<射撃ニュース1月>
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(実弾入り散弾銃、軽トラに放置し競艇へ:佐賀)
唐津署は27日、銃刀法違反容疑で佐賀県伊万里市の農業の男(67)を現行犯逮捕した。容疑を認めているという。逮捕容疑は同日午後4時15分ごろ、唐津市原の路上に駐車した軽トラック内に、正当な理由なく散弾銃1丁を放置した疑い。散弾銃やライフル銃などの所持は銃刀法で原則として禁止されているが、狩猟などの目的に限り、都道府県公安委員会の許可があれば認められる。署によると男は許可を得ていたが、車外からも見える助手席に散弾銃を立てかけて車から離れており、同法が定める管理義務違反に当たる。実弾も装填(そうてん)されていた。この間、男は「ボートレース場にいた」と話しているという。パトロール中の警察官が駐車違反の軽トラを見つけて発覚した。

(ゴルフ場、イノシシに襲われ6人けが:大分)
28日午前9時55分ごろ、大分市横瀬のゴルフ場「大分富士見カントリー倶楽部」から「利用客がイノシシに襲われて負傷した」と119番通報があった。少なくとも3頭がコースに出没し、客や従業員に突進。接触したり、避けようと転倒したりした男性6人が骨折や打撲などのけがをした。いずれも命に別条はない。大分南署などによると、けがをしたのは64~82歳の客4人、47歳と51歳の従業員。ゴルフ場の説明では、午前7時ごろ、始業前の点検で芝がはがれているのに気付いた。イノシシが侵入した可能性があるとみて調べたところ、コースを囲む高さ1メートルの鉄製フェンス1カ所が突き破られていた。同8時20分ごろ、フェンスを点検中の男性従業員(47)が1頭と遭遇。そのまま突進され、腰を打撲するなどした。その後、親子とみられる別の2頭も現れ、約1時間のうちに客らを次々と襲った。64歳の客は驚いて転倒、左足首の骨を折った。ふくらはぎを十数針縫うけがをした人もいた。イノシシは山へ逃げた。当時、場内はけがをした人も含め25人ほどの客がいた。同10時から臨時休業し、午後は市職員や市猟友会のメンバーが現場一帯を巡回。フェンスなどを確認して捕獲器三つを置いた。ゴルフ場は過去にもイノシシが出たことはあったが、客がけがをするなどの被害はなかった。隣接する「大分中央ゴルフクラブ」も同様で、人的被害はないという。大分富士見カントリー倶楽部の高田好治支配人(52)は「被害を受けたお客さまに大変ご迷惑を掛け、おわびしたい。フェンス強化などの侵入対策を講じたい」と話した。市は同日、近くの横瀬小、横瀬西小、稙田西中にパンフレット約900部を配布。野生動物を見ても近づかず、落ち着いて離れるよう呼び掛けた。横瀬小は急きょ、集団下校をした。市林業水産課は「イノシシは臆病で、自分が危ないと思ったら人間に突進してくる恐れがある。十分に気を付けてほしい」と話した。

(天然記念物オジロワシ死ぬ、ハンターの鉛弾で中毒か:北海道)
国の天然記念物に指定されているオジロワシが鉛中毒になっているのが北海道で今シーズン初めて見つかり、オジロワシはその後に死にました。苦しそうに呼吸し、ぐったりとしているオジロワシ。27日、北海道新ひだか町で自力で立てない状態で見つかりました。鉛中毒と分かり、解毒剤を打つなどの治療が行われましたが、28日夜に死にました。オジロワシなどの鉛中毒はハンターが鉛弾を使って仕留めたエゾシカなどを食べた時に陥ります。北海道内では2000年からエゾシカ猟での鉛弾使用が禁止されていますが、守られていません。

(射撃場、韮崎に建設を:山梨)
山梨県が整備方針を示した新しい県立射撃場を巡り、韮崎市穂坂町三之蔵の県有地が建設候補地に浮上している問題で、地元の猟友会や自治会などは29日、同市の内藤久夫市長に同所での建設を求める要望書を提出した。

(高校近くの住宅地にシカ出現:福井)
1月27日午前7時半ごろ、福井県福井市中心市街地の県立高志高校近くの住宅地で、ニホンジカの成獣1頭が歩いているのを住民が目撃、110番した。シカは足羽川に移動した後、姿を消した。県警福井署、福井南署員や市職員ら約20人が警戒に当たり、高校生や住民が危害を加えられることはなかった。市や目撃した住民によると、シカは体長約1・5メートル。高志高校北側の城東1丁目から西側の御幸1丁目の住宅地などを通り、足羽川右岸に移動した。その後上流へ向かい午前11時すぎ、福井県立図書館に近い下馬町の左岸の茂みで姿が見えなくなった。市は、防災無線で一帯に注意を呼び掛けた。

(アライグマ、県南に拡大:茨城)
特定外来生物のアライグマの生息が茨城県の県南地域でじわり広がっている。農作物を荒らすほか、生態系への影響、病原体の拡散、空き家や住宅にすみ着いて生活環境の悪化を招く。

(倉庫にイノシシが、捕獲試みるが逃走:新潟)
29日昼ごろ、長岡市灰島新田の会社倉庫にイノシシが現れました。警察や消防らが確保を試んでいますがイノシシは現在も逃げ回っています。正午すぎに倉庫内にいるのを従業員が発見し110番通報しました。イノシシの体長はおよそ1メートル、警察や消防がネットやさすまたを準備し捕獲を試みますが、イノシシは、会社の敷地を出て、近くの川の方向に逃げたということです。これまでにけが人はいませんが、隣の見附市でもイノシシの目撃情報があり、警察で注意を呼び掛けています。

(野生のサルによる農作物被害相次ぐ:石川)
この冬の気候が、野生動物の行動に影響し始めている。金沢市内の山あいではいま、畑を荒らされる被害が相次いでいる。無惨にも食い荒らされた収穫前のダイコンやハクサイ。金沢市の医王山地区では、10日ほど前からこうした被害が相次いでいるという。先日、近くで同じような被害に遭った森吉正敏さんは畑を荒らした犯人について、野生のサルだと話す。近年、人里で度々、目撃されるサルの群れ。去年は、金沢市末町にある畑周辺に多いときでおよそ60匹が姿を現したことも。こうした野生のサルによる農作物の被害額は年々、右肩上がりに増加。おととしは金沢市内だけでもおよそ52万円に上る。いままでは見られなかった集落でも、20匹から40匹ほどのサルの群れが目撃されている。サルの生態に詳しい専門家は、今シーズンの暖冬が影響している可能性を指摘する。冬の間、山の中にはサルのエサになるものは少なく、ことしは、畑に雪がないため、冬野菜が露出している。エサをとりやすいことから、出てきている可能性があるという。金沢市では、人里にサルを定着させないため、今後も住民と協力してロケット花火などでサルを追い払うことにしている。

(サルの目撃情報:兵庫)
1月28日午前10時頃、明石市大久保町ゆりのき通3丁目付近で猿の目撃情報。29日午前9時25分頃、明石市二見町東二見付近で目撃情報、また29日午前9時25分頃、同所での目撃情報。

(米政府と専門家、アフリカ豚コレラの「有望」ワクチン開発:アメリカ)
米国微生物学会によると、米政府と大学の専門家はアフリカ豚コレラ(ASF)のワクチンを開発した。100%効果的であることが証明されたという。以前のウイルス株の遺伝子組み換えで開発されたこのワクチンは高用量と低用量の両方で、接種から28日後に効果が見られたと同学会は報告した。ワクチン開発に携わった米農務省の主任研究員ダグラス・グラデュー氏は「この新しい実験的なASFワクチンは有望であり、現在東欧やアジア全体で流行している今のウイルスから完全に防御できる」と述べた。このウイルスは、世界最大の豚肉生産国である中国に最も壊滅的な打撃を与えている。中国で約1年半前に感染が初めて報告されて以来、多数の豚が殺処分され、世界の農産物市場に影響が波及。中国や米国の科学者はワクチン開発でしのぎを削っている。ウイルスは豚やイノシシに感染するが、人への悪影響はないことが知られている。最も毒性の強い形態ではウイルスの致死率は100%に達する可能性がある。東欧やロシア、ベトナムや韓国を含むアジア全域で発生が確認されている。

(2月に散布、豚コレラ対策ワクチン:滋賀)
県は二十九日、豚コレラ(CSF)の感染拡大防止のため、野生イノシシへの経口ワクチンの冬季二度目の散布を、二月四~七日に行うと発表した。東近江、彦根、高島市と多賀町の計百九十カ所に、計五千六百個を散布する。農林水産省が主導し昨年から滋賀を含む八県で、豚コレラ発生区域を帯状に囲むように散布する「ワクチンベルト」をつくっている。県では昨年九~十月に初めてワクチンを散布。冬に入り、十二月に約五千五百個を散布し四割ほどが摂取されたという。まだ摂取していないイノシシや新たに生まれるイノシシを想定し、冬季二度目の散布を行う。 県内では、昨年九月からこれまでに百十六頭の野生イノシシから豚コレラウイルスの陽性が確認されている。豚への感染は確認されていない。

(豚コレラワクチン、初回接種を完了:群馬)
群馬県は29日、2019年10月から始めた飼育豚に向けた豚コレラ(CSF)ワクチンの初回接種を全て完了したと発表した。28日までに29市町村の268農場で飼育する約46万1000頭へワクチンを接種した。接種期間中に生まれた子豚約6万8000頭への接種も完了した。野生イノシシの侵入防止柵の設置は、対象となる325カ所のうち4割を超える146カ所で完了した。山本一太知事は「今後は農場の消毒の徹底、侵入防止柵の設置状況を確認する巡回をし、必要に応じて指導を行う」と話した。

(豚コレラワクチン入り餌散布へ:新潟)
新潟県は28日、野生イノシシが豚コレラ(CSF)に感染するのを防ぐため、ワクチン入りの餌を散布すると発表した。長野、富山の両県で感染が確認されたことから、糸魚川市など上中越の県境5市町で2月から順次、実施する予定だ。県によると、豚コレラは豚またはイノシシの病気。28日現在、14府県で野生イノシシや、養豚場の豚への感染が確認されている。国は、感染が確認された府県やその隣県の養豚場で豚にワクチンを接種しているが、野生イノシシにも対策が必要と判断。昨年12月までに本県を含む17都府県で、野生イノシシへの同様の予防対策を決め、地元と協議してきた。県は28日、新潟市中央区で畜産関係者らによる会議を開き、方針を説明した。トウモロコシの粉で作った生地でワクチンを包み、イノシシが出没しやすい場所に置く。糸魚川市で2月中をめどに実施し、上越市、妙高市、十日町市、津南町でも順次行う。費用は国の補助金で賄う。県農林水産部の山田治之部長は「現状の対策だけでは感染を防ぎきれない。野生のイノシシにもワクチンを与え、感染を防ぎたい」と話した。

(シカの食害なくそう、石巻で研修会:宮城)
石巻地域に多く生息するニホンジカの農林業被害の対策を考える研修会(県東部地方振興事務所主催)が28日、石巻市あゆみ野5丁目の県石巻合同庁舎で開かれた。シカによる食害が多い稲井、河北、北上各地区の行政委員ら約60人が出席。一般社団法人サスティナビリティセンター(南三陸町)野生動物管理専門員相沢あゆみさんが獣害の基本と対策について講演した。相沢さんは、対策の基本として、野生動物が出没しにくくするための「環境整備」と、適切に柵を設置・管理する「被害防除」の2点を実施した上で、野生動物を狙って捕獲する「個体数管理」を挙げた。具体策として、屋外に農産物を放棄したままにする「無意識の餌付け」をなくす取り組みを紹介。「動物の進入を食い止める物理柵と電気柵の併用柵が効果的。柵の下は石や木を置いたり、コンクリートで固めたりして、壊されにくい工夫をするといい」と助言し、「個人でやるよりも、地域全体で協力しながら対策を講じることが大切」と呼び掛けた。同振興事務所によると、管内(石巻地方2市1町、登米市)で、2018年度に報告があったシカによる農作物被害額は約1028万円に上る。19年に牡鹿半島ニホンジカ対策協議会が「石巻地域における野生生物(ニホンジカ)と住民との共生のためのロードマップ」を策定し、28年には農作物被害額を100万円以下に抑えるなどの数値目標を掲げている。

(狩猟技術向上へ講習会:北海道)
経験の浅いハンター向けの狩猟技術向上講習会が25日、町内の帯広国際射撃場で開かれた。熟練ハンターが座学や実技を通じて、エゾシカの捕獲方法を伝えた。エゾシカなどの鳥獣被害が増える一方、捕獲を担うハンター不足や高齢化が問題になっている。講習会は十勝総合振興局と猟友十勝連絡協議会が共催し、約50人が参加した。道猟友会帯広支部の沖慶一郎さんが講師を務めた。

(鳥獣被害対策、成功の秘訣は“リーダーの育成”:福島)
震災・原発事故以降県内で増え続ける野生動物、畑や田んぼを荒らす農作物被害が深刻な問題となっている。昨年度の被害額は約1億6700万円、その6割近くをイノシシによる被害が占めている。過去5年間の平均被害額をみても毎年1億5000万円を上回り、農家にとっては対策が急務となっている。そこで福島県が全国に先駆けて行っているのが、対策を進めるリーダーの育成。福島県内の農家や市町村の担当者が参加したシンポジウム「ふくしま・けも人交流フェア」。鳥獣被害対策を進めるリーダーの役割や活動を知ってもらおうと県が企画した。福島県農林水産部環境保全農業課 根本文宏課長:「自分の所は自分で守れるけど隣は違う、そういうことをやってると隣で鳥獣が増えたりしたものが自分の所に入ってきちゃう、連携してやるにはどこかでそれを引っ張っていく人が必要。」福島県西会津町で鳥獣被害対策専門員をしている荻原謙介さん。この日はある調査を行うため山間部を訪れた。西会津町鳥獣被害対策専門員 荻原謙介さん:「サルの首に発信機が付いていまして、それの位置をアンテナを振ることによって、特定できます。」町内に約700頭いるとされるサルの行動調査。動く範囲を把握して対策に役立てる。専門員が力を発揮するのは、確かな知識にもとづく戦略。サルやイノシシの出やすい場所に電気柵やワナを仕掛けるのもその一つ、地域の住民を巻き込んで被害を減らす取り組みを進めている。西会津町鳥獣被害対策専門員 荻原謙介さん:「住民主体で電気柵をきれいに管理して被害を防ごうという地域がありまして、その地域をモデルに町全体に拡げていきたいなと思っています。」シンポジウムでは荻原さんの活動も報告され、参加者は地域に密着した対策の必要性を感じていた。参加した農家:「地元に帰って皆で情報を共有しながら少しでも少しでも被害を少なくしたいなと思ってます。」福島県は鳥獣対策を担う”リーダーの育成”に力を入れることにしている。

(女性チームがシカ巻き狩り:神奈川)
高齢化が進む狩猟の世界で女性の積極参入と活躍を促そうと、女性ハンターだけでチームを組み、シカを囲いながら追い立てる猟「巻き狩り」が西丹沢の山中で繰り広げられた。県猟友会の熊澤收会長(78)=愛川町=が呼び掛け、有志8人が参加。「女性だけの巻き狩りは、聞いたことがない」。熊澤会長も珍しいと強調する新たな試みは、野生鳥獣と向き合う山に新風を巻き起こすのか─。昨年12月中旬に行われた巻き狩りに同行した。丹沢湖に近い山北町世附の猟区。午前9時すぎ、撃ち手を務める女性6人が猟銃を肩に斜面を登った。道のない斜面を横切ったり、急な尾根筋をたどったりして上部へと歩を進めていった。時には急斜面に足を滑らせるメンバーもいたが、獲物に悟られることを警戒してか、大きな声を出さずに黙々とルートに復帰し、さらに上部を目指した。尾根の6地点には、撃ち手が陣取る「タツマ」が決められていた。熊澤会長と同会会員の田坂恵理子さん(35)=南足柄市=が事前に現地を歩き、目印の赤いテープを巻いておいたものだ。2時間ほどかけて6カ所のタツマを見つけ、それぞれのタツマに陣取った。その6人とは別に、さらに上流の斜面で1人が待ち構えている。

(シカ肉の解体を間近で:北海道)
函館短大付設調理製菓専門学校(柏木町)で24日、エゾシカ肉の処理や調理を学ぶ特別講座が開かれ、同校調理師科1、2年生31人が、シカ肉の解体を見学した後、肉の低温調理に挑戦した。道のエゾシカ肉処理施設認証制度の認証を受ける「北の国ファーム」(米原町)の仕掛けわな師・渋田喜徳さん(72)が捕獲、1週間熟成させた肉を用意。あさり朝妻精肉店(千代台町)の店主・朝妻豊史さん(68)が、30分ほどでヒレ、バラ、内モモなど14の部位に解体した。

(地場産大賞にミロク機械:高知)
優れた地場産品や活動を表彰する第34回高知県地場産業大賞が28日発表され、ミロク機械(南国市、安岡憲祐社長)の「ガンドリルマシンMKBG―500―1NC」が選ばれた。金属などに直径1ミリ以下の深穴を開けることができる日本初の機械で、高い技術と成長性などが評価された。おおむね2年以内の地場産品や活動が対象で、今年は過去最多の75件(一般67件、高校生8件)の応募があった。表彰式は2月21日。ガンドリルマシンは猟銃製造から生まれ、自動車部品などに広く活用されている工作機械。受賞したモデルは、主軸をモーター回転軸に埋め込む方式を採用し、日本最小の深穴加工ができる。需要が高まっている自動車部品や医療機器部品の小型化に対応でき、「世界に挑戦できる高い技術力」と評価を受けた。ミロク機械の稲田勝裕取締役(51)は「歴史ある賞をいただいて光栄。県内で需要がある機械ではないが、県外から仕事を持ってきて、高知の経済を回す力になりたい」と喜びを語った。高知県地場産業大賞は高知県産業振興センターの事業。「くろしお博覧会記念基金」を活用し、1986年から行っている。

(北朝霞駅階段に五輪射撃のPR:埼玉)
朝霞市とJR東日本は東京五輪・パラリンピックの射撃競技が朝霞市などで開催されることを多くの人に知ってもらおうと、JR武蔵野線北朝霞駅構内の階段に同競技の写真などが印刷されたシートを貼り付けてPRしている。9月14日まで実施される。

(避難指示区域は野生動物の楽園に:福島)
東京電力福島第一原発の事故から、もうすぐ9年。放射能汚染で人の立ち入りが禁じられた区域で、野生動物が大量に繁殖している。米生態学会の機関誌に発表された報告によると、福島の放射能汚染地区に設置した監視カメラの膨大な数の画像を分析したところ、サルやタヌキ、ニホンノウサギ、イノシシなど20種以上の野生動物の生息が確認された。11年の巨大津波で原発が非常事態に陥った後、政府は周辺の20キロ圏内を避難指示区域に指定した。14年以降、避難指示は段階的に解除されているが、住民の帰還は思うように進んでいない。ジョージア大学のジェームズ・ビーズリー准教授らは、今も放射能レべルが高く人の立ち入りが禁じられている高汚染地区、立ち入りが制限される中汚染地区、そして現に人が居住している低汚染地区に、それぞれ監視カメラを設置した。120日に及ぶ観察で撮影された写真は26万7000枚以上。詳しく見ると、立ち入り禁止区域では野生動物が大量に生息していることが分かったという。最も多かったのはイノシシで、4万6000枚以上の画像に写っていた。特に立ち入り禁止区域では、人が現住する区域に比べて4倍近い生息数が確認された。放射能汚染で放棄された土地で野生動物が急増する現象は、同じく原発事故で汚染されたチェルノブイリでも報告されている。「信じ難いだろうが、原発事故後の数年でチェルノブイリ周辺では大型哺乳類の数が増えた。今は立ち入り禁止区域のあちこちで、多くの種が生息数を増やしている」と、ビーズリーは本誌に語った。ただし福島でもチェルノブイリでも、確認できたのは生息数の増加だけ。動物たちの健康状態は分かっていない。従来の研究によると、長期にわたる放射線被曝は動物の生殖能力を損なう可能性がある。「確かなのは、被曝の影響があるとしても、それが現時点で個体数の回復には影響していないということだ」と、ビーズリーは言う。除染もされていない山林に暮らす動物たちに、放射能による突然変異が起きていないか、生殖能力が落ちていないか。そうしたことを探れるのはまだまだ先のことだ。

(党本部ジビエのお味は?:東京)
29日昼、自民党本部を訪れると、出入り口付近でジビエ(野生鳥獣肉)料理をふるまっていました。「自然と農山村を守る狩猟のつどい」と題する党の振興イベントでした。玄関前には鹿や熊の模型が並んでいます。鹿肉のローストや熊肉の煮込みをふるまい、狩猟を疑似体験するスペースもありました。狩猟団体やジビエ普及の支援組織のメンバーが出席し、あいさつした二階俊博幹事長は「地方で深刻な鳥獣被害に対応するためにもジビエの流通拡大を支える」と語りました。ジビエ振興に力を入れる公明党の斉藤鉄夫幹事長、井上義久副代表もイベントに顔を出しました。そこに、午前中の参院予算委員会での答弁を終えた菅義偉官房長官が駆けつけました。「国会で質問攻めにあっている。ホッとしたくて来た」と語る一幕もありました。「硬い、臭い」との印象を持たれがちですが、出席者は口々に「温かくておいしい」と感想を述べあっていました。

(小中7校「ジビエ給食」:愛媛)
地産地消や有害鳥獣による農作物被害軽減に役立てようと、愛媛県西予市の宇和、明浜両地域の小中学校7校で27日、市内で捕獲加工されたイノシシ肉を活用した「ジビエ給食」(約1060食)が登場した。児童たちは自然の中で育まれた力強い味を楽しんだ。

(ジビエフェア開幕:石川)
県内の飲食店や精肉販売店が一斉にイノシシ肉をPRし、提供する「いしかわジビエ料理フェア」(県主催)が二十八日始まり、金沢市内のホテルで試食会があった。県内でも豚コレラ(CSF)に感染したイノシシが見つかる中、参加者は「風評被害に負けたくない」と思いを語った。「イノシシを食べても良いのか、と聞かれることがある」。イノシシ肉100%のハンバーグを提供している「TAKIGAHARA CAFE」(小松市滝ケ原町)の由岐中(ゆきなか)みうる店長(28)が明かす。試食会では、集まった招待客に「味付けは塩こしょうのみだけど、臭みがない」とPR。「このままおいしさと安全を伝え続けていきたい」と力強い声で話した。フェアは、農作物を荒らすイノシシの駆除と食肉利用を促進しようと、二〇一六年から開催。今年はCSFの風評被害防止も目的となり、過去最多の九十五店が参加した。試食会には十二店が出品し、カレーやミラノ風カツレツ、そぼろ肉の押しずしなど多彩な料理が並んだ。イノシシ肉を加工販売する「ジビエ工房三谷」(金沢市高坂町)は鉄板を用意してスペアリブを振る舞った。施設長の杉本秀夫さん(72)は「感染の拡大が止まらない今は、自ら安全だと伝えるしかない」。招待客に「ほら、食べていって」と積極的に声を掛けた。県内では昨年八月に野生イノシシの感染が初めて確認されて以降、十七頭の感染が判明。発見場所から半径十キロ圏内のイノシシの食肉利用について、国が自粛を求めているため、一九年度の食肉利用は前年度の千八十頭を下回る見通しだ。

(「鹿肉お茶カレー」発売:静岡)
浜松市天竜区熊のNPO法人夢未来くんまは、天竜茶と地元で捕れたシカの肉を素材に生かした「鹿肉お茶カレー」=写真=を作った。二月一日から同区熊の道の駅くんま水車の里で売りだす。地域の食材の利活用を進めようと考案した。煎茶と抹茶のパウダーをカレールーに配合し、お茶ならではの苦味とうま味を加えた。見た目は濃い緑で、やや辛めの味に仕上げている。シカ肉は低脂肪高タンパクが特長。農作物の食害は深刻だが、捕獲後のシカの肉がほぼ流通ルートに乗らないため、消費促進につなげようと具材にした。NPOは「お茶の苦味はあるが、体にやさしいカレー」とアピールする。道の駅の食堂で千百円で提供し、レトルトは二百グラム入り一袋を八百五十円で販売する。

(“エゾシカ有効活用”肉料理試食:北海道)
根室地方で捕獲されるエゾシカを有効活用しようと、シカ肉料理の試食会が中標津町で開かれました。この試食会は根室振興局や根室地方の飲食店、それに観光関係者などでつくる協議会が開き、約60人が参加しました。はじめに札幌市の料理研究家、青山則靖さんがエゾシカ肉の調理法を説明。青山さんは水から丁寧にゆでることでアクがしっかりと抜けて食べやすくなることなどを紹介しました。また、青山さんや地元の料理人が考案したハンバーグや麻婆豆腐などのシカ肉料理計18品が提供されました。参加した人たちは柔らかくジューシーな食感や鹿肉ならではのうま味を楽しんでいました。講師を務めた青山さんは「エゾシカの肉は天然素材で強いうま味が特長です。地域全体でシカ肉の消費が増えることで、料理を目当てに人が訪れ、地域にいい循環が生まれる」と話していました。

(ジビエに親しんで、2月末までキャンペーン:徳島)
野生のシカやイノシシの肉を使ったジビエ料理に親しんでもらおうと、徳島県内の飲食店で期間限定の特別メニューを提供するキャンペーンが開かれている。鳥獣被害の減少に役立てながら、地域活性化にもつなげたい考えだ。2月末まで。17日夜、徳島市内の飲食店であったオープニングイベント。訪れた約30人の前に、シカ肉料理7品が並んだ。赤ワインで柔らかく煮込んだ肉のパイ包み、アヒージョにステーキ……。温野菜を添えたカツレツは仕上げにチーズソースがとろりとかけられた。口に入れるとジビエ独特の野生の風味。食感は牛肉とほとんど変わらないが、濃厚なうまみがしばらく残った。県が手がける今回のキャンペーンは「酒に合う夜のジビエ料理」がテーマ。居酒屋や洋食店、中華料理店など13店で新しく考案されたシカやイノシシの肉の料理を楽しめる。シカ肉のチリソース、燻製(くんせい)ジャーキー、麻婆豆腐、ラーメンなど一風変わったものも。木、金曜は最大半額の割引がある。メニューごとに限定数が決まっている。

(ヤクシカをさばいて食べるイベント:鹿児島)
屋久島環境文化研修センター(屋久島町安房、TEL 0997-46-2900)が1月26日、自然・文化体験セミナー「ヤクシカをさばいてたべよう!」を開催した。同施設の福元豪士さんが「命を頂く大切さを子どもたちに伝えたい」と企画。0~10歳の子ども8人と親7人、合わせて15人が参加した。ヤクシカ肉の製造や販売を行う「屋久鹿ジビエ王国」のセンター長・尻無浜(しりなしはま)学さんがヤクシカの解体を実演、レクチャーした。この日さばいたのは永田集落で捕れた14キロ弱のヤクシカ。参加者たちが真剣なまなざしで見つめる中、尻無浜さんは手順を説明し、専用の刃物で手際よくさばいた。皮はなめし皮にするために傷付けないよう慎重に剥ぐ、内臓の一部は犬の餌として保護施設へ寄付するなど、できるだけシカを無駄なく活用していることを伝えた。試食会では屋久鹿ジビエ王国の職員が「子どもが食べるので、なるべくジビエ特有の臭みが出ないよう工夫し、硬いウデ肉を丸一日煮込んでやわらかくした」というカレーと、「シンタマ」と「外モモ」の2つの部位の焼き肉を振る舞った。解体見学では怖がっていた様子の子どもたちも、食事中は笑顔でシカ肉を頬張った。一湊集落から参加した青山湊士朗君は「シカがさばかれるのを見たときは気持ち悪いと思ったが、シカに対してとても失礼なことだと思った。命を頂く大切さを改めて知った」と感想を話した。

