<射撃ニュース3月>
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(DMM.comグループ、鳥獣被害対策を行う事業開始)
合同会社DMM.comは、近年増加する鳥獣被害対策を行う新会社「株式会社DMM Agri Innovation (DMMアグリイノベーション、本社:東京都港区、代表取締役 村中悠介、以下DMMアグリ)」を設立、2020年3月より本格始動いたします。DMMグループとして、農業領域参入は株式会社ファーマリーのDMM農機に続き、本事業で2社目となります。野生鳥獣による農作物への被害金額は年間で約158億円にものぼり、数字に現れる以上に、営農意欲の減退、耕作放棄・離農の増加など、深刻な影響を及ぼしています。鳥獣の被害を解決していくには、被害→対策→資源化→消費の連動サイクルを作り広く展開することが求められますが、現状は情報やノウハウ、処理技術の欠如、ハンターの人材不足など様々な課題に直面しています。DMMアグリは、農業に関する課題解決を行う企業です。『農業と未来を歩む』をテーマに掲げ、DMMが持つテクノロジー・ソリューション、人材、プロモーション、ブランディングノウハウ等を用いた事業展開を行っていくことで、農家の方々が抱えるお悩みの解決、および地域社会への貢献を目指してまいります。また、本事業では、JA全農の協力のもと、経済連・県JA様や全国各地の農協様への電気柵販売を足がかりに、今後実証実験も行いながら、鳥獣被害対策商品全般の製品開発・販売にも取り組んでまいります。

(ドローンは山間部で遭難者や有害動物を見つけられるのか:岡山)
岡山県和気町で興味深い実験が実施されていた。スウィフト・エックスアイ株式会社は3月10日、TOL型固定翼ドローンを使用し、和気町が企画した「有害動物検知実験」および「遭難者捜索実験」を実施したと発表。この実験には和気町職員、警察、消防署、猟友会など約30名が参加した。実験で使われたドローンは、Swift021という機体だ。2時間超の飛行が可能で、各種センサーやAIによる航空機レベルのフェイルセーフ機能を有する。まず、有害動物検知実験を実施した。この実験では赤外線カメラ映像から有害動物の位置を確認、生態調査などを行うことを想定している。山間部(約200ha)を使用し夜間フライト(1フライト:30分間)をしたところ、10分ほどで3匹の有害動物を検知できた。次に、観音山登山道(約40ha)において、4人が遭難したと想定し、制限時間内で何人を発見できたかの実験を実施した。結果的に、合計90分のフライト(1回目:50分、2回目:40分)で4人中3人を発見した。実験で使われたドローンSwift021を製造するSwift Engineering Inc.のアレックス・エチェヴェリア氏は、「実際の現場では、遭難者の年齢・性別、詳細な地理情報、過去の情報などを収集することが第一段階。その情報がない状態でも3人を発見できたことに満足している」と述べた。一方、スウィフト・エックスアイの代表取締役会長&CEO 松下弘幸氏は「今回は限定された範囲の遭難者捜索デモを行った。Swift021は米国の電波出力であれば、半径50km以上でライブビデオによる捜索が可能であるが、日本の電波出力では数kmしか電波が届かないために、せっかくの021の航続距離をいかした効率的な運用ができない。緊急時だけでも特別な許可が必要である」と語る。また、同社の最高執行責任者(COO) ニック・バルア氏は「Swift021の長時間飛行という利点を活かし、効率的に遭難者を確認できた。実際の現場では、空から広範囲の捜索情報を捜索隊に共有し、捜索範囲を絞るなど、効率的な捜索が可能になる。実際の現場にも広めていきたい」としている。

(豚熱感染の野生イノシシ:三重)
県は3月11日、伊賀市内で2月末に捕獲された野生のイノシシ2頭(成体)が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。伊賀地域での感染確認は初めて。県CSF対策チームによると、2月27日に同市下神戸で捕獲された体長140センチ、体重80キロの雌と、同29日に同青山羽根で捕獲された体長85センチ、体重40キロの雄の血液検体を検査した結果、陽性反応が出たという。2頭はいずれも地元の猟友会員がわなや銃で捕獲したものだった。県内でこれまでに感染が確認されているのは、桑名市、いなべ市、四日市市、菰野町で、伊賀市は5か所目。感染事例は県内44、45例目。県では市と協議し、ワクチン散布に向けた準備を進めている。

(忌避剤散布が終了、霧ケ峰のシカ対策:長野)
ニッコウキスゲなどの高山植物をニホンジカの食害から守る手法として県が2016年から4年間、諏訪市の霧ケ峰で取り組んだシカが嫌う忌避剤の散布実験は、効果が限定的で「電気柵のような効果は期待できなかった」とし、今年度で終了することを決めた。防鹿電気柵は来年度、車山肩地区西側を約400メートル延長して総延長を10・5キロとし、設置面積を広げる。実験は県自然保護課と環境保全研究所が中心となり、車山肩近くの試験地で5~7月に実施。忌避剤散布エリアと非散布エリアを設けて食害の違いを調べた。使用した忌避剤は卵の粉末を由来とし、人体や環境への影響はほとんどないという。忌避剤散布したニッコウキスゲも多く食べられており、実験結果を「ニッコウキスゲに対するシカの嗜好性を下げる効果はあったが、ほかの草を選ぶまでには至らなかった」とまとめた。霧ケ峰のシカの密度の高さが期待された効果に結び付かなかった要因とした。忌避剤の効果が確認されれば、電気柵の設置、撤去の手間が省け、景観を損ねない対策にもなるとして期待されたが、引き続き柵が有効な手段となる。電気柵と八島ケ原湿原の鉄鋼柵を含めた総延長は14・5キロ。設置は5月上旬から中旬の予定で、常設の八島ケ原湿原の鉄鋼柵を除き、それぞれの設置主体が冬までに撤去する。結果を踏まえ、ニホンジカの個体数が一定程度減少するまでは電気柵の設置、撤去作業が毎年行われる。

(イノシシ被害防止へ、JAが箱わな寄贈:茨城)
イノシシによる農作物被害などを食い止めようと、JA常陸(秋山豊組合長)は3月中をめどに、管内11市町村のうち7市町にイノシシ捕獲用の箱わなを寄贈する。

(イノシシ出没か:佐賀)
佐賀北署は11日、佐賀市大和町久池井の春日運動広場付近に同日午前9時ごろ、イノシシ1頭が出没したとして、メールで注意を呼びかけた。同所では、昨日朝もイノシシが目撃されている。

(猿の目撃情報:大阪)
寝屋川市内で2020年3月9日~11日にかけて複数箇所でサルの目撃情報がありました。

(ミロク、純利益70.1%減:高知)
ミロクが10日に発表した2019年11月~20年1月期の連結決算は、純利益が前年同期比70.1%減の1億1100万円となった。売上高は前年同期比11.6%減の34億円、経常利益は前年同期比48.3%減の2億4500万円、営業利益は前年同期比54.3%減の2億200万円だった。猟銃事業においては、上下二連銃の販売数量は前年同期と比べ減少したものの、ボルトアクションライフルの販売数量が増加したことにより、売上高は前年同期を上回った。利益面については、付加価値の高い上下二連銃が減少したことや、生産能力増強及び新製品開発のための費用増等により前年同期を下回った。2020年10月期は純利益が前期比19.1%減の7億6000万円、売上高が前期比0.4%減の153億円、経常利益が前期比11.8%減の11億円、営業利益が前期比14.7%減の9億8000万円の見通し。

(クレー射撃の石原選手、ふるさと大使に:栃木)
クレー射撃の東京オリンピック代表に決まっている石原奈央子選手が、地元鹿沼のふるさと大使に任命された。石原選手は、4年前のリオデジャネイロオリンピックに初出場し、2大会連続のオリンピック出場となる。石原選手の実家は鹿沼市の古峯神社で普段は神職を務めている。現在はオリンピックに集中し神社近くにある射撃場で練習に励んでいるという。

(捕獲減でジビエ業者悲鳴:愛知)
家畜伝染病「豚熱(CSF、豚コレラ)」の感染源の一つにみられている野生イノシシの捕獲頭数が県内で減っている。豚熱に感染して死ぬイノシシが増えているのではないか――というのが愛知県の見立てだ。捕獲頭数の影響が、ある業界にも影響を与えている。県野生イノシシ対策室によると、2018年度に県の許可を得て捕獲されたイノシシは9250頭。イノシシによる農作物の食害を防ぐため、県は狩猟や捕獲を勧め、イノシシの肉を活用したジビエ料理のPRもしていた。ところが、豚熱の感染が広まった後、19年4月から今年1月までの間に捕獲されたのは5754頭。前年同期比の7割に減った。特に、豊田市や瀬戸市など野生イノシシの豚熱感染が確認されている市町では、18年度と比べ半分ほどしかイノシシが捕獲されていない。「CSFで死ぬイノシシが増えたのでは」と県の担当者は言う。県は現在、CSFの感染が確認された地点から半径10キロ圏内は、イノシシを捕獲してもジビエとして処理しないよう自粛を要請している。イノシシを解体する時に流れる血や、残される骨などから、豚熱ウイルスが広がる可能性があるからだ。イノシシの捕獲頭数が減った上に、ジビエにする処理が止まったことで影響を受けたのが、ジビエの販売・飲食業者だ。ジビエとしてのイノシシ肉の流通が止まり、「打撃は大きく厳しい状態が続いている」と、愛知ジビエ振興協議会(名古屋市)の大西光夫事務局長は話す。当初は各業者が店に残る肉を売ってしのいだが、在庫が底をついた今は静岡県などからイノシシを入荷し、シカ肉の販売も増やしているという。地元で取れたイノシシを解体、販売していた豊田市足助地区の「猪鹿工房・山恵(やまけい)」。昨年6月、豊田市で野生イノシシへの感染が確認されたことで入荷が止まり、今年1月には在庫も尽きた。今は、他県から仕入れたイノシシのブロック肉を加工して販売している。仕入れ値はそれまでの2倍になった一方、販売価格に転嫁できないため利幅を減らし、採算ぎりぎりの状態だ。店長の鈴木良秋さん(68)は「今はつなぎの期間。何とかして乗り切るしかないと思っている」。知り合いの猟師からはイノシシを目にすることが減ったと聞いている。鈴木さんは「個体数は減っていると実感しているがまだわからない。いずれにせよ早く地元のイノシシが使える状態に戻ってほしい」と話す。

(カモ肉無料提供:山形)
新型コロナウイルスの影響で学校が臨時休校となる中、新庄市のそば店が子どもたちの食事をサポートしようと、栄養価の高い店自慢のカモ肉を希望する家庭に無料提供する。1家族2人前までとし、100人分を用意。12日以降、家族写真を“証明書”代わりに持参した希望者にパック詰めのカモ肉を手渡す。同市のJR新庄駅前に店を構える「十割蕎麦(そば)と鴨(かも)料理かもん新庄駅本店」が地域貢献活動の一環として無料サービスを展開する。同店を営む加藤商事(同市)社長の加藤貴也さん(38)がカモ肉を小中学生や高校生に振る舞い、元気に過ごしてもらおうと発案した。同社は大蔵村でカモを育てる農場に加え、新庄市で加工場も経営。生産から流通まで一貫して取り組むことができる強みもあり、大盤振る舞いすることにした。提供するカモ肉は、子ども1人が食べる量を想定し1パック4、5切れ入りで60グラムほど。ジンギスカン用のたれも付ける。加藤さんは「自分に何ができるかを考え、行動することにした。笑顔の家族写真を持って来店してほしい」と話している。

(南朝「皇居」で味わうジビエ料理:奈良)
奈良県五條市西吉野町の賀名生(あのう)を流れる丹生川沿いにひっそりと建つ茅葺(かやぶ)き屋根の建物。14世紀、京を脱出して吉野へ逃れる途中の後醍醐天皇を迎え入れ、その後、南朝の天皇が仮住まいしたという「堀家住宅」だ。第29代当主の堀丈太(じょうた)さん(54)は、国指定重要文化財となっているこの旧皇居で2019年4月、レストラン「KANAU」を開いた。五條市街地から国道168号を南下し、トンネルを二つ抜けると堀家住宅に着く。「皇居前橋」と書かれた小さな橋を歩いて渡り、ずっしりとした冠木(かぶき)門を見上げると、「賀名生皇居」と記された扁額(へんがく)が掲げられている。天誅組(てんちゅうぐみ)の志士、吉村寅太郎の筆によると伝わる。門をくぐり、庭を挟んで建つ茅葺きの平屋は威風堂々たるたたずまいだ。中世の仮皇居と知って来ているせいか、想像力が先走る。出迎えてくれた当主の堀さんは実は東京の生まれ育ち。不動産関係の会社に勤めていたが、賀名生に暮らす父元夫さんが17年に亡くなった時、「帰るしかない」と思った。51歳。「年齢的にはタイムリミットでした」。「(受け継ぐには)重たい」堀家の遺産を自分の子供たちにのこすには、収益の出る形にして活用しなければ、という思いがおぼろげにあったという。18年3月、移住を決意して賀名生に引っ越してきた。堀家のルーツは平安中期の歌人、藤原実方(さねかた)にさかのぼる。小倉百人一首にも選ばれた美男だったが、東北の陸奥に左遷され、その地で客死したとされる。その子が陸奥から熊野へ出て熊野の初代別当に。以後、鎌倉時代の承久の乱に参戦し敗れ、賀名生に居を移した際に藤原から堀へ改姓した。後醍醐天皇が吉野への途上で賀名生へ寄った際に迎え入れたのが堀孫太郎信増。その後、堀家の住居は後村上、長慶、後亀山と3人の天皇の行宮となった。近現代でも祖先は歴史に名を残す。曽祖父丈夫は2・26事件当時の陸軍第1師団長。祖父栄三は大本営の情報参謀を務めた。「要は負け戦ばかりなんですよ」と堀さんは苦笑するが、驚くばかりの堀家の歴史だ。19年春に開業した「KANAU」。元々「穴生(あなふ)」だった地名を、後村上天皇が南朝の正統性を願い「叶名生(かなふ)」と名付けたことにちなむ。和室が5間あり、山岡鉄舟の自筆とされる書「皇居地」も掲げられている。丹生川を望むデッキテラスを新設し、1年間、試行錯誤してきた堀さんだが、2年目は地元のシカやイノシシの肉を使ったジビエ料理に力を入れるという。自信作は「シカ肉ローストのベリーソース添え」。低温でじっくり火を通したシカのもも肉が「しつこくなく、ヘルシー」。隣接する離れは老朽化のため改修し、宿泊施設になっている。ベッドを入れた洋風の部屋は、とても清潔感がある。ここは、世界遺産のある熊野や十津川も近く、関西国際空港からは車で1時間で来られる距離。堀家住宅以外にも南朝の史跡が多くあり、賀名生梅林も近い。堀さんは「泊まってもらい、静かな隠れ家のような里でゆっくり過ごしてほしい」と願っている。

