<射撃ニュース3月>
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(ニホンジカの捕獲料、県猟友会が1300万円を過大受領:)
環境省から委託された野生の二ホンジカの捕獲を巡り、山梨県猟友会が、誤って実績を多く報告し、業務料およそ1300万円を過大に受け取っていたことが分かりました。県猟友会は、南アルプス国立公園で増え過ぎた野生の二ホンジカの捕獲を環境省から請け負い、捕獲頭数や参加人数に応じた業務料を受け取っていました。しかし、昨年度までの6年間で140頭・4057人分を実際より多く報告していて約1300万円の業務料を過大に受け取っていました。猟友会は、捕獲1回あたり、20人分の手当がもらえると思い込んでいて頭数についても、隣接する県の事業で捕獲した二ホンジカも誤って報告していたと説明しています。環境省は、損害金を加えた約1500万円の支払いを請求するとともに県猟友会を1ヵ月間の指名停止措置としました。

(クリハラリスを本格捕獲へ:静岡)
特定外来生物という言葉を聞いたことがあると思います。外来種の生物の中でも生態系や農林水産業、そして私たちの命や財産に有害となる生物のことで、全国的にはアライグマ、静岡市ではカミツキガメが有名です。浜松市では、今後とても深刻な問題になりそうな生物がいます。それは「リス」です。浜松市民の憩いの場、浜松城公園。この公園で人気を集めているのが「クリハラリス」、通称・タイワンリスです。日本固有種のニホンリスとは異なる外来種です。ニホンリスは体長15センチ・重さ300グラムほどで、腹が白いのが特徴ですが、クリハラリスは一回り大きく体長20センチ以上、重さも360グラムほどあります。エサや生態が似ているため、クリハラリスが増えると体の小さいニホンリスは駆逐されてしまう恐れがあります。クリハラリスは生態系や農業、林業に被害を及ぼす恐れがあるとして特定外来生物に指定されています。浜松市役所にも市民から被害の相談が寄せられています。浜松市環境部 藤田信吾次長:「平成27年ごろから市民の方の問い合わせが入るようになって、30年度は65件の相談があった。例えば住宅の中に入って戸袋をかじられたりとか、家庭菜園のビワとかミカンとかが食べられたりとかいう被害の連絡があった」。浜松市は去年4月から今年2月にかけて市内の広い範囲でクリハラリスの捕獲調査を行いました。その結果、生息範囲が北部にまで広がりつつあることがわかりました。繁殖力が強く、今後、急激に生息数が増える恐れがあります。浜松市環境部 藤田信吾次長:「何も対策をしないと毎年1.2倍になっていくだろうと言われています。今1万5000頭ということで、10年後には10万頭を超えるぐらいの頭数になるだろうと言われている」。生息範囲が北に広がり天竜区に達すれば、ニホンリスが駆逐されるだけでなく、スギやヒノキなど林業に被害が及ぶ恐れがあります。また、北区に広がれば、特産の三ケ日ミカンに深刻な被害が出ることも予想されます。浜松市は新年度予算案に対策事業費として4780万円を計上しました。本格的にクリハラリスの捕獲事業を始めます。初年度に6600頭、2年目にも6000頭を捕獲し、10年で市内のクリハラリスを根絶する計画です。捕獲事業が順調に進むのかどうか。森林総合研究所の森澤猛・上席研究員は、重要なポイントを指摘します。それは市民による餌付け行為です。森澤さんは去年2月、浜松城公園で、餌付け行為を定点観測し、その結果を専門誌に発表しました。森林総合研究所 上席研究員 森澤猛氏:「餌付け行為を行う方の多くは、餌付け自体を目的に訪れていると見受けられました。また、餌付けが始まると20頭を超える多くのリスが集まってきたことから、リスは公園での餌付けを重要な餌資源のひとつと捉えていると考えられました」。栄養豊富な餌を与えてしまうと、リスの寿命が延び繁殖力が上がると言われています。浜松市も看板を設置するなどして、餌付けをしないよう呼びかけています。森澤さんは、論文で餌付け行為をする市民の意識について、「餌付け行為をとがめた者は見当たらなかった」「餌付け行為は禁止されているものの、公園利用者は容認している」と指摘しています。そして、対策を進める行政と、リスに餌を与えようとする市民との間に感情的な対立が生まれるのが心配だとしています。森林総合研究所 上席研究員 森澤猛氏:「実際感情的な対立が起きてしまいますと、対策事業においては建設的な動きが進まない。これが心配される。これを回避するためには行政と研究サイドには、科学的根拠に基づいた正確で丁寧な説明が求められる」浜松市のクリハラリス対策事業は、単なる捕獲事業だけではなく、市民に特定外来生物とは何なのか、どう対処すべきなのかを正しく伝え、理解してもらうという、ハードルの高い事業となりそうです。

(マガン越冬数25万羽超:宮城)
県北にある三つのラムサール条約登録湿地で越冬するマガンの数は全国1位だ。日の出の前後になると、ねぐらの伊豆沼・内沼(栗原市・登米市)、蕪栗(かぶくり)沼(大崎市)、化女(けじょ)沼(同)から豊かに広がる田畑へと餌を求め、多くの群れが飛び立つ。1月9日、伊豆沼西岸の堤防。小雨の中、右手にカウンター、左手に双眼鏡を持って、県伊豆沼・内沼環境保全財団総括研究員の嶋田哲郎さん(50)がまだ暗い沼を見つめていた。グワッ、グワッとマガンの鳴き声が沼から湧き起こる。そして、午前6時27分、最初の群れが飛び立った。「今日は早い。おなかがすいているのかなあ」と嶋田さん。群れが飛び去るごとに、傍らの記録担当者に数を伝えた。この日は、毎年越冬期に全国で実施される「ガンカモ類の生息調査」の県内一斉調査日。伊豆沼・内沼沿いでは、ねぐらの位置に合わせて4カ所に調査メンバーを配置。重複カウントしないよう「飛び立ち」する数だけを追った。マガンはこの日、伊豆沼・内沼8万3738羽、蕪栗沼14万1187羽、化女沼3万2806羽の計25万7731羽が観察された。

(改正家畜伝染病予防法が成立)
アジアで流行するアフリカ豚熱(ASF)を防ぐため水際対策を強化する改正家畜伝染病予防法が27日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。空港の水際対策にあたる家畜防疫官の権限を強化し、違法に持ち込まれた肉類を破棄できるようにする。イノシシなど野生動物による感染予防策も盛り込んだ。最大100万円だった罰金を300万円(法人は5千万円)に引き上げる。

(住宅街でサル、キンカンが住宅玄関先に:大阪)
大阪の中心部に近い住宅街で、野生と見られるサルの目撃情報が相次ぎました。警察などが注意を呼び掛けています。午後4時ごろ、大阪市内の住宅街に野生とみられるサルが出没しました。警察官が追いかけましたが・・・。そして、近くの住宅の玄関先にはサルが食べたとみられるキンカンが。サルは、26日朝から昼すぎにかけて他の住宅街でも目撃されていて、警察は、見かけてもエサを与えたり刺激したりせず通報するように呼びかけています。

(1200戸が一時停電:徳島)
28日午前、美馬、阿波両市内の計約1200戸が一時停電した。四国電力徳島支店によると、美馬市脇町の約1100戸と阿波市阿波町の約100戸で午前9時5分ごろに停電が発生。10時50分ごろまでに順次復旧した。脇町内の電柱にあるカラスの巣に交じっていた針金が原因で漏電したとみられる。美馬市では5カ所の信号機が消灯し、美馬署員が手信号で交通整理に当たった。渋滞や事故はなかった。

(「たとえノーギャラでも参加したい」映画予告編が完成)
2008年に出版された著書『ぼくは猟師になった』で近年の“狩猟ブーム”の先駆けを担ったわな猟師・千松信也。京都大学卒の現役猟師という経歴を持ち、京都の街と山の境に暮らす千松に700日密着、知られざる猟師の暮らしに迫ったドキュメンタリー映画『僕は猟師になった』(6月6日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開)の予告編が完成、ナレーションを務めた俳優・池松壮亮のコメントが到着した。一昨年、NHKで放送された『ノーナレ けもの道 京都いのちの森』には、再放送希望が異例の1141件も届く大きな反響を呼んだ。京都で、猟をする千松信也の、彼にとっては平凡な日常に取材したドキュメンタリー。イノシシやシカをわなでとらえ、木などで殴打し気絶させ、ナイフでとどめをさす。命と向き合うために千松が選んだ営みに、残酷、という非難をはるかに超える「憧憬」が集まった。NHK取材班は、放送後、千松とその暮らしにさらに迫るため、300日の追加取材を行い、およそ2年間の映像を編み直し、完全新生映画版が完成した。ナレーションを担当したのは、日本映画界に欠かせない若き名優・池松壮亮。千松に寄り添い、その独特な視線、思考、行動に観客を誘う。このたび、池松壮亮のナレーションが入った予告編が完成、解禁となった。イノシシの骨からスープをとった「いのこつラーメン」を作る映像からはじまり、けもの道にわなを仕掛ける作業、獲物と命のやり取りをする現場まで、普段は人に明かさない猟の様子にカメラが密着。「『言葉よりも背中で語る、森の哲学者』という千松さんのイメージにぴったりだった」とプロデューサーが太鼓判を押した池松壮亮の語りが、人間と動物、生きるものすべての「命」の物語へと案内する。「狩りガール」と呼ばれる、狩猟をする女性たちの増加や「山賊ダイアリー」「罠ガール」等狩猟マンガのヒットなど、若い人を中心に注目を集める「狩猟」の世界。本作は、野生動物たちと日々向き合い、四季折々の山の恵みをうけて生きる千松の暮らしを通して、ほんとうの豊かさとは何か、を問いかける。ドキュメンタリー映画『僕は猟師になった』は6月6日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開。