(クマ肉給食、味わいは?:石川)
白山麓で捕獲されたクマ肉を使った給食が二十八日、白山市白嶺(はくれい)小中学校で提供された。献立は中学一年の辻愛心(あいみ)さん(13)が栄養バランスや彩りを考えた。児童や生徒計約六十人が地元の食材をふんだんに使った料理を味わった。「白山麓の食」をテーマにしたこの日の献立の主菜は、同市白峰地域産の堅豆腐にクマ肉を巻いたカツ。地元で採れた山菜「行者ニンニク」を使ったみそのソースをかけて食べた。辻さんによると「ヘルシーだけどボリュームが出るようにした」という。このほか同市鳥越地域の金時草と金沢市産のレンコンを使ったご飯や、白山市鶴来地域で造った酒かすを入れたみそ汁、小松市産トマトを使ったサラダが出た。同校は昨年から、地元食材に親しんでもらおうと、生徒らが給食メニューを考案する機会をつくっている。全校生徒が献立を考え、辻さんのメニューが昨年十月に県教委主催の「中学生学校給食献立コンクール」で約二千五百点の中から二位の優秀賞に輝いた。クマ肉は、白山市木滑でジビエなどの販売をする「山立(やまだち)会」が昨秋に地元で捕獲したクマを使った。有本勲代表(36)は生徒らの前でクマの毛皮などを見せながら会の取り組みを紹介した。中学三年の山本奈将(だいち)さん(14)は「歯応えがあって牛肉のカツみたいでおいしい。後輩ながらやるなと感心した」と話し、笑顔でほおばっていた。

(ジビエを使用した「エゾ鹿バーガー(デミグラスソース)」を発売:北海道)
ロッテリアは、北海道産ジビエ「エゾ鹿」を使用した「エゾ鹿バーガー(デミグラスソース)」を、1月31日から北海道内のロッテリア7店舗と銀座クリスタルビル店限定で販売する。ロッテリアでは、2016年4月からインバウンドのニーズや観光地として盛り上がる“北海道”の食材を使用したご当地バーガーとして、北海道産ジビエ「エゾ鹿肉」を使用した「エゾ鹿バーガー」を毎年期間限定として店舗限定で復活販売し、好評を得たという。今年も1月31日から北海道内のロッテリア7店舗限定で販売する。「エゾ鹿バーガー」のパティは、牛肉や豚肉に比べて高タンパク、低カロリーでミネラルや鉄分も豊富といわれている、北海道産のエゾ鹿肉を適切な処理を行い(「エゾシカ肉処理施設認証制度」に基づいて、適切な処理を行ったエゾ鹿肉使用)、約3mmに挽いた鹿肉をパティ全体の約7割に使用し、パン粉などを加えてふっくら食感のパティに仕上げた。その上にローストした国産玉ねぎをトッピングし、味の決め手となるソースには、赤ワイン、ブイヨン、りんご等を加えてじっくり煮込んで仕立てた、濃厚で味わい深いロッテリアオリジナル「デミグラスソース」を採用した。それらをレタスとともにバンズで挟んだ、初めて食べる方でも美味しく食べやすいハンバーガーで用意した。ぜひこの機会に、北海道内のロッテリア店舗限定の「エゾ鹿バーガー」を楽しんでもらいたい考え。

(学びと関連付け食育を:和歌山)
食育の推進、充実を目的とした「食育推進研修会」が27日、和歌山県和歌山市湊通丁北のホテルアバローム紀の国で開かれた。県と県教委が主催し、県内の教職員や栄養教諭など学校教育関係者約60人が参加。食育指導の取り組みや給食へのジビエ導入について学んだ。学校給食へのジビエ活用推進のための試食会もあり、同ホテルの佐藤喜久一郎総料理長によるシカ肉をトマトピューレやコンソメ、ブイヨンと合わせたボルシチ風スープやシシ肉の酢豚など9品が提供された。県内では本年度、319校でジビエ給食を予定しており、年々増加傾向にあるという。参加者は熱々のジビエ料理を味わっていた。

(イノシシ脂100%の保湿バーム販売:佐賀)
イノシシ肉のソーセージを販売する佐賀市の食品卸売業「鶴商興産」は、イノシシ脂を使った保湿バームを販売している。代表取締役の坂本竜一さん(38)は、イノシシの有効活用で「価値を高めたい」と話し、農地や農作物などの鳥獣被害の縮小につなげる試み。商品は「ボアボアビューティーバーム」で、県産イノシシ脂を100%使用している。無添加、無香料で口や鼻に入っても安全のため、赤ちゃんにも使えるという。昨年10月に販売を始め、販売個数は200個を超えた。製造は、馬油やイノシシ脂の保湿オイルなどを手掛ける佐賀市の忠兼総本社が担い、パッケージデザインは佐賀市の日本画家大串亮平さんが描いた。坂本さんは、猟師の間で「肌にいい」とされているイノシシ脂のほとんどが捨てられている現状を解決したいと考えていた。保湿バームで新たな層の消費を促し価値が高まることで「鳥獣被害を取り巻く環境の改善につながれば」と話す。ハーブとかんきつ系の香りを加えた保湿バームを新たに試作し、3月ごろの商品化を目指している。「いろいろな角度でアプローチして、ジビエに興味を持ってもらいたい」と意欲を見せる。価格は税別2100円。

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(3472万円返還求め提訴へ、災害復旧補助金を不正受給:兵庫)
平成26年に兵庫県丹波市で甚大な被害が発生した豪雨災害の復旧工事にかかる補助金の不正受給のうち、鳥獣害防護柵関連事業について、同市は、補助金を申請する際に領収書を偽造するなどして過大に補助金を受給するなど不正を首謀した地元の男性を相手に約3472万円(年5%の損害遅延金含む)の損害賠償を求め提訴する方針を示した。24日の市議会臨時会で関連議案を提案し、可決されれば速やかに訴訟手続きに入る。同災害は、平成26年8月16―17日にかけて発生。多いところで、1時間に91ミリ、降り始めからの累加雨量が419ミリを記録した。同市市島町前山地区を中心に山崩れなどを引き起こし、尊い1人の命が奪われた。復旧工事における市の補助金受給については、男性は業者の見積書を改ざんしたり、領収書を偽造するなどの手口で、市に補助金を過大に交付させ、本来、地元が負うべき負担をしていなかった。提訴の対象事業は、地元の2団体の名義で申請された計8件。市が、男性の申請通りに交付した補助金額は約1億5400万円。出来高に基づき市が改めて査定した補助金額は約1億1100万円で、市はこの差額約4291万円を市の損害額とした。事業8件のうち、補助率が85%の事業が2件あり、地元が負担すべき金額は計約819万円。市の損害額から地元負担金を差し引いた金額を男性に返還請求する。地元負担金についても、市は地元団体に返還を求めており、協議が続いている。市は申請時、担当した農業振興課に技術担当の常勤職員がおらず、男性が添付した見積もり書通りの金額を満額補助金として支払った経緯がある。市は「市としても十分な査定ができていなかった」とし、「市民を訴えることは究極の選択だが、不法行為については毅然と対応する」と話している。

(河川敷の遺体身元は熊本市の男性:熊本)
熊本市南区の緑川河川敷で男性の遺体が発見されました。警察が事件と事故の両面で捜査しています。死亡したのは熊本市東区御領の自動車整備業建島隆一さん(64)です。警察と消防によりますと25日午前8時55分ごろ熊本市南区城南町の緑川河川敷で「人が倒れているようだ」と通報がありました。駆け付けた消防が現場で死亡を確認しました。建島さんの足元には猟銃があり頭を激しく損傷しているということです。建島さんは猟銃所持の許可を取得していて家族の話によりますとこれまでにも複数回、猟をしていたということです。警察が事件と事故の両面で捜査を進め、司法解剖をして、死亡した原因を調べています。

(襲撃繰り返したサル?駆除後被害無くなる:三重)
志摩市磯部町で、サルが住民や観光客を襲う事件が多発していた問題で、襲撃を繰り返していたとみられるサルが駆除された。これまでの目撃情報から、同市は「けがをさせていたサルにほぼ間違いない」として、連日実施していたパトロール態勢を解除した。市農林課によると、駆除されたサルは若いオス。

(群れ離れ単独行動する雄ザル出没:兵庫)
群れを離脱して一時的に単独で行動する雄ザル「ハナレザル」が近年、兵庫県姫路市内の人口密集地でも出没している。市に寄せられた目撃情報からは、沿岸部から市北部へと縦断した足取りが浮かび、小学校の校舎に1カ月間居着いたことも。同市林田町では昨年末、住民が襲われて軽傷を負う被害が発生し、1匹が殺処分された。兵庫県の専門機関は「県内ではサルが人にけがをさせる事例はここ数年なかった。都市部でもサルとの向き合い方を啓発する必要がある」と警告を発している。昨年12月、姫路市林田町六九谷の資材置き場で働く男性作業員(36)は、何かが近づく音を聞いて振り返り、資材の上に乗った興奮状態のサルと目が合った。「逃げなあかん」。男性が背中を向けた瞬間、後方から飛びつかれた。サルは直後に逃げたが、男性は腰を爪で引っかかれ、2針を縫うけがを負った。林田町では昨年11月ごろから人や車を威嚇するサルが出没。車のミラーやカーポート、民家の屋根などを破壊したほか、小学生を追いかけて服を引っ張って破るなど被害が拡大し、住民の危機感は高まっていた。市鳥獣対策室は「発情期と重なったため凶暴化した疑いがある」と話す。さらにさかのぼると、市内では2018年7月末からサルの目撃情報が急増し、約1年半の間に80件を超えた。目撃地点は18年11月~19年7月に的形町、大塩町などの沿岸部から始まり、その後は四郷町や飾磨区妻鹿に拡大。8月には同区都倉や手柄など市中心部へ北上した後、10月ごろから林田町や安富町に移った。同市的形町の的形小学校では、19年6月にサル1匹が現れた。教員らが追い払おうとしたが、校舎屋上に登り、反撃してくるため手出しできなくなった。サルは約1カ月にわたって屋上を根城に生活。周囲の畑で野菜を食べ、川で水浴びをした。児童が追いかけられたこともあったという。校長は「姿を見たらすぐ児童を校舎に入れるなど安全確保に苦労した。怖がる子どもたちをよそ目に、サルは至って快適そうだった」と振り返る。目撃地点が移るとそれまでのエリアでは通報がぴたりとやんでおり、同室は「何匹か特定のサルが南から北へ市内を縦断したのでは」と推測する。ニホンザルは群れで生活するが、雄は繁殖のために単体または2、3匹で群れを離れ、別の群れを目指す「ハナレザル」になることがある。時には100キロもの距離を移動するという。県森林動物研究センター(同県丹波市)の池田恭介森林動物専門員は「普通ならハナレザルは1週間も同じ場所にいない。姫路に現れた個体は行動も悪質で特異性が目立つ」と指摘する。サルは有害鳥獣駆除の対象に含まれず通常は捕獲できない。林田町では、けが人が発生したことで市は猟銃を使った捕獲を許可。猟友会のハンター延べ約100人が正月返上で出動。1月8日、体長60~70センチの雄を捕獲、殺処分した。市内を縦断したとみられるこの個体は極端に人慣れしていた。池田専門員は「街に餌があると学習したり、人への恐怖が薄らぐような経験をすると悪質なサルが生まれる。石を投げて追い払う、餌をあげないなど人間の側にも意識が必要。女性や子どもは狙われやすく、目が合ったときは背中を向けずそっと逃げて」と呼びかけている。

(サル目撃情報が相次ぐ、自治体が注意呼びかけ:兵庫)
兵庫県の阪神間各地でサルの目撃情報が相次ぎ、各市に寄せられた通報が昨年12月から約1カ月間で60回を超えている。ニホンザルらしき1頭がうろついているとみられ、発見場所をつなぐと宝塚、伊丹、尼崎市へと直線距離で50キロを超える。どこで仲間とはぐれ、迷ってしまったのか。23日時点で人を襲ったという報告はないが、各市は「近づいたり目を合わせたりすると危険。見つけ次第、すぐに連絡してほしい」と注意を呼び掛ける。「マンションの屋上にサルがいる」。昨年12月22日午後、伊丹市千僧5。市の男性職員が通報で駆け付けると、サルは一室のベランダ脇で体を丸めていた。体長50センチくらいで、困ったような顔をして数分後、雨どいをつたって地上に逃げていったという。複数の通報で見た目に加え、「首輪のようなものがある」などと一致した情報があることから、各市は同一個体が阪神間を時計回りに南下しているとみる。発見場所をたどると、昨年12月19日昼ごろ、宝塚市仁川うぐいす台の民家で初めて発見され、翌20日には武庫川を越えて伊丹市西野の民家などで見つかった。市内の民家では家庭菜園が荒らされる被害があった。その後、尼崎市へ入り、大阪市西淀川区をうろついた後、再び尼崎市臨海部の工場地帯と市街地を南北に行き来しているようだ。ここ数日は特に市南西部で見られ、23日朝には西宮市武庫川町でも目撃情報があった。尼崎市農政課によると、人里に出没するのはニホンザルのオスが多く、4~5歳ごろに群れから離れて迷い込むことがあるという。阪神間ではこれまでにも北摂山系や六甲山系から来たとみられる出没例がある。尼崎市などでは2年前にも市街地で見つかっており、捕獲せずに山に帰るのを待った。今回も専門家の助言を受け、すみ着かないように警戒している。同市は、無理に捕まえようとするとサルが暴れ、人に危害を与える危険があるとし、「見かけた際は、近づかない▽目を合わせない▽大きな声を出さない▽餌を与えない-の4点に注意してほしい」と呼び掛けている。

(氷の川に転落、シカ大ピンチ:北海道)
野生のエゾシカが、町内の別寒辺牛川の氷の穴に落ち、必死にはい上がる姿を、通りかかった記者が偶然カメラに収めた。25日午前11時半ごろ、町内の別寒辺牛川橋を記者が車で渡っている途中、氷の張った川面から、立派な角を生やした雄のエゾシカの頭が見えた。凍った川の表面が割れ、縦横10メートルほどの氷の穴に落ちていた。シカは前足を氷にかけ、後ろ足を何度もばたつかせるが、前足が氷で滑って抜け出すことができない。

(1月なのにクマ目撃情報:秋田)
24日午前、湯沢市でクマ1頭が目撃されました。1月にクマが目撃されるのは過去10年ではおととしに1度あっただけで警察が警戒を呼びかけています。熊が目撃されたのは湯沢市川連町の市道です。湯沢警察署の調べによりますと、午前9時ごろ、近くに住む女性が体長80センチほどのクマ1頭を目撃し、市役所に通報しました。霧がかかる中、市道のアスファルトの上をクマが歩いていて、すぐ近くには住宅もありました。県内ではおととし1月に潟上市でクマの目撃情報がありましたが過去10年ではその時だけです。ただ今年に入ってから山形や新潟でも目撃が相次ぎ住宅敷地内で捕獲されるケースもありました。暖冬の影響でクマが冬眠できていない可能性を指摘する専門家もいます。警察や湯沢市が周辺に警戒を呼びかけています。

(ニホンカモシカ守ろう、わなに掛かった場合は報告を:大分)
竹田市神原の山中で1月、有害鳥獣用のわなに巻き込まれたとみられるニホンカモシカの死骸が見つかった。付近はシカやイノシシが増え、複数のわなを仕掛けている。地元の保護団体は貴重な国の天然記念物を守ろうと、注意喚起の看板を増やした。地元自治会関係者でつくる祖母山麓自然・人共生空間整備プロジェクト実行委員会(工藤桂太会長)によると、死骸は20日午前、神原登山口付近で水路の点検に訪れた70代男性が見つけた。体長約1・2メートルで性別不明。右前足に大きな傷があった。実行委は狩猟経験者からの意見を踏まえ「くくりわなのワイヤによるもの」と判断。わなが死因となったのかは不明という。警戒心が強く、標高1500~2千メートルの高山域に生息するウシ科のカモシカ。近年は標高約600メートルの祖母山麓で目撃情報が増えている。宮崎大の岩本俊孝名誉教授(生物学)は「生息数は激減している。山でシカが増殖し、生息域を追われて麓に出ている」と指摘する。半面、竹田市内でシカやイノシシによる農業被害は深刻で、昨年の被害額は2547万3千円に上った。市農政課は「捕獲しなければ増えるばかり」と説明する。駆除は年間を通して実施。11~3月の猟期はわなの数がさらに増える。実行委は神原地区一帯に設置している「カモシカ保護のお願い」と書いた看板を4カ所増やし、計8カ所に設置した。「狩猟の際は種類を確認してほしい」と促す内容。地元の猟友会にも協力を求める。県教委文化財課によると、県内でニホンカモシカがわなに掛かるケースは2014年に佐伯市で1件あった。故意に傷つけるなどした場合、文化財保護法違反に問われる。「意図せずわなに掛かった場合は法に抵触しない。獣医師の治療を受けさせるため速やかに県や市に連絡してほしい」と呼び掛けている。

(放射線レベルの高さより、人間がいない場所を好んだ動物たち:福島)
動物から、放射性物質よりも嫌われてるのが人間…。チェルノブイリ原発事故後に、立ち入り禁止区域で野生生物が繁殖したことはよく知られています。最近では、Netflixの『Our Planet』でその様子が放映されていました。今回発表された研究結果によると、福島の立ち入り区域でも同じようなことが起こっているとのこと。人間がどれだけ地球をめちゃくちゃにしても、人間さえいなくなれば自然環境は元通りになる方法を見つけるようです。2011年に起こった大きな地震による大津波で福島第一原発が炉心溶融を起こし、日本政府は放射性物質に汚染された地域(ロサンゼルスほどの広さに匹敵)の人々を避難させました。住民が避難した地域は、滞在可能な区域、一部で立ち入りが制限される区域、高濃度汚染のために立ち入りが禁止される区域に分けられました。この区分は原発事故後の人々の生活再建に役立てられていますが、研究者にとっては、野生生物が放射性物質や人間の生活圏の変化にどういう反応をするのかを見る、またとない機会になりました。原発事故後の研究のほとんどは、放射性物質が動物の個体や小さなグループに与える影響や、細胞レベルでの影響に関するものでしたが、今回、Frontiers in Ecology and the Environmentに掲載された研究では、3つの区域に120台の定点カメラを設置して野生生物の繁殖状況を調べました。120台のうち14台のカメラは故障してしまったそうなのですが、残りの106台によって、60日間で26万7000枚の撮影に成功。そこには、福島の田園地域を闊歩する動物たちの姿がありました。映画『ジュラシック・パーク』でジェフ・ゴールドブラム演じる学者のセリフのように、命が生き残る方法をみつける様子が捉えられていたという感じ。いくつかの場所で撮影されたタイムラプス動画には、イノシシの赤ちゃんが母乳を飲んだり、サルが歩き回ったり、ウサギをくわえたキツネが通り過ぎたりする姿が映っています。すべての区域で最も多く撮影されたのは野生のイノシシでした。立ち入り禁止区域内で撮影されたイノシシは制限区域の2倍、人が滞在可能な区域の3倍以上にのぼりました。滞在可能な区域で最も撮影されたタヌキとニホンカモシカを除くほとんどの動物は、立ち入り禁止区域で最も多くの個体が確認されたそうです。「ある程度の野生生物が、たとえ放射線レベルが高くても人間がいない場所を好んだ結果、避難区域での繁殖につながったようです」と、研究に携わった福島大学環境放射能研究所のトーマス・ヒントン客員教授はEartherに語っています。「人間と共存するくらいなら放射能と暮らす」ともとれる動物の行動は人類にとって痛烈ですが、まあそういうことみたいです。真面目な話をすると、この結果は、野生生物は人間がいなくなった場所でより繁殖できることを示しています。また、これまでの研究結果では、放射性物質による生物のDNA損傷や生殖機能低下が報告されていますが、今回の研究で集められたデータでは、生物種の個体数レベルでの異常はみられなかったみたいです。森林火災と乱開発の原因になっているアマゾンから、気候危機が激化させた森林火災によって多くの動物を殺しているオーストラリアに至るまで、人間は世界中で動物に大きな困難をもたらしています。その結果、わたしたちは6度目の大量絶滅期の入口に立っていて、人間活動によって100万にも及ぶ生物種が絶滅のリスクに直面しています。壊滅的な絶滅によって、人間の生活がより厳しい状況になるのは避けられないでしょう。野生生物に住みやすい場所を提供すべきなのは明らかですよね。再野生化はその第一歩です。福島の再野生化は意図的なものではありませんが、比較的短期間でこれだけ回復したのですから、きっちり計画を立てればさらに良い結果になるかもしれません。とにかく足並みを揃えて、迅速に行動する必要があります。ヒントン氏はこう述べています。「人類は自然界のガンです。かつてないほどの広範囲におよぶ人間の存在が、たくさんの野生生物に目に見える影響を与えています。しかしながら、自然界には回復力があります。もしも人間によるストレスが小さくなれば、多くの野生生物は回復に向かい、生息数を増やしていくのです」野生動物たちは、本当に怖い存在をよく知っているのかもしれないですね。

(冬なのに「クマ出没注意」、暖かすぎて眠れない)
1月にもかかわらず、東北や北陸など雪国各地の住宅地付近でクマの出没が相次いでいる。クマは本来、12月頃から4月頃にかけて冬眠するが、専門家は暖冬や記録的な少雪の影響で、目覚めたクマが穴から出てエサを探し回るようになっていると指摘する。今後も出没が増える可能性があり、各自治体は注意を呼びかけている。新潟県見附市今町の県営住宅では今月21日朝、住民から「クマが階段にうずくまっている」と110番があった。体長約1メートルのクマが4~5階の階段踊り場付近におり、麻酔銃を3発撃たれて死んだ。現場は幼稚園や学校が近くにある住宅地で、今年は積雪が全くない状況。県によると、県内では今月、ほかに少なくとも3件の目撃情報があった。山形県でも今月、山形市の駐車場などで3件の目撃情報があった。県によると、記録が残る2007年以降、県内で1月にクマが目撃されたのは13年の1件だけ。山形市は目撃場所付近にのぼり旗を立てて注意を求めており、市の担当者は「雪が少ないのでクマの出没もあるかと思っていたが……。通常なら1月に旗を立てることはない」と困惑する。富山県でも今月、富山市や黒部市、上市町で計3件、福島県でも会津若松市と磐梯町、金山町でそれぞれ1件、金沢市では1件の目撃情報があった。各地での出没について、クマの生態に詳しい東北芸術工科大(山形市)の田口洋美教授(環境学)は、冬眠中のクマが暖冬で気温が上がって眠れなくなり、穴の外に出ているとみられると指摘。また、富山県自然博物園ねいの里で野生鳥獣共生管理員を務める赤座久明さん(66)は「雪が積もっていないので、地面に落ちている渋柿や、どんぐりを拾いやすくなっている」と話している。

(暖冬でクマ冬眠できない?出没情報相次ぐ:青森)
1月なのに冬眠できない? 季節外れのクマの出没情報が青森県内で続いている。22日には深浦町大間越で子グマ1頭が捕獲され、町や県自然保護課の担当者は「1月の出没はさすがに聞いたことがない」と一様に驚く。8日には青森市浪岡の梵珠山でも目撃情報があった。深浦町によると、現場は国道101号の海手側、大間越駐在所近くの農地。1月中頃から、すぐそばの住宅地で餌をあさる子グマの目撃情報があり、町が20日に箱わなを設置。22日朝、体長約73センチの子グマ1頭が捕獲された。目撃情報のあった子グマとみられるという。クマは本来、11月から12月中旬にかけて冬眠に入る動物。県の担当者は「冬眠前のクマが12月に目撃されることはあっても、真冬の1~2月は記憶にない」。暖冬の影響かどうかについても「初めてのことで分からない」と頭を悩ませている。梵珠山では登山客からクマ1頭の目撃情報が寄せられたという。県立自然ふれあいセンターが登山口近辺に出没情報を掲示し、注意を促している。同センター職員も異例と驚き「例年に比べてかなり雪が少なく、(出没は)暖冬が冬眠に影響を与えているのかもしれない」と話した。

(エコフィード加熱を、豚コレラで農水省)
農水省は、沖縄県の豚コレラ(CSF)感染について、食品残さで作る「エコフィード」を非加熱のまま給餌したことが原因になった可能性が高いとして、農家らに改めて加熱の徹底を呼び掛けている。ウイルスは高温で死滅するため、「70度以上で30分間以上」または「80度以上で3分間以上」の加熱が必要になる。「加熱基準をきちんと満たしているか、農家自ら改めてチェックを行っていただきたい」。江藤拓農相は24日の閣議後記者会見で呼び掛けた。豚コレラやアフリカ豚コレラ(ASF)のウイルスは、感染した豚やイノシシの肉・肉製品の中で感染力を保ったまま一定期間残っている。人間が食べても問題はないが、豚が餌として口にすると伝染してしまう。ウイルスは高温で死滅するため、豚・イノシシの飼養衛生管理基準では、肉を含む可能性がある食品残さを餌として使う場合、「70度以上で30分間以上」または「80度以上で3分間以上」という基準を設けている。8日に沖縄で初めて発生が確認された農場は非加熱だった。同省は23日付で都道府県に対し、エコフィードを使う全国の262農場(2018年末時点)を対象に、緊急の立ち入り検査を実施するよう求める通知を出した。具体的には①エコフィードの原料は農家が自ら集めているか、業者から購入しているか②農家で集めている場合、加熱の状況や、非加熱の原料と混ざらないように扱っているか③業者から購入している原料に肉は含まれているか供給元に確認したか──などを細かく聞き取り、2月14日までに報告を求めている。

(ワクチン接種、沖縄県も推奨)
農林水産省は24日、有識者会議を開き、豚コレラ(CSF)が発生した沖縄県をワクチン接種推奨地域に追加した。野生イノシシを介した感染拡大の恐れがあると判断した。沖縄県は接種プログラムの策定など実施に向けた作業を進める。沖縄の追加で推奨地域は21都府県になった。

