<射撃ニュース12月>
12/14
(ヌートリア捕獲減:愛知)
南米原産の大型ネズミで、各地で農作物を荒らしているヌートリア。特定外来生物の有害鳥獣として駆除されているが、愛知県弥富市では今年度の捕獲頭数がピーク時の3分1程度に減っている。わなの増設が原因とみられる。弥富市では、食害などの被害を受けた住民からの依頼を受けて、金網式の箱わなを設置している。当初の捕獲頭数は年に十数頭だったが、2016年度にあいち海部農協(津島市)から箱わな15台の寄付も受け、一挙に25台態勢に増やした。その結果、翌年度には80頭(全体ではアライグマなど含む102頭)を捕獲。以後はじょじょに減り、今年度は11月末現在で23頭(同35頭)だった。農政課の担当者は「生息数が減ったとまでは言えないかもしれないが、箱わなによる駆除が効果を上げている」と話している。ヌートリアに食害を受ける農作物は稲や野菜。県全体でみると昨年度の被害面積は20ヘクタール、88トンにのぼる。イノシシ、鹿、猿、ハクビシンに次ぐ規模だが、この数年はほぼ横ばいとなっている。捕獲数は昨年度が581頭だが、18年度が502頭、17年度が644頭とばらつきがある。

(若手ハンター育成へ、体験ツアーで猟のこつや解体法学ぶ:高知)
若手ハンター育成や技術の継承にと、県猟友会青年部がこのほど、香美市で狩猟体験ツアーを行い、新人5人がベテランに猟のこつや解体方法などを学んだ。同部は今年5月、45歳以下のメンバーで発足。5日は約20人が参加し、狩猟免許を取得して5年以内の新人を同会のベテランが指導。同市内の山林6カ所で銃猟を行った。猟犬にシカやイノシシを追わせ、無線で獲物の方向などの情報を細やかに共有。「犬がほえたら獲物はすぐそこ」「耳を澄ましてシカの足音を聞いて」などと助言し、シカ3頭、イノシシ1頭の捕獲に成功した。昨秋に猟銃免許を取得した足達弘さん(30)は、初めて自身でシカを捕獲。「先輩の助言なしでは捕れなかった。今後は解体もできるようになりたい」と意欲を見せた。青年部長の戸田英作さん(31)は、「若手ハンターが狩猟の楽しさやスキルを共有できる場にしたい」。今後も射撃の研修や、わな猟の体験ツアーなどを行う予定。

(高校生が古来の方法で火薬づくり授業:埼玉)
秩父夜祭や龍勢祭など、埼玉県秩父地方で古くから伝わる各種祭りで打ち上げられる花火やロケットに使われる黒色火薬の原料製造を再現する県立熊谷西高校の課外授業が12日、長瀞町であった。理数科などの1年生約10人が興味深そうに材料を抽出する作業を続けた。火薬はなぜ生まれたか、なぜ秩父地方で盛んにつくられたかを探るのが目的で、同地方での火薬づくりを研究している日本薬科大学(伊奈町)の野沢直美・客員教授の自宅庭で授業を進めた。同高校の教諭柿沼孝司さんが指導にあたった。野沢さんの研究によると、秩父地方は江戸幕府からの要請もあり、さらには祭りには必ず花火が奉納されており、火薬づくりが盛んだった。黒色火薬は硝石(硝酸カリウム)に硫黄、木炭を調合して作るが、日本に硝石の鉱脈はなく、民家の床下の土地から硝石を作る「古土法」という方法が考案され、戦国時代に全国に広まった。今回の授業では、計3軒の床下から採取した土を高校生が分担してそれぞれ水で溶かし、抽出し、灰を加えて、これを煮詰めていった。煮詰めたものを乾燥させれば、数日後には硝石の結晶が完成する。これとは別に火薬の材料である木炭を溶かした濃縮液も作った。この日の授業はここまでで、後の高校授業で、火薬づくりを終える。野沢さんは「この作製方法がどこから生まれてきたかは全く分かりません。大陸からなのか、それとも国内で発明されたのか。1軒の床下から土を取ると、次に取れるまで15~20年間が必要なので、かなり広範囲で火薬づくりが続けられたはずです」と説明する。参加した1年生の島崎虹朱さん(16)は、自宅の床下から土1キロを提供した1人。「初めての経験で楽しい。勉強になります」と話した。

(ヒグマはなぜハンターの顔を狙うのか?)
雪山の現場には多量の血痕が残されており、その下方には握りの部分が折れた銃や、カバン、帽子、水筒が散乱し、さらに下方にハンターAさんの遺体があった。死因は出血多量による失血死とされ、その受傷の状況は、右腕、右足を骨折、左腕や頚部などにも裂創があったが、とりわけ額骨、鼻骨、上下顎骨などを複雑骨折するなど顔面に原形をとどめないほどのダメージを受けていた。ヒグマによる顔面への執拗な攻撃は、とくに猟者に対する反撃の場合にみられる特徴だという──。札幌市郊外にある住宅地の一角に墨痕鮮やかな木の看板が掲げられた家がある。「北海道野生動物研究所」。野生動物、とくにヒグマに関しては50年以上をかけてその生態からアイヌ民族との関わりまで明らかにした第一人者、門崎允昭博士(82)の“研究拠点”である。今春、門崎氏が上梓した『ヒグマ大全』(北海道新聞社)は、ヒグマについて氏が50年以上にわたり蓄積したあらゆる知見が惜しみなく書き込まれた白眉の1冊で、ヒグマに興味を持つ筆者にとっては、ぜひ会ってみたい人物だった。「いらっしゃい」と筆者を迎え入れてくれた門崎氏は、銀髪を短く刈り込み、ピンと伸びた背筋は年齢を感じさせない。通された一室には、ヒグマによる事件を報じた明治期の新聞のスクラップや野生動物の行動観察記録、国内外の科学論文など貴重な資料が堆く積まれている。口元に柔和な笑みを浮かべながら、門崎氏は言った。「さて、何でも聞いてください」。聞きたいことは山ほどあったが、突き詰めると、こんな質問になった。「なぜヒグマは人を襲うのでしょうか?」。「動物の行動には、必ず目的(原因)と理由があります。これは人間も同じ。過去の事件を検証することで、ヒグマの人に対する行動規範を理解することが重要です」(門崎氏)。門崎氏によると、1970年から2016年までの間でヒグマによる人身事故は94件起きており、33名が死亡している。それぞれの事件を検証すると、ヒグマが人を襲う原因は、次の3つに大別されるという。「『排除』『食害』『戯れ、苛立ち』です。『排除』は、何らかの理由でヒグマにとって脅威となった人間を排除するために襲う。『食害』は、空腹だったり、動物性の食物を渇望しているヒグマが、人を食べる目的で襲う。『戯れ、苛立ち』は、人を戯れの対象とみたり、気が立っているときに狂気的に襲う。このうち、もっとも多いのは、『排除』のために襲うケースです」。94件の人身事故のうち「食害」のための襲撃は11件、「戯れ、苛立ち」は4件、「排除」は実に37件がこれに該当し、うち10件が死亡事故に至っている。「排除」のための攻撃は、例えば以下のような場面で起こりうるという。(1)不意に人間に遭遇したヒグマが先制攻撃をしてくる。特に子を連れた母熊が子を保護するために行う。(2)人が所持している食物や作物、家畜などを入手するため、もしくはすでに入手したそれらを保持し続けるために邪魔な人間を攻撃する。(3)ハンターなど猟者に攻撃されたり、脅威にさらされたとき、反撃に出ることがある。興味深いのは、(3)のハンターに反撃したケースだ。というのも、ヒグマとハンターをめぐっては「ヒグマは自分を撃ったハンターの顔を決して忘れない。手負いになったヒグマは、そのハンターを特定して反撃する。とくにその顔面を執拗に攻撃する」という話を聞いたことがあったからだ。果たしてヒグマは本当にハンターの顔を認識できるのだろうか。「できます」と門崎氏は断言する。識者のなかには、「ヒグマは比較的視力が弱く、おもに嗅覚を使って状況を認識する」という向きもあるが、それは間違いだという。「ヒグマには昼夜を問わず活動できる視力があり、闇夜に川岸から飛び込んで水中の魚を捕まえることもできる。また一瞬で人の顔を識別・記憶する能力もあります」。その一例として、門崎氏が挙げたのが、1974年(昭和49年)に北海道オホーツク管内斜里町で起きた人身事故である。冒頭に記した凄惨な現場は、この事件のものだ。当時、現地調査を行った門崎氏によると、事件の経緯は以下のようなものだったという。現場となったのは、斜里町郊外を流れる幾品川沿いの丘陵地。一帯はジャガイモやてんさいなどの畑地で、例年ヒグマが出没する地帯だった。畑地に接する樹林は、起伏にとみ、林床には人を寄せ付けないほどのクマイザサが密生していた。「この地域では、この年の9月ごろからヒグマが出没していたたため、猟師による駆除が求められていました」。そんな折、11月10日夜から早朝にかけて降雪があった。雪上の足跡を辿れば、追跡は容易になるため、猟師のAさんは11日の朝、「山に入る」と単身バスに乗り、ヒグマ撃ちに出かけたが、その後、行方不明となる。12日に家族が捜索願を出し、13日午前、遺体が発見された。門崎氏によると、Aさんは幾品川右岸の畑を下流に向かって探索する過程で、ビート集積場付近で足跡とともにヒグマを発見したと思われる。Aさんに気づいたヒグマは川を渡って対岸へ逃走。Aさんは足跡を追い、ヒグマはササが茂った斜面を逃げ、周囲を見渡せる場所に出た。「そこでAさんがヒグマに近づき、一発撃ったようでした」。周辺に少量の血痕が残されていたが、急所は外れたらしく、ヒグマはさらに山側へ逃げる。Aさんが後を追うが、周辺はササが茂り見通しは悪い。150メートルほど進んだところで、Aさんは杖にしていた棒を放棄し、さらに追う。ヒグマは今度は斜面を横断するように逃げたが、出血が激しくなったようで、350メートルほど進んだところに大量の血痕があり、しばらくこの場所にうずくまっていたと考えられる。「Aさんは、おそらくこのあたりでヒグマを見失い、残された血痕をみて周囲を探したものの発見できなかったのでしょう」。後の門崎氏による検証では、ヒグマはそこから50メートルほど下った地点の木立付近に潜んでいた可能性が高いという。Aさんはそれに気づかずその下を通りすぎ、Aさんをやり過ごしたヒグマは、最後の力を振り絞って上方から不意に襲ったと見られる。加害ヒグマは、Aさんの遺体の下方、40メートルの場所で仰向けになって死んでいた。Aさんの撃った弾はクマの内胸壁に沿って貫通、心肺には銃創がなかったため、徐々に出血し、胸腔内出血による呼吸麻痺で死んだと見られる。Aさんもとくに顔面の損傷が酷かったが、なぜヒグマは、猟師の顔を狙うのか。「ヒグマは、自分に向けて銃を撃った猟師の顔面を、銃とみなしているからだと考えられます。刃物などで反撃しない限り、ヒグマは猟師が落命するまで、その顔面を集中的に攻撃する。銃という脅威を『排除』するわけです。また撃たれた一瞬で、猟師の顔を識別記憶する知力がヒグマにはある。だから手負いにしたヒグマを後日、数人の猟師で撃ち取りにいく場合でも、ヒグマは自分を撃った猟師の顔を覚えていて、潜んでいる場所から飛び出して、他の猟師には目もくれず、その猟師を選択的に襲う事例が多いのです」。「動物の行動には必ず目的と理由がある」--インタビュー中、何度も繰り返されたこの言葉に、動物学者としての門崎氏の哲理と信念が宿っている。

(ヒグマに遭遇した時に持っていれば生存確率が上がるものとは)
2001年5月6日午前、札幌市の会社員Bさん(53・当時)は、定山渓の豊羽鉱山付近に「アイヌネギ(ギョウジャニンニク)を採りにいく」と行って出かけたまま、行方不明となった(Bさんの車は、その日の夕方、Bさんの家族によって発見された)。翌日、地元の警察や消防、猟師などからなる捜索隊がBさんの車があった付近を中心に捜索したところ、山中でヒグマ1頭を発見し、射殺。その近くでBさんの遺体を発見した。遺体はうつぶせの状態で、腰から下が土で覆われ、頭部と上体部は裸出し、両手は胸の前に交差するように組まれていた。腹部、臀部、上下肢などを中心に食害された痕があった。「このケースは典型的な食害目的、つまりヒグマが人間を食べるために襲ったケースです。これを最後に札幌圏内で人身事故は起きていません」。そう語るのは、ヒグマ研究の第一人者・門崎允昭氏(82)だ。いったいBさんの身に何が起こったのか。事故直後に実際に現場を調査した門崎氏とともに、“札幌の奥座敷”で起きた特異な事件を再検証する。現場の状況から推測される当日の経緯は以下の通りだ。Bさんはまだところどころ雪の残る中、豊羽鉱山の約2キロ東よりの地点にある沢に入り、幅2~4メートルの沢を遡行。沢の入り口から200メートル、沢が二股に分かれる場所でヒグマに遭遇し、いきなり襲われたと見られる。捜索隊は、この場所でBさんの長靴の片方が落ちているのを発見した。「クマは立ち上がった状態で被害者を真正面から爪で引っ掻いたようです。被害者は反射的に頭部を振って避けようとして、頚部に爪が当たり受傷しています。倒れた被害者はさらなる攻撃から逃れるべく地面を這って逃げようとしたものの、現場の状況から判断すると、恐らく最初の襲撃から数秒で絶命したものと見られます」。その後、クマは被害者をひきずって斜面を30メートルほど移動。倒木に沿うように遺体を置き、その上に付近の土をかき集めて、かけた跡が残っていたという。その後、ヒグマはさらに約60メートルほど急斜面を引きずり上げ、トドマツの疎林地へと遺体を移動させている。この執拗な移動は何を意味しているのか。「クマは“獲物”を自分が安心できる場所まで引きずっていく習性があります。いったんは最初の場所に遺体を遺留したものの、不安になって、さらに安心できる場所を求めて移動したものと考えられます」。その“安心できる場所”がBさんの遺体の発見現場であり、捜索隊に発見された際にヒグマが潜んでいた場所でもある。「その場所にはクマイザサが密生しましたが、下方斜面は視界が開けていて、クマが好む環境でした。要するに外側からは潜んでいるクマは見難いが、クマの方からは、周辺をよく見渡せて警戒するのに適している。クマはこの場所に終始潜んで、遺体を食害していたのです」。引きずられている最中に衣服や長靴は脱げたため、Bさんの遺体は靴下だけを履いた状態で、顔面や頚部には爪による創傷(2~12センチ)が14本、背部にはやはり爪による刺創が66カ所も残され、腹部、臀部、上下肢などが大きく食害されていた。「頭と四肢下部を食い残すのは、ヒグマが牛馬やシカを食べるときに共通する習性です。“内臓から食べる”という俗説もありますが、これは誤りです」。門崎氏が指摘した通り、ヒグマが人間を襲う理由は、「(1)排除(2)食害(3)戯れ、苛立ち」の3つに大別されるが、このケースが食害目的であると門崎氏が考える根拠はどこにあるのか。「主な根拠は、この加害グマはBさんを倒した後、すぐに己が安心できる場所へと執拗に移動している点です。さらに短時間のうちに被害者の身体の筋肉部を食べていること、また遺体を土や自らが噛み切ったクマイザサなどで覆い隠そうとしたこと。これらはすべてヒグマが自らの食料と見做した獲物に行う行為です」。この加害グマは当初から被害者を食害する目的で積極的に襲ってきた可能性が非常に強く、こうした場合、熊鈴など人の接近を知らせるための鳴り物は効力がないという。Bさんに助かる道はあったのだろうか。「被害者は、鉈など武器になるものは携帯していませんでしたが、もし鉈があれば、結果は違っていたかもしれません。ヒグマに刃物は効かないという人もいますが、ヒグマの痛覚は全身にありますから、鉈で反撃することができれば、ヒグマは怯みます」。実際に1970年から2016年までに起きたヒグマによる人身事故94件のうち、一般人が生還したケースは35件あるが、うち12件において、生還者は武器を携帯していた。逆に死亡事故に至った18件のうち、武器を携帯していたのは、わずか3件にとどまっている。「武器の携行が生還の確率を上げることはデータからも明らかなのです」。悲惨な事故が浮き彫りにした「教訓」を決して無駄にしてはならない。

(超至近距離で「野生のクマ」と遭遇、その時に脳裏をよぎったこと)
山の奥深く、林道を単独で歩いていると、突然、生き物の気配や視線を感じることがある。自分の良く訪れる関東近辺の山では、頻繁に出会うのは野生のニホンカモシカだ。ニホンカモシカは牛の仲間であり、通常、臆病で人に危害を加えることはない。遠くでこちらを見つけてたたずんでいることが多い。しかし、その日はちょっと周囲の雰囲気が違っていた。季節は秋、関東近郊の標高1000mほど、全行程約6時間の低山で、一人山行を楽しんでいた。山道の前後に人はいない。すると突然、茂みを揺らす「ガサガサ」っという音が鳴ったのだ。目を凝らしてみても、シカの愛らしい姿を見つけることは出来なかった。そして突然周囲に漂ったのが「獣臭」。腐ったような、汗臭さのような、鼻を衝く強烈な臭いにおい。全身に一気に緊張が走る。これは風上に熊がいる可能性が高い。熊のテリトリーに入ってしまったようだ。そういえば、今日は熊鈴を鳴らしていなかったという後悔の思いが頭を巡る。周囲に目を配りながらも、ペースを乱さずに風下になっている人里の方へと歩を進める。いつ襲われてもおかしくない恐怖に怯えながら、一歩一歩。幸い、この時は事なきを得たが、このような経験は一度ではない。これまでに幾度も姿は見えずとも大型の糞や樹木に残された熊の登った爪痕によって、その存在を認知することになる。熊の生息範囲は一般に思われているよりもずっと広く存在しているのだ。そして、この経験から数年後、気配も予兆も感じずに「出会いがしら」に熊と現実に遭遇してしまったのだ。季節は春。場所は富士五湖周辺の低山にある「東海自然歩道」での出来事だった。「紅葉台」から三つの湖を見渡せる「三湖台」で絶景を堪能した後、湖へと歩を進め5分ほど降りたばかりの場所。急坂をかなり足早に降りていく途中、突然道を遮るように大きな黒い影が現れ、あろうことか道の中央で立ち止まりこちらに頭を向けたのである。まさに危機的状況だ。そこで何度かの熊との接近により、心得ていたノウハウが頭をよぎる。声を上げたり、走って逃げたり、威嚇してはいけない、目をそらしてはいけない、敵意を見せずに少しずつ後ずさりしながら距離を遠ざける。熊はまるで大きな置物のようにこちらに顔を向けて固まったままだ。距離は10m程度の超至近距離。時速50km~60kmで走る熊なら数秒で詰められてしまう。最悪の場合「格闘」することも覚悟したが、ゆっくりと5、6歩距離を遠ざけた瞬間、熊は自ら視線を逸らし、茂みの方へと姿を消したのである。まさか富士五湖周辺という観光地のすぐ上に、そんな大きなツキノワグマ(体長1.5 m程度)の生息地があるとは思ってもいなかった。下山後に、通りがかった警察車両に通報し、山狩りが行われたようだが、発見はならず、数か月後に同じ地域で捕獲された個体と同じものかどうかはわからなかった。実は全国で熊による人身への被害はこの10年間、一部を除き、ほぼ毎年50件~100件程度を推移していた。しかし令和元年になって、熊による人身への被害が急増。平成30年の50人に対して令和元年には154人と前年の三倍増、令和2年11月の暫定数値でも149人、死者も2名発生している。山梨県では令和2年だけでも4件もの人身被害が発生している。なお東京の奥多摩山系では、令和元年、令和2年は目撃例が過去最大クラスの100件を越えて報告され、令和元年には襲撃被害も発生している。この増加傾向は何を示しているのだろうか。以前からツキノワグマの主食となるドングリなどの木の実が凶作である年は人里に近いところにやってくるとは言われていたが。どうやら豊作、凶作に関わらず、熊の目撃例や人身被害は増加傾向にあるようだ。これは土地開発により野生動物全体の生息域が狭められているとともに、若い女性や高齢者が登山をするようになったため、人との生活圏との境界線が曖昧になっていることも原因のようだ。また登山客やキャンプ客が山中に食物を持ち込み、調理し、不心得者がその場に廃棄または埋めてしまうことでその匂いにつられ、人に近づいてきているのではないだろうか。人=餌の動機付けが行われてしまうのは大変に危険なことであり、人を恐れない熊が増えてしまっている可能性もある。先日TVで北海道のヒグマに餌を与える人がいるという映像が流れていたが、あまりに無知すぎる危険な行為である。熊の噛む力、および腕力は強大であり、馬の首でさえ一撃でへし折る力を持っている。襲われてしまったならば、無事でいられる可能性は非常に低い。自分にとって衝撃だったのは、以前に世界的な登山家が、よく行く奥多摩湖の少し上の山中で、子連れの熊に襲われ、顔の一部を失うほどの被害を受け、上腕の筋肉を断裂されながらなんとか生還したという事故だ。「あれほど有名で山のルールをよく知る方が、あんな近い場所で熊にやられるなんて」という驚きで、しばらく近辺の山に行くのを敬遠していたこともあった。熊の被害を受けないために確実な方法は「熊の生息している山に行かない」ことではあるが、それでも行くことがあるのであれば、まず基本は「単独行をしない」「熊鈴などを使って、事前に人の存在を知らせ、避けさせる」ことである。襲われた場合に備えて、熊専用の撃退スプレーの購入を検討したが、ホルスターに入れ、正確に熊に放出できる自信は持てなかったので断念した。一般的には、前述した自分が熊と出会った時に行った対処方法が正解であるとされる。対峙した後に大声を出したり、後ろを向いて走りだしたりするのは厳禁。「死んだふり」に関しては、熊は動物の死体も食べるため決してやってはいけない。また子熊を連れている熊は大変危険な状態なので絶対に子熊にも近寄らないこと。同様に山中でイノシシの子供を見かけたら、近づいたりせずに、すぐにその場を離れること。イノシシに関しても子連れのものは敵意をむき出しで人間に突進してくる可能性があるからである。熊は一般的に11月下旬から4月下旬まで冬眠するが、個体差があるため、生息域では冬季も遭遇する可能性がある。最も事故が発生しやすいのは6月~7月の繁殖期であり、春先に山歩きやキャンプをする時には、熊の生息域なのかどうかを確認しておくことも必要だ。

(ふるさと納税で南アルプス守る:静岡)
県が11月中旬からふるさと納税を受け付けている。環境保全活動に活用する。ふるさと納税は個人向け。県によると、シカの食害で失われた花畑を復元するため、シカの侵入を防ぐ柵の資材購入費▽南アルプスに生育する希少な植物・タカネマンテマの種子の増殖に取り組む県立磐田農業高校の生徒たちの活動費など。

(射撃の東アジアユースエアガン大会、リモートで開催:東京)
東京で開催する予定だった射撃のユース世代の国際大会が、新型コロナウイルスの影響を受けて、4か国をリモートで結ぶ形式で行われました。射撃の東アジアユースエアガン大会は、ことし東京で開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で海外からの入国が難しいことから、各国の射撃場をリモートで結ぶ形式で行われました。参加したのは、日本と韓国、シンガポール、それに中国の4か国で、11日は10メートル先の標的をねらうエアライフルの種目で、男女それぞれ8人によって決勝が争われました。試合の様子はインターネットの動画サイトでも配信され、画面には選手たちの撃つ姿や最新の得点だけでなく、弾を発射するまでの照準の動きを映し出すなど工夫されています。都内の運営本部では、日本ライフル射撃協会の名誉総裁を務める高円宮妃の久子さまも観戦し、標的をねらう選手の様子を画面越しにご覧になっていました。女子で4位に入った大分 由布高校の2年生、野畑美咲選手は、初めてのリモートでの試合にとまどいはあったとしながらも「大変な状況の中で試合を開いてもらったことはうれしい。いい経験になりました」と話していました。日本ライフル射撃協会によりますと、各国の射撃場にはいずれも国際審判が立ち会って競技の公平性を担保したということで、今後は、時差が少ない大陸別の大会などでの導入を国際競技団体に提案していくということです。

(作業中にトラックが傾き、挟まれて男性1人死亡:愛知)
愛知県豊田市で、獣よけの金網を積んだトラックが傾き、積み降ろし作業中の男性が別のトラックとの間に挟まれ死亡しました。死亡したのは名古屋市名東区の会社員安藤元治さん(65)です。警察によりますと安藤さんは12日午前10時ごろ、豊田市中当町の路上でイノシシやシカなどの侵入を防ぐ金網をクレーンで積み降ろす作業中、トラックが傾き、逃げようとしましたが斜め前に止められていた別のトラックとの隙間に挟まれました。悲鳴を聞いた近くの住民の通報でドクターヘリが駆け付けましたが、安藤さんはおよそ1時間後に現場で死亡が確認されました。警察は、一緒に作業をしていた男性から事情を聞くなど、事故の詳しい原因を調べています。

(荒川河川敷で捕獲の“イケメン”シカ結婚へ:千葉)
東京・足立区の荒川河川敷で6月に捕獲された野生のシカ「ケープ」(オス)を引き取った千葉・市原市の動物園「市原ぞうの国」は14日、来年3月のリニューアルオープンに向けて、ケープくん一般公開ゾーンとなる「ケープの森」を作ることを発表。工事費用のためのクラウドファンディングを開始した。同園は「荒川河川敷で保護されたの鹿『ケープ』と仲間たちのお家を作りたい」と題し、支援を募る。ケープくんの野生で育ってきた環境と、人間に対して慎重な性格を考慮。「木」を使うことを基本とし、丸太の陰からケープくんのペースで見え隠れできるようにする。ケープくんは現在、姉妹園「サユリワールド」のバックヤードで1頭で飼育されている。推定2~3歳の顔立ちのきれいな“イケメン”で、約50メートル離れた公開エリアにいる4~5歳のメス11頭からは毎日、熱視線を受けているという。来年3月19日からの一般公開に向け、メスジカ2頭と一緒に3頭で仲良く暮らす森を想定。捕獲時は殺処分の可能性もあったケープくんにとって、「結婚」となる。お相手となる“姉さん女房”は、坂本小百合園長が顔立ちなどを含め、厳しい基準で選定するという。同園は「ケープと一緒に暮らすメス鹿(お嫁さん)は、小百合園長の厳しいチェックの元決められます」としている。愛の巣で、ケープくんジュニアの誕生にも期待がかかる。クラウドファンディングの目標額は500万円で、募集期間は約2か月。リターンは「ケープの落角(来春頃)1本&招待券2枚」(2万円)などバラエティーに富んでいる。

(住宅街にクマ:秋田)
13日午前4時50分ごろ、秋田市手形字才ノ浜の市道に体長約50センチのクマがいるのを、車で通り掛かった同市の20代男性が目撃した。クマは秋田高校方向に走り去ったという。周辺で被害は確認されていない。秋田東署によると、現場は秋田高校の南西約200メートルの住宅街。通報を受けた署員が駆け付けたが、クマは見つからなかった。署は周辺をパトカーで巡回して警戒に当たっている。

(介護老人保健施設地内にクマ出没:秋田)
12日午前4時20分ごろ、秋田県北秋田市脇神字南陣場岱の介護老人保健施設ケアタウンたかのす敷地内にクマ1頭がいるのを、40代女性職員が目撃した。入所者や職員にけがはなかった。

(スキー場にクマ2頭現れスキー客が避難:北海道)
13日午前、美唄市のスキー場にクマ2頭が出没し、スキー客およそ80人が避難する騒ぎがありました。けが人はいませんでしたが、スキー場は15日まで閉鎖しています。警察によりますと、13日午前9時半ごろ、美唄市にある美唄国設スキー場の山頂付近でコース脇の林にクマがいるのをリフトに乗っていた複数の客が見つけました。知らせを受けた従業員が、林から出てスキー場のコースを横断する親子と見られる2頭のクマを確認し、施設では当時いたスキー客およそ80人を避難させる措置をとりました。客が襲われることはなく、けが人はいませんでした。警察などによりますと、2頭のクマはおよそ30分ほどコースの周辺にいたということですが、その後、通報を受けて市の職員と警察官が駆けつけたころには姿が見えなくなったということです。施設によりますと、冬のこの時期にコース周辺にクマが現れたのは初めてだということで、安全確認のため15日までスキー場を閉鎖しました。クマを目撃したスキー場の係員、大友信彦さんは「この時期にクマが出るとはびっくりです。お客さんに被害がなかったことにいちばんほっとしています。今後、万全の対策をとって営業を再開したいです」と話していました。冬のこの時期にクマが出没したことについて、ヒグマの生態に詳しい北海道大学の金川弘司名誉教授は「通常、ヒグマは11月下旬ごろから冬眠に入るため、この時期に出没するのは、冬眠が少し遅れていると言える」と話しています。そのうえで「ことしは、ヒグマが冬眠前の蓄えとするドングリの実入りが全国的に悪かったため、栄養が足りず、餌を求めてまだ周囲をうろついている可能性がある。ほかの地域でもクマが出没するおそれがあり、注意すべきだ」と話していました。

(住宅街に"ヒグマのふん"か:北海道)
12月11日午前、北海道札幌市手稲区にある住宅敷地内で、ヒグマのものとみられるふんが見つかりました。警察などが注意を呼びかけています。ヒグマのものとみられるふんがみつかったのは、札幌市手稲区富丘4条2丁目の住宅敷地内です。警察によりますと12月11日午前10時ごろ、住人が敷地内にあるふんを発見し、区役所に連絡しました。翌日午前9時30分ごろ、通報を受けた警察が現場を確認したところ、ふんは直径8センチほどの大きさだったということです。形状がヒグマのふんに似ていたため付近を捜索しましたが、目立った痕跡や目撃情報はありませんでした。ふんが見つかった現場は国道5号線も近く、スーパーやコンビニエンスストア、レストランなどがある住宅街で、約250メートルほどの距離に山があるということです。警察などが注意を呼びかけています。

(現役ハンターが作る"ジンギスカン":北海道)
新型コロナウイルスで苦境に立たされている飲食店。2019年北海道札幌市のススキノで開店したばかりの店が、閉店に追い込まれました。その名物料理とは?北海道民のソウルフードといえばジンギスカン。その肉といえば羊肉、しかし、羊肉ではないジンギスカンを「お取り寄せ」で販売している店があります。苫小牧市の「美食鉄板とりこ」です。醤油ベースにすりおろしたリンゴやタマネギを加えた秘伝のタレに肉を付け込みます。この肉の正体は・・・美食鉄板とりこ 相馬裕昭さん:「特製シカ肉ジンギスカンです」。このシカ肉のジンギスカン、12月からお取り寄せでの販売を始めました。それには切実な理由があります。相馬「2019年にススキノに飲食店を開いたが、新型コロナウイルスの影響で閉店。食べてもらわないと(シカ肉を)廃棄せざるを得ない」。シカ肉のジンギスカンは、札幌・ススキノの店の名物料理でした。しかし、新型コロナウイルスの影響で2020年8月に閉店。復活を望むファンの声に後押しされ、お取り寄せを始めたのです。しかし、なぜシカ肉でのジンギスカンを考え付いたのでしょうか?北海道内ではエゾシカが農作物を食べるなどの食害が相次いでいます。2019年度の被害額は38億円。深刻な問題となっていて駆除が進められています。実は相馬裕昭さんも、現役のハンターなんです。実はシカ肉、おいしいだけではなく鉄分や亜鉛などの栄養に富んでいるんです。また、低カロリー高タンパクなことから、ヘルシー志向の人にオススメです。コロナ禍で始まったシカ肉のジンギスカンのお取り寄せ。家庭で北海道の新しい味を楽しむことができます。

(獣肉施設、豚熱で停止し先見えず:富山)
2019年2月にオープンした公設の新川地区獣肉加工施設(黒部市窪野)が、豚熱(CSF)の影響で今春から稼働していない。魚津市内での感染確認を受け、イノシシ肉の流通がストップしたためで、関係者は早期の出荷再開を願う。ただ、再開してもイメージダウンの影響が懸念され、普及に向けた課題は多い。施設の名称は「阿窪の森工房」。黒部、魚津両市で捕獲したイノシシを食肉に加工して販売する。農作物を荒らすイノシシは増加傾向にあり、活用しようと黒部市が整備を提案した。市が3188万円、賛同した魚津市が2112万円を支出し、国費も含め8千万円余りで完成。両市主導で設立したNPO法人の新川地区獣肉生産組合が運営している。肉の出荷が全面的にストップしたのは5月。魚津市長引野で感染イノシシが見つかり、両市のエリア全域が発見地点から半径10キロ内の「感染確認区域」となったためだ。国は区域内で捕獲されたイノシシの流通自粛を求めている。組合は加工品開発に力を入れており、黒部市は「これからという時に出鼻をくじかれた」(農林整備課)。組合の野村春幸理事長(72)は「肉がないと商品も生産できない。食肉にしても大丈夫というお墨付きが早く欲しい」と訴える。

TOPへ

12/12
(クマに襲われ70代女性がけが:鳥取)
11日午前、鳥取市の山沿いの集落で、70代の女性が外出したあとにクマに襲われ、顔や腕にけがをしました。鳥取県は、冬眠を控えたクマが、餌を求めて活発に活動する状況が続くとみられることから注意を呼びかけています。鳥取県によりますと、11日午前10時ごろ鳥取市国府町高岡で、70代の女性が、自宅の玄関を出て外出したあとにツキノワグマに襲われ、顔や腕にけがをしました。クマは、女性を襲ったあと山に逃げたとみられ、現場付近には規制線が張られ、警察や地元の猟友会が警戒にあたるなど、一時ものものしい雰囲気に包まれました。また、地元の中学校の校長が、現場付近で下校中の生徒を見守る姿も見られました。鳥取市立国府中学校の岡田年史校長は「まだクマが見つかっておらず心配だが、保護者による送迎なども活用しながら、子どもの安全を確保していきたい」と話していました。鳥取県は、雪が積もるまでは、冬眠を控えたクマが餌を求めて活発に活動する状況が続くとみられることから、住宅近くの柿の木などで実が残っているものは撤去するほか、クマが活発に動き回る早朝や夕方の時間帯は、1人での外出を控えるなど注意を呼びかけています。

(クマに襲われ80代女性けが:新潟)
4日午前9時半前、新潟県胎内市野中の民家敷地内で、住民の80代女性がクマに襲われ、頭を引っかかれるなどして負傷した。女性は自ら119番通報し、病院に搬送された。胎内市などによると、現場は国道7号沿いで、新発田署胎内分庁舎近く。敷地内には柿の木があった。女性が襲われた後、周辺で親子とみられる2頭のクマが目撃されている。県内では9月以降、クマによる人身被害が相次ぎ、県は独自の「クマ出没特別警報」を来年1月15日まで出している。

(シカと衝突、バイク男性重傷:群馬)
群馬・藤岡市で、バイクがシカとぶつかり、バイクの男性が重傷。6日午前6時半ごろ、藤岡市の県道で、51歳の男性が乗った大型バイクが、畑から飛び出してきたシカとぶつかり、転倒した。近所に住む人「どーんとすごい音がしました。バイクが倒れていて、それから見たらシカも倒れていて」。男性は鎖骨を折るなどの重傷で、シカはその場で死んだ。付近では、シカが頻繁に出るということで、男性は通勤途中だった。

(マダニ感染症で79歳男性死亡:熊本)
熊本県は10日、芦北郡の農業の男性(79)が、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で死亡したと発表した。国内患者が初めて報告された2013年以降、県内での死者は5人目で、18年10月以来。県健康危機管理課によると、男性は1日に農作業をした後、倦怠感や発熱の症状があり、4日に救急搬送され入院治療を続けていた。左足にマダニにかまれた痕があり、県保健環境科学研究所の検査でSFTSの陽性を確認した。

(野生イノシシ、3頭が豚熱感染:福島)
福島県は、9日、西郷村と須賀川市で、野生のイノシシ3頭が、ブタの伝染病「CSF」=豚熱に感染していたことが確認されたと発表しました。県内でCSFの感染が確認されるのは、これで10例目です。県によりますと、今月2日、西郷村で地元の猟友会が捕獲したイノシシ1頭が、CSFに感染していたことが確認されたほか、今月7日に須賀川市で捕獲された1頭と、その近くで死んでいた1頭もそれぞれCSFへの感染が確認されました。県内でCSFの感染確認が発表されたのは、先月30日以来で、これで10例目です。県内では、今のところ飼育されているブタへの感染は確認されておらず、感染したブタの肉を食べても健康に影響はないということです。県はすでに、県内の養豚農場で飼育されているすべてのブタを対象に、ワクチンの接種を進めていて、ブタの移動制限などは行わないということです。県畜産課は、「飼育されているブタが感染しないよう、今後も消毒の徹底や柵やネットの設置などの指導を続け、感染予防に万全を期していきたい」と話しています。

(野生イノシシ1頭が豚熱感染:群馬)
群馬県は11日、沼田市で死亡した状態で見つかった野生イノシシ1頭について、同日の遺伝子検査の結果、豚熱(CSF)感染が確認されたと発表した。県内の感染事例は計72頭となった。

(野生イノシシが豚熱:茨城)
茨城県は11日、守谷市で見つかった死んだイノシシが、家畜伝染病「豚熱(CSF)」に感染していたと発表した。県内では6月に取手市で感染したイノシシが死んでいるのが発見されており、2例目となる。県畜産課によると、雌の成獣で、11日の遺伝子検査で感染を確認した。県は既に全飼育養豚へのワクチン接種を終えているため、監視対象農場の設定や移動制限は行わないという。

(豚熱感染3頭目:栃木)
県は4日、那須町で捕獲された野生イノシシが豚熱(ぶたねつ)(CSF)に感染していたと発表した。那須塩原市で死んでいたイノシシ2頭に続き、県内では3頭目の感染確認となった。県によると、感染イノシシは雄の成獣。11月28日に那須町湯本で、くくりわなにかかっていたところを発見された。県が遺伝子検査を実施し、4日に感染を確認した。県は同日、発見場所から半径10キロ圏内にある養豚場(5農場)に連絡し、異常がないことを確認した。感染拡大を防ぐため、半径10キロ圏内で野生イノシシ向けの経口ワクチンを緊急散布するなどの対策をとる。

(鳥インフルエンザのウイルス、複数経路で国内に持ち込まれたか)
香川県の養鶏場で鳥インフルエンザの発生が確認されてから、5日で1か月となり、異例のペースでウイルスが検出されています。北海道大学でウイルスの遺伝子を詳しく調べたところ、ヨーロッパで流行しているものや韓国で野鳥のふんから検出されたものと近いことが分かりました。研究グループは、渡り鳥によって、サハリンや千島列島を経由するルートや、朝鮮半島経由の複数のルートで各地に持ち込まれた可能性があるとしています。国内では、先月5日に香川県の養鶏場で致死率が高い高病原性の「H5N8型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されて以降、香川県や宮崎県など、4つの県の合わせて15の養鶏場で発生が相次ぎ、およそ200万羽が殺処分されています。北海道大学のグループがことし10月、北海道紋別市で野鳥のふんから検出されたウイルスの遺伝子を解析したところ、ヨーロッパで流行しているものと同じ系統で、韓国で野鳥のふんから検出されたものに最も近いことが分かりました。香川県の養鶏場で検出されたウイルスも、これらのウイルスと近いことがわかっていて、研究グループは、渡り鳥の営巣地のシベリアから、サハリンや千島列島を経由して北海道に入るルートや、朝鮮半島経由の複数のルートで各地に持ち込まれた可能性があるとしています。研究を行った迫田義博教授は、「ウイルスが検出されている地域以外にもすでに持ち込まれている可能性があり、リスクがあることを前提に警戒することが必要だ」と話しています。

