<射撃ニュース11月>
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(子グマ1頭捕獲:福島)
3日午前11時15分ごろ、会津若松市門田町面川字清水上の畑でクマ1頭を目撃したと、近所の男性から110番通報があった。駆けつけた会津若松署員らが約1時間後、近くの茂みでクマ1頭を捕獲した。同署や同市によると、捕獲されたのはツキノワグマの子グマで体長約80センチ。子グマは市鳥獣被害対策実施隊などにより、同市の山中に放たれた。県内では3日午前、会津美里町小沢の町道でクマ2頭、郡山市熱海町の山林で同1頭が目撃された。会津若松、郡山北両署によると、クマはいずれも体長1メートル。

(イノシシが避ける「嫌な匂いのテープ」:東京)
太陽光発電所は、自然が豊かな山林の近くに立地することも増えてきた。工業団地の空き区画といった平坦な用地が少なくなったためである。山林には鳥や動物が多く生息している。そのような場所に太陽光発電所が完成すると思わぬ来訪者もやってくる。山林に近いサイトでは、キツネやサル、イノシシ、シカなど大型哺乳類が敷地内に入ってくることも多い。動物たちにとっては、それまで走り回って活動してきた場所である。発電所ができた後も、そこを活動範囲にするのは無理からぬことと言えよう。もともと里山に棲む動物は、人の気配がしなければ、街中や畑に入り込むことも多い。住宅の食料や畑の農作物が盗まれたり食べられたりする被害も珍しくない。2020年は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、人の屋外活動が減っている。この影響もあって、山林に近い地域では、例年以上にサルやイノシシ、シカ、クマなどが人里に降りているとみられ、物的な被害や死傷者も多く報じられている。このうちイノシシが太陽光発電所の敷地内に入ることで、発電事業者が困るのは、至る所で地面を掘り込むことにある。鼻を使って、大きな穴を掘っていく。このような中、イノシシが嫌がる匂いを使う手法も広がりつつある。ゴルフ場などで活用されてきた手法である。例えば、メガソーラー(大規模太陽光発電所)向けに除草剤の供給実績を伸ばしているレインボー薬品(東京都台東区)では、除草剤の顧客である太陽光発電所からの相談を通じて、こうしたイノシシ除け効果のあるテープが太陽光発電所向けに広がり始めたという。

(クマに襲われ男性けが:岩手)
3日午後4時ごろ、北上市和賀町山口の男性(67)が、自宅から東南に約1キロ離れた路上でクマに襲われた。顔や左腕、右足にけがを負い、矢巾町の岩手医大付属病院に運ばれた。搬送時に意識はあり、会話できる状態だった。北上署によると、男性は1人で散歩中だった。通行人が倒れている男性を見つけ、119番通報した。クマの頭数は不明。現場は秋田道北上西インターチェンジ(IC)付近の農村地帯。

(運転中、クマが突然前から:宮城)
路上のクマが車と衝突する事故が2日夜から3日未明にかけて、宮城県内で相次いだ。県によると、10月の目撃情報は昨年の2倍超にのぼっており、人が襲われたり、民家の納屋があらされたりしたケースもあった。県などが注意を呼びかけている。田畑や民家が点在する大崎市三本木音無の国道4号で2日午後7時20分ごろ、クマ1頭が乗用車にはねられた。古川署によると、クマは後続の大型トラックや別の車にもぶつかり、約2・5キロ南まで引きずられて死んだという。初めに衝突した乗用車の男性は「(突然)前から現れた」と話したという。3日午前2時10分ごろには、大和町落合蒜袋の山あいを走る東北道上り線で、別のクマ1頭が乗用車にはねられた。県警高速隊によると、運転していた男性は「中央分離帯から飛び出してきた」と話しているという。クマはいずれも体長約1メートル。車に乗っていた人にけがはないという。県内でのクマの目撃情報は急増している。県のまとめによると、今年4月~11月2日で937件。10月の目撃件数は120件で、前年の2・3倍に上る。なかには人や建物が襲われるケースもある。県警によると、栗原市築館の山林では10月16日、栗拾いをしていた80代の女性がクマに襲われ、頭や顔にけがを負ったという。また、同市栗駒松倉の住宅では11月2日未明、納屋にクマが現れた。倉庫の扉が壊され、米袋二つに爪痕があったという。熊の出没情報は全国で1万件超(4~8月)で、人への被害が相次いでいる。今年は東北の山にブナの実がほとんどなく、空腹のクマが人里におりて来やすいと指摘する専門家もいる。県はホームページでクマへの対処法を紹介している。クマは朝夕など薄暗い時間帯に活動する習性があり、遭わないようにするためには、鈴やラジオを鳴らしたり、大声でしゃべったりして存在を知らせることが大事だという。もし遭遇した場合は、騒がない▽背中を見せずにゆっくり後退する――と勧める。「子グマがかわいいからと言って絶対に近づかない。近くに母グマが必ずいます」とクギを刺す。さらに、クマに襲われた場合は「腹ばいになって両手で首の後ろをガード」。「攻撃の多くは最初の一撃で終わる」という。クマ撃退用スプレーは有効な射程が4~5メートルで、顔面に命中させる必要があると言い、「スプレーを過信せず、まずは遭わないことが大事」としている。

(クマに襲われ男性けが:長野)
4日午後、長野県松本市で男性がクマに襲われ、けがをしました。午後1時半ころ、長野県松本市梓川梓の林の中で松くい虫の調査をしていた46歳の男性がクマ1頭に襲われました。男性は左足のすねをかまれましたが、軽傷だということです。男性は自ら警察に通報し、「クマは沢付近のやぶから急にあらわれ襲われた。その後、沢を渡って山へ入っていった」などと話しているということです。クマは成獣とみられ、警察などが捜索しましたが見つかっていません。付近の住民に注意を呼びかけてます。県内では、クマの目撃が相次いでいます。4日朝には、伊那市西箕輪の熊野三社付近でクマ1頭が神社の境内に入って行くのを住民が目撃しました。また、3日には、伊那市駅近くの電器店で子グマが捕獲されました。

(イノシシせっけん、収入源に:熊本)
新型コロナウイルスの影響で、売り上げ減少に悩む熊本県合志市の障害者就労継続支援事業所が、有害鳥獣対策に取り組む県内の若手農家らと協力して、イノシシの脂を使ったせっけんのインターネット販売を始めた。農地を守る活動を障害者の安定収入につなげる新たな形の“農福連携”として期待される。就労支援センター「テクニカル工房」はパンやクッキー、弁当などを製造販売している。3月以降、イベントでの出張販売が中止となったため、注文販売のチラシを企業などに配りPRした。

(工場の敷地内にイノシシが:香川)
香川県多度津町の工場にイノシシが出没し、3人がけがをしました。5日午前7時ごろ、多度津町の工場の従業員から「敷地内にイノシシが入ってきた」と110番通報がありました。イノシシは車に衝突するなどしながら敷地内を走り回ったのち、警察官に取り押さえられ、猟友会の会員に殺処分されました。イノシシは体長約1メートル20センチ、体重約40キロのメスで、20代の女性従業員と20代の男性警察官2人の合わせて3人が足にけがをしました。

(クマ出没、人身被害注意:京都)
府内で10月下旬以降、住民がクマに襲われ、負傷する事案が相次いだ。府内での人身被害は4年ぶりで、府が注意情報を出すなど、各地で啓発強化の動きが広がっている。人身被害は府北部の山間部の集落で朝方に2件、発生した。与謝野町温江では同24日午前7時50分頃、自宅近くで栗拾いをしていた50歳代の男性が左耳付近をひっかかれて負傷。綾部市佃町では今月3日午前5時30分頃、自宅から新聞を取りに出た90歳代の男性が、後ろから襲われて頭などにけがを負った。クマは近くの柿を食べに来ていたとみられるという。両市町は情報発信や見回りなどを通じて、住民や学校関係者らに注意喚起した。府によると、ツキノワグマの目撃や痕跡を含む今年度の出没情報は、京都市や亀岡市以北で911件(3日現在)。捕獲は101頭に上る。餌になるドングリが不作といい、冬眠前に活動が活発化し、人家や農地周辺での目撃も目立つ。被害防止に向け、府は4日、出没や遭遇に関する注意情報を出して府ホームページなどで啓発。出没情報マップも更新している。家の近くにクマを引き寄せないための注意点では▽果樹は早めに収穫し、食べ物を置かない▽クマが茂みに隠れられないよう集落や通学路の草刈り――などを例示。子どもたちの集団下校や自分の存在を知らせるために鈴の携帯、遭遇時は騒がずそっと下がるといった対応も挙げている。一方、高齢化や空き家の増加で柿の木などが放置され、関係者や集落での対応が迫られているケースもあるとみられる。出没情報は近年、府全体で年間1000件を超えることが多く、昨年度は1460件。山間部だけでなく、福知山市では2018年6月、福知山城北側約300メートルの市街地や対岸で出没したケースもあった。山林などを手入れする機会が減り、クマと人の生活圏が重なりつつあるとの指摘もあり、市は「クマの行動範囲は広く、どこで出るかはわからない。住民だけでなく、紅葉などを目的に外出する際も注意してほしい」としている。

(イノシシ、車と相次ぎ接触:富山)
5日午前7時すぎ、富山県砺波市頼成の県民公園頼成の森近くの国道359号で、走行中の乗用車がイノシシの成獣と接触した。はねられたイノシシは対向車線にはみだし、別の乗用車とぶつかった。砺波署によると、けが人はいなかった。道路の中央付近で動かなくなったイノシシを避けて通る車で、付近は一時混雑した。砺波市役所によると、イノシシは体長約1・2メートルで、体重は100キロを超えていたとみられる。すでに死んでおり、県砺波土木センターが回収し処分した。

(クマに襲われ60代男性けが:福島)
5日午後6時40分ごろ、福島県喜多方市山都町で、市内に住む60代男性がクマに左手をかまれて負傷した。福島県警喜多方署によると、現場は山あいの集落で、男性は病院に搬送されたが、軽傷とみられる。男性が訪問先の建物の前で車を降りた際、体長約1メートルのクマにいきなり襲われた。クマは男性をかんだ後に逃げた。

(クマ出没、リンゴ140キロ食い散らかす:山形)
山形県南陽市の畑。収穫間近のリンゴがたくさん実っていました。しかし、地面には食い荒らされたリンゴがあちらこちらに。被害に遭ったリンゴ生産者「これはクマよ。人はこんな食べ方しない。かじって(捨てた)」。4日早朝、畑の所有者の男性が被害に気づき、警察に届け出。犯人はクマとみられています。被害にあったリンゴはおよそ140キロで、リンゴの木2本分にあたるということです。被害に遭ったリンゴ生産者「がっかりするよな。せっかく手入れして、収穫間近だからな」。クマは県内の別の場所でも――。尾花沢市立福原小学校 菊池友則教頭「大きさ的には子どもではないかなということで、危険かなと感じた」。午前7時半頃に尾花沢市の小学校で教師らが目撃したというクマ。駐車場を歩いていたといいます。山形県では今年、クマの目撃件数が過去最多となっていて、3段階のうち2段階目の注意報レベルが出されています。

(「クマ注意報」、出没急増:山形)
クマの出没が急増し、人身事故が相次いでいることを受け、山形県は4日、県民の安全を確保するためクマ出没に関する対応レベルを初めて策定し、「注意報」を発令した。同日開いた関係機関との対策会議で決定。人に危害が加わる恐れがある場合、市町村の判断で捕獲ができることなども確認した。県によると、今年の目撃件数は5月以降40~90件台で推移していたが、10月に261件に急増。これまでになかった住宅街や平野部など、人の生活圏に出没している。例年、出没が減少傾向になるはずの10月にも人身事故が3件発生。年間では計5件となり、県は「特異な出没状況」として、3段階の対応レベルを初めて定めた。人身事故が1~4件で「注意喚起」を発令し、市町村などに注意喚起を依頼。同5件以上で「注意報」、死亡事故が1件発生した場合に「警報」に引き上げる。いずれも、SNSや広報車などで厳重な警戒を呼びかけるほか、警察や猟友会によるパトロールを行うなどし、注意報以上で対策会議を開く。県が把握する限り、1988年に3件の死亡事故があり、人身事故は2010年の11件が最多という。対応レベルの発令は、人里に雪が降るまではクマの活動があるとし、12月25日までとした。また、銃刀法などにより、市街地で銃を使った捕獲はできないが、警察の命令があったり、人命に危険が迫ったりしている場合は緊急で銃を使用できるとした。人や家畜に危害を加える恐れがある場合は、ハコワナや追い払いによる捕獲許可が市町村にあることなどを確認し、各機関との連携強化を強調した。山形県みどり自然課の石山清和課長は「市街地に突然現れて人を襲う例が多い。川や、やぶの近くでは注意してほしい」と話した。

(鳥獣害対策で捕獲、クマの食肉加工施設が完成:青森)
農作物への被害を防ぐために捕獲したクマを加工する施設が、青森県西部の西目屋村に完成し、5日、記念式典が行われました。西目屋村に新たに完成したのは「ジビエ工房白神」で、村の関係者などおよそ10人が参加してテープカットが行われました。村では農作物への被害を防ぐためクマの捕獲を進めていますが、そのあとの処理が課題となっていて、この施設で食肉や革製品に加工します。鳥獣害対策で捕獲したクマの食肉加工施設は、青森県内では初めてだということです。村では早ければこの冬から、村内にある道の駅などでクマ肉を使った鍋やカレーなどを提供することにしていて、狩猟を行う伝統的な「マタギ」の文化も伝えていきたいとしています。西目屋村の関和典村長は「鳥獣害対策としてだけでなく、地域産業の活性化にもつなげていきたい。たくさんの人にクマ肉のよさを知ってもらいながら、マタギ文化を後世に伝えていきたい」と話していました。

(動物の交通事故、スマホで記録:北海道)
各地で後を絶たない野生動物の交通事故被害(ロードキル)について、スマートフォンを使い全国の発生状況を把握する実験を、帯広畜産大の特任講師、浅利裕伸さん(43)が始めた。目撃した人に事故に遭った動物の写真をアプリに投稿してもらい、位置情報などの記録を蓄積する。多くの人の参加を呼び掛けており、集めたデータを事故対策に役立てたい考えだ。道内では昨年1年間でエゾシカの交通事故被害が3000件を超えたほか、沖縄県ではヤンバルクイナやイリオモテヤマネコといった希少な動物の被害が報告されている。一方、事故が多いとされるタヌキなども含めた野生動物全体の統計はなく、浅利さんは「いったい事故がどれだけ起きているのか。運転する人の安全確保や野生動物の保全のためにも現状を把握する必要がある」と訴える。

(コロナ交付金に“便乗”地方自治体の言い訳)
自治体の新型コロナ対策を支援する計3兆円の地方創生臨時交付金について、コロナ対策との関係が疑われる支出が一部で発生していた。財務省が2日、財政制度等審議会の分科会に報告。やり玉に挙がった各自治体に説明を求めると、あきれた言い訳のオンパレードだ。臨時交付金は原則「コロナ対応」であれば自由に使えるが、「対応」の解釈は自治体によってさまざま。鳥取県江府町は、設置工事を含め約300万円でジビエ用の冷凍庫を買い上げた。「観光客が減りジビエ産業が打撃を受けたので、コロナ明けにもり立てるため、今のうちに整備しています」(総務課)。原資は全て国の血税だ。せめて合点がいく使い方をしてほしい。

(鳥インフル、33万羽処分:香川)
香川県は5日、三豊市内の養鶏場の採卵鶏から鳥インフルエンザの陽性反応が確認されたと発表した。遺伝子検査の結果、感染力が強い高病原性(H5亜型)の疑いが強いことが判明。県はこの養鶏場の約33万羽を殺処分し、周辺を消毒する。家畜の鳥インフル感染は、2018年1月の香川県さぬき市の養鶏場での発生以来となる。県によると、この養鶏場では今月1日から通常の自然死より多く鶏が死に始めた。4日までに計約3800羽が死んだため、養鶏場は4日午後、県家畜保健衛生所に報告した。県は4日の簡易検査で検査対象となった13羽のうち11羽の陽性を確認。遺伝子検査の結果、5日に高病原性の疑いが強いこともわかった。高病原性の確定にはさらに数日かかるという。この養鶏場では、野鳥を侵入しにくくする対策を施した窓のない11の鶏舎で計33万羽の採卵鶏を飼育している。5日に殺処分を始め、敷地内に埋めるという。完了には10日ほどかかる見込み。県は5日朝、対策本部会議を開き、この養鶏場を中心に半径3キロ以内の養鶏場(26戸、約200万羽)について鶏や卵の移動制限、3~10キロ以内の養鶏場(89戸、約260万羽)に区域外への搬出制限を設定した。浜田恵造知事は「韓国や北海道で野鳥から(鳥インフルエンザウイルスが)確認されたのを受け、警戒段階を引き上げたばかりでの発生で大変残念に思う。防疫措置を迅速に完了させたい」と話した。殺処分の作業者を確保するため、自衛隊に災害派遣要請をした。農林水産省によると、ウイルスの詳しい型が確定するのは来週初めとなる見通しだが、短期間で大量に死んでいることから、「高病原性に間違いない」(動物衛生課)とみている。同省によると、ウイルスは渡り鳥が国内に持ち込む例が多いため冬季に発生しやすいが、11月5日の確認は過去最も早いという。同省は国内産すべての鶏肉や鶏卵の輸出を5日付で一時停止した。

(タイワンリス、駆除大詰め:熊本)
熊本県の宇土、宇城両市にまたがる宇土半島に生息する特定外来生物のタイワン(クリハラ)リス。農作物や樹木に被害を与え、官民が協力して駆除に取り組んできた。その成果で、最大で数千頭以上いたとみられる個体数は10年間で10分の1以下に減少。専門家によると、外来リスの根絶に成功すれば「世界でもまれ」な快挙で、大詰めの駆除活動が続いている。タイワンリスは台湾原産で、2005年に特定外来生物に指定。国内各地の観光動物園などが輸入した個体が逃げ出して繁殖したとみられ、長崎県や静岡県で大量繁殖による被害が出ている。宇土半島では08年、熊本西高生物部の調査で生息が初確認され、県の調査でかんきつ類など農作物への被害が判明。宇城市三角町の観光施設が飼育していた個体が逃げ出したらしい。09年に行政、専門家、地元猟友会などでつくる「防除等連絡協議会」を立ち上げ、10年から本格的な駆除を開始。19年度までに約6千頭を捕獲した。半島の尾根筋に当たる三角町の山林。農道から数メートル入った木の枝と枝の間に、捕獲するためのわなが設置されていた。金網製のおりの中にクリの実がつるされ、リスが実を食べると入り口の柵が降りる仕掛け。入り口の前には木の板で数センチ幅の“専用道”が作られ、わなへ誘導している。近くの木の幹には、リスが樹液を飲むために傷つけたとみられる引っかいたような跡が見られた。傷は木を枯らしてしまうこともあるという。わなの設置に協力するミカン農家は、「成果が出ているので根絶につなげてほしい」と期待する。宇城、宇土両市は各2人の捕獲専門員を委嘱し、定期的にわなを見回り、捕獲状況を確認。また、冬季には残存個体を集中して見つけるため地域を絞った確認・捕獲作業を続けている。この結果、年間最大約3100頭だった捕獲数は、今年4~9月で3頭と大きく減少し、根絶が現実的になってきた。成果の一方、警戒する声も。駆除に携わる森林総合研究所九州支所(熊本市)の安田雅俊森林動物研究グループ長は「油断すれば再び増加しかねない」と指摘。根絶を確認するため現状の対策を続け、数年間にわたり捕獲数がゼロになる必要があるという。安田さんは「見回りを減らすなど対策を緩めれば、これまでの努力が水の泡になりかねない。根絶まで捕獲を徹底すべきだ」と、行政や住民に呼び掛けている。

(マダニ媒介の日本紅斑熱2人報告:熊本)
10月26日~11月1日の県感染症情報によると、マダニが媒介する日本紅斑熱の患者2人が報告された。今年の累計は16人と前年同期(5人)の3倍以上に達しており、県健康危機管理課が注意を呼び掛けている。同課によると、患者は熊本市保健所と御船保健所管内の70代女性。発熱や発疹などの症状で医療機関を受診し、感染が分かった。いずれもどこでマダニに刺されたか不明だという。日本紅斑熱は抗菌薬で治療できるが、重症化すると死亡する場合もある。予防策について同課は「山や森林などのマダニ生息地では肌の露出を少なくし、虫よけスプレーを使用してほしい。屋外活動後すぐにシャワーを浴びることも有効」と話している。

(イノシシウインナー発売:長崎)
長崎県波佐見町井石郷の食肉加工販売会社「モッコ」は、地元で捕獲したイノシシの肉で作ったウインナーの販売を始めた。農作物に被害をもたらすイノシシを特産品に変え、地域経済の新たな循環を目指す。ウインナーはプレーン、チリ、粗びきの3種類。フォークを刺すと、パキッという音とともに肉汁がしみだす。「イノシシと言われないと、豚肉のウインナーと区別がつかない」。城後光社長は出来上がりに自信を見せる。イノシシ肉は硬い、臭みがあると思われがちだが、適切に処理することで食感や味が楽しめる。同社は消費者が親しみやすいウインナーの需要を増やし、ジビエ(野生鳥獣の食肉)のイメージを変えたい考えだ。ホットドッグを販売する計画もある。捕獲しても廃棄するイノシシが食肉として流通するようになれば、高齢化する猟師の後継者確保につながる。特産品になれば、地域にお金が回る。城後社長は「ウインナーの販売は、このビジョン実現へ向けた布石」と話す。同社かインターネットで購入できる。3種類とも6本入りで税込み900円。

(柿泥棒、アナグマ御用:愛媛)
四国中央市新宮地区の住宅で、収穫後の柿や野菜が食べ荒らされる事件があり、鳥獣害対策担当の市地域おこし協力隊員、青木藍さん(29)が箱わなを仕掛けたところ、太ったアナグマの身柄が確保された。被害があったのは扉のない車庫の一角。青木さんが柿とちくわを餌にわなを置いたところ、2日目に捕獲された。

(ジビエ召し上がれ、飲食業者招きPR:鳥取)
ジビエ料理に使われる県産のシカやイノシシ肉の販路拡大につなげようと、智頭町で5日、飲食業者を招いた「鳥取ジビエ産地見学・商談会」が開かれた。飲食店のシェフらがシカ肉などの処理過程や味を確かめた。公益財団法人・食品等流通合理化促進機構と県が主催。大阪や京都など県内外の10業者が参加した。

(野生イノシシ2頭、豚熱に感染:和歌山)
県畜産課によりますと、今月4日、紀美野町内で死んだ状態で見つかった2頭のメスの野生イノシシが、豚熱に感染していたことが今日、分かりました。県内では、先月30日に、紀の川市桃山町で捕獲された2頭のオスの野生イノシシに感染が確認されて以来、3例目と4例目となりました。県内で飼育されている豚などにはすでにワクチンが接種されているため、農場の豚などの移動や出荷が制限されることはありませんが、県では、死んでいるイノシシが見つかったそれぞれの地点から半径10キロ以内での豚等飼育農場への立入検査などや、野生イノシシの追加調査とイノシシ肉の流通自粛、県猟友会への情報提供や注意喚起などを行うとしています。

(60代男性がクマに襲われ足にけが:石川)
6日午前、金沢市の山あいの地区で60代の男性がクマに襲われ、足にけがをしました。金沢市などによりますと、6日午前9時すぎ、金沢市田上本町で「ごみを出す作業をしている途中でクマに襲われた」と60代の男性から警察に通報がありました。男性は、右足をクマにかまれ救急車で病院に運ばれましたが、消防によりますと、意識はあり、自力で歩けるということです。襲ったクマは山に逃げ込んだということで、金沢市の職員や警察官、それに猟友会のメンバーが周辺をパトロールしています。現場は住宅などが点在する山あいの地区で、近くに住む75歳の男性は「近所で人がクマに襲われたと聞き、驚いています。まさか人がいる朝の時間帯にクマが出るとは思っていなかったので、とても怖いです」と話していました。石川県内では、ことしクマに襲われてけがをした人がこれで13人となり、石川県はクマの「出没警戒情報」を出して警戒を呼びかけています。

(クマ出没で講習会:富山)
クマによる人身被害が相次ぎ、商業施設内への「立てこもり」も発生した加賀市は6日、大聖寺署、市消防本部、猟友会関係者、市職員が被害防止策を学ぶ初の安全講習会を市文化会館で開いた。講師の大井徹県立大教授(動物生態学)は市街地にクマが出没した際の対応として「樹上や用水路などにも注意して捜索すべきだ」と強調した。大井教授は、自身がクマの生態調査でGPS(衛星測位システム)を付けた個体を探していた際、間近でGPSに反応があり、そばの木の上にいて驚いた経験を紹介した。県内のクマ生息域の面積は1978(昭和53)年に比べ2017(平成29)年は2倍に拡大しているとし「市街地にも拡大しているため、出合い頭での人身被害が生じてしまう」と指摘した。やぶを刈ることや電気柵を設置することで市街地への侵入を防げるとした。クマの出没多発の要因として、越冬準備期の秋に主食となるドングリ類が不作になると行動圏が5倍に拡大すると説明した。加賀市の今年度のクマ目撃情報は5日までで前年同期比94件増の125件となっている。10月17、18日に山代地区で計4人の人身被害が発生したほか、19日には作見町の商業施設「アビオシティ加賀」にクマが侵入し、駆除された。市は安全を確保しながら、適切な現場対応を行えるよう講習会を開いた。参加者20人がクマの生態や市街地における適切な駆除方法について理解を深めた。講習会後、クマ撃退スプレーを用いた模擬訓練も行われた。参加者がスプレーを噴霧する役とクマ役に分かれ、正しい噴霧のタイミングや距離について学んだ。

(クマ出没、警察官らが安全対策学ぶ講習会:石川)
クマの出没が相次いでいる石川県加賀市で、現場で対応に当たる警察官や消防職員などを対象にした安全対策の講習会が開かれました。石川県加賀市では先月、ショッピングセンターの施設内にクマが侵入するなど市街地でのクマの出没が相次いでいて、市は対応に当たる人たちの安全を確保しようと初めて講習会を開きました。警察官や消防職員、それに猟友会のメンバーなどおよそ20人が参加し、クマの生態を研究している石川県立大学の大井徹教授が講師を務めました。大井教授は「山の奥から人里にむかってクマの生息域が拡大し、市街地に出没する可能性が高まっている」と現状を説明しました。そのうえで、クマを捜索する際は木の上にいる可能性を考えるほか、特に道路の曲がり角や、やぶの中で出くわすことに警戒し、ヘルメットなどを着けて2人以上で行動することが大切だと指摘しました。参加者からは「市街地でのクマの出没は来年以降も続く見通しか」という質問が出され、大井教授は「温暖化の影響などで木の実のなり具合が変化してきているという研究もあり、しばらくは同じ傾向が続くのではないか」と答えていました。

(民家脇にクマの痕跡:新潟)
新潟県三条市は6日、同日午後2時頃、葎谷地内、民家脇の柿の木でクマの痕跡(爪痕、枝折れ、食害、フン)が確認されたと発表した。

(県がヤマト運輸と協力しクマ出没に対する注意喚起の取組み:新潟)
新潟県は6日、ヤマト運輸株式会社と協力し、7日からクマ出没に対する注意喚起の取組を開始すると発表した。県では9月下旬以降、クマによる人身被害が相次いで発生していることから、「クマ出没特別警報」を発表し、県民に警戒を呼びかけているが、依然としてクマによる人身被害が発生していることから、さらなる厳重警戒を呼びかけるためヤマト運輸と協力することにした。具体的には、ヤマト運輸の所有する配送車などに注意を促すマグネットシートを貼り付け、11月7日から30日まで県内の中山間地域(佐渡市、粟島浦村を除く)などで注意を呼びかける。なお今後の人身被害の状況により、警戒呼びかけ期間を延長する場合もあるという。

(ツキノワグマ1頭を殺処分「学習放獣」された個体だった:神奈川)
神奈川県の柿園の周辺に出没したツキノワグマ1頭が殺処分された。このクマは2019年にも同柿園に出没し、一時的に捕獲されたとのこと。その後、人里を怖がるように教えて山に放す「学習放獣」をされていた。

(ツキノワグマ、2頭とも殺処分:神奈川)
県は6日、伊勢原市と松田町でツキノワグマ2頭が仕掛けたわなに掛かり、住民を襲う危険などがあるとして2頭とも殺処分にしたと発表した。同日朝、伊勢原市子易の農地に仕掛けたわなに体長137センチ、体重109キロの雄のツキノワグマが掛かった。9月以降、ツキノワグマの出没が確認されており、住民に危害が及ぶ恐れがあるとして、殺処分とした。市が同17日にわなを設置していた。松田町寄の農地周辺でも6日朝、体長128センチ、体重111キロの雄のツキノワグマがわなに掛かった。児童、生徒の登校時間帯で、わなが外れる危険性もあったため殺処分とした。

(ハンターカブならぬカブハンターが東京にいた)
鹿やイノシシ、野生の鳥など、野生鳥獣の肉を使って食べる料理「ジビエ料理」というものをご存知でしょうか。脂肪も少なく、栄養も豊富でヘルシーなことからジビエ料理が昨今人気を集めていますが、料理の材料となる野生鳥獣を自身で狩って、調達したのち安全に食べられるように調理をする人もいるようです。しかし、野生の動物を狩りに行くときに、野山などに入っていく必要があるわけですが、その移動手段としてバイクを使っている人がいました!しかも……クロスカブ! そう、ハンターカブならぬ、カブハンターがいたのです。その人とは、クロスカブに乗って趣味の一貫で狩猟やキノコ狩りをしているトモさん。トモさんは「東京でとって食べる生活」というサイトを運営しており、ブログの内容は、捕獲したアライグマやカラス、タヌキを調理したり、毒のあるマムシグサという雑草をスイートポテト風にしちゃったりなど、毒のある食材でも勇敢に食べるという少し変わった活動をしている人です。かといって、無闇やたらに野生鳥獣を捕まえているわけではありません。アライグマは、2016年度の農作物に対する被害額が約3億3千万円(農林水産省の調査)という特定外来生物ですが、その駆除依頼を受けて被害を抑えるなど、害獣を狩ることで役に立っている一面もあります。また、ときには猟師仲間からもらった食材を調理するなど、ITエンジニアという仕事の傍ら、狩猟免許を取得してキノコ狩りや野生鳥獣を狩っているトモさん。

(イノシシ追い払い成功:千葉)
千葉県銚子市の千葉科学大学の研究チームが、JAちばみどりから贈られたイノシシ対策機材を使い、田畑でイノシシの動向や対策の効果について調べている。イノシシが集中的に現れる所に忌避剤をまいて夜間にラジオの音を流しておくと、イノシシが最低でも1カ月は近づかないことが確認された。研究チームでは2020年度中に論文にまとめて発表する方針だ。

(60代男性が左手「クマ」にかまれ負傷:福島)
5日午後6時45分ごろ、喜多方市の会社脇の通路で「男性がクマに左手をかまれて負傷している」と、同社の従業員女性から119番通報があった。喜多方署によると、同市の60代男性が左手をかまれて軽いけがをした。同署などによると、男性は同6時40分ごろ、会社の近くで車を降りて歩いている最中に、体長約1メートルのクマに襲われたという。その後、会社に戻ってきた女性がけがした男性を発見して通報した。クマの行方は分かっていない。現場は山都中から北に約3.4キロの集落。市は地域住民に注意を呼び掛け、地元区長らが追い払いの花火を打ち上げた。

(若い力が「鳥獣害対策」リード:福島)
天栄村で今年、鳥獣害対策専門の地域おこし協力隊として20代の若者2人が活動している。猟銃やわなによる捕獲のほか、野生鳥獣肉(ジビエ)の将来的な出荷制限解除を見据え、放射性物質検査にも力を注ぐ。イノシシなどによる田畑への被害に加え、担い手の高齢化や後継者不足が課題となる同村。「俺たちがやらなきゃ誰がやる」と若い力が鳥獣害対策をリードする。隊員は谷島(やじま)芳樹さん(24)=東京都出身=と華学(はなさと)光さん(23)=大阪府出身。谷島さんは父親の影響で20歳で猟銃免許を取得、クレー射撃で腕を磨いたほか、豊富な狩猟経験を持つ。一方、華学さんは心理学を学ぶため大学に通っていた頃、「成り行き」で参加した狩猟免許取得のための合宿で技術を学んだ。活躍の場を求めていた昨年夏ごろ、村の募集が2人を導き寄せた。10月中旬、うっそうと生い茂る山林に猟銃を携えた谷島さんと、華学さんの姿があった。道なき道を行き、以前仕掛けたわなを確認する華学さん。「掛かってないな」。獣道や餌場を狙い、わなを別の場所に埋める。最大150メートル先の標的も狙えるという谷島さん。ほんのわずかなぶれが命取りだ。木で銃を支え、息を凝らす。週に1頭、多いときには4、5頭を捕まえるという2人。10月下旬には本年度の捕獲数がイノシシやニホンジカなど40頭を超えた。昨年度の村全体の捕獲数の20%強に相当する数だ。県によると、県内全体で約170人の隊員がいるが、鳥獣害対策に取り組むのは6人のみ。全員が20代といい、若者の活躍ぶりが目立つ。村の対策団体の平均年齢は70歳超。谷島さんを含む13人が所属しているが、経験が物を言う世界だけに即戦力は貴重だ。村の担当者は「狩猟の負担軽減に向け、電気柵の普及や情報通信技術(ICT)導入などの面でも力を借りたい」と若い2人に期待する。村によると、原発事故に伴うジビエの出荷制限も影響し、被害は増加傾向にあるという。かつては村の旅館などでも振る舞われたジビエだが、現在は検査を経て廃棄せざるを得ない。「検査データの蓄積なしに再開はない。将来、まとめて発表したい」と華学さん。ジビエ関連の仕事を夢見る谷島さんは「地道に安全性を積み重ねるしかない。いつかできる日が来れば」と願う。「村の人たちの『ありがとう』が力」と2人。任期の3年間を全力で駆け抜ける覚悟だ。

(狩猟者の3~5割は女性:アメリカ)
女性の居場所が家庭であったことは、そもそもなかったかもしれない──このような研究が4日、科学誌「サイエンス・アドバンシス」に発表された。論文を発表した米カリフォルニア大学デービス校のランドール・ハース氏率いる研究チームによると、ペルーのアンデス山脈で、9000年前の若い女性の遺骨が、大物狩りの道具一式とともに発見された。研究チームが、同様の道具とともに埋葬地で発見した27人の遺骨を詳細に解析した結果、同時代の米大陸の狩猟者の30~50%は女性だったとの結論に至った。これは、狩猟採集民社会において、狩猟者は主に男性で採集者が主に女性という、一般的に考えられてきた説とは相反している。「少なくとも先史時代のある時期については、その説が正確ではなかったということになるだろう」とハース氏はAFPに語った。ハース氏はさらに、この結果は「今日の労働慣行における格差、すなわち男女の賃金格差や肩書、地位などの格差を浮き彫りにしている。この結果は、実際はこれらの格差には何ら『自然』なことはないかもしれないことを明確に示している」と指摘する。ペルー高地の重要な考古学的遺跡「Wilamaya Patjxa」で2018年、ハース氏と地元住民らは、狩猟者2人を含む6人の遺骨を発見した。狩猟者2人の骨の構造および歯のエナメル質のペプチドと呼ばれる生体分子を分析したところ、2人のうち1人は17~19歳の女性で、もう1人は25~30歳の男性であることが確認された。発掘が進む中でハース氏らは、大型動物を仕留めるための先端をとがらせた石器、内臓を取り出すための石の刃物や破片、皮をはぎ、なめす道具といった、一連の狩猟および獲物の処理加工道具を発見。それが、その女性が狩猟者であることを示す強力な証拠となった。女性狩猟者が異例の存在なのか、あるいは大勢いるうちの一人なのかを調べるために、研究チームは1万7000~4000年前の米大陸の107か所に埋葬された429人について再調査を行った。性別が確定しており、大物狩りの道具とともに埋葬されていた27人が見つかり、その内訳は男性16人、女性11人だった。研究チームは統計モデルを用いて当時の社会での狩猟者の30~50%は女性だったと推定し、「そのサンプルによって十分に裏付けられる結論は、初期の大物狩りへの女性の参加は重要なものだったということだ」と論じている。

(「クマ出没」が緊急事態)
ここ数年、晩夏から秋にかけて、「クマの出没」のニュースをよく耳にするようになった。今年もすでに、住宅地への出没や人身事故が多数報告され、近年では最多となる報告数を数えているという。これを受けて、政府が緊急会議を開いたことも明らかとなり、クマの棲む山中では、多くの地域で、エサとなるブナなどの木の実が不作であることも報告された。このように、クマが人の生活圏に出没するときは、山で足りないエサを求めてやってくるものだと思われる傾向がある。また、人身事故などが起こると、クマは積極的に人を襲い、人を捕食の対象としているような印象も強める。しかし、これらの理解のすべてが正しいわけではなく、クマという動物の行動の一端を過大に解釈している節があることも強調しておきたい。北海道の酪農学園大学で、野生動物生態学を研究する佐藤喜和教授の話によると、市街地に出没するヒグマ(北海道ではヒグマ、本州以南にはツキノワグマが生息している)の行動の特徴は、季節によって異なるという。春から初夏は、親離れと繁殖の時期にあたり、親離れしたばかりの若いオスが、新しい住処を求めて行動域を広げた結果、市街地に出てしまうことがある。また、0才の子グマを連れたメスが、オスの成獣を回避するため(母グマは子グマが独り立ちするまで発情しないため、発情を誘発しようとするオスにより、子グマが殺されることが多々ある)、あえて市街地付近を利用することもある。どちらも市街地にエサを求めて出没するわけではなく、基本的には、人を恐れている個体が多いという。初夏から晩夏にかけては、果樹や農作物を求めて出没する個体が増える。郊外の住宅地や家庭菜園、農地が入り混じる地域や農村で、エサを目的に出没する。この場合も人を避けて、夜行性になることも多く、くり返し出没する傾向があるのだそうだ。広い土地を有する北海道とは異なり、本州では住宅街や市街地のすぐ背後まで、クマが生息する山が迫っている場合があり、そのような環境では、時に思いがけず、人の生活空間で、クマと遭遇する可能性が出てくる。「鈴の音」がクマ除けになることからもわかるように、クマは元来、人を恐れ、できることなら遭遇を回避しようとする動物だ。それでもクマが人を襲うのは、クマ自身が身を守るための最後の手段だと感じた場合や、子グマを守るためである場合が多いとされる。また稀に、人を恐れるに足りない存在だと学習した場合、積極的に人を襲うケースも報告されているため、過度に人に慣れさせないことが重要とされている。餌付けするなどは言語道断の行為だ。また、「クマにあったらどうするか アイヌ民族最後の狩人 姉崎等(姉崎等、片山龍峯著/筑摩書房)」という書籍では、アイヌの猟師である姉崎氏が、鈴の音に慣れてしまうクマも存在することを語っており、興味深い話だと感じた。クマ除けの鈴をつけた人が、しょっちゅう分け入る山中では、普段は山では聞かれない音、例えば空のペットボトルをペコペコと鳴らす音などのほうが、クマを警戒させる効果があるのだという。いずれにしても、ここに人がいるから近づくな、人は怖い存在だ、という警告を発しておくことが重要で、クマも根本的には人を恐れ、危険を回避しようとしていることに変わりはない。さらに、クマが、はじめから人を捕食の対象とする動物ではないことも、紹介しておきたい。クマは、その大きな体と鋭い爪や牙をもつという風貌から、獰猛な肉食獣のイメージを持たれがちだが、実際には雑食性の動物だ。川魚や鹿などの動物を捕食する場合もあるが、草や木の実、果実が豊富である限りは、それらを主なエサとして過ごしている。木の実や果実は、生えている場所や実りに地域差があるため、それらが不足する地域では、補うためのエサをほかに求め、昆虫や小動物など多様なものを食して過ごす。ある意味、クマは、その場の環境に応じて、臨機応変に生き抜いているとも言える。また、臨機応変な生態という意味では、特徴的な妊娠と出産のサイクルをもつところも興味深い。クマのメスは、6月に排卵し、交尾をする。その時点で、体内には受精卵が存在することになるのだが、受精卵が子宮に着床し、妊娠を成立させるのは11月上旬と、長い場合は5カ月もかかるのだ。この現象を「着床遅延」と呼ぶが、その詳しいメカニズムはいまだに解明されていない。受精卵が無事着床し、妊娠できるか否かは、冬ごもりに入る前の秋口に、十分な栄養を蓄え、体を肥やすことができたかどうかにかかっているという。十分な蓄えができていないメスは、たとえ受精卵を宿していたとしても、妊娠に至ることがない。クマは、飲まず食わずの冬ごもりの最中にあたる、1月下旬に出産するが、体力を消耗する妊娠と出産に耐え抜ける母体となるか否かが鍵となるのだ。このように、クマは、その時の自然環境や条件に応じて、実に合理的な生態をもっている動物なのだ。冬ごもりの準備期間である晩夏から秋口までには、クマは栄養を溜めこむため、できる限りのことをする。妊娠、出産のかかっているメスはもちろんのこと、冬ごもり明けの縄張り争いまでを持ちこたえる体力の蓄えが必要なオスにとっても、この時期の栄養摂取は、死活問題なのだ。そして、栄養を蓄えるため行動圏を広めた結果、人の生活と摩擦が生じる場面が発生することにもなる。同時に、クマが人の生活圏に出没する背景には、個体数が増え過ぎている場合なども考えられる。これらの出没に対して、どのように人が介入し、対策するのかは、生態学的な判断を問われることも多い。クマを恐れること、また駆除する行為は、本来、クマの生態や習性を理解したうえで、なされるべきことだ。近年では、クマを「危険な生き物」として紹介するテレビ番組等も増え、生態の一面だけが誇張された情報が流れることがある。そのたびに、自然の条件に身をゆだねて生きるクマの生態の一面を伝えたい気持ちになるのだ。

(熊等が住宅街に出没した場合における警察官職務執行法第4条第1項を適用した対応について)
熊等が住宅街に現れ、人の生命・身体に危害を加える事案が全国で多数発生している。鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)第38条の規定により、日出前及び日没後並びに住居集合地域等における銃猟が禁止されているところ、熊等の住宅街への出没により現実的・具体的に危険が生じ特に急を要する場合には、警察官職務執行法(昭和23年法律第136号。以下「警職法」という。)第4条第1項を根拠に、人の生命・身体の安全等を確保するための措置として、警察官がハンターに対し猟銃を使用して住宅街に現れた熊等を駆除するよう命ずることができるところである。また、警察官よりも先にハンターが現場に臨場する事態も想定されるところ、当該ハンターの判断により、緊急避難(刑法第37条第1項)の措置として熊等を猟銃を使用して駆除することも行い得るところである。警職法上の解釈については、「熊等が住宅街に現れ、人の生命・身体に危険が生じた場合の対応における警察官職務執行法第4条第1項の適用について」(平成24年4月12日付け警察庁丁保第43号ほか)で明確にしたところ、令和元年中に警職法第4条第1項を適用した対応は37件あり、その中には、各都道府県警察の参考になるものがある。今般、これらの適用事例等を基に、同項を適用した対応に関する留意事項等についてまとめ、別添資料を作成したので、事案対応上の参考とされたい。