(離島で巨大海獣を狩る、84歳の孤独な闘い:北海道)
北海道・礼文島に、80歳を越えたいまも達人と尊敬をあつめる現役トド猟師がいる。小さなボートを一人で操り獲物を見つけると、波で揺られるなか仁王立ちのままライフル銃の照準を合わせる。自分も獲物も波で揺れ動き、仕留めるのは至難の業だ。トドを必要以上に苦しませないように厳格なルールを自身に課し、猟を半世紀ものあいだ続けてきた俵静夫さん(84)。彼に同行しその狩りの秘密に迫った。北の日本海沿岸にトドがやってくるのは、厳しい冬の間。魚の群れを追って青森まで南下する。大きいと体重は1トンにもなるトドは、仕掛けた網などの漁具を壊しかかった魚を奪うことから、地元漁師から「海のギャング」と敬遠されてきた。出没地域の被害額が年間12億円を超えるほど深刻で、水産庁に有害鳥獣に指定され、個体を減らし管理するための駆除が行われている。近海はかつて世界有数の豊かな漁場だったが、半世紀前頃から現在のようにトドと人間が食べ物を奪い合うようになった。原因として、海産資源の獲り過ぎで魚が激減したことがもたらす悪循環が指摘され、現状を打開する道は未だ見えていないという。「トド撃ち」名人のいる礼文島では、北海道大学をはじめとする諸外国の発掘研究チームによる調査で、人間とトドとの歴史が分かってきた。実は、俵の家がある船泊湾では、三千年以上前からトドの狩猟が行われていた。銃を使っても簡単に仕留められない巨大海獣を、先人たちはどのように狩り、食べていたのだろうか。その後の江戸時代、トド肉が珍味として幕府に献上されたとする資料が残っている。歴代将軍の口にも入ったのかもしれない。司馬遼太郎も海の動物を狩猟をしてきた人たちに想いをはせ、著書の『オホーツク街道』で「私どもの血のなかに、微量ながらも、北海の海獣狩人の血がまじっていることを知っただけで、豊かな思いを持った」と、身近に感じたことを語っている。主人公の俵は、おそらくトド撃ちの技を最高レベルまで高めた人だ。もともとのスタイルは、舟を操る人とトドを撃つ人の役割が分かれ、二人以上で行われた。しかし俵は、最初こそ二人で猟を始めたものの、その後一人でライフル片手にボートを操縦し、海中を逃げるトドを追いかけるようになった。「水撃ち」と呼ばれる名人芸だ。トドは、ひとたび潜ると一気に100メートル以上、時に300メートルも顔を上げることなく、海中を移動できるという。さらに、ボートが転覆してしまうので近づけないことを知って波の高くなる浅瀬に逃げ込んだり、エンジン音に耳をすませ、スクリューの動きを見て、仲間同士で合図しあいながら、その反対へと逃げたりするという。そんなトドを相手にするには、海の地形とトドの習性を知り尽くしていないと適わない。俵の猟に同行してわかったのは、ある場所でトドを見つけたとしても、次に海面のどこに顔を出すか全く予知できないこと。彼も、前後左右に顔を向けて探している。そして、船の動きを察知しているトドを、ときにエンジンを切りながら、ときにゆっくりと進んでは近づき、3秒ほど大きく顔を出す瞬間を狙う。何より、耳と鼻の感覚を研ぎ澄まして探すことが大切だという。冬の海上の体感温度はマイナス20度ほど。風でうねる波、揺れるボート、逃げるトド。しかもトドとボートは、波という不確定要素によって海面で前後左右に揺られる。この状況でライフルの照準を合わせるのが俵だ。「ボートは手足のごとく身体と一体化している」と誇るくらい体に染みこんだものだという。しかし、名人とはいえそんな簡単なものではない。口癖は「うまくないな…」。俵は、トドに完全に照準が合い、一発で仕留められる瞬間をひたすら待つ。文字通り「うまく、思い通りに行かない」ことが、この猟の難しさを物語る。半世紀以上つづけてきたトド猟で、俵が身に課すルールとは何なのか。猟に同行すると、まったく撃たない日がある。当初、なぜ彼は引き金を引かないのかわからなかった。トドまでは多少遠いが、水面には大きな体が見えており、撃てば当たりそうだ。俵は言った、「駆除だからって、むやみやたらに背中でも腹でもバンバン撃たない」。そこには、トドを苦しめることなく、1発で仕留めることへのこだわりがあった。まさに秘技と感じたのは、俵はトドの呼吸を観察しながら、ずっとある一瞬を狙っていること。しばらく潜って遠くまで逃げようとするトドは、水面に顔を出すときに数度に一回大きく息を吸い込む瞬間がある。その一瞬を待つのだ。息を大きく吸ったトドを仕留めれば、その巨体は沈まずに海面にぷかりと浮かぶ。そうすれば回収は容易で、せっかく奪った命を無駄にすることはない。さらに俵は「1日3発まで」という。その理由は、やたらとトドを撃って傷つけ苦しめないことに加え、重さ4キロのライフルを構えたままじっと待ちつづけることで体力を消耗してしまうからだ。実際3発撃ったときは、本当に身も心も疲れ切っているという。2015年に『情熱大陸』の取材でお会いしてから、放送後も俵さんのことが頭から離れず、一人暮らしのお宅に通わせてもらった。ボートに乗せてもらいながら少しずつお話を聞いてきた。トド猟に関しては、賛否様々な意見がある。ただ、トドと対等に真剣に向き合う彼の姿を目の前にすると、何かを感じ考えずにはいられない。「ここまでつぶさに撮したことは、いまだかつてなかったど」。冬の極寒の海でひとり、トドを追う猟師・俵静夫(84)が呟いた。彼に出会ってから5年、僕はついにその猟の一部始終をほんの目の前で記録する機会に恵まれた。波の高さ1~1.5mうねりを伴う、晴時々曇、気温マイナス5度。空が明るみはじめる朝7時に出港する。海を潜って逃げるトドを、ライフル銃を片手にボートを操りながら海上で仕留める俵の秘技。トドが遠くの海面に顔を上げる、まさにその一瞬を狙うのだが、トドは逃げ、波にボートはゆられ、双方突発的なうねりに翻弄される中で照準をつける。そんな過酷な条件下で、1発で仕留めるのが俵の信条だ。例えば、トドが80m先にいるとして、銃身が1mmずれても、角度が0.1度ずれたとしても、当たらないだろう。しかもボートには僕と池村カメラマンの2人が同乗している。無理ではないだろうか…‥?5年越しで俵の元へ通い、そう思いはじめた矢先、その時がやってきた。俵がライフルを構えると、「ずたっ」という異音がする。S E(効果音)ではないかと思える程の、ビタっと静止して構えるときの音が出るだ。これが僕たちに緊張をもたらす合図だ。その瞬間、彼は息を止めている。呼吸していたら銃身がブレて当たらない。しかも、ボートはずっと波で揺られる。俵の上半身はかたく硬直しているが、下半身はしなやかに波の動きを吸収する。ライフルは単身自動装填式のブローニング・ロングトラック。全長102cm口径7.6mmの銃だ。トド猟に出ない夏も手入れを欠かさず、サビひとつない。これが俵にとっては体の一部になっているという。その引き金は、ほんのちょっと人差し指に力を入れだけで発砲するほど「絞り」きっている。4kgの銃身だから、しばらく固定するにはかなりの筋力がいる。トドのどこを狙うかというと、頭、もしくは脊髄だ。ただトドの頭蓋骨は前方に尖っていて非常に硬く、「迎え撃ち」という顔の真正面から撃ちこんでも、銃弾がはじかれることがあるという。だから、頭で狙う角度は、骨の薄い側面を狙う「横撃ち」と、後ろから狙う「追い撃ち」になる。当たれば一発で仕留められ、苦しませることがない場所だ。俵が集中し、呼吸音と波の音だけが聞こえる緊張した空気を一瞬で破るように、銃声が耳をつんざいた。それはトドが深く潜る直前、遠くへ移動するために大きく息をしようと首から胴体の部分が海面から垂直に半分ほど上がる、ちょうどその時だった。トドの口から、俵がいうところの「寒天のような」血の塊が出た。こんなに多くの血がどうすれば出るのか、とにかくドッと出た。首を海面から出したトドは吠えた。俵はその瞬間の開いた口を狙った。だが、弾はわずかに逸れ、食道を破ったものの脊髄には当たらず、手負いになった。暴れるトド、曇る俵の表情。そこで彼は深呼吸し、「止め弾」の発射態勢に入った‥‥。俵のトド猟の目的は、仕留めて終わりではない。貴重なタンパク源であるトド肉を陸へ持ち帰り、食ベることにこだわる。島民にとって、トドは貴重なタンパク源で、その脂身は冷えた体を温める。俵のところには肉のリクエストがあり、人々はいつも順番待ちだ。名人と呼ばれる俵だが、海に出ればいつも獲れるという程、トド猟は簡単ではない。昔のように岩礁に乗った動きの鈍いトドを狙うのとは訳が違う。近年は、数回海にでてやっと1回仕留められるくらいだ。トドの亡骸を港に一晩係留しておき、翌日自らの手で解体する。マキリという両刃のナイフで腹から皮を剥いでゆき、その上で全ての作業をする。肉は骨がガリガリ言うほどこそぎ取る。食べない筋の辺りもとっておき、解体後に鳥にやる。臓物は研究用に北海道水産試験場へと送り、トドの生態研究や管理に役立てる。そして、残った皮と骨は、海に返し養分にする。「粗末にしない」とはこういうことかと教えられる。熱すると濁りのない脂になる白身、そして鉄分たっぷりの赤身の肉は食べると体が火照り、子どもが食べればオネショが治るとされてきた。俵はすき焼きにして食べるのが好みだ。トドがやってくる季節になると、俵家の冷蔵庫には、手ヒレを酢漬けにした保存の効く珍味「テッピ」が常置される。こんな風にトドがとても身近な生活が、礼文島にはある。トドを狩って持って帰り、島民が思わず笑顔になる。それは、島に住む民族や文化が変わっても、変わらない営みなのだろう。縄文時代も、オホーツク人の時代も、アイヌの時代も、現代も、本質的に変わらない生き方を、俵が体現しているように思えてくる。生き物を無闇に殺生せず、敬意を払い、その命を充分にありがたがる生活が、この島には時代を超えて毅然と存在しているのだ。最後に。老齢でありながら現役の俵から、「老い」について学ばされた。ずっと漁業で使っていた中型船を手放した時俵は言った「老いるということは、絞り込んでゆくことだ」。海のことなら負けないと自負する俵は、一年中海で魚介をとり、トドを狩って生きてきた。そして、80歳を過ぎると、中型船での漁師人生を終わりにし、小型船でのトド猟などに絞り込んだ。なぜ俵静夫は老いてなお、ひたすら真面目に信条を守り、トド猟師を続けているのか?知り合って6年目、こんな考えが僕の脳裏に浮かんだ。俵さんにとってトドを狩ることは、その行為自体がいのちに対するある種の供養であり、同時に、自らの死と向き合うための儀式みたいなもの、なんじゃないかと。

(葉ニンニク栽培が効果発揮:神奈川)
神奈川県西部に位置し、山と丘陵に挟まれた秦野市。近年、猪、鹿、アナグマなどの農業被害が増える中、匂いが獣を寄せ付けないとされる葉ニンニクが効果を発揮している。加工品も開発するなど販売も好調で、作付けが増加中だ。約1ヘクタールで落花生や桃、サツマイモなどを生産する諸星一雄さん(74)は、地域で葉ニンニク栽培を始めた第一人者だ。10年前から、猪に落花生やサツマイモが掘り起こされるなどの被害が多発。鳥獣忌避効果のある玉ニンニクを作り始めていたところ、5年前に県農業技術センターから葉ニンニクを紹介された。「ワイヤメッシュ柵をしても荒らされる畑があるが、葉ニンニクは食べられたことがない」と話す諸星さん。現在、8アールで作付けしている。葉ニンニクは、葉と茎を食べる専用品種で、玉ニンニク品種とは別物。現在、早生種の「ハーリック」を作付ける。9~10月に定植し、3カ月で収穫でき、3月まで取り続けることが可能だ。諸星さんは「玉ニンニクに比べ、定植から出荷が早いことがメリット。収益性が高い」と話す。JAはだのの毛利ゆみ子営農指導員は「荷が軽く、誰でも扱いやすいのもいい」と分析する。獣害が多い山間部を中心に作付けが増加。昨年には、諸星さんが会長を務める「葉ニンニク研究会」が設立。現在13人が所属し、85アールで栽培している。

(イヌワシ狩りを披露した鷹匠の涙:山形)
イヌワシやクマタカなどを使って狩りをする鷹匠(たかじょう)の松原英俊さん(69)=山形県天童市田麦野=が29日、同市の交流施設「ぽんぽこ」で雄のイヌワシ「崑崙(こんろん)」による狩りの実演を披露した。参加者48人はワシが翼を広げるたびに歓声をあげた。松原さんは出身の青森市で幼少期から鳥などの動物に親しみ、大学卒業後に鷹匠を目指して真室川町の鷹匠、沓沢朝治氏(故人)に弟子入り。2015年に天童市に移住した。この日は、道路で放置されたタヌキやイノシシの死骸をワシやタカの餌にしていることや、訓練の際、成人の3倍の握力があるタカの爪で顔にけがを負った経験を話し、「初めて獲物を捕まえる姿を見た時は涙が出た。本当に夢を追い求めるなら、一生かかっても追い求める覚悟が必要だ」と呼びかけた。実演では、「崑崙」が松原さんの左手を離れ、獲物の鶏に向かって飛び立つ姿が見られた。上山市立南小2年、国吉美良(みら)さん(8)は「羽と顔と爪が格好良かった。飛んでいくときは少し怖かった」と話した。

(国産ジビエ認証施設の第13号及び第14号認証について)
国産ジビエ認証制度に係る認証機関により、国産ジビエ認証施設(第13号及び第14号)として、食肉処理施設「清流ジビエフードサービス(岐阜県大野町)」及び「イズシカ問屋(静岡県伊豆市)」がそれぞれ認証されました。農林水産省では、衛生管理基準及びカットチャートによる流通規格の遵守、適切なラベル表示によるトレーサビリティの確保等に適切に取り組む食肉処理施設の認証を行う「国産ジビエ認証制度」(以下「制度」という。)を平成30年5月18日に制定し、より安全なジビエの提供と消費者のジビエに対する安心の確保を図る制度の運用を行ってきたところです。この度、国産ジビエ認証委員会により登録された認証機関(一般社団法人日本ジビエ振興協会)において、認証申請のあった食肉処理施設「清流ジビエフードサービス」及び「イズシカ問屋」の審査が行われた結果、制度に規定する全ての要件を満たすと認められたため、本日付けでそれぞれ「国産ジビエ認証施設(第13号及び第14号)」の食肉処理施設に認証されました。

(移動販売で復活、イノシシスープ:愛媛)
「復興の思いをラーメンに乗せて多くの人に届けたい」。2018年7月の西日本豪雨で甚大な被害を受け廃業した愛媛県西予市野村町地区のラーメン店がこの春、車で食事を移動販売するフードトラックで営業を再開した。店名は「タイガーラーメン」。「虎は千里往って千里還る」ということわざから、県内どこにでも駆け巡るという決意を込めた。「注文どうしますか」。12日正午、同地区の市野村支所裏。千葉達也さん(45)の威勢のいい声が響いた。メニューは「味噌(みそ)ラーメン」と「醤油(しょうゆ)ラーメン」(いずれも650円)、「野菜ラーメン」(750円)の3種類。イノシシの骨から取ったスープが特徴で、濃厚な香りが辺りに漂い、トラックの前には長い行列ができた。「楽しみにしてたよ」「千葉さんのラーメンがやっぱりおいしい」。なじみ客から声がかかる。初日は用意した40人分が約1時間で完売。「本当に感謝しかない。夢も実現した。これから少しずつでも恩返ししていきたい」。千葉さんは汗をぬぐいながら笑顔になった。松山市の洋食店でオーナーシェフを務めるなど約25年にわたって飲食業界で働いてきた。「洋食とは違うジャンルの店を開いてみたい」。思いが強くなり、17年に西予市が募集していた地域おこし協力隊で同地区に移り住んだ。そこで出合った食材がイノシシだった。農作物被害が問題となっていたことや、市内に獣肉処理加工施設があったことなどから、イノシシ肉を使った料理や商品に取り組み、「ジビエラーメン」を開発。移住後の17年5月、野村町地区の「乙亥(おとい)会館」に、ラーメン店を開いた。評判はよく、県外客も訪れる人気店となった直後、西日本豪雨が発生。肱川の氾濫で地区一帯は甚大な被害を受け、店も浸水により冷蔵庫やコンロ、テーブルなどすべてがヘドロにまみれ、廃業を余儀なくされた。土砂撤去に取り組む中、近隣の住民から「またラーメンやるんやったら食べに行くよ」と声をかけられた。「災害に強い店を作りたい。被災地でも温かい一杯を届けたい」。どんな状況でも営業できる、キッチンを備えたフードトラック作りからスタート。併せてラーメンも新しくし、スープはそのままに、南予地方のソウルフード、ちゃんぽんから着想して、同市産の新鮮な野菜をふんだんに入れた一品を主力商品とした。「自分1人では微々たるものかもしれないが、西予市の食材を使い続けることがきっと復興につながる。たくさんの人に地域の魅力が伝わってほしい」。

(鹿革プロジェクト:徳島)
日本の里山では、野生鳥獣による農作物被害が深刻化している。その全体の7割がシカ、イノシシ、サルによるもので、年間59万頭以上のシカが有害鳥獣として駆除されているそうで、駆除後に十分に活用されていないことも大きな課題となっているという。そこで、徳島県の祖谷(いや)地方では、こうした里山の現実をより多くの人に伝えていくことを目指し、柔らかな鹿革素材の魅力を最大限にいかした鹿革プロジェクト「DIYA」(ディヤ)が立ち上げられた。現在は藍染めの長財布や二つ折り、がま口や小銭入れなどの財布を中心とした小物類を展開。鹿革は化学染料を一切使わず、「阿波藍」の魅力を最大限に引き出す徳島の伝統技法「天然灰汁発酵建て本藍染め」によって染め上げ、革職人が手作業でひとつひとつ丁寧に製品化。内布には間伐材を使った布地を使用しするなど、里山暮らしの課題を解決するさまざまなアイデアが込められている。また、DIYAはソーシャルプロダクツ アワード2020において「ソーシャルプロダクツ賞」を受賞。洗練されたシンプルなデザインや、野生動物による被害の問題、林業の衰退、猟師の高齢化など、さまざまな社会的課題に気が付かせてくれる良質なソーシャルプロダクツという点が評価されたそうだ。

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(五輪選考会を中止、ライフル射撃協会)
日本ライフル射撃協会は25日、東京五輪の延期が決まったことを受けて、28、29日に東京都内で予定されていた五輪選手最終選考会を中止すると発表した。

