<射撃ニュース5月>
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(手入れの猟銃暴発1人けが:山形)
10日午後3時10分ごろ、山形県酒田市広野の機械修理作業場で、同県庄内町、会社員、佐藤克広さん(58)が手入れしていた猟銃が暴発し、作業場を管理する自営業、柿崎省吉さん(67)に弾1発が当たった。右手と腹部を負傷した。酒田署によると、佐藤さんと柿崎さんは知人同士。佐藤さんが猟銃の手入れをする際、柿崎さんの作業場を使っていた。署は当時の状況を詳しく調べる。

(散弾銃の弾など盗難か:茨城)
7日朝、つくば市の住宅で競技用の散弾銃の実弾が入ったロッカーなどがなくなっているのがみつかり、警察が窃盗事件として調べています。7日午前6時前、つくば市みどりのの住宅で、クレー射撃用の散弾銃の実弾が入ったロッカーや現金などがなくなっているのをこの家に住む60歳の男性が見つけ、警察に通報しました。警察によりますと、ロッカーは和室の押し入れに施錠した状態で保管されていて、男性は「中には実弾450発が入っていた」と話しているということです。警察が調べたところ、勝手口のドアに設置されたスライド式の窓の網戸が破られているのが見つかったということです。男性の自宅にあった散弾銃は盗まれていなかったことから、警察は何者かが現金や貴重品を盗む目的で侵入し、ロッカーなどを盗み出した疑いがあるとみて詳しい状況を調べています。

(山菜採り男性クマに足かまれ負傷:北海道)
8日午前、オホーツク海側の滝上町で山菜採りをしていた旭川市の62歳の男性がクマに遭遇し、右足をかまれけがをしました。警察によりますと、8日午前11時半ごろ、山菜採りのため滝上町滝ノ上原野の山林を歩いていた旭川市の62歳の男性がクマに右足をかまれました。男性本人からの通報を受けて消防が駆けつけ、男性はドクターヘリで旭川市内の病院に搬送され手当てを受けていて、意識はあるということです。警察によりますと男性は、「親子とみられる2頭のクマに遭遇し、そのうちの1頭にかまれた」と話しているということです。道警北見方面本部によりますと、オホーツク海側では3月以降クマの目撃が相次いでいることから注意を呼びかけていたということです。また、ヒグマの研究を行っている「知床財団」は、雪どけが進みヒグマがエサを求めて活動的になっているとして、「この時期は山菜を採る場所とクマの行動範囲が重なってくるので、山に入る際にはラジオを流したり、大声を出したりして人間の存在を知らせてほしい」と話しています。

(小学生3人の約50メートル先にクマ出没:北海道)
5月9日午前、北海道札幌市南区真駒内の住宅地の近くでクマが目撃され、警察が警戒を強めています。9日午前11時30分すぎ、札幌市南区真駒内の山林内の広場で遊んでいた小学生3人が、クマ1頭を目撃しました。クマは子供たちの約50メートル先にいて、子供たちが「クマだ」などと話している間に、やぶの中に消えていったということです。広場には大人もいて、子供たちの声を聞いてやぶを見たところ、ガサガサと揺れているのが確認できたということです。現場は住宅から130メートル程しか離れておらず、警察でパトロールを強化するなど警戒を強めています。

(クマ生息域が拡大か:青森)
青森県内で長い間、ツキノワグマがいないとされてきた八甲田山系や津軽半島などでクマの目撃が近年常態化している。過去3年間では十和田市や八戸市の市街地などでも市民からの情報が寄せられている。専門家は、暖冬の影響でクマの活動開始時期が早くなり、生息域が広がっている-と推測。今年はより活動範囲を広げている可能性もあり、県などは強く警戒を呼び掛けている。

(エゾシカ、国後島で定着か:北海道)
北海道の本島に生息するエゾシカが北方領土の国後島に渡って定着しているとみられることが北海道大学などの調査で分かりました。北大低温科学研究所の大舘智志助教らの研究グループは、国後島の自然保護区事務所が記録していた去年までの33年間分のエゾシカの目撃情報などを分析しました。その結果、2017年から新しいふんや足跡が継続的に見つかり、目視でエゾシカが確認されていることも分かりました。こうした記録から研究グループは「本来は北海道の本島にしか生息しないエゾシカが、何らかの方法で国後島に渡り定着しているとみられる」と結論づけました。研究グループでは今後、数が増えると北方領土の植生への悪影響が懸念されるため、日ロが協力してモニタリングすべきだとしています。大舘助教は「このままエゾシカが繁殖すれば国後島の貴重な自然が荒らされる懸念もあるので早急に対応する必要がある」と話しています。

(クジャク駆除:沖縄)
宮古島市と猟友会は9日、狩俣自治会(國仲義隆会長)を訪れ、同地区で農作物に被害を与えるインドクジャクの銃器による捕獲、駆除を報告した。猟友会では周囲への安全に配慮して実施しているが、民家が隣接しているエリアでは市民に注意を呼びかけている。

(住宅地に子グマ出没:岩手)
10日午後、岩手県宮古市の住宅地で子グマ1頭が目撃された。けが人はなく、被害もないという。10日午後4時頃、宮古市西ヶ丘にある「いわて生協西ヶ丘店」の近くで、歩いている子グマ1頭が目撃され、通行人が警察に通報した。子グマは柴犬くらいの大きさで、店の北西方向に逃げて行ったという。今のところけが人はおらず、被害はなかった。現場の数十メートル南には千徳小学校があるほか、子グマが向かった先には公園もあり、当時子どもたちも遊んでいたと見られる。現場付近では9日もクマが出没し、宮古市内では9日と10日合わせて3件のクマの目撃があった。これから冬眠あけのクマの出没が増えると予想され、警察は注意を呼び掛けている。

(クマ目撃:山形)
9日午後2時50分ごろ、南陽市小滝でクマ1頭を目撃したと、車で通り掛かった30代男性が、県警本部を通じて南陽署に届け出た。同署によると、クマは体長約1.2メートルで、男性が主要地方道山形南陽線を走行中、左側の山の斜面におり、車が近づくと山中に入っていった。現場は居残沢公民館の南東約60メートルで、民家が点在している。

(クマ、高校生見つけ110番:秋田)
8日午後6時40分ごろ、秋田市手形の手形トンネル付近の山林に体長約1メートルのクマがいるのを、同市の男子高校生が発見した。近くの住宅街まで約100メートル。秋田東署によると、男子高校生がトンネル南側出入り口近くのグラウンドで友人2人とサッカーをしていたところ、東側の山林内を歩くクマを目撃し、110番した。

(レジ袋くわえた子グマ:北海道)
ウトロ地区の幌別駐車帯で、子グマがビニール袋をくわえているのを、知床財団の職員が見つけた。付近では生ごみの投棄が相次いでおり、財団はフェイスブックなど会員制交流サイト(SNS)で写真を公開。「間接的な餌付け行為になる」として、ごみが入った袋の不法投棄禁止を強く訴えている。財団によると5日、通報を受け現場に駆けつけた職員が、1頭のクマと2頭の子グマを目撃。このうち推定1歳、体長80センチほどの子グマ1頭は、追い払うと、付近にあったビニール製のレジ袋をくわえた後に口から離し、姿を消した。中には泥水が残されていた。

(クマの目撃情報:新潟)
上越市からクマの目撃情報についてお知らせします。5月11日(月)午前6時15分頃、安塚区須川地内の市道須川上船線で、クマ1頭を目撃したとの通報が、午前6時24分浦川原区総合事務所にありました。

(クマの目撃に伴うパトロール結果:新潟)
上越市から、クマの目撃に伴うパトロール結果についてお知らせします。5月11日(月)、安塚区須川地内でのクマの目撃情報に基づき周辺を捜索しましたが、クマは発見されませんでした。

