<射撃ニュース10月>
10/29
(道路で死んだマガモ、鳥インフルエンザ陽性反応:北海道)
旭川市の道路で野鳥のマガモが死んでいるのが見つかり、鳥インフルエンザウイルスの簡易検査で陽性反応が検出されました。道は北海道大学に検体を送り、毒性が強いウイルスかどうかなど詳しい検査を行っています。道によりますと、26日朝、旭川市の道路で野鳥のマガモ3羽が死んでいるのが見つかり、このうち1羽から鳥インフルエンザウイルスの簡易検査で陽性反応が検出されたということです。道は北海道大学に検体を送り、毒性が強い「高病原性」のウイルスかどうかなど詳しい検査を行っています。結果が判明するには1週間程度かかるということです。道によりますと、マガモが見つかった半径3キロ以内には衰弱したり、死んだりした野鳥は見つかっておらず、養鶏場もないということです。道はこの周辺での野鳥の監視を強化するとともに、道内の養鶏場に野鳥の侵入を防ぐなどの対策の徹底を呼びかけています。

(死んだ野生イノシシから豚熱:栃木)
栃木県は27日、大田原市と茂木町で25日に見つかった死んだ野生のイノシシ2頭から豚熱のウイルスが確認されたと発表しました。茂木町で感染が確認されたのは初めてで、県は県内すべての養豚場に対策を徹底するよう引き続き指導を行うとしています。

(狩猟期間中も補助金対象に:和歌山)
イノシシによる農作物被害が後を絶たない中、和歌山県田辺市は本年度から、これまで有害鳥獣捕獲の補助金を出していなかった狩猟期間(11月1日~翌年3月15日)での捕獲についても、補助の対象とする。猟銃での狩猟者が減少する一方で、農地を守るために年間を通じてわなで捕獲する農家が増えていることが背景にある。市によると、野生生物による市内の農作物被害額は近年、年間3500万円程度で高止まりしている。このうち、イノシシによる被害額は2019年度が550万円、20年度は559万円だった。農作物が食べられるだけでなく、田畑や農道も荒らされるなど、農家にとっては深刻な問題となっている。しかし、高齢化などの影響で、猟銃での狩猟者は減少。市内の登録者数は10年度が270人だったが、20年度は176人まで減った。一方で、農家がわな猟の免許を取得し、捕獲するケースは増加。わな猟の狩猟者登録者数は10年度が187人だったが、20年度は313人まで増えている。イノシシの捕獲数全体に占めるわな猟の割合も、10年度は約半数だったが、20年度は9割近くになっている。わなの購入や日々の見回りなど捕獲にかかる費用がかさみ、農家の経済的な負担が大きくなっていることから、補助制度を拡充することにした。イノシシ1匹当たりの捕獲補助金は、猟銃が1万5千円、わな猟が1万円となっている。市農業振興課の担当者は「補助制度を拡充することで、農家の負担を少しでも軽減できれば」と話している。

(21年度野生鳥獣の被害状況を発表:北海道)
道は25日、2021年度の野生鳥獣による農林水産業の被害状況調査結果を発表した。振興局別の被害金額では、釧路が最多の前年度比3%減の12億5000万円で、次いで十勝が12%増の7億1000万円。全14振興局の被害総額は7%増の50億3600万円だった。鳥獣別ではエゾシカの被害が全体の8割を占める40億7000万円で、釧路が最多の11億6500万円、十勝が2番目に多かった。

(ハンター育成プロジェクト:岩手)
大槌ジビエソーシャルプロジェクト(OGSP)は、大槌町でシカによる農作物被害が深刻化する中で生まれました。そして、増えすぎた野生鳥獣をただ駆除するのではなく、有効活用しようという動きが全国で活発化しています。みなさんと同じく今期狩猟デビューする新米ハンター工藤と一緒に、新しい時代のハンターの役割を考えていきましょう!

(民家敷地で80代女性にとびかかり脚にしがみつく:佐賀)
26日午前9時40分頃、佐賀県鳥栖市神辺町の民家敷地で、住民の女性(80歳代)がサル(体長約80センチ)に襲われた。けがはなかった。県警鳥栖署によると、サルは玄関付近にいて、外に出た女性にとびかかったり、脚にしがみついたりしたという。通報を受けた署員が現場周囲を警戒したが、見つからなかった。この日、伊万里市でもサルの目撃情報があり、県警は「サルを見た場合は近づかず、目を合わせないなど、注意してほしい」と呼びかけている。

(動物と接触、山陽線で遅れ:兵庫)
JR西日本によると27日午後8時45分ごろ、山陽線の上郡駅(兵庫県上郡町)-三石駅(備前市)間で列車がシカと接触したため、車両と線路を確認した。このため、上郡駅-岡山駅間で一部列車に遅れが出ている。

(列車とイノシシが衝突、遅れが発生:大分)
JR九州によると、28日午後5時45分ごろ、日豊線西屋敷―立石間で、ソニック48号(大分午後5時10分発博多行き)がイノシシと衝突した。この影響で同6時11分現在、同線上りの小倉―宇佐間で遅れが出ている。

(中心部でサル目撃情報が相次ぐ:長崎)
28日午後、長崎市中心部でサルの目撃情報が相次ぎました。目撃場所の近くには小学校や保育所もあり、関係者が注意を呼びかけています。サルが目撃されたのは長崎市宝町のバス停周辺です。警察や目撃者によりますと、28日午後2時すぎ、1匹のサルが宝町方面から銭座町方面に歩いていたということです。サルは最終的に稲佐山方面に逃げたとみられ、これまでにサルによる被害は確認されていません。目撃された場所の周辺には小学校や保育所もあり、関係者が注意を呼びかけています。

(クマのふん?相次ぎ通報:三重)
伊賀市は二十六日、同市高尾の尼ケ岳登山口でクマのものとみられるふんの目撃情報が相次いだため、住民に注意を呼び掛けた。

(一体ナゼ?警備会社がジビエビジネス参入)
現在、日本では、イノシシやシカなどの野生鳥獣が、田畑を荒らすなど、大きな問題になっています。農作物への被害額は、10年前と比べると1都3県で増加していて、首都圏では19億円を超えています。こうした中、捕獲した野生鳥獣の肉を、ジビエ料理として活用する取り組みが広がっています。このビジネスに、警備会社ALSOKが参入しました。一体なぜなのでしょうか?

(「全国ジビエフェア」開催:東京)
株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎 以下、ぐるなび)は、農林水産省「令和3年度全国ジビエプロモーション事業(ジビエフェア開催事業)」の事業実施主体として、全国の飲食店、ホテル、小売店、ECサイトなどで、国産の野生鳥獣肉(以下、ジビエ) を活用したメニューや商品を特設サイトで紹介する「全国ジビエフェア」を2021年11月1日(月)から2022年2月28日(月)まで開催します。農作物への鳥獣被害対策等のため鳥獣捕獲が増加する中、捕獲鳥獣を地域資源として利用し「マイナス」の存在から「プラス」の存在に変える取り組みが推進されています。「全国ジビエフェア」は、「プラスジビエ」をメインのコンセプトとして設定し、国産のジビエについて、飲食店や事業者での利用拡大を促進するとともに、消費者にジビエの魅力を伝え、ジビエをもっと知って・食べてもらうことを目的としています。全国1,123店の飲食店、ホテル、小売店、ECサイトが参加し、飲食店では、イタリアン・フレンチ、和食、居酒屋など幅広い業態が参加。価格帯やメニューバリエーションが豊富で、幅広くジビエ料理を楽しむことができます。ジビエの認知向上・消費拡大を目的とした特設サイトでは、ジビエを取り扱う全国の飲食店情報や、各都道府県等で行われるジビエ関連イベント等、ジビエに関する情報を幅広く紹介。全国各地のジビエが食べられる・買えるお店の検索ができるため、店舗選びに活用いただけます。

(害獣駆除されたシカの革で靴製作:兵庫)
害獣駆除や猟で仕留められたシカから取れた革を素材にした靴を、神戸の革職人松木真麻さん(39)が商品化した。ケミカルシューズで栄えた神戸市長田区にある靴製造販売業者が協力。軽くて柔らかく、撥水(はっすい)性にも優れた高機能な靴に仕上がった。松木さんは「足と靴が一体となったような履き心地。鹿革の柔らかさを楽しんでもらいたい」と話す。松木さんは同市中央区にアトリエ兼ショップ「育てる革小物」を開いている。かつてはフリーのグラフィックデザイナーとして働いていたが、趣味が高じて革小物の製作販売も手掛けるように。2018年には、現在と別の場所に工房を構え、専業の職人になった。以前は主に牛革を使っていたが、よりしなやかな風合いの鹿革と出合い、魅力にはまった。20年には鹿革を使ったブランド「エニシカ」を設立。たつの市にある害獣専門のなめし工場で加工された国産の鹿革を使い、かばんやコインケースなどを製作してきた。靴はエニシカの次のブランド商品として企画。一緒に旅する地下足袋のような履き心地の靴、という意味を込めて「タビシカ」と名付けた。以前から交流のあった長田区の靴製造業JC商事が、松木さんの発案したイメージを基にデザインや縫製で協力。縫製は職人による手作業で、丁寧に仕上げる。軽く、柔らかな風合いが特徴。24センチの靴では、片方の重さは180グラム以下という。撥水加工もしてあり、水にぬれてもシミになりにくい。靴底はゴム製で、消耗したら張り替えられる。デザインは男女兼用の2種類。靴ひもがあるショートブーツタイプは3万7400円、スリッポンタイプは3万3千円。色は茶や青、ラムネなど6色を用意する。「神戸の靴産業の技術があったからできた商品。リラックスする場面で使ってほしい」と松木さん。製作資金を募るインターネットのクラウドファンディングサイト「マクアケ」で30日までに申し込むと、1割引きで入手できる。一般販売は来年2月ごろを予定し、受注生産する。

(シカ肉料理の缶詰開発:北海道)
北見市でウェブ制作会社を経営する野田坂綱さん(40)が趣味を生かし、アウトドア製品ブランド「ROKUBO(ロクボー)」を立ち上げた。第1弾の商品として、北見や近郊でとったエゾシカの熟成肉を使った缶詰の「キャンプ飯」を開発。購入予約をクラウドファンディング(CF)サイトで受け付けたところ、27日時点で目標額の6倍超の予約が入る人気ぶりだ。北見出身の野田坂さんは、自動車販売会社勤務などを経て、2017年にホームページ制作や輸入雑貨・アパレル商品をインターネット販売する会社「フリーク」を設立。ロクボーは、この会社の新規事業として今年4月に始めた。

(コラボおせち、ジビエ縁で“食の共演”:鳥取・山梨)
鳥取県と山梨県の食材を取り入れた「とっとり・やまなしコラボおせち」が完成し、27日に鳥取県庁でお披露目された。両県がジビエ振興に取り組んでいる縁などから、両県知事の発案で実現。ジビエのほか両県の海・山の幸がふんだんに使われており、“食の共演”を楽しめる。

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10/27
(イノシシに追われ4m崖下に転落死:長崎)
22日佐世保市の山中でイノシシ狩りをしていた64歳の男性が、罠から逃げ出したイノシシに追いかけられ崖から転落し死亡しました。死亡したのは佐世保市高梨町の無職・野﨑博さん(64)です。警察によりますと野﨑さんは22日午後2時半頃、佐世保市野崎町で70代の男性と一緒にイノシシの狩猟のため山中に入り、罠にかかったイノシシを捕まえようとしたところ罠から逃げ出したイノシシに追いかけられ、崖から高さ約4メートル下に転落したということです。野﨑さんは佐世保市内の病院に救急搬送されましたが約4時間後に死亡しました。同行していた男性にけがはありませんでした。警察が死因などを調べています。

(クマに襲われ2人けが、列車とクマ衝突し安全確認中:島根)
23日午前6時20分ごろ、浜田市三隅町岡見のJR山陰線岡見―鎌手間の線路付近で、地元猟友会の70代男性と島根県職員の40代女性の2人がツキノワグマに足や手などをかまれてけがを負った。軽傷という。22日夜に同地点で普通列車がクマと衝突したことを受け、安全確認をしていた。県農林水産課によると、23日朝から猟友会のメンバーや警察など計8人で安全確認をしていたという。線路内にクマはいなかったが、ふんを確認していたところ茂みから突然、体長約1メートルのクマが襲ってきたという。クマ1頭はその場で殺処分された。付近に民家などはないという。

(クマの襲撃、リュックに救われた:島根)
島根県浜田市井野町の山中で市内の猟師男性(65)がツキノワグマに襲われた被害を受け、市や県などは18日、被害男性を伴い現地確認した。両腕などを爪で引っかかれて軽傷を負った男性は「シャーッと、ものすごいスピードで斜面を駆け降りてきて、覆いかぶさるようにして襲われた」と恐怖を語った。男性によると17日午前10時ごろ、イノシシのわなを確認するため入った山で被害に遭った。わなのある地点から約30メートル離れた斜面の下に着いたとき、わなの方から「ギャー、ギャー」という鳴き声が聞こえた。目を向けるとクマが顔を出し、斜面を一気に駆け降りてきた。逃げる間はなかった。男性は持っていた木の棒(長さ80センチ、直径4センチ)でクマの頭辺りを一撃した後、自分の頭をかばうようにしてしゃがみこんだ。クマは男性の後ろから覆いかぶさり、腕などを引っかいた。衝撃で眼鏡が飛んだ。男性が大声を上げながら耐えていると、間もなくクマは逃げていった。クマは体長約1メートル。「この山で20年以上猟をしているが、クマは見かけたことがなかったので驚いた」と、現地確認をした市や県の担当者たち8人に説明した。当時、猟銃は持っておらず、わなの道具を入れたリュックを背負っていた。上着の両腕部分が自分の血で真っ赤になったが、「リュックを背負っていたので大けがにならなかった」と話す。男性はその後、わなにかかったイノシシを自宅に持ち帰った後、市内の病院で治療した。全治2週間のけがという。市農林振興課によると、市内での本年度の目撃件数は266件(18日現在)と前年同期の約1・5倍。捕獲数は53頭(同)で、昨年度の21頭を大きく上回っている。県鳥獣対策室によると、県内での目撃件数は871件(9月末現在)と前年同期の約1・2倍。捕獲数は195頭(同)で、昨年度は158頭だった。

(車中で休んでいた男性がツキノワグマに噛まれケガ:岐阜)
22日午前、岐阜県揖斐川町の山で、車の中で休んでいた男性が窓から出していた腕をツキノワグマに噛まれケガをしました。22日午前9時前、揖斐川町坂内川上の神ケ岳ダム付近で、関西地方から登山に訪れた70歳の男性が車を停めて休んでいたところ、窓から出していた腕をツキノワグマに噛まれました。男性は、右腕を4ヵ所噛まれましたが、自ら近くの診療所を受診し、ケガの程度は軽いということです。岐阜県によりますと、この時期は、冬眠を控えたクマが山間部だけでなく、近くの住宅地などにも出没することがあるということです。岐阜県は「ツキノワグマ出没注意情報」を発令し、住宅の外にクマのエサとなる生ゴミを放置しないなど対策を呼び掛けています。

(住民がサルに襲われる:佐賀)
佐賀県警鳥栖署は26日、鳥栖市神辺町の門前交差点南西方のため池付近で同日午前9時40分ころ、サル1匹が出没し、付近の住民が襲われる被害が発生したとして、注意を喚起した。

(野生イノシシが豚熱、県内で1年ぶり感染を確認:愛知)
県は二十六日、豊田市池田町の雑木林で十四日に捕獲した野生イノシシが豚熱(CSF)に感染していたと発表した。

(鹿・イノシシの捕獲数と被害額、増減に地域差)
鹿やイノシシの捕獲数と農作物被害の動向に地域差が出ていることが、農水省の調査で分かった。捕獲数が増え被害額が減った地域がある一方、捕獲数、被害額とも増えた地域、捕獲数と被害額ともに減った地域もある。生息数や生息域、対策の進度などの状況が影響している。全国で今後予定する集中捕獲に向け、同省は実態に応じた効果的な対策の検討を各県に呼び掛ける。同省は、各県で2020年度の鹿とイノシシの捕獲数と被害額を調査した。結果、19年度と比べて①捕獲数と被害額が減った地域②捕獲数、被害額とも増えた地域③捕獲数が増え、被害額が減った地域――と大きく三つの傾向に分かれた。捕獲数、被害額とも減ったのは東海、関東、北陸。同省は、生息数自体の減少が要因とみる。豚熱陽性の野生イノシシが確認された地域では、感染死や19年度から始めた重点捕獲で生息数が減った。その他の地域は、捕獲や柵の設置、餌となる果樹を減らすなどの対策の効果が表れた。同省は生息数が増加に転じないよう、捕獲圧を保つよう促す。東北、九州の一部では捕獲数、被害額とも増えた。同省は生息域の拡大が要因とみる。東北では、イノシシは足が短く雪に埋もれてしまうため越冬が困難だったが、20年度は少雪で頭数が増えた。九州は、従来被害が少なく対策が手薄だった地域で、被害が広がった場合があるとみる。同省は、生息域の縮小へ、東北では捕獲目標の上積みが、九州では生息域や頭数の把握を進めて地域間で連携した捕獲を実施することなどが必要とみる。近畿、中国、四国、九州の一部、沖縄などでは捕獲数が増え、被害額は減った。同省は、捕獲や柵の設置など対策の効果が表れた地域とみる。だが、捕獲数が急増しても、被害額は横ばいに近い県も多い。同省は、こうした地域では生息数を減らす必要があるとして、繁殖場所を特定し効果的に捕獲するよう訴える。農作物に被害を与える個体を着実に減らすため、農地周辺での捕獲強化など捕獲場所の再検討も促す。同省は20年度から、11~3月に鹿とイノシシの集中捕獲キャンペーンを展開。全都道府県で、被害防止に重要な地域や捕獲数が少ない地域で重点的に捕獲を進める取り組みで、21年度も継続する。キャンペーン効果を上げるため、同省は9月下旬に各県との意見交換会を開き、一連の分析結果を示して、対策の検討を呼び掛けるなどしている。

(「クマ剥ぎ」の杉林被害相次ぐ:宮城)
宮城県内の杉林で、ツキノワグマによって樹皮を剥がれる「クマ剥ぎ」の被害が目立っている。皮を剥がされた杉は材木としての価値が下がったりするため、大和町で今月上旬に開かれた研修会では、林業関係者が被害状況や対策などを確認し合った。研修会は7日にあり、森林組合や森林管理署の職員ら10人余りが参加した。県内の国有林などで植林に取り組むみやぎ生協COOP緑の基金運営委員会が初めて主催した。親川麗子委員長(73)は「クマは木の実などが不足する6~8月ごろに樹皮をかじり取って、樹液などから栄養を補給すると言われている」と説明した。クマ剥ぎに遭った杉は腐敗して枯れたり、材木としての商品価値が下がったりするとし、実態の把握や対策の必要性を訴えた。参加者は緑の基金が林野庁と契約を結び、同町吉田の国有林3・2ヘクタールで5000本以上の針葉樹や広葉樹を植えた「COOPの森」へ移動。クマの牙によって根元から高さ2メートル近くまで樹皮が剥ぎ取られた木などを見学した。目視できるだけで50本以上の被害があるという。また、長野県のプラスチック製品会社が開発し、クマの目線に近い高さに巻き付けて使うベルト状の忌避剤の使い方を学んだ。参加した大崎森林組合(大崎市)の今野耕一副参事(71)は「クマ剥ぎの被害はあまり認識されてこなかった。杉を守るため、注意しながら作業したい」と語った。宮城県林業技術総合センターなどによると、県内では2010年度以降、少なくとも白石市、七ケ宿町など9市町でクマ剥ぎの被害が見つかっているが、全容の把握は難しいという。親川さんは「行政機関が現場で作業する森林組合などを通じて実態を把握するべきだ。野生動物による森林被害の研究者を増やし、市民にももっと関心を高めてほしい」と求める。

(鳥獣被害7%増50億円:北海道)
道がまとめた2020年度の野生鳥獣による道内農林水産業の被害総額は、前年度比7%増の50億円となり、2年ぶりに増加した。大半がエゾシカによる農業被害だった。エゾシカ被害は対策を続けている道東で減少した一方、道北などでは増加した。鳥獣別では、エゾシカが40億7千万円で最も多く、カラス類の2億7千万円、ヒグマの2億5千万円、アライグマとキツネの各1億4千万円と続いた。被害額は、カラス類を除いた全ての鳥獣でやや増えた。

(野生鳥獣対策に試行錯誤、高齢化でハンター減少:福岡)
シカやイノシシなど野生鳥獣による農林水産物への被害が深刻だ。九州で最も大きな被害が出ている福岡県では、狩猟期間を拡大して、捕獲作戦を展開し成果を上げているが、一方で高齢化が進むハンターの減少が止まらない。同県は11月28日までジビエフェアを開催中で、獣肉活用を促進してハンターの捕獲意欲に弾みをつけたい考えだ。本格的な猟解シーズンを前に、同県の野生鳥獣の事情を探った。農林水産省などによると、かつて野生鳥獣は貴重なたんぱく源だったが、平成になって、イノシシやシカが爆発的に増加した。そこで農水省はイノシシ、シカを令和5年度までに半減させる計画を策定。鳥獣被害防止特措法を施行し、侵入防止柵設置を強化してきた。その成果もあって被害額は平成22年度を境に減少傾向にあるが、なお高い水準で推移している。福岡県内の農林水産物被害も22年度の15億7400万円をピークに減少してきたが、令和2年度は7億4300万円と九州で最も大きな被害額で、同県は「まだまだ管理目標には届かない」という。同県は、①侵入防止②捕獲の推進③獣肉の有効活用促進―を3本柱に被害削減を目指している。侵入防止柵の設置は国の補助事業として急速に進展。被害減少の背景となっている。同県八女市では「設置希望者の約9割は終えた」という。ただ、防止柵でイノシシなどの侵入を防いだとしても、野生鳥獣の被害はなくならない。そこで福岡県が強化しているのが捕獲の推進だ。北海道以外の鳥獣の狩猟期間は11月15日から2月15日までだが、同県はイノシシ、シカに限って11月1日から3月15日までに拡大。さらにイノシシのわな猟は、10月15日から6カ月間できるように制限を緩和し、捕獲を推進している。こうして捕獲されたイノシシは令和元年度で2万4645頭、シカ1万932頭。シカはこの10年で3倍に増えており「捕獲数は国の計画を上回る水準」と県農山漁村振興課。イノシシが多いのは八女や糸島地方。八女市は「昨年度は3千頭を捕獲した」という。シカは生息域が拡大。これまで英彦山周辺が被害の中心だったが、八女地方でも捕獲されるようになり「耳納連山でも数件の目撃情報がある」と久留米市。カモ被害が増え、田川市や添田町ではアライグマやアナグマの被害も目立つようになった。新顔も現れた。10年前にはいなかったカワウが筑後川流域に出没し、アユなどの川魚を食い荒らしているという。一方、狩猟者側の事情はどうか。同県の狩猟者登録数は平成22年度には3293人だったが、その後、毎年減り続け、令和元年度は3042人にまでダウン。減っている要因は銃を使って猟をするハンターがいなくなっていることだ。22年度には2012人いたが、元年度には3割減って1449人になった。銃猟登録者の減少は「中山間部地域の高齢化が背景にある」(八女市)という。同県は捕獲した獣肉を、地域の資源として有効活用しようと、昨年度から「ふくおかジビエの店」認定制度を新設。ジビエ普及を目指して、11月28日まで「ふくおかジビエフェア」を開催中。認定店28店舗とJR博多シティくうてん6店舗で、県内産のジビエ料理を提供している。県内には市町施設と民間施設を合せて17の処理場がある。ジビエ活用は最近、伸びているものの、昨年度利用された獣肉は捕獲量の1割の48トンだけ。県は「ジビエ振興を図り、野生鳥獣の適正管理に弾みをつけたい」としている。中山間地の高齢化が進む中で、野生動物とどうすみ分けていくのか。県は「まずは野生動物の生態を知ることが被害防除の第一歩。餌付けにつながる行為は絶対にやめてほしい」と説明している。

