沼間への設置が決定しているそうです。数年に渡る実証実験の結果、JR東日本でも使用されるほどの実績を積み上げた「新型鹿ソニック」、間違いなく効果が期待できるでしょう。富士急行線に設置された鹿ソニック。鹿ソニック導入以前に比べて複合的な理由はあるが野生動物による事故は減っているといいます。乗用車だけでなく、公共交通機関や農地、施設などでも効果が確認されているという「新型鹿ソニック」。北海道の山道などで、いつシカが出てくるかとビクビクしながら運転している筆者は、装着を決断しました。購入した「新型鹿ソニック」。価格は26,000円(税別)です。筆者は自分で取り付ける自信がなかったので、別料金で取り付けも行ってもらいました。鹿ソニックは北海道内なら、「GR Garage 札幌厚別通」、「新千歳モーターランド」で購入・取り付けができるそうです。今回は新千歳モーターランドさんで、筆者のトヨタ・カムロードベースのキャンピングカー「ヨセミテ スポーツ」に取り付けてもらいました。鹿ソニック自体の在庫や、取り付け作業の予約などがあるので、事前に連絡をしておくとスムーズに購入、取り付けができるそうです。取り付けに掛かる時間は、車種にもよりますが45分程度、取り付け料金は4,500円~になっています。筆者のキャンピングカーへの取り付け料金は4,500円で、予約していたため取り付け作業時間は30分程度でした。また、普段から自分のクルマをいじるのが趣味という方なら、自分で取り付けるのも可能だといいます。筆者には、ちょっと難しいと感じましたが、鹿ソニックの箱のなかには詳細な取り付け説明書も同梱されていました。新型鹿ソニックはスピーカーユニット部分と本体が別になっているので、設置位置の自由度が高いのも特徴です。筆者はクルマの外観が変わるのは嫌なのでフロントグリルの裏に目立たないよう設置してもらいました。フロントグリルの裏側に設置した新型鹿ソニックのスピーカーユニットです。ユニットが軽量なので、設置する位置の自由度は高くなっています。フロントグリルの裏側にタイラップを使って新型鹿ソニックを装着しています。ちょっと離れると、ほとんど目立ちません。新型鹿ソニックは、12kHz~30kHzの高周波音を4パターンで切り替えられます。パターン1は主に鳥に有効、パターン2は主に鳥と小動物に有効、パターン3は主にシカ、イノシシ、小動物に有効、パターン4は主にシカ、イノシシ、小動物に有効です。なお、松倉さんによる最新情報だと、シカとの接触事故を恐れているなら、パターン3がおすすめだといいます。当然、筆者のキャンピングカーは、パターン3で設定してもらいました。設置後は、エンジンのオンオフに連動して、動作するので特別な操作はいりません。また、鹿ソニックに近づき耳を澄ますと、筆者にはわずかな動作音が聞こえました。これには個人差があるそうです。シカなどの野生動物との接触事故は、筆者の場合30万円を越える修理費、保険料のアップといった金銭的なダメージがありました。しかし、それ以上の事故の際に感じた、明らかに生きものをはねた独特の感触は2度と味わいたくありません。そのリスクを軽減してくれるというだけでも、新型鹿ソニックを導入した価値はあると思っています。残念ながら、野生動物との衝突事故は年々増加傾向にあるそうです。交通事故による野生動物のロードキルの防止はもちろん、高周波音で害獣を忌避する鹿ソニックは、動物を傷つけることなく避けることができるのが大きなメリットといえるでしょう。また、野生動物を傷つけることなく、忌避できる新型鹿ソニックを北海道でさらに普及するため、販売や取り付けを行ってくれる店舗などもマツクラさんでは募集しているそうです。野生動物の多く出没する地域を走る方は、ぜひ導入を検討してみてはどうでしょうか。

(赤城山で防鹿ネット巻き:茨城)
古河市磯部の市立総和南中学校(森田泰司校長)の2年生138人と教職員は5日、ニホンジカによる食害が深刻な問題になっている前橋市の「赤城山・覚満淵」で、樹木の幹や樹皮を保護する防鹿ネット巻きを行った。

(クマ捕獲用のドラム缶おり、注文増:福井)
福井県内でクマの出没が多発していることを受け、環境美化製品開発・販売のエコ環境プロジェクト(本社福井市高木中央1丁目、森永泰之社長)には9月以降、ドラム缶を使ったクマ捕獲おりの注文が増えている。廃棄ドラム缶を再利用したおりで、クマ出没が多かった2014年に商品化した。注文が入るのは同年に6台売れて以来で、今年は県内2市から7台を受注した。おりは、奥に餌を入れたバケツをワイヤで仕掛け、クマが引っ張るとワイヤの先の留め金が外れて扉が閉まる仕組み。サイズは直径60センチで長さ135センチと180センチの2タイプある。135センチは軽トラックの荷台に収まるサイズ。内部を確認できるのぞき窓や、麻酔銃用の穴を設けている。同社の担当者は「街中にも出没しており、住民の不安は大きい。捕獲とスムーズな放獣に貢献できれば」と話す。受注生産で、納品まで2週間程度という。価格は8万5千円(税別)から。

(謎の声「キュイーン」の正体とは?:広島)
視聴者から寄せられた「団地に謎の鳴き声キュイーンが毎日かかさず聞こえてくる。とにかく気になる」との声。聞こえるのは、広島市安芸区瀬野地区の団地「みどり坂」…。今回、謎の声の調査を依頼してきた松久さん親子。松久哲也さんは「このあたりの山というかのり面じゃないかと思う」と語り、娘・由奈さんは「人が叫ぶのかなと思ったけど毎日聞こえてくるから違うのかなと思って」と話す。声は、スーパーマーケットや住宅地の下にあるのり面から聞こえてくるという。聞こえてくるという午後6時前後、30分待ったが…。この日に限って聞こえなかった。。。その正体は何なのか?広島大学で野生動物の生態を研究している専門家に聞いてもらった。谷田教授は「これはたぶん繁殖期の雄シカの声だと思う。9月から11月にかけてはオスがメスを求めて鳴く」と話した。実際、この団地では、最近シカがたびたび目撃されていた。住民は「5頭くらい連れ合って歩いとる、近頃怖いんよ」「最近む。この辺とかあっちで。親子でいる」と証言する。シカの映像は動画にも残されていた。目撃が増えたのはここ数年で、特に今年は多いという。それは昼間も例外ではない。車とシカが衝突する事故も起きている。団地にある小学校にも、姿を現していた。みどり坂小学校寺本校長は「私が一番ひやっとしたのは通勤するとき7時前だが車で上を降りてきてた。道路をシカが2頭下へ降りていった。この門に入らないようにと神頼み。校内放送でどこらあたりにシカが出たよ、という情報を伝えて近づかないように刺激しないように指導している」と話す。広島市に対処を求める声も挙がっている。しかし住民が暮らす団地での捕獲は、難しいという。広島市の担当者は「無理やり捕まえようとすると逃げたりして2次の事故につながる可能性があるので注意して対応する必要がある。向かってくることはあまりないが、蹴り上げられたりするので近づかない」と対策の難しさを話す。なぜ団地に野生のシカが住み着いたのか?広島大学谷田教授は「人から危害を加えられることがないと学習していて街中に出てくることがどんどん増えている。もう一つは里に下りてきたほうが簡単に栄養価が高いものを食べることができる」と指摘する。謎の鳴き声「キュイーン」の正体は、、、住宅地に住み着いたシカの鳴き声だった。

(クマ対策で高校生が柿収穫:長野)
今年に入り全国的にクマによる被害が相次いでいる中、下高井郡木島平村では地元の高校生がクマが人里に現れないように柿を収穫した。村では今年に入りクマの目撃情報が去年の3倍以上となっている。この時期、柿を目当てにクマが山を下りてくるという。

(市職員らが市街地で通学見守る:秋田)
秋田県大仙市大曲の市街地近くで18日にクマが目撃されたことを受け、市は19日朝、付近の小中学校の通学路に職員を配置して警戒に当たった。クマが目撃されたのは同市大曲字中良野の福部内川の堤防で、大曲工業高のグラウンド脇。付近には東大曲小、大曲小、大曲中があり、住宅地も近いことから、市は福部内川近くの通学路2カ所に職員計4人を配置した。

(わなに白いうり坊:鹿児島)
出水市高尾野町大久保の農業大田常男さん(72)がかごわなで白いイノシシの子を捕まえた。うり坊サイズなのにしま模様はない。「25年の猟で初めて。縁起物かもしれない」と愛くるしい姿に目を細めている。鳥獣駆除用のわな(高さ75センチ、幅60センチ、奥行き150センチ)を近くの山に年間を通して設置している。わなの周囲にまいたサツマイモを食べる親子4頭を2度目撃。うち2頭が白い毛で覆われていた。11日朝にわなを確認すると、体長40センチほどの1頭がかかっていた。「珍しいと思っていたら、本当に捕獲できた。しばらく飼ってみたい」と話している。

(被害者が明かすクマ襲撃の瞬間:新潟)
新潟県内では、エサを求めて人里に出没したクマが住民を襲う事故が多発し、11日には19年ぶりに死者を出す事態となった。これを受けて県は12日、最高の警戒レベルの“クマ出没特別警報”を発令した。長岡市の被害女性に、クマに襲われた瞬間を証言してもらい、専門家に被害に遭った背景を聞いた。畑作業中にクマに襲われ意識不明の重体だった関川村の女性(73)が11日、搬送先の病院で死亡した。死亡事故は平成13年10月16日以来、19年ぶりのことだ。これを受けて県は12日、クマ出没特別警報を発令し、「命を守るためクマに警戒してほしい」と県民に厳重警戒を呼び掛けた。目撃地域では捕獲を進める。県内でのツキノワグマの目撃件数は4月1日以降、今月19日までに過去最多の1091件。同日までの約4週間で10人がクマに襲われ死傷している。クマから命を守るため、県は県民に対し、3つの注意事項を実践するよう要請している。(1)出没が確認された場所には近づかない、(2)単独行動を避ける、(3)音の鳴るものを携行する-の3点。とにかくクマに遭遇しないようにすることが重要だ。それでも、万が一、クマと出くわした場合に有効なのがクマスプレー。「専門家によると、クマの退散に効果的とのことだった。山に近づく際は持参してほしい」と、県鳥獣被害対策支援センターの神戸淳所長は注意を促す。豪雪地帯として知られる長岡市東部の栃尾地区。四方を山に囲まれた、のどかな盆地の集落で9月23日午後7時前、県内で今年初の人身被害が出た。車で帰宅した20代女性が車庫から数十メートル先の自宅に向かう途中、やぶの中からガサガサという物音が聞こえてきた。日は暮れ、あたりは暗くなっていた。女性は次のように明かす。「最初、家の人が作業をしているのかなと思ったんです。目をこらすと大きな動物の目が見え、とっさにクマだ、逃げないと死ぬと思いました。私との間は2メートルほどでした」。次の瞬間、体長約1メートルのクマが四足歩行で飛び出してきたため、女性は反射的に自宅に向かって走った。「走っている最中に痛みが走りましたが、そのまま家に逃げ込みました。右腕と右太ももにひっかき傷があり、出血していました」。襲ったツキノワグマはまだつかまっていない。女性の自宅周辺ではその後も、畑で足跡が見つかったり、柿の木に動物が登った痕跡あって実を食べられたりしているという。「深いひっかき傷はまだ跡が残っています。車で帰宅する際は家の玄関前に横付けし、さっと家に入るようにしています」。栃尾地区では例年、クマの目撃情報が多く寄せられているが、女性宅周辺では過去、目撃例はなかった。実際に訪ねてみると、周りには民家が立ち並び、これほど人の生活圏にまでクマが出没するのかと驚かされる。被害女性はなぜ、これまで目撃例がない自宅前で襲われたのか。クマの生態に詳しい新潟大学農学部の箕口(みぐち)秀夫教授はその背景をこう分析する。「クマはかつて奥深い山に生息していた。しかし、過疎化や高齢化により里山が荒れるようになると、一生を里山で過ごすクマ集団が出現するようになった。こうした“里グマ”が人の存在に慣れ、市街地などに出没する“新世代グマ”へと進化している」出没をいつまで警戒すればいいのか。箕口氏は「今後の気象条件にもよるが、年内は気を付けたほうがいい」と指摘する。