(イノシシの出没:佐賀)
令和2年5月10日午後6時ころ、唐津市西浜町、富士見町付近において、猪1頭が出没しています。

(クマの目撃について:新潟)
8日午後1時20分ごろ、妙高市関温泉地内の第1駐車場付近でクマ1頭が目撃されました。

(「サル目撃」相次ぐ:千葉)
佐倉や四街道などの市境で7日朝、野生とみられるサルの目撃情報が相次いだ。サルに危害を加えられたという報告は受けていないが、両市はサルを見かけても、近寄ったりせず、すぐに110番通報するよう呼び掛けている。佐倉署などによると、7日午前8時台に、佐倉市上志津原地区で住民からサルの目撃情報が2回寄せられた。8時55分には約1・6キロ離れた四街道市大日地区の市民農園で、女性から「畑の中にサルがいる」と四街道署に通報があったという。佐倉市生活環境課によると、隣接する八千代市勝田地区でも午前7時半ごろ、目撃情報があり、同一のサルとみられるという。3市はホームページなどでサルに遭遇した際の注意点として、近づいたりエサを与えない、食べ物を見せない、戸締まりを徹底するなどの対応を呼び掛けている。

(シカ、保護出動が例年の2倍に:奈良)
国の天然記念物「奈良のシカ」が2月以降、生息地の奈良公園(奈良市)から離れたエリアに頻繁に出没し、保護活動に取り組む「奈良の鹿愛護会」が対応に追われている。2~4月の出動回数は例年の2倍に増加しており、同会は「この時期、シカが街中に出るのは毎年のことだが、今年はいつになく頻度が多い」。なぜなのか。「長く奈良で暮らしているけど、日中にならまちを集団で歩くシカを見たことはない」。地元FM局でパーソナリティーを務めるDJのジョータローさん(40)は、驚きを隠さない。4月24日の夕方、近鉄奈良駅南側の旧市街地「ならまち」にある自宅近くで、6頭のシカの群れを見かけた。このときの様子を撮影した写真をツイッターに投稿すると、1万回以上リツイートされ、話題となった。奈良公園近くでは、シカが街中を歩いたり、草を食べたりしている姿を見かけるのは日常的だ。同会によると、毎年2~4月ごろは特に目撃情報が多く、市民の間では「閑散期で人が減るから」「冬場で草が減り、餌を探しに出ているのでは」とささやかれる。今年も「シカが住宅街を歩いている」「シカが道路をふさいでいる」との連絡が相次いだ。新型コロナウイルスの影響で観光客が減り始めた時期と重なったため、インターネット上では「鹿せんべいをもらえずにおなかをすかしているのでは」との臆測も。同会は会員制交流サイト(SNS)で「鹿せんべいは主食ではなくおやつ。飢えているといったことはありません」と噂を打ち消していた。同会の職員は、道に迷ったシカを奈良公園へ戻したり、けがしたシカを救助したりするために頻繁に出動する。出動回数は年々増加しており、平成30年度は約1400回、昨年度は約1900回。今年3月は400回と昨年同時期の2倍を数え、奈良公園から約2キロのJR奈良駅前で植え込みの草を食べる様子も目撃された。京都府との府県境での目撃情報もあるが、職員は「3キロ以上離れると、奈良公園以外に生息するシカの可能性が高い」と指摘する。街中でシカの目撃情報が増えている理由について、同会の担当者は「一概には言えないが、人が例年よりも少ないので、伸び伸びと出歩くようになったのではないか」と推察している。

(キジ新緑に羽広げ、愛鳥週間始まる:岩手)
野鳥や自然に親しむ愛鳥週間(10~16日)が始まった。盛岡市高松の高松公園では、県の鳥に指定されているキジが緑豊かな木々の中に姿を現した。雨が降り続く中、雄のキジは切り株の上に立ち「ケーンケーン」と独特の鳴き声を響かせて大きく羽を広げた。

(国産ジビエ認証取得、「イズシカ問屋」:静岡)
伊豆市食肉加工センター「イズシカ問屋」がこのほど、農林水産省の制度に基づく国産ジビエ認証施設の認証を取得した。県内初の認証で、全国では14施設目。適切な衛生管理や流通規格の順守、トレーサビリティー(生産流通履歴)の確認などの審査を受けた。認証により、顧客からの信頼向上やブランド力の強化が期待される。センターは食害対策として駆除されたシカやイノシシの有効活用を目的に2011年4月から稼働。現在はニホンジカを中心に年間約千頭を処理し、地元の精肉店に卸売りしている。販売できない肉や内臓は動物園に餌として提供したり、ペットフードに活用したりしている。農水省は消費者の安心確保を目指し、18年5月に制定した国産ジビエ認証制度に基づいて食肉加工施設の認証を行っている。菊地豊市長は「自然環境保護につながる伊豆市の象徴的な事業。高い品質を維持したい」と抱負を語った。

(ヘンリー王子、メーガン妃のために愛用のライフルを手放す:イギリス)
新聞「サン」によるとヘンリー王子はイギリスのライフルメーカー「パーディ」のライフル2丁を手放したそう。このライフルメーカーは英国王室御用達。オーダーメイドでスポーツ用のショットガンや狩猟用ライフルを製造していて、王子の所有していた狩猟用ライフルも手作業で作られたもの。同紙は王子がこれを大切にしていたと報じている。売買は個人的に行われ、売却価格は6万ドル(約630万円)だったそう。購入者の関係者によると取引は5か月前で、ちょうど王子と妃が王室離脱を発表した頃に行われた。狩猟を楽しむ伝統があるロイヤルファミリー。ヘンリー王子も少年時代から狩猟に親しみ、チャールズ皇太子やウィリアム王子と共に楽しんでいた。でも最近は王室の狩猟にも友人たちとの狩猟イベントにも参加しなくなっていた。関係者によるとこれは動物愛護活動に熱心なメーガン妃の影響。ヘンリー王子とメーガン妃の友人で著名な動物行動学者ジェーン・グドール博士も「ヘンリー王子は狩猟をやめると思う。メーガン妃が嫌っているから」とインタビューで語っていた。ライフルを売却したのも妃のために狩猟をやめた決意の表れだと報じられている。ロイヤルファミリーたちは夏はバルモラル城で、クリスマスはサンドリンガムハウスで狩猟を楽しむのが恒例。昨年9月、ヘンリー王子とメーガン妃はエリザベス女王にバルモラル城に招待されていたけれどこれを辞退。城で夏休みを過ごすことはなかった。そのときもメーガン妃が狩猟を嫌ったのが断った理由だという噂が浮上していた。英国王室を離脱した王子と妃が今後、夏休みやクリスマスをロイヤルファミリーと過ごすのかどうかは定かではない。でも王子が家族と共に狩猟に参加しないことだけは確実と見てよさそう。

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(山菜採りの80代男性がクマに襲われけが:岩手)
2日午前、岩手県八幡平市で、山菜採りをしていた80代の男性がクマに襲われけがをしました。警察によりますと、2日午前11時ごろ、八幡平市沖ノ平のJR花輪線・兄畑駅から北東に1.6キロほど離れた山中で、1人で山菜採りをしていた八幡平市沖ノ平の無職・関本義雄さん(83)が成獣のクマに襲われ、頭や左腕など数か所をひっかかれてけがをしました。現場付近で山菜取りをしていた近所の人が関本さんの声を聞いて駆けつけ、消防に通報しました。消防が到着した時に関本さんは意識があり会話が可能な状態で、県の防災ヘリで県高度救命救急センターに搬送されて治療を受けています。

(クマに襲われ男性けが:秋田)
5日午前10時15分ごろ、秋田県仙北市西木町桧木内字相内の山林で山菜採りをしていた同市田沢湖生保内の男性(71)がクマに襲われ、顔や両手の約10カ所に裂傷を負った。命に別条はない。県警によると、クマによる県内の人身被害は今年初。

