<射撃ニュース11月>
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(入院中の男性宅、猟銃1丁なくなる:鹿児島)
鹿屋市吾平の70代の無職男性が所有する猟銃(散弾銃)1丁がなくなっていることが25日、分かった。鹿屋署が発表した。紛失と盗難の両面で捜査しており、情報提供を呼び掛けている。同署によると、散弾銃は銃身118センチ、黒色のベレッタ社製。実弾を2発装てんできる。銃口の大きさは「捜査に支障がある」として明らかにしていない。男性が所有している銃は今回なくなった1丁のみ。男性は7月から入院しており、家族が今月13日、男性宅の保管庫を確認したところ、空になっていた。自宅を探しても見つからず、25日、署に届け出た。家族は「保管庫は施錠されていた」と説明している。

(鳥獣の集中捕獲、被害低減へ地域一体で)
深刻な農業被害を及ぼすイノシシや鹿の集中捕獲キャンペーンが始まった。11月から来年3月までの狩猟期に合わせ、都道府県ごとの重点地域に、狩猟者やわな、資金などを集中的に投入する。これを機に、被害の低減に向けて農家や自治体、JA、狩猟者は一体で捕獲を強化しよう。野生鳥獣による農作物被害額は減少傾向にあるが、2019年度は158億円と前年度からほぼ横ばいとなった。被害に遭えば営農意欲が減退し、耕作放棄や離農の拡大につながる。車両との衝突事故や希少植物の食害など被害額には表れない悪影響もある。特に問題なのが、被害額の6割超を占める鹿とイノシシ。政府は、23年度までの10年間に生息数を半減させる目標を掲げている。しかし捕獲実績は年間120万頭ほどで推移し、達成には約20万頭の上積みが必要な状況だった。そこで20年度から、都道府県と連携し集中捕獲キャンペーンを実施。政府と県が一体となって①捕獲目標の設定、見直し②被害防止で重要な地域や捕獲頭数が不足している地域を対象とした重点地域の設定――を行い、捕獲を抜本的に強化する。政府は、国の事業を使って捕獲活動や体制整備などを支援する。キャンペーン初年度の20年度の捕獲頭数は前年度比11万200頭(9%)増の135万3700頭で、過去最高を更新した。農水省は「目標の136万頭にほぼ近い頭数を捕獲できた」と評価する。近畿や中国、四国などでは被害額も減少。特に和歌山県では5年連続で減り、20年度は前年度比6%減となった。生息数を調査し、被害があった場所や捕獲した場所を地図で示して“見える化”。被害が大きいところに大型わなを設置するなどして効果的な捕獲につなげた。同県は「より効果的な方策などを模索したい」(果樹園芸課)考えだ。21年度は、捕獲目標を144万頭に設定。前年度実績から約9万頭を上積みした。金子原二郎農相は記者会見で「被害の減少を農家に実感いただけるように取り組んでまいりたい」と決意を表明した。市町村をまたいだ対策が十分ではなかったとして、21年度は特に隣接市町村が連携する広域捕獲を推進する。9月に施行された改正鳥獣被害防止特別措置法も、広域連携に向けた都道府県の取り組みに国が財政措置を行うと規定。22年度政府予算概算要求に農水省は支援策を盛り込んだ。広域捕獲では、重点地域が集落から離れていたり、隣り合う集落でも地域の特性や環境が異なり、調査・点検や捕獲、追い払い、放置農作物の処理などの方法が違っていたりする可能性がある。それだけに関係者の調整・連携が、より一層重要になる。

(頭に深いひっかき傷ある男性遺体が林道に、"クマ"に襲われたと推定:北海道)
11月25日、北海道夕張市の山林で見つかった男性の遺体は、司法解剖の結果クマに襲われた可能性が高いことがわかりました。男性の遺体が見つかったのは夕張市の山林で、11月24日の夜、「猟にでかけた家族が帰って来ない」と50代男性の捜索願いが出されました。警察が男性の携帯電話の位置情報をもとに夕張市内の山林を捜索したところ、林道に男性の車が見つかりました。近くの斜面の20メートルほど下で男性の遺体が発見されました。司法解剖の結果、遺体の頭に深い引っかき傷があり、人間では考えられない強い力が加えられていて、クマに襲われたと推定されるとの結果が出ました。警察は、引き続き身元の確認を急いでいます。

(新たに豚熱感染13頭で過去最多:山形)
上山市や長井市など8つの市と町で、新たに野生イノシシあわせて13頭が豚熱に感染した。県内での一日当たりの感染公表数としては過去最多。去年12月以降、確認数の累計は、62件となった。豚熱が確認されたのは、16日から23日にかけて、上山、長井、東根、天童、南陽、尾花沢、白鷹、庄内の6市2町で捕獲、または死んで見つかったあわせて13頭の野生のイノシシ。25日の遺伝子検査で判明した。県内での一日当たりの感染公表数としては最も多く、去年12月以降、確認数の累計は62件となった。確認数の累計も、一旦終息した豚熱が2018年以降に国内で再確認されて以来、最多。捕獲や死んで見つかった現場の消毒作業は終わっていて、それぞれ半径10キロ以内にある養豚場に異常はないという。

(住宅街にイノシシ出没、女性が右足かまれ軽傷:神奈川)
30日午前7時5分ごろ、神奈川県小田原市矢作の住宅街にイノシシが出没した、と110番通報があった。近くに住む女性(51)が右足をかまれ、軽傷を負った。小田原署や市消防によると、女性は自宅の玄関前で体長約1・2メートルのイノシシと遭遇した。市環境保護課などが駆除した。

(サルに襲われ男性けが:佐賀)
佐賀県警は25日、鳥栖市柚比町の神山溜池近くを歩いていた50代の男性作業員が背後からサル1頭に飛びかかられ、腰に軽いけがを負ったと発表した。付近では25日午前にサルの目撃情報があり、男性は午後5時15分ごろに襲われたという。鳥栖署は「サルに不用意に近づかない」「目を合わせない」「エサを与えない」などと市民に注意を呼びかけている。

(親子2人がイノシシに手足かまれる:広島)
広島県福山市などは29日、同市沼隈町草深で28日昼すぎに民家の庭で女性2人がイノシシに手足をかまれるなどして救急搬送されたと発表した。イノシシは塀を乗り越えて入ってきたとみられ、うち1人は左手の親指をかみちぎられたという。福山地区消防組合などによると、28日午後1時20分ごろ、住民から「イノシシにかまれた」と通報があった。けがをしたのは40代と80代の親子。

(エゾシカ捕獲減り再増加:北海道)
道内でエゾシカが再び増加傾向にある。推定生息数は捕獲などで2012年から減少してきたが、19年から増加に転じ、20年は約67万頭となった。18年の猟銃誤射事故を受けた狩猟規制や、少雪で生息域が広がったことなどが要因とみられ、これまで少なかった道南でも急増。農業被害も深刻化しており、道は対策に頭を悩ませている。エゾシカの推定生息数は、道が目視や捕獲数などから算出。11年の77万頭をピークに推定生息数は減少傾向だったが、18年に65万頭を記録して以降、19年から増加に転じた。20年は東部(オホーツク、十勝、釧路、根室管内)が31万頭、西部(空知、石狩、胆振、日高、上川、留萌、宗谷管内)は36万頭、南部(後志、渡島、檜山管内)は3万~17万頭。南部はこれまで数が少なかったため幅があり、全道の数は東部と西部の合計で示される。道は18年と比べ東部は1万頭減ったが、西部と南部で最大7万頭増えたと推定している。背景には複数の要因が絡む。道は18年11月に恵庭市の国有林で猟銃の誤射により男性が死亡した事故を受け、狩猟時のルール順守の周知を優先するため、19年10月~翌年3月の平日は猟銃を使った狩猟を禁止。これにより19年の捕獲数が前年より5千頭減った。また、エゾシカは主食の草などが雪に覆われるのを避け、比較的降雪が少ない東部を中心に生息してきたが、少雪傾向で生息域が拡大。特に南部は「これまで農業被害が小さかったので対策が不十分」(道環境局)で増加ペースが大きく、狩猟や仕掛けわななどの対策が追いついていないのが実情だ。シカによる農林業被害は牧草やジャガイモ、トウモロコシなどが中心で、20年の被害額は全道で前年比2億円増の約40億円。ハンターでもある森林総合研究所北海道支所の松浦友紀子主任研究員(47)は「道南などで被害が深刻になっている」と話す。

(全国の野生鳥獣による農作物被害状況について)
農林水産省は、令和2年度の野生鳥獣による農作物被害状況について、都道府県からの報告を基にして、全国の被害状況を取りまとめました。(都道府県は、市町村からの報告を基に被害状況の把握を行っています)。鳥獣による令和2年度の農作物被害については、被害金額が約161億円で前年度に比べ約3億円増加(対前年2%増)、被害面積は約4万3千haで前年度に比べ約5千ha減少(対前年10%減)、被害量が約45万9千tで前年に比べ約2千t増加(対前年0.4%増)しています。主要な鳥獣種別の被害金額については、シカが約56億円で前年度に比べ約3億円増加(対前年6%増)、イノシシが約46億円で前年度に比べ約0.7億円減少(対前年1%減)、クマが約5億円で前年度に比べ約0.6億円増加(対前年14%増)、ヒヨドリが約4億円で前年度に比べ約2億円減少(対前年35%減)しています。

(若木のシカ食害、幹の保護管で大幅減:北海道)
北海道森林管理局が町雷別地区の国有林で進める森林再生で、若木の生存率が大幅に改善している。若木の幹をプラスチック製の保護管で覆った結果、エゾシカなどによる食害が大幅に減ったためだ。一方、二酸化炭素排出量削減に向け、プラスチックごみの削減は国内の重要課題。自然保護関係者からは素材の変更を求める声が上がっており、同管理局は「プラスチックは風雨に強く代わりはなかなかない」と苦慮している。同管理局が森林再生を進めるのは、釧路湿原源流部にある国有林内の約20ヘクタールで、2000年に土壌凍結による大規模なトドマツの立ち枯れが発生した。管理局は10年度から、ミズナラ、ハルニレなどの広葉樹を植えたが、10~16年度に植えた4500本の約7割が、エゾシカやウサギによる食害で枯死。対策として防護柵を設けたものの、ウサギが地下から入り効果が上がらなかった。

(アライグマ、防除態勢を強化:大分)
特定外来生物に指定されているアライグマが県内で生息域を広げている。県によると、昨年度は日田や中津、宇佐など14市町で1402匹を確認。5市で8匹だった10年前と比べて広範囲で急増していることがうかがえる。

(増える若者ハンター、県が狩猟免許取得後押し:福島)
農作物に被害を与える有害鳥獣駆除の担い手確保が課題となる中、県内で狩猟免許を取得する若者が少しずつ増え始めている。本県へのUターン者らが新たに免許を取得するケースなどが増え、高齢化で一線を退いた人の分を補う存在になりつつある。2020年度は4種ある狩猟免許の県内登録件数が東日本大震災前の水準まで回復した。取得を後押しする県は「少しずつ光が見えてきた」と手応えを感じている。県などによると、県内の狩猟者は、高齢化などによって年々減少が続いていた。11年の東京電力福島第1原発事故による避難や野生動物の出荷制限などが影響し、登録数は一時大きく減少したが、その後は徐々に増加。20年度は登録数が4020件となり、10年度以来となる4000件台に戻った。県内で野生動物による農作物被害などが相次ぐ中、狩猟者の育成に取り組んできたのが県だ。狩猟に使う縄などの道具購入費や初心者講習の受講料助成に乗り出し、13年からは免許の試験回数を年2回から5回に増やして取得機会を増やすなど地道な取り組みを進めてきた。同時に、セミナーなどを開催し、狩猟に対する理解やイメージの向上も進めてきた。その中で特に目立つのが若い世代の狩猟者だ。喜多方市役所で鳥獣被害対策などを取り組む専門員大西亮太さん(31)もその一人。約5年前、わなと銃の狩猟免許を取得した。免許取得のきっかけは趣味の登山や釣りで外出した際、イノシシやクマなどによる被害の声を聞くことが多かったからだ。個人的な興味と仕事に役立つのではないかと免許を取得。現在は地元猟友会に所属し、先輩たちから地域に合った捕獲方法や経験談に耳に傾ける。「狩猟は動物を懲らしめるものではない。増え過ぎた動物の数を調整しながら、人と動物が豊かに暮らしていける状況が理想」と大西さん。業務では電気柵の設置や畑の管理などにも携わっており、「地域の被害対策の一助になれば」と話す。県内で若い狩猟者が増え始めた状況に、県特定鳥獣保護管理計画検討委員会座長を務める東北芸術工科大の田口洋美教授は「地域のために狩猟免許を取得しようとする若者が多いのではないか」とし、「近年(山間部で)自然災害が多発したことをきっかけに、若い人たちの目が地域に向いているのでは」と指摘する。田口教授によると、新型コロナウイルス禍で人の屋外活動が減り、野生動物の生息圏と人の生活圏が近くなっているという。田口教授は「(人と野生動物のすみ分けに関わる)狩猟者が減れば、私たちの日常生活が崩壊する」とし、さらに狩猟者を育てる必要性があるとしている。

