<射撃ニュース4月>
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(シカの頭など残骸放置、官民事業頓挫:北海道)
上川管内中川町が所有し、札幌市の合同会社が運営していたエゾシカ解体加工処理工場の敷地と建物内に、シカの頭部などの数十頭分の残骸が腐敗した状態で放置されていることが9日、分かった。町によると、工場は今年1月ごろに操業を停止し、会社は近く破産手続きに入るため、町が残骸を処分する。町によると、工場は札幌市の合同会社が国の交付金2500万円や町の補助金1800万円を活用して町所有の建物を改修し、加工機器を購入して整備。2017年3月に操業を始め、町内の猟友会から引き取ったシカを解体し、ペットフードや食肉に加工していた。

(イノシシ向けワクチンをヘリで散布:群馬)
群馬県は10日、豚熱(CSF)蔓延(まんえん)防止対策として、自衛隊ヘリコプターが上空から野生イノシシ向けのワクチン入り餌を県内の国有林に散布すると明らかにした。農林水産省が防衛省の協力を得て実施する。13日の予行演習の飛行後、15日に桐生、富岡、甘楽、下仁田の4市町、16日に沼田市のそれぞれの国有林に散布する。散布面積は約80平方キロメートルに上り、1平方キロメートルごとに50個、80カ所に計約4千個を散布する。上空からの散布により、人が入りにくい山中にもまける利点があるという。

(陸自UH-60JAヘリ、野生イノシシへの経口ワクチンの空中散布を実施)
陸上自衛隊は2020年4月15日(水)と4月16日(木)の2日間、栃木県と群馬県でイノシシの熱性伝染病「CSF」対策として、野生イノシシに対する経口ワクチンの空中散布を実施します。時間は10時から16時までを予定していますが、天候などによっては、散布実施日時が変更となる場合があります。散布は、4月15日(水)が栃木県佐野市飛駒町内の国有林と作原町内山林、群馬県の富岡市などで、4月16日(木)が栃木県日光市中宮祠内の国有林と群馬県沼田市の国有林で行われます。空中散布にあたり、北宇都宮駐屯地に所属する第12旅団第12ヘリコプター隊のUH-60JAヘリコプターが1機、参加します。なお、野生イノシシに対する経口ワクチンの空中散布は、2019年11月にも実施しています。

(アライグマ防除、「日田市前津江式」で成果:大分)
特定外来生物アライグマによる農作物被害が県内で増えている中、日田市前津江地区の防除活動が成果を上げている。繁殖力が強く減らすのが難しいとされる相手に対し、住民がわなの設置や日々の見回りなどを分担。推計の生息数が減少に転じてきているという。行政頼みの対策には限界があり、専門家は「住民の主体的な取り組みは他地域の参考になる」と話している。山あいの同地区は10年ほど前から、アライグマが家畜の餌を食い荒らしたり、飼育小屋の網を破る被害が増加。イノシシやシカに続く有害鳥獣の〝新手〟に住民は危機感を持った。住民は被害拡大を防ぐため、2017年度から組織的な防除に乗り出した。NPO法人「おおいた環境保全フォーラム」(大分市、内田桂理事長)のサポートを受け、生態や対策を学ぶ講習会を受講し、専用のわなを設置できる捕獲従事者の資格を取得した。現在は46人で活動。アライグマが現れやすい川辺を中心に箱型のわな52個を仕掛け、1人が1、2個を受け持ち毎日、見回る。捕獲すると猟友会に連絡し、処分している。年間の活動は1人当たり約200日に上る。年間の捕獲数は組織的防除を始めた17年度は47匹、18年度は53匹だったが、本年度は昨年末現在で25匹。年間では40匹程度に落ち着く見通しという。同フォーラムの調査によると、同地区の1平方キロ当たり推定生息数は15年度の6匹から、19年度は1・6匹に大きく減った。活動メンバーの石井康一さん(69)は「アライグマの痕跡が見つかれば住民で情報共有するなど、さまざまな面で連携が深まっている。地区には農家が多く、被害を少しでも減らしたい」と力を込める。アライグマによる県内の農業被害額は173万円(18年度)。他の有害鳥獣と比べてまだ少ないものの、手を打たなければ拡大していく恐れがある。内田理事長は「他地域は行政主体で防除をしているがマンパワーに限界がある。前津江地区のような住民連携の取り組みが県内に広がってほしい」と話している。県自然保護推進室によると、県内のアライグマ捕獲数は2012年度の20匹から年に1・5~3倍のペースで増加し、18年度は663匹と約30倍に。本年度は千匹に達する勢い。生息数は日田、中津の両市が特に多く、いずれも福岡県側から移動してきているとみられる。大分県は18年度から「おおいた環境保全フォーラム」に委託し、北西部で防除事業を展開している。

(ツキノワグマ推定数、過去最多更新:岡山)
岡山県は、県内のツキノワグマの推定生息数が2019年末で321頭に上るとする調査結果をまとめた。前年に比べて12・6%(36頭)増。人里への出没が増えたことなどから17年に狩猟を解禁したが、抑制につながらず、記録が残る05年以降で最多を更新した。推定生息数は、過去の出没件数や捕獲・再捕獲数、餌となるドングリなどの実り具合といったデータを基に算出している。推計では179~522頭の幅で生息しているとされ、計算上で最も可能性の高い中央値321頭を推定数とした。19年度の出没件数は、県北部を中心に14市町村で計222件(18年度186件)だった。主食のブナをはじめとしたドングリ類が例年に増して不作で人里への出没が増えており、年間で最多だった16年度の237件に次ぐ件数となっている。ツキノワグマは1991年に岡山、兵庫、鳥取県にまたがる地域の個体群が、環境省レッドデータブックで絶滅の恐れがあると指定された。岡山県は2000年度に狩猟を全面禁止にして保護してきたものの、17年度から捕獲上限数を設けて狩猟解禁に踏み切った。年間の捕獲上限数は国の保護・管理に関するガイドライン(推定生息数の最大15%)に基づいて設定。19年度は44頭としたが、狩猟期間の11月15日~12月14日に狩猟で捕獲したのは2頭だけで、県の許可を得て殺処分している「有害捕獲」や、イノシシなどのわなにかかる「錯誤捕獲」を合わせても同年度の捕獲は計24頭だった。20年度の捕獲上限数は48頭と設定した。県自然環境課は「県民の安全安心を第一に考えながら、引き続き出没状況などに注視していきたい」としている。

(カワウ、繁殖期迎え集団で巣作り:北海道)
滝川市を流れる石狩川の河畔の林では、水鳥のカワウが繁殖の時期を迎え、集団での巣作りが始まっています。カワウは、全長が80センチにもなる大型の水鳥で、以前は青森県以南に生息するとされていましたが、20年ほど前から道内でも確認されるようになっています。滝川市を流れる石狩川の河畔の林では、毎年、カワウが集団で子育てをしていて、ことしも繁殖期を迎えて巣作りが始まっています。カワウのつがいは、細い枝や枯れ草などの材料を盛んに集めて来ては樹木の太い枝の上で器用に編み込み、林では例年とほぼ同じ合わせておよそ100個の巣が作られていました。地元の野鳥の会によりますと、巣が完成すると、つがいごとに3個から4個の卵を産み、来月中旬ごろにはヒナが誕生するということです。

(アオサギのふん害防止、タカで追い払い:京都)
「宮津城の名残の木」とされ、昨年、アオサギの巣が鈴なりになった古木(京都府宮津市鶴賀)に今年もアオサギが飛来し始めている。産卵期前に対処しようと府丹後土木事務所はこのほど、タカによる追い払いを行った。古木は昨年、多くのアオサギが巣を作り、ふん害による枯死が懸念された。同事務所は巣立ちを待って巣40個を処分し、樹勢を回復させるために枯れ枝の剪(せん)定などを行った。同事務所によると、今年も2月下旬からアオサギが寄りつき始めた。2月29日に10個ほどの巣を撤去し、巣があった場所に鳥よけの風船を設置。1週間程度は効果が見られたが、徐々に戻ってきていた。3月19日にタカによる追い払いを初めて実施した。タカが枝に止まると、アオサギたちは危険を察して向かいの京都府警宮津署の屋上や近くの府漁業協同組合宮津地方卸売市場の屋根に逃げた。以降、タカによる追い払いを複数回行い、23日は巣13個を撤去した。同事務所は「風が強くタカが飛びにくい状況だったが、一定の効果があった」と言い「引っ越し先が決まらないのか戻ってきているアオサギもいるが、しばらく様子を見たい」としている。

(漂着海ごみ、ポリ袋を食べるシカ:富山)
岡山県境に近い福山市沖の無人島・宇治島で、海ごみとして漂着したとみられるポリ袋などをシカが食べているのが撮影された。環境への悪影響が指摘されているプラスチック類が生態系に入り込んでいく一端をうかがわせる。撮影したのは、海の環境保全を図る一般社団法人「E.Cオーシャンズ」(愛媛県八幡浜市)の岩田功次代表理事。瀬戸内海の海ごみを調査している中で、2月28日に船で近づき、写真や動画に収めた。「それを食ったら死ぬぞ」―。動画には岩田代表理事が叫ぶ声も入っている。16頭のシカが砂浜に出て、ポリ袋などプラスチック類を複数の場所でむしゃむしゃと食べていたという。福山市などによると、「サバイバルランド」などとして無人島を活用する市の構想に伴い、1985年に市内の公園・ファミリーパークにいた動物の中から、シカ5頭、クジャク50羽を宇治島へ放した。しかし計画は頓挫し、シカたちは野生化して市が一部えさを今も与えている。最後にえさを運んだのは昨年12月3日だった。「冬季でえさになる草木も乏しく空腹で、食べ物のにおいが付いたポリ袋を食べたのかもしれない」と池田動物園(岡山市)は言う。浜にはポリ袋やペットボトルなどプラスチック類のごみが散乱している。岩田代表理事は「シカがプラスチック類をどの程度食べ、どう影響するかは見通せないが、まず人間がごみを海に出さないことが重要だ」と指摘する。

(カモシカ、住宅街を疾走:富山)
国特別天然記念物のニホンカモシカが10日午前9時半ごろ、富山市犬島の住宅街などに出没し、県警や県、市の職員が捕獲に当たった。カモシカは約4時間半後に犬島から南西に約1・5キロ離れた中島閘門(こうもん)付近で捕まえられ、市職員が県東部の山に放した。けが人はいなかった。富山北署や市によると、午前9時半ごろ、地元住民から「小さいシカが走っている」などという通報が相次いであり、署員らが網や麻酔薬入りの吹き矢を使って捕獲を試みた。カモシカは住宅街を走り回り、一時、民家の敷地にも逃げ込んだ。警察から連絡を受けて急きょ自宅に戻った同市犬島、会社員、中川弘さん(50)は「家の中まで入らず、ほっとした」と話していた。様子を見守った他の住民らは「どうしてこんな住宅街に」「どこから来たのか」と不思議がっていた。

(停電復旧情報:鳥取)
中国電力からの情報によりますと、午後3時53分頃から米子市淀江町で発生していた停電は、午後4時59分に復旧しました。停電の原因は、中国電力設備にカラスの巣が接触したため。

(シカの侵入を防ぐ柵(防鹿柵)の設置は草原の植物や昆虫の多様性を回復させることを解明)
中濵直之 兵庫県立大学自然・環境科学研究所講師 兼 兵庫県立人と自然の博物館研究員、内田圭 東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構 助教、小山明日香 国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員、岩崎貴也 神奈川大学理学部生物科学科特別助教、尾関雅章 長野県環境保全研究所主任研究員、須賀丈 長野県環境保全研究所自然環境部長らの研究グループは、シカの侵入を防ぐ柵(防鹿柵)を設置することで、草原内の開花植物や昆虫(チョウとマルハナバチ)の多様性が回復することを明らかにしました。近年、ニホンジカの全国的な増加に伴う植生の破壊により、全国各地で植物や昆虫の多様性が減少傾向にあります。こうしたシカの多い地域における生物多様性の保全は喫緊の課題です。本研究では、比較的大規模な防鹿柵が設置されている長野県霧ヶ峰の草原において、柵の設置による開花植物やチョウ、マルハナバチの多様性の回復効果を検証しました。その結果、柵の設置により開花植物の種数、また花に依存するチョウやマルハナバチの種数と個体数が大きく回復していました。本研究は、草原の生物多様性の保全のために防鹿柵設置が有効であることを示した重要な成果といえます。防鹿柵を日本各地の草原に設置することで、多くの草原の生物多様性が保全されることが期待されます。

