<射撃ニュース9月>
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(県有地、県立射撃場の候補地:山梨)
山梨県が整備する方針の県立射撃場について、建設候補地になっている韮崎市の県有地で現地調査が9月28日始まりました。県立射撃場建設の候補地になっているのは韮崎市穂坂町三之蔵の約83ヘクタールの県有地です。9月28日山梨県の現地調査が始まり職員と調査を行う業者が県有地に入って進入路や沢のある場所などを確認しました。山梨県によりますと調査は11月末までの予定でこの調査で候補地が射撃場に適しているかや適していた場合工事費用や工期はどのくらいかかるかなどを調べるということです。県立射撃場を巡っては以前にもこの場所が候補地となりましたが、県が費用などの問題で建設を断念していてその後も新たな整備計画は進まず凍結されてきました。こうした中、長崎知事は去年野生動物の捕獲強化のためライフル射撃の実技研修ができる施設を新たに整備する方針を明らかにしその後韮崎市や猟友会からの要望を受けて再びこの場所を候補地に選定しました。山梨県は今回の調査結果をもとに韮崎市や猟友会などとも協議しながらできるだけ早い時期に建設するか判断することにしています。

(農水省概算要求、「菅案件」軒並み増)
農水省の2021年度予算の概算要求案で、菅義偉首相肝いりの政策が軒並み、20年度当初予算よりも増額の要求となった。農産物輸出やジビエ(野生鳥獣の肉)利用、農福連携などを支援する事業だ。同省は、輸出拡大に向けた部局の新設も求める。これらは同省が近年、力を入れてきた分野だが、首相の後押しも受け、さらに推進させたい考えとみられる。同省は概算要求案で、農林水産物・食品の輸出額を30年に5兆円にする政府目標の実現に向けた施策を柱の一つとした。輸出向けの産地づくり、危害分析重要管理点(HACCP)対応の施設整備など5事業で計217億円を計上。4月に農水省に政府全体の輸出本部を設置した影響もあるとみられるが、20年度当初予算の実に3倍だ。ジビエの処理加工施設の整備などと鳥獣被害防止対策を併せて支援する事業の予算は、同59%増の162億円を要求。農福連携や、休暇先で働く「ワーケーション」にも対応した農泊などを推進する「農山漁村振興交付金」も同5%増の103億円を求める。菅首相は、農産物輸出の拡大を地方活性化策の柱に据える。官房長官時代には、農産物輸出だけでなく、ジビエや農福連携に関する政府の会議の議長も務めた。ワーケーションの推進も提起し、インバウンド(訪日外国人)観光と絡めて農泊にも熱心とされる。概算要求案は、菅氏の首相就任前から編成作業が始まっていた。だが、菅氏の官房長官時代の肝いり政策は、霞が関の官僚に「スガ案件」と呼ばれ、「予算要求が通りやすい」(政府関係者)と特別視されていた。同省にも、こうした狙いがあった可能性がある。

(イノシシの狩猟期間1か月延長へ:新潟)
イノシシによる農作物や人への被害を減らそうと、県は法律に基づいてイノシシの狩猟が可能となる期間を今シーズン、1か月延長して11月15日から来年3月15日までとすることを決めました。県が狩猟期間を延長するのは初めてです。県によりますと、野生動物による農作物の被害は、昨年度2億4000万円ほどに上り、このうち5000万円余りがイノシシによるものです。また、昨年度、県内で捕獲されたイノシシは2900頭余りと、10年前と比べておよそ5倍に増えています。ただ、イノシシが住宅街に出没して住民がけがをするケースもたびたび、起きていて、おととしには五泉市と津南町で合わせて3人がけがをしています。このため、県はイノシシによる農作物や人への被害を減らそうと、鳥獣保護管理法に基づいてイノシシの狩猟が可能となる期間を今シーズン1か月延長して、ことし11月15日から来年3月15日までとすることを決めました。県が狩猟期間を延長するのは初めてです。また、県は、ここ数年、増加傾向がみられ、おととしにはこれまでで最も多く捕獲されたニホンジカの狩猟期間も1か月延長することを決め、今後、どの程度効果があったか検証し、対策に生かすことにしています。

(農作物の鳥獣被害158億円)
農水省農村振興局がこのほどまとめた鳥獣被害の現状と対策によると、平成30年度の野生鳥獣による農作物の被害額は158億円に上った。そのうち約7割をシカ、イノシシ、サルによる被害が占め、被害面積はシカによるものがおよを4分の3を占めている。鳥獣被害は営農意欲の減退はもとより、耕作放棄や離農のきっかけ、さらには森林破壊につながることで土壌流出や希少植物の食害を引き起こす。人が運転する車両との衝突事故なども起きており、被害額として表に現われる数字以上のダメージが農山漁村にもたらされていると言われる。主な対策は「捕獲」と「処分」。なかでも生態系に深刻な被害を及ぼしているシカやイノシシなどの野生鳥獣は10年後の「半減」が目指され、捕獲強化に向け国がバックアップして専門人材の育成を急いでいる。さらに、所管する農水省と環境省が現場に最も近い市町村を通じて駆除経費や効果的駆除に必要な調査・研究費を交付したりして取り組みを進めているが、負担が大きい捕獲作業は猟友会に所属する狩猟者頼みの面があり、狩猟免許所持者の減少や高齢化の進行で先行きを危ぶむ声も強い。捕獲した鳥獣の処分の仕方について12市町に尋ねているが、焼却施設がなく埋設処分のみと4市町が答えている。焼却できても大型獣を焼却施設まで運び解体する負担が大きいといった意見もあったと紹介している。処分にかかる負担軽減など処分の効率化が求められている一方、食肉としての利用は依然わずかだという現状も浮き彫りになっている。平成27年度の食肉加工施設での加工頭数は少数にとどまり、茨城県内(1施設)5頭、栃木県内(1施設)193頭、埼玉県内(2施設)194頭、長野県内(28施設)2310頭のみ。欧州では貴族の伝統料理と位置付けられる「ジビエ」料理としての消費にも処分の一環として期待がかかっており、捕獲→処理加工→供給→消費のサイクルを上手に回したジビエ需要の開拓・創出も一つの課題。食の安全を確保するためのガイドラインや認証制度などを用いた取り組みのスキームも描いている。

(クマに襲われ男性重傷、道路にクリ散乱:新潟)
26日午前6時半頃、新潟県長岡市人面の道路上で、近くの70歳代男性がクマに襲われ、鼻やあごの骨を折る重傷を負った。現場は田んぼや畑が広がる地域。長岡署の発表などによると、道路上にはクリが散乱し、男性の軽トラックが止まっていたという。近くで農作業中の人がケガをした男性を見つけ、消防署に男性を連れて行った。同市では23日にも、20歳代女性が自宅近くでクマに襲われ軽傷を負っている。被害が続いたことから市は26日、市クマ被害対策本部を設置した。この日の会議では、現場付近を撮影した写真などで情報を共有。クマを捕獲するわなを現場近くに設置し、周辺地域にも今後、増設することや、住民に注意喚起することなどを確認した。磯田達伸市長は「今後も出没は増えると見込まれる。住民に危険性を周知していきたい」と話した。この日は、県鳥獣被害対策支援センターも対策会議を開いた。今年はブナの不作により、今後も人里周辺への出没が予測されることを確認し、市町村に住民への注意喚起を依頼した。センターの神部淳所長は「クマはすでに人間のテリトリーに入ってきている。出没が確認されている地域の住民は、常日頃から注意してほしい」と呼びかけた。

(住宅街にイノシシ、女性襲われ軽傷:岐阜)
岐阜県揖斐郡大野町は25日、同日午前6時30分ごろ、同町瀬古の路上で散歩をしていた町内の女性(67)がイノシシに体当たりされて転倒、頭を打ち軽傷を負った、と発表した。イノシシは3頭おり、そのまま逃げたという。町によると、現場は大野クローバー幼稚園西側の住宅街。女性は転倒した際に後頭部を打ち、大垣市内の病院で治療を受けた。同日午後0時30分ごろには現場から北西に約1キロ離れた同町松山の第4公民館付近で2頭のイノシシの目撃情報があった。町は広報無線で注意を呼び掛け、町職員によるパトロールを実施している。

(温泉宿でクマに襲われる:新潟)
28日午後8時15分ごろ、新潟県阿賀町の温泉旅館の50代女性従業員がクマに襲われたと、同施設の従業員が119番した。女性は太ももやすねなど4カ所をかまれ、病院に搬送された。県警によると意識はあり命に別条はないという。女性は施設の敷地内で2人の客を離れの露天風呂に先導している途中、体長約1メートルのクマに襲われたという。客にけがはなかった。クマはその場からいなくなった。

(日高道のクマ死ぬ、速度規制解除:北海道)
苫小牧市の日高自動車道の道路脇でけがをして動けなくなっていたクマについて、苫小牧市や猟友会は25日午前11時すぎに死んでいることを確認しました。これを受けて、警察は日高自動車道の苫小牧東インターチェンジと沼ノ端西インターチェンジの間の速度規制を解除しました。

(住宅地で目撃のクマ射殺:福井)
9月26日午前3時半ごろ、福井県大野市陽明町3丁目の陽明中学校近くの住宅地で目撃されたクマの成獣1頭は、同11時40分ごろ、同校北側の建設会社倉庫に潜んでいるのを巡回中の猟友会員が発見、射殺した。大野市は、同8時50分ごろ同市友江の大野署正面入り口付近で目撃されたクマと同一個体とみている。

(住宅地にクマ、安全考え駆除:新潟)
27日午後2時30分ごろ、糸魚川市今村新田の民家敷地内で、体長約50センチのクマ1頭が柿の木に登っているのを住民が目撃。市役所を通じ警察に通報した。

(イノシシと相次ぎ衝突、区間運休や遅れ:茨城)
25日午後7時19分ごろ、笠間市福原のJR水戸線福原-羽黒間で、高萩発小山行き上り普通列車(5両編成)が走行中にイノシシ1頭と衝突した。JR水戸支社によると、列車は現場付近に停車。乗務員が安全確認した後、22分遅れの午後7時41分に運転再開した。乗客約70人にけがはなかった。同線は上下列車2本が友部-水戸間を区間運休し、乗客約300人に影響した。

(イノシシ対応時、防護具着用を:新潟)
今月、燕市の住宅街にイノシシが現れ、警察などが数時間にわたって捕獲しようとしましたが、野生動物の問題を研究している学会は、捕獲や駆除にあたる人がけがをするおそれがあるとして、防護具を着けるなど対策を呼びかけています。呼びかけを行っているのは野生動物と人間との関係について研究している「野生生物と社会」学会です。学会によりますと、イノシシの犬歯はナイフのように鋭利で、突撃された場合、太ももの動脈が切られ、命に関わる危険があるということです。しかし、今月2日に燕市でイノシシが現れた際、追跡にあたった人の中には防護具を身につけず、軽装で対応する人も見られました。これについてイノシシの捕獲や駆除を試みる際は、けがを防ぐための前掛けの着用や、盾の使用が必要だとしています。また、イノシシにかまれると感染症のリスクもあるので、手袋をして、長袖の服を着てほしいとしています。一方、学会では、人が暮らす場所での野生動物の出没が相次ぐ中、行政や警察、猟友会が身を危険にさらして対応を続けるには限界があると指摘しています。学会では、海外の事例も参考にしながら、市街地での野生動物の出没に対応する専門チームの設立や、動物と人間の生活圏がどこで重なっているのかを把握する監視体制の導入も検討すべきだとしています。

(マングース駆除進み「生息数極めて少ない」:鹿児島)
世界自然遺産への登録を目指している鹿児島県の奄美大島で、希少な動物を襲うマングースの駆除が進められた結果、おととし5月から2年以上、1匹も捕獲されなくなっていて環境省は「生息数は極めて少ない状態だ」としています。奄美大島では猛毒を持つハブの駆除を目的に、天敵とされるマングースが41年前に持ち込まれました。ところが、マングースはピーク時でおよそ1万匹まで増え、国の特別天然記念物のアマミノクロウサギといった希少な野生動物が襲われる被害が相次いだため、国は20年ほど前から、わなや探索犬を使って駆除を進めてきました。この結果、おととし5月から今月までの2年以上1匹も捕獲されず、島内411地点に設置したセンサーカメラでも確認されなかったということです。環境省は「マングースのさらなる減少と生息密度の低下が示唆された。生息数は極めて少ない状態になっている。1度増殖した場所でこれほど減少したのはほかに例がないのではないか」としています。一方、住民などからは昨年度、11件の目撃情報が寄せられているため、環境省は引き続き情報収集を行い、完全な駆除を目指すことにしています。

(ウの目超える「空を飛ぶ犬」か)
「放流したばかりのアユが食べられて困っている」。1990年代後半から全国の河川漁業者からこんな話が出始めた。原因はカワウ。地名や人名にも鵜(う)のつくものがあるように古くから日本各地に生息する。公害などで70年代には全国で3000羽まで減ったが、河川環境の改善や保護が進み急速に回復した。カワウは1日500グラムもの魚を食べる。特に春以降の繁殖期はヒナを育てるために食欲が増す。その時期はアユの放流時期に重なる。放流直後のアユは「輸送疲れ」などもあって活動範囲が狭く、集団で群れるため上空からは真っ黒な団子のように見える。「うの目たかの目」という言葉があるように、カワウは目が良く、川の中のアユを食べ尽くす。水産庁によると全国のカワウの生息数は2015年には8万羽、被害は76億円まで膨らんだ。「これからはドローンでカワウ対策の時代や!」。水産技術研究所沿岸生態システム部内水面グループ(栃木県日光市)の坪井潤一さんに兵庫県の揖保川漁協の南山金光組合長(当時)から電話がかかってきたのは5年前。南山さんは、テレビでピザを運ぶドローンのニュースを見て活用を思い付く。2人はその数日後、東京で会いドローンを使ったカワウ駆除作戦を本格的に練り始める。編み出された方策は二つ。一つ目は、洗濯ネットに入れたスピーカーをドローンにぶらさげ、カワウが嫌う犬のほえ声などで追い払う。ドローンはカワウより速く飛べるため「空を飛ぶ犬」に追いかけられる形になる。「カワウはかなり怖がる」という。二つ目は、カワウがねぐらや繁殖地にする樹木にビニールテープをかける作戦だ。

(農作物の鳥獣被害2億5000万円:神奈川)
神奈川県がこのほど発表した令和元年度の野生鳥獣による農作物被害の概況によると、被害総額はおよそ2億5000万円で、前年度と比べ6000万円強の増加となった。イノシシ、ヒヨドリ、シカ、カラスの順に被害額が多く、これら4種の鳥獣で被害全体の7割を占めている。被害額が多い鳥獣を上から順に並べると、イノシシ約7200万円(7172万6000円)、ヒヨドリ約4700万円(4669万4000円)、シカ約3200万円(3230万7000円)、カラス約2400万円(2352万8000円)など。ニホンザル(866万7000円)やその他獣類(6151万4000円)、その他鳥類(336万4000円)を加えた総額2億4780万円のうちのおよそ7割をそれら4種が占め、前年の被害総額1億8579万1000円より6200万9000円多かった。地域別・獣種別に農作物被害を俯瞰すると、小田原、箱根、足柄などの県西と藤沢や茅ヶ崎などの湘南はイノシシが順に3000万円弱、4000万円強で最も被害額が多く、湘南は二ホンジカによる被害も3000万円弱と多い。一方、横須賀や三浦などの横三地域はヒヨドリ被害が4000万円強で最も多く、その他獣類やカラスの被害が次いで多い。横浜や川崎といった都市部になると、タヌキ、ノイヌ、ノネコ、テン(亜種ツシマテンを除く)、チョウセンイタチ、ミンク、アナグマ、アライグマ、ハクビシン、タイワンリス、シマリス、ヌートリア、ノウサギなどその他獣類が被害額のほぼすべてを占めている。

(クリ除き凶作:新潟)
県鳥獣被害対策支援センターは25日、今年秋の県内における堅果類の豊凶状況調査結果を発表した。それによると、全県でブナが凶作~不作、ミズナラ、コナラ、クリ、オニグルミが並作~不作で、特に上越ではクリ以外の全てが凶作~不作と、クマが人里に出没する可能性が高いとして注意を呼び掛けている。

(ムクドリ追い払い大作戦から5日:福島)
9月15日、福島県福島市の中心部にロケット花火や爆竹の音が鳴り響いた。フンの被害などで住民を悩ませてきたムクドリやカラスを追い払う作戦だ。作戦終了から5日が経った9月22日の「県庁通り」。近くに住む人:「言われてみれば、確かにいない。道路歩いていて下が汚いというのがあったので、歩きやすくなって良かったな」。ムクドリの大群は姿を消していた。同じくJR福島駅前でも、木にとまるカラスはいたが、ムクドリの姿はなかった。ただ、上手くいっている場所ばかりではなかった。ムクドリはJR福島駅の西口に移動していた。そして、カラスが問題になっていた福島市の中心部「パセオ通り」でも…追い払いでフンの量は一時5分の1ほどに減少したが、長くは続かなかった。そして9月23日朝。フンはさらに増えていて、一時は半分に減った毎朝の掃除にかかる時間も今は以前と同じに戻ってしまった。福島市 環境部 環境課課長・高橋茂さん:「ムクドリが中心市街地からいなくなっているというのは成功しているかなと思います。ただ、カラスについては戻ってきているというのもありますのでその点については今後また対応していかなければいけないかなと思っています」。

(“市街地にクマ”防止へ果樹伐採:北海道)
去年からクマが相次いで現れている札幌市南区で、クマが市街地に入ってくるのを防ぐため、ボランティアが使われていないさくらんぼの木の伐採活動を行いました。札幌市南区では去年8月、住宅地にクマが相次いで現れ家庭菜園が荒らされるなどの被害があったほか、ことし5月以降も「滝野すずらん丘陵公園」にクマが相次いで入り込み一時閉園しました。札幌市のNPO法人や市民団体では、クマが市街地に現れる原因の1つに、今は使われていない果樹にできる果物を食べに来ていることがあるとして、ことし6月から南区内で果樹の伐採活動を行っています。27日は20人ほどのボランティアが参加し、さくらんぼの木をのこぎりやなたを使って切り分けました。NPO法人によりますと、昨年度札幌市で寄せられたヒグマの目撃情報や痕跡は196件で、このうち2割あまりが現場で果樹の枝が折られていたりフンの中身に果実が確認できたということです。活動に参加した60代の女性は「人とクマ、それぞれ生活があるのでうまく共存したいです」と話していました。NPO法人「EnVision環境保全事務所」の早稲田宏一研究員は「この活動を通じて人とクマが住んでいるところに距離を保てるようにしたい」と話していました。

(シカ、マリモを救う:北海道)
大型のマリモが世界で唯一群生する北海道釧路市の阿寒湖。国の特別天然記念物・マリモの生育の妨げになる水草を、周辺の森で食害が問題になっているエゾシカの餌にする実験が始まった。地元の小学生が水草採りから食害の学習、餌付けまでかかわり、マリモも森も守ろうという取り組みだ。8月27日、湖北部のチュウルイ湾は鏡のように滑らかだった。青空や白い雲、山々を映し出す。底の水草が揺れるのが見える。「わあ、すごいのが採れた」「重いー」岸から約200メートルのボートの上で、釧路市立阿寒湖小学校の4年生が歓声を上げた。3人ずつ交代で乗り、二またになっている長さ5メートルの棒を水深約3メートルの湖に突き立てて、巻き付いた水草を引っ張り上げた。市教育委員会など官民25団体でつくる「阿寒湖のマリモ保全推進委員会」が実施した。ふだんは展示場で形が崩れたマリモの破片を集めて「マイマリモ」を作ってもらい、湖底に沈め、群生地の再生を話し合ってもらう活動に取り組む。今回、3、4年生の計19人は許可を得て立ち入り禁止地域に初めて入った。3年生は岸に打ち寄せられたマリモを観察したあと、4年生が採ってきた約100キロ分の水草を干す作業をした。児童らは10月に湖周辺の森に入り、ニレやイチイなどの樹皮がエゾシカに食べられている状況などを調べる。干しておいた水草は大人が採った分も合わせて来年2月ごろに森林に置く。監視カメラでエゾシカの反応を確かめる。3人がかりで水草を引き揚げた4年生の飯塚悠真さん(10)は「水草はあんまりおいしそうじゃないけどエゾシカは食べてくれると思う。好物になってくれるかな」と話す。かつて阿寒湖は水質悪化でマリモの生息域が狭まったが、環境意識の高まりにより現在は水質が改善された。ところが今度は湖の透明度が増すとともに水草が大量発生するようになった。阿寒湖のマリモは、波によって水底で揺られて回転しながら大きく育つ。水草が増えると水の流れが遮られ、成長が妨げられるという悪循環が起きた。市教委は2018年からダイバーやボランティアに依頼して本格的に水草の除去に取り組むが、毎年1トン以上の水草の捨て場に困っていた。

(『激辛ハバネロ』イノシシには辛い?:福島)
道の駅ひらた(平田村)と福島大は27日、トウガラシの一種で村特産のハバネロがイノシシよけに効果があるのかを確かめる実証実験を村内で始めた。特産品の「激辛」食材はイノシシから農作物を守ることができるのか。地元の農業関係者から熱い視線が注がれている。実験は村内4カ所の畑で始まった。この日は畑の周りにハバネロの濃縮液と、濃縮液に木酢液を混ぜた液体を散布。センサー付きのカメラを設置した。今後は定期的に液体を散布。映像で地面の匂いをかぎながら移動する習性を持つイノシシの反応を見て効果を確かめ、イノシシよけとしての特徴や有効な散布のタイミングを検証する。濃縮液は水80リットルにハバネロ20キロを入れ、約20リットルになるまで煮詰めて作られている。実験に参加した村の担当者によると、村内でイノシシは毎年300~400頭が捕獲されているが、農作物の被害は年々増えており、激辛食材への農業関係者の期待は高まる。道の駅ひらたは「日本一辛い村」を目標に掲げ、ハバネロを使ったソフトクリームやカレーで人気を集めている。高野哲也駅長がハバネロをイノシシよけに活用する構想を始めたのは昨秋。ハバネロは形が整わないなどの規格外品が多く、規格外となった実は畑に捨てられていたが、生産者が捨てられた実の周辺ではイノシシの被害がなかったことに気付いたという。高野駅長が試しに濃縮液を作り、農家に配って畑にまいてもらうと「どうやら効いているようだった」。裏付けを得るため、獣害問題に取り組んでいる福島大食農学類の望月翔太准教授に協力を仰ぎ、実験開始につながった。望月准教授によると、国内でトウガラシを使ったイノシシよけは行われておりハバネロにも一定の効き目が予想される。しかしイノシシは学習能力が高い。電気柵を設置しても、いずれは電流の刺激に慣れて通り抜けるように、効果は一時的になるとみられる。望月准教授は「ハバネロだけでは難しい」とし、「イノシシが(ハバネロを避けることで)電気柵に触れる回数を減らし、慣れないようにできる」と二重の対策による効果を期待する。また望月准教授は特産品を使うことについて「地元で作ったものを地元で還元する。良い取り組みになる」と強調する。実験は年内行う予定で、道の駅ひらたは結果を受けてから商品化も視野に取り組みを進める。

(クマ目撃、後絶たず:山形)
クマの目撃件数が、昨年を上回るペースで推移している。秋はキノコ採りや行楽などで山に入る人が増えるとともに、クマは餌を求めて活発になる季節。過去10年間のクマによる人身被害の約8割は9月以降に発生しており、県は被害を回避するための十分な対策を呼び掛けている。県によると今年の目撃件数は22日現在、388件。1~4月は1~9件だったが、5~8月は42~98件となっている。8月末の件数は昨年同期比32件増の333件。今年は既に、2018年の年間件数323件を上回る。5~6月には、飯豊町役場周辺や上山市中山の住宅地近くで連日、目撃されるケースもあった。10~19年の人身被害の件数は34件で、このうち76%に当たる26件が9~11月に集中している。被害に遭う状況はキノコ採り10件(29%)、自宅玄関・小屋での作業中、山菜採りが4件(12%)ずつなどとなっている。昨年10月には、米沢市でキノコ採りに向かっていた70代男性が手などをかまれてけがをした。今年は5、8月に2件の事故が発生している。今秋の県内はクマの餌となるブナの結実が、昨年に続き「大凶作」になると見込まれる。過去にも大凶作の年は目撃件数が増加する傾向にあり、クマが冬眠に向けて餌を求める中、人の住むエリアでの出没が増加することも懸念される。県みどり自然課は、山林や田畑に入る際のラジオやクマ鈴の携帯、餌となる取り残しの果実やハチの巣の撤去などを促す。万が一、クマと遭遇した場合は「刺激しないよう、背中を見せずにゆっくりと後退し、木や建物など障害物の陰に退避してほしい」と呼び掛けている。

(担い手確保へ狩猟の魅力紹介:秋田)
クマやイノシシ、シカなどによる人や農作物への被害が増えるなか、狩猟の担い手確保につなげようと由利本荘市で狩猟の魅力を紹介する催しが開かれました。これは、秋田県と猟友会が主催して由利本荘市にある県立総合射撃場で開いたもので、およそ130人が集まりました。参加者は、模擬の銃や、わなを手に取りながら使い方について説明を受けました。また、会場には、光線を発射して的を狙う「ビームライフル」も整備されていて、参加者は射撃にも挑戦しました。シカとイノシシの肉を使ったカレーもふるまわれ、ふだん食べる機会が少ない「ジビエ料理」を楽しみました。秋田市から来た20代の男性は、「狩猟の世界は新鮮で興味がわきました。いつか狩猟に挑戦してみたいです」と話していました。秋田県で狩猟免許を登録している人は昭和49年には8800人あまりいましたが、高齢化などのため、今ではおよそ1700人にまで減っていて、クマに人が襲われる被害やイノシシやシカなどによる農作物への被害が深刻化しています。秋田県自然保護課の澤田智志課長は「耕作放棄地が増えているので、野生の鳥獣が人里に来ないようにする対策が必要だ。狩猟の担い手の育成が欠かせないので特に若い人たちに関心を持ってほしい」と話していました。

(相次ぐクマによる人身被害、パトロール強化:新潟)
新潟県長岡市で人がクマに襲われる被害が相次いでいます。これを受け市は、28日も朝からクマが出没した地域でパトロールを強化しています。28日午前7時すぎ、長岡市人面では通学時間に合わせてクマに注意を呼び掛ける広報車が地域を回りました。この地域では26日に畑仕事をしていた70代男性がクマに襲われ、顔をひっかかれ重傷を負いました。長岡市栃尾地域では、23日にも20代女性がクマに襲われています。市はクマの活動が活発になる朝や夕方はなるべく一人で出歩かないことや、外出する際は鈴やラジオなど音が出るものを持ち歩くよう呼びかけています。また28日には、地元の猟友会がクマが出没しそうな場所9か所にわなを設置するということです。「(栃尾地域で)今年はもう2件ということで、大変心配している。住民の皆さんが安心して生活を、暮らしができるよう願っている」。市は猟友会などと連携して引き続きパトロールを強化し、住民へ注意を呼びかけていくということです。

(クマ被害の対策本部を設置:新潟)
26日午前6時30分頃、栃尾地域の人面地区で70歳代の男性がクマに襲われ、顔をケガする人身被害が発生しました。23日にも北荷頃地区で女性が負傷するクマ被害が発生していることから、市では本日「クマ被害対策本部」を設置し、関係部署、警察などと対策を協議。全庁をあげてクマ被害の防止に取り組むこととしました。市では、・猟友会との連携によるワナの設置・人面地区、下塩地区の全世帯に注意喚起のチラシを配布・栃尾地域のすべての保育園・幼稚園、小・中学校・高校、猟友会へ情報を提供・緊急告知FMラジオ、市防災ホームページ、市ホームページ・SNS、広報車による注意喚起・栃尾支所と警察が連携して、周辺のパトロールを実施などを行っており、今後も地域住民への注意喚起などを徹底していきます。今年はクマの餌となるブナの実が不作のため、人里へ出没する可能性が高まっています。クマを見掛けたら、長岡市役所または最寄りの警察署へ連絡してください。

(豚熱の再発生、国は収束に向け具体策を)
今春以降は新たな感染がなく、鎮静化したとみられていた豚熱(豚コレラ)が半年ぶりに発生した。群馬県高崎市の養豚場で、約200頭の母豚や子豚が感染し、この養豚場で飼育している5390頭のすべてを殺処分することになった。豚熱は2年前に岐阜県内で発生し、それ以降、中部や関東地方を中心に飼育豚へのワクチン接種を進めてきた。だが、媒介者となる野生イノシシの感染は後を絶たず、再び養豚農家が被害を受けた。豚熱発生で、すでに日本は国際獣疫事務局(OIE)が認定する「清浄国」の資格を失い、輸出などが制限される非清浄国となっている。清浄国に復帰するためにも、農林水産省と県などの地方自治体は、養豚農家の衛生管理が適切に行われているかを改めて確認し、その徹底に向けた指導をさらに強化しなければならない。具体的には、野生動物の侵入を防ぐ防護柵の設置や養豚機材の小まめな洗浄、豚舎ごとの服や靴の交換など、国が定めた飼養衛生管理基準に沿った対策の徹底だ。国は、感染収束に向けてどんな対策を講じていくかという具体的な工程表を示すべきである。それがなければ、養豚農家は安心して経営を続けられまい。今回の感染は、全国で初めてワクチン接種済みの養豚場で発生した。改めて認識すべきなのは、ワクチンを接種しても十分な抗体が得られるとはかぎらず、絶対に安心とはいえないことである。養豚農家には、これを念頭に置いて衛生管理を徹底してもらいたい。生まれてから50日齢前後までワクチンを接種できない子豚にも注意がいる。通常、生まれた直後の子豚には母豚の免疫が働くが、その効果はまもなく消える。効果が消える時期と、子豚がワクチンを接種される時期の間は当然ながら感染のリスクが高い。今回の感染でもその可能性が指摘される。さらに見極めが難しいのは子豚にワクチン接種を行う時期だ。下痢などの症状がある場合、ワクチン接種によって、かえって体調を悪くする恐れがある。ワクチン接種を適切なタイミングで行うには獣医師ら専門家との緊密な連携が必要である。群馬では豚の大量盗難事件も相次いでいる。侵入者がウイルスを媒介する危険もあり、捜査当局には犯人の早期摘発を求めたい。

(第3回鳥獣の保護管理のあり方検討会の開催)
環境省では、平成26年に改正が行われた「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)」の施行状況について確認を行い、今後の鳥獣の保護及び管理に関するあり方について議論を行うことを目的として、令和2年9月24日(木)に第3回検討会を開催します。なお、本検討会は、今般の新型コロナウイルスの拡大の防止の観点からWEBを活用した形式での開催となります。ニホンジカ、イノシシ等による自然生態系への影響及び農林水産業被害の深刻化や狩猟者の減少・高齢化等による鳥獣捕獲の担い手の減少により、鳥獣の捕獲等の一層の促進と捕獲等の担い手育成が必要とされていることを踏まえ、平成26年に「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」が改正され、平成27年5月に完全施行されました。その際、改正法附則第18条において「政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」とされたところです。このため、本検討会は、令和2年5月に施行から5年を迎えた同法の施行状況及び鳥獣保護管理行政に係る課題について検討するものです。

(「令和2年度鳥獣対策優良活動表彰」表彰候補の募集)
農林水産省は、これまで鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用等に取り組み、地域への貢献が顕著であると認められる個人及び団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」の表彰候補を募集します。野生鳥獣による農林水産業への被害が全国的に深刻な状況となっている中、農林水産省は都道府県等と連携し各地での鳥獣対策を推進しています。このような中、農林水産省では、農村地域等において鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用等(以下、「鳥獣対策」という。)に取り組み、地域に貢献している個人及び団体を表彰し、これらの優良事例を広く紹介することにより、更なる鳥獣対策の推進を図っています。この度、令和2年度の「鳥獣対策優良活動表彰」の表彰候補の募集を開始します。

(大学生による撃退型獣害対策ロボットへの挑戦)
早稲田ボランティアプロジェクト狩り部は、シカやイノシシによる農作物被害(獣害)対策に取り組んでいます。その中で私たちは、いかに獣害問題が深刻であるかを目の当たりにしました。そして自分たちにできることを考えた結果、新たに「ロボかかし『WAVIS』プロジェクト」を立ち上げました。それにあたりキックオフイベントを開催します!当日はプロジェクト開始の経緯と計画について説明します。その後、獣害に悩む農家さんをゲストに迎えお話を伺い、意見交換を行います。日頃、農村や狩猟、獣害対策に関わる方はもちろん、当プロジェクトに興味を持った皆様のご参加をお待ちしています。

(「Nikko-Re:ゼロから始める狩猟生活」:栃木)
狩猟やジビエってちょっと興味あるけど、周りにり知り合いもいないし…。という方へ!狩猟経験、狩猟知識がゼロからでも狩猟を学べる狩猟体験会を開催します。巷ではソロキャンプやブッシュクラフトなどが知名度があがってきていますが、狩猟は『アウトドアの最終形態』かもしれません(個人的感想ですが)!!しかしながら狩猟は、銃器を使う性質上なかなか気軽に見学や体験会を開催できない現状ですが、この度、我が狩猟グループ親方や古峯神社様、各機関の皆様の理解で開催できることとなりました。この機会に是非、『ゼロから始める狩猟生活』始めませんか?