(誤発砲1人けが、男性を書類送検:和歌山)
去年11月、印南町で測量作業をしていた男性に散弾銃を誤って発砲し、けがをさせたとして、警察はイノシシ狩りをしていた79歳の男性を業務上過失傷害などの疑いで書類送検しました。書類送検されたのは、印南町の鳥獣被害防止対策協議会で活動していた79歳の男性です。警察によりますと、男性は去年11月、印南町古井でイノシシ狩りをしていた際に誤って散弾銃を発砲し、測量作業をしていた45歳の男性会社員の右手に弾を当てたとして、狩猟法違反や業務上過失傷害などの疑いが持たれています。会社員の男性は右手の甲に全治およそ2週間のけがをしました。これまでの警察の調べに対して79歳の男性は「走っていたイノシシをしとめようと、公道をまたいで撃ってしまった。人がいる方向を外したつもりだったが、『痛い』という声が聞こえ、砕けた弾の破片が男性に当たってしまった」と供述して容疑を認めているということで、御坊警察署は24日、男性の書類を和歌山地方検察庁御坊支部に送りました。

(22年開設予定の狩猟者育成施設、西日本最大級の射撃場に:兵庫)
兵庫県は、農作物などの鳥獣害の対策強化に向け、同県三木市で2022年秋にオープン予定の狩猟者育成施設の概要を明らかにした。射撃場などを備えて狩猟者を養成するとともに、クレー・ライフル射撃の競技場としても活用する。完成すれば、西日本最大級の射撃場になるという。新施設は「県立総合射撃場(仮称)」で、同市吉川町福井、上荒川にまたがる県有林78・9ヘクタールで計画。狩猟免許所持者や取得希望者らを受け入れてハンターを養成するほか、競技場として選手らに開放する。総事業費は約25億円で、20年度は当初予算に約17億4400万円を計上し、用地造成などを進める。養成施設としては、箱わななどの設置訓練場や研修棟を備え、狩猟者の射撃練習や講習会などが可能。実技と研修機能を兼ねる施設は国内初という。射撃場は、標的が前後と左右に飛ぶクレー用計4面と、ライフルと散弾銃、空気銃用の計3面を設ける。各競技の国際大会も可能な設備にする。県内の鳥獣害による農林業被害額は18年度に約5億7900万円と、この5年は6億円前後で高止まりしている。近年ではほかに、水鳥のカワウにアユなどが食べられる被害も目立ち、県内で約3億6千万円に上るとの試算もある。警戒心が強いカワウを撃つ空気銃の狩猟技術向上も期待できるという。県内には、神戸市須磨区と上郡町に民間射撃場があるが、いずれも小規模。県鳥獣対策課によると、県内の狩猟免許所持者らが射撃場を利用するのは年間延べ1万人で、うち県内の施設を使うのは半数にとどまるという。県は国際大会も含めて試合を誘致し、施設の利用収入を活用して狩猟者を育成する計画だ。

(ライフル射撃場の休館期間を延長:新潟)
県内での新型コロナウィルス感染が続いていることから、県民への感染拡大防止のため、県立胎内ライフル射撃場の休館期間を3月31日(火曜日)まで延長します。

(豚熱の野生イノシシ新たに1頭:群馬)
群馬県は24日、同県長野原町で捕獲された野生イノシシ1頭の豚熱(CSF)感染を確認したと発表した。同日の遺伝子検査で陽性反応があり、感染が確定した。県内での感染事例は22頭目となる。監視対象農場の新たな指定はないという。

(ワクチン入り餌を初散布:新潟)
新潟県は23日、野生イノシシの豚熱(CSF)感染とまん延を防ぐため、ワクチンの入った餌を糸魚川市で散布した。県内では初めて。長野、富山の両県で発生が確認されているため、今後は県境の上越市、妙高市、十日町市、津南町で同様の対応を取る予定。農林水産省によると、豚熱は23日現在、全国13県で確認されている。国は養豚場の豚、イノシシにはワクチンを接種し、野生のイノシシにはワクチン入りの餌を与えることで、感染やまん延防止を図っている。23日は県や糸魚川市の職員、地元猟友会員ら24人が6班に分かれ、イノシシが出没しそうな48カ所に計960個の餌を置いた。県畜産課は「地元の協力で円滑に作業できた。引き続き、養豚場での衛生管理など対策を実施していきたい」と話した。

(カラス、4年で4千羽超捕獲へ:鹿児島)
鹿児島県沖永良部島の鳥獣被害防止対策広域連絡協議会は23日、同島の知名町役場会議室であった。20年度の鳥獣捕獲計画など4議案を承認した。新たな鳥獣被害防止計画(20~23年度)は、18年度と比較した23年度の被害額3割軽減を目標に、カラスは4年間で延べ4200羽(和泊1600羽、知名2600羽)の捕獲を予定している。同協議会は和泊、知名両町が協力して有害鳥獣の駆除に取り組もうと2017年4月に発足。19年度の主な対象鳥獣の捕獲実績は▽カラス801羽(和泊122羽、知名679羽)▽キジ153羽(同10羽、143羽)▽イノシシ39匹(全て知名)。20年度はカラス1050羽、キジ450羽、イノシシ50匹の捕獲を計画。カラスは近年、被害の増加や被害区域の拡大状況から生息数の増加が推測される。今後は、両町の猟友会を中心に捕獲従事者の確保・育成を図りながら段階的に捕獲数の増加を目指す方針。会議では知名町猟友会事務局が被害状況をまとめた資料を提出。「イノシシ、キジの被害は減少傾向。カラスは畜産農家で肥料作物への食害や牛舎内のふん害が見られるほか、ラッカセイ、ドランゴンフルーツ、パパイアなどの食害がある。年間を通じた地道な駆除活動が必要」などと報告した。和泊町経済課の担当者は「内城校区の野菜農家を中心にカラス、キジの食害が増加傾向。和・国頭集落ではカラスによる家畜飼料の破損被害が多かった」と報告。同町はカラス捕獲箱による買い上げ料の改定(1羽当たり200円を20年度から800円に増額)や研修会などで、被害軽減に取り組むとした。

(ツキノワグマ注意報が発表:岩手)
ことしは積雪量が少ないことからクマの冬眠明けの活動が早まって遭遇する危険性が高くなっているなどとして、岩手県は、「ツキノワグマの出没に関する注意報」を発表しました。岩手県によりますと、去年は人や農作物に危害を加える危険性があるとして県内で捕獲されたクマが352頭と、統計が残る昭和53年以降で最も多くなりました。これは、クマのエサとなるブナの実の付き具合がおととしは比較的よく、去年の春先に多くの子グマが産まれて親グマと活動をしたためではないかとされています。この子グマが冬眠を経てことしも親グマとともに活動を始めると、人里への出没が増える可能性があるということです。さらにことしは積雪量が少なく、クマの冬眠明けの活動が早まる可能性もあるため、県は今月18日付けで「ツキノワグマの出没に関する注意報」を発表しました。県自然保護課は、対策として、山に入る際は1人で行動しないことや鈴やラジオを鳴らすなどして、クマを近づかせないようにすること、それにクマを人里に出没させないために廃棄した果物や農作物の管理を徹底することや、クマが侵入できる納屋などに穀物やペットフードを保管しないことなどをあげています。

(クレー射撃モスクワ五輪日本代表、石原敬士さん:栃木)
モスクワ五輪不参加時の選手団で一緒だった柔道の山下(やました)(泰裕(やすひろ))さん=JOC会長=から「ぜひ走ってください」と要請がありました。前回の東京五輪から56年ぶりの大会で、聖火ランナーとして地元の鹿沼を走れることをとてもうれしく思います。五輪は4年に1度の祭典。私は本番に参加できず「幻」でしたが、同じクレー射撃で娘が出場するので頑張ってほしい。新型コロナが一日も早く終息するよう、祝詞の中に盛り込んで祈っています。

(古里の野生動物被害「何とかしないと」:福岡)
福岡県みやこ町の地域おこし協力隊員に23日、同町出身で東京大文学部卒の元塾講師、谷森太輔(だいすけ)さん(34)が就任した。帰省時、実家付近に出没する野生動物の多さに異変を感じ、農産物被害防止とジビエ特産品づくりで故郷に貢献したいと協力隊に応募したという。町の有害鳥獣解体・加工施設と農産物直売所に勤務する。谷森さんは町の山間部、犀川上高屋(さいがわかみたかや)の出身。京都高(行橋市)から東大に進学。卒業後は東京で産業経済紙やITベンチャー企業に勤めたが、みやこ町に住む家族の事情で7年前に帰郷し、北九州市で進学塾の講師をしていた。たまに戻る実家付近では「シカやイノシシが堂々と車道を横切っていて、野生動物が気味が悪いくらい人里に侵入している。何とかしないと」と痛感。町のホームページで協力隊員募集を見つけ今年2月に応募したという。町によると2018年度、町内では約580万円分の農産物が有害鳥獣の被害に遭った。町営の加工所では毎年、計150匹程度のイノシシとシカを処理している。谷森さんの仕事は加工所での解体・加工やジビエ特産品開発、直売所「よってこ四季犀館」での販売や市場調査などだ。動物の解体は未経験だが、特に不安はないという。いずれ猟銃やわなの免許を取り、猟友会にも加入したいと張り切る。ただ、農作物を守るためとはいえ「命を奪う側としては、せめておいしく加工して町のために役立てねば」。また、新聞記者やITの経験を生かし「町のメールマガジンを創刊し、町外に出た人たちに故郷の食をPRしたい」と抱負を語る。任期は1年更新の最長3年間。町の協力隊員は7人目、現職は2人になる。井上幸春町長は「大歓迎だ。できる限りの応援をしたい」と話した。

(捕獲イノシシを肥料に:佐賀)
武雄市山内町の「武雄地域鳥獣加工処理センター(やまんくじら)」に、捕獲したイノシシを乾燥して肥料などにする「イノシシ減容化施設」が完成した。4月から稼働し、農地を荒らす“厄介者”を資源化して循環型社会実現を目指す。武雄市では年間約2千頭のイノシシが捕獲され、センターが長崎県の業者に焼却を依頼してきた。委託が難しくなったため、市と相談して乾燥処理施設整備を計画した。減容設備やベルトコンベヤー、ふるい機などを含めた総事業費は約3千万円で、国が1500万円、県が500万円、市が700万円を補助した。鶏の減容設備をイノシシ用に改良し、最多で20頭程度(500~600キロ)を約100度の熱で4~5時間で乾燥させ、フレーク状にする。フレークには窒素やリン、カリウムが含まれ、肥料や飼料化などを考える。年間の処理経費は100万円程度を見込む。鳥獣加工処理センターは「焼却していたイノシシが資源を生むことになる。ペットフードなど価値の高い商品化も考えてみたい」と意欲を見せる。市農林課は「国の補助など行政と連携したイノシシの乾燥処理施設は全国初ではないか。農作物に被害を及ぼすイノシシを肥料などの成果物に変えて地域に還元したい」と話す。

(胸にツキノワ、くまTシャツ発売:秋田)
秋田内陸線の旅行商品や沿線の土産物を開発する「くまのたいら企画」(北秋田市阿仁、大穂耕一郎代表)が、ツキノワグマをイメージした新商品「くまTシャツ」を発売した。黒地に白い三日月形をプリントし、ツキノワグマの胸の斑紋を表した。同市の打当温泉マタギの湯で販売中。同市阿仁地区は昔ながらのクマ狩猟文化を持つマタギの里。大穂代表は「阿仁といえばクマ。土産品となるTシャツにしたい」とデザインを考え、新潟県十日町市の広告デザイン会社「サンタ・クリエイト」と共同で商品化した。

(ヒトとクマの共生を目指しツキノワグマ保護管理に取り組む:長野)
かつて軽井沢ではクマによる農林業被害や市街地出没などの事例があった。軽井沢を拠点に活動を行なうNPO法人「ピッキオ」では、クマの行動調査やデータをもとに駆除に頼らず被害を防ぎ、人とクマが適度な距離を保ちながら共に暮らすための保護管理活動を行なっている。長野県軽井沢町で自然観察ツアーを行なうとともに、ツキノワグマ保護管理に取り組む「ピッキオ」。ここでは、「人の安全を守ること」と「貴重な野生動物であるクマを絶滅させないこと」の両立を目指して、1998 年よりクマの行動調査を行ない、2004年には日本初のベアドッグ(クマ対策犬)を導入し、クマも人も傷つけない「追い払い」などを行なってきた。ピッキオでは軽井沢町の委託を受け、クマの活動期である6月~11月にかけてクマを安全な方法で捕獲。行動を追跡する電波発信器を装着して、森に戻す前に人間やベアドッグの声、ゴム弾などで威嚇し、人や犬に近づくと怖いと学習させる「学習放獣」を行なう。また装着した電波発信器で行動を追跡して、被害を出すクマとそうでないクマも特定し、誤った駆除なども未然に防いでいる。また、ピッキオは2004 年にアメリカのベアドッグ育成機関 Wind River Bear Institute(WRBI)より、日本で初めてとなる「ベアドッグ」を導入。ベアドッグとは、クマの匂いを察知する特別な訓練を受けた犬のことだ。人里の近くでクマに装着した電波受信器からのシグナルを検知した場合は、スタッフとともに現場に向かい、大きな声で吠えたてる「追い払い」で森に戻るよう促す。また通報を受けて出没現場に駆けつけた際、既にクマが立ち去っている場合でもベアドッグが匂いを元に付近の安全を確認し、万が一電波発信器をつけていないクマが潜んでいる場合でも、匂いでその存在を知らせてくれるため、スタッフは昼夜を問わず安全に活動を行なえる。クマを傷つけることなく人の居住エリアから遠ざけることができるベアドッグは、2代目となる「タマ」「ナヌック」の2頭と、ベアドッグとして日本国内初の繁殖に成功し、タマから生まれた子犬6頭のうち「レラ」「エルフ」の2頭が2019年春から活動に加わっている。さらにピッキオでは、クマが開けることのできないゴミ箱を開発し2003年より公共ゴミ集積所に順次導入した結果、1999年に年間100 件を超えていた被害事例が2009年に0件になり、現在まで1桁台を維持している。

