<射撃ニュース12月>
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(野生イノシシが豚熱感染:山形)
山形県は27日、小国町で22日に捕獲された野生の雄のイノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。同県では25日に鶴岡市の養豚場で豚熱の感染が確認されたが、野生のイノシシの感染確認は初めて。県によると、イノシシの発見場所から10キロ以内に養豚場はない。一方、感染が確認された鶴岡市の養豚場では、飼育していた1250頭の殺処分を終え、埋却や消毒などの作業を実施、28日に防疫措置を完了する予定。県は23日までに県内全93カ所で出荷直前の豚を除き、計約16万頭に対する豚熱ワクチンの初回接種を終了していた。

(豚熱確認、国内では9月以来:山形)
山形県の養豚場でブタの伝染病のCSF、豚熱に感染したブタが確認されたことを受けて、農林水産省は対策会議を開き、感染の拡大を防ぐため衛生管理の徹底を求めていく方針を確認しました。山形県鶴岡市の養豚場で25日CSF、豚熱に感染したブタが確認されました。国内でのブタの感染は、ことし9月に群馬県の養豚場で確認されて以来、3か月ぶりです。これを受けて、農林水産省は対策会議を開き、野上農林水産大臣が「豚熱ワクチンの接種を終えている山形県の養豚場で発生したことは、極めて遺憾に思う」と述べました。その上で「感染が確認された養豚場での殺処分や防疫措置、原因の究明に向けた周辺などへの聞き取り調査を進めている」と述べ、県や市と協力し迅速に対応に当たるよう指示しました。会議では、豚熱ワクチンをまだ接種していない秋田県と岩手県で接種を検討することや、ウイルスを媒介する野生のイノシシの感染状況の調査を行うことなど、感染の拡大を防ぐため衛生管理の徹底を求めていく方針を確認しました。

(豚熱感染82頭に:群馬)
群馬県は24日、中之条町、嬬恋村で捕獲などされた野生イノシシ計6頭について、同日の遺伝子検査の結果、豚熱(CSF)感染が確認されたと発表した。県内の感染事例は計82頭となった。

(野鳥が鳥インフル陽性反応:埼玉)
埼玉県ときがわ町の山林でフクロウ1羽が死んでいるのが見つかり、簡易検査の結果、鳥インフルエンザの陽性反応が確認されました。環境省や埼玉県は周辺10キロを対象に野鳥の監視を強化するとともに、県内の養鶏場などに警戒を呼びかけています。埼玉県によりますと23日、ときがわ町の住民から山林でフクロウ1羽が死んでいると役場に届け出があり、24日、県の鳥獣保護センターで簡易検査を行ったところ、鳥インフルエンザの陽性反応が確認されました。高病原性のウイルスかどうか、今後、「農業・食品産業技術総合研究機構」で、詳しい検査を行うことにしていて、結果が判明するまで1週間ほどかかる見込みだということです。これを受けて、環境省は、フクロウが見つかった場所から半径10キロの範囲を「野鳥監視重点地域」に指定して巡回を行うなど、野鳥の監視を強化しています。また、埼玉県は、県内の養鶏場などに対し、飼育しているニワトリなどをこまめに観察し、異常が見られた場合はすぐに通報することや、野鳥の侵入を防ぐネットの点検や補修を行うことなどを呼びかけています。

(イノシシぶつかり女性けが:栃木)
27日午後4時15分ごろ、壬生町助谷の自宅敷地内の納屋で作業していたパート従業員女性(60)がイノシシにぶつかり、右足を打撲する軽傷を負った。栃木署によると、イノシシの体長は約1メートル。イノシシは納屋の出入り口から侵入し、作業中の女性に正面から向かってきた。自宅北側に逃げたという。周辺は農村地帯で同日、イノシシの目撃情報が相次いだ。

(クマ目撃、過去5年で2番目の多さ:秋田)
秋田県内の本年度のクマ目撃件数(20日現在)は926件となり、過去5年で最多だった2017年度の1303件に次いで2番目となった。近年、クマの生息域が奥山から里山へと広がっていることに加え、秋に一部地域でブナの実が不作だったことなどが影響しているとみられる。県自然保護課によると、本年度は例年目撃が減る秋以降も出没が相次ぎ、10月に116件、11月に43件、12月に8件の目撃があった。民家近くの畑で農作物が荒らされる被害が多く出たほか、横手市の市街地や秋田市の秋田高校周辺の住宅地などにも出没した。同課は「食べ物を求めてクマが行動範囲を広げ、集落近くまで来るケースが増えたのではないか」とみている。

(豚熱ワクチン投与、来月全頭終了:宮城)
鶴岡市の養豚農場で飼育する豚が豚熱に感染したことを受け、宮城県は28日、対策本部会議幹事会の初会合を開いた。県内の肥育豚へのワクチン接種率は25日現在、54・8%で、来年1月に全頭への投与を終える計画。年末年始の発生も想定し、迅速な対処の徹底を申し合わせた。仙台市青葉区の県自治会館であった会合には県幹部ら約30人が出席。発生場所から県境まで約65キロ、ワクチン未接種の豚がいる農場まで約90キロあるが、県の担当者は「遠距離だが予断は許さない状況だ」と注意喚起した。会津若松市での野生イノシシ感染を機に、10月に県南部から順次着手したワクチンの接種状況は仙南、仙台で終了したが、北部は約65%、東部は約15%にとどまる。1月下旬の全県完了目標を、できる限り前倒ししたい考え。佐藤夏人農政部長は、奥羽山脈を越えた野生イノシシによる感染を懸念。「年末年始の発生に備え、いつでも対応できる態勢を取る。アフリカ豚熱(ASF)を含め、農場には衛生対策の徹底を再度呼び掛けたい」と話した。

(豚熱対策の連絡部を設置:秋田)
山形県鶴岡市の養豚場で豚熱の感染が確認されたことを受け、秋田県は26日、豚熱対策危機管理連絡部を設置し、対策会議を開いた。豚熱の発生状況や今後の対策について情報を共有した。豚熱ワクチン接種に向けた準備を進めるとともに、県猟友会の協力を仰ぎ、山形県境地域での野生イノシシの感染状況調査を強化することなどを確認した。県内全養豚場への聞き取り調査では、現在のところ死亡頭数の増加などの異常はないという。佐竹敬久知事は「野生イノシシを介して県内にも感染が広がる恐れがある。養豚場関係者、市町村と連携して対策を徹底してほしい」と関係部局に指示した。県内では82の養豚場で、計27万4529頭の豚が飼育されている。

(カワウ430羽が元島で越冬:和歌山)
吉野熊野国立公園内の元島(和歌山県田辺市目良)で、430羽のカワウが越冬している。7年前から日本野鳥の会県支部会員がねぐらの定点調査をしており、過去最高という。4キロほど離れた田辺湾にある国の天然記念物「神島」は、かつてふん害に遭ったことがあり、田辺市教育委員会と市文化財審議会は警戒を強めている。カワウが元島をねぐらに使い始めたのは2013年から。県支部会員によると冬の調査では、13年は272羽だったが、16年に348羽と激増。17年は222羽だったが18年は390羽、19年は369羽と高止まりしている。5年前までは繁殖地としても利用していたが、カラスに卵を食べられるなど邪魔をされたため、その後は全く繁殖していない。今年も繁殖はしなかったが、越冬のねぐらとして使っている。しばらくまとまった雨が降らないと、元島の東側斜面はカワウのふんで雪が降ったように真っ白になる。カワウは日の出前に餌場に飛び出し、夕方になると元島の周辺に集まってくる。神島のふん害は、1988年から数年間、カワウの大群がねぐらとして使ったため起こった。大量のふんが積もり、森の一部が荒廃した。その後も断続的にふん害は続き、営巣も確認された。2009年から市教委と市文化財審議会がテグス糸を張るようにしてから、ねぐらとして使われていない。審議会委員の玉井済夫さんは「状況を見ながらになるが、テグス糸を補強するなど対策を考えたい」と話している。

(ダムの山肌に雪化粧?:沖縄)
沖縄県名護市にある羽地ダムのタクジトンネル近くにある通称「カズラマタ」の斜面の木々が雪化粧したように白くなっている。亜熱帯の沖縄に降り積もった「粉雪」の正体は渡り鳥カワウ(ウ科)のふん。真喜屋ダムで23日、約50羽が観察でき、約30羽が羽地ダム方向へ移動するのも確認できた。止まり木のふんは11月下旬ごろから確認され始めた。乾燥して徐々に降り積もり、森の一角を白く染めている。屋我地鳥獣保護区管理員の渡久地豊さんによると、カズラマタの山は北風をよけるねぐらになっている。カワウのふんは5年前から確認されているという。

(クマ大量出没の北陸、森の衰退が背景に)
ある時は商業施設に侵入し、ある時は民家の倉庫に逃げ込み……。私(平川)は今年、市街地へのクマの出没情報を耳にするたび、何度も現場に出動した。なのでこの秋、休日に岐阜・石川県境の白山へ登山に向かう途中で偶然立ち寄った国道沿いの大衆食堂には、ちょっとした縁を感じた。石川県白山市白峰地区の「永清」。店内の壁には「熊さんはいりました」の貼り紙が。1975年に店を開き、80年代以降、クマ肉を扱うようになった。注文したのは「熊うどん」。薄切りのクマ肉がうどんにのっている。かみ応えのある牛肉のようだが、羊肉のような香りも口に広がりクセになる。店を切り盛りするのは、白峰で生まれ育った永吉静子さん(80)。白峰にはもともと狩猟文化があったという。「小さいときにはウサギをよく食べた。クマはめったに食べられなかったけど、父親がクマの頭を持ってきたこともあったよ」同地区出身で、石川県立白山ろく民俗資料館長の山口一男さん(71)によると、耕地の少ない白峰では、クマ猟は大事な収入源だった。胆嚢(たんのう)や毛皮が高値で取引され、肉は猟師たちなどで分けたという。だが、60年代以降、都会への人口流出で、狩猟は衰退、森や畑を手入れする人も減った。結果、白山麓(ろく)では、里山という「緩衝地帯」が減り、クマが人の暮らしのそばに出やすくなったという。「緩衝地帯の維持」。それはクマと人との共生を考える上でとても重要なキーワードだ。今年の目撃や痕跡の件数は、福井県と石川県で前年より増加した。福井県では10月下旬、同県敦賀市の北陸新幹線の工事現場付近にクマが現れ、JR西日本の社員らが襲われ、けがを負った。石川県加賀市でも10月に商業施設に迷い込み、富山県南砺市では11月、民家の庭に現れ住民を襲った。9月以降のけが人は、石川県14人、富山県1人、福井県10人に上る。石川県自然環境課によると、県内での大量出没は、生息数の増加と生息域の広がりが背景にあるという。推定生息数は、20年前のおよそ倍の1050頭前後。もともとは加賀地域に生息していたが、2016年以降、七尾市能登島のほか穴水町、能登町など奥能登地域でも目撃されるようになった。市街地での出没多発の原因には餌となる木の実の凶作があるが、他の要因として北陸3県の担当者がそろって挙げるのが、山口さんも指摘する緩衝地帯の衰退だ。過疎化で森に人が入らなくなって下草が生えたり、耕作放棄地がそのままになったりすると、クマが身を潜めやすくなる。「クマは本来、怖がりでおとなしい。市街地に出てしまったクマは、車の音や人の多さにパニックになっている。森・里山・市街地の区分がはっきりしていれば、人の気配がする里山には近づかない」と、石川県自然環境課の担当者。自治体は今、森と市街地との間の「緩衝地帯」の整備を呼びかける。柿やクリなどは早めに採り、森林の間伐をする。クマが川伝いに移動しないように河川敷のやぶを払う、といった具合だ。昨年、クマによるけが人が20人に上った富山県は今年度、住民による柿などの伐採作業を支援する「クマ被害防止緊急対策事業補助金」を創設。黒部、南砺、砺波各市から補助金の申請があったという。福井県勝山市も今年度、クマ対策で柿の木を伐採する個人や地区に補助金を出している。ただ、それでもクマは市街地に出没する可能性がある、と石川県立大学の大井徹教授は言う。その場合は、緩衝帯の整備にとどまらず、周りの森林にわなを設置するなどの対策もとるべきだ、とも。「人間の生活圏に近すぎるクマは除去し、山に入る時は人間がクマに配慮する。そうしたすみ分けが必要です」。人とクマの「共生」。人間に都合のいい言葉のような気もするが、それでも緩衝地帯が広がることを期待したい。来年、現場への出動回数も減ってくれれば。

(クマ対策、各地で模索続く)
全国で相次いだクマの人里への出没を受け、各地で対策が模索されている。餌となるドングリを各地から集め、山にまく自然保護団体の取り組みに注目が集まる一方、生態系への影響を危ぶむ専門家も。ふるさと納税を活用し、ドングリの苗木の植栽に乗り出した自治体もある。一般社団法人日本ヴィーガン協会(兵庫県)は10月、千葉市や神戸市などのカフェや雑貨店でドングリを回収し、山に届ける「どんぐりすてーしょん」を立ち上げた。事業に寄付を募るクラウドファンディングは目標額の5倍が集まった。

(野生動物の研究会がゲーム開発:山形)
野生動物の研究などを行う「やまがたヤマネ研究会」が山形県内に生息する野生動物を学べるボードゲームとカードゲームを開発し、11月21日と12月19日に体験会が行われた。同研究会は研究者の中村夢奈さんが2007(平成19)年に設立し、野生動物の調査研究や、研究結果を生かした環境教育イベントの開催などの活動を行っている。中村さんは「約1年前にイノシシの対策を学ぶためのボードゲームを開発した他県の事例を知った。山形の野生動物についてたくさんの人に学んでもらう方法を考えていたところで、ゲームにすれば気軽にできるのではないかと考え開発を始めた」と話す。研究会では今年5月から話し合いを進め、9月から試作品の製作を開始。11月21日と12月19日には、山形市内で体験会を行った。当初、体験会は一般参加者も集めて開催する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で関係者のみで行った。今回開発したのは、絶滅危惧種たちの森での生態を学べる「カックウ」と、山形の生物、生物に関わる人や団体、環境のつながりを学べる「YAMA-MONOコネクション」の2種類。開発には「令和2年度山形県みどり豊かな森林環境づくり推進事業交付金」を活用した。「カックウ」は、自分たちで木々の高さを調節した森をフィールドに行うボードゲームで、餌の入手を目的に動くモモンガとムササビ、その2種類の動物の捕食を目的に動くフクロウに分かれて対戦する。「YAMA-MONOコネクション」は、山形に生息する動植物や、保護団体、研究者などで構成されたカードを組み合わせ、生物にとって良い環境を整えポイントを競うゲーム。希少価値の高い生物は得点が高いなど、遊びながら学べる内容となっている。中村さんは「県内での生態調査の結果も含めゲームを開発した。子どもたちはもちろん、たくさんの方に生き物や生き物に関わる人たちの環境を知っていただくきっかけになれば」と話す。今回開発したゲームは、来年度以降に希望する小学校や学童に配布する予定。

(食害深刻、シカ防止柵設置へ:京都)
送り火を守れ――。京都の夏の伝統行事「京都五山送り火」の際、「妙法」の「法」の字が浮かぶ松ヶ崎東山(京都市左京区)で野生のシカの食害が深刻化している。地肌がむき出しになり、火をともす「火床」ごと崩れる恐れがあるとして、地元保存会が近く柵を設置して対策に乗り出す。松ヶ崎東山の送り火と保全活動を担う「松ヶ崎立正会」によると、シカは数年前から出没。字が浮かび上がる斜面の一部ではツツジの新芽や下草が食べ尽くされ、大雨などで土砂崩れが起きれば、63か所の火床が壊れる恐れがあるという。獣道の痕跡などにより、字が浮かぶ斜面の左右からシカが侵入していたことがわかり、立正会が京都大の獣害対策の専門家らと対策を検討。左右に高さ約2メートル、長さ約130メートルの金属柵設置を決めた。費用約140万円は民間の助成金で賄う。火床周辺は建築物の高さなどが規制される「眺望空間保全区域」で、市が近く1年間の柵仮設を許可する。柵は目立たないよう茶色に塗装する。来夏の送り火で景観に影響がないことが確認されれば、継続設置が認められる。立正会は、字の上下にもできるだけ早く柵を設置して斜面を囲い、植生を保全してツツジなども植えていく方針。岩崎勉理事長(71)は「自然環境と景観を守り、来年以降も送り火を実施できるようにしたい」と話す。

(動く黒い塊「クマだ」記者泣き笑い:岩手)
秋晴れが広がる10月下旬の週末。北上市の国見山トレイルコースを1人で歩いていた私は、約15メートル先に大きな黒い塊を見つけて立ち止まった。「でっかいハチの巣だなあ」。そう思った直後、塊が動きだした-。その日はトレイル体験会を取材していた。参加者に同行し、深まる秋を満喫。別の取材があったため一行とは途中で別れ、来た道を引き返した。数十分後。曲がり道を過ぎた所で、動く黒い塊に遭遇した。「クマだ…」。背筋が凍り付き、足がすくんだ。カメラを取り出す余裕もなく、一本道を必死で後ずさりした。クマはこちらを見向きもせず、落ち葉をあさり続けた。直後にトレイル中の中学生とその父親に合流。2人は大声を響かせて追い払ってくれたが、震えが止まらなかった。県内各地でクマ被害が相次いだ1年だった。同市での目撃件数は、ここ15年で最多の約250件に上り、人身被害も発生した。街と自然がコンパクトに集約された同市は、気軽にアウトドアに親しめる環境にあるが、自然とうまく共存するためには、何より備えが重要だ。私の最大の反省点は、クマよけ鈴を持たずに入山したこと。自然の中に飛び込む取材は多いが、備えを徹底して臨むためにも、この経験は忘れない。

(クマ騒動、影落とす高齢社会:新潟)
令和2年も残すところあと6日。新潟県は新型コロナウイルス感染拡大とクマ出没問題に揺れた1年だった。県内のクマの目撃件数は4月1日から12月24日までに約1900件に達し、過去最多だった昨年度1年間の数字(1458件)をすでに大幅に上回っている。10月には県北部に位置する関川村で、畑作業中の女性がクマに襲われ死亡。県内で死者が出るのは19年ぶりで、県は独自の警報を発令し、目撃場所に近づかないよう呼びかけている。

(「ふん害」対策でカラス撃退の実証試験:熊本)
熊本市中心部で「ふん害」が問題となっているカラスの大群を追い払おうと実証試験が行われています。この実証試験は、熊本市と佐賀大学、カラス被害対策の製品開発などを行う企業が連携して行っているものです。熊本市では秋から冬にかけて中国などから渡り鳥「ミヤマガラス」の大群が飛来。ねぐらとなっている中央区の花畑公園周辺では「ふん害」が問題となっています。12月10日はカラスが警戒する鳴き声やLEDライトを使ってカラスを追い払う実証試験が初めて行われました。実証試験を行った佐賀大学の徳田 誠准教授は、「継続していくことでなるべくカラスのねぐらを人通りが少ないほうに移していければ」と話しました。実証試験は1月下旬まで続けられ、追い払い効果を検証するとしています。

(イノシシ、国道であたふた:岐阜)
郡上市高鷲町鮎立の国道156号に二十五日朝、九頭ものイノシシが現れ、ドライバーを驚かせた。通りかかった人が車内から撮影した動画には、親子とみられるイノシシが二車線の国道を走り回る様子が十五秒にわたって記録されている。

(夜の商店街をイノシシが“我が物顔”で駆け回る:広島)
21日、広島県の尾道駅近くの商店街に設置された複数の防犯カメラの映像には、夜の街を“我が物顔”で駆け回るイノシシの姿が捉えられていた。その堂々たる走りっぷりにつられてか、ネコも姿を現す。そして、勢いあまってか店のドアにぶつかってしまう猪突猛進ぶり。この店「CHOCO TOKO」の広畑洋介店長は「鍵を開けようとしたら、扉がガチガチに固まっていた。衝撃的でしたね。映像を見た時にけっこう大きいイノシシだったので」と話す。尾道市によると今年度、イノシシの目撃情報は185件にも上っているという。

(「令和2年度鳥獣対策優良活動表彰式」及び「第8回全国鳥獣被害対策サミット」の開催)
農林水産省は、「令和2年度鳥獣対策優良活動表彰式」を令和3年2月17日(水曜日)に農林水産省本館7階講堂において行います。なお、表彰式は公開で、式典中のカメラ撮影も可能です。併せて、「第8回全国鳥獣被害対策サミット」を開催し、受賞者からの報告などを予定しております。農林水産省は、鳥獣被害防止や捕獲した野生鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用等に取り組み、地域に貢献している個人及び団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を実施しており、令和2年度の農林水産大臣賞及び農村振興局長賞の表彰式を、令和3年2月17日(水曜日)に農林水産省本館7階講堂において行います。また、式典終了後、鳥獣対策に携わる関係者の情報共有の場として、「第8回全国鳥獣被害対策サミット」を開催し、受賞者からの取組事例の報告の他、サミットテーマに合わせた全国の取組事例の発表、パネルディスカッションや鳥獣対策に係る研究成果、技術情報、製品情報、人材育成等の取組に係るポスターセッション、資機材・カタログの展示を行います。

(となりのヒグマ、連続放送:北海道)
人の生活のすぐ近くで暮らすヒグマたち。 人とヒグマ、どう折り合いをつければ、不幸な衝突を避けられるのか。2020年の0755DDチャンネルで放送した「となりのヒグマ2020」と「続・となりのヒグマ2020」を12月28日(月)連続放送でお送りします。知床世界自然遺産がある羅臼町は、山がせまる海岸線にそって細長く人の生活があります。2019年、飼い犬がヒグマに襲われる被害が相次いだのを受けて、ことし、全町的に「草刈り活動」が始まりました。一方、札幌市南区でも環境市民団体の呼びかけで、新たな活動が始まりました。放棄された果樹の伐採です。果樹園の果樹は、手入れされなくなったとしても毎年のように実をつけ、ヒグマをひきよせる要因になっていました。やっかいな都市の市街地に出没するヒグマ。街なかでは銃を使うこともできず、いったん徘徊するようになったヒグマへの対処は簡単ではありません。人間側がとりうる一番の策はヒグマが出てこないようにすること。ヒグマがでにくい街を目指して、札幌市内各所で「草刈り」が始まっています。地域の人たちが力をあわせないとできない草刈りを、どうやって始めるのか、どうやって続けていくのか。2つの地区の活動を追いました。

(狩猟で命の大切さ伝える:愛知)
愛知県豊田市の山中にたたずむ「山里カフェMui」は、様々な野生鳥獣の食肉「ジビエ」を使った料理で人気を集める。狩猟から料理まで一手に手掛けるオーナーの清水潤子さん(49)は、治療後に社会復帰した「がんサバイバー」だ。自身の命と向き合った経験から猟師に転じ、獣の命を無駄にしない新たな「共存」の形を目指す。「ドン、ドン」。ある秋の日、ひんやりとした山中に銃声が響く。きょうの獲物は鹿1頭だ。手早く血抜きし解体まで丸1日。これらのジビエは鹿肉のキーマカレー、カラスのアヒージョ、アライグマの赤ワイン煮込みといったおしゃれなメニューに生まれ変わる。生まれ育った新潟県の実家は農業を営み、ほぼ自給自足。家畜も大事に育て、そして食べていた。祖父から食べ物や命の大切さを幾度となく教わった。そんな慕っていた祖父の病を機に福祉の道を志し、介護士として社会を歩み出した。忙しい日々を送っていた34歳のある日、食が細っていることに気づいた。体重はあっという間に30㌔台に減少。体調も優れない。「何かおかしい」。検査した病院での宣告は末期がん。「3カ月持つかどうか……」という医師の言葉に目の前が真っ暗になり、過酷な治療の日々が始まった。症状が改善しない中、心身共に支えてくれていた夫の一言が転機となる。「君は自然の中で育ったのだから、緑に囲まれた環境なら良くなるかもよ」。信じて長野県の農村で過ごすうち、不思議とがんが消えた。医師も説明できない奇跡だった。寛解した後、夫の職場に近く、縁豊かな豊田市に居を構えた。その頃、深刻な獣害と駆除する人手が足りないという山間地の苦境を耳にした。同市だけでも農業被害額は年間1億円近く。芽生えたのは「誰かが担わなければ被害が広がるだけ。生きることと本気で向き合い、自然に救われた私こそ、猟師になるべきでは」という強い思いだ。一度は死の淵に立った身だけに、獣の命を奪う行為に抵抗があった。それでも「あなたしかいない」と周囲に背を押され、2年がかりで免許を取得。今では年100頭以上を仕留めるすご腕ハンターとなった。猟を続けるうち、駆除された獣が捨てられている実態に疑問を抱いた。「奪った命は生かされるべきだ」。3年前にカフェを開き、食事の提供までの一気通貫の場を得た。教育現場での講演も続け、「ジビエを通じ命の大切さを伝えていきたい」。目指すは新たな形での獣との共存だ。