(人と鹿、仁義なき戦い:和歌山)
有害鳥獣による被害を身近な問題にしてもらいたいと、和歌山県林業普及指導員の岸本勇樹さん(42)が対戦型の教育カードゲーム「人×鹿(ジンロク)」を考案した。林業関係者の研修や高校生向けの森林学習で試験的に取り入れられており、参加者の意識向上に一役買っている。「人と鹿の“仁義なき戦い”の中、生態系を崩さない範囲でバランス良く共生することが大切。ゲームをきっかけに、関心を持つ人が増えれば」と思いを込める。温暖化や山村集落の衰退で増えたイノシシやサルが農作物を食べる例が増え、県内の被害は9年連続で3億円を超える。近年は伐採後に植えた山林の苗木を鹿が根こそぎ食べる被害が深刻化。防護ネットや苗を筒で覆うなど対策を講じるが解決は難しく、関係者は鹿を駆除して適切に管理し、共生する方向を探る。鹿の被害について林業関係者以外に知ってもらうには説明だけでは難しいと感じた岸本さんは昨年、娘の好きなカードゲームを参考に、オリジナルゲームを作り上げた。なぜ鹿による被害が問題なのか、どんな対策をしているかを伝えると同時に、乱獲への警鐘も込めている。ゲームは人と鹿の陣取り合戦。30市町村を描いた県地図の盤と、鹿に見立てた木のコマ、1~5の数字を書いたカードを使う。鹿10頭から始まり、互いに出した数字カードの差を鹿の数に反映し、盤を埋めていく。事前に適切な共生と考える頭数を設定し、終了時点で目標数に近ければ人の勝ち、大繁殖していれば鹿の勝ち、極端に減らしすぎると共生バランスが崩れたことになり、両者の負けになる。盛り上がるのは手の読み合い。数字カードに加え、5回に1度、対策と環境カードを投入する。人が対策カード「ハンター増員」「シカ対策室設置」で減少を図ると、すかさず鹿が環境カード「山村集落の衰退」「地球温暖化の進行」で応戦。社会や環境の変化など人間生活の様々な要因を盛り込んでおり、ひたすら子孫を増やす鹿に対し、あの手この手で策を練る人の姿が、現実のいたちごっこを反映している。プレーヤーが書き込める白紙カードもあり、終了後にどんな対策をすれば共生できるか話し合える工夫を凝らした。昨年10月、林業技術者の懇談会で初披露。また同月、わかやま森林と緑の公社が主催した市町村職員向け研修で取り入れた。同公社の大澤篤弘さん(44)は「終わった後、無人ドローンで駆除するといった奇抜な案が出た。管理の難しさや獣害の現状を身近に感じてもらえた」と話す。今年1月には県農林大学校の中谷崇人さん(25)が、熊野高校1年生への出前授業で実施。終了後、生徒から「田舎に住む人が増えれば生息地が減り、過疎化もなくなる」「鹿革がブームになれば被害額を取り返せる」との声が出た。中谷さんは「どんな対策をすれば良いか、生徒が考えることを重視した。積極的に話し合う姿が印象的」と振り返る。ゲームは改良途中。岸本さんは「獣害は一朝一夕に解決できるものではない。適正な頭数管理のあり方や、生態系に関心を持つ人が増えれば、新しいアイデアが出てくるはず。将来はイノシシやサルなど他の鳥獣害へ展開したい」と意気込んでいる。

(全国猪犬訓練会:和歌山)
イノシシ猟をサポートする猟犬の育成を目的とした「全国猪犬訓練会」が今日、上富田町で行われました。上富田町岩田の熊野山本猪犬訓練所で行われた全国猪犬訓練会には、県内をはじめ富山県や鳥取県などからおよそ30人、猟犬およそ30頭が参加しました。訓練会は、猟をサポートする猟犬の育成を目的に年2回、開催されています。今日は生後6ヵ月から4歳までの猟犬たちに訓練場に放たれたイノシシを追いかけて取り押さえるまでの一連の流れを体験させました。熊野山本猪犬訓練所の山本弘之所長は「狩猟の技術を伝えるとともに農作物への鳥獣被害を減らせれば」と話していました。

(五輪出場辞退を2度経験、聖火ランナーに選ばれた宮司の夢と希望:栃木)
東京オリンピックの聖火リレーでランナーに決まっていたクレー射撃元日本代表の石原敬士(けいし)さん(77)は、過去2度も五輪切符をつかみながら出場辞退を余儀なくされた。「幸運の一言」という聖火リレーに参加するチャンスをつかんだものの、新型コロナウイルスの感染拡大で1年後へ持ち越しに。かつて「最もついていない男」と報じられた石原さんに心境を尋ねた。約1300年の歴史を誇る栃木県鹿沼市の古峯神社。石原さんは実家を継ぎ、第84代宮司を務めている。日本庭園を有する広大な敷地には、明治初期に先祖が設けた射撃場もある。聖火リレーは3月26日に福島県を出発し、石原さんは同30日に地元の鹿沼市を走る予定だった。新型コロナウイルスの感染拡大で大会の1年延期が決まり、聖火リレーも中止に。石原さんは「世界がこんな状況の中、聖火にコロナの病気を消せるような力があればいいのにと思った」と振り返る。父が射撃選手だったことで、銃を構える姿を子供の頃から間近で見ていた。「狩猟をしていたひいじいさんが造った射撃場もあり、父に無理やりやらされたようなもん」と苦笑いを浮かべる。それでも射撃のセンスはあった。1964年東京五輪を目指していたがかなわず、日本代表に選ばれた68年メキシコ五輪は競技団体の不祥事で、80年モスクワ五輪は日本の不参加で出場できなかった。2度も五輪切符をつかんでいながら辞退を余儀なくされ、「三度目の正直」はなかった。東西冷戦下のモスクワ五輪は日本を含む西側諸国のボイコットに巻き込まれた。ただ、後悔はない。当時の心境を聞くと「国が決めたことに従うのは国民として当たり前と思っていた。残念とか悔しいという気持ちは一切なかった」と即答する。柔道のモスクワ五輪代表として同じ屈辱を味わった日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長から「東京五輪に参加しませんか」という誘いの手紙をもらい、聖火リレーに携わることになった。距離はわずか200メートルだが「2キロのつもり」と、ジョギングで体力を取り戻すための準備を重ねてきた。本番を数日後に控える中で突如決まった聖火リレーの中止を「健康のために練習する時間が延びたと思えばいい。次もやらせてもらえる意向を(大会組織委員会が)示してくれただけでもありがたい」と前向きにとらえる。もう一つ楽しみがある。次女の奈央子さん(45)も射撃の選手。古峯神社で神職を務める傍ら、2016年リオデジャネイロ五輪ではクレー射撃のスキート種目で日本女子初の五輪代表となった。東京五輪は、延期が決まる前に代表に決定した。「覚悟をもって準備できる時間が1年延びればもっと強くなる。聖火ランナーと同じで何かの恵みだね」。親子で夢の舞台を目指す日々は続く。

(「海のギャング」トド撃ち50年:北海道)
礼文島に50年以上もトドを狙い続ける84歳のハンターがいる。漁師の俵静夫さん。島に18人いるハンターで最高齢だが腕前は随一だ。トドは魚を食い荒らして“海のギャング”と呼ばれ「一頭でも減らし、漁場を守りたい」と話す。3月中旬の早朝、青空の下で俵さんの小型船が港を出発し、約40分かけて沖合の無人島近くへ。「あそこだ」。指さす先、約10頭が茶色い頭を海面から突き出していた。ライフル銃を右手に持ち、左手だけで船外機のハンドルを操作し急加速。荒波で左右に激しく揺れる船体で仁王立ちのまま、約30メートル先のトドに照準を合わせ、引き金を引いた。響く銃声。だが弾は海中に逃げ込むトドをわずかにかすめた。「逆光で駄目だったな」。俵さんはつぶやいた。

(路上でニコッ、アナグマ撮影:岐阜)
岐阜市の金華山ドライブウェイの路上にアナグマが姿を現した。ぎふ哺乳動物研究会の梶浦敬一代表(77)=岐阜市西後町=が撮影した。元々夜行性で日中は巣穴で過ごすが、春は繁殖期のため動き出し、観察できることもあるという。2日正午ごろ、梶浦さんは車でドライブウェイを走行中、路上にアナグマがいるのを発見。カメラを持って車外に出て、急いでシャッターを30回切った。梶浦さんは「アナグマは座ったような様子でしばらく逃げずにいた。体長50センチほどだった」と振り返る。梶浦さんによると、アナグマは北海道を除く、日本全域に分布するが、県内での生息数は少ないとされる。特に金華山は岩が多く穴を掘りにくいため、より生息数は少ないという。梶浦さんはこれまで姿を見たり、自動撮影機で撮影したりしたことはあるが、偶然出くわして撮影できたのは初めて。「逃げなかったのは珍しい。近くにある桜に見とれていたのかも」と笑顔で話していた。

(次世代シェフとサステナブルな美食:東京)
このままでは、美味しくて安心なものを当たり前に食べられない時代が、近い将来やってくる…。そんな危機感を胸に、食を取り巻く環境問題・社会問題に真摯に向き合い発信する、シェフたちの姿をご紹介します。ジビエとは、食材として狩猟・捕獲された野生の動物。東京・青山のレストラン「ラチュレ」のシェフ、室田拓人さんは、そのジビエに魅せられた料理人のひとり。「ジビエといえばフランス料理の花形。若い頃は、いつか自分でも作ってみたい、と憧れたものです」。ジビエ料理の名店といわれる店に勤め、日々肉に触れるうちに、室田さんはあることに気付きました。「飼育されたものと違って、山からやってくる動物の肉は味や香りに個体差がある。状態がいいものもあれば、中にはとんでもなく個性が強いのもあります。その違いに驚き、興味を持ちました」。美味しい肉を供給できるかどうかは、ハンターの目と腕しだい。ジビエは住む環境と餌、そして、仕留めたあとにどうやって処理するかによって、肉の味に格段の差が出るのだとか。「美味しく食べられる肉にするために何が大切かを知っている人でないと、いいジビエは捕れません。撃った瞬間から、料理は始まっているのです」。やがて室田さんは、自ら狩猟をするようになり、そこで新たな気付きを得ます。「猟をして、『動物』を『肉』にするとき、その体がまだ温かいのを感じて、『食べる』ことの意味を考えさせられました。僕たちは、命をいただいている。『食べる』とは、そういうことなのです」。物が山から人里に下りてきて作物を荒らす状況が、近年深刻化しています。「でも、それは元をただせば人災。増えてしまった動物を悪者にして駆除し、殺処分にすることに、どうしても違和感があって」。ならば美味しく食べたほうが、動物にとっても人間にとっても幸せだ、と室田さんは考えます。「食に関心のある人たちは今、『美味しい』のさらに先を求めている気がします。食べることで、社会や環境に何かアクションを起こしたい、というような。だから僕も、社会的に意味のある食事を提供したい」。人間の活動の影響で数が増えてしまった「害獣」を美味しい料理に昇華して供し、お客さまに喜んでもらう。それが社会を少しだけよくすることだと知れば、サステナビリティの幸せな連鎖が生まれます。鹿の血のブーダン・ノワール、猪のベーコンのケークサレ、ヒヨドリのパテ、青首鴨のタルトレット。ひと口サイズのアミューズひとつひとつにも、ジビエのエッセンスがしっかり感じられます。個性的な器に盛りつけられた料理は、まるでオブジェのよう。メインディッシュの「蝦夷ヒグマのシヴェ」。シヴェとは、赤ワインで煮込む代表的なジビエ料理。「クマは、北海道から九州まで日本各地にいますが、地域によっては数が減っているところもあります。でも、一律に狩猟禁止にすると、また増え過ぎてしまうエリアがある。自然のバランスを崩さないように捕ることが大切です」。自然との共存・共生は、室田さんにとって重要なテーマなのです。「日本人は食べる前に『いただきます』と言いますよね。これこそ、サステナブルの原点だと思います」。目の前にある食べ物は自然の恵み、すなわち命であり、お皿に届くまでには多くの人が携わっています。それら全てに謙虚な姿勢で向き合いながら「いただく」ということ。「普段あまり気にしないことかもしれませんが、それを考えて作るのとそうでないのとでは、料理の出来が違うのです。『食べる』ことは、人間らしさを取り戻すこと。それをきちんと伝えられるのは、僕たち料理人しかいないと思っています」。日本のジビエに、室田さんは明るい未来を感じるといいます。「ジビエブームはもはや次の段階に入ろうとしています。その鍵となるのは、外国人からの評価です」。日本のジビエはクオリティが高いにもかかわらず、輸出は不可能。それゆえ、ジビエを食べ慣れている外国人にとって次なるグルメ・ターゲットになり得る、と考えているのだとか。「価値のわかる人が注目してくれれば、もっと需要は増えるはずですよ」。自然が育む命、ジビエをめぐる美味しいサステナビリティの輪は、国境を超えて世界へと広がっていきそうです。

