<射撃ニュース2月>
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(全日本選手権は中止、ライフル射撃協会)
日本ライフル射撃協会は22日、東京都内で開いた理事会で、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、全日本選手権(3月13~15日、宮城県ライフル射撃場)を中止にすることを決めた。一方、3月28、29日に都内で行われる東京五輪の最終選考会は、予定通り実施することを確認した。

(射撃大会は無観客試合に:三重)
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、パラリンピック関連のイベントも影響を受けている。東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園で24日に予定されていた普及イベント「ビヨンド・スタジアム2020」は中止に。競技体験会やトークショーなどで約2万人の来場が見込まれていた。日本障害者スポーツ射撃連盟は24日、三重県で29日~3月1日に開催するパラ射撃の大会を無観客試合にすると発表した。

(釣りの最中、海からイノシシ:長崎)
24日午後4時半ごろ、長崎県長崎市小江町の岩場で釣りをしていた市内の50代男性がイノシシに襲われ助けを求めたと、通行人が110番通報した。稲佐署などによると、海を泳いできた体長約1メートルのイノシシが岩場に上がり、釣りをしていた男性に突進してきたという。署員5人が現場に駆けつけると、男性はイノシシを海中に押さえ込んだ状態で、付近の道に人だかりができていた。男性はイノシシともみ合いになって一緒に海に落ち、イノシシを海中に押さえ込んで窒息死させたという。男性はかまれたほか、太ももに裂傷を負っており、病院に搬送された。同署にはイノシシの目撃情報は時折、寄せられるが、泳ぐ姿の情報は珍しいという。同署の担当者は、男性が押さえ込んだことに「驚きましたよ」と話した。

(石巻専修大、卒業研究の成果発表:宮城)
石巻専修大理工学部生物科学科4年生約50人による卒業研究ポスター発表会が15日、キャンパス内で開かれた。「海洋生物」「動物」「植物」の3コースに分かれ、自作のポスターを披露しながら来場者に研究の成果を説明した。各コースごとに投票が行われ、投票数が多く優れた内容と評価を受けた学生にポスター賞が贈られた。動物コースの関優香さん(22)は石巻、登米両市周辺地域のニホンジカをDNA解析した動向調査について発表。「解析の結果、牧草地がある牧ノ崎、黒崎地区のほか、牡鹿半島外の橋浦、針浜、真野地区が特に集団数が多くシカが移動している」と推測。牡鹿半島系列のニホンジカのほかに、登米、皿貝などの地域は岩手県から南下した集団もいると考えられることが分かったという。関さんは「シカの移動ルートや集まる場所での狩猟が有効。岩手県からの南下阻止も重要だ」と適切な狩猟対象区画を考察した。

(クマ捕獲が急増:福島)
福島県内では野生のクマが捕獲されるケースが急増し、今年度は去年12月末の時点で500頭を超えました。平成20年度以降、各年度の1年間の捕獲頭数をすでに上回っています。環境省のまとめによりますと今年度、県内で捕獲されたクマは去年12月末時点で553頭と、昨年度1年間の254頭の、2倍以上に急増しています。平成20年度以降、最も多かった捕獲頭数は平成26年度の431頭で、今年度はこれも大きく上回り、全国では北海道に次いで2番目に多くなっています。また目撃件数やけが人も増え、警察によりますと去年1年間の目撃件数はおととしより40件多い554件、けが人はおととし、1人だったのが10人となりました。県内でクマが急増した理由について県の自然保護課は、山にエサが少ないなか、野菜の収穫時期を迎えた6月から7月に人里におりてきたことが考えられるとしていて、「万が一、クマに遭遇したときは刺激しないようにゆっくり後ずさりして逃げることが効果的だ」と注意を呼びかけています。

(クマ捕殺、最多368頭:群馬)
群馬県内で昨年4~12月に市街地に迫るなどして捕殺されたツキノワグマは368頭(速報値)で、年度途中でありながら統計が残る2006年度以降で最多となったことが22日までに、県のまとめで分かった。餌となる木の実類が凶作で、食料を求めて人里に出没しているためとみられる。県などが耕作地に農作物や果実を残さないよう呼び掛ける一方、環境保護団体は「将来的には森林環境の保全が不可欠」と指摘している。「石段街の近くにクマがいる」。10日朝、渋川市の伊香保温泉を訪れた女性観光客から市に通報が寄せられた。市は猟友会、警察などと付近を捜索。近くの山林に捕獲用のおりを設置したり、看板を設置したりと対応に追われた。市農林課によると、普段は観光客でにぎわう石段街周辺での目撃情報は「極めて珍しい」。伊香保ロープウェイを上った県総合スポーツセンター伊香保リンク周辺では昨年夏ごろからクマの目撃情報が相次いでいたという。県自然環境課によると、本年度の捕殺数は12月までの集計で、前年度(206頭)の1.8倍ほどに増加。クマの分布域が拡大している上、ドングリなどが凶作だったため、人里への出没が相次いだとみられる。木の実類の豊凶で年によりばらつきがあるが、近年はおおむね増加傾向にある。市街地などでの目撃情報は19年4~12月に県内で1032件寄せられ、この10年で初めて1000件を超えた。懸念されるのは人や農作物への被害だ。昨年5月と9月には嬬恋村と川場村でそれぞれ男性がクマに襲われてけがをした。18年度のクマによる農作物の被害は約1270万円に上った。県はクマの被害を減らすため、耕作地に餌となる農作物や果実を残さないよう呼び掛けている。山に入る際は複数人で行動し、鈴やラジオなど音が出るものを携帯するほか、クマに近づかず、刺激しないでほしいとしている。クマの保護や山林保全に取り組む日本熊森協会県支部の川崎実支部長(80)=高崎市片岡町=は「山に食べ物が不足しており、野生動物が飢餓状態になっている」と説明する。状況を打開しようと同団体は10年ほど前から、ドングリを拾い山林にまいている。川崎支部長は「やみくもにクマを駆除するのではなく、広葉樹を増やすなど生息域である山林の環境保全にも努めるべきだ」としている。

(豚熱未発生県のイノシシ、国環研が検査担当)
環境省所管の独立行政法人国立環境研究所(茨城県つくば市)は4月から、野生イノシシで豚熱が発生していない道府県で、捕獲した野生イノシシや死亡個体の豚熱検査を始める。発生県と検査機関を分けることで交差汚染のリスクを減らし、既存の検査施設の負担軽減につなげたい考えだ。

(アフリカ豚熱の阻止策強化、改正案第2弾を閣議決定)
政府は25日、アフリカ豚熱(ASF)の国内侵入阻止へ、水際対策の強化を柱とする家畜伝染病予防法改正案を閣議決定した。観光客が増える東京五輪の開幕までに施行したい考えで、4月ごろまでの成立を目指す。海外からの違法な肉製品の持ち込みに対する罰金の大幅引き上げや、旅行客らの荷物を検査する「家畜防疫官」の権限強化を盛り込んだ。アフリカ豚熱は豚やイノシシに感染する家畜伝染病で、アジアで感染が拡大。国内で流行する豚熱(CSF)とは別の病気で、致死率がより高い。有効なワクチンがなく、まん延すれば養豚業に大きな被害が懸念される。今回は対策の第2弾となる。

(野生イノシシ6頭豚熱感染:三重)
三重県は20日、桑名市と菰野町で捕獲された野生イノシシ6頭について、CSF(豚熱)の陽性反応が確認されたと発表した。県内で感染が確認されたイノシシは42頭となった。県によると、感染が確認されたイノシシは2―7日にかけて、地元の猟友会によって捕獲された。うち1頭は桑名市多度町内での捕獲、5頭は菰野町の千草や杉谷などにまたがる。いずれも山林などに散布した経口ワクチンが感染の原因ではないことが国の検査によって判明。四日市市以南で捕獲されたイノシシの検査結果はこれまで、全て陰性となっている。

(野生イノシシの豚熱感染を確認:長野)
長野市で野生のイノシシへの豚熱いわゆる豚コレラへの感染が確認され、北信地方では初めてとなります。県によりますと、今月16日、長野市小鍋の山中でわなで捕獲したメスの野生イノシシを検査機関で調べた結果、豚熱の陽性反応が確認されたということです。北信地方で野生イノシシへの豚熱の感染が確認されたのは初めてです。県では、このイノシシが捕獲された周辺で経口ワクチンの緊急散布を検討しているということです。また長野市は市営のジビエ加工センターへの野生イノシシの受け入れをあすから当面、休止することを決めました。豚熱に感染したブタやイノシシの肉を食べても人に影響はありませんが、「市民に安心できる食を提供するという観点での判断」としています。

(豚熱対策で巡回員2人配置:群馬)
群馬県の山本一太知事は25日の県議会一般質問で、豚熱(CSF)対策の一環として、獣医師の資格を持つ「衛生管理巡回員」を新たに配置し、養豚場の衛生管理を強化していることを明らかにした。県は今月6日から3月末まで、2人の巡回員に県内の養豚場を巡視させ、野生イノシシなどの侵入を防ぐ柵の設置状況など、農場の衛生状態が適正に維持されているかを確認する。課題があれば県家畜保健衛生所を通じて指導し、改善を促す。県によると、防護柵は設置予定農場の全体の65%に相当する210カ所(20日時点)で設置済みという。

(県予算案内示、有害鳥獣対策:山形)
イノシシの生息域拡大に伴い、農作物被害が急増している現状を受け、県は被害の防止や軽減に向けた緊急対策に乗り出す。県内4地域で地元住民向けの研修会を開いて危機管理意識の醸成を図るほか、捕獲の担い手確保・育成に力を入れる。県内で繁殖、定着が懸念されるニホンジカに関しては生息状況の把握を進め、越冬地での捕獲を試みる。イノシシは明治以降、県内で絶滅したとされたが、地球温暖化などの影響で県外から入り込み、今では県全域に生息する。2018年度の農作物被害額は7260万円で17年度(5086万円)の1.5倍近くに上り、過去最高となった。県は猟友会を通じて捕獲を進めているが、被害に歯止めがかからない状況だ。各地で被害が相次いでいる一方、イノシシに関する知識が乏しく対応に苦慮する農家も多い。研修会は被害に遭った集落を対象に村山、最上、置賜、庄内の各地域で開催。農林水産省登録の被害対策アドバイザーを招いて生態を学び、緩衝林整備などの対応策について理解を深める。県猟友会の会員数は1978(昭和53)年度の7141人をピークに減少。2015年度以降は増加に転じ、今年1月末時点で1616人となっている。近年、狩猟免許の取得者は年300人前後で推移しているが、猟友会への入会は半数程度にとどまる。新規取得者向けのセミナーを開いて入会を促すほか、わなによる捕獲や安全管理に関するフォローアップ研修会を開いて新たな担い手の技術向上を図る。イノシシの捕獲にはワイヤを用いた「くくりわな」を使用することが多い。ばねの作用で輪が締まって足を捕らえる仕掛けだが、イノシシが暴れて一度の使用で壊れるケースが相次いでおり、県は猟友会員らの補修資材購入費を助成する。県と市町村が費用を2分の1ずつ負担し、継続的な捕獲につなげる。わな設置後は頻繁に見回りをする必要があるが、時間的負担が大きく狩猟の妨げになっている。各市町村の鳥獣被害対策実施隊などが設置したわなを、民間の警備会社が代わりに見回る仕組みづくりを進めるため、必要な経費について市町村を支援する。さらに猟銃事故防止に向けた安全射撃講習会の参加者に対し、使用するライフル弾などの費用を1人3千円程度補助する。19年度に引き続き、農家などに対する電気柵の設置やわな購入費の支援も行う。ニホンジカも本県では絶滅したとされていたが、イノシシの後を追うように侵入が増えている。17年の目撃件数は41件だったが、18年は122件に急増し、幼獣も見つかった。19年は71件の目撃があり、依然として繁殖、定着の可能性が高い状況となっている。ニホンジカは大抵の植物を食べるため、農作物被害に限らず森林生態系への悪影響が懸念される。個体数の増加を防ぐためには、早めの対策が鍵を握る。20年度は捕獲の強化を目的に、山形大農学部と連携して広範囲にわたる生息調査を行う。越冬地となり得る場所を調べ、来冬に県内2カ所で捕獲試験を行う。

(ゾーニング管理に取り組みクマ対策:秋田)
秋田県では近年、ツキノワグマによる農作物被害が増加し、2018年度の農作物被害総額約4500万円のうち43%を占める。クマと人間との棲(す)み分けで農林被害と人身事故を減らすため、県では2018年3月から各地域を奥山ゾーン、市街地周辺ゾーン、市街地ゾーンの三つに区分してゾーニング管理するツキノワグマ被害防止活動支援事業を始めた。ゾーニング管理に取り組む地域を支援し、4市町6地区でモデル的に取り組む。山林に囲まれる県北の鹿角市では初年度から3地区で取り組む。農林業が盛んな「市街地周辺ゾーン」では刈り払いや強度間伐により緩衝帯を設置。クマの誘引物となる放置果樹や野菜の廃棄を減らす他、被害の多い場所では電気柵の設置を進めている。大半が市街地周辺ゾーンとなった三ツ矢沢自治会(川上仁会長、71)では、集落ぐるみのクマ対策を進めるため2017年度に市の担当者を招いて独自の勉強会を開いており、2018年度には同事業のモデル地区に指定された。専門家として派遣された岩手大学の青井俊樹名誉教授が「クマゾーニング管理実施計画」策定を指導。各集落に入って環境診断を行い、集落の意見を取りまとめて被害防止対策に取り組んだ。事業ではクマ対策の説明会や座談会を繰り返し開催。座談会はワークショップ形式で行い、地図上に色別のシール(白=食害、黄=誘引物、赤=目撃)を貼り付けた。クマの目線で魅力のない集落にするための課題を整理し、「誰が、いつまでに、どうするか」も決めた。クマの生態に関する青井名誉教授の話は事例が豊富で説得力があり、クマに詳しいと思っていた住民に思い込みがあることを気付かせた。