(鳥インフルの「処方箋」)
家畜伝染病「鳥インフルエンザ」が猛威を振るっている。約2800万羽というブロイラー飼育数が全国一(2019年畜産統計)の宮崎県。地域経済を含めて被害は深刻だ。鳥インフルの感染力は非常に強い。海外では人への感染例も報告されている。拡大を抑え込むには殺処分せざるを得ないのだ。処分には県や地元自治体の職員はもちろん自衛隊、殺処分した鶏を埋設する巨大な穴を掘るために建設業協会なども加わる。作業は防護服に手袋と長靴、顔はゴーグルとマスクで覆う完全防備だ。冬とはいえ暑さとの戦いで、徹夜もあり得る。新型コロナウイルスの感染を避けなければならない現在、現場には保健師も同行し、職員らの健康もチェックする。「過去には作業中、ゴーグルが少しずれただけでインフルエンザの特効薬タミフルを何錠も渡されたそうだ」とある県職員が話してくれた。なぜ宮崎に被害が集中するのか。家畜防疫の専門家、宮崎大の末吉益雄教授(家畜衛生学)は温暖で渡り鳥が集まりやすい▽県土が広く、樹木が多い▽川の流れが緩やかでよどみができる-の3点を挙げる。特に川のよどみは「ウイルスに感染したカモ類のふんなどが川やため池にたまり、その水を飲んだ野生動物が媒介するのでは」と感染ルートの一つとして推測する。ならばどう守るか。末吉教授は「消石灰を小まめに鶏舎周囲にまき、鶏舎での作業後は確実に扉を閉めるといった基本を励行するしかない」と指摘する。国の調査では、発生農場では鶏舎の壁などに穴があり、野生動物が侵入しやすい環境があったという。ツルの越冬地で知られる鹿児島県出水市は、宮崎と同じく養鶏業が盛んな地域だ。だが、11年1月から養鶏場での鳥インフル被害はない。県と市、養鶏業者の3者が一緒になって徹底した予防策を取っているからだ。市が定期的に道路に消毒剤をまくのも、一般車にも網をかけ、ウイルスが運ばれる恐れを少しでも小さくするためだ。「今こそ、出水の取り組みを学ぶべきだ」と末吉教授は強調する。渡り鳥の南下はこれからがピーク。九州全域での発生も想定される。今冬は新型コロナの感染拡大も阻止しなければならない。いずれも徹底した防疫策が問われる。新型コロナ対策は3密を避けるのが必須だが、家畜を守る“処方箋”は3者一体での漏れのない基本の実践だろう。

(シシ猟は欲張らない:宮崎)
かつて椎葉村のイノシシ猟では、獲物が捕れると内臓だけ取り出してタヌキやテンが届かない木の枝につるしたという。猟師が帰ると次は”回収隊”が山に向かう。多くの集落民が分け前をもらえる仕組みだ。飯田辰彦著「のさらん福は願い申さん」によると、猟は集落総出の共同作業だった。また、猟師がイノシシの出先を判断する方位占いを紹介している。旧暦のえとに方位磁石を合わせ、猟を禁止する方角を設けた。生き物が逃げて、生き延びる余地を残すためだ。「のさらん―」は猟師の言葉。「山の神から授かるものだけを獲物とし、欲張ってまで捕る必要はない」という意味だ。猟のほか往復で10時間以上歩く駄賃つけなど山のなりわいは厳しいが「誰ひとりとして『つらかった』という感想をもらす年配者はいなかった」という。同村には「ひえつき節」「駄賃つけ節」など季節ごと、作業ごとに歌う民謡が豊富に伝承されている。歌が仕事のリズムをつくる。著者は「椎葉の民は何事に対しても前向きで、楽しむ術に長けていた」と驚く。自然と共生し、なりわいを楽しむ知恵、共同作業の精神は今も山村生活の隅々に生きている。現代の都市住民が簡単にはまねできない。だが「のさらん―」精神は、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)を先取りしている。高千穂郷・椎葉山地域が世界農業遺産に認定されて5年。古式な生活に未来が見える。誇りを持って世界に発信していこう。

(林業でいい稼ぎ方を:岡山)
近年、キャリアや生き方を考えるときに「移住」という選択肢がメジャーになりつつある。故郷へのUターンはもちろん、海が好きで海のそばに移住する人もいれば、好きな町を見つけてそこでの暮らしを実現するために引っ越す人もいる。あるいは地方自治体が募集する移住プロジェクトに応募する人もいる。羽田知弘さんが岡山県西粟倉村(読み:にしあわくらそん)に6年前に移住したのは、転職がきっかけだった。後述するがこの村の基幹産業は林業であり、羽田さんが働いているのも木材会社だ。羽田さんはサラリーマンとして働きながら、この村ならではの暮らしを実践し、楽しんでいる。そのひとつが狩猟だ。「25歳で移住してきた当初、シェアハウスに住んでいたんです。そのときのシェアメイトが狩猟をやっていたんです。それで自分も興味を持って、くくり罠猟の免許を取りました」。くくり罠とは動物が踏むと足が括られる仕掛けの罠で、イノシシや鹿を捕らえるのに使われる。「猟期(西粟倉村の場合11月15日~翌年3月15日まで)には、朝の出勤前とか夕方に山に仕掛けておいた罠を見回りに行きます。イノシシや鹿は畑を荒らす害獣でもあるので、村の人に頼まれて畑の脇などに罠を仕掛けておくこともあります。捕った獲物は村の加工場に持っていって捌いて食肉にしたり、休日は自分で捌いて食べることもありますね」。猟期でない春夏の羽田さんの日課は畑仕事。自分と妻が食べるためにいろいろな野菜を育てている。羽田さんの西粟倉村でのライフスタイルは自給自足生活の実践というわけだ。「お金を払ってなんでも買える時代だけれども、自分で手を動かして食べ物を手に入れる、自分の力で生きるということにずっと興味があったんですよね。子供の頃、父や祖父に連れられてよく川に行ったり山に入ったりして、よもぎを摘んだり、アユを釣ったりしたんです。そういう “サバイバル体験”をしていたことも影響しているかもしれませんね」。こうして羽田さんがサラリーマンをしながら狩猟や野菜づくりをして暮らしている西粟倉村は、岡山県の最北端部に位置する人口1500人弱の村だ。中国山地の中にあり、その面積の95%は山林である。そんな山の中の小さな村でありながら、実は人口の1割が移住者で、地域創生の先進地として注目されている。村の転換点は10年ほど前に遡る。平成の大合併の際に村としての存続を選んだのだ。そのときに掲げたのが「百年の森林構想」。林業が盛んだった50年前に植えられた木をしっかり育み、間伐して道を整備し山林を整え、森を管理しようというもの。そして、村ぐるみで100年生の豊かな森を育てていこうという意思表示だ。以来、西粟倉村は林業を軸とした地域再生を試み、起業を志す移住者を積極的に受け入れてきた。その中心的存在が、「株式会社西粟倉・森の学校」である。間伐材を加工してプロ向けの建材を作るのはもちろん、DIY向けのオリジナルフローリングや家具、雑貨などの商品開発や生産販売を行い、林業を中心とする地域の資源に価値を生み出しているローカルベンチャーだ。羽田さんがこの村に移住したのは、この森の学校に転職したためだった。「自給自足の田舎暮らしをしたくて移住したというわけではないんです。以前は東京で国産木材の専門商社に勤めていました。もともと林業でいい稼ぎ方ができるようにしたい、そう考えてこの仕事に就いたんです」。羽田さんが林業に興味を持ったきっかけは、大学時代の体験に遡る。大学では“たまたま”生物資源学部に在籍し、林業や森林計画について研究していた。「大学に入ったときにはコンプレックスを抱えていました。高校は進学校で、東大や京大を目指す同級生もたくさんいた中、僕は一浪して第一志望に入れず三重大学に入学したんです。サークルとかバイトとか、大学生活に期待していたことはあるんですけど、『こういう生活に4年間を費やしていいものか……このままだと負け犬感を一生抱えて生きることになる。人と違う経験をしなくちゃダメだ』と考えるようになって」。それで羽田さんが積極的に参加するようになったのが、専攻を活かした大学の外でのさまざまなボランティア活動だ。ケニアに植林に行ったこともあるという。そのひとつに、岡山県新見市で間伐をするボランティアがあった。全国の大学生と共同生活をしながら、間伐作業をするものだ。「そのとき話した若い林業作業員の人が、梅雨時期は給料が月10万円もないって言うんです。僕の居酒屋バイトでもそれ以上稼げるのにってショックを受けました。林業って1000人に1人が事故で亡くなるんですよ。そういう危険な仕事で誇りも持っているのに、稼げないっておかしいじゃないですか。林業に情熱を燃やしていたその人も、その後に辞めちゃったんです。もっときちんと稼げてもっとやりがいを感じられるような未来があれば、その人も辞めなかっただろうなと思って。この経験がきっかけで、自分も林業に関わっていきたいと思うようになったんです」。こうして林業に将来の目標を見出した羽田さんだが、なんと大学を休学して、NPO団体で働くという決断をする。「講演を聞いたりボランティアに参加したりして何か成長した気にはなるけれど、明日の自分は何にも変わってなくて。結局、自分自身が変わらないと、それには何かやらないと、と考え、働いてみようと思ったんです」。この経験はその後の羽田さんにとって大切なものとなった。それは価値観を変えた経験だった。「働いていたNPOは、地域の中小企業の人材育成や採用のサポート事業をしていました。僕の仕事は大学生向けの長期インターンシッププログラムのコーディネイトでした。その仕事を通じて本当にいろいろな生き方、働き方をしている人に会ったんです。たとえば、ホームレスから一念発起して会社を興した人もいました。それまでの僕は、少しでもレベルの高い大学に行き、人よりも高い給料もらって……ということを幸せの理想像みたいに考えていて。それが、いろんな社長に出会って『こんなふうに生きてもいいんだ』と思えたことは、すごく大きかった」。そしてこの仕事を通じて羽田さんが知ったのが、現在勤務する森の学校だった。「働いているときも林業でちゃんと稼ぎたいということは思っていて、『だったらここを一度訪ねてみるといいよ』と教えてもらったんです」。林業に関わる卒業後の進路として、国立大学の林業専攻の学生が就職するとしたら、県庁市役所、あるいはハウスメーカーが妥当なところ。「木こりや行政職だけが山と関わる仕事じゃないだろう」と羽田さんは林業に関わる面白い会社を探していたところだった。「初めて訪ねたときに、いつかここで働きたいと思ったし、社長たちにもそう話しましたね。『大学を辞めてすぐ来んか』と誘われましたが、それはお断りしました。覚悟が無かったんでしょうね。西粟倉村は先陣を切って『林業で稼ぐ』と宣言していた地域なので注目度は高かったんですが、森の学校は立ち上がったばかりで、経営も安定していませんでした」。大きな事業を動かす会社でも働いてみたい、という思いもあった。小さなベンチャーの取り組みに参加したり、あるいは事業を興すには、今の自分ではうまくいかないんじゃないかという不安もあった。「せっかく新卒というカードもあるんだし、一回ちゃんと就職活動をして木材商社にいってみよう、大きいビジネスを経験してからでも遅くないだろうって考えたんです」。1年半の休学ののちに復学した羽田さんは、最終学年で卒業に必要な単位の半分以上を取得した。そして、新卒枠で大手国産木材商社に就職し、東京で社会人となった。しかし、1年足らずでその会社を辞め、西粟倉村へ移住することになったのだ。

(オーダーメイドで仕上げていく「紳士の銃」)
英国の紳士のスポーツというとハンティングが欠かせない。個人で行くこともあるがゴルフのように親交を深める大事な手段でもある。イギリスでの人気のハンティングはキジなどの鳥を散弾銃で仕留めるというもの。そこで使われるのはもちろん散弾銃だ。紳士の使う銃はオーダーメイドとなる。メーカーのことをガンメーカー、銃砲店はガンルームと呼ぶ。以前王室御用達のガンメーカーを訪れたときに、エリザベス女王陛下の散弾銃がメンテナンスでそこに保管されているのを手に取り構えさせてもらった。その使い込まれた銃はお飾りで銃を持っているのではなくかなり撃ち込んでいるのがわかった。そして何より陛下は小柄な方だとわかるのだ。それは銃がそのオーナーの体に合わせて作られるからだ。今回紹介するガンメーカーはホーランド&ホーランドというガンメーカー。ここで銃をオーダーするとしよう。散弾銃は水平二連あるいは上下二連。つまり一回に2発しか撃てない。日本でも所持が可能だ。銃のモデルをカタログから選びストックを体に合わせて製作してもらう。その手順はオーダーが決まったらまずロンドン郊外のホーランド&ホーランドの射撃場を訪れインストラクターに自分の射撃を見てもらう。もちろん初心者ならばそこで射撃を学ぶことができる。そこでは正しい射撃のフォームを教え込まれる。変な癖を正しいフォームが身につくといよいよ採寸だ。専用の採寸ができる銃で各パーツの長さや角度などを採寸していく。ここで“不幸にも”手は右利きでも効き目が左の場合(こういうシューターを“不幸なシューター”と呼ぶらしい)右手で構えてストックは左肩で、ストックのほお付が左側に来るようにストックをくねったものにしなければいけない。ストックは削り出しなのでその分倍の厚さの木材を必要とするのだ。採寸が終わるとカタログから選んだモデルの仕様を決めていく。仕上げの色や彫刻そしてストックの木材。木材は木目の美しいものを選ぶ。この木材安いものは数万円から1千万円位まである。全て手作りとなるがベースとなる銃の価格はおよそ800万円くらいからそれに諸々仕様を決めていくと大体その倍になる。2発しか撃てないので、ハンティングに出かけてその時にたくさんの鳥が飛んできたらそれでは足りない。すぐさま荷物持ちがもう一丁を手渡し射撃を続ける。というスタイルから2丁同じものをスペアーとしてオーダーする。これをペアガンと呼び、ひとつのケースに収めて納品される。通常オーダーから手渡しまで半年。しかしヨーロッパで人気のハンティングで2、3年待ち。運が悪いと6年も待たされるほどだ。

(特産キジの創作料理、児童が考案:北海道)
日の出小の6年生30人が特産のキジを使った創作料理を考案し、授業で発表した。丼物やピザなど多彩な料理が紹介され、市内でキジ肉料理を提供する食堂で商品化も検討されている。地域の特産品を学びながら、商品開発のノウハウや人前で発表する力を身につける総合学習の一環で実施。児童たちは、キジ生産を続ける市内の障害者就労支援事業所「ワークつかさ」の生産現場を見学するなどして理解を深めてきた。

(「脂がうまい!」貴重な熊の肉をスーパーで販売:石川)
石川県のスーパーマーケットで一般にはあまり出回ることのない熊の肉が販売されました。持ち込んだのはジビエ専門家の女性でした。福岡富士子さん(50):「甘味が一番強いので、脂があるところの方が絶対におすすめ」。熱弁を振るうのは自らもハンターとして狩猟を行う福岡富士子さんです。石川県輪島市のスーパーマーケットに自ら肉を持ち込み、販売しています。福岡富士子さん:「これは、どこ探しても手に入らないので」。客「そう言われると買おうかな」。福岡富士子さん:「白山麓の貴重なお肉を持ってきたので」。福岡さんはジビエの普及などを行う団体に所属していて、以前はジビエ料理の講習会なども開いていました。しかし今年、新型コロナの影響で講師の仕事が少なくなり、この取り組みを始めました。味や調理方法などジビエを知り尽くした福岡さんならではの説明に、熊の肉は次々と売れていきます。購入した客:「熊肉って食べたことないなと。まさかここにあるとは思わなかったので。お姉さんが口が上手で。こんな若いのにハンターとは」。熊の肉はとても貴重なため、次回の販売の予定は決まっていませんが、新たな企画として、福岡さんは鹿の肉の販売も検討しているということです。

(ジビエを主原料としたフレッシュタイプの手作りドッグフード:兵庫)
農業法人淡路アグリファーム株式会社(本社所在地:兵庫県南あわじ市、代表取締役CEO :松岡久美子)は、SDGsへの取り組みとして鹿肉・猪肉を主原料としたフレッシュタイプのプレミアムドッグフード『マウンテンズギフト』を2020年8月20日より発売し、これまでにシリーズ累積販売数が6万食を突破したことをお知らせします。

(ジビエも、産直お取り寄せグルメ)
鹿や猪(イノシシ)など天然の野生鳥獣の食肉ジビエは、独特な野性味のある味わいのグルメだ。とかくレストランで食べるものというイメージだが、それをミシュラン星付き店のシェフがお取り寄せ商品に仕立てオンラインで販売するのが「アグレボヘルスフーズ スターシェフライン」だ。調理・開発担当はミシュランの1つ星を4年連続獲得し、ジビエ料理に定評のあるフランス料理レストラン「ラチュレ」(東京・表参道)の室田拓人オーナーシェフ。ラチュレは、フードロスの削減や森林活性化、絶滅危惧種の保護などに積極的に取り組み、ミシュランが評価する「グリーンスター」にも選ばれている。お取り寄せできるのは猪肉と鹿肉を用いたハンバーグとギョーザ。「猪と南仏野菜のトマト煮込みハンバーグ」はフレッシュハーブとトマトが力強い猪の肉の味を引き立てている。ハンバーグは、レトルトになっていて温めるだけ。サイドに彩り野菜を添えればりっぱなグルメの一皿だ。鹿や猪などは耕作地を荒らす有害鳥獣として捕獲された後、大半が廃棄されており、食品ロスともなっている。狩猟免許も持つ室田シェフは、食肉として活用されれば、食品ロス問題にも貢献できるという思いもあったという。そこで九州を拠点に、有機野菜やジビエ肉など原材料は調味料まですべて無添加でのオリジナル商品開発に取り組むアグレボヘルスフーズ(大分県由布市)とタッグを組んだ。ジビエ肉の仕入れと製造には全国のジビエ利用モデル地区に選ばれている大分の「椿説屋」(由布市)が入っている。高タンパクで低カロリーと栄養面でもジビエは注目の素材の一つ。九州の自然の中で育った動物たちの命をおいしくいただける商品だ。

(道の駅年越し祭り、猪フルコースや餅つき楽しむ:愛媛)
久万高原町の「道の駅みかわ」(久万高原上黒岩)で12月27日~29日の3日間、アコーディオンライブや餅つき、イノシシのジビエなどを楽しむ「年越し祭り」が開かれる。28日はイノシシ祭り。町内に新しくオープンした「ジビエ専門精肉店 マタギの郷かわせ」が加工冷凍猪肉の初売りを行うほか、猪肉マン・角煮・大根煮・竜田揚げ・猪カツ(ちょかつ)カレー・猪汁など猪肉のフルコースが並び、イノシシの皮を活用したアクセサリーなども販売する。会場には、本物の仔イノシシ(ウリボウ)も来場する。

(イノシシの革、刃物ケースに:石川)
七尾市の革職人の夫婦が、農作物に被害をもたらす「厄介者」とされるイノシシの革で、刃物を収納するケースを作った。荒々しい見た目や硬さから革製品には向かないとされるが、夫婦は資源の有効活用を目指して製造に挑戦。ジビエ(野生鳥獣肉)料理に限らず、イノシシの活用法として提案する。手掛けたのは、二〇一四年から同市川尻町で工房兼ショップ「tasola(タソラ)」を営む高畑圭介さん(46)と愛子さん(46)夫婦。環境にやさしい製法でなめした牛革で、ポーチやかばん、スマートフォンのケースなどを作っている。「環境から目を背けられない時代。イノシシ革に前から興味があった」。つるっとした見た目の牛革と対称的なイノシシ革。板のように硬く、製品には適さないとされてきたが、高畑さんは資源を有効活用しようと製造に乗り出した。以前から交流がある能登町宇出津の老舗鍛冶店「ふくべ鍛冶」と連携。同店看板商品の刃物「能登マキリ」のレザーケースにイノシシ革を使うことに。高畑さんは「革の傷や染みは本来ならデメリットだが、逆に野山の自然を感じられレザーケースにマッチする。牛よりも革が硬く、刃をしっかりと守れる」と利点を話す。ゴツゴツした肌触りや、荒々しい見た目が特徴。ふくべ鍛冶の担当者は「男性を中心にかなり人気。マキリのワイルドさとマッチしており、問い合わせが多くある」と手応えを語る。アパレル販売「ビームス」(東京)が展開する独自ブランド「ビームスジャパン」の新宿店や京都店などで販売している。イノシシ革は希少なため、現時点で大量生産は難しいが、夫婦は猟師らとタッグを組み、能登で駆除されたイノシシを活用する夢も思い描く。三脚や敷物などアウトドア製品にイノシシ革の風合いがマッチするとも感じている。高畑さんは「本来使わない素材だが、こういう形なら使えると提案できれば」と期待。愛子さんは「耐久性があり、たくましい。イノシシ革の魅力を広めたい」と話す。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後4時30分ごろ、仙台市青葉区郷六出戸にクマが出没しました。

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(全国の野生鳥獣による農作物被害状況について)
農林水産省は、令和元年度の野生鳥獣による農作物被害状況について、都道府県からの報告を基にして、全国の被害状況をとりまとめました(都道府県は、市町村からの報告を基に把握を行っています)。1.鳥獣による令和元年度の農作物被害について、被害金額は約158億円で前年度に比べ約2千万円増加(対前年0.2%増)、被害面積は約4万8千haで前年度に比べ約3千ha減少(対前年7%減)、被害量は約45万8千tで前年に比べ約3万8千t減少(対前年8%減)しています。2.主要な鳥獣種別の被害金額については、シカが約53億円で前年度に比べ約1億円減少(対前年2%減)、イノシシが約46億円で前年度に比べ約1億円減少(対前年2%減)、サルが約9億円で前年度に比べ約1億円増加(対前年4%増)、ヒヨドリが約6億円で前年度に比べ約3億円増加(対前年96%増)しています。

(“いないはず“の壱岐でイノシシ捕獲:長崎)
長崎県壱岐市は21日、壱岐島内で雄のイノシシ1頭を捕獲したと発表した。島にはイノシシがいないとされてきたが、2010年、泳いで渡ってきたとみられるイノシシが上陸する姿を釣り人が目撃。地元の猟友会などが14年に雌1頭を捕獲したが、その後も農作物の被害が相次いでいた。イノシシがダニや寄生虫を落とすために泥を浴びた跡の「ヌタ場(沼田場)」などが同市郷ノ浦町で見つかり、市や猟友会は今月、82カ所にわなを仕掛け、センサー付きカメラ11台を設置。19日午後、わなにかかったイノシシの画像が確認され、市職員らが20日朝に現場に直行。その場で殺処分したという。捕まったイノシシの体重は140キロ。市農林課は「これで騒動も一段落と思うが、念のため、しばらくわなを仕掛けておきます」としている。

(新幹線がイノシシなど衝突:山形)
22日午後、山形新幹線の山形―福島県境付近で、山形発の列車がイノシシと、東京発の列車が特別天然記念物のニホンカモシカに相次いで衝突した。安全確認などで遅れが出たが、けが人はなかった。JR東日本によると、22日午後4時43分頃、板谷駅(山形県米沢市)―赤岩駅(福島市)間で、山形発東京行きの「つばさ148号」がイノシシと衝突し、同列車など2本が最大38分遅れ、約130人の乗客が影響を受けた。約3時間後の午後7時53分頃には板谷駅―峠駅(米沢市)間で、東京発山形行きの「つばさ153号」がニホンカモシカと衝突し、同列車が最大36分遅れ、約50人の乗客が影響を受けた。

(イノシシ、住宅地で大捕物:広島)
現場は厳戒態勢。民家の前で網を張る、地元の人々の姿が。すると、網に向かってイノシシが突進。22日夕方、広島県の住宅地。捕獲の瞬間が撮影されていた。柵と網で囲われる中、脱出しようと、イノシシは何度も網に向かっていく。どんな結末を迎えるのか...その時!イノシシは一気に囲い込まれ、捕獲された。動画を撮影した男性は、息子さんと保育園の帰り道に、この様子を目撃した。撮影者・友井俊輔さん「(イノシシは)逃げようと必死な感じですよね。警察の方が盾を持ってたりとか、音を出して追い込むみたいな状況だった」。この地域では、イノシシが相次いで出没。撮影した男性も被害に遭っているそうで...。撮影者・友井俊輔さん「家庭菜園も、ほぼ全滅。花の球根やトマトだったりを根こそぎほじくり返して、実なんかも全部食べていく感じ。結構、子どもなんかもうろうろしている時間帯なので、おそろしいですよね」。たまたま撮影に成功した、イノシシの大捕物。人が追いかけられたり、けがをすることもあるということで、今後も警戒が必要。