(「コメの味覚えられたら怖い」、ニホンジカ目撃相次ぐ:秋田)
秋田県羽後町でここ数日、ニホンジカの目撃情報が相次いでいる。毎年目撃される隣の湯沢市と違い、羽後町ではこれまでほとんど見られなかった。実った稲穂を食べているのを見た人もおり、町や農家は警戒を強めている。同町田代字旦金森(だんごもり)の農業茂木豊和さん(45)は21日昼ごろ、車で自宅へ戻る途中、水田で2頭のシカが稲穂を食べているのを目撃した。いずれも成獣のようだったという。

(クマの目撃相次ぐ:富山)
黒部市では、住宅の庭で子グマ1頭が目撃されました。クマはみつかっておらず猟友会や警察がパトロールして注意を呼びかけています。23日午前8時55分ごろ、黒部市中陣の住宅の裏庭で、子グマ一頭が目撃されました。住民の人「ここで庭仕事をしていて、犬がよく鳴いてて、いつもと違う鳴き方だったので、パッと顔をあげた時に黒いのが見えた。怖かったというか思わず「クマや」って声をあげたらクマがびっくりして逃げた状態」目撃されたクマは、体長およそ60センチほどの子グマとみられます。けが人はいませんでいた。現場は、山あいの住宅街で通報を受けた警察や猟友会が、周辺をパトロールしましたが、クマはまだ見つかっていません。住民インタ「庭先に出るのは初めてだったんで、近くに親がいるんじゃないかとそっちを思ってしまった。子グマ自体はよっぽどのことがない限り襲ってこないと思う、そばに親グマがいると考えると心配」同じ子グマと見られる目撃情報はこの住宅から西におよそ300メートル離れた交差点でもありました。このほか23日は南砺市菅沼などでもクマの目撃情報が相次ぎました。今年は、クマの主食であるブナの実が2年連続の凶作となっていて、県は「県ツキノワグマ出没警報」を出し警戒を呼びかけています。

(住宅団地でイノシシが出没か:福岡)
福岡県警筑紫野署は25日、筑紫野市原付近から同市吉木付近の住宅団地で同日午後1時15分ごろ、イノシシ1頭が出没したとして注意を呼びかけた。

(中学校付近でイノシシが出没か:佐賀)
佐賀県警唐津署は28日、佐賀県唐津市二タ子1丁目の西唐津中学校付近で同日午後2時50分ごろ、体長約1メートルのイノシシ1頭が出没したとして、メールで注意を呼びかけた。

(子どものバス登下校開始:新潟)
新潟県南魚沼市でクマの目撃情報が多発していることを受け、市内の一部の小中学校で28日、スクールバスによる登下校が始まった。例年12月の冬季バス運行開始を前倒しする形で、子どもたちがクマに遭遇する危険性を抑える。8月の市内のクマ目撃件数(痕跡含む)は、前年同月の12件から25件に倍増。9月も28日現在41件(前年同月比3件増)に上る。けが人はいない。県は昨年に続き、クマの餌となる果実類が不作だと予測する。市教育委員会は登下校中の被害を防ぐため、例年12月から冬季バスを運行している14小中学校を対象に、運行の前倒しを決めた。目撃件数、場所により、登下校で運行する学校と下校時だけの学校がある。初日は6小中学校で運行した。午前7時半前、六日町小に通う子どもを見送った同市小栗山の会社役員(33)は「クマの出没がかなり多い地域もあると聞く。バス運行は素早い対応でありがたい」と話した。

(小学校のグラウンドにクマの足跡:山形)
米沢市の市街地にある小学校のグラウンドで28日、クマの足跡と糞が見つかった。そのほかにも市内各地でクマの目撃が相次ぎ、警察は警戒を呼び掛けている。午前7時半ごろ、米沢市門東町の南部小学校で敷地内のゴミ拾いなどをしていた職員が、グラウンドにクマの足跡と糞があるのを発見した。警察によると、残された糞の状態などからおとといの夜からけさにかけ、クマがグラウンドに出没したとみられている。一方、午前中に米沢市街地の路上やスーパーの駐車場などでクマの目撃が7件相次いだほか、相生橋の下でクマの足跡が発見された。米沢市によると、目撃されたクマは体長約1メートルの成獣で、南部小学校の個体と同じとみられている。小学校は、児童の下校時に、保護者から迎えにきてもらう対応を取った。県内でクマによる過去10年間の人的被害件数は34件あり、このうち、26件が9月から11月にかけて発生し、7割以上を占めている。県みどり自然課は秋は特にクマが冬眠に向けてエサを求めて活発に動き回る時期になるため、警戒を呼び掛けている。

(クマ、倉庫へ逃げ込む:富山)
28日午前6時40分ごろ、立山町米道の倉庫内で、所有者の男性(72)が、体長約1メートルのクマの成獣1頭を見つけて110番通報した。

(クマの目撃情報:新潟)
9月28日(月)午前9時45分頃、中郷区岡川地内(ゴルフ場のコース内)で、クマ1頭を目撃したとの通報が午前10時00分に中郷区総合事務所にありました。付近を通行する際は、十分注意してください。 クマやイノシシを見かけた際は、環境保全課(電話025-526-3496)又は区総合事務所、警察署(電話110番)に連絡してください。

(クマの目撃情報:新潟)
9月27日午前6時20分ごろ、加茂市宮寄上地内も県道上でクマ1頭を目撃したと目撃者から新潟県警加茂署に通報があった。目撃されたクマは体長約1.5メートル。県道を横切って宮寄上の山の奥方向に歩いて行った。付近には民家もあり、加茂署では住民に注意を呼びかけている。

(クマの目撃情報:新潟)
新潟県三条市は27日、同日午前6時30分頃に下田地域駒込(駒込上)地内の民家近くの畑でツキノワグマが1頭目撃されたと発表した。

(住宅地、クマの目撃相次ぐ:宮城)
24日午前6時20分ごろ、仙台市泉区北中山3丁目で、東北自動車道ののり面を駆け上がる体長約1メートルのクマを自宅から目撃したと、住民から泉区役所に連絡があった。現場は北中山小から南に約100メートル。同校は一斉下校を実施した。同日午前6時35分ごろには泉区南中山5丁目で、クマが市道を横切りゴルフ場に入ったという目撃情報が寄せられた。区の広報車が巡回し注意を呼び掛けた。

(植物好きが高じてマタギになった:秋田)
山の神を信仰し、獲物を授かり物と尊ぶ。秋田県北秋田市の狩猟集団「阿仁(あに)マタギ」の一員だ。広島市出身で、幼いころから自然に憧れてきた。山で植物に囲まれて暮らしたい。そんな夢を抱いて植物研究に明け暮れていた東京農大在学中、知人の誘いで「マタギの里」阿仁を初めて訪れた。

(十勝食材で新メニュー:北海道)
一般社団法人「いけだワイン城」は4階レストランで、エゾシカ肉のステーキ、とかちマッシュのピザなど新メニューの提供を始めた。いずれも池田や十勝産食材をふんだんに使っている。新メニューはトウモロコシのポタージュ(200円)、阿部農場(池田)の黒豚を使った自家製パンチェッタのカルボナーラ(1300円)、とかちマッシュとアンチョビのピザ(1500円)、エゾシカ肉ロースステーキ(150グラム、3400円)など6種類。11日からお目見えし、カルボナーラやピザは人気を集めているという。

(ジビエ消費拡大でキャンペーン:徳島)
県内で捕獲されたシカやイノシシなどの肉、「ジビエ」の消費を拡大しようと、25日から県内の飲食店がジビエ料理を提供するキャンペーンを行っています。このキャンペーンは、新型コロナウイルスの影響で需要が落ち込んでいるジビエの消費を拡大しようと徳島県が企画したもので、県内の28の飲食店などで手頃な価格でジビエ料理が提供されています。このうち、徳島市にある飲食店「駅前ワインビストロわたなべ精肉店」では、シカ肉を使ったステーキやカツ、煮込みなどのジビエ料理を提供しています。このうち、シカ肉のステーキは、美馬市の木屋平産のものを使っていて、シカならではの赤身のうまみが味わえます。キャンペーンの期間は25日から来月25日までで、県ではその後も県内のカフェなどと協力し、ジビエ料理のPRを進めていくということです。店を経営する渡辺勇樹さんは「牛や鶏肉などもおいしいが、シカ肉などのジビエには独特の味わいがある。新型コロナウイルスの影響で外食を控えている人も多いと思うが、外食ならでは味を楽しんでほしい」と話していました。

(捕獲されたイノシシの肉で「ジビエカレー」:富山)
イノシシ肉の食品加工を行うNPO法人「新川地区獣肉生産組合」(富山県黒部市)は、黒部市や魚津市で捕獲されたイノシシの肉を使ったレトルトカレーを試作した。「にいかわジビエカレー」と名付け、10月から組合や県のイベントなどで販売する予定だ。農作物被害を防ぐために捕獲されるイノシシが年々増えていることを受け、同組合は、イノシシを活用した地域振興を目的に、2018年に設立された。試作品のレトルトカレーは1食あたり、40グラムのイノシシ肉を使用。パッケージには、イノシシやトロッコ電車などのイラストをあしらった。同組合の野村春幸理事長(72)が24日、黒部市役所を訪れ、大野久芳市長らにカレーをPRした。試食した大野市長は「肉は軟らかくておいしい。食べやすい」と話した。同組合では、試作品を食べた人に味やパッケージなどについてアンケートをして改良を加え、来年度以降、本格的に販売することを検討するという。

(ジビエラーメンがブーム!:東京)
2018年から、農林水産省がジビエ利用拡大のための施策を講じていることが一因となり、いま「ジビエラーメン」が秘かなブームとなっている。野生の旨味が凝縮された味が、人気の秘密だ。今回は、日本全国の人気ジビエラーメンから、東京・葛飾の「自家製麺 啜乱会(すすらんかい)」で提供されている「ザ・正油らーめん」をご紹介する。「ザ・正油らーめん」は、あえて鹿肉をメイン食材としては押し出していない。「スープに、ニホンジカのミンチを使っています。ただ、メインは豚と鶏で、その下支えのような役割で鹿を入れているんです。“気がついたら鹿を食べていた” というようなコンセプトですね」(店長)。豚・鶏・鹿から作られたスープを飲んでみると、臭みなどはまったくなく、豚と鶏にはない甘味が印象に残る。この甘味が、ベースである正油と合わさることで、奥深いコクのあるスープとなるのだ。「麺にもこだわっていて、中太で丸みのある柔らかな歯ごたえ。上には豚と鶏のレアチャーシューとメンマ、カイワレなどを載せています」(同前)。メンマとカイワレは食感を豊かにしていて、麺とチャーシューはスープと絡まることで、より旨味を強く味わえるので、上品かつ、まとまりがいい。完成度が高い、“濃厚な中華そば” に仕上がっているのである。

(エゾシカ肉シチュー堪能:北海道)
日本工学院北海道専門学校の学生寮(登別市千歳町)で25日、登別産のエゾシカ肉を使った料理が初めて振る舞われた。寮生らはおいしい地元食材グルメに舌鼓を打ち、胃袋を大いに満たした。同校には道内外の学生が通学しており、「地元の食材を学生寮の食事で提供したい」と市に相談。市は市内のエゾシカ肉を加工食品などに活用している伊奈不動産(札内町)を紹介し、今回エゾシカのもも肉を長時間煮込んで作ったシチューを提供することになった。この日の夕食の献立はシチューのほか、サラダとカボチャのコロッケ。男子寮と女子寮の計260人に提供された。寮生らはやわらかい肉を頬張り、笑みを浮かべた。帯広出身で公務員学科2年の細矢直輝さん(19)は「初めて食べましたが、臭みがなくおいしいです」と満足げ。同学生寮では今後も地元食材の魅力が伝わる食事を検討していくとい。

(手頃な値段で栄養豊富なジビエはいかが?:香川)
廃棄されていたものの有効活用を目指します。香川県では年々イノシシの出没が増えていて、2019年度の捕獲数は過去最多になりました。この捕まえたイノシシを活用しようと取り組んでいる男性がいます。 香川県では2019年度1万4743頭のイノシシが捕獲されました。これは前の年度より3000頭ほど多く、統計が残っている1989年以降、最多でした。イノシシによる人や農作物への被害も年々増えていて、2019年度は全国で最も多い16人がけがをしました。これから秋から冬にかけては、特にイノシシが市街地に出没しやすい時期とされています。こうした中、捕まえたイノシシを有効活用しようとしている男性がいます。古市祐士さんは、2020年4月に高松市でイノシシ肉の販売を本格的にはじめました。古市さんは捕まえたイノシシの下処理の時間をできる限り短くすることで、衛生的で質の良い肉を製造するよう心掛けています。お肉の値段は、100グラム130円と市販の豚肉並みです。一般的にイノシシ肉は、牛や豚と比べてカロリーやコレステロールが低く、ビタミンB群が豊富で煮込めば煮込むほど軟らかくなり味が出ると言われています。古市さんは今後、販売だけでなく焼肉店などへの普及に力を入れていきたいとしています。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日早朝、仙台市青葉区上愛子道半にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後3時ごろ、仙台市太白区秋保町長袋湯ノ辺田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前8時30分ごろ、仙台市泉区実沢明神にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日午後5時30分ごろ、仙台市太白区茂庭向根にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、27日午前9時35分ごろ、利府町沢乙付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、25日早朝、仙台市青葉区上愛子道半にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、25日午後1時20分ごろ、栗原市築館城生野地蔵堂にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、25日午前7時ごろ、栗原市栗駒片子沢谷田にクマが出没しました。

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(全日本選手権予定通り開催、日本クレー射撃協会)
日本クレー射撃協会は24日、東京都内で理事会を開き、10月の全日本選手権を予定通り神奈川県伊勢原市で開催する方針を確認した。出場選手数は例年と変わらず、新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底する。女子トラップの中山由起枝(日立建機)ら東京五輪代表に決まっている男女4選手は全日本選手権の出場資格を得ている。

(環境省、狩猟に非鉛製弾を推進へ)
環境省は24日、希少な鳥類が狩猟で使われる鉛製銃弾をのみ込んでかかる鉛中毒を懸念し、非鉛製銃弾への切り替えを推進する方針を検討会で示した。実態調査を進め、来年秋までに鳥獣保護法に基づく基本指針の改定を目指す。鉛中毒は撃たれたシカなどの肉とともに鉛を体内に取り込むことで起こり、多くの希少な猛禽類や水鳥が死に至っている。北海道は2004年から鉛弾の使用を禁止。だが影響は相次ぎ、環境省によると、1997~2019年度、道内でオオワシやオジロワシなど約200羽が鉛中毒にかかった。

(県射撃場開設遅れ、安全面で基準満たせず:群馬)
県は18日、鳥獣被害を防ぐ狩猟者の確保・育成の拠点として整備している県安中総合射撃場(安中市)が、安全面で法令基準を満たせず予定していた7月にオープンできなかったと発表した。対策は検討中で、開設時期も未定という。県は既存のクレー射撃場と併設する形で、ライフル射撃場を整備している。総事業費は約12億4900万円。

(イノシシ猟で散弾銃の弾が男性に当たる:大分)
20日正午頃、大分市岡川の山林で、イノシシ猟をしていた男性(77)が発射した散弾銃の弾が、仲間の男性会社員(42)の腰付近に命中した。会社員に意識はあり、命に別条はないという。大分南署の発表によると、午前8時頃から市猟友会の会員10人で猟をしていた。男性はイノシシを狙って散弾銃を発射したところ、約50メートル先の雑木林にいた会社員に当たったという。

(ボーガンの威力、銃に匹敵)
警察庁は6月の兵庫県宝塚市の事件後、ボーガンに関する実験を科学警察研究所で実施した。矢がヘルメットを貫通するなど、拳銃に匹敵する威力が確認されたという。実験には、弦を引く重さが約79キロ、アルミ製の矢の長さが53.5センチのボーガンを使用。約5メートル離れた地点から矢を発射したところ、合成樹脂製のヘルメットの後部やアルミ製のフライパンを貫通した。競技用の拳銃との比較では、約2メートル離れた地点からの発射で、拳銃の弾が厚さ5ミリのベニヤ板を12枚貫通したのに対し、ボーガンの矢は6枚貫通した。ゼラチンに向けて発射した場合は、弾丸とほぼ同じ長さまで矢が刺さった。片手で扱える小型の「ピストルクロスボウ」でもベニヤ板1枚を貫通し、ゼラチンへの発射では競技用エアライフルと同程度の長さまで矢が届いた。警察庁は「ボーガンは、銃刀法で規制される拳銃や空気銃に匹敵する威力がみられる」としている。

(ボーガン規制へ議論開始、年内に報告書まとめる方針)
ボーガンが凶器として使われる事件が続発したことを受け、警察庁は規制について議論する有識者検討会を設置し、初会合を23日、東京都内で開いた。ボーガンは銃刀法による規制の対象外で、所持や使用、保管について、法規制も含めた在り方を話し合い、年内に報告書をまとめる。検討会では小田部耕治生活安全局長が「喫緊の課題として、活発な議論を」とあいさつし、担当者が現状を説明。2010年1月~今年6月に全国の警察が摘発したボーガン使用事件は32件で、うち生命や身体に危害が加えられる殺人などは13件だった。使用者は「遠距離から確実に命を狙える」「威力、静音性に興味を持った」「容易に入手でき、操作も簡単」などと説明したという。「カモに向かって撃っている人がいる」など同期間に全国の警察に寄せられたボーガンに関する相談は135件。うち18件は規制を求める声だった。国内で出回るボーガンのほとんどが輸入品で、多くはインターネットを通じて売られている。年間に千数百本を販売する業者もあり、数千円から10万円程度で購入できる。検討会では国内での流通実態も調べる。

(ボーガン使った事件、10年半で32件)
兵庫県宝塚市で6月に家族ら4人が洋弓銃ボーガン(クロスボウ)で殺傷された事件を受け、警察庁は10日、ボーガンの規制のあり方などを探る有識者検討会の設置を決めた。現在は所持や使用について定めた法律はなく、銃刀法でも規制の対象外となっている。検討会では、法で規制すべきかどうかも含め被害防止対策を議論し、年内に報告書をまとめる。宝塚市の事件後、警察庁がボーガンを使った事件の発生状況を調べたところ、2010年から今年6月までの10年半に全国の警察が32件を摘発していた。うち刑法犯は23件。うち13件は殺人や殺人未遂、強盗致傷など人を傷つける事件で、ほかに脅迫や器物損壊などを適用した。特別法犯は9件で、ネコを殺した動物愛護法違反や、人に害を加えるのに使う器具を隠し持つ軽犯罪法違反などがあった。銃刀法では銃や刀剣類を所持するには都道府県公安委員会の許可を受けることを義務づけているが、ボーガンは対象でない。過去のボーガンによる事件などを踏まえ、各自治体は青少年健全育成条例などでボーガンを有害玩具に指定し18歳未満への販売などを罰則付きで禁止してきた。警察庁によると、8月末時点で23県が条例で規制しており、うち10県は宝塚市の事件の後に規制対象にしたという。有識者検討会は法律の専門家やボーガンの関係団体幹部らで構成し、23日に初会合を開く。所持や使用、保管、流通における対策などを検討。報告書をもとに警察庁が具体的な対策を決める。宝塚市の事件は6月4日、男が住宅内でボーガンを撃ち、祖母と母、弟が死亡、伯母が重傷を負った。ボーガンはインターネットで購入したという。

(ライフル射撃の秘密兵器「新ビームピストル」実戦投入)
実弾を使わず安全性が高く親しみやすいとして、日本ライフル射撃協会が競技普及に力を注ぐ光線銃「ビームピストル」(BP)。新型コロナウイルス感染拡大の逆境にもめげず、このほど、高校生を対象にした全国大会の決勝戦がオンラインで実現した。遠隔地の会場を同時に結んだリモート開催は、コンピューターが採点を行う電子システムならではの試みで、日本協会は「大成功。今後も導入していきたい」と手応えをつかんでいる。8月30日午後、大会本部を置く東京都内のビルの一室。大型スクリーンに、北海道から九州までの高校生8人が各地の射撃場から中継で映し出された。7月25日~8月25日に分散開催された地方予選を勝ち抜いた選手たちによる男女混合BP決勝がスタートした。決勝は、10メートル先の標的に向かって1人20発を撃った後、合計点上位4人が、1対1で勝ち抜いていくという方式で実施。MCによる実況をはさみながら、大会本部の大型画面には、選手の姿や標的、点数がリアルタイムで表示された。今回の大会からBPの新システムを採用。照準の軌跡をレーザーで確認できるようになった。観戦者にも選手がどこを狙っているか、どのタイミングで撃ったのかが見えるようになり、エンターテインメント性が高まった格好だ。オンライン大会BPの“初代”王者に輝いた森田竜成(大分・由布)は、「高校最後に悔いのない結果が残せた。(中継用の)カメラがたくさんあって緊張したが、いつもの練習場所から参加できたのでよかった」と笑顔を見せた。コロナ禍でスポーツ大会が中止になる中、リモートで大会が開催できたのは、競技特性によるものが大きい。BPは、屋内で実施できる上、使う機材は同一のもの。採点もコンピューターが行うため、離れた会場でも一定の公平性が担保できる。今夏の全国高校総合体育大会(インターハイ)がなくなった高校生に代替大会を用意したいとの思いで実現し、日本協会の松丸喜一郎会長は「(大会のできばえは)90点以上。大成功だった」と振り返った。思わぬ副産物もあった。協会によると、これまでの高校生の全国大会は、一つの会場に選手が一堂に会して行われ、空気銃のエア種目と光線銃のビーム種目合わせて参加者は500人程度だった。今回は、予選会を地元で開催できたことで、エア種目も含め大会参加者は835人に上った。BP決勝の視察に訪れた橋本聖子五輪相は「興味深かったのは、参加者が増えたこと。たくさんの選手に参加してもらえると、タレント発掘につながる。いいヒントをいただいた」と絶賛していた。協会では今後、国内や一部の国際大会で同様の方式での競技実施を検討している。ビーム種目は射撃競技の五輪種目にはなっていないが、コロナ禍でも大会が実施できるとあって、注目度は高まりそうだ。

(登山道でクマに襲われ男性、顔や手に重傷:群馬)
5日午後1時ごろ、群馬県中之条町蟻川の蟻川岳で、登山道を歩いていた高崎市の自衛隊員の男性(54)がクマに襲われ、顔などに重傷を負った。県警吾妻署によると、男性は1人で下山途中、約20メートル前方からクマ2頭が歩いてくるのを発見した。後ずさりしたところ、突然小さい方のクマが襲いかかり、頭部や顔面をひっかかれたり、左手をかみつかれたりした。男性は自力で下山し、登山道近くの民家に助けを求めたという。

(「クマに襲われた」男性がけが:福島)
6日午後4時40分ごろ、南会津町の山林で「クマに襲われた」と、同町の男性(81)から119番通報があった。南会津署によると、男性は顔や腕、右足などをかまれるなどして軽傷とみられる。男性は同日午後4時ごろ、山林でわなに掛かった体長約30センチのクマを発見。近づいたところ、背後から体長約140センチのクマに襲われたという。2頭は親子とみられる。同署が現場周辺を巡回し、注意を呼び掛けている。

(「牙が刺さった」クマに襲われ男性がけが:鳥取)
鳥取県東部の山中で、男性がクマに襲われ、けがをした。被害にあった男性が当時の様子を生々しくかたった。「クマはシカを食べるのに夢中だった。5メートルほどに近づいたら飛びかかって来た。」こう話すのは89歳の男性。今月6日午前、若桜町渕見で水路を清掃していたところクマと遭遇したという。「牙が刺さった。ヒリヒリ痛かった、腫れていた。命を落としそうになった者でないとこの恐ろしさは分からない」。男性は持っていた鍬で追い払ったが、左足をクマに噛まれたという。クマ被害を受け地元若桜町は9日午後、現場周辺にドローンを飛ばしクマが通るけもの道などを確認する作業に追われた。「中山間地域なので、クマと共存しながら被害に遭わないように注意喚起を強化していく」。今年度、鳥取県内でのクマの目撃情報はきのう現在で147件だが、人が襲われたのはこれが初めて。クマは早朝や日暮れ時に出没することが多いため、県はその時間帯の外出は避けるなどの注意を呼びかけている。

(登山男性がクマに襲われけが:山梨)
10日、山梨県甲州市の鶏冠山で登山をしていた60代の男性がクマに襲われ、顔や足などにけがをして病院に搬送されました。消防によりますと、男性は搬送時に意識はあり、会話もできたということで、親子とみられるクマ3頭に遭遇したと話していたということです。消防によりますと10日午前10時ごろ、山梨県甲州市の鶏冠山で登山をしていたグループから、「男性が顔や足から血を流していて、クマに襲われたと話している」と通報がありました。男性は60代で、1人で登山をしていたということで、県の防災ヘリコプターによって甲府市内の病院に搬送されました。男性は、搬送時に意識はあり会話もできたということで、「親子とみられるクマ3頭に遭遇し、そのうち1頭の子グマに襲われた」と話していたということです。消防によりますと、現場は登山口がある柳沢峠から登山道を40分ほど登ったところにある展望台の近くだということです。

(クマ被害?死因特定できず:秋田)
岩手県警岩手署は10日、同県八幡平市の林道で8月に見つかった遺体の身元が、秋田県鹿角市花輪、無職の男性(72)と判明したと発表した。DNA型鑑定で確認した。頭や右腕にクマにかまれたような傷があったが、死因は特定できなかった。

(自転車の女性がクマに襲われる:岩手)
12日午後7時ごろ、八幡平市松尾の路上で、自転車で帰宅中の同市の会社員女性(32)がクマに襲われた。女性は左腕や背中などをかまれ、矢巾町の県高度救命救急センターに搬送された。岩手署によると、搬送時に意識があった。女性は親子のクマに遭遇。襲われた後、自力で帰宅し119番通報した。現場は東北道松尾八幡平インターチェンジから西へ約3・5キロの前森集落センター付近。

(クマに襲われ顔と手にけが:岐阜)
15日午後8時30分ごろ、岐阜県揖斐郡揖斐川町鶴見の藤橋城・西美濃プラネタリウム付近で、星の撮影に訪れていた愛知県内の男性(51)がクマに襲われ、頬や手の指に軽傷を負った。クマは1頭で、そのまま逃げたという。町が16日発表した。町によると、現場は同施設駐車場付近。茂みに入って撮影しようとしたところ、クマに襲われた。右頬と右手の親指にけがを負い、町内の病院に搬送された。町は、音声告知放送で注意を呼び掛け、町有害鳥獣捕獲隊員によるパトロールを実施している。

(クマに襲われ70歳男性が大けが:群馬)
16日夕方、群馬県沼田市の沢で釣りをしていた70歳の男性がクマに襲われ、頭の骨を折る大けがをしました。警察によりますと、16日午後4時ごろ、沼田市佐山町にある山中の沢で1人で釣りをしていた市内に住む70歳の男性がクマに襲われました。男性は下山し、自分で車を運転して自宅に戻ったあと、近所の人に病院に運ばれましたが、頭の骨を折る大けがだということです。男性は病院で治療を受けていますが、意識はあり、命に別状はないということです。警察によりますと、クマは体長1メートル50センチほどで、男性を襲ったあと、その場から逃げたということです。警察は、現場周辺でパトロールをするとともに、今月、県内でクマに襲われる被害が相次いでいることから、山に入る際は十分注意するよう呼びかけています。

(罠にかかったクマに襲われケガ:福島)
下郷町で罠にかかったクマに男性が襲われケガをした。クマ被害にあったのは、下郷町に住む60代の男性。17日午前6時すぎ、男性が、下郷町の山林に設置したくくり罠を確認したところ体長およそ130センチのクマがかかっていた。近づくとクマが暴れ、そのはずみで罠が外れて男性が襲われたという。男性はクマに耳や上半身を引っかかれ、ケガをしたが、命に別状はないという。警察などが現場近くを巡回し、注意を呼び掛けている。

(畑作業中、イノシシに襲われ男性けが:滋賀)
17日午前7時半ごろ、滋賀県竜王町山之上で、自宅の畑で収穫作業をしていた男性(78)が、体長約1メートルのイノシシに襲われ、牙が右太ももに当たってけがをした。さらに約900メートル離れた路上で、歩いていた会社員(51)が同じイノシシにぶつかられ、転倒した際に軽傷を負った。イノシシは捕獲されておらず、滋賀県警近江八幡署と町は住民に注意を呼び掛けている。

(クマに襲われ72歳男性けが:岩手)
17日午後4時ごろ、花巻市大迫町の山林で、同市大迫町の男性(72)がクマに襲われた。男性は頭や顔などにけがを負い、矢巾町の県高度救命救急センターに運ばれた。重傷とみられる。花巻署や花巻北消防署大迫分署によると、体長約1メートルの成獣とみられる。山林で栗拾い中に襲われ、自力で帰宅。妻が119番通報した。現場は内川目小の北約100メートル。同署などがパトカーで警戒した。クマは見つかっていない。

(男女2人が相次いでクマに襲われけが:岩手)
19日午前、岩手県花巻市内で、男女2人が相次いでクマに襲われけがをしました。周辺では複数のクマが目撃されていて、うち2頭は捕獲されました。19日午前6時半頃、花巻市太田の無職・照井慶子さん(78)が自宅の近くの畑で農作業をしていたところクマが現れ、頭をひっかかれました。照井さんは近くの家に助けを求め、この家の人が119番通報しました。「(頭から)血が出ていたから髪が真っ赤になってしまって、なかなか血も止まらないからびっくりした」。さらにおよそ3時間後の午前9時20分頃、花巻市の依頼を受けて地元の猟友会がクマを捜していたところ、猟友会の平賀勲さん(67)がクマに右ふくらはぎをかまれました。2人とも命に別状はないということです。市と警察によりますと、現場付近では複数のクマが確認されていて、うち2頭が捕獲されました。

(クマに襲われ女性けが:長野)
20日朝、安曇野市で60代の女性がクマに襲われ、頭や肩に軽いけがをしました。県内ではクマに人が襲われる被害が相次いでいて、警察などが注意を呼びかけています。警察によりますと、20日午前5時半ころ、安曇野市穂高牧で近くに住む67歳の女性が犬の散歩をしていたところ、クマに襲われました。女性は「道路横のそば畑からクマが出てきた」と話していて、クマに驚いて尻もちをついたところ、頭や右肩などを噛まれたということです。女性は安曇野市内の病院に搬送されましたが、けがの程度は軽く命に別状はないということです。警察によりますと、県内ではことしに入ってクマによる被害が相次いでいて、ことし6月には南木曽町でクマなどの動物に襲われたとみられる男性が死亡しています。今のところ、今回女性を襲ったクマは見つかっていないということで、警察や市などが注意を呼びかけています。現場は山に近い住宅が立ち並ぶ地域で、県道25号線から脇道に入ってすぐのところです。安曇野市穂高牧の区長を務める73歳の男性は、「最近、地区内でクマを見かけたという報告が数件あったので注意を呼びかけていたが、住宅地のすぐ近くで出たと聞いて驚いた。地元の猟友会などと相談して今後の対策を考えたい」と話していました。

(クマ襲われキノコ採りの男性けが:山梨)
20日朝、北杜市の山の中でキノコ採りをしていた65歳の男性がクマに襲われ、顔と腕に軽いけがをしました。警察によりますと、20日午前7時半ごろ、北杜市須玉町の山の中で甲府市の65歳の男性が1人でキノコ採りをしていたところクマ2匹に遭遇し、男性は、このうちの1メートルほどのクマに襲われたと話しているということです。男性は顔と左ひじに軽いけがを負い、自力で下山して病院で手当てを受けましたが、命に別状はないということです。男性が襲われたのは長野県との県境に近い県道から山に向かって30分ほど歩いて入った場所とみられるということです。クマの出没を受けて、北杜市は防災無線で注意を呼びかけるとともに、警察や地元の猟友会などが現場周辺でパトロールを行っています。

(20代女性がクマに襲われ軽傷:新潟)
23日夜、新潟県長岡市で20代の女性が帰宅しようとしたところ、突然、クマに襲われ、腕などをけがした。クマに襲われた女性は「クマだと思った瞬間に追いかけてきたのでやばいと思って、逃げる途中にひっかかれた」と当時の様子を語った。女性や警察によると23日午後6時50分ごろ、長岡市北荷頃で女性が車庫に車を止めて約50メートル離れた自宅に向かっていたところ、突然、クマに襲われた。女性は右腕や右足の太ももをひっかかれたが軽いけがだという。クマは体長1メートルほどだったという。人がクマに襲われる被害が出たのはことし初めてだ。長岡市の職員や地元猟友会がクマを捕まえる罠を設置するなどして周囲に警戒を呼び掛けている。

(マガン今季初飛来:宮城)
国内有数の渡り鳥の飛来地として知られる伊豆沼・内沼(宮城県栗原市、登米市)で12日、マガンの今季初飛来が確認された。県伊豆沼・内沼環境保全財団の研究員が午前6時半ごろ、伊豆沼の南側の水田で羽を休める12羽を確認した。その後、6羽の群れも合流したという。マガンの初飛来は平年より8日早く、昨年より1日早い。来月上旬にはハクチョウが姿を見せ始める。昨季の最盛期にはガン類の約11万羽を筆頭に、約12万羽の渡り鳥が飛来した。

(菅氏肝いりの「ジビエ振興」が危機、補助金依存が仇に)
菅首相が官房長官時代から推進してきたジビエ(野生鳥獣の食肉)の振興政策に暗雲が垂れ込めている。食肉を供給する鳥獣の捕獲の実績が、政府の目標に対して未達になりそうなのだ。てこ入れを図るには、狩猟を「趣味」から「ビジネス」に転換する必要がある。シカやイノシシといった有害鳥獣が、農家が育てた農産物を食い荒らす被害が深刻だ。2018年度の有害鳥獣による農産物被害額は158億円に上る。実は近年、被害額は減少しているが、「農村への影響は統計上の被害額以上に甚大だ」(農林水産省鳥獣対策室)。国が把握できない被害(申告されないケースや、栽培をやめてしまったケースなど)が大きいためだ。有害鳥獣による被害は、高齢化している農村に深刻な影響を及ぼしており、このままでは全国で離農や廃村が相次ぐことになる。そこで、政府は意欲的な目標を打ち出し、有害鳥獣の削減に乗り出した。23年度までの10年間でシカとイノシシの生息数を半減する目標や、19年度までの3年間でジビエ利用量(食肉処理施設での処理量)を倍増する目標がそれだ。とりわけ後者は、菅義偉官房長官が主導して決めた経緯もあり「むげにできない目標だ」(政府関係者)。

(農地荒らす鹿やイノシシ肉のジビエ、コロナで消費減)
野生の鹿とイノシシが農地を荒らす被害が深刻化。国は増えすぎた分を捕獲する一方、肉を処理してジビエ料理の食材に活用する施策を推進してきた。だが新型コロナウイルス感染症の影響で飲食店向けの出荷が激減し、普及に暗雲が漂う。新たな需要を開拓できるだろうか。鹿肉を使ったマーボー豆腐やカレー、ハンバーグ、メンチカツに、イノシシ肉のベーコンサンドイッチ――。7月20日に東京・市ケ谷の防衛省内のホールで開かれた、ジビエ料理の試食会。河野太郎防衛相や同省職員ら約70人の前に12品が並べられ、料理の説明を受けながら賞味した。河野氏は「どれもおいしいが、シューマイなど中華が特に良い」と感想を寄せた。一般社団法人「日本ジビエ振興協会」が企画した。近年、ジビエ料理を飲食店などで目にする機会が増えてきた。しかし、新型コロナの影響で飲食店が休業や営業時間の短縮に追い込まれ、客が利用を自粛する動きも加わって、肉の消費が落ち込んだ。そこで、全国各地に所在する基地や駐屯地など防衛省関連施設でジビエ食材の利用を進めてもらおうと、協会が防衛省に協力を要請。その一環で試食会が実現した。一部の駐屯地の食堂でジビエメニューを導入する動きがあるほか、防衛省共済組合が運営する宿泊施設で鹿肉の仕入れを検討しているという。協会の藤木徳彦代表理事は「駐屯地などは地方にあり、地方の課題解決に貢献する意味でも、ジビエの利用を進めてほしい」と話す。

(新たに野生イノシシ1頭の豚熱感染確認:福島)
県は19日、新たに会津若松市で死んでいた野生イノシシ1頭の豚熱(CSF)感染を確認したと発表した。県内での野生イノシシの豚熱感染確認はこれで計5頭となった。

(野生イノシシ3頭の豚熱確認:福島)
県は18日、新たに会津若松市で死んでいた野生イノシシ3頭の豚熱(CSF)感染を確認したと発表した。県によると、会津地方ではすでに、すべての養豚場でワクチンの接種が完了しており、今回の感染確認で新たな移動制限区域の設定などは行わない。県内では、9日に同市で死んでいた野生イノシシ1頭の豚熱感染が確認されていた。

(野生イノシシ「豚熱」感染確認:福島)
県は9日、会津若松市で死んでいた野生イノシシ1頭の豚熱(CSF)感染を確認したと発表した。県内での野生イノシシの感染確認は初めて。県によると、イノシシは体長110センチの雄で、8日に見つかり、9日の検査で感染が確定した。県は10日、県庁で県牛豚等特定家畜伝染病に関する連絡会議を開き、今後の対応を協議する。

(「豚熱ワクチン」来週中にも接種開始:福島)
会津若松市で死んだ野生イノシシの豚熱(CSF)感染が確認されたことを受け、県は来週中に豚へのワクチン接種を始める。当初は10月開始を予定していたが、前倒しする。イノシシが見つかった場所の半径10キロ圏内にある二つの養豚場を優先し、会津地域から順次、全県に拡大する。10日、県庁で緊急会議を開いて説明した。県は「想定より早く感染が確認され、非常に危機感を持っている」(畜産課)とし、ワクチン接種の開始時期など防疫体制の構築を急ぐ。県内には83農場に約12万頭の豚がおり、ワクチン接種が完了するには3~4カ月程度かかるとしている。県は半径10キロ圏内を豚の移動制限区域に設定。同圏内には二つの農場と一つのと畜場があるが、と畜場に搬入された豚と農場の豚の異常は確認されていない。異常がない豚は移動制限の対象外にできるため、県が調整を進めている。また県は、県内全ての農場の豚に異常がないことも確認。感染リスクを抑えるため、消毒の徹底や豚の健康観察などを周知した。緊急会議では野生イノシシの捕獲強化に向け、「捕獲重点エリア」を設定することも決定。捕獲後、豚熱の抗体検査を強化することや防護服を着用するなど狩猟者の衛生対策も実施する。県民に対しては、豚熱に対する不安解消を図るため各保健所に相談窓口を設置。ホームページを活用し、豚熱は人に感染せず、仮に感染した豚の肉や内臓を食べても人体に影響がないことなどを発信する。県によると、今回確認された豚熱のウイルスは、2018(平成30)年に国内で26年ぶりの感染が判明した岐阜県のウイルスと同じ系統。感染経路について県は「疫学調査は今後、国と連携するが、ウイルスの系統が分かったので、何かしらのヒントになる可能性はある」としている。野生イノシシの豚熱感染が確認されたのは県内初で、東北でも初めて。

(イノシシに豚熱、一刻も早いワクチン接種を:福島)
野生イノシシの豚熱(CSF)感染が県内で初めて、会津若松市で確認された。県と関係機関は危機感を持って、飼育豚への感染防止に全力を挙げてもらいたい。豚熱は2018年9月、岐阜市の農場で26年ぶりに発生が確認され、中部、関東に広がった。先月に隣県の群馬県内で野生イノシシの感染が確認され、農林水産省は本県をワクチン接種の推奨地域に追加、県が10月から接種を開始しようとした矢先だった。県はイノシシが見つかった場所の半径10キロ圏内を、家畜の移動を禁止する制限区域に設定した。来週中にも、前倒しで会津地域からワクチン接種を始め、全県に拡大する方針だ。県内では83の養豚農場で約12万頭の豚が飼育されている。すべて終えるまで3~4カ月程度かかるとしているが、養豚農家の不安解消へ、できる限り迅速に進めることが重要だ。農場で1頭でも感染してしまうと、全頭を殺処分することになる。養豚農家にとって計り知れない打撃となる。県は現時点で県内の農場の豚に異常がないことを確認しており、区域内の出荷再開へ農水省と協議を進めている。県内の農場をウイルスの侵入から、なんとしても守らなければならない。ウイルスは、野生イノシシからのルートや、農場に出入りする人などから持ち込まれる場合があるとされる。農場の消毒を徹底するとともに、出入りする畜産関係者、車両の衛生管理にも細心の注意を払う必要がある。野生イノシシは餌を求めて山、田畑などを活発に動き回る。イノシシからの感染ルートを断つことが不可欠となる。豚舎へのイノシシなどの侵入を防ぐ上で、柵やネットの設置は有効だ。関東への感染拡大を受け、県は昨年から農場への柵の設置を呼び掛けてきた。国がネットの設置費用を補助する制度もある。イノシシの侵入防止策の強化へ、あらゆる手だてを講じてほしい。県はきのう、会津全域、県北、県中、県南地域の東北道西側の一部を野生イノシシの捕獲重点エリアに設定した。マンパワーに限りがある中で、イノシシの感染拡大を防ぐことができるかどうかは市町村、猟友会など関係機関、団体の連携に懸かっている。捕獲重点エリア内の各市町村は、出猟日数やわなを増やすなど、効率的で効果的な方策を練り上げ実行することが大切だ。豚熱は人に感染することはなく、仮に感染した豚の肉を食べたとしても体への影響はない。県民一人一人が冷静に対応したい。

(豚熱ワクチン接種始める:福島)
県内で野生イノシシから豚熱(CSF)が初確認されたのを受け、県は十四日、会津地方の飼育豚に対するワクチン接種を始めた。十七日までに会津地方の全十四養豚場、合わせて約一万八千頭に接種する。県は他地域でのワクチン投与の早期開始に向け、農林水産省と協議を進めている。内堀雅雄知事が十四日の定例記者会見で明らかにした。県によると、同日は死んだイノシシが見つかった会津若松市門田地区から半径十キロ圏内の移動制限区域内の二養豚場を含めた計四養豚場の約一万五千頭に接種をした。県はワクチン接種開始を前に、農水省から十一日付で接種の進め方などをまとめたプログラムの承認を受けた。県内では八十三養豚場で約十二万頭が飼育されており、接種完了までは三~四カ月程度かかる見通し。内堀知事は「福島県の畜産業を守るため、関係団体や市町村と協力し感染拡大防止に努めていく」と語った。現時点で、異常が確認された豚はいない。県は県内養豚場に対して消毒の徹底を指導するとともに、野生イノシシの捕獲や生息状況の調査を強化する。

(イノシシ、豚熱感染を確認:愛知)
県は二日、豊川市御油町で八月二十五日に捕獲した野生イノシシが豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内で感染が確認された野生イノシシは百三十七頭となった。

(豚熱感染を確認:群馬)
群馬県は9日、片品村で捕獲された野生イノシシ1頭について、同日の遺伝子検査で豚熱(CSF)感染が確認されたと発表した。県内の感染事例は計48頭となった。監視対象農場の新たな指定はないという。

(豚熱を確認、野生イノシシ1頭:群馬)
群馬県は17日、沼田市で死亡した状態で発見された野生イノシシ1頭について、同日の遺伝子検査で豚熱(CSF)感染が確認されたと発表した。県内の感染事例は計50頭となった。監視対象農場の新たな指定はないという。

(豚熱新たに2頭:群馬)
群馬県は23日、安中市と高崎市でそれぞれ見つかった野生イノシシ計2頭について、同日の遺伝子検査で豚熱(CSF)感染が確認されたと発表した。県内の感染事例は計52頭となった。