(マイわな体験サービス:埼玉)
猪鹿のリアルな「わな猟」に、誰でも安心安全に現地とウェブ双方で参加できる新サービスがスタート。ジビエももれなく進呈します。株式会社Root(神奈川県南足柄市、以下「Root」)は、一般の方が誰でも安心安全に、リアルな猪鹿を捕獲するための罠猟に参加できる「マイわな体験サービス」のテスト提供を、2020年4月から開始します。罠猟はNPO法人 おだわらイノシカネット(神奈川県小田原市、以下「イノシカネット」)と共同で実施し、サービスで使用するウェブシステムやチャットボットには、Rootの「はたけを遊ぶ!スマート体験農園システム」開発で培った技術を利用します。

(鹿革ブランド、棚田再生を次世代へ:岡山)
美作市上山地区で棚田再生の活動をする梅谷真慈(まさし)さんが、鹿革ブランド「Tsunag.(ツナグ)」(美作市)を設立して3カ月がたった。梅谷さんは、奈良県出身。2009(平成21)年に美作市上山へ移住した。岡山大学大学院在学中の2010(平成22)年から、棚田再生活動に参加。約8300枚あった棚田を田に戻している。約4分の1の再生が終わり、米作りをしている。耕作放棄地になった田を再生させるには、3~4年かかるという。再生された田で起こる次の壁が、イノシシやシカの獣害。耕作物を食い荒らすだけでなく、土砂災害や人的被害など、生活そのものを脅かす。地元の猟師に教わりながら狩猟を行うようになった。自身で捕獲するのは10頭前後だが、鹿革を有効活用できないかと約5年前から試行錯誤してきた。田を荒らす憎い存在としての野生動物だが、農地に現れるのは人が里山を荒らしていることが理由でもある。「頂いた命を余すことなく使いたい」という思いになり、移住して10年を迎える節目、本格的に鹿革製品の販売を始めた。財布、キーホルダー、PCケース、ペンケース、コードクリップ、名刺入れなど15アイテム以上を準備している。梅谷さんは「鹿革は柔らかく、肌触りが良い。使い込むほどなじんでくる。野生動物なので、傷があるものもあるが、岡山の深い山に生きていた証拠でもあり、魅力だとも思っている」と話す。革製品を通して、棚田の暮らしを未来につないでいきたいという思いから、ブランド名を付けた。今後は、商品のラインアップ、カラーバリエーションを増やし、岡山の名産品に育てていきたいという。クラウドファンディングを3月24日まで受け付ける。「過疎化が進み、人口が減った上山地区に地域おこし協力隊を含め多くの人が関わるようになった。クラウドファンディングを使ってより多くの人に上山に関わる人が増え、面白いことができる好循環を生み出したい」と話す。

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(射撃の五輪テスト大会、海外選手なしで実施へ)
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は10日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月に開催する射撃の五輪テスト大会(陸上自衛隊朝霞訓練場)を海外選手なしで実施することを明らかにした。テスト大会は4月18~25日の予定。最終的に実施方式を決めた上で発表する。

(中山がMANの理事就任、東京五輪クレー射撃代表)
クレー射撃で5回目となる東京五輪出場が決まっている中山由起枝の所属する日立建機は9日、女性アスリートのサポート活動をするため設立された一般社団法人「MAN」の理事に同選手が就任したと発表した。

(クジャクとキジ44羽駆除:沖縄)
有害鳥獣に指定されているクジャクやキジの一斉駆除が8日、石垣島内全域で行われた。県猟友会石垣地区(石垣克治地区長)の会員で市から有害鳥獣駆除の資格を付与された約40人が参加しクジャク25羽、キジ19羽を駆除した。市農政経済課によると、今年度2月末時点の有害鳥獣駆除数はイノシシ約180頭、クジャク約600羽、キジ約700羽。被害額は、イノシシ200万円、クジャク160万円、キジ80万円の合計440万円と、前年度の約360万円を既に上回っている。イノシシによるサトウキビ、クジャクやキジの果樹・野菜への被害は甚大で、カラスによる肉用牛被害も発生している。同日の午前中から、猟銃で駆除を終えた参加者が石垣市林業総合センター駐車場に集まり、車から次々と駆除したクジャクやキジを降ろした。真っ白なアルビノのクジャクも並んだ。石垣地区長によると、近年の有害鳥は警戒心が高まり、銃を準備している間にすぐ逃げてしまうという。駆除したクジャクなどは後日、焼却処分される。一斉駆除は猟期の11月15日~翌年2月15日を避けて年4回実施。次回は今月22日を予定している。

(クマ捕殺、最多5667頭:北陸)
2019年4~12月に市街地に迫るなどして、捕殺されたツキノワグマとヒグマの数が環境省の集計で5667頭(速報値)となり、年度内でありながら過去最多を更新中だ。全国的にクマの分布域が拡大している上、餌となる木の実が凶作で人里への出没が相次いだためとみられる。冬眠期の12月に入っても200頭超を捕殺しており、専門家は「暖冬の影響で冬眠が遅れ、餌を探し回るクマが多かったのではないか」とみる。集計によると、クマの捕殺数は06年度の4679頭が最多。07年度以降は1000~3000頭台で推移していたが、19年度は既に18年度1年間の3446頭を大幅に上回っている。出没が目立った東北や北陸では、冬眠に必要な栄養が足りず、餌を求めてクマが行動圏を広げたとみられる。

(サルの動き把握し効率的に捕獲:青森)
青森県深浦町はサルの群れの動きを把握する効率的な捕獲で成果を上げる。特に被害の多かった沢辺地区では、専門家の協力も得て集落に居着いたサルを2018年までに全頭捕獲した。町は鳥獣害対策の人材育成や地域住民の意識醸成にも力を入れる。同町の農作物被害額は、2006年の1428万円から、2017年には約2割に当たる331万円に減少。対策が進んだ地域では、農業者から「サルを見なくなった」との声が寄せられる。同地区では約1年間で2群62頭を捕獲した。群れの中心となっているメスに発信機を付けてサルの動きを把握し、よく訪れる場所に檻を設置。すぐには捕獲せず、檻の中に食べ物を置いて3カ月ほど餌付けする。サルが警戒しなくなってから作動させることで、罠に慣れさせず一気に捕獲できたという。日本獣医生命科学大学やNPO法人北限の野生動物管理センターと連携して実施した。町は対策を担う人材の育成・確保にも注力する。罠の免許を取得し鳥獣害対策に従事することを条件に、2014年度までに40~50代の4人を町の臨時職員として雇用した。銃などの狩猟免許の取得も町が補助。臨時職員は同町の猟友会にも入会し、捕獲や罠の見回りに当たっている。

(土壌の除染とイノシシ対策に追われる:福島)
森や田んぼの脇を露天掘りの鉱山のように十数メートル掘り下げた広いくぼ地が視界に入った。東京電力福島第1原子力発電所から5キロメートル圏内。そこへ大型トラックやベルトコンベヤーからひたすら投じられるのは土だ。文字通り「穴を掘って穴を埋める」作業である。2011年3月の福島第1原発事故で甚大な被害を受けた福島県双葉町と大熊町。両町には上記のようなくぼ地がいくつも作られている。放射性物質に汚染された地域の土をためておく「中間貯蔵施設」。地元43市町村が各地域で除染を実施した際に出てきた土を運び込む。国とは30年にわたり保管すると取り決めている。その後は保管した土は最終処分場に運び出される予定だ。大きな被害を出しながら原発の地元2町が施設を引き受けたのは、福島の復興を進めるための苦渋の選択だった。だが、難題がある。掘って埋めた後、「また掘り出せるかどうか」である。3月に入り、双葉、大熊両町の帰還困難区域の一部では避難指示が解除(双葉町は初)された。これまで年間被曝(ひばく)線量が20ミリシーベルト以下になっていないとして国は立ち入りを制限してきた地域。今後は「特定復興再生拠点区域」として、宅地や産業インフラの開発が進むことが期待される。長年にわたり、人けがなくなった帰還困難区域ではイノシシなど野生動物も増殖した。環境省が双葉、大熊、富岡、浪江の各町と葛尾村にワナを設置したところ、これまでに約5000頭ものイノシシを捕獲したという。避難指示が解除された地域もまだ一部。事故から10年目を迎えようとしているが、原発周辺地域はいまだ除染後の処理とイノシシの駆除に追われている。

(5G活用、農作物鳥獣害対策:富山)
県は2020年度、5G(第5世代移動通信システム)を限られた範囲で展開する「ローカル5G」を活用し、鳥獣による農作物被害対策の実証実験に乗り出す。4Kカメラや人工知能(AI)を使い、有害鳥獣が嫌がる臭いを発生させるなど、自動での撃退を可能にする。生産性の向上や農家の負担軽減を狙う。県農村振興課によると、19年度、県内の野生生物による農作物被害額は1月末時点で9384万円。中でもイノシシによる被害は7895万円で過去最高。

(白神周辺のカメラにクマ3倍増:青森)
東北森林管理局津軽白神森林生態系保全センター(鯵ケ沢町)が、世界自然遺産白神山地周辺地域32カ所に設置した、センサーカメラによる2019年度の中・大型哺乳類調査結果が9日までにまとまった。えさ不足を背景にツキノワグマが前年度の3倍近い237頭に上ったほか、白神山地の生態系への影響が懸念されるニホンジカは前年度より4頭減の8頭で、すべて雄だった。

(日豊線で遅れ:宮崎)
7日午後6時55分ごろ、JR日豊線田野―青井岳間で普通列車とシカが衝突した。JR九州によると、列車は同7時半ごろに運転を再開したが、上下線3本に10~30分の遅れが出ている。

(イノシシの出没:佐賀)
本日(3月8日)午後2時ころ、伊万里市大坪町乙所在の下古賀西バス停付近にイノシシ1頭が出没しました。外出する際は、十分に注意をするとともに、イノシシを見かけた際は近づかないようにして下さい。

(数匹のサル目撃情報:熊本)
熊本県警大津署は6日、大津町大林で同日午前9時ごろ、サル複数匹の目撃情報があったとして、メールで注意を呼びかけた。

(「地域の力」で被害軽減:和歌山)
日高地域鳥獣被害対策本部の研修会が開かれ、日高地方の農業者らが専門家からニホンザル被害の効果的な軽減方法を学んだ。成果を上げている先進地の具体的な対策が示されたうえで強調されたのは「地域の力で被害を軽減できる」という部分。サルは賢い動物で被害軽減には個体数を少なくする以外に方法がないと思っていたので興味深い話だった。専門家は、効果的な被害軽減には公助(行政の責任として推進すること)だけでなく、自助(地域の一人一人が取り組むこと)、共助(地域で力を合わせて実現すること)が必要と主張。そのうち自助と共助に当たるのが「地域の力」で、自分の所有する収穫しない農作物などの誘引物を除去することをはじめ、柵を設置する、追い払いを行う、やぶをなくすなどがそれぞれ具体策として示された。とくに追い払いでは、1匹でも手を抜かない、複数人で行う、どこでも誰もが追い払う、一歩でも山に入って追い払うなどのアドバイスがあり、住民一人一人がさぼらず役割をきっちりと果たそうとする姿勢の重要性が強調されていた。自助、共助、公助でよくいわれるのは自然災害時の対応。自分で命を守る、地域で助け合う、それから役場などの助けに頼る。順番が逆(サル対策の公助は捕獲などをさす)になれば、一時期はうまくいっても、しばらくすれば元の状態に戻ってしまうケースが予想され、やはり自助、共助のところは大切であるように思われる。「地域の力」は鳥獣害対策のみならず、いろんなところで発揮したい。いまの新型コロナウイルス禍を乗り越えるために必要なのも国だけでなく国民一丸、一人一人の行動ではないだろうか。

(イノシシが掘り起こし地面あらわ:新潟)
上越市居多のびょうぶ谷野球場の芝生がイノシシに掘り起こされているところを2月27日、植物観察に訪れていた人が発見した。同野球場は現在、外野部の芝生面などが広範囲にわたって掘り起こされ、地面が露出した状態になっている。

(エアーライフル場完成祝う:佐賀)
佐賀市若宮のSAGAサンライズパークエアーライフル射撃場の移転・新築記念式典がこのほど開かれた。関係者約100人が参加し、施設の完成を祝った。施設は鉄骨造り平屋建てで、延べ床面積1189・74平方メートル。従来の約4倍の規模になった。射撃場内の壁や天井には県産の木材が使われ、温かみのある空間となっている。紙の標的から電子標的になり、素早く、高い精度で得点や着弾点などを確認することができるようになった。式では、県ライフル射撃協会の八谷克幸会長や山口祥義知事らがテープカットをして祝った。八谷会長は「子どもや一般の方など多くの方に利用してもらい、この会場から活躍する選手が生まれれば」と期待した。県内の8選手が競技のデモンストレーションを行い、昨年の茨城国体エアーライフル成年女子4位の井浦一希さん(19)らが日ごろの練習の成果を披露した。井浦さんは「電子標的となり、試合と同じような環境でできることはうれしい。4年後のパリ五輪に出場できるように練習に励んでいきたい」と話した。

(親子で日本代表、少ないチャンスものにして:クレー射撃元日本代表石原敬士さん)
クレー射撃・スキートの選手として、1968年のメキシコ五輪を目指していましたが、日本クレー射撃協会の不祥事で出場できませんでした。80年のモスクワ五輪では日本代表に選ばれましたが、今度はボイコットで出場できませんでした。その後、きっぱり競技をやめました。昨年、私と同じようにモスクワ大会に参加できなかった山下泰裕さんが会長を務める日本オリンピック委員会から、「聖火リレーなどで東京五輪に参加しませんか」という内容の手紙をもらいました。同じ頃、県の聖火リレー実行委員会から推薦を受けたので、盛り上げの一助になればと思って走者を引き受けました。娘の奈央子もクレー射撃の選手で、リオデジャネイロ五輪に続き、東京でも日本代表に内定しました。彼女には「出られたからいいではない。勝たないといけない」と言っています。「一生懸命」では足りず、「真剣」に臨まなければ少ないチャンスはものにできないと思うからです。大会組織委員会には、すべての競技で選手が実力を発揮できる環境を作ってほしい。そして、射撃では92年のバルセロナ五輪以来のメダリスト誕生を期待しています。