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(市街地でクマの目撃情報:北海道)
7日午前、根室市の市街地で車を運転していた男性が道路を横切るクマ1頭を目撃し、警察と市が周辺をパトロールするとともに住民に注意を呼びかけています。警察によりますと7日午前4時半すぎ、根室市宝林町4丁目で車を運転していた男性が老人ホーム前の道路を横切るクマ1頭を目撃したと警察に通報しました。クマは体長1メートル20センチほどで東の方向に向かったということです。通報を受けた警察が市と調べたところ、これまでのところクマの痕跡や被害は確認されていないということです。現場はJR花咲線の東根室駅から南に1キロほど離れた住宅や工場が建ち並ぶ一角で、警察と市は、周辺をパトロールするとともに住民に注意を呼びかけています。

(“川にイノシシ”、4時間後にようやく確保:福岡)
7日午前、福岡市博多区で発見されたイノシシが逃走を繰り返し、およそ4時間後、ようやく確保されました。福岡市博多区の御笠川を泳ぐイノシシ。捕獲用の棒を使って捕まえようとしますが、激しく抵抗。警察官も到着し4人がかりで捕まえます。7日午前、博多区金の隈や板付で「イノシシが路上を走っている」と警察に目撃者から通報が相次ぎました。警察と猟友会のメンバーが捕まえようとしますが、イノシシは川に入って逃げようとします。激しく抵抗したイノシシは4人がかりで引き上げられ、およそ4時間後ようやく確保されました。

(“サルの見張り”で監視員配置:宮崎)
国の天然記念物のニホンザルが生息する宮崎県串間市の幸島で、対岸の陸地との間が堆積した砂でつながる「砂の道」が現れ、市では監視員を配置して、対岸に渡るサルがいないかなどの“見張り”を始めました。幸島は、海を隔てた対岸までの距離がおよそ200メートルありますが、去年の8月ごろからこの間に砂が堆積しはじめ、先月ごろから干潮時になるとほぼ地続きになっています。この「砂の道」は3年前と2年前にもでき、いずれの年も夏場の台風で流されて消えたということですが、3年前には、この道を渡って対岸に行ったとみられるボスザルが行方不明になり話題となりました。幸島のサルは、芋を水で洗って食べる行動で世界的に知られる国の天然記念物ですが、島を離れると天然記念物ではなくなり、農作物を荒らした場合などは駆除の対象になる可能性もあります。このため串間市では8日から干潮の時間に合わせて、監視員を配置することになりました。8日は、女性の監視員1人が対岸から双眼鏡を使って、島を出ようとしているサルがいないか見張ったり、観光客などに食べ物を持って島に近づかないよう呼びかけたりしていました。串間市生涯学習課の秋田優係長は「これまでと同様、台風で砂が流されるまで待つしかない。それまでは監視員の配置を続ける」と話しています。

(稚あゆの害鳥対策にドローン活用:大分)
毎年春、稚あゆが放流される大分市の大野川の漁協では、野鳥にあゆが食べられないよう川の水面に釣り糸を張る作業に、ことしから初めて、ドローンを活用しています。この対策は、大分市の大野川漁業協同組合が、電線の配線作業にドローンを活用している九州電力の協力を得て行っています。7日は、およそ2万匹の稚あゆが大野川に放流されたあと、野鳥を近づけないため、ドローンを使って川の水面に釣り糸を張る作業が行われました。九州電力の関係者がねドローンを飛ばして釣り糸を対岸まで渡すと、糸を受け取った人が木の枝などに結び付けていました。糸は、50メートルから100メートルほどの間隔で川に張られ、稚あゆの放流が始まった先月以降、およそ50本が設置されたということです。こうした作業は、従来、船を使って人手で行われていましたが、安全面や担い手不足に課題があったため、ことしから初めて、ドローンを活用することになりました。このほか、7日は、鳥を追い払うため、ドローンから、天敵であるとんびや猫の鳴き声を流すデモンストレーションも行われました。大野川漁業協同組合の若松成次組合長は「人間がやるより何倍も速くてびっくりした。これからも、ドローンを活用しながら漁業の新しい形を作っていきたい」と話していました。

(イノシシ撃退へ電気柵:富山)
砺波市東山見地区の住民でつくる「青山にこにこクラブ」は四、五の両日、イノシシ被害防止のため、同市庄川町金屋の青山霊苑の周辺二・三キロに電気柵を設置した。霊苑や近隣の田畑でイノシシ被害が相次ぎ、住宅地にも近いことから、市の「となみ地域力推進交付金」を利用して整備した。雨池善正代表ら約四十人が参加し、岩屋団地から霊苑に向け山林の小道沿いなどに支柱を打ち込み、電線を張った。市内では東山見地区など山沿いを中心にした五地区で電気柵の整備を進めており、これで総延長は一二八・五キロになった。

(リアルな狩猟を現地や自宅で体験:神奈川)
一般の方が誰でも安心安全に、イノシシやシカを捕獲するための「罠猟(わなりょう)」に参加できる「マイわな体験サービス」のテスト提供が2020年4月から開始される。実際の罠猟・見回り・ジビエ肉を、現地でも、家からでも体感できるサービスだ。スマート体験農園システムを扱う「株式会社Root」と、130頭以上の捕獲実績を持つ「NPO法人おだわらイノシカネット」が、共同で「マイわな体験サービス」のテスト提供を、2020年4月から開始する。野生のイノシシやシカを捕獲するための罠猟に、一般の方が参加できるサービスだ。法律では、罠を設置して猟を行うことができるのは、免許を保持する猟師のみとなっているため、猟を実施するのは猟師となる。サービスの会員は、罠の組み立て・設置の体験をすることができる。また、その後の罠の見回りも猟師が行うが、サービスの会員は、見回り時の映像や、猟師からのコメントをチェックできる。その後、罠にかかったイノシシやシカが、自宅まで配送されて手元に届く。サービスを申し込んだ後は、会員が自らの手で罠を設置することができる。現場は神奈川県南足柄の畑だ。猟師と一緒に「マイ罠」の組み立てと設置を行うと「わな猟体験」がスタートする。使用する罠の種類は、「くくりわな」だ。サービス期間は、猟開始日から2か月間。現地で猟師が罠の見回りを行うたびに、映像や動物の痕跡、猟師のコメントなどが専用のウェブサイトにアップされて、メールやLINEで通知が届く。夜間の監視カメラ映像の配信も予定されていて、1日につき、深夜の森のどこかの、1分ほどの動画が配信される。罠を設置後、経過観察ができて、罠猟場の今を知ることができる。基本は家からの参加だが、猟師と日時を相談のうえ、現地でも見ることも可能だ。ウェブサイトではコラムやクイズ、森林調査、料理などのコンテンツも提供されるため、狩猟の世界を学ぶこともできる。「マイ罠」でイノシシやシカが獲れた場合、重量に応じて最大5kg(5万円相当)のジビエ肉、罠にかからなくても、もれなく300gのジビエ肉が届けられる。解体へのサービスは任意のため、体験レベルは自分で選べる。サービスに含まれるジビエ肉は、全て行政から許可を受けた解体施設で処理されたものだ。サービス料金は8000円(税込)。進呈するジビエ代も、上記サービス料金に含まれている(配送代は別)。テスト期間は2020年4~6月。参加できるのは先着限定5名まで。今回のテスト結果を参考に、狩猟期間となる秋からのサービスの本稼働を予定している。

(昆虫の種類が増加、シカ食害防ぐ電気柵内で:長野)
諏訪地域に広がる霧ケ峰高原の草原地帯で一定の範囲を電気柵で取り囲むことでシカの食害を防ぎ、柵の内側で昆虫の種類を増やすことにつなげたとの研究結果を、県環境保全研究所などが発表した。こうした研究はこれまでになく、担当者は「草原地帯の生態系を保護する上で柵の設置が有効と証明された」としている。研究は、研究所や兵庫県立大(神戸市)などが二〇一七~一八年に共同で実施。約二十七ヘクタールを高さ一・五メートルの電気柵で取り囲み、内外を十二地点ずつに分けて、二年間で六、八月の計四回、昆虫の種類や個体数を調査した。その結果、シカを侵入できなくした内側では、外側に比べて蝶類が四種、蜂類も一種それぞれ増えたことが確認された。電気柵を設けて草原地帯の植物を保護したことが、昆虫の種類を増やしたとみられる。霧ケ峰高原に生息するシカは二〇〇〇年以降増加が続き、観光の目玉となるニッコウキスゲなど高山植物が食害の被害に遭った。一面に群生していたニッコウキスゲのほとんどが食害に遭った地点もあり、電気柵を設置して保護することを決めた。研究所によると、近年は霧ケ峰高原など各地でシカによる植物の食害が深刻化している。植物が減少すれば、花の蜜を餌にするハチやチョウなども減少し、結果として受粉の担い手が失われ、植物の減少につながる悪循環に陥りかねない。研究所自然環境部の須賀丈部長(55)は、「草原地帯に柵を設置する活動を続けていけば、生態系の持続的な保護につながるのではないか」と期待した。

(シカふん堆肥で野菜栽培:奈良)
国の天然記念物「奈良のシカ」のふんから作った堆肥「しかっぴ」で育てたダイコンが8日、奈良市内の農園で収穫された。農園は、けがや妊娠中のシカを保護する施設「鹿苑」内にあり、愛護団体「奈良の鹿愛護会」の職員がしかっぴを使った野菜を育てている。昨年10月に種から育てたダイコンは長さ約60センチにまで成長、この日は愛護会の職員2人が約20本を取り入れた。しかっぴは1998年に商品化。鹿苑内のシカのふんと飼料の食べ残しをまぜて半年~1年程度、自然発酵させて作る。鹿苑では300頭前後のシカを収容しており、年に約30トンの堆肥を製造している。5キロ100円。