(狩猟免許の登録件数、昨年度は震災前の水準に並ぶ:福島)
イノシシなどの有害鳥獣による農作物への被害が深刻になる中、震災と原発事故のあと減少していた狩猟免許の登録件数が、昨年度、震災前の水準に並ぶ4000件余りとなったことが県のまとめでわかりました。イノシシやサル、クマやシカなどの有害鳥獣による農作物への被害は県内でも深刻になっていて、被害金額は昨年度1億9800万円余りに上ってます。一方で、震災と原発事故による野生動物の出荷制限などの影響で、県内では2011年度に狩猟免許の登録件数が2910件と3000件を割り込み、震災前の7割まで落ち込みました。このため県や各市町村は、狩猟に使うわななどの購入費や初心者講習にかかる費用の助成制度を設けたり、2013年からは免許試験の回数を年3回から5回に増やしたりして免許の取得を促してきました。その結果、わな猟や銃猟など4種ある狩猟免許の昨年度の登録件数は4020件と、震災前の2010年度の4086件にほぼ並んだということです。県自然保護課は「移住者や地域おこし協力隊を中心に若いハンターが徐々に増えている。猟友会に入ることで狩猟のノウハウを身につけてほしい」としています。

(駆除した動物を食肉活用へ、若手ハンター育成の研修会:岩手)
クマやシカなどによる農作物などへの被害が増える中、大槌町では、駆除した動物を食肉として活用しようという取り組みが進められていて、このほど若手のハンターを育成する研修会が行われました。この取り組みは、野生動物の肉「ジビエ」を使った料理の普及に取り組んでいるグループが今年度から始めました。ハンターを育成する研修会には、狩猟に関心を持つ7人が県内各地から参加しました。この中では、グループのメンバーの工藤秀佳さんが、狩猟によって増えすぎた野生動物を適切な数にし自然環境の破壊を防ぐといった取り組みのねらいや、食肉のジビエ料理への活用を大槌町とともに進めていることなどを説明しました。そして、実際に山を歩いて動物が通った跡や、シカが体の汚れを取り除くポイントを教わったり銃を構えたりしていました。盛岡市から参加したという39歳の男性は「運営している民泊でジビエ料理を出したいと思い参加しました。今後、狩猟免許の取得にもチャレンジして、猟を通して感じたことなども伝えていきたいです」と話していました。研修会で案内役を務めた工藤さんは「狩猟やジビエを通じて、地方を盛り上げながら持続可能な社会の実現につなげていきたいです」と話していました。

(豚熱」感染を防げ!ワクチン入りエサを山林に埋める作業が始まる:宮城)
野生イノシシの「豚熱」感染を防ごうと29日から経口ワクチンを山林に埋める作業が始まりました。この4センチ角のビスケット状のエサ。この中に豚熱のワクチンが入っています。県内の養豚場で豚熱発生による殺処分はありませんが、野生イノシシからは今年6月以降、県南を中心に65頭から確認されています。このため県では七ヶ宿町など県南の市町や仙台市の養豚場が近い山林80地点に経口ワクチンを埋める作業を始めました。県家畜防疫対策室 齋藤裕室長「豚熱の北上を防いでいきたい。そして農場への感染を防いでいきたい」。豚熱の経口ワクチンは来月末までに計1600個が埋められ、イノシシが食べなかったものは回収されます。

(豚熱感染防止のイノシシ用ワクチン、30日から2回目散布:滋賀)
豚熱(CSF)の感染拡大を防ぐため、県は三十日~十二月六日、イノシシ用の経口ワクチンを野外に散布する。十月に県内で発生したことを受け、対象に近江八幡市を加えた。

(豚熱ワクチン空中散布:栃木)
豚熱(CSF)対策として、栃木県などは24日、ヘリコプターによる野生イノシシ向け経口ワクチンの空中散布を始めた。30日までの予定。日光市など3市2町の国有林約160平方キロメートルに8千個を散布する。県内での空中散布は3月以来4度目。前回に続いて県や市町、畜産関係団体による「県CSF感染拡大防止対策協議会」が主体となり、民間のヘリで実施する。散布エリアは他に那須塩原市、大田原市、那須町、那珂川町。野生イノシシを巡っては県内でこれまで62頭の豚熱感染が確認されている。このうち本年度が53頭と、大部分を占める。直近では今月9日に大田原市で確認された。24日は、日光市藤原の希望が丘公園を拠点に実施された。作業員らがワクチンを入れた筒状の容器を積み込んだ後、ヘリが散布エリアへ飛び立った。県畜産振興課の小倉武夫(おぐらたけお)家畜防疫班長は「本年度に入って急激に野生イノシシの感染例が増えており、対策の重要度が増している。できる限りの対策を進めたい」と話した。

(クマによる樹木被害、ドローンとAIで定量化:長野)
ICT(情報通信技術)を活用したスマート林業技術の研究開発に取り組む信州大農学部の加藤正人教授らは、クマが木の皮を剥ぐ「クマ剥ぎ」による樹木の被害をドローンを使って定量化する技術を開発し成果を公開した。上空から撮影した樹冠部の色で木が健全かどうかを判断し、被害状況を推定する仕組み。剥がされてから枯れるまでの時差などで誤差は出たものの、連携協定を結ぶ中部森林管理局北信森林管理署は「有効性と費用対効果をみた上で導入を考えたい」としており、将来の活用が期待できそうだ。国有林などの管理・利用計画を策定する際の基礎データとして、木材の資源量を正しく把握することは欠かせない。北信森林管理署は加藤教授らと平成28年度から共同研究開発を実施。昨年は、3次元レーザー計測装置で広葉樹ブナの数や太さを定量化する技術や、スギ苗木の成長をドローンで定量化する技術を公開している。一方で木材の品質の把握も重要な要素だ。人里でのクマ目撃が増加して問題となっているが、全国的にクマ剥ぎの被害も目立っている。長野県内でも、カモシカを警戒して設置したカメラにクマが映る頻度が高まっているという。クマ剥ぎの詳細は明らかではないが、冬眠から目覚めたクマが食べ物を求めて木の皮を剥いでいると考えられている。剥がれても木の成長は続くが、樹木の周囲を50%以上剥がれてしまうと、水を吸い上げられなくなり、数年後に枯れてしまうという論文もある。こうなると用材としては使えず、ウッドチップなど価値の低い用途にしか使えなくなる。

(アライグマ捕獲へ講習会:福島)
生態系や人の生活に影響を及ぼす特定外来生物に指定され、住民が避難した地域で急増しているアライグマを捕らえるため、わなの設置法などを学ぶ講習会が浪江町で開かれました。浪江町役場で行われた講習会には、住民15人が参加しました。東日本大震災と原発事故のあと、県内では避難して人が住んでいない住宅にアライグマが入りこみ、爪で傷つけたり、ふん尿で汚したりする被害が相次いでいて、県自然保護課によりますと、避難指示が続く帰還困難区域で、昨年度に捕獲されたアライグマは437頭に上っているということです。26日の講習会では、まず町の担当者が鋭い爪で柱や木にしがみついて登ることや、見た目はかわいらしいが性格は凶暴で、噛みついたり引っ掻いたりするといったアライグマの性質を説明しました。つづいて、県の鳥獣対策支援員が、カゴの中にえさを置いておびき寄せ、アライグマを捕らえるわなの設置方法などを解説しました。このあと、参加者たちはアライグマを捕獲する資格を取得するための申請書を提出し、証明書とわなを受け取りました。浪江町役場の農林水産課の白戸智主査は「アライグマが自宅に住みついているという相談が住民から寄せられていた。町民の理解をいただきながら、鳥獣被害を抑えて安心・安全な町にしていきたい」と話していました。

(アライグマ急増、食害や家屋破損が相次ぐ:群馬)
群馬県内で野生のアライグマが年々増え、農作物食害や家屋破損などの被害が相次いでいる。県内捕獲数は2019年度に1178匹と初めて千匹を超えた。特定外来生物に指定され、雑食性で繁殖力が強く生態系への影響が懸念される。自治体は箱わなの貸出事業などで住民による捕獲を後押ししているものの、夜行性のため生息実態などがつかみにくく、抜本的な解決にならず苦慮している。「朝起きたら、大きいアライグマが掛かっていてびっくりした。誰もけがをしなくて良かった」。24日、太田市新田花香塚町の小暮日良(みつよし)さん(77)は驚きの表情を見せた。自宅に設置した箱わなで、体長100センチほどのアライグマを捕獲した。その数日前、飼い猫がこぼした餌をアライグマが食べているのを目撃して市から箱わなを借りた。近づくと鋭い歯をむき出して威嚇するアライグマ。小暮さんは「かわいいけど、おっかない」と肩をすくめた。アライグマは雑食で果実や木の実、小動物を好んで食べる。イノシシのように大量の食害をもたらすことはないため、被害に気付かないケースもあるという。県の担当者は「夜行性で人目を嫌うので昼間見かけることはほとんどない。市民に実態を知られていないのが現状だ」と指摘する。県によると、捕獲数は11年度の91頭から右肩上がりとなり、19年度は約13倍に増えた。アライグマの繁殖力は強く、春に1頭当たり3~6頭を出産する。県は「このまま繁殖に歯止めがかからないと、病気や寄生虫などにより、人や家畜への影響が出ることも考えられる」と危惧する。捕獲を担う市町村は対策に頭を悩ませる。太田市には「家庭菜園が荒らされた」「屋根裏にすみ着いた」といった相談が寄せられ、ここ数年は市街地でも被害が確認されるようになった。担当者は「夜行性で生態を把握しにくい。地道に捕獲するしかない」と打ち明ける。アライグマは雄が単独、雌は子と共に2~6頭で行動するため大量の捕獲は難しい。市町村は県の鳥獣保護管理事業計画などに基づいて捕獲の許可を出すが、箱わなには子どもがけがをしたり、犬猫などのペットが掛かってしまう懸念もある。このため許可が出るのは、アライグマによる食害が確認され、わな設置者が毎日見回って管理ができる場合などに限られるという。被害を抑えるには、地域ぐるみですみ着かせない対策が有効とされる。県は「生ごみやペットフード、熟れた果物などを屋外に放置せず、きれいなまちを維持することが大切。アライグマの特性を知り、複数回見かけたり、被害を確認したりしたら市町村に連絡してほしい」と呼び掛けている。

(害獣駆除へ、ハンターと農家マッチング:神奈川)
わな猟の免許を持つハンターと鳥獣被害に悩む農家をマッチングする全国初のサービス「ハンターバンク」が神奈川県小田原市で始まった。ハンターに活動の場を提供しつつ、市内の害獣駆除を進める狙いがある。小田原市内ではイノシシがかんきつ類を食い荒らしたり、農地に穴を掘ったりする被害が目立つ。鳥獣による2020年度の被害総額2500万円のうち約6割がイノシシによるもので、残りはハクビシンやタヌキ、アナグマ。捕獲数としてはイノシシが590頭、ニホンジカは197頭に上る。マッチング事業を手掛けるのは小田急電鉄(星野晃司社長)。シカやイノシシなどが線路上に入り込んで電車が止まったり、はねられたりする事案が絶たないことから、市と対策を協議してきた。市と同社は10日に「鳥獣被害対策に関する協定」を結んだ。バンクにはハンターと鳥獣被害に悩む農家がそれぞれ登録し、ハンターは基本料金(保険代とシステム利用料)1人月額1500円と、グループで登録できる箱わな1台の月額プラン料金(2万~3万円)を支払う。マッチングが成立し、獲物が捕まると農家からハンターに連絡があり自家消費分のジビエを解体できる。環境省の統計によると、銃猟を含む狩猟免許保有者は約20万人いるが、34%は実際に狩猟するために必要な自治体への登録をしていない「ペーパーハンター」で、活動の場がない。小田急と市が2020年に事業化に向けた実証実験をしたところ、東京都内などからハンター約50人の応募があり、16頭のイノシシを捕まえた。わな猟免許保有者は年々増加しており、15年に銃猟免許保有者を上回り、17年には10万人を超えた。免許を持つ目的は「食べるため」「SDGs(持続可能な開発目標)解決」「アウトドア好き」「子どもの食育」の四つがあり、若い世代も増えている。バンクは1年間で100台の箱わな設置を目指しており、小田急の担当者は「小田原で成功すれば全国にも広げたい」と話す。イノシシなどの農作物被害に悩む大磯町は、鳥獣対策をきっかけに住民の生きがいや地域づくりを進める島根県美郷町と「地域活性化に向けた包括的連携協定」を締結した。大磯町の鳥獣被害総額は2020年度で338万円だが、9割がイノシシによるもので308万円に上る。対策は行政主体でわなの仕掛けから捕獲解体まで約500万円を業者への委託費に使っている。「女性がやればずんずん進む 決定版! 獣害対策」(農山漁村文化協会)などの著書があり、美郷町の対策を進めてきた井上雅央さんを講師に招いた農家向けの講習会も被害対策の一環だ。講習会は15年から50回以上開いてきた。対策は例えば、かんきつ類の枝が柵の外に出ないように剪定(せんてい)する▽廃棄する野菜は柵から距離を置いた柵の内側に置く▽収穫後の田んぼの稲の「ひこばえ」を取り除く――などがある。狩猟により頭数を減らすのではなく、えさとなるものを減らすことに注力するという視点だ。美郷町では女性たちが家庭菜園を含む農地でこうした身近な対策に取り組んだ。捕獲したイノシシの皮を廃棄せずキーホルダーやペンケースなどクラフト作りの材料にして販売したり、自分たちでわな猟の免許を取得したりしたほか、「駆除隊」を組織して捕まえた獲物をジビエにするなどして地域の盛り上げにも一役買っているという。協定は10日付。大磯町がこうしたノウハウを生かして町独自の対策につなげる一方、美郷町はジビエ産品の販路拡大などに役立てたり、両町のコラボ商品を充実させたりする効果を見込んでいる。

(害獣捕獲通知システム、全国50自治体で導入進む:愛知)
マスプロ電工(本社日進市浅田町上納80、端山佳誠社長)が開発した鳥獣害対策のわな用作動通知システムの導入が、全国の自治体で進んでいる。省電力、低コストで長距離通信が可能な技術を使用し、捕獲時に猟友会メンバーらの携帯電話にメール通知するシステム。高齢者も多いメンバーらの負担となっているわなの見回り作業の効率化を実現する。実証実験中と導入予定を含む自治体数は、日進市や志摩市などを含め全国で約50に達している。