(天神のサル、ようやく捕獲:福岡)
今月3日、福岡市の繁華街・天神でサルが姿を見せたあと市役所の地下駐車場に逃げ込み、3日目の5日昼ごろになってようやく捕獲されました。今月3日午前、福岡市中央区の繁華街の天神にサルが姿を見せ、再開発のため進められているビルの工事現場で建物の壁伝いに移動するなどしました。その後、福岡市役所の地下駐車場に逃げ込み、警察官などが大きな網を持って追いかけましたが、なかなか捕獲できませんでした。福岡市によりますと、5日朝にかけてサツマイモなどの餌を置くわなを仕掛けましたが、餌が食べられたあとがあっただけで捕獲されていませんでした。5日は市の職員が午前9時に作業を始め、午前10時ごろからは消防も合流し、およそ40人の体制でサルを追いました。そして正午ごろ、市の職員が網で捕獲しました。福岡市によりますと、サルは体長が50センチほどで4歳から5歳くらいのオスのニホンザルとみられ、けがはなく元気な様子で、郊外の山に放したということです。サルが捕獲され、週末の福岡市天神では安どする声が聞かれました。10代女性は「知り合いから聞いていたが、どこから天神に来たのかと思いました。街の中で誰かが襲われないか心配だったので、よかったと思います」と話していました。40代男性は、「子どもが小さいので安心しました。市の方も必死で逃げるサルを捕まえるのは大変だった思います」と話していました。

(宗谷線シカと6回衝突:北海道)
JR宗谷線で9日夜、特急宗谷と普通列車が、ひと晩で計6回、シカと衝突するトラブルがあった。JR北海道旭川支社によると、走行に支障はなく、けが人はいなかったものの、特急宗谷に84分、普通列車に21分の遅れが出た。同社広報担当者は「二つの列車が複数回衝突し、大きな遅れになるのは珍しい」と話す。特急宗谷は、午後5時46分稚内発札幌行き。上川管内の音威子府(音威子府村)―佐久(中川町)間と、名寄市の北星―日進間で、それぞれ2回シカと衝突し、乗客16人が乗っていた。

(シカ目撃、野生生息せず:茨城)
八千代町内でシカが目撃されていたことが、11日までに分かった。1頭とみられる。町は近づかないよう注意を呼び掛け、下妻署も防犯メールで周知した。日立市かみね動物園は「シカで間違いない。お尻が白く、走り方がイヌやイノシシとも違う」としている。同園によると、このシカが野生かどうかは不明だが、茨城県で野生シカが目撃されるのは珍しいという。町産業振興課や目撃者によると、シカは10日、同町中野や同町仁江戸で目撃された。同町新井、農業、矢中孝夫さん(43)は、午前11時20分ごろ、中野地区の水田でトラクターを運転中、80~100メートル前方で発見。「一瞬、大きいイヌかと思ったが、走り方や姿が違う。尻尾が白く、シカだと思った。かなりびっくりした」と振り返った。同課は同日午後、仁江戸地区で、県県西県民センターや県猟友会鬼怒支部八千代分会と捜索したが、確認したのは足跡のようなものだけだった。かみね動物園の担当者は「山を越えてきたのかどうか。基本的に茨城にシカは分布していない」と話した。

(小屋2階でクマ発見:青森)
5日午前8時35分頃、青森県むつ市川守町の民家から「小屋の中が荒らされている」と110番があった。駆けつけたむつ署員が小屋の2階でクマを発見し、約2時間後に猟友会のハンターが駆除した。ツキノワグマのオス(体長約150センチ)で、成獣とみられる。むつ署などによると、小屋を所有する80歳代女性が同日朝、小屋1階の戸が開いているのに気がつき、同居する50歳代の娘が通報した。駆除後、小屋に置いていたリンゴ60個がなくなっていたという。女性は「戸が開いていて不審に思ったが、2階に上がらなくてよかった」と話した。娘は「前日の夜から物音がし、近くに足跡もあったのでクマかもしれないと思ったが、まさか小屋の中にいたとは」と驚いていた。

(高校にイノシシが出現、警察と猟友会が捕獲:千葉)
千葉県市原市の高校にイノシシが逃げ込んだ。警察と猟友会などが捕獲に成功した。警察などによると午前11時過ぎ市原市内で「イノシシがいる」と通報があった。イノシシはその後、近くにある県立市原八幡高校の敷地内に逃げ込んだが、屋外の金網で囲まれたテニスコート内に追い込まれたということだ。市原市の職員が捕獲する「ワナ」を取りに戻っている最中、警察と猟友会などはイノシシがテニスコートから逃げ出さないように見張っていた。午後1時ごろ、とうとうイノシシは捕獲され、トラックの荷台に積まれ搬送された。市原八幡高校は現在試験期間中で生徒は基本的に全員下校済みということだ。

(クマがサイロに入り込み脱出不能に:岩手)
岩手県遠野市で4日朝、牛の飼料が入っていたサイロにクマが入り込み出られなくなりました。その後、クマは処分されけが人はいませんでした。4日午前7時ごろ、遠野市宮守町下宮守の牛の肥育農家・河野隆さん(82)の牛舎にあるサイロの中にクマがいるのを河野さんが見つけました。クマは高さ5メートルほどのサイロにかけられたハシゴを上り、フタを開けて中に入った後に出られなくなったと見られています。クマはかけつけた猟友会によって、発見されてからおよそ2時間後の午前9時過ぎ、処分されました。けが人はいませんでした。河野さんの牛舎では5、6年前にも牛舎の中の飼料をクマに食べられたことがあるということです。

(ニホンジカ越冬地にわな設置:秋田)
秋田県内で生息域を広げつつあるニホンジカの繁殖を防ごうと、県が群れを対象とした集団捕獲の方法を模索している。県林業研究研修センター(秋田市)や森林総合研究所東北支所(盛岡市)との調査で、これまでに鹿角、能代、仙北、大仙の4市に越冬地を確認。このうち仙北市の越冬地に秋から冬にかけて囲いわなを仕掛け、効率的な捕獲方法を試験する。県自然保護課によると、本県のシカは2009年に仙北市と八郎潟町で死骸が見つかって以降、目撃数が年々増加。本年度は11月30日時点で、県全域で82頭が目撃された。既に昨年度の81頭を上回り、年度末までに初めて100頭を超える可能性もある。

(札幌のクマ出没、去年比半分以下:北海道)
ことし4月から先月までに札幌市内でヒグマが出没した件数はおよそ90件と、去年の同じ時期の半分以下にまで減っていることがわかりました。市は、クマが身を潜めそうな果樹林の伐採や電気柵の補助事業などの対策に一定の効果が出たと分析しています。札幌市のまとめによりますと、ことし4月から先月までの8か月間に市内で確認されたクマの出没件数は91件で、去年の同じ時期の194件から半分以下に減りました。札幌市では去年、南区を中心にクマの出没が相次いだため、ことしから、手入れされていない果樹園の跡地などで木の伐採を進めたり、電気柵を設置する世帯への補助事業を行ったりしてきました。その後、伐採などの対策がとられた場所ではクマの目撃や食害は起きていないということで、市は一定の効果が出たと分析しています。札幌市環境共生担当課は「伐採などの活動は継続することが大事なので、今後も地域の皆さんから協力を得て取り組みを進めていきたい」と話しています。

(イノシシとシカの捕獲強化:和歌山)
「2013年度を基準にイノシシ、ニホンジカの個体数を23年度までに半減させる」ことを目標に掲げる国は本年度、狩猟期間(11月~)を鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーンと位置付け、全国的に捕獲を促す。これを受け和歌山県は、捕獲強化エリアを設定し、一層の捕獲に取り組む。6日には都道府県初となる捕獲キャンペーンの決起集会を田辺市で開く。野生鳥獣による全国の農作物被害額は18年度で158億円。イノシシ、ニホンジカによる被害が和歌山県と同様に64%を占める。近年、イノシシ、ニホンジカの捕獲匹数は年間計120万匹程度で横ばいにとどまっている。一方、県の野生鳥獣による農作物被害額は減少傾向にあるが、19年度の被害額は約3億600万円で依然3億円を超えて推移している。県は営農意欲の減退、耕作放棄や離農の増加など、数字に表れる以上の深刻な影響をもたらす鳥獣被害を食い止めようと、08年度以降、国や県独自の取り組みを強化している。捕獲報奨金の増額補助をはじめ、狩猟期間の延長、ニホンジカの夜間銃猟、狩猟者の育成、防護柵設置支援、ジビエ(狩猟肉)の活用のほか、17年度からの5年間はイノシシ、ニホンジカの捕獲目標をそれぞれ年間1万7千匹に設定している。これらの取り組みにより、捕獲匹数は増加傾向にある。19年度の捕獲匹数はイノシシ1万9820匹、ニホンジカ1万6347匹だった。国のキャンペーンでは、各都道府県で捕獲目標と捕獲強化エリアを設定させ、イノシシとニホンジカで年間計140万匹の捕獲を目指す。期間中の捕獲経費は各都道府県に対して別枠予算で支援する。県内の捕獲強化エリアに設定されたのは、イノシシは県内全域、ニホンジカは和歌山市と岩出市を除く県内全域。県のイノシシ、ニホンジカの狩猟期間は11月1日~3月15日。「鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーン」と銘打つ県決起集会は6日、田辺市扇ケ浜の市立武道館で開かれる。県猟友会主催、県と田辺市の共催。県猟友会員や田辺市鳥獣被害対策実施隊員らが参加する。県担当者は「決起集会を機に県猟友会の皆さんの士気が一層上がり、農作物被害軽減のための捕獲の強化につながれば」と話している。

(捕獲強化へ決起集会:和歌山)
国による全国的な「鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーン」で6日、捕獲をより一層進めるための機運を盛り上げようという決起集会(和歌山県猟友会主催、県・田辺市共催)が田辺市扇ケ浜の市立武道館であり、猟友会員や行政関係者ら約250人が参加した。国は農林業被害の軽減のため「イノシシ、ニホンジカの個体数を2023年度までに半減」させるという目標を掲げているが、捕獲匹数は年間120万匹程度にとどまり、このままでは達成が困難な状況。このため、本年度初めて実施する集中捕獲キャンペーンにより、狩猟期を中心に捕獲を強化。年間140万匹の捕獲を目指すとしている。決起集会では、県猟友会の尾上貞夫会長が「県内の捕獲数は年々増加しているが、被害の軽減はまだまだ道半ば。農家の方々と協力し、例年以上に捕獲できるように頑張っていきたい」とあいさつ。仁坂吉伸知事も大勢の参加に感謝した。来賓として出席した、自民党鳥獣捕獲緊急対策議員連盟の会長を務める二階俊博幹事長も「鳥獣に負けているようでは仕方がない。一緒になって課題解決に立ち向かおう」とあいさつ。このほか、同議連会長代行の鶴保庸介参院議員や門博文衆院議員、農林水産省の宮内秀樹副大臣、環境省の笹川博義副大臣、大日本猟友会の佐々木洋平会長、全国農業協同組合中央会の中家徹会長、県議会の岸本健議長があいさつや激励をした。参加者を代表し、県猟友会西牟婁支部の安達幸治支部長が「全力で取り組むことを誓う」などと決意を表明。田辺市の真砂充敏市長も「皆さんのご協力を頂きながら精いっぱい努力したい」と呼び掛けた。終了後には、会場の外でジビエ料理(しし鍋)の振る舞いもあり、参加者が舌鼓を打っていた。

(麻酔銃扱える団体、3団体に増加へ:新潟)
9日開かれた新潟県議会12月定例会の産業経済委員会で、住宅街でクマなどを捕獲するための麻酔銃を扱える県内団体が現在の1団体から、2021年度中に3団体に増える見通しであることを県が明らかにした。麻酔銃は一般的な銃に比べて安全性が高いとされ、住宅街でクマなどを捕獲する際の有効な手段という。ただ、銃の所持許可のほか、麻薬の専門知識を有する「麻薬研究者」の免許が必要などとハードルが高く、県内で扱えるのは上越市の1団体にとどまっていた。自民党の帆苅謙治氏(阿賀野市)は「麻酔銃など射撃に精通した特殊班を上中下越に配置できないか」と提言した。山田治之・農林水産部長は「20年度中に長岡市、21年度中には下越でも資格を持った団体ができる」との見通しを明らかにし、「その3団体を中心に市町村、猟友会などでチームを作って動くのが現実的だと思う」と述べた。

(クレー射撃東京五輪代表同士が結婚!)
クレー射撃のトラップで来夏の東京五輪代表に内定している女子の中山由起枝(41)=日立建機=と男子の大山重隆(39)=大山商事=が今年3月に結婚していたことが4日、分かった。中山は関係者を通じて、「2020年のクレー射撃界のシーズンが終了し、新たな年を迎える今お伝えすることといたしました」とし、「お互い支え合い、これまで以上に目標に向かって精進して参ります」などとコメントを発表した。08年北京五輪4位の中山にとって、来夏の東京大会は5度目の五輪となる。集大成と位置づける母国での五輪へ、初代表の大山とともに力を合わせてメダル獲得を目指す。

(カラス撃退大作戦:長野)
カラスによる食害やふん害が県内で相次ぎ、県が約四十年ぶりに生息実態調査に取り組んでいる。被害の多い長野市周辺を手始めに、えさ場やねぐらなどを特定した「マップ」を本年度内に作成する。マップの対象範囲内の住民や農家に、えさ場を絶つための協力を呼び掛け、個体数を減らしていく作戦だ。県によると、二〇一九年度の野生鳥獣による農林業被害額は七億四千万円。カラスが八千三百万円を占め、シカの二億五千万円、クマの一億円に次いで三番目に多い。ブドウやリンゴなどの果樹被害が目立つ。被害額は過去十年以上、大きな変動はないが、目立ち始めたのが市街地でのカラスのふん害だ。山間地をねぐらにするカラスは、ふもとの畑の果樹をエサにするケースが多い。しかし、ここ数年は山間地の個体が増えすぎて市街地まで侵入しているという。長野市のJR長野駅では架線で約千五百羽がねぐらにしているのが確認され、「線路や周りの道路が真っ白になるケースもある」(県鳥獣対策・ジビエ振興室)という。

(冬眠期でもクマに要注意:新潟)
冬眠する時期になってもクマが出没しているとの報告が、新潟県を含む全国で相次いでいる。国の調査では、2019年度(19年12月~20年3月)の出没件数は現在の集計方式となった16年度以降最多。新潟県でもこれまでで最も多い56件が確認された。県内では今月に入っても胎内市で女性がクマに襲われており、県は引き続き警戒を呼び掛けている。環境省によると、12月~翌年3月の全国の出没件数は、16年度は482件に上り、17年度に266件に減った。しかし、18年度361件、19年度631件と急増した。県内は18年度に12件だったが、19年度は暖冬少雪などの影響もあり、56件に跳ね上がった。昨年12月上旬には南魚沼市の診療所倉庫で親子グマ3頭が捕獲されたほか、今年1月下旬には見附市の県営住宅に1頭が入り込むなど「想定外」の場所での発見が続いた。20年度の県内の出没件数も、10月末の段階で過去最多だった19年度を上回り、12月7日時点で1845件に上る。10月には関川村でクマ被害による死者も出た。一般的に、クマは12月から翌年3月ごろにかけて冬眠するが、野生動物の生態に詳しい新潟大農学部の箕口秀夫教授(森林生態学)は、「数は少ないが冬眠しないクマは昔からいる」と指摘する。寒い中を動き回ることによるエネルギーの消費量と、得られる餌の量をてんびんにかけ、餌の量が上回ればあえて冬眠しない個体はいるという。箕口氏は「暖冬少雪や近くで餌が確保できるなど条件がそろえば、県内でも里山にすむ個体を中心に冬眠しないクマが増える可能性はある」とみる。関川村では11月、NTT東日本の協力を得て、情報通信技術(ICT)を活用した捕獲システムを試験的に4カ所導入した。クマがわなにかかるとセンサーとカメラが反応し、画像が猟友会メンバーらにメールで送信される。村農林課によると、11月にこのシステムで捕獲されたクマは1頭だったが、担当者は「定期的な見回りが減らせ、負担軽減につながる」と効果を実感する。その上で、動画が送信されるようになれば、冬でも現地の状況がより詳細に把握できるとした。県環境企画課は「柿や畑の野菜は早めに収穫するか処分し、冬も引き続き警戒してほしい」と呼び掛ける。併せて、身を隠すことができる環境の車庫や納屋などの戸締まりも促している。

(クマ、年末年始も早朝や夕方に警戒を:岐阜)
岐阜県内で今年度、ツキノワグマの目撃情報が相次いでいる。餌であるブナやコナラが凶作とされ、人里に出没しているとみられている。専門家は餌不足のシーズンは冬眠が遅くなる傾向があるとして、年末年始も特に早朝や夕方の山際に警戒するよう呼びかけている。同県多治見市の虎渓山永保寺周辺で、クマを目撃したという情報が市や県警多治見署に寄せられたのは11月10日午後。「寺の参道で見た」「近くの路上にいた」との内容だった。現場は、県立多治見北高校や民家が並ぶ住宅街で、同署はパトカーで巡回した。近くで飲食店を営む女性(88)は「辺りでクマを見たことはなく、出没は怖い」と話す。同県高山市では、市中心部に近い住宅地で出没情報が相次いだ。JR高山駅から約1・5キロ離れた同市上岡本町で、庭先でクマと遭遇したという女性(85)は「朝に外に出たら、自宅裏の石垣の上にクマが座っていてびっくり。慌てて家に戻り窓から見たら、草むらに頭を突っ込んで何か食べているようだった」と振り返る。県などによると、クマは冬眠前、脂肪を蓄えるため、餌を求めて活発に活動する。しかし、主な餌となるブナやミズナラ、コナラなどのドングリ類は年によって豊凶のサイクルがあり、凶作の年は、餌を求めてクマが人里に出没し、目撃情報が増える傾向がある。ドングリ類が軒並み凶作とされた昨年度の目撃情報は過去10年で2番目に多い853件だった。今年度もブナとコナラが凶作、ミズナラが並作とされており、目撃は10月末までに556件。前年同期比160件減だが、過去10年では3番目に多い。7月、同県山県市で猟友会の60歳代男性が、シカを捕獲するために設置したわなに引っかかったクマを発見。右肩をかまれるなどしてけがを負った。9月には、愛知県から岐阜県揖斐川町に星の観察に訪れていた50歳代男性が、山の茂みで遭遇。右頬を爪で引っかかれ、軽傷を負っている。目撃エリアは飛騨地域が多いが、岐阜大学応用生物科学部の浅野玄准教授(野生動物医学)は、「森林環境が整っている本県では、広い地域にクマが生息しており、どこにいてもおかしくないという意識で行動すべきだ」と警鐘を鳴らす。浅野准教授によると、餌が不足している年は、例年よりも、冬眠時期が遅くなる傾向にあるため、少なくとも12月末までは注意が必要だという。特に、早朝や夕方に、人里周辺でクマが目撃されるケースが多く、同時間帯は山際での散歩を控えたり、複数人で行動することを心がけるべきだと訴える。県は、クマを人里に近づけさせない方策として、生ゴミを畑の近くに置かないよう呼びかける。また、クマは警戒心が強く、むやみに人を襲うことはないが、ふいに遭遇してしまった場合は、クマも驚いて身を守ろうと人を襲ってくるおそれがある。特に、子を連れた母クマは、子を守るために、血気盛んなことが多いという。このため、県は「山やその周辺では鈴を鳴らすなどして音を出し、自分の存在を知らせることも大切」としている。

(「冬眠しないクマ」に注意)
近年、クマが冬眠期に出没するとの報告が各地で相次いでいる。12月~翌年3月の出没件数に関する環境省の調査で、2019年度は現在の集計方式となった16年度以降最多を更新した。本年度も10月までの出没件数が近年の同期比で最多となり、同省は今冬の出没増を警戒。既に対策を進めている地域もある。クマは12月から翌年3月ごろにかけて冬眠。体内に餌をため込み冬眠中は仮死状態になるという。広島県のNPO「日本ツキノワグマ研究所」の米田一彦所長は「暖冬で寒さに耐えられるようになった。放置生ごみや果実を食べ栄養を蓄えられるようになったことも影響している」と分析する。

(クマ被害、最多と同数151人)
環境省は4日、今年4~11月のクマによる人身被害は全国で151人で、比較可能な2006年度以降、同期間で最多となった昨年度と同数となったとの集計結果を明らかにした。今年10月には新潟県と秋田県で計2人が死亡した。4~10月の出没件数も公表。近年最も多かった16年度の同時期を上回り、1万7746件と最多を更新した。例年は6~7月以降に減少傾向となるが、今年は8月に3291件、9月は2533件、10月は4050件といずれも月別の最多で、高止まりが続く。集計によると、11月末までの人身被害は岩手県が28人と最も多く、新潟県18人、石川県15人と続いた。

(検証・熊被害:新潟)
曇りがちの朝だった10月1日午前9時すぎ。新潟県関川村の稲作農家、佐藤敏和さん(63)は稲刈りを始めようと、普段通り農道でコンバインの手入れをしていた。ふと顔を上げた瞬間、すぐ手前に熊がいた。目が合うと、熊は白い牙をむき出しにして走り出し、かがんだ姿勢の佐藤さんに突進してきた。襲い掛かると、頭にかみついた。「うぅー」と佐藤さんが声を上げると、声の大きさに驚いたのか熊は逃げていった。頭から血が流れていた。急いで近くの民家に向かった。助けを求め、ドクターヘリで新潟市内の病院へ搬送された。頭部は20針以上縫い、鼻骨も折れた。「死んだと思った」と、佐藤さんはその時を振り返る。熊と遭遇した場所は、一面に水田が広がる平たん地。近くには鉄道の線路も走り、民家も立ち並ぶ。佐藤さんは「見晴らしが良い場所で、しかも明るい朝に熊に遭遇するとは思わなかった。こんなことが今後も起きるなら、農作業も安心してできない」と話す。関川村での熊の捕獲数は例年数頭ほどだが、今年は16頭と急増。これまで報告のなかった市街地周辺での目撃情報も増えている。村によると、今年は熊の餌となるドングリが凶作。餌を求めて民家周辺にも近づくようになったとみられる。村内では佐藤さんが被害を受けた日に、もう1人が被害を受け、亡くなった。立て続けに人身被害が発生し、村は目撃情報があれば職員を2人一組で現場に派遣。朝、夕にそれぞれ1時間ほど見回っている。村は「見回りと合わせて、一定の頭数管理が必要」(農林課)と考えている。現在、村内に箱わなを15台設置。一方、管理する猟友会では高齢化が進んでおり、箱わなを維持するには作業負担の軽減が欠かせない。省力化を狙い、情報通信技術(ICT)を使った箱わな4台の実証実験を始めた。熊がわなにかかった場合、猟友会メンバーが所有する端末に画像を送って知らせる。来年度からの本格導入を予定している。環境省によると、熊による人身被害数は今年度11月末時点で151人。データがある08年度以降、過去最多だった19年度の157人に迫る。都道府県別に見ると、岩手の28人が最多だった。全国的なドングリの凶作に加えて、畑などに農作物を放置したり、生ごみを適切に処分しなかったりする地域に、熊が近づいている可能性がある。同省は「農作業中の被害も報告されている」(鳥獣保護管理室)と指摘。熊の冬眠が本格化するまでは常時警戒するよう呼び掛けている。今年は全国で熊の出没や人身被害が相次いだ。各地の被害状況を検証し地域の安全を守るには何が必要かを探る。

(検証・熊被害:富山)
午前7時。富山市の農業法人、土遊野(どゆうの)の従業員が山間部に立つビニールハウスの鶏舎へ餌やりに行くと、側面が破けているのを見つけた。恐る恐る中をのぞくと、羽毛が散乱し、複数の鶏が死んでいた。現場に駆け付けた河上めぐみ代表は「一目で熊と分かった」と振り返る。その日のうちに周囲に電気柵を立て、ビニールも張り直した。翌朝。今度は隣の鶏舎が壊れていた。金網と木材でできた鶏舎で、網の継ぎ目をこじ開けて中に入った痕跡があった。またもや複数の鶏が死んでいた。2日間で50羽が被害を受けた。これまでもタヌキやキツネとみられる被害があったが、数は少なく、施設の破損状況も小さかった。今回は鶏だけでなく、鶏舎の中にあった飼料を狙った可能性もある。河上代表は「餌に飢え、味を覚えた熊が再び来たのではないか」と推察する。現在は敷地内の全5棟の鶏舎に電気柵を設置。以来、被害はない。今年は例年に増して鶏舎周辺で熊を見掛けることが多かった。人身被害はなかったが、「電気柵だけで安心せず、これからも警戒する必要がある」と河上代表。音を鳴らして作業し、薄暗い時間には近づかないよう従業員に徹底する。熊が人間の生活圏に近づく要因の一つが餌不足だ。富山市によると、秋の餌となるドングリ(堅果類)は今年、凶作だった。山に餌がなく、人間の生活圏まで来て探す熊が増えたとみられ、今年度の市内での捕獲頭数は10月末時点で30頭。年間1桁台で推移する例年に比べて、大きく増えている。住民により具体的な対策を実践してもらおうと、市は自治会向けの補助金の使途を細かく設定。上限8万円を前提に、熊を誘う恐れがある柿の木の伐採に1本1500円、隠れ場所になり得る草むらの刈り取りに10アール4000円──などと設定。市は「地域ぐるみで対応し、熊が近づかない環境づくりを後押したい」(森林政策課)とする。全国ベースで見ても、熊の捕獲頭数は増えている。環境省によると、10月末時点で全国で5770頭が捕獲された。公表のある08年以降、最多だった19年の6285頭に次いで2番目に多い。こうした状況と連動するように、全国単位でもドングリの凶作が目立つ。10月末時点で、ブナは情報提供のあった23都道府県の7割以上、コナラは21都府県の6割以上がそれぞれ凶作だった。餌に飢えた熊にとって、無防備な農場は簡単に餌が手に入る場所。そこが人間の生活圏であっても「何度も来る可能性がある」(同省鳥獣保護管理室)。熊に餌場として認識させないため、農場には電気柵を設置するなどの対応を呼び掛ける。

(検証・熊被害:秋田)
秋田県鹿角市西部の山間部、三ツ矢沢地区。かつては民家に隣接する小屋が熊に破壊され、中にあったみそが食べられるなど被害が続いた。「人に危害があってからでは遅い」と、地域を挙げて熊が近づきにくい環境づくりに着手。集落への侵入をなくした。同地区の住民が実践する対策の一つが、人と熊のエリアを分ける緩衝帯の設置だ。熊が潜む場所をつくらないよう、定期的に草を刈り、雑木林の一部も伐採した。対策を始めて3年目を迎えるが、これまでに熊の侵入はない。草刈りには毎回20人ほどが参加する。自治会長の川上仁さん(72)は「住民みんなで協力するからこそ、熊を寄せ付けない環境を維持できる」と実感する。熊対策に乗り出すきっかけになったのは、2017年秋の被害だった。小屋の破壊だけでなく、水田に侵入して稲を食べた痕跡もあった。「熊が近くにすみついているのか」と不安が広がる中、自治会を中心に、市や県の協力を得て18年度から対策に取り掛かった。専門家を招いて地区内を点検。耕作放棄地や手入れされていない雑木林など、熊が潜める場所が数多くあることが分かった。住民向けの勉強会では「緩衝帯が必要」「定期的に手入れをしないと効果が出ない」などの課題を共有。定期的に住民が集まる場でも「熊対策はみんなの協力が必要」と伝えて、問題意識を高めた。結果、住民が自発的に対策に参加する環境をつくり上げた。環境省によると、2020年度の全国の熊出没件数は10月末時点で1万7746件。同期間では過去5年間で最多だ。例年は6、7月を過ぎると減少傾向となるが、今年は8月になっても増加。9月は高止まりしたままで、10月になって再び増えた。都道府県別に見ると、最多は岩手の3144件。群馬と新潟、長野、島根も1000件を超えており、広い範囲で出没している。熊の生態や対策に詳しい岩手大学の山内貴義准教授は、熊出没の増加要因として「人口減少による地域の衰退」を挙げる。耕作放棄地が広がるなどして、熊の活動範囲も拡大したとみる。果実や家畜を食べる熊が多くなることで、「味を覚えて次の年も再び同じ場所に出没する可能性がある」と警鐘を鳴らす。対策を講じる上で、「熊は学習能力が高い。継続的に人の存在を伝えると寄り付かなくなる」と指摘。具体策としては、電気柵や農地の維持・管理を挙げ、「熊にとっての抜け穴をつくらないため、地域単位で実践する必要がある」と、提起する。

(駆除したイノシシやシカ、動物園の餌に)
農作物を荒らす害獣として駆除された野生のイノシシやシカを餌として飼育動物に与える取り組みが、全国の動物園などで広がっている。獣害問題の啓発につなげる一方、肉食動物に狩りの感覚を呼び覚まし、閉鎖された環境でのストレス緩和になると期待されている。東京都の羽村市動物公園では8月、アンデスコンドルに皮や骨がついたままのイノシシ肉を与えた。オスの「ルドルフ」(推定33歳)は肉を見つけるとすぐに駆け寄り、夢中になってついばんだ。普段、食べやすく加工した馬肉の切り身などのエサをあっという間にたいらげるが、皮と骨付きの肉は食べ尽くすまでに時間がかかった。園の獣医師、中鉢友紀乃さん(28)は「野生に近い行動を引き出すことができたのではないか」と語った。食べる時間が長くなれば、動物のストレス緩和にもつながるという。このような取り組みは、欧米の動物園などで動物福祉の一環として広く行われている。日本では、飼育員や研究者らでつくる団体「ワイルドミートズー」(福岡市)が、2017年から獣害問題と結びつけて啓発してきた。環境省の調査(速報値)では、昨年度に駆除されたシカやイノシシは計約124万頭。「ジビエ」として人間が食べるのは1割に満たず、残りは処分される。同団体は廃棄される獣肉に着目した。鉛中毒を防ぐため、銃ではなくワナで捕らえた害獣に限定。加工業者と連携し、頭部や内臓を取り除いたり、冷凍や低温加熱で処理したりして衛生管理をしている。

(アライグマは北米に帰れ:埼玉)
埼玉県内でアライグマが急増し、ブドウやスイカなどを食い荒らすなど農作物への被害が広がっている。見た目は愛くるしいものの、賢く器用なアライグマは農家にとっては天敵と言える存在で特定外来生物にも指定されている。昨年の被害額は約2000万円に上り、県や市町村は被害抑制に躍起になっている。「収穫間際のブドウを食い荒らされて商品にならない。厄介者のアライグマは原産地の北米に帰れ」。飯能市で果樹園を営む男性(69)は、手塩にかけて育てたブドウが無残に地面に転がっている光景に憤りを隠さない。男性によると、10年ほど前から畑のブドウがアライグマによって荒らされるようになった。木登りが得意で器用なため、ブドウを持ち上げて食べた後はそのまま地面に落としてしまう。わなを仕掛けるなど対策を練っているが、年間数十万円にも及ぶ被害額は一向に減っていないという。北米原産のアライグマは、1970年代に放映されたテレビアニメ「あらいぐまラスカル」でブームとなり、ペットとして大量輸入された。しかし、愛らしい外見に似合わず気性が荒く、逃げたり、捨てられたりして野生化が進んだ。雑食で繁殖能力が高く、オオカミなどの天敵がいない日本では増加傾向が続いている。埼玉県によると、県内でも、全域で生息が確認されており、2018年時点で約7万頭と推定されている。10年に2015頭だった捕獲数は、19年には3倍超となる7180頭に増加。一方、アライグマによるとみられる農業被害額は12~17年は減少したが、18年以降は増加に転じ、19年は2136万円に達した。県みどり自然課は「生息数が増えている証拠だ」と分析する。危機感を抱く県は、20年度当初予算にアライグマ対策費として約2300万円を計上。「アライグマ防除実施計画」を策定し、狩猟免許を持つ人を講師にわなの仕掛け方などの研修会を開き、狩猟免許を持たない自治体職員や農家などでも、講習を受ければわなを仕掛けて捕獲できるようにした。県担当者は「何も対策をしなければ生息数が増えていくのは確実」とし、自治体と連携した効果的な捕獲に本腰を入れる考えだ。特定外来生物=農林水産業や生態系などに被害を及ぼすとして、輸入や飼育、野外に放すことなどが原則として禁じられている外来の動植物。2005年に施行された外来生物法に基づき、環境省がアライグマ、ヒアリ、クビアカツヤカミキリなど約150種を指定している。違反した場合の罰則もある。

(「タヌキ目撃」が激増している謎:東京)
マンションが林立する東京・江東区にタヌキが出没し、話題になっている。区役所に寄せられた目撃情報は、今年4月から半年余りで昨年度1年間の2倍に上った。西の杉並区でもこの夏、住民からの通報が激増した。何が起きているのか。コロナ禍で飲食店が店を閉めたため、残飯を食べていたタヌキが街中に出てきた、という説もある。真偽のほどはわからない。東京・江東区でタヌキが出没していることを私が知ったのは、11月1日に同区の環境イベントで、たまたま居合わせた住民から聞いた話がきっかけだった。「10月半ばに、住んでいるマンションで張り紙が出た。防犯カメラに映ったエレベーターホールを歩いている2匹のタヌキの写真とともに、『タヌキが出入りするので、ドアを閉めます』とありました。初めて聞いた話で、もうびっくり。どうしたわけなんでしょうか」東京西部の多摩地区などにタヌキがいる、という話は聞いたことがあったが、江東区にタヌキが出現、という話は驚きだった。江東区役所に聞いてみると、確かに目撃情報が増えていた。「タヌキは在来の野生生物で、アライグマなどの外来生物と違って調査する必要もないので、とくに集計はしていません。ただ、昨年度から目撃情報が増えてきたと感じ、件数を記録しています」(環境保全課)。調査係の担当者によると、2019年度は5件。2020年度は、4月から11月16日までの間に10件(うち1件は、通報者がタヌキかハクビシンか見分けがつかなかった)で、「マンションの入り口に防犯カメラがあり、それに映った」(同区南砂で)、「池の近くにいた」(区内横十間川親水公園で)などの声が寄せられた。担当者は、「電話で通報してくださった方には、刺激しないように、触らないように、餌をあげないで、子どもが近づかないようにしてください、とお願いしています」と話した。街中でタヌキを見かけたからといって区役所に通報する人は少ないだろう。今年4月から11月半ばまで10件というのは、あくまでも区に電話があった件数。実際の目撃はもっと多いはず、と思って、ツイッターを検索してみた。「南砂町の近くでタヌキ2頭に遭遇。居酒屋の裏道から現れて、駅のほうに走っていった」(3月4日)、「江東区清澄白河駅から徒歩3分のマンション住民です。さきほど自宅の下でタヌキに遭遇」(10月3日)、「江東区北砂の河川敷にタヌキ。餌付けしているオヤジいた」(10月5日)などの発信があった。アスファルトとコンクリートの街、という印象がある江東区にタヌキは驚きだったが、東京の西部では、驚くことではないらしい。杉並区の武蔵野市との境にある東京女子大学では、「もうずいぶん前から、たくさんいます。学内に設置した自動カメラにいちばんよく写った動物はタヌキです」と、石井信夫・東京女子大学名誉教授(哺乳類生態学)は話す。タヌキは昔から日本にいる在来の野生生物。「外来生物のアライグマは、感染症のウイルスを媒介するマダニを運んでいる可能性があると聞くが、タヌキは危険ではないと考えてよいか」と石井教授に聞いた。「そんなことはありません」という答えが返ってきた。「例えば、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)という新興感染症ウイルスを持っているマダニは、アライグマだけでなく、ネコにもタヌキにも付きます。野外にいる動物にはいろいろなダニやノミがいます。近づいたり餌をやったりすることはお勧めできません」。実際、杉並区では、「疥癬(かいせん)を持っている(皮膚病にかかっている)タヌキがいるなど、住民からどうしても駆除してほしい、という申し出があった場合、業者がオリを貸して、捕獲回収している」(環境課)。こうしたタヌキが駆除された件数は、2020年度は、4~8月の5カ月で34件と、2019年度の11件、2018年度の9件に比べ、ダントツに多かった。その背景について、関係者は、「新型コロナの感染拡大のため、休業や廃業した飲食店が多く、残飯を餌にしていたタヌキが、食べ物を求めて街中に出てきたのではないか」「自宅勤務となり、家にいる時間が長くなり、タヌキの存在が気になるケースが増えたのかもしれない」と推測している。一方、「タヌキが飲食店の残飯をあさるとは思えない。木の実や果物などを食べていて、人間の生活圏には入ってきていないのではないか」(生活を脅かす動物を駆除する会社や団体で構成される公益社団法人東京都ペストコントロール協会)という指摘がある。とはいえ、都会のタヌキの食生活などの実態はまだ解明されていない。広く目撃情報を集めて生息分布の把握を目指す「東京タヌキ探検隊!」は、フンの採集・分析を行ってきた。隊長の宮本拓海氏は「都会のタヌキは人間が出した生ごみも食べている。しかし、飲食店の残飯をあさっている姿を目撃した例はない。フンの分析も、サンプル数がまだ少ない」としている。この点、石井教授は「飲食店の残飯をあさっていたタヌキが、餌を探して今までいなかったところに出てくるということもあるかもしれませんが、調べてみないとわかりません」と結論づけた。江東区と杉並区の例を紹介した。江東区の数字は、住民から区に通報のあったタヌキの目撃情報、杉並区の数字は駆除件数で、いずれも2020年夏には前年に比べ、増えていた。都会のタヌキの生息数や生息実態はわからないことが多い。東京の街にタヌキが増えていると確実には言えないが、「人とタヌキの遭遇」は増えたようだ。近年、アライグマ、タヌキ、ハクビシンの都市への“進出”が目立つのは間違いない。区市町村で住民からの通報や相談を受ける環境課などが担当する野生動物には、この3種類が含まれる。アライグマは外来生物の中でも、生態系や人の生命・身体・農林水産業への被害を及ぼす、もしくはその恐れがある「特定外来生物」に指定されている。いわば、「WANTED(指名手配)」されている。日本では、1970年代後半にアライグマが登場するアニメがテレビで放映されたのをきっかけにペットブームが起きて輸入された。その後、飼い主のもとから逃げ出したり、飼い主に捨てられたりして、全国に生息域を広げた。マダニの体内には、人に重症熱性血小板減少症候群という新興感染症をもたらすSFTSというウイルスがいることがあり、アライグマはマダニとSFTSウイルスの運び屋となっているとみられている。またアライグマは日本では撲滅された狂犬病ウイルスを媒介する生物としても知られる。ハクビシンは外来生物で、江戸時代に持ち込まれたとされる。アライグマのように新興感染症ウイルスとの関係で特に注意するべき存在ではないが、2002~2003年に中国や台湾を中心に感染が拡大したSARS(重症急性呼吸器症候群)のウイルスの自然宿主ではないかと、疑われたことがある。2005年になってSARSウイルスの自然宿主はキクガシラコウモリであることがわかったのだが、一時は「悪いイメージ」が広がった。タヌキは昔から日本にいる在来生物で、民話や童謡などにもよく登場する。在来、外来生物を問わず、野生生物が人間の生活に被害をもたらす場合、鳥獣保護管理法に基づいた有害鳥獣捕獲を行うことがある。ハクビシンやタヌキの場合、屋根裏や軒下に入り込み、糞尿による悪臭が広がったり、農作物や庭の植物を食べたりする被害が出ることがある。手続き的には、区市町村が都道府県に有害駆除申請を行う。実際には、区市町村からの委託を受けた駆除業者が年度初めなどに一定期間の範囲で申請し、許可を得ている。新型コロナウイルスの感染拡大のなか、緊急事態宣言が出されたころ、東京の街を歩くと、休業のお知らせを出してシャッターを下ろした飲食店が目立った。その後、再開した店も多いが、よく行ったレストランが店を閉めてまったく別の店になっていたり、テイクアウトに切り替えたりした店もある。帝国データバンクによる新型コロナ関連倒産の統計でも、業態では「飲食店」が、都道府県別では「東京都」が最多だ。再び感染が拡大傾向に転じた「第3波」のなか、ようやく客足が戻る兆しが見えていた飲食店は苦戦している。東京都による営業時間短縮の要請に従う店も、従わない店も客足は大幅に減るだろう。飲食店の経営者や従業員、食材をおさめていた流通関係者、生産者と影響の及ぶ範囲は広く、ダメージは計り知れない。飲食店の残飯を食べていたかもしれない野生生物にもその影響が及んでいるのか。人間さまとしては、そうした野生生物と遭遇した場合、むやみに近づいたり、餌やりをしたりしないようにしたい。野生生物と人がうまく住み分けることが、さまざまな感染症ウイルスを避けるためにも必要だ。