(豚熱発生2年、終息への道まだ遠く)
豚熱が国内で26年ぶりに発生して9日で2年。ウイルスに感染したイノシシの生息範囲は広がり対策が必要な地域も拡大を続けている。8月31日には福島県も25都府県目となるワクチン接種推奨地域となった。農家は終息に向け柵の設置などの対策を進めるが、ワクチン接種などが経営の負担にもなっている。「まさかここまで来るとは」。福島県泉崎村の木野内ファーム・木野内理社長は母豚300頭を飼い、肥育豚を年間8000頭出荷する。2年間で感染イノシシの生息域が、岐阜県から隣接する群馬県まで来たスピードに驚きを隠せない。豚熱は8県の飼養豚で発生し、約16万6000頭が殺処分された。2019年10月に豚でのワクチンが使われ始めてから徐々に落ち着き、飼養豚では20年3月の沖縄県の事例が最後だ。「次に豚で発生するとしたら(ワクチンを打てていない)福島かと思っていた。やっとワクチンが打てる」と木野内社長は安堵(あんど)する。国は家畜疾病の侵入に備えて柵の設置予算を措置。木野内ファームも3月に農場周辺の500メートルへ、660万円かけて設置した。自治体の補助もあって自己負担は12・5%に抑えられたが、年間450万円ほどのワクチン費用は、経営に重くのしかかる。日本は3日、農家の通報から2年で豚熱を終息できず、国際獣疫事務局(OIE)が認定する豚熱の「清浄国」の資格を失った。復帰にはワクチン接種をやめる必要があるが、イノシシの感染が収まらなけば接種はやめられない。ウイルス陽性の野生イノシシは、中部地方を中心に17都府県で確認。イノシシ向けの経口ワクチンで抗体を付与するため、6月までに23都府県で約60万個を散布した。抗体付与率は全国の累計で約20%だ。北海道大学獣医学研究院の迫田義博教授は「日本は急峻(きゅうしゅん)な地形もあり、イノシシ対策を少なくとも10年かけてやらないと清浄国にはなれないだろう」と指摘。「理想はイノシシの8割が抗体を持つことだが、6割以上で流行を抑えていける」と強調する。日本養豚協会の香川雅彦会長は「農家だけでできることは限られる。農家の自立と国の政策を組み合わせ、養豚産業を成長させる必要がある」と訴える。日本農業新聞の調べでは、豚熱が発生した農場のうち、この2年で廃業した経営体は10経営体に上る。高齢化や後継者がおらず、再開を断念するところが多かった。再開は40経営体・農場、再開予定は14経営体・農場、未定は6経営体だった。経営再開を迷う理由には、「野生イノシシで陽性が出ていて再開するのが不安」、経営を断念した理由では「高齢で後継者がいない」「新しい畜舎で始めたいが、資金面でめどがたたない」などが挙がっている。

(豚熱発生2年、イノシシ捕獲3割増)
豚熱の発生から2年がたち、国は終息を目指しウイルスを媒介する野生イノシシ対策に力を入れている。24都府県に設定している捕獲重点エリアでは、捕獲頭数が2、3割増加。感染拡大防止へ、専門家は地域が一体となって効果的対策に取り組む重要性を指摘する。捕獲重点エリアは2019年9月から設置しており、20年6月までの重点エリア24都府県の捕獲実績は前年比で2、3割高くなっている。野生イノシシの感染は17都府県で確認され、9月2日時点で約2600頭に上る。国はイノシシ向けの経口ワクチンを、6月までに23都府県で約60万個散布。イノシシの抗体付与率向上を進めている。有識者の検討会では経口ワクチン散布継続のため、現場の作業負担軽減や費用対効果を考慮した見直しが必要としている。岐阜県では、情報通信技術(ICT)を活用した捕獲通知システムの導入を推進。19年度は国と県の補助金で60基導入した。利用者からは、わなの見回りの労力軽減や捕獲効率化につながると好評だった。20年度は400基設置予定で、引き続き捕獲を強化する。電気で止め刺しする方法も導入し、血を介したウイルス拡散を防止する。農研機構・中央農業研究センター鳥獣害グループの平田滋樹上級研究員は、「野生イノシシ対策は、個体数を減らすこととイノシシに抗体を付けることが必要」と指摘する。イノシシに経口ワクチンを食べさせるための事前の誘引や隠れ場をなくすなどの環境整備、侵入防止対策が重要で、猟友会や畑作農家など地域全体で協力体制を構築する必要性も呼び掛ける。養豚場で対策を徹底していても、近くの畑で野菜を放置するなどしていればイノシシを呼び寄せるからだ。ICT技術の導入による省力化や、電気で止め刺しすると作業者の精神的リスクも少なくウイルス拡大を防げるため、そうした技術を正しく使える人材育成にも力を入れる必要性を強調する。

(乗用車と「クマ」衝突、けが人なし:福島)
6日午後3時45分ごろ、天栄村の国道118号で30代男性の乗用車とクマが衝突、男性が須賀川署に届け出た。けが人はいなかった。同署は現場付近を巡回し、注意を呼び掛けた。

(貨物自動車とクマ衝突:秋田)
4日午後10時55分ごろ、秋田県五城目町小池字桑ノ木関ノ沢の秋田自動車道下り線で、青森市の50代男性が運転する普通貨物自動車が、体長約1メートルのクマと衝突した。クマはその場で死んだ。男性と同乗者5人にけがはなかった。

(クマか、牛の飼料9キロ食われる:秋田)
3日午前5時45分ごろ、秋田県鹿角市花輪字蛇沢の牛舎で、袋に入った飼料約9キロが食われているのを、牛舎を所有する60代男性が見つけた。牛舎内にはクマのものとみられるふんがあり、鹿角署は食害とみて付近に警戒を呼び掛けた。

(クマ、稲穂を食べる?:秋田)
7日午前6時ごろ、秋田県鹿角市十和田草木字川向の水田で、稲が約9アールにわたり踏みつぶされ、穂が食い荒らされているのを所有する60代女性が見つけた。

(米食うクマ、3日連続納屋通い:富山)
10日午前5時半ごろ、富山県立山町目桑(めっか)で、クマの成獣1頭が納屋の中で米を食べているのを、近くに住む所有者の男性が目撃した。

(360キロの"巨大グマ"捕獲、5年前からデントコーン畑荒らしたか:北海道)
北海道稚内市で、デントコーン畑に設置された箱わなに巨大なクマが捕獲されました。体重360キロの推定10歳のオスで、5年にわたり畑を荒らしていたクマとみられます。駆除されたのは、体長約2メートル、体重360キロの推定10歳のオスのヒグマです。稚内市では9月9日に畑に箱わなを設置。10日午後8時50分ごろに箱わなにクマが入っている写真を確認し、11日市の職員が現場でクマを確認しました。稚内市声問村開進地区のデントコーン畑では、5年前からクマに作物が食べられるなどの被害が出ていて、市は背丈が伸びると人が隠れる畑で農作業するのは危険と判断し、毎年箱わなを設置してきました。駆除されたクマは、大きさなどから毎年畑に出没していた個体とみられますが、開進地区では、このクマの他にもクマがいる可能性があるとみて、引き続き注意を呼びかけています。

(トラックと衝突、クマ死ぬ:秋田)
13日午後0時40分ごろ、秋田県由利本荘市松ケ崎字上仮屋沢の日本海沿岸東北自動車道(日東道)上り線で、秋田市の60代男性のトラックが体長約1メートルのクマと衝突した。運転手と同乗者1人にけがはなかった。クマはその場で死んだ。

(カラス大量死、死骸から農薬の成分検出:北海道)
今月、札幌市西区の公園などで、大量のカラスの死骸が見つかりました。警察が詳しく調べたところ、死骸から農薬の成分が検出されたことがわかりました。今月1日午前6時前、札幌市西区の二十四軒すずらん公園で、9羽のカラスの死骸が見つかりました。周辺では、ほかにも複数のカラスの死骸が見つかっていて、14日までに25羽の死骸が見つかりました。警察が詳しく調べたところ、死骸から有機リン系の農薬の成分が検出されたことがわかりました。この農薬の成分は、殺虫剤にも使われることがあり、一般の人でも購入することができるということです。警察は何者かが、カラスに何らかの方法で食べさせた可能性も含め調べています。

("アライグマ"か?中学生が育てたトウモロコシ約130本食い荒らされる:北海道)
北海道帯広市の中学校で生徒が育てたトウモロコシ約130本が食い荒らされる被害があったことがわかりました。地元の猟友会によりますと、アライグマによる食害の可能性が高いとみられています。被害が確認されたのは、北海道帯広市の清川中学校の畑です。9月14日午前10時ごろ、トウモロコシ畑が荒らされているのに気づいた中学校が帯広市に被害を届け出ました。地元の猟友会などが現場を確認したところ、トウモロコシ約130本が食べられていたことがわかりました。清川中学校の卯月道彦校長は「トウモロコシは生徒が育てていたもので、きょう収穫予定だったので非常に残念です」と話しています。猟友会によりますと、畑にクマの足跡がないことなどからアライグマやキツネによる食害の可能性が高いとみるとともに、子グマの可能性もあるとみて帯広市などが詳しく調べています。

("漬物のバケツ"あさるクマ:北海道)
9月18日午後、北海道函館市の函館空港近くにある民家の庭でヒグマが目撃され、警察やハンターが警戒を強めています。18日午後0時45分ごろ、函館市瀬戸川町の民家の庭で、住人の70代の男性がクマ1頭を目撃しました。男性によりますとクマは漬物が入ったバケツをあさっていて、男性が大声を出すと沢の方に一度逃げました。しかし数分後に戻り、再びバケツをあさっていたため男性から連絡を受けた妻が警察に通報しました。通報を受け、警察と市の職員、ハンターが現場に向かい周囲を確認すると、長さ約15センチのクマの足跡が見つかったということです。ハンターによりますと、「メスであれば成獣、オスであれば2~3歳。体長は1メートルほどとみられる」ということです。男性は「今まで経験がない。夜も気が気でない…」と話していて、函館市は現場周辺に「クマ出没注意」の看板を2か所設置するとともに、9月23日ごろまでハンターに警戒を要請しています。

(住宅街でイノシシの子供を捕獲:宮崎)
21日の朝、宮崎市の住宅街にイノシシの子供が出没し、警察に捕獲されました。住宅街の駐車場に現れた一匹のイノシシの子供。21日の午前8時過ぎ、宮崎市生目台西の住宅街に「イノシシが出た」と住民から警察に通報がありました。体長40センチほどのイノシシは、人間を気にする様子もなく近くの公園へ。駆け付けた警察官によって網で捕獲され、宮崎市に引き渡されました。フェニックス自然動物園の竹田正人副園長によりますと、イノシシの子供はエサを求めているうちに迷子になったことが考えられ、親イノシシが近くにいる可能性があるので注意が必要だということです。

(磐越道でクマと車の事故相次ぐ:新潟)
20日夜、阿賀町の磐越自動車道で走行中の車が道路に入ってきたクマと衝突しました。同じ高速道路では今月17日にもおよそ3キロ離れた場所で同様の事故があり警察は注意を呼びかけています。20日午後9時ごろ、阿賀町九島の磐越自動車道を走行していたトラックが法面から入ってきたクマと衝突しました。この事故で車は前方部分が壊れましたが、乗っていた人にケガはありませんでした。クマは体長およそ1メートル20センチで現場近くで死んでいるのが見つかりました。現場は阿賀町の磐越自動車道上川パーキングのおよそ300メートル手前で最寄りの住宅から400メートルほど離れた場所だと言うことです。磐越自動車道では今月17日にも今回の現場からおよそ3キロの場所で同様に車がクマに衝突する事故が起きており、警察は注意を呼びかけています。

(町にクマ、1頭駆除:富山)
富山市八尾町中心部で21日、クマの目撃が3件相次ぎ、1頭が井田川の河川敷で駆除された。けが人はなかった。「おわら風の盆」の舞台となる町中心部では、20日にもクマの痕跡が見つかっており、市と富山西署は住民に警戒を呼び掛けている。市と同署によると、21日午前10時半ごろ、福島で成獣1頭を住民が目撃した。午前中のうちに、地元猟友会が近くの井田川の河川敷で駆除した。直前の同10時20分ごろには、西新町で子グマ1頭の目撃情報が住民から寄せられた。西新町ではこのほか、同9時20分ごろ、木に登る成獣1頭が目撃された。井田川の河川敷で駆除されたクマと同じ個体かどうかは分からないという。福島の会社役員、武内清さん(60)は「近くの井田川にクマが現れたなんて…」と驚いた様子。福島には子どもや高齢者も多く暮らしており「人身被害が出ないよう、地域全体で気を付けていきたい」と話した。20日には、諏訪町の城ケ山公園斜面にクマが通った痕跡が見つかった。公園は小高い山にあり、裾野には石畳の坂道が延びる「諏訪町通り」がある。八尾町中心部近くの東葛坂や高熊などでも目撃が相次いでおり、同署は「不要不急の外出を避け、クマを見かけても近づかないようにしてほしい」呼び掛けている。

(シカと衝突か、上下線2本が運休:奈良)
12日午前9時半ごろ、奈良市法蓮町のJR関西本線平城山-奈良駅間の踏切近くで、加茂発天王寺行きの下り快速電車とシカとみられる動物が衝突した。JR西日本によると、電車が踏切を通過する際に動物と衝突し、運転士が急ブレーキをかけた。乗客100人にけがはなかった。この事故の影響で上下線計2本が運休、計7本で最大30分の遅れが生じ、約1千人に影響した。

(シカと衝突し運転見合わせ:愛知)
6日午後9時10分ごろ、愛知県岡崎市の名鉄名古屋本線名電山中―藤川間で、豊橋発名鉄岐阜行きの列車(4両編成)がシカと衝突した。乗員乗客約30人にけがはなかった。この影響で豊橋―東岡崎間が上下線で約1時間40分にわたって運転を見合わせた。

(イノシシと接触、電車遅れ:兵庫)
JR西日本によると、6日午後7時50分ごろ、赤穂線の伊部駅(備前市)―香登駅(同)間で列車がイノシシと接触したため、車両と線路を確認した。この影響で、同線の一部列車に約5~15分の遅れが出ている。

(ミツバチ巣箱が荒らされる、熊の仕業か:宮城)
仙台市太白区の山林で21日、ミツバチの巣箱が壊されているのが見つかりました。熊の仕業とみられています。蜂の巣箱を管理している大竹英次さん「爪をひっかけてネットを破り、手を入れて中の巣を蜂蜜ごと食べた」。警察によりますと、21日午前5時20分ごろ、太白区根岸町の山林で、住民がミツバチの巣箱4個が壊されているのを見つけ、警察に通報しました。現場では20日も巣箱が荒らされる被害が確認されていて、合わせて巣箱12個分の蜂蜜とハチが熊に食べられたということです。大竹さん「蜜の採取を楽しみにしていたが、熊に食べられてしまって残念という言葉しかない」。警察では付近に警戒を呼び掛けているほか、仙台市が21日にわなを仕掛けたということです。

(体験すっぺ!ビームライフル:宮城)
高さ30メートルのビルから落下しながら麻薬王を一瞬で狙撃。劇画の超一流スナイパー「ゴルゴ13」に憧れ、銃を格好よく撃ってみたいと思う人も少なくないのではないだろうか。仙台圏ではないが、石巻市には、免許不要の「ビームライフル」を体験できる宮城県ライフル射撃場がある。「用件を聞こうか…」と眉間にしわを寄せ、いざ建物に潜入。静まりかえった室内に「パンパン」と乾いた音が響き渡り、緊張が高まる。競技で使うのは、弾の代わりにキセノンランプを発光する光線銃。10メートル先にある直径4.5センチの標的を、45分間に60発撃って合計点を競う。得点はゼロから10.9点までで、中心近くに当たるほど高くなる。最高の10点圏内は直径1ミリ。針の穴を通すような神業だ。4キロと本物並みに重い銃は、真っすぐ構えるのもやっと。スコープをのぞき狙いを定めても、わずかな呼吸や脈の乱れでぶれる。引き金を引いたが、反応がない。「まさかミスファイア(不発)…?」「俺の背後に立つな」とすごむどころか、後ろで見守ってくれていた県ライフル射撃協会の五十嵐嘉也副会長に教えを乞うありさまだ。「最初から的中させるのは難しいですよ」と五十嵐さん。「構えて、狙い、撃つ一連の流れの中で呼吸を止め、脈拍を整える。自分のリズムを体に覚えさせることが大切」腕の震えを抑えつつ、呼吸を意識して再度挑戦。文字通り「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」で、13発目でやっと命中。成功の秘訣(ひけつ)はやはり「10%の才能と20%の努力、30%の臆病さ…そして40%の運」? ゴルゴの背中が遠くかすむ。

(ヒグマ食害、闘う猟友会:北海道)
道内各地でヒグマの目撃が相次ぐ中、北見市内でも山林と隣接する農地を中心にヒグマが出没している。自治体から要請を受けて、パトロールや駆除などヒグマとじかに向き合うのが猟友会だ。ヒグマが出没した地域で安心を守る活動を追った。8月下旬の北見市西相内の畑。約2ヘクタールのデントコーン畑には、ヒグマになぎ倒された茎が地面を覆い、体を冷やすために使ったくぼみが残されるなど、「食事風景」が何カ所にもわたって広がっていた。畑の所有者の大橋吉隆さん(70)は「もう50年もここで農業をしてきたけれど、最近のヒグマは本当によく食べる」とため息をついた。

(「原発被災地で害獣が増加」東京農大が調査:福島)
原発事故の被災地を中心とした福島県浜通りの阿武隈山地で、農作物に被害をもたらす害獣が増えていることが東京農業大の調査で分かった。イノシシや猿が増えているだけでなく、ペットが野生化したアライグマやハクビシンなどの外来種が避難者の残した空き家にすみ着く例もあるという。実態調査は学術研究に加え、被災地の基幹産業である農業の復興を支援する目的で続けている。19日午後、福島県浪江町で「東京農大・浪江町復興講座」として報告会を開く。テレビ会議システム「Zoom(ズーム)」を利用し、一般にも公開する。

(九州のカモシカ絶滅危機)
熊本など九州3県に生息する特別天然記念物カモシカの推定頭数が、ここ30年足らずで10分の1以下の約200頭に激減し、絶滅危機の目安とされる500頭を初めて下回ったことが、3県の合同調査で分かった。増加するニホンジカに縄張りを追われるなど、生息環境が厳しくなっていることが要因。関係者は「対策を講じなければ絶滅は必至」と危機感をあらわにする。調査は熊本、大分、宮崎の3県が文化庁の支援でおおむね7年ごとに実施。国見岳など3県にまたがる九州山地を中心に、落ちている糞[ふん]の数などから頭数を推定している。2018~19年度調査で3県の推定数は約200頭(熊本約40頭)と、前回11~12年度の約810頭(同50頭)からさらに減少。1994~95年度の約2200頭(同270頭)に比べ10分の1以下になった。熊本県内の調査を担当した菊陽町の九州自然環境研究所(中園朝子所長)によると、90年代以降、シカが爆発的に増えたことが主因。単独行動するカモシカの縄張りだった山岳地帯が森林伐採されて一時的に草地化し、シカの餌場が広がった。カモシカはシカの群れに追い出される形で標高の低い里山に下り、生息地が分散しつつあるという。里山のカモシカはわなや感染症などのリスクにさらされると同時に、生息地の分散で雄と雌が出会いにくく繁殖の機会も失われる。これまでにシカ用のわなにかかって負傷したり、防護ネットに絡まったまま死んで白骨化したりした例が見つかった。野生のタヌキにみられる皮膚病の疥癬[かいせん]に感染して死んだ例も報告されている。同研究所の技術顧問で、熊本野生生物研究会の坂田拓司会長(61)は「一般に中・大型哺乳類の絶滅ボーダーラインは500頭とされる。一刻も早く手を打たないと絶滅を免れない」と訴える。絶滅回避のためにシカを減らし、カモシカの生息環境を回復させる必要性も強調。対策組織の立ち上げや啓発強化を求める。文化庁や県の担当者は「まずは3県合同の会議で話し合い、できることから取り組む」と話す。

(クマ侵入で相次ぐ畜産被害:秋田)
秋田県で今夏、クマによる畜産関係の被害が相次いでいる。7、8月に畜舎に侵入し飼料を食い荒らした事例が8件あり、鹿角市では子牛が被害に遭うケースも発生した。人を恐れず堂々と畜舎に出入りしている可能性があり、関係者は危機感を募らせる。県は「畜舎にクマが通うようになれば、人身事故のリスクは跳ね上がる」と注意を呼び掛けている。7、8月に確認された被害の場所は養鶏場や牛舎、養豚場など。デントコーンといった飼料の食害や畜舎・付帯設備の破損が各地で発生した。鹿角市の牧場では8月11日未明、牛舎内で子牛1頭が食い殺されているのを所有者の60代男性が発見した。男性は牛舎から体長約1メートルのクマが逃げ出すのを目撃しており、17日には別の子牛が襲われた。この牧場では最初の被害の際に牛舎の窓や扉といった設備の破損のほか、子牛用ミルク、成牛用飼料の食害があった。県ツキノワグマ被害対策支援センターの近藤麻実主任は「クマは学習能力が高く、一度餌が手に入った場所に何度も現れる傾向がある。電気柵などを設置し、侵入するきっかけをつくらせないことが重要だ」と指摘する。畜産被害の発生を受け、県は8月28日、緊急対策会議を開催。市町村や畜産団体の関係者ら約50人に被害状況などを説明した。本年度のクマの目撃情報(8月24日現在)は662件となっており、19年度1年間の合計(672件)とほぼ同じ。人口減などでクマの生息域が拡大しており、対策会議では「クマの生息数も年々増加しているように感じる。いつ地域で被害が出るか分からず不安」といった声が上がった。クマを呼び寄せない対策として、県は飼料を屋内で保管することや死亡した家畜の放置を防ぐことなどを提示。リーフレットを作成し畜産農家に配った。県畜産振興課の畠山英男課長は「畜舎の中にまでクマが入ってきていることに危機感を抱いている。関係者と情報共有し、被害が拡大しないよう努める」と話した。

(クマ食害クッキリ、頭抱える北見の農家:北海道)
北見市西相内のデントコーン畑2.2ヘクタールで8月初旬から発生しているヒグマによる食害の状況を上空から撮影した。ヒグマは農作物の中でも甘みのあるものを好んで食べ、デントコーンやビートがよく狙われる。畑の所有者の農業大橋吉隆さん(70)によると、デントコーンを食べに畑のそばにある山から下りて道を渡り、通ってきているとみられる。

(エゾシカ被害、囲いわなで防ぐ:北海道)
厚岸町内の市街地で増えるエゾシカの捕獲に囲いわなが活躍している。一般的に食べ物が不足する積雪期の捕獲手段だったが、町は餌を工夫することで夏や秋でも捕獲できることを実証し、3年目に入った。研究者は「先進的な取り組み」と注目し、他の地域での導入も進む。シカは生きたまま業者に引き渡され、旬のジビエ(野生鳥獣肉)として重宝されている。町によると、牧草を中心に農業被害が深刻で2014年度には3億3千万円に上った。ハンターが毎年4千頭以上を仕留めるが、鳥獣保護区や市街地では銃が使えず、エゾシカの出没が相次ぐ。町は16年度、草がなくなる積雪期に餌で誘い込む囲いわなを導入した。

(「クマの被害者出る」農家対策訴え:青森)
収穫が最盛期を迎えている岩木山麓のブランドトウモロコシ「嶽(だけ)きみ」畑で4日、収穫作業中の男性が、クマに威嚇されたと青森県弘前市など関係機関に連絡した。数日前からクマによる食害が発生していたといい、市職員や警察、猟友会のメンバーがクマの通り道やふんなどを確認した。同市では今夏リンゴ畑で作業をしていた男性がクマに襲われてけがをする被害が2件あったほか、サルの群れが畑を荒らす被害も出ており「被害者が出てからでは遅い。早期に対策を」と威嚇された男性は訴えている。

(クマ出没多発、地域で連携して対処を:北海道)
ヒグマの目撃情報が道内各地で相次いでいる。過去を上回る頻度で出没している地域が多い。クマと人との距離が年々縮まっているようだ。民家に近いケースも目立つ。住宅街や畑に入り込み、有害獣として駆除される頭数は増加傾向にある。クマを人の生活圏に近寄らせない対策がまずは重要だ。山林に近い市街地ではごみ集積所を適切に管理するなど、引き寄せる要因をなくすことが欠かせない。人里に繰り返し出没するようになった個体は行政、警察、猟友会が連携して適切に対処する必要がある。地域一体となってクマ対策に取り組み、住民の生活を守りたい。旭川や砂川の市内では住宅地付近での目撃が続いた。士別市では先月、ハンターがクマに襲われ重傷を負った。クマによるとみられる飼い犬や家畜の被害が出ている地域もある。クマの出没が近年増えている背景の一つと考えられているのが、地方の人口減少と高齢化だ。この影響で放棄された農地が増えたり茂みが放置されたりし、山林と市街地の境界があいまいになり、クマの生息域が人の生活圏近くにまで広がっている可能性があると、専門家はみている。簡単で実効性が高い対策とされるのが草刈りだ。生息域との境界にクマが嫌う見通しの良い場所をつくれば、クマは容易には人里に近づかなくなるとされる。札幌市南区石山地区では、住民が河川敷などの草刈りを行い、頻発していたクマの出没を抑制できているという。札幌市は情報を広く発信し、クマに悩む地域を抱える自治体は、そのノウハウを住民に積極的に提供しサポートしたい。山林に近い農地や家庭菜園には電気柵が有効だ。各自治体は設置補助の拡充を検討すべきだろう。こういった対策を通して、ここから先は人間の世界だ―とクマにはっきり示すことが肝心だ。山菜採りなどで山林に入る人は事前に出没情報を確認し、クマの足跡やふんを見つけた場合は引き返してほしい。ごみは必ず持ち帰る必要がある。住民に危険が及びかねないと判断された個体は駆除せざるを得ないが、その際、ハンターは自身と周囲の安全に十分注意を配らねばならない。関係機関はふだんから意思疎通を図り、スムーズな連携に努めてほしい。

(深刻カラス被害、ドローン飛ばせ:石川)
羽咋市川原町で深刻なカラス被害対策に、小型無人機ドローンを活用する実証実験が七日夕、同市の羽咋神社境内であった。市内の団体「羽咋ドローンズ」の三人が飛ばしたところ、一部のカラスは嫌がって飛び去り、一定の効果が確認された。同神社の鎮守の森は、カラスのすみかとなっており、日没前後になると多数飛来する。周辺のふん害は深刻で、境内前の道路が白くなることもしばしば。市は二〇一八年二月から、鷹匠(たかじょう)による追い払いを始め、年間四、五十回ほど実施している。減少こそしているが、効果は限定的だという。神社の許可を得た上で、メンバー三人がドローンを高度三十~五十メートルに飛ばした。滞空する機体と、時速五十キロほどで旋回する機体の二種類を試したが、いずれもカラスが飛び去ったり、警戒する鳴き声を上げたりした。ただ、実験終了後、森に戻ってきており、課題も残った。氏子総代会の若狭隆太郎会長は「今年は雨が少ないので、路面の汚れがひどい。効果があるなら遠慮せずに飛ばしてほしい」と期待。羽咋ドローンズの中町利之代表は、ドローンを飛行させる場合は、鳥に攻撃されることを警戒することが通常であるとし「成果を生むようなら、全国の参考になる。機体を傷めることなく評価していただいたことは良かったのでは」と手応えを得ていた。今後については今回の結果を精査し検討する。氏子総代会はカラス対策として、木の剪定(せんてい)やカラスが嫌がる音を発するスピーカーの設置などを予定している。

(電動ガン導入、サル対策:京都)
ニホンザルによる農作物被害などを受けている市町村と京都府が設立した「山城地域ニホンザル被害対策広域協議会」の実務者会議がこのほど、宇治市宇治の府山城広域振興局であった。カキやミカンなどの収穫時期を迎える中、サル追い払い用の電動ガンと、サルの位置を詳細に把握できる電波受信器が各1台ずつ、京都府から市町村に貸与された。京都府の山城地域には東部地域を中心に、6群420頭のニホンザルが生息すると推定されている。サルの行動域は市町村の範囲をまたぐため、2019年7月に府と木津川市、宇治田原町、笠置町、和束町、南山城村で同協議会を設立。本年度は井手町が加わった。実務者協議では、府の担当者が機器の使い方を説明し、電動ガンは実演も行った。自然環境に分解される素材のBB弾を発射し、10~15メートル先まで威力があるという性能を確かめた。受信器は過去に捕獲できた一部のサルにつけた首輪からの電波を拾い、個体識別できる。木津川市農政課の米田直樹主幹は「これまで住民からサル出没情報があると、市職員はロケット花火や爆竹で追い払っていたが、電動ガンが効果的と分かれば、市独自の配備も考えたい」と話した。市町村の担当者は取組中の対策についても報告し、「大型おりを設置して住民に野菜や果物を提供してもらっているが、餌付けはなかなか難しい」「サルの行動範囲が広がってきているのではないか」「放置果樹がサルを引き寄せており、対策が必要」と情報交換した。

(ムクドリ撃退「最終決戦」:福島)
約20年におよぶ闘いに終止符を打つ――。市街地での騒音やフン害が長年、問題となってきたムクドリについて、福島市は15日から、「追い払い大作戦」を実施する。専門家の協力を得て大規模に行う初の取り組みで、市は「今回でけりをつける覚悟」と意気込む。市によると、市街地でムクドリの大群が見られるようになったのは2002年頃から。毎年夏から秋にかけ、JR福島駅前や、県庁周辺、繁華街の「パセオ通り」の街路樹などに飛来し、今年は、推計約2万羽が確認されている。市には毎年、市民から「路面に落ちたフンが汚い」「鳴き声がうるさい」などの声が寄せられ、市も様々な対策をとってきた。ムクドリが止まれないように街路樹の枝を刈り込んだり、はたきのような道具で音を立てて追い払ったり。鷹匠たかじょうを招いて、天敵のタカを放ったこともある。だが、いずれも短期間で効果がなくなり、いたちごっこが続いていた。担当者は「駅の西口から追い払えば、東口に移る。一時いなくなっても、しばらくたてば戻ってきてきりがない」と困り果てる。日本野鳥の会自然保護室長の葉山政治さんによると、ムクドリは、日中は数羽の家族単位で活動するが、夕方以降は安全なねぐらを求めて市街地に飛来し、群れを形成する。葉山さんは「ワシやタカなどがおらず、安全な場所だと認識されている」と説明する。そこで市は、鳥の生態に詳しい信州大名誉教授の中村浩志さんに対策を依頼した。会津若松市も16年に協力を頼んだ専門家で、同市では中村さんの指導に基づいた対策後、ムクドリの飛来が大幅に減ったという。「大作戦」は、15~17日の3日間。市と県の職員、地元住民ら約40人が、JR福島駅から半径約500メートルのエリアで一斉に行う。爆竹やロケット花火などでムクドリを郊外へ追いやり、鳴き声をスピーカーで再生するタカの剥製はくせいを樹上に設置する。市環境課の高橋滋課長は「期間中は夕方からの数時間、爆竹などでうるさくなるが、美しい街を取り戻すため、理解と協力をお願いしたい」と話している。14日午後6時半から、同市早稲町の「こむこむ」で中村さんの講演会も開かれる。

(最強の専門家がムクドリ追い払う:福島)
福島県福島市中心部では、約2万羽のムクドリが夕方になると集まってくる。約15年前から悩まされているムクドリの被害。9月15日。福島市中心部でムクドリの追い払い大作戦が行われた。とてつもない数で群れをなすムクドリ。行きついた先は、JR福島駅前。夕方を過ぎると大音量で鳴き響く。その音に街の人は「どうしようもないね、なんともね…」と話す。さらに悩まされているのがフン害。そこで福島市が呼んだのは「最強の専門家」信州大学の中村浩志名誉教授。鳥のスペシャリストが、2万羽のムクドリを追い払う。信州大学 中村浩志名誉教授:繁華街は決して夜眠るのに安全な場所じゃないぞと教えてやります。出来たら1日か2日で、福島駅前からムクドリを完全に追い払いたいと思います。長年、ムクドリと戦ってきた福島県。20年前の会津若松市で行われたのが、ムクドリが嫌がる、天敵に襲われた時の悲鳴を流し、追い払おうとしたが1週間対策を講じるも、目立った効果は出なかった。同じ悩みは2004年のいわき市でも…。警備員:朝1時間もかかるんだからね、ここ掃除するの。運動会などで使うスターターや棒でムクドリを追い払うも全てがいたちごっこ。時には、ムクドリがつついたことで変圧器のリード線が出火し、停電が発生したこともあった、ムクドリ被害。2016年、会津若松市では、大規模な追い払い作戦を展開。その作戦を指揮したのも、信州大学の中村浩志名誉教授だった。最強の助っ人の力を借りて、福島市の作戦を成功に導くことはできるのか。福島市の作戦も期待が高まるが、まずは天敵であるタカのはく製を木の上に設置。それに反応するようにカラスが集まりだした。警戒するようにムクドリも次第に集まる。ここから本格的な作戦がスタートする。拡声器で天敵のタカやフクロウの声を流し、ロケット花火で追い払う。これを地道に繰り返すことで追い払うということができるというが、ムクドリと福島市の最終決戦は始まったばかりだ。また、ムクドリとはどんな鳥なのか。福島県福島市の「小鳥の森」のレンジャー・細井俊宏さんによると、毎年8月くらいになると、ムクドリは市街地にやってくる。夕方、”ねぐら”として市街地の街路樹や電線にやってきて一夜を過ごし、朝日とともに飛び立つ。河川敷や畑で虫や木の実を食べて、夕方にまた戻って来るというサイクル。畑の害虫を食べることから、「益鳥」とされていたが、ここ最近は「害鳥」のイメージが強い。年間の習性としては、4月あたりに卵を産み、5月~6月に巣立ち、7月には雛も一人前になる。巣作りも本来はきつつきの古巣などで行われてきたものが、今は民家や屋根の隙間で巣作りされているそう。では、なぜ市街地に来るのか。「小鳥の森」のレンジャー・細井俊宏さんは「ムクドリは強い鳥ではない。安全な場所で群れを作ることで天敵から身を守りながら休むため」と話す。天敵としては、タカやフクロウなどの猛禽類や、地上でも猫やキツネがいるので、木の上に行きたがる。冬場は落葉し天敵に見つかりやすくなるため、安全な市街地で群れを作ることで監視の目を増やすという。また、細井さんは「福島市は街なかの周囲に果樹も多く、街の生活に適応するようになってきたのでは」と話す。

(「ムクドリ」大幅減!追い払い作戦効果あり:福島)
福島市は18日までに、JR福島駅を中心とした半径約500メートルの市街地でムクドリやカラスの大幅な羽数減少を確認した。市は15日から17日の3日間にわたり、追い払い作戦を実施した。追い払いに協力した鳥類の生態に詳しい信州大の中村浩志名誉教授(鳥類生態学)の推測では、活動2日目の16日にはムクドリが約千羽、3日目の17日には約300羽に減ったという。中心市街地にはムクドリ約1万羽などが集まり、ふん害や鳴き声による騒音の原因となっている。追い払いではロケット花火や爆竹、拍子木を鳴らしたり、タカの剥製などを置いたりして鳥に恐怖感を与え、生息区域を山へ移すように促した。市の担当者は「ムクドリやカラスは音に敏感になっているので、今は手をたたくだけで逃げる。街は安全な場所ではないと認識させるため、手をたたくなどの追い払いに協力してほしい」と呼び掛けている。鳥が市街地の別の場所に移動したらそこでも追い払い、最終的に郊外に寝床を移すように根気強く取り組むことが重要という。市は町内会と体制づくりを図りながら、定期的に追い払いを継続する。

(クマ被害多発、警戒を:長野)
クマの出没が県内で後を絶たない。目撃情報は例年を上回るペースで報告され、人身被害も相次ぐ。記録的な長雨や日照不足の影響で、山中の餌が育たなかったことが徘徊(はいかい)の原因とみられている。専門家は山林など生息地に入る場合は、早めに大きな音を出すなどして人の存在を知らせるよう呼び掛けている。長野市中心部から約十四キロ。飯縄山(一、九一七メートル)ふもとの飯綱高原東第3グラウンド付近で八月十八日夕、近くに住む三十代女性が犬の散歩中にクマに襲われ、軽傷を負った。「地元の幼稚園でクマが引っかいたとみられる痕跡を見たとの話は聞いたことがあるが、実際にクマを見たことはない」。女性から助けを求められた三十代女性は驚きを隠さない。県によると、クマの目撃情報は五月まで前年とほぼ同水準で推移していたが、六月は百五十一件と同月平均値を四十件上回り、雨が続いた七月になると、同月平均値から百件増の二百六十四件に一気に跳ね上がった。一方、県警山岳安全対策課によると、今年に入って八月三十日までのクマによる人身被害は五件で前年同期から三件増えた。

(サギ営巣、ふん害など被害深刻:福井)
福井県福井市啓蒙地区にある丸山(標高50メートル)に「サギのような鳥が何十羽も群れている」との声が、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に寄せられた。地元で話を聞くと20年ほど前から多数のサギ類が営巣、ふん害などに悩まされているという。付近の自治会はロケット花火による追い払いなど試みたが、効果が上がらず八方ふさがり。それでも専門家によると、県外で結果を出した“秘策”もあるという。丸山の周囲は住宅が密集している。住民によると山頂付近の北東側にサギ類の群れが営巣している。福井県自然保護センターの2016年の調査では76羽が確認されている。ふん害のほか鳴き声による騒音、サギ類の臭いによる被害が常態化。住民から長年、解消を求める声が上がっている。福井市自然史博物館によると、サギ類の一部は全国的に増加傾向で、同様の問題が起きているという。丸山のそばに25年近く住む女性(44)は「ふんが落ちるので洗濯物は車庫の中。鳴き声は昼夜問わない」と訴えた。ヒナの死骸が落ちていることがあるほか、家にサギ類が飛び込んできたケースもある。福井市有害鳥獣対策室によるとサギ類の駆除は法的には可能だが、狩猟は住宅地のためできず網は木が高く設置が困難という。また以前に市内のムクドリ駆除で鷹匠(たかじょう)による追い払いを行ったが、丸山の場合は営巣しているため逃げ去らないと考えられる。地元、西新保町内会から相談を受けた同対策室は、営巣する背の高い樹木の伐採を提案した。ただ丸山は地権者が細かく分かれ把握が難しい。また一部分だけ切ると丸山の他のエリアにサギ類が移りすみ、余計に営巣地域を広げる恐れもある。同町内会では現実的な手法として、市の助言を受け6年前から、巣作りを始める春にロケット花火を打ち上げてきた。しかし営巣する樹木の高層部分まで届かず、音に慣れる個体もいて成果は上がっていない。朝倉剛司会長は「住民のためになんとかしたい。地権者の組合をつくるなどできれば、樹木の整理が可能となり被害が減るかもしれないが…」と頭を抱える。福井市自然史博物館の出口翔大学芸員に聞くと、新潟県新潟市で成功した方法があるという。民家のない林にサギの模型・デコイを設置して誘導する策。サギ類が集団で営巣、繁殖する習性を利用したものだ。これにドローンを飛ばして追い払う手法を加えればさらに効果的という。出口学芸員は「高い樹木の伐採も有効と思う。専門家に相談してほしい」と話している。