(ドローンで林業の負担軽減へ:山口)
林業の負担軽減に、最新技術で対応します。長門市の山林で、ドローンを使って資材を運搬する作業の見学会がありました。山口県西部森林組合が、林業用のドローンを使ってシカ被害の防護柵を運搬し、組合員など23人が見学しました。このドローンは、最大で25キロの物をつり上げることができます。5メートルのワイヤーに支柱やネット、ロープといった資材をつるし、およそ250メートル先の斜面に運びました。これまでは人が資材を担いで運んでいましたが、傾斜地を運ぶことは重労働で、林業従事者の高齢化も問題となっています。人が運べば30分かかるところを、ドローンでは3分ほどで運べたということで、作業効率の向上と作業事故のリスクも軽減につながります。山口県西部森林組合・藤岡和昭参事「作業員さんが肩で担いで歩いて運んでいたので、それに比べてかなり省力化が見込めるのではないかと期待は高まった」林業従事者の高齢化率は高い水準で推移していることから、県では、ドローンなどを使ったスマート林業にも力を入れていくことにしています。

(クマは昼より夜の方が…定点カメラで見えた生態:秋田)
人里に近い林で、クマは昼間はほとんど姿を見せず、夜間や早朝に盛んに行動しエサを食べていた――。そんな生態が、秋田市のカメラマン加藤明見さん(73)が10月から今月初旬に行ったクマの定点撮影から、分かってきた。加藤さんは、クマの行動を知ろうと、秋田市中心部から車で30分ほどの上新城地区の雑木林に、10月16日から11月1日までカメラを設置。レンズの前を動物が通るとストロボが発光し、シャッターが切れるようにした。林道から10メートルほど入った地点と、そこから約50メートル離れた尾根沿いのクマがよく通る場所の2カ所にカメラを置いた。いずれも最寄りの民家からは2キロほどの距離だ。加藤さんによると、一帯は今年、コナラにドングリがよく実った。クマが木に登り、枝を折って実を食べた痕跡である「クマ棚」があちこちにあり、地面には実を食べた後のドングリの殻やフンがいまも散乱している。期間中、2カ所の定点カメラに計27回、クマが写っていた。このうち、午後6時から明朝午前6時までの12時間で22件と大半を占め、夜明けから夕方までの12時間は5件だった。加藤さんは「少なくともエサのドングリが豊富にある環境だとエサを奪い合う必要がないため、クマは昼間は身を潜め、夜だけ活発に活動していることがうかがえる」と話す。また、この地点から4キロほど離れた同市仁別地区の、栗の木が並ぶ川沿いにも10月8、9日に定点カメラを設置した。近くに複数の民家があり、10月3日に付近で栗拾いをしていた女性が、クマに襲われて重傷を負っている。ここでも午後9時台と午前5時台の2回、クマが写っていた。「人間と遭遇した場所なのでクマは姿を見せないかと思っていたが夜に栗を食べに来ていた」と加藤さん。県警地域課によると、23日現在の県内のクマの目撃は857件952頭で、昨年同期より59件少ないが、5頭多い。人身被害は12人で、同じく3人増えている。クマの撮影を始めて10年あまりになる加藤さんは、「クマがすでに人々の身近な存在であることを知ってもらいたい」という。今回の定点撮影もクマの行動を知り、それが不意の事故のリスクを減らすことにつながればと願う。

(クマと列車接触、対応苦慮:鳥取)
JR山陰線益田ー浜田駅間で列車とクマの接触事故が相次ぎ、JR西日本米子支社が対応に苦慮している。同区間では4月以降、8件の接触事故があり、うち3件で部分運休や大幅な遅れが出た。発生箇所では線路の徒歩巡回点検を中止するなどの影響が出始めており、米子支社は近く島根県と対策を協議する。「保線社員の安全を守るための対応。冬眠を待つしかない」。クマ出没が相次ぐ岡見(浜田市三隅町)ー鎌手駅(益田市西平原町)間で、徒歩巡回点検を見合わせている浜田鉄道部。三島稔部長は「打つ手なしの状況」と吐露する。米子支社が危機感を強めるのは10月23日、同区間の線路付近で地元猟友会男性と県職員女性の2人がツキノワグマに襲われ、けがをした事故。22日に普通列車がクマと衝突したため、2人は安全確認中だった。県西部で列車とクマの接触事故は2020年度には1件もなかったのが、今春以降に急増。今月18日に成獣と衝突した特急は車両の一部が破損し、最寄りの駅で運転を打ち切った。米子支社では、環境省レッドリストで絶滅の恐れのある地域個体群に含まれるツキノワグマ対策を内部検討。ただ接触事故を防ぐ決め手はなく、保線社員の安全確保や出没抑制、死骸の撤去などについて、県鳥獣対策室と協議することにした。保線社員にクマよけスプレーなどを配備した米子支社総務企画課の担当者は「自社対応には限界がある。関係機関の協力を得て何らかの対策を講じたい」と話した。

(狩猟生活の魅力を紹介、移住の女性ハンター講演:鳥取)
2018年に大阪府から鳥取市国府町に移住し、狩猟と在宅ワークで生計を立てている山本暁子さん(40)の講演会が25日、東京都内であった。山本さんは狩猟生活や地方暮らしの魅力を紹介した。

(猟師20人超に取材、栃木の狩猟文化を本に:栃木)
栃木県内の狩猟文化や猟師の現状について、宇都宮市出身のルポライター丸山美和さんが新刊「下野猟師伝 聞き書き 猟師たちの物語」(随想舎)を狩猟解禁日の15日に出した。「狩猟だけではなく時代的な背景も分かる。若い人にこそ読んでほしい」と話している。二十数人のベテラン猟師に取材した。伝統的な狩猟を知る人や有害鳥獣駆除に携わる人たちを紹介し、狩猟の役割や変遷をまとめている。クマやイノシシに立ち向かう迫真の場面も登場し、貴重な写真も掲載。巻末には統計資料や用語集を付けた。昨年、84歳で亡くなった佐野市の猟師、須藤一さんは、捕らえたクマやシカについて「おれの思い。それはね、『とったものは最後まで食べること』だよ」と語っている。肉を食べて皮を使うという生活の糧としての狩猟や、趣味の狩りに加えて、近年は食害が県内全域に広がり、有害鳥獣捕獲がメインになってきた。東京電力福島第一原発事故の影響で、とった肉が食べられなくなり、狩猟をやめていった人も少なくないという。有害鳥獣捕獲に報奨金が出るようになった影響について、日光市の杉本祐二さん(67)は「お金がからんですっかり(猟師同士の)関係が悪くなってしまった。銃所持者の高齢化が進むと同時に、初心者でもやりやすいわな猟の人口が増えた」と指摘している。丸山さんは「『野蛮』と非難する声もあるが、これまで人間と野生動物のすみ分けが実現できたのは猟師さんたちのおかげ」と説明する。丸山さんは宇都宮市出身で、県立日光自然博物館や出版社を経てフリーになり、雑誌や書籍の編集、取材を続けてきた。狩猟を書くきっかけは5年前、野生鳥獣に詳しい夫から「昔の狩猟を知っている人がどんどんいなくなっちゃう」と聞き書きを持ちかけられたことだった。夫と一緒に取材を始めた。2018年からポーランドに留学。ところが、新型コロナウイルス禍で帰国できなくなり、狩猟の取材や執筆が困難に。その間に取材した須藤さんともう1人が亡くなった。その後、一時帰国をして追加取材を重ね、最後まで書き上げた。丸山さんは「野生動物と戦い自然と対峙(たいじ)してきたみなさんは寛容で穏やか。何よりも胆力と芯の強さを感じた。多様な生き方の選択肢の一つとして、女性にも読んでほしい」と語った。1980円(税込み)。

(新型ウルフは歩いて威嚇:北海道)
野生動物向け忌避装置「モンスターウルフ」を製造する太田精器(奈井江)が、四足歩行で畑などを動き回る自走式の新機種を開発中だ。従来の設置型以上にシカやクマなどを警戒させ、より高い忌避効果を得ることを目指している。来年度に農地での実証実験も行いたい考えで、同社は「ロボットによる獣害対策」の実現に意欲を見せている。「ウルフ」は音や光でシカなどを追い払うオオカミを模した装置。首を左右に振り、目の光や音を発して動物を追い払うもので、道内外の畑作地などに約100台が導入されている。顧客から自走式を希望する声が上がり、同社が昨年から開発に乗り出した。

(住民主体のイノシシ捕獲隊が成果:岡山)
岡山県玉野市は、2020年から地域コミュティ協議会単位で住民主体の「イノシシ捕獲隊」を組織し、獣害対策に成果を上げている。21年11月現在で市内25地区のうち、農地が多い東児、荘内、波知の3地区が捕獲隊を結成。狩猟免許がなくても参加できる仕組みで隊員は160人を超える。他の地区でも結成を予定し、急増するイノシシに地域一丸で立ち向かう。

(列車がイノシシと衝突、一部列車に遅れ:鹿児島)
JR九州によると、26日午後7時15分ごろ、鹿児島線木葉―田原坂間で、上り普通列車(八代駅午後6時12分発銀水行き)がイノシシと衝突した。現地確認を行った影響で、同7時53分現在、一部上下列車に28分から4分の遅れが発生している。

(軽乗用車とクマ衝突:秋田)
24日午前6時50分ごろ、秋田市河辺神内字神内の国道13号で、大仙市の50代男性が運転する軽乗用車がクマとぶつかった。男性にけがはなかった。秋田東署によると、男性の車が進行方向左側から飛び出してきた体長約1メートルのクマとぶつかり、左前部のバンパーに傷がついた。クマはその場で死んだ。民家まで約100メートル。

(秋田新幹線こまちがクマと衝突:秋田)
25日午後11時40分ごろ、秋田市河辺神内のJR奥羽線羽後境―大張野間で、下りの秋田新幹線こまち45号がクマと衝突し、緊急停止した。乗客約30人と乗務員にけがはなかった。この影響でこまち45号に37分の遅れが出た。JR秋田支社によると、衝突後、最寄りの和田駅まで速度を落として運行。車両点検を実施し、異常がなかったため運転を再開した。

(やせたクマが路上をうろうろ:北海道)
三笠市の国道でクマが目撃されました。視聴者から寄せられた映像です。1頭のクマが道路をうろうろ…。雪の中を駆けてきたのか足やお尻には雪がこびりついています。これは28日午前9時半ごろ、三笠市桂沢の国道452号で視聴者が車の中から撮影した映像です。両方向から車が近付いてくるとどうしていいのか分からないのか路上を行ったり来たり。その後、クマは駆け足で道路脇へ、そのまま雪の斜面を登って山の奥のほうへ逃げていったということです。

(住宅の敷地内にサル出没:佐賀)
サルの出没が相次ぐ鳥栖市で、26日も住宅の敷地内にサルが現れ、警察官や地元の猟友会のメンバーが警戒に当たりました。26日朝早く、鳥栖市神辺町の会社役員、藤岡竜也さん(57)の自宅の屋根にサル2匹が現れ、親ザルとみられるサルが威嚇してきたことから、藤岡さんは警察に通報したということです。藤岡さんが26日午前7時ごろに撮影した映像には、屋根の上を歩いて窓に近づいてくるサルの姿が映っています。警察は近くに通学路もあることから、警察官を出動させて警戒に当たったほか、猟友会のメンバーが住宅の近くに箱わなを設置しました。警察に通報した藤岡さんは「昔からサルはいて共存してきましたが、今回は親ザルが威嚇してきたので普通じゃないと思い通報しました。会社の従業員もきのう倉庫の中で抱きつかれたと言っていました。きのうは窓の外でサルが鳴いてうるさくて眠れませんでした」と話していました。また、NHKの記者が26日午前11時すぎ、藤岡さんの自宅で取材していたところ、サルが現れ、腰の付近に抱きつかれましたが、サルはすぐに山の方向に逃げていきました。その後、サルは何度か姿を現し、敷地内に座り込むこともありました。鳥栖警察署によりますと、市内ではこのところサルが相次いで目撃され、25日は2人が襲われて軽いけがをしたということで、26日も子どもたちの下校にあわせて警戒するということです。鳥栖警察署は「サルを見かけても不用意に近づかず、目を合わせないでください」と注意を呼び掛けています。

(ハナレザル、北九州離れず3ヵ月:福岡)
8月以降、若松区で人を襲うサルの被害が相次いでいる問題で、北九州市はわなによる捕獲を進めているが、最初の被害から3カ月以上たった現在も成功していない。群れから離れた1匹の「ハナレザル」とみられるが、頻繁に人と接触したため、市街地に出ることに慣れてしまっている可能性が高く、同市鳥獣被害対策課は「自然に収まるとは期待しにくい」と分析。わなを増やすことにしているが、冬の間に捕まらなければ、麻酔銃を使う捕獲も視野に入れている。