(クマ鈴一時欠品、市内のホームセンター:島根)
クマの目撃情報が相次ぐ浜田市内のホームセンターで、クマ避け用の鈴が一時欠品状態になった。島根県津和野町の山林で男性が襲われる被害が出る中、需要増は冬眠に入る冬まで続くとみて、在庫を増やしている。レジ近くに常時7種類20個を常備し、週1個売れる程度だったジュンテンドー浜田店(浜田市高田町)。津和野町の事故を受けて10月は前年比約5倍の28個に急増し補充が間に合わず、一時品切れになった。解消後は2倍の40個を置き、11月に入っても買い求める人が後を絶たない。

(「またやられた」高級マツタケを狙うのは:兵庫)
兵庫県丹波篠山市は、国内有数の高級マツタケの産地でもある。マツタケが生える山は「マツタケ山」と呼ばれ、同市では採取時期の9月半ばから11月半ばまで入山禁止となり、山に立ち入れるのは所有者か入山権を持つ人に限られる。「大切に守られている」と思いきや、近年鹿による食害が深刻だと聞いた。現状を知りたいと10月中旬、市内の山の入山権を持ちマツタケを採っている男性(62)に同行取材した。そこで目にしたのは、閑静な山の中とは思えない物々しい光景だった。記者は、男性のグループ3人と一緒に入山した。マツタケを入れる竹のかごを背負った男性らを追い、細い木々や岩をつかみながらはいのぼる。20分ほどで、腰の高さほどのネットが行く手を阻んだ。まるで城壁のように張り巡らされている。マツタケが生える場所「ツボ」を囲うように網を張るという。足を踏み入れた瞬間、また驚いた。「ピーピー」「ウーン」。あちこちでけたたましく鳴る警報音や犬の鳴き声、銃声に似た音が響く。センサーが動物を感知すると、自動的に鳴る仕組みだ。その数は、鹿の被害とともに年々増加し、今年は計約60個が昼夜問わずツボを見張る。「ここはあるよ。めっちゃある。ほれここ」。けたたましく鳴る音の中で、男性の声が弾んだ。ツボの斜面で、男性がそっと土をはらい、根元を持ち上げると、白く大きなマツタケが姿を現した。芳醇(ほうじゅん)な香りが鼻をくすぐる。「これが日本で一番香りのええマツタケや」と男性は胸を張った。ツボは山中に何カ所も点在する。中には「拝みたくなるほどええもんが採れる」という意味で「観音ツボ」と呼ばれる場所も。そこでは、名の通りの大きなマツタケが生えていた。ツボの維持には整備が欠かせない。マツタケはアカマツの根に菌が共生し、土中に「シロ」と呼ばれる白っぽい菌糸の塊を作り、生える。痩せた土地を好み、適度な日差しや風通しの良さが必要だ。男性は父親から「女の人が日傘さして、ハイヒールで歩ける山がええ」と教わった。かつては、林床に生える小さな雑木がたき付け用に刈られ自然と環境が維持されていたが、燃料がガスなどに変化し、林に腐植土がたまるように。「こんなに土が。これじゃ出るはずがない」。男性が土を掘ると、約20センチ下にシロが埋まっていた。男性は、採取期間中、2日に1度はこの山に登るが、その度に、しばをなたで切り払う。背中に負った竹かごが埋まるほどマツタケが採れるのは、こうした整備の努力のたまものだ。かさを開かせて、マツタケの胞子を飛ばすため、あえて数日間採取せずに置いておくものもある。「来年以後にも採れるように」との配慮だ。かごをかぶせ、目印に枝を添える。だが、鹿はそんな思いはお構いなしだ。別のツボでは、10月初旬に10本ほどあったはずが、数日後には鹿に食べられていた。鼻がきくので、まだ地上に出ていないマツタケを食べられることもあるという。同行中も3カ所で無残に根元だけが残るマツタケを見つけた。根元の大きさから見て、1本1万円ほどになるはずだったという。男性が、鹿の害を強く感じるようになったのは約15年前から。猟師から鹿の生態を学び、鹿が嫌がる赤いキラキラとしたテープを張ったり、網の下を丸太で固定したりと、工夫を重ねた。だが鹿は1カ月すると対応してくるらしい。網は硬くて強い鹿の歯でかみ切られたらひとたまりもない。この日も、男性は何カ所もの網の前で立ち止まり、破損箇所を結束バンドでつなぎ直した。センサーや網の設置、補修はすべて自費だ。「もちろん自然のものやから、鹿が幾分か食べるのは覚悟している。ただ、これだけ対策しても、囲いの中だけで今年は約50本の被害。環境を整備して、鹿に餌があるよと教えてるようなもんや」と男性は話し、行政に「鹿の捕獲をより強化してほしい」と願う。兵庫県森林動物研究センターによると、同県内の鹿は推定値で2002年度約8万頭だったが、年々増加し、10年度には14万頭に。捕獲頭数を増やした結果、近年はやや減少したが、18年度は11万頭。丹波篠山市でも、02年度は約1600頭だったが、14年度に約5800頭まで増え、18年度は約4200頭だ。同センターの担当者は「鹿が増え、好物だった植物が減少して、マツタケを食べる食性に変化したと考えられる。網で囲う方法が現実的」と指摘する。一方、兵庫県丹波農林振興事務所の森林担当者は「鹿に食べられるという話は聞く。しかし、マツタケは市場を通じた出荷以外に、個人で取引先へ販売する例も多く、取れ高や被害が把握しづらいため、食害対策への公的な補助が難しい」と話す。ふもとに戻ると、入山してから4時間がたっていた。この日は今季一番の取れ高だったといい、大きな竹かご2個がマツタケで埋まっていた。「環境さえ整えば、丹波篠山の山はええマツタケが採れる。長年受け継いできた地域の食文化のはずなのに、守るんは自己責任なんか……」。男性が見つめる先には、かつて「マツタケ山」だった山々が広がっていた。

(奈良公園のシカ、餌求め山へ:奈良)
新型コロナウイルスによる観光客の減少により、奈良公園(奈良市)のシカの行動が変化している。鹿せんべいをもらえなくなったシカが木の実などの餌を求め、観光客が集まる公園中心部から山林部へ移動。市街地での目撃情報も増え、商店の売り物が食べられるなどの被害も出ている。山林部と中心部からなる同公園の敷地は約511ヘクタールと広大で、天然記念物のシカ約1300頭が生息。年間約1300万人が訪れる人気スポットだ。北海道大などの調査では、中心部で6月の昼に確認されたシカの数は、コロナ拡大前の1月の昼に比べ約3割減少した。一方、コロナの影響が広がった2月以降、山林部に向かうシカは増加。同大の立沢史郎助教(保全生態学)は「観光客の鹿せんべいに依存していたシカが自然の植物に目を向け、中心部を離れた」と分析する。奈良市によると、緊急事態宣言中(4月16日~5月14日)に公園を訪れた日本人観光客は、前年同期比85%減少。4月の市内への訪日外国人旅行者はほぼゼロだった。周辺の畑や花壇が荒らされるなど市民生活にも影響は出ている。「パンジーなどの鉢が30個ほど荒らされた」と被害を訴えるのは、公園近くで生花店を営む50代男性。7~8月にかけてはほぼ毎日、店の近くでシカを目撃したという。県によると、シカに関する被害の相談は4~10月で36件に上り、昨年度の24件を既に上回っている。立沢助教はコロナによるシカの行動の変化について、「人に依存せず自然の餌を食べるなど、本来の姿に戻っている」と評価する。ただ、冬が深まると山林部の餌も少なくなり、観光客が回復しなければ体力のないシカが死ぬ恐れもあるという。周辺住民らへの影響についても、「街に出るシカが増えれば、(車との衝突など)交通事故が増える可能性もある」と懸念を示している。

(獣害解決にイモづくり:石川)
白山麓で深刻化する農作物の獣害解決に向け、野生動物が出没する原因の一つである休耕田を活用しようと、国際高等専門学校(白山市瀬戸)の学生らが休耕田で育てたサツマイモのブランド化を目指している。地元住民とともに栽培し、「甘熟(かんじゅく)紅はるか」と名付けた。学生らは「過疎が進み獣害が広がるという悪循環を断ち切りたい」と意気込む。二年生七人が「愛(あい)・AI(あい)いもプロジェクト」というチームを結成。人工知能(AI)を使った獣害対策を研究する三人と、イモを栽培する四人の二チームに分かれ、地域の休耕田約一・五アールを借りて授業の一環として取り組んでいる。白山麓では、過疎高齢化が進み、田畑を耕す担い手が年々減っている。休耕田が増えることで草木が茂り、野生動物が身を隠す場所になる。その結果、サルやイノシシが人里にも頻繁に出没して畑を荒らしている。県の統計によると、二〇一九年度の白山市のイノシシによる被害額は約五百七十万円で、一七年度と比べて四倍以上増えた。獣害対策チームは、金沢工業大などが試作した対策ロボットの効果を検証。動物をカメラで見つけると、音や光を発して撃退する仕組みだが、風に揺れる草木も認識してしまう課題があった。そこで、動物だけに反応するようにAIを活用し、高精度のカメラを畑に設置して研究している。イモの栽培チームは、同校国際理工学科の山崎俊太郎教授(61)の指導を受け、サツマイモの「紅はるか」を育てた。サルの侵入を受けながらも九月に約百キロを収穫。一カ月半、熟成させたことで糖度は44%と高まった。学生が食べ比べると、甘さが特徴の安納芋など他品種よりも甘くねっとりとした食感になった。白山麓の特産サツマイモとして知名度アップを狙う。十一月一日には道の駅瀬女(せな)(瀬戸)で販売。チームの徳山美結さん(17)は「すぐに売れた」と振り返る。八日には道の駅一向一揆の里(出合町)などでも販売する。山崎教授は「過疎高齢化が進むにつれて、動物たちが強くなっている。集落として存続できる道を探りたい」と話している。

(クマへの対応確認:富山)
氷見市緊急熊対策合同会議が六日、氷見署であり、関係機関が情報交換し、クマ出没時の対応を確認した。署と市役所、市教育総合センター、氷見高校、自治会、猟友会、氷見消防署から計十一人が参加。目撃の一報を受けて市や猟友会が痕跡確認をしているが、誤報もあって、どの段階でどれだけの情報が必要かは機関によって分かれており、氷見署が意見を聞いた。市から猟友会と消防署、氷見署から教育総合センターと区長といった連絡態勢も確認した。参加者はこの後、十月九日に目撃情報のあった市街地の現場を視察した。署の橋本城宏(くにひろ)・刑事課長兼生活安全課長が「柿、リンゴなどの取り残しのないように、住民にも徹底してほしい」と呼び掛けた。市内では前年度四件(目撃)だったクマ出没情報が、本年度は五日までに五十五件(目撃四十二件、痕跡十三件)あり、十月には朝日本町や朝日丘の市街地で目撃された。

(道路を横断する2頭のイノシシを動画撮影:新潟)
新潟県警燕署の発表では、6日午後7時25分ごろから9時10分ごろにかけて燕市内で2頭で歩いているイノシシの目撃情報が複数、寄せられ、イノシシの姿は車載動画でも撮影された。イノシシが目撃されたのは、燕市粟生津地内、燕市吉田西太田地内、燕市杣木地内、燕市大保地内。燕署では付近住民に注意を呼びかける広報と警戒活動を行っている。車載カメラで撮影されたのは、国道116号側から吉田ふれあい広場を過ぎて桜町方面へ向かって右へ急カーブする所で米納津地内。走行中の車の前方、道路の左から2頭のイノシシが現れて車の前へ。車がスピードを落とすとイノシシはそのまま道路を横断し、車から逃げるようにしばらく道路の右側を並走している。

(クマ目撃相次ぐ:長野)
駒ケ根市中心部の赤穂東小学校付近で六日、クマの目撃情報が相次いだ。市によると、クマの目撃情報は九月以来で、街中では初めて。同校は、校外学習をやめて休み時間も校内で過ごすよう対応し、三~六年の授業は、一、二年生に合わせ五時間に短縮。全校一斉下校にした上で保護者に迎えに来てもらった。同校は、JR駒ケ根駅から九百メートルほど。低学年から優先してクマ鈴も配る。市は猟友会などとパトロールを続け、不要な外出をせず戸締まりをするよう呼び掛けている。

(ウニ小屋引き戸破壊し侵入、1メートル超クマ:北海道)
北海道積丹町の住宅近くの小屋にクマが現れ、戸を壊し、中にあった寿司やホッケを大量に食い荒らしました。11月7日午前2時10分ごろ、積丹町美国町の漁師の男性が体長1メートルを超えるクマを目撃し、家族が警察に通報しました。その後確認したところ、男性の住宅前のウニ小屋の引戸が押し倒されていて、中にあった飯寿司約10キロとホッケ30匹ほどが食い荒らされていたということです。他にクマの目撃情報は寄せられておらず、警察が到着した時すでにクマの姿はなく、小屋の近くにクマのものとみられる"ふん"が見つかりました。クマが出没した小屋周辺は役場や郵便局がある街の中心部で、付近では今シーズン少なくとも9件のクマの目撃情報が寄せられているということです。警察や猟友会などはパトロールを強化するなど警戒を強めるとともに、ごみの取り扱いなどに注意するよう呼びかけています。

(クマ写真家に学ぶ素顔と生態:秋田)
全国の市街地などでクマの出没が相次いでいる。人の生活圏に入り、死傷者も出る中で、各地で警戒が強まる。そもそもクマとはどのような動物なのか。約10年前からクマたちの素顔を追い、撮影を続けている秋田市在住のカメラマン加藤明見さん(72)の撮影に、同行した。秋田県内には4400頭のクマが生息するとされる。加藤さんはこれまでにのべ約810頭のクマを撮影してきたが、主なフィールドは山奥ではなく秋田市近郊だという。私は記者として秋田市に住んで2年半になるが、一度も野生のクマを見たことがない。撮影に同行させてもらった10月上旬の朝、加藤さんが運転する車で、市中心部から約30分の仁別地区にあるダムに向かった。今年はここによくクマが現れるのだという。

(クマに遭遇したら絶対にやってはいけないこと)
各地でクマの出没による被害が相次いでいる。環境省によると、全国のクマ類(ヒグマ含む)による人身被害は、2018年度は51件、昨年度が140件に対して、今年度は9月までの速報値で既に80件に達し、10月には秋田県でクマに襲われた80代の女性が死亡している。「今年度が異常なのは、出没件数もさることながら、出没する“場所”です。死亡した女性が襲われたのは、住宅街でした。他にも温泉街のど真ん中や駅前の商業施設など、これまでクマが出たことのない場所に突如現れ、パニックになるケースが多い」。いったいクマに何が起こっているのか。「クマの大量出没には様々な要因がありますが、今年についていえば、コロナ禍の影響もあるでしょう」。そう指摘するのは、40年以上クマの生態を研究している日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長だ。「特に夏までは外出自粛の影響で車や人通りが減少し、市街地中心部にクマの出没が続きました。秋以降の出没は夏の長雨と記録的な日照不足などにより、山でドングリ類が不作になったことによります」(同前)。だが、クマの大量出没には、こうした短期的な要因以上に、構造的な要因が影響しているのだという。「一言でいえば、里山の荒廃です。かつての里山は、炭焼きや草刈り場として人間の手が頻繁に入っていました。ところが最近は里山を管理する人が減り、里山が奥山化し、そこに若いクマやメスのクマが入り込んだ。彼らは奥山にいる大きくて強いオスのクマから逃げてきたのです」(同前)。そうして若いクマやメスのクマが人間の生活圏とほど近い里山に住み着いた結果、両者の接近遭遇の機会が増えたのである。もしクマに出くわしてしまったら?「彼らは人間社会の活動に連動、学習して対応しており、扱いが難しい。さらに森林を出たクマは既に興奮状態で屋敷森、公園林、社寺林に走ります。その途中で動く人間に出くわすと、これを“排除”しようと攻撃するのです」(同前)。もしそんなクマに出くわしてしまった場合、どうすればいいのだろうか。「最悪なのは背中を見せて逃げること。これをやるとすぐ襲われます。クマがまだ遠くにいる場合は、建物や電柱の後ろに隠れて動かないこと。もし襲われたら、立ったままだと頭部裂傷などを負い重傷化しやすいので、側溝やくぼ地、地面などに伏せて、身体の露出面を少なくする。もし農作業中で長柄物などを持っている場合は、打撃するよりも、大きく振り回して、自分を大きく見せるほうが効果的です」(同前)。クマは人間が思っているよりも、ずっと近くにいるのだ。

(ドローンでパトロール:石川)
ツキノワグマの目撃情報が多く寄せられていることから、加賀市は8日、小型無人機ドローンを利用したパトロールを始めた。市によると、クマの被害を防ぐためドローンを使うのは全国でも珍しいという。パトロールの場所は市内でも目撃情報が多い山代地区の里山で、毎朝6時半から1時間、30日まで実施する。

(クマに襲われ40代女性けが:石川)
8日午前8時45分ごろ、金沢市田上本町にある福祉施設の職員から「女性がクマに襲われた」と119番があった。地元消防が、頭や手足を負傷した40代女性を病院に運んだが、命に別条はない。市によると、現場はJR金沢駅から南東約6キロの山あいにある施設。付近でクマの足跡が見つかり、猟友会のメンバーや警察官らが周辺をパトロールするとともに近隣住民に注意を呼び掛けている。

(またクマ、男性けが:石川)
六日午前九時十分ごろ、金沢市田上本町の住宅地で、住民の六十代男性がクマに襲われ、右脚にけがをした。男性は自ら一一〇番し、市内の病院に救急車で搬送された。クマはその後、山の方に去ったという。市などによると、男性は自宅から約六十メートル離れたごみ集積所周辺を歩いていたところをクマに襲われた。男性の家族の話では、男性が自宅敷地内で振り向くとクマがいて膝の下をつかまれ、膝の上をかまれた。現在は入院しているという。現場は山あいの住宅地で、近くに柿の木がある。足跡からクマは体長一メートルほどとみられる。市や金沢中署は捕獲のためのおりを設置。田上小学校の児童の下校時に合わせ巡回した。田上本町では十月二十三日朝にもクマが目撃されていた。男性宅の近くの松井長子さん(83)は「庭で洗濯物を干していたら、近所の人が『家に入れ。クマにかまれてんて』と慌てた様子で走ってきた。驚いてすぐに家に入った」と話し、倉庫のシャッターを閉めた。石川県猟友会長の辻森金市さん(68)は「山や浅野川が近くクマが出やすい。果樹園もあるので、クマの餌がある場所。ごみ置き場の生ごみを狙っていた可能性もある」と指摘。「柿の実などは摘み取り、餌になるような物を家のそばに置かない。危険だと思う場所では、複数人で行動してほしい」と話した。県内でのクマによる人身被害は今年、八件で十三人に上る。十一月四日時点で、目撃情報は計六百六十二件。記録を取り始めた二〇〇五年以降最多。

(森林再生に期待、地域おこし隊員:静岡)
伊東市は、東京都内から市内八幡野に移住し、有害鳥獣の捕獲、ジビエ料理などにする資源化、森林整備などに取り組む大津留(おおつる)博さん(44)を「地域おこし協力隊員」として委嘱した。任期は一年。最長三年まで延長できる。都内でITエンジニアとして勤務していた。新型コロナウイルスの影響で自身の生活を見直す中で、もともと自然とのふれあいに興味があり、森林整備活動する知人がいたこともあって、協力隊員に応募した。委嘱式は市役所であり、小野達也市長が「自然とふれあいながら楽しく活動して」と話し委嘱状を手渡すと、大津留さんは「活動することで、自然がより豊かになればうれしい」と意気込みを語った。同協力隊の制度は、総務省が二〇〇九年度から推進している。隊員は過疎などの条件不利地域に住民票を移して居住、地域ブランドや地場産品の開発、販売、PRといった地域振興活動に協力する。地域への定住、定着を図るのが狙いだ。同市ではこれまでに六人が委嘱されている。

(住宅街に“木登り”子グマ、麻酔銃で捕獲:栃木)
宇都宮市の住宅街で子グマが見つかり、地元の猟友会などが捕獲しました。8日午前10時前、宇都宮市新里町の住宅街で、自宅で養蜂をしている住民から「近くに子グマがいて巣箱が壊れている」と110番通報がありました。警察官が駆け付けたところ、付近で体長40センチほどの子グマを発見しました。その後、子グマは木に登るなどしていましたが、午後4時半すぎ、地元の猟友会などが麻酔銃を使って捕獲したということです。

(シカの食害が深刻に:群馬)
シカによるリンゴの食害が今秋、群馬県甘楽町で深刻化している。木の下部を中心に食い荒らされ、収量が例年の3分の2程度に落ち込みそうな農家や、一部の畑で約半分が被害に遭ったという生産者も。町内の捕獲頭数は本年度、既に過去最多の200頭余りに上るが、山中にはなお多くのシカが潜んでいるとみられ、抜本的な解決は見通せない。「下の方は実が全然なっていないでしょう。葉っぱも食われて。少し前まで至る所にフンが転がっていました」。同町小幡の農業、田村智和さん(43)は丹精したリンゴの木を見つめて深いため息をついた。春先に花芽を食われ、9月頃から実も被害に遭った。ロープを張り、回転灯を置くなどの対策をした。同月半ばからは毎晩、エアガンや花火を持って畑を見回っている。それでもシカは狙いに来るという。収穫は12月まで続くが、「3分の1程度は食害でだめになりそう」と田村さん。代々続くリンゴ農家でも前例がないシカの食害に、初めて農業経営収入保険を使うことを考えている。「憎たらしいですよ」。今後、わな猟の免許を取る予定だという。近くの生産者、井田武さん(77)も困り顔だ。「頼まれたものをそろえるのが精いっぱい。一般の小売店に卸せない。シカには数年前からやられているが、今年は特にひどい」と話す。毎年この時季、地元産のリンゴがずらりと並ぶ道の駅甘楽でも、今季は例年の3分の1に満たない。担当者は「観光客から『今年はないの』と聞かれる。どうしてもという人には、生産者をご案内するが…」と寂しそうな表情を浮かべた。食害の広がりを裏付けるように町内ではシカの捕獲頭数の右肩上がりが続く。2015年度の31頭を皮切りに、翌年度以降はそれぞれ43頭、58頭、83頭、151頭と増え続け、本年度は11月4日時点で既に201頭に上っている。効果的な対策の一つが狩猟による駆除だが、担い手となる町猟友会の会員28人の多くは60~70代と高齢化が進んでいる。担い手を増やそうと、町は19年3月に狩猟免許に関する費用の補助制度を始めた。この制度で30~40代の5人を含む6人が免許を取得した。その1人で既に猟に出た経験もある町農林係の斉藤克也さん(38)は「有害鳥獣の駆除は一朝一夕ではできないが、活動の輪を広げて、地域の農業を何とか守りたい」と語る。

(クマに襲われ?ヤギ死ぬ:宮城)
宮城県栗原市で10月下旬、ツキノワグマに襲われたとみられるニワトリとヤギの被害が相次いで発生した。市内でのクマによる家畜被害は珍しいが、簡単に捕食できるために襲われる可能性が高いという。専門家は電気柵などによる防御策を助言している。ニワトリの被害があったのは同市一迫の農家。10月25日から2晩連続で襲われ、計17羽が被害に遭った。小屋で死んでいたのはわずか2羽で、残り15羽は跡形もなく消えていた。小屋の金網やトタンが破られており、被害に遭った女性は「こんなに食べられると思わなかった。また来るかもしれないので小屋に行くのが怖い」と不安そうに話す。その5日後の31日には、4キロほど離れた花山地区の民家でヤギ1頭の被害があった。築館署などによると、敷地の屋外で飼育していた男性が、腹の部分を食べられて死んでいるのを見つけ、警察に通報した。他に荒らされた形跡はなく、ヤギを狙ったとみられる。周辺では、クマの目撃情報が相次ぎ、クリの木の枝が折られるなどの被害も出ていた。市鳥獣被害対策実施隊によると、一迫地区ではクマとみられるニワトリ被害が3年前に発生し、昨年も1件確認された。一迫地区隊長の中山富士男さん(69)は「クマが食べる物が変わってきているようだ。子牛も危ないかもしれない」と警戒を強める。岩手大の青井俊樹名誉教授(野生動物管理学)によると、岩手県や秋田県ではクマによるニワトリ被害は珍しくないという。「クマは元々肉食で、容易に捕まえられる動物が狙われやすい。ニワトリは別の場所に運んで土に埋め、後から食べることもある」と解説する。青井さんは対策として、ヤギは屋内の小屋での飼育、ニワトリは小屋への電気柵の設置を勧める。クマへの警戒は11月下旬ごろまで必要になるという。

(クマの大規模食害続発:秋田)
秋田県湯沢市のリンゴ生産地の一つ三関地区で、農家がクマによる食害に頭を悩ませている。例年、山際の農地で小規模の食害はあったが、今年はリンゴの木についた実が根こそぎ食べられるなど大規模な食害が続発。主力品種「ふじ」の収穫最盛期を目前に控える中、生産者はクマと鉢合わせする恐怖と隣り合わせで作業をしている。実はなく、枝は折られ、木は裸同然になっていた。10月31日、上関の佐々木三徳さん(68)の農地では、収穫目前のリンゴの木にクマによる食害の跡が残っていた。

(相次いでツキノワグマが目撃:島根)
出雲市森林政策課によると、出雲市佐田町内でツキノワグマの目撃情報が相次いでいます。2020年11月に入ってからすでに4回の目撃情報があり、いずれもバス停付近ということです。ツキノワグマが冬眠に入るのは一般的に12月下旬からと言われています。今の時期は紅葉狩りやアウトドアなどで出かける機会も多いと思いますが、クマの目撃情報のある付近ではご注意ください。

(“危険なサル”東京を横断!?:東京)
先週から、東京都心で相次いで目撃されていたサル。9日に出没したのは、思わぬ場所だった。先週から東京都心で目撃が相次いだサルだが、9日も目撃情報が相次いでいる。サルの目撃情報が寄せられている。8日と9日と、多摩川の周辺でサルの目撃情報があるが、9日は川崎に来ている。1時間ほど前に、クリーニング屋が入っている建物にサルが入って行ったという目撃情報があり、警察が捜索をした。この建物の四方を囲むような形にして捜していたが、それでもサルは見つからず、捕獲に至らなかった。このあたりは、近くに学校もあるため、人通りもそれほど少なくはないような場所。さかのぼってみると、まず最初は、千葉・市川市で10月にサルの目撃情報があった。その時は、電線をサルが渡るような姿があったり、高速道路の脇を猛スピードで抜けていくようなところが目撃されていた。9日朝は、東京・大田区で目撃された。午後になると、東京と神奈川をつなぐ橋の下、土手のあたりにサルがいるという新たな情報が入った。9日朝に目撃情報があったのが、河川敷のあたり。橋を渡ったか、あるいは川を泳いだかになるが、橋もかなり交通量も多く、人も多かった。いずれかの形で、神奈川に入ったとみられている。その後、南下していき、そこでは多数のサルの目撃情報があった。目撃した人に話を聞くと、「塀の上にサルが座っていた」、「電線がかなり揺れており、電線の上を通過したのではないか」、「3階建ての家の排水管パイプの上をよじ登っているところを見て、サルと目が合った」というような話があり、生活圏内でサルが多く目撃されているなというのが、現場の取材でわかった。サルがいた痕跡は、直接はまだ見られていないが、土手に柿の木があり、柿の木の下に動物が食べたような柿があった。もしかしたらサルが食べたのかなという感じがした。柿の木の所有者に話を聞くと、「こんなことはないよ」という話をしており、かなり驚いていた。なお、40年間ニホンザルの研究をしている金井塚さんによると、「サルはストレスと感じていることが考えられます。遭遇したら威嚇して襲ってくる可能性がありますので、まずは捕まえようとせずに、警察に連絡してください」ということだった。

(クマと人のトラブルどう防ぐ:北海道)
世界自然遺産・知床でごみの不法投棄や、クマを見ようと車が沿道にひしめく「クマ渋滞」が深刻化している。人を恐れないクマも現れ、人が襲われる人身事故を招く危険性も高まっている。事故防止のため「ヒグマ対策」に奮闘する「知床財団」の活動を通じ、実態を探った。10月6日午前10時、財団保護管理部長の石名坂豪さん(47)のパトロールに同行した。知床自然センターを出発し、釣り人らでにぎわう国立公園外の遠音別橋付近まで向かう。近くには「遠音別さけ・ますふ化場」があり、秋サケが遡上(そじょう)する時期にはヒグマも頻繁に目撃されている。町内では幌別川河口で7月末、釣り人が釣った魚をヒグマに奪われる事案も発生した。この日は駐車場にびっしりと車が止まっていた。石名坂さんは車を降りると手袋とごみ袋を持ち、駐車場近くの不法投棄が多い現場に向かった。清涼飲料水が入ったままのペットボトル、弁当容器などが見つかり、10分ほどで45リットルの袋がいっぱいに。「クマが近くに出没する場所。食べ物に餌付いたら人を襲う可能性もあり、大変危険」。石名坂さんは厳しい表情を見せた。

(ヒグマがドアを破って侵入:北海道)
未明に作業小屋を訪れたのは招かれざる客でした。北海道積丹町の民家の作業小屋にヒグマが侵入しサケなどを食い荒らす被害がありました。ガラスが無残に割れてしまった扉。その中では、サケなどが食い荒らされていました。犯人は、ヒグマです。後志の積丹町で7日未明、ヒグマが住宅街の作業小屋に侵入し、中に置いてあったサケの切り身やホッケが食べられる被害がありました。隣の民家に住む小屋の所有者は、体長1メートルほどのヒグマを目撃したと言います。付近では2日深夜から3日未明にかけても民家の庭に干してあったサケトバが食べられる被害がありました。積丹町役場によると、町内でのヒグマの目撃件数は4月以降44件で、昨年の29件の1.5倍にのぼっていて、夜間の外出を控えるよう注意を呼びかけています。

(害獣駆除されたカラスを美味しい食肉として、提供しています)
ジビエ専門市場のジビエマルシェでは、全国処理施設50か所、レストラン1100店舗と契約し、鹿、猪、熊、鴨など多彩なジビエを提供しています。驚いたことに最近カラスの注文が急増しています。令和元年までは、1件もなかった注文が、グルメ番組で取材を受けてから火が付きました。しかし、「味は美味しいが、肉が固い!」というシェフの意見が多く、ブームには至っていませんでした。そこで、当社・処理施設・猟師でカラスを本格的に研究し、おいしい食材に生まれ変わらせることに成功!「珍しい」「美味しい」「やわらかい」の3拍子そろったジビエとして出荷を開始いたします。すでに、テスト調理で、ジビエ専門店やミシュラン店まで幅広くから高い評価を受けています。ジビエマルシェでは、今後も注文が増加することを見込んで、捕獲・止差し・解体などを全国の食肉処理施設にアドバイスしていく予定です。カラスは、もともと某グルメ番組で「カラスの炊き込みご飯」が紹介されてから、火がつきました。それまでは「肉が黒い」「腐ったにおいがする」など、とても食肉には向かないと考えられていたカラスの肉が、実はとても美味であることが、すこしづつ広がっています。都会などでは、残飯を漁る嫌われ者。田舎では、畑を荒らす有害鳥獣と悪評高いカラスですが、食肉として扱われているのは、長野、岐阜、鹿児島県の里山で捕獲された個体が中心。都会のカラスより一回り小さくハトくらいのサイズです。品種は、ハシブトガラスとハシボソガラスの2種。捕獲方法は、檻罠(大人が入れるほどの大きな檻)に餌を入れ、天井からカラスが侵入すると、返しで出られなくなる仕掛け。カラスは餌があると仲間を集める習性があるため、まとめて捕獲できるのが特徴です。ある程度たまったら、大きなたも網でしゃくり、止差しをします。空気銃などでも駆除できますが、頭が大変いいため、車や人を覚えてしまいなかなか捕獲はできません。商材としては、羽付きの状態で出荷されますが、羽が剥けないシェフのために、@500円で羽剥きのサービスもご用意いたしました。調理法は、ロースト、空揚げ、煮込みですが、ローストが一番インパクトがあり、肉のパフォーマンスを感じることができます。食味は、胸肉は、鹿や牛に近くやや鉄分が多い感じで、ももはほぼ地鶏です。若干の固さはありますが、カラスと言われなければ、「美味しい肉」として普通に食べられます。

(出没相次ぐ意外な希少動物とは)
人里での出没が相次いでいるのはクマだけではない。近年、本来は高地を好み特別天然記念物に指定されている希少動物の目撃が各地で報告され、人的被害も出ている。山の生態系に何が起きているのか。その動物とは――。群馬、新潟県境にそびえる谷川岳を北に望む群馬県みなかみ町の猿ケ京(さるがきょう)温泉に、思わぬ珍客が現れたのは10月4日の昼下がりだった。場所は、旧猿ケ京小学校(2008年に廃校)を活用した宿泊施設「泊まれる学校さる小」。“校長”の飯島健治さん(40)は、客のチェックアウト後、玄関前で黒っぽい動物がつぶらな瞳でこちらを見つめているのに気付いた。ニホンカモシカだった。「裏の林で遠くから見たことはありましたが、近くまで来たのは初めてでした」。ウシ科のニホンカモシカは本来、群れを作らず標高が高い場所を好むが、人の生活圏への出没が近年、各地で問題化している。愛媛県では、50年以上も姿が確認されていなかったが、18年と20年に山中で相次いで目撃された。愛知県新城市では10月、山中でシカ猟のわなにかかったカモシカを逃がそうとした猟友会の男性が角で刺されて亡くなる事故が起きた。標高が高い場所を好むカモシカがなぜ人里に現れるようになったのか。「関東以西でニホンジカが増殖したことが影響している可能性があります」。そう指摘するのは、日本哺乳類学会で哺乳類保護管理専門委員会委員長を務める岐阜大応用生物科学部の浅野玄(まこと)准教授(50)だ。耕作放棄地の拡大で餌となる植物が増え、狩猟者も減ったことなどから、群れで行動するニホンジカの生息域が年々拡大しているという。「カモシカは縄張りを作る“単独行動派”です。増えたニホンジカが縄張りの餌を食べてしまい、カモシカは餌を求めて人里に出てきているのではないかと考えられます」。古くから毛皮や肉が重宝されてきたカモシカは、盛んに狩猟が行われた大正時代までに個体数が激減した。当時の生息数ははっきりしないが、1934年に国の天然記念物、55年には特別天然記念物として保護された結果、環境省によると、80年代前半には10万頭前後まで回復したとみられる。一方で、人里に迷い込むカモシカによる農林業被害が社会問題化し、79年から被害防止のための捕獲が始まり、16~18年には群馬、長野、岐阜、静岡、愛知の5県で計画に基づき、年間約600頭が捕獲された。個体数を調整しつつ高地での繁栄は保たれてきたとみられるが、ニホンジカの生息域拡大で事情は変わってきた可能性がある。文化庁によると、捕獲が禁止されている全国13の保護地域と、保護地域ではない九州、四国での生息密度を調べたところ、90~97年の1平方キロ当たり1・9頭から、14年~現時点では0・68頭まで減った。低地での生息密度を示すデータはないが、ニホンジカの侵入で本来の生息域を脅かされたカモシカが人里に追いやられ、厄介者扱いされる事態になれば殺処分を求める声が高まりかねない。「そうなれば高地にも低地にもカモシカがいなくなってしまう」と浅野准教授は警鐘を鳴らす。日本哺乳類学会は今年6月、カモシカの保護管理施策の充実を求める要望書を文化庁などに提出した。浅野准教授は「従来の保護地域で保護しただけではカモシカは守れない。フェンスを設けてカモシカを守りつつ、ニホンジカとの関係も調査で明らかにする必要がある。一般の人がカモシカを目撃した場合はそっとしておいてほしい」と訴える。

(わな免許取得者へ向けた捕獲・処理技術の向上研修の募集:山口)
山口県では、わな免許所持者のわなによる捕獲技術の向上のため、「わな捕獲・解体マニュアル」を活用した研修会を実施しています。

(“野生イノシシ”捕獲作戦は:鳥取)
10日朝、住宅街に野生のイノシシが出没しました。日中、行われた捕獲作戦の結末とは?その現場は鳥取市の閑静な住宅街。10日朝、住宅街の道路脇を流れる小さな川に、野生のイノシシが迷い込んでいたのです。警察や市の猟友会などが駆けつけ、始まった捕獲作戦。逆側から懐中電灯を使いのぞいてみると。そこには、体長50センチほどのイノシシが。実はこのイノシシ、発見された当初から左足をケガしていて、動きが鈍かったといいます。そこで、花火を使って驚かせようとしますが。「いいところ行ったぞ!動かんがなでも」。続いて石を投げてみると。「向こう行った」。イノシシが動き出したのです。すると、興奮したイノシシが、猟友会の男性の足をかむなどし、抵抗。一度は姿を見せたイノシシですが、再び水路へと逃げ込んでしまいました。そして、午後4時すぎ、川から出てきたイノシシは、猟友会により殺処分されたということです。

(老健施設職員がクマに襲われけが、北陸道では車と衝突:石川)
金沢市内で8日、クマの出没が相次いだ。8日午前8時40分ごろ、同市田上本町の介護老人保健施設「ピカソ」の敷地内の玄関先で、40代女性職員がクマに襲われて頭や体にけがをした。意識はあり、命に別条はない。市や消防によると、施設職員の女性が119番した。現場は山あいにあり、クマの足跡が近くで見つかった

(県内クマ人身被害ゼロ、カキ・クリ伐採効果か:富山)
石川や福井、新潟で9月以降、クマによる人身被害が相次ぐ中、富山県内の被害がゼロに抑えられている。

(クマ・防災情報、LINEで配信:新潟)
新潟県加茂市は今月、無料通信アプリLINE(ライン)やメールを使って、クマ出没情報や防災気象情報などの配信を始めた。利用登録を呼び掛けている。多発しているクマの目撃・痕跡情報、災害時の避難や気象警報に関する情報のほか、不審者情報、お知らせなどを配信する。必須の防災情報以外は、受信するカテゴリーを選択できる。市は防災行政無線を整備していないため、迅速な情報伝達が課題だった。藤田明美市長は「早く正確な情報を届けていく。多くの人に利用してほしい」と話している。ラインの登録は@niigata_kamoでID検索する。メールは件名や本文を記入せずに、アドレスt-kamo@sg-p.jpにメールを送信し、届いたメールから登録する。いずれも、市のホームページにあるQRコードを読み取って登録することもできる。会員制交流サイト(SNS)のツイッターとフェイスブックでも、市のアカウントをフォローすれば情報を閲覧できる。

(イノシシ捕獲、最多の勢い:千葉)
南房総市で本年度のイノシシの捕獲数が過去最多の七千頭を超えそうな勢いとなっている。昨年秋から台風などで山が荒れ、えさを求めて人里でわなにかかるケースが多発。車との衝突事故も起きており、市関係者からは懸念の声が聞こえる。市によると、十月末現在の捕獲数は四千二百六十六頭。昨年度、県内トップの捕獲数となった三千五百三十七頭を既に上回っている。昨年度と比べ倍増近いペースで推移しており、過去最多だった二〇一六年度の五千百四十六頭を更新するのは確実な情勢だ。市が要因として挙げるのは、昨年の台風で山林が被災し、イノシシの駆除が進まなかったこと。もう一つは害虫によってナラなどの広葉樹が枯れる「ナラ枯れ」が県内各地で発生し、ドングリが不作となっていることだ。山から下りてきて畑の作物を荒らしたり、小学校の通学路にも出没するなど、人間との摩擦が生じる結果となっている。市によると、十月三十日午前、東海岸沿いの千倉、白浜地区の各道路で、車にはねられたとみられるイノシシの死骸が見つかった。体長一メートルほどで、性別は不明。イノシシの捕獲数が比較的少ないとされてきた地区の事故で、生息域が市内全域にまたがっていることを印象づけた。隣接する館山、鴨川市も捕獲頭数はすでに千頭を超え、民家に出没するケースが後を絶たない。各自治体は農作物被害を減らすため、農家や猟友会を交えた有害鳥獣対策協議会を設置。防護柵への補助や有害獣捕獲に対する報奨金制度を設けているが、イノシシの増加傾向は収まっていない。南房総市の担当者は「警戒心の薄い若いイノシシが増え、住宅地で目撃される例が増えている」とした上で「人間の食べ物の味を覚えると追い払うことが難しくなる。周りにエサとなるような物は置かないでほしい」と呼び掛けている。

(車とクマ衝突、運転手けがなし:秋田)
9日午後9時40分ごろ、秋田県大館市比内町白沢水沢字水沢の国道285号で、北秋田市の30代男性が運転する乗用車が体長約1・4メートルのクマと衝突した。男性にけがはなく、クマは現場から去った。大館署によると、男性が北秋田市方向に走行中、左から飛び出してきたクマとぶつかった。車の前部バンパーがへこんだ。