(「狩猟の活動知って」:神奈川)
地元の猟友会メンバーらで構成される「松田町鳥獣被害防止対策推進協議会」は11月に松田町役場(3日(火))と寄小学校(8日(日))の2カ所で狩猟に関する説明会を開催する。免許取得に意欲のある人や、免許取得後に活動していない人などを対象に例年行っている取り組みで、関係者は「少しでも興味があれば足を運んでほしい」と参加を呼び掛けている。説明会では座学のほか、わな猟体験や動物の解体といった実務体験を予定する。午後は実際にジビエを知ってもらうための食事会(参加費一千円)も行う計画だ。町は猟友会メンバーの高齢化や後継者不足などへの対策として、2017年から説明会を開いている。観光経済課の担当者は「まずは狩猟の仕事を知ってもらうことが大切。説明会をきっかけに、若い人たちにも興味をもってもらえたら」と話している。

(鹿革、草木染に:静岡)
伊東市川奈の障害児就労支援施設「ひかり工房」が、鹿革の草木染を製品化した。食害対策として天城高原で捕獲された鹿の革を伊豆半島の自然素材で染めた天然レザーで、国内を代表する革作家からも注目を集める。製品は日本皮革産業連合会を通じ作家に提供され、24、25日に都内で開かれるレザーワールドに出展予定だ。工房は、障害児の療育施設を運営する一般社団法人ひかり(生田一夫代表理事)が、高校卒業後の就労施設として2017年に設立。伊豆半島で採取、栽培した植物による繊維染色に取り組み、19年に独自ブランド「ひかりいろ」を立ち上げた。鹿革の草木染は同年2月、市郊外で鹿の捕獲を行うNPO法人「天城の森フォレスターズ倶楽部」の関係者から、皮を廃棄している現状を聞き製品化に挑戦した。最初に市販の鹿革を染めた時は思い通りの色を出せなかったが、布製品や糸に続く高単価の製品を開発しようと試行錯誤を重ねた。最終的に兵庫県姫路市の業者が日本古来の技法「白なめし」でなめした革を試したところ、梅苔(ウメゴケ)の紫やヤマモモの黄などが鮮やかに出た。鹿革は現在9色。生産工程で化学物質を使わず、4色が同連合会の定める日本エコレザー基準の最高ランクに認定された。一枚革だけでなく、格子模様に編み込んだ加工用素材や名刺入れ、キーケースなども製作する。工房は障害があっても根気がいる作業に驚くほどの集中力を発揮する長所を生かし、手間のかかる技法で付加価値を高めることで「利用者が仕事をしてしっかり工賃を受け取れる運営」(生田代表)を目指してきた。生田代表は「鹿革の草木染自体が国内でも珍しいはず。今回は伊豆で捕獲した鹿の皮を、鹿が食べていた植物で染めている。関係者にどう受け止められるか」と評価を待つ。鹿の食害は農産物や生態系への影響が大きく県も対策に力を入れている。県自然保護課によると、伊豆半島と富士地域の推定生息数は約5万頭。2019年度は県、市町の所管分と狩猟を合わせ約2万2千頭を捕獲した。一方、捕獲後の有効活用は道半ばだ。同課によると、昨年度、県が管理捕獲した約1万頭のうち、食肉などに加工されたのは約5500頭。残りは埋設処理などを余儀なくされた。伊東市の鹿肉加工会社「天城の森工房」は「ひかり工房」の取り組みに賛同し、昨年からこれまで廃棄していた皮を提供する。同社も骨をペットフードに加工するなど廃棄部位を極力減らす取り組みを進めていて、菊田淳一代表は「いただいた命はすべて使いたいとの思いがある。鹿革の草木染は食害対策で捕獲される鹿を有効活用する新たな道になり得る」と期待する。

(シカ肉カレー、知事「上品な味」:愛知)
大村秀章知事は二十日、豊田産のシカ肉を使った新商品「とよた里山鹿肉欧風カレー」を開発した事業者らと県公館で懇談し、シカ肉カレーを試食した。

(ツキノワグマの肉の出荷制限指示が一部解除:新潟)
新潟県は22日、県内(佐渡市と粟島浦村を除く)で捕獲されたくまの肉について、上越市と十日町市で出荷制限が解除された、と発表した。平成24年5月と11月に実施した肉の放射線物質検査のサンプル調査で食品衛生上の基準値(100Bq/kg)を超えたことから、同年11月5日付けで原子力災害対策特別措置法第20条第2項に基づき、原子力災害対策本部長から出荷制限指示を受け、くまの肉は出荷できない状況。こうした中、流通させたいという要望があり、また平成26年以降の調査で100Bq/kgを超えた調査結果はないことから、県の定める出荷・検査体制を整えた2施設を対象に制限を解除した。対象となる地域は上越市および十日町市で狩猟されたくまの肉(ただし県の管理下において放射性物質検査を実施し100Bq/kgを超えないもの)。対象となる食肉処理施設は、柿崎ブーシェリー(上越市柿崎区)、雪国 Base(十日町市)。時期については、狩猟期間(猟期は原則11月15日から翌年2月15日)のみとなる。なお出荷制限指示については継続している。

(政府の「ジビエ拡大」が一石二鳥どころか机上の空論であるワケ)
政府は鳥獣被害対策としてジビエ(野生鳥獣肉)の拡大を目指している。朝日新聞科学医療部の小坪遊記者は、「鳥獣被害対策を進めたい農村の立場は、おいしいジビエを食べたいという消費者の立場と逆行する。メディアが美談として取り上げるジビエ活用は、実際のところ机上の空論にすぎない」という――。あえて乱暴に言ってしまえば、「わかりやすい筋書き」に沿って描かれた話がメディアには溢れています。生き物との付き合いにおける誤った行為を美談として取り上げたり、勧善懲悪な視点で描いたりするものも少なくありません。こうした記事や番組が、時に大きな反響を巻き起こし、場合によっては望ましくない方向に事態を導いてしまうこともあるのです。ではどんな「メディアのストーリー」に気をつけるべきなのか。鳥獣害について聞いたことのある人は多いでしょう。動物が農作物や水産物を食べてしまったり、一部の動物が増えすぎることで生態系がゆがんでしまったり、貴重な生物が数を減らしてしまったりすることなどが主な被害です。他にも生活圏に出て来た動物に感染症をうつされたり、道路に飛び出されて交通事故になったりすることも鳥獣害と言えるでしょう。農家の収益ややりがいに直結し、時に人命を脅かし、地域社会の存続にも関わる問題です。国や自治体としてはどうにかして抑え込みたい被害です。代表選手はイノシシとシカです。農林水産省によると、2018年度の農作物の鳥獣被害は158億円。そのうちシカは約54億円、イノシシは約47億円で、サルが約8億円と続きます。国などは、これらの動物について、2011年度を基準として、シカを320万頭から2023年度までに152万頭、イノシシは98万頭を50万頭にまで半減させる計画を立てています。いずれも近年少し減る傾向にありますが、2017年度の全国のシカの頭数は310万頭程度、イノシシは約88万頭と推測されています。依然として多く、目標が達成できるかどうかは不透明な状況です。そこで注目されているのが、「ジビエの活用」。捕獲されたイノシシやシカの肉は食べることができ、毛皮は製品に活用できます。駆除するだけではなく、命を奪うからには、その肉や毛皮を大事に使おう。あわよくば、それを産業にして、農村振興にもつなげよう、そんなコンセプトがうかがえます。私も都内のジビエ焼き肉店を訪れたことがありますが、とてもおいしく、食べながら話のネタにもなり、楽しい会になりました。ジビエ活用は、消費者にとっても悪くない取り組みのようにも思えます。記事にあった「被害減少と資源の活用という『一石二鳥』」だけでなく、農村の所得向上や、消費者の楽しみを増やすことも加えた「一石四鳥」くらいにはなりそうです。一見したところ、ジビエこそ鳥獣被害対策の万能薬のようにも感じられます。でも、そう簡単には行きません。あくまでジビエのおおもとにあるのは「鳥獣被害の防止・抑制」です。しかし、いざ真剣に考えてみると、このジビエ活用に関わる関係者は、それぞれの立場で目指すものや、利害が一致しないところがたくさんあります。それぞれの立場から考えてみましょう。まず、消費者の立場からです。ジビエ料理の店に行く人の中には「食べて鳥獣被害を防止するんだ!」と意気込む方もいるかもしれませんが、多くの人はおいしいジビエが食べたいと思っているはずです。好みはいろいろあるかと思いますが、やはりおいしいのは、たっぷりと脂ののったジューシーな肉だという人が大半でしょう。例えばイノシシの場合、おいしい脂ののった肉を獲りたい場合は、寒い冬に備えて脂肪を蓄える秋以降に捕獲することが望ましくなります。一方で、イノシシの被害が大きい作物の一つが米です。夏の田んぼにイノシシが入り込んで米を食べたり、獣臭を付けてしまったりすると、商売になりません。農作物の被害を抑えるなら、米の収穫前の夏にはイノシシを駆除する必要があります。そうすると、農村では、米を大事にするのか、イノシシ肉の商売を大事にするのかという葛藤が生じてしまいます。「たらふく食べた美味しいイノシシを出荷して欲しい」なんて消費者目線は、農村の人々の願い、鳥獣害対策とはやくも逆行してくる恐れがあるのです。次に、イノシシやシカを捕る立場から考えてみましょう。肉をジビエとして売る前提で捕獲を行うなら、なるべく効率よく捕獲をして、品質を保って出荷し、安定的に供給した方が事業としてよいでしょう。すると、簡単に獣を捕まえられる場所や、運び出しが容易な場所での捕獲がより望ましくなります。ところが、実際に鳥獣害に苦しむ人は、アクセスが容易でない奥山の農村にもいますし、人の入りにくい場所にしかいない貴重な生物が鳥獣害を受けていることもあります。そうした場所でのイノシシやシカの個体数を抑えることよりも、効率よく捕獲して肉を販売することを優先すれば、これも鳥獣害対策と逆行してくる恐れがあります。地域の立場でも考えてみましょう。ジビエ活用をうたった加工施設などが各地にできています。肉を素早く衛生的に処理する上でも、こうした施設は確かにジビエ活用には重要でしょう。でも、ただでさえ農業の担い手不足や高齢化が叫ばれ、中には道路脇の草刈りや祭りなどもできなくなるような集落があります。施設を作っても、どんな人が何人くらい、どんな時期や時間帯に働くのでしょうか。施設が休みの日はどうでしょうか。「しばらく加工場が閉まっているから、捕獲はやめてね」「今日はもうたくさん買い取ったから、これ以上は持ってきてもお断りだよ」と言われたら、捕獲はしないのでしょうか。施設の予定や都合に振り回されてしまって、適切なタイミングで捕獲ができなければ、これも鳥獣害対策と逆行してくる恐れがあります。「ジビエ活用で鳥獣害防止」は、農村の被害も抑えられて、命も大事にするという、わかりやすい話です。都市に住む人にも、ジビエを食べることで農村での鳥獣害対策に少しでも役立てるかもしれないという関心を持たせた意味も小さくありません。しかし、ここであげたような側面をはじめとして、たくさんの課題があるのです。最近は、駆除されたシカの肉を動物園のライオンやクマなどに与える「屠体給餌」も注目されています。駆除されたシカの有効活用だけでなく、シカを与えられた肉食獣本来の行動が引き出されることや、それを目にする来園者の学び、さらにはそこから鳥獣害のことも知るきっかけにもなるとして、多くの波及効果があると言われています。ただ、感染症対策などの処理を施したシカ肉は、通常エサで与えているニワトリやウマの数倍の費用がかかる「高級肉」。各園は募金などで費用を確保しようとしています。「こういう取り組みをどんどんやろう」だけではなく、園側が続けられるような支援もまた求められていますし、ライオンやクマ以外の動物にも少しでもやさしい動物園にしていくことも忘れてはなりません。ドライな言い方をすれば「美談」はあくまでおまけみたいなもの。いい話に目がくらんで、鳥獣害対策という本来の目的を見失ってジビエ礼賛になるような落とし穴には、はまらないようにしたいものです。