(カラス大量飛来、屋上に捕獲わな設置:岐阜)
岐阜市の中心市街地でカラスが増加していることを受け、市は24日、同市金町の市文化センター屋上に、捕獲用のわなを設置した。11月までに金公園周辺で実施した調査では、約4千羽が飛来しているとみられ、月内に岐阜高島屋(日ノ出町)とドン・キホーテ柳ケ瀬店跡地(徹明通)の屋上にもわなを設ける。12月1日から運用を開始し、街を荒らす厄介者の個体数減へ本格的に乗り出す。わなは害虫獣駆除業の「防除研究所」(大垣市)が設置し、縦1・9メートル、横2・8メートル、高さ2・3メートルで木枠に金網を取り付けた。上部に40センチ四方の穴があり、穴の回りに棒状のトラップを設けることで、入れても飛び立てないようにした。餌は鶏肉を用いる。捕獲した個体は週1回、同研究所の作業員が回収する。来年2月末までの冬季に運用し、当面は3カ年続ける予定で、以降は忌避剤や電流が流れるワイヤを設ける。市環境政策課によると、カラスは子育てする冬季に最も市街地に飛来するとみられ、最近はふんやごみの被害をはじめ、通行人が襲われかけた事例もある。同課の担当者は「市民が安心して暮らせる環境を整備したい」と話した。

(シカ生息広がる:長野)
「北アルプス地域北部の生物多様性と気候変動」をテーマにした研究成果発表会が二十三日、白馬村で開かれた。大北地域の高山植物やニホンジカ進出の状況などが発表され、県内の自然環境保護などの活動についても関係者が意見を交わした。

(サルの出没続く:高知)
高知市の東部、南部でサルの出没が続いている。今月初めに確認されて以降、26日までに市や高知東署に計10件以上の目撃情報が寄せられ、大きさなどの特徴から同じサルだとみられる。サルの目撃情報は2日、同市大津乙の茶山団地を皮切りに、市東部の数カ所から寄せられた。その後、市南部の十津地区、五台山地区などでも、住宅地を歩いたり堤防に座っていたりする姿が目撃されている。26日は大津甲の民家に出没。家人の女性によると、屋根から何かが飛び降りたような音が聞こえ、庭に1匹のサルを確認。木の枝につかまってゆらゆらと遊んだ後、フェンス上で一休みし、南方へ姿を消したという。これまでに危害を加えたり、農作物を荒らすといった被害は報告されていないが、市農林水産課は「近づくとかまれることがある。見掛けても目を合わさないで」と注意を呼び掛けている。

(ツキノワグマ1頭出没か:静岡)
28日正午ごろ、浜松市天竜区佐久間町の県道大輪天竜線沿いで、クマ1頭の目撃情報が天竜署や浜松市に寄せられた。市佐久間協働センターによると、目撃場所は天竜川沿いの大輪観光トイレから下流側に約100メートルの地点。体長1~1・2メートルほどのツキノワグマとみられる。センターの担当者によると、例年11月下旬はクマの冬眠が始まる時期で、人里で目撃されるのは珍しいという。センターは周辺住民に注意を呼び掛けている。

(ベンチャー「天鹿」駆除獣活用、加工場も新設へ:北海道)
浜中町は26日、エゾシカの利活用を進める町内のベンチャー企業「天鹿(てんか)」と食肉や化粧品、毛皮製品になる新しい資源として事業を推進する協定を結んだ。官民連携でシカによる農業被害を減らし、有効利用を図る。同社は来年、養鹿(ようろく)牧場や加工場を新設する計画で、製品輸出や観光振興にも力を入れ、道内で先駆的な取り組みを目指す。町によると、道内のシカ67万頭のうち、道東に32万頭が生息する。町は地元猟友会の協力を得て、年間2500頭前後を駆除するが、大半は廃棄される。農業被害は牧草の食害を中心に2020年度は1億円に上り、ハンターの後継者育成も課題になっている。

(エゾシカ肉、加工販売にブレーキ:北海道)
十勝管内で狩猟されたエゾシカ肉の加工販売にブレーキがかかっている。新型コロナウイルス感染拡大で外食需要が冷え込み、道外のジビエ(野生鳥獣肉)料理店などからの発注が激減したため。加工会社はレトルト商品やペットフード製造に力を注ぎ、新たな販路を模索している。「売り上げは例年の4分の1ほどまで落ちている」。帯広市や近隣町村で狩猟されたシカ肉の加工販売を手掛ける「エゾの杜(もり)」(池田町)の三坂一茂社長(64)は現状を嘆く。

(高校でジビエへの理解深め命の大切さ学ぶ授業:富山)
害獣として駆除されたイノシシなどの野生動物の肉、「ジビエ」の理解を深め、地産地消の拡大につなげようと、動物の捕獲の仕方などを学ぶ授業が富山市の高校で行われました。この授業は、地産地消の拡大を目指すとともに、命の大切さを感じてもらう食育の一環として富山県が企画したもので、24日、富山市の中央農業高校の生徒15人が参加しました。授業では、「ジビエ」専門の食肉処理施設を運営する男性が講師を務め、「食べるものの背景を知ることが何よりも大事です。動物も人間の命もみんな大事だということを、自然の中に身を置きながら感じてほしい」と話しました。続いて、講師の男性などが、実際に富山市内で捕獲したニホンジカの角やツキノワグマの毛皮を見せながら、捕獲したときの状況などを説明しました。このあと、学校近くの里山に移動して、イノシシが通ったとされる場所にワイヤーを使ったわなを設置する作業の実演が行われ、生徒たちは興味深そうに見入っていました。参加した2年生の男子生徒は「これまで知らなかった狩猟の仕方などを学ぶことができて、動物の命の重さを実感しました」と話していました。

(駆除した鹿肉活用し町おこし:長崎)
駆除した鹿の肉を活用し町おこしにつなげようと長崎県五島市で鹿の肉を使ったハンバーガーが開発され、24日、試食会が開かれました。五島市の玉之浦町は野生の鹿が多く農作物を食い荒らす食害が深刻化していて、去年1年間で1500頭の鹿が捕獲されています。一方で、鹿の肉はくせがあるとのイメージが強いことからほとんどが処分されていたため、これを有効活用しようと地元の人たちで協議会を立ち上げ、東京で活躍するシェフたちの指導を受けながら商品開発に取り組みました。そしてこのたび、食べやすいように工夫した鹿の肉を使った3種類のハンバーガーが完成しました。24日は試食会が開かれ、地元の主婦などが新しいハンバーガーをおいしそうに食べていました。今月、玉之浦町に移住した男性は「臭みが全くなく、かみ応えがしっかりあって一口目で満足感がありました。町の名物になると思います」と話していました。開発に取り組んだ協議会の野澤努会長は「鹿肉は牛などに比べて血液を作る鉄分が多く、貧血にも効果があると言われています。あえて町外には販売せず、玉之浦に足を運んで初めて食べることが出来る特産品として販売していきたい」と話していました。

(お待たせ冬の風物詩「ぼたん鍋」:福井)
11月に入りイノシシのわな猟、銃猟がそれぞれ解禁され、福井県おおい町名田庄地区の料理旅館などで冬の風物詩「ぼたん鍋」に使われるイノシシ肉の入荷が始まった。薄くスライスされた肉は、大皿に花のように盛り付けられ見た目も美しいぼたん鍋で提供されている。店は「山の恵みを温かい鍋で味わってほしい」と話している。ぼたん鍋は、イノシシ肉と一緒に野菜やキノコをみそなどで味付けして煮込んだもの。イノシシ肉を薄切りにして盛り付けた様子が、ボタンの花のようにみえることから呼び名が付いたとされる。同町名田庄久坂の料理旅館「新佐(しんざ)」では、19日からイノシシが入荷し始めた。24日までに、地元猟師が捕獲した5頭を仕入れた。今年はイノシシが食べるドングリが豊富にあり「例年よりイノシシは太り、肉には脂がのっている」と同旅館の栗原正夫さん(73)は味に太鼓判を押す。あっさりとした味わいと、甘みのあるまろやかさが特徴。自家製のみそを加えて提供している。既に年末年始の予約が始まり、栗原さんは「気温が低くなってくるとシシ肉がさらにおいしくなる。ぼたん鍋で体を温めて」と話している。名田庄では、新佐を含め料亭やホテルなど計4カ所でぼたん鍋を提供している。県内のイノシシ猟は、銃猟が来年2月15日、わな猟が3月31日まで。

(捕獲のクマをカレーに:岐阜)
岐阜市東鶉の日本料理店「雅味 近どう」の近藤篤史店主(43)と大野町上秋の獣肉加工施設「清流ジビエ」の羽賀真由美さん(47)が、県内で捕れたツキノワグマの肉を使ったレトルトの「クマカレー」を開発した。千個限定で近どうの店頭などで販売している。羽賀さんは「ジビエ(野生鳥獣肉)のイメージを変え、天然資源としてのクマ肉の価値を高めたい」と話す。カレーには「肉のうま味が凝縮され、脂の質が高い」(羽賀さん)というクマのウデとモモ肉を使った。

(地産イノシシ肉のおやき:千葉)
千葉県立館山総合高校(館山市)の家政科3年生チームが考案し、「第10回ご当地!絶品うまいもん甲子園」関東甲信越エリア選抜大会に出品したイノシシ肉のおやき「BOUSOUおやちょ」が、28日にJR東京駅前「KITTE丸の内」で販売されることになった。100個限定で、当日はレシピを開発した3人を含めた同校生徒が販売を手伝う。「ご当地食材を活(い)かしたSDGs×地元の看板メニュー開発」というテーマに沿って、同校の磯野真凜さんと小高知里さん、山崎光海さんが考案。地元産のイノシシ肉や規格外のトウモロコシなどを混ぜ合わせた甘辛いあんを、長狭米の米粉などでできた生地で包んだ一品で、9月に開かれた同大会でも好評を得ていた。同校によると、市ジビエ加工処理施設運営事業者の「合同会社アルコ」(沖浩志代表)が製造から販売までを引き受ける。販売場所は「KITTE丸の内」地下1階の期間限定千葉県アンテナショップ。同校は「おやちょの味を多くの人に知ってもらう良い機会になれば」としている。

(高校生がジビエ料理考案:大分)
日田市の高校生がオリジナルのジビエ料理を披露するコンテストが14日、同市の昭和学園高で開かれた。同校調理科の生徒が参加し、市内の専門施設で処理されたシカやイノシシの肉を使い、腕を競い合った。日田のジビエを広めるため地元猟友会などがつくる「市ジビエ推進協議会」などが毎年開き、今回で5回目。

(猪肉グルメでまちおこし!:兵庫)
猪(しし)肉のバーガー、猪骨(ししこつ)ラーメン、牡丹餃子(ぼたんぎょーざ)…。イノシシでまちおこしを目指す兵庫県南あわじ市伊加利の住民らが27日、学生も交えて開発したメニューを、同市八木養宜上の農産物直売所「美菜恋来屋」で試験販売する。「猪狩(いかり) 地美栄祭(ジビエまつり)」と銘打ち、「伊加利の名を島内外の人に広めたい」と意気込む。市西部の山あいに位置する同地区は、交通量が多い県道が走るものの、海沿いの地域のような目立った観光施設はない。雇用を増やして若者を呼び込もうと、2019年度から住民らがまちおこしに取り組み、実行委員会を設けている。地元にとってイノシシは田畑を荒らす害獣で、農作物の被害に悩まされてきた。一方、江戸時代の郷土資料によると、「伊加利」の語源は「猪狩」といい、やっかいな存在を逆手に取った地元活性化策を考えてきた。メニュー開発には、地元の主婦らを中心に、吉備国際大学狩猟部の学生らも加わった。猪肉の独特の風味を残しながらも、食べやすい味にするよう心掛け、試食会も開いて試行錯誤を重ねてきた。当日、販売するメニューは5種用意する。薫製した猪肉を薄く切って挟む「猪狩バーガー」と、イノシシの骨でだしを取った「猪骨ラーメン」は各700円。ミンチにした猪肉を詰めて焼いた「牡丹餃子」は400円。豚肉の代わりに猪肉を入れて煮込んだ豚汁ならぬ「牡丹汁」(300円)もある。さらに、甘辛く炒めたイノシシ肉が乗る猪丼は、牡丹汁とセットの「BoarBowl(ボアボール)定食」(800円)として出す。猪丼の米は、地元に泉源がある「うずしお温泉」の源泉を田に流して作った「温泉米」を使う。新型コロナウイルス感染拡大でこれまで、大規模な販売会を実施できていなかった。地美栄祭への期待は大きく、実行委の的場信幸委員長(61)は、「地域一丸で街を盛り上げたい」と話している。午前11時半~午後2時。売り切れ次第、終了する。

(豪快!美味!ジビエグルメ:愛媛)
11月に入り愛媛県内でもイノシシやシカなどの狩猟が解禁となりました。特にシカによる農作物被害が多いことから、駆除したシカを加工、新しい町の魅力として発信している松野町から、豪快な「ジビエグルメ」を紹介。

(ジビエカレー食べ歩きを:岡山)
岡山県産ジビエ(狩猟肉)を使ったカレーを提供する県内17の飲食店を巡るスタンプラリー(県主催)が実施されている。ジビエの消費拡大や周知を目的にした初の試みで、参加店の多くが新たにメニューを開発。スタンプは3店分を集めると、シカの角でできたカレースプーンが抽選で50人に当たる。来年1月23日まで。岡山、倉敷、真庭、笠岡、浅口市、美咲町のカレー、そば店、カフェなどが参加。普段からジビエカレーを扱っているのは4店のみで、他はオリジナルメニューを考えた。カフェ「ぱんだこーひー」(岡山市中区浜)が提供するのは、どこから食べようか悩むくらい、かわいらしい「ぱんだかれー」(450円)。シカ、イノシシのミンチ肉や野菜に、竹炭パウダーを混ぜたルーをパンダの目や耳として表現した。1日限定10食。29日~12月15日は臨時休業。杉本克敬代表(43)は「量は半人前程度。辛みを抑えたのでお子さんにもお薦め」と言う。「倉敷カレー」(倉敷市阿知)は、野菜ソムリエの小田真奈美代表(29)が考案した「シカのキーマカレー」(1300円=サラダ、ドリンクバー付き)を用意。地元産の連島ゴボウなど根菜類と炒めることで独特のにおいを消し、食感も楽しめるようにした。小田代表は「ゴボウの香りがシカ肉によく合う。ジビエ初心者でも食べやすいはず」と話す。スタンプラリーは、対象店でジビエカレーを注文した後、店内にあるQRコードをスマートフォンで読み取ると、スタンプを取得。3店分集めると、スマホから応募できる。