(高校生がコロナ禍でジビエ業界に新風:高知)
レストランのメニューでも見かけることが増えている野生動物の肉「ジビエ」を使った料理は、年々、人気が高まっています。しかし、新型コロナウイルスの影響でジビエを取り扱っていた飲食店も経営難に陥り、消費が激減。加工業者が苦境にあえぐ中、高校生たちが柔軟な発想で新たなビジネス展開に乗り出しました。「ジビエ」と聞くと、少し苦手なイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。実は、私もその1人でした。しかし、野山を駆けまわり栄養を蓄えた野生動物の肉は、魚でいうと養殖ではなく天然もの。捕獲後速やかに血抜きをし、解体された新鮮なジビエは臭みもなく実際に食べてみると「実にうまい!」のです。高知市の居酒屋では、イノシシのハンバーグやシカのカルパッチョ(中心までしっかりと加熱)など、ジビエ料理を提供しています。肉のうまみをしっかりと感じながらもさっぱりとした味わいを楽しめるだけではありません。例えばシカ肉は、牛肉に比べてカロリーは3分の1、鉄分は4倍以上含まれているほか、タンパク質やビタミンも豊富とあって、若者だけでなく、健康意識の高い人にもうれしい食材として注目されています。ジビエの活用が広がっている背景には、深刻化する農業被害があります。農林水産省によりますと、野生鳥獣による農作物の被害額は、全国で158億円(平成30年度)にのぼります。この“やっかいもの”を駆除するため、国は、侵入を防ぐ柵の設置や加工処理施設の設置、ハンターの確保・育成を支援するなどして、農作物の被害軽減に取り組んできました。この結果、おととしまでの10年間で、全国でのイノシシやシカの捕獲頭数はそれぞれ30万頭からほぼ2倍に増え、ジビエに利用された量も5年前の1,283トンが去年は2,008トンと4年間で1.5倍以上に増えています。年間で1億円以上(平成30年度高知県)の被害が出ている高知県は、独自にジビエ加工の衛生管理についてのガイドラインを作ったほか、この3年間で専門の食肉処理施設を県内2か所に新設するなど全国に先駆けてジビエの利用を拡大させてきました。このうち、梼原町(ゆすはらちょう)の処理施設「ゆすはらジビエの里」では、猟師のもとに出向いて、駆除したシカやイノシシをその場で回収・解体処理できる「ジビエカー」を全国で初めて配備しました。これにより、町で駆除される野生鳥獣の約4割に当たる400頭余を加工して全国に卸すことができるようになりました。販路も少しずつ増え事業が軌道に乗り始めていたやさき、需要が一気に落ち込む事態に遭遇しました。新型コロナウイルスの感染拡大です。施設では、缶詰の商品を開発したり、ペットフードの材料としてのジビエを販売したりすることでなんとか売り上げを確保する努力を続けているものの、影響は長引くとみています。こうした中、需要回復に向けて注目を集めている高校生たちがいます。それが、高知商業高校「ジビエ部」。ジビエの普及に取り組む全国でも珍しい部活です。野生鳥獣と農作物被害について授業で学んでいく中で有効活用の大切さに気付いた生徒たちが、去年5月に立ち上げました。これまでにシカ肉を使ったホットドッグやカレーパンなど手軽に食べられるジビエ商品を数多く開発し、月に2、3回のペースで地域のイベントでの試食会やSNSによるPR活動を行うなどジビエを身近に感じてもらう取り組みを続けています。生徒たちが半年かけて開発したのが、酢豚ならぬ「酢鹿」です。飲食店でシカの唐揚げを見た部員が、酢豚でも豚肉の代わりに使えるのでは、と考えたのがきっかけだそうです。いちばんの課題は、シカ肉は中までしっかりと火を通す必要があり、一緒に調理すると、野菜の食感が失われてしまうことでした。そこで別々に調理したうえで混ぜ合わせると、肉のうまみと野菜のシャキシャキ感を両立させることができました。地元特産のショウガをたっぷりと使うことで独特の臭みも消えたといいます。ことし9月には、高知市の商業施設の一角に部員たちが週末限定のレストランを出店しました。酢鹿をごはんの上に乗せた「酢鹿丼」も一皿700円で提供。注文があるか心配していたといいますが、2日間で50食ほど売れました。実際に食べた客も「獣くさいイメージがあったけど癖もなくておいしい」「スーパーとかにあったら買ってもいい!」と、評判も上々でした。こうした実績を踏まえて来年4月からは、高知県内の道の駅などでレトルト食品として販売する計画です。今後も改良を重ね、将来はなんと宇宙食!にまで成長させるという目標も掲げています。最近では、商品開発に活用してもらおうと、在庫となったジビエを提供したり、新たな商品開発を依頼することを検討したりする加工業者も出てきているということです。新型コロナの感染が再び広がる兆しをみせる中で、飲食業界に暗雲が立ちこめている状況もすぐには改善されそうにありません。それだけに高校生たちの取り組みが新風を吹き込んでくれるのか、注目していきたいと思います。

(「鳥獣対策・ジビエ利活用展」:東京)
マスプロ電工は、11-13日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「鳥獣対策・ジビエ利活用展2020」に出展する。マスプロ電工ブースでは、低コストで運用できるLPWA(Sigfox)通信を利用した有害獣捕獲情報通知システム「ワナの番人」、ビニールハウスの温度・湿度の情報を遠隔地から確認できる「Sigfox通信用温湿度センサー端末・データ閲覧サービス」を展示実演する。同社のワナの番人は、近年住宅地に出没して人に危害を加えることや農作物被害など、社会問題になっている有害獣を捕獲するためのわなが作動した情報を、LPWA通信を利用して通知するシステム。

(捕獲クマに爆竹や唐辛子スプレー:神奈川)
神奈川県伊勢原市子易地区で県内で今年度初めてツキノワグマが捕獲され、6日に駆除された。実は、県内のツキノワグマは絶滅危惧種。県は、クマを捕獲した場合、人の怖さを教え込んで放つ「学習放獣」を実施しており、このクマも昨年“学習済み”だったが、名産の柿の誘惑に勝てなかったようだ。環境省によると、北海道、九州を除く国内では今年度上半期、クマの出没件数は過去5年で最多の1万3670件で、9月末までで86人が被害に遭った。ただ逆に県内では、目撃やフンなどの痕跡情報などを含めても、昨年度の371件(速報値)から今年度は10月末段階で58件(同)と激減している。全国的に凶作となっている餌のドングリが県内では主な生息地の丹沢山地で豊作なのが、人里に現れない主な原因のようだ。東丹沢の表玄関の伊勢原市は、昨年度の出没件数が193件(同)と県内の半数を占めたが今年度は26件(同)と大きく減っており、それを裏付ける。もう一つの理由は、県が推進する学習放獣の効果とみられる。県自然環境保全課の推測で2006年時点で県内のツキノワグマは40頭程度となり、県レッドデータブックで絶滅危惧種に分類された。同年以降、捕獲しても、爆竹や花火、唐辛子スプレーを用いて音と臭いで脅かしたうえで山に放っている。昨年度までに28件放獣し、3件が再捕獲されたが、再捕獲後に駆除した例はなかった。それでも今回駆除に踏み切ったのは、最も甘い甘柿とされる名産の「子易柿」(禅寺丸柿)に執着していたことが大きい。このクマは昨年10月に子易地区の柿畑周辺で捕獲されて学習放獣され、今年も近くの柿畑で9月頃からセンサーカメラでたびたび確認され、人身被害が危惧された。捕獲してみると体長137センチで体重109キロと丸々と太ったオスの成獣で、駆除後、学術研究のため県立生命の星・地球博物館に送られた。市農業振興課は「学習放獣の成果は出ているが、全国的には人の被害も出ている。今回のクマは危険を教えても人里に再三出てきており、やむを得ず処分した」としている。

(クマに襲われ被害、4月以降全国で138人で過去最悪のペース)
全国でツキノワグマに襲われてけがをするなど人への被害が相次ぐ中、ことし4月以降被害にあった人の数は、国が統計を取り始めて以降最も多くなった昨年度の154人に迫る、138人に上ることがわかりました。これは去年の同じ時期を上回る過去最悪のペースで、今月に入っても被害が相次いでいることから、専門家などが注意と対策の徹底を呼びかけています。NHKがツキノワグマの出没が確認されている全国33都府県に取材したところ、ことし4月以降クマに襲われてけがをするなどの被害にあった人は21府県の138人に上り、このうち2人が死亡しました。昨年度は154人と環境省が統計を取り始めて以降最も多くなりましたが、今年度は先月末の時点で去年の同じ時期をすでに9人上回っていて、過去最悪のペースで被害が相次いでいることになります。県別では岩手が28人と最も多く、新潟が16人(1人死亡)、石川が14人、福井が12人、長野が10人、秋田が9人(1人死亡)、福島も9人などとなっています。被害は8月は28人、9月は25人でしたが、先月は44人と急増していて今月に入っても7府県で10人と被害が相次いでいます。クマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹教授は「ことしは去年より深刻な山のえさ不足に陥っている可能性があると考えられる。クマの異常な出没は今月下旬までは続くとみられ、クマが冬眠する来月までは住宅近くの柿の実の除去や、やぶの草刈りなど対策の徹底を続ける必要がある」としています。ことしは各地で市街地中心部などへの出没が相次いでいます。先月19日には石川県加賀市のショッピングセンターにクマが侵入したほか、福井市でも先月、商業地区にクマが現れ、発見の6時間後に捕獲されました。山から離れた場所になぜクマが現れるのか。大井教授は「多くの場合、クマが身を隠しやすく、クマのえさも実っている河川や用水路を通って来ていると考えられる」と指摘しています。こうした中、中心部への出没を防ぐため、川に着目した対策も始まっています。福井県大野市では、山から市内へ流れる2つの川で目撃情報が入ると、市の職員と猟友会のメンバーが現場に直行し、おりを仕掛けてクマを捕らえます。去年、市内で捕獲したクマ50頭のうち半数以上が河川敷で捕獲したもので、その先の中心部へクマが進むのを食い止めた形です。大野市の担当者は「クマは川や用水路を通って、いきなり町なかにぽこっと出てくる場合もあるので、やはり人身被害を起こさないためには川から市街地に入らないよう取り組んでいます」と話しています。市街地にやって来るクマを、最新技術を使っていち早く見つけ、人的被害の抑止につなげようという取り組みも始まっています。石川県でクマへの対策に活用されているのが、小型無人機のドローンです。加賀市の観光地、山代温泉では今シーズン、人がクマに襲われてけが人が相次いだほか、ショッピングセンターにクマが侵入して店が営業できなくなるなど被害が続いています。こうした中、今月8日、ドローンを活用した上空からのパトロールが始まりました。毎朝の通勤通学の時間帯、山あいと市街地の間のエリアの上空80メートルの高さからリアルタイムで映像を確認できます。ドローンには通常のカメラに加えて赤外線カメラも搭載され、温度変化を感知して木の陰などに潜むクマも発見できるということです。加賀市経済環境部の山田圭一部長は「上空からふかんすることで広範囲を短時間でパトロールできます。地上での警戒も強化して住民の安全を守りたい」と話しています。石川県内では金沢市でもドローンを使ったパトロールが行われているほか、小松市ではクマの出没が続く地区に、動物の動きを熱で感知し自治体の担当者に自動で通報するカメラが設置されるなど、クマ対策の現場で最新テクノロジーの活用が進んでいます。一方、出没を根本的に防ぐためには、クマの生息域と人間の生活圏を分ける「ゾーニング」と呼ばれる対策をとることが重要ですが、地域住民の協力や負担が必要なことから、取り組みは地域によって差があるのが実情です。福井県鯖江市の河和田町では、ことし、クマの出没が増えたことから先月31日、急きょ山際の600メートル余りに出没を防ぐための電気柵の設置を行いました。設置作業には地区の住民16人が参加し、平日は仕事を抱える人も多いことから週末に行われましたが、山の斜面に3時間半かかって柵を張る体力的に厳しい作業に、参加者からは「なかなか大変です」「足がちょっとつらいです」といった声があがっていました。しかしこれで終わりではなく、設置後は柵が倒れたり草が伸びたりしていないか、住民が協力して定期的に点検していく必要があります。住民の家を1軒ずつ回って電気柵の設置を呼びかけた地元の区長の能村和弘さんは、「皆さんが安全安心でいるために、点検作業についてもどういうふうに分担していくかが今後の課題です」と話していました。ツキノワグマの出没が確認されている33都府県への取材でも、高齢化と人口減少が進む中で、地域住民がクマの出没を防ぐ対策を進める難しさが浮き彫りになっています。出没を防ぐための対策に「取り組んでいる」と回答した31都府県のうち、クマを引き寄せる柿の木の伐採や、やぶの草刈りに補助金を出すなど、具体的な支援策を進めているのは19の都県でした。この19都県に対策の実施状況について聞いたところ、68%にあたる13の都県が「地域によって差がある」や「進んでいない地域が多い」と回答しました。理由としては、6つの県が「住民の意識に差がある」、5つの県が「少子高齢化などで地域の協力を得ることが難しい」と回答しました。大井教授は「クマが出没する地域の間で対策の差があると、対策をしていない地域のほうにクマが集中し、被害が大きくなることも考えられる。今回の結果を見ると、その認識が広がっていないようなので、対策を進めるために行政が経済的、技術的な支援や実態についての周知に取り組むべきだ」と話していました。

(少ない脂肪、イノシシの味深まる秋:長崎)
長崎県平戸市で、地元で捕獲されたイノシシの肉を使った料理が味わえる「HIRADOジビエフェア」が開催されている。参加する6店は毎週日曜を「平戸いのししの日」と銘打ち、割引価格(1日10人限定)で提供。関係者は、新鮮な海産物や平戸牛に続く新名物にしようと意気込んでいる。農作物を食い荒らすイノシシを駆除し、平戸独自の食文化をつくろうと、平戸市鳥獣被害防止対策協議会と東京の農業コンサルタント「IMFホールディングス」の平戸ファクトリーが企画。市内の猟友会などが協力する。平戸ファクトリーはイノシシ肉を東京のレストランに販売し、ハンバーグやベーコンなどの加工品を商品化している。事業推進マネジャーの山口龍一郎さん(62)によると、平戸のイノシシは海と山の環境に恵まれ、悪玉コレステロールを減らす効果があるといわれるオレイン酸を多く含むドングリや、海藻を食べて育つので脂肪分が少ない。味はスペインのブランド豚、イベリコ豚に近いという。「洋風小料理紺や亭」(木引田町)が提供するのは、特製ミートソースのパスタ。オーナーの谷川克城さん(57)は「肉をミートボール風に大ぶりにひき、イタリア産トマトや赤ワインでガツンとくる味になった」と胸を張る。「カフェ&レストラン ラ・バレンヌ」(岩の上町)はハンバーグ。オーナーの松本和之さん(66)は「コラーゲンたっぷり。牛肉製よりもうまいと言う人もいる」と手応えを感じている様子。隣の松浦市から訪れた北川奈美紀さん(21)は「少しためらったけど、まろやかでおいしかった。他のメニューも食べてみたい」と味に満足していた。このほか「囲炉裏(いろり)料理エビス亭」(戸石川町)はジビエコース、「ステーキハウスチャックワゴン・エビス亭」(同)はジビエ焼きソーセージ、「中瀬草原キャンプ場 グリーンテラス」(田平町)は草原ジビエボアバーガー、「Vive la vie!」(生月町)はローズマリーの風味を加えたミートソースパスタを出す。山口さんは「秋が深まるにつれ、イノシシの味はよくなる。ぜひ、おいしさに気づいてほしい」と猪突(ちょとつ)猛進の勢いでアピールする。ジビエフェアは来年3月まで。

(「死んだ野鳥触らないで」:香川)
香川県の三豊市と東かがわ市の養鶏場で相次いで高病原性の鳥インフルエンザの発生が確認されたのを受け、徳島県は市町村などと連携し、死んだ野鳥への監視を強化している。県鳥獣対策・ふるさと創造課によると、野鳥は病気や栄養失調、事故などで死ぬことがあり、「(死んだ鳥を見つけても)直ちに鳥インフルエンザを疑う必要はない」としているが、念のため「野鳥を素手で触らないでほしい」と注意喚起をしている。マガモなどのカモ類やハヤブサなどの猛禽(もうきん)類、ハトやカラスが複数死んでいるのを見つけた場合は、市町村などへ連絡するよう呼びかけている。死んだ野鳥が検査対象の場合、市町村や県が死体を回収し、感染の有無を調べる簡易検査を実施するという。

(イノシシ足に噛みつく:鳥取)
鳥取市の鳥取県庁から約1km離れた閑静な住宅に10日、イノシシが現われ一時騒然とした。朝8時半ごろ、近くに住む住民からイノシシを目撃したと110番通報が寄せられた。現場は警察官の他、鳥取市から委託を受けた鳥獣被害対策実施隊が集まり、ものものしい雰囲気となった。イノシシは道路の下を通る川に潜み、なかなか出てくる気配がない。長い鉄棒でイノシシをつついて刺激したり、花火を使ったりしてイノシシを驚かせおびき出す作戦がとられた。するとイノシシが突然姿を現し、実施隊の足にかみつき、必死の抵抗を見せた。体長50センチほどで去年生まれた成獣前のものと見られる。そしてまた、トンネルの中へ逃げてしまった。この後イノシシは午後4時頃に川から脱出し、駆け付けた実施隊によって捕獲されたという。

(クマに襲われ骨折の疑い:兵庫)
11日午前7時55分ごろ、兵庫県佐用町下石井で、近くに住む女性(69)がクマにかまれたと、家族から佐用署に通報があった。署によると、女性は顔や腕をかまれ、腕は骨折の疑いがある。意識はあり、命に別条はないという。家族の署への説明によると、女性は散歩中で、自宅から300メートルほど離れた路上でクマに遭遇した。携帯電話で家族に助けを求めてきたという。現場は智頭急行石井駅の北約300メートルで、近くに山林が広がる地域。署は付近を警察車両で警戒しているほか、町も防災行政無線で注意を呼び掛けている。署によると、今年6月に近くでクマの目撃情報があったほか、今月4日と6日にも町内の別の場所で目撃情報があったという。

(野生のイノシシ6頭が豚熱に感染:和歌山)
今月1日から8日にかけて紀の川市と紀美野町で捕獲された野生のイノシシ6頭が豚熱に感染していたことが判りました。6頭はいずれも成獣のイノシシで、県の検査で6頭すべてが豚熱に感染していたことが判りました。県内での野生イノシシの感染は、これまでにも紀の川市と紀美野町で確認され、今月10日にはかつらぎ町でも死んでいたイノシシが感染していたことが確認されていて、これで11例となりました。県では、今回イノシシが見つかった地点から半径10キロ以内で野生イノシシの調査を行うほか、同じ範囲にある養豚場などへの立ち入り検査を行うとしています。

(クマがカメラ前で柿食べる:石川)
雑木林にある、1本の柿の木。その枝に現れたクマが、柿を頬張っていた。発見されたのは、石川・金沢市湯湧地区。11日午前6時半ごろ、FNNのカメラがとらえた。枝を伝いながら、器用に移動していく。木の上で、1時間以上にわたり、柿を食べていたクマ。その後、茂みに姿を消していった。この地区の住民によると、周辺では、4日連続でクマが現れているという。住民「(クマ出没は)ことし初めて。きのう1階降りた際に、もうどこか行ったかなと思ったが、けさ見たら、また(木に)上がっていた」、「3日くらい前、日曜日にはいたのでは。狩猟解禁までダメとか、周りに住宅あるからだとかという理由。くわしいことは、よくわからない」クマが現れた現場は、近くに住宅や旅館がある。警察の許可がないかぎり、駆除に銃を使うことができない。そこで金沢市では、おりを設置することにした。周辺の小中学校では、車で児童や生徒の送り迎えをするよう呼びかけたという。一方、クマによる被害も出ている。木の幹にくっきりとついた傷。クマの爪痕とみられる。兵庫・佐用町で、11日午前8時前、散歩していた69歳の女性が、クマに襲われた。女性は、自力で自宅に逃げ帰ったということだが、右腕をかまれ骨折。顔にもけがをして、重傷。近くの住民は、最近、クマが現れることが多いと話す。男性「山を一晩、10km、20km動くから、こっちの山からあっちの山に移動したりする」現場には、親子とみられる2頭のクマがいた。このうち、大きいクマが女性を襲ったという。この現場近くにも、柿の木があった。2020年は、柿がよく実っているという。住民「特に、この時期になると冬眠前なので、ことしは柿の被害が結構あるみたい。柿が一番(被害が)多いです。果物が好きなのか」現場では、クマの目撃情報などが相次いでいることから、警察は、付近の住民に警戒を呼びかけている。

(野生イノシシの豚熱感染を確認:群馬)
群馬県は11日、中之条町で死亡した状態で見つかった野生イノシシ1頭について、同日の遺伝子検査で豚熱(CSF)感染を確認したと発表した。県内の感染事例は計65頭となった。

(親子と思われるクマ2頭目撃:岩手)
11日午後1時25分ごろ花巻市南笹間で、親子と思われるクマ2頭の目撃情報がありました。

(クマ大量出没、古里の守りに犬の活用を)
本州の各地でツキノワグマの出没が目立っている。クマが山中で主食にするコナラやミズナラ、ブナなどの堅果類(ドングリ)の実りが今年は全国的に悪いのが直接的な原因だ。腹をすかせたクマたちが食物を求めて人里へ下りてきて、人との遭遇で事故を起こす。環境省によると今年4月から9月までの出没は1万3670件にも上り、過去5年間の同時期で最も多い「大量出没年」である。ツキノワグマの分布域は濃淡差があるものの本州全域と四国に広がっている。ドングリの凶作地域では早朝の遊歩道の通行などに特に気を付けることが必要だ。クマは意外なほど身近な所で気付かれないまま、人間と時間差行動をしていることが多いので、鉢合わせのリスクを避けたい。今年10月には新潟と秋田県で各1人の死者が出ている。クマの出没が増え始めたのは、年間捕獲数の平均が約2300頭となった1970年代からだ。それ以前の50年代、60年代の年平均は千頭、1300頭だった。昨年度の捕獲数は5千頭台に乗り、今年度は9月までの上半期で4千頭台に迫るまでになっている。こうしたクマの個体数増加の背景には人間社会の変容がある。まずは薪炭から石油・ガスへのエネルギーの転換だ。70年代にはコナラなどの用途がなくなり、里山の樹林の放置が始まった。その結果、クマの生息域とドングリの供給力が拡大したが、クマが増えた状態で、凶作によるドングリ不足が起きると山はクマの収容力を失ってしまうのだ。山麓部に位置する中山間地の人口減少と耕作放棄地の増加も影響している。廃村で残された柿や栗などの果樹の味を覚えたクマは人里への距離を縮める。ハンターの高齢化と減少もクマの増加に一役買う結果となっている。クマの出没増加には複数の要因が関係しているので解決は容易でない。木質燃料で二酸化炭素の排出実質ゼロと、林業の復興を目指すバイオマス発電も良策だが、普及には年月がかかる。即効性が期待できるのは、犬の力の活用だろう。長野県の軽井沢町では町から委託を受けたNPO法人がクマを追い払う訓練を受けたベアドッグを使って人とクマとの共存関係を構築中だ。各地での応用と展開が望まれる。

(猟友会や自治体に抗議電話する人々の正体)
ジャーナリストの大谷昭宏氏が、日刊スポーツ(11月3日付)に「『クマ射殺報じるな』に思うこと」というタイトルの記事を寄稿した。クマを射殺したとメディアで報じると、自治体や猟友会に非難が殺到するため、報じないでほしいと自治体から要請されたというのだ。大谷氏の記事の一部を紹介すると、《環境省が先週、4月~9月の全国のクマ出没情報が1万3670件で、過去最多となったと発表した。秋田、新潟では襲われて2人が亡くなり、石川県加賀市では人の出入りの多い大型商業施設にまでクマが入り込んだ。》《その地域の方々の恐怖はどれほどだったか。そんな被害を未然に防ぐ意味もあってニュースにするのだが、最近、やりきれないことが起きている。自治体から「クマを射殺した」という結末までは報じてくれるな、という要請がくるのだ。町や村、それに猟友会にまで「かわいそう。なんで殺した」という電話やネット上の非難が相次ぎ、猟友会の中には「出動したくない」という人も出てきたという。》《私も動物は大好きだ。だがそれとこれとは違う。》「2、3年前から、クマを駆除すると抗議が来るようになりました」。と語るのは、秋田県の猟友会員。「『なんで殺すんや。可哀想やないか。』とか、なぜか関西弁での抗議が多かったですね。県内に住む人からの抗議は一切ありません。ツキノワグマは、東南アジアにしか生息しないので、保護対象動物となっています。ですから、殺すなという意見は分からんでもないですが、人間に危害を加えるクマは、やはり駆除するしかありません」。最近は新型コロナの影響で、山や川で密にならないキャンプをする人が増えているという。「キャンプ場に生ゴミなどを残していく人が増えていますが、それをクマが食べてしまいます。クマは、甘い食べ物には目がなくて、一度味をしめると、また甘いものを求めて人里に現れます。ある意味、人がクマをおびき寄せてしまっているわけですね」。森林ジャーナリストの田中淳夫氏もこういう。「北海道や秋田県などで、クマを駆除すると抗議が来るそうですが、ほとんどはクマが出没しない首都圏や大阪などの大都市に住む人からですね。実際、新潟県で10月、73歳の女性がクマに襲われて亡くなっています。秋田県でも10月、83歳の女性がクマに襲われ亡くなっています。おそらく都会の人にとっては身近なことではないでしょう。クマもペットと同じ感覚でみているのではないでしょうか。現実の被害を知らないと言わざるを得ませんね」。「クマを殺すな」という抗議の中には、駆除ではなく麻酔銃を使えという意見もあるという。「クマを射殺せず、麻酔銃で眠らせて森へ返せというのは、無理な注文なんです。麻酔銃の射程は数十メートルしかなく、至近距離から撃たないと当たりません。また、当たっても、眠るまでに20分、30分かかりますから、その間にクマが襲い掛かってきます」(同)。先の猟友会員によれば、「麻酔銃は、もともと日本猿用に開発されたものですから、ツキノワグマには効き目が弱い。猟銃を持ったハンターがいないと危険ですね」。罠で捕まえる方法はどうか。「罠で捕まえて、山へ帰すというわけですが、一度人里に来たクマは、山に返してもまた戻ってきます。山にあるドングリよりも、人里にある野菜や果物の方が美味しいからです。クマには2種類あって、人間に慣れてしまって人里に現れるクマと、人を見ると怯えて逃げるクマがいます。人里に現れるクマは、駆除するしかないのが実状です」(田中氏)。年々増え続けるクマは、あと10年もすれば、大都会にも現れるようになるという。「東京や関西の大都会でもクマが出没するようになれば、抗議していた人たちもクマの危険性を認識するのではないでしょうか」(同)。

(ムクドリ大量集結、“反射材”対策の効果は:鹿児島)
夕方の鹿児島市の駅前に、ムクドリが大量集結しています。そこで市は、ある対策を行いました。果たして効果はあったのでしょうか。夕方、鹿児島市の駅前。大きな黒い影がこの時期よく見られるといいます。それは、午後5時半過ぎ、群れをなして飛んでいるムクドリです。夕暮れ時の空を飛んでいたのは、ムクドリの大群。道行く人も立ち止まって見ています。15分ほど飛び回ると、ムクドリは1本のクスノキの元へ。「ウンコやらで困るよね。すごいよ鳴き声も」。木の下を見ると、大量のフンが落ちていました。毎年同じ時期に現れるというムクドリ。なぜ、この時期に現れるのでしょうか。平川動物公園 福守朗園長「1つは繁殖の時期も終わっているので、群れで行動するようになる時期だから。集団で行動するそういう習性がある」。ほかにも…。福守朗園長「そこが安全だからということ、人がたくさんいるということで、外敵カラスやふくろうが寄ってきにくいという」。1本のクスノキに集まり、一夜を過ごすムクドリ。そこで鹿児島市では、先月ある対策をしました。それは、鳥が近寄らないようにするための反射材のようなもの。しかし、ムクドリは気にする様子もなく集まってきていました。果たして、効果はあったのでしょうか。

(「ジビエ肉」専門加工施設で国内最大規模の「九州狩猟肉加工センター」:大分)
日本では野生鳥獣による農作物の被害が年間約200億円を超えるほどの影響が出ているのですが、狩猟したシカやイノシシは1人で食べきれる分量ではなく、処理に困ってしまうという問題があります。そんな問題を改善するべく、ハンターが捕獲した野生獣の肉を加工して飲食店に販売する「九州狩猟肉加工センター」が、2016年4月17日から大分・湯布院に設立されています。国内最大規模の「狩猟肉専門の加工製造ライン」を持つ施設となっており、なじみのないジビエ肉を食べやすいミートボールやソーセージなどに加工することで、ジビエ肉の安定供給と流通拡大を目指しているということで、一体どんな施設になっているのか。九州狩猟肉加工センターでは、主に大分県の食肉処理場から仕入れた野生獣の肉が加工されており、地産地消を促進しながら、食べやすくしたジビエ肉によって、全国的なジビエの流通拡大を目指しています。厳選された食肉処理場とのみ取引を行っているため、天然の野生獣でも安全かつ均質化された肉質のジビエ肉の提供に取り組んでいるとのこと。地域ごとに狩猟メンバーのリーダーたちと相談して、仕留め方・内臓の取り出し方・血抜きの仕方などの手順化にも取り組んでおり、ジビエ需要の拡大に全力投球しているわけです。

(「日本熊森協会」県支部を設立:徳島)
クマなどの野生動物が生息する奥山の再生に各地で取り組んでいる自然保護団体、日本熊森(くまもり)協会の県支部が設立され、14日午後6時半から徳島市元町1のシビックセンターさくらホールで記念のシンポジウムが開かれる。参加無料で、協会は広く参加を呼びかけている。

(わなにかかったクマに襲われ70代男性けが:広島)
12日朝、広島県安芸高田市の山中で70代の男性がわなにかかっていたクマに襲われけがをしました。クマは山へ逃げ去り、警察や市がパトロールして警戒に当たっています。12日午前7時半ごろ、広島県安芸高田市美土里町の山中で、近くに住む70代の男性が、イノシシを捕獲するためのわなにかかっていたクマに近づいたところ襲われました。安芸高田市などによりますと、男性はクマにひっかかれて頭や胸などにけがをしましたが、命に別状はないということです。男性は病院に搬送され手当てを受けていて、2週間ほど入院するということです。クマはその後、山へ逃げ去ったということです。警察や市は付近をパトロールして警戒に当たっていて、クマを見つけた場合、絶対に近づかず、すぐに警察などに通報するよう呼びかけています。

(住宅街にイノシシ、通行人被害:広島)
12日朝、広島市の住宅街で、野生のイノシシが出没し、通行人の男女3人が足をかまれるなど、軽いけがをした。 イノシシは、国道やJRの線路などを越えて北方面へ移動し、歩いていた40代から50代の男女3人が足をかまれるなどして、軽いけがをした。

(イノシシが住宅街に、計4人ケガ:広島)
朝の通勤・通学が始まろうとする時間、警察に通報が…「体長1メートルくらいのイノシシが徘徊している」というのです。移動中のイノシシに40代から50代の男女3人がかまれたほか体当たりなどされましたが幸い、いずれも軽傷でした。警察や猟友会などが捜索したところ近くの空き地でイノシシを発見。逃げたイノシシはおよそ2時間半後に駆除されました。一方、イノシシが出没したほぼ同時刻に広島県安芸高田市ではクマが出没。70代男性がイノシシを捕まえる檻にクマがいるのを見つけ、確認しようとしたところ襲われ顔や胸などをひっかかれるケガをしたということです。安芸高田市地域営農課 佐々木覚朗係長「この辺はクマが多い?」「そうですね今年は特に多いですね」。市によるとクマの目撃情報は去年と比べて倍近くの80件となっており、新たな檻を設置するなど注意を呼びかけています。

(海泳ぐイノシシ捕獲:岡山)
海を泳ぐイノシシを捕獲―。12日午前8時50分ごろ、玉野市玉の沖で「イノシシを捕まえている」と118番があった。連絡を受けた岡山地区猟友会玉野分会が駆け付け、近くの港で雌1頭を駆除した。捕獲した男性によると、泳いでいたのは3頭で、船上から投げ縄で1頭を捕まえた。他の2頭は逃げたという。男性が縄で捕らえたまま船で玉港まで引っ張り、玉野分会に引き渡した。捕獲現場は、海沿いにある三井E&Sホールディングス玉野事業所の近くで、岸壁からそう遠くない場所という。玉野分会によると、海を泳ぐイノシシを駆除するのは、岸壁を登り切れず泳ぎ疲れて弱ったケースなどで、玉野市内で年に1回あるかないかという。

(クマ、5年ぶり禁猟に:兵庫)
15日に解禁される今季の野生鳥獣の狩猟のうち、クマ猟を兵庫県が禁止する方針を決めたことが分かった。県内のツキノワグマの最新推定生息数(2019年初時点)が722頭と、県の狩猟解禁基準(800頭以上)を下回ったためで、クマ禁猟は5年ぶり。だが11日には同県佐用町で女性が襲われる事案も起き、県は「冬眠前の12月中旬までは特に(出没に)注意してほしい」とも呼び掛ける。県内のクマ推定数は、1990年代に100頭以下と絶滅も危惧されたが、96年から禁猟して徐々に回復。これに伴い、目撃やふんの発見などの出没情報と人身被害も増えた。県は16年、当時の推定生息頭数が安定的な繁殖に必要な800頭を超えたとして、20年ぶりにクマ猟を解禁した。17年には被害防止と保護を両立するため、クマと人の区域を明確化する管理計画を策定。絶滅の恐れが出る400頭以上の維持を念頭に、推定800頭以上で狩猟を解禁することにした。さらに、人身被害を引き起こしたり、集落周辺に出没したりしたクマを殺処分する有害捕獲も強化。年間の駆除数に上限を設けて、わなの設置基準を緩めたところ、19年の駆除数は116頭に上った。推定生息数の減少を受け、20年度の駆除上限数は57頭(19年度は124頭)に抑制。10月までに40頭が駆除された。県森林動物研究センター(丹波市)によると、20年度はクマが食べる山のドングリ類は凶作。それでも4~10月の出没情報は391件(前年同期比37%減)と09年度以降で3番目に少なかった。人身被害は4月に香美町の男性(87)が軽傷を負ったのが最後で、対策の効果とみられてきた。しかし11日午前、佐用町で散歩中の女性(69)がクマに腕や顔をかまれ、骨折するなどの重傷を負った。同センターの男性(52)は「冬眠前のクマは夕方から朝に餌を求めて回る。朝晩は山に近づかず、屋外にごみを放置しない、鈴やラジオを携行するなどの基本を守ってほしい」とする。

(マが女性襲う、背景にドングリ凶作:兵庫)
兵庫県佐用町下石井で11日朝、散歩中の女性(69)がクマに襲われて大けがを負った。佐用署によると、町内でのクマの目撃情報は今年に入ってから既に15件寄せられ、昨年1年間の6件から急増。県森林動物研究センター(丹波市)は、クマの好物であるドングリの不足が人里への出没に影響しているといい、注意を促している。同センターによると、今年4~10月に確認されたクマの目撃情報や痕跡件数は県全体で391件。過去5年に比べると少ないが、今年10月の地域別集計では西播、北但がともに20件で最多だった。

(「発砲注意!」コウノトリを驚かせないで:京都)
狩猟期間(15日~来年2月15日)が始まるのを前に京都府南丹広域振興局は、亀岡市と南丹市に飛来している国特別天然記念物のコウノトリを驚かさないよう注意を促す看板を両市内に設置した。両市には8月中旬以降、昨年に続きコウノトリが訪れている。看板は、狩猟者が集まりやすいスポット3カ所に「コウノトリ飛来 発砲注意!」などと記し設置。鳥獣保護区で狩猟が禁じられている文覚池(南丹市八木町)と、なごみの里あさひ(亀岡市旭町)には、休憩で訪れる狩猟者や、撮影に来る野鳥愛好家向けに「静かに見守って」と呼び掛ける看板を設けた。同振興局は「コウノトリはデリケートなので、発砲音などにおびえると逃げてしまう可能性がある」としている。

(県産ジビエの魅力、店や家で味わって:三重)
県は、県産ジビエ(野生鳥獣肉)の魅力を知ってもらおうと、参加店舗やウェブ上で「みえジビエフェア」を開いている。来年二月二十八日まで。

(市街地に出没のクマ、胃の内容物などの大半が柿の実:石川)
10月、石川県の市街地に出没したクマの胃の内容物などを専門家が調査したところ、大半が柿の実だったことが分かりました。専門家はこうした木の実がクマを市街地に引き寄せる要因になっているとして、庭木などの木の実を速やかに取り除くよう呼びかけています。石川県加賀市では10月19日、JR加賀温泉駅の近くのショッピングセンターにクマが侵入し、店が営業できなくなりました。クマの生態を研究している石川県立大学の大井徹教授は、このクマと白山市の市街地で駆除されたクマの胃の内容物や現場で採取されたふんを詳しく調べました。その結果、胃の内容物などに含まれていたのは、いずれも大半が柿の実で、ほかに街路樹として見かける「マテバシイ」とみられる木の実などがありました。大井教授は、集落や市街地に植えられた木の実がクマを強く引き寄せたことを示す証拠だとしています。大井教授は「イチョウやシイノキの実などもクマを引き寄せる原因となる。今月いっぱいはクマが頻繁に出没する可能性があり、実の摘み取りや伐採などを速やかに進めてほしい」と話しています。

(住宅街近くにクマの足跡:新潟)
新潟市北区須戸の畑で10日、クマの足跡があるのを住民が見つけ、警察に連絡した。足跡が見つかった場所は、JR早通駅周辺に広がる住宅街にほど近い。北区では2日にもクマの目撃情報があり、同区は薄暗い時間帯に1人で外出することを控えるよう注意を呼び掛けている。10日朝、畑を所有する男性が、土の上を横切るように残る複数の足跡を発見。足跡は20センチほどの大きさで楕円(だえん)形だった。畑は早通駅から南東に約1キロの場所にあり、道路を挟んで住宅が立ち並ぶ。男性は「まさかこの辺りにクマが来るとはたまげた。小屋の戸締まりをしっかりしたい」と驚く。現場そばの青い鳥保育園は保護者に注意喚起を行い、早通南小学校は今週、一斉下校の対応を取る。北区役所は近隣のごみステーションに注意事項を記したチラシを掲示し、朝夕に車でパトロールを行う。北区では今回足跡が見つかった場所から約4・5キロ離れた同区長場の農村地帯で2日、体長約80センチのクマの目撃情報が寄せられた。北区役所は「今回は住宅も多い場所なので警戒を高めたい」としている。

(クマの被害相次ぐ、専門家らが現地調査:石川)
11月に入ってからクマによる被害が相次いでいる石川県金沢市の住宅地で、12日、専門家らによる調査が行われた。12日、石川県金沢市の田上本町で次々に見つかったのは、クマが出没した痕跡。この周辺では、人がクマに襲われる被害が11月に入ってすでに2件発生している。これを受け、市の担当者とクマの生態に詳しい県立大学の大井徹教授が、合同で現地調査を行った。大井教授は、周辺に出没するクマの大きさについて、前足が横幅12センチくらいで、完全に成獣クマで、かなり大きいと考えている。体長は、160センチから170センチほどの可能性があるとしている。また、出没が相次ぐ原因と今後の対策については、柿の木や栗の木の実がクマを引き寄せるため、住宅地周辺では、これらの実をもぐことが一番だという。市では、12日の調査結果を踏まえ、今後の対策を検討する方針だ。

(イノシシ捕獲用の檻にツキノワグマ:愛知)
愛知県豊田市で、イノシシ捕獲用の檻(おり)の中にツキノワグマが見つかりました。同市内では今年3頭目です。市によりますと、11日夕方、豊田市川手町で、イノシシ捕獲用の檻の中に「ツキノワグマが入っている」と連絡がありました。体長約100センチの成獣のメスで、受け入れ先がないため、地域住民の安全を優先して安楽死処分を行ったということです。豊田市では今年、クマの目撃情報が30件以上あり、イノシシ捕獲用の檻で9月と先月に相次いで捕獲されています。

(イノシシ急増、専門学校と対策:千葉)
千葉県館山市は農作物に被害を与えるイノシシの捕獲件数が急増していることから、専門学校と協定を結び、共同で駆除対策を進めていくことになりました。館山市内ではイノシシが畑を荒したり、住宅地に現われるケースが急増していて、今年4月から9月の半年間で1080頭のイノシシが捕獲されました。これについて市は、去年の台風によって山林が被害を受け、イノシシのえさが少なくなっているのが原因と見ています。こうした事態を受け、館山市は、都内の東京環境工科専門学校と協定を結び、イノシシの駆除対策を進めることになり、11日は学生が住民と協力して侵入を防ぐ100枚の柵を設置する実習が行われました。参加した学生は「イノシシが活動する自然環境に興味を持ちました。実習に積極的に参加したいです」と話していました。イノシシを駆除する対策などに取り組んでいる「館山市地域おこし協力隊」の沖浩志さんは、「住民の高齢化が進む中、若い学生がやってきて、対策を行うのが目に見えるので地域にとっても効果があると思います」と話していました。

(ケヤキ並木真っ青、ムクドリ対策で:埼玉)
JRさいたま新都心駅の東側、旧中山道のケヤキ並木が真っ青になっている。管理している市北部建設事務所道路維持課に聞くと、「ムクドリ対策です」。周辺の騒音やフンの被害は軽減されたものの根本的な解決にはなっておらず、いたちごっこが続いている。周辺の上空は夕暮れ時、「ギャーギャー」とけたたましく鳴く大量のムクドリで埋め尽くされる。住民らから「フンが臭い」「羽根が散る」「夜も鳴き声がうるさい」「大群で怖い」などの苦情が寄せられ、同課は約3年前からムクドリの忌避音が鳴る防除装置をケヤキに取り付けるなどの対策を講じてきた。青の正体は大きさ3メートル×4メートルのネットだ。ケヤキを覆い、ムクドリが止まる場所を物理的になくす作戦で、8月中旬にまず3本に設置し、今月初旬までに計34本に広げた。同課によると、ムクドリは全長約24センチ。群れは数千~数万羽に達することもあり、寝床として天敵の猛禽(もうきん)類などがいない市街地やビル群を好む。住民を悩ませていたムクドリは昼間は見沼田んぼでえさを捕り、日が暮れると駅前に帰って来て眠っていたと同課はみている。担当者は「景観的にどうなのかという問題はある」としつつも、ネットによって駅前から追い払うことにはひとまず成功したという。ところが、大群はネットを設置した地点から数百メートル南の並木に寝床を移しており、担当者は「全体で見ると解決にはなっていません……」。「相手は生き物。手探りでやっていくしかない」と話している。

(列車の接近を知らせる「鹿笛」を設置)
東武鉄道は11月12日、日光線、佐野線、東上線の一部車両に、鹿との接触事故を防止するための「鹿笛」を設置することを発表した。11月13日より順次、対象列車に設置していく。東武鉄道では相互直通している野岩鉄道、会津鉄道線内を含めて2017年4月~2020年3月の3年間で、鹿との接触事故が85件発生。うち67件が日光線 新栃木駅以北で発生しているほか、佐野線や東上線 小川町駅以北でも発生。この3路線を走行する列車への設置を決めた。鹿笛は列車の速度が48km/h以上になると、人には聞こえない超音波が約400m先まで発することで、鹿に対して列車の接近を警告し、線路外への逃走を促すもの。先頭車両の前面下部に、2種類の異なる音量・周波数の超音波を発する2個の笛を設置する。設置対象車両は日光線を走行する20編成と、佐野線、東上線北部を走行する3編成。

(ブナ「大凶作」、クマ出没を懸念:秋田)
東北森林管理局(秋田市)は11日、福島を除く東北5県のブナの結実状況を発表した。宮城、山形が「大凶作」で岩手は「凶作」、青森、秋田が平年並みの「並作」だった。9月下旬~10月上旬に5県の142地点で調査。0.0から5.0までの豊凶指数を算出した。指数は高いほど実りの豊かさを意味する。最も低かったのは山形の0.3で、調査した21地点のうち18地点が「非結実」だった。最も高かったのは青森の2.3。38地点のうち最多は「一部結実」の17地点。「全体結実」は7地点にとどまった。他県の指数は宮城0.7、岩手1.3、秋田2.0。ブナの実は、冬眠前のツキノワグマの餌の一つで、結実不足に伴い人里への出没が懸念される。秋田では本年度、クマによる人身被害が9日現在で8件9人(うち死者1人)に上り、目撃件数は892件(前年同期比248件増)。管理局の担当者は「秋田は並作だが、限りなく凶作に近い」と分析した。