(野外での行楽、マダニやエキノコックスに注意:愛知)
行楽の季節、屋外には小さな生き物による危険が潜んでいます。時には死に至ることもあるマダニ。感染症を引き起こす寄生虫。身を守るにはどうすればいいのでしょうか。愛知県内の公園。木々に囲まれ、多くの人がハイキングを楽しむ場所です。「けもの道ですね。ずっと続いています」(愛知県ペストコントロール協会・森重樹技術員)。イノシシが通った跡だといいます。そこに白い布を広げて、けもの道周辺の草にこすりつけていくと…布の上にたくさんの小さな粒が取れました。すごい数です。この小さな粒の正体はマダニです。野生生物などの血も吸い、様々な病原体を持ち、かまれることで、感染症を発症するおそれがあります。今月に入り、愛媛県の80代の女性がマダニにかまれたことで感染する日本紅斑熱で死亡。7月には愛知県内で初めて、マダニにかまれて発熱や消化器症状を伴うSFTSウイルスの感染者が確認されています。「シダ植物などギザギザが多いところはくっつきやすいのでマダニがいます」(愛知県ペストコントロール協会・森重樹技術員)。ダニから身を守るために服装は、長袖、長ズボンが基本になります。また足元も長靴やスニーカーに長いソックスを着用し、虫よけスプレーで肌を守ります。「マダニは蚊と違い、頭部が皮膚を貫通してかみつきながら血液を吸う生物です。取り除くと頭部だけが残る可能性があるので炎症が残る可能性がある。専門医に行かざるをえなくなるので噛まれないことが重要」(愛知県ペストコントロール協会・森重樹技術員)。野外にはマダニのほかにも、スズメバチやムカデなど、危険な生き物でいっぱい。草木や動物に触れた手や、靴についた土などに寄生虫が潜んでいる危険があります。 21日、愛知県の大村知事が会見で取り上げたのが…「犬のエキノコックス症の発生による注意喚起について2019年3月、国立感染症研究所が愛知県内の一部に定着したと発表した」(愛知・大村知事)エキノコックスとは、キツネや犬などに感染する寄生虫です。日本国内では、主に北海道で確認されていましたが、2014年に愛知県の阿久比町で、県内で初めて野犬からエキノコックスが確認され、それ以降、これまでに9件確認されています。なぜエキノコックスが愛知県でみつかったのか詳しくはわかっていません。エキノコックスは、私たちヒトにも関係があります。「卵がついているところを触って口に入ることが(感染)経路になる」(愛知県感染症対策課)。エキノコックスは、犬やキツネの体内に寄生してそこで成虫となり、卵を産みます。卵は糞として排泄され、その卵がついた水や野菜を口にすることで人に感染します。感染した場合、腹痛や肝臓の肥大化などの症状がみられます。特に注意したいのが発症までの潜伏期間です。「潜伏期間が非常に長い感染症で、一般的には初期症状が出るまで10年以上かかるといわれている」(愛知県感染症対策課)。気付かないまま過ごすと、死にいたる恐れもあるエキノコックス。感染を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか。「虫卵を体内にいれないことが大切。野山に出かけて帰ったらよく手を洗う。沢・川の水は飲まない。山菜・野菜・果物はよく洗って食べるようにしてください」(愛知県感染症対策課)。

(クマによる人身被害多発、クリのある場所は特に注意を:秋田)
秋田県内で9月中旬以降、ツキノワグマによる人身被害が多発している。秋は冬眠前のクマが食べ物を探して里山や人里近くなどに出没し、クリやキノコなどを求めて山林に入る人との遭遇が懸念されるため、県や県警はクマの被害に遭わないよう注意を呼び掛ける。県自然保護課によると、今年は県内でクマによる人身被害がこれまでに11件起き、11人がけがをした。

(「もうイノシシ病」家の中荒らされる離島のストレス:広島)
尾道市の離島の百島でイノシシ被害が拡大し、大半の民家が防護柵を設けて侵入を防ぐ異例の光景が広がっている。島民は金網や有刺鉄線、電気柵を駆使するが、手薄な場所から入られて建物内を荒らされる被害は絶えない。イノシシがわが物顔で島を歩き回る様子に、住民は「こっちがおりの中に住んでいるよう」と身を縮ませる。「もうイノシシ病よ。ストレスで調子が悪くなり点滴も打っている」。島北部に住む旗手タヤ子さん(87)がぼやく。9月末、夜間に木戸を壊され、冷蔵庫や米袋を荒らされた。今は敷地の出入り口2カ所に、くぎを無数に打ち付けた板戸を据え付けている。倉敷市に住む息子の敏信さん(65)が帰省し、急ごしらえした。これまでも畑の野菜や植栽が被害に遭い、家に入られたのは2回目。今回は獣害対策用の木戸を増やしていたのに侵入されたのは衝撃的だった。敏信さんも「対策するにもお金と労力がばかにならない」と厳しい表情を浮かべる。百島町内会によると、民家などに関連した被害は昨年5月から今年9月末までに確認されただけで82件。民家や店舗、寺などが荒らされ、屋外に置いてある冷蔵庫や壁も壊された。

(空気銃で猫6匹を殺傷、初公判で被告「80匹から100匹くらい撃った」:千葉)
空気銃で猫を殺傷したとして、動物愛護法違反などの罪で起訴された男の初公判が26日、千葉地裁で開かれ、男は起訴内容を認め、検察側は懲役1年6か月を求刑、即日結審しました。起訴状などによりますと、千葉市若葉区の平田雄一郎被告(49)は2020年11月、八千代市勝田台で猫に空気銃を発射して、骨折させたほか、翌12月には別の猫を射殺したとして、動物愛護法違反と銃刀法違反の罪に問われています。26日の初公判で、平田被告は「間違いありません」と起訴内容を認め、被告人質問では「3年ほど前から80匹から100匹くらい撃った」「猫を撃った時の高揚感が忘れられなかった」などと答えました。検察側は、「犯行態様が危険で悪質であり、常習性が認められる」「猫2匹を死亡させ4匹にけがをさせた犯行結果は重大である」として懲役1年6か月を求刑、一方弁護側は、「本人が反省して2度と犯行を繰り返さないことを決意している」として、執行猶予付きの判決を求め、即日結審しました。判決は11月8日に言い渡される予定です。

(東京に向けて北上中!?キョン大繁殖で被害拡大も:千葉)
千葉県南部で繁殖、急増しているシカ科の特定外来生物、キョン。人間に危害を加えることはない臆病な動物だが、生態系を破壊したり、農作物に被害を及ぼすことから駆除の対象になっている。しかし、その命を奪うだけではなく、有効活用しようという動きも見られる。人と野生動物が共生する未来を探る──。「ギョーウ、ギョーウ……」。千葉県。房総半島南部のとある地域。日が落ちるとどこからともなく、聞いたことのない不気味な鳴き声が響き渡った。その声に80代の女性は眉をひそめた。『キョン』とは中国や台湾にいるシカ科の小型草食獣。全長1メートル、体重は10キロ程度で中型犬程度の大きさだ。現在は東京・伊豆大島と千葉県の房総半島南部にのみ生息している。もともと日本の動物ではなく、海外から連れてこられた外来生物だ。動物園で飼われていたキョンが逃げ出し、温暖な気候で天敵もいなかったことから繁殖、野生化した。国はアライグマなどと同じように『特定外来生物』に指定、根絶を目指し駆除を進める。「キョンは農作物に被害を与えたり、希少な植物を食べて日本古来の生態系に被害を及ぼすおそれがあります。すでに住民の生活環境や農作物には被害が出ており、県としては早急に駆除したいと考えています」(千葉県担当者)。千葉県勝浦市、いすみ市など房総半島南部で急増しており、推定5万頭、最大で8万頭ほどいるという。見た目は小さくて愛くるしい動物なのだが、定着している地域では『厄介者』とされている。キョンの被害に悩む市町村の担当者も頭を抱える。「キョンは市街地の空き家にもすみ着いてしまいます。鳴き声の苦情やフンの害、農業被害や家庭菜園などを中心に食害も出ています。被害額は年間数百万円とイノシシやシカ、アライグマに比べれば小さいのですが、放っておくわけにはいきません」。農業被害額に含まれないガーデニングの被害は深刻だ。「高齢者にとってはガーデニングや家庭菜園などが生活の張り合いになっているんです。“市民生活に影響を及ぼす動物”と地域の人は困っています」(市町村担当者、以下同)。ほかにもマダニを庭に落としたり、道を横切り走ってきた車とぶつかって交通事故になるケースもあるという。「殺生は心苦しいのですが、特定外来生物として国が位置づけているので、日本にはいてはいけない野生動物。なので私たちは駆除しています」。だが、その捕獲にはだいぶ苦戦しているという。キョンの生態に詳しいHunt+の石川雄揮さんが説明する。「キョンはおとなしく警戒心が強いので自然の少しの変化も敏感に感じ取ります。罠を仕掛けるのも細心の注意が必要です。腕利きのハンターでも簡単に捕獲することはできません。県や国は“根絶しろ”と訴えていますが厳しい。私たちの猟友会でも増加を止めるための数すら捕れていないのですから」。キョンは現在、市原市などにまで北上、17市町村での分布が確認されている。東京や茨城では迷い込んだとみられる個体も確認されている。「ストレスで死ぬほどにか弱い動物なので、リスクを冒して東京や埼玉で定着することはないでしょう。攻撃もしてこないんですから」(以下、石川さん)。人間に危害を加えないなら共存する道があるのではないだろうか。「個体数は管理調整したほうがいいとは思いますが、捕まえて殺して捨てるだけなんて誰もやりたくないですよ。本当に根絶しないといけないのかって思いました。ただ殺すんじゃなくて、動物の価値を高めればいいと思って調べ、活用の道を模索しました」。調べると非常に高価な動物であることがわかった。1つは皮。剣道の防具や小手などに使われている最高級品はキョンの革を使っている。非常に滑らかでニホンジカよりも3倍の強度がある。その使用の歴史は古く、卑弥呼の時代まで遡る。キョンの革を油でなめしたセーム革は金属や宝石を磨くだけでなく、こするだけで肌がつるつるになることから肌ケアにも最適だ。シカ革を使った女性に人気の伝統工芸品の『印伝』の展開にも可能性を秘める。2つ目は食肉。「キョンの肉は台湾では末端価格で100g3000円くらいの超高級食材。味はあっさりとしていてクセがない。高タンパク低脂質。それにビタミンBが豊富です。日本では駆除対象獣で厄介者ですが、台湾では特定保護動物なんです」。角は精力剤として高級漢方として処方されてきた。キョンは捕獲され、殺されるときに赤ちゃんのような声で鳴き叫ぶのだという。「捕まって殺されるときに、命乞いをして仲間たちに助けを求めるんです。処分現場に立ち会うとき、あまりにも鳴き叫び、命乞いをした目をされるので心がやられます……」。そうした理由からキョンを捕りたくないというハンターも少なくないという。「その叫びは心の底をえぐってきます。私のところでは狩猟体験でキョンの捕獲や処分に立ち会ってもらいます。キョンは命の循環を自らの命で伝えてくれる存在としてもとても価値がある。私たちの普段の暮らしの中でどんな動物が犠牲になっているか。キョンは知らない動物かもしれませんが、普段僕たちが食べる肉も一緒。その肉が僕たちの細胞ひとつひとつを構成してくれています。この細胞が彼らの命だったんです。それを全身から感じさせてくれるのがキョンの叫びです」。石川さんは訴える。「キョンは99%が殺されて捨てられています。古来、日本人はとても世話になってきたのに、厄介者、気持ち悪い動物と蔑まれており、敬意が一切ない。来たくないのに日本に連れてこられて逃げ出して増えただけです。これまで誰もキョンの価値を知らずに殺して捨てるだけを10数年も繰り返してきたんです」。鶏も豚も牛も、普段は何も気にすることなくその肉を食べている日本人には命の尊さを教えてくれる生き物なのだ。「キョンの狩猟体験を学校の課外授業や体験学習に取り入れてもらいたいと思っています。特に千葉県の子どもたちにはキョンや身近な自然や生き物のことを知ってほしい。僕たちはどんな動物と共存しているかは知らないんです。そういう動物たちが自然を育んでくれているんです」。人間のエゴに振り回されている動物、キョン。私たちに命と向き合う必要を訴えかけているのではないだろうか。

(クマが市街地に出没を想定した対応訓練:山梨)
クマが市街地に出没した時の対応訓練が10月25日山梨県甲斐市で行われました。クマの目撃情報が増えるこれからの時期に合わせて甲斐警察署が初めて企画したもので、市役所職員や地元の猟友会が参加しました。訓練は敷島総合公園に体長1メートルほどのツキノワグマが出没し、1人が襲われけがをしたという想定で行われました。訓練は警察と猟友会などが状況を共有するところから始まり、クマを追い払うことができないと判断した際に、猟友会の会員が猟銃でクマを駆除するまでの流れを確認しました。県によりますと今年はこれまでに、去年とほぼ同じ148件のクマの目撃情報が寄せられています。去年は4人がクマに襲われていて、県や警察などは遭遇した場合は驚かせないよう注意を呼びかけています。

(クマ出没訓練:石川)
石川県能美市で22日、市街地にクマが出没したとの想定で、警察や地元の猟友会が麻酔銃を使った捕獲訓練を行いました。石川県内では今年、クマのエサとなるブナの実が大豊作とみられていますが、県は人里に近い地域に住みつくクマが増えているとして警戒を呼びかけています。石川県自然環境課の担当者は「クリ・カキなど、クマの好物となるものは早めに除去してほしい。通常12月初めくらまではクマが活動するので、警戒してほしい」と呼びかけました。

(クマ追い払う装置「ウルフ」、道の駅に出現:北海道)
クマなどの野生動物を追い払うため、オオカミを模した忌避装置「モンスターウルフ」が、滝川市江部乙の道の駅たきかわに「出没」している。畑の食害対策などに有効として全国で導入が進んでいるが、観光PRのため道の駅に設置されるのは初めて。雄たけびを上げながら、訪れた人に地元の特産品を宣伝している。モンスターウルフは機械部品製造の太田精器(空知管内奈井江町)が開発した。全長約1・2メートルで、首を左右に振りながら光や音を発し、クマやシカを退散させる。これまでに道内外の畑作地などに約100台が導入された。道の駅たきかわへの設置は、同社が在庫品の活用を市に持ちかけて実現。期間限定で無償レンタルされ、今月20日に登場した。

(対カラスに「鳥型ロボ」:神奈川)
カラスなどによる農作物や家畜の鳥獣被害がある土沢地区の有限会社浜田牧場(浜田昌伯代表)で10月19日~22日、株式会社建設環境研究所が開発した、害鳥を追い払う「鳥型ロボット」の実証実験が行われた。今回実験したのは開発1号機。ロボットは、カラスの天敵でもある猛禽類のオオタカの形をしており、スピーカーからオオタカが警戒するときの鳴き声を流すほか、ラジコンの要領で本物さながらに羽根を動かせる仕組みだ。剥製のカラスを捕食しているシーンを模した「設置型」と、空を旋回し威嚇する「吊り下げ型」の2種で実験。それぞれ、設置型は近づいてくるカラスに、吊り下げ型は電線などに止まり遠くから様子を伺うカラスへの効果を狙った。吊り下げ型の実験時には、警戒の鳴き声を発しながら滑空するロボットの様子を見に、たびたび低空飛行でカラスが現れるなどの反応があった。開発責任者の志村正幸さんは「カラスは小学校低学年の子どもくらいの知能があると言われている。それを逆手にとって、このエリアには猛禽類が生息し危険なんだということをカラスに教育したい。実験結果を踏まえて改良していく」と話していた。9年前から積極的にカラス対策を行っている浜田さんは、「乳牛や子牛をつつかれるほか、農作物を荒らされる被害も出ている。ネットを張って対策するしかなかった。鳥型ロボットが、農家の明るい期待になればうれしいです」と話していた。

(ゴミ集積所のカラス除けに「乾燥ヒトデ」で対策:神奈川)
戸塚で創業50年の自然食品店「すこやか広場」で販売する動物忌避商品「ヒトデのおかげ」が、長年カラス被害に困っていたスタッフの地元、上倉田のゴミ集積所で効果を発揮。町内会長からも喜びの声が寄せられた。乾燥ヒトデの知恵は、ホタテ産地である北海道の漁協で40年前から活用されている。天敵となるヒトデを駆除して乾燥し動物忌避や土壌改良に役立てている。今年同店が商品化し全国販売。戸塚駅西口のハトフン害対策で反響を呼び8月には2回目の散布が行われた。殺虫剤や刺激の強い忌避剤とは違い、幅広い使い道が魅力。庭やベランダ、屋根裏、物置でゴキブリやねずみ、野良猫対策に。畑ではアブラムシやアリにも効果的だ。

(エゾシカネット、森と人との共存共生目指す:北海道)
推定60万頭以上が生息するとされる北海道のエゾシカ。農作物や線路内侵入など依然としてエゾシカによる被害は後を絶たない。そうした中でNPO法人エゾシカネットはエゾシカ肉の普及啓蒙(けいもう)に併せて毎年、子供たちを対象にした親子参加の自然体験学習を企画。今年も10月10日、石狩管内当別町にある「道民の森」でエゾシカに関わる学習会や森の散策、植樹などを行った。

(冬眠前のヒグマの生態、道庁でパネル展:北海道)
冬の足音が聞こえ始めたこの時期に合わせ、冬眠前のヒグマの怖さを知ってもらうパネル展が北海道庁で開かれています。パネル展は、この時期、冬眠を控えたクマが餌を求めて活発に行動し、キノコ採りなどの人が遭遇する危険性が高いことから、道が注意を呼びかけるために企画しました。道庁1階の会場には、クマの生態や出没状況などを説明するパネルが30枚ほど並べられています。このなかで、クマとの遭遇を避けるための注意点として、山に入る場合は▼複数人で行動し、▼鈴やラジオなどで音を出しながら移動するほか、▼食べ物やごみは必ず持ち帰るよう呼びかけています。道自然環境課の武田忠義さんは「まず、クマがいそうな所には行かないことが一番ですが、もし森の中に入るなら音を出すなどして人間の存在を知らせることが大切です」と話していました。このパネル展は、道庁1階の特設展示場で22日は午後5時まで見ることができるほか、来週25日にも開かれる予定です。

(猟友会、駆除した鳥獣を供養:和歌山)
猟友会日高支部の矢田、丹生、早蘇、船着、川中、川上、寒川分会の2021年度鳥獣供養式が21日、日高川町船津の観音寺で開かれた。各分会員や役場職員ら約40人が出席。各分会を代表して寒川分会の下西千秋分会長(70)があいさつ。「全国的に鳥獣による被害が多発し、町内でも有害鳥獣による農作物の被害が後を絶たず深刻な問題。私たち猟友会も農作物を守るべく駆除にあたっているが、命を奪うことに変わりがなく、駆除された鳥獣諸霊を慰めたいと思います」と話した。来賓の久留米啓史町長、山本啓司町議会議長が日ごろの協力に感謝の意などを述べた。岡﨑秀司住職の読経が始まると参列者が順に焼香し、手を合わせ、生きるための糧として犠牲になった鳥獣諸霊を供養した。

(ロックンロールでクマ被害を啓発:岩手)
盛岡在住のシンガーソングライター・田口友善さんが歌う「ツキノワグマのRock'n'Roll」が、岩手県による2021年度秋のクマ被害キャンペーンのキャンペーンソングとなり、話題となっている。秋は登山やキノコ採りなどで山へ入る機会が増え、クマと予期せず遭遇してしまう危険性が高くなることから、県では県民に向けてクマによる被害の防止を呼び掛けるキャンペーンを9月から実施。クマに遭遇しないための対策や遭遇したときの対処法をまとめた注意喚起リーフレットを配布するほか、県内の道の駅などでキャンペーンソングを流し注意を呼び掛けている。キャンペーンソングの「ツキノワグマのRock'n'Roll」は、クマの怖さや危険性、遭遇した時の対策をロック調のメロディーに乗せて分かりやすく歌い上げる。もともとは同楽曲の作詞作曲を務めた登堂かほるさんの依頼を受けて、半年前に田口さんが歌いCD化していた曲で、曲を聞いた人から「よくできている曲なので、県庁の担当者に聞いてもらってはどうだ」と持ち掛けられ県に相談。その後、「キャンペーンの実施に合わせて活用できないか」と県側から提案を受けた。1番の歌詞で「ガオー、ガオー、ガオー ガオー、ガオー、ガオー 突然アンタに 襲いかかる」とクマの恐ろしさを歌い、3番でクマと遭遇した時にはクマの顔から目を離さずに後ずさりする対処法を紹介。「カオ、カオ、カオ カオ、カオ、カオ 顔をそむけず 後ずさりしろ」と歌詞を変えている。続く4番では、対処法を知っていても実際に遭遇すると怖くてうまく実践できない状況を、「まともに熊の 顔を見ること 出来るもんか」「俺様だって 怖くてできない」と歌い、「ニャオ、ニャオ、ニャオ ニャオ、ニャオ、ニャオ いつの間にやら 借りてきた猫」とユニークに表現している。当初はブルース調の曲だったが、田口さんが歌う際にロックの色を強め、アップテンポにすることでクマの怖さも表現しているという。田口さんは「メロディーも歌詞もよくできていて、ユニークなオチもある。単なるクマ被害の啓発ではなくて、笑えて面白く、分かりやすくて覚えやすい曲になっている」と話す。ユニークなキャンペーンソングには日本国内外から注目が集まり、田口さんは海外メディアからも取材を受けたという。「ロックで何かを啓発するのは世界的にも珍しい」という声も届いた。県によると今年4月1日から10月11日まで、ツキノワグマによる人身被害は14件14人発生。出没件数は9月末までで2393件となっている。曲の中では山の中がクマの大事な縄張りであり「立ち入る奴らは 許さねえ」と歌う。田口さんは「今年は県内でのクマ被害が多い。曲を聞いて気を付けてもらいたいという気持ちを込めて歌った。山の中へ行くというのは、私たち自身がクマの領域に入ることである、というのを改めて分かってほしい」と呼び掛ける。

(僕の大雪山ヒグマ遭遇体験記:佐藤圭)
北海道のシンボルともいえるヒグマです。絶対に近くで会いたくはないけれど、でもちょっと、生で見てみたい気もするヒグマ。圭さんは、登山の途中で遭遇することがあるそうなんですが、大丈夫なの……?北海道では、ここ数年、ヒグマによる人身事故が増加傾向にあり、今年の被害(死傷者数)は統計を取り始めて以来、最多となっています。6月には、札幌の市街地で人が襲われるという事故もあり、8月には、旭川駅のすぐそばを流れる忠別川の河川敷を疾走する姿が目撃されました。北海道第一、第二の都市の真ん中にヒグマが出没するというは異常な事態です。これ以上の被害が出ないように祈るばかりです。僕は、撮影のために大雪山系の山に登ることが多いのですが、登山の途中で、ごくたまにヒグマに出会うことがあります。出会うヒグマは、いつも草や花をのんびりと食べています。ヒグマは本来、温厚で臆病な生き物です。登山者は、そのことを知っているため、ヒグマが去るのを待つか、距離を保って静かに通り過ぎます。それが、上手なヒグマとの付き合い方です。北海道の山にはヒグマがいるのは当たり前なので、ヒグマがいても、ヒグマ注意の看板は立ちません。ヒグマは嗅覚や聴覚が鋭く、人の匂いや気配、熊鈴の音などがすると自分から離れていきます。この写真を撮影したときも、十分距離をとって望遠レンズで撮影しています。ヒグマは食事を終えると自らゆっくりと去って行きました。危ないのは、お互いに気づかず、近距離でばったり出会ってしまうことです。注意すべき場所や状況があります。川の近くで流れる水の音が大きい場所や、雨が強い日、風の強い日などは、熊よけの鈴をつけていても音が届かず、匂いも届きにくいので、ヒグマが離れて行かない場合もあります。そういう日は、曲がり角や視界の悪い場所では、大声を出したり、手を叩くなどするようにしています。もし、至近距離で出会ってしまった場合は、後ろを向いて逃げたりせずに、目を見たまま、後ずさりでゆっくりと離れるようにしてください。ヒグマは、逃げる者を追う習性があります。また、距離があるときは、大声を出せば離れて行ってくれますが、近くにいるときは、大声を出すのは危険です。ヒグマが興奮してしまうからです。本来、ヒグマは人間の存在を恐れています。人間を襲ってしまうのは、恐れから来る自己防衛の攻撃なのです。ヒグマは大きく強く、人間は絶対に敵わない相手です。まず、ばったり出会わないための注意を最大限に払うことことが重要です。アイヌの人々は、ヒグマを「キムンカムイ=山の神」と呼びました。大雪山はアイヌの言葉で、「カムイミンタラ=神々の遊ぶ庭」と表現しています。カムイはヒグマを指していると言われています。僕は、いつもヒグマが遊ぶ庭にお邪魔しているという気持ちで、山に入っています。