(カラスの鳴き声でおり誘導:富山)
市は新年度、市中心部の富山城址公園をねぐらとするカラスを、カラスの鳴き声で捕獲する実験を始める。カラスが仲間に伝える「ここは危険」「こっちは安全」という意味の鳴き声が出る装置を使って捕獲用のおりに誘い込む。富山県内では初の試みとなる。新年度当初予算案にカラスの鳴き声発生装置導入費165万円を盛り込んだ。装置は約20年間にわたり、カラスを研究している宇都宮大の塚原直樹特任助教が代表を務める民間会社「クロウラボ」(宇都宮市)が開発した。近年では八戸市で成果を上げ、現在は福井県あわら市でも実証実験が行われている。城址公園そばの建物の屋上2カ所に鳴き声発生装置を設置し、「ここは危険」という意味の鳴き声を流す。一方、城址公園内に設置されている捕獲用のおりにも装置を置き、「こっちは安全」「餌があるよ」といった鳴き声を流すことで、カラスを安心させ、おりにおびき寄せる。実験は6月ごろから夕暮れ時の1時間程度を予定する。市内のカラス生息数は2012年度は7500羽だったが、市の対策により16年度は3330羽に減った。17年度は3611羽に増加に転じ、18年度は3070羽。捕獲数は16年度が607羽、17年度が2027羽、18年度が2330羽と増加し、今年度は1月末時点で2499羽と過去最多となっている。市は昨年、カラスに餌やりを禁止する条例を県内で初めて施行。カラスに対し城址公園内での居座り禁止を呼び掛ける看板を設置した。

(クマ対策に「新兵器」:福島)
県内でクマの活動が活発になる時期に合わせ、県会津地方振興局は会津大の斎藤寛上級准教授(44)と協力し、里山へのクマの出没をいち早く察知する仕組みづくりに乗り出す。里山に設置する警報装置のセンサーがクマに反応して音や光を発し、メールなどで市町村職員らに即座に知らせる。通知を受けた職員は地元住民らに注意を呼び掛けて人的被害を防ぎ、暮らしや観光の安全安心につなげる。早ければ四月末から会津地方三つのモデル地区で社会実験として実施し、将来的に普及を目指す。社会実験のモデル地区は未定で、警報装置は遊歩道や通学路近くへ設ける方針。クマの活動が活発になる時期に合わせ、一カ所につき複数台を置く。警報装置は赤外線による熱感知センサーで動物を撮影し、マイクロコンピューターでクマと認識すれば、警報音を出して青色回転灯を点灯させ、付近の住民らに知らせる。同時に会津大に置くサーバーを通じて市町村職員らに自動メールで情報を流したり、インターネット上の地図に目撃場所を示したりする。職員は猟友会などと情報を共有し、住民に注意喚起する。音や光による撃退効果も検証する。警報装置は、撮影した動物の画像がクマかどうかを自動で見極める「機械学習」の機能を備える。マイクロコンピューターには、ツキノワグマの特徴を集めたデータが内蔵され、撮影した画像とデータを照合してクマかどうかを判断する。警報装置は木に取り付け、高さ約一・五メートルから監視する。障害物がなければ十五メートルほど先のクマを感知できる。夜は赤外線投光器が自動で作動し撮影する。電源はソーラーパネルと蓄電池で確保する。機械学習は、斎藤上級准教授が人工知能(AI)の課題の一つとして研究に取り組んでいる。斎藤上級准教授は高い精度でクマを見分けられるよう改良を重ね、省エネ化などを進める。「音や光に人が気付けばクマから逃げられる。人身事故の減少につながればいい」と話す。振興局は二〇二〇年度当初予算に事業費五百万円を計上した。食害が問題化するイノシシ、シカへの応用や、県内外への普及も視野に入れる。振興局の市村尊広次長は「観光客や住民がクマの被害に遭わないよう効果を期待している。機器を一般市民が使えるようにしたい」としている。

(鳥獣被害防止へ結束:富山)
砺波市の東山見地区自治振興会(沖田孝夫会長)は24日、鳥獣被害の防止や地域活性化に向け、住民でつくる「青山にこにこクラブ」を立ち上げた。設立総会が、同市庄川町金屋の庄川ふれあいプラザホールで開かれた。同地区の山あいにある青山霊園周辺では近年、イノシシやクマ、シカ、サルなどの鳥獣が姿を現すようになった。農作物被害の防止に加え、住民の安全安心のため、同霊園周辺での電気柵の設置に力を入れていこうと、クラブを設立することにした。総会には、地元団体の代表者ら約40人が出席。電気柵の設置・維持管理のほか、庄川ゆずや希少植物サイカチなどの地域の魅力発信などを盛り込んだ事業計画を承認した。代表には、雨池善正さん(70)=同市庄川町金屋=を選んだ。

(サル被害、対策話し合う:和歌山)
御坊市や日高郡の農家や猟友会、自治体などで構成する「日高地域鳥獣被害対策本部」の研修会が、日高川町小熊の町農村環境改善センターで開かれた。最も大きいサルの被害について話し合った。冒頭、本部長の日裏勝己・印南町長が「日高地方の農作物の被害額は年間4000万円を超え、サルによる被害が約40%を占めると報告。

(クマ被害対策考える、住民がワークショップ:福島)
北塩原村と県は19日、村自然環境活用センターで桧原・裏磐梯地区ツキノワグマ被害対策講習会を開き、クマ対策を考えた。参加者はクマの生態や被害対策の基本的な考え方、猪苗代町の地区で行われているクマ対策の事例紹介を学んだ。地区住民が中心のワークショップでは、地区のクマの出没、被害状況や今後行いたい対策などを話し合った。村では、昨年5月に金山地区、7月には剣ケ峯地区でクマの人身被害が発生。県は裏磐梯の保全を目的に「ツキノワグマ被害防止総合対策事業」のモデル地区に裏磐梯地区を選定している。

(猟師と狩猟体験いかが:兵庫)
猟師と一緒に山を歩き、狩猟を体験できるイベントを、兵庫県佐用町の猟師らが3月1日に開く。参加者10人ほどを募っており、「興味がある人は気軽に参加して、雰囲気を味わって」と呼び掛ける。同町をはじめとする西播磨地域ではシカやイノシシによる獣害に悩む農家が多いが、猟師の人口は減少する一方。幅広い地域から人を集め、猟師のなり手を増やそうと、同町の大西茂さん(68)ら地元猟師が企画した。

(農業サル被害対策研修会:和歌山)
日高川町農村環境改善センターで21日、日高地域鳥獣被害対策本部(本部長=日裏勝己印南町長)の研修会が開かれた。日高地方の農業者や県と市町、JA紀州の職員、猟友会の会員ら33人が集まり、専門家の講演とグループワークで、とくにニホンザル被害の効果的な軽減方法を勉強。専門家からは、成果を上げている先進地の具体的な対策が示されたうえで「地域の力で被害を軽減できる」との話があり、参加者は熱心に聞き入っていた。日高振興局によると、2018年度の鳥獣被害額は果樹を中心に4200万円に上り、そのうちサルは約40%を占める。年々、サルの捕獲数を増やしているものの被害軽減の決め手にはなっておらず、効果的な対策を学ぼうと防除が難しい獣類のニホンザルに絞った研修会を企画した。講演会ではニホンザル対策の専門家、㈱野生動物保護管理事務所関西分室副室長・清野紘典さんが「地域における効果的なニホンザル対策の進め方」をテーマに話した。清野さんは、効果的な被害軽減へは自然災害と同じように、自助(地域の一人一人が取り組むこと)、共助(地域で力を合わせて実現すること)、公助(行政の責任として推進すること)が必要と主張。自助と共助に該当する「地域の被害対策」については、餌となる収穫しないカキやクリ、田畑に残された野菜などの誘引物の除去をはじめ、柵の設置、追い払い、やぶをなくす――の4点を挙げ、捕獲などの公助にプラスして不可欠であることを強く訴えた。柵の設置では電気柵がとくに効果的と指摘。追い払いではロケット花火や電動ガンなど飛び道具の活用を推奨したが、「道具に頼りきるのはよくない。人の圧力が大事」と人海戦術の重要性をアドバイス。1匹でも手を抜かない、複数人で行う、どこでも誰もが追い払う、一歩でも山に入って追い払うなどの注意点も紹介した。滋賀県では追い払い効果がはっきり確認されている事例があり、「追い払い後、7、8年間サルは来ていない。効果がある」と述べた。やぶの対策では宮城県の事例から「餌場、隠れ場所になる。刈り払って見通しをよくすると、集落に出にくくなる」と分かりやすく説明。最後に「捕獲だけ進めても被害は減らない。この4つの方法にいかに取り組めるかが被害軽減のポイント」とし、地域の力しだいでサル被害防止が可能であることをあらためて強調した。

(電柱営巣情報マップで蓄積、停電防止へカラス対策:愛媛)
2月下旬から始まるカラスの繁殖シーズン。停電を引き起こす恐れがある電柱での営巣を防止しようと、四国電力八幡浜事業所は今年も管内のパトロールを開始した。効果的に発見しようと、管内(愛媛県八幡浜市、伊方町、西予市)の営巣マップを作製し、10年以上の発見記録を蓄積。海岸沿いの人家の多い集落で営巣が多いなどの特徴があるといい、「情報が早期の除去につながる。住民からもぜひ寄せてほしい」と呼び掛けている。

(東京大会公式ウエア発表、伝統的デザインに先端技術)
東京オリンピック(五輪)とパラリンピックで日本代表選手団が着用する公式スポーツウエアが21日、都内で、お披露目された。選手村、移動時、表彰式などで身に着けられる。伝統的デザイン技法と、先端の技術と機能が詰まっており、コンセプトは「ジャポニズム」。カラーは「サンライズレッド」で、朝日が昇る力強さがイメージされている。大会のゴールドパートナー(国内最高位スポンサー)であるアシックスが支給している。真夏の環境でも過ごしやすいように通気性に優れているのも特徴。16年リオデジャネイロ五輪より5倍の通気性があり、速乾性も備える。男子マラソン代表の服部勇馬(26=トヨタ自動車)は「緊張で汗が止まらなかったのですが、すぐに乾いた。速乾性に優れている」と話した。また環境にも配慮し、衣類を再利用している。アシックスは不要になった衣類を集めるプロジェクトを推進。集まった約4トンの中からポリエステルのみを抽出。そこから作られた糸によって、公式スポーツウエアは作られている。服部は「このウエアには物語がある。関わったすべての人の思いを背負って、東京オリンピックに立ちたい」と決意を新たにした。トランポリンで東京五輪代表に内定している森ひかる(21=金沢学院大ク)は「Tシャツの生地もすごくさらさら。着心地がいい。短パンも軽くて、涼しい。オリンピックのユニホームを着るのが夢でした。夢を与えられるように頑張りたい」と笑顔。クレー射撃女子トラップで5度目の五輪出場が決まっている中山由起枝(40=日立建機)は「(公式ウエアを着ると)代表選手としてスイッチが入り、モチベーションが上がる。サンライズレッドに色に負けないぐらいの最高の笑顔を表彰台で見せたい」と活躍を誓った。

(獣害深刻化する小さな町、猟師増えジビエ講座超満員:福井)
自然に恵まれ、野生動物と“共存”していた福井県池田町でも近年、獣害が深刻化している。被害防止へ町民が狩猟資格を取り、自分の農地は自分で守ろうという動きも出始めたほか、仕留めた野生動物を解体・試食する体験教室は定員の倍以上の申し込みがあるなど、ジビエとして利用しようという動きも町内で広がりつつある。「特にここ5年は、年々被害がひどくなっている」。クマやシカが樹液を求めて杉の皮をはいで木が枯れる被害が相次ぎ、町森林組合では幹に防護用ネットを張るなどの対策に追われている。70代の農業主は「畑に電気柵を設置しても飛び越えられるなどで効果が薄く、被害は減らないのが現状」と肩を落とす。町によると前季の冬が暖かく、弱って死ぬ「自然死」が減少、本年度は全体の頭数が増加傾向にある。獣害対策への理解を深めようと、町では2年前から、狩猟資格を持つ職員の岡村祐さん(35)が被害のあった集落に出向き、わなでの捕獲から埋却までを実演してみせる活動に取り組んできた。岡村さんは「実演を見て、山や畑を守るため自分で狩猟資格を取る人が出始めた」と話す。県猟友会によると、会員数はほぼ横ばいだが、池田支部では本年度新たに4人が加わり約30人となった。割谷に山林を所有する男性(68)は昨年猟友会員になり、初年度で約30頭のイノシシやシカを捕獲した。「山を守る親の姿を見て育った者として、獣害で壊れる山を見捨てられん」と話す。池田支部の本年度の捕獲数は1月末時点でシカ376頭、イノシシ194頭を捕獲と、いずれも前年度を100以上上回っている。駆除だけでなく、仕留めたイノシシやシカをジビエ料理として活用する動きも町内で広まってきた。いけだ農村観光協会が3年前から開いているイノシシやシカの解体・試食体験講座は定員の2倍以上の申し込みがあり、キャンセル待ちとなっている。イノシシの串焼きやシカ肉コロッケを製造販売する男性(34)は春からはシカ肉のミンチカツを新しく加える予定だという。獣害駆除は仕留めた個体を山に埋めるまでの作業となり、時には1体で100キロを超すような大型個体の処理もある。高齢化による獣害対策の重負担、個体の埋却地の不足など課題も多い。岡村さんは「自分の畑や山は自分で守る、という意識が芽生えてきたことは大きな意義がある。その意識を町全体に広げていきたい」と話す。捕獲―ジビエ活用というように、駆除の役割を町内で分担できる体制がさらに進めば、産業として確立する道も広がる。生まれ始めた個人の動きををつなぐネットワーク化が、持続可能な獣害対策につながる。

(“ジビエ”ハヤシライス給食に:大分)
山林で駆除されたシカやイノシシなどの肉、いわゆる「ジビエ」を子どもたちに味わってもらおうと日田市の小中学校の給食にシカの肉を使ったハヤシライスが出されました。日田市では、田畑や山林を荒らすシカやイノシシが年間3400頭あまり駆除されていて、これらを有効利用しようと3年前から市内の小中学校の給食にジビエ料理が出されています。21日は、市内の給食センターでシカの肉170キロを使ってあわせて5400人分のハヤシライスが作られ、このうち桂林小学校では、300人あまりの全校児童と教職員が味わいました。このハヤシライスは、地元の高校生が考案したレシピをもとに給食向けに調理され地元産のタマネギやキノコもふんだんに使われています。子どもたちは、シカの肉の歯ごたえを確かめながらおいしそうに食べ、中にはおかわりをする子もいました。5年生の男の子は「初めて食べましたが、とても柔らかくておいしかったです」と話していました。日田市有害鳥獣対策係の高倉大一主幹は「多くの人にジビエ料理を食べてもらい、農林被害の減少につなげだい」と話していました。