(サル群れが”悪行”中:兵庫)
兵庫県内でも有数のニホンザル生息地、同県丹波篠山市。群れの数は県内最多の5群、頭数は約190頭を数える。うち一つの群れ(約30頭)がここ数日、複数の集落に頻繁に出没し、特産の黒大豆を食べたり、民家の屋根を飛び回るなど、”悪行”の限りを尽くしている。群れの位置情報システムや監視員、追い払いのモンキードッグ育成など、被害軽減と群れの絶滅回避など市の取り組みが「先進的」と評価される一方、今まさに被害を受けている住民は、「人手も少なく、対策には時間がかかる。目の前にいるサルを捕獲することはできないのか」と憤る。現状を探った。畑の黒大豆を奪って走り、道々にきれいに食べたさやを落として回る。おなかが膨れると民家の屋根の上でのんびり毛づくろいや追いかけあいに興じる。時には屋根を滑り台にして遊んだり、お堂の鐘を鳴らしたり。「せっかく作った豆を取られたら悔しい。屋根は瓦が壊れないか心配。家の中に入ってこられたらと思うと、おちおち窓も開けられない。どないかなりませんのやろか」―。住民の女性が嘆く。女性はサルが出るたびに追い払いのロケット花火を撃ち込んでいるが、「1、2メートルほど下がるだけで、じっとこっちを見てます。なめられてますわ」。この群れは10年ほど前、同じ地区内のさらに北部の集落で畑を蹂躙(じゅうりん)したことがある。その後、市の補助を受けた住民らがサル用電気柵を導入し、追い払いも熱心に行ったことで、北部集落への出没は減っていたが、数年前から対策が手薄だった南部に現れるようになった。市には住民から対策を求める声が相次いでいるが、現状、目の前にいるサルに対抗するには、追い払いしかないという。市森づくり課は、「ロケット花火もただやみくもに撃つだけではなく、しっかりサルの近くで破裂させることが重要。打った後に追いかけていくことも有効」とする。対して住民は「追い払いは押し付け合い。ここで対策を取れば、どこかの集落がやられるだけちゃうんか」と悩み、「やはり捕獲してほしい」と訴える。しかしサルは個体数が少なく、捕獲し過ぎると群れや種の絶滅につながる恐れがあるため、鳥獣保護法に基づき、市や県は被害防止や保護管理の計画を策定。“大人”の雌が15頭以下の群れは原則として「オトナメス」の捕獲を行っていない。県森林動物研究センター(同県丹波市)によると、オトナメスが15頭以下になった群れは数年後に絶滅する可能性が高いからだという。サルと人の共存を目指し、増え過ぎた場合のみ捕獲するなど、捕獲よりも「管理」に重点を置いた方針での被害軽減を掲げている。ただし被害防止のため、やむを得ない場合は有害な個体を判別して捕獲しており、今回、問題になっている群れも被害が目立ったため、すでにオトナメスは9頭にまで減らしている。とはいえ、目の前の被害に対して打つ手もなく傍観していては、さらにサルを集落に呼び込むことになる。同課は、「大切なのは、作物を守る専用電気柵を徹底すること。効果を発揮し、ほとんど被害がなくなった集落もある。また防護柵はしてあっても、サルが入れるようなやり方では効果がない。最大の目的は、居心地が良くて、おいしいものが食べられる”楽園”と思われないようにしないといけない」と話す。「対策を取ることが、押し付け合いになるのでは」との声には、「サルが出没する集落全てで対策が取れたら、サルは山から出てこない。追い払いではなく、山へ追い上げることを意識してほしい」と言う。対策に有効とされるサル用電気柵の設置には、市が半額を補助する制度を設けている。集落でまとまった対策を取る場合は、依頼があれば市職員らが出向いて勉強会も開いている。市は、「サル対策の手法は確立できているが、主体はあくまで地域。畑の野菜が取られても個人が許していると被害が集落全体に広がる。集落の中で情報共有を図ってもらい、みんなで対策する体制さえ取ってもらえたら、被害はゼロにすることができる」と語る。それでも被害がなくなるまでには時間を要し、電気柵の費用や追い払いなど、継続的な負担は地元に発生する。ある男性は、「少子高齢化で人が減る中、このままではさらに農家がやる気をなくす」と言い、「サルを守る法律はあっても、農家を守ってくれる法律はないのか。法律を改正すべきだ」と憤慨する。一方、対策が功を奏している北部集落の男性は、「自分たちもやられていたときは腹が立ってしかたがなかった。農業をやめようとしていた人もいた」と振り返り、「専用電気柵を入れてからは被害がなくなった。自分が育てたものを守るためにはある程度、自己負担は必要だと思う」と話す。NPO法人・里地里山問題研究所の代表理事で、サル対策に詳しい鈴木克哉さんは、「大切に育てた野菜を食べられたつらさは重々承知している。これまでにも被害が出た集落に入り、『なぜ何もしてくれないのか』『捕ってほしい』と言われてきた」と言い、「捕ってほしいという声は、『被害を減らして』ということ。何頭か捕獲しても被害が減らなければ意味がない。地域でまとまってもらえれば、いくらでもサポートに出向くので、機会をつくってもらいたい」と話している。

(鳥獣対策シンポ:福島)
東京電力福島第一原発事故に伴う避難地域の鳥獣被害を研究している日大工学部や福島大などの「鳥獣被害対策ネットワーク」は十五日午後一時から、富岡町文化交流センター学びの森でシンポジウムを開く。震災以降、浜通り地方で深刻化する鳥獣被害を研究する日大工学部や福島大、慶応大、東京大、東京農大、東京農工大、東北大、長崎大の八大学は今年度、それぞれが持つ知見や技術を結集させるネットワークを立ち上げた。これまでの研究で、ドローン(小型無人機)によるイノシシ出没範囲の3Dマップ化や行動追跡などの成果が出ている。シンポジウムでは各大学の専門家や環境省、地元農業者が取り組みの成果を報告し、課題を探る。ネットワークの構築を呼び掛けた日大工学部の岩城一郎教授は「さまざまな分野の専門家が情報共有し連携することが、課題解決の糸口を早期に見いだせる」と意義を訴えている。シンポジウムは日大工学部のウェブサイト上でライブ配信する。来場もできるが事前の申し込みが必要で、参加は無料。

(IoT活用したイノシシ被害軽減の実証実験:福島)
NTT東日本 福島支店と富岡町、東京農工大学は12月9日、東日本大震災で拡大した獣害の軽減を図るため、IoTを活用したイノシシの追い払い・捕獲、追い払われたイノシシの行動分析をする実証実験を実施したと発表した。 富岡町は福島県浜通り地域に位置しており、2011年の東日本大震災後に避難指示が出されており、2017年4月の帰還困難区域を除いた避難指示解除に伴い、営農が再開されたものの営農再開生産者の多くは避難先から再開した農地へ通う「通い農業」を行っている。そうした営農再開生産者を支援するため、東京農工大学は福島イノベーション・コースト構想推進機構の「(2018~2020年度)学術研究活動支援事業(大学等の「復興知」を活用した福島イノベーション・コースト構想促進事業)」を活用し、営農再開生産者である渡辺伸氏の協力のもと、農業復興、農業振興のため「営農再開地域における先進的なオーガニック作物生産技術の開発」の研究活動に学生とともに取り組んでいる。同町と東京農工大学は、同町の農業振興および新産業振興に関する事項について、同町の有機農産物生産の産地形成を推進し、農業振興、営農を再開した農家の農業収入の安定化と所得の拡大、技術開発・普及・人材育成等に資するとともに、東京農工大学大学院農学研究院が同町の行政活動に資する教育研究を実施することで、地域社会の発展に寄与することを目的に2019年1月に包括連携協定を締結している。NTT東日本も2019年度から同町の通い農業における生産性向上・省力化に向けた取組みとして、センサやカメラを利用した農業IoTの有効性を検証しており、今回の実証実験は営農再開の障壁となっている獣害の軽減に向け、取得したデータと大学の持つ学術知見を用い、新たな獣害対策を行うものとなる。実証実験では、IoTセンサを活用した追い払い機器によるイノシシの追い払いを実施し、追い払い実施前後のイノシシの活動時間や、水田周辺の環境選択の変化を自動撮影カメラを用いて調査。また、IoTセンサを活用した 追い払い機器によるイノシシの追い払いを実施した後、捕獲検知センサを活用して捕獲したイノシシにGPS装置を取り付け、行動圏と環境選択の特徴、水田への出没率を調査した。具体的には(1)イノシシの活動範囲の見える化、(2)音と光による追い払いを行った。(1)では自動撮影カメラ約20台を調査地域に一定密度で仕掛け、撮影した画像からイノシシのおおまかな年齢区分(成獣、幼獣)と性別、繁殖の有無(子連れ)などを調べるとともに、出没ポイントや活動時間帯を調査。調査結果を踏まえて捕獲罠の設置位置を決定し、捕獲検知センサを活用して捕らえたイノシシに首輪型のGPS装置を取り付け、イノシシの行動圏の分析および追い払い後のイノシシとの行動比較を実施した。2020年10月10日~24日にオス1頭とメス1頭の捕獲に成功し、メスに取り付けたGPS装置を用いて追跡を行った。(2)ではイノシシの出没確率が高い場所に追い払い機器を設け、イノシシをセンサが感知したタイミングで音と光による追い払いを行ったほか、自動撮影カメラの画像データを解析し、追い払い後の活動時間や出没状況の変化、音と光の効果及びイノシシの学習能力の度合いについて検証した。データ分析から、子連れのメス2頭を含む成獣が複数定住していることが明らかになり、追い払い機器の設置日から稲の収穫までの期間、マスターノードで撮影された映像からイノシシの出没を19回確認し、19回とも遠ざける様子を記録する事ができたという。また、追い払い実施後は機器付近のイノシシの活動が大きく低下し、犬の声を利用した追い払い機器は、機器付近でのイノシシの活動を低下させることが実証された。各者の八鍬恵智として富岡町は富岡町鳥獣被害防止計画との整合、関係法令手続指導、プロジェクトの実行管理を、東京農工大学は自動撮影カメラの設置およびデータ解析、イノシシの生態調査および行動分析を、NTT東日本はIoTを活用した事業提案、データ収集、IoT技術(追い払い機器・捕獲検知センサ)の提供をそれぞれ担った。実証実験期間は2020年7月1日から同11月30日まで。今後、3者は実証実験を通じイノシシの追い払い機器周辺の行動特性を把握できたことから、今後はさらに環境選択や行動圏を把握し、人とイノシシの生活圏を線引きする上で有効な対策の立案に取り組んでいく。

(クマとの遭遇、AIで防げ:福島)
人里に現れたクマが住民を襲う被害を減らそうと、会津大(会津若松市)が人工知能(AI)を活用しクマの出没を即座に住民に知らせる装置の開発に取り組んでいる。カメラが捉えると、サイレンや電子メールで周囲に知らせる。においや音による追い払い機能の追加も目指す。クマ認識の精度が向上すれば、集落を守るのに大きな力を発揮しそうだ。装置は高さ約1・7メートルで縦横30センチの箱に、カメラやセンサー、AI機能を有するマイクロコンピューターが入っている。24時間撮影を続け、AIが画像の一部をクマと判定すると回転灯とサイレンが起動する。

(クマ捜索にドローン、安全かつ効率的:石川)
クマの出没が相次ぐ石川県内で、ドローンが捜索に使われている。体温を感知できる赤外線カメラを搭載し、上空から草むらなどに潜むクマを見つけ出す作戦だ。人による地上での捜索に比べて安全で効率がよく、クマ対策の「切り札」となるか注目されている。「柿の木に登っているクマがいる」。11月13日、田園地帯に住宅が点在する小松市矢田野町。住人からの通報を受け、市や警察、猟友会メンバーら数十人が駆けつけたが、クマの姿が見当たらない。捜索隊は間もなく、ドローン(直径約32センチ)を飛ばして居場所を捜し始めた。市消防本部の寺田泰輔消防司令補(38)がコントローラーを手にドローンを操縦。クマがいる可能性が高いとみられる一帯を旋回させると、コントローラーのモニター映像の中に不自然に揺れる小さな茂みを見つけた。赤外線カメラに切り替えると、茂みの中に潜むクマの姿が赤紫色に浮かび上がった。直ちに警察官らが周りを囲い込み、爆竹を鳴らして撃退。クマは水路沿いを通って山へ逃げて行った。ドローンは本来、火災状況の確認や災害現場などでの行方不明者の捜索に使われる。いつもとは違う状況での操縦だったこともあり、寺田消防司令補は「クマを見失ってはいけないと思って緊張した」と話した。金沢市でもドローンが利用されている。クマに襲われて2人がけがをした郊外の同市田上本町。「すごい時代になった。未知の世界だ」。同15日、畑で里芋を収穫していた農家の女性はプロペラ音を響かせて飛ぶドローンを見上げ、そう話した。クマが怖くてしばらく農作業に出られなかったといい、強力な「用心棒」に「心強い」と笑顔だった。県内では今年、803件(11月15日時点)の目撃情報が寄せられた。JR加賀温泉駅前のショッピングセンターで10月、クマが約13時間にわたって立てこもった際には、加賀市職員がクマの潜む倉庫内でドローンを飛ばした。捜索範囲を少しずつ絞り込み、最後は猟友会が射殺した。総務省消防庁によると、火災時の情報収集などでドローンを使うことが増えており、全国726消防本部のうち201本部が導入(2019年6月1日時点)。ただクマ対策での利用について、担当者は「昨年度までは聞いたことがなかった。今後の活用状況を注視していきたい」と話した。

(鳥獣対策にドローン活用:新潟)
年々増加するイノシシによる農作物被害対策に情報通信技術(ICT)を活用しようと、新潟県新発田市は7日、同市滝谷でドローンを使い野生動物の生息域や個体数を調査した。市は、地元企業にも協力を仰ぎ、今年相次いでいるクマ被害への対応も併せて検証する方針だ。同所では、イノシシが作物を食い荒らしたり、田んぼで泥浴びをしてコメが収穫できなくなったりする被害が出ている。市内のイノシシによる農作物被害額は2019年度で120万円に上った。市は電気柵を85キロにわたって設置したほか、わなを設置するなどしてイノシシの追い払いや捕獲に取り組んでいるが、イノシシの繁殖スピードに追いつかず人手も不足している。電気柵やわなをより有効に活用するため、初めて生息域や個体数の把握にドローンを取り入れた。市はドローンを活用して農業支援に取り組む「DMM Agri Innovation」(東京)と親会社の「DMM.com」(同)に動画撮影を委託。2社は既に愛媛県今治市で実施している。ドローンに赤外線カメラを搭載し、熱感知して個体の大きさや種類を把握するほか、生息域の分布を調べることができる。DMM Agri社の磯崎裕一鳥獣対策課長は「電気柵や定点カメラ、ドローンを併用することで、安全を確保しながら効果的に鳥獣被害を防げる」と話した。地域ごとに出没する動物を登録して地域独自のシステムを作ることで、動画から動物を判別し、周辺住民への注意喚起までを自動化できるという。市は21年度から地元企業にドローンやオペレーターを配備してもらい、鳥獣被害対策を進める。島津印刷(新発田市)は、赤外線カメラに対応したドローンを20年度内に購入し、21年4月の実働に備えたいとしている。市農林水産課の長谷川英一課長は「ドローンを使った実証実験を重ねるモデル地区などを設け、データを活用して地域の特徴を生かした取り組みを考えたい」と話した。

(高校生が研究、製作した「箱わな」大活躍:熊本)
熊本県水俣市の水俣高機械科の生徒たちが、2019年度からイノシシやシカの食害から農作物などを守ろうと、箱わな作りに取り組んでいる。地元農家などに貸し出しており、好評だ。増え続ける害獣の捕獲に効果を上げている。市農林水産課によると、市内ではここ数年、狩猟やわなで年間300頭前後のイノシシを捕獲。シカは、15年度は30頭だったのが、19年度は255頭と急増している。箱わな作りは、同科の山中宏之教諭(48)が、市内の観光農園がイノシシの食害に困っていることを知り、課題研究授業のテーマとして提案。19年度は2、3年生の6人が参加した。生徒たちは、同市久木野で猟友会のイノシシ猟に同行するなどして食害の現状を学習。市販の箱わなは重さが約100キロあり、高齢者は運搬が難しいため軽量化を検討した。メッシュ状の細い鉄製ワイヤーを溶接してつなぎ合わせることで、約20キロ軽量化。15基作り、2基を同高の実習で使い、同農園などで10頭以上捕獲したという。残り13基は、地元農家などに無料で貸し出した。今年9月に2基を借りた同市久木野の高齢者介護施設「くぎのの里」の前田豊代表(40)は「買うと1基約5万円するため、ありがたい。イノシシは頭がよく、定期的にわなを移動させないといけないので、軽いのも助かります」と話す。20年度は、生徒8人が「イノシカハンターズ」を名乗って活動を引き継いでいる。設置したわなを見回る負担を軽減するため、イノシシが入ったらメールで知らせる振動感知センサーと送信機を研究中。箱わなは全長を10センチ短い1・7メートルに変更し、軽トラックの荷台に載せやすいサイズにする工夫もした。新型コロナウイルスに伴う授業日数の減少で、本格的な製作に入ったのは11月から。本年度は5基の完成を目指して、作業を進めている。3年の向川拓哉さんは「困っている農家に使ってもらえるよう、頑丈なものを作りたい」と意気込んでいる。

(クマ退治は恐竜ロボにお任せ:福井)
「近づいたら食べちゃうぞ。ガオー」。勝山市のプログラミング教室「PCN勝山クラブ」に通う小学生らが、クマ撃退用の恐竜ロボットを製作した。クマが近づかないことを実験で確認し、効果に手応えを感じつつさらなる改良に意欲を燃やしている。製作したのは、市内のソフトウエア制作会社社長で同クラブなどのプログラミング教室を国内外で展開している松田優一さん(43)と、クラブに通う同市三室小六年の石渡晃希君。勝山市は二年連続でクマが大量出没したこともあり、松田さんが「恐竜はクマより強い。追い払うことができたら面白い」とロボットの製作を持ち掛け、プログラミング歴四年の石渡君が「おもしろそう」と話に乗った。恐竜ロボは高さ二メートルで、クマなどが七メートル以内に近づくとセンサーが感知し、目を光らせて、口を動かしながら大声でほえる。松田さんによると、目を光らせ、口を開閉し、ほえるという三つの動作を一つのプログラムに組み込むのは難しい。石渡君も「口がうまく開かなかったりした」と苦労し、松田さんの指導を受けながら一カ月半をかけてプログラムを完成させた。

(「鳥獣ハンター」が猪用わな設置:鹿児島)
東串良町では農作物をイノシシなどの野生動物から守ろうと、野生動物を捕獲するための研修会が初めて開かれ、参加者たちがわなの設置方法などを学びました。東串良町では近年、野生のイノシシやタヌキなどによる農作物の被害が相次いでいることを受け、地元の猟友会や消防団を中心とした野生動物を捕獲するための団体「鳥獣ハンター」が設立されました。7日に初めての研修会が行われ、熊本でイノシシの捕獲を行っている農家の稲葉達也さんが、わなの種類や設置のポイントなどについて説明しました。このあと、メンバーたちはイノシシの目撃情報が多い地区を訪れ、稲葉さんから、わなは道路から離れた林の奥へ設置するようアドバイスを受けていました。8日午前中には、メンバーたちが実際に縦、横1メートル、奥行き2メートルある箱形のわなを道路から50メートルほど離れた林の中に運び込みました。そして、わなの中にイノシシが好む米ぬかをしかけていました。「鳥獣ハンター」の代表で猟友会の宮脇健太郎さんは「猟友会のメンバーは高齢化しているので、消防団が加わったことで今後の活動に期待しています。被害を抑え農家の皆さんを元気づけたいです」と話していました。東串良町農林水産課の久保雄奨主事は「鳥獣ハンターと行政が一体となって被害防止に努めていきたいです」と話していました。

(狩猟の魅力ツアー:茨城)
本県では,狩猟者の減少や高齢化が課題となっていることから,狩猟者を確保するための取組を実施しております。この度,「実際の狩りにも同行したい」という声から生まれた「狩猟の魅力ツアー」を開催します!現役の狩猟者が各プログラムの講師を担当し,「獲る」「さばく」「食べる」の一連の流れを実際の狩猟現場でご案内します!狩猟には免許が必要です。本ツアーは狩猟免許所持者が狩猟現場に同行し,参加者は間近で見学するというツアーであり,参加者が狩猟行為を行うことは一切ありません。

(クマ出没減へ豊かな餌場を:石川)
食べ物を求めて人里に現れるクマの出没を減らそうと、小松市とかが森林組合(同市)は、豊かな餌場をつくる森林整備のため、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングで寄付を募っている。クヌギやコナラなどドングリの実をつける広葉樹を植栽する。目標金額は500万円。11月末から募集し、今月8日時点で、200万円以上が集まった。市には今年、例年の約5倍の225件のクマの目撃情報が寄せられ、人身事故が2件起きている。冬眠前のクマの餌のドングリが凶作で、餌を求めて住宅密集地まで出没するクマが後を絶たない。森林の手入れが行き届かず、里山が荒廃し、人里との境目があいまいになったことも出没の要因とされる。寄付金は放置林の除去、森林の間伐や植栽、苗木の生産などに活用する。ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス ガバメントクラウドファンディング」で受け付けている。募集は来年2月24日まで。開会中の市議会一般質問で8日、岡山晃宏議員=会派自民=がクマの餌不足対策を質問した。市産業未来部の林活歩部長は「伐期を迎えた森林の再造林を進め、クマがすみやすい環境づくりに必要な森林を整備したい」と話した。

(野生動物による農作物被害を紹介:福井)
イノシシやシカなど、野生動物による農作物への被害の現状について紹介する催しが福井市で開かれました。この催しは、東京の人材派遣会社が、農林水産省などと協力して鳥獣害対策を担う人材を確保しようと全国各地で開いているもので、10日は、福井市の会場におよそ70人が集まりました。このなかでは、野生動物による県内での被害状況について県の担当者が説明し、ブタの伝染病CSF、豚熱の流行を受けて、イノシシの捕獲を進めた結果被害は減少している一方で、依然としてシカやサルなどの被害が多く、被害額は年間およそ1億円に上っていていることを紹介しました。また、高齢化などによって狩猟の担い手が不足していて、鳥獣害対策に携わる人材の確保が課題になっているとして、県の人材育成の取り組みや助成制度などについても紹介していました。このほか野生動物による被害に詳しい専門家は、全国的に被害の範囲が急速に拡大していることをあげて、各地域ごとに人材の確保など対策を進める必要があると呼びかけていました。

(ペンと猟銃の二刀流で:兵庫)
静まり返った山の中、意識を研ぎ澄ます。無線機から「そっち行ったぞ」―。ガサガサと草木をかき分ける音。犬の鳴き声。けもの道から躍り出てきたシカに銃口を向ける。筒先の角度や獲物の背後の状況に気を付けて、放つ。「こんなに当たらんもんかと思いますわ」。67歳の“新人猟師”が破顔する。兵庫県丹波篠山市で暮らす丸井康充さんは、新聞記者と猟師という2つの顔を持つ。1975年、技術職として毎日新聞社に入社。紙面製作システムの業務に長く携わり、2005年、「違う世界を見てみたい」と異動希望を出して記者になった。この時、53歳。同期は若者ばかりだったが、「我以外皆我師」の精神で飛び込んだ。「伊能忠敬も50歳を過ぎてから日本地図の制作を始めましたしね。ただ、知らないというのは恐ろしいことで、実際、現場に出ると大変なことばかりでした」。兵庫県の阪神支局をへて、姫路支局へ。事件、事故や選挙、街ネタなどさまざまな記事を書いた。いつ発生するとも知れない事象を追うのが記者。担当管内で一晩のうちに3件の火災が起きたこともあったという。大好きなお酒を落ち着いて飲める日も少なかった。09年、丹波通信部へ異動。丹波市豪雨災害や丹波篠山市の市名変更を題材にした住民投票など、市史に残る出来事の数々にも立ち会った。定年後の再任用期間も終わり、丹波を去るかと思いきや、丹波篠山市に居を構えた。「住みやすくて、おいしい食べ物もたくさん。飲み友だちもいるので」とにっこり。雪道で車が立ち往生した時、トラクターで助けてもらったこともあり、「人の温かさも大きい」とほほ笑む。高校生以来のラガーマン。日課のランニング中には老若男女が「おはようございます」と、あいさつしてくれるまちを大好きになった。もう一つの理由が猟師だ。友人から「向いてるんちゃう」と猟師を勧められて好奇心に火が付き、昨年、狩猟免許を取得。市猟友会に所属し、猟に出るようになった。「獣害や山が荒れていることは取材を通してい知っていた。実際、猟に出ると獣害に悩んでいる地元の人から、『何とかしてほしい』と懇願されることもある。地域のためになる活動だと実感しています」。シカを仕留めた経験は、自身にも大きな影響を与えており、「駆除したシカの目が真っ赤になっていることがあった。死んだシカの目玉をカラスが狙ったそう。生き物の世界では『かわいそう』などと言っていられなくて、自分が生きるためにどうするかだけ。猟から今まで知らなかったことをたくさん学んでいます。また、誰かが動物を処理してくれているから肉を食べられる。命を頂いていることを感じていますね」。同社との雇用関係はなくなったが、特約通信員として月に数本は記事を書いている。「喜んでもらえる記事を書き、猟友会の足手まといにならないようにがんばります」と言い、「いつか自分が仕留めたイノシシで妻や家族にぼたん鍋を食べさせたい」とほほ笑んでいる。

(平均年齢70歳の女性〝モンキーバスターズ〟:福岡)
九州地方きっての繁華街、福岡県福岡市の天神地区に日本猿が出没! 市役所地下駐車場に逃げ込み、約48時間後に捕獲された。幸いなことに住民に負傷者は出なかったが、11月上旬には福岡県北九州市の住宅街で、5歳の男児が猿に襲撃された。腰を噛まれ軽症を負ったのだ。北九州市といえば、人口90万人以上の政令指定都市。にもかかわらず、猿が住宅街に下りてきて人を襲うとは。「背後に山が迫る地形のため、猿が下りて来やすいのでしょう。餌やりをする人がいたり、犬や猫のペットフードを外に置いていたりするのも、猿を招く原因のようです。餌を奪おうとしたのか、猿が犬の上にまたがっているという目撃情報も入りました」(同市鳥獣被害対策課)。各地に猿が出没するなか、農作物に深刻な被害が出ている福井県福井市計石町では、変わった対策が取られている。JA福井県美山支店の有志が、猿目撃の通報とともにモデルガンを持って出撃。威嚇射撃を繰り返して追い払う。その名も「モンキーバスターズ」。平均年齢70歳、3名の女性たちだ。リーダーの石村昌子さん(74)が語る。「私の持っている銃は、40連発できるし、150発も出るらしいです。JAからは『当ててはいけない。威嚇射撃だ』と言われてますが、当てようと思っても当たるもんではないですね。猿はすごく早いから、10発も撃つ前にすぐに逃げてしまう。とにかく早い。それを追いかけて行って、また繰り返すんです」。きっかけは、今春以降の猿被害の激増。同支店営農指導員・上都守一さんが説明する。「一昨年までは、年に1~2回くらい山から下りてきた程度だったんです。でも去年くらいから悪化。今年になると、民家周辺に常駐しているといっていいくらい。猿が特に好きなのは、カボチャ、トウモロコシ、エダマメ。トマトもキュウリもタマネギも食べます。この秋、クリとカキは、ほぼすべて猿に食べつくされてしまいました」。石村さんらから相談を受けたことを機に、対策を協議。ロケット花火や爆竹で追い払う策も検討されたが、火事の恐れもある。猟友会に駆除を頼んだが、「猪や鹿ならジビエにもなるので獲ってくれるんですが、猿は人間に近いだけあって、撃つには抵抗があると。食べることで命をいただくということもできないし、撃ちたくないと言うのです」(同前)。そこで、モデルガンの使用を思いついた。「バイオBB弾という、土に還る弾を使用します。まずどれだけの威力があるのか実験をしてみました。私がジャンパーを着て、20mくらい離れたところから撃たれてみたんです。ちょっと痛かったけど、ケガをするほどではない。これなら動物虐待にもならないと判断しました。といっても猿を撃つのではなく、あくまで威嚇射撃をするということで、講習会を開きました」(同前)。石丸さんは一念発起して電動ガンを購入。「抵抗は少々ありましたよ。車に積んでいて、警察に見つかったらイヤだと思いました」。木下たつ子さん(68)は、2~3年前におもちゃのような銃のセットを購入していた。「家のすぐ後ろが山のため、猿が下りてきたんです。それで通販で、大きいのと小さいののペアの銃を買いました。まあ私のは子どもが遊ぶような鉄砲で、連射はできません。石村さんの持ってるのはいいよね、威力があるから。とにかく今年の猿は頻繁に出るし、数も多い。1人で畑にいるときに出てきたら、その場ですぐに撃つし、主人も呼びます」。もう1人の伊井美由紀さん(68)は、「家は山に左右を挟まれているんです。猿は山を渡り歩くときに家の前の畑を通り、そのときにいろいろ食べていく。木下さんが銃を2つ持っているから、小さいほうを貸してもらい、講習に参加しました」。3人が住む集落には、35世帯ほどが暮らす。「35世帯を守るという気持ちですよ。猿が出たら、私のところに電話が入ります。それで私→伊井さん→木下さんの順に連絡を取って、行くんです。木下さんが旦那さんに連絡し、旦那さんが他の男の人にも声をかけて、大勢で行くこともあります」(石丸さん)。猿は銃を見たただけで逃げる。しかし最近は慣れてきたのか、いったん遠くに離れてモンキーバスターズの様子を観察。バスターズが離れたら、再び畑に戻るという。「結局、場当たり的。根本的な解決にはなっていません」(木下さん)。対症療法にすぎないことが分かっていても出撃するのは、集落に深い愛情を持っているからだ。伊井さんが興味深いことを話してくれた。猿はショウガ、トウガラシ、ピーマン、シソなど臭いのきついものは食べないという。そこで、臭いのきつい野菜を中心に作ろうかと考えることもあるという。「このあたりに住んでいるのは、だいたいが、私らの年代です。猿に荒らされると、畑を続ける気持ちがなくなってしまいます。作らないと、畑はすぐに荒地になってしまう。荒地にしてしまうくらいなら、猿が嫌うものだけでも作ろうかと思います」(伊井さん)。石村さんが続ける。「都会に出た子どもたちに採れたての野菜を送るとね、孫が喜んで『美味しかった』と連絡をくれるんですよ。畑があれば、長男も定年になったらこっちに帰って来ようと思うでしょう。でも荒地にしてしまったら、戻る気がなくなってしまう。どこの家でもそういう風になったら、集落がなくなってしまう」。住民は野菜作りに生きがいを感じると同時に、次世代への想いも込めているのだ。35世帯の集落を守るため、モンキーバスターズは今日も出撃する。

(鳥獣被害対策にハンター養成を:松浪健四郎)
あれだけ大騒ぎした豚コレラ(豚熱)ウイルスの問題。全く昨今では報道されないので、終息したのだとばかり思っていたが、さにあらず現在でも制圧に至っておらず、群馬県高崎市で9月下旬に発生した。発生地域の拡大が懸念されている。岐阜県で発生して以降、殺処分は14万頭を超えた。農林水産省は、ワクチン接種を認めたが、この予防措置をかなりしぶった。国際ルールによる輸出制限を恐れたためだというが、豚肉の輸出量はそれほど多くはなく、一部に限られる。大日本猟友会(佐々木洋平会長)は、さまざまな提言をしたが、農水省はウイルスを媒介する野生のイノシシを狙うべく、餌型ワクチンを自治体に配った。佐々木会長と私は親友なので、直接、豚熱について聞かされたが、イノシシという動物は警戒心が強くて人間のにおいを察知する能力が優れているという。で、あちこちに餌型ワクチンを置いたのだが、効果が薄かったようだ。役所は慎重になり過ぎて遅きに失した印象を与えた。輸出という木を見て、ウイルス退治という森を見ることができなかったゆえ、今も豚熱の恐怖から養豚業者は解放されずにいるから気の毒だ。鳥獣被害対策などで捕獲されたニホンジカやイノシシなどの獣肉(ジビエ)は、搬出や衛生上の問題があって、もったいない話だが多くが埋設、焼却などで処理されている。残念なことに食用として十分に利活用されていないのが現実だ。政府は「ジビエ利用拡大関係省庁連絡会議」を設置し、モデル地区を選定してジビエの利用推進を進めている。ところが、新型コロナウイルス感染症問題に加え、野生イノシシの豚熱発生によって販売が停滞中である。ジビエの利活用は獣害対策としてだけでなく、高タンパク質、低カロリーの優れた食材として注目されている。欧州ではジビエは高級料理の食材、一般化しているのだが、日本人には偏見があるのか、なかなか普及しない。普及拡大が望まれる。さて、近年では野生鳥獣による被害が都市部にまで拡大している。平成30年度の農作物被害額が158億円に上り、対策強化が急務となっている。政府は2023年度までにニホンジカとイノシシの生息頭数を半減させる目標を設定した。が、大日本猟友会によれば、年間120万頭のシカ、イノシシを捕獲しているが、140万頭までにしないと半減目標に達しないという。どうも実現は困難のようだ。また、庭や近所の田畑に野菜などを植えている人たちの被害は、数字になって表出していないが、サルやイノシシによってもたらす。全国のどの中山間地に住む過疎化した村落の人たちも大きな被害に泣き、楽しみにしている果実や野菜がサルやイノシシに荒らされる。網や柵も役立たず、その被害は精神的苦痛を含め大きい。農水省と環境省は、シカ、イノシシの新たな捕獲体制構築に向けた大日本猟友会からの提案を検討中だが、まず大幅な予算の措置が求められる。また、「ハンター」と呼ばれる散弾銃やライフル銃で銃猟できる「銃砲所持許可」を持つ人材を増加させねばならない。かつては約40万人もいたハンターが、現在では6万4千人と減少していて、鳥獣被害対策の担い手が大きく不足しているのだ。このため、国や多くの自治体では「狩猟フォーラム」を開催し、広報・啓発活動を行っているが、なかなかハンターが増加しない。各自治体は、本気になってハンター養成に乗り出し、鳥獣被害対策に取り組む必要がある。猟銃の購入、射撃教習費用などに多額の経費が求められるため、国や自治体からの支援が大切だ。狩猟免許には、わな猟もあるので容易に女性でも手にすることができる。ともあれ、佐々木会長の熱意はすごい。狩猟と無関係の私にも鳥獣被害について熱く語る。私見だが、各自治体が責任をもってハンターを養成するしかなく、そのための費用負担も考えねば、被害が増大するばかりだ。町にイノシシ、熊が出没、誰が処理するのか。ハンターが不在では困るのだ。

(狩猟者の母が娘に伝える“命の授業”:静岡)
オトナ顔負けの知識やスゴイ才能を携えた子どもたちが”博士ちゃん(=先生役)”として世界で一つだけの授業を行うバラエティ『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』。12月5日(土)の放送では、ジビエ料理が大好きで、猟で捕らえた害獣を自らさばく、11歳の野田遙ちゃんが登場。農作物に被害を及ぼす害獣駆除を通じて考える「命」と「食」、そして「いただきます」の本当の意味に迫る。ジビエとは、鹿やイノシシなど狩りによって捕獲された野生動物の肉のこと。近年、害獣被害が増加したことから、捕獲した動物を焼却処分するのではなく、食用として利用するよう見直されている。その結果、3年前に比べて現在その流通量は1.6倍にまで増加、全国の飲食店でジビエブームが到来した。そんなジビエ料理を毎日食べているという遙ちゃんは、お肉にまつわる驚異的な知識や調理法を披露。鹿のロースやスネ肉など、素人目には違いのわからないものも、ときにはお母さんの体を使って部位を表現、的確に解説する。しかし、そもそも彼女はどうしてジビエ料理に興味を抱いたのか。実は遙ちゃんのお母さんは害獣駆除をする免許をもっている猟師で、依頼が入ると遙ちゃんも一緒に山に行って駆除した後のお手伝い。捕った鹿やイノシシを自らさばいてありがたくジビエ料理にしているというのだ。6、7歳の頃から猟に同行しているという遙ちゃん。はじめての猟では「かわいそうだな」という気持ちがありながらも、お肉になったものを目にすると「スーパーで売ってるやつだ」とジビエ料理自体への抵抗はなかったと明かす。スタジオでは、遙ちゃんがオススメするジビエ料理を実食。はたしてサンドウィッチマン、そして鹿肉自体はじめて食べるという芦田愛菜の反応はいかに。そんなジビエ料理だが、ブームの背景にある実態は、深刻な鳥獣被害。長雨と猛暑の影響で木の実が十分に実らなかったことから、クマなどが餌を求めて人里に。平成30年には約158億円もの被害があったという。実際に、遙ちゃんが小学1年生のときには、小学校のすぐ近くの畑にイノシシが出没。「子どもの身にいつ危険があってもおかしくない」という事実を知ったお母さん。調べてみると、狩猟者が減っているということもあり、使命感に駆られて猟師を志したという。今回番組では、遙ちゃんとお母さんの猟の現場にも密着。鹿による甚大な被害が出ているという静岡県・中伊豆のワイナリーへ向かう。そこでは鹿が昼夜を問わず出没し、葉やブドウの実を食べ尽くしてしまっていた。その被害額は、ワインに換算すると1500万円にものぼるという。10年前から鹿の被害に遭っているというこのワイナリーでは、電気柵を設置したり、防獣ネットを張り巡らしたりといった対策をしていたが、それすら破壊されてしまい、設備投資と修理費に追われる日々。鹿が畑に侵入せず周りにいる分には悪いことはないというが、「どこかで歯止めをかけなければ」とやむなく駆除に踏み切った苦しい胸の内を明かす。「対策してどうにもならなくなって、結果駆除しなくてはならない。駆除は最終手段だと思っています」と、できれば駆除はしたくないというお母さん。遙ちゃんとともに鹿の侵入経路を割り出し、出没しそうなエリアに捕獲用の罠を仕かけていく。ここで遙ちゃんとお母さんは複雑な思いを吐露。「頼まれた側としては、捕ることが成果。捕れてくれたほうがありがたいんですけど、感情としてはやっぱり何もいないでほしい」と、その葛藤を神妙な面持ちで話した。番組では、遙ちゃんに猟を見せるお母さんの「命」と「食」に対する思いが明らかに。また、遙ちゃんが語る「いただきます」の本当の意味とは。今回のVTRを見て「あらためて考えるきっかけになった」と語る芦田愛菜。サンドウィッチマン・伊達みきおも「何気なく言っている『いただきます』の本当の意味を、大人が子どもに言わないといけない」と、命と食に対する思いを巡らせた。