(クマに襲われ85歳男性大けが:富山)
上市町の山で3日、有害鳥獣の捕獲のためパトロールをしていた85歳の男性が、クマに襲われて大けがをしました。県と上市警察署によりますと、3日午前11時ごろ、上市町蓬沢の山の中で、有害鳥獣の捕獲のためパトロールをしていた上市町田島野の85歳の男性がクマに襲われました。男性は1人でパトロール中にクマに出会ったため発砲し、クマが死んだと思って近づいたところ、頭から顔にかけてひっかかれたということです。男性は自力で別の捕獲隊員がいた小屋に逃げ込み、この隊員が消防に通報しました。男性は頭に大けがをしていて、病院に運ばれました。その後、上市町や猟友会が現場をパトロールしましたが、男性を襲ったクマは見つかっていません。クマによる人への被害は、県内では、ことし初めてです。ことしの春は暖冬の影響でクマの行動が例年より早くなっています。県は山菜採りなどで山に入る際、クマの痕跡を見つけた場合は引き返すこと、鈴やラジオなど音が出るものを持つことなどを呼びかけています。

(猟友会のクマ駆除できず:北海道)
後志の島牧村では先月からクマの目撃が相次いでいますが、村が地元の猟友会に支払う報酬を巡って調整がつかず、クマの駆除などができない状態が続いています。島牧村では先月1日から27日までの間に寄せられたクマの目撃情報が25件と、去年4月の1件と比べて急増しています。しかし、村ではおととし7月から10月までの間、クマの警戒にあたった地元の猟友会に支払った費用が1000万円余りにのぼったことから「高額だ」などと批判を受け、村は猟友会に支払う金額を年間で240万円までとする条例を制定しました。猟友会はこの条例に反発していて、去年以降、クマが出没しても猟友会が出動しない状況が続いています。こうしたことから村は去年、住民の安全を確保するため住宅地の周辺に電気柵を設置したほか、クマが目撃された際には村の職員や警察が出動して爆竹や花火などを使って追い払うなどの対応をとっています。島牧村は「現在の状況では猟友会の協力が得られない。住民には生ゴミを外に置かないなどクマをおびき寄せるような行為は慎んでほしい」と話しています。一方、猟友会は「クマの駆除は危険を伴う。現在の条例の報酬では出動することはできない」と話しています。

(地元猟友会が許可証返納、流れ弾事故を受け:兵庫)
兵庫県赤穂市周世(すせ)で有害鳥獣駆除の際、散弾銃の流れ弾が民家駐車場の軽トラックに当たったとみられる事故を受け、県猟友会赤穂市支部の20人は6月末が期限の有害鳥獣捕獲の許可証を市に返納した。岩本定夫支部長(71)は「猟銃での事故は大変な事態。当分の間、猟銃の使用はやめ、わなでの捕獲に限る」と話した。4月25日に周世で有害鳥獣を捕獲していた4人は、大日本猟友会が事故の危険性が高いとして2017年に各都道府県の猟友会へ使用禁止を通達した大粒散弾を使っていた。車の近くには高校生と小学生がいた。同支部によると、4月の有害鳥獣捕獲はイノシシ62匹、シカ26匹(うち銃はイノシシ3匹、シカ15匹)でわなでの捕獲が断然多い。岩本支部長は「千種川河川敷で猟銃を安全に使える場所はない」とし、同河川敷を許可区域から外すよう行政に求める。

(豚熱、野生イノシシ1頭が陽性:三重)
三重県と名張市は4月30日、同市滝之原で同23日に捕獲された野生のイノシシ1頭が遺伝子検査で豚熱(CSF)に感染していることがわかったと発表した。市内での感染確認は初で、伊賀市内では30日までに計11頭の感染が確認されている。県によると、20日から26日までに市内で捕獲されたイノシシ11頭の遺伝子検査を実施したところ、体長100センチ、体重35キロの雌(成体)が陽性だった。県内では北勢地域を中心に感染が広がり、3月11日に伊賀市内で初めて野生イノシシへの感染が確認されていた。市農林資源室によると、豚熱は人へは感染せず、市内に養豚場はないものの、隣接する宇陀市、奈良市などへの感染拡大を防ぐため、津市内と併せて経口ワクチンを散布する準備が進められているという。

(CSFイノシシ、七尾まで北上:石川)
石川県は1日、七尾市大田町で死骸で見つかった野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。能登地区では初の陽性確認で、県内25頭目となる。感染イノシシはこれまで津幡町が最北だったが、七尾市まで北上した。県は5月中にも経口ワクチンを散布して防疫に万全を期す。

(熊の目撃情報:宮城)
7日午後2時30分頃、登米市津山町柳津字黄牛石生地内(入沢行政区)で熊の目撃情報がありました。

(熊の目撃情報:宮城)
1日午前9時50分頃、登米市登米町日野渡布ノ目地内(日野渡行政区)で熊の目撃情報がありました。

(県内でクマ出没相次ぐ:秋田)
秋田県内で2日、クマの出没が相次いだ。県警によると午前3時25分ごろ、小坂町小坂字向田表の東北自動車道下り線で、青森県の40代男性の乗用車が道路前方に横たわっていた体長約1・2メートルのクマと衝突、乗り上げた。バンパーが破損したが男性にけがはなく、クマは死んでいた。このほか、午前10時15分ごろには能代市字田中谷地の民家近くで1頭、午前11時半ごろには大館市茂内字鬼ケ台の県道脇で2頭が目撃された。

(集落近くの山林にクマ、けが人なし:秋田)
7日午前7時半ごろ、秋田市雄和碇田の山林に体長約80センチのクマがいるのを近くに住む70代男性が発見した。付近の集落までは約50メートル。けが人はいなかった。

(クマ目撃:山形)
3日午前11時40分ごろ、南陽市川樋の山でクマ1頭を目撃したと、近くのブドウ畑で作業していた40代男性が南陽署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートルで、1日に現場近くに出没したのと同じ個体とみられる。男性が約100メートル先の山の斜面を下りてくるのを見た。その後、山奥に姿を消したという。現場は中川小から北に約200メートル。

(ニホンジカ4頭目撃、奥入瀬渓流:青森)
十和田八幡平国立公園の奥入瀬渓流の焼山地区で1日、ニホンジカ4頭の群れが撮影された。奥入瀬渓流では数年前から目撃されるようになっており、関係者は食害による植生破壊を懸念している。撮影したのは、地元の自然保護団体「八甲田・十和田を愛する会」の久末正明代表。1日朝、自宅の裏で目撃し、初めて撮影した。久末代表は「雪解けが進み、今度、さらに入ってくるだろう。保護地区の奥入瀬渓流では、どんな植物が食べられても大変なこと。植生破壊が問題になる」と危機感を募らせる。北里大獣医学部の岡田あゆみ准教授によると、撮影された4頭のうち3頭はメスで、1頭はオスの可能性もある。岡田准教授は「ニホンジカの繁殖力を考えると、先手を打って対策すべきだ」と指摘。積雪がある地域でも越冬できる環境があれば定着している可能性があるとし、「他地域ではニホンジカが増えてきたと思った途端に、止められないほどの被害が発生している。早急な対応が必要だ」と強調する。十和田八幡平国立公園管理事務所によると、2年前から10カ所にカメラを設置し、5~11月に観察を行っている。年間10~20頭を確認しているという。担当者は「食害の影響を受けそうな植生群落があるか調べる」としており、今後、植生群落を柵で囲って侵入を防ぐなどの対策を検討する考え。