(徳川幕府の「御鹿狩」、古文書など一堂に:千葉)
江戸時代、現在の県北西部に広がっていた幕府直轄の軍馬の牧場「小金牧」に、武士や農民ら数万人を動員し、シカやイノシシを狩る幕府の一大イベント「御鹿狩(おししがり)」は、八代将軍徳川吉宗以降、4回にわたって行われた。この御鹿狩にまつわる古文書や馬具、絵図などを一堂に集めた企画展「松戸と徳川将軍の御鹿狩」が松戸市立博物館で開かれている。小金牧は現在の松戸市を中心に野田、柏、流山、鎌ケ谷、白井、船橋、印西の7市にまたがり、五つの牧(牧場)で構成する。武芸を奨励した吉宗は1725(享保10)年に、旗本百数十人、獣を追い立てる「百姓勢子(せこ)」として農民1万2000人を動員して御鹿狩を初めて開催。将軍の観覧所「御立場(おたちば)」が小山に土を盛って築かれ、江戸川を渡るために船を連ねた「船橋」が作られた。

(ジビエ料理、県立大学生と開発へ:長野)
長野市は長野県立大学(同市)の学生と共同で、ジビエ(野生鳥獣肉)料理のメニューを開発する。開発したメニューは市内のホテルや旅館などと共有し、ジビエの普及を加速させる。市が長期目標で掲げる農林水産業の生産額の引き上げにもつなげる。新メニューは学生のアイデアをベースに考えていく。これまでも市が企業などとジビエ関連の商品を手掛ける例はあったが、学生と取り組むのは初めてという。

(往時の技法、とりこに:奈良)
財布などの素材として、なめした鹿革を染色し漆などで紋様をつけるのが、現代の一般的な「印伝(いんでん)」。宇陀市の南浦太市郎さん(67)は、これまで途絶えていた「燻(いぶ)し」や「染抜(そめぬき)」といった奈良時代の技法を復活させた。「漆は一つの技法だが、始まったのは明治時代前後。本来の印伝が持つ魅力を知ってほしい」と力を込める。その功績が評価され、2016年に「現代の名工」に。今春は黄綬褒章を受章した南浦さんだが、「最初からそこを目指していたわけではない」と振り返る。

(ジビエのレトルトを家庭で気軽に:長野)
日本ジビエ振興協会(本部・茅野市)は、新型コロナウイルスの影響で卸先が減っているジビエ(野生鳥獣肉)の処理加工施設を支援する目的で、鹿肉を使ったレトルト食品を開発した。「ジビエ応援便」と銘打ち、カレーやシチューなど九種類を販売している。

(イノシシでまちおこしを:兵庫)
田畑を荒らすイノシシを、まちおこしの起爆剤にしようと取り組む兵庫県南あわじ市伊加利地区の地域づくり協議会がこのほど、イノシシ肉を使った薫製や角煮を味わう試食会を開いた。住民のほか、吉備国際大学狩猟部の学生らを招いて料理の味やイノシシの活用法などについても議論。今後は市の「地域づくりチャレンジ事業」に申請予定で、将来的にはジビエを使った特産品の開発や観光施設の設立などに期待を寄せている。市によると、昨年度のイノシシ捕獲頭数は約3千頭。農作物被害額は約1千万円に上る。一方で、同地区の住人は約400人と減少の一途をたどる。観光施設や目立った名産品もほとんどなく、交通量の多い幹線道路に面している利点を生かし切れていないのが現状という。そこで、雇用を増やし若者を呼び込もうと、昨年度からまちおこしを企画し、今夏に実行委員会を立ち上げた。江戸時代の郷土史によると「伊加利」の語源が「猪狩」であることから、害獣のイノシシの活用策を考え始めたという。試食会には、地元の主婦や商店主が腕を振るったイノシシ料理5種類がずらり。参加した約30人は一通り口にした後、品評を行った。「すぐにでも売り物にできる」「意外と癖がない」と好評の一方、「脂が多すぎて途中できつくなる」など厳しい意見も目立った。「イノシシの脂身は2層になっており、1層を切り落とせばあっさりした味になる」など狩猟経験を生かした学生の意見もあった。同部の清田蒼孔(せいだそうこう)部長(21)は「捕獲したイノシシの活用法は部にとっても課題だった。今後は地元の人と協力して、可能性を探っていきたい」と話した。同地区には、西淡地域の旅館などで利用される「うずしお温泉」の泉源があり、まちおこしにはジビエとともに温泉の活用が鍵を握る。同協議会の的場信幸会長(60)は、「イノシシにちなんだ地区名と源泉を持つ立地。伊加利には他地域に負けない底力がある」と力説。「観光でも飲食でもとにかく若い人が残る環境をつくっていきたい」と先を見据える。

(地域貢献ツアーいかが、協力隊員が商品開発)
地域おこし協力隊員の経験を経て、「地域のためになる」旅行商品に取り組む人たちが奮闘している。比較的登録のハードルが低い地域限定旅行業として、都市住民向けに有害鳥獣対策をテーマにしたツアーなどを企画。「関係人口」を増やすことで地域活性化につなげる考えだ。千葉県鋸南町地域おこし協力隊の黒澤徹さん(53)は任期満了となる11月以降、地域限定旅行業の仕事を始める。地域限定旅行業は都道府県知事が認める業態で、現地集合・現地解散のような、限られた地域での旅行商品を扱う。契約社員として籍を置く、行政の獣害対策を支援するAMAC(エーマック=千葉県佐倉市)の鋸南営業所を拠点に、鋸南町と隣接する鴨川市、富津市、南房総市を対象に、地域の魅力を生かした旅行商品を提供する。猟師組織の案内によるけもの道のトレッキング、有害鳥獣の捕獲わなや侵入防止柵の設置体験、捕獲したイノシシや鹿の解体、肉を使ったジビエ(野生鳥獣の肉)料理作りなどを想定している。黒澤さんは山登り専門の旅行会社に勤務していたが、田舎暮らしにあこがれ50歳の時に会社を退職。2017年11月に協力隊員として同町に着任した。同町は15年の国勢調査では人口減少率が千葉県内トップの10・4%、高齢化率が同2位の43・6%。農家も経営規模を縮小しており、耕作放棄地が増えて有害鳥獣被害も増えた結果、農家の耕作意欲が低下。鳥獣の生息地や個体数がさらに増えるという「負のスパイラル」に陥っていた。この状態を抜け出すため、黒澤さんは有害鳥獣に関心のある都市住民向けに「狩猟エコツアー」などを企画。獣害対策の三本柱とされる「下草の刈り払い」「防護柵設置」「有害鳥獣捕獲」のワークショップなどを開いてきた。旅行業を始めた背景には、会社員時代に「観光は旅行先の地域のためになっているのか」と疑問を持ったことがある。「獣害対策には町外の人に関わってもらうことが必要。都市から人を呼び込むツアーにすれば“地域が潤う旅行”になる」と考えた。ツアーやワークショップで「関係人口」を増やし、将来的な町内への移住・定住、観光業による雇用創出──という将来像を描く。黒澤さんは「関係人口を増やして地域振興につなげ、鋸南モデルとして全国に発信したい」と強調する。新潟県十日町市で地域限定旅行業の「HOME away from HOME Niigata」を立ち上げ、地域に根差した観光ツアーを手掛けるのが井比晃さん(36)だ。広告会社勤務時代に仕事で訪れた十日町市の風土に引かれ、15年に同市の地域おこし協力隊になった。東京で市のプロモーションをした際、地域の女性による郷土料理の披露や、着物のリメークによるファッションショーが好評だった。「そこに住む人そのものが市の魅力だ」と思うようになり、旅行会社を立ち上げる契機となった。同社は地域住民と共に過ごす宿泊旅行などを提供している。「3年間の協力隊で培った人脈が、観光企画には役立っている」という井比さん。新型コロナウイルス禍の影響は甚大だが「地域に寄り添った企画で事業を広げたい」と意欲を燃やす。

(統合的な鳥獣害対策支援事業推進のため協業を開始)
株式会社ジョイ・ワールド・パシフィック(代表取締役:木村 清勝、本社:青森県平川市、以下 jwp)は、株式会社エリオス(代表取締役社長:佐々木 進、工場:宮城県柴田郡川崎町、以下 エリオ ス)と共同で、2020年10月から、エリオス製品の鳥獣害用くくり罠『ししえもん』と、jwp製品のLPWA鳥獣罠捕獲検知システム『わなベル』の相互販売・取扱いを開始いたします。両社は、統合的な鳥獣害対策支援事業推進のため協業することを合意し、業務販売契約を締結しました。この鳥獣害対策支援事業では、くくり罠『ししえもん』と、捕獲検知端末『わなベル』を併せてご提供できることにより、捕獲に使用するくくり罠から、捕獲情報の検知・狩猟者・自治体担当者への通知までを、一貫して支援できる統合的な鳥獣害対策支援システムの導入を推進します。くくり罠『ししえもん』では、イノシシ・シカの捕獲に最適な、押しバネ式、ねじりバネ式をラインアップしており、また踏板(落とし板)も2種類の深さを用意しております。併せてLPWA鳥獣罠捕獲検知システム『わなベル』を付加することにより、利用者は現地へ罠を確認しに行く前から、リアルタイム・事前に捕獲情報を得ることが可能となります。

(道の駅でエゾシカハム販売:北海道)
有害鳥獣捕獲事業などの「ジュラテクノロジー」(町晩成、富田茂社長)は、道の駅コスモール大樹で、ジビエ食材のエゾシカハム「マッスルケーキ」を販売している。同社が町内で店頭販売するのは初めて。同ハムはハム・ソーセージ専門店「ドイツ?デリカテッセン?クリンゲン」(岐阜市)の野村吉央店主から指導を受け、本場ドイツの味を忠実に再現している。