(豚熱直撃、ジビエ危機)
豚熱の発生に伴い、野生鳥獣の肉(ジビエ)に取り組んできた狩猟者や農家らの収入が激減し、深刻な経営難に陥っている。加工処理施設も、鹿肉だけでは減収分は補えず、厳しい状況が続く。農水省が野生イノシシの感染が見つかった半径10キロ以内の流通の自粛を要請したためだ。農水省は新たな支援策を講じるものの、ジビエに取り組む若者らからは「このまま泣き寝入りするしかないのか」と悲痛な声が漏れる。農水省によると、豚熱に感染したイノシシは12県で見つかっている。同省は感染拡大を防止するために各自治体に野生イノシシが見つかった半径10キロ圏内の流通自粛を呼び掛けているが、収入補填(ほてん)などの支援策は講じていない。同省は地元のイノシシが利用できない場合、経営が続けられるよう感染確認区域外からイノシシを調達するための保冷車の整備や搬送経費の助成事業などで対応する。同省は「直接的な経営支援の仕組みはない。搬送経費助成などの支援を活用してほしい」と呼び掛ける。狩猟者からは「収入減に対する支援が必要だ」との声が続出する。豚熱の発生から1年半がたち、各県で、影響が深刻化しているためだ。岐阜県本巣市の「里山ジビエ会」は「鹿肉が8割で経営してきたが、イノシシ肉の方が単価が高く経営を直撃する。客からイノシシ肉を求める声があり、本当に悩ましい」と苦悩する。愛知県豊田市の猪鹿工房「山恵」の売店責任者、鈴木良秋さん(68)は「農水省の支援策を活用し鹿肉を中心にしようとしても経営は相当厳しくなる。補填してほしいという声を行政に伝えてきたが現場の声は届いていない」と明かす。三重県いなべ市。梅の祭りに出店し、鹿汁や鹿肉の唐揚げを売り込む佐藤大樹さん(48)は、険しい表情を見せる。本来なら汁物にぴったりのイノシシ肉を売り出したいが、豚熱に伴い、イノシシは販売向けの処理ができなくなった。このため年間で900万円の売り上げ見込み分を失った。鹿肉がメインだが、佐藤さんは「大打撃で死活問題。鹿肉だけでは経営が非常に厳しい」と訴える。沖縄県出身の佐藤さんは、半農半狩猟をしたいと5年前に同市に移住した。地域おこし協力隊としてイノシシや鹿の捕獲を進め、農家からの依頼に応じてわなにかかった野生動物にとどめを刺す役目を担ってきた。2年前には(株)ダイキを立ち上げてジビエや鳥獣捕獲などを本格的に担う。鳥獣害に苦しむ農家を見て、「地域振興にもつながる」とジビエに挑戦した佐藤さん。捨ててしまうイノシシや鹿を「もったいない」という。県が運用するブランド「みえジビエ」に登録され、市が2017年に建設した加工処理施設で捕獲したイノシシや鹿を処理し、経営を軌道に乗せようと奮闘してきた。19年6月に同市内で野生イノシシでの感染が発覚して以来、施設内にイノシシは持ち込んでいない。県は同市など6市町村と伊賀市の一部にイノシシの流通を自粛している。イノシシは捕獲奨励金はもらえるものの、佐藤さんは「豚熱で養豚農家に支援はあるのに、ジビエは収入減の補填が全くないのはおかしい。声を上げたいが、どうしていいか分からない」と話す。県は「先行きが見えず、大変な状況の人が複数人いる」として、イノシシの解体処理をする事業者らの声を農水省に伝え、ジビエ業者への経営支援を求める。

(出荷制限なお14品目:栃木)
東京電力福島第1原発事故から11日で9年となる中、県内では2月25日現在、原木シイタケやナメコなど14品目で放射能問題による国の出荷制限が続いている。昨年3月に牛肉が解除されたが、野生の山菜やシカ肉など解除が見えない品目はまだ多い。一方、牛肉は解除後も県が全頭検査を継続しているが、国の基準値を超す結果は出ておらず、検査内容が見直されるかが焦点となっている。国の出荷制限の基準は、一般食品で放射性セシウムが1キログラム当たり100ベクレル。原木シイタケは露地、施設栽培とも県の生産工程管理基準に従って栽培され、安全が確認されれば生産者ごとに出荷制限が解かれる。県によると、この1年間で露地栽培では日光、足利、矢板、益子の4市町の生産者各1人が新たに解除となり、これに伴い矢板市が「一部解除」になった。解除された生産者は累計で101人。干しシイタケも県による出荷自粛要請の解除者が4人増え、累計で15市町82人となった。

(ジビエ、クセなくおいしく:兵庫)
獣害をもたらすシカやイノシシの肉を活用した「淡路島ジビエ」の新メニュー発表会が、南あわじ市内で開かれた。島の郷土料理に取り組む女性らや、地産地消の料理を提供する飲食店がレシピなどを披露し、試食をした。農作物を荒らす動物を、新たな食材として生かそうと洲本農林水産振興事務所が企画した。シシ肉の角煮やロール白菜、シカ肉のメンチカツ……と、「美菜恋グランマ」(福永英美代表)は5品のレシピを紹介。普段は農畜水産物直売所「美菜恋来屋みなこいこいや」(南あわじ市)で郷土料理を販売する農家の女性グループだ。肉の臭みを取るために使ったのは、塩麹こうじやショウガ、ネギ。地元産野菜がたっぷりのため、彩り豊かで目にもおいしく、家庭でもできるメニューに仕上がっている。一方、洲本市のカレー専門店「真異端流カレー るつぼや」(馬崎泰成店主)は、イノシシのチャーシューを添えたカレーを提案した。真空パックしたウデやモモの肉を55~57度で数時間、湯せんし、硬くならないよう工夫した。料理は参加者たちで味わい、吉備国際大の金沢功助教は「牛肉や豚肉の料理と同じように、普段から食べられるものに仕上がっている」などと講評した。今回の発表会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で一般公開をやめ、関係者のみで開いた。

(駆除後のクマ生かしマタギ文化継承:青森)
クマなどの狩猟を行う「マタギ」の文化を広く伝え、新たな観光の呼びものにしていこうと、かつて多くの「マタギ」が暮らしていた西目屋村は、県内で初めてクマの食肉加工施設を整備し、被害を防ぐために捕獲したクマの肉を使った料理を観光施設で提供することになりました。白神山地のふもとの西目屋村には、かつて、クマなどの野生動物の猟をする「目屋マタギ」が数多く暮らしていましたが、70年ほど前から環境や猟の道具が変化していき、今ではその文化を継承していくことが難しくなっています。西目屋村は、このマタギの文化を広く伝えていこうと、県内で初めてのクマの食肉加工施設を整備し、村にある道の駅で「マタギ」の料理「クマ鍋」やクマの肉を使ったカレーを提供するほか、皮で作った財布や雑貨なども販売していくことになりました。食肉や革製品には、被害を防ぐために捕獲されたクマの肉や皮を使うことにしていて、村では、年間1020万円の売上を見込んで来年度の当初予算案に施設の建設費用などとして4000万円を盛り込んでいます。西目屋村の関和典村長は「命をいただくことに感謝するマタギ文化に現代にあわせた形で光をあて後世に継承していきたい。ゆくゆくは全国の飲食店に供給できるような商品になってほしい」と話していました。

(ジビエ料理、県庁で味わって:富山)
県庁食堂で九日、県内で捕獲されたイノシシの肉を使ったジビエ料理の限定販売が始まった。十三日まで。ジビエ料理の普及を図ろうと、県庁職員生活協同組合が県の協力を受け、二〇一六年から毎年実施している。毎回メニューは替わり、今年はひき肉が入ったカレー(税込み五百三十円)と三個の肉団子を添えたうどん・そば(同四百六十円)を用意した。県農村振興課によると、県内でのイノシシ捕獲頭数は年々増加しており、一八年度は過去最多の五千九百五十九頭だった。同課の担当者は「ふだん口にする肉と違うがそこまで気にせずに食べられる。ハードルを上げずに一度味わってほしい」と話した。県庁食堂は、だれでも利用できる。

(カレー売り出し、地域活性化に:静岡)
浜松市天竜区水窪町の地域活性化に取り組む藤枝北高(藤枝市)の食品サイエンス部が、水窪町産の雑穀タカキビとイノシシ肉を素材にした「たかきびキーマカレー」を作り、町内で売り出している。同部は「水窪の在来作物でオンリーワンの商品を目指したい」と新たな商品づくりも進めている。

(新型コロナの影響か、“銃弾”の売り上げ急増:アメリカ)
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて様々な商品が品薄となっていますが、アメリカでは銃に使う銃弾の売り上げが急増しているとNRA=全米ライフル協会の広報誌が伝えました。NRA=全米ライフル協会の広報誌「アメリカン・ライフルマン」は、先月の銃弾の売れ行きが記録的だったとの記事を掲載しました。大手銃弾メーカーに対して、中西部のミシガン州からの注文は去年の2月と比べて566%増加し、コネチカット州やフロリダ州、ケンタッキー州からの注文は、300%以上、増加したということです。その理由については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って日用品が品薄になり、略奪や暴動が起きるのではないかという心理が働き、備蓄のため購入したとみられています。銃規制に反対するNRA=全米ライフル協会は銃のメーカーや愛好家からなるロビー団体で、広報誌にこの記事が掲載された背景には、これを機に関連商品の販売を促進する目的もあるとみられます。

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(狩猟中、イノシシに襲われ男性けが:岡山)
3日午後0時15分ごろ、笠岡市神島の林道で、狩猟中の男性(75)=里庄町=がイノシシに襲われ脚をかまれた。一緒に猟をしていた知人男性(79)=同所=が110番し、けがをした男性はドクターヘリで岡山市内の病院に運ばれたが、けがの程度は不明。笠岡地区消防組合によると搬送時に意識はあった。笠岡市や知人らによると、男性は自身でくくりわなを仕掛け、かかっていたイノシシに接近。脚を縛っていたワイヤを切って向かってきたイノシシに押し倒され、右太ももをかまれた。イノシシはそのまま逃げたという。知人は「めったに見ない大きさで、わなを壊すかもしれないと思った」と話した。現場はJR笠岡駅から南へ約4キロの山中。同市内では2019年度、イノシシの捕獲数が急増しており、2月末現在で前年度同期比約2倍の342頭に上っている。

(ライフルも高校選抜中止:和歌山)
日本ライフル射撃協会は4日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、26日から和歌山県ライフル射撃場で開催予定だった全国高校選抜大会を中止すると発表した。

(捕獲野生イノシシのCSF:埼玉)
県内で2月13日~3月1日までに捕獲した野生イノシシ28頭について、3月5日にCSF感染確認検査を実施したところ、下記のとおり4頭が陽性と判定されました。この結果、県内でCSF陽性となった野生イノシシは、合計74頭(検査対象784頭)となりました。なお、ときがわ町で新たにCSF陽性イノシシが確認されました。

(野生イノシシ向けワクチン、河川敷に設置:群馬)
群馬県は豚熱(CSF)の感染拡大を防ぐため、県内4つの川の河川敷で野生イノシシ向けの経口ワクチンの散布を始めた。3月31日までに合計で約6000個を散布する。県内で豚熱に感染したイノシシが発見された地域を中心に対策を進め、養豚農家への影響を防止する。ワクチンを散布するのは鏑川、碓氷川、烏川、利根川の4河川。野生イノシシが生息する可能性が高い河川敷に、1平方キロメートルあたり約20個をまく。ワクチンは野生イノシシが摂取しやすいように、可能な限り土に埋める。散布は2月28日~3月6日までと、3月23~31日の2回に分けて実施する。

(豚熱経口ワクチン、5日散布:長野)
県は四日、長野市の山中で捕獲された野生イノシシが家畜伝染病豚熱(CSF)に感染していたことを受け、捕獲現場周辺に計六百個の経口ワクチンを五日に散布すると発表した。県、市、地元猟友会の協議で対象の計三十カ所を設定。一カ所あたり二十個を散布する。

(クマ出没、立入禁止に:福井)
鯖江市の西山公園にある山に4日、クマが出没し、市が立ち入り禁止にしてパトロールを強化している。ツキノワグマが現れたのは、鯖江市の西山公園にある長泉寺山の遊歩道だ。市によると4日午前8時半ごろ、散歩をしていた人が体長およそ1メートルのクマを目撃した。クマが地面を掘るのに夢中だったため、目撃した人はその場を立ち去りけがはなかった。市と警察では、山を立ち入り禁止にしてパトロールを強化している。なお、鯖江市内で今年クマが目撃されたのはこれが初めてで、市では暖冬で出没の時期が早まった可能性もあるとみて、注意を呼び掛けている。

(季節外れのクマ目撃情報:兵庫)
4日午後5時15分ごろ、兵庫県丹波市氷上町の峠で、「クマを見た」との情報が丹波警察署に寄せられた。警察からの連絡を受けた丹波市職員が現場を調べたが、痕跡らしきものは見つからなかった。一般的にツキノワグマの冬眠期間は12月下旬―4ー5月とされており、目覚めるには早いが、何らかの事情で”早起き”することがある。また、野生動物の生態などの研究機関・県森林動物研究センター(同市青垣町)によると、「必ず冬眠するということでもなく、中には、冬眠をしないクマがいる」という。暖冬の影響もあり、”眠れなかった”クマが目撃された可能性もある。現場は、「天王坂」(標高164メートル)と呼ばれる峠の中腹。近くに民家はなかった。丹波市では、昨年12月26、27日に相次いでツキノワグマが誤ってシカ、イノシシ用のワナに入る誤捕獲が発生した。その後、クマの出没情報はなかった。

(山陽線で遅れ、列車がシカと接触:岡山)
JR西日本によると6日午前6時59分ごろ、山陽線万富駅(岡山市)―熊山駅(赤磐市)間で列車がシカと接触したため、車両と線路を確認した。このため、一部列車が約15~25分遅れている。