(タイワンリスの増加阻止:静岡)
浜松市内で特定外来生物に指定されているタイワンリス(クリハラリス)の増加が問題になっている。放置すれば、市特産のミカン栽培や林業が被害を受ける恐れもあり、市は本年度から根絶に向け捕獲などの対策に本腰を入れる。「公園内の樹木の皮が次々とはがされている。木が枯れ、枝が折れて落下する危険もあります」-。同市中区の浜松城公園で公園統括責任者の佐野耕二さん(63)は声を落とした。同公園は市内でもタイワンリスの生息数が多い場所の一つ。かわいらしい姿を見た観光客が、禁止されている餌やりをしてしまうことも多く、対応に苦慮している。市環境政策課によると、タイワンリスは市内で40年ほど前から確認されている。生息数は2019年度時点で、推定約1万5千頭。何も対策を取らないと毎年20%程度増えるとされ、30年には12万頭になる見通し。既に電線のケーブルをかじったり、庭木の果実を食べたりといった被害が出ていて市に苦情が寄せられている。現在の生息域は中、東、西の各区が中心だが、東名高速道の北側にも拡大しつつある。同課の担当者は「森林の多い市北部に侵入すれば、増加に歯止めがかからなくなる」と危惧する。市は20年度予算で対策事業費約4700万円を計上した。個体数を減らすため、年間6千頭以上の捕獲を目指すほか、市民向けの捕獲講習会も実施する。熊本県の宇土半島では地元自治体や県が協力して大量捕獲に取り組み、約6千頭を数十頭まで減らした成功例もある。市環境部の藤田信吾次長は「生息域が拡大する前に早めに対応していきたい」と話す。

(アライグマ初捕獲:福岡)
福岡県大牟田市は28日、市内で初めて、特定外来生物として駆除の対象になっているアライグマ2匹が捕獲されたと発表した。同市草木の住宅敷地内で家人が4匹を捕獲したが、その後2匹が逃走。残った2匹が市環境保全課に引き渡された。2匹は殺処分される。アライグマは北米大陸が主な原産地。愛らしい外見からかつてペットとして輸入されたが、凶暴で、人間を襲ったり、病原体を媒介したりする上、農作物に被害を与えることも多く、2000年代に特定外来生物に指定され、飼育や譲渡が原則禁止された。同課によると、2匹は体長20センチ、重さ360グラム程度の幼獣。逃げた2匹も幼獣で、近くに親がいる可能性もある。同課は「危険なのでアライグマを見つけても近づかず、市に連絡してほしい」と呼びかけている。

(アライグマ2頭捕獲:熊本)
熊本市で先月30日、農作物を食い荒らす特定外来生物のアライグマ2頭が捕獲された。熊本市によると先月30日夜、北区植木町鈴麦に設置された箱わなにアライグマが捕獲されているのを地元の猟友会が発見した。また中央区島崎では民家の屋根裏から音がするという連絡を受け業者がわなを設置したところ、先月30日夜になってアライグマが捕獲されたという。中央区で生息が確認されたのは初めて。熊本市は目撃した場合はむやみに近づかず、写真や動画を撮って連絡してほしいと呼びかけている。

(クマ対策、成功の鍵は地元理解:福島)
県会津地方振興局は会津大の斎藤寛上級准教授の協力を得て、最新機器を活用したクマ被害対策に乗り出す。警報装置がクマを認識すると、警報音で周辺に知らせる。今年は管内三カ所をモデル地区に指定する。会津若松、会津美里の両市町からは、目撃情報が会津若松署に寄せられた。新型コロナウイルス対策で多忙を極める振興局だが、早急に準備を進めてほしい。警報装置は赤外線による熱感知で動物を撮影する。マイクロコンピューターがクマと認識すれば、警報を鳴らすと同時に青色回転灯で付近の住民に知らせる。複数のカメラを置き、広範囲の行動をカバーする。会津大のサーバーを通して市町村に自動的にメールで情報を提供するほか、インターネットサービス会社の地図に目撃場所を示して誰でも見られる環境をつくる。マイクロコンピューターはクマの特徴を集めたデータを内蔵し、撮影した画像と照合して判断する。音や光によるクマ撃退の効果も検証するという。撮影画像がクマかどうかを見極め、撃退効果を確認するには、できるだけ多くのデータを取る必要がある。モデル地区選びは成果を挙げるための重要な要素と言える。過去の目撃情報などを基に、振興局と地元を知る市町村が緊密に連携して設置場所選定に当たるよう求める。 警報装置の運用は、地域住民と市町村の理解と協力が不可欠だ。警報音が鳴った際の対処の仕方などは地域住民に十分に周知しなければ、設置の意味がなくなる。会津大から発信する自動メール情報は活用の幅が広い。住民の安全のために迅速に速報するばかりでなく、クマの行動の範囲や時間帯を知るデータとして蓄積して注意情報を流すことも可能になる。今回の取り組みは、振興局と管内の十三市町村が昨年十二月に発足させた「会津地域課題解決連携推進会議」の重点項目に挙がっている。会津地方では春先からクマの出没情報が寄せられる。昨年は十代の少女が足をかまれてけがをしたり、民家に侵入されたりと、人命が脅かされる事例も起きている。各地で地道な対策に取り組んでいるが、目撃や被害は増加傾向にあり、警報装置への期待は大きい。会津地方では、かつて生息していなかったイノシシによる農作物やゴルフ場への被害が拡大している。連携推進会議の重点項目はクマだけでなく、イノシシ、シカ、サルの対策も盛り込んでいる。特に食害の著しいイノシシはクマと並行して対応策を講じるべきだ。

(エゾシカ、公園を「占拠」:北海道)
こどもの日の5日、北海道根室市中心部の公園では子どもの姿はまばらで、エゾシカ5頭がのんびりと寝そべる光景が見られた。新型コロナウイルスの影響で親子連れなどが外出を控える中、子どもたちの遊び場を「占拠」した形だ。例年であれば、休日やゴールデンウイーク中はブランコや滑り台などの遊具で遊ぶ家族連れでにぎわい、エゾシカがくつろげる雰囲気ではない。しかし、この日の昼前、人影はまばら。普段、早朝以外は市街地に姿を見せることはないエゾシカが白昼堂々現れ、警戒している様子もなく、春の柔らかな日差しを浴びていた。車で公園を通りかかった女性は「まるで奈良公園のシカみたい」と目を細めていた。

(子鹿公開はコロナの影響で中止:奈良)
新型コロナウイルスの影響で人のいないひっそりとした奈良公園で、今年初めての“鹿の赤ちゃん”が生まれました。4月30日、奈良公園内の鹿の保護施設「鹿苑」で、職員が母鹿のそばに子鹿がいるのを見つけました。今年、奈良公園で初めて生まれた赤ちゃんで、体長54cm・体重4200gで、標準より少し大きめです。鹿の赤ちゃんは、柔らかな日差しを浴びて、元気な鳴き声をあげていました。子鹿は、元気に飛び跳ねたり日陰に入って寝そべったりしていました。毎年6月には子鹿が公開されますが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、子鹿が観光客の前にデビューする日は先になりそうです。

(住民がウリ坊6匹を救出:長崎)
長崎県西彼杵郡長与町で「珍客」が現れました。珍しい光景に、思わず記念撮影です。29日の朝、長与町本川内郷で小さなイノシシ、ウリ坊6匹が見つかりました。溝にはまって動けなくなったところを住民たちが救出したということです。

(イノシシに荒らされ花激減:京都)
ぼたん寺として知られる福知山市石原、洞玄寺(渡辺英俊住職)のボタン園がイノシシに荒らされ、今年は花の数が激減している。同寺では「なんで、まち中の寺にまでイノシシが来るのか」と驚き、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、「鑑賞は控えていただければありがたい」と呼びかけている。同寺のボタンは、1978年に檀家が両親の供養にと、50株を植えたのが始まり。境内にボタン園を作り、毎年4月下旬ごろに開花し、一般公開している。ボタン園への入り口は3カ所あり、イノシシが入ってくるようになったのは昨年夏ごろから。同寺によると、肥料の臭いにつられ、園内の栽培地の土を掘り返し、土中のミミズを捕食しているという。イノシシが土を掘ることで、ボタンの茎が倒れたり、折れたりして、植わっていた約200株のうち、150株以上がだめになった。渡辺住職(66)は「山の中に餌となる食べ物が無いのでしょうか。イノシシに荒らされるのは初めてで、びっくりしています」と言う。現在はボタン園の周囲に金網フェンスを設置している。また、今年10月ごろに植え替えをする。