(野味禁止令で波紋、養殖産業も打撃:中国)
新型コロナ肺炎の感染拡大の原因の一つの背景ともいわれている「野味」(中国式ジビエ)の禁食令が波紋を引き起こしている。野味は、中国の伝統でもあり、「医食同源」の思想に基づく健康食ともみられてきた。農家の副業としての養殖産業への打撃も大きい。全国人民代表大会常務委員会はこのほど「野生動物違法交易の全面禁止、野生動物を食べる悪弊をやめ、人民群衆の生命健康安全の切実な保障に関する決定」を打ち出し、中国史上、最も厳しい野味禁止令になるとみられている。北京、広東省(Guangdong)、湖北省(Hubei)など各地でこの決定を受けた関連規定などが打ち出され始めた。「決定」では、主に陸生野生動物を禁食の対象とし、具体的には野生動物保護法に基づくイノシシ、センザンコウ、ハナジカ、スズメ、キジバトなどの名前が挙がっている。養殖のセンザンコウやハナジカ、サンショウウオなども食用禁止となる。魚類や水生生物は今回の決定の禁食リストには入っていないので、影響はあまり受けないというものの、国家重点保護動物に入っていたり、絶滅危惧種である場合は食用が禁止となる。禁食対象を広げすぎると、省内の動物養殖農家に大きな経済損失をもたらしかねない。不完全な統計によれば、2017年段階で、全国の野生動物養殖産業従事者は1400万人以上。野味禁止令は大量の失業者も生みかねない状況だ。食べない人から見れば、「野味」はゲテモノ食いであり、感染症の温床として衛生的にも問題ありと考え、全面禁止は当然と願うかもしれないが、地域の珍味、伝統食・健康食として食べてきた人からみれば簡単には失えない食文化であり、一大産業だ。新型コロナウイルス肺炎で火が付いた野味をめぐる議論は当面、紛糾しそうだ。

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(シカと猟犬が店荒らす、市が慰謝料支払いへ:兵庫)
有害鳥獣駆除作業中に、けがをしたシカと猟犬が店舗兼住宅に侵入して店内を損壊したことに対し、兵庫県丹波篠山市は18日、相手方と和解し、慰謝料20万円を支払う方針を明らかにした。市議会に補正予算案を提出し、即日可決された。市によると昨年4月20日午前9時半ごろ、市の嘱託を受けた鳥獣被害対策実施隊員が山中で猟をしていたところ、銃弾を受けたシカとそれを追った猟犬が同市今田町の飲食店に侵入。店内設備が壊れたり汚れたりしたという。修理費用など約146万円は保険で支払われ、市は慰謝料のみを負担する。市は「駆除作業は山中で行っていたが、シカが思わぬ方向に逃げて人家に入ってしまった」としている。

(豚熱感染防止へワクチンを散布:新潟)
県は18日、豚熱(CSF)の感染防止のため、県内で初めて野生のイノシシへの経口ワクチン散布を糸魚川市で始めた。県内では豚熱の感染は確認されていないが、野生のイノシシから豚への感染が確認され、隣接する富山と長野で感染が確認されていることから、糸魚川市で着手した。

(豚熱ワクチン散布、範囲拡大:三重)
三重県伊賀市で11日に豚熱(CSF)に感染した野生イノシシが初めて確認されたことを受け、県は17日から市内で散布する予定だったイノシシ向けの経口ワクチンの散布場所と時期を変更した。18日から3日間で、市内の約40箇所に計800個を散布する。県は2月に滋賀県甲賀市で野生イノシシの感染が確認されたため、隣接する伊賀市北部に今月17日から5日間、経口ワクチンを散布する予定だった。同市南部で感染イノシシが見つかったため、確認地点周辺にも散布する範囲を広げ、期間を短縮した。また、県内の自治体や猟友会などでつくるCSF経口ワクチン対策協議会は16日に四日市市内で開いた会合で、これまでの北勢6市町や伊賀市に加えて、伊賀市と隣接するる名張、津両市にも経口ワクチンを散布すると決めた。4―5月に散布する予定。

(600戸が停電、原因ともにカラスの巣:山形)
米沢市と寒河江市で22日午前から正午にかけて、電柱上にカラスが巣を作ったことによる停電が相次いだ。東北電力送配電カンパニー山形支社によると、両市内で計約600戸(街路灯などを含む契約数)が影響を受け、米沢市では約1時間15分後、寒河江市では2時間20分後に全面復旧した。寒河江市の道の駅にある「チェリーランドさがえ」は営業を一時見合わせた。同支社によると、いずれも電柱の上にある送電設備にカラスの巣の材料に使われた枝などが接触し、漏電していたことが原因とみられる。チェリーランドさがえでは正午ごろから停電し、一部を除き土産物販売やレストランの営業ができなくなった。停電を知らない人が次々に訪れ、店内をのぞき込む姿が見られた。鈴木正洋専務は「(新型コロナウイルスの影響で)人の動きがまだ多くない中で、せっかく訪れてくれた観光客に迷惑をかけた」と話した。復旧後、営業を再開した。

(国道でクマ目撃、周辺で今年初:北海道)
20日午後4時5分ごろ、苫小牧市丸山の国道276号で、クマ1頭が道路を横断するのを車で走行中の男性が見つけ、苫小牧署に通報した。同署によるとクマは体長1・5メートル。同署へのクマ目撃の通報は今年初。

(住宅街にサル、専門家「近づかないように」:三重)
四日市市の住宅街にサルが現れた。主に山間部に生息しているが、近年は行動範囲を広げているといい、市や専門家は「できるだけ近づかないように」と呼び掛けている。十九日午前九時ごろ、四日市市阿倉川町の自営業田海みどりさん(61)が、自宅の塀にサルがいるのを見つけ、近隣の人が一一〇番した。田海さんによると、サルは二匹。自宅の庭で洗濯物を干していたところ突然姿を現したが、すぐに逃げてしまったという。「まさかこんな所でサルが出るとは」と驚いた様子で話した。現場には、鳥獣対策を担当する市農水振興課の職員らが駆けつけ、周辺の見回りと地域住民への注意喚起をした。市農水振興課によると、生息数はここ数年減少傾向にあり、住宅街にサルが現れるのは珍しいという。同課の永田祐介さんは「むやみに近づかず刺激しないように。適切なごみの処理や、野菜や果物などを放置しないようにお願いしたい」と話す。サルに詳しい東山動物園(名古屋市千種区)の茶谷公一副園長によると、四日市市周辺では北勢地区の山間部や岐阜県の養老山脈にサルの群れが生息しており、近年、新たなえさを求めて行動範囲を広げているという。また、今回のサルの性別は分かっていないが、この時期には、群れの中で勢力争いに敗れた成熟期のオスが群れを離れて移動するケースが見られるという。茶谷副園長は、サルを見かけた場合の対応として「できるだけ目を合わせず、そっとしておくことが被害を最小限にするコツ」と話す。また、「買い物袋を持っている場合は、食べ物を見せないように」と注意を促す。

(イノシシの目撃情報:新潟)
3月20日10時5分頃、朝日地区大場沢集落から日東道朝日三面IC間の県道で、天神岡方面から十川方面へ県道を横断する体長1.0m程度のイノシシ1頭の目撃情報がありました。

(イノシシの目撃情報:新潟)
3月19日16時30分頃、村上地区下相川地内で、体長1.0~1.5mのイノシシ1頭の目撃情報がありました。

(クマ目撃:福井)
3月4日水曜日の午前8時30分頃に長泉寺山遊歩道(西山公園北側の山中)においてクマ1頭を目撃したとの情報が、同日午前9時30分頃市へ寄せられました。

(サル目撃:大阪)
3月23日の9時20分ごろ北中振2丁目3番付近で目撃されたようです。

(サル目撃:大阪)
3月18日・3月23日と、池田市五月丘付近でサルが目撃されています。

(クマと人間、消える境界:山形)
暖冬の影響でクマが冬眠せず秋以降も市街地に出没する事態が全国で相次ぎ、捕殺されるクマの数が急増している。環境省によると2019年度は12月までで5667頭と過去最多を更新。本県も361頭と、ここ10年で最多だった。専門家は「人里での出没はもはや珍しくない。クマに対して、人間社会との境界を伝えるような対策を取るべきだ」と、本格的な春を前に警鐘を鳴らしている。クマの捕獲は狩猟目的以外は禁止されているが、農業や生態系に被害が及ぶ恐れがある場合に認められ、捕殺数は都道府県が生息数を予測して毎年上限を決める。本県の捕殺数は全国最多の692頭だった06年度以降、100頭から300頭未満で推移してきたが、本年度は既に350頭を超えている。今回、全国で大幅に数字を押し上げたのは、福島や秋田、新潟といった隣県で出没や人的被害が相次いだことが背景にある。新潟県では昨年10月に、住宅地で4人が襲われるなど20人がけがをした。3県での捕殺数は計500頭超に上り、緊急対策会議を開くなどしている。暖冬となった今冬、本県では1月に南陽、山形、上山市の市街地で、2月には米沢市でクマが目撃され、既に計8件となっている。過去10年間で冬眠期に当たる1、2月の目撃は1、2件しかなく、県みどり自然課の担当者は「山に雪が少なく異変が起きている」と懸念を隠さない。クマは冬眠しなければ通常よりも約4カ月間分多く食べなければならず、餌を探し回っている可能性がある。クマの生態や狩猟に詳しい東北芸術工科大の田口洋美教授は「農地や森林が放置され始めた30年ほど前からクマは生息域を拡大してきた。もはや“恐る恐る”人里に来るわけではない」と解説し、今後も増え続けると予測する。その上で、捕殺は対症療法にすぎないとして「犬を放して境界を分からせるなど、人間側から『ここまでは来るな』と明確なメッセージを発信するべきだ」と話し、新たな対策を急ぐ必要性を指摘している。

(ICTワナで実証実験:沖縄)
イノシシによるサトウキビなどの農作物被害が後を絶たない状況を受け、石垣市が、ICT(情報通信技術)を活用した移動式の大型囲い式ワナで実証実験を行っている。石垣島北部の平野地区のほ場に2月26日、遠隔監視操作で自動的に捕獲できるワナを設置、効果があるかどうか検証していく。農家からは「このままだと若い農家が農業をしなくなる」と抜本的な対策を求める声が高まっている。農政経済課によると、鳥獣による農作物の被害額は2018年度で約360万円。うちイノシシによる被害は230万円と約64%を占める。ただ、この被害額は、同課が報告を受け調査したもの。「何も変わらない」として報告しない農家も多く、被害額は氷山の一角とみられている。市はこれまで電気柵の導入を行っており、18年度は100基導入した。1基で600-700㌃の面積に対応できるが、これでは足りず自費で購入する農家も。一方で草刈りや電池交換など維持管理が負担になっている。管理不足で電気柵が機能しなくなるケースもあり、万全ではないという。ICTを活用したワナは、6㍍四方を高さ2㍍の金網で囲ったものに、カメラやセンサーなどの機器を設置したもの。200万円の国庫補助を受け、鳥獣被害防止総合対策事業として設置した。中にえさとなる米ぬかを置き、幅2㍍のゲージからイノシシが入ってくるのを待つ。これをセンサーで感知すると、スマートフォンやパソコンに通知、遠隔操作でゲージを降ろして捕獲する。大型ワナのため、群れの捕獲に効果が期待されている。1年をメドに実験を行い、効果が確認されれば増設を検討する。これ以外に、ほ場にワイヤメッシュで囲む対策も有効とされており、今後導入を目指す。大型ワナの設置場所を提供しているサトウキビ農家の山内和男さん(74)=平野=は、50年以上のベテラン農家。「イノシシの被害は広がっており、石垣島全体の問題。電気柵などの対策は経費も手間もかかる。こんなことでは若者が農業をやらなくなるのではないかと懸念している。イノシシ被害を解決すれば収量も上がる。新製糖工場より一番先に解決しなければならない」と訴えている。

(金沢大学周辺でクマ生息調査へ:石川)
金沢市は来年度、クマの出没が相次いでいる金沢大学の角間キャンパス周辺で自動撮影カメラなどを使った本格的なクマの生息状況の調査に乗り出すことになりました。金沢市によりますと、金沢大学の角間キャンパス周辺では今年度、これまでに38件のツキノワグマの出没情報がありました。このうち去年10月には、大学の建物の出入り口のガラスが割られる被害も出ているということです。このため金沢市は、来年度、キャンパス周辺のクマの生息状況を明らかにするため、山林などに自動撮影カメラを設置したり、専門家による現地調査を実施したりするとしています。市は、この費用として来年度予算案に290万円を計上していて、調査結果に基づき、クマの侵入を防ぐ電気柵や捕獲用のおりの設置などを検討したいとしています。金沢市森林再生課は「キャンパス周辺は人通りも多く、人身事故を防ぐために調査を行うことにした。市では、町会が行う電気柵の設置などに対して補助制度も設けており、積極的な利用を呼びかけたい」としています。

(公園、イノシシ被害なく無事オープン:新潟)
昨年イノシシによる被害をうけた上越市の「たにはま公園」が冬の閉園期間を終え今月オープンした。公園では去年11月、イノシシによって土が掘り起こされる被害があった。市は対策として公園を囲むように900mの電気柵を設置、昨年12月上旬から今月15日まで24時間通電していた。その結果、土が掘り起こされた跡はみられずイノシシによる被害はなかったという。公園を管理する地元組合の高橋誠一組合長は電気柵の効果について「最初は不安だったが、今では全くイノシシが出てこない。ドッグランなど別の場所もあるので、今後は電気柵を張る範囲を工夫しても良いと思う」と話した。

(誤捕獲のツシマヤマネコ、けが回復:長崎)
長崎県対馬市上対馬町五根緒地区の山中で野生シカを捕獲するわなに掛かり、負傷した状態で保護されていた国天然記念物ツシマヤマネコの雄の成獣1匹について、環境省対馬野生生物保護センターは20日、けがが回復したとして自然に返した。ツシマヤマネコは2月1日、左前脚がワイヤで締め付けられ、負傷しているのを、わなを仕掛けていた付近住民が発見。同センターで治療し、回復したことから、誤捕獲された付近で自然に放った。ツシマヤマネコは力強く山の斜面を駆け上り、山の奥へと去っていった。同センターによると、ツシマヤマネコが誤捕獲され自然に返される事例は珍しい。山本以智人上席自然保護官は「頻繁にわなの見回りがされていたからこそ助かった命。4月までは繁殖期なので、この雄も世代をつないでくれれば」と話した。ツシマヤマネコの生息数は約100匹と推定されている。

(イノシシ禍でボコボコ地面を修復:石川)
イノシシによって桜並木通りの芝生が掘り起こされていた奥卯辰山健民公園で、整備工事が終わり、ひとまず花見客を迎える準備が整った。イノシシの侵入対策は進んでいないが、応急措置として、新しい土を入れて平らにした。管理する岸グリーンサービス(加賀市)によると、ソメイヨシノはつぼみの状態といい、「今年も家族皆さんで楽しんでほしい」と開花を心待ちにしている。芝生周辺は、花見や遠足シーズンに1日1千~3千人が訪れる名所となっている。昨年10月末ごろから、道の両端に500本以上のサクラが植えられた「千本桜」の芝生がイノシシによって荒らされていた。設置されたカメラには、深夜に動き回る親子とみられるイノシシの映像が残されており、公園内をミミズなどの餌場にしていたとみられる。岸グリーンサービスによると、被害は園内の芝生面積の半分近い約6千平方メートルに及ぶ。当初は掘り起こされた部分を埋めて元通りにしていたが、処理が追いつかないため、ロープを張って人が立ち入らないようにしていた。土を入れる工事は2月末から始まり、立ち入りを制限している場所でも、花見ができるようにした。イノシシは現在、タケノコなどを餌にしているとみられ、園内での被害は少ないという。ただ、凹凸は修復されても、芝生の再生は手つかずとなっている。同社担当者は「様子を見ながら張り替えなどの整備も進めたい」としている。毎年公園で花見をするという広岡2丁目の寺田望さん(42)は「ボコボコの状態を見てどうなるかと心配したが、きれいになっていてよかった。今年も楽しみたい」と笑顔を見せた。