(「いい肉の日」にジビエの豆知識)
11月29日は「いい肉の日」。定番の食肉には牛肉や豚肉、鶏肉などがありますが、近年はシカやイノシシなど狩猟された食用の野生鳥獣「ジビエ」も人気です。ジビエとはフランス料理などの食材としてよく知られますが、日本でも獣肉に「花の名前」をつけて食してきた独自の文化があります。「いい肉の日」にちなみ、ジビエについて栄養士の和漢歩実さんに話を伺いました。「ジビエ」とは、狩猟で捕獲されたシカやイノシシなどの野生鳥獣の食肉を意味するフランス語。狩猟が盛んに行われてきたヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから食され、特にフランス料理では高級食材とされています。日本では歴史上、肉食を禁止する法令がたびたび出されたことがあります。そのため、肉食忌避する風潮がありましたが、それが花の名前など「隠語」で呼ぶ由来になりました。江戸時代になると、食生活が豊かになります。建前としては食べてはいなくても、イノシシを「ボタン」、シカを「モミジ」などと呼んで食していました。「薬」として食べていたという話もあります。諸説ありますが、花の名前がついた由来は次の通りです。〇ボタンとイノシシ「山くじら」の別名もあるイノシシ肉。「ボタン」と呼ばれるようになったのは、「獅子に牡丹」「牡丹に唐獅子」の言葉が由来している説があります。堂々たる獅子の姿に華麗な牡丹の花を配した図柄は「取り合わせの良いもの」のたとえにも。この獅子をイノシシに見立てたことから、イノシシ肉を「ボタン」と呼んだそうです。また、この肉を使った鍋は「ボタン鍋」です。この他、切ってお皿に盛りつける時に、牡丹の花のように飾ったことや脂身がちぢれてボタンの花のように見えることがルーツとも言われています。〇モミジとシカ一般的には花札の絵柄である「鹿に紅葉」がその由来と考えられています。花札には1月~12月まで各月に4枚ずつ季節の花々が絵柄に用いられており、10月がモミジです。また「百人一首」や「古今集」の和歌に由来しているとの説も。シカの鍋は「モミジ鍋」と言います。○馬肉や鶏肉、鴨肉の別名は馬肉は「サクラ」の呼び名が広く知られています。また花の名前ではないですが、鶏肉の「カシワ」、カモ肉の「イチョウ」、ウサギ肉の「月夜(げつよ)」といった呼び名も。イノシシとシカ(ニホンジカ)の主な栄養価(100グラムあたり)を、肉料理でよく食べられる牛モモ(和牛肉、脂身つき)や豚モモ(脂身つき)、豚ロース(脂身つき)と一緒に日本食品成分表2020年(八訂)で見ていきましょう。〇エネルギー量(キロカロリー)イノシシ:244、シカ:119、牛モモ:235、豚モモ:171、豚ロース:248〇たんぱく質(グラム)イノシシ:18.8、シカ:23.9、牛モモ:19.2、豚モモ:20.5、豚ロース:19.3〇脂質(グラム)イノシシ:19.8、シカ:4.0、牛モモ:18.7、豚モモ:10.2、豚ロース:19.2山中を駆け巡るシカは、たんぱく質が多く脂質が少ないため低エネルギー。イノシシはエネルギー量が比較的高く、脂質も多めですが、動脈硬化や血栓の予防で注目される多価不飽和脂肪酸を多く含んでいるのが特徴です。〇鉄(ミリグラム)イノシシ:2.5、シカ:3.9、牛モモ:2.5、豚モモ:0.7、豚ロース:0.3〇ビタミンB1(ミリグラム)イノシシ:0.24、シカ:0.20、牛モモ:0.09、豚モモ:0.90、豚ロース0.69〇ビタミンB2(ミリグラム)イノシシ:0.29、シカ:0.35、牛モモ:0.20、豚モモ:0.21、豚ロース0.15〇ビタミンB6(ミリグラム)イノシシ:0.35、シカ:0.60、牛モモ:0.34、豚モモ:0.31、豚ロース:0.32〇ナイアシン(ビタミンB群、ミリグラム)イノシシ:5.2、シカ:6.9、牛モモ5.6、豚モモ6.2、豚ロース7.3ビタミンB1から下はいずれも補酵素です。B1は糖質、B2は脂質、B6はたんぱく質の代謝に関係します。ナイアシンは三大栄養素をエネルギーに変える代謝、特にアルコールのエネルギー代謝と深く関わっています。シカの肉にはたんぱく質の他にB6やナイアシン、鉄が多く含まれています。ジビエは生ではなく十分に加熱して食べることが大切です。一般的に75度以上で1分間以上の加熱が必要と言われています。E型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸炎などの食中毒には十分に注意しましょう。イノシシ肉はじっくりと煮込むほどやわらかくなると言われています。脂質が少ないシカ肉は火を通すとかたくなりやすいため、弱火でじっくり焼くと良いでしょう。どちらも独特の臭みがありますが、下ごしらえで牛乳に浸すと臭みがやわらぎます。みそを使ってイノシシ肉の臭みを取る方法も。また、市販のハーブやスパイスミックス調味料などを使うと、下味もつくので手軽です。肉の中心部まで熱が通りやすい鍋料理は、ジビエ料理に自宅で初挑戦する人に向いています。またビタミンやミネラルが豊富な野菜と一緒に食べることで、栄養バランスの取れた食事に。これからの寒い季節、熱々のジビエ鍋を楽しむのも良いでしょう。

(ジビエビギナーに鹿肉でおうちごはんのすすめ:岩手)
11月になりました。ジビエ料理が美味しい時期ですが、いま、お家で気軽に楽しめるのをご存知ですか?しかも、ジビエを多くの人が上手に食生活に取り入れていくと、社会の課題解決にもつながるんですって。「でもジビエってクセがあるし、お店で楽しむもの」というイメージがありました。しかし、そんなイメージを変える鹿肉に出会ったのでご紹介します。岩手県の大槌ジビエ「MOMIJI」です。鹿肉は低カロリーで栄養価も非常に高く、アスリートや健康思考の方、ダイエット食としても注目されています。さらにMOMIJIIの鹿肉はジビエとして美味しく食すためにハンティングされているので、数多のシェフたちからも大絶賛だとか! 柔らかくてなめらか、そして独特のクセも控えめなので、ジビエビギナー向け。子どもたちが大好きな洋食メニューにも使いやすいのです。こうしてジビエが注目されてきている背景として、日本の農林業への害獣問題があります。地方での害獣被害は年々高まっていて森林被害は年間5,000ヘクタール、農作物被害は年間200億円もあるのだとか。野生鳥獣の中でも、イノシシと鹿の捕獲頭数がダントツ多いのですが、流通はほとんどされていないのが実情。ただ、害獣として狩猟して廃棄するのではなく「命を大切にいただく」ことを伝えるために起業された、MOMIJI株式会社の代表、兼澤幸男さんにオンラインでお話をうかがいました。MOMIJI株式会社 代表・兼澤幸男さん●1984年生まれ。生まれも育ちも岩手県大槌町で、漁師だった祖父に憧れて海上貨物船の仕事に就く。その後、東日本大震災で母を亡くしたことをきっかけに帰郷。鹿によって農地が荒らされていることを知り、2015年から狩猟免許を取得。ただ、害獣として駆除するだけでなく優れた肉質の大槌ジビエを広めるべく、2020年に[MOMIJI株式会社]を設立。数少ない若手ハンターとして第一線で活躍しながら、[大槌ジビエソーシャルプロジェクト]としてハンターの育成や大槌ジビエツーリズムなど、地域貢献の一端を担っている。__兼澤さんがハンターになられたきっかけを教えてください。MOMIJI株式会社代表 兼澤幸男さん(以下、敬称略):父親の実家が農家を営んでいました。生まれてこのかた、お米を買ったことがなかったんですが、7年前に鹿による被害で米が大不作になって、農家でもスーパーでお米を買わざるを得なくなりました。その頃から田畑を荒らす鹿に恨みが出てきて、30歳の時に狩猟免許を取りました。__いつ頃から、鹿が人里に出てくるようになったのですか?兼澤:ここ6~7年ぐらい前からです。子どものころは鹿なんて見たことがなかったですよ。震災前ぐらいから、年1回で見かけるようになり、5年前には誰が見ても「ヤバさ」がわかるぐらいの増え方で。鹿のメスは1歳から出産し、毎年1頭ずつ産みます。平均して10年は生きるので…、とにかくコンスタントに減らさないと、とにかく増え続けるのです。__それが日本各地でひき起っている問題なのですね。最初は害獣駆除の目的でハンターをされていたというお話でしたが、ジビエを精肉販売として起業するに至ったきっかけは?兼澤:大槌では古くからマタギ文化が残る場所で、「奪った命をありがたくいただく」という精神を大切にしています。最初はそのいただいた命を有り難くいただいていました。ご近所や知り合いにもお裾分けしていたのですが、食べきれず余るようになり、次第に解体しないで焼却炉へ持っていくようになりました。鹿のことがよくわかってくると「命を奪っておきながら、人間の都合で捨てる」という行為に罪悪感を覚えてしまい、狩猟ができなくなってしまって…1年間休みました。__そうでしたか…。害獣といっても人間の都合ですからね。兼澤:そうなのです。でも農作物の被害は増える一方なので、誰かがやらなきゃいけない。ただ殺して焼くだけなら、自分はやりたくないので「多くの人が美味しく、安全に食べられるジビエ」として活用することを考えました。そこからジビエ事業が持続可能なのかどうか、2年半かけて行政や専門家たちを交えて勉強会を重ね、いろいろなジビエ事業者を視察してまわりました。しかし、原発事故の影響で岩手県全域に「放射性物質による出荷制限」がかけられていたので、限定的に解除された2020年4月に起業しました。__やっと事業としてスタート!と思った矢先に、今度はコロナ禍ですよね…。兼澤:僕の事業計画にコロナは入ってなかったので(苦笑)、最初はレストランやホテルに卸す予定だったのですが、急遽、生産者と消費者をつなぐECサイトで個人向け販売にしました。__急遽だったのですね! 個人のお客さまからの反響はいかがでした?兼澤:すごく喜んでもらえてます。ジビエに慣れていない方でも「柔らかくて美味しい!」「こんなに食べやすいんですね!」と言ってもらえて。僕も最初は「一般家庭でどこまで気軽に使えるのかな…」と内心思っていたんですが、いまはネット上にメニューも豊富だし、レシピ動画を見てなんでもできてしまうので、ご家庭でもみなさんとっても上手に調理されています。__ジビエのイメージってどうしても臭みがあったり、硬さがあったり…、少し苦手だったのですが、どうしてこんなにクセがなく柔らかいのですか?兼澤:鹿も年齢を重ねると筋肉の塊が大きくなって舌触りが荒くなり、肉質も硬くなるので、メスは4歳、オスは3歳までの若い鹿だけを使用しています。あと、とにかくストレスなく狩猟するよう、急所を一撃で仕留めています。ガイドラインでは2時間以内に処理場に搬入することになっていますが、MOMIJIではすぐに血抜きをして、1時間以内に工場へ搬入し、鮮度の高いうちに加工しています。__子どもたちも初めてでしたが、大喜びで食べていました。 ちなみにどの季節が一番美味しいですか?兼澤:6月の青葉が芽吹く頃から食べているので夏と秋が肉質がいいですが、一番美味しいのはまさに今、10~11月です。秋の繁殖のためにミズナラやコナラなど広葉樹のどんぐりをたっぷり食べて蓄えているので、脂が乗って美味しいですよ。___お肉にも旬があって、地域ごとに味わいが変わるのもジビエの特徴ですね!__それにしても、ハンター自らジビエの精肉販売を行っている事業者さんって珍しいのでは?兼澤:ハンターでレストランを開いている人はいますが、精肉販売している所はないですね。美味しさをを担保したくて、通常の規定より厳しくしているんですが、僕一人では体が持たなくて(苦笑)。同じ価値観を持った若手ハンターを育てないといけない、と思い「ジビエハンター育成プロジェクト」も行っています。__精肉販売だけでなく、ハンター育成まで!兼澤:大槌町だけでなく盛岡などの近隣地域からと、地域おこし協力隊制度を使って全国から移住してきた20代~30代の若者たちが、これまで27人が受講し、今年は新たに10名の若手ハンターが狩猟者登録します。マタギ文化の精神的なところを継承しつつ、自分たちが食べるだけでなく「お客様にとって美味しいジビエを提供する」という考えのもと捕獲する仲間を増やしていきたいので。__猟師の高齢化が進んでいるので、若い世代に興味を持ってもらう活動も必要なのですね。兼澤:そうなのです。いきなりハンターになるのは想像できないと思うので、少しでも興味のある人はまずは見学したり、体験してもらえる「大槌ジビエツーリズム」を企画しています。ハンターの狩猟同行や解体見学、加工工場見学やバーベキューまでを体験できますよ。__ジビエツーリズム、すごい!究極の食育とも言うべき、貴重な機会ですね。子どもと参加してみたいです。兼澤:あと頂いた命を大切に、余すことなく活かしたいという思いで、捕獲した時の角や革もクラフト素材として使用しています。地元の作家さんに作品作りをお願いしたり、ワークショップも開催したり。大槌ジビエを通じて、さまざまな形で地域が活性化されるといいな、と思っています。_初めて家庭でジビエ料理を作るときは、何からトライすれば良いでしょう?兼澤:柔らかくてほぼクセがないので、基本的には和洋中どれでも使ってもらえますが、まずはロースかモモを塩胡椒して、ローストか焼肉にするのがおいしいと思います。食べ慣れていない人でも、最初「なんのお肉?」と思うぐらいの感じで、最後に鼻から抜ける香りで鹿を感じてもらえれば。__ローストに初挑戦しましたがおいしかったです!焼肉ってどうすれば?兼澤:1センチの厚みにスライスして塩胡椒し、フライバンにオリーブオイルをひいて焼いていきます。肉の表面に肉汁が浮いてきたらひっくり返えしてOK。シンプルに焼肉で鹿の味を楽しんでもらえればと思います。あとはカツが美味しいですよ、ヒレかロースかモモ、どれも美味しいです。火を入れすぎると固くなるので、ミディアムレアがベストです。__スペアリブは骨つきですがどうすれば?兼澤:スペアリブは焼くと肉が硬くなるので、煮込みがいいですね。グツグツ煮込んでいくと、トロトロになるので骨もスルッと抜けますよ。トマト煮込みなどの洋風もいいですが、猟師の直伝の味は生姜と醤油と砂糖で煮込むのがおすすめ。あと、カタやスジなどは赤ワインでトロトロに煮込んで、デミグラスソースで仕上げると、お子さんたちは大喜びしますよ!__これからの季節、煮込みは最高ですね!ぜひやってみたいです。最後に、兼澤さんがジビエを通じて伝えたいこととは?兼澤:日常生活を送っていると、どうしても便利さを求めてしまいますよね。スーパーの中は便利が当たり前なんで、安くてなんでも手に入る今だからこそ、ジビエを通じて「自分は命をいただいて生かされていている」ことに気づいてもらえれば、と思います。都会にいると自然が遠いのでそういった発想からかけ離れてしまうけれど、命のことを認識したら、余計な買い物をしないだろうし、賞味期限だからといって捨てないんじゃないかなって。親子で、ご家族でフードロスを考え直すきっかけにしてもらいたいです。こうした話を知った上でMOMIJIの鹿肉を食べて「大槌に行ってみたいな」と思ってもらえたら、もう最高です!__私も子どもたちと大槌町に行ってみたくなりました。貴重なお話をありがとうございました!「食べ物を無駄にしない」とは日頃から口では言っていますが、スーパーに行くとパックのお肉や切り身のお魚が商品として売っていて、正直、そこまで命を意識して食していませんでした。しかし今回、兼澤さんのお話を伺って、ジビエだけでなく、いつもいただいている食べ物すべてが、大事な一つの命であるということを痛感し、自分たちは自然に生かされていることを改めて考え直すきっかけになりました。フードロスや獣害などの問題も、こうした一人ひとりの解像度が高くなることで、少しずつ日本の課題も変わっていくと思います。今、脂の乗った一番美味しい季節なので、お好きな方はもちろん、鹿肉が初めての方も苦手意識のある方もぜひ、トライしてみてはいかがでしょうか?