(考案シシ肉料理うまし:愛媛)
愛媛県今治市の今治明徳短期大と岡山理科大獣医学部の学生14人がこのほど、同市伯方町北浦の集会所「鎮守の杜(もり)」でイノシシの肉を使った料理のお披露目会を開いた。住民は学生が考案した竜田揚げやしし汁、ピザなどを味わい、農作物に深刻な被害を与えている害獣の有効な活用方法を実感した。

(「ジビエで起業」の体験語る:京都)
京都市伏見区の京都府立京都すばる高校(京都市伏見区向島西定請)で2月19日、起業創造科の生徒を対象にした「ソーシャルベンチャー講演会」が行われた。2019年度から、商業科を「起業創造科」と「企画科」に学科改編した同校。起業創造科は、会計やマネジメントを中心にまなび、それらを土台としながら地域や社会課題をビジネスの視点で解決を目指す学科。経営者視点や感覚で社会や会社の現状を見極め、課題解決のための創造的な思考や行動ができる人材の育成も目的としている。同科では、伏見いきいき市民活動センターと連携。同センター長の三木俊和さんが地域協働実施支援員として、地域や社会課題をテーマにした授業をサポートしている。今回の講演会は、その取り組みの一環。当日は、三木さんが教壇に立つ課題解決実践プログラム「Ryu-SEI GAP(龍谷大学政策学部 Glocal Action Program)」で学びながら、学生起業した株式会社RE-SOCIAL代表取締役の笠井大輝さん、江口和さん、山本海都さんが講演。同科の生徒約100人を前に、大学のゼミで取り組んだ「獣害被害調査」をきっかけに、ジビエをテーマに京都府笠置町で起業した経緯や資金調達の方法、事業内容を説明した。笠井さんは「ジビエ料理の普及には鹿肉を安定供給する仕組みが重要。捕まえた鹿を柵の中でしばらく飼う『養鹿』や、猟師の保有できる檻をシェアする『檻のオーナー制度』、『鹿肉のハラル認証取得』に取り組んでいる。さまざまな部位を流通させることで、獣害被害を少なくして、人間と動物が共存できる循環型社会を実現したい」と語りかけた。同科の河野翔太教諭は「地域や社会課題解決という、答えのないことに挑戦している。価値創造型社会の中で普段のビジネスの学びを、様々な仕掛けを通して生徒に『おもしろい、楽しい』と思って貰えるような授業作りに努めたい」と意気込む。

(ジビエ食べ比べBBQセット:千葉)
農業6次産業化ビジネスを手掛ける、株式会社ザファーム(本社:千葉県香取市)が運営する、農園リゾート「THE FARM(ザファーム)」は、千葉県産の地元猟師監修『ジビエ食べ比べBBQセット』販売を2月29日(土)より開始します。この度、「THE FARM 日帰りBBQエリア」に『ジビエ食べ比べBBQセット』が登場します。使用するジビエは、千葉県房総地域で捕れた地産地消のものを使用。実際に房総で猟をする猟師の元で、捕獲の事から血抜きの方法、またジビエならではの美味しい焼き方まで学んだ上で作り上げた、THE FARM BBQ自信の新メニューです。使用するジビエは「止め刺し」にこだわる猟協流通ジビエを使用。しっかりとした血抜きで臭みも少なく、豊富な餌を食している事で香り豊かでジューシーな肉質が特徴です。季節によって脂の付き方、香りの違いを楽しむのがジビエの魅力の1つ。毎日食す猟師さんだからこそ感じ取れる“旬”を教授頂き、春夏は香り豊かなジビエ本来の味を。冬は脂ののったジューシーなジビエを。季節に応じた美味しい味をお楽しみ頂けます。脂ののった猪・ヘルシーな鹿・定番の牛と豚、お肉4種の“ジビエ食べ比べBBQセット”を是非ご賞味下さい。

(ジビエ料理コンテストで農林水産大臣賞:大阪)
第4回ジビエ料理コンテストで1位となる農林水産大臣賞を獲得した平岡祐子さんは枚方市民だそうです。ジビエ料理というのは、狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を使用する料理で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきた食文化です。ジビエ料理をより日常的な食材として普及していくことを目的とした今回で4回目となるコンテスト。平岡さんは鹿肉を使った料理「棒棒鹿(バンバンロク)」を作り、見事、農林水産大臣賞を獲得。平岡さんは枚方市内で「シカ肉料理教室&発酵ワークショップ ぽけっと」という教室をされています。

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(ジビエ料理店、レース鳩を「撃ってきました」:埼玉)
埼玉県内のジビエ(野生鳥獣)料理店が2020年2月10日、射殺したレース鳩の写真をSNS上に投稿し、狩猟家らから批判が相次いでいる。レース鳩は、鳥獣保護管理法で定められた狩猟鳥獣の対象外だ。日本鳩レース協会はこのハトの飼い主特定を進めており、県も調査に乗り出す。投稿を見つけた、狩猟に携わる千葉県在住の30代男性によれば、写真は店のSNSで2月10日に投稿された(現在は削除済み)。写真は2枚添付され、猟銃と並んだハトなどの死体と、下処理したハトの姿が確認できる。脚環がついたレース鳩も1羽写っていた。投稿には「鳩鴨スズメ撃ってきました!!美味しく調理して出します!」と書き込んであった。前述の男性はJ-CASTニュースの取材に、「狩猟対象のキジバトと、ドバト(カワラバト)の判別を誤るなんてありえません。ましてやレース鳩の脚環がついているのに、何の疑問も抱かなかったのか不思議でしょうがありません。同じハンターとして強い憤りを覚えます」と話す。鳥獣保護管理法では、野生のハトはキジバトのみ狩猟できる(諸条件あり)ものの、カワラバトを品種改良したレース鳩は対象外だ。男性は「レース鳩の飼い主様への誠実な対応と、狩猟者としてルールを正しく守り、周囲への配慮もできないのであれば銃は持つべきではないと思います」とも説いた。日本鳩レース協会は13日の取材に、会員からの報告で投稿を把握したといい、「レース鳩で間違いない」と断言。飼い主の特定を進めており、今後の対応は飼い主と相談したいとする。埼玉県自然環境課は同日の取材で、「当然レース鳩を撃っていいという法律はない。掲載されていた写真やコメントを見る限り、鳥獣保護法に抵触する疑いがある」との見解を示し、「今後適切に対応していく」と述べた(20日の再取材でも、同じ趣旨の回答だった)。店の従業員は20日、取材に応じ、写真は知り合いの猟師が撮影したものだと明かした。レース鳩の狩りと処理はこの猟師が行ったが、店の宣伝のために偽ってしまったという。従業員によれば、下処理済みの肉を調理の勉強のために仕入れ、客には提供していない。猟師の話では、ハトの持ち主はまだ見つかっていないとする。現在、警察や保健所から聞き取りを受けており、「レース鳩に対する勉強不足で、ちゃんと狩猟をしている方々のイメージを悪くしてしまいました。持ち主さんにも申し訳ない気持ちです」と陳謝。聞き取りなどがひと段落し次第、謝罪文の掲載を予定しているとした。

(吹き矢でシカ捕獲、コスパ悪くて断念:北海道)
北海道稚内市は、市街地のエゾシカ対策として3年前に採り入れた麻酔薬を使った「吹き矢」捕獲を断念した。すみかと見られる裏山での冬の一斉捕獲も少雪続きで効率が悪く、休止を決めた。新年度は独自に小型囲いわなを買い、新たな捕獲体制で臨むという。市は小型囲いわなの購入費用として新年度予算案に253万円を計上した。道が昨夏、ノシャップ岬に近い弓道場裏に小型囲いわなを設置し、約2カ月で39頭(オス28、メス11)を捕獲した。市では今年6月~10月、弓道場より南でエゾシカがよく群れで出没する西浜地区の学校跡地に設置する計画だ。夏の囲いわなでの捕獲は、自然のエサが豊富なだけに難しいとされていたが、甘めのビートパルプに誘引され、道は手応えを感じていた。市は道と同様、離れた場所からスマートフォンを使ってわなの中の様子を確認し、複数頭が入った時点で入り口の扉を落とす仕組みを踏襲。専門業者に頼らず、市と地元猟友会で捕獲するという。吹き矢は銃を使えない住宅地や公園などでの有効な捕獲方法として採用。17年度に3頭、18年度に15頭、19年度は27頭を捕獲した。だが、麻酔薬を使うため、専門業者へ委託しなければならず、捕獲したエゾシカも食肉としては活用できなかった。

(帰還見据えイノシシ捕獲:福島)
東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故から3月で9年。原発周辺で放射線量が依然として高く、住民の立ち入りが制限される「帰還困難区域」では、すみ着いて人家や畑を荒らすイノシシなどの野生動物を捕獲する取り組みが続いている。「2019年度のイノシシ捕獲頭数は前年度の2倍を超える」。環境省の担当者は実績を強調する。同省は13年度から、年間被ばく線量が20ミリシーベルト以下に下がらず住民の立ち入りが制限された「帰還困難区域」内で、イノシシなどの捕獲を開始した。富岡、大熊、双葉、浪江町と葛尾村の計5町村に300個の箱わなを設置して捕獲を続けており、これまで捕獲したイノシシの総数は間もなく5000頭に達する。なぜ捕獲が必要なのか。事故に伴い住民が避難した区域では、直後からイノシシやアライグマなどの野生動物が町中にもすみ着くようになり、その後繁殖を繰り返して生息数が大幅に増えたとされる。避難後の無人の住宅に入り込んだり、水稲や果樹を食べて田畑を荒らしたりする被害が続いているほか、過去には一時帰宅中の住民がイノシシに襲われたこともあった。幹線道路沿いでイノシシの姿を見ることも珍しくないという。

(ニホンジカ生息域拡大に対策)
ニホンジカによる農作物被害が深刻だ。耕作放棄地の増加などを背景に生息域が国土の約6割(2014年度)に拡大し、17年度の被害額は全国で55億円に上る。さらに今後、地球温暖化の影響で生息域が広がるとの試算もあり、対策強化が必要になりそうだ。「積極的に捕獲を続けないと、すぐに数が増える」。兵庫県鳥獣対策課の担当者が強調した。同県は、西部地域を中心に推定で約8万頭(17年度末)が生息する。水田に植えたばかりの稲や、特産品の丹波黒大豆が食べられるなど18年度に2億2000万円の農林業被害があった。

(ドローンでクマ威嚇やイノシシの苦手な臭い噴出:富山)
富山県は新年度、半径数百メートルの限られた場所で第5世代(5G)移動通信システムを展開する「ローカル5G」を活用して、有害鳥獣被害対策のモデル事業に乗りだす。里山に出没する鳥獣を最先端技術で識別し、イノシシに苦手な臭いを噴出したり、クマやサルを遠隔操作のドローンや草刈り機で威嚇したりして撃退する。建設現場の省力化を図る実証実験も行い、現場の負担軽減につなげる。18日発表した新年度当初予算案に、ローカル5Gを活用した地域課題解決の実証費3億円を計上した。国の新年度予算に盛り込まれる開発実証事業費37億5千万円の一部を活用して実施する。県の提案を国に採択してもらった後、県内でローカル5G基地局を新設し、既存の4G基地局と連携して事業を行う。有害鳥獣対策は、呉西と呉東の農園1カ所ずつでの実施を想定し、夏以降に展開する。農園などに設置した4Kカメラで鳥獣を撮影し、人工知能(AI)で識別する。ドローンや草刈り機を遠隔操作し、現地に人を配置しなくても撃退対策を講じることが可能となる。イノシシが嫌う臭いの噴出方法をはじめ、ドローンや草刈り機を遠隔操作する方法など技術面については、専門家の意見を聞きながら研究を重ねる。建設現場のモデル事業では、現地に設置したウェブカメラで現場の様子を撮影し、ベテランの作業員が離れた場所で確認する。その情報をもとに、現地に派遣した経験の浅い作業員に指示を出し、作業を進める。事業を巡っては、石井隆一知事が5日、総務省を訪ね、県の提案を採択するよう要請するなど準備を進めている。県の担当者は「人手不足の解消につなげ、全国のモデルとなるような取り組みにしたい」と話した。

(カラス個体数が減少傾向:青森)
弘前市カラス対策連絡協議会(座長・東信行弘前大学農学生命科学部教授)が18日、弘前地区環境整備センターで開かれた。市の調査報告では、箱わなによる捕獲などの対策を通じて個体数が減少傾向にあり、今後はカラス被害をいかに減らすかが課題だとした。

(一時保管施設を2カ所整備:高知)
兵庫県香美町は増え続けるシカ対策の一環として、捕獲したシカの一時冷凍保管施設「ストックポイント」を町内2カ所に整備し、今月上旬に運用を始めた。地元の猟友会員や農会が捕獲したシカを山中に埋設処理する負担を軽減することで、捕獲頭数の増加を目指す。有害鳥獣を一時保管する施設の設置は県内の自治体で初めて。シカは多可町のNPO法人「カンビオ」が同町で運営する加工処理施設に搬送し、ペットフードに利活用されるという。香美町によると、南但馬から北上したシカは町内全域に生息。同町の捕獲実績は2009年度には47頭だったが、15年度に初めて千頭を超え、19年度は昨年12月末時点で過去最高の1487頭に上った。農作物や果樹、庭木などの食害のほか、車との接触事故を起こすなど住民生活への影響も懸念されている。猟友会員らが銃やわななどで捕獲すると、町から1頭当たり1万3千円の報償費が支払われる。町は19年度当初予算の約2300万円に加え、12月の補正予算で約900万円を計上したが、山林に重機などで穴を掘って埋設処理する作業が負担となり、増え続けるシカに捕獲が追い付かない状態となっている。そこで同町は、捕獲したシカを1頭丸ごと搬入できる木造平屋建て(約25平方メートル)の一時冷凍保管施設「ストックポイント」を、同町村岡区長板と同町香住区下岡に約1700万円かけて1棟ずつ設置した。同町は美方郡広域シルバー人材センターの職員に週1回、多可町の加工処理施設への搬送を有償で依頼。カンビオには1頭当たり7千円の処理委託費を支払う。県猟友会香住支部会長の安田裕至さん(75)=香美町=は「会員は捕獲したシカの持って行き場に困っていたのでありがたい」と歓迎する。1頭の処理費は猟友会員らへの報償費と合わせて2万円になり、搬送費やストックポイントの維持費も必要だが、同町農林水産課の担当者は「経費負担の増加は覚悟の上。1頭でもシカを多く捕獲してもらえれば」と話している。