(「父の夢だった国体、僕に継がせてほしい」:大山重隆)
射手がコール(掛け声)をかけると、それに反応して15m前方にある機械が動き、クレーが射手から遠ざかるように空中に飛び出す。クレーは蛍光オレンジに輝く、皿のようなカタチをした陶器で直径は11cm。飛び出す向きは左、右、中央のどれかで、高さもランダムである。射手はすばやくクレーに銃口を向け、引き金を引く。パァーンという乾いた発砲音が響くと、クレーは砕かれて、細かなオレンジの粒となり、バラバラと地面に落ちる。クレー射撃のトラップ種目は、横一線に並んだ5つの射台(射手の撃つ場所)を移動して、クレーを撃破していく。1ラウンドで25枚のクレーを撃ち、2発以内で当てることができると得点となる。大山重隆は昨年のアジア選手権で日本人最高位となり、この種目での東京オリンピック出場が内定した。まずは、クレー射撃の魅力について語ってもらおう。「やっぱり、自分で所持する本物の銃と本物の弾を撃てるということでしょうか。一度、見ていただけるとわかるのですが、引き金を引いたときの衝撃音は迫力がありますよ。やっている本人としては、狙ったクレーに当たったときはヨシッて感じでうれしいし、本当に楽しいんです」。クレーは秒速30mで、空中を射手から遠ざかる。それを秒速300mの銃弾で射貫くのだが、最初に言った通り、方向、高さともにランダムだから、瞬時にクレーを追う視覚が必要だし、銃口を向ける反射神経も大切になる。これだけでも大変なのに気象状況にも左右される。風が吹けばクレーは不規則な飛び方をするし、日差しが強かったり、あるいは暗かったりすれば見えにくくなる。さらに「本物の銃と本物の弾」を使っているので、射手にかかる衝撃がすさまじい。発砲したときに、肩にかかる重量は最大1トンにもなる。「下手をしたら骨折します。だから、衝撃をどう吸収するかが重要になる。初矢(1発目の弾)を外したときに衝撃をうまく流せないと、二の矢(2発目の弾)が安定しなくなりますから。ただ、これは撃っていくなかでわかってくるというか、できるようになる。僕も最初は、銃が跳ね上がって顔に傷がついたり、肩に痣ができたりしていましたからね。同時に大事なのが衝撃を受けてもカラダを安定させられる体幹。これは国立スポーツ科学センターに週2回通って、トレーニングで鍛えています」。大山の練習を見ていると、どうにも軽々とクレーを撃っている感じなのだが、実際は肉体を極限まで酷使する競技なのである。しかし、と大山は言う。「クレー射撃は9割がメンタルの勝負なんですよ」と。大山が銃を手に入れたのは21歳のときだった。ただ、そのときはクレー射撃という競技をやってみたいと思っていたわけではなかった。「父が若いころから射撃をやっていて、結婚を機に選手としての現役を退いたのですが、狩猟をしていたんです。それで、一緒にやらないかって言われて、始めることにしたんです。地元は埼玉ですが、栃木県でヤマドリを狙ったり、北海道ではエゾシカを撃ったり。これは競技と並行して今もときどきやっていますよ」。自分の銃が持てたからといって、一足飛びにハンティングはできない。銃を安全に扱う方法を学ばなければいけないし、そもそも引き金を引くという体験も必要だ。そのために大山はクレーの射撃場へまず行くこととなった。そこで競技と出合う。「やってみたら、なんか面白いんですね。それで、射撃場に通うようになって、ちょっと大会に出てみないなんて誘われるようにもなって。狩猟のシーズンは冬ですから、夏場はクレーをやるようになったんです」。そして、競技にのめり込むようになったのには、もうひとつ理由があった。それが当時のコーチ、小林庸一さんの存在だった。小林さんは埼玉で浦和銃砲火薬店を営んでいる。「(クレーが)出たらすぐ(引き金を)引け、って言うんです。これは普通じゃない。普通は、クレーが出たらその飛んでいくラインを目で追いかけていって引け、となる。ただ、ラインを追うと、引き金を引くタイミングがつかみにくくなると思うんです。クレーも遠ざかっていきますし。だから、パッと反応して、すぐに引き金を引くことが重要なんです。どうしてあんな指導をしてくれたのかあのときはわからなかったのですが、思い切り引くということを最初に教えてもらっていなかったら、今の自分はないと思っているんです」。それにしても、この競技のネックとなるのが競技を続けていくための費用である。まず銃と銃弾が必要。銃弾は消耗品だ。それを保管する丈夫なロッカーも自宅に設置しなくてはならない。そして、警察に行って諸々の手続きをすれば、収入印紙その他で経費がかかる。さらに、練習のたびに射撃場を使用する。この場所は人の少ない、安全な郊外にあることが多い。使用料の他に、車で行けば高速代やガソリン代がいる。「始めたときは大学生だったのですが、さすがに自分一人ではどうにもならない。そこで父に相談したんです。父は国体に出場するのが夢で、それを叶えることができなかった。その夢を継がせてくれないかなって。だから、僕が国体に出て優勝したときには、応援に駆けつけてくれた。目がうるっとしてたんですが、照れくさいのか、“帰るから”ってすぐいなくなっちゃった。僕もうれしくて泣いてしまったのですが、ひとつ恩返しができたと思いましたね」。そして、大山は「今でも給料はすべて競技に使う。結婚できないから、彼女に悪いと思っています」と、苦い顔。しかし、このひたむきさが、3度の全日本選手権優勝の糧となったのだろうし、バルセロナ・オリンピック以来の男子クレー射撃日本代表の内定に繋がっているのである。昨年、アラブ首長国連邦で行われたワールドカップの予選で、大山は忘れられない経験をした。予選を通過して決勝に上がれるのは6人。そして、4位タイには7人が並んだ。その中に大山が入ったのだ。ワールドカップでここまで上位に食い込んだことはなかった。ルールでは、この7人でサドンデスを行い、上位2人が決勝に進めることになる。「サドンデスも初めてで、選手は2発ではなく1発だけ撃って、クレーに当てていく。当たらなかったら、即抜けです。7人中、僕が最後の射手で、見てるとみんなバンバン当てていくんです。“こりゃ、1枚目から外したらマズイぞ”って感じで、どうにか1回目はクリアしたんですが、2回目に外してしまった。サドンデスでは、クレーはランダムでなく、左右、正面、どこに出るかはあらかじめわかっているんです。わかっているクレーに当てていく。これが、簡単なようで、実は難しいんですね」。これこそが、大山の言うところの9割がメンタルという理由なのであろう。射撃場での練習で、出方がわかっているクレーならば、百発百中とまではいかないかもしれないが、かなりの率で当てることができるはずだ。ところが、ワールドカップの決勝がかかっていると、2回目で外してしまう。世界のトップレベルの選手は、技術的にはほとんど横並びだという。ココロの揺れこそが勝敗を左右するのだ。「自分で自分を追い込んでしまうというのが、ひとつのメンタルの弱さだとは思います。普通なら当たるのに、当てなきゃいけないと思ってしまうと、それは外すことが前提で引き金を引くことになる。逆に、当たるでしょ、と思えれば、平然とできるんです。でも、ココロの中っていろいろとあるじゃないですか。だから、はっきりとした答えはない。ただ、ルーティンは大切だと思うんです。練習のときも本番のときも、ずっと同じことを繰り返す。それだけでも、メンタルは安定する方向に向かっていくと考えているんです」。大山は海外でも国内でも、試合のときに行うルーティンは決まっているという。まず、出発の3時間前に起きて、焦らずゆっくりと過ごす。そして、競技スタートの1時間30分前に会場入り。銃を組み立てるなどきっちり時間を決めて、必要なことを行っていく。競技中は、一度正面を向いて、右足から射台に入り、スタンスを決める。一度、銃口を斜めに上げて、銃床を肩に当てる。そして、銃口を下げて構えるのだ。この繰り返しと、これまでの経験(去年のワールドカップのような)によって、大山はメンタルを鍛えてきた。そして、4か月後にはひとつの回答が出るのである。オリンピックだ。「ロンドン・オリンピックから出場を目指してきたので、やっと出られるかもというところまで来ましたね。実はロンドンは見に行っているんです。あの光景は痺れるどころじゃないですね。本当に“何だこれは!”っていう感じ。みんな国を背負っているように見えたし、観客席と射台の間は近いのですが、その間の溝が自分にはとてつもなく深く感じた。射台のほうの世界に行きたいと強く思いましたね。自分の中ではオリンピックまでのプランができているので、それを淡々とやるだけだと思っています。オリンピックでの目標は、まず決勝の6人に残ることですね。そして、決勝まで進んだらメダルを獲りたい。今はやり抜いて、結果を残したいと思うばかりです」。とてつもなく深い溝の向こう側の景色を見る日はもう間もなくだ。

(農家の闘い、鳥獣被害)
わしらが柵の中で暮らしてるようなもんじゃ-。瀬戸内海に浮かぶ大三島(おおみしま)(愛媛県今治市)。柑橘(かんきつ)農業を営む高橋盛正さん(64)が、かじられて散乱したデコポンを手にうめくような声をもらした。“犯人”はイノシシ。約20年前から海を泳いで渡ってきて大繁殖した。集落の山側一帯に柵を設置しているが、侵入して土を掘り返したうえ、実を取り枝を折る。収穫間近の被害は農家にとって死活問題だ。各地で深刻な鳥獣被害が加速している。農家の高齢化、耕作放棄地の増加…。エサ場と化した集落で自由に行動する野生動物と生活を圧迫される農家。その構図を変えようとする取り組みもまた始まっている。「ターン」。犬の声に続いて乾いた銃声が響いた。山の中腹のやぶで耳を澄ましていた猟師の有賀正修さん(74)は「今のは仕留めたやろうな」と、横にいた大学生の芝池宏明さん(20)に話しかけた。猟犬や銃を使い、多人数でシカやイノシシを包囲する「巻狩り」。兵庫県・淡路島の猟友会が今月行った巻狩りに、地元の吉備国際大学南あわじ志知(しち)キャンパスの学生の姿があった。淡路島の全周は約203キロ。一方、島内の田畑の周囲に張られた防護柵の延長は10倍の約1960キロに及ぶ。名産の玉ネギやレタスなどを獣害から守るためだが被害は収まらない。巻狩りは野生動物が犬を怖がって、山の奥に半月近く逃げ込むため、効果が高い。一方で猟友会は60代でも「若手」の状況。ライフルや散弾銃を扱う「第1種銃猟免許」の取得や所持も容易ではない。地域農業を守る猟を続けるための取り組みの一つが若者へのアプローチだった。「あと5年もしたら俺ももう山に入れなくなる。若い人にはいろいろと伝えたい」と有賀さん。大学で狩猟部の副部長を務める芝池さんは「歩きながら足跡などを見つけたり、自然に対する意識がすごく高い。自分もいつか有賀さんのようになりたい」と話した。駆除を「資源」にまで進める動きも活発になってきている。大三島では「しまなみイノシシ活用隊」が発足。ジビエ肉の加工販売、皮や骨を商品として有効利用し、被害額以上の価値を生み出し始めた。シカやイノシシは近年、都心近郊の住宅地や観光地にも出没している。そんな状況を受けて、大阪市内ではシカを解体し、調理まで行うイベントが行われ、都市部の若者や家族らが、自然とのかかわりを学ぶ場になっている。抱える問題は深い。解決する術(すべ)はあるだろうか。世代やエリアを超えた懸命の手探りが続く。

(熊狩り、残る記録写真:富山)
かつて、富山県立山町芦峅寺の猟師たちは、春になるとまだ雪深い山の奥深くへ熊狩りに出向いた。80年以上前の熊狩りの様子を記録した写真が、地元の人たちの間に残っていた。立山黒部アルペンルートの美松坂に立つ関西学院大学立山山小屋の管理人、佐伯重行さん(82)の手元に8枚のモノクロ写真がある。写真には「THE OSAKA ASAHI」の印があった。調べると、1936(昭和11)年5月3日付の大阪朝日新聞に「立山の熊狩」として掲載された写真と分かった。当時のカメラマンが猟師たちにプリントを贈ったものが残っていたとみられる。

(新年度予算で有害鳥獣駆除のカメラ設置費:長野)
長野県白馬村は、新年度の予算案に野生動物を監視する「トレイルカメラ(自動撮影カメラ)増強費」の65万円を計上した。以前は生息していなかったシカやイノシシが村内で激増しているためで、わな周辺の画像がスマートフォンで確認できる。村は有害鳥獣駆除に向けて大きな「武器」としての効果を期待する。村によると、かつて村内にいなかったシカやイノシシが十数年前から確認されるようになった。年々数が増加しているとみられ、2018年度にシカ17頭、イノシシ23頭だった捕獲数が、今年度(2月現在)はシカ76頭、イノシシ50頭とそれぞれ最多となった。水田を踏み荒らし、稲を食べるシカによる農作物の被害だけでなく、牙を持つイノシシが人を襲うなどの恐れもあり、村は白馬猟友会(会員31人)の協力を得て駆除を進めている。ワイヤを使ったわなが効果的だが、駆除対象ではないクマなどがかかった場合は素早くわなを外して放さなければならず、設置場所の見回りが必要となる。

(有害鳥獣から古里守れ:千葉)
いすみ市で、中学生を対象にした狩猟体験会が開かれた。生徒は猟師の案内で民家近くの山を歩き、有害鳥獣が身近な場所に出没していることを確認。繁殖し続ければ古里の自然に悪影響を及ぼすことを実感した。