(2年連続でブナ不作、クマの大量出没に警戒を:富山)
去年に続いて今年もクマの大量出没に警戒してください。県は2日開いた「ツキノワグマ緊急対策会議」でクマの主食であるブナの実が2年連続で凶作となると発表しました。これは2005年の調査開始以来初めてのことです。同じく木の実をつけるミズナラとコナラも不作でクマがエサを求めて人里に下りてくる可能性が高く十分な警戒が必要です。こうした状況から県は檻(おり)や撃退スプレーの購入などクマの対策事業にあてる補助金を今年度に限り現行の30万円から増額し市町村ごとのクマの目撃情報に応じて限度額が決められます。

(サギの大規模コロニー、頭抱える地元住民:兵庫)
今年も春先から兵庫県丹波篠山市内各地で野鳥の「サギ」が営巣し、中には100羽を超える大規模な巣の集まり「コロニー」を形成した。幼鳥が巣立ちを迎えたことで盆を過ぎたころから日中、巣にいる個体数は減少しつつあるが、少し前までは辺り一帯にまき散らされるふんの悪臭や、鳴き声に近隣住民が頭を抱えた。数が減りつつあることで「ひと安心」の時期ではあるものの、同時に来年の対策を考えないといけない時期。ただ、昨年度、対策に乗り出したある自治会では、今年、再び営巣があり、「”いたちごっこ”状態」と悩む。一方、サギにとっては、営巣地が減り続けており、自然との共生の難しさを如実に物語る。サギは繁殖期となる春先から夏の終わりにかけて集団で営巣し、たくさんの巣が一カ所に集まったコロニーを形成する。巣を作りやすい大木があり、近くに川や池などの餌場がある立地を好む。同市河原町の篠山川沿いにあるムクノキの大木には一時、ダイサギやアオサギが幼鳥も含めて100羽以上生息。市によると「おそらく過去最多の数」という。周辺にはふんがまき散らされ、餌の魚や巣から落ちた幼鳥の死骸が悪臭を放った。近くで暮らす住民は、「車はふんで真っ白。洗濯物に落とされることもよくあった」と漏らす。このムクノキは以前にも集団営巣があったが、枝の一部が県道に張り出していたため、県丹波土木事務所が枝を伐採。しばらく大規模化は免れていたが、枝が茂り始めると再びコロニーとなった。同事務所は再度、枝が通行を阻害している可能性があるため、今年度中に調査に入り、問題がある場合は一部、木を伐採する予定という。市森づくり課によると、今年は河原町のほか、同市黒田で大規模、同市福井などで中規模のコロニーを形成した。福井の住民によると、4―5年前から営巣が始まったという。最初のうちは10羽ほどだったが、生まれたサギが成長し、翌年に”里帰り”することを繰り返した結果、最も多いときで50羽以上にまで増えた。「朝晩の鳴き声はすさまじく、まるで人が集団で叫んでいるみたいにも聞こえる。たまったもんじゃない」。昨年度、自治会として対応に乗り出し、営巣していたケヤキやカシなどを伐採。これでひと安心かと思いきや、今春、サギは戻ってきて、伐採した場所の真横の木にとまり始めた。営巣しないようにと、住民有志が交代でロケット花火を打つなどしてきたが、しばらくすると、「右向いて左見たら戻ってくる」状況に。そして、また繁殖が始まった。住民は、「今年も木を切ったとして、また来年、巣を作られるかもしれない。なんとかしないといけないとは思うけれど、なかなか難しい問題」と話す。市内では以前、中心市街地にある春日神社の裏山で大規模に営巣。被害が顕在化したため、周辺住民総出で追い払いを行い、営巣した木の枝を伐採するなどした。現在は営巣しておらず、追い払いに成功したとみられる。その後も各地で被害の報告が相次いだことを受け、市は2015年、「集団営巣地被害対策事業補助金」を創設。自治会や農会を対象に20万円を交付し、木の伐採や追い払いの道具の購入費、対策を学ぶ研修会などの費用に充てられるようにした。福井自治会もこの補助金を活用して伐採した。鳥獣保護法では、野鳥も含めた自然動物の捕獲や殺傷などを禁じており、営巣してしまうと木を切ることはできない。同課は、「対策するなら巣立った後のこれからがタイミング。さまざまな手法や専門家を紹介することもできる。まずは地域で対策するためにまとまってもらい、相談してほしい」と呼びかける。日本鳥学会会員の片岡宣彦さん(61)は、「木(枝)を切ればもちろんどこかへ行くが、また違うどこかの場所で巣を構えるだけ」と言い、「3月中旬からしっかり監視し、近付いてくるサギを追い払うのが有効。ただ2週間ほど毎日続ける根気が必要になる」とする。一方、「コサギ、ゴイサギが全国的に急激に数を減らし、丹波地域ではアマサギがほぼ見られなくなった。原因は越冬地の東南アジア方面にあるかもしれないが、日本では追い払われることが多いため、安心して繁殖できないことも要因の一つかもしれない」とし、「サギも里山の生態系の一員。『ここだったら巣を構えても仕方がないか』と思える場所をつくってやることも必要だ」と話している。

(アライグマ、かわいらしさとは裏腹に性格は凶暴)
深刻な農業被害などをもたらすため、外来生物法に基づく特定外来生物に指定されているアライグマの捕獲数が、三重県名張市で急増している。2019年度には97頭と、約10年で約10倍に増えた。国内には天敵がいないうえ、雑食性で繁殖力が強く、市内全域に生息域を広げているとみられている。市農林資源室によると、アライグマは北米原産で、成獣は尾を含め全長60~100センチ。国内では、ペットとして飼われていたものが逃げ出したり、捨てられたりしていくうちに野生化し繁殖。名張市では1992年、民家の天井裏で初めて保護された。捕獲数は、2006~08年度が年2~8頭だったが、09年度には27頭に。18年度には87頭にもなった。夏場の捕獲が多く、今年度は8月までの5か月間で、50頭を超えた。生息域が広がるにつれ、スイカやトウモロコシ、ブドウなど農作物の被害が増えた。また、家屋に侵入し、天井裏などで子育てするアライグマの排せつ物や悪臭の苦情も寄せられるようになった。18年度の農業被害金額は、ニホンジカ(501万円)やイノシシ(490万円)ほどではないが、25万円に及ぶ。市は、防除実施計画を策定し捕獲を進めている。捕獲・運搬の許可証を約170人に発行しているほか、檻おりの貸し出しも続けている。かつてはテレビアニメで人気者だったアライグマ。見た目のかわいらしさとは裏腹に性格は凶暴で、爪は鋭く、感染症を媒介する危険性もある。市農林資源室は「天井裏に入れないよう隙間をふさぐのも対策の一つ。餌になる野菜くずなどを放置しないよう気を付けてほしい」としている。

(クマ目撃、木の実の生育影響か:栃木)
栃木県内で4~8月末に寄せられたクマの目撃件数のうち、佐野、鹿沼の両市で4割超(25件)を占めていることが4日までに、県自然環境課への取材で分かった。例年、両市での目撃件数は全県の1割前後で推移しているが、本年度は急増。学識経験者は餌となるブナやミズナラといった木の実の生育状況が関連しているとみており、「佐野市や鹿沼市では特に状況が悪く、(人のいる)麓に出没しているのではないか。引き続き注意が必要だ」としている。栃木県内で4~8月末に寄せられたクマの目撃件数のうち、佐野、鹿沼の両市で4割超(25件)を占めていることが4日までに、県自然環境課への取材で分かった。例年、両市での目撃件数は全県の1割前後で推移しているが、本年度は急増。学識経験者は餌となるブナやミズナラといった木の実の生育状況が関連しているとみており、「佐野市や鹿沼市では特に状況が悪く、(人のいる)麓に出没しているのではないか。引き続き注意が必要だ」としている。

(クマ、広範囲に出没:北海道)
登別市内でクマの出没が相次いでいる。市や室蘭署によると、「クマらしき動物」を含む目撃や足跡の発見は、8月から今月6日午後5時までに計16件=地図=。昨年8、9月の2カ月間の計4件と比べると大幅に増加している。学校や観光施設の近くでも報告されており、専門家はクマを人里に寄せ付けないよう、家庭菜園で早めに収穫するなどの対策を呼びかけている。市内では、8月3日に民家が近い亀田霊園(富岸町)付近の市道でクマの足跡が見つかったのを皮切りに、広範囲で出没が続いている。今月2日には亀田記念公園内でも「らしき動物」の目撃情報があった。

(ツキノワグマ出没報告26件:岡山)
美作市は7日、2020年度のツキノワグマの出没件数について26件(4~7月)の報告があったことを明らかにした。人家に近い場所に出没したことなどから、3頭を殺処分したとしている。市議会一般質問で遠藤宏一経済部長が説明した。内訳は目撃が19件、木に登ったり果樹を食べたりといった痕跡の確認が4件、イノシシなど有害獣のわなにかかる「錯誤捕獲」が3件。市森林政策課によると、19年度の同期間は24件。ただ、昨年11月は出没報告が54件と相次いだことから、市は今秋、柿をはじめ収穫しない果実や農作物を放置しないことや、残飯や生ゴミを屋外でためないよう呼び掛けを強める考え。

(奄美のマングース、初の捕獲ゼロ:鹿児島)
鹿児島・奄美大島で外来種のマングースを駆除する事業を進める環境省は10日、2019年度の捕獲数がゼロだったと発表した。同省によると、捕獲がなかったのは00年の事業開始以降で初めて。ただ、目撃情報は寄せられており、22年度までの根絶を目指し、探索犬などによる捕獲を続ける。政府が世界自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)を巡っては、アマミノクロウサギなどの保護対策が課題。環境省は「ケナガネズミなどの在来種は、事業の成果で生息状況の回復傾向が確認されている」としている。

(カラス対策本格化、行動圏把握しエサ断ちへ:長野)
長野県はカラス害の対策に本格的に乗り出す。県内農林業への被害額はシカやクマに次いで3番目に多く、ゴミを荒らすなど生活被害も相次いでいる。およそ40年ぶりにカラスの生活圏やねぐらの位置などを調査。行動範囲のエサを減らすなどの対策を講じ、個体数を減らすことを目指す。2019年度の県内農林業の野生鳥獣による被害額は7億3900万円で、うち1割強にあたる8300万円はカラスによるものだった。

(眉山周辺のイノシシ騒動、今も昔も:徳島)
近年、徳島市の眉山周辺でイノシシの目撃情報が相次ぎ、農作物の被害も確認されている。今年に入ってからは6月以降、イノシシ出没を伝える新聞記事がたびたび掲載された。目にした人も多いだろうが、中には「こんな街中で?」といぶかる人がいるかもしれない。実はこの眉山のイノシシ、最近になって現れるようになったわけではない。半世紀前の徳島新聞をめくると、「眉山のギャング退治開戦」といった衝撃的な見出しで大きく取り上げられている。どうやら随分前から市民を悩ませていたようだ。市によると、目撃件数は2018年度が22件、19年度が29件で、20年度は8月末時点で既に17件に上っている。餌場を求めて活動範囲を広げているのが要因の一つに挙げられ、実際の目撃件数はもっと多いとみられる。そもそもいつから眉山にイノシシが住み着いてるのか。疑問に思い、古い新聞を調べてみた。1964(昭和39)年11月5日付の紙面に「眉山に暴力イノシシ 八万、名東の百戸が被害」の見出し。記事には「眉山中、西部にイノシシが住み着き、さかんに農作物や果樹を荒らしている」「ふもとの八万町長谷、柿谷両地区から名東一帯に被害が続出。被害農家は百戸、被害面積は百ヘクタールにのぼっているという」などと書かれている。眉山のイノシシ騒動はこの頃から始まったのだろうか。記事には「昨年春ごろから四、五頭が集団ですみついたらしく…」「一昨年暮れから昨春にかけて園瀬川以南の多家良など山中でイノシシ約六十頭を射止めたが、そのとき一部が川を渡って眉山へすみ家を変えたのではないか」とある。この一昨年、昨年とは62、63年のこと。イノシシが眉山でのさばるようになって50年以上が過ぎていることになる。66年9月12日付の新聞には、イノシシの駆除に関する記事が載っていた。「眉山のギャング退治開戦 イノシシ追う39人」の見出しで、眉山で実施した大掛かりなイノシシ狩りの様子などを伝えている。眉山は鳥獣保護区のため、この時は1カ月間、県が特別狩猟許可を発出。結果は「眉山中腹で一頭のイノシシを発見し、続けて二発ぶっぱなしたあと、その行くえを追っている」。同年12月2日付の紙面には「近く再び総攻撃 眉山周辺のイノシシ退治」の見出しで「生い茂った草や木にさまたげられ、子イノシシ三頭を射止めただけだった」とある。どうやら9月のイノシシ狩りの成果は芳しくなかったようだ。その後も駆除に関する記事はたびたび掲載されている。長年市民を悩ませ、関係機関が対応に当たってきたものの、現在まで解決には至っていないということだ。54年前の記事では20~30頭と推定されていた眉山のイノシシ。現在の生息数ははっきりしないが、19年度の捕獲数は約200頭に上る。繁殖を繰り返し、相当数が生息しているのではないだろうか。3年前、市道でイノシシとぶつかった70代の女性がけがを負った。人的被害も出ており、このまま好き勝手させるわけにはいかない。県は市や県猟友会と連携し、本年度中に痕跡調査に乗り出す。出没頻度の高い地域を割り出し、効率的な捕獲や市民への注意喚起につなげる方針だ。

(クマ目撃最多219件、2年連続で注意情報を発令:石川)
ツキノワグマの出没対応に関する石川県の連絡会議は11日、県庁で開かれ、県側は今年(今月7日時点)の県内の目撃件数は前年同期比6件増の219件で、統計を始めた2005年以降で最多だと報告した。調査で主要な餌となるブナ科植物の作柄が今年は非常に悪いと見込まれることから、県は2年連続となる注意情報を発令し、対策の徹底を呼び掛けた。市町別の目撃件数は小松が57件と最も多く、金沢50件、白山26件と続いた。人身被害は金沢、小松で計2件だった。年間では10年の353件が最多で、19年は350件と続いた。県側は、目撃が増えていることについて、個体数の増加や生息域の拡大が要因とみられると説明した。ブナ科植物に関する豊凶調査では、ブナは「大凶作」、コナラは「凶作」、ミズナラは「並作」と見込まれ、目撃件数が過去最多だった10年と似た傾向にあるとした。県は、餌を求めたクマが奥山から里山に移動し、住民と遭遇する危険性が高いことから、注意情報の発令を決めた。注意情報を出すのは過去10年間で6回目となる。クマを人里に近づけないため、カキやクリなどの果実を早めに収穫し、クマが隠れやすい茂みを刈るよう呼び掛けた。山林近くでの朝夕の散歩を控え、山林に入る場合は、複数人で行動し、鈴やラジオを携帯することも求めた。連絡会議は各市町の担当者や猟友会メンバーで構成する。県の担当者は「例年以上に注意が必要。被害防止に万全を期してほしい」と話した。11日午前5時15分ごろ、小松市波佐谷町の県道付近でクマの成獣1頭が目撃された。市が猟友会と現地をパトロールしたが痕跡は見つからなかった。現場に近い松東みどり学園小学部の児童は、教職員らが見守る中で登校した。当面は、教職員の付き添いで集団下校する。今年の市内での目撃は59件となった。

(ハクビシンか、農作物の被害相次ぐ:新潟)
新潟県長岡市内で今夏以降、ハクビシンとみられる小動物による農作物被害が増えている。夜間、家庭菜園を中心に野菜や果物が狙われ、住民は「例年以上に多い」と困惑する。ハクビシンは小型で柱などに登るため、狭い所や高所にも入り込む。イノシシやサルと同様の対策では効果を上げにくく、頭を痛めている。

(農林業の野生鳥獣被害額7%増:群馬)
群馬県によると、シカなどの野生鳥獣が農林業へ与えた2019年度の被害額は、前年度比7%増の5億5940万円だった。シカの生息頭数が増えたり、ブナなどの木の実の不作で農地周辺に出没する野生鳥獣が増えたりした影響を受けた。被害額が増加へ転じるのは7年ぶり。被害額は農業で6割、林業で4割を占めた。畑に植えた野菜を食べてしまうなどの被害が報告されているという。野生鳥獣の捕獲頭数は前年度比11%増の1万9417頭で、過去最多だった。シカは9340頭と48%、イノシシは8818頭と45%を占め、サルやクマが続いた。捕獲頭数が増加した要因については、県や市町村による捕獲事業の実施などを挙げている。

(捕獲エゾシカ、大半がメス:北海道)
北海道稚内市が今夏初めて取り組んだ囲いわなでのエゾシカ捕獲作戦が10日で終了した。2カ月余りで42頭が捕獲された。目標の60頭には届かなかったが、大半がメスで、市は「個体数調整という意味では成果があった」としている。わなの設置場所は日本海側の道道沿いの学校跡地で、捕獲数は7月が24頭、8月が16頭、9月が2頭。このうちオスは7月前半の3頭のみだった。期間後半に捕獲数が減ったのは、「周辺の草地を利用する群れをほぼ捕獲したためではないか」(同市)という。道も昨夏、約5キロ北側のパークゴルフ場近くに囲いわなを設置し、約2カ月で39頭(オス28、メス11)を捕獲した。やはりわなの設置場所の周辺の群れを捕獲すると、捕獲の効率が下がる傾向があった。また、道と同様、市のわなでも数百メートル離れると別の群れがあちこちで見られ、群れごとに利用する草地が異なっているようだ。稚内市は今回、誘導用のエサには昨夏の道の捕獲と同様に、甘めのビートパルプや大麦、脱脂大豆、配合飼料を使った。自然のエサが豊富な夏は捕獲が難しいとされるが、今回の捕獲数をみると、自然のエサより魅力があったようだ。エゾシカのすみかとなっている「裏山」での猟銃による冬の一斉捕獲(1~3月)ではスノーモービルも使い、毎冬ほぼ50頭を捕獲してきた。ただ少雪により昨冬は中断、今冬は中止となった。出産前の冬にメスの捕獲数を上げることが生息数の減少につながるが、このふた冬は捕獲自体がほぼ出来なかった。市の担当者は「増加した分を減らすのは容易ではないが、この夏の捕獲でメスを多く捕れたのはよかった。冬の一斉捕獲はやめ、今後は場所を変えながら囲いわなを仕掛けていく」と話している。

(知床は自然の宝庫、世界遺産から15年:北海道)
世界自然遺産登録から15年を迎えた北海道・知床半島。コロナ禍で観光客が少なくなっていた8月、ヒグマの親子に遭遇した。斜里町にある知床五湖の木道散策を終え、知床半島の東側・羅臼に移動するため、レンタカーで知床峠を通過中だった。知床五湖は抜けるような快晴だったが、峠に近づくと霧が立ち込め、前方の視界が悪く減速運転していた。突然、目の前に現れたのは3頭のヒグマ。母親とみられる大きなヒグマの後ろを2頭の子グマが、ぴょこぴょこと跳ねるように付いて歩いていた。国道のすぐ脇で、何台か車が止まっていたが、ヒグマは周りを気にする様子もなく、ほんの数分で山に消えていった。たまたま通りかかって遭遇したが、その迫力に興奮を覚えた。知床ネイチャーセンターによると、知床半島には約550頭前後のヒグマが生息しているとみられるが、詳しい実態は把握できていないという。ヒグマの目撃情報は年間で1000件ほど寄せられているという。2005年(平成17年)7月17日に「将来にわたって残すべき貴重な自然と生態系」としてユネスコ世界自然遺産に登録されてから今年で15年を迎えたが、その現状は厳しい。知床半島の西側に位置する斜里町商工観光課によると、新型コロナウイルスの影響で例年最も多くの観光客が訪れる夏季は昨年と比べて6割減。ホテルや飲食店などの経営も厳しい状況になっている。担当者は「町としてはできるだけの感染防止策をとって、ぜひ観光客を例年通りお迎えしたいと願っている」と切実な状況を話す。東側の羅臼町からは、天気が良い日には約20キロ先に北方領土・国後島が見える。間にある根室海峡ではクジラやシャチを見るための観光船や、屈指の豊かな漁場で漁をする漁船が行き交う様子が見られた。

(ヒグマ対策「根比べ」、公園2週間ぶり再開:北海道)
ヒグマ侵入で閉園していた札幌市南区の国営滝野すずらん丘陵公園が10日、2週間ぶりに営業を再開した。同公園では約20年前から侵入と対策が繰り返され、「根比べ」(道立総合研究機構)の様相に。閉園が長期化することもあり、管理者の札幌開建は今秋にも利用者アンケートを行い、部分的な閉園や閉園期間の短縮を検討する方針。公園では8月26日にヒグマ1頭が侵入が確認され、安全確認のため翌日から9月9日まで全面閉園していた。10日は雨の中、開園を待ちわびた家族連れが訪れた。花の撮影に年5回ほど訪れる清田区の宮村勝男さん(76)は安全対策に理解を示しつつ、「利用者でにぎわう園中心部はクマも寄ってこない。部分的な閉鎖でもいいのではないか」と話した。

(中心部にムクドリ2千~3千羽:大分)
夏の夕方、中津市中心部にムクドリが群れをなして飛来する。電線、街路樹で夜を明かすため、落下するふんと鳴き声に住民が頭を悩ませている。市が音や光でいったん追い払ったものの、いたちごっこが続きそうだ。

(ドングリ不作、秋はクマ大量出没恐れ:福井)
ツキノワグマが今秋(9~12月)は福井県内で大量出没する恐れがあることが9月11日、鯖江市で開かれた県の対策連絡会で報告された。昨年に引き続きブナやミズナラの実が不良となっており、餌を求めて集落に出没しやすい状況になってる。県は、集落内のクリやカキの管理、生ごみや農作物の残りかすの撤去などの対策を呼び掛けている。8月に県内46地点でドングリ類の実の付き具合を調べたところ、奥山に育つブナが凶作、ミズナラは不作。里山のコナラも不作で、過去に大量出没が発生した年に似た餌不足の状況になっていた。ブナとコナラは、914件の大量出没を確認した昨年度よりも実の付き具合が悪かった。ドングリ類は隔年で豊凶を繰り返すとされてきたが、近年は傾向が崩れてきている。今年4~8月の出没件数は379件で、2004年度の統計開始以降で最多となった。「人に近い場所に定着した『里クマ』が増えた」(県自然環境課)ことが影響しており、大量出没が近年起きやすい原因にもなっているという。7月に越前市、8月には小浜市で人身被害が発生した。県自然環境課は、昨年10月に勝山市の住宅街でクマ2頭が木の上に3日間居座り続けた例を挙げ、「安全に隠れられる場所と食べ物を取り除くのが大事」と説明。カキを除去したり、やぶを刈ったりするなどの対策を求めた。会合には県、市町、県猟友会などの約50人が出席し、出没した際の対応や連絡体制を確認した。

(木の実不作、クマ警戒:福井)
今年も多くのツキノワグマが平野部に現れるかもしれない。昨年同様、富山県内のドングリの実りが悪いためで、餌を求めて山から下りてくる恐れが高まる。県は出没警報を出して対策を呼びかけている。県森林研究所は8月、ブナ、ミズナラ、コナラの木の実(ドングリ)の付き具合を調べた。それによると、県全域で、ブナは4段階で最も悪い「凶作」、ミズナラとコナラは2番目に悪い「不作」だった。標高の高い場所にあり、クマが特に好むブナは2年連続で凶作。これは2005年の調査以来初めてという。ドングリの実りが悪かった昨年、クマは何度も出没した。冬眠前に食べるものを探して下りてきたためだ。県内で確認された出没件数は919件で、統計を取り始めた04年以降、3番目に多かった。人への被害は13件20人にのぼり、2番目の多さだった。

(アライグマ被害に立ち向かう地元猟友会の課題:佐賀)
アニメで有名なあの動物。アニメの中ではかわいいのだが、実は、佐賀県内で最近急激に増え、果物を食い荒らすなどの被害が出ている。佐賀・鹿島市の山の中に仕掛けられたカメラに映る動物の正体は「アライグマ」。北米原産のアライグマが、この数年、県内で多く目撃されている。鹿島市猟友会に所属する藤井信博さん(49)と中島久嗣さん(56)。2人は仕事の合間にわなを使ってイノシシ猟などをしているが、最近異変を感じると言う。アライグマはここ2~3年ですね。特に今年は、爆発的に増えているのは数字に出てると思います。1999年ごろ、県内でアライグマの生息が初めて確認されてから、目撃数は増えていき、2018年は県内で1594頭捕獲された。さらに2019年は2589頭と、1年間で約1000頭も増えている。アライグマの増加について、長崎バイオパーク 伊藤雅男副園長に聞いた。アニメで有名になったんですよね、アライグマは。日本ではペットとしてかなり輸入されて、子どものうちはすごく従順でかわいいんですけど、だんだん性格が荒くなってきて、飼いきれなくなって逃がす人がいたりとか、手先が器用なので、自分で檻を壊したり、開けたりして逃げて、日本の野外に入ってしまった。北部九州はかなりアライグマがいて、何頭いるか想像つかないぐらいいるんじゃないか。イノシシやアライグマなど、野生鳥獣による県内の農作物の被害額は、5年前の約1億8000万円から、2019年は約1億5000万と減っているが、依然として大きな被害が出ていることに変わりはない。実際にアライグマの被害に遭っている農家は…ものすごいですよ。ミカンの木も折れたりするし、わたしの背の高さまで全部食べられたりする農家の悲鳴を受け、猟友会のメンバーがわなで、アライグマの捕獲を続けているが、限界があるという。(わなの数は制度で)1人30個までと決まっている。それ以上増やせないし、増やしたところで見回りや管理が大変。防ぎたいけど、防ぎきれていないのが現状また、高齢化も深刻。鹿島市猟友会の会員は60人ほどで、そのうち9割が65歳以上。わなの確認には、1日10カ所回る日も。捕獲した動物を運ぶため、体力も必要。こうした中、若い世代に猟の楽しさを知ってもらうため、藤井さんたちは、きっかけ作りをしている。鹿島市の山あいに建てられた小屋。藤井さんたちが猟の拠点にと、土地を無償で借り、手作りした。若い子たちでアパートやマンションに住んでる人は、どうしても荷物が置けなかったりとか、そういう問題があるので、荷物とかも置いて、活動しやすい場を提供できれば。小屋ができたことで、若手の猟師にわなの使い方を教えたり、一緒に猟に出たりするなど、年齢を超えた交流が生まれているそう。20代の若い子たちも入ってきて、面白おかしく教えてくれているので。厳しいところは厳しいんですけど、自分の命を守るということもあるのでしっかり頑張っている。(狩猟をするなら)楽しくないといけない。食べることに興味があって入って来る人、狩りが好きな人、色々いると思う。猟の楽しさを教えてやっていきたい。

(シカよけかかし作り奮闘:長崎)
追い払っているのは、農作物を狙う鳥ではありません-。対馬市立今里小(川田啓之校長)の学校用務員、斉藤るみ子さん(54)が、シカよけのかかしで学校の花壇を守ろうと奮闘している。山に近い同校周辺には多くのシカが生息し、夜な夜な敷地内に侵入。斉藤さんは「苗をいくら植えても食べられてしまう」と、かかし作りを思い付いた。今のかかしは2代目。シカよけの効果は「相変わらず苗を食べられ悔しい」とのことだが、児童が登下校時にあいさつするほど親しまれているという。斉藤さんは「卒業生を見送るサクラソウは守りたい。もっとキリッとした目を描き加えようかしら」と思案中。

(「長崎クレー射撃場」国道沿いに看板:長崎)
長崎市から大村湾を望みながら佐世保市へ抜ける国道206号線沿い。長崎市琴海形上町に「長崎クレー射撃場」と記された看板が立っている。県内唯一のクレー射撃場の入り口を示すため、近くで銃砲店「山感」を営む管理者の田中哲行さん(65)が今年4月に設置した。「新人さんの発掘が目的。問い合わせや見学に来る人も増えてきた」と効果を実感している。同射撃場は1979年に民間の「琴の浦クレー射撃場」として開設。常連だった田中さんが前任者から場長を引き継ぐ形で、2005年に「長崎クレー射撃場」に名称を変更した。以来15年、個別射撃練習や技能講習、各種競技会やイベントの世話、射撃場周辺の整備などに携わっている。国道から射撃場までは約4キロ。途中から細い砂利道も通る道のりは、入り口が分かりづらい。このため、国道とつながる星野菅工設備の場所を借りて、縦3メートル、横0.6メートルの看板を出した。設置したもう一つの理由が利用者数の減少。昨年は約千人で、ここ数年の売り上げは下降線をたどっている。県警生活環境課によると、県内の銃砲所有者数も05年の約1100人から、今は約600人まで減った。このうち散弾銃所有者は約500人で、9割は狩猟や有害鳥獣捕獲などに貢献しており、スポーツとしての競技者は1割ほど。近年は女性の割合が増えているという。

(ツキノワグマに出会ってしまったら:鳥取)
人里へ出没するツキノワグマが増加する秋を前に、生態や出合った時の対処法についての正しい知識を身に付けようと、鳥取県八頭町坂田の町立船岡小学校で町主催の「クマ学習会」が開かれた。八頭町は農作物への被害が多く、昨年は警察官がクマに襲われる被害があった。学習会は今回が2回目。長野県軽井沢町でクマとの共生をめざす活動に携わる田中純平さん(46)が、4年生17人にクマの人形や頭の骨格標本を使いながら「非常におとなしくめったに人間を襲わない」「すばやく動くものを追う」などと性質を教えた。クマから身を守るために▽ベルを鳴らして前もって存在を知らせる▽遭遇したら後ずさりしながら静かに立ち去る――とアドバイス。児童らは興味津々な様子で聴き入っていた。男子生徒(9)は「こわいと思っていたクマがかわいく思えて、イメージが変わった」と話していた。

(クマの出没を防げ、カキの木を伐採:富山)
人里へのクマの出没を防ごうと、富山市で12日、庭先のカキの木の伐採作業が行われました。クマの生態に詳しい県自然博物園ねいの里の赤座久明さんが、富山市庵谷で住民から依頼のあったカキの木を伐採しました。今年、県内のクマによる人身被害は12日までに4件5人と、2004年の統計開始以来、最も多いペースで推移しています。この秋もクマのエサとなる奥山のドングリが不作で、人里に出没するおそれがあることから、県はツキノワグマ出没警報を出し、カキの実を取るなどの対策を呼びかけています。

(ドングリが凶作、県内クマ出没に注意:岐阜)
岐阜県は14日、秋にツキノワグマが餌とするドングリ3種類の実り具合について、本年度はブナとコナラの2種類が凶作だと発表した。ミズナラは平年並みだが、3種類いずれも凶作や大凶作の地域もあり、県はクマが餌を求めて人里に出没する恐れがあるとして、県内全域で出没に注意を呼び掛けている。県環境企画課によると、8月24日から9月4日までに県内5圏域計25地点を調査。各地点10本分を目視で確認し、実り具合を判定した。ブナは中濃北部の平年並みを除いて4圏域すべてで凶作か大凶作。コナラは西濃北部や中濃北部などで平年並みだったが、県内の平均では凶作となった。ミズナラは中濃北部で豊作、西濃北部や東濃東部でも平年並みだった一方、岐阜北部では大凶作、飛騨北部では凶作だった。県によると今年4月から8月末までに336件のクマ目撃情報が寄せられている。県の担当者は「まずはクマと遭遇しないことを意識してほしい。山際でも警戒を強め、クマの餌となる果物を収穫し、生ごみは田畑に残さず処理して」と呼び掛けている。

(なぜ会津若松市はムクドリの追い払いに成功した:福島)
会津観光の玄関口・JR会津若松駅。ここもムクドリのフン被害に悩まされていたが、現在では目立った被害はなくなっている。4年前は…夕方になると1万羽以上のムクドリが大群で押し寄せ、フン害や鳴き声に悩まされていた。そこで、陣頭指揮を取ったのが信州大学の中村浩志名誉教授。花火の音やムクドリの天敵となる猛きん類のはく製などで追い払いを実施。あれから4年…。大町通り活性化協議会監事・鈴木平助さん:「おかげさまで色々と教育して頂いてやった結果、今はもう本当に来なくなりましたんでね。大変静かに暮らしています」。ムクドリの追い払いに成功!毎年新たなムクドリがやってきているが、数百羽ほどの小さな集団のうちに撃退できるように住民同士で小まめなパトロールを続けている。大町通り活性化協議会監事・鈴木平助さん:「近くに来たらば、電線とか樹木の中に着地する前に音を出して追い払ってやるというやり方をすると、素早く成功できるというのがあります」。

(会津地方で豚熱ワクチン接種始める:福島)
県内で野生イノシシから豚熱(CSF)が初確認されたのを受け、県は十四日、会津地方の飼育豚に対するワクチン接種を始めた。十七日までに会津地方の全十四養豚場、合わせて約一万八千頭に接種する。県は他地域でのワクチン投与の早期開始に向け、農林水産省と協議を進めている。内堀雅雄知事が十四日の定例記者会見で明らかにした。県によると、同日は死んだイノシシが見つかった会津若松市門田地区から半径十キロ圏内の移動制限区域内の二養豚場を含めた計四養豚場の約一万五千頭に接種をした。県はワクチン接種開始を前に、農水省から十一日付で接種の進め方などをまとめたプログラムの承認を受けた。県内では八十三養豚場で約十二万頭が飼育されており、接種完了までは三~四カ月程度かかる見通し。内堀知事は「福島県の畜産業を守るため、関係団体や市町村と協力し感染拡大防止に努めていく」と語った。現時点で、異常が確認された豚はいない。県は県内養豚場に対して消毒の徹底を指導するとともに、野生イノシシの捕獲や生息状況の調査を強化する。

(「豚熱」拡大防止へ、イノシシ捕獲重点エリア設定:福島)
県は14日までに、会津若松市で確認された野生イノシシの豚熱(CSF)感染を受け、捕獲強化に向けた「捕獲重点エリア」を設定した。対象は会津、南会津の全域と県北、県中、県南の計25市町村。県は今後、具体的な目標捕獲頭数を示す方針で、市町村や猟友会と連携して捕獲を進め、感染拡大防止を図る。対象エリアは会津、南会津の全17市町村のほか、天栄村全域と大玉村、本宮市、郡山市、須賀川市、鏡石町、白河市、西郷村の東北道よりも西側の地域。設定に当たり野生イノシシの発見場所を起点に半径40キロ圏内とする国の目安を考慮。本県よりも先に群馬県で野生イノシシの感染が確認されていることから南会津地域は40キロ圏外も含めた。半径40キロ圏内でも周辺に農場がない市街地などは対象から外した。対象エリア内の野生イノシシの生息数は不明だが、県内全域では推計で5万4千~6万2千頭(2018年度)に上るという。県は16日、郡山市の県農業総合センターで対象エリアの市町村を対象にした説明会を開く。各自治体は今後、猟友会の出動回数を増やすなどの対応を講じる。捕獲に当たっては防護服を着用するなど狩猟者の衛生対策を徹底する。豚熱は人に感染しないものの、土などを介して感染が拡大しないように配慮する。農林水産省によると、県内で感染が確認された野生イノシシは現在1頭だが、複数生息する可能性もあるという。このため県は野生イノシシ捕獲後の豚熱の抗体検査も強化し、感染した野生イノシシの生息状況や感染経路の把握に努める。県によると、豚熱は感染した豚やイノシシとの接触に加え、感染した豚やイノシシの排せつ物などに触れたネズミなどの小動物を介して感染する場合がある。養豚場で豚の感染が判明すれば、場内の全ての豚が殺処分となるため、県は、県内の全83農場に野生イノシシや小動物の侵入を防ぐ対策などを周知。