(神主を務めながら2度目のオリンピックに挑む:栃木)
クレー射撃スキート種目の日本代表としてTokyo 2020(東京五輪)に挑む石原奈央子は、メディアから「神職スナイパー」と称される。実家の古峯(ふるみね)神社で、自身も神主を務めているためだ。41歳の時、リオデジャネイロで初めてオリンピックの舞台に立ったアスリートは、「必然的に自分も射撃をやるもの」という環境で幼少期を過ごしている。父の敬士さんは「幻のオリンピアン」だ。クレー射撃の選手として、1968年のメキシコシティー五輪と1980年のモスクワ五輪の日本代表に選ばれている。しかし、メキシコシティー五輪は日本クレー射撃協会の不祥事によって、モスクワ五輪は日本の参加ボイコットによって、オリンピックの舞台に立つことができなかった。石原奈央子は「幻のオリンピアン」の次女として1974年10月22日に生まれた。出身地には東京都と記されるが、故郷は栃木県鹿沼市だ。実家は日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀る古峯神社。約1300年の歴史を誇る由緒ある場所で育った。クレー射撃にふれたのも、実家の古峯神社だった。父だけでなく、祖父の重殷(しげたか)さんもクレー射撃をたしなんでいた。神社には射撃場が隣接しており、父やその友人たちが銃を撃つ風景を見て育った。小さなころから「必然的に自分も射撃をやるもの」と感じていたという。もちろん、幼い時にキャリアをスタートさせたわけではない。原則として猟銃は20歳、空気銃は18歳にならないと持てないためだ。同時に、「幻のオリンピアン」である父から競技に向き合う姿勢を教えられた。「一番を取ってこそ、競技者として成功したと言える」。実家の神社に隣接する射撃場。銃で小さな的を狙う祖父と父。父から伝えられた心構え。アスリートとして飛躍する素地は十分すぎるほどあった。実際、純心女子学園高等学校に通っていたころはサッカーに熱中し、FWとして東京都リーグの最優秀選手に選出された経験を持っている。一方、銃の免許が取れる20歳を過ぎても、スナイパーとしてのキャリアは始まらなかった。昭和女子大学に進学し、勉強で忙しかったからだ。本人の記憶によると、免許を取得してクレー射撃を始めたのは「少し時間に余裕ができた23歳くらい」の時だ。もっとも、免許を手にしてから本格的にキャリアを始めるまで、約10年を要している。その間は國學院大学に通い、実家の神社を継ぐ道を視野に神職の資格を取得した。その後は、イギリスのアングリア・ラスキン大学に進学し、5年ほど語学留学を経験している。クレー射撃に本腰を入れ始めたのは33歳の時。日本クレー射撃協会の選手発掘プログラムに参加し、2007年に初めて全国大会に参加した。結果は散々なもので、最下位に終わった。最弱という成績で火がつき「絶対にうまくなってやる。絶対にオリンピックに行ってやる」と心に決めたという。「幻のオリンピアン」である父の教えを請い、特にスキート射撃の腕を磨いた。半円の曲線上に置かれた7個の射台と、直線の中心に設定された1個の射台を回ってクレーを撃つ種目だ。時には父とぶつかりながらも、41歳の2016年、リオデジャネイロ五輪に出場した。「絶対にオリンピックに行ってやる」という夢をかなえたものの、結果は予選18位に終わった。初のオリンピックで予選敗退して以降、実家の古峯神社で神主を務めながら、技術を高めてきた。2019年11月のアジア選手権で日本選手トップとなる16位の成績を収め、東京五輪の代表に内定した。しかし2020年10月の全日本選手権では、男子選手も混じる大会形式とはいえ、14位と低迷。「立て直せなかった」と悔しさを隠さなかったが、初めての全国大会から見せたような負けん気の強さを備える。「神職スナイパー」は「幻のオリンピアン」の夢も背負い、東京五輪での活躍を狙う。

(各地クマ出没、ベアドックなどで共存目指す自治体も)
今年は各地でクマの出没が相次ぎ、目撃情報は過去最多となった昨年を上回った。石川県加賀市では10月19日、ショッピングセンターにクマが侵入、通報から約13時間後に駆除されるという騒動もあった。クマ出没の主な要因は、餌の凶作や生息域の拡大だが、今年は特に複雑に絡み合った。餌の凶作は、梅雨の記録的な長雨による日照不足が関係している。コロナ禍で車や人通りが少なかった6月頃には、行動範囲が市街地にまで及んだ。また、17年が暖冬で餌が豊作だったため、18年生まれの1メートル級の若いクマの個体数が多く、平野部で暴れる問題も見られた。日本ツキノワグマ研究所の米田一彦氏(72)によると、推定生息数が1978年頃の1万頭から5万頭に増加し、生息域は平均1・4倍、最大で2倍に拡大した地域もある。耕作地の放棄や狩猟者の減少も一因といえるという。クマとの共存を目指し成果を得ている自治体もある。長野県軽井沢町では市街地の人身被害が10年間出ていない。町から委託を受けるNPO法人ピッキオでは、クマに発信機をつけ、位置の確認や個体管理を行っている。捕獲した際に「人の声・犬の声・鈴の音」を聞かせ「この音がする所では嫌なことがある」と、覚えさせてから放つ、学習放獣を行っている。また、クマが開けることができないゴミ箱を03年から設置。99年には100件以上あったゴミ箱の被害を現在は1桁台にまで減らした。一方、生息域の範囲外にクマが現れた場合には、特別な訓練を受けたクマ対策犬「ベアドッグ」と「ハンドラー(飼育兼訓練士)」が森林に追い払う。痕跡が残っていなくても、ベアドッグの嗅覚でクマがたどったルートを探索、市街地にクマが入ることを未然に防ぐことができる。米田氏は「今年は特にクマがよく出た。もはや里の近くには常時いると思った方が良い。残暑や台風、ちょっとしたきっかけで被害は増える」と分析する。冬眠明けの被害の可能性も十分に懸念される。遭遇しないことを第一に引き続き警戒が必要だ。

(「人と熊のディスタンス」ある対策で目撃回数減った:北海道)
人里からヒグマを遠ざけることを目的に、北海道羅臼町で住民らがヒグマが身を潜めることの多い草やぶをなくす取り組みを行ったところ、目撃される回数が実際に減ったことがわかった。駆除とは異なる住民主体のヒグマ対策の効果が得られた格好で、人とヒグマの新たな共生に道を開くものと注目を集めそうだ。同町が、今月14日に釧路市で開かれた知床世界自然遺産地域科学委員会で発表した。同町は今春、ヒグマの調査研究に取り組む公益財団法人「知床財団」(斜里町)と協力し、共生を目的に人とヒグマのディスタンス(距離)を保つための独自の地域づくり計画を策定した。その具体策として、人里近くの草やぶをなくすこととし、今年5月から7月にかけて延べ176人の町民が参加して草刈りを行った。この結果、同町内でのヒグマの目撃数は、昨年度1年間が340件だったのに対し、今年度は11月25日現在で182件となった。同日現在で今年度は4か月以上残っているが、この間はヒグマが冬眠に入り活動が減ることから、同町は、今年度1年間の目撃数が昨年度を大きく下回るのは確実だとしている。羅臼町産業創生課の田澤道広主任は、「今後も草刈りを継続的に実施し、効果の検証などを行いたい」と話している。

(ふん害越冬カラスと知恵比べ:熊本)
熊本市の中心市街地でここ数年、越冬のために訪れるカラスの「ふん害」が深刻だ。歩道や花壇、駐車場に止められた車のフロントガラス。おびただしい白いふんに、市民は頭を痛めている。市は大学や民間企業の協力を得て、特殊な装置でカラスを追い払う実証試験を始めた。12月の夕暮れ時、同市中央区花畑町周辺では、上空を大量のカラスが飛び回っていた。日が沈むと電線や信号、歩道橋の手すりにとまり、所構わずふんを落とす。市鳥獣対策室によると、これらのカラスは中国大陸北東部から越冬のために飛来する「ミヤマガラス」。毎年10月~翌2月、市内に滞在。日中は郊外の田畑で餌を食べ、夕方になると、市街地にやってくる。市が昨年度実施した調査では約3千~6千羽のカラスが確認された。以前は郊外の山中をねぐらにしていたが、2年ほど前から花畑公園のクスノキに移動した。詳しい原因は不明だが、市の担当者は天敵の猛禽(もうきん)類が少ないことを理由に挙げる。近年は「服にふんが落ちてきた」「道路も汚い」などの苦情も多いという。市は12月10日からカラスを追い払う実証試験に乗り出した。タッグを組んだのは、カラスの生態を研究している佐賀大の徳田誠准教授(農学)と、全国で活動を展開するカラス対策専門会社「CrowLab(クロウラボ)」だ。この日午後6時すぎ、一行は花畑公園へ。同社の塚原直樹代表が取り出したのは、一見すると普通の拡声器。スイッチを押すと、「カーカー」「ガーガー」と複数のカラスの鳴き声が聞こえ始めた。するとクスノキに止まっていた大量のカラスが飛び立った。塚原さんによると、この音声はカラス同士が仲間に警戒を促す声や、群れが混乱している時に発する声などを独自に組み合わせたもの。「本物に近づくように、群れが外敵に襲われたストーリー仕立てで作った」と塚原さん。次に、強い光を放つLEDライトを照射した。市民会館前のケヤキにライトを当てると、こちらのカラスも光に驚いた様子で飛び立った。大成功に見えるが、塚原さんと徳田さんは「想定通り」といたって冷静だ。カラスは学習能力が高いため、偽の鳴き声やライトといった人間側の“作戦”を見破るかもしれないという。実証試験は来年1月末までほぼ毎日行われる。人間とカラスの知恵比べ、勝つのはどっち?

(クマ「まさか」の出没続いた1年:福井)
2020年は福井県内でツキノワグマの出没が相次ぎ、人の生活が脅かされた。4~11月の出没件数は1159件となり、06年度以来の千件超え。人身被害は12人に上り、統計を始めた04年度以降で2番目の多さとなった。「例年にも増して危機的な状況にある」。10月中旬、県庁で開かれた臨時の対策会議で県幹部は警戒を強く訴えた。クマは時間帯や場所に関係なく出没し、平野部での大胆な行動も目立った。10月3日、坂井市春江小学校や福井県児童科学館の近くに出没。来館者は屋内に避難し、周辺住民も外出自粛を求められた。同15日には、福井市北東部の商業施設や住宅が集まるエリアをうろついた。「こんなところにクマが出るなんて」「散歩道や通学路として使われることが多いので怖い」。山から離れた場所での「まさか」の出没に、住民からは驚きと恐怖の声が上がった。人が暮らす場所の近くに定着する「里クマ」が増加している上に、今秋は餌になるドングリの実りが悪かった。クマは餌が乏しい山を下りて民家敷地にある柿などを求め、日常生活の中での被害が相次いだ。自宅敷地内で刈った草を運んでいる時や、自宅横の花壇の水やりをしている時、農作業をしている時、畑に向かう途中…。自宅敷地内の車庫に車を止めた際にクマと遭遇し、足に複数のひっかき傷を負った男性もいた。痕跡を含めた出没件数は4~8月が過去最多の383件、9~11月は776件で過去3番目に多い。人身被害は4~8月2人、9~11月10人に上った。出没時には迅速な対応が求められるが、常時駆け付けられる猟師は少ない。福井県猟友会は、支部の枠を超えて緊急事態に対応するクマ広域捕獲隊を発足した。県は本年度、駆除数の上限などをまとめた計画の改定に向け、生息数を調査している。現計画は21年度までだが、杉本達治知事は「21年度の途中でも改定を急いで行い、必要があれば捕獲強化に乗り出したい」としている。

(人も車も恐れず、広がるクマの領分:秋田)
秋田県北秋田市の国道285号。10月中旬の昼下がり、2台先の車の直前を黒い動物が横切った。衝突を免れた黒い動物は左側の茂みに消えた。あれって、もしかしたらクマ? 一瞬目を疑ったが、確かにクマだった。人家が近く、車の往来も激しい場所にクマがいたのだ。人がクマと遭遇するのは、かつては山仕事や山菜採りなどで山に出かけたケースが圧倒的に多かった。いわば「クマの領分」に人が入り込んだ時だ。今はそうした常識が通じない。「クマの領分」は里まで広がり、北陸では住宅街への出没騒ぎが多発した。県内も例外ではなかった。10月7日、藤里町で83歳の女性がクマに襲われ、その後亡くなった。役場に近い住宅街で襲われ、現場には女性が収穫したクリが散乱していた。現場に来るまで川を渡った痕跡があり、クマは何らかの意志を持って現れたとみられる。「若いクマが里山や集落近くに張り付いている」。県内のクマの実情に詳しい日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長はそう指摘する。過疎化で里山が荒れ耕作放棄地も増えてクマの領分が広がった。同時に、人や車を恐れないクマが現れているのは間違いない。世代を重ねるにつれ、それがクマの当たり前の習性になる可能性もある。ヒグマが生息する北海道は、これまでの狩猟期間(10月1日~1月31日)の延長を検討中だ。冬眠明けのクマを狙う春グマ猟は個体数を減らすとして1990年に禁止になったままだが、人を恐れなくなったヒグマに狩猟の圧力を加えて警戒感を植え付けるのが狙いだ。秋田県も、生息数の維持を前提とした対策から捕獲圧を強める方針にかじを切っている。県内のクマの推定生息数は約4400頭で、800頭を下回らないことを目標にした県のツキノワグマ管理計画(2017年策定)を大きく上回っている現実を踏まえたものだ。2009年から8年間続いた狩猟自粛を17年に解禁し、さらに昨年は狩猟期間を前倒しにした。だが狩猟者の数は減り、高齢化が進んでいる。果たして狩猟でどれだけ圧力をかけることができるのか。種の保存とのバランスを取りながら、増えすぎたクマへの対応を迫られる難しい局面が続いている。

(市街地でクマ出没想定、図上訓練:秋田)
人里でのクマの被害が相次ぐなか、市街地にある学校の敷地内にクマが出没したという想定で、秋田市や警察などが連携して生徒らを避難させ、クマを捕獲するまでの手順を地図上で確認する訓練が行われました。秋田市で行われた訓練には、秋田市や警察、地元の猟友会のメンバーなど、あわせて16人が参加し、市街地にある学校の敷地内にクマが出没したという想定で行われました。訓練では、学校から通報を受けた警察が、秋田市などに連絡したあと、連携して生徒らを安全に避難させた上で、クマを捕獲するまでの手順を地図上で確認しました。また、訓練のなかでは、現場で各機関が情報共有するための通信手段が確保されていないという課題も見つかっていました。県によりますと、ことし、県内では21日までに、クマに襲われて1人が死亡、8人がけがをしていて、このうち3人が人里で被害にあっています。秋田市の担当者は、「今後は現場での訓練も行い、住民の協力も呼びかけ、クマの被害を防ぎたい」と話していました。県ツキノワグマ被害対策支援センターの近藤麻実さんは、「希望があれば、今後はほかの市町村でも、市街地でのクマの出没を想定した訓練を行いたい」と話していました。

(麻布大学、フィールドワークセンターを新設:島根)
麻布大学は「フィールドワークセンター」を島根県美郷町に新設し、2021年4月から運用を開始します。生命・環境科学部の専任教員が常駐し、動植物の生態、食品、環境などの教育・研究を実施します。島根県美郷町とは、獣医学部動物応用科学科動物行動管理学研究室と長年にわたり研究交流があり、2019年3月27日に、学術研究、研究成果の実用化とその普及啓発、情報発信、人材育成、産業振興、教育・文化の振興を目的に包括協定を締結しました。現在は、卒業論文や修士論文の作成のため、学生が現地に滞在して研究を行っています。今後は、動植物に関するフィールドワーク教育、野生動物を用いたジビエ料理の加工技術教育、食品衛生管理の国際基準「HACCP」の研究、を中心に取り組みを進めます。特に、有害鳥獣被害対策の指導・支援の拠点として、獣医系・生命科学系大学としての麻布大学の特色を活かし、地域と連携した新たな教育研究に運用していきます。

(ニホンカモシカ、絶滅から絶滅危惧種へ:愛媛)
愛媛県が絶滅の恐れがある野生生物をまとめたレッドデータブックで「県内絶滅」となっているニホンカモシカについて県の専門部会は22日、「絶滅危惧Ⅰ類」に復活させることを決めた。今年度内に正式に決まる。哺乳類が「県内絶滅」から「絶滅危惧Ⅰ類」になるのは初めて。県などによると、ニホンカモシカはかつて石鎚山系に生息していたが、50年以上確認できず、2014年に「県内絶滅」に。四国は剣山系で生息している。今年7月に県が新居浜、西条両市の目撃情報を公表。その後、西条、四国中央両市で15~20年に撮影された情報計4件も寄せられ、部会は「絶滅状態ではない」と「絶滅危惧Ⅰ類」に分類し直すことにした。西条自然学校理事長の山本貴仁委員(哺乳類担当)は「ニホンジカが増えて植物を食べてしまったため、ニホンカモシカはすみにくくなり、剣山系から四国全体にちらばった可能性がある」と話した。ニホンカモシカは国の特別天然記念物。県は、間違って捕獲しないよう注意を呼びかける。絶滅から絶滅危惧種へ変更するハマスズなど2種も含めたレッドリストの改定案は、来年1月の「えひめの生物多様性保全推進委員会」で承認されれば、正式に決まる。

(AIがクマやイノシシ撃退、野生動物を音と光で追い払うシステム:福島)
人里に現れたツキノワグマを、AI技術を駆使して追い払う──会津大学(福島県会津若松市)が11月25日に公開した動画には、開発した「野生動物検出システム」がツキノワグマを光と音で追い払う様子がはっきりと映し出されていた。野生動物検出システムは、会津大学の齋藤寛さん(上級准教授)を中心とした研究グループが3年前から研究開発を進めてきた。屋外に設置した装置にツキノワグマやイノシシが近づくとその存在を自動的に検知し、光と音を発して追い払う。同時にあらかじめ登録してある近隣住民のメールアドレス宛に、注意喚起のメールを送信する。齋藤さんは長年デジタル回路の設計技術を研究しており、マイコン基板を使った研究や教育に力を入れている。その過程で培った基板設計のノウハウを、地域の身近な社会課題の解決に役立てる方法を以前から模索していたという。野生動物検出システムを開発した経緯について、齋藤さんに話を聞いた。「3年ほど前から会津若松市内の民家近くや通学路付近でツキノワグマが目撃されるようになった。イノシシが畑の作物を荒らす被害も相次いでいた。こうした話題について、AI研究を専門とする同僚の教員と話しているときに、AIを活用した画像認識とマイコン技術を組み合わせて野生動物を自動検出するシステムのアイデアを思い付いた」(齋藤さん)早速その教員と齋藤さん、同じくデジタル回路の設計を専門とするもう1人の教員を加えた3人で研究開発をスタート。1年目は研究とプロトタイプの開発に専念し、2年目からは完成したプロトタイプを猪苗代湖(福島県)近くの県立公園に設置して実証実験を行った。研究を始めて3年目の2020年には、研究の内容を聞きつけた福島県とともに、県の実証事業として県内6カ所に装置を設置し、より広範囲な実証実験を行った。冒頭で紹介した動画は、その最中に撮影したものだ。当初は齋藤さんらがほぼ手作りで装置を開発していたが、現在では会津大学発のAIベンチャー、FaBo(福島県会津若松市)の協力を得て装置を製作している。「将来の実用化を視野に入れた場合、システムを簡素化してコストを抑え、メンテナンス性を向上させる必要があった。こうした点については、私たちより民間企業の方がノウハウを持っていると考え、FaBoの協力を仰いだ」。野生動物検出システムがクマやイノシシを検出する仕組みは次の通り。まず装置に備え付けたモーションセンサーが何らかの動く物体を検出すると、連動してカメラが自動的に対象物を撮影する。次に撮影した画像をAIが分析し、クマやイノシシが写っていると判断した場合は装置のライトが作動。スピーカーから音を発して動物を威嚇するとともに、近隣住民に対して警告を発する。同時に、クマ・イノシシの出現を検知した旨をデータセンターのサーバに通知。あらかじめ登録してある近隣住民のメールアドレス宛に注意喚起のメールを一斉送信する。AIを使った画像認識は、装置内で処理が完結しているという。「クラウド上でAI処理を行う方式も検討したが、クマによる人身事故を防ぐには一刻も早く警報を発する必要がある。そのため、画像認識処理にある程度の時間がかかるクラウド方式より、装置内で短時間のうちに処理を終えられるエッジ方式を採用した」。画像認識処理を行うAIモデルには、Googleが開発した「Inception-v3」を採用。このモデルは初期状態で大量の画像データを学習しており、利用者が手を加えなくても画像に何が写っているかを判別できる。今回は「汎用の深層学習モデルでどの程度の精度を出せるか」を評価するために、あえてチューニングを一切行わずに利用している。「実際にクマを追い払う画像を初めて見た時は、これまで積み重ねてきた研究の成果がしっかり実を結んだことにほっとした。しかし認識処理の時間や精度については、まだまだ向上の余地がある」。現状では画像認識処理に2、3秒かかるが、これを短縮すべく、より動作の早いAIモデルの利用や処理アルゴリズムの改良を検討している。改善の成果は、21年春に発表予定の次期バージョンに反映する予定だ。ハードウェア面においても、さまざまな改善策を検討している。認識精度のさらなる向上のためには、より鮮明な画像を撮影する必要がある。しかし夜間に撮影した画像などはどうしても鮮明さに欠けるため、認識率が低下してしまう。「夜間の撮影は、装置に取り付けた赤外線投光器とカメラを組み合わせて行う。だが正面に障害物があるとそれに赤外線が反射してしまったり、投光器を保護するために付けているプラスチック板に赤外線が反射してしまったりして、画像が白っぽくなってしまう。その結果、認識率が大幅に低下することもある」。昼間に撮影した画像でも、時間帯などによっては風景の色合いが大きく異なり、認識率にばらつきが出ることもある。こうした課題を解決するためには、より鮮明できれいな画像が撮れるカメラや赤外線投光器を利用するか、AIモデルにチューニングを加える必要があるという。「現在利用している汎用AIモデルは、鮮明な画像を使って学習させたもので、不鮮明な画像の分類は苦手。従って、私たちの手で独自に不鮮明な画像を学習させることで認識率を上げられるのではないかと期待している。ただその場合も一からモデルを新たに構築するのは非効率なので、既にある程度完成したモデルに手を加える『転移学習』の手法をとる予定」。現時点では装置の正面にいる野生動物しか検知できないが、カメラやモーションセンサーを側面や背面にも取り付けることで、より広範囲に対象を検出できるようにする計画もある。電力の供給についても改善したい箇所があるという。現在は大型のソーラーパネルと蓄電池を使って稼働に必要な電力を確保しているが、装置の消費電力をさらに減らしてソーラーパネルや蓄電池のサイズやコストを抑えられれば、実用化への弾みがつくとしている。「光や音を発する仕掛けを省けばさらに小型化・簡素化でき、通信モジュールを現状のLTEからLPWAN(省電力広域通信)のような方式に変えれば、さらなる小型化・低コスト化・省電力化が可能になる。将来的にはこうした部分まで踏み込んでいって、さらに手軽に導入・利用できる製品へと改良を進めていきたい」。

(ニホンザルの画像認識率で80%を達成、AIを用いた獣害対策システムの開発に取り組む:石川)
国際高等専門学校では2年生3名が授業の一環で、AIを使ったサル認識システムの開発に取り組んでいます。今年12月6日(日)、石川県森林公園内にある森林動物園で行った実証実験では、ニホンザルの画像認識率は最大80%にまで到達しました。国際高専では今後も学生による研究プロジェクトを継続的に進め、将来的には、24時間無人でサルを監視し、農作物被害を未然に防ぐシステムの実現を目指しています。国際高等専門学校では2年生3名が授業の一環で、AIを使ったサル認識システムの開発に取り組んでいます。今年12月6日(日)、石川県森林公園内にある森林動物園で行った実証実験では、ニホンザルの画像認識率は最大80%にまで到達しました。全国的にはAIでツキノワグマを検出し、獣害対策に活かす研究については報告されていますが、ニホンザルに関する研究は行われていません。一方、ニホンザルに関しては、過疎化に伴う休耕田の増加で野生動物の生育域が人家近くまで拡大しており、国際高専白山麓キャンパスが立地する石川県白山市でも山間部で被害が見られ、年々行動域が北(平野部)へと拡大。2017年度の被害額は270万円に上っています。国際高専では、地域の問題発見と解決策の創出をプロトタイプを作りながら考えていく「エンジニアリングデザイン」という授業が教育の中心軸として行われています。2年後学期の「エンジニアリングデザインIIB」で、畠中義基さん、杉晃太朗さん、佐藤俊太朗さんの3名は白山麓におけるサル被害対策をテーマに取り組みました。キャンパスがある白山市瀬戸地域ではサルによる被害が多数確認され、電気柵等の獣害対策が行われていますが、電気柵に触れずに農地に侵入してしまう器用なサルも現れており、そのため常に農地の監視を行う必要がありました。また高齢者が多い地域では電気柵の設置自体に多大な労力がかかり、こうした面での改善も求められています。学生たちはコロナ禍でフィールドワークが制限されていたため最初はインターネット上にあるサルの画像をAIに学習させていましたが、これでは様々な姿勢、角度からの学習が不十分だったため、今年11月7日(日)にニホンザル園がある森林動物園でAI学習用のサル画像をさまざまな角度から収集しました。この時点ではまだ20%から30%程度の認識率でしたが、収集した画像約7,000枚をAIに新たに学習させることで、12月6日(日)の実験で65%から80%の認識率を達成することに成功しました。今後は自然環境の中で動き回るサルの認識率を高めるため、白山麓の畑にいるサルをビデオカメラで撮影し、学習素材をさらに増やすことで適用範囲の拡大を目指しています。そして2021年度から社会実装を進め、サルが畑に侵入した際は所有者のスマートフォンに知らせるシステムの構築を目指します。また2022年度以降は監視範囲の広域化を進めるとともに、ロボットやドローンなどを使った威嚇排除技術も構築。2024年度には隣接農地での実運用を進める考えです。