(無印良品カフェのジビエカレー)
無印良品 全国31店舗の Cafe&Meal MUJI、Cafe MUJI、MUJI Diner 銀座で、きょう3月19日から「ジビエカレー」を通常メニューとして900円(デリ1品付き)で販売する。もともと限定店舗や期間限定で販売していた人気メニューで、日本に生息する野生の猪肉を50%、豚肉を50%使い、猪肉が持つ本来の甘さと旨みをさらに生かせるようにひき肉にし、スパイスの効いた芳醇な香りで深みのある味に仕上げたひと品。一般的にジビエは、猪や鹿など野生動物がきのこやどんぐりなど自然にあるおいしいものを食べて健康に育つため、鉄分などが豊富に含まれ栄養価が高く、味わいのある自然の旨味をぎゅっと凝縮しているのが特長。猪肉や鹿肉は、牛や豚などの畜産肉の普及とともに長らく日本の食卓から遠ざかっていた。日本では牛や豚や鳥を食べる前から食されてきた日本人の歴史に深く関係のある食材。猪・鹿は里山に多く生息し、人間との共生において近年その生息数が多くなりすぎ、農作物への影響や営農意欲の減退による耕作放棄地の拡大などが問題に。また、野生鳥獣による影響をおさえるために捕獲をすすめている。捕獲したもののうち食肉として流通するのは10%程度。ほとんどは焼却・埋没処分されているのが現状。無印良品では、農耕地の保全や里山の循環につながり、中山間地域が抱える現状を知るきっかけにという思いから、ジビエの利用を拡大する取り組みを推進。Cafe&Meal MUJI では、食品安全管理に注力しているパートナー企業と協業し、食肉として捕獲から加工まで一貫してトレースすることで、安心安全なジビエを提供していく。

(「本物の味」で農林水産大臣賞:三重)
伊賀市西明寺の食肉製品製造と食肉卸業「サンショク」の松井陽樹社長(70)が、一般財団法人食品産業センターなどが主催する「第41回食品産業優良企業等表彰」のマイスター部門で、農林水産大臣賞に輝いた。同社の「つるし焼豚」や「伊賀乃國忍者携帯食・干し肉」などの開発が評価された。同部門は食品の加工製造で高度な技術・技能を持つ人が表彰されるが、松井社長は「社員みんなの力のおかげ。代表して賞を受けた。感謝しています」と喜びを語った。

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(アフリカ豚熱収まらず、相次ぐ肉持ち込み)
アフリカ豚熱の侵入リスクとなる違法な豚肉製品の持ち込みに歯止めがかからない。アフリカ豚熱は62カ国で発生しているが、発生国からの渡航者全員に探知犬をあてがうことは難しいのが状況だ。日本への肉製品の違法持ち込みは年間11万件を超えており、一層の水際対策の強化が問われている。2005年以降に報告があったアフリカ豚熱の発生国はアフリカ30カ国、アジア12カ国・地域、欧州20カ国の計62カ国・地域。うちチェコは清浄化した。アジアではベトナムの感染が深刻で、中国では全土で広がっている。一方で韓国は野生イノシシで発生しているものの、昨年10月以降は、養豚場では発生しておらず、封じ込めに一定の効果を見せている。農水省によると、探知犬は成田や羽田、関西などの10空港で合計53頭。全ての便を見ることはできず、中国便であっても抽出して検査する。同省によると、海外からの入国者による肉製品の違法な持ち込みは19年で11万58件、69トンに上る。違反品を確認した場合、警告書を出し、刑事告発をする場合もある。昨年4月から始め、3月上旬までの過去1年で警告書は1000件に上った。さらに、18年8月から今年2月までで、アフリカ豚熱ウイルスの遺伝子が検出されたのは88件で、うち2件は感染性があった。農水省は「水際で止めることだけでなく、違法な肉製品を持って来させないよう情報発信を強化していく」と説明している。

(2年連続でツキノワグマ出没注意報:岩手)
これからの時期、人里にツキノワグマが多く出没する可能性が高いとして、県は18日、「出没注意報」を発表しました。発表は2年連続です。県自然保護課によりますと、ツキノワグマは、山のブナの実が不作になると餌不足で行動範囲が人里まで拡大する恐れがあるとされています。今年度はブナの実が不作で実際にクマの出没が増えていて、2月末までの有害捕獲は2013年度以降で最多となる352頭となっています。この冬は雪が少なかったことから冬眠明けのクマの活動が早まる可能性が高く、県は来年度も引き続き注意する必要があるとして、「ツキノワグマの出没に関する注意報」をきょう発表。山に入る場合はなるべく1人で行動せず、鈴やラジオなどを携帯することのほか、家の周りに食べ物を置かないよう呼びかけています。

(豚熱ワクチン散布:三重)
三重県伊賀市で11日に豚熱(CSF)に感染した野生イノシシが初めて確認されたことを受け、県は17日から市内で散布する予定だったイノシシ向けの経口ワクチンの散布場所と時期を変更した。18日から3日間で、市内の約40箇所に計800個を散布する。県は2月に滋賀県甲賀市で野生イノシシの感染が確認されたため、隣接する伊賀市北部に今月17日から5日間、経口ワクチンを散布する予定だった。同市南部で感染イノシシが見つかったため、確認地点周辺にも散布する範囲を広げ、期間を短縮した。また、県内の自治体や猟友会などでつくるCSF経口ワクチン対策協議会は16日に四日市市内で開いた会合で、これまでの北勢6市町や伊賀市に加えて、伊賀市と隣接するる名張、津両市にも経口ワクチンを散布すると決めた。4―5月に散布する予定。

(一部列車に遅れ:宮崎)
17日午後0時45分ごろ、JR日豊線延岡―北延岡間で列車がシカと衝突した。この影響で、同線の上下列車の一部に11~23分の遅れが生じた。

(民家でイノシシ1頭の目撃:熊本)
熊本県警御船署は17日、益城町平田の民家で同日午前9時半ごろ、イノシシ1頭が目撃されたとして、メールで注意を呼びかけた。署によると、この周辺では度々、イノシシが目撃されているという。

(海岸近くの山にクマ出没!?:和歌山)
日高町小浦でこのほど、クマとみられる動物の目撃情報があった。地元の人によると、今月1日午後5時ごろ、大阪から帰省していた20歳ぐらいの学生(男性)が小浦崎に釣りに出かける途中、山の斜面に黒いクマらしき動物を目撃した。場所は小浦漁港から西へ海岸沿いに約500㍍。距離は数十㍍離れていたため、大きさなどははっきりと分からず、すぐに山の中へと逃げて行ったという。町では同区にチラシを配布しているほか、漁港近くの海岸への進入路手前に張り紙=写真=をするなどして注意を呼びかけている。その後、目撃情報は出ていないが、2年前にも池田地内の国道でクマが出たという情報があった。県によると、日高地方では昨年12月に日高川町でツキノワグマが3回捕獲されたが、日高町内でのクマの捕獲はこれまでない。

(土壌の除染とイノシシ対策に追われる「帰還困難区域」:福島)
3月に入り、双葉、大熊両町の帰還困難区域の一部では避難指示が解除(双葉町は初)された。これまで年間被曝(ひばく)線量が20ミリシーベルト以下になっていないとして国は立ち入りを制限してきた地域。今後は「特定復興再生拠点区域」として、宅地や産業インフラの開発が進むことが期待される。長年にわたり、人けがなくなった帰還困難区域ではイノシシなど野生動物も増殖した。環境省が双葉、大熊、富岡、浪江の各町と葛尾村にワナを設置したところ、これまでに約5000頭ものイノシシを捕獲したという。避難指示が解除された地域もまだ一部。事故から10年目を迎えようとしているが、原発周辺地域はいまだ除染後の処理とイノシシの駆除に追われている。

(イノシシ捕獲最多752頭、10年前の20倍以上:岡山)
農作物被害や住宅街への出没が多発しているイノシシ。玉野市内の捕獲頭数が2019年度、752頭になった。

(これが36匹目ですわ:和歌山)
昨年11月1日から始まったイノシシとニホンジカの狩猟期間が15日終了し、最終日に印南町の稲原平野班(平野勇班長)が見事大物のイノシシを仕留めた。朝からメンバー12人と狩猟犬4匹で山口の山に入り、狩猟犬がイノシシを追い出したところを岡本克己さん(53)が猟銃を撃ち、2発で仕留めた。重さ85㌔の雄。同班では今シーズン、イノシシ36匹、シカ31匹を捕獲。昨年12月14日には自身が超大物135㌔のイノシシを仕留めたという平野班長は「例年に比べ捕獲数は減っているが、事故もなく安全に狩猟期間を締めくくれてよかった」と話していた。

(メダカ1万匹が消えた!"意外な犯人”確保:福岡)
福岡県朝倉市で、珍しいメダカなどおよそ1万匹が姿を消しました。窃盗が疑われましたが、防犯カメラに映っていたのは意外な犯人でした。がっくりと肩を落とすのは、福岡県朝倉市でメダカの飼育・販売をしている熊谷誠治さんです。こちらのハウスでは2020年に入ってメダカが日ごとに姿を消し、ついには全体の半分にあたる1万匹以上がいなくなりました。熊谷さんは2018年もおよそ200匹を盗まれる被害に遭ったばかり…。今回は、4月の展示会に出品予定だった1匹数万円の品種も狙われました。暗闇の中、現れたのは…なんとアライグマです!メダカの水槽に次々と顔を突っ込んでいきます。盗まれたと思われたメダカはアライグマの餌食になっていたのです。意外な犯人に驚いた熊谷さんでしたが、食パンを入れたわなを設置したところ、数日後に「犯人」確保に至りました。これにて一件落着!かと思われましたが…「事件」はこれで終わりませんでした。なんと、16日も別のアライグマがわなにかかったのです。周辺ではブドウ農家もアライグマによる被害を受けているといい、農業への被害も深刻化していました。本来、日本にいないはずのアライグマ。野生化した原因は人間にあるだけに、外来生物の飼育・管理のあり方が改めて問われています。

(害獣撃退ロボ、作物守れ:石川)
イノシシなどから里山の農作物を守るため、金沢工業大と県立大、金沢市のNPOなどが動く鳥獣対策ロボットを試作した。動物を見つけると音や光を発して撃退する。手軽に設置でき、農作物の被害を減らす役割が期待されている。害獣対策はこれまで、畑を電気柵で囲うなどの方法が一般的だった。雪に弱く毎年付け替える必要があるほか、設置するのに手間がかかるのが難点だった。金沢工業大工学部の土居隆宏准教授(46)の研究室が、ロボットを開発。木々の間に張ったベルトの間を動き、搭載された小型カメラで動物を見つけると、標的を音や光で撃退する。約一・四キロと軽量で、誰でも簡単に使えるようベルトへの着脱は簡易なバネのふたにした。土居准教授は「ロボットが動くとイノシシなどの動物は警戒する」と手応えを語る。ロボットは動く物すべてを認知するため、今後は動物のみを判別するように改良を進める。NPOみんなの畑の会(金沢市)と県立大の大井徹教授が獣害対策のアイデアを出した。土居准教授は「構造もシンプルで作りやすい。実用化して里山で広がれば」と期待する。県によると、県内の二〇一八年度の野生鳥獣による農作物被害額は約一億三千万円に上り、うちイノシシの被害が九割を占める。〇九年度からの十年間で、加賀地方の被害額は一・三倍に、能登地方では六十七倍にも増加。一六年度以降は能登地方が加賀地方を毎年上回っている。大井教授は「加賀地方で増えたイノシシが新たな生息地を求め、雪が少なく耕作放棄地が多い能登地方へ北上した」と説明する。

(小学生がエゾシカによる農業被害などの事例発表:北海道)
北海道内のエゾシカ(推定60万頭)による農産物や樹皮食害などは依然として拡大傾向にある。道は侵入防止柵や忌避剤散布などさまざまな対策を講じているが、エゾシカの生息数は一向に減る気配はない。それで、ジビエブームに乗って、“駆除”されたエゾシカの肉を有効利用することも考えられている。自然の生態系を守ることを目的としたNPO法人エゾシカネットは創立5年を契機に1月12日、子供たちを対象とした自然学習イベントを、札幌市北区民センターで開催、機会あるごとに発表の場を設けている。同センターで開かれた設立5周年記念の集いでは、これまでの活動事例として5人の小学生による発表があった。

(「阿仁マタギ」テーマのCD完成:秋田)
秋田県北秋田市の伝統的狩猟集団「阿仁(あに)マタギ」をテーマにした曲を収めたCD「マタギの玉手箱」が完成した。秋田内陸縦貫鉄道などでつくる北秋田地域素材活用推進協議会が3千枚製作。保育所から高校までの県内約700校に1枚無償で提供する。地元では、「阿仁マタギ」の日本遺産認定を目指している。マタギが自然とともに育んできた山ノ神信仰の文化や自然崇拝の精神性について多くの人に知ってほしいと製作した。収録曲は「マタギの玉手箱」、「鳥追い」、「月の輪ぐま のりちゃん」の3曲。マタギの里として知られる同市阿仁根子に住むシンガー・ソングライターの本城奈々さん(33)に書き下ろしを依頼した。

(ジビエ加工施設がペットフード商品化を目指す:新潟)
上越市の柿崎ブーシェリー(森本祐造代表)は、地元で獲れたイノシシやシカなどを解体し食肉加工する施設。今年2月には同市の料亭、長養館でジビエ(狩猟肉)料理の食事会が開かれ、同工場で処理した肉が使われた。東京都内の1つ星レストランにも卸している同工場では、現在、ジビエのペットフードがブームなことから、将来的には商品化を目指している。同工場がある同市柿崎区ではイノシシによる農作物被害が問題になっていたため、銃で撃ったり、わなを仕掛けたりしてイノシシを捕まえている。無駄な命を出さないように活用したいと森本代表の自宅敷地内に工場を建設した。地元住民や新潟市の飲食店関係者4人で立ち上げ、2017年12月末から稼働している。森本代表は狩猟免許を持ち、自らも獲物を捕らえる。九州と石川県のジビエの食肉処理施設で研修を受け、解体技術を身につけた。

(おしゃれな空間で味わう本格ジビエ:千葉)
千葉市稲毛区小深町にあるcobuke coffee(コブケコーヒー)。外観は倉庫のような雰囲気ですが店内に入ると、グリーンが点在していて落ち着く空間です。そんな中で頂いたのは数量限定の「あらいぐま」。(必ずあるとは限りません。)こちらのお店では君津産のジビエを取り扱っており、イノシシ、時にはキョン(鹿の仲間)なども食することが出来るのです。

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(野生イノシシからCSF陽性反応:愛知)
県は13日、回収された野生イノシシ13頭のうち新城市の2頭、設楽町の1頭からCSF(豚熱)遺伝子検査で陽性反応が出たと発表した。 県野生イノシシ対策室によると、3頭はいずれも雄。うち2頭が成体、1頭が不明だった。