(キジ200羽を放鳥:佐賀)
野鳥の保護や繁殖を目指し佐賀県は26日朝、佐賀市や小城市など県内4カ所の鳥獣保護区でキジ200羽を放ちました。この取り組みは野鳥を保護し、繁殖させようと県が県猟友会に委託して1987年から毎年行っているものです。県内41カ所の鳥獣保護区のうち佐賀市や小城市など4カ所で生後5カ月ほどの二ホンキジ200羽を放ちました。キジは体長約30センチの若鳥で、捕獲対象のオスには放鳥した場所や時期を記した足輪が付けられ、追跡調査に役立てられるということです。【県猟友会 伊東主夫会長】「生息環境があまりよくないのでなかなかキジが増えていない現状。確実に増えてほしいというのが一番の願い」。キジは渡り鳥ではなく放鳥した場所の近くに生息するとされています。繁殖を目指し県猟友会は今年から来年にかけて捕獲の自粛を呼びかけています。

(猟友会の活動、若者にPR:長野)
安曇野市猟友会(藤原英夫会長)の若手会員が広報活動に取り組み始めた。近年狩猟に関心を持つ若者が増えたことを受け、猟友会をアピールして会員確保につなげたい考えだ。まずは市が11月に開催する「あづみの里山市」に向け、会場で配るチラシ作りのため会議を重ねている。県発表の資料によると、平成26(2014)年度以降は18~49歳の狩猟免許取得者が増加している。県松本地域振興局林務課の担当者は「受験者は20~30代が多い。免許を持つ女性の半分ほどは、ここ3年で取得した印象」と話す。一方、身近に猟師仲間がいなかったり猟友会に入っていなかったりすると、実際に狩りに出るハードルを高く感じ、免許更新しない人が多いという。このほど開かれた会議では、「わな猟は獲物を捕るのが難しい。続けてもらうためには専門のグループなども必要」「仲間がいないと何から始めていいのか分からない。暗黙のルールも知る機会がない」などの意見が出た。先輩猟師との世代の開きも話題になり、「若者だけのグループがあれば間口も広がるのでは」といった声もあった。猟友会は高齢化が進み、県猟友会副会長も務める藤原会長は「60~70代が中心。中間層の50代が少ない」と話す。「有害鳥獣の駆除など仕事はたくさんある。若者の視点で猟友会への入り口を見つけやすくしてもらいたい」と広報活動に期待する。市猟友会は市が官民連携で取り組む里山再生計画の活動(愛称・さとぷろ。)の協力団体で、広報活動もさとぷろ。と連携して行う。

(子供達がキジを自然に放す体験:兵庫)
兵庫県養父市では、地元の小学生がニホンキジを自然に放す体験をしました。小学生が興味津々に触っているのは…キジです。触られて緊張しているのかじっとしています。これは、地元の猟友会が子どもたちに自然の豊かさを学んでもらおうと今月15日に行ったもので、今回は二ホンキジ24羽が放されました。兵庫県では野生種を増やすため、二ホンキジ500羽が今月中に県内各地で放されます。

(クマ駆除、冬眠前のクマに注意呼びかけ:北海道)
今月24日、帯広市の畑でクマが目撃され、その後、駆除されました。市などは、冬眠前のこの時期、クマが活動的になるとして注意するよう呼びかけています。帯広市によりますと、24日午前10時すぎ、帯広市美栄町西3線の畑で農作業をしていた人から「畑にクマがいる」と市役所に通報がありました。地元の猟友会のハンター4人が現場に向かったところ、体長およそ1.5メートルのオスのクマが畑のデントコーンを食べながら市街地の方向に進もうとしたため、通報からおよそ20分後に駆除したということです。十勝総合振興局によりますと、今年度、十勝地方で駆除されたクマは26日現在で130頭で、例年並みに推移しているということです。この時期クマは冬眠に備えてエサを求め活動的になることなどから、道は今月31日までクマに注意する特別期間としています。帯広市などは、クマが寄りつかないように屋外に生ゴミなどを放置しないことや、フンや足跡を見つけたら役場や警察に連絡するよう呼びかけています。帯広市農村振興課の岡拳太郎主任補は「もしクマを見かけたらむやみに近づいたり刺激したりしないで、自分の身を守るということを第1に考えて行動してほしい」と話していました。

(秋田新幹線がクマと衝突:秋田)
22日午後5時15分ごろ、秋田県仙北市のJR田沢湖線を走行中の東京発秋田行き秋田新幹線こまち27号がクマと衝突し、一時停車した。乗客と乗員にけがはなかった。JR東日本秋田支社によると、秋田新幹線や普通列車計3本が最大35分遅れ、計約280人に影響が出た。秋田新幹線は一部区間で在来線を走る「ミニ新幹線」。

(イノシシのわなにクマ:神奈川)
神奈川県は10月14日、松田町松田惣領にイノシシ捕獲のために設置してあったくくりわなにツキノワグマ1頭が誤って捕獲されたと発表した。発見されたのは同日早朝のこと。性別はオスで体長は142・7cm、体重は72kgだった。県によれば、丹沢のツキノワグマは生息数が約40頭と非常に少なく、今後絶滅のおそれがあるといい、捕獲したクマは午後3時45分頃に丹沢山地奥山の鳥獣保護区内に搬送した上で放獣したという。

(特急とシカが衝突:鹿児島)
JR日豊本線の特急列車がシカと衝突し、一時、運転を見合わせました。JR九州によりますと、27日午前8時半ごろ、JR日豊本線の国分駅と霧島神宮駅の間で、鹿児島中央発宮崎行きの特急列車「きりしま4号」が線路上でシカと衝突しました。この影響で、およそ50分、日豊本線は運転を見合わせました。午前9時20分ごろ、運転は再開しましたが、最大で50分の遅れが発生しました。現在、遅れは解消しているということです。

(乗用車がシカと衝突:北海道)
26日午後5時すぎ札幌市豊平区羊ヶ丘で北広島市方向に向かっていた乗用車がシカと衝突しました。乗用車を運転していた女性に怪我はありません。シカは衝突後現場から立ち去りました。この事故からおよそ1時間前には2キロメートルほど離れた札幌国際大学のグラウンドでも雄のシカの目撃情報がありました。

(住宅地近くにイノシシ5頭:福岡)
北九州市八幡東区で24日、住宅地付近にイノシシ5頭が現われ警察が警戒に当たりました。24日8時前、北九州市八幡東区の市立桃園球場近くで「イノシシがはいかいしている」と近所の人から警察に通報が相次ぎました。警察官数人が警戒に当たり、これまでにケガ人はなく農作物への被害も確認されていません。福岡市動物園によりますと5頭は生後6か月ほどの子どものイノシシで、親から離れてしまいエサを求めて町に出てきた可能性が高いということです。

(サル目撃相次ぐ:島根)
出雲市の中心市街地などで22日、サル1匹が相次いで目撃され、市と出雲署が住民に注意を呼び掛けた。市は成獣で、同一の個体とみている。けが人や被害は確認されていない。

(民家の脇にクマ2頭:秋田)
23日午前8時ごろ、秋田県鹿角市尾去沢字新山の自宅脇の林にクマが2頭いるのを住人の60代女性が見つけ、鹿角署に通報した。署によると、2頭のクマは体長約1メートルと1メートル弱。自宅にいた女性が台所から外を見ると、約5メートル先の林から北側の県道方向に立ち去ったという。署がパトカーで周辺住民に注意を呼び掛けた。

(公園にクマ出没か:北海道)
24日午前7時半ごろ、札幌市西区福井の五天山公園で、散策中の男性がクマのような動物が遊歩道を横断するのを目撃し、札幌西署に通報した。同署員が付近を捜索したが、クマは見つからなかった。同署によると、動物は体長約50センチの子グマとみられ、北西の五天山方向に立ち去った。公園を管理する市は11月7日まで、現場近くの遊歩道など公園西側を閉鎖する。

(民家周辺を歩く大柄なヒグマの親子を撮影:北海道)
根室管内羅臼町共栄町で、親子とみられるヒグマ2頭が民家の周辺を歩いているのを、車で走行中の男性が発見し、車内からスマートフォンで撮影した。撮影したのは札幌市の会社員小嶋隆志さん (60)。小嶋さんによると14日午前11時40分ごろ、2頭は道路沿いの民家の近くを歩き回った後、建物の間を通り姿を消したという。羅臼町役場によると、同日午後にも同じ2頭とみられる複数のクマの目撃情報があり、15日午前7時ごろ、町立知床未来中(栄町)付近に現れた2頭を同町職員が駆除した。母グマの体重は202キロで、町によると「メスとして200キロを超えるのは異例の大きさ」で、子グマ(1歳オス)は112キロだった。

(また"住宅街でクマ出没"か:北海道)
10月26日午後、北海道札幌市北区でクマのような動物の目撃情報があり、警察が注意を呼びかけています。クマのような動物の目撃があったのは10月26日午後5時30分ごろで、札幌市北区屯田6条10丁目付近を車で走行していた女性から、「交差点で子グマのような動物の後ろ姿を見た」などと警察に通報しました。警察によりますと女性は南へ向かって走行中に、体長80センチくらいのクマのような動物が東の方向へ向かっていったということです。札幌市などに寄せられている通報はこの1件だけです。現場付近は小学校や中学校、公園もある住宅街で、警察や札幌市が注意を呼びかけるとともに、27日朝からも注意を呼びかけることにしています。札幌市では6月にこの場所から約7キロ離れた東区の丘珠空港や住宅街でクマが出没し、4人が負傷しています。

(住宅近くでヒグマ目撃:北海道)
27日夕方、道南の福島町でヒグマ1頭が住宅のすぐ近くを歩いているのが目撃され、警察などが付近の住民に注意を呼びかけています。27日午後6時前、福島町館崎で住宅近くにクマ1頭がいるのを通りかかった人が目撃し、町役場に連絡しました。警察によりますと、クマは住宅から10メートルほどのところを歩いていて、その後、国道を横断して山の中に入っていったということです。けがをした人はいませんでした。現場は住宅が点在する一角で、周辺にはクリニックや公園もあり、警察や猟友会がパトロールを行いましたが、ふんや足跡などは見つからなかったということです。警察などは28日も町内の通学路近くで見回りにあたるとともに、付近の住民にクマを見かけたら近づかずすぐに通報するよう呼びかけています。

(クマのふん?相次ぎ通報:三重)
伊賀市は二十六日、同市高尾の尼ケ岳登山口でクマのものとみられるふんの目撃情報が相次いだため、住民に注意を呼び掛けた。

(北ア国際芸術祭会場でクマ目撃:長野)
二十五日午前十一時ごろ、大町市平のイベント会場「森林劇場」で、北アルプス国際芸術祭の運営に携わる市職員が成獣のクマ一頭を目撃。芸術祭実行委は同日午後、南約一キロに屋外展示している平田五郎さんの作品「水面の風景」の展示場を一時閉鎖した。二十六日朝、周辺の安全が確認できれば閉鎖を解除する。

(道路上の「黒い影」はクマ:北海道)
車が走る高規格道路に突如現れた「黒い影」。ドライブレコーダーが捉えたのは、車ではなく、クマだった。交通量が多い高規格道路。前の車がハザードランプをつけ、反対車線では停車しているマイクロバスが…よく見ると「黒い影」が見える。道路を走っていたのは車ではなく…「クマ」。目撃されたのは北海道上川町を走る「旭川紋別自動車道」にかかる橋の上。この数キロ先にはマチがある。10月5日午後4時前、ドライブレコーダーがその姿を捉えていた。動揺しているのか、クマは橋の欄干と車道を行ったり来たり…バスや車も前に進めない状況。その後、クマは道路脇の欄干を越えていったということで、事故やケガ人は確認されていないという。北海道内で相次ぐクマの出没。2021年は特に件数が多くなっている。2020年度、出没件数が95件だった札幌市内では、2021年度はすでに1.6倍となる153件にも上っている。なぜクマの出没が増えているのだろうか。専門家は…北大獣医学研究院 坪田敏男 教授:一番大きい要因は北海道全体で分布が拡大してきて、クマの数が増えていると思います。山の中からあふれ出たヒグマが市街地に現れている。増え続けるクマ。2021年は山にエサはあるというが、今回のケースは、クマの子どもの習性が関係しているのではと専門家は話す。北大獣医学研究院 坪田敏男 教授:子グマは木の実を木に登って食べるという習性がありますので、そういう点では高規格道路の脇にあった木に登って食べていたのかもしれません。そこで高規格道路に誤って落ちてしまったか。専門家は、もしクマに遭遇した場合は刺激するような行為や、車で近づいたりしないよう呼び掛けている。北海道大学獣医学研究員の坪田敏男教授は、クマに会った場合の注意点をあげている。・刺激を与える行動はダメ・走って立ち去らない → 後ずさりするように離れる【車の場合】・クラクションを鳴らすのはダメ・車で近づかない。どれも刺激せず、驚かさないことが重要だ。十分に注意を。

(森にクマ?出没:佐賀)
23日午後1時ごろ、佐賀県神埼市脊振町の脊振広域クリーンセンター近くの県道を車で走行していた佐賀県内在住の夫婦が「クマを見た」と110番した。一般的に九州に野生のクマはいないとされているが、佐賀県警は万が一に備え、地元住民らに防災メールなどで注意を呼び掛けた。神埼署によると、夫婦は森の中にいるクマが一瞬見え、体長は1メートルほどだったという。署員が周辺をパトロールしたが、クマの存在を示す痕跡や被害は確認できず、ほかに目撃情報もなかった。神埼署は「(クマの存在が)ゼロといえる根拠はないし、もしもの可能性はある」と話し、クマを見かけた場合は、「不用意に近づかない、刺激しないなど十分に注意して」と呼び掛けている。

(山間で狩猟の日々「ないものあった」:福井)
「人間やっぱり、ないものねだり。自分にとっての『ないもの』がここにはあった」。大野市和泉地区で暮らす前底智秀さん(30)は奄美群島にある鹿児島県喜界町の出身。山と川、雪を求め2018年、大野市に移住した。今年8月まで地域おこし協力隊として鳥獣害対策に当たり、現在は狩猟の腕を磨いている。最初の冬は記録的な少雪だった。思い描いた雪の量にはほど遠く、大野の市街地から和泉地区の一軒家に移った。「和泉は理想の場所。住んでいて楽しい」。目の前に川、背後には山。昨冬は雪で1階部分が埋まった。都会にいた時は隣に誰が住んでいるか知らなかった。ここでは通り掛かった人が車を止めて話し掛けてくれたり、地域の行事に誘ってくれたりする。狩猟の知識も経験もなかったが、地元のベテラン猟師が快く技術を教えてくれた。経験を積む中で、農業を守るなど猟師の社会的な役割の大きさも分かってきた。当初は水が合わなければ故郷に戻ればいいと思っていたが、今では「大野で狩猟をして生きていきたいと思っている」。「よっぽどのことでもない限り」と付け加え、朗らかに笑った。サンゴ礁が隆起してできた喜界島(奄美群島)出身の前底さんは、都会への憧れから高卒後、愛知県の専門学校を経て大手自動車メーカーに就職した。しかし、専門学校時代の友人が全国に散り、映画館やボウリング場に行かなくなると、街に住む必要がないことに気付いた。「価値観やカツカツカツと物事を進めていく都会のやり方が、のんびりした自分とは合わなかった」。26歳の秋に「機械の仕事」を辞めた。自然、特に山に関わる仕事を探す中で猟師という職業を知った。大野市は当時、鳥獣害対策に当たる地域おこし協力隊を募っていた。県猟友会大野、和泉支部の大半が60~80代で、後継者の育成が急務になっていた。前底さんは現地に行き、日本百名山の荒島岳山頂からの景色や古い町並みに心ひかれた。何より大野盆地は「360度見渡す限り山。琴線に触れた」。ここだと思った。2018年8月に着任。週に2日はベテラン猟師に同行し、狩猟について学んだ。実践はわな猟から始めたが、広大なフィールドの中で「ここぞ」の一点に仕掛ける技は一朝一夕には会得できず、獲物がかからない日々が続いた。初めて獲物と相対したのは着任から1、2カ月の頃。1メートルはある雄のシカを先輩が銃で仕留めた。古里の島に大型の獣はいない。圧巻の光景だった。「これが命をいただくってことか」。突進されればこちらが命を落とす。「絶対に油断するな」と教えられた。自分で仕掛けたわなに、初めて獲物がかかった時のことは忘れない。「心臓がバクバクした」。捕まえたイノシシは薄切りにして焼き、塩こしょうで食べた。格別においしく、苦労が報われたと思った。当初は動物をさばくことに忌避感を覚えたが、経験を積む中で魚も動物も同じ尊い命だと思うようになり、獲物と向き合っている。この世界に飛び込む前、猟師は頑固な人が多く閉鎖的ではないかと心配していたが、実際は「優しく迎え入れてくれた」。協力隊を退任し、今は狩猟を生業にできるかどうか腕や収入を試しているところだ。就職することになったとしても、猟師として活動を続けていくことに変わりはない。新型コロナウイルスの影響もあり近年、キャンプなどアウトドアの人気が高まっている。いずれは狩猟の体験会を開きたい。「自分のように、興味があっても始め方が分からない人がいるはず」。そんな人を招き入れる懸け橋になりたいと思っている。

(県庁食堂にジビエ料理:長崎)
農作物を食い荒らすとして捕獲されたイノシシやシカを使ったジビエ料理が、県庁の食堂で出されています。25日は、対馬市で捕獲されたイノシシの肉を使った料理が出され、揚げたバラ肉とイノシシのチャーシューに中華風ソースがかけられています。値段は510円で、25日は200食が限定で販売され、このうち県庁では食堂を訪れた人が注文してジビエ料理を楽しみました。食べた50代の男性は「ジビエは固いと思っていたが歯応えがコリコリとしておいしかった」と話していました。県によりますと、県内ではイノシシによる農作物への被害がおととしはおよそ8000万円に上っています。去年はイノシシとシカ合わせて6万頭余りが捕獲されましたが、食用の肉などに活用されたのは、そのうちの2割ほどにとどまったということです。このため、県では県庁や県警察本部の食堂などでジビエ料理に使うなど活用を進めています。県農山村対策室の岩永亘平さんは「捕獲された野生動物を活用したいという地元の声を受けて企画しました。これを機に家庭でも食べてほしい」と話していました。26日は、鹿の肉を使った料理が県庁の食堂などで200食限定で出されます。

(アプリ内の犬猫にジビエ(おやつ)のギフティングが可能に:神奈川)
「ペットの不幸を最小化し、ペットを通じて人の幸福を最大化する」をビジョンとしたペット領域スタートアップの株式会社アニマルクエスト(所在地:神奈川県横浜市、代表取締役社長 兼 CEO:池田智史)は、国産ジビエフードを販売するowners craft(オーナーズ クラフト)(所在地:栃木県那須郡、代表者:武田 直也)と、殺処分をはじめとするペットの社会課題解決と、猟と野生動物をとりまく社会課題解決を目標とした提携を開始し、アプリ内でジビエフードのギフティングが可能になったことをお知らせいたします。

(“ジビエ”を活用、長野県産鹿肉を原料とした“犬用おやつ”を発売:長野)
株式会社クリエイティブヨーコ(本社:長野県長野市 代表取締役社長執行役員:末松 和幸)は、“ジビエ”である長野県産鹿肉を原料とした“犬用おやつ”を2021年10月22日(金)より全国の直営店 (ペット関連商品取り扱い店舗)並びにオンラインショップにて順次販売を開始しました。

(「甲州印伝」を学ぶ講演会:山梨)
山梨県の伝統的工芸品である、甲州印伝が生まれた歴史や技術などを学ぶ講演会が25日、甲府市で開かれました。この講演会は、鹿の革を漆などで模様を付けた革製品で、経済産業大臣から「伝統的工芸品」として指定されている、「甲州印伝」の起源や技術などを広く知ってもらおうと、甲府市が開きました。25日は、甲州印伝の製品を400年以上にわたり手がける、甲府市の企業の上原伊三男専務取締役が、JR甲府駅北口広場の会場で市民などに講演を行いました。上原さんは、江戸時代に鹿の革に漆付けする技法が編み出され、現在の「甲州印伝」が始まったとされていることや、凹凸や厚みの異なる鹿の革に漆を均等に塗る技術は職人の手作業でしかできず、習得までに5年ほどかかることなどを説明していました。また、伝統産業を後世に受け継ぐためには、伝統を守り続けるだけではなく、時代に合った新しさや攻めの経営など変化も必要になると話していました。甲府市教育委員会歴史文化財課の佐久間貴仁課長は「甲府の代表的な産業である甲州印伝が、国にも伝統産業として認められ、甲府に根付いていることは市民の誇りですし、講演が印伝がより広まるきっかけになってほしい」と話していました。

(シカの皮で伝統の太鼓づくり:熊本)
鳥獣対策を伝統文化の継承につなげる取り組みが進められています。テーブルに広げられているのはシカの毛皮。八代市泉町の八代農業高校泉分校の3年生が地元の山で捕まえられたシカから取ったものです。八代市ではシカやイノシシにスギやヒノキの苗木が食い荒らされるなどの被害が相次いでいて、その対策や若手ハンターの育成を目的に、熊本県が開いた研修会で高校生が取り組みました。テーマの1つは「命の有効活用」。食べられない部位も廃棄せず活用しようというもので、生徒らはシカの皮を使って伝統文化の継承にひと役買おうとしています。作るのは泉町に伝わる久連子古代踊りで使用する臼太鼓で、2年前に最後の職人が亡くなって以来、作り手がいないという問題を抱えていました。生徒たちは今後、乾燥やなめしなどの工程を経て、3か月ほどかけて太鼓をつくる予定です。

(高校で駆除動物の皮剥ぎを体験:熊本)
八代市泉町にある八代農業高校泉分校の生徒たちが、シカやイノシシの皮剥ぎ作業を体験した。泉分校では、去年から獣の皮剥ぎの授業を始めた。八代市ではシカやイノシシによる農業被害が多いことから、駆除した動物の有効活用が図られている。3年生は、今年で2回目の体験ということもあり、処理が難しいシカを担当した。シカの皮は伝統芸能久連子古代踊りの太鼓に利用される。久連子踊り保存会の寺川直繁会長「シカは久連子古代踊りの太鼓になくてはならない動物の皮だからこうして協力してもらうことがとてもうれしい」。作業を終えた生徒たちは昼食で、1か月前に自分たちで駆除したシカの肉を焼いて食べた。

(「へしこ」をシカ肉で:福井)
福井県おおい町名田庄納田終(なたしょうのたおい)で活動するNPO法人「森林楽校・森んこ」が、シカ肉のへしこの特産化を目指し、福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で10月29日まで資金を募っている。「珍しい特産品を足がかりに、深刻なシカの食害を受けている森や山の現状に目を向けてもらい、環境問題に関心を高めてほしい」と話している。環境学習などに取り組んでいる同NPOは、シカが山や森の下草を食べ尽くして生態系が崩れたり、地表の土が流出しやすくなったりしていることに不安を感じていた。一方、駆除されたシカはほとんどが焼却処分され残念に思っていた。近くにある名所、野鹿の滝(のかのたき)にちなみ「野鹿プロジェクト」を立ち上げた。シカ肉料理の開発などを掲げ、無住集落、老左近(おいさこ)で古民家を改修してオープンした「よざえもんカフェ」で、シカ肉のハンバーガーなどを提供している。福井県の伝統料理へしこは本来、魚を漬け込んで作るが、シカ肉で作ることで話題性が高まり、環境問題に関心を持ってもらえるのではと考えた。昨年試作したところ獣臭さはなく独特の食感があり、ヘルシーに仕上がり手応えを感じた。安定的に提供するためには調理場の改修、低温調理器などの準備が必要で、県のふるさと納税による新事業創出支援事業の認定を受け、CFサイト「レディーフォー」で9月27日から資金募集を始めた。同NPO代表の萩原茂男さん(62)は「シカをテーマに人と自然との関係を見つめ直し将来につなげていきたい」と意気込む。カフェでボランティアで働く柿本京子さん(65)は「野鹿ブランドを発信し、地元のPRにもなれば」と話している。