(ソロキャンプブームに陰を落とすクマ襲撃増加)
8月に長野県のキャンプ場でクマがテントを強襲し女性がケガをする事件が起きた。クマが人に襲いかかる獣害事件はたびたび報じられてきたが、「ソロキャンプ」がブームになるなか、その危険性について専門家に話を聞いた。8月9日の深夜、長野県松本市の上高地にあるキャンプ場でクマが出没し、テント4張りを襲った。このうち、ソロキャンプをしていた50代の女性がテントごとトイレの奥まで引きずられ、足に10針を縫う大ケガをしたという。近年、クマによる人身被害は増加傾向にある。今年に入ってからも、8月だけで下のように20件近くの獣害事件が発生している。キャンプ場などレジャー施設に乱入したケースもあった。なぜ山奥に住むクマが人里まで下りてくるのか。ツキノワグマの生態を研究している東京農工大学大学院准教授の小池伸介氏が話す。「今年は梅雨が長かったことで植物の生育が遅れて、本来なら食べていた木の実が採れなかった可能性はあるかもしれません。それとは別に、キャンプ場へ行けば食べものがあるというのを学んでいたクマもいたのでしょう。最初は人間が怖かったけど、勇気を出して行ったら簡単に食べものにありつけたといった成功体験の積み重ねがクマを大胆にさせている。すなわち食べものや生ゴミを放置した人間がクマを呼んだことになります。これは人災でもあるのです」。自然環境を乱す人間のエゴが、獣害事件が多発する温床になっているということだ。冒頭で触れた女性は10針を縫うケガを負ったが「8月だったからまだマシだった」とツキノワグマ研究家の米田一彦氏は言う。「8月に出るのは病気やケガをしていたり、老齢のクマなんですよ。若いクマや大きなクマがいる山ではエサにありつけないから人里に出てくる。9月になると若いクマ、10月になるとメスのクマというふうに弱い順で出てきて、奥山のエサが少なくなってきた10月下旬あたりに巨大なクマが登場するのです。だから重大な人身被害は10月末がピークになります」。前出の小池氏によると、クマは1年の8割くらいのエネルギーを秋に蓄えるという。そのため、この時期にはブナやミズナラの実などのドングリを食べまくる。豊作であれば山から出てくることはないが、不作で早めになくなれば別の食べものを求めて出てくる可能性も高くなる。ドングリが凶作ならば巨大クマの出没も早まり、人身被害に遭う危険性が高まるのは必至だ。’16年に発生した「十和利山熊襲撃事件」ではクマが人の遺体を食べたとされている。だが、ここで気になるのは、クマが自ら食欲を満たすために人間を襲うのか?という点だ。小池氏は「現状では、多くのクマが人間は怖いものだと思っていますので、人を食べものだという認識はまったくありません。人を食べようと思って山から下りてくることはないですね」という。ツキノワグマは雑食だが9割は植物を食べて、残りの1割はハチやアリ。鹿や猪の死体が目の前にあれば肉として食べるが、死体を探す労力を考えれば植物をたくさん食べるのだとか。一方で、不穏な徴候も見て取れる。米田氏の分析によると、近年、クマの肉食化が進んでいるというのだ。「三陸海岸で海猫の卵や雛を食べるクマが出没しており、周辺では家畜の鶏が食害を受けている。昔は棲息地が限られていた鹿や猪も、今では本州のどこでも見られます。駆除も進んでいますが、原発事故のあった福島では食用にできないので、例えば鉄砲で撃たれたまま放置されているケースもある。こうして山野に散らばった鹿や猪の死体をクマは食べているわけですから、肉食化が進んでいるというのは間違いないですね」。食べようとして襲うのか、襲った結果、食べるのか。いずれにしても遭遇したら襲われる危険性がある。クマにはできるだけ遭わないようにすべきなのに、それでもクマの棲息地である山につくられたキャンプ場へ行くということならば、下に書かれている対策が必要不可欠となる。特に重要なのは「1人は危険なので、2人以上で行く」ということ。1人が襲われても、もう1人が助けを呼べば死亡が重傷に、重傷が軽傷になる可能性は高い。つまり、ソロキャンプは非常に危険ということだ。あと生ゴミなどの食べものを放置するのはクマを餌付けするのと同様。クマの被害は人間の怠惰がもたらす人災という認識を強く持つべきだろう。ここで、改めて前出の「十和利山熊襲撃事件」について説明しておこう。「十和利山熊襲撃事件」とは、クマを追いかけて49年の米田氏が「私の人生の中で最も怖い事件でした」という、’16年の5月から6月にかけて秋田県鹿角市の十和利山で起きたクマの襲撃事件を指す。タケノコ採りに来ていた人をクマが次々と襲撃し、4人が死亡、4人が重軽傷を負った戦後最悪の獣害事件である。5月21、22、30日に60~70代の男性が相次いで遺体で発見。6月10日に70代の女性が遺体で見つかったが、いずれも遺体はクマに食べられた痕があったという。女性の遺体発見現場の近くにいたメスのクマを猟友会員が射殺。遺体を解剖したところ、胃の中から人体の一部が見つかっている。しかしクマ社会ではメスよりもオスが優位にあることから、このメスのクマが主犯ではないはずと周囲を捜索したところ、大型のクマを発見。主犯と推定し、鹿角市の頭文字をとって「スーパーK」と名づけて行方を追った。他にも複数のクマが食害したとの見方をする米田氏は「人を襲いやすい危険なクマの系統があるんじゃないかと」考え、毎年鹿角市に1か月程度行って生態を調査し続けているという。キャンプや登山などで山に入るときのクマ対策①1人は危険。2人以上で喋りながら歩くこと②クマスプレーは必ず所持していつでも使えるように③鈴やラジオもできれば携帯して鳴らしておく④こちらに気づいて逃げてもらうという対策が大事⑤台風などの悪天候予報日の2~3日前は危険⑥万が一、遭ってしまったらまっすぐ後ろに下がる⑦できるだけ左右に動かずまっすぐ下がって逃げる⑧近くに木があれば後ろに身を潜めて動かない⑨襲われそうになったらうずくまって首を隠す⑩テントの外やBBQ後に生ゴミを放置しない⑪ブナやミズナラが凶作の地域にはなるべく行かない

(クロウサギの交通事故が多発:鹿児島)
世界自然遺産登録を目指す奄美大島と徳之島で、国の特別天然記念物アマミノクロウサギの交通事故が増えている。環境省によると、今年8月末までに両島で34件起き、最多だった2018年の年間40件に迫る。同省は注意を促す看板を設け、15日から始まった事故防止キャンペーンで安全運転を呼びかけている。環境省は00年に交通事故件数の調査を始めた。両島で19年は38件、17年34件を確認。15年の19件以降は増加傾向が続く。特に観光客が増える夏季やクロウサギが繁殖期で活動が活発になる秋季に多発しているという。

(イノシシ増加でキャンプできず:福岡)
皿倉山系のふもとにある北九州市立畑キャンプセンター(北九州市八幡西区畑)が、イノシシが昼間でも出没して危険だとして利用中止となっている。当初、新型コロナウイルスの感染防止のため3月上旬から6月中旬までを利用中止としていたが、イノシシの出没頻度が増えたため中止を継続している。市によると、利用者がおらず人けが薄らいだため、イノシシが出没しやすくなった可能性もあるといい、再開のめどは立っていないという。同センターは畑貯水池のそばにあり、敷地面積は約2万8千平方メートル。自然豊かな環境で、八幡西区黒崎地区から車で約30分で行くことができるため、市は「都会の中の大自然」とPRしている。バンガロー9棟(定員計50人)やセンター棟(4部屋で定員計70人)、屋外炊飯棟、屋外トイレ棟、芝生広場などがあり、昨年度は約2600人が利用した。今年は新型コロナウイルスの感染防止で3月5日から6月18日まで利用を中止。ただ5月ごろからイノシシが昼間でも出没し、屋外トイレ棟や屋外炊飯棟でも確認されるなどしたことから、6月19日からの再開も断念した。市によると、イノシシは昨年も出没していたが、今年に入って出没頻度が増えたことから、危険度が高まったとしている。管理を担当する八幡西区役所コミュニティ支援課は「コロナによる利用中止が3カ月以上続き、人けが薄らいだことからイノシシが出やすくなった可能性もある」と話す。市は再開を目指し、イノシシによる被害が起きないよう、わななどの対策を検討するが決定・導入はまだ先で、再開時期については「できるだけ早く」と述べるにとどまっている。市立のキャンプ施設は市内に畑キャンプセンターを含めて9施設あるが、市によると、残る8施設はイノシシ出没の情報はなく、稼働している。

(クマ捕獲おりを寄贈:福井)
大野ロータリークラブ(RC)は十三日、地域貢献活動の一環として、県猟友会の大野支部と和泉支部に計七基のクマ捕獲おりを寄贈した。

(「梓山犬」の血統守れ:新潟)
一時は絶滅寸前に追い込まれた狩猟の名犬「梓山(あずさやま)犬」の血統保存の取り組みが広がっている。近年は田畑を荒らす有害鳥獣を追い払う役割のほか、野生動物を寄せつけない猟犬の特性を生かし、ガイド犬として活躍するケースも出てきている。梓山犬は、長野県川上村梓山地区の猟師が1913年、信州柴(しば)犬と秩父犬を掛け合わせて生み出したとされる。優れた猟の資質と美しい容姿から当時の内務省が天然記念物に指定したが、太平洋戦争末期に食糧難から食用にされるなどして村から姿を消した。戦後、群馬県上野村に子孫が残っていたことが分かり、保存への機運が高まった。現在は、NPO法人「梓山犬血統保存会」が群馬、埼玉、神奈川、新潟、長野、愛知の6県に拠点を置き、犬の繁殖や受け入れ先を管理している。希望者は会員となり、飼育者の認定を受けると犬を譲り受ける仕組みだ。2016年の設立時、登録数は全国で約40頭だったが、現在は110頭まで増えた。同法人の高橋はるみ専務理事(61)は「文化財を共有するような感覚で、一頭一頭大切に管理している」と話す。

(日東製網が一時ストップ高)
日東製網(3524)が急伸。9時30分時点では前日比205円(14.0%)高の1665円。一時は値幅制限の上限である1760円まで跳ね上がる場面もあった。前日発表した今2021年4月期第1四半期決算が黒字転換し、刺激材料になっているもよう。 売上高は前年同期比5.7%増の40億4500万円。営業損益は1億7800万円の黒字(前年同期は5100万円の赤字)、最終損益は1億2200万円の黒字(同2500万円の赤字)だった。定置網部門の売上高が増加したほか、獣害防止ネットや防虫網などが好調だったという。通期計画に変更はない。通期計画に対する第1四半期時点での進捗率は最終利益ベースで24%。

(ドングリ凶作でクマの肉食性懸念:福井)
大野市のツキノワグマ出没対策連絡会が十六日、大野市の結とぴあで開かれた。県の調査ではドングリが二年連続の凶作で、本年度もクマの大量出没の可能性が高い上に、実がならないことでシカなどを食べて肉食性が進んでいる懸念が示された。市の関係者や警察、猟友会などから十五人が出席。事務局の市が十一日に鯖江市で開かれた県の連絡会の内容を伝えた。連絡会では「ドングリがならないため、シカを捕食するなど肉食性になっている」との報告があったことを明かし、地元猟友会からも「くくりわなにかかったシカがクマに食べられている」と市内でもクマの肉食性が進んでいる恐れを指摘した。市内では、大量出没だった昨年度を上回るペースで目撃が相次いでおり、猟友会からは「すでに大量出没は始まっている。昨年度は対策本部をつくってスムーズに対応できた。今年も早期に設置を」との要望があり、市側もスムーズに設置できるよう準備を検討することに理解を示した。大量出没に備えて、パトロールの徹底や情報発信、イノシシ用電気柵を十二月まで設置するなどの対策を確認した。

(クマ出没増加で対策会議:富山)
クマのエサになるブナの実が2年連続の凶作になり、クマの出没増加が警戒される中、対策を話し合う富山市の会議が開かれました。17日は富山市の大沢野行政サービスセンターでクマの対策会議が開かれ、警察や市の担当者など約30人が出席しました。このなかで、県の担当者が平成17年の調査開始以来、初めてことしは2年連続でクマのエサになるブナの実が凶作になっていることを報告しました。また、ミズナラやコナラも多くの山で実の入りが悪く、クマがエサを求めて平野部に現れる可能性が高くなっていることを説明しました。会議ではクマの活動が活発になる朝や夕方の時間帯には農作業を控えるよう住民に呼びかけるほか、クマがエサを求めて近づく柿の木などを前もって伐採するよう呼びかけていくことを確認していました。また、これからの時期はキノコ採りで山に入る際に音が鳴るものを身につけることも大切だということです。富山市森林政策課の桐溪修一参事は「去年のような人身被害が出ないよう関係機関で話し合いました。人が背中を向けて逃げると、クマは追いかける習性があるので、遭遇した場合は、少しずつ後ずさりして距離を取ってほしい」と話していました。

(クマ被害増で対応訓練:新潟)
昨年度、県内でクマの被害が相次ぎ、過去最悪の発生件数となったことから、県ははじめてとなる対応訓練を17日、魚沼市で行いました。この訓練は、クマの出没が増える秋を前に県がはじめて行い、自治体の担当者などおよそ60人が参加しました。まず、県内の昨年度のツキノワグマによる人的被害が20人と、記録を取り始めた平成6年以降、過去最悪となっていて、このうち市街地での被害が13人と半数以上に上ることなどが報告されました。17日の訓練は平日の早朝、市街地の近くにある田んぼにツキノワグマ1頭が出没したという想定で行われ、はじめに、通報があったあと、関係機関で情報共有の仕方を確認しました。そして、実際に屋外でクマを確保する訓練が行われ、職員がふんするクマが侵入した建物から出てくると、職員たちは距離を保ちながら傘を麻酔銃に見立てクマに向けて発砲し、麻酔にかかって倒れ込んだクマの手足をひもで縛り、確保しました。県鳥獣被害対策支援センターの神部淳所長は「電話での連絡がうまくいった一方、スピード感には疑問が残った。不十分だった点を改善していきたい」と話していました。鳥獣被害対策支援センターによりますと、ことしもクマのえさとなるブナの実などが不作だということで、生ゴミや収穫した野菜などを外に放置しないよう注意をしてほしいと呼びかけています。

(野生イノシシ捕獲時に「防護服」:福島)
会津若松市で死んだ野生イノシシの豚熱(CSF)感染が確認されたことを受け、県は16日、郡山市で「捕獲重点エリア」の対象市町村に対する説明会を開き、野生イノシシの捕獲強化や防疫対策を呼び掛けた。重点エリアに設定された会津、中通りの計25市町村の担当者や猟友会関係者らが出席した。県や農林水産省の担当者が捕獲の進め方について説明。野生イノシシの捕獲や血液採取時に防護服を着用することや、使用したナイフなどは消毒するよう呼び掛けた。

(狩猟の魅力まるわかりフォーラム:秋田)
狩猟の魅力や楽しさを伝えるためのイベント「狩猟のまるわかりフォーラム」と昨年度から整備を進めてきた県立総合射撃場内の狩猟技術訓練施設のオープン記念イベントを同時開催で行います。模擬銃の体験や狩猟免許取得の相談のほか、標的射撃の見学や銃所持許可がなくても扱えるビームライフルが体験できるプログラムとなっていますので、ぜひ、ご参加ください。

(市街地のイノシシ攻防戦「危険すぎる」学会が注意喚起)
福岡市や新潟県燕市で先月以降、市街地にイノシシが現れて大捕物になる例が続いたことを受け、「野生生物と社会」学会は16日、自治体職員や警察官が軽装で対応するのは極めて危険だ、などとする声明を発表した。大型のイノシシは体重100キロを超え、ナイフのような犬歯もあり、太ももを刺されて大量出血すると命の危険があると懸念。対応する際は防具などを着けるよう求めている。環境省の2017年度末の調べでは、イノシシは全国に約88万頭いる。狩猟や有害捕獲で毎年約60万頭前後を捕獲しているが、メスのイノシシは毎年5頭近く子どもを産むため、なかなか減っていない。近年は人里に現れる例が増え、農業や生活環境への被害が深刻化している。9月2日に燕市に現れた例では、逃げ回るイノシシを市の職員や警察官らが捕まえようとする「攻防戦」が大きく報道された。学会は、こうした対応の際、半袖だったり、防護具を着けていなかったりする軽装な人がいたのを懸念。犬歯で刺されたり、指をかまれたりするほか、感染症の恐れもあるとして、「このような対応はもはや限界に達していると考えるべきだ」と指摘。下半身を守る防刃用具や盾などの装備、手袋や長袖の衣類を必ず着用するよう求めた。学会長の鈴木正嗣・岐阜大教授は「まずは安全最優先とはいえ、このまま警察官らを危険にさらし続けることはできない。市街地での獣害対策専門部署の整備などを早急に検討するべきだ」と呼びかける。

(狩猟フォーラム2020開催:高知)
狩猟フォーラム2020(ニホンジカによる森林被害を考える)を開催します。今、老若男女問わず、狩猟が注目を集めています。森林がシカに荒らされている。丹精込めた農作物が獣に食べられ困っている。レジャースポーツとしてやってみたい。でも免許が必要らしいし、やり方もよく分からないし、危なそう・・・。そんな、気にはなっているものの、いろんな理由で一歩が踏み出せないあなた!是非、狩猟フォーラムにお越しください!狩猟の魅力や社会的役割、安全な狩猟方法、そもそも狩猟免許を取るにはどうすれば?さまざまな疑問に答えられるフォーラムとなっています。狩猟の世界で活躍する方々をお招きした講演、ハンターが使う猟具の紹介、狩猟免許取得相談、ハンティング模擬体験など、狩猟の魅力を実感できるフォーラムとなっています。今年は香美市、黒潮町の2会場で開催。

(シカに注意!交通安全呼びかけ:兵庫)
今月21日から始まる「秋の全国交通安全運動」を前に、県北部の豊岡市で、シカなど野生動物にぶつかる交通事故を防ごうと、高校生たちや警察官が手作りのマップを配り注意を呼びかけました。18日、豊岡市内で行われた啓発活動には、地元の高校生や警察官などあわせて25人が参加しました。市内では、ことしに入って8月末までに車道に飛び出してきたシカやイノシシ、クマなどと車が接触する事故が91件起きていて、発生場所を記した手作りの地図「アニマップ」をドライバーに配り、注意を呼びかけました。また、日没の時間が早くなることから、反射材を着用するよう歩行者にチラシやキーホルダーを配りました。県立豊岡総合高校3年生の佐崎春菜さんは、「歩道を歩いていると、車のスピードが速いなあと感じることが多いので、安全運転でお願いします」と話していました。豊岡南署交通課の松田友也課長は、「最近はコロナで外出が少なくなった分、車のスピードが出ていて、県北部では、車同士の追突事故やシカとの接触事故が多発しています。夜間はスピードを落として、ハイビームを活用するなど注意しながら運転してほしいです」と話していました。

(「南房総2拠点ハンターズハウス」入居者募集中:千葉)
「南房総2拠点ハンターズハウス」「南房総2拠点〝3カ月〟ハウス」がリリース。テレワークや、ワーケーションとしての利用もOK!閑散期の民宿を自宅代わりに利用できるいままでにない2拠点サービスです。南房総市商工観光部観光プロモーション課、一般社団法人南房総市観光協会と南房総地域課題事業組合の3者で連携し、「南房総2拠点ハンターズハウス」事業を開始します。南房総地域課題事業組合はこのプロジェクトの開発を機に結成された新しい民間組織です。これまで地域課題の解決に取り組みを拡げてきた各々が組合により団結します。「南房総2拠点ハンターズハウス」がこの度のプロジェクトで掲げるミッション(使命)は、2つです。昨今のコロナ渦により打撃を受けた南房総市の観光復興と、地域課題の代表的なテーマでもある獣害について広く知らせること。古来からつづく「狩猟」を学び、これからの自然と人との暮らし方、動物と人との関係についての啓蒙などを取り上げています。「南房総2拠点ハンターズハウス」は、主に、都心部在住の狩猟免許(わな猟)を保有するハンターたちに向けられたサービスとなります。免許保有者の多くが抱える課題に「安全な狩猟現場がない」ということが挙げられています。また狩猟期間となる11月から2月は、民宿業は閑散期を迎え空室が多数存在することにこの2つの課題解決の糸口が存在しています。料金は狩猟講座と合わせ民宿利用費を含め、150,000円(税抜)。期間中、契約民宿の個室を好きな時に利用することができます。更に10月末までに申込の場合、キャッシュバックキャンペーンを実施中!詳細はWEBページまで。狩猟プログラムの内容も充実。罠掛けの基礎から捕まえた獣を調理するところまでを学ぶことができ、地域住民や地元猟師との交流も生まれます。狩猟免許の有無を問わず、実践的に体験と学びを得られるプログラムは南房総市内に滞在できない期間でも、罠は掛けたままでOK。地元ハンターのサポート付きで安心して狩猟ができます。

(イノシシ急増、農業が危機:山形)
本県のイノシシによる農作物被害が、ここ10年で30倍近くになっている。急増している地域では農家を辞める人や規模を縮小する人が出るなど深刻な状況だ。温暖化などに加え、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故がイノシシの増加につながったとの見方もあり、救済を求める声が上がっている。県みどり自然課と園芸農業推進課によると、県内のイノシシによる農作物被害額は2011年の原発事故以降、水稲やブドウ、リンゴなどを中心に年々増加。事故発生前は500万円にも満たなかったのが、13年度に1千万円を超え、18、19年度と7300万円に迫っている。このうち福島県と隣接する高畠町では、19年度の農作物被害額が1664万円と、ここ7年で約400倍に激増。隣の南陽市も18年度は前年の約60倍となり、1千万円を超えた。米沢市も19年度は335万円で、3年で約4倍となった。生産現場では救済を求める声が上がる。高畠町上和田の渡部清二さん(68)は稲の食害などに遭い、5年前に電気柵を整備した。仲間には収入が7割減ったコメ農家もいる。高畠が誇るマツタケの産地も荒らされ始めたという。イノシシは明治以降、県内で絶滅したとされたが、地球温暖化などの影響で県外から入り込み、県全域に生息する。増加と原発事故の関係について、福島大食農学類の望月翔太准教授(野生動物管理学)は「まったく影響がないとは言えない」と語る。「避難指示区域が設けられ、人の出入りが大幅に減ったことでえさが充実するなど繁殖に適した環境になった」と説明。その上で「駆除件数から推測すると、原発事故以降、福島県内でイノシシは増えている。それが奥羽山系を越え、山形に入ることもあり得る」と指摘する。宮城、福島両県も同様に被害は増加している。蔵王連峰に隣接する宮城県白石市によると、11年度から18年度までの間、東電に対して約9千万円の損害賠償を請求した。このうち捕獲・処分費名目で約4千万円の賠償金が出ているという。この賠償はイノシシ肉の「出荷制限」を根拠にしており、厚生労働省は「食品衛生法に基づく放射性物質の基準値を超えた場合、出荷を制限している」と説明。東京電力も「原発事故と因果関係のある被害が出た場合は適切に賠償する」(HD広報室)としている。ただ、本県は、イノシシの放射性物質検査について、原発事故直後は行っていたものの、11年途中から「県産イノシシの流通がほぼない」として対象としていない。被害の損害賠償請求も行っておらず、被害農家を救済する手だてはないのが実情だ。被害の著しい増加を踏まえ、南陽市では6月定例会の一般質問で取り上げられた。高橋弘議員は「原発事故以降、イノシシの生息数は増える一方。東電への賠償を検討すべきだ」とする。これに対して白岩孝夫市長は「県と調整し、研究する」との答弁にとどまっている。渡部さんは「被害は深刻だ。行政を中心に何らかの対応をしてほしい」と訴えている。

(カワウ対策、各漁協など広域連携:長野)
天竜川水系で食害による水産資源への影響が甚大な魚食性鳥類のカワウについて、県は18日、諏訪、上伊那、下伊那地方の漁業協同組合、猟友会と連携した組織「カワウ対策に関する連絡会議」を立ち上げた。岡谷市内で初会議を開き、これまで各地域の漁協が地元の猟友会や県地域振興局と連携して取り組んでいたカワウ対策について圏域の枠を超えた対応の必要性を確認。県の呼び掛けで各漁協などが連携する取り組みは初めて。カワウ被害は近年、顕著になっており、諏訪東部漁協(茅野市)や天竜川漁協(伊那市)などによると、アユやアマゴなどを放流して水産資源の増殖を図っても食べられてしまい、遊漁に影響が出ている。天竜川漁協は「カワウの増加に伴い、魚は確実に減っている」と嘆き、諏訪東部漁協は「銃猟ができない中だが、でき得る方法で1羽でも多く駆除したい」と切実だ。こうした中、下伊那漁業協同組合が中心となって今年2月に魚食性鳥類被害防止対策チームが発足した。諏訪東部や天竜川、浜松市側の漁協や猟友会、県地域振興局などが参加した。広域連携による漁業被害の防止への機運が高まる中、県園芸畜産課や鳥獣対策・ジビエ振興室はより効果的な被害抑制を図ろうと、連絡会議を立ち上げた。関係者間の情報共有や広域対策の調整などを行い、同チームの活動も支えていく。従来のカワウ対策は引き続き各漁協などに担ってもらいつつ、連絡会議内で互いの情報交換し、対策の改善に役立ててもらう。広域連携は、カワウが圏域や県境を超えて行き来するため不可欠だ。例えば追い払い実施日が別々だと、カワウは実施地域を避けて一時的に他地域に移動し、別の日に移動先で追い払いがあると、再び戻って来てしまうため抜本的な解決にはならない。事前に情報を共有しておけば、カワウの動きに合わせた対策が取れ、気持ちの上でも余裕が持てる。3地域一斉の追い払いで逃げ場所をなくすなど新たな対策の可能性も出てくる。会議に参加した国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所の坪井潤一主任研究員は「コロニー(集団繁殖地)がない諏訪地域は今後、絶対にコロニーを作らせないように」と述べた。上伊那地域は小さなねぐらが分散している状況があり、県水産試験場の下山諒技師は大規模なねぐらとして以前から確認されている吉瀬ダム(駒ケ根市)に個体を集約させた上で効率的に駆除する提案をした。全体的として個体数や営巣数の詳細な数を把握し、実態に即した対策を検討する必要性を確認した。

(となりのヒグマ2020:北海道)
人とヒグマ、両者が距離を保ってともに暮らすために、どう折り合いをつけるのか。札幌市の5か所で住民が、草を刈ってヒグマが出にくくする「草刈り活動」が始まりました。草刈り活動ってどう始まるの?どうしたら続くの?今シーズンも、北海道各地で人とヒグマの軋轢が起きています。特にやっかいなのが市街地でのヒグマの出没です。家庭菜園のトウキビ、ゴミステーションの生ごみ、墓地のお供え物・・・。市街地にはヒグマを誘引するものがたくさん。最大の対処法は、ヒグマを山から市街地に出没させないこと。キーワードは「草刈り」です。草を刈るのは、ヒグマが身を隠しながら移動に使うヤブを取り除くことです。ことしの札幌市では、地域住民、ボランティア、学生、札幌市のヒグマ対策担当者などが出て、5つの地区で、ヒグマ対策としての「草刈り活動」を実施、広がりを見せています。ヒグマが出てきづらい環境を作って、「人の暮らしとヒグマの距離を保つ」のが狙いです。札幌市のヒグマ出没情報サイトによると、各地区では、草刈り活動のあと9月18日までにヒグマに関する情報はありません。

(カラス“一斉追い出し作戦”:富山)
一斉に飛び立っているのは、カラスの群れ。被害に悩まされる自治体の追い出し作戦は、成功したのだろうか。夕焼け空に舞う、無数のカラス。富山・砺波市の出町地区。2019年あたりからカラスが増え、住民たちを悩ませているという。住民は、「歩道に(カラスの)フンがいっぱい落ちていて臭いがひどい。子どもが学校から帰る時間、交差点みたいなところで止まっていると。『怖い』って言います」と話した。そんな迷惑カラスたちから地域を守ろうと、住民たちが立ち上がった。参加人数およそ300人という大作戦とは、いったい。カラスの群れによる被害は、隣の高岡市でも。JR高岡駅前に、およそ3,000羽が生息し、カラスとの闘いの歴史は、10年以上に及ぶという。朝、高圧洗浄機を使い、道路に落ちたふんを洗い流すのは、銀行員の男性。北陸銀行高岡駅前出張所・青木実所長は、「毎日フンをされるので、臭いが蓄積されて、トイレのような臭い」と話した。電線を管理する北陸電力は対策として、針山を電線に設置。しかし、カラスは針山を避けて止まるため、その効果はいまひとつ。市も、すみかの公園に捕獲用のおりを設置しているが、生息数に変化は見られず、劇的な効果は出ていない。では、同じく増えすぎたカラスの被害に悩む砺波市の住民は、どのようにして、カラスを撃退しようというのか。作戦決行日の一昨日、集まった住民たちが手にしていたのは、点滅するライトと竹の棒。その使い方は、竹の棒を地面に引きずる音を出しながら街を歩き、さらにライトで、カラスたちを照射。いずれもカラスが嫌がる行動で、この日、集まったおよそ300人の住民が、一斉に繰り返し行った。すると、音と光を操る住民たちに驚き、一斉に逃げ出した。専門家によると、広範囲において継続的にやることが不可欠とする音と光の追い出し作戦。主催した出町自治体振興会・堀田隆会長は、「効果はあったんだから、やって無駄なことじゃない。頑張ります」と話した。カラスとの闘いは、まだまだ続く。

(野生鳥獣の農林作物被害まとめ:宮崎)
シカやイノシシによる食害など、野生鳥獣による農林作物の被害が、7年ぶりに増えていた事がわかりました。被害額は4億円を超えています。県のまとめた、野生鳥獣による昨年度の被害額は4億2562万円で、前の年に比べると約8000万円、率にして23%増えています。被害額が増えたのは2012年度以来7年ぶりです。野生鳥獣別ではシカによる被害が最も多く約1億6000万円、イノシシが約1億2000万円、サルが約4700万円などとなっており、いずれも前の年より増えています。作物別では、温州ミカンやクリなどの果樹の被害が約1億4900万円で最も多く、次いで水稲が約7900万円、杉など人工林が約6700万円などとなっています。県では侵入防止柵の整備や捕獲活動の支援などを行い鳥獣を寄せ付けない集落づくりを推進する方針です。

(イノシシ、山で繁殖か:富山)
高岡市伏木地区でイノシシの出没が相次ぎ、住民から不安の声が上がっている。近くの二上山で繁殖し、年を追うごとに生息域を広げているとみられる。住宅地での目撃が後を絶たないほか、畑や田んぼが荒らされる被害もあり、住民は「夜に出歩くのが怖い」と話す。住宅街では捕獲用のおりの設置が難しいなど対策には限界があり、市は「草を刈ってイノシシが隠れられる場所を減らしてほしい」とする。9月に入り、高岡市伏木地区の住宅地では3日に伏木古府元町、9日に太田、10日に伏木矢田でそれぞれ目撃情報があった。7月には伏木中学校(伏木古府)近くの住宅密集地にもイノシシが現れた。「どんどん数が増え、山の下の地区にまで姿を現すようになった」。二上山の裾野に住む早不二夫さん(72)=伏木一宮=は、イノシシ被害に頭を悩ませる一人だ。管理する畑の農作物は食い荒らされ、畑ののり面が何カ所も掘り起こされた。今月6日には自宅そばの路上で3頭と遭遇。早さんは「突進されたらよけられない」と困惑した様子で話す。伏木一宮では7、8年ほど前から、山林を中心にイノシシが目撃され始めた。3年ほど前からは、住宅地にも頻繁に姿を現し、畑や田んぼが荒らされるようになった。地元の農産物生産組合は2年前から、組合員の田んぼや畑の周囲に金属製の柵を設置。だが、わずかな隙間や、柵の下に掘った穴から侵入され、被害はなかなか減らないという。高岡市農業水産課によると、19年度の市内での捕獲数は前年度の約2・5倍となる626頭に急増。二上山周辺の太田、二上、城光寺、西海老坂では112頭と前年の4頭から大幅に増え、目撃件数も2件から29件に増加した。一方、住宅街で有効な手だてを取るのは難しい。同課は、人が多い場所では捕獲用のおりを設置しづらいとして「草刈りや餌となる生ごみの管理を徹底してほしい」と呼び掛ける。二上山周辺の出没増加について、県自然博物園ねいの里(富山市婦中町吉住)は「二上山で増えたイノシシが餌を求めて裾野まで下りてきている」とみる。対策については「イノシシは警戒心が強い。襲われないためには、見つけても近づかないことが大切」としている。

(わなによる捕獲技術者育成事業:滋賀)
近年、野生動物による農林業被害、森林生態系被害等の増加に伴い、捕獲対策の重要性が高まっています。しかし、高い捕獲技術を有する狩猟者の減少と高齢化は深刻化しており、捕獲対策の新たな担い手の確保と技術向上が急務であります。そこで本事業では、最近増加傾向にあるわな猟免許取得者を対象に、ニホンジカやイノシシの捕獲に関する技術指導経験を有する指導員による座学・実習・現地での技術指導等を通して、捕獲の担い手を確保することと、捕獲技術の向上を目的としています。

(アースデイとやま2020:富山)
2019年に富山県内外で大きな問題となったツキノワグマなど各種中大型野生哺乳類の出没や農林業被害の増加、イノシシが媒介する豚熱(豚コレラ)の感染拡大などの「野生動物問題」を受け、また本年が2010 年の国際生物多様性年から始まる「国連生物多様性の10年」の終了年であることに鑑み、野生動物と人の生活のつながり、両者の共存のあり方を多くの人々と共に考えます。

(自然公園財団がサルやクマ対策:長野)
北アルプスの玄関口、上高地(長野県松本市)で、人慣れしたニホンザルやツキノワグマによる被害が目立ってきた。8月にはクマに襲われる初の人身事故が発生。上高地を管理する自然公園財団上高地支部は、野生動物対策専門スタッフを常駐させてサルを追い払ったり来訪者にクマの目撃情報を提供したりと、対策に追われている。上高地では近年、サルやクマが遊歩道などに出没。観光名所の河童(かっぱ)橋周辺ではふん害が問題に。神社などの木造建造物がかじられる被害も目立つ。こうした状況に、環境省はエアガンを使ったサルの「追い払い作戦」を実施。委託を受けた同支部の専門スタッフが連日パトロールにあたってきた。昨年から活躍するのは、信州大OBの香取草平さん(26)。上高地周辺には4群、約200匹のサルが生息しているとみられ、昨年は目撃情報やパトロールで見つけたサルをエアガンで追い払っていた。

(増えるイノシシ、対策強化:山形)
県内で生息範囲を拡大しているイノシシについて、県は農作物などの被害軽減を図る次期管理計画(2021年度から5年間)の策定作業を進めている。生息状況調査を踏まえた捕獲頭数の拡大を重点とし、被害額半減などの新たな目標を掲げ、対策を強化する方針だ。12月ごろまでに具体的な対策を盛り込んだ原案をまとめ、来年3月の策定を目指す。県みどり自然課によると、イノシシによる稲や野菜、果物の農作物被害は19年度で7278万3千円。主な鳥獣別被害額はカラス(8150万8千円)に次いで2番目に多く、年々増加している。5年前の14年度比では3.7倍、10年前の09年度比では28.7倍に上る。明治以降、県内でイノシシは絶滅したとされていたが、地球温暖化などの影響で県外から入り込み、現在は県全域に生息しているとみられている。16年度から実施している生息状況調査による推定生息数を見ると、16年度は約3200頭、17年度は約5800頭、18年度は約7800頭と被害額と同様に増加。19年度分は20年度末に結果が判明するが、さらに増えている可能性があるという。捕獲数も16年度770頭、17年度888頭、18年度1575頭、19年度2002頭と増えているものの、農作物被害の拡大は止められていない。次期計画の策定方針としては、生息頭数を25年度に19年度比で半減させる目標を掲げる。捕獲数に応じて自治体などに対する助成金上乗せが見込める国の集中捕獲キャンペーンの活用を念頭に置く。さらに被害額も半分を目指すことを盛り込む方針だ。対策の中心となる捕獲数の拡大に向けては、猟友会員の高齢化などが課題になっており、今後は県内の狩猟免許の取得者に入会への働き掛けを強める考えだ。わな免許を中心に県内の取得者は年々増加傾向にあり、19年度は5年前よりも707人増の2972人となっている。同課の担当者は「新規取得者には若い人も増えている。有害鳥獣捕獲の実動部隊を増やすことで、捕獲数の拡大を図っていきたい」と話している。

(イノシシ被害増加、国は中山間地に厚い支援を:宮城)
イノシシによる農作物被害が東北で拡大している。かつて生息域は宮城県が北限とされていたが、北上している。繁殖力が強いこともあり、対策が追い付いていない。地域の実情に合った国の支援充実が求められる。東北農政局の2018年度のまとめによると、イノシシの農作物被害は青森県を除く5県で確認され、被害額は2億7100万円に上る。12年度の倍以上に増えた。福島県が8820万円で最も多く、次いで宮城県8328万円、山形県7261万円の順となっている。被害は水稲や野菜、イモ類などで、宮城では水稲が突出する。イノシシは体に付いたダニやノミを落とすため泥浴びをする。倒された稲は体臭が移って出荷できなくなるという。1978年の国の調査で、丸森町を中心とする宮城県南部が北限とされていた。近年は山形、岩手両県に広がり、秋田県南部でも目撃数が急増している。宮城県が山形大に委託して行った遺伝子解析で、宮城中部のイノシシの一部は山形県内のイノシシと遺伝子組成が類似していた。仙台市西部から山形県村山地方へ集団で侵出していると考えられるという。東北で増えた原因は気候の温暖化で越冬しやすくなったことや、過疎による耕作放棄地の増加、狩猟者の減少などが重なる。国はイノシシやシカの生息数を2023年度までに半減させる目標を掲げ、交付金を活用した捕獲などに力を入れている。今後の鍵となりそうなのが情報通信技術(ICT)の導入だ。宮城県北の大崎市では昨年、センサーやカメラが付いた捕獲わなをスマートフォンで監視し、遠隔操作をして捕らえる仕組みを取り入れた。わなを見回る手間が省け、効率的な駆除が期待できるという。東北は西日本に比べ導入例が多くない。国は普及をさらに後押しする必要がある。農作物被害を防ぐには、捕獲だけでは限界がある。有用なのは侵入防止柵だ。同じ宮城県北の色麻町は山間部側に総延長約50キロの柵を今秋中に設置する。個人がそれぞれ設置しても他の地区に被害が移る「いたちごっこ」になるため、地域が一体となって取り組むことにした。ただ中山間地で聞かれるのが、柵は購入できても設置する人手がないという悩みだ。現在の交付金では人件費は対象にならない。現場の声を反映をし、人手の確保にも使えるよう改善するべきだろう。収穫目前の農作物を荒らされる農家の無念は察するに余りある。被害の痛みはもちろんだが、それ以上に営農意欲をなえさせることが心配だ。支援の充実が急がれる。

