<射撃ニュース11月>
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(エゾシカの角が腕を貫通で男性大けが:北海道)
12日午前、北海道東部の厚岸(あっけし)町片無去(かたむさり)の牧草地で作業中の男性が、シカよけネットに引っかかって身動きがとれなくなっていたエゾシカに角で腕を突き刺され、大けがをした。厚岸消防署や町役場の担当者は「シカの角が人にささったのは聞いたことがない」と驚いている。道警厚岸署によると、「事件」が起きたのは午前10時ごろ。牧草地に堆肥(たいひ)をまく作業をしていた吉村元孝さん(67)が、風で飛ばされた帽子を拾おうとして、シカよけネットに近づいた。そこに角がネットに絡まったエゾシカがおり、何らかの原因で吉村さんは腕を角で突き刺された。吉村さんは左前腕を角が貫通し、右脇にもけがをした。ドクターヘリで病院に運ばれたが、会話はできていたという。厚岸町環境林務課によると、エゾシカは4歳くらいのオスで、80キロほどの大きさだった。

(クマに頭かまれ70代男性けが:秋田)
9日午後5時ごろ、秋田市河辺岩見の市道で、近くに住む男性(73)が散歩中にクマに襲われ頭や右太ももを負傷した。県によると、今年県内で発生したクマによる人身被害は12人目。秋田東署によると、男性が1人で散歩中、市道脇の山林から出てきた体長約1メートルのクマ1頭に襲われた。現場付近の親戚の女性宅に逃げ込み、女性が119番した。男性は市内の病院に搬送された。親戚の女性によると、男性は頭部から出血し「頭をかまれた」と話していた。現場は市のスポーツ施設「スポパークかわべ」の南東約1・7キロで、民家が点在する山間部の一角。署が周辺に注意を呼び掛けている。

(原付バイクがイノシシと衝突:長崎)
佐世保市で11日夜、走行中の原付バイクがイノシシと衝突する事故があり、バイクの男性が一時意識不明となりました。事故があったのは佐世保市針尾東町の国道で、11日午後6時過ぎ、20代の男性が運転する原付バイクが体長およそ1メートルのイノシシと衝突しました。この事故で男性は意識不明の状態で病院に搬送されましたが、その後、意識は回復したということです。現場付近はみかん畑が多い農業地帯で、近所の人はイノシシがよく出没すると話しています。警察では別の車両と衝突し路上に倒れていたイノシシに、原付バイクがぶつかった可能性もあるとみて詳しく調べています。

(サルが人に襲い掛かり軽傷:島根)
11月15日午後4時30分ごろ、島根県邑南町矢上地区で、民家の敷地内に野生のサルが入って人に襲いかかり、軽傷を負わせる事案が発生した。島根県警は自宅付近でサルに遭遇し、危険を感じた場合は、不用意に近づかないよう注意を呼び掛けている。

(令和3年度「鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーン」)
農林水産省及び環境省は、特に農産物への被害が大きいシカ・イノシシについて、「鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーン」を全国的に実施し、被害の低減を目指します。我が国の農林水産業は、国民の食料を安定的に供給し、地域の経済を支える重要な役割を担っています。しかしながら、鳥獣による農作物への被害が、農林業者の生産意欲を低下させる深刻な問題となっています。このため、平成25(2013)年に農林水産省と環境省が共同で取りまとめた「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」において、シカ・イノシシの生息頭数を令和5年(2023年)までに半減させる目標(半減目標)を策定しました。半減目標の確実な達成を図るため、昨年度、狩猟期(主に11月~翌3月)を中心に全国的に捕獲強化を行う「集中捕獲キャンペーン」を初めて実施し、捕獲頭数は全国で約135万頭と過去最高を記録しました。本年度も「集中捕獲キャンペーン」を実施し、全国的な捕獲強化を図ります。半減目標の確実な達成に向け、令和3年度においては、令和2年度に農作物への被害が減少しなかった地域を中心に捕獲頭数目標の見直しを行い、令和2年度の実績と比較して約9万頭増の144万頭に設定しました。令和3年度の「集中捕獲キャンペーン」においても、各種の事業による支援を行い、啓発活動にも注力してまいります。

(県境での鹿、イノシシ捕獲強化)
環境省は、農作物を食害するニホンジカとイノシシの頭数管理に向けて県境をまたぐ捕獲を推進するため、都道府県間で連携した場合の交付金を増額する方向で検討に入った。

(鳥インフル、今季初:秋田)
秋田県は10日、横手市の養鶏場の鶏から高病原性鳥インフルエンザが確認されたと発表した。遺伝子検査で疑似患畜と確認された。全国の養鶏場で今季初の鳥インフル発生となった。

(イノシシから豚熱:愛知)
県は十二日、豊田市池田町の雑木林で一日に捕獲した雌の野生イノシシが豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内での感染確認は今年二例目で、捕獲場所は一例目とほぼ同じ。県は八日から実施している野生イノシシへの経口ワクチン散布場所にこの雑木林を追加した。

(獲物に狙い、銃声響かせ:富山)
富山県内で15日、狩猟が解禁され、ハンターが日の出とともに河川敷や山で獲物に狙いを定め、銃声を響かせた。富山市の常願寺川河川敷では、自営業舟崎雅雄さん(65)=同市=ら4人グループが獲物を探して下流から上流に向かって移動した。県外在住のハンターの姿も見られた。舟崎さんのグループは昼までにキジ7羽を仕留めた。初めて狩りに同行した愛犬が今季初の獲物となるキジを探し当て、舟崎さんは「河川工事の影響かカモが少ないが、上々の狩猟犬デビューを果たし、自分たちの成果も良かった。雪が降ればイノシシやクマを狙いたい」と話した。県によると、県内の狩猟登録者数は10月末現在、県外在住者を含めて昨年同期より3人多い1173人。主要な狩猟鳥獣であるキジ、ヤマドリ、カルガモ、タヌキなどの生息数は平年並みとなっている。猟期は来年2月15日まで。イノシシとニホンジカは農作物被害防止の観点から捕獲を強化しており、猟銃、わな猟とも3月末まで。

(県内狩猟解禁、獲物求めて初撃ち:石川)
石川県内で15日、カモなどの狩猟が一斉に解禁され、初撃ちを心待ちにしたハンターが日の出とともに山林に繰り出し、獲物を狙って銃声を響かせた。狩猟期間は来年2月15日まで。県内ではマガモなどの鳥類26種、タヌキやキツネなどの獣類20種が、日の出から日没まで狩猟可能となる。かほく市内では猟犬を連れた県猟友会金沢支部の山下勇さん(78)ら3人がカモやキジに狙いを定めた。県自然環境課によると、クマの捕獲数は8日現在、大量出没した前年の同時期に比べて104頭少ない36頭。捕獲上限の126頭に余裕があり、期間を通してクマ猟が可能になる。農林業被害を抑えるためイノシシとニホンジカは猟期が延長され、2月末まで猟銃、3月31日まで箱わな猟が可能となる。県内の狩猟者登録数は、10日現在で前年同期比28人減の1798人となっている。

(加賀・片野鴨池で坂網猟:石川)
カモなどの狩猟が石川県内で一斉に解禁された15日、加賀市片野(かたの)町のラムサール条約登録湿地「片野鴨池(かもいけ)」で石川県有形民俗文化財の「坂網猟(さかあみりょう)」が始まった。猟師23人が夕暮れ空に飛び立つマガモめがけて逆三角形の網を投げ、初日は11羽を捕獲した。大聖寺捕鴨(ほこう)猟区協同組合に所属する30~80代のメンバーが身を潜め、カモが飛び立つ瞬間、網を12メートルの高さに勢いよく投げ上げた。山下範雄理事長(72)は「天候が穏やかで、猟場近くに鴨が集まっていたので上々の滑り出しになった」と話した。秋田県などで今季全国初の高病原性鳥インフルエンザが確認されたことを受け、組合は番小屋前に消石灰を散布した。かほく市内では県猟友会金沢支部の山下勇さん(78)らがカモやキジに狙いを定めた。狩猟期間は来年2月15日まで。県内ではマガモなどの鳥類26種、タヌキやキツネなどの獣類20種が対象。農林業被害防止のためイノシシとニホンジカの猟期が延長され、2月末まで猟銃、3月31日まで箱わな猟ができる。県自然環境課によると、クマの捕獲数は8日現在、大量出没した前年の同時期に比べて104頭少ない36頭で捕獲上限は126頭となっている。

(狩猟解禁、猟友会などが事故防止を呼び掛け:長野)
長野県内では15日、今シーズンの狩猟が解禁され、各地で猟友会などが事故や違反行為の防止を呼び掛けるパトロールを行いました。長野県内では15日、日の出とともに狩猟が解禁されました。長野市では猟友会と県の職員3人がカモの狩猟の場となる千曲川の河川敷やため池などをパトロールしました。15日、県内各地では警察や自治体の職員などおよそ650人が事故や違反行為の防止を呼び掛けたということです。長野地方猟友会 嶌崎厚会長「確実に獲物を認知して引き金を引くということですね、あと安全確認これが第一」。狩猟の期間は来年の2月15日までで二ホンジカとイノシシのわなによる狩猟は3月15日までとなっています。

(狩猟解禁、正しい猟銃の扱い指導:岡山)
全国で鳥獣の狩猟が解禁となった15日、岡山県警は正しい猟銃の取り扱いや誤射などの事故防止に向け、違反行為の一斉取り締まりを県内の猟場で始めた。初日は県内22署の警察官約200人が巡回。鳥獣保護区、休猟区など禁止区域での発射や、実弾を装填(そうてん)したままの猟銃の携帯を監視するなど、ハンターに適切な取り扱いを指導した。狩猟期間外の今年4月、グループ10人による禁止区域での猟銃を使った捕獲事件が管内で発生した岡山北署には、関係者35人が集まりパトロール出発式を開催。その後、署員と県職員が岡山市北区御津宇垣の旭川河川敷を訪れ、ハンターの狩猟免許や猟銃所持許可証などを確認した。狩猟歴60年超という岡山市北区の男性(83)は「周囲や撃つ方向の安全性を十分にチェックし、無事故で猟を楽しみたい。仲間にもマナー徹底を呼び掛ける」と話した。狩猟期間は来年2月15日まで。推定生息数の増加に伴って4年前から狩猟が許可されたツキノワグマは12月14日まで、農作物に大きな被害を与えるイノシシとニホンジカは来年3月15日までとなっている。県警生活安全企画課によると、県内では10月末現在、1995人が計3851丁の猟銃を所持。昨シーズン中の違反や事故はなかったという。

(野生鳥獣の狩猟解禁、ツキノワグマは禁止:兵庫)
兵庫県は15日、野生鳥獣の狩猟を解禁した。県はハイカーら入山者に対し、目立つ服装などで猟銃の誤射を受けないよう注意を呼び掛けている。ツキノワグマは県内の推定生息数が基準以下だったため、昨年に続いて狩猟を禁止する。山に入る際は、会話や鈴、ラジオなどで音を出し、自分の存在を知らせるよう求めている。わなの設置看板の周辺に近づかないことも要請する。県内での狩猟期間は、イノシシとニホンジカが来年3月15日まで、他の鳥獣は同2月15日まで。

(狩猟が解禁、狩猟中の事故防止のチラシを配布:山梨)
山梨県内では11月15日から狩猟が解禁となり、南アルプス市で警察が狩猟中の事故防止を呼びかけました。狩猟解禁日の15日朝、南アルプス市高尾の林道の入り口付近で警察が、猟友会のメンバーなど約40人に狩猟事故の防止を呼びかけるチラシを配りました。県内では昨年度、狩猟中に誤って人を撃って怪我をさせた事故が1件発生していて、警察は、猟銃の取り扱いを改めて確認するなど安全な狩猟を呼びかけていました。狩猟期間は来年2月15日までで、二ホンジカとイノシシは3月15日までです。

(イノシシ駆除期間再設定、豚熱拡大防止へ報償費:兵庫)
イノシシの狩猟を巡り丹波篠山市は、市内全域が豚熱(CSF)感染確認区域となっていることなどを受け、10日に終了した有害鳥獣駆除期間を、野生イノシシに関しては15日から2022年3月15日まで再設定することを決めた。豚熱の感染拡大防止のための措置で、市の権限で設定するこの期間中は、駆除等の対価として一頭当たり1万3000円の報償費が市から支給される。同市による有害鳥獣駆除期間は本来3月16日から11月10日までで、農作物に被害を与える害獣駆除の対価として報償費が支払われてきた。一方、11月15日から3月15日までの猟期は県の管轄で、イノシシに関しては、20年度までは個体数管理などの目的で報償費が支払われてきた。ところが21年度は、県が感染拡大防止のため支払わないことを決めた。

(道南鳥獣被害が1・3億円、エゾシカ微増:北海道)
道が公表した野生鳥獣(海獣類を除く)による全道の農林水産業2020年度被害額は、前年度比7%増(3億円増)の50億円となった。全体の8割を占めるエゾシカの被害が微増したことが要因で、2年ぶりの増加。渡島管内は同900万円増の5500万円、桧山管内は5800万円増の7800万円。全道14振興局のうち渡島は12番目、桧山は11番目に多かった。鳥獣別の被害金額は、エゾシカが40億7000万円(前年度38億円)、次いでカラス類が2億7000万円(同3億2000万円)、ヒグマが2億5000万円(同2億2000万円)、アライグマが1億4000万円(同1億2000万円)、キツネが1億4000万円(同1億2000万円)と、カラスを除きいずれも増加した。特にエゾシカの被害金額は、11年度の64億円をピークに年々減り、現在は4割程度減少しているものの、20年度は前年度に比べ微増の40億7000万円。渡島は4300万円(同2800万円)、桧山は4600万円(同800万円)と増加傾向が鮮明になった。シカの被害金額は、4振興局(胆振、日高、宗谷、根室)で減少したが、空知、石狩、後志、渡島、桧山、上川、留萌、オホーツク、十勝、釧路では増加。被害額の多い上位3振興局は、釧路が11億7000万円、十勝が5億2000万円、オホーツクが4億9000万円の順。エゾシカによる作物別の被害金額は、牧草が17億3000万円で全体の4割を占め、次いで水稲(3億3000万円)、ビート(3億2000万円)、ジャガイモ(3億1000万円)、家畜飼料用トウモロコシ(2億5000万円)、根菜類(1億8000万円)の順となった。ジャガイモや根菜類、ビートで被害額が増加し、金額は小さいがトウモロコシ、葉茎菜類でも増加が目立つ。エゾシカ被害は、国の交付金を活用し、捕獲活動や侵入防止柵の整備など総合的な対策が全道各地で進んでいる。渡島総合振興局は「道南ではエゾシカの生息数が増え、被害額の増加につながっている。電気柵の設置が効果的で、捕獲と並行し被害状況に応じ整備を進めたい」(環境生活課)としている。桧山振興局は「管内ではエゾシカ(800万円→4600万円)とヒグマ(700万円→1600万円)による被害額の伸びが目立つ。シカはジャガイモ、クマは家畜飼料用トウモロコシを食べるケースが最近見られる」とする。

(東北5県、来年はクマ出没注意?)
東北森林管理局は11日、福島県を除く東北5県の本年度のブナの結実状況をまとめた。青森県、宮城、山形の3県が「凶作」、青森県に隣接する岩手、秋田両県は「大凶作」だった。初夏に開花し秋に結実するブナの実はクマの餌となる木の実の一つで、国や県が次年度のクマ出没頻度を予測する指標となっている。ブナの実とクマ出没の因果関係は、豊作の翌年の春に子グマが多く生まれると言われている一方で、凶作の翌年は餌を求めてクマが里に下りて来るという見方がある。同管理局によると、青森県のブナの実の豊凶指数は1.0。調査した38カ所中33カ所がごくわずかに実がついているか、全く結実していない状態だった。指数は0~5を大凶作、凶作、並作、豊作の4段階に区分している。秋田は0.2、岩手は0.7だった。県自然保護課のまとめによると、11日現在の県内のクマ出没件数は424件で前年同期より1件少ない。人への被害は10月に平川市碇ケ関で発生した死亡事故1件のみ。

(ICT活用でイノシシ捕獲の研修会:宮城)
イノシシの生息域が拡大し農作物への被害が急増していることを受け、宮城県大崎市で捕獲方法を学ぶ研修会が開かれました。研修会にはイノシシの捕獲を担う市民約30人が参加し、農作物の被害対策の専門家がICTを活用した捕獲方法について説明しました。カメラやセンサーが設置された檻にイノシシがかかると、スマートフォンに通知が来るシステムで、わなを巡回する手間を省けるということです。参加者「わなのかけ方、かける位置とか、映像見てましてもなるほどなというようなところは本当に参考になりました」大崎市によりますと、5年前にゼロだった捕獲数がここ数年で急激に増え、2020年度は690頭、2021年度は9月末までに342頭と1000頭を超える見通しだということです。農作物の被害額も2020年度582万円と、5年間で約3倍に増えています。大崎市農林振興課酒井悟係長「生息域の拡大によって、大崎市内にもかなりイノシシが入ってきている。今後温暖化等も含めてかなり生息域が拡大するものと考えてございます」。市では今後もこうした研修会を開催していきたいとしています。

(豚熱対策で経口ワクチン散布:群馬)
群馬県は9日、豚熱(CSF)対策として、感染源となる野生イノシシに摂取させる経口ワクチン1万3600個の散布を前橋市など県内4市で始めた。同市の養豚場で10月に県内4例目となる豚熱が発生しており、県はワクチン散布で封じ込めを図っていく。県によると、ワクチン散布は9日~19日と12月7日~同17日の2期に分け、前橋、高崎、桐生、渋川各市で実施する。養豚農家が多数立地し、これまでに感染した野生イノシシが確認された発生リスクの高い場所を中心に4市で計340カ所選定した。県は地元自治体と連携し、餌に混ぜた状態のワクチンを1カ所につき約20個、国有林や林道などの地中約10センチの土中に埋設する形で撒く。県は今年度2回のワクチン散布を計画し、上期(6~7月)は既に1万3200個を散布済みだ。下期のも同規模となる。県によると、豚熱に感染した野生イノシシの公表は今年8月19日を最後に途絶えており、ワクチン効果が一定程度出ているとみられる。県内では昨年9月から今年10月にかけ前橋市などの養豚場で豚熱が発生し、飼育豚の殺処分などの防疫措置が取られた。

(MTB中に熊、どう身を守る?:長野)
伊那市西箕輪を拠点に活動する主に小中学生向けの「伊那マウンテンバイク(MTB)クラブ」は6日、熊の勉強会を近くの羽広荘で開いた。拠点周辺は熊の目撃が多いため、活動中に被害に遭わないように企画。信州大の滝井暁子(あきこ)助教(野生動物保護管理学)が熊の習性を話し、クラブの子どもや保護者計約20人が聞いた。県クマ対策員の滝井助教は熊に発信機を付けて調査していて、「熊は主に昼間活動する。人里では夜に畑を荒らすことが多い」と説明。雄の行動範囲は雌の5倍で、西箕輪近くから北アルプスまで移動した雄もいたという。特に夏に人里に近づくため、「鈴で音を出しながら歩き、なるべく出合わないように。出合ったら落ち着いて静かに離れるようにして」と呼び掛けた。勉強会は、4月に創設されたクラブが今シーズンを終える前に開いた初の「INAMTBフェス」の一環。駆除された熊の毛皮や頭蓋骨も見て、南箕輪村南部小4年の武井千瑛(ちあき)君(10)は「MTBに鈴をずっと付けている。熊に出合ったらゆっくり後ずさりする」と話していた。

(わな猟担い手確保に苦慮:長野)
松本市の中山地区有害鳥獣対策協議会(仙石省治会長)が、わな猟の担い手確保に苦慮している。高齢になり猟をやめる人が出ても、猟の免許を取る若手がおらず、引き継げない状況だ。有害鳥獣の駆除には欠かせない存在として、協力者を求めている。農地を荒らすシカやイノシシなどをくくりわなで捕獲している。動物が通る山中の「獣道」を見極め、条件が合った場所にわなを仕掛ける。対策協に、わな猟の免許保有者は7人いるが、ほとんどが70歳以上で、会社勤めなどの都合で猟に出ることができるのは3人にとどまる。平成24年ころには10人ほどが在籍していた。仙石会長は「わな猟に関心がないため減少した」とする。山際にある、鳥獣被害の防護柵の見回りも仙石会長らが担っている。全長15キロほどあり「3人で見回るのは無理」と苦労を打ち明ける。これまでに、わな猟に関心のある人を紹介するよう地区内で呼び掛けてきたが、反応は薄かったという。仙石会長は「農業被害を防ぐわな猟に関心を持ってほしい」と話している。

(獣害対策へ、全国初の「ハンターバンク」:神奈川)
都会暮らしの隠れハンター、小田原で狩猟を─。イノシシやシカによる農業被害を食い止めようと、小田原市と小田急電鉄は11月から、東京や横浜など首都圏に住む狩猟免許保有者に小田原の山間部に来て狩猟してもらう「ハンターバンク」をスタートした。活動の場がない「ペーパーハンター」と鳥獣被害に頭を悩ます地元農家を橋渡しする全国初の試み。地元猟友会の高齢化が進む中で若いハンター人材を確保するとともに、関係者は「ハンター志願者の移住にもつながれば」と期待を寄せる。社会貢献の一環として同社は10日、同市と事業展開に向けた協定を締結した。星野晃司社長は協定式で「線路にイノシシが入り込んで電車が止まったり、系列のホテルで植栽が荒らされたり、電鉄会社にとっても鳥獣被害は人ごとではない」と訴えた。登録には基本料金1人1500円と月額プラン料金2~3万円が必要で、仲間とグループでの登録も可能。登録すると同社がハンターの助けを求めている農家とマッチングする。レンタルの箱わなを農地や山の中にハンターが設置し、実際に獲物を捕らえたときは農家からハンターに連絡。現地に赴いて獲物を捕らえた後は、同社の作業スペースで自家消費分のジビエを解体することができる仕組みという。

(「アライグマ、自分で殺して」害獣の殺処分、当事者任せの自治体も:福岡)
「自分で殺して、燃えるごみに出してと言われた」。アライグマの駆除を自治体に相談したという福岡県直方市の60代女性から、西日本新聞「あなたの特命取材班」に投稿が寄せられた。北米原産で特定外来生物に指定されるアライグマは、全国各地で食害などを引き起こしている。しかし殺処分を担うのは負担が大きく、自治体の対応はまちまちだ。現場では手探りの対応が続く。女性宅の家庭菜園からブドウの房がなくなりだしたのは6月ごろ。センサーカメラを設置したところ、アライグマが写っていた。市役所に相談すると、箱わなを貸し出され、自分で殺処分するよう指示された。わなを設置したが、捕獲できず、ブドウはすべてなくなった。鶏小屋の網が破られ、ペットとして飼っていた鶏もいなくなった。直方市の担当者は当初、西日本新聞の取材に「鳥獣保護法に基づき、わな設置者が処分する必要がある」と回答した。環境省に問い合わせると、捕獲したアライグマを自治体が殺処分することは法令上「問題ない」との説明。再び市担当者に聞くと、「市が殺処分を委託する猟友会のメンバーが高齢化し、イノシシ、シカの駆除で手いっぱいだが、アライグマの対応も今後検討したい」と、説明を一変させた。日本獣医師会は「アライグマは気性が荒い。不慣れな人の殺処分は勧められない」としている。福岡県久留米市では市職員が対応し、わなを貸し出した住民から捕獲連絡があれば職員が回収。わなごと専用ケースに入れて二酸化炭素(CO2)で酸欠死させる。昨年度は職員6人で計79頭を殺処分した。ただ職員の精神的な負荷は大きい。市担当者は「本来はペットで輸入された動物。心理的にきつい」と明かす。負担軽減のため2人一組で作業する。同県朝倉市は委託する猟友会が殺処分を担うが、重労働の埋却作業が課題。同県糸島市は直方市と同様に市民による殺処分を前提に箱わなを貸し出している。埼玉県ではアライグマの家屋侵入などが問題化。2007年に駆除の実施計画を策定し、県内の全自治体と連携して対応してきた。県と市町村が住民ら向けの研修会を開いてわなの設置・捕獲に協力してもらう一方で、殺処分は市町村や獣医師会、委託業者が担う仕組みが浸透しているという。元埼玉県職員でアライグマ対策に詳しい古谷益朗さん(63)=同県狭山市=は「殺処分が駆除の一番のハードル。狩猟経験がある高齢者を自治体が殺処分のために非常勤職員として雇用するなど、関係者の負担を軽減する仕組みを作る必要がある」と指摘している。アライグマは、しま模様の長い尾(20~40センチ)が特徴で、目の回りに黒い帯状の模様がある。雑食性で鶏なども食べる。繁殖力が強く、過去30年でほぼ全国に拡大した。環境省の資料などによると、1977年にアライグマを主人公とするテレビアニメ「あらいぐまラスカル」が全国ネットで放送され、人気に。ペットとして大量輸入されたが、どう猛なため捨てられたり、脱走したりして野生化した。90年代半ばには本州と北海道の11道府県で分布が確認されていたが、2017年までの調査で九州7県を含む44都道府県に拡大。九州では福岡、佐賀、長崎、大分が多い。農林水産省によると、19年度の農産物被害額はスイカやブドウなど約3億6000万円で、04年度比で3倍近くに増えた。人家の天井裏などにも侵入し、ふん尿や設備損壊の被害もある。05年に特定外来生物に指定された。駆除手続きは外来生物法に基づく「防除」と、鳥獣保護法に基づく「捕獲許可」の2種類。猟銃やわなの免許取得者は法定の期間中に狩猟が行える。

(クマ被害を防げ!:秋田)
クマの被害や目撃が相次ぎ自治体や警察などは対応に追われています。秋田県湯沢市では被害防止につなげようと、関係団体の連携強化に向けた取り組みが続いています。湯沢市や警察、消防が一緒にやってきたのはクマの捕獲のため、猟友会が檻を設置している山林の入口です。この場所では1週間前にもクマ1頭が捕獲されました。地元の猟友会によると、今年はクマのえさとなるドングリやブナの実が豊作ですが、縄張り争いに負けた体の小さなクマが、えさを求めて人里に下りてくるケースがあるということです。ここはそうしたクマの通り道になっているとみられ、ひと山超えた高校や小中学校があるエリアでは今年、クマの目撃が相次いでいます。警察なども檻の設置場所は把握していますが、現場の状況を確認するのは初めてです。10日は住宅街にクマが出た場合、関係機関がどのように連携すべきかを意見を交わしました。県内のクマの目撃件数は約840件で毎年千件近い数が目撃されています。襲われてけがをした人も12人にのぼっていて、被害を食い止めるためにも関係機関の連携強化が求められています。猟友会によりますと、クマが冬眠に入る前のこれからの時季は山にえさも少なくなり、人里に下りてくるケースも増えるとしていてさらに注意が必要です。

(LED光でカラス退散?:石川)
羽咋市は今週、ふん害が激しい羽咋神社周辺のカラス追い払いで、鳥獣害対策用に開発された携帯型発光ダイオード(LED)照明の試行をしている。効果があれば、現在行っているタカによる追い払いと並行して導入したい考え。縦横各五個並んだ市松状の光はカラスには高速で点滅して見え刺激的。ライトは箱形で、高い鉄塔など遠方へも照射できる。バッテリーを入れたリュックで持ち運びできる。人には点滅して見えず、無音、無臭で、作業も楽。浜松市の光学機器製造会社が同市街地のムクドリ対策で開発した。羽咋市は同社のお試し無料貸し出しで十一日まで試す。市によると、カラスは神社境内の森をねぐらにしており、夕方、近くの鉄塔などに集まってねぐらの安全を確認してから森に戻ってくる。試行を始めた八日は、夕方に鉄塔に集まったカラスに照射。薄暮時でも反応があり、鉄塔だけでなく周辺の電線にいたカラスも飛び立った。日没後は境内で照射を繰り返したところ、カラスが逃げ出し、普段より森に戻ってくるカラスは少なかった。神社周辺には多いと千羽以上集まり、二〇一八年からカラスの天敵、タカによる追い払いを始めた。タカの出動は週一、二回に限られるため、出動できない日のLED活用を検討する。職員は「タカと光で境内の居心地が悪いと分かればカラスも寄り付かなくなるのではないか」と期待した。

(ヒグマ、市街地に出没増:北海道)
北海道内のヒグマとヒトのあつれきが深刻だ。ヒグマ目撃の通報は10月末までで過去5年の年間最多を上回る2055件に上り、死傷者数は統計のある1962年以降で最悪の11人(死亡3人、重傷6人、軽傷2人)となったことが道警のまとめで判明した。専門家は「ヒグマの市街地出没は珍しくなくなる可能性がある。距離を保ち、緊張感ある関係性の構築を」と警鐘を鳴らしている。道警地域企画課によると、10月末時点のクマ目撃の通報件数は前年同期比で320件増で、2016年同期と比べて2倍以上となった。同一個体が繰り返し目撃されたり、犬との見間違えなども含まれるとみられるが、距離感が近づいているのは間違いないようだ。札幌市内のヒグマは主に同市南西部の山林から進入していると考えられ、例年この地域で目撃されている。ただ、今年6月にはヒグマが同市東区の住宅地に現れて住民ら4人に重軽傷を負わせたほか、19年には同市や江別市などにまたがる道立野幌森林公園で78年ぶりにヒグマが出没した。道警の担当者は「人的被害が出ないよう警戒を続ける。ヒグマが身近な生き物と理解し、目撃した場合は情報を寄せてほしい」と呼びかける。「札幌近郊でのヒグマ出没は毎年あるが、行政などが備えようとしているスピードを上回り、(ヒトとの距離が)接近している」。ヒグマとの共存を目指す研究者らによる市民団体「ヒグマの会」は今月6日、札幌市内で開いたフォーラムでこう指摘した。近年は札幌市だけでなく、旭川、帯広両市の中心部にも出没している。道内ではかつて冬眠中や冬眠明けのヒグマを狙って個体数を抑制する「春グマ駆除」が行われていた。それが90年に廃止され、現在に至るまでに生息数は2倍に増えたとの推計がある。分布は再拡大し、その前線は人間の生活圏に近づいたようだ。人間や人里に慣れたヒグマが増え、住宅地での出没につながっているとの見方もある。その一方で、狩猟者の高齢化が進み、緊急時の対応が将来にわたってどれほど期待できるかは不透明だ。だからこそ同会は「事前の対策強化が重要」と指摘する。手立ての一つが、人間とヒグマの生息域を分ける手法だ。餌を求めるヒグマが人里に近づかないよう畑地を電気柵で囲ったり、森林からの進入経路となる茂みや防風林の草刈りをしたりして距離感を保つのだ。また同会は、道内14の総合振興局・振興局にヒグマ対応の専門職員を配置すべきとも主張する。間野勉副会長は「現状を放置すれば、近い将来さらに深刻な状況に陥る。真剣に向き合い対応すべきだ」と訴えた。

(狩猟わなの名人がコツを伝授:宮崎)
野生動物による農作物被害を減らそうと延岡市で対策セミナーがありました。これは、有害鳥獣に強い集落づくりを推進しようと延岡市が実施したもので、北川町で開かれた現地研修会には、農家や地元の猟師らおよそ40人が参加。研修会では、北海道在住で狩猟歴50年のわな作り名人、原田勝男さんが、被害削減に大きな効果があるとされる「くくりわな」について説明し、わなをかける場所や誘導方法などをアドバイスしました。(狩猟わな作り名人 原田勝男さん)「(山から)下りてきたシカはここに右足をつけます。で、左足でこれ(わな)を踏む」。県によりますと、有害鳥獣による昨年度の農作物被害は、県全体でおよそ3億4500万円にのぼるということです。