(新型肺炎、日本の「野味」は大丈夫?)
中国から世界に感染が拡大している新型コロナウイルスについて、「アナグマなどの野生動物を食べる『野味』が原因だとニュースで見た。日本では大丈夫?」と疑問が寄せられた。アナグマは本紙「あなたの特命取材班」のマスコットキャラクター「あなとくちゃん」のモデル。万が一のことがあれば大変だ。野生動物の食肉人気が広がる中、安心して接するために必要なことは-。中国の専門家チームによると、中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、食用として売られていたアナグマ、タケネズミなどの野生動物が感染源となった可能性が高いという。一方、日本のアナグマは本州、四国、九州の広い範囲に生息。最近では獣害対策や町おこしも兼ねた野生動物の食肉「ジビエ」料理の食材として、シカ、イノシシなどとともに、ひそかな人気という。農林水産省の調査によると、2018年度の全国の食用としてのジビエ利用量は1496トンで、16年度から1・4倍に増加。野生動物の食肉加工施設も増加傾向にあり、633施設(18年度)に上る。九州大の産学官連携プロジェクトとして16年に発足した「糸島ジビエ研究所」(福岡県糸島市)も、アナグマの精肉・販売を手がける。アナグマが栄養を蓄える秋口に罠を使って捕獲。赤身や脂のうまみを感じられる肉質で、昔から食べられてきた汁もののほか、洋風のローストやパスタなども人気だとか。アナグマ以外にイノシシやシカ、アライグマなどの肉も扱う同社。洗浄や皮むきのほか、筋肉ごとに切り分けたり、枝肉の状態で貯蔵したりする。調理用途によっては丁寧に筋を取るなどいくつもの処理を経て、臭みのない肉になる。同社で過去に取り扱った食肉が感染症を媒介したケースはない。西村直人代表は「不適切な処理や調理が感染症を媒介する。野生動物の肉は、衛生管理が徹底した業者が処理したものが安心」と話した。ただ、感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「野生動物は、人にはない病原体を持っている場合がある」と指摘する。その上で「(野生動物を食べるのは)伝統的な文化で、有害鳥獣の駆除という意味もある。少なくとも生肉を避け、しっかり加熱すること、そして幼児には食べさせないことを忘れないでほしい」と話した。

(ジビエを気軽にリーズナブルに)
シカやイノシシといった野生鳥獣肉の「ジビエ」が話題だ。昨年放送されたテレビドラマでも取り上げられ、関心が高まっている。ジビエというと、食通好みの高級グルメというイメージが強いが、気軽にリーズナブルに楽しめるフェアが開かれている。外食業界団体の日本フードサービス協会が2月28日まで実施している「全国ジビエフェア」だ。農作物への被害対策で捕獲されたシカやイノシシの有効利用を目的に行われているもので、居酒屋や焼き鳥店、カジュアルなバルなど幅広いジャンルの全国約1000店がジビエ料理を提供している。話題のジビエを体験するには絶好の機会だ。「想像していたよりクセがなく、柔らかくて美味しい」「野性味のある独特の風味が新鮮」「脂身が少なくて、とってもヘルシー」。フェアで初めてジビエを食べた人たちからはこんな声が上がっている。ジビエは、狩猟によって捕獲された野生鳥獣の天然の食肉を意味するフランス語で、欧州ではジビエ料理が食文化として発展。日本でも古くか各地で食されてきた。山野を駆け巡るシカやイノシシの肉は高タンパク低カロリーで、鉄分や亜鉛、ビタミンなどの栄養素も豊富に含まれており、まさに「山の恵み」だ。昨年放送されたテレビドラマでは、ミシュランの三ツ星を目指すフランス料理店のメニューにジビエが使われていたが、全国ジビエフェアではカレーやハンバーガー、ラーメン、串焼きなど気軽に食べられるメニューが豊富にそろっている。シカ、ラム、牛、豚の肉とウニがてんこ盛り。注文すれば、テンションが上がること間違いなしだ。大手外食チェーンのコロワイド(横浜市)が展開する和食居酒屋「北の味紀行と地酒 北海道」が提供している「北海うにく盛り」(税別1990円)は、話題のジビエに加え、肉とウニのコラボレーションという、2つのトレンドを押さえた大注目メニューだ。ジビエのエゾシカのソテーは、脂身の少ない赤肉を低温で時間をかけてしっかりと加熱することで、パサつかず柔らかく仕上げた。遠慮なくウニを載せて肉で巻き口に運ぶと、ウニの甘みが、エゾシカの臭みのないワイルドな風味を引き立て、口いっぱいに至福が広がる。PR担当の山岸百合子さんは「柔らかくクセのない味わいに皆さん驚く。赤身でヘルシーなので、『これなら罪悪感なく肉が食べられる』と女性の反応が特に良い。家庭ではなかなか味わえないジビエには非日常感もあり、今後ますます人気が高まりそう」と、期待を示す。「最初は物珍しさから注文したお客さんが、おいしいと追加で注文してくれる。関東の4店舗では売り上げベスト5に入る人気メニューになっている」。北海道を地盤とする外食チェーン、イーストン(札幌市)が展開する焼き鳥店「いただきコッコちゃん」を担当する齊藤親吾・焼鳥エリアマネジャーは、昨年発売した「エゾシカつくね串」(税別1本290円)の反響に驚きを隠さない。エゾシカのひき肉を塩、ブラックペッパー、昆布とホタテのだし、みそ、マヨネーズで味付けし、タマネギとニラの野菜を混ぜ込んだつくねを、焼き鳥のタレを付けて焼くオリジナルメニューだ。ジビエは初めてという人でも食べやすいようレシピに工夫を凝らした。実際に食べてみると、甘いタレとジビエ独特の味わいが絶妙にマッチし、シカのワイルドさを十分に堪能できる。齊藤さんは「北海道といえば、ジンギスカンの羊肉が思い浮かべる人が多いが、エゾシカにはそれに並ぶような北海道を代表する食材になる可能性がある」と力を込める。「エゾ鹿ねぎま串」(税別440円)、「エゾ鹿串揚げ」(同480円)、「エゾ鹿ジンギスカン」(同580円)、「エゾ鹿もみじ鍋」(同780円)こんなリーズナブルで気軽に楽しめるジビエ料理を提供しているのは、ジー・テイスト(名古屋市)が展開する居酒屋チェーン「村さ来」だ。多くのエゾシカが生息する北海道白糠町でしっかりと血抜き処理が施され、嫌な臭みのない良質のエゾシカ肉を調達し、4品のメニューを開発した。ねぎま串は特製タレとの相性がよく適度な歯ごたえがあり、串揚げはサクッとした食感が楽しめる。ジンギスカンは、スライスされた肉は柔らかく、ニンニクの効いたしょうゆタレがからみ、こってりとした味わい。もみじ鍋は、脂身の少ないもも肉を、ポン酢であっさりといただく。同社の久保田英生さんは「ジビエメニューは、他の店との差別化ができ、来店のきっかけになる。お客さんの関心も高く、おすすめもしやすい。外食店にとって非常に魅力的な食材だ。定番メニューに加えることも考えたい」と、手ごたえを感じている。「脂身が少ない赤身なので高温で焼くとパサついてしまうが、安全のため、十分に加熱しないといけない。低温でじっくりと時間をかけて芯まで火を通し、最後に直火で表面をローストし香ばしく仕上げた。甘い果実のソースとの相性が抜群で、野性味が引き立つ」多業態の飲食店を展開するMYU(東京都港区)のビストロ「表参道 ワイン食堂Den」(同)の料理長、菅野健司さんが腕によりをかけて調理したのは、「国産鹿肉のロースト カシスソース」(税別1680円)。美しいワインレッドの赤身にナイフを入れると、驚くほどすっと切れる柔らかさだ。口に運ぶと、スパイシーで嫌な臭みのない血と肉のうま味が広がる。まさに、「これぞジビエ」といえる一品だ。同店では、1本180グラムのボリューム満点の自家製「国産鹿肉のソーセージ」(同880円)も提供。ワインとともに、カジュアルにジビエ料理を楽しめる。菅野さんは「きちんと血抜き処理された安全安心で良質なジビエを調達できるようになってきた。外食店ではどんどんメジャーな食材になっていくのでは」と、ジビエ普及を予測する。農林水産省によると、野生鳥獣による農作物の被害額は平成30年度で158億円に上る。捕獲など対策が進み被害額は減少傾向にあるものの、大切に育てた農作物が食い荒らされ、農家の意欲が減退し、耕作放棄や離農の一因となっている。森林や希少植物への被害も深刻なほか、最近は都市部にもイノシシなどが出没し人的被害も出ている。国は捕獲による被害対策とともに、捕獲されたジビエの利用拡大に取り組んでいる。利用拡大には、安全・安心で良質なジビエの供給体制の整備が不可欠で、一定の基準を満たした処理施設を認証する「国産ジビエ認証制度」を導入し、これまでに10施設が認証された。こうした取り組みの成果で、30年度のジビエ利用量は1887トンと、28年度の1・5倍まで増えた。日本フードサービス協会による全国ジビエフェアも、消費拡大を目的とした農水省による「全国ジビエプロモーション」事業の一環。同協会の赤塚保正副会長(柿安本店社長)は「おいしくてヘルシーな食材として注目を集めている。外食企業が手頃な値段で食べられるメニューを提供していくことでジビエを身近な食材にしていきたい。ぜひこの機会に、ジビエを味わってほしい」と話している。

(野生動植物への放射線影響調査研究報告会:東京)
放射線による野生動植物への直接的・間接的な影響について調査を実施している関係機関、各分野の専門家等との情報共有・連携を図ることを目的とした調査研究報告会を令和2年2月19日(水)に開催します。

(通天閣、節分福豆まき:大阪)
追手門学院大学(大阪府茨木市、学長:川原俊明)チアリーダー部が「通天閣 節分福豆まき」にゲスト出演し、クレー射撃の中山由起枝選手にエールを送ります。「通天閣 節分福豆まき」は1956(昭和31)年から続く、大阪府市民、新世界の商売繁盛や幸福を祈って節分の時期に行われる恒例行事です。本年はクレー射撃の中山選手と共に追手門学院大学チアリーダー部がゲストとして招かれ、中山選手及び大阪府市民、新世界の商売繁盛や幸福を願ってエールを送ります。追手門学院大学チアリーダー部は応援団の一員として野球やアメリカンフットボールなど各クラブの試合応援を行うと共に、2018年のFISU世界大学チアリーディング選手権大会のCheer Pom Doubles部門で銀メダル獲得をするなど、国内外の競技大会でも活躍しています。当日は8名のチアリーダー部員が力強い演技で会場を盛り上げます。

(「銃で鴨猟やめて」GHQに嘆願書:石川)
石川県加賀市の片野鴨池に、「坂網」を使ったカモ猟が伝わる。しかし戦後、米軍人が鴨池で銃猟を行い、カモが減って打撃を受けた。危機を救ったのは、連合国軍総司令部(GHQ)に銃猟の中止を懸命に訴えた地元組合長の思いだった。坂網猟を伝える活動をしている加賀市片野鴨池坂網猟保存会が25日、地元の当時の捕鴨(ほこう)組合長がGHQに送った嘆願書が見つかったと発表した。嘆願の内容は米国側の英訳資料で確認されていたが、書状が見つかったのは初めてという。坂網猟は元禄年間(1688~1704)に大聖寺藩士が始めたとされる。4メートルほどのY字形をした坂網を、カモが餌場へ向かって飛んでいくときを狙って投げ上げて捕獲する。

(黄金色の絶景はどこへ、一面のススキは復活なるか:奈良)
黄金色の絶景で知られる奈良県曽爾村(そにむら)の曽爾高原のススキ原。だが、近年は生育に陰りが見られ、一昨年には「過去最悪」との声が漏れるほど状況が悪化した。台風や獣害、観光客の立ち入りなどの要因が考えられるが、はっきりしない。対策として村はススキの植え替えに着手。シカの侵入を防ぐネットの活用やススキの成長を促す「山焼き」の前倒し実施なども計画されている。地元が誇る観光名所の復活へ、地域ぐるみの奮闘が続く。三重県との県境に位置する曽爾高原は、すり鉢状に広がる山麓約40ヘクタールに見渡す限りのススキが広がる景勝地だ。秋のシーズンをはじめ1年を通して50万人近くが訪れるが、近年は生育不良で自慢の景色が変貌し、足を運んだ観光客が「もう見頃は終わってしまったのか」「ススキが全然ない」とがっかりすることもあるという。地元住民らでつくる「曽爾高原を守る会」の立花弘晶さん(42)は「10年ほど前からススキの背丈が低くなり、穂が出ない部分も増えてきた」と話す。特に一昨年は生育状態が悪かったといい、曽爾村企画課の木治陽亮さん(27)は「台風の影響もあったのか、数が少ない上に穂が出ず、背丈も伸びきらなかった」と嘆く。生育不良の背景について「観光客らが草原に立ち入り、土を踏み荒らすのが一因ではないか」との指摘を受け、以前には巡視員を置き、侵入防止柵を設置したことも。だが、目立った効果はなかった。そこで村は昨年2月、45平方メートルの試験区画でススキの植え替えを実施。村内の別の場所に群生しているススキを約40株移植し、6月に曽爾高原の約3ヘクタールに小型ヘリで肥料を散布した。すると、秋にさっそく生育状況が改善。肥料の効果かどうかは不明も、今年5~6月ごろに再度、前回の散布場所に隣接する約3ヘクタールに肥料をまく予定だ。村の担当者によると、肥料の散布は10年がかりで取り組む必要があるが、「植え替えた株は根づいてくれた」と説明。2~3月ごろに約500平方メートルと大幅に範囲を広げ、植え替えを進めていくという。生育不良の原因については「シカがススキの新芽を食べているのではないか」との指摘もある。村は獣害対策用ネットを購入し、新芽がある程度の大きさになるまで試験的に活用する考えで、木治さんは「効果が出れば高原全体で使えるのでは」と期待を寄せる。一方、「曽爾高原を守る会」は、春の風物詩として毎年3月に実施している山焼きを今年初めて2月に前倒しする。立花さんは「新芽が芽吹く3月に山焼きをすることで、芽を焼いてしまっているのではないかと考えた」と話す。見る者を魅了するススキの復活を目指し、あの手この手を繰り広げる村と地域住民ら。木治さんは「曽爾高原は村の宝。本来の姿を取り戻せるよう、これからも努力していく」と言葉に力を込めた。

(中ア国定公園化へ:長野)
環境相の諮問機関・中央環境審議会は27日、希少な氷河地形や高山植生などを有する中央アルプス県立公園を「中央アルプス国定公園」に指定するよう求める諮問を受け、即日答申した。これで中ア国定公園化が決まり、3月予定の官報告示で正式指定となる見通しだ。環境省によると、現行の県立公園の指定区域をそのまま国定公園に移行。自然環境を厳格に保護する「特別保護地区」を千畳敷カール周辺に新設するなどし、一層の自然保護や利活用を進める。答申を受けて、地元関係者から期待の声が上がった。国定公園は、国立公園に準ずる優れた自然の風景地で、国管理の国立公園に対し、都道府県が管理する。中アが正式指定されれば、国定公園は全国で57カ所目。県内では、佐久市や軽井沢町、群馬県にまたがる「妙義荒船佐久高原国定公園」(1969年指定)以来、4カ所目となる。中ア国定公園のテーマは「アルプスの自然と山のくらし~氷期からつづく山・谷人が守る山」。指定区域は上下伊那、木曽地域など13市町村にわたる3万5116ヘクタールで、千畳敷カールや濃ケ池などの氷河地形や希少な高山植生が形成される高山帯が中心。同省は指定理由について、優れた氷河地形のほか、ヒメウスユキソウといった固有種や高山チョウなど貴重な生態系を有し、傑出性が高い風景地であるとした。公園区域は、環境保護や開発の規制が強い順に、特別保護地区や第1~3種の特別地域、普通地域に分類する。特別保護地区に設定する千畳敷カールや濃ケ池など一帯176ヘクタールでは、原則すべての動植物の捕獲、採取が禁止となる。事業計画には、高山植物の食害被害が懸念されるニホンジカなどの影響低減を図る「生態系維持回復計画」も盛り込む。さらに、国定公園化による知名度向上を生かして利活用の推進を図るため、山岳や景観、自然との触れ合いを楽しめるように宿舎や展望施設、避難小屋、歩道・車道の利用計画などが含まれる。この日の中央環境審議会(会長・武内和彦地球環境戦略研究機関理事長)では、同省が諮問した公園区域を定める指定書案や公園計画書案を審議。委員からはニホンジカの他にも、「イノシシなどによる生態系への影響を懸念する」と指摘があり、同審議会では対策種としてイノシシやニホンザルを明記する方向で検討を加えることで了承した。

(認定ジビエ加工施設、来月2日オープン:三重)
三重県の竹内千尋志摩市長は24日の定例記者会見で、獣害対策の一環として同市大王町波切に同市内では初となる認定ジビエ加工施設「ジビエ大王」を開設すると発表した。来月2日にオープンに合わせたお披露目式がある。同市では大王地区を中心にイノシシによる獣害が課題となっており、平成30年度は農作物にして約2400万円の被害が発生した。同年度のイノシシ捕獲数は1668頭だったが、今年度は既に1700頭を超える勢いという。従来は捕獲したイノシシの多くが自家消費か焼却処分されていたが、今後は施設を活用してジビエ食材としての流通を目指す。加えてジビエとして活用させる場合は、一頭当たり8千円の捕獲報奨金に千円を上乗せすることで捕獲の拡大を図るとしている。施設は木造平屋建て約10平方メートルで、解体台や冷蔵庫、流しなどを配備。同町の猟友会(田畑博代表)が管理し、持ち込まれた鳥獣を解体、加工して併設した販売所での販売を予定している。工費約200万円のうち、半額を市が「同市鳥獣害に強い地域づくり支援事業補助金」として補助した。同市が認定するジビエ加工施設は、志摩市内では今回が初めてだが、伊勢市内にある施設を含めると2軒目。竹内市長は「志摩市のドングリの木が多い森で育ったイノシシは味も良く高級食材としても期待できる。地域資源として有効活用を図りたい」と話していた。

(未利用魚も害獣も、社会課題を「ご馳走」に変えた会社:東京)
一般の市場に出回らず廃棄されてしまう、未利用魚や害獣を使用したケータリングサービスがある。提供するのは、オイシックス・ラ・大地のグループ会社CRAZY KITCHEN(東京・品川、クレイジーキッチン)。メニューには、引退した競走馬などの馬ふん堆肥で育った岩手県産八幡平産のマッシュルームや獣害が問題となっている石川県産イノシシのグリル、後継者不足で悩む棚田米(新潟県産)などを揃える。フードロスや環境保全を意識したケータリングサービスで、食材にまつわる社会課題の解決につなげる考えだ。

(シカ肉料理を学食で提供:徳島)
ジビエ(野生鳥獣肉)料理を味わってもらおうと、徳島文理大はシカ肉のシチュー100食を食堂で限定販売した。シチューは、県主催の「阿波地美栄」料理レシピグランプリで優秀賞になった短期大学部2年の塩本三桜さん(19)が考案。那賀町で購入したシカのもも肉を薄く切ってジャガイモやニンジンと炒めた後、デミグラスソースを加えて煮込んだ。短期大学部2年の西野彩さん(20)が考案した「シカ肉のカツレツ」とセットにして450円で販売し、1時間で完売した。人間生活学部1年の西村陸玖さん(19)は「シカ肉を食べたのは初めて。おいしい」と話した。食堂では毎年この時期に学生が考案したシカ肉料理を提供している。

("ジビエ肉"を活用できる地域おこし協力隊募集:長崎)
長崎県五島市は1月24日、ジビエ肉の利活用を普及させるため、新たに地域おこし協力隊の募集を開始した。募集人数は1人で、任用期間は4月から1年間(活動実績により更新、最長3年)。来月以降に応募書類や面接による選考を予定している。募集対象の活動は「ジビエ肉を活用した有害鳥獣対策」。捕獲したシカやイノシシの食肉の処理技術を市民間に根付かせることが期待されているほか、地域コミュニティの活性化を行うことも求められるという。五島市は人口約3万7000人(2019年12月末現在)の離島自治体。自然景観と文化的歴史的資産が豊かな観光地で、18年には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化遺産に登録された。同市は応募条件に、五島市に生活拠点(住民票)を移すことに加え、活動期間終了後も五島市に定住して起業・就業の意欲がある人、運転免許を持っている人、SNSなどで情報発信できるなどを設定。これらは他の地域の協力隊でも求められることだが、今回はジビエ肉の活用に特化した協力隊の募集であるため、「解体経験があり、都道府県知事による狩猟免許(わな猟免許)を受けている方、または、過去に同免許を受けていた経験があり、今後、再取得する意思のある方(ただし、欠格事項に該当する者は除く。)」という条件も付いている。さらに「集落に物怖じせずに積極的に入っていけるコミュニケーション能力」も必要になるようだ。雇用形態は五島市の任期付短時間勤務職員で、週5日30時間勤務。給与は月額19万7574円、賞与は年2回。福利厚生として住居無償貸与、健康保険・厚生年金・雇用保険加入などがある。

(カフェ開業へ、ジビエ料理提供も検討:神奈川)
丹沢の登山口にある県立秦野戸川公園(秦野市堀山下)内のレストハウスに2月8日、飲食物販店「YAMA CAFE(ヤマ カフェ)」がオープンする。公募で選ばれた、丹沢の活性化や環境保護に取り組むNPO法人が運営。将来は、食害で農家を悩ませるイノシシなどの肉を活用したジビエ料理を提供するほか、登山やアウトドアを振興する拠点にもしたい考えだ。市観光振興課によると、ハウス内には元々、市民が経営する飲食店兼売店があった。だが後継者不足で、2018年2月に閉店。9カ月後にコンビニがオープンしたものの、集客が進まず、1年を持たずに撤退した。丹沢の“玄関”を活気づけるため、市は昨年10月から11月にかけ、公募型プロポーザル方式で飲食物販店を募集。NPO法人「丹沢を愛する会」のみが応募し、審査の結果、22年末まで空き店舗を運営する事業者に決まった。

(美郷の山くじら肉、スリランカ初輸出:島根)
島根県美郷町が「山くじら」と呼ぶイノシシの肉が、町と連携協定を結ぶ鳥獣害防止機器製造販売のタイガー(大阪府吹田市)を通じ、スリランカに定期的に輸出されることが決まった。昨年12月に初めて輸出したところ、高級レストランで使われ好評だった。町産イノシシ肉の海外輸出は初めてで、関係者はブランド化の後押しになると期待する。

(秘境で狩猟体験とジビエ肉を堪能する:徳島)
日本三大秘境に数えられる徳島県三好市は、この度、地域外からの関係人口創出を目的とした新プロジェクト『たまには地域おこす課』を発足いたしました。今回は、新たなミッションとして、2月1日(土)と2月2日(日)に開催される『ジビエ体験』の参加者を募集いたします。自然豊かな徳島県三好市では、農作物を荒らすシカやイノシシなどの害獣被害が深刻化しています。しかし、彼らもまた山の大切な命。ただ駆除してしまうのではなく、しっかりと処理をすれば、牛や豚にも負けない旨みのある美味しいジビエ肉としていただくことができるのです。今回は山での簡単な狩猟体験とジビエ肉をいただくことで、山間部の暮らしを体験していただけます。

(ジビエおいしいよ:山口)
県立大の学生が、イノシシやシカなどの野生鳥獣肉「ジビエ」を使った家庭向け料理の開発を進めている。25日に山口市の道の駅「仁保の郷」で試食会を開き、味だけでなく調理の手軽さや栄養価の高さもPR。3月にはレシピ集にまとめる予定で、普及や消費拡大につなげる。県の委託を受け、地産地消の推進に取り組む看護栄養学部栄養学科の5人が昨年4月から進めてきた。ジビエの「臭い」「硬い」といったイメージが出にくい味付けを模索し、調理しやすい7品を考案。先月学内の食堂で定食を販売した。この日は食品衛生法で許可された施設で処理された肉を使い、イノシシ肉のチーズソテーと、シカ肉を使った瓦そばを用意。道の駅を訪れた人に、「水洗いして臭みを取る」など調理法を記したレシピも渡した。試食した周南市の主婦、山本雅さん(41)は「子どもも食べやすく臭みもない。違和感がなかった」と味の良さに驚いていた。同学科の山崎あかね准教授によると、ジビエは牛や豚などの肉に比べ脂分が少なく栄養価も高いという。料理の硬さや臭み、ジビエの印象を尋ねるアンケートも行い、レシピ集に反映させる。3年の仁井桃恵さん(21)は「ちゃんと処理、調理された肉で作れば、ジビエの印象は変わるはず。自宅でも手軽に作ってもらいたい」とアピールした。

(家庭にジビエ料理を:京都)
普段の食卓でもジビエ料理が気軽に楽しめるようにと、京都府中丹広域振興局は特選レシピを決める「家庭向けのレシピコンテスト」を開いた。福知山市駅前町の市民交流プラザで23日、最終の実食審査があり、応募者がシカやイノシシの肉を使い実際に調理した。中丹振興局管内では、毎年1万1千頭を超えるイノシシ、シカが捕獲、狩猟されるが、ジビエとして活用されているのは5%の560頭ほどだという。そこで、府は2013年からジビエ料理の振興を図っており、その一環として今回初めてコンテストを催した。メニューは昨年10月から12月まで、府内在住、在勤者を対象に一般公募した結果、10点の応募があった。このうち、書類審査を通過した5点が、応募者による調理と審査員の実食の最終審査を受けた。審査員は、精肉・猪肉・鹿肉の店浜の女将、大濱久子さん、有限会社田舎暮らしの中島健太郎社長、NPO法人里山ねっと・あやべの村上宏明さんが務めた。市内からは森田雅子さんが「鹿肉のそぼろしぐれ煮」、北井純子さんが「おいしかどんぶり」で参加。峰山高校弥栄分校など他の参加者とともに調理をし、審査員に出来立てを用意した。森田さんは「今までジビエ料理はあまりしたことがありませんでしたが、挑戦しました。ヘルシーで食べやすいです。何にでも合わせられる一品が出来ました」。北井さんは知人のジビエ教室を手伝ったり、家庭にもジビエを取り入れていると言い、「調理ではニンニク、ショウガを利かせ、臭いに気を付けています。鹿肉はさっぱりしておいしいですよ」とアピールしていた。審査は家庭で手に入る食材で出来ているか、調理の簡単さ、味などの基準で判定した。特選レシピは後日発表し、振興局ホームページと料理情報サイト「クックパッド」の府公式ページで紹介する予定にしている。

(イノシシおいしく料理:富山)
野生鳥獣の肉、ジビエを使った料理教室が二十五日、富山市湊入船町のサンフォルテであった。ジビエの普及を目指している県の政策の一環で、約二十人が調理法を学んだ。料理研究家の山崎亮子さんがイノシシ肉を使った鍋料理などを披露した。ジビエ独特の臭みを抜くために酒に一晩漬け込むことで、臭いがとれ、やわらかい食感になると説明。「ジビエは栄養価が高く、下処理をすれば何も気にすることなくおいしく食べられる食品」と紹介していた。県によると、二〇一八年に県内で出た野生鳥獣による農作物の被害額は六千六百三十四万円。そのうち八割がイノシシによるものだった。被害を抑えようと、野生イノシシの捕獲を進め、同年には六千頭近くを捕らえた。県は捕まえたイノシシを利活用するために、ジビエの処理施設を同年、県東部の二カ所に増設したり、イベントでジビエのPRをするなどして、普及を図っている。県内では、スーパーなどでジビエの販売がされていないが、富山市と黒部市、上市町の精肉店五店舗で購入できる。