(駆除されたイノシシを男鹿水族館のホッキョクグマに:秋田)
駆除されたイノシシなどの野生動物を動物園や水族館の動物にえさとして与える屠体給餌(とたい・きゅうじ)をご存じでしょうか。男鹿水族館GAOでもホッキョクグマ豪太に屠体給餌が行われました。背景に最近増え続けているある事情がありました。屠体給餌は駆除された野生動物の頭や内臓を取り除き殺菌処理して安全な状態でほぼ丸ごと与えます。男鹿水族館GAOでは今年8月に初めて行い今回で2回目の実施となります。全国的にイノシシやシカなどの野生動物に農作物が食べられる被害が相次いでいて駆除の件数が増えています。ただ、駆除された動物のおよそ9割が廃棄されているのが現状です。動物園や水族館で暮らす肉食動物は牙で噛みついたり、皮をはいだりすることなく毎日決まった時間に同じようなえさを食べやすい状態で与えられています。飼育動物は野生で暮らしていればするはずの行動ができずストレスになることもあると言います。【男鹿水族館GAO柿添涼太朗さん】「(肉食動物は)かなり食事に時間かける生き物だが普段の食事ではなかなか時間をかけることはできないので、補ってあげるために野生の本来の動きを出せるように行っている」。豪太にはおよそ7キロのイノシシが与えられましたが普段とは違うえさに警戒しているのかなかなか食べようとしません。8月に行ったときはおよそ10分ほどでイノシシを食べ始めたと言いますが今の時期は冬を越すために夏から秋にかけてえさをたくさん食べていて、食欲がない可能性もあるとみています。屠体給餌は全国各地の動物園や水族館で行われていて男鹿水族館GAOでは命を無駄にしない取り組みを多くの人に訴えていきたい考えです。この屠体給餌は全国各地の動物園などでも実施されていて6月には盛岡市動物公園でもピューマがイノシシの肉を食べました。ただ単に駆除されたイノシシを与えるわけではありません。感染症の心配などもありますので与える前にはしっかりと衛生処理をする必要があり金銭的にもハードルが高いのが現状なんだそうです。男鹿水族館GAOや他の動物園などではまずは訪れる人に命について考えるきっかけにしてもらうことが一番だと話しています。

(猪土手復元:長野)
塩尻市片丘地区の地域づくり協議会と住民有志でつくる「熊井の歴史を語る会」が、地区内に、イノシシなどの農作物被害を防ぐため山と里の境界に築かれた「猪土手」を復元した。かつて存在した場所を選び、もともと近くにあった看板の移設もして、地域に残る歴史文化を学ぶ環境を整えた。木質バイオマス発電施設・ソヤノウッドパワー発電所北側にある市有地に、延長5メートルの規模で復元した。深さ1メートルの溝を掘り進め、出た土を里側に帯状に盛る。地上からは2メートル、溝の底からだと3メートルの高さがある。盛り土の上には、獣が飛び越えられないように柵と、人が出入りする「木戸口」を設けた。事前に重機で溝を掘り、語る会の会員や地元区長、公民館役員ら12人が柵を据えて仕上げた。材料には地元のマツやクリの間伐材を用いた。松本平の東山山麓に築かれた猪土手は延長28キロにわたり、江戸時代中期には存在したとされ、補修を含む作業に地域住民総出で携わったと考えられている。発電所南側に、先人が自然と共生した証である猪土手の遺構が原形で残る。復元現場近くに市が20年以上前に設置したとみられる猪土手の説明板があり、やぶに埋もれていたことから、道路沿いに約5メートル移すのに伴い、復元も計画した。語る会の小松政幸会長(82)は「当時の地域のエネルギーの素晴らしさを感じるとともに、後世に残していきたい」と話していた。

(クマのために「山にドングリを」、論争呼ぶクラウドファンディング)
一般社団法人日本ヴィーガン協会(兵庫県西宮市)が2020年秋、飢餓状態のクマがエサを求めて住宅街や人里に出没してしまうのを抑えるためとして、公園などで集めたドングリを山に届ける試みを行っている。この活動を支援してもらうためにクラウドファンディングを募ったところ、インターネット上ではクマに給餌することについて賛否の声が上がった。J-CASTニュースは、同会の代表理事を務める三宅久美子さんと、環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室に取材を行った。日本ヴィーガン協会(以下協会)は2020年3月に一般社団法人登記された団体で、ヴィーガンに関連する教育、文化、環境保全や動物愛護など幅広い分野に貢献することを目的として活動しているという。2020年10月10日、クマのエサとなるどんぐりを集め、生息地に届ける試みを開始した。この取り組みに対し8店舗のヴィーガンカフェもしくはヴィーガン対応のカフェが協力し、「どんぐりすてーしょん」としてドングリの回収を担った。しかし飲食店でドングリを管理するのは困難であるとして、協会はこの「どんぐりすてーしょん」を支援するためのクラウドファンディングを実施した。しかしこれに対しインターネット上では、クマに人間由来の食物を学習させてしまうのではないか、産地の異なるドングリを山に持ち込むことはその地域の生態系に影響を与えてしまうのではないか、といった声が寄せられている。協会はこうした声をどのように受け止めているのだろうか。J-CASTニュースの取材に対し12月18日、協会代表理事を務める三宅久美子さんが取材に応じた。三宅さんはこの活動を始める前に、奥山の保全や再生を目指す「日本奥山学会」(兵庫県西宮市)で、ドングリ含め山の生態を学んだと話す。ドングリの送り先は、クマをはじめとした鳥獣被害問題の解決などに取り組む自然保護団体、一般財団法人日本熊森協会(兵庫県西宮市)が仕切る現場だとして、三宅さんら協会は現地に赴いた人から随時映像や報告をもらっているという。もっともこうした団体の活動については、以前から賛否の声が起きていた。J-CASTニュースも2010年に、日本熊森協会の活動をめぐる論争を伝えている(「クマを救えと山にドングリまき 生態系乱すか否かで議論」、2010年11月25日J-CASTニュース配信)。三宅さんはこうした賛否の声を承知したうえで、こう主張する。「このような声があるということを私が知って15年以上経っていますが、現実とは違う空想のお話で、ヒステリックに騒いで炎上しているだけです。(批判する人の中では)『日本の山は豊かな山であるのに、それを破壊しようとしている』という非現実的なイメージなんだなと驚きます。実際には、ドングリ(ミズナラ)の若い木まで枯れて土壌が荒廃している異常事態。飢餓のクマがいる奥山に入ってみないと、実態は分かりません」。日本の山は「異常」な状態にあると主張する三宅さん。この活動は山が再生するまでの一時的な取り組みであるという。非常に労力と費用が掛かるものであり、熊が飢えないくらい山が豊作になったらすぐにでも切り上げたいと、三宅さんは話す。「こんな非常事態で国が安直にクマを殺すことにヴィーガン協会は抗議します。許すことはできないです。クマのフンは土壌再生力が素晴らしく、ただクマ愛護ではないのです。山に実りがあって、人とクマが住み分けできるようになったらすぐにもでやめたいですね」。そして人々に向けてこう話した。「『ドングリを山に運ぶのはおかしい』というのはもっともなご意見です。この活動はいかに山の状態が異常かということを知らせることになっている。『熊がこれだけ出るということは、何かおかしいのではないか』ということを、是非この現状から目を背けずに対策を考えてほしい。国には是非、調査してもらい、放置されている杉林を改善させていってほしい。山を再生していけるように専門家と一緒に取り組んでいただきたいですね」。また三宅さんは、石川県小松市が「かが森林組合」と共に実施している資金募集「クマを森に帰そう!豊かなドングリの森づくりで、人と野生動物の共生を」を評価し、このような取り組みが増えてほしいとも語った。これは広葉樹を植えることによりクマの餌場と豊かな森をつくることで、クマが人里に降りてこなくても冬を越せるようするという取り組みで、ふるさと納税で支援を募っている。さて人里のドングリをクマの生息地に撒くことは、クマの出没を抑えることに繋がるのか。J-CASTニュースは同日、環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室にも取材を行った。同所は、生息状況や撒くエサの種類などで状況が変わるとして「一概には言えない」と話す。「『ドングリを撒くことによってクマの出没が抑えられるか』といった研究はこちらの承知はしていません。ただ動植物の専門家の方からはいろんなご指摘があって、集落の裏山などに散布してしまったら熊だけではなく他の動物の誘因につながる可能性があるといった話もあります」。また鳥獣保護業務室は、専門家からこのような声も寄せられているという。「動植物の専門家からは生態系を乱すなどの問題点も指摘もされています。例えばドングリを山に持っていくのは自然のバランスを無視した餌付けになる可能性がある、クマに限らない野生動物の行動パターンが変わって人間や人里に依存するのではないか。そういった心配をする人もいます」。そして環境省としては熊などが人里に降りてこないように、公式サイト上で「環境省-クマ類出没対応マニュアル-クマが山から下りてくる-」といったガイドラインを掲示しており、誘因物の除去や環境の整備を進めるなど呼び込まない環境を作ることが重要なことだと考えている。山の再生などの問題については地域差もあり、クマとのかかわり方についても多様な意見が上がっていることから、環境省や農林水産省など国としては地方自治体を支援することで取り組んでいるとのことだった。

(イノシシの生態、ウリ坊の過酷な現実:兵庫)
人気アニメ「鬼滅の刃」にはイノシシの頭をかぶった嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)というキャラクターが登場し、京都にはそのグッズが奉納された通称イノシシ神社があるという。亥年は昨年で、次は2031年。随分先の話だが、干支とは関係なく、今、なにげにイノシシが熱い!?ということで、彼らの実態が気になった。妊娠、出産から育児、死に至るまで、兵庫・六甲山で野生のイノシシに密着する動物写真家・矢野誠人さん(36)にうかがった。矢野さんは今月28日まで東京・新宿のニコンサロンで「やさしい母さんとおちゃめなウリ坊」と題した写真展を開催中(日曜休館)。6年間に撮影した中から厳選された39作のうち、2頭のメスが寝そべり、3頭と4頭に分かれたウリ坊(子イノシシ)に授乳している写真が気になった。2組に分かれた別の母子かと思いきや、実は母と娘がそろって出産し、3世代で授乳している風景なのだという。矢野さんは「7-8歳の母(祖母)と3-4歳の娘(母)が同時に出産し、生まれた子どもと孫にお乳を吸わせています。普通は自分の親のお乳しか飲まないので、これは珍しいケースです」と説明。つまり、孫が祖母の乳を吸ったり、妹や弟が姉の乳を吸うこともあるわけだ。イノシシには「母になる英才教育」があるという。矢野さんは「ウリ坊の中で『子育てがうまいであろうメス』を1頭だけ、母親がそばに置いて、次の年には一緒に子育てを手伝わせるのです。経過観察中ですが、2年くらい、この母は娘と一緒に子育てをして覚えさせた。この娘がウリ坊の時から撮影していますが、他の子は別の場所に行ったり、死んだりしています」と解説。さらに「オスは一緒にいる姿をほぼ見ないです。育児に全く関与していない。繁殖期の秋から冬にかけてだけ出て来る。ひょっとして夜間に密会しているのかもしれませんが、僕はまだ見たことがないですね」と付け加えた。イノシシは母と娘がそろって出産して育児タッグを組み、ウリ坊たちは同い年の叔父や叔母も混在して祖母と母の乳を吸う…。オスは種付けだけで、育児には関与しない。ただ、人間の価値観でオスに苦言を呈することはできまい。それがイノシシ界の摂理であるのなら。さて、食生活はどんな具合なのだろう。「土の中の小さい虫や、ドングリなど落ちている木の実を食べます。川の中の小さい虫も食べます。とにかく年中空腹で、食べるために生きているという感じですね。食べるか寝るか。ちなみに、ウリ坊は生まれた時には20数センチで、1カ月で一回り大きくなって30センチ余りに。親の体長は140センチくらいあります」。出産と寿命は?「初産だと2頭とか。ただ、1歳で出産したものの、子育ての仕方が分からずに亡くしてしまうこともありました。3歳になると5、6頭を生み、10歳を超えても産むことも。寿命は10歳生きたら長い方らしいですが、六甲山には15歳くらいの長老がいるそうです。登山をされる人が愛称を付け、耳が切れている特徴から覚えられていました」。愛くるしいウリ坊にも、野生ゆえに厳しい現実がある。「ウリ坊同士で順位争いをして、負けた子はお乳の時に除け者になって栄養がいきわたらずに死ぬことも。また、溝に落ちて亡くなる例や、カラスに突つかれ、弱って死んでしまうケースもあります」。撮影者である矢野さんの日々も聞いた。「兵庫県伊丹市の自宅からバイクで六甲山に通っています。カメラは基本2台持ちで広角と望遠レンズを使い、マダニや蚊が多いので虫よけ服を着て撮影します。イノシシには2メートル弱まで接近して撮ります。餌付けはしません。僕と分かって近づかせてくれている感じです。ウリ坊の方から僕に近づいてきて足元をクンクンかいだり、靴を甘噛みしたり。好奇心が強いです」。矢野さんの写真絵本「うりぼうと母さん」(大空出版)が12月に発売された。第1回「日本写真絵本大賞」金賞受賞作で、ポストカード11種類と共に会場で販売されている。来年1月には有楽町の東京交通会館内「ギャラリー エメラルドルーム」でも写真展(24~30日)を開催予定。矢野さんは「将来的には外来種と害獣をメインに撮影していきたい。イノシシの次にヌートリアも撮っています」と意欲的。伊之助ばりに“猪突猛進”で新年も駆ける。

(マタギ体験、雪国観光に一役:長野)
伝統的な方法でクマやウサギを狩るマタギの里として知られる長野県栄村で、後継者を育てて村内に伝わるマタギ文化を冬場の新しい観光資源にしようと、初めての養成講座が開かれた。マタギのサバイバル技術やジビエ料理などを学ぶ講座に記者も参加した。同村の秋山郷で温泉旅館「雄川閣」を経営する「ヤドロク」社長の石坂大輔さん(40)が講座を企画。地元のマタギたちと交流を深めるうち、「マタギの存在は、観光面で秋山郷の大きな魅力」と考えるようになった。今回、観光庁の助成金を得て、12月5~9日、同9~13日の各4泊5日で参加無料の「モニターツアー」を実施した。マタギは入山後は縁起の悪い言葉を使わないなど、独特のしきたりを持つ。講座では秋山郷のマタギ6人がこうしたしきたりを解説。持参したクマの毛皮でなめし方を説明したり、かつて使われた槍(やり)の使い方を実演したりした。一緒に山林を歩く「マタギトレッキング」では、マタギたちが林道の雪面に残ったクマの足跡を見つけると、なたで藪(やぶ)を切り開いて受講生を先導。クマが冬眠する木の穴を説明したほか、約50年前まで猟で使われていた岩穴に案内し、当時の狩猟生活について解説した。後継者不足に悩むマタギだが、受講した相模女子大3年の渡部美紀さん(21)は「後継者を見つけたいとか、マタギ文化がなくならないでほしいという熱い気持ちがすごく伝わった。マタギトレッキングはワクワクした」と話していた。近年、過疎化で里山が荒廃したほか、ハンターの高齢化などで増えすぎたシカやイノシシの食害が問題となっている。講座ではジビエ料理を村の名物にしようという試みもあった。都内の調理師専門学校「エコール辻東京」の秋元真一郎教授(52=西洋料理)らが、栄村のイノシシとシカを使った料理を提案した。「フランスでは市場でイノシシやウサギの肉が売られている。血抜きなど下ごしらえをすれば、とてもおいしい」と、フランスで修業経験のある秋元さん。シカのロース肉ステーキは、付け合わせに地元産のネギを、ソースは信州特産のリンゴとブルーベリーを使った。イノシシ肉の照り焼き丼は、細かく刻んだ野沢菜をご飯に混ぜた。いずれも地産地消になるうえ、肉に臭みがなく柔らかくて高級料理のように感じた。村内で鳥獣解体業を営む月岡健治さん(48)が講師を務める解体の講座も。オナガガモなど3羽のカモを、受講生自身が羽根をむしって関節を外すなどの作業をした。「解体に手間がかかるが、ジビエ料理を一般家庭でももっと食べてもらえるようにしたい」講座の総括は、新潟県湯沢町や栄村など新潟、長野、群馬の3県7市町村で組織する一般社団法人「雪国観光圏」の代表理事、井口智裕さん(47)。かつてのスキーブームでリゾートマンションが乱立した湯沢町で老舗旅館を営む井口さんは「雪国の観光資産はスキー場やグルメだけではない。8千年前の縄文時代から続く、雪と共生して育まれた知恵こそ価値がある」と力説。雪国観光圏の中でもマタギに代表される栄村は、暮らしを体験し、住民と触れ合う「滞在型観光がつまった地域」と評価した。石坂さんは「今回のプログラムはマタギや料理のプロにお任せしたが、予想以上の内容になった。来年はマタギ体験を中心にいろんなツアーを企画したい」と手応えをつかんでいた。

(「しし鍋」でまちおこし:茨城)
厳しい寒さが続き、鍋料理が恋しい季節が到来した。筑波山麓に位置する茨城県石岡市八郷地区の飲食店では、地元で捕れたイノシシの肉を使った「しし鍋」の提供が始まり、市内8店舗と大洗町の1店舗が、オリジナルのしし鍋を提供している。八郷地区のしし鍋は、市八郷商工会が猟友会や市内の飲食店などと連携し、畑の農作物を食い荒らす厄介者というイノシシのイメージを逆手に取り、観光の目玉にしようと始めた。今年で14年目で、イノシシ猟解禁の11月15日に合わせて市内の店頭でメニューが並び始める。同商工会によると、しし肉は江戸時代には「山鯨」と呼ばれた冬の栄養補給食。その醍醐味(だいごみ)は、たっぷり乗った脂肪にあるが、コレステロールの多い家畜の肉と違い、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)など血液をサラサラにする成分を含んでいてヘルシーなのも魅力だ。近年人気を集めている「ジビエ」(野生鳥獣の肉)効果なのか東京都や神奈川県からも人が訪れ、昨年は参加全店で1105食が出たという。市内での捕獲数は昨年度821頭で、年間平均1千頭弱(同市農政課)。店で出されるしし肉は東京電力福島第1原発事故の放射性物質や家畜伝染病の豚熱など安全確認済みだ。参加店の一つ「手打ちそば甚八」は、地元のみそをベースに、しし肉やシイタケ、ネギ、ニンジン、大根、白菜など約10種類の野菜をふんだんに使用している。このほか、しょう油をベースにする店、クリームみそといった洋風に仕立てる店もある。甚八店主の相沢衛さん(66)は「寒い時期に鍋は温まる。歯応えあるしし肉を野菜とともに味わってほしい」と話す。商工会では、しし鍋が食べられる店を紹介した「マップ」を作成。インターネットでも公開している。しし鍋は1人前2200円から。注文は前日までに予約が必要。2人前から注文を受ける店が多いが、一部店舗では新型コロナウイルス感染対策も踏まえ1人前からでも可能。来年5月31日まで。

(良品計画、昆虫食やジビエ食を通じ社会問題にアプローチ)
無印良品は「わけあって、安い」をキャッチフレーズに1980年、西友のプライベートブランドとして誕生した。商品開発のテーマは生活の基本となる本当に必要なものを必要な形で作ること。素材を見直し、生産工程の手間を省き、包装を簡略化し、シンプルなものによる「感じ良いくらし」を提案してきた。エシカルな視点は社会で起きている様々な課題にも向けられ、人口増による今後の食糧確保、環境問題を考えるきっかけになればという思いから、主要な栄養素を効率よく摂取できる昆虫食に至った。コオロギは飼育しやすく、味がエビに似ていることから、せんべいという形態になった。ジビエカレーは人間との共生の中で生息数が多くなり過ぎた猪や鹿を食材として活用することで、日本の農耕地の保全や里山の循環につなげ、これらの課題を知ってもらおうという考えから、「カフェ&ミールMUJI」で外食メニューとして提供している。将来はレトルト商品としての販売も検討している。

(高校生ジビエコン:大分)
狩猟で得た野生鳥獣の食肉「ジビエ」を使った創作料理コンテスト「第4回高校生ひたジビエレシピグランプリ」が大分県日田市の昭和学園高であった。例年は幅広く参加を募っているが、今年はコロナ禍のために同高の4チームが参加。メキシコ料理のタコスに着想を得た「日田コス」を考案した1年生4人のチームがグランプリに輝いた。優勝チームがレシピを考え始めたのは11月上旬。近藤凛さん(16)が「日田で食べられない料理を作りたい」と提案し、タコスを作ることにした。使用が決められた共通食材はイノシシのミンチ。タコスの具材は、ミンチを使ったドライカレーとし、カレーはにんにくとスパイスを使ってパンチを効かせた。タコスの生地には地元特産のユズの皮を細かく刻んで練り込み、ドライカレーのほか、アボカドやピクルスも添えて包み込んだ。完成までに1カ月以上かかったという。コンテストは今月19日に開催。レシピ、見た目、コンセプト、おいしさの4点で審査し、審査員の一人で同市の料理研究家、原田京子さん(58)は「ジビエを煮たり焼いたりはよくあるが、タコスは新しい発想。見た目も食欲をそそり、食べたくなる一品」と高く評価した。コンテストは官民でつくる市ジビエ推進協議会の主催で、獣肉の消費拡大を目的に2017年度にスタート。これまではグランプリ作品を市内の小中学校の給食で提供してきた。コンテストでは、今回から作りやすさも審査で重視する「給食グランプリ」を創設。2年生5人が考えたイノシシミンチとパスタを混ぜた「イノひき肉のショートパスタ」が受賞した。今後、給食で提供される。

(3密回避ができる絶景テラスのこたつで旬の狩猟肉(ジビエ)を味わう:山梨)
日本初のグランピングリゾート「星のや富士」では、2021年1月8日から3月15日まで、「山麓の鹿しゃぶ鍋」を提供します。鹿肉は秋冬に旬を迎え、なかでも冬は脂と狩猟肉特有の香りが少なくさっぱりとしているので、シンプルなしゃぶしゃぶ鍋で提供します。また、鹿肉は免疫力を高めると言われるビタミンB類を豊富に含むので、冬に摂りたい栄養素をおいしく摂取できます。富士山が夜空に映える冬の絶景を眺めながら、3密回避ができるテラスのこたつで味わう冬季限定のメニューです。

(ジビエ料理、気軽に家庭で:石川)
穴水町の諸橋公民館で今月、初めてのジビエ料理教室が開かれた。家庭でも気軽に作れるレシピを知ることで、イノシシ肉などの消費を広げようと同館が企画。町民ら十二人が参加し、ひき肉を活用した料理に挑戦した。当初は三月に開講を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大で大幅に延期となり、今月十一日に実現した。女性の狩猟者でつくる「狩女(かりじょ)の会」を主宰する同町の福岡富士子さん(50)が講師を務めた。料理は、イノシシのひき肉を使うハンバーグのトマト煮込みとミートソースのパスタ、イノシシの骨や野菜を煮込んで作るスープの三品。ひき肉はバラやロースなどいろいろな部位を使用しており、福岡さんは「ジューシーで脂身も程よくイノシシのうま味がでやすい形」と説明する。家庭ではなかなか手に入りにくい印象だが「ブロック肉を買ってきて手切りにするだけで十分」と話す。参加者たちは、福岡さんの助言を聞いたり、レシピを見たりしながら料理に挑戦。作った後は試食し、同町沖波の澗口良夫さん(72)は「ジビエ料理は大変だったけど楽しくおいしかった。命をいただくというのはありがたいこと」と自然の恵みに感謝した。近くに住む油谷香代子さん(65)は普段、イノシシ肉をぼたん鍋にして食べるという。「教室に参加してイノシシ肉を使った料理のレパートリーが広がった」と笑顔。低カロリーで高タンパクな食材だと知り「良いことがいっぱいあると知れて良かった。ひき肉だと食べやすいし、子どもたちも楽しめる」と話した。