(鳥獣被害対策で協定、山と海の新商品開発も検討:島根)
島根県美郷町と神奈川県大磯町が10日、鳥獣被害対策などに関する包括連携協定を締結した。山くじら(イノシシ)をはじめとした美郷町の対策を大磯町が取り入れたのがきっかけ。対策の推進のほか特産品の販路拡大などで協力する。美郷町は11日から、大磯町の大磯港にぎわい交流施設「大磯コネクト」に山くじらの缶詰を出品し、特産品を売り込む。大磯町は捕獲したイノシシの利活用や住民主体の捕獲体制といった美郷町のノウハウを取り入れ、対策を一層進める。両町の特産品を組み合わせた新商品開発や観光客誘致の連携も検討する。美郷町粕渕のみさと館で締結式があり、美郷町の嘉戸隆町長は「都市圏に向けた特産品のPRや販路拡大、関係・交流人口の増加が期待できる」と意義を強調。大磯町の中崎久雄町長は「美郷町の取り組みは大磯町の手本。協定は町の宝物になった」と話した。太平洋に面した人口3万1千人の大磯町は、巨大プールの大磯ロングビーチが有名。東京都心から電車で1時間と近く、年間約100万人の観光客が訪れる。内陸部ではイノシシが出没。2015年度以降、美郷町から専門家を招いて町民対象の対策講習会を開き、被害を軽減させた。美郷町は産官学民が集う鳥獣被害対策版シリコンバレー「美郷バレー」構想に取り組んでおり、連携先を広げてきた。協定締結は12社・団体となった。

(熊の剥ぎ被害木、ドローンで分類:長野)
信州大と中部森林管理局北信森林管理署(飯山市)は10日、先端技術を活用した「スマート林業」の現地検討会を上水内郡信濃町の国有林で開催した。

(餌「並作」も群馬でクマ出没注意:群馬)
群馬県鳥獣被害対策支援センター(高崎市)は、県内の今年度のクマの人里への出没予測を発表した。それによると、大量出没の可能性は低いとする一方で、直近2年間で餌となる堅果類(ドングリ)が少なかったことを踏まえて予想に反し増加懸念があるとして「十分な注意」を呼び掛けていく。クマは冬眠前の秋から晩秋にかけ、餌となる堅果類を求めて行動範囲を広げ、十分な餌が得られなければ人里へ出没する傾向がある。このため同センターは毎年9月ごろ利根沼田地域の堅果類の実り(豊凶)状況を実地調査し、出没予測に役立てている。今年度の調査では、ブナ、ミズナラ、クリがいずれも不作だったが、コナラ並作、ミズキ豊作となり、5樹種合計で「並作」という結果だった。一般的には人里への大量出没の可能性は低くなる見通しとなり、同じく「並作」で出没頭数が95頭だった平成30年度などの水準に並ぶとみられている。しかし、「不作」だった令和元年度、「凶作」だった同2年度は人里でクマが大量出没した。同センターは「クマは直近2年間で人里で餌を得た経験があり、それをもとに山中の餌の有無にかかわらず人里へ出てくる恐れがある」と指摘。今後、事前予測を覆す恐れがあると懸念している。

(「モンスターウルフ」でクマ食害防げ:北海道)
北見市鳥獣被害防止対策協議会は、この夏から市内の畑にオオカミを模した野生動物の忌避装置「モンスターウルフ」の実証実験を行っている。2台をリースで導入し、昨年クマやシカの食害が多かった畑に設置した。周辺ではクマが近づかず、害が減るなどの効果が確認できているという。モンスターウルフは、空知管内奈井江町の「太田精器」(太田裕治社長)が製造、販売している。オオカミを模し、人工毛皮で覆われた1・2メートルの装置。赤外線センサーがついており、動物などが近づくとオオカミの鳴き声や人の声、サイレン音などを大音量で流し、追い払う。

(ニホンジカの生息域拡大か:福島)
関東森林管理局(群馬県)は11日、棚倉町戸中字那須道の国有林で、農作物への被害が問題となっているニホンジカ1頭を捕獲したと発表した。棚倉森林管理署によると、東白川郡内での捕獲は初めて。福島、茨城、栃木3県にまたがる八溝山(やみぞさん)周辺でも初めて捕獲された。同局は、県内の東北道や国道4号以東の中通りや浜通りには生息していないとされていたニホンジカが、県南地方などに生息域を拡大しているとみている。センサーカメラなどで事前調査し、餌や塩の塊でおびき寄せてくくりわなを使い、9月23日に捕獲した。ニホンジカを巡っては、農作物や苗木を食い荒らす「食害」、樹皮を剥がす「剥皮(はくひ)」などの被害が全国的に問題となっている。八溝山周辺では福島茨城栃木連携捕獲協議会による捕獲事業が10月から実施されている。同局保全課は「今後も生息状況を調べ、捕獲にも取り組む」と話した。

(イノシシ、ドローンで生息調査:熊本)
熊本市の立田山でイノシシが急増している問題で、市は8~10日の3日間、お祭り広場周辺の約57ヘクタールで、ドローンを使って空から生息状況を調査した。

(サルの被害が東予で拡大:愛媛)
木に登ったサルが柿の実を取って食べています。この場所は新居浜市の山あいに近い所です。実は東予では数年前からサルによる農作物の被害が増えています。新居浜市の男性の庭に落ちたミカンの残骸。その犯人はニホンザルです。これは被害に遭った男性と同じ地区で11日に撮影された映像。柿の木に登ったサル数匹が熟れた柿をむしって食べているのが分かります。実は東予ではサルの捕獲が5年ほど前から増加。2016年度は90匹だったのが翌年度はほぼ倍増の178匹、その後も増え続け昨年度は390匹にもなっています。この状況にあわせて、被害額も増え始め2015年度には445万円だったのが翌年度は974万円に倍増。以降は1000万円を超える年度が多い状態です。新居浜市では…。新居浜市農林水産課鳥獣対策係・赤壁拓主任:「冬場も大根とか冬の野菜も食害に遭っていますので、一年中油断はできない。(昔は)木の粒々がはっきり見えるくらい(森の)密度が浅いんですけど、今はぎっしり詰まってるんで、サルがすごく移動しやすい状態になっています」。サルの移動範囲が広がっている原因は森林密度の上昇や耕作放棄地の増加。サルの被害の特徴は…。新居浜市農林水産課鳥獣対策係・赤壁拓主任:「サルは一口だけかじって捨てて、一口だけかじって捨ててっていうことを繰り返しますんで。大きな被害が発生しやすいと」。農家たちが憤るサルの被害、その対策は…。一番効果があるというのが電気柵。1.5メートルほどの高さで張り巡らしています。新居浜市農林水産課鳥獣対策係・赤壁拓主任:「今、8700ボルト流れています。十分、対策としては効果のある電圧が出ております」。新居浜市は電気柵の設置を補助して農家を支援しています。新居浜市農林水産課鳥獣対策係・赤壁拓主任:「作物を食べるということは、それだけ栄養状態がよくなるんで、自然界では死んでいるものが残ってしまうと。結果数も増えるし、被害も増える。本質的に数を減らすためには、やっぱりエサを切ってやるっていうのが」。捕獲だけではなくエサを絶つ環境づくりが野生動物による農作物の被害を防ぎます。

(カワウの生息数が倍増、難しくなった銃器による駆除:滋賀)
滋賀県内に生息するカワウの数が、昨年からほぼ倍増していることが関西広域連合の5月の調査で分かった。3万羽を超えた2008年をピークに減少傾向が続いていたが、今年は9年ぶりに1万羽を超えて1万2829羽になった。

(野生シカを動物園のエサに活用:愛知)
山間部で捕獲した野生のシカを動物園の餌に生かす取り組みが東栄町で本格化した。住民らの出資で「野生動物命のリレープロジェクト」を立ち上げ、加工処理施設が町内に完成した。豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)に年内にも「屠体給餌(とたいきゅうじ)」の食材として供給する。山間部の社会課題解決の事業モデルとしても注目される。山間地で急増するニホンジカなどが生息域を広げ、農林業への被害や生態系への悪影響も与え始めているという。東栄町は猟友会と「有害鳥獣」の駆除に乗り出した。一部をジビエ料理に使うが、処理の難しさや人手不足で、年に捕獲する2000頭の約2割にとどまる。多くは埋葬され、抜本的な解決策には至っていなかった。一方、のんほいパークでは野生本来の生息環境に近付ける「環境エンリッチメント」の一環で大型獣の屠体給餌を目指していた。欧米の動物園では一般的で、生命倫理や動物の食のストレス解消にも効果的という。2019年から設楽町の団体に協力を仰いだが人員が整わず中断。協議に携わった、そば店経営の尾林克時さん(71)ら有志が今年5月に会社を立ち上げた。茶畑の一角に専用施設を建設。シカなどに血抜きなどの下処理を施し、低温殺菌装置でウイルスなどを取り除く。さらに零下20度の冷凍処理装置で寄生虫を死滅させ、皮骨付きで出荷する。シカ肉なら月100頭を処理できるという。尾林さんらによると動物愛護の視点からの批判は少なく、「命を生かす」取り組みへ理解は深まっている。近隣町村の猟友会や営林署などとの連携で、屠体の持ち込みと安定供給の体制は整いつつある。高齢者ばかりの起業だが、金融機関も社会課題解決の事業モデルに着目し、好意的に融資へ乗り出したという。尾林さんは「安定供給先を増やし、若者の雇用創出につなげることが次の目標。先進的なビジネスモデルにしたい」と意気込む。

(相次いだクマ出没、今年の被害を振り返る:岩手)
岩手日報社の若手社員とIBC岩手放送の弦間彩華アナウンサー(24)が地域の話題を深掘りする未来型ニュースプログラム「デジタルニュース・ラボ」。9日は報道部県警担当の鈴木広野記者(23)が出演し、ツキノワグマの出没・被害の状況について語った。鈴木記者は今年、市街地でもクマの出没が相次いだ記事などを紹介。里山の草刈りや残飯を外に置かないなどの対応策を挙げ「クマも必死で餌を探している。被害に遭われた方々もいるが、クマも数が減っており、共存という道を探ることが一番大切ではないか」と話した。

(メスジカを捕らえる分布域を特定、駆除へ効率的な個体群管理に期待)
森林総合研究所の研究で、ニホンジカの性比は分布の周辺部と中央部で異なることがわかった。シカの個体群管理には、子を生むメスを駆除して次世代を減らすことが有効であることから、メスが多い地域の特定は効率的な個体群管理に役立つことが期待される。同研究所は、熊本県が収集しているニホンジカの捕獲個体情報を解析し、角を持たないシカ(角なし:成獣メスと子)と角を持つシカ(角あり:成獣オス)の比率が県内でも地域によって異なることを明らかにした。さらに、同県が収集しているシカの生息密度情報を基に地域ごとのシカの生息密度指標を算出。角あり、角なしのシカの比率と比較したところ、生息密度指標が3程度に達するまでは、生息密度指標が高い地域ほど角なしシカの割合が高いことがわかった。生息数増加と分布拡大に伴い日本各地でシカによる農林業被害が深刻化しており、効率的、効果的な個体群管理手法の確立は喫緊の課題となっている。角なしシカのほとんどを占めるメスの捕獲と駆除はその有効な手段と指摘されてきたが、メスを選択的に捕獲することはこれまで難しかった。同研究の結果は、生息密度が高い地域で捕獲圧を高めることによってメス捕獲を促進できる可能性を示すもので、個体群管理手法の進展に役立つと考えられる。同研究成果は、10月13日にJournalofForestryResearch誌でオンライン公開された。

(狩猟免許取得に向け「魅力発見セミナー」:石川)
イノシシとシカをのぞく鳥獣の狩猟が十五日に解禁されるのを前に、穴水町内浦ののとふれあい文化センターで十三日、狩猟免許の取得を考える人を対象にした「狩猟の魅力発見セミナー」が開かれた。県内の八人が参加した。有害鳥獣捕獲の担い手となる狩猟者の確保につなげようと、県が毎年開催。穴水町大町のジビエ(野生鳥獣肉)利活用アドバイザーの福岡富士子さん(51)ら現役のハンター三人による座談会があり、狩猟の魅力や免許を取得した経緯、体験談などを紹介した。会場ではわなや狩猟銃の展示のほか、シューティングシミュレーターを使った模擬狩猟体験もあった。参加者は模擬銃を使ってスクリーンに映し出されたシカを撃つ体験をした。自宅周辺でイノシシの被害に悩まされているという金沢市の二十代男性は「免許の取得を考えているので興味深い話が聞けてよかった」と話した。

(猟友会が狩猟免許新規取得者に講習:静岡)
県西部猟友会湖西分会は十四日、新たに狩猟免許(わな猟)を取得した人向けに、講習会を同会の斉藤泰宏会長(82)宅=湖西市梅田=で開いた。今年取得した三人が受講し、今後の活動の参考にした。市内でも農作物などへの鳥獣被害が増えているが、猟友会の会員が減少し、高齢化していることなどから、狩猟免許を取得した人が活動しやすいように、初めて開催した。同会の鳥獣保護員の末益慎司さん(48)が講師を務め、ワイヤやばねを使った、くくりわなについて説明した。末益さんは、子どもなど第三者に危害を加えないように、わなを仕掛けていることを知らせる看板を設置するように指導。わなに掛かった獲物は反撃してくる可能性が高いので、わなの掛かり具合を確かめてから近づくように注意を促した。実際に設置したり、塩ビパイプやワイヤ、ばねを使って筒落とし式のわなを作ったりした。鳥獣被害を防ぐために免許を取った杉谷幸浩さん(44)=同市太田=は「全く経験がないので、安全に設置する方法などが分かって勉強になった」と喜んでいた。斉藤会長は「免許を取っただけでは、なかなかわなの設置はできない。事故や違反がないように経験を積んでもらいたい」と期待していた。湖西分会の会員数は三十三人。三十年前には百二十人以上いた。来年一月には、山でのわなの設置講習会も計画している。

(シカ衝突、嫌がる音で防止:北海道)
エゾシカが原因の車両事故が後を絶たない北海道で、地元の大学教授と学生が車に付けたスピーカーからシカの嫌がる音を流すことで衝突を回避する研究が進められている。

(鳥類と航空機の衝突防ぐ:佐賀)
佐賀空港の南には、日本一の干満差がある有明海の干潟や、滑走路周辺の緑地帯や水路が広がっており、水鳥や渡り鳥、猛禽(もうきん)類など多くの鳥類が生息しています。バードストライクとは、航空機に鳥類が衝突することをいいます。バードストライクにおける航空機事故の実話を基に映画化された「ハドソン川の奇跡」は有名な話ですが、バードストライクはどの空港でも発生する可能性があります。佐賀県猟友会佐賀南支部の職員は、航空機が離着陸する時間に合わせて全長2キロある滑走路の周辺道路を約1時間巡回し、威嚇射撃や煙火など鳥類の種類や数に応じたさまざまな追い払いを行い、鳥類が航空機に衝突しないよう未然に防ぐことで佐賀空港を離着陸する航空機の安全を守っています。佐賀空港を利用されるお客さまの安全な空の旅を願い、鳥類と航空機が共存できるよう、私たちは今日も地上から佐賀の空を見守っています。

(クラファンで調達した資金でシカ撃退:兵庫)
ソバの栽培に取り組む兵庫県新温泉町春来地区が今年、シカによる食害を解消するため、クラウドファンディング(CF)での調達資金で電気柵を設置した。6月から約2カ月間、資金を募り、80万円超を確保。三つの農地に電気柵を張ったところ、獣害はなく、無事にソバの実の収穫を終えた。住民らはネットでの反響に喜び、地域活性化への意欲を高めている。標高400メートルで棚田を擁する同地区は約20年前、地域活性化のためにそば店を開業。2017年に同町内の道の駅に2号店を開き、年間計4万人が訪れる。今年4月、ソバの生産や加工、店の運営などの主体を自治会100%出資の株式会社に改組し、活動を強化した。同地区では、65歳以上の住民が48%と高齢化が進み、休耕地も増加。積雪が少なくなった約10年前から、シカがコメやソバを食い荒らすようになり、多くの農地が被害に遭ってきた。地区は2年前、獣害を受けたことを受給要件とする鉄柵の設置補助を申請。採択されて昨秋に柵を張り始めた。しかし、作物を植えない休耕地では獣害が起きないため、補助を受けられなかった。増え続ける休耕地で作付けを再開する際の対策に行き詰まった。そこで、獣害対策を支援するNPO法人・里地里山問題研究所(丹波篠山市)に相談。同法人の鈴木克哉代表(46)からCFの活用を提案され、コストの安い電気柵を設けることに。今年4月からCFによる資金調達の準備を始めた。CFサイトでは、地区の高齢化や農地の現状、獣害での苦労などとともに、日本海の眺望など地区の魅力を発信。6月17日から資金を募り、54日間で108人から計82万円余りが集まった。出資者への返礼品は、千~10万円の金額に応じて18種類。そば店の食事券のほか、地区産のソバとコメに加え、栽培体験なども用意した。10月末に行ったソバの収穫体験には神戸や阪神間などから20人が訪れ、交流も深めた。鈴木代表は「対策の難しさとともに地域の魅力を伝えられた。柵の設置はあくまで手段。住民が将来の姿を共有できたことが何よりの成果」と喜ぶ。同地区の小谷和信区長(68)は「これほどの支援があるとは驚いた。インターネットでの発信を続け、多くの人に訪ねてもらい、地域を元気にしていきたい」と話した。

(渡良瀬遊水地で増えるイノシシ目撃:栃木)
渡良瀬遊水地でイノシシの目撃情報が増えていることを受けて、栃木県と茨城、群馬、埼玉の4県が連携協議会を設立し、生息状況調査や捕獲を推進する方向で調整していることが、15日までに県への取材で分かった。集中的対策で個体数を一気に減らし、ラムサール条約湿地に登録された希少な自然環境の保全や災害対策にもつなげたい考えだ。栃木県が中心となって協議会の設立に向けて調整しており、他の3県も趣旨に賛同しているという。環境省は、複数の都府県が連携した協議会による広域捕獲を交付金で支援している。遊水地にはイノシシは元々生息していなかったとされるが、近年は遊水地に近い農地での被害や市街地への出没が相次いでいる。2019年10月の台風19号では遊水地がほぼ満水状態に冠水。イノシシが一斉に堤防を越えたり河川敷に逃げたりする姿も確認された。今年4月には遊水地に近い野木町友沼で60代男性が襲われ、左太ももに軽傷を負う事故もあった。こうした事態を受け、関係市町はホームページや看板などで注意を促している。県は本年度、野木町で20頭捕獲を目標にわなによる捕獲事業を実施。小山市もわな設置の準備をしており、国の許可を待つ状況だ。一方で「個別の対策では効果に限界もある」(県自然環境課)。さらにイノシシによる掘り返しは堤防の強度低下を招く恐れがあるほか、イノシシが豚熱(CSF)ウイルスを媒介する可能性もあるとして、4県が連携して国の交付金を使い、大がかりな対策に乗り出すことを検討している。同課の担当者は「本来の生息地ではなく、限定的なエリアである分、集中的に捕獲すれば効果は出やすいはずだ。他県との調整を進めたい」などとしている。協議会では遊水地に生息するニホンジカも調査・捕獲の対象にする方針だ。獣害対策の広域連携を巡っては栃木県と福島県、茨城県が八溝山付近でニホンジカを捕獲するなどの先行事例がある。

(キャンプ好きは要注意「山で遭う危険生物」対処法)
コロナ禍などの影響で、キャンプや登山といった空前のアウトドアブームが広がっていますが、自然の中には命にかかわる危険も潜んでいます。その1つがクマ、イノシシ、ハチといった「危険生物との遭遇」です。そうした生物に出会ってしまった場合、どうすればよいのでしょうか。『角川の集める図鑑GET! 危険生物』(総監修:加藤英明、監修:小菅正夫、坂井建雄、高桑祐司、田中修、丸山宗利、宮正樹)から一部抜粋・再構成し、対処法を解説します。2011~2020年の日本におけるクマによる襲撃事件は、1年間で平均89件でしたが、2020年に起こった事件は143件で負傷者が156人、死者も2人出ています。農家の高齢化などで里山を管理する人が減り、農業や林業を行う人が少なくなって、これまで人を警戒して山奥でくらしていたクマがより人里近くに現れるようになったため、人とクマとの接触が増えているそうです。とくにこの季節、ハイキングやきのこ狩りなど、山奥に入る機会があるかもしれませんが、クマも冬眠前でエサを求めて活発に動き回っています。もちろん出会わないのが一番ですが、万が一クマと遭遇してしまったときの対処法を見ていきましょう。まずは日本で遭遇する可能性のあるクマは2種類です。クマが複数の人を襲撃した事件は過去にいくつも起こっています。1915年に、北海道北西部の苫前村(現・苫前町)に体長2.7mのエゾヒグマがあらわれ、数日にわたって民家を襲撃した事件がありました。このエゾヒグマが射殺されるまでに、7人が死亡、3人が負傷し、クマによる事件では、日本でもっとも大きな被害を出しました。ほかにも祭り帰りの人びとをヒグマが夜の山道で襲い、5人が死亡、3人が負傷した石狩沼田幌新事件(1923年)、3日にわたりクマが大学生のグループを追跡し、3人の死者を出した日高福岡大ヒグマ事件(1970年)や、5頭のツキノワグマが4人の死者と4人の負傷者を出した十和利山熊襲撃事件(2016年)などがあります。エゾヒグマやニホンツキノワグマに実際出会ってしまった場合の対処法ですが、まずは刺激をしないことが第一です。クマのようすを確認しながら、静かに背中を見せずに離れましょう。走って逃げると全速力で追ってくることがあるので、大変危険です。逃げ切れそうもない場合は、倒木や石の上に立ち、自分を大きく見せながら、大きな声を上げて威嚇しましょう。何人かいるならみんなで集まるとより効果的です。また木を昇り降りしたときに残したつめ跡や、足跡、ニホンツキノワグマが木に登って木の実などを食べたあとに残る「クマだな」など、クマが残したしるしがある場合、クマが近くにいるかもしれないため、危険です。注意を払いながら、離れるようにしましょう。イノシシも日本の山地で遭遇することの多い動物で、興奮するとなりふり構わず突進してくることがあり、大変危険です。罠にかかったイノシシを捕まえようとした人が反撃されたり、狩りの途中に襲われたりするなど、国内で毎年50件ほど事件が起きています。イノシシは上下の犬歯がするどいきばになっていて、危険を感じるとすくい上げるように頭をふったり、突進したりして、きばを突き刺してきます。きばで刺されるほか、かまれたりして、失血死する場合もあります。近年、畑の作物や町のごみを目当てに人里に下りてくることが増え、とくに兵庫県や香川県などでたびたび問題となっています。イノシシに出会ってしまったら、静かに後ずさりしながら、イノシシから見えない位置まで離れましょう。石を投げるなどして刺激すると、襲いかかってくる可能性が高いため、逆効果です。またイノシシの逃げ道をふさぐのも危険なため、登って来られない木の上などに避難するのもよいでしょう。国内の危険生物というと、まずクマやマムシを思いつく人が多いのではないのでしょうか? しかし、一番死者数を多く出しているのは、ハチです。オオスズメバチやキイロスズメバチ、アシナガバチに襲われて、毎年10人以上、多い年には50人以上が死亡しています。これは、日本国内で起きたクマや毒ヘビなどを含めた生き物による死亡事故の原因で、最も多い件数となっています。おもに山や農地での作業中に襲われ、集団に何度も刺されたことによるアナフィラキシーショックで命を落としています。刺された際に頭痛や蕁麻疹、吐き気のほか、息ができなくなったり、気を失ったりすることがあり、これは毒の中にアレルギー反応を起こす物質があるためで、このような急激なアレルギー反応による危険な状態をアナフィラキシーショックといいます。アナフィラキシーショックは、ハチのほかにも、アリや毒ヘビなど、有毒生物に噛まれたときにも起こる可能性があります。スズメバチは速く動くものに反応するため、ふり払ったり、慌てたりせず、静かにその場から離れましょう。ただし、攻撃をしてきた場合は、全速力でその場から逃げましょう。黒いところを攻撃する習性があるので、逃げるときは頭や目を隠しましょう。ハチに刺されてしまったときは、まず流水でよく洗い、指でつまんだり、ポイズンリムーバー(生物に刺されたりかまれたりした部分に当てて、毒液などを吸い出すための道具)を使ったりして毒を絞り出します。その後、抗ヒスタミン剤の入ったステロイド軟膏を塗って、氷などでよく冷やします。発熱、頭痛、呼吸困難などのアレルギー反応が出たら、すぐに病院へ行きましょう。またミツバチの場合は、毒腺がついたままの針が残るので、ピンセットなどで取り除いてください。

(イノシシに荒らされた登山道を復活させたい:福井)
福井県福井市東安居地区にある下市山(標高260メートル)の登山道を整備し、より多くの人に訪れてもらおうと、地元住人や登山愛好家らでつくる「下市山の自然を愛する会」が、クラウドファンディングで整備費などに充てる資金を募っている。福井市下市町に登り口がある同山の登山道「下市山ミルキングコース」は全長約5キロ。東安居地区のまちづくりに取り組むグループが2002年、地元の里山の自然を次世代に残そうと整備を始めた。2、3年前から、コースにある丸太で作られた階段がイノシシに掘り起こされるようになったが、メンバーの高齢化により整備活動が困難になり、荒廃が進んだ。そこで21年1月、同町の住人や下市山の愛好家約15人が同会を結成。廃材などでテーブルや椅子を手作りし、頂上にある広場に設置したり、登山口周辺や町内のごみを拾ったりしている。企画している登山道整備は、ふるさと納税を活用した福井市の「未来づくり創造ファンド」の認定事業に採択された。集まった資金で、劣化した木製の階段をプラスチック製のものに変えることや道案内看板の新設、パンフレットの作成などを計画している。越間康雄会長(73)によると、身近な登山コースとして年間3千人以上の愛好家が訪れるという。「頂上では登山者同士の交流もある。安心して楽しんでもらえるよう整備したい」と話している。クラウドファンディングはレディーフォーの福井県に特化したサービス「ミラカナ」を活用。支援者への返礼は、地元農家の野菜や登山道口の掲示板に名前を掲載するなどがある。

(冬眠前のクマ注意、ドングリあるが人里で頻出:島根)
近年、鳥取県東部の市街地などでツキノワグマの目撃情報が相次いでいる。今秋はクマの主要な餌となるドングリが並作から豊作の見込みだが、餌を求めて人里に下りてくる可能性も捨てきれない。冬眠前の12月中旬まではクマによる農作物被害や人身事故の恐れがあるため、関係機関は注意を促している。

(捕獲ザル“羽田くん”動物園になじむ:東京)
2021年9月、羽田空港で捕獲されたサルのその後に注目が集まっている。そのサルが捕獲された直後の映像。悲しげな表情をしているように見える。9月22日の朝に羽田空港内で発見された、このサル。捕獲された時の体長が、およそ50cm・体重5kgほどで、推定4歳。人間でいうと、12歳ぐらい。このサルの引き取り手が見つかった。どこに引き取られたかというと、茨城県の東筑波ユートピアという動物園。ニホンザルをはじめ、ツキノワグマやヤギ、ウサギ、アヒルといった、比較的身近な動物まで飼育している。このニホンザル、引き取られると、早速名前がつけられた。羽田で捕まったこのサルの名前は、「羽田くん」。命名の理由について動物園に聞いたところ、飼育されているニホンザルは、個体を識別するマイクロチップが体内に埋め込まれる。羽田くんも、マイクロチップを埋め込む際に名前が必要で、とっさに担当者がつけた名前が「羽田くん」だったという。確認したところ、ほかのサルたちは「あんずちゃん」や「いちごちゃん」といった名前だそう。そもそもニホンザルなどの野生動物は、鳥獣保護管理法で、原則捕獲できない。ところが、この羽田くんは、空港内に侵入して航空機の運航に影響が出るおそれがあったということで、大田区が捕獲申請をして、それを都が許可したため、捕獲に至ったという。捕獲されてしまうと、原則殺処分ということになるため、羽田くんは、実は殺処分寸前だった。ただ、区役所に羽田くんを心配する電話やメールが殺到し、野生動物の保護活動をしている人から、今回の動物園を紹介され、区が問い合わせたところ、承諾され、結果、引き取られたという。この動物園、過去にも4~5頭、有害鳥獣になったサルを引き取ったという。羽田くんは、数頭の子ザルと一緒に生活をしていて、すっかり溶け込んでいるという。

(ドローンでカモさよなら:青森)
十三湖シジミをカモの食害から守ろうと、十三湖鳥獣被害対策研究会(会長・相川利幸十三漁協組合長)は5日、飛行機型ドローン(小型無人機)を使った初の実証実験を行った。ドローンが飛行すると湖面にいたカモが飛び去り、関係者らは「一定の効果がありそう」と期待感を示した。十三湖では、カモが飛来する11~3月になるとシジミを養殖する畜養場を中心に食害が多発し、年間推定1千万~2千万円の被害があるという。効果的な食害防止策を探るため十三漁協や青森市の青い森地域総合研究所など6団体が6月、同研究会を設立した。5日の実証実験には関係者約20人が参加。五所川原市の十三漁港を発着点に、畜養場のある十三湖西岸を中心に、南北約10キロにわたりドローンを飛ばした。本格的な越冬前でカモの飛来数は少なかったが、湖面にいたカモは高度20~30メートルでドローンが近づくと次々と飛び去った。相川会長らは、ドローンに搭載したカメラで撮影した画像をパソコン画面で見ながら「飛行音に気付くと逃げていくようだ」と湖上のカモの様子を確認した。実験は本年度、時間帯や時期を変えて複数回行う。鳥が嫌う音を流したりレーザーポインターで光を照射したりと、さまざまな手法を試して効果的な方法を探る。相川会長は「実験を積み重ね、3年後をめどに成果を出したい」と語った。

(街なかカラス横ばい:青森)
弘前市の街なかをねぐらとするカラスの個体数について、市と日本野鳥の会弘前支部が今月調査したところ、前年同月とほぼ横ばいの3864羽(速報値)が確認されたことが9日、分かった。市民会館で開かれた市カラス対策連絡協議会(座長・東信行弘前大学教授)の会合で市が報告した。調査は今月6日、弘前公園と弘大附属病院周辺、弘前駅周辺などで実施した。2020年11月の調査では3728羽、今年2月の調査では3902羽が確認されており、市環境課は「個体数に大きな変化はなかった」とした。一方で市内5カ所(20年12月以前は6カ所)の箱わなで捕獲、処分したカラスは19年度201羽、20年度251羽、今年度(10月30日現在)91羽。農村部で農作物を荒らす「有害鳥獣」として、猟友会が実施する銃器による駆除数は19年度1004羽、20年度1000羽だった。これにより、市で駆除したカラスの総数は19年度1205羽、20年度1251羽となっている。

(中学校へ熊よけの鈴寄贈:神奈川)
山北町商工会(松澤大輔会長)は11月4日、町内の中学生に対し、クマよけの鈴191個を寄贈した。町内では10月以降、数回にわたり、熊の出没情報が報告されている。町では、朝夕のパトロールを行っているほか、県に箱罠の設置を要請しているが、未だ捕獲には至っていない状況がある。このため町内の園や学校では園外・校外活動の中止、部活動の時間短縮などの対応を取っており、各種教育活動に支障が出ているという。もともと秋は、冬眠前のエサを求めて熊が活発に活動する時季でもあり、同会が「生徒たちの安全確保の一助になれば」と寄贈を申し出たもの。この日は商工会の松澤大輔会長、湯川嘉一副会長、藤原晶副会長が出席。石田浩二教育長と山北中の川上達夫校長に鈴を手渡した。石田教育長は「生徒たちの登下校時の安心・安全確保に有効活用したい」と話した。