(イノシシの目撃情報:熊本)
熊本県警荒尾署は18日、長洲町長洲付近で同日午後3時ごろ、イノシシ1頭の目撃情報があったとして、メールで警戒を呼びかけた。署はイノシシを目撃した場合、大声を出さず、静かにその場から離れて役場や警察に連絡するよう促した。

(イノシシがくる!「観光客は注意」:岐阜)
大河ドラマの舞台の一つ、岐阜城がある岐阜市の金華山(標高329メートル)周辺で、野生のイノシシと観光客が遭遇するリスクが高まっていることが、岐阜大学などのグループの研究で分かった。都市におけるイノシシの生態調査は非常に珍しい。グループは今後、リスクを数値化して重点対策地域の選定を目指すという。調査したのは、岐阜大の池田敬特任助教(野生動物管理学)らの研究グループ。2017~18年に市や岐阜森林管理署と協力し、金華山全域(約597ヘクタール)を20区画に分け、約20台の自動撮影カメラを設置して生態を調べた。岐阜城がある山頂付近から山麓(さんろく)まで網羅し、登山道だけでなく、普通は人が通らない急斜面や獣道も含んだ。各区画ともに地面から約1メートルの木に赤外線カメラを固定し、イノシシが通ると撮影。調査期間中、イノシシが全区域で計約2800回写った。統計学の手法で撮影時間や分布を分析し、20区画のうち17区画では夜間に撮影されるケースが多かったが、3区画では昼夜に大きな差はなかったという。イノシシは夜行性だが、昼間に活動する場合、その多くが観光客や住宅地を避ける傾向があったという。ただ、観光客が多く利用する地域で昼間に撮影された事例や、登山道からわずか10メートルほどの地点で撮影された事例もあり、昼間にイノシシと登山者が遭遇するリスクは潜在的に高いことが示された。

(「サル」の目撃情報:兵庫)
2020年2月19日(水)から明石市内でのサルの目撃情報があります。サルを見かけた場合は目を合わせたり、不用意に近づいたりしないように注意しましょう。

(バス停付近で子グマらしきもの目撃:三重)
三重県鈴鹿市の北西部、大久保町と小岐須町のいずれも人里近くでクマらしきものの目撃情報があり、市では学校や自治会などに注意を呼びかけています。鈴鹿市によりますと、18日午後6時ごろ、鈴鹿市大久保町の集落にあるバス停付近で、子グマらしきものを目撃したという情報が入り捜索を行いましたが、足跡やフンなどクマがいた痕跡は発見されませんでした。鈴鹿市内では、8日夕方にも市北西部の小岐須町でクマを目撃したという情報がありました。鈴鹿市によりますと、一昨年5月に市内の山林でクマを見かけたという情報はありましたが、人里での目撃情報は今回が初めてで、市では周辺地区の全ての住民に注意を呼びかけるチラシを配るとともに、パトロールを強化するということです。

(ザゼンソウ群生地が壊滅的被害:群馬)
前橋市の天然記念物に指定されている沼の窪のザゼンソウ群生地が壊滅的な被害を受けたことが分かった。市観光振興課によると、野生イノシシが掘り返して食い荒らしたとみられ、落胆の声が上がっている。ザゼンソウは僧侶が座禅を組む姿に見えるのが名前の由来という。沢沿いの幅約50メートル、長さ1300メートルの市有林の中に約3千株が群生し、整備された木道から花を見るのがハイカーらの楽しみだったが、今月10日ごろに被害が確認された。写真仲間と花を撮りに来たという高崎市金古町の高橋照保さん(81)は「こりゃあ、ひでえ。花が全然ねえ。せっかく来たのにがっかり」とため息をついた。

(絶景スポット遊歩道、獣害で無残:福井)
福井県越前町梨子ケ平の越前水仙の絶景スポット「梨子ケ平園地」は今シーズン、開花状況が良好で、週末に大勢の観光客が訪れている。園地は集落の奥にあり、歩いて行くしかないが、遊歩道はイノシシによる獣害などで路面が削られ、手すりが複数箇所で壊れている。県や町が何度も補修したものの、獣害や浸食はやまず「対策が追いつかない」という。観光客にとって危険な状態が放置されたままとなっている。梨子ケ平園地は越前海岸を背景に、約2ヘクタールの斜面に水仙が咲き誇る。今シーズンは積雪が少ないため花が倒れることもなく、訪れた観光客からも好評だ。遊歩道は約50年前に県が整備し、普段は町が管理している。集落の奥の小高い山を1周する形の全長約1キロで、途中にある園地に向かうには、切り立った崖の上に設けられたコースと、山を登っていくコースの二つがある。いずれも道幅1メートル弱で車は通れない。崖の上のコースの方が近道で、観光客らはこちらを選んでいる。だが獣害や風雨による浸食で、路面が削られている場所が少なくない。道幅の半分以上が削られた箇所もあり、人が1人通るのがやっとだ。木製の手すりも複数箇所で壊れ、岸壁からは落石の可能性もあり、安全性が確保された状態とは言いがたい。県や町によると、崖の上のコースは地盤が軟弱ということもあり、何度も崩れては補修を繰り返す「いたちごっこ」が続いているという。3年前に県が補修したときは、終了間際に獣害を受けた。区長は「何度も要望して、やっと実現した工事だったのに」と肩を落とす。崖の上のコースは住民が日常的に水仙の管理に使っていることもあり、入り口に立ち入らないよう促す案内表示はない。途中に「落石・崩壊注意」と書かれた県の看板があるのみだ。山登りのコースでも園地には行けるが、遠回りでもあり、敬遠されているのが実情だ。園地の景観は町観光連盟のパンフレット表紙にも採用されている名所だけに、職員は「本当はもっとPRしたい場所なのに、アピールしづらい」と複雑だ。

(「私にとってママはレジェンド」:茨城)
2008年北京オリンピック、クレー射撃3位決定戦。日本代表・中山由起枝選手は、同点の4人による延長を戦っていた。出産、復帰後初めて臨んだオリンピックだった。「ママとして銅」をかけた最後の射撃。弾丸は宙を舞うオレンジ色の円盤、「クレー」をとらえられず、空を切って消えた。メダリストと4位の差は大きい。競技後、中山選手は静かに帰国した。当時6歳の娘・芽生さんが手紙をくれた。表には「ママへ 4位入賞おめでとう。めい」と書かれていた。中を開くと、黄緑の背景に無数の黒い点。クレーのカケラが散りばめられたフィールドの上空に、円盤が1つ浮いている。弾が命中して割れている場面を描いたつもりが、円盤は形を保ったまま。絵を指差しながら、「割れてないでしょ」と思わず苦笑いした。12年がたった。日立建機に所属する中山選手はその間もロンドン、リオデジャネイロと、オリンピックへの出場を重ねてきた。そのたびに、芽生さんからは手紙をもらった。大舞台を前に母を励ますもの。重圧がかかる戦いの後にねぎらうもの。開くと「金メダル」が浮かび上がる手作りカードは、2012年のロンドン大会。英語で日頃の料理やサポートへの感謝がつづられたクリスマスメッセージは、2016年リオ大会のころのものだ。そして2019年。芽生さんから新しい手紙を受け取った。「私にとってママはレジェンドだよ」。中山選手は通算5度目の大舞台となる、東京オリンピックに出場することが決まった。その分、月日も流れた。娘も18歳になり、大学受験を控えていた。手紙には英語で「次は私の番」とつづられていた。「その手紙をくれたとき、娘が一番最初に発した言葉が『5回は普通じゃないよ』でした」。都内の施設。中山は遠い目をしながら振り返る。「一緒に歩んできたという歴史を感じるなと、しみじみ思いました。いつも娘と会話をしている中で、言葉がシンクロするときがあるんです。だから、性格は全然違うんですけれど、いつも思いや考えは一緒だね、ということが2人の中にあって」。「うちって、ちょっと変わっている家庭じゃないですか。シングルぺアレントで、母親がオリンピック選手。この年齢でもやっている。『5回は普通じゃないよ』と言われたときは、本当にスッと『あなたも普通じゃないよね』と。今までの歴史を本当にギュッと凝縮した、2人だけにしかわからない空間であって、言葉であったな、というふうに思います」。「私が悔しいと思うときは彼女も悔しいと思うし、娘がつらいと思っているときは私も本当に心が痛いくらいつらい。北京オリンピック前からずっときた年月というのは、本当にかけがえのないもの。2人にしかわからない、泣いても泣いても泣ききれない思いがありました」。中山選手は、競技を始めて今年で23年目を迎える。長く現役を続けてこれた原動力について尋ねると、思わぬ言葉が返ってきた。長女の芽生さんを出産したのは22歳。初出場の2000年シドニーオリンピックの翌年だった。芽生さんがまだ幼かったころ、シングルぺアレントとして育てていく決断をした。当時、出産後も競技を続ける選手はほぼいなかった。それでも、シングルぺアレントとして芽生さんを育てていかないといけない。独り立ちさせるまでは、競技をやめるわけにはいかなかった。「クレー射撃をしませんか?と声をかけていただいて入社しているので、競技をやめれば、当然会社に残ることはないと思っていました」覚悟は決まっていた。近くに住む両親の助けを借り、子育てをしながら2008年の北京オリンピックを目指すため、再出発した。「あまり理解できないと思うのですが、常に4年後を想像するわけです。北京オリンピックが終わった次の年には娘は10歳になります。また4年経つとロンドン五輪で、その頃は中学3年生です」。企業に所属する中山選手にとって、オリンピックを目指すことができるか。そして代表に選ばれるかどうかは、夢というよりも「死活問題」だった。「会社から確約がもらえれば、4年間はとりあえず生活はできる。この4年間はすごく大きい。私は競技者でもありますけど、母親でもありシングルぺアレントでもあります。とにかく生活をしていかなきゃいけないというのが一番で、次にそこに夢があるかないかというのがくる。他の選手とは考え方や追いかけているものがちょっと違う。必死です」。それでも一つだけ、追い続けている夢がある。北京オリンピックの時、当時小学1年だった芽生さんに「首にメダルをかけてあげる」と約束した。メダルはそれから2人の夢になった。まだその約束は果たせていない。「4位という結果で、いまだにあのときの願いが叶えられていなくて。やっぱり、娘との約束を果たすというのを1つの夢として追い続けている部分もあります」。出産か、それとも引退か。スポーツ界ではまだ、女性の競技者が産後に復帰することは、当たり前の選択肢ではない。身体能力などの理由から、多くの競技でアスリートは20代までにピークを迎えると言われている。そこで、まずは競技に専念し、引退後に出産や子育てをするのが一般的だ。「30歳手前で全盛期が終わってしまう競技もあります。でも長く続けられる競技では、出産や子育てを考えているアスリートもいる。そういった悩みを共有できる場や情報が、私の時代には少なかった」。現在、オリンピックに手が届くレベルで、子育てをしている女性トップアスリートは数える程しかいない。中山選手の他には、陸上100メートルハードルの寺田明日香選手、バスケットボール大﨑佑圭選手、バレーボール荒木絵里香選手らぐらいだ。中山選手が出産した2001年、アスリートの産後復帰や子育てを支える仕組みは全くなかった。中山選手は両親の助けを借り、練習を早く切り上げたりして、子育ての時間を確保した。2012年のロンドンオリンピック後、ようやく、産後復帰するアスリートへのサポート体制が徐々に整えられるようになる。東京都の国立スポーツ科学センターには、アスリートのための託児室なども設置された。でも…。中山選手は続ける。「東京に住んでいなければそのサポートは受けられない。それからアスリートの中でも、サポートを受けられるレベルや順位があるはず。スポーツの裾野を広げていくには、皆がそのサポートを受けられる社会が理想的じゃないでしょうか」。海外ではどうか。出産後も競技を続け、オリンピックでメダルに獲得したアスリートも珍しくない。16年リオ大会の女子アメリカ代表は、少なくとも10選手に子どもがいた。そのうち3選手がメダルに輝いた。ロシアのスベトラーナ ズロワ選手は、出産から2年後、トリノオリンピックでスピードスケート500メートルの金メダルを獲った。陸上短距離で6つのオリンピック金メダルを獲得したアリソン フェリックス選手や、テニスのセリーナ ウィリアムズ選手は、幼い子どもを育てながら第一線で活躍している。「今はまだ、子どもを持つ女性がまだ競技を続けられるんだ、オリンピックに行けるんだということが、日本だとすごく珍しい。その珍しいということ自体が(先進諸国のスタンダードから見れば)珍しい。私たちからすれば、日本でもそんなものが普通の世の中になればいいのにという思いがあります」。クレー射撃は、他の競技と比べて選手の寿命が長い。そのため「子育てしながら続けられる息の長い競技」と中山選手は語る。実は、リオオリンピックの女子スキート種目では、子供のいる選手が表彰台を独占しているのだ。「クレー射撃ではこれだけ例がある。こんなに珍しい競技はないでしょう?と伝えていくと、女性が『えっ、何ならじゃあやれるじゃない』と。そうやっていくことで、競技人口に繋がるのではないかと考えています」。もちろん、クレー射撃の状況を他の競技にそのまま当てはめることはできない。だからこそ、様々な競技からロールモデルとなる選手が出てくることが重要だと、中山選手は考えている。「可能な競技だけを取り上げると、『その競技だからできるんでしょ?』となってしまう。でも、谷亮子さんも、子育てしながら柔道を続けて、北京で3位を取った。すごいことです。バレーボールの荒木絵里香さんも子育てをしながらプレーを続けています。色々な競技から出てくるとインパクトもあるし、可能性もすごく広がります」。「中には、競技の性質上難しいなものもあると思います。しかし、女性特有の問題に対応して競技人口を増やすためには、各競技団体がどうやってサポートしてくか、それをもっと働きかけないと駄目ですよね」。中山選手はリオオリンピックの後、順天堂大学院に進学し、コーチングを学んだ。そこでの研究で、日本で女性アスリートをサポートする仕組みが認知されていなかったり、一部の選手に限定されていたりする課題に直面した。中山選手はその先駆者の一人だ。「だから、子育てと競技の両立の可能性は、そんな自分たちが残していくものなのかなというふうに考えています」。国立スポーツ科学センターが実施する「Mama Athletes Network(MAN)」の一員にもなっているのは、そんな思いからだ。「私は子どもが小さい時に辞めてしまった。本当は、中山さんのように、まだまだ子供に競技を続ける自分を見せたかった」。そう話しかけてくれたのは、ソチオリンピックに出場した元スノーボード・ハーフパイプの三星マナミさんだった。MANには、平昌オリンピックでカーリング女子を率いた本橋麻里さんらも参加している。「これから出産したい」「子育てをしながら競技を続けたい」。そんな若いアスリートに、先駆者として自分の経験を伝えていく。「自分たちがやってもらえなかったことを、今まさにやろうとしているところです。今回の東京オリンピックでは、出場選手の男女比率が50%に近い。世界やIOCは、将来的には選手だけでなくコーチらも含めて、50:50で比率を同等にしていきたいう目標があります。しかし、世界に任せるのではなくて、日本からも私たちができることをまずはやっていこう。問題を抱えている選手がいれば何か手助けしたい。そう思っています」。東京オリンピックは、現役で迎える最後のオリンピックになるかもしれない。そんな覚悟で臨む一方で、中山選手は「あと4年、できればパリまでやりたい」とも漏らす。その頃には、芽生さんが大学を卒業して、独り立ちしているはずだからだ。ただ、「夢よりも生活のため」ときっぱり話した中山選手の選択は、いつも現実的だ。たどり着いた答えが指導者への道筋も同時に目指すという道。そのため、競技生活と並行して、2019年に大学院も修了した。18歳でクレー射撃をはじめ、競技生活は23年目を迎える。その間、妻、母親、シングルぺアレントとライフステージの変遷を経験しながら、常にトップ選手として走り続けてきた。選手として、親として、先駆者として、将来の指導者として。さまざまな思いや夢を胸に、中山選手は「集大成」の大会として東京オリンピックに臨む。