(気になるトレーニー向けの“ジビエ焼肉セット”:山口)
高タンパク低脂質といえばチキンが相場だが、これからはジビエも選択肢に入る?山口県産のこだわりの食材を取り扱うオンラインショップ〈Dono Della Terra(ドノ・デラテラ)〉は、ジビエ肉ブランド《Yamagui Gibier(ヤマグチ ジビエ)》の焼肉セットを販売中。今回、ジビエをまだ食べたことがないという人のための『お試しセット』を用意。キャンプやBBQ向けの「焼肉セット」とトレーニーやダイエットをする人向けの「アスリートセット」の2種類を2021年12月24日まで、それぞれ初回購入者に限り、通常より30%OFFの価格で購入できる。これは山口県山陽小野田市の手付かずの自然環境の中で育まれたシカ肉とイノシシ肉を地元の猟師の仲村真哉さんが美味しさと安全を第一に考え、衛生的な設備で製品化したもの。スライス肉は、焼き肉に最適な厚さの5mmにスライス。ウィンナーはドイツの伝統技法で臭みをしっかりと消し、シカ肉は絹挽き、イノシシ肉は粗挽きにしている。何もつけずとも美味しい、食べ応えのある食感にこだわったという。シカ肉は良質のタンパク質を鶏肉と同等に含み、脂質は牛肉の6分の1、カロリーは半分以下。鉄分は牛肉の2倍、カラダに吸収されやすいヘム鉄は貧血や冷え性を予防する働きがある。また、疲労回復のほか脳機能向上効果があるとされるアミノ酸の一種「アセチルカルニチン」を多く含み、アスリートのみならず高齢者の介護食としても注目されている。イノシシ肉はカロリー、脂質は豚肉とさほど変わらないが、豚肉に比べて鉄分は4倍、ビタミンB12は3倍。ジビエ肉は健康のために選ぶ“ワケ”あり食材というわけだ。獣害や山間部の環境問題の解決という側面もあるジビエ肉。誰が解体し、どのように加工したのかわかるトレーサビリティも導入しているヤマグチジビエ。食べ物の背景は確か。この栄養、身につかないわけがない。

(広がる“ジビエ料理”:長野)
イノシシやシカの肉を使ったジビエ料理が徐々に身近になっています。農作物への被害を防ぐことにもつながるジビエ料理。大手チェーン店やファストフード店でも食べられるようになっています。生活雑貨などを販売する無印良品。人気商品の一つが棚いっぱいに並ぶレトルトカレーです。そこに加わったのが、シカ肉やイノシシ肉といったジビエを使ったカレーです。先週、発売されました。ただ、ジビエの活用には課題もあったといいます。良品計画・食品部商品開発担当 鈴木美智子さん「流通する先がないというのもジビエの課題の一つになっていたので、非常に前々から生産者さんと話をしながら詰めていって、カレーとして発売できるようになった」。ジビエを活用した動きは他にも広がっています。27日、都内で行われたのは農林水産省と「ぐるなび」が行うジビエフェアの発表会です。「CoCo壱番屋」や「星のや富士」など、ジビエを取り扱う全国1000以上の飲食店やホテルなどが、11月から開設される特設サイトに掲載されます。その目的は鳥獣対策と資源としての有効活用です。農林水産省・農村振興局鳥獣対策室 仙波徹室長「地域にとってはイノシシ・シカ・サル等々、やっかいな存在でもあります。鳥獣害として野菜や果物をたべてしまう」。山から人里におりてきて、農作物に被害をあたえることもあるイノシシやシカなどの野生動物。農林水産省の調べでは、野生鳥獣による農作物被害額は2019年度でおよそ158億円。被害を防ぐためなどの目的で捕獲されたイノシシやシカは、20年間で4倍以上に増えています。捕獲頭数 2020年 イノシシ:68万頭 シカ:67万頭。 2000年 イノシシ:15万頭 シカ:14万頭。農林水産省・農村振興局鳥獣対策室 仙波徹室長「共存する一つのあり方として、とった命を無駄にしないでおいしくいただくと。地域を潤していくと、そういった地域を元気にする意味でもジビエ振興は二つの意味がある」。ジビエは地域の資源にもなるということです。ジビエの波はファストフード店にも及んでいます。ロッテリアが9月から販売しているのはシカ肉を使ったハンバーガーです。ロッテリア・マーケティング部 緒方高行部長「シカ肉は赤み肉が多く、高タンパク・低カロリーで鉄分が豊富で非常に質のよい食材」。そのシカ肉をパティに使用。ソースにもシカ肉を混ぜているといいます。一部店舗では販売を終了していますが、今後、第2弾の“ジビエバーガー”も検討しているということです。やっかいものではなく資源にする。ジビエを活用した商品が次々と登場しています。

(季節の味わい『猪鍋』はじまります:兵庫)
朝晩はすっかり肌寒くなってきて、いよいよお鍋が嬉しい季節です。神戸三宮/磯上「黒十(コクトウ) 神戸本店」では、毎年この季節のお楽しみ「猪鍋」がいよいよ登場。今年は、地元・兵庫県産『奥山ジビエ』ブランドの猪肉をつかって、より味わい深い山の恵みをお楽しみいただけます。もちろん「黒十」自慢の自然薯とろろ味噌との相性は抜群。ご提供は、11月1日(月)から。

(ジビエなどのお歳暮向けギフトセット:東京)
高田馬場にあるジビエ居酒屋「米とサーカス高田馬場本店」(新宿区高田馬場2、TEL 03-5155-9317)が10月20日、ジビエ肉などを使ったお歳暮向けギフトセットの通販を開始した。2011(平成23)年にオープンした同店。シカやイノシシ、クマといった定番ジビエからラクダ、アライグマ、ワニ、ダチョウなど、手に入りにくい肉までを提供する。2015(平成27)年からは昆虫食の提供を開始。2019年には店頭に昆虫食の自販機を設置し、オリジナルブランド「MOGBUG」の昆虫のプロテインバー、スナックなどを販売している。通販サイトでは、これまで全11種類のジビエ肉から3種または4種類選べる獣鍋や獣焼肉セット、肉単品の販売を行ってきた。例年、季節限定メニューとして春夏には「獣焼肉」を、秋冬には「獣鍋」を、それぞれ提供している。今年の「獣鍋」には、客から要望が多かったというヘビとカメ、水牛の肉を追加した。今回のギフトセットは、「米とサーカス 厳選7種のお肉ギフト」(6,000円)と「同厳選10種のお肉ギフト」(1万円)。7種のギフトには、シカ、イノシシ、ウサギ、ダチョウ、ワニ、ラクダ、カンガルーをセットする。10種には、クマ、アナグマ、アライグマ(各50グラム)もセット。自家製の鍋用無添加みそだしと焼肉発酵タレを付ける。発送は冷凍のクール便で行い、消費期限は1カ月。肉の説明や作り方の手順を記載するリーフレットを同封する。「滅菌を徹底したキッチンで丁寧にトリミング、加工、パッキングし急速冷凍することでジビエなどの持つ風味が逃げず、おいしく食べられる」(米とサーカス高田馬場本店)という。同店高田馬場本店の大西麻衣さんは「コロナ禍の外出自粛や営業時間の短縮などにより来店が難しいとの声を多数もらい、今年7月から公式通販の運営を開始した。おかげさまで好評。『家でジビエを体験できてとても幸せでした』といったうれしい声も届いた。贈り物として当店のセットを買うお客様も多いことから、バリエーション豊かな肉のギフトセット販売も開始した。いつもとは少し違う特別な、自分へのご褒美や冬のギフトとして使ってもらえれば」と呼び掛ける。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、26日午後4時10分ごろ、栗原市一迫北沢上大又にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前7時30分ごろ、仙台市青葉区国見6丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、22日午後2時30分ごろ、仙台市青葉区郷六龍沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、21日午後5時45分ごろ、仙台市泉区紫山5丁目にクマが出没しました。

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10/22
(88歳の女性がクマに襲われけが:秋田)
秋田県三種町で、自宅そばの畑で農作業をしていた88歳の女性がクマに襲われ頭などに軽いけがをしました。警察によりますと、19日午後3時ごろ三種町豊岡金田で、女性が畑で農作業をしていたところ近くの山林から出てきたクマ2頭のうち1頭に襲われました。女性は頭や肩をひっかかれ、家族が運転する車で秋田市内の病院に向かい手当てを受けました。軽症で命に別状はありません。現場周辺にはクマのエサとなるクリやカキの木があり、クマが何度も目撃されています。町は住民の要望を受けて2週間前に捕獲用の檻を設置しましたが、クマは捕獲されていません。三種町農林課によりますと、今年に入り町内では13頭のクマが捕獲されていて、14日には被害があった現場近くで1頭のクマが捕獲されたということです。町は新たに今回女性が襲われた畑近くに捕獲用の檻を設置しました。県自然保護課と三種町は、クマが好むクリやカキの木を放置せず、実を収穫しない場合は木を伐採するなどしてクマを人里に近づけないよう呼びかけています。

(71歳女性がクマに襲われる:長野)
20日午前、長野県北安曇郡白馬村にある社会福祉施設で71歳の職員の女性がクマに襲われけがをしました。クマは見つかっていないため警察などが近隣住民に警戒を呼び掛けています。女性がクマに襲われたのは白馬村北城の別荘地の中にある社会福祉法人「しあわせクロスロード白馬」です。20日、午前8時40分ごろ、この施設で働く71歳の女性がクマに左足を引っかかれました。女性は北安曇郡内の病院に搬送されましたが軽傷で命には別条がないということです。村などによりますとクマは体長1メートル以上の成獣とみられ女性を襲った後、山側へと逃げました。警察と村職員が捜索するもまだ見つかっていません。警察と地元の猟友会は近隣住民にクマの活動時間帯となる朝と夕方の外出を控えるよう呼び掛けています。

(野生イノシシ5頭から豚熱確認:山形)
県は19日、山形市などで野生イノシシ5頭の豚熱感染が確認されたと発表した。イノシシが発見、捕獲された場所周辺の養豚場で、異常は確認されていない。県によると、今月11日以降、山形市、上山市、南陽市、朝日町、高畠町の3市2町で捕獲や死んで見つかった野生イノシシ計5頭が、県の遺伝子検査で豚熱に感染していることが分かった。発見、捕獲された現場の消毒は終わっていて、半径10キロ以内にある養豚場13か所に異常はないという。豚熱は、豚やイノシシへの強い伝染力が特徴だが、人に感染することはなく、感染した肉を食べても影響はない。県内で、野生のイノシシの豚熱感染は去年12月以来、25件となった。

(マダニ媒介の紅斑熱、昨年から倍増:熊本)
11~17日の熊本県感染症情報によると、マダニが媒介する日本紅斑熱の患者2人が県内医療機関から報告された。昨年の倍近いペースで増えており、県健康危機管理課は「山や森林にはマダニが多く生息する。入る際は刺されないよう注意を」と呼び掛けている。同課によると、2人は八代、天草両保健所管内の70代男性。今年の累計は18人になり、昨年同期(10人)からほぼ倍増した。同じくマダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)も累計8人と、過去最多の昨年(6人)を既に上回っている。同課は「マダニが媒介する感染症は重症化し、死亡する場合もある。生息地では肌の露出を少なくするほか、虫よけスプレーも有効」と話している。また、県内50定点の医療機関から手足口病306人(前週比45人増)、感染性胃腸炎250人(97人増)、ヘルパンギーナ70人(23人増)の報告があった。手足口病は4週ぶりの300人超えで警報レベルを継続。菊池、宇城、熊本市保健所などで流行している。

(狩猟で使う「鉛」銃弾、相次ぐ鳥類の中毒死)
狩猟に使われる鉛の銃弾で鳥類の中毒死が相次いでいるとして、環境省は全国調査に乗り出す方針を固めた。既に鉛弾が規制されている北海道を除いて本州以南で実施し、2025年度から段階的に鉛弾の使用を規制する。ワシやタカなどの猛禽(もうきん)類や水鳥は鉛を取り込むと、中毒を発症することがある。野生動物保護団体「猛禽類医学研究所」(北海道釧路市)によると、特に北海道で1990年代以降、鉛中毒が相次ぎ、同研究所は200羽以上の鉛中毒死を確認した。鉛弾を撃ち込まれて逃げたエゾシカがやがて死に、その死体を猛禽類が食べて鉛を取り込むケースが多いという。北海道も98年度に猛禽類の鉛中毒死を26件確認し、2000年度以降、鳥獣保護法や条例で段階的に鉛弾を規制してきた。現在は所持・使用を原則禁止しており、害獣駆除の際には銅などの弾が使われている。環境省によると、本州以南の鉛中毒死はイヌワシ、オオタカ、クマタカの計4件にとどまるが、「氷山の一角」の可能性がある。獣医師で同研究所の斉藤慶輔代表(56)は「鉛中毒に関する知識が不十分なハンターも多い。全国的な規制が野鳥の鉛中毒の根絶につながる」と話す。銅弾は鉛弾よりも高価なため、道内では今も鉛弾を使用するハンターがいるという。環境省は本州以南の実態を調査し、規制する地域や弾の種類などを検討する方針。30年度までの鉛中毒ゼロを目指している。

(身近な獣害、考えよう:岩手)
紫波町紫波中央駅前の町図書館(藤尾智子館長)は23日、獣害の現状や防除について学ぶトークイベント「夜のとしょかん、農業編。獣害対策の秘訣(ひけつ)、教えます。」を開く。農業が盛んで、鳥獣被害も絶えない同町。図書館という住民にとって身近な場所で地域課題をみんなで考え、被害防止に手を携えて取り組むきっかけとする。ゲストスピーカーは岩手大農学部の山内貴義准教授(野生動物管理学)、同町に移住し鳥獣被害対策を研究する同大大学院総合科学研究科修士課程2年の近藤雄太さん(23)、県のモデル地区として電気柵設置などの対策に取り組む同町赤沢第2行政区の池田毅区長(75)の3人。全国や県内の概況、同区で展開する取り組みの苦労や成果などについてトークを繰り広げる。町によると、2020年度の町内の農作物鳥獣被害面積は、ニホンジカの果樹被害が13ヘクタールと最も大きく、ツキノワグマやハクビシン、イノシシによる被害も確認されている。来館者からの相談も増えており、同館の手塚美希主任司書(46)は「人ごとではなくなってきた身近な問題。イベントや展示を通して漠然と不安に思っている人にも関心を持ってもらいたい」と期待する。

(出没相次ぐヒグマ、「駆除制度の再開を」:北海道)
北海道大学は21日、同大のヒグマ研究者を集めて研究成果を発表した。札幌市内の住宅街に出没するなどヒグマの活動地域が広がっており、北大大学院獣医学研究院の坪田敏男教授は「ヒグマの生息地が拡大しており、林などを伝って公園などどこにでも出没する可能性がある」と話す。北海道内では1990年まで、春の残雪期に冬眠明けのヒグマを捕獲する「春グマ駆除制度」があった。「北大ヒグマ研究グループ」の研究によれば、制度の廃止以降、ヒグマの個体数は増えている。ハンターの高齢化と人材不足も深刻だ。坪田教授は「ハンターが山の中に入ってクマを撃つことがなくなり、人を恐れないクマが増えている、ハンターの人材育成や駆除制度の再開の検討も必要」と話していた。

(救急隊員がクマへの対処法学ぶ:新潟)
救急隊員がクマが出没した際の対処法について学ぶ講習会が、村上市で開かれました。この講習会は、村上市消防本部がクマの出没が増える時期を前に消防署で開いたもので、救急隊員など35人が参加しました。講習会では、クマやイノシシ、ヘビなど野生生物の特徴について専門の知識をもつ村上市消防署朝日分署の遠山孝慶消防副士長が説明をしました。このなかで、クマについては、雑食性だがたんぱく質を多く含むものを好むことや、本来は臆病で、雑木林の身を隠すことができる場所に生息する動物だと説明しました。そのうえで、里に出てきても山に帰りたい、隠れたいと考えていると説明し、救護活動の際はそうしたクマの性質を理解したうえで対処してほしいと呼びかけました。最後にクマよけスプレーの使い方を説明し、今後、消防に配備していくと話していました。講習会に参加した女性の消防隊員は「これまで救急の要請があったときは、一般の救急対応のつもりで出動していたが、自分の身は自分で守らないといけないと思いました」と話していました。講師を務めた遠山孝慶消防副士長は「クマは自分から人を襲うような動物ではないが、近づいてくる人間を排除しようとして行動するときに大きな被害につながることを重視して対処してほしい」と話していました。

(ムクドリの大群が越冬準備:和歌山)
和歌山県紀南地方の市街地で、ムクドリ(ムクドリ科)が越冬準備で大群をつくっている。夕方になると電線などに止まり、鳴き声を響かせている。ムクドリは全長24センチほど。初夏から徐々に群れを大きくしていく。以前は田辺市の天神崎や元島などを冬のねぐらに使っていたが、日本野鳥の会県支部によると、今はどこを使っているか分かっていないという。田辺市下三栖では薄暮の時間帯になると、千羽近いムクドリが集まることがあり、電線や架線にぎっしりと止まる姿が見られる。県支部会員は「これから群れを注意して見ていると、海外から渡ってきたホシムクドリなど珍しい種類が交じっていることがある」と話している。

(エゾシカ衝突回避へ、スピーカー搭載車両で実験:北海道)
北海道科学大学(札幌)工学部情報工学科の松崎博季教授(53)=帯広市出身=と学生4人が19、20の両日、帯広市内の牧場で、エゾシカと車両の衝突事故回避に向け、スピーカーシステムを取り付けた車両による走行実験を行った。松崎教授は2014年から、野生動物との衝突を防ぐための音声発信について研究。

(クマやイノシシがわなに入ったらメールで通知:新潟)
クマやイノシシによる被害防止用のわなの見回りは重労働。そこで、作業軽減のため、新潟県長岡市がNTT東日本新潟支店と連携し、わなの作動時に自動撮影した写真を関係者にメール送信して知らせる捕獲検知センサーをつくった。実証実験が15日から続いている。クマ用のわなは、ハチミツを中に入れたドラム缶にクマが入ると、ふたが閉まって出られなくなる仕組み。そこで、センサーの子機をわなに装着。ふたが閉まるとセンサーが作動して撮影し、山間地でも使用可能な無線を経由して関係者にメール送信する。送信先は事前登録しておく。市内に設営されているわなは、クマ用2カ所、イノシシ用約200カ所、サル用約75カ所。今は、市の非常勤特別職の鳥獣被害対策実施隊165人が手分けして毎日見回り、エサの補充などをしている。しかし、高齢化や人員不足で見回りは大きな負担になっているという。実施隊の1人、山本昇一さん(78)は「ふたが閉まっていることを事前に確認できるので安心だし、見回りの回数も減らすことができて、助かる」と話す。実証実験はクマ用のわなだけで行い、11月下旬ごろまで続ける。市の担当者によると、クマの目撃や痕跡の確認事例は、今年の春以降で98件。「センサーの効果が確認できれば、予算化も検討したい」と期待している。

(山あいの投票所でクマ出没に備え爆竹を準備:岐阜)
10月31日投票の衆議院選挙に向けて、山あいの地域に多くの投票所が設けられる岐阜県高山市では、今のシーズン、クマが出没する可能性があることから、クマよけのための爆竹を準備しています。クマは今の時期、冬眠前にエサを求めて活発に動くことから、山間部が多い高山市の選挙管理委員会は、夏から秋にかけての選挙では投票所近くに来たクマを大きな音や火薬のにおいで追い払うために爆竹を準備していて、今回も、山あいの投票所向けに30箱の爆竹を用意しました。ことしは、例年に比べてクマの目撃情報が少ないということですが、今後、情報が寄せられれば、各投票所に配布することにしています。一方、20日から期日前投票が始まり、高山市役所では、投票に来た人たちに地元の伝統工芸品を知ってもらおうと、飛騨地方に伝わる漆塗り「飛騨春慶」の技法を使った投票箱を設置しました。選挙管理委員会は、新型コロナウイルスの感染対策として、ホームページに投票所の過去の混雑時間を示してその時間を避けるよう呼びかけたり、定期的な消毒を行ったりしているということです。高山市選挙管理委員会の直井忠書記は「コロナ対策に加えてクマ対策もしているので、安心して投票に来てほしい」と話していました。

(クマ出没情報分かりやすく:新潟)
長岡造形大(新潟県長岡市)の学生と教員が、クマの出没情報を地図上で一覧できるサイト「進撃のクマ(県クマ出没マップ)」を公開している。年代を問わず多くの人に活用してほしいと、ポップなデザインを採用。秋はクマの出没がピークとなるため、「子どもにも伝わりやすい見た目と内容なので、日常で話題にして役立ててほしい」と呼び掛けている。サイトをつくったのは、デザイン思考を生かした地域の課題解決や防災まちづくりを研究する福本塁助教(39)。県が公開している「にいがたクマ出没マップ」などの情報を集約し、昨年12月に公開した。きっかけは、4年の学生(25)が2年の時に作った、クマに注意を呼び掛けるポスター。「栃尾地域に住む知人からクマの出没情報が出ると、地域で警戒するなど影響の大きさを聞き、関心を持った」といい、市内での目撃場所と件数、被害の状況をまとめた。サイトには、ポスターに使われたクマのイラストを採用した。おおまかな出没地点を示すクマのアイコンをクリックすると、地図がズームされる。クマのアイコンはコミカルな動きを交えながら、さらに詳しい出没地点を示してくれる。目撃時の状況をはじめ、自治体別、時間帯別のデータを掲載した。出没情報から類推される柿やクリ、鯉の餌など出没の理由や、経年での比較、餌となる木の実の作況情報も盛り込んだ。福本助教は「見た目はコミカルでも、中身は大まじめ。鳥獣被害が人間の暮らしを圧迫している。災害より予知しにくい面もあり、被害が起きないよう大勢の人に事実をしっかり伝えたい」と説明。「利用者の声を丁寧に聞き、使いやすい内容にしていきたい」と話す。

(市役所の街路樹にてムクドリ対策の実証試験を実施:宮崎)
町工場の技術と想いをECにのせて届ける、株式会社refactory(以下、refactory 本社:宮崎県宮崎市、代表取締役 守屋将邦)は、パイフォトニクス株式会社(以下、パイフォトニクス 本社:静岡県浜松市東区天王町、代表取締役 池田 貴裕)と協力し、高指向性LED照明「ホロライト」を用いて鳥類やその他獣類を追い払う新製品「ホロライト・チェッカーズ」の普及を推進してまいります。ホロライト・チェッカーズとは、光を高速で反転照射する仕組みを利用し、鳥獣類を追い払う携帯型の鳥獣対策LED照明となり、光学機械器具の製造・販売を手掛けるパイフォトニクスが開発した新しい鳥獣被害対策器となります。操作方法は対象箇所へ照射するのみとなり、簡単に使用が可能です。高速での反転照射は人間の目には刺激が少なく、目の応答性が高い鳥獣には強い刺激を与えるよう設計されています。

(シカやイノシシなど有害鳥獣捕獲の「秘密兵器」:長崎)
2020年、野生のシカ1500頭、イノシシ500頭が捕獲された五島市で、新しい捕獲システムが導入されました。五島市の担当者 「メールアドレスを設定するページがあるんですけど、(有害鳥獣が)捕れたらメールが届くようになるんで」。新たに導入されたのは、携帯電波のエリア外でも通信が可能な「LPWA」(ローパワーワイドエリア)という通信方式を採用したシステムです。ワナのところに子機を設置し、シカやイノシシがワナにかかればその情報が、親機を経てスマホなどに届く仕組みです。設置場所を自由に選べるほか、ワナを見回る労力を減らせるといいます。参加した人 「労力が軽減される分、ワナを多くかけて、被害をちょっとでも減らそうかなと思います」五島市はこのシステムの親機を2機、子機を96機、玉之浦地区に導入します。