(クマ駆除、小中学校近くの雑木林:富山)
11日午前7時15分ごろ、富山市楡原の住宅街に近い雑木林で、住民が成獣のクマ1頭を目撃した。同市鳥獣被害対策実施隊が通報を受けて駆け付け、同9時35分に猟銃で駆除した。けが人はいなかった。現場は神通碧小、楡原中に近く、教諭が通学路の警戒に当たるなど対応に追われた。県は冬眠前のクマは餌を求めて活発になるとして注意を呼び掛けている。富山南署などによると、駆除されたクマは雌の成獣で体長約1・5メートル、体重約60キロ。実施隊や富山南署、市から計28人が駆け付けたところ、クマは民家横のケヤキの木に登っていた。安全確保のため付近の道路を封鎖し、隊員が民家2階からライフル銃で駆除した。現場は神通碧小、楡原中から南に約500メートルの住宅街そばにある神通川沿いの雑木林。周辺にはほそいり保育所もある。児童の登校時間帯だったため、神通碧小と楡原中は教諭計3人が車で通学路を巡回し安全確保に努めた。クマが駆除されるまで児童、生徒は校外に出ないよう徹底した。現場から約30メートル離れた住宅の主婦坂井光枝さん(70)は「子どもたちがけがをしなくて良かった」と安堵(あんど)した。近所の主婦吉田澄子さん(79)は2年ほど前にクマを目撃したことがあるとし「外に出る時は気を付けたい」と話した。11日は富山市岩稲の林道付近でクマのふんや柿の木に登った痕も見つかった。富山県自然保護課によると、県内のクマ目撃・痕跡情報は10月末時点で計158件を数え、統計のある2004(平成16)年以降で6番目に少ない。目撃は130件(前年同期比259件減)、ふんや足跡などの痕跡は28件(同101件減)となっている。担当者は今年は餌となるブナが例年並みに育っているため、大量出没の可能性は低いとの見方を示した。その上で冬眠前のクマは餌を求めて行動範囲を広げることがあるとし「柿の木の近くは危ない。朝夕の時間は特に気を付けてほしい」と注意を呼び掛けた。

(クマか、リンゴ60個食い荒らされる:秋田)
9日午前7時半ごろ、秋田県北秋田市七日市字中道岱のリンゴ畑でリンゴ約60個が食われているのを、畑を管理する社会福祉法人の50代男性職員が見つけた。北秋田署はクマによる食害の可能性があるとみている。

(乗用車、クマにぶつかりバンパー破損:秋田)
12日午前6時5分ごろ、秋田県仙北市角館町西長野月見堂の市道で、市内の50代男性が運転する乗用車がクマとぶつかった。男性にけがはなかった。仙北署によると、男性の車は進行方向左側から飛び出してきた体長約1・5メートルのクマとぶつかり、前部のバンパーが破損した。クマはその場から立ち去った。現場は民家まで約30メートル。

(クマが鶏舎を襲う:静岡)
11月15日、富士宮市でクマが出没し、小屋にいたニワトリあわせて35羽が被害にあいました。けが人はいまのところ確認されていません。クマを目撃したという男性、あわてて家に避難しました。13日から15日午前にかけて、富士宮市人穴に連日クマが出没し、仁藤さんが飼っていたニワトリ35羽すべてが食べられる被害にあったといいます。警察と猟友会によりますと、体長約1.8mほどのツキノワグマだということです。これまでにニワトリ以外の被害は確認されていません。<西富士山麓猟友会 藤浪庸一さん>「山で見たというケースは多いが、こうして実際に被害に遭ったのはここのところ珍しい。今年はどんぐりのなる木が枯れてしまっている。余計エサにするものがないから、里に下りてくる」。猟友会などはクマを捕獲する罠とカメラを4台設置し、対策をしています。

(シカは軽自動車とぶつかって死亡:新潟)
新潟県燕市に現れたシカがその後、死体で見つかったが、読者からの情報によると、シカは8日に車とぶつかって死んだことがわかった。シカは10月30日に燕市蔵関地内などで目撃された。分水地区に向かったところまで関係者が確認したが、その後は行方がわからなくなっていた。11月9日に燕市分水地区、国上地内の大河津分水路右岸側、県道159号分水寺泊線の渡部橋-野積橋間で、死体で見つかった。読者によると死体が見つかった前日の8日、午後7時前に読者の友人が帰宅途中に反対車線の軽自動車がシカとぶつかるのに遭遇した。シカとぶつかった衝撃で軽自動車はボンネットがめくれ、友人が燕署に連絡した。読者は友人からその連絡を受け、現場へ写真を撮りに行った。また、読者によると、少し前にも長岡市・大河津小学校の近くでシカが死んでいたと言い、燕市にシカが現れたのは初めてだったが、いつ燕市までシカが行動範囲を広げてもおかしくない状況だったようだ。いずれにしろシカとぶつかった車が反対車線の車とぶつかるなどしたら、もっと大きな事故になった可能性があり、車が破損しただけですんだのは不幸中の幸いだったかもしれない。

(列車がシカと衝突:福岡)
JR九州によると、15日午前5時52分ごろ、福北ゆたか線城戸南蔵院前―筑前山手間で列車がシカと衝突した。同7時19分現在、同線で列車遅れが発生している。

(特急ソニックがイノシシと衝突:大分)
JR九州によると、12日午前5時54分ごろ、日豊線立石―西屋敷間で特急ソニック2号(大分午前5時18分発博多行き)がイノシシと衝突した。イノシシの撤去作業後にを車両点検を行い運転を再開したが同7時40分現在、鹿児島線小倉―博多間で遅れが出ている。

(クマ出没、わな周囲をうろつく:広島)
東広島市は8日、同市河内町小田でクマの出没情報があったと発表した。市農林水産課によると、7日午後6時ごろ、町猟友会有害鳥獣捕獲班の男性が、山中のわなに設置された監視カメラに、周囲をうろつくクマの姿が写っているのを確認した。8日午前、河内支所職員と町猟友会クマレンジャーが現場付近を調べたところ、クマの足跡が残っていたという。

(住宅近くに、体長1.5mの巨大ツキノワグマ:広島)
大きな体を起こし立っています。広島県東広島市で監視カメラが記録した体長およそ1.5メートルのツキノワグマです。10日と11日、合わせて4度、姿が映っていました。取材の後、4度目となる姿が映っていて、クマは立って柿を食べているようでした。市役所によれば、今年は去年よりも目撃される期間が長引いているといいます。東広島市農林水産課・法専信次郎課長補佐:「近年の温暖化などで山の食べるものがなくなって冬眠に入るタイミングを逸しているのか」。近くには住宅もあるため、市はクマが現れた周辺の柿の実を取り除くなど対策を取っています。

(クマの目撃情報相次ぐ:山梨)
12日から13日にかけ山梨県富士吉田市でクマの目撃が相次ぎ警察などで注意を呼び掛けている。13日午前8時半ごろ富士吉田市上吉田の県富士山科学研究所の東側の雑木林でクマ1頭が目撃された。クマの体長は1.7m~2mほどで成獣と見られている。富士吉田市内では12日も現場から100mほど離れた林の中でも親子とみられるクマ2頭が目撃されていて警察などで注意を呼び掛けている。

(今年も出た、ムクドリの群れ:鹿児島)
夕暮れになると市街地の街路樹などに集まるムクドリ。鳴き声やふん害に悩まされているという声が絶えない。姶良市では鉄塔をねぐらにする集団も現れた。この集団はなぜか10月末に姿を消したが、秋から冬は繁殖期を終えたムクドリが集団でねぐらをつくる時期。専門家は「対処療法で追い払うのでなく、鳥の生態を知り、共生する方法を考えるべきだ」と指摘する。ムクドリがねぐらにしていたのは、姶良市宮島町の九州電力送配電の変電所にある高さ約30メートルの鉄塔2基。市役所に近く、マンションなどもある住宅地だ。6月ごろから集まり始めた。鉄塔を管理する九電ハイテックは、送電線に影響ない範囲で、鉄塔の一部を市販の防鳥網で覆う対策をとったが、期待したほどの効果はなかった。夕方になると周囲に数百羽の鳴き声が響き、隣接する駐車場の車はふんまみれになった。10月末に群れは姿を消した。原因は分からない。鉄塔前の14階建てマンションの住民女性(61)は「一晩中鳴き声がうるさくて窓を開けられなかった。いなくなってほっとしたが、また戻ってくるのではないか」と心配する。長年、悩まされてきたのが鹿児島市のJR鹿児島中央駅周辺だ。市公園緑化課は9月、ねぐらの一つになっていた西口のカエデ4本を剪定(せんてい)。東口のクスノキに反射テープをつけたほか、10月はムクドリが止まりにくいよう枝を払った。同課は「クスノキはシンボルツリーなので、景観を残しつつ地道に取り組んでいく」。ムクドリは害虫を補食する益鳥で、本来は田畑を好む。里山の開発が進み、大木がある駅前広場や街路樹が連なる大通り、ビルの屋上など人工物にもねぐらが移っているとされる。全国でムクドリとの“いたちごっこ”は続いている。嫌がる音や光などを使って追い払う例もある。ただ、効果は限定的で「群れを分散させて被害を増やしている」との指摘もある。千葉県我孫子(あびこ)市は駅前に集まるムクドリを天敵のタカで追い出す一方、人が少ない湿地帯や河川敷へ生息場所を移す方法を検討している。同市環境経済部は「相手は生き物で簡単ではない。共生できる方向性を探っていきたい」と話す。都市鳥研究会(埼玉県)の越川重治副代表の話 繁殖を終えたムクドリは、ヒナを連れて8月末から9月にかけて北海道、東北方面から南へ移動し、10月ごろが南下のピークになる。本州ではかつては里山の防風林のケヤキをねぐらにしていたが、開発で居場所がなくなり、都市の街路樹をねぐらにするようになった。クスノキなどの常緑樹は葉が落ちないため、安全と学習して定着。そこを追い払われると、人工物の電線やビルなどをねぐらにしたりする。私の調査では追い払っても隣の駅や町に移っていた。広域的な対策が欠かせない。追い払うのではなく、人の少ない場所に移動させることも考えてもらいたい。ムクドリは大量発生しているように見えるが、都市以外では減っている。ムクドリが生態系の中で果たす役割を知ってもらい、敵対視せず、人と共生できるまちづくりが必要だ。

(住宅の畑に“クマの足跡”、警察が注意呼びかけ:北海道)
13日午前、札幌市西区の住宅街の畑でクマの足跡が発見されました。警察では周辺の住民に注意を呼びかけています。13日午前11時ごろ、札幌市西区山の手5条10丁目の住民から「畑に動物の足跡が見える」と警察に通報がありました。警察によると、住宅の庭にある畑に敷かれていた、黒いビニールシートにクマの足跡が確認されたということです。警察によると、クマの足跡の大きさは、縦およそ20センチ、幅が13センチくらいだったということです。畑の作物などに被害はありませんでした、警察では、付近をパトロールするなどして注意を呼びかけています。

(市街地でサル目撃相次ぐ:愛知)
愛知県小牧市の市街地で、野生のニホンザルが相次いで目撃され、市が会員制交流サイト(SNS)などで注意を呼び掛けている。市によると、最初の目撃情報は十月二十二日に東部地域であり、次第に市中心部がある西側で増えた。今月五日には、名鉄田県(たがた)神社前駅近くの神社の柵の上にいるのを市職員が発見。十二日にはさらに西側の住宅地に姿を現した。市には同日午後五時までに、同市横内や間々本町などで見たという通報が六件あった。同県犬山市の日本モンキーセンターによると、小牧市内や周辺にはニホンザルの群れは確認されておらず、遠方から一匹で来た可能性がある。目を合わせると、怒って向かってくる危険があるという。

(駅近くにサルの群れ:富山)
富山県黒部市の黒部峡谷鉄道の宇奈月駅近くで、サルの群れが木に登り、木の実や葉、樹皮などを食べて栄養を蓄えている。本格的な冬を前に、冬用の長い毛に覆われて冬支度を済ませたサルたちは、木から木へ器用に飛び移っていた。

(住宅の庭先にサル出没:栃木)
8日午後0時10分ごろ、那須塩原市鍋掛の住宅庭先にサルがいると、住民男性が110番した。那須塩原署によると、サル体長は約75センチで、庭をうろうろ歩いていた。周辺はは住宅地で、東に数百メートルの場所に日新中がある。同じサルを見たとみられる住民らから通報が数件あった。同所、会社員男性(44)は同日午前9時半ごろ、隣の家の庭でキウイを食べるサルに気付き写真を撮った。男性は「こんなところにサルが出るのは初めて。太って大きくて危険だと思った」と話した。

(駅前などで猿の目撃相次ぐ:長野)
長野市の長野駅前などで6日午後、ニホンザルの目撃が相次いだ。けが人はいない。長野中央署は、見ても近寄らないよう注意を呼び掛けている。同署や市によると、午後0時20分ごろ、長野市北石堂町のショッピングプラザ「アゲイン」近くに猿1匹がいる―と通行人から市に通報があった。午後1時50分ごろに長野駅ビル「MIDORI長野」周辺、午後4時10分ごろには同市大豆島小学校周辺でも目撃された。同署員らが捜索したが、猿は見つかっていない。市いのしか対策課によると、目撃されたのはいずれも1匹で、同じ個体の可能性もある。

(狩猟の心得、後世に:神奈川)
公益社団法人 神奈川県猟友会厚木支部の支部長を務める 安藤 忠幸さん。狩猟シーズン(11月15日~2月28日)の解禁を前に、何よりも強くハンターの無事故を願う。狩猟中は誤射はもとより、険しい山道からの滑落など、不注意が命に関わるケースも少なくない。「無事故なら獲物は獲れなくても良い」。51年のベテランは狩猟の酸いも甘いも知る。「健康のために野山をゆっくり歩きながら」と、飯山地区や荻野地区でシカやイノシシを追いかける。猟友会は、行政の依頼で2003年からシカの管理捕獲に取り組み、JAからの要請でイノシシやサルなどの有害鳥獣駆除にもあたっている。植生の回復や農作物被害の防止という目的とはいえ、周囲への理解が進まず「当時は何をやっても苦しかった」と振り返る。続けて「今はお礼を言われるようになった。少しは社会の役に立てているのかな」と足元を見つめる。生まれも育ちも厚木市。ハンターとして立ち振る舞う友人の父に憧れて、二十歳で猟銃を握ると、瞬く間に「同じ場面が二度とない」という狩猟の魅力に引き込まれた。家族は妻と2人の娘、5匹の犬。夫婦仲について水を向けると「猟銃を所持するには夫婦円満が絶対条件なんだ」と切り出し、「あとは言わせないで」と照れ隠し。会員の減少と高齢化が進んでいたが、ジビエブームの追い風を受けて狩猟に興味を持つ20~30代の入会者が増えている。県内猟友会全体で初心者向け講座を開いて門戸を広げ、講師の一人として受講生に向き合う。講習会では、少しの不注意が大きな事故につながるとして気が緩めば叱ることも。また命をいただく意味を伝ようと、捕獲から料理になるまでの過程も惜しみなく披露する。「獲ったら食え、食わない命は獲るな」をハンターの使命と心得る。

(ジビエで中山間地活性化へ:埼玉)
埼玉県飯能市内で害獣として捕獲されたニホンジカの命をつなごうと立ち上がったのは、飯能ジビエールプロジェクト代表の遠藤拓耶さんだ。妻の望さんと、本来なら焼却処分される鹿を利活用し、犬用おやつを製造する。害獣被害を受ける農家の支援とともに「鹿の命を循環させる手伝いをしたい」と、サラリーマンの傍ら、地域へ目を向ける。プロジェクト第1弾として5月に立ち上げたのが「飯能ジビエール加工所」だ。鹿をわな猟で捕獲、解体し、犬用ジャーキーに加工する。使う鹿はあくまでも有害捕獲されたものだけだ。森林面積が全体の70%以上を占める飯能市では、有害鳥獣による被害に悩まされる農家が多い。遠藤さんも2017年に移住して構えた新居の畑で、サツマイモの若葉を鹿に食べられた。「農家は甚大な被害に遭っている」と実感し、わな猟免許を取得。市職員で構成される「市鳥獣被害対策隊」の手伝いも始めた。そこで知ったのは捕獲された鹿が焼却処分されているということ。「命を粗末にしてはいけない」と活用方法を模索していたところ、犬のエサとしてニーズがあることを知った。鹿肉は低カロリーなのにたんぱく質などの栄養が豊富。人用では2~3割しか利活用できないが、犬用なら鹿肉の9割ほどが使えると製造を始めた。これまでに解体したのは100頭近く。それでも処分することに対して「葛藤もある」。宮城県出身で、子どもの頃には犬やモルモットを飼っていたという動物好き。「命を奪うことに慣れてはだめ」と、その重みを心に刻みながら狩猟する。プロジェクト名の「ジビエール」はジビエ(野生鳥獣肉)とエール(応援)を掛け合わせた言葉で、「ジビエを活用して中山間地域を盛り上げたい」という意味を込めている。今後はレストランでの提供に向けて解体処理施設の設立や、首都圏に住むハンターの受け皿として、空き家を活用した民泊施設の運営も目指していく。

(自然の恵み、振る舞う:福岡)
みやこ町犀川生立の農林産物直売所「よってこ四季犀館」で7日、地元産の食材を使ったイノシシ汁と新米の試食イベントがあり、訪れた家族連れらが地元の自然の恵みを味わった。町内で捕獲、加工された野生鳥獣肉(ジビエ)や地産の旬の農産品のおいしさをアピールしようと四季犀館が企画。

(「鳥獣を資源に」ジビエを通じてSDGs:大分)
TOSでは国連が定めた「持続可能な開発目標」SDGsの理念に賛同し「SDGs宣言」を発表した。これからニュースの中で県内で行われている様々なSDGsの取り組みをお伝えしていく。9日は17の目標のうち、2番の「飢餓をゼロに」、そして15番の「陸の豊かさも守ろう」に取り組む宇佐市の食肉加工会社を取材した。商品お皿に盛られた美味しそうなハンバーグやソーセージ。全てシカやイノシシの肉、ジビエで作られている。製造しているのは宇佐市院内町の「安心院ソーセージ宇佐ジビエファクトリー」。県内で捕獲されたシカやイノシシの肉を加工し、およそ10種類の商品を作っている。木や田畑を荒らすシカやイノシシを駆除し、その肉を使うジビエの商品。森林や農地の荒廃を防ぐというSDGsの15番、「陸の豊かさを守る」取り組みの1つだ。◆製造部責任者 木付翔太さん「意外と美味しいんだね。イメージは臭いと思っているけど食べてみるとそんなに癖があるわけじゃない。自然と箸が止まらないという意見が多い」。この会社がジビエ商品の製造を始めたのは3年前。地域の人たちが鳥獣被害に悩んでいたことがきっかけだった。県によると、県内の鳥獣被害の額は減少傾向にあり、2020年度は1億6500万円だった。一方でシカとイノシシの捕獲頭数は増加傾向にあり、2017年度の7万頭は全国でも北海道に次ぐ2位の多さで、その後も増え続けている。捕獲された鳥獣は多くが廃棄されていたが、こちらの会社では資源として捉え、有効活用をしようとジビエ商品の製造を始めた。ほとんどの商品は添加物がゼロ。ジビエの独特の味や臭いを出さないために性別や体の大きさなどの規格を設けているという。また、SDGsの2番、「飢餓をゼロに」に向けて学校給食や子ども食堂へ商品を提供しているということ。◆製造部責任者 木付翔太さん「子ども食堂や学校給食にもどんどん量を出せるようにそして害獣駆除の頭数をもっと増やしてうちで処理する頭数を増やしてけば。豊かな森になるかと思うので増やしていこうと思う」。ジビエを通してSDGsに取り組む「安心院ソーセージ宇佐ジビエファクトリー」。今後も味の魅力はもちろん、その意義も発信し地域に貢献していきたいと意気込んでいる。

(国産ジビエの普及に取り組む移住者の挑戦:香川)
狩猟で捕えたシカやイノシシ、鴨など、食材として使われる野生鳥獣をさす「ジビエ」。海外では秋から冬のごちそうとして知られている。いまや都会のフレンチだけではなく、日本各地の里山でもメニューに掲げるところが増えてきた。香川県東かがわ市の山間地にある集落、五名(ごみょう)。カフェと産直施設の「五名ふるさとの家」でも、地域で捕獲されたイノシシやシカ肉を使った定食が食べられる。「五名ふるさとの家」は、地元の人の交流拠点であり、地域で唯一の食堂だ。そこでジビエのおいしさや魅力を伝えようと奮闘している人がいる。五名ふるさとの家の店長、飯村大吾さんだ。いっしょに店を切り盛りするのは、妻の遊宇(ゆう)さんと、上田亜哉人(あやと)さん。なんと3人は高校時代の同級生。実に仲がいい。数年前から、全国の中山間地域でイノシシやシカなどによる害獣被害が深刻な問題になっている。最近では都会に出没するニュースも珍しくない。農林水産省の資料によれば、ニホンジカの推定個体頭数は2015年までの25年間に約10倍、イノシシは同3倍に増えているという。理由は温暖化による積雪量の減少や造成地の拡大、狩猟人口の減少など、さまざまだ。全国の農作物被害額はここ数年160億円前後を推移。そこで国は害獣駆除を推進し、2019年から「ジビエ」としての消費拡大を推進し始めた。しかし、ジビエとして食用に使われるのは捕獲した害獣の約1割。残りは埋められたり焼却処分されたり、まだまだ有効に活用されていないのが現実だ。五名ふるさと家の店長、飯村さんは沖縄生まれの北海道育ち。北海道の美術工芸高校を卒業して、18歳から3年間、障害者施設で介護の仕事をしていた。21歳のとき、のちに妻となる遊宇さんとともに、ヒッチハイクで全国を旅するバックパッカーに。北海道から東北、小笠原、四国や九州、沖縄……、途中でバイトをしながらひたすら南下して日本の最南端、波照間島へと渡り歩いた。その後、二人がしばらく暮らしたのは、波照間島のとなりの西表島。農家民宿で働きながら1年間暮らした。「その農家民宿で初めて狩猟と出会いました。罠を仕掛けて、生け捕りで連れ帰って自分たちでさばくんです。そして1日1組のお客様に提供する。これにものすごくハマりました」。このときから、狩猟とジビエに興味をもつようになったそうだ。その後、二人はドイツを中心にヨーロッパに約2か月滞在。ドイツでは、狩猟や林業、コーヒー文化やエコな生活などを経験した。「何もかも詰まっている、そんな印象を受けました。さらに印象的だったのはイノシシやシカなど、ジビエ料理が高級なイメージで人々に食されていたこと。本当においしかったんです」。帰国が近づいたころには、そろそろ日本での定住先を考え始めた二人。「日本食で食べたいものは何かと考えたら、うどん、おでん、いなり(寿司)。これが無性に食べたくなりましてね。この3つがそろうのは香川しかない! と香川に来たわけです」。最初の全国横断の旅で香川県の高松市に滞在したこともあり、知り合いが何人かいた。人づてにたどり着いた五名の地。21歳で北海道を出てから約5年。日本各地や海外を見てきた二人が、26歳でようやく住民票を移す先を決めた。仕事や住む場所は地域のリーダー的な方が世話をしてくれたおかげで、県の森林林業協会の林業研修生として仕事に就くことができた。森林整備や薪づくり、炭づくりなどとともに、林業の一環として害獣駆除を目的とした狩猟にも参加した。「イノシシの解体をかなりやらせてもらいました。こういう仕事に就けたのは、本当にうれしかったですね」。林業研修生としての2年半の任期が終了する2019年3月。その年の7月にオープンが迫っていた「五名ふるさとの家」には、まだ店長がいなかった。「ぼくやります!」と手を挙げた飯村さん。林業研修生として活動してきたことが、この店で活かせると考えた。「狩猟から解体して肉にし、調理して客に提供する。肉の販売や配達もする」。店でやるべきことのイメージが自分のなかで明確に描けていた。料理人としての経験はなかったが、農家民宿での手伝い経験や、食べたり料理したりするのは好きだったという。そして何より、五名のイノシシ肉のおいしさに惚れ込んでいた。「五名に来たときに食べさせてもらったイノシシ肉のバーベキューと自然薯のおいしさが忘れられない。こういう感動をたくさんの人に伝えたい」。店のオープンからおよそ2年半。最近は、飲食店からのイノシシやシカ肉の注文も増えてきた。時間をみつけては、地域の飲食関係者や気になる取り組みをしている人たちとの情報交換にも積極的だ。「イノシシやシカの解体と一貫して、調理や加工、販売までしっかりつなげる。ジビエに対する理解を深め、ファンを増やしていきたいです。そして、五名に移住者が増えるようにしたい」。迎え入れてもらった側から今度は迎える側へ。ジビエの消費拡大と地域の発展のためにできることを考えながら、今日も飯村店長は店に立つ。

(「体験型観光ツアー」この秋おすすめのプラン:京都)
ここだけの自然、食、人との交流を通じて、まだ見ぬ自分と出会う体験を!京都府北部の丹波にある、明智光秀ゆかりの地・福知山市では、地域の人々と交流したり暮らしに触れながら観光する「体験型観光」が20種類以上楽しめます! 今回は、爽やかな風吹くこの秋におすすめの3メニューをご紹介します。 11月15日狩猟解禁に伴い11月16日から再開する「リアル狩猟体験」など、数多くの体験メニューは、HP「北色」からお申し込みができます。リアル狩猟体験&絶品ジビエフレンチ堪能ツアー。狩猟歴20年のジビエハンターから鳥獣被害の現状について学んだうえで、実際に一緒に山へ入り、鹿を狩猟する様子から、その後の解体、加工の過程までを見学します。さらに、精肉したばかりの鹿肉は、福知山の本格フレンチレストラン「ビストロq」のシェフが調理。シェフが自身の畑で育てた旬の野菜とともに滋味深いフレンチのコースに仕上げます。「環境を守ること、命をいただくこと」を実体験する特別なプランです。

(高校で鹿肉解体や調理を学ぶ体験講座:長野)
飯田市上郷飯沼の飯田女子高校で6日、鹿肉の解体から調理までを学ぶ体験講座が開かれた。生徒31人が参加。猟師で飯伊森林組合東部支所の益山勝人さん(44)が来校し、飯田下伊那地域の鳥獣捕獲頭数の実態や、食べること、命の大切さについて教えた。キャリア教育の一環で行う「変な大人に出会う企画」の11弾。生徒たちの視野を広げ、内発的動機付けによって学習意欲を高めようと、地域で活躍する「アツい」思いを持つ大人たちを招き、話を聞いている。前半は「命をいただく」をテーマに講義。益山さんは自身の活動を紹介しながら「命をいただくということは、命をつなぐこと」と説明。「お金で買えることが当たり前と思わないで」「命が循環する社会への取り組みを皆で考えていこう」などと呼び掛けた。後半は、益山さんが同市南信濃の山中で捕獲したというオス鹿の解体に挑戦した。代表生徒が包丁で皮をはぎ、ブロック肉を取り出した。事前に用意してあったみそやしょうゆで下味をつけて調理し、丼にして味わった。女子生徒らは「思ったより獣臭くなく、食感は牛肉に似ている」、「過程を知って、命の大切さを改めて感じられた。味わって食べたい」と話していた。益山さんは「想像以上に率先して取り組んでくれてうれしかった」とし「食べ物に感謝すること、飯伊地域の鳥獣捕獲の現状など、今日学んだことを自分の子どもや次世代に引き継いでいってほしい」と話していた。

(東北の魅力を知って・学んで・味わうオンラインの旅:岩手)
立命館災害復興支援室と、株式会社ポケットマルシェ(本社:岩手県花巻市、代表取締役:高橋博之)が運営する東北の農家・漁師の姿を伝え続ける「東北食べる通信」は、立命館関係者をはじめ一般の方を対象に、第5回「0泊2時間 東北食べるツアー ~生産者と語ろう~」(以下、東北食べるツアー)を、12月18日にオンラインで開催いたします。東北自慢の食材を自宅に届け、現地の生産者とオンラインでつなぎ、東日本大震災から10年が経った東北の今を、知って・学んで・味わう全6回のイベント。これまでのべ77人の学生や保護者、校友、一般の方が参加。第5回は「鹿肉」。岩手県大槌町の猟師・兼澤幸男(かねさわゆきお)さんがゲスト。現地の「人」と「食」の魅力を体験し、復興を目指すまちや人々をより身近に感じ、気づきを得てもらう機会に。

(鳥獣被害解決へ、大学発ベンチャーが株式型クラウドファンディングに:新潟)
生態学のバックグラウンドを持つ大学発ベンチャー、株式会社うぃるこ(新潟県長岡市)は11月13日、株式型クラウドファンディングによる投資申込みの受付を開始。鳥獣被害による年間158億円にものぼる農業被害の解決をめざす。同社は、野生動物と人間との共存をビジョンに掲げて鳥獣被害対策を支援するコンサルティング会社で、2018年に新潟県長岡市で設立された。大学院で生態学を学び、また狩猟やドローンのスキルを持つ若いメンバーが揃っている。年間158億円にものぼる野生動物による農業被害を主なターゲットとしながら、近年急激に増加している市街地への出没や発電設備へのダメージなど人命や社会インフラに関わる野生動物との課題に向き合っている。同社の事業は、中山間地域において人間が野生動物と共存していくために必要な人、環境、動物の3つの視点で対策を実施。自治体と地域住民が正しい知識をもとに行動できれば、野生動物との共存は難しくないと考え、地域に入り込み、自治体と集落の人々が合意形成を通じて正しく行動できるよう継続的に支援している。増大する市場ニーズに対応するため2020年度には従業員を4人から7人に増員し、事業規模も昨年度比で1.8倍まで増加する見込みで、クラウドファンディングでは一層のチャレンジを可能とするための資本増強をめざす。

(ニホンジカ有効活用、自然資源として「衣・食・住」:兵庫)
メリケンヘッドクォーターズ(神戸市)は国内の農林業に多大な被害を及ぼし、やむを得ず捕獲された野生ニホンジカを有効活用する事業に取り組んでいる。貴重な自然資源として「衣・食・住」の分野で商品、サービスを展開する。同社では“ひと・もの・世代をつなぐ循環線としての役割を果たす”を企業コンセプトに事業展開している。入舩(いりふね)郁也社長は「捕獲されたニホンジカの命を無駄にすることなく、まるごと一頭有効活用したい」と衣類としての革素材を開発。バッグやシューズなど服飾雑貨を販売している。食では鹿肉料理専門店「鹿鳴茶流 入舩」を神戸・元町で運営。住では廃棄されていた鹿骨を食器や酒器、テーブルウエアとして商品開発し販売している。北区梅田の阪急うめだ本店(大阪市北区)で2日まで展示販売していた。バックやシューズ、服飾をはじめ冷蔵ケース内の鹿肉、野生ジカの骨灰を使用して焼き上げたテーブルウエアなどが並んだ。

(フレンチシェフ直伝ジビエ料理教室とコース料理付きイベント:兵庫)
バリューマネジメント株式会社(本社:大阪府大阪市、代表:他力野 淳)が運営するVMG HOTELS & UNIQUE VENUESは、兵庫県丹波篠山の邸宅を改修したホテル「福住宿場町ホテルNIPPONIA」のレストラン「ルアン」にて、1日限定の「コース料理付きジビエ料理教室」を開催することとなりましたのでお知らせします。京都と兵庫を結ぶ宿場町として栄えた福住。山々に囲まれた盆地のため朝晩の寒暖差が激しく、秋から冬にかけては濃い霧が立ち「丹波霧」と呼ばれ名物にもなっております。その寒暖差を利用して生産される「丹波松茸」や「黒大豆」「丹波栗」などは、全国的に名高いものばかり。特に、山々で育つ猪や鹿などのジビエも品質が高く、秋冬の味覚シーズンには口福な味わいを求める人々で賑わいを見せます。美食の宝庫”丹波篠山”の歴史ある建物を舞台に、フレンチのシェフから直接ジビエ料理を学ぶ1日限りのスペシャルイベントを開催。コロナ禍で自炊の機会が増え、「自宅ジビエ」にハマる方も増えているというジビエ料理。「興味はあるけど、自分で料理するのは難しそう」「プロに料理を教わりたい」という方に、当レストランのシェフが正しいジビエの料理法をお教えいたします。お子様も参加可能なので、食育体験にもおすすめです。体験教室の後は、ジビエを使ったコース料理に舌鼓。丹波篠山の土壌や気候を生かして育った新鮮な食材を、シェフがオープンキッチンで調理。シェフの手さばきと漂う香りを感じながら、目にも舌にも美味しい繊細なお料理をお楽しみください。