(「白神の森」20年度の営業休止:青森)
鯵ケ沢町は3日、「白神の森 遊山道」(深谷町)が昨秋のクマ目撃情報を受け営業を早期に切り上げた件で、2020年度の営業も休止することを明らかにした。クマによる人的被害を防ぐためで、通年の営業休止は初の措置。町は今後、クマの出没状況などを踏まえ、次年度以降の対応を検討したいとしているが、毎年多くの観光客が訪れる名所の一つだけに、観光面に影響が出そうだ。

(クマ生息数増加、人身被害の根絶目指せ:秋田)
県は、県内のツキノワグマの推定生息数を4400頭と公表した。この数字は従来の推定より大幅に多い。ここ数年、県内ではクマによる人身被害や人里への出没が相次いでいる。新たな推定に基づき、県はこれまでよりも捕獲に力を入れ、クマの生息数を減らす方針を明らかにした。従来は自然保護のため、捕獲数を抑制して生息数を維持するのが県の姿勢だった。捕獲強化は方針転換と言える。人身被害の根絶を目指す上では、やむを得ない選択である。ただ、生息数が減り過ぎないよう、捕獲と保護のバランスに十分に配慮し、適切に生息数を管理することが求められる。ツキノワグマは日本固有種である。人に危害を加え、農作物の食害などが問題になる猛獣だが、国際的には希少な哺乳類であり、保護の視点が必要だ。県はクマの絶滅を避けるため、環境省の指針に従い保護管理計画をつくり、生息数が千頭を下回らないように捕獲数を抑制してきた。長らく、推定生息数を千頭前後とし、おおむね1割を捕獲数の上限としていた。現実には上限を超えた年が多かった。それでも人里で目撃されるクマは減らず、実際の生息数は推定よりも多いことをうかがわせた。2016年には県内で4人がクマに襲われて亡くなった。これを受け16年度は推定生息数1015頭に対し476頭、17年度は1429頭に対し834頭が捕獲された。有害駆除などで上限を大きく超えたが、クマの出没は続いた。県は17~19年度、クマの生息数をより正確に把握するため、足跡やふんを調べる従来の手法と併せ、推定生息域に自動カメラを設置して調査を実施。その結果、県の推定を大きく上回るクマが生息していることが裏付けられた。県が方針転換に踏み切る根拠となるデータを手にした意義は大きい。ただ、調査で明らかになった生息数は2800~6千頭。4400頭は幅を持って算出された推定値の中間を取った数にすぎない。今後もより正確に生息数を把握していくべきだ。従来、本県の捕獲の大半は有害駆除だった。県は今後、狩猟による捕獲を強化する。高齢化で猟友会員の減少が進むが、担い手確保に努めてほしい。人里に現れたクマを有害駆除しても、山中に生息するクマが人を恐れるようになるわけではない。狩猟ではクマが追い回されたり、銃声で脅かされたりする。クマが人を恐れて里に近づかなくなる効果も期待される。山間地の過疎化と生活様式の変化に伴い、里山に人の手が入らなくなったこともあり、クマが人里近くで生息しやすくなったと言われる。クマを保護管理する上では捕獲に頼るだけではなく、里山の手入れに取り組むなどして人とクマのすみ分け、共生を図ることも欠かせない。

(イノシシ農作物被害、過去最悪:富山)
今年度、イノシシによる県内の農作物の被害はことし1月末時点ですでに7900万円近くにのぼり過去最悪になったことが分かりました。県によりますと、今年度、野生動物による県内の農作物の被害はことし1月末時点であわせて9385万円と昨年度1年間に比べて2700万円余り、率にして41%増えています。このうち最も多いのは農作物を食い荒らすイノシシによるもので、被害額は7895万円、被害全体の84%を占めています。これは昨年度1年間を2500万円余り上回り過去最悪となっています。その原因について県農村振興課は「イノシシの餌となるドングリなどの木の実が凶作だったことが挙げられるが、関連性ははっきりとは分からない」としています。県は被害を減らすため来年度5GやAIを活用して無人でイノシシなどを追い払う実証実験を始めるほか、県が示した対策を踏まえ実証実験を進めている「被害ゼロモデル集落」で効果があった取り組みを県内で広く共有していくことにしています。

(渡り鳥の生息調査、「北帰行」ほぼ終わる:宮城)
今シーズン最後の「渡り鳥の生息調査」が、3月5日、宮城県内全域で行われました。渡り鳥が繁殖のためロシア極東に帰る「北帰行」は、すでにほぼ終わったとみられています。シーズン中に3回行われる「渡り鳥の生息調査」は5日が最後で、5日も県内およそ500ヵ所の沼や川で調査が行われました。このうち、栗原市と登米市にまたがる国内最大級の渡り鳥の飛来地・伊豆沼では、5日5時半ごろから調査員が飛んで行くマガンの数を数えました。渡り鳥が繁殖のためロシア極東に帰る「北帰行」は、今年は暖冬のため、例年より3週間ほど早く始まり、2月中旬にはほぼ終わりました。「北帰行」は、現在わずかに残ったカモが最終盤とみられています。「今年は暖冬傾向が特に強かったこともあり、北帰行が異様に早く始まりました。その結果、この時期にほとんどいないという状況になっている。渡り鳥にとっては雪がなかったので、エサも取りやすく、過ごしやすかったと思います」。

(農作物、イノシシから守れ:富山)
イノシシやニホンジカの捕獲の担い手不足を解消しようと、県の捕獲技術向上研修の修了式が1日、富山市婦中町吉住の県自然博物園ねいの里で開かれ、受講者が農作物被害などの防止へ決意を新たにした。研修は狩猟経験2~5年程度の若手を対象に、2016年度から実施。初級、中級、上級の各コースがあり、県猟友会のメンバーやねいの里の職員らから、わなの設置や射撃の指導を受けた。式には19年度の上級受講者10人が出席した。掃本之博県自然保護課長、中嶋政雄県猟友会理事、富永宣宏ねいの里館長があいさつ。掃本課長が証明書を手渡し、受講生代表の丸尾健仁さん(38)=富山市八尾町井田=が「研修で得た知識、経験を生かし、積極的に捕獲活動に参加していきたい」と述べた。受講者は過去の研修の修了者と県猟友会のベテランでつくる「県捕獲専門チーム」のメンバーとなる。近年相次ぐイノシシなどによる農作物被害や人的被害に対応するため、チームは新年度から現行の6班から8班体制とする予定。

(アライグマ野生化、捕獲人材育成に尽力:石川)
特定外来生物に指定されたアライグマによる農作物などへの被害が続いている。ペットとして持ち込まれたものが野生化したとみられ、長年にわたる駆除の取り組みにもかかわらず、生息域は全国でも広がりを見せる。自治体は捕獲にあたる人材の育成を進めているが、その道のりは簡単ではない。アライグマは北米原産で1970年代から放映されたアニメの影響でペットとしての人気が高まった。だが飼育が難しく、飼い主が捨ててしまうことも多いという。小さな哺乳類から鳥や魚、穀類まで何でも食べる雑食性で、食害が大きい。家庭菜園でスイカを育てている小松市の70代男性は、毎年10個ほどのスイカが食べられているといい、市の協力を得て、4、5年かけてアライグマなど13頭ほどを捕まえた。別の男性は畑で栽培しているイチジクの3分の2ほどが食い荒らされる被害にあった。環境省によると、家屋に住み着いたり、文化財を壊したりする被害もある。

(シカのポリ袋誤飲防げ:奈良)
国の天然記念物「奈良のシカ」がポリ袋を誤飲して死亡する例が相次いでいることを受け、奈良の鹿愛護会は2日、奈良公園(奈良市)で清掃活動を行う「美鹿(びか)パトロール隊」を発足した。美鹿パトロール隊の活動は障害者支援団体に委託され、障害者8人を含む11人体制で毎日午前10時~午後4時、奈良公園周辺を清掃する。ポリ袋や燃えるごみに加え、シカのふんなども掃除する。同会は昨年3月ごろから死因が分からないシカを解剖している。解剖したシカの約7割から異物が見つかっており、胃から4キロを超えるポリ袋とみられる異物が出てきた事例もある。この日の出発式には隊員11人が参加。作業車の贈呈などに続き、浮雲園地などで清掃活動した。隊員の沼尾克己さん(39)は「シカがごみを食べてしまうのを何とかしたいと思っていた。清掃を頑張ろうと思います」と話した。

(マタギ発祥の地」37人まで減少:秋田)
北秋田市阿仁地区が発祥とされる「マタギ」。狩猟を生業とした集団は1950年代には同地区で100人を超えたが、少子高齢化などで現在は40人弱まで減少した。一方、ツキノワグマをはじめとする獲物を「山の神からの授かり物」と捉える考え方などは今も受け継がれ、一部の若者が都市部から移住したり官民でマタギの精神や文化の保存に向けた取り組みが進んだりしている。マタギを取り巻く現状を追った。季は記録的な暖冬とされる。だが、2月の阿仁打当(うっとう)地区は周囲の山々に茂るブナや杉が白く染まり、集落は銀世界に包まれていた。「今回は熊を授からなかったな」。同地区の打当で狩猟を行う集団「打当マタギ」でリーダーの「シカリ」を務める鈴木英雄さん(72)は、2019年11月1日~20年2月15日までの猟期を振り返った。

(生き方に共感し移住、猟に加わり第一歩秋田)
深刻な過疎化で成り手が減少している北秋田市阿仁地区のマタギだが、近年、マタギを志して移住する若者たちがいる。獲物の熊などを「山の神からの授かり物」と捉え自然に畏敬(いけい)の念を抱くマタギの生き方に共感した若者たちは、他のマタギらと集団で熊を仕留める「巻き狩り」に加わるなど山中で第一歩を踏み出している。2月上旬の夜。同地区中村の集落にある木造2階建ての民家から光が漏れていた。「寒いところですがどうぞ」。広島市出身の益田光(こう)さん(25)が笑顔で記者を出迎えてくれた。

(僕は猟師になった」公開:東京)
ドキュメンタリー映画「僕は猟師になった」が6月6日より東京・ユーロスペースほか全国で順次公開される。京都で罠猟を行う猟師・千松信也氏の暮らしに700日密着した本作は、2018年にNHKで放送されたドキュメンタリー「ノーナレ けもの道 京都いのちの森」に約300日の追加取材分を加え、再編集したもの。罠で捕らえたイノシシや鹿を木などで殴打して気絶させ、ナイフでとどめを刺すという千松氏の日常が切り取られる。ナレーションを担当したのは池松壮亮。編集・構成を村本勝、撮影を松宮拓が担ったほか、現場録音で蓮池昭幸、監督で川原愛子が参加している