(中山さん「有終の美、飾った」:茨城)
東京オリンピックのクレー射撃混合トラップ5位に入賞した結城市出身の中山由起枝さん(42)=日立建機=が13日、同市役所を訪れ、小林栄市長に成績を報告した。中山さんは、夫婦で出場した混合トラップについて「全力で撃ちきり、集大成として有終の美を飾ることができた」と振り返った。

(イノシシの狩猟、豚熱の防疫措置徹底を)
本格的な狩猟シーズンを迎える。豚熱の感染源とされる野性イノシシの捕獲の重要性は高まっている。一方で、感染イノシシに接触し、意図せずウイルスを広める可能性もある。狩猟者に、防疫措置の徹底を改めて求めたい。イノシシなど野生鳥獣の捕獲強化は待ったなしだ。理由の一つが、鳥獣による農産物被害だ。農水省によると、2019年度の被害額は158億円。前年度から横ばいだが、営農意欲の減退や離農の増加など数字以上に深刻な影響が出ている。もう一つの理由が、終息が依然見通せない豚熱である。18年9月に国内で再発生して以来、養豚場では15県で73事例(19日現在)が確認された。野生イノシシがウイルスを広める原因の一つとされ、捕獲して数を減らすことが急務となっている。多くの県では狩猟期間を11月15日から3カ月間と設定しており、これから狩猟シーズンを迎える。鳥獣被害や豚熱を減らすためにも、狩猟者の活動に期待したい。国は20年度始めた鳥獣の集中捕獲キャンペーンを21年度も継続。捕獲に対する交付金を拡充するなどしているが、狩猟者をしっかり後押ししてほしい。注意したいのが豚熱のウイルスだ。捕獲には野生イノシシと接触し、意図せずウイルスを拡散してしまうリスクが伴う。狩猟者や捕獲の従事者は改めて防疫措置を確認しておきたい。環境省と農水省は昨年、防疫措置の手引きをまとめており、参考になる。重要なのが消毒だ。衣類や靴、自動車のタイヤ周りなど、野性イノシシの血液や唾液、ふん尿などが付いている可能性がある場所は全て消毒する。死亡イノシシを見つけた際は接触を避ける。また検査を行う可能性があるため、発見場所を各自治体へ連絡する。食用にする際も注意が必要だ。感染確認区域で捕獲した野性イノシシは他者に譲渡したり、同区域外に持ち出したりしないようにする。国や地方自治体は、こうした手引きの内容について、ちらしを配ったり、講習会を開いたりして狩猟者に周知しているが、一層力を入れてほしい。紅葉のシーズンでもある。山に入る一般の人への注意の呼び掛けにも、もっと力を入れてもらいたい。国は経口ワクチンをまいて感染イノシシの広がりを食い止めようとしてきたが、十分な効果が出ているとは言い難い。これまでに感染イノシシが発見された場所は、25都府県に上る。経口ワクチンの散布を含め野性イノシシ対策を検証し、実効性を早期に高める必要がある。それが、豚熱の感染拡大の防止とともに、安心して狩猟に取り組める環境整備になる。

(フェンスと発光装置が効果発揮:東北)
敷地の外周約5・5キロを囲むフェンス外側の山林に無数の穴がある。イノシシが体表の寄生虫を落とすため、横たわって泥浴びする「ぬた場」だ。宮城県名取市の仙台カントリークラブで6月下旬、支配人の武田敏夫さん(67)がフェンスを見回っていた。「そろそろ、こっちに持ってこないと」。別の場所に移動し、フェンス沿いに設置された機器を手にした。機器の名称は「逃げまるくん」。精密部品加工の小野精工(宮城県岩沼市)が開発し、獣が嫌うレーザー光を昼は緑、夜は赤に切り替えて照射し、追い払う。太陽光パネルと蓄電池で動くタイプもあり、電源がなくても利用できる。武田さんは獣に有効とされるオオカミの尿や電気柵も試したが、慣れてしまったり漏電してしまったりして不発だった。「逃げまるくんとフェンスの二段構えが最も効果的」。5年にわたり使い続けた結論だ。イノシシが最初に出没したのは2015年。数日前からミミズを狙って土を掘った跡があり、気になっていた。客の帰宅後に見回ると、「ブーッ」という鳴き声がした。すぐに従業員総出でフェンスを設置し、侵入対策を施した。ただ、昼間は営業のため入り口を開け放っている。イノシシは周辺道路を歩いていることもあり、そこから入るかもしれない。「コースを荒らされたら整備に数百万円。客にけがでもさせたら大変だ」。小野精工に発注し、16~18年にかけて逃げまるくん3台を設置した。現在、国内50カ所に出荷され、全国で利用が広まりつつある逃げまるくん。仙台市太白区秋保町にある天守閣自然公園もその一つで、3台が稼働中だ。同園会長の早坂隆朝(たかとも)さん(73)はイノシシ被害を防ごうと、20年ほど前からさまざまな方法を試してきた。電気柵にフェンス、ピューマの尿…。いずれもマイナス面があり侵入を許してきたが、16年から使った逃げまるくんは違った。設置場所にイノシシが全く来なくなった。それでも別の地点から入り込もうとするので、定期的に場所を変えるなどして対応している。フェンスと逃げまるくんで公園の景観は守れているが、早坂さんには別の懸念がある。山あいにある秋保町全体の問題だ。「市街地にいては気付かないかもしれないが、今やイノシシやクマ、サルも相当いる。人間の生活圏が脅かされており、今のうちに抜本的な対策をしなければ」と強調する。国の試算によると、2110年に国内人口は4000万台まで減少する。住民の自助努力には限界があり、獣害対策を社会全体で考える時期に来ている。

(東北・拡大する野生動物被害)
農作物は食い荒らされ、鉄路は正常なダイヤを確保できなくなっていた。あらゆる場所に出没し、社会を揺さぶる野生動物。われわれはどう向き合うべきか。2020年5月~21年3月の本紙連載「災禍の果てに」でイノシシの生息域の北限問題を取り上げ、今後の人間社会との関係を考察した赤坂憲雄学習院大教授に聞いた。-野生動物の生息域が拡大する現状をどう見ますか。「過疎化と少子高齢化を背景に東日本大震災前から始まっていたことだが、東京電力福島第1原発事故の影響が大きいようだ。岩手の三陸の漁村はシカが多く、人々は狩猟をしてきた。それが震災後は、シカを仕留めても検査に出すと放射線量が高くて食べられなくなった。ほかの地域でも、殺すために殺すのは嫌だと狩猟免許の返上が始まった。狩猟圧が減少して、危険を感じなくなった野生動物が生息域を広めていった」。-野生動物との衝突で、JR東日本盛岡支社管内では1日に2回のペースで列車が止まっています。「運行が1、2時間に1本の路線もあるのだから、異常だ。明治初年に3000万だった人口が1億3000万近くに増えた。その頂点が震災に重なる。江戸時代まで人は『時の試練に耐えてきた』(寺田寅彦)災害の少ない場所に村を営んだが、近代の開発はそれを壊した。『あそこは海だった』と何度聞いたことか。山村も同じだ。人間たちが自然の懐深くに暮らすようになり、野生動物を追いつめてきた。20年度は754回の衝突事故。5年前の3倍以上だ。それだけの数の野生動物の犠牲と引き換えにして、人を乗せた列車が走っている。道路だって同じだ。途方もない光景が広がっている」。-今は山あいの農家の存在が市街地への野生動物の攻勢を抑えているが、現状維持には限界もあります。「人が暮らす村と奥山の間に緩衝地帯として、かつて里山があった。人は里山で雑木を伐(き)って炭を焼き、山菜・キノコを採り、獣を追って暮らしてきた。人の姿が見え、匂いがした。それが野生動物が村に侵入するのを抑止していた。『燃料革命』で薪(まき)や炭のいらない時代になると、里山は荒廃しヤブと化して、奥山から村まで一気に野生動物が下りてくるようになった。人間と獣の遭遇事故が増えるのは当然だ」。「国内人口が50年後に8000万台、100年後に4000万台にまで減少するという予想がある。もはや、こんなに自然の懐深くに暮らす必要はなくなり、海辺からも山からも緩やかに撤退する時代が始まっているのかもしれない。いわば、自然を自然の懐にお返しする、それは一時的に借りていたものだから。まるで宮沢賢治の童話のようだ。今は野生動物との境界を守ろうと電気柵などを使っているが、それで解決するとは思えない。50年後、100年後の東北のことを思いながら、みんなで人と野生動物との関係の再構築を議論できるようになりたい」。-その再構築に向けて具体的な手だては。「里山の再生なしに人間と自然との関係を立て直すことはできないが、長い時間が必要になる。でも、江戸時代だってハゲ山ばかりになって、大きな政策転換が起こり森の復興へと舵(かじ)を切った。幕末の日本の自然は異邦人を感嘆させるほどに豊かだったらしい。里山はやがて、人と野生動物とのコモンズ(入会地)として再デザインされるのかもしれない」。「そのことに少なからぬ人々が気付き始めている。福島県会津地方では、地産地消で再生可能エネルギーを広めている人たちが、里山の再生を掲げて小さな会社を立ち上げたが、きこりや炭焼きなどの仕事に若者たちが関心を示している。それは宮城県の丸森町の若者たちともつながっている。若い女性たちの姿が目立つようだ。狩猟を始めた知り合いの女性もいる。そこに考えるヒントがある。『都人よ、来たってわれらに交われ』かな。賢治の言葉だ。すでに何かが始まっているのだ、と思う」。

(駐車場でシカ捕獲:栃木)
宇都宮南署は18日、宇都宮市宮の内2丁目の駐車場で、シカ1頭を捕獲したと発表した。同市南部では15日以降、山林から離れた住宅街でシカの目撃情報が相次いでおり、同一の個体とみられる。同署などによると、捕獲したシカは体長約1.5メートルの雄の成獣。18日午前5時50分ごろ、同市宮の内2丁目の工場から「駐車場にシカがいる」と110番があった。同市や県猟友会などが12人体制で捕獲作業に当たり、約3時間後に動きが鈍くなったところをネットで捕まえた。同市農林生産流通課によると、シカは外敵を恐れて木の茂みなどに隠れて暮らすことが多いため、住宅街への出没は珍しいという。同課担当者は「なぜ住宅街に現れたのか分からないが、群れからはぐれてしまい、食料を求めて山から川に沿って下ってきたのではないか」とみている。

(通学路の側溝にイノシシ:富山)
19日朝、富山市大山地域の道路の側溝で、イノシシが動けなくなっているのが見つかりました。後ろ足にけがをしていて、その後駆除されました。この地区ではイノシシによる農作物の被害に頭を悩ませています。富山市東黒牧の道路の側溝。そこにいたのは…1頭のイノシシです。幅およそ30センチの側溝で座り込んでいます。近くに住む農業・齊藤大悟さんが見つけて撮影し、KNB投稿ボックスに送った映像です。富山南警察署によりますと、19日午前7時30分ごろ、齋藤さんから通報を受けて、警察や市の職員、猟友会が駆けつけました。イノシシは体長およそ1メートルの成獣で、何らかの理由で後ろ足にけがし、側溝のなかで動けなくなったと見られます。イノシシはその後、地元の猟友会によって駆除されました。県によりますと、イノシシによる農作物の被害額はおととし以降減少傾向です。豚熱や山間部でのえさ不足で個体数が減ったためとみられますが、一方で生息域は広がっていて、地域ぐるみの対策が必要だとしています。

(列車がシカと衝突:大分)
JR九州によると、21日午後6時32分ごろ、久大線夜明―光岡間で、上り普通列車(日田駅午後6時26分発久留米行き)がシカと衝突した。現地の確認と車両点検を行った影響で同7時22分現在、一部上下列車に15分から9分の遅れが発生している。

(動物と接触、JR草津線が運転見合わせ:滋賀)
JR西日本によると、20日午後9時37分ごろ、草津線の貴生川(滋賀県甲賀市)-三雲(湖南市)間で、普通電車(4両編成)が動物と接触したため、車両と線路を確認している。約40人の乗客にけがはなかった。このため、同線の草津(草津市)-柘植(三重県伊賀市)駅間で、午後10時40分現在、運転を見合わせている。JR西日本によると、接触した動物はシカとみられるという。

(普通列車シカと衝突:北海道)
20日午前7時5分ごろ、小樽市のJR函館線朝里―銭函間で、小樽発江別行きの普通列車(6両編成)がシカと接触した。乗員と乗客約110人にけがはなかった。JR北海道によると、車両点検を行って約25分後に運転を再開した。新千歳空港発着の快速2本を含む7本が運休となり、約2500人に影響が出た。

(母と子が家の周りウロウロ:北海道)
住宅の目の前を闊歩するヒグマ。その近くには一回り小さい、子グマの姿もあります。14日、羅臼町共栄町で撮影されました。住宅の中の様子をうかがっているのでしょうか。車が近くにいても、まったく動じることはありません。子グマが立ち上がると、窓の高さほどの大きさです。羅臼町役場によりますと、この個体は人慣れしていてこれまで知床半島の斜里町側で目撃されていましたが、ことしは羅臼町側のほうがエサとなるサケやマスの遡上数が多いことから、エサを求めてやってきた可能性もあります。ヒグマはこの後も、住宅が立ち並ぶこの付近での目撃が相次いだため、15日朝、駆除されました。母グマが202キロ、子グマが112キロで、ここまでの大きさになるのは非常に珍しいということです。

(サル目撃相次ぐ:神奈川)
9月末から10月にかけ、藤沢市などでサル目撃情報が相次いでいる。市によると群れではなく単体で、15日現在、人への危害報告はない。市内での報告は9月29日に宮原が初。10月1日に遠藤で目撃後は茅ヶ崎市や寒川町など近隣で目撃されていたが、12、13日は辻堂東海岸から片瀬海岸にかけ南部市街地で連続し確認されている。藤沢は野生のサルの生息域ではないが、これまでも丹沢などからのはぐれサルが目撃されている。市環境保全課は「近付かず、騒がず、構わず見過ごして」など注意を促している。

(民家にサル出現:徳島)
21日午前、徳島県鳴門市の民家にサルが現れました。市の職員や警察官が捕獲を試みましたが、捕獲出来たのでしょうか?サルが現れたのは鳴門市撫養町斎田の民家の屋根の上です。警察によりますと、きょう午前9時50分ごろこの家の住人から警察に「サルが家の屋根に座っている」と通報がありました。サルは弱っているのか動く気配がありません。サルを見かけることはありますか、と尋ねると「たぶん初めてだと思います。びっくりしました」と住民も驚いています。サル発見からおよそ1時間半後、鳴門市の職員が到着し捕獲作戦を開始します。空砲に驚いたサルは屋根の上からベランダへ逃げて行きます。家の中から捕獲を試みますが…。「逃げた!」「あっちに逃げた!」サルはベランダから近くの木へと飛び移り逃走。弱っていたように見えたのは猿芝居だったのでしょうか?近くの建物の間を走り抜け姿は見えなくなってしまいました。捜索はその後も続けられましたが、結局、サルは見つかりませんでした。住民は「心配ですよね戸締りをきちんとしないと」と話しています。鳴門市は今後、状況を見ながらサル出現の新たな情報が入り次第、対応をしていくということです。

(素材を生かしたジビエのカレー)
無印良品から、レトルトカレーの新商品「素材を生かしたジビエのカレー」2種が登場。「猪肉と3種の豆のカレー」「鹿肉とマッシュルームのカレー」が販売されます。また、無印良品のレストラン・カフェ「Cafe&Meal MUJI」でも、同日より同2種のカレーが新メニューとして提供されます。「猪肉と3種の豆のカレー」は、猪肉のひき肉と、ひよこ豆やレッドキドニーなど3種類の豆が合わされたキーマカレー。複数の香辛料をきかせ、深みのある味わいに仕上げられています。180g(1人前)入り、価格は450円(税込、以下同じ)。「鹿肉とマッシュルームのカレー」は、鹿肉のひき肉と、ソテーしたマッシュルームや玉ねぎが合わされた欧風カレー。赤ワインやトマト、りんごと一緒にじっくり煮込んで仕上げられています。180g(1人前)入り、価格は450円。

(素材を生かしたジビエのカレー、問題解決の一助にも)
鹿やイノシシなど野生の動物たちによる農作物の被害を減らす一つの方法として、ジビエの食肉利用が広がっている。無印良品(良品計画・東京)も、レトルトカレーの新商品として「猪肉と3種の豆のカレー」「鹿肉とマッシュルームのカレー」(税込み各450円)を発売した。狩猟で捕獲する野生動物の肉、いわゆるジビエは、高級食材として多くのレストランで使われているが、加工食品としての活用は限定的。そこで、家庭で簡単に使えるレトルトカレーとして商品化、ジビエの使用量の増加も図れる一石二鳥だ。イノシシのひき肉と、ひよこ豆やレッドキドニーなど3種類の豆を使い、複数の香辛料をきかせたキーマカレーと、鹿のひき肉とソテーしたマッシュルームやたまねぎを使い、赤ワインやトマト、りんごと一緒にじっくり煮込んだ欧風カレー。秋はジビエ。レストランに行く前に、まずはおうちご飯でジビエカレーだ。

(鹿革を利活用した商品を共同開発:東京)
ジョッゴ株式会社(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:太田 真之、以下ジョッゴ)が運営する発達・精神障がいを持った革職人が革製品を開発、生産受託する事業UNROOF(アンルーフ)は、人と山をつなぐ事業を手がける株式会社ヤマップ(代表取締役:春山 慶彦、本社:福岡県福岡市、以下ヤマップ)と共同で、日本の森林や農林業に大きな被害を及ぼし獣害指定された鹿を狩猟後に廃棄せず利活用する取り組みの一環として、鹿革L字ウォレットと鹿革スマホポーチを開発し、10月19日からYAMAP STORE内で販売します。

(鹿肉でコロッケバーガー:長野)
道の駅中条(長野市)が、鹿肉を使ったコロッケバーガーを販売している。ジビエ(野生鳥獣肉)の加工処理施設の長野市ジビエ加工センターの鹿肉を使用。鹿肉は赤ワインで煮て臭みやクセをなくし、ジビエの初心者なども食べやすい商品に仕上げた。今後の観光資源の一つに育てたい考えだ。「鹿肉コロッケバーガー」は、鹿肉やジャガイモ、シメジを使ったコロッケとキャベツをバンズで挟んだ。ウスターソースで味付けしており、子供でも食べやすいという。揚げたてのコロッケを食べられる点も、特徴の一つだ。価格は500円。鹿肉はモモ肉などの端材を利用することで、価格を抑えた。道の駅中条では鹿肉を使った料理を増やしており、4月には鹿肉を使ったハンバーガーや丼ぶりを発売。現在はカレーの開発を進めるなど、今後もラインアップを拡充していく方針だ。

(社食に認証ジビエ料理:愛知)
受配電設備大手の河村電器産業(本社瀬戸市暁町3の86、水野一隆社長)は20日、本社食堂で国産ジビエに認証された鹿肉料理を提供する。社員食堂で認証ジビエ料理を提供するのは県下初。

(リュウキュウイノシシ肉に疲労防ぐ物質:鹿児島)
徳之島の天城町と鹿児島大学の研究グループは、奄美群島などに生息するリュウキュウイノシシに、疲労を防ぐ作用がある物質が多く含まれていることがわかったと発表しました。今後、こうした特性を生かした新たな特産品の開発などを検討することにしています。奄美群島や沖縄県に生息するリュウキュウイノシシは、本土に生息するニホンイノシシに比べて小さいのが特徴で、徳之島では特産のサトウキビを食べる被害が相次いでいることから、天城町だけで昨年度361頭が捕獲されています。このため、駆除したイノシシ肉の活用法を見つけようと鹿児島大学と天城町が共同で研究を進めたところ、徳之島のリュウキュウイノシシには疲労を防ぐ作用があるとされる「バレニン」が多く含まれることがわかり、18日、記者会見で発表しました。豚肉のおよそ8倍の量で、アスリート向けの食材として活用できる可能性があるとしています。このほか、認知機能の衰えを防ぐ作用があるとされる「カルノシン」も豚肉のおよそ2倍含まれていて、介護食への活用も期待できるということです。研究グループは今後、他の島のイノシシも詳しく調べることにしています。鹿児島大学の大塚彰教授は「ポテンシャルが非常に高い動物だと感じました。この徳之島の宝を生かして得られた収益を、自然保護に活用できるようにしたい」と話していました。

(イノシシ肉のグルメに舌鼓:鳥取)
ジビエ(野生鳥獣肉)のおいしさや魅力を伝えようと「獣(いのしし)を食らう会」が17日、北栄町西高尾のすいか空港で開かれた。会場には屋台テントやキッチンカーが並び、日本猪牧場(倉吉市)のイノシシ肉を使った料理を提供。

(注目の食材「安芸高田鹿」:広島)
こちらは、安芸高田市にいるシカです。田んぼや畑を荒らすため、年間で3000頭近くが捕獲されています。その安芸高田市のシカが、東京の高級レストランで注目の食材になっています。熱々のお肉…。東京で人気のイタリアンレストランで提供されているハンバーグです。実はこの肉・・・安芸高田市の鹿です。この安芸高田市の鹿肉がいま東京のミシュランガイド掲載の店など有名なレストランで人気のメニューとなっています。シェフたちが絶賛する安芸高田市のシカ。ただ、地元ではシカは田畑の農作物を荒らすやっかいものの「害獣」です。安芸高田市では毎年およそ3千頭が捕獲されています。向原町の有害鳥獣捕獲班は、月に2回、活動しています。この日はハンター歴50年、40年のベテランなど10人程度で捕獲を開始・・・山を囲むようにしてシカを追い出し、出てきたところを銃で仕留めます。猟犬の鳴き声を頼りにシカを探します。姿は見えませんが、近くにいるシカ…。開始からおよそ1時間…。シカを発見!しかし、そのまま逃げていってしまいました。その後も山を変えるなどして2時間ほど探し続けましたが、現れませんでした。銃での捕獲はできませんでしたが、箱のわなにシカが捕まっていました。鹿の大部分はわなで捕獲されています。シカを捕えたらすぐに食肉加工場に向います。ここでは月に50から60頭のシカが解体されています。そして、ここで食肉処理されるシカの8割以上が東京に出荷されていくといいます。なぜ安芸高田市の鹿肉が東京で一躍人気になったのか・・・。全国各地の「食」の情報を伝えるWEBマガジンなどを運営する会社の代表、金沢大基さんです。金沢さんは3年前、東京で開かれたイベントがきっかけで安芸高田市を訪れるようになりました。市内の世帯数を超える3万頭以上のシカがいると聞いた金沢さん。一方で、優秀なハンターがいて加工場も作られているのに、肉の流通がうまくいっていないという現状を知りました。金沢さんは安芸高田市で獲れる鹿肉を『PremiumDEER 安芸高田鹿』としてブランド化。2年前から徐々に有名な店で扱われるようになりました。東京に本社を構えていますが、安芸高田市にも今月、サテライトオフィスを開設して、今後は、期間限定のレストランや商品開発を進めていくことにしています。地元では厄介者の華麗な転身…。「安芸高田鹿」は、まだまだこれから発展していく可能性を秘めていそうです。

(イノシシ脂を使った保湿バーム:佐賀)
佐賀市で卸売食料品店を営む鶴商興産は、これからの季節の肌荒れや手荒れに、イノシシ脂を使った保湿バーム「boar boar(ボアボア)」をおすすめしています。同社はイノシシ肉を取り扱っており、社長の坂本竜一さんが駆除されたイノシシの活用状況を猟師さんから聞く中で商品化を思い立ちました。イノシシの脂は人間の肌にしっかり浸透し、保湿効果が高いといいます。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、20日午後1時30分ごろ、富谷市石積広表前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、17日午後0時ごろ、仙台市泉区紫山5丁目にクマが出没しました。