(がんと闘いながら人気ジビエカフェ営む女性の願い:愛知)
愛知県豊田市の山里に、鹿などを使ったジビエ料理が人気のカフェがあります。3年前にこの地に移住してきた49歳の女性店主は、猪の被害に苦しむ農家のために狩猟免許を取り、獣害駆除を始めました。「とった命は無駄にしない…」、女性は自らが狩った野生動物を解体し、自分の店以外にも出荷しています。愛知県豊田市足助地区の山間にある「山里カフェ Mui(ムイ)」。朝8時、奥の厨房ではオーナーの清水潤子さん(49)がランチの仕込みをしていました。清水さん: 「有害駆除でとっているモノを使っているので、どうしても鹿が多くなってしまうんですけど。狩猟期になると、もっといろんな種類のお肉がでてきます」。店のジビエ料理の食材のほとんどは、清水さんが狩ったものです。清水さんがジビエ料理専門のカフェをオープンしたきっかけは、狩猟された猪や鹿の9割が廃棄されていることを知ったことでした。清水さん:「なんとかできないかなって…。人間の都合で“有害・駆除”って話じゃないですか。とって捨てるんじゃなくて、生きてきた証じゃないけど、無駄にせずにきちんと食べてあげる事こそがいいのかなと思っています」。清水さんは、自ら狩った命を美味しく頂くことをこのカフェで実現させました。7年前に猟師の免許を取得し、今では年間100頭以上の動物を狩猟しています。15年前まで介護士として働いていた清水さんは、友人の紹介で出会った夫と34歳の時に結婚。そして3年前に、刈谷市から豊田市の足助地区に移住してきました。猟師となったきっかけは、“お米作り体験”でした。清水さん:「足助の地主さんが、猪の被害にすごく困っていて。(米作り体験中に)猪が走ったんですよ。『とってくれや』と言われて、“やらなきゃ”ってふっと(腑に)落ちた」。愛知県の野生動物による農作物被害は、昨年度で4億5千万円以上にものぼります。動物たちがエサを求め、山から下りてくるケースが主ですが、最近では農業従事者が減ったことにより、同じ田畑が何度も狙われるケースも増えているといいます。そんな農作物被害に苦しむ人たちの現状を知り、清水さんは猟師の道へ入りました。午後5時。お店を出た清水さんが向かった先は、カフェの隣にあるプレハブ。清水さんは、ここで自らとった獲物を解体し精肉しています。清水さん:「許可を取る時に、普通は猪、鹿と許可個体を書くんですけど、私はカラスとかヌートリアとかを書いたのでビックリされていました。食べられるものという自分なりの線引きで書きました」。猪や鹿の他にも、アライグマやハクビシンなど30種類以上を申請。解体し精肉し、自らの店以外にも愛知県内の約10店舗のレストランに卸しています。自宅前に精肉施設を作ったのには、理由がありました。清水さん:「捕獲してから1時間以内に解体所に運んだものしか、食肉として利用できない。廃棄率を下げるには、とった時に自分の都合で運べる所(精肉施設)って、自分が作るのが一番いい」。清水さんは、とってから1時間以内にさばくことで、臭みも無く、鮮度が良い美味しい肉に仕上げています。また、解体で出た骨は、飼っている猟犬のエサに。狩りで得たものは、一つとして無駄にしません。足助地区でできた友人も、清水さんのこうした活動に共感しています。清水さんのこうした今の暮らしがあるのは、もう一つ大きな出来事があったからでした。清水さん:「縁があって、主人と結婚して、その時に病気になったのをきっかけに、仕事を辞めたんですね」。清水さん、34歳の時に末期ガンで余命3か月と宣告されました。そんな時、夫の勧めでお米作り体験や丸太小屋作りなどの自然に触れる体験を毎週のように行いました。すると、奇跡的に症状が回復していったのです。清水さん:「お医者さんも『謎なんだよね』。抗がん剤治療はやったんですけど、そこから劇的に回復しているので。嫌な事はやらなかったからかなと思っています。やっぱり自分の(命の)期間が一回区切られたから、出来る時に出来る事をやろうみたいな…」。「出来る時に出来る事をやる」。そんなシンプルな生き方を選びました。清水さんは、ガンと今も闘いながら、猟師とカフェを通して奪った命を大切にいただく毎日を送っています。「猟師は、日本の文化のため残すべきだが、農家さんを困らせる有害駆除は無くなってほしい」。清水さんの願いです。

(「ジビエを食べて地域と繋がる@丸の内ハウス」開催:東京)
三菱地所株式会社が運営する新丸ビル7階の飲食店ゾーン「丸の内ハウス」では、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)を舞台に、SDGs達成に向けた多様な活動を推進する「大丸有SDGs ACT5実行委員会」主催により、2021年11月22日(月)~12月5日(日)の期間、ジビエを使用した様々なジャンルのお料理を提供する「ジビエを食べて地域と繋がる@丸の内ハウス」を開催いたします。本企画では、厚生労働省が策定したガイドラインを遵守し、尚且つ農林水産省が 制定した「国産ジビエ認証」を取得した食肉処理施設だけが集う直売WEBサイト 「ザ ジビエ」が提供する、安全・安心な国産ジビエを使ったメニューを展開します。鹿肉の最上部位のロース肉をしっとりと焼き上げたグリルや牡丹鍋といったジビエの王道料理から、スパイスを使って食材の持つ肉本来のうまみを引き出した麻辣煮込みやカレー、クリームチーズと鹿のしぐれ煮を合わせたカナッペなどのお酒のおつまみにぴったりのメニューまで、丸の内ハウスにお店を構える9店舗それぞれの個性に溢れたオリジナルメニューをお楽しみいただけます。

(大槌町が生んだ、コラボレーション:岩手)
認定NPO法人テラ・ルネッサンス(所在地:京都府京都市 理事長:小川真吾)が運営する「大槌刺し子」は、鹿肉の食肉加工を手がけるMOMIJI株式会社(所在地:岩手県上閉伊郡大槌町 代表:兼澤幸男)と、大槌町産の鹿革(ジビエレザー)を使用したコラボレーションアイテムを製作。2021年11月19日(金)より、大槌町ふるさと納税返礼品として、順次取り扱いを開始します。「害獣」を「まちの財産に」をビジョンに掲げ、岩手県大槌町において社会課題の一つである鳥獣被害の問題に取り組むMOMIJI株式会社と「おおつちを元気にする」、「手仕事の価値を伝える」ことを目的に事業を展開する大槌刺し子。「大槌町の財産を増やしたい!」との共通の想いから、大槌町の事業者によるコラボレーションが実現しました。商品は、ポーチとショルダーバッグの2アイテム。いずれの商品もMOMIJI株式会社の代表兼ハンターの兼澤幸男氏によって捕獲されたジビエレザーを使用し、大槌刺し子の職人の手によってひと針、ひと針、刺し子を施しています。岩手県大槌町では、これまで原発事故の影響で、野生動物の食用が認められず、捕獲された鹿は全て焼却処分されていました。そんな状況に、兼澤代表は心を痛め、「奪った命をきちんと活用したい」との想いから、鹿肉の食肉加工事業を展開。食肉だけでなく、鹿の命に感謝し、なるべく余すところなく活用したいとの想いに、大槌刺し子も賛同し、試作を重ね、誕生した商品です。商品開発を担った大槌刺し子スタッフの黒澤かおりは、「近年、大槌町では町中でも鹿を見かけるようになりました。害獣として鹿を殺処分してしまうことは心苦しいですが、奪った命を大切に使いたいと思い、商品開発を行いました。ジビエレザーは柔らかく優しい肌触りです。ぜひ、一度は失ってしまった生命に新しい息吹を吹き込んだ商品を多くの人に手にとっていただきたいと思います」と話します。これらの商品は大槌町の「ふるさと納税」の返礼品としての取り扱いとなります。ふるさと納税を通じて、大槌町の復興やまちづくりにも貢献する機会になります。詳しくは、ふるさと納税ポータルサイトを御覧ください。ぜひ、この機会にご活用ください。

(ぐるなびがジビエに注力)
グルメ情報サイトのぐるなびが、ジビエのPR活動に注力する。2021年11月1日から開催中の「全国ジビエフェア」の事業実施主体となり、ジビエの新規取扱店の獲得や消費者への訴求を目指す。背景には、コロナ後の少人数での外食シーンにおいて、ジビエが浸透しやすい傾向がある。新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向となり、復活の兆しが見えてきた外食産業。2021年11月からは、飲食店に対する営業時間の短縮要請も全都道府県で解除となり、今後は外食需要の増加が期待される。その中でも、最初に回復していくと予想されるのが「少人数での外食」だ。飲食店情報サイトのぐるなびの消費者調査によると、21年7月に飲食店に入った予約のうち、86.7%が4名以下のものだった。ワクチン接種後やコロナが収束しつつあるこの時期は、まず同居している家族や近所の友人と一緒に、外食を希望する人が多いという。同調査では、少人数での外食シーンにおいて、「自分好みの料理や食材」「家庭では味わえない体験」を求める人が多いことも判明。定番の料理や飲み放題の種類が多いことよりも、特別感を重視する傾向にあった。こうした消費者のニーズの変化を受け、ぐるなびが着目したのがジビエだ。ジビエとは「狩猟で得た野生鳥獣肉」を意味するフランス語で、シカやイノシシ、カモなどを使った料理は日本でも広く知られている。同社が21年1月に行った調査によると、ジビエは消費者からのニーズが高い割に、取り扱う飲食店が少ないという結果が出た。ジビエを「今後食べてみたい」と63.4%の消費者が回答したのに対し、全体の飲食店の64.0%がジビエを取り扱っていないという現状が見られた。感染者数が抑制されている現時点では、非日常感のある外食を求める消費者のトレンドも後押しし、ジビエは浸透しやすい傾向にあると言える。飲食店情報サイトのぐるなびにとって、飲食店にジビエの導入を促し、取扱店舗の情報を消費者に提供できればメリットは大きい。そこでぐるなびは、ジビエで外食産業を活性化させるため、21年11月1日から行われている「全国ジビエフェア」の事業実施主体となった。全国ジビエフェアとは、農林水産省が全国的なジビエの認知向上・普及・需要拡大を目的として行っている取り組みで、ジビエを提供する飲食店や小売店、宿泊施設などの情報をPRする活動だ。ぐるなびコーポレート部門 広報グループ長の増田佳子氏によると、同社が全国ジビエフェアに応募する形で、今回の参加が実現したとのこと。「当社は全国に20カ所ほど営業拠点があり、飲食店とのネットワークもあるので、ジビエを広げられる可能性がある。まず飲食店に取り扱い方を知ってもらいハードルを下げていただければ、より一般の方にも普及していくと思う」(増田氏)。増田氏が語るように今回の事業では、飲食店を中心とした提供側と、消費者側の両方にジビエを訴求していく。飲食店に向けては、取り扱いが簡単で、ハードルが低いことをアピール。全国ジビエフェアの特設サイト内では、参加店舗の情報を発信するだけではなく、ジビエの仕入れや調理方法、レシピなどをまとめたセミナー動画を掲載した。「飲食店側のアンケート結果だと、(自分の)お店の料理に合わないという先入観もあった。和・洋・中、いろんなジャンルで提供できると知っていただくことで、考えが変わるきっかけになる」(増田氏)。店舗に従来あったメニューにプラスして、手軽にジビエ料理を提供することを勧める。こうした取り組みによりメニューのラインアップが増えることで、消費者の来店動機や満足度向上も期待できるとみる。21年7月に行われた同社の消費者アンケートでは、「フェアや新商品、期間限定メニューを目的に飲食店へ行く」と回答した人は63.7%。ランチで通っているお店を対象にした場合では、93.5%が「新商品や期間限定メニューを注文したい」という結果となった。消費者に向けては、大きく2つの点からジビエの消費を促す。1つはジビエが健康や美容に良い点、もう1つはジビエの消費が社会貢献になる点だ。厳しい環境で育っている野生の鳥獣は、牛や豚などの家畜に比べ、ヘルシーなうえ栄養価が高い。高タンパクで低脂肪、鉄や亜鉛などのミネラルやビタミンB群が豊富だ。健康や美容に良い利点も併せて伝えることで、「若い方も含めて認知が広がるのでは」と増田氏。コロナ禍による健康意識の高まりも、ジビエの推進活動にとっては追い風になる。また、ジビエを食べることは、野生鳥獣による農村や漁村の被害を抑えることにもつながる。農林水産省の19年度のデータによると、捕獲した鳥獣がジビエとして利用されているのは、捕獲頭数の約1割にとどまるという。ジビエの消費量が増えることで、地域の所得や捕獲意欲が向上し、農作物の被害額や生活環境の改善が期待できるわけだ。消費者がジビエ料理を楽しむことが、自然と地域貢献や循環型社会の実現に結びつく。こうしたエシカルな側面や背景も伝えることで、ジビエを消費することの社会的意義や魅力を発信していく。21年10月27日に行われた「全国ジビエフェア記者発表会」では、同フェスに参加している店舗の情報や思いを発信した。参加店舗もジビエを消費することのサステナブルな視点からの説明や、ジビエ料理の商品背景も併せて、消費者に訴求していく方針だ。参加企業の1つで、首都圏に140店舗を展開する総合フードサービス事業のラムラは、「持続可能な観点から考えて、イノシシ、シカというジビエ食材だけでなく、被害を受けている農作物にも着目して、地域の野菜やワインを取り込んだメニューを紹介していきたい」と発言。星野リゾートが運営するグランピング施設の星のや富士は、「農林業への被害が深刻化している中、ジビエだけでなく、季節ごとに旬の食材を組み合わせたコース料理を提供している。基本的に鹿肉は内臓以外全て使用している。骨や歯材なども加工品として全て使うことを大事にしている」と語った。消費者、飲食店、生産者の各方面に恩恵が生まれるよう、ジビエのPR活動に注力するぐるなび。プレオープン段階の21年10月26日時点で、すでに1123店舗から申し込みがあったという(同社が参加していない20年度の最終的な参加店舗数は1143)。自社の発信力とジビエの需要を生かし、コロナ後の外食産業を盛り上げることができるか注目だ。

(社食でジビエ料理:愛知)
配電盤大手の河村電器産業(愛知県瀬戸市)は、12月から本社や工場の社員食堂でジビエ(野生鳥獣肉)料理を提供する。鹿肉のコロッケや唐揚げなどのメニューを予定する。一般社団法人日本ジビエ振興協会によると、農林水産省の衛生基準を満たしたジビエ肉を社食に導入する企業は愛知県内で初めてという。農作物に被害を加える鳥獣の多くは捕獲後に廃棄されている。農水省によると2020年度に捕獲された野生の猪と鹿は約135万頭で、そのうち食肉用などに活用されたのは約1割にとどまっている。

(ジビエを食べないと人生損しちゃう:東京)
ここ数年、ジビエを提供する店が増えています。今月1日からは、国産ジビエの利用促進と消費者にジビエの魅力を伝えるイベントとして、「全国ジビエフェア」が開催されています。東京・日本橋人形町にある「あまからくまから」もフェアに参加している店舗の1つ。旬にあわせてジビエを提供する専門店です。同店を訪れる方の中には、「ジビエってこんなにおいしいの!?」と衝撃を受ける人が後を絶ちません。店では、さまざまなジビエが用意され、フルーティーな香りのするイノシシやしっとりした肉質の夏のシカなど、食べた人をトリコにするメニューがずらり。他にもエゾシカやツキノワグマ、キジなど、日本各地の隠れたジビエを発掘しているのが、店主の林育夫さんです。林さんがジビエと出会ったのは、今から10年近く前。当時、店は居酒屋で、長野の農家から野菜を送ってもらっていました。冬は雪が降って野菜が取れないため、シカ肉が送られてくるのが毎冬の恒例でした。そんなあるとき、「すごくいいイノシシが捕れたから」と送られてきました。林さんはイノシシに対して「硬くておいしくない」というイメージを持っていましたが、鍋料理にしてみたところ驚くほどのおいしさ。お客さんに出すと反響が大きく、年明けになって「また食べたい」と来店する客が相次ぎました。「長年、飲食店をやっていましたが、そんな経験は初めてでした」と、当時を振り返ります。お客さんの期待に応えようと、林さんは再びイノシシを注文しましたが、次にやってきたイノシシはそれほど感動の味ではありません。理由を探ると、年を越すと雪が多くなるため猟師が狩りができなくなることから捕獲量が減ります。またオスは発情期を迎え、肉質が変わってくるせいだとわかりました。ジビエは1年の間でも旬があったのです。それは旬の時期がわかればおいしい肉に出会えるということでもあり、林さんは、居酒屋をジビエ専門店にすることを決めました。冬に食べるイメージが強いジビエですが、夏や秋に旬を迎えるものもあります。例えば、本州に生息するシカのオスは秋に発情期が訪れるため、夏は精力を蓄えている状態。赤身の間に脂身が蓄えられ、しっとりとした味わいがあります。それでいて、脂の融点が高いため、体に吸収されにくいヘルシーな食材。「ジビエの多くは高タンパクで低脂肪なうえにミネラルなどの栄養分がしっかりあるので、女性におすすめです」と林さん。アスリートにも人気が高いそうです。林さんが発掘したジビエのなかでも、珍しいのが広島の生口島(いくちじま)で捕れる「みかん猪(いのしし)」。辺り一帯で育つミカンが大好物で、脂身がうっすらオレンジ色をしているのが特徴です。みかん猪からは、「ミカンの風味がする」というお客さんもいるほど味わいがフルーティー。脂の口溶けもシルキーで滑らか。とろりととろける味わいで、鍋全体にコクを与えてくれます。そして現在、コースの中で一番人気なのが、「アイヌジビエコース」。漫画『ゴールデンカムイ』の食文化が体験できるとして若い女性がそれを目当てに訪れています。コースの中には、エゾシカ肉と行者ニンニクをたたいてつくねにした「チタタプチャレンジ」やヒグマのステーキが含まれているため、アイヌとジビエの魅力がふんだんに盛り込まれているのです。「おいしいジビエを自然と身近に感じてもらえる機会になっていますね」と林さんが話すとおり、体験できるグルメとして親しまれています。ジビエはおいしいだけでなく、実はサステナブルな食べ物。近年、野生鳥獣が人の住む地域に出現し、農業被害が深刻化していますが、それを食い止める取り組みでもあります。「みかん猪も農家さんが依頼して駆除されたもの。そのまま捨ててしまうのではなく、おいしく食べて地域資源を無駄にしないのがジビエなんです」と林さん。食べることで循環社会をつくり、地域おこしにもなっています。旬のおいしさがあり、栄養豊富で、ヘルシーかつサステナブル。さまざまな魅力があるジビエですが、まだまだ知られていないのが最大の課題です。「地元の人たちにとってジビエは当たり前すぎて、聞かないとおいしい理由を教えてくれない。これからも、食べないと人生損しちゃう、くらいおいしいということを伝えていきたいですね」。林さんのジビエ発掘人としての挑戦はまだまだ続きそうです。

(山小屋ライフ、のぞいてみて:石川)
猟師で、ジビエ料理専門店「ジビエカフェSOSORI(ソソリ)」を自宅のログハウスで営む長田泉(いずみ)さん(56)=白山市河内町下折(そそり)=が、山での暮らしやジビエ肉の解体方法を、無料動画サイトのユーチューブで配信している。「山の暮らしに興味を持つ若者に、山の恵みや厳しさの実態を知ってもらえれば」と話す。長田さんは金沢市田上町で育ち、山での暮らしに憧れて約十年前、白山市山間部の渓流沿いに立つログハウスに移り住んだ。猟師として、ツキノワグマやシカ、イノシシなどを仕留めながら、料理店で手製のジビエ料理を振る舞う。獣臭さをまったく感じさせない、鮮度の良さが売り。土日のみの営業だが、多くの客でにぎわう。妻の那穂子さん(33)との間に今年七月、長男の凪那(なな)ちゃん(四カ月)が誕生したことをきっかけに、かねて挑戦してみたかったユーチューブ配信を開始した。チャンネルを「山小屋ワイルドライフ」と名付け、イノシシの精肉加工や、たき火であぶる自家製ジビエ肉のフランクフルト、愛犬のモミジ、コゴミとの触れ合いなど、厳しくも温かい山暮らしを伝えている。「山の暮らしは決して楽ではない」と話す長田さん。夏は害虫が多くわき、冬には、まきストーブ用のまき割り作業や雪かきなど、「年間を通じて休む時間はあまりない」と明かす。過去には、猟師志望の若者を何人も弟子として受け入れてきたが、イメージとの違いに戸惑い、去る人も。動画を見ることで「想像と実態のギャップを埋めてほしい」との思いもある。不便もあるが、それでも長田さんが山に住み続けるのは「豊かな山の恵み」があるから。「自分にとっては天国のような場所。今後は狩猟の動画も増やし、山暮らしの魅力を発信したい」と意気込んでいる。

(地元を代表するジビエ“イズシカ”を味わうグルメバーガー:静岡)
伊豆マリオットホテル修善寺(静岡県伊豆市、総支配人:佐藤巨輔 )では、2021月12月1日(水)~2022年2月28日(月)の期間、伊豆産鹿肉 “イズシカ”を気軽にお楽しみいただけるホテルオリジナルのグルメバーガー「イズシカバーガー」を発売いたします。当ホテルではこれまで、増加する鹿を食用として有効活用する地元・伊豆市の取り組みに賛同し、ご夕食時にイズシカを使ったお料理を提供してまいりました。今冬より、より多くの方にイズシカを味わっていただけるようラウンジメニューでの展開を開始いたします。当商品は、イズシカ100%のパティをサンドしたボリューム満点のグルメバーガーです。狩猟後すぐに処理をした新鮮な鹿肉に、伊豆特産の山葵漬けを刻み入れたタルタルソースを合わせることで、ジビエ独特のクセや臭みがほとんど感じることなく、どなたでもお召し上がりやすい逸品に仕上げています。別添えの伊豆みそが香るマスカルポーネチーズや山葵の茎のピクルスなどを、味や食感のアクセントにしながらお楽しみください。また当商品をテイクアウトし、自然豊かなホテル敷地内でブランチとしてお楽しみいただける宿泊プラン「Outdoor Brunch & Stay(アウトドアブランチアンドステイ)」もご用意。穏やかな冬陽と冠雪の富士の絶景に包まれながら、ご家族や友人との楽しいブランチタイムをお過ごしいただけます。伊豆修善寺での旅の思い出に、地元の美味しさが詰まったバーガーを存分にお召し上がりください。主役は、肉本来のしっかりとした美味しさを感じられるイズシカ100%のパティ。220gとボリューム満点ながらも、高タンパク・低脂肪・高鉄分で、健康意識の高い方にもお召し上がりいただきたい一品です。伊豆みそを合わせたマスカルポーネチーズのディップや口直しの山葵の茎のピクルス、噛むほどにうまみが口いっぱいに広がるイズシカジャーキーを添えた、シェフの遊び心が光る一品です。

(キジ肉で顧客つなぐ:愛媛)
愛媛県鬼北町の特産品であるキジ肉。町内でキジを飼育する傍ら、キジ肉料理店「フェザンフィレール」を経営するのが丸石則和(41)だ。知人に手作りしてもらったキジの帽子をトレードマークに、世間ではなじみの薄いキジ肉の普及に奮闘する。丸石は鬼北町に隣接する宇和島市出身で、同市内の民間企業で働いていた。キジ肉に携わり始めたのは、町の農業公社が運営するキジ肉の加工処理施設「鬼北きじ工房」に転職したのがきっかけだ。鬼北町では年間1万羽のキジ肉を出荷しており、将来は3万羽の生産を目指している。キジ肉は低カロリー高たんぱくが売りだが、価格は鶏肉の数倍する。町内に数軒ある生産農家は高齢化が進み、後継者不足も深刻だ。工房で働きながら、若手の後継者として丸石も2018年度からキジの飼育を始めた。「値段だけで比較されると購入に二の足を踏む人もいるが、何と言ってもおいしい」。自分が魅了されたキジ肉の味を多くの人に知ってもらいたい、というシンプルな思いが丸石の原動力だ。飼育する中で「自分で育てたキジを食べてもらいたい」との思いが募り、キジ肉料理のレストランもオープン。妻の祖父母が使っていた古民家を改装し、20年秋に移転した。地元の祭りにも出向き、キジの帽子をかぶって焼き鳥などを販売する。「『キジ帽子の人』の印象が強く、名前や顔は覚えてもらえないが、キジ肉のPRにはなっている」と笑う。今年3月にはキジの飼育数を増やそうと、工房長を務めていた鬼北きじ工房を辞めて自身の事業に専念する。21年度は4千羽を出荷し、22年度には7千羽まで増やす計画だ。社名にもなっている「フェザンフィレール」はフランス語でキジを指すフェザンと「紡ぐ」を意味するフィレールを組み合わせた。「キジ肉を通じて鬼北町とお客さんの関係を紡ぐ店にしたいとの思いを込めた」新型コロナウイルス禍で頓挫した構想もある。レストランの庭先でのバーベキューなどを通じて、キジ肉の魅力を知ってもらう体験型のプログラムだ。「キジ生産者たちに協力してもらって農家民宿なども組み込んだプログラムが夢」と話し、コロナ収束後の実現を目指す。コロナの逆風下で丸石が力を入れているのが常温で食べられるキジ肉の加工商品の開発だ。「キジ肉は町の特産品なのに冷凍品の販売が中心で、土産物として買いにくい」といい、「キジ肉バターカレー」やキジ肉からとっただしを販売しようと商品開発を進めている。「様々な商品を出してキジ肉を知ってもらう間口を広げたい」と意気込む。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午前、仙台市青葉区新川北野尻にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、15日午前8時40分ごろ、仙台市青葉区上愛子芦見にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、12日午後8時ごろ、仙台市泉区長命ケ丘6丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、11日午後3時50分ごろ、仙台市太白区秋保町馬場岳山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、9日深夜、仙台市青葉区芋沢大勝草中にクマが出没しました。

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11/8
(イノシシ豚熱検査、29都府県で目標数届かず)
野生イノシシの豚熱感染を確認する検査について、29都府県で必要な頭数に達していないことが農水省の調査で分かった。同検査は地域に感染イノシシが侵入しているか判断するために行う。

(「カリガネ」の渡りルート追跡に成功:宮城)
山階鳥類研究所(千葉県)は4日、絶滅の恐れがあり宮城県登米市周辺で冬を越す渡り鳥カリガネがロシア北極圏との間を往復するルートの追跡に初めて成功したと発表した。「約1万6000キロに及ぶ行程が明らかとなり、生態保全に役立つ」としている。研究所は昨年12月、登米市内で1羽を捕獲し、識別用の金属リングと発信器を付けて再び放した。調査によると、この1羽は今年2月、北上を開始。津軽平野を経由して4月初旬から1カ月余り、北海道北部のサロベツ湿原にいた。サハリンやカムチャツカ半島を経由して5月下旬、ロシア北極圏に到着。繁殖地とみられる川や湿地帯で9月下旬まで過ごした。秋の渡りは西寄りのルートを取り、ウラジオストク方面を南下。中国北東部との国境付近で南東へ向きを変え、9月24日未明に秋田県の八郎潟へ飛来後、同日朝には宮城県の伊豆沼に帰ってきたという。研究所の沢祐介研究員(37)は「秋にサロベツ湿原に飛来するカリガネもいるため、複数の渡りルートがあると裏付けられた。春にはゆっくり北上し、秋には素早く越冬地に来ることも分かってきた」と話す。研究所と共同調査する大崎市の市民団体「雁(がん)の里親友の会」によると、1990年代以降、宮城県内への飛来数はほぼゼロだったが、2010年代以降に増え始め、19年は約300羽を確認した。アジアの主要な越冬地だった中国・長江流域の生息環境がダム開発などによって悪化し、日本側で増えたと推測されている。研究所と友の会は今年末、登米市周辺で別のカリガネを捕まえて発信器を付け、来年までの3年計画で調査を続ける予定。

(渡り鳥の飛来ピーク、伊豆沼で観察会:宮城)
マガンなどの冬の渡り鳥の飛来がピークを迎えるなか、県北部の伊豆沼で7日、観察会が開かれました。栗原市と登米市にまたがる伊豆沼で開かれた観察会には仙台市や石巻市などから20人あまりが参加しました。午前6時すぎマガンの群れがえさ場に向けて一斉に飛び立っていきました。主催した「県伊豆沼・内沼環境保全財団」によりますと、マガンの飛来はすでにピークを迎えていて、例年と同じおよそ10万羽に上るということです。

(市街地出没のクマ、多いのは「駆逐された若いオス」「繁殖相手にならない子連れのメス」:北海道)
市街地に近年出没するヒグマにどう対処するかについて、野生動物生態学が専門の佐藤喜和・酪農学園大教授(50)が著書「アーバン・ベア」にまとめ、東京大学出版会から発刊した。クマが市街地に出没する背景や予防策も示している。市街地に出てくる「アーバン・ベア」は、別のオスに駆逐されて新たな生存エリアを探す好奇心旺盛な若いオスと、子グマを産んだばかりでオスの繁殖相手にならない子連れのメスの2パターンが多いという。6月に札幌市東区で4人にけがを負わせたクマも、4歳の若いオスグマだった。札幌の市街地への出没は2000年代に入ってから目立つようになった。10年代にはメスグマが市街地近くの森林で繁殖を始め、若いオスグマの駆除も増えるようになったことをデータとともに記している。森に近い住宅地でクマの出没を防ぐには、生ごみなどを外に置かず、生ごみを 堆肥たいひ 化するコンポストは電気柵などで覆うことが重要という。クマが生息する森と住宅地との間にある緑地帯や河畔林で適切な伐採や下草刈りをすることも有効と説いている。クマは人目にさらされるのを嫌うからだ。1990年代まで30年ほど続いた春グマ駆除がなくなったため、クマの出没は増え続けている。市街地で悪さをするクマは駆除する必要がある一方で、北海道ではクマと人は共存関係にあると力説する。東京生まれの佐藤さんは、北海道大在学中にサークル「北大ヒグマ研究グループ」に所属。北海道幌延町の北大天塩研究林でヒグマの足跡を探し、富良野市の東大北海道演習林や大雪山で行動を観察した。東大大学院時代は浦幌町に住み込み、長期野外観察を行うなど、ヒグマ研究にまい進してきた。新著では、北海道のヒグマはDNA分析で道北・道央、知床、道南の3タイプに分類されることや、妊娠・出産、繁殖など生態を詳しく紹介。すみかとする森の奥にはオスのボスグマがいて、自分以外のオスを駆逐し、非血縁の子グマを殺すという生態も記した。佐藤教授は「アーバン・ベアという言葉は研究者でも使われ始めたばかり。この言葉をきっかけに、一般の人もなぜヒグマがまちに出没するのかを考えてもらえたら」と話す。

(知床ヒグマのふん、2千個を拾い集めて分かったこと:北海道)
世界自然遺産の知床半島に生息するヒグマが、餌が不足しがちな晩夏から初秋にかけ、標高千メートル前後の高山帯と海岸を行き来し、高山帯に生えるハイマツの実とサケ類を食べて栄養状態を維持していることが、北大大学院獣医学研究院の下鶴倫人准教授(42)の調査で分かった。ハイマツとサケ類の不足が重なった場合、市街地への出没が急増することも判明した。下鶴准教授は「温暖化で知床の生態系が変化すれば、餌を求めて人里に降りるクマがさらに増える可能性がある」と指摘する。知床半島のヒグマの食性を巡っては、オホーツク管内斜里町岩尾別地区のカラマツ林で、土を掘り返してセミの幼虫を食べている個体がいることも分かった。北大大学院環境科学院博士課程3年の富田幹次さん(27)がふんの内容物などから調べ、8月にスウェーデンの野生生物学誌電子版に論文を発表した。富田さんによると、ヒグマがセミの幼虫を餌にしていることが確認された例は過去にないという。知床半島では2000年ごろからエゾシカが爆発的に増加した経緯があり、富田さんは「シカが草を食べ尽くしたため、クマの食性が変化し、普通は食べないセミの幼虫を食べるようになった」と推測している。