(「竹田ジビエ」ブランド化へ:大分)
竹田市久住町有氏の就労継続支援施設パルクラブ(大塚哲生施設長)は、イノシシ肉のロースハムやベーコン、ソーセージを商品化した。肉のうま味を引き出し、独特の臭みを抑える工夫を施している。加工を依頼した市は「ジビエの消費拡大につながる」と期待。「竹田ジビエ」でブランド化と販路拡大を目指す。市農政課によると、市内の鳥獣による農作物被害額は年間2千万円以上。市猟友会メンバーが中心となり駆除に当たっている。2019年度の実績はイノシシ2976匹、シカ1935匹。捕獲数は年々増加する中、9割以上を土に埋めて処理しており、市が肉の活用方法を探っていた。同施設は障害者の就労支援で約20年にわたって豚肉加工を手掛けたノウハウを持つ。3月から研究を始め、「ジビエは獣臭いといったイメージを変える味に仕上げたかった」と若林孝支援課長(57)。ロースハムやベーコンは調味料の配合と熟成期間の試行錯誤を重ねた。ソーセージは粗びきとバジル、ペッパーソースの3種類で、ショウガで味を整えた。料理人ら向けの試食会では「イノシシの肉とは分からない」「脂を生かした奥深いうま味を楽しめる」と好評だった。材料を提供した精肉加工場「竹田オーストリッチファーム」(市内飛田川)の吉良富伯(とみのり)代表(78)は「イノシシやシカの肉を食べる人が増えれば、生命の循環につながる」と手応えを口にする。加工品の販売は11月中旬から開始する予定。価格はベーコンとハムが60グラム、ソーセージは80グラム(4、5本)入りで500~600円。同施設で通信販売を手掛けるほか、市はふるさと納税の返礼品などに活用する。市内の旅館や飲食店にも売り込む。同施設はシカ肉加工品の商品化も目指している。

(ジューシー「ジビエ」の魅力普及へ:福岡)
農作物を食い荒らすイノシシやシカの「ジビエ」(野生鳥獣の肉)料理に親しんでもらう県主催の「ふくおかジビエフェア」が、県内の料理店18店が参加して開かれている。各店とも、県が今年度から始めた「ふくおかジビエの店認定」を受けており、11月15日までの期間中、特別メニューを用意し、来店客に魅力を伝える。認定第1号のフェア参加店、福岡市・天神のイタリア料理店「リストランテKubotsu」。今月14日にあった試食会で、料理長の窪津朋生さん(37)が、提供するソーセージを披露した。糸島市で捕れたイノシシの肉に熟成技術を施したうえでミンチにし、無農薬ハーブを練り込んでおり、「臭みがなく、従来のジビエとは印象が違うはず。たっぷりの肉汁を味わってほしい」と胸を張った。プリプリした食感を楽しんだ小川知事は「ジビエと言われないと分からない」と驚いた様子。来店客にも「肉のうまみがすごい」「食べ応えがある」と喜ばれている。県によると、野生鳥獣による農林水産物の被害額は2010年度、県全体で15億8000万円と過去最大に。その後、畑などの周囲に柵を設ける国の事業もあり、19年度は7億6000万円まで減少したものの、なお農家らを悩ませている。県は捕獲したイノシシやシカの活用法として13年度から毎年、フェアを開いてきたが、今年度から年2回(秋、春)に拡大した。県内でもジビエを取り扱う料理店が増える中、ジビエを地域の魅力づくりの資源として普及させる狙いがある。認定店は今月1日、22店を登録した。ジビエの魅力について、卸売りの「糸島ジビエ研究所」の西村直人社長(26)は「自然の中で生きてきた動物の肉は、脂がサラッとしていて香りもいい。おすすめは赤身。味が濃く、ジューシーです」と話している。

(マツタケ、収穫はシカとの戦い:兵庫)
松枯れや気候変動などで国内生産量の激減が危ぶまれるマツタケだが、全国ブランド「丹波マツタケ」の産地である兵庫県丹波篠山市内では近年、シカによる食害が深刻だ。10月中旬、入山権を持つ60代男性に同行して市内のマツタケ山に入ると、そこにはシカにかじられたとみられる無残な姿が。「においで人間より先に見つけてしまうんや」-。

(イノ一番の人気メニューに:和歌山)
和歌山県田辺市龍神村龍神にある道の駅「木族館」の食堂で、猪(いのしし)丼が人気を呼んでいる。他にも、猪うどんや猪カレーが名物料理になっている。猪丼をメニューに加えたのは約4年前。それまでは、キジ肉の丼を出していたが、台風により養殖施設が被害を受けて入荷できなくなった。キジ丼に代わる料理を考えた末、ジビエのイノシシ肉を使った丼を考えたという。その後、イノシシ肉を使ったうどんやカレーもメニューに加えた。最近になって口コミで猪丼が話題になり、バイクで訪れる利用客からの注文が増えるなどして、主力料理の一つとして定着したという。イノシシ肉は、田辺市上芳養のイノシシ、シカ肉解体処理施設「ひなたの杜」から購入している。イノシシ肉を使った3種類のメニューのうち、一番人気は猪丼(税込み850円)。多くの観光客らが来店した9月の連休中は、1日当たり40食近く出たという。久保正博店長(58)は「猪丼は、お客さんが『においがなく食べやすい』と言ってくれる。名物料理として確立した」と話している。

(害獣だったイノシシをマスクケースやせっけんに:熊本)
全国で鳥獣被害が続いている。農地が荒らされ収穫が出来ず、意欲を失った農家の離農も大きな問題になってきた。そんな鳥獣の被害から田畑を守ろうと、熊本県内の農家約120人のメンバーが、2016年春、「農家ハンター」を結成した。「箱わな」と呼ばれるわなを仕掛け、農作物に被害をもたらすイノシシを捕獲し駆除してきた。駆除するだけでなく、もっと活用できないかといろんなアイデアも生まれた。捕獲したイノシシは、ジビエ肉として販売。肉だけでなく、皮や油、骨も余すことなく利活用する。代表の宮川将人さん(42歳)が中心となり、資金4000万円を集めイノシシの解体処理施設「ジビエファーム」も作った。現在ではさまざまなプロジェクトが進行している。その一つがイノシシの革製品の制作で、新型コロナ禍の中、「マスク」ではなく首から掛ける「マスク入れ」を作った。イノシシの油を使ったイノシシせっけんも開発中。イノシシせっけんは、匂いもなくさらさらで肌の乗りもいいという。地元の農産物をセットにし、農家ハンターならではの戦略で売り込みをかけようとアイデアを練る。さらなる目標は「ジビエツーリズム」。視察した多くの人たちとの交流の場を設け、泊まってもらうことで、全国、ひいては世界にこの取り組みをアピールしようというのだ。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後3時50分ごろ、仙台市青葉区芋沢苦地下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午前7時ごろ、仙台市青葉区錦ケ丘7丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区上愛子舟橋にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午後9時ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
大崎市によると、10月後半、大崎市鹿島台平渡にイノシシが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、21日午後5時5分ごろ、栗原市鶯沢南郷久保山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日早朝、仙台市青葉区芋沢赤坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日早朝、仙台市青葉区上愛子大道にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後3時20分ごろ、仙台市青葉区霊屋下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、21日午後2時30分ごろ、栗原市瀬峰船橋にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、21日午前11時50分ごろ、栗原市瀬峰新愛宕南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、20日午後5時50分ごろ、栗原市金成姉歯小沢田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、20日午後4時25分ごろ、栗原市栗駒桜田車尻にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、20日午後4時ごろ、栗原市栗駒菱沼真似牛にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午後8時ごろ、仙台市太白区秋保町長袋澤端にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午後4時30分ごろ、仙台市泉区実沢六堂屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午前10時ごろ、仙台市青葉区大倉下倉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午前8時30分ごろ、仙台市泉区根白石青笹山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午前1時30分ごろ、仙台市青葉区上愛子北原道上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、18日午前9時ごろ、仙台市青葉区芋沢青野木にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午後1時ごろ、仙台市泉区根白石養賢堂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日午後2時ごろ、仙台市青葉区新川鹿野にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区大倉上原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後10時30分ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、19日午後0時30分ごろ、松島町桜渡戸土井下付近にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、16日午後0時4分ごろ、栗原市築館築館新八ツ沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後7時40分ごろ、仙台市青葉区作並岩谷堂西にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日深夜、仙台市青葉区芋沢大勝草にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、15日、松島町桜渡戸土井下にクマが出没しました。

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10/16
(イノシシ東北に“猛進”、捕獲数5年で倍)
イノシシの生息域が北に広がり、越冬するのが難しいとされてきた東北地方で捕獲数が増えている。東北6県の2019年度の捕獲数は4万3885頭となり、5年間で2倍以上に増えた。地球温暖化や、個体数の増加などが影響しているとみられる。イノシシは農作物に食害を与えるだけでなく、豚熱の感染源となる恐れもあり、各県とも警戒を強めている。6県の捕獲数は15年度に2万701頭で、この5年間で2万3000頭以上増えた。イノシシは冬に30センチ以上の積雪が70日以上続く地域だと、餌となる植物を見つけられず越冬が難しいため、生息地の北限は宮城県とみられていた。しかし、19年度になって本州最北端の青森県で3頭が捕獲された。県によると、17年度から目撃情報が増えているという。秋田県も5頭だが、16年度以降、捕獲が増えている。山形県は増加幅が大きく、15年度比8・7倍の2002頭になった。岩手県も同8・6倍の346頭に上る。6県中、捕獲数が最も多い福島県は同1・9倍の3万738頭。2番目の宮城県も同2・1倍の1万791頭と、軒並み増えている。環境省は「個体数が増えて活動範囲が広まったことに加えて、地球温暖化の影響で越冬しやすい環境が整った可能性がある」(鳥獣保護管理室)とみる。農作物の被害額も増えている。農水省の調べによると、18年度の東北6県のイノシシ被害額は2億7156万円。3年連続で2億円を上回る。豚熱対策も急務となっている。福島県で9月、豚熱に感染したイノシシが見つかった。これを受け、福島県と、隣接する山形、宮城両県が飼養豚の予防的ワクチン接種推奨地域となり、ワクチン接種が始まった。推奨地域でない岩手、秋田両県も、「病原菌を持ち込ませないことが重要」(岩手県畜産課)と、農場の消毒をはじめ養豚農家に飼養衛生管理基準の徹底を促し、警戒を強めている。岩手県では個体数管理を重視。効率的な捕獲を目指して行動範囲の調査を始め、わなの設置場所などに反映させる方針だ。秋田県でも南部の宮城、山形両県に接する地域での捕獲を強化。わな数の増加を進めている。

(脅迫メール、カモシカ殺処分に抗議?:愛知)
愛知県と同県新城市に「カモシカの殺処分に抗議し、職員を大量に殺処分する」という内容の脅迫メールが届いていたことが分かった。新城市は五日、市内の男性(70)を襲って死亡させたニホンカモシカを殺処分しており、県警新城署は何者かが処分に抗議してメールを送った可能性があるとみて、脅迫や威力業務妨害の疑いで捜査している。市と県などによると、いずれも九日に、脅迫メールが届いているのを職員が発見。十二日午前に新城市役所、同日午後に県庁へ、弓矢を持って来庁する旨が書かれていた。十二日は、警察官が巡回したが異変はなかった。カモシカは国の特別天然記念物に指定されており、狩猟は原則禁止され、捕獲には知事の許可が必要。死亡した男性はワナにかかったカモシカを放そうと試みて角に突き刺されたとみられ、市は県知事の許可を得てカモシカを殺処分。殺処分を公表以降、新城市には抗議電話などが相次いでいた。

(野生のイノシシ、豚熱県内初確認:奈良)
県は14日、奈良市白毫寺町の山中で雌のイノシシの死骸が見つかり、従来豚コレラと呼ばれていた豚熱(CSF)への感染が確認されたと発表した。京都府や三重県では野生のイノシシへの感染が確認されているが、県内での確認は初めて。

(イノシシ2頭が豚熱感染:群馬)
は14日、上野村とみなかみ町で捕獲などされた野生イノシシ2頭について遺伝子検査を行い、豚熱(CSF)感染を確認したと発表した。県内の感染事例は計57頭となった。