(最大規模のサルの群れ分裂か:京都)
京都府南部の山城地域でサルによる農作物の被害が広がっている。同地域には府内最大規模の群れがいるとみられるが、近年は計画的な捕獲が行われていない。群れが分裂している可能性もあり、家庭菜園や家屋への被害も発生。府山城広域振興局は市町村と「山城地域ニホンザル被害対策広域協議会」を発足し、広域連携を強化して対策に乗り出している。井手町多賀の観光農園7軒でつくる「山城多賀フルーツライン」。最も山手に位置する村田源人さん(68)のミカン農園は昨秋、11月末までの営業期間を2週間ほど残して営業を取りやめた。サルによる大規模な食害があったためだ。例年は千人にもなる利用客は半数程度にとどまった。村田さんによると、サルが農園を荒らすようになったのは10年ほど前。2011年度に府や宇治田原町が連携して一斉捕獲を行った後は一時姿を見せなくなったものの、数年前から再び出没するようになった。当初は柿を食べていたが、2年ほど前からはミカンにも手を出すようになったという。20~30匹、多いときには50匹ほどの群れでやって来ては、食い散らかしたオレンジ色の実や皮を散乱させて去っていくという。「腹は立つし、掃除をしていると情けない気持ちになる」。電気柵などを準備しているが、シカやイノシシに比べて対策は難しく、頭を悩ませている。府山城広域振興局によると、19年度の山城地域のサルによる農業被害額は前年度比15.0%減の819万円。このうち6割超を占める和束町をはじめ、多くの自治体で被害額が減った一方、井手町では158万円と1.6倍に。これまで被害報告の無かった城陽市にも出没し始めるなど、活動範囲が広がりをみせている。山城地域には6群れ、420匹が生息しているとみられ、中でも和束B群(推定200匹)は府内最大級とされる。しかし、11年度の一斉捕獲に続く取り組みが無く、各市町村が独自に追い払いなどで対処してきた。その結果、群れが分裂し、これまで影響の少なかった地域へ被害が拡大している可能性があると同振興局はみる。家庭菜園が荒らされたり、屋根や樋を壊されたりと統計には計上されない被害も多数起きている。このため、同振興局と木津川市、宇治田原町、笠置町、和束町、南山城村が昨年7月に協議会を立ち上げ、今後、井手町も加わる見込みだ。19年度は、自動的に位置情報を記録するGPS発信器や、受信機で位置を把握する電波発信機を木津川市や宇治田原町、和束町、南山城村で確認された群れのサル計4匹に取り付けることに成功。群れの規模や動向の把握に努めている。府から自治体へ捕獲用具を貸し出す仕組みを設けたり、正しい追い払い方法を伝えたりもしている。同振興局は「サルへの対策は同じ方針を持って広域で連携していくことが大事。自治体との信頼関係を深め、群れが正確に把握できれば、速やかに捕獲に乗り出す」としている。

(3300戸一時停電:愛媛)
14日午前7時45分から、愛媛県松山市南部で約3300戸が14分、停電した。四国電力によると、電柱上部にカラスが作ったとみられる巣があり、一部が電線と接触したのが原因。枝松、来住町、北久米町、小坂、土居町、福音寺町、南久米町、南土居町、今在家で停電が発生した。

(変電所で火花、カラスの巣作りが原因か:福岡)
福岡市西区の九州電力の変電所で13日、電線がショートし一時煙があがりました。犯人は「巣作りをするカラス」だったとみられています。13日午前9時すぎ、福岡市西区の九州電力今宿変電所で「バチバチと音がして焦げ臭い匂いがする」と煙が上がるのをみた警察官から消防に通報がありました。消防が駆けつけると、煙は出ていませんでしたが鉄塔の下に焦げた木の枝が落ちていました。変電所には予備の送電線があったため大規模な停電は発生しませんでした。調査した九州電力はカラスが巣づくりのために運んできた枝が電線に触れショートしたことが原因とみています。今月7日には福岡市南区大楠で電線がショートし周辺の約2300戸が停電しました。この時もカラスの巣が電線に触れたことが原因とみられています。毎年3月から5月頃にかけてはカラスなどの鳥が電線や電柱に巣をつくることが増えるということです。九州電力では「電線などに鳥の巣を見つけた時は最寄りの営業所などに速やかに連絡してほしい」と呼びかけています。

(若者が狩猟知るきっかけに、体験会の継続開催を検討:兵庫)
イノシシやシカによる農作物被害が相次ぐ中、兵庫県南あわじ市が狩猟体験会の開催に取り組み始めた。島内では、わなによる狩猟は増えているが、銃を用いるハンターは逆に減り続けている。田畑の近くだけでなく、山に入って頭数を減らすことも必要となる中、若い人にも狩猟を知るきっかけにしてもらおうと、今後も継続開催を検討している。野生動物による同市内の農業被害は2018年度で約578万円。19年度は狩猟期間(11月15日~翌年3月15日)以外の有害捕獲期間に捕獲されたイノシシが前年より千頭以上多い1895頭に上り、農作物被害も増える見通しだ。食い止めるためには狩猟で頭数を減らすことが欠かせない。狩猟には免許を取得し、狩猟者登録をする必要がある。県洲本農林事務所によると18年度、わなの登録数は島内で352件あり、10年前の3倍に増加。農家自ら取得するケースが増えているとみられる。一方、銃猟をするための第1種登録は138件と、10年前の約6割に落ち込む。担当者は「個体数を減らすためには、わなと銃の両方をうまくかみ合わせていく必要がある」とするが、銃猟の場合は免許を取るだけでなく、銃の所持許可や教習の受講なども必要となるため、その難しさや家族の理解の必要性から、取得する人が少ない。南あわじ市では、吉備国際大狩猟部の学生が農作物被害を減らそうとしており、相談を受けた同市は、若者に銃猟を知るきっかけにしてもらおうと初めての体験会を計画。1日に開かれた初回には、学生5人や免許を取得したばかりの人などが三原猟隊に同行した。犬で山からイノシシやシカを追い出す「巻き狩り」で、学生らは山を走り回る役や、仕留める役を見学。狩猟部1年の男子学生(19)は狩猟歴56年の男性(80)に同行し、ふんや足跡などのフィールドサインや待ち構え方などを教わった。三原猟隊は平均年齢70歳前後となっており、獣害の軽減だけでなく、巻き狩りなど狩猟文化の継続も課題といい、男性は「これから銃を持つなら何よりも安全第一にしてほしい」と話していた。同市は今後も体験会を続ける方針で、「銃猟の登録者が減る中で、広く狩猟体験ができる場を提供していきたい」とする。

(ニホンカモシカなど5種、希少動植物に指定検討:大分)
県はニホンカモシカや種子植物のエヒメアヤメなど計5種を県条例に基づく希少野生動植物に指定することを検討している。動物は他種との競合などによる生息環境の変化、植物は愛好者の採取などで個体数が減り、県内で絶滅の恐れが高まっているという。指定案を県ホームページなどで公開し、17日まで県民から意見を募集している。県によると、他の3種は▽鳥類 オオジシギ▽種子植物 サギソウ、アズマイチゲ。ニホンカモシカは国の特別天然記念物。体長90~110センチほど。祖母・傾山系に生息する。分布を拡大するニホンジカとの競合で数が減っている。飯田高原や日出生台(ひじゅうだい)で見られる夏鳥のオオジシギは生息に適した草原、牧草地が減少。確認できる数が「非常に少なくなった」という。エヒメアヤメ(アヤメ科)は4、5月頃に紫の花を咲かせる多年草。高さ20~25センチほど。国東地区や九重、由布・鶴見の火山群、別府湾沿岸に分布し、宇佐市の天然記念物に指定されている。野焼きを中止するなどした地域で草原が森林化し、生育地が縮小。コレクターによる採取もあり、絶滅の危険性が高い。耶馬渓や国東などの丘陵地で白い花を咲かせるサギソウ(ラン科)、九重火山群などで見られるアズマイチゲ(キンポウゲ科)も候補。採取が原因で消滅寸前の生育地もあるという。県自然保護推進室は「寄せられた声を踏まえて手続きを進め、夏ごろには指定したい」と話した。

(クマとの共生方針を示したビジョン策定:秋田)
人里に出没したクマに人が襲われる被害が増えていることを受けて、県はクマとの共生方針を示したビジョンを策定しました。クマと人との棲み分けを図るゾーニング管理を推進するほか、イヌを活用した追い払いなどを検討します。共生ビジョンはクマとの共生を目指す上での基本理念や方針をまとめたもので、野生鳥獣や動物の専門家などでつくる協議会が検討を重ね、県が初めて策定しました。共生ビジョンの中では、基本方針として人間の生活圏にクマを近づけないこと、危害を及ぼすクマは管理すること、人間の生活圏に侵出してくるクマの抑止力として一定の狩猟を行うことなどが盛り込まれています。具体的な取り組みとしては棲み分けを図るゾーニング管理の推進、イヌを活用した追い払いの検討、最新機器を使った捕獲の効率化を進める方針です。共生ビジョン策定協議会の委員長で東北芸術工科大学の田口洋美教授は「日常からクマを寄せ付けないということを前面に押し出していく社会的な運動を始めなければいけない。人間が圧力をかけていき、戦術として使いこなすのがビジョンのコアになる。」と話していました。県は、新年度専門家による研究会を立ち上げて、イヌの活用など具体的な対策を検討することにしています。

(イノシシよけに電気柵設置:新潟)
上越市立潮陵中(田中和人校長)の周辺に昨年秋ごろからイノシシが出没し、グラウンドに穴を開ける被害が発生している。11日にイノシシよけの電気柵を設置する工事が行われた。

(「くくりわな」に気を付けて:栃木)
里山のレジャー中は、里山や沢沿いに潜む「わな」に注意を-。県自然環境課は釣り愛好家や山菜採りを楽しむ人々が里山に入る際、イノシシやシカなど有害鳥獣を捕獲する「くくりわな」に引っ掛からないよう注意を呼び掛けている。くくりわなは、ワイヤが取り付けられた踏み台に足などが沈み込むとバネの力でワイヤが締まって足などを捕らえる仕組みとなっている。雑木林や獣道、沢の近くに仕掛けられていることが多い。

(農家有志が地区まとめ猪防除:山口)
猪の被害に悩まされてきた山口県防府市佐野の七尾地区では、国・県の支援事業で材料支給された侵入防護柵1.5キロを、住民が自分たちで設置。日頃の点検・補修も欠かさず、農作物の被害がなくなった。全50世帯のうち農家は32戸。非農家、兼業農家も多いがチーム(地区)をまとめるのは農家有志だ。同地区には6.8ヘクタールの農地があり、水稲と野菜が栽培されている。猪は北側の山林から侵入し、昼間に目撃されることもあった。作物を荒らすだけでなく、地区内には小学校もあるため、保護者からも心配する声があがっていた。山林と農地の境界線に防護柵を設置したのは、2017年11月から2018年2月にかけて。事前に住民3人が県主催の鳥獣被害対策研修を受講。集落環境調査の方法も学び、地区内の被害状況を調査。猪の出没箇所を地図に記入し、工事を進めた。事業の要件は住民の力だけで設置することと、隣接する江良地区の防護柵2.5キロとつなぐこと。2メートルの幅を取って縄張りするため草刈りから始めたが、山林所有者の中には不在地主で地元の事情を理解せず、設置に難色を示す人もいたという。地区住民をまとめ、山林所有者の説得に当たり、率先して設置工事に参加したのが、約10人の「有志」だ。環境に配慮し、防護柵は金属製の青色。大部分は山林の内側に張ったため、集落内の道路からはほとんど見えない。それまでは、農家がそれぞれ水田や畑をトタン板や電気柵で囲っていたため景観が悪かったが、それらは全て取り払われた。

(「薬草の宝庫」伊吹山、シカの獣害深刻:滋賀)
古くから薬草の宝庫として知られる滋賀、岐阜両県にまたがる伊吹山(一、三七七メートル)の自然が危ない。ここ十年ほどでシカなどによる植生への獣害が深刻化している。山頂の花畑をはじめ、行政や市民団体が植生の保全活動を進めるが、待ったなしの状況が続いている。平安時代に編さんされた「延喜式」には、宮中に伊吹山の薬草が献上された記録が残っている。場所は分かっていないが、織田信長が宣教師の勧めで、三千種の薬草を植えた薬草園があったとも言われている。気象的、地理的な条件から、固有種や北方系植物など約千三百種類の植物が群生している。二〇〇三年七月には、「お花畑」として親しまれる山頂草原植物群落が国の天然記念物に指定された。米原市によると、獣害が深刻化してきたのは十年ほど前から。温暖化で雪が少なくなり、餌を求めるシカなどの動物が次第に山頂付近まで登り、一帯の植物が食い荒らされるように。現在は、両県の七つのルートからシカが上がってくることも確認されている。花畑を守ろうと市は、一四年から周囲全長三キロにわたって、金属やネットの保護柵で囲い込むことに。シカの侵入は防げるようになったが、ネットは雪や強風に耐えられないため、十一月にネットをいったん下ろし、四月中旬にまた張り直すため手間がかかる。柵の購入費など保全に充てる入山協力金をどのように集めるかも重要だ。県と市は〇七年度末に、伊吹山を守る自然再生協議会を設立し、植生の再生に向けて協議を重ねている。今年二月の協議会ではシカの駆除や、荒れた環境に負荷を掛けるトレイルランイベントの実施について話し合った。「ユウスゲと貴重植物を守り育てる会」は、伊吹山ドライブウェイ利用者にも協力を呼び掛けるなど入山協力金の徴収方法を提案した。「『昔あった花畑はどこにあるの』なんて聞かれるようになった」と話すのは、伊吹山もりびとの会の西沢一弘会長(76)。同会は登山道の整備や観光客のガイドをしている。「花がたくさんあったころを知る人たちから心配する声もある。かつての観光客が楽しめるよう元に戻していきたい」と願う。