(知床半島のヒグマ、常食は「セミの幼虫」:北海道)
北海道知床半島のヒグマはこの20年で、セミの幼虫を常食するようになったとする論文を、北海道大の研究者らがまとめ、米国の生態学専門誌「エコロジー」に発表した。フンを分析した結果から結論づけた。ヒグマは雑食性で、禁猟などで増えたエゾシカに、好物のフキやセリなどの草を先に食べられたためとみられる。道内各地で問題となっているエゾシカ増加の影響が、ヒグマの採食行動からも裏付けられた格好だ。研究については、北大大学院博士課程3年の富田幹次さんが調べ、日浦勉・東京大教授(森林生態学)と論文をまとめた。富田さんは、知床半島の斜里町で2018年5~7月、ヒグマのフン60個を調べ、何を食べたかを分析。1985年夏頃に他の研究者が56個を調べた結果と比べた。その結果、フンに混じる餌の割合として、草は93%から49%に減少。85年頃にはフンに混じっていなかったコエゾゼミの幼虫が、18年には14%も占めるようになった。幼虫を食べることは、2000年頃には知られていた。カラマツの人工林に設置したカメラには、幼虫を食べるために母グマが子グマと地面を掘る様子が写っていた。富田さんは「コエゾゼミは明るい人工林を産卵場所に選ぶ習性がある。地中浅くにいた幼虫を捕食したのだろう」と話している。

(ムクドリ被害に住民困惑:神奈川)
鷺沼駅周辺の街路樹にムクドリが大量に集まり、地域住民を悩ませている。例年この時期に群れを成して訪れるため、川崎市道路公園センターは撃退音とされる、警戒するムクドリの鳴き声を流す対策を講じているが、根本的な解決ができず苦慮している。多くのムクドリが集まるのは鷺沼橋近くの木々。下を通る際にフン害のため傘を差す人も見られる。フンが落ちた後に雨が降ると臭いも酷く、感染症を不安する声も。近隣マンションの住人などは、鳴き声による騒音に悩まされているという。道路公園センターによると、ムクドリは渡り鳥のため、例年夏前から11月上旬まで見られ、同様の被害や苦情が寄せられているという。日中は区内に多い緑地で見られるが、夕暮れ時になると群れを成して決まった場所に飛来している。ムクドリは体長24センチほどで、多い場合は数万羽の群れを成すこともある。夜間は外敵から身を守るために人気があり明るく高い場所で過ごす習性を持つ。かつては里山に生息していたが、都市化にともない住宅街で見られるようになった。同センターでは、2018年から対策を講じている。ムクドリが危険を感じた際や、助けを呼ぶ際の鳴き声を録音した撃退音を、職員がラジカセで流している。馴れてしまうと効果がないため、月に1度、3時間程度の頻度で実施。一度流すと危険を感じた鳥は飛び立ち、10分ほど旋回してから、また戻ってくる。同センターでは「暗くなるまで繰り返すと2週間ほどは寄り付かなくなる」としているが、効果は一時的だ。県内各地でも同様の被害が出ており、宿木をせん定するなどして対応する。しかし、同センターの担当者は「せん定しても近隣の木に散るだけで、結局イタチごっこになってしまう」と困惑。ムクドリなど野生の鳥類は、鳥類保護法により農作物や人的被害が出ているなどの例外を除いて原則捕獲が禁止されているため、根本的な解決ができていないのが現状だ。さぎ沼商店会の菅原一夫会長は「以前から遠回りする人もいると聞く。商売にも影響が出てしまう。被害が大きくなる前に、地域の安心安全のためにも、対策を講じてほしい」と要望を語った。

(ヒグマとどう向き合う?現状や対策を話し合うフォーラム:北海道)
市街地での出没が相次ぐヒグマの現状や対策について、専門家が意見を出し合う「ヒグマフォーラム」が、北海道大学で開かれました。「ヒグマフォーラム」は、道内の研究者らがつくる「ヒグマの会」が主催し、およそ300人が聞きに訪れました。フォーラムでは、市街地でのヒグマ出没や、農業被害が増え続ける現状を踏まえ、動物対策の先進地である兵庫県や島根県の監視体制などが紹介されました。(知床財団 山中正実さん)「(島根県は)鳥獣担当の専門職を順次採用していて、現在11人。現場で対応できる人たちを各地に配置しているという違いがある」。ヒグマ問題解決のため、専門人材の育成や配置を道も推進する必要があると提言されました。

(ドローンでカモさよなら:青森)
十三湖シジミをカモの食害から守ろうと、十三湖鳥獣被害対策研究会(会長・相川利幸十三漁協組合長)は5日、飛行機型ドローン(小型無人機)を使った初の実証実験を行った。ドローンが飛行すると湖面にいたカモが飛び去り、関係者らは「一定の効果がありそう」と期待感を示した。

(ススキ減「犯人」はシカ:兵庫)
ススキの名所として知られる新温泉町の上山高原で、ススキの群生面積が減少している。特に高原の山頂付近では、銀色の穂が広がっていた昨年までの景観が様変わりし一面、枯れ草に。シカによる食害が原因と考えられ、保全活動を続けてきた地元のNPO法人は「この状態が続けば、ススキ草原は壊滅的な状態になる」と危機感を募らせている。かつてはブナ林とススキ草原が広がり、牛の放牧地としても利用されてきた上山高原。ススキ草原は高度経済成長期以降、ササや低木に覆われるようになったが、イヌワシなどのえさ場を確保する目的で、県やNPO法人「上山高原エコミュージアム」が約20年前から自然再生事業を進めてきた。雪解け後には山焼きをし、これまでに約35ヘクタールを草原として復元。近年は、日本海を見渡すことができるススキ原として京阪神方面からも観光客が訪れるようになった。ところが、今年は高原の大部分でススキが育たずに、ワラビばかりが繁茂する<異変>が起きた。NPO法人の馬場正男・事務局長は「ススキが群生する広さは例年の3分の1ほどではないか。ワラビばかりの光景は見た経験がない」と話す。ススキの生育を妨げた<犯人>として浮上したのが、新温泉町内で急増している野生のシカだ。シカによる生態系への影響は、但馬各地で既に深刻化しており、森林から下草が消えるなどの被害が判明している。県内では約12万8000頭(2019年度末)が生息していると推定されており、上山高原を含めた扇ノ山一帯でも増加。但馬の生物に詳しい同法人理事の山本一幸さんは「ススキの新芽が食べ尽くされ、シカが好まないワラビだけが育ったのだろう」と分析する。上山高原では、リンドウやオミナエシ、ホクチアザミなど草原の植物が急速に姿を消している。これらの植物に集まる生き物にも連鎖し、フジバカマの花を好む 蝶ちょう 「アサギマダラ」の姿も見かけなくなったという。山本さんは「今年のような状況が続くと、地下茎が弱ってススキは絶えてしまう。食害によって高原全体が危機的な状況になる」と訴える。県では、市町ごとに捕獲目標を設定するなどしてシカによる被害の軽減を目指している。県森林動物研究センター(丹波市)は「被害が少なかった地域では捕獲の態勢が整いにくいが、狩猟に力を入れて捕獲頭数を増やすことが必要」としている。

(シカのフン拾うロボット開発:奈良)
地を駆け巡り、シカのフンだけを拾う。そんなロボットを奈良教育大付属中学校科学部の3人が開発した。3人は小中高生らによるロボットのコンテスト「ワールド・ロボット・オリンピアード」(WRO)の日本大会で最優秀賞を受け、18~21日にオンラインで開かれる国際大会に出場する。開発したのは科学部2年生の杉田光優さん、酒田悟充さん、市千輝さんでつくるチーム「Memories」。中学校に3人を訪ね、ロボットの躍動ぶりを見せてもらった。白い紙が敷かれた机の上をロボットが走り出す。正面にあったシカのフンを模した黒塗りの発泡スチロール玉を、回転ローラーで拾い上げた。有線でつないだパソコンには、ロボットに搭載したカメラによる映像が表示され、発泡スチロールを「Deer」(シカ)と判定。白い玉には反応しない。ロボットのカメラ映像をパソコンに送り、画像認識プログラムでシカのフンを検知、情報をBluetoothでロボットに送り、動かす仕組みだ。検知のために、フンとそれ以外の画像計1万枚以上を学習させ、「深層学習」(ディープラーニング)を利用した画像認識のプログラムを開発した。85%の精度でフンとそれ以外を見分けられる。3人はWROの中でも、あるテーマに対する解決策を、ロボットを開発して提示する「オープンカテゴリー」にエントリー。先月3日に開かれた日本大会決勝で最優秀賞を受け、国際大会への切符を手にした。今年のテーマは「PowerBots - The Future of Energy(エネルギーの未来)」。3人は「シカのフンをバイオマス発電に活用する」というアイデアのもとに、フン拾いロボットを作ったのだ。その正式名を「移動型シカ糞(ふん)バイオマス発電」という。まず発電について調べていた杉田さんが、家畜のフンから発生させたガスを発電に利用する方法に目をつけた。奈良人にとってフンといえばシカ。奈良公園にはシカが約1100頭もいる。「なるべく地元にあるモノを使いたいと考えたとき、シカのフンが有効活用できると思いました」と杉田さん。画像認識システムの開発には、科学部の先輩たちの先行研究が役に立った。3年生のチームは昨年、シカの交通事故被害を減らすため、カメラでシカを認識すると、音を発信したりして道路から遠ざけるという研究に取り組んでいた。そしてアメリカで開かれる別のコンテストの国際大会出場が決まっていた。だが大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止に。3人は、その3年生チームから学び、認識システムを応用、発展させていった。先輩たちの思いも胸に臨む国際大会になる。最優秀賞を受けた日本大会では、高度な画像認識システムの開発や、画像認識とロボットのモーターを制御するプログラムを別々の言語で開発し、リアルタイムで連動させることを可能にした技術力が評価された。市さんは「高度なプログラミング言語を使ったのは初めてで、苦労しました」と振り返る。国際大会のプレゼンでは英語で語りかけないといけない。酒田さんは「いままでは前に出るようなことをしてこなかった。新しい自分に変われるように頑張りたい」と意気込んでいる。

(車とクマの衝突相次ぐ:秋田)
6日午後4時10分ごろ、秋田県鹿角市十和田毛馬内字上土ケ久保の十和田中学校グラウンドにクマがいるのを近くに住む60代男性が目撃し、市を通じて鹿角署に通報した。けが人はいなかった。6日午後6時15分ごろ、八郎潟町浦大町字盥沢(たらいざわ)の秋田自動車道下り線で、能代市の30代男性が運転する乗用車が体長約1メートルのクマとぶつかった。男性と同乗者1人にけがはなかった。6日午後7時40分ごろ、大館市十二所字平内新田の市道で、鹿角市の30代男性が運転する乗用車がクマと衝突した。男性にけがはなかった。

(乗用車とクマ衝突:秋田)
6日午後10時55分ごろ、秋田県大館市松峰字松峰西の県道で、大館市の40代男性が運転する乗用車がクマとぶつかった。男性にけがはなかった。

(市街地の民家にシカが侵入:長野)
シカが出没したのは、長野県上田市福田にある百瀬邦昭さんの自宅の庭です。現場はJR上田駅から青木村方面へと向かう国道沿いの住宅街です。シカは体長1m30センチほどのオスの成獣。警察官や市の職員が駆け付けましたが、ツノがあるため捕獲を試みるのは危険と判断。およそ3時間にわたってにらみ合いが続きました。やってきたのは、軽井沢を拠点に野生動植物の調査や保全を行っている専門家。麻酔銃を使ってシカを眠らせる作戦です。シカは打たれた瞬間は激しく動きましたが、10分ほどで眠りの中へ。捕まったシカは近くの山で放されたということです。現場は山際にある住宅街で、これまでにも度々シカが目撃されていて、猟友会は、シカはエサを探しに里に下りてきたのではと話しています。

(庭の金魚40匹がアライグマに食べられる:愛知)
池の中を探るように手を動かし、何かを口に運ぶ仕草も。狙いは「金魚」だった。池で飼育されていた約40匹の金魚が、アライグマのエサに。中には、1匹3万円する種類の金魚もいた。10月にも金魚19匹がいなくなっていたため、不審に思い暗視カメラなどを設置したばかりのことだった。金魚は60匹で約20万円だったという。また、アライグマについては「(アライグマが)野生に放った原因は人間にあるわけだから、そういった意味ではアライグマを責めることはできない。食べるエサのターゲットになったのが自分の金魚だったというのは非常に残念なんだけど、仕方がないかな」と事実を受け止めていた。

(カラス対策で樹木ばっさり:青森)
青森市の青い森公園で本年度、国道4号沿いなどに植えられたヒマラヤスギがカラス対策などで、大胆に伐採、剪定(せんてい)された。オープンから30年以上が経過し、うっそうと茂る森のイメージだった同公園は風景が一変した。

(住宅街付近クマ目撃頻発:北海道)
札幌市中央区の旭山記念公園など住宅街付近で本年度、クマの出没が相次いでいる。市によると、同公園内での目撃情報は10年ぶり。個体数が増える中、えさを求めるクマが同公園まで生息域を広げているとみられる。西区宮の沢や南区南沢の住宅街でも目撃が続いており、専門家は「森と接している公園などにはクマがいつ入ってきてもおかしくない」と注意を呼び掛けている。市によると、本年度の市内での「クマのような」動物の痕跡や目撃は過去10年で2番目に多い169件(5日時点)で、うち旭山記念公園内とその周辺は10件。宮の沢は8件で3年ぶり、南沢は3件で昨年に続き出没している。同じ個体が近辺で複数回目撃され、数を押し上げたとみられる。

(住宅街の公園に出没のシカ、園外に立ち去りか:兵庫)
ニュータウンの住宅街にある「はじかみ池公園」(三田市あかしあ台5)でシカの目撃が相次いだ問題で、市はシカが立ち去ったと判断し、6日から公園の利用を再開すると決めた。市公園みどり課によると、公園内の雑木林は、既存のフェンスにネットを継ぎ足して封鎖している。市鳥獣被害対策実施隊の隊員4人が2日、シカに対する反応が優れた猟犬1頭を連れて入り、約2時間をかけて探したが見つからず、足跡などの痕跡もなかった。4、5日にも市職員が公園内を調査したが、シカの痕跡は見つからなかった。10月15日以降は目撃情報も寄せられておらず、市はシカが公園から立ち去ったと判断した。市はシカの目撃情報が寄せられたことを受け、9月21日に公園の利用を停止していた。園内のカメラでシカの姿を確認しており、雑木林内にわなを設置し、捕獲作業を続けていた。当面の間は継ぎ足したネットは残し、定期的に市職員が巡視するという。

(駅前に猿、警察が注意を呼び掛け:長野)
長野中央署などによると、6日正午すぎ、長野市の長野駅前で猿1匹が目撃された。その後、夕方にかけて大豆島小学校付近など市街地の複数箇所で目撃情報があった。同署が注意を呼び掛けている。

(エゾ鹿フェア:北海道)
池田町の一般社団法人「いけだワイン城」は、1階売店の一角に「エゾ鹿(しか)フェア」のコーナーを設け、関連商品を販売している。シカ革を使ったバッグや靴、小物のほか、ペットフードなどの商品を30日まで取り扱う。4階のレストランも、鹿肉料理をメニューに加えた「エゾ鹿フェア」を同時に実施しており、ワイン城全体の取り組みだ。

(エゾシカ肉のおいしさ知って:北海道)
エゾシカ肉のおいしさを知ってもらおうと、調理法や安全性を学ぶセミナーが4日、道東の中標津町で開かれました。このセミナーは捕獲したエゾシカを有効に活用しようと、シカ肉の消費拡大を目的に道が開いたもので、地元の料理人などおよそ20人が参加しました。はじめに、シカ肉の処理施設では道の認証制度に基づいて、徹底した衛生管理が行われていることなどの説明を受けました。続いて、実際にさばきながら、モモ肉やロースなど部位ごとに適した調理方法について学びました。そして地域の素材を生かした料理に取り組む千歳市出身のシェフ、貫田桂一さんがシカ肉を使った調理の実演を行いました。メニューはチーズソースをかけたカツレツやキーマカレーなど3品で、シカ肉と地元特産の乳製品との相性が抜群だということです。参加者たちはシェフの手さばきを見ながらシカ肉の扱い方や、味付けのコツなどを学んでいました。試食した43歳の男性は「どのメニューもおいしかったです。過去にシカ肉を扱いましたがまた機会があれば使いたい」と話していました。

(コロナ禍でジビエの外食需要にブレーキ:京都)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外食産業の需要が冷え込み、シカやイノシシなどの野生鳥獣を使ったジビエの需要にブレーキがかかっている。

(鹿肉「信州ジビエ」の料理提供:長野)
休暇村リトリート安曇野ホテル(安曇野市穂高有明)は、信州産の鹿肉「信州ジビエ」の料理提供を始めた。

(鹿肉のおいしさをパンで:愛知)
豊田市武節町の道の駅「どんぐりの里いなぶ」は先月三十日から、同市の豊田東高校と協力して開発した鹿肉を使った二種類のパンの販売を始めた。六日には生徒たちが道の駅を訪れる販売実習も展開。生徒たちは「鹿肉のおいしさを楽しんで」と呼び掛けている。

(産直のお肉アソートを販売開始:岩手)
全国の農家や漁師などの生産者と消費者をつなぐ国内最大級の産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する株式会社ポケットマルシェ(本社:岩手県花巻市、代表取締役:高橋 博之、以下「当社」)は、11月29日の「いい肉の日」に合わせて、2種の「いい肉アソート」の販売を2021年11月5日(金)より開始します。「ダチョウ肉・牛肉・豚肉・鶏肉」のセットと、「鹿肉・猪肉・鴨肉」のセットを提供します。「いい肉アソート」では最大4商品をまとめて購入者へ発送するため、通常1商品ごとにかかる送料を抑えて、複数の生産者のお肉をお得に試すことが可能になります。「いい肉アソート」を通じて、購入者がお気に入りの食材や生産者を見つける機会を創出します。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、7日午後3時30分ごろ、栗原市若柳下畑岡大畑にクマが出没しました。

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(マダニ媒介SFTSが1人:熊本)
10月25~31日の熊本県感染症情報によると、マダニにかまれて感染する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者1人が県内医療機関から報告された。県健康危機管理課によると、患者は宇城市の50代女性。今年の累計は9人となり、過去最多だった昨年(6人)を既に上回っている。同課によると、SFTSは発熱やおう吐、下痢などの症状があり、県内では過去6人の死亡例もある。今年は同じくマダニが媒介する日本紅斑熱も18人報告されている。同課は「山や森林など、マダニの生息地に入る際にはかまれないよう注意してほしい」と呼び掛けている。また、県内50定点の医療機関から手足口病292人(前週比22人増)、感染性胃腸炎251人(55人増)、ヘルパンギーナ77人(14人減)が報告された。手足口病は警報レベルを継続。有明、菊池などのほか、新たに水俣でも流行している。

(ツキノワグマの目撃件数、過去最多に:静岡)
今年度に静岡県内で寄せられたツキノワグマの目撃件数は、ことし9月までの半年間で55件にのぼり、記録が残る平成25年度以降、最も多くなったことがわかりました。10月29日には小山町で男性がクマに襲われてけがをしていて、県が注意を呼びかけています。県のまとめによりますと、今年度に入ってから9月末までの半年間に県内で寄せられたツキノワグマの目撃件数は55件にのぼっています。これは、記録が残る平成25年度以降、1年間の目撃件数として最も多かった、平成30年度の53件をすでに上回っています。今年度はけが人も相次ぎ、10月29日には小山町の畑で農作業をしていた男性がクマに腕をかまれるなどのけがをしたほか、ことし8月には浜松市天竜区の山の中で男性が腕をかまれて軽いけがをしたということです。クマによる人的被害は、記録が残る平成20年度以降、平成20年度と平成24年度に1人ずつ出ていましたが、1年間に複数のけが人が出たのは今年度が初めてだということです。県自然保護課は、「山の中のエサとなる木の実が減ると、人里にある柿などを求めてクマが出てきてしまうことがある」として、「生ゴミなどを家の外に置かないなど、クマを引き寄せないように対策を取ってほしい」と注意を呼びかけています。

(クマ目撃9~10月大幅減:新潟)
9~10月に新潟県内で確認されたクマの目撃・痕跡件数が、昨年同期を大幅に下回った。例年なら冬眠前に餌を求めて活発に動き回る時期だが、この秋は様子が一変。専門家は山の中に餌の木の実が一定程度あることが一因とみている。ただ、人を恐れない「新世代クマ」が市街地の近くに潜んでいる恐れもあるとして、油断しないよう呼び掛ける。新潟県も住民の警戒の「緩み」を心配している。新潟県によると、クマの出没は例年10~11月ごろにピークを迎える。新潟県の調査では、今年のブナの実は凶作か不作になると予測。餌を求めて人里に出没するクマが増える恐れがあるとして、注意を呼び掛けていた。しかし、クマの目撃・痕跡情報は、9月が前年同月比83%(233件)減の48件、10月は95%(760件)減の44件だった=グラフ参照=。人身被害も、本年度は5月に妙高市で発生した1件にとどまり、この秋の報告はない。10月末までに12件だった昨年度とは対照的な傾向を示している。長岡技術科学大の山本麻希准教授は「昨年や一昨年に比べ、今年の山にはクマの餌がある程度実っているため、人里まで下りる必要がない」と説明する。しかし、油断は禁物だ。人里に餌となる果樹や生ゴミなどがあることを覚えている新世代クマは、木の実の出来に関係なく人の生活圏の周辺に生息している。そうした個体は人間に遭遇しても、恐れない可能性があることから、引き続き厳重な警戒が必要という。山本氏は「いつ遭遇してもおかしくない。常に注意が必要だ」と訴える。新潟県は、目撃数の減少で県民の危機意識が薄れ、対策がおざなりになることを警戒している。近年は冬眠期でも活動するクマの存在も指摘されている。県鳥獣被害対策支援センターの神部淳所長は「雪が積もる12月までは、十分注意してほしい」と強調。襲われた場合は致命傷を避けるため、地面に伏せ、手で頭や首を守るなどの対応を取るよう呼び掛けている。

(イノシシが襲ってきた!:兵庫)
10月下旬、兵庫県三田市北浦の畑で作業をしていた70代の男性が、突然現れたイノシシに襲われ大けがを負った。7~8カ所をかまれ、下腹部は5針縫った。「もしも小さな子どもが襲われたら、本当に危ない。こんなことが繰り返されないよう、注意喚起が必要」。男性が当時の様子を証言した。10月24日午前9時すぎ。男性は、襲われた場所から少し離れた畑にいた。黒枝豆の収穫をしていると、銃声が聞こえた。「猟期に入ったのかなと思ったくらいで、気にはしていなかった」。黒枝豆を40本ほど収穫した後、現場となった畑に移動した。この畑にはニンニクや柿などを植えている。水やりをしていると、山側の茂みから「ガサガサッ」と音がした。目をやると、体長1メートルほどのイノシシがいた。その距離、10~15メートル。周囲には誰もいない。イノシシと見合った男性は、「脅したら逃げるのでは」と考えた。「こらーーーっ!」。叫ぶと、イノシシが勢いよく突進してきた。持っていたプラスチック製のじょうろで応戦し、力いっぱいイノシシの顔をたたいたが、相手は全くひるまない。男性はぬかるみに足を取られ、転倒した。イノシシは男性の腹の上に顔を載せ、さらに襲いかかる。男性はイノシシの頭をたたき、必死に抵抗した。何とか起き上がると、2~3メートルの距離で再びにらみ合いとなった。「これは腹を据えないと」。ぐっと力を入れ、にらみつけた。2~3秒すると、イノシシは視線をそらし、来た道を帰った。その後、猟犬とみられる白い犬が現れ、イノシシの消えた方へ走っていった。「痛みは感じなかったが、急に怖くなった」。慌てて家に帰り、体を確認した。すねや太ももを7~8カ所かまれていた。ズボンはぼろぼろで、はいていた長靴にも穴が開いていた。病院に行くと、下腹部を5針縫う大けがだった。男性は「今思えば、イノシシがメンタ(雌)だったから助かった。オンタ(雄)だったら、牙で下っ腹を裂かれていたかもしれない」と話した。三田市によると、ここ数年はイノシシによる人的被害を把握していないが、今年夏ごろには飼い犬が襲われて命を落とすケースがあったという。では、イノシシに遭遇したらどうすればいいか。市によると、イノシシは臆病な動物。そのため、大声を出す▽物を投げる▽犬をけしかけるーなどを行って、驚かせてはいけないという。担当者は「イノシシに出合うとびっくりするかもしれないが、絶対に刺激しないで」とする。県内では2020年度、イノシシによる事故が2件あった。いずれも神戸市内で遭遇し、散歩中の犬が走りだしてリード(引き綱)を引っ張られて転倒、打撲を負ったという。県鳥獣対策課は「弁当など食べ物が入った袋を持っている場合は、そっと置いて逃げて」としている。男性が被害にあった近くの山では、市の「鳥獣被害対策実施隊」がイノシシ、シカの狩猟活動をしていた。市によると午前9時ごろから猟を始め、イノシシ1頭を仕留めている。発砲は2発。1発目でイノシシは動けない状態になり、2発目で仕留めたという。市の担当者は「狩猟に明確な瑕疵(かし)があれば、実施隊の責任となるケースもある。ただ、今回は実施隊の活動が原因でけがをさせた可能性は低く、瑕疵はないとみている」とする。一方、男性はイノシシに襲われたことを市に通報したが、市は注意喚起のメールを配信していなかった。庁内での情報共有が不十分だったという。男性はイノシシに襲われた10月24日の午後1時50分ごろ、市危機管理課に電話をし、けがをしたことを伝えた。市はサルの目撃情報などを受けると、農村再生課が「ひょうご防災ネット」のメール配信で注意を呼び掛けている。イノシシは頻繁に目撃されているため通常はメール配信をしていないが、市の担当者は「今回はけが人が出ており、注意喚起が必要だった。危機管理課から農村再生課への情報伝達ができておらず、反省している」とし、同29日にメールを配信した。男性は「襲われた現場の周囲には民家がある。市に連絡したら注意喚起されると思っていたが、メール配信がなかったため、周辺に住む知り合いには自分で電話した」と話した。

(出没のサル、何を求めて長距離移動?:東京)
東京都内で今月に入って、野生とみられるサルの目撃情報が相次いでいる。先月、直線で西に30キロほど離れた場所に出没したサルと同じとみられている。なぜ、サルは都心に向かったのか。1日から3日夕にかけ、目黒区や世田谷区、渋谷区、豊島区、北区など広範囲で目撃されている。警視庁によると3日午前、東京・池袋から隣接する板橋区にかけて目撃が相次いだ。同日午後から夕にかけてさらに北上した模様で、北区赤羽の繁華街や住宅街での目撃したという110番が複数寄せられた。都心近くでの目撃が寄せられるようになったのは1日夕から。世田谷区宮坂1丁目の世田谷八幡宮境内で「木の上にサルがいる」という通報が1日、警視庁北沢署に寄せられた。翌2日朝の目撃情報は、東に約4キロ離れた目黒区の京王井の頭線・駒場東大前駅近く。住民から「サルが徘徊(はいかい)している」という110番通報があった。この日は隣の渋谷区内でも目撃され、区に情報が寄せられた。朝日新聞社員も1日朝、世田谷区内の住宅街で柵を乗り越えようとするサルを写真に収めた。東京都によると、このサルは、10月23日に日野市で目撃されたのと同一とみられる。移動を続け、都心へ近づいていったようだ。一体なぜこれほど長距離の移動をしたのか。霊長類学が専門の鈴木滋・龍谷大教授によると、このサルは6、7歳ぐらいのオス。人間でいうと、10代後半から20代くらいにあたる。サルは繁殖ができる年頃になると生まれた群れを離れ、別の群れにいるであろう繁殖相手を求め、単独で行動することがある。特に10~1月は繁殖相手を求める季節で、行動範囲が数十キロにまで広がる。なかには100キロ以上移動した例もあったという。また、都心など自然の食べ物があまりないところでは、移動を繰り返す傾向がある、と鈴木教授は言う。一方で、たいていの野生のサルは人間に慣れておらず、人間に対して恐怖心を抱いている。「サルと10メートルほどの距離まで近寄ったり、目を合わせ続けたりしなければ、襲われる可能性は低い」と鈴木教授。サルを刺激しないことに加え、餌をやらないことも重要だ。餌をやると、人家や畑の被害につながる。また、かみつかれるとウイルスに感染して重症化する恐れもある。今回都心近くで目撃されたサルは、人の姿に慣れており、栄養状態も悪くないとみられるという。鈴木教授は「むやみに相手にしなければ、食べ物や群れがある、本来の森に戻っていくのでは」と話した。普段は山などで生活する動物が都心で見かけられることは、しばしばある。最近では大田区の羽田空港で9月、サルが保護された。2019年と20年には、足立区の河川敷でシカやイノシシが目撃された。20年に捕獲された迷いシカは千葉県市原市の動物園「市原ぞうの国」に引き取られ、「ケープ」と名付けられて飼育されている。18年には港区赤坂にアライグマがいると交番に届け出があり、警察と消防が出動。一度はかかった網から逃げ出したが、その後路地で取り押さえられた。15年にも中央区銀座の路上で、ハクビシンが残飯を食べているところが目撃されている。サルに限らず、野生の動物や鳥獣が人間の住むエリアに現れた場合は、人間に危害を及ぼさない限り、静観するのが基本という。都の担当者は「追いかけたりせず、見守ってほしい。見かけた場合は、区市町村や警察署などに連絡してもらえたら」と呼びかけている。

(都会にやってきたサル、捕まえてもいいの?)
サルに遭遇したら、どうするのが正解なのか。11月に入ってから、東京都心を縦横無尽に走りまわる猿が話題になっている。1日から、目黒区、新宿区、世田谷区、北区…テレビのワイドショーはここ数日、猿の行方を追いかけ、ネットでも目撃情報が多数報告されている。都は現在、実害がない限り、捕獲や駆除はしない方針だという。四国出身の都内男性はこの方針に「捕獲しないの?と言っている人がいて、逆にびっくりしました」と話す。男性が生まれ育った土地では、集落に降りてくる猿は見慣れたもので、農作物を荒らすことがない限り、見守るのが普通だったという。ただし「いざとなれば捕獲をします」とさも当然のように話す。しかし、都心では猟友会が出てくるのは難しいだろう。もし仮に、一般人がサルにケガを負わせたり、駆除・捕獲したりした場合、法的には問題になるのだろうか。東京都の担当者は、「サルは野生鳥獣です。捕まえるには鳥獣保護法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)にもとづき、都に申請のうえ許可を得る必要があります。その際、ケガをさせられた、させられる可能性が高いといった理由や、畑を荒らされるなど有害鳥獣としての理由が必要です」現在、そのような申請は出ていないという。仮に出されたとしても、「今であれば、許可は与えられない」という。「現在出没中のサルは都内を移動するだけで、特に人や農作物に危害をくわえることもありません。市区町村や警察には『特に近づかず、遠くから見守るように』などと伝えてあります」。一方、サルから危害をくわえられそうになった場合、殴ってケガをさせたり、殺したりしまってもよいのかという質問には、「鳥獣保護法でそのような場合を想定していないため、答えられない」とした。「サルには極力近づいたり触ったりせず、遠くから見守ってください。へたに追いかけたり、あみで捕まえようとすると、サルが興奮して逆襲して、怪我することがあります。実際にはテレビのカメラが追いかけてしまうこともありますね。よい映像を撮りたい気持ちもわかりますが、遠くから撮るなど刺激しないようにお願いします」。環境省も「野生鳥獣の捕獲・駆除には基本的には許可が必要。捕まえたり、傷つけたりすることは違法です。近づかないでください」と呼びかける。サルが住宅地や都心に現れるケースはよく報じられている。今年9月には、福岡県の北九州市に現れたサルが人を襲った。8~9月にかけて、噛みつかれるなどして16人がケガをしたという。ほかにも、2017年には、神奈川県の横浜市や、東京の大田区や港区など住宅街など都心部に猿が出没した。小学生の子をもつ港区に住む女性は「数年前、学校の近くに猿が出た時には、注意を呼びかけるメールがきました。子どもたちは棒や傘を持って登校していきましたね」と話す。都会の子どもが、「珍客」に興奮する気持ちはわからなくもないが、前述したように、一般の人が許可なくサルを傷つけたり、捕獲したりするのは大きな問題があるから注意が必要だ。なお、鳥獣保護法の考え方について、都の担当者は、「捕獲など(殺傷も含む)または採取などをおこなう意思がなく、結果として、鳥獣を捕獲などまたは採取に至った場合には、これを罰しない」という考えがあると説明する。たとえば、鳥が巣を作った木を切って、地面に叩きつけられたヒナが死んだ場合、知らずに切ったならしかたないが、ぴいぴい鳴き声が聞こえていて、ひなが死ぬ可能性を認識したうえで切ったら、法に抵触するという。