(シカ肉で新メニュー:京都)
京都府南山城村の「道の駅 お茶の京都 みなみやましろ村」が、地元で捕れたシカの加工肉で新メニューを開発した。陶板焼きとハンバーグの2種類を期間限定で売り出している。隣の笠置町で20代の若者が起業したジビエ(野生鳥獣肉)加工・販売会社「RE―SOCIAL」の獣害解決を目指す思いに共感して、同社の製品を使用することにした。調理スタッフの男性(24)は「焼くのはシンプルだが、シカ肉の味が分かる」と陶板焼きを考案。もう一品はハンバーグと地元のシイタケを合わせた。11月下旬から提供を始めた。

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12/21
(ツルとカモの死骸から鳥インフル:鹿児島)
県と環境省は19日、出水市で回収したナベヅルとオナガガモの死骸から鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。鹿児島大で高病原性かどうかの確定検査を行い、結果判明までに1週間程度かかる見込み。ツルから陽性反応が出たのは今季初めて。県によると、ツル保護監視員が18日、高病原性ウイルスが水から検出されているツルのねぐらから約500メートル地点でナベヅル、約50メートル地点でオナガガモの死骸を1羽ずつ回収。鹿児島大での遺伝子検査で19日、それぞれ陽性反応が出た。環境省は各回収地点から半径10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定した。出水市によると、今季これまで検査したツルは43例。同市は20日、緊急会議を開き、ナベヅルの確定検査の結果が高病原性であった場合、防疫対策を強化することを確認した。有人消毒ポイントを6カ所設け、通行車両のタイヤを消毒するほか、宿泊・観光施設や駅など約50カ所に消毒マットと消毒液の無償配布などをするという。

(野生イノシシが豚熱感染、73頭目:群馬)
群馬県は18日、前橋市で捕獲された野生イノシシ1頭について、同日の遺伝子検査で豚熱(CSF)感染が確認されたと発表した。県内の感染事例は計73頭となった。

(豚熱経口ワクチン散布開始:和歌山)
和歌山県内で野生イノシシの豚熱(CSF)が確認されたことから、養豚場のブタなどへの感染を防ぐため県などは19日、野生イノシシ用の経口ワクチンの散布を始めた。県畜産課によると、県内では9日現在、紀の川市、紀美野町などで計19頭の野生イノシシの感染が確認されている。この日散布したのは、橋本市、かつらぎ町、九度山町内の計39カ所。経口ワクチンは、トウモロコシ粉などで包まれている。事前にえづけした場所に、1カ所あたり20個のワクチンを土に埋めた。ワクチンは5日後に回収し、その後、散布地域で捕獲されたイノシシの抗体検査を実施する。県は、感染が確認された市町と周辺に散布を予定しており、ほかの市町についても、順次散布を進めるという。県によると、経口ワクチンを食べたイノシシの肉を食べても人体に影響はないという。

(除雪中80代女性がイノシシに引っかかれて軽症:長野)
21日午前11時頃、妙高市関山の住宅街にイノシシが出没し、除雪をしていた80代女性が太ももを引っかかれてけがを負った。警察によると、けがをしたのは妙高市関山に住む80代女性。女性は自宅前で除雪中、体長約1mのイノシシが突進してくるのを見て慌て、その場で転倒。イノシシは女性の太ももをひっかき北側へ逃走。女性は市内の病院に搬送されたが、軽症ということ。なおイノシシは、午前11時頃、妙高市関山仲町3の旧関山駐在所跡付近で体長120cmのイノシシ1頭が、午前11時20分頃、中郷区福崎の市道稲荷山坂本線で1頭が確認され、昼過ぎに同一個体と思われるイノシシ1頭が猟友会によって捕獲された。

(ヒグマ、19年度捕殺822頭:北海道)
道内で2019年度に駆除や狩猟で捕殺されたヒグマは822頭と、統計が残る1962年以来、5番目に多かった。農業被害額は2億2300万円と2年連続で2億円を超え、ヒグマの行動域が農村部に迫っている実情が分かった。捕殺頭数は、過去最多だった前年度より96頭減。内訳は、自治体や農協などが道の許可を得て行う駆除が791頭と大半を占め、方法としては銃が55%、箱わなは45%だった。ハンターが山に入って行う狩猟は31頭で、過去最低だった。道が全道の市町村からの情報を集計した。

(シカ目撃相次ぐ、県内生息確認なし:茨城)
茨城県内に野生では生息しないとされているシカが今月中旬、下妻市や八千代町で相次いで目撃された。目撃者や行政の担当者は「どこから来たのか」「初めて見た」と首をかしげる。県自然博物館はニホンジカの若い雄と断じた上で、「長距離移動することもある」と指摘する。従来目撃されていた山間部の県北だけでなく、県南地域での目撃情報も出てきた。シカが増えれば森林や農作物の食害も懸念され、県は隣県と連携して調査を進めている。下妻市の砂沼から南西に約700メートル。畑が広がる同市今泉で8日午後、シカが出現した。農業、中村和行さん(51)=八千代町=は、トラクターを運転中に約20メートル先の雑木林からシカが現れたと証言。「パッと見て角が生えていた。二度見した」と驚く。シカは周囲を反時計回りに走り、再び雑木林に消えた。約3分間、その様子を撮影した中村さんは「おとなしい感じだった。どうやって来たのか」と不思議がる。県西地域のシカ目撃は八千代で10日、下妻は8、16日。少なくとも5件続いた。県自然博物館(坂東市)の後藤優介学芸員は、撮影画像から角の枝分かれが1回と確認し、「ニホンジカ。若い雄だと考えられる」と解説する。「若い雄は新たな生息地を求めて移動する『分散』と呼ばれる長距離移動をすることがある。分散の過程で平野部に下りてきた可能性がある」と話す。ただ、後藤さんはシカの生態を踏まえ「野生の可能性が極めて高いと思うが、あえて開けた所に出てきたのは不思議な行動」と疑問を投げ掛ける。県西地域に接する栃木県は、シカによる農作物や森林被害が問題化している。「2019年度栃木県ニホンジカ管理計画モニタリング結果報告書」によると、駆除を含む捕獲数は過去最多の1万201頭となった。シカの生息範囲について栃木県自然環境課は「もともと西部の山間地が中心だった。だんだん東側に、平野部の方に分布が拡大している」と説明する。八溝山周辺の茨城、栃木、福島の3県がまたがる地域でも「新たに拡大している傾向がある」と危機感を示す。同報告書によると、本県の結城市と接する栃木県小山市は捕獲数がゼロ。だが、西側の栃木市では585頭を数える。県自然環境課によると、本県で2019年度にシカが目撃、撮影、捕獲された例は計16件あった。目撃地は北茨城、日立、常陸大宮、常陸太田、那珂、稲敷、龍ケ崎の7市と大子町、美浦村の計9市町村。県北から県南地域まで及ぶ。結城市では同年5月、雄のニホンジカ1頭が捕獲されたという。近年は八溝山周辺で食害が懸念されている。同年6月、茨城(水戸市)、棚倉(福島県)、塩那(栃木県)の3森林管理署が、「八溝山周辺国有林ニホンジカ対策協議会」を発足。センサーカメラを設置して情報共有を図っている。同年7月には3県による「福島茨城栃木連携捕獲協議会」が発足。生息状況の把握に取り組む。県自然環境課の担当者は「茨城では『生息』という判断に至っていない」とした上で、「調査は広域で力を合わせないとできない。目撃したら市町村や県に情報提供を」と呼び掛ける。今月目撃情報のあった下妻や八千代で、食害の報告はない。県自然博物館の後藤さんは、シカが増えると、森林の草を食べて植物群落の多様性が減少するなど、「植生への影響も考えられる」と指摘する。

(シカ・クマ衝突、急増中:北海道)
北海道でシカやクマと列車の衝突被害が急増している。2020年4~9月はシカとの衝突が995件(前年同期比27%増)、クマは23件(77%増)。7年ぶりとなる年間2000件の大台も現実味を帯び、総延長2500キロメートル近くの長大路線を維持する難しさがJR北海道を苦しめている。10月、幌延駅(北海道幌延町)を発車した宗谷線の特急列車「宗谷」は前に引っ張られるような感覚と共に急停車した。シカとの衝突事故に遭遇するのは北海道では珍しくない。この時は約10分の立ち往生で済んだが、数時間停車することもある。大幅な遅延につながるのはクマと衝突した場合が多い。襲われる危険があり、現場で倒れたクマを乗務員が直接確認できないからだ。北海道ではハンターの到着までに数時間を要する場合もあり、法令により夜間は銃を撃つことができない。夜間の事故の場合、長時間の遅延につながる。18年度時点で道内でハンター登録する道内在住者は6475人。全てのハンターがヒグマ猟をするわけではなく、北海道は「クマのハンターは減っているのではないか」(環境生活部環境局自然環境課)とみる。ヒグマは近年頭数が増加傾向にあり、衝突事故も20年度上期は23件と、19年度上期(13件)や18年度上期(15件)、17年度上期(18件)を上回る。21年度も増える可能性がある。一方、数字上は圧倒的に多いシカとの衝突件数は例年、年度の前半より後半(10月~翌年3月)に増える傾向がある。山に雪がつもり、餌を求めて里に下りてくることが理由のようだ。17~19年度は前半が700~800件にとどまったが、後半は1000件以上だ。20年度は前半だけで1千件に迫っており、13年度以来7期ぶりとなる2000件の大台を超える可能性も高い。記録すればJR北海道が誕生した1987年度以降で4度目となる。19年度までシカとの衝突件数は12年度(2377件)をピークに減少傾向で、19年度は1784件だった。JRもシカの線路侵入を防ぐ柵を設けてきたが、広大な北海道の津々浦々に柵を張り巡らせるのは現実的ではない。柵ができるとシカは別の場所から出没するようになり、いたちごっこが続く。19年度、シカの捕獲頭数は10万6千頭止まりだった。道は個体数の減少には年14万1千頭の駆除が必要と計算しており、シカの頭数は増えているようだ。19年度は暖冬で餌に困らず、あまり里に下りてこなかったためだ。シカとの衝突による列車の運休や30分以上の遅延を招く「輸送障害」件数は高止まりしている。17年度は最多の116件で、19年度も68件。特急は2時間遅延するとJR北海道は乗客に特急料金を払い戻す決まり。予期せぬ運休や遅れは収益を押し下げるばかりか、顧客満足度も低下させる難敵だ。野生動物との衝突時には乗客対応やぶつかった野生動物の処理に社員が出向くこともあり、車両の修理費が発生することもある。新型コロナウイルスにより旅客数が大幅に減る一方、神出鬼没な動物たちがJR北海道を翻弄している。

(ドローン活用、熱感知でクマ探し:福島)
クマの冬眠の時期を前に、矢吹町ではフンや足跡など、クマが出没した痕跡が多く見つかっている。住民が被害に遭う前に対策を打とうと、同町産業振興課は無人航空機(ドローン)を使用してクマの居場所を探す取り組みをしている。同課によると、11月ごろから、同町の長峰地区や根宿地区など、人の多く住む地域でもクマの痕跡が見つかっているという。未収穫の野菜がある土地や、干し柿を庭先に干している家庭に痕跡が多く、クマによる被害が発生するのではないかと危惧する。「クマの居場所を突き止めることで、被害を未然に防止できるのでは」と、同課の斎藤常和副課長はドローンでのクマの居場所特定に期待する。同町は今月上旬から自動車販売業TMRと提携し、ドローンの熱感知機能を利用してクマの居場所を突き止める取り組みを実験的に開始した。クマがいると想定されるエリアをドローンが自動で飛行し、ドローンのカメラが温度を感知して、クマを見つけ出す。14日時点では、まだクマの確認には至っていない。同課の小山将史さんは「今年人里に下りてきたクマが、来年再び降りてくる可能性もある。クマを近づけさせないように一人一人ができることをやってほしい」とクマによる被害の注意を促した。

(鳥獣捕獲にICT、わなからスマホへ通知:神奈川)
農作物に被害を及ぼすイノシシやシカの効率的な駆除のため、大井町は情報通信技術(ICT)を使った捕獲通知システムを試験導入する。19日には町の「鳥獣被害対策実施隊」メンバーら向けの講習会が開かれ、使用方法などを確認した。

(ヒグマ逃げ出す「モンスターウルフ」:北海道)
この秋、北海道で撮影された異様な光景の動画がネットニュースで配信され、世界中で話題になった。札幌市から北東に90キロほど離れた滝川市。住宅地そばのブルーベリー畑で、オオカミ型ロボットの目が怪しく、赤く光る。そして、周囲に怪獣の咆哮(ほうこう)のような音がとどろく。いったい、何が起きたのか――。滝川市では今年9月と10月、住宅地に近い2カ所でヒグマが出没した。市が急きょ導入したのが、オオカミ型害獣撃退装置「モンスターウルフ」だ。怪獣の咆哮は、モンスターウルフが発したものだった。開発したのは、滝川市より約20キロ札幌寄りに位置する奈井江町の町工場、金属部品製造の「太田精器」だ。モンスターウルフは胴体が全長約120センチ、防水加工したフェイクファーで覆われている。そこに、映画にでも出てきそうなオオカミの頭がついている。それもそのはず、オオカミ男のマスクをもとに作ったものだ。「オオカミに詳しかったわけではなかったので、かなりの部分、想像で作りました」太田裕治社長(62)が打ち明ける。そんなモンスターウルフの威力は、抜群だった。

(列車がシカと接触、けが人なし:兵庫)
20日午後10時40分ごろ、兵庫県姫路市東今宿のJR姫新線姫路-播磨高岡駅間で、上月発姫路行きの普通列車がシカと接触した。乗客約20人にけがはなく、この列車は約10分後に運転を再開した。JR西日本によると、接触後、線路内でシカが倒れているのを運転士が確認した。姫路-播磨新宮駅間で最終列車を含む下り2本が運休し、約150人に影響した。

(クマ捕獲、学習させ放つ:神奈川)
神奈川県は18日、清川村煤ケ谷でツキノワグマのオス1頭を捕獲し、鳥獣保護区内に放獣したと発表した。クマは体長約1.3メートル、体重約110キロ。県によると、8月に煤ケ谷地区でツキノワグマの出没が確認された。今月に入り、再度出没したため、17日に捕獲用のおり1基を設置。18日早朝におりに入っているのが見つかった。ツキノワグマの県内の生息数は約40頭とされ、絶滅危惧種になっている。このため、耳に識別用の標識を付け、クマの嫌がるスプレーを噴霧するなど、人里に近づかないよう学習させた上で放った。

(マイカー規制へ、変わる知床の観光:北海道)
これまでマイカーで自由に観光ができていた世界自然遺産「知床」。知床が世界遺産になって15年、年間100万人が訪れる観光地は、過去にないほどに、ヒグマによる人身事故の危険性が高まっています。人慣れクマをこれ以上増やさないために、これまでの観光のあり方を大きく見直し、ヒグマの保護にかじを切ろうと動き出しています。10月の知床・斜里町、3日間限定ながら、大規模なマイカー規制が行われました。やってきた人はすべて、世界遺産エリアの入り口の駐車場でシャトルバスに乗り換え、知床五湖など景勝地に向かいました。世界遺産地域のほぼすべての道路を規制したことで、道路わきのヒグマを見るためにマイカーを止める「ヒグマ渋滞」や野生動物への餌やりは起きませんでした。一方、観光客が乗り換えたシャトルバスの一部にはガイドが乗り込み、マイカーで自由に行き来できないかわりに、世界的に貴重な自然についての解説を聞きながら道中を過ごすことになりました。その1か月後の11月。規制が解かれた世界遺産内の道路で、ヒグマを見るための車列が出来ていました。遺産地域の入り口の道路には、“おにぎり”がありました。観光客が餌やりをしたとみられています。一時的な対策が終わったとたんに、ヒグマとの危険な遭遇につながるおそれがある行為が、再び繰り返されていました。ひとたびヒグマが人を傷つける事故が起きれば、そのヒグマをそのままにできないだけでなく、知床の現在のあり方そのものを揺るがすことになりかねません。知床では今、これまでの観光のあり方を抜本的に変えようとしています。目指すのは、今回のような短期間ではなく、7月から10月までの夏のヒグマの活動期にあわせた継続的な道路規制です。この構想の中心的な役割を担っているのは、斜里町役場の南出さんと知床財団の秋葉さんです。斜里町環境課 南出課長「新しい公園計画のデザイン作りや魅力ある知床をつくっていくことが必要だと思っています。ここ何年かで課題となっているクマと人のあつれきや、それに関連した交通渋滞などを、知床の魅力をつくっていく中で、解決を同時に図っていきたい」。知床財団・秋葉さん「保全上の問題や、野生動物とどうやっていくかという問題を考えた上で、交通や道路の利用などが、解決の糸口になるのではないかと思います。観光の構造というか、利用のしかたを変えていかなければいけないのは確かだと思います」。知床本来の自然を守り続けるための挑戦。2人が洗い出した大きな課題のひとつがバスの「輸送力」です。知床最大の観光地「知床五湖」には、マイカーを中心にシーズンに30万人が訪れます。10月のマイカー規制の際には、44人乗りのバスを1日34便、運行しました。仮に、開園期間のおよそ半年、毎日、同じ便数を運行したとしても、輸送可能な人員は18万人。受け入れ可能な観光客は、4割も減る試算になりました。さらに「コスト」「運営体制」「仕組みづくり」など、乗り越えるべき課題は数限りなくあることがわかりました。こうした課題を解決していくため、登山道へつながる道路など、需要が少ないバス路線には、自動運転技術などを活用していくことも考えています。

(ヒグマを極力殺さないで、市民団体が要望:北海道)
残雪期に狩猟を含めた捕獲期間の延長を検討している道に対し、市民有志でつくる「北海道の羆(ひぐま)問題を考える会」は18日、延長の中止と極力クマを殺さない施策を求める要望書を提出した。道はヒグマの出没と農業被害の増加を受け、10月から翌年1月末までだった狩猟期間を、2026年春から4月までに延長する方針を打ち出している。これに対し、道庁を訪れた門崎允昭(まさあき)代表(82)は応対した環境生活部の担当者に「延長すると雌の出産、子育て期にも狩猟が可能となる。繁殖に与える影響が大きい」と話し、農地侵入を防ぐ電気柵の設置の拡大など予防策で対応すべきだと訴えた。

(鳥獣被害対策に専従職員採用:京都)
京都府福知山市は、鳥獣被害対策に専従する正規職員「鳥獣対策員」を新設する。専門的知見を持つ人材を求めて公募。市は「鳥獣被害の抜本的な解決に」と意気込む。定員1人で任用期間は来年度から3年間。経歴などにより、最高で課長補佐級(参考年収約710万円)で登用する。鳥獣対策員の正規採用は、市町村では全国初の試みという。福知山市は森林が多く、市内に生息するシカの数は増加傾向にあって、2019年で推定約1万頭に上る。農作物の被害額は、防除網や捕獲などの対策を進め、ピーク時から4割ほど減らしてはいるものの、年間3千万円~4千万円の状態が続く。秋になると、クマの出没情報が増えて人里に近づくこともしばしば。アライグマなどの住宅侵入の報告もある。鳥獣被害対策は農林業振興課が所管している。職員は一般事務職で、他の業務も抱えていて、鳥獣被害だけにかかることはできない。市は鳥獣対策員を同課に配置して、地域の事情に応じた対策の推進をめざす。対策員は、鳥獣被害防止対策の立案と実施、集落に入っての指導などを担う。鳥獣被害対策に情報通信技術を活用する兵庫県立大学と市が連携する取り組みの加速化への役割にも期待している。農林業振興課と職員採用担当の職員課は「非常勤ではなく、常勤採用ということで、市の本気度を推し量っていただきたい。何としても鳥獣被害対策を進めたい」と声をそろえる。募集条件は、鳥獣対策などの職務経験が来年3月末日時点で通算して1年以上あり、狩猟免許の資格保持者(来年度中に取得見込みも可)。年齢制限はない。申し込み締め切りは来年1月18日。書類選考、面接、最終面接で採用者を決める。

(「鳥獣害対策アドバイザー」16人を新たに認定:和歌山)
イノシシやシカなどの野生鳥獣による農作物の被害を減らすため、農家などに助言するアドバイザーの育成研修は、きょう(17日)和歌山市の県民文化会館で今年度の修了式が行われ、新たに16人がアドバイザーに認定されました。この研修は、和歌山県とJAグループ和歌山農業振興センターが2006年度から実施しているもので、市町村と農業共済組合、農業協同組合の職員が対象です。研修では、5回にわたる専門的な研修を受講し「わな猟免許」を取得することで、鳥獣被害防止のための専門的な知識を習得した「和歌山県農作物鳥獣害対策アドバイザー」として認定されます。修了式では、県農業環境・鳥獣害対策室の出﨑美晴(でざき・よしはる)室長から修了した人たちに認定証が授与されました。このあと、出﨑室長が「県内の鳥獣害による農作物の被害は平成24年度以降減少傾向ですが、年間の被害額は3億円を超えていて、経済的な損失に留まらず、農家の営農意欲の低下に繋がる、深刻な問題となっています。アドバイザーとなった皆さんには、今回学んだことをもとに、鳥獣害対策に関する的確な助言や指導など、地域における積極的な活動を大いに期待しています」と話しました。また、認定者を代表して、JAありだ有田市営農センターの竹田耕平(たけだ・こうへい)さんが挨拶し、「研修を受講することで、県内の鳥獣害被害の大きさをあらためて認識し、その原因となる鳥獣の生態や特徴について専門の先生からご指導いただき、知識を深めることができました。今後は、県内全域に及ぶ農作物の被害軽減という課題に向かって、地域の人に的確な助言ができるアドバイザーとして活動していきたいと思います」と話しました。修了式のあとには、農研機構中央農業研究センターの平田滋樹(ひらた・しげき)さんが、「被害対策技術の基本から地域ぐるみの対策の重要性」と題して講演し、鳥獣害の増加要因や地域における具体的な対策方法などについて話しました。「和歌山県農作物鳥獣害対策アドバイザー」は、今回の認定者を含めて、147人となりました。

(模造品で銃刀法違反容疑:高知)
幕末の志士・坂本龍馬が使ったとされる拳銃の模造品を所持したとして、高知南署は18日、高知市の看板製造会社と同社の代表取締役の女性(58)を銃刀法違反の疑いで書類送検した。模造品は発砲できない造りで、同社が土産物として約200丁を販売していた。送検容疑は、今年6月19日、同社で米国スミス・アンド・ウエッソン社製の「モデル2アーミー」の模造品1丁を違法に所持したとしている。拳銃は龍馬が長州藩の高杉晋作から譲り受けたとされる型。模造品は金属製で銃口部分が開いているように見えるなど本物の拳銃と酷似していることから、署は銃刀法に違反すると判断した。女性は容疑を認めているという。署によると、6月に県警への通報で発覚した。看板製造会社が2008年末ごろから県外の業者に発注し、これまで計227丁を製造。違法性を認識せず、県内のホテルや土産物屋などを通じて売っていたという。署は販売された模造品のうち209丁を回収できておらず、「もし持っていれば最寄りの警察署や高知県警に連絡して」と呼びかけている。

(ヒグマ襲撃、教訓今も:北海道)
1970年7月、日高山脈カムイエクウチカウシ山で福岡大生3人が死亡した戦後最悪のヒグマ襲撃事故。当時はクマの習性に対する学生の知識不足と個体固有の凶暴さが重なった特異な事故との見方が強かった。だが、前後して同じ山中にいた道内の関係者は「自分たちも含め複数のパーティーが同じクマに食料を狙われた」と証言。専門家はクマは食料に執着する習性があり、「誰でも被害に遭いかねなかった」とし、50年前を教訓に改めて警鐘を鳴らしている。「テントに近づいてきたクマと向き合った時は恐怖が全身を走った」。北大ワンダーフォーゲル(WV)部員だった札幌市の中原豊司さん(72)はカムイエクウチカウシ山中での50年前の出来事を昨日のことのように振り返る。

(イノシシ、今年は家の庭にも:静岡)
「今年はどういうわけかイノシシが家の庭にも入ってきて、暴れています。全てをほじくり返し、ひっくり返した惨状を見ると、本当に悲しくなります」。悲痛な声が下田市の女性(58)からNEXT特捜隊に届いた。まずは現地を訪ねた。サトイモの葉がなくなっている―。女性が庭の異変に気付いたのは10月初旬。不思議に思いつつ過ごしていたら数日後の深夜、庭から「ガリガリ」という破壊音が。恐る恐る窓を開けると、イノシシが逃げていった。その後、毎晩のようにイノシシが現れた。庭の飛び石や家庭菜園が掘り返され、大事にしていたオリーブの苗木も倒された。「市街地にも出没していると聞いていましたが、まさか自宅の庭に出るとは思いませんでした」。被害は市内の学校でも出ていた。稲生沢中では10月に花壇のコスモスがなぎ倒された。刺股で追い払ったり、イノシシの子どもを捕獲したりの騒動も。山本文弥教頭は「学校の敷地内に現れたのは恐らく初めてのことです」と教えてくれた。市産業振興課に聞いた。市街地での目撃情報や被害相談は8月から出始め、9月下旬から急増。10月中旬まで多い状態が続いた。有害獣として捕獲したイノシシは、前年度1年間の既に1・4倍、480頭を超えているという。近隣の河津、東伊豆町に聞いても、例年になく街中への出没が相次いだそうだ。捕獲数は近年、県全体で増加傾向で昨年は5年前の1・6倍に当たる1万1390頭が被害防止目的で捕獲された。狩猟が解禁された11月1日以降は目撃、相談ともに減少しているが、冬眠しないイノシシへの警戒は各市町で続けられている。なぜ、ことしは市街地で被害が多いのか。下田市鳥獣被害対策実施隊の渡辺豊彦さん(59)は、山でナラ枯れが目立ち、餌のドングリが少ない―など複数の可能性を挙げ、「複合的だろう」と見る。県自然保護課の担当者は「耕作放棄地の増加など年々環境の変化がある。要因の特定は難しい」と指摘した。声を寄せてくれた女性のような民家ではどう対策をすればいいのだろう。渡辺さんは「まずは、ペットのエサや廃棄野菜を屋外に出したままにしないように」と呼び掛ける。その上で、一度侵入があった場合は鉄線が格子状に編まれた防護柵の設置を勧める。「光や音、臭いによる対策はイノシシが慣れてしまう。手間は掛かるが防護柵は効果が高い」とアドバイスする。