(小中学生がしし鍋食べて防災訓練:高知)
南海トラフ地震を想定した小中学生の防災訓練が26日、高知県四万十市国見の東中筋小学校であった。イノシシ2頭分の肉が入った「しし鍋」を使った炊き出し訓練もあり、子どもたちが真剣に取り組んだ。訓練には、同小と東中筋中学校の約90人の児童・生徒が参加した。今年は初めて、日ごろから防災活動を続けている地元の県立中村高校の生徒会のメンバー8人が講師役で参加した。高校生は地震にまつわるクイズを出したり、防災グッズの準備の大切さを説明したりした。2年の土居弥生さん(16)は「みんな一生懸命に聞いてくれてうれしかった」と話した。

(給食用「わかやまジビエ」試食会:和歌山)
県内で捕獲され、処理、加工されたイノシシやシカの肉、「わかやまジビエ」を使った料理を学校給食に活用しようと、給食用にアレンジしたジビエ料理の試食会が今日、和歌山市で開かれました。今日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で開かれた試食会には、学校給食の関係者や校長など教育関係者ら55人が参加しました。今回、試食が行われたのは、鹿肉を使ったそぼろコロッケや五目チャーハンのほか、猪肉を使った中華スープなど、ホテルアバローム紀の国の佐藤喜久一郎総料理長が考案した8種類の料理です。参加者は、肉の旨みを残しつつ、ジビエ特有の臭みや硬さを和らげる様々な工夫について、熱心にメモを取るなどしながら料理を味わっていました。また合わせて行われた食育についての研修会では、講師を務めた文部科学省の職員が、食育推進の現状と課題を把握した上で指導の目標を明らかにし、成果や課題を次の年度につなげていくことの重要性を強調しました。

(“勝負メシ”はキジ鍋うどんと猪肉カレー:大阪)
将棋の第69期大阪王将杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)第2局2日目は26日12時30分から昼食休憩に入った。渡辺明王将は「キジ鍋うどんと寿司定食」の寿司抜き、広瀬章人八段は「猪肉カレー」(サラダ、海老フライとカキフライ付き)をそれぞれ注文した。いずれも山水館の名物料理です。

(イノシシ被害減らしたい、獣医学部生らが島で合宿:愛媛)
昨年12月末、愛媛県今治市の伯方島の山中。地元猟友会の男性が、オレンジのつなぎ服を着た学生たちに説明した。「ここが獣道だから、あっちからくるやつを餌でつる」。男性の指導のもと、学生の一人が、イノシシが踏みつけるとバネの力でワイヤが締まって足首をくくる「くくりわな」を仕掛けた。岡山理科大獣医学部の単位認定を伴わない準正課科目「野生鳥獣リスクマネジメント学」の一環の伯方島合宿だ。伯方島や大島、大三島など、今治市の島嶼(とうしょ)部には20年ほど前までイノシシはいなかったが、その後、海を泳いで渡ってきて繁殖。農業被害が年々広がり、2018年度は約7・4ヘクタールの農地がイノシシに荒らされた。被害額は約1100万円に上り、その約86%は果樹の被害という。

(動物の痕跡探そう:兵庫)
神戸市北区山田町藍那の「あいな里山公園」で、シカやイノシシなどの足跡やふんなどを探して歩く「野生動物のフィールドサイン観察会」が開かれた。里山の生き物と人との共存のあり方を考えるプログラム。親子連れら約20人が参加し、冬の森で動物たちの痕跡を見つける散策を楽しんだ。

(生田神社『文鹿祭』:兵庫)
生田神社(神戸市中央区)で2月25日、『文鹿祭』が開催される。入場無料。同イベントは、農林業被害や森林生態系への深刻な影響を与えるニホンジカについて、地域資源として活用する重要性を広く啓発することを目的に実施され、今回で6回目。当日は、高タンパク・低カロリーで鉄分やミネラルも豊富なシカ肉を使ったコロッケやシューマイ、イノシシ肉グルメといったジビエ料理の販売をはじめ、シカ革製品や有名店のスイーツ、農産品、日本酒などの屋台も境内に軒を連ねる。また、NPOメダカのコタロー劇団による“環境アニメ紙芝居”、今村モータース・にこいち・BABYBABYによる音楽ライブも行われ、会場を盛り上げる。

(女子高生、シカ解体など体験学習:長野)
飯田女子高校(飯田市)の生徒らが、命をいただく重みについて学ぶ体験学習が25日、飯田市上郷公民館であった。同市南信濃の猟師益山勝人さん(42)が講師となり、食品ロスや地域の害獣問題などについて講演し、シカの解体を実演。生徒らも皮を剥ぐことに挑戦し、「命を食べる」ことの意味を考えた。地域理解を深めて生徒の視野を広げようと、同校で全校生徒向けに開講している「飯女地域体験学習」の一貫。第五回となる今回は、一、二年生約二十人が参加し、飯田下伊那地域の狩猟文化に触れた。益山さんは、捕獲や駆除されたシカやイノシシのほとんどが、食肉利用されずに埋設や廃棄処分される現状を説明。近年は、こうした野生鳥獣肉(ジビエ)の利活用が各地で進められており、「私たちは何かの命をもらって生きている。命や地域、自然などがつながり合って、循環できるような社会づくりを考えてほしい」と呼び掛けた。講演後は、体長約一メートルの子ジカ二匹を解体。一匹は益山さんが皮を剥ぎ、骨から肉を部位ごとに切り落とした。もう一匹は生徒らが交互にナイフで皮を剥いでいった。二年の古瀬鈴乃さん(16)は「さばくことを通して命に直接触れるため、命をいただくことの感謝をより意識した」と話した。さばいた鹿肉は、カツレツとキーマカレーに調理して食べた。

(獣害対策の担い手として着任:埼玉)
2019年4月に埼玉県ときがわ町の地域おこし協力隊として着任した木下潤一さん(31)。使命は、3年間で狩猟技術を身に付けるとともに、捕獲鳥獣の食肉利活用について学ぶことだ。日常業務は、有害鳥獣捕獲の目的で町内の山の中に入り、設置したワナを見回りながら、町の地理や地形の調査をすること。また、農作物などの獣害にあった住民からの相談対応も行っている。同町産業観光課主査の伊得浩さん(48)は「彼の仕事は役場の机で座っていることではない。町や住民のことを知るためにも、積極的な行動が求められている」と話す。週に1回程度、狩猟技術を磨くために地元猟友会メンバーとともに、定期的に行われる巻狩りなどにも加わる。木下さん自身は着任以来、シカとイノシシを合わせて約30頭を捕獲したという。「人間の生活圏に入ってくる鳥獣を捕獲するだけでは獣害の抜本的な解決にはつながらない。今後は住民の方に自己防衛の必要性について意識を高めてもらえるよう働きかけていきたい」と意気込みを語る。

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(カモの死骸から鳥インフル:鹿児島)
環境省などは22日、鹿児島県出水市で回収されたカモ1羽の死骸を調べたところ、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表しました。環境省などによりますと、1月18日、出水市内でヒドリガモ1羽の死骸が発見されました。県の北薩家畜保健衛生所で鳥インフルエンザの簡易検査をした結果は陰性でしたが、22日、国立環境研究所で行った遺伝子検査で陽性反応が出たということです。今後、高病原性かどうかを調べる確定検査が鹿児島大学で行われ、1週間程度で結果が出る見込みです。環境省は22日、死骸の回収地点から半径10キロの範囲を「野鳥監視重点区域」に指定して、野鳥の監視強化を行っています。

(子グマ捕獲、冬眠できず出没?:青森)
深浦町大間越地区の海岸で22日、この時期に冬眠しているはずのクマが捕獲された。19日に地区住民から鯵ケ沢署に目撃情報が寄せられ、町が20日に箱わなを設置していた。同署管内では昨年12月下旬にも目撃情報があったことから、同署や関係機関は「冬でも山に入るときは注意してほしい」などと呼び掛けている。同署地域課は「秋にえさが捕れず、冬眠するだけの体力がないのでは」とクマの出没原因を分析。町農林水産課では「魚を干す作業など、冬場に屋外で食品を扱う場所に来る可能性もあり、気を付けてほしい」と呼び掛けている。

(県営住宅にクマ、捕獲も死ぬ:新潟)
21日朝、新潟県見附市の県営住宅の階段にクマがいるのが確認され、麻酔銃で撃たれて捕獲されましたが、その後死にました。麻酔が致死量に達した可能性があるということです。21日午前7時半ごろ、新潟県見附市の県営今町住宅の住民から「階段の踊り場にクマがうずくまっている」と警察に通報がありました。警察官が駆けつけたところ、4階と5階の間の階段の踊り場で、体長およそ1メートルのクマ1頭が動かないままうずくまっていました。警察は住民に外に出ないよう呼びかけ、一時県営住宅から出られなくなる人もいました。そしておよそ4時間半後の正午すぎに、市から委託を受けた業者が消防のはしご車で近づいて麻酔銃を3発撃ちクマは捕獲されましたが、その後、死にました。市の担当者によりますと、麻酔銃が3発命中したため、麻酔が致死量に達した可能性があるということです。現場は、JR信越本線の見附駅から北西に2キロ余り離れた住宅街で、近くには小学校や幼稚園があります。クマの生態に詳しい新潟大学農学部の箕口秀夫教授は「1月の真冬の時期に冬眠しないで活動していることは非常に珍しい」と話しています。そして、クマが冬眠するのは、寒さと空腹をしのぐための2つだとした上で、「この時期にクマが活動しているのは、異常気象ともいえる暖冬と山でエサが不足していることが影響している可能性がある」と述べ、暖冬とエサとなる木の実の不足が背景にあると分析しています。そのうえで、箕口教授は、「今後も市街地や人里にクマが出没する可能性はある。冬眠といってもぐっすり寝ているわけではなく眠りから目覚めると、いつもどおり、機敏な動きがとれるので、くれぐれも気をつけてほしい」と話していました。

(クマの目撃相次ぐ:北海道)
真冬にもかかわらず、ヒグマの目撃情報が網走市やオホーツク管内斜里町で相次いでいる。例年は冬眠している時期だが、専門家は記録的な少雪のため、簡単に雪を掘り返してドングリを食べることができるため―とみる。網走市三眺(さんちょう)では11日、国道を横切るクマを車で通りかかった男性が見つけ、網走署に届け出た。斜里町ウトロ地区の岩尾別川付近では14日、地元の人がクマを目撃し、知床財団(斜里町)に連絡。調べたところ、クマの足跡が発見された。

(サル被害相次ぐ、昨年末から4人:大阪)
大阪府北部を中心に、子どもがニホンザルに襲われる被害が相次いでいる。吹田、茨木、箕面の3市で昨年12月から15日までに4人が被害を受けており、21日朝にも目撃情報が寄せられた。府によると、サルに襲われてけが人が出るのは4年ぶり。見かけても近づかないよう呼びかけている。16日午後4時ごろ。大阪大箕面キャンパスに近い箕面市粟生間谷(あおまたに)東6丁目の公園で、住民からの通報を受けて駆けつけた市職員が、木の上に1頭のサルを見つけた。気配を察したのか、サルはすぐに姿を消した。前日の午前8時ごろ、市内の彩都粟生南3丁目にあるマンション駐輪場で、母親と5歳の男児がニホンザルに遭遇。母親が追い払おうとすると、男児の右足をひっかいて逃げる被害が出たばかりだった。山に近い箕面市だが、市街地でけが人が出るのは「知る限り初めて」(市の担当者)という。近くの市立彩都の丘小学校は市から連絡を受け、急きょ1~4年生を一斉下校させた。迎えに来た保護者の女性は「人に慣れたサルだから襲うのかな。怖いです」と話していた。市内では18日以降も目撃情報が相次ぎ、21日朝にも住民から通報があったという。

(珍しいイノシシの姿を映像で確認:青森)
十和田市の獣医師一山雄二郎さん(56)が21日、五戸町で運転中、青森県では明治期に絶滅したはずのイノシシらしき姿を目撃し、ドライブレコーダーに映り込んだのを確認した。映像を見た専門家は「頭の大きさや動きなどからイノシシに間違いない」と話している。

(イノシシどこに消えた?大多喜町で捕獲数激減:千葉)
大多喜町で、イノシシの捕獲数が激減している。山や農地を荒らす有害獣は、捕獲後に町内の道の駅で食肉処理。名物のジビエとして販売しているが“仕入れ不足”により在庫は残りわずかだ。

(イノシシが出没か:熊本)
熊本県警は21日、熊本市中央区黒髪6丁目で同日午前0時ごろ、体長約1メートルのイノシシ1頭が目撃されたとして、メールで注意を呼びかけた。

(非加熱の食物残さから感染か:沖縄)
豚コレラ(CSF)の感染経路を調べる農林水産省の疫学調査チームは23日、沖縄県内で発生した事例の調査結果を発表し、ウイルスが混入した非加熱の食品残さを餌として与えたため感染した可能性が高いとした。養豚場が国の定める飼養衛生管理基準を順守していなかった。玉城デニー知事は24日、江藤拓農相と面談し、ワクチン接種を要請する。非加熱の残さを使っていたうるま市の1例目の農場で感染。同市や沖縄市などの2~4例目の農場に車両などを介し、広がったとみられるという。死んだ豚の頭数が増えた時期などから、少なくとも11月下旬までには、ウイルスが侵入していたと推定した。1例目の農場から通報があったのは今月6日だった。残さを飲食店などから他の農場を通じて入手しており、「廃棄物の処理および清掃に関する法律」に違反する可能性もあるという。実際には非加熱だったが、県側に「加熱したものを使っている」との報告をしていたことも分かった。各農場で防護柵の未設置や、農場を出入りする人や車両の洗浄、消毒が不十分であることも指摘された。ウイルスの遺伝子を分析した結果、昨年1月に岐阜県で発見されたイノシシのウイルスと類似していた。これまで国内でCSFが発生した農場に由来するものではなく、新たに海外から侵入した可能性はないとした。潜伏期間にあるなどの理由で感染に気付かず、本州の農場からウイルスが付着した肉製品が沖縄に出荷され、残さに紛れたことも考えられるという。農水省は23日、全都道府県に、残さを使っている農場への立ち入り指導を求める通知を出した。疫学調査チームの津田知幸チーム長は記者会見で、「全国にすべての豚飼養農場で、飼養衛生管理を徹底する必要がある」と強調した。一方、県が23日公表した検査結果では、発生地域から3キロ圏内の移動制限対象区域は、24養豚場中22養豚場は陰性、2養豚場が調査・検査中。3~10キロ圏内の搬出制限区域は、52養豚場中44養豚場が陰性で、8養豚場が調査・検査中となっている。

(豚コレラ、人の移動による感染か:沖縄)
江藤拓農相は21日の記者会見で、県内で確認されている豚コレラ(CSF)に関し、人の移動による感染の可能性を指摘した。23日に省内で疫学調査チームの検討会を開き、感染経路などの調査結果が報告される。県は20日、県内のCSFウイルスが、国内で確認されている遺伝子型と同一だったと発表している。本土の場合はイノシシによる感染とみられているが、江藤氏は「(イノシシが)泳いでいけるはずのない沖縄で発生した。一番考えられるのは、人の移動によるものかもしれない」との見解を示した。「あらゆる可能性を排除できない」とも述べた。ウイルスの感染経路の解析については「全力を尽くしたいが、なかなか難しいと思っている」と特定を困難視した。疫学調査チームの調査結果を踏まえ、今後の対応を慎重に議論する見通し。県が検討している豚へのワクチン接種に関しては「(県から)要請をいただいて、われわれがもたつくことがないように、態勢を整えて待ちたい」と述べ、迅速に対応できるよう備える考えを示した。

(ワクチン接種表明:沖縄)
沖縄県は豚コレラ(CSF)ワクチンの接種決定に伴い、作業の進め方や必要な防疫措置をまとめた接種プログラムの策定を加速させる。ただ、飼養衛生管理基準の順守や接種に当たる獣医師の確保、野生イノシシの調査体制なども明確にしなければならず、策定後も国との協議が必要になる。県は「早めに実行できる体制を整えたい」とするが、現段階で接種開始の具体的な時期は見通せていない。県は現時点でCSFが確認された沖縄本島を接種の対象地域に想定している。また、本島は北部・南部の2カ所にと畜場があるほか一部の農家が北部に肥育農場、南部に繁殖農場を有しており、南部~北部で豚の移動が多いことにも着目。養豚場の生産活動への影響を極力避け、ワクチンの効果を上げるため、北部と南部の両側から接種を進めていくことを検討している。ワクチン接種に携わる人員の確保も課題だ。1回の接種には獣医師と作業を補助するスタッフなど4人のチームが必要になるとしている。1チームで対応可能な接種は1日当たり2千頭と計算するが、養豚場の規模や、施設の形状によって作業効率は変わる。また同じチームが短期間で複数の養豚場を回れば感染を拡大させる恐れもあるため、効率的な配置や必要な人員の割り出しを急いでいる。

(イノシシ、豚コレラ感染を確認:群馬)
県は21日、高崎市内で捕獲された野生イノシシ1頭の豚(とん)コレラ(CSF)感染を確認したと発表した。同日の遺伝子検査で陽性反応があり、感染が確定した。県内の感染事例は計18頭となった。監視対象農場の新たな指定はないという。

(新たに野生のイノシシから豚コレラ:石川)
先週から今週にかけて金沢市内で死骸で見つかった野生のイノシシ2頭がいずれも豚コレラに感染していたことが分かった。県によると1月14日に金沢市高尾町で、また20日には金沢市平栗でそれぞれ野生のイノシシ1頭が死んでいるのを付近の住民が発見した。県が遺伝子検査を行ったところ、いずれもCSFいわゆる豚コレラの感染が確認されたという。県ではこれまで231頭の野生のイノシシを検査していて、うち16頭から感染が確認されている。県内の養豚施設はすべてかほく市より北に集中しているが今のところ能登地域での感染は確認されていない。県では引き続き発見された地点から半径10キロ以内での捕獲調査を行い、感染状況の把握を進めている。

(豚コレラ感染の野生イノシシ、新たに7頭:滋賀)
滋賀県は20日、豚コレラ(CSF)に感染した野生イノシシが長浜、米原、彦根、東近江の4市で計7頭、新たに見つかったと発表した。8~15日に捕獲された。県内で感染が確認された野生イノシシは昨年9月以降、計110頭(長浜市51、米原市43、彦根市2、東近江市12、多賀町2)となった。

(豚コレラ対策、ワクチン埋設開始:栃木)
豚コレラ(CSF)対策で県は22日、感染源として疑われる野生イノシシ向けにワクチンを混ぜた餌の埋設を始めた。昨年末に県内でも養豚への予防的ワクチン接種が認められたが接種が始まるのは2月になる見通しで、感染防止はまだ道半ば。県は2020年度予算案にも約2億6300万円の対策費を計上する方針を固めている。

(豚コレラ、県内侵入防ぐ:茨城)
県は二十三日、県内各地で豚コレラ(CSF)の感染源とされる野生イノシシへの経口ワクチン散布を始めた。感染は近県でも確認されており、「いつ県内に入ってきてもおかしくない状況」と関係者の危機感は強い。水際対策で地元自治体や猟友会と連携し、十市町の二百四十七カ所で二月末にかけて二回ずつ散布する。CSFは、野生のイノシシが媒介し、飼育豚に感染を広げているとされる。県畜産課によると、感染したイノシシはこれまで県内では見つかっていないが、ワクチン散布によりイノシシに免疫をつけさせて感染を防ぐ狙いだ。散布は、トウモロコシなどを原料にしたビスケット状の餌にワクチンを入れ、餌場になりそうな畑などの近くに埋める。土を掘り起こして餌をあさるイノシシの習性を利用して食べさせる方法で、欧州で効果が実証されているという。飼育豚や野生イノシシの感染が確認された群馬や埼玉に近い四市町(古河、境、五霞、坂東)と、栃木県境やその近くで野生イノシシが生息している六市町(大子、常陸大宮、城里、笠間、桜川、石岡)で散布する。この日、常陸大宮市舟生では、県職員と猟友会のメンバー計四人が防護服をまとって作業。山林近くの民家から二十~三十メートル離れた畑の耕作放棄地に深さ十センチほどの穴を十カ所掘り、それぞれにワクチン入りの餌を埋めていった。散布の五日後に餌の状況を調べ、イノシシが食べたかどうかを確認して次回散布の参考にする。今後捕獲されたイノシシを検査し、抗体を調べる。二月中旬ごろには、県内の養豚場で飼育されている豚にもワクチン接種の予定になっている。県は、全国六位の四十六万頭余りの豚を飼育し養豚が盛んで、CSFが発生した場合、養豚業が甚大な被害を受ける可能性がある。CSFは二〇一八年九月に岐阜県で確認されて以降、これまでに一府九県の養豚場で確認されているという。県は対策のため、ワクチン接種できるよう国に要望してきた。畜産課の棚井幸雄技佐は「何としてもCSFの侵入を防ぎたい。ワクチン散布する十市町では特に興味本位で山に入らず、入った場合は、泥はきちんと落とすように注意し、感染が広がらないようにしてほしい」と話す。

(豚コレラワクチン初回接種完了:埼玉)
CSFいわゆる豚コレラの感染を予防するため、125の農場や施設で飼育されている豚やイノシシ、7万7751頭に対する初回のワクチン接種が、22日完了しました。県は、去年11月1日から県内で飼育されているすべての豚とイノシシを対象に、ワクチンを接種していて、新たに産まれた子豚などへの追加接種も始めているということです。

(イノシシ感染3ヵ月、終わり見えぬ豚コレラ対策:静岡)
静岡県内で豚コレラ(CSF)に感染した野生イノシシが初めて確認されてから3カ月たった。県は飼育豚へのワクチン接種を進め、農場での発生は食い止めている。出荷制限による影響も緩和する見込みだ。ただイノシシの感染は拡大の一途をたどり、アフリカ豚コレラ(ASF)の脅威も収まっていない。県や業界は引き続き防疫の徹底に万全を期す構えだ。

(狩猟の魅力知って:大分)
狩猟の魅力を知ってもらおうと、環境省と県などは18、19の両日、日田市羽田の羽田多目的交流館でセミナー合宿を開いた。初心者を含めて県内外から12人が参加。

(自らわな猟、離農ゼロへ:熊本)
農作物を獣害から守るため、熊本県の若手農業者のグループが自らイノシシの駆除に乗り出した。情報通信技術(ICT)も使い、年間700頭以上を捕獲。「地域と畑は自分たちで守る」を合言葉に、獣害による離農者ゼロを目指している。グループは「くまもと☆農家ハンター」。同県宇城市の洋ラン農家宮川将人さん(41)を中心に設立された。自身は獣害に悩まされてはいなかったが、近隣農家が収穫前のデコポンを食い尽くされ「もう農業をやめようと思う」と肩を落とす姿に一念発起。地域の一員として「担い手が減ることで耕作放棄地が増え、さらに獣害が増える負のサイクルを止めなければ」と強く思ったという。2016年4月に知人の農家ら25人を集めてイノシシ対策の合宿勉強会を開催。その後ブドウやミカン農家、農産物販売業者らも加わり、現在メンバーは20~40代を中心に約120人に増えた。本業への負担を減らすため、捕獲には猟銃ではなくわなを使う。「猟銃で仕留めようとイノシシを追い掛けては農業に割く時間が奪われてしまう」(宮川さん)。メンバーはわな猟の免許を取得し、猟友会などからアドバイスを受けて鉄製のおり「箱わな」による猟を習得。箱わなや周囲に通信機能付きセンサーやカメラを取り付けてイノシシが近づけばスマートフォンに画像を送る仕組みも構築し、確認のため見て回る手間を減らした。捕獲したイノシシは食肉用として販売するほか、骨や内臓など通常捨てられる部位もペットフードや肥料に加工して活用している。19年1月に事業会社を立ち上げ、同10月には直営の処理加工場も建設した。農林水産省によると、18年度の全国の獣害による被害額は158億円に上る。宮川さんは「農家ハンターの目的は、獣害による離農をゼロにすること。獣害をなくし地域の好サイクルを構築したい」と話している。

(高校生が獣害の対策学ぶ:愛知)
20日、愛知県新城市の県立新城東高校作手校舎で、獣害対策の勉強会が行われました。講師をつとめたのは、猟師やジビエ料理店の店主らで、イノシシやシカを捕獲するわなの紹介や、駆除した動物の有効活用の大切さを説明しました。新城市では農作物の被害のほか、シカと車の衝突事故が1年間で約120件起きるなどしていて、高校生ら若い世代が野生動物から地域を守る力として期待されています。

(社会学者の視点で見る獣害軽減法:兵庫)
野生動物の学習会「地域で取り組める獣害対策の成果や可能性」がこのほど、兵庫県丹波市の「青垣いきものふれあいの里」であった。約70人が、県森林動物研究センター主任研究員の山端直人さんから、柵の点検・補修と「柵で囲う+捕獲」で獣害を減らした集落の事例を学んだ。要旨は次のとおり。私は野生動物の専門家でなく、社会科学者。獣害を防ぎ、減らすのが仕事で、それを地域と一緒にやっている。「買えばええやん」とまちの人は言うが、自分で作ったものを自分で食べたい、あげたいのが農業。その価値は代えがたい。被害金額以上に、農村の人たちは獣害で困っている。動物は、餌と危険を天秤にかけている。里の危険が少なく、食べ物があるから獣害が起こる。「集落は危ない、餌が少ない」にしていかないといけない。「集落が安全で餌がある」原因は5つ。1つは餌。例えば「ひこばえ」(樹木の切り株や根元から生えてくる若芽など)など、人が被害と思っていない餌がある。「ひこばえが自分のものだ」と思っている人はいないが、結構な量がある。無意識に餌付けしているようなもので、人間が原因を作っている。2つ目は、柵で正しく囲えていない。金網を張ってもメンテナンスが行き届かないと、下から潜り込まれる。3つ目は、隠れる場所がある。1メートルくらいの茂みがあると、動物がいても分からない。4つ目は、サルの場合、正しく追い払えていない。5つ目は、効果的な捕獲ができていない。害を及ぼしている「犯人」を捕らないといけない。里に近い所では、箱わな、くくりわなで捕獲しなければいけない。集落の餌場価値を下げる「シカ、イノシシの対策の5箇条」(表参照)のうち、(1)―(4)は住民ができる対策。(5)は行政の仕事。動物に「安全だ」と経験させてはいけない。電気柵は、正しい高さに通電し、感電させ、「ここに近づくと怖い」と覚えさせることが大切。冬に作物がないからと、電気柵の電気を落とすのは駄目。一度行き来すると、次から電気を通しても死ぬ訳ではないので効果がない。イノシシは、地面から20センチの高さに電気線を設置すると侵入できなくなる。ちょっとした工夫で守れる。電気柵を点検する時は、1本の棒に、シカとイノシシが触れる高さの20センチ、40センチ、60センチ、90センチの目印をつけて持ち歩けば、線が適切な高さか確認しやすい。集落ぐるみの取り組みで、兵庫県相生市の小河地区では獣害を大きく減らした。毎月2回、獣害柵パトロールをし、補修する。農家でない人も含め、交通当番のような形で全員でやっている。柵で守っていてもどこからか入ってきてすっきりしないので、わなで加害個体を捕獲しようと、集落の代表者に狩猟免許を取ってもらった。そして、免許を取得した人任せにせず、わなに餌付けするための餌やり、わなを移動させる時のサポートなどをする。「柵で囲い、捕獲する」効果がてきめんで、被害額350万円が30万円に減った。丹波市は、柵は非常に多く設置されている。もうあと一歩。「柵のメンテと捕獲」という正しい対策をすれば防げる。集落で獣害対策に取り組みたいところは連絡を。捕獲技術や運営体制づくりなどの支援ができる。人口減少社会、高齢者社会でも地域の課題を解決できるモデルとして、獣害対策は最適と考える。