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10/19
(警察職員が公文書に虚偽内容記載:山梨)
山梨県警察本部の50代の一般職員が、おととし、猟銃所持の許可を更新する手続きの文書にうその内容を書いて許可したとして、戒告の懲戒処分を受けました。処分を受けたのは、県警察本部に勤務する50代の男性の一般職員です。警察によりますと、職員は、生活安全部の許認可管理室に勤務していたおととし10月、猟銃所持の許可を更新する手続きについて、申請者が許可の基準を満たしていないことを知っていたにもかかわらず、文書にうその記載をして、不当に更新を許可したということです。去年、同じ申請者が別の銃の許可を申請したときに発覚したということで、県警察本部はこの職員を15日付けで戒告の懲戒処分としました。また、この職員を含む3人の一般職員と、すでに退職した当時の上司の職員合わせて4人を、虚偽有印公文書作成などの疑いで書類送検しました。警察によりますと、当時の上司が主導して不当な処理を行ったということで、当時の上司は「事務手続きが煩雑になると思った」などと話しているということです。県警察本部の天野英知首席監察官は「警察職員が許可事務の信用を著しく損なう事案を起こしたことを、県民の皆様に深くおわび申し上げます。職員に対する指導教養を徹底し、再発防止に取り組んでまいります」とコメントしています。

(狩猟の男性が遭難、警察の山岳遭難救助隊が救助:静岡)
静岡県の伊豆市や西伊豆町にまたがる宇久須峠で、狩猟に出た男性が15日から行方不明になっていましたが、16日朝県警により救助されました。宇久須峠で遭難したのは、伊豆市の男性(74)です。警察によりますと、男性は15日午前6時ごろ伊豆市や西伊豆町にまたがる宇久須峠に狩猟のわなの様子を見てくることを家族に伝え、家を出ました。夕方になっても男性が帰宅しないため、15日午後4時ごろに家族が警察に相談したということです。大仁警察署の山岳遭難救助隊が今朝5時から捜索を開始し、午前9時25分頃宇久須川源流付近で、けがをして倒れている男性を発見し救助しました。男性は意識はあるということです。警察は男性が遭難した詳細について調べることにしています。

(クロスボウ「回収進まず」、流通数不明)
クロスボウ(ボーガン)の所持を許可制とする改正銃刀法が成立した6月以降、全国の警察は9月15日時点で950本を回収した。来年3月の施行を前に警察は無償で回収を進めているが、インターネット上での売買などを背景に、全体の流通数は把握できていない。「回収が進んでいるとは言い難い」と指摘する専門家もおり、警察は事件を防ぐため「原則所持禁止」を呼び掛けている。クロスボウは殺傷能力が高く、昨年6月には兵庫県宝塚市で4人が撃たれて死傷する事件が発生。これを機に改正法が成立し、来年3月15日に施行される。所持には公安委員会の許可が必要となり、用途はスポーツ射撃などに限定。不法に所持した場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される。

(警戒音でカラス退散:熊本)
熊本市は14日夜、中央区の花畑公園で、渡り鳥のミヤマガラスを警戒音で追い払うデモンストレーションを実施した。フン害やごみあさりなどの被害に悩む中心商店街の関係者らが拡声器の使用法を教わった後、警戒音を鳴らしてカラスを追い払った。市鳥獣対策室によると、ミヤマガラスは10月下旬、中国大陸や朝鮮半島から越冬のために飛来し、翌年3月ごろに飛び去る渡り鳥。2018年ごろから増え始め、フン害などが問題になっている。市はこれまで、佐賀大に行動調査を依頼したり、「ガー、ガー」というカラスが嫌がる警戒音やLEDライトを利用して追い払う実験をしたりしてきた。今回はまだミヤマガラスが飛来していないので、すみ着いているハシブトガラスなど約300羽を追い払った。これから2月末まで、商店街関係者らが交代で1日3回追い払う。市中心商店街等連合協議会の猪毛尾彰宏会長(64)は「日が暮れて集まるカラスの多さに驚いた。新型コロナウイルス禍で休業中の店舗が多く、ごみあさりの被害も少なかったが、これから増えると予想される。商店街全体で協力していきたい」と話した。

(防護柵の扱い方学ぶ:島根)
鳥獣被害に備える勉強会がこのほど、浜田市金城町下来原の市金城支所であった。農業団地「新開団地」(金城町七条)の入植者管理組合が企画。

(山奥での害獣捕獲の通知システム説明会:長崎)
シカやイノシシなどによる食害が深刻化する中、五島市では携帯電話が通じない山奥でも害獣がわなにかかったことを通知する新たな技術が導入されるため、地元の人たちへの説明会が行われました。五島市福江島では、害獣の食害に悩まされ、去年、2000頭を超えるシカとイノシシが捕獲されました。捕獲には、わなにかかると捕獲者の携帯電話に通知する技術が利用されていますが、携帯電話の電波が捕獲地点まで届いていることが不可欠でした。こうした中、携帯電話の電波が届かない山奥でも通信可能な新たな無線通信技術が利用されることになり、シカの被害が多い五島市玉之浦町では、14日地元の捕獲隊のメンバーなどが出席して説明会が行われました。説明会では、開発業者が新しい装置は低コストで遠距離通信が可能なことや装置を使うことで、捕獲するわなを巡回しなくても広範囲のエリアの情報がカバーできるようになることなどが説明されました。出席した五島市地域おこし協力隊の野澤努さんは「これまでは山の中などのわなを毎日、見回りしていましたが新しい装置では、捕獲したときにピンポイントで現場に急行できて労力が減る上、ジビエの生産でも品質があがるなど効果があります」と話していました。

(牛を襲うヒグマ「OSO18」と酪農地帯の環境変化:北海道)
標茶町内に設置された監視カメラが捕らえた、通称「OSO18」(おそじゅうはち)と見られるヒグマです。 体重300キロのオス、牛を繰り返し襲い、道東の酪農家に恐れられています。北海道東部の酪農地帯で、ヒグマが、放牧中の牛を襲ったり、飼料にするデントコーンなどを食い荒らしたりする被害が相次いでいます。被害の背景を探ると、ヒグマの増加とともに、酪農地帯の環境の変化が浮かび上がってきました。標茶町と厚岸町で、2019年から2021年9月末までに、OSO18が乳牛57頭を襲ったとみられています。この地域ではそのほかのヒグマの目撃情報も急増しています。2020年はおよそ100件、その7年前の3倍にのぼりました。道東と宗谷地方では、ヒグマの頭数が30年前の倍、およそ4000頭に増加したと見られています。ヒグマの専門家で北海道立総合研究機構の間野勉 専門研究主幹は、ヒグマと、人や牛の距離が近くなっていると指摘します。間野 専門研究主幹「ヒグマが、牧場の中、近くにやってきて、そこで、人間が気がつかないうちに家畜と接触している」。なぜヒグマの被害は増えたのでしょうか?要因の一つは“大規模化”です。道東有数の酪農地帯、厚岸町と標茶町では一つの酪農家が多くの牛を飼育する“大規模化”が進んでいます。厚岸町で60年、酪農を営む、佐々木牧場を訪ねました。経営しているのは、3代目の佐々木操さん(39)です。2021年7月、近くの牧場で牛が襲われ1頭が死にました。佐々木さんの牧場では被害はなかったものの、ひと事ではありません。佐々木さんの牧場で飼っている牛は220頭。父親の代に比べ、3倍に増やしました。機械化を進め、少ない人数で多くの牛を飼うことにしました。乳価が上がらないなか、しぼる量を増やすことが、経営に欠かせないからです。ヒグマを40年にわたり研究している、間野 専門研究主幹は、この ”大規模化” で、飼っている牛の一頭、一頭に人の目が届きにくくなったことで、ヒグマによる被害が増えていると考えています。間野 専門研究主幹「野生動物は変化を見逃しませんので、当然、自分たちにとって都合のいい、環境条件が整えば、遠慮なく使おうとしてくる」。ヒグマ被害の増加のもうひとつの要因は、デントコーンの作付面積が広がったことです。飼料用のトウモロコシのデントコーンは、茎や葉とともに牛のエサになります。牧草に比べ栄養価が高く、倍近くの収穫が得られます。このデントコーンは、ヒグマの大好物でもあります。八雲町のデントコーン畑を上空から見た映像がこちらです。赤い矢印はヒグマが食べたあとです。こうしたデントコーンの被害は、ヒグマによる農業被害のおよそ6割を占めます。国がエサの自給率向上のため作付けを推進したことや、気候の温暖化で道東でも栽培が可能になったことなどから、デントコーンの作付面積は広がってきました。佐々木さんの牧場でも、牧草地に変えて、デントコーンの作付けを広げています。間野 専門研究主幹は、ヒグマがデントコーンに引き寄せられ、行動様式が変化していると指摘します。間野 専門研究主幹「ヒグマが酪農地帯へ食べ物を探しに行ってそこで食事をする、クマたちがやってきて居座ってしまう。そういう場所に変わってきています」。佐々木さんは、酪農を次の世代へ残すため、今後、牛の頭数をおよそ2倍の400頭に増やす予定です。加えて、ヒグマから牛を守る方策が欠かせないと考えています。間野 専門研究主幹に、これからのヒグマとの共存のあり方について聞きました。間野 専門研究主幹「農村の環境をもう1回見直しをして、時間がかかるかもしれないけれど変えていく。北海道の社会の総力戦でクマの対策にのぞむと、そのくらいの覚悟で今後対策に真剣にのぞんでいかないと、問題の解決は困難だと考えます」牛を襲うOSO18は、箱わななどを設置しても、警戒心が強く捕獲できていません。(2021年9月時点)。ヒグマ対策には高圧電流を流す電気柵が有効と言われています。しかし、広大な酪農地帯を囲うためには、大きなコストと維持管理の手間が必要です。

(実りの山廃れ、里へ迫る:東北)
赤茶けたおりの中で、体長1メートルほどのクマが寝そべっていた。9月21日、北秋田市阿仁地区のクリ畑。クリ拾いに訪れた所有者の農業柴田雅文さん(70)が、猟友会が仕掛けた箱わなに引っ掛かっているのを見つけた。クマはその日のうちに処分された。川沿いにあるクリ畑は10日ほど前からクマのターゲットになっていた。川向こうの山から浅瀬を渡って来て木に登り、枝ごと折って実を食べる。「今年は特にひどい。足の踏み場もないほど、ふんが落ちている。駆除された1頭は氷山の一角だろう」。柴田さんが困り顔で教えてくれた。クリの木は1960年代以降に植えられた。山がちの阿仁地区では稲作一本で生活するのは難しい。他の収入源を模索する秋田県の試行事業として始まり、ピーク時には一帯の計約300ヘクタールがクリ畑に変わった。わせからおくてまで20品種前後をそろえ、長期間の収穫を可能としていた。思い描いた夢は20年ほどたった頃から雲行きが怪しくなった。全国同様、阿仁地区も農家の高齢化と後継者不足が進展。クリ畑の3分の2以上が放置されるようになってしまった。将来の建材需要を見越した広葉樹の伐採とスギの植林もあだとなり、ドングリが減った山からクマが下り、実を付け続けるクリの木に集まるようになった。阿仁地区は「マタギの里」として知られるが、往時に100人以上いたマタギも今や12人。かつてのような捕獲作業は難しく、食害ばかりか、クマに遭遇した住民が負傷する事態に陥っている。獣害は山深い地域に限った話ではない。ひっきりなしに車が行き交う宮城県亘理町の国道6号沿い。JR常磐線逢隈駅から西へわずか500メートルほどのアヤメ園にもイノシシが頻繁に出没し、所有者を悩ませる。「ほら、これがイノシシのふん。やはり来ているようだ」。アヤメ園を管理するリンゴ農家高野誠一さん(76)が指さす先に、大きな黒い塊があった。地面にはイノシシが掘った穴が無数に残る。アヤメの根の近くを掘り起こし、ミミズを食べる。春先には何頭ものイノシシの子「うり坊」が園内を駆け回る。「地面がぼこぼこになるので乗用型の草刈り機の刃が引っ掛かり、壊れてしまう」と高野さん。1回数万円に上る修理代を幾度も支払ってきた。丹精したリンゴ園はまだ無事だが、高野さん方より山側にある仲間のリンゴ園は壊滅的で、生産断念に追い込まれた。「亘理はリンゴの町なのに、このままではどうなるか…」。高野さんは不安を募らせる。東北で獣害が拡大している。食害だけでなく、JR線との衝突件数は2020年度、統計開始以降最も多くなった。高速道路でも交通の寸断が相次ぐ。国の試算によると国内人口は2110年に4000万台まで減るとされ、野生動物の生息域は今以上に広がって人間社会が立ち行かなくなることも想定される。各方面の実態を報告し、目指すべき社会像を模索する。

(衝突回避へ「多重防護」:東北)
「ブゥオウ」「ブゥン」。高さ約50センチのプラスチック製の箱から、くぐもった音が響いてきた。脇から直径約8センチの塩化ビニール製のパイプが延びていて、JR釜石駅(岩手県釜石市)の敷地沿いに500メートル以上にわたって敷設されている。この不思議な装置の名前は「境界守(もり)システム」。同駅を管轄するJR東日本盛岡支社が4月から運用を始めたシカ対策だ。獣が嫌がるスズメバチの羽音やオオカミのほえ声を発しつつ、スズメバチの臭いを放つ。パイプがそれを拡散させているのだという。「人間には臭わないし、音量も大したことはないが、シカには脅威なのだろう。シカが駅構内に入って列車が遅れることがなくなった」。盛岡支社の溝口真司さん(43)が教えてくれた。パイプの外側には山林があり、以前はシカがホームそばの線路上にいることさえあったという。盛岡支社が導入した獣害対策はこれだけではない。線路沿いに高さ2メートルの侵入防止ネットを張り、シカが嫌うライオンのふんから抽出した忌避剤を散布。山田線では東北で初めて、列車のスピーカーからシカが嫌がる音を流して逃がす「忌避音吹鳴(すいめい)装置」の運用も6月に始めた。「多重防護」の背景にあるのは、列車との衝突件数の多さだ。JR東の東北3支社管内では2020年度、16年度の統計開始以来最多となる955件が発生。このうち8割近くが盛岡支社管内と群を抜く。獣によって1日2回以上、管内のどこかで列車がストップしている計算で、高齢者ら交通弱者の足を守れるかどうかが懸念されている。野生動物に寸断されているのは鉄路だけではない。道路上も似たような状況に陥っている。8月11日、東北自動車道の仙台南-仙台宮城インターチェンジ(IC)間の上下線と仙台南部道路の仙台南-山田IC間の下り線が一時通行止めとなる騒ぎがあった。原因は東北道に迷い込んだ1頭のイノシシ。仙台市太白区生出森東の中央分離帯の側溝に後ろ足が挟まって動けなくなり、猟友会が駆除するまで東北の大動脈が途絶した。東日本高速道路東北支社によると、高速道路も多重防護を施している。全線に立ち入り防止柵を張り巡らしているのはもちろん、動物侵入防止柵を別途設置。トンネルの上部などを利用した獣道を設けるなどしているが、東北を含めた同社管内では毎年度、2万件前後の動物の死骸が回収されている。一般道での衝突件数はまとまった統計がないが、車がイノシシと衝突して大破したり、50万円前後の修理費がかかったりするケースが各地で頻発。山間部に限らず、市街地のそばでも発生している。

(山間の農家、団結し抵抗:東北)
体に付いた寄生虫を落とすため、イノシシが泥を浴びる場所を「ぬた場」と呼ぶ。仙台市中心部から西へ車で約50分。宮城県川崎町との市町境近くにある太白区秋保町の休耕田に7月上旬、大きなぬた場があった。脇を通る市道のアスファルト上には、泥の付いた足跡が点々と続いていた。「田んぼで虫を拭って歩いて行ったようだ。この辺はぬた場だらけで、田んぼはまるでミステリーサークルのような状態さ」。近くの農家佐藤康夫さん(67)がつぶやいた。イノシシが道路を歩くのは、この辺りの日常だ。農家の佐藤宏昭さん(69)も目撃者の一人。今春も夜に「カツン、カツン」という音が聞こえたので戸外を照らしたところ、大きなイノシシが走っていた。康夫さんらの農地はひどく荒らされてきた。泣き寝入りをしていては生活が立ち行かなくなる。康夫さんらは住民グループを組織し、地区の農地の周り計約7・4キロに侵入防止用のスチールフェンスを設置。箱わなも2017年以降、計8カ所に仕掛け、駆除に乗り出した。20年の駆除頭数は14頭、19年は30頭。スタート時点からの総数は79頭に上る。今も年間30カ所はフェンスに穴を開けられたり、自家消費用の畑の作物が全滅したりといった被害は出ているものの、駆除を続けてきたことで頭数が減ってきたと感じるという。「ここが好きで、ここで生きてきた。秋保を守るため続けていくしかない」。箱わなのまき餌の米ぬかを狙うクマに邪魔されることもあるが、康夫さんは諦めるつもりはない。秋保町だけでなく、山あいでの農業は野生動物との闘いだ。岩沼市中心部から西へ車で約20分。同市志賀地区でも農家がイノシシ被害と向き合っている。志賀地区にイノシシが出るようになったのは東日本大震災前後。より山側に近い地域から荒らされ、半作に陥った水田もあった。何とか残った稲も、獣臭で売り物になりにくくなってしまった。「15年ほど前までは人ごとだったが、東京電力福島第1原発事故の影響で福島県内でイノシシが増え、北上してきた」。志賀地区の農家南城喜与樹(きよじゅ)さん(63)はそうみる。地区の農家はすぐ対策を講じた。計65人で農事組合法人を結成。計60ヘクタールのうち山側の22ヘクタールを電気柵でぐるりと囲んだ。下草が伸びて柵に触れると放電して効力が薄れる難点があるが、見回り担当者を置いて3日に1度は地区を巡っており、管理に余念がない。「山に囲まれていても人と金があれば農地は守れる。でも、ほとんどの農家はそういう状況にない」と南城さん。今は山あいの農家が防波堤となって、市街地への野生動物の攻勢を押しとどめている格好だ。人口減少や若年層の都市部流出が続けば、現状維持は一層難しいものになる。

(ニホンカモシカの人里出没増加:福井)
国の特別天然記念物ニホンカモシカの人里での出没が、福井県内で増えている。越前町内の県道のトンネルでは多数の目撃情報があり、すみ着いているような痕跡もみられている。奥山に返そうにも捕獲には文化庁の許可が必要で、むやみに傷つければ罰則を伴うことも。今のところ農作物の被害は報告されていないが、県は遭遇した際の対応マニュアルを年度内に作成する方針だ。県内のカモシカの生息数の指標となるのが、車にはねられるなどして死んだときに出される「滅失届」の件数。県生涯学習・文化財課によると、2021年度は4月~8月の4カ月間で30件を受理し、昨年度1年間の29件を既に上回っている。こうした状況について、県のカモシカ保護指導員や調査員を30年以上務める幅口隆一さん(83)=大野市=は「近年は中山間地で暮らす人が減り、餌を求めて人里に現れるようになったのでは」とみている。ニホンカモシカはウシ科の反芻(はんすう)性草食動物。草や低木の葉、芽、樹皮、果実などを食べる。かつては高山に生息すると考えられていたが、生息数が増えた近年は全国的に低地にも姿を現すようになっている。ニホンカモシカを「県獣」に指定している富山県は、県民が不意に遭遇したときの保護・対応マニュアルを作成。カモシカの健康状態や遭遇場所、状況に応じて「しばらく様子を見る」「石や泥を投げて山へ追いやる」といった対応を示し、ホームページで公開している。富山県でのカモシカの人里での出没は横ばい状態というが、同県の担当者は「ニホンジカの生息域が拡大し、カモシカが人里へ追いやられているのでは」と推測。現在、北アルプスでシカとカモシカの生息数を調査している。東北や長野、岐阜県などの造林地や農地では食害も増えている。福井では、県によると「今のところ食害被害は出ていない」。ただ、越前町農林水産課は「水仙の球根を掘り起こしたり、梅の実を食べたりするのは主にシカだが、カモシカの可能性も捨てきれない」としている。越前町のトンネル内のカモシカをたびたび目撃している男性は「今年6月以降見かけることが増えた。前足をひきずっているように見えた」と話した。9月23日、記者がそのトンネルに向かうと、うずくまっているカモシカに遭遇。暗がりのトンネル内を見渡すと、歩道の広範囲に大量の糞(ふん)が散乱していた。糞は分解が進んだものもあり、専門家は「一定期間すみ着いている」との見解を示した。富山県のマニュアルでは遭遇したカモシカにけがや病気が疑われる場合は、動かさず速やかに市町教委へ連絡するよう求めている。かわいそうと思い食べ物を与えると「そのまま居着いてしまい生態系が壊れる」と担当者。絶対にしてはいけない行為だと強調する。記者が遭遇したカモシカは前足を引きずりながら県道の真ん中に出て、しばらく立ち止まったままでいた。幸い、車は通らず事故に巻き込まれることはなかった。やがて西の出口に向かい姿が見えなくなった。

(狩猟の魅力発見セミナーの開催:石川)
狩猟の魅力発見セミナーを次のとおり開催します。現役ハンターとの座談会や模擬狩猟体験、猟具の展示、ジビエ工房の見学などを行い、狩猟の魅力をお伝えします。

(“ムクドリの大群”が消えた…?!:愛知)
街にムクドリの大群が現れる季節が今年も到来。しかし、毎年ムクドリの鳴き声やフンの被害に悩まされている名古屋駅近くでは、ムクドリの大群が姿を見せなくなっていました。対策の秘密兵器は、『火の用心』でお馴染みの“ある道具”でした。空を覆い尽くす黒い集団。ここ数年、取材で追いかけている“ムクドリ”です。毎年、この時期にねぐらとしているのは、名古屋駅から程近い、自転車店の前にある3本の木。お店の人によると、鳴き声やフンの被害に悩まされているといいます。街を悩ませるムクドリの被害に、名古屋市は住民などからの要望を受けて、これまでさまざまな対策を取ってきました。近くのビルの屋上にムクドリの天敵“ワシ”の模型を設置したり、名古屋市の職員が木づちで木をたたいてムクドリが嫌がる音を出したりと、知恵を絞ってきましたが、どの対策も一時的な効果があっても完全に追い払うことができず、困っていました。今年もムクドリはいるのか。10月11日、現場を訪ねてみると、鳴き声もまったく聞こえず、姿も見られません。毎年、ムクドリの被害を受けている自転車店の人に確認してみるとー。「まったく鳥が集まらなくなった。去年はすごくフンがひどかったですが、今年は全然そういうことがなかった」。実は8月下旬、ムクドリは再びいつもの木に集まり始めましたが、名古屋市がある新しい方法で追い払ってみたところ、全く来なくなったというんです。その方法とは、なんと“拍子木”。どのように使うかというと、ムクドリが集まる木の下で、3週間にわたって、職員手作りの拍子木を打ち鳴らしていたのです。「前は木を直接たたいていましたが、それは木の幹を傷つけることになる。拍子木を使うようになりました」。以前やってみて、ある程度効果があった木をたたく「コンコン対策」をバージョンアップさせたのです。この新対策で効果が現れて約1か月。今後も期待できるのか、「日本野鳥の会」の村上さんに聞いてみるとー。「(ムクドリは)高い音に反応すると思うので、拍子木の音が少し高いので、反応したんじゃないか」(日本野鳥の会愛知県支部 村上修 副支部長)。拍子木は、木の幹をたたくより高い音が出るため、より効果が期待できるのでは、とする一方で、拍子木の音など嫌なものがなければ、また戻ってくる可能性もあるといいます。根気のいる、継続的な対策がまだまだ必要なようです。(:)