(イノシシ罠販売サイトの裏側:宮崎)
ニッチな商材を使うECサイトは、市場規模は小さくとも一定の需要があると言えます。今回は、イノシシの罠販売サイト「イノホイ」を運営している株式会社リファクトリー 代表取締役の守屋将邦さんにお話を聞きました。扱うものがニッチだから売れているのではなくて、そこにはしっかりとした販売のノウハウがありました。イノシシの罠の販売サイトを運営しているということで、お話を聞きに来ました。そもそも、なぜイノシシの罠の販売サイトを立ち上げようと思ったのでしょうか?実は自分でイノシシの捕獲用の罠を作って売りたいと思ったわけではないですし、私自身はイノシシを生で見たこともなくて、狩猟をしたこともないんです。当時所属していた会社が地方でECに関わる仕事をしていて、そこに15年ほど勤めていたのですが、ある日突然、鉄工所のおじさんが油まみれの作業服で当社の門をたたいて、「私はこういうイノシシの罠を売っているんだが、これを世にインターネットを通して売りたい」と。そんな相談をもらったのがスタートのきっかけです。すごいところからスタートしたんですね。とはいっても、こういったことは地方ではよくありますよね。いきなり会社に来たり電話がかかってきたり……積極的と言うかなんと言うか。その鉄工所のおじさんを見たときに、「そのまま帰しちゃだめだ」と本能で思ったんです。一応イノシシの罠の市場について調べたら、市場が小さくて、かつ参入障壁が低かったんですよね。罠をインターネット上で売って成功している会社もほとんどなかったので。売るうえで免許も必要ないですしね。使い手(設置者)側には免許が必要ですが。それで始めてみようとなったんですね。市場としてはいけそうと思っても、実際に売るとなると難しいこともあると思いますが、どこから手をつけられたのでしょうか?まずはマーケットプレイスに出してみて、本当にインターネットでイノシシの罠が売れるのか調査してみました。楽天もYahoo!ショッピングも、流通額に対するフィーで広告予算を差し引かれるかたちなので、運用するなかである程度の顧客獲得単価もわかってきて、商材的に自社ECでも大丈夫かなと思って立ち上げました。なるほど。いきなり自社ECをやられる人が最近多いんですけれども、たとえばヤフオク!とかメルカリに出して需要を調査してから取り組んだほうがいいですよね。そうですね。私もECのお手伝いを長年してきていますが、ここ10年以上はECのお店をつくることが目的になってしまっている企業がすごく多いと感じています。あくまでECは「箱」であり「場」なので、そこで「何をどう売るか」ということのほうが大事かなと。私もそう思います。「ECサイトを作りました。いわゆるウェブマーケをやってみました。CVRがこれだけでした」とやっていても、何か違いますよね。私の持論ですけれども、15年間自社ECをやっている人たちを見てきて、ツールによって劇的にコンバージョンが上がったと言う人に出会ったことがないんですよね。わかります。ものすごくわかります。いろいろなツールを入れた結果、売り上げがそんなに変わっていないみたいなことも多いですよね。たとえば、チャットツールを導入しようとするじゃないですか。さまざまなツールがあるなかで、何を選択するかといったらやっぱりLINEを選択したほうが良いと思うんですよ。お客さんはチャットがあるなと認識してすぐに「よし問い合わせをしよう」とはなりません。いまのご時世、一般的にはLINEのほうが気軽に連絡しやすいですよね。要は、お客さんが問い合わせをしやすい状態をつくってあげたほうが良いんです。ECというか、ネットはどうしてもテクニックとツールのイメージが強いですよね。ちょっと話が本質的なところに行ってしまいましたが、ECサイトの話に戻しまして、イノシシの罠を買うのはどんな人たちなのでしょうか?西日本の中山間地域に住む人が多いですね。基本的には、山に囲まれた田舎のおじいさん、おばあさんやおじさん、おばさんが買ってくれたり、あとは自治体の方がまとめて買ってくれたり、そういった購入パターンが多いですね。猟師のような専門の人たちではなくて、一般の人たちが買っていくんですね。私たちのお客さんは狩猟を趣味のハンティングとしてやっている人は少なくて、どちらかというと駆除を目的とした人ですね。獲るのを楽しんでいるとか、そういうのではないです。私自身もイノホイをやり始めて知ったんですけれども、農作物にイノシシの被害が出ると、その被害に対して自治体が助成金を出しています。その助成金や補助金を使って一般の人が購入したり、イノシシの被害を防ぐために自治体が購入して現物支給したりといったケースが多いですね。とくに秋冬は作物がなくなるので、山からけものが下りてくるらしく、よく売れます。そういった人たちに知ってもらうための集客施策は、どのようなことをされているのでしょうか?リスティング広告とSEO対策はもちろんやっています。やはりネットにお店を出すうえで認知・集客は重要ですし、コンテンツは検索エンジンの評価に高く影響します。そのあたりのマーケティング施策はもちろん基礎レベルではちゃんとやっています。ただ、お客さんはGoogleやYahoo!で「イノシシ 罠」と検索したときに、上位表示されているリスティング広告の枠を広告と思っていないレベルの人が多いかと……。となると、イノホイのユーザーはスマホではなくて、PCからYahoo!経由で流入して買う人が多そうですね?まさにその通りです。PCからYahoo!です。電話注文やFAXも多いです。FAXは怪文書みたいなよくわからないものも来ます。「罠をひとつください。よろしくお願いします」とだけ書いてあって……(笑)。住所も電話番号もないんですか?何も書いてないです。送信先のFAX番号はわかるので、そこからスタッフがなんとか連絡をして注文を受け付けています。となると、決済も銀行振込とか……ひょっとしたら現金書留もありますか?ほとんどが銀行振込ですね。過去に「払込票を送ってくれ」と言われたことがあるのと、郵便書留も1回ありましたね。現金がどかんと届いて「嘘でしょ?」と(笑)。ネットショッピング黎明期みたいな感じですね(笑)。ほかに何か集客施策はされていますか?一番効くのは意外かもしれませんが新聞の折り込みです。これは私の経済感覚ですが、ECって伸びてはいるんですけど「小売のネット化」でしかないので、買う場所がインターネットになっているだけなんですよね。その商品を知るきっかけや買いたいという動機につながるのは、一般的な小売と一緒で新聞、テレビ、ラジオからのアテンションが圧倒的に強いですし、やっぱりクチコミにまさるものはないと捉えています。なので、当社は折込チラシもやっています。ECをやっていて折込で集客というのはおもしろいです。考えてみると、通販は折込チラシでの集客をよくやっていますよね。ニッチな分野なので競合は少ないと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか?競合と検索順位や広告で争っている部分はありますが、アパレルなどのように乱立しているということはないですね。新規で業界に参入してくるところもないですし。他社は、イノシシ捕まえることに対しての性能を競って製品を作っているんですよね。ただ、お客さんのニーズってそこではなくて、本当に困っているから駆除したいというだけなんですよ。そのニーズに対してちゃんと応えられていればお客さんは買うんです。たとえば、罠ってかかり糸みたいなものがあって、けものが入ってそれを足ではじいたら、がしゃんと檻が降りるんですよ。その檻が降りるスピードがめちゃめちゃ早いとか、どうでもいいじゃないですか。もともとのスピードを知らないので、早くなったと言われてもなんともわからないですね。その結果、「捕獲率が30%上がります」だったらわかるんですけれども、そこじゃなくて、どちらかというと、作ったものの自慢大会みたいになっている感じがしたので、その競争には乗っからなくてもお客さんはつくだろうなとは思っています。コンテンツを書いているメンバーにも言っているんですけれども、やや情熱を引きぎみでやることが私は大事だと思っています。うちのメンバーが罠のことをめちゃめちゃ好きで、狩りをすることがすごく好きみたいな状態でコンテンツを書いてしまうと、多分読み手にきちんと伝わらないんですよ。たとえば、メンバーが製品の改良をしようとして工場の人といろいろやりとりをするのですが、「その改良は何の目的があって改良するのか」と聞いてみると、結局は好みなんですね。「自分がこうしたほうがかけやすいと思ったから」なんです。情熱がありすぎると、その先に捕獲量が上がるといったメリットがあるのかなど、お客さんの課題にきちんと応えられているのかという視点になかなか到達できなくなってしまうなと思っています。なるほど。罠が好き過ぎちゃって、罠マニアになっていくと。そうです、そうです。だから、やや自分を客観的に引き気味に見ながらコンテンツを書くことをやれると、読み手にも丁寧に伝わる文章に見えると思っています。コンテンツというと、とにかく調べてその商品を好きになって熱量高めで……と言われることが多いですが、やや引き気味というのは新鮮ですね。最後にお聞きするのですが、イノホイというサイト名はひょっとして……。「イノシシホイホイ」でイノホイ。まあ、わかりやすいですよね。友人と昼ごはんを食べながら決めました(笑)。

(「食用可」のリスト公表、野生動物禁止受け:中国)
中国メディアによると、中国の農業農村省は9日までに、飼育して食用にすることが可能な動物のリストを公表した。リスト上の動物であっても野生種を食べることは禁じる。中国政府は新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、ウイルスを媒介する野生動物を食べる「悪習」の根絶を掲げており、対策を具体化させる。農業農村省が、食用のほか皮や毛の調達、酪農で活用できる動物を定めた。豚、牛、鶏、ラクダやウサギのほか、ガチョウ、七面鳥なども指定した。数種のシカ、アルパカ、ホロホロチョウやキジも挙げた。犬は一部地域で食用にもされているが、人類の「伴侶」であり「国際的に家畜家禽として扱われていない」としてリストに含めなかった。中国では滋養豊富として野生動物を好む習慣があり、食用に繁殖する産業も存在する。リストの公表は8日付。5月8日まで市民の意見を募り、正式決定する。

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(頼まれヒグマ駆除したのに、猟銃所持許可取り消し:北海道)
自治体からの要請でヒグマを駆除したら、違法性を認定され猟銃所持の許可取り消し処分を受けた――。北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(71)が道公安委員会の処分を不服として申し立てた行政不服審査が、2日までに棄却された。池上さんは「市民の安全を思い協力したのに理不尽だ」と憤っており、処分を不服として札幌地裁に訴訟を起こす方針だ。池上さんは2018年8月、猟友会を通じて砂川市の出動要請を受諾し、男性ハンター1人を伴って現場に急行。道路下の斜面で体長約80センチの子グマを確認し、市職員と警察官の立ち会いの下で猟銃を発砲するなどして駆除した。状況が一変したのは19年2月。池上さんの発砲に問題があったとの情報提供を受けた砂川署が「民家に向けて発砲した」として鳥獣保護法違反と銃刀法違反容疑などで滝川区検に書類送検した。区検は起訴猶予処分としたが、道公安委は19年4月に「民家に向けた違法な発砲を行った」と違法性を認定、猟銃免許を取り消した。池上さんは処分取り消しを求め行政不服審査を申し立てたが、1日に棄却された。一方、狩猟免許を扱う道環境生活部は池上さんから事情を聴くなどした上で、民家に向かって発砲した事など「違法の事実が確認できない」と判断。狩猟免許の取り消しをしなかった。現場は田畑が広がる山間の地域で斜面上に民家が数軒建つ。池上さんは「子グマの背後に8メートル近い斜面があり発砲しても安全な場所。民家に危険は及ばない状況で、同行した警官も発砲を制止しなかった」と訴える。ハンター仲間も「斜面の土が弾を受け止める場所で、何が問題か分からない」と首をかしげる。また、池上さんの代理人で自身もハンターの中村憲昭弁護士は「善意の市民をいたずらに処罰しており不当な処分だ」と道公安委の対応を批判している。全道の猟友会にも波紋が広がっている。「いつ取り消されるか分からない」と同猟友会新函館支部など一時、自治体からの要請を受けても出動を自粛したところも出た。池上さんはハンター歴40年で、趣味でヒグマの絵を描くほどの動物好き。「本当なら撃ちたくないけれど、市民の安全を思ってこそ」。後輩の育成にも力を入れようとした矢先の所持許可の取り消し。処分が確定すれば最低5年間は再取得ができない。池上さんは「ヒグマを熟知しているハンターは少なく、命がけで協力している。地区のハンターに影響が広がる事態を心配している」と話している。

(イノシシ避けようとして男性大けが:富山)
富山市の大山地区で3日朝、イノシシに遭遇した男性が避けようとした際に足の骨を折る大けがをしました。県自然保護課などによりますと、3日午前6時すぎ、富山市東福沢のゴルフ場内で見回りをしていた30代の男性従業員がイノシシと遭遇しました。男性は向かってきたイノシシを避けようとしたところ、右足首の骨を折る大けがをしました。逃げたイノシシは、今も見つかっていません。県は、イノシシに遭遇しても威嚇などはせずに、静かにその場を離れてほしいと呼びかけています。イノシシに関わる人身被害はことし初めてです。

(高速道で乗用車とクマ衝突:北海道)
クマが出没する時期になりました。1日午後8時前、美唄の道央自動車道で乗用車と路上にいたクマがぶつかりました。クマは体長およそ1メートルで、事故からおよそ3時間後に死にました。乗用車を運転していた男性にけがはありません。札幌では先月22日、例年より1か月ほど早く、藻岩山の山頂近くでクマの足跡が見つかりました。道警には今年に入ってから3月までに27件の出没情報が寄せられています。酪農学園大学の佐藤喜和(さとう・よしかず)教授によりますと、道内は3月中旬になるとヒグマが活動を始めるため、ハイキングなどで山に入る際には注意が必要です。

(住宅街でクマ目撃:山形)
2日午前5時50分ごろ、山形市松山2丁目の千歳山公園近くの住宅街で、クマ1頭を目撃したと、バイクで通り掛かった市内の男性(61)が山形署に届け出た。市は同日から公園の立ち入りを禁止した。同署によると、クマは体長約1メートルで、道路を公園方向に歩いているのを男性が見つけた。パトカーなどで巡回したが、クマは見つからなかった。市は看板やのぼりを立てたほか、松山と平清水の地区住民約500世帯にチラシを配布して周知する。公園近くでは同日午前、まだ情報が行き届いておらず、散歩する市民の姿も見られた。毎日千歳山を登っているという男性(87)は「今まで見たことはないから大丈夫」と意に介さない様子だった。公園に隣接する場所に40年以上住む鈴木勝子さん(69)は、クマの目撃情報に驚いた様子で「けさは知らずに散歩してしまった。園児が遊びに来るなど市民の憩いの場所なので今後が心配」と話していた。

(クマ1頭目撃:山形)
3日午後10時半ごろ、上山市小白府の国道348号で、車で通り掛かった30代女性がクマ1頭を目撃したと110番通報した。上山署によると、現場は小白府橋近く。クマは体長約1メートルで、白鷹町方面に向かっていた女性の右側を歩いていた。車のライトに気付き、右側の山中に入っていったという。

(有害鳥獣捕獲隊を統合、被害減へ体制強化:鹿児島)
曽於市内で活動する四つの有害鳥獣捕獲隊が、2020年度から一本化される。イノシシ、タヌキなどを中心に有害鳥獣の捕獲数が増加傾向にある中、関係機関や地域間の連携を強化し、効率的な活動・運営を目指す。市農林振興課によると、19年度の有害鳥獣捕獲頭数はイノシシ310頭、タヌキ487頭、アナグマ121頭など。ほかに補助対象外でイノシシ約170頭が捕獲されている。市内の捕獲隊はこれまで六つの猟友会メンバー149人が大隅、恒吉、末吉、財部の4隊を組織して活動してきた。高齢化が年々進んでいる上、各隊ごとに補助申請を行うなど煩雑な事務作業も課題となっていた。市は昨年12月、「捕獲体制を強化して農林作物被害を減らしたい」と組織統合を提案。設立総会を3月13日に市末吉総合センターで開き、4月1日から「曽於市有害鳥獣捕獲隊」として再スタートを切ることを決めた。事務局は市農林振興課が担う。会長に選出された佐澤利博さん(70)=財部猟友会=は「組織が大きくなり、現場が抱える課題解決に向けて行政との連携も取りやすくなる。会員間の情報交換、技術向上にもつなげたい」と抱負を語った。