(クマ2年連続大量出没:福井)
奥越や丹南を中心に、県内では夏以降、クマが大量出没した。県自然環境課によると四月以降、十日時点で出没件数が千百七十六件、人身被害は十二件あった。近年の出没件数は年間で三百五十件ほどのところ、九百十四件と大量出没した昨年度をも上回った。近年にない二年連続の大量出没で、各地で対策に追われた。県自然保護センターが夏に行った調査では、クマの餌となるブナやミズナラなどのドングリが県内全域の山中で凶作か不作だった。大量出没の傾向にある不作年は四年前後の周期になっており、県自然環境課の担当者も「なぜ不作が二年続いたのかは不明」と原因は分かっていない。大野市では九月二十六日、市街地の中学校付近に出没し、地元猟友会が駆除。十月二十三日には土打で女性が襲われ負傷した。勝山市では九月末から十月初旬にかけて野向町竹林、平泉寺町平泉寺、平泉寺町大渡でそれぞれ住民が襲われ、額を二十針縫うなどのけがをした。奥越での人身被害は十二月十日現在で四人。学校行事が変更に追い込まれるなどの影響も出た。山に餌がなく、柿などを求めて人間の生活圏に下りてきているとみられる。

(高速にまたサル、「フェンス上歩いてる」相次ぐ:福岡)
19日午前8時前、福岡市東区の福岡都市高速で、「サルが都市高速のフェンス上を歩いている」と110番通報が相次いだ。県警によると、サルは近くの福岡空港のそばで都市高速から地上に下り、住宅地で目撃されたあと、林に逃げ込んだという。福岡市では今月3日にも、サルが都市高速上に出没。その後、繁華街の天神に現れて騒ぎになっていた。市役所の駐車場に逃げ込んだところを市職員らが2日がかりで捕獲し、東区の山に放っていた。19日は午前7時ごろ、東区下原で「電線に乗ったサルがカラスに追いかけられている」と110番通報があった。その後、都市高のフェンス上にいるとの通報が相次いだ。最初の通報があった目撃場所は、市役所で捕獲されたサルが放された山の近くだった。19日午前9時すぎ、記者が博多駅近くの呉服町出入り口(博多区)から都市高速にタクシーで乗ると、料金所を抜けた道路上にサルが1匹、座っていた。運転手が慌ててブレーキを踏むと、サルはひと跳びでフェンスの上に乗った。後続車はいなかった。そのまま、タクシーの進行方向とは反対に去った。

(鹿の角キーホルダー委託販売:長野)
茅野市米沢小学校の5年生は19日から、ニホンジカの角を使って制作してきた「鹿の角キーホルダー」を、学区内にある「たてしな自由農園茅野店」と「セブン-イレブン茅野米沢店」に委託して販売する。稲作学習をきっかけに農作物の獣害を知り、捕獲個体の命を最大限活用する大切さを学んだ2学級の42人。鹿の角と黒曜石を組み合わせた縄文文化を感じられる商品を生み出した。市独自の教科「縄文・市民科」の一環で取り組んだ。野生動物による農作物被害の現状や、集落や田畑での対策についても学習。捕獲した鹿の肉や皮、角を無駄なく活用している米沢地区の猟師の話を聞き、「縄文の里」と絡めた加工品作りに乗り出した。材料となる鹿の角は地域の猟師や住民が提供。工程は岡谷美術考古館(岡谷市)の職員に習った。▽ものづくり▽販売▽生産管理-の三つのグループに分かれ、加工や組み立て、ポスターの作成、包装などを開始。鹿の角は輪切りにして中心をくり抜き、特殊な液体で黒曜石の破片を組み込んだ。ストラップ部分に鹿革のひもを使った物と、手芸用の組糸を用いた物と2種類の商品を作り、学習過程を記したチラシを同封して1個200円で販売する。100個の納品を目標に17日も制作を続けた児童たち。ものづくりグループで、やすり掛けを担当する男子児童は「完全にピカピカにしない。少し汚れを残して本物の角っぽさを出す」とこだわりを語った。「ポスターは目を引くデザインにし、材料や編み方も分かるようにしました」と販売グループの一人。感染症の影響で対面販売は中止したが、「皆で一生懸命作ったので、ぜひ買ってください」と地域に呼び掛けていた。

(エゾ鹿認証肉の消費拡大に協力:北海道)
センチュリーロイヤルホテル(総支配人: 桶川昌幸/札幌市中央区北5条西5丁目)では、ホテル内3つのレストランにて、北海道が食の推進を行っている“エゾシカ肉”を使った限定料理を2021年1月1日(金・祝)より提供いたします。これは、農林水産省が進める「#元気いただきますプロジェクト(品目横断的販売促進緊急対策事業のうち地域の創意による販売促進事業)」の一環で、近年、鉄分が豊富なヘルシー食材として注目を集めている「エゾシカ肉」を活用した限定料理を提供し、エゾシカ肉の外食での消費喚起の促進を図り、しっかりと安心安全に処理をされた、美味しいエゾシカ肉のPRに取り組んでまいります。館内レストランが一斉にエゾシカ肉を使用した料理を提供するのは今回が初となります。北海道では、人とエゾシカとの適切な関係を築き、地域社会の健全な発展に寄与するため、 平成26年3月に制定した「北海道エゾシカ対策推進条例」に基づき、 捕獲等による個体数の管理や、捕獲個体の有効活用推進など、 総合的かつ計画的にエゾシカ対策を進めています。また、しっかりと安心安全に処理をされ、美味しいエゾシカ肉を提供できるように、平成28年10月から高度な衛生管理を行う施設を認証するエゾシカ肉処理施設認証制度をスタートさせ、エゾシカ料理の普及拡大によって増え続ける鳥獣被害を減らし、地域の活性化や社会貢献の実現に向けた活動に取り組んでおります。総調理長の金子は、「西洋料理では高級食材として重宝されるジビエ。なかでもエゾシカの肉は高タンパクで低脂質、かつ鉄分を豊富に含むヘルシーな食材として注目されている。官民一体となって、北海道固有の資源であるエゾシカの優れた栄養特性や美味しさ等をPRし、エゾシカ肉の価値向上に協力していきたい」とコメントしております。

(ジビエ料理を高校生競う:大分)
狩猟で得た野生鳥獣の食肉「ジビエ」を使って、高校生が創作料理を競う「ひたジビエ レシピグランプリ」が19日、日田市の昭和学園高であり、独創的なタコス料理がグランプリに輝いた。若い人の感性を生かした料理で「ひたジビエ」をPRしようと、市ジビエ推進協議会と市が開いている。今回は新型コロナウイルスの影響を踏まえ、参加を同高だけに限定し、4チームが出場した。共通食材は「ひたジビエのイノシシミンチ」で、事前に提出したレシピを基に生徒たちが調理した。グランプリは1年生4人のチームによるメキシコ料理タコスを意識した「日田コス」。細かく刻んだ特産のユズ皮を練り込んだ生地で、ドライカレー風にして食べやすくしたミンチ、ピクルス、アボカドなどを包んだ。審査員からは「見た目もよく、スパイスが利いていて食欲をそそる」と高評価だった。今回から小中学校の給食にふさわしい料理を選ぶ「給食グランプリ」が創設され、2年生チームの「イノひき肉のショートパスタ」が受賞した。

(シカ肉、多彩に調理:宮崎)
美郷町で捕獲したシカ肉を使った料理を楽しめるイベント「MISATO GIBIER WEEK(ミサトジビエウイーク)」が、県内各地の12店舗で開かれている。カレーやピザ、ステーキなど、各店で滋味に富んだ多彩なメニューが食べられる。27日まで。野生鳥獣肉(ジビエ)の消費拡大と捕獲数の増加を図ろうと、今年1~2月に続いて実施。美郷町の「OttO―OttO(オットーオットー)」「パン屋りょう」のほか、今回は対象店舗を県南にまで広げ、ランチや持ち帰りができる店も増やした。同町の情報発信を担う宮崎市の複合施設「若草HUTTE(ヒュッテ)」では、シカ肉のソーセージを挟んだ「美郷鹿ホットドッグ」を販売している。ジビエは町内の加工施設「美郷ジビエ工房」で加工し、各店に提供している。同町は野生鳥獣による食害が多く、猟師は欠かせない存在。町企画情報課は「ジビエの魅力と消費拡大は、猟師の応援にもつながる」としている。

(シシ肉100%「猪突猛進ドッグ」:高知)
須崎市浦ノ内東分の「ジビエ浦ノ内企業組合」生産のイノシシ肉100%ソーセージを挟んだ「猪突(ちょとつ)猛進ドッグ」を、地元のパン店「ベイクショップ モンブラン」(西崎町)が商品化した。同企業組合の担当者は「臭みがなく、ジビエが初めての人も食べやすいです」とPRしている。11月に市内で開催された食のイベントで初めてコラボし、イノシシ肉のホットドッグを試験販売。この時のソーセージには豚の脂を加えていたが、さらに味や食感を改良し、イノシシ肉100%にした。企業組合の林佑磨さん(32)は「従来のイノシシ肉のイメージを大きく覆した一品」。パン店の大崎豊社長(43)は「少し硬めの専用のパンでソーセージのおいしさを引き出した」と勧めている。

(「狩女の会」がジビエPR:石川)
輪島市門前町走出(はしりで)のサン・フラワー・マリヤマ門前店で十八日、白山麓で捕れたツキノワグマの肉が五パック限定で販売された。全国の女性狩猟者でつくる「狩女(かりじょ)の会」の福岡富士子さん(50)=穴水町大町=がジビエ肉の活用について知ってもらおうと持ち込んだ。十一月の猟期開始すぐに白山市の猟師が仕留めたもの。クマ肉は筋肉質だが脂が甘く、コラーゲンが豊富なのが特徴。同店でのジビエ肉販売の第二弾で、「ジビエがイノシシだけでないことを知ってもらいたい」とクマ肉販売を決めたという。二パック購入した高本裕美さん(58)=輪島市門前町日野尾=は「おいしいというのをテレビで見ていたが、ここに売っていて驚いた。すき焼きにして食べようと思います」と話した。福岡さんは「県内ではクマ被害が出て駆除と保護で賛否が割れた。猟師は『森の番人』とも呼ばれ、生態系のバランスを取る役割がある。そのことも含めてジビエの活用について理解してもらいたい」と話した。

(ドイツで修業、肉屋をオープン:和歌山)
阪本晃一さん(38)は、和歌山県かつらぎ町の花園地区に野生のイノシシ、シカなどのジビエを扱う肉屋「メツゲライ サカモト」を今月、オープンした。ドイツで食肉加工の修業をして、職人の国家資格「ゲゼレ」を取得。メツゲライは、ドイツ語で肉屋の意味だ。大阪府和泉市出身。保育士として働いていた9年前、研修で訪れたドイツでたまたま目にした現地の肉屋。店先に肉やソーセージがぶら下がり、職人自ら解体、加工するスタイルに、「自分もやってみたい」と強く心を動かされた。保育士の仕事は好きだったが、一方で、何か新しいことに挑戦したいとの気持ちもあった。ドイツへ渡ることを決心。2014年から約3年半、肉屋で働きながら、資格の学校に通い、技術や肉に関する知識を身につけた。日本での起業を目指して17年8月に帰国。ドイツのように解体から関わりたいと、ジビエに着目していた。出身地にも近く、ジビエに力を入れる県内の解体処理施設に通い、約2年間、みっちりと技術を学んだ。18年7月からは、鳥獣被害に悩み、ジビエの活用を目指していたかつらぎ町の花園地区の地域おこし協力隊員として活動を始めた。猟師から連絡を受けると、現場へ行って自分でとどめを刺す。内臓をとり、皮をはぎ、肉にし、加工する。今は、ジビエとソーセージなどを販売しており、ペット用のシカ肉ジャーキーなども作った。来年にもジビエを中心にした料理を提供する飲食スペースを設ける予定だ。狩猟や解体を体験できる教室も開きたいと思っている。「店を人が集う場所にして、地域おこしの歯車の一つになりたい」。

(絶品ジビエ料理を召し上がれ:愛知)
設楽町清崎に建設中の道の駅したらに隣接する食事処「八雲苑」清崎店では、旬を迎えた奥三河産ジビエ料理が人気を集めている。イノシシのバラ肉を使った焼肉定食、モモ・ロースを使ったすき焼き定食や味噌煮込みうどんを期間限定で提供している。狩猟解禁の季節を迎え、奥三河地域で獲(と)れたイノシシやシカなどおいしいジビエ料理がメニューに並ぶ。野生鳥獣は自然の植物を餌とするため栄養価が高く、脂肪分が少なく赤身や脂身もおいしい。八雲苑では、地元の猟師が仕留めたものを調理している。店長の小川享子さんが考案したイノシシの焼肉定食、すき焼き定食、味噌煮込みうどんが好評。2日間かけて圧力鍋で数回煮込んだつゆは濃厚で味わい深く、肉は甘く臭みがない。今年はジビエ肉の流通が少なく、同店は約40キロのみで焼肉定食は70食限定。すき焼き定食や味噌煮込みうどんも在庫限りとなる。この時期は、昼時になると地元住民だけでなく、町外からファンが来店し、イノシシ料理に舌鼓を打つ。焼肉はキャベツや大根おろしと相性が良く、濃厚な味わいを楽しめる。小川さんは「この時期にしか食べられない地元で獲れた旬の肉を味わってほしい」と話した。

(おうち時間「きじ鍋」味わって:北海道)
岩見沢市内の障害者就労支援事業所「ワークつかさ」(日の出町)の敷地内にある食堂「きじまるくん」は21日から、持ち帰り用の「きじ鍋」(3人前3800円)の予約販売を始める。同事業所で生産しているキジの胸肉やモモ肉、つみれ、ハクサイ、長ネギ、シメジのほか、スープと電磁調理器でも使用できる使い捨てのアルミ付き。肉は計300グラム、つみれは150グラムで、肉と野菜は真空パックしている。スープはキジのガラにしょうゆなどを加えたオリジナル品で、こくのあるあっさり風味だ。

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12/18
(工事契約を解除、国体クレー射撃会場:三重)
伊賀市は12月18日、三重とこわか国体に向けたクレー射撃競技会場「県上野射撃場」(同市蓮池)の施設整備工事で、一般競争入札の公告時に添付した資料に誤った数量を記載していたことが分かり、受注者との契約を解除したと発表した。同国体の伊賀市実行委員会事務局によると、射撃場の整備工事は予定価格が税込み3388万円で、工期が2021年3月1日までの90日間。入札日が11月30日で、市内の2社が参加し、今月2日に契約を結んだ。誤りが判明したのは契約締結後に工事設計書を公開した後の同5日で、受注者とは別の業者から市が事前提示した工事費の積算参考資料と比べ交通誘導員の人数が少ないと指摘があった。市側が改めて確認し、「今回の違算は入札結果に多大な影響を与えるものだった」と再入札の必要があると判断した。受注者には市が7日に事情を説明。同日付で契約を解約し、補償金として55万7986円を今後支払うという。同事務局では今回のミスを受け、書類や資料のチェック機能強化を図るなど再発に努めるともに、国体開催の時期が来年9月に迫っていることから、入札の再発注を速やかに進めるとしている。

(シカたない?列車衝突事故急増にJR北海道クマった:北海道)
北海道でシカやクマと列車の衝突被害が急増している。2020年4~9月はシカとの衝突が995件(前年同期比27%増)、クマは23件(77%増)。7年ぶりとなる年間2000件の大台も現実味を帯び、総延長2500キロメートル近くの長大路線を維持する難しさがJR北海道を苦しめている。10月、幌延駅(北海道幌延町)を発車した宗谷線の特急列車「宗谷」は前に引っ張られるような感覚と共に急停車した。シカとの衝突事故に遭遇するのは北海道では珍しくない。この時は約10分の立ち往生で済んだが、数時間停車することもある。大幅な遅延につながるのはクマと衝突した場合が多い。襲われる危険があり、現場で倒れたクマを乗務員が直接確認できないからだ。北海道ではハンターの到着までに数時間を要する場合もあり、法令により夜間は銃を撃つことができない。夜間の事故の場合、長時間の遅延につながる。18年度時点で道内でハンター登録する道内在住者は6475人。全てのハンターがヒグマ猟をするわけではなく、北海道は「クマのハンターは減っているのではないか」(環境生活部環境局自然環境課)とみる。ヒグマは近年頭数が増加傾向にあり、衝突事故も20年度上期は23件と、19年度上期(13件)や18年度上期(15件)、17年度上期(18件)を上回る。21年度も増える可能性がある。一方、数字上は圧倒的に多いシカとの衝突件数は例年、年度の前半より後半(10月~翌年3月)に増える傾向がある。山に雪がつもり、餌を求めて里に下りてくることが理由のようだ。17~19年度は前半が700~800件にとどまったが、後半は1000件以上だ。20年度は前半だけで1千件に迫っており、13年度以来7期ぶりとなる2000件の大台を超える可能性も高い。記録すればJR北海道が誕生した1987年度以降で4度目となる。19年度までシカとの衝突件数は12年度(2377件)をピークに減少傾向で、19年度は1784件だった。JRもシカの線路侵入を防ぐ柵を設けてきたが、広大な北海道の津々浦々に柵を張り巡らせるのは現実的ではない。柵ができるとシカは別の場所から出没するようになり、いたちごっこが続く。19年度、シカの捕獲頭数は10万6千頭止まりだった。道は個体数の減少には年14万1千頭の駆除が必要と計算しており、シカの頭数は増えているようだ。19年度は暖冬で餌に困らず、あまり里に下りてこなかったためだ。

(イノシシ捕獲最多更新、農作物被害は微減:茨城)
茨城県内の2019年度のイノシシ捕獲数が、過去最多を更新する1万1387頭となったことが16日、県のまとめで明らかになった。県北山間部のほか、県南や鹿行地域でも捕獲が広がり、生息域は拡大の一途にあるとみられる。農作物被害額は微減となり、4年ぶりに1億円を下回った。県は「イノシシ対策条例」を17年度末に制定し、捕獲や防護柵設置など対策を強化している。捕獲数が増える中で農作物被害が減少したことについて、県農村計画課は「被害防止対策が進んでいる地域では、農作物被害額が減っている。ただ、新たに被害が発生した地域もあり、引き続き対策を推進していく」としている。県が同日公表した19年度の「イノシシ等野生鳥獣による被害防止対策の状況」によると、イノシシの捕獲頭数は09年度の約2900頭から増加傾向にある。12年度は3千頭、14年度は5千頭を超え、18年度は前年比25%増の約9500頭、19年度には過去最多の約1万1千頭に達した。県自然環境課によると、県北と県央地域の山沿い、筑波山周辺が主だったイノシシの生息域は南側に拡大。ここ数年は鹿行や県南の住宅地に近い雑木林などでも捕獲されるようになった。イノシシによる農作物被害額は、10年度に約7900万円だったが、16年度に1億円を突破、17年度には約1億5300万円とピークに達した。その後は減少を続け、18年度は約1億43万円。19年度は約9700万円と、4年ぶりに1億円を下回った。

(クマの「進撃」情報集約、ネットで公開:新潟)
長岡造形大学は新潟県内でクマの目撃や痕跡情報を集約したサイト「進撃のクマ」を公開した。出没だと目撃のイメージが強く、またクマにも姿を現す理由があるとして進撃と表現。クマの情報をより分かりやすくまとめた。新潟県が公開する情報を自動で収集し、最新に更新する。サイト上の地図にはクマのイラストとともに目撃・痕跡数を「進撃した件数」として表記、その地域を拡大すると詳細な位置を調べられる。市町村や時期・時間帯別の進撃した件数も示した。サイトのプログラムなどを手がけた同大学の福本塁助教は「データの可視化に関する授業課題で学生からの提案をきっかけに制作した」と振り返る。クマのイラストはアイデア発案者の3年生が担当。クマに遭遇したくないのでバイトの時間帯を変えた、という話をきっかけに考案したという。福本助教は新潟県内の新型コロナウイルス感染者数マップの制作も手がけている。今回のクマのサイトでは「できるだけポップな雰囲気を重視し、情報として入りやすいよう意識した」という。17日から同研究室のサイトを通じてアクセスしやすいよう整える。

(『クマAI探知カメラ』を防犯カメラメーカーが開発:石川)
今年、石川県内を震撼とさせたクマ騒動。そんな中、ある県内企業で被害をゼロを目指し、AI=人工知能を使ったクマ対策の開発が進められていますダイワ通信 五天秀憲さん:「こちらがクマAI探知カメラです。AIにクマの画像データを覚えさせることでクマを検知するシステムを今開発しています」。クマだけを検知するAI搭載の防犯カメラ。カメラがクマの姿をとらえると、音と光で威嚇しクマを追い払います。この検知システムを開発したのは防犯カメラで県内トップシェアのダイワ通信。得意とする顔認識の技術をクマ対策に活用しました。県内で今年、確認されたクマの目撃情報は昨年を大きく上回る968件。実際、襲われケガをした人は過去最多の15人にのぼります。ダイワ通信 五天秀憲さん:「10月にクマ被害が史上最多というニュースを見て何か対策できないかと考えました。現状で、精度90%まで来ています」。このシステム、もう1つ特徴が…。同・五天さん:「カメラが探知すると赤枠で表示されて、住民に通知が届くようになっています。リアルタイムで通知することで『今クマ出たんだ、じゃあ出かけるのをやめておこう』と対応してもらいたいです」。クマの位置情報を素早く伝えることで襲われる被害を食い止めます。同・五天さん:「クマに対しても人を襲うことで殺処分されてしまうので、クマも人も両方守る意味でも、このシステムは社会に大きな意義があると思います」。システムの完成は来年春。目指すはクマ被害ゼロです。

(国内唯一の猟銃メーカー・ミロクがライフル好調で上方修正:高知)
猟銃の製造販売をするミロク<7983>の2020年10月期売上高は予想比0.25%増の136億3,500万円、営業利益は14.6%増の5億6,200万円で着地となりました。新型コロナウイルスの感染拡大によって、クレー射撃などの競技で使われる上下二連銃の販売が落ち込んだ一方、大型動物の狩猟に使われるボルトアクションライフルが販売計画を上回りました。ミロクの株価は上方修正により、発表前8日の終値1,586円から10日には1,787円まで12.7%上昇しています。アメリカでは、新型コロナウイルスによる先の見えない不安感や、警察官による黒人殺害を引き金とした暴動、民主党のバイデン氏が政権を握ることによる銃規制強化前の駆け込み需要から、銃の販売数が異常ともいえる数を記録しました。月間250万件を下回る販売数が、2020年6月には393万件と1.5倍に跳ね上がったのです。日本では有害鳥獣とされるシカやイノシシの捕獲数が年々増加し、ジビエブームともいえる状況に近づきつつあります。外食産業は専門店化が進んでおり、ジビエレストランは新たな業態として注目を集めています。

(10頭以上のイノシシ、家族が激写:宮城)
視聴者の方が送って下さったこの映像。10頭以上のイノシシの群れが、駆け抜けていきます。この映像を提供してくれた家族と、専門家に話を聞いてきました。道路を横断していく、10頭以上のイノシシの大群。動画を投稿してくれた、宮城県大崎市三本木の鎌田さん一家です。自宅付近の田んぼで、イノシシの群れを発見し、この動画を撮影しました。大崎市三本木 鎌田奈々さん「息子のバレーの練習で帰ってきたら、大きな物体が暗闇で動いていて、ちょっと見に行ったらイノシシで、寄ってみたら大群だった」。鎌田さん一家、実はイノシシの被害に遭っています。大崎市三本木 鎌田奈々さん「庭が穴だらけです」。この夏、今年始めた家庭菜園の作物を食べられ、さらに12月も庭を荒らされました。大崎市三本木 鎌田侑來 君「野菜をいっぱい食べらました」。しかし、このイノシシの大群という珍しい光景を見た時は思わず…。大崎市三本木 鎌田卓也さん「大興奮ですね」。大崎市三本木 鎌田奈々さん「衝撃すぎて笑いのほうが強い」。この動画を、専門家にも見てもらったところ…。八木山動物公園 吉住和規 飼育展示係長「すごいです。集団で移動しているの初めて見ました。イノシシは4頭前後、一度に繁殖するので、繁殖した子供たちが大きくなって、血縁関係にある親子の集団で移動してるようには見えますね。おそらく集団で田んぼのエサ、基本穴を掘ってエサを探しますので、エサを取りにに来たのではないかなと」。衝撃映像の撮影から一夜明け、母親の奈々さんは改めて、子どもたちに注意するよう話をしたということです。大崎市三本木 鎌田奈々さん「近寄らないようにするのと、どうしようもないけど、気をつけながら、あまり人気のないところを帰って来ないようにって言ってます」。