(ムクドリはもう益鳥じゃない?)
ハトやカラスをはじめ市街地で活動している鳥は多く、ムクドリもその一種となります。街路樹でたくさんの野鳥が鳴き声をあげているのなら、きっとそれはムクドリでしょう。ムクドリも昔は農作物につく害虫を食べてくれる鳥として知られていましたが、現在ではむしろ植物などを食い荒らしたり糞害や騒音被害をもたらしたりする害鳥として扱われています。このコラムではムクドリの生態や被害対策の方法をご紹介します。ムクドリの被害を抑えるには、いったいどうすればよいのでしょうか。ムクドリによる糞害や騒音被害が確認されているため害鳥に区分されています。ムクドリは集団で群れを作ることから、落とすフンの量や騒音も相当なものになってしまうのです。ムクドリはスズメ目ムクドリ科の鳥類になります。全長は24cmほどあり、スズメとハトの中間くらいのサイズになります。全体的に茶褐色で、首から頭部とお腹周りに白色が混じっているほか、足とくちばしは橙色です。また、「椋(むく)」という木の実を好むため、ムクドリという名前がついたそうです。ムクドリは日本全国に生息している留鳥(年間を通して同じ場所に生息する鳥)で、植物や樹木がある場所を好んでいます。夕方になると集まる習性があるので、街路樹で大量の群れになっているムクドリを目撃している方も多いでしょう。ムクドリの繁殖時期は年に1、2回ほどあり、その期間は3月下旬から7月までとなっています。薄い青緑色の卵を一度に4~7個ほど産みますが、これらの卵は約12日で孵化し、その後23日ほどで巣立ちまでします。このように、巣立ちまでの日数が短く、繁殖数が高いのがムクドリの特徴といえるのです。約1ヶ月で孵化から巣立ちまで終えても、しばらくは親鳥と共に行動します。このようにムクドリは群れで行動することが多く、ときには空一帯を黒く覆うほど大量に集まることもあるようです。ムクドリは雑食性の鳥で、主に昆虫やミミズ、両生類を食べてくれます。田んぼや畑に被害を与える害虫も食べていたので、昔は益鳥として知られていました。またかつては住みかも森や林の中であることが多く、現在より人に害を与えることはなかったようです。ですが、森林の開発などが進むにつれムクドリの住みかはなくなっていき、やがて人間の居住区域に住処を移すようになりました。エサも虫だけでなく果樹園の果実を食べるようになり、人間に害をもたらすようになってしまったのです。群れで行動するムクドリによる主な被害は、フンと鳴き声です。ムクドリの群れはものすごい数なので、被害の規模もそれだけ大きくなってしまいます。ムクドリは群れで行動し、フンをするときも一斉にすることが多いです。そのため、フンの被害の規模が他の鳥と比べると規模が大きくなってしまいます。ムクドリに限らず、野鳥のフンにはウイルスが混ざっているおそれがあります。フンを片付ける際、乾燥したフンの粉塵を吸い込んだり直接手で触れたりすると、ウイルスに感染して感染症にかかってしまう可能性が高まるので注意が必要です。ムクドリは仲間同士のコミュニケーションや外敵からの安全確認のため、集団で鳴き声をあげます。ムクドリの群れはときに1,000羽以上もの規模になるため、そんな数のムクドリが一斉に鳴けば相当な騒音になってしまうでしょう 。ムクドリは睡眠中以外コミュニケーションをとるために鳴き続けるため 、騒音被害は長時間続くでしょう。近年は、夜になっても街の明かりによって暗くならないためにムクドリが眠らず、延々と騒音被害に悩まされるといったケースが出始めているそうです。野鳥の巣はダニが発生しやすいため、戸袋や壁の間にムクドリの巣を作られてしまうと、屋内にダニが侵入してくる可能性が高まってしまいます。ムクドリの場合だと、カイセンダニというダニが発生しやすいです。カイセンダニは普段ムクドリに寄生して血を吸うのですが、もしムクドリが巣立って巣が空っぽになると、カイセンダニはエサを求めて家屋に侵入してくるのです。このダニに噛まれると、発疹が体に出てきたりアレルギーの原因になったりしてしまいます。ムクドリは雑食の鳥なので、虫や両生類だけでなく果実も食べる傾向があります。そのため、果実の収穫期である6~10月になると、ムクドリが果樹園にやってきて果実を食べてしまうのです。ムクドリの群れは数が多いので、一度ムクドリの群れに果樹園を襲撃されると甚大な被害が出てしまいます。ただし、柑橘系の果物は好んでいないようで、食べない傾向にあるそうです。ムクドリが害鳥であることはこれまでに書いた通りです。速やかに駆除すべきだという意見も出てくるでしょうが、残念ながらそれはできないことになっています。ムクドリは法律で守られているため、害虫のように駆除ができないのです。自然の生態系を守るため、日本では「鳥獣保護管理法」という法律が制定されています。この法律により、野生の鳥獣を駆除したり飼ったりしてはいけないのです。ムクドリもこの法律で守られており、もしムクドリを殺してしまえば、法律で罰せられてしまうのです。だからといって、そのまま放置してしまうとどんどんと被害は大きくなってしまうでしょう。幸いなことに追い出すだけなら法律に触れることはないので、道具などを活用して追い出してしまいましょう。ムクドリの天敵になるタカやフクロウなどの猛禽類の偽物を配置すれば対策になるという説があります。ムクドリが天敵となる生き物は意外と多くいるので、偽物とばれない限りは有効に働いてくれるようです。しかし、ムクドリはすぐに偽物が無害だと認識してしまうとされています。そのため、この対策法はわずかな期間しか有効ではないでしょう。同様に、CDや警戒音による対策も、短期間しか効果を発揮しないのが現実だそうです。ムクドリが侵入しないようにするために有効なのが、防鳥ネットを張っておくことでしょう。ムクドリがすでに巣を作っている場合でも、ムクドリがいない間に防鳥ネットを貼っておくことで、物理的に巣へ帰って来られないようにすることが可能です。しかし、網目が粗いものだと隙間から入ってくることがあるので、網目を選ぶ際には注意が必要になってくるでしょう。また、巣に入れないとわかったムクドリはネットをくちばしで引っ張ったりするので、なるべく頑丈な防鳥ネットを選ぶのも重要になってきます。ムクドリがとまりそうな場所に電気ショックを発生させる装置を設置しておくことで、やってくるのを防げます。ムクドリが電気ショックを受けることで、そこを危険な場所と学習し、やってくることがなくなるとされています。このほかにも、剣山を敷いてムクドリがとまれないようにするといった対処方法があります。ムクドリに対処するには、近寄らせないようにするのが重要なのでしょう。群れの規模によっては数千匹の大集団になるムクドリ。この巨大な鳥害に苦しめられている市の1つが姫路市です。姫路市はムクドリに対してどういった対策をとっているのでしょうか。姫路城で知られている姫路市は長年ムクドリに悩まされており、ムクドリが嫌う警戒音を流したり、天敵であるフクロウの模型をぶら下げたりなど、さまざまな対策をとってきました。ですが、残念ながらそれらはすべて失敗に終わっています。そんな中、姫路市は2015年にパルス発生装置を導入することを決めました。この装置はムクドリが嫌う不規則な周波数音波を発生するもので、1台で約30万円はかかる大がかりな代物となっています。ムクドリの被害地域である大手前通りにこの装置を8台設置したところ、ムクドリの大群は別のエリアに移動していきました。しかし、逃げた先に装置を2台移動させてみると、ムクドリたちは大手前通りの装置がない場所へと戻っていってしまったのです。装置の導入によって、フンの数が減少するなどの効果は得られましたが、ムクドリの騒音被害はいまだ収まっていないそうです。このように、ムクドリの大群を街から追い出すのは非常に難しいのです。このように、ムクドリには自治体ですら手を焼いているのが現状となっています。個人がムクドリ対策をするのにも限度があり、すでに家にムクドリの巣が作られてしまっている場合には、追い出すのが非常に難しいのが現実です。もしムクドリの鳥害に家族が脅かされている場合には、業者に依頼するのがよいでしょう。業者であればノミだらけになっているムクドリの巣の駆除もしてくれるので、被害を繰り返すことがなくなるはずです。大群で飛行するムクドリへの対処法はいまだ見つかっていませんが、個人宅にやってきたムクドリであれば対処は可能です。早めに対策をしておき、鳥害を防ぐようにしましょう。また、もしムクドリが巣を作ってしまった場合は、ダニによる被害にも気を付けてください。たかが鳥だからと甘く見てはいけません。騒音被害やフンによる害は、生活に決して無視できない悪影響を及ぼしてしまいます。もし個人での対策が難しいのであれば、業者に依頼してみるのがおすすめでしょう。

(ジビエと旬食材をグランピングリゾートで堪能:山梨)
日本初のグランピングリゾート「星のや富士」では、 2020年3月16日~5月31日まで、「春の狩猟肉ディナー」を提供します。当ディナーは、狩猟肉の「鹿肉」をメイン食材として使用し、屋外ダイニング「フォレストキッチン」でお客様自身が料理を仕上げる体験型のディナーです。富士山麓の春の訪れを、季節の食材を使った料理から立ち上る香りで感じられます。富士山麓の森では、3月下旬から4月にかけて開花する、富士桜(別名 豆桜)の花が春の訪れを告げます。地元の猟師は、同時期に芽吹き始める山椒やふきのとうを狩猟の帰りに収穫し、それらの香りで季節の移ろいを感じてきました。その文化に着想を得て、春の狩猟肉と山菜や筍、桜や山椒などを合わせた料理から立ち上る香りで、春の訪れを感じられるディナーを開発しました。狩猟解禁となる秋から冬がトップシーズンのため、春の狩猟肉は希少ですが、当リゾートでは、地域の猟師により個体数調整を目的として管理捕獲される狩猟肉が提供できるため、春の時期も変わらず楽しむことができます。

(ジビエレザーの商品開発:愛知)
特定非営利活動法人えんとかく(本部豊明市三崎町高鴨9の5、脇本泰志理事長、電話0562・38・5728)と、fairy god mom(フェアリーゴッドマム、本社名古屋市北区上飯田北町2の35、横井弓美子社長、電話052・508・7191)は、愛知県内で狩猟された野生のシカなどの革を使った「ジビエレザー商品」の企画・製作・販売事業を共同でスタートさせた。廃棄されている皮の再利用や地産地消を促すほか、障害者の仕事・雇用を創出し、賃金水準の向上を図るのが狙い。現在、6アイテムを商品化しており、ネットショップなどを通じて、初年度は年間1千個の販売を目指す。

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(空気銃で缶射撃、容疑の男を書類送検:大阪)
射撃場で空き缶に向けて空気銃の弾を撃ったとして、大阪府警は27日、銃刀法違反の疑いで大阪市阿倍野区の男性会社役員(43)を書類送検した。

(市職員着服か、外郭団体で不明金:北海道)
北見市は25日、市が事務局を担っている外郭団体「市鳥獣被害防止対策協議会」(会長・武田雅弘・市農林水産部長)で本年度、509万円の使途不明金が判明したと発表した。昨年6月から今年2月にかけ13回に分けて金融機関の口座から現金が引き出されていたという。市は協議会の経理を担当していた市農政課の20代の男性職員が着服したとみて、懲戒処分を検討している。使途不明分は職員の両親が全額弁済を申し出ており、協議会は警察には被害届を出さない方針。

(家にライフル銃弾、狩猟の流れ弾か:山梨)
先月29日、山梨市の民家でライフル銃の銃弾1発が、落ちているのが見つかりました。狩猟の流れ弾とみられています。銃弾が見つかったのは山梨市牧丘町倉科の民家で先月29日の午後6時頃、この家に住む60代の男性が、「窓ガラスが割れて銃弾が落ちている」と警察に通報しました。男性によりますと銃弾の大きさは2センチほどで狩猟用のライフル銃から発射された流れ弾とみられています。この民家から約1キロ圏内には今月15日まで狩猟期間となっている山があり、警察は人や建物がある方向に撃った鳥獣保護法違反などの疑いもあるとみて調べています。

(公園で猫の虐待相次ぐ、エアガンで狙撃か:千葉)
千葉市内の公園でボランティア団体が去勢手術などを行ったうえで餌やりなどの世話を行っている「地域猫」を狙う虐待事件が相次いでいる。昨年1月から今年1月までの1年間に3カ所の公園で少なくとも計30匹のネコが不審なけがをしたり、突然行方不明になったり、死んでいることが判明した。一部のネコの体内からは撃ち込まれた鉛弾のようなものが見つかり、ボランティア団体のメンバーは悪質な動物愛護法違反事件として、公園管理事務所や警察に相談している。ボランティア団体のメンバーによると、ネコを狙撃する虐待事件は平成31年1~2月にかけて発生。稲毛海浜公園(千葉市美浜区)で3匹、同2月に青葉の森公園(同市中央区)で1匹が被害に遭った。このうち、稲毛海浜公園で見つかった推定10歳の雌のネコは動物病院で治療を受けたがその後死亡。背中と腹部から長さ10ミリ、太さ5ミリの鉛弾のようなものが摘出された。他のネコも同様の鉛弾のようなものが見つかったという。また、同10月以降は、千葉ポートパーク(同市中央区)でネコの足や顔などに小さな穴のような傷と出血がみられるケースが急増した。12月以降になると、ネコの体内から鉛弾のようなものが複数見つかるケースが目立つようになり、8匹のネコが被害にあった。手口が似ていることから同一人物による犯行の可能性もあると考え、各公園で活動する市内のボランティア団体は、今年1月下旬に一堂に会しメンバー同士が情報交換を実施。参加した市ライフル射撃協会会員は「状況からみて狩猟用の空気銃で、置き餌をして50メートルや100メートル離れた長距離から撃っているのではないか」と指摘した。また「射撃場など指定された場所以外で空気銃を所持したり使用すれば、銃刀法違反罪が成立する可能性もある。大変危険な行為だ」と批判する。各ボランティア団体は、ネコの被害状況を記録し、各公園の管理事務所や警察に相談し、パトロールの回数を増やすことなどを強く要請している。千葉ポートパークで活動する「千葉港湾地域猫の会」の斉藤直子さん(51)は「危険なものを使って、多くの人が遊ぶ身近な公園でネコの虐待が多発しているのはショックだ。利用者も不審な人を見かけたら、警察などに通報してほしい」と訴えている。

(18年度は鳥獣被害158億円、現場の負担調査へ:農水省)
農水省は26日、自民党の野生鳥獣に関する合同会議で、2018年度の野生鳥獣の農作物被害額が158億円となったことを報告した。6年連続で減ったが、13道府県で増えている。直接的な被害だけでなく、営農意欲の減退や耕作放棄地の増加などにも結び付いているとし、現場の負担感など金額以外の被害実態を調査する考えを示した。議員からは、狩猟者の確保や野生鳥獣の肉(ジビエ)の利用促進などを課題に挙げる意見が相次いだ。18年度の被害額は前年度比6億円減。被害額が減少に転じた12年度からは72億円減った。鳥獣別では鹿54億円、イノシシ47億円。被害額が生産額に占める割合は減少傾向にある。同省は今後、地域特有の問題にどう対応するかを課題に挙げた。一方、農村地域に与える打撃は、鳥獣による食害だけにとどまらないとし「地域からは被害の減少が実感できないとの声がある」(農村政策部)と報告。被害金額以外の実態把握に乗り出すとした。同党鳥獣被害対策特別委員会の鶴保庸介委員長は「なかなか被害が減らない。裏で何があるのか検証することが必要」と訴えた。堂故茂氏は、猟友会員の高齢化を課題に挙げ、「行政職員や消防団員、JA職員には、組織で責任を持てば会員になりたい人が多い」と指摘。地域で狩猟を担う人材の掘り起こし策を求めた。同省は、新たな食料・農業・農村基本計画に「JAや若者、農業者が捕獲活動に参画できるような方向を求めていきたい」(鳥獣対策・農村環境課)との考えを示した。同党の鳥獣食肉利活用推進議員連盟の小里泰弘幹事長は「出口をしっかりすれば捕獲も進む」と、ジビエ利用の推進を重視した。日本ジビエ振興協会の藤木徳彦代表は、全国の農業高校などから、地域の鳥獣被害やジビエの調理方法を学ばせたいというニーズがあると紹介。被害対策に携わる人材育成を視野に入れ、授業に盛り込むよう提起した。関係者は職務を果たしたことになるのか──。自民党の二階俊博幹事長は26日、同党の鳥獣対策合同会議に出席し、いまだに被害に苦しむ地域が多い状況を踏まえ、苦言を呈した。政府には「予算を倍額にするとか対策を徹底的にやっていただきたい」と注文。「鳥獣がこの話を聞いたら、せせら笑っていると思う」と対策のてこ入れを強く求めた。同党鳥獣捕獲緊急対策議員連盟会長も務める二階氏は「こんな会議毎年ずっとやっているが(鳥獣に)負けている」とも指摘。今後の被害防止に向け、「この問題は何年度で解決したと言えるぐらいのことをやってみようじゃないか。気概があるなら、われわれは全力で努力する」と、政府にハッパを掛けた。

(エアーライフル射撃場が移転完成:佐賀)
佐賀市のSAGAサンライズパークのエアーライフル射撃場が、県水泳場東側から第2補助競技場内に移転・新築し、昨年11月から供用が始まっている。新たに電子標的を導入し、練習場所も従来の2倍以上に増やすなど環境が充実した。29日には式典や競技の体験会が開かれる。施設は鉄骨造り平屋建てで、延べ床面積1189・74平方メートル。従来の約300平方メートルと比較すると約4倍になった。ビームライフルとエアーライフルの射座はこれまで10カ所だったが、26カ所に増えた。空調設備や男女の更衣室があるほか、銃器修理室や用具検査室も備えている。選手の目に蛍光灯の光が直接入らないような工夫を天井に施し、背後からも自然光が差し込まないように部屋を配置した。総工費は約3億3千万円。昨年10月に建物が完成、11月末から供用を開始し、今年1月末に電子標的が設置された。29日は午前10時20分から開所の記念式典が行われ、昨年の茨城国体でエアーライフル成年女子4位の井浦一希選手やビームライフル少年男子5位の前山和宏選手がデモンストレーションを行う。午前11時からはビームライフル競技の体験会が行われ、無料で参加できる。