(「野生獣」窓口を一本化:東京)
八王子市は今年度から、市民らの分かりづらさを解消するため、野生獣対策の窓口を一本化した。新設された獣害対策課の須藤文夫課長は「我々の業務の効率化にもつながると考えている」と話している。市には元々、野生獣に関する窓口が複数存在していた。アライグマなど外来生物の駆除は市環境保全課が担当し、野生獣による農作物被害の対策は農林課。そして、イノシシなどが市街地へ出没し人に危害を与える可能性がある場合は防犯課が出動するなど、だ。そのため、以前より市民から「分かりづらい」という声が挙がっていたため、市は昨年度から窓口の一本化に向け調整を重ねてきていた。須藤課長は「これまでであれば、例えば外来生物であるアライグマが市街地の空き家に住みついた場合、環境保全課がいくのか、防犯課が担当するのか市役所内で混乱が生じる可能性があったが、窓口が一つになったことで今後はそのようなトラブルを避けることができると思う」とプラスの要因を口にしている。野生獣が市内に出没する件数は増加傾向にあるようだ。主な野生獣、6種(イノシシやサル、アライグマなど)の市内捕獲頭数の合計をみると、2017年度の522頭から3年連続で増加。昨年度は速報値で970件に及んだという。なかでも、東京都の計画に沿って駆除にあたる外来生物のアライグマ、ハクビシンの捕獲頭数はここ数年増加傾向にある。「昨年度は、台風で山中が崩れ餌が取れなくなったイノシシなどが食料を求め街に降りてくることが多かった。野生獣は恩方や高尾などの山に囲まれた地域だけでなく、南大沢の方でも数多く見られる。市民の皆さんには注意してもらいたい」と市担当者は呼びかける。そして市の方針とするのが人と野生獣の共存。動物たちが田畑に入れないように電気柵をつくったり、動物たちの餌となる生ごみを市民にしっかり管理してもらうよう呼びかけ、野生獣が街へ来ないようにするなどしていきたいのだという。「ただ、市だけでは野生獣問題に対応するのは困難。今後も市民の皆さんの協力が欠かせません」。

(キジの声、響き渡る:神奈川)
茅ヶ崎市北部の里山で、繁殖期を迎えたキジの「ケンケン」と甲高い声がこだましている。キジはおとぎ話「桃太郎」でもおなじみで、日本の国鳥でもある。キジ目キジ科で体長はオス80cm、メスが60cmほど。繁殖期のオスはけたたましい鳴き声とともに、翼を激しく震わせ、「ドドドッ」という羽音をたてる母衣打(ほろう)ちを行う。市内芹沢や行谷などでは畑や民家の庭先などでも目撃されている。

(年間2万頭が駆除されるイノシシ、食用はわずか1割:佐賀)
農作物を荒らすことから、「山の厄介者」と呼ぶ人もいるイノシシ。佐賀県によると、県内では年間約2万2,000頭が駆除されているが、肉として出荷できるのはわずか1割だという。(イノシシは)食肉用には1割程度しかできないし、あと90%はみんな処理していますので、もったいない。3月末、武雄市山内町に完成したイノシシ減容化施設。「減容化」とは、廃棄物を粉砕・焼却・圧縮するなどして容量を減らすこと。この施設では、捕獲したイノシシを肥料に変える。捕獲したイノシシを再利用する施設は、国内でも類がない。総事業費は約3,000万円で、そのうちの2,700万円ほどを国と県、武雄市が補助している。施設を運用するのは、武雄地域鳥獣加工処理センター「やまんくじら」。(この施設は)要するに(イノシシを)乾燥させるところですね。燃焼させて乾燥させる。大体、90℃から100℃に設定しています。武雄市で1年間に駆除されるイノシシは約2,000頭。食用に使える部分が少なく、多くの自治体が「焼却」や「埋設」によって処理している。3月24日に行われた、武雄市の定例記者会見。イノシシを)フレーク状にして、循環型社会を作っていくと。全国の自治体の中でも、イノシシ処理においてですね、武雄市が先鞭(せんべん)をつけてやっていきたい。武雄市はこれまで、長崎県の業者に焼却処理を委託していたが、2019年度いっぱいで受け入れが終わることになった。武雄市はコストをかけない意味でも、再利用する「循環型」の処理を目指す計画を、2019年9月から進めていた。減容化施設では、イノシシを裁断しながら、約90℃から100℃の熱で乾燥させ、石灰を入れて、脂肪の分解を促す。5時間ほどこの過程に時間をかける。機械から出てきたイノシシの肥料です。乾燥していてほとんど粉の状態です。臭いはほとんどありません。まだいくつか骨が残っていますが、これから粉砕機で処理するということです。粉砕機で細かく砕いて、工程終了。イノシシを使った肥料は、タンパク質のほかリン酸を含んでいて、「JAさが」によると農作物の栽培などに適しているという。現在、この肥料の成分は臨床試験を行っていて、武雄市は2021年度中の商品化を目指している。さらに…他の用途ですね、飼料というところもありますし、イノシシの餌等に使いたいとか、そういったものも考えていきたいと思います。生成された肥料は、釣りの撒き餌としての利用も考えられている。さらに武雄市は、将来的にイノシシを罠におびき寄せるための餌や、ペットフード化なども視野に入れている。今までは、焼却とか処分していたものを、資源化または資金化になるっていうことで。(循環型施設は)全国で初めて作ったもので、参考にしてもらいたいなと思って。この施設には、小城市や多久市、鹿島市など、自治体関係者や農家も視察に訪れた。「山の厄介者」といわれるイノシシの命を循環させるこの取り組み。今後の動きが注目される。

(ジビエ企業に出資、スタートアップファンドの第1号:山口)
山口フィナンシャルグループは今年1月に設立した山口大学発スタートアップ企業に投資するファンドの第1号案件を発表した。対象は駆除されたシカやイノシシの肉を食用やペット用に販売するForema(広島市)。投資額は1000万円。同社は山口大発ではないが、今後、ジビエ肉の摂取が犬の腸内細菌や健康に及ぼす影響について山口大の共同獣医学部と共同研究する。

(シカ肉を使いスープ開発:島根)
島根県出雲市の北山山系で捕獲されたシカの肉を有効利用しようと、山麓にある島根県立大出雲キャンパスの研究グループなどが、地元食材を加えて煮込んだレトルト食品「しまね三昧ジビエ・ガンボスープ」を開発した。市内企業が5月下旬にも通信販売に乗りだす予定で、隣県に比べると遅れているジビエ文化の振興につなげたい考えだ。

(鹿肉コロッケの弁当:兵庫)
兵庫県丹波市山南町和田の薬草薬樹公園では、地元産の鹿肉を使ったコロッケが入った「まごころ弁当」を販売している。唐揚げや焼き魚なども入っており、値段は500円(税込み)。同園では新型コロナウイルスの感染拡大を受け、浴場やレストランは休業しているが、同園自体は開園しており、弁当の販売を続けている。弁当はフロントで注文を受けてから作る。コロッケは地元の女性会で作ったもので、レタスや卵も地元産を使用。また現在は春季限定で、同園レストランで好評だった、桜エビを使ったご飯を盛り付けてある。弁当を購入した客が知人を連れて再び買いに訪れるなど、評判も上々という。同園の垣田善之さん(32)は「手頃な値段でボリュームのある、できたての弁当を楽しんでほしい」と話していた。

(イノシシ革「マスクホルダー」:福島)
伊達市霊山町の市農林業振興公社は、有害鳥獣として駆除された同市のイノシシの革を使ったマスクホルダーを製作し、販売している。新型コロナウイルスの感染拡大対策でマスクが品薄になっている現状を受け、イノシシ革を有効活用しようと考案した。マスクホルダーにキッチンペーパーなどを挟むことでマスクとして使用できる。価格は500円(税込み)で、洗って使えるキッチンペーパーも同封されている。同公社のほかウェブサイトなどからも購入できる。問い合わせは同公社へ。製作に携わった斎藤知世さんは「イノシシの革は柔らかく肌になじみやすい。ぜひ多くの人に利用してもらいたい」と話した。