(狩猟ガールとゆく!狩猟体験Ⅲ:兵庫)
揖保川源流域に位置する繁盛地区(宍粟市)で3月7日、『狩猟ガールとゆく!狩猟体験Ⅲ』が開催される。要申し込み。同イベントは狩猟や田舎暮らしに興味のある人を対象に、狩猟の理論と実践を学びながら、ジビエや地元産の食もあじわえる集中プログラム。当日は、猟師として活動する“狩猟ガール”加藤智子さんと猟師歴23年の米田 正富さんが講師を務め、わな猟に関する法律、わなの種類・道具・設置方法、トレイルカメラ映像などを交えながらレクチャーする。また、「けもの道の見方、わなの仕掛け方」「止め刺し~解体まで」と題した実習やジビエの実食などが催される。

(日本にも獣害対策の専門集団を)
林業では、獣害対策が喫緊の課題となっている。木材増産政策で全国に皆伐地が増加しているが、跡地に植林してもシカなどに苗が食われてしまうからである。林業の持続性を失わせるだけでなく、山崩れや土砂流出などの被害を引き起こしかねない。獣害は農業だけではないのだ。そこで思い出したのが、環境省が奈良県の大台ヶ原で行っているシカ駆除の方法だ。大台ヶ原は吉野熊野国立公園の一角で原生林の広がる地域だが、近年のシカ生息数の増大で森林劣化が著しい。そこで個体数調整を行うためにワイヤーで獲物の足を締めて捕まえるくくり罠で捕獲を進めている。ところが現場を訊ねると、仕掛けられた罠は首用だった。餌を食べようと首を突っ込むと締まって捕まえるものだ。理由を聞くと「アニマルウェルフェアの一環」とのことだった。足用のくくり罠は効果的だが、暴れて足が折れたり、なかには引きちぎって逃げる個体もいるという。

(エゴマ栽培、地産地消を:石川)
金沢市の辰巳地区で野菜を栽培するグループ「辰巳農園」は19日、地域住民を対象にしたエゴマ料理の試食会を崎浦公民館で初めて開いた。市内から集まった約20人に、エゴマの調理法を実演したり、アレンジレシピを振る舞ったりして、新しい魅力を共に探った。栄養価が高いとされるエゴマを地元食材として定着させ、地産地消を通じて住民の健康づくりも後押しする。地区では、農家有志でつくる「イノシシから田畑を守る辰巳の会」の事務局長で、辰巳農園に勤める佐野直茂さん(77)が4年前にエゴマの栽培を始めている。さらなる消費拡大を進めようと、昨年初めて地域住民向けの栽培講座を実施し、参加者にエゴマの苗も配布した。参加者から「育ててみたものの調理法や食べ方が分からない」との声を受けて「えごま交流会」と銘打ち、10年以上にわたって市食生活改善推進委員として食育に取り組む佐野さんが、試食会を企画した。佐野さんによると、イノシシはエゴマに含まれる成分を嫌う傾向があるという。地区には相次ぐイノシシ被害で放棄された田畑もあり、栽培を進めることで、他の作物の被害を抑える効果も期待できるとしている。試食会では、炒めたエゴマの実を混ぜ込んだみそ入りのおにぎりやエゴマ油の搾りかすを餅に練り込んだエゴマ餅などが並んだ。参加者は調理の方法を確認しながら、出来たてを味わった。参加者は「ぷちぷちとした食感が面白い」「食べやすくてどんな料理にも合う」などの声が寄せられた。今後は、これまで実施してきた栽培講座に加えて、7月のエゴマの葉の旬の時期に合わせ、葉を使った料理の試食会も企画している。佐野さんは「エゴマ栽培を市内に根付かせて、住民が食べる循環を作りたい。子どもからお年寄りまで地域全体が元気になってくれたらうれしい」と話した。

(勢子としてクマ追う:秋田)
クマの捕獲は大抵追い上げ猟で、私たちは「巻き狩り」と言っています。勢子(せこ)たちが声を上げながら、「マチパ」と呼ばれる銃撃手たちの待つ方にクマを追い上げます。ほとんどは斜面の下から上の方に追う「上り巻き」ですが、「横巻き」や「下り巻き」の場合もあります。マチパは打当マタギの言い方です。「ブッパ」という言い方もありますね。同じ阿仁のマタギでも、打当と比立内、根子で言葉が違うことがあります。

(バーガーで道の駅盛り上がれ:滋賀)
長浜市西浅井町で町おこしに取り組んでいる若者団体「ONESLASH(ワンスラッシュ)」が手掛けるバーガー店「COMEDY BURGER(コメディーバーガー)」が二十二日、同町の道の駅・塩津海道あぢかまの里に開店する。ワンスラッシュは、三十歳前後の幼なじみ六人が二〇一六年に設立。米作りの楽しさを発信しようと同町の耕作放棄地で稲作を営んでおり、収穫した米で握った塩むすびを市内の観光地などで振る舞う「ゲリラ炊飯」などをしている。今回の出店は道の駅から空き店舗の利用を打診されたのがきっかけ。メンバーには猟師もおり、米やジビエを使った手軽に食べられる料理を考えた。バンズ代わりの焼き色を付けたご飯に地元産の鹿肉を挟んだ「鹿肉ライスバーガー」や、同市木之本町のつるやパンの特製バンズと鹿肉の手作りパティを使った「鹿肉バーガー」を用意。近江牛を使ったライスバーガーとバーガーもある。あぢかまの里内のパン工房から譲り受けた機械でつくる自家製ジェラートも提供する。十九日はプレオープンがあり、開店を知った地元住民らができたてをほおばった。中田圭佑店長(28)は「店を通じて道の駅全体が盛り上がればうれしい」と意気込んでいる。

(シカ肉ロースト静かな人気:長野)
岡谷市湊の居酒屋「じゃぱすた」(藤森修治オーナーシェフ)が独自に開発した献立「シカ肉ロースト」が静かな人気を集めている。農業に深刻な被害を与えるニホンジカの個体数調整で出た肉を使ったオリジナルメニュー。趣旨に賛同する常連客を中心に、連日注文が絶えない。シカ肉は、自家消費に限界を感じる知人の猟師から「シカを駆除するだけでなく、誰かに食べてもらって供養したい」と相談を受けてメニューの開発に着手した。生臭くて硬いイメージがあったシカ肉を丁寧に血抜きをしてローストすれば、香ばしくて軟らかくできると思い付いた。ローストは、血抜きを兼ねて1週間かけて熟成させた背ロースと、もも肉に低温でじっくりと火を入れ、しょうゆベースのオリジナル和風ソースで味を付ける。試行錯誤を繰り返し、脂肪が少なく、高たんぱくなシカ肉の特性を生かした調理法にたどり着いた。常連客で、毎回シカ肉ローストを注文しているという花岡祐樹さん(22)=同市湊=は「牛肉のような食べ応えがある肉肉しさと、鶏肉のようなさっぱり感の両方を楽しめる。獣害対策にもなり、あるときはほとんど頼みます」としている。藤森シェフ(45)=同市長地=は「増えすぎて駆除した鳥獣を食べずに土に埋めている現実があり、献立に出すことで山の恵みを生かせる。牛肉や豚肉より手間がかかりますが、安価に、おいしく提供することで定着してきました」と手応えを話す。シカ肉の仕入れ状況によっては、かつや鍋の注文に応じる。

(キジ肉と早春野菜のアップル丼:愛媛)
青空の下、どーんとそびえる鬼のモニュメント。愛媛で鬼といえば全国で唯一、自治体名に「鬼」の字が入る鬼北町が今回の舞台。道の駅「森の三角ぼうし」(同町永野市)のシンボル、鬼王丸と初対面の山瀬さん。ところで、「鬼北」の由来は? ロケに同行する鬼北町農業公社鬼北きじ工房の職員出口理さんが「この地域が鬼ケ城山系の北に位置するため、鬼北と呼ばれるようになりました」と解説してくれた。今回の食材は鬼と浅からぬ関係のキジ。町ぐるみで飼育に力を入れており「鬼北熟成雉(きじ)」のブランド名で知られるようになったが、食べたことがない人も多いのでは? 飼育現場をのぞいてみよう。農家の振興策や鬼にちなんだまちおこしで1992年から飼育が始まったという。現在は町内で8戸が年間約1万3000羽を育てている。「町の人口と同じぐらい飼育している」(出口さん)というから、まさにキジの町だ。その中の1軒、「ふじしろファーム」(同町西野々)の藤城英晃さん(69)、けい子さん(69)夫妻の元を訪ねた。知人の勧めで2003年から飼育を始め、現在は町内最多の約4000羽を育てている。3月末~6月にひながふ化すると、ふ卵器で約40日間育てキジ舎に放す。出荷しやすいよう雌雄を分け、200日育てた後、鬼北きじ工房に卸す。工房で下処理し、身を柔らかくするため2日間熟成。その後、急速凍結し全国の飲食店や町内の道の駅に出荷する。町内で統一された配合飼料の他、餌全体の2割までは各戸で自由に餌を与えられるため、藤城さん方では英晃さんが作るコシヒカリやサツマイモ、カボチャなどを混ぜている。英晃さんは「人間が食べるのと同じコメを先にキジが食べる」と笑う。元建設業の経歴を生かし、木造2階建てのキジ舎は一から手作りした。1階を食事場所、2階を運動場に分け、ストレスを与えないよう上下階を自由に行き来できる造りだ。2階に足を踏み入れた山瀬さんは「(羽の)色がきれいですね」とほれぼれ。雄は尾が長く、「白いネクタイ」と言われる胸の白い模様が特徴だ。「飼育は奥深い」(けい子さん)というように慣れるまでは試行錯誤の連続だった。暑い時期に扇風機を当てたら冷えすぎてキジが日なたに集まるなど温度管理の難しさを痛感。音に驚いたはずみで飛び上がり頭を打って死んだことも。それでも「皆においしいと喜んでもらうのがやりがい。鬼北町からキジがなくならないよう若い人に継いでほしい」と語る。

(ジビエ料理の魅力を紹介:神奈川)
秦野商工会議所観光飲食部会(秋山純夫部会長)は2月18日、秦野市表丹沢野外活動センター(菩提)で、一般社団法人日本ジビエ振興協会代表理事の藤木徳彦氏を講師に招き、同部会の会員を対象としたジビエ料理のセミナーと試食会を行った。ジビエとはフランス語で天然の野生動物の食肉を意味し、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきた食文化のひとつ。近年全国各地で新たな観光資源として脚光を浴びており、その活用を国も推奨している。捕獲や処理、供給の安定性など普及にはまだ課題は多いものの、低脂肪で、高タンパク、しかも鉄分が豊富なジビエはグルメの間でも人気を呼んでいる。丹沢には多くのシカやイノシシが生息していることもあり、秦野商工会議所はその可能性に着目。秦野市の観光や、産業振興の起爆剤となる可能性を探ろうと今回の事業を開催した。この日は一般社団法人日本ジビエ振興協会代表理事の藤木徳彦氏が講師を務めた。同氏は日本のジビエ料理界の第一人者で、オーナーシェフを務める長野県茅野市のレストランで、ジビエ料理を中心としたフレンチを提供する傍ら、各地で料理教室や食育講座などの講師を務める。この事業には秦野商工会議所佐野友保会頭や副会頭、同組織の部会長らを始め市内飲食店経営者らが出席。また、高橋昌和秦野市長や丹沢を共通の観光資源とする伊勢原市の高山松太郎市長らが出席。藤木氏は「秦野は新宿からわずか1時間で来ることができる近さと自然の豊かさがある。ジビエに加え野菜など地元産にこだわった料理などを提供したら魅力が高まるのでは」と話した。この日は藤木さんが腕を振るった「シカ肉のステーキ赤ワインソースジンの香り」や「猪肉と香草の生春巻き」他、10品の料理が提供された。秦野商工会議所の佐野友保会頭は「駆除から活用へ、自然の恵みをいかして秦野の活性化を図ることができれば」と話した。また料理を試食した高橋市長は「ステーキは柔らかく、そのほかの料理も味も美味しい」と感想を話した。

(“ジビエ料理”の試食会:熊本)
農作物を荒らすイノシシやシカの肉を使った料理を知ってもらおうと、熊本県人吉市にある料理店が作った料理の試食会が開かれました。この試食会は、食肉として利用を拡大することでイノシシなどの捕獲を促し、農作物の被害防止につなげようと、人吉飲食業連合会が開いたもので、行政や観光関係者などおよそ50人が集まりました。料理は、人吉球磨地方の7店の料理店が作ったイノシシやシカの肉を使った鍋料理やコロッケ、それにハンバーグなど合わせて12品が披露されました。シカとイノシシを使ったハンバーグは、肉をミンチにして粗挽き肉の食感を楽しめるように作ったもので、シカとイノシシのサラミは球磨焼酎にあうように塩を多めに使っています。試食会に参加した球磨村の男性は「癖も無くとてもおいしい。ジビエの独特なにおいが全然なくてすばらしい」と話していました。また、人吉市の女性は「イノシシの肉は固くなくて臭みも無く食べやすいです」と話していました。人吉飲食業連合会会長の高山洋一さんは「農家山林に多くの被害が出ています。捨てられたりしている肉を皆様の食材に当てられないかと思っています」などと話していました。