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、28日午後4時30分ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
色麻町によると、22日午後4時45分ごろ、色麻町大原地区日の出付近にクマが出没しました。

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11/24
(ツル死骸から鳥インフル検出:鹿児島)
鹿児島県は21日、同県 出水いずみ 市の干拓地で回収されたナベヅル1羽の死骸から、鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)が検出されたと発表した。高病原性かどうかを確認するための確定検査を鹿児島大で実施する。県によると、県内での野鳥の感染は今季2例目。19日に出水市の監視員が死骸を回収し、鹿児島大で遺伝子検査を行っていた。

(イノシシわな形状変更案に待った:宮城)
「このままでは繁殖適齢期のイノシシがくくりわなで捕獲できず、獣害を止められない」。宮城県で有害鳥獣駆除に当たる猟友会員から河北新報社に憤りの声が寄せられた。きっかけは、くくりわなの形状変更(縮小)を呼び掛ける全国組織の大日本猟友会(東京)の提言。わなの形状が駆除にどう影響するのか。現場の事情を探った。くくりわなは鳥獣保護管理法の施行規則で、「輪の直径が12センチ」と規定されている。環境省は2007年度になり、この12センチの計測方法を都道府県に通知。円の最大径と直角に交わる線を指すと記載したため、最大径が18~26センチの楕円(だえん)形のわな製品が出回っている。大日本猟友会はこうした現状を問題視。9月1日発行の会報「日猟会報」で、通知によって規定が緩められたとして、わなを12センチの真円にするよう訴えた。同会の担当者は「(規定より大きな形状のため)クマを誤って捕まえる錯誤捕獲が多発しているし、人間の子どもが掛かる可能性もある。会員は本来の形状のくくりわなか、箱わな、銃で捕獲してほしい」と促す。一方、50年以上活動してきた宮城県蔵王町遠刈田猟友会の前会長佐藤秀一さん(79)は大日本猟友会の主張に真っ向から反論する。理由はイノシシ特有の蹴爪(けづめ)の位置。ひづめとほぼ直角に横方向へ伸びており、繁殖可能な体重50キロ以上の成獣は足の横幅が12センチを超える。わなの枠内に収まらず逃げてしまうという。佐藤さんは「わなの形状が会報通りに変更されれば、どんどん繁殖してしまう」と危惧する。佐藤さんによると、わなで足全体をくくるイノシシと違い、クマは指1本でも引っ掛かるので最大径を縮めても意味がないという。大日本猟友会が活用を求める箱わなは、警戒心が強いイノシシの成獣がなかなか入らないとされる。昔のように集団で獲物を追い込み、銃で仕留める巻き狩りをするマンパワーもない。佐藤さんはクマの錯誤捕獲の多さを認めつつ「12センチの真円になったらイノシシが全く捕れなくなる。猟をやめる人が続出するだろう」と強調する。環境省は「07年度は今ほど極端な楕円形の製品が出ると想定していなかった。錯誤捕獲も懸念されるし、何らかの見直しは必要」(野生生物課鳥獣保護管理室)との立場だ。深刻化する獣害を食い止めようと、環境省は13年度にイノシシの個体数を10年間で半減させる目標を掲げている。担当者は「捕獲数が減っては矛盾する。さまざまな意見を聞き、どうするか判断したい」と話す。

(ツキノワグマの捕獲数、西中国山地で過去最多)
広島、山口、島根の3県で、ツキノワグマの捕獲数が2020年度に523頭と過去最多になったことが22日、分かった。中でもイノシシなどのわなにかかる「錯誤捕獲」が364頭と7割近くを占めた。捕獲後は危険なため多くが殺処分となる。人の安全とクマの保護、管理の両立が課題となっている。20年度の捕獲数は19年度から倍増した。3県が合同で保護管理計画を作った当初の03年度の49頭と比べると10・7倍となる。県別は島根352頭、広島131頭、山口40頭。被害対策で許可を得て捕獲したのは計155頭で3割弱だった。殺処分は425頭とこれまで最も多かった16年度の1・6倍に上った。国は3県のツキノワグマを西中国地域個体群としてレッドデータブックで「絶滅の恐れがある」としている。狩猟は禁じられている。3県の計画では殺処分できる上限の目安を年間に計94頭としている。大きく上回った最大の要因は、錯誤捕獲の増加にある。

(有害鳥獣捕獲を山奥から通知:長崎)
長崎県五島市は、情報通信技術(ICT)を活用し、携帯電話の電波が通じない山奥からでも、イノシシやシカといった有害鳥獣がわなに掛かったことを知らせる技術を導入した。捕獲者の負担軽減や安全面の向上が期待される。市によると、福江島では昨年、シカ約1500頭、イノシシ約500頭を捕獲した。ICTを活用した捕獲情報の通知は、既に一部地区で実施されているが、携帯電話の電波が届く範囲が条件だった。今回、通信技術による獣害対策を手掛けるアイエスイー(三重県)が開発した機材「ほかパト」を、シカなどの食害が多い五島市玉之浦町に導入。ほかパトは、携帯電波のエリア外でも通信が可能なサービス「LPWA」(ローパワーワイドエリア)を採用。わなに掛かった動物が暴れると、ワイヤでつなげた子機が反応し、親機を通じて捕獲者に通知される。同町のほぼ全域をカバーできるようになる。14日は同町で、捕獲作業に取り組む住民向けの説明会があった。親機は既に設置済みで、子機96台は随時取り付けていく。中須・幾久山地区で、肉用牛とコメを育てながら捕獲に携わる角田隆章さん(66)は「わなを見回る労力が減る。より広範囲に仕掛けることもできる」と話した。市玉之浦支所の野澤努さんは「わなに掛かったことが事前に分かるので、複数人で、より安全に捕獲できる」と指摘。出没情報などを市民や観光客にも届けるスマートフォンアプリを開発中で、アイエスイーの高橋完社長は「安全面や捕獲が、より進むシステムを構築したい」と話した。

(イノシシ、箱わなに掛かるも一晩中抵抗:宮城)
農作物被害を食い止めようとイノシシ対策を続けている仙台市太白区秋保町で、箱わな猟が最盛期に入った。今シーズンは22日現在で7頭を捕獲。このうち1頭が捕らえられた瞬間をカメラが捉えた。撮影された1頭は体重約20キロの雄で、今春に生まれた個体とみられる。猟を行っている住民グループの一人が20日朝、秋保町長袋地区の箱わなに掛かっているのを見つけ、連絡を受けた地元猟友会がその日のうちに処分した。撮影された映像を見ると、イノシシは今月半ば以降、親とみられる成獣やきょうだいらしき個体と一緒に、箱わな近くに姿を見せるようになった。成獣は警戒して箱わなから離れた場所で地面を掘ってミミズを探すのに対し、まだ幼い2頭はまき餌の米ぬかを食べながら箱わなに出入り。結果的に1頭が捕獲された。箱わなは内部に渡したワイヤに触れると落とし戸が閉まる仕組み。イノシシはわなが作動すると落とし戸に頭から突っ込んだり、よじ登ろうとしたりして一晩中抵抗を続けた。2017年から箱わな猟を始めた住民グループの捕獲頭数は計86頭となった。グループの一人、農業佐藤康夫さん(67)は「生まれ育ったこの土地に愛着がある。イノシシに負けたくないので、猟を続けて個体数を減らしたい」と話す。最盛期は来年3月まで。

(羅臼北部クマ、最低3頭:北海道)
干し魚を狙うなど、羅臼町内北部の岬町、海岸町で頻繁に出没しているヒグマは、少なくとも3頭いるとみられることが、羅臼町内で21日に開かれた「クマ端(ばた)会議」の知床財団の報告で分かった。知床財団はこのうち1頭が駆除されたことを明らかにした上で「なお警戒が必要だ」としている。同財団によると、町民からの目撃情報と財団職員が直接確認したものを合わせた11月の町内のヒグマ出没件数は25件(19日現在)。例年は4月ごろから増えて7月に最多となり、11月以降は出没が大きく減る傾向にある。昨年は7月の65件が最多で11月はゼロだった。今年は7月の57件から8月は11件に減ったが、その後は増加に転じた。

(「一口だけかじって捨てて…」サルによる農作物被害の瞬間:愛媛)
愛媛県の東予地域で、年々サルによる農作物被害が拡大している。カメラがとらえたサル被害の瞬間の映像。現状と対策を取材した。木に登ったサルが、柿の実を取って食べている。この場所は、新居浜市の山あいに近い所。実は東予では、数年前からサルによる農作物の被害が増えている。新居浜市の男性の庭に落ちたミカンの残骸。その犯人は、ニホンザルだ。被害に遭った男性と同じ地区で11日に撮影された映像からは、柿の木に登ったサル数匹が、熟れた柿をむしって食べているのが分かる。実は東予では、サルの捕獲が5年ほど前から増加。2016年度は90匹だったのが、翌年度は、ほぼ倍増の178匹。その後も増え続け、2020年度は390匹にもなっている。この状況にあわせて被害額も増え始め、2015年度には445万円だったのが、翌年度は974万円に倍増。以降は、1,000万円を超える年度が多い状態となっている。新居浜市農林水産課鳥獣対策係・赤壁拓主任:冬場も大根とか、冬の野菜も食害に遭っていますので、一年中油断はできない。新居浜市農林水産課鳥獣対策係・赤壁拓主任:(上空からの写真を見ると、昔は)木の粒々がはっきり見えるくらい、(森の)密度が浅いんですけど、今はぎっしり詰まってるので、サルがすごく移動しやすい状態になっています。サルの移動範囲が広がっている原因は、森林密度の上昇や耕作放棄地の増加だ。新居浜市農林水産課鳥獣対策係・赤壁拓主任:サルは、一口だけかじって捨てて、一口だけかじって捨ててっていうことを繰り返しますので。大きな被害が発生しやすいと。農家たちが憤るサルの被害。ニホンザルによる被害が発生している畑では、柵に電気を流して侵入を防いでいる所もあります。その対策で、一番効果があるというのが電気柵だ。1.5メートルほどの高さで張り巡らしている。新居浜市農林水産課鳥獣対策係・赤壁拓主任:今、8,700ボルト流れています。十分、対策としては効果のある電圧が出ております。新居浜市は、電気柵の設置を補助して農家を支援している。新居浜市農林水産課鳥獣対策係・赤壁拓主任:作物を食べるということは、それだけ栄養状態がよくなるので、自然界では死んでいるものが残ってしまうと。結果、数も増えるし、被害も増える。本質的に数を減らすためには、やっぱり餌を切ってやるっていうのが。捕獲だけではなく、餌を絶つ環境づくりが、野生動物による農作物の被害を防ぐ。