(マリモ保護で水草除去し乾燥、シカの餌に:北海道)
釧路市教委や地元関係機関などでつくる「阿寒湖のマリモ保全推進委員会」は本年度、国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」を保護するために阿寒湖(釧路市阿寒町)で除去する水草が、エゾシカの餌になるかどうかの調査を行う。「厄介者」の水草がシカの餌になれば山林の樹皮の食害防止につながり、阿寒湖独自の持続可能な自然保護となるため、関係者は期待を寄せている。調査は6月から来年3月まで実施。夏にマリモの群生地がある湖北部のチュウルイ湾で水草を刈り、干し草のように乾燥させる。来年2~3月に阿寒湖周辺の山林にあるエゾシカの食害対策用の給餌場に乾燥させた水草を置き、監視用カメラでエゾシカの反応を探る。地元の子どもたちも調査に参加してもらい、阿寒の自然保護の普及啓発の機会にもする。

(農泊核に観光交流を推進:京都)
春の山菜、夏のアユ、秋のキノコ、冬のジビエなど四季を通じて特色ある食が楽しめる笠置町。最近は特にジビエ料理に注目が集まっている。ジビエの代表格はキジ。笠置山の山頂近くに建つ自遊宿 料理旅館松本亭は名物の「きじ鍋」が第3回全国ご当地鍋フェスタ「鍋―1グランプリ」で優勝した。キジ肉は脂身が少なく、あっさりとした味わい。鶏肉と比べてタンパク質が多く脂肪分が少ない上、カロリーも半分ほど。健康食としても好評だ。一方、いま開発中なのが、イノシシ肉の料理。脂身があっさりとして独特の甘さで人気のジビエ代表格でもある猪肉を農泊の売りにしようとメニューづくりに取り組む。3月下旬には、笠置駅のカフェ「STATION!!」でジビエカレーライスの試作・試食会が行われた。三重県いなべ市で農家レストランなどを手掛けている北村光弘さんを講師に迎えて、猪肉を使ったカレーライスをつくった。町内の観光、農泊関係者がレシピを学び全員で試食。とても美味しいと好評だった。参加者の一人は「年間10万人近くが利用している笠置キャンプ場の来場者にも笠置ならではのカレーとして販売できるのでは」と販路開拓に意欲を示していた。

(次世代無線技術、山間部で活用:長野)
省電力で広域通信が可能な次世代無線技術「LPWA」が地方で注目されている。携帯電話の電波が届かない山間部でも、すべてのモノがネットにつながる「IoT」で社会の課題解決に役立つ。公立諏訪東京理科大学(長野県茅野市)の小林誠司特任教授は地元の産学公連携で、河川水位の自動計測やシカのわなセンサーなどへの実用化を目指している。LPWAの特徴は低消費電力で電波を長距離飛ばすことができること。1つの受信局のカバーできる面積が携帯の100倍ということになる。LPWAは都市部でも使用できるが、その特長を生かせるのは携帯がつながりにくい場所だ。その筆頭が山だと考えて長野県で実証試験していた。そこへ茅野市から協力の話をいただき、同市が内閣府の地方創生推進交付金の予算を確保し、「スワリカブランド創造事業」として様々な実証試験に取り組んでいる。例えばシカのわなセンサーを試作した。全地球測位システム(GPS)の情報も送られ、どこのわなが作動したか情報をLPWAで無線送信し、スマートフォンで知ることができる。

(黒竹林再生に手ごたえ:和歌山)
シカなど野生動物による食害で生産量が減少している日高町原谷の黒竹を復活させようと、地元で100年以上続く竹材店のオーナー金﨑昭仁さん(61)と弘昭さん(32)の親子が昨年夏に植えた苗から、若芽が出始めた。順調に育っており、4、5年先には竹林に育つという。金﨑さんは「今後も面積を増やし、産業の活性化につなげていきたい」と再生への手ごたえを感じている。黒竹は中国原産の淡竹(はちく)の一種で、青竹と比べて幹が細く、外皮が黒いのが特徴。高温であぶると独特のつやが出る。落ち着きのある色合いで、主に庭の竹垣、家屋の内装などの建築材として使用されているほか、民芸品としても利用される。出荷は伐採して乾燥させたあと、火であぶってまっすぐに伸ばし、太さによって数本から数百本を束ねて出す。高知県にも産地はあるが、日高町が日本一の規模を誇る。原谷地区の竹林は約60㌶。30年ほど前は黒竹が生い茂っていたが、シカなどによる食害や竹を枯死させるテングス病により生産量は以前の3分の1から5分の1程度にまで減少したという。金﨑さん親子は黒竹を再生させようと、昨年7月、御坊日高博覧会「おんぱく」のプログラムの1つとして借地の休耕田に約100本の苗を植栽。周囲には高さ約2㍍の金網を設置し、シカなど鳥獣対策も施した。苗はほとんどが枯れずに定着し、4月末ごろからは竹の根元から若芽が出始めている。長いものは1㍍以上になっている。金﨑さんは「平坦な休耕田などを利用することで、山の傾斜地と比べて作業もしやすいというメリットもあり、作業の効率化にもつながる。今後は植栽面積を増やし、黒竹が生い茂る竹林にしていきたい。黒竹産業の材料を確保し、地域の活性化につながれば」と話している。