(機動隊庁舎内で拳銃1発誤発射、室内のロッカーに当たる:東京)
警視庁は15日、第4機動隊の男性巡査(23)が誤って拳銃1発を発射したと発表した。けが人はなかった。発表によると、巡査は同日午後2時20分頃、新宿区若松町の第8機動隊庁舎内で、実弾を抜いて銃の構え方などの訓練をした後、通常勤務に戻るため実弾を込めた際、誤って引き金を引いた。弾は室内のロッカーに当たったという。警視庁は「拳銃の適正な取り扱いの指導を徹底し、再発防止に努める」とコメントした。

(温泉旅館にクマ、男性けが:群馬)
16日未明、群馬県みなかみ町にある老舗温泉旅館で男性客が露天風呂まで歩いて向かっていたところ、クマに襲われました。男性は腕や太ももなどをかまれて軽いけがをしました。午前0時半ごろ、みなかみ町にある老舗温泉旅館で神奈川県相模原市から来ていた男性(61)が露天風呂に入るため1人で屋外の通路を歩いていたところ、クマに襲われました。男性は左腕や右足の太もも、左足のつま先をかまれて軽いけがをしました。警察によりますと、クマは体長1メートルほどで、露天風呂までの通路でクルミの実を食べていたということです。クマは男性を襲った後、山へ逃げていきました。みなかみ町では15日、別の場所でもクマの目撃情報が警察に寄せられていて、周辺の自治体でも例年より多くクマの姿が目撃されています。

(クマ目撃、1日で18件:山形)
クマの目撃情報が止まらない。14日から15日にかけて、県内では目撃が「18件」にも上った。鶴岡市では15日朝、住宅街近くの国道でクマ1頭が目撃され、猟友会によって駆除された。15日午前4時すぎ、鶴岡市井岡の住宅街近くの国道345号で車で通りかかった30代の男性がクマ1頭を目撃し警察に通報した。警察や市などが付近を捜索し、約3時間半後の7時半過ぎ、クマは近くの高速道路の側道で猟友会によって駆除された。駆除されたクマは体長約1.3メートル体重約70キロのメスだった。県猟友会鶴岡支部鶴岡分会の本間敬三さんは「クマがいたと、見に出てくるのが一番危険。パトカーが広報活動していたら外に絶対出ないことが大事」と話す。近くの福祉施設の職員は「デイサービスの利用者も周辺をリハビリのため散歩するがクマと遭遇したらと思うと不安」と話す。警察によるとことしクマが目撃された件数は今月13日現在606件に上り、去年の同じ時期に比べ139件増加し、人的被害は4件発生している。また、今月だけでも112件に上り、去年10月の55件に比べてすでに2倍以上となっている。一方、14日から15日午前6時にかけて県内でクマの目撃情報が18件も警察に寄せられた。時間別にすると、14日未明から午前中にかけて、鶴岡のほか、米沢や小国、川西で7件。14日の日中は尾花沢や真室川、川西で3件。夕方から15日午前6時にかけては鶴岡、寒河江、南陽、米沢など6市町で8件に上り、朝晩の目撃が目立っている。県みどり自然課によると人里に降りてくるクマは「夜行性」で朝や夕方の薄暗い時間帯に活発に動くとされている。一方、近年では日中に目撃されるケースも次第に増えてきているという。県や警察ではクマを目撃した場合はすぐに自治体や警察に通報するよう呼び掛けている。

(クマが畑仕事の女性2人に突進:新潟)
14日、魚津市で畑仕事をしていた女性2人のそばにクマが姿を見せました。クマは2人に向かって突進し、2人が逃げたところ、家の窓にぶつかってそのまま走り去ったということです。魚津警察署によりますと14日午前6時20分ごろ、魚津市青柳で自宅の裏庭の畑で作業をしていた高倉京子さんと、一緒に作業をしていた近所の女性が、数メートル先にクマ1頭がいるのに気付きました。クマは体長がおよそ1メートルだったということで、高倉さんたちは二手に分かれて逃げ、けがはありませんでした。クマはそのまま高倉さんの家の窓に体当たりをしました。窓にはクマの足についていたとみられる土が残っていました。クマはその後、海の方向へ走り去ったということです。高倉さんから通報を受けた警察があたりを捜索しましたが、その後クマは見つかっていません。魚津市によりますと、青柳でクマの出没が確認されたのは6年ぶりだということです。県によりますと、県内ではことし、先月末までにクマの出没が281件確認され、去年の同じ時期と比べておよそ1.5倍となっています。県は、クマが出没する地域では活動が活発になる朝や夕方の外出を避け、やむを得ず外に出る際には複数で行動し、音の出るものを携帯してほしいと呼びかけています。

(線路脇でシカ動けず、電車と接触?:埼玉)
電車に接触したシカが、線路脇で2日間にわたり、動けなくなっている。線路のすぐ脇で、うずくまるシカ。埼玉・滑川町の東武東上線・森林公園駅近くで、シカが動けなくなっている。撮影者「何日もそのまま放置だったので。かわいそうで心配です」シカは13日の深夜に電車と接触し、動けなくなっている可能性がある。

(商業地区でクマ捕獲:福井)
15日の朝、福井市内の住宅街でクマの目撃情報が相次ぎ、クマは午前11時頃、県猟友会などによって捕獲された。福井市によると、15日午前5時20分頃、福井市高木北4丁目の住宅街で体長1メートルほどのクマが目撃されたあと、近隣地区の住民から目撃情報が相次いだ。このあと、国道8号線に近く商業施設が立ち並ぶ福井市堂島町で、側溝の中に潜んでいたクマが発見され、午前10時50分頃、県猟友会などによって捕獲された。県内では過去最多のペースでクマの出没が相次いでいて、県や警察ではエサとなるカキの実を早めに収穫したり、目撃した場合は市や町に通報するよう呼びかけている。

(クマを捕獲:福井)
福井市によると、福井県福井市大和田町の側溝に入り込んだクマが10月15日午前10時50分ごろ、捕獲された。成獣とみられる。

(クマに襲われた女性が死亡、県が注意報を警報に引き上げ:秋田)
秋田県警能代署は15日、藤里町の中心部でクマに襲われ頭蓋骨骨折などの重傷を負っていた女性が14日、搬送先の秋田市内の病院で死亡したと発表した。県警によると、クマの被害による死者は県内では今年初めてで、2017年以来。これを受け、県は7月8日から発令していた「ツキノワグマ出没に関する注意報」を「警報」に引き上げ、注意を呼びかけている。同署の発表によると、女性は同町藤琴、無職米森キヨさん(83)。7日午後に顔などを引っかかれた状態で町道に倒れているのを発見され、搬送されていた。死因は脳挫傷だった。県警地域課によると、今年、県内のクマによる人身被害は14日現在で8人。前年同時期の11人と比べて減少しているものの、目撃件数は810件と前年同時期の619件より増加している。クマによる人身被害や住宅街での出没が相次いでいることから、県自然保護課は「クマは冬眠の時期が近づくと、餌を求めて活発に動き回る。外出する時は、ラジオや鈴など音の出るものを携帯してほしい」と呼びかけている。

(ドローンで有害鳥獣駆除に乗り出すワケ:京都)
農作物に被害を与える有害鳥獣の駆除に役立てようと、京都府猟友会が小型無人機ドローンの活用に乗り出す。倒木や崩壊など山の危険箇所を事前に確かめ、シカやイノシシの生息場所が把握しやすくなるなど作業が効率化でき、会員らは「人数が少なくなっても広い範囲で活動ができる」と期待を寄せている。府内では有害鳥獣の被害は徐々に減ってきたが、府によると2019年度の被害額は2億7400万円、面積は226ヘクタールに上る。猟友会は行政の委託で有害鳥獣を捕獲しているが、会員数の減少や高齢化が課題だ。府猟友会では1977年に6千人以上いたが現在は約1800人に減り、平均年齢は63.5歳となっている。ドローンによる有害鳥獣の駆除は北海道や岩手県でも進められており、府猟友会は各都道府県の猟友会のモデルとして試験的に活用を開始する。7日から3日間、福知山市内で役員らが免許取得に向けた講習を受け、座学や実技で使い方を学んだ。鳥獣の生息状況や植生が確認できるほか、犬の鳴き声を入れたスピーカーを付けてドローンを飛ばし、動物を追い払う方法などを想定しているという。すでにドローンを使った実証実験に取り組んだ福知山猟友会の下元照男会長(72)は「歩いて動物を探すのはとても時間がかかる。山に入るためのルートを決める参考になり、人数が少なくても広域的に活動できると分かった」と手応えを語る。伊根町の猟友会もドローンを購入した。具体的な導入の時期は調整中で、府猟友会の西村義一会長(65)は「対策をしなければ有害鳥獣は増え続ける。ドローンを使って効率的な捕獲へつなげていきたい」と話している。

(イノシシ出没、農家がっくり:東京)
八王子市高月町の田んぼで、9月20日から10月10日にかけて、八王子産ブランド米「高月清流米」の稲刈りが行われた。今年はその前に「初めて」イノシシによる荒らし被害があり、収穫量が減少した。清流米が生産されているサッカーコート4面分にあたる、5ヘクタールの田んぼからは、30kgの米袋にして約380袋分が収穫される見込み。今年は7月に長雨、8月には気温の高い日が続いたため、収穫量は昨年から7パーセント減少したという。味について高月営農集団清流米部会長の石川研さん(67)は「例年と変わらず、うまみがある」と話す。稲の収穫直前の9月上旬、清流米の田んぼでは、イノシシ被害が10件あったという。収穫量全体の3パーセントが食い荒らされた。石川さんは「高月町の、山間にある畑でイノシシが出ることはこれまでもあったが、田んぼで出たのは50年間農業を続けてきて、初めての経験」と語った。市の獣害対策課によると、高月町全体におけるイノシシ被害の問い合わせ件数は今年に入って7件と、昨年1年間の3件を上回っている。また、捕獲件数も12件と、昨年1年間の5件を上回る。市は、見回り活動の強化、捕獲檻の増設などで対応する。石川さんらは電気柵を立てることを検討しているが、広範囲にわたるため、導入方法を模索している。石川さんは、「収穫直前にがっくりきた。イノシシは稲穂を食べずに田んぼの稲をなぎ倒すこともある」と困った表情を浮かべた。イノシシが出没した原因について市は調査中、石川さんも「わからない」としている。高月地区では古くから米の生産が行われていたが、米の流通規制が緩和されたことを機に、30年前、地元生産者により「高月清流米」としてブランド化された。現在は6人で生産をしている。米は多摩川の栄養を含んだ地盤を活かし、大岳山(標高約1266メートル)から流れる秋川の水により育てられる。農薬、除草剤を減量し、有機肥料を使って生産する。「農薬の散布は年に1回にしているため、田んぼの中にはトノサマガエル、クモ、へビなど豊かな生態系が築かれている」と石川さんは説明する。その米の味については「有機肥料を使っているために甘みが強い」と話す。

(クマ大量出没で関係機関が情報共有:福井)
県内でクマの出没が相次ぐ中、警察や市役所それに県猟友会が勝山市で初めての訓練に臨み、クマの出没に備え情報を共有した。訓練に参加したのは、勝山警察署と勝山市、それに県の猟友会のメンバー合わせて24人で、3者が情報共有するのは初めて。この中で猟友会からは、最近のクマは人を恐れず逃げたふりをしてもすぐに戻り、近くに潜んでいるケースが多く、注意が必要との報告があった。また、参加者らはクマが出没した時に使う盾や刺股、それに捕獲用おりの特性を学んだほか、クマを追い払うための花火や爆竹の使い方も確認した。県内では嶺北を中心にクマが大量に出没していて、4月から9月は517件と過去最多を記録している。