(シカ食害シンポ:高知)
香美市物部町の三嶺周辺などで深刻化するシカ食害について考えるシンポジウムが25日、同市土佐山田町宝町2丁目の市立中央公民館で開かれる。「三嶺の森をまもるみんなの会」が主催。大阪産業大学大学院の前迫ゆり教授が「シカは日本の自然をどう変えたのか」と題して講演。環境省四国事務所や香美市職員も現状を報告する。

(獣害対策に関するIoTの実証実験:山梨)
日本の林業は、現在、戦後の積極的な造林により人工林の半数以上が伐採適齢期を迎えており、林野庁の発表によると、国産材利用の増加等を背景に木材自給率が上昇傾向にある。一方で、林業従事者数は30年間で約1/3まで減少している。加えて、林業従事者は伐木作業中の倒木事故などの労働災害が多く、死傷率は全産業平均の約10倍と最も高く、早期の対応が急務とされている。また、持続可能な森づくりや災害対策の観点から、伐採後の植林や育林の必要性が高まっているが、シカ等の動物による新苗等への食害が深刻になっている。このような課題に対応するため、IoTの活用が期待されているが、山間部では、IoTを活用するための通信環境そのものが整っていないことが問題となっている。こうした中、山梨県小菅村、北都留森林組合、株式会社boonboon、株式会社さとゆめ、東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)は、豊富な森林資源を有する小菅村山間部にIoTを実装して、林業に関する課題解決及びSmart Villageの実現に向けた実証実験を2020年2月から開始する。同実証実験ではまず、森林面積95%の小菅村に、LPWAの規格で最大送信出力である250mWの機器で長距離通信を可能にし、中継機のメッシュマルチホップ機能により広範囲へのエリア拡張を実現することで、従来無線の届きにくかった山間部のネットワーク環境を構築する。メッシュマルチホップ機能とは、無線機に備え付けられたセンサーを中継器として利用し、広範囲におよぶ通信を可能とするネットワーク技術のことである。そして、以下の内容を2月中旬から9月までの期間、実施する。シカ等の獣害対策 子機に内蔵されたセンサーが罠の作動を検知した際、予め指定した宛先に捕獲通知がされ、捕獲の早期発見・駆け付けや巡回ルートの最適化が可能になる。また、巡回が困難な場所には、カメラを設置して、捕獲有無や害獣種別・大きさ等を画像で確認することで、巡回稼働の効率化を図る。今後は、多様なパートナーとともに、林業業界の他の課題へのICT実装やデジタルトランスフォーメンション化の検討を進める。また、同実証実験で整備したLPWAのネットワークをSmart villageの基盤として、他の産業への活用を通じた地域の活性化や地域経済の循環を目指すとした。

(環境シンポジウム:和歌山)
地域住民が一体となって森林環境をよくしていこうと、みなべ川森林組合主催の「世界農業遺産環境シンポジウム」が18日、みなべ町役場で開かれ、町内外から約60人が参加した。奥山保全や森の再生活動に取り組んでいる日本熊森協会会長で弁護士の室谷悠子さんが講演で、放置されている人工林を広葉樹の天然林に戻す取り組みの必要性を訴え、「豊かな森を次世代へつなごう」と呼びかけた。兵庫出身の室谷さんは中学生のとき、当時の南部川村清川で山が荒れてエサがなくなりツキノワグマが人里に現れた記事を読んだのをきっかけに、「環境破壊という原因を作った側の一人として、ツキノワグマの絶滅を止めることをしなければ」と活動を始め、今はクマの棲む豊かな森を次世代へつなぐ活動に取り組んでいる。森は広葉樹の大きな根や大量の落ち葉、ふかふかの土壌によって農業や林業、漁業、工業などあらゆる産業を支える基盤となっていたが、戦後の森林政策によって大量に破壊され、日本の森林全体の4割がスギ、ヒノキの人工林になっていると説明。紀伊半島は6割を超えており、外から見れば青々して美しい人工林も、実際は私有林の7~8割が間伐等がされず放置されている。間伐がされないと日光がさえぎられて下草や腐葉土がたまらないため根が育たず、保水力をなくし、湧き水も減少、降った雨が表土を流して災害等も引き起こしており、「生き物が棲めないような森が人の命や財産を奪っているのが現状」と警鐘を鳴らした。さらに、かつてのように人と動物が共存できるよう、奥山、尾根、山の上3分の1、沢筋、急斜面の5カ所を自然林に戻すことを提唱。「森林環境税で放置人工林を天然林化させたい。人工林を切って、広葉樹を植えて山を再生させる。50年、100年かかる大変な作業だが、地域が一体となって豊かな森を次世代へ残していこう」と行動を起こすよう求めた。NPO法人Bee Forest Clubの吉川浩代表は日本ミツバチが減少している現状から同じく森林環境について講演し、「ミツバチがいない森はどんぐりも少なく、動物たちも棲めなくなり、川や海の生物も減って農業や漁業に大きな影響を及ぼす」と危惧。日本ミツバチを増やすために巣箱の設置等の事業を行っており、「犬や猫を飼うように、いつかは一家に1箱の巣箱がある、そんな風になるように活動していきたい」と協力を呼びかけた。

(手作りで獣害伝える猿新聞:三重)
強く印象に残っている取材がある。ある日、農家の人がサルを畑から追い払っていた。が、サルが自分の畑から出て隣の畑に入ると、農家の人は追い払いをやめてしまった。これではいかん。やはり獣害には、個人ではなく地域ぐるみで向き合わなければならない。私は三重県名張市で、無料の月刊紙「猿新聞」を14年ほど出し続けている。サルやシカなどの目撃情報、被害現場のルポ、有効な対策手法の解説など。獣害を伝える手作りの新聞は当初、自宅周辺の数十軒に配るだけだったが、その後、名張鳥獣害問題連絡会が協力してくれるようになり、現在は市内各地に計約1500部ほどを発行している。連絡会のホームページでも閲覧が可能だ。2006年か07年だったと思う。名張でも獣害が本格化していた。発信器を付けたサルの行動を追跡しているNPO法人「サルどこネット」が、インターネットを通じて名張周辺のサルの位置情報を提供していることを知った。だが、そのことを知る人は周りにほとんどいない。年配の方々がパソコンや携帯電話を使いこなしているとも思えない。せっかくの情報、紙で渡してあげないといかん。自宅のパソコンで新聞づくりに取りかかった。定年まで会社勤めをしていたこともあり、パソコンについては多少の知識があった。サルどこネットの利用法や防護ネットの紹介、サルの生態などを写真入りで1枚紙にまとめた。家庭用プリンターで印刷して近所に配った。この時のタイトルは「サル追いはらいたい 猿新聞」。当初はすぐやめるつもりで、発行日も入れていなかった。私が一方的に配ったものなので感想を期待していたわけではない。が、中には「いつも読んでるよ」「いいこと書いてるやないか」なんて声を掛けられることもあった。やはり読者の声は力になる。被害情報が入るたび現場に向かった。いつの間にか、月1回の刊行が当たり前になっていた。15年8月、静岡県で動物よけ電気柵による感電死事故が発生した際など、何度か号外も出している。当初は自宅の家庭用プリンターで作っていたので、とにかくインク代が高くついた。現在は名張鳥獣害問題連絡会を通じて専門の印刷所が印刷している。連絡会の有志の方がサルの出没状況について執筆し、新聞全体の校正もしてくれる。自分1人ではどうしても行き届かない面が出る。ありがたいことだ。新聞作りで一番しんどいのがネタ探し。毎回毎回、取材に行けるような被害の現場があるわけではない。そんな時は獣害に関する総論を書くことになるが、十何年も続けているとある程度同じようなことを書かざるをえない。獣害に関する啓発が目的なので、それはそれで意味のあることだとは思うが……。近年の名張周辺では、サルだけでなくシカやイノシシ、ハクビシン、アライグマ、ヌートリアなど多様な動物が現れるようになった。シカなどにも発信器をつけて追跡することができたらいいのだが。17年には、インターネットで猿新聞を読んでいるという英国の大学の人類学者から連絡があり、わざわざ私の自宅まで話を聞きに来てくれた。人と動物の共生というテーマは全世界共通のもの。農作物をどう守るかという直接的な対策だけでなく、生態系や生物多様性をどう保全していくかといった視点も忘れずに、今後も猿新聞を作り続けていくつもりだ。

(シカなどの独自のメニュー:高知)
シカやイノシシなどのジビエ料理を高知県内17市町村の51店で楽しめる「よさこいジビエフェア2020」が始まっている。「イノシシのすき焼き」「鹿バーガー」「猪肉のビール煮込み」など独自のメニューが楽しめる。県鳥獣対策課の企画。3月13日まで。各店の住所や営業時間などを掲載したガイドブックは、道の駅や各市町村、県庁県民室などで無料で入手できる。2店の料理を食べてアンケートに回答すると、「猪鹿工房おおとよ」(大豊町)のシカソーセージとイノシシスライスのセットが10人に贈られる。県鳥獣対策課によると、県内の鳥獣による農林水産業などの被害額は約1億4千万円。県は捕獲の報奨金を増やすなどして捕獲頭数は約2倍に増加。ジビエとしての利用頭数も4年間で約1・8倍に増加したが、捕獲頭数の2・4%で、全国平均(9・5%)と比べて低い水準にあるという。

(ジビエ料理と県産ワインを堪能:鳥取)
ジビエ料理とワインの祭典「とっとりジビエフェス」が21日、鳥取県米子市明治町の米子ワシントンホテルプラザであった。県内の料理人が鹿肉やイノシシ肉を使って腕を振るった料理と県産ワインを、来場者約210人が堪能した。県内の旅館やホテル、飲食店など17事業者が料理を各1品提供。八つのワイナリーが赤ワインなどを並べた。

(ジビエコンテスト、最優秀賞はイノシシ天ぷら:千葉)
千葉県は20日、県内産のイノシシやシカを使った料理づくりを競う「房総ジビエコンテスト2020」を千葉市内で開催した。応募した25人の料理人のうち書類審査を通過した5人が出場し、調理を実演。有名シェフや食に詳しいSNS(交流サイト)のインフルエンサーらが審査し、佐倉市の日本料理店「風流」の亀井伸也さんを最優秀賞に選んだ。最優秀賞の「いのししの角煮の天ぷら 地元野菜を添えて」はサクッとした衣の食感と、柔らかく煮込んだイノシシ肉のジューシーさのコントラストが持ち味。一般的にジビエは欧風料理のイメージが強いが「和食の技法を使うことで食べやすく仕上げた」(亀井さん)という。コンテストは県産ジビエの消費拡大を目的に19年にスタートし、今回で2回目。審査員を務めた滝川伸輔副知事は「有害な動物として駆除したイノシシやシカをおいしくいただくことで、資源の有効活用につながる」と話している。

(ジビエ料理キャンペーン:徳島)
徳島県内で捕獲されたシカやイノシシなどの野生動物の肉、ジビエを多くの人に楽しんでもらおうと、徳島市などの飲食店がジビエ料理を提供するキャンペーンを行っています。このキャンペーンは、ジビエの消費拡大を目指す徳島県が主催したもので、徳島市などの13の飲食店が今月17日から来月29日まで、手頃な価格でジビエ料理を提供します。キャンペーンの初日(17日)には徳島市内で関係者向けのオープニングイベントが開かれ、県内で捕獲されたシカ肉料理7品が提供されました。このうち、「シカ肉のローストビーフスタイル」は、シカ肉をニンニクなどで味付けして焼いたものでしっかりとした肉の味を堪能することができます。また「カツレツ」は、薄く切ったシカ肉を揚げて、サクサクした食感に仕上げたもので薄めのチーズソースが肉の味わいを引き立てています。参加者たちは、次々と運ばれてくる料理を試食しながら「うまい」、「ええ味しとる」などと声をあげていました。参加した男性の1人は「臭みもなくとてもおいしく食べることができました」と話していました。また、別の参加者の女性は「どの料理もおいしいので、ぜひ皆さんにも食べてほしいです」と話していました。

(命の尊さとおいしさ実感ジビエ給食:福井)
福井県小浜市内の小中学校で1月21日、野生鳥獣肉を使ったジビエ給食が始まった。24日にかけて全11校で提供する。市は有害鳥獣の影響を学ぶ総合学習に力を入れており、命の大切さを学ぶ食育と合わせてジビエ給食を導入。児童や生徒はシカ肉のタコライスに舌鼓を打ち、有害鳥獣の存在や影響を身近に感じるきっかけにしていた。県内自治体で全小中校での提供は県内初という。市は2012年度から、市内小中学校を対象にした「山から海へのつながりとケモノに関する総合学習」を実施。有害鳥獣による農作物被害のほか、山の下草や木の食害により土砂の流出を招き、海や川にも影響することを教えている。捕獲した鳥獣を無駄にせず、命のありがたさを実感する食育も兼ねて、14年度からジビエ給食を始めた。昨年度は3校だったが、本年度はいっそう取り組みを広げようと、全校実施を企画。市の依頼を受けた市内レストランオーナー、高野滋光さん(51)がタコライスを考案した。昨年7月に調理実習が開かれ、各校の給食調理員が作り方を教わった。給食で使ったのは、嶺南で捕獲され美浜町の施設で加工したシカのひき肉。タマネギ、ニンジン、シイタケ、レンコンと炒め、臭みが出ないようカレー粉やカレールー、ケチャップで味付けした。給食では児童がスライスチーズをちぎって盛り付けた。初日は3校で提供した。西津小では校庭にシカが現れることはあるが、ジビエ給食は初めて。2年の女子児童は「シカっておいしいのかな」と食べる前は不安だったが、食べやすい味付けに箸が進み、「また食べてみたい」と満足した様子。6年の男子児童は「豚や牛の方がおいしいと思っていたが、負けないくらいうまい」ときれいに平らげていた。市はジビエ給食を窓口に、各校で総合学習の実施を働きかけていく。

(ジビエ利用拡大を考慮した狩猟者の育成に係る講習会を開催:新潟)
狩猟免許を有する方を対象に、ジビエとして利用するための衛生管理等を学ぶ講習会を開催します。令和2年2月27日(木曜日)9時から16時まで、上越市柿崎区総合事務所、先着50名。

(ジビエと地ビールでコラボ:新潟)
越後の山々が紅葉に彩られた昨秋の早朝。水場を飛び立つカモを狙って銃を構えるベテラン猟師に交じり、オレンジ色のベストを着た高橋美佐子(47)の姿があった。「青首だ。ほら、そっちに行った」。土砂降りだった雨が上がった青空に、マガモの鮮やかな青緑色が映える。次の瞬間、響く銃声。だが、カモは飛び去った。「ちょっと遠かったかな」と高橋が首をかしげる。

(毎月第4火曜は鹿の日:北海道)
北海道は、農業や森林に被害をもたらすエゾシカを食べる活動に力を入れている。毎月第4火曜日を「シカの日」と定め、取り組みに賛同する飲食店・販売店を募集。これまで365店舗が登録し、多様な料理を提供する。高速道路パーキングエリア(PA)の管理運営会社なども鹿肉メニューのコンテストを開き、入賞した料理を提供している。道によると、牧草、テンサイなどの農作物や森林樹皮への食害など、エゾシカがもたらす被害額は年間38億6000万円(2018年度)に上る。そこで道は、「エゾシカを『森の幸』として食べ、北海道の自然や農業を守ろう」と呼び掛けている。道は「シカの日」のPRのため専用のホームページ(HP)を開設。鹿肉の消費拡大に向け、「シカの日」への参加店を募った。HPでは、毎月第4火曜日をはじめ店舗が設定する期間にさまざまなエゾシカ料理を提供している店を紹介する。家庭でも調理してもらえるように、「鉄分豊富でカロリー抑えめ」など鹿肉の特徴や、部位ごとに向く料理のレシピも伝えている。エゾシカ肉のメニューコンテストには、道内8カ所のPAやサービスエリア(SA)の店舗が参加した。昨年で8年目を迎えた人気企画。店舗ごとに、鹿肉を使ったジャージャー麺やシチューなど異なるメニューを出品してもらい、味や見た目を競う。PA店舗運営会社のネクセリア東日本札幌支店は「コンテストはエゾシカの有効利用と、道外からの観光客に北海道らしい思い出を残してもらおうと始めた」と話す。優秀賞を獲得した金山PA(札幌市)は、普段使っている豚肉を鹿肉に変えたラーメンを提供した。山本たき子店長は「鹿肉の加工処理技術が向上して、もともとの肉の味がおいしくなってきた」と評価。同PAには毎年鹿肉を楽しみに訪れる客がいるものの「まだジンギスカンほどの知名度はない。もっと、鹿肉の味を知ってもらうことが必要だ」(山本店長)と強調する。ジビエ(野生鳥獣の肉)ブームなどもあって、18年度の全国の鹿肉利用量は前年度比17・6%増の957トン。そのうち全国トップの北海道は同24%増の622トンと、続く長野、鳥取両県(48トン)に大きく差をつけている。道は指定する食肉加工施設へのエゾシカの搬入に対して、2頭目以降で1頭当たり8000円を支援する事業を行う。18年度は同事業を使って326人のハンターが7425頭のエゾシカを持ち込んでいる。今後は、指定施設の地域の偏りをなくすことや施設が定める時間内での搬入に、ハンターの協力を得ることなどが課題だ。道生物多様性保全課は「きちんと処理された安全・安心な鹿肉の提供を進め、ブランド価値を高めたい」と話している。

(新商品4品を開発、イノシシ肉原料に:長崎)
地方創生事業などに取り組むIMFホールディングス(東京)は、平戸市のイノシシ肉を原料にしたハンバーグ、カレーなど新商品4品を開発した。同社の市山幹雄社長が同市出身ということもあり、2017年から平戸イノシシのブランド化に挑戦した。

(ジビエレザーを使った商品開発:岡山)
「建部(たけべ)獣皮活用研究所」が現在、ジビエレザー商品の事業拡大に取り組んでいる。同研究所は、2016(平成28)年に岡山市北区建部町に移住した頼本徹さん、ちひろさん夫妻が運営している。代表で妻のちひろさんは、東京でアパレルメーカーなどに勤め、服飾企画やリメークの経験がある。2011(平成23)年、東日本大震災をきっかけに東京都内から京都へ引っ越し、2度目の出産を控え岡山へ引っ越した。夫の徹さんは、建部町の地域おこし協力隊を3年間務めた。建部町のある中山間地域では、鳥獣被害は深刻化しているという。ちひろさんは「育てたトマトを全て食べられてしまったこともある。毎日のように、家の前でイノシシを見かけるなど、かなりカルチャーショックを受けた」と話す。対策も取れていて、年間約200頭のイノシシ・シカが捕獲され、精肉販売やジビエレザーとして商品化されているが、ほとんどは廃棄されているという。捕獲された命を大切にするためにも、自分たちの技術を生かしたジビエレザーを使った商品開発を始めた。材料となるレザーは、美作(みまさか)・新見(にいみ)・足守などの食肉加工施設からだけでなく、建部町の猟師から仕入れることもある。商品になるまでの工程はまず、捕獲されたシカやイノシシをつるして、皮をはぐ。肉を販売することを目的とした猟師は皮を切ってしまうことも多く、大きな皮を取れないこともあることから、徹さんが手伝うこともあるという。皮の裏側に残った肉や油を、両手包丁を使いそぎ落とす。水分がなくなるまで乾かし、植物タンニンに漬け込み、なめす作業をする。なめすことでつやが出て、防腐にもなるという。その後、染色、縫製を行う。商品は、赤・青・黄・緑・茶・黒・ナチュラルの7色のキーホルダー、赤・黒・茶のキーケース、名刺ケースを製作。立岡靴工房(岡山市北区内山下2)とコラボした内張りも外張りもシカ革を使ったオーダーメードの革靴も販売する。徹さんは「内張りもシカ革を使っているので、靴下を履くような柔らかい履き心地を体感してほしい」とも。商品は、サニーデーコーヒー(岡山市北区建部町)やインターネットで販売するほか、無印良品LOTZ店(岡山市北区中山下1)にある「OPEN MUJI」で2月23日まで販売している。「イノシシやシカもそれぞれ個体差があり、それぞれの命があった。建部町の自然に恵まれた環境で暮らしていると共に生きていることを感じさせてくれる。ジビエレザーを手にとってもらい、感じるものがあればうれしい」とも。現在、事業拡大のための資金をクラウドファンディングで募っている。リターンとして、なめし前の下処理体験やなめし後の革からアクセサリーやキーホルダーなどを作るワークショップなども用意する。募集は1月31日まで。集めた資金はジャケットやカバンなど多くの革を必要とする商品を作るための皮の仕入れなどに使う予定。

(単独猟の猟師が到達した「命に感謝」を超えた境地)
人間が「山」に入る目的には、どんなことがあるだろう。登山のためは最も多そうだ。それに山菜を採るためという目的もある。木材を得るための林業はかつて盛んだった。もうひとつ、「狩猟のため」という目的が昔も今もある。猟銃などの猟具を持って山に入り、鳥獣を捕らえる。そして解体し、食材を得る。狩猟をするには最低でも狩猟免許を得て、狩猟者登録をしなければならない。禁猟の制限もある。それに決められた道を行く登山より危険が高い。多くの人たちにとって、「狩猟のため」という目的はなかなか縁遠いものだ。けれども、何かのきっかけでこれを始めると、すっかり山に魅了されてしまう人もいる。「山の一部」になりたいとさえ思うのだという。『山のクジラを獲りたくて』(山と渓谷社刊)著者の武重謙氏は、山での狩猟に「夢中になった」ひとり。1982年生まれで、神奈川県箱根町に宿泊施設を開業した傍ら、狩猟を始めたという。そのきっかけは、ある日、家の前で「山鯨」、つまりイノシシを見たこと。「獲って食べたらうまいだろうね」と奥さんに言うと、「おもしろそう。獲ってみたら?」と返された。「狩猟」が心の中でふつふつ湧き上がっていたという。著者が狩猟のスタイルとして選んだのが「単独忍び猟」だ。たいてい初心者は、複数人で獲物を囲って射止める「巻き狩り」を勧められる。だが著者は、ひとりで山を歩き、獲物に忍び寄り、仕留める単独忍び猟こそ「やりたかったものだ」と、ありのままの気持ちでひとり山に入っていく。もちろん下見を入念に重ねたり、弾丸を撃つときは斜面に向けるといった心得を備えたりしての上でだ。狩猟者としての山での営みを、短めの文を重ねて描写していく。場面場面での心境も《獲物はいるんだから、必ずチャンスはあるはず》といった具合に挿入する。読者は、著者の進歩を伴う単独忍び猟を、頭の中で追体験することができる。止まって、見て、聞いて、嗅いでみるの繰り返し。シカを見つけて発砲したが、外して逃す。出猟を重ねること8回目にして、ついにシカを射止める。50mほど下の斜面に横たえた、まだ温かさの残る屍を解体していく。運ぼうとすると重くて動けないほどだったが、「シカの肉を背負っているということ自体が感動的だった」。シカ猟に慣れてきた中、今度は突然のごとく「山のクジラ」つまりイノシシを獲る瞬間が巡ってきた。寝ているイノシシに遭遇し、射止めることができたのだ。感動が湧き上がる反面、このイノシシを100mほど下の谷底まで転がしてしまい、さらに、その転がり落ちた屍を2頭の子イノシシが追っているのを目の当たりにした。動物を殺すことへの覚悟は持っていたものの「気が滅入るという感覚」をはっきり持ったという。初めて「山のクジラ」を射止め、解体し、下山したときの「嬉しさ」はあったが、「獲れた」のであって「獲った」のではないと考え「もう1頭イノシシを獲るぞ」と決意した。その後、転居を控えた2シーズン目の狩猟最終日まで、単独忍び猟記は続いていく。狩猟は人間にとって、食糧や物資の確保のために行われてきた。「獲って食べるところまで含めて狩猟だと思う」と著者は述べる。シカの肉は「心臓と肝臓が最高にウマイ」。心臓は薄く切って塩胡椒で焼いても、生姜醤油に浸けて焼いても、どうやって食べてもうまいのだとか。肝臓は揚げレバニラが絶品だという。他の部分はこだわらず、日常食のように食べる。「狩猟が当たり前の生活」が理想だ。イノシシのほうは、「そのまま焼いて食べるだけでうまい」。ただし、オスの臭いは強烈で、奥さんは味見だけして諦め、著者は「ダメだった」と感じながら、それでも作った分を食べ切った。猟銃でシカやイノシシを殺して食べることに対して、著者はどんな考えを持っているのだろう。読んでいると意外な言葉が見られた。<この話題でよく聞く「命に感謝」という言葉をわたしは極力使わないようにしている。感謝という言葉で安易に答えが出たかのようにまとめたくない>これは、動物はがむしゃらに生きているのであり、他の動物を食べるときに感謝することはないという考えによるものだという。その一方で、命の途絶えた動物には手を合わせる。そして、この二面性を「うまく整理できていない」と述べる。解釈するに、これは野性に生きる動物としての成分と、理性を持つ人間としての成分と、そのどちらもがひとつの体に備わっているからこその感覚ではないか。「山」はそれ自体がひとつの生きものなのだという見方を、著者は伝える。ある日、山中でシカの死体を見つけた。ところが2日後、同じ場所に行くと、その死体はすでに皮の切れ端や、肉が少しこびりついただけの大腿骨と化していた。カラスが肉をついばみ、他の獣が死体の大部分を運び去ったのだろう。「山による消化」が絶えず起きているのだ。そんな「山」の中に入っていく著者も「山の一部でありたい」という願いを告白する。他の人とのやりとりがない単独忍び猟に惹かれたのも、この願いと関係しているのではないか。森林と同化するように山に忍び、山に棲むシカやイノシシたちをひたすら待ち伏せ、そして捕食者となる。その境地に達するまでは「むしろほど遠い。わかっている」と内省するが、自然体で山に通うようになっていく著者の様子から、山の一部として溶け込んでいったことは十分に伝わってくる。狩猟、とりわけ単独忍び猟という、山での濃密な過ごし方を通して、人間は「山の一部」になることも目指すことも、その境地に近づくこともできるのだ。ひとつのことに魅了された人間の生き方を示してくれた。