(立入禁止区域で野生動物が増えている、放射線の影響は?:福島)
新型コロナによって世界中の人々が家に閉じこもる中、動物たちが自由を謳歌しているようだ。英国ウェールズでは野生のヤギが町を練り歩き、フランスではナガスクジラがマルセイユの港近くに近づき、スペインやトルコ、イスラエルではイノシシが都市をわが物顔でうろついている。ベネチアのイルカやロシアのライオンなど、ソーシャルメディアで話題になった目撃情報の一部はデマだと判明したが、人間が消えた恩恵を受けている動物も確かにいる。人間が元の生活に戻れば、こうした動物の行動の変化も元に戻るだろう。しかし、より長期にわたって人の居住地が変化してした場所もある。事故や戦争により立ち入りが禁止された場所だ。大きな原発事故の現場となったチェルノブイリ原子力発電所と福島第一原子力発電所の周辺や、北朝鮮と韓国の間の非武装地帯などである。福島における最近の研究やその他の研究によると、人間がただ存在することが、野生動物の数を制限する最大の要因となっているようだ。こうした地域では、人間を避難させるほど放射線の影響がありうるにもかかわらず、動物たちは増えているという。だからといって放射線は動物に害がないと言えるわけではない。だが、その影響の大きさは、特に低線量被曝の場合、議論の余地があり、人間と比べると影響が小さい可能性は考えられる。現在のパンデミック下で「人間は家に閉じこもり、自然はほっと一息ついているのです」と、福島大学の放射線生態学者のトーマス・ヒントン氏は話す。同氏のチームは2020年1月、街から人がいなくなった際に動物に及ぶ長期的な影響について、学術誌「Frontiers in Ecology and the Environment」に論文を発表した。同氏は、野生動物のために人口密集地を放棄しよう、常に屋内にとどまろうと提案しているわけではない。しかし、人間がいなくなった土地で動物が復活している事実は、野生動物のために生息地を確保し、あるレベルまで干渉しないことの重要性を示していると、同氏は言う。2011年3月、東北で大規模な地震と津波が発生し、チェルノブイリに次ぐ世界で2番目の規模の原発事故を引き起こした。福島第一原発では、浸水による停電で3基の原子炉がメルトダウンし、周辺の海岸線で放射性降下物が確認された。全体で、原発周辺の1150平方キロの区域で、約16万人が避難を余儀なくされた。放射線汚染と人の立ち退きが福島周辺の野生動物に与えた相対的な影響を調べるため、米ジョージア大学の野生生物生態学者ジム・ビーズリー氏とヒントン氏らのチームは、原子力発電所跡近くの120カ所にカメラトラップを設置し、2016年から2017年に2カ月間の調査を2度行った。調査地は、3つの区分から選んだ。当面の間は立ち入りが完全に禁止されている場所、当初は立ち入りが禁止されたが現在は少し人が戻ってきた場所、類似の環境で人が居住している場所の3種類である。その結果、イノシシやニホンザル、タヌキなどいくつかの種は、人の立ち入りが許可されていない地域で最も多く見つかった。全体として、動物の数にかかわる最も重要なファクターは、生息環境のタイプと立入禁止の状況であり、放射線レベルの高さではなかった。「こうした汚染された地域でも動物は生存できるというのは、皮肉なことです」とビーズリー氏は話す。手つかずの広大な野生生物保護区の方が動物にとっては良いのだが、調査結果は、動物が放射線下でも多数生息できるということを示している。1986年、ウクライナのプリピャチにあるチェルノブイリ原子力発電所の原子炉が爆発、大規模な火災が発生して周辺地域に放射性物質を撒き散らした。これにより、現在のウクライナとベラルーシにまたがる広大な地域が立入禁止区域に指定された。この地域からは10万人以上が強制避難させられ、いまだ戻ることは許されていない。過去20年以上にわたる調査から、チェルノブイリの立入禁止区域には、場合によっては近くの自然保護区に匹敵するほど多彩な動物が数多く生息していることがわかっている。だが、放射線が動物に与える影響という点では、それぞれ調査結果が異なる。たとえば、米サウスカロライナ大学の生物学者ティム・ムソー氏によると、生殖障害や突然変異率の上昇が、鳥類やげっ歯類に見られるという。ハタネズミに関する研究では、こうした突然変異が親から子に遺伝することがあると示された。フランス、パリ南大学の研究員アンダース・モラー氏は、「チェルノブイリで特定の鳥や特定の哺乳類が増えているかもしれませんが、健康状態が良くないこともわかっているのです」と話す。放射性物質、特にチェルノブイリでも福島でも検出された元素であるセシウム137から出る放射線は、数十メートル離れていても届く可能性があり、体組織やDNAが損傷を受ける。いずれにせよ、人が消え猟をしなくなった結果、ハイイロオオカミやタヌキ、アナグマをはじめ、かつては存在しなかったか希少だった多くの種が、現在のチェルノブイリには相当数生息している。複数の証拠が「チェルノブイリの立入禁止区域に中型から大型の哺乳類が多数生息していることを示しています」とビーズリー氏は語る。が消えて野生生物が増えたもう1つの地は、朝鮮半島の非武装地帯(DMZ)だ。朝鮮戦争の休戦後、北朝鮮と韓国は2国間にDMZとして知られる無人地帯を設けた。今日でもかつての村跡があり、軍用品、兵士の遺骨、地雷が散らばっている。緊迫した状態が、この幅4キロの境界域で70年近くも続いてきた。そのおかげで、絶滅危惧種のタンチョウ、ツキノワグマ、コウライアカギツネ、ヤギに似たオナガゴーラル(チョウセンカモシカ)など、希少動物が繁栄してきた。自然保護活動家は、DMZ自体を東アジアの野生動物にとって最も重要な場所の1つだと認識している。今回の研究と現在のパンデミックからの教訓として、「私たちは問題を特定できました。問題は私たち自身だったのです」とヒントン氏は語る。「これがきっかけとなり、地球は1つしかなく、取り返しのつかないことをしてはならないと人々が気づくことを私は願っています」。

(猟師のフェアさが伝わる滋味深いドキュメンタリー:京都)
獲物が掛かっているかどうか。けもの道を見回りに行くわな猟師・千松信也さんの後を、カメラが追いかける。仕掛けた場所に辿り着くと、わなに掛かって興奮しているイノシシに激突されないよう慎重に近づき、棒で頭を叩く。脳震盪を起こしておとなしくなった隙を突いて、千松さんはイノシシにまたがり、止めを刺す。狙う場所は心臓に近い大動脈。そこを刺して放血すると、肉に臭みが残らないのだという。仕留めたイノシシは作業場まで引いて戻り、滑車で吊るす。まずは毛を剥いでから、解体作業は始まる。取り出した内臓からホワホワと立ち上る湯気が、ついさっきまでこのイノシシが生きていた事実を視覚に訴える。解体しながら千松さんは、肉の部位や、部位に合った切り方、削ぎ方などを川原愛子監督に説明し、ひととおり作業を終えると、日本酒と一緒に調理した心臓を食べる。解体後、命の象徴である心臓を、最初にひとりでいただくことは、いつの間にか習慣になっていたと話す。かつてお堂だった建物を改築した山中の自宅は、隠れ里の一軒家という趣があるが、家から京都の市街地までは、実は車で20分の距離だという。日中、家の周辺からは、近くの学校の子どもたちの声や、車が走る音も聞こえてくるように、獣たちは人里と隣り合わせで山に棲息しているのだ。動物園で働くか、獣医になるか。そう思うくらい動物好きだったけれど、同時に誰かがその命を奪って肉にしているのに、そこを見ずに肉を食べることに、千松さんは違和感を持っていたという。大学を休学して海外を放浪し、NGOで働いた後、自分で肉を獲ることができれば、と猟を始めて19年。終始、淡々としたその話しぶりは、逆に狩猟の魅力や奥深さを、観る者に想像させてくれる。猟を知らない者の目にも、人間と獣の一対一の真剣勝負に見えるように、わな猟は、対象との距離がとても近い。狩猟のなかでも、もっともフェアな猟がわな猟で、だからこそ千松さんはこの狩猟方法に惹かれたのではないか。ある夜、仕留めたイノシシを運ぶ際に足を滑らせた千松さんは、左足の骨が砕けるようなひどい骨折をしてしまった。病院からは手術を勧められたが、最終的に手術はせず、ギプスをして自然治癒を待つという選択をする。これも、彼のフェアに生きたいという姿勢を示しているのだろう。狩猟期間中、わなを架設している限りは毎日、見回りを行う。小学生の子どもたちも、時間が合えば、解体作業を進んで手伝う。獣が肉になるまでの営みとプロセスを、千松家の日常を、フラットな視線でとらえた映像に思わず見入ってしまう。そんな滋味深いドキュメンタリーだ。