(クマ対策、ゲームで学ぼう:北海道)
全道的に人里でクマの出没が相次ぐ中、町内でネイチャーガイドを行う一般社団法人「ハイパーイナカクリエイト」がクマ対策を学べるボードゲームを作った。製作費はクラウドファンディング(CF)で募り、全国から目標の2倍以上の金額が集まった。吉田浩平代表(34)は「ゲームを楽しみながらクマとの共生の仕方を考えて」とPRする。「ともに生きるBear(ベアー)」と名付けたボードゲームは、七飯町内の地図上に描いた30マスを、2~6人の参加者が住民役とクマ役に分かれて交代でコマを進める。農作物や観光客が落とすゴミを求めて動くクマに対し、住民は電気柵や爆竹を仕掛け、クマの人里への侵入を防ぐ。クマがエサを11個取るとゲーム終了。人間の行動だけでなく、クマの視点からも、なぜ人里に現れるのかを考えることができる。吉田代表は七飯町の期限付き職員として鳥獣対策に取り組んでおり、町内でもクマの食害の課題に直面する中で「ハンターや行政が対策の中心で、地域で情報共有されていない」と実感。クマとの関わりを学んでもらおうと、ボードゲーム開発、製作を手掛ける「パインツリー」(東京)に協力を依頼し、昨春から共同でゲーム作りを進めた。今年1~2月に実施したCFでは、目標50万円に対し、全国各地の約100人から117万2千円が寄せられた。吉田代表は「クマ対策への関心の表れ」と手応えを語り、8月中に支援者に完成品を送った。

(高校生が結成「シブガキ応援隊」:長野)
クマの出没による人や農作物への被害を防ごうと、長野県木島平村で、地元の高校生が耕作放棄地のカキを収穫しました。きのう、木島平村の和栗地区に集まったのは、地元の下高井農林高校で地域資源などについて学ぶグリーンデザイン科の2年生14人。その名も「シブガキ応援隊」! この日の任務は耕作放棄地に実るカキの収穫です。山あいに位置する木島平村では、例年、クマの目撃や農作物の被害情報が相次いでいて、今年に入って既に12件の目撃情報が寄せられています。その痕跡はいたるところに…、「これがほとんどクマの爪痕だね」収穫するカキの木にはくっきりとクマの爪痕が残っていました。(地域の住民)「話を聞けばシブガキでも食べるって話だけどね。甘い物は人間も好きだから」。「元々畑だったみたいで人の手が入らなくなって、こうやって荒れてクマが出てくるようになったみたい」農作物にとどまらず、人への被害も懸念されるクマの出没。地域の安全を守るため、シブガキ応援隊はおよそ1時間、せん定ばさみや高所作業車を使って80キロのほどのカキを収穫しました。「地域のためにみんなで協力して、クマの被害を少しでも減らすために活動できて良かった」収穫したカキは、あさって予定している学校の行事「農林市」で無料で配るということです。

(狩猟フェスタを開催します:高知)
今、老若男女問わず、狩猟やジビエが熱い注目を集めています。森林がシカに荒らされている。丹精込めた農作物が獣に食べられ困っている。レジャースポーツとしてやってみたい。でも免許が必要らしいし、やり方もよく分からないし、危なそう・・・。ジビエ料理って、最近よく聞くけど本当に美味しいの?そんな、気にはなっているものの、いろんな理由で一歩が踏み出せないあなた! 是非、狩猟フェスタにお越しください!狩猟の魅力や社会的役割、安全な狩猟方法、そもそも狩猟免許を取るにはどうすれば? ジビエ料理を一度味わってみたい!小さなお子様から大人までみんなが楽しめるフェスタとなっています。さあ、あなたもハンターに!ジビエ料理を堪能しよう!シカ・イノシシ肉のジビエ料理、角のアクセサリーなどの加工品の販売、ハンターが使う猟具の紹介・販売、狩猟免許取得相談、ハンティング模擬体験など、狩猟の魅力を実感できるフェスタとなっています。また、県林業振興・環境部自然共生課による「石鎚山系の生物多様性保全を考えるミニシンポジウム」、猟友会による「銃(模擬銃)」、「箱わな」、「くくりわな」の実演やハム・ソーセージなどのジビエ加工食品が当たる抽選もあります。入場無料、申込不要ですので、お誘いあわせのうえお気軽にお越しください!なお、ご来場の際は、「新型コロナウイルス感染拡大防止」のため、次の点に皆さまのご協力をおねがいします。

(人と鹿の関係を考える「シカ展2021 in Atami」:静岡)
鹿写真家の石井陽子さんをはじめとした、鹿をテーマに作品制作をしている5人の作家による作品展示が「シカ展2021 in Atami」にて開催される。会期は11月6日・7日。会場は静岡県熱海市のArticle Atelier & Gallery。参加するのは石井陽子さん、菊池さつきさん、Ha*monさん、Jojo.さん、毛利美香さんの5名。会期中はギャラリートーク(会場&オンライン)や鹿角キーホルダーづくりのワークショップなども開催する(いずれも事前予約制)。古くから鹿は信仰の対象や食資源として人と深い関係にありました。近年、鹿の数が増加し、農作物や森林への影響が懸念されています。今回の展示会場である熱海では、まだ鹿はほとんど確認されていませんが、周辺の伊豆などの地域では被害が深刻化しつつあります。一方、被害対策として捕獲された鹿の多くが未利用のまま処分されている状況に対して、各地で資源として活用する動きも出てきています。本イベントでは、鹿をテーマとして活動するアーティストの作品展示、トークショーやワークショップを通じて、アートの視点から「現在」と「未来」の人と鹿の関係を考えます。この展示には、鹿をテーマに作品制作をしている5人の作家が参加し、人と鹿の関係を多様な視点と多彩な手法で描いています。北海道から沖縄まで全国の鹿を撮影している鹿写真家の石井陽子は、ニホンジカの7つの亜種の写真を展示します。「奈良の鹿は神の遣いとして大切にされていますが、それ以外の地域では鹿は森や畑を荒らす有害獣として駆除されています。しかし、撮影地を伏せて展示すると、写真の中の彼らはすべて同じ動物に見えるでしょう。」菊池さつきは、鹿をモチーフにした絵画や苔と鹿角を配したアート作品を制作し、「自然の中に身を置いた時に誰もが感じる解放感やゆったりとした時間の流れ、空間に溶け込み優しい気配や癒される感覚を呼び覚ます、または思考にきっかけとなる作品を目指しています。」Ha*monは、「大切な命の花を再び咲かせる」という想いで鹿のヌメ革を彩色して制作したレザーフラワー作品を出展します。Jojo.と毛利美香は、鹿革のしなやかな優しい質感を生かしたバックや小物を展示販売します。

(特急がシカの死骸と接触:北海道)
4日午前9時25分ごろ、名寄市のJR宗谷線智恵文―日進間で、稚内発旭川行き特急サロベツ2号(4両編成)が、線路上のシカの死骸と接触し、緊急停止した。乗員乗客計約40人にけがはなかった。JR北海道によると、車両に異常がないことを確認し、約20分後に運行を再開した。線路上に死骸があった理由は、はっきりしないという。これにより、札幌発稚内行き特急宗谷1本が1時間4分遅れるなどした。影響人員は計約100人。

(イノシシ出没、保育園近く:千葉)
市原市は4日、同市瀬又のちはら台東保育園付近の畑でイノシシを目撃したとの情報が園関係者から寄せられたと発表した。人や家畜への被害は報告されていない。市農林業振興課によると、目撃情報が寄せられたのは同日午後4時40分ごろ。出没した畑は山林に近く、野生の成獣とみられる。同市は各地でイノシシが目撃されており、出没情報は昨年1月から今年8月にかけ12件に上る。同課は「イノシシは臆病な動物で人を積極的に襲うことはない。時間がたてばその場から移動するので、急に走って逃げたり、大声を出すなどイノシシを刺激する行動は避けてほしい」と注意を呼び掛けている。

(住宅街でジョギング中にクマ目撃:北海道)
11月5日朝、北海道札幌市豊平区の住宅街の近くでクマの目撃されました。周辺では他にも出没情報があり、警察と札幌市が注意を呼びかけています。5日午前7時10分ごろ、札幌市豊平区西岡5条12丁目で、ジョギングをしていた女性が体長約1.2メートルのクマを目撃しました。札幌市豊平区の羊ヶ丘周辺では、11月1日から3日にかけて、清田区清田や北広島市大曲でもクマの目撃情報がありました。警察はヘリコプターを飛ばすなどして警戒に当たっていて、周辺住民に注意をよびかけています。

(はぐれサルどこに去る?:群馬)
群馬県前橋市の住宅地周辺にサルが出没し、目撃情報が1日以降、相次いで市に寄せられている。サルは1匹で徐々に南下しているとみられ、市中心部を移動。4日にはJR前橋駅近くに出没した。これまでのところ、けが人や農作物への被害は確認されていないが、市は、見掛けても決して刺激しないようにと呼び掛ける。目撃地点付近の小学校では安全確保のため、児童に注意を促している。市農政課によると、出没したのは野生のニホンザルとみられ、1日に荒牧町で目撃されて以降、2日に北代田町、3日に城東町、4日に南町と連日、確認されている。南町では、建物の屋上に上っている姿が前橋署の署員に目撃された。同課に寄せられた情報によると、サルは座った際の大きさが約50センチで、いずれも1匹でいるところを目撃されている。同一個体とみられ、市内を1日当たり2~3キロずつ南下していると考えられるという。同課は、何らかの原因で群れを飛び出した「はぐれ個体」ではないかと推測。同市内には群れが存在しないことや、目撃情報の位置から、沼田市、昭和村方面の群れにいたサルが赤城西麓を経由し、利根川沿いを南下してきた可能性が高いという。前橋市内で連続してサルが目撃されるのは、2018年秋以来3年ぶり。市中心部での目撃が相次いでいることについては「レアケース」だとし、「近寄らない、物を投げないなど刺激しないように心掛けてほしい」と訴える。万が一、出くわしたときには目を合わせずにゆっくりと後ずさりしてその場を去り、市などに通報するよう呼び掛けている。同課は、被害の申告がない段階で捕獲することは鳥獣保護管理法に基づき難しいとし、今後はサルの行動を注視していく方針だ。最初に目撃された地点の付近にある、荒牧町の前橋桃川小では保護者に対し、メールでサルの目撃情報を周知。児童には、見ても近づいたり刺激したりしないように指導した。

(サル目撃情報相次ぐ:埼玉)
3日都内に姿を現したサル。4日、戸田市やさいたま市など埼玉県内で目撃情報が相次ぎました。さいたま市は「見つけたら近づかずすぐに連絡してほしい」としています。蕨警察署によりますと4日午前8時ごろ、戸田市下前付近で男性から「50センチくらいのサルがいる」と通報がありました。その後、蕨警察署にはあわせて6件の通報があり、最後は、午前9時20分頃に蕨市北町付近だったということです。北上していることなどか、ら都内で相次いで目撃されたサルと同様とみられていて、その後、川口市を通り現在は、さいたま市に入ったとみられます。さいたま市によりますと午後4時20分ごろにさいたま市浦和区木崎3丁目で目撃されていて、市の職員が周辺で注意を呼びかけているということです。警察や市は捕獲は検討しておらず、「動画を撮影すると興奮する可能性があるので近づかず、すぐに市町村か警察に連絡してほしい」としています。

(クマよけの鈴がついた手まりが人気:秋田)
秋田県北秋田市の主婦らが制作している、クマよけの鈴がついた手まりが人気だ。地域おこし協力隊員の発案で、手芸のインターネットサイトで売り出したところ、一時売り切れるほどの評判に。秋田と関わりの深い「クマ」と「手まり」を組み合わせたアイデア商品だ。手まりは直径4~6センチほど。針と糸でカラフルな麻の葉模様が施され、その下にクマよけの小さな鈴が付けられている。手に持って振ると、チリンチリンと鈴が鳴り、その上で可愛らしい手まりがポンポンと揺れる。視覚的にも楽しい商品だ。制作しているのは、北秋田市の合川地区で活動を続ける「てまりの会」。公民館の講座で作り方を学んだ主婦の片山幸子さん(75)が中心となり、2000年ごろから主婦らが月2回ほど集まって手まりを作り、地域のイベントなどで販売してきた。クマよけの鈴との組み合わせは、昨年秋に同市の地域おこし協力隊員として着任した貝田真紀さん(39)の発案だ。マタギの文化発信に取り組んでいる貝田さんが「てまりの会」の活動に参加した際、地域になじみの深いクマよけの鈴と手まりを組み合わせたら面白い商品ができるのではないかと考え、片山さんに提案した。一つ1500円でインターネットサイトで売り出したところ、一時は完売するほどの話題を呼び、現在は追加の商品の制作に追われている。手まりの制作はすべて、根気のいる手作業だ。もみ殻などを小さな袋に入れて糸で締め、丸くなったら毛糸を巻いて土台を作る。そこに「ものさし」となる幅5ミリほどの紙を巻いてまち針を刺し、それを元に糸で麻の葉模様を縫い込んでいく。一つ作るのに90分ほどかかるが、片山さんは「手まりを作っている時間は、とても楽しい」と言う。「これまでは地域のイベントで販売するだけだったが、貝田さんのお陰で全国の人に手に取って頂き、喜んでもらっているので、これからも頑張って作り続けていきたい」と話している。

(「観光列車でジビエ」コース料理提供:福岡)
西日本鉄道(福岡市)は、観光列車で県内の加工施設で食肉処理したイノシシや鹿などのジビエ(野生鳥獣の肉)を使ったコース料理の提供を始めた。沿線など地元の野菜と組み合わせる。同社によると「ジビエを提供する観光列車は全国的にも珍しい。ジビエの認知度向上や沿線地域の魅力発掘につなげたい」としている。福岡県が2020年度に始めたジビエの消費拡大事業の一環。県によると、農林水産物の鳥獣被害額は7億4000万円(20年度)。県による捕獲・侵入防止などの支援で捕獲頭数は増加傾向だが、獣肉としての有効活用は1割程度に留まっている。そこで県は20年度から、ジビエ肉を積極的に使う飲食店を「ふくおかジビエの店」に認定したり、「ふくおかジビエフェア」を開いたりして、消費者や飲食店へのジビエの魅力発信や消費拡大事業に注力する。21年度は、西日本鉄道と協力する。同社の観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」でジビエコース料理の提供を始めた。八女、豊前地域のイノシシや鹿肉を中心に使う。「10種の地野菜と自家製イノシシロースハムのミネストローネ」や「ジビエのハンバーグ ジャポネソース」など、多彩なメニューを用意する。料理を監修した朝倉市の秋月温泉料亭旅館清流庵の小野貴史総料理長は「ジビエは野菜との相性が非常に良い」と強調。「コースでは地域の米や野菜を必ず10種類以上使う」と野菜との組み合わせにこだわる。ジビエを提供する観光列車のコースは西鉄福岡(天神)駅発着(花畑駅折り返し)で料金は1万1000円。11月28日までの期間限定で、金、土、日曜日と祝日に運行する。

(イノシシ肉全国へ:青森)
青森県今別町の依田啓夢さん(26)は、県内唯一のイノシシ牧場を経営する。山梨から県内の大学へ進学し移住を決意。繁殖と肥育両方を手掛け、牧場を前経営者から継承し増頭にも成功した。「お肉のニュージャンル」をコンセプトに、イノシシ肉の味覚を全国に広め販路拡大を目指す。山梨県笛吹市の出身。青森県内の大学へ進学し組織論を学んだ。北海道新幹線開通で奥津軽いまべつ駅が開設された町の振興にゼミで関わるようになった。牧場経営者とはこの時に知り合った。町の人口は2449人(2021年8月末)。高齢化で人口減が進む。就職活動もしたが「活動で知り合った人が元気なうちに」と、大学卒業後の移住を決意した。17年に移住。後に経営継承する「奥津軽いのしし牧場」でアルバイトを始めた。経営者から高齢を理由に持ちかけられ、移住1年で継承した。現在、繁殖と肥育の計90頭を飼育する。継承当初は30頭ほど。生まれた直後のイノシシの死亡率で最も高い下痢を抑えることに注力。母イノシシと信頼関係を高め、暴れた際に子が死ぬ事故を防ぎ、生後半年以内の生存率を高めた。21年に入ってからの生存率はほぼ100%という。19年に隣の外ケ浜町に移住していた県内出身のデザイナー・絵里さん(40)と移住者同士で結婚。絵里さんはパンフレット製作だけでなく、牧場の作業も手伝うなど依田さんの経営を支える。依田さんのイノシシは、季節を問わず出荷できることが強み。ジビエ(野生鳥獣の肉)のイノシシは、夏場に味が落ちる傾向がある。だが依田さんは餌に抗生物質を使わず、大麦を配合した100%植物性飼料と、リンゴなど県産青果を使用。出荷する飲食店は「味の個体差が少ない」と評価する。依田さんは「イノシシ肉のおいしさを全国の人に知ってもらい、鍋以外の食べ方も伝えたい」と販路開拓に意欲的だ。

(料理味わいながらジビエに触れて:鳥取)
田畑を荒らす厄介者を貴重な地域資源として活用しようという取り組みです。その主役はジビエ料理、鳥取県東部の飲食店をめぐるいなばのジビエフェアが始まりました。旨味をぎゅっと閉じ込めたロースト肉。こちらは肉厚なハンバーグ、ナイフを入れると、中から肉汁がジュワっと飛び出します。これらの料理は、鳥取市と八頭、智頭、若桜の県東部1市3町で今月始まったいなばのジビエフェアで提供されている料理です。参加しているのは15店舗、飲食店だけではありません。革製品も!この工房では駆除された鹿から鞄やキーケースを作り、ネットで販売しています。このイベントは鳥取県内の飲食店や猟師でつくる協議会が、ジビエに関心を持って貰おうと企画しました。いなばのジビエ推進協議会・木下陽平理事:「ジビエ=害獣というイメージからイノシシや鹿へのマイナスイメージが多いので、食べてもらって少しでもプラスに変えていきたい」。鳥取県内の鳥獣による農作物被害額は昨年度は9千万円以上。ここ10年は5千万円台から1億円の間で推移しています。管理者が高齢化などで山に入る機会が減り、動物が人間を恐れなくなったことなどが原因とされています。参加する店舗側も…。THAW(ソー)・窪田恵里花さん:「普段は個々でそれぞれ活動しているので、ジビエフェアとして押し出していただけるのは地元の方々に知ってもらえる貴重な機会」。このジビエフェア、飲食店で読み取ったQRコードか、革製品のネット購入者に届くQRコードを通じて応募すると、商品券1000円分が抽選で当たります。このイベントは来年1月末まで開催されます。

(出張高校生レストランin石狩2021:北海道)
笠高(三笠市)の生徒が考案した石狩産食材を使ったメニューを販売するイベント「出張高校生レストランin石狩2021」が7日、JAいしかり地物市場とれのさと(樽川120)で開かれる。昨年に続く2回目の開催。今年は石狩産の米や野菜、石狩で捕獲されたエゾシカ肉などを使ったキーマカレーを販売する。イベントは、地場産農産品の消費拡大や関係人口の創出などが目的。同校は道内唯一の食物調理単科高で、調理部の生徒がレストランを運営している。石狩市の主催で初開催した昨年は、同校の知名度の高さなどから、すぐ料理が完売した。今年は石狩市農協が事業を引き継いで行う。

(ジビエ、身近な食材に:高知)
香美市内で捕獲されたシカやイノシシ肉をジビエ料理として広めようと、移住男性が同市物部町で加工施設を営んでいる。自身もハンターとして活動する傍ら、解体から出荷までを担い、「人々の暮らしに身近でおいしいジビエを目指したい」と話している。長野県出身で、市地域づくり支援員の橘木岳大さん(35)。長野県内のフランス料理店のシェフとして10年ほど働きながら、日本ジビエ振興協会のメンバーとしても活動した。全国各地を回るうちに地方でのジビエ文化普及に興味を持つように。2018年に香美市の地域づくり支援員になり、同市香北町美良布に移住した。同市物部町楮佐古で営むのは「高知ジビエ工房」。数年間使われていなかった食肉加工施設の運営を引き継ぎ、今年8月に稼働を始めた。市農林課で有害鳥獣被害対策などに従事しながら、勤務日外に自身や地元猟師が捕獲したシカやイノシシを解体、加工している。「駆除の延長としてだけでなく、味も上質な肉を提供したい」と、獲物の健康状態や病気の有無なども念入りにチェック。解体した肉は冷蔵庫で1週間熟成させてパック詰めする。家庭でも調理しやすいようスライスや切り落としといった少量サイズで、韮生の里美良布直販店(香北町美良布)で冷凍販売している。市農林課によると、昨年度の同市内の有害鳥獣捕獲数はシカ1961頭、イノシシ378頭(8月1日時点)。市が把握している市内の加工施設は他に2軒ある。しかし、商業用に食肉加工するには仕留めてから2時間以内に解体する必要があるなど衛生面の課題もあり、多くが猟師によって自家消費されるか、廃棄されているという。「せっかくいただいた命を無駄にせず、地元で消費できるサイクルをつくりたい」と橘木さん。「革製品などの材料を提供するなど、食肉以外の活用の役にも立てれば」と意欲を見せている。

(愛犬用ジビエが話題:兵庫)
愛犬家と呼ばれる人たちの共通の想いは「愛犬にはいつまでも健康でいてほしい」だろう。そんな人たちの間で最近、ジビエのペットフードが話題になっている。なかでもとりわけ高い評価を得ているのが「マウンテンズギフト」の鹿肉ドッグフード。淡路島発の淡路アグリファームが製造する人気商品だ。実は、100人中94人の獣医・獣看護師がオススメするほど、鹿肉は、犬にとってヘルシーな食材である。なぜなら部位のほとんどが赤身で、低カロリー、高タンパク、低脂質。おまけに鉄分やビタミンB群も豊富で栄養価が高く、本来の犬の食性の観点から理にかなっているから。また、肥満ケアや食欲不振にも効果的で、特に消化機能や基礎代謝量が低下してくるシニア犬の健康維持にはオススメだとされている。マウンテンズギフトが使う鹿肉はすべて天然物。生産工程でも添加物は使わず、職人が手作りしているため、いわば“オーガニックフード”でもある。そんなラインナップの中でも、約8割の人が購入するのが「鹿肉フレッシュミンチ」と「鹿肉の手作りフード」である。前者はその名の通り、鹿の生肉をミンチしたもの。すべての食事をいきなりコレに置き換えると犬の腸もビックリしてしまうので、普段のドライフードなどにトッピングする形で少しづつ与え、様子を見るのが良いそうだ。「鹿肉の手作りフード」は、淡路アグリファームで栽培する人参やブロッコリー、かぼちゃなどを加え、味も彩りも豊かにしたもの。少しトッピングするだけでも“抜群の食いつき”という口コミもあるように、犬の食欲をそそる香りもポイントだ。鹿肉は淡路島を中心に、島根や徳島、北海道など、さまざまな地域で獲れた鹿を扱っているので、地域差による味の違いも楽しめる。商品は小分けされており、少量ずつ使えるようになっているので、公式サイト内のシミュレーターで1日の必要カロリーを計算しながら与えていくのがよさそうだ。マウンテンズギフトではほかにも、猪や魚を使ったドッグフードやジビエジャーキー、特定の疾患を持つ犬向けのケア食も販売している。獣害対策という観点からもジビエ肉への注目は高まっているが、これが愛犬の健康にもひと役買ってくれるなら、今後、ブランド名の通り“山の幸”となり得るだろう。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午後5時ごろ、仙台市泉区小角寅堤にクマが出没しました。

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11/4
(猟友会に駆除を依頼するのは限界、住宅街での発砲でハンターが銃を取り上げられてしまうケースも)
近年、頻繁に報じられるようになった住宅街でのクマ出没。そんな時、行政の依頼を受け、駆除も含めた対応に当たるのが地元の「猟友会」のハンターたちだ。しかし“善意の第三者”であるはずのハンターたちには、「かわいそう」「残酷」といったバッシング、さらには法的責任を問われるケースもあることをご存知だろうか。毎年、多くの目撃情報が寄せられる北海道の砂川市で30年以上にわたって保護や駆除などを担ってきた北海道猟友会砂川支部長の池上治男さん(72)の場合も、銃が使えなくなってしまった。発端となったのは、3年前に市の依頼でクマの駆除を行ったことだった。後に民家のある方向に射撃したとの指摘があり、翌年、道公安委員会によって銃の所持許可を取り消されてしまう。当時、たしかにクマの後方には数軒の民家があり、池上さんは“人や建物に銃弾が届く可能性がある場合は発砲してはならない”というルールを破ったことになる。とはいえ、現場にいた市職員や警察官からは制止されることはなかったという。「最終的には引き金を引く我々が責任を負うというのはいいが、危険な場所に行っているハンターをその状態にしていて平気なのだろうか?警察には、もっと正しい目で見て判断をしてもらいたい」。また、民家の下には高低差8メートルの斜面があったこともあり、池上さんは昨年5月、北海道を相手取り、処分の取り消しを求める行政訴訟を起こした。代理人を務める中村憲昭氏弁護士は「砂川市には30人ほどの猟友会メンバーがいるが、そのうち市の要請で出動するのは鳥獣対策委員といって、熟練したハンターだけだが、そもそも民間のハンターが対応しているのは、他に適格者がいないからだ。警察が拳銃でクマを撃てと言われても撃てないし、当たったとしてもおそらくクマは倒せない」と話す。「池上さんの場合、駆除そのものは成功し、現場でも何ら問題はなく終わっていた。捜査のきっかけは、同行した別のハンターの通報で、駆除行為から2カ月経ってのものだった。当初、刑事事件として取り調べが行われ、検察庁では処罰の必要性がないということで起訴はしなかったが、後になって公安委員会が“鉄砲を取り上げる”と言ってきた、特異な事件だ」。道公安委員会は検察庁に送った処分意見の中で「危険を厭わず発砲して駆除しようとする癖がうかがえる」「状況判断を的確に行えない危険な者と評価せざるを得ない」「自己の技量を過信する自己中心的な考え方は非常に危険」と指摘していたという。中村弁護士は「不適格者は免許所持の許可を与えるに値しないので、場合によっては許可を取り消さなければいけないこともある。ただ、そのためには理由が必要だ。しかしこれは非常に恣意的というか、処罰したいという意識ばかりが先走った意見だと感じている」と指摘。また、自身も猟友会に所属するハンターでもあることから、「私は現地を見て、民家に銃弾が届く恐れはないと判断した」と断言する。「弾丸が止まるような斜面、あるいは崖などがあれば撃っていいというのは教則本にも書いてある基本的な事柄だ。当時、ヒグマとの距離は16~18メートルという近距離だったし、ヒグマのいた斜面と、奥にある建物の高低差8メートルあった。しかし公安委員会は高低差を一切無視し、単に平面図だけで“射線の方向に建物がある”として猟銃所持許可を取り消した。それはさすがにおかしいということで裁判を起こした」。今は現場で住民に注意喚起をするのみだという池上さん。中村弁護士は「狩猟や有害駆除をやるためには猟銃の所持許可だけでなく、狩猟許可も必要で、池上さんは狩猟許可の方は取り上げられていないし、違反の事由が認められなかったので取り上げないとの回答ももらっている。そういうこともあって、池上さんは見回りを今でも続けている」と説明した。30年以上も有害駆除に協力してきた北海道猟友会新函館支部長の水島隆さん(68)は「クマが藪や林の中に入っていくわけですよね。警察官も自治体の職員も、そこまではついて来られませんから。だから最終的にはハンターの判断になるわけですし、暗黙の了解という形で対応してきた。でも、もう現地に行っても警察の判断がなければ我々は一切手出ししない、静観することにした。何かあれば、個人のハンターに責任が被さってくるということになるから」と明かす。野生動物や地域における獣害問題も研究するどうぶつ科学コミュニケーターの大渕希郷氏は、「アメリカの方は、野生の管理をする、マネジメントするという考え方が非常に浸透しているのでうまくいっているのかと思う。日本だと、野生動物のリテラシーが、一般の方々含めてついていないし、放つとなると議論も呼ぶだろう。元々いたとは言え、新たに導入するとなると、新たな感染症の問題であるとか、色々考えなくてはいけないことが出てくると思う」と指摘。また、兵庫県森林動物研究センター所長の梶光一氏は、ドイツではプロの狩猟者が駆除を担っているように、日本でもプロの組織づくりが必要ではないかと話している。ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「開発によって自然が減っていった結果、野生動物も減り、ハンターの出番も多くはなかった。それが、過疎化が進んだことで、中山間地域で自然が猛威を振るうようになり、もはやボランティアのハンターさんたちに鳥獣駆除を任せる仕組み自体が破綻してきていると思う」と話す。「昔はヒグマが札幌市内に現れるということはなかった。これは緑化政策の結果、山と市内が繋がってしまい、住宅街にまで動物が侵入してくるようになった。しかし周りには家があるので銃を撃てない。かといって警察が追いかけ回すのも危険だ。この“市街地での駆除”という、新たな問題が出てきているということだ。一方で、中村弁護士もおっしゃっていたように、警察は猟銃を撃つような訓練なんかしたこともないし、するつもりもないだろう。そもそも、そんな仕組みもない。ただ、キャンプブームや登山ブームの流れや、筆記試験だけで取れるということもあり、20代、30代の狩猟免許取得者が増えてきているという。ただ、単独では狩猟ができないし、獲物の処理も人に教えてもらわなければならないので、3年後に更新する人はほとんどいないという。加えて猟友会に行ってみると、言い方は悪いがベテランのおじさんたちはやはり怖い(笑)。それで面倒くさくなって、猟友会にも近づかないという構造がある。そもそも江戸時代までは食物連鎖の頂点にいるニホンオオカミがイノシシとかシカなどを獲っていたことで生態系のバランスが保たれていた。アメリカがイエローストーン国立公園でやっているように、日本も山にオオカミを放てばいいんじゃないかと言っているんだけど、それを言うと叩かれてしまう(笑)」。中村弁護士は「実は池上さんは私の師匠だ。まさに池上さんにナンパされて砂川の猟友会に加入した。最初は趣味のつもりでやっていたが、仕事になっていた」と苦笑していた。

(クマの意外な「弱点」:岩手)
岩手県内で生息数が増えているツキノワグマについて、自治体と専門家が被害への対策を話し合う会議が行われた。専門家からはクマの意外な「弱点」をついた対策が紹介された。11月2日は県や各市町のクマ被害の担当者が集まり、2021年の被害状況を報告した。その中で多く話題に上がったのは「都市部に出没するクマ」。この状況について、専門家が次のように説明した。岩手大学 青井俊樹 名誉教授「(クマは)沢を利用している。草が茂っていて、安心して移動できる沢を伝って歩いているうちにいつの間にか街中に来てしまう」。その上で、川沿いの茂みを刈り払うのが有効であると指摘した。県内では約3700頭のクマが生息していて、県は2026年度までに3400頭まで減らす計画。この上で2022年度は最大で626頭捕獲する計画を発表。また専門家からは「クマがヘビを嫌う」習性が指摘され、ヘビの成分を使った対策も示された。ツキノワグマ管理検討委員会 由井正敏 会長「(クマは)ヘビの脱皮殻の匂いだけでも逃げていく。小屋につるしてもいいし、粉にして塗っておけば(有効)」。参加した担当者は、会議で出た専門家の意見を持ち帰り、それぞれの対策を実施していくとしている。