(イノシシ対策で電気柵:富山)
砺波市東山見地区の住民でつくる「青山にこにこクラブ」は4日、同市金屋の青山霊苑周辺に電気柵を設置した。イノシシ被害を防ぎ、桜をはじめ豊かな自然の魅力を発信する活動の第1弾で、5日までに延長約3キロに柵を整備する。東山見地区では3年ほど前から、霊苑のある丘陵地からイノシシが出没して田畑を荒らす被害が増えており、市街地にも現れることがあった。クラブはイノシシの侵入を防ぐため、市の「となみ地域力推進交付金」を活用して電気柵を購入。4日は45人が参加し、雄神地区鳥獣被害防止対策協議会の山森主税(ちから)さん(54)の指導で、丘陵地の裾野に支柱を打ち込み、ワイヤーを張った。青山霊苑周辺ではコヒガン150本が見頃を迎えた。希少植物サイカチも群生しており、同クラブは近く散策会を開く」。東山見地区自治振興会の沖田孝夫会長(69)は「イノシシ対策を行い、市民の憩いの場として発信したい」と話した。

(有害鳥獣に悩む農家、ICTで遠隔操作のわな導入:沖縄)
農業が盛んな石垣市で、豊かな自然環境ゆえに農家の頭を悩ませている課題がある。有害鳥獣の農作物被害だ。主にカラス、イノシシ、キジ、クジャクで2018年度の被害額は約348万円。市は猟友会と連携して対策に当たっているが、被害と駆除の「いたちごっこ」が続く。打開に向けて市は今年2月、被害額の半数超を占めるイノシシに狙いを定めてICT(情報通信技術)を活用した大型の囲い式わなを試験導入した。遠隔操作で群れごとの捕獲を目指す。市の16年度の農業産出額は約116億円で八重山全体の8割弱を占める。肉用牛は県内最大の約70億円。サトウキビやパイナップルも県内有数の産地だ。有害鳥獣のうちキジとクジャクは外来種。カラスを加えた3種は主にパインや野菜、イノシシはサトウキビやパインを食い荒らす。 17年度の被害額は約176万円と前年度から半減したが、18年度には再び2倍近く悪化した。一方、18年度の駆除数はカラス856羽、イノシシ219頭、キジ1191羽、クジャク663羽で3年連続で増加。市農政経済課は「農家が未申請のケースも多い。捕獲数は増えており、現在の被害額は『氷山の一角』だ」と指摘する。突出して大きな被害を与えるのがイノシシだ。18年度は被害額の約62%を占め、うち約42%が基幹作物のサトウキビに当たる。1回の侵入で農場の3~10%に損害が出るとされる。農家は市を通して地元猟友会に駆除を依頼しているが、効果は一時的だ。別の対策として侵入を防ぐ電気柵もある。イノシシは初めて見るものを鼻で触れる習性があり、電気ショックを与えて撃退する。ただ草が触れても漏電するため、定期的な雑草除去が不可欠。電池交換も必要だ。市は昨年100基を導入し農家に貸し出したが、効果は道半ば。懸念していた漏電による電圧低下や電池切れで侵入を許すなど、維持管理の面で課題を残した。被害に苦しむ農家の男性(72)は「管理に手間が掛かり過ぎる。このままではイノシシのためにキビを作っているようなものだ」と嘆く。1年間の実証実験に取り組むICTわなは最新の猟具だ。国などの鳥獣被害防止総合対策事業で予算は200万円。特に被害が大きい島北部の農家の協力を得て、農場の一角に6メートル四方を金網で囲ったわなを設置した。幅約1メートルのゲートからイノシシが入ってくるとセンサーとカメラが反応。映像がスマートフォンに送られ、遠隔操作でゲートを閉じて捕獲する。当面は餌となる米ぬかを置いておびき寄せる。開始1カ月で中に入る様子が確認されているが、今はまだ捕獲せずあえて食べさせている。同課の多宇克顕主事は「イノシシは頭が良い。警戒心を解くことが大事」と語る。多宇主事によると、親など3~6頭の群れでやってくる。親は子を実験台に使い、安全を確認してから餌を食べる。もし1頭でもわなに掛かったら別の個体は避けるようになるといい、「群れで来たものは群れごと捕まえる必要がある。農家の所得と営農意欲を守るために何としても成功させたい」と力を込めた。

(C・W・ニコルさん死去、「狩猟」のあるべき姿)
英国出身の環境保護活動家で、作家のC・W・ニコルさん(79)が3日、直腸がんのため長野市の病院で亡くなりました。ニコルさんは生前、インタビューで「狩猟」について語っていました。類の歴史は狩猟に始まった。農耕社会でも田畑を荒らす獣は全力で退治した。だが人は森を離れ、山村は過疎化し、野生動物が都市部に押し寄せる。この時代に、いかに自然と向き合うべきなのか。環境保護活動家で、狩猟にも詳しい作家のC・W・ニコルさんに話を聞いた。-銃は何歳から?12歳から小さな散弾銃でウサギやハトを撃ちました。空気銃は10歳から。田舎に住んでいるなら、狩猟をするのは当たり前でした。17歳からは、北極探検でアザラシやトナカイの狩りをしました。自分と仲間を守るためにシロクマを撃ったこともあります。でもトロフィーハンティング(剥製などが目的の狩猟)は嫌いです。チーターを撃つとか、遊び感覚で命を奪うことは、軽蔑します。-日本での猟は?僕が黒姫(長野県信濃町)に住み始めたのは1980年。その時、鉄砲の免許を取って猟友会に入った。当時はイノシシもシカも全くいなくて、獲物はウサギ、キジ、カモだった。ライフルを持ちたかったけど、まずは散弾銃を10年間持たないといけない。7年間経ったころ、海外ロケに行っている間に所持許可の書き換えが10日間遅れた。それで一からやり直しとなったのでやめた。銃が厳しいのは当たり前だけど、日本はハンターを育てないといけない。私はわなは大嫌い。ものすごく嫌いです。アフリカの国立公園長をしていた時、わなを使う人たちを逮捕していたから。わなは密猟者の道具。動物に恐怖と苦しみを与えてはいけない。大半の国でわなは違反です。特にワイヤロープ(くくりわな)。あれは無差別です。シカ以外の生き物もかかってしまう。でも政府はわなを勧める。それは日本の恥です。-北極での猟は?僕は17歳からイヌイット(カナダなどの先住民)と一緒に暮らした。彼らはアザラシやイルカを取る。ある会議で国際的な自然保護団体が「動物を殺すのは最低だ」と発言した。その時イヌイットのリーダーが「確かに動物の命を取るのはかわいそう。でもあなた方は牛や豚を殺すために飼っている。われわれが取る動物は死ぬ一瞬まで自由に生きている。かわいそうと言うなら、あなた方は家畜を全部自由にしてください」と。ハンターの誇りはすごく奥深い。大切なのは勇敢だけじゃなく、1発の弾で即死させられる腕がないとだめ。バックショット(大型獣用の散弾)はとんでもない。1発に弾が9個入っていて、どこに当たるか分からない。イヌイットは絶対に使わない。それから上手に解体し、自分で料理するか、料理できる人に渡さないとだめ。-狩猟はどうあるべき?一つは絶滅させないこと。科学的に調査して何頭取るべきかを決める。二つ目は痛みを与えないよう一瞬で命を奪う。そうでないと動物虐待になる。最後に無駄にしない。日本は、年間60万頭取ったシカの91%を捨てている。本当に恥ずかしい。英国・ウェールズには、アファンの森(長野県)の姉妹森があり、そこでは自然保護官が猟期になると300頭を取り、肉を売る。すべて国立公園のお金になる。捨てることはない。自然保護のために狩猟は絶対に必要です。シカの数を管理しないと森の生態が変わる。珍しい植物がなくなる。シカが食べないものだけが増える。そして草木を食べ尽くすとシカが餓死する。シカのためでもある。-野生動物を狩る意味は?野生動物を生かすこと。つまり、その自然を守るのが本当のハンターの仕事です。自然界でもオオカミはちょっと弱いシカを狙う。すると自然淘汰され、種が進化していく。英国では、撃っていいシカといけないシカをストーカー(管理人)が指示する。撃っていいのは、角が曲がっていてメスを巡る争いで相手を傷つけるとか、問題があるシカだけ。-好きな猟は?一人でする忍び猟。トラッキング(足跡)を見て、風を考えて、動物がこちらに気付かない時に撃つ。-猟の面白さはどこに?取れた、当たった、でも死んだ動物を見ると深い悲しみがある。どうしても涙が出る。ごめんね、と。でも魂が出たから、もう肉です。イヌイットから学んだんですが、必ずお祈りをしています。動物を殺すのはちっとも楽しくない。でも当たった、取れたというハンターの喜びがある。昔のハンターは命のやりとりをしていた。いつ自分が死んでもおかしくない。だから自然に対する畏敬とか、ある意味の験担ぎが生まれた。イヌイットにきつく教えられたのは「おなかいっぱいで猟に行くな」。それは相手の命に対して失礼だ。「おなかがすいているからあなたの肉を下さい」でないといけない。生き物を畏れ敬って「神様、次も自分に獲物を下さい」という宗教心とか哲学とか、命を軽んじない精神とかがある。今は全くそういうものがなく、一方的に命を取っている。-クマを撃ったことは?シロクマを3頭取った。北極の真冬で、暗くて、小屋に入ろうとしたら突然向かってきた。最初は5メートルの距離で仕留めた。2回目は8メートルで立ち上がり、1発撃って当たったけど向かってきて、あと2発。2メートルで仕留めた。全部心臓に入っていたけど、すぐは死なない。クマは撃ちたくないが、人間をエサだと思っているから仕方ない。-撃った時の心境は?時間が止まった。逃げたらやられる。後ろに仲間がいたから、僕だけじゃなく仲間もやられる。怖くはなかった。怖さを通り越していた。そのあと一人で解体して、コーヒーを飲みに行ったらカップを持つ手がブルブル震えて止まらなかった。-クマはどんな存在ですか?山の親せき。殺したくない。でも生きているクマは大事にするけど、死んだクマの肉は抵抗なしにいただきます。大きな矛盾です。大事なお客にはシカかイノシシを出します。本当に大事な、特別な客にはクマを出します。

(地域おこし協力隊員、初の山くじら専門:島根)
農地の獣害対策を発展させ、イノシシ肉「山くじら」のブランド化に取り組む美郷町で1日、初めて山くじら専門の地域おこし協力隊員が誕生した。酪農学園大(北海道江別市)を今春卒業した福岡県春日市出身の木下実生(みお)さん(22)。同日交付された辞令を手に「さまざまな現場に積極的に関わっていく」と意気込んだ。木下さんは学生だった2019年8月に鳥獣肉の有効活用をテーマにした卒業論文の調査で、町を訪れた経験の持ち主。住民主体の獣害対策やブランド化の取り組みを学び、協力隊員に応募した。この日、嘉戸隆町長から町役場で辞令を受けると、早速、町山くじらブランド推進課の安田亮課長から状況を聞いた。3年間の任期で、同町乙原のイノシシ肉の製造・販売会社「おおち山くじら」に派遣されて活動。木下さんは「獣害対策、活用を通じて地域の活性化に貢献したい」と話した。

(大学で有害鳥獣の専門知識を学ぶ:佐賀)
3月まで上峰町役場産業課で有害鳥獣対策を担当。狩猟免許を取得するなど業務に打ち込むうちに専門知識を学びたくなり、退職して4月から新潟県の長岡技術科学大野生動物管理工学研究室で、農業被害を防ぐための知識を深める。久留米大商学部を卒業後、民間企業を経て2016年に同町役場に入庁。鳥獣対策は未経験分野で「最初は嫌でしょうがなかった」と笑う。それでも研修会などで技術を学ぶうちに興味が深まり、「イノシシなどを駆除すると農業被害が目に見えて減る。農家の喜ぶ顔が本当にうれしかった」と振り返る。「この世界はやればやるほど奥が深い」。イノシシ以外にもアライグマやシカなど農業に被害をもたらす動物は数多くおり、学術的な面から学ぶ必要性を感じてきた。当初は研究生から始め、ゆくゆくは「修士課程で学びたい」と意欲を見せる。大学で学ぶ期間は約2年半の予定。その後のことは決まっていないが「学んだことを生かして、地元に貢献したい。野生動物と人間が共存できるような地域にできれば」と夢を語った。上峰町堤。