(クマ被害は岩手が全国最多:岩手)
全国でツキノワグマに襲われてけがをするなど人への被害が相次ぐ中、ことし4月以降、被害にあった人の数は岩手県が28人と全国で最も多いことがわかりました。NHKがツキノワグマの出没が確認されている全国33都府県に取材したところ、ことし4月以降、クマに襲われてけがをするなどの被害にあった人は今月9日の時点で21府県の138人に上っています。県別では岩手が28人と最も多く、新潟が16人石川が14人、福井が12人などとなっています。昨年度は154人と環境省が統計を取り始めて以降最も多くなりましたが、今年度は先月末の時点で去年の同じ時期をすでに9人上回っていて、過去最悪のペースで被害が相次いでいることになります。被害は8月は28人、9月は25人でしたが、先月は44人と急増していて今月に入っても7府県で10人と被害が相次いでいます。クマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹教授は、「ことしは去年より深刻な山のエサ不足に陥っている可能性があると考えられる。クマの異常な出没は今月下旬までは続くとみられ、クマが冬眠する来月までは住宅近くの柿の実の除去ややぶの草刈りなど対策の徹底を続ける必要がある」としています。

(イノシシ目撃過去最多、狩猟期間1カ月延長:秋田)
秋田県内でイノシシの目撃頭数が増えている。県南部を中心に10年ほど前から出没し、農地や作物を荒らされる被害が相次ぐ。県は個体数を減らして生息拡大を防ぐため、本年度から冬場の狩猟期間を拡大。わなを使った捕獲を呼び掛けるなど、積極的な対策に乗り出した。

(クマ好物のブナの実、今年度は「並作」:秋田)
東北森林管理局は11日、秋田県のブナの結実状況を「並作」と発表した。ブナの実はツキノワグマが好む食べ物として知られ、並作は2013年度以来7年ぶり。結実状況は福島県を除く東北5県の国有林142地点で調査。目視で状況を確認し、数値化して「豊作」「並作」「凶作」「大凶作」の4段階を判定した。青森は並作、岩手は凶作、宮城と山形は大凶作だった。

(車の目の前に"ヒグマ"現れ衝突:北海道)
11月11日未明、北海道苫小牧市で乗用車がヒグマと衝突し、運転していた20代の女性が軽いけがをしました。車の右の前方部分が大きく壊れ、車体にはクマのものとみられる黒い毛も挟まっています。11日午前0時15分ごろ、苫小牧市植苗の道道91号で、苫小牧方向に走行中の乗用車が、道路右側から横断してきたクマと衝突しました。運転していた20代の女性が顔に軽傷を負いました。同乗していた別の女性にけがはありません。猟友会のハンター:「ドングリとかエサが全然ないから(クマが)エサ探しに躍起になっている。(周囲に)注意喚起をする」。クマは体長2メートルほどで、事故のあと姿が見えなくなったということです。

(気象庁、動植物観測の9割を年内で廃止へ)
動物の初鳴きや植物の開花など、気象庁はおよそ70年間続けてきた動植物の観測のおよそ9割をことしいっぱいで廃止することになりました。気象台周辺の都市化などが進んで観測が難しくなったためですが、「さくら」や「かえで」などは引き続き観測が続けられます。気象庁は、季節の移り変わりや気候の変化を伝えることを目的として、70年ほど前の昭和28年以降、動物の初鳴きや植物の開花などといった「生物季節観測」を行い、公表しています。各地の気象台の職員などが観測している動植物は、「うぐいす」や「あぶらぜみ」「さくら」「うめ」など合わせて57種類で、中には「しおからとんぼ」や「とのさまがえる」などもあります。しかし、近年は、気象台周辺で都市化が進むなど生態環境が変化し、標本とする植物の確保や対象の動物を見つけることが難しくなっています。例えば「とのさまがえる」は、観測が開始された昭和28年には全国38か所で確認されていましたが、去年は5か所にとどまっています。このため気象庁は、全体のおよそ9割にあたる51種類の動植物の観測をことしいっぱいで廃止することになりました。一方、全国の季節や気候の変化を把握することに適した「さくら」や「うめ」「かえで」「いちょう」「すすき」「あじさい」については観測が続けられます。気象庁は、「季節が感じられる身近な情報として、長年、多くの種類で公表してきたが、やむをえず今回の判断となった。一部の植物は今後も観測を続けるので引き続き参考にしてほしい」としています。

(山中で散弾銃を紛失:熊本)
狩猟のため宇土市の山を訪れていた男性が散弾銃1丁を紛失した。警察が捜索している。散弾銃がなくなったのは宇土市網津町から網引町にかけての山の中。12日午後2時頃、イノシシなどを駆除するために1人で訪れていた八代市の74歳の男性が持っていた散弾銃1丁を紛失した。警察によると男性は連れていた犬が吠え始めたため20分ほど犬を追いかけたが、気づいたら肩にかけていた銃がなくなっていたという。散弾銃は長さ約1メートルの単身で弾が装てんされていた。警察は朝から40人体制で捜索していて「見つけた場合は触らずに警察に連絡してほしい」と呼びかけている。

(クマ2頭捕獲、殺処分:島根)
男性がクマに襲われる事故があった島根県津和野町名賀で、雌のクマ2頭が捕獲されたことが12日、分かった。いずれも県と町が殺処分した。男性を襲ったかは特定できず、県と町は周辺にわなを設けままにして、さらに捕獲を試みることにしている。県によると、3日に捕獲したのは体長約1メートル30センチ、体重60キロ。10日は約1メートル30センチ、72キロで、いずれも成獣。男性を襲ったかは分からないという。

(子グマ目撃、近くに柿の木:兵庫)
12日午後7時ごろ、兵庫県佐用町口金近で、車を運転していた男性が道路にいたクマを見つけ、県警佐用署に届けた。子グマとみられ、山へ逃げて行ったという。北へ約7キロ離れた同町下石井では11日朝、散歩中の女性が柿の木の上にいたクマに腕や顔をかまれ、骨折するなどの重傷を負った。佐用署によると、男性は「真っ黒な子グマで危うく車でひくところだった」と話したという。近くには柿の木があった。11日夕には、約4キロ西北の同町豊福で、ドローン操縦士養成校の教員がシカの調査のためドローンを操縦したところ、近くの畑付近にいるクマが画面に映っていた。同町は「冬眠前のクマが近寄らないように柿の木を伐採するなど、対策を取ってほしい」と呼び掛けている。

(シカにドングリ350キロ:奈良)
航空自衛隊奈良基地(奈良市)の有志が基地でドングリ約350キロを拾い集め、13日にシカの保護団体「一般財団法人奈良の鹿愛護会」(同市)を訪れプレゼントした。愛護会は「鹿苑」と呼ばれる施設で、負傷などした400頭近くを世話している。会の石川周さん(42)は「ドングリは栄養価があるので助かる」と喜んだ。鹿苑のシカは1日に1頭当たり、木の実や牧草などを1~2キロ食べる。会がドングリの寄付を募っていることをインターネットで知った奈良基地の松田佳一空曹長(51)が同僚に呼び掛け、昼休みに2日かけて拾った。この日、有志を代表して松田さんら3人が車で届けた。松田さんは今回の量では、餌にまぜるドングリが1週間持たないと知り「来年、もっとたくさん届けますよ」と笑顔だった。

(イノシシと衝突、山間部多く各地で多発:京都)
11日午後9時半ごろ、与謝野町の京都丹後鉄道岩滝口-与謝野間で、走行中の西舞鶴発豊岡(兵庫県)行き普通列車(1両編成)が軌道上にいたイノシシと衝突し、停車した。乗務員1人と乗客10人にけがはなかった。

(シカ駆除をビジネスへ:京都)
京都府笠置町で昨秋誕生したジビエ(野生鳥獣肉)の加工・販売会社「RE―SOCIAL」の工場が、10月下旬に町内に完成した。獣害で目の敵にされる地元のシカを自ら捕って加工してジビエとして売り出す―。大きな目標を掲げる23歳の男女3人が新拠点から第一歩を踏み出す。笠井大輝さん、江口和さん、山本海都さんが龍谷大4年だった昨年11月に、同社を立ち上げた。ゼミで地域課題を学ぶ中で、全国で深刻化する獣害の解決につなげたいと起業に至ったという。

(豚熱、18日からワクチン:三重)
三重県は12日、豚熱(CSF)の感染拡大を防ぐため、イノシシ向けの経口ワクチンを18日から県内10市町で散布すると発表した。約20日間で617カ所に計1万2340個を散布する。新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大している影響で経口ワクチンの輸入が遅れたため、余剰分で9月に対応した松阪市を除く9市町では夏以降、ワクチンを散布できていなかった。県によると、経口ワクチンは春と夏、冬に2回ずつ散布するが、国が一元的に管理するワクチンの輸入がコロナ禍で滞っていた。9月中旬になって県が想定していた分のワクチンが確保できたため、冬季の散布を前倒して実施することを決めた。ワクチンを散布するのはこれまでに野生イノシシの感染が確認されている10市町の山林や周辺地域。市町ごとに27―149カ所で散布する予定。1カ所当たり20個をエサと一緒に地中に埋め、5日後に回収してイノシシの摂取状況を確認する。CSF対策プロジェクトチームは「夏以降に散布できていなかったため、できるだけ早くやりたかった」と説明。通常は2回ずつ散布するものの「ワクチンの入るめどが立っておらず、農林水産省から予算配分が示されていないため2回目は未定」としている。

(広葉樹植栽倍増へ、空腹グマにドングリを:福井)
2年連続でクマが大量出没している福井県内。「餌が不足しているなら山中にドングリがなる木を植栽しては?」。福井新聞の調査報道「ふくい特報班」にそんな声が寄せられた。同県に聞くと、ドングリが実る広葉樹を針葉樹林に増やす「針広混交林」の拡大は既に進められており、2024年度には現在の倍以上の2300ヘクタールになる計画という。ドングリは奥山なら主にブナやミズナラ、標高が比較的低い場所はコナラなどに実る。クマの大量出没はこれらの実りが悪かったことが原因だ。広葉樹の植栽について県自然環境課は「ドングリの豊凶の仕組みは十分に分かっておらず、クマの人身被害対策としては今後の研究課題」とする。スギなど針葉樹林の針広混交林化は、木材需要の低迷なども背景に10年以上前から進められている。スギを列状に伐採し光が差し込むようにすることで自然に広葉樹を増やす。県は「ふくいの森林・林業基本計画」で、昨年度960ヘクタールだった針広混交林を、24年度に2300ヘクタールとする構想を描く。県内の民有林は半分近い12万ヘクタールがスギなどの人工林。将来的には、そのうち奥山に当たる7万ヘクタールを広葉樹も生えた多様な森にする考えだ。民間でも県内各地で広葉樹の植栽が行われており、大野市では森林保全団体が苗木を育て、山に植樹するボランティア活動が長年続けられている。広葉樹にはドングリが実らないものも含まれるが、針葉樹だけに比べればクマの餌は増える。ただ長い時間が必要で、クマの出没が11月にかけてピークになると考えられることから、県自然環境課は「集落の柿や栗を早期に収穫し、朝夕は出歩かないなどの対策をとってほしい」と当面の注意徹底を呼び掛けている。

(クマ、福井県立図書館付近で目撃続く:福井)
11月12日夕方から夜にかけて、福井県立図書館(福井市)付近で、クマの成獣の目撃が相次いだ。現場は足羽川左岸の堤防沿いで、住宅地に近く、福井市職員や県警福井南署の署員が周辺をパトロールし注意喚起した。同日午後5時55分ごろ、同市下馬町の堤防道路から河川敷に入っていくクマを男性が目撃。同6時55分ごろには約100メートル離れた同市小稲津町の堤防下の道路を横断し、住宅地の方向に向かうクマが目撃された。市有害鳥獣対策室によると、同一の個体の可能性がある。同5時20分ごろには約1キロ上流の同市上六条町の堤防道路から河川敷の草むらに入っていくクマも目撃されていた。

(「クマの回廊」刈り取ったら目撃ゼロ:石川)
クマが住宅街に頻繁に出没している。住民が襲われけがをする事例もあり、不安は増すばかり。人の生活圏からクマを遠ざけるにはどうすればいいか。けが人が相次いだ金沢市田上本町で12日に専門家と市による現地調査があり、同行した。「これはクマのフンです。木の枝も折れています」。8日に職員がクマに襲われて負傷した介護施設から東に約200メートル。クマの生態に詳しい大井徹・石川県立大学教授(動物生態学)は、車道脇の林にあるクヌギの木の根元にこぶし大のフンを見つけた。今年は例年に比べて山にクマのエサが足りず、人里の柿やクヌギの実を食べに来るという。大井教授は「集落でクマを引きつける木を刈るか、実を取る必要があります」と警告した。市によると、この地区では6日にゴミ出し中の60代男性が負傷したほか、今年5件のクマの目撃情報があるという。人を襲ったクマはまだ見つかっていない。それどころか、11日夜には、隣接する太陽が丘地区でクマが目撃された。

(イノシシの目撃情報相次ぐ:新潟)
新潟県警によりますと、13日夜、新潟市中央区でイノシシの目撃情報が相次ぎました。午後8時50分ごろに、中央区出来島2丁目付近で体長約1メートルのイノシシ1頭が市道を走っているのを、通行人が目撃しました。その後、午後9時12分ころに中央区関屋大川前付近でも複数の人に目撃されています。また、JR関屋駅周辺や関屋本村町でも目撃情報があったということです。

(畑に大穴、鳥獣被害のいま:神奈川)
小田原の耕作放棄地に繁茂し過ぎた竹林を伐採し、竹材として地域に役立てよう―。市内の有志が現在、資源再利用に向けたプロジェクトを進めている。その背景には、地域の農家が直面する深刻な鳥獣被害があった。「たった一晩で約500kgもやられた時もあった」。そう話すのは、代々300年以上にわたりミカンなどの栽培を続ける、市内沼代の農家「あきさわ園」の秋澤史隆さん。地域に広がる耕作放棄地の竹林を寝ぐらにするイノシシなどが農作物を食い荒らし、畑が掘り起こされ大穴を開けられるなどの獣害が、同園では2014年頃から深刻化しているという。国が毎年実施する、耕作放棄による国内の荒廃農地の発生状況調査によると、小田原市内には19年度、東京ドームおよそ36個分にあたる168ヘクタールの荒廃農地が広がっている。市農政課によると、市内の農業者などから昨年度届け出があった鳥獣被害総額は2532万1千円。これは一昨年度(1058万5千円)の約2・4倍に上る数値で、同課担当者は「届け出ていない農家もあると考えられ、実際の被害額はさらに大きいのでは」と推測している。獣害拡大の要因について、県立生命の星・地球博物館で動物生態学を研究する学芸員は「山林が開発され、山の上の方で住みにくくなれば野生動物は人里に下りて来る。耕作放棄地に住み、農園に来て栄養価の高い農作物を摂取することでイノシシなどは出産率が高まり、爆発的にではないが頭数が増加しているのでは」と分析。さらに、市内にはイノシシやシカを食べる大型の捕食動物がほぼいないことも、獣害拡大に拍車を掛けていると考えられるという。こうした課題に向け近年、官民ともに対策を模索。市では17年度に、狩猟免許保持者を対象にしたイノシシやシカの捕獲報奨金制度を導入した。民間では耕作放棄地の竹林を伐採して竹垣として再利用するプロジェクトが進んでいる。有効な打開策となるか。試行錯誤が続く。

(豚熱の感染拡大防げ、県が防疫演習:秋田)
豚やイノシシに感染する家畜伝染病「豚熱(CSF)」の国内での感染拡大を受け、秋田県は12日、秋田県秋田県内で感染が確認された場合に備えた防疫演習を秋田県秋田市の県中央家畜保健衛生所で行った。国内の豚熱は2018年、26年ぶりに岐阜県で確認された。その後、沖縄や関東など広範囲に感染が拡大し、野生イノシシへの感染も増えている。9月には東北で初めて福島県で確認された。県内では確認されていない。

(相次ぐクマの被害:宮崎)
北海道の富良野市を取材で訪れた9年前の初夏。宿泊したホテルのすぐ近くに森というよりは、ちょっとした雑木林のようなところがあった。そこを散策していると「クマに注意」の看板が目に入り驚いた。というのも、ホテルは街のすぐそばだったから。事前に現地の方からクマに出くわさないための注意点や、万が一遭遇した場合の対応などを聞いてはいた。だが、もはやクマはいないとされる九州に住む身としては、クマがこれほど身近なものとは思わなかった。全国でクマによる人身被害が続いている。この1カ月を振り返っても、石川県をはじめ秋田、長野などの各県で人が襲われ命を落としたり、けがをしたりしている。きのうは兵庫県で、散歩中の女性が腕をかまれて重傷を負った。学校や商業施設に侵入したケースもある。クマの出没が頻発しているのは、過疎化などで里山が荒廃し、クマが人里に近づくハードルが低くなったことや、餌となるドングリの不作などが原因という。人間とクマの遭遇は、襲われる人間はもちろん、射殺されるクマにとっても悲劇。藪(やぶ)の整備など「すみ分け」の努力は人間側に課せられる。二十四節気をさらに約5日ずつの三つに分けた七十二候に、クマが冬眠のために穴に隠れる意味の「熊蟄穴(くまあなにこもる)」がある。これは12月中旬。そのころにはクマも眠りにつくだろう。あと1カ月。それまでこれ以上の被害が出ないことを願う。

(鹿・イノシシ集中捕獲呼び掛け)
農水、環境両省は12日、東京都千代田区で鳥獣被害の防止に向けた「集中捕獲キャンペーン」を推進するための全国会議を開いた。都道府県や全国の猟友会関係者らが出席。2023年度までの10年間で、鹿とイノシシの生息数を半減させる政府目標を実現し被害を減らすため、地域を挙げた鳥獣害対策などを通じ、捕獲数を伸ばした先進事例を報告した。

(狩猟解禁でハンターが山へ:兵庫)
イノシシやシカなどの狩猟が11月15日解禁され、兵庫県では獲物を狙うハンターの姿が見られました。散弾銃などを使った狩猟が解禁された11月15日、丹波篠山市では猟友会のメンバーが朝から山に入りました。兵庫県では絶滅の恐れがあるとして1996年から禁止にしていたツキノワグマの狩猟を生息数の増加を受け2016年に再開。しかし、今回は生息数が狩猟解禁基準の800頭を下回ったとして再び禁止され、猟友会のメンバーは早速、イノシシを仕留めていました。兵庫県でのイノシシと二ホンジカの狩猟期間は2021年3月15日までで他の鳥獣は2021年2月15日までとなっています。

(新鮮鹿肉やオレンジ色の白ワイン:兵庫)
兵庫・丹波篠山産の鹿肉に自然派ワイン-。京都市下京区に今月オープンしたフランス料理店「レストラン・アイ」が、ジビエをはじめとする多彩な料理とワインの新たなペアリングを提案している。東京で経験を積み、故郷・京都に戻った澤田英紀さんが、オーナーソムリエを務める。豊富なテイスティングを生かし、自然派ワインを軸にこだわりの150種を用意。野菜、魚料理に合わせたグラスを薦める。兵庫県丹波篠山市の専門店「山大」から直接仕入れた新鮮な鹿肉のローストをメインの一皿で提供。赤ワインを合わす。魚料理とともに味わうのが、オレンジ色のワイン。フランス・アルザス地方のドメーヌの「トゥー・テリブルモン・マセラシオン 2019」で、ハーブティーのような香りと、ほんのりした苦味が後味に残る。種類は白ワインだが複雑な味が、料理のうまみを引き出す。シェフは国内外で修業した4人。オープンキッチンのモダンな店内で、古都の新しいスポットとしてPR。澤田さんは「東京の都会的でモダンなセンスを生かした店で、物語性のあるワインのペアリングを提案していきたい」と話す。コースは6千円から。フレンチに合わせたノンアルコールカクテルも看板。お酒が苦手な人も飽きさせない。

(クマ、ドローンで発見:石川)
十三日午後三時十五分ごろ、石川県小松市矢田野町の柿に体長一~一・二メートルの成獣のクマが目撃された。同四時半ごろ、市消防本部の職員がドローンで上空から捜索を始め、クマの体温を探知できる赤外線カメラで、柿から南に百メートルの茂みにいるクマを数分で発見した。市内でドローンを活用したクマ発見は初めて。市と消防、小松署がドローンでクマを監視しながら、爆竹でクマを三百メートル南東の山へ追い返す作戦を実行。市職員らが山の反対側から茂みに向かって爆竹計六十発を鳴らし、クマを追い出した。クマは一度水路に入り込み、ドローンで追えなくなったが、水路そばで足跡が見つかった。午後五時半ごろ、山へ入るクマを目撃したと一一〇番があり、捜索は終了した。市消防本部は二〇一六年からクマの捜索にドローンを使用。今年十月、赤外線カメラも搭載したドローンを導入した。ドローンを操作していた消防職員は「発見した時はまさかと思った。住宅も近い地域だったため迅速に対応できてよかった」と話した。

(狩猟解禁、銃声響かせ:富山)
富山県内で15日、キジやクマ、イノシシなどの狩猟が解禁され、日の出とともにハンターが河川敷や山に繰り出し、鳥獣に狙いを定めて銃声を響かせた。富山市水橋柴草の常願寺川河川敷では、富山市の自営業舟崎雅雄さん(64)らが銃を構えた。キジ2羽とカモ2羽を仕留めたという舟崎さんは「きょうは成果が少なかった。冬になればイノシシやシカ、クマを狙っていきたい」と話した。県によると、県内の狩猟登録者数は10月末現在、昨年同期と比べて9人多い1170人を数える。主要な狩猟鳥獣であるキジやヤマドリ、カルガモ、タヌキなどの生息数は平年並みとなっている。猟期は来年2月15日まで。イノシシとニホンジカは農作物被害防止のため、猟銃、わな猟ともに3月31日までとなる。

(「クマ怖い、通学バスを」:新潟)
県内でクマの目撃や人的被害が相次ぐ中、小学生の徒歩通学路が山と隣接する新潟県阿賀野市笹神地区では、保護者らから不安の声が相次いでいる。クマの出没は朝や夕方が多く、児童の登下校の時間と重なるため「子どもたちに被害が出る前に、スクールバスに乗せるなど対策してほしい」として、署名集めを検討している。市内では本年度(12日現在)、クマの目撃・痕跡情報が73件あり、うち48件が笹神地区に集中している。昨年度は市全体で55件だったが、本年度はすでに大幅に上回るペースだ。度々クマが目撃される同市次郎丸では、10人の児童が集落から約1キロ離れた笹岡小学校へ徒歩で15~20分ほどかけて通学している。スクールバスの利用範囲はおおむね3キロからで、同集落は含まれない。だが道路は山に隣接して歩道もないため、遭遇したら逃げ場がない状況だ。10月には通学路上を横切るクマ1頭が目撃されている。孫が同小に通う同集落の男性(75)がボランティアで児童に付き添って登校するが、帰りは学年により下校時間が異なり、少人数の子どもだけで歩いて集落へ向かう。登下校時にはサルの群れの目撃も相次ぐ。男性は「クマもサルも昔は山奥にしか出なかったが、最近はすぐそばでも目撃が増えている。子どもたちが安心して学校に通える環境を整えてほしい」と訴える。保護者(48)は「帰りには子どもを迎えに行くようにしているが、共働きのためどうしても迎えに行けない日もある」と話す。別の保護者(45)は「通学路はスクールバスの通り道。クマが出る時期の帰りだけでも、子どもを守るため緊急避難的にバスを使わせてほしい」と訴える。これまでも市教育委員会にバス利用を訴えたが、実現していない。保護者間では、同じく徒歩通学の隣集落との署名活動を検討している。学校では普段から児童や保護者への注意を徹底している。近くでクマの目撃情報があると、職員がパトロールや下校時の引率をするなど対策を取っているが、目撃のない日にまで実施するのは難しいのが現状だ。県が「クマ出没特別警報」を出している中、下越エリアではスクールバスの対応は自治体によって分かれる。新発田、五泉、村上、胎内の各市では既存のスクールバスの運用を拡大。冬季運行の前倒しや利用エリア拡大などの対策を取っている。阿賀町では全域でスクールバス利用ができるようになったほか、村上市では、校舎近くにクマの痕跡があった中学校のバス利用対象を全生徒に拡大した。一方で関川村ではバス運用の変更は行っていない。阿賀野市教委は「他地域の市民にもある程度理解を得られる基準がないと、バスの手配は難しい部分もある」とした上で、「できるだけの対策は取っているが、これまでの要望も踏まえ緊急性など総合的に判断してご返事したい」としている。

(連続講座「野生動物管理とヒトを学ぶ」開催:岐阜)
野生動物管理において、民間企業が行政政策の立案、実行を業務として支援することが多い。本講演では、実務者からみた、野生動物管理の現場の現状と課題、今後のあり方を提案した。すなわち、ビジネスの世界で言われる「目的-目標-戦略-戦術」の考え方は、野生動物管理においても重要であることを述べた。そして野生動物管理において特に重要な手段であるシカ捕獲を題材に取り上げ、被害管理、予防的密度管理といった目的に応じて捕獲の考え方が異なること、いずれの目的の下の捕獲であっても捕獲数を追求するだけでなく、時空間スケールの認識(いつ、どこでどのような努力量で、どの程度の捕獲を達成するか)が重要であることを提言した。

(クマに襲われ54歳男性けが:山梨)
15日午前11時50分ごろ、山梨県北杜市須玉町小尾の山中で狩猟をしていた、近くに住む会社員、小沢智昭さん(54)がクマに襲われ、顔や右脚などに擦り傷を負った。県警北杜署によると、小沢さんは地元猟友会の仲間数人と狩猟中、突然現れた体長約1メートルのクマに、ひっかかれたり、かまれたりした。クマは直後に山中に逃げた。

(イノシシたびたび出没:千葉)
千葉県をはじめ、各地でイノシシの被害が相次いでいる。その捕獲作戦に、特別に同行させてもらった。住民は、ある動物の危険にさらされていた。茂みに潜んでいたのは、野生のイノシシ。猪突猛進の体当たりをされれば、ひとたまりもない。このイノシシが最近、千葉県南部で頻繁に目撃されていた。中でも、館山市や南房総市などで、イノシシの捕獲数が急増していた。取材班は、イノシシの捕獲数が過去最多となっている館山市へ。集まっていたのは、地元の農家でつくる“イノシシ捕獲隊”。市の認可を得て、野生動物の捕獲を行っている。今回特別に、捕獲作戦に同行取材させていただいた。捕獲隊は、イノシシの餌となるドングリが実る山へ向かう。すると、そこには、いたるところに「わな設置中」の看板。実は、このわなも捕獲隊が仕掛けたもの。この山だけで、150のわなが仕掛けてあった。木の陰に隠れていたのは、タヌキ。最近、イノシシのほかに、タヌキも多く捕獲されるという。捕獲隊は、さらに山の奥へ。忍び寄るイノシシの気配...と、その時だった。茂みから現れたのは、カメラに襲いかかろうとするイノシシ。逃げられるおそれがあるため、すぐに捕獲へと移る。わずか2分ほどで、イノシシの捕獲に成功。この捕獲隊は、10月だけでも、18頭のイノシシを捕らえている。館山市では、1週間前に、小学校周辺にイノシシが出現。1歩間違えれば、子どもたちが巻き込まれる事態となっていた。一方、増え続けるイノシシに新兵器が登場した。神奈川・秦野市が始めたのは、ドローンによるイノシシ撃退。特に、人を怖がらなくなったイノシシに効果的だという。これは、ドローンでイノシシを撃退した様子をとらえた映像。畑を荒らしに来たイノシシ。そこへドローンが近づくと、走って逃げていく。隠れやすい住宅の庭に逃げ込んだ、イノシシ。しかし、ドローンは上空から追跡するため、見失うことはなかった。山に追い払うことに成功。神奈川・秦野市農業振興課 岩田雅弘さん「ドローンにライトをつけて、その光で追い払ったり、音を出したりいろいろできるので、これから試していこうかなと思う」。

(クマ?また家畜被害:宮城)
14日午前6時10分ごろ、宮城県栗原市一迫宮前の女性が、自宅敷地内でウコッケイがクマに襲われたとみられる被害に遭ったと、行政区長を通じて築館署に届け出た。同署によると、鶏小屋は金網が破られ、飼育していた11羽のうち8羽が消えていた。小屋の中には荒らされた跡があった。付近ではクマによるカキやクリの被害が相次いでいたという。近くに住む男性(85)は「去年は近くでリンゴが食べられたが、家畜の被害は初めて。怖くて夜に外に出られない」と不安そうに話した。栗原市では10月下旬以降、ニワトリやヤギといった家畜がクマに襲われたとみられる被害が続き、今回が3件目。ウコッケイが襲われた民家は、ニワトリ被害のあった民家の東約2キロ。同署が住民に注意を呼び掛けている。

(車がクマと接触:秋田)
15日午前4時半ごろ、秋田市河辺戸島字大堤山の自動車専用道路(通称あきたびライン)で、同市の30代男性の乗用車がクマと接触した。男性にけがはなかった。秋田東署によると、男性が秋田空港方面へ走行中、左側から道路を横切ろうとした体長約1メートルのクマと車の左側面がぶつかった。車は傷が付いた程度だった。直近の民家まで約500メートル。

(列車とクマが衝突:北海道)
15日午前6時15分ごろ、JR宗谷線佐久(上川管内中川町)―天塩中川駅(同)を走行中の音威子府発稚内行き普通列車(1両編成)がクマと衝突し、緊急停止した。乗員乗客にけがはなかったが、天塩中川駅到着後の車両点検で自動列車停止装置(ATS)関連の不具合が見つかった。この影響で、15日はこの列車を含む普通列車8本を運休または部分運休。また、稚内発旭川行きの特急と稚内発名寄行き普通列車各1本が最大約1時間半遅れた。16日午前5時20分稚内発名寄行き普通列車も運休する。

(紛失した散弾銃 見つかる:熊本)
今月12日宇土市の山中で、イノシシ狩りをしていた男性が紛失した散弾銃が16日発見されました。この散弾銃は、今月12日イノシシ狩りをしていた74歳の男性が猟の最中に紛失したもので、警察が15日までの捜索では発見できずにいました。16日猟友会の仲間の70歳の男性が朝から1人で山に入り、午前9時半ごろ山中で発見したということです。発見した男性からの通報を受けた警察が、銃に記載された製造番号から男性が紛失した銃であることを確認しました。銃が見つかった場所は、銃を紛失した男性の申告で15日まで捜索していたエリアからは数十メートルはなれた竹薮の中で、むき出しの状態で落ちていたということです。また散弾銃には実弾が3発入っていましたが、使用された形跡はなかったということです。

(住宅街、イノシシとヤギ「お友達」:熊本)
熊本市南区に接する宇土市。市中心部には、JRの駅や大型量販店が並び、熊本市の市街地から車で約30分という利便性の高さから、ベッドタウンとしての人気も高い。「野生のイノシシと飼われているヤギが遊んどるけん、取材せんですか」。9月中旬、読者から支局に電話が入った。現場は市中心部にある支局から北西に1キロほど。市役所からも南西に1・5キロほどしかない。市道沿いの閑静な住宅街の一角で、とてもイノシシが出るとは思えない場所だ。現場に駆け付けた時にはイノシシの姿は既になかったが、電話をくれた近くの前田寛さん(71)から、写真と動画を見せてもらった。ヤギは近くの高齢者施設で飼われている2歳の雄。つながれている空き地で、小型のイノシシと30分ほど“交流”を続けたという。お互い尻尾を振り合ったり、一緒に跳ねたり楽しそうに遊んでいるように見えたという。イノシシは集まった人たちが5メートルほどの距離に近づいても逃げず、住民がちぎったパンを投げると逃げ出したらしい。「みんな『かわいか、かわいか』と写真を撮っていましたよ」と前田さん。種類が異なる動物の交流という一見、心温まる風景。だが翌日、市農林水産課で写真を見せると、鳥獣害担当者は「ついにここまで…」と頭を抱えた。同じ日には、近くの住宅街の公園でもイノシシが目撃されていた。「住宅地なので猟銃や猟犬を使うわけにはいかず、現状ではイノシシを追い払うことしかできない」今回はイノシシがヤギと戯れていただけ。しかし、一住民として冷静に考えると「散歩中に出くわしたらどうしよう」「そもそもイノシシはいつ活動するのか」と不安になった。市の担当者に重ねて尋ねてみたところ、市内でのイノシシの捕獲数は昨年度で646頭と、ここ10年で約30倍になったという。知らなかったとはいえ、すさまじい増加ぶりに驚いた。市は、田畑を荒らす有害鳥獣とみなしたイノシシの成獣を駆除した場合、国の鳥獣被害防止総合対策交付金に市単独分を加えて、1頭につき1万2千円を支払う。ただ、市内に猟友会員は50人ほどいるが、実際に活動しているのは30人に満たないという。市の担当者は「目撃情報はすぐに寄せられるが、イノシシは賢くてわなを仕掛ければすぐに捕らえられるわけではない」と困惑の表情を浮かべた。ヤギと交流したとみられるイノシシは、1カ月近く周辺で目撃され続けた。10月中旬、住宅街で市職員と猟友会員が数人で網を使ってイノシシを捕まえたと聞いて、少しほっとした。

(ジビエ新商品をPR:福岡)
みやこ町犀川生立の農林産物直売所「よってこ四季犀館」で15日、町有害鳥獣加工施設が開発した「イノシシ丼具材セット」の販売開始をPRするイベントが開かれた。今年の新米を使ったイノシシ丼とイノシシ汁がそれぞれ300食来店客に振る舞われた。

(シカ革・シカ肉、使って食べて:山口)
農家らを悩ませ続けている有害鳥獣。県内の農林業被害額は年間4億円にも上る。山口市地域おこし協力隊の中岡佑輔さんは、有害獣として駆除されたシカの革を使った作品を制作している。狩猟や解体に手を広げ、9月からは自作のキッチンカーで県内各地に赴いてシカ肉のカレーを振る舞う。捕獲からレザークラフトまで、一連の活動を通して多くの人に問題の深刻さを伝え、自然との共存を呼び掛けている。

(クマに顔かまれ、農作業中の男性大けが:広島)
16日午前、広島県庄原市の畑で農作業をしていた男性がクマに襲われ、顔に大けがをしました。16日午前10時ごろ、広島県庄原市の畑で近くに住む70代の男性が農作業をしていたところ、突然、子連れのクマに襲われました。男性の家族からの通報を受けて市の職員などが現場に駆けつけたときには、クマはいなくなっていたということです。男性はクマに顔をかまれて大けがをしましたが、意識はあり命に別状はないということです。男性が襲われた現場は、近くに山があり田んぼが広がっていて、民家や商店などが点在する地域です。近くで商店を営む女性は「最近クマが出るとよく聞きますが、近所で被害にあったと聞き、びっくりしています。農作業をしているところに急に出てくると、どうしようもできないので怖いです」と話していました。庄原市ではクマの目撃情報がことし4月からこれまでにおよそ150件寄せられていて、去年の同じ時期に比べて2倍以上に増えています。庄原市は「家のそばにクマの餌になるようなものを放置せず、外出の際には鈴やラジオを持って自分の存在をクマに知らせてほしい」と呼びかけています。

(猟銃事故防止へ適正利用を指導:岡山)
鳥獣の狩猟が解禁された15日、岡山県警は正しい猟銃の取り扱いと誤射などの事故防止に向け、違反行為の一斉取り締まりを県内の猟場で始めた。初日は県内22署の警察官約200人が出動。鳥獣保護区など禁止区域での発砲や、実弾を装てんしたままの猟銃携帯といった違反行為を監視し、ハンターに銃の適切な取り扱いを指導して回った。玉野市東七区の児島湖畔では、午前6時半から玉野署員、県鳥獣保護管理員ら8人が、ハンターの狩猟免許や猟銃の所持許可証をチェックした。カモ猟に訪れた同市の男性(65)は「周囲の状況をよく確認して、安全第一で楽しみたい」と話した。県警生活安全企画課によると、県内では10月末現在、2048人が計3900丁の猟銃を所持している。昨シーズンは違反や事故はなかった。狩猟期間は来年2月15日まで。推定生息数の増加で3年前から狩猟が許可されたツキノワグマは12月14日まで、農作物に大きな被害を与えるイノシシとニホンジカは来年3月15日までとなっている。

(路肩に倒れたイノシシ、車と衝突?:兵庫)
今月15日に狩猟が解禁された兵庫県丹波市で16日朝、推定体重30―40キロほどのイノシシが国道の路肩で倒れているのを、通りがかった住民が見つけた。脚に傷があり、車と衝突して死んだと見られる。すぐ近くに箱わなを仕掛けている猟師(54)は、「もったいない。わなにかかってくれていたら御馳走になったのに」と残念がった。シカやタヌキなど、道路横断中の野生動物との衝突事故が頻繁に起こる場所。野生動物をはねると、動物の命が奪われるだけでなく、車が傷み、修理代がかさむ。近くの男性(46)は「血を流している姿を見るのはしのびない」と言い、「街灯が少なくて気づきにくい場所。『この先、野生動物飛び出し多発』の大型看板をつけるなり、何か対策できないのか」と話していた。

(クマの出没が散発:滋賀)
秋が深まる中、ツキノワグマの出没が滋賀県内でも散発している。例年、冬眠前の11月末ごろまで活発に活動して集落などで目撃されており、県は平年並みに出没する可能性があるとして、注意を呼び掛けている。クマは食料となる木の実が凶作の年にエサを求めて人里に下りてくるなどし、目撃件数が増える傾向にある。今年、湖北・高島地方の山地で実施した調査では、木の実が平年並みの実り具合と確認されたことなどから、県は、出没も平年並みとなる可能性があるとみている。県などのまとめによると、10月末現在のクマの目撃件数は85件。市町別では、高島市33件▽米原市22件▽長浜市20件――などで、いずれも平年と同程度となっている。ツキノワグマとのトラブルを防ぐため、県自然環境保全課は、人家周辺やキャンプ場などで生ごみの管理を徹底する▽山に入る時はクマが避けるよう、ラジオや鈴など音が出るものを活用する▽遭遇した場合は、急に大声を出したり逃げたりせず、背中を見せないようにしながら静かに立ち去る――などとアドバイスしている。

(ハンター待望!狩猟解禁:石川)
今シーズンの狩猟が15日、石川県内一斉に解禁となり、ハンターたちが獲物を求めて狩場に繰り出していました。解禁となったのはカルガモやキジなどの鳥類26種とクマやイノシシなど獣類20種で、保護区域など禁止エリア以外で日の出から日没までの時間帯に猟銃による狩猟が許可されます。初日の15日は金沢市内でも猟友会のメンバーが獲物を探し求めて山に入っていました。県によりますと、正午までに81人のハンターが狩猟を行い、カモ13羽の捕獲が確認されているということです。狩猟期間は来年2月15日までで、生息数が増えているイノシシとニホンジカについては3月末までとなっています。

(またイノシシ:新潟)
15日午後10時すぎ、新潟市中央区西船見町の西海岸公園近くを歩いていた男性から、イノシシ1頭を目撃したと新潟中央署に通報があった。同署よると、体長は約1メートルで、公園内の「ドン山」に向かっていったという。13日夜に同区内で目撃情報が相次いだイノシシと大きさは似ているが、同一かは不明。同署は警戒活動とともに、注意を呼び掛けている。

(公園でクマ目撃:新潟)
新潟県警加茂署の発表では、11月15日午後6時10分ごろ、加茂山公園北側公衆トイレ付近でクマの目撃情報があった。目撃者からの加入電話通報があった。通報によると、公衆トイレ付近の茂みで体長不明の小型のクマ1頭を目撃した。付近には民家もある目撃情報のため、加茂市と連携して被害防止の注意を呼びかけている。

(上高地の観光客7割減:長野)
長野県松本市の上高地で15日、閉山式が行われ、今年の観光シーズンが終わった。「Go To トラベル」の効果もあって秋口から客足は戻りつつあるが、4~10月の観光客数は前年同期比約7割減の37万7300人に落ち込んだ。例年約400人が参加する閉山式は、新型コロナウイルスの感染防止のため、約70人に縮小して行われた。上高地観光旅館組合の小林清二組合長(66)は「来年は万全の状態でお客様をお迎えしたい」と語った。国内を代表する山岳観光地は、新型コロナのほか、北アルプスを震源とした地震の続発や大雨、クマの出没にも悩まされた。緊急事態宣言の発令で、宿泊施設や土産店などは4月18日から約1か月間、一斉に休業。解除後の5月中旬から徐々に営業を再開したが、7月上旬の大雨で上高地につながる国道158号が土砂でふさがれるなどの被害が出た。クマに襲われ、けがを負ったキャンプ場の利用客もいた。河童橋近くの上高地西糸屋山荘は、約3か月遅らせて7月18日に営業を開始したが、お盆や9月の4連休を除き、宿泊客数は例年の約6割減だった。宿泊客の2~3割を占める登山客も今年は10分の1ほどだったという。秋口になってようやく客足が戻りつつあるが、奥原宰代表(64)は「今年は100日の商売だったが、商売ができてよかった。冬の間に新型コロナが落ち着いてくれれば」と願っていた。

(今季の狩猟解禁:長野)
県内の今季の狩猟が15日、解禁された。県警や市町村の担当者、各猟友会員ら計約730人が巡回。上伊那郡箕輪町では午前6時から猟友会員や伊那署員ら13人が参加し、狩猟者に事故防止を呼び掛けるチラシを手渡した。狩猟歴40年以上という同町の日野勝政さん(82)もチラシの注意事項を確認し、40~80代の8人と山へ。正午すぎまでに仲間と鹿3頭を仕留め、「豚熱の影響かイノシシが少ない印象」と話していた。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、銃やわななどを合わせた狩猟登録者数は10月末時点で約5400人。県は人の移動による豚熱ウイルス拡散を防ぐため、長靴や車両のタイヤの消毒などを呼び掛けている。狩猟期間は来年2月15日まで。鹿とイノシシのわな猟は3月15日まで。

(狩猟解禁ジビエシーズン到来、ジビエメニューを11月15日より期間限定提供:東京)
亜細亜TokyoWorld株式会社が運営する新宿三丁目の肉バル「パンとサーカス」にて、狩猟解禁となる11月15日(日)より2月15日(月)までの期間限定で【ジビエフェア】がスタート。メニューは厳選した国産ジビエのエゾ鹿・ヒグマ・イノシシ・アナグマの〈ジビエグリル4種盛り〉のほか、漢方にも使用される鹿の血を使用した〈シカのブータンノワール〉、猪の旨味と肉汁を凝縮させた〈ローストボア〉、身体を芯から温める柔らかな〈ヒグマのシチュー〉、甘流通しづらく希少な穴熊肉の〈アナグマベーコン〉、様々な国産ジビエを贅沢に使用した〈ワイルドラビオリ〉の6種類。ヘルシーかつ栄養たっぷりのお肉で、冬を乗り切るパワーを蓄えていただけるラインナップです。

(新人ハンタースキルアップ研修会:茨城)
本県では,狩猟者の減少や高齢化が課題となっていることから,新人ハンターを育成し,確保するための研修会を開催しています。現役で活動されているベテランハンターが狩猟におけるマナーの講座を始め,けもの道の見つけ方とくくりわな架設のコツ(わなプラン)や射撃技術(銃プラン)を丁寧にお教えします!狩猟免許は取得したけど,狩猟のコツがわからず出猟できない悩みをお持ちの方,ぜひご参加ください!