(車とイノシシが衝突、高速道路が一時通行止めに:熊本)
23日未明、熊本県津奈木町の南九州西回り自動車道で車とイノシシが衝突し、上下線で一時通行止めになりました。熊本県警によりますと23日午前3時40分ごろ、津奈木町の南九州西回り自動車道上り線で車がイノシシにぶつかり、そのまま右側のガードロープに衝突しました。運転手の男性にけがはありませんでした。この事故の影響で壊れたガードロープや支柱の交換作業のため水俣インターと津奈木インター間が上下線とも一時通行止めになりました。なお、通行止めは午前10時45分に解除されています。

(ルームシューズ手作りキット開発、駆除の鹿革使用:福島)
尾瀬国立公園周辺で急増し、害獣として駆除されるシカの革を使った室内履き「ジビエ鹿革ルームシューズ」の手作りキットが、百貨店やセレクトショップなどのバイヤーから高評価を受けている。開発したのは一般社団法人手づくりマルシェ(福島市)の斎藤幸子代表理事と、商品化の企画やデザインを手掛ける楽膳(福島市)の大竹愛希代表社員。2人は「県内で狩猟されたシカの肉は原発事故の影響で食べられないが、鹿革として命を生かすことができれば」と意義を語る。手作りキットには型紙や赤と黄の2色の鹿革、縫い糸などの材料と製作用具が入っており、初心者でも説明書を参考にすれば、約5~6時間で両足のルームシューズを作れる。通気性の高さや柔らかくてしっとりとした肌触りが特長で、大きさはおおむね22~25センチのフリーサイズ。贈り物などでの需要を見込んでいる。商品は革靴工房のKANNOEN(福島市)の協力を受け、試行錯誤を経て2月に完成した。都内の東京ビッグサイトで10月に東京インターナショナル・ギフト・ショーと同時開催された「第10回LIFE×DESIGN」に出品したところ、持続可能性に貢献している点がバイヤーから認められ、「ベストサスティナビリティ賞」に輝いた。手作り雑貨を取り扱うオンラインショップ「クリーマ」などで販売している。新型コロナウイルスの影響を受け、自宅で靴を履き替える習慣が世界に広がっていることから、今後は海外での販路開拓も目指す。価格は2万4200円、仕立ては追加料金5千円。2人以上で申し込むと、特典として福島市の土湯温泉の温泉付きゲストハウス「YUMORI」で作り方の指導や昼食、入浴が付くサービスを受けられる。

(大手企業、ジビエ活用に続々)
牛肉といえば、価格の高騰や生産過程で排出される温室効果ガスなどが問題となっていますが、そんな中、注目が集まっているのが「ジビエ」です。畑などを荒らすシカやイノシシを捕獲し「ジビエ」として活用しようと、三菱地所やNTTドコモといった大手企業が続々と参加しています。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前6時30分ごろ、仙台市青葉区みやぎ台3丁目にクマが出没しました。

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11/22
(家の畑でクマに襲われ、男性負傷:京都)
京都府京丹後市は19日、同市久美浜町の民家横の畑で18日午後6時10分ごろ、60代男性がクマに襲われ、頭部や両腕、右太ももにひっかき傷を負うけがをして、救急搬送されたと発表した。市によると、男性の命に別条はないという。市によると、現場は民家が点在する山裾の一帯。男性は自宅から出て、畑を囲むシカやイノシシよけの金網の扉を閉めようとしたところ、近くの柿の木に潜んでいたクマに襲われた。現場には親子とみられる2頭のクマがいたという。男性の異変に気付いた妻が消防署に救急搬送を要請した。市は、同日夜に防災行政無線で地元の佐濃地区全戸に緊急放送でクマによる被害への警戒を呼び掛けたほか、現場付近にクマを捕獲するための檻を設置する予定。

(ブナの実、「大凶作」:秋田)
ツキノワグマの主食のひとつのブナの実について、東北森林管理局は、福島をのぞく東北5県が「凶作」や「大凶作」だったと発表した。冬眠を前にえさを求めてクマが動く時期でもあり、秋田県などが引き続き注意を呼びかけている。森林管理局が9月下旬~10月上旬、管轄する5県の山林の142カ所を目視で調査した。実の付き方から0~5・0の「豊凶指数」を算定し、豊作、並作、凶作、大凶作の4区分で公表した。秋田と岩手が最も悪い大凶作で、秋田では54カ所のうち11カ所がごくわずかの実しかなく、43カ所はまったくなかった。岩手は23カ所中10カ所がごくわずか、12カ所は実がなかった。青森、宮城、山形は凶作だった。原因について管理局は、ブナの花を食べる虫が今年は多く繁殖していた可能性があるとしている。秋田県自然保護課は「ドングリや山ブドウなどほかの好物もあり、すぐにクマが山から下りてくるとも言えない」とした上で、冬眠を前に食べ物を求めて動く可能性があるため、山林やその近くでは鈴やラジオを携行し、複数人で行動するよう呼びかけている。秋田県警地域課によると、18日現在の県内のクマの目撃は853件948頭で、昨年同期より54件少なく、10頭多い。人身被害は12件12人で、4件3人増えている。

(ブナの実の結実「凶作」、クマの出没注意を:山形)
ブナの実が県内では今年、「凶作」となったことが分かった。ブナの実はクマが冬ごもりの前に食べることから、県は、ブナの実が凶作のときはクマがエサを求めて人里に出没する可能性もあるとして注意を呼び掛けている。東北森林管理局によると、県内21か所でブナの実の生育状況を調査したところ、今年は「凶作」だった。県内の凶作は2011年以来で、東北では今年、岩手と秋田が大凶作となった。雪が積もる前のいまの時期は、冬眠前のクマがエサを求めて活動する時期に重なる。県内で今年に入って11月7日までのクマの目撃件数は、283件となっていて、ブナの実が「大凶作」だった去年の同じ時期と比べると441件少なくなっている。県は、ブナの実が凶作のときはクマがエサを求めて人里に出没する可能性もあるとして注意を呼び掛けている。

(道東で分布拡大するヒグマ:北海道)
ヒグマの目撃数が増えている北海道根室市でこのほど、死傷事故や農作物被害などを防ぐための講演会が開かれた。ヒグマが人里に多く現れるのは生息数の増加に加え、人口減や耕作放棄地の増加で、動き回りやすい場所が拡大していることも背景にある。専門家はこうした生態の変化をとらえ、人家周辺ではゴミ処理や草刈り、電気柵の設置などの対策をとる必要性を強調する。講演会では、知床半島で野生動物の調査研究に取り組む「知床財団」(斜里町)保護管理係の葛西真輔係長らがヒグマの生態や対応のあり方を説明した。道内のヒグマは冬眠明けに行う「春グマ駆除」が盛んだった1970~80年代に減少し、90年度は推定5200頭ほどだった。だが同年に春グマ駆除が廃止されて増加傾向となり、2020年度は1万1700頭程度と推定されるという。ヒグマが暮らす道内の森林面積は、70年代からあまり変わっていない。それでも農地や市街地に現れるようになったのは、生息数の増加が影響しているという。従来の主なヒグマの生息地は知床半島周辺だが、人口減で耕作放棄地を多く抱える斜里町周辺や別海町、根室市にかけての道東地区で分布を拡大している。人里近くに現れるのは独り立ちした若いオスグマが多く、川沿いや防風林を伝わって市街地に迷い込む。母子のクマも、自らに危害を加える大人のオスがいない市街地近くの森に住み着く傾向がある。こうして森から出てきたヒグマは、畑の作物や生ゴミ、干し魚のおいしさを覚え、さらには遭遇した人を襲うケースが出ている。道東では、夏の草木など餌が少ない時期に、ビートやデントコーンなどの農作物被害が深刻だ。ヒグマは1頭ごとに生態が異なり、すべてが同じ行動をとるわけではない。しかし、羅臼町では3年続けて夏に飼い犬が襲われ、厚岸、標茶両町でも乳牛などへの被害が続くなど、特定の個体とみられる危険な行動が道東で深刻度を増しているのも事実だ。こうした現状を受けて葛西氏らは、ヒグマが人里近くに現れるメカニズムに応じた対応策をとることを提唱する。例えば、森から移動する通路となる川沿いや防風林の草刈りをして姿を隠しづらくする。知床に近接する斜里町ウトロ地区のように市街地全体を電気柵で囲い、進入を防ぐ手立てもある。また、学習能力が高く雑食性のヒグマに「人里においしいものがある」と覚えさせないため、生ゴミや魚を干す場所に手が届かぬよう管理を厳重にする。農地も電気柵で囲み、作物から遠ざける。隠れ場所となるヤブや好物のフキを刈るのも有効な手段だ。道東での今後のヒグマと人の関係について葛西氏は、「人口減と耕作放棄地の増加は避けられず、互いの暮らしがさらに近くなって切迫してくる」と予測する。その上で、「まずはヒグマをよく知り、ゴミの管理の徹底やヤブの解消などから対策を進めていってほしい」と話す。

(クマ捕獲にICT活用、負担軽減へ:新潟)
クマやイノシシなどによる人や農作物への被害が深刻する中、新潟県長岡市とNTT東日本新潟支店(新潟市)が連携し、長岡市民でつくる対策部隊の負担を軽減する実証実験が展開されている。情報通信技術(ICT)を活用し、わなに動物が掛かった際に自動で写真を撮影し、捕獲部隊や行政にデータを送信する。効果を確かめた上で、本格導入を検討する。実験は10月15日に始まった。設置したセンサーはクマの捕獲用で、ドラム缶型のわなの扉に感知器を取り付け、クマが入って扉が閉まると写真を撮影する仕掛けだ。データは別に設置する通信機器を経由し、捕獲を担う市鳥獣被害対策実施隊などにメールで送る。データを受け取った実施隊はわなの場所に出向き、鳥獣を捕獲する。わなが作動したかどうかは現在、定期的に実施隊が見回っており、負担が軽減される。NTTによると、県内では昨年関川村で同様の実証実験を行った。県内では2例目となる長岡市では、昨年クマの出没が多かった同市栃尾地域の木山沢、繁窪の2地区に設置した。市によると、市内における本年度のクマの目撃、痕跡件数は15日時点で110頭と昨年の半分ほど。捕獲したのは3頭となっている。開始から1カ月たち、まだ捕獲の実績はないが、見回りの回数を半分程度に減らせたという。繁窪地区を担当する地元の実施隊、山本昇一さん(78)は「わなは1日おきに見回ってきたが、この仕組みで楽になった。わなの状態によっては動物が飛び出して怖い思いをすることもあった。事前に状況が分かると安心で、ありがたい」と話した。実施隊は現在、全市で165人いる。市鳥獣被害対策課の佐々木秀俊課長は「実施隊も高齢化する中で負担軽減になり、仕事をしている人など新たな隊員確保にもつながる技術だ。実験を基に、本格的な導入を検討したい」と話した。

(メガソーラー、野生のキツネがねぐら:愛知)
愛知県半田市出身の児童文学作家・新美南吉の童話「ごんぎつね」の舞台として知られる同県の知多半島で、野生のキツネが大規模太陽光発電所(メガソーラー)をねぐらにしていることが、日本福祉大の福田秀志教授(森林保護学)らの調査で分かった。全国的に確認されたことのないケースで、生息に適した雑木林などが減る中、福田教授はキツネを締め出すのではなく、人間と共存する方法を探るべきだと指摘している。福田教授の研究室は、愛知県阿久比町で捕獲したオスのキツネ二匹に衛星利用測位システム(GPS)発信機付きの首輪をつけ、二〇一九年から一年~一年半の長期にわたって、移動ルートと頻繁に訪れる場所を探った。GPSでキツネの行動を追跡する調査は珍しいという。知多半島ではキツネは一九六〇年代までに絶滅したが、他の地域から流入したと考えられる個体が九七年に常滑市で発見された。その後、森林が多い半島南部で繁殖し、生息域が半田市や知多市などの都市部にも拡大したとみられる。生息数は分かっていない。

(井戸端会議ならぬ「クマ端会議」:北海道)
市街地での目撃が増えているヒグマを気軽に学んでもらおうと、井戸端会議ならぬ「クマ端会議」が、知床半島の羅臼町で行われました。「クマ端会議」は、住民にヒグマへの理解を深めてもらおうと、知床半島のヒグマ対策を担う知床財団が企画し、会場にはおよそ50人が集まりました。はじめに、財団の担当者がクマは慎重に行動する一方、いったん自分が手に入れたと認識した食べものへの執着心が非常に強いことなどを説明しました。続いて、ことし町内でヒグマが目撃された件数は、今月19日現在、去年の同じ時期よりおよそ30件多い210件に上り、捕獲も増えていることが紹介されました。また、今月に入ってからは、干された魚を狙ってクマが民家の敷地に入り込むケースが相次いでいることから、担当者は「クマが届かない高い位置に魚を干すなど、管理に気を付けてほしい」と注意を呼びかけました。参加した72歳の女性は「きょう学んだことを今後の対策に生かしたい」と話していました。知床財団の松林良太保護管理係長は「生活のすぐ身近にクマがいることをあらためて知ってほしい」と話していました。

(中心部に「クマを侵入させるな」:北海道)
北海道旭川市の中心部で今年、クマの出没が相次いだことを受け、市は年度内にも、クマの市中心部への侵入防止策を新たにまとめる。市幹部への取材でわかった。年内にも専門家や関係機関を集めた会議を開催し、内容を検討。草刈りや電気柵設置といった対策を行う場所を策定する。同市では今年6月中旬、旭川駅から約500メートルの忠別川河川敷でクマのフンが発見されるなどし、その後も、これまで出没記録がなかった場所での目撃やクマの痕跡発見が相次いだ。市はセンサーカメラの設置やドローンでの捜索を進め、クマの行動を把握して対応策を取ろうとしたが、発見に至らなかった。市は、クマを市中心部に侵入させない予防策が必要だと判断。年内にも道警や猟友会、専門家を交えた会議を開催し、クマの侵入経路を分析した上で、地図上に侵入防止策としてまとめる方針だ。来年度以降のクマ対策に活用するという。