(駆除されたイノシシやシカ、動物園でえさに)
農作物を荒らすなどとして駆除されたシカやイノシシを丸ごと動物に与える「屠体給餌(とたいきゅうじ)」の取り組みが国内の動物園や水族館で広がっている。トラなどの肉食動物の野生の行動を引き出すことによるストレス緩和や、里山などで捕獲された動物の廃棄を減らす“一挙両得”を狙った策。より多くの動物園で実施できるよう、マニュアルの作成も進んでいる。7月27日、京都市動物園のメスのジャガー、ミワが毛皮の付いたままのシカの肉にかぶりついた。水辺に落として沈めるような動作を繰り返したほか、毛皮を剥いだり、骨をかじったりする行動も見られ、5~6キロの肉を1日をかけて食べ切った。「ジャガーは本来水辺で獲物をしとめることも多い。本能的な動きかもしれない」と喜んだのは大型ネコ科動物を担当している飼育員の岡部光太さん(33)。同園では平成30年7月にアムールトラに初めて屠体給餌を実施。屠体は感染症などを防止するため、ジビエ加工業者によって頭部や内臓が取り除かれ、低温加熱処理を施された上で動物園に運ばれた。「動物にとって顎(あご)を鍛えるなどの運動となり、新しい刺激を受けられる」と岡部さん。普段は小さくカットされた鶏肉などを与えているため、すぐに食べ終わってしまうが、「野生ではえさを探したり捕まえたり、解体したりして1日を過ごすのが当たり前。動物園だからといって暇を持て余すことがないようにしたい」という。農林水産省によると、イノシシやシカなどの有害鳥獣による全国の農作物の被害は平成30年度に全国で約158億円にのぼった。被害抑止を目的としたイノシシとシカの駆除は増加しているが、30年度に捕獲された約116万頭のうち、食用のジビエとして活用されているのは11万頭に留まり、残りは廃棄されているのが現状だ。屠体給餌は処分される動物の屠体を活用することも目的の一つとなる。同様の取り組みは各地の動物園や水族館でも始まっている。福岡県の大牟田市動物園では、30年から屠体給餌を実施。「屠体プレゼント募金」を創設し、取り組みに賛同する来園者らからの寄付金も使って、これまで月1回の頻度でライオンやトラなどに与えてきた。担当者は「『命を無駄にしない』という思いだ。継続してきたことで動物たちの食べる速さや食べ方も変わってきた」と話す。秋田県の男鹿水族館GAOでも今年8月に初めてホッキョクグマにイノシシの屠体を提供。普段の食事は15分程度で終えるというが、この日は90分以上かけて食べたという。盛岡市動物公園の飼育員で、屠体給餌の取り組みを支援する民間団体「ワイルドミートズー」の伴和幸理事(33)は「動物にとっては食べる過程も大切。行動のレパートリーが増え、ストレスを緩和し、過度な毛づくろいなどの異常行動を抑えることにつながる」と説明する。伴さんは今年度から、屠体給餌の方法についてのマニュアル作りを進めており、全国13カ所の動物園や水族館に、試作したマニュアルを提供。今年度中に完成させて、より多くの動物園や水族館に屠体給餌の取り組みを広げたいといい、伴さんは「動物園は動物を見て楽しむだけの場ではない。屠体給餌の取り組みによって、獣害など地域の問題や動物の暮らしについて学ぶ場としての役割も果たすことができる」と話した。

(生態系保護へ6年ぶり「シカ追い」:栃木)
鹿沼市北西部の前日光県立自然公園内にある井戸湿原の生態系をシカ害から守るため、鹿沼自然観察会、地元猟友会、栃木県、鹿沼市が参加して今月、6年ぶりの「シカ追い」が行われた。今回は人海戦術で追い込み、シカ5頭を確認。湿原からの追い払いはかなわなかったが、湿原を守るため今後も策を練るという。「新しいシカの足跡がある。数頭必ずいる」。シカの生態に詳しく同湿原に何度も足を運んでいる上粕尾の斎藤喜久寿(さいとうきくじゅ)さんは、先遣隊として下見して確認し、参加者にそう報告した。

(野生鳥獣の作物被害額6326万円:青森)
2019年度の野生鳥獣による販売用の県内農作物の被害額(速報値)は、前年度比12%増の6326万円に上ることが、県のまとめで分かった。被害面積は同13%増の23・48ヘクタールで、ツキノワグマやニホンザルによる果樹被害を中心に中南地域で大幅に増えた。県は、猟友会員らを対象に捕獲技術を高める研修会などを開き、市町村が効率的な被害防止対策を取れるよう支援する。

(ダイヤ守れ!JRが深夜の闘い:山形)
JR奥羽本線と仙山線で、イノシシやカモシカなど野生動物との衝突による列車の遅れが相次いでいる。野生動物が山間部で生息域を広げているためだ。JR東日本は臭いを放つ忌避剤を散布したり、動物を遠ざける最新装置を設置したりと、あの手この手で定時運行に努めている。山形新幹線つばさを含む奥羽本線と仙山線で、県内で動物との衝突が発生しダイヤが乱れた件数は年々、増加の傾向にあるといい、今年4月から9月15日までは24件で、前年同期より4件増えた。本県(庄内、米坂線の一部を除く)と宮城、福島県からなるJR東日本仙台支社管内で19年度に発生した同様の輸送障害は134件で、15年度の2.7倍に上っている。動物が衝突すればブレーキの異常の有無などを確認する必要があり、運転再開まで最短でも30分、夜間や車両の下に動物が挟まった場合は1時間以上を要する。カモシカは天然記念物のため自治体への報告も必要で、業務量は一層増す。同社は獣害対策を重点課題として支社間で情報を共有し、取り組みを強化している。線路に唐辛子エキスやヒトデが原料の臭いを発する忌避剤を散布するほか、光と音で動物を遠ざける装置や、線路への侵入を防ぐ柵を設置している。装置が1台約20万円、柵が1メートル当たり約4万円であるのに対し、忌避剤は1メートル当たり約350円と最も安価で、効果は約3カ月間認められるという。散布作業は、最長3時間半ほどかかる地道で過酷なものだ。年2、3回実施しており、今年8月にも奥羽本線羽前中山―かみのやま温泉間の約1.4キロ、仙山線山寺―高瀬間の約2.5キロで行った。防護服やライト付きのヘルメットを身に着けた職員15~20人が終電後の深夜から明け方にかけ、線路上を歩きながら計800リットルの忌避剤をスコップでまく。強烈な臭いの粉が舞う中、蒸れる防護服での汗だくの作業。わずかな明かりや足跡、掘り起こされた地面を頼りに、イノシシやクマの出現を警戒しながら行うという。同社で獣害対策を行う輸送サービス品質改革室は「衝突発生現場や目撃情報の多い場所から優先的に忌避剤をまき、少しでもダイヤの乱れを減らしたい」と話している。

(豚熱、ワクチン散布へ:三重)
三重県は23日、豚熱(CSF)の感染拡大を防ぐため、イノシシ向けの経口ワクチンを28日から松阪市で散布すると発表した。同市での散布は初めて。5日間で市内の85カ所に計1700個を散布する。世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大している影響で経口ワクチンの輸入が遅れているため、これまでに実施した9市町での散布は見送った。県は今夏に松阪を含む10市町でワクチンの散布を予定していたが、国が一元的に管理するワクチンの輸入が、コロナ禍で遅れている。感染が確認された地域のうち、ワクチンを散布していない松阪市で早期に実施するため、6月の散布で余った分を使うことを決めた。

(イノシシ捕獲のシステム実用化:福島)
大玉村の新生福島先端技術振興機構は成獣したイノシシを認識する人工知能(AI)を搭載したわなと連動する通信システムを実用化した。狩猟者の危険低減や見回りの労力削減に期待される。県が十四日、発表した。通信システムは二十四時間監視し、成獣したイノシシが箱わなに入るとAIが認識して扉を閉める。その後、管理者にイノシシを捕獲したとメールで通知する。従来設置してあるイノシシ用の箱わなにも後付けできる。同機構は昨年度に郡山市や桑折町で実証実験を行った。今年度は郡山市と受託契約し、本格的にイノシシの捕獲に使用される。

(イノシシ肥料化「年度内登録目指す」:佐賀)
武雄市議会の一般質問は8~11日あり、議員14人が有害鳥獣対策などを質問した。有害鳥獣対策について質問があった。山口智幸営業部理事は、2019年度の捕獲数をイノシシ2066頭、アライグマ256頭、アナグマ45頭、カラス256羽などと報告。3月に稼働したイノシシを肥料化する武雄地域鳥獣加工処理センターの8月末までの処理数は、35回の運転でイノシシ873頭、アライグマ224頭に上ることを説明した。肥料化については「前例がないことなどで許認可に時間がかかっている。本年度中に肥料登録を目指している」とした。

(野生鳥獣の捕獲が1.9万頭で過去最高:群馬)
県は、令和元年度に捕獲した野生鳥獣が前年度比11・2%増の1万9417頭に上り、過去最高になったと発表した。豚熱(CSF)対策でイノシシ捕獲を強化したことなどで頭数が伸びた。CSFの感染源となるイノシシの捕獲頭数は12・8%増の8818頭。クマは69・8%増の433頭だった。食料となるブナやミズナラが不作だったことを背景に、クマなどが餌を求め農地周辺に出没するケースが増えた。このほかサルは25・5%増の822頭、シカは7%増の9340頭だった。野生鳥獣による農林業の被害額は6・8%増の約5億6千万円となり、7年ぶりに増加に転じた。県は野生鳥獣の生息地域が拡大傾向にあると指摘している。

(サルのおり切断、容疑の少年逮捕:千葉)
千葉県警は24日までに、6月に富津市の高宕山自然動物園でニホンザルを飼育するおりの金網を切断したとして、器物損壊の疑いで千葉市花見川区の自称高校生の少年(16)を逮捕した。当時、切断されたおりからサル約70匹が逃げ出した。逮捕容疑は6月9日夕方~10日朝、動物園内に設置されたおりの金網フェンスを工具のような物で切断した疑い。10日朝に管理人が訪れ、直径約30センチの穴が開き、サルが逃げ出しているのを見つけた。県警によると、少年は友人の運転する車で動物園に向かったとみられ、近くの防犯カメラに車が映っていた。切断に使った工具のような物は「行く途中で拾った」と話しているという。県警は友人らの関与を調べている。

(サル集団食害、打つ手なし:青森)
青森市新城天田内の丘陵地に広がる畑で、サルの集団による食害が相次いでいる。トウモロコシやリンゴなどを栽培する複数の農家が被害を訴えるが、人間慣れしたサルたちは爆竹の音にも反応を示さず、有効な対策を見いだせていない。畑に現れるサルの数は年々増え、今年は30頭以上の集団が現れたという。農家からは「一人で作業するのが怖い」「いつまで被害が続くのか」などと不安の声が上がっている。

(サルのテレメトリー調査実施へ:和歌山)
日高町は鳥獣害対策として、サルに装着した首輪から電波を受信し、位置情報を把握するテレメトリー調査を上志賀地区で実施する。サルの行動範囲などを正確に把握したうえで、わなの設置場所などの対策に活用する狙い。11日開会の議会9月定例会に受信機の購入補助として44万3000円の補正予算を提案する。上志賀地区と連携した農作物の鳥獣被害対策の取り組み。7月3日、囲いワナで捕獲したメスザル1匹に電波を発信する首輪を装着して放しており、そのサルは群れに入って生活していることを確認している。計画では、サルの首輪から発信している電波を感知する受信器を、被害が多い上志賀地区に提供。サルが近づくと受信器が反応し、群れの位置を知ることができる。装着している首輪からの電波は2、3年程度発信し続け、受信器は手持ちのほか、車に装着して使用することもできる。地区の目撃情報も募り、随時、地域の役員に目撃した時間、場所、頭数などを報告。テレメトリー調査と合わせて活用し、サルの行動範囲などをデータ化する。2カ月に1回程度、関係者がワークショップも開催して被害状況などを地図上にまとめ、移動式わな、防護柵の設置などの効果的な対策につなげる。町担当職員は「調査を継続することで、季節ごとのサルの行動についても把握することが可能になる」と話している。日高町ではサルによる被害が深刻で、農家からは「最近では日常的に出没し、稲刈り前の稲などが食べられてしまう」という声も聞かれる。御坊市議会 8日午後の一般質問に田端卓司議員が登壇。新型コロナウイルスのPCR検査や気候変動対策について執行部をただした。本会議は10日、総括質疑が行われる。

(加速化するサル被害に追い詰められる農家:新潟)
ことしの盆は新潟県三条市で市街地にサルが現れ、3日間にわたる大捕物が繰り広げられた。そのサルが出てきたと思われる三条市の山手、下田地区では年々、田畑の作物を食い荒らすサルが活動範囲を広げ、食害のために耕作を放棄して下田を離れる農家の人もあり、サルに人が追われる深刻な事態にもなっている。「10年、20年前は、サルは奥のダムのあたりまでしかいなかったのに、どんどん人の住んでいる所に下りてきている」と話すのは、新屋地内で「山菜農園きむら」も営む専業農家の木村正樹さん(46)だ。下田地区のサルのグループは10年前でさえ12グループあると聞いているが、今はそれどころではないと言う。笠堀ダムから五百川へ来て、院内、鹿熊、中浦、新屋と下へ下へと活動範囲を広げ、ことしは曲谷にも出没している。食害を防ごうと農家は補助を受けて電気柵の対策を進めているが、木村さんに言わせれば「もろ刃の剣」。電気柵が設置された畑にサルは入らなくなったが、農作物を求めて電気柵が設置されていない山の下へ。そこも電気柵を設置したらさらに下へと、人里への移動を加速させる悪循環も生んでいる。電気柵を克服するサルもいる。電線にふれない小さなサルを電気柵の中に入れ、畑のカボチャを電気柵の中から外へ転がして奪い取る。電線を木の棒で持ち上げて中へ入る。電気柵の電気が流れるのは最初の一瞬なので、それを我慢して中へ入るといった作戦を講じる。農作物の味を占めたサルは、山の実では満足できなくなる。栄養価の高い農作物を食べたサルは繁殖力も高くなり、勢力を拡大している。コメが収穫期を迎えると、サルのグループが田んぼに入ってイネをしゃぶるようにして食べている。車や人が近づくと田んぼから退散するがすぐに戻って食べ放題だ。さらに農舎へ忍び込み、収穫したものをそっくりサルに盗まれることもあり、やりたい放題だ。サルに限らずイノシシやクマはもちろん、ニホンカモシカの食害も出始めている。「サルのために作物を作ってるんじゃない」と木村さんは声を荒らげる。「耕作放棄してやめる人が増えている。先祖代々の田畑があるから下田に暮らしているのに、農業ができないなら市街地へ引っ越すのも仕方ない」と言い、「5年後、10年後も農業を続けていられるかどうか」と危機感を募らせる。サルが人里へ下りてくるようになった原因は、山が手入れされなくなって里山との境界がなくなったという説もあるが、はっきりはわからない。サルの勢力拡大を押しとどめる決定的な手段はなく、木村さんは「この苦しみはここに住んでいる人しかわからない」と天を仰いでる。

(カラス対策に本腰:長野)
長野県はカラス害の対策に本格的に乗り出す。県内農林業への被害額はシカやクマに次いで3番目に多く、ゴミを荒らすなど生活被害も相次いでいる。およそ40年ぶりにカラスの生活圏やねぐらの位置などを調査。行動範囲のエサを減らすなどの対策を講じ、個体数を減らすことを目指す。2019年度の県内農林業の野生鳥獣による被害額は7億3900万円で、うち1割強にあたる8300万円はカラスによるものだった。シカやクマに続き3番目で、サルやイノシシより多い。特にリンゴやモモなどの果樹や野菜への被害が目立つという。他にもフンをしたりゴミを荒らしたりといった、金額に表れない生活被害も相次いでいるため、県として本格的に対応するとを決めた。カラスは個体数が多いため、狩猟やワナなどによる対策は限界があるという。まずはカラスの群れの行動範囲やねぐらの位置などを特定し、エサとなる生ゴミなどを減らすなどで個体数を減らす。担当者によれば、カラスの行動圏は決まっているので、圏内のエサを減らせば一定の減少効果は見込めるという。県が持っているカラスの行動に関するデータは1983年以降更新されていないといい、調査はおよそ40年ぶり。手始めに事業費495万円を投じ、長野市周辺の調査に着手した。民間業者に委託し、被害状況のヒアリングやアンケート調査などによって情報を収集・整理。ねぐらの位置や行動範囲などを地図上にマッピングして示す。2021年度から、カラスの行動範囲でエサを減らす取り組みに着手する計画。農家に対しては、廃棄した果物の処理や家畜のエサの管理などを適切に実施するよう求める。住民に対しても、生ゴミの処理やお墓へお供え物をするとき、荒らされないよう注意を促す。カラスは20~30キロメートルと行動範囲が広いため、その範囲内で一斉に取り組まないと効果が薄い。「行動範囲のマップを見ることで関係者に自分事として捉えてもらい、対策の徹底につなげたい」(県鳥獣対策・ジビエ振興室)という。エサになる生ごみなどを減らすことは、イノシシなど他の野生動物の出没を抑制することも期待できる。鳥獣被害全体の減少にもつなげたい考えだ。

(車両屋根にカラス死骸、快速エアポート部分運休:北海道)
7日午後0時15分ごろ、千歳市のJR千歳線千歳駅構内で、新千歳空港発小樽行き快速エアポートの車両の屋根上にカラスの死骸が見つかった。JR北海道は除去するため、車両を手稲駅の車両基地に移動。この影響で、この列車と折り返しの快速エアポート2本が部分運休し、165人に影響が出た。

(クマ目撃相次ぐ:山形)
4日午後2時ごろ、小国町叶水の基督教独立学園高近くで同校の生徒と教諭がクマを相次いで目撃した。付近では7月からクマの出没が続いており、小国署や町などが注意を呼び掛けている。同署によると、生徒が校舎の東約150メートルの道路上に体長約1メートルのクマがいるのを見つけた。クマは北方の山林へ去ったが、その直後、教諭が校舎の東約200メートルの横川右岸のやぶにいる体長約1メートルのクマを目撃した。そのまま北方に姿を消したという。同一個体かどうかは不明。7月には同校の男子寮敷地内で生徒がクマを目撃し、8月下旬にも学校付近で出没が続いた。町鳥獣被害対策実施隊は8月27日の目撃後に箱わなを設置し、今月2日に1頭の捕獲を確認、駆除したという。4日午後4時10分ごろ、高畠町上和田の民家敷地内でクマ1頭を目撃したと、住人の60代女性が高畠町役場を通じて南陽署に届け出た。同署によると、女性が夕食を準備していたところ、東側の軒下に体長約1メートルのクマがいた。女性が室内から壁をたたいたところ、東側の山中に逃げていった。

(「クマ」1頭目撃、爆竹鳴らし園内巡回:福島)
5日午前7時45ごろ、福島市のあづま総合運動公園内の民家園付近で、散歩中の女性がクマ1頭を目撃し、警備員を通して福島署に通報した。けが人はいなかった。公園を管理する県都市公園・緑化協会は今後1週間、爆竹を鳴らしながら園内を巡回する。

(シロクマ捕獲?「アルビノ」のアナグマか:岡山)
岡山県津山市加茂町小渕の山中で、全身の毛が白いアナグマがわなにかかっているのが見つかった。倉敷市立自然史博物館によると、体毛が白いと草木などと同化しにくいために外敵に見つかりやすく、長く生きているのは珍しいという。発見した地元の猟友会員の寺坂克之さん(66)によると、アナグマは体長約50センチ。民家から50メートルほど離れた山中に仕掛けたイノシシやシカ用の「くくりわな」にかかっているのを8月31日に見つけた。目が黒色ではなくピンク色だった点から、突然変異で色素が欠乏する「アルビノ」ではないかといい、寺坂さんは「普段からアナグマ自体がほとんどかからないので、本当に驚いている。シロクマのように真っ白だった」と話した。

(校庭に雄のシカ:山口)
10日午前9時半ごろ、山陽小野田市の竜王中でシカが目撃され、同校から山陽小野田警察署に通報があった。頭までの高さが約1・6メートルの成獣で、角があったため、雄とみられる。シカはすぐに校庭から立ち去り、生徒や職員にけがはなかった。同校によると、1時間目の最中に生徒が教室の窓から中庭を歩くシカを目撃した。すぐに校内放送で「見かけても近づかない、刺激しない」などと注意を呼び掛け、下校前にも再度校内放送を流した。保護者にもメールで知らせたという。同署では現場に姿がないことを確認後、しばらくパトカーで同校周辺を警戒。市にも連絡した。その後、同署に目撃による通報はないが、同校によると最近、シカの目撃情報が数件寄せられているという。

(ワイン用ブドウ畑にクマ侵入:青森)
青森県むつ市川内町のサンマモルワイナリーが、ワイン用のブドウ畑に設置した監視カメラで、クマの姿を捉えた。クマはブドウを食べに畑へ侵入しているとみられ、今シーズンはこれまでに2千房、約160キロが食害に遭っているという。11日、サンマモル社の担当者が取材に応じた。

(クマ目撃:長野)
松本市今井の宝輪寺で十一日朝、境内にクマ一頭がいるのを住職の橘昭雄さん(71)が目撃した。連絡を受けた市職員らが周辺を探したが見つからなかった。

(山中でクマ出没か:静岡)
12日午後5時45分ごろ、熱海市伊豆山の山中を散歩していた観光客の夫婦が、クマのような動物1頭を目撃したと110番した。熱海署によると、現場は会員制リゾートホテル「東急ハーヴェストクラブ熱海伊豆山&VIALA」の北約150メートル。動物は黒色っぽくて、体長は不明という。夫婦の約50メートル先の道路を横切って国道135号方面に下っていったという。署員が付近を捜索したがクマの姿や痕跡は確認されなかった。同署は山間部への不要不急の立ち入りはしないよう呼び掛けている。

(交番にクマ、けが人なし:新潟)
県内でクマの出没が相次ぐ中、今度は交番に出没です。14日午前、魚津市の桃山運動公園近くにある交番の敷地にクマがいるのを、交番にいた警察官が見つけました。クマはそのまま走り去ったということです。14日午前9時ごろ魚津市大海寺新にある桃山公園前交番で、ドアの前にクマがいるのを、交番の中にいた警察官が見つけました。クマは体長1メートルほどで子グマと見られています。クマはそのまま走り去り、警察や市の職員、猟友会のメンバーなどが探しましたが、その後は見つかっていません。近くに住む人「クマは本当に珍しいです、本当に出ないところです。びっくり、怖いね」。警察は付近の住民に対し、不要不急の外出を避け、万が一クマを見かけても近づかないよう注意を呼びかけています。県内ではクマの出没が相次いでいて、14日は富山市八尾町下笹原などでも出没しました。

(イノシシ目撃情報、発見できずいったん解散:新潟)
9月16日朝、新潟県燕市の燕地区でイノシシの目撃情報があり、警察や消防、燕市で1時間余り捜索したがイノシシを見つけられずいったん解散。燕市内では2週間前の2日に現れたイノシシを駆除したばかりだ。午前9時前、燕市東太田地内の国道289号に面した農産物直売所「ほのか」裏手の草むらにイノシシが潜んでいると目撃情報があった。イノシシは国道289号と反対側の水道町方向へ逃げたとのことで、その周辺を捜索したが、稲穂の中に身を隠すと発見は難しく、まだ稲刈りが終わっていない田んぼが多いこともあって発見できず、午前10時過ぎでいったん捜索を終わった。燕市では近年、毎年のようににイノシシが目撃されている。イノシシは柏崎市方向から海岸部の山手を伝って北上し、大河津分水路や信濃川を泳いで燕市へ入るようになったと思われる。目撃情報の多くは分水地区だったが、2年前には吉田地区で目撃され、燕地区との境界付近で駆除された。2週間前に現れたイノシシも分水地区だったが、今回の目撃が見間違えでなければ燕地区では初めて。それも市街地に近く、人的被害が心配される。イノシシ出没の情報はどんどん間隔が短くなっていて、燕市内も活動範囲にしているのは確実で、市内を根城にしている可能性も高く、日常的な警戒も求められるようになってきた。

(クマ出没相次ぐ、早朝や夕暮れ時注意:長野)
県内でクマの出没が相次いでいる。県の集計では4月から7月末までに計481件の目撃情報があり、人身被害は8月までに下伊那郡大鹿村や松本市の上高地などで少なくとも4件確認された。クマの目撃数は年によって増減があり、平年では8月がピークになるが、大量出没の年には9月以降の目撃も多い。県は今年の傾向を調査している最中だが、今後も生息域に近づく際やクマの活動が活発になる早朝、夕暮れ時に特に注意が必要と呼び掛けている。県鳥獣対策・ジビエ振興室によると、目撃件数は4月が16件、5月が50件で平年並み。6月に151件、7月は264件と増え、2006年以降の15年間で見ると7月の目撃件数は過去2番目に多かった。人身被害4件のうち3件は8月に集中した。ブナやミズナラの実など山の餌が不良となる年に、餌を探すためにクマの行動範囲が広がり、里山での出没が増える傾向にあるとされている。県は8月下旬から今月上旬にかけて、各地の山林で餌となる実の生育状況を調べていて今後公表する予定だ。

(またクマ目撃:山形)
15日午後4時ごろ、高畠町上和田でクマ1頭を目撃したと、キノコの生育状況を確認していた町内の60代男性が南陽署に届け出た。同署によると、男性が作業を終え、通称「ぶどうまつたけライン」沿いに停車していた車に乗り込んだところ、前方の木に登っている体長約70センチのクマを発見した。クマはその後、道路を横断し、山中に入っていった。現場は小倉公民館の南約300メートルで、14日にも付近で目撃情報があった。

(トチの大木に登るクマ発見:青森)
14日午後4時ごろ、十和田湖畔の宇樽部地区から新郷村へ向かう国道454号で、道路脇の断崖に生えたトチの大木に登るツキノワグマを見つけた。樹冠のヤマブドウが目当てだろうか。体長1・5メートルほどの成獣で、黒光りする体毛の首元に白い三日月が鮮やかだ。しばし幹の股(また)にとどまるが、やがて枝をするすると登り、ヤマブドウの中に姿を消した。

(市役所にイノシシ出現:佐賀)
16日午前7時10分ごろ、「佐賀県鳥栖市役所グラウンドでイノシシが出た」と鳥栖署に通報があった。署員や市職員ら50人以上が捕獲作戦を展開。イノシシは市庁舎横のグラウンドや住宅街を逃げ回り、約2時間半後に捕まった。捕獲の際、市職員3人が軽傷を負ったが、住民にけがはなかった。署によると駆け付けた署員11人がグラウンドで1頭を発見。市職員や県猟友会鳥栖支部のメンバーも集まり、警察官が盾を駆使してイノシシをグラウンドの隅に追い詰めた。ところが、イノシシは防御ネット下の隙間から逃げ、住宅街に向かった。一行も追い掛け、午前9時半ごろ、周辺住民が窓から不安そうに見つめる中、住宅街の水路で捕獲した。市農林課によると体長約1メートル、体重60キロの雄で、捕獲の際に死んだ。市内では8月下旬から中心部での目撃が相次いでいたという。同課の松隈久勇課長(60)は「昨年までは中心部での出没はめったになかった。市民が無事でよかった」と話した。

(住宅地にイノシシ出現で騒然:広島)
広島市東区の住宅地にイノシシが現れ、あたりは一時騒然となりました。午前9時ごろ広島市東区牛田早稲田で付近の住民から区役所に「田んぼでイノシシを見た」という連絡がありました。区役所の職員や警察官、猟友会などが現地に向かい、イノシシ1頭が田んぼにいるところを確認。安全確保のため付近に規制線を張りました。ドローンで上空から場所を確認し追い立てたほか、サイレンなどの効果もあり一時追い詰めましたが、イノシシの捕獲には至りませんでした。今後も警戒を続け山に戻るのを待つということです。

(クマ出没、一段落:北海道)
クマ出没が8月下旬から相次いでいた空知太では今月4日を最後に目撃が途絶え、一斉下校などを行っていた地域の小中学校も15日にはすべて通常に戻った。今回の件を受け、市はクマが人里に出て来ないよう、クマの嫌がる音波を発する忌避装置を増やすなどの検討に乗り出す。クマは8月26日から9月4日まで空知太東3付近で連日のように目撃された。現場は住宅地だが山に近く、クマが隠れられる丈の高い草地などもある。このクマは人から逃げることから、市は道が定める駆除対象レベルではないとして、山に戻す方針で対応。ドローンでの探索や忌避装置の設置、滝川署と共同での現場付近の定点観測などを行った。

(ツキノワグマ、果樹園狙い侵入:広島)
三次市作木町香淀のナシ農園に侵入するツキノワグマの映像を、広島県の監視カメラが捉えた。農園では収穫期を間近に控えた8月上旬から、クマにナシの実をもがれたり、枝を折られたりしたとみられる被害が相次いだ。庄原市比和町木屋原の果樹園でもクマの侵入とモモの食害を確認しており、農家は警戒を強めている。作木町の農園にカメラを置いた県北部農林水産事務所(庄原市)などによると、クマの姿をカメラが記録したのは、8月26日から9月5日までの計6日間。いずれも夜間にクマ1頭が園内や周辺をうろつく姿を撮影した。同農園では8月上旬に食害を初めて確認。約3ヘクタールの畑をトタン板や金網で囲って警戒していたが、障害物を折り曲げて侵入した動物に枝を折られる被害が相次いだ。三次市農政課によると、作木町内での4月以降のクマの目撃は8月末までに27件。前年同期の12件から倍増し、市に記録が残る2015年度以降で最も多い。今期から農園長の河野隆幸さん(51)は「収穫目前のナシが次々に狙われ、全滅も覚悟した。これほどの被害は聞いたことがない」と話す。同農園では、8月下旬までに収穫を終えた幸水など3品種の収量が、春の低温や梅雨の長雨にクマの食害が加わって前年比72・1%減の3・6トンにとどまった。9月中旬から収穫が本格化した主力の豊水も、同様の収量減を見込む。庄原市比和町の果樹園では8月下旬から9月上旬にかけてモモの実をもがれたり、木の幹を根元から折られたりする被害があった。クマの侵入を目撃した園主の白根浩治さん(38)は「4、5年前から晩秋にリンゴの枝を数本折られていたが、夏場の被害は初めて」と驚く。広島県によると、19年度の農業分野の鳥獣被害額は約4億7600万円。イノシシが7割強を占め、クマは約60万円にとどまる。20年4~7月の県内のクマの目撃件数は、前年同期より82件多い385件と大幅に増加している。出原寛之・農業技術課長は「リンゴや柿の収穫が本格化する秋は、冬眠前のクマが餌を求めて動き回る。電気柵を巡らせるなどの対策強化が必要だ」と呼び掛ける。

(空港から500m、クマ目撃:北海道)
18日午後、函館空港近くの住宅でクマが目撃され、市は周辺の学校や住民に注意を呼びかけています。18日午後1時前、函館市瀬戸川町の住宅の敷地内で、外に捨ててあった生ゴミをクマがあさっているのをこの家に住む73歳の男性が見つけて警察に通報しました。この男性がクマに向かって大声を出したところ、クマは近くの雑木林へ逃げていったということです。現場には警察やハンターが出動し、市によりますと現場近くの雑木林からはクマのものとみられる15センチほどの足跡が見つかったということです。クマを目撃した男性は「クマだと思ってびっくりしました。この場所に73年住んでいますが、クマを見たのは初めてです」と話していました。クマが目撃された場所は、函館空港から東に500メートル離れた住宅や工場が点在する場所で、市は周辺の学校や住民に注意を呼びかけています。

(ゴルフ場で子グマ目撃、注意呼びかけ:栃木)
19日午後、栃木県矢板市のゴルフ場で、プレー中の客が体長およそ80センチメートルの子グマを目撃しました。警察は周辺のパトロールをするなどし、注意を呼びかけています。19日午後、栃木県矢板市のゴルフ場で、プレー中の客が体長およそ80センチメートルの子グマを目撃しました。警察は周辺のパトロールをするなどし、注意を呼びかけています。警察によりますと、19日午後2時前、矢板市上伊佐野のゴルフ場で「お客さんがクマを見たようだ」とゴルフ場の関係者から通報がありました。目撃されたのは体長およそ80センチメートルの子グマとみられ、体は黒かったということです。客はプレー中にクマを目撃し、「ガサガサと音がした」「クマが突然、木から落ちた」などとゴルフ場関係者に話していたということです。子グマはそのまま林の中に入っていったということで、けが人はいませんでした。警察は、周辺をパトロールするなどし、注意を呼びかけています。

(またゴルフ場に子グマ:栃木)
21日午後、栃木県矢板市のゴルフ場に体長50センチほどの子グマが現れました。21日昼過ぎ、栃木県矢板市のゴルフ場で、木の上に体長50センチほどの子グマがいるのをプレー中の客が発見しました。クマは寝たり、木の実を食べたりしながら、およそ4時間、木の上で過ごした後、森の中へ戻っていったということです。けが人はいませんでした。このゴルフ場では、19日もクマが目撃されています。

(民家敷地でクマ目撃:山形)
20日午前8時20分ごろ、鶴岡市羽黒町川代の民家敷地内で、近くの20代女性がクマ1頭を目撃したと、同市羽黒庁舎から鶴岡署へ通報があった。同署によると、クマは体長約60センチで、女性に気付き、東方の藤島川へ走り去ったという。現場は中川代公民館の南東約50メートル。

("1日2回"同じ住宅の庭にクマ現れる:北海道)
9月18日にヒグマが目撃された住宅の庭で、20日朝と夕方の2回再び目撃され警察などが警戒を強めています。住宅の庭に突如として現れた黒い巨体…。クマが目撃されたのは、函館空港の近く北海道函館市瀬戸川町にある住宅の庭です。9月20日午前5時15分ごろ、住人の70代の男性が樽をあさるクマを目撃し、警察に通報しました。警察とハンターなどが出動し、周囲を確認しましたがクマは見つからず、足跡やふんなどの痕跡も見つかりませんでした。しかし約11時間後の同日午後4時ごろ、再び同じ場所で物置の近くにクマがいるのを男性の妻が目撃し、警察に通報しました。警察によりますと、クマは体長1.5メートルほどと見られています。この住宅の庭では、2日前の18日午後0時45分ごろにも住人の男性が漬物が入った樽をあさるクマを目撃していて、函館市は周辺に「クマ出没注意」の看板を設置し、9月23日までハンターにパトロールを要請していました。同一の個体とみられるクマが同じ場所で3日間で3回現れていることから、22日には箱わなを設置する予定で、一層警戒が強まっています。

(3日間で3度クマ出没の民家に"箱わな"設置:北海道)
9月14日の週から3日間で3度もクマが出没した北海道函館市の函館空港付近の民家に、地元の猟友会が9月22日、箱わなを設置しました。北海道函館市瀬戸川町の住宅では、9月18日から20日にかけクマが3回目撃されました。猟友会は22日、捕獲のため敷地内に箱わなを設置しました。住人の男性:「捕まってもらえればいい、安心して寝られる」警察などによりますと、目撃されたクマは体長1.5mほどの"同じ個体"とみられ、漬物の樽をあさるなど、人に危害を与える恐れがあるということです。現場は函館空港から東に約500m離れた住宅などが点在する場所で、警察や函館市が付近の住民に注意を呼びかけるとともに、警戒を強めています。

(イノシシが出没か:佐賀)
佐賀県警唐津署は23日、唐津市二タ子2丁目の二タ子神社付近で22日午後6時半ごろ、体長約1メートルのイノシシ1頭が出没したとして、メールで注意を呼びかけた。

(イノシシが出没:佐賀)
令和2年9月22日午後6時30分ころ、唐津市二タ子二丁目所在の二タ子神社付近において、体長約1メートルのイノシシ1頭が出没しました。

(登山道にヒグマ:北海道)
22日午後3時50分ごろ、千歳市支笏湖温泉の紋別岳の登山道で、車で下山中の男性がヒグマを目撃し、千歳市役所を通じて千歳署に通報した。同署によるとヒグマの体長は約1・5メートル。

(高速道路脇にうずくまる"ヒグマ":北海道)
北海道苫小牧市の高速道路の脇にヒグマがうずくまっているのが見つかり、付近の上下線で速度規制が行われています。クマが見つかったのは、苫小牧市植苗の日高自動車道の下り車線です。9月23日午後2時ごろ、道路脇ののり面の林にクマがいるのを、ネクスコ東日本の職員が見つけました。ネクスコ東日本や警察が警戒していますがクマがその場から動く様子がないため、付近の上下線の速度が時速50キロに制限されました。現場付近では、22日午後7時ごろ乗用車2台とクマが衝突する事故が起きています。ケガ人はいませんでしたが、当時クマは姿が見えなくなっていました。見つかったクマは弱っているように見えるということですが生きていて、警察は衝突したクマの可能性があるとみています。苫小牧市はクマの状況を確認しながら、ハンターを要請するなどして駆除を検討しています。

(住宅街にイノシシ出没、5時間40分の逃走劇:新潟)
2日午前6時半ごろ、新潟県燕(つばめ)市分水桜町1丁目のJR分水駅周辺の住宅地に「イノシシがいる」と近くの住民から110番通報があった。県警燕署によると、イノシシは体長約1・5メートル。警察官約20人らがネットや棒を使って捕獲を試みたが、手をすり抜けるようにして逃げ、約5時間40分後に駆除された。けが人はいなかったという。同署によると、同日午前7時過ぎ、駅から約300メートル離れた精密機器会社の敷地内にいるのを署員が発見。2時間ほどとどまったが逃走し、500メートルほど離れた田んぼや用水路を走り回った。その後、猟友会員が射殺したという。

("シカ5頭の群れ"か、目撃通報5件相次ぐ:北海道)
北海道登別市の住宅街でシカの群れの目撃が相次ぎ、警察が注意を呼びかけています。シカの目撃が相次いだのは、登別市美園町2丁目付近の住宅街です。9月23日午後3時すぎ、「シカが5頭、室蘭から登別方向に歩いている」と警察に通報があり、その後約1時間にわたり「住宅の木陰にいる」「住宅の裏庭を歩いている」など、同様の通報があわせて5件相次ぎました。目撃されたシカはいずれも5頭の群れで角はなく、体長約1.2メートルから1.5メートルだったということです。警察によりますと、午後4時17分以降目撃情報はなく、山に帰った可能性もあるとしていますが、シカを見つけた際にむやみに近づかないことや、夜間の運転に気を付けるよう注意を呼びかけています。

(踏切付近でイノシシが出没か:佐賀)
佐賀県警鳥栖署によると、15日午前8時ごろ、基山町長野にある長野原踏切付近で、イノシシ1頭が出没したとして、メールで注意を喚起した。

(イノシシが出没か:佐賀)
佐賀県警鳥栖署は10日、基山町園部413番地付近で同日午前7時45分ごろ、イノシシ1頭が出没したとして、メールで警戒を呼びかけた。

(クマの目撃相次ぐ:山形)
24日午後5時40分ごろ、小国町叶水の民家近くで、クマ1頭を目撃したと50代男性が小国署に届け出た。同署によると、男性が自宅内にいたところ、東側の田んぼを体長約1.5メートルのクマが歩いていた。クマは田んぼ脇の道路を横切り、林へ入っていったという。現場は叶水小中学校の東約100メートル。同署は25日の通学時間帯にパトロールを予定している。24日午前8時15分ごろ、鶴岡市西目で、車で通り掛かった70代男性がクマ1頭を目撃したと、男性の知人を通じて鶴岡署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートル。田んぼのあぜを走り、雑木林に入っていったという。現場は山口公民館の南東約300メートル付近。上郷小の通学路で、同署は注意を呼び掛けている。24日午前8時15分ごろ、鶴岡市西目で、車で通り掛かった70代男性がクマ1頭を目撃したと、男性の知人を通じて鶴岡署に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートル。田んぼのあぜを走り、雑木林に入っていったという。現場は山口公民館の南東約300メートル付近。上郷小の通学路で、同署は注意を呼び掛けている。