(ワクチンベルト外で豚熱:滋賀)
滋賀県は25日、豚熱(CSF)に感染した野生イノシシを甲賀市で初めて1頭確認したと発表した。同市は国が豚熱封じ込めのために構築した「ワクチンベルト」の外に当たり、県畜産課は「陽性の地域が広がりつつある」と警戒している。7~17日に長浜、東近江を含む3市で見つかった計9頭の陽性例のうちの1頭。捕獲場所は甲賀市甲賀町神保で、これまで最南端だった東近江市鈴町の南約15キロに位置する。野生イノシシの感染例は昨年9月以降、県東・北部で計138頭となった。また、県は3回目のワクチン入り餌の散布結果について、野生イノシシの「摂取率」は38%だったと発表した。散布は2月4~7日、東近江市、彦根市、高島市、多賀町の3市1町の山間部(185カ所、計5596個)で実施し、5日後から順次回収。未回収分2053個をイノシシが全て食べたとみなして摂取率を計算した。県は、感染地域の広がりを考慮した上で、3月に4回目の散布を実施する予定。

(ウミガメの卵、イノシシ被害:鹿児島)
国内有数のウミガメ上陸・産卵地として知られる鹿児島・奄美大島などで、絶滅危惧種のウミガメの卵がリュウキュウイノシシに食べられる被害が続いている。ウミガメ研究者などでつくる「奄美海洋生物研究会」(興(おき)克樹会長)によると、2019年はウミガメの産卵巣293カ所のうち47カ所で被害が確認された。ウミガメの上陸・産卵は年々減少しており、研究会は食害の影響を懸念している。研究会によると、イノシシによる食害は08年に奄美大島の南西の請島(うけじま)で初めて確認された。研究会は12年から荒らされた産卵巣を本格調査。被害は年々増え、最も多かった17年は産卵巣632カ所のうち154カ所、18年は384カ所のうち82カ所の卵が掘り返され、周りに割れた殻が散らばっていた。

(クマ、最多4400頭:秋田)
秋田県環境審議会の自然環境部会が26日開かれ、県内のクマの推定生息数が4400頭(前年比700頭増)に上る見込みだと報告された。県は「当面の間は個体数が減少に転じるよう捕獲圧を強める」として、生息数の維持を前提とした従来のクマ対策から方針を改める考えを明らかにした。今年度のクマによる人身被害は、2月9日時点で14件16人。市街地での目撃が相次ぎ、昨年11月には、鹿角市大湯の街中の温泉宿で猟友会員2人が襲われる被害もあった。県自然保護課の担当者は「個体群の維持安定は必要だが、人身被害を防止するのが最優先されると思う」と、方針転換の理由を説明する。2016年度まで、県内の生息数は1千頭前後と推定されてきた。県は17年度から、従来の目視調査に加えてセンサーカメラを用いた生息数調査を開始。今年度で一連の調査を終え、全県の生息数は2800~6千頭と推定された。最大値と最小値に幅があるため、中間値の4400頭を推定生息数(確定値)とし、今後のクマ対策の根拠とする。 県はこれまで、環境省のガイドラインに基づき、生息数の12%を捕獲頭数の上限に設定してきた。一方で県内のクマの推定繁殖数は、毎年23%ずつ生息数が増える計算となっている。このため、ガイドライン通りの従来の捕獲ペースでは「個体数の増加に歯止めがかからない」と判断し、推定繁殖数を上回る捕獲に向けてかじを切る。またこの日の部会では、クマに関する県の管理計画の一部変更が承認された。市街地にクマが出没した際には「追い払いや捕獲が必要」と新たに明記し、従来の「すみ分け」の方針から一歩踏み込む。各市町村は今後、市街地出没時の銃の発砲基準なども含めた「緊急対応マニュアル」を作成するという。

(豚熱感染イノシシの侵入防護柵、92%設置完了か工事中:群馬)
豚熱(CSF)に感染した野生イノシシの養豚場への侵入を防ぐ防護柵について、県は20日現在、必要箇所の92%で設置完了または設置工事中だと明らかにした。山本一太知事が26日の記者会見で発表した。

(ワクチンベルト構築、イノシシの発生抑制:群馬)
豚熱(CSF)対策として感染源の野生イノシシの発生地域を囲い込む「ワクチンベルト」を構築するため、県は28日から県内の利根川河川敷など150カ所で経口ワクチン6千個を散布すると発表した。散布は28日~3月6日と同23~31日の2回に分けて実施。豚熱に感染した野生イノシシはこれまで県南部に集中発生しており、県は利根川などに沿ってワクチンを散布することで県中心部や北部での発生抑制を狙う。県内での野生イノシシの感染確認は計20頭に上っている。

(カワウ対策広域連携で:長野)
県は27日、天竜川のアユや諏訪湖のワカサギなどを捕食する魚食性鳥類のカワウについて、天竜川水系での対策に関わる研修会と講演会を上伊那地方で開いた。南信地方の県地域振興局、市町村の担当者、漁協関係者ら約60人が参加。上下伊那、諏訪の各地域が飛来・生息状況、対策、課題について報告。水産資源の保護に向けて、静岡県を含めた広域連携によるカワウ対策の必要性が出された。県諏訪地域振興局の呼び掛けで初めて開いた。同振興局農政課は「諏訪湖にいるカワウは近年増加傾向。流入河川の上川にねぐらをつくっており、諏訪でカワウが増えた要因の一つとなっている」と説明。湖の周辺は銃猟禁止区域である上、流入河川も民家や道路が近接して銃による捕獲はできないとした。諏訪湖での船による追い払いや、ねぐらへのテープ張りを続けているが、テープを張っても新たなねぐらが形成されると報告。「諏訪湖周辺では効率的に数を減らすのは難しい。諏訪湖周辺からはねぐらを除去し、銃器を使える場所で捕獲していくというような、広域的な計画が必要な段階ではないか」とした。天竜川漁協は、猟友会の協力で2017年度から駆除を始めたとし、「成果が出ている」と報告。ただ、アユ釣りの最盛期には数が増えて「放流地の周辺が集中攻撃されている」とし、「天竜川水系が連携して繁殖抑制していくべき」と強調した。諏訪地域の対策に協力する中央水産研究所の坪井潤一さんが、「カワウの分布管理の現状と最新技術」と題して講演した。

(緩衝地帯設けクマ被害防止へ:岐阜)
岐阜県内で去年、人がクマに襲われる被害が相次いだことを受けて、県は新年度、被害が多かった高山市で人の生活圏とクマの生息地域の間に緩衝地帯を設定するモデル地区を設けて、被害を防ぐ対策を強化する方針です。岐阜県内では、去年、クマに襲われてけがをした人は14人と、平成16年に県が現在の方法で統計を取り始めてから最も多くなりました。このため県は、被害が最も多かった高山市にモデル地区を設けて人間の生活圏とクマの生息地域を区分けする「ゾーニング」を初めて行う方針を決め、新年度の当初予算案に580万円を計上しています。具体的には人の生活圏とクマの生息地域の間に緩衝地帯を設け、地元の人たちと相談しながらえさとなる果物の木を伐採したりクマが身を隠せる草むらなどをなくしたりして、対策のノウハウや成果をほかの市町村と共有します。岐阜県は、「こうした対策を通じてクマによる人や農作物の被害の軽減を図りながら、人と野生動物が共存できる環境づくりを進めていきたい」としています。

(イノシシ捕獲最多800頭へ:栃木)
イノシシによる獣害が深刻化する中、茂木町では鳥獣害対策で捕獲されるイノシシの数が、本年度は28日現在で過去最高の783頭に上っている。ただ、これでもイノシシの見かけの数は減らないという。捕獲許可を持つ人は84人いるが、実際に本年度1頭以上捕獲して報奨金を得た人は同日現在55人。住民の期待に応える使命感が作業の支えだが、高齢化の懸念もある。生き物の命を絶つ過酷な捕獲の現場に同行した。24日昼前、小深の町道上のくくりわなに右前脚を取られてもがいていたのは25キロほどの小ぶりの雄だった。写真を撮ろうと近づくと猛烈に突進。慌てて飛びのいた。「もしもっと大物だったら」とぞっとした。近くの道路脇ののり面はえぐられ大穴が開いていた。わなを仕掛けた同所、会社役員小林恒夫(こばやしつねお)さん(72)が仲間2人と協力して手製の道具で鼻先をワイヤでくくって動きを止め、カシのこん棒で後頭部を一撃。気絶させた状態で素早くナイフで心臓近くの動脈を切り「止めさし」する。失血してとどめを刺されたイノシシはすぐ動かなくなった。この間2、3分。小林さんは本年度これが34頭目だ。手際の良さに驚いたが「最初にとどめを刺したときは1週間眠れなかった」という。同じく24頭捕っている仲間の山内、大工檜山二郎(ひやまにろう)さん(72)が「ある、ある」とうなずく。

(クマ目撃「この時期は珍しい」:北海道)
28日午後3時10分ごろ、釧路管内弟子屈町美留和の国道をクマが横断しているのを車で通りかかった町職員が目撃し、弟子屈署に届け出た。クマはオスの成獣とみられ、西側の国有林に向かったという。付近に民家などはないが、町によると「この時期にクマが現れることはきわめて珍しい」といい、注意を呼び掛けている。

(ニホンザル、消防本部倉庫で捕獲:兵庫)
兵庫県芦屋市消防本部(同市精道町)の車庫内で20日にオスのニホンザル1匹が捕獲され、六甲山に運ぶ途中で死んでいたことが25日、同市などへの取材でわかった。2019年末から伊丹、尼崎、西宮各市の市街地をさまようサルの目撃情報が相次ぎ、20日以降は目撃情報が途絶えていることから、各市は同一個体の可能性があるとみている。芦屋、西宮両市によると、20日午前10時過ぎ、西宮市津門西口町の公園付近でサルが目撃され、昼前には芦屋市の打出商店街や付近の保育所を経て、芦屋市役所隣の消防本部車庫に逃げ込んだ。近くの精道小では校内放送が流れ、昼休みの運動場使用が禁止になるなど緊迫する中、車庫のシャッターを閉め、消防と市職員ら7、8人がイノシシ用のとり網で捕獲した。サルは体長60センチ。捕獲する際に暴れたためビニールシートにくるんで六甲山に運んだが、途中で死んだという。死因は不明だが、放浪中にけがをしていた可能性もあるという。サルの目撃通報は、19年12月20日の伊丹市西野を皮切りに、同23日には尼崎市内へ。20年1月初めは大阪市西淀川区でも目撃され、同中旬からは尼崎、西宮両市の武庫川付近へ移動していた。尼崎市などで目撃されたサルには首に発信器のようなものがついていたが、捕獲されたサルにはなかった。ただ、芦屋市でサルが捕獲された20日以降は目撃が途絶えたため、各市は同じサルの可能性があるとみている。

(猟犬の首輪にGPS、鳥獣駆除へ実証実験:長野)
畑作物の鹿やイノシシなどによる食害に悩む根羽村は、鳥獣の効果的駆除を図るため、猟犬の首輪にGPS(全地球測位システム)機器を装着する実証実験に、村猟友会の協力で取り組む。県によると、大町市などでわなのGPS機器装着は例があるが、猟犬に装着するのは初という。実証実験では、早朝に村役場に集まった村職員や猟友会員ら12人がGPS送信機を装着した猟犬2頭を連れ愛知県豊田市の山中に分け入った。尾根を20分ほど登ると鹿やイノシシの足跡が見つかり、においや気配を察知した2頭がほえ始め、落ち着きがなくなった。村猟友会の稲垣正幸さん(63)がリードを放すと2頭はあっという間に山中に消え、稲垣さんがGPS受信機を確認しながら猟銃を背負って後を追った。5分後、稲垣さんから、待機の村職員に「オスの鹿を1頭仕留めた」と連絡が入った。約2時間の活動で鹿2頭の駆除に成功した。

(サギの“ふん害”に新対策:山口)
県の天然記念物に指定されている岩国市のクスノキにサギが住み着いて、近くの住民が「ふん」などの被害に困っています。巣を撤去しようと、市が新たな対策を試みました。サギが、木のてっぺんであたりの様子を伺っています。楠町の川沿いに並ぶクスノキの巨木には、昔からサギがすみ着いています。巣を作り始める2月ごろから夏にかけて増えるため、地元の人たちは頭を抱えています。川下地区連合自治会の松本哲郎会長は「平成27、8年ごろから(サギの数が)非常に増え、この道が(ふんで)真っ白くなる。おまけに木にふんが…ふん尿で酸が強いから枯れ枝が出てくる。樹木の保護と環境面。ここは散歩でたくさんの人が通るから」と話していました。これまでは鷹匠に依頼して追い払う作戦でしたが、個体数そのものを減らすため、今回、消防車の放水銃で巣を落とすという新たな対策に乗り出しました。サギは高いところの枝の先に巣を作るため、はしご車で近づきます。小枝を複雑に編んだような形のため、勢いよく放水して落とします。放水銃には、木の洗浄という役目もあります。ここのクスノキは樹齢340年を超え、県の天然記念物に指定されていますが、ふん尿による枝枯れが問題となっていて、文化財の保護という面からも有効とみられています。川下地区連合自治会の松本哲郎会長は「サギが嫌がらせをされたと思って近寄ってこなくて、個体数が少しでも減って、このまちの環境がよくなってきたらいいのでは」と話していました。市では結果を検証し、新たな「サギの巣 撤去対策」として、本格的に取り組んでいきたいとしています。

(「鹿笛装着車」ってなに?:北海道)
クルマを持たない人にとってはもちろんのこと、旅行先での利用や、愛車では事足りない多人数乗車時や引っ越しなど荷物を運ぶ用途など、多くの人が利用したことがあるであろうレンタカー。最近では普段なかなか乗ることができない高級車やスポーツカー、絶版車などをレンタカーとして貸し出す業者なども増えてきており、これから借りる機会のある人も増えてくるだろう。そんなレンタカーには、レンタカー用途向けに用意されたグレードの車種であったり、レンタカー専用に開発されたナビゲーションが装着されていることもあり、クルマ好きの観点からみても思わぬ発見をすることがある。なかでも首都圏のユーザーにはほぼ馴染みのない装備と言えるのが「鹿笛」ではないだろうか。とくに北海道地区のレンタカーで高い装着率を誇るアイテムなのだが、果たしてこれはどういったものなのだろうか?この鹿笛とは、鹿などの野生動物に聞こえる超音波を発生させクルマが接近していることを知らせるもの。笛と言っても人間の耳ではほぼ聞き取ることができない音域の音を出すため、運転中に気になるものではない。自然豊かな北海道だけに、野生動物が車道に飛び出して車両と衝突するという事故を未然に防ぐために装着されているものであり、北海道地区ではカー用品店でも購入できるポピュラーなアイテムなのである。鹿笛はフロントグリルなど車両の全面に装着し、走行時に受ける風を利用して音を発生させる仕組みとなっており、特段電源なども必要としないもの。これで野生動物との事故が防げるのであれば装着しない理由もないだろう。たかが動物、と考える人もいるかもしれないが、北海道に生息するエゾシカの雄ともなると、体重は100kg以上の巨体であり、速い速度で衝突すれば車両は自走不能なレベルに損傷することも珍しくない。最悪の場合、乗員が死傷するほどの事故も発生しているのだ。そして何より野生動物の命を奪うことにもなりかねないので、北海道の自然豊かな地域にレンタカーを使って向かう人は「鹿笛装着車」をチョイスしていただきたいものである。