(若手協力隊員が猟友会で奮闘:長野)
筑北村猟友会に昨年から今年にかけて若手メンバー3人が加入して活動している。いずれも村地域おこし協力隊員で、村への定住を考えている。農産物の野生鳥獣被害、猟友会員の高齢化といった中山間地域の課題解決の力になれればと、狩猟免許を取得して奮闘している。大嶽美和子さん(38)と榎並真由子さん(39)は今年、猟友会本城支部に加入した。有害鳥獣駆除には来季から携わる予定で、今季は村内の射撃場で訓練を重ねたり、鳥獣の解体知識を学んだりしている。農業を営むことを目指す大嶽さんは「野生鳥獣による被害は切実な問題。先輩方に教わりながら活動したい」と話す。村へ移住後、自分が育てた農産物が鳥獣の被害を受けた経験から、猟友活動に携わることを決めた。隊員3年目の榎並さんは、趣味の旅行で訪れたモンゴルで家畜と生きる遊牧民の生活に触れ、動物と人の命の営みに関心を寄せた。着任1年目から猟友会と交流して解体の様子を見学するなどし、ジビエ振興に力を入れる小県郡青木村にも足を運んだ。「村の将来や困り事解決のために力になれたら」と願う。桜の栽培農家として独立を目指す市川満久さん(29)は、昨年から猟友会坂井支部で活動する。今年から有害鳥獣捕獲員も務める。東京農業大学で森林について勉強し、植林活動でも鳥獣対策が重要なことを学んだ。「まだまだ先輩に教わりながらだけれど、山を知ることができて楽しい」と意欲的に取り組んでいる。猟友会には現在、会員が56人いるが60代~70代が中心となっている。自らも50年以上猟友活動に携わる関川芳男村長(松塩筑猟友会副会長)は「猟友会員の高齢化が進んでいる。若い力の加入はありがたい」と話している。

(鳥獣対策をボードゲームで楽しく学ぶ:富山)
県内で大きな課題となっている鳥獣被害について、どのように解決するかをボードゲームで学ぶフォーラムが富山大学で開かれました。富山大学で開かれたフォーラムには学生ら25人が参加し、近年県内で課題になっているイノシシ被害の対策についてボードゲームで学びました。ゲームは6人1組でイノシシ・住民・ハンター役にそれぞれ分かれて地図上のマスの上でコマを移動させて行います。6日のゲームにはイノシシの被害が多い高岡市二上山周辺の地図を使いました。鳥獣被害対策は個体群管理、侵入防止対策、生息環境管理が鉄則で参加した学生は基本を学びながら、どうしたらイノシシを捕獲できるかを考えゲームに取り組みました。担当者は地域の課題をゲームを用いて考えることで被害対策の可能性が広がっていけばと話していました。

(スイセン、箱わなで守って:岡山)
スイセンの畑がイノシシに掘り起こされる被害が目立つ笠岡諸島(笠岡市)の六島に、笠岡工業高から捕獲用の箱形わなが寄贈された。地域から注文を受け、同高生徒が学んだ技術を生かして物作りに取り組む「笠工テクノ工房」活動の一環で、市を通じて六島の島民へ贈った。お礼に六島の島民から、スイセンの鉢が同校へ届けられた。

(クマと出会い覚醒:宮城)
今年は人里にクマがたびたび出没しました。人に危害を与えたり、農作物を荒らしたりして「クマは怖い」と感じた人も多いでしょう。人間とクマの「共生」は可能なのか。マタギをテーマにした小説で知られる仙台在住の直木賞作家、熊谷達也さん(62)に聞きました。僕はクマが人に遭遇し、時に人を襲ったことが騒がれているのをみて、気の毒だなあと思うんです。人にではなく、クマにです。人とクマの「世界」の間にあった里山というグレーゾーンの荒廃で、クマは自分の縄張りから出るとすぐ人の世界に入ってしまうことになる。「ああ、えらいところに来てしまったなあ」。クマもそう思っているのではないでしょうか。捕獲・駆除されてしまうわけですが、相応のルールのもとで殺してあげてほしいですね。「相応のルール」の念頭にあるのは、マタギたちの狩猟文化です。僕はマタギを題材にした小説「邂逅(かい・こう)の森」執筆のための取材で、新潟の「マタギ村」の人たちと一緒に山に入ったことがあります。十~二十数人の集団でクマを追い込む、伝統的な「巻き狩り」に同行しました。雪が残る地面にクマの足跡を発見したときは直感的に恐怖を抱きました。「ここは彼らの領域だ」と、ひしひしと伝わる。シカやイノシシの足跡とは意味が違うんです。

(知床「規制と観光」継続:北海道)
専門家や関係機関、地元関係者らでつくる「知床世界自然遺産地域適正利用・エコツーリズム検討会議カムイワッカ部会」は、知床で今年10月に初めて行われたマイカー規制と観光を組み合わせた社会実験を2021年度以降も3年間、継続する方針を決めた。利用者の評価が高いことに加え、ヒグマを見ようと観光客らが沿道に車を止めることで発生する「クマ渋滞」にも効果があったため。具体的な日数や実施方法は単年度ごとに検討する考えだ。小清水町で7日に行われた部会で、関係団体が同意した。21年度の日程は来年3月にも決める。財源は斜里町の負担金や国の補助金などを活用する計画で、利用者に負担を求めるかどうかも検討する。

(クマに出合ったらどうする?:長野)
突然、クマに出合ってしまったら――。長野県内のツキノワグマの目撃件数が増加傾向にある中、県鳥獣対策・ジビエ振興室が、クマと遭遇した際の正しい行動を紹介する啓発動画をユーチューブで公開している。クマは冬眠前に「食いだめ」をするため、12月中旬ごろまでは餌となる木の実を探して歩き回ることがあるという。県内の2020年度のツキノワグマ目撃件数は10月末までに1327件と、前年同期に比べて92件増加。10月31日には、伊那市の高齢女性がクマにたたかれて顔面を複雑骨折する重傷を負うなど、人的被害は10件に上る。そんな中で、危険を回避する行動を目で見てイメージしやすいようにと、動画製作を発案。NPO法人「信州ツキノワグマ研究会」が監修した。約2分間の動画では、クマと離れた距離で遭遇した場合は静かに立ち止まってゆっくり後ずさることを勧め、大きな声を出したり、物を投げたりするのはクマを刺激しかねないなどと、対処法を紹介している。同室の担当者は「クマを驚かせたり、刺激を与えたりすることがよくない。まずは本人が落ち着いた行動を心がけてほしい」と話している。啓発動画は、県ハンター養成学校の公式チャンネルで公開されている。

(「クマ捕獲上限数」ってなに?:富山)
県内ではことしクマの出没が多く、捕獲した数は県が設けている今年度の上限を既に超えています。人への被害を防がなければならない一方で、なぜ上限が設けられているのか、そして上限を超えるとどうなるのか、県の担当者に聞きました。クマの出没が相次いでいる県内。先月末までの捕獲数は、県全体で155頭にのぼり、県が設けている今年度の捕獲上限数140頭を既に上回っています。里に下りてきたクマは、人への被害を防ぐために捕獲しますが、上限を超えたことで対応は変わるのでしょうか?県自然保護課 北村あかり技師「上限数を超えると捕獲できなくなるというわけではなく、ことしのように出没数が非常に多い場合には人命を第一優先にして被害防止の捕獲は行っていきます」。上限を超えても、捕獲は行うとのこと。ではこの捕獲上限数とはいったい何のために設けられているのでしょうか?県自然保護課 北村あかり技師「県内で生息するクマについて、人身被害や農林業被害の防止を図るとともに、クマの地域個体群を安定的に維持するために捕獲上限数を設定し、個体数の管理を行っています」。県が行った調査では、県内のクマの生息数は推定でおよそ1290頭。数が少なくなれば、人と鉢合わせる可能性も低くなりますが、一方で森の生態系にも影響を及ぼしかねません。そこで県は、推定数の12パーセント=154頭を県内の捕獲上限として定め、生態系への影響を考慮して、2017年度からの5年間で段階的に引き上げています。4年目の今年度は140頭、そして5年目の来年度には設定上限の154頭になります。県自然保護課 北村あかり技師「クマが森にいるということは豊かな自然が守られているともいえる。被害の防止と個体群の維持を両立させていくということを考えていかなければならないのかなと」。クマとヒト。被害の防止と共生。県は、来年度の捕獲上限を専門家の意見を聞きながら検討する方針です。

(ミロク、前期経常を25%上方修正:高知)
ミロク <7983> [東証2] が12月8日大引け後(15:30)に業績修正を発表。20年10月期の連結経常利益を従来予想の6億円→7.5億円(前の期は12.6億円)に25.0%上方修正し、減益率が52.7%減→40.9%減に縮小する見通しとなった。会社側が発表した上方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した5-10月期(下期)の連結経常利益も従来予想の0.7億円→2.2億円(前年同期は5億円)に3.0倍増額し、減益率が85.0%減→55.5%減に縮小する計算になる。猟銃事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、主力製品である上下二連銃において下期に取引先から大幅なキャンセルが発生しましたが、ボルトアクションライフルは堅調に推移しており販売計画をやや上回る見通しであります。以上の結果、売上高7,400百万円(前期比9.3%減)、営業利益390百万円(前期比44.0%減)となる見込みであります。

(期間限定プログラム「鹿笛づくり」:北海道)
アイヌ民族の狩猟道具の鹿笛作りを体験する。鹿笛はアイヌ民族が狩猟の際に鹿を呼び寄せるために使ったものを参考に再現する。吹き口が付いた長さ15センチのカツラの木材に三角の溝を彫り、エイの皮を貼り付ける。いずれも完成品は持ち帰ることができる。

(シカ猟で“サバゲー話連発”にあきれ顔)
12月1日放送の『サンドウィッチマンと指原の2020年バズってるあの場所 掘ってみた』(TBS系)に、King & Princeの岸優太(25)が出演。グループ内で関心を持たれている遊びについて語る場面があり、ファンの間で話題となった。岸の“サバゲー熱”はかなりのもので、その後、宮城県で猟師の見習いをしている女性に密着取材をしたVTRが流れた際も、岸はサバゲーの話題を披露。VTRを見た岸は「(猟銃などの装備が)重いじゃないですか。サバゲーとホント一緒にしちゃダメ。別だとは思うんですけど…」とサバゲーの装備を念頭に置きながらコメントしたところ、伊達は「サバゲーとは一緒にしないでね。あらかじめ言いますよ」と岸に注意した。だが、岸はそれに聞く耳を持つどころか、銃を持つ構えをしながら普段は中腰になってサバゲーの練習をしていると熱弁。さらに、「やっぱ足腰もキツいし、何しろ音も立てちゃいけないわけじゃないですか。そのキツさたるや」と狩猟の大変さに激しく共感していたのだが、伊達は「サバゲー(の銃)とは全然、違いますよ」と岸に再びツッコみ、スタジオの笑いを誘っていた。

(本の里山を守るために、地域の活力を高める活動を:千葉)
獣害対策と地域おこしの結びつきに着目し、里山再生の観点から獣害対策を進める、合同会社アルコ及び館山市地域おこし協力隊、沖浩志さん。過去にローカルニッポンの記事でもご紹介させていただきました。今回、獣害対策をジビエを通して分かりやすく伝え、より多くの人々に関心を持っていただきたい、という思いを胸に、元鋸南町地域おこし協力隊の伊藤さんとともに、オンライン講座を含めた解体体験を行います。体験に込めた想いとともに、沖さんと伊藤さんにお話を伺いました。伊藤さん:「東京でサラリーマンをしていた時から他地域で狩猟はしており、その延長と、『田舎暮らしがしたい』という想いとで3年前から地域おこし協力隊(2020年10月で終了)で鋸南町に来ました。田舎の獣害被害については知ってはいたつもりですが、来てみると、思った以上に状況が悪かったですね。林業はすでに衰退し、山は荒れている。そこに獣が住み着き、農作物の被害を招いていました」。伊藤さんが地域おこし協力隊として活動していた地域は、千葉県安房郡鋸南町。水仙の日本3大群生地として有名な地域です。ところが、そんな水仙にも思わぬ被害が出始めたのです。「水仙には毒があり、動物には食べられないものだったんですが、ある日突然、被害を受けるようになったんです。環境の変化で、動物にも耐性がついたのかもしれないですね」。獣害被害を食い止めること、それは地域おこしと密接に関わっている、と沖さんは語ります。沖さん:「人の暮らす場所と山の自然との境目に里山があります。里山は昔から、薪や山菜の採取場として活用されてきました。適度に人が介入し管理することで、その豊かな自然・生態系があるのです。そもそもの地域の活力が弱まっているから、里山は人の手が行き届かず、隣接する山は荒れ、獣害被害へと結びついている。このまま高齢化が進むと、あと10年ぐらいで里山は成り立たなくなるのでは、と危惧しています。そうなる前に、地域の方々が動ける今から、里山の再生活動が継続できる体制づくりをしていこう、と、やれることから活動を進めています」。今回の解体体験も、その活動の一環として、里山の暮らしに興味をもつきっかけとなることを期待しています。「狩猟はひとつのツールであり、興味を持ってもらえるなら、もちろん林業でも農業でも良いです。今回の体験をきっかけに、そこから始まる広がりにも継続的に関心をもっていただけたら、と思います」。「まずは『興味を持ってもらう・知ってもらう』ことが大事」、と繰り返しおっしゃられていたお二人。身近になりつつあるジビエを通し、現役の狩猟者さんや、実際に里山暮らしをされるお二人との対話を楽しみながら、里山再生への理解も深まる今回のプログラム。詳細は下記にてご確認のうえ、皆様のご参加をお待ちしております。

(ジビエ愛が強すぎて怒られる)
30代後半に差し掛かった関ジャニ∞が、あらゆるモノやコトを追求し、楽しみ、“イカしたオトナ”を目指す本気バラエティ『関ジャニ∞クロニクルF』。12月7日(月)は「最強ジビエ。冬眠前の熊肉を頂く」が放送された。今ジビエ人気が熱いが、その中でも超絶美味いと噂されるのが冬眠前の熊肉。この時期だからこそ頂ける味を求めて横山裕と安田章大が訪れたのは、岐阜県の飛騨高山で猟師を生業としている脇谷さん一家。家族5人で狩猟から食肉加工まで手がけ、経営する飲食店でジビエ料理を提供している。実は当番組の初回放送で、横山と大倉忠義が食べたカラスを提供してくれたのも脇谷さん一家。ジビエ通な安田は、脇谷さんが気になるあまり、ロケ前日に横山より一足早く会ったという。それを知った横山は、リアクションの新鮮味が薄れるため「前乗りして先会うの絶対ダメ」と呆れた様子。案の定、安田は前日に仕入れた狩猟エピソードを楽しそうに披露し、横山から「脇谷さんから聞きたい」とツッコまれる場面も。冬眠前の熊は栄養豊富な木の実などをたくさん食べて、冬眠に備えて上質な脂を蓄える。しかしこの時期は行動範囲が広く、獲るのは非常に難しい。まずは、命を頂くまでの過程を知るために狩猟方法を教えてもらう。仕掛けに触れると扉が閉まる箱罠を見た横山は、「罠やってみる?その画欲しい?」と、ロケ台本通り熊役になって再現を申し出る。箱罠に閉じ込められた“金髪熊”横山は、「出られるとわかってても悲しい」と捕われた熊に思いを馳せた。捕獲後は、熊が苦しまずに生き絶えるよう脳を撃って即死させるそうで、実際の映像を見た2人は、その迫力に目を丸くして「うわぁ」と声を上げた。続いて銃と猟犬を用いた捕獲方法について解説してもらった2人は、知られざる猟銃の世界に興味津々。自然界の命を頂くことについて、脇谷さんのお話に真剣に耳を傾ける。VTRを見た村上信五は「すごいなぁ」とつぶやき、丸山隆平も「年重ねれば、こういう話(胸に)くるよな」としみじみ。いよいよ、冬眠前の熊肉を頂くことに。山道を歩き、脇谷家のお父さんが30年前に建てた木造小屋へ移動。全盛期は、この小屋を拠点に連日狩猟に出かけていたそう。しかし、安田が「その話、昨日お父さん言うてたな」とこぼすと、横山が「だから前日前乗り禁止な」と釘を刺して笑いを誘った。小屋の中は立派な囲炉裏や、脇谷さんが獲った動物をなめした皮が飾ってあり、雰囲気たっぷり。「東京じゃ、ない景色やもんな」と調度品の一つひとつに驚く横山に対して、静かな安田。前日にここで猪肉を頂いたそうで、横山は「お前いい加減にせえ。ファーストリアクションが欲しいのよ。俺はいいリアクションしたで!」とチクリ。まずは冬眠前の熊肉と、夏に獲れた熊肉を見比べてみるが、その違いは歴然。夏の熊肉はほぼ赤身のみだが、冬眠前の熊肉は脂がたっぷり乗って厚みも倍以上。初見の安田も「え!こんな違うの!?」と驚きを隠せない。そして今回用意してもらった背ロースを、鍋にして頂く。昆布とカツオ、天然きのこから取った出汁に、地物野菜をふんだんに入れて熊肉ともに煮込む。鍋の蓋を開けた2人は「うわぁ何これ!?」「美味そう!」と大興奮。熊肉と天然きのこが織りなす香りに、横山は「嗅いだ事ない出汁の匂い」と期待を寄せる。そして熊肉を頬張ると、あまりの美味しさにニンマリして「めちゃくちゃ美味い」と絶賛。「脂が甘い、軽い」と想像以上の味に衝撃を受けたよう。安田もニコニコ頷きながら「ほんまに美味しいな。今まで食べた事ない熊肉」と、うれしそう。「この脂身、全然むつこない(しつこくない)やん」と幸せそうに舌鼓を打つ。「脂もコリコリしてる」熊肉に、初めて見る天然きのこ、クリフウセンタケに魅了される横山。熊の脂が溶け込んで旨味が増した出汁を味わいながら、「どんな点滴も効かん時、これ打って欲しい」と言い出し、安田も思わず笑う。さらに横山が「噛めば噛むほど味がギュウ出てくるし」「熊に『ギュウ』ってややこしいな」と自分でツッコむと、安田が「僕が気付けなくて申し訳ございません」と返すなど、美味しい熊鍋でリラックスした様子を見せた。VTRを見た丸山は「画では伝わるわ、美味そうなんは」と言うものの、味の想像ができないとこぼす。すると2人は「脂が美味いねん!」(横山)、「今まで食べた事ないなって気付く」(安田)と、懸命に説明。村上が、目隠しをして牛肉などと食べ比べても違いが分かるかと聞くと、安田が自信を持って分かると答え、村上と丸山は熊肉の未知なる味に興味が増しているようだった。次回、12月14日(月)『関ジャニ∞クロニクルF』は、「最強ジビエ。冬眠前の熊肉を喰らう」後編が放送される。熊モモしゃぶしゃぶ、子熊の串焼き、ベアシチュー…“熊肉フルコース”で食べ尽くす!村上が“熊の手”にしゃぶりつき「おったまげ」!?もし熊に出会ったら関ジャニ∞はどうする?

(東三河オンライン講座「野生動物の問題とジビエについて」:愛知)
どうして人間の前によく野生動物が出てくるようになったの? どうすればいいの? ジビエってなに? クイズを交えて、野生動物の問題のこと、狩猟、ジビエのこと、楽しく学びましょう!

(ハンターバンク)
農林業者と協力して、山や畑を荒らすイノシシを捕まえよう!こんなお悩みを抱えていませんか?・狩猟免許をとったけど、狩猟をする場所が見つからない・道具は何をそろえればいいのかわからない・誰かと一緒に狩猟したいけど、仲間が見つからない ハンターバンクはそうした悩みを一挙に解決し、獣害対策に貢献するハンターをサポートするサービスです。ハンターはサポートを受けながら狩猟スキルを高め、ハンターとしての独り立ちを目指すことができます。

(迫力の剥製13体:兵庫)
兵庫県丹波市青垣町山垣の「青垣いきものふれあいの里」で、同市内に生息する野生動物の生態が学べる「里山の動物展」が開かれている。20日まで。同展は、兵庫県森林動物研究センター(同市青垣町沢野)の協力を得て、毎年開催している。会場には、迫力のある剥製13体がずらり。ニホンジカやツキノワグマ、イノシシに加え、アライグマやヌートリア、ハクビシンなどの外来生物も並んでいる。ツキノワグマは、ふんや毛皮も展示されており、毛並みや鋭い爪を触って体感できる。また、動物の生態や農作物への被害、対策の現状などについて解説するパネルも展示。同施設の担当者は「剥製を間近で観察して、人里に出没させない環境づくりなどについて考えてもらうきっかけになれば」と話している。

(「アルビノ」のカラスを駆除できず)
いま、鶴の恩返しならぬ、美しいカラスの恩返しがネットで話題を呼んでいる。その主人公である“全身真っ白”なハシボソガラスと飼い主の出会いは、偶然だった。動画の投稿者は狩猟免許を持った男性。今年の狩猟者登録を済ませ、カラスの駆除を行っていたところ、この白いカラスに出会ったという。本来なら駆除の対象となるはずが、先天的にメラニン色素が欠乏したアルビノであるこのカラスをどうしても駆除することができず、飼養していくことを決めたそうだ。アルビノであるために日光にあまり当たることはできず、目もよくない。しかし、一緒に生活を始めてみると、いたずら好きで甘えん坊など意外な一面も。さらに、大きなくちばしを器用に使って洗濯物を畳むという妙技を披露し始めた。カラスの生態を研究する東京大学の樋口広芳名誉教授によると、カラスはとても人懐っこく、人のやることを真似することがあるという。思わぬ出会い、そして思わぬカラスの才能に対して、ネットからは「カラスの恩返し」「うちに派遣してほしい」などの反響が寄せられている。

(イノシシと接触、瀬戸大橋線に遅れ:岡山)
JR西日本によると、7日午前7時35分ごろ、瀬戸大橋線の備前田井駅(玉野市)―宇野駅(同)間で列車がイノシシと接触し、車両と線路を確認した。この影響で、同線と宇野みなと線の一部列車に約20分の遅れが出ている。

(特急やくもに遅れ:鳥取)
JR西日本によると9日、伯備線上石見駅(鳥取県日南町)―生山駅(同)間で列車がシカと接触したため特急やくもの一部列車が遅れている。

(高校の敷地にクマ:秋田)
5日午前11時55分ごろ、秋田市手形の秋田高校で、校舎の北側にある軟式野球場にクマがいるのを同校の生徒1人が発見した。けが人はいなかった。秋田東署によると、校舎の外にいた生徒が約100メートル先にクマを目撃。写真を撮って教員に伝えた。クマは体長約50センチで、野球場の西側にあるテニスコートの方向に走り去った。

(クマの目撃相次ぐ、柿の木ある場所中心に:山形)
鶴岡市三瀬のJR三瀬駅付近で5日、クマの目撃が相次いだ。午前中には民家敷地内の柿の木などに居座ったため、市職員が花火を使って山へ追い払った。地区内では最近、柿の木がある場所を中心に複数回、クマが出没している。市は住民に、木に残る果実を取り除くよう呼び掛けている。鶴岡署などによると、クマは体長約70センチ。駅南側にある民家敷地内で午前8時ごろから約2時間半、柿の実を食べたり、杉の木に登ったりした。追い払われた後の午後4時45分ごろにも、駅近くの茂みにクマがいるとの目撃情報があった。同署は同一個体の可能性が高いとみている。地元の豊浦小や豊浦中付近でも、先月末からクマが目撃されている。

(住宅敷地内でのクマの目撃相次ぐ:新潟)
県内では4日の朝、胎内市で80代の女性が自宅の敷地内でクマにおそわれけがをしましたがその後も県内では住宅の敷地内でのクマの目撃が3件相次ぎ、警察などが警戒を呼びかけています。胎内市では4日午後9時半ごろ、4日の朝女性が襲われた現場から300メートルの別の住宅の敷地内の柿の木でクマが目撃されました。このときはクマはすぐ立ち去り住民にけがはなかったということです。五泉市では2か所の住宅の敷地内でクマが目撃されました。4日午後8時ごろ、五泉市上木越では住宅の敷地内の柿の木に体長およそ1メートルほどのクマが登っているのを住民が目撃したということです。また5日午前10時ごろには五泉市矢津の住宅の敷地内では体長50センチほどのクマが走り去るのが目撃されました。この住宅にも柿の木があるということです。県は「クマ出没特別警報」を出しています。

(「ジビエ食べ放題」で害獣駆除と一石二鳥:三重)
新型コロナウイルスの感染拡大でジビエ業界にも逆風が吹く中、三重県伊勢市のテーマパーク「伊勢忍者キングダム」では1人前2480円の超低価格で食べ放題を実施し、温浴までついてくる太っ腹なキャンペーンを12日からスタートさせる。山の薬と呼ばれるシカやイノシシの肉を通常価格の3分の1程度で提供し、獣害対策にもつなげる一石二鳥の試みだ。採算度外視とも言えるキャンペーンだ。シカやイノシシをすき鍋などにして超低価格で食べ放題に。しかも温浴付き。ジビエの食べ放題は珍しく、運営側は「全国初では」と話し「ほとんど利益がないですよ」と言う。ジビエとは狩猟で得た野生鳥獣の食肉を意味する言葉(フランス語)で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきた。自分の領地内で狩猟した動物の尊い生命を奪う代わりに肉から内臓、骨、血液など全てを余すことなく料理に使い、生命に感謝を捧げようという精神が流れている。もちろん、山や野原を駆け巡ったシカやイノシシなどのジビエは「低脂肪高タンパク」の健康食材。まさに森からの贈り物と言っていい。一方で国としても野生のシカやイノシシが農地を荒らす被害が深刻化したのを受け、2014年からジビエの流通を促進。消費することで鳥獣被害防止と農村の所得向上に一定の成果を上げてきた。しかし、コロナ禍により、ジビエを扱う料理店の来客が減り、捕獲しても売れないことから取引が停滞し、猟師の生計が悪化。最終的には害獣が増え、このままでは農地の荒れにつながる悪循環になってしまう。そんな中、伊勢忍者キングダムでは現代人にはなじみが薄くなっているジビエを再び健康食として普及させようというプロジェクトを立ち上げており、今回は社会貢献の一環としてギアを一段アップ。食べ放題+温浴キャンペーンを展開することにした。となると肝心なのは料理の味だ。大役を任された糸井政和料理長(57)は和食の世界で40年のベテラン。ジビエをおいしく食べてもらうために試行錯誤を重ね、その肉質からイノシシはしゃぶしゃぶとすき鍋、シカはすき鍋のみに落ち着いたという。「シカ肉は淡泊なので調理法が難しかった。コロナの影響で1人鍋にするという決め事もあり、最終的にはすき鍋にし、味を濃いめにしました。ただスライスの機械を使わず、僕は包丁を使って手で切っている。そうすると肉が縮まらないんですよ」。食べ放題の期間は12月12、13日と18~29日まで。会場は伊勢忍者キングダムのメインダイニング(合戦大食事処)となる。「三重県を中心に遠くは大分県などを含め、ジビエの入手ルートを確保し、保存もマイナス1度から2度で鮮度を保ちます。獣害対策ももちろんありますが、それよりも栄養価が高くておいしいジビエを一人でも多くの人に味わってもらいたい。お客さんの反応が楽しみです」と糸井さんは話す。メニューを、この時期にぴったりの鍋料理に限定したのもそのため。また美味しい調理法を啓蒙するために「鍋レシピ動画」も作成し、SNSやホームページで拡散するという。ジビエと温浴で健康パワーをたっぷりといただこう。

(ジビエ加工残さ、処理コスト減へ:宮崎)
宮崎県西米良村は、鹿やイノシシをジビエ(野生鳥獣の肉)用に処理した際に出る、骨や内臓などの残さを焼却処分できる小型焼却炉を導入した。主な燃料はまきで、維持費が安い分、数年で元が取れる計算だ。メーカーによると、炉の燃焼温度や時間などを記録するシステムも全国で初めて導入。炉の常時監視も可能になった。

(専門問屋のノウハウで、安心安全のジビエ販売:兵庫)
兵庫県丹波篠山は、静岡県天城山、岐阜県郡上八幡と並び、日本三大猟場として良質な天然猪肉(イノシシ肉)が獲れることで知られる。全国的にも珍しい天然イノシシ肉(しし肉)を取り扱う専門問屋「おゝみや」では、その専門性を生かし、安心安全で品質の良いジビエを販売。ボタン鍋をはじめ、ジャーキーやドッグフードなどの加工品も人気だという。ECサイトを運営する加藤元氏に聞いた。イノシシ肉専門店として、仕入れから処理・加工・販売までを一括して行う「おゝみや」。独自の基準や管理、設備の充実などで、安心安全・高品質を保っている。「当社独自の処理規格を基に、契約猟師・仲買人に指導を行い、品質維持を心掛けています。仕入れたイノシシは、当社独自の基準を基に選別・ランク付けし、個体識別番号を設定してトレーサビリティー管理を行っています。また、限られた狩猟期間で仕入れた天然イノシシ肉を通年販売するために、『プロトン凍結機』などを使用して鮮度を維持し、さらに『X線異物検査機』による全頭検査や、オゾン発生装置で工場の衛生面を意識するなど、さまざまな方法で品質を管理しています」商品は、丹波篠山の郷土料理であるボタン鍋セットのほか、素材を生かした加工品にも力を入れている。

(森の京都ジビエフェア:京都)
令和2年12月12日(土)~令和3年2月11日(木・祝)素敵な賞品が抽選で当たるスタンプラリーの他、京都市内の4つのホテルでは「森の京都ジビエ絶品グルメフェア」も開催!「森の京都」の食材の一つであるジビエ(シカ肉・イノシシ肉)の魅力発信と消費拡大のため、「第4回 森の京都ジビエフェア」を開催します。シカ肉は、低脂肪で鉄分豊富、貧血や冷え性予防に役立ちます。イノシシ肉は、疲労回復に効果的なビタミンB群が豊富、コラーゲンたっぷりで美容にもおすすめです。多くの店舗でオリジナルメニューが提供され、ジビエを身近に感じられる機会となっております。

(料理人を対象に「やまなしジビエセミナー」:山梨)
山梨県は「美味しく、楽しく、ワインによく合う」をコンセプトに 、「やまなしジビエ」の消費拡大に取り組むなか、2021年1月12日(火)に東京で、調理人を対象とした「やまなしジビエ料理セミナー」を開催する。やまなしジビエとは、適正な衛生管理・処理を行っているシカ食肉処理加工施設において処理されたシカのうち、認証基準を満たしたシカ肉のことをいう。一般消費者に受け入れられるジビエ料理の普及による消費拡大のため、ジビエに精通した辻調理師専門学校の講師陣による、調理人等を対象とした料理セミナーを、山梨学院短期大学、日本ジビエ振興協会と連携して開催する。セミナーでは、山梨県におけるジビエに対する取組について紹介するとともに、栄養価も踏まえて、安全で、おいしいジビエ料理を提供できるようにするために、必要となる知識・調理技術等を伝授する。ジビエと相性のいい、県産ワインも楽しめる企画だ。

(ジビエで飲食店がコラボメニュー:宮崎)
宮崎県北の山あいに位置する美郷町の特産品であるジビエ(野生鳥獣肉)を使い、飲食店が特別メニューを提供する「MISATO GIBIER WEEK(美郷ジビエウイーク)」が12月7日、始まった。豊かな自然で育まれた美郷町のジビエをもっと多くの人に知ってほしいと同町が主催し、賛同した宮崎市、日向市、美郷町の飲食店12店が3週間、美郷町産鹿肉のメニューを提供する。同町では地元の猟友会がジビエ振興協議会を立ち上げ、加工施設「美郷ジビエ工房」を運営。今までは農林産物に被害を与えるイノシシやシカを捕獲し大半を埋却処理してきたが、新たな地域資源として地域の活性化につなげることを目指している。美郷町から企画・運営を委託された「HUTTE(ヒュッテ)」の今西猛さんは「今回のジビエは、紅茶、栗、梨と美郷町の魅力を発信してきた『ミサト印』の第4弾。地元の人にとっては珍しくない鹿肉だが、いろいろな飲食店の人たちのアイデアと技術で、今まで見たことのないような料理にしてもらえた。ジビエになじみのない人でもおいしく味わってもらえると思うので、この機会にぜひ美郷町の山の幸を楽しんでほしい」と呼び掛ける。

(本のけものを皮から革へ:東京)
野生のシカ・イノシシの皮を大切な自然の資源として、有効に使おうと始まったMATAGIプロジェクト。エコセンも実行委員の一員として、8年以上取り組んできました。MATAGIプロジェクトは、地域の貴重な資源として、また生命あるものを最後の1枚まで大事に使おうと、各地の獣害駆除などで捕獲された動物の皮をなめして素材として地域に戻す取り組みです。現在、皮のなめし方もサステイナブルに変わってきています。「やさしい皮プロジェクト」もスタートしました。植物タンニンをつかった皮なめし、またアニマルウェルフェアに取り組んで育てられた家畜の皮の利用、モンゴルで放牧される羊の皮もそうした取り組みで活用されています。日本のけものを皮から革へ。今回、新たに作成したMATAGIプロジェクトの動画のお披露目とともに、SDGs時代の革の使い方を、MATAGIプロジェクトのメンバーと話します。

(ジビエを気軽に食べてもらいたい:千葉)
有限会社Stay Dream Project(本社:千葉県君津市 代表取締役 篠塚知美)は、寒い冬にご家族でこたつで、楽しく団らんしながら、美味しく召し上がれる千葉県君津産ジビエ肉がふんだんに入った「君式ジビエ担々鍋・担々麺」を、2020年11月20日より、「ロコの星みーっけ!マルシェ」にて販売を開始します。

(ジビエ料理、人気だけど)
クマやイノシシによる被害が相次ぐ中、狩猟で捕らえた野生鳥獣の肉「ジビエ」の人気が高まっている。新潟県内でも専門の飲食店がオープンするなど身近な存在になりつつある。野生の肉と聞くと、独特の臭みをイメージしてしまうが、実際はどうなのか。その魅力に迫った。「赤身なので、かみ応えがしっかりしています」。炭火でこんがり焼き上げた北海道・知床でとれたヒグマ肉の切り身を木皿に載せ、多田優太店長(31)がカウンター越しにテーブルに置いた。デートで訪れた男性(37)が口に入れると、「うまっ」と思わず漏らした。「いい肉の日」の11月29日の昼過ぎ、新潟駅から徒歩5分のジビエ専門店「焼ジビエ 罠 シナトラ」(新潟市中央区)にはジビエ好きが集まった。この日は、なかなか手に入らないヒグマとアナグマの肉を入荷し、限定で提供した。仕事を休み、燕市から電車で1時間かけて来た矢沢昌幸さん(49)はビールを飲みながらヒグマやウサギの肉を堪能した。ヒグマのさっぱりした食感が好きだという。「ふだんは食べられない食材。非現実的だからこそジビエにひかれる」と話した。ジビエを食べるのが趣味という三条市の会社員山崎康弘さん(60)はビールやワインとともに、アナグマ、エゾシカを食した。「豚、牛、鶏とは味も食感も全然違う。昼飲みしながらジビエを楽しめるのは幸せ」と笑った。

(よく聞くジビエって何?最旬のご馳走が食べられるレストラン)
秋から冬にかけて旬を迎える高級食材といえば、何を思い浮かべるでしょうか。ズワイガニやタラバガニ、フグやアンコウ、ノドグロやナマコなど、魚介類が多く挙げられるかと思います。しかし実は、肉も非常においしい季節。その理由は、本格的な厳しい冬に向けて脂肪が蓄えられ、文字通り脂がのるからです。同じ肉であっても、最旬のご馳走といえば、狩猟が解禁されて出回り始めた野生鳥獣肉、つまり、ジビエの肉でしょう。ジビエとはフランス語でgibierと表記される野生鳥獣のこと。鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律、すなわち、鳥獣保護管理法では、狩猟鳥獣が定められています。マガモやキジ、ヤマバト(キジバト)やヤマシギなど28種の鳥類、ツキノワグマやイノシシ、ニホンジカやノウサギといった20種の獣類が対象です。狩猟期間は、北海道は9月15日から翌年4月15日まで、北海道以外は10月15日から翌年4月15日まで。ただ、鳥類の繁殖などを考慮して、鳥獣保護管理法施行規則では、北海道が10月1日から翌年1月31日まで、北海道以外は11月15日から翌年2月15日までと、先の期間よりも狩猟期間が短く制限されています。したがって、ジビエは12月が走りの時季であり、走りが喜ばれる日本では非常に貴重な食材であるといって間違いありません。美食の代名詞であるフランス料理でも、旬の食材をとても大切にしています。本格派を自認するフランス料理店であれば、狩猟シーズンに野生鳥獣肉を用いたジビエ料理を提供していることでしょう。ただ、一流ホテルの高級フランス料理店となると、ジビエが苦手なゲストがいたり、特別メニューを提供するのに手間がかかったりするので、なかなかジビエ料理を全面に押し出せません。そういった状況にありながらも、毎年本格的なジビエ料理を生み出し、今年もジビエ料理が主役となるコースを提供しているフレンチレストランがあります。それは、ミシュランガイドで1つ星を獲得し続けている帝国ホテル 東京の「レ セゾン」です。シェフを務めるティエリー・ヴォワザン氏は、フランス・シャンパーニュ地方を代表する名門レストラン「レ クレイエール」でもシェフの重責を担ってきた実力派。生み出す料理の数々は、まさに本場のフランス料理そのものです。「レ セゾン」に訪れさえすれば、フランスに行かずとも、本物のフランス料理が体験できます。ジビエ料理も同様で、他ではなかなか食べられない野生鳥獣をつかったジビエ料理を体験できるので、ジビエコースを食べに毎年多くのゲストが訪れているのです。

(イノシシ肉提供の12店舗紹介:兵庫)
兵庫県猪名川町商工会は、町内でイノシシ肉を提供する12店を網羅して紹介する「いながわししにく食べ歩きマップ」を作った。町内在住の人気ブロガーが実際に食べて回って監修。11月の狩猟解禁に合わせ、定番のぼたん鍋からハンバーガー、料理店も太鼓判を押す肉の販売店まで、その魅力を幅広く伝えている。地域経済の活性化を目的に、町内の魅力的な店を業種別に紹介する企画で、パンに続く第2弾。発信力のある人気ブロガー「でっかいおっさん」に依頼し、取材、監修のほか、各店の紹介文も執筆してもらった。折り畳んだマップを広げるとB4判で、店舗情報や代表的なメニューをそれぞれ写真付きで紹介した。ぼたん鍋はピリ辛や酒かす仕立て、秘伝のスープであることなど各店の個性を強調。イノシシ肉の鉄板焼き、ハリハリ鍋などの特徴的なメニューも並ぶ。各店のホームページを見られるQRコードも添えた。約1万8千部を用意。町内で全戸配布するほか、町役場、道の駅いながわなどでも配る。同商工会のホームページでもダウンロードができる。担当者は「イノシシ肉を食べたことのない人も多いと思うが、体にも美容にもいい。猪名川町までぜひ食べに来てほしい」と話している。