(クマ目撃、金沢以南に集中:石川)
石川県内で目撃された今年のツキノワグマの数が、過去最多となった。今月九日時点の目撃件数は三百五十七件。年間で過去最多だった二〇一〇年の三百五十三件を上回った。目撃情報を地図に落とすと、金沢市周辺と南加賀地域に多いことが一目で分かる。市街地では近くに川が流れている場所で多いことも、専門家の分析で明らかになった。目撃地点に共通する特徴として、県立大の大井徹教授(動物生態学)は山の周辺に加え、近くに川が流れる市街地が多いと指摘する。「クマは山から川の緑地帯を通って市街地に迷いこむ」(大井教授)という姿が地図から浮かんでくる。市街地に入らせない対策として「川の上流に柵やわなを設置するなど、下流に来させないようにする工夫が必要だ」と訴える。大井教授は「クマが生息する地域が、県内で年を追うごとに広がっている」ことにも注目する。環境省の〇三年の調査では、生息圏は富山、石川、福井の三県などを通る高速道路の北陸自動車道以南にとどまっていた。生息していたのは主に南加賀地域の内陸部で、海沿いにはいなかった。学術組織「日本クマネットワーク」の一四年の調査では、北陸道以北の能登半島までに生息圏が広がったことが判明した。能登進出に伴って増えているとみられ、県は現在の生息数を千頭超と推計する。二十年前から倍増した。原因として大井教授は「人の手が入らない森が増えたことや、狩猟者の減少」を挙げる。今年の市町別目撃件数は九日時点で、小松市が最多の百五件、金沢市が八十五件、加賀市が四十七件、白山市が四十二件と続く。人が襲われたのは小松市で二件(九月と十月)、金沢市で一件(七月)。クマは冬眠前に栄養を蓄える必要があるため例年、十月に目撃情報が最も多くなり、十一月になると少なくなる。一〇年はクマに人が襲われたのは五件で、十月は一件、十一月は二件だった。

(クマ出没に注意喚起、秋のドングリ不作:鳥取)
ツキノワグマの秋の餌であるドングリなど堅果類が不作傾向になっているとして、県はクマへの注意を呼び掛けている。クマの出没件数は現時点で平年並みだが、急増する可能性があるという。県緑豊かな自然課の調査によると、今年は県内でブナとコナラが凶作、ミズナラとクリも平年以下の結実状況。

(登下校中の児童、クマと遭遇:山形)
県内では14日、クマの目撃が相次ぎ、米沢市と川西町では、登下校時に児童がクマを見つけ、児童が民家に逃げ込むケースもあった。14日午後3時50分ごろ、川西町時田で、下校中の小学生がクマ1頭を目撃し、学校を通じて米沢署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートル。同町中郡小の女子児童3人が、約30メートル離れた道路脇のやぶからクマが出てくるのを見つけた。クマはその後、児童たちの方に歩いてきたため、約100メートル離れた住宅に駆け込み助けを求めた。現場は高田公民館から北に約100メートル。同署と同小では、15日の登校時間にパトロールを行う。14日午前6時半ごろ、川西町玉庭で、近くに住む60代女性がクマを目撃した。同署によると、クマは体長約1メートル。女性は自宅1階の窓から約50メートル離れた畑を歩くクマを見つけ、その後、南の茂みに入っていった。現場は玉庭小から西に約50メートル。14日午前7時40分ごろ、米沢市吾妻町で、登校中だった小学生がクマ1頭を目撃し、学校を通じて米沢署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートル。同市松川小の児童6人が登校中、約50メートル離れた路上を歩くクマの後ろ姿を見つけた。現場は吾妻町グラウンドから西に約230メートルの住宅地。14日午後7時半ごろ、寒河江市白岩小沿いの道路でクマ1頭を目撃したと、車で通り掛かった同市の30代女性が寒河江署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートルで、女性が南進中、道路中央から西側の林へ歩いて行った。現場は白岩小から西に約10メートル。同署はパトカーで現場付近の警戒を行った。14日午後5時ごろ、真室川町大沢の路上でクマ1頭を新庄署員が目撃した。同署によると、クマは体長約1.5メートルで、道路を横断し杉林方向に走り去った。現場は真室川中の南約400メートル。同日夕に中学校から「通学路にクマのふんが落ちている」と署に通報があったため、署員が付近を警戒していた。生徒はスクールバスを使って下校した。14日、鶴岡市内でクマの目撃が5件相次いだ。午前9時45分ごろ、湯温海の道路上で、山林に向かって歩くクマ1頭を目撃したと、散歩中の近くの70代女性が鶴岡署に届け出た。同署によると、現場は月見橋南端から約130メートル。馬渡では午前7時ごろ、クマ1頭を目撃したと、市羽黒庁舎に届け出があった。午前10時20分ごろには、警戒中の市職員が、馬渡公民館の東約750メートルの柿畑から、同市羽黒町松ケ岡の方面へ立ち去る体長約1.3メートルのクマ1頭を目撃した。午前10時35分ごろには、羽黒町松ケ岡の畑でクマ1頭を目撃したと、付近住民が市羽黒庁舎を通じて同署に届け出た。同署によるとクマは体長約0.9メートルで、ささやぶに立ち去ったという。現場は松ケ岡農村公園の南西約400メートル。羽黒町赤川では午後6時25分ごろ、クマ1頭を目撃したと、車で走行中の市内の60代男性が同署に届け出た。同署によるとクマの体長は約1メートル。道路を横断し、田んぼに入っていったという。現場は羽黒橋東端の南東約150メートル。小国町では14日午前3時35分ごろ、増岡で、車で通り掛かった60代男性がクマを見つけ小国署に届け出た。クマは体長約1メートル。男性は新聞配達中で、クマは約30メートル先の道路を横切り雑木林へ逃げた。現場は大宮子易両神社の南東約400メートル。同日午後2時半ごろには玉川の旧玉川小中のグラウンドで、グラウンドゴルフをしていた60代男性が体長約1メートルのクマを目撃した。同署によると、西側の山林へ逃げていったという。さらに同6時半ごろ、岩井沢で、車を運転中の40代女性が体長約1メートルのクマを発見した。クマは道路を横切り西側の草地に逃げた。現場は置賜森林管理署の北約150メートル。同署は15日朝に周辺のパトロールを行う。14日午後2時ごろ、尾花沢市鶴巻田の田んぼで、クマ1頭を目撃したと、農作業中の40代男性が尾花沢署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートル。北の林から現れて田んぼを走り去ったという。現場は玉野保育園から南に約150メートル。

(民家近くでのクマ被害相次ぐ:秋田)
秋田県内では今年、民家の近くでクマに襲われる被害が相次いでいる。県自然保護課によると、今回の藤里町の死亡事故ではクマが住宅地に入った原因は不明だが、多くのケースでは予防策によって被害を防ぐことができる可能性があるという。同課によると、今年県内であった人身被害7件のうち、3件が民家の近くで起きた。藤里町の死亡事故のほか、7月に東成瀬村の住宅に隣接する畑で、住人の女性がクマに左肩をかまれる被害が発生。8月には鹿角市花輪で自転車に乗っていた男子高校生がクマに襲われて転倒し、左膝と左腕に擦り傷を負った。

(クマ危険!連日の出没:新潟)
13日午後2時ごろ、クマの出没が相次ぐ新潟県村上市の国道7号沿いにいたクマを新発田市の男性が撮影し、新潟日報社に動画を提供した。現場はコンビニエンスストア近くのやぶの中で、男性は「クマが日中でも普通にいて驚いた」と話す。男性によると、撮影現場は村上市早稲田で、市中心部から国道を北に10キロほど。国道からコンビニ脇に入った脇道で、近くには住宅や畑があるという。クマは体長約70~80センチ。動画は、クマから約100メートル離れた自動車の中からスマートフォンで撮影。男性が「クマ!」と上げた声に、反応を示しつつも動じずに、のんびりと木の実を探して食べているクマの様子が映っている。男性は「人間や車にも慣れている様子だった。餌になる木の実はクマを寄せ付けるので、早めに採った方がいいと思った」と語った。14日も同所でクマが目撃された。

(市街地でクマ目撃:栃木)
12日午後10時半ごろ、日光市今市の報徳二宮神社の東側路上にクマ1頭がいるのを車で通行中の女性が目撃し、110番した。現場は同市の市街地で、周辺には東武下今市駅や道の駅「日光街道ニコニコ本陣」などがあるほか、住宅や商店が立ち並ぶ。今市署や同市はパトロールや注意喚起を行っているが、13日午後6時現在、クマや痕跡は発見されていない。同署によると、クマは体長約70センチ。現場から北方の東武日光線の線路方向に走り去ったという。同市農林課によると、12日朝も同所付近でクマとみられる目撃情報があった。同市今市の市街地では10数年前にも、クマが出没したという。同神社の武内節史(たけうちたかし)宮司(67)は「近くでクマの目撃を聞くのは初めてで驚いた」。同所、今市幼稚園の桑門秀光(くわかどしゅうこう)園長(59)は「園児や保護者、お墓参りに来た人が遭遇したら大変なのですぐに注意喚起した。早く捕獲されないと安心できないですね」と話した。同課は「クマの行動が活発となる早朝や夕方以降の外出の際は十分に注意してもらいたい」と呼び掛けている。

(血だらけのイノシシが出没か:佐賀)
佐賀県警伊万里署は15日、伊万里市二里町八谷搦の国道204号(通称西部バイパス)付近で同日午前0時ごろ、血だらけのイノシシ1頭が目撃されたとして、防犯メールで警戒を促した。同署は「イノシシはけがをして興奮状態にある可能性がある。見かけた際は目を合わさず、近づかないようにして」と呼びかけている。

(通学路近くで“クマ”、警戒強める:栃木)
15日朝、栃木県佐野市の県道で体長およそ1メートルのクマが目撃されました。通学路が近いこともあり、警察は警戒を強めています。警察によりますと、15日午前5時50分ごろ、佐野市の山あいの県道で、大型トラックの男性運転手が道路を横切るクマを目撃したということです。クマは体長およそ1メートルで、トラックに気づくと、山林に入っていったということです。この運転手にケガはありませんでした。現場周辺には通学路があり、警察はパトロールして警戒を強めています。

(シカの目撃情報:熊本)
熊本県警は16日、熊本市北区清水新地で同日午前7時ごろ、シカ1頭が出没したとして、防犯メールで注意を呼びかけた。

(市街地でクマ目撃相次ぐ:栃木)
栃木県日光市今市の市街地で異例のクマの目撃が相次ぎ、地元住民が不安を募らせている。今市署と市が巡回を強化し注意喚起を続ける中、15日朝にはクマに遭遇し、間一髪で難を逃れた人もいる。同じクマとみられ、足跡などが確認された同日、市は周辺の茂みにわなを仕掛け捕獲を急いでいる。東武下今市駅や道の駅「日光街道ニコニコ本陣」周辺の市街地では12日以降、目撃が増えた。同所、居酒屋店主女性(65)は14日夜、店の近くのごみステーションにいるのを見つけ、110番した。女性は「急に向かってきたので慌てて店に入った。心臓が飛び出そうなほど怖かった」。15日午前8時40分ごろ、同所の墓地で作業をしていた森友、石材業須藤元一(すどうもとかず)さん(35)は、墓地の反対側の方から叫び声が聞こえ目をやると、クマがいた。墓石などを乗り越えながら「ものすごいスピードで向かってきて」、2メートルほどの距離まで接近。近くの車に逃げ込み、無事だった。墓地には立ち入らないよう張り紙が出され、隣接する今市幼稚園は園児を屋外に出さないよう対処。市教委も周辺の小中学校に注意喚起をするなど、地域の警戒感は高まっている。同署や市によると、クマは体長約1メートル。ツキノワグマの成獣1頭がいるとみられる。足跡や目撃情報などから市は同日午前、地元猟友会と協力し、通り道となりそうな場所に円筒形の専用わな1基(長さ約2メートル、高さ約60センチ)を設置した。県猟友会日光支部今市地区会の神山亨(かみやまとおる)地区長(65)は「冬眠前なので餌を探して迷い込んでしまったのではないか」とした上で、「クマは行動範囲が広く、動きが俊敏。日中も含め注意してほしい」と話す。市は「外出の際は鈴などを携行し、茂みには近づかないでほしい」などと呼び掛けている。