(クマ?目撃情報:高知)
高知県香南市夜須町十ノ木で21日、クマとみられる動物を見掛けたという情報が香南市に寄せられた。香南市は21~23日、防災無線を使って周辺住民に注意喚起。これまでのところほかの目撃情報はないが、引き続き注意を呼び掛けている。目撃現場は、夜須小学校の東約800メートルの田園地帯にある民家の敷地内。目撃した80代女性によると、18日午後6時ごろ、7~8メートル先に黒い動物1匹が走る後ろ姿を見た。

(クマの痕跡:新潟)
9月24日午前6時半ごろ、新潟県三条市下田地区の大平地内、大平神社裏手付近の畑でクリの木の枝折れ、つめあと、クリの食害などクマの痕跡が確認され、三条市では注意を呼びかけている。

(計3件のクマ出没情報:新潟)
新潟県三条市の下田地区で9月22日と23日に合わせて3件のクマの出没情報があり、三条市では注意を呼びかけている。22日は午前7時ごろ、長野地内の県道鞍掛・八木向線付近で親子グマが目撃された。23日午後3時ごろ名下地内の民家付近の畑でクマの足跡、さらに午後3時半ごろ長野地内の御淵上遺跡付近の畑でクマのつめあとが確認された。三条市では、農作業や外出の際には、鈴などの音の出るものを身に付けるなど十分に注意し、ひとりでの外出は避け、外出する時はクマの活動が活発になる朝夕を避けるなど、クマに遭わない対策をとるよう呼びかけている。

(クマの足跡を確認:新潟)
新潟県三条市は、13日午後5時半ごろ、下田地域南中地内、嵐北用水(前谷用水路)付近の畑でクマの足跡が確認されたと発表した。

(クマの目撃情報:新潟)
9月13日早朝、新潟県三条市東大崎地内の林道麻布谷黒水線沿い、麻布谷布施谷線との交差点から奥へ約600m付近で、クマの目撃情報があった。三条市では農作業や外出のときは、鈴などの音の出るものを身に付けるよう呼びかけている。

(猿の目撃情報が複数:福岡)
福岡南署は9日、福岡市南区老司四丁目付近で同日午前8時ごろ、猿の目撃情報が複数寄せられたとして、メールで警戒を呼びかけた。同区内では8日にも猿の目撃情報があった。

(ジビエ解体所、19日から運用:宮城)
宮城県女川町で初めてのシカを中心としたジビエ(野生鳥獣の肉)の解体所「三陸リアス式ジビエ」の運用が19日に始まる。シカの運搬用ウインチや加工室、冷蔵室を備え、衛生的な環境で解体処理ができる。解体所の管理組合を構成する町内外の6事業者が使い、組合員以外の利用も検討する。県内ではシカによる農業被害が深刻で、猟師が県の管理下で鉄砲やわなを使って捕獲に取り組む。近年は食肉などに有効活用することで新たなビジネスや雇用につなげようとする動きが活発化している。町内の鷲神浜地区に建設された解体所は木造平屋で床面積約50平方メートル。約15平方メートルの冷蔵室や、加工処理室を設けた。総事業費は700万円でクラウドファンディングによる募金や企業の協力金を充てた。県によると、牡鹿半島のシカの生息域は5年ほど前から南三陸町や登米市、気仙沼市へと急激に拡大し、生息数が増えている。昨年の大豆や稲といった県内の農作物の被害額は2330万円と過去10年で最多。シカと車両の衝突事故も多発している。解体所を建て、運営する合同会社シカラボ(石巻市)の大島公司代表(35)は「食用に出荷したり皮や角を利用した雑貨を販売したり、猟師によって方針はさまざま。積極的に活用してほしい」と期待する。

(イノシシよけLEDライト初導入:山口)
県農林総合技術センターなどが昨年度行った実証試験の成果を応用して広島県の企業が強力な光でイノシシを撃退する高照度発光ダイオード(LED)センサーライトを製品化した。宇部市の農事組合法人が初めて導入し、山口県内で特に被害が大きいイノシシの対策として注目される。製品化したのは、広島県三原市のLEDメーカー、カネヒロデンシ(竹田昭典社長)。

(第5回ジビエ料理コンテスト」の募集について)
農林水産省は、ジビエの全国的な需要拡大と鳥獣利活用の推進とともに消費者への普及啓発を図るため、9月4日から10月31日(土曜日)まで「第5回ジビエ料理コンテスト」のレシピを募集します。農村地域で深刻な被害をもたらす有害鳥獣の捕獲数が増加傾向にある中で、これを地域資源としてとらえ、野生鳥獣肉(ジビエ)として有効に活用する前向きな取組が広がっています。このような状況の中で、農林水産省では、平成28年度からジビエの普及啓発や調査実証等に取り組む「鳥獣利活用推進支援事業」において、ジビエの全国的な需要拡大を推進しています。本コンテストは、この一環として事業実施主体である「一般社団法人日本ジビエ振興協会」が取り組むもので、選定・表彰された料理レシピを広く紹介・提供することで、消費者等への普及啓発を図り、ジビエの全国的な需要拡大と鳥獣利活用の推進を図るものです。

(被災者癒やす鹿カレー:熊本)
豪雨の被災者を元気づけようと、五木村の団体が、人吉市鍛冶屋町で、村特産の鹿肉を使ったカレーや、在来かんきつ類「くねぶ」の果汁ゼリーを、それぞれ150食分振る舞った。被災者らは、夏野菜をふんだんに使い、ショウガやニンニクを隠し味にしたご当地カレーに舌鼓を打ち、疲れを癒やしていた。豪雨発生から2か月を受け、村物産館出荷協議会と村グリーンツーリズム研究会が企画した。住宅や商店で多数の浸水被害があり、多くの被災者が復旧作業に汗を流している鍛冶屋町へ4日に出向いた。カレーの香ばしい匂いが辺りに漂うと、被災者たちが集まりだし、中には持ち帰る人もいた。その場で食べた近くのマッサージ師岩下繁樹さん(45)は「浸水したアパートの部屋がようやく片付いたところ。まだまだ大変だけど、励みになります」と喜んでいた。同協議会の樅木もみのき晴美会長(64)は「被災者の方々が、少しでも元気になってもらえたらうれしい」と話していた。

(「ふろしきバンド」販売、駆除イノシシの革使用:福島)
伊達市農林業振興公社は、市内で有害鳥獣として駆除されたイノシシの革を一部に使った「ふろしきバンド」を道の駅伊達の郷りょうぜん(同市)などで販売している。バンドを使うと、風呂敷を手提げバッグとして利用することができる。レジ袋の有料化に伴い、エコバッグを持ち歩く機会が増えていることから製作を始めた。バンドの両端にあるリングに風呂敷を通して結ぶと、バンド本体を持ち手として使うことができる。価格は1個1300円。同道の駅で販売しているほか、同公社で電話での注文も受け付けている。

(鹿肉料理や害獣調査に挑戦:長野)
大町市八坂中学校の生徒が地域で学ぶ「一日やさかの日」が四日にあり、全校二十五人が四班に分かれて自然や文化に触れた。キャリア教育の一環として毎年実施している。

(ジビエクラウドに「衛生管理記録機能」を追加:東京)
狩猟関連機器・サービスの企画・開発・販売を行う株式会社huntech(読み:ハンテック、本社:東京都目黒区、代表取締役:川崎亘)は、2020年9月14日、現在提供しているトレーサビリティにも対応した捕獲・加工情報プラットフォーム「ジビエクラウド」に、ジビエ処理施設の衛生管理記録機能を追加実装します。本機能は、ジビエ処理施設においても2021年6月より義務化されるHACCPへの対応を支援するものです。ジビエクラウドをご利用いただくことで、ジビエ処理施設において求められる食品衛生に関する情報管理が容易に実現できます。

(ハンター教習所:北海道)
有害鳥獣捕獲事業などの「ジュラテクノロジー」(本社・大樹町晩成、富田茂社長)は、狩猟技術者を養成する事業拠点を、現在の大樹町晩成から広尾町野塚8線の旧野塚保育所にも拡充する。同保育所を次世代のハンターを育てる「ハンター教習所」として、事業を充実させることが目的。同社はキャリオ技研(名古屋市、富田茂社長)の関連法人。キャリオ技研はドローンによる野生鳥獣の制御実験などに取り組み、大樹、広尾、幕別の3町と連携協定を結んでいる。同社は2月からハンターの教習を開始。狩猟技術に加え、ジビエとして出荷するためのエゾシカの解剖方法やドローンの操縦法など最先端の学習を盛り込んでいる。連携協定を結ぶ3町で新たな拠点施設を探す中、2014年3月に閉所した旧野塚保育所に着目した。施設は鉄骨造り平屋建てで床面積271平方メートル。敷地面積は5720平方メートル。同社は「ドローンを飛ばしたり、わなをくくりつけたりするスペースもあり、最適な場所」とする。広尾町内では、エゾシカなどの鳥獣被害額が毎年8000万円前後に及ぶため、町農林課は「ハンターの育成は農林被害の拡大防止につながる」と歓迎している。町は9日開会の町議会定例会で建物と土地の貸与に関する議案を提出した。今後は施設内の清掃や整備を行い、10月中旬以降から活用する予定。同社は「コロナ禍の影響で4~6月はハンター教習を実施できなかった。今後は受講生のレベルに応じた教習を進めたい」と話している。

(「厄介者」イノシシがごちそうに:長崎)
丹精込めて育てた農作物を食い荒らすイノシシを、食肉に活用する取り組みが広がっている。長崎県は被害防止のために捕獲したイノシシの数が全国トップクラス。厄介な獣が「ごちそう」に変わるまでを取材した。「かかった、親子だ」。8月下旬の朝、携帯電話に連絡が入った。波佐見町の猟師、渋江耕造さん(70)からだ。波佐見町の山中へ駆けつけると、米ぬかでおびき寄せたイノシシ2頭が箱わなにかかっていた。渋江さんは、苗木を掘り返すイノシシに手を焼く知人から捕獲を依頼されていた。近くの畑に土が掘り起こされた跡があった。「わいどん(あなたたち)もね、なんもせんならよかけど、荒らしてしまうけんね」。2頭は手伝いに来た知人と電気ショックで弱らせ、やりで絶命させた。頭を右向きにして撮った写真は、町に捕獲報奨金を申請するとき必要になる。2頭を軽トラに載せ、渋江さんたちが向かったのは町内の食肉処理・販売会社「モッコ」。1キロ当たり100円で引き取る。量りに載せると、2頭で50キロ超。食肉にするのは親だけで、子は焼却処分する。モッコ取締役の池田幸一さん(61)らがてきぱきと毛をそり、内臓を取り出す。わなの中で暴れていたイノシシは約40分で食肉になった。処理した肉は「姿見」「半分」「ブロック別」などの大きさに分け、県内外の料理店に販売する。イノシシやシカなど野生獣の肉は「ジビエ」と呼ばれ、さまざまな料理に利用できる。モッコによると、農作物の被害対策で捕獲数は増えたが、まだ日常の食肉になっていないため供給過多になっている。コロナ禍で、外食が減った影響も受けているという。そこで、力を入れているのがジビエの加工。手軽に味わえるソーセージを年内にも発売する予定で、町の特産品化を目指す。「うまい商品を消費者に届け、関心を持つ人の裾野を広げたい」と意気込む。9月4日、ジビエ料理を食べさせてもらった。その日に捕獲したイノシシの姿焼き、ミルフィーユカツ、ロースト、冷しゃぶ、しょうが焼き、肉みそ、ポトフ、試作中のソーセージなど10品以上。モッコで働くために東京から移住した関孝治さん(41)が料理の腕を振るった。口にすると、予想以上の味。豚肉との違いが分からない。「臭みがある、硬いというイメージを取り払って一度食べてほしい。季節によって違った味を楽しめるのが野生の肉の魅力」と関さん。イノシシの肉は冬になると脂が増す。家庭でも調理しやすいそうだ。波佐見町では年平均600頭のイノシシが捕獲される。猟師は31人で、大半は60、70代。猟師は減るが、イノシシは増える。捕獲しないと、農産物の被害は増えるばかりだ。課題は捕獲した後。大半は猟師が所有する山に埋めるか、解体して隣町の焼却場に運ぶ。かなりの労力がいるが、捕獲報奨金は予算に上限があり、1頭当たりの金額は年によって変動する。波佐見町の場合、2019年度は成獣が1万2千円、幼獣が6千円だった。ジビエへの活用が広まり、安定した収入源になれば、猟師の後継者育成に光が差すかもしれない。

(美容室が害獣肉でペット用「ヨシダジャーキー」を製造・販売:宮崎)
綾町の「旅する美容室」(東諸県郡綾町南俣)店主の吉田健大さんが、ペットフードブランド「ヨシダジャーキー」を立ち上げた。8月8日から同美容室で販売している。東日本大震災をきっかけに福島県から綾町へ移住した吉田さん。同町の自然豊かな環境に触発されて2013(平成25)年に第一種銃猟免許を取得。許可を受けて有害鳥獣駆除を行ううちに冷凍庫2台分の鹿肉が貯まり活用法を探していた。吉田さんは「自分自身も食べるので鹿肉ジャーキーを手作りしていた。愛犬の『まる』にもおやつとして毎日あげていたが、目をキラキラさせて食べてくれる姿を見ているうちにペット用として販売できるのではないかと考えた」とブランド立ち上げのきっかけを話す。ジャーキーなどに加工する肉は、有害鳥獣駆除で捕獲した鹿肉を使う。60~75度で10~12時間乾燥させペットが食べやすい固さに仕上げた「シカジャーキー」、「シカ肉付きあばら骨」(以上850円)、常食しているフードにトッピングする「シカドライふりかけ」(1,200円)など。「温度や乾燥時間に関しては、まだまだ研究中」と吉田さんは笑顔で話す。ジャーキー製造は美容室を営業しながら1人で行っている。吉田さんは「これは自分の鹿への言い訳になるが」と前置きして「人の都合で殺し、肉のよい部分だけ取って、残りは捨てるという行為に疑問を感じていた。ジャーキー加工の際に出る肉片を集めて、ふりかけを作るなど、もらった命を無駄にすることなく活用することで鹿に対して『許して』という気持ちを込めている」と自身の思いを話す。現在「ヨシダジャーキー」は「旅する美容室」を含む3店舗で販売。吉田さんは「1人で製造しているので製造量に限りがあるが、将来的には予約制販売で一番おいしい期間の『ヨシダジャーキー』を提供できるようにしたい。当美容室以外の取扱店については、インスタグラムのプロフィルで順次案内しているのでそちらを見てほしい」とも。

(ジビエ文化、もっと能登に:石川)
穴水町川島の食品スーパー「サン・フラワー・マリヤマ穴水店」は、ジビエ(野生鳥獣肉)の消費拡大を狙い、地元のイノシシ肉の販売を始めた。今後はクマやシカ肉も店頭に並ぶ予定。女性狩猟者でつくる「狩女(かりじょ)の会」と連携した取り組みで、主宰する同町の福岡富士子さん(50)は「一般の家庭に並ぶことで、もっとジビエ文化が能登に広まってほしい」と期待する。並ぶイノシシ肉は、ともに一パック二百グラムの税抜きで、バラ肉(九百円)と肩ロース肉(千二百円)。脂身のあるバラ肉は、焼き肉や肉じゃがに使え、粗みじん切りにしてミンチにするとギョーザやハンバーグにもできる。肩ロース肉は、すき焼きやしゃぶしゃぶに合うという。福岡さんは「イノシシ肉は低カロリーで高タンパク。鉄分も豊富で、さまざまな料理に活用できる」と説明する。穴水店では、一年前に穴水町内浦にできた民間の獣肉処理施設「里山食品」からイノシシ肉を仕入れ、ジビエのカレーなど加工食品も販売する。すでにジビエの販売を始めている同スーパー門前店の大山修司店長(53)は「ジビエの拡大に協力したいと取り扱い始めた。大好評で、すでに門前店では完売になった」と人気ぶりを話す。福岡さんは、町内でジビエの料理教室などを開き、田畑を荒らすイノシシなどの活用を訴えてきた。それでも「食肉として加工されるのは一割程度。飲食店で高級なジビエ料理を食べるのもいいけど、それでは消費が足りない。ジビエは栄養価も高いので、これを機に一般家庭での活用につながれば」と願う。

(「ジビエフェスタ」、ジビエの普及目指す:山口)
ジビエの普及を目指すイベント「やまぐちジビエfesta」が9月20日、山口・阿知須の「いぐらの館」で開催される。主催は昨年から山口市地域おこし協力隊員として活動する中岡佑輔さん。「ジビエに対する『かたい、くさい、調理法が分からない』といった負のイメージや先入観を取り払い、一般家庭でも当たり前に食べられるようになることを目指して企画した」と話す。「最近はジビエ肉を扱う料理店も増えてきており、高級なイメージもある。処理加工施設で適正に解体されたジビエはおいしいし、料理店などが扱うAランクの部位だけでなく全ての肉を満遍なく食べることで、害獣駆除と保護のバランス維持にもつながる。地元の魚を食べる感覚で、山口で捕れた肉を食べるようになれば」とも。当日は11時から中岡さんが害獣対策活動やジビエに対する思い、革製品を作るまでの工程などを解説するほか、ジビエ処理加工施設「西日本ジビエファーム」(山陽小野田市大字山川)の仲村真哉社長が講演「食肉としてのジビエのこれから~安心・安全な解体~」を行う。12時からは「ジビエ試食会」(無料、要予約)と、シカ皮を使った「レザークラフトワークショップ」(300円、随時受付)を行う。試食会で提供するメニューは「イノシシ角煮丼」「シカ肉のロースト」、スペシャルコーヒーのセット。20食限定。中岡さんは「同じ山口県内でも、住んでいる地域によって害獣被害について気付きに差があると感じている。ジビエ肉を食べるだけではなく、レザークラフトのワークショップも行うイベントは珍しいと思うので、獣害問題が身近ではない層の方にも興味を持つきっかけになれば」と話す。「ジビエを当たり前にするためには、活動を続け認知度を上げていくことが重要。同様のイベントを今後も任期中に何度か開催できれば」とも。

(高校“ジビエ部”期間限定開店へ:高知)
高知県の高校生が部活動の一環として期間限定のレストランを運営します。提供されるのは「ジビエ」です。にぎやかに調理をするのは高知商業高校の生徒たち。9月19日と20日に「高知蔦屋書店」で期間限定の高校生ジビエレストランを運営します。1年前、高知商業に発足した「ジビエ商品開発・販売促進部」、通称「ジビエ部」。野生鳥獣の肉・ジビエの存在を多くの人に知ってもらい地域の資源にするために県内の高校で唯一、商品開発や販売に取り組んでいます。しかし今年3月以降、新型コロナの影響でイベント出店がほぼ中止に。イベントの無い中でも活動を続けるために今回初めてテナントを借りて本格的なレストランを運営することになりました。メニューの考案や原価計算は全て生徒だけで行います。この日は、店の調理場でラーメンなど3品を試作しました。慣れない手つきで調理をする生徒たち。調理指導を受けながら初めて試作したラーメンは…味見をしながら改善していきます。出来上がった商品がこちら。香美市の鹿肉を使った「香美鹿ラーメン」に「香美鹿のひき肉韮生米(にろうまい)オムライス」。そして酢豚ならぬ「酢鹿丼(すじかどん)」の3品です。さらにレストランの目玉商品は鹿のソテーや土佐あかうしのカツ四万十豚(しまんとん)の燻製など4種類の肉が入った「土佐オールスタードッグ」です。他にも、高校生レストランでは鹿肉を使用したおやきやカレーライスパンなど7品を提供します。高校生のジビエレストランは高知蔦屋書店で9月19日と20日にオープン。今後も日曜を中心に不定期で開催する予定です。

(人と野生動物の共存環境を整備する事業のため、寄付受け付けを開始:岐阜)
ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」(https://www.satofull.jp/)を運営する株式会社さとふる(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤井 宏明)は、寄付金の使途に応じて事業を立ち上げ寄付を募る「さとふるクラウドファンディング」(https://www.satofull.jp/projects/top.php)にて、岐阜県七宗町の事業「【第4弾】里山を保全し野生動物の命を守る~未来のためにいま私たちにできること~」のため、2020年9月15日より寄付受け付けを開始します。「さとふるクラウドファンディング」は、ふるさと納税の仕組みを活用して、寄付金の使途に応じた事業を立ち上げ寄付を募る、クラウドファンディング型ふるさと納税サイトです。寄付者は「さとふるクラウドファンディング」上で具体的な寄付金の使途から寄付先を選択することができるほか、自治体への応援メッセージの投稿や集まった寄付金額を随時確認することもできます。岐阜県七宗町は過疎・高齢化により里山が荒廃したことで、野生動物が農地へ侵入し作物を荒らすなどの被害が相次ぎ、増え過ぎた野生動物と人間の共存が課題となっています。このため、2017年から里山再生と野生動物との共存を目指し、森林の間伐や獣害防止柵の設置などに取り組んできました。2020年も活動を継続するため、「さとふるクラウドファンディング」を通じて寄付を募集します。集まった寄付金は、これまで同様に森林の間伐や獣害防止柵設置などの森林整備のほか、林道の草刈りや清掃などの里山の景観整備にも活用されます。

(無印良品がこだわる理由に納得)
15日、無印良品はインスタグラムとツイッターで「【今日の話題】ジビエの利用を拡大しています」と投稿。ジビエ肉とは狩猟によって捕獲された、野生鳥獣のお肉なのですが、無印良品では「農耕地の保全や里山の循環につながる、ジビエの利用を拡大する取り組みを推進していきたい」とし、「全国のCafe&Meal MUJIにて野生の猪肉を使った『ジビエカレー』を通常メニューとして販売しています」と共有しました。無印良品によると、ジビエ肉は「猪や鹿が野山を駆け回り、きのこやどんぐりなど自然にある美味しいものしか食べていないため、健康に育っている」もので、牛豚肉に比べてカロリーは低く、鉄分などが豊富に含まれ、栄養価が高いようです。しかし、野生であるがゆえに寄生虫やウイルス保有の危険性も持ち合わせているジビエ肉。解体や加工、販売には食品衛生法に基づいた許可が必要で、さらに「捕獲から流通までの基盤が整っていない」という側面も。そのためなかなか手軽に食べられないのが現実なのだそうです。そんな、現在なかなか目にしないジビエ肉ですが、日本では鹿肉を「もみじ」、猪肉を「ぼたん」と呼び、古くから食べられている歴史深いものでもあります。もともと狩猟は各地で行われていたのですが、江戸時代は仏教の教えで肉食を禁じていた時期が。しかし長野県の諏訪大社のみが狩猟OKの免罪符「鹿食免(かじきめん)」の発行を許され、それを持てば狩猟をして鹿肉を食べることが許されたと言われています。そのためか、長野県では現在でも伝統として受け継がれてきた”信州ジビエ”がブランドして有名。また狩猟で得た鹿の頭を神様に捧げる(※現在は剥製)神事も残っており、ジビエがどれだけ生活に根付いたものだったのかを感じることができます。歴史面や生活面、さらに環境面からも、その重要性がかいまみえるジビエ肉。前述のとおり、無印良品ではジビエ肉を使った「ジビエカレー」(900円・税込)を全国のCafe&Meal MUJIで、3月から通常メニューとして販売中です。日本に生息する野生の猪肉を50%、豚肉を50%使用しており、猪肉が持つ本来の甘さと旨みを生かせるように仕上げているそう。興味があれば、まずは手軽で食べやすい同店のカレーからはじめてみるのもいいかもしれませんね。

(みえジビエ」や伊賀牛など「三重県フェア」開催:大阪)
三重県の四季折々の多彩で豊富な食材を使用した料理を味わおう。リーガロイヤルホテル大阪では、期間限定で、選び抜かれた三重県産の食材と地酒を主役にした「三重県フェア」を10月31日まで開催中だ。三重の自然が育んだブランド肉「みえジビエ」の鹿肉や、きめ細かな肉質が柔らかく、豚特有の臭みが少ない「さくらポーク」など、三重県の選び抜かれた食材を、各レストラン料理長が素材の魅力を引き出した特別メニューを用意した。

(材料に激辛トウガラシ、「熊にげる」注文続々:青森)
農作業中などにクマと遭遇し被害を受ける事故が全国的に相次いでいる。この状況を受け注目を集めているのが、青森県中泊町の合同会社ツリーワークが開発した、インド原産の激辛トウガラシ「ジョロキア」を使った野生動物用忌避剤「熊にげる」。夏場以降、同社には注文や問い合わせが殺到している。佐々木嘉幸代表取締役(82)は「受注量は去年の10倍。従業員フル稼働で増産している」と手応えを語る。

(シカ、鳴き声で車衝突回避:北海道)
北海道科学大(札幌)の研究グループが15日、帯広市内でエゾシカと車の衝突事故を防ぐための実験を行った。車に専用スピーカーを取り付け、シカが嫌がる音を流しながら走行し、シカが道路に近づかないようにする試みで、牧場内の道路400メートルを走行し、音が届く範囲などを調べた。シカと車の衝突事故を回避するため、音声工学を専門とする同大工学部情報工学科の松崎博季教授(52)が2017年から行っている実験の一環。昨年9月には、オホーツク管内西興部村の鹿牧場で音に対するシカの反応を調査。シカが警戒する時に発する「ピヤッ」という鳴き声に最も反応することが分かった。

(和・洋・中のレトルト商品開発:長野)
国産ジビエ(野生鳥獣肉)の普及を目指す日本ジビエ振興協会(茅野市)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で売り先が減っている鹿肉を有効活用しようと、鹿肉を使ったレトルト食品を開発した。「眠れるジビエを食べて応援」と銘打ち、今月からインターネットで販売を始めた。ジビエの売り先である飲食店の多くがコロナ禍で休業した影響で、鹿肉の処理加工施設で在庫が増加。冷凍庫がいっぱいになり、捕獲した鹿の受け入れができない施設も出ていた。そこで協会は、家庭で気軽に消費できるレトルト商品の開発に乗り出した。商品は和食、洋食、中華の計9種類。鹿肉をふんだんに使ったカレーやハンバーグ、回鍋肉(ホイコーロー)などがある。同協会が認証する信州富士見高原ファーム(富士見町)など全国8カ所の施設で加工した鹿肉を使い、同協会代表理事で茅野市のレストランオーナーシェフの藤木徳彦さんが監修した。同協会によると、新型コロナの影響は今も続き、飲食店のジビエの仕入れは以前の量には戻っていない。鮎沢廉・事務局長(46)は「安全なジビエの提供を続けるためにも、食べて応援してほしい」と話している。商品は同協会のホームページから購入できる。

(鳥獣被害対策テンプレートをリリース)
今日、全国各地で野生鳥獣による被害への対応が課題となっています。野生鳥獣による被害には人や農作物への被害、自然環境の破壊といった直接的なものだけでなく、鳥獣被害に起因する営農意欲の減退や離農といった間接的な被害も含まれています。これらの被害を防止・低減するため全国各地でさまざまな対策が講じられています。この課題に対して、「地図」の観点からアプローチする ArcGIS Solutions ソリューションテンプレートである「鳥獣被害対策テンプレ―ト」をリリースしました。本テンプレートは ArcGIS ポータル (ArcGIS Online) に鳥獣被害情報を投稿するためのアプリである「鳥獣被害情報投稿アプリ」とそれらの情報を公開するためのアプリである「鳥獣被害情報公開アプリ」を提供します。鳥獣被害情報の投稿はスマートフォンやタブレットといったモバイル デバイスから行うことができるため、鳥獣被害を確認したまさにその場所から被害情報を投稿することができます。投稿された鳥獣被害情報は地図を用いて公開することができるため、住民や農家、林業事業者といった様々な方たちの鳥獣被害対策に役立てていただくことができます。

(ヒグマとも適切な距離を:北海道)
専門家や関係機関、地元関係者らでつくる「知床世界自然遺産地域適正利用・エコツーリズム検討会議カムイワッカ部会」は、人間と野生動物の適切な距離感を啓発する初の取り組み「知床ディスタンス!キャンペーン」を展開している。観光客らがヒグマを撮影しようと沿道に停車して「クマ渋滞」が発生するなど、人身事故につながる事案が起きているため。ヒグマとの距離を確認するカードを配り、注意を呼び掛けている。配布しているのは、カナダのバンフ国立公園の対策を参考に製作した縦8センチ、横20センチの「ディスタンスカード」。「窓枠」として四角い穴が空いており、そこから野生動物を覗き、枠内に収まれば適正距離を保っていると分かる仕組み。適正距離はヒグマが50メートル以上、エゾシカは30メートル以上。

(シカ肉使用あっさり味「ジビエラーメン」:岐阜)
岐阜県揖斐川町坂内広瀬の道の駅「夜叉ケ池の里さかうち」が、岐阜市長良福光のラーメン天外長良店と共同で、坂内産のシカ肉を使った「ジビエラーメン」を開発した。道の駅のレストランで19日から1日10食限定で販売する。ラーメンは税込み千円。スープはシカ肉と6種類ほどの野菜、香りの高いキノコ「ポルチーニ」を煮込み、天外オリジナルのしょうゆを加えて仕上げた。細打ち麺を使い、シカ肉の唐揚げ、ほぐし身のほか、地元産のミョウガ、ネギをトッピングした。駅長代理の乾誠二さん(42)が昨冬、シカ肉を使ったラーメンをメニューに加えようと、小中学校の同級生で長良店店主の橋詰克也さん(43)に開発を依頼し、今月完成した。乾さんは「地域資源の発信になる。また食べに来たくなる一品」と太鼓判。橋詰さんは「ジビエ特有の香りを残しつつ、幅広い年代の人が食べられるようあっさりと仕上げた」と納得の表情を浮かべた。

(「さがジビエソーセージ」:佐賀)
吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。9月12日(土)の放送では、株式会社鶴商興産 代表の坂本竜一さんに「さがジビエソーセージ」についてお話を伺いました。増えすぎた野生のシカやイノシシが山からおりてきて、畑の農産物を荒らしてしまう鳥獣被害。日本各地で大きな問題となっています。ヨーロッパでは、狩猟で得た野生鳥獣を食肉とする「ジビエ」が古くから根付いていますが、日本で注目されるようになったのは、近年になってから。野生動物を捕獲しようにもハンターの高齢化が進み、捕らえたとしても食用として活用されているのは、わずか数パーセント。ほとんどが、廃棄物として処理されているのが現状です。野生動物は臭みがあって硬いという、昔ながらのイメージを持っている人が多いなか、そんな固定観念を払拭するべく、ジビエの美味しさを伝えようという取り組みが、全国で次々と生まれています。佐賀県にある株式会社鶴商興産で製造しているのは、佐賀県産の猪肉だけを使った「さがジビエソーセージ」。独特の臭みもなく、無添加・無着色にこだわっています。「ソーセージを作ろうと思ったきっかけは、普通の猪肉を食べたときに、自分が今まで思い描いていた猪肉の味とは、かけ離れるぐらい美味しかったんですね。それをどうやったら食べてもらえるか、考えたときにたどり着いたのがソーセージでした」と坂本さん。佐賀県は、鳥獣被害の深刻な場所の1つ。2018年度は、約22,000頭のイノシシが駆除、処分されたと言います。株式会社鶴商興産では、多くのハンターからイノシシ被害の現状や、駆除されたイノシシの活用状況などを聞き、厄介者扱いされているイノシシを資源に変えることで、佐賀の環境保全につなげようという取り組みをおこなっています。ニュース コラム ライフスタイル 私たちの“食の日常”に…低カロリーで高タンパク、“ジビエ”の可能性に着目した「さがジビエソーセージ」。「ソーセージを作ろうと思ったきっかけは、普通の猪肉を食べたときに、自分が今まで思い描いていた猪肉の味とは、かけ離れるぐらい美味しかったんですね。それをどうやったら食べてもらえるか、考えたときにたどり着いたのがソーセージでした」と坂本さん。佐賀県は、鳥獣被害の深刻な場所の1つ。2018年度は、約22,000頭のイノシシが駆除、処分されたと言います。株式会社鶴商興産では、多くのハンターからイノシシ被害の現状や、駆除されたイノシシの活用状況などを聞き、厄介者扱いされているイノシシを資源に変えることで、佐賀の環境保全につなげようという取り組みをおこなっています。私たちの“食の日常”に…低カロリーで高タンパク、“ジビエ”の可能性に着目した「さがジビエソーセージ」私たちの“食の日常”として、ジビエの可能性に着目する坂本さん。「普通に美味しいんですよ。ケモノ臭さがあるとか、血の味がするといったものではなく、きちんと処理されたものは、臭いもなく硬くないので、牛や豚にひけをとらない味になりますね」低カロリーで高タンパクなジビエ。「さがジビエソーセージ」をきっかけに、ジビエへの理解が多くの人に広まるといいですね。

(処理施設を認証、販路拡大へ:大分)
農林水産省は9月4日、国産ジビエ認証制度にかかる認証機関により、国産ジビエ認証施設(第15号)として、獣肉処理施設管理組合が運営する食肉処理施設「日田市獣肉処理施設」が認証されたと発表した。国産ジビエ認証委員会により登録された認証機関である(一社)日本ジビエ振興協会において、認証申請があった「日田市獣肉処理施設」を審査し、制度に規定するすべての要件を満たすと認められたため、同日付で「国産ジビエ認証施設(第15号)」の食肉処理施設に認証された。

(やまぐちジビエフェスタ:山口)
「やまぐちジビエ festa」が20日、山口市阿知須のいぐらの館であった。シカ皮を使ったレザークラフトのワークショップのほか、県内で捕獲されたシカ肉のローストやイノシシ肉の角煮丼が振る舞われた。来場者は「肉の味が濃い」「やわらかくておいしい」とほおばった。催しは害獣対策の活動について知ってもらおうと、山口市の地域おこし協力隊の中岡佑輔さん(40)が企画した。県などによると、野生鳥獣による農林業の被害額は2019年度、県全体で約4億3600万円。捕獲されたシカは約6800頭、イノシシは約1万6800頭に上る。うち、加工されて食用や皮などに活用されるものは5~10%程度という。参加者の一人、山陽小野田市の野原琥藍(こあ)さん(13)はイノシシ肉が好きで、将来の夢は猟師という。「無駄になるものを減らして皮や肉を活用していけたら良いと思った」。中岡さんは「皮や食など様々な角度からジビエに関心を抱いてもらい、害獣対策について知ってもらえれば」と話した。

(有害獣、シカで革作品:山口)
山口市の地域おこし協力隊、中岡佑輔さん(40)が制作した革作品の展示会が、同市阿知須の旧中川家住宅「いぐらの館」で開かれている。22日まで。有害獣として駆除された県内のシカの革を使った巾着やカードケースなど7点を展示。シカ革は繊維が密で柔らかく、丈夫で通気性が良いため、日本では古くから使われていたという。中岡さん自ら原皮から肉片や油脂を取り除いて塩漬けし、専用工場で自然由来の薬剤でなめしたシカの革も展示している。中岡さんは神戸市出身。革産業が盛んな同市長田区にある革素材の販売店に勤務し、レザークラフトにも親しむようになった。2019年に地域おこし協力隊として山口市に移住し、「ニューツーリズム形成」をテーマに活動する。「ぜひ手に取って柔らかな肌ざわりを知ってほしい」と話した。

(園内散策やジビエ料理体験:静岡)
浜松市浜北区の県立森林公園で19日、園内の散策やジビエ料理を味わう体験会などのイベントが開かれた。新型コロナウイルス感染防止を呼び掛ける県の「ふじのくに新しい森づくり活動」の一環。参加者は互いの距離などに注意しながら自然に親しんだ。散策は未就学児の親子連れ15組が参加。密集しないように5組ずつのグループに分かれ、モミジバフウやコナラなどの葉を集めた。葉は絵の具を塗ってスタンプにし、布バッグに押して楽しんだ。ジビエ体験は20~50代の約20人が手指の消毒の指導を受け、シカ肉やイノシシ肉のバーベキューやカレーを堪能。ジビエに合うワインについてもソムリエから教えてもらっていた。新しい森づくり活動は、県内で自然観察などを行う際、参加者同士が身体的距離を確保することや手洗いなどを呼び掛ける一方、野外で2メートル以上の距離が取れた場合は熱中症を防ぐためにマスクを外すようにも協力を求める。県のホームページでも注意点をまとめている。

(ジビエラーメンがブーム:京都)
2018年から、農林水産省がジビエ利用拡大のための施策を講じていることが一因となり、いま「ジビエラーメン」が秘かなブームとなっている。野生の旨味が凝縮された味が、人気の秘密だ。今回は、日本全国の人気ジビエラーメンから、京都・山城多賀の「山仁 梅本商店」で提供されている「2代目 猪肉ラーメン」をご紹介する。猟師がみずから狩猟した動物を調理して提供している同店のジビエは、狩ってから30分以内に血抜きをするというスピーディさで、臭みがまったくないことが特徴。猪や鹿、さらにはアライグマを使った料理まで出てくる同店の看板メニューが、「2代目 猪肉ラーメン」である。「骨からだと臭みが出てしまうので、スープには、猪の肉から取った出汁を使用しています。肉もスープも臭みがないため、初めて食べた方は驚かれますね」(店長)。どんぶりいっぱいに盛りつけられた、猪肉のチャーシューのインパクトもすごい。「麺が見えないくらいに、猪の肉で作ったチャーシューを敷き詰めています。猪はコラーゲンが豊富なので、脂がコリコリとしていて、じつは見た目以上に低カロリーでヘルシーなんですよ」(同前)チャーシュー以外のトッピングは、ネギとゴマのみ。それだけ、ジビエに自信がある証しといえるだろう。

(秋の味覚で冬まで元気に!:東京)
新宿三丁目の肉バル「パンとサーカス」にて9月22日(火)より11月14日(土)までの期間限定で、秋の新メニューをご提案します。ジビエの代表「ヒグマ」を使ったシチューや、カリウムが豊富な「ウサギ」のロールキャベツ、小さな体にぎゅっと鉄分が詰まった「ウズラ」、高たんぱく低脂肪の「ホロホロ鳥」のグラタンなど美味しくて栄養たっぷりのお肉が勢ぞろい。夏の疲れで体力や抵抗力が低下しがちな今こそ食べていただきたいラインナップです。