(ミシュランガイドにサステイナブル指標:東京)
飲食店を星の数で評価する「ミシュランガイド東京」の最新版が7日に公表された。味や価格だけではなく、環境への配慮が新たな指標に加えられた。東京の飲食店と宿泊施設を星の数で格付けする「ミシュランガイド東京2021」。2021年版から新たな評価として導入されたのが、「グリーンスター」というマーク。日本ミシュランタイヤ ポール・ペリニオ社長「読者にレストラン選びの新たな視点を提案しています」。「サステイナブル」、持続可能な食を提供する飲食店の取り組みを評価したもので、フードロスの削減や、環境へ配慮した生産者への支援、絶滅危惧種の保護などを積極的に行っているレストランが、東京版では6軒選ばれた。そのうちの1つ、東京・表参道にあるフレンチレストラン「ラチュレ」。グリーンスターの評価を受けたお店。ラチュレ・室田拓人オーナーシェフ「まだ実感はわかないが、僕たちが活動してきたことが評価されたということは、すごくうれしい」。コロナの影響で余った鹿肉やイノシシ、穴熊などを使ったパテをパイ生地で包んだ料理など、ジビエ料理に力を入れていて、オーナーシェフの室田さんは狩猟免許を持ち、自ら山へ狩りに出かけているという。ラチュレ・室田オーナーシェフ「シカ・イノシシ・クマなどが増えすぎてしまっているという現状を知って、僕たちが頭数を制限してやれればそういう食害も減ると思うので、せっかくおいしいのに捨ててしまうというのは料理人としても心が痛いし、せめておいしく食べてあげるというのがいいのではないかと思う」。実は、シカなどが木の皮を食べてしまうことにより、森林が荒らされるなどの被害が拡大。捕らえられた動物はそのほとんどが捨てられてしまっていることから、せめて無駄にせず料理として提供したいと話す。

(高校生がイノシシ使ったラーメン考案:鳥取)
倉吉市のレストランで、倉吉農業高校の生徒が作ったラーメンがお披露目された。スープにイノシシの骨、イノコツを使ったその名も「ししくんのピリ辛味噌ラーメン」。構想から完成までに約半年を費やし完成させた。倉吉農業高校の河本達志校長は「地元の問題点を解決しながら学ぶというのが本校の目的で、その一つでイノシシの利用というのを生徒が考えた。」と話した。全国的に増加傾向にあるイノシシなどによる鳥獣被害。鳥取県でも去年イノシシだけで約6000万円の被害が出ている。被害が大きい地域では地元の猟友会により駆除が行われるが、倉吉農業高校ではこのイノシシの有効活用に貢献しようと、毎年イノシシを使ったメニューを開発している。これまでにも、レトルトカレーやカレーパンなどを地元の人と協力して商品化してきた。開発に携わった高校生は「臭みを取るために血抜きをして丁寧にあくを取った。げん骨を使っていたので(味がよく出るように)煮るときに割って入れた。」などと調理のポイントを話した。スープには、授業で手作りした味噌を合わせている。このラーメンは倉吉市にある「レストラン味喜」で10日から13日まで限定販売される。

(キジのレバーパテ食べて:高知)
吾川郡いの町葛原の「本川手箱きじ生産企業組合」がキジのレバーパテを商品化し、販売を本格化している。山本周児理事長は「クリスマスなどの祝い事や自分へのご褒美で楽しんでもらえたら」とPRしている。レバーパテは高知サンライズホテル(高知市)のシェフがレシピを開発し、昨年5月にホテルでのイベントで披露。好評だったため、同組合がシェフの協力を得て商品化し、今年10月から一部店舗で販売していた。1瓶に1羽分のキジレバーを使用。クリームチーズや牛乳などと混ぜ合わせて臭みを抑えており、鶏レバーが苦手な人も食べやすいという。1瓶35グラム入りで千円(税別)。月50個限定で、現在は高知市のアグリコレットと高岡郡日高村の村の駅ひだか、越知町のスノーピークかわの駅おちで販売中。近く同組合のホームページでも売り出す。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午後8時ごろ、仙台市青葉区芋沢柿崎南にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午後6時40分ごろ、仙台市青葉区芋沢赤坂にクマが出没しました。

TOPへ

12/4
(豚熱イノシシ新たに5匹確認:和歌山)
和歌山県は2日、海南市で発見された死んだイノシシと紀美野町、紀の川市、有田川町で捕獲された野生イノシシ4匹の計5匹が、豚熱に感染していたことが分かったと発表した。県内で感染が確認されたのは累計で17匹となった。今回の5匹が発見、捕獲された場所は、これまでに確認された場所の近くに当たる。県は豚などの飼養者県内31戸に、衛生管理の徹底などを改めて指導する。県内の飼養豚はワクチンを接種しているため、出荷などは制限されない。

(バイクとイノシシ衝突、男性が一時意識不明:長崎)
2日夜長崎市の国道でバイクとイノシシが衝突する事故がありバイクに乗っていた男性が一時意識不明で病院に搬送された。2日午後8時頃長崎市福田本町の国道202号でバイクが小江町方面から走行していたところ脇から飛び出してきたイノシシと衝突した。バイクを運転していたのは長崎市の会社員の男性(34)で全身を強く打ち意識不明の重体で病院に搬送されたが現在は回復しケガの手当てを受けている。イノシシは体長1.4m。死んだ状態で見つかった。警察によると現場近くでは夜間野生の動物がよくみられるということだ。

(サル、おり入らず:福岡)
福岡市中央区の繁華街・天神に3日出没し、市役所の地下駐車場に逃げ込んでいたサルが、捕獲用のおりに入っていないのが4日朝、確認された。市によると、サルは天井付近の配管にうずくまるなどしており、網や鎮静剤入りの吹き矢などでの捕獲を検討する。県警などによると、福岡市では3日午前、各地でサルの目撃が相次いだ。11時ごろには再開発が進む天神1丁目で見つかり、周囲は一時騒然となった。近くの市役所駐車場では、警察官や市職員ら数十人が網で捕獲を試みたが、サルは天井付近の配管を縦横無尽に走り回って翻弄(ほんろう)。市は3日夜に駐車場を閉鎖し、餌を入れたおりを設置した。

(越冬のカワウ、本土から早めの飛来:沖縄)
名護市の真喜屋ダムで11月11日、水辺に約30羽のカワウが飛来しているのを今帰仁村の野鳥愛好家、山原昼夜さん(70)が見つけ、撮影した。例年は12月ごろから多く飛来するが、今年は約1カ月早く飛来しているという。1~2月には数百羽まで増える見通し。県内各地で野鳥を観察している山原さんによると、真喜屋ダムに飛来したカワウは水辺や流木防止ネット(フロート)で羽を休めたり、上空を飛び交ったりしていた。越冬のため本土から飛来したとみられるカワウに、山原さんは「沖縄の冬は暖かいので野鳥を観察するにはとてもいい」と話した。

(11月クマ出没件数、去年上回る:福井)
11月の県内のクマの出没件数は200件と、同様に大量出没した去年の11月を上回ったことが分かりました。去年は、12月下旬まで集落でのクマの出没が続いたことから、県は引き続き注意と対策を呼びかけています。県によりますと、県内の11月のクマの出没件数は200件と、10月の435件の半数以下に減少したものの、去年の同じ11月の186件を上回ったということです。去年は、ことしと同じくクマが大量に出没していましたが、1か月あたりの出没件数が去年の同じ月を上回るのはことし6月以降6か月連続です。地域別にみると△福井市と勝山市でそれぞれ36件、△越前市で31件、△大野市で30件などとなっています。県によりますと出没件数が10月より減っていることから、冬眠に入るクマも出てきたとみられるということですが、去年は12月下旬にも大野市の住宅の屋根裏にクマが入り込むなど集落での出没が続いていました。こうしたことから県は、引き続き▼クマのエサとなる生ごみを家の近くに放置しないことや住宅近くの柿の実などを早めに取って処分すること、▼クマの活動が活発になる早朝や夕方以降の時間帯はできるだけ1人で外出しないことなど、注意と対策を呼びかけています。

(ムクドリ駆除投光2期目:静岡)
街路樹などに群がって騒音やふんによる環境悪化をもたらすムクドリの対策に取り組んでいる浜松市と光学機器メーカー「パイフォトニクス」(東区)は1日、中区鍛冶町の中心街で第2期の実証実験をスタートさせた。同社の発光ダイオード(LED)投光器で追い払った10月の実験結果を踏まえ、第2期は1カ月間、逃げるムクドリの動きをカメラで撮影。取得した画像データを数値化して解析し、効果的な照射方法の確立につなげる。商業施設「ザザシティ浜松」前の街路樹10本を照らす自動設置型の投光器とカメラはパソコンなどからの遠隔操作を可能にし、3日間の常設観測などでデータを蓄積していく。初日は飛び交うムクドリの姿はあったものの、街路樹にとどまることがほぼなかった。例年、冬場は群れが減ることも影響したとみられ、状況を見極めながら実験を進める。同社の池田貴裕社長は「逃げる方向や戻ってくる習性も含めた退避行動の傾向を導き出すと同時に、市町などの枠を超えたより広域的な展開が理想」と語り、今後の進展に改めて意欲を示した。

(ブナの結実に地域性、豊凶予測の精度向上:秋田)
秋田県内のブナは地域によって実がなる割合が違う―。県林業研究研修センター(秋田市)は1日、ブナに関するこんな研究結果を発表した。地域性が見えてきたことで、豊凶予測の精度が向上。ブナの実を食べるツキノワグマへの注意喚起にも活用できるという。

(クマに狙われるクリ、食害で収穫ゼロも:島根)
島根県津和野町特産のクリが、クマの食害に遭っている。1980年代に年間100トンを誇った出荷量は、生産者の高齢化もあって大幅に減少し、2020年度は4.7トンにまで落ち込み、食害で収量がゼロになった農家も出ている。行政やJAも抜本的な対策を打ち出せず、対応に苦慮している。農地約2ヘクタールで栽培してきた同町名賀の農業、木村武志さん(73)は今年、相次ぐ食害でクリの収穫はゼロだった。「これだけやられると、もう山の中で農業はできない」クマが登ったため枝が折れて枯れてしまった木を見つめ、ため息をついた。木村さんは約30年前、生産量を増やしたいと、栽培を始めた。当時、出荷量は約100トンを誇っていた。木村さんは名賀地区を町内一番の産地にしようと、知人にも植樹を声掛けした。しかしその後、クマによる食害が深刻化した。JAしまね西いわみ地区本部(益田市)によると、同町の出荷量は生産者の高齢化も影響し、減少傾向が続いている。木村さんの農地も、格好の餌場となった。木には爪跡が残り、木の上には座って実を食べたとみられる枯れ葉の固まりが残る。10月、近くの知人男性が襲われ、大けがを負う事故が発生した。数日前、男性とは「目撃が相次いでいるから気を付けよう」と会話を交わしたばかりだったという。育ててきたクリは、クマを里に呼び寄せる側面もある。「来年から、栽培はやめる」。うつむき、つぶやいた。町は栽培に力を入れ、ブランド化を推進してきた。京都の市場を中心に出荷され、高い評価を受けているという。町観光協会は16年から毎年、クリ拾いイベントを開催し、アピールに努めてきた。町農林課の桑原正勝課長は「住民や生産組合、県の意見を聞きながら、町の方向性を検討していきたい」と述べるにとどめる。木村さんは「今後、クマとどう向き合い、暮らしていくか真剣に議論していく必要がある」と強調する。

(クマ食害、昨年度の4倍超:秋田)
秋田県羽後町議会は2日、12月定例会を開会した。行政報告で安藤豊町長はツキノワグマによる農作物被害について「9カ所のスイカ圃場と3カ所のリンゴ圃場で発生し、被害総額は約185万円と、昨年度の約44万円と比較して4倍以上になっている」と説明。「被害防止に関する周知を徹底し、電気柵の普及についても今以上に進めていきたい」と述べた。

(「体長70メートルのクマが目撃されました」:山形)
2020年12月1日、山形県警鶴岡警察署(鶴岡市)が発信した注意喚起メールが話題になっている。70メートルといえば、20階建てのビルと同じくらいの高さ。もはや怪獣レベルのサイズだが、まさか本当にそんなクマが出没したのだろうか。にわかには信じがたいが、念のため配信されたメールの全文を見てみよう。「本日(12月1日)午前7時12分ころ、鶴岡市三瀬地内(豊浦中学校北方約200メートル)の空き地で、クマ1頭(体長約70メートル)が北側に走っていく姿が目撃されました。人的、物的な被害はありません、付近を通過する際はご注意ください」。とくに被害はなかったようで、一安心である。......注目するポイントは、そこではない気もするが。もちろんだが、「体長70メートル」というのは単なる表記ミス。鶴岡警察署は追って訂正・謝罪のメールを配信しており、それによると、「正しくは、 クマ1頭(体長約70センチメートル) の誤りでしたので訂正いたします。大変申し訳ございませんでした」とのことだった。70メートルではなかったが、遭遇したら危ないことは変わりない。鶴岡市のみなさん、お気を付けください。

(クマ目撃多発地域、バス下校始まる:新潟)
児童の通学路にクマが出る危険性から保護者がスクールバスの利用を訴えていた阿賀野市笹神地区で1日、一時的なバス利用が始まった。乗車は下校時だけで制限などがあるが、保護者らは「限定的でもほっとしている」と話す。市は県独自の「クマ出没特別警報」に準じ、来年1月15日まで実施予定。

(地域ぐるみの鳥獣被害対策セミナー)
狩猟免許を持っているが思うように活動出来ていない方、鳥獣被害対策に関心がある若者や女性等を対象に、 先輩ハンターや鳥獣被害の専門家による講義や、人材を募集しているセミナー開催地域との交流会を行う研修会を全国8カ所で開催します。 無料で参加いただけますので、多数のお申し込みをお待ちしております。専門家による開催地域の鳥獣被害の実態をはじめ、鳥獣被害に関する基本的な知識や技術についての講義、実際に現場で活躍している先輩ハンターによる実体験を踏まえた講義、セミナー開催地域による人材募集情報等の告知、受講者と人材募集している地域が情報交換できるマッチング交流会の4部構成で開催します。このセミナーをきっかけに様々な地域と交流していただけます。

(植えた樹を鹿から守る)
我が国の森林・人工林の多くは主伐期を迎えており、森林を積極的に伐採・利用するとともに、森林の若返りを図るため再造林が進められています。その一方で、再造林地におけるシカによる食害等も年々増加しており、効果的なシカ被害対策が林業における喫緊の課題となっています。森林総合研究所では、せっかく植えた苗木をシカの被害から守るため、様々な研究開発に取り組んできました。今回は、森林総合研究所交付金プロジェクト「九州・四国地域の若齢造林地におけるシカ被害対策の高度化」の研究成果報告会を兼ねて、九州支所と四国支所とが合同で講演会を開催し、その研究成果の一部を紹介します。

(過去最悪ペースのクマ被害)
今年2020年、クマの出没が相次いでおり、新潟県ではクマ出没特別警報が、そのほか秋田県でもクマ出没警報が発令されるなど、各地で警戒が呼びかけられています。日本に生息するクマには、北海道に生息するヒグマと本州や四国に分布しているツキノワグマとがいますが、近年は両方の目撃数や被害が増えています。今年に限っても、10月には新潟県関川村で女性がツキノワグマに襲われ死亡(県内でのクマによる死者は2001年以来)、石川県加賀市では男女3人が襲われケガ、そして先日11月27日には北海道積丹町で、体重300キロにもなるヒグマが罠にかかっているのが発見されました。全国で被害にあった人の数は、4月から10月までですでに132人。過去最悪となった157人に迫るペースとなっています。ではなぜ、近年クマ被害が増えているのでしょうか。一言でいえば、人間と野生であるクマとの境界線があいまいになってきているからです。ここ数年、両方とも捕獲数が増加していることがわかります。また、北海道環境科学研究センターが季節ごとのヒグマの捕獲数を研究した結果、特に晩夏から初秋にかけて急増していることもわかりました。この時期の主要なエサは、草や昆虫の他、農作物が含まれていることが食性分析からすでに判明しています。つまりクマが農作物を簡単に手に入る栄養価の高いエサと認識し、人里におりてくる個体が増えているのです。最近はこうした人を恐れないクマを「新世代クマ」とも呼んでいます。そしてもうひとつ、クマの出没には天候によるエサ不足も考えられます。クマは12月~4月ごろまで(地域によっては11月中旬ごろから)冬眠するため、秋になると栄養価の高いドングリやブナなどの木の実を食べます。したがって、11月~12月は冬眠前の最後の栄養を蓄える時期であり、翌年春、出産するためにもできるだけ多くのエサを採らないといけません。ところが、今年はブナやドングリが各地で凶作。群馬県や北海道では2年連続の凶作になっています。これらの木の実は「受粉期に雨が多いと実が付きにくくなるほか、前年の気候も豊凶に影響 する」と言われていますが、今年は7月が全国的に長雨と日照不足になり、さらに昨年は台風19号が東日本に上陸し広い範囲で甚大な被害をもたらしました。また冬眠に入るには気温の低下も関係しており、上野動物園のツキノワグマでは気温6度(室温)の状態が続くと冬眠することがわかっています。人工飼育の場合でもクマは冬眠するので、私たちは普通にクマが冬眠すると考えています。ところが冬眠するための場所が無い場合、逆に言うと体が大きくなりすぎて、適当な穴倉が無い場合など、何等かの理由で冬眠しそびれるクマもおり、そういったクマの事を、”穴持たず”と言うそうです。先日、捕まったヒグマも“穴持たず”だったのかもしれません。こうしたクマは真冬でも人里近くに下りてきて、空腹を満たすために人家を襲うこともあります。かつて北海道で、三毛別羆事件と呼ばれる日本最悪の獣被害がありました。これも穴持たずのクマが原因と言われています。今年の11月は全国的に気温が高く(上図参照)、さらに最新の一カ月予報によると、12月上旬ごろまでは東日本、西日本を中心に平年より気温の高い状態が続くとされています。新潟県では、すでに発表されていたクマ特別警報が来年1月15日まで延長されるなか、11月30日にも自宅近くでクマに襲われる被害が発生しました。各地とも今後もうしばらくは、クマの出没に警戒が必要でしょう。

(実のなる木を山に植えて、クマ対策:兵庫)
冬眠を前に餌を求めるクマが活発に行動している。富山県内各地で目撃が相次ぐ中、北日本新聞社(富山市)に読者からこんな意見が届いた。「実のなる木をもっと山に植えればいいのでは」。木の実でおなかが膨れれば人里に来なくなるという理屈だが、対策は一筋縄ではいかないようだ。「魚津・坪野・コナラ500本」「南砺(なんと)・利賀・ミズナラ4830本」。富山県森林政策課が作成した資料には地名と樹種、本数が細かく書き込まれていた。県の「水と緑の森づくり事業」の一環として行われた植樹の概要だ。事業は害虫被害で荒廃した山林の再生が目的で、2012年度から5年計画で5万本を植えた。ブナやコナラ、オニグルミ、クリなどクマが好む実のなる広葉樹ばかりだ。ほかにも、民間の有志による植樹や下草刈りは県内各地で行われている。木々が育って豊かな森が復活すれば秋の実りが増え、人里にクマが来なくなるかも。そんなバラ色のシナリオを思い浮かべたのだが…。「それほど簡単な話ではないですよ」。同県森林研究所の中島春樹副主幹研究員の言葉に、冷や水を浴びせられた気分になった。ブナは周囲の木と作況が似通う「同調性」が強く、いくら植えても凶作の年は「実のない木」が増えるだけという。同研究所によると、統計ではブナの豊作は5~7年に1度。原因は分かっていない。そもそも、今秋にクマの出没が多発する予兆は夏の時点であった。「全然実が付いていませんでしたね」と言うのは、8月に県内の国有林23カ所でブナを調べた富山森林管理署の門原秀人統括森林整備官。全地点で結実が確認されなかったのは05年の調査開始以来、初めてだった。コナラやクリは、ブナに比べて同調性が低いというが、中島さんは「クマ対策を目的に植樹する善しあしは、一概には言えませんね」と慎重な口ぶりだ。なぜだろう? クマ問題に詳しい富山市ファミリーパークの山本茂行名誉園長(70)に尋ねると、やや強めの口調でこう返ってきた。「森林をあるべき姿に戻すというのは大事なことですよ。でも、植樹ではクマ問題は解決できません」数が増え、強いクマに山を追われた弱いクマが人里に出没している、というのが山本さんの見解だ。事実、県自然保護課によると、県内のクマ生息数は08年度調査で推定740頭だったが14、15年度調査では1290頭。調査方法が異なるため単純比較できないものの増加傾向はうかがえる。山本さんは、凶作に備えた過度な植樹でさらにクマが増えてしまうと指摘し、「里山をきちんと手入れするなど、人と野生動物がすみ分けるための対策を講じるべき」と話す。兵庫県佐用町では11月11日朝、散歩中の女性が親子とみられるクマに遭遇し、腕や顔をかまれて重傷を負っている。クマと人とのすみ分けは兵庫の中山間地域でも課題となっている。クマは本来臆病な性格で、人的被害を防ぐには下草や柿の木などを刈り、見通しをよくする対策などが有効とされる。県は2017年度から、クマと人の生活圏を明確化する管理計画を策定。19年度からは、集落内の放置果樹の伐採や下草刈りを支援する事業を始めた。県森林動物研究センター(丹波市)は「クマが冬眠を始める12月中旬までは最大限の注意が必要」とし、出没しやすい集落では、複数人で行動▽鈴やラジオなど音の出るものを携帯▽生ごみのコンポストを置かない-などを呼び掛けている。

(クマに遭遇したらどうすれば、状況別の対処法をまとめた掲示)
コロナ禍にあって、キャンプの人気が高いという。キャンプ用品やアウトドアグッズの売れ行きも良いらしい。密になりがちな都会の雑踏を離れて、大自然の中を散策するのは、最高の楽しみの一つだろう。ただ気をつけなければならないこともある。そう、クマである。写真に映っているのは掲示板のようだ。よく見ると、「出会ってしまったら?」という見出しが見えるが、これは何だろう? 「もしクマが近づいてきたら?」という見出しもある。どうやら、クマに注意しろ、という主旨の掲示板のようだ。「絶対に逃げ出さない」「出会った時の姿勢を急に変えない」「クマの目を凝視し、顔や体をそらさない」などといったことは、初歩の初歩らしいが、読者はご存じだろうか。Jタウンネット記者は、この注意書きを掲示している阿寒湖畔エコミュージアムセンター(北海道釧路市)に、詳しい話を聞いてみた。「もしクマが近づいてきたら?」改めて掲示板を見てみよう。「出会ってしまったら?」「もしクマが近づいてきたら?」「クマに組み伏せられた場合」「正しい死んだふり」「死んだふりをしても助からない場合」など、シチュエーション別に細かなアドバイスがまとめられている。ちょっと気になったのは、「そっと鉈を手にする」という項目だ。なた、ナタ、鉈......、あなたは常備しているだろうか。「クマの不心得を諭す呪文を念じ、気持ちを落ち着かせること」という項目もあるが、いったいどんな呪文が効果的なのだろう。「どんな場合でも、背中を見せて走り出さないこと」とあるが、これが難しそうだ。一目散に逃げ出したくなるにちがいない。「襲いかかられたら、鉈の背部で鼻ずらを滅多打ちすること」とも書かれている。そんな恐ろしいこと、とてもできそうもないが...。「鉈がカジュアルに登場しているところですね。必需品なんだな......と驚きました」。「普段東京にいるので獣害については危険を感じることはないです。釧路湿原を歩いているときは、もし熊に遭遇したらまずいなと思いながら歩いてました」とメン獄さんは語った。次に、Jタウンネット記者は、このクマ注意の掲示板を設置している阿寒湖畔エコミュージアムセンターに電話で聞いた。Jタウンネット記者の取材に答えてくれたのは、自然観察員だった。「あのクマの掲示を作ったのはかなり前のことで、その当時の担当者ももう在職していませんので、事情はよく分からないのですよ」と申し訳なさそうに答えた。「阿寒湖周辺では、クマに遭遇したという話はあまり聞いたことはありません。小学生はランドセルにクマ除けの鈴を付けたり、大人もクマが出そうなところは避けて通るからだと思います。例えば、クマはドングリやキノコが大好きなのですが、地元の人は、クマが出没しそうな場所は避けるようにしています。クマに出会わないための方策を熟知しているからでしょうね」。そこで、恐る恐る例のことを聞いてみた。......やはり鉈は必需品なのだろうか?「最近は、クマ撃退スプレーの方が一般的だと思います。唐辛子を濃縮したような成分で、さすがのクマも逃げ出すそうです。7メートルくらい前で、クマスプレーを噴射すれば、追い払うことができると聞いています。鉈は木の枝を払うためには必要だと思いますが、突然クマと出会った場合のためは、クマ撃退スプレーを持ち歩く人が多いのではないでしょうか」クマ撃退スプレーはエコミュージアムセンターで販売しているのだろうか。「いえいえ、登山用品店やオンライン通販でお買い求めになるのがよろしいかと思います」と自然観察員。山の中で、ばったり出会うのが、いちばん恐いらしい。急な曲がり角では、前もって手をたたいたり、声を出したりして、警告する方が良いそうだ。クマ除けの鈴も効果があるかもしれないとのこと。山歩きをする場合は、二人以上のグループで行動して、けっして単独行動はしないこと。地元の自然を熟知したガイドが同行するツアーに参加することをおすすめしたい、と阿寒湖畔エコミュージアムセンター自然観察員は語った。「クマに組み伏せられたら」「正しい死んだふり」などという項目を熟読して、心配するより、まずクマに出会わないようにするためのノウハウを知ることが重要だという。そういった知恵を身に付けた指導者に引率してもらう方が安心だということだ。阿寒湖の冬は、ダイヤモンドダストやフロストフラワーなどが人気で、スノーモービルやワカサギ釣りの観光客も多い。スノーシューツアーなども盛んだというが、なるべくツアーに参加される方がいいだろう。雪の上で、ヒグマの足跡が発見されることもあるからだ。冬眠しそこねたクマとばったり出会ったりしないように、熟練のツアーガイドの指示に従って、ゆっくり楽しんでもらいたい。

(熊に出会ったら、「正しい行動」動画で:長野)
もしも熊に出合ったら――。そんな状況で危険を回避するための正しい行動を紹介する動画を、長野県が作成した。全国的に熊の目撃や人身被害が多発する中で、遭遇した時の正しい対処方法を啓発することで被害低減につなげる考えだ。動画を撮影・編集した鳥獣対策・ジビエ振興室は「全国的にも珍しい取り組み」とみる。同県では4~10月にツキノワグマが1327件目撃され、人身被害も10件発生した。ともに同期間では2015年度以降最多となっている。動画は、熊の生息調査などをするNPO法人信州ツキノワグマ研究会が監修。山の中を散策している時に、熊と遭遇した場面を再現した。静かに立ち止まり、ゆっくり後ずさりをすることをポイントに挙げている。この他、やってはいけない危険な行動として「大声を出す」「物を投げる」「背中を向けて走って逃げる」「写真を撮ろうと熊に近づく」などを例示した。動画は動画投稿サイト「ユーチューブ」の長野県ハンター育成学校公式チャンネル「2020長野県ハンター講座」で公開している。動画を編集した同室の宮嶋拓郎技師は「動画にすることで、いつでも誰でも視覚的に対処法を学べる。今後は熊に限らず、農業被害が多いカラスなどの鳥獣害対策の啓発動画を作っていきたい」としている。

(中学校で「クマ学習」:北海道)
羅臼町の中学校で2日、生徒たちがヒグマの生態や、遭遇した時の正しい対処法などを学ぶ授業が開かれました。羅臼町ではクマに関する知識を身に付けてもらおうと、およそ10年前から幼稚園から高校までを対象に「クマ学習」が行われていています。2日は知床未来中学校で授業が開かれ、1年生およそ40人が参加しました。まず知床財団の職員から、「クマは本来、人を避けるおとなしい性格なので食料やゴミの管理などをしっかりすれば駆除されるクマが減る」と教えてもらいました。そして、クマに遭遇したときを想定したシミュレーションも行われ、慌てたり騒いだりせずにゆっくりと後ろに下がり、大人に知らせることを学んでいました。男子生徒は「学んだことを家族にも伝えたい」と話していました。講師を務めた知床財団の茂木三千郎さんは「クマ対策について意識が高い大人になってもらいたい」と話していました。

(イノシシ被害軽減のための獣害対策支援業務:広島)
鳥獣被害対策事業を展開する、株式会社DMM Agri Innovation(本社:東京都港区、代表取締役 岡崎 翼、以下DMMアグリ)は、ひろしまサンドボックス行政提案型公募プロポーザル「広島県立びんご運動公園のイノシシ被害軽減のための獣害対策支援業務」に選定されましたことをお知らせいたします。今後、株式会社アポロ販売(本社:東京都千代田、代表取締役 浅岡輝喜)、一般社団法人CEFIC研究所(本社:愛媛県今治市、代表理事 大澤讓兒)と共同で、公園へのイノシシの侵入を、恒久的に防ぐ対策を推進してまいります。

(イノシシ対策、女性率先:広島)
「イノシシを恐れずに済む安全な地域にしたい」と、広島県熊野町の萩原地区で、女性らが獣害対策に立ち上がった。電気柵を設置したモデル農地でエダマメを栽培しながら、定期的な草刈りなどの保全作業を担う。被害・出没防止に加え、地域住民に獣害対策を意識させるきっかけづくりとして貢献する。四方を電気柵に囲まれ、内部は雑草もなく、しっかり見渡せる──。県や町、JA安芸も協力した獣害対策のモデル農地3アールは、開設3年目に入った今もきちんと管理されていて、周辺でイノシシの被害や出没はないという。手掛けるのは、50~70代の地元女性4人が参加する「ふぁーむ我花咲(わかさ)」だ。いずれのメンバーも農業は自家用に野菜などを栽培する程度。代表の庄賀深雪さん(72)は対策に携わる理由を「イノシシが歩き回るような環境のままにしておけば、いつけがをするか分からない。自分たちで何とかするしかない」と話す。同町は県西部の山間部にあり、地域住民は、イノシシによる農作物被害や民家周辺の出没に頭を悩ませてきた。「地域の安全を守ることができるなら」と庄賀さんらがモデル農地の管理に立候補した。6月から10月にかけて黒大豆エダマメを栽培。年間を通じて月1、2回、電気柵周辺部の草を刈り、設備を保全する。経験のない作業だったが、グループの一員の面迫龍子さん(77)は「相変わらず草刈りは大変。でも、安全につながるというやりがいは大きい」と話す。グループが獣害対策に力を注ぐ姿は地域住民にも影響を与えた。メンバーが草刈りをしていると近隣に住む数人が手伝いに来るようになった。事前に呼び掛けていないが参加が続いている。さらに、隣接する農地の所有者も定期的に草刈りをするようになった。町は「積極的に活動している我花咲の姿は、獣害対策に携わることの大切さを地域に伝えるきっかけになりつつある」(農林緑地課)と話す。21年度にはモデル農地を4・5アール程度に拡大する予定。地域内で獣害対策の機運がより高まることに期待を寄せる。

(若手農家が狩猟チーム:和歌山)
梅林やミカン園が広がる和歌山県田辺市上芳養の日向(ひなた)地区。過疎高齢化、耕作放棄地の増加などで鳥獣被害が深刻化し、営農維持を脅かした。そこで立ち上がったのは、地区の若手農家たち。地区外からも人が集い、地域の課題を解決している。同地区では、ミカンの実や梅の新芽を食べられたり、畑を掘り返されたりと、被害に悩まされていた。農業が基幹産業の同地区では、被害拡大は死活問題だ。「被害を食い止めるには、自分たちでやるしかない」。農家の岡本和宜さん(41)、辻田直樹さん(37)らは4年前、「チームひなた」を結成。狩猟免許を取得し、わなを仕掛けて捕獲を始めた。捕獲を続けると、周辺地域に比べて農作物への被害が減ったと実感できたという。ただ、捕獲をやめればまた、被害が戻る。とり続けるしかなかった。最初は、捕獲したイノシシなどを埋めて処理していた。しかし、これでは動物の命を無駄にしているのではないかと、つらい思いが募ったという。そこで、継続していくには、ジビエとして利用するしかないと、地区の人たちの賛同を得て、民間のジビエ処理施設を誘致した。2018年に稼働を始めたのが、「ひなたの杜(もり)」だ。組織力を高め、活動の幅を広げるため、株式会社「日向屋」を設立し、岡本さんが代表になった。日向屋のメンバーらが捕獲し、ひなたの杜で解体、肉として出荷する。両者が連携して獣害対策を始めた。ひなたの杜で解体を担当する湯川俊之さん(42)は10年近いキャリアを持つ。「納得いく物を受け入れたい」と、捕獲の現場へ行き、自らとどめを刺して、施設へ持ち帰って解体する。年間処理頭数は、イノシシとシカで400頭ほど。日向屋だけでなく、周辺からも受け入れており、県内や大阪の旅館やホテルなどへ販売している。湯川さんは「肉が欲しいという声は強く、足りない状態」という。日向屋では、年100頭ほどを捕獲する。「とってなかったら今ごろ被害がどうなっていたか、想像すると恐ろしい」と辻田さん。仕掛けたわなの日々の見回りは、地域の人も協力してくれる。日向屋は、狩猟体験を盛り込んだグリーンツーリズムを企画。都会の人たちに猟や解体作業を見学してもらった。さらに、獣害対策だけでなく、人手不足解消のため、福祉作業所の利用者に農作業を担ってもらう「農福連携」などにも取り組む。休暇を楽しみつつ仕事もこなす「ワーケーション」も受け入れている。プロの料理人としてジビエの普及に一役買っているのが、地元出身のフレンチシェフ、更井亮介さん(30)だ。長野で修業し、ジビエを学んだ。今年3月に日向地区にレストラン「キャラバンサライ」をオープン。コースのメインに地元のイノシシ、シカを使う。また、栄養士会の勉強会などでジビエの使い方も教えている。獣害対策をきっかけにした地元農家のチームに人が集い、地域の課題を解決し、雇用やビジネスにつなげる組織に成長を遂げようとしている。岡本さんは「ここが鳥獣害対策の解決策のトップランナーでありたい。全国のモデルになれば」。

(夫婦で移住3年、恵みに感謝の日々:大分)
夫婦で自然の恵みに感謝しながら生きる日々だ。大分県日田市大山町の草野貴弘さん(39)は、猟師として近くの山に入り、シカやイノシシをわなで捕る。妻亜李砂さん(31)は、その獣の骨を生かしたアクセサリーなどを制作し、販売する。「毎日がキャンプ生活のよう」。3年前に移住したばかりの若い夫婦だが、すっかり山生活の達人になった。2人が出会ったのは、福岡市中央区の親不孝通りにあるライブハウス。貴弘さんはラッパー、亜李砂さんは専門学校時代の友人とたまたま訪れた客だった。交際が始まったものの、雑誌社で働いていた貴弘さんと、ブライダル会社に就職した亜李砂さんの休日が重なるのは、年に数日しかなかった。「一緒にいる時間を長くするために環境を変えたい」。そう考えていた時、日田市の地域おこし協力隊員の募集を知り、2人で応募。2017年6月に移住するのに合わせて結婚した。貴弘さんは知人に誘われたのをきっかけに、隊員の仕事をしながら狩猟免許を取得。「獣の気持ちになって」通り道を予測し、20センチの輪っかのわなを仕掛ける。わなは葉っぱで隠し、そのルートに誘導するように木を植えたりもする。「体一つで山に入り、獣と真剣勝負する」。そんな猟の魅力にはまり、3年の隊員任期を終える前の今年3月下旬、肉をさばいて販売も手掛ける「奥日田獣肉店」を自宅そばに開店させた。店舗は慣れない大工仕事ながら、自分で建てた。亜李砂さんは、「水郷ひたキャンペーンレディ」を務めたほか、協力隊員として市のPRパンフレット編集などを担当。任期後はキッチンカー(移動販売車)「野良カフェ」を開業し、松原ダム湖(梅林湖)付近やイベント会場で自家焙煎(ばいせん)コーヒーなどの販売を始めた。貴弘さんが仕留めたシカやイノシシの骨でつくったオリジナルアクセサリーは、珍しさもあり人気だ。移住当初、2人は近所の人に旬の野菜をもらうと返すものがなく、申し訳ない気持ちになったという。今は「おるかい」と訪ねてくる近所の人に、新鮮なジビエをお返しする。地域に溶け込んでいる証しであり、「人の多い福岡にいる時より、人と人のつながりがある社会の中で生きている実感がある」と貴弘さん。家族の食卓に豚肉や牛肉が並ぶことはほぼない。「旬を過ぎたジビエをおいしく食べる方法も、今では分かってきた」。楽しみと生きるための仕事の境目が曖昧な生活。夫婦は「最高のぜいたく」と感じている。

(足跡くっきり、ツキノワグマか:兵庫)
兵庫県丹波市市島町の道で、ツキノワグマのものとみられる足跡が見つかった。住民たちは、近くの柿を狙って近付いたとみている。現場は公民館に近く、家々が建て込んでおり、放送で注意喚起した。足跡は大人の手の平ほどあり、市道から県道へ左側通行で歩いている。11月28日夜に、公民館で会議をしていた農会長が帰宅する頃に足跡らしきものを見たといい、翌朝確認すると、泥がついた足跡がしっかり残っていた。同町内では少ないものの、10月以降、同市春日町内でクマの目撃、痕跡情報が相次いでいる。

(クマが道路横断:秋田)
2日午後11時45分ごろ、秋田市手形学園町で体長約1メートルのクマ1頭が道路を横断するのを、車で通り掛かった同市の20代男性が目撃した。周辺で被害は確認されていない。