(マタギ猟の伝統を受け継ぐ家系の小学6年生の1年間:秋田)
「今、秋山には小学生が僕一人しかいません」。新潟県境の豪雪地帯、長野県栄村の秘境・秋山郷。6つある集落の一つ、100人ほどが暮らす小赤沢集落の小学6年生・福原弥夢(ひろむ)くん(12)。マタギ猟の伝統を受け継ぐ父・和人さん(58)と弥夢くんの1年を見つめた。弥夢くんは民宿を営む両親と祖母の4人暮らし。6歳当時、将来について「民宿で働く。猟もやるよ。もちろんだよ」と話していた。その思いは小学6年生になっても変わらない。父・和人さんはマタギと呼ばれる、クマ猟を生業にしてきた家系だ。1700年代、猟をしながら秋山郷に入ってきた秋田マタギ。そのうちの何人かが秋山郷に移り住み、その技を伝えた。12年前に亡くなった和人さんの父・直市さんも、その秋田マタギの血を引く1人だった。かつてを知る人→弥夢くんの祖母・かずさん(83)は「昔は、1週間も2週間も山に居た。だから風呂も入らないし、洗濯もしないから真っ黒になって帰ってきた」と振り返る。しかし、かつて80人ほどいた秋山郷のマタギも、いまや和人さんを含め3人しかいない。伝統を引き継ぐために移住者を受け入れ、他の集落の手も借りながら猟をすることも多くなった。「『巻狩り』という、集団の猟を中心にやっているので、人間が足りない」。冬眠から覚めたクマを狙う「熊追い」は、乱獲を防ぐため4月の1カ月だけ許される春熊猟で、栄村では捕獲数の上限は5頭(2019年度)と定められている。勢子(せこ)と呼ばれる獲物を追いだす役割と、出てくる獲物を、迎え撃つ矢場(やば)の二手に分かれて行われる。この日、和人さんは経験の浅い若手猟師の指導をしながら山に入った。獲物に気づかれないよう、最低限の言葉しか交わさない。気配を殺し、何時間でも立ち続ける。そしてついに山を下る熊の姿が。70kgを超す、オスのツキノワグマだ。逃げる熊を複数の場所から狙い、仕留める。張りつめた緊張から解放され、和人さんたちから笑みがこぼれる。こうして仕留められた動物が幼い頃から身近な存在だった弥夢くん。「自分で肉を捌くのをやってみたいなと思う。近くにはあるんだけれど、すごい貴重なのでそんなに獲れない。ついて行って、猟をやっているところを見てみたいなとは、思います」。熊のモツを煮込んだ熊汁は御馳走だ。和人さんは「マタギの生活を支えていた一番の獲物は熊。やはり山の神様の恵みなんだということで、動物について深く考えるようになる」。「苗場山頂で熊とったぞ~」。父子2人で「熊曳き」の歌を口ずさむ。熊を山から下ろす時に唄われた熊曳き唄。猟が成功した時の喜びの唄だ。秋山小学校は2016年4月、在校生が弥夢くんだけになり、統廃合で分校となった。弥夢くんは1人だけで授業を受け、休み時間も担任の先生と過ごしている。校内放送では、「みなさんおはようございます。水曜日です。朝の活動は読書です。今日は家庭科があります。今日も一日元気に楽しく過ごしましょう」と校内放送で語りかける。「先生しかいないのに、みなさんとは言えないですけどね」と放送室でポツリ。先生たちと給食を食べながら、「寂しい。ずっと寂しい。誰も入ってくる人がいない」と苦笑いした。僻地教育の一つとして、本校である栄小学校とインターネットで繋いだ授業も行われている。「話し合いや討論というのは、他の友達がいた方が勉強にはなりますね」(担任の佐藤大将教諭)。また、月の半分は、自宅から30km離れた栄小学校まで、車でおよそ1時間かけて通う。大雪の日には、それ以上の時間がかかることも。そんな栄小学校も、全校児童はわずか41人。8年前の半分以下だ。6年生は、弥夢くんを含めて5人だ。それでも「自分1人だけでなく、全体でみんなで一緒に行動すること。すごい楽しく感じます」と話した。秋山郷で、古くから神様が宿るとされてきた木がある。樹齢300年とも言われるカツラの巨木、“かつら母神”だ。近くの川ではサンショウウオを素手で捕まえることができる。山の恵みを糧にし、人々は命を繋いできた。7月の課外授業では、1782年から6年続いた天明の大飢饉で集落が滅びた大秋山地区を訪れた。かつては豪雪の為孤立し、秋までに食糧の貯えが出来なければ生きていくのが難しい環境だった秋山郷。分校では、人々がどのように暮らしてきたのか。里の魅力はどこにあるのかを大きなテーマにしてきた。11月には村長を前に、その成果を発表した。「僕はこの3年間、秋山にもっと人が来てほしい、という願いでパンフレット作りやジオサイトを回り、秋山を知る活動をしてきました。そして考えた事は、秋山山道サイクリングです。これは、自転車を使いジオサイトやビューポイントを回るサイクリングツアーです。僕もこれから、栄村や秋山に人が来るように、将来自分に出来ることや、新しい取り組みを考えたいと思うので村の方でも考えてくれると嬉しいです」。山肌を錦が彩る秋。弥夢くんは「猟行こう。猟行きたい、ついて行く。何年か前から行くって言っていて、1回も行ってないからね」と和人さんに切り出した。和人さんも「チャレンジしてみるか。まあ、ウサギ獲りくらいなら連れていかれるな」。そして冬。熊追いの時期が近づき、秋山郷の人達の緊張感が高まる。隣の新潟県津南町からマタギ文化を学ぶためやってきた若手猟師を前に、和人さんは「ウサギを一人で獲れるか獲れないか、そこから始まる。動物がいかに貴重かっていうことを話として聞いておくだけでも、山に狩猟に向かう時の気持ちが変わってくると思う」と心構えを語った。そして約束の日、初めての猟でウサギは獲れなかったが、父から子へ、マタギ文化は受け継がれていく。大きな拍手の中、弥夢くんが入場してくる。秋山郷の人達が大勢集まった、たった1人の卒業式だ。「おめでとう」と校長先生が言葉をかけると、来賓からも「秋山小学校でよく頑張りました」「秋山で一緒に熊とりしよう。それまで、おじさんも頑張って、熊とりするから」とメッセージが。和人さんは「弥夢。卒業おめでとう。仲間を作ってくれよと、そんな事をいつも父ちゃん言っていたけれど、とうとう今日の日まで、それが、叶わなかった。一人きりの卒業生と言いながら、どこにもない卒業式を迎えられたということは、一生涯忘れることができない。秋山の地域の皆さんの思いを背負って頑張ってほしいと、思います」と声をつまらせながら語りかけた。「親とすれば、ここに残って貰えればありがたい話だけど。一度は知らない世界に出てみるのも大事な事だろうしね。それから先をじゃあ、わが故郷と比較して、じゃあどう考えるのかというふうになるんだろう。何になるんだか知らないけど」としみじみと語る和人さん。弥夢くんも「何になるんだろうね…!たくさん人がいて、賑わいのある場所。というのが、理想ですね。どんなことが出来るかは分からないですけど」と真っ直ぐな目で語った。いまのところ、新たに秋山分校に通う予定の児童はいない。ただ、将来の再開を願い、“閉校”ではなく“休校”とされた。秘境・秋山郷に残るマタギ文化と里山の営み。この風景を、次の世代に繋いでいくことは出来るのだろうか。

(「狩猟に半自動小銃は不要」:カナダ)
カナダのジャスティン・トルドー首相は1日、殺傷能力の高い軍用級の銃器約1500種について、販売や使用などを禁止すると発表、即時発効した。規制対象の銃器所有者には、銃器を廃棄できるよう2年間の猶予期間を設けるとしている。カナダでは先月、東部ノヴァスコシア州で男が複数の場所で発砲し、女性警察官を含む20人以上が死亡している。トルドー氏は、この事件の犠牲者に追悼の意を示してから、銃規制を発表した。会見の中で、トルドー氏は殺傷能力の高い銃器について、「最短時間で最も多くの人を殺害するためだけ」に設計されたものだと強調した。

(「野味」の全面禁止へ、野生動物だが多くは飼育:中国)
中国政府が、野生動物など一般的な家畜や家禽ではない「野味」の食用を全面禁止する方針を打ち出した。新型コロナウイルスを媒介した恐れが指摘されているためだ。4月上旬には家畜など食べられる動物のリスト案を公表。「野味」の多くが飼育されたものだが、リスト外の動物は食べられなくなる可能性が高く、業者に波紋が広がっている。「ヘビやタケネズミは食べてはいけない」「イヌは食卓からお別れ」。政府が「国家家畜家禽遺伝資源リスト」の意見公募を始めると中国メディアはこう報じた。リストは食用、皮革の活用、乳業、牧畜などが可能な31種類の動物を列挙、他の動物は商業的に扱えなくなるもようだ。一般的な家畜や家禽に加え、繁殖技術が確立しているなどとして数種のシカや鳥はリストに入ったが、政府が貧困世帯に飼育を推奨してきたタケネズミは漏れた。一部地域で食用に飼育・取引されてきたイヌも「人類の伴侶」として外された。タケネズミの飼育業を20年営む湖南省の男性(51)は「政府が支持する事業だからと借金をして始めたのに」と話す。感染症対策で取引が停止され、損失を出しながらも飼育を続けてきた。「事業を継続して良いのか分からない。だめなら処分し、サトウキビでも育てるしかない」と嘆く。食用カエルやスッポン、カメなどの養殖も禁止なのか関心が高まり、政府は水生動物の扱いは別だと表明。ただ食用や薬用に飼育されてきたヘビはリストに入らず、インターネットメディアは「スッポンと同じくらいヘビの繁殖技術は高い」と指摘し、ヘビ飼育業者の戸惑いを伝えた。

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