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(登山口にクマ:山形)
17日午前10時半ごろ、山形市門伝の富神山登山口駐車場付近で、クマ1頭を目撃したと近くの50代女性から110番通報があった。有害鳥獣対策を担当する市環境課は「記録が残る2011年以降で1月の目撃例はなく、極めてまれだ」とし、注意を呼び掛けている。県内では9日にも南陽市内でクマの目撃情報があり、冬眠していないクマが現れているとみられる。山形署などによると、クマは体長約1メートルで、成獣とみられる。女性が車で市街地方面に向かっていたところ、右側の山林にいるのを見つけた。市は「熊出没注意」と書かれたのぼりを設置するとともに、付近の約100世帯に注意喚起のチラシを配布した。現場近くで作業していた近所の男性は「例年は冬眠しているはずだが…」と驚いた様子。別の男性は「雪が少ないから久しぶりに散歩していた。遭遇しないように気をつけないといけない」と話した。クマの生態に詳しい山形大の玉手英利教授(生物学)は「成獣のクマが1月に住宅街に出没するのはかなり珍しく、異常なケースだ」と指摘。暖冬でも山に食べ物はないため、通常は冬眠するという。出没の原因は、何らかの理由で栄養がとれなかったケースが考えられるものの、「個体を調べていないので現段階で原因は分からない」とする。雪が積もればクマの行動がある程度は制約され、出没が減る可能性はあるという。ただ、積雪のない状況が続けば「今後も注意が必要」と警鐘を鳴らす。

(民家の軒下でクマ捕獲:山形)
山形県米沢市で、この時期は本来冬眠しているはずのクマが民家の軒下にいるのが見つかり、猟友会によって捕獲された。19日午前7時ごろ、山形県米沢市の民家で、軒下にクマ1頭が横たわっているのをこの家に住む83歳の男性が発見し、近所の人を通じて警察に通報した。警察によると、クマは体長がおよそ50センチで立ち上がれないほど衰弱した状態だったという。人や農作物への被害はなかった。クマは猟友会によって捕獲され、保護されたという。県内では、一般的に冬眠期間となる1月に入ってもクマの目撃が相次いでいて、警察などによるとこれで3件目となる。

(暖冬の影響か、1月にクマ目撃:富山)
暖冬の影響でしょうか?県内では、例年だとこの時期、冬眠するはずのクマの目撃情報が相次いでいます。専門家は、「平野部に雪がないため、餌を探しやすく活動している可能性がある」として注意を呼びかけています。上市町によりますと、14日午前8時ごろ、上市町湯上野(ゆうわの)で、県道を横切るクマの成獣を通りがかったドライバーが目撃ました。通報を受けた警察や町職員が周辺をパトロールしましたが、クマの痕跡は見つかりませんでした。「目撃した男性によりますと、クマは、こちらの県道をものすごい勢いで横切り、あちら、運動公園方向へ逃げていったということです」。クマが北側の方から、急に飛び出してきて、ブレーキを踏むほどでもなく、猛スピードで横切っていったもんで。肩幅も筋肉質で大腿部も太い見るからにクマだった。顔も野獣のような怖い形相でいったもんで一瞬、あっけにとられた」。県自然博物園ねいの里によりますと、県内では、今月に入り、わずか2週間で、クマの目撃や痕跡が、上市町をはじめ、富山市、黒部市であわせて3件ありました。「1月に入ってもクマおるなんて聞いたことない。怖いちゃね」。1月に入っても、クマが出没していることについて、クマの生態に詳しい専門家は。「今年みたいに暖かいと食べるものが(雪がなく)地面にむき出しになってることが多い。割合、積雪しているよりも、地上でえさが食べやすいということで活発に動くものは中にいる」。専門家によりますと、暖冬の影響で平野部に雪がない今年は、キク科のアザミの葉や落ちた柿の実などを狙い、例年だと雪で隠れて見えなくなる餌を狙って、クマが、人里に下りてきている可能性があるといいます。また、専門家は、今シーズンの暖冬が、クマの冬眠に影響しているのではないかと指摘します。「暖かい所のクマは冬眠期間が短かったり台湾島に住んでるクマは全く冬眠しないクマもいる。周りの食物や気温の環境に合わせて冬の過ごし方を替えてる。そういう柔軟性のある動物。日中10℃越えの月が多い今年はいわゆる里山の暖かい所に住んでるクマには冬眠のスイッチが入らないのかもしれない」。暖冬で冬眠しないクマに、専門家は、油断せず、熟したカキの実は撤去するなど、秋と同様の対策を徹底するよう呼びかけています。「糞のあるなしを確認したり、クマの気配がある可能性があることを前提に雪のない間は注意して活動したほうがいい」。

(野生イノシシ2頭、新たに豚コレラ感染:群馬)
群馬県は16日、同県甘楽町と高崎市でそれぞれ捕獲された野生イノシシ2頭の豚(とん)コレラ(CSF)感染を確認したと発表した。いずれも同日の遺伝子検査で陽性反応があり、感染が確定。県内の感染事例は計17頭となった。監視対象農場の新たな指定はない。

(野生イノシシのCSF(豚コレラ)感染確認:長野)
県は上田市で新たに野生のイノシシのCSF=いわゆる豚コレラへの感染を確認しました。東信で感染が確認されたのは今回が初めてです。県によりますと先月22日、上田市西内の川沿いで野生のイノシシ一頭が死んでいるのを地元の猟友会員が見つけました。県がイノシシの検体を国の検査機関に送り調べたところ、CSF=いわゆる豚コレラウィルスの陽性反応が確認されたということです。上田市など東信で野生イノシシのCSF感染が確認されたのは今回が初めてです。感染の拡大を受け、県は去年10月から飼育されている豚へのワクチン接種を進めていて、感染した豚が市場に出回ることはありません。

(野生イノシシへのCSFワクチン散布始める:三重)
三重県は野生のイノシシによるCSFいわゆる豚コレラの感染拡大を防ぐため、3度目となるワクチン入りのエサの散布を始めました。CSFのワクチンは、桑名市、いなべ市、四日市市、鈴鹿市、亀山市、菰野町のあわせて308カ所に散布されます。ワクチンは固形のエサに入れられ、イノシシの好物という米ぬかなどを撒いて土の中に埋めておきます。三重県は7月から9月にかけても、202カ所でワクチン入りのエサを散布していて、今回が3度目、冬場では初めてとなります。その後の調査で、捕獲した野生のイノシシ1074頭のうち4%にあたる43頭にCSFに対する免疫抗体が確認できたということです。散布は19日からおおむね5日間程度続き、延べ6160個のワクチンが散布される予定です。

(豚熱、発生養豚場全7ヵ所の防疫措置完了:沖縄)
豚やイノシシの感染症、豚熱(CSF、豚コレラ)が沖縄市やうるま市で発生している問題で、県は19日、豚の殺処分や埋却が行われた養豚場7カ所全ての防疫措置が同日完了したと発表した。新たな感染が確認されなければ、発生場所周辺で実施する移動や搬出の制限を2月17日までに解除する。県によると、県内5例目の感染が疑われる事例は現時点で出ていないという。県内では8日に豚熱の感染を確認し、うるま市と沖縄市の養豚場7カ所で合計9043頭(速報値)の豚が殺処分された。ウイルスの拡大防止のために、殺処分された豚や餌などの物品は埋却された。養豚場内の清掃や消毒までを実施して防疫措置が完了となる。うるま市内では18日に防疫措置を終え、沖縄市内でも19日に完了した。防疫措置完了の翌日を起点にして、17日後に発生地点から10キロ圏内の搬出制限区域、28日後に3キロ圏内の移動制限区域が解除される。解除までに豚熱の感染を確認する検査を合計3回、実施する。県は豚熱が発生した養豚場周辺の検査も続けており、3キロ圏内では養豚場21カ所のうち16カ所で陰性を確認した。3~10キロ圏内では養豚場47カ所のうち32カ所が陰性だった。感染を確認した養豚場と関連があったとして、6カ所の養豚場を対象にした検査も実施し、このうち2カ所が陰性だった。残る養豚場の検査も進めている。

(クマ被害余波、国有林管理団体が年度末で解散:秋田)
秋田県仙北市田沢湖玉川周辺の国有林を維持管理する「市普通共用林野運営協議会」が17日、市田沢湖総合開発センターで開かれ、2019年度末での解散を決めた。タケノコ採りの入山者が年々減少している上、17、18年に起きたツキノワグマによるとみられる死亡事故の影響で入山料徴収をやめていたため、活動費を確保できなくなっていた。玉川周辺の国有林について秋田森林管理署と市は、地元住民に山菜などの採取や牛馬の放牧を認める契約を結んでおり、管理・運営の主体として市や住民らで同協議会を組織している。シーズンになると大勢訪れるタケノコ採り入山者を管理するため、1983年から玉川周辺の林道で入山料を徴収し、林道整備や巡視活動の費用に充ててきた。しかし、17、18年に死亡事故が続き、安全が確保できないとして17年から入山料の徴収を中止。森林管理署と市も現場周辺を立ち入り禁止にしていた。

(アライグマ捕獲、増加傾向:北海道)
十勝管内で特定外来生物アライグマによる農業や生態系への被害が深刻になりつつある中、アライグマの捕獲数が急増している。わなを大幅に増やした本年度は、昨年12月末現在で捕獲数が627頭と、4年前の9・2倍に。16日は芽室町内でアライグマ対策会議が開かれ、自治体担当者や猟友会など関係者が被害の現状や今後の対応策について話し合った。アライグマはペットとして持ち込まれたものが野生化し、繁殖力の高さから生息地域を拡大。管内では2005年度に鹿追町で1頭が捕獲されて以降、捕獲数は増加傾向にある。当初はエゾシカやキツネの被害と間違われていたが、近年はアライグマが農作物を食い荒らすなどの被害が確認され、管内の18年度の被害額は前年度の3倍近い175万円に及ぶ。

(カラス行動域調査:青森)
弘前大学の東信行教授は17日、県内の農作物被害で問題になっているカラスの行動域調査の中間結果を報告した。昼間と夜間では滞在場所の利用方法が異なるほか、種類によって移動距離が広範囲になることが分かった。同日、青森市内であった県鳥獣被害防止対策地域連携会議で説明した。行動域調査は、カラスを追跡して行動範囲や移動距離などの情報を把握することで効率的な被害対策に反映させることが目的。県の委託を受けた東教授が2018~20年度(18年度は試験調査)の結果を踏まえ、県に助言する。ハシボソガラス、ハシブトガラスの2種類の計26羽を対象にタグと全地球測位システム(GPS)を付け、昨年1~12月に放鳥して日周や季節ごとの行動を追った。中間報告によると、昼間(活動時)は住宅地にいることが多く57%、果樹園20%、ジュース工場などの「その他の建物」17%と続いた一方、夜間(寝ぐら)は商業地58%、住宅地26%、大学病院などを含む「その他の建物」12%となり、昼間と夜間で滞在場所が異なった。移動距離は種類で異なる傾向が見られた。弘前市で放鳥した場合、ハシボソは黒石市や平川市など近隣市町村までを行動範囲としていたが、ハシブトは越県し大館市まで移動する個体もあった。

(シカと接触、赤穂線に遅れ:岡山)
JR西日本によると、19日午前5時55分ごろ、赤穂線の伊部駅(備前市)―香登駅(同)間で列車がシカと接触したため、車両と線路を確認した。このため、同線の一部列車に約10~15分の遅れが出ている。

(速度落として備えるシカない:大分)
先日夜、由布市湯布院町川西の国道210号で、「シカが車にぶつかった」と通報があった。大分南署員が駆け付けて調べたところ、1匹のシカが車道に飛び出し、30代男性の普通乗用車に衝突。対向車線にはじき飛ばされ、20代男性の軽乗用車にもぶつかったことが分かった。幸いドライバー2人にけがは無かったが、大きな事故につながる可能性もあった。「何が飛び出してきても対応できるよう、特に夜間はスピードを落として」と同署幹部。

(イノシシ学校侵入防げ、隣接公園に電気柵:富山)
上市町の白萩西部自治振興会(平井敏廣会長)は、白萩西部小学校(同町丸山)でイノシシが地面を掘り返す被害が出ていることを受け、隣接する丸山総合公園沿いに、学校への侵入を防ぐ電気柵を取り付けた。町は新年度に恒久柵の設置を検討しているが、昨年12月に入善町でイノシシによる人身被害が出ており、児童の安全を守るため、住民が緊急措置としてボランティアで取り組んだ。昨年11月から、白萩西部小学校の敷地にイノシシが入り、グラウンドや中庭などの地面を掘り返す被害が出ている。地中のミミズが目当てとみられる。学校東側に県道を挟んで丸山総合公園や民有地があり、イノシシが山側から公園などに入り、さらに学校の敷地に侵入した可能性がある。平井会長ら住民5人が今月9日、公園や民有地沿いの約450メートルに電気柵を設けた。平井会長が区長を務める湯神子町内会の電気柵を活用した。雪が降った場合は撤去する。柵設置後も学校の中庭でイノシシによる被害が確認された。柵がない場所を通り、学校の北側から侵入した可能性がある。平井会長は「子どもたちの安全のため、住民が力を合わせて取り組んだ。さらにできることがあれば協力したい」と話している。同校の松下京子教頭は「地域の人たちが困っていることに協力してくれて心強い」と感謝した。

(ICT活用イノシシ効率的に捕獲:山口)
野生のイノシシなどに農作物が食い荒らされる被害を防ごうと、ICT=情報通信技術を活用して効率的に捕獲する取り組みが、宇部市で始まりました。このシステムは、おりに取り付けたセンサーがイノシシの大きさを測定し、事前に設定した大きさを超えると扉が閉まる仕組みです。おりには、イノシシの子どもやタヌキなどの小動物がかかることもあり、農作物を食い荒らす大人のイノシシを効率よく捕獲するのが目的です。宇部市は、新しいシステムを小野地区などの9か所に導入することにしていて、16日は、市の担当者や狩猟関係者などおよそ10人が参加して説明会が行われました。システムでは、イノシシがわなにかかると携帯電話にメールで通知する仕組みにもなっていて、参加者は、わなが狙いどおりに作動するかやメールが届くかどうかなどを確かめていました。宇部市によりますと、昨年度のイノシシなどによる農産物の被害は、3100万円余りに上る一方で、狩猟関係者の高齢化が課題になっているということです。説明会に参加した地元の猟友会の会長(69)は、「イノシシの駆除は限界に近いと感じているので、狙った個体を捕獲できるシステムの導入はよいことだと思う」と期待を寄せていました。

(「幻の逸品」求め西表島で猟が活溌に:沖縄)
沖縄県の西表島では野生イノシシのわな猟が盛んだ。太平洋戦争前に台湾から伝わったとされ、猟場にある木や竹などを利用したはねわな猟が主流という。狩猟期間は11月15日~2月15日。ターゲットはリュウキュウイノシシだ。本州や他の島に比べて小ぶりで臭みがなく、地元では刺し身としても食されている。本州では通常、固い皮を取り除いた肉が流通するが、リュウキュウイノシシは皮と脂にうま味が凝縮されており、島では皮ごと食されている。「皮がうまい」ことからイノシシは「カマイ」と呼ばれ、「幻の逸品」として1キロ4千円くらいから取引されている。カマイが捕れると、足をかずらで縛り、切り倒した木にくくり、肩に担いで運ぶ。猟場にある植物でできる昔ながらの運搬方法だ。体力勝負のため、1シーズンで10キロやせるハンターもいるという。西表島祖納の古見浩之さん(41)は25キロのメスを仕留めた。古見によると、メスは授乳経験のないもの、オスは牙の伸びていないものがおいしいという。

(老舗料亭でジビエと地酒の食事会開催:新潟)
老舗料亭の長養館(上越市)は2月15日、29日に、イノシシなどのジビエ(狩猟肉)と地酒の食事会を開く。定員は30人。料金は税別で1人1万円。「柿崎ジビエと日本酒の供宴」と題し、上越市柿崎区の獣害対策の一環で、駆除したイノシシやシカ、鴨の肉を地酒と合わせて食す。15日は上越市柿崎区の頚城酒造「越路乃紅梅」とジビエ料理、29日は同区の代々菊酒造「吟田川(ちびたがわ)」とジビエ料理を楽しむ会で、どちらも午後5時から。同市柿崎区には2017年にイノシシなどの食肉加工施設「柿崎ブーシェリー」が開設しており、今回も同施設で加工した肉を使用する。

(エゾシカ肉ふるまわれる:鹿児島)
最近メディアなどで、シカやイノシシのジビエ(野生鳥獣肉)を取り上げる機会が増えた。奄美でも害獣対策の観点で利活用の機運が高まりつつある中、エゾシカ肉を使った料理が奄美市内の料理屋で常連客にふるまわれ、「とてもヘルシー」などと好評だ。大阪府内の不動産会社に勤める橋詰勝規さんが奄美に仕事で訪れた際、知り合った取引先の関係者が料理店の常連だったことが縁で実現。北海道内で昨年12月、地元の猟友会メンバーが同行し仕留めたエゾシカ(体高1・5㍍、体重80㌔)のもも肉、腕肉、肩ロースの計10㌔を提供した。肉は鮮やかな鮮紅色。橋詰さんは「すぐに解体して血抜きをした。新鮮で、くさみは少ない」と太鼓判を押す。ジビエ試食会は、同市名瀬長浜町の飲食店「遊杜里路=ゆとりろ=」で開かれ、赤ワインに2日間漬け込んだロースを焼肉にして出した。味付けは塩コショウのみ。食べた常連客らは「柔らかく、たくさん食べられる」「獣臭さはまったくない」と絶賛した。同店を切り盛りする池田綾子さん(68)によるとシカ肉はイノシシ肉に比べ、スジは少なく、柔らかいという。「ヘルシーなので特に女性に喜ばれるのでは」などと話した。エゾシカは。国内に生息するニホンジカの中で最大級の大きさ。成獣はメスでも100㌔超え、オスは170㌔に達する。北海道では、有効活用の一環でビジエ利用を推進している。

(捕獲されたシカ肉を美味しく気軽に:徳島)
美味しいシカ肉料理を気軽に味わうことができる「ジビエ・ナイト」が徳島市の飲食店などで始まりました。シカ肉のローストやカツレツ。これらはすべて美馬市で捕獲されたシカの肉を使って作られています。このジビエ料理が徳島市の居酒屋などで気軽に味わえる「ジビエ・ナイト」。農産物を食い荒らすシカの肉を有効活用しようと、県などが企画しました。お酒に合うジビエ料理7品が用意されています。この「ジビエ・ナイト」は徳島市と神山町の飲食店13店舗で2月29日まで開催され、期間中、手ごろな価格でジビエ料理を味わうことができます。

(レトルトカレー、害獣活用や高校生開発:福岡)
仕事の合間、福岡県筑豊地区の道の駅などに立ち寄ると、地域性を前面に押し出したオリジナルのレトルトカレーをよく目にする。「三度の飯がカレーでもいい」。自称「カレーマニア」の記者がスプーンを片手に、隠し味のスパイスを探った。害獣被害に苦しむ添田町が昨夏、販売を始めた「天狗(てんぐ)鹿カレー」。英彦山ゆかりの「豊前坊天狗」にちなんで命名された。ジビエ料理のシェフが手作りし、分量200グラムのうち、町内でしとめた鹿肉が40~50グラムを占める町自慢の一品だ。町内の害獣による農業被害額は、2018年度には約780万円にものぼる。これまでも、鹿やイノシシを町の食肉処理加工施設で処理し、肉まんなどの特産品に変身させてきた。「需要の少ないムネ肉、ばら肉も商品化できないだろうか」。ジビエ肉処理を担当する町地域おこし協力隊員の悩みが、開発の出発点だった。鹿肉ではロースやモモ肉に比べ、焼くだけの料理には適さないカタ、スネ、ネック肉は人気がない。だが長時間煮込むと柔らかくほぐれるような食感が魅力的だ。これらの肉を有効活用し、かつ常時販売できる新たな商品を作ろうと試食会を実施。ほかの試作品より客の反応が良かったカレーに決まった。施設と取引のある福岡市内のジビエ料理店に協力を得た。協力隊員の松尾銀河さん(26)らは「肉が柔らかいのはいいが、ブヨッとした食感をなくして」など、納得のいくまで率直に意見を伝え、試作品の味見を繰り返した。食べてみると、鹿肉独特のクセを、深みのあるトマトベースのルーが包み込んでいる。スパイシーな香りも楽しめた。小麦粉とスパイスを炒める。タマネギもあめ色になるまでじっくり炒め、焼いた牛肉を水で煮込む。煮汁も味の調整に使う。全行程は2日間-。最初は甘みを感じるが、後からスパイスが効いてくる。柔らかい牛肉の食感が絶妙。直方市の大和青藍高調理科は、手間暇かけたカレーを行事でふるまい、好評を博していた。2012年5月に同科の調理部の生徒が定期的に運営するレストラン「たくみのたまご」がオープンした。これを機に人気の味をいつでも再現できるようにと開発が始まり、飯塚市の食品製造会社にレシピを提供。生徒が10回近く味を確かめ、同年秋に完成した。その名は「藍(あい)カレー」。これまでに1万箱以上売れた。「田中による田中のための田中カレー(たなかれー)」。私の名前も田中だけに気になる品。生みの親は、飯塚市長尾で食料品店を営む田中仁さん(45)。地元ブランド牛の知名度向上など、食を通したにぎわいづくりに携わっていた田中さんが、長年温めていた「田中カレー」の計画を実行に移したのは2017年。由来は単純にゴロが良いから。「全国の田中さん全員に食べてほしい」と不敵な笑みを浮かべる。だが、そこは地域おこしに注力する田中さん。カレーに地元産食材を盛り込むことにした。現在、嘉麻市の辻養蜂場のハチミツを使った「バーモント」と、桂川町の農家がつくるアスパラガスを入れた「ベジタブル」の2種類を販売している。ベジタブルを食べると、「スパイシー辛口」をうたうだけあり、舌にピリッとくる。アスパラガスの風味が強いが、不思議としつこくない。「近くで生産する農産物を使ってほしいという声があれば、ぜひ相談して」と田中さん。カレーを通した地域の魅力発信を続ける。それぞれのカレーには、関係者のこだわりと情熱が味ににじんでいた。こればかりは食べてみないと分からない。小腹がすいたら、お近くの道の駅へ足を運んでみては?

(シシ肉食べて無病息災:熊本)
熊本県玉名市滑石の滑石諏訪神社で17日、伝統の「シシ喰[く]い祭り」があり、氏子らがイノシシ料理を食べて五穀豊穣[ほうじょう]と無病息災を祈った。祭神の建御名方神[たけみなかたのかみ]が農作物を荒らすイノシシを退治し、その肉を村人に分け与えたとの伝承に由来する祭り。五つの地区が交代で世話役の「節頭」を務め、イノシシの頭(剥製)を神前に供えて執り行われる。神事の後、節頭渡しと呼ばれる引き継ぎ式があり、神職のおはらいを受けたシシ肉が各地区に配られた。続いて地区ごとの祭りに移り、神社のある上区では、裃[かみしも]姿の男性4人がおわんの酒を飲み干す儀式に挑んだ。住民にはシシ肉を甘辛く煮た料理が振る舞われた。祭りに使われたイノシシは、ミカン栽培が盛んな玉名市天水町で有害獣として捕獲されたもの。氏子らは、神話の時代から現代まで変わらない人とイノシシとの関わりに思いをはせていた。

(ラーメン定食で販売、生徒ら育てた鴨使い:大阪)
府立農芸高(堺市美原区)の生徒が自然飼育した農芸鴨(かも)と、なにわの伝統野菜、難波葱(ねぎ)を使った塩ラーメンとミニ鴨丼をセットにした「NEW鴨なんばラーメン定食」50食が21日、ラーメン店「龍旗信津久野店」(同市西区津久野町1丁)で限定販売される。事前申し込みが必要。20日締め切り。

(愛犬も優雅に?ジビエ料理いかが)
最近注目が高まっているジビエ(野生鳥獣)料理。もともとはヨーロッパで貴族の伝統料理として発展してきた食文化とされる。このジビエ肉のインターネット通販を行っている会社が、広島市中区にある「Forema」。だが、同社が扱っているのは普通のジビエ肉だけではない。イヌなどのペット用の餌も多数取りそろえているのだ。広島県北西部に位置する山深い集落の一角。2階建ての木造校舎にForemaの小泉靖宜(やすのぶ)社長(42)を訪ねた。「以前は広島市内の共同冷凍庫を使っていましたが、取扱量が増えてきて手狭になったので、移転先を探していました。すると、知り合いから『廃校が3つほど余っている』と聞いたのがきっかけです」同社は昨年12月、元は同県安芸太田町立小学校だった場所に「フォレマ物流センター」(同町)を開設した。職員室だった場所は事務所とし、隣の元保健室と元資料室と合わせて1階部分の計3室を物流センターとした。このうち元資料室は、全国から入荷されるジビエ肉を保管する冷凍庫に改装。マイナス20度に保たれた室内には、イノシシやシカの肉が整然と並んでいた。日本ジビエ振興協会のホームページによると、ジビエは狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味するフランス語。フランスなどではジビエ料理は上流階級の貴族しか食べられないような高級料理だったという。小泉社長がジビエ肉を活用したビジネスに乗り出したのは平成28年。農作物に被害をおよぼすシカやイノシシなどの野生動物は年間約100万頭も駆除されているが、うち9割が廃棄されていることを知って、オンラインマーケットを開設した。「廃棄物を減らしたい気持ちが強かった。無益な殺生を有益なビジネスにつなげるために、流通の仕組みを模索してきました」。29年に株式会社として法人化し、30年5月からはジビエ肉を無添加のペットフードとして宅配する「ペットさん定期便」をスタート。顧客は東京都や神奈川、兵庫、福岡の各県などで計約400人を抱えるまでに広がっている。ジビエをめぐっては、農林水産省も活用を後押し。ジビエを振興すべき理由として「被害防止のために捕獲を進めるだけでなく、捕獲鳥獣を地域資源として利用し、農山村の所得に変えるような取り組みを全国に広げていくことが重要」としている。同センターでも地元関係者3人を従業員として採用し、過疎地における雇用創出も行っている。今後は、町内にドッグラン設備を設けたり、ドッグカフェを開店したりする構想も。小泉社長は「中山間地域の活性化に一役買えれば」と意気込んでいる。

(新しいジビエ鹿革専門のバッグブランド:兵庫)
ジビエは料理もいいけど、鞄もね。先日、新しいジビエ鹿革専門のバッグブランド「エニシカ」が神戸で誕生した。年間60万頭もの鹿が畑を荒らす害獣として駆除され、その皮革のほとんどが活かされないまま廃棄されているという。エニシカは、この鹿たちの革を「日本の風土からの贈り物」として大切にとらえ、野生の傷や個体差のムラをあえて残すことで、革が本来持っている唯一無二の味わいを感じてもらいながら、命を使い切る「しまつ」の心を現代人に再認識してもらいたいという願いとともに立ち上がったブランドだ。プロダクトは非常に軽くしなやかな仕上がりで、牛革と比較すれば、あまりの軽さに驚くはずだ。カラーはそれぞれのアイテムで6色を用意。シンプルな形状だから、世代や性別、シーンを選ばず楽しむことができる。4種のアイテムは、現在クラウドファンディングサイト「Makuake」で先行予約販売中。ちなみに、同ブランドでは、バッグとして使わなくなった後に別アイテムへの仕立て直しも可能とのことなので、一生モノとして、ぜひ。