(ジビエを生かす:和歌山)
アスリートや女性向けの簡単に食べられる「サラダジビエ」やドイツで修業したマイスターが手がけるジビエソーセージ。古座川町では、個性的な商品開発と積極的な情報発信で、ジビエの可能性を広げている。町の面積の約96%が森林。豊かな自然が残る一方で、鳥獣被害に悩まされてきた。そこで、駆除と食肉への活用を目指して、町は2015年、処理施設「古座川ジビエ 山の光工房」を建てた。イノシシとシカを取り扱うが、シカが多い。肉質の確保のため、猟師らに対して捕獲や血抜きの仕方などの講習会を実施。また、食肉用の受け入れは、捕獲から2時間以内とし、年間500~600頭を受け入れ、処理をしている。販売先は東京が中心。ジビエ担当の町地域振興課、細井孝哲さん(36)は、営業に足を運ぶだけでなく、シェフを古座川に招き、シカやイノシシが育つ環境や処理施設を見てもらうなどの活動もしてきた。現在の施設長は千葉県出身の鈴木貴裕さん(33)。「ジャイアン貴裕」のリングネームを持つ総合格闘家だ。自然の中で子育てをしたいこと、狩猟やジビエに興味があったことから、17年に町に移住してきた。「高たんぱく、低脂質なシカ肉は、アスリートや格闘家の体作りや減量にいい」と鈴木さん。アミノ酸の一種で脂質の代謝に不可欠なL―カルニチンも豊富だ。格闘技イベントでシカ肉のステーキをPRし、好評だったという。昨夏販売を始めたのが、加熱調理済みで、解凍してそのまま食べられる「サラダジビエ」。いわば、「サラダチキン」のジビエ版だ。健康や美容に関心の高い女性もターゲットにしている。有名格闘家やモデルらにファンになってもらい、SNSなどで情報発信してもらうことで、古座川のジビエへの関心を高めたい、との狙いもある。鈴木さん自身も、動画投稿サイト「ユーチューブ」などを活用し、捕獲、解体などの動画を配信している。今春、工房のスタッフに加わったのが、同町出身で、ドイツで4年余り食肉加工を学び、マイスターの資格をとった森田裕三さん(34)だ。森田さんの知識と経験を生かし、地元のユズやニンニクなども使ったジビエソーセージの製造を始めた。「ここでは内臓を出すところからできるので、肉がよくわかる」と森田さん。新鮮な肉が使えるので、弾力を出す食品添加物無しでぷりぷり食感のソーセージが作れるという。調理しやすい加工品が生まれたことで、地元の飲食店でも取り扱いが広がった。まだソーセージ加工は森田さんと鈴木さんの手作業で、解体作業の合間の時間を使う。需要増のため、今後、機械を導入して製造量を増やす計画で、雇用も生みたいという。「ジビエが古座川の目玉として定着してきた」と手応えを感じている細井さん。「人材もそろっており、古座川ジビエと一緒に仕事をしたいとの声も聞く。ジビエを使ってもらうことで、古座川の価値、素材の良さを知ってもらえることがうれしい」と話す。

("命をいただく"実感、ジビエ学習:鳥取)
フリースクール・S(北栄町由良宿、阪本秀樹代表)で11月26日、イノシシの解体を体験して、肉を味わうジビエ学習が行われた。子どもたちは、大きなイノシシ1頭が目の前で解体され、切り分けられる様子に目を見張った。

(小学校でジビエの授業:和歌山)
和歌山市立松江小学校で、2日「わかやまジビエ」について学ぶ特別授業が行われました。これは、県内の児童への食育の一環として和歌山県が2017年度から毎年行っているもので、県内で捕獲されたシカやイノシシの肉を適切に加工した高品質のブランド肉「わかやまジビエ」の消費拡大や、鳥獣による農地や山林への被害、命の大切さなどについて、県の職員らが子どもたちに教えています。2日午後、松江小学校で行われた特別授業では、県・畜産課の池田晴佳(いけだ・はるか)副主査が講師となり、4年生の児童およそ70人に、県内の鳥獣害による被害額が毎年3億円台で推移していることや、狩猟で捕獲されたジビエを美味しく頂くことの大切さなどを説明しました。給食の時間ではイノシシ肉のソーセージが入ったシチューが出され、児童らは「美味しい」「歯ごたえがしっかりしている」「被害額が年間3億円もあるなんて驚いた」などと感想を言いながら味わっていました。講師を務めた県・畜産課の池田副主査は「子どもたちには、鳥獣害の深刻さや、命を大切に頂くことへの理解を深めてもらえたら嬉しいです」と話しています。

(ジビエ料理味わおう、県内77店でフェスタ:和歌山)
イノシシやシカの肉を使った料理を味わえるイベント「わかやまジビエフェスタ2020―2021」が1日、スタートした。来年2月28日まで。初日には和歌山市の県庁でキックオフイベントが開かれ、多くの人がイノシシの肉を使った料理に舌鼓を打った。県主催。2011年度から毎年開いている恒例イベントで今回は節目の10回目となる。県内で捕獲された野生のイノシシ、シカの肉を使ったジビエ料理を味わうことができ、県内の飲食店、ホテルなど計77店舗が参加。県畜産課によると、参加店舗数は過去最多という。抽選で20人に5000円相当の「ジビエ詰め合わせ」をプレゼントするキャンペーンも実施中。期間中に参加店舗でジビエ料理を食べると応募ハガキをもらうことができる。県はジビエ消費をさらに盛り上げようと、来年1~2月の4日間、南海和歌山市駅直結の複合施設・キーノ和歌山1階にあるスーパー「ROCK STAR FARMs」でジビエのテークアウトメニューを販売するイベント「ジビエマルシェ」を開く。キックオフイベントは県庁北別館1階のきいちゃん食堂で開かれ、県職員らがイノシシの肉を使った「わかやまジビエDEキーマカレー~ジビエコロッケと共に~」を味わった。イノシシ肉の甘露煮の試食もあり、訪れた人たちは「おいしい」と笑顔を見せていた。県畜産課の池田晴佳さんは「イノシシ肉は、さらっとしていて味にしつこさがなく、かめばかむほど深みがある。すき焼きにすればおいしいと思います」とPR。「ぜひおいしいジビエ料理を食べていただきたい」と呼び掛けている。参加店とメニューは、同フェスタのホームページで確認できる。

(しし鍋振いに大勢の人出:神奈川)
鶴巻商店連絡協議会が11月21日から23日の3日間、無料のしし鍋振舞いを行った。主に市外から多くの人が訪れ、各日3回に分けて振舞ったしし鍋は、全て完売した。鶴巻温泉駅―大山ケーブル間のバス運行に合わせ行っている「猪鹿鳥つるまきジビエキャンペーン」の取り組みの一環として行われた催し。地域で伝統的に提供されてきた「しし鍋」を見直し、「ジビエの食べられる街 鶴巻温泉」を広く周知する狙いがある。しし鍋振舞いは市内で初めて国の「Go To商店街事業」に採択されている。同協議会ではこの補助金を使い、これまで利用したことがない各種メディアでの周知活動を行った。祝日の23日も、配布時間前から多くの人が列を作った。フェイスブックで知り伊勢原市から来たという親子は、昔1度だけ食べたことがあるが、子どもは初のジビエ。「おいしい!」と言いながら、夢中で食べていた。「現在各店舗で行っているジビエ料理の提供を継続させていくのが当面の目標。ジビエを定着させていこうという意識が地域で芽生え始めているので、今後どう繋げていくかが重要になる」と、同協議会では話した。

(食料品店が「猪鍋」セット販売:兵庫)
高砂市曽根町の食料品店「キザワ」(TEL 079-448-0282)が11月28日、「猪(しし)鍋」セットの販売を土曜限定で始めた。高砂市内の一般家庭や施設に野菜や食料品の配達を行っている同店。これまでも「てっちり鍋」や「鯛しゃぶ」などの旬の鍋セットを販売してきた。「猪鍋」は今秋からの新商品で、「浜手ではなじみの薄いイノシシのおいしさを知ってほしい」と店主の木澤一平さんが考案した。セット内容は、イノシシ肉と切り分けた野菜やこんにゃくなどの具材とだし。肉は一般的なロース部位をはじめ、バラ、ネック、モモ、赤身など6種類を仕入れによって使い分ける。木澤さんによると、丹波篠山市のイノシシ肉専門店から仕入れる生肉が売りで、冷凍肉と違い臭みが少なく熟成したうま味が特長という。木澤さんは「販売初日は35人前の注文があった。客からは『毎年篠山まで食べに行っていたが、自宅で食べられて助かる』などの声も寄せられている。カットした野菜にだし付きなので料理の手間がいらない。この機会に本格猪鍋を味わっていただけたら」と話す。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午後9時ごろ、仙台市青葉区芋沢上新田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午後6時50分ごろ、仙台市泉区北中山3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午後3時50分ごろ、仙台市泉区西中山2丁目にクマが出没しました。

TOPへ

12/2
(豚熱の新たにイノシシ感染確認:福島)
福島県は27日、下郷町で捕獲した野生のイノシシから、ブタの伝染病「CSF」=豚熱の感染が見つかったと発表しました。県によりますと、27日、下郷町で猟友会が捕獲した野生のイノシシ1頭が、CSFに感染していたことが確認されたということです。県内でCSFの感染が確認されるのは、ことし9月18日以来で、これで6例目です。ブタの伝染病CSFは、ことし9月、会津若松市の郊外で死んでいたイノシシから、県内で初めて感染が確認されました。ブタからの感染は、県内では、これまでに確認されていません。県によりますと、感染した豚の肉を食べても健康に影響はありませんが、ブタやイノシシが感染すると高い確率で死ぬことから、県は、県内の養豚農場で飼育されているすべてのブタを対象に、ワクチン接種を行っていました。県は、今回、感染が確認された野生のイノシシの捕獲地点から、半径10キロ以内に養豚農場がないことから、ブタの移動制限措置は取らないとしています。県畜産課は、「養豚農場には引き続き、衛生管理の徹底をお願いしたい」としています。

(CSFの野生イノシシ、7例目:福島)
福島県は、11月30日、天栄村で捕獲した野生のイノシシが、ブタの伝染病「CSF」=豚熱に感染していることが確認されたと発表しました。県内でのCSFの感染確認は、これで7例目です。県によりますと、30日、天栄村牧之内で猟友会が捕獲した野生のイノシシ1頭の、CSF感染が確認されました。県内では、11月27日にも下郷町で、野生のイノシシ1頭のCSF感染が確認されていて、県内での感染確認はこれで7例目です。県内では、今のところブタへの感染は確認されておらず、また、感染したブタの肉を食べても健康に影響はありませんが、ブタやイノシシが感染すると高い確率で死ぬことから、県は、県内の養豚農場で飼育されているすべてのブタを対象に、ワクチン接種を行っています。今回感染が確認された野生のイノシシの捕獲地点から、半径10キロ以内にある養豚農場では、すべてのブタのワクチン接種を終えているため、ブタの移動制限措置は取らないということです。県畜産課は、「養豚農場には、引き続き衛生管理の徹底をお願いしたい。ブタが急に死んだり食欲が落ちたりするなどの異常がある場合は、すぐに県の家畜保健衛生所に連絡してほしい」としています。

(豚熱、県内12匹目確認:和歌山)
和歌山県は25日、有田川町で捕獲された野生イノシシ1匹(雄、成獣)が豚熱に感染していたことが分かったと発表した。10月下旬に県内で初めて確認されて以降、12匹目となる。県内では、紀の川市とその周辺町で野生イノシシや死んだイノシシ11匹の感染が確認されている。有田川町は初だが、いずれも近距離に当たる。県は県内の養豚農家らに衛生管理徹底を改めて指導している。飼養豚については、ワクチンを接種しており、出荷などは制限されない。

(野生イノシシ2頭が豚熱感染:群馬)
群馬県は30日、中之条と長野原両町で捕獲した野生イノシシ2頭について、同日の遺伝子検査の結果、豚熱(CSF)感染が確認されたと発表した。県内の感染事例は計68頭となった。

(クマに襲われ70代男性けが:新潟)
30日午前9時半すぎ、新潟県村上市小口川の民家近くで、70代男性がクマに襲われ、左頬などをかまれて負傷した。ドクターヘリで新潟市内の病院に搬送された。意識はあるという。村上署によると、男性は長男と2人で自宅近くで墓参りをした帰路だった。長男は無事だった。自宅に戻って消防に連絡した。クマは体長約1・5メートルで、そのまま逃げた。現場の近くには柿の木があり、収穫されないままの実が付いていた。近くに住む女性は「グォーという普通じゃない吠え声がして、裏の戸からのぞくと、黒いクマが走っていた。足が震えた」と話した。市と警察は、住民らに警戒を呼び掛けた。県内は9月以降、人身被害が相次ぎ、県は独自の「クマ出没特別警報」を来年1月15日まで延長している。

(イノシシのワナ外れ、襲われる:新潟)
28日午前9時10分頃、新潟県柏崎市芋川地区の山中で、刈羽村の60歳代男性がイノシシ1頭を捕獲しようとしたところ、右手薬指をかまれ、重傷を負った。柏崎署の発表によると、男性はイノシシを駆除しようと、山中にワナを設置していた。この日、確認のため現場を1人で訪れたところ、イノシシがワナに掛かっていた。男性はロープで捕獲を試みたが、イノシシのワナが外れ、襲われたという。イノシシはその後、現場から逃げた。

(クマか、コエヨシドリ3羽襲われる:宮城)
24日午前5時ごろ、宮城県栗原市一迫荒屋敷の男性(67)が、自宅敷地内でコエヨシドリ3羽がクマに襲われたとみられる被害を確認し、栗原市に届け出た。栗原市での家畜被害は今年4件目。市農林畜産課などによると、鶏小屋は金網を2カ所破られ、飼育していた複数種のニワトリ約30羽のうちコエヨシドリ2羽が消え、1羽が死んでいた。10月末には、約600メートル北の民家でニワトリ17羽が被害に遭った。男性の妻(66)は「もしかしたら、うちも危ないと思っていた。キツネによる被害は以前にあったが、クマは初めて」と不安そうに語った。市農林畜産課によると、22日にはヤギが襲われた栗原市花山の民家の近隣で、鶏小屋が壊される被害もあった。同課の担当者は「同じクマによる被害の可能性が高い」と話す。

(300キロ超のクマ、捕獲:北海道)
北海道の積丹町で、300キロを超えるクマが箱わなで捕獲されました。現場付近では、クマが作業小屋のホッケやサケなどの魚を食い荒らす被害が相次いでいました。クマは、26日午後4時半ごろ、積丹町の美国小学校の近くに設置された箱わなで捕獲されました。この付近では、7日未明、作業小屋の窓ガラスを割ってクマが侵入し、ホッケ30匹とサケの切り身およそ10キロを食い荒らしました。また、2日から3日にかけても、別の住宅で干しカゴに入っていたサケとばが食い荒らされました。4月からのクマの目撃情報も40件以上になっていることから、今月13日、積丹町が3か所に箱わなを設置していました。捕獲されたクマは、体重300キロ以上、体長2メートル近く、推定8歳のオスで、27日、地元の猟友会に駆除されました。

(男性襲ったクマか、小屋で捕獲:新潟)
11月30日、村上市で70代の男性がクマに襲われてケガをし、男性を襲ったとみられるクマが現場近くの小屋の中にいるのが見つかりました。クマは1日朝、猟友会などによって捕獲されました。30日、村上市小口川で70代の男性が息子と墓参りをしている際、自宅近くでクマに襲われ、左のほほやあごなどをかまれるけがをしました。男性を襲ったクマは体長1.5メートルほどで、いったんその場から逃げたということです。その後、猟友会などが周囲を警戒していたところ、30日午後になって、男性の自宅に隣接する農機具などを保管していた小屋の中に、男性を襲ったとみられるクマが侵入しているのが見つかりました。警察などが夜通し警戒を続け、1日午前7時40分ごろ、市から依頼を受けた獣医師が小屋の中にいるクマに麻酔銃を撃ち、効き目を確かめたあと猟友会が捕獲しました。警察によりますと、クマは今後、市が処分する方針だということです。30日、父親と共に墓参りの最中にクマと遭遇した40代の息子は「クマは父の上に覆いかぶさるような形で襲っていました。この場所でクマが出たことはなく、捕獲されたと聞いて安心しました」と話していました。県は、過去には12月にも人身被害が起きていることなどから、先週「クマ出没特別警報」を来年1月15日まで延長することを決めています。

(殺傷能力の高いエアガン所持容疑、書類送検:静岡)
殺傷能力の高いエアガンを所持したとして、下田署と静岡県警薬物銃器対策課、石川県警は25日、銃刀法違反の疑いで下田市に住む無職の男(72)を静岡地検沼津支部に書類送致した。送検容疑は7月21日、自宅で、1986年に真正拳銃に該当するとして回収措置がとられた回転弾倉式のエアソフトガン1丁を所持した疑い。同署によると、銃はモデルガンメーカーが製造、販売した。玩具として販売されたが、殺傷能力が高いとして後に回収された。男は「回収要請は知っていた。30~40年前に都内のモデルガン店で購入した」と話しているという。

(射撃場の鉛汚染土調査へ、撤去の範囲確定:佐賀)
伊万里市大川内町の市散弾銃射撃場の鉛汚染問題で、深浦弘信市長は27日、優先して撤去するとしたエリア約3600平方メートルについて2021年1~3月に汚染土壌を調査すると発表した。鉛の含有量と溶出量から汚染の面的広がりや深さを把握し、実際に撤去する範囲を決めるため。

(ジビエに逆風、新型コロナで消費減)
野生鳥獣の食肉「ジビエ」の流通に逆風が吹いている。新型コロナウイルスの感染拡大で、ジビエ消費の柱である外食需要が激減。捕獲しても売れず、生計悪化で廃業する猟師も出ており、今後、獣害対策にも水を差しかねない。インターネット通販に取り組む動きもあるが、家庭での調理方法が普及しておらず、消費の回復は見通せない状況だ。「飲食店向けのジビエが売れず、有害駆除の報酬だけでは生活が苦しい」。都道府県別のジビエ(食肉向け)利用量で全国2位を誇る兵庫県。イノシシの特産地として知られる同県丹波市の猟友会に所属する猟師、深田晋三さん(83)はため息交じりに話す。5年前から専業猟師として活動する丹波篠山市の西村大二郎さん(37)も、取引先の飲食店がジビエの受け入れを減らし、10月の売り上げは昨年同月に比べて3割減った。イノシシ肉のインターネット通販も始めたが、一般的な食材のように売れるとは限らず、将来への不安は大きい。自治体の依頼で有害駆除のためほぼ毎日、山で猟をし、受け取る報奨金は1日8千円ほど。一方で、猟犬の餌代など月20万円の費用がかかる。「猟師以外の仕事を探さないといけないかもしれない」と漏らす。丹波篠山市の猟友会では今年に入り、廃業する猟師も出ているという。猟師の多くは捕獲した鳥獣を自身で処理せず、施設に持ち込む。年間1千頭のシカを解体する兵庫県最大級のジビエ処理施設を持つNPO法人「カンビオ」(兵庫県多可町)は、20年1~10月の出荷量が前年同期に比べ半減。貯蔵庫には在庫が増え続けている。シカやイノシシ、クマなどのジビエは、低脂肪高たんぱくの健康食材として浸透してきたが、同法人の後藤高広理事長は「新型コロナの影響でジビエ文化が下火になってしまうのは残念」と肩を落とす。シカ肉を加工したペットフードを販売する一方、シカ皮をバイオリンの修繕などに使うノリの材料として販売するなど販路開拓も試みているが、落ち込んだ売り上げを補うのは難しいという。ジビエは一般家庭での調理方法が普及しておらず、スーパーなどでの取り扱いも少ない。日本ジビエ振興協会(長野県茅野市)は年度内に初めてオンライン料理セミナーを開く計画で、担当者は「家庭でジビエを楽しめる方法を提案し、消費を盛り上げたい」と話す。肥育される牛や豚などの食肉に比べ、野生鳥獣の生肉には肝炎ウイルスや寄生虫が付着している恐れがある。東京農業大の小泉亮輔助教(畜産物利用学)は「ジビエ処理施設での安全基準は各自治体が定めている。国が統一基準をつくり、家庭でも扱いやすいよう安全を担保する仕組みをつくることも必要だ」と話している。農林水産省によると、2019年度の全国のジビエ利用量は2008トン。18年度からやや増えたものの、政府が目標とする年間2600トンには届かなかった。同省の担当者は「新型コロナの影響でジビエを扱う高級料理店の来客が減り、今年1~3月の消費が伸び悩んだことが要因」と話す。ジビエは鳥獣被害防止や農村の所得向上の観点から国が利用量の拡大を推進。厚生労働省も14年、流通を促すため「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針」を示すなど普及を後押ししている。今後、捕獲数の減少が進めば、獣害対策に支障が出る可能性もある。

(「鳥獣害対策」8大学連携!:福島)
東京電力福島第1原発事故に伴う避難地域の鳥獣被害について研究を進める県内外の8大学は来年度、本格的な連携を始める。これまで各大学が浜通りの市町村と個別に取り組んできた研究の成果を集約し、住民の帰還が進む避難地域全体の鳥獣被害対策に役立てる。連携体制を構築するのは日大工学部と福島大、慶大、東大、東京農大、東京農工大、東北大、長崎大。この取り組みは大学などの「復興知」を活用した福島イノベーション・コースト構想促進事業の一環。各大学は浜通りの市町村と組み、それぞれの専門分野で鳥獣被害について調査してきた。調査開始からの約3年間で、小型無人機「ドローン」によるイノシシの出没範囲の3Dマップ化や、センサーを埋め込んだイノシシの行動追跡、ツキノワグマのDNA分析など成果が出ている。これらの成果を活用しようと、8大学は本年度「鳥獣被害対策ネットワーク」を構築したが、新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン会議などの活動にとどまり、本格的な連携は進んでいないという。同ネットワークは12月15日、キックオフイベントとしてシンポジウムを開き、研究成果や技術を共有。来年度からの連携の進め方について検討を始める。ネットワーク構築を呼び掛けた日大工学部の岩城一郎教授は「避難地域の鳥獣被害の問題は、一専門分野や一大学で解決できるものではなく、それぞれの地域の実情に合った対策を考えることが必要だ」と指摘。「さまざまな分野の専門家が知恵や技術を寄せ合い、組み合わせることで、解決の糸口を見いだせる」と話した。シンポジウムは12月15日午後1時から、富岡町文化交流センター学びの森で開かれる。各大学で鳥獣被害対策を研究する農学や工学の専門家をはじめ、環境省や地元農業者が取り組みを報告する。問い合わせは日大工学部(電話024・956・8716)へ。

(有害鳥獣対策効率化へ、わな遠隔監視:福島)
ALSOK福島(郡山市)と凸版印刷(東京都)は17日、有害鳥獣対策の効率化に向け、わなの遠隔リアルタイム監視システムを使ったサービスの実証実験を大熊町で始めた。同町では東京電力福島第1原発事故の影響で住民避難が長期化し、イノシシなど有害鳥獣の出没エリアが拡大。住民帰還や復興の妨げとなっている。実証は山間部に中継器を置き、設置したわなの柵が落ちた際にセンサーが検知し、自治体や猟友会に情報が伝わる仕組み。狩猟者によるわなの見回り作業の負担軽減につなげる。両社は12月17日まで実証を行い、実用化を目指す。

(城下町でカワウ被害:島根)
松江市の松江城山公園で、白くなった樹木が観光客の視線を集めている。変色の原因は雑木林に集団で営巣しているとみられる水鳥「カワウ」のふん害。塩見縄手や堀川遊覧船といった松江を代表する観光スポットから目立つ場所にある上、枯死の要因となる恐れもあるため、松江市が対策を検討している。カワウは全国各地の河口や湖の近くに生息する体長80センチほどの黒い野鳥で、松江市内でも宍道湖畔などで多く見られる。野鳥に詳しい宍道湖グリーンパーク(出雲市)の担当者によると、主な繁殖期は春から夏で、秋以降も群れでコロニー(集団営巣地)を形成して、ねぐらにする習性がある。松江城山公園の白くなった樹木は塩見縄手の遊歩道の対岸にあり、夕方になると樹上で数十羽のカワウが羽を休めているのが確認できる。堀川遊覧船の船頭らによると、3年ほど前から10月から11月ごろに樹木が白くなっているのを見かけるようになったという。雪化粧をしたように見える樹木を珍しがる遊覧船の乗客もいるが、ふんには多量のリン酸が含まれ、枯死を引き起こす事例が各地で報告されている。カワウは川魚など、餌となる水生生物を求めてコロニーを中心に1日10キロ以上を移動する。松江城山公園の雑木林は川沿いにあり、日の当たりにくい位置のため、営巣に適しているとみられる。山陰両県の湖や川ではかねて深刻な魚食被害も生じている。松江市にはこれまで、市民から指摘や苦情は寄せられていないが、市観光施設課の楫野一郎課長は「景観保全の観点からも好ましくなく、でき得る限りの方法を考えたい」と強調。専門業者の意見も踏まえて対応する考えを示している。

(全国初か、全域でカラス生態調査:長野)
県内でカラスによる農業などへの被害が広がっているとして、県は民間の調査会社と共同で生態調査に乗り出しました。道府県が県内全域を対象にカラスの生態調査を行うのは全国で初めてとみられます。調査は25日から本格的に始まり県と調査会社の担当者が長野市や小布施町などをまわってカラスの数やえさ場やねぐらの場所を確認しました。なかにはおよそ20羽が集まっている畑もあり、双眼鏡で確認しながら数などを地図に書き込んでいきました。県によりますとゴミの対策などによって街なかのカラスは減っていましたが、この数年、長野市などで再び目立つようになっていて県が先月行った予備調査では少なくとも1500羽がJR長野駅をねぐらにしていることが確認されました。カラスによる県内の昨年度の農業被害額はおよそ8300万円とシカに次いで2番目に多くなっているということです。県は山で繁殖したカラスがエサや居場所を求めて市街地に出てきている可能性があるとみて、今後、行動ルートなどを調べ、対策を講じることにしています。県によりますと都道府県が県内全域を対象にカラスの生態調査を行うのは全国で初めてとみられるということです。県鳥獣対策・ジビエ振興室の宮嶋拓郎技師は「県内は山と市街地が近く、その間に畑もあるのでエサが手に入りやすい。調査を進め農家などに対策を呼びかけていきたい」と話しています。

(ニホンジカの線路侵入を防ぐ「鹿ソニック」を試験導入:山梨)
JR東日本、忌避音発生装置「鹿ソニック(ティ.エム.ワークス社製)」を線路近くに試験導入として設置することを発表した。近年、八王子支社でも動物との衝突事故がたびたび発生しているという。なかでも、ニホンジカとの衝突事故が目立っており、線路内への侵入を防ぐための柵の設置や、忌避装置の設置等の対策を進めている。今回設置する「鹿ソニック」は、鹿などの野生動物と自動車との衝突事故を低減させるために開発された装置。動物の苦手とする音(12kHz~30kHz の高周波音)を照射して、傷つけることなく警告を促すという。

(イノシシに荒らされる畑、対策は?:新潟)
新潟市西蒲区で、イノシシの映像が撮影されました。イノシシがいる場所は畑ですが、イノシシが立ち去ったあとは、農作物が無残にも掘り起こされ荒らされてしまいました。今年はイノシシによる畑の被害が増えています。実態と対策を取材しました。サツマイモの収穫を終えた畑を、2頭のイノシシが鼻を使って掘り起こしています。サツマイモを見つけると、くわえて山へと戻っていきました。体長およそ1メートルのイノシシが姿を現したのは、新潟市西蒲区の福井地区です。イノシシを撮影したのは、近くに住む齋藤淳さん(79歳)です。撮影した畑を案内してもらいました。【齋藤淳さん】「2頭いるのが確認できたので、車の中から撮影しました。今まであんまり出たことないからね」。この地区では今年、イノシシに畑を荒らされる被害が相次いでいます。小熊正一さん(81歳)も、イノシシに畑を荒らされた1人です。【小熊正一さん】「やっと畑が良くなってきたのに、いっぺんに全部掘り返す」。小熊さんは、白菜や大根などを育てていました。しかし、間もなく収穫時期を迎えようとしていた畑は、イノシシに荒らされてしまいました。【小熊正一さん】「またせっかく作っても、(イノシシ来たら)駄目ですので、畑はやめなきゃ駄目かもしれないね」。相次いでいるイノシシ被害に、地元の人は…。【地元の人】「怖いですね。イノシシなんか初めてですよ、今年」。「サツマイモとかジャガイモとかある時期は困る。畑荒らされると」。地元の人も、かなり不安な様子。イノシシの目撃情報や農作物への被害の相談は、区役所にも多く寄せられているそうです。【西蒲区役所区民生活課 石崎和子課長】「昨年から西蒲区内でイノシシの出没情報が相次いで寄せられています」。新潟県によりますと、県内でのイノシシによる農作物の被害は昨年度5140万円に上っています。こうしたイノシシの被害、どうしたら防げるのでしょうか。【西蒲区役所区民生活課 石崎和子課長】「イノシシを集落に呼び寄せない対策づくりが大事だと思います。えさとなる野菜くずですとか、収穫しない農作物を放置しないなどが有効」。また、畑などでイノシシと出合った場合の対策方法も聞きました。【西蒲区役所区民生活課 石崎和子課長】「落ち着いて行動して、イノシシは大変、臆病な動物ですので、背中を見せずに去る」。例年にはないイノシシによる農作物の被害。今年は住宅街にも出没が相次いでいることから、より一層の警戒が必要です。

(ノシシ急増、生息域拡大:千葉)
南房総市や館山市など県南部で、イノシシの捕獲数が急増している。生息域が拡大し、農作物被害だけでなく人間の生活圏に出没する事例が相次ぎ、被害は広範囲に及ぶ。一方、獣害対策の一翼を担う地元の狩猟従事者は高齢化が進み、各自治体はあの手この手で若いハンターの育成に力を入れている。昨年度、県内トップの3537頭のイノシシ捕獲があった南房総市。本年度は10月末現在で4266頭を捕獲し、過去最多だった2016年度の5146頭を超える見込みだ。市農林水産課は「このままのペースだと、最終的に7千頭前後になる」との見通しを示す。生息域がここ数年で急速に拡大。市内で捕獲例が少なかった海沿いの白浜・千倉地区では、14年度からの5年間で捕獲数が約23倍に急増した。イノシシを含めた有害鳥獣による昨年度の農作物被害額は3401万円と、前年度に比べ増加。農作物にとどまらず、最近では人間の生活圏内での目撃例が数多く報告されている。10月、富津市のJR内房線上総湊駅近くで電車にイノシシが衝突。館山市では地元の農家組合所属の早川満さん宅に、体長約110センチのイノシシ2頭が現れた。早川さんがカメラを向けて撮影すると、イノシシは突進。早川さんは瞬時に身をかわしたため無事だったが、「今後は農作物被害だけではなく、事故や人的被害もあり得る」と、より人間の身近に出没するようになったイノシシに危機感を強める。イノシシ増加の背景には、昨秋の相次ぐ台風による自然環境の変化や、昆虫が病原菌を木の中に運び込むことで引き起こされる伝染病「ナラ枯れ」の拡大など、複数の要因が考えられるという。「台風による倒木などでエサのドングリが一時的に増え、捕獲数も減ったため子どものイノシシが増えた。逆に今年は全国的にドングリが不作。エサを探しに山を下りてきているのでは」。館山市地域おこし協力隊として、獣害対策や自然環境の調査に携わる合同会社「アルコ」代表の沖浩志さん(37)は、このように分析する。また、「イノシシは基本的に人に合うと逃げるが、近年は『人間と出合っても何もしてこない』と学習し、行動が大胆になってきている」と、イノシシの学習能力の高さも関係しているとみる。有害鳥獣被害を軽減しようと、南房総市では農業者や猟友会などと対策協議会を開催。有害獣捕獲への報奨金や狩猟免許取得費を補助するなどの策を講じている。ただ、沖さんによると、狩猟従事者は70代前後の団塊の世代が中心。若いハンターの育成が急務だ。同市では本年度から、滞在型狩猟体験イベント「南房総2拠点ハンターズハウス」を実施。安全な狩猟場を確保しにくい都市部の免許保有者へ民宿を提供し、市内に滞在しながら狩猟してもらうことで、獣害対策や観光業支援につなげる狙いだ。体験費用は15万円(税抜き、講座や民宿利用費など含む)と比較的高額にもかかわらず、定員を超える参加応募があったという。沖さんは「狩猟ブームの影響もあり、都市部で免許を取得する人が増えている。人口減少が進む中、2拠点生活で狩猟の機会を増やしていければ」と期待する。地元の担い手育成にも力を入れる。市は今月、県立安房拓心高で初めて鳥獣被害対策実習を実施。地元のハンターが協力して、園芸・畜産系列の3年生にわなの種類や仕掛け方などを教えた。参加生徒からは「命がけの仕事だと知った」「(わな猟免許が)18歳から取れると聞き、興味が湧いた」と好評だった。普段の生活でイノシシと出合ったらどうすればいいのか。館山市では市広報紙12月号に「寄せない」「刺激しない」「慌てない」の3原則を掲載。イノシシの性格や特徴を交えて市民へ注意を訴える。沖さんは「イノシシに出合ったら刺激せず、距離を取って逃げるまで待ってほしい」と呼び掛ける。

(カモ食害、スピーカーで撃退:青森)
全国有数のシジミ産地として知られる十三湖の沿岸で25日、高性能のスピーカーを活用してカモによる食害を防ぐ実証試験が始まった。数種類の音を鳴らしてカモを追い払う仕組みで、青森県弘前市の建設設備会社「アスアール」などが約1週間かけて効果を検証する。十三湖を拠点とする漁師は長年食害に頭を悩ませており、被害軽減の切り札になるか注目される。

(「クマ」撮影!AIの認識成功:福島)
人工知能(AI)がクマを検出する会津大の装置が、野生のクマ認識に初めて成功した。光とサイレンでクマを追い払い、その様子も動画で撮影した。同大が25日発表した。動画は同大ホームページで公開されている。クマは24日午前0時30分ごろ、会津坂下町長井の畑で検出された。動画は約30秒間で、柿を食べていたクマが驚いて逃げていく姿が撮影されている。装置を開発したのは斎藤寛上級准教授(45)らのチーム。小型カメラとセンサーが一体になっており、動物を撮影するとAIが学習した数万枚の画像と照らし合わせ、クマかどうかを判断する。クマと判断したら青色の光と音を発して追い払う。クマを検出した装置は、会津大の委託を受けて消費電力の削減などを進める同大発ベンチャーの子会社FaBo(会津若松市)が設置した。会津大の装置は静止画しか撮影できないが、同社はカメラを使用して動画を撮影できるようにしたという。斎藤氏は「クマの認識が技術的に可能なことが確認できた。今後の研究に期待が持てる」と話している。会津大は今回の撮影とは別に、県の委託を受けて会津美里町など3町村で実証事業を行っている。

(イノシシ被害いたちごっこ:鳥取)
鳥取市民の憩いの場、久松公園の米蔵跡(同市東町2丁目)で、「芝生がイノシシに荒らされている」との情報が読者から本紙に寄せられた。現地に行くと、芝生の至る所が掘り起こされ、一部では緑の芝が見当たらないほど。

(クマ出没特別警報を延長:新潟)
クマの出没が今年度すでに過去最多となっている新潟県内では、依然として目撃が相次いでいて県は、先月初めて出した独自の「クマ出没特別警報」を来年1月15日まで延長することを決めました。先月、新潟県関川村でクマに襲われた女性が死亡し、県は県民に警戒を呼びかけるため、初めて独自の「クマ出没特別警報」を出しました。27日、新潟県の対策本部会議が開かれ県の担当者が今年度のクマの出没件数が26日までに1739件とすでに過去最多となっていることや、依然として目撃が相次いでいることを報告しました。会議ではさらに、過去には12月にも人身被害が起きていることや、クマの生息域が人里近くまで広がり、気温が下がらずに冬眠の始まりが遅くなっている可能性も指摘され、特別警報を来年1月15日まで延長することを決めました。県は引きつづき、クマの出没地点には近づかず、単独行動を避け、鈴やラジオなど音の鳴るものを持ち歩くことや、エサとなる畑の作物や柿の実などを放置せずに収穫することなどを、呼びかけていくことにしています。新潟県鳥獣被害対策支援センターの神部淳 センター所長は「年末年始にかけて人の往来も増えることから帰省客や旅行者にも注意を呼びかけたい」と話していました。

(イノシシ対策教室:神奈川)
小田原市立曽我小学校(椿清一校長)は11月17日、県のかながわ鳥獣被害対策支援センターと協力し、全校児童向けに、イノシシから身を守る方法などを伝える特別授業を実施した。同センターの専門員らが来校し、イノシシの習性や、野生の親子の動画などを紹介。講師を務めた石川智弘さんは「イノシシに会ったら、焦らず、騒がず、ゆっくり後ろ歩きで逃げて」と呼び掛けた。椿校長によると、同校では10月頃、帰宅中の児童が野生のイノシシを目撃するなどしたことから、県に相談。鳥獣対策を伝える特別授業への協力を打診していた。椿校長は「今年は地域の方々からの目撃例も多かった。映像や具体例などを通じ、児童にも分かりやすく対策を伝えられて良かった」と話していた。

(「クマ出没」パトカーで追い払う:秋田)
今年のクマ目撃件数が秋田県内で最多の鹿角市で26日、住宅地近くでの出没を想定した訓練があった。鹿角署員や専門家ら17人が参加し、パトカーでクマを山へ追い払う手順を確認した。同市の総合運動施設アルパス付近にクマが出没し、福祉施設などがある住宅街に向かって進んでいる想定で行われた。署員1人がクマ役となり、県ツキノワグマ被害対策支援センターの近藤麻実さん(36)のアドバイスを基にパトカーを配置。住宅地と逆方向に誘導する流れを確認した。署員はクラクションを鳴らしながらクマを山に追い払った。近藤さんは「住宅地や施設など逃げてほしくない方向にパトカーを置けばクマが逃げ込むのを防げる。山への逃げ道の確保を考えながら誘導するのが重要だ」と助言した。同署の成田宏地域課長(41)は「クマを追うことに集中し過ぎると追い払いたい方向までふさいでしまう。市街地付近にクマが出たときに市民の安全を守れるよう努力を続けたい」と話した。県内の今年の目撃情報は26日現在で916件。鹿角署管内(鹿角市、小坂町)は133件で最多。人身事故は1件起きた。2016年には鹿角市で4人が相次いで襲われ死亡している。

(イノシシ捕獲術伝授、わな設置方法研修:島根)
島根県内の市街地でイノシシの目撃情報が増加する中、松江市猟友会(会員数207人)が市内の狩猟者を対象に、イノシシ向けのわなの設置方法を指導する研修会を28日、同市西忌部町の忌部自然休養村で開いた。参加した13人が、わなを仕掛ける手順やイノシシに近づく際の注意点について理解を深めた。県内では今年7月以降、同市や益田市といった市街地でイノシシの目撃例が相次ぐ上、負傷者も出ている。研修会は、狩猟者として50年以上の経験を持つ同会の細田信男会長(74)が、イノシシの足をワイヤーでくくって捕まえる「くくりわな」について解説。「木の根付近にわなを仕掛ければワイヤーが強く固定できる」など、イノシシを逃がさないための有効な仕掛け方を伝授した。わなにかかったイノシシを仕留めるために近づく際は「万が一わなから抜けても攻撃されないよう、必ず斜面の上方から近づくのが大鉄則」と注意を促した。イノシシに襲われた際の対処方法としては「イノシシの頭は銃弾よりも固い。棒などで耳部分を横から殴ると倒れる」と助言した。実習では、くくりわなで年間100頭以上を捕らえる会員の佐藤光国さん(68)がわなの設置方法を一から解説した。研修会は若手狩猟者の技術向上を狙い、市猟友会が毎年開催。今年10月末に狩猟免許を取得したばかりの同市鹿島町講武の会社員、布野祐樹さん(32)は「ベテランの設置風景を一から見るのは初めてで、とても参考になった」と話した。

(クマの市街地出没は1.8倍に:新潟)
クマの出没が相次ぐ中、NHKが、今月13日までにクマが出没した位置の情報を独自に分析したところ、ことしと同様に木の実が不作でクマが大量に出没した6年前と比べ、今年度は住宅地などでの出没がおよそ1.8倍に増えたことがわかりました。また、田んぼや畑など比較的人里に近い農地での出没件数もおよそ2.2倍に増えています。今回男性が襲われた場所も、もっとも近い山すそからでも2キロ以上離れている周囲に田畑が広がる集落で、山と集落との間には日本海東北自動車道の高架やJR羽越本線の線路も通っています。クマの生態に詳しい新潟大学農学部の箕口秀夫教授は、本来クマが生息する森林だけでなく、市街地なども自らの活動領域とする新世代のクマが現れているとして、エサとなる柿の収穫や、身を隠せるやぶの伐採など、人里に寄せ付けない対策の必要性を訴えています。