(シカの死体に群がる動物たち:東京)
国立大学法人東京農工大学大学院農学府自然環境保全学専攻の稲垣亜季乃大学院生(修士課程、当時)、農学研究院自然環境保全学部門の小池伸介准教授、イリノイ大学Maximilian L Allen准教授、東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科の山﨑晃司教授らの国際共同研究チームは、ニホンジカ(以下、シカ)の死体は、様々な種類の脊椎動物によって食べられることで消失していくことを明らかにしました。この結果から、日本の森林において、タヌキやツキノワグマ(以下、クマ)などは死体を分解する、という重要な役割を担っているという新しい知見が得られました。動物の死体は捕獲などのコストをかけずに得ることが出来る高栄養な食物資源であるため、様々な動物(以下、スカベンジャー)が死体を食物として利用します。死肉を食べることをスカベンジング(注1)と言い、生態系の維持や物質循環の上で重要な役割を担っています。ところが、ハゲワシなどのスカベンジングに特化した動物がいない日本などでは、どのように大型動物の死体が消失するのかはよくわかっていません。一方で、近年の日本ではシカやイノシシなどの大型動物の数が急激に増加しています。本研究では、日本における大型動物死体のスカベンジャーになりうる動物種の把握と、それらの動物による死体の利用状況を調べました。2016年から2017年にかけて栃木県内の森林において、死後直後のシカ死体42個体を設置し、自動撮影カメラを用いることで、死体の消失過程を記録しました。得られた撮影記録から、シカ死体を食べた脊椎動物種を特定するとともに、シカ死体への訪問の頻度、シカ死体に訪問したうち、実際にスカベンジングを行った訪問の頻度、スカベンジングを行っていた時間を算出しました。また、それらの季節(夏:6~8月、秋:9~11月)による違いも検証しました。映像からは、クマ、イノシシ、タヌキ、キツネ、ハクビシン、テンの哺乳類6種、そしてクマタカ、トビ、ハシブトガラスの鳥類3種、合計9種がシカ死体のスカベンジングを行っていることが明らかになりました)。また、スカベンジングは、哺乳類の方が鳥類よりも多く観察され、特にタヌキとクマが最も頻繁にシカ死体に訪れ、スカベンジングを行っていました(図2)。また、いくつかの種ではスカベンジングの状況が季節によって異なりました)。例えば、クマは夏から秋にかけてシカのスカベンジングが減少しており、冬眠に備えて大量のエネルギーを効率よく摂取する必要がある秋には、脂肪分が高く、まとまって実るドングリを優先して食べていると考えられます。このように、動物によっては、他の食べ物の存在がスカベンジングに影響を与えている可能性が考えられます。本結果より、ハゲワシのようにスカベンジングに特化した生き物が存在しない地域では、様々な脊椎動物がスカベンジャーとして大型動物の死体を分解するという重要な役割を果たすことで、物質循環などを通じて生態系が健全な状態であり続けることに貢献していることが明らかになりました。一方で、近年の日本ではシカの急激な増加による植生の改変などの生態系への影響が大きな問題となっています。本結果で様々な動物がシカ死体のスカベンジングを行っていたことから、シカの急激な増加はこれらの動物の本来の生態を変えてしまう可能性があります。シカの管理を行う上では、他の動物種の保護管理と彼らの生息地である森林の管理を同時に考えていく必要があることを強く示唆しています。

(人間による餌付けが野生動物のコミュニティから「社会的なつながり」を奪ってしまうという研究結果)
人間の生活圏が広がるにつれて野生動物との遭遇も頻繁になっており、中には野生動物に対して餌付けを行う人もいます。オンラインの学術雑誌であるNature Scientific Reportsに掲載された新たな論文では、「人間の餌付けによって野生動物のコミュニティに悪影響を及ぼす」と報告されました。野生動物の中でも、特にサルの多くは人間による餌付けをよく理解しており、観光地の近くでは道路のすぐそばにサルが集まり、人間がエサをくれるのを待っている光景も見られます。インドネシアのスラウェシ島にのみ生息するムーアモンキーもその一種です。しかし、今回の論文の筆頭著者でありジョージア大学の博士課程に在籍するKristen Morrow氏は、「人間からごほうびのエサが与えられることがあるのは確かですが、これは危険な行動なので、野生のサルは一般的に人間に対して慎重です」と指摘。そこでMorrow氏らの研究チームは、エサをもらうために人間へと近づくサルたちの行動が、サルの社会集団に与える影響について調査することにしました。ムーアモンキーは森林を通る道の周囲に集まり、道を走る車の運転手が投げ与えるエサをもらおうとします。研究チームは2016年8月から2017年1月にかけて、合計1200頭ものムーアモンキーを対象に、各個体の位置情報や行動についてのデータを収集しました。データが収集された時間は1週間当たり6日、1日当たり6時間であり、追跡が行われたのは合計で565時間に及ぶとのこと。データを分析したところ、人間からパンやフルーツ、ポテトチップスなどのエサをもらおうとするムーアモンキーはオスが多かったそうです。また、群れの内でも大きな影響力を持つムーアモンキーは、より頻繁にエサをもらいに行っていることも判明しました。合計して、人間からのエサを期待するムーアモンキーが道路のそばに近づく時間は全体の20%ほどであり、残りの80%ほどは道路から離れた森林で過ごしていたとのこと。確かに人間に近づくことはエサをもらえる可能性を高めましたが、道路のそばにいるムーアモンキーは森林にいる時と異なる行動をとることもわかったとのこと。「サルがエサをもらおうとして道路のそばにいる時は、個体間の社会的なつながりが少ないことがわかりました。この変化は、お互いの毛づくろいや他の個体の近くでくつろぐといった、ポジティブな相互作用の機会が減少したことを示します」と、Morrow氏は述べています。ムーアモンキーにとって、群れとしての社会的なつながりは健康・寿命・生殖の成功・子どもの生存率向上といったさまざまな面で重要な役割を果たします。しかし、人間の餌付けによってムーアモンキーの行動が変化した結果、これらの有益な社会的つながりが損なわれ、ムーアモンキーの社会構造を根本的に変えてしまう可能性があるとMorrow氏は指摘しました。サンディエゴ州立大学の人類学教授であるErin Riley氏は、「私たちの研究により、ムーアモンキーは食料を受け取ることの利点が、人や車の近くにいることのリスクを上回ると判断していることが示唆されました」とコメント。ムーアモンキーの保全活動において、人間たちが餌付けのデメリットを理解して、行動を変える必要があるかもしれないと指摘。Morrow氏は「この研究は、ムーアモンキーのコミュニティと人間の相互作用が及ぼす潜在的な影響について教えてくれましたが、私たちはこれらの行動が野生動物に与える影響を理解するため、さらに研究を行う必要があります」と述べ、野生動物を効果的に保全するためには人間との相互作用が及ぼす影響について理解することが重要だと主張しました。

(ベルト移動型の害獣対策ロボット試作機を開発:石川)
イノシシによる県内の農作物被害額は約1億円。竹林など里山の利活用による地方創生を目指してロボティクス学科土居研究室がNPOみんなの畑の会(金沢市しじま台)、石川県立大学らと連携しベルト移動型の害獣対策ロボット試作機を開発。工学部 ロボティクス学科 土居隆宏准教授の研究室では、耕作放棄の農地や竹林などを利活用したにぎわいの創出を目指すNPOみんなの畑の会 (金沢市しじま台)、石川県立大学 環境科学科 大井徹教授と連携して、害獣対策ロボットの試作機を開発しました。石川県では平成30年度の鳥獣による農作物被害額は約1億2936万円にのぼり、うちイノシシによる被害額は約1億1570万円と、その大半を占めています。これに対して従来から田畑を電気柵で囲うなどの対策が取られていますが、漏電防止や設備の維持管理などに課題が残されています。このたび開発された試作機は、幅110mm、高さ260mm、奥行き150mm、重さ1.35kgfのベルト移動型のものです。起伏や傾斜がある里山での利用を想定し、木々の間に張られた架線(ベルト)を伝って移動します。搭載されたカメラで害獣を認識、追尾し、音や光などを発して害獣を撃退します。また高齢者でも扱えるよう、ベルトへの着脱はバネによる蓋の開閉で簡単にできるようになっています。プロトタイプを使った走行実験では、ベルトが濡れた場合でも走行に支障はなく、またカメラによる物体検出実験では、走行時も害獣にみたてたぬいぐるみを検出することが確認できました。土居研究室では今後、国際高専や石川県立大学と連携しながら、画像処理による害獣の種類の検出や機体の性能向上、雨水などの環境対策を図るほか、音や光などを用いた比較実験を通じて最も効果的な撃退方法を選定し、実用化に近づけて行く考えです。NPOみんなの畑の会は、金沢工業大学や石川県立大学、国際高専などの県内の大学や、株式会社シコウと連携した害獣対策や伐採した竹の災害時の有効利用などの地方創生に向けた取り組みが評価され、石川県から「石川版里山づくりISO」の認証を受け、金沢市から「令和元年度 いいね金沢環境活動賞」を受賞しています。

(ドローン×狩猟×獣医学、イノシシによる鳥獣被害の対策に提携)
ドローンパイロットエージェンシー(DPA)は、狩猟罠開発と販売をメインとするアポロ販売と猪などの鳥獣対策に向けて知見と技術を持ち寄り、取り組むための業務提携を行った。昨今、猪や鹿といった鳥獣による作物への被害が増えており、農水省の統計では平成30年度で農作物への被害額は156億円と試算されている。そのような社会課題の中、DPAは自社が持つドローンと画像分析の技術を活用。アポロの罠を専門に猟友会や農家の人々とのやり取りで長年蓄積してきたノウハウを掛け合わせることで、より効果的に猪などの狩猟が技術的に革新し対策できるとして業務提携した。これまでドローンだけでは鳥獣の駆除や捕捉は困難だったが、実際に罠を仕掛けるアポロと共に猟友会へ鳥獣の位置を提供することで、狩猟の補完ツールとして技術を活用するジビエテックが実現可能となる。既に今治市伯方島でアポロと地元猟友会と共に実証実験を行い、短い実験期間の中で猪の姿を捉えることに成功した。また、獣医学者の吉川泰弘博士や鯉渕幸生東京大学准教授にも加わってもらうことで、樹木の種類や生態的痕跡などによるバイオロギングも活用し、より的確に鳥獣対策ができる仕組みを構築することが可能に。さらに本連携は獣医学部による検疫により、狩猟した鳥獣を安全なジビエとして流通することも視野に入れ、狩猟側の副次的収入や地方創生につながる名産品の創出に繋げていくことを目指す。

(ジビエを家庭で味わって:徳島)
家庭でも手軽に野生鳥獣肉(ジビエ)料理を味わってもらおうと、那賀町横谷の四季美谷温泉がシカ肉の販売を始めた。温泉で直接購入できるほか、電話による冷凍発送も受け付けている。町内で捕獲したシカ肉のロースやヒレ、モモなど七つの部位をそろえた。温泉のホームページに「ジビエパンフレット」を掲載し、調理法などを紹介。「ステーキやローストなどに使いやすい」「炒め物、煮込み料理に合う」などと説明している。100グラム当たり100~450円(税込)。発送には送料がかかる(購入額3万円以上は無料)。中田雅之社長兼料理長は「軟らかくておいしいので、家庭でぜひ調理してほしい」と話している。

(イノシシ肉、安定供給へタッグ:石川)
ジビエ(野生鳥獣肉)の販売を手掛ける白山市木滑西の「山立(やまだち)会」と穴水町内浦の「里山食品」が連携し、17日から能登半島産のイノシシ肉の生産と販売を始める。食肉処理や販売などの得意分野で協力することで、人手不足問題に対応。県産ジビエの安定的な供給や消費の拡大を目指す。里山食品が加工した肉を山立会が販売する。能登産のイノシシ肉は柔らかく脂が乗っているのが特徴といい、ロースやヒレ肉などの部位に分けて山立会のインターネットショップで販売する。山立会はジビエ肉の販売のほか、ナメコなどの生産をしており、ネットも含めた食品販売のノウハウを持つ。里山食品の河島信次代表(72)=穴水町内浦=は約五十年の狩猟経験があるベテランの猟師。山立会が肉の真空包装や品質管理の技術を伝え、里山食品が高品質なジビエ肉を供給する。県内では現在、豚熱(CSF)の影響で加賀地方などでイノシシの狩猟が自粛されているが、能登半島では豚熱が確認されていない。山立会の有本勲代表(36)は「白山麓では狩猟ができないので協力はありがたい」と話す。河島さんは「穴水では六年ほど前からイノシシが急増し、農作物の被害も増えている。ジビエの消費量を増やして少しでも被害を減らせれば」と意気込む。イノシシ肉はネット販売のほか、電話やメールで注文を受けて郵送する。

(ジビエ料理の新メニュー6種考案:兵庫)
兵庫県の淡路島で、シカやイノシシ肉を使ったジビエ料理の新メニュー6種類が考案された。島内では、野生動物による農業被害額は年間約3千万円に上り、捕獲も進められるが、その多くは山に埋設処理される。地域資源として活用しようと、地元の女性たちや飲食店主が知恵を絞った。洲本農林水産振興事務所が企画した。同事務所によると2018年、島内でのシカ捕獲数は約2700頭、イノシシは約6000頭に上る。だが、使い道が限られ、多くは狩猟者が山中に埋めて処理しているという。メニューを考えたのは、郷土料理を販売している市民グループ「美菜恋グランマ」と、洲本、南あわじ市のカレー店「真異端流カレー るつぼや」店主の馬崎泰成さん(43)。グループはイノシシ肉を使った角煮、ロール白菜、カレーと、シカ肉のミートボールとメンチカツ。馬崎さんはイノシシ肉を使ったカレーを作り上げた。グループ代表の福永英美さん(72)は「ぼたん鍋ぐらいしか知らず、初めての挑戦だった。やってみると臭いも気にならず、おいしい。一般家庭で手軽に作ってもらいたい」と話す。塩こうじを使い、野菜も多く食べられるよう工夫した。馬崎さんは「観光客に食べてもらえるよう、ばっちりできた。レギュラーメニューとして出していきたい」と自信を見せる。イノシシ肉を3~4時間、低温で湯煎し、肉のうまみを引き出した。新型コロナウイルスの影響により、規模を縮小して南あわじ市内で開いた新メニュー発表会では、講評者や行政関係者らが試食。「3歳の息子にも食べさせてあげたい」「うまみが凝縮されている」と好評だった。洲本農林水産振興事務所は「被害対策の一環として、今後もジビエ料理を広げていきたい」としている。

(イノシシ肉レトルトカレーが1万食突破:石川)
羽咋市の道の駅のと千里浜が販売する、イノシシ肉を使ったレトルトカレーが二月中旬、店内売り上げ一万食を突破した。記念として、店内に懸垂幕を掲げ、通常六百八十円(税込み)を、当面五百五十五円(同)で販売する。カレーは、店内のレストラン「のとののど」の看板商品を手軽に味わってもらおうと、昨年一月に販売開始した。各地のフェアなどでも販売しているが、好評だという。野間仁駅長は「レトルトでも、多くの人に受け入れられうれしい」とほほ笑んだ。大相撲高砂部屋に入門し、今月の春場所で初土俵を踏んだ市出身の深井拓斗さん(三段目付け出し)を応援する懸垂幕も同時に飾られている。

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