(ヒグマ被害が増える「本当の理由」:北海道)
北海道が今、ヒグマ被害に脅かされている。ハイキングやきのこ狩りで入山する機会が増える10月。この時期はヒグマにとっても冬眠前の溜め込み期間にあたり、被害が増加するタイミングでもある。実際に北海道では10月31日までを「秋のヒグマ注意特別期間」と定め警戒を促している。しかし、人や家畜への被害は、今年が過去最悪と言っても過言ではない。目を引くのは東部にある厚岸(あっけし)町と標茶(しべちゃ)町での牛への被害だ。この地域では体重300キロ越えの巨大なオスの個体による被害が増加している。初めて発見された標茶町下オソツベツの地名と、18センチにも及ぶ足跡にちなんで「OSO18」というコードネームで呼ばれる同個体。標茶町役場の農林課民生係がその被害実態を明かす。「被害頭数は、標茶町だけで15頭に上ります。『OSO18』による被害は令和元年7月に初めて確認され、3年間で48頭が犠牲になりました。牛をヒグマが襲うことはかなり珍しく、今までは何らかの原因でケガをしてしまった牛を食べるというケースがごく稀に起こっていたくらいでした」。「OSO18」の特徴は巨大さだけではない。牛を襲ったあと、全く食べないか、食べても背中の肉の一部だけというケースが多く、餌というよりも弄ぶために襲撃している可能性が高いと考えられている。警戒心も強く、夜以外は人前になかなか姿を現さない。また一度襲撃した場所には姿を現さないため、移動経路すらつかめていないのが現状だ。今年8月に被害に遭った厚岸町営牧場長の櫻井唯博さんが語る。「200キロ近い牛の背骨が折られていました。どんなパワーなんだと思いましたよ。牛を襲うクマなんて、ここ50年聞いたこともありません。対策として、ハンターに巡回してもらう一方で、電気柵や箱罠の設置を進めています。また町営牧場で管理を任されていた約200頭をそれぞれの農家に返して、700頭くらいは放牧をやめて、牛舎で飼育しています。お金の負担もバカになりません。町営牧場では7頭が被害に遭いました。損失は総額250~300万円になります。さらに電気柵などの設備投資費用は最低でも2000万円を超えます。それでも全てをカバーできない。放牧できない700頭は、餌となる牧草を買わないといけないので、1000万円くらいかかります。農家さんも町営牧場に預けられない分、費用や手間がかかるし、そうなれば手が回らず、牛の人口受精の時期もずらさないといけない。生育にも影響するかもしれませんので、被害総額は青天井です」。一方で人への被害も深刻だ。今年だけで過去最多となる11名の死傷者を記録。6月18日には札幌市東区の閑静な住宅街に突如、体長約1.6メートル、体重約150キロのオスグマが出現し、市民4人を襲撃するという事件が発生。105人の警察官、39台の車両、3機のヘリが出動し、9時間の逃走の果てに駆除された。北海道を襲うヒグマの脅威。しかしなぜ、被害が増加しているのか。都市開発により生育環境が奪われていることなどが指摘されている中、30年以上にわたりヒグマを研究している酪農学園大学・環境共生学の佐藤喜和教授は、別の可能性を示唆する。「ヒグマ被害が増加している背景には、2つの大きな要因があると考えます。一つ目はクマの生息数の増加です。1990年に北海道は『春グマ駆除制度』をやめました。この制度は1966年ごろから始まったもので、春先の一定期間に限り狩猟を解禁するもので、クマ一頭の値段が高かったこともあり積極的に行われてきました。しかし1980年代に入り、一部地域でクマが絶滅する危険性が出てきたために廃止。それ以降、個体数は増加の一途を辿っています。二つ目の理由は動物たちと人間の生活領域の棲み分けが曖昧になっていることです。札幌のような都市部の問題ですが、緑豊かな街づくりを進める一方で、森林から街の中まで続く緑地の連続性が、どんどん太くなっている。町の中まで森の奥と同じように木々が生い茂り、動物が身を隠すことができるようになっているんです。そこに餌となるウサギやキツネ、鹿が出て来て、やがてクマが来るようになった。街づくりの方法をもう一度考えなければいけません」。はたして被害を押しとどめる対策はあるのか。「札幌市東区のような市街地でのクマ被害は、30年間で初めての出来事です。対策としては、時間はかかりますが電気柵を設置するなど土地の管理を今一度きちんと行うことです。また高齢化が進む猟師たちの技術伝承や後継者育成も必須です。個人でも唐辛子エキスのスプレーを持つなど、常にクマがいる可能性を考えて備える。でも持っていれば安全という対策グッズはないので、遭遇しないように細心の注意を払うというのが一番です」。これ以上の被害拡大が起こらないよう、一刻も早い解決が待たれる。

(鳥獣捕獲のための無料セミナー第二弾を開催:宮崎)
鳥獣被害対策ソリューションを提供する「イノホイ」を運営する株式会社refactory(以下、refactory 本社:宮崎県宮崎市、代表取締役 守屋将邦)は、株式会社TSJ(代表取締役:仲村 篤志 以下TSJ)と協同で、害獣捕獲のための無料オンラインセミナーを開催させていただく運びとなりましたので、ご案内いたします。

(線路に入るシカ:栃木)
線路に侵入するシカと列車の衝突事故が後を絶たない。東武鉄道によると2017年4月から3年間で85件発生し、約8割は新栃木駅以北だった▼侵入は「鉄分補給でレールをなめに来ている」「線路が生息地を分断しているため」など諸説ありはっきりしない。衝突すると電車の遅れや運休につながり、車両の損傷のほか、死骸の処理も大変で運行に与える影響は大きい▼JR西日本和歌山支社は、肉食獣の臭いでシカを線路から遠ざけようと、管内の動物園からライオンのふんを仕入れ、水で溶いて作業員がひしゃくなどでまいた。02年から始めたものの今は行っておらず、侵入防止柵の設置を検討しているという▼JR東日本盛岡支社の手法はもっと洗練されている。岩手大との共同研究で、ライオンのふんから成分を抽出した液状の忌避剤を開発して散布。一定の効果を上げているが、人件費を含めて1回数百万円かかるため本年度は休止した▼東武鉄道は昨年11月から、一部列車にシカが嫌がる超音波を発する「鹿笛」の取り付けを試験的に始めた。時速48キロ以上になると、人には聞こえない超音波が400メートル先まで届く仕組みである▼導入して間もなく1年。果たしてどこまで効果があったのだろうか。同社は結果を検証中とのことで、対策に悩む鉄道各社の関心は高いだろう。

(サルより先に、参加者募り「放置柿」収穫:兵庫)
ニホンザルの獣害に悩まされている兵庫県丹波篠山市畑地区のみたけの里づくり協議会が17日、サルを里に引き寄せる要因となってしまう「放置柿」を収穫するイベント「さる×はた合戦」を開いた。9年目の取り組みに市内外から約40人が参加。参加者らは地区内に点在する柿を採っては好きな量を持ち帰り、”楽しくおいしい”獣害対策に臨んだ。地区内には数百本の柿の木があるものの、近年は高齢化などの影響で収穫されないことが多い。放置された柿はサルを里に引き寄せ、畑の作物への被害につながることから、内外の住民の交流の場も兼ねた「合戦」を始めた。参加者らは高枝切りばさみのほか、昔ながらの竹竿も使って柿採りに挑戦。柿採りが初めてという人もおり、慣れない道具に悪戦苦闘しながらも住民スタッフの指導を受けながら手際よく作業を進めた。8歳の男の子は、「竹で採るのが楽しかった。また来年もやりたい」と笑顔で話していた。

(走行中の車に"シカ衝突"、林へ消える:北海道)
10月15日夜、北海道札幌市東区の道道で乗用車とシカが衝突する事故があり、警察が注意を呼び掛けています。事故があったのは、札幌市東区中沼町の道道です。15日午後10時30分ごろ、20代の男性が運転する乗用車が北に向かって走行中、右から出てきたシカと衝突しました。男性は体調が悪くなり、1時間ほど休んだあとに110番通報。警察によりますと男性は救急搬送されてはいませんが、首や足などに軽いケガをしたということです。シカは成獣とみられていて、事故の後そのまま西側の林へ立ち去っていて、警察は走行する際に注意するよう呼びかけています。北海道によりますと、シカによる交通事故の発生件数は2019年は3188件と過去15年で最多となっていて、繁殖期で動きが活発になる10月が1年のうちでもっとも多くなっています。全体の7割以上が午後4時から午前0時までの時間帯に発生しています。

(走行中イノシシに衝突?:愛知)
10日深夜、愛知県に住む男性が車を走らせている時でした。車内に響いたのは、何かがぶつかった音と衝撃でした。男性がドライブレコーダーを確認すると…映っているのは、イノシシでしょうか?車の修理には44万円かかるということです。

(普通列車がクマと衝突か:北海道)
15日午後7時40分ごろ、名寄市のJR宗谷線日進―智恵文間を走行中の名寄発音威子府行き普通列車(1両編成)の運転士から「クマ1頭と接触した」と指令センターに連絡があった。列車は緊急停車し、運転士と乗客約10人にけがはなかった。JR北海道によると、線路点検したが、クマは見つからず運行を再開。これにより特急2本が部分運休し、普通列車が約2時間遅れるなど計約60人に影響が出た。

(シカ捕獲、市街地の工場敷地内で:栃木)
18日午前5時50分ごろ、宇都宮市宮の内2丁目のSUBARU航空宇宙カンパニー宇都宮製作所南第二工場の駐車場にシカがいると110番があった。警察や市などが約3時間後に捕獲した。宇都宮南署によると、シカは雄で、体長約1.5メートル。人や物に被害はなかった。宇都宮市内では15~17日、南部の住宅街でシカの目撃情報が相次ぎ、県警などは警戒を続けていた。

(快速エアポートがシカと衝突:北海道)
18日午後6時15分ごろ、JR千歳線の上野幌(札幌市)ー北広島(北広島市)間で、札幌発新千歳空港行きの快速エアポート(6両編成)がシカと衝突し、緊急停車した。

(普通列車、シカと衝突:北海道)
14日午後6時45分ごろ、JR函館線手稲―稲穂間を走行中の岩見沢発小樽行き普通列車(3両編成、乗客約120人)がシカと衝突し、緊急停止した。乗客乗員にけがはなかった。JR北海道によると、車両に異常がないことを確認し、約10分後に運転を再開。この影響で普通列車2本が部分運休し、約200人に影響が出た。

(市街地にニホンジカ:青森)
青森県三沢市の中心市街地などで14日午後、ニホンジカの目撃情報が相次ぎ、三沢署員や市職員が出動する騒ぎとなった。けが人などはなかった。

(公園で〝クマ〟目撃情報:島根)
島根県江津市と浜田市にまたがる島根県立石見海浜公園で14日、クマ1頭が目撃され、県は現場周辺のエリアを閉鎖しています。クマが目撃されたのは14日午前7時20分頃です。石見海浜公園の東の端に当たる江津市波子町の大崎鼻灯台周辺でクマ1頭が動き回っているのを近くにいた海上保安部の職員が見付けました。クマは体長1メートルほどで若い大人の個体と見られ、公園を管理する県はFゾーンと呼ばれる現場周辺を閉鎖して立ち入りできなくすると共に、注意を呼び掛ける看板を設置しました。また、隣接する津門神社の近くでクマのふんや爪痕が見付かっていて、県がセンサーカメラを取り付けました。閉鎖の解除は状況を踏まえて判断するとしています。

(クマ出没か:北海道)
17日午後1時5分ごろ、札幌市南区真駒内の豊平川河川敷で、クマが歩いているのを、車で通行した女性が目撃し、110番した。札幌南署員らが付近を捜索したが、クマの痕跡は見つからなかった。同署によると、クマは体長約1・5メートルとみられ、河川敷を北方向に立ち去ったという。現場は五輪大橋から北に約50メートルの河川敷で、付近には札幌市豊平川さけ科学館がある。

(大学の食堂にイノシシ侵入:広島)
広島経済大学の食堂にイノシシが侵入です。窓ガラスなどを割って逃走し辺りは一時騒然としました。警察などによりますと18日午後4時ごろ、「学校内にイノシシが出ている」と通報がありました。イノシシは広島市安佐南区の広島経済大学の構内にある食堂に侵入し、窓ガラスなどを割り、逃走しましたが、駆け付けた警察により、捕獲されました。食堂は営業中で利用者などに、けが人はいませんでした。大学によると、イノシシが大学構内に侵入したのは、今回が初めてということです。

(道路上にクマ、犬の散歩中の60代女性が目撃:静岡)
17日午前、静岡市清水区で犬の散歩中の女性がクマを目撃しました。女性にけがはありませんでしたが、警察は注意を呼びかけています。17日午前7時ごろ、静岡市清水区土で、道路上にクマがいるのを犬の散歩をしていた60代の女性が見つけ、警察に通報しました。クマは体長およそ1メートルで、女性に気が付くと近くの山の中へ逃げていったということです。女性にけがはありませんでした。クマが見つかったのは、清水区の中心部から北に10キロほどの山間の地域で、周辺には多数の住宅があります。いまは冬眠前のクマがエサを求めて活発に動き回る時期で、2日にも付近でクマが目撃されていて、警察が注意を呼びかけています。

(住宅街にサル、お目当ては「柿」?:神奈川)
神奈川県平塚市の住宅街でサルが目撃されました。住宅のフェンスの上を歩く1匹のサル。すると、庭に植えてある木に飛び移ります。撮影者がすぐ前にいても、おびえる様子はまったくありません。そして、枝をかき分け進んだ先で、何かをつかむ様子が。サルがつかんでいたのは、柿です。撮影した平塚市民「家の中から庭を見ていたらサルが急に現れて、びっくりしたんですけれども、玄関あけてみたら、目の前のお宅の塀の上でサルが柿を食べていたという」サルが出没したのは、神奈川県平塚市の住宅や学校などが建ち並ぶエリアです。市によりますと、18日朝、情報が入って以降、複数の地域でサルの目撃が相次いでいるといいます。目撃されたサルは1匹です。今年の6月から7月にも市内や隣町で目撃されていることから、同一の個体ではないかとみています。市は、サルが襲ってくる可能性もあるため、遭遇しても近づいたりエサをあげたりしないよう注意を呼びかけています。

(自然界の謎を解く楽しさ:宮城)
石巻専修大理工学部生物科学科・辻大和准教授。動物生態学が専門。現在は「種子散布」の研究に力を入れる。動物のフンから植物のタネを採り、発見場所を分析して動物の行動や植物との関わりを解明する。「動植物は理由なくそこに生息していない。分布や数、行動が他の生き物に影響を与え、時には影響を受け、全体のバランスを保つ。研究者としてバランスの取れた環境維持へ提言することを心掛けたい」。約20年の研究人生は石巻市牡鹿半島の金華山での調査歴と重なる。東大3年の時に初めて訪れ、ある光景に心を躍らせた。観察中のサルがいる桜の木の下にシカが集まり、上から落とす葉や花を奪い合うように食べた。「木の上のサルと地上のシカが植物を通じてつながる。面白い」。100回以上、島に足を運んだ。研究者人生と成果を著書「与えるサルと食べるシカ」(地人書館)にまとめた。「自然界は私たちの知らないことであふれている。素直に自然を見て学ぶことを教わった」。1年生の生物学、3年生の野生動物管理学の講義を担当し、来年度は生態学も受け持つ。先日はニホンジカの骨の提供を受け、学生と全身骨格を組み立てた。学内の展示室に飾られている。「学生たちのやりがいにもつながると思う」。フィールドワーク(野外調査)を何より大事にする。大学裏のトヤケ森は最も身近な調査地。カモシカ、ハクビシンといった13種類のほ乳類やヤマドリ、カケスなど11種類の鳥類がすむ。秋には新たな研究を始める。使うのはトヤケ森で採集した大量のクルミ。中に磁石を入れてセンサーカメラの前に置く。リスやネズミが元の場所からどのぐらい運ぶかを金属探知機で調べ、動きを突き止める。「フィールドワークには根気と粘り強さが必要。学生には実験室で本を読むだけでなく、どんどん外に出て、作業を通して自然界の謎を解く楽しさを学んでほしい」。

(動物文学作家が同行した“マタギ”の狩猟)
さまざまな創作物で取り上げられた影響もあり、「マタギ」という言葉は人口に膾炙した。しかし、かつて実在したマタギたちの“本当の姿”はいまだあまり知られていない。彼らはどのように日常生活を過ごし、狩りを行っていたのだろう。ここでは、動物文学の第一人者として数々の著作を遺した戸川幸夫氏による『 マタギ 日本の伝統狩人探訪記 』(山と溪谷社)の一部を抜粋。マタギたちとともに雪深い山に入った際のもようを紹介する。マタギたちにとって、やはり一番意義があるのは早春から晩春にかけての雪山であろう。峰々を重く、厚く閉じこめていたネズミ色の雪雲に破れが生じ、陽の光もなんとなく柔らかみを帯びてくる。沢々には雪崩の轟音が響きはじめる。雪は次第に汚れ、厚い層の下からは氷水がトンネルを穿って、ほとばしりはじめる。フキの薹だのベコノシタ(ミズバショウ)が芽を出してくる。そのころになるとクマが冬眠の穴から出るからだ。秋田マタギの獲物は、昔はクマ、アオ(カモシカ)、サル、テン、バンドリ(ムササビ)などが主なもので、たまにイノシシ、シカ、カワウソなども獲っていた。しかし今日(編集部注:新潮社より1958年に初版が発刊された頃)ではカモシカとサルは天然記念物として保護され、禁狩猟獣となっているし、イノシシ、カワウソなどはこの地方からは姿を消してしまった。ムササビ、テンの毛皮の値は下落した。そこで狩猟といえばクマだけになってしまった。もっとも旧藩時代でもクマはマタギの第一狩猟獣ではあった。クマを狩る季節は晩秋から初冬にかけての、冬眠前と、冬眠からさめて雪渓を歩き始める(これを出遊びという)早春から晩春にかけてで、前のをアキグマ狩り、後のをハルグマ狩りという。アキグマは、冬眠に備えてクマたちが山林の木の実を喰べあさるのを、忍んでいって射つことが間々あるが、ハルグマは勢子(編集部注:狩猟において獲物を射手の元に追い込んだり、獲物以外の野生動物を追い出したりする役割)をつかって巻いて仕とめることがほとんどで、普通クマ狩りというのは、このほうで、豪快である。私は仙北マタギの人たちに連れられて幾度か朝日岳や白岩岳に狩りをした。朝日岳という名の高山は日本中にたくさんあり、奥羽にもいくつかあるが、この朝日は磐梯朝日国立公園の朝日連峰ではなくて、秋田、岩手県境に聳える1375メートルの朝日岳である。北に駒ヶ岳(1637メートル)を主峰とする烏帽子岳、笊森、湯ノ森、笹森、五番森の連峰をひかえ、北西に日本一の深い湖といわれる田沢湖を抱き、角館町の真東に聳える連峰で、モッコ、朝日、阿弥陀、薬師、甲、高下、白岩、小滝と一連の峻嶮(しゅんけん)な、岩嵓(がんくら)の多い山岳の集団である。御承知のように東北地方には日本アルプスのように雄大な高山はないが、緯度の関係で雪が深く、気候が悪く、地理的に開けていないので案外に嶮しい。ことにクマだのサルだの、カモシカだのが棲息する山は非常に嶮岨(けんそ)なのが普通で、朝日岳連峰もそういう地域である。この一帯に現在棲息する主な野生動物といえば、クマ、カモシカ、テン、キツネ、タヌキ(ムジナ)、アナグマ(マミ)、ムササビ、イヌワシ、クマタカ、ノリスなどで、サルは昭和13、4年ごろまでいたが、最近は姿を見せないという。名人マタギの一人、クマとりサン公君の話──。「まだサルを獲ってもかまわなかった若いころに何十という群が雪渓の上を渡るのを見つけて片っぱしから転がしたことがあった。鼻猿(はなさき)といって先導役のサルを射たずに通すと、後のサルはばかなもんでいくら射撃を加えられても鼻猿に続いて強行突破しようとしてシャ。だから昔から鼻猿は射つもんでないと言ったもんでシャ」。木が根開きするとクマが出はじめるとマタギは言う、太陽熱がまず樹の根に集まって、そこから雪が溶けはじめる。これを根開きというが、このころになるとクマの好物の甲虫類が、樹皮の下から這い出してくるのだ。冬眠中のクマの胆(い)は太いので、マタギたちは根開き前にクマを獲ろうとして穴を捜して山に登る。巻狩り(編集部注:狩場を多人数で取り囲み、獲物を追いつめて射止める大規模な狩猟)までには、何回かの偵察登山が行われる。そして雪の上につけられた足跡(アンプケトという)を見ていよいよクマが穴から出たことが確認されると、雪が消えないうちに巻狩りを行う。雪が消えると、足跡が見つけにくくなることと、クマの動きが活発になるからだ。冬眠からさめたばかりのクマは、やはり寝起きの人間のようにぼんやりしているから射ちやすいのである。現在のクマ狩りは昔とはだいぶ違ってきたが、それでもマタギ精神と伝統はそのまま生かされている。昔ならシカリ(指揮者)に引率されて山神社に詣でたあと、穴入れの御神酒をいただいて、水垢離(みずごり/神仏に祈願する際に行う冷水を浴びる行為)をとり、山に出発したものであるが、いまはシカリの、「さあ、いくべ」。という掛け声で出発する。荷物担ぎも民主化されて古いマタギも、若いマタギも一様に重量を分けあって各自が背負う。鉄砲がよくなっているので槍などは持参しないが、藪を切り払ったり、万一のときのために山刀は各自が腰につけている。そのほか設営のために鋸だとか、鉈は持参する。雪を歩くために雪篦(こなぎ)を持つ、こういったことは昔のままだ。環カンジキや金カンジキも持つ。死火産火の忌みも今日では問題にするものもなく、狩衣もスキーズボンや、防水したアノラックだ。犬の皮だけは昔の慣習に従って背負う。慣習というよりも実際に必要だからで、以前だとカモシカ皮を使ったものだ。カモシカの毛皮は温くて、水に湿らないから雪山では最上とされていたが、カモシカが特別天然記念物になって捕獲が禁止されて以来、この毛皮を着ていたら警察に痛くない腹を探られるので、いまはマタギたちはいずれも秋田犬の皮を使用するようになった。かえって都会から来る登山者やハンターたちの方がカモシカの腰皮などを用いている。アルコール類も、少量は元気づけのために持参するし、罐詰類も持ってゆく。ことに最近はインスタント食糧が出まわったので、これを利用するようになった。以前は禁じられていた胡椒類も持ってゆくし、仕とめたウサギの肉でカレーライスも作る。藁靴や毛皮靴に代ったのがゴム長だ。最近ではスキー靴や登山靴をはく者もいる。3月末ごろの雪となると、昼の太陽熱で溶けたのが夜の寒気で凍るので、ザラメ雪になっている。朝のうちは歩きよいが、日が出てくると辷(すべ)る。そのうえ、表面は硬そうにみえても内部が溶け崩れてがらんどうになっているところが多いので、用心しないと危い。渓流は雪どけで水量が増している。マタギたちは岸の木を伐り倒して橋として、身軽に対岸に渡ってゆく。里では花の咲く春であっても、山に入ればまだまだ雪の世界なのだ。滝もほとんど凍りついているし、ひとたび吹雪けば、たちまち樹氷の花が咲く。樹氷といえば、凍りついた原生林を歩くすばらしさは、冬山や春山を歩いたものでなければわからない。子供のころに水晶の宮殿に住んでみたいなどと空想したものだが、樹氷の森、霧氷の林はまさに水晶の森、ダイヤモンドの林である。昨日の吹雪にすっかり凍りついた樹々が青空にくっきりと枝をのばし、それに太陽の輝きが映えて、七彩にきらめくのだ。水晶の森を抜け、ぎらぎらと乱反射する雪の尾根を越えて、谷に下る。殺生小屋(狩小屋)はたいていそういった渓谷にある。炊事に必要な川水の関係からだ。朝日岳の朝日沢にある朝日小屋、白岩岳と阿弥陀岳の中間にある桂小屋など、その代表的なものである。小屋のないところでは、野宿となる。小屋といったところで、4本の柱に樹皮がかぶせてある程度の粗末な小屋だから、野宿とほとんど変らないのだが、やはり小屋に落ちつくと野宿とは気分が違う。雪の多い厳冬期の野宿だと、雪の中に穴を掘って寝る。私も扇形山の小滝沢の凍りついた滝壺の傍で雪洞に4日ほど野宿したことがあるが、割合に暖かいものである。昔のマタギは、雪洞の中に青木の枝を並べて、犬皮をかぶってごろ寝したものだが、近ごろはハイカラになって寝袋などを持参する者もある。私が小滝沢の雪洞に宿営したのは昭和37年の1月のことだった。このときのシカリはクマとりサン公君こと、仙北マタギの藤沢佐太治さんで、参謀役は仙北長野町に住む黄金のコイの研究家、高橋武次郎さん(故人)だった。その日は、もっと上まで登って設営する予定だったが、山が荒れててどうにも登れない。昔ならサン公君がオコゼをとり出して、唱え言葉を言うところだろうが、彼はあっさり、「無理するこたぁねえシャ。この辺サ、すまる(寝る)べ」。と言った。しかし、雪洞を作る場所については、念入りに調べて、雪崩のこないと見きわめのついた川岸に場所を定めた。彼の命令で、若いマタギが3人交替で、スコップをふるった。マタギたちの野営地設営はすばやい。ぐずぐずしていたら日が暮れてくる。山の夜は早く、そして真の闇になるからだ。一同は分業でてきぱきと働いた。一隊は木を伐って枝を払い、たちまち柱と梁を作った。他の一隊は火を起こした。そしてさらに他の一隊は鉄砲を持って、食糧を探しにでかけた。私たち都会から参加した者も、なにか手伝うことはないかと思ったが、かえって足手まといになるので、黙って見ているしかなかった。マタギの火起こしの技術は天下一品である。私は幾度もこれをまねて、そのたびに失敗した。彼らはどんな雨の中でも、吹雪の中でもちゃんと火を起こす。これができないようではマタギとしての資格はないのだろう。例えば雪の中で火を起こすとき、彼らはこうする。かなり大きな木を伐り倒し、それを1メートルぐらいに切って並べる。その上に油っ気の多い白樺の皮や、タモの皮を敷き、さらにその上に小枝を置く。立ち枯れた木を割って、湿っていない内側を削って白樺の皮の上に置き、火をつける。火が起こると一抱えも二抱えもあるような大木を立てかけてどんどんと燃やす。一昼夜でも二昼夜でも、野営している間中燃やし続ける。こんな豪勢な焚き火は私はほかでは見たことがない。しかし、山火事になることを極度に警戒しているから他に燃えうつるようなところではしない。火はばりばりと燃えさかり、雪穴を穿ち、終いには黒々と大地が現われる。燠(おき)がカッカッと起こる。そのころには、もう5、6坪大に雪洞が掘れている。深さは2メートルぐらいだ。柱をたて、梁を渡し、持参したタバコ苗畑用のビニール布が張られる。周囲を、風が侵入しないように雪レンガで固め、別に出入り口を雪壁に穿つ。食糧探しの隊はノウサギだのヤマドリだのを射って戻ってくる。炊事の上手なマタギがたちまち料理して1時間もたたないうちに汁になる。雪洞の中には囲炉裏がきられる。雪の床に穴を掘って、生木の丸太を並べ、その上にブリキ板などを敷き、燠をざっと入れる。不自由ではあるが、こうした野営での食事はすばらしく美味い。昔と違って鍋にはウサギの胎児を入れたりはしないし、満腹すれば食べ残しても文句はいわれない。食事のあとの燠を囲んでの炉辺談話がまた面白く、愉しい。昔のマタギのこと、野生の動物の話、山の怪異談、失敗談、さてはぐんと落ちて猥談の花も咲くし、アルコールが入れば秋田民謡もとび出す。昔だったらすぐにサンダラゴリ(水垢離、雪垢離)をとらされるところだ。木の細枝を雪の上に敷き、常緑樹の葉をさらに重ねてベッドができ上がると、あとは夢を結ぶばかりだ。トランジスターラジオが、明日の天気を告げてくれる……。私は仙北マタギであるこれらの人々と三たび朝日、白岩連峰に登った。彼らはいずれも以前ならマタギだけで十分に生活してゆけた人たちだが、社会の発達がそれを許さない。だからこの人たちも阿仁(あに)マタギ同様それぞれ職業を持たねばならなかった。それがなんだか悲しい。名人サン公さんは農業で、奥さんが理髪店をやっている。やはりシカリ級の万六爺さんも農業だ。伍郎さんは天理教の布教師である。歌のうまい宇佐美さんも農業、名勢子長のタカシュウは山林で働いている。孫一ちゃんは魚屋さん、髭口君は製炭業、ジデンは自転車屋さん、マタギ学校の校長と自称するカネデンさんは土建業、高瀬の兄つぁんといわれる高橋さんは錦ゴイの研究家で、自らはザッコ(雑魚)屋だといっている。明大出のインテリマタギでラグビー選手だっただけに馬力がある。しかし、それも20数年前の話だ。高橋さんが亡くなったように他にも故人となった人がいるかもしれない。