(「ジビエマン」東京でデビュー:兵庫)
兵庫県内で相次ぐ田畑などへの獣害の実態を伝え、野生動物との共生を訴える着ぐるみのヒーロー「ジビエマン」が20日、東京で“デビュー”した。シカとイノシシがモデルの「シカジロウ」「イノコ」と、人間との衝突をヒーローが仲裁する。そんな芝居を通して、子どもたちに共生の大切さを説く。生みの親は、大阪市西区で声優養成学校を経営する高砂市の木沢慶三さん(66)。教え子らと設立した劇団も率いる。きっかけは昨秋、県鳥獣対策課から獣害の実態を聞いたことから。木材需要の低迷などで山が荒れ、シカやイノシシの餌が減少。農作物が荒らされ、2018年度の県内農林業被害額は4億4千万円に上る。取材を重ね、狩猟肉のフランス語「ジビエ」を冠したキャラクターを考え、脚本をまとめた。田畑を食い荒らす野生動物を殺した猟師にシカジロウたちが怒って暴れ、銃を向けられるところで、ジビエマンの登場。「人間も動物も悪くない。すむ場所を分ければいい」と諭す。お披露目の場は、農林水産省であった全国鳥獣被害対策サミット。兵庫県の展示ブースに登場したヒーローに、来場者らは「分かりやすくて良い」などと興味津々だった。木沢さんは「子どもたちに野生動物との共生の大切さを伝え、大人にも広がっていけば」と話す。今後、県内の学校園やイベントで公演していくという。

(ジビエの無料試食会:千葉)
千葉県君津市(石井宏子市長)は、2020年3月に開催される千葉県君津市・市原市のイベント会場内にて、「君津市産ジビエの無料試食会」を開催いたします。※危機事象(自然災害、荒天、伝染病などの集団感染防止等)によって、やむえず主催者がイベントの開催を中断、中止と判断する場合がございますので予めご了承ください。イベントの来場者に、君津市で獲れたイノシシやシカの肉を使った試食料理を、県内の飲食店「ブッフルージュ」「君津北口の君鶏」「猟師工房」の3店舗から無料で提供させていただきます。また同時にきみつジビエを使ったオリジナル料理の販売も行います。今までジビエを食べたことのない方達に君津市産ジビエを食べていただくことで、ジビエの認知度を高め、消費を促し、鳥獣被害の軽減につなげよう、といった試みです。

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(大口径ライフル射撃場整備へ:新潟)
クマなど大型動物の捕獲に必要な大口径ライフルの射撃場を新潟県内で初めて、新潟市秋葉区に整備する計画があることが13日、分かった。県と県内全30市町村が支援する形で県猟友会が整備する。クマやイノシシによる人身被害や農作物被害が相次ぐ中、捕獲の担い手を育成するためで、2022年度のオープンを目指す。県は設計費の一部を支援するため、2020年度当初予算案に300万円を計上した。整備場所は新潟市秋葉区矢代田の新津クレー射撃場の隣接地を予定。今後、住民説明会を開く。県によると、ライフル所持の新規許可や更新には技術教習が義務付けられているが、県内に専用の射撃場はなく、現在は隣県まで出向かなければならない。県内ではイノシシの生息域拡大で農作物被害が相次ぎ、本年度はクマによる人身被害者数が20人と過去最多となっている。県環境企画課は「ライフルを所持する猟友会員の高齢化も進んでおり、捕獲の担い手の確保と育成は喫緊の課題」と射撃場整備の必要性を強調する。このほか、県は来年度の組織改正で農産園芸課内に「鳥獣被害対策支援センター」を新設する。鳥獣被害に関する情報をセンターに集約し、庁内一体で被害対策を推進する。

(クマの捕殺最多、5千頭以上に)
2019年4~12月に市街地に迫るなどして、捕殺されたツキノワグマとヒグマの数が環境省の集計で5667頭(速報値)となり、年度内でありながら過去最多を更新中だ。全国的にクマの分布域が拡大している上、餌となる木の実が凶作で人里への出没が相次いだためとみられる。冬眠期の12月に入っても200頭超を捕殺しており、専門家は「暖冬の影響で冬眠が遅れ、餌を探し回るクマが多かったのではないか」とみる。集計によると、クマの捕殺数は06年度の4679頭が最多。出没が目立った東北や北陸では、冬眠に必要な栄養が足りず、餌を求めてクマが行動圏を広げたとみられる。

(エゾシカ一斉捕獲を中止、少雪で追跡困難:北海道)
北海道稚内市は今冬の裏山でのエゾシカ一斉捕獲(有害)の中止を決めた。例年にない少雪でスノーモービルが使えず、ハンターがエゾシカを追えないためだ。市街地に出没するエゾシカの有効な個体数調整として10年前から取り組んできたが、中止は初めて。市はエゾシカの増加を懸念する。稚内市の市街地に出没するエゾシカのすみかは、中心市街地の背後に広がる裏山とみられる。だが、裏山には自衛隊の敷地や鳥獣保護区、稚内公園があり、銃を使った狩猟や有害捕獲は原則できない。このため市は、裏山から下りてくるエゾシカを安全な場所を選んでライフルやわななどで捕獲している。ただ公園が閉鎖される冬は人が立ち入らないため、裏山で銃を使った有害捕獲ができる格好の機会になっていた。

(ASF(アフリカ豚熱)ウイルス、ニホンイノシシに感染)
農研機構は2月17日、東欧やアジアで流行しているASF(アフリカ豚熱)のウイルスはニホンイノシシにも感染し、豚と同じ症状と病変を引き起こすことを確認したと発表した。ASFは欧州のヨーロッパイノシシに感染することは知られていたが、ニホンイノシシに感染するかは不明だった。農研機構はASFの流行株(Armenia07株)を4頭のニホンイノシシの筋肉に接種する試験を行った。接種後5日目に1頭、6日目に2頭が死亡した。残る1頭も瀕死状態となったため安楽殺して全頭を解剖して検査した。その結果、すべてで脾臓が黒くなり腫大し、胃の周囲のリンパ節などは暗赤色となり血液凝固が不全となるなど、いずれも豚がASFに感染したのと同様の所見が認められたという。また、遺伝子検査でウイルスの排泄状況を調べたが、全頭の循環血液中と鼻腔にぐい液から検出され、2頭から唾液から、1頭の糞便からも検出された。こうしたことから現在流行しているASFウイルスはニホンイノシシにも感染し、豚と同じような症状を引き起こすとともに、ウイルスを排泄することが確認された。このためASFが日本に侵入した場合、CSF(豚熱)と同様、野生イノシシによる感染拡大に警戒が必要となる。

(野生イノシシ1頭から豚熱:三重)
三重県は14日、菰野町で見つかった野生イノシシ一頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内で感染が確認されたイノシシは35頭となった。県によると、感染が確認されたイノシシは12日、同町千草の林で、地元猟友会によって捕獲された。県の検査で14日に陽性が確認された。捕獲地点から半径十キロ圏の養豚場では、全ての豚にワクチンの接種が完了しているため、今回の感染確認で新たな監視対象農場の設定はない。

(豚熱対策、野生イノシシの捕獲強化:静岡)
静岡県は豚熱(CSF)対策で、ウイルスを媒介する野生イノシシの捕獲を強化する。県内で感染拡大に歯止めがかからず、ウイルスの侵入リスクが高まる中、豚へのワクチン接種も継続し、養豚場での発生防止に万全を期す。13日発表した2020年度当初予算案に関連事業費5億6600万円を計上した。20年度のイノシシの捕獲目標頭数を9210頭と、19年度の2680頭から大幅に引き上げる。県内では昨年10月に藤枝市で初めて野生イノシシの感染が確認され、静岡、焼津、島田、掛川、浜松各市にも広がった。県は「感染イノシシの生息密度を減らし、異常を早く察知するためにも捕獲強化が必要」(畜産振興課)と指摘。地元猟友会と連携し、県内全域で捕獲を徹底する。養豚場での感染リスクを低減させるため、豚へのワクチン接種にも引き続き取り組む。県内では毎月約2万頭の子豚が誕生し、生後30~60日をめどに順次接種していく。年間の接種予定頭数は23万頭に上るとみている。ワクチン接種に伴う出荷制限で一部の養豚農家が打撃を受ける懸念があるとして、価格下落に対する新たな支援策についても検討している。

(豚熱ワクチン接種開始:茨城)
豚の伝染病である豚熱(CSF)の感染を防ぐため、県は17日、県内でのワクチン接種を開始した。従来は感染が確認された県に限って接種を進めていたが、農林水産省が2019年12月、隣接する都府県でも接種を認めたことを受けた措置。県に隣接する埼玉県の養豚場の豚や群馬県の野生のイノシシで、感染が確認されている。初日の17日は、獣医師24人と補助員13人が、埼玉県に隣接する古河市の養豚場13カ所で約5000頭を対象にワクチン接種を進めた。県は6月上旬までに、県内全域の養豚場(399カ所)などで、46万頭の家畜用豚への初回の接種を完了させる予定。3月中旬以降は、新たに誕生した子豚や繁殖用豚への接種も始める。

(シカ、イノシシ捕獲進む:鳥取)
暖冬傾向が続き例年になく雪が少ない状況の中、鳥取県内では野生鳥獣の捕獲が進んでいる。足元に雪が少なく動きやすい環境となり、シカやイノシシの活動が活発化。一方で冬場は本来、使いにくいおりやわなを仕掛けることができる。

(熊の捕獲27頭、2年連続減少:秋田)
県自然保護課によると、2019年度の狩猟期間(19年11月1日~20年2月15日)に県内で捕獲されたツキノワグマは27頭(速報値)だった。9年ぶりに解禁された17年度(確定値)の41頭、18年度(同)の34頭から2年連続で減少した。

(和歌山線で列車が動物と接触:奈良)
2020年2月18日、6:04頃、JR和歌山線の北宇智駅~五条駅間で列車が動物と接触。車両と線路の確認作業のため和歌山線に遅延が発生(現在は解消)しました。この影響を受けて天王寺駅を含むJR大和路線で列車に遅れがでています。

(新規事業に「サルの追い払い作戦」:長野)
長野県大町市は、2020年度当初予算案に700万円近くの「サルの追い払い作戦費」を計上した。専従の有害鳥獣駆除員1人を臨時職員として雇用。GPS(全地球測位システム)で群れの位置をつかみ、エアガンで驚かせて山奥に帰ってもらう作戦だ。近年、大町市内では人里周辺にサルが出没し、リンゴなどの農作物の被害が深刻になっている。また、家庭菜園の野菜も狙われるケースが多い。市農林水産課によると、市内全域で15群、800~900匹のサルが農作物を荒らしているとみられる。予算案には、有害鳥獣対策強化事業として686万円を盛り込んだ。専門スタッフを雇うほか、電動エアガン3台、サルに装着するGPS首輪発信機3台、市役所に設置するGPS基地局1基などをそろえる。市はこれまでもエアガンを使ってサルを追っ払ってきたが、GPSを使って群れの行動を正確に把握し、即座に専門スタッフが駆けつける態勢を取るのは初めて。効果が実証されれば、再来年度以降も続けていく考えだ。市の担当者は「サルによる農業被害が拡大すれば農家の意欲が減退する。サルが市街地まで日常的に出てくるようになれば、人的被害も出かねない」と強調。そのうえで「追い払いは本来の生息地に戻すのが目的」と理解を求める。県内でのエアガンによるサルの追い払いは、北アルプス登山口の上高地(松本市)が有名だ。サルが遊歩道に出没し、観光名所の河童(かっぱ)橋周辺ではふん害などが問題に。神社などの木造建築物がかじられる被害も目立っている。このため、環境省がエアガンによる追い払い作戦を実施。2018年から専門スタッフが連日パトロールをしてサルを追い払い、効果を上げている。

(「ついで見回り」効率良く:長野)
南信森林管理署(伊那市)は17日、ニホンジカの効率的な捕獲に向け、上伊那猟友会、宮下建設(同市)と連携して同市長谷の浦国有林で取り組むわなの「ついで見回り」について、2年目となる今年度は計359頭を捕獲したと明らかにした。初年度の倍以上の水準。開始時期を早め、わなの設置数を増やしたことも奏功した。「効率のいい捕獲ができている」として取り組みを継続、拡大していきたい考えだ。南アルプス食害対策協議会が伊那市内で開いた活動報告会で、同署の渡邊修・森林技術指導官が報告した。国有林内の治山工事を請け負う同社が、現場への行き来のついでに林道沿いに仕掛けたわなを見回り、掛かっていた場合に猟友会へ通報する仕組み。猟友会員のわなの見回り負担を軽減できる利点がある。同署によると、前年より2カ月早く、6月3日から取り組みを開始。140基のわなを仕掛け、10月9日までに302頭を捕獲した。別の林道にも猟友会が試験的に149基を仕掛け、1カ月余りの間に57頭を捕獲。計359頭のうち8割が雌ジカで「繁殖抑制の面でも効果は大きい」としている。信州大学農学部の渡邉修准教授は、仙丈ケ岳馬の背の防鹿柵について「夏季の高温で開花期が前進傾向にあり、柵の設置時期を早めることも検討していく必要がある」と指摘。柵の外ではミヤマシシウドやセンジョウアザミなどが食害に遭っており、「食害圧はまだ高いと言える。山麓で捕獲圧を高めることが重要になる」と強調した。関係市町村や県の関係者を含む約30人が参加した。