(シカ肉をメンチカツに:神奈川)
株式会社セゾオン(佐藤美成代表取締役)が運営する、伊勢原市役所レストラン棟の「お食事処しいの木」で、地場産のシカ肉を使ったメンチカツカレーが4月6日(月)から販売される。農作物被害を軽減するため捕獲された野生鳥獣の食肉を使い、地産地消を推進するねらいがある。市内では、シカやイノシシなどの野生鳥獣による果樹や野菜などの農業被害が発生していて、市農業振興課によると被害額は年間1千万円台から2千万円台で推移している。このため、神奈川県猟友会伊勢原支部・各地区有害駆除班を中心に捕獲が行われている。販売される「伊勢原地場産 鹿肉メンチカツカレー」(税込670円)のメンチカツには、市内大山・高部屋地区で捕獲されたシカ肉を使用。伊勢原市有害鳥獣対策協議会(大山・高部屋有害駆除班)によって整備された食肉処理施設、猪・鹿問屋「阿夫利山荘」(磯崎敬三代表)で加工されたもので、市農業振興課が間に入って調整し、商品化された。3月30日には試食会が行われ、報道関係者に公開された。お食事処しいの木で、メニューの開発を担当している(株)セゾオンの課長代理、中野努さん(46)は、「伊勢原の新鮮なシカ肉を、いろいろな方に食べて頂ければと思い、メンチカツという身近な商品にした」と経緯を説明。メンチカツはシカ肉100%で、タマネギのほかにナツメグやバジル、オレガノの香辛料で味付けされ、しっとりさせるためにオリーブオイルが練り込まれているという。佐藤代表取締役(64)は、「美味しく料理できているので、ぜひご賞味いただければ」と話している。磯崎代表(77)は「美味しく食べて、命を無駄にしないことが大事。市民が気軽に行きやすい市役所のレストラン、しいの木さんで商品化してもらえて感謝しています」と語った。

(野生のヤギ、シカ、イノシシが街に出没:イギリス)
新型コロナウイルス対策で人の外出が厳しく制限されている英国で、野生のヤギやシカの群れが市街地に出没し、住民を驚かせている。英メディアは、動物たちが「街を乗っ取った」と報じている。英紙サンなどによると、西部ウェールズでは3月下旬、ヤギ十数頭が街に出現し、民家の生け垣の葉を食べたりした。ヤギは近くの丘に100頭以上が生息している。住民はツイッターで「彼らは(政府が禁じている)3人以上で集まっている」と、冗談を交えて指摘し、警察に通報する騒ぎとなった。

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(久子さま、ライフル射撃名誉総裁に)
宮内庁は、高円宮妃久子さまが1日付で公益社団法人日本ライフル射撃協会の名誉総裁に就任されたと発表した。宮内庁や協会によると、久子さまは過去に国体でライフル射撃を視察するなどしており、東京五輪に向けて協会側から就任を要請したという。

(胎内ライフル射撃場が4月1日から開館:新潟)
新潟県は30日、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を防ぐため休館していた県立胎内ライフル射撃場を4月1日から開館すると発表した。ただ、混雑状況によっては入場制限を行う場合があるという。

(豚熱の県内拡大止まらず、イノシシ161頭確認:静岡)
新型コロナウイルスの陰に隠れているが、豚熱(CSF)の感染拡大が県内で止まらない。県は三十日、藤枝市で感染した野生イノシシ一頭が見つかったと発表し、昨年十月に県内で初確認されて以来、野生イノシシの感染確認は計百六十一頭となった。これまで養豚場には広がっておらず、対策は一定の成果を上げている。CSFウイルスは伝染力が強く、排せつ物や感染した個体との接触でうつる。人には感染しない。愛知県などでは養豚に感染が確認され、全頭の殺処分を余儀なくされ、経済的打撃を受けた。県内では、藤枝市岡部町で初めて確認後、静岡や島田市などに拡大。二〇年一月には浜松市北区にも広がった。現時点では藤枝市での確認が全体の五割強、静岡市を含めた両市で全体の87%を占める。CSFの治療法はないが、ワクチンの有効性は実証済み。県内で養豚十万頭超にワクチンを接種した。養豚場は出入り業者や運搬車両からウイルスが持ち込まれないよう、消毒などを徹底している。感染した豚を食べても人体には問題なく、ワクチン接種による豚肉販売への影響はほとんどないという。県養豚協会の担当者は「生産者は感染防止をしっかり行っている。流通にも影響がなく安心している」と胸をなで下ろす。野生イノシシへの感染経路は判明していない。ここまで県東部での確認例はない。県と農林水産省は、感染状況や拡大経路を把握するため、野生イノシシの捕獲を強化し、捕獲の報酬として一頭当たり一万三千円を上乗せしている。県畜産振興課の吉田慎技監は「養豚場への感染拡大がなく成果が出ている。感染拡大に備え、危機感を持って対策を続ける」と話す。

(クマ出没、県内今年3件目:秋田)
30日午前10時ごろ、秋田県大館市柄沢の「小柄沢墓園」脇のやぶにクマがいるのを、散歩中の10代男性が見つけた。大館署によるとクマは体長約1メートルで、現場は直近の民家まで約200メートル。同署は近くの学校や保育所に連絡し、注意を呼び掛けた。

(クマ目撃、今年初届け出:北海道)
3月30日午後11時55分ごろ、村元町の国道沿いの民家付近にクマ1頭がいるのを住民の男性が目撃し、寿都署に届け出た。同署によるとクマは体長約1・5メートル。民家の1階にいた男性が、屋外から物音が聞こえたため窓から外を見てクマを見つけた。男性と同居人の計2人が2階に避難したところ、クマはいなくなった。目撃場所からクマがいた場所までは約1メートルで、付近にはタマネギや干したスケソウダラが入った段ボール箱が置かれていた。同署へのクマ目撃の届け出は今年初めて。

(鳥獣被害対策支援センターを設置:新潟)
新潟県は1日、鳥獣被害対策支援センターを設置した。鳥獣被害については、これまで農作物の被害を管轄する農林水産部(農産園芸課)、人的な被害を管轄する防災局(危機対策課)、鳥獣保護や狩猟を管轄する県民・生活部(環境企画課)に分かれていたが、鳥獣被害が大きな問題になっているなか、一元的に対策を行っていくこと目指し開設した。常勤4人のほか、各課との兼任者9人の総勢13名体制。通常、常勤4名以外は、各課にいることから、今後、定期的にミーティングを行い情報交換していく。1日、メンバーが集まり、発令伝達とキックオフミーティングを行った。神部淳センター所長(農産園芸課長)は、メンバーに対し、「これまで組織別に対策を行っていたものを一元的に行う機能を持たせるという目的で設置した。このセンターがしっかり機能を果たして県民の安全安心を確保するため、みなさん一丸となって業務に当たっていただきたい」と語っていた。具体的な業務については、今後詰めていくことになるが、現時点で想定されるものとして、短期的(日常的)には、注意喚起のための県民に対する情報提供があるという。また中期的には、(有害鳥獣捕獲の担い手確保につながる)ライフル射撃場の建設・稼働、捕獲(罠)の組織的展開などが想定されるほか、長期的には、県民の安全確保と、生物の生命保護の両面から、クマが人里に降りてこないよう里山・森林と生活圏の間に緩衝帯を整備することなどが想定されるという。このほか、センターの上部組織に、副知事を本部長とし、農林水産部長、防災局長、県警本部警察安全部長などで構成する「鳥獣被害対策本部」があり、有事の際は、本部の司令系統のもと、関係機関とともに迅速に対応していくことになる。一方、センターでは、今年は例年にない暖冬でクマの活動開始が早まると予想されることから、1日付で、ツキノワグマによる人的被害の未然防止のため、クマによる人身被害のポイントなどを公表するとともに、注意を呼びかけている。

(シカ食害で日本庭園「見るに堪えない状況」:京都)
京都市左京区の国立京都国際会館が、周辺の山から下りてくるシカの食害に悩んでいる。国際会議で訪れた人たちの目を楽しませてきた日本庭園では、葉や樹皮が食べ尽くされる木が増え、周囲の自然景観との調和が損なわれてきている。開館から半世紀を経て老木の衰えも目立っており、同館は4年間をかけ、木々の植え替えや保護で庭園の再生を進める。同館は、故丹下健三氏の右腕だった建築家の故大谷幸夫氏が設計し、1966年に開館。合掌造りと現代建築を融合させた外観で、比叡山を背にした穏やかな宝ケ池の風景との調和を重視した。白鳥が舞う池や茶室がある回遊式の庭園は、日本の里山や棚田に着想を得ている。シカが出始めたのは10年ほど前。ここ2、3年は特に深刻で、葉や樹皮が食べられて木が弱り、芝生にふんが散乱するようになったという。庭園の樹種はサクラやウメ、ツツジ、サツキなど多様だが、木の老化と食害で枝ばかりが目立ち、「見るに堪えない状況」(同館職員)になった。対策として、敷地内へのシカの侵入を防ぐフェンスを設置。今年1月には4カ年の庭園再生計画に着手した。作庭時のコンセプトは維持しつつ、老木化が進むサクラはしだれ桜や里桜など多品種を植栽する。弱ったウメやアジサイ、ツツジなどを補うほか、食害が深刻なエリアはシカが食べないアセビを植えたり、木を網で覆ったりなどの対策を施す。サクラの後に見頃を迎える藤棚を設けるなど、四季折々の景色が楽しめる庭園を目指す。再整備の作業は2023年に終了予定だが、木が根付き花を咲かすには5~10年かかるという。同館は「設計された大谷先生の思いを守りつつ、より身近で時代にあった庭園になるように整備を進めていきたい」としている。

(県警OB、迷惑イノシシを成敗:鹿児島)
大和村思勝に住む玉井勝郎さん(75)は28日、自宅庭に侵入した体長約70センチのイノシシを退治した。丸太で打ち付け一撃でノックアウトしたという。元警察官の玉井さんは「近所の迷惑者をやっつけられてよかった」と責任を果たした安堵(あんど)感をにじませていた。同日夕方、近所に住む女性が勝郎さん宅に侵入するイノシシを発見し、勝郎さんの妻の佐代子さんに知らせた。当初は女性と佐代子さん2人で追い払おうとしたが、イノシシは逃げるどころか立ち向かってきたという。2人の騒ぎ声を聞きつけた勝郎さんは庭に出てイノシシと対峙(たいじ)。たまたまそばにあった丸太のくいを手にすると「えいっ」。会心の一撃をイノシシの頭部にお見舞いした。退治されたイノシシを見にきた近所の女性は「うちの畑のサトイモも何度も被害に遭った。山近くの畑ならまだしも、こんなに人家のそばまで来るのは珍しい。退治してくれてありがたい」と話した。偶然にも玉井さんの息子の誠さんも警察官で、瀬戸内署に勤務していた2005年3月に警杖(けいじょう)でイノシシを退治している。「親子鷹」の活躍に勝郎さんは「病気で弱っているシシで良かった。息子は剣道3段だけど、私は初段。元気なやつならけがさせられていたかも」と笑った。玉井さん夫妻は昨年金婚式を迎えたという。佐代子さんは「女だけじゃどうしようもなかった。お父さんがいてくれて良かった」と話し、「今年は奄美各地でイノシシが多いと聞くが、女子どもは興味本位で近づかないほうがいい。本当に怖かった」と注意を呼び掛けた。

(春先、クマに注意を:石川)
記録的な暖冬の影響で、石川県内でクマが冬眠から早く目覚め、春先から活発に動く可能性が懸念されている。県によると、クマは例年、4月中旬以降に冬眠を明けて活動を始める。今年は餌となる植物の生育が早まるとみられ、県や専門家は山中で餌を探すクマへの注意を呼び掛けている。クマは12月から冬眠に入る習性があるが、少雪高温だった今年は1月に金沢市、2月に小松市でそれぞれ1件の目撃情報があった。富山県内でも1月以降、富山市や上市町などで出没が相次いだ。石川県立大の大井徹教授(動物生態学)によると、昨年は木の実が凶作で、秋に十分に餌を食べられなかった個体が早々に活動していた可能性があるという。県によると、県内では昨年4~12月、過去10年で最多となる101頭のクマが捕獲された。同1~12月の目撃件数も統計を取り始めた2005年以降、2番目に多い350件に上った。人を恐れず里に下りてくる「新世代」のクマも増えているとされ、県は9月、3年ぶりに出没注意情報を発令した。