(“伝説のマタギ”たちのヤバい“狩猟技術”)
秋田県北秋田市根子(ねっこ)。令和3年4月1日時点で56世帯120人が暮らす小さな農村は、阿仁(あに)マタギ発祥の地として知られる地域だ。現在、同地でマタギを専業とする者はいないが、この地でかつて暮らしていたマタギたちの伝説はいまも語り継がれている。ここでは、動物文学の第一人者・戸川幸夫氏が昭和20~30年代に秋田県の阿仁マタギに密着した『 マタギ 日本の伝統狩人探訪記 』(山と溪谷社)の一部を抜粋。驚異の狩猟技術で、その名を轟かせていた伝説のマタギたちについて紹介する。根子に幕末のころ村田竹五郎という名マタギがいた。12歳で既に一人前のマタギに伍して山入りをしていたという。15歳で元服(編集部注:成人として認められるために行う通過儀礼)したが、その年に彼は一発の弾丸で3頭のクマを射とめている。そのころの鉄砲は火縄銃だったから一発射てばすぐには射てない。だから彼は3頭のクマが遊んでいるのを発見したときすぐには射たないで、3頭が彼の方から見て一直線上に重なるのをじっと待った。3頭を重ね射ちにするつもりで火薬の量も多くした。とても15歳の少年とは思えない大胆さである。そしてとうとう3頭を仕とめた。後に彼はマタギの王といわれるほどになった。戌辰の役のとき、久保田(秋田)の佐竹藩は奥羽列藩同盟からはなれて官軍側についたというので、周囲から総攻撃をくった。このとき秋田のマタギたちは新組隊というゲリラ隊を組織して、日ごろ世話になっている秋田藩のために闘った。竹五郎も大いに奮戦したが、彼は射ってはねころんで弾丸をつめ、つめては起き上がって射つという射撃をした。それがまるで連発銃を発射しているように速かったという。竹五郎の孫の酉松も祖父の血をひいて名人だった。38、9歳の頃、山本郡と西津軽郡の境の山に雉(きじ)を射ちにいって大クマにばったり出あった。弾丸をつめかえる間がないので雉弾で射った。クマは崖下に落ちた。その下は滝壺になっていた。酉松はクマが死んだと思って降りていった。するとクマはむっくりと起き上がって咬みついてきた。酉松はこのクマを巴投で滝壺に投げこみ、重傷を負いながらひきずって帰ってきた。軍隊でも鉄砲の腕では彼の右に出る者がなかったが、名うての乱暴者で酒乱だったので営倉(編集部注:懲罰用の収容施設)に入れられることもしばしばだった。村でも鼻つまみだったが、佐藤忠俊さんに日本刀で脅かされて以来、彼には頭が上がらなかった。能代の女に騙されて怒り、村を出奔、マタギ特有のネバリで捜して歩き、数年後に、女が大阪で情夫と暮らしているのをとうとう見つけて山刀で叩っ斬って自首した。晩年は悪く、盲目になって東京にいたのを連れ戻され、淋しく死んだ。佐藤佐市は竹五郎時代の者だが、たった一発で獲物を斃(たお)して仕損じることがないので「一発佐市」の呼び名がついていた。無口で、向こうがものを言わなければ一日でも黙っていた。喜びも悲しみも顔に表わしたことのない男だった。佐竹の藩主が彼の評判を聞いて、その腕前を見たいと思い、藩主所有林で大シカ3頭を射とめてこいと命じた。佐市かしこまって退出しようとすると、敷物にするのだから弾丸の傷あとがあってはならぬ、傷あとをつけないように射とめてこいとの難題。殿様の方では難題を承知で出したわけで、佐市がどうするかと愉しみにしていた。数日たつと佐市は注文通りの大シカ3頭を車に乗せて運んできたので、調べてみるとなるほど弾丸あとがない。こんどは殿様の方がわからなくなった。そこでどのようにして獲ったか、との御下問に佐市の答えて曰くには、シカは危険が迫って逃げるときは白扇と称する尾を立ててゆくものである。そのときこちらで大声を発すると、ちょっと立ちどまる。その瞬間に肛門に射ちこんだのです、と。解体してみると佐市のいう通り弾丸は肛門から入って首のあたりで止まっていた。佐竹候は感心して、なるほど汝は評判通りの名人じゃ。一発佐市の名を公然と唱えるがよい。余の所有林(禁猟区)も汝に限り立ち入りゆるすと言ったと伝えられている。一発佐市は別に念入り佐市ともいわれ、自信がなければ絶対に射たなかった。半日狙って仕とめたという話もある。なかなかの堅人で女房以外の女性は知らなかったという。一発佐市が使用した火縄銃は、私が貰っていたが、私蔵すべきでないと思い、山形県の博物館に寄贈、そこに展示されている。しかし銃そのものは決して立派な品ではない。こんなものでよく走っているシカの、しかも肛門に命中させたものと感心する。山田長吉さんの祖父にあたる山田長十郎は疾風の長十郎といわれるほど足が速かった。戊辰の役のときに沢為量(ためかず)卿の命をうけて根子から久保田(秋田)城まで半日で往復した。途中に二つの山岳があり、直線にしても片道7、80キロある。まるで天狗が飛んでいるようで、途中で出あった木樵が妖怪だと怖れたという話が遺っている。長吉さんの話だと、70幾歳の老齢になってからでも平気で山に登り、野宿してきたそうで、凍りついた絶壁などを金カンジキをはいて木の枝の先を尖らした杖を手に、スキーの直滑降のようにすべってゆくと雪煙りで姿が見えなかったという。勢子(編集部注:狩猟において獲物を射手の元に追い込んだり、獲物以外の野生動物を追い出したりする役割)の乙吉は、それ以前の人だった。射撃は下手だが勢子としての追い出しにかけては名人で、まるでマタギ犬のようだった。彼は待ち構えている射ち手に、獲物を追い出すとは言わなかった。「ここサ、つれてくるから待ってろ」。と言った。待っていろと乙吉が指定した場所に必ず獲物が追われてきたという。後に旅先の娘に惚れられて、婿となってそこにいつき、根子には戻ってこなかった。私が知りあったマタギの中にも名人級の人はいた。根子の佐藤富松さん(故人)もその一人だ。念入り佐市と同型の人で、クマを見ても決して驚かない。ゆっくり観察したあとで射つ。70歳ぐらいのとき単身ふらりと出かけてはクマを仕とめて帰ってきた。打当(編集部注:秋田県北秋田市の地名)の鈴木松治さんはおとなしい人だが、頭射ちの名人で、彼の獲ったクマはどれも頭を貫通している。村田銃を片手にもって、ロープにぶら下がりながら、崖の中腹に牙をむいていた大クマを仕とめたこともある。仙北マタギの藤沢佐太治さんはクマとりサン公の名で呼ばれている。彼も名人マタギの一人で、彼がゆくところにクマの方から寄ってくる、といわれるほどクマの習性に通じている。これまで60数頭のクマを仕とめているが、一度も危い目に遭ってない。彼の説によると、「クマと格闘したりして重傷を負いながら相手を仕とめるのは、ちょっと聞くといかにも勇ましいようだが、クマとりとしては上手なほうではないすべ。本当に上手だら射ちはずしはしないもんです」。ということになる。彼は今日も健在だが、老齢のため山入りはやめたと聞いている。幸屋渡の松橋三郎さんも上手なマタギの一人だ。松橋さんは65歳のときに、きのこを取りに鍰内沢(からみないさわ)に一人で出かけた。大きな松の木があって、そこできのこをつんでいると、ホッホッホッとキジが鳴いた。これは仔連れの母仔グマだった。クマもきのこを食べにきたらしい。松橋さんがきたので母グマは心配して、仔グマを呼んだ。その声だったのだが、松橋さんはきのこ取りに夢中になっていたので、さほど気にとめなかった。すると、いきなり背後からどさっと母グマにかぶさられた。母グマは大きな掌を松橋さんの頭にひっかけた。その爪で、頭の皮がペロッと剥がれた。気丈な松橋さんは、マタギのたしなみで山入りのときには腰から離さない山刀をさぐった。クマは咬もうとする。首を仰向けにされたらひっくり返されるから、懸命に耐えた。ここで慌ててはお終いだと、腰をさぐっていると刀のつかに手がかかった。そこで山刀を引き抜いて腋の下から背後のクマを突き刺した。これがうまく心臓に入ったので、クマは唸りをあげてとび退き、200メートルばかり走ったあとで死んだ。松橋さんはそれを見とどけて、里に降り、人家のところまできて気を失ったという。

(ツキノワグマ、オスに子グマ殺す習性あるか:長野)
ツキノワグマのオスに子どものクマを殺す習性があることを軽井沢町のNPO法人が学術的に初めて確認しました。専門家はツキノワグマの生態の解明につながる調査だとしています。クマの研究や対策に取り組む軽井沢町のNPO法人「ピッキオ」は、平成28年5月に町内の山林でツキノワグマのオスが母親のクマと一緒にいた子どものクマを殺したと見られる様子を撮影しました。「ピッキオ」はこの事例を受けてほかのツキノワグマでも同じことが行われていると推定し、こうしたオスの習性を論文にまとめました。「ピッキオ」によりますと、こうしたオスの習性が確認されたのは学術的に初めてだということで、世界のクマの研究者たちが寄稿する雑誌「ウルサス」に掲載されています。「ピッキオ」の玉谷宏夫さんは、こうしたツキノワグマの習性について「オスは子どもを殺すことによって母親の発情を促して自分の子孫を残そうとした可能性がある」と推察しています。クマの生態に詳しい東京農工大学大学院の小池伸介教授は「生態に関する情報が少ないツキノワグマを長期にわたって観察し、これまでは分かりにくかった事象を見つけたところが評価できる。生まれてから死ぬまでが把握できなければ、大量捕獲が与える影響を評価することができない。今後、子どものクマを殺す頻度がどのくらい起きているのか明らかにしていくことが生態の解明につながる」と話しています。

(「山鳥」に魅せられて:神奈川)
南足柄市在住の今井雄一郎さん(53)がこのほど著書「山鳥の魔力」を共栄書房から出版した=人物風土記で紹介=。有害鳥獣駆除活動に参加する今井さんがキジ科の山鳥に魅せられ、追う中で感じた狩猟への心の葛藤などが語られている。クレー射撃で国体の出場経験を持つ今井さん。現在は、南足柄市内で父親が営む薬種商販売業を承継し、薬の専門店「薬舗徳善堂」の店主を務めている。知り合いからクレー射撃の経験を買われ、増えすぎた有害鳥獣の駆除活動に参加している。当初は環境問題をきっかけに狩猟を始めたが、活動を通して山鳥に恋をしたという。捕獲をする過程で「駆除する必要のない野生鳥獣まで獲ることはないのではないか」「山鳥は捕獲が難しいから獲りたいのか」「山鳥は珍しいから獲りたいのか」など自問自答することも。導き出した自身の答えが本にある。「私なりの考え方などをまとめました。読んでいただいた方に伝われば幸いです」と話す。価格は税込1650円。開成町内のミクニ書店で販売している。

(カマイについて深く知るプログラム:鹿児島)
「星野リゾート 西表島(いりおもてじま)ホテル」では、2021年11月23日から2022年2月15日の間、毎週火曜日限定で、「カマイの学校」を開催します。「カマイ」とは、西表島の方言で「イノシシ」という意味。島の猟師によるカマイについてのレクチャーや、ジャングルでの痕跡探し、食体験をとおして、西表島に生息する「カマイ」について深く知ることができるプログラムです。

(JR西日本、鹿衝突防止対策・シカ離レールを試験導入:大阪)
鉄道業界/地震観測向け設備・資材を取り扱う原田産業株式会社(代表取締役社長:原田 暁、本社:大阪府大阪市、以下 原田産業)は、2020年3月に西日本旅客鉄道株式会社にて試験導入された鉄道向け鹿衝突防止対策・シカ離レール(シカハナレール)の導入事例を2021年10月20日に公開します。世界中の鹿を含めた獣害対策をリサーチし、ある海外メーカーが開発した動物の“警戒声”に着目し、国内メーカーと共同開発した音声発声装置にこの警戒声を組み込み、シカ離レールを開発しました。線路沿い全てに設置が必要なフェンスと比べて、70mおきの設置で済む簡易性・コスト削減化と、警戒声という動物の本能を利用したことにより、効果が継続できる点が評価され、西日本旅客鉄道にて試験導入されました。

(「ジビエフリーク」を始動:長野)
長野県庁とデイトナ・インターナショナルがジビエをテーマに、長野県の魅力を発信するコラボ企画「ジビエフリーク」をスタート。長野県庁とコラボした鹿を使ったカレー缶詰「ジビエフリーク」を発売する。発売を記念して、10月31日までの間、ジビエフェアが開催中。ジビエフリークのフリーペーパーが無料配布されるほか、長野駅と善光寺とを結ぶメインストリートを中心に、地元の飲食店18店舗が趣向を凝らした、期間限定のジビエのスペシャルメニューが展開されるようだ。FREAK’S STORE長野店では「ジビエ」をテーマにしたポップアップとして、グッズ販売や地元のファーマーズマーケットが開催されるので合わせてチェックを。長野県の課題である「獣害」に対してジビエを通じて、新しい長野の魅力を発信する同企画。プロモーションムービも順次公開予定とのこと。

(イノシシ肉のグルメに舌鼓:)
ジビエ(野生鳥獣肉)のおいしさや魅力を伝えようと「獣(いのしし)を食らう会」が17日、北栄町西高尾のすいか空港で開かれた。会場には屋台テントやキッチンカーが並び、日本猪牧場(倉吉市)のイノシシ肉を使った料理を提供。

(ジビエの生ソーセージが好評:和歌山)
和歌山県古座川町月野瀬にある食肉処理加工施設「古座川ジビエ 山の光工房」が製造販売している、シカとイノシシの肉を使った生ソーセージの売れ行きが好調だ。マイスターというドイツの国家資格を持つ森田裕三さん(35)=古座川町三尾川=が本場仕込みの技術で開発した商品で、昨年6月から今年9月末までに約1万9千本を販売。家での食事に注目が高まるコロナ禍の「巣ごもり消費」も後押しになっているとみている。同施設は、農作物に被害をもたらすシカやイノシシを「厄介者」から「地域資源」に変えようと町が整備し、2015年4月に「古座川ふるさと振興公社」の運営でスタート。主に新宮・東牟婁で捕獲されたシカやイノシシを猟師から買い取り、精肉に加工して飲食店などに販売してきたが、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で売り上げが大きく減少。そんな中、森田さんが20年4月、町地域おこし協力隊として着任した。森田さんは幼少期から高校卒業まで古座川町で過ごし、北海道にある酪農学園大学に進学、食品加工などを学んだ。卒業後は愛知県にある食肉加工会社に就職した後、27歳の時にドイツに渡り、食品加工会社で4年半修業。ドイツの国家資格で食肉加工職人の証しである「メッツガーゲゼレ」と、それらの職人を束ねる「メッツガーマイスター」という資格を取得した。18年5月に帰国して首都圏にある会社で働いていたが、結婚・出産を機にふるさとに戻ったという。開発した生ソーセージは、さばきたての新鮮な肉を使うことにより、通常は弾力を出すために必要な添加物というリン酸塩を使用していないのが大きな特徴。同町産のユズやニンニクなどを生かした3種類があり、1本50グラムと食べ応えがある。昨年6月に販売を始めたところ、今年1月ごろには日本最大級の直販サイトの肉などを扱う部門で注文数が1位になるなど主力商品に成長。全体の売り上げもコロナ禍前と比べて大きく増えているという。森田さんは「スタッフに恵まれた働きやすい職場で、自分でも満足できる味の生ソーセージができた。古座川ジビエの価値やブランドとしての認知度をもっと高めていきたい」と意気込む。鈴木貴裕施設長(34)も「コロナ禍で外食を控えている分、ちょっと良いものを家で手軽に食べたいという部分がプラスとして働いていると思うし、バーベキューやアウトドア系のお店での需要も大きい。地元の方にも買っていただいており、改めてジビエのおいしさを見直してもらうきっかけにもなっているのではないか」と話している。生ソーセージは150グラム(3本入り)で、価格は650円(税込み)。町内の道の駅や古座川ジビエのオンラインストアなどで販売している。

(シカ肉で作る独特食感&ヘルシーなへしこ:福井)
福井県おおい町名田庄納田終(なたしょうのたおい)で活動するNPO法人「森林楽校・森んこ」が、シカ肉のへしこの特産化を目指し、福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。「珍しい特産品を足がかりに、深刻なシカの食害を受けている森や山の現状に目を向けてもらい、環境問題に関心を高めてほしい」と話している。環境学習などに取り組んでいる同NPOは、シカが山や森の下草を食べ尽くして生態系が崩れたり、地表の土が流出しやすくなったりしていることに不安を感じていた。一方、駆除されたシカはほとんどが焼却処分され残念に思っていた。近くにある名所、野鹿の滝(のかのたき)にちなみ「野鹿プロジェクト」を立ち上げた。シカ肉料理の開発などを掲げ、無住集落、老左近(おいさこ)で古民家を改修してオープンした「よざえもんカフェ」で、シカ肉のハンバーガーなどを提供している。へしこは本来、魚を漬け込んで作るが、シカ肉で作ることで話題性が高まり、環境問題に関心を持ってもらえるのではと考えた。昨年試作したところ獣臭さはなく独特の食感があり、ヘルシーに仕上がり手応えを感じた。安定的に提供するためには調理場の改修、低温調理器などの準備が必要で、県のふるさと納税による新事業創出支援事業の認定を受け、CFサイト「レディーフォー」で9月27日から資金募集を始めた。目標金額120万円の寄付を10月29日まで募っている。同NPO代表の萩原茂男さん(62)は「シカをテーマに人と自然との関係を見つめ直し将来につなげていきたい」と意気込む。カフェでボランティアで働く柿本京子さん(65)は「野鹿ブランドを発信し、地元のPRにもなれば」と話している。

(おにぎりの具はクマ、シカ:富山)
富山県立山町からは、チューリップテレビ小西鼓子アナウンサーが、1996年創業の「立山サンダーバード」を紹介。50世帯に満たない小さな集落に立地するコンビニだが、県外のお客さんからは「伝説のコンビニ」と呼ばれているが、その理由はおにぎりとサンドイッチの品揃え。店内は一見普通のコンビニに見えるが、おにぎりの棚には普通のおにぎりに加え、くま(600円)、しか(400円)、うさぎ(400円)、いのしし(450円)など一風変わったおにぎりが並ぶ。

(南加賀イノシシ肉発売:石川)
北陸最大規模の獣肉処理加工施設「ジビエ アトリエ 加賀の国」(小松市江指町)が二十日、南加賀で捕獲したイノシシ肉の販売を開始する。同施設完成後に豚熱(CSF)が発生し、本格稼働をしていなかったが、検査で陰性の個体に限り出荷ができるようになった。施設の担当者は「南加賀の新たな特産として、ジビエを安心しておいしく食べてもらえたら」と話す。施設は小松、加賀、能美市、川北町でつくる南加賀広域圏事務組合が運営する。従来処分していたイノシシを、グルメ食材として有効活用しようと、農林水産省のジビエ利用モデル地区として、国からの交付金を活用して建設。二〇一九年六月に完成した。同年夏に初出荷が期待されていたが、豚熱発生によってイノシシの搬入ができなくなった。農水省が今年四月、PCR検査で陰性を確認したイノシシは出荷できるよう新たな手引きをまとめたことから、ようやく本格出荷が可能になった。現在は捕獲数が十分でないため、当面は飲食店向けに冷凍のブロック肉を販売する。既に小松市や金沢市の料亭やフランス料理店などから問い合わせがある。一般消費者には十一月下旬から、月一回の店頭販売を見込む。ミンチ肉は百グラム当たり約二百七十円~、スライス肉は約四百五十~八百四十円を予定している。同施設の福岡大平さん(30)は「一般の方に届くのはまだ先だが、飲食店を通して南加賀産のおいしいジビエを味わってほしい」と期待している。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、17日午前9時50分ごろ、富谷市明石二反目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、14日午後6時ごろ、仙台市青葉区桜ケ丘9丁目にクマが出没しました。

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