(鳥インフル、厳戒の冬:熊本)
渡り鳥が日本に飛来する季節を迎え、養鶏に脅威となる鳥インフルエンザが早くも各地で多発している。香川県に続き、25日には福岡県宗像市の養鶏場で九州の今季1例目が確認され、熊本の養鶏農家や行政機関は「いつ県内で起きてもおかしくない」と危機感を強める。豚熱など他の家畜伝染病への警戒も欠かせず、畜産業界は防疫対策に気を抜けない日々が続く。「ウイルス侵入を100パーセント防ぐのは難しいが、これまで以上に気を引き締めて防疫に努めてほしい」。福岡で鳥インフル感染が確認された25日、熊本県畜産課は畜産団体の担当者らを県庁に集め、厳重な警戒を求めた。県によると、県内の養鶏農家は165戸、飼養羽数は約672万羽。鳥インフルは2014年4月に多良木町、16年12月に南関町の養鶏場で発生したが、いずれも迅速な殺処分などで周辺への感染拡大を食い止めた。鳥インフルは、例年なら渡り鳥の飛来がピークとなる12月から増える傾向にあるが、今年は11月から確認が相次ぐ。農林水産省の家きん疾病小委員会は「全国的に例年より感染リスクが高い」と警鐘を鳴らす。過去に2度の鳥インフルを経験した県内の養鶏業界には、消毒などの基本的な防疫に加えて新たな対策に取り組むところもある。採卵鶏約1万1千羽を飼う合志市の緒方エッグファームは10月、飼養衛生の質を高める「農場HACCP(ハサップ)認証」を2年半がかりで取得。責任者が不在の時でも、従業員が鶏の異常を県に通報する手順をマニュアル化した。14戸が加盟する県養鶏農協(合志市)は、ウイルスを媒介する小動物が養鶏場周辺で増えるのを防ぐため、職員が11月に狩猟免許を取得した。箱わなを使って小動物を捕獲し、感染リスクを減らす考えだ。鶏舎に動物の侵入路や防疫上の不備がないかなど、仲間同士の見回りや点検にも力を入れる。草野貴晴副組合長(52)は「感染が起きたら、あとは殺処分を見守るだけになる。生産者は予防に手を尽くすしかない」と表情を引き締める。万が一、鳥インフルが発生した場合には、資機材やマンパワーを迅速に投入し、初動段階でウイルスを封じ込めることが感染拡大防止のかぎになる。県は6日、運送業者らと防疫資材を発生地に運ぶ演習を熊本市で実施。この時期は同様の訓練を各地で催している。畜産の現場を脅かす家畜伝染病はほかにもある。国内では豚熱が中部や関東、沖縄などに拡大。韓国や中国など東アジアでは、10年前に宮崎県で猛威をふるった口蹄疫[こうていえき]や、致死率が極めて高いアフリカ豚熱が続発している。こうした状況に畜産地域の危機感は強い。JA菊池は本年度、牛や豚を飼養する組合員約300戸を対象に、消毒用の動力噴霧器を割安で購入できる支援策を始めた。国の補助事業を活用し、JA自らも資金を出す。三角修組合長は「新型コロナと同じく、目に見えないウイルスは対策が難しいが、農家が大切に育てた家畜を殺処分することがないよう全力を尽くす」と決意を語る。

(イノシシ捕獲、最多ペース:愛知)
犬山市の駆除要請で捕獲されたイノシシが四~十月で百四十四頭に上ることが分かった。十一年前に統計を取り始めて以来、最多のペースで、市は来年三月までの本年度内に二百五十頭に達する恐れがあるとして、捕獲のための追加予算を十一月定例議会に提案した。二〇〇九年からの統計で過去最多だったのは百八十一頭(一八年度)。この年は県の要請で別に三頭捕獲された。今年はそれを上回りそうな勢いとなっている。

(クマ人身被害、全国最多26人:岩手)
全国でクマの目撃が相次ぐ本年度、本県の人身被害数が全国最多の24件26人(10月末時点)に上った。記録が残る1993年度からの県内最多を更新し、県は対策の一環で21年度(今年11月から来年10月)の捕獲上限数を過去最多の546頭に設定。ハンターの高齢化に加え、シカなどの鳥獣被害対応に人手が割かれ対応には限界も。識者は「中山間地域の衰退や森林荒廃などの地域課題を解決しなければクマ被害は減らない」と長期的な対策を訴える。県によると、本年度の出没数は10月末現在3144件で12年以降最多。26人が負傷するなど被害も深刻で、環境省のまとめでは人身被害は本県26人、新潟14人、福井と石川12人の順に多かった。

(クマ出没警報延長:秋田)
秋田県は27日、全県を対象に発令中の「ツキノワグマ出没警報」を12月末まで延長すると発表した。11月の目撃件数(23日現在)が平年の2・5倍の38件となっているため。冬眠前まで食べ物を求めて人里に出没する可能性があることから、引き続き警戒を呼び掛けている。県自然保護課によると、本年度の目撃件数(23日現在)は911件で、前年同期を250件上回っている。近年クマの生息域が広がる中、今年はブナの実などが一部地域で不作となり、人里に出没する一因となっている。今月も住宅地近くや学校周辺でも目撃が相次いでいる。

(イノシシ入った田んぼのコメは臭い、「今年は売り物にならず」:岩手)
岩手県内でイノシシによる被害が深刻化している。県によると、2019年度の農業被害額は1800万円(速報値)、捕獲頭数は346頭となり、いずれも過去最高・過去最多を更新した。専門家は、捕獲だけに頼らず、畑の周囲を刈り取ったり農作物の放置をやめたりするなど、環境面での対策を講じるよう呼びかけている。「嗅覚は人間の何倍でしょうか」。10月下旬、滝沢市が開いた鳥獣対策セミナーで、農家ら45人がイノシシの特性をクイズ形式で学んだ。「100万~1億倍」という答えが明かされると、どよめきが起きた。参加した男性会社員(32)は今年、実家が所有する市内の田んぼを踏み荒らされた。ダニや寄生虫を落とすために泥を浴びた跡の「ヌタ場(沼田場)」もあった。例年、稲刈りは業者に委託しているが、今年は「イノシシが入った田んぼのコメは臭くなる」と刈り取りを断られた。毎週末、実家で稲作を手伝うのを楽しみにしてきたが、「今年はほとんど売り物にならなかった。何とか対策を考えないと……」と肩を落とした。イノシシの生息域は年々北に広がる傾向にある。県のまとめによると、捕獲実績がある自治体は14年度まで一関市のみだったが、19年度は葛巻町や金ヶ崎町、大船渡市など7市町で初めて捕獲された。滝沢市でも16年に初めて目撃情報が寄せられ、今年度は10月23日時点で47件の目撃や被害が報告されている。岩手大の青井俊樹名誉教授(野生動物管理学)によると、イノシシは約100年前は県内の広範に生息していたが、明治政府などの捕獲事業で一度は絶滅した。だが、県外で捕獲の勢いが弱まったことに加え、地球温暖化の影響もあり、生息域が回復しつつあるという。青井名誉教授は「中山間地域の過疎・高齢化で、集落に出やすい条件も整ってきた」と話し、今後は県北でも出没が増える可能性があるとする。農林水産省の農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーを務める雫石町の谷崎修・農林課主任は「イノシシは耕作放棄地をベースキャンプ(生活拠点)として行動範囲を広げてきた」と指摘する。雑食性でドングリやカエル、ネズミなどを食べるが、近年は農作物を求めて人里に現れる個体が増えたという。被害は農作物にとどまらない。同町の雫石ゴルフ場では17年頃から深夜に現れ、芝生を掘り返す被害が起きている。18年に電気柵やネットを設置したが、今年9月に再び被害が出た。担当者は「土中のミミズを食べに来ているのではないか。幸い営業に影響はなかったが、芝を埋め戻さないといけない」と頭を悩ませる。谷崎主任は対策について、〈1〉環境整備〈2〉侵入防止柵の設置〈3〉捕獲――の3段階で行うべきだと助言する。まず、畑の周辺で雑草の刈り取りをこまめに行い、山と畑との間に「緩衝地帯」を設けるほか、農作物の放置をやめる。次に、電気柵を設置するなどして、畑に侵入を試みる個体に「痛み」を覚えさせる。一通りの対策を講じても被害がなくならない場合、最終手段として捕獲を行う。谷崎主任は「捕獲実績が上がっても被害額は減らない。『やられたから捕れ』ではなく、イノシシとのすみ分けを考える必要がある」と指摘した。

(イノシシ被害、今年も:山形)
「今年もか…」。土が掘り返され、荒れ放題の芝生を前に男性は表情を曇らせた。管理を担当する山形市馬見ケ崎プール「ジャバ」東側の公園はイノシシによる被害で異様な光景が広がる。現場の北側に侵入防止のフェンスを設置したものの被害は拡大。市民の憩いの場でもあり、人への危害も心配される。市とジャバの管理事務所によると、被害があったのは遊具などがあるジャバ東側のジャバランド(広さ約7千平方メートル)や河川敷の一部で、被害面積は約2千平方メートルに上る。ミミズなどのえさ探しで芝生が深さ10センチほど掘り返され、牙を研ぐためか芝生とコンクリートの境目もえぐられている。イノシシはもともと日中に行動する習性を持つ。18日昼、校外学習で児童と公園を訪れていた山形市東小の佐藤卓生教諭(54)は荒れた芝生を見て、「子どもたちの前に出てこないか不安だ」と話し、引率中も周囲に注意を向けていた。同事務所の金子実所長によると、掘り返しは4年ほど前から発生。今年は10月2日以降に確認され、被害は拡大し続けている。公園の遊具近くにも及び、やぶから離れた場所でも注意が必要だ。県みどり自然課によると、県内のイノシシの推定生息数は2018年度が約7800頭で、調査を開始した16年度の約3200頭から急増。捕獲数も増えているが、頭数の増加に歯止めがかかっていない。現場付近は鳥獣保護区に指定され、わなや猟銃による駆除にも制限があるという。公園を管理する市公園緑地課は「11月に山際に設置したフェンスの効果など様子を見て再整地を検討する」と説明。入り口以外をネットで囲った川沿いのグラウンドゴルフ場は効果が出ているというが、「敷地全てをフェンスで囲うのも公共施設としていかがなものか」と困り顔だ。今年行った埋め直しには約50万円の費用がかかったという。現場周辺は散歩をする市民も多く、馬見ケ崎川の対岸には住宅地が広がる。イノシシが川を渡っているとの情報もあり、人的被害への懸念は高まっている。周辺の双月町などでもイノシシの目撃や農作物の被害が相次ぎ、市は鳥獣保護区の規制を一定の期間緩和し、一斉駆除も検討するとしている。イノシシは背中を見せて走ると追い掛けてくる恐れがあるため、県は、遭遇した際は、正面を向いたままゆっくりと後ずさりして離れることを呼び掛けている。鈴やラジオなどの音で人の存在を知らせることも有効という。

(“新世代グマ”データで裏付け:新潟)
ことし、ショッピングモールや病院の敷地など人里でのクマの出没が相次ぎ、新潟県と秋田県では死者も出ました。このうち新潟県では、ことしと同じように木の実が不作だった6年前と比べ、住宅地などでの出没がおよそ1.8倍に増えたことがNHKの分析で分かりました。ことし、全国各地でクマの出没が相次ぎ、新潟県では女性が農作業中に襲われ死亡し、秋田県でも女性が町の中心部で襲われ死亡するなど人身被害は過去最悪のペースとなっています。こうした中、NHKでは、新潟県が毎年度まとめているクマの出没地点の位置情報と、国土交通省が公開している土地を種類ごとに区分けした地図を重ね合わせ、出没傾向の変化を分析しました。比較したのは、今月13日までの今年度の出没地点のデータと、ことしと同じように木の実が不作で出没が増えた平成26年度のデータです。分析の結果、住宅地など建物が集まる場所での出没件数が175件から308件と、およそ1.8倍に増えました。また、田んぼや畑など農地での出没件数が244件から545件と、およそ2.2倍に増えています。さらに、クマが人里に降りる経路とされる川など水辺での出没は5件から100件と、20倍に増えています。一方、クマの本来の生息地と考えられる森林での出没は415件から552件と、およそ1.3倍増えましたが、増加幅はほかの場所と比べ小さくなっていました。この結果について、クマの生態に詳しい新潟大学農学部の箕口秀夫教授は「クマが人里、市街地なども自分たちの活動領域と認識をしている“新世代グマ”が増えている。どこでもクマに出会う可能性があるし、クマの方から近づいてくる。クマを寄せつけない対策を考えなければならない」と話していました。

(シカと衝突事故多発、注意呼び掛け:静岡)
野生のシカと車が絡む物損交通事故が、浜松市北区内で今年九件発生している。細江署が二十六日発表し、通勤や行楽のドライバーに注意を呼び掛けた。署によると、九件は二〇一九年通算の五件を大きく上回る数字。うち八件は夕暮れから未明にかけて発生した。現場は、同区引佐町伊平の新東名高速道路・浜松いなさインター入り口交差点南五百メートル前後の坂路区間に集中。車や人がほとんど通らない国道旧道が複数箇所で交差し、ガードレールが途切れることから、野生動物が出没しやすいと考えられる。署では「早めのライトオンと先行車・対向車不在時のハイビーム活用」「動物の飛び出しを想定し、速度を控えめに走行を」と呼び掛けるとともに「むやみなハンドル操作による回避は、車両横転など重大な人的被害を招く恐れがある」と、冷静な対処をドライバーに求めている。

(イノシシ1頭に驚きの報奨金が!)
毎年秋から翌年の春にかけては狩猟シーズン。地域や猟区か否かによって多少のバラつきはあるものの、鳥獣保護管理法で定められた狩猟期間は鳥類や獣類の捕獲が認められている。ハンターには専業でやっている人も一部いるが、大半は他の仕事との掛け持ち。実は、副業としての狩猟が近年密かな注目を浴びており、平日は会社員、土日はハンターという生活を送る人も増えている。ちなみに狩猟免許は、散弾銃やライフル銃を所持するための「第一種猟銃」、空気銃を対象とした「第二種」、罠を仕掛けるのに必要な「わな猟」、鳥類などを網で捕まえるのに欠かせない「網猟」の主に4つがある。猟銃とわな系の免許を両方所有する方も多いが、初心者にはわな猟のほうがハードルは低いという。「猟銃はコストもかかるし、扱いや保管にも細心の注意を払わなければなりません。その点、わな猟は設置したポイントを確認するだけでOK。獲物を追い求めて山に長時間入る必要もなく、効率的に猟ができます」そう語るのは、副業狩猟歴5年の30代会社員。もともと狩猟に興味があったそうで、免許取得後は実益を兼ねてわな猟を行っているとか。「私が使用するのは、作動すると動物の足にワイヤーが絡みついて動けなくなる『くくり罠』。安いやつは1個2000~3000円で買えますし、軽量で持ち運びにも便利なので一度に複数の場所に仕掛けることができます」昨シーズンは秋~翌春の狩猟期間に月2回ほど山に入り、シカやイノシシなど11頭を捕獲。20万円以上の収入になったという。「市町村と県、国から報奨金がそれぞれ出て、販売可能な状態であれば解体業者からも少しですがお金がもらえます。報奨金の額は自治体によって異なりますが、シカだと1頭2万円~2万5000円、イノシシだと1万円~1万5000円。なかには月に数十万円稼ぐ人もいますし、副業としてもオイシイですよ」。獣肉はジビエ用やドックフードの加工用など需要は近年増えている。住んでいるのが東京のような都心だと難しいが、近くに山がある郊外や地方の方なら週末限定ハンターも可能なはず。こんな二重生活も悪くないかもしれない。

(鳥獣被害対策シンポジウムを開催いたします:福島)
近年、福島県内では連日のように鳥獣被害に関する報道がなされ、特に東日本大震災以降、避難を余儀なくされた浜通り地方で深刻化しています。そのため、今年度、「大学等の復興知を活用した福島イノベーション・コースト構想促進事業」の一環として、福島県浜通りにおける鳥獣被害対策に関する情報共有や意見交換を行うために鳥獣被害対策ネットワークを立ち上げました。この問題は、一専門分野あるいは一大学で解決できるものではなく、様々な分野の専門家が知恵を寄せ合い、大学間で連携することにより、課題解決の糸口が早期に見出せるものと思います。そこで、本ネットワークは、慶應義塾大学、東京大学、東京農業大学、東京農工大学、東北大学、長崎大学、日本大学、福島大学(50音順)の8大学で構成することとしました。この度、浜通りの鳥獣被害の実態解明とその対策について、本ネットワークのメンバーが活動してきた内容を公表し、ディスカッションを行うことで、地域の皆様とこの問題を共に考えるシンポジウムを企画しました。皆さま方の奮ってのご参加をお待ちしております。

(ニホンザルの保全と管理「これから求められる人材育成」)
ニホンザルをはじめ多くの野生動物による軋轢が増加している。農業被害や生活被害、精神被害に加えて市街地への出没、侵略的外来種の定着と増加、感染症によるリスク、地域的な分布の拡大と消滅など様々な問題が発生している。一方、少子高齢化する農山村では対策の遅れなど地域による課題が山積している。専門的な立場から、ニホンザルをはじめとした野生鳥獣による問題解決を支援する活動は重要である。そこで自由集会では、一般社団法人ニホンザル管理協会が進める活動を紹介する。本協会は、大学に所属する研究者と民間の調査会社に所属する実務者で構成している。活動は主に対策技術の向上と担い手の育成をサポートし、人と野生鳥獣の問題を解決に導くことで、持続的に共存できる地域づくりを目指している。また、全国の行政・学術団体・市民・農林業従事者・事業者等の連携を促進し、社会課題の解決と地域の創生に寄与することを最終の目的として活動している。ニホンザル管理協会が目指しているニホンザルの保全や管理、そして後継者育成について課題を整理し、関係学会との連携をどう進めるべきか、最新の情報を共有しながら議論を進めたい。

(国立公園のエゾシカ対策で初会合:北海道)
道東の阿寒摩周国立公園でエゾシカによる食害が問題となっていることを受けて、環境省などでつくる協議会が設置され、関係機関が連携して対策にあたることを確認しました。この協議会は阿寒摩周国立公園や周辺地域でのエゾシカ対策を効果的に行おうと設置され、弟子屈町で開かれた初会合には、環境省や地元自治体、それに自然保護活動に取り組む団体などの担当者が出席しました。この中では環境省の担当者がエゾシカ対策の実施計画案を説明し、モニタリング調査を行うための被害情報などを共有することや、各機関や団体ごとに役割を分担して対策を行うことなどを確認しました。その上で、国立公園の周辺も含めた広い地域で対策の効率化を図る方法などを検討することになりました。環境省の釧路自然環境事務所の田邉仁所長は「関係機関が情報を共有して対策を共同で進めていき、効果を高めていきたい」と話していました。

(クマ捜索、ドローン活用:石川)
クマの被害を減らそうと、石川県で自治体や消防の小型無人機ドローンの活用が進んでいる。体温を感知できる赤外線カメラを搭載し、草むらや暗がりに潜むクマを発見、爆竹で追い払ったケースもある。全国的にも珍しい試みで、クマ対策の「切り札」となるか注目される。一見、何もいない茂みを赤外線カメラで撮影するとクマの姿が赤紫色に浮かび上がった――。11月13日午後、小松市で体長約1メートルのクマが目撃されたとの情報が入ると、市消防本部はドローンで上空から捜索を開始。間もなく目撃場所近くの茂みでクマを発見した。この時は爆竹を鳴らして山に追い返した。翌日夜、住宅の軒先に現れた別のクマの追跡にもドローンが役立った。環境省によると、4~10月のクマによる人身被害は26人の岩手、14人の新潟に次いで福井と石川が12人で並ぶ。目撃が相次ぐ石川県加賀市では、ドローンによる通学時間のパトロールを始めた。10月に市内の商業施設にクマが立てこもった際も、市の小型ドローンを店内に飛ばしてクマの大まかな位置を把握するのに一役買った。金沢市も捜索にドローンを使い、能美市はクマへの緊急対策として11月に飛行時間の長いタイプのドローンを導入した。小松市消防本部の担当者は「クマ出没が増えているが、猟友会は高齢化や人手不足が深刻。ドローンへの期待は大きい」と強調する。総務省消防庁によると、19年6月時点で全国計726消防本部のうちドローンを保有するのは3割弱の201。徐々に増えているが、主な目的は災害時の救助や火災調査での活用だ。同庁担当者は「『クマ対策に役立つ』という報告は、昨年まではなかった。新たな活用法として注目したい」と話している。

(クマ捕獲数の上限一時引き上げへ:石川)
クマの市街地への出没が相次いでいることなどから、県は、管理計画で定めている捕獲数の上限をことしに限って一時的に引き上げる計画を進めています。県は、2018年度から4年間のツキノワグマの管理計画で、個体数を目撃件数などから1052頭前後と推定し、生態系への影響を考慮して1年間の捕獲数の上限を、推定個体数の12%にあたる126頭としています。ことしは、市街地へのクマの出没が相次いでいて、これまでに15人が襲われる被害が出ていることなどから、11月15日の時点で140頭が捕獲され、すでに1年間の上限を超えています。これを受けて県は、人への被害を抑える必要があるとして、捕獲数の上限をことしに限り一時的に250頭まで引き上げる計画を進めているということです。クマの管理計画は、4年ごとに更新され、県も2022年度からの計画に向けてクマの生息状況を調査していましたが、計画の途中で捕獲数の上限を引き上げるのは過去に例がないということです。県自然環境課は「個体数の管理を前提としつつ、人への被害は防ぎたい。クマは引き続き目撃されているので、県民には被害を防ぐ対策を進めてほしい」としています。

(全国初のボーガン規制条例:兵庫)
兵庫県宝塚市や神戸市で今夏、ボーガン(洋弓銃)が凶器とされる事件が相次いだのを受けて制定された県のボーガン規制条例が、12月1日に全面施行される。新条例により、ボーガンを所有する全ての県民に県への届け出が義務付けられる。従わない場合は、5万円以下の過料が科される。ボーガン所有の届け出を義務化する条例は全国で初めて。県内では6月、宝塚市の民家で家族ら4人がボーガンで撃たれて3人が死亡。殺人容疑で住人の男(23)が逮捕された。さらに7月には神戸市兵庫区で、女(33)が夫を撃ったとされる殺人未遂事件も起きた。新条例は、規制の対象を「弦を引く力が30ポンド(約13・6キロ)以上」と定め、ほとんどのボーガンが含まれる。12月1日以降に新たに取得する人は14日以内に、11月30日以前からの所有者は12月30日までに届けが必要。ボーガンを所有する県外からの転入者は30日以内に届けなければならない。届け出は、県のホームページに12月1日から掲載される用紙に住所や氏名などを記し、メールやファクス、郵送で提出。持参も可能で、電子申請での受け付けも予定する。新条例ではボーガンの販売業者に対しても、県の立ち入り調査を拒否した場合などに5万円以下の過料を科し、購入者にボーガンの危険性などを伝えることも義務付ける。18歳未満への販売や貸与は、県青少年愛護条例により禁じられている。県地域安全課によると、県内では11店舗がボーガンを取り扱っているという。同課は新条例のポスター4千枚とチラシ30万部を作り、周知を図る。インターネットで「ボーガン」などの言葉を検索すると、県のサイトが表示されるネット広告も用意した。県のポスターを掲示した神戸市内の販売店の男性店長は「届け出義務化でボーガンを買う人は減ると思う。商売的には悩ましいが仕方がない」と話していた。

(画像認識を用いてイノシシによる農作物被害の低減・作業員の負担軽減:熊本)
富士通株式会社は、画像認識技術や自動通知機能を活用して、鳥獣による農作物被害に苦しむ自治体のイノシシの雌や成獣のみを効果的に認識し捕獲することで、農作物被害を低減。鳥獣による農作物の被害は年間約200億円前後となり、深刻な問題となっている。高齢化に伴う量子の減少から、鳥獣(特にイノシシ)の捕獲は箱罠で行われている。箱罠は食べ物で柵の中に誘い込み捕獲する方法で、危険は少ないが、毎日の見回りは必須。そのため、見回り作業の負担軽減は求められていた。また、イノシシの数は年々増加しているため、成獣や雌を効果的に捕獲することが求められていた。

(くくり罠づくりワークショップ:茨城)
狩猟(わな猟)で使う、くくり罠をつくりが体験できるワークショップを開催します!罠の種類は「押しバネを利用した、横引きに作動する踏み込み式のくくり罠」です。狩猟の情報交換もできればとも思っております。狩猟免許がない方でも参加できますので、興味のある方は是非よろしくお願いいたします!

(マタギ養成講座:新潟)
・マタギの文化歴史講座・マタギと歩く!獲物の見つけ方講座・雪国観光の素晴らしさ発見講座・ジビエガストロノミー講座

(LED投光器(ホロライト)を用いたムクドリ対策プロジェクト:静岡)
浜松市では、データ連携基盤「FIWARE(実証環境)」を活用した実証実験プロジェクト「Hamamatsu ORI-Project」を実施しております。このHamamatsu ORI-Projectの採択プロジェクトの一つとして、街中において以前から課題となっているムクドリ対策について、パイフォトニクス株式会社(浜松市東区)の開発したLED投光器(ホロライト)を活用したムクドリ対策実証実験を実施しております。本プロジェクトの第2回実証実験の日程、及び内容が決まりましたのでお知らせいたします。第1回の実証実験ではLED投光器(ホロライト)によるムクドリ追い払い効果の確認を行いましたが、第2回の実証実験ではムクドリの動きをカメラで撮影し、ムクドリの画像データを数値化しAI技術を用いて光照射アルゴリズムを変化することでムクドリの慣れを防ぐことを目的として実施いたします。

(クマの餌、実る樹木を:徳島)
クマなどの野生生物が生息可能な森の再生に取り組んでいる自然保護団体「日本熊森協会」の県支部が設立された。協会は徳島、高知両県境付近にある山林でクマの餌が実る樹木を育てる取り組みに着手しており、活動に協力してくれる人を募っている。「(動物の絶滅は)段階的でなく、ある時突然いなくなる。ほとんどが人間の捕獲や生息地を壊されたために絶滅している」。県支部設立を記念し、徳島市内で14日に開かれたシンポジウムで協会の担当者がそう訴えた。

(広がるクマ生息域、全国事故多発)
本州でツキノワグマに人が襲われる事故が相次いでいる。環境省によると、今年4~10月の被害者は130人で、過去最多となった昨年度の154人を上回る勢いだ。10月には新潟県と秋田県で死者も出た。背景には農村部の過疎化が進み、人が立ち入らない場所が増えた結果、クマの生息域が人里近くまで広がったことがあるとみられる。ヒグマも状況は同じで、道内の専門家は「ヒグマを市街地に近づけない対策が必要だ」と訴えている。「山にえさがないから出てくるわけではなく、すでに人家の裏山までクマの生息域が広がっていると考えるべきだ」。秋田県自然保護課の近藤麻実主任(36)は、県内のツキノワグマの状況をこう分析する。

(命懸けの「クマたたき」は戦略の失敗)
各地で市街地へのクマの出没や人身被害が相次いでいる。環境省は10月26日、農林水産・林野・警察の各省庁と対策会議を開き、連絡体制の整備、注意喚起、早期の備え、誘因物の除去といった対策を示した。報道を見る限り、国は従前のクマ対策を抜本的に見直すつもりはないようだ。相変わらず、ポイントがずれており、対症療法の域を出ていない。(元日本動物園水族館協会会長=山本茂行)。私の住む富山県は2004年、クマが大量出没し、全国で一番多くの人身被害を出した。富山県の里山、呉羽(くれは)丘陵にある動物園「富山市ファミリーパーク」の園長として、私はそのころから、里山と人と野生動物の問題をライフワークの一つとしてきた。そして、クマの生息域や個体数、生態についての詳細な動態的分析と評価、それに基づく対クマ戦略の構築の必要性を繰り返し訴えてきた。そうした活動の中で得た知見によれば、クマ出没の原因を山の堅果(クリ、カシなど)の凶作による餌不足とし、人家周りの果実の除去や廃棄農作物の処分の徹底を叫ぶのは、お門違いと言わざるを得ない。山の木の実が豊作・凶作をイレギュラーに繰り返すのは自然の姿だからだ。問題は凶作の年に山の餌資源では足りないほどクマがいることなのだ。強いクマに山は独占され、弱いクマは町に出て柿を食わざるを得ない。クマの数の多さが要因なのだ。行政も研究者もそこに立ち入らない。だが、それは数字がはっきりと示している。環境省は10月23日、直近5年間の「クマ類の出没情報について」、直近13年間の「クマ類による人身被害について」、同「クマ類の捕獲数(許可捕獲数)について」の速報値を公表した。要約すると以下のようになる。①今年8月と9月の出没件数は5802件。この5年間で一番多かった昨年同時期より980件増えている。②人身被害は13年間で1195件。全国で毎年100件近くの人身被害が起きていることになる。③13年間のクマ類の捕殺頭数は4万198頭。全国で毎年約3100頭のクマが駆除されていることになる。狩猟による捕殺を含めると、毎年約3200頭のクマが命を落としている。それだけ捕殺しても出没が減らず、生息域も広がっているとすれば、減る数より増える数が相当上回っているとみるしかない。これまでのクマ対策では、このことが議論されていない。山にはクマがあふれている。なぜこんなことになったのか。戦後の高度成長期に、外国に資源を求めて燃料や肥料、食料、資材を地域の山に依存する生活様式が消えていった。収奪されなくなった森林は成熟していく。さらにその後は、過疎化・高齢化で山から人そのものがいなくなる。山の資源も土地もクマたちのものになった。それが半世紀も続いている。そんな中でクマの数が増えないはずがないのだ。これからもっと増えていく。人の手が入らず荒れるに任せた里山。やがて森や繁みに呑み込まれ、それは市街地を包囲していく。市街地のすぐ隣が、クマたちの新たな移動域、生活の場となっていく。かくして人とクマとの境界線が薄くなり、人やその環境に慣れたクマたちが現れてくる。不幸にして市街地にさまよい出たクマは、工事現場や大型商業施設にも出没し、逃げ場を失い、迷いこむ。これが一番危うい。クマは逃げるために人を襲う。危険は山ではなく、むしろ市街地にある。「まさかこんなところにクマが。何十年住んでいるがクマなど見たこともない」。こんな地元の人の声がいつもメディアを通じて流れる。この認識は即刻、改めるべきだ。既に市街地のすぐそばでクマが暮らしている。クマよけの鈴を鳴らしてみても始まらない。この人とクマの関係を、戦国時代の戦(いくさ)に例えてみよう。人間軍はクマ軍団の戦力(占領地面積、兵の数、兵の補てん・増強力、兵糧、兵站)を分析しないで放置し、水際の市街地までの接近を許した上で、裸のお城で籠城戦をしている。他方、クマ軍団は1日24時間のすべてを、生存のために使っている。その生き方は教科書に書いてあるようなスタティックなものではない。知恵を働かせ、したたかに生き方を変え、個体数を増やし、領土を広げていく。クマの生存力を侮ってはならない。この事態を人間側は、クマが冬眠する冬になったら忘れ去り、目覚める春になって再び慌てふためく。国や自治体はいまだに、人家周りの柿の実の除去や廃棄農作物の処分の徹底を叫ぶだけ。はなから完璧な負け戦だ。喫緊の課題は、クマの数や動向を調べること。そして山のクマの適正個体数を、豊作年ではなく凶作年を基準にしたものに調整しなければならない。そのうえで、地域に見合った先手必勝の被害防止対策をすることだ。具体策としては、境界ベルトの構築、IT技術等を駆使した探知・追い払い、啓発、捕殺の判断と実行が可能な対クマ組織の構築だ。それには金も人手も技術もいる。組織もネットワークも欠かせない。予算不足の自治体は「まさか」という事態が起きるまで腰を上げない。霞が関の官僚や政治家は、地方に住む民の不安が分からない。だが、それをやらないと、クマはこの先もずっと出没する。いつまでも市街地で、モグラたたきならぬ、命懸けの「クマたたき」を繰り広げることになる。毎年約3200頭のクマが殺され、約100件のクマによる人身被害が起きている。それでも安心安全な国といえるのか、住みよい豊かな地域と見るのか。その基本認識によって、発想や動き方は変わってくるだろう。国民が幸せな生活を送ることに、政府は責任を負っている。国民に安全な暮らしを保障できないなら、抜本的な対策に乗り出すべくかじを切らねばならぬ。国防よりも具体的で身近でずっと続く問題なのだから、予算をかけるべきだ。日本の知恵と技術と人の力をもってすれば、クマ問題の解決は決して難しくはない。それは国土を豊かにし、人と自然の良好な関係を築くための、未来への先行投資にもなるだろう。

(猟友会が「害獣駆除の決定打にならない」理由)
日本各地で相次ぐクマやイノシシによる獣害被害。街に下りる動物たちを駆除するのは、地元の猟友会だ。では、彼らのおかげで獣害被害が減っているかというとそういうわけでもない。「猟友会が害虫駆除の決定打になりえない理由」を、森林ジャーナリストの田中淳夫氏が解説。新書『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』より一部抜粋・再構成してお届けする。このところ、日本各地でクマによる獣害が多数報告されている。それらの報道に必ずといっていいほど登場する組織がある。猟友会である。「地元猟友会によって射殺」という文字列は多くの人が見たことがあるだろう。なぜ彼らが獣害の現場にいるのかといえば、有害鳥獣の駆除には専門的な技術が不可欠であり、その技術を持つのはたいてい猟友会に所属する会員だからだ。また、有害駆除を行うには役所からの依頼がなければならないが、その窓口もほとんど猟友会となっている。こうした事情が相まって、獣害が激増する中で注目を集めている猟友会だが、寄せられる期待に反して、その実態は知られていない。時に危うい現実が浮かび上がる。2020年3月、環境省は、南アルプス国立公園のシカの頭数管理を行っていた山梨県猟友会が「捕獲頭数などを大幅に水増しした報告書を提出していた」と告発した。そして2018年度までの6年間で約1300万円を過大に受け取っていたとして、猟友会に過大受給分の返還と損害金を請求した。猟友会側は、公園外の駆除に従事した分を“誤認”して請求してしまったミスとしたが、返還に応じる意向だ。鹿児島県霧島市でも、地元の猟友会が2013年から3年間でイノシシなど有害鳥獣の捕獲数を水増しして報奨金をだまし取った疑いで告訴されている。報奨金の受給には、駆除個体の写真を添付した報告書のほか、個体の尾と耳の現物を提出するのが普通だが、同じ個体を別の角度で撮影して複数の個体に見せかけるほか、尾と耳は、駆除ではなく猟期に捕獲したものを保存しておき提出するなどしたらしい。不正受給は少なくとも300件以上とみられ、金額にして数百万円に達すると思われる。実は、駆除事業に関する事業費や報奨金などの受給に関する不正事件は、枚挙にいとまがない。表沙汰にならない分も含めて各地で発生している。いずれも駆除頭数や出動回数・人数の水増しなどが手口だが、獣害の駆除事業では不正が横行していると言ってよい。そして、その当事者の多くが、猟友会の会員なのである。金銭だけではなく、狩猟のルール違反も犯すこともある。人家の近くや周囲の確認を怠った発砲により、人身事故も発生している。また駆除個体は、基本的に焼却か埋没させないといけないが、山から担ぎ下ろすのは大変な労力だし、山の中で穴を掘って埋めるというのも現実的ではない。多くが放置か、せいぜい土をかける程度だろう。しかし、それでは腐乱した死骸が水などの環境を汚染するだけでなく、クマなどの餌となって誘引するケースが報告されている。日本は有害鳥獣の駆除については猟友会に頼らざるをえない状況にある。そうした責任ある立場にもかかわらず、なぜ不祥事は頻発するのか。そこで本稿では、猟友会という組織に実態について考えてみたい。まず猟友会の説明を行っておこう。肝心なのは、猟友会は獣害対策を担う組織として存在するのではなく、基本は「狩猟愛好者の団体」であるということである。まず市町村レベルの地域の猟友会があり、それをまとめた都道府県猟友会、そして全国組織の一般社団法人大日本猟友会が存在する。狩猟の適正化や野生鳥獣の保護、会員向けの共済事業などを目的として掲げている。地域の猟友会もたいてい任意団体だ。狩猟愛好者と記したとおり、本来は狩猟を趣味とする人々の集まりにすぎない。ハンターの加入は任意であり、専門的な教育や訓練を受けて加入するわけではない。銃や罠の免許を持っていたとしても、野生動物の生態や有害駆除に必要な知識を学ぶ場があるわけでもない。そうした技術や知識は、猟友会の先輩たちから教えてもらうのである。ある意味、徒弟制度である。現在猟友会が期待されているのは、「有害鳥獣駆除の担い手」としての側面だろう。ここで狩猟と有害駆除の違いについて認識しておかねばならない。狩猟は、趣味である。たとえば、複数のハンターが獲物を山中で追いかけて仕留める巻狩(まきがり)では、一日中山を駆けずり回って仕留められるのは1~2頭だろう。これは野生動物と向き合い、対決することを楽しむ面が強い。そして仕留めた獲物の肉などを採取して、今風に言えばジビエとして食すことを楽しみとする。獲物の解体などの技術も、先輩から習う。しかし有害鳥獣の駆除は、もっと効率よく獲物を仕留めなければならない。加えて、一般の人には罠にかかった獲物の息の根を止められないため、処理を頼まれることも多い。箱罠などにかかったイノシシやシカ、ときにクマを仕留めるのはあまり気持ちのよくない作業だろう。逃げられない獣を至近距離で撃ったり、ときに槍で突いたり棒で殴ったりするのだから。動物と対等に向き合うのではなく、命あるものを殺す辛さがある。しかも、地域のためと思って要請に従って行う作業なのに、世間の白い目が向けられがちだ。また、市街地に出没したクマを人家近くで撃ったために、狩猟免許を剥奪された“事件”があった。請われて出動し、人々を危険から救うために駆除したのに、こんな目にあったのでは猟友会の人もたまらないだろう。加えて、銃の所持や資格維持の手続き、猟犬の飼育など、経費も手間も馬鹿にならない。猟友会とは、それらを負担しても狩猟をやりたい人が参加するものなのだ。そもそも猟友会にとって、有害駆除は仕事を休んで出動するボランティア・社会貢献活動に近いものだった。猟友会の駆除に対する認識が変わったのは、駆除に対する報奨金の額が高まったことがきっかけだろう。以前は「経費にもならない額」と嘆かれていたが、いまや1頭2~3万円まで値上げした地域もある。これならやる気になるというものだ。そのためか、猟友会のなかでは、誰が有害駆除に出動するか奪い合いになるケースもあるそうだ。そこに序列のようなものが生まれ、古参ばかりが権利を行使するようになり、新規参入者は駆除に参加できないこともある。それに駆除は、容易に捕れる場所を選びがちだ。それは必ずしも被害の多い地域とイコールではない。まったく被害報告の出ていない山奥で多く仕留めてもかまわない。報奨金は獲物の頭数によって得られるから、効率よく仕留めたくなるだろう。しかしそれでは被害を抑えられない。それどころか「あまり獲りすぎると翌年の獲物が減るから」と、手加減する傾向もあるそうだ。農作物を狙われるのは夏から収穫を迎える秋が多いが、そこで多く獲ると、脂がのって美味しいと言われる冬に獲れなくなるからだ。獣害を抑えるための狩猟ではなく、ジビエを目的として”持続的に獲物を獲れるようにする”ことを意識してしまうのだ。ひどい場合は、罠にかかっている個体を逃がすそうである。猟友会は狩猟愛好者の会であるという原点に還ると、駆除の主戦力と捉えないほいうがよい。ただ最近は、農山村の居住者が自ら獣害対策に取り組むため狩猟免許を取得するケースも増えている。彼らも慣習的に猟友会に所属するが、狩猟を愛好する会員と棲み分けて役割分担ができるかどうかはケースバイケースである。獣害対策という点からは、プロ集団をつくるべきだとする声も出ている。駆除ばかりではなく、動物の生態に精通して農地などに近づけないよう農家を指導する役割も求められる。実際に2015年に鳥獣保護法が改正され、環境省が認定事業者制度を設け、捕獲の専門事業者を認定する制度を創設した。獣害対策を進めるため、猟友会とは一線を画した明確な義務と責任を負い、役割を定めたビジネスとして、駆除事業を担う専門家を養成し、プロの組織をつくろうという意図だ。この認定事業者は、全国に少しずつ増えている。異業種や個人が新規参入するケースもある。ところが、なかなか上手く機能しない。理由の一つは、肝心の認定制度も既存の利権に縛られていることだ。猟友会が別組織の存在を認めたがらず、自治体が必ずしも認定業者に駆除の依頼をするとも限らない。人間同士の妙な縄張り争いが展開されているのだ。近年は有害駆除目的で狩猟業界に参入する人が増え、なかには若い女性の免許取得者もいることが話題にもなった。大学に「狩り部」が結成されるような動きもある。学生が狩猟免許(主に罠猟)を取得し、有害駆除を行うとともに、ジビエなど捕獲個体の商品化も手がけようという意図だ。彼らの活動が今後どのように展開されるかわからないが、猟友会や認定事業者とどのような関係を築くのか注意すべきである。いずれにしても、有害駆除を担う組織の専門性を高めるべきだし、行政も野生動物に対する骨太の理念を定めなければ、問題は改善には向かわないだろう。