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(農作業中に猪に襲われ負傷:滋賀)
彦根市で14日、農作業をしていた72歳の男性が、イノシシに襲われ、左手などを噛まれるけがを負いました。イノシシはその後、猟友会によって射殺されました。イノシシは雄で、全長およそ130センチ、体重は推定100キロだということです。彦根市里根町の畑で近くの住民から「男性がイノシシに襲われ左手の親指を負傷した」と消防に通報がありました。警察によりますと、イノシシに襲われたのは、この近くに住む72歳の男性で男性は、左手の親指を噛まれたほか、右手の甲をひっかかれ、市内の病院に搬送されました。警察が付近の住民に注意を呼びかけ警戒していたところ、イノシシは、およそ1時間後に、現場のすぐ近くで発見され猟友会によって射殺されました。彦根市の農林水産課では、「イノシシを見かけても刺激をすることなく慌てずに逃げてほしい」と注意を呼びかけています。

(5歳女児がサルに右足噛まれる:大阪)
1月13日、大阪府茨木市の路上で5歳の女の子が右脚をサルに噛まれて、ケガをしました。大阪府北部ではサルによる被害や目撃情報が相次いでいます。1月12日午前10時半頃、茨木市郡山で住民が撮影した映像を見ると、周りを気にしながら、何かを必死に食べるサルが映っています。周辺では連日のようにサルが目撃されています。そして…「女の子は道を歩いていたところ、横のミカン畑から急にサルが飛び出してきたということです。」(記者リポート)13日午後5時頃、5歳の女の子が突然飛び出してきたサルに右脚を噛まれ、軽傷を負いました。1月3日には、約2km離れた場所で6歳の女の子が、昨年12月末にも大阪府吹田市で4歳の男の子がサルに襲われ、いずれも軽いケガをしています。大阪府は、「サルを目撃しても近づかず、立ち去るのを待つよう」呼びかけています。

(またもや“サル被害”、5歳男児が右脚ひっかかれ軽傷:大阪)
大阪府箕面市で5歳の男の子がサルに襲われ、右脚に軽傷を負いました。15日午前8時頃、箕面市彩都粟生南のマンションの駐輪場で5歳の男の子がサルに襲われました。男の子が逃げようとしたところサルが追いかけてきたため、一緒にいた母親が追い払おうと蹴飛ばすなどしましたが、男の子は右脚をひっかかれ軽傷を負いました。大阪の北部ではサルが相次いで目撃されていて、13日には約3km離れた大阪府茨木市の住宅街でも5歳の女の子が右脚を噛まれ軽傷を負いました。大阪府はサルを見かけても刺激しないよう呼びかけています。

(豚コレラ、どこから感染?)
豚コレラ(CSF)が沖縄県内で確認されてから15日で1週間となるが依然、感染経路は分かっていない。農林水産省は、本土の中部地方を中心に構築していた広域的な防疫帯「ワクチンベルト」を大きく越え、海を隔てた沖縄で発生する想定外の事態に「どこで出てもおかしくない」と全国への拡大を懸念。アジアではCSFとは別のアフリカ豚コレラ(ASF)も広がっており、危機感を強めている。江藤拓農相はCSF確認当日の8日に沖縄入り。農相が確認当日に現地入りするのは異例だ。防疫対策本部も、陽性判明の有無にかかわらず、すでに4回開催。3連休初日の11日にも会合を持った。農水省は当初、野生イノシシによるCSFの感染対策として中部地方を中心にワクチンを散布し、「ワクチンベルト」で封じ込める狙いだったが、その後も関東などに拡大していた。沖縄は陸続きの本土のようにイノシシが移動することも考えられず感染経路は依然、不明だ。江藤氏は「今までとはかなり違う。感染経路(はどこなのか)も含めて、高い緊張感で対応しなければならない」と、対策の根幹が揺らぐ事態に危機感を隠さない。人が媒介することも考えられ、「現場での報道が過熱している。報道魂を理解しないわけではないが、大変けしからん」と神経をとがらせる。国の懸念は、アフリカ豚コレラが韓国などアジアでも広がりをみせていることにもある。ASFはCSFより致死率が高いとされ、有効なワクチンも開発されていない。県が2019年9月に開いた対策会議で、海外からの旅客が持ち込んだソーセージなどからASFのウイルスが確認された例が全国で70あり、そのうち10が沖縄と報告された。 今夏には東京五輪が開催される。沖縄は3月に那覇空港第2滑走路の運用が始まり、多くの外国人客が日本を訪れることになる。農水省は改めて飼養衛生管理基準や、水際対策の徹底を呼び掛けている。県内で今月8日に確認された最初のCSFの事例では、12月に豚の変死が確認されていたにもかかわらず、農家が報告していなかった。政府関係者は「アフリカ豚コレラはもうすぐそこまできている。県や農家の危機意識が必要だ」と語気を強める。

(豚コレラ新たに12頭:滋賀)
滋賀県は14日、豚コレラ(CSF)に感染した野生イノシシが長浜、米原、東近江の3市で計12頭、新たに見つかったと発表した。昨年12月23日~今月5日に捕獲された。県内で感染が確認された野生イノシシは昨年9月以降、計103頭(長浜市47、米原市42、彦根市1、東近江市11、多賀町2)となった。

(CSF「豚コレラ」感染イノシシ見つかる:富山)
CSF(シーエスエフ)、いわゆる、豚コレラウイルスに感染した野生のイノシシが、上市町で見つかりました。県によりますと、豚コレラウイルスに感染した、野生のイノシシが見つかったのは、上市町の黒川(くろかわ)地内です。このイノシシは、今月7日、用水で死んでいるのが見つかり、県が検査したところ、感染が確認されました。体長およそ1メートルのメスでした。上市町で豚コレラに感染したイノシシが見つかったのは初めてで、県内全体では32頭目となります。イノシシが見つかった現場から10キロ圏内には2つの養豚場がありますが飼育されているブタはワクチンを接種しているので感染はしないということです。これまで県内の養豚場で豚への感染は、確認されていません。

(新たにイノシシ2頭が豚コレラ感染:群馬)
県は16日、甘楽町と高崎市でそれぞれ捕獲された野生イノシシ2頭の豚(とん)コレラ(CSF)感染を確認したと発表した。いずれも同日の遺伝子検査で陽性反応があり、感染が確定。県内の感染事例は計17頭となった。監視対象農場の新たな指定はない。

(豚コレラ4例目確認:沖縄)
沖縄県内で豚やイノシシの感染症、豚コレラ(CSF)が発生している件で、沖縄県は15日、うるま市内の養豚場で新たな感染を確認したと発表した。8日に県内で最初に感染を確認した養豚場から100メートルの場所にあり、殺処分の対象は1825頭(速報値)。沖縄県内での発生は4例目で、殺処分数は計9千頭を超える見通しとなった。県は同日、国や市長会、町村会、JA、畜産団体、有識者で構成する「県CSF防疫対策関係者会議」を設立した。今後、ワクチン接種も視野に入れて感染拡大の防止を議論する。うるま市や沖縄市では14日までに、豚コレラ関連で6養豚場の7326頭(同)が殺処分された。県は豚コレラの感染場所から3キロ圏内の養豚場を対象に家畜検査を実施し、全てで「陰性」だったと結果を発表していた。今回の養豚場も陰性の反応が出ていたが、14日になって「豚が死んでいる」との通報があり、検査の結果、15日に陽性を確認した。陰性の結果が出た後に豚コレラが発生した理由について、県の担当者は「潜伏期間もあるし、(養豚場の)環境内にウイルスが残っている可能性も否定できない」と説明する。新たに感染を確認した養豚場では17日までに殺処分を完了させ、19日までに埋却などの防疫措置を終える計画を立てている。埋却場所は養豚場の敷地内を予定する。県が設立した防疫対策関係者会議は長嶺豊農林水産部長が議長を務め、豚コレラの防疫措置を総合的に話し合う。玉城デニー知事は「ワクチン接種を含めて県のCSF対策を総合的に議論したい」と強調した。一方で、県養豚振興協議会やJA沖縄中央会などが江藤拓農相に早期のワクチン接種に協力を要請するなど、県内の畜産関係者からワクチン接種を求める声が上がっている。豚コレラの発生以降、県の家畜保健衛生所には感染の疑いに関する通報が1日に3~4件、寄せられるという。発生前は1件の通報もない日もあり、県の担当者は「感覚として以前に比べて10倍ほどに増えた」と説明する。緊急性が高いと判断された場合、すぐに職員を派遣して検査などを進めている。

(豚コレラ、ワクチン接種プログラム策定を指示:沖縄)
沖縄で豚やイノシシの感染症、豚コレラ(CSF)が発生している問題で玉城デニー知事は16日午前の定例記者会見で、感染拡大防止に向けた「ワクチン接種プログラム」の策定を農林水産部に指示したことを明らかにした。同プログラムは豚コレラのワクチン接種に向けて、接種地域や必要数量などを示すもの。玉城知事は「迅速に対応することが目的だ。あらゆる用意をする必要がある」と説明した。ただ、ワクチン接種を実施するかどうかについては、関係団体との論議などを経て決めるとして判断を示さなかった。豚コレラの感染拡大防止に向け、国や畜産団体が意見を交わす県CSF防疫対策関係者会議は20日ごろ、開催する予定だとした。会議でワクチンが不要との判断が出た場合は「摂取をしない可能性も否定できない」と述べた。江藤拓農相が沖縄在来種の「アグー」の隔離を提案したことについては「アグーは大切な資源なので守りたい。どのような手だてが講じられるか(会議で)話し合いたい」と述べ、実施の可否を判断しなかった。

(豚コレラワクチン接種が始まる:新潟)
CSFいわゆる豚コレラの感染を防ぐため、新潟県内の養豚場でワクチンの接種が16日から始まりました。県の担当者らが上越地域振興局に集まり、ワクチンの接種は上越市の養豚場から始まりました。これまで県内でCSFの感染は確認されていませんが、隣接する長野県などで発生していることを受けて、国は新潟もワクチンの接種地域に指定。県内112か所の養豚場とイノシシ農場の、13万5千頭が対象です。県畜産課眞島操課長は「いつ本県に入ってもおかしくないという危機感を持って対応している。ワクチンを接種すれば完全に防げるというものではない。ウィルスが農場に侵入しないよう消毒の徹底を養豚場でしっかり対応していただきたい。」と話しています。ワクチンの接種は3月下旬までに完了する予定で、今回の費用は全額免除されます。

(山中に「ワクチン入り餌」散布:京都)
京都府は15日、府内の養豚場や動物園、個人が飼育する豚やイノシシに対して、豚コレラワクチンの一斉接種を始めた。22日までに、生まれたばかりの子豚や出荷直前の豚を除く約8千頭に接種する。府家畜保健衛生所の獣医師職員が7日間をかけて府内の飼養者43戸を回り、ワクチンを注射する。一斉接種分については1頭当たりの接種手数料200円は免除する。今後生まれる子豚(1カ月で約1600頭)に対しても順次接種する。また、野生イノシシの感染予防策として2月初旬をめどに、府と滋賀県境の山中にワクチン入りの餌の散布を始める。

(豚コレラで野生イノシシ調査へ:沖縄)
沖縄県は豚コレラ(CSF)の感染拡大を防止するために、県猟友会の協力を得て野生イノシシの調査を始める方針だ。8日に感染が確認されたうるま市の養豚場から半径3キロ以内について、イノシシの感染の有無について調査を始める。県自然保護課によると、2018年度の県内のイノシシ捕獲実績は2810頭で、うち捕獲した市町村が分かるのは1207頭だった。捕獲市町村が判明しているうち石垣市が228頭と最多で、東村(147頭)や国頭村(135頭)、恩納村(122頭)、名護市(108頭)など本島北部でも多く捕獲されている。うるま市は17頭で、捕獲南限は石川岳周辺という。県外で豚コレラの感染が拡大した理由の一つとして、感染した野生イノシシの存在が指摘されている。他の動物はCSFウイルスに感染することはなく、体などに付着しても時間経過とともに死滅していく。しかしイノシシは体内でウイルスを増殖しながら広範囲を動くため、感染の拡大につながる。本島北部ではリュウキュウイノシシが、畑でパイナップルや野菜などを食い荒らす被害が出るなど、人間の生活圏とイノシシの活動範囲は重なる部分がある。県営農支援課によると、18年度の本島でのイノシシ食害被害額は967万5千円に上る。

(豚コレラ、イノシシ餌付け開始:茨城)
豚コレラ(CSF)の感染源と疑われる野生イノシシへの経口ワクチン散布に先立ち、県は14日、散布予定場所での餌付けを始めた。21日までの4日間、県内10市町の山林などにトウモロコシの餌をまく。

(市街地にイノシシ、通報相次ぐ:山形)
16日午後3時35分ごろから同4時20分ごろにかけ、長井市九野本の平野小や、市街地西部でイノシシを目撃したとの通報が相次いだ。けが人は確認されていない。県猟友会西おきたま支部によると、3頭分の足跡が確認されたという。いずれも成獣とみられる。長井署や市によると、同校の東約500メートルの田んぼで見たとの110番通報を皮切りに複数の情報が寄せられた。同校の校庭や清水町1丁目の市浄配水場で確認されたほか、フラワー長井線沿いの台町では事業所入り口のガラス戸にぶつかり、割れる被害があった。他にも数件の目撃情報がある。市浄配水場の西側にあるはなぞの保育園では保育士や園児が窓越しに目撃した。迎えの時間帯は職員が周囲を警戒し、徒歩で迎えに来た保護者を車で送り届けるなど対応した。小野敦子園長は「被害がなくて何より。17日も送迎時などに気をつけたい」と話した。市教育委員会は近隣の小中学校に連絡。平野小と長井小は既に児童が下校していた。長井南中と長井北中は保護者に生徒の迎えを要請した。同署や市はパトカーや広報車、おらんだラジオの放送で注意喚起した。同支部によると、イノシシの足跡の状況から、平野小の西方にある道照寺平スキー場方面の山から来たとみられる。メスと、それを追うオスの可能性があるという。

(イノシシ出没、ケガ人はなし:新潟)
15日午前、魚市場や住宅街が並ぶ新潟県長岡市寺泊に体長1メートルほどのイノシシが現れた。ケガ人はいなかったものの、市は注意を呼びかけている。長岡市によると15日午前9時すぎ、「寺泊の市道をイノシシが下っている」と近くに住む人から通報があった。イノシシが向かったのは観光客も多くいる寺泊魚の市場通り方面。イノシシは公園に立ち寄るなどして海岸沿いなどを1キロほど歩き松林へ戻ったという。ケガ人はいなかった。長岡市は「イノシシを見つけても近寄らずに静かに立ち去ってほしい」と注意を呼びかけている。

(暖冬でクマ冬眠できず?、東北での目撃相次ぐ)
山形県南陽市で今月、小学校付近をうろつくクマが現れた。同県での1月のクマ目撃は7年ぶりで、東北各地でも出没情報が相次ぐ。暖冬の影響で冬眠から目覚めて居場所を探したり、そもそも冬眠に入れなかったりした個体とみられ、住民は農業被害や人と出くわした際の事故発生を懸念している。クマは本来、11月から12月中旬にかけて冬眠に入る。県によると、記録の残る平成19年以降、1月にクマが目撃されたのは25年と今年の2回だけという。東北では今年に入り既に福島で2回、青森、宮城両県で1回ずつ目撃情報が寄せられた。クマと人間の共生関係に詳しい東北芸術工科大の田口洋美教授(環境学)は「冬眠中のクマは完全に意識がないわけではない。気温が上がると、より快適な場所を求めて移動することがあり、暖かい日が続けば出没が増える可能性はある」と指摘している。

(クマが出没した痕跡が確認:大阪)
2019年12月末から2020年1月2日(木)にかけて、大字中畑付近において、クマが出没した痕跡(糞、爪痕)が確認されたとのこと。冬眠空けの春から繁殖期の夏にかけて出没するイメージがありましたが、今回は冬眠時期の出没痕跡。近年、異常気象や人里の拡大によって野生動物のエサが春や夏でも少なくなる傾向があるそうで、冬眠の為に蓄えがなく、冬に入ってもエサを求めて空腹状態の野生動物が山林を歩き回るという事態が起こっているんだとか。そうした根本的な原因も念頭に置きつつ、まずは、近隣住民の方や、付近を通行される方、ハイキングをされる方は、被害にあわないための対処方法をご確認いただき、十分にご注意くださいね。

(イノシシ、闇夜に消える:大分)
先日の夕方、中津市中心部の住宅地で「イノシシが出た」と住民から中津署に110番通報があった。署員がパトカーで駆けつけイノシシを発見。市役所職員、猟友会会員らと追い詰める中、イノシシは近くの水路や畑に入り込み、しばらく周辺をうろうろ。闇夜に紛れて、どこかへ逃げていった。翌日以降、目撃情報は寄せられていないという。「被害がなくて何より。でも、中心部の住宅地から、どこに消えてしまったのか」と署員。

(ウミガメの卵、イノシシ食害続く:鹿児島)
国内有数のウミガメ上陸・産卵地として知られる鹿児島・奄美大島などで、絶滅危惧種のウミガメの卵がリュウキュウイノシシに食べられる被害が続いている。ウミガメ研究者などでつくる「奄美海洋生物研究会」(興(おき)克樹会長)によると、2019年はウミガメの産卵巣293カ所のうち47カ所で被害が確認された。ウミガメの上陸・産卵は年々減少しており、研究会は食害の影響を懸念している。

(イノシシ駆除、通報から1時間でスピード解決:新潟)
1月16日朝、新潟県弥彦村にイノシシ1頭が現れ、まもなく地元猟友会会員が猟銃で駆除した。弥彦村でイノシシが駆除されたのは初めて。午前8時10分ごろ弥彦村南部の麓地内にある高齢者総合生活支援センター付近でイノシシが現れたと村に通報があった。村では駆除を想定して猟友会に出動の要請をしてから現地へ向かった。8時35分に高齢者総合生活支援センターに到着し、付近でイノシシを確認した。イノシシはそれほど人を怖がるようすもなく、えさを探しながら弥彦山と反対の方向へ進み、その後を追った。イノシシは、サンビレッジ弥彦の裏を通って県道2号新潟寺泊線に出ると、弥彦神社のある北へ向かって歩いた。進行方向左手の麓の集落に入ると人に危害を加えるおそれがあるため、田んぼの広がる右手へ曲がるように追い立てた。しかし、イノシシが向かった先に今度は村山の集落があるため、やむを得ず合流した猟友会会員に頼んで午前9時10分に猟銃で駆除した。通報から1時間でのスピード解決だった。イノシシはメスで体長約1メートル。前日15日にここから南東へ直線で約7キロ離れた長岡市寺泊の港などでイノシシ1頭が目撃されており、それと同じイノシシの可能性が高そうだ。12日にも寺泊からさらに南東へ約14キロ離れた出雲崎町の道の駅「越後出雲崎天領の里」で目撃されたという情報がある。一方、となりの燕市では2日に道金地内でイノシシ2頭が目撃された情報もある。2017年11月に燕市と弥彦村で同じ個体と思われるイノシシが目撃されている。いずれも以前はイノシシの目撃情報は皆無だった。2019年10月には燕市でも初めてのイノシシの駆除が行われるなど、日常の生活空間のなかにイノシシが入り込んでいる。先に信濃川が悠々と泳いで渡るイノシシが目撃されており、イノシシが現れないようにする対策はない。弥彦村では猟友会と連携を密にしてイノシシが現れたら必要があれば速やかに駆除するくらいしかた手だてがないのが現だ。

(クマ出没、過去10年で最多:福井)
福井県内でクマが大量出没した2019年度、目撃情報や痕跡確認などを含めた県内の出没件数は12月25日時点で861件、人身被害は9人に上り、過去10年間で最多となっている。クマの冬眠時期に入り、次第に落ち着きつつあるが、12月の出没件数も例年と比べると比較的多め。今後も山に入る際は、十分な注意が必要だ。4~8月の出没件数は299件、9月以降は562件で、餌を求めて動きが活発になる10月の293件、11月の167件が目立った。12月は25日時点で25件。市町別にみると、勝山市236件、大野市136件で奥越が突出して多く、福井市90件、高浜町69件、南越前町54件、永平寺町48件と続いている。県自然環境課によると、過去15年間で大量出没したのは04、06、10、14年度の4年間。統計は今年3月までだが、19年度の出没件数と人身被害は既に、06年度(1553件、人身被害10人)、04年度(1333件、同15人)に続く多さとなった。クマの大量出没は一般的に、餌となる木の実の不作のほか、里山に人の手が入らなくなってやぶ化することにより、人里に近い場所まですみかが広がることが原因の一つとされている。今後について「秋のように餌を求めて集落を歩き回ることは考えにくいが、冬眠といってもずっと寝ている訳ではない」と同課の担当者。「起きて動き回るクマもいるので、山に入る際は十分注意してほしい」と呼び掛けている。

(ドングリ凶作の年はツキノワグマに注意:奈良)
環境省のレッドデータブックで絶滅の恐れがある地域個体群に指定されている紀伊半島のツキノワグマについて、ブナやミズナラなどドングリ(堅果類)の凶作の年に出没件数が増加する傾向にあることが、奈良県森林技術センターの調査で明らかになった。紀伊半島のツキノワグマは近年、個体数が増加しているとみられる。大量出没への備えに役立てようと、同センター森林資源課の高田敦史さんが平成25~30年に調査した。その結果、県農業水産振興課鳥獣対策係からの報告で、秋(10~12月)の出没件数がとくに目立った28年(15件)と26年(11件)はブナが凶作で、コナラやミズナラも結実数が少ないなど関係性がうかがえたという。ツキノワグマは冬眠前の秋に栄養を蓄える習性があり、主要なエサ資源であるドングリの豊凶が出没件数に影響するとされる。高田さんは「これまで調査が行われていなかった紀伊半島でも、同様の傾向を確認することができた」としている。また、高田さんは「カメラトラップ調査」によるツキノワグマの生息数調査も実施。はちみつなどでクマをおびき寄せて撮影する手法で、29、30年に調査した十津川村で計7頭、28~30年に調査した上北山村で計12頭の生息が確認された。高田さんは「さらに調査を継続し、出没予測や生態系の保護管理に生かしていきたい」と話している。

(カラス1万羽が来襲、市民は戦々恐々:熊本)
熊本市内にカラスが異常発生して、さまざまな被害が出ている。およそ1万羽のカラスが、街路樹、電線、ビルの屋上に押し寄せ、「ギャーギャー鳴いてうるさい」「気持ち悪い」「空が真っ黒になる時もある」と市民は困り顔だ。翌朝は市内のいたるところでフン害だ。カラスがとまっていた歩道橋の手すりにはフンがべったり、公園のベンチ、公衆電話ボックス、駐車してあった車などは悲惨な状態になっていた。清掃の専門業者は「カラスのフンの掃除は大変。高圧洗浄機では追いつかないので、デッキブラシを併用しているが、それでも20~30分かかる」と話す。農業への被害もある。タマネギ農家は「せっかく植えた苗を根こそぎ抜いてしまう。抜くだけで食べないので、余計腹が立ちます」という。年間100万~150万円の損害だという。カラスが大量発生するようになったのは2018年11月だった。東都大学の杉田昭栄教授によるとミヤマガラスで、中国やロシアから冬鳥として渡ってきて、3月頃まで日本に留まる。司会の国山ハセンは「ミヤマガラスは1970年代に九州に飛来し始め、90年代に分布を拡大し、2000年代にはほぼ日本中に広まっています。今後、関東にも大群で飛来する可能性もあります」と伝えた。フン害は青森や新潟でも問題になっている。佐賀市はミヤマガラスの捕獲を試みている。網製のワナを作り、中にエサと仲間のカラスを入れておびき寄せる作戦だ。しかし、捕獲できるのはハシブトガラスやハシボソガラスばかりで、警戒心の強いミヤマガラスはワナにかからない。熊本市の郊外などでは爆竹で追い払っているが、街中はそれも難しい。画家の中島健太は「フン害だけでもバカにならないが、フンによってウィルスや病原体が広がるリスクがあります」。弁護士の山岸久朗は「カラスは鳥獣保護法の対象になっており、勝手に捕獲すると1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科される可能性もあるんですよ」。

(あなたの田畑守れてますか?:福島)
福島県では、地域に密着した鳥獣被害対策を進めるため、全国に先駆けて“鳥獣被害対策市町村リーダー”(市町村職員として鳥獣被害対策推進の中心的な役割を担う専門的な人材)の配置と、その活動に対して支援を行っています。この公開シンポジウムでは、市町村リーダーの重要性やその役割、そして現在、県内各地で活躍中の市町村リーダーの活動や成果を知っていただき、皆さんの地域で野生鳥獣から農作物を守りながら安心して農業を続けるにはどのような取り組みが必要か、考えていきたいと思います。

(住宅地にカラスの集団:静岡)
藤枝市の住宅地に早朝大量のカラスの集団が現れ、大きな鳴き声などに付近の住民たちは不安を募らせている。13日の早朝、藤枝市駿河台の住宅地で撮影した映像。どこからともなく集まった100羽近いカラスの群れが我が物顔で周辺を飛び回り、電線に止まるなどして鳴き声を上げている。この地区では半月ほど前から日の出前や日没前にカラスの群れが現れるようになったという。カラスは集団で生活する習性があるが追い払う有効な対策はないという。早朝からの大きな鳴き声に住民たちは「鳴き声は朝がひどい。明るくなるころにすごい量のカラスの声が聞こえてきて、夕方に何グループか集まっては日暮れとともにどこかに飛んで行く。何グループかでカァカァ鳴きながらすごいです」と困惑していたカラスは日の出ととともにどこかに飛びたって行くということで「なぜ日の出前と日没前に現れるのか」と住民は首をかしげている。

(雪不足、シカによる食害も増加:長野)
雪不足の影響が長野県内各地で出ています。豪雪地・小谷村の「雪中キャベツ」は、雪の下に寝かせ、甘くさせた冬の特産品です。しかし、今シーズンは、緑の葉が顔を出している状況で、栽培している住民たちは困惑しています。長野県小谷村は、例年この時期は、村の中心部でも1メートルほどの積雪がありますが、今年はほぼゼロです。「小谷村伊折集落の冬の特産と言えば、こちらの畑にある雪中キャベツですが、今年は、青々とした葉がのぞいています」根を付けたまま、一定期間、雪の下に寝かせた「雪中キャベツ」。甘くみずみずしいキャベツになり、都会でも人気の特産品です。雪の多いシーズンは重機で掘り出しますが・・・。きょうの畑は、雪が解け、ほとんどのキャベツが顔をのぞかせていました。伊折集落は、15年ほど前から雪中キャベツづくりに力を入れていて、きょう16日は、阿部知事が視察に訪れました。「おいしい。(雪に覆われることで)明らかに味が変わりますね」「できれば本当は50センチくらい雪がかぶってくれればよかったんだけど…」JAや小谷村は、雪に覆われて2週間以上のものを「雪中キャベツ」としています。今シーズンは、年末年始の2週間ほどは雪に覆われた為、今のところ出荷や品質には影響はないということです。「雪は少ない。もうちょっとほしい」今後、雪に覆われていない葉の部分は凍ったり、解けたりを繰り返し、痛みやすくなることが心配されます。さらに、雪に覆われていないことで、思わぬ被害も生じています。「雪が少ないもんでシカとかが食べちゃって、逆にそういう被害の方が大きい」今週末には、人気の収穫体験ツアーが予定されており、住民は雪を期待しています。「雪がもう少しあれば、雪を掘りながら食べてもらえる。雪があればありがたいんですけど、その辺が・・・」