(ジビエラーメンがブーム:岐阜)
2018年から、農林水産省がジビエ利用拡大のための施策を講じていることが一因となり、いま「ジビエラーメン」が秘かなブームとなっている。野生の旨味が凝縮された味が、人気の秘密だ。さて今回は、日本全国の人気ジビエラーメンから、岐阜・高山の「山の幸 うり坊屋」で提供されている「熊味噌ラーメン」をご紹介する。同店では、飛騨の山で狩猟され、解体場で処理された、臭みがなく肉質のいいジビエが使われている。猪や鹿を使ったラーメンも提供しているが、なかでもおすすめなのは、熊を使った一杯だ。「ラーメンのベースの味は、ジビエの種類によって変えているのですが、ツキノワグマの骨から取ったスープは熊の風味が強いので、味が濃い味噌をベースにしても、バランスが取れるんですよ」(店長)。もちろんトッピングは、熊の肉で作られたチャーシュー。「熊の肉は、たっぷりと旨味があるだけでなく、脂にも甘味があって、独特の味わいがあります。猪や鹿には似た食感の動物がいますが、熊ばかりは、ほかの動物の肉に例えようがありませんね」(同前)。夏の熊骨と、冬眠前で脂が乗っている冬の熊骨を併せて使い、季節によって味がブレてしまわないように工夫しているとのこと。熊肉を知り尽くした店長の、こだわりがある。

(シカの角ストラップ作り:富山)
シカの角でストラップを作るイベントが二十一日、富山市古沢の市ファミリーパークで開かれた。ストラップは、園内で飼育するホンシュウジカの角を細かく切断し、編みひもでくくりつけて仕上げる。参加した家族連れ約三十人はパーツを手に真剣な表情で作業に取り組んでいた。石川県宝達志水町から家族で訪れた酒井千紘さん(8つ)は「編むのが難しかったけど、楽しかった」と笑顔だった。

(イノシシ脂活用のせっけん商品化:愛媛)
愛媛県四国中央市新宮地域を担当する地域おこし協力隊員の青木藍さん(29)がイノシシの脂を活用したせっけんを商品化し、100個限定で販売している。自然由来の素材で使い心地の良さをアピールしつつ、捕獲した有害鳥獣を有効活用する手立てとして広めていく考えだ。

(ドキドキの内容、サスペンス弁当:石川)
サスペンスドラマのロケ地となることが多い能登地方にちなんで、輪島市門前町走出のスーパー「サン・フラワー・マリヤマ門前店」は、ハラハラ、ドキドキするような内容の弁当「サスペンス弁当」の販売を始めた。第一弾はイノシシ肉を食材に使った弁当。大山修司店長(53)は「食べたことがない人もいると思うので『どんな味かな』とドキドキしながら食べて」と話す。一個千円(税込み)。限定三十食で毎週火曜日に販売。イノシシ肉のミンチをぎっしり詰め込んだ春巻きに、イノシシのロース肉を使ったすき焼き風炒め物が入っている。イノシシ肉を口にしたことのない人にとっては「まさにサスペンスかもしれない」と大山店長。店内には、サスペンスドラマの名曲がBGMとして流れている。サスペンス弁当の構想は、一年前からあった。二〇一八年に輪島市内でサスペンスドラマの撮影が行われた際、同店はロケ弁当を届けており、昨年八月ごろにドラマ関係者から同店へポストカードが届けられた。それをきっかけに大山店長はサスペンスを題材にした新作の弁当を思い付いた。ただ材料の調達が難しかったり、ピンとくるアイデアがなかったりと、なかなか実現しなかった。そこに手を差し伸べたのが、女性狩猟者でつくる「狩女の会」を主宰する福岡富士子さん(50)。穴水町を拠点に能登地方でジビエ文化の普及に力を入れており、イノシシ肉を使った弁当を大山店長に提案した。大山店長は「ぞくっとするようなおいしさに仕上がった」とにやり。同店では八月から福岡さんと連携し、イノシシ肉を店頭に並べている。福岡さんは「弁当をきっかけに普段の食卓でもイノシシ肉を選択肢の一つにしてもらえれば」とジビエ拡大の相乗効果も狙う。同店では弁当の販売とともに、四百字ほどの短い自作のサスペンス小説も募っている。作品をもとに第二弾、第三弾の弁当化につなげていきたい考えだ。「サスペンス撮影誘致推進応援隊」とも銘打ち、大山店長は「ドラマのロケ地となれば、地元にお金も落ちる。サスペンスを通して町を盛り上げていければ」と意気込んでいる。

(「イノシシから守り抜いたスイーツ」が話題に:愛媛)
愛媛県今治市にあるカフェ「DAISHIN」で販売されているスイーツの商品名が、非常にインパクトがあるとツイッターで注目を集めている。イノシシへの「殺意が濃い」と話題のカフェ「DAISHIN」。お店は愛媛県今治市の大三島(おおみしま)町にあり、観光スポット「大山祇(おおやまづみ)神社」からほど近い場所に位置する。カフェ「DAISHIN」のオーナー・渡邉秀典さんは、カフェのオーナーでありながら、実は「ミカン農家」と「猟師」という肩書も持つ男性。さらに「野生鳥獣との新たな共生のカタチ」をテーマにイノシシの捕獲や食肉の販売などを行う地域団体「しまなみイノシシ活用隊」の代表でもある。捕獲したイノシシを地元の食肉処理場に持っていき、販売できるカタチにしているそうだ。カフェ「DAISHIN」の看板メニューはそのイノシシ肉を使った「ハンバーグプレート」や「デミオムライス」。渡邉さんは、イノシシ肉の販売販路を広げ、最終的な目標としては「地元の特産品」にしたいという思いでカフェを開いている。「肉はイノシシ肉しか提供していません」とのことだ。つまりカフェ「DAISHIN」では、自身のバックグラウンドに関わる食材などを提供しているのだ。そして、「イノシシから守り抜いた」みかんジュレやクラッシュアイスである。このフレーズは「お客さんにとって、クスッと笑ってもらえるように」という思いで用意。「話題になって、我々の活動(活用隊)も知ってもらえれば」と渡邉さんは話す。カフェ入り口の窓ガラスに貼ってある手書きのPOPの他に、お土産用に瓶詰されたミカンジュースにも「イノシシから守り抜いた」というラベルを貼っているそうだ。「守り抜く」とは、畑を荒らすイノシシを捕獲し適切なカタチで処理すること。「イノシシから守り抜いた」というフレーズには、並々ならぬ思いが込められていた。

(ジビエラーメンがブーム!:北海道)
2018年から、農林水産省がジビエ利用拡大のための施策を講じていることが一因となり、いま「ジビエラーメン」が秘かなブームとなっている。野生の旨味が凝縮された味が、人気の秘密だ。今回は、日本全国の人気ジビエラーメンから、北海道・岩見の「きじ料理専門店 きじまるくん」で提供されている「きじ塩らーめん」をご紹介する。「きじカツカレー」や「きじ親子丼」といった、きじ料理を提供している同店。ラーメンも、そのひとつだ。「使用するきじは、店で飼育しているので新鮮です。スープには、きじのガラから取った出汁を使い、ベースの塩がその美味しさを引き立てます」(店長)。濁りがあるものの、さっぱりとした味わいになっているため、スープを飲み干す人も多いのだとか。「チャーシュー代わりは、きじ肉を分厚くスライスしたもの。きじ肉は弾力があって、脂もくどさがいっさいなく、噛めば噛むほど旨味が溢れ出すので、食べ応え抜群ですよ」(同前)。そのほかのトッピングはネギ、フライドオニオン、バター。「バターも、きじの脂から作っていて、溶けるとまろやかな風味になるので、味変を楽しむこともできます」(同前)。秋から冬にかけて「キジに脂が乗って、肉の美味しさが増す」というから楽しみだ。

(上高地でクマに襲われた私の経験:長野)
今年8月、上高地のキャンプ場で女性がクマに襲撃される事件がありました。新聞などでは「東京都内の50代女性」と報じられた被害女性の手記を掲載します。事件後、精神的ショックが残るなかインターネット上で事実に基づかない誹謗中傷を受けることがあったため、本人の意思をふまえ女性はペンネームとします。8月8日深夜、長野県・上高地の小梨平キャンプ場で、就寝中にクマに襲われ、けがをしました。襲ったクマに恨みはありません。むしろ申し訳なく思います。クマのせいではなく、人間のせいだから。同じことを繰り返さないために、公園管理者・キャンプ場運営者・利用者・報道関係者などに経験を伝え、今後の対策に生かしてもらいたいと願い、報告をまとめました。上高地を初めて訪れたのは、約40年前。大学1年で山岳部に入り、夏の涸沢をめざした。以来、上高地は何度も通過したが、小梨平キャンプ場にテントを張ったのは一昨年が初めてで、今年は2度目だった。2泊3日の予定で、中日と最終日にそれぞれ往復4、5時間のコースを歩くつもりでいた。大学山岳部OB会の先輩たちと総勢4人のグループだが、新型コロナウイルス感染症対策として各自別々にキャンプ場に入り、テントも一人ずつ張ることにした。私は8月8日昼過ぎに高速バスで上高地に到着し、キャンプ場の受付をすませ、すでに先輩二人がテントを張っていたBエリアの角、道をはさんでトイレにいちばん近い位置にテントを設営(図を参照)。雨よけのテントフライは四隅にペグを打ってしっかり張ったが、風で飛ばされるような場所ではないので、テント本体にはペグを打たなかった。午後は屋外のテーブルで先輩二人と歓談。もう一人の先輩は登山中で、当日は不在だった。酒とつまみでおなかがいっぱいになり、自分用に用意した白米のパックとレトルトカレーには手をつけず、先輩が作ってくれたパスタを分けてもらう。ゴミは先輩がすべて引き取ってくれた。18時過ぎにテントに入り、就寝。寝袋に入るには暑かったので、マットの上で寝転ぶ。雨の音で一度、目が覚めたが、ぐっすり眠っていた。揺れを感じて目を覚ます。なぜ揺れているのかわからない。地震? 考える間もなくテント本体が足元方向に動き出した。テントの下端を何者かが外側からくわえて、強い力で引っ張っている。状況把握で精一杯のなか横たわっていると、途中でスピードが増し、緑のテントに木々の影が流れるように映るのが見えた。このとき初めて引きずられているのだと理解した。このままでは誰にも知られず連れ去られてしまうと思い、一度だけ「助けてください」と叫んだ。まもなく引きずる力が止まった。キャンプ場の明かりが届く場所で、テントの布に大きな影が立ち上がるのが見えたように思う。クマの仕業ではないかと思ったが、やはりクマのようだ。その直後、テントが一瞬のうちに引き裂かれ、布が四隅に落ちた。何者かがうめきながら私の黒のスウェットパンツの裾をくわえて引きずり下ろした(足首にけがはない)。そして私の足元に立って腕を振り回した。右膝横に衝撃を受ける。そのあと――なぜか静かになった。二本のテントポールが交差するアーチの向こうに夜空が見える。真横は笹やぶだ。10秒ぐらい数えただろうか、周囲は無音のままだ。動いていいのか? まずいのか? 悩みながらも、腹筋を使って体を起こしてから、クマに背を向け、腰を低くして走って逃げた。体を起こしたとき、テディベアのようにだらんと座る、うつむき加減のクマの頭部が暗がりに見えたように思う。耳が大きく愛らしく見えた。立ち上がってすぐ、焦って転んだが、起き上がって再び全力で走った。自分がいるのはトイレの裏だとすぐわかったので、トイレの前まで走り、女子トイレに逃げ込んだ。北海道のヒグマは、一度、手にしたものに執着すると本で読んでいたので、ツキノワグマも追いかけてくるかもしれないと思ったからだ。むき出しの足を見ると、右膝の側面に直径8センチぐらいの丸い傷がえぐれるようについていた。トイレのティッシュで傷を抑えたが、出血はあまりない。トイレの扉を細く開けて外を見ると、クマはいなかった。それでも一人で歩くのは怖かったので、男子トイレから出てくる人に「クマに襲われたので、仲間のテントまで付き添ってください」と頼み、わずか数メートルの距離をエスコートしてもらった。トイレ前で「クマ監視のためにボランティアで巡回をしている」と名乗る男性とも合流。私の悲鳴を聞いて誰かがキャンプ場の管理事務所に電話をしてくれたそうで、駆けつけたのだという(この男性は環境省経由で小梨平キャンプ場のクマ対策を指導している信州大学農学部の泉山茂之教授だと、あとで知った)。私のテントの2軒先にテントを並べて張っていた先輩二人は就寝中だった。「クマに襲われたので起きてください」と呼びかけ、テントに入れてもらい、応急処置のあとズボンを貸してもらう。手渡されたポカリスエットが、とてもありがたかった。時刻は夜中0時ごろ。テントが引きずられ始めてから30分ぐらい過ぎたか、あるいはもっと短い時間だったかもしれない。テントサイトからクマに襲われた現場まで、10数メートルの距離だった。キャンプ場の管理事務所の人が救急車を手配してくれ、キャンプ場の車で上高地の診療所まで運んでくれた。このころから体の震えが止まらなくなる。そのとき恐怖を感じていたわけでもないのに不思議だった。傷の痛みはあったが耐えられないほどではなかった。頭は冷静で、医師の質問にもしっかり答えることができた。診療所では医師に「死んでもおかしくなかった。不幸中の幸いだ」と。

(鷹匠、狩りを実演:山形)
クマタカなどで野ウサギなどの猟を行う鷹匠(たかじょう)の松原英俊さん(70)=山形県天童市=が、同県庄内町を訪れ、鷹狩りを実演した。松原さんは大学卒業後の1974年、「最後の鷹匠」と呼ばれた故沓沢朝治さんに弟子入り。1年後に独立した。クマタカを使って実際に猟をするのは現在、国内で1人という。機械部品メーカーのグローバルマシーン社(庄内町余目大塚)が、地域貢献事業として同社敷地内で育てているリンゴが最近、カラスの食害に遭っているため、カラスが怖がるタカを飛ばして近づかないようにしてもらおうと、松原さんに出張を依頼した。実演では、翼長約1メートルの小型猛禽(もうきん)類であるハリスホークのウルス号を伴って来社。ウルス号はカラスに見立てたニワトリが放たれると、松原さんの腕から瞬時に飛び立ち、鋭い爪で押さえつけて動けないようにした。見守った社員らからは歓声が上がった。

(「クマ渋滞」も紹介:北海道)
東京から町峰浜に昨春移住し、町ウトロでカフェ「コーヒー・アルビレオ」を運営する動物写真家伊藤彰浩さん(56)と妻かおりさん(45)が20日、写真絵本「世界遺産知床の自然と人とヒグマの暮らし」を出版する。彰浩さんが写真、かおりさんが文を担当し、2人は「人とヒグマの共存について考えるきっかけになれば」と話す。伊藤さん夫妻は、2018年に知り合った東京の出版社「少年写真新聞社」の編集担当者から打診され、写真絵本を制作。彰浩さんが撮りためていた写真のほか、出版にあたって新たに約40枚を撮影した。

(自分で食べる肉は自分で獲る猟師という生き方)
京都大学在籍中に狩猟免許を取得し、わな猟師として妻と2人の息子と京都で暮らす千松信也さん。2008年に刊行した初めての著書「ぼくは猟師になった」で注目を集め、その後の「狩猟ブーム」を牽引する存在になった。それから12年。千松さんは今も変わらず、イノシシやシカの痕跡を求めて毎日のように山を歩く。「動物の命を取るので、あまり狩猟を『面白い』とか『楽しい』とは言わないようにしていますが、獣道の痕跡を追跡するのはドキドキするし、やっぱり…楽しいですよ」。千松さんの専門は、くくりわな猟。直径12cm以下の輪をイノシシやシカの通り道に仕掛けておき、獲物が輪の中に足を入れると、即座にバネが働いて輪が締まるという原初的なわなだ。獲物は生け捕りになるため、3カ月の猟期中は毎日の見回りが欠かせない。わなにかかっている獲物を発見すると、千松さんは棒などで叩いて失神させ、ナイフでとどめを刺す。1シーズンに家族や友人で食べる10頭ほどを獲るという。多くの人にはあまり馴染みがないかもしれない狩猟の世界だが、千松さんが足を踏み入れた20年前に比べると、今は狩猟に対するイメージは様変わりしているのだという。「ここ10年から15年くらいの間でしょうか。鳥獣被害があるからとか、生態系を守るためなど、社会的にも狩猟の必要性が認められるようになりました。それ以前は、野生動物や自然は守らなければならず、わざわざ山に入って動物を殺す猟師は“おかしな存在”だと思われていたんです。僕が猟を始めた頃が、ちょうどその過渡期でした」。「だから先輩の猟師たちはずっと激しい批判を受けていたんです。僕が最初に『狩猟の本を書く』と言ったら、『やめとけ、ぼこぼこにされるぞ』と忠告されましたから。でも僕は、猟をしていることで非難されたという経験はしていません」。2010年代になると、狩猟を題材にした漫画がヒットしたり、「狩りガール」という存在が注目されたりするように。YouTubeやSNSで狩猟のことを発信する人も増えているという。「僕が猟師になった頃と比べると、得られる情報量は全然違います。当時、わな猟なんて調べても何もわからなくて、師匠に頼み込んで教えてもらいました。師匠についてきちんと教われば、地元の人との関係など、『そのエリアで猟をする』ということの意味を包括的に学ぶことができます。今のように情報がありすぎるというのは、逆に大変かもしれないですね。狩猟人口が増えるので歓迎できる面もあれば、いい加減な技術を“正しい技術”として発信している人もいるので、どう評価するかは正直難しいところです」。口下手で偏屈な人が多い(千松さん談)という猟師の世界にあって、わかりやすい言葉で狩猟の魅力を発信できる千松さんは、得難い存在。そのため、テレビなどメディア出演の誘いはひっきりなしに来るという。「芸人を山で修業させてほしい」「アイドルに命の大切さを教えてほしい」といった類の依頼は全て断っているのだが、本人曰く「うっかり引き受けてしまった」のがNHKのドキュメンタリー番組「ノーナレ」。千松さんの日常に密着した「けもの道 京都いのちの森」は2018年に放送され、獲物をさばく様子も真正面から描いた内容は、NHKも驚くほどの大きな反響を呼んだ。放送後、さらに300日の追加取材を行い、再編集したドキュメンタリー映画「僕は猟師になった」が今、全国で順次公開されている。「足掛け2年、こんなに密着されるとは思っていませんでした。最初の頃はディレクター、カメラマン、音声さんの計3人が毎日ついて来てましたね。見知らぬ人間の臭いがついたおかげで、イノシシたちはわなに全然かからなくなりました。本当に、獲物が警戒してサーッといなくなるのがわかるんですよ。ですので、撮影は何日かに1回とか、ついて来るのはカメラマンだけとかにしてもらいました。ただ、自分以外の人間がこれだけ山に入ったら獣たちがどんな反応をするのかという実験のつもりで、楽しませてもらったところもあります」。「映像で見る狩猟中の自分の姿も興味深いものがありました。自分ではもっと俊敏に動いているつもりでしたが、意外とどんくさいんだな、こんなんでイノシシと対峙して大丈夫かなとか。これから見る人が、映像からどんなことを感じてくれるのか楽しみですね」。千松さんが面白いのは、自然や動物と向き合う経験を踏まえ、「人はこうあるべき」ということを一切言わないところだ。「実は猟師って意外とみんなそんな感じなんです。普通に生活の中に狩猟があるだけで、何かを訴えたいとか、主張したいことがあるかというと、特にない。やりたいからやっているだけなんです。そして僕はそれをとても幸せなことだと思う。やりたいことをやれば、食べ物を得られたり、燃料を得られたりする。昔は肉を販売してお金を稼ごうとしたこともありましたが、仕事みたいにするとしんどくなるんですよね。3年くらいで限界を感じてやめました。結局、無理をしないのが一番なんです」。「大事なのは、『動物の仲間に交ざりたかった』という猟を始めた頃の感覚を自分が裏切らないこと。山に入って、前日の夜にしたばかりのイノシシのピカピカのうんちを見ると、狩猟を20年やってきた今でも興奮します。僕だけじゃなくて、他の猟師もみんなそう。はるか太古にも、人間は『おお、うんち!』と同じことで喜んでいたはず。うんちに興奮する遺伝子を僕はちゃんと引き継いでいるんだと感じますね」。映画「僕は猟師になった」は、千松さんの地元京都では出町座とアップリンク京都で上映中。関西ではこの他、大阪の第七藝術劇場、神戸の元町映画館でも上映している。

(消えゆく「マタギ」から見えた日本の原風景とは)
「岩手県の湯田町(現西和賀町)白木野には、毎年1月19日に厄払いとして大きな男根をつきだした藁人形を集落の入り口の大木に架けるお祭りがあります。会社勤めをしながら、好きな写真を本格的に学ぼうと現代写真研究所に通い出す前年の1974(昭和49)年に撮影に行ったのがきっかけで、以来、妻(俳人の黒田杏子さん)の句友小林輝子さんの営む湯之沢のこけし屋さんにお世話になって、毎年のように湯田に通いました。そのご近所には、数年前に国の計画事業で不便な山奥の集落から集団移住してきた人たちがいました。彼らが狩猟で生活するマタギの人たちだったんです」と、先日写真集『最後の湯田マタギ』(藤原書店 2800円+税)を刊行した黒田勝雄さんは語る。マタギという言葉は知っていても、当初は特別な関心を持っていなかった黒田さんだったが、湯田に通い湯之沢の人々を撮影していくなかで、期せずして失われていくマタギの生活文化も記録することになった。「お世話になっていたこけし屋さんの真向かいが、世襲のマタギの頭領(オシカリ)をしていた高橋仁右ェ門さんご家族の家でした。湯田のマタギは鉄砲を持たず獲物の熊を追い立てる係の〈勢子(せこ)〉、追い立てた熊を待場で待機して鉄砲で仕留める〈待人(まつと)〉など、10人ぐらいの集団で役割を分担して猟をします。ひらけた土地に移住してきたばかりの彼らは、以前の田畑を耕したりしながら、猟のシーズンになると山へ出かけていました。現在の湯田にも猟をする人はいますが、勢子の人たちが歳をとり引退してしまって当時のような猟は困難だそうです。それはもう“湯田のマタギの猟”とはいえないでしょうね」。本書には、黒田さんが湯田に通った1977年から97年までの21年にわたる湯田の人々の生活――猟銃をかまえるマタギの男たちの姿だけでなく、山間の道で牛を曳く少年や、山菜採りのおばあさん、主婦たちの賑やかな宴会の様子など、飾り気のない日常の姿がたっぷり記録されている。「湯之沢の集落の人々の撮影をはじめて10年ぐらいのち熊獲りにも同行を許されるようになりました。春、雪が解けて熊が冬眠から覚め穴から出てくる4月中旬から5月初めにかけてのわずか2週間程度、“害鳥獣駆除”の許可が下りた時だけ熊獲りは行われました。私は、勤務先の休日と休暇を合わせて、1年に1度、合計4度熊獲りに連れて行ってもらいました。なかなか熊と遭遇することができず、3度目にようやく熊に出会えました。熊獲りの写真もふんだんに本書に収録しています。写真集は、撮影したフィルム600本分をすべて見直して厳選し、湯田の風景、マタギの活動、集落の人たちの生活、旧暦12月12日の山の神の祭りなどで構成しました。つい最近まで見られたごく普通の山村の風景と庶民の生活を、現地の菅原良さんの文章と合わせて、1人でも多くの方々に見て頂きたいと願っています」。

(シカやイノシシを活かした「ジビエ産業の可能性を見出す」新卒猟師の生き方:高知)
猟師でジビエに特化したメディア「ジビエーる」を運営している矢野大地さん。新卒で猟師になり、自分で生業(なりわい)をつくりながら高知の山奥、嶺北と京都丹後を拠点に暮らしています。猟師歴は5年目。現在ではただ狩るだけではなく、獲った獲物を利用できるプロダクト開発などにも挑戦しています。

(ヒグマが大学生5人を襲った「福岡大ワンゲル部ヒグマ事件」の記憶)
クマによる人身被害は、毎年春から秋にかけて各地で発生している。しかし、元来クマは人間を恐れる動物であり、積極的に襲ってくることはないとされる。ある程度、距離が離れていれば、まずクマが先に人間の存在に気づき、たいていは自らその場から逃げていくという。例外は、見通しの悪い場所などでお互いが相手の存在に気づかず、至近距離で人間とクマがばったり遭遇してしまったときだ。そうなったときにクマはパニックに陥り、我が身や我が子を守るため、逃げ出さず死に物狂いで人間に立ち向かってくる。クマによる人身被害のほとんどは、そのような状況で起きている。ただ、ごく稀に、同一個体のクマが捕食目的で立て続けに人間を襲うことがある。今からちょうど50年前の夏、北海道の日高山脈でその事件は発生した。1970(昭和45)年、福岡大学ワンダーフォーゲル同好会の夏季合宿は北海道日高山脈で行なわれることになった。メンバーは、リーダーの太田陽介(仮名・3年)以下、サブリーダーの辻博之(仮名・3年)、平野哲哉(仮名・2年)、坂口剛(仮名・1年)、杉村仁志(仮名・1年)の5人で、日高山脈北端の芽室岳から山脈中部のペテガリ岳までを、13日間かけて縦走する予定だった。5人は7月14日に上川郡清水町の芽室岳登山口から入山し、芽室岳を経てルベシベ山、ピパイロ岳、戸蔦別岳、幌尻岳と主脈を南に向かってたどっていった。25日にはエサオマントッタベツ岳の山頂を踏み、春別岳南側の九ノ沢カールにテントを張った。5人が初めてヒグマの姿を目撃したのは、この日の午後4時半ごろのことである。クマは全長2メートルほどで、黄金色や白色が目立つ茶色の毛並みをしていた。最初のうちはテントから6~7メートル離れたところでテントの様子をうかがっていたが、やがてだんだん接近してきて、テントの外に置いていたキスリング(注:リュックサックの一種)を破いて中の食料を漁り出した。危機感を覚えた5人は隙を見てキスリングをすべてテントの中に入れたのち、クマを近付けないために火を起こし、ラジオの音量を上げて食器を打ち鳴らした。クマはいったん退散したものの、午後9時ごろになって再び現れ、爪でテントに拳大の穴を開けたのち、またどこかに去っていった。その夜はクマの襲来に備え、2人ずつ交代で見張りをした。翌26日の朝4時半ごろ、再度姿を現したクマは、より大胆な行動に出た。テントのすぐそばまで近寄ってきて、入口を爪で引っ掻きはじめたのだ。5人はテントが倒されないように中でしっかりポールを支えていたが、とうとう破られてしまった。いっせいに外に飛び出して逃げた5人が、50メートルほど離れた場所から振り返ってみると、クマは倒れたテントの近くに居座ってキスリングの中の食料を漁っていた。再三にわたる襲撃に、リーダーの太田は自分たちだけでは対処しかねると判断し、ハンターの出動を要請してくるよう辻と杉村に言付けて山を下らせた。九ノ沢を下っていった2人は、途中で北海道学園大学の登山部員たちと出会った。彼らもまたクマに襲われたため、ザックを放棄して下山する最中だった。辻と杉村の2人は、登山部員らにハンターの出動を要請する伝言を依頼し、再び引き返して、午後1時ごろ太田ら3人と合流した。この間、稜線に残っていた3人は交代で仮眠をとりながらクマの監視を続け、クマの姿が見えなくなった隙に全員のキスリングを奪い返していた。そこに鳥取大学登山部のメンバーが通りかかった際、太田は「クマがうろついているから危ない」と注意を促している。合流した福岡大学のメンバー5人は、1時間ほど稜線をたどったところでその日の行動を打ち切り、テントの設営に取り掛かった。しかし、夕刻の午後5時10分ごろ、またしてもクマが姿を現した。靴を履く暇もなく慌ててテントから逃げ出した5人は、しばらく様子をうかがっていたが、クマはテントに居座っていて動く気配はない。そこで先ほど出会った鳥取大学登山部が幕営している八ノ沢カールまで下りていって、助けを求めることにした。だが、稜線から50~70メートルほど下ったときに、あとを追ってくるクマの姿が目に入った。クマは最後尾を歩く辻の後方10メートルにまで迫っていた。いっせいに駆け出した5人はハイマツ林のなかで散り散りになってしまったが、間もなく太田と辻と坂口の3人は合流でき、岩場の影に隠れて一夜を明かすことにした。平野は鳥取大学登山部の幕営地を目指して下りていったが、途中でクマに追いかけられたため必死で逃げ回り、張ってあったテントを見つけてその中に入り込んだ。しかしテントの中には誰もおらず、腹を決めてそこで救助を待つと決めた。杉村はクマに追いかけられているのを目撃されていたが、その後の消息は途絶えていた。夜が明けた27日の朝はガスが濃く、視界は5メートルほどしかなかった。岩場に避難していた太田ら3人は、8時から行動を再開して下りはじめたが、15分ほど移動したところで突如クマが現れて行く手を遮った。とっさに辻が「死んだ真似をしろ」と声を上げ、3人はいったん地面に身を伏せたものの、クマが唸り声を発すると同時に太田が立ち上がり、カールに向かって駆け下りていった。クマはすぐにそのあとを追っていき、濃いガスのなか、太田とクマの姿はたちまち見えなくなった。残った辻と坂口は懸命に山を下り続け、なんとか無事に山麓までたどり着いた。その後の捜索・救助活動によって、消息不明となっていた太田、杉村、平野の3人は八ノ沢カールで遺体となって発見された。遺体はいずれもクマの襲撃を受けて爪痕が残っており、損傷が激しかった。平野の遺体の近くで見つかった手帳には、クマに襲われる寸前まで、一人テントの中で怯えながら救助を待つ、彼の生々しい心境が綴られていた。その一部を以下に抜粋する。「(27日午前)4時頃目がさめる。外のことが、気になるが、恐ろしいので、8時まで、テントの中にいることにする。(中略)もう5時20分である。またクマが出そうな予感がするのでまた、シュラフ(注:寝袋)にもぐり込む。ああ、早く博多に帰りたい」「7時 沢を下ることにする。にぎりめしをつくって、テントの中にあった、シャツやクツ下をかりる。テントを出て見ると、5m上に、やはりクマがいた。とても出られないので、このままテントの中にいる」「3時頃まで…(判読不能)…他のメンバーは、もう下山したのか。鳥取大WV(ワンダーフォーゲル部)は連絡してくれたのか。いつ助けに来るのか。すべて、不安で恐ろしい」3人を襲ったと思われるヒグマは、29日の夕刻、現場付近に姿を現したところをハンターによって射殺されたが、20発以上の弾丸を受けても倒れなかったと記録されている。クマは4歳の雌と推定され、体重は約130キロだった。クマが捕食のために人間を襲った例は、これだけにとどまらない。よく知られているのは、1915年12月に起こった「三毛別ヒグマ事件」だ。同じく北海道の苫前郡苫前村三毛別(現在の苫前町三渓)で、ヒグマが再三に渡って開拓民の集落を襲い、7人が死亡し、3人が重傷を負った。吉村昭が著した小説『羆嵐』はこの事件を題材にしたものであり、北海道庁元林務官の木村盛武も、事件を丹念に取材して『慟哭の谷』というノンフィクション作品をまとめている。また、1923年8月には北海道雨竜郡沼田町で、ヒグマが祭帰りの開拓民の集団や人家、駆除隊を襲撃し、5人が命を落とし、3人が重傷を負った。記憶に新しいところでは、2016年5月から6月にかけて、秋田県鹿角市の十和利山山麓で山菜採りに来ていた人が立て続けにツキノワグマに襲われ、4人が死亡、4人が重軽傷を負うという事件が起きている。襲撃したと見られる雌グマは同年6月に駆除されたが、「事件には複数のクマが関与していた」とする説もある。人間がクマに襲われて命を落とした場合、被害者や遺族への配慮から事件が公表されないことが多い。そのため、私たちの知らないところで起きている事件もあるようだ。また、最初から捕食目的で人間を襲ったのか、結果的に遺体を食べてしまったのか、判別が難しい。というのも、クマが我が身を守るためにとった行動によって人間が死に至ったとしても、なんらかのきっかけで遺体を食べ物と認識してしまうケースもあるからだ。そのようにして人間の味を覚えたクマは、繰り返し人間を襲うようになるという。さらに怖いのは、人間がエサとなる食料を所持していると、クマが学習してしまうことだ。今年の7月下旬から8月上旬にかけて、上高地の小梨平キャンプ場では、クマが何度もゴミ捨て場を漁り、最終的にはキャンパーのテントを襲うという事故にまで発展してしまった。福岡大学の事例も、当初のヒグマの狙いは学生たちが携行していた食料だった。それを取り返そうとしたために悲劇は起きた。クマは執着心が非常に強く、いったん獲得したものは「自分の所有物である」と認識する。それを奪い返そうとするのは自殺行為に等しい。ヒグマが逃げた学生たちを執拗につけ狙ったのは、人間が食料を持ち歩いていることを学習したためか、襲った人間の味を覚えてしまったためなのかは判断できない。いずれにしても、いくつかの不幸の連鎖によって事故が起きてしまったことだけは確かだ。クマによる人身被害は、多い年には年間150件近くを数えることもある。被害に遭う登山者や山菜・キノコ採りの人はあとを絶たず、今年だけでも福島県西会津町の木地夜鷹山や飯豊連峰、三重県の大杉谷、群馬県の蟻川岳などで登山者がクマに襲われている。昨年夏にはカムイエクウチカウシ山で、50年前の事件を思い起こさせるかのような、ヒグマによる登山者襲撃事故が立て続けに起きた。コロナの影響により登山者が減少したことで、「逆にクマの活動域が広がっているのでは?」と指摘される今、クマとの適切な距離を保つ方策と、遭遇を極力回避するための行動が、我々にはなおいっそう求められるのである。クマとの遭遇を回避するための野外活動時の注意点・地元の自治体などで事前にクマの出没情報を入手する・クマ鈴や笛などで音を出しながら行動する・新しい糞、足跡、樹皮に付けられた爪痕などを見つけたら直ちに引き返す・沢の近く、視界不良時、降雨時などはとくにクマの気配に要注意・食料は匂いが漏れないフードコンテナに保管する・ゴミや残飯などはすべて持ち帰る・先にクマを見つけたら、静かにゆっくりと後ずさりしてその場を離れる

(クマ出没:宮城)
登米市によると、24日午後2時ごろ、登米市東和町錦織小中崎にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
角田市によると、24日午後3時40分ごろ、角田市横倉高森にクマとみられる動物が出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前6時30分ごろ、仙台市泉区南中山5丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前6時ごろ、仙台市青葉区熊ケ根町二番にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、24日午前9時30分ごろ、栗原市栗駒栗原川端にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前6時20分ごろ、仙台市泉区北中山3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前6時ごろ、仙台市青葉区下愛子梅木にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日早朝、仙台市青葉区新川原田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、19日午前6時ごろ、仙台市青葉区芋沢横前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後6時30分ごろ、仙台市泉区南中山5丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午後2時ごろ、仙台市太白区鹿野本町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、20日午前7時ごろ、仙台市太白区根岸町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、20日午前9時20分ごろ、栗原市栗駒深谷大日向の県道沿いにクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、21日午後5時ごろ、富谷市三ノ関太子堂下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、20日午前8時50分ごろ、栗原市金成沢辺寺沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、19日午後5時ごろ、栗原市築館照越月山林にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、19日午前10時50分ごろ、栗原市築館外南沢の高速道路沿いにクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、18日午後3時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢権現森山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、18日早朝、仙台市青葉区新川原田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午後5時40分ごろ、仙台市泉区小角杉下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、18日午後4時ごろ、富谷市富谷西沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
涌谷町によると、17日、涌谷町下郡地区にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、18日午前8時10分ごろ、栗原市築館下宮野小牧にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、17日、栗原市一迫真坂寺下の県道沿いにクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午後2時40分ごろ、仙台市青葉区郷六岩下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、17日午後1時20分ごろ、富谷市三ノ関太子堂西にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
涌谷町によると、16日、涌谷町上郡地区にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日未明、仙台市太白区秋保町馬場新田町にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後3時30分ごろ、仙台市太白区長町越路にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、16日午後1時50分ごろ、栗原市栗駒嶺崎小堰にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午後10時30分ごろ、仙台市青葉区作並相ノ沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日、仙台市青葉区熊ケ根町二番にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午後6時15分ごろ、仙台市青葉区作並滝ノ上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午前8時15分ごろ、仙台市太白区長町越路にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日深夜、仙台市青葉区大倉斎野神にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日夜、仙台市青葉区錦ケ丘4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日深夜、仙台市青葉区大倉矢籠にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、14日午前7時20分ごろ、富谷市明石下向田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午前7時20分ごろ、仙台市太白区茂庭中ノ瀬西にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、9日、仙台市青葉区上愛子道半にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、11日午後5時10分ごろ、富谷市今泉寺前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午前7時20分ごろ、仙台市太白区茂庭中ノ瀬西にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午後6時30分ごろ、仙台市泉区朴沢柏房にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午後4時30分ごろ、仙台市泉区朴沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午後1時ごろ、仙台市泉区上谷刈館にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、11日午後1時30分ごろ、登米市南方町野谷地にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午後1時ごろ、仙台市泉区上谷刈館にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午前10時ごろ、仙台市泉区西田中抗城山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午前8時ごろ、仙台市青葉区大倉樋渡にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区大倉大原新田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、9日午前9時ごろ、仙台市太白区長町越路にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日夜、仙台市青葉区大倉赤岩にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、9日午後2時30分ごろ、栗原市一迫真坂清水花栗の路上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、9日午前10時ごろ、栗原市一迫北沢平林北にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午後8時50分ごろ、仙台市青葉区愛子中央3丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、8日午後2時15分ごろ、登米市東和町米川南上沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、8日午後3時ごろ、丸森町大内空久保上にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、8日午後1時30分ごろ、富谷市三ノ関太子堂西にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、8日午前10時30分ごろ、仙台市泉区福岡檀ノ原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、7日午前8時30分ごろ、仙台市泉区上谷刈大平東にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午前6時10分ごろ、仙台市泉区実沢男生山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、7日午前9時ごろ、富谷市三ノ関太子堂西にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午後11時ごろ、仙台市青葉区作並湯ノ原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午後0時30分ごろ、仙台市泉区加茂2丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
涌谷町によると、4日、涌谷町日向地区にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
登米市によると、4日午前10時45分ごろ、登米市中田町浅水長谷山にイノシシが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、4日午後3時30分ごろ、丸森町耕野小屋舘にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午後3時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢辺田にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日午後5時20分ごろ、仙台市青葉区高野原4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、2日午前11時ごろ、仙台市太白区秋保町境野漆方にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、2日午後5時30分ごろ、富谷市明石杉ノ入にクマが出没しました。

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