(初のハンター教習:北海道)
「ジュラテクノロジー」(本社町晩成、富田茂社長)は25日までの3日間、町内で「森のハンター教習所」を初めて開いた。幅広い知識を持つ狩猟技術者を養成することが目的で、ドローン(小型無人飛行機)などを活用した最新の捕獲法から、衛生面に配慮した食肉加工まで、多岐にわたる分野の学習が盛り込まれた。

(自作の罠使い年間100頭イノシシ捕獲:佐賀)
佐賀県嬉野市に、自作の罠で年間100頭のイノシシを捕らえる若き猟師がいる。太田政信さん(31)だ。軽さや頑丈さが売りの箱罠は他の猟師や農家からも評判。2017年には販売会社の太田製作所を設立した。太田さんは茶農家の出身。農作物を食い荒らすイノシシに一矢報いるべく、約10年前に狩猟免許を取得し、独学で箱罠の製作に乗り出した。試行錯誤の末、亜鉛メッキで加工した金網を組み合わせ、接合部を溶接した箱罠が完成した。L字鋼を枠とする組み立て式の箱罠に比べて鉄材が少なく、軽量でサビにくい。設置後1年で50頭超のイノシシを捕獲できた。「効果を喜ぶ一方、これだけ捕獲できたことで被害の大きさや捕獲者不足などの現状を再認識し、危機感を覚えた」と太田さんは振り返る。箱罠のサイズは3種類で、最大のLL(90センチ×90センチ×2メートル)は1基7万円(税込み)。全国から注文があり、年間100基ほどを売り上げる。大型で送料が高いことが難点だが、遠方から直接取りに来るリピート客もいるという。自分で作った製品を持ち帰れる箱罠作り教室も好評だ。箱罠の他、浅い穴にも設置しやすい構造にこだわったくくり罠やオリジナルの電気止め刺し器、アライグマ専用の捕獲器なども販売している。動画配信サイトのYouTube(ユーチューブ)などを使った情報発信が人気の秘密だ。効果的な設置方法や場所、注意点も交えながら商品を紹介。動画の配信後には注文が殺到するという。

(学生たちが狩猟を体験:兵庫)
シカやイノシシなどによる農作物への被害が増加する兵庫県南あわじ市で3月1日、学生たちに向けた狩猟体験会が開かれました。体験会はシカやイノシシなどによる農作物への被害が増加する中、若者に狩猟文化に触れてもらうことで担い手不足を解消しようと南あわじ市と吉備国際大学が開いたものです。1日は学生5人が猟友会のメンバーらとともに南あわじ市の山に入り、猟師が銃を用いてシカを捕獲する様子などを見学しました。南あわじ市は今後も体験会を開く予定です。

(農作物、イノシシから守れ:富山)
イノシシやニホンジカの捕獲の担い手不足を解消しようと、県の捕獲技術向上研修の修了式が1日、富山市婦中町吉住の県自然博物館で行われた。

(ザゼンソウ、食害に負けず:群馬)
前橋市富士見町赤城山の沼の窪市有林で、イノシシによる食害で群生地の壊滅が心配されていたザゼンソウが顔をのぞかせ始めた。前橋観光コンベンション協会によると、沢沿いの湿地帯に約3000株が自生していたが、2月上旬に野生のイノシシが掘り返して食い荒らした。例年なら花が咲き始める同月中旬頃もさみしい光景が広がっていたが、被害を免れた株が徐々に顔を出し、1日には十数株が花を咲かせていた。夫婦で訪れた同市三俣町、石関文作さん(79)は「少ない分、一つ一つの花をじっくり楽しみたい」と、カメラのレンズを向けていた。

(ジビエブーム、食中毒に注意)
エゾシカやカモなどの野生動物の肉・ジビエは脂肪分が少なく栄養価も高いことから近年人気を集めています。しかし昨年、札幌市内のレストランで熊肉が原因とみられる食中毒が発生しました。ジビエが身近になった一方で、あまり知られていない危険性とは…?昨年11月、札幌市のレストランでジビエ料理を食べ、食中毒になったという竹中 健さん。初めて訪れた店で、熊肉の料理が気になり注文したとのことです。「熊のいろいろな部位の盛り合わせ。赤くて見るからにおいしそうな感じの。実際食べたらおいしかったんですよ。それもあって結構大量に食べちゃったんです」(竹中さん)。それから10日後、39℃の高熱が出て、3週間後には全身にじんましんが出たといいます。「筋肉痛、じんましん、発熱、あとおなかの不調。それがずっと何度も何度もくり返し続いたという形ですね。つらい・苦しいというより、原因が何か分からない症状が1か月・2か月近く続いたというのが不安でしたね」(竹中さん)。血液検査の結果、原因は「旋毛虫(せんもうちゅう)」と呼ばれる寄生虫でした。旋毛虫が寄生した熊肉を食べるとどうなるのか。まず、食べた熊肉は胃から小腸へ移動します。そこで生まれた幼虫は血管を通って全身に運ばれます。この時に、じんましんが出ます。やがて幼虫は筋肉に入り込み、取り除くことはできません。「正直驚きました。熊の寄生虫に関して知らなかったんですよね。これから寄生虫と共に生きていかなきゃならない。体の中にずっともう休眠している状態で」(竹中さん)。感染症を専門とする、市立札幌病院 感染症内科 児玉 文宏医師です。感染症を専門とする、市立札幌病院感染症内科 児玉文宏医師です。「旋毛虫というのは、一般的には動物の筋肉の中に生息している。人間が食べたときに加熱が不十分だった場合、それを生きたまま食べてしまう。そういうことで感染します。あまりなじみのない疾患・感染症だったということが、今回食中毒として発生してしまった原因かなと思います」(市立札幌病院感染症内科児玉 文宏医師)。国内ではここ数年、ジビエ料理が人気です。道内でもジビエの利用量が平成28年に402トンだったのが、平成30年には628トンとおよそ1.5倍に増え、飲食店やスーパーでジビエが食肉として普及しつつあります。しかし一方で、ジビエが正しく調理されていない現状もあると児玉医師はいいます。「例えば、シカだとE型肝炎と呼ばれるウイルスを持っています。野生の動物はそういった細菌やウイルスを持っていることがあり、加熱が不十分だと感染してしまいます。貴重なジビエの肉をおいしく、安全にいただくためには、基本は中心部まで含めた肉の75℃以上の加熱を1分以上ですね。これが原則的になってます。」(市立札幌病院感染症内科 児玉 文宏医師)。竹中さんは、現在じんましんや発熱はないものの、時々体にピリッと電気が走るような感覚があるということです。決してジビエが悪いということではなく、適切に調理をして食べる必要があるということです。生では食べず、肉の中心部を75度以上で1分以上しっかりと火を通すことが大切です。

(「丹沢ジビエ」で一石二鳥:神奈川)
秦野商工会議所観光飲食部会が、「ジビエ料理」の普及に取り組んでいる。ほとんどが処分されているイノシシやシカの肉を食材として活用。地域の観光資源に育て、農作物被害の防止と地域活性化の“一石二鳥”を目指す。行政や飲食店との連携を模索するため、2月18日には関係者を招いた試食会を初めて開いた。秦野市表丹沢野外活動センター(同市菩提)で催された試食会には、丹沢や大山を抱える秦野、伊勢原両市の首長や部会に所属する飲食店経営者らが参加。日本ジビエ振興協会代表理事で、フレンチレストランのシェフ藤木徳彦さん(48)が講師を務めた。藤木さんは長野県産のシカ肉と鳥取県産のイノシシ肉を使い、シカ肉のメンチカツやステーキ、イノシシのベーコンを使ったポテトサラダ、イノシシ肉と香草の生春巻きなど11品を提供。

(ジビエ、しゅうまいや煮物に:岐阜)
郡上産のイノシシとシカを使った「地美恵(ジビエ)料理」の発表会(郡上調理師会主催)が二十六日、郡上市大和町の料理店「八屋」で開かれ、市内外の飲食店関係者ら三十人が集まった。八屋の蜂谷泰裕調理師(46)が「シシ肉華しゅうまい」「シカ肉低温ローストビネガーソース野菜添え」など、四点のジビエ料理を中心としたコース料理を提供。シシ肉と同市高鷲町産のダイコンなどを組み合わせた煮物もあり、中華から洋食、和食までバラエティーに富んだ料理が注目を集めた。発表会の冒頭、蜂谷さんは高タンパク、低カロリーというジビエの特性に触れながら、それぞれの料理について説明。献立表には自分が考案した料理の簡単なレシピを添え、素材の味を生かす注意点を示した。参加者は手がかかった料理を味わい、野生の獣肉ならではの魅力を確かめていた。郡上は天城山(静岡県)、丹波篠山(兵庫県)と並ぶ三大イノシシ産地として知られるが、今シーズンは豚熱(CSF)の感染拡大で県内全域が狩猟禁止となった。このため、シシ肉の流通は感染が確認される前の冷凍ものに限られ、獣肉を扱う業者や飲食店にも大きな影響が及んでいる。郡上調理師会の林健吉会長は「ジビエにとっては厳しい状況が続いているが、それぞれの店のメニューに追加してもらえればうれしい。郡上の町づくりに役立てるためにも、ジビエを発展させたい」と話していた。

(和食とジビエの新たな出会い:三重)
志摩観光ホテルは、3月1日(日)から5月31日(日)までの期間限定メニューとして、「伊勢志摩ジビエ会席」を販売いたします。豊かな伊勢志摩の自然によって育まれたジビエ。フレンチや鍋が定番のジビエ料理ですが、和食レストラン 浜木綿では、ジビエを「湯引き」「握り」「昆布締め」など和食ならではの調理法を用いて会席料理にいたしました。和食総料理長 塚原巨司がお届けする、和食とジビエの新たな出会いの一皿をお楽しみください。

(「おかやまジビエ」を食べてみた:岡山)
ジビエは数年前からブームに火がつき、数多くのジビエ料理が飲食店で出されるようになりました。首都圏にはジビエ専門店が数多くオープンし、美味しいお店には常連がつき、ブームではなくジビエという食文化の定番化に寄与しています。ジビエが美味しい地域ということは、ジビエとなる猪や鹿が獲れることも意味します。岡山県農林水産部は「おかやまジビエガイド」を発行し、おかやまジビエのブランドを広めるべく、ジビエが食べられる飲食店を紹介。さらに岡山県内のジビエ関連企業を助成しています。そんなジビエを取り扱っている天然猪肉販売会社「おかやまジビエみなみ」(有限会社ミナミ)が岡山県新見市にあるのですが、通年、安定して上質なジビエを全国に販売できるよう取り組みを進めているとのこと。ここのジビエを使用した料理が東京都のemotional tribeの取り組みで東京でも食べられると知り、実際に食べてみました。おかやまジビエを使用した猪焼売が食べられるのは、中華レストランの「O2」(東京都江東区三好2-15-12)で、2020年3月1~31日の期間に食べられるとのこと。販売開始前に食べることができたのですが、ジビエとしてのワイルドな薫りを放ちつつも、それを「臭み」ではなく「ジビエならではの旨味」として感じさせてくれました。また、おかやまジビエを使用した創作料理として猪ホホ肉の煮込みを作っていただいたのですが、これが言葉を失うほどのファビュラスマックスな「極上の柔らかさ」と「魅惑の旨味」を堪能させてくれます。ジビエが限りなく柔らかく、食べればホロホロと崩壊していくため、猛烈なスピードながらグラデーションを描くように濃厚なジビエエキスを放つのです。ダントツで草もが少なく美味しさが濃いのは、捕獲から仕上げまでの処理速度が驚くほど早いからとのこと。さらに岡山県には猪のエサとなる食材が潤沢にあるのも、ジビエが美味しい理由のひとつのようです。よくよく考えてみれば、ジビエを飲食店で食べる際、ジビエの美味しさや捕獲量まで考えた事がありませんでした。「この猪や鹿は何を食べていたのかな?」なんて思いもしません(笑)。猪などのエサについて、猟師専門雑誌「けもの道」の佐茂規彦編集長に聞いてみました。「肉の味を決める要因はいくつかありますが、食べているエサは大きく関係していると思います。ドングリや椎の実を豊富に食べている猪の肉や脂は甘みも旨味も強いですね。鹿は草木が大きく育つ初夏のころにエサが豊富で脂が乗ります」。なんとなくジビエというキーワードだけで漠然と食べていたジビエ料理ですが、これからはブランドや捕獲地なども重要視したほうがよいかもしれません。特に何を食べて育ったのか、エサは重要である事がわかります。少なくとも、今回食べたものは岡山県が本腰を入れてジビエを推していることがわかるクオリティの美味しさでした。ちなみに、ジビエを美味しく調理するために株式会社迫田刃物の「猪専用包丁」を使用したと聞き、実際に包丁を見せてもらいましたが、まさかジビエの猪専用包丁まで存在するとは驚きでした。ジビエの世界は非常に奥深いです。普段の豚、鶏、牛などの肉はもちろん美味しいものですが、クオリティが高いジビエが流通するようになれば、猪や鹿、アライグマなどの肉も今まで以上に一般的になるのは間違いないでしょう。

(「春のタン祭り2020」:東京)
ジビエ居酒屋「米とサーカス」(高田馬場本店/渋谷PARCO店/錦糸町ダービー通り店)と新宿三丁目の肉バル「パンとサーカス」の4店舗合同で「春のタン祭り2020」を開催します。 3月2日(月)~4月30日(木)までの期間限定で、国内外から選び抜いた動物のタン8種を食べ比べメニューで提供。 今年3年目を迎える人気のフェアで、牛豚はもちろん馬や羊、クジラ、ワニ、ジビエの鹿や猪といった稀少なタンまでスモークや炙りなどでお召し上がり頂けます。