(クマの目撃情報:新潟)
新潟県三条市によると15日午後8時ごろ、三条地域上保内地内、県道大面保内線沿い三王山古墳群入り口付近でクマの目撃情報があった。さらに16日午前2時50分ごろ、下田地域荻堀下地内の長沢駅跡バス停付近から大平川方面に向かって国道289号を横断するクマも目撃され、注意を呼びかけている。

(クマ、児童5人の間を走り抜ける:石川)
石川県小松市内で14日、クマの目撃情報が相次いだ。同日午前7時50分頃、小松市下粟津町の市立矢田野小学校で子供の見守り活動をしていた男性が、校門から敷地内に侵入するクマを目撃。クマは児童玄関から約10メートルの場所まで近づき、その後、敷地外に走り去った。同校によると、当時は通学時間帯で付近に児童5人がおり、クマが児童の間を走り抜けるなどしたが、けが人はなかった。同校は休み時間中、児童が校舎の外に出ないよう指導したほか、集団下校させるなどして対応。15日も、通学時間帯に教職員らが通学路を巡回する。市の発表によると、同校の周辺では、午前6時50分頃と同9時40分頃にもクマ1頭が目撃されていて、いずれも同じ個体の可能性があるという。このほか、14日午後6時頃、同市江指町の松東中学校のテニスコート付近で、同校職員がクマの幼獣を目撃。生徒はすでに帰宅しており、けが人はなかった。同所では、12日夜にもクマが目撃されており、市は警戒を続けている。

(クマの痕跡を確認:新潟)
新潟県三条市は15日午後3時頃、三条地域、下保内地内、保内公園の敷地内でツキノワグマの痕跡(フン)が確認されたと発表した。

(クマの痕跡:新潟)
新潟県三条市によると10月14日午前7時30分ごろ、下田地域・長野地内の民家わきのカキの木でクマのつめあと、枝折れ、食害の痕跡が確認された。

(親子のクマ3頭目撃:栃木)
13日午後6時40分ごろ、船生の路上、体長約1メートルの親グマ1頭と体長約50センチの子グマ2頭。

(庭ぼうき連続盗難の犯人はサル!?:高知)
高知県四万十市西土佐の岩間地区で2年ほど前から〝庭ぼうき連続盗難事件〟が発生している。住民が犯行をたびたび目撃しており、捕まるのは時間の問題…と思いきや、その俊敏性でやすやすと逃げ去ってしまう。それもそのはず、犯人はサルなのだ。サルがほうきで店の前を掃除しよった―。岩間地区の岩間沈下橋近くにある休憩所「四万十茶屋」の店員、今城千恵さん(61)が近所の女性から話を聞いたのは2年ほど前。「それ、私じゃない?」とその時は冗談で返したという。しかしその後、被害が相次いだ。軒下にぶら下げていたり、納屋に立てかけていたりしたほうきが「ないなった」という話があちこちで。

(サルの目撃情報、10日から相次ぐ:愛知)
知立、安城両市内で十日から十三日にかけ、サルの目撃情報が相次ぎ、両市が注意を呼び掛けている。

(“オオカミ”で獣害防げ:山形)
クマやイノシシの出没急増や農作物被害の拡大を受け、長井市は今月から、伊佐沢地区のリンゴ畑にオオカミ形の撃退装置を試験導入した。近づく動物を赤外線センサーで感知し、大音量と発光ダイオード(LED)の点滅で追い払う。市は効果を確認の上、本格導入を検討する方針だ。害獣撃退装置は「モンスターウルフ」の商品名で、北海道のLED機器開発企業が開発。昨年度、ものづくり日本大賞・北海道経済産業局長賞に選ばれた。オオカミを模した機器本体は長さ65センチ、高さ50センチ。パイプで四つ足のように設置し、太陽光発電とバッテリーで稼働する。音はオオカミの鳴き声や人間の声、不快音を組み合わせ、最大90デシベルの耳をつんざくような音が周囲に響き渡る。首は左右に動き、目が赤く光るなど前後のLEDで威嚇する。市内では、クマの目撃や足跡発見など市に対する通報件数が増加傾向にある。本年度は先月末までで48件と、昨年度の34件を上回る。農作物被害は昨年度、市が把握するだけで32万5千円。枝折れなど計上されない被害も少なくないという。一方、イノシシは食害に加え、地中のえさを探すため掘り起こしや、地面をでこぼこにされる被害が出ている。伊佐沢地区に多いリンゴやブドウなど果樹畑では、下草刈りができなくなり、果実の色づきを促す反射シートも剥がされるなどした。伊佐沢児童センターのグラウンドでは、遊具の周辺で掘り起こしが確認されている。撃退装置は今月2日に設置された。そのリンゴ畑を所有する農業川井一弘さん(65)は「ラジオを鳴らしながら仕事をしているが、危なくて妻1人では作業させられない」とする。装置を設置してからは「イノシシが来た痕跡はない」と一定の効果を認める。同市は年末まで設置を継続する。周囲には赤外線センサーで自動撮影するカメラも設置してあり、追い払い効果を検証する。

(ムクドリ大群の新・撃退法、「光」でビックリ作戦:静岡)
ムクドリの大群によるフンや鳴き声などの被害を食い止めようと浜松市のベンチャー企業が「光」を使った新たな撃退方法の実証実験を始めた。13日、浜松市の中心市街地では、ムクドリが街路樹を寝床にして大群を作り、周辺の歩道は大量のフンで汚されていた。浜松市は、これまで撃退方法として大きな音や振動を使用していたが騒音などが問題となっていた。そこで目をつけたのが強い「光」によってびっくりさせる作戦。浜松市のベンチャー企業「パイフォトニクス」が開発したLEDの強い光を狙った所に照射する特許技術が、環境にやさしい対策になるのではないかと期待されている。一方で逃げたムクドリがすぐ別の木に止まってしまう課題も。パイフォトニクスは様々な光を当てた時のデータを集め、光による撃退システムの実用化を目指している。

(背中見せずに慌てずに、熊遭遇時の対処学ぶ:島根)
県内の目撃数が過去10年間で最多の勢いになっているツキノワグマから身を守る方法を学ぶ講座が13日、浜田市金城町下来原の雲城小学校であった。6年生の児童や保護者約50人が県職員から生態や遭遇したときの対処方法について指導を受けた。講師を務めた県西部農林振興センター林業部の鈴木香菜さん(33)は、子熊の剥製を見せながら生態を説明。「走るとウサイン・ボルトより速い」「体は大きいが臆病」と分かりやすく表現した。夏場は雌を探し求める雄がいるほか、好奇心旺盛な子熊が歩き回るため、普段見かけない場所でも目撃されることがあるとした。遭遇しない方法としては「熊に自分がいるということを気付いてもらうことが重要」と述べ、熊鈴を使うことが有効とした。もし出合った場合には、刺激しないように注意しながら、背中を見せずにゆっくりと逃げるよう助言した。子連れの親熊は特に攻撃性が高いと注意を呼び掛けた。6年生の延川由茉さん(12)は「教えてもらったことを守って登下校したい」と話した。金城町内でも4~9月の目撃件数が前年同期比3・7倍の66件に上るなど遭遇する危険性が高くなっており、同校のPTA(鎌原浩治会長)が主催した。

(クマに効果のない「死んだふり」:新潟)
新潟県内でクマによる人身被害が相次ぎ、19年ぶりの死者も発生した。クマから身を守るためにはどうすればいいのか。有効な対策について、鳥獣害対策を支援する長岡市の企業「うぃるこ」社員で、クマの生態に詳しい清水あゆみさん(24)らへの取材などを基にまとめた。Q クマと出合わないために気をつけることは。A 鈴やラジオなどの音で人間の存在を知らせることが重要。複数人で行動し、話し声でクマに気づいてもらうのがより確実です。Q 遭遇しやすい時間帯は。A クマは早朝と夕方に活発に活動する習性があります。朝夕の薄暗い時間帯の行動は避けた方がいい。特に1人での行動は注意が必要です。Q 出合いやすい場所は。A クマの移動ルートになっている川沿いや、果樹などの餌がある場所は避けてください。Q 家庭でできる対策は。A クマは生ごみのにおいに寄ってくるため、夜のうちにごみを出さないことも対策の一つです。果実は早めに収穫し、不要な果樹は伐採することも考えた方がいい。この時期は冬眠に備え適切な穴を探しているため、ガレージや物置は確実に戸締まりをする。車から降りる前に、クラクションを鳴らし、クマがいないか確認してほしい。Q クマに出合ってしまったら。A まずは落ち着くことが重要です。大声を出したり急な動きをしたりするとクマが驚き、反撃してきます。刺激しないことを意識してほしい。逃げる物を追う習性があり、100メートルを9秒で走ります。背中を見せずに後ずさるように距離を取ります。Q 襲われた時の対応は。A 最初の一撃を防ぐことを意識してください。致命傷にならないように、地面に伏せ、両手で頭部や首などの急所を守りましょう。「死んだふり」は効果がありません。