(獣害対策「ハンターバンク」:神奈川)
イノシシなどが農作物を食い荒らす被害を減らすため、小田急電鉄は11月から、被害を受けている農林業者と活躍の場を探すハンターをマッチングするサービス「ハンターバンク」事業を本格的に始める。近く小田原市と協定を結び、同市内の山林を中心に駆除活動を進める。同バンクは「狩猟免許を取ったが、場所が見つからない」「誰かと一緒に猟をしたい」などのハンターを会員募集。小田原市の協力のもと、箱わな猟を行うハンターと地元の農林業者をつなげる仕組み。ハンターは月額のバンク利用料を支払う。小田原市によると、獣による農作物被害額は2017年度で、イノシシが約480万円、小動物が約280万円、ニホンジカが約65万円。小田急は「獣害に困っている地域の問題解決とハンターの技術向上との両立を図るプラットフォームサービスにしたい」としている。

(迷惑「キョン」大量発生で被害:千葉)
暗闇の中で怪しく浮かぶ光。さらに、真夜中の住宅街に響き渡る不気味な鳴き声。取材班は、その生き物が生息するという、千葉・いすみ市へ。すると、住民たちの口から、その名前が明かされた。正体は、シカ科の特定外来生物「キョン」。住民が口をそろえて指摘するのは、特徴的な鳴き声。近隣住民「ワァー! ワァー! みたいな」、「ギャー! こんな感じ」夜になると現れるという、キョン。その姿をとらえるため、住宅街の捜索を続けていた、その時、特徴的な鳴き声がした。どうやら近くにいるようだったが、声の主は、暗闇にまぎれ、撮影できなかった。そして取材2日目。今度は、カメラがとらえた。住宅の庭で、草を食べるキョンを発見。体長70cmほどのキョン。本来、日本には生息していないはずだが、道路をわが物顔で横断したり、親子連れが庭で遊んでいたり、住宅街のいたるところに出没。なぜ、ここまで大量発生しているのか。かつて、房総半島南部で営業していた動物園から飼われていたものが逃げ出し、野生化。その後、爆発的に増え続け、その数は、千葉県内でおよそ4万4,000頭を超え、東京都に近い柏市でも目撃されるなど、都内に接近してきている。農作物を荒らす被害が相次ぎ、農業被害は、年間120万円にのぼり、ガーデニング被害も深刻。千葉県は、年間5,000頭以上を捕獲しているが、キョンの増加ペースに追いついていないのが実情。最終的な解決策は、見つかっていない。

(道北のクマ、平成2年ごろまでは減少しそれ以降は回復:北海道)
道の北部に生息するクマついて、道が駆除を奨励していた平成2年ごろまでは数が減少していた一方、それ以降は回復していたとする研究を北海道大学などがまとめました。クマの生態の理解につながるデータとして期待されています。北海道大学の学生サークル「北大ヒグマ研究グループ」は、幌延町にある大学の研究林で調べたクマのフンやあしあとなどの痕跡を40年間、記録してきました。この記録を大学の農学研究院などの研究チームが解析した結果、平成2年までは道の北部に生息するクマは減少していた一方、それ以降は回復しているとみています。研究チームによりますと、昭和41年から平成2年までにかけては、道がクマの捕獲を奨励する制度を実施していて、この制度の期間中、クマの痕跡は年平均で15%減少した一方、制度が廃止された後は、年平均で7%増加していたということです。サークルのOBで研究に携わった北海道立総合研究機構の日野貴文さんは、「市民レベルの調査はこのほかにもあるのではないか。プロの研究者が関わり解析すれば生態系の評価や理解がより進むと思う」と話していました。

(クマにばったりどうする、山の専門家に対応学ぶ:富山)
クマから身を守り、身近な里山に生息する野生動物の習性について、立山カルデラ砂防博物館(立山町千寿ケ原)の学芸員から学ぶ授業が2日、上市町丸山の白萩西部小学校で開かれた。全校児童40人が、クマに遭遇した場合の対応などを教わった。里山を抱える白萩西部小学校区にはイノシシやカモシカが生息し、昨年はクマの出没が相次いだ。同校PTA副会長の水林史(ふみ)さんが立山カルデラ砂防博物館の出前授業を活用し、クマへの対応を学ぶことを提案した。授業では、立山の自然に詳しい白石俊明主任学芸員が講師を務めた。白石さんはツキノワグマの足形や毛皮などを見せながら、クマの長い爪は木に登って実を取るために役立つことを説明した。クマに遭遇した場合は、人の顔をたたく恐れがあるため、しゃがんで、けがしないように首の後ろに手を回すようアドバイスした。登校中にやぶからクマが飛び出すことを想定し、児童はしゃがむ練習を繰り返した。白石さんは「クマは人間をいつも襲おうとしているわけではなく、驚いて逃げる際に人の顔や上半身を狙う可能性がある」と述べた。地域の里山に生息するカモシカやニホンジカ、タヌキなどの生態も説明し「野生動物と共に暮らすためにどうしたらいいか考えてほしい」と呼び掛けた。

(獣害から森林を守ろう!:滋賀)
動物の食害などから木を守ろうと、長浜市の山林で木にテープを巻く獣害防止作業が行われました。獣害防止作業を行ったのは滋賀県トラック協会です。トラック協会は、滋賀県造林公社と「琵琶湖森林づくりパートナー協定」を結んでいて、長浜市岡谷町にある18ヘクタールの山林の保全活動に取り組んでいます。県内には約6万頭のシカが生息しているとされていますが、シカなどによって皮を剥ぎ取られて木が立ち枯れる被害が報告されています。3日は、関係者ら100人あまりが獣害から木を守る作業を行いました。作業は、古くなった獣害防止テープを外して木の根元から高さ1.5メートルの間に新しいテープを巻いていきます。参加者は、足場の悪い山の中での慣れない作業に戸惑いながらも、一本ずつ丁寧に仕上げていきました。

(「新しいヒグマ」どう向き合う?:北海道)
道内の研究者でつくる「ヒグマの会」は6日午後1時半~4時半、新しいヒグマとの関係を考えるフォーラム「これからの10年ヒグマと向きあうためのグランドデザイン」を北大学術交流会館(札幌市北区北8西5)で開く。同会は、札幌や旭川で市街地へのクマの侵入や、農業被害の増加、人を襲う事故が発生していることを踏まえ、今後10年クマとどう向きあっていくかグランドデザインの草案をまとめた。同会に所属する研究者たちが、クマ管理の現状や課題、鳥獣専門の指導員を配置する兵庫県と島根県の先進事例を紹介。体制づくりや対策、管理のための普及啓発について提言する。

(豚熱とアフリカ豚熱の同時診断が可能)
農研機構動物衛生研究部門とタカラバイオは共同で、検体からウイルス核酸を精製することなく、豚熱ウイルスとアフリカ豚熱ウイルスの遺伝子を簡便かつ同時に検出できるリアルタイムPCR法を開発。これまでそれぞれ6時間かかっていた豚熱とアフリカ豚熱の判定・識別を、1回2時間の検査で実施できるようになり、両疾病の迅速な摘発や早期の防疫措置の発動に役立つと期待される。アフリカ豚熱(ASF)は、致死性が極めて高く、未だ治療法や予防法のない豚やイノシシのウイルス感染症。これまで国内での発生はないが、現在、地球的規模で猛威を振るっており、東アジアや東南アジアなど近隣の地域でも続発していることから、その侵入には厳重な警戒が必要だ。一方、2018年に26年振りに国内で発生した豚熱(CSF)は、現在も国内の養豚場で発生が相次ぐとともに、野生イノシシでの感染も拡大している。両疾病は、ともに家畜伝染病予防法で指定される重要疾病だが、臨床症状が酷似することから、診断には遺伝子検査が必要。ASFとCSFの防疫措置を確実かつ効果的に実施するには、迅速かつ実用性に優れた遺伝子検査法の開発・普及が必要とされる。農研機構とタカラバイオは、現在、都道府県の検査施設で汎用されている検査法に大幅な見直を実施。簡易な前処理のみで検査が可能な抽出試薬や夾雑物による阻害を受けにくいPCR酵素を採用することで、検査材料からのウイルス核酸の精製工程を経ずに、一度の検査で両疾病を簡便・迅速に判定できるリアルタイムPCR法を開発した。この新検査法は、国が定める「特定家畜伝染病防疫指針(令和3年10月1日改正)」の診断マニュアルに記載されているリアルタイムPCR法の一つとして、国や都道府県の病性鑑定施設等で利用されることが期待される。同検査法に対応するPCR試薬群は、11月1日にタカラバイオから発売された。

(クマ目撃9~10月大幅減:新潟)
9~10月に県内で確認されたクマの目撃・痕跡件数が昨年同期を大幅に下回った。例年なら冬眠前に餌を求めて活発に動き回る時期だが、専門家は山の中に餌の木の実が一定程度あることが一因とみる。ただ、人を恐れない「新世代クマ」が市街地近くに潜んでいる恐れもあり、油断しないよう呼び掛ける。

(軽乗用車がクマと衝突:秋田)
2日午後0時5分ごろ、秋田県鹿角市八幡平字平の国道341号で、能代市の40代女性が運転する軽乗用車がクマと衝突した。女性にけがはなかった。

(市道脇の茂みにクマ:北海道)
1日午後11時ごろ、札幌市清田区清田の市道脇の茂みで、クマが歩いているのを車で通りかかった女性が目撃し、札幌豊平署に通報した。周囲を警戒していた市職員が2日午前10時すぎ、付近の歩道でクマのフンを発見した。同署によると、クマは体長1メートル。現場は北海学園大清田グラウンドの東にある茂みで、住宅街に隣接している。市立清田緑小と清田南小は2日午後、児童の一斉下校を行い、市立清田中も放課後の部活動を中止。同署や市は付近に警戒を呼びかける看板を設置した。近くに住む30代女性は「昨年、夫が同じ場所でクマを目撃した。子どもと近くの公園に出かけることもあるので怖い」と話した。

(サル、代々木公園・新宿駅西口近くに出没:東京)
東京都内などで先月下旬からサルの目撃が相次ぎ、2日には新宿区などの都心部にも出没した。都西部の山林などから迷いこんだ同一個体の可能性があり、都の担当者は「危険なので、刺激しないでほしい」と呼びかけている。都によると、サルは先月23日に東京都日野市で確認されて以降、八王子市や町田市、川崎市、横浜市で次々と目撃された。民家の柿を食べ、電線をつたうなどして移動を続けているとみられる。今月1日には世田谷区に現れ、2日は渋谷区の代々木公園や新宿駅西口近くにも出没した。

(各地でサルの目撃情報が相次ぐ:東京)
東京都内の住宅街で野生とみられるサルの目撃情報が相次いでいる。3日は豊島区・池袋、北区・赤羽に出没した。サルは1日から2日にかけて世田谷区、新宿区、渋谷区などで確認された。各区は、サルを見かけても近づかない、餌を与えない、目を合わせないなどと注意を呼びかけている。けが人などの被害は出ていない。3日午後2時ごろ、サルはJR赤羽駅前のショッピングモール「赤羽アピレ」の屋上に現れた。目撃した50代女性は「膝を抱えて座っていました。2~3分ほどですぐにいなくなってしました」と話した。午後4時半ごろには駅から徒歩3分の仏教寺院「宗泉寺」に出没。姿を見た会社員の柴田政則さんは「迷い込んできたのだと思いますが、子どもがけがをする前に捕まって欲しい」と心配した様子。息子の太士君(8)は「近くで見ると大きくて怖かった」と話した。午後7時ごろには、柿の木が近くにあるマンションの屋上で座り込み休んでいる様子が見られた。都内では9月にも品川区などでサルが出没し、同一とみられるサルが羽田空港内で捕獲された。

(サル出没、捜索も見つからず:神奈川)
東京都内でサルの目撃情報が相次ぐ中、神奈川・横浜市でもサルが姿を現した。横浜市保土ケ谷区で撮影された映像には、1匹のサルが石段を横切り、フェンスを飛び越えていく様子が映っていた。3日午後1時すぎ、「サルが1匹徘徊(はいかい)している」と近所に住む男性から110番通報があった。サルが北方向に移動しているとの目撃情報をもとに、警察が捜索したが、その後は見つかっていない。目撃者によると、尻が赤かったことからニホンザルとみられる。警察は捕獲などは考えていないということだが、目撃しても近づかないように呼びかけている。

(住宅地に野生のニホンザル出没:高知)
2日午前、高知市東部の住宅地や南国バイパスなどでサルの目撃情報が相次いだ。野生のニホンザル1匹が2時間半ほどの間に大津、高須、介良地区を数キロ歩き回ったとみられ、高知東署員らが捜索したが、見つかっていない。けが人はいないが、市農林水産課は「近づくとかまれることがある。見掛けても目を合わせないで」と呼び掛けている。

(11月限定で「鹿フェア」:北海道)
一般社団法人いけだワイン城(村田政宣理事長)は11月限定で「エゾ鹿フェア」と題し、1階の売り場でエゾシカの革製品の販売、4階のレストランで期間限定を含むシカ肉料理を提供している。

(大学生がシカ肉の一頭解体実習を実施:徳島)
徳島文理大学短期大学部生活科学科食物専攻・長尾久美子准教授の栄養学各論実習では、平成27年からシカ肉の有効活用に取り組んでいる。その一環としてこのたび、学生が学内でシカ肉を丸ごと一頭解体する授業を実施。これは食物系の学科では全国でも珍しい調理実習であり、SDGs、エシカル消費、フードロスなどへの理解にもつながる授業となっている。シカ肉の解体実習は、学生がエシカル消費の理解、またジビエに対する理解を深めることを目的に実施しているもの。また同大では毎年、学生食堂で学生考案のシカ肉料理を提供し、シカ肉普及の一助を目指している。今年度の実習には食物専攻2年14名の学生が参加し、地元で地下足袋王子として親しまれている平井滋氏を講師として招請。平井氏はジビエ料理を提供するレストハウス「ファガスの森 高城」の管理人で、シカ肉の加工施設も営んでいる。実習では徳島県那賀郡那賀町木沢地区で捕れたシカを枝肉(頭部、皮、内臓は除去済み)に解体。市販の加工された切身の肉でなく、動物の骨から肉を取り出すことや筋膜や筋の生の状態を知る体験は、栄養士を目指す学生たちの今後の献立作成時のレシピ開発や料理方法の考案の知識となる。一頭のシカを丸ごと解体し、骨から外す調理実習は、食物系の学科では全国でも珍しいで。この貴重な体験が今後、栄養士としての現場での大きな力となり自信となっていく。また、SDGs、エシカル消費に対し理解を深めることができ、食材のあらゆる部分を使うことでフードロスへの貢献にもつながることが期待される。

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(住宅街にイノシシ出没、近くにいた人など計6人ケガ:山梨)
甲府市の住宅街にイノシシが出没し、計6人が、ケガをしました。甲府市などによりますと、30日午前8時頃、山梨甲府市北新2丁目で、体長1メートルほどのイノシシ1頭が目撃され、警察や猟友会などが出動しました。イノシシはその後、山梨大学の近くにあるコンビニエンスストアに入り込み、午前10時前に、店の敷地内で捕獲されました。近くにいた人や猟友会の男性、計6人が、このイノシシに襲われるなど、軽いケガをしたということです。

(住宅街にイノシシ出没、住民がかまれてけが:神奈川)
30日朝、神奈川県小田原市の住宅街にイノシシが現れ、住民の女性が足をかまれ軽いけがをしました。イノシシは猟友会などに駆除されました。

(農作業の男性がクマに、カキを食べるために出没か:静岡)
静岡県小山町で10月29日、農作業をしていた男性がクマに襲われ、けがをした。その後クマは逃げ、発見されていない。発表によると、10月29日午前10時ごろ、小山町生土で農作業をしていた男性がクマに襲われ、腕に軽いけがをした。猟友会や警察などが逃げたクマを捜したが見つからなかったという。小山町は、クマが男性を襲った場所の近くにカキの木があったことから、クマがカキを食べるために出没した可能性があるとしてカキの実を取り除いたという。

(散歩の高齢夫婦がクマに襲われ負傷、クマは山へ逃走:兵庫)
1日午前7時ごろ、兵庫県養父市能座の市道で、近くに住む夫婦が散歩中に体長約1メートルのクマに襲われた。夫(72)は首を引っかかれて2針縫う軽傷を負い、妻(67)は逃げる際に転倒して右肩を骨折した可能性がある。兵庫県警南但馬署によると、散歩中にクマが前方から走ってきたといい、夫がつえで抵抗したが襲われたという。クマは山に逃げたとみられ、同署がパトカーで現場周辺を警戒し、注意を呼び掛けている。

(野生動物による農作物被害額50億円、エゾシカが8割:北海道)
昨年度、道内で野生の動物に食べられるなどした農作物の被害は50億円にのぼりました。被害全体の8割を占めるエゾシカによる被害が増加するなどの影響で前年度から3億円増加しています。道のまとめによりますと、昨年度、道内のエゾシカやヒグマなどの野生動物による牧草や稲などの農作物の被害は50億円にのぼり、前の年度より3億円増加しました。このうちエゾシカによる被害は40億7000万円と全体の8割を占め、前の年度より2億7000万円増えました。また、▼カラスが2億7000万円、▼ヒグマが2億5000万円、▼アライグマとキツネがそれぞれ1億4000万円などとなっています。道の自然環境課は、エゾシカの生息数が減らず、活動範囲の拡大により対策が追いついていないことが被害の増加の背景にあると分析しています。道は、道内の自治体と連携し、エゾシカの駆除や侵入防止柵の整備など対策を強化したいとしています。

(県内のクマ捕獲枠、来年度引き上げへ:秋田)
秋田県内に生息するツキノワグマの捕獲枠について県は29日、国の指針に基づき推定生息数の12%としてきた上限を来年度、県独自に23%へ引き上げる方針を明らかにした。大量出没により、有害駆除頭数が捕獲枠を超え続ける近年の状況を受け、一定の狩猟枠を維持するためという。2009年度から県は、8年連続で県猟友会にクマ猟の自粛を要請してきたが、16年ごろから県内では大量出没が続き、有害駆除が増加。16年度に過去最多の456頭となって以降、800頭近くに達した年もあり、100頭台から500頭台の捕獲上限を有害駆除だけで上回る状況が続いた。それでも人里近くへの出没がやまないため県は17年から、例外的な措置として狩猟を解禁してきた。来年度からの新たな上限は、県が1980、81年に行った調査で県内のクマが毎年23%増加すると推計したことを踏まえた。2020年4月時点の県内の推定生息数は4400頭で、新たな上限を適用すれば年間の捕獲上限は1012頭になる。

(漁網やごみ、シカの脅威に:北海道)
日本最大の砂嘴(さし)、野付半島で、雄シカの角に、落ちている漁網や浜辺に漂着したごみなどが絡まって衰弱するケースが相次いでいる。こうした被害に遭うシカは「羅網(らもう)シカ」と呼ばれ、24日に発足した地元のNPO法人野付・エコ・ネットワーク(藤井薫会長)は、浜辺に出るシカが増える冬を前に対策に乗り出す。野付半島は、冬は海風の影響で積雪が少なく、餌のササや草の根を求めてシカが集まりやすい。同ネットワークによると、羅網シカの確認は12月~3月に集中。藤井会長は「下を向いてエサを探す時や、地面にこすりつけて角研ぎする際に絡まるのでは」と推測する。3~4年前から情報が寄せられるようになり、毎年3頭ほどが目撃されるという。今年3月には、互いの角にロープが絡まり、離れられなくなった2頭の雄シカが確認された。エサが食べられず、同月中旬に半島の先端付近で死んでいるのが見つかった。

(クマの推定生息数が増加、駆除の上限数引き上げへ:福井)
2022年度から5年間の福井県内のツキノワグマ駆除の方針や人身被害防止対策に関する福井県の検討委員会が10月22日、福井市の県教育センターで開かれた。事務局の県は、推定生息数が15年の前回調査時に比べ県全体で90頭程度増え、人里周辺の出没も目立っているとして、駆除の年間上限数引き上げを盛り込んだ計画の骨子案を示した。県が19、20年に行った調査で、生息数は15年に比べ、嶺北地域は40頭増の800頭、嶺南地域は50頭増の240頭と推定された。骨子案では、駆除の年間上限数を推定生息数の15%(嶺北120頭、嶺南36頭)とし、嶺北は3ポイント、嶺南は7ポイント引き上げる。20年度に嶺北で駆除された170頭のうち131頭がシカやイノシシ用のわなに誤って掛かっていた。狩猟者の安全確保に向け、クマが掛からない構造のわなの普及と適正な設置、管理を進める方針。集落周辺に定着するクマの自動撮影カメラによる把握も検討する。会合には県猟友会や大学、市町、県森林組合連合会などの委員ら計41人が参加した。県猟友会の齊藤藤伸会長は「山は複数の自治体にまたがっているが、市町によって対応に温度差がある。スムーズな協力をお願いしたい」と述べた。

(鳥獣被害の現状を調査する説明会を開催:新潟)
新潟県糸魚川市は1日、糸魚川市来海沢(くるみさわ)地区の鳥獣被害の現状を調査するため、同地区の住民を対象にした説明会を同地区の町内会館で開いた。この説明会は昨年実施しており、今回が2回目。この日は、糸魚川市の担当職員や糸魚川地域振興局の担当職員のほか、地区住民など約20人が参加した。調査を担当する鳥獣被害対策事業を手がける株式会社うぃるこ(新潟県長岡市)の今村舟さんが地区住民から現状をヒアリングし、現状把握につとめた。うぃるこは野生動物管理工学を専門にする長岡技術科学大学の山本麻希准教授が代表取締役を務めるベンチャー企業。冒頭、同地区の神喰重信区長は「今年、地すべりが発生して応急工事が進んでおり、そのせいか最初あまり鳥獣被害はなかったが、(冬期間撤去する)電気柵がなくなってからは被害も出てきたようだ」と話した。その後、ヒアリングに移り、地区の住民が「箱罠で捕えているが、今年は去年と比べてイノシシやクマの数が減っている」と報告すると、うぃるこの今村さんは「(会社の本社のある)長岡市では下に降りてくるイノシシなどが多くなっており、長岡市とは状況が違う」と話した。また、別の住民は神喰区長が触れたように、「冬の積雪のために冬期間だけ撤去する電気柵がなくなると、田んぼにイノシシの足跡が増えた」と話したほか、神喰区長は「スズメやカラスなどの鳥が電線に止まっているのが気になる。イネや果物への被害が出ている」と話した。うぃるこの今村さんはこの日のヒアリングを分析し、次回にどのような対策ができるかという案を提案する。次回は11月30日を予定しており、来年度の実施体制の確認を行うという。

(クマよけの木柵の効果高めるには:秋田)
クマによる人への被害を防ぐため、これまでとは違う発想でクマよけの木の柵その名も「ストップベア」という商品が開発されました。効果を高めるため今も実験が続けられています。「農作業中に襲われた」「クリ拾いをしていたら襲われた」など秋田県内では今年これまでに11件のクマによる被害があり11人がケガをしました。県立大木材高度加工研究所の野田龍准教授は、公園に設置した木製の看板などがクマにかじられる被害が続いたことから、おととしからある実験をしています。そのテーマは「クマが嫌がるにおい」。クマの専門家ではないため秋田市・大森山動物園の協力を得てツキノワグマの展示室で実験を続けています。塗料を塗ったりにおいを染み込ませたりした木材を入れて様子をみます。野田さんは、動物園で続けてきた実験結果からクマはトウガラシの辛み成分が苦手だと絞り込み、数カ所で実証試験をしました。果樹園に設置したケースでは茂みから現れたクマが果樹園に侵入せずに通り過ぎた姿をセンサーカメラが捉えています。においを染み込ませた木材を使ったクマよけの柵「ストップベア」を横手市の木材加工会社と今年5月に商品化し県内7つの自治体が実際に使っています。トウガラシの成分を特に嫌がったそうですが、クマが慣れたりにおいが薄れたりすることもあるのでより効果を高めるための実験は続きます。

(「ふくしまけも人(んちゅ)交流フェア2021~けもの対策to新米祭~」:福島)
福島県では野生鳥獣による農作物の被害が地域農業を振興するうえで大きな課題となっております。地域の実情に応じた鳥獣被害対策を推進するため、県では平成29年度から「鳥獣被害対策市町村専門職員育成支援事業(令和2年度まで 鳥獣被害対策市町村リーダー育成モデル事業)」を展開し、野生鳥獣に関する専門的な知識を有し市町村等における鳥獣被害対策の中心的な役割を担う、鳥獣被害対策市町村専門職員(以下 「市町村専門職員」)の配置及びその活動を支援しております。しかし、市町村専門職員の全国的な人材需要の高まりから、人材の確保が困難になっております。そこで、県内外で活躍する市町村専門職員の必要性や仕事内容、やりがいなどを知っていただくために、イベントを開催しますので、お知らせいたします。

(狩女の広場、広まれ交流:石川)
二〇一八年に穴水町へ移住し、ジビエ(野生鳥獣肉)利活用アドバイザーなどで活躍する福岡富士子さん(51)=同町大町=が、移住者四人と協力し取り組む「狩女(かりじょ)の広場」が三十日、同町川尻に開業する。にぎわいづくりを目的に地元の農産物、加工品を売る販売場所やキッチンカーを出店するレンタルスペースなどで活用する。地元住民や移住者同士の交流の場となることも期待。開業記念の催しが午前十一時~午後四時に開かれる。

(令和3年度女性を対象とした狩猟の魅力体験ツアーの開催:石川)
現役女性ハンターによるトークショー、レザークラフト体験、ジビエ弁当や狩猟現場の見学など、狩猟の魅力を体験できます。狩猟に興味のある方をはじめ、多くの方のご参加をお待ちしております。ふるってご参加ください。

(はく製展示で解説、ワークショップも:兵庫)
兵庫県丹波市氷上町石生の氷上回廊水分れフィールドミュージアムで、秋季ミニ企画展「秋の里山動物展」が開かれている。同ミュージアムと兵庫県森林動物研究センター(同市青垣町)の共同企画。同県内に生息する野生動物の生息状況や、野生動物による農林業被害などのさまざまな課題について、12体の哺乳類のはく製とそれら動物の生態などを解説したパネルとで紹介している。31日まで。ツキノワグマ、キツネ、ニホンザル、イタチ、テン、ニホンジカ、イノシシの在来種をはじめ、近年、国内の生態系に影響を及ぼしているとして問題になっているアライグマ、ヌートリア、ハクビシンの外来生物のはく製も展示している。また、姿がよく似ているため混同されているタヌキとアナグマを隣り合わせで展示し、違いを確認できるようにしている。シカの解説パネルでは、増え過ぎたシカによる農林業被害のほか、森林内の下層植物を食べ尽くすことで生物の種類が減っていることや土壌侵食を招いていること、それに伴う生態系への深刻な影響が心配されていることなどを説明。これらの状況から、同県は2018年度から、狩猟と有害捕獲を合わせて年間4・6万頭を捕獲する計画を立てていることを紹介している。30日午後1―3時、専門家による里山動物の話や、トートバック作りなどのワークショップを予定している。里山いきもの研究所から専門家を迎え、丹波市に生息する野生動物の解説やクイズ、動物のシルエットをスタンプして仕上げるトートバック作りを計画している。

(オオカミ型ロボがイノシシ撃退:富山)
小矢部市は、イノシシなどの有害鳥獣がもたらす農作物被害対策として、オオカミを模した撃退装置を導入し、威嚇音や光などで追い払う実証実験に乗りだした。中山間地の末友地区に装置を設置して効果を探り、有害鳥獣駆除を担う人材の高齢化対策や、電気柵の維持管理の負担軽減につなげる。撃退装置「モンスターウルフ」は長さ約120センチ、高さ約80センチで、野生動物が近づくと赤外線センサーで感知。目の部分の発光ダイオード(LED)ライトを点滅させながら首を左右に振り、オオカミの声などの威嚇音を発する。市によると、全国約60カ所で活用され、県内での導入は初めてとみられる。イノシシが天敵のオオカミと勘違いし、防衛本能から寄りつかなくなる効果が期待される。威嚇音は、獣の遠ぼえや銃声など80種類以上あり、動物が音に慣れることを防ぐ。収録音源も追加可能で、桜井森夫市長が「山へ帰れ ここはお前たちの来るところではない」と一喝する声も採用した。末友地区では、2019年度に43頭、20年度に13頭、今年度は11頭(8月現在)のイノシシが捕獲された。地元住民によると、おりにかかっていない個体も一定数いるとみられ、畑の周囲にはイノシシが荒らした痕跡が点在している。市は9月補正予算で対策費として60万円を計上し、撃退装置に加え、赤外線センサー搭載のカメラ5台を導入した。装置周辺に設置し、カメラに映ったイノシシの行動を検証、クマやシカなどへの効果も調べる。効果が確認できれば、他地区にも移設して市全域に「追い払い効果」を広げる方針で、市農林課の担当者は「中山間地での農作物被害を軽減し、長期的に農業に従事できる体制を整えたい」としている。

(イセエビを狙う密漁者、ドローンで監視:沖縄)
高級海産物を狙う密漁者や畑を荒らすイノシシなどの被害防止に役立てようと、沖縄県国頭村と国頭漁協は20日夜、ドローンを駆使した実証実験を行った。温度を感知するサーマルカメラを搭載したドローンを飛行させ、上空から密漁者役の行動や畑を歩くイノシシの撮影に成功した。密漁対策にドローンを使うのは全国的にも珍しいという。実験はドローンを活用した産業問題の解決事業などを手掛ける大阪市のドローンヒーローズ(田中愛梨社長)の協力で実施した。村の沿岸では近年、イセエビなどの密漁被害が相次いでおり、漁協は対策に力を入れている。同日は密漁者役の組合員が素潜りで漁をする様子を、陸からリモコンのモニター画面で確認しながらドローンで撮影。密漁者役が漁獲物や違法な漁具を持っている姿も確認できた。密漁者役をした組合員は「水中ではドローンの音は全く聞こえなかった」と話し、漁協潜水部会の伊藤和浩部長は「現行犯の証拠をしっかり押さえて、より確実に検挙につなげることができる」と期待する。イノシシによる被害対策の実験では村奥間の畑を上空から撮影。1頭の成獣とみられるイノシシが畑の中を歩きながら何かを食べる様子が確認された。村担当者は「イノシシの巣や行動パターンを把握することで、効果的な駆除作業につながる」と話した。

(車とクマ衝突、運転の女性にけがなし:秋田)
28日午後7時5分ごろ、秋田県北秋田市上杉字硯川の市道で、同市の30代女性が運転する軽乗用車がクマと衝突した。女性にけがはなかった。

(軽乗用車とクマ衝突、けが人なし:秋田)
30日正午ごろ、秋田県三種町鹿渡字高石野の秋田自動車道下り線で、秋田市の60代男性が運転する軽乗用車が体長約80センチのクマとぶつかった。男性と同乗者1人にけがはなかった。県警高速隊によると、男性が秋田市方向から能代市方向に進行中、左側から出てきたクマとぶつかった。クマは現場付近ののり面で死んだ。現場は琴丘森岳インターチェンジ(IC)の南約1・5キロ。

(カキ200個食い荒らされる、クマか:秋田)
30日午前10時ごろ、秋田県五城目町富津内下山内字猿田沢の畑で、木になっていたカキ約200個が食い荒らされているのを、所有する同町の70代男性が見つけた。木の幹にはクマのものとみられる爪痕が残っており、周辺には足跡やふんもあった。五城目署はクマによる食害の可能性があるとみている。