(シカ対策に「IoT」技術:広島)
県は、「デジタルトランスフォーメーション」事業にも力を入れます。この言葉にはなじみのない方が多いと思いますが、県や市町などが保有するデータを公開したり、デジタル技術を活用したりして、県内産業の生産性を上げたり、暮らしを豊かなものにする事業です。その一つの事業を紹介します。「デジタルトランスフォーメーションの推進」施策の中で、県は、シカの林業や農作物への被害拡大防止のための予算を計上しました。シカの被害をIOT技術を使って抑制する方法とは?車のライトに照らされ、暗闇の中で動く無数の群れ。その正体は、シカです。これは東広島市の住宅街で、撮影されたものです。車を走行中、道路脇から飛び出してきた2頭のシカ。しばらく道路を走ったあと、山へと消えていきました。広島市安佐北区の住宅街の一角にも、シカの群れが…。シカたちは、しばらくこちらをじっと見つめた後、走り去っていきました。近年、広島県内ではシカが増加傾向にあり、市街地に出没し農作物を荒らすなどの被害が増加しています。湯崎知事も、危機感を募らせます。「シカの生息域は拡大していて、シカによる被害も非常に大きくなっているところです。」「呉市安浦町塩屋地区に来ています。このあたりでは、ここ数年、シカが庭を荒らすなど被害が増え、このように高さ2メートル以上のシカ用のネットを張る家が多く見られます。」この地区では、2、3年前から急激にシカが増え、庭に植えていた花や農作物などを食べて荒らすようになったといいます。今では、夕方や夜になると、5、6頭のシカの群れを見る機会も珍しくないと言います。「シカ避けだわね。庭の中にものを植えると、みんな新芽からやられる。小さい時から大きくならない。2メーターくらいやっておかないと、下だけだと、どうしても飛び越えて、中に入ってくる。」(呉市安浦町塩屋地区住民 原武男さん)一方、隣の日之浦地区でミカン農家を営む寺垣内さんもシカの深刻な被害に悩まされています。「荒らしてしまう、朝、来てみたら、がっくりくる。うちだけじゃない。これ、作るところはみんなじゃわいね。」ここ数年、シカの増加に伴う農作物の食害に対して、シカよけのネットを張るなどして対応をしてきましたが、おととし、追い打ちをかける出来事がありました。「災害でネットやらワイヤーメッシュを押さえて、全部持っていってしまって、もう(シカが)山から自由に出入りする。」おととしの豪雨災害により、シカよけのネットが一部流されてしまったのです。ネットがなくなったか所からシカが侵入してきますが、復旧工事の邪魔になるため、ネットを張れない状況が続いています。寺垣内さんの周りでは、シカの被害が増えたことをきっかけに農家を辞めた人もいるといいます。「被害があったら、だんだん作る意欲がなくなる。年取ったら体力も落ちるし、やめようという人が多いし。時にはあきらめて辞めようかと。負けられんと思うこともあるし。」県によりますと、2017年の県内のシカの推定生息数はおよそ5万頭。その数は2002年の4倍にあたります。県は、シカは農作物だけでなく、植林した苗木の木の芽などを好んで食べることから今後、林業にも深刻な被害が及ぶと危惧します。県は、IOT技術を活用した捕獲方法を実証するなどシカ被害の拡大を抑止するための事業費およそ3700万円を来年度の予算案に計上しました。「この柵は携帯で扉を落とすことができます、遠隔操作で。」「効率はいいですよね、様子が全部見られるので、(従来の檻は)例えば、群れで来ていても1匹入っても(扉が)落ちる。カメラで見ていたら、みんなが入るまで待てますよね。待っていて、みんなが入ったら落とす。」これまでは檻にシカが入ったとしても、入ったかどうかを現地まで行って確認するしかありませんでした。自動捕獲システムの檻では、シカが檻に侵入したことを検知して、スマートフォンなどに通知が届きます。檻のライブ映像も表示され、それを基に檻を閉めることができるということです。「こっちの都合で捕獲できますよね、いつかかるか、前もってわかるわけですから。今まではかかったその日に行かないといけなかった。毎日見に行って、管理している方は、それがなくなりましたよね。エサの食べ具合も全部わかるし、なくなったら、まく。」岡田さんは今後、捕獲の効率をより上げるために設置場所やエサの種類などを改良していきたいといいます。繁殖力が強く、今後も増加が懸念されるシカ。県は、「シカが増える前に、効率の良い捕獲方法を検証したうえで、捕獲技術やシカ被害対策への理解を深めるための研修などを実施していきたい」としています。

(地域・獣種ごとに侵入防止柵設置:埼玉)
埼玉県の秩父地域鳥獣害対策協議会が、地域や獣種に応じた侵入防止柵の設置で、成果を上げている。2008年度に約9千万だった農業被害額は、2018年度に約2700万円まで減少した。同地域は、秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町の1市4町にまたがる中山間地域。広範囲での対策が必要だった。獣種も猿、鹿、猪に加え、アライグマ、ハクビシンと多い。2009年に1市4町、猟友会、県などで同協議会を設立し、柵の設置に加え、捕獲や追い払いなどの対策を進めた。特に効果を発揮したのが、県が開発した防護柵の「電楽くん」。開発に携わった秩父農林振興センターの根岸七緒担当部長は「猿の侵入を防げ、コストが安く設置がしやすいものという要望に応えた」と振り返る。1メートル当たりの設置コストは約600円。猿、アライグマなどへの効果が高い。資材も手に入りやすい。骨格は、防風ネットとアースの鋼管を合わせたもの。150センチの直管パイプを2メートルおきに固定し、防風ネットを張り、その上に通電線を設置する。通電線と防風ネットの間を5センチにすることで、小猿やアライグマなどが隙間を抜けられない。通電線にふれる仕組みになっている。下草を刈り、ネットの裾を土中に埋め込むのもポイントだ。

(カワウ生息調査実施へ:秋田)
野鳥のカワウによるアユの食害が広がっている問題で、秋田県は2020年度から県内3河川でカワウの生息調査に乗り出す。正確な個体数を把握して被害対策を推進し、水産資源の保護につなげる狙い。県自然保護課によると、調査地点はカワウの群れが確認されている米代川、雄物川、子吉川の流域計十数カ所。県職員や鳥獣保護管理員らが各所で5、7、11月に1日ずつ計3日間調査に当たる。20年度当初予算案に関連費用122万円を計上した。

(相次ぐハクトウワシの鉛中毒、年間数百万羽の鳥類に影響:アメリカ)
全米で鉛中毒のために命を落とすハクトウワシが相次いでいる。保護団体は、シカ猟などに鉛弾を使わないよう、ハンターの啓発に力を入れたい考えだ。ノースカロライナ州にあるワシ類の保護施設では、この1カ月で鉛中毒のワシ7羽を手当てした。昨年11月以来、同施設で安楽死させたワシの少なくとも80%は鉛中毒が原因だった。ハンターはシカなどの動物の猟に鉛弾を使用する。そうした弾で撃たれた動物を餌にする鳥類が、間接的に影響を受けているという。同施設の専門家によると、「シカがすぐには死なずに逃げてハンターに見つけられなかった場合、ワシやコンドルがそれを見つけて鉛を摂取する」。鉛は消化管で吸収されると有毒化する。直近では14日にハッターラス島で鉛中毒の症状があるワシが見つかり、同施設に持ち込まれた。ワシは脱水状態でひどく弱っていて動くこともできず、その日のうちに死んだ。道路を横切って飛ぶワシが鉛中毒のために判断力が鈍り、車にひかれるなどして死ぬこともある。中毒の程度によっては、薬物を注入して血中の毒素を体外に排出させるキレート療法で回復するワシもいる。しかしあまりに苦痛が大きい場合は安楽死させ、多くは治療の甲斐なく命を落とす。米鳥類保護団体によると、全米で鉛中毒の影響を受ける鳥類は、ハクトウワシを含めて年間に何百万羽にも上る。特に鉛中毒が増えるのはシカ猟のシーズンだが、年間を通じて全米で問題になっているという。対策は、鉛を使わない弾丸を使用することの大切さについて、ハンターを啓発するしかなさそうだと専門家はみる。ただ、銅弾はネット通販では購入できるものの値段が高く、実店舗で見つけるのは難しい。

(思いを込めて引くトリガー:茨城)
2019年11月にドーハで行われたクレー射撃のアジア選手権で、中山由起枝(日立建機)は5大会目となる東京五輪出場権を獲得した。五輪5大会出場は、女子選手では柔道の谷亮子さん以来の快挙であり、レスリングの吉田沙保里さんですら到達できなかった領域だ。中学・高校時代はソフトボール部に在籍し、キャッチャ―として活躍していた中山がこんな偉業を成し遂げることを当時、誰が予想していただろうか。1997年に所属会社にスカウトされ、高校卒業後のイタリア射撃留学を機に始まった中山のサクセスストーリーだが、その実績とは裏腹に常に順風満帆だったわけではなかった。東京五輪の切符もまさにギリギリの死闘を制して勝ち獲ったものであり、「世界で勝たなければ出場枠は獲れない」という言葉には常に一線級をひた走ってきた彼女ゆえの重みがあった。今回はそんな中山にクレー射撃を観戦する際のポイントや、競技にかける思いを聞いた。23年間にわたり眺めてきた、その銃口の先に見える景色とは。クレー射撃は、空中に放たれるクレー(直径11センチの陶器)を散弾銃で撃ち落とした数で順位が決まる競技です。大きく分類すると「スキート」と「トラップ」の2種目あります。スキートは、2カ所の装置から射出される1枚もしくは2枚のクレーを撃つ種目です。8カ所の射台(銃を構える場所)を移動しながら、左、右、左右同時の3種類のパターンで飛び出す合計25枚のクレーを、いくつ撃ち落としたかを競います。1枚のクレーに対して1発しか撃てないのがスキートの特徴ですね。一方、私が専門とするトラップは、15メートル先から放たれ76メートル先まで飛んでいくクレーを撃つ種目です。銃を構えた状態でコール(掛け声)し、その声に機械が反応してクレーが飛び出します。腰に手を当てた状態で待機し、合図の後に構えて撃つスキートとはこの点も異なりますね。トラップの場合、クレーは計5カ所から左右上下ランダムに飛び出すので、瞬時に飛び出した方向を察知して撃ち落とさなければなりません。1ラウンドにつき25枚(5カ所の射台×クレー1枚×5回)のクレーを射撃し、1枚つき2発以内で撃破できれば得点となります。五輪などの国際ルールの場合、上位6名が進出するファイナルではトラップでも1枚につき1発のみなんです。まさに「一発必中」となり、難易度が上がりますね。競技は2日間にわたって行われて、初日は予選5ラウンド中の3ラウンドのみで、2日目に予選残り2ラウンドとファイナルラウンドを実施します。なので、2日目のチケットが当たった人は予選と決勝の両方の試合を観戦できますね。ファイナルでは25枚を6人が撃ち込み、まず最下位が脱落。その後は5枚ずつ撃ったごとに最下位が脱落し、最後の金メダル争いは1対1の10枚勝負となります。最後の最後までヒリヒリとした目の離せない展開が続くのがクレー射撃の面白いところですね。五輪のメダル争いは技術はもちろんのこと、メンタルが勝敗を分けますね。クレー射撃で難しいのは、風の影響をもろに受けることです。風によってクレーが浮いたり、反対に風の抵抗を受けて降下したりすることもあります。一方で、無風の場合は飛び出す方向に対して真っすぐに飛んでいきます。クレーは初速120キロというスピードで飛び出すので、そうした状況を踏まえたうえで、どう動くかを予測して撃つことが不可欠なんです。クレー射撃は動的射撃で、ライフル射撃のような静的な固定された的を精密に撃ち抜く競技ではありません。クレーの動きを銃口の先で捉えつつ、冷静に状況を判断しつつ射撃することが求められます。心情が銃にダイレクトに反映されてしまう競技なので、平常心を保って競技に集中することがなりよりも重要になりますね。ちょっとでも邪念が入ると失中につながってしまうんです。そんな繊細な競技だからこそのこだわりは、“一度も浮気をしたことがない相棒”ですね。私は競技を続けて23年になりますが、イタリアの銃器メーカーである「ベレッタ」の銃をずっと愛用しています。1997年のイタリア射撃留学時に、現地の工場で自分の体に合うものを作ってもらったのが出会いでした。その時の思いはいまだに鮮明で、忘れやしませんね。工場に行った次の日には自分の体に合った銃で練習できたのは衝撃でしたし、サポート体制も素晴らしかったです。もちろん、銃の型の変更などはありましたけど、私の競技人生はベレッタ一筋。一緒に戦ってきた相棒というか、いわばバディですよね。競技人生のパートナーですし、「すべて」です。ベレッタがなければ、ここまで競技を続けてこられなかったとさえ思います。東京五輪を迎えるにあたって、注目している選手は2人います。1人目は北京とロンドンの五輪2大会で銀メダルを獲得したズザナ・ステフェツェコバ(スロバキア)です。実は彼女、子どもを出産するためにリオデジャネイロ五輪の出場を辞退したんですよね。さらに昨年の世界選手権で東京五輪の出場権を獲得した後も、2人目を出産するためにまた産休に入ったんですよ。「出産と子育てがあるので今シーズンはもう休みます。“See you in Tokyo”」とメッセージを残して本当に休みに入った時はびっくりしました。ステフェツェコバはリオ五輪前に私に相談してきたことがあって、「子どもが欲しいの。そのためには五輪も諦める。次の大会に切り替えるわ」と打ち明けてくれました。私も娘を育てる母親なので、競技との両立の大変さはすごく分かります。彼女は有言実行をするタイプなので、リオ五輪に関しては出産を優先しましたが、東京五輪ではきっと素晴らしい活躍を見せてくれると思います。本当に強い意志を持った選手ですし、尊敬の念すら覚えますね。二児の母になって試合から遠ざかっている彼女が、東京の地でどんな戦いをするのかにはぜひ注目してみてください。もう1人はロンドン五輪で金メダルを獲得したジェシカ・ロッシ(イタリア)ですね。前回チャンピオンながらリオでは出場権を獲得できず、同じイタリア人のスタンコ・シルヴァーナが獲得した枠で出場を果たしました。その結果、ファイナルには残ったものの、メダルは獲得できなかったんですよね。東京五輪ではロッシとシルヴァーナがともに出場権を獲得しているので、そうした背景を知ったうえで2人のプレーや関係性に注目するとより観戦を楽しめると思います。この4年間、2人の間にはいろいろなドラマや葛藤などがあったはずです。世界には彼女たちのような強力なライバルがいますが、打ち勝つには日本人特有の繊細さや器用さに加えて安定感が非常に重要になりますね。クレー射撃は運良く金メダルを獲得できる競技ではありません。最小限のミスに抑えることはもちろん、どんなことにも動じないメンタルを持ち、さらには相手に対しては思いやりを持つことも大切です。時にはずぶとく、時には繊細に、時には自分の息をしっかりと感じるくらい感覚を研ぎ澄ましクレーを撃ち落とす――クレー射撃はそんなスポーツなんですよね。東京五輪の出場権を獲得したドーハでのアジア選手権は、本当に奇跡的な出来事でした。予選でものすごく苦み、絶望的な結果で初日を終えました。そこからの逆転の可能性は1%くらいだったと思います。でも、執念で予選を通過すると、ファイナルではシュートオフ(一発勝負で失中を出した段階で退場となるルール)を勝ち抜き、ギリギリで3位に入りました。一時的な勝ちたいという思いではなくて、継続的な五輪への思いが実を結んだ結果なのかなと思います。私が23年間にもわたり競技を続けることができたのは、近くに居てくれた両親や多くの方の支えがあったからです。特に家族に関しては、私の夢の実現を一丸となってサポートしてくれています。競技で生計を立てているだけに、クレー射撃は私にとっては仕事でもあるんです。生活がかかっていたからこそ、競技と子育てを両立できたのだと思います。娘も18歳になりましたが、涙あり、感動あり、笑いあり、挫折ありと喜怒哀楽な人生をともに過ごしてきました。娘は無事に大学進学を決めてくれたので、今度は私が結果を出す番ですね。東京五輪で5大会目となりますが、残念ながらまだメダルには手が届いていません。競技人生の中で苦労や挫折もたくさん味わい、五輪の度に自分を見つめ直してきました。でもまだ諦められない気持ちがあります。だからこそ、自国開催の東京五輪でメダル獲得という結果を残して、「競技人生に花を咲かせられたら」と思っています。