(森のシカは、夏は落ち葉を、冬は嫌いな植物を食べて生きぬく)
中濵直之 (兵庫県立大学自然・環境科学研究所兼兵庫県立人と自然の博物館)、古田智博 (元京都大学)、安藤温子 (国立環境研究所)、鈴木節子 (森林総合研究所)、高柳敦(京都大学)、井鷺裕司 (京都大学) らの研究グループは、シカ糞の遺伝情報から、森林に生息するシカが食べる植物が季節によって異なることを明らかにしました。近年、ニホンジカが全国的に増加するに伴って森林の植生が破壊され、生物多様性の衰退、土壌侵食など様々な影響が報告されています。シカの増加した森林では、林床に生える、シカの好む植物は食べられてほとんど無くなっていますが、シカは、そうなっても森林内で生息することが可能となっています。このようにシカの餌資源が乏しいにも関わらず、なぜシカがこうした森林内で生息できるのかは長らく謎に包まれていました。本研究ではシカ糞を季節別に集めて、それらに含まれる植物の DNA を調べ、シカが食べている植物の種類を明らかにしました。その結果、シカは冬から春にかけて、シカが好まない常緑樹 (スギなど) や草本植物を食べる割合が増加している一方で、夏から秋には、シカが好む落葉広葉樹 (落枝落葉など) を食べていることが分かりました。このように季節によって食物構成を変化させることで、一見して餌がほとんどない森林でもシカが生き延びていることが分かりました。本研究は、シカの食物構成の詳細な解明だけでなく、植生が衰退した森林においてシカが生息できるメカニズムの一端を明らかにした重要な成果といえます。今後のシカの個体数管理や森林の植生を再生させるための知見として活用されることが期待されます。本研究成果は 2020 年 10 月 15 日 9 時に、国際科学誌「Forest Ecology and Management」の電子版に掲載されます。近年のニホンジカの全国的な増加により、森林の生物多様性の衰退は極めて重要な問題となっています。シカによる食害が激しい森林の林床では、植生が衰退した結果、地肌がむき出しとなるか、シカが食べない有毒植物のみが繁茂するなど、森林内の生物多様性が大きく衰退してしまいます。こうした森林では一見してシカの餌資源が見当たらないものの、シカは森林内でも生息することが可能となっています。なぜ餌資源がほとんどないにもかかわらず、シカは自滅せずに生息できるのかは、これまで謎とされてきました。本研究ではこの謎を解明すべく、DNA メタバーコーディングという手法を用いて、シカの糞中の DNA からシカの餌植物を明らかにしました。シカがそれぞれの季節で何を食べているかを把握することで、植生が衰退した森林での生息メカニズムを解明できると考えました。これまでシカの餌資源の同定方法としては、シカ糞中の植物組織の顕微鏡分析や、殺傷個体の胃内容分析が主流でした。しかし、前者では餌植物の識別における解像度が低く植物種までの同定が難しいこと、後者ではサンプルの大量確保が困難であるというデメリットがありました。DNA メタバーコーディングは、土や水、動物の糞といった環境サンプルから DNA を抽出し、大量の塩基配列を解読してデータベースと照合することにより、サンプルに含まれる生物を特定する手法です。この手法を用いて、植物種ごとに異なる DNA 配列と、シカの糞中に出てくる植物由来の DNA 配列を照合することで、シカの食物構成を種レベルで解明することが可能となりました。またこの手法では、従来法よりも短時間に大量のサンプルを解析できることから、季節によるシカの食べ物の変化も明らかにすることができます。季節によってシカの食物の種類や量は大きく変わると考えられることから、シカの森林で生息できるメカニズムを探るためには、季節を通してシカの食べ物を明らかにすることが重要です。本研究では、シカによる食害の激しい京都大学芦生研究林 (京都南丹市) の上谷地域において、2015~2016 年度の 2 年間、シカの食性を調査しました。芦生研究林は、ブナやミズナラなどの落葉広葉樹のほか、アシウスギなどの針葉樹が生育する天然林となっています。まず、芦生研究林の代表的な植生を示す地域で各季節において林床の植生調査を実施し、シカの餌資源となりうる餌の量を調べました。その結果、いずれの季節においてもシカが好む植物 (カエデ属やコナラ属、ミズキなど) は林床でほとんど見られませんでした(図 1)。次に、各季節においてシカの糞を採取し、DNA メタバーコーディングにより糞に含まれる餌植物を網羅的に同定しました。その結果、シカは冬から春にかけて、シカが好まない常緑樹 (スギなど) や草本植物を食べる割合が増加している一方で、夏から秋には、シカが好む落葉広葉樹を食べていることが分かりました。前述の通り、林床にはシカの餌となりうる植物がほとんどないことから、シカは主に落葉広葉樹の落枝落葉などを食べていると推察されました (図 2)。このように、シカは季節によって食べ物を変えることにより、植生の衰退が著しく一見して餌がほとんどないような森林においても生息できることが示されました。本研究のように、大量のサンプルを用いてシカの餌資源を種レベルで解明し、さらに季節による変化を明らかにした研究はこれまで例がありません。また、シカの食害により一見して餌資源が乏しいと考えられてきた森林においてもシカが生息できるメカニズムの一端を示した非常に重要な成果といえます。本研究の結果から、シカが個体数を増加させて林床植生が衰退したとしても、シカは自滅することなく個体を維持できることが明らかとなったことから、森林内の植生を再生させるためには、シカの積極的な個体数管理が必要になると考えられます。

(“蘭”で盛り上げる活動をしている社長、ユニークな発想と経営手法:宮崎)
“蘭”の製造から販売、流通までを一手に手掛ける、国内トップクラスの「洋蘭生産会社」宮川洋蘭。人口1200人あまりの小さな島、熊本県宇城市の戸馳島(とばせじま)は、日本有数の出荷数を誇る“蘭の島”。複数の洋蘭生産会社や農家が「五蘭塾」という生産グループを結成し、ノウハウを共有したり、資材を共同購入するなど、地域を蘭で盛り上げる活動を行っている。中でも宮川洋蘭の3代目社長・宮川将人さんは、農家による情報発信がまだ珍しい時代から、いち早くインターネット販売に取り組んできた。母の日や、敬老の日など「人生の節目」をビジネスチャンスととらえた販売手法や、蘭の規格外品を活用した商品開発などで、蘭を身近な花としてのイメージ付けに成功、業績を伸ばしている。さらに宮川さんらは、持ち前のIoTを駆使して農地を荒らすイノシシ駆除にも乗り出す。そして捕獲したイノシシを、ジビエ肉やペットフード、肥料など様々な商品へ展開し、地元・宇城市の農業にも貢献しつつ、新たなビジネスチャンスを作り出している。

(ジビエ食用拡大へ、県が業者育成:山口)
野生動物による農作物被害を背景に、県がイノシシ、シカといったジビエ(野生鳥獣肉)を食用に生かす道を広げようと、食肉処理業者の育成に力を入れている。今年度は、安心安全な解体処理を学ぶ「ジビエ生産技術高度化研修」を初めて開催し、県内各地から担当者が受講した。講習は全3回で、県内8施設18人の参加者は衛生管理のガイドラインやジビエを取り巻く現状を学んできた。最終回となる10月8日は、先進地の事業者が実際の解体技術を手ほどき。

(ジビエ提供店に認定証を贈呈:福岡)
地元で捕獲されたイノシシやシカの肉を使ったジビエ料理を提供する飲食店を県が認定する取り組みが始まり、14日、認定証などの贈呈式が行われました。福岡県は、ジビエ料理を提供する飲食店を「ふくおかジビエの店」として認定する取り組みを始め、これまでに県内の22店舗を認定しました。このうち、福岡市中央区のレストランで、小川知事らが出席して、認定証と認定プレートの贈呈式が行われました。このレストランでは、イノシシの肉を使ったソーセージを提供していて、薬味やハーブなどを加えることで臭みを消し、ゆでたあとに炭火で焼くことでやわらかくジューシーに仕上げているということです。福岡県内では1年間に野生のイノシシやシカあわせておよそ3万頭が捕獲されていますが、「ジビエ」として活用されるのは、費用や安全性の面から1割程度にとどまっていて、いかに有効活用するかが課題となっています。認定を受けた「リストランテKubotsu」の窪津朋生料理長は「お客さんが食べてみて、ジビエへの嫌なイメージなどが払拭されるといいです。少しでもジビエ料理が普及することで、鳥獣による農家の被害が少なくなればうれしいです」と話していました。

(シシ肉カレーで鳥獣対策強化:愛媛)
野生の動物による農作物被害の対策の強化に向けた意識を高めてもらおうと、愛媛県は、14日、県庁内の食堂でいのししの肉を使ったカレーを提供しました。愛媛県は、農作物の収穫が盛んな10月を「鳥獣害防止対策強調月間」と位置づけ、いのししなどの捕獲を集中的に行うとともに、捕獲したあとは「ジビエ料理」として有効活用を進めています。その一環として、県庁議会議事堂の食堂のメニューに県内で捕獲されたいのししの肉を使った「シシカレー」が、1日限定で登場しました。カレーには、いのししの肉の赤身の薄切りが使われ、あっさりした味わいで、臭みがないように調理されています。利用者は迷わずにシシカレーを注文し、開店からわずか45分で完売しました。県によりますと、昨年度野生鳥獣による農作物被害額は4億円近くにのぼり、このうちいのししが原因の被害はおよそ6割を占めているということです。この食堂は一般の人にも開放していて、来週23日には、シシ肉のコロッケを提供する予定です。県農産園芸課の森貞雅博主幹は、「ジビエ利用がまだまだ少ないので、シシカレーを食べてもらってジビエ料理を広めることで、鳥獣の捕獲数も上げていきたい」と話しています。

(ジビエでおもてなし:神奈川)
鶴巻温泉駅北口と大山ケーブルを結ぶ路線バスが昨年に引き続き、今年も秋季限定で運行される。運行期間は10月24日(土)から12月13日(日)の土日祝で、新たな試みとしてジビエ料理で観光客をもてなすキャンペーンも行う。バスの運行は、大山観光の玄関口の1つである鶴巻温泉駅周辺の活性化を図ることが目的。2017年から実証運行を重ねて昨年、秋季限定で本運行を開始した。実施主体は秦野市で、運行事業者は神奈川中央交通西株式会社。昨年は10月5日から12月1日の土日祝で、帰路の観光客や登山者をターゲットに、大山ケーブル発、鶴巻温泉駅北口着の3便で荒天を除く20日間で実施した。利用者は1177人で、1便あたりの利用者は19・6人。今年は鶴巻温泉のPRに加え、バスの運行に合わせて初めて「ジビエ」をテーマに鶴巻温泉駅周辺の商店会と自治会、生産農家が協力して観光客を”おもてなし”する。地元関係者によると、鶴巻温泉駅前の旅館では古くから「しし鍋」を提供しており、地域ならではの伝統を生かして街をPRすることにしたという。「猪鹿鳥つるまきジビエキャンペーン」と題して、飲食店など12店舗がジビエをテーマにした創作料理やお菓子を販売する予定。11月21日(土)から23日(月・祝)の午後2時から5時までは、駅北口でしし鍋がふるまわれる。イノシシ肉は、伊勢原市子易(こやす)にある食肉処理施設「阿夫利山荘」から仕入れる。「昨今のジビエブームも後押しするのでは」と、地元関係者は期待をよせる。また期間中の土日祝の午後2時から5時まで、鶴巻温泉駅北口広場で秦野の土産や名産品を販売する「北口駅前マルシェ」が開催される。

(罠猟マンガ「罠ガール」、農林水産省と環境省の「集中捕獲キャンペーン」とコラボ)
緑山のぶひろ「罠ガール」が農林水産省、環境省による「鳥獣被害防止に向けた 集中捕獲キャンペーン」とコラボ。描き下ろしイラストを使用したポスターが制作された。「鳥獣被害防止に向けた 集中捕獲キャンペーン」は鳥獣対策強化の一環として、生息頭数や被害がとくに多いシカ、イノシシの捕獲活動を集中的に行うというもの。取り組みは11月から開始予定で各自治体やハンターが主体になって行われるが、捕獲活動には一般からの理解が不可欠とし、鳥獣被害の現場とキャンペーンをより広く周知する目的で「罠ガール」とのコラボが決定した。「罠ガール」は、わな猟免許を持っている田舎町の女子高生・朝比奈千代丸が野生動物を捕獲する罠猟コメディ。作者・緑山は実家が福岡の農家で、自身も「わな猟免許」を所持している。同作は電撃マオウ(KADOKAWA)で連載されており、単行本5巻まで発売中。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後5時ごろ、仙台市泉区根白石町東にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日、仙台市泉区福岡切立にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午前10時50分ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午前7時30分ごろ、仙台市青葉区大倉久保にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午前6時ごろ、仙台市青葉区大倉大原新田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後10時ごろ、仙台市青葉区大倉矢籠にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午後10時20分ごろ、仙台市青葉区川内山屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後2時15分ごろ、仙台市青葉区郷六龍沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午後1時30分ごろ、仙台市青葉区郷六龍沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後4時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢大勝草にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後4時20分ごろ、仙台市青葉区作並岩谷堂西にクマが出没しました。

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