(クマ、ついに高校敷地に:秋田)
16日午前10時ごろ、秋田市手形の秋田高校で、校舎の南隣にあるグラウンド脇の土手にクマと思われる動物1頭がいるのを、教室で授業を受けていた女子生徒が発見した。けが人はいなかった。秋田東署によると、生徒が約50メートル先にいた黒色の動物の後ろ姿を目撃。そのまま敷地外へ立ち去ったという。体長は不明。

(クマ対策で知恵比べ、ロボットも登場)
全国でクマの出没による人身被害が相次いでいる。各地の自治体は警察や猟友会などと連携し、わなを融通したり、オオカミ姿のロボットを導入したりするなど対策を強化。一方で、駆除ではなく、クマとの共生を探る動きも出ている。環境省によると、4~9月のクマの出没件数は全国で1万3670件に上り、過去5年間で最多を記録した。人間がクマに襲われる被害は昨年度の140件に対し、今年度は9月までで80件(速報値)に上った。クマは近年、生息域を拡大しており、人間の生活圏内で冬眠や出産もする「里グマ化」が問題となっている。知能や学習能力が高く、駆除対策が難しいとされる。新潟県では、今年度の出没件数が統計の残る2006年度以降で最多となった。県の担当者は「ブナの実が不作で、クマが食べ物を求めて人里に下りてきている」と指摘する。県は特別警報を出して注意喚起するとともに、クマ用わなを市町村に融通するなどした。クマの目撃情報は5年に1回程度だったという北海道滝川市は、今年の出没件数が既に10件に上った。住民に被害が出かねない事態に、市はオオカミを模し、威嚇音でクマを追い払うロボットを9月に投入。その後、新たな出没は確認されておらず、「効果があったのではないか」(担当者)と手応えを感じている。一方、人間とクマの共生を目指す動きもある。自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)は、クマが山から下りてきそうな場所にドングリを置いたり、柿や栗の木を植えたりして、人里に出てくるのを防ぐ対策を進めている。クマが山から下りるのは、環境破壊や異常気象などで餌となる木の実が少なくなったのが原因とされる。室谷悠子会長は「餌不足という根本的問題を解決せず、安易に捕殺を続ければクマはいずれ絶滅する。人里に出てこないよう対策を取りつつ、生息環境の整備に力を入れるべきだ」と訴えている。

(クマに襲われ猟師けが:島根)
7日午前10時ごろ、島根県浜田市の山中で、同市の猟師の男性(65)がクマに襲われた。男性は頭や両腕を引っかかれ、市内の病院で手当てを受けた。命に別条はない。県によると、男性は地元猟友会の会員で、わなにかかったイノシシを確認しようとしていた。県と市は、現場付近に捕獲用のおりを設置し、注意を呼び掛ける。4~9月のクマの目撃情報は浜田市で243件、県全体で871件に上る。

(猪肉使った「ぼたん鍋」の季節:兵庫)
兵庫県内各地で狩猟が解禁され、猪肉を使った郷土料理「ぼたん鍋」発祥の地、同県丹波篠山市では本格的な鍋シーズンに入った。今年はコロナ禍中ということもあり、市内の料理旅館などでは、感染対策を徹底したうえで観光客を待つ。ぼたん鍋は猪肉を野菜や豆腐などとともに味噌ベースの出汁で食べる。かつて市内に駐屯していた「陸軍歩兵第70連隊」が銃の訓練で捕獲したイノシシの肉をみそ汁に入れたことが起源。後に小唄に歌う際、「唐獅子牡丹」の「しし」と「ぼたん」の語呂合わせで、「ぼたん鍋」に決め、肉をボタンの花のように盛り付ける手法も広まった。同市立町の料理旅館「池富」では、直箸をしないことや換気の徹底のほか、席の配置を工夫するなど感染対策を行っている。5代目店主の林大司さんは、「今年は一人鍋の注文が多い。また、大人数であっても従来のようにみんなで鍋をつつくのを避け、一人鍋を20卓分という注文もあった」と言い、「一方で、忘年会などの宴会は激減している。各店とも一生懸命、対策をしているので、密を避けながら、冬の味覚を食べに来てもらえたら」と話している。

(クマ出没注意!発生は平年並みか:滋賀)
秋が深まる中、ツキノワグマの出没が県内でも散発している。例年、冬眠前の11月末ごろまで活発に活動して集落などで目撃されており、県は平年並みに出没する可能性があるとして、注意を呼び掛けている。クマは食料となる木の実が凶作の年にエサを求めて人里に下りてくるなどし、目撃件数が増える傾向にある。

(サルに相次ぎ襲われ女性2人けが:岐阜)
岐阜県中津川市中心部で16日昼、歩いていた女性2人がサルに相次いで襲われた。2人は軽傷を負った。市によると、同日午後0時半ごろ、同市中津川の旭ケ丘公園付近の旧中山道で、夫と一緒にいた市外在住の70代女性が背後からサルに抱きつかれ、右足をかまれた。その1時間後、約100メートル離れた同市太田町の市道で、市内在住の70代女性がサルに抱きつかれ、右足かかとをかまれた。襲ったのは同じサルとみられる。市内では9月からサルの目撃情報が多数寄せられている。現場付近では同日朝にもサルが目撃され、市がパトロールのほか、捕獲用のおりを設置するなどして警戒していた。市は「外に食べ物を置かず、戸締まりをしっかり行ってほしい」と注意を呼び掛けている。

(「愛知県狩猟普及セミナー」:愛知)
愛知県では、主に狩猟免許(わな猟)の取得をお考えの方を対象に、狩猟に関する知識や魅力を紹介するセミナーを開催します。参加費は無料です!是非、御参加ください。

(柿好むクマ、食害防止へ全収穫目指すも対策難航:山形)
県内で相次いでいるクマの出没は庄内の特産品にも影響を与えています。柿を好む習性があるクマが近寄らないようにと鶴岡市では実をすべて収穫するよう呼び掛けていますが対策が思うように進んでいません。庄内柿を栽培する鶴岡市の板垣允俊さん。今年の収穫はまもなく終わりを迎えます。県内外で人気の高い庄内柿ですが柿を求めているのは人間だけではありません。(鶴岡市農政課小野寺レイナさん鳥獣被害対策推進員)「クマが今、柿の木によく来ている爪痕も非常に残っている状態」。今年県内では695件のクマの目撃情報が寄せられています。データが残る2003年以降で最も多く中でも鶴岡市は35市町村中最多の126件となっています。鶴岡市では柿の食害がきょうまでに少なくとも5件確認されています。(鶴岡市農政課小野寺レイナさん鳥獣被害対策推進員)「木ざわしになった渋が抜けた柿を狙ってくるケースが多い。柿の実があるとクマを寄せてしまうので寄せないために実を取り切ってほしい」。板垣さんが住む集落ではこれまでクマによる被害はありませんが市の指導を受け寄せ付けないための対策を行っています。(板垣允俊さん)「食べ物を無くしなさいということなのでこういうやつは全部とってあとはうまく処理する」。全て収穫したいところですがある問題から対策は思うように進んでいません。(板垣允俊さん)「柿を栽培する若い人が入ってこない」。対策の遅れの理由は農家の高齢化と担い手不足。市内では放置された柿の木が目だち始めています(板垣允俊さん)「これからどうすればいいのかその辺の話し合いもしなければならない。クマが来ないことを願いながらやっている」。柿はほかの果物に比べて販売価格が安く新たな担い手が育ちにくい実態もあります。柿栽培とクマ対策をどう両立させていくのか?対策が待たれます。柿畑は個人所有であることが多く第3者が勝手に入ることはできません。鶴岡市は柿畑を放棄した人に対して収穫できなければ木を伐採するなどの協力を呼び掛けています。

(クマ被害防止へ、電気柵の研修会:秋田)
クマ被害防止のため秋田県が活用を呼びかけている電気柵の研修会が秋田市で開かれ、市町村の職員などが設置の方法や注意点を学びました。ワイヤーに電気を流し、野生動物の侵入を防ぐ電気柵。金網などでつくる柵よりも設置が簡単なため、農地だけでなく家庭菜園などでも利用されているということです。電気柵の活用方法を学ぶ研修会には、県地域振興局や市町村の職員30人あまりが参加しました。設置するうえで大切なのが、地面と電気柵の間の高さを一定に保つこと。このほか、電気柵を設置する周辺の草木の管理も大切です。クマは、一度侵入を許すと何度もその場所を訪れ、人里まで出没範囲を広げるおそれがあるため最初の侵入を防ぐことが重要です。県は今後も研修会などを開き、クマの被害を防ぐための情報を提供していくことにしています。

(カキ20個食い荒らされる、近くにクマの足跡:秋田)
17日午前9時半ごろ、秋田市下浜桂根字境川の野菜畑でカキ約20個が食い荒らされているのを、隣の畑を所有する同市の70代女性が発見した。秋田中央署によると、カキの木は同市の80代男性が所有する畑にあり、枝が折られて食い荒らされた実が落ちていた。

(ヒグマ対策、効果的に:北海道)
網走市と大空町は、知床財団(斜里町)と連携したヒグマの生息調査を行っている。両市町で近年、ヒグマの目撃や捕獲が多くなっていることを受けた事業。定点カメラを使い、クマの行動範囲を分析するとともに、各種事業や行政への提言などを通し、効果的なヒグマ対策を探っている。

(華麗なる射撃一族:栃木)
クレー射撃スキート女子の折原梨花(23=林テレンプ)は父との二人三脚で、次世代の射撃界を担うホープだ。東京を逃した涙をバネに、4年後のパリに向かって新たなスタートを切った。夢舞台まで、あと一歩が遠かった。昨年11月に行われたアジア選手権(ドーハ)で、折原は東京五輪代表に決まった石原奈央子(46=古峯神社)と直接対決し、敗北。試合後も1週間滞在したが、気持ちは全く休まらなかった。「代表になりたいって気持ちが強すぎた。ダメだったって分かっているのに、諦めきれない感じ。受け入れるのに時間がかかりました」。それでも、今は前を向いている。10月24、25日に神奈川・伊勢原射撃場で行われた全日本選手権に出場。男女混合で行われ、予選5ラウンド中2回満射(全射命中)。全体3位で決勝に進み、6位に入った。東京の切符を争った石原を抑えて女子最高位に輝いたが、「切り替えて4年後のパリを目指している。今回はたまたまだし、調子に乗らないで次からも丁寧にプレーしていきたい」と謙虚な姿勢を見せた。祖父の代から続くクレー射撃一族。栃木・那須に祖父が作り、全日本選手権10度優勝の功績を持つ父・研二さん(47)が管理する射撃場を拠点に、練習を積み重ねている。18年のアジア大会(ジャカルタ)では親子出場で注目を集めた。小さい頃から射撃場周辺の川や山で遊び、銃声やクレーの割れる音を聞きながら成長。研二さんの練習する姿を見て、「クレー射撃を絶対にやる!」という思いを持ち続けた。日本クレー射撃協会の推薦で通常より2年早い18歳から銃所持の免許を取得するまでは、固定された紙標的に弾を発射するライフル射撃部がある高校で腕を磨いた。3年時に出場した国体では、ビームライフル射撃2種目で優勝。満を持して始めたクレー射撃は、今年で5年目になる。折原にとって理想の選手は、1番身近にいる研二さんだという。私生活では思ったことをお互い素直に言い合い、練習もほぼ一緒。試合形式で勝負する日もある。「対戦成績は半々か、パパの方がちょっと上くらいです。子離れしてほしいですが、選手として尊敬しています」と笑顔で答えた。対して研二さんも「梨花はもっと世界で活躍できると思う。23歳にして五輪まであとちょっとって、すごいよ」と太鼓判を押した。五輪は男女別で行われるが、日本国内では混合で行われる。研二さんは「女子の方がいい感じで男子に揉まれている。その中で、梨花には僕のことも全部超えちゃってほしいですね」と愛娘に期待を寄せる。その思いに、折原も応えるつもりだ。「私は男の人にも勝てるようになりたい。まずは来年の全日本で優勝を目指したい」。4年後の夏の祭典へ向け、一歩ずつ着実に進む。無限大の可能性を秘めたホープが、さらなる飛躍を目指す。

(ZETAを活用し鳥獣被害対策サービスの実証開始:福島)
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)とALSOK福島株式会社(本社:福島県郡山市、代表取締役社長:前田 泰彦、以下 ALSOK福島)は、LPWA通信規格のZETAを活用した罠センサーおよび罠の遠隔リアルタイム監視システムを用いた鳥獣被害対策支援サービスの実証実験(以下 本実証)を2020年11月17日より福島県大熊町(以下 大熊町)で開始しました。本実証は凸版印刷が提供するZETAを活用した罠センサー・罠の遠隔リアルタイム監視システムをALSOK福島が提供する罠の設置・見廻り・有害鳥獣の捕獲業務までワンストップで受託する鳥獣被害対策事業に導入し、より効率的な罠の見廻りから捕獲処分作業の実現を検証するものです。

(エゾシカと人との共存共栄、環境に配慮したSDGs対応:東京)
世界初の3D計測・3Dプリンタ×サブスクリプションを実現することで女性パンプスの足の悩みを全て解消する、次世代型パンプスブランド『AYAME』を展開する株式会社crossDs japan (クロスディーズジャパン)は11月20日(金)に、北海道のエゾシカ問題と、環境に配慮したSDGs対応のタイダイパンプスをサスティナブルキャンペーンと共に発売開始します。「誰一人取り残さない(取り残されない)」とのビジョンのもと、2030年までに国際社会が目指す共通目標として、国連で「SDGs(持続可能な開発目標)」が採択されてから5年を迎えました。その中の一つの問題として北海道のエゾシカ問題があります。平成30年に、北海道のエゾシカ による農業、林業の被害額はなんと38億円、交通事故に関しては年々増加しているという調査結果があります。自然に生息するエゾシカ自体の個数が増えすぎると、森の木々が枯れ、自然を破壊する要因にもなります。適正管理する事により「15.陸の豊かさを守る」、「11.住み続けられるまちづくり」などのSDGsの目標を達成できるようになります。適正管理のために罠や猟師などにより捕獲されたエゾシカですが、肉(ジビエ)に関しては飲食店などで提供されはじめていますが、革に関しては捕獲された個体の5%程度しか流通していなく、ほとんどが破棄されていました。この現状に対して、サスティナビリティブランドであるAYAMEは大正10年創業のフジトウ商事株式会社様とのコラボレーションにより、エゾシカ問題の解決と、環境負荷の高い家畜系の革に変わり、環境への配慮を考えたエゾシカの革を使ったタイダイパンプスを発売させていただくこととなりました。

(狩猟解禁、求むハンター)
11月15日に全国でシカやイノシシなどの狩猟が解禁されました。(※北海道は10月1日解禁)。しかし、いま農業被害を食い止める役割を担う、ハンターの不足が地方で課題となっています。狩猟をめぐる最新事情を取材しました。狩猟についてネットで調べているとユニークな取り組みが目にとまりました。「南房総2拠点ハンターズハウス」。“都市部在住者が3か月南房総で2拠点生活を送りながら、狩猟者になるためのプログラムを学ぶ”と書かれています。このプログラムは、11月下旬から2月末にかけて週末などに民宿に滞在し、わなの設置や獲物の解体方法などを学ぶものです。千葉県の南房総市観光協会と周辺の自治体で鳥獣対策に取り組む地域おこし協力隊などが協力して企画しました。参加費は15万円。どれだけの人が参加するのか気になります。企画した沖浩志さんに話を聞きました。「10人の募集に対し、説明会には40人の応募がありました。募集人数に達したあともどうしても参加したいという人がいて、追加で受け入れました。予想以上に関心が高かったです」。この取り組みが始まった背景には、地方の抱える課題があります。イノシシやシカなどによる農業被害は、全国で158億円(平成30年度)。この地域でも、被害が深刻化していますが、高齢化で猟をする人が足りなくなっているといいます。沖浩志さん「新型コロナウイルスの影響で、田舎暮らしへの関心が高まる中、都会の人たちに猟のなり手になってもらい、ゆくゆくは地元の人との交流を通じて移住につなげてもらえたらと考えました」。シカやイノシシなどの野生動物の肉は「ジビエ」と呼ばれ、このところブームとなっています。さらに、わな猟師をモデルにした漫画「罠ガール」のヒットなどで、狩猟免許の取得者は増加傾向です。たとえば東京都の新たな狩猟免許の交付数は、5年前は年間500件余りでしたが、去年はおよそ1000件に増加。都が受験した人に理由を尋ねたところ「狩猟をしてみたい」「有害鳥獣の駆除に協力したい」「ジビエを食べてみたい」と回答した人が多くを占めました。狩猟免許の所持者は増加していますが、課題もあります。環境省によると免許を持っている人は全国でおよそ20万人。しかし、実際に狩猟をする場合に必要な「狩猟者登録」をした人はおよそ14万人となっていて都市部の人など免許を活用していない人が少なくないとみられています。「ハンターズハウス」を企画した沖さんは、こうした人たちを地元に呼び込みたいと考えています。沖浩志さん「私は“ペーパーハンター”と呼んでいるのですが、農業被害が深刻な現場とうまくマッチングできればいいなと思っています」。都市部の免許保持者と農業被害に悩む地方をつなげる新たな仕組みもうまれています。狩猟免許の取得者のうち、特に増えているのが銃を使わない「わな猟」の資格です。ただ、獲物がかかっているか日常的な見回りが必要で都市部の在住者にはハードルが高い面があります。そこで、埼玉県横瀬町のベンチャー企業が、自治体の支援も受けて去年から始めたのが、わなのシェアリングサービスです。わな猟を行いたい人が複数人で出資して、わなを設置。見回り、解体などを共同で行うことで、一人一人の負担を減らし、解体した肉も出資した人たちでシェアする仕組みです。わなの状況は見回りのほか、遠隔カメラでも確認します。ことしはこれまでに10人以上の申し込みがあり、多くが東京などの都市部に住む、狩猟の経験がない“ペーパー・ハンター”だといいます。「地方では農業被害に困っている人がたくさんいて、自治体からもこの仕組みを導入したいという問い合わせが来ている。今後、他の地域にも拡大させていきたい」。農業被害を防ぐため、国は2023年度までにシカやイノシシの捕獲を増やし、生息数を10年前の半分以下にする目標を掲げています。しかし、捕獲ペースは目標に届いておらず、“ペーパーハンター”の活用が切り札の1つになるかもしれません。ハンターを増やそうという取り組みが広がっていますが、気になるのは安全面です。銃を使った狩猟では、誤って人を撃ってしまう誤射による事故も各地で起きています。環境省の鳥獣保護管理室に、狩猟を安全に行うには、どんなことに気をつけたらいいのか聞きました。猟銃を使う場合、茂みで何か動いたからといってすぐに発砲するのではなく、銃を撃つ方向をしっかりと確認することが不可欠です。さらに、移動中に何かのはずみで銃が暴発し、自分や仲間に当たってしまう危険性もあります。このため、弾を入れたまま移動しないよう呼びかけています。わなで動物を捕獲するわな猟では、捕まえたあとに動物が暴れて人が襲われるという事故も発生しています。動物がいても、すぐには近づかず、わなが引きちぎられたり固定している木から外れたりしていないか、よく確認する必要があるといいます。また、山林だからといってどこでも猟が行えるわけではありません。「鳥獣保護区」など猟が禁止されている場所が多数、指定されていて、都道府県などに確認する必要があります。南房総市のハンターズハウスなどでは、経験者から指導を受けるということですが、環境省の鳥獣保護管理室では山に入る際は、その地域をよく知る人と一緒に活動するよう呼びかけています。さらに、いま新たな課題となっているのが新型コロナの影響です。飲食店に足を運ぶ客の減少で、ジビエの消費が減っているのです。また、イノシシは、豚の伝染病・豚熱への感染が確認され、21の都府県の一部の地域で出荷できなくなっています。捕獲されてもそのまま処分されるため、食肉加工施設も厳しい経営に陥っています。売り先が減ったジビエを少しでも食べてもらいたい。消費を増やそうという取り組みが各地で広がっています。日本ジビエ振興協会は、家庭でなじみの薄かった鹿肉を気軽に楽しんでもらおうと、ことし9月から鹿肉のシチューなどレトルト食品のインターネット販売に乗り出しました。一番人気はスパイシー鹿カレー。カレーと鹿肉のうまみの相性が抜群だといいます。「レストランの営業時間短縮や廃業などでジビエの売り先がなくなり、会員の食肉加工施設からは『このままでは潰れてしまう』という声が聞かれます。ジビエは高価なもの、レストランで食べるものというイメージだったと思いますが、これからは家庭でも食べてもらいたいです」。一方、鹿肉の栄養価に注目しているのは、強じんな肉体と体力で職務にあたる自衛隊員です。防衛装備庁によると一部の施設で鹿肉が提供されているといいます。長野県の陸上自衛隊松本駐屯地では、11月18日に隊員たちの食事で、鹿肉メンチカツを提供。そのねらいを聞いてみると。松本駐屯地糧食班長 岩下裕樹2等陸尉「コロナの影響で地元で捕れた鹿肉の売り先がなくなっていると知り地産地消の意味もあって採用しました。鹿肉にはタンパク質が豊富に含まれていますし、カツにすればボリュームも出るので、体力勝負の自衛隊員にはとても良いと思います」。鹿肉に熱い視線を送るのは、人間だけではありません。「犬は鹿肉が大好きです。他の肉とは食いつきが違います」。そう語るのは、ジビエペットフード協会で代表理事を務める高橋潔さんです。ペットフードでのジビエの消費を増やそうと、協会を設立。ジビエ専門の市場を運営していますが、処理施設にオーブンを導入し犬用の鹿肉ジャーキーを作る取り組みを進めています。ジビエペットフード協会 高橋潔代表理事「もともとオオカミは鹿を食べていましたから、犬も鹿肉が大好きなんです。栄養も豊富なので、愛犬に食べさせようという飼い主は増えています。コロナでペットを飼う人も増えているので、需要の拡大を期待しています」。さて、ここまで読んでいただいた皆様、食べたくなってきましたよね?かくいう私も取材しながら、「鹿肉 レシピ」と検索してしまいました。野生の肉なので臭いが気になるという人もいるかもしれません。日本ジビエ振興協会の鮎澤さんに、肉選びのコツをうかがいました。日本ジビエ振興協会 鮎澤廉 事務局長「肉を選ぶ時には、衛生管理の方法を開示している食肉加工施設のものを選ぶことをおすすめします。血抜きなどの衛生管理がしっかりと行われていれば、生臭さはありません」。農林水産省は「国産ジビエ認証制度」を設けていて、認証を受けるには、加工施設で基準に沿った衛生管理が行われているかどうかもチェックされます。ただ、ジビエの調理には十分な注意が必要だといいます。ジビエの生肉には、サルモネラやE型肝炎ウイルスなどが存在している可能性があり、十分に加熱しないで食べると食中毒を引き起こすリスクがあります。日本ジビエ振興協会では、「絶対に生で食べないこと」と呼びかけていて、75度で1分以上の加熱が不可欠だと話しています。「カルパッチョ」や「たたき」などのようにレア状態で食べるのも避けたほうがいいといいます。それでは、どんな料理が家庭で作るのに向いているのでしょうか。おすすめを聞いたところ、「鹿肉のから揚げ」を勧められました。赤身でさっぱりとした、おいしい鹿肉から揚げが完成!ちなみに、鹿肉を焼く場合は、強火で一気に焼くとぱさつきやすいので、「弱火でじっくり」がポイントだそうです。新型コロナの影響でジビエの需要が減少している今だからこそ、飲食店だけでなく家庭の食卓でもおいしくジビエ料理をいただくことが、農家や生産者の支援につながるかもしれません。

(小中学校でジビエ給食:福岡)
狩猟で捕獲した野生動物の肉「ジビエ」の特産化を目指す豊前市で、イノシシやシカの肉を使ったジビエウインナーが開発され、17日、市内の小中学校の給食で提供されました。豊前市では、農林業への被害を防ぐために捕獲したイノシシやシカを有効活用し、地域の活性化につなげようと、おととし、肉の処理や加工を行う「豊前ジビエセンター」をオープンしました。17日は、センターが民間業者とともに開発したイノシシとシカの肉のジビエウインナーが、市内14の小中学校の給食で提供されました。横武小学校の1年生の教室では、14人の児童たちに1本ずつウインナーが提供され、皆おいしそうにほおばっていました。このジビエウインナーは、野生動物特有の臭みを消すため、ジューシーでしっかりした味付けになっているということです。子どもたちは「初めて食べたけど、普通のウインナーよりもおいしい」、「おいしそうだったので、いちばん先に食べた」などと話していました。豊前市では将来的には、学校給食で定期的に利用してもらうことで、子どもたちにジビエの魅力を知ってもらいたいとしています。

(ミカンの大敵:和歌山)
しなった枝の先に付く鈴なりのミカン、背景に広がる澄んだ青空。晩秋の和歌山県の風景は色彩が豊かだ。ただ、農家にとっては油断ならない季節らしい。畑一面に落ちたミカンの皮。そう、イノシシも食べごろを知っている。「荒らされた畑を見ると、がっかりだ」。同県田辺市の日向(ひなた)地区で果樹栽培をする岡本和宜(かずのり)さん(41)は話す。

(ドローンを活用、安全に動物を追い払う方法学ぶ:滋賀)
滋賀県米原市で、ドローンを活用し、クマとサルに近づかずに安全に追い払う方法を学ぶ講習会が開かれました。講習会は、サルの被害やクマの目撃情報が相次いでいることから、滋賀県米原市のドローンの研究会が、動物に近づかず安全に追い払ってもらおうと開き、市や県の職員などおよそ30人が参加しました。講習会ではまず、広い範囲を確認できるドローンを飛ばして野生動物がいそうな場所を見定めたあと、動物の体温を検知できる別のドローンを飛ばして居場所を特定する手順が紹介されました。動物には、音で人の怖さを学習させるのが効果的だということで、サルを想定してロケット花火を次々と打ち込みました。また、クマの想定では、ドローンに取り付けた防犯ブザーとスピーカーから、警報音や「山へ帰れ」などと録音した音声を響かせて接近させる実演が披露され、参加者たちは写真を撮ったり資料を読み込んだりして学んでいました。講習会に参加した米原市林務課の角田收主査は「集落の人たちがみんなで対策を進めてきたが、高齢化も進むなか、ドローンは有効だと感じたので今後の導入を検討していきたい」と話していました。

(イノシシ、男性が襲われ軽傷:福井)
十七日午前八時ごろ、越前市小野谷町の問屋団地の屋外駐車場で、建設会社に勤める男性がイノシシに襲われて軽傷を負った。市によると、牙で足を切られたもよう。

(犬の散歩中クマに襲われ、60代男性けが:石川)
18日朝、石川県加賀市の住宅地で犬の散歩をしていた60代の男性がクマに襲われて腕や顔などにけがをしました。男性を襲ったクマは見つかっていないということで、警察などが警戒を呼びかけています。加賀市や警察によりますと、18日午前6時すぎ、加賀市動橋町で、住民の60代の男性がクマに襲われたと家族から通報がありました。男性は犬の散歩中にクマに襲われ、自宅に自力で戻った後、病院に搬送されたということです。消防によりますと、男性は腕や顔などにけがをしましたが、命に別状はないということです。現場は住宅地を流れる川沿いの土手で、加賀市の職員や警察官などが警戒に当たり、ドローンを使った捜索活動も行われましたが、男性を襲ったクマは見つかっていないということです。現場近くにある福祉施設の女性職員は「施設に誰もいない時間帯でよかったです。最近、加賀市内でクマが出たという話をよく聞きますが、まさかこんな場所に現れるとは思いませんでした」と話していました。また、現場近くに住む男性は「近所にクマが出て驚いています。クマを引き寄せる柿の木は切りましたが、夜間は出歩かないようにするなど注意しようと思います」と話していました。石川県内でことし、クマに襲われてけがをした人はこれで15人目で、石川県は引き続きクマの「出没警戒情報」を出して警戒を呼びかけています。

(ツキノワグマの目撃、先月も高水準:長野)
県内の集落がある「里地」で今年10月にツキノワグマの目撃が126件に達し、昨年同月の125件と同様に例年より多かったことが17日、県のまとめで分かった。専門家は、冬眠前の「食いだめ」で餌探しに夢中になっている時季として、12月中下旬ごろまでは引き続き警戒が必要だと訴えている。県林務部によると、10月の目撃件数は記録が残る2006年以降、「大量出没年」とされる06、10、14年に次いで多く、大量出没年を除く平均値(44件)の3倍近くに上った=グラフ。人身被害は4~10月で10件あり、昨年同期より3件増えた。目撃は今月に入っても相次ぐ。17日午後1時40分ごろには、中野市穴田の山林近くで「親子とみられる熊を目撃した」と、通り掛かった人が中野署に通報。近くの豊田中学校の職員が通学路を巡回し、市が注意を呼び掛けた。NPO法人信州ツキノワグマ研究会(松本市)によると、今は「冬眠に向けた食いだめの最終段階」。餌となるドングリなどは地域によって実りに差があり、実りの悪い地域では河川敷や集落内の柿が実の付いたまま残っている場所などに出没する可能性がある。特に早朝や夕暮れなど薄暗い時間帯には熊の動きが活発になるといい、注意を求めている。熊の生態に詳しいNPO法人ピッキオ(北佐久郡軽井沢町)の田中純平さん(46)も「普段は警戒心が強い熊も夢中で食いだめする時季」とし、鈴などで人間の気配を知らせる工夫が必要と指摘。木から葉が落ちて熊が身を隠せる場所が減る時季でもあり、「周りをよく見て出合い頭の遭遇を避けてほしい」と呼び掛けている。

(イノシシ遭遇、慌てず避難を:静岡)
イノシシなどの野生動物に遭遇した場合の対処法や救助法を確認する「獣害対応防災訓練」が、県立森林公園(浜松市浜北区)であった。公園や消防署などの関係機関職員のほか、一般来園者計約五十人が参加。狭い場所でも搬送できる布製の救助担架の使用法、シェルターへの避難指示、猟友会への連絡法などに取り組んだ。来園者二人が遊歩道を散策中、突然イノシシが現れたため、逃げようとしたところ階段を踏み外し、足首を捻挫したほか、手首も骨折したとの想定。携帯電話で連絡を受けた職員は、音楽か音を出してイノシシが近寄らないようにすることを伝える一方、現場に急行、負傷者を救助した。他の職員は救急車の出動を要請し、園内放送で来園者にシェルターへの避難を呼び掛けた。シェルターでは、イノシシの習性と保身術を学ぶミニ講座があり、イノシシと遭遇した場合「フラッシュ撮影をしない。食べ物を与えない。背中を見せないで静かにその場を離れる」と伝えた。同園では「これから三月中旬まで、園内ではイノシシが出現する時期。音の鳴るものを身に着け、遭遇した場合は慌てずに避難してほしい」と呼び掛けている。訓練は二〇一六年三月、来園者が野生のイノシシに襲われ、男女九人が手足をかまれるなどして負傷し、病院に運ばれた事態を受け、昨年度から実施している。

(前澤友作基金活用し、ジビエ加工施設:千葉)
館山市は18日、ZOZO創業者で実業家の前澤友作氏(44)=鎌ケ谷市出身=が市へ寄付した20億円で創設した「前澤友作館山応援基金」を活用し、農水産物の直売や加工、体験施設などを複合した「食のまちづくり拠点施設」を整備する方針を明らかにした。同基金の6億5千万円を施設整備の工事請負費などに充てる。関連の補正予算案を12月議会などに提出する。館山市農水産課食のまちづくり推進室によると、地産野菜などを提供する「館山まるしぇ」が開かれている同市稲の市有地を活用し、地元農水産物の直売や加工、飲食ができる複合施設を道の駅として整備する。民間企業の技術力を生かすため、設計や建設、維持管理(20年間)を一括発注するDBO方式を採用して行う。また、捕獲されたイノシシなど有害鳥獣を処理する施設と、食肉として有効活用するジビエ加工処理施設も新たに整備。加工処理施設は来年11月の稼働を、食のまちづくり拠点施設と有害鳥獣処理施設は2023年度の開業を目指す。同課は「海の幸と山の幸が豊富にある館山市のような自治体は少ない。民間事業者からの意見を聞きながら、地域振興や観光に生かせる施設を整備していきたい」としている。

(野生動物の痕跡観察、特別授業:福島)
山木屋中は16日、川俣町の同校に隣接する自然体験林「まなびの森」で特別授業を行い、生徒が豊かな自然の中で多様な生態系について学んだ。福島イノベーション・コースト構想推進機構の人材育成支援事業の一環。同機構は、大学などの「復興知」を生かし、避難地域12市町村の学校での教育活動を支援している。特別授業には1年生2人が参加。福島大食農学類の望月翔太准教授が講師を務めた。望月准教授は野生のイノシシの足跡や、動物に食べられた跡がある松ぼっくりなどを紹介し、動物が生息している痕跡を紹介した。生徒はメモを取りながら、望月准教授の話に耳を傾けた。

(工場敷地内でヒグマ目撃:北海道)
18日朝、釧路市の工場の敷地内でヒグマ1頭が目撃され、市や警察が注意を呼びかけています。釧路市などによりますと、18日午前8時ごろ、釧路市大楽毛の「王子マテリア釧路工場」の敷地内の草地で、クマ1頭が歩いているのを近くを通りかかった人が目撃しました。クマは体長80センチほどで、近くで足跡が確認されたということです。現場は工場の周りに学校や住宅地がある海側の地域で、隣接する大楽毛小学校では子どもたちを保護者同伴のもとで下校させたということです。市によりますと、朝の通報以降は目撃情報が寄せられていないということですが、まだ付近にいる可能性もあるとして立て看板を設置したり、パトロールを行ったりして注意を呼びかけています。釧路市環境保全課の元岡直子課長補佐は「冬眠を迎える時期になり、エサを求めて人里に出てくるクマが多くなる。生ごみを適切に管理するなど注意してほしい」と話しています。

(列車と動物、衝突増加)
シカやイノシシなどの野生動物と列車の衝突が後を絶たない。衝突で列車が定刻より遅れるといった輸送障害は、JR東日本の管内で2019年度に1345件あり、18年度から179件増えた。20年度も19年度を上回るペースだ。しかし対策は追い付いておらず、同社の担当者は「いっそ全区間を防護ネットで覆ってしまえればよいのだが」と頭を抱えている。衝突増の背景には、地球温暖化の影響で全国的に降雪量が減っていることがある。気温の上昇や積雪の減少によって、野生動物は冬場でも餌を見つけやすくなって個体数が増えたり、活動範囲が広がったりした。

(山に木を植えればクマ来ない?専門家「むしろ数増える恐れ」)
冬眠を前に餌を求めるクマが活発に行動している。県内各地で目撃が相次ぐ中、本紙「あなたの知りたいっ!特報班(知りとく)」に読者からこんな意見が届いた。「実のなる木をもっと山に植えればいいのでは」。木の実でおなかが膨れれば人里に来なくなるという理屈だが、対策は一筋縄ではいかないようだ。「魚津・坪野・コナラ500本」「南砺・利賀・ミズナラ4830本」。県森林政策課が作成した資料には地名と樹種、本数が細かく書き込まれていた。県の「水と緑の森づくり事業」の一環として行われた植樹の概要だ。事業は害虫被害で荒廃した山林の再生が目的で、2012年度から5年計画で5万本を植えた。ブナやコナラ、オニグルミ、クリなどクマが好む実のなる広葉樹ばかりだ。ほかにも、民間の有志による植樹や下草刈りは県内各地で行われている。木々が育って豊かな森が復活すれば秋の実りが増え、人里にクマが来なくなるかも。そんなバラ色のシナリオを思い浮かべたのだが…。「それほど簡単な話ではないですよ」。県森林研究所の中島春樹副主幹研究員の言葉に、冷や水を浴びせられた気分になった。ブナは周囲の木と作況が似通う「同調性」が強く、いくら植えても凶作の年は「実のない木」が増えるだけという。同研究所によると、統計ではブナの豊作は5~7年に1度。原因は分かっていない。そもそも、今秋にクマの出没が多発する予兆は夏の時点であった。「全然実が付いていませんでしたね」と言うのは、8月に県内の国有林23カ所でブナを調べた富山森林管理署の門原秀人統括森林整備官。全地点で結実が確認されなかったのは05年の調査開始以来、初めてだった。コナラやクリは、ブナに比べて同調性が低いというが、中島さんは「クマ対策を目的に植樹する善しあしは、一概には言えませんね」と慎重な口ぶりだ。なぜだろう? クマ問題に詳しい富山市ファミリーパークの山本茂行名誉園長(69)に尋ねると、やや強めの口調でこう返ってきた。「森林をあるべき姿に戻すというのは大事なことですよ。でも、植樹ではクマ問題は解決できません」数が増え、強いクマに山を追われた弱いクマが人里に出没している、というのが山本さんの見解だ。事実、県自然保護課によると、県内のクマ生息数は08年度調査で推定740頭だったが14、15年度調査では1290頭。調査方法が異なるため単純比較できないものの増加傾向はうかがえる。山本さんは、凶作に備えた過度な植樹でさらにクマが増えてしまうと指摘し、「里山をきちんと手入れするなど、人と野生動物がすみ分けるための対策を講じるべき」と話す。

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11/17
(クマ出没:宮城)
12日正午頃、登米市東和町米谷字根廻地内(米谷8区)で熊の目撃情報がありました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午前11時ごろ、仙台市青葉区上愛子道半にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午前5時50分ごろ、仙台市泉区朴沢檀ノ原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、14日早朝、栗原市一迫宮前でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後5時40分ごろ、仙台市青葉区芋沢大勝草上野原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後5時ごろ、仙台市青葉区秋保町湯元太夫にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午後3時50分ごろ、仙台市青葉区川内にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後2時30分ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午後5時30分ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後4時50分ごろ、仙台市青葉区芋沢大勝草下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日、仙台市青葉区芋沢青野木にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午前6時30分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋白澤口にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区大倉根地木にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午前4時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢要害にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午後1時50分ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日夕方、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午前9時ごろ、仙台市青葉区荒巻仁田谷地にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日早朝、仙台市泉区野村立田原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、13日午前3時20分ごろ、富谷市富谷西沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午後1時45分ごろ、仙台市青葉区八幡7丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午後3時45分ごろ、仙台市泉区野村西原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日、仙台市泉区野村大涛にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午前0時25分ごろ、仙台市泉区野村西原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午前8時30分ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午前10時ごろ、仙台市青葉区芋沢大勝草下にクマが出没しました。

(イノシシ出没:宮城)
角田市によると、11日午前10時ごろ、角田市横倉杉ノ堂の小学校にイノシシが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午後4時20分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋大原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午後5時ごろ、仙台市青葉区八幡6丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、10日午後3時10分ごろ、栗原市若柳武鎗木売沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、9日、仙台市泉区実沢桐ケ崎屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午後4時20分ごろ、仙台市泉区実沢飛鳥原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午前3時ごろ、仙台市泉区実沢馬場屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午後10時30分ごろ、仙台市泉区南中山3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午後5時15分ごろ、仙台市泉区実沢六堂屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午前10時ごろ、仙台市太白区秋保町長袋上原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、9日午前6時ごろ、仙台市青葉区芋沢花坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日未明、仙台市太白区秋保町長袋上原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日早朝、仙台市青葉区芋沢大竹原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午前4時ごろ、仙台市青葉区芋沢座当にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日未明、仙台市青葉区みやぎ台2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午後11時35分ごろ、仙台市青葉区八幡6丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午後4時35分ごろ、仙台市青葉区八幡6丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午前1時10分ごろ、仙台市青葉区八幡6丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
村田町によると、8日午後5時ごろ、村田町足立法印付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、7日午前4時35分ごろ、栗原市栗駒片子沢田高田北にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、6日午後5時ごろ、色麻町高根前田付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日夜、仙台市泉区福岡南切立にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後9時ごろ、仙台市泉区西田中大堤にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後7時ごろ、仙台市泉区福岡上野原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午前6時20分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋大原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午前5時50分ごろ、仙台市太白区茂庭門野にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午前5時30分ごろ、仙台市青葉区大倉宮にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日早朝、仙台市青葉区芋沢青野木にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午後3時40分ごろ、仙台市泉区古内仁渡にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午前6時ごろ、仙台市太白区秋保町長袋門前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後4時15分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午後2時30分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋大原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午前6時40分ごろ、仙台市太白区秋保町馬場西向にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午後6時ごろ、仙台市太白区秋保町長袋大東南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日未明、仙台市太白区秋保町長袋清水久保にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午前7時40分ごろ、仙台市青葉区大倉原田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、5日午前6時ごろ、仙台市青葉区芋沢花坂下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日、仙台市太白区茂庭舟木南にクマが出没しました。

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11/5
(イノシシ駆除で弾あたりけが:宮崎)
9月26日、美郷町の山林で74歳の男性がわなにかかったイノシシに向かって猟銃を発砲したところ、弾が仲間の男性の左腕にあたり、けがをしました。警察は、業務上過失傷害の疑いもあるとみて調べています。警察によりますと、9月26日の午前9時半ごろ、美郷町西郷田代の山林で、自営業の74歳の男性がわなにかかっておりの中にいたイノシシにむかって猟銃を発砲したところ、弾が近くにいた仲間の男性の左腕の肩付近にあたったということです。男性は町内の病院で入院しましたが、30日退院し、命に別状はないということです。警察によりますと、当時、2人はおりに向かって同じ方向にいたということで、発砲した猟銃の弾が鉄製のおりに跳ね返って男性にあたった可能性があるということです。警察は、業務上過失傷害の疑いもあるとみて、猟銃を発砲した男性から話を聞くなどして事故の詳しい原因を調べています。

(鳥インフル検出、野鳥のふんから:北海道)
北海道は31日までに、紋別市で北海道大が24日に採取した野鳥のカモ類のふんから高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8亜型)が検出されたと発表した。道によると、高病原性鳥インフルエンザウイルスが国内で確認されたのは2018年以来。鳥インフルが原因で死んだ野鳥は同市内で確認されていないという。道は今後、採取地点周辺10キロ圏内で鳥類の調査をするなど対策を講じる。