(クマか、クリ20個食い荒らされる:秋田)
31日午後3時ごろ、秋田県鹿角市八幡平字上ミ沢の民家敷地でクリ約20個が食い荒らされているのを住人の70代男性が見つけ、鹿角署に通報した。クマによる食害とみられる。署によると、自宅にいた男性がクリの木の下に体長約1メートルのクマがいるのを目撃。クマが立ち去った後、クリが食べられた跡を確認した。署はパトカーで周辺を警戒した。

(JR後藤寺線で列車がイノシシと衝突:福岡)
JR九州によると、29日午後6時半ごろ、後藤寺線下鴨生―筑前庄内間で、下り普通列車(新飯塚駅午後6時19分発田川後藤寺行き)がイノシシと衝突した。同7時現在、同列車は車両点検が終了し運転を再開するが、後続列車についてはイノシシが線路の障害となっているため運休や遅れが発生する。

(民家に熊侵入、ウッドデッキで一昼夜:兵庫)
兵庫県佐用町上三河の山間にある民家に熊1頭が一昼夜居座り、町が防災行政無線で住民に注意を呼びかける騒ぎがあった。町などは住民の安全も考えて約28時間後に安楽死させた。10月31日午前10時半ごろ、この民家に住む会社員の男性(73)がウッドデッキで寝ている熊を発見し、110番した。たつの署員や町、県西播磨県民局の職員が駆けつけて麻酔銃の使用を検討したが、効果が出るまでの約10分間に暴れる恐れも考慮し断念した。熊は時折はうように庭に移動し、再びウッドデッキに戻って横たわり続けた。町職員ら4人が夜通し監視を続け、民家に暮らす男性と妻は敷地内の別棟で夜を過ごした。熊は1日午後2時45時ごろ、麻酔銃を撃たれた後に安楽死処分された。推定12歳の雌のツキノワグマで、老衰していたとみられている。民家敷地の柿の木に爪痕があり、冬眠を前に実を食べに来たらしい。県西部の内陸にある人口約1万6000人の佐用町は、町域の約8割が森林で、現場の集落も山間にある。町職員は「熊の目撃情報はあるが、民家に居座ったのは聞いたことがない」と話していた。

(太った離れ猿「ニホンザル」出没:岐阜)
岐阜市の水道山で27日、野生とみられるニホンザル1匹が見つかった。群れから離れた個体らしい。人に危害を加える可能性もあり、関係者は注意を呼び掛けている。目撃した市自然環境調査員の梶浦敬一さん(79)によると、27日午前9時30分ごろ、水道山展望台付近を歩いていた。雄で体長60センチ程度。餌に恵まれているのか、丸々と太っていた。市内のニホンザルは、今年5月にも本巣市境で報告例があるが、水道山を含む金華山周辺には生息しておらず、2014年に岐阜市殿町に出没したものと同様、「離れ猿」とみられるという。梶浦さんは「驚くと人を襲い、かむこともある。登山者や周辺の住民は注意してほしい」と話している。

(住宅街にサル出没、刺激しないで:神奈川)
31日朝、神奈川県川崎市の住宅街で、サルが目撃されたということです。警察は、近隣住民に注意を呼びかけています。警察によりますと、サルは川崎市高津区にある東急電鉄・溝の口駅付近の住宅街に出没し、31日午前8時すぎから「サルがいる」などの110番通報が相次いだということです。午前10時すぎに自宅マンションの入り口で目撃した人によりますと、サルは目の前を悠然と横切ったあと、道路に止めてある車の上に飛び乗るなどし、さらに移動して行ったということです。警察によりますと、午後1時現在、サルによる人的被害は確認されていないということですが、近隣住民に対してはパトカーを巡回させて、窓など戸締まりの徹底や見かけても刺激しないように呼びかけるということです。

(シカ確認も日暮れが迫り引き上げる:新潟)
30日朝、新潟県燕市の市街地にシカが現れ、燕署や燕市が捜索して発見したが、暗くなったため駆除や捕獲やなどは行わなかった。午前8時前に燕市蔵関地内の県央大橋と物流センターを結ぶ県道68号燕分水線の道路に立つ大きな体に立派な角をもつオスのシカが目撃された。目撃者からの通報で燕署や燕市役所は捜索する一方、攻撃的な動物ではむやみにシカに近づかないよう周知し、呼びかけた。午後になって分水地区方向へ向かうシカを小池地内の田んぼで発見したが、猟友会に駆除を頼もうにも夕方に向かって暗くなったため、この日の対応は終了。シカが山へ帰ってくれることを願いながら燕署も燕市役所もあきらめて引き上げた。再び通報などがあれば再び捜索に乗り出し、対応を検討することになる。

(住宅街にサル、警察官も出動:東京)
カメラマンに対し、斜め上を指さす警察官。その先には、木の枝に座るサル。FNNのカメラが11月1日に遭遇した場所は、東京・世田谷区の住宅街だった。世田谷区にある寺の境内を警察官がパトロール。このお寺にサルが出たということで、警察が捜索をしていた。1日、世田谷区で確認された、野生とみられるサル。その姿を、FNNのカメラがとらえた。座っていたのは、2階建て住宅の屋根より高い木の枝。カメラに気がついたのか、すぐにその場から姿を消した。次に現れたのは、近くに建つ住宅の屋根。こちらの姿を目にすると、再び屋根の向こう側に移り、近くの木を伝って地上へと降りてきた。まるで、だるまさんが転んだのように振り向きながら離れていくサル。突如現れたサルを警戒してか、周囲には鳥の激しい鳴き声が響いていた。都内では9月にも、世田谷区や大田区でサルの目撃情報が相次いだ。この時は、目撃されたのと同一とみられるサルが羽田空港内で捕獲された。それから1カ月余りを経て、再び現れた野生のサル。警察は、周辺の住民に警戒を呼びかけている。

(市街地ににサル、なぜ?:島根)
「離れザル」とみられます。29日、松江市街地でサルの目撃情報が相次ぎました。被害などはありませんでしたが、なぜこの時期、街中にサルが。こちらは視聴者の方が撮影したサルの映像です。目撃者によると、歩道を歩いてきて座り込んだということです。市によると、午前10時ごろに島根県庁付近で目撃されたサルは、東へと進み10時半ごろ、この場所で撮影されました。さらに東に進んだサルは、午後2時前には山へと消えたとみられています。島根県中山間地域研究センター 大国隆二 鳥獣対策科長「サルは基本、群れで行動している、独自の行動エリアをもって群れで行動している。松江市にはサルの群れが無いのでこれは離れザルと思われる」。「離れザル」。専門家によるとオスのサルは4歳から5歳までの間に、群れから離れる習性があるといいます。島根県中山間地域研究センター 大国隆二 鳥獣対策科長「山には秋から食べ物が少なくなるんだろうなと思います。畑とか栄養価が高いものがあるので」。サルに出くわしたときは目を合わさず、餌付けは行わないで注意を呼びかけています。

(川内野コメCOME倶楽部:佐賀)
長崎県境に近い中山間地の伊万里市東山代町川内野地区。「にぎわいを活力に!」を掲げて地域を元気にしようと1994年に結成されたのが「川内野コメCOME倶楽部」です。黒米の栽培を皮切りに、さまざまな活動をしてきました。近年は佐賀大とのコラボで400メートルにわたってイノシシよけの網をイルミネーションで飾り、田んぼでコンサートを開くイノピカプロジェクトを展開しています。新たな地域資源の創出とともに、交流人口の拡大を図っています。

(警備会社大手ALSOKがジビエ事業に参入)
現在日本では、イノシシやシカなどの野生鳥獣が田畑を荒らすなど、大きな問題になっています。農作物への被害額は10年前と比べると1都3県で増加し、首都圏では19億円を超えています。こうした中、捕獲した野生鳥獣の肉をジビエ料理として活用する取り組みが広がっています。このビジネスに、警備会社ALSOKが参入しました。一体なぜなのでしょうか。10月19日、千葉県・茂原市の稲作農家を訪れると山林のそばにあった田畑が荒らされ、収穫できない状態になっていました。土には踏み荒らした動物の足跡があり、農家の光橋国郎さんは「こんな状態にするのはイノシシ。被害額は200万円くらい」と話します。野生鳥獣による千葉県の被害額(19年)は10年前と比べて約2割増加。イノシシとシカだけで約1.9億円です。茂原市役所農地保全係の芝一郎係長は「人の住む地域とイノシシの生息する山林が近接しているので、近くの住宅街や人の出入りする畑に出没するケースが多い」といいます。被害を受け、千葉県内の猟友会は捕獲に乗り出しています。しかし「平均年齢は約65歳。80歳くらいの人が現役でやっている」(猟友会)と高齢化が進んでおり、野生動物の処分なども重労働として足かせになっているのです。こうした中、注目を集めているサービスがあります。20年ほど駆除を続けてきた長生郡市猟友会の石田英道さん。この日の朝、仕掛けた罠の様子を見にやってくると、1つの檻に、9頭ものイノシシが入っていました。すると石田さんは、おもむろに電話を取り出しました。しばらくすると、1台の車が到着。降りてきたのは作業服を着た男性です。実はこの男性、警備会社大手ALSOKの社員。「捕れた場所を確かめるのに写真を撮らせてもらって、GPSとひもづける。時間・場所を把握している」と話します。男性はイノシシを用意した檻に移し、石田さんから書類にサインをもらいます。石田さんは「楽だしすぐに取りに来てくれる、自分で処理したら大変」と話します。現金ではなく、イノシシを運ぶ回収車。行き先はALSOK千葉が自前で持つ食肉加工施設です。有害鳥獣が増えていることから、ALSOKでは2014年から一部地域で除事業を始めました。それらを食材として活用しようと、昨年千葉で初めてジビエ事業に進出しました。ジビエとは狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉や料理のことです。ALSOKは捕獲したイノシシやシカを回収し、行政への手続きを代行。肉の加工も手がけ、飲食店などに販売しています。昨年、約2億円をかけて加工施設「ジビエ工房茂原」を設立しました。一体なぜなのでしょうか。「害獣から農作物(財産)を守るのも警備会社の仕事。(農家や猟友会は)高齢化が進んで苦労している。その部分をわれわれが引き受ける」(ALSOK千葉の竹内崇取締役)。異業種ともいえるジビエへの挑戦。ALSOK千葉では衛生管理など食品関連の資格も取得しました。「今から先は現金自体もほぼ電子マネーに代わる。ALSOKは現金輸送の基地が山ほどあるが、仕事が同じように存続するのか警備会社として考えなければいけない」(竹内取締役)。ジビエ事業では、品質に安心感を持ってもらうため、トレーサビリティ(流通経路が追跡できること)が重視されています。ALSOKでは警備でのノウハウを生かし、回収から出荷までを画像や位置情報を使ってさかのぼれる仕組みをつくりました。さらに感染症の検査なども実施しています。飲食店側は受け取ったQRコードで捕獲した日付や場所を一目で確認できます。ALSOKからジビエを仕入れている飲食店は「安心安全を(ALSOKから)買っていることになる」と話します。健康志向の高まりの中、ジビエは新たな食材として人気となっています。ALSOK千葉はジビエの冷凍食品のネット販売を始めました。今後、年間5000万円の売り上げを目指します。「儲かる仕事とは捉えないが、この仕事は社会にとって必要。社会にとって必要であれば、最終的にはビジネスとしても成功する」(竹内取締役)。

(ジビエ処理施設を、女性狩猟団体がCF「地域の財産に」:神奈川)
獣害などで捕獲した野生鳥獣を利活用するためのジビエ処理加工施設を神奈川県南足柄市内に設置しようと、同市を拠点に活動する女性狩猟団体がクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。目標金額は施設費用の一部に充てる250万円で、11月末まで実施する。担当者は「捕獲した命をありがたくいただき、足柄地域の活性につながるような施設を造りたい」と呼び掛けている。一般社団法人「Japan Hunter Girls(JHG)」(同市飯沢)は、女性や若手ハンターの活躍の場を広げようと県猟友会に所属する20~50代の女性14人のハンターらで構成され、昨年9月には法人化した。現在、夏季は市から依頼された有害鳥獣の駆除を行い、冬季は各自での狩猟を行っている。JHGによると、野生鳥獣を精肉するには、捕獲後2時間以内に処理施設に持ち込む必要がある。現在は近隣の町まで鳥獣を運んでいるという。JHGの理事で広報担当の脇島里江さん(39)は「今後、衛生面を考慮した新たな基準が設けられた場合、今借りている施設では対応できなくなってしまう可能性がある」と説明する。

(りんご園がイノシシ肉販売:広島)
庄原市比和町木屋原の白根りんご農園が今秋、園そばの直売所でイノシシ肉の販売を始めた。狩猟免許を持つ園主が捕らえた個体を、市の有害鳥獣処理施設に提供し加工を依頼。パック詰めの商品として仕入れて店頭に並べる。「里山の農業を守りながら、生き物の恵みを有効活用する循環をつくっていきたい」と前を向く。

(イノシシの自然薯とろろ味噌鍋コース:兵庫)
自然薯とろろ鍋や季節の釜飯が名物の「黒十(コクトウ)神戸本店」で11月1日から、ディナー「兵庫県産イノシシの自然薯とろろ味噌鍋コース」がスタートします。毎年この季節のお楽しみ「猪鍋」がいよいよ登場。今年は、地元・兵庫県産「奥山ジビエ」ブランドの猪肉を使用し、より味わい深い山の恵みを堪能することができます。みんなで楽しむ大鍋 or 一人ずつの小鍋と提供スタイルが選べるもの嬉しい。奥山ジビエの猪肉は、兵庫県の山奥の自然の中で育ちドングリや椎の実などのエサを豊富に食べた猪のお肉は柔らかで脂の乗りも良く、さらに10日間熟成することで旨味が増しているそう。もちろん「黒十」自慢の“自然薯とろろ味噌”との相性は抜群!また、本鴨、三元もち豚の自然薯鍋や、季節の食材が楽しめる釜めしのコースも用意されています。そのほか、忘年会など宴会の予約・問合せも受付中。

(ジビエ肉、24時間どうぞ:和歌山)
県産の猪(いのしし)と鹿(しか)肉を取り扱う和歌山市藤田のいの屋が10月19日、ジビエの自動販売機を導入した。代表の北浦順嗣さんは「『ジビエ専門店にはちょっと入りづらい』と言う方も、自販機なら買っていただきやすいのでは。山の恵みを手軽に楽しんでほしい」と話している。猟師歴52年で、和歌山鳥獣保護管理捕獲協会の会長も務める北浦さん。いの屋では同協会の会員が捕った猪や鹿を中心に販売する。店が休みの土日には北浦さんも猟に出るが、「山にいる時も『ジビエを売ってほしい』との問い合わせが携帯電話へ転送されてくる。お客さんの要望にこたえられないか」と以前から頭を悩ませてきた。そんな中、冷凍餃子の自販機が人気を集めているとニュースで知った。早速、自販機業者に連絡し、この機械を応用して実現した。現在、並ぶのは、冷凍の猪と鹿それぞれの焼き肉用、猪のくん製など5種類で、価格を全て1000円に統一した。すき焼き用の猪モモ肉にはぼたん鍋、鹿のあらびきミンチにはつみれ味噌鍋やレンコン大葉の挟み揚げなど、調理の参考にレシピを添える。19日夕方に自販機を設置。翌朝見ると、猪の焼き肉用モモ肉を中心に11個売れていた。「一晩でびっくり。その後も安定して売れています。農業への獣害を減らし、かつ、山からいただいた命をムダにしないためにも、多くの方に味わってもらいたい」と願っている。

(低カロリーのジビエ創作料理が人気:兵庫)
ヘルシー志向の人を中心に昨今注目を浴びている“ジビエ料理”をご存知でしょうか?“ジビエ”とは、フランス語で、狩猟で捕獲した野生の獣や鳥の肉を指します。農村地域では深刻な被害をもたらす野生の猪や鹿が年々増加してきており、これを地域資源として捉え、有効活用しようという前向きな取り組みの1つが、ジビエ料理です。猪といえばぼたん鍋が有名ですが、他の食べ方や、鹿の料理となると「生臭くないの?」「そもそもおいしいの?」という疑問が多いと思います。そんな疑問に答えつつ、おいしいジビエ料理が食べられるのが、兵庫県たつの市にある古民家レストラン「ジビエ創作料理『かのね』」です。ジビエ料理「かのね」は今年4月14日グランドオープンをした、古民家を使用したレストランです。お店のマネージャーである北村梓茶さんに話を聞きました。「かのね」では使用する野菜にもこだわり、オーガニックな野菜を使用しています。メインのジビエ料理はとても低カロリーということもあり、「ヘルシー志向のお客様や、女性を中心に人気」なんだとか! また気になる臭みですが、猪や鹿の肉の臭みに関しては、料理人の腕に左右されるそうです。そこで「かのね」のシェフである赤木康太さんにも話を聞きました。「鹿肉のミルフィーユカツ」はしっかりと下処理を行った鹿肉を、チーズ・鹿肉・チーズ・鹿肉……といったように交互に重ねていき、揚げたカツです。この層が4層となっており、「間にチーズを重ねることにより、臭み消しにもなっている」といいます。「猪鹿のハンバーグ」は、猪肉と鹿肉とを混ぜてハンバーグにした一品。臭み消しとして、牛乳と、ナツメグや香辛料といったスパイスをたくさん混ぜ合わせて作られています。スパイスは味にも影響が出るものなので、まさに考え抜かれたジビエ料理です。メジャーとなりつつあるジビエ料理ですが、「かのね」では利用客の中にどうしてもジビエ料理が食べられないという人のために、佐用町のひまわりの種を食べて育った地鶏料理「ひまわり地鶏の香草焼き」や「牛ステーキ」といった、地元や季節の食材にこだわったメニューもあります。他にもテイクアウトで日替わり弁当やお総菜も販売しています。「ジビエ料理を知っているが食べたことがない!」「ジビエ料理を始めて知った!」という人はもちろん、「もともとジビエ料理が大好きだ!」という人も、ぜひ「かのね」に足を運んで、その美味な料理を食べてみてはいかがでしょうか。

(国産ジビエを盛り上げて地域を元気に「全国ジビエフェア」)
農作物への鳥獣被害対策などのため鳥獣捕獲が増加する中、農林水産省では、捕獲された鳥獣を地域資源として活用する取り組みを推進。その一環として毎年秋に開催されている「全国ジビエフェア」が今年は11月1日から来年2月28日まで開催される。フェア期間中は、全国1123店舗(10月27日時点)の参加店にて、シカやイノシシといった国産の野生鳥獣肉(以下、ジビエ)を使ったジビエ料理を提供する。10月27日に行われた「令和3年度 全国ジビエフェア」記者会見では、国産ジビエの魅力や、ジビエ推進による地域活性への期待が紹介された。農林水産省 農村振興局鳥獣対策・農林環境課 鳥獣対策室長・仙波徹氏は「イノシシやシカといった鳥獣と共存できるようにしていくためにも個体数を管理していく必要があり、一方で、捕獲した命を無駄にせずおいしく頂く、地域の人だけでなく地域外の人にも楽しんでいただければ」と、鳥獣被害対策が地域活性につながる可能性に期待を寄せた。発表会では人気の飲食店やチェーン店の代表者も登壇。フェアで提供するジビエメニューを紹介しながら、ジビエの魅力を大いにアピールした。都内でもジビエ料理で話題の店が多数参加。ジビエ料理 あまからくまから(日本橋人形町)では、広島県のみかんの産地でとれたイノシシを使った「みかん猪のぼたん鍋」を提供。株式会社ヴァンドゥーフが運営するオステリアブッピーノ(日本橋人形町)他では「蝦夷鹿と黒毛和牛のテリーヌ 蝦夷鹿のサラミ添え」や「蝦夷鹿ウチモモ(焼肉)」を用意。株式会社ラムラが運営する音音バル(虎ノ門店ほか)などでは「丸ごと鹿日本赤ワイン煮込み」を、音音(池袋店ほか)などでは「天然国産イノシシと有機野菜のしゃぶしゃぶ」を提供する。河口湖を望むラグジュアリーなグランピングリゾートとして人気を集める星のや富士(山梨県)では、鳥獣被害に地域課題として取り組むべく、地元の猟友会とも連携した企画を実施しており、今回のフェアでは、ゲストが屋外ダイニングで調理を楽しめる体験型のコース料理「狩猟肉ディナー」を用意。他にも、カレーハウスCoCo壱番屋では「レトルト鹿肉欧風カレー」などを限定店舗で地域限定メニューとして提供する。令和3年度「全国ジビエフェア」は11月1日から2022年2月28日まで。

(「モンハン化」で狩猟現場を変える:北海道)
街を疾走し人を襲う熊、樹木の食害や土砂崩れの原因となる鹿、農作物を食べ散らかす猪など有害鳥獣は、日本全国の人々を慢性的に悩ませる存在だ。問題解決の一端を握るのは、狩猟の専門技術を保有するハンターたち。その数はここ数年で微増しているが、旧態依然の業界体質ゆえに課題が散在している。一方、巷ではジビエブームが定着して久しい。野生鳥獣が持つ高たんぱく・低カロリーな肉の性質は健康&筋トレブームとも合致し、需要は増加傾向にある。ただ法規制やサプライチェーンに課題があり、その流通は円滑とは言い難い。北海道・音更町に拠点を構えるFant(ファント)は、ハンター界隈に根付く古い体質のアップデートと、スムーズなジビエ肉の流通を目指すスタートアップだ。「依頼主からのクエストをクリアしてハンターが報酬を得る。そんなモンスターハンターのような世界を生み出したいんです」。代表の高野沙月は、ファントの目指す姿をそう表現する。ビジョンが意味するものとは何か。高野がファントを設立したのは2019年。東京でデザイナーとして働いていた頃に食べたジビエ料理のおいしさに感動した。ジビエを多くの人に届けたいとの思いから、自らハンターになることを志し、生まれ故郷である北海道にUターンすることを決意。しかし活動を始めると、狩猟産業に根強く残るレガシーな体質を目の当たりにする。「技術継承や狩場など情報共有は、狩猟者の集まる猟友会や、個々人の徒弟など、アナログな人間関係のなかで共有されていました。年配ハンターは優れた技術を持っていますが、どう共有すべきか分からない、あるいは相性の良い新参ハンターにだけ教えるケースが少なくありません。そこで、ハンターたちが誰でも情報を自由に共有でき、いつでもアクセスできる『Fant』というプラットフォームを立ち上げました」。現在、Fantには約400人のハンターが登録をしており、活動記録や狩場情報、猟銃や罠など狩猟方法についてのコミュニケーションが行われている。サービスの最大の特徴は、飲食店がジビエ肉を発注できることだ。現在、オーダーをやり取りするMVP(顧客に価値を提供できる最小限の機能だけを実装した製品)が、fantとは別で稼働している。飲食店が必要な食材の仕入れ希望時期や予算を提示すると、対象となる動物の狩りを専門とするハンターに通知が届き、要望に沿って狩猟をするというサービスで、来年からFantに統合される計画である。まさにモンスターハンターの“クエスト”を連想させる機能だ。「飲食店のFant参加が増えることで、ジビエの流通体系を刷新できると考えています」と期待を込める。高野は流通の課題解消にも挑む。日本の法律では、ハンターがジビエ肉を飲食店に直接的に販売することは禁止されており、近隣の食肉加工施設に運び込み、買い取ってもらう必要がある。そのうえ、厚生労働省が定めたガイドラインで狩猟から施設に届けるまでのタイムリミットはわずか2時間と定められており、廃棄されるケースも多い。全国には約660の食肉処理施設があるが、その多くは1、2名で運営する小規模事業者だ。食肉解体などの処理だけでなく、在庫管理や営業、受注、代金回収などに多くの雑務に追われている。「ハンターはこれらの制限によって、近隣の食肉施設に持っていく以外にマネタイズの方法がありません。持ち運ぶ時間も施設側が処理できる数も限られているため、処理にかかるコストの比較検討も難しい。施設の提示額に従わざるをえず、高くついてしまいます。飲食店にとっては、仕入れ値が高くなってしまうため、気軽にジビエ肉を発注できないんです。この全体的なアンマッチを解決することこそ、有害鳥獣問題とジビエの利用率増加を解決するエコシステムづくりに不可欠です」。Fantを通じて、すでに帯広市内や北広島市などの飲食店でジビエの流通が始まっており、「こんなに安く買えるのか」と驚きの声も挙がっているという。「年内には、自社でも食肉加工施設をオープンする計画です。こちらは今後、全国の食肉加工処理施設にもプラットフォームに参加いただくため、成功事例を見せていくためのショーケースとして活用していきます。飲食店とハンターの間で直接的に営業、受発注、決済などが行えるFantの仕組みが上手く機能すれば、食肉加工施設も加工・処理だけに集中でき利益を上げやすくなるでしょう」。狩猟という“入口”だけでなく、販売など“出口”も含めた独自のエコシステムを生み出そうとしているFant。ポップなビジョンの裏では、ハンターカルチャーのみならず、ジビエ消費文化を根本的に変えていこうとする刺激的な起業家精神が煮えたぎっている。

(「年120万頭の獣を駆除」は正解か、ジビエを普及させたい猟師の想い)
大規模な土砂災害、山の獣による農作物の被害…。山に今何が起きているのでしょうか。SDGs15番目の目標に掲げられている「陸の豊かさを守ろう」に、私たちはどう向き合えばいいか?猟師工房代表の原田祐介さんに、山に起きている課題と解決のための取り組みについて聞きました。── 毎年のように大規模な土砂災害が起きたり、イノシシやシカが山から出てきて畑を荒らしたり…。今、日本の山で何が起きているのでしょうか。原田さん:イノシシやシカは、もともとは平地に住む生き物です。でも人が増えたことで、人に平地を奪われた。それで、しかたなく山奥で暮らしていただけなんです。戦後まもないころまでは、獣の住む山と人が住む里の間に、バッファゾーン(緩衝地帯)がありました。山でも里に近いところは、人が薪を拾ったり炭焼きをしたり、栗を拾ったりしていて、山奥とは様子が違うんですね。このバッファゾーンがあったことで、獣も「ここから先に出ると、人に怒られる」とわかるようになっていたわけです。でも、灯油や電気、ガスの普及とともに、薪や炭を利用する必要がなくなり、バッファゾーンに人の手が入らなくなりました。さらに現在は、山から都市に人が集中するようになって、バッファゾーンはもちろん、里からも人がいなくなりつつあります。耕作放棄地や空き家も増えていますね。獣たちにとって、人の減った平地は最高の環境です。日当たりのいい平地にはおいしい草が生え、さらにはおいしい農作物が植わっている。だからバリバリ食べてしまうわけです。これが人にとっては、獣によってもたらされる被害、「獣害」となるわけです。── 山から人が減れば、山の自然は豊かになるイメージがあります。それなのに獣たちが里に出てくるのはなぜですか。原田さん:人が山に入らなくなるとね、木の枝がおいしげって地面に光が入らないんですよ。獣の食料である草が生えなくなる。だから獣は里まで下りてくるようになるんです。獣が活動する場所が増え、さらに猟師が減ったこともあり、シカやイノシシの数は急増しています。猟師が減ったのはライフスタイルの変化や高齢化が原因です。30年前に約30万頭だったシカの数は、2017年には約244万頭にまで増えました。── 30年間で8倍に!?原田さん:山の中の獣が増えすぎると、山の中の草木は食べつくされます。本来山の土は、草木の根によりたくさん穴が空いたスポンジのような状態で、保水力があるんです。でも、草木がなくなることで、その力は弱まります。けもの道ってわかりますか。シカやイノシシの往来で山の中に自然にできる細い道ですが、獣が増えるとあの道がえぐられ、もろくなる。豪雨であちこちの山が崩れるようになったのには、山に獣が増えたことも無関係ではないんです。因果関係は複雑ですが、山と人の付き合い方が変わってきたことが、トラブルを引き起こしています。その対策のひとつとして、行政や地域の人が「有害」とみなした獣の数を、猟師の力を借りながら減らそうとしているんです。── つまりは殺すということですよね…。原田さん:ええ。自然を開発する一方で、自然を守るために獣をたくさん殺す…。こういう人と自然の関わり方が健全だとは思えません。なんとかしたいけれど、大人の価値観ではどうしても従来のやり方から脱却できない。だから僕は、子どもたちに「命の授業」をやっています。まずこの状況を知ってもらって、先入観にとらわれない頭で考えてもらいたい。やがてはもっとうまく獣たちと共存できる方法を見つけていってほしいと思っています。── まさにSDGs的な活動ですね。原田さん:結果的にそうですね。ただ、SDGsって、猟師工房を始めた10年前にはない言葉でした。山に関わる活動をするなかで意識してきた「次世代の担い手の育成」と「山からいただいた命は、余すところなく使う」が、たまたまSDGsの考え方にはまったという方が正確です。── 殺された獣たちはどうなるのでしょうか。原田さん:今、国内では年間120万頭の獣が「有害鳥獣」として殺されています。そのうち食用として活用されているのはわずか9%。残りの100万頭以上はゴミとして捨てられて、その一部は山の中で置き去りにされています。するとイノシシなどは、その肉を食べに来るんです。肉は非常に栄養価が高いですから、それを食べた獣は健康な赤ちゃんを産んで、また獣が増える。負のスパイラルがここでも起きています。── 負のスパイラルを変える、そのひとつの手段が、猟師工房の取り組みですね。原田さん:僕なりの課題解決策です。「有害」とみなされ、殺されることになった獣の肉などを商品化して販売することで、命を余すことなく活用する。猟師が獲ってきた獲物を引き受け、商品化することで、職業猟師が、食べていけるようにする。そういう仕組みを作ろうとしているところです。実際に、千葉県君津市で猟師工房をオープンして2年半ぐらい経ちますが、ある若者は介護職からフリーランスの猟師に転向して、今は月60万ぐらい稼げるようになりました。あと数名、猟師として独立することを目指している若者がいます。── 猟師工房で扱っている商品には、どのようなものがありますか。原田さん:メインは人が食べる肉です。野生鳥獣を食べることは、ジビエと言ってヨーロッパに古くからある食文化。ジビエはフードロスの解消や食料自給率アップにも寄与する活動だと考えています。食用にならない老齢の個体や、解体がうまくいかなくて血生臭くなった個体はペットフードにしています。それから骨は出汁用として飲食店に、皮は皮製品に加工する職人さんに引き取ってもらうなどしています。今後は製薬会社やサプリ会社、化粧品会社などと組んで、臓器などから希少物質を取り出すところまで踏み込みたいと考えています。── 都会に住む人が、山の自然を守るためにできることはありますか。原田さん:ジビエを召し上がることは、間接的に自然環境を守ることになると思います。ジビエを提供する飲食店は増えてきましたし、もっとポピュラーになってほしいですね。── おすすめの食べ方は?原田さん:イノシシは、秋から冬に向けて脂がのっています。イノシシの脂は豚とは違う独特のおいしさです。まず塩コショウで野生の風味を堪能してみてください。角煮やすき焼きにするのもいいですよ。シカはしゃぶしゃぶがいちばんうまいですね。彼らは柑橘類を好んで食べるせいかポン酢が非常によく合います。テレビでご一緒した速水もこみちさんも「やっぱりしゃぶしゃぶが一番だよね」と太鼓判を押してくれました。レストランでジビエ料理を食べてみて、気に入ったら肉を取り寄せてご家庭でいろいろ試してみてください。PROFILE 原田祐介さん『猟師工房』代表。1972年埼玉県生まれ。2005年、外資系アパレルメーカーで働きながら、趣味として猟を始める。2013年に職業猟師として生きる決意を固め、林業会社で働きながら埼玉県飯能市に工房を開設。2015年、工房を『猟師工房』とし、狩猟やジビエに関わるさまざまな取り組みに着手。2019年には千葉県君津市にて『猟師工房ランド』をオープン。著書に「週末猟師 ジビエ・地域貢献・起業 充実のハンターライフの始め方」

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、31日午前9時15分ごろ、栗原市高清水若宮にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
大崎市によると、1日、大崎市古川稲葉付近にイノシシが出没しました。

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