(イノシシと衝突、仙山線2本運休:宮城)
20日午前8時10分ごろ、JR仙山線の陸前落合―葛岡間で、山形発仙台行き上り快速列車(6両編成)がイノシシと衝突し、運転を一時見合わせた。JR東日本仙台支社によると、上下2本が運休、下り1本が最大約30分遅れ、約650人に影響した。

(普通電車が線路内のシカと接触:京都)
21日午後9時25分ごろ、京都府南丹市八木町木原のJR山陰線八木―吉富間で、園部行き普通電車が線路内にいた動物と接触し、点検のため現場で約40分間運転を見合わせた。JR西日本によると、シカと接触したとみられるという。上下計6本が最大49分遅れ、約300人に影響が出た。

(遊水地のイノシシ捕獲、設置したわなで初:栃木)
有害獣駆除のため渡良瀬遊水地内に小山市が設置した2基のわなのうち、1基でイノシシ4頭が19日、初めて捕獲された。国の特別鳥獣保護区のため、市が環境省と河川管理者の国土交通省の許可を得て16日に設置したばかり。「数百頭いる」ともされる遊水地内のイノシシ捕獲は、少なくとも同市域では順調な滑り出しとなった。市から設置を委託された栃木県猟友会小山支部によると、今回捕獲されたのは昨秋生まれたとみられる雄2頭と雌2頭。体重は40~60キロ。同支部の生井一正(なまいかずまさ)さん(73)は、私見と断った上で「遊水地内に400頭はいる」と推測する。

(人襲うサル、同一犯?:福岡)
8月以降、北九州市若松区でサルに人が襲われる被害が続いている。市は群れから離れたハナレザルとみているが、通常は短期間で群れに戻るとされ、長期化している理由は謎だ。市は18日、関係者を集めた初の対策会議を開き、今後ワナの数を増やすなど対策を強化することを決めた。最初に被害が報告されたのは8月7日。有毛地区で農作業中だった30代の女性がズボンの上から下半身をかまれた。以降、若松区では、小学生や女性を中心に、かまれたりひっかかれたりする被害が相次ぎ、10月25日までに24件25人の被害が確認された。同区の響灘緑地グリーンパークでは、サルが園内で飼育動物に近づいたり動物の赤ちゃんを一時的にさらったりする被害もあった。目撃情報は同区だけで10月末までに324件、市全体では487件に及ぶ。2015年度以降、毎年37~243件確認されていることと比べても格段に多い。市によると、大きさなどの特徴から、4歳ほどのオスで、同一個体とみられている。オスは一般的に、発情期前の夏ごろに群れを離れ単独行動をする習性があるといい、今回もハナレザルの可能性が高いという。市南部周辺や香春町を中心に活動する群れが過去に確認されており、市はその群れから離れたとみている。ハナレザルは通常秋から冬にかけて別の群れと一緒になったり、群れをつくったりするという。市の担当者は「自然に戻ってくれるのが人間にとってもサルにとっても理想」と祈る。だが、11月に入り、川を隔てた遠賀町でも目撃された。市の担当者は「長期間におよび、行動予測が困難になっている」と嘆く。捕獲も失敗続きだ。8月にワナを2基設置したが捕獲できず、9月に目撃情報が相次いだグリーンパーク内に移した。当初はワナ内にバナナを置いたが、専門家に「食べたことのないものは食べない」と指摘され、食べた痕跡があったアケビを入れたこともあったが、食いつかなかった。一方、畑を荒らすなどの食害報告はほとんどない。「街中で食べ物は調達できているのでは」と担当者はみている。食べ物目的ではないとすれば、なぜ人に危害を加えるのか――。一般的にハナレザルは警戒心が強く、人を襲わないという。市の担当者は「個体の個性で、ちょっかいをかけているのでは」。ただ、専門家も入って行われた18日の会議では、「ハナレザルではなく迷いザルでは」といった意見も出たという。迷いザルは、群れとはぐれてしまった子どものサルのことだ。一方、大きさからやはり発情期前のハナレザルだとの指摘もあり、市の担当者は「ハナレザルが群れと長く離れるうちに、何かしらの理由で戻れず、迷いザルのようになってしまったのかも」。真相ははっきりしない。冬にかけて発情期を迎え、凶暴化することが予想される。2~3年たって体が大きくなれば危害の程度も深刻になる懸念がある。市は今月中にもワナの数を5基に増やし、大型のワナも別に設置する予定だ。群れに戻る可能性のある1、2月ごろまでは様子を見るが、被害が収まらなければ麻酔銃の使用も検討するという。

(クマ目撃多発、河口付近に集中:北海道)
増毛町内の信砂川周辺で、クマの目撃が先月から多発している。近くには多くの民家があり、住民らは「近くでクマが出たのは初めて」「怖くて外を歩けない」と不安を募らせる。19日にはオス1頭が捕獲されたが、ほかの個体の生息も考えられることから、周辺では厳戒態勢が続いている。町によると、10月21日の早朝に信砂川河川敷でクマ1頭が目撃されたのを皮切りに、同23日には町信砂の畑でクマとみられる足跡も発見。今月10、16日にも信砂川の中州と橋の下で1頭ずつ目撃され、立て続けに4件の情報が寄せられた。

(クマ被害の小屋に新たなワナを設置:静岡)
飼育している烏骨鶏(うこっけい)が食べられるなど、クマの被害に頭を悩ませている富士宮市の牧場では、20日、猟友会のメンバーなどがクマの捕獲に向けて、新たなワナを設置しました。富士宮市人穴にあるニワトリ小屋では、今月13日から3日連続でクマが烏骨鶏を襲い、計35羽が食べられるなどの被害を受けています。いずれの日も同じクマによる仕業と見られ、20日は市の職員や猟友会のメンバーなどが、クマが出入りしていると見られるフェンス付近に、高さ1メートル・幅2メートルほどの新たな鉄製のワナを設置しました。西富士山麓猟友会・藤浪庸一 会長「やはり臭いがまだきつい。人の臭いがだいぶ(残っている)。一雨降って臭いがある程度消えてくれれば。来れば(ワナに入る)可能性ある。ただ、ちょっと時間がかかるかもしれない」。クマによる被害を受けて、これまでは小屋から離れた場所にハチミツを入れたワナを仕掛けていましたが近寄った形跡はなく、関係者たちは「今度こそは」と新しいワナに期待を寄せていました。

(民家にアライグマ:兵庫)
神戸市東灘区の住宅地の庭を荒らしていた特定外来生物のアライグマがこのほど、同区の民家で捕獲された。住人の夫妻が庭に仕掛けた捕獲用のケージで見つかった。夫妻は「見た目はかわいいが、困っていた。これで被害が減れば」と話している。夫妻宅では7月ごろから、庭が掘り起こされたり水槽がひっくり返されたりする被害に悩まされてきた。初めてアライグマを目撃したのは8月末。夜、妻が玄関を出ると、庭の暗闇に四つの目が光り、2匹が様子をうかがっていたという。市に連絡し、案内された業者からケージを借りて庭に置いた。しかし簡単には捕まらず、庭のリンゴや水槽のメダカが食べられるなどの被害が続いた。そこで匂いの強いカップ麺などをケージ内に置くと、10月23日に1匹が捕まった。さらに今月16日にも捕獲。今後の被害も心配なため、しばらくケージは置いておくという。市農政計画課の担当者によると、同区内のアライグマに関する相談は昨年度、69件寄せられた。庭や畑を荒らされたり、屋根裏を寝床にされたりするなど、被害は増加傾向だという。同課は感染症の心配などからもアライグマを見ても近寄らず、餌を与えないよう呼び掛けている。

(サル出没、見かけたら通報を:宮崎)
19日、宮崎市の市街地でサルの出没が相次ぎました。2021年5月頃から宮崎市内ではサルの目撃情報が相次いでいて、宮崎県はホームページで注意を呼びかけています。こちらは、19日の午前に宮崎市の大塚町で視聴者が撮影したサルの映像です。19日は、祇園2丁目の出水口公園や鶴島3丁目でも目撃情報が相次いでいて目撃した人によりますと、比較的大きなサルだったということです。宮崎県は、サルを見かけても近づいたり刺激したりせずに、市町村役場や消防、警察のいずれかに連絡するよう呼びかけています。

(中心部にイノシシ:岡山)
岡山市の中心部で19日未明、イノシシ3頭が目撃された。県警は「見つけたら近寄らず通報して」と注意を呼びかけている。県警によると、19日午前3時35分頃、岡山市北区平和町の路上にイノシシ3頭がいると、地域住民から110番があった。通報は「シバ犬ほどの大きさで、桃太郎大通りを歩いていた」という内容で、警察官が付近を捜索したが、見つからなかった。同区の安達怜志さん(33)は午前4時5分頃、同区野田屋町で3頭が並んで歩いているのを目撃。安達さんは「最初は犬か猫かと思った。こんな街中で見かけるなんて」と驚いていた。岡山市内では昨年11月、南区のホームセンターでイノシシが自動ドアに突進して破壊する被害があった。市農林水産課によると、夏に餌を求め人里に姿を見せることはあるが、今の時期は山に柿や栗があるので、目撃されることは少ないという。担当者は「迷い込んだのだろうか。出合った場合は背を向けず、静かにその場から遠ざかって」と話している。

(クマの目撃相次ぐ、けが人なし:石川)
金沢市によりますと、19日午前6時ごろ、土清水3丁目でクマの目撃が2件相次ぎました。クマは体長1メートルほどで、オスかメスかは分かっていませんが、同じ個体とみられています。そして午前8時ごろには田上町でもクマが目撃されました。クマは体長1.2メートルほどで、土清水3丁目とは別の個体とみられています。金沢市では今年度、10月までにクマの目撃が66件あり、昨年度と比べて173件減っています。

(有害駆除されたエゾシカ、有効活用を:北海道)
有害な動物として駆除されたエゾシカの肉や皮などの有効活用を考えるイベントが、道東の中標津町で開かれました。イベントは農業被害などで有害な動物として駆除されたエゾシカの肉や皮などについて有効利用する方法を考えようと中標津町総合文化会館で開かれました。会場にはシカの革や角を使ったポーチやキーホルダーといったレザークラフトの作品や革と古布を組み合わせた衣類、それにシカ肉が原料のペットフードなどが展示され、販売も行われています。また革を使った小物をつくるワークショップも開かれ、訪れた人が小銭入れなどを作っていました。シカ革の小銭入れを作った小学4年の女の子は「難しかったけれど楽しかったです」と話していたほか、33歳の女性は「住んでいる人が身近な問題として感じるべきだと思いました」と話していました。イベントの実行委員会の菅美子実行委員長は「シカの命を次につなげて使ってもらうことが大切なので活用の仕方を伝えていきたい」と話していました。イベントは中標津町総合文化会館で21日も開かれます。

(鹿肉おいしく食べて:山口)
農作物を食い荒らすシカの捕獲促進と有効活用につなげようと、下関市や市内の農林関係団体でつくる市鳥獣被害防止対策協議会などは20日、鹿肉をおいしく食べるための調理実習を同市豊田町手洗の豊田下公民館で開いた。豊田下小学校の児童と保護者5組11人が参加。野生鳥獣の肉をジビエとして活用する意義や方法を学び、2016年度の市ジビエ料理コンテストで最優秀賞を受賞した「チーズin鹿フライ」を作った。鹿肉を切ってチーズを挟み、衣をつけてから油で揚げてしっかりと加熱した。すりおろしたニンジンを使ったソースを添えると完成。親子で参加した3年の男子児童(8)は「鹿肉は歯応えがあってチーズと合う。家でも作ってみたい」と笑顔を見せた。同市では豊田町、豊北町を中心にシカによる農林作物被害額が年間約7千万円に上る。捕獲したシカを豊田町八道のみのりの丘ジビエセンターで食肉に加工し、市内各所で販売するなどして有効活用が進められている。

(鳥獣対策・ジビエ、利活用展に出展へ:愛知)
マスプロ電工は、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「鳥獣対策・ジビエ利活用展2021」(24~26日)に出展する。日本能率協会主催の鳥獣対策・ジビエ利活用展2021は、農作物の野生鳥獣被害対策、捕獲技術、捕獲後の食肉加工などに関わる製品情報を一堂に集めた専門展示会。マスプロ電工ブースでは、低コストで運用できるLPWA通信を利用した有害獣捕獲情報通信システム「ワナの番人」等を出展。

(ジビエが恋しい季節:愛知)
体の芯まで冷え込む季節に恋しくなる料理は何か。おでんやシチューもいいが、なぜかジビエを無性に欲することがある。名古屋・新栄のフランス料理店「壺中天(こちゅうてん)」のオーナーシェフ、上井克輔さん(52)はジビエ料理が得意だ。ジビエは狩猟で捕獲される野生鳥獣を意味するフランス語。この時期、二十年来の付き合いがある北海道の猟師から良質のエゾジカを丸ごと仕入れる。上井さんは「一発で仕留めてその場でさばく、血抜きの技が、味を決める」と言う。提供されるメニューの一皿が「エゾジカのシューファルシ(キャベツの肉詰め)、ペリグー・ソース添え」。「食べやすく、非日常も味わえるメイン料理です。1頭分の鹿肉が、早ければ2週間でなくなってしまう」。

(ししうどん:宮崎)
地元産シシ肉のうま味。高タンパク、低脂肪、低カロリーの三拍子そろったジビエを取り入れた麺がある。日