(住宅の居間にイノシシ:栃木)
17日午後1時20分ごろ、大田原市亀久、農業男性(64)方の居間にイノシシ1頭がいるのを男性が目撃した。けが人はなかった。大田原署は周辺をパトロールし、近隣住民に警戒を呼び掛けている。同署によると、イノシシは体長約1.5メートル。物音がしたため男性が居間を確認するとイノシシがいて、大声を出すと玄関から逃げ出したという。

(サル目撃情報2件、同じ個体か:秋田)
16日昼ごろ、秋田県湯沢市内でサルを目撃したとの110番が2件あった。湯沢署は目撃場所が近いことから同じサルとみて、周辺で警戒に当たるとともに、住民に注意を呼び掛けている。

("一石五鳥"!?アイガモ農法:福岡)
シリーズでお伝えしている「SDGs私たちにできること」。今回は、「陸の豊かさも守ろう」です。福岡県桂川町の農家の男性が取り組む「アイガモ農法」。化学製品を使わず、自然の生態系を生かした、いわば「一石五鳥」の米作りを取材しました。元気よく、水田に向かうアイガモのヒナたち。行われているのは、アイガモの畜産と稲作を組み合わせた「アイガモ農法」です。いわば、「田んぼからご飯とおかずが取れる」画期的なこの農法。福岡県桂川町の古野隆雄さんが「第一人者」といわれています。古野さんは九州大学農学部を卒業後、完全無農薬の有機栽培をスタート。無農薬栽培の課題の一つである雑草に、頭を悩ませていたところ、アイガモに草を食べさせる除草法を知り、およそ30年前に「アイガモ農法」を始めました。有機栽培では、除草剤や殺虫剤を使わないため、草取りや害虫駆除の手間がかかりますが、雑草や昆虫を食べるアイガモが、こうした作業を代行します。また、アイガモが動き回り、田んぼの泥をかき混ぜることで、稲に刺激を与え成長を促すほか、そのフンは肥料となります。こうして育ったアイガモは、最後は食用として出荷されるため、まさに「一石五鳥」です。古野さんは、自然に近い環境で育てることが、アイガモたちへの恩返しになると考えています。近年、問題となっているのが、農薬の効かない害虫です。2013年には、西日本でウンカの被害が多発し、農作物の被害額は100億円を超えました。アイガモ農法は、この問題にも効果的です。アイガモを狙う野犬やカラス対策も、進化しています。柵には1秒ごとに電流が流れますが、「脅かすこと」が目的のため、生き物を危険にさらす高圧電流は使用していません。またカラス対策として、あえて見えにくい糸を張っています。高価な農機具や農薬を使わずに、効率的な農作業ができるアイガモ農法は、アジアの国々で需要が高く、古野さんは技術を伝える活動も行っています。また、有機栽培やアイガモ農法を志す研修生を定期的に受け入れ、後進の育成にも力を入れています。効率的な農業を実現した「アイガモ農法」。環境にもやさしいその手法は、「持続可能な社会の実現」に一役買っています。

(美味しいジビエでSDGs!:東京)
三菱地所株式会社が運営する新丸ビル7階の飲食店ゾーン「丸の内ハウス」では、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)を舞台に、SDGs達成に向けた多様な活動を推進する「大丸有SDGs ACT5実行委員会」主催により、2021年1月12日(火)~1月31日(日)の期間、ジビエを使用した様々なジャンルのお料理を提供する「ジビエを食べて地域と繋がる@丸の内ハウス」を開催いたします。本企画では、厚生労働省が策定したガイドラインを遵守し、尚且つ農林水産省が制定した「国産ジビエ認証」を取得した食肉処理施設だけが集う直売WEBサイト「ザ ジビエ」(ホームページ: http://gibier.cc/)が提供する、安全・安心な国産ジビエを使ったメニューを展開。鹿肉の最上部位のロース肉をしっとりと焼き上げたグリルや、赤ワインを使った煮込み料理等のジビエの王道料理から、スパイスを使って食材の持つ肉本来のうまみを引き出した麻辣煮込みやカレー、クリームチーズと鹿のしぐれ煮を合わせたカナッペ等のお酒のおつまみにぴったりのメニューまで、丸の内ハウスにお店を構える9店舗それぞれの個性に溢れたオリジナルメニューをお楽しみいただけます。ジビエはその野性味溢れる風味や食感、高タンパクで低脂肪かつ栄養豊富な食材としての魅力だけでなく、生態系の維持や里山保全など、SDGs活動の観点からも多くの注目を集めています。増えすぎた鹿や猪による獣害、猟師の担い手不足、捕獲した鹿や猪の廃棄、食肉処理施設等の施設・維持管理や衛生管理水準(国産ジビエ認証等)に関する課題に加えて、消費地でも、ジビエ食材の正しい調理方法や美味しさが知られていないなど、解決すべき多くの課題を抱えています。本企画を通して、ジビエ料理を気軽に味わっていただき、その魅力を多くの方に伝えるとともに、消費を通じて様々な課題の克服や生産者とその地域の人々を支える活動に貢献します。

(シカ肉(ジビエ):鳥取)
鳥取県南東部の若桜(わかさ)町に獣肉解体処理施設「わかさ29(にく)工房」がある。同町と、隣町の八頭(やず)町の猟師が仕留めたシカを車で運んでくる。1日平均7、8頭。年間だと2753頭(昨年度)になる。「本州では断然トップ」(若桜町農林建設課)という。解体処理は屋外で始める。ガスバーナーの火を全身にあててマダニを焼き、焼けた毛や、足などに付いている土を高圧洗浄機などで洗い流す。この後、屋内に運び入れ、ナイフで内臓を取り出し、皮をはぐ。枝肉状態にした後、モモ、カタ、ロースなどの部位別に切り分けて冷蔵庫へ。ここまでを50分以内で終える。工房の施設管理責任者の河戸建樹さん(47)は「早くした方が細菌の増殖を防げる。肉質は落ちず、臭みが出ない」と話す。猟師にも、その場で血抜きをし、2時間以内に搬入することを求めている。県から衛生管理の国際基準「ハサップ」を満たした施設に認定され、農林水産省からは厳しい衛生管理基準の順守などが求められる国産ジビエの処理施設に認証されているためだ。心臓弁やリンパ節に異常がないかも調べる。工房では、運ばれてきたシカはすべて受け入れている。搬入に時間がかかり、血抜きが不十分だったものなどは、内臓の一部と同様にペットフード向けにしている。昨年度は約35トン。年々増えているという。食肉としての利用量は昨年度で約30トン。納入先は8割が県外で関西と首都圏のレストランが多い。今春はコロナ禍で納入先が営業を自粛。在庫を抱えたが、日本ジビエ振興協会が企画したカレーなどのレトルト商品向けに出し、解消した。シカ肉の特徴について河戸さんは「低カロリーで低脂質。なのに高たんぱくで鉄分が多い。サラダチキンに似た感じ」と説明する。若桜町の飲食店も工房の肉を扱う。「ふる~る」は日替わり定食(700円)に鹿ステーキがある。ヒレを使い、ステーキダレをかける。「弾力があり、しっかりした肉」と感じた。店長の清水雅恵さん(68)は「軟らかくクセがない」。「ごはんとおみやげyamaneya」はハンバーガー(500円)も。ミンチでパテをつくり、トマトソースをかける。くどくなく、さっぱりした味だ。「トマトの酸味と相性がいい」と経営者の山根裕治さん(34)。「獣臭さがなく、『おいしいけど何の肉』と聞かれる」そうだ。〈わかさ29工房〉 木造平屋で約90平方メートル。若桜、八頭の両町が有害鳥獣対策の一環として、2012年度に建設した。16年度から指定管理者の「猪鹿庵(じびえあん)」(若桜町)が運営している。従業員6人。シカ肉の販売単価はロースで1キロ3千円、スネやバラで同1千円。イノシシも処理しているが、シカの10分の1程度。肉がうまいことから、猟師が自家消費することが多いという。

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12/17
(佐世保散弾銃乱射事件から13年、犠牲者2人を追悼:長崎)
人が死傷した長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件は14日、発生から13年を迎え、現場となった同市名切町のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」では、犠牲となった水泳の女性インストラクター=当時(26)=と漁網製造業の男性=当時(36)=を従業員が追悼した。運営するルネサンス(東京)によると、朝礼で従業員約20人が1分間黙とう。遺族や当時を知る関係者に配慮し、事件を想起させる献花台は今年も設置しなかった。ルネサンスは事件発生日に毎年、防犯カメラや非常ボタンの作動確認などを実施している。事件は2007年12月14日夜、同クラブに男=当時(37)=が侵入し散弾銃を乱射。2人が死亡し、小学生の女児を含む6人が負傷した。男は15日朝、市内の教会敷地内で散弾銃を使って自殺した。

(空気銃と同等の殺傷能力、ボウガンは許可制に)
殺傷事件での使用が問題となったボウガンについて、警察庁の有識者検討会は17日、猟銃や刀剣などと同様、所持する場合は都道府県公安委員会による許可制にすべきだとする報告書をまとめた。警察庁は、来年の通常国会への銃刀法改正案の提出を目指す。有識者検討会は、6月に兵庫県宝塚市で家族ら4人がボウガンで殺傷された事件を受けて設置された。報告書では、悪用を防ぐために許可制とし、用途を動物麻酔や学術研究、スポーツ射撃などに限定すべきだと提言。空気銃と同様、正しい使用法に関する講習の受講が必要としたほか、販売業者には公安委員会への届け出を求め、購入者の本人確認などを行うことが適切と指摘した。ボウガンは弦の固定装置があるため、人力で弦を引いて射る弓などと比べ、命中しやすい。警察庁の実証実験では、最も威力が弱いものでも銃刀法で規制する空気銃と同等の殺傷能力があったという。

(除雪の準備中クマに襲われけが:新潟)
17日、新潟県南魚沼市で除雪作業の準備をしていた50代の男性がクマに襲われ、顔や腕にけがをしました。クマはその場から逃げましたが、猟友会に駆除されたということです。17日午前5時前、新潟県南魚沼市の市野江に住む50代の男性から「クマに顔などをかまれた」と消防に通報がありました。警察によりますと、男性は自宅の敷地にある作業場で「かんじき」を履くなど除雪作業の準備をしていたということですが、その際、突然、体長1.7メートルほどのクマに襲われ、顔や左腕にけがをしたということです。男性は病院に運ばれましたが命に別状はないということです。南魚沼市によりますと、クマは午前10時ごろ、地元の猟友会によって駆除されたということです。連絡を受けた58歳の男性は「クマは作業場で冬眠していたのかもしれない。朝晩の暗いうちの作業は怖いです」と話していました。新潟県内ではクマの被害が相次いでいて、県は来月15日まで「クマ出没特別警報」を出し警戒を呼びかけています。

(体にワイヤー、アナグマ虐待か:宮城)
宮城県蔵王町の住宅地でワイヤーや紐のようなものが、体に巻き付いているアナグマが発見されました。この住宅地では2019年、同じように体にひもを巻かれた野良ネコも見つかっていて、警察は鳥獣保護法違反などの疑いがあるとみて捜査を進めています。えさを食べる野生のアナグマ。この映像は12月1日、蔵王町の住民が警察への情報提供のためにえさでおびき寄せて撮影したものです。アナグマの体にはワイヤーや紐のようなものが巻かれています。アナグマは11月30日に見つかり、その後、姿を見せていませんが、近くに住む住民は不安を募らせています。この住宅地では2019年5月以降、同じように体にひもを巻き付けられた野良ネコが相次いで見つかりました。警察が、動物愛護法違反などの疑いがあるとみて捜査していますが、犯人は未だ捕まっていません。傷ついた野生動物などを保護する大河原地方振興事務所は、アナグマの保護を検討しています。大河原地方振興事務所によりますと、狩猟免許のない人が野生動物を罠にかけた場合、鳥獣保護法違反にあたる恐れがあるということです。警察は、鳥獣保護法や動物愛護法に違反する疑いがあるとみて捜査を進めています。

(牛襲うヒグマ、対応苦慮:北海道)
釧路管内標茶町で、ヒグマが放牧中の乳牛や肉牛を襲う事故が昨夏に続いて今夏も相次いだ。2年間で計16頭が死に、残された体毛などから、同一の雄グマによるとみられる。町は箱わなを設置しているが、問題のクマの捕獲は不発に。ハンターの高齢化などから山中での駆除には限界があり、広大な放牧地に侵入防止の電気柵を張り巡らすのも費用的に困難。地元の関係者らは対応に苦慮している。町によると、昨年は7~9月に27頭の牛が襲われ、うち12頭が死んで1180万円の被害が出た。今年は8~9月に4頭が襲われていずれも死に、うち3頭が現場近くに残された体毛などをDNA検査した結果、昨年の襲撃現場の一部にあった雄グマのものと同一であると分かった。雄グマの推定体重は300キロとされ、死んだ牛の一部は食べられていた。

(イノシシ飛び出し注意:長崎)
長崎県内で10月以降、イノシシと車やバイクがぶつかる事故が相次ぎ、けが人も出ている。年末年始を控えて車での行き来が増えるこの時期、動物との衝突事故に気をつけるよう、県警は注意を呼びかけている。西彼杵半島の西端を通り、長崎市中心部に至る国道202号。稲佐山の山すそ付近にかかる同市福田本町付近は、郊外と市中心部を結ぶバスが盛んに行き交う道だが、街灯がなく暗い場所もある。2日夜、この国道で事故があった。100ccのバイクに乗った30代男性が市中心部に向け走っていると、突如、道路を横切ってきた体長1・4メートルのイノシシと衝突した。男性はぶつかった衝撃で転び、胸や右手の骨を骨折。病院に運ばれ、命に別条はなかったが、現在も入院しているという。一方のイノシシは、現場付近で倒れ、そのまま死んだ。西海市西彼町鳥加郷の国道206号では、車4台が絡む事故があった。10日午後6時ごろ、乗用車の右側に体長1・5メートルほどのイノシシが衝突。はずみで対向車線にはみ出したイノシシを、走ってきた軽トラックなど計3台がひいたりぶつかったりした。車同士の衝突はなく、運転手の男性計4人にけがはなかったが、最初にイノシシにぶつかった車は右前部やドアが大きくへこみ、修理を強いられた。県警交通企画課によると、県内の道路(高速道路含む)では、毎年10月から1月ごろにかけてイノシシが絡む事故が増える傾向にあるという。接触するのは車が多く、人身事故は少ないが、車が破損するなどの物損被害が出ている。県農山村対策室の担当者は、冬にかけてイノシシとの接触事故が増える理由について「ドングリなど山で食べるものがなくなり、イノシシが人里までえさを求めて下りてくるのでは」とみる。市街地では、春先にも目撃例が多くなるという。イノシシなど動物が出やすい場所には標識が設けられている。県警は、冬の夜間は、標識のない場所でも「イノシシが出てくるかもしれない」と警戒するよう呼びかける。接触事故が発生した場合は、落ち着いて車を道路脇に寄せて安全を確保し、イノシシには触れずに110番通報してほしい、としている。

(「都市型イノシシ」数百頭:熊本)
ここ数年、政令指定都市の熊本市や近郊の都市部で、イノシシの出没例が急増している。イノシシは鋭い牙で人を傷つけることもある。農地の少ない市街地に出没する「都市型イノシシ」を追った。熊本市中央区と北区にまたがる立田山は、緑豊かな市民憩いの場だ。「森の都」を象徴する自然林ではここ数年、異変が起きている。「イノシシの痕跡が至る所にある。予想以上に深刻かもしれませんね」。10月中旬、「立田山憩いの森」を県内でイノシシ対策に取り組む「くまもと☆農家ハンター」の稲葉達也プロジェクトリーダー(42)=宇城市=と訪ねた。お祭り広場では、幼稚園の送迎バスを降り立った子どもたちが、ドングリ拾いやトンボを探して元気に走り回っていた。すぐそばの池の周りに目をやると、水辺の草花の傍らにまるで畑を耕したような場所があり、その奥には湿地ものぞく。「これがぬた場ですね。イノシシがいる証拠です」と稲葉さん。痕跡はあっけなく見つかった。ぬた場とは、イノシシなどの動物が体に付いている寄生虫を落とすために泥を浴びる場所。「森の奥まで行かなくても、イノシシがここまで来ちゃっていることが容易にわかりますね」と稲葉さん。遊歩道がある林に足を踏み入れると、周りの木々の根元から50~60センチの部分は、不自然に白く変色している。イノシシが泥を浴びた後にこすり付けたためだという。触ってみると、たしかに乾燥して白くなった土だった。そうした木々が至る所にあり、その中でウオーキングを楽しむ高齢者の姿が途切れない。イノシシは警戒心が強く、臆病な動物だという。人の気配がないタイミングを見計らって“時間差”で広場やその周辺を訪れているとは思われるが、いつ人間とばったり遭遇してもおかしくはない。立田山は四方を住宅街に囲まれている。熊本市によると、標高152メートル、面積約680ヘクタール。山の稜線[りょうせん]に沿って昭和から平成にかけて宅地造成が進み、小学校が新設されるなど人口増をたどってきた。立田山では、10年ほど前までイノシシの目撃や被害は確認されていなかった。「何かの拍子でイノシシが入り込み、繁殖を繰り返したとみています」と市鳥獣対策室。捕獲数などから、数百頭のイノシシが生息していると推測している。民でつくる「地域駆除隊」と協力し、おり状の箱わなを設置するなど捕獲を進めているが、本格的な生態調査には至っていない。広場と駐車場そばの山林を少し散策しただけで、ミミズなどを食べるために地面を掘り起こした形跡や獣道を複数確認できた。子どもたちが夢中で拾うドングリも、イノシシにとっては餌だ。これまで気付かなかった生息のサインが見えてくると、のどかな風景が一変して見えた。枝葉が風に吹かれ、ガサガサと立てる音にも敏感になる。「そこの茂みに潜んでいてもおかしくないですよ」。稲葉さんの言葉に思わずキョロキョロ周囲を見回した。「春はタケノコ、秋はクリや果樹が狙われます。人間もイノシシも、おいしいと思うものは同じなんでしょうね」。立田山自然探検隊の藤井由幸会長(71)=熊本市北区兎谷=は、自宅の庭先でイノシシが突き破った金網のフェンスや竹垣を眺めながら説明した。2013年12月、森林総合研究所九州支所が立田山南側の実験林に仕掛けていたカメラが、イノシシの姿を初めて捉えた。藤井さんは「タヌキやウサギは子どもの頃に見かけたけど、イノシシはそれまで聞いたこともなかった」と振り返る。細川藩政史研究会編「熊本藩年表稿」によると、江戸時代までは立田山にイノシシがいたことが確認できる。ただ、明治時代以降に狩り尽くされ、姿を消したはずだった。それがこの10年足らずで、山の四方を住宅街に囲まれた環境で数百頭に急増した。市鳥獣対策室がまとめた立田山での捕獲頭数は、18年度の43頭から19年度は2倍の86頭に増加。本年度はすでに、9月末時点で90頭以上が捕獲された。捕獲の精度が上がっただけでなく、頭数自体が増えているのは明白だ。「支所の方が、繁殖が進んだら大変だと当時から警告していた。その通りになってしまった」と藤井さん。イノシシは1回に平均4~5頭を出産する。一方で、住宅街に近いため猟銃は使えない。餌を入れておりにおびき寄せる箱わなによる駆除が、個体数の抑制にどの程度の効果を上げているのかは未知数だ。藤井さんが暮らす清水校区第6町内自治会は、これまでに3回、市鳥獣対策室などと合同で竹林や家庭菜園などの被害調査を実施。その結果に基づき作成した“イノシシハザードマップ”から、手入れが行き届かなくなった放置竹林がイノシシの餌場になっているという課題が浮き彫りになった。いつの間にか、イノシシにとってすみ良い環境を提供していたことに気付いた。藤井さんは「放置竹林対策などの地域づくりと、イノシシ対策は表裏一体」と考え、所有者が高齢で手入れが難しい場合は、自治会で竹林を整備し、イノシシがすみにくい環境にすることに着手。庭先で実をつけたままの柿やクリも、なるべく収穫するよう住民に呼び掛けている。藤井さんが会長を務める探検隊は、自然観察会や野外活動などを通して、立田山の豊かな自然を子どもたちに伝えている。イノシシについて学ぶ紙芝居を作成し、注意喚起にも力を入れている。「ウオーキングもそうだけど、昆虫採集とかで薄暗い時間帯に山に入ったりするのは危険だ」と藤井さん。「今後、人間に警戒心を抱かないイノシシが出てこないか心配。人的被害が出ていない、今が正念場だと思います」と語気を強めた。「おはようございまーす」。ランドセルを背負った子どもたちの元気な声が響く。午前7時すぎ、熊本市北区の龍田西小の通学路では、地域住民が子どもたちの安全確保のために交差点付近に立ち、笑顔であいさつを返していた。交通事故だけではなくイノシシとの接触を防ぐのも目的だ。立田山の山林と住宅街が接している龍田西校区4町内自治会は、増え続けるイノシシが住民に危害を加えないように、見守りに加え、独自の対策にも乗り出している。今年4月、通学路に総延長150メートルの電気柵を張り巡らせた。道路を横断するイノシシの姿を住民が何度も目撃したためだ。昨年、市から借りた電気柵を試験的に設置したところ、効果が確認されたため、約6万5千円を自治会費から捻出して導入に踏み切った。通電は夜間のみだが、誤って電気柵に触れないように、イノシシのイラストにバツ印を付けた貼り紙を添えている。福野久男自治会長(68)は「違うところで出没したら、そっちにも柵をしないといけない。いずれは住宅街すべてを柵で囲まないといけなくなるかもしれませんね」と冗談交じりに話す。イノシシが近づかないように、登校時間前に爆竹を鳴らす対策も講じてきた。電気柵がしっかり機能するには、下草刈りなどのメンテナンスが欠かせない。「自分たちでできることをしていかないと、いずれは山林と住宅街の境界線がイノシシに突破されるかもしれない」と警戒を緩めない。立田山周辺でのイノシシ増加を受け、市も対策を強化している。計23基設置した箱わなのうち、10基ではケージが閉まったら担当職員のスマートフォンなどに情報が届くシステムを導入。素早く箱わなを確認することで、効率的な運用につなげる狙いだ。一方で、立田山での生態を探るため、どのような調査が可能なのかは模索中だ。小型無人機ドローンの活用も検討されているが、住宅街に囲まれているため安全面からもハードルが高いという。「くまもと☆農家ハンター」の稲葉達也プロジェクトリーダーは「どこによく出没しているのかデータを集めて、その理由を突き止めるほかに方法はない」と話す。福野さんも「正確な調査のために協力できることは何でもする。今の対応だけでは解決にはつながらないかもしれない」と危機感を募らす。「立田山は人間とイノシシの緩衝地帯になるような農地がほとんどないのが特徴」と稲葉さん。「このまま頭数が増え続けて山で食料が不足すると、いきなり住宅街に下りてくる可能性がある」と気をもむ。