(獣たちと人間のせめぎ合い:秋田)
野生動物と人間がせめぎ合う。舞台は北海道の開拓地、物語は大正期の実話に基づく。人間を追い詰めるのは巨大ヒグマだ。「袈裟掛(けさが)け」と呼ばれ恐れられていた。胸元の白い毛が袈裟のように見えるからだ。物語は「羆風(ひぐまかぜ)」、先日亡くなった横手市出身の漫画家矢口高雄さんの作品だ。山が不作で飢えた袈裟掛けは冬眠できない。そこで民家に狙いをつけた。「もっと喰(く)わなければならない」―腹を満たそうと暴れるヒグマ、銃で挑む決死隊。細密な描写と巧みなこま割りが緊張感を高め、最後は人間が勝利する。獣たちと人間のせめぎ合いは現代で日常と化している。ツキノワグマ出没警報を県は年末まで延長。冬眠前まで食べ物を求めて人里に出てくる恐れがあると警鐘を鳴らす。問題はクマに尽きない。県内のイノシシ目撃頭数は最多となり、農作物被害も相次ぐ。獣害は江戸時代に各地であった。例えば対馬藩はイノシシ8万頭以上を全島挙げて駆除。だが明治以降の約100年は新型銃の普及や毛皮需要の高まり、森林伐採による生息環境悪化などで被害が全国で減った。人間の努力にさまざまな要因が絡み、獣を遠ざけていた。その列島は再び獣害に見舞われている。荒れた里山や休耕地などが餌場になっているという(田中淳夫著「獣害列島」)。双方の不幸な衝突をなくすには、どうしたらいいのか。駆除だけに頼らない方法もあるに違いない。確かなことは知恵を絞るべきは人間の側だということだ。

(イノシシ被害:秋田)
イノシシがイネや大豆を食い荒らす農業被害が、本県でも県南部を中心に発生している。先日、最も被害が大きい湯沢市で開かれた雄勝地域イノシシ対策協議会(事務局・県雄勝地域振興局)を取材し、対策は待ったなしの状況にあると実感した。イノシシは繁殖力が強く、被害は瞬く間に拡大する。昨年度の、全県の農作物被害額(速報値)は117万円で2018年度より100万円減ったが、初めて被害が確認された17年度の2万円とは桁違い。隣の山形県は、07年度に1万円だった被害額が18年度は7261万円まで増えている。

(野鳥の死骸は「触らず通報を」)
11月初旬、今季初めて養鶏場での鳥インフルエンザが確認された香川県に続く福岡県での判明。これまでは12月や年明けの確認が多く、識者は時期が早い点に着目する。鹿児島大の小沢真准教授(ウイルス学)は「ウイルスを養鶏場近くまで運んだのは大陸から南下してきたカモなどの渡り鳥でほぼ間違いない」とみる。この点は従来と同じだが、確認時期が早いのは過去の発生年より早く渡り鳥が南下した可能性があるほか「渡り鳥の間で通常より盛んにウイルスが流行しているのではないか」と分析する。ツルの越冬地として知られる鹿児島県出水市では、カモのふん便やツルのねぐらの水から強毒な高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8型)を検出している。小沢准教授は3密状態の養鶏場にウイルスが入ると局地的、爆発的にウイルスが増えることを懸念し「養鶏業者は少しでも異常を感じたら通報することが大切。封じ込めには欠かせない」とする。鳥インフルは過去に2010年度(殺処分約183万羽)、16年度(同約165万羽)にも広域で発生。宮崎大の末吉益雄教授(家畜衛生学)は「今回の確認がたまたま福岡だっただけで、どこでも発生しうる」と指摘。鳥を食べることによるウイルスの人への感染は確認されていないが「一般の人も野鳥の死骸を見つけたら素手で触らず行政機関に連絡して」と呼び掛けている。

(鳥インフル、道内「警戒を」:福岡)
香川県で今月、国内の養鶏場では2018年1月以来、2年10カ月ぶりに致死性の高い高病原性鳥インフルエンザが確認され、県内の計8カ所で相次いだ。ため池や干潟に飛来した渡り鳥がウイルスを持ち込んだとみられ、25日には福岡県でも発生。10月下旬には紋別市で野鳥のカモ類のふんからウイルスが検出されており、専門家は道内の養鶏場に警戒を呼びかけている。香川県三豊市の養鶏場で鶏の大量死が見つかり、今月5日に高病原性鳥インフルエンザを確認。8日の東かがわ市に続き、11~21日に再び三豊市の6カ所の養鶏場で発生した。同市では隣接する養鶏場に集中し、このうち4カ所で高病原性の「H5N8型」であることが分かった。農林水産省によると、同じ地域でこれほど連続するのは異例といい、殺処分した鶏は都道府県としては過去最多の134万羽に上った。

(カモ食害、スピーカーで撃退:青森)
全国有数のシジミ産地として知られる十三湖の沿岸で25日、高性能のスピーカーを活用してカモによる食害を防ぐ実証試験が始まった。数種類の音を鳴らしてカモを追い払う仕組みで、青森県弘前市の建設設備会社「アスアール」などが約1週間かけて効果を検証する。十三湖を拠点とする漁師は長年食害に頭を悩ませており、被害軽減の切り札になるか注目される。

(大物イノシシ捕獲:兵庫)
狩猟シーズンを迎えた丹波篠山市の山あいで、大物のイノシシが捕獲された。体長は約1メートル30センチで体重は推定120キロ。捕獲したベテラン猟師の男性(76)は「このクラスのイノシシの捕獲は2年ぶりだ」と顔をほころばせた。

(高校敷地内にクマ2頭:秋田)
26日午前11時ごろ、秋田県由利本荘市陳場岱の本荘高校敷地内にクマ2頭がいるのを、同校の50代女性職員が目撃した。生徒や教職員にけがはなかった。由利本荘署によると、女性職員が外で作業していたところ、体長約1メートルと約50センチのクマ計2頭が敷地を出て南西側の雑木林へ向かうのを見つけた。目撃場所から校舎までは約10メートル。同校は保護者にメールで注意を呼び掛けたほか、屋外の部活動を中止した。

(イノシシ目撃相次ぐ:新潟)
新潟市でイノシシの目撃が相次いでいる。2020年度の出没数は25日午後5時現在87件で、昨年度の77件を超えた。昨年初めて出没が確認された中央区では、今年も11月に入り多くの目撃情報が寄せられている。市や警察が警戒を続けるが、道路や建物が入り組んだ都市部でのイノシシ対応は難しい側面もある。定着を防ぐため、専門家は餌となる生ごみの管理の徹底などを呼び掛けている。中央区では13日、出来島や関屋大川前などで10件以上の目撃があった。その後も15、17日に西船見町の西海岸公園付近で、20日に竜が島の新潟西港中央埠頭(ふとう)でそれぞれ目撃されている。同一個体かどうかは分かっていない。市によると、19年度の市内の出没数は前年度比60件増の77件。本年度も19年度と同じように出没数が増えている。市はホームページや防災メール、広報車で注意を呼び掛けるほか、警察や猟友会と連携してパトロールを行い、警戒を強める。都市部で出没が相次いでいることについて、野生動物に詳しい新潟大農学部の箕口秀夫教授(61)は「個体数の増加を背景にイノシシの分布域が北上し、県の中央部にも広がっていることが要因」と説明。「角田山周辺から続く海岸林に沿って移動し、中央区にやってきたのだろう。今後市内でイノシシが出没するのは珍しくなくなるのでは」と予想する。イノシシは市街地で、生け垣や用水など人目に付かないところに身を隠している可能性が高い。街中は入り組んだ構造で一度侵入したイノシシが生息地に戻りづらい上、銃による駆除や捕獲用の仕掛けの設置もしにくいなど、山間部に比べて捕獲が難しい。箕口教授は「すぐ近くに住民がいる。どこに追い込むか適切な判断が求められる」と指摘する。都市部に寄せ付けないための対策としては、餌となる生ごみを放置しないことや、畑の作物の取り残しを処分することが重要だ。生息域をつくらないため、山間部との境目をきれいに整備することも効果があるという。箕口教授は「いろいろな対策を組み合わせることが大切。クマなど他の野生生物の出没を防ぐことにもつながる」と話す。市は目撃情報があった場所に「イノシシ注意」の看板を設置している。イノシシは突進力が強く、鋭いきばを持つ。被害を防ぐため、市は「遭遇しても騒いだり挑発したりせずにその場を離れて、区役所や警察に連絡してほしい」と呼び掛けている。

(斎場の駐車場に“クマ”出没:石川)
駐車場に出没したクマ。その一部始終が防犯カメラに記録されていました。  クマの目撃情報が相次ぐ石川県加賀市のセレモニーホール。20日午前4時すぎ、歩道をのそのそと歩く1頭の子グマ。地面に鼻を寄せながら何かを探っているようにも見えます。クマはそのまま歩道を進み、一度は姿を消します。すると、カメラの方向に走ってきました。その後ろからはクマを追い払うように1台の車が走っていきます。  クマに遭遇した廣野一二さん:「はじめは犬かなという程度だったが、よく見たらクマだったこの辺で出るのは珍しいです」  山の方へ逃げたクマは、その後、戻ってくることはありませんでした。

(民家の庭にシカ、山中湖村の写真家宅:山梨)
多くの野鳥や動物が憩う山梨県山中湖村山中の野鳥写真家、高村文明さん(70)の自宅の庭に、15日の狩猟解禁後、ニホンジカが頻繁に訪れている。市街地にいれば安全と心得ているらしく、水飲み場で10分ほど過ごしては周辺のカラマツ林へ移動する。食事や寝るのもカラマツ林だ。庭にはヒメシャラやモミジなど広葉樹があり、地表ではコケを育てているが、シカに食べられたことはないという。「周辺にごちそうがあるのかな。庭の植物が食べられても、僕は怒りませんよ」と高村さんは鷹揚(おうよう)だ。水飲み場にはヤマガラやヒガラ、冬鳥のシロハラなどが水浴びにひっきりなしにやって来る。夜間はテンやタヌキ、キツネも姿を見せる。窓越しの風景は高村さんの自慢だ。

(小学校付近にクマ出没、注意呼びかけ:北海道)
26日午前5時40分ごろ、町松城の町道にかかる「さくら橋」にクマのふんが落ちているのを散歩中の男性が見つけ、松前署に通報した。21日夕方にも、橋から南へ約150メートルの松城小の敷地内でクマが目撃されていることから、同署や町は周辺住民らに注意を呼びかけている。同署などによると、フンは橋の中央に残されていた。また、21日に目撃されたクマは体長1・5メートルほどで、校舎の脇を北側に向かって歩いていたという。

(港で泳ぐ“イノシシ”が:石川)
水の中で何やらモゾモゾと動く黒い物体…イノシシです。25日朝、石川県能登町の宇出津港で泳ぐイノシシを近所の人が撮影しました。体長は1メートルほどで、数分ほど水泳を楽しんだイノシシは、陸にあがると住宅街にある貸衣装店のガラス戸に激突。かなり激しかったのでしょうか?ガラス戸には血が残っていました。その後、イノシシは姿を消したということです。

(スーパーマーケット駐車場に”イノシシ”出没:新潟)
30日上越市五智1丁目にあるスーパーマーケット「イチコ 直江津西店」の駐車場でイノシシを見たと、市民から上越市に情報が寄せられた。市によると、イノシシ1頭が目撃されたのは30日の午前8時過ぎ。複数人から同様の情報が寄せられたという。その後、市や警察がイチコを含め周辺をパトロールしたが、イノシシは見つかっていない。市民からの情報によると、イノシシは国府方向に移動していったということ。またイチコ直江津西店にも午前8時過ぎ、市民から「店の前にイノシシがいる」と連絡があった。店の防犯カメラには、イノシシが店の駐車場を横断した後、急転回して入り口付近に向かって突進。窓ガラスにぶつかって東方面へ逃げていった様子が映っていた。店によると、窓ガラスが汚れた程度で被害はないということ。市では、イノシシを目撃したら刺激をせず、直ぐに市や警察に連絡してほしいと呼び掛けている。

(前沢友作氏の寄付金でジビエ開発へ:千葉)
館山市は、衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZO創業者の前沢友作氏の寄付20億円で作った「前沢友作館山応援基金」から6億5千万円を使い、道の駅の建設とイノシシ肉などの「館山産ジビエ」の開発を始める。市の「食のまちづくり拠点施設」整備事業の一環で、道の駅は2023年度開業をめざし、「館山まるしぇ」を開く同市稲に建設する。農産物の直売や飲食、農業体験もできる施設になるという。また、ジビエ加工処理施設も市内に整備する。市内ではイノシシなどによる農作物被害が急増中だが、現状では捕獲したイノシシはほとんど地中に埋設処理しているといい、今後は食肉として有効活用する。新設する道の駅や一般の飲食店に流通させ、「館山産ジビエ」のブランド化を図るという。市は前沢基金から市独自の新型コロナ対策に6億1880万円、館山夕日桟橋機能強化事業に810万円を利用。今回分を加え、同基金12億7690万円を活用したことになる。

(ジビエ料理50店のメニュー紹介:岡山)
岡山県は、シカやイノシシなどの狩猟肉(ジビエ)の消費拡大につなげようと、ジビエを使った料理を提供する県内の飲食店などを掲載したPR冊子「おかやまジビエガイド」を改訂した。鳥獣被害対策で捕獲数が増えているイノシシなどの肉を有効活用する狙い。ガイドでは岡山、倉敷市など12市町村の50店舗が提供しているメニューを掲載。定番のぼたん鍋のほか、イノシシ肉のとんかつ、シカ肉を使ったフランス料理など多彩な品が並び、写真や味の特徴、店舗の地図、営業時間などを添えている。自宅でジビエ料理を楽しんでもらおうと、精肉を取り扱っている26カ所の店を載せ、シカ肉を使ったミートソース、イノシシ肉を使ったデミカツ丼などのレシピを紹介。みそ漬けや皮を使ったバッグなどの加工品も収録している。2017年11月の初版発行から3年がたち、最新情報を発信するため改訂した。A5判26ページで3千部を作製。掲載飲食店や各市町村役場などで無料配布している。県ホームページからもダウンロードできる。県鳥獣害対策室は「近年、シカやイノシシの駆除件数が増えているが、食への活用は十分に進んでいない。冊子を使い、ぜひジビエ料理を試してみてほしい」としている。

(『鹿肉』の唐揚げ、お味は?:長野)
長野市の西部の「西山地域」では、去年からジビエを特産にしようという動きが出ています。今回、道の駅にお目見えしたのは「鹿肉の唐揚げ」です。からっと揚がった唐揚げ。中身はジューシー。ただ、この唐揚げ、鶏肉ではなく鹿肉が使われています。道の駅・信州新町が今月から販売を始めた新商品です。道の駅信州新町・小林久一社長:「(鹿肉唐揚げは)県内はもちろんですけど、全国的にも初めてではないかと」。去年、同じ西山の長野市中条地区で加工センターが稼働しました。ジビエが仕入れやすくなり、現在、地域ではジビエを新たな特産にしようという動きが進んでいます。すでに中条地区の道の駅では「いのしし笹おやき」、地域振興施設では鹿肉とイノシシ肉を使ったキーマカレーを売り出しています。信州新町の道の駅でも5月に「鹿肉ジンギスカン」を発売し、人気商品となりました。唐揚げは「鹿肉シリーズ第2弾」です。道の駅信州新町・永井めぐみさん:「ニンニク、ショウガ、リンゴも入っているので食べやすい」。考案したのは、道の駅に勤める永井めぐみさん。幅広い世代に味わってほしいと唐揚げに目をつけました。道の駅信州新町・永井めぐみさん:「単純に小さいお子さんから年齢上の方まで幅広い年齢層の方に食べていただきたいなと。小さすぎると固くなってしまうので、ある程度大きくしてジューシー感も残すと」。道の駅では、パックに入れて冷凍で販売しています。解凍後、150度の油で5分ほど揚げれば完成です。ジビエを西山の特産に…。今後も新商品を開発していきたいと意気込んでいます。道の駅信州新町・小林久一社長:「これからも何かいい商品を開発してシリーズ化して、鹿肉シリーズみたいな形へ持っていけたら」。

(「ジビエごぜん」民宿がメニュー:石川)
穴水町の農家民宿9カ所でつくる「能登あなみず農泊推進協議会」は、宿泊客に提供する独自の食事メニューづくりに取り組んでいる。第1弾は、イノシシ肉をふんだんに使った「ジビエごぜん」で、来春ごろに提供を始める予定。今後も、さまざまなメニュー開発や里山里海の魅力を生かした体験プログラム作り、協議会の動画制作なども計画しており、町内の農泊利用拡大に向け準備を進めている。同協議会は本年度、農林水産省から農泊推進の「農山漁村振興交付金」の採択を受けた。二年間で町内での農泊の受け入れ態勢整備を進めていく。手始めとして、穴水の食文化を楽しんでもらえる独自メニュー開発を企画。十九日には、同協議会会員が運営する川島の「蔵カフェ菜々(さいな)」で、ジビエごぜんの試食会が開かれた。町を拠点にジビエ(野生鳥獣肉)文化の普及に力を入れる女性猟師の福岡富士子さん(50)がメニュー開発に協力。イノシシ肉を使ったしんじょうや薫製、みそ汁などのほか、冬季はぼたん鍋も付けるぜいたくな御膳を提案した。福岡さんは「イノシシは田舎メニューなので農泊にはぴったり」と話す。今後、地元の魚介類が楽しめる「能登ごぜん」や「精進ごぜん」、弁当の開発にも取り組む。他にも補助金を活用して町内の農家民宿や観光名所の魅力を詰め込んだ動画制作を進めており、体験プログラムの充実も図る。穴水の穏やかな海を生かしたサップ(ボードに立ちながらこぐ)やカヤック(座ってパドル両端でこぐ)体験、海上バーベキューをはじめ、農家民宿を発着点や途中の休憩場所とするランニング、サイクリングコースも設定していく予定だ。同協議会の鳥井順一会長(73)は「穴水だけでも二泊三日十分に楽しめるような取り組みを考えていきたい」と意気込む。

(山の恵みの感謝祭「ジビエマルシェinあすけ」:愛知)
豊田市及び株式会社山恵は、鹿肉の活用促進を図り、ジビエをPRするため、「ジビエマルシェinあすけ」を初めて開催します。

(小中学でジビエ給食:長野)
害獣として駆除された野生動物の肉を活用した「ジビエ」料理の給食が長野市の小中学校で初めて出され、子どもたちがシカ肉のシチューを味わいました。「ジビエ」料理の給食が出されたのは、長野市の中条小学校と中学校です。子どもたち70人余りがシカ肉を使ったシチューを味わいました。長野市では、農作物を食い荒らす害獣として駆除されたシカやイノシシなどの肉を「ジビエ」として活用する取り組みを進めていて、去年から肉の加工センターを稼働させています。26日の給食はジビエについて理解を深めてもらおうと提供され、小学3年生の教室では慣れないシカ肉にはじめは戸惑う子どももいましたが、20分余りで全員が完食していました。シチューを食べた女の子は、「おいしかった。シカを殺すのはかわいそうだけど、私たちが食べられるのはいいなと思いました」と話していました。「ジビエ」の活用を進める長野市いのしか対策課の北村俊英さんは「ジビエを食育の教材としても活用し、ゆくゆくは長野市の郷土料理となるよう取り組みを進めたい」と話していました。

(丹波篠山の新鮮生肉「猪鍋」セット:兵庫)
野菜の配達やオリジナル鍋セットの販売を行う兵庫県高砂市曽根町の食料品店「フードショップ キザワ」が今秋、イノシシ肉を味わえる「猪(しし)鍋」セットを始めた。同県丹波篠山市の新鮮な生肉が売りで、1人前から対応。土曜日の限定販売で、1週間前までに予約する。同店は同県姫路市中央卸売市場で仕入れた野菜を中心に、高砂、同県加古川市で施設への配送や一般家庭への定期配達を行う。ほかに同店で調理したオードブルや、てっちりなど旬の鍋セットを販売。鍋セットは「用意するのは鍋とコンロだけ」を合言葉に、切り分けた野菜や豆腐、だしも付ける。鍋料理の新商品は店長の木沢一平さん(42)が「浜手ではなじみの薄いイノシシのおいしさを知ってほしい」と、狩猟解禁に併せて企画。イノシシ肉は一般的にロースを使った「ぼたん鍋」で知られるが、バラ、ネック、赤身などほかの部位も使う。冷凍肉ではなく、丹波篠山市のイノシシ肉専門店から仕入れる生肉は臭みがなく、熟成したうま味が特徴という。かつおだしに合わせみそを混ぜた特製だしも付けて1人前が4千円。イノシシ猟シーズンの来年3月ごろまでの季節限定販売となる。おせち料理のオードブルの注文が多くなる年末年始(12月28日~1月5日)は除く。

(農水省のお墨付き「クマ肉おにぎり」とは?:富山)
富山県のローカルコンビニが手作り販売している変わり種おにぎり「クマ」が、農林水産省のWEBマガジン「aff(あふ)」で紹介されました。地元の猟師から仕入れたクマの肉と、富山が誇るコシヒカリと井戸水を使った人気メニュー。家族経営の小さなコンビニが、大手チェーンに対抗するため、アイデアを凝らし続けた末の自信作。経営する一家は、国の“お墨付き”を得て、さらなる進化に燃えています。この店は「立山サンダーバード」(富山県立山町横江)。伊藤敬一さん(79)が1996年、「普通のコンビニ」として開店しました。人気観光地、立山黒部アルペンルートへ通じる県道沿いにあります。近くに大手チェーンのコンビニができて売り上げが減少したため、おにぎりやサンドイッチを手作りし、生き残りを図ってきました。当初は普通の具材でしたが、7年前、常連客のアドバイスをきっかけに多様な食材を使うようになりました。スナック菓子のベビースターラーメンをはさんだ「ラーメンサンド」がヒット。おにぎりの具はワラビやウドなど地元の「山の幸」を経て、富山でも増加傾向にあったイノシシの肉にたどり着きます。さらに、長男で代表代行の敬吾さんの頭に浮かんだのが、常連のクマ猟師のこと。「クマはなかなか手に入らない食材だし、違いを出せる」と仕入れて売り出すことにしました。しっかり下処理したしょうゆ味の肉は柔らかく、コシヒカリとの相性抜群です。毎朝4時からガス釜でご飯を炊いている伊藤さん自身も「クマが一番好きだな」と話します。クマ肉以外にも、三角すいのチョコ入りサンドイッチ「月へ行こう!」や、豚肉・メンマ・ネギとこしょうたっぷりのおにぎり「富山ブラック」など、次々と生み出される変わり種はSNSで話題に。テレビの全国放送のロケも増えました。それなりに有名になりましたが、実態は、小さな家族経営の店です。なぜ、農水省WEBマガジンaff 11月第2号の「米と和食」特集に取り上げられたのでしょうか。9月に農水大臣に就いた野上浩太郎参院議員が富山出身なので、忖度(そんたく)が働いたのでしょうか?「いや、野上さんが大臣になる前に取材の話があったから違うな」と敬吾さん。店が国の省庁に取り上げられるのは初めてのことで、しかも、オリジナルおにぎり特集の先頭を飾っています。大臣官房広報評価課広報室に聞いたところ、11月号の特集が米と和食をテーマとしており、地域の和食文化の多様性を紹介したいと考えて、各地のコンビニおにぎりを調べたといいます。「米食推進やジビエ活用に取り組む省の方針も踏まえ、クマのおにぎりを特集の先頭にしました」との答えが返ってきました。やはり忖度はなく、実力でした。「北アルプスの絶景のおともに、ぜひ、うちのおにぎりを」。伊藤さん親子は、きょうも早朝から調理場でおにぎりやサンドイッチをつくり、レジで待っています。

(「やまなしジビエ料理セミナー」:山梨)
山梨県ではニホンジカの有効活用のため、「美味しく、楽しく、ワインによく合う」をコンセプトに、「やまなしジビエ」の消費拡大に取り組んでいます。今回、ジビエに精通した辻調理師専門学校の講師陣による料理セミナーを、山梨学院短期大学及び(一社)日本ジビエ振興協会と連携して開催します。セミナーでは、山梨県におけるジビエに対する取組について紹介するとともに、栄養価も踏まえて、安全で、おいしいジビエ料理を提供できるようにするために、ジビエを提供する際に必要となる知識・調理技術等を伝授します。セミナーの詳細な内容については、関連資料「プロ向けやまなしジビエ料理セミナー募集チラシ」をご参照ください。参加費は無料となっておりますので、是非お申込みいただきますようお願いします。

(マタギ文化、冬の観光資源に:長野)
長野県栄村で12月に初めての「マタギ養成講座」が開かれる。村内の秋山郷はクマやシカなどを狩るマタギの里として知られ、冬場の新しい観光資源とするほか後継者を育成する狙いがある。将来性のある事業かどうか検証する観光庁の調査に選ばれ、4泊5日の講座が無料で受けられる。発案したのは、同県山ノ内町で旅館などを営む「ヤドロク」社長の石坂大輔さん(40)。石坂さんは秋山郷で温泉旅館「秋山郷雄川閣」も経営しており、これまで地元のマタギたちと親交を深めてきた。栄村は豪雪地帯で、紅葉のシーズンに観光客が集中する。冬場は主立った観光資源がない。過疎化が進む中、石坂さんはマタギから「後継者がいない。今まであまり教えてこなかった狩りの技術や知識を教えてもいい」と相談を受けた。最近は「狩りガール」に代表されるように狩猟やジビエ料理に注目が集まっており、養成講座を思い立った。5日間の講座の内容は盛りだくさんだ。料理専門学校の講師を招き、秋山郷ならではのジビエ料理を開発してもらい、参加者たちはカモやシカなどの解体を体験する。「マタギトレッキング」では、マタギやガイドと一緒に「日本百名山」の苗場山を歩き、積雪があればウサギやシカなどの足跡を観察する。マタギをやりながら仕事もできるようにと、ワーケーション体験も盛り込まれている。秘境と呼ばれる秋山郷だが、光ファイバーが整備されており、実用性は今年6月に相模女子大(神奈川県)の九里徳泰教授(55)と学生たちによる「ワーケーション・遠隔授業実験」で実証済みだ。観光庁の調査(第1次)には全国から1981件の応募があり、307件が採用された。県内ではマタギ養成講座のほか、信州いいやま観光局(飯山市)、駒ケ根観光協会(駒ケ根市)などの事業が選ばれた。いずれも国立公園の自然や花火鑑賞など地域の特性を生かしたものが多い。講座は12月5~9日、同9~13日の日程で2回実施する。定員は各30人。

(伝統工芸公募展、「甲州印伝」が内閣総理大臣賞:山梨)
一般財団法人、伝統的工芸品産業振興協会(東京・港)が主催する「全国伝統的工芸品公募展」で、鹿革に漆で模様を付ける山梨県の地場産品「甲州印伝」が内閣総理大臣賞を受賞した。印伝の山本(甲府市)の芹澤依子氏が制作した「鳥獣人物戯画 袋物一式『まう・ねらい・かける・みなも』」という作品。同公募展は45回目で、甲州印伝が同賞を受賞したのは初めて。同社の山本裕輔社長が制作した甲州印伝「ガッサイ(紫檀=したん=木画槽琵琶柄)」も若手奨励賞を受賞した。全国から254点の応募があり、14点が入賞した。国立新美術館(東京・港)で12月7日まで展示している。12月18日から2021年1月7日には入賞作品などを集めた作品展が伝統工芸青山スクエア(同)で開かれる。

(良質な肉、県の認証受け販売:和歌山)
ジビエ(野生鳥獣の肉)で地域を元気に――。農作物へ大きな被害を与えている野生鳥獣を食材として生かすことで、地域の活性化にもつなげようと、和歌山県が力を入れている。県内では住民や行政などが中心となり、個性を生かした取り組みも進む。ジビエを巡る動きを追った。県によると、県内の野生鳥獣による被害額は2019年度が約3億円。近年は横ばいだ。鳥獣別の割合は、イノシシが50%と最も高く、シカ15%、サル14%と続く。作物では、果樹が78%、野菜11%、水稲6%。県畜産課によると、捕獲頭数のうち、ジビエとして活用されるのは5%程度。県は、被害を食い止めるとともに、ジビエとして安全に供給できるようにと、処理施設における「わかやまジビエ衛生管理ガイドライン」を09年に作成。これをもとに、14年に「わかやまジビエ処理施設衛生管理認証制度」を定めた。現在、県内の処理施設のうち、和歌山市や古座川町などの5施設が認証を受け、稼働している。合わせて制定したのが、全国初の肉質等級制度。ジビエは自然のものなので、品質のばらつきは仕方のない面がある。しかし、買い手としては、「手元に来てみないとどんな肉かわからない」ということが、積極的に採り入れる一つの障壁だった。そこで、皮下脂肪の厚さ、肉の締まり・きめなどで、イノシシは3等級、シカは2等級で示した。県は、17年度からジビエの学校給食への導入も進め、今年度は小中学校などの9割にあたる328校で実施予定だ。ジビエ販売「いの屋」(和歌山市)を営む北浦順嗣さん(72)は狩猟歴半世紀のベテラン猟師。飲食店や処理施設などで作る「わかやまジビエ振興協議会」の会長も務める。もともと、解体した肉を知り合いらに譲っていたが、さばききれなかった。もったいないとの思いから、10年ほど前にいの屋を始め、自分や仲間がとった物の販売を始めた。14年に県の認証制度にもとづく第1号の認証を受けた。北浦さんが会長を務める一般社団法人「和歌山鳥獣保護管理捕獲協会」の会員の猟師ら約70人が捕獲したイノシシ、シカを扱う。肉質保持のため、買い取るのは紀北から有田地域までの範囲で、夏はとどめを刺しておおむね1時間以内、冬は2時間以内としている。主にわな猟でとらえたもので、猟銃で腹部を撃った物は買い取らない。扱い量はイノシシとシカを合わせて年間400頭ほどという。販売先は県外が6割。東京の飲食店などからは、「高くてもいい物がほしい」との声が強く、県の肉質等級制度が助かっているという。以前は「いいとこ送ってよ」と言われて送っても、こちらの「いい物」と先方のニーズが合わない時があったからだ。等級があることで、「お客さんのリクエストに応えやすい」と北浦さんは言う。最近はジビエの認知度も上がり、健康によいとのイメージもあって、一般客からの注文も増えてきているという。ここ2年ほどで需要が急増しているのが、ペットフード用。特に高たんぱく低カロリーのシカは、高級ドッグフード用としての扱いが増え、単価も上がっているという。北浦さんは、「まとまった量で取引ができるので助かる」と話す。猟師の高齢化が進むなか、北浦さんは狩猟免許をとったばかりの初心者らにわなのかけ方を指導するほか、捕獲協会の解体担当のベテランを各地に派遣して処理方法の普及にも努めている。「みんなで協力しあい、ジビエで盛り上がっていかないと、野生鳥獣は減らせない」

(日本フードサービス協会、商談会でジビエメニューなど提案:東京)
日本フードサービス協会(JF)は11月17日、東京都のTOCビル・五反田で「JFフードサービスバイヤーズ商談会2020」(協力=日本惣菜協会、日本農業法人協会、協賛=ジェフグルメカード)を開催した。同商談会は、外食産業と関連産業のマッチングの場として毎年開催されているもので、「フードサービスの新たな価値の創造」をテーマに付加価値食材、加工品から衛生資材・機器まで幅広く提案を行った。出展社は110社、来場者は約1500人。

(熊を狩る猟師が語る怖すぎる体験談)
東北の厳しい冬山に入り、熊を狩って暮らして来た伝説の集団「マタギ」。発祥は平安時代とも鎌倉時代とも言われ、戦前までは各地にマタギの集落があった。常に死と向き合ってきたマタギは山の中で“怪異体験”をすることも多く、そのため山神信仰に篤くなり、「山は山神様が支配するところであり、クマは山神様からの授かり物」というアニミズム(自然崇拝)を信じた。(秋田県公式サイト「孤高の民・マタギ」より)。このマタギの怪異体験を聞き書きした実話集シリーズ『山怪 山人が語る不思議な話』(田中康弘著、山と溪谷社)が累計25万部を超えた。これを原作とした漫画『山怪 弐 不死身の白鹿』(原作・田中康弘、漫画・五十嵐晃、リイド社)にも、怪異体験が描かれている。墨の濃淡と線の強弱による水墨画で描かれた絵には独特の味わいがある。1編は「不死身の白鹿」。新潟県と長野県にまたがる豪雪地帯の秋山郷は、日本の秘境100選に選ばれている。ある日、マタギ達が熊猟に出たが収獲は無く、疲労困憊して険しい山の中を歩いていると、藪をかき分ける音がした。目の前に現れたのは真っ白の大きな鹿。マタギ達は撃ったが、外す距離でもないのに倒れず、14発撃っても微動だにしなかった。マタギ達は震え、白鹿は悠然と消えた。続いて「震えるうさぎ」。福島県山間部の南郷村(現・南会津町)も豪雪地帯だ。男性が畑仕事をひと休みすると、ウサギが突然飛び込んできて、あぐらをかいていた男性の股ぐらにうずくまった。驚いて周りを見るとガサッと音がして、50センチはある草むらを超え、蛇が鎌首を大きく持ち上げた。普通の蛇ではなかった。あまりの巨大さと異様な眼力に震え上がり、リヤカーを引いて必死に逃げた。ホウキを忘れたが戻る気にはなれなかった。後に、蛇の話はせずに奥さんに回収を頼んだという。マタギ発祥の地は、深い雪に閉ざされ、外界と隔絶された秋田県北部の阿仁町(現・北秋田市)。3つのマタギ集落があり、戦前まで数百人が暮らしていた。マタギが狩る熊の胆(い=胆のう)は乾燥させると4分の1の大きさになり、煎じて飲めば万病に効く、漢方薬の最高級品として知られる。猟期を終えるとマタギ達は熊の胆を持って各地へ行商に出かけ、そのまま住みつくこともあった。前出の秋山郷も、江戸末期から明治期にかけて阿仁マタギが住みついた集落である。50年ほど前、夫婦が農作業のために山へ入り、気付くとその辺で遊んでいた4歳の一人娘が消えていた。名前を呼んでも、探しても見つからず、集落は大騒ぎになった。日が暮れて皆が焦り始めた時に見つかった。奥山への入り口、「キツネが出る」「天狗が出る」と言われてきた大きな岩の上に座り、笑っていた。4歳の子供が登ることは不可能な大岩の上で。地元の山を知り尽くした丹波猟師(兵庫県)の女性は、不思議な空間に迷い込み、不思議な体験をする。軽トラックで暗い山道を下っていたある日、小人に遭遇した。「五~六十センチくらいでしたね。それがこっちをじーっと見てるんですわ」数秒なのか、数分なのか分からなかった。小人は睨めっこに飽きたのか、ぴょいと姿を消した。この話を誰も信じてくれなかった。悔しくなり、車の助手席にカメラを置くようになった。しばらく現れなかった小人が、ある夜現れた。慌てて外に出ようとした瞬間、姿は消えた。その日を最後に、小人が現れることはなくなった。山形県南部、朝日連峰に囲まれた朝日村(現・鶴岡市)の大鳥池には、体長2~3メートルと言われ、今も生態が謎の巨大魚・タキタロウが棲む。ここでは「騙しムジナ」が語られている(ムジナ=タヌキ)。タヌキを仕留めて皮を剥ごうとすると、突然起き上がって逃げる。皮を剥いだのに逃げ出すタヌキもいる。同様に「キツネ憑きの熊」がいる。マタギが追い詰めても逃げてしまう。数日かけて追い詰め、銃口を向けた瞬間、森に吸い込まれるように姿が見えなくなる。「そういう熊が時々いてなぁ どうしても捕まえられねえ」。朝日村で知られるキツネの話がある。冬、ウサギ狩りに出た数人がそれぞれ収獲を持って集落へ戻った。1人が無線を忘れ、カンジキを再び付けて山へ入り、戻らなくなった。一晩で雪が60センチ積もり、大掛かりな捜索も叶わなかった。その年は雪が多く、それ以上探すことができなかった。雪が解けた5月、リュックを背負い、銃を肩に掛けたまま座った姿で見つかった。集落のすぐそば。誰もが一目置くマタギがこんな近くで遭難するはずなかった。ウサギが入っていたはずのリュックは空になっていた。ウサギを狙ったキツネに化かされて道に迷ったのだ――集落ではそう考えられている。これは10年ほど前の話である。漫画を描いた水墨画家の五十嵐晃氏が話す。「過酷な自然、動物たち、死生観……墨絵ならではの世界で、どんどん風化していく山人たちの貴重な話に誘います。日本の山には説明のつかない怪異が存在する。時の流れが速すぎる現代で、忘れかけた何かを感じてもらえれば嬉しいです」第3弾は2021年2月発売予定という。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、30日午後4時15分ごろ、栗原市築館富大沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、30日午後2時45分ごろ、栗原市築館照越松長根にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後9時ごろ、仙台市青葉区芋沢畑前北にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日深夜、仙台市青葉区芋沢畑前北にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、30日午前6時20分ごろ、栗原市瀬峰三番江にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午前4時ごろ、仙台市太白区秋保町境野濱井場にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後5時10分ごろ、仙台市青葉区川内山屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、25日午後7時50分ごろ、栗原市築館黒瀬黒瀬前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午後10時45分ごろ、仙台市青葉区川内山屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区落合3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、25日午前、利府町神谷沢北沢の山林にクマが出没しました。

TOPへ