(「クレー射撃」と「神職」二足のわらじ:栃木)
東京五輪のクレー射撃スキート女子代表に内定した石原奈央子選手(45)は、1300年以上の歴史がある鹿沼市の古峯(ふるみね)神社で育ち、神職も務める。射撃も神職も精神面が重要で「信じる気持ち」は強みでもある。射撃で二度の五輪代表に選ばれながら、出場がかなわなかった同神社宮司の父敬士さん(76)のサポートを受け、悲願のメダル獲得を目指す。神社のそばには明治期に造られた射撃場があり、射撃は幼少期から身近だった。大学で神職の資格を取得した後、三十歳を過ぎてから本格的に競技を始めた。クレーが割れる爽快感や「頑張った分だけ上達する」という競技の面白さに強く引き込まれた。射撃に軸足を置きながら神社の権禰宜(ごんねぎ)として、庭園の手入れや建物の修繕、冬には雪かきもこなす。五輪挑戦は二〇一六年のリオデジャネイロに次ぐ二度目。リオ五輪はアジア予選を制して挑んだが結果は十八位。観客の多さなど、普段の大会とは全く違う雰囲気に圧倒され「全然駄目だった」と振り返る。「メンタルスポーツ」とされる射撃。リオ五輪の反省を生かし、「集中したい時にいかに自分を上手にコントロールするか」を意識してきた。神職としての信仰心は競技に通じる面があるといい「信じる気持ちは他の人より強い。自分の射撃を信じる気持ちが結果につながれば」。敬士さんは六八年のメキシコ大会、八〇年のモスクワ大会とクレー射撃日本代表に選ばれるも、日本のボイコットなどで出場断念を余儀なくされた。それだけに「メダルを取れば、私の念願もかなう」と娘への期待は大きい。石原選手は今回の五輪を最後の挑戦と位置付け、将来は宮司の職を継ぐつもりだ。「自国開催ならではの応援を力に変え、自分の力を出し切れたら、メダルも不可能ではない」。父が届かなかったメダルを手にするため、完全燃焼を誓った。

(県庁本館、県出身の五輪選手パネル:栃木)
東京五輪・パラリンピックで、五輪出場が内定している県出身選手のパネルが、県庁本館1階で展示されている。紹介されているのは17日現在で、スポーツクライミングの楢崎智亜(ともあ)さん(23)=宇都宮市出身=と、クレー射撃の石原奈央子さん(45)=鹿沼市出身=の2人。パネルは縦180センチ、横100センチほど。楢崎さんが力強く壁を登る姿や、標的を見つめる石原さんの鋭い視線は、それぞれに迫力がある。今後、県出身選手の出場が内定したときは、随時パネルを展示するといい、県総合政策課は「県出身選手を県全体で応援したい。多くのパネルが並んでほしい」と期待する。展示はパラリンピックが閉幕する9月6日まで。

(柵上下で撃退、防草シートに電線:静岡)
静岡市清水区のJAしみず青壮年部は、イノシシなど大型獣だけでなく、アライグマやハクビシンなど中型獣にも対応した複合電気柵を専門業者と共同開発した。升目の小さな柵と電線、電線を縫い込んだ新開発の防草シートを組み合わせた。部員が、管内の土地改良区の基盤整備地に施工している他、今後は各部員の農地にも設置する予定。地域農業を担う青壮年部が、積極的に鳥獣害対策に乗り出している。管内は大型獣だけでなく中型獣の被害も多く、両方に対応した柵が必要で、従来の柵では設置に手間が掛かるなどの課題があった。青壮年部は中型獣に効果があり、精度の高い柵を開発しようと、熊本県の電気柵会社・末松電子製作所と京都府のワイヤーメッシュ業者・近江屋ロープと試作を繰り返し、複合電気柵「ビリビリラスカール」を完成。同電気柵は2社が販売している。効果と重量を考え、下側半分だけ升目を増やし、同時に電線の位置を下げ、上下からの侵入を防ぐ。電気柵は地面に近い場所は電圧が低くなり、獣への刺激が弱くなる。そこで地面の防草シートにも電線を縫い込んだ他、防草面積を広くするため通常規格より広い幅1・2メートルのシートを特注した。2018年度から部員が、静岡市清水区矢部土地改良区の基盤整備地の外周に設置し始めた。19年度も年度末までに2キロを施工する。電気柵の費用は市の補助金で95%を賄い、5%は土地改良区からの支払いで対応している。青壮年部は、部員169人中20人が狩猟免許を取得する。「自分の農地は自分で守る」をモットーに、柵設置の他、捕獲や緩衝帯整備も実践。竹やぶの伐採などさまざまな活動を展開している。青壮年部事務局でJAの鳥獣害対策を担当する営農企画課の荒木逸さんは「今後の農業を担う青壮年部が自ら活動することで、農地を守り、地域を活性化できる」と青壮年部の活動に期待する。

(クマの市街地への出没を防ぐための勉強会:新潟)
日本クマネットワーク(JBN)は、クマ類の保護管理を専門とする研究者や現場で活躍する専家・行政担当者を擁する団体です。JBNは、今年度のクマの出没が、どんな状況で起きたの、どのような対応がなされ、現場で何に困ったのかなど、各地域の事例について情報共有し、今後の対策を改善するために勉強会を開催いたします。

(マタギ時代を語る:秋田)
クマの胆のうを乾燥させた「熊の胆(い)」は、かつて珍重され、すごい値がつきました。昭和60年代の長野での販売単価の資料が手元にあるんですが、1匁(もんめ)=3・75グラム=で6万円となっています。平均的な「熊の胆」の重さは10匁ぐらいですから、一つで60万円にもなったということですね。私が持っているものの中には20匁のものもあります。当時の単価ならすごい金額になりますね。今は自分で使うばかりですけどね。打当マタギの猟場は、森吉山の南側に10カ所前後あります。集落に近い猟場もありますが、最近はそういう所ではめったに猟をしません。銃の弾は何キロも飛ぶので、万一誰かに迷惑を掛けるといけませんから。私が小学生だった頃、「山回り」と言って、雪解けが始まり春のクマ猟が近づく頃に猟場を下見する仕事がありました。中村中学校(現阿仁中)を卒業したのが昭和38(1963)年春です。私は自然とマタギの猟に加わるようになりました。高校進学はまだ一般的でありませんでしたし、勉強が嫌いでした。祖父の辰五郎が打当マタギのシカリ(頭領)を務めており、父の金作もマタギをしていましたからね。初めは、学生服・学生帽姿で山に入りました。祖父は、30代の若さでシカリになりました。「猫」とあだ名されるほど身が軽く、猟に関する知識も豊富でした。まだ20代の頃に、仲間たちから実力を認められる出来事があったと聞いています。

(国産ジビエ認証施設の第11号及び第12号認証:広島)
国産ジビエ認証制度に係る認証機関により、国産ジビエ認証施設(第11号及び第12号)として、食肉処理施設「株式会社 暁(岡山県岡山市)」及び「東広島市有害獣処理加工施設(広島県東広島市)」がそれぞれ認証されました。

(イノシシ料理で復興後押し:宮城)
去年10月の台風19号による豪雨災害から12日で4か月です。大きな被害が出た丸森町の飲食店には、復興を後押ししようと、郷土料理のイノシシの肉を使った特別メニューが登場し、報道関係者にお披露目されました。台風19号による豪雨災害のあと、丸森町では観光客が減少していて、新しいメニューは、町を訪れる人たちに郷土料理の魅力を知ってもらおうと考案されました。料理にはイノシシの肉がふんだんに使われていて、鍋料理やにぎりずしのほか、串焼きやカレーなど6点のセットが報道関係者にお披露目されました。この料理が味わえるのは町の中心部にあるすし店で、台風で店内が浸水する被害を受けましたが、先月、営業を再開したということです。店主の砂澤守さん(76)は、「イノシシ料理は丸森の伝統料理でおいしいので、ぜひ多くの方に足を運んでもらい、食を通じて復興に力を貸してほしい」と話していました。この特別メニューは税込みで3300円で、前日までに予約が必要だということです。

(ジビエ料理と狩猟をPR:和歌山)
和歌山県古座川町で15日、シカやイノシシなど野生鳥獣肉(ジビエ)の料理の販売や、シミュレーターによる猟銃の模擬体験ができるイベントが開かれ、大勢の来場者でにぎわった。ジビエを「古座川の恵み」としてアピールし、狩猟に興味を持ってもらおうと地元観光協会が企画した。飲食コーナーではシカ肉を使った丼や、イノシシ肉の煮込みなどが出された。同県新宮市から訪れた会社員岩倉正朋さん(35)は「肉はやわらかくおいしかった。地域の特色を出したイベントで楽しい」と話した。猟銃の模擬体験では、来場者がレーザー光を発射する模擬銃でスクリーンに映し出された鳥獣を狙い撃った。

(イノシシ肉活用した試食会:熊本)
田畑を荒らす鳥獣の捕獲や活用に取り組んでいる団体が15日、イノシシ肉を使った試食会を開いた。試食会は、熊本県内の若手農家などでつくる団体「くまもと☆農家ハンター」が開いた。宇城市三角町で捕獲し、地元の施設で解体加工したイノシシの肉を使い、メンチカツやローストなどがふるまわれた。「くまもと☆農家ハンター」はイノシシ肉のインターネット販売を手掛けていて、今後も販路の拡大を目指したいとしている。

(本格ジビエソーセージ&レモンサワーを楽しむ:広島)
「広島発の本格ジビエソーセージ&レモンサワーを楽しむイベント」が2月16日(日)、福岡市のHIGHTIDE STORE(ハイタイドストア)テラススペースで開催されます!自社ブランドのステーショナリーなどを扱う人気ショップ「ハイタイドストア」(福岡市中央区)で、なんとも気になる催しが実施されます!「広島発の本格ジビエソーセージ&レモンサワーを楽しむイベント」が2月16日(日)に開かれます。当日は、広島市に店を構えるソーセージ専門店「.comm」による本格ジビエソーセージを盛り合わせたランチBOXと、広島県の特産品であるレモンを中心に使うレモンサワー専門店「レモンスタンド広島」(同市)のレモンサワーが堪能できます。新進気鋭のソーセージクリエイター「.comm」中山浩彰さんによる本格ジビエソーセージは、「ソーセージで世界を熱狂させたい」という中山さんのこだわりが詰まっています。あの人気番組「マツコの知らない世界」でも紹介されたので、ご存じの人もいるのでは?

(「守り」と「攻め」と「食」で鳥獣被害対策を特集:高知)
2019年の「日本タウン誌・フリーペーパー大賞」企業誌部門で、高知を売り込む“意気込み”が評価され優秀賞を受賞したJA高知県広報誌『こうぐり』。最新の2月号の鳥獣被害対策関連の特集は、高知県内の状況と対策の全貌が見えるものとなっている。特集は、1つが「『守り』と『攻め』で立ち向かう鳥獣被害対策の今」と、もう1つが「ジビエを地域の資源に!野生鳥獣の利活用」。この特集のねらいについて、「県土の84%を森林が占める高知県では、イノシシやシカ、サルなどによる鳥獣被害が深刻化しており、被害額は平成24年度をピークに減少しているものの、依然として高い水準にあります。そのためJA高知県では、鳥獣被害対策専門員を中心に県や市町村と連携しながら鳥獣被害対策に取り組んでいます。経済的な損失に加え、生産者の生産意欲をも減退させる鳥獣被害に立ち向かう地域の現状を取材しました」と記されている。鳥獣被害は全国的な問題となっており、それぞれの地域の実情に応じた対策が行われている。同誌の特集では、高知県で行われている防護柵設置による「守り」と捕獲による「攻め」の両面からの対策、そして"ジビエで地域おこし"など「食」や皮革利用など地域の資源としての利活用についても取材して具体的に紹介している。JA高知県組織広報課で同誌を担当する桑名李果さんが自ら取材して写真や実践している人たちへのインタビューを交えているため、読みやすい。

(ジビエなど県内食材を提供:三重)
松阪牛や松阪ホルモンに、イノシシやシカといったジビエ食材など県内の産地直送食材ばかりを使ったメニューを地元価格で提供する「松阪牛炭火焼肉 伊勢十」が伊勢神宮内宮の門前町、おはらい町で本格オープンした。同店は2019年12月に年末年始の参拝者向けにプレオープン。初詣ラッシュが一段落し、2月から地元向けに営業を開始した。店舗の企画と経営は、県アンテナショップ「三重テラス」を東京都内で運営する総合サービス業、アクアプランネット(本社・松阪市)。県内外で飲食店などを展開する同社だが、今回は、観光客向けではなく地元の常連客を増やすことがコンセプト。このため、提供料理の原価率は通常より高めの設定という。

(“鹿革お守り”で交通安全祈願:埼玉)
ちちぶのじか活性化協議会は、小鹿神社にご協力いただき、「鹿革お守り(鹿革一台守)」を共同開発しました。バイクの聖地としてツーリングスポットになっている小鹿神社はバイク神社とも呼ばれています。交通安全祈願に多くのライダーが訪れ、てんとう虫を絵柄にした「転倒防止守」は人気を集めています。小鹿野町内の福祉作業所(小鹿野町ふれあい作業所)にもご協力いただき、「鹿革お守り(鹿革一台守)」の最終加工工程を担当してもらっています。「ちちぶのじか」の活動は、地域内の様々な関係者に助けられながら歩んでいます。鹿革お守り(鹿革一台守)は、小鹿神社にて頒布しています。

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