(IoT機器の活用によるイノシシ被害軽減への挑戦:福島)
NTT 東日本 福島支店、富岡町、国立大学法人東京農工大学は、東日本大震災により拡大した獣害の軽減を図るため、IoT を活用したイノシシの追い払い・捕獲、追い払われたイノシシの行動分析をする実証実験を行いました。福島県双葉郡富岡町は福島県浜通り地域に位置しており、2011 年の東日本大震災後、避難指示が出されていました。2017 年 4 月の帰還困難区域を除いた避難指示解除に伴い、営農が再開されたものの、営農再開生産者の多くは避難先から再開した農地へ通う「通い農業」を行っています。そうした営農再開生産者を支援するため、東京農工大学は、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構の「(2018~2020 年度)学術研究活動支援事業(大学等の「復興知」を活用した福島イノベーション・コースト構想促進事業)」を活用し、営農再開生産者である渡辺伸氏の協力の下、農業復興、農業振興のため、「営農再開地域における先進的なオーガニック作物生産技術の開発」の研究活動に学生とともに積極的に取り組んでいます。富岡町と国立大学法人東京農工大学は、富岡町の農業振興及び新産業振興に関する事項について、富岡町の有機農産物生産の産地形成を推進し、農業振興、営農を再開した農家の農業収入の安定化と所得の拡大、技術開発・普及・人材育成等に資するとともに、東京農工大学大学院農学研究院が富岡町の行政活動に資する教育研究を実施することにより、地域社会の発展に寄与することを目的に、2019 年 1 月に包括連携協定を締結しています。NTT 東日本においても、2019 年度より富岡町の「通い農業」における生産性向上・省力化に向けた取組みとして、センサーやカメラを利用した農業 IoT の有効性を検証しています。本実証実験は、営農再開の障壁となっている獣害の軽減に向け、取得したデータと大学の持つ学術知見を用い、新たな獣害対策への挑戦をするものです。IoT センサーを活用した追い払い機器によるイノシシの追い払いを実施し、追い払い実施前後のイノシシの活動時間や、水田周辺の環境選択の変化を、自動撮影カメラを用いて調査しました。また、IoTセンサーを活用した追い払い機器によるイノシシの追い払いを実施した後、捕獲検知センサーを活用して捕獲したイノシシに GPS 装置を取り付け、行動圏と環境選択の特徴、水田への出没率を調査しました。自動撮影カメラ約 20 台を調査地域に一定密度で仕掛け、撮影した画像からイノシシのおおまかな年齢区分(成獣、幼獣)と性別、繁殖の有無(子連れ)等を調べるとともに、出没ポイントや活動時間帯を調査しました。調査結果を踏まえて捕獲罠の設置位置を決定し、捕獲検知センサーを活用して捕らえたイノシシに首輪型の GPS 装置を取り付け、イノシシの行動圏の分析および追い払い後のイノシシとの行動比較を実施しました。2020 年 10 月 10 日~24 日に、オス 1 頭とメス 1 頭の捕獲に成功し、メスに取り付けた GPS 装置を用いて追跡を行いました。イノシシの出没確率が高い場所に追い払い機器を設置し、イノシシをセンサーが感知したタイミングで、音と光による追い払いを行いました。また、自動撮影カメラの画像データを解析し、追い払い後の活動時間や出没状況の変化、音と光の効果及びイノシシの学習能力の度合いについて検証しました。データ分析から、子連れのメス 2 頭を含む成獣が複数定住していることが明らかになりました。追い払い機器の設置日から稲の収穫までの期間、マスターノードで撮影された映像からイノシシの出没を 19 回確認し、19 回とも遠ざける様子を記録する事ができました。また、追い払い実施後は機器付近のイノシシの活動が大きく低下し、犬の声を利用した追い払い機器は、機器付近でのイノシシの活動を低下させることが実証されました。

(カラス撃退の実証試験開始:熊本)
カラスが警戒したときの鳴き声や強力なLED光の照射で熊本市中心部に集まるカラスを追い払おうと、市が10日から実証試験を始めた。同市では市中心部にカラスが集まるため「ふん害」が問題となっている。試験は年末年始や荒天時を除き来年1月末までの30日間を予定している。10日午後6時、同市中央区花畑町の花畑公園。カラスの大群がとまっている木に向けて、カラスが警戒したときの鳴き声を加工した音声が拡声機で流された。「グワー、グワー」という耳障りな音声に、無数のカラスが一斉に飛び立った。音声を開発したのは、カラスの被害対策に取り組む企業「CrowLab(クロウラボ)」(宇都宮市)。同社代表取締役の塚原直樹さん(41)は「まずは想定通りに追い払うことが出来た」と結果に満足そうだ。音声は18年間にわたってカラスの研究をしてきた塚原さんの蓄積データをもとに、カラスが危険に気づいた時や緊迫感を持った時、群れがパニックになった時などストーリー仕立てに加工している。カラスが音声に慣れないように4パターンを用意し、毎日午後6時半~同7時、同7時半~同8時に音声を流して、飛び立ったカラスの数や何羽戻ってきたかなどを確認して追い払い効果を検証する。また、花畑町の別のエリアでは、木々にとまって寝る準備をしているカラスに強力なLED光を照射して追い払う試験も行われた。市によると、大半は渡り鳥のミヤマガラス。中国東北部に生息し、越冬のため朝鮮半島を経由して九州に渡る。元々は11月から翌年2月にかけて、同市郊外へ集団で飛来していた。ところが2018年冬ごろから、夕方から夜にかけて花畑町など市中心部の電線などに多数のミヤマガラスが集まるようになったという。集団の中にはハシブトガラスなども混在している。飛来に伴い、「カラスのふんが落ちてくるので歩道を歩けない」「観光客の熊本市に対する印象が悪くなる」と、市民から「ふん害」や鳴き声などに対する苦情が寄せられ始めた。市は19年度、佐賀大学に被害対策の調査研究を委託した。昼間にカラスが集まるエサ場は市中心部から南や南西方向にある水田などで、夕方になると熊本城周辺の樹木へ移動。日没後はさらに花畑公園方面に一斉に移動し、公園の常緑樹などをねぐらにしていることが確認された。調査結果をもとに、今年度は追い払いの実証試験に着手した。佐賀大学農学部の徳田誠准教授は「実証試験を通じて、距離が近くなりすぎた人とカラスのすみ分けが図れるようにしていきたい」と話していた。

(兵庫県森林動物研究センターシンポジウム:兵庫)
夜間に森林内から集落へ人知れず侵入するクマやシカ。昼間に突如として群れで現れるサル。森林動物研究センターでは、これまでに神出鬼没な野生動物の行動や生態をGPS首輪や自動撮影カメラで調べてきました。この成果は、対策にフィードバックされ、被害はまだまだ大きいですが、一歩ずつ前進してきています。今年のシンポジウムではセンターで行っている調査手法・結果を紹介し、調査結果によりわかってきた哺乳類の生態と被害対策とのリンク事例を紹介します。

(ペットから野生化したインコ、関東中心に増加)
インド南部やスリランカなどが原産の外来種ワカケホンセイインコが、じわじわと生息数を増やしている。継続的に調査している日本鳥類保護連盟(東京)によると、東京や神奈川を中心に、この30年で2倍近くの約1500羽になった。農業や生態系への影響はないのだろうか。川崎市内の公園は日没前になると、急に騒がしくなる。日中、周辺で過ごしていた数百羽ものワカケホンセイインコが、高木のねぐらに戻ってきたのだ。家族単位で過ごすことが多く、普段は「キャア」と鳴くが、ねぐらでは甘えたような鳴き方をする。国立環境研究所によると、ワカケホンセイインコは1960年代からペット用に輸入され、その後、捨てられたり、逃げ出したりした一部が野生化。69年に東京都心で初めて繁殖が確認された。全身が色鮮やかな黄緑で、尾を合わせた体長は30~40センチ。寿命は30年と長い。新潟や京都、宮崎など18都府県で生息が確認されたが、現在は関東以外ではほぼ見られない。同研究所生態リスク評価・対策研究室の五箇公一室長は「都市部はタカなどの天敵が少ない。安全な公園などで繁殖できたのだろう」とみる。ケヤキなど高木の樹洞をねぐらとすることが多く、柿などの果実や冬芽など、様々な植物を好んで食べる。寒さにも強く、同連盟の研究員、松永聡美さんは「原産地では標高1600メートルの山に生息していることもある。日本の秋冬も耐えられるのだろう」と推測する。松永さんらは昨年5~6月、雄1羽に全地球測位システム(GPS)を装着して行動範囲を調べた。この1羽は、東京都世田谷区のねぐらと約8キロ離れた営巣地の間を往復し、その間に民家の餌台に立ち寄ったり、公園でビワやヤマモモを食べたりしていたが、農業被害などは確認されなかった。松永さんは「日本では目立った被害は出ていないが、今後のことはわからず、注意深く観察したい」と話す。海外では農業被害の報告があり、インドではヒマワリ、移入先の米国ハワイではトウモロコシやマンゴー、英国ではブドウなどが食い荒らされている。日本では生息域が競合するムクドリへの影響も確認されておらず、逆にカラスなどに捕食されるケースがあるという。国内外で野生インコを撮影している写真家、岡本勇太さん(33)は「外来種だからといって悪い目で見ず、そっと見守ってほしい」と呼びかける。一方、野鳥に詳しい森林総合研究所・川上和人主任研究員は「対策の優先順位は高くないが、生物が本来の生息域を越えることは、生物多様性が失われることになる」と指摘している。

(県内イノシシ捕獲最多:茨城)
茨城県内でイノシシの捕獲数が1万頭を超え、過去最多となった。県内でイノシシの生息域が、かつて見られた県北地域や山間部から全市町村に広がる様相を見せている。2019年度は34市町村で駆除が行われ、残る10市町でも目撃情報や痕跡が見つかっている。

(クマ目撃件数、11月として最多:山形)
今シーズン、県内ではクマの出没が相次ぎましたが、先月、11月の目撃件数は91件と、11月としては平成15年以降、最も多くなったことがわかりました。県は、引き続き、クマの出没に注意するよう呼びかけています。今シーズン、県内ではクマの出没が相次ぎ、10月の目撃件数は261件と、10月としては記録が残る平成15年以降、最も多くなりました。県によりますと、先月のクマの目撃件数は91件に上っていて、去年11月より65件多いということです。91件は、11月としては平成15年以降で最も多いということです。また、1月から先月までの目撃件数は781件に上っていて、こちらも平成15年以降で最も多くなっています。今月に入ってからも県内ではクマが目撃され、3日までの目撃件数は3件となっています。クマの出没が相次いだことから、県は、今シーズン、クマの出没に対して、「クマ出没警報」、「クマ出没注意報」、「注意喚起」の3段階のレベルを設けました。県は、11月4日からツキノワグマの冬眠時期にあたる12月25日まで、「クマ出没注意報」を出していて、引き続き、クマの出没に注意するよう呼びかけています。

(エゾカンゾウ、唐辛子液で守れ:北海道)
空知管内雨竜町にあるラムサール条約登録湿地・雨竜沼湿原の清掃美化活動に取り組むボランティア団体「雨竜沼湿原を愛する会」は、エゾシカの食害に遭うエゾカンゾウの花に唐辛子液を噴霧した後、食害が低減したとする報告書をまとめた。同会は、わなの設置などに比べて噴霧作業の方が導入しやすい対策と指摘し、「食害に苦しむ他の湿原でも積極的に活用してほしい」と呼びかける。雨竜沼湿原では2013年に初めてシカの存在が確認され、エゾカンゾウの花が食い荒らされている現場を同会が見つけた。道立総合研究機構(道総研)の昨年の調査では花の食害率が99%に上り、種子繁殖のできない期間が続くことで、個体数の減少につながるとの懸念が高まっている。

(クマ目撃相次ぐ、捕獲へおり設置:秋田)
秋田市手形周辺で11月以降、クマとみられる動物の目撃が相次いでいる。秋田高校の敷地内で立て続けに目撃されたほか、今月11、13日には住宅地でも目撃情報があった。住民の不安が募る中、市は捕獲に向け、おり設置に乗り出した。11月16日午前10時ごろ、秋田高校校舎南のグラウンド脇にある土手で、生徒がクマとみられる黒い動物を見かけた。20日夕には敷地入り口から校舎に向かう坂道、12月5日昼には北側の軟式野球場でも目撃された。相次ぐ敷地内での目撃を受け同校は、侵入を防ぐためにグラウンド脇の土手に沿って防風ネットを約50メートルにわたって張った。坂道にはセンサー付きライトを計16本設置。既存の照明の点灯時間も1時間延ばして午後9時までとした。

(お騒がせ“捕獲”動物、コロナ禍で救世主に)
世間を騒がせたり、厄介者として捕獲された動物が、引き取り先の動物園などで人気者になっています。一時は殺処分も検討された動物も活躍していて、施設の救世主となっていました。子どもたちに大人気の1匹のヤギ。エサをもらい満足そうです。「ポニョ」と呼ばれるこのヤギ。千葉県佐倉市の線路の上の斜面におよそ3か月間棲みつき、話題となった「ポニョ」です。8月に捕獲されると、同じ佐倉市にある「草ぶえの丘」に引き取られました。16日、ポニョに会いにいってみると…さっそうと現れ、元気な姿を見せてくれました。食欲旺盛なポニョ。施設での3か月半の生活で、体の大きさはおよそ1.5倍になったそうです。展示を始めると、すぐに人にも慣れ人気者となったポニョ。この施設は今年、新型コロナウイルスの感染防止のためイベントなどが開けず、厳しい状況だったということですが。草ぶえの丘飼育職員・西野剛史さん「ポニョのおかげで非常に施設として助かっている。救世主と言っていい」。ポニョが救世主となり、来場者数は例年の1.8倍に。今後について西野さんは、「草ぶえの丘の女の子なので、アイドルとして成長していってほしいなと思っています」と話しました。市原ぞうの国の姉妹園で飼育されている1頭のニホンジカ。今年6月、東京足立区など荒川の河川敷に姿を現したシカです。その後、捕獲され、一時は引き取り手がなく殺処分も検討されましたが、市原ぞうの国が引き取り、逃げるという意味の「エスケープ」から「ケープ」くんと名付けられました。人に慣れてきたら展示も検討していましたが…。市原ぞうの国・坂本小百合園長「私どものところでは、動物に手渡しでエサをあげたりするのがメインにしている動物園ですから、この子はそれが、なかなかできないというのと」。野生で育ったため警戒心が強く、毎日世話をしている飼育員でも、手で直接与えたエサを食べるのは、週に1回ほどだといいます。そんなケープくんのため、市原ぞうの国では、複数の丸太を使い隠れる場所のある「ケープの森」を新たに建設予定。来年3月からの一般公開を目指しています。有害鳥獣として捕獲された動物や、飼いきれなくなった動物を引き取り育てている動物園。サルやハクビシンなど、およそ13種類の動物が展示されています。イノシシはおよそ50頭飼育されていて、エサやり体験も可能です。母熊が駆除され、赤ちゃんの時から、この動物園で育てられているツキノワグマ。現在、生後10か月になり、体長120センチほどに成長しました。“コロナ”の影響で苦しい状況の中、こうした動物が来場者の集客につながっているといいます。東筑波ユートピア飼育員・牧志郁弥さん「(特に熊は)成長を見たいという方が、リピーターとして何回も来てくれています」。世間を騒がせたり、厄介者として捕獲された動物が、別のかたちで活躍しています。

(「ケープの森」作ろう:千葉)
市原市山小川の動物園「市原ぞうの国」(坂本小百合園長)は、東京都足立区の荒川河川敷で捕獲された野生の雄ジカ「ケープ」の生活の場「ケープの森」を新設するため、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。目標金額は500万円で、来年2月14日まで募集する。ぞうの国は今年6月、シカを保護した足立区の依頼で引き取り、ケープと名付けて関連施設で飼育している。半年が経過し、ケープは来園時に比べて「体格は一回り大きくなった」(ぞうの国)一方で、警戒心が強く、安心して生活できる場としてケープの森を整備することになった。現在、ぞうの国は大規模リニューアル工事を進めている。その一環で設置する日本初の動物の行動展示型迷路施設「MAZEOO(メイズー)」の一画に、ケープの森を設置する。広さは8メートル四方程度を予定し、ケープとお嫁さん候補の雌ジカ1、2頭が一緒に暮らす。ケープの好物ヤマモモの木を植え、隠れることができる丸太なども設置し暮らしやすさを工夫する。オリジナルデザインのTシャツなどの返礼品を用意しており、同施設は「ケープにとって、より良い環境ができるよう頑張りたい」と話し多くの協力を期待する。詳細は、ぞうの国かCFサイト「ブースター」のホームページへ。CF第1弾として始めたゾウの水遊び場「エレファント スプラッシュ」に関する募集期間は来年1月14日までで、新たな目標は1500万円。約1200万円が集まっているという。

(ジビエ普及、「おいしさ」こそ第一歩)
狩猟で捕獲した野生の鳥獣「ジビエ」。地域の伝統的な食文化として長い間「知る人ぞ知る食材」だったが、ここ数年は地域活性化の切り札として注目を集め始めている。20年以上にわたって「ジビエ普及の伝道師」の役割を担ってきた日本ジビエ振興協会の藤木徳彦代表理事に、ジビエ振興の意義や今後の方向性などについて聞いた。1998年に開業した「オーベルジュ・エスポワール」の前を通る国道は一部区間が冬季通行止めとなる。冬の誘客のための魅力的な地場食材を探していたところ、地元の女性客から「この地域ではシカ肉を食べる習慣がある」と聞き、シカ肉料理をメニューに加えた。これを目当てに東京などから訪れる人が増え、その年の冬からジビエを柱に据えた。ジビエ料理を始めて驚いたのは、食品として認められていないことだった。「冬の集客の秘訣を地元料理人に教えてほしい」と2004年11月に長野県からイベント開催の依頼を受け、シカとヤマバトの料理を出すことを事前に公表したら、県の保健所から「山肉(ジビエに対する地元の呼称)を出すのはダメ」と待ったがかかった。「地域の食文化としては容認しているが、食品としてのルールがないため認められない」というのが理由だった。ジビエ料理を出せないと店は潰れてしまう。意を決して、店の顧客だった田中康夫知事(当時)に「昔から信州ではシカ肉を食べている。なぜシカ料理を出せないのか」とメールで直訴した。すると知事から「検討してみる」と電話が入り、2日後に保健所から「イベントはOK」と許可が出た。イベント後、「長野県はワイン産地でもある。冬にジビエとワインを食べられる場所としてブランド化を目指してほしい」と知事に改めて提案。こうしたことをきっかけに、県は07年に「信州ジビエ衛生管理ガイドライン」を策定した。ガイドラインは「おいしく食べてもらうまでがブランド」とし、「捕獲から肉にするまで」にとどめず、その先の「おいしい調理の仕方」まで組み込んでいたのが特徴だ。ここに全国が注目し、私にも「ジビエセミナー」の依頼が舞い込むようになり、精力的に全国を回った。セミナーには自治体関係者や猟友会だけでなく、観光業者、地域の飲食店など多数の人の参加を求めた。ジビエ普及には地域全体の理解が大切と考えたためだ。国への働きかけも始めた。農林水産省の食料産業局外食産業室は「ジビエ専門に予算は付けられない。あくまでも一食材として協力する」。次いで14年5月に自民党の石破茂幹事長(当時)に会う機会を得て、鳥獣被害の現状や各県の動きを伝え、「林業衰退とともに山の仕事が減った。ジビエが山の仕事になれば、地元に残る若者も出てくる。日本で食肉として認められるよう、厚生労働省にガイドラインを作ってほしい」と訴えた。石破氏はその場で厚労省幹部に電話してくれ、同年11月に厚労省のガイドラインができた。これによって、飲食店は処理施設を通さないとジビエを購入できなくなるなど、安全管理に向けて大きな一歩を踏み出した。ジビエ振興の最大の解決策は「販売先を確保し、どんどん購入してもらうこと」と分かった。協会として大手外食企業への売り込みを進めようとしたが、「ガイドラインの範囲の対応しかできていないジビエ肉を購入することはできない」と断られた。牛、豚、鳥など家畜の肉は、品名や賞味期限、保存温度、産地などを書いた「商品ラベル」が必ず付いている。出荷の際も金属探知機によるX線検査で内部に異物がないかを調べる。しかし、ジビエのガイドラインにはラベルやX線検査の義務がなく、外食産業は二の足を踏んだ。もっと厳しい安全管理が必要と気付かされ、国が安全・安心のお墨付きを与える「国産ジビエの認証制度」の創設を15年に提案。農水省も必要性を理解してくれ、18年度に認証制度がスタートした。ガイドラインは、さばく時に使うナイフは一刀入れるたびに刃先をセ氏83度以上の湯につけてこまめに殺菌するといった、処理施設の認証取得に必要な要件を事細かに定めている。だが「安心・安全なジビエ」と認められるために最も重要なことは、関係者一人ひとりが「今さばいているものは食品なのだ」という意識を強く持ち、どうすれば衛生的な食品に出来上がるのかを考えながら作業することだ。そのためには、これまで我流でしていたことを抜本的に改める意識改革が必要だ。ただ、金属探知機導入など経済的負担が重いこともあり、現時点で認証を取得したのは全国680の処理施設のうちまだ17カ所。認証を広めるには「取得すれば大きなメリットがある」ことの見える化がカギだ。実際、認証施設は、ロイヤルホールディングス、ロッテリアなど外食大手が購入してくれる。安全・安心なジビエを目指す取り組みは、今後も磨き続けていかねばならない。4月以降、感染拡大で休業を余儀なくされた飲食店がジビエの仕入れをやめる例が増えている。一方、テレワークをする人や仕事がなくなった人たちの間で、シカやイノシシなどを捕獲して報償金をもらおうという動きが増加。処理施設はジビエ肉は受け入れるが販売先はないという状況に直面している。協会では在庫過多になった認証処理施設の助けになればと、カレーなど9種のレトルト商品を開発し、「ジビエ応援便」として協会会員企業の社員向け、さらにインターネット通販で販売を始めた。また、防衛省に「牛や豚などに比べジビエは鉄分やタンパク質が豊富」と、自衛隊の食事に採用されるよう売り込んでいる。地元の陸上自衛隊松本駐屯地では11月に「シカ肉のメンチカツ」が昼食メニューとなった。全国の駐屯地から問い合わせがあり、さらに採用を目指していく。地方に行くほど、ジビエを食べることに抵抗感を持つ人が多い。「お裾分けでもらったシカ、イノシシ、クマなどの肉がおいしくなかった」という記憶があるためだ。食べ物は一度食べておいしくなければ、その印象が強く残り、二度と口にしようとしない。長野で最初にジビエのことを教えてくれた女性の「おじいさんの獲ったシカはまずく、家族には不評」という言葉が頭から離れない。おいしいジビエを食べてもらうことが普及には一番大切だ。また、猟師の高齢化が進み、あと5年もすれば捕獲する人は激減する。次の世代に彼らの持つ技能をうまく伝承していくことなど、担い手づくりでも何か役に立ちたいと思う。

(野外調理、ジビエ満喫:愛媛)
愛媛県鬼北町奈良の成川渓谷で、アウトドア活動を楽しむジビエ(野生鳥獣肉)体験イベントがこのほどあった。県内の家族連れら約40人が渓谷の美しい自然の中で火おこしに挑戦し、料理を味わった。

(エゾ鹿脂配合コスメティック製品、中国での本格販売スタート:北海道)
エゾ鹿脂特有の潤いを世界中の人たちの生活へ浸透させることを目指して、2020年11月24日より国内ECサイトで販売をスタートしたエゾ鹿脂配合コスメティック製品「YUK」は、10月から行ってきた中国での製品トライアルの結果を受け、2020年12月15日から中国向け越境ECサイト「北海道商店」内において中国向けの販売を開始しました。

(キジ肉使ったギフト発売:北海道)
岩見沢市の福祉施設が飼育しているキジの肉を使ったギフトを発売し、お歳暮の贈答品などとして出荷するための箱詰めの作業に追われています。岩見沢市の社会福祉法人、岩見沢清丘園の「ワークつかさ」では、年間5000羽以上のキジを飼育していて、キジ肉を使ったさまざまな商品を販売しています。今月に入り、正月のお歳暮需要を見越して、新たにキジ肉を使ったハンバーグや鍋のセットを売り出していて、出荷に向けた箱詰めの作業が盛んに行われています。施設を利用する障害のある人たちと職員4人がパックされたハンバーグ用のひき肉と、キジのガラからとった特製のめんつゆを次々と出荷用の箱に詰めていきました。施設によりますと、キジ肉は鶏肉と比べて弾力があり、歯切れがよい食感が特徴だということで、特に冬のこの時期の肉には脂が乗っていて甘みが強いということです。作業していた施設を利用する63歳の男性は「作業は順調に進んでいます。とてもおいしいと思うのでみんなに食べてもらいたいです」と話していました。「ワークつかさ」の佐々木亮輔主任は「キジ肉は部位によっていろんな味や食感を楽しめます。これを機に食べたことがない人にもぜひ食べてもらいたいです」と話していました。

(小学生がキジ肉料理考案:北海道)
岩見沢市内の小学校で子どもたちが特産のキジ肉を使った料理を考案し、15日に発表会が開かれました。キジ肉を使った料理の考案に取り組んだのは岩見沢市にある日の出小学校の6年生およそ60人で、15日はグループごとに分かれてアイデアの発表会が開かれました。キジ肉のからあげを考案したグループは低カロリーに仕上げるために胸肉を使用し、トマトとレタスを添えることでキジの羽の色などを表現しました。また、どんぶり料理を考えたグループはにんにくをたっぷりと使い、ごはんの中にキジ肉を混ぜることで大人の男性でも満足感が得られる一品を提案しました。男子児童の1人は「発表では足が震えるほど緊張しましたが、うまくいきました。みんなで考えた自慢の料理です」と話していました。また、女子児童は「実際に商品化されたら、キジ肉を食べたことがない人にも味わってもらいたいです」と話していました。子どもたちが考案した料理の一部は今後、実際に岩見沢市内のレストランで提供される予定だということです。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後8時ごろ、仙台市泉区実沢八乙女屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午前6時30分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋大原にクマが出没しました。

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