(クレー射撃始めた理由:加藤浩次さん)
お笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次(50歳)が、3月1日に放送されたバラエティ番組「7.2 新しい別の窓」(AbemaTV)に出演。クレー射撃を始めたきっかけについて語った。この日、「本当は狩猟をやりたかった。ハンティング。猟期に行って、イノシシ駆除したりとか。シカとか、獲っていいカモとかを撃ったりっていうのを」と語り出した加藤。それは「例えば焼き肉屋さんとか行っててさ、この肉美味しいとか、この肉そうでもないなとか、言ってる自分いませんか? よくそんなこと言えるなと思ったの、オレ。だって誰かが殺めてくれてるんだよ。自分で殺めたこともない人間が、よくこの肉まずいとか言えるなって。そんな人間だけにはなりたくねえな、と思ったの」といった理由からだという。熱弁を振るう加藤に、草なぎ剛は「(焼き肉屋のお肉は)牛ですよね? 牛ですよね、でも」と冷静なツッコミ。加藤はジビエとかの話だとして、「1回、そういった狩猟をやってみて、どういう気持ちになるんだろう。本当にお肉がまずいとか言えなくなるんじゃないか。本当に有り難うございますって食べるようになるんじゃないかと思って、銃の免許取りに行ったのよ」と語る。そして、狩猟に行くには「クレーの練習をしないと当たらないよ」と人に言われたことをきっかけに、クレー射撃を始めたそうだ。そこからクレー射撃にハマり、現在は週2回は練習しているとのこと。ただ、まだ狩猟にはステップアップできておらず、「今年、狩猟の免許取ろうかなと思ってる」と語った。

(京大から猟師へ、野獣の命を食に:千松信也さん)
何を幸せと思うかはひとそれぞれだ。猟師、千松信也さんの場合それは、自ら仕留めた獲物を家族と食べるときであったり、積みあげたまきであったりする。どんな生活なのか。京都市北部の自宅を訪ねると、落ち葉を燃やしてたき火のそばで待ってくれていた。庭先がすぐ裏山へと続く。斜面をのぼると、イノシシが鼻先で土を掘り返した跡があちこちにあった。「イノシシもシカも、時にはクマもうろうろしていますよ。植林された奥山より、里山のほうがドングリとか食べ物が多いんです」。狩猟期は11月15日から3カ月間。イノシシとシカ合わせて10頭ほど取るが、売らない。妻と小学生2人の家族が食べる分を賄うほか、友人に分けるだけだ。京大在学中にアルバイトで入った小さな運送会社に、いまは準社員として週3~4日勤める。「世間では何で収入を得ているかでその人を表すのが普通ですが、僕は猟師でお金を稼いではいないんです。何者かと聞かれたら、猟師だというのが一番しっくりくるのですけどね」。一般的な猟師のイメージである銃は使わない。直径12センチのワイヤロープの輪を仕掛けるわな猟師だ。狙った獲物が足を置く場所を、ピンポイントで見定める。「獲物の通り道に仕掛けるのですが、イノシシは嗅覚が鋭く用心深い。わなの手前でUターンしたり、またいだりします。向こうも僕のことを、あの人間だと思っているでしょう。動物の一員として、生態系に入れてもらっているという感覚が好きなんです」。獲物がかかるとセンサーが働きメールで映像を送る。今はそんなハイテク装置もあるが使わない。常にメールを気にし、装置を買うため余計に働くということになりかねないからだ。「便利すぎる道具は生活を壊す気がするし、何だか楽しくなさそうでしょう」。山からは山菜やキノコも採れる。飼っているミツバチからはハチミツ、ニワトリからは卵がとれる。まき風呂、まきストーブの燃料は倒木などで調達する。川や海でも魚を取り、カモやスズメを狙う網猟を行うなど、一家の食卓にのぼる多くを自然から調達する。「まき割りは楽しいですよ。狙い通りの筋でパーンと割れると、オッシャーって感じ。まきが積みあがっていくと、幸せが積みあがっていくように思います」。自分で割ったまきをストーブにくべながら、顔をほころばせて語った。千松さんの案内で同市北部にある自宅の裏山に入った。「木についた泥はイノシシが体をこすった跡で、縄張りを示しています。ヌタ場という泥浴びをするこの水たまりは、濁り具合から3日ほど前に使っていますね。黒いのはテンの糞(ふん)です」。生き物の気配を感じなかった冬枯れの森が、違って見えた。住宅地に近い都会の里山で、これほども動物たちが活動しているとは。千松さんは兵庫県伊丹市の兼業農家の生まれ。宅地開発が進むなかでも田畑はあり、子供のころ風呂はまきで沸かしていたという。「おーい、まきをくべてくれ」。風呂たきは千松さんの役目だった。風呂場からそんな声が飛ぶ家庭で育った。両親は犬や猫、ニワトリなどを飼い、千松さんもカエルやザリガニ、昆虫などさまざまな生き物を捕まえては飼育した。ヘビを飼い始め、祖母に縁起が悪いと大目玉を食ったこともある。「無人島での生活にあこがれたりもしました。自然の中で獲れるものだけで暮らせないか、なんて真剣に考えるような子供でした」。高校時代は獣医を目指すことも考えたが、民俗学に興味を持ち京都大文学部に進む。京大まで出て何で猟師になったのか-。千松さんが受ける定番の質問だ。「『のに』ではなく京大に行った『から』、猟師になれたのだと思います。講義を聴くだけの大学だったら、会社員になっていたかもしれない。講義そっちのけで好きなことをしている人たちが多く、とても刺激的な学生時代でした」。自由な学風の京大の中でも、さらに解放区のような吉田寮に住んだ。仕送りを断りアルバイトをしながら自活した。4年間休学してアジア各地を放浪し、東ティモールでインドネシアからの独立の是非を問う住民投票の監視活動をするNGOの活動に深くかかわった。「東ティモールのひとたちは国づくりに生き生きしていました。でも独立したら外部の人が居残ることはかえって迷惑になる。自分が住むべき所に帰ろうと思って京都に戻りました」。あるときアルバイト先の運送会社に、わな猟をする社員がいると知った。弟子入りするように教えを請い、魅力にとりつかれた。偶然の出会いが子供のころの夢を開花させたのだ。初めて捕獲したのは大物のシカだ。バイクの荷台にくくって寮に持ち込みマイクで放送すると、寮生たちが包丁を手に集まってきた。たき火を囲んでシカ肉の大宴会になったという。「猟師になろうと思ったというより、やってみたらしっくりきたんです。それがいまも続いている」。なぜ猟師を専業にしないのか-これもまたよく聞かれる質問だ。千松さんは猟師だけで生計を立てるとすると最低いまの10倍、100頭は獲らないといけないと計算し、こう話した。「自然界の動物は、他の動物に対してそんな殺し方はしません。他の人たちが食べる肉のために動物を殺すというのは、僕の生き方ではないのです」。関西国際空港の連絡橋にタンカー船を衝突させた一昨年秋の台風は、京都市北部の山林にも大きな爪痕を残した。倒木など被害は大きかったが、猟師の千松信也さんは意外なことを言う。「人工林が倒された林業は大変でしょうが、里山の倒木は長いサイクルの中での変化にすぎません。木が倒れれば日当たりがよくなって育つ草もある。倒木に生えるキノコにとって3~5年間は、ボーナスタイムみたいなものでしょう」。裏山に散乱した木や枝はまきとなり、風呂を沸かしたり部屋を温めたりした。「これはまだ採りごろじゃないので少し待ちます」。倒木になめこが生えていたが、急いで採ることはしない。行楽で出かける1日限りの山菜採りではない。千松家の暮らしも、自然のサイクルの中にあるのだ。近年はイノシシやシカによる獣害が深刻で、街に現れるとニュースになる。しかし千松さんは野生動物がいない里山こそ、特殊な状況だったのではないかという。江戸時代は大規模なシシ垣を造るほど人間とイノシシがせめぎ合ったが、明治以降は山林利用や乱獲で動物は激減した。今度は里山が放置されたため、意図せず繁殖する環境が現れた。「いまは田舎でもまきではなくガスで風呂を沸かす。山と無関係になると人は途端に関心を払わなくなり、すぐ近くで暮らしている動物にも気づかなくなってしまいました」。自然を人間仕様に作り替える農林業と違い、猟師は気配を消して入る。わなをチェックするため毎日山に入る千松さんは、動物が踏んで位置がずれた枝葉など些細(ささい)な変化にも敏感だ。「ちょっと上着を脱いでいいですか。たき火のにおいがつくとまずいんですよ」。撮影で着用した狩猟用の上着を脱ごうとしたのは、においが動物に悟られるためだ。わなを仕掛ける前日はせっけんを使わず入念に体を洗うほど気を付ける。動物と対面するのは仕留めるときだけだ。イノシシは片足をワイヤにつながれながら牙をむきだして威嚇してくる。行動範囲を狭めるように誘導し、眉間を木の棒で強打する。またがっておさえ込み、心臓近くの大動脈にナイフを突き立てると血が噴き出す。「追いかけていた獲物が取れたときにはうれしい半面、愛着もあるんです。ごちゃごちゃ考えず作業を進めますが、いまも獲物を殺すことに感情の揺らぎがないわけではありません」。スーパーで買い物客がパックの牛肉や豚肉を見て、その持ち主だった動物が命を絶たれたことを思うことはない。考えたくないことを考えずに済ませていることさえ、私たちは意識していない。千松家の冷凍庫のイノシシやシカを小分けした肉のパックには、捕獲日やオスメスなどの情報が手書きで記されている。命と食が直結しているのだ。動物が好きなのに猟師ができるのですか-千松さんはこの質問にはっきりとこう答える。「動物が好きだからこそ、殺すことを他人に任せたくはない。だから猟師でいたいと思うのです」と。

(日光の食害被害は我らが守る:栃木)
89歳のハンター滝栄(たきさかえ)さん=沢又=が弟子の鈴木徹(すずきとおる)さん(67)=今市=と二人三脚で、昨年1年間にシカとイノシシ計115頭を捕獲した。2018年の103頭に続き2年連続の大台。自作の「足取りわな」で有害鳥獣を駆除し続ける滝さんは「生涯現役で農家や地域の人を守りたい」と長年培ったノウハウを惜しみなく伝授している。県猟友会によると会員数は現在2163人。日光支部に所属する滝さんは県内屈指の高齢ハンターで、55年前に銃で猟を始めたという。この15年は独学で身に付けたわな猟が中心だ。鈴木さんが滝さんに出会ったのは約3年前。市内で開かれた初心者向け講習会で講師を務めたのが滝さんだった。鈴木さんは弟子入りを志願、わな猟の免許を取得した。今では滝さんの元を毎日訪ね、2人でわなを仕掛け、毎日見て回る。わなは滝さんが試行錯誤の末に作った。精度が高く、土に埋めたわなを獣が踏むと、ワイヤに足を捕らえられ逃げられなくなる。今市地域の山林を中心に計60カ所仕掛けてあるという。3月で90歳になる滝さんは足腰がしっかりしており、わなに掛かった100キロ超の大物を最後に銃で「止める」のも滝さんだ。捕獲後は鈴木さんと一緒に運び出す。連携プレーで2年連続100頭超を捕獲した。「イノシシは鼻が効くから同じ靴、同じズボンをはくこと」と滝さん。季節によって異なる獣道、行動範囲…。さまざまなノウハウを、鈴木さんは間近に見ながら習得している。一方で田畑の被害は絶えない。田植えした苗をシカが食べてしまったり、イノシシが畑をめちゃくちゃに荒らしたり。滝さんは「農家の被害を防ぎたい。直接、被害に遭うかもしれない人間を守るんだ」と語る。5人の弟子を育ててきた滝さんにとって鈴木さんは「最後の弟子。もう70点だ」と評価する。師匠からお墨付きを得た鈴木さんは「先生と長く一緒にできることが幸せ。これからも年間100頭を目指す」と思いを受け継ぐ。

(イノシシの皮をキーホルダーに:石川)
獣肉処理事業などを展開する羽咋市の合同会社「のとしし団」の革細工教室が、同市邑知ふれあいセンターであり、地域住民がイノシシの皮を使ったキーホルダー作りを体験した。女性十人が、同社で活動する市地域おこし協力隊の梶嘉美さんに教わった。円形のイノシシの皮に金属製の穴開けパンチを当て、ハンマーで上からたたくことで、星やひし形などの穴を開けていった。別の色の皮を穴に埋め込むなどして、細かな模様のキーホルダーを仕上げていった。

(イノシシ→革製品:香川)
イノシシによる人や農作物への被害が増える中、駆除のために捕獲したイノシシの皮を利用して、バッグや財布などの革製品作りに取り組む人がいる。自身が育った里山を守ろうと、東かがわ市五名で農業などを営む西尾和良さん(41)が狩猟を学び、革加工職人と協力して実現させた。西尾さんは「里山を次世代に残したい」と語る。「GOMYO LEATHER(ゴミョウレザー)」の名で2018年秋から、東かがわ市のふるさと納税返礼品を中心に受注生産している。商品は全て手縫いで、財布や名刺入れなど6種。通気性があり手になじみやすいのが特徴で、これまで約40件の注文を受けた。返礼品には50万円相当のビジネス用バッグもあるという。

(駆除したシカの皮、小物に再生:愛知)
畑などを荒らす有害鳥獣として捕獲され、廃棄されていたシカの皮を有効利用しようと、駆除活動に取り組む名古屋市北区の横井弓美子さん(36)と愛知県豊明市の障害者就労支援施設が、革の小物をつくり、売り出した。製品は同市のふるさと納税の返礼品に選ばれた。皮の廃棄費用の節約になるほか、製造に携わる障害者の賃金アップにもつながる「一石二鳥」の取り組みだ。ブランド名は「Entokaku(えんとかく)」。豊明市西川町の障害者就労支援施設「アレイル」では、駆除されたシカの皮を障害者がローラー式の型抜き機を使って裁断し、マニュアルを見ながら丁寧に金具を取り付けてコインケースを仕上げていく。紙を裁断する機械の販売会社を営む横井さんは狩猟免許を持ち、鳥獣駆除に関わってきた。シカやイノシシの肉は食べられるが、皮は廃棄されていることから、「ジビエレザーとして何とか利用できないか」と思いついたのが小物づくりだった。

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