(「コロナ終息前提で準備」日程決まり前向き:埼玉)
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、新たな日程が決まった東京五輪・パラリンピック。代表選考や人手、会場の確保など課題も多い中、県内の関係者からは「出場できると信じたい」「新型コロナを終息させなければ」などと切実な声が聞かれた。一時は撤去されたカウントダウンボードが再設置されるなど、開催へ向けた前向きな動きもみられた。陸上自衛隊朝霞訓練場(朝霞市など)が会場となる予定だったクレー射撃。トラップ種目で五輪代表に内定している戸田市の大山重隆選手(38)の父賀市(かいち)さん(71)の思いは複雑だ。競技団体が代表選手の扱いを協議中で「日程が決まっても、そのまま出場できるか分からない。早く結論を出してほしい」と気をもむ。初の五輪切符をつかんだ大山選手は地元・埼玉での活躍を心待ちにしていたといい「出られると信じ、もう一度練習に打ち込むしかない」と話した。

(射撃、大山重隆の語る決意:埼玉)
空中に打ち上げられた皿を、散弾銃で撃ち抜く「クレー射撃」。トラップ、ダブルトラップ、スキートなど、クレー射撃の中でもさらに細分化された種目があります。今回お話を伺ったのは、トラップの大山重隆さん。大学まで野球をプレーしていた大山さんは、お父さんの影響で射撃の世界に入りました。大山さんがいかにして射撃をはじめ、五輪代表選手に選ばれるまでになったのかをお聞きしました。――大山さんがクレー射撃を始めたきっかけを教えてください。大山:父が射撃をしていたので、幼少期から射撃場に行くことが多かったんです。中学生からは狩猟で山に入ることもありました。冬の狩猟は、散弾銃を安全に取り扱うための練習になります。山に入っているうちに、競技の射撃も練習するようになりました。大学4年生になったときに、散弾銃の免許と狩猟免許をとりました。射撃以外にも、小学校からずっと野球をプレーしていました。高校は東北高校の野球部に入り、レギュラーではありませんでしたが、甲子園も経験しています。野球は東北福祉大学まで続けました。――では大学では射撃と野球の両立をされていたのですか?大山:いえ、大学の野球部では2年生で副キャプテン、3年生でキャプテンを務めていたので、散弾銃の免許は4年生の5月に取得しました。野球は7月まで続けていたので、その期間は野球の合間をぬって射撃の練習をしていました。引退後に時間ができて、本格的に射撃に傾倒していきましたね。――野球をやっていたことで射撃に生かされる部分はありますか?大山:競技そのものとは少し違いますが、高校時代の恩師である若生正廣監督が「礼儀、挨拶、掃除」を大切にしていて、それが今でも自分の根底にあります。クレー射撃は競技者に年配の方が多く、散弾銃を初めて握ったのが40歳、という方も多いです。用具を揃えたり、練習場を利用したりするのにお金がかかるので、若いうちから始められる競技ではないんです。年上の方に囲まれながら自分がここまで射撃を続けてこられたのは、高校時代に礼儀作法をしっかり身に着けていたことが一番だと思います。――競技を始めた当初からオリンピックを目指していたのでしょうか?大山:はじめは国体を目指していました。高校野球をやってきた僕にとって、国体はあまり馴染みがありませんでしたが、まずは現実的な目標を定めてみようと。競技レベルを上げて高みを目指す気持ちは最初からありましたね。五輪を本格的に意識しだしたのは、2008年の北京五輪後です。そこから次のロンドン、さらにその次のリオを目指して、4年のスパンをやり遂げましたが、残念ながら代表には選ばれませんでした。クレー射撃は日本の参加枠があるわけではなくて、国際大会で成績を残して参加資格を勝ち取らなければいけないんです。日本では代表上位の選手に入ることができ、アジア大会では銀メダルを獲得したことがありましたが、世界ではまだ通用しなかった。世界で勝つためにイタリアに行って武者修行をしました。イタリアは銃社会で、散弾銃や弾を作るメーカーもたくさんありますからね。そこで技術を学びました。――クレー射撃は、野球やサッカーなどと比較しても、とても静的なスポーツだと想像します。必要な技術、求められるものが他のスポーツとまったく違うのではないかと思いますが、いかがですか?大山:競技特性として、集中力が必要であること、また的を外した時の気持ちの切り替え、競技に入っていく上で、メンタル的スイッチ、といったことが大事だと思います。射撃は経験がものをいう競技で、僕の場合は海外や国体での経験を得たので、いまこの位置にいられると思っています。例えば大会に出られれば、海外の選手たちと同じ土俵にはいるので、形式的な勝負はできるんです。でもそこで勝ちに行くのか、勝負にこだわるメンタルを持てるかどうかは大違いです。僕はずっと「勝ちたい」という気持ちを強く持ち続けて、イタリアでも同じ気持ちで大会に出て、「勝つ」とはどういうことなのかを体感して日本に帰ってきました。日本にはその経験を伝えられるプレイヤーがいません。世界の舞台で戦った人がいないんです。92年のバルセロナ五輪で銀メダルを獲得した渡辺和三さんという方がいたのですが、若くして亡くなってしまいました。伝える人がいないのなら、自分で行くしかないんです。僕がイタリアに行った理由は、トップレベルをこの目で見たいからでした。――実際にイタリアに行って、どんな気づきを得ましたか?大山:射撃のフォーム、散弾銃や弾、勝負に臨むメンタルまで、何から何まで変わりました。特に散弾銃と弾はより信頼できるものになって、不安がなくなりましたね。散弾銃は僕の身体の一部。それを本場のイタリアで作れたのはよかったです。散弾銃はイタリアの「ベレッタ」という、ハンドガンでも有名なブランドにしています。メダル常連のイタリアチームが使っているブランドです。弾はイタリアでも日本でも購入できるものの中から選んでいます。国内外で試合があるので、同じ弾を使えるようにしておく必要があります。器材への安心感、信頼は非常に重要です。「この散弾銃と弾で戦ってきた、成績を残してきた」とポジティブに考えることで、不安要素は消えていきます。自分のまわりにあるものからしっかりとした土台、基盤となるようなものを作っていけば、射撃に集中できると思います。不安要素を残さない、それに尽きますね。――不安要素を取り除く方法として、試合前のルーティーンなどもあるのでは?大山:朝起きる時間からのルーティーンもありますし、試合前の競技のルーティーンもあります。競技ルーティーンで言えば、右足からマスの後ろに入って、スタンスを決めて、自分の番が来るまで待つ。待っている間に腹式呼吸でメンタルを整えて、自分の番が来たら散弾銃を上げ、散弾銃を組んで、構えて、クレーが出てくるところの近くで自分のガンポジションに散弾銃を置いて、コールして、撃って、撃った弾のカラ薬きょうを出して、次の的に向けて散弾銃を担ぐ、と。これが一連の流れです。2年前から、日本クレー射撃協会が外国人コーチを招聘してくれました。彼に「練習中もルーティーンをやりなさい」と指導されました。練習では、試合のようになかなか6人で撃つ状況はないのですが、自分なりのルーティーンは作っています。――メンタルを保つことが大事な一方で、大事な場面で的を外してしまったり、予想外のことが起きたりして、気持ちが揺らいでしまうこともあると思います。そういった時はどう持ち直すのでしょうか?大山:失敗は想定しないんですけど、外してしまったら悔やんでも仕方ないので、すぐに次に切り替えるしかないです。悔しがっているうちにクレーが出てきてしまいますから。反省は後ですればいいことで、そこを追求してもしょうがない。だったら同じルーティーンをこなして、頭で考えていることをスッと抜いて、次のクレーに集中することが大事です。――野球をやっている時と射撃をやっている時のメンタルの変化はありますか?大山:野球をやっていた時は、僕がキャプテンだったこともありますが、いろいろな人の行動に目配り、気配りをしなければいけませんでした。団体競技ですし、それが苦だったわけでもないのですが、射撃では自分だけに集中できるという違いはあります。自分が成功するために、自分がしっかりスタンバイしていくこと。他の人が外しても、自分が決めればいいんです。そのあたりの個人競技と団体競技の差というのは感じます。――競技者目線として、クレー射撃の魅力はどんなところだと思いますか?大山:僕はガンマニアではないんですけど、散弾銃でクレーを撃つことが楽しいんですよね。本物の散弾銃の本物の弾を使ってクレーを撃つ。それは公安委員会から許可を得た者だけができることで、誰でもできるわけではないんです。最近では散弾銃所持者が少しづつ増えていて、女性の方も多くなってきました。――では見ている人にとってはどういうところが魅力だと思いますか?大山:クレー射撃は飛んでいく皿を撃っていく競技で、予選ラウンドもファイナルラウンドも6人で撃ちます。クレーを外すとブザーが鳴るのですが、すぐ次の人が撃っていく時に、精神的なプレッシャーが見て取れるというか。前の人は外したけど、次の人は当てるかな、というような期待もあります。最初の人が外すと、次の人が外して、その次の人も外して、ミスが連鎖することもよくあります。かと思えば、失敗が続いていた中で1人が当てて勝ち抜けを決める、とか。北京五輪の女子のトラップで、中山由起枝さんが3位タイでファイナルを終えたんです。得点が並んだまま終わると、「シュートオフ」というサドンデスに入ります。北京では4人同点者がいて、誰か1人が勝ち抜ければ銅メダルという状況でした。最初の1人がミス、2人目も外し、3人目が中山選手だったんですけど中山選手も外して、ミスが連鎖した状態で4人目までまわりました。4人目も外したかと思われましたが、よく見ると弾がクレーにわずかにかすっていて、クレーから粉が出たんです。ギリギリの攻防の末に、劇的な形で銅メダルが決まりました。そういうメンタルの起伏が激しく、かつそれが見えるところが面白い競技だと思います。散弾銃を使って撃つというアグレッシブさがありながらも、気持ちの繊細な部分も手に取るようにわかるという、人間の奥のところまで感じられるのが、この競技の面白いところではないでしょうか。――精密機械を使う競技ですが、実は人間くささを見られるスポーツなんですね。大山:以前、協会の副会長の方に「お前は優しすぎる」って言われたんです。その優しさが競技にも出ていると。自分ではそんなことないと思っているんですけど、まわりの人にはそう見えているみたいなんです。射撃ではその優しさはなくさないといけません。一方で、誰からも愛されるというか、自分が射撃の選手として活躍することで、まわりも応援してくれるようになればと思います。見てくれる人も含めて、みんなで喜怒哀楽を楽しみたいです。自分だけでここまでやってきたわけではないので、みんなで東京五輪を迎えたいです。大山重隆(おおやま・しげたか) 1981年8月25日生まれ。埼玉県出身。東北福祉大学卒業。大山商事所属。2019年11月の第14回アジア大陸射撃選手権大会クレー射撃男子トラップで日本選手トップになり、協会の規定で東京五輪の代表に内定。38歳で初の五輪代表に。2013年に全日本選手権初優勝。2016年と2017年に連覇。国際大会でも実績を重ね、2012年アジアクレー射撃選手権大会で銀メダル。身長165cm。体重64kg。

(害獣対策ロボット、試作機完成:石川)
木々の間に張ったベルトを伝って自動で動き、イノシシなどを追い払う害獣対策ロボットの開発が進んでいる。石川県内の研究者とNPOが知恵を出し合い、試作機が完成。改良を進めており、今夏には検証実験をして実用化を目指す。金沢のNPO「みんなの畑の会」代表、西田敏明さん(73)が昨春、ロボット研究者の土居隆宏・金沢工業大学准教授(46)と出会ったのがきっかけだった。金沢市四十万地区で休耕田など遊休地を活用し、住民の交流活動を続けてきた西田さん。これまで害獣を撃退してきた電気柵は値が張り、冬には取り外す作業が高齢者の負担にもなると思っていた。そこで、「ひもを伝って動くロボットができないか」と相談。土居准教授がスポーツ用品として市販されているベルト状の綱渡り器具、スラックラインの利用を思いついたという。

(放牧効率化へ新技術:山形)
耕作放棄地に和牛を放牧して草を食べさせ、鳥獣被害防止などにもつなげる「山口型放牧」の効率化に向け、県は来年度から全地球測位システム(GPS)とスマートフォンを組み合わせた新システム構築の研究を始める。新技術の導入で、近年減少傾向が見える取り組みの復権を目指す。山口型放牧は、ソーラーパネルで作り出した電気を流す電線で耕作放棄地を囲む電気柵を設置し、その中に妊娠中のメス和牛を放牧する県内発祥の放牧方法。電気柵に触れるとしびれるため、牛は柵内にとどまり雑草をどんどん食べる。その結果、イノシシなどの隠れ家となる草むらがなくなって集落や田畑に近づきにくくなるほか、農村景観の保全、牛の飼料代抑制などの効果もある。1985年ごろ、長門市油谷の棚田地区で始めた水田放牧が原型で、その後に手軽に設置できる電気柵の導入で放牧面積は急拡大。ピーク時の2015年度には県内で372ヘクタールにまで拡大したが、近年、縮小傾向も見られ、18年度の放牧面積は320ヘクタールだった。