(豚熱感染のイノシシ発見:滋賀)
豚の飼育頭数が県内一の湖西市で二十七日に豚熱(CSF)に感染した野生イノシシが発見されたのを受け、市内の養豚農家や市の関係部局は危機感を強めている。県西部家畜保健衛生所の聞き取りでは、発見場所から半径十キロ以内の養豚場で異常が見られた豚はいなかったが、「周りのイノシシ数頭が感染していると考えるのが普通」と不安がる養豚農家もいる。県などによると、感染したイノシシは二十二日、同市利木で有害鳥獣として捕獲され、五日後の検査で市内で初めて陽性が判明した。同衛生所は発見現場から半径十キロ以内にある浜松市と湖西市の計十八農場に異常のある豚がいないか確認し、感染防止対策を取るよう要請した。昨年十月十八日に藤枝市で県内初の感染イノシシが確認されてから一年。二十七日までに二百五十七頭の陽性が確認され、湖西市に近い浜松市北区でも複数頭発見されたが、養豚場での豚の感染例はまだない。湖西市によると、市内では九軒の養豚農家が県内最多の約二万六千頭を飼育。県養豚協会長も務める中嶋克巳さん(67)=同市山口=は「市境を越え、不安が高まった」と危機感を口にする。市内の養豚場は、イノシシの少ない市南部の丘陵地付近に集中し、市北部の山地からは一度平地を経由する必要がある。担当者によると、東海道線以南の市運動公園周辺でイノシシが原因とみられる農作物被害が十月に報告され、「養豚場付近まで野生のイノシシが近づいている可能性はある」と指摘する。中嶋さんの農場では子豚を含め約五千頭を飼育する。昨秋以降、野生動物を防ぐ防護柵で豚舎を囲ったり、生まれてきた豚にワクチンを打ったりして、感染症予防に留意してきた。「備蓄の消石灰をまくなど、さらに対策しなくては」と気を引き締める。市は陽性イノシシ発見を受け、追加で消毒液や消石灰が必要な農場がないか確認を進めていく。中嶋さんは「イノシシへの経口ワクチン散布や有害鳥獣駆除など、感染防止には地元猟友会の協力も欠かせない。行政は猟友会が協力しやすくなる態勢づくりもしてほしい」と語った。

(イノシシの豚熱感染を初確認:和歌山)
紀の川市で捕獲された野生のイノシシ2頭が国の研究機関の検査で豚の伝染病「CSF」=豚熱に感染していたことがわかりました。県内で野生のイノシシから「CSF」の感染が確認されたのは初めてです。和歌山県によりますと、今月24日、紀の川市の山林で野生のオスのイノシシ2頭が捕獲されました。国や県の研究機関がこの2頭のイノシシの血液を検査をしたところ、30日、「CSF」に感染していたことがわかったということです。県内で野生のイノシシから「CSF」の感染が確認されたのは初めてです。「CSF」は人には感染せず、感染した豚の肉を食べても健康に影響はありませんが、豚やイノシシが感染すると高い確率で死ぬということです。和歌山県では、ことし6月から県内すべての養豚場のおよそ2400頭の豚に対してワクチンの接種を済ませているため出荷の制限などはしないということです。一方、イノシシが捕獲された場所から半径10キロ以内に養豚場が2か所あり、和歌山県では31日、立ち入り検査を行うということです。また、県内の養豚場に対し、衛生管理の徹底と豚に異常がある場合はすぐに連絡するよう呼びかけています。「CSF」をめぐっては29日、大阪府でも初めてイノシシが感染していたことが確認されています。

(散弾銃射撃場汚染問題、3600平方メートル鉛撤去優先:佐賀)
伊万里市大川内町の市散弾銃射撃場の鉛汚染問題に関し、深浦弘信市長は2日の定例記者会見で、汚染地の中でも特に鉛の含有量と溶出量の多いエリア約3600平方メートルの撤去を優先する方針を明らかにした。汚染されている土壌の深さなどを調査したうえで工事費を試算し、工程を決めるという。

(70代男性、クマにたたかれる:山形)
30日午前4時25分ごろ、米沢市通町4丁目で、散歩していた70代男性がクマに胸をたたかれた。けがはなかった。現場は松川小から東に約200メートルの交差点。米沢署が現場付近を警戒している。

(帰宅中の高2、イノシシと衝突し転倒:香川)
28日午後8時35分頃、香川県丸亀市津森町の市道で、自転車で帰宅中の高校2年の男子生徒(16)と、イノシシがぶつかった。生徒は転倒し、坂出市内の病院に搬送されたが、左の足首を軽傷の模様。丸亀署の発表ではイノシシは体長約1メートル。生徒にぶつかった後、逃げていったという。現場近くでは、同日午後9時5分頃にもイノシシと鉢合わせになった男性が逃げようとして転倒し、手のひらに軽いけがをした。同8時10分から約1時間で、同署には数件のイノシシの目撃情報が寄せられた。

(女性がクマに襲われ大けが:長野)
長野県伊那市で、女性(79)がクマに襲われ大けがをしました。先月31日午後4時すぎ、伊那市西箕輪の住宅の敷地で、この家に住む藪原朝子さんが成獣とみられるクマ1頭に襲われました。顔を複雑骨折する大けがです。伊那市内では、31日未明からクマの目撃が複数あり、現場周辺を猟友会などが警戒していました。一夜明けた1日朝も市や警察、猟友会がパトロールを行いましたがクマは見つかっておらず、住民に注意を呼び掛けています。

(クルミ拾いの80代男女、クマに襲われ負傷:新潟)
2日午前8時半頃、新潟県村上市猿沢の山中で、クルミ拾いをしていた同市の80歳代の男女2人がクマに襲われた。女性は右腕や左手中指、男性は右足にけがを負った。いずれも命に別条はないという。新潟県内では4月以降、人がクマに襲われる被害が今月1日までに12件発生し、1人が死亡、13人が重軽傷を負っている。

(クマに襲われ男性けが:岩手)
11月1日午後、大船渡市の山林で、散歩をしていた79歳の男性がクマに襲われ、足にけがをしました。命に別状はないということです。1日午後2時半ごろ、大船渡市綾里の熊之入地区の山林で、近くに住む79歳の男性が、クマに両足をひっかかれて軽いけがをして、近くの消防署に助けを求めました。男性は市内の病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。警察によりますと、男性は1人で山林を散歩中にクマ2頭と遭遇し、そのうちの1頭に襲われたということです。県によりますと、ことし県内でクマに襲われけがをした人は、亡くなった1人を含めて27人にのぼり、過去5年間で最も多くなっています。県は、クマの活動が活発になっているため、山に入る際はできるだけ1人で行かないことや、鈴やラジオ、クマよけスプレーを持って行くなどして注意するよう、呼びかけています。

(キノコ採りの男性、クマに襲われる:秋田)
1日午後2時ごろ、秋田市河辺岩見の山中でキノコ採りをしていた大仙市協和船岡の会社員男性(74)が、クマに襲われ顔や腕などにけがを負った。けがの程度は不明だが、命に別条はない。秋田東署によると、男性は同日午前中から1人でキノコ採りをしていたところ、体長約1メートルの1頭と約50センチの2頭の計3頭と鉢合わせた。このうち体長1メートルのクマに顔を引っかかれ、頭と左腕をかまれるなどした。男性は自力で下山し、車を運転して帰宅。午後3時5分ごろに妻が119番し、ドクターヘリで秋田市の病院に搬送された。入院して治療を受けている。現場は「伏伸(ふのし)の滝」から北東に13キロほどの山中。県内のクマによる人身被害は4月以降、8件目で計9人。先月14日には藤里町中心部で被害に遭った80代女性が死亡している。県は「ツキノワグマ出没警報」を今月末まで延長し、警戒を呼び掛けている。

(クマに襲われ、90歳男性けが:京都)
3日午前5時30分ごろ、京都府綾部市佃町柳ケ迫で、住民の90歳男性が新聞を取りに外出したところ背後からクマに襲われ、頭から首にかけてひっかかれてけがを負った。市によると男性は入院したが、命に別条はないという。クマはそのまま山へ逃げたため、市職員や京都府警綾部署、地元猟友会などで地域を巡回している。地域のメールマガジンやFMラジオでも注意を呼びかけた。また東綾小・中学校の登校日だったため、登校に教員が付き添うなどして対応した。

(イノシシ暴れ、男性2人けが:大分)
わなにかかっていたイノシシが暴れ、男性2人がけがをした。3日午前9時半ごろ、大分市内の山中で、わなにかかっていたイノシシの足が、わなから外れて暴れ出し、わな猟をしていた70代と50代の男性2人がけがをした。周辺では、イノシシが農作物を荒らす被害が相次いでいたため、捕獲のために、わなが設置されていた。

(山林で熊にかまれ男性軽傷:長野)
4日午後1時45分ごろ、松本市梓川梓の山林でやぶから出てきた熊に左足をかまれた―と市に通報があった。松本署によると、市内の会社員男性(46)が左足をかまれ、軽傷のもよう。署員や市職員らが捜索。午後4時ごろ、猟友会員が熊らしきものを見つけ発砲したが、逃げたという。同署によると、成獣とみられる。男性は当時、1人で松枯れの調査作業をしていた。現場は金松寺の南側の山林。周辺には収穫間際のリンゴ畑や民家があり、畑の周りには熊のふんなどがあった。松塩筑猟友会梓川支部によると、10月以降、目撃が相次ぎ、おりを置いたりパトロールをしたりして警戒を強めていた。中沢信利支部長(69)は「昨年の目撃は少なかったが今年は多い。山に餌となるドングリが少ないためではないか」と推測した。近くのリンゴ農家の男性(78)は「早く仕留めてもらわなければ怖くて仕方がない」。近くの建築業男性(72)は、1週間ほど前に家族が熊の成獣に遭遇したといい「まだこの周辺にいたのか。怖い」と話した。市教委によると、梓川小学校、梓川中学校では教職員が地域を巡回。同中は、地元の生徒に熊よけの鈴を配った。

(1人でキノコ狩りの男性がクマに襲われ大けが:山梨)
山梨県小菅村で31日、山の中で1人でキノコ狩りをしていた79歳の男性がクマに襲われ、足の骨を折る大けがをしました。31日午後1時半頃、小菅村橋立の山の中で神奈川県に住む79歳の男性が1人でキノコ狩りをしていたところクマ1頭と遭遇し襲われました。警察によりますと男性はクマに襲われた後、逃げて自力で下山し、その後、甲府市内の病院に運ばれましたが左足の骨を折る大けがをしました。クマは体長1メートルほどだったということです。村ではキノコ狩りや紅葉のシーズンで山に入る人が多いことから防災無線などで警戒を呼びかけました。山梨県内では先月からクマの目撃情報が相次いでいます。

(店内に子熊、捕獲し解放:長野)
伊那市荒井の電器店で3日午前10時33分、熊1頭が捕獲された。伊那署や市によると体長約40センチ、推定体重約5キロで子熊とみられる。けが人はいない。同日午前に市内で目撃が2件あり、同署は捕獲された熊と同一とみている。電器店は商店街の一角で、JR伊那市駅から100メートルほど。1人で店にいた男性社長(70)によると午前10時半、自動ドアが開いた。入り込んだ動物は「犬か猫かと思うほど小さかった」。約30平方メートルの店内をゆっくり歩き、一角におとなしくうずくまったという。間もなく来店した女性客が近くの交番に通報した。駆け付けた伊那猟友会員が棒の先端に付けたワイヤを胴体に巻いて固定、店から引きずり出した。伊那市職員が店から西に約8キロ離れた山奥で解放。社長は「まさか、市街地で出るなんて」と話した。この日は、店から約700メートル離れた伊那中学校近くで午前9時35分、200メートルほど離れた県伊那合同庁舎付近で同10時10分に目撃があり、同署や市、猟友会の計15人ほどが捜していた。同署は「2件の目撃時間と位置関係、寄せられた大きさなどから、捕まった個体と同一では」とみる。伊那市荒井では2日にも目撃が2件あった。うち1件は「成獣」との情報もあり、市は捕まった子熊とは別の個体とみている。10月31日に同市西箕輪大萱の女性を襲ったとみられる熊の行方も分かっておらず、市は4日も早朝から荒井、大萱両地区で警戒を続ける。同署も両地区の通学路などを徹底してパトロールする。熊の生態に詳しいNPO法人ピッキオ(北佐久郡軽井沢町)の田中純平さん(46)は、維持管理されない里山で餌となる栗やコナラの実が増え、生息域が下がってきていると指摘。「『市街地なら安心』と考えず、生ごみや残飯など誘引する物の処分を徹底してほしい。外出時に鈴を携帯すると、人の存在に気付いた熊がパニックに陥らない効果が期待できる。庭先に市販センサーを付けて危険を予測することも大切」としている。

(リンゴ食害、クマか:秋田)
2日午前8時ごろ、秋田県羽後町床舞字後野のリンゴ畑で、リンゴ約20個が食い荒らされているのを所有者の80代男性が発見した。湯沢署によると、近くにはクマのものとみられるふんが残っていた。同署は現場の状況から、クマによる食害とみて付近住民に警戒を呼び掛けている。直近の民家まで約250メートル。

(列車がシカと衝突、2本運休:北海道)
1日午後6時ごろ、小樽市内のJR函館線小樽築港―朝里間を走行中の小樽発江別行きの普通列車(6両編成)がシカと衝突し、緊急停車した。乗員乗客にけがはなかった。約15分後に運転を再開したが、この影響で普通列車2本が運休するなどして約80人に影響が出た。

(イノシシと接触、赤穂線に遅れ:兵庫)
JR西日本によると、31日午後7時半ごろ、赤穂線の伊部駅(備前市)―香登駅(同)間で列車がイノシシと接触したため、車両と線路を確認した。このため同線の播州赤穂駅(兵庫県)―岡山駅(岡山市)間の一部列車に5~20分の遅れが出ている。

(女性がクマと鉢合わせ:新潟)
新潟県警加茂署の発表では、11月3日午前9時20分ごろ、加茂市中大谷地内の大谷川沿いで、70歳代の女性が通行中、体長1メートル未満の小型のクマ1頭が川沿いの茂みから突然、現れたクマと鉢合わせした。クマは女性のわきを通り過ぎ、道路反対側の茂みに逃げていったが、そのときに驚いた女性が転び、右にすり傷を負った。クマからの直接のけがはなかった。

(クマとの衝突が急増:山形)
県内で市街地へのクマの出没が相次ぐ中、車両との衝突事故が急増している。野生動物とぶつかって車が壊れた場合、自動車保険では「対物補償」扱いとなる。車との衝突に限定している契約では保険金が支払われず注意が必要だ。特にクマは体重100キロを超える個体もおり、車の損傷も大きい。過去には高速道に入ったカモシカが原因の多重事故も起きており、県警は注意を呼び掛けている。県警交通企画課によると、今年のクマと車両の衝突事故は10月28日現在で既に20件。昨年1年間の10件を大幅に上回る。特に米沢市や川西町に集中しており、2市町での発生は前年の0件から8件に急増している。幸い人身事故は起きていないものの、スピードの出る場所では衝撃も大きく危険が伴う。2014年9月には山形自動車道で、軽ワゴン車がカモシカと衝突。後続の5台が追突するなどし、1人が軽傷を負った。修理費用も高額だ。自動車保険を取り扱うJA共済連山形には10月、置賜地方の契約者から、クマとの衝突事故に伴う保険金の請求が2件あった。自走できなくなったり、バンパー交換が必要になったりしたという。前部にはラジエーターやコンデンサーなど重要な装置が集まっており、修理費は35万~40万円で廃車になる可能性もあるという。動物との衝突や、避けようとしてガードレールなどにぶつかった事故は、物損事故として処理される。複数の損害保険会社によると、「エコノミー型」「限定型」と呼ばれる車両保険の場合は車同士の事故など補償範囲を絞っているため、保険金が支払われないという。一方、幅広い損害をカバーする「一般型」なら対象となるが、保険料は年間で数万円高くなる。同課は「動物が飛び出したときにハンドルを切ると、路外逸脱などの重大な事故につながる可能性がある」と指摘する。クマやカモシカなど重量の大きい動物の場合は、スピードが出ているほど損傷が大きくなるといい、慎重な運転を呼び掛けている。

(東北道で路肩付近歩く「クマ」1頭目撃:福島)
31日午前2時10分ごろ、桑折町の東北道下り線で、走行していた男性が路肩付近を歩くクマ1頭を目撃し、東日本高速道路(ネクスコ東日本)を通じ県警高速隊に通報した。けが人はいなかった。県警高速隊によると、通報を受け、目撃場所付近を警戒した際、体長約1メートルのクマ1頭の死骸を発見したという。

(車にひかれた?道路脇にクマの死骸:秋田)
31日午前7時ごろ、秋田県湯沢市上院内字荒町の国道108号で、道路脇にクマ1頭の死骸があるのを通行中の男性が発見した。車にひかれたとみられる。湯沢署によると、クマは体長約50センチで子グマとみられる。親グマは周辺に見当たらなかった。同署は付近住民に注意を呼び掛けている。死骸の発見場所は民家まで約50メートル。

(ヤギ襲われ死ぬ、クマか:宮城)
31日午前7時45分ごろ、宮城県栗原市花山草木沢箕ノ口の住宅敷地内で、飼っていたヤギ1頭が死んでいると、この家に住む男性から通報があった。腹部にかまれたような傷があり、宮城県警築館署はクマに襲われたとみている。同署によると、30日夜、外でがたがたと物音がし、男性がクマを警戒して離れた場所から確認すると家畜小屋のそばでヤギが倒れていた。31日は、宮城県内でほかにも仙台市や気仙沼市でクマが目撃された。

(乗用車とクマが衝突:新潟)
30日5時過ぎ、妙高市三ツ俣地区の県道を走っていた普通乗用車に、道路を横切ってきたクマ一頭がぶつかる事故があった。車はぶつかった衝撃でフロント部分が凹んだが、ドライバーにけがはなかった。クマは草やぶに逃げ去ったという。

(“わが子同然”カモ100羽盗難:埼玉)
今、北関東で相次いでいる、家畜の盗難。これまでに、子牛や子豚、ヤギ、ニワトリなどが被害に遭っている。さらに、新たな盗難被害が、明らかになった。狙われたのは、アイガモおよそ100羽だった。被害に遭った心境を、埼玉・久喜市で農場を営む渡辺優さん(68)は、「自分の子どものように、オギャーって生まれてから、大人になるまで面倒見てますから、頭真っ白って感じだし、腹も立つ一方、がっかりする方が大きいですね」と表現した。「わが子同然」と語ったのが、アイガモ。渡辺さんの農場では、135羽のアイガモを飼育していた。ところが、アイガモおよそ100羽を盗まれる窃盗事件が発生した。あたりを見渡すと田畑が広がり、住宅も点在している。渡辺さんが被害に気づいたのは、31日の朝。普段通り飼育小屋を訪れたところ、その光景は一変していた。渡辺さん「たくさんいたアイガモが、これしかいなくなっちゃった。外敵に襲われたのであれば、死骸が残るし、これは盗まれたんではないか、ということを考えて警察に届けた」。被害額は、30万円相当。飼育していた小屋には、2メートル近い囲いが設けられ、扉には、かんぬき錠がついていたが、鍵はかけていなかったという。渡辺さん「抵抗してかまれるとかひっかくとか、そういうことは一切ありませんので、仮にここにいれる器があれば、時間的には100羽いて、3人ぐらいで、だいたい20分以内ぐらいには捕まえられる」。小屋は、渡辺さんの自宅から離れた場所にあり、隣の住宅からも少し距離があることから、鳴き声が聞こえなかったのではないかと話す。近所の人「(何か目撃した?)いや、それはないですね。場所が場所ですけど、人の通りが少ないですからね」。小屋には、ニワトリ50羽もいたが、無事だった。渡辺さんの農場では、アイガモ農法を取り入れており、アイガモは、食肉用ではなく、田植えの時期に害虫を駆除するために飼育していた。盗難被害は、今回が初めてではないという。渡辺さん「トラクターだとか、建設機械のユンボだとか、過去にそういった大きな機械を盗まれたことは、何度かあります」。さらに、付近の農家でも、以前から被害に遭っていたことがわかった。近所の人「たまに野菜泥棒もいたりすることもあった。イチゴのできたところを持って行っちゃうとか」。およそ100羽のアイガモ。誰が、何のために盗んでいったのか。渡辺さん「大量に持って行ったんですから、何らかの目的があってだと思うんですけど、それを売ってお金にするっていうふうに考えると、非常に難しいですから」。警察は窃盗事件として捜査するとともに、北関東で相次いでいる一連の家畜盗難事件との関連も調べる方針。

(獣害で一足早く、狩猟解禁:滋賀)
イノシシと鹿の狩猟が1日、他の狩猟対象動物より半月早く、県内で解禁された。獣害対策のためで、各地の野山では早速、オレンジのベストを着たハンターが早朝から猟銃を手に山に分け入った。県自然環境保全課によると、狩猟期間中に県内で狩猟するための狩猟者登録には10月15日現在で県内1447人、県外256人の計1703人が登録。

(相次ぐクマ被害、都道府県にパトロール強化など要請)
クマによる被害が各地で相次いでいることを受けて環境省は、クマが出没したという情報を地域住民に速やかに伝える体制を整備したり、出没状況に応じてパトロールを強化したりするよう都道府県に要請しました。この秋、クマが人里に出没し、人が襲われてけがをするケースが各地で相次ぎ、ことし4月以降、9月までに寄せられたクマの出没に関する情報は全国で1万3670件とこの5年で最も多くなっています。こうした状況を受けて環境省は30日、全国の都道府県に対し、被害を防ぐための取り組みを徹底するよう求める通知を出しました。この中では、クマが市街地などに出没した場合、地域の住民に正確な情報を速やかに提供したり、必要に応じて立ち入りを制限したりする体制を整備するよう要請しています。また、住民や登山者、観光客などに対して、クマと遭遇したときの対応方法を周知することや、出没の状況に応じてパトロールを強化することも求めています。環境省は今後、クマが出没した際の対応マニュアルを見直すなどして被害を防ぐための自治体の取り組みを後押しすることにしています。

(クマ出没、実は5年間で最少:神奈川)
全国各地でクマの出没や人身被害が相次いでいる問題で、神奈川県内の今年4~9月のクマの出没件数は37件にとどまり、現時点で公表している2016年度以降の同期比で最少だったことが、県の集計で分かった。

(農作物被害防止で狩猟期間を延長:福井)
県内では、1日から、わなを使ったイノシシとシカの猟が解禁されましたが、野生動物の生息域の拡大と農作物への被害を防ぐため、ことしの解禁は通常より15日間早く、狩猟期間の終了も1か月半延長されることになりました。1日に解禁されたのは、わなを使ったイノシシとシカの猟です。県によりますとイノシシとシカは、県内で生息域が拡大していて、これに伴って農作物の被害が後を絶たないということです。このため県は、おととしは、シカの捕獲頭数の目標を▼嶺北で4800頭、▼嶺南で8000頭と定めていましたが、実際の捕獲頭数は▼嶺北でおよそ1900頭、▼嶺南でおよそ6700頭と、いずれも目標に届きませんでした。またイノシシについても、年間1万頭以上捕獲するとしていますが、おととしは、およそ6800頭でした。このため県は、通常は11月15日から翌年2月15日までの間解禁される狩猟期間を拡大し、ことしは11月1日から来年3月31日までとしました。キノワグマなどほかの動物や銃などを使った猟の解禁は11月15日となっています。県自然保護課は「狩猟者のかたには事故のない安全な狩猟を心がけていただき、一般の県民のかたも、山に設置してあるわなには絶対に触らないなど注意をしてほしい」と呼びかけています。

(クマに警戒、パトロール隊出発式:富山)
県内でクマの出没が相次ぐ中、その被害を防ごうと魚津市で警察や猟友会が参加したパトロールの出発式が行われました。これは先月、魚津市内の民家の庭にクマが潜むなど県内でエサを求めたクマの住宅地への出没が相次ぎ、警戒が必要なことから関係機関の連携を目的に行われたものです。2日、魚津消防署の駐車場でパトロールに向けた出発式が行われ、市の職員や警察、消防、地元の猟友会が参加しました。出発式では、市内で今年に入って27件のクマの出没情報があり、10月も住宅地で8件と増加していることや、注意喚起の内容などを確認しました。出発式が終わると、参加者は一斉にそれぞれ車に乗り込み、市内の住宅地を中心にパトロールを行いクマの出没注意を呼びかけました。

(イノシシ駆除、地域総がかり:佐賀)
農業に深刻な被害を与えるイノシシを地域ぐるみで駆除する「捕獲班」の取り組みが佐賀県内で広がっている。駆除を担ってきた猟友会など狩猟者の減少と高齢化が進み、住民が自ら集落を守る必要性が出てきた。県などによると、現在は13市町で約40班が活動し、狩猟技術の向上などが課題になっている。捕獲班は狩猟免許を持つ人と持たない人がチームを組み、箱わななど銃器を使わない方法でイノシシを捕らえる。免許を持たない人は「わなの設置」「獲物にとどめを刺す」以外の補助的役割を担う。国や県はかつて、免許を持たない人が有害鳥獣の捕獲に従事することを一切認めていなかったが、狩猟者の減少と高齢化を理由に要件を緩和した。県生産者支援課によると、県内の狩猟免許所持者は1725人(わな猟、銃猟などの延べ人数=2月現在)で減少傾向が続いている。60歳以上が7割近くを占める一方で、イノシシ被害は絶えず、過酷な駆除作業を担いきれなくなっている。そこで県は2016年度、捕獲班の取り組みを制度化した。杵島郡江北町の岳地区は17年に捕獲班を結成した。山が浅いためイノシシが出る地域ではなかったが、8年前からぼた山にすみ着いて田んぼや果樹園を荒らすようになった。集落の周囲4キロを金網で囲っても侵入され、困って町に相談したところ、捕獲班の制度を紹介された。岳地区には狩猟免許を持つ人がいなかったため、住民2人がわな猟の免許を取得した。箱わなの購入を含め、経費は補助金で賄った。現在は10基のわなを仕掛け、補助員6人を含む8人で手分けして見回り、イノシシが入っていればとどめを刺して埋設処分する。見回りには別の住民も協力する。これまでに捕獲した数は46頭。岳地区の成果を受け、近隣の6地区にも捕獲班ができた。ただ、班長の澁谷喜寿さん(66)は「初めのうちは次々と捕れたが、イノシシも賢いので最近はあまり捕れない。被害は減っていないので、私たちの方がもっと勉強しないと」と課題を挙げる。伊万里市二里町の中田・炭山地区の捕獲班は毎年30~40頭を捕獲している。国見山(標高776メートル)の中腹にある集落は昔からイノシシに悩まされ、県の制度ができる前から地元の猟友会と連携して捕獲に取り組んできた。今も年2回ほど県伊万里農林事務所も加わり勉強会をしている。班長の山崎光英さん(67)は「猟友会に仕掛け方を教えてもらったり、農林事務所に暗視カメラを借りて出没場所を調べたり、イノシシとの知恵比べに勝つには地域外との協力も大切になる」と話す。

(クマ捕獲わな、ICTで管理:新潟)
クマに襲われて女性が死亡した新潟県関川村で、クマを捕獲するためのわなを情報通信技術(ICT)で管理する実験が31日、報道陣に公開された。実験はクマがわなにかかると関係者のスマートフォンなどに連絡される仕組み。わなにかかったかどうかを確認する手間が省けることから、高齢化が進む猟友会員らの負担軽減が期待される。実験は村がNTT東日本新潟支店と連携して30日に始まった。NTT東のICTを使った鳥獣被害対策では、イノシシなどを対象にした例はあるがクマは初めて。県内をはじめ全国各地でクマによる人身被害が相次いでいることから実験対象をクマにも広げた。実験は、猟友会が村の山中に設置した約15カ所のうち5カ所で実施。わなにセンサーを付け、クマがわなの中に入ってふたが閉まるとスイッチが作動。カメラ付きセンサーから捕獲情報が送信され、登録者の携帯電話やスマートフォンに情報と写真がメールで届く。11月30日まで続けられる。31日は村の職員やNTT東の社員、猟友会のメンバーら約15人が参加した。わなに設置されたセンサーの仕組みを確認。わなの状況も点検した。村によると、村内では10月、毎日数件の目撃情報が寄せられた。10月11日にはクマに襲われた村内の女性が死亡した。現在は29人いる猟友会員がわなを確認しているが、負担が大きい上、子グマが入った場合は近くに親グマがいる可能性があり危険が伴う。関谷猟友会長の菅原修さん(66)は「おりは毎日確認するので大変。会員は仕事もありボランティアなので負担が軽くなり、助かる」と語った。NTT東の担当者は「負担軽減だけでなく、データの分析で出没地域を絞り込み、効率良くわな設置することにも役立つ」と話した。

(クマ対策会議、監視強化へ:石川)
クマの出没が相次ぎ、10月に4人が相次いで襲われてけがをした白山市で対策会議が開かれ、現在、担当課だけで行っている市のパトロールの体制を今後、ほかの部署からおよそ200人の応援をもらい市を挙げて強化していくことを確認しました。白山市では、クマの出没が相次いでいて、10月16日には男女4人が襲われてけがをしています。これを受けて、白山市は29日、市役所で対策会議を開き、地元の警察や猟友会などおよそ30人が参加しました。はじめに白山市の山田憲昭市長が「4人の市民が被害を受けるなど人身被害が発生しました。白山市として災害対応のように全庁あげて対応したい」とあいさつしました。そして、林業水産課の職員が、クマの目撃件数が今年度はおとといまでに67件で、すでに昨年度1年間の63件を上回っていることを説明しました。その上で、11月1日からは、林業水産課だけではなく、ほかの部署からおよそ200人の応援をもらい、パトロールの体制を強化し市民への注意喚起を行っていくことを確認しました。白山市産業部の岡田和典部長は「引き続き、市民にこまめに注意喚起を行って、被害を防いでいきたい」と話していました。

(すみか急襲、カラス一斉退散:山形)
山形市は31日夕、集団化したカラスを追い払うため、JR山形駅前に猛禽(もうきん)類を飛ばした。天敵の存在を認識させ、恐怖心を与えて寄りつかなくさせる5年目の試みで、一定の効果が確認されている。この日も飛ばした後は、すみかである近くの緑地帯からカラスの姿や声が消えた。追い払いはきょう1日も行う。市街地では集団で電線などに止まるカラスによるふん害や、鳴き声による騒音といった被害に市民から苦情や相談が毎年寄せられる。市は強い光線を放つレーザーポインターを使った追い払いや捕獲などに加え、長期的に広範囲で寄りつかなくなる効果を狙い、2016年から猛禽類を使った対策を始めた。今回は駅前のビルからビルへと猛禽類を放った。福島県から鷹匠(たかじょう)の菊地誠一さん(60)ら3人を招き、タカの仲間であるハリスホーク1羽を飛ばしたほかに、ビルの屋上にフクロウとミミズクなど計4羽の猛禽類を待機させ、声や存在感でカラスを威嚇した。群れを成してカラスが飛び始めた午後4時半すぎ、笛の音を合図に菊地さんがハリスホークを放つと、カラスは鳴きながら一気に飛散した。加えてフクロウとミミズクを目にしたカラスは、ビル近くのねぐらから遠ざかっていった。市環境課によると16年以降、猛禽類を使った対策を取った直後はカラスの姿が目に見えて減っているという。昨年度に市に寄せられた苦情・相談件数は4~10月に17件あったが、11月に猛禽類を飛ばしてからは3月までで計3件だった。同課は来年度以降も行う予定で、「継続しながら、より実効性のある方法を検討していきたい」と話している。

(迷惑カラス追い払え、レーザーポインターで実証:福島)
郡山市の郡山駅前大通商店街振興組合は、長年、ふんや騒音被害を地域に与えているカラスの追い払い作戦に乗り出した。カラスが嫌がるとされる光を発する「レーザーポインター」を使った全国でも珍しい取り組み。来年の三月ごろまで効果を検証する。一定の成果が上がれば方法を広く普及し、地域ぐるみでの活動に発展させたい考えだ。三十日に商店街の有志らの手で郡山駅前で追い払いの実証を始めた。実際にカラスの方にレーザーポイントを向け、その効果を確かめている。併せて郡山署と連携し、使用に当たってのガイドライン製作も進めている。同組合によると、カラスの被害は十数年ほど前から続き、ビルの屋上や車、道路などがふんで汚されている。駅前の街路樹をねぐらにし、夕方から明け方にかけて少なくとも二百羽ほどが飛来しているという。買い物客や住民から「乾燥しているとふんが舞う」「ふんが雨でぬれて滑る」「服に付着した」などの苦情が出ているため、街なかからの排除が必要だと判断した。佐藤晃正理事長が商店街連合会に呼び掛け、四つの振興組合が賛同している。音や鷹匠など他の方策に比べて費用の負担が少なく、近隣への影響が少ないため、レーザーポインターの使用を決めた。試行段階でもカラスが退散する効果が確認できたという。有効性が実証でき、近隣への迷惑が掛からないことが分かれば、将来的に他地区にも普及する方針。佐藤理事長は「市街地は安全に寝ることができない場所だとカラスに認識させたい」と話している。

(クマ出没、厳戒の街:石川)
「まさか、こんなところにまで」。全国各地でクマの出没が増え、国の集計で2020年度上半期は1万3670件と、公表している16年度以降最多となった。石川県は10月にクマに襲われた負傷者が10人と、新潟県(うち1人は死亡)と共に全国最多(27日時点、毎日新聞調べ)。駅前の商業施設に入り込む異例の事態が起きた他、市役所がある中心街、学校の中にまで出没しており、住民たちは厳戒態勢だ。負傷した女性をはじめ、関係者の声を聞いて歩いた。シャリン、シャリン、シャリン――。10月23日午後3時半、石川県小松市木場町の市立木場小学校(児童数75人)の校門付近で鈴の音が響き始めた。下校する児童らがランドセルにぶらさげたクマよけだ。「暗闇の中、追い掛けられてパニックになった」―。10月28日夕、福井県福井市稲津町の自宅敷地内でクマに襲われた50代男性が被害直後に福井新聞の取材に応じ、当時の緊迫した状況について話した。玄関は目の前だったが室内の家族に危害が及ぶことを恐れ、逃げ回るしかなかった。右足のすねやふくらはぎに複数の引っかき傷を負い、「軽傷で済んでよかった。命の危険を感じた…」と声を震わせた。28日午後6時半ごろ妻と一緒に帰宅した男性は、車庫に車を止めて外に出た。ふと何かが動く気配がして足元を見ると、約1メートルの成獣のクマが四つんばいでいた。その時は「大きい犬」くらいの認識で、車庫に一晩中いられたら困ると思い「あっち行け」と追い出そうとした。その瞬間、クマは「ハーハー」と息を荒くし、歯をむき出しながら向かってきた。妻は「きゃーっ」と声を上げ、約20メートル先の自宅の中に駆け込んだ。男性はクマに追い掛けられながら、妻や自宅とは反対の方向に逃げた。集落に街灯は少なく「辺りは暗い、クマも黒い。よく分からなかった」。何度か追い付かれ足元を爪で引っかかれた。転倒して顔面も打った。5分ほど自宅の周辺を逃げ回り、足がうまく動かなくなった。動かずにやり過ごそうと考え、玄関近くで座り込んだ。視線を合わせずじっとしていると、クマは追い掛けるのをやめた。一定の距離がとれたところで、リビングの窓から家に逃げ込んだ。着ていたスーツのズボンは泥だらけで、爪で引き裂かれた痕もあった。男性は「傷が深かったり、かまれていたりしたらと思うとぞっとする」と振り返る。経験を踏まえ「遭遇したときの対処法を、日頃から考えておく必要がある」と述べた。

(大型囲いわなで初捕獲、イノシシ被害軽減へ前進:栃木)
イノシシ被害が顕著な栃木県大田原市須賀川地区に市鳥獣被害対策実施隊の隊員が昨年11月に設置した大型囲いわなで1日、イノシシ5頭が捕獲された。初の捕獲で、同隊代表の橋本公夫(はしもときみお)さん(70)=親園=は「捕獲できずに悩んでいたが、やはり周囲に食べる物がなくなってきたので、囲いわなに入った」と安堵(あんど)している。このわなは地元住民の協力を得るとともに、市から設置費の一部として13万6千円の補助を受け、昨年11月17日に橋本さんと同隊の貝塚恒夫(かいづかつねお)さん(72)=薄葉=が設置した。スギやヒノキなどの間伐材120本を地面に打ち込んで造った。大きさは高さ2メートル、縦3・6メートル、横5・5メートルで、約12畳分の広さという。捕獲されたのは母親1頭と子ども4頭。貝塚さんは「餌はジャガイモやサツマイモなどを使っていたが、10月から酒かすを混ぜたぬかに変えたことも良かった」と手応えを感じていた。地元の須賀川上自治会長平久江徳昭(ひらくえのりあき)さん(68)は「ごみステーションは荒らされ放題で、田んぼの土手も崩される。氷山の一角だが、今回の捕獲で頭数は減った。しばらくは荒らされずに済む」とした上で「捕獲実績を受け、他の地域にも囲いわなが広がれば」と期待していた。

(「シカ情報マップ」開設5年:愛知)
県森林・林業技術センター(新城市)などによるインターネットサイト「シカ情報マップ」が開設五年となった。ニホンジカやニホンカモシカの目撃情報を集めて行動を予測し、農林業被害への対策に役立てる目的の取り組み。これまでにサイトに寄せられた目撃情報は一万二千件を超えている。

(ニホンキジ元気に育って:佐賀)
野生鳥獣の保護繁殖のため県は10月30日、鳥栖・三神地区2市3町の鳥獣保護区などでニホンキジ計200羽を放った。地元猟友会のメンバーらが箱を開けると、生後120~150日のほぼ成鳥に育ったキジが勢いよく飛び出し、野山へと羽ばたいていった。キジは国鳥で県内各地に生息し、留鳥(りゅうちょう)として一年中同じ地域で暮らす。県は1987年度から、地区を替えてキジの放鳥を毎年実施し、昨年度までに計1万2700羽を放した。鳥栖市内では牛原町の四阿屋(あずまや)と河内町の河内ダム周辺で、地元猟友会や市の担当者ら約10人で50羽を放った。繁殖しやすい場所を選んでいるが、県猟友会鳥栖支部の古賀照義さん(68)は「放鳥直後は畑で見かけた話も聞くが、カラスなどの天敵がいて思うようには繁殖していないようだ。増えてくれればいいけどね」と話した。

(クマ出没、県内被害相次ぐ:群馬)
クマが人家近くに出没したり人が襲われたりする被害が群馬県内で相次いでいる。群馬県内の本年度(4~9月)の目撃情報は862件で、過去最多だった昨年度に迫る勢いだ。10月には、みなかみ町の温泉旅館の敷地内で宿泊客が襲われて負傷した。出没が増えている背景には冬眠前の餌となるドングリ(堅果類)の「凶作」がある。餌を求めて人里に出没する危険性が高まっており、県や専門家は注意を呼び掛ける。秋の行楽期を迎え、観光客からも心配する声が上がっている。10月16日午前0時半ごろ、同町藤原の宝川温泉の旅館で、宿泊客の男性が露天風呂に向かうため1人で屋外道路を歩いていたところ、クマに襲われた。クマは敷地内の自生のクルミを食べていたという。県自然環境課によると、4~9月に寄せられた目撃情報(出没数)862件のうち、利根沼田地域が453件と半数以上を占める。人的被害も相次ぎ、受傷事故は8月以降に6件で計7人が負傷した。8月23日には、同町月夜野で散歩中の男性が襲われるなど、民家が点在する人の生活圏でも被害が出た。危機感を強める同町は本年度、人や農作物への被害を防ぐため、50頭超のツキノワグマを捕獲した。例年の捕獲数30頭ほどを既に大きく上回っている。クマの出没が続く背景には、ミズナラ、ブナなど山林の餌不足がある。県鳥獣被害対策支援センター(高崎市)によると、堅果類の実り具合を示す豊凶指数は本年度、調査を始めた2007年度以降で最も低い水準だった。出没数と指数には相関関係があるとみられ、「不作」だった19年度は過去10年間で最多の1039件。一方で「並作」だった18年度は585件だった。人的被害も凶作の年に多い傾向があり、いずれも凶作だった10年に9件、12年に7件が報告されている。政府の観光支援事業「Go To トラベル」などにより、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ観光客の回復が待望される中、相次ぐクマの出没の影響を懸念する声も出ている。同事業を利用し、都内から同町に家族旅行で訪れた男性(32)は「クマが出ると知って少し心配。露天風呂を利用する予定はないが気を付けたい」と話した。同旅館ではクマを寄せ付けないように周辺の木の実を処分したほか、町に依頼して捕獲用のわなを設置。担当者は「クマによる被害が原因で予約のキャンセルもあった。夜間から明け方にかけ、露天風呂の利用を控えるよう宿泊客に呼び掛けている」と明かした。ツキノワグマの生態を研究する東京農工大の小池伸介准教授(生態学)は「人里にクマが出てこないよう、クリやカキの実を収穫したり生ごみを除去したりすることが大事」と指摘。「遭遇してからできることは少ない。クマが活発になる朝や夕方は山の近くを1人で出歩かないなど、まずは遭遇しないよう気を付けてほしい」と呼び掛けている。

(教職員がクマ対策学ぶ研修へ:秋田)
学校の近くでクマが目撃されるケースが相次ぐなか、秋田県教育委員会は、子どもたちがクマの被害にあわないように、教職員らが集まり、クマの生態を踏まえた対策を学ぶ研修を初めて行うことを決めました。ことし、県内では、1日までに、クマに襲われて1人が死亡、8人がけがをしていて、このうち8月には、鹿角市で、下校中の男子高校生がクマに襲われ、けがをしました。こうした被害を受け、秋田県教育委員会は、今月12日、県内の小中学校や高校の教職員など、およそ130人が集まり、クマを近づけない対策などを学ぶ研修を初めて行うことを決めました。研修では、講師の県の職員から、クマが身を潜めやすいやぶの撤去など、学校周辺や通学路の環境作りや、複数人で音を出しながら行動し、明るいうちに帰宅するといった通学に関する指導など、クマの生態を踏まえた対策を学ぶということです。秋田県教育委員会は、「学校の近くでクマが目撃されるケースも相次いでいて、教職員のクマに関する知識を深めて対策につなげ、子どもたちの安全を守りたい」としています。

(クマ出没、埼玉で49件:埼玉)
全国各地でクマの出没や人身被害が相次いでいる。環境省は10月の対策会議で、今年4~9月の各地におけるクマの出没数が1万3670件に上り、現時点で公表している2016年度以降の同期比で最多だったと明らかにした。背景について、生息分布エリアが山間部から、平野部や海沿いにまで拡大しているとの見方を示した。埼玉では出没が49件あり、県などが注意を呼び掛けている。県みどり自然課によると、県内の本年度のツキノワグマの出没数は9月末現在で49件。市町村別では秩父市が18件で最も多く、小鹿野町と飯能市が10件ずつで続き、皆野町が4件、東松山市が2件だった。本年度は人への被害は確認されていないが、2018年度に1件、16年度には2件の被害があった。

(クマ早期発見へ、やぶを踏み倒し:新潟)
クマによる人身被害を防ぐため、国土交通省信濃川河川事務所は新潟県魚沼市を流れる魚野川の河川敷で、やぶの踏み倒し作業を始めた。見通しを良くして早期発見につなげ、クマが潜める場所も減らす異例の取り組み。11月上旬までに4カ所で行う。同市内では今季、クマの人身被害は発生していないが、目撃情報は例年より増えている。そのため県と市が国に要請した。目撃情報や痕跡があったり、学校、保育施設に近かったりする河川敷を対象に、虫野、十日町、伊勢島、四日町の計約1・6ヘクタールで実施する。虫野の河川敷では10月29日、国交省の委託を受けた建設会社の作業員が重機でやぶを踏み、低木を倒して進んだ。同事務所堀之内出張所の小木曽光恭所長は「このような作業は過去に例がないと思う。クマが冬眠するまで、これ以上被害が出ないようにしたい。他にも要請があれば連携していく」と話した。