(自動カメラで把握模索、精度高め被害防ぐ:奈良)
環境省レッドリストで絶滅の恐れがある地域個体群に選定されている県内のツキノワグマ。一方、近年の生息数については不明な点が多く、県は生息状況の把握に向け、新たに自動撮影カメラを使った調査を進めている。個体識別に必要な「月の輪」がうまく撮影できないなどの課題もあるが、担当する県森林技術センターは「クマを誘導する手法の改良などを通じて調査の精度を高め、保護管理につなげたい」としている。県内の生息数については、環境省の依頼を受けた県が平成20年度に民間会社に調査を委託。ヘアトラップ法(餌の周囲に張った有刺鉄線で体毛を採取してDNAで個体を識別する手法)で「103・8頭~269頭(中央値157・6)」と推定された。

(鳥獣害対策へ人材育成:福井)
鳥獣害対策のリーダーを養成するため、県は十四日「県鳥獣害対策人材育成カレッジ」を開講した。嶺北と嶺南で計三十五人が受講する予定。来年度から市町を通じて集落に赴き、電気柵の設置などの指導者として活躍してもらう。イノシシ、シカ、サルなどによる農林産物の被害は、集落や地区単位で電気柵を設置したり、追い払いの仕組みを作ったりして防止に努めている。しかし、高齢化や人口減少で、作業を担える住民は減少傾向にある。「鳥獣被害に十分に対応できない集落が生じてきている」(中山間農業・畜産課)ため、県は居住地にこだわらず、ボランティア的に幅広い集落で鳥獣害対策を指導できる人材を育てていくことにした。カレッジの受講者は公募し、猟友会、農業法人、農家組合、JAの関係者や地域おこし協力隊らが集まった。県農業試験場(福井市)の嶺北会場ではこの日から二十人、若狭町上中庁舎などの嶺南会場では十五日から十五人が受講し、それぞれ二月中旬までの計四日間、全十六講義で学びを深める。参加者は、鳥獣害対策の法令、捕獲に必要な許可・資格について学ぶ。野外に出て電気柵を取り付けたり、捕獲用の鉄製おりを設置したりする実技も経験する。講師は宇都宮大農学部の小寺祐二准教授や県職員、NPO代表らが務める。全講義を受講すると、県から修了書が贈られる。県は各市町に養成人材の情報を提供し、高齢化などで鳥獣害対策が困難になっている集落に必要に応じて赴いてもらう。同課の担当者は「既にある電気柵の改良や点検、イノシシやシカなどを寄せ付けない方法を指導してもらいたい。来年度以降の養成も検討している」と話している。県によると、県内の鳥獣被害は電気柵の延長などで減少傾向にあるものの、二〇一八年度は水稲や野菜、果樹などで八千九百万円の被害が出ている。

(鳥獣被害、村民が立ち上がった:大阪)
イノシシをはじめ有害鳥獣の被害を防ぐ「鳥獣被害対策実施隊」が、大阪府千早赤阪村に発足した。メンバーは有志の村民らで、民間主体の実動部隊が結成されたのは府内初。捕獲用わなや電気柵の正しい使い方などを農家に指導し、被害ゼロを目指す。これまで村や地元猟友会が対策を講じてきたが、専門の部隊が発足したことで、持続的な対応が可能となった。村によると、村内では、有害鳥獣が稲を踏み倒したり、畑を掘り返して農作物を食い荒らしたりする被害や目撃情報が、3、4年ほど前から増加。農作物の被害額は、平成30年度で数百万円にのぼるとみられる。アライグマに荒らされたケースもあるが、ほとんどはイノシシによる被害という。被害の増加は耕作放棄地の拡大が要因。イノシシは、人家や田畑から遠い山林に生息しているが、田畑に農作物が栽培されなくなると、山林から移動して住み着くようになったとみられる。周辺には放棄されていない田畑もあるため、農作物を狙いやすい。「実施隊」は、隊員を公募したうえで、男性17人がメンバーとなり昨年12月に結成された。鳥獣被害防止特別措置法に基づく組織で、国から補助金が交付される。活動は効率的な被害防止を目指し、捕獲用わなや電気柵の正しい使い方を農家に指導。電気柵の故障や誤作動を防ぐ運用方法も細かく教える。また有害鳥獣の出没地域とともに被害状況を調べ、遊休農地の縮小にも取り組むとしている。これまで、村が電気柵設置の補助制度を設けたり、地元猟友会がイノシシを駆除したりしてきたが、きめ細かい活動に取り組む実施隊が組織されたため、長期的で効果的な対策がとれるようになる。隊長を務める村観光・産業振興課の菊井佳宏課長は「地元猟友会と両輪となり、被害対策に取り組む」と力を込めた。

(自民、予防的殺処分へ法案了承)
自民党は15日、農林関係会合を開き、家畜伝染病「アフリカ豚コレラ(ASF)」が国内で発生した際のまん延防止策として、健康な豚を予防的に殺処分できるようにする家畜伝染病予防法の改正案を了承した。議員立法で20日召集予定の通常国会に提出し、月内の成立を目指す。ASFは中部地方などで相次ぐ「豚コレラ(CSF)」より感染力が強く、有効なワクチンがない。改正後は、豚や野生イノシシへの感染が見つかった場所近くで飼われている豚が予防的殺処分の対象となる。

(封じ込めへ最終決断を:沖縄)
終息に向かうかにみえた豚コレラ(CSF)の感染がまた発生した。県は15日、うるま市の養豚場で県内4例目となる豚コレラの感染を確認したと発表した。同養豚場の1825頭を殺処分する。豚コレラはうるま、沖縄両市の7養豚場に拡大した。6養豚場では7326頭の殺処分と埋却が完了している。玉城デニー知事は同日、国や市町村、有識者、生産者団体でつくる「県CSF防疫対策関係者会議」を設立した。会議を早急に招集してもらいたい。不安を抱える生産農家とコミュニケーションを密にしワクチンのメリット、デメリットを検討した上で合意形成を急がなければならない。JAおきなわ、県養豚振興協議会など養豚関係4団体は県や江藤拓農林水産相にワクチン接種などを要請した。県は本島全体の養豚場に消石灰による消毒命令を出し、野生イノシシの感染を調査。感染源や感染経路の解明と、拡大防止を最優先している。当初、初期の発生地から半径3キロ圏内(移動制限区域内)で未確認だった養豚場の検査は全て「陰性」だった。しかし、1養豚場の豚が14日に死んでいるとの通報を受けて改めて検査し感染が確認されたという。最初に感染した養豚場から約100メートルしか離れておらず警戒していた。封じ込めの難しさが示された形だ。県は現在半径10キロ圏内(搬出制限区域)の他の44養豚場の検査結果を待っている。まん延する可能性が高いと判断できれば、ちゅうちょすることなく、ワクチン接種に踏み切るべきだ。養豚関係4団体の要請は、沖縄固有の在来種「沖縄アグー豚」の繁殖を担う原種保存も大きな柱だ。殺処分された一部養豚場にはブランドとして人気が高いアグーが含まれている。国と県は本島全域に広がった場合に備え、離島への一部隔離を検討しているという。宮崎県で家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の感染が広がった2010年、「宮崎牛」ブランドの種雄牛6頭を区域外に緊急避難させたことがある。ただ県の担当者は「今後、避難の状況があれば検討したい」などと述べるにとどまっている。もっと危機意識を高め、最悪の事態を想定して万全を期さなければならない。離島への隔離移転は、養豚農家から管理態勢などを不安視する声もある。移動に伴う感染リスクもある。隔離移転は困難を伴うが、準備しておくことは重要だ。中国や韓国、ベトナムなどアジアで猛威を振るっているアフリカ豚コレラ(ASF)にも警戒が必要だ。人に感染しないものの、致死率は100%に近いとされ、有効なワクチンや治療法がない。昨年9月に県の対策会議で、海外から持ち込まれたソーセージやジャーキーなどからASFのウイルスが国内で70件確認され、うち10件が沖縄だった。ウイルス侵入を許せばより深刻な事態となる。春節(旧正月)休みに入る今月24日から中国からも多くの観光客が訪れるであろう。検疫をはじめ水際対策を徹底しなければならない。

(「豚コレラ」って何?)
沖縄県内で34年ぶりに発生した豚コレラ(CSF)が広がりを見せるが、人にも感染するといった誤解や安全性に関する風評も見られる。CSFウイルスの特徴や、感染を広げないために注意する点をまとめた。豚コレラは豚とイノシシなどの伝染病で、CSFウイルスによって感染する。人間の「コレラ」は細菌が起こす病気であり、「豚コレラ」とは科学的には関係のない別の病気だ。CSFウイルスは豚とイノシシの細胞内でだけ増殖し、人の体内に入っても増殖できずに死滅する。仮に感染した豚の肉を人が食べても感染しない。感染した豚の排せつ物や唾液にウイルスが含まれ、養豚場を出入りする人間の靴や衣服、車両などにウイルスが付着することで、養豚場の外に持ち出してしまう恐れがある。野生イノシシが感染した場合、体内でウイルスを増殖させながら広い範囲を行動することになるため、感染拡大につながる危険性がある。養豚場近くのネズミやハエなどにウイルスが付着して媒介する可能性も指摘されている。農林水産省は「関係のない人は絶対に養豚場に近づかないこと。業務などで出入りする場合には靴底や衣服、車両などを徹底的に消毒する必要がある」と呼び掛けている。CSFウイルスは熱や乾燥に弱い。一方で、排せつ物など湿度の高い環境下であれば、3カ月程度感染力を持つというデータがあるという。豚への感染力は強く、ごく少量でも体内で爆発的に増殖し、致死率が高い。県は、豚に発熱や食欲不振、目の充血など異常が見られた場合には、すぐに家畜保健衛生所に通報するよう農家に呼び掛けている。

(豚コレラ流行、九州上陸に警戒を怠るな)
中部地方を中心に広がっている家畜伝染病の豚コレラ(CSF)が、海で遠く隔てられた沖縄県に飛び火した。きのうも新たな感染が確認され、収束の見通しは立っていない。国内では26年ぶりとなる飼育豚への感染が、岐阜県で確認されたのは2018年9月だ。その後、愛知や埼玉など関東・中部各県へと広がっていった。主な感染源は山中を移動する野生イノシシなどと推測されている。しかし、離島の沖縄で発生したことで、全国どこで感染が確認されてもおかしくない新たな局面に入ったと言える。国は感染経路の解明を急ぎ、防疫対策を立て直す必要がある。とりわけ、畜産が盛んな九州への感染拡大は、絶対に阻止しなければならない。豚の飼育頭数は鹿児島県が全国1位、宮崎県は2位で、2県で全国の2割を占める。南九州で感染が広がれば、地場畜産業への打撃だけでなく全国的な影響も計り知れない。宮崎県では10年、牛や豚に伝染病の口蹄疫(こうていえき)がまん延し、甚大な被害が広がった。悪夢のような災いが二度と起きないよう、行政や畜産農家は危機意識を最高レベルに引き上げ、あらゆる防疫策を講じるべきだ。豚コレラは豚やイノシシ特有のウイルス性伝染病で、発熱や食欲減退などを引き起こす。感染力が強く、致死率が高い。感染を防ぐには、イノシシ防護柵の設置や農場(畜舎)に出入りする際の消毒、生肉を含む可能性がある飼料の加熱処理などが有効とされる。まずは、畜産農家がこうした対策を徹底することが肝要だ。その上で、感染拡大の防止には早期の発見と通報が欠かせない。畜産農家は発熱や下痢などの異常に気づいた場合、速やかに自治体に通報してほしい。国は昨秋、感染リスクが高い地域を指定し、豚へのワクチン接種を認めた。接種すれば感染豚の発見が困難になり、輸出入にも悪影響を及ぼす可能性もある。それでも、優先すべきはまん延を食い止めることだ。感染が確認された都道府県は畜産業者と協議を進め、対策の一つとして接種も検討すべきだろう。中国と韓国では致死率が非常に高く有効なワクチンもないアフリカ豚コレラ(ASF)が流行している。手荷物として日本に持ち込まれた豚肉ソーセージなどからウイルス遺伝子が検出されている。空港や港湾など水際での防疫強化も欠かせない。豚コレラは人間には感染しない。ワクチンを接種された豚の肉を食べても、安全性に問題はない。風評被害を広げぬよう、私たち市民も正しい知識を持つ必要がある。

(豚コレラの侵入経路は依然判明:沖縄)
うるま市の養豚場で豚コレラ(CSF)の発生が確認されてから1週間が経過したが、沖縄への侵入の経路については依然として判明していない。発生農場を消毒し無無害化する防疫作業と並行して、国と県の疫学調査チームがどのような経路で沖縄に侵入したかや県内での感染ルートなどを調査している。沖縄で採取されたウイルスは、遺伝子の一部が本州で見つかっているウイルスの型と一致している。国の農研機構動物衛生研究部門では、最初に発生が確認されたうるま市の養豚場で採取されたCSFウイルスの遺伝子解析が進んでいる。解析後、本州のウイルスなどと比較して変化を分析するため「結果が出るまでには早くても2週間程度はかかる」(農水省)という。ただ、目に見えないウイルスの移動経路を確実に断定することは難しさもある。県内での感染経路についても不明な点がある。うるま市内での豚コレラ感染は隣接した養豚場間で距離の近さによる感染が推測されているが、3例目の発生確認となった沖縄市の養豚場はうるま市の養豚場と人や豚の行き来などは確認されていない。本州で感染拡大の一因とされている野生のイノシシについて、県内では北部を中心に生息が確認されている。捕獲記録の南限はうるま市だという。県は、県猟友会の協力を得て沖縄本島に生息する野生のイノシシを捕獲し、豚コレラの感染がないかについても検査を進めていく。

(「アグー」、離島隔離も:沖縄)
沖縄県で1986年秋以来、約33年ぶりに家畜伝染病「豚コレラ(CSF)」の発生が確認されてから15日で1週間。感染養豚場は計3カ所6施設、殺処分された豚は計約7300頭に拡大し、死骸の埋却、施設の消毒などの防疫作業が夜を徹して行われている。国や県は感染ルートの解明を急ぐ一方、在来の希少種「アグー」の絶滅回避に向け、繁殖の元になる親豚を県内の離島などに一時隔離する検討を始めた。CSFは8日、沖縄本島中部に位置するうるま市の養豚場で感染が確認され、10日には隣接する沖縄市の養豚場でも見つかった。海に囲まれた沖縄での感染は、2018年秋以降に続いた野生イノシシなどを介したとされる本州での拡大とは別ルートとみられ、感染経路の解明が進められている。沖縄では「鳴き声以外は全て食べる」と言われるほど、豚は欠くことのできない食材。中でもアグーは、約600年前に中国から渡ってきた豚を起源とした沖縄独自の品種で、甘みとうま味のある霜降りの肉質は全国的にも高い人気を誇っている。県はCSFの拡大に加え、県の特産品でもあるアグーへの感染について「これ以上広がれば観光面にも影響が出かねない」(畜産課)と今後の展開を憂慮。こうした声を受け、江藤拓農林水産相は14日、アグーの親豚を離島などに隔離する方針を表明した。感染地での豚の移動はウイルス拡散の恐れがあるが、国が移動や隔離施設の確保に必要な費用を助成するなど、全面的に支援するという。県は、感染拡大を防ぐためワクチン接種も検討。しかし、接種に踏み切ればアグーブランドの価値が損なわれる可能性もあることから「総合的に判断していきたい」(同)としている。

(ガン・カモ類、例年並み傾向:鳥取)
鳥取県は12日、県内の池や川など11カ所で本年度のガン・カモ類の生息調査を実施し、26種1万9128羽を確認した。前年度より1万582羽減少したが、前年度に天神川でマガモが原因不明で1万羽以上増えた。

(「いのしし丼」復活:宮城)
名物いのしし丼が復活です。このいのしし丼を提供する宮城県丸森町の「金八寿司」は、去年の台風19号で浸水し、営業できなくなっていましたが、先週、営業を再開。店のご主人は「丸森に再び光を灯したい」と話します。「営業中」の幟が立ったのは、丸森町にある飲食店「金八寿司」です。49年、店を営んできた砂澤守さん(76)です。「さあ、やるぞ!…こんな感じですね」店の自慢はイノシシ料理です。砂澤さんが、この調理場で再び包丁を握るまで、およそ3ヵ月かかりました。金八寿司がある丸森町の中心部は、去年10月、台風19号の豪雨で、一帯が水に浸かりました。金八寿司も自宅を兼ねた店舗の1階が浸水しました。「片付けが終わっても、電気が来ない、水道が使えない。店の再開はちょっとかかりますよね」1メートル以上、浸水した店内。離れて暮らす子供たちやボランティアの力を借りながら、営業再開を目指して片付けてきました。自宅の修繕が完了する見通しは立っていません。「ただ、お店だけは早めに再開したいと復帰したが、自宅はそのまま。災害そのまま。だけど、もっとひどいところがあるから、自分のところだけじゃないから、頑張るしかない」丸森町出身の砂澤さんは東京で修業を積み、1971年に、金八寿司を開店。丸森は古くから「イノシシの北限の地」とされていることを活かし、名物にしようと、『いのしし丼』を考案。震災後は、山形県産などのイノシシ肉を使い、季節の野菜と醤油だれで煮た自慢の一品です。「ここに生を受けて飲食店をやっている以上、丸森のまちおこしに寄与したいという気持ちは前からありましたよね」店の再開が、再び、丸森に人が集まるきっかけになればと願っています。「少しでも丸森町に光を…ということで『もう一度頑張って、光をともそう』という気になったのは正直なところ」再開へ、砂澤さんの背中を押したのは、50年以上使う大事な道具、卵焼きの仕上げに使う「焼き印」が無傷で見つかったことでした。棚の上の引き出しにしまっていて、浸水をまぬかれたのです。「引き出しを開けてみたら生き残っていたので、あ~、『これはまた店をやれ』という印かなと自分勝手に思っていました」。早速、駆けつけた仙台市内からの常連客。注文した寿司ランチには、『金八(きんぱち)』の焼印が押された卵焼きがありました。丸森に再び、光を…。その思いで、きょうものれんをあげます。

(苦手な臭い、イノシシ退散:富山)
石川県立大(同県野々市市)客員名誉教授の長谷川和久さん(76)=小矢部市=と、NPO法人「省エネと環境対策研究所」(金沢市)は十六日、イノシシを寄せ付けない効果を見込む忌避剤を試作したと発表した。今月下旬から小矢部市と石川県の七尾、輪島両市で実証試験をする。忌避剤はイノシシが臭いを嫌う成分を含むインド原産の植物「ニーム(インドセンダン)」のエキスを混ぜ込んだ粒。ニームのほか、輪島市門前町の竹炭、魚粉、米ぬかなどを混ぜ合わせて乾燥させた。ニームの苦味成分「アザディラクチン」は害虫が嫌うため防虫剤に使われ、イノシシにも忌避効果が期待できるとして網などに用いた商品が既にある。里山でのイノシシによる農作物被害が増えていることから、長谷川さんが理事長を務めるNPO法人「日中資源開発機構」(石川県野々市市)と研究所が石川県産業創出支援機構のファンドを活用し、商品化を目指している。ニームを提供した肥料会社、岡本清右衛門商店(高岡市)の岡本清右衛門社長(81)は原産地のインドではニームの葉をお茶にして飲んでいることを紹介し、「イノシシの忌避にも有効」と説明。長谷川さんは「イノシシ被害で困っている農家を助ける選択肢の一つになれば」、研究所の山田正彦理事長(71)は「忌避剤でイノシシを遠ざけ、おりに誘導して捕獲するまでのシステムを構築したい」と話している。

(ジビエで地域活性化)
ジビエのシーズンがやって来た。ジビエは、狩猟で得られる野生鳥獣類を意味するフランス語。家畜にはない自然な味わい、力強い香りがある。最近は1年中食べられるようになったが、体に脂肪を蓄えていちばんおいしくなる旬は、狩猟が解禁される秋から冬だ。日本で狩猟できる鳥獣は48種あるが、代表的なのがシカとイノシシである。王侯貴族の時代から現代まで、フランスでジビエは最高級食材として珍重されてきた。日本でもフランス料理の好きなグルメの間で知られていたが、一般に広く認知されたのは、野生鳥獣による農林被害が深刻化する2000年代以降だった。人口減少が進む日本だが、皮肉なことに、野生動物の数は増加している。なかでもシカとイノシシの増え方は爆発的だ。農産物を食い荒らす被害額が200億円を超える年が続き、各地で駆除対策が積極的にとられるようになった。捕獲した鳥獣の大半は、土に埋めるか焼却で廃棄されている。そこで、せっかく奪った命を無駄にせず、食肉として有効活用しようと、和洋中の各料理店が取り入れるようになった。こうした動きのなか、ジャンルを問わずジビエという呼び名が定着し、最新版の「広辞苑第七版」に収録されるまでになった。ジビエで地域活性化に取り組む自治体が全国に広がり、ご当地ジビエ料理のレシピ開発も盛んに行われている。肉食禁止だった江戸時代、シカは「紅葉(もみじ)」、イノシシは「牡丹(ぼたん)」「山鯨(やまくじら)」と呼びかえて、こっそり鍋料理でたしなまれていたくらいで、和食との相性も非常によい。ジビエを食べるときに、もっとも注意したいのが安全性である。ぐるなび総研が「今年の一皿」に、ジビエ料理を選んだ14年、人気の高まりを受け、厚生労働省が「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針」を策定した。加熱が不十分なイノシシ肉、シカ肉には、E型肝炎ウイルス、寄生虫の感染、腸管出血性大腸菌による食中毒のリスクがある。にもかかわらず、猟師が自己流で解体した肉を使ったり、刺身や半生で出したりする店が跡を絶たなかった。指針では、許可施設で解体された肉を用いることと、中心部の温度が75度で1分間以上、または同等の効力がある方法で加熱し、絶対に生食はやめることを呼びかけている。18年5月には農林水産省による「国産ジビエ認証制度」の運用がスタートし、指針を守って適切に処理されたシカとイノシシの肉は、認証ラベルを貼れるようになった。いまや通販で生肉やソーセージなどの加工食品が手軽に取り寄せられるようになり、この11月29日からは、認証基準を満たした肉を使った「ジビエ鹿肉バーガー」が、ロッテリア全国123店舗で発売中だ。急速に衛生管理が進展した今日、ジビエは牛や豚と同様、安心して賞味できる食肉になりつつある。

(イノシシ肉で商品開発:鹿児島)
鹿児島県瀬戸内町加計呂麻島の住民団体「加計呂麻島ジビエ研究会」は、同島に生息するリュウキュウイノシシの肉を活用した新商品を開発している。同島ではイノシシによる農作物被害が深刻化しており、佐藤幸雄代表(50)は「希少なリュウキュウイノシシの肉をおいしくいただき、猟師減少の歯止め、農作物被害の減少、地域活性化にもつなげたい」と話している。同研究会は害獣イノシシの地域資源化を通じ、地域の産業振興、活性化などにつなげようと2017年に設立された。同島安脚場の使われていなかった牛舎の一部を自分たちで改修。19年9月に町内初の獣肉処理施設をオープンした。同施設ではイノシシの解体から精肉にするまでの作業を行い、加工は静岡県の専門施設に委託している。研究会のメンバーはいずれも島内在住で兼業猟師の佐藤代表、数原正信さん(70)、山田和広さん(40)と、事務局を担当する水谷淳一さん(50)。19年度は町から総務省過疎地域自立活性化推進事業「希少種リュウキュウイノシシを活用した『加計呂麻島ジビエ』新商品開発及び販路開拓調査事業」の委託を受け、事業費約1千万円で新商品開発のための設備導入や本土での試食会開催、販路開拓に取り組んだ。昨年11月30日に東京、12月9日に大阪で開催した試食会では▽ロースハム▽パストラミ▽塩麹はちみつ薫製ベーコン▽スモーク・ソーセージ▽レバーパテ―など7品目の試作品を用意。東京会場では同町の酒店「瀬戸内酒販」の協力を得て、黒糖焼酎とのマリアージュ(食材と料理の相性)も試してもらった。今後は試食会でのアンケートなどを基に売り出す商品を選定。価格を決め、今年2月から販売を始める予定。

(臭みのないジビエ料理提供:大阪)
害獣駆除のプロハンターで、料理人でもある宮井一郎さん(48)が営むイタリア料理店。島本町の山間部で野生のイノシシやシカなどを捕り、自ら解体して店で調理する。オリーブオイルや塩・コショウで味付けされたシンプルなジビエ料理が人気だ。肉本来のうまみを生かしながら、臭みがないのが特徴。宮井さんの持論は「肉の臭みは動物のストレスから来る」。

(限定ジビエ味わおう:和歌山)
イルミネーションを眺めながら「わかやまジビエ」を味わおう。和歌山マリーナシティ(和歌山県和歌山市毛見)で開催中の光のイベント「フェスタ・ルーチェ」会場内のマーケットゾーンで18、19日、「ジビエマルシェ」が開かれる。県産の野生のイノシシ、シカ肉の普及に向けて2011年度から開かれている「わかやまジビエフェスタ」とのコラボレーション企画。同フェスタ参加店のシェフによる、会場限定、数量限定のメニューが楽しめる。提供されるのは、休暇村紀州加太(同市深山)の「ジビエカレー」と「ジビエヌードル」、Meat Garden(ミート・ガーデン、同市和佐関戸)の「鹿肉のホットドッグ」。いずれも税込み500円、一日限定50食となる。両日は、チケット売り場窓口で合言葉をスタッフに伝えると、フェスタ・ルーチェ入場券とジビエマルシェで使える500円クーポンを先着ペア各25組にプレゼントする。

(ジビエWEEK:宮崎)
森の恵み堪能して―。美郷町で捕獲したシカ肉を使った料理を期間限定で販売する催し「美郷ジビエWEEK」は、宮崎市と同町の飲食店10店で開催中。2月8日まで。野生鳥獣肉(ジビエ)への関心を高めようと、同町が初めて開催した。各店舗はシカ肉を使ったピザ=写真=やステーキ、カレーなど趣向を凝らしたメニューを提供している。「農林業の現場ではシカなどによる食害が大きな問題となっている」と担当者。来店客がジビエを味わうとともに、中山間地の課題をかみしめる機会になることも期待している。

(よさこいジビエフェア:高知)
シカやイノシシなどの肉をつかったジビエ料理が県内各地の飲食店で味わえる「よさこいジビエフェア2020」が1月15日から始まる。3月13日まで。今年は17市町村の51店舗が参加。「いのしし汁」(長岡郡大豊町の「燈(ひ)ので家(や)」)、「イノシシ肉のラザニア」(高知市の「レストラン タンドル・ターブル」)、「シカ肉の鉄板焼き」(須崎市の「武蔵坊」)など趣向を凝らしたジビエ料理を提供する。参加店舗をまとめたガイドブックを県内の道の駅や市町村役場で配布。ジビエ料理を食べた感想などを書いて応募すると、シカ肉ソーセージとイノシシ肉が当たるアンケートはがきも付いている。鳥獣被害の対策で捕獲したシカやイノシシを地域の資源として有効活用しようと、高知県鳥獣対策課が2014年から毎年企画している。

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