(イノシシから鹿肉へ、猟師の苦境続く:岐阜)
2018年9月に国内で26年ぶりとなる豚熱(CSF、豚コレラ)が岐阜県で発生して1年半。豚へのワクチン接種で養豚場での発生は止まったが、野生イノシシについてはジビエとしての利用ができない状態が続いている。イノシシ肉を主力にしていた猟師やジビエ業者は苦境の中で、鹿肉に活路を見いだし始めた。「鹿のハンバーグだよ。食べてって」。2月、関市の道の駅平成に猟師の野太い声が響いた。関市の猟師グループが開いた鹿肉の試食会。試食した人は「獣臭くなくてびっくり」「鹿肉のイメージが変わった」。猪島彩音さん(4)は「やわらかくておいしい」と喜んだ。会場には県職員も訪れ、「低カロリー、低脂肪、高たんぱく、高鉄分」と鹿肉の魅力をPRするチラシを配った。県は今年度の狩猟期間で、猟師や車にウイルスが付着したり、猟で刺激されたイノシシがウイルスを拡散したりする可能性があるとして、県内全域でイノシシの銃猟とわな猟を禁止した。実質的にイノシシ猟はできない状態が続く中で、ジビエ加工場・かみのほ・ジビエ(関市)の代表を務める漆畑善道さん(73)は「いつになったら今までのようにイノシシ猟ができるのか。まったく先が見えない」と嘆く。

(ジビエカフェ、市も起業支援へ:愛知)
山里カフェMui(豊田市北小田(きたこだ)町)は、鹿やイノシシなどのジビエ料理を提供する。清水潤子さん(48)が、同市が仲介する「空き家情報バンク制度」を利用して刈谷市から移住し、2017年12月に開業した。「名古屋に近く、行ってみようとお客様が思ってくれる」と中山間地の利点を話す。ジビエは、清水さん自身が猟で手に入れたり、地元の猟師から譲ってもらったりしている。ヌートリアやカラスなどの小動物の肉も料理に使うのが珍しく、メディアに登場することも多い。地元の人からは「北小田が有名になった」と喜ばれているという。ジビエカフェを思いつくきっかけは、豊田市の足助地区に稲作体験で訪れた際、地元の人たちが獣害に悩まされていると知ったこと。散弾銃などを使える第1種銃猟免許を取り、猟友会に加わって駆除を手伝うようになると、「駆除した動物の肉を捨てていることが多く、もったいない」と感じ、カフェにつながった。

(地産地消で「シカ肉」をカレーに:神奈川)
伊勢原で地産地消を進めるため考案されたメンチカツカレー。地域でとれた意外な肉を有効活用です。伊勢原市のレストランで新メニューに登場するのは、シカ肉を使ったメンチカツカレー。 市内で捕獲された野生のシカの肉を有効活用して地産地消を推進しようと官民一体となって考案されたものです。 30日に報道陣向けに試食会が行われました。野生のシカやイノシシによる農業被害が発生している伊勢原市。 農作物などを守るため捕獲された野生動物を市民においしく味わってもらうことで有害駆除について身近に感じてもらおうという狙いもあります。 シカ肉メンチカツカレーは、4月6日から伊勢原市役所となりの「お食事処しいの木」で、味わえるということです。

(なぜ上山で暮らし、鹿革を始めたのか:岡山)
革の加工品作りなどに取り組む合同会社・Tsunag(ツナグ、美作市上山)を立ち上げ、市内で捕獲したシカの革を使った小物の開発に向け、インターネットで資金調達するクラウドファンディング(CF)に挑戦しました。200人以上の方から購入、支援していただき200万円の目標も到達できました。支援いただいた皆様、本当にありがとうございます。そして、奥さんと周囲の皆さんのご協力に感謝いたします。大学を出て10年。鹿革のことを試行錯誤し始めてから6、7年たちます。私自身はもともと環境問題などに興味があり高校卒業後、進学で岡山に来ました。いまは鹿革に夢中です。やることは変遷してきましたが、いまなぜ上山地区に住み、身近な自然や里山環境を改善しているかというと…目に見える結果につなげていきたいという思いからです。最終回は、同じようなことを考えている20代にも届けばと思い、大学時代からの興味の移り変わりを書いていきます。大学で学ぶ環境問題のことは、世界や日本で起きていることを平たく、何となくでした。これではいけないと思いますが、問題が大きすぎてどこから手をつけたらよいかも学生の僕には分かっていなかったのです。大学では「一緒にゴミ拾いやろう」と友人3人でサークルを作りました。主に朝、大学構内で缶を拾い、授業に出る。その繰り返しの日々でした。「この調子でアルミの空き缶を拾ってプルタブを集め続けたらたくさんの車いすづくりに貢献できるはずだ」。そんな妄想を抱えながら過ごしていました。ある時、何キロ集めたら車いすになるのか冷静に調べて計算してみると、必要量に到達するのは10年後。とっくに卒業しているのではないかと気づき、やめました。次は顧問の先生に勧められ、国際協力をしようとなりました。ネパールに草の根の活動をしている「OKバジ」(“バジ”はネパールの言葉で“おじさん”の意味、日本人の方です)というすごい方がいるから行ってみなさいということでした。サークルの3人が中心となりスタディーツアーを企画。1年目は5人、2年目は15人ほど、3年目は10人、4年目は8人ぐらいと、年1回のツアーを行います。電気・ガス・水道などのインフラも整っていない途上国の田舎へと行ったのです。現地へ着くと問題は山積みでした。仕事が農業しかない▽若者は都会へ行く▽木を切りすぎて、はげ山が多い▽衣食住、医療、教育が行き届いていない▽エネルギーは薪のみ。時々太陽光と小水力、都市部でも停電は1日当たり14時間-など。日本で当たり前のことが、当たり前ではなかったのです。でも現地の方々は生きる活力があり、元気をたくさんもらうことができました。何より一番参考になったのは「OKバジ」が、ネパールの農村部で衣食住・医療・教育・エネルギーと多岐にわたり、村人の支援を行っていることでした。全てが暮らしにつながっていて、見守っている視点があるからこそ、偏りのない自立を促す協力をしていることがわかりました。日本へ帰り、改めて視野を広げて大学での研究(これは落ちこぼれ級にダメ院生でした)、就職活動、環境コンサルへのインターン、農家のお手伝いなど頑張れるだけ頑張りました。その時、たまたまインターン先でお世話になった方に連れられて、ここ上山へ初めて訪れます。大学では棚田のこと、耕作放棄地や農家が少ない、里山が荒れていると習います。分かっているつもりでしたが、何も分かっていませんでした。座学で棚田の機能、水路の作り方、圃(ほ)場整備の考え方とか学んでいた気はしますが、いざお米づくりに関わる活動に入れば何が何だか分かりません。月に1、2回、学生気分(学生なんですが…)で上山へ足を運び、草刈りをして、水路を掃除する。これがとてもしんどいけどやればやるほど身につきます。そこには一緒に汗を流す棚田団のメンバーがいました。なんで休みの日を返上して大阪から上山棚田まで来るのか。それを知りたくておしゃべりに参加していた気もします。徐々に里山の環境問題にも近づいてきました。漠然と環境問題に興味があったわけですが、棚田の作業体験しながら関わる大人に影響されて、耕作放棄地を再生し水田や畑に戻し、きれいになれば良いこと尽くしではないかと思うようになりました。荒れ果てた農地がきれいになると、耕作放棄地として何も生産しなかった土地にお米ができる▽地元の人が喜ぶ▽景色がきれいになる▽汗をかいた後の温泉、ビールが良い▽獣が遠のく▽土砂崩れしにくくなる-などいろいろいいことがあります。そんな暮らしをしながら鹿や猪が里山にはたくさんいることも知りました。食べることができるなら食べてみたいと思い、狩猟免許を取って近所の猟師さんに教えてもらい捕獲します。自分でお肉を得る手段があることにロマンがありました。狩猟を始めるきっかけはそんな食欲からです。関わる年数が長くなればなるほど野生動物が及ぼす被害が多いことを知ることになります。棚田を再生すると一度は遠のく野生動物。でも、農作物が生産され始めるとまた狙ってきます。イタチごっこなのです。里山で暮らし続けるためには野生動物と付き合い続けなければなりません。そのようなことがわかってきた移住2年目。実家で父親らと話をするうちに、親戚関係も革のことを仕事にしている人がいることを再認識しました。「そうだ、動物の皮は革になるのだ」と当たり前のことを思いつきます。皮革工場で試しに鹿革が仕上がると感動しました。おぉ、なんか良いものができそうだ!と。鹿革は日本人が昔から利用してきた革でもあります。剣道や弓道の武具などもそうです。歴史の中で、鹿との戦いも今に始まったことではなく、幾度となく日本人はやりあってきているそうです。その歴史さえも面白いなと感じています。肌触りが良い、軽い、しなやか、耐久性がある鹿革。身の回りのものにも使いやすい。デメリットは傷がつきやすいことですね。なめし革、毛皮、セーム革、白なめし革として商品を展開できることも他の革とは違うポイントです。先ほど書いたような鹿革の魅力もありますが、現在里山が直面する最大のハードルが「野生動物の被害」だという気がします。でも鹿が悪いわけでもないとも思うのです。たまたま里山に人が減って、鹿が増えたということです。増えた原因は天敵がいなくなったとかもありますが、そこを掘るとまた長くなるので…。捕獲して得られる鹿肉はおいしいし、革も魅力的なものになる。この皮を革にして商品として持ってもらうことができるクオリティーにもなりました。鹿は被害を与えているものというネガティブな印象ではなく、こんな良いものができる素材なのだというポジティブな印象にして最大限活用していきたい。関わる人が増えることで鹿も活用し、棚田がきれいになっていく、そんな商品にしていきます。ちなみに鹿セーム革は一昔前に新車には必ず付いてきたようです。フロントガラスなどを拭くととてもきれいになるのです。白なめし革はスキンケアに使え、肌を整えてくれます。いろいろな商品展開も考えられるので、関わったら楽しそうなプロジェクトを打ち出していきます。このことは10年間やってきた棚田再生の活動と、根っこの部分は一緒です。ひとつひとつ鹿革の魅力を深掘りしながら手に取っていただける方を増やしていきます。最後に、とあるサイトで「共感でお金を集める時代は終わった?」とありました。安易に共感を謳(うた)うことは虚(むな)しいぞと、ある種の強要にもなっているのだよ、と。この一文は僕の中でも腑に落ちました。共感ではなくても、たまたま見つけて気まぐれででも「なんか良いな」、「試しに手に持ってみたい」、「写真かっこよいな」、「商品よさそうだな」とかいった感じでウェブサイト(https://www.tsunag-ueyama.com/)を見てやってもらえるとうれしいです。今に至る流れを思いつくままに書きました。3年間にわたって、本当にありがとうございました。

(トランプ政権が銃販売を「必須のサービス」に認定、各州は反発:アメリカ)
銃の販売店や射撃の練習場、銃器や弾薬の製造及び販売業は、全米ライフル協会(NRA)のロビー活動の結果、トランプ政権が定める「必要不可欠なサービス」に指定され、新型コロナウイルスの感染拡大により都市封鎖が実施されたなかでも、営業を許される見通しとなった。感染拡大の余波で、米国では銃器の売上が急増し、カリフォルニア州はこれらの業種の営業中止を求めていたが、政府は銃規制反対派の声を聞き入れた形だ。一方、銃規制強化を求めるブレディ法支持の団体はこの動きに反発し、3月30日には合衆国国土安全保障省(DHS)に対し、今回の決定に至った経緯を開示するよう求めたとAP通信は報じている。「ウイルスの感染拡大は公衆衛生上の問題であり、憲法で保障された武装権との関連はない。自動販売機や道端の売店で、銃器が販売されるようなことがあってはならない」とブレディ法を支持する団体は述べた。全米ライフル協会(NRA)は、今回の決定を称賛し、ツイッターでトランプに対する感謝の念を表明した。「トランプは今回も約束を守り、我々の武装する権利を保護してくれた」。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、米国では銃の売上が急増した。初めて銃を購入する人々が、オンラインからの注文で面倒な身元調査を回避する動きも起きている。ただし、DHSの今回の発令は勧告レベルのものであり、各州をこのガイドラインに従わせる法的拘束力を持たないものとなっている。どのような業種を必要不可欠なサービスと定義するかの基準は、州によってまちまちだが、今回の政府の決定は、銃規制推進派と反対派の間に新たな論争の火種を送り込むことになった。ロサンゼルス郡では、当局が銃販売店に営業停止を求めたが、NRAはこれに反発し、営業継続を求める訴訟を起こしていた。

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