(ニホンジカ「生息密度」調査:新潟)
県は2日、農林業被害をもたらすニホンジカが、北アルプス沿いなどで生息を広げているとする調査結果を明らかにした。ふんの数から「生息密度」を推定する昨年度の調査で、2015年度の前回にはほとんど確認されなかった松本市の乗鞍高原などで密度が上昇。生息密度は、佐久地域などでも大幅に上がった地点があった。北アの生息密度は、松本市の乗鞍高原が1平方キロ当たり31・1頭で前回比約43倍。前回生息が確認できなかった北安曇郡白馬村のクロスカントリー競技場「スノーハープ」も同26頭だった。県は八ケ岳周辺などで繁殖したシカが犀川や奈良井川を渡って分布を広げたとみている。茅野市の霧ケ峰・カシガリ山や、南佐久郡南牧村の野辺山スキー場でも密度が大幅に上昇した。県は、この日開いた特定鳥獣保護管理検討委員会で、シカが餌場とする牧草地や、主要河川を渡る場所で捕獲を進めると説明。野生イノシシの豚熱(CSF)対策では、県内で捕獲したイノシシの5割が抗体を持つようになったとした。感染が終息に向かうとされる60%を目指して経口ワクチン散布を続けるとした。県内で人身被害が相次いでいる熊対策では、信州大農学部の竹田謙一准教授が10月31日に伊那市で女性(79)が襲われ重傷を負った現場について「川沿いの林の管理が不十分で、熊が人目に触れずに移動しやすい」と指摘した。

(クマ「注意報」発令:山形)
クマの出没が急増し、人身事故が相次いでいることを受け、県は4日、県民の安全を確保するためクマ出没に関する対応レベルを初めて策定し、「注意報」を発令した。同日開いた関係機関との対策会議で決定。人に危害が加わる恐れがある場合、市町村の判断で捕獲ができることなども確認した。県によると、今年の目撃件数は5月以降40~90件台で推移していたが、10月に261件に急増。これまでになかった住宅街や平野部など、人の生活圏に出没している。例年、出没が減少傾向になるはずの10月にも人身事故が3件発生。年間では計5件となり、県は「特異な出没状況」として、3段階の対応レベルを初めて定めた。人身事故が1~4件で「注意喚起」を発令し、市町村などに注意喚起を依頼。同5件以上で「注意報」、死亡事故が1件発生した場合に「警報」に引き上げる。いずれも、SNSや広報車などで厳重な警戒を呼びかけるほか、警察や猟友会によるパトロールを行うなどし、注意報以上で対策会議を開く。

(イノシシ出没余波、全国高校駅伝県予選:香川)
坂出市の番の州公園周辺でイノシシが出没した影響で、1日に同公園前特設コースで開催予定だった全国高校駅伝県予選が3日に延期となり、会場も高松市の屋島レクザムフィールドに変更された。たすきリレーは行わず、区間ごとにトラックレースを実施し、合計タイムで順位を決める。県高体連など大会主催者が30日に決めた。今大会は例年通り、同公園前を発着・中継点とするロードで行う予定だったが、28日にイノシシが出没したため、同公園は現在、休園となっている。県高体連陸上競技専門部は「本部や待機場所となる番の州公園が使えず、安全確保にも懸念が残る」と理由を説明。その上で「新型コロナウイルスの影響がある中でも感染防止策を徹底し、通常開催を目指していた。苦渋の決断であり、選手らには申し訳ない」としている。また、競技方法の変更に伴い、総走行距離も男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロから、男子7区間42キロ、女子5区間21キロになる。今年は、石川県など他県の予選会でもクマの出没などでトラックレースに変更しているところがある。

(広報紙“号外”でクマ警戒伝える:富山)
富山県富山市八尾地域でクマの出没情報が相次いでいることを受け、富山西署八尾幹部交番は地元の児童に注意を呼び掛ける交番広報紙の“号外”を作成した。5日、校区内で特に目撃の多い八尾小学校の児童へ配る。浦山広大所長(38)は「(冬眠前の)11月は例年クマの出没が多い。改めて警戒してほしい」と話す。同交番によると、本年度は10月末時点で、八尾地域でクマの目撃や痕跡の情報が43件あった。前年の約3倍で、富山西署管内の8割超を占める。特に八尾小学校区での出没が目立つ。7月に下笹原で散歩中の高齢女性が襲われて軽傷を負い、9月には福島で目撃された成獣が駆除された。同交番の広報紙は月1度、各公民館を通じて地元住民に配布している。今回は子どもたちにクマへの特別の警戒を呼び掛けるため、号外を発行することにした。児童が見やすいようカラーのイラストを付け、大きな文字で仕上げた。号外は八尾小の全校児童用に300枚用意し、5日の登校時に配る。後日、近隣の樫尾小にも配布を検討している。浦山所長は「子どもと一緒に、大人も危機感を強めてほしい」と訴える。

(厳戒、身近にクマ出没:石川)
「まさか、こんなところにまで」。全国各地でクマの出没が増え、国の集計で2020年度上半期は1万3670件と、公表している16年度以降最多となった。石川県は10月にクマに襲われた負傷者が10人と、新潟県(うち1人は死亡)と共に全国最多(27日時点、毎日新聞調べ)。駅前の商業施設に入り込む異例の事態が起きた他、市役所がある中心街、学校の中にまで出没しており、住民たちは厳戒態勢だ。負傷した女性をはじめ、関係者の声を聞いて歩いた。シャリン、シャリン、シャリン――。10月23日午後3時半、石川県小松市木場町の市立木場小学校(児童数75人)の校門付近で鈴の音が響き始めた。下校する児童らがランドセルにぶらさげたクマよけだ。

(クマ目撃相次ぐ、通学見守り:富山)
クマの目撃が相次ぐ富山市の八尾地区では、警察が移動交番車を配置し集団登校に付き添うなど子どもたちを見守りました。移動交番車は4日朝から富山市の八尾小学校に配置され、警察官と自治振興会の人たちおよそ20人がクマ鈴を鳴らしながらの集団登校に付き添うなど通学を見守りました。八尾小学校付近では、先週から3件の目撃や痕跡がありクマの出没が相次いでいるため警察は警戒を強めています。警察は6日まで移動交番車による見守り活動を行い、5日の登校時間には児童にクマ対策のビラや鈴付き反射材を配るなど注意をうながすということです。県によりますと11月は人身被害が増える傾向にあり、ドングリが凶作だった去年は統計をとって以来最多の15人に被害が発生しています。

(クマ被害防止へあの手この手:新潟)
新潟県内でクマの目撃や被害が相次ぐ中、キャンプ場や森林公園など山あいのレジャー施設は対策に知恵を絞っている。不安を感じる客からは、「クマは出ないか」と問い合わせが数多い。施設側は客の安全を確保するため、草木を刈り取って人のいる気配を示したり、音を使ってクマが寄り付かないようにしたりするなど、工夫を凝らした被害防止に取り組んでいる。「キャンプ人気もあって、被害防止には神経をとがらせている」。五泉市上杉川のキャンプ場「チャレンジランド杉川」では、炊事場の脇にクマを寄せ付けない周波数帯の音を流す超音波発生機を設置している。施設の管理担当者によると、キャンプ場付近でクマが目撃されたことはこれまでないが、客からは「『クマは出ないですか』と問い合わせもあった」という。超音波発生機は、ジージーと10秒間の電子音が一定間隔で鳴る仕組み。担当者は「施設内の建物には夜間も宿直が常駐しているので、万が一出没したときは避難先としても使ってほしい」と強調した。阿賀野市のレジャー施設では、市内で相次いだ目撃情報を受け10月中旬、周辺の木や雑草を刈り取る「やぶ払い」を行った。周囲の見晴らしを良くして人の存在感を示し、クマを寄せ付けなくするのが狙いだ。度重なる市内での目撃に、客から心配する声が寄せられていたという。担当者は「何か手を打たなければ」と、開業以来初めての対策に乗り出した。刈り取った場所には、地元猟友会の協力を得てクマの捕獲装置も設置している。やぶ払いの効果について担当者は「人からもクマが見えやすくなり、被害の防止につながるのではないか」と話した。一方、「音楽」を使った対策を取る施設もある。南魚沼市永松の「五十沢キャンプ場」では、場内にピアノ曲などを流し、クマを寄せ付けないよう工夫している。毎年行っている対策で、効果を高めるため、人のいない時間帯には音量を上げているという。上越市桑取地区の森林公園「くわどり市民の森」では、散策する人にクマよけの鈴を無料で貸し出している。また、園内の生態調査のために設置されたカメラで撮影されたクマの写真を掲示。訪れる人への注意喚起を強めている。県によると、クマによる人身被害は本年度13件16人に上り、このうち1人が亡くなった。県は独自の「クマ出没特別警報」を出し、警戒を呼び掛けている。

(クマ出没警報を延長:秋田)
秋田県は、31日までとしていた「ツキノワグマ出没警報」の期間を11月30日まで延長する。県内では10月7日に藤里町で女性がクマに襲われ、その後死亡したことから、県が15日に注意報を警報に引き上げた。県によると、10月の目撃件数は26日時点で106件に上り、昨年10月全体の40件をすでに2倍以上上回っている。住宅地での出没も確認されており、今後も被害が出るおそれがあることから、延長を決めた。県自然保護課は「山林に入るときは鈴やラジオで音を出すなどしてほしい。家の前に生ゴミを置くことなどもクマを呼び寄せる」と注意を呼びかけている。

(クマの人身被害注意、県と県警が市町村に通知:富山)
県と県警は30日、市町村や県猟友会などに対し、クマの出没や捕獲時の連携体制を改めて確認するよう文書で通知した。昨年は11月に人身被害が増えており、今後、冬眠を控えて空腹状態となり、興奮気味のクマが山から人里まで下りてくる恐れがあるため、注意を促した。県によると、県内では今年9月以降に人身被害はないものの、1月から10月29日までの出没件数は500件で、近年では大量出没した2010年と2019年に次ぐ多さとなっている。昨年の人身被害13件のうち8件が11月に発生。また、13件で被害に遭った20人のうち10人が、朝や夕方ではなく日中にクマと遭遇しているという。冬眠間近のクマは時間帯に関係なく、餌を求めて活発に行動することが考えられるため、県は「カキの木の伐採や納屋の戸締まりといった対策の徹底が大切。痕跡を見つけた際は速やかに市町村や警察に報告してほしい」と呼び掛けている。

(道内の鳥獣被害、19年度は47億円:北海道)
北海道によると、エゾシカなど野生鳥獣による2019年度の農林水産業被害額は前年度比4%減の47億円だった。鳥獣別の被害額はエゾシカが38億円で最多。カラス類が3億2千万円、ヒグマが2億2千万円、キツネとアライグマがともに1億2千万円だった。エゾシカが全体の8割を占めたが、捕獲活動や新入防止柵の整備などで、被害金額は11年の64億円をピークに年々減少している。振興局別では釧路管内が11億3千万円で最多。次いで十勝管内(4億8千万円)、日高管内(4億6千万円)の順だった。作物別の農林業被害金額は牧草が18億4千万円で約半分を占めた。

(冬眠前のクマ、いっそうの警戒を:富山)
県内ではこの秋、クマの出没が各地で相次いでいます。さらに来月・11月は、冬眠の時期が近づいたクマが餌を求めて人里に現れ人への被害のおそれが高まるとして、県は30日、さらに警戒するよう呼びかけました。県自然保護課 掃本之博課長「これから11月は、冬眠を控えてクマの活動が活発になり平野部に降りてくることが予想される。空腹の中で気が立っているので不意の遭遇に厳重な警戒が必要」。県内では、ことし29日までに、クマの目撃やふんなど痕跡の発見が合わせて500件に達しています。特にここ2か月は、過去10年間の平均の3.5倍にのぼっています。また人への被害は、29日までに5人で、過去2番目に多かった去年と10月時点で同じペースです。去年は11月だけで、人への被害が8件15人にのぼりました。そしてすべての現場の近くにクマが食べにくるカキやクリの木があったことから、県は30日、改めて速やかに収穫するなどの対応を呼びかけました。県自然保護課 掃本之博課長「(食べ物が)無ければわざわざ近づいてこないという実例もあるので効果は期待できる。集落単位で地域ぐるみで取り組んでいただけるのが一番効果的」。また、納屋の中などにある農作物や生ごみにクマが近づかないよう、戸締りをするなど適切に管理することや、冬眠前は、日中でもクマが活発に行動する場合があることに注意するよう呼びかけました。石川県や福井県では、このところ人への被害が相次いでいます。これからの時期、いっそう気を付けてください。

(クマ出没がこの5年間で最多)
石川県加賀市のショッピングモールにクマが侵入するなど、クマの出没が相次いでいます。環境省によると今年4~9月の出没件数は1万3670件で、この5年で最多。被害にあった人は9月末時点で86人にのぼっています。環境省によると、冬眠前のエサとなるドングリ(堅果類)が2年連続の凶作傾向で、エサを求めて人里に近づくクマが増えているようです。クマは冬眠する動物として知られています。冬の入り口にさしかかる11月に入りましたが、クマはいつ頃から冬眠に入るのでしょうか。クマ研究の第一人者・東京農業大学の山崎晃司教授によると、ツキノワグマは例年エサになる食物がなくなる11月ごろから翌年4月頃までの5~6か月間にわたって冬眠します。冬眠する場所は、樹洞、岩穴、土穴などです。冬眠中に出産したメスは1か月ほど冬眠明けが遅くなるといいます。ちなみに、交尾期は6~8月ですが、冬になってから受精卵が着床するため冬眠中に出産するのです。ツキノワグマの普段の体温は37~39℃ですが、冬眠するときは31~35℃まで下がり、呼吸数も1分間に2回程度と省エネモードになるそうです。動物園で飼育されているクマは冬もエサを与えられるので冬眠する必要がありませんが、上野動物園では「冬眠チャレンジ」と称して、園舎の室温を下げて冬眠させたことがあります。オス9歳の場合、冬眠前にエサを1日に1万kcalに増やして体重が20%増加しました。冬眠期間は野生よりだいぶ短い93日間でしたが、冬眠明けには体重が30%減っていたといいます。野生の大人のオスは体重が50~100kg、メスは30~60kgですが、冬眠明けには体重が半分に減っているそうです。それだけ冬眠に備えて大量の食物を摂取する必要があるのです。「11月には冬眠に入るから、12月はもうクマに出くわすは心配ない」と思われるかもしれませんが、冬眠しないクマもいるようです。環境省の「クマ出没情報」(目撃情報を公表していない北海道、クマが生息していない九州・沖縄県を除く。四国はこの5年間は目撃情報ゼロ)によると、昨年10月は2670件、11月は1951件でした。11月は冬眠に入るクマが多かったのでしょう。ところが、冬眠期間とされる12月に374件、翌年1月に100件、2月に63件、3月に94件の報告がありました。冬眠しないのか、あるいは冬眠を一時中断したのでしょう。冬の気温が比較的高い西日本だけでなく、厳寒の東北でも目撃情報がありました。「冬はクマが冬眠するから安心」と油断できません。冬山登山やスキー場で出くわす可能性もあることを覚えておいてください。

(クマと共生、軽井沢に学べ:新潟)
新潟県で人がクマに襲われる被害が多発している。鳥獣被害対策を手がける新潟の企業は、長野県軽井沢町で実施されているクマの個体管理に注目。クマと人のすみ分けを図るため、軽井沢モデルの管理手法の導入に向けた動きも出始めた。10月中旬、午後11時の軽井沢町。シカの鳴き声が響く中、NPO法人ピッキオのスタッフは巨大なアンテナを片手に山へと分け入った。6月から毎晩続く夜間調査だ。クマに付けた発信器の電波から複数地点からクマの位置を探る。音のわずかな強弱から判断する様子はまさに職人技。翌朝4時まで続き、市街地に近いクマがいた場合は早朝担当のスタッフが犬やゴム弾で追い払う。軽井沢は国道18号線を挟んで北側が国指定の鳥獣保護区になっている。クマが住みやすい環境に別荘などが集まる。「共生には人間の怖さを学ばせる学習放獣が重要だ」とピッキオの田中純平保護管理ディレクター。クマをワナで捕獲し麻酔をかけ山へ戻す前に犬や人の声を学ばせる。ゴム弾や花火も使い「人は怖い」と覚えさせ人里に近づくたび同じ体験を繰り返す。学習放獣の効果でピッキオが管理する45個体中9割は人里に近寄らなくなった。人身被害も4年連続でゼロだ。2000年から町の委託を受けて始めたツキノワグマ対策も21年目。6人のスタッフのうち4人がクマに麻酔をかける技術をもつ。新潟にも取り入れようと、9月に鳥獣対策ベンチャーのうぃるこ(新潟県長岡市)では2週間の現場研修に参加し、10頭超の麻酔に立ち会いノウハウを学んだ。新潟ではクマに麻酔をかけられる人材がほとんどおらず、駆除以外の選択肢が限られる。うぃるこは軽井沢モデルのクマ管理を目指し、早速現場で使われていた麻酔薬「ゾレチル」の輸入手続きを始めた。麻酔銃の所持許可も20年度内に警察へ申請予定で、麻酔をかけられる体制作りを急ぐ。新潟での4~10月のクマ目撃件数は30日時点で1386件。過去10年でも最も多い。人身被害は12件で19年ぶりに死者も出た。県は初めて「クマ出没特別警報」を発令、対策は急務だ。ただ、軽井沢町でのクマ管理は予算があってこそ成り立つ。ピッキオのクマ対策にかかる年間費は約3000万円。うち5割を軽井沢町からの委託事業が占め、残りは長野県の補助事業や企業からの寄付金、協賛会員の会費などでまかなう。ピッキオはベアドッグ(クマ対策犬)を全国で初めて導入・繁殖した団体として知られるが「当初は自費。繁殖も広く事業に賛同する人から出資を募るクラウドファンディングなどを活用して実現できた」と田中ディレクター。日本有数の別荘地ならではの体制で、新潟も同様とはいかない。すぐに可能な対策は何か。長岡技術科学大学で鳥獣対策に詳しい山本麻希准教授は「山際の栗やカキの木をなくし、人里にエサがない状況をつくるべきだ」と指摘する。所有者の確認が取れた木は切れるが、持ち主不明のケースも多い。電気柵の設置などで対応するが「地元判断で勝手に切れる法整備が必要」という。新潟では09~10年に病気で約20万本のミズナラやコナラが枯れた。クマのエサがブナの実しかなく、凶作時は人里へ降りることも多くなる。山の環境改善も必要で「順番に対処しなければクマは人里に現れ続ける」と山本准教授は警鐘を鳴らす。新潟県は4月に鳥獣被害対策支援センターを設置、クマ出没時に地域行政がどう動くか具体化したマニュアルを9月に策定した。ただ、関係者は「10月にクマが竹やぶへ立てこもった時は大混乱だった。現場に即した内容ではない」と不満を漏らす。冬眠に備えクマのエサ探しは活発化している。軽井沢を参考に、クマと共生する新潟独自の道が求められている。

(ヒグマ狩猟延長、まず現状把握が必要だ:北海道)
道がヒグマの狩猟期間の延長を検討している。10月から翌年1月末までとなっている現行期間を春まで延ばす考えで、専門家の検討会に案を示した。近年相次ぐ市街地への出没を抑えるのが狙いという。モデル事業を数年行った上で、2026年2月からの実施を想定している。だが道の期待する結果につなげるには課題が多い。実効性ある取り組みにするには、まずは現状の把握と分析が必要である。道内では1966年から、冬眠中の個体などを積極的に狙う春グマ駆除が行われたが、生息数の激減を招き90年に廃止された。以降、道はクマの保護を重視してきた。一方で最近は各地で出没が相次いでいる。人を恐れない個体が増えたためとみられる。そこで道は、狩猟期間を広げ、足跡が見つけやすく、狩猟が比較的容易な残雪期の入山をハンターに促す。クマに人への警戒心を植え付けたい考えという。クマに一定のプレッシャーをかける施策への転換と言える。しかし、クマの出没が問題となっているのは札幌をはじめとする住宅地の周辺が中心で、狩猟が禁じられている場所が多い。また、どこで狩猟するかはハンターの自由で、道が望む地域に入るとは限らない。さらに、五つに区分されている道内の個体群のうち、札幌を含む積丹・恵庭と天塩・増毛の二つは、環境省のレッドリストで絶滅の恐れがあるとされ、両地域での狩猟拡大は無理だろう。狩猟期間の延長が問題の解消に有効なのか疑問が残る。道内に生息するヒグマの実態は判然としていないのが現状だ。直近の推定生息数は12年度の1万600頭±6700頭というあいまいな数字があるだけだ。対策を立てるには、クマの生息域とその数の把握に努めるのが先ではないか。その上で、地域ごとに適切な頭数管理の枠組みを考える。これが筋だろう。ヒグマは北海道の豊かな自然を象徴する存在だ。道は持続可能な狩猟のあり方を追求してほしい。クマの捕獲には、ハンターが収入を得るために行う狩猟と、人などへの被害を防ぐ目的の許可捕獲(駆除)の二つがある。かつて薬の原料として取引された胆のうなどの流通が現在はほとんどなく、駆除が大部分を占める。狩猟で得られた物を適正に流通させる体制の整備も、ヒグマの保護管理上必要になってこよう。

(クマを森から出さないためにやるべきこと)
今秋も各地でツキノワグマ(以下、クマ)の人里への出没が相次いだ。中には、温泉街や商業施設の中にまで入り込むクマも出現し、おおいにメディアを賑わせた。しかし、残念ながら、クマとの接触により数名が亡くなられるとともに、多くの方がけがを負ってしまった。ここでは、なぜクマは人里に出没し、どうしたら人との遭遇をなくすことが出来るのか、そしてクマとの共存をどう進めるのかについて考えたい。クマは雑食動物であるが、食べ物のほとんどを植物が占める。秋の主食はブナ科の果実、いわゆるドングリである。クマの秋は専門的には食欲亢進期とも呼ばれ、食べたいという欲求が高まる時期である。それは、冬になるとクマは冬眠をして過ごすが、冬眠中のクマは飲まず食わずの状態で過ごすため、必要なエネルギーを秋の間に蓄えなくてはならないからである。そして、その源となるのがドングリである。一方、ドングリにはある特徴がある。ドングリは繁殖戦略の一環として、豊作の年と凶作の年を繰り返すとともに、同じ森の中でドングリの実りの程度が同調する。つまり、ドングリが豊作の年には森の多くの木にドングリが実り、凶作の年には森全体からドングリはほとんど姿を消してしまう状況となる。ドングリが少ない年には、クマは食べ物を探すために、春から夏にかけて生活していた場所から遠く離れた場所にまで移動することとなる。しかし、このことだけが必ずしもクマの人里への出没に直結するわけではない。基本的にクマは臆病な動物で、人間を避けて行動する。たとえば、森で暮らすクマは昼行性であるが、人里に近づく時は夜行性となる。そういった習性をもつクマにとって、よほどのメリットがない限りはわざわざ森の外へは踏み出さない。それでも、多くのクマが森から出るのには、魅力的な食べ物の存在がある。具体的には、未収穫のカキやクリ、生ごみなどで、クマはそれらに誘われることで人里の中へ入り込んでしまう。森から出るクマは、初めは恐る恐る山際のカキなどを食べていたのであろう。しかし、いとも簡単に、美味しい食べ物を得ることができた成功体験は、徐々にクマの行動を大胆にさせ、少しずつ町の中へと新たな食べ物探索に向かわせることとなる。しかし、本来は森の中でひっそりと暮らすクマにとって、人間と遭遇することなど一生に一度あるかないかである。そのため、森から遠く離れた町の中に迷い込んでしまい、人間に囲まれたクマはパニックに陥り、建物の中に入り込み、その場から逃げようとするうちに人間を傷つけることとなるのは想像に難くない。

(命懸けの「クマたたき」は戦略の失敗)
各地で市街地へのクマの出没や人身被害が相次いでいる。環境省は10月26日、農林水産・林野・警察の各省庁と対策会議を開き、連絡体制の整備、注意喚起、早期の備え、誘因物の除去といった対策を示した。報道を見る限り、国は従前のクマ対策を抜本的に見直すつもりはないようだ。相変わらず、ポイントがずれており、対症療法の域を出ていない。私の住む富山県は2004年、クマが大量出没し、全国で一番多くの人身被害を出した。富山県の里山、呉羽(くれは)丘陵にある動物園「富山市ファミリーパーク」の園長として、私はそのころから、里山と人と野生動物の問題をライフワークの一つとしてきた。そして、クマの生息域や個体数、生態についての詳細な動態的分析と評価、それに基づく対クマ戦略の構築の必要性を繰り返し訴えてきた。そうした活動の中で得た知見によれば、クマ出没の原因を山の堅果(クリ、カシなど)の凶作による餌不足とし、人家周りの果実の除去や廃棄農作物の処分の徹底を叫ぶのは、お門違いと言わざるを得ない。山の木の実が豊作・凶作をイレギュラーに繰り返すのは自然の姿だからだ。問題は凶作の年に山の餌資源では足りないほどクマがいることなのだ。強いクマに山は独占され、弱いクマは町に出て柿を食わざるを得ない。クマの数の多さが要因なのだ。行政も研究者もそこに立ち入らない。だが、それは数字がはっきりと示している。環境省は10月23日、直近5年間の「クマ類の出没情報について」、直近13年間の「クマ類による人身被害について」、同「クマ類の捕獲数(許可捕獲数)について」の速報値を公表した。要約すると以下のようになる。①今年8月と9月の出没件数は5802件。この5年間で一番多かった昨年同時期より980件増えている。②人身被害は13年間で1195件。全国で毎年100件近くの人身被害が起きていることになる。③13年間のクマ類の捕殺頭数は4万198頭。全国で毎年約3100頭のクマが駆除されていることになる。狩猟による捕殺を含めると、毎年約3200頭のクマが命を落としている。それだけ捕殺しても出没が減らず、生息域も広がっているとすれば、減る数より増える数が相当上回っているとみるしかない。これまでのクマ対策では、このことが議論されていない。山にはクマがあふれている。なぜこんなことになったのか。戦後の高度成長期に、外国に資源を求めて燃料や肥料、食料、資材を地域の山に依存する生活様式が消えていった。収奪されなくなった森林は成熟していく。さらにその後は、過疎化・高齢化で山から人そのものがいなくなる。山の資源も土地もクマたちのものになった。それが半世紀も続いている。そんな中でクマの数が増えないはずがないのだ。これからもっと増えていく。人の手が入らず荒れるに任せた里山。やがて森や繁みに呑み込まれ、それは市街地を包囲していく。市街地のすぐ隣が、クマたちの新たな移動域、生活の場となっていく。かくして人とクマとの境界線が薄くなり、人やその環境に慣れたクマたちが現れてくる。不幸にして市街地にさまよい出たクマは、工事現場や大型商業施設にも出没し、逃げ場を失い、迷いこむ。これが一番危うい。クマは逃げるために人を襲う。危険は山ではなく、むしろ市街地にある。「まさかこんなところにクマが。何十年住んでいるがクマなど見たこともない」。こんな地元の人の声がいつもメディアを通じて流れる。この認識は即刻、改めるべきだ。既に市街地のすぐそばでクマが暮らしている。クマよけの鈴を鳴らしてみても始まらない。この人とクマの関係を、戦国時代の戦(いくさ)に例えてみよう。人間軍はクマ軍団の戦力(占領地面積、兵の数、兵の補てん・増強力、兵糧、兵站)を分析しないで放置し、水際の市街地までの接近を許した上で、裸のお城で籠城戦をしている。他方、クマ軍団は1日24時間のすべてを、生存のために使っている。その生き方は教科書に書いてあるようなスタティックなものではない。知恵を働かせ、したたかに生き方を変え、個体数を増やし、領土を広げていく。クマの生存力を侮ってはならない。この事態を人間側は、クマが冬眠する冬になったら忘れ去り、目覚める春になって再び慌てふためく。国や自治体はいまだに、人家周りの柿の実の除去や廃棄農作物の処分の徹底を叫ぶだけ。はなから完璧な負け戦だ。喫緊の課題は、クマの数や動向を調べること。そして山のクマの適正個体数を、豊作年ではなく凶作年を基準にしたものに調整しなければならない。そのうえで、地域に見合った先手必勝の被害防止対策をすることだ。具体策としては、境界ベルトの構築、IT技術等を駆使した探知・追い払い、啓発、捕殺の判断と実行が可能な対クマ組織の構築だ。それには金も人手も技術もいる。組織もネットワークも欠かせない。予算不足の自治体は「まさか」という事態が起きるまで腰を上げない。霞が関の官僚や政治家は、地方に住む民の不安が分からない。だが、それをやらないと、クマはこの先もずっと出没する。いつまでも市街地で、モグラたたきならぬ、命懸けの「クマたたき」を繰り広げることになる。毎年約3200頭のクマが殺され、約100件のクマによる人身被害が起きている。それでも安心安全な国といえるのか、住みよい豊かな地域と見るのか。その基本認識によって、発想や動き方は変わってくるだろう。国民が幸せな生活を送ることに、政府は責任を負っている。国民に安全な暮らしを保障できないなら、抜本的な対策に乗り出すべくかじを切らねばならぬ。国防よりも具体的で身近でずっと続く問題なのだから、予算をかけるべきだ。日本の知恵と技術と人の力をもってすれば、クマ問題の解決は決して難しくはない。それは国土を豊かにし、人と自然の良好な関係を築くための、未来への先行投資にもなるだろう。

(「鬼滅の刃」伊之助コスにマタギがNO!)
山の立ち入り禁止区域に無許可で「猪のお面」をつけたコスプレイヤーが現れたとされるツイッターの投稿が10月27日現在、合計約2万8000件の「いいね」「リツイート」がされているほどネットで話題になっている。その特徴から、日本映画史に残るヒットを記録している「鬼滅の刃」のキャラクター「嘴平伊之助(はしびらいのすけ)」のコスプレではないかとみられている。だが、投稿者は狩猟期間中の山では「流れ弾に当たる可能性も0ではない」と危険性を指摘する。11月にも猪猟が解禁される秋田のマタギの頭領も「猪の格好をするだなんて危険きわまりない。やめてほしい」と訴えた。話題になっているのは、「狩猟クラスタで話題になってけど、コスプレイヤーが猟期の山に無許可で入って立入禁止区域で猪のお面?つけて撮影したりしてるとのこと」という10月23日の投稿だ。投稿者は「誤射されたり、狙ってなくても流れ弾に当たる可能性が0じゃないので止めて…許可取ってくれれば、その日は狩猟禁止とかできるから…入林許可取って…」とコスプレイヤーに呼びかけている。そのうえで、「基本的に山は私有地か公有地で勝手にはいったら不法侵入」と警鐘を鳴らした。コスプレイヤーが山に入って撮影する際の注意点を、山の問題に詳しい溝手康史弁護士に聞いた。山に入るには、私有地、公有地を問わず、土地の所有者、管理者の承諾が必要だというのが建前ですが、黙認されていることが多く、通常は登山やレジャーのために山に入っても法的な問題は生じません。コスプレイヤーも同じです。ただし、土地所有者がロープなどを張って立入禁止の範囲を明示すれば、そこに進入すれば軽犯罪法違反になります。一方、猟をする人は、猟を行うことを明示して人が近づかないようにする必要があります。しかし、猟をする人が猟のために立入禁止の表示をしても、土地所有者でなければ、その表示に法的な効力はありません。狩猟の場所は、人が通行する可能性のない場所を選ぶので、登山者が間違って撃たれることは滅多にありません。狩猟者は人の存在にかなり神経を使います。登山者が猟の場所に遭遇することは滅多にありません。また、猟をしていれば銃声や猟犬の吠える声が聞こえるので、何となく雰囲気で猟が行われていることがわかります。しかし、過去に、ハイカーがまちがって猟銃で撃たれた事故がないわけではありません。滅多に人が入らないような山に進入する人は、万一の場合に備えて音を出すとか(熊よけにもなります)、目立つ色の服を着るなどして人がいることを知らせる必要があります。一方、猟をする側からは「動物の格好で山に入るのはやめてほしい」という意見が出た。中学生でマタギになった「打当マタギ」のシカリ(=頭領)で、北秋田市猟友会の阿仁地区猟友会副会長を務める鈴木英雄さん(73)は「この地区でも、11月からツキノワグマやイノシシの猟が始まります。猟をする側からすると、大変に危険なのです」と話す。「昔は、黒でも地味な色でも、好きな色の服装で山に入っていました。しかし、そんな格好で柴の中を歩けば、動物か人間かわからず、誤って撃って死亡する事故も起きていたんです。そのため、熊の駆除をするときなどは、蛍光色の帽子とベストを着用することが全国的に広がりました。それなのに、猪の面をつけるだなんて危険きわまりない」。中学生の頃から銃をかついで地元の森吉山で猟をしてきた超ベテランの鈴木さんだが、「銃の引き金を引く前は、矢先(銃の先)を確認します。しかし、動転していると、誤まって撃ってしまうこともあるでしょう」と語る。また、山奥であれば、登山道であっても「猟場」に含まれていることがあるという。「狩猟が禁じられている公園などであればよいが、そういう格好で山に入るのはやめてほしい」。狩猟免許を取得し、猟師のなりてが減っていると鈴木さんは言う。「間違って撃ったら、間違いなく免許は取り上げられてしまう。猪の格好をして撃たれる人も、撃ってしまう猟師にも、どちらにも良いことはない」。読売新聞オンライン(10月26日)によると、山梨県南アルプス市の山林で、鹿の駆除をしていた猟友会の男性が、別の会員が撃った弾にあたって、怪我をする事案が起きた。「鹿だと思って撃ったら人だった」と話しており、誤射の可能性がある。人間のままでも動物と間違われてしまうのであれば、わざわざ猪の格好をしていれば、危険性は高いに違いないだろう。鉄砲の前では「攻撃されてる!」と気づいたときにはもう遅い。生殺与奪の権を他人に握らせることなく、コスプレは安全な場所で楽しんでほしい。

(多発する市街地へのクマ出没、人身被害ゼロの自治体に密着:長野)
今年、やけに目にする市街地へのクマ出没のニュース。大きなニュースとなった石川県加賀市でのクマによる「ショッピングセンター立て籠もり」では、人はどうすることもできず、ただクマを撃ち殺すしかなかった。こうして年間捕殺されるツキノワグマの数は、2019年度だけで5283頭。2020年度もすでに3729頭のツキノワグマが捕殺されているという(9月末まで)。無理もないだろう。2020年のクマによる人身被害は80件を超え、10月はついに2人が死亡した。クマと人間の共生は、難しいのだろうか?クマの出没が激増しているこの5年間で、市街地での人身被害が出ていない自治体もある。長野県軽井沢町。町から委託され、クマによる人身被害ゼロを支えているNPO「ピッキオ」の取り組みに密着した。するといきなり入ってきたのが、シカ駆除のための罠に誤ってクマがかかったという情報。現場へ向かうと、罠から逃れようとするクマの姿があった。興奮状態にあるため、いつ罠を引きちぎり飛びかかってくるかもわからない。すると、ピッキオのスタッフが銃を用意し発砲した。撃ったのは麻酔銃。しかし、その効果が現れるまでじっくり様子を見る。合計3発の麻酔を打ち込み、ようやくクマは眠り込んだ。すぐさま、ありとあらゆる個体調査が始められた。DNA分析のため体毛を採取。歯並びで健康状態をチェック、さらには血液検査の採血も行われた。捕まったクマをよく見ると、耳元に個体識別のためのラベルと電波の発信器が付けられていた。実はこのクマ、捕まったのは初めてではなかったのだ。軽井沢では、人の住む市街地ゾーン、クマの住む山奥ゾーン、両方が混在する中間ゾーンが明確に分けられている。市街地に近い場所には罠が仕掛けられ、迷い出そうになったクマは名前と発信器を付けられ、再び森に帰されるのだ。この日捕まったクマの「シャカ」にも、新たに発信器を付け監視を再開する。ピッキオのメンバーは毎日、クマに取り付けた発信器を用いてクマの所在を確認する。その情報をクマの「追い払い」チームに共有。特別な訓練を受けたクマ対策犬「ベアドッグ」を連れ、街に近づかないように警告を与えるのだ。NPO法人「ピッキオ」クマ保護管理チーム 田中純平さん:クマが近くに暮らしていても、人と棲み分けながらであれば、同じ地域の豊かな自然を共に享受することができると思っています。クマに人里の「怖さ」を教え続けることで、殺さず住民との共生を図っているのだ。捕獲から約3時間後。麻酔から覚めたシャカは、ドラム缶の檻に入れられ山奥に移動させられた。そして、もう二度と人里に近づかないよう、犬や人の大声に脅かされ、その記憶を刻みつけられて再び山へ帰って行った。そこには、ただ捕殺するだけではない、クマとの共生方法があるような気がした。

(相次ぐクマ襲撃、「新世代」登場か)
クマの襲撃が全国で相次いでいる。どうやら、人間を恐れない「新世代クマ」がいるらしい。10月19日、石川県加賀市のショッピングセンターで、クマが店内に入ったほか、16日には群馬県みなかみ町の旅館で、宿泊客の男性が露天風呂でクマに襲われ軽傷を負った。相次ぐ襲撃について、クマ被害を長年研究してきた専門家は、ドングリなどの凶作だけでなく、人里の変化が招いた別の要因があると指摘する。

(「草食系クマ」が増加した意外な背景)
2020年10月、石川県加賀地方でクマによる襲撃が立て続き、住民たちは不安に陥った。こうした野生動物が街に出没する事件は年々増加傾向にある。一体、なぜ野生動物たちは自然ではなく街にエサを求めるのか? そして近年、“ベジタリアンの熊”が増えている理由とは? 森林ジャーナリストの田中淳夫氏による新書『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』より一部抜粋・再構成してお届けする。ここ数年、野生動物が街に出没してよくニュースになっている。都市圏でこそ非日常的なニュースになるのだろうが、田舎にとってはもはや日常茶飯事である。野生動物が山を下りる理由としてよく言われているのが「山にエサがない」というものだ。しかし現在、多くの野生動物の生息数が増加したことは、専門家も認めている。増えたからこそ、新たな生息の場を求めて街に姿を見せ始めたのだろう。ここで生息数が増えた決定的な原因を示すのは難しいが、その理由の1つとして「エサが増えたこと」だけは確実に言える。エサがなければ、仮になんらかの理由で生息数が増えても、その個体は生き延びられず繁殖もできない。増え続けるのは、十分なエサが恒常的に存在するということだ。もし山野の植物が繁茂して量が増えたら、草食性や雑食性の動物にとってエサが豊富になったと言えるかもしれない。そして草食動物が増えたら、肉食動物のエサも増えたことになる。つまり、野生動物は飽食の時代を迎えたのではないだろうか。具体的に植物性のエサが増えたかどうか検証してみよう。まず奥山はどうか。本来の奥山は天然林に覆われていたが、現在は多くが人工林になった。植えられたのはスギやヒノキ、カラマツなどの針葉樹。一般に針葉樹はエサとなる実をほとんど付けない。それに林内は暗くなり下草も生えない。だから「奥山の多くを人工林にしたから、野生動物のエサがなくなった」と主張される。そして「野生動物は増えたのではなく、(エサのない奥山から)エサを求めて里に下りてくるのだ」と解釈するのだ。しかし、私は「人工林にエサがない」という主張に、かなり疑問を持っている。本当に人工林をよく観察したのか。私は全国の林業地を見て歩いているが、意外と絵に描いたような「林内は暗くて草一本生えていない」ところは多くない。スギ林はスギだけ、ヒノキ林はヒノキだけしか生えていないと思い込みがちだが、そうでもない。しっかり管理されている人工林の場合、植えて20年も経てば低層は草や低木が茂り、中層も広葉樹が入り枝を広げている。定期的に間伐を施して林内に光を入るようにするからだ。スギやヒノキが高く伸びた後なら草や雑木に被圧される心配もない。むしろ林業家は、土壌を豊かにするために草を残す。草がないと、降雨で土壌が流出するからだ。「もし下草のない人工林を見かけたら、そこにシカが出没した証拠」と林業家は言う。一方で「手入れ不足の人工林」はどうか。たしかに密生して暗くなり草が一本も生えていない荒れた人工林もあるにはある。だが、多くの放置林は、スギやヒノキが枯れて倒れ、ギャップ(林内の開けた空間)をつくる。そこに広葉樹が侵入して来る。とくに若年時に数回間伐された後に放棄された山は、雑木や雑草が繁茂しやすい。それがスギやヒノキを被圧しているから「荒れた」といわれるのだ。しかし繁った雑木は、動物のエサにもなる。放棄された人工林が、その後針広混交林に移行しているところも多くある。そんな森は、決して不毛の砂漠ではない。広葉樹林と比べると少ないかもしれないが、野生動物に十分なエサと隠れ家を与えている。また人工林では、森林整備という名の間伐・除伐が行われる。密生した植林木を間引きしたり、合間に生えてきた広葉樹などの雑木を伐採したりする作業だ。しかし、切り倒せば高みにあった樹冠部分が地面に落ちる。幹は利用するために搬出することもあるが、梢や枝葉はその場に切り落として残す。これがシカなどのエサとなる。また切り開いて地面まで光を入れたら草や稚樹が生えるから、これも格好のエサの提供だ。広葉樹の場合、切り株から萌芽が出る種も多いが、この新芽もご馳走になる。作業員によると、間伐・除伐作業をしていると、現場近くにシカが現れ、伐倒を待っているそうだ。倒した木々の枝葉を早く食べたいのだろう。さらに山間部の道には、意外なエサが大量にあった。斜面に草が繁っているのだ。道路(農道、林道・作業道を含む)を通す際、山肌を削ると新しい斜面ができるが、そこに光が当たり、草が生えるのだ。よく見ると、生えているのは外来牧草が多い。牧草の種子を土留め用に斜面に吹きつけることもあるからだ。家畜のエサとして改良された牧草は、冬も青々と繁って栄養価も高い。当然、シカは好むだろう。また、最近は人工林の皆伐が進んでいる。一定面積の山の木を全部伐ってしまう行為だ。ときに数十ヘクタールも裸地になる。そこは日当たりがよく、雑草が繁茂する。シカやカモシカにとって食べ放題のエサ場だ。跡地に植林したら、その苗も美味しいエサだろう。次に里山はどうか。近年人の手が入らなくなり、荒れているとされる里山だが、農地の耕作が放棄されて「荒れる」と、雑草や雑木が繁る。実を付ける草木も多くあるから、むしろエサは増える。人間にとって「荒れた」と感じる山や休耕地が、野生動物の豊富なエサ場となっているのだ。最近では山を切り開いてメガソーラーを築くケースも増えているが、そうした場所もシカのエサ場にもってこいになっている。ところで、野生動物にとって重要なのは、冬の間に得られるエサの量である。春夏秋は、自然界に食べられる植物が豊富にあるが、冬は少なくなる。しかも寒さに耐え、妊娠や出産(シカは秋に妊娠し春に出産、クマは冬眠中に出産)する冬をどう乗り越えるか。冬に得られるエサの量で、野生動物の生存は左右されがちである。私は、冬の里山にどの程度エサとなるものがあるか調べて歩いたことがある。結果は、驚くほど豊富だった。まず収穫後の田畑がエサの宝庫だ。農業廃棄物が山ほど捨てられていたのである。農作物は全部収穫されると思いがちだが、間引きしたものや虫食いの作物は収穫せずに、そのまま畑に捨て置かれる。ハクサイやキャベツのような葉もの野菜は、収穫する際に外側の葉を剥く。ダイコンなどの根菜も、収穫せずに放置されている分が多い。田畑には農業廃棄物が山となっていたのだ。さらにカキやクリ、ミカン、ユズ、ダイダイなどの果樹も枝に実を付けたまま放置されていた。カシやコナラなどのドングリが樹下に大量に溜まっているところも見た。それらの総量は膨大だ。いまや作物は質によって選別し、弾かれた作物が農地に残される。だが、それらは野生動物の絶好のエサとなる。放棄作物の残る田畑は、野生動物にとっては“食堂”同然だ。こうしたエサにありついた動物は、文字通り味をしめて里に通い続ける。奥山と里山を行き来している可能性もある。里山にエサが増えたら、里近くに居つくかもしれない。そのせいか、最近は"草食系クマ"が増えているという。恋愛に奥手なのではなく、ベジタリアンという意味だ。動物性より植物質のものを好んで食べているというのだ。明治時代のヒグマの骨に含まれる窒素同位体元素の比率から、その個体が食べたものを調べたところ、エゾシカやサケ、昆虫類など動物性タンパク質が6割以上だった。ところが最近のヒグマでは5%程度に落ちていた。増えたのは、フキやヤマブドウなど草本・果実類なのだという。イノシシの胃袋を調べても最近は草ばかりらしい。雑食動物が草食に偏ることで、十分なエサの確保に成功し、繁殖もしやすくなったと考えられないだろうか。その一方で、肉食系クマにも有り難いエサが提供されている。イノシシやシカの駆除が進められているが、仕留めた個体をジビエ用に持ち出すケースは一割に満たず、たいてい現地に埋めるか捨てられる。その死骸がクマのエサになる事例が報告されている。クマが生きたシカやイノシシを襲うことはそんなに多くないが、皮肉なことに人が駆除したおかげでクマのエサになっているわけだ。栃木県でツキノワグマの体毛から炭素と窒素の同位体比率を調べてエサの種類を推定したところ、5歳以上のクマはシカをエサにした割合が高く、とくにオスにその傾向が強かった。季節は夏が多かったらしい。この時期は、有害駆除が多く行われている。奥山にも里にもエサがたっぷりある。一方で人は少なくなり、人里に侵入しても追い払おうとしない。そして人間がシカなどの肉を提供してくれる……。これでは野生動物がエサに困る可能性は低い。ちなみに動物にも個性はあって、人里の農作物などの味を覚えて繰り返し農地を狙う動物もいる一方で、人に対する警戒心が強く、滅多に人里に近づかない個体もいる。有害駆除の対象としては、里に出没する個体を狙うべきなのだが、ハンターは両者の区別がつかずに獲りやすい個体を仕留めがちだ。それでは駆除の効果も半減してしまうだろう。また今年は、ミズナラやコナラ、クリ、ブナなどの木の実類が凶作で、その影響で里に下りてくる動物、とくにクマが増える恐れが指摘されている。もちろん、そうした可能性もあるだろう。普段は里を警戒して姿を現さない個体も、腹が空けば背に腹は変えられず農作物を狙うかもしれない。そして一度口にした農作物の美味しさに目覚めたら警戒は緩み……そうならないためにも、早期に対策を練る必要がある。まず必要なのは、野生動物を人里に近づけない(誘引するエサを残さない)「予防」措置である。それを怠りつつ、駆除だけに力を入れても効果は出にくいだろう。

(ドングリ大凶作で日本各地に出没中!狂暴化クマに「殺されない」5つの心得)
今秋、日本各地でクマが出没し、被害が続いている。「10月7日、秋田県藤里町の住宅街で、栗拾いの帰りの83歳の女性が襲われ、1週間後に亡くなりました。その6日前にも、新潟県で歳の女性が死亡しています」。環境省によると、昨年クマに襲われた人は全国で157人。これは一昨年の3倍に当たり、過去10年で最多だったが、今年はそれを上回るとの試算も出ている。「農村の過疎化で山林が荒れ、耕作の放棄された田畑が、クマにとって住みやすい場所になっている。ハンターが減ったことも原因の一つです」。さらに今年は梅雨の長雨などの天候不順で、エサのドングリが8年ぶりの大凶作になったことも要因に。「その結果、エサを探して里に下りてくるクマが増えています。特に、ドングリが豊作だった17年に子グマがたくさん生まれた。彼らが今、怖いもの知らずな“2歳児”として、暴れているんです」。クマと出合わないためには、また遭遇したときに、どうすれば命を守れるのか。日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)の米田一彦理事長にその心得を聞いた(以下、発言は米田氏)。(1)音を出す クマは本来臆病なので、音のほうには近づかない。目撃情報のあった地域で外出する際は、音が出るものを身につけておくことだ。「鈴は神社に吊されているガラガラ鳴るタイプより、チーンと高い音が鳴るタイプが効果的です。笛を吹く5つの5つの心得心得のもいい。農作業中にはときどき、鎌の柄で木の幹や手押し車をガンガン叩いてください」(2)食べ物の匂いを消す クマが民家や倉庫に進入するのは、食べ物の匂いに誘われるためだ。「食料品は必ず密閉して戸棚にしまってください。収穫した果物や野菜も同様です。生ゴミを外に放置するのは、もってのほかです」(3)姿を隠す クマにとって、相手との間に障害物のない状況はパニックを起こしやすい。「住宅地でクマの姿を確認したら、電柱や生垣の後ろに隠れて、こちらの動きを見せないことが重要。山なら木陰に隠れるのも有効」(4)頭を両手で抱えて伏せる 隠れる暇すらないときはどうするか。クマの目は左右に動くものを敏感に捉える。よく言われる“死んだふり”をするのは正しい。「ただし、恐怖で突っ立ったまま、頭や首を無防備にさらしているのは考えもの。そのため、北米で普及しているのは“頭部を両手でガードしながら地面に伏せる”という防御法です」(5)撃退スプレーを使う 米田氏はクマの生態調査などをしていることから、過去8回襲われ、うち6回はスプレーで撃退している。「中にはトウガラシ成分が含まれています。捕獲したクマを山に返す場合、スプレーを浴びせます。すると人間は怖いと学習するのか、5年ほど人に近づかないという研究もあります」。クマの冬眠が迫るこの時期は、特にご注意を。

(サル目撃情報、ディズニーリゾートの近くでも:千葉)
先月末から千葉県市川市や浦安市などの住宅街でサルの目撃情報が相次いで寄せられています。2日は東京ディズニーリゾートに近い浦安市の小学校や隣接する東京 江戸川区で目撃情報が寄せられ、警察などが小学校の下校時間帯に合わせて巡回し注意を呼びかけました。千葉県内では先月28日、鎌ケ谷市でサル1頭が目撃されて以降、2日までに市川市や浦安市で目撃情報が相次いで寄せられています。警察によりますと、サルは同一の個体とみられ、目撃情報などから先月29日から今月1日の朝にかけて市川市内を北から南に移動し、1日午前10時ごろ浦安市内に入ってから南下を続けたとみられます。そして、2日午前7時半ごろには東京ディズニーリゾートから500メートルほどの市立舞浜小学校で目撃され、通報を受けた警察官が小学校の2階のベランダにいるサルを確認したということです。その後、サルはベランダから飛び降りたうえ、学校の敷地の柵を乗り越えて住宅街の方向に走り去ったということです。サルを目撃した小学校の教諭は「浦安の市街地にサルが現れてびっくりしている。サルは60センチほどの大きさでやせているように見えたがすごいスピードで走り去り、あっという間の出来事だった。登校時間前で子どもにけががなくてよかった」と話していました。浦安市や地元の警察は、再びサルが出没するおそれもあるとして2日、小学校の下校時間に合わせて目撃情報が寄せられた周辺を巡回し、注意を呼びかけました。一方、午前11時ごろには、浦安市に隣接する東京 江戸川区にある葛西臨海公園の園内でサルが目撃されたという情報もあり、自治体や警察はサルを見つけたら近寄って刺激したり食べ物を与えたりせず、警察に通報するよう呼びかけています。

(住宅街にサル目撃相次ぐ、保育園の屋根に:千葉)
千葉・市川市の住宅街、電線の上を猛スピードで駆けるサル。28日、市川市の隣に位置する鎌ケ谷市で目撃されたサルは、29日に市川市に移動。30日には市内で6件の通報があったという。住宅街や保育園などが多い市川市。30日朝に「サルが出た」と通報した保育園を訪ねると。市川保育園・齋藤武園長「地域の方が保育園の屋根にサルがいるということを発見して、それですぐに110番通報した」。園長は、即座に園児たちを室内に避難させたという。齋藤園長「ハロウィーンのイベントで、地域をお散歩する予定だったが、サルのことがあったので、きょうは室内でイベントをやった。引き続き注意しながら過ごしていきたいと思います」。サルが最後に目撃された場所へ向かうと、住宅街の電線を縦横無尽に軽々と飛び移るサルがいた。警察によると「子ザルよりも少し大きめ」と見られている。木の陰に隠れ、取材班の様子をうかがっているように見えるサルだったが、その後猛スピードで逃走。追跡を続けたものの、建物の裏手に入ったのを最後に見失ってしまった。その後、サルを目撃したという女性は「最初友達が見つけたんですけど...『サルだ!』って言って。上の鉄橋のところまで上ったり下りたりして、最後はトンネルの中を駆け抜けていきました」と話した。逃げているのは、山の方から下ってきたとみられるサル1匹。警察によると、これまでに人的被害などは出ておらず、現在周辺を捜索しているという。

(住宅街にサル出没、物置の上で柿食べる姿:京都)
京都府福知山市かしの木台の住宅街に30日午後3時30分ごろ、大きなサルが現れた。もいだばかりの柿を手に、見物する住民たちを気にせず、民家の物置上で悠然と平らげていたという。子どもの送迎時にサルを見つけた住民の30代女性は「目撃場所の近くには公園もあるので、怖いなと思いました。しばらく、出歩くのは控えるなどして気をつけたいです」と話していた。

(港周辺でクマ出没:島根)
29日午後7時ごろ、浜田商港(浜田市長浜町)近くの住宅地で、住民の60代女性が「体長1メートルくらいのクマを目撃した」と浜田署に通報した。同日夜、巡回した同署員や浜田市職員、住民が商港周辺でその後少なくとも3度にわたり目撃。クマはそのまま逃走した。市は30日、付近にわなを設置し、捕獲を試みているが捕まっていない。けが人は出ていない。浜田署や市によると、最初の目撃は市立長浜小学校(同町)の西約1キロの住宅地。その後浜田商港方面に移動したとみられ、午後8時10分ごろ、最初の目撃地点から約600メートル北東の長浜駐在所付近を歩いているのを同署員が発見した。

(イノシシ一家?「道路をふさいでいた」:秋田)
視聴者のカメラが県内でイノシシの群れを捉えました。県内でもイノシシの目撃情報が増えています。栗駒山荘へ向かう国道342号で撮影されました。10頭ほどのイノシシが道路をふさいでいます。イノシシは群れで行動する習性がありますが一度に10頭ほどが目撃されることは珍しいと言います。県自然保護課によるとイノシシは元々県内に生息していませんでしたが目撃や捕獲の統計を取り始めた2009年から湯沢市など県境の地域を中心に目撃情報が増えてきました。今年は統計開始以来最も多い129頭が目撃されていて去年は100万円ほどの農作物被害も出ています。

(イノシシ目撃情報相次ぐ:富山)
2日午前、高岡市と砺波市で体長60から70センチほどのイノシシの目撃情報が相次ぎました。今のところ、このイノシシとみられる被害はありません。2日午前5時ごろ、高岡市戸出町3丁目の交差点付近に「イノシシがいる」と、近くの会社の従業員から警察に通報がありました。その後、イノシシは午前7時ごろに高岡市の戸出西部小学校近くの田んぼに現れ、午前7時半ごろには砺波市油田の団地で目撃情報が相次いで寄せられました。午前8時半ごろには砺波市の職員や警察、猟友会がイノシシを茂みの中に追い込んで取り囲みましたが捕獲することができず、その後、小杉東の交差点から高岡方面へ逃げていくのを最後に目撃情報は途絶え、捕獲には至りませんでした。高岡市と砺波市によると、このイノシシは体長60~70センチで、今のところ被害の情報はありませんが、高岡市の戸出西部小学校では登下校時に教員が付き添うなどの対応がとられました。

(熊の目撃情報2件、警戒続く中:長野)
伊那市荒井で2日、熊の目撃が2件あった。けが人はいない。市職員や猟友会、伊那署員らが捜したが見つからなかった。市は広報車や防災行政無線で、不要な外出は控えるよう注意を呼び掛けた。3日も早朝から周辺を捜す。午後2時ごろ、「荒井橋」交差点付近で熊1頭を見た―と目撃者が同署に通報。成獣とみられる。市耕地林務課によると、午後4時ごろには、約700メートル南東の上荒井バス停付近でも目撃された。体長1メートル未満とみられ、同課は同一の個体とみている。市内では10月31日、同市西箕輪の女性(79)が熊に襲われて顔を複雑骨折する重傷を負った。他に、目撃が3件相次いだ。

(クマ目撃情報2件:広島)
30日午後7時25分ごろ、広島県安芸太田町上殿で「柿の木の上にクマがいる」と住民が山県署へ通報した。同署によると成獣とみられる。実を食べるなどして約2時間後に下り、姿が見えなくなったという。同日午後5時20分ごろにも近くで目撃情報があり、同署は同じクマの可能性があるとみている。現場は道の駅来夢とごうちから北東約1キロで、山沿いに民家や田畑が広がっている。

(クマのふん発見:富山)
1日夜に富山県黒部市吉田のYKK黒部事業所の敷地内でクマらしき動物が目撃されたことを受け、市と黒部署、市鳥獣被害対策実施隊員は2日朝、周辺をパトロールし、同敷地内でクマのふんを発見した。近くの同市飛騨の田んぼでは、黒部川方向に向かう足跡が確認された。YKKは屋外作業を見合わせ、建屋入り口をしっかり閉めるよう指示し、通退勤時に十分注意するよう呼び掛けた。近くの村椿小学校前には移動交番車、村椿保育所前にはパトカーが配備され、同署員が警戒。保護者が児童らを送り届けた。

(「ここ数年ない」、クマ目撃:新潟)
2日午前3時前、新潟市北区長場の県道でクマ1頭を目撃したと、車で通行中の男性が警察に通報した。北区役所によると、区内でのクマの目撃情報はここ数年ないという。北区役所、新潟北署によると、クマは体長約0・8メートルで、近くの民家から約100メートルの場所で目撃された。阿賀野市方向に逃げたという。現場はJR豊栄駅から南に約4キロの農村地帯。現場から約400メートルの地点に豊栄南小学校があり、同小は保護者に登下校時の車での送迎を求めた。北区役所は、クマが車庫や小屋に忍び込む可能性があることを記したポスターを近隣のごみステーションに掲示したほか、車でパトロールした。現場近くの自営業男性(70)は「40年以上住んでいるがクマが出たのは初めて。戸締まりをしっかりしたい」と驚いていた。

(シカ5頭が広瀬川渡る:群馬)
群馬県伊勢崎市下蓮町の広瀬川で、5頭のシカが川を渡っているのを、同市上蓮町の会社員、浅見頼好さん(66)が撮影した。浅見さんは1日午前6時55分ごろ、豊東橋の上流約150メートルで、5頭が左岸から右岸方面へ斜めに渡っているのを発見。右岸の堤防の上からスマートフォンで撮影した。わずか数分の出来事だった。「一つの風景として見守ってあげたい」と話す。

(山際の畑にクマ足跡:福井)
11月3日午前11時ごろ、福井県福井市大畑町の山際の畑で近くの住民が、クマの足跡を発見した。福井市によると、けが人などの報告はない。

(熊の目撃情報:長野)
4日午前6時15分ごろ、伊那市西箕輪大萱の熊野神社付近で熊を目撃したとの情報が伊那署に寄せられた。けが人はいない。市職員や猟友会員らが周辺を捜索したが、見つかっていない。現場近くでは10月31日にも女性が熊に襲われ、顔を複雑骨折する重傷を負った。

(クマ目撃:山形)
3日午後1時45分ごろ、鶴岡市鼠ケ関の雑木林でクマを目撃したと、市内の70代男性が自治会と市温海庁舎を通じて鶴岡署に通報した。同署によると、男性が散歩中、10メートルほど先のやぶの中にクマの頭部が見えたという。現場は山あいの集落で、法勝寺の約70メートル西側。同署と市、猟友会が花火を鳴らすなどし、付近住民にも注意喚起している。3日午後4時35分ごろ、酒田市塚渕でクマ1頭を目撃したと、自転車で通り掛かった市内の10代男性が110番通報した。酒田署によると、クマは体長約80センチ。男性が市道を走行中、道路脇の柿の木に登っているのを見つけた。目撃場所から離れて通報した後、戻ると姿はなかったという。現場は塚渕自治会館の西約200メートル。

(民家裏の柿の木でクマの痕跡:新潟)
新潟県三条市は1日、同日午前6時30分頃、濁沢地内の濁沢構造改革センター付近の民家裏の柿の木でクマの痕跡(食害、爪痕)が確認されたと発表した。

(住宅地で70代男性がクマと遭遇:山形)
30日午前4時半前、米沢市通町4丁目の県道交差点で、散歩をしていた70代の男性が体長約1メートルのクマと遭遇した。警察の調べによると、クマは男性に向かってきたが、男性は、身をかわし、左胸にクマの手が軽くあたった程度でけがはなかった。クマはその後、南側の住宅街に走り去ったという。現場から約200メートル離れた場所には、米沢市立松川小学校があり、学校では教員が現場付近を車で見回った上で平常通り児童を登校させた。また、授業などでグラウンドの使用を中止し、2つの時間帯に分け下校を実施したという。男性がクマと遭遇する5分ほど前には、現場付近を通勤中の女性もクマを目撃している。米沢市環境生活課の吉池賢太郎さんは「(昨年度は)100件前後だったが、今年度は10月末で120件以上の目撃情報が寄せられている。異常な年かなと思っている」と話した。市によると、市内でクマの目撃や出没などは今月だけで50件確認されていて、去年の同じ時期に比べ5倍に増えている。また、30日朝は、米沢市の万世小学校や鶴岡市の黄金小学校、小国町の叶水小中学校付近でもクマが相次いで目撃されている。

(サルの目撃情報:東京)
4日、東京・お台場でサルの目撃情報が相次ぎ、警視庁による捜索が行われました。一方、多摩動物公園ではカンガルーが日光浴中に園内を脱走し、一時騒然としました。

(サル出没:東京)
警視庁などによると、5日午前10時25分ごろ、港区高輪3丁目にサルが出没しました。

(熊を忌避、秋田県立大が開発:秋田)
秋田県立大学木材高度加工研究所などは、ツキノワグマによる被害を減らす木製のくいを開発した。トウガラシやミントなど熊が嫌がるにおいがする。くいを約2メートル間隔で並べてロープで連結すれば、農地や人間の生活圏への熊の侵入防止に効果がある。横手市で木材加工を手掛けるウッディさんないが、2021年以降に本格販売を始める予定だ。くいには長さ2メートル、直径10センチの丸い杉材を使う。くいに直径3センチの穴を30個以上開け、熊が嫌がるにおいをしみ込ませた木栓を打ち込んだ。穴を開けた木栓をロープに通して、くい同士をつなぎ、柵にする。使用条件によるが、2年ほどにおいが持続するという。秋田県内では熊の目撃情報が年々増えており、人的被害は年間で数十人に及ぶ。山間部では果樹や野菜、水稲で熊の食害が相次いでいる。熊の食害があった果樹園4カ所で試験した。このうち、約25アールのブドウ園では①熊が通る獣道②園への侵入場所──に設置。それぞれ約2メートル間隔でくい5、6本を木栓付きロープでつなぐと、熊の侵入がなくなった。同大学の野田龍准教授は「農作物の収穫前に設置すれば効果的に被害を軽減できる」と期待する。においに対する慣れは今後、継続して試験する。くいは電気柵と比べ、定期的な草刈りや通電の確認が不要で、感電の心配もない。積雪しても設置したままでよく、撤去や再設置の手間がかからない。20年は試験販売をしている。価格はくい1本9000円(税別)。柵は幅6メートル(くい3本)で5万6000円(同)。くいの直径は、用途に応じて変更できる。

(ジビエ料理にE型肝炎リスク)
臨床的に問題となるウイルス性肝炎は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、E型肝炎の4種類です(D型肝炎もあるのはありますが臨床的に問題となることは少ないです)。それぞれ特徴や対策が異なります。今回はE型肝炎についてご紹介しましょう。E型肝炎は四類感染症で、診断したときには医師は保健所に報告する義務があります。近年では日本全国で1年間に300~400人程度の届け出があります。普通の免疫機能を持った人なら慢性化することはなく、よって通常は肝硬変や肝がんの原因にはなりません。急性肝炎を起こすと吐き気・嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感、黄疸(おうだん)といった症状の原因になります。多くの人は感染しても症状が出なかったり、症状が出ても治ったりする一方で、重症化して亡くなることもあります。特別な治療法や実用化されたワクチンはありません。主な感染経路は経口感染です(輸血で感染することも極めてまれながらあります)。発展途上国で水を介して流行するという点では、A型肝炎と似ていますが、先進国では水系感染はあまりみられず、動物を介した感染が多いです。E型肝炎の最大の特徴は、人以外の動物にも感染する「動物由来感染症(人獣共通感染症)」であることです。動物由来感染症であることが直接証明されたのはわりと最近の2003年のことで、日本からの報告です。2家族4人からE型肝炎の発症があり、その4人の共通点が鹿肉の生食だったのです。幸い(?)なことに、その鹿肉の残りが冷凍保存されており、PCR検査をしたところE型肝炎ウイルスが検出されました。また、鹿肉および発症者のウイルスの塩基配列を調べたところほぼ一致しました。その鹿肉を食べなかった同じ家族内の3人は肝炎の発症もなく抗E型肝炎抗体も陰性だったという、実験でいう対照群まで調べられています。Lancet誌というトップジャーナルに論文が掲載されました(Shuchin et al., Lancet 362:371-3 2003)。さまざまな哺乳類からE型肝炎ウイルスが検出されていますが、日本で問題になるのは、猪・鹿・豚です。花札の役にある「猪鹿蝶(イノシカチョウ)」ならぬ「イノシカトン」と覚えるようにと教えられました。冷凍は寄生虫対策になりますがウイルスは殺せません。また、他の多くの細菌性の食中毒のように食べ物の中で病原体が増殖するのではなく、生きている動物の体にウイルスがいるのですからどんなに新鮮な肉でもリスクはあります。猪や鹿はジビエとして生あるいは生に近い状態のものが飲食店で提供されています。E型肝炎に感染しても多くの人は大きな症状が出ないまま治ってしまうとはいえ、中には重症化したり死亡したりする事例もあり、医師としてはジビエを非加熱で食べることはおすすめしません。とくに妊娠中の方、免疫機能が落ちている方、高齢者はリスクが高く、絶対に食べないようにしてください。加熱すればウイルスは失活しますので、きちんと熱を通せば大丈夫です。

(クマ鈴、どう使う?:富山)
北陸地方でクマの出没が相次ぎ、クマよけ鈴に注目が集まっている。ホームセンターではクマ対策用品のコーナーも設置。サイズや音量もさまざまな鈴がそろうが、何をポイントに選び、どんな場面で使えばいいのか。富山市婦中町笹倉のクマよけ鈴メーカー「ブラスワン」の開発者を訪ねた。「リイィーーン」。直径四センチほどの釣り鐘形の真ちゅう製鈴を揺らすと、高い金属音が響いた。不快感はない。「スズムシと同じ四〇〇〇ヘルツの高周波の音。静かな平地なら、人の耳で一キロ先くらいまで聞こえる」。代表の西田徹(てつ)さん(52)は言う。クマよけの鈴は環境省も携行を推奨する。西田さんは「自然界にはない金属音だからこそ、クマが鈴を嫌がる」。ブラスワンには全国の登山家や自治体、山で仕事をする企業から注文がある。北陸で主力商品としているのは同社だけ。今年の注文数は前年比で一・八倍。石川県内の注文が若干増え、金沢市の人から「犬の散歩中に付けたい」と問い合わせも。だが、「人工的な音であふれる街中で付けても効果は無い」ときっぱり。自然界に人が踏み入れる場合にこそ、鈴は効果を発揮するという。西田さんによると、沢の岩場など音が反響しやすい場所では高周波、高音の鈴の方が遠くに響きやすく、渓流釣りにお薦め。一方、音を吸収する森では音が低めの鈴が聞こえやすく登山や山菜採りに適している。リュックの上に付けると、鈴がリュックに当たって十分に音が鳴らない。下からぶら下げると、効果的だ。「同じ鈴を増やしても、音が届く距離が延びるわけではない」。素材によるが、三~四ミリの金属の厚みがあれば一定の範囲に響き、安心という。「付けずにクマと遭遇し、付けるようになった人もいる。山中の工事現場で働くうちにクマを見慣れて鈴を付けない人もいるが、慢心は危険」と警鐘を鳴らす。ブラスワンは設計、開発を手掛け、富山県高岡市内の銅器メーカーなどが製作している。鈴は三千~七千円の商品が中心。クマの聴力について、石川県立大の大井徹教授(動物生態学)は「はっきりと分かっていないが、人間並みの聴力はある」と言う。水音がうるさい沢で人とクマが遭遇し事故になる場合もあり「クマは音を頼りに動いている。山や森に入るときはクマよけ鈴が有効」と使用を呼び掛ける。

(農家ハンター、ハイテク技術を駆使:熊本)
「地元の農業がイノシシ被害で壊れてしまうかもしれない」--そんな危機感から、立ち上がったグループがドキュメンタリー番組「情熱大陸」(MBS製作著作/TBS系全国ネット、11月1日午後11時~)に登場する。このグループは、熊本の若手農家たち約130人で組織され、自らを「農家ハンター」と名乗る。野生動物による農作物被害は、近年、イノシシ・シカだけでなく、クマやサルも多い。農作物に被害を与える「食害」だけでなく、車との接触や人とぶつかる「事故」が増えてきている。この問題に対して、農家ハンターたちは捕獲ワナの見回り負担を軽減する通信装置を導入。インターネットで捕獲の仕方やイノシシの生態を把握して、SNSを通じて成功だけでなく失敗をも共有することで、プロの猟師も驚く捕獲実績をあげてきた。さらに、捕獲場所を自動で3Dクラウドマップ化し、ビックデータのようにイノシシの捕獲・出現状況からワナの位置を考えるシステムの運用もはじめた。このようなハイテク技術を取り入れたメンバーが、各地方に農家ハンターとして散らばることで、地域のハブになる仕組みだ。特に、着目すべきは、これらのイノシシ対策がNPOや行政などが主導したものでなく、農家である当事者が考え、実行しているということ。番組では、手弁当でこの活動を続けてきた2人のリーダー、稲葉達也と宮川将人に密着。稲刈りがはじまり、名産のみかんやデコポンが収穫の時期をむかえる頃、冬支度のために栄養を求めて人里に降りてくるイノシシに立ち向かう。「熊本から日本を、農業を元気にしたい」。「農家」と「ハンター」を両立できる先進的なモデルとして、国内だけでなく国連からもSDGs事例としても注目されている最先端の取り組みに迫る。

(まぁまぁやね:和歌山)
イノシシとニホンジカの狩猟が解禁された1日、印南町の稲原平野班(平野勇班長)がシーズン初のイノシシを捕獲した。メンバー11人が印南原白河の通称「タヌキ山」に入り、犬4匹を放してイノシシを追い出したところ、ベテランの岡本克己さん(53)=山口=が重さ約60㌔のオスを猟銃1発で仕留めた。平野班はここ10年ほど、解禁初日に必ず成果を上げており、昨シーズンはイノシシ36匹、シカ31匹を捕獲した。平野班長(64)は「シーズンが始まった時は比較的捕獲しやすいが、猟師が山に入ってせちがうんで、12月ごろになって来ると難しくなる。今年も事故なく安全な狩猟に心がけたい」と話している。

(18店で「ふくおかジビエフェア」:福岡)
「ふくおかジビエフェア 秋」が現在、福岡県内の飲食店で開催されている。主催は福岡県。県では農林水産物の被害防止対策として、捕獲したイノシシやシカなどを、ジビエとして有効活用する取り組みを推進。県内飲食店などでジビエ料理を提供するフェアを2013(平成25)年度から毎年開催している。本年度新たに、県内の獣肉処理加工施設のジビエを常設メニューとして提供する飲食店を「ふくおかジビエの店」として認定し、その認定店において、ジビエのおいしさを伝えるフェアを開催。福岡市、北九州市、久留米市、飯塚市の計18店が参加する。

(「長野市ジビエ」料理をテイクアウト:長野)
秋の深まりと共に、ジビエの季節が到来しました。今年は、山形県鶴岡市のイタリア料理店『アル・ケッチァーノ』の奥田政行シェフが、長野県長野市の“ながのジビエ”と特別にコラボレーション。11月2日(月)~8日(日)、東京は神保町・下北沢にて「ジビエdeランチ キッチンカーでどこでもテイクアウト!」を開催します。「郷土の恵みの活かし方」を知る料理人の発想から生まれた本格的なジビエ料理をキッチンカーにのせ、青空の下やご自宅で楽しめるようにテイクアウト販売。奥田シェフがキッチンカーで販売するのは、長野市ジビエ加工センター(長野市中条)から直送された鹿肉を使った2品。レストランで提供するものと同じクオリティの料理をテイクアウトできる、またとない機会です。「長野市の鹿肉は鮮度の良さがしっかり保たれていて、とてもきれいな味。そのおいしさをシンプルに味わってもらえたらと思っています」。

(全国ジビエフェア2020の開催)
農林水産省では、全国的なジビエ(野生鳥獣肉)の認知向上、普及、需要拡大に向けた取組を行っています。その一環として、ジビエをPRし、ジビエメニューを提供する飲食店等の情報をとりまとめ提供する「全国ジビエフェア」を11月1日より開催します。ぜひ、この機会にジビエが食べられる、買えるお店を訪れ、ジビエを味わってみませんか。農作物の鳥獣被害防止対策等のための鳥獣捕獲が増加する中、捕獲した鳥獣を地域資源としてとらえ、ジビエとして有効活用する取組が拡大しています。このような中、農林水産省では令和2年度全国ジビエプロモーション事業において、ジビエの認知向上、普及、需要拡大に資する取組を推進しています。全国ジビエフェアは、この一環として、ジビエのPRを行うとともに、フェア期間中にジビエメニューを提供する飲食店、ジビエ商品を販売する小売店等の情報をとりまとめ、どこに行けばどんなジビエが食べられるのか、買えるのか情報提供を行うことで、全国的なジビエの消費拡大を図ります。

(シカ肉・イノシシ肉の愛称募集について)
農林水産省は、「シカ肉」「イノシシ肉」のより身近で親しみやすく、みんなが食べたくなるおいしさのイメージがわく「愛称」を募集いたします。野生鳥獣肉を意味する「ジビエ」という名称は、近年、消費者の認知度も向上し、「ジビエ」と銘打ったメニューを提供する飲食店も増加しています。一方で、我が国のジビエの多くを占めている「シカ肉」や「イノシシ肉」といった個別の呼称については、これまで、そのままの名称でメニューなどに記載されるのが一般的となっています。このため、農林水産省では、消費拡大を更に促進するため、「シカ肉」「イノシシ肉」のより身近で親しみやすく、みんなが食べたくなるおいしさのイメージがわく「愛称」を募集いたします。

(龍大卒業生、ジビエ事業:京都)
龍谷大の卒業生3人が、笠置町で今月下旬、ジビエ肉加工・販売の事業をスタートさせた。起業したのは在学中だった昨年11月。同じゼミで、シカやイノシシなどの獣害に悩む地域の問題を調査するうち、「放置できない」と、会社を設立したという。3人は同大政策学部の深尾昌峰教授(非営利組織論)のゼミ生だった笠井大輝さん、山本海都さん、江口和さんで、いずれも23歳。在学中から過疎化の進む笠置町に入り、地域経済やまちづくりを研究してきた。農作物を荒らすシカなどの獣害についても、住民へのヒアリングを重ねた。「中途半端な姿勢ではこの課題は解決できない」と、江口さんは4年生だった昨年5月、就職活動を捨てて、徳島県那賀町で3か月間修業。シカの捕獲と食肉加工などの処理技術を磨いた。3人は昨年10月に起業する覚悟を固め、町内などの古民家を借りて居住し、昨年11月、笠置町内で会社「RE―SOCIAL」を設立。地元の人にも技術を習い、恩師の深尾教授の出資もあって、今年10月に食肉処理場「やまとある工房」を町内に建設した。捕獲から処理までの全工程を自分たちで行い、特に、新鮮なうちに血抜きの処理をしてシカ肉独特の臭みをほぼ消すことに成功。食肉処理と販売の許認可を得て、事業開始にこぎつけた。笠置町では、農家の高齢化や肉を利活用する手段がないことから、捕らえられたシカなどの大半は廃棄されている。3人によると、これまで同町内では1シーズンで約50頭が処理されていたが、会社の設立で1シーズン約120頭の捕獲・処理が出来ると見込んでいる。府農商工連携・推進課は「3人の活動への期待は大きい」と見守る。シカ肉は、しゃぶしゃぶ、焼き肉、ステーキ用などとして販売され、イベントにも出店する。初仕事だった今月29日は、木津川河川敷で行われた催しに参加し、シカ肉をふんだんに使ったラーメンとつくねを提供して、人気を集めていた。社長の笠井さんは「本来あるべき人間と自然の関係性や命への感謝を、『食』を通して伝えていく」と話し、江口さんは「私たちがやらなくてだれが地域の課題に向き合うのか、という思い。3人でよく話し合い、一歩ずつ前へ進んでいる」、山本さんは「私たちの活動がひとつのモデルとなって全国に広がってほしい」と意気込んでいる。

(ジビエへの想いが一つに:高知)
高知の財布と高知商業高校がコラボ!売り上げは森林保護団体に寄付されます。11月7(土)8日(日)10時から20時(LO.19時30分)高知 蔦屋書店1階にて高知商業高校の生徒が【高校生ジビエレストラン】をオープン。株式会社ブランド高知による高知商業高校への協力により完成した、高校生たちの心のこもった手作り鹿革コースターをレストラン内で提供。コースター単品での販売も行います。“高知の財布”で知られる雑貨ブランド「高知」を展開する株式会社ブランド高知(所在地:高知県高知市、代表取締役社長:中島匠一)は、高知の認知度向上を目的に2018年に発足以来40種類以上の商品を開発、展開してまいりました。この度、高知商業高校の生徒さんたちの「高知の森林保護団体に寄付をするために鹿革でコースタ―を作りたい」との相談を受け、その熱い想いに応えるため全面協力をさせていただきました。鳥獣被害対策で捕獲され廃棄される鹿の皮を高知県香美市の地域おこし協力隊の橘木さんと猟友会の皆様からご提供いただき、鞣しの工程を経て出来上がった最高級の鹿革を提供させていただきました。高知商業高校での革細工出前授業をさせていただきました。鹿革の大切さ、良さを生徒さんたちに実感してもらい、直に針と糸を進め、ものづくりの面白さを学んでいただきました。当社が以前より様々なご指導、制作に取り組んでいただいていた高知県在住の革職人 吉松裕太さんをお招きし、プロの技を生徒さんたちに伝授いただきました。数多くのコースターを作り上げた生徒さんたちは、またほかの生徒にも教えて高校生レストランに向けてコースターづくりを進めていく予定です。デザインは表面に”高知パターン柄”を全面にレーザーで彫刻。一か所だけ”高知商業高校”が隠れており、楽しくキュートなデザインとなっております。高知県高岡郡佐川町にある佐川発明ラボさんにも機材協力をいただきました。地域おこし協力隊のコーディネーターの松田さん、上川さんの技術協力のもと、鹿革に高品質なレーザー彫刻をするという初めての挑戦となりました。

(「自然の恵み、感謝を」:石川)
女性狩猟者でつくる「狩女(かりじょ)の会」を主宰する穴水町の福岡富士子さん(50)が一日、穴水高校で講演した。全校生徒百五人にジビエ(野生鳥獣肉)の魅力を紹介し、自然の恵みに感謝するよう伝えた。県のジビエ利活用アドバイザーを務める福岡さんは、二〇一八年に白山市から穴水町へ移住。猟師として活動する傍ら、ジビエ料理や革細工の教室を開く。今夏に動画配信サイト「YouTube(ユーチューブ)」で自身のチャンネル「ジビエふじこ」を立ち上げ、ジビエや能登の魅力発信に一役買っている。講演では、低カロリーかつ高タンパクで栄養価が豊富な食べ物としてジビエを紹介。田畑を荒らすイノシシが害獣として毎日山のように埋められている現状を説明し「この命せめて何かに活用してあげたい」という思いが原動力になっていると力を込めた。自身の半生も振り返り「諦めないでやっていれば誰かが見てて応援してくれる」と、やりたいことに挑戦する大切さを訴えた。講演はいしかわ教育ウィークの学校公開の一環。

(ジビエを中条地区特産へ:長野)
日本最大級の野生動物の加工施設がある長野市中条地区で、地区で加工した肉を使った「ジビエ料理」のブランド化を目指して試食会が開かれました。試食会を開いたのは、ことし3月からジビエ料理の提供を始めた温泉宿泊施設で、2日は参加した長野市の加藤市長らに、シカとイノシシのひき肉を使ったキーマカレーやイノシシの肉を具に混ぜ込んだおやきなどがふるまわれました。長野市では、シカやイノシシによる農作物への被害が、ここ数年2000万円ほどと高止まりの状況が続いていて、市では被害を減らすためにシカとイノシシを年間1000頭前後駆除しています。この駆除したシカとイノシシを有効活用しようと、長野市は中条地区に日本最大級の野生動物の加工施設を整備して去年7月から本格稼働させました。温泉宿泊施設では、この加工施設を活用して中条地区でジビエ料理を広めていくことで、地域のブランドに育てていきたい考えで、今後はソーセージなど日本人が食べ慣れたメニューの開発を進めていきたいとしています。試食会を開いた「やきもち家」の松岡一壽さんは「和牛であれば神戸や松阪などの産地がイメージできるが、ジビエの原産地はすぐには思いつかないのではないか。この中条地区でジビエ料理を地域のブランドにして活性化につなげていきたい」と話しています。

(ふるさと納税、返礼品はシカ肉料理教室:大阪)
大阪府枚方市が、ふるさと納税の返礼品に市内のシカ肉料理研究家、平岡祐子さん(35)による料理教室を加えた。全国的にも珍しい返礼品だという。返礼品は、寄付額5万円で複数のシカ肉料理を学べる「シカ肉料理教室」(2人分)、2万円で一品の作り方を学ぶ「体験会」(2人分)、1万円で猟師でもある平岡さんが命や食について語る「お話会」(1人分)などがある。平岡さんは兵庫県などで猟をする一方、枚方市でシカ肉料理教室を開いてきた。シカ肉は「硬い」「臭い」といったイメージがあるが、適切に処理された肉をうまく調理すればおいしくなる。高たんぱく低カロリーで健康にもいいという。平岡さんはこれまで50種以上のシカ肉料理のレシピを考案してきた。一般社団法人日本ジビエ振興協会(本部・長野県)が昨年主催したジビエ料理コンテストでは、中華料理の棒棒鶏(バンバンジー)をシカ肉で仕上げた「棒棒鹿(バンバンロク)」で最高位の農林水産大臣賞を受賞した。今年2月には枚方市が市民文化賞を贈っている。平岡さんは「シカ肉の魅力をたくさんの人に知ってほしい」と話す。

(捕獲イノシシを肥料にして有効活用:佐賀)
佐賀県武雄市(4万9100人)は、有害鳥獣対策の一環として、全国的に処理に苦慮している捕獲したイノシシの新たな資源化を進めている。市内の(株)武雄地域鳥獣加工処理センター(通称・やまんくじら)が整備したイノシシ減容化施設で取り組んでいるもので、食肉に適していないイノシシを肥料などにして有効活用を図る試み。市では年間2000~3000頭のイノシシを捕獲しているが、食肉加工しているイノシシはそのうちの5%で、加工できない部位と残り95%の捕獲イノシシは事業者に焼却処理を委託してきた。だが、処理費用の高騰によって委託の継続が困難となったことから新たな処理方法を模索。捕獲イノシシの100%資源化を目指し、市から約2800万円の補助を受けた同社が全国初となるイノシシを乾燥処理する減容施設を導入した。同施設は3月28日に竣工し、肥料化等に向けた実証などを進めている。

(イノシシ出没:宮城)
11月3日夕方,登米市東和町米川綱木三経塚付近(コンクリート橋周辺)で2頭のイノシシが目撃されました。付近を通られる場合,十分ご注意ください。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、4日午後5時15分ごろ、色麻町高城上高城の川沿いにクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
村田町によると、4日午後4時20分ごろ、村田町足立大門付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日深夜、仙台市青葉区上愛子北原道上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、4日午前4時30分ごろ、仙台市青葉区芋沢大勝草上野原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日深夜、仙台市青葉区芋沢赤坂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日未明、仙台市青葉区八幡6丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日午後7時40分ごろ、仙台市青葉区八幡6丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日午前8時ごろ、仙台市泉区福岡岳山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午前5時50分ごろ、仙台市泉区古内古内にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10月30日午前6時30分ごろ、仙台市泉区福岡鍛冶袋にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10月31日午前6時40分ごろ、仙台市太白区茂庭中谷地北にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10月31日午前6時ごろ、仙台市太白区坪沼相ノ原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日早朝、仙台市青葉区芋沢蒲沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日深夜、仙台市青葉区新川中村にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10月31日深夜、仙台市青葉区大倉宮にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日午前10時45分ごろ、仙台市泉区南中山3丁目付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、10月31日午後10時55分ごろ、利府町菅谷台2丁目付近の県道沿いにクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10月31日午後、仙台市青葉区霊屋下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、31日午前6時30分ごろ、仙台市泉区上谷刈沼にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、31日午前2時30分ごろ、仙台市泉区上谷刈3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、31日朝、仙台市太白区向山4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、30日夜、栗原市花山草木沢箕ノ口でクマが出没したような痕跡が見つかりました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、30日早朝、仙台市青葉区熊ケ根町一番にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午後9時10分ごろ、仙台市青葉区上愛子舟橋にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、29日午後5時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢赤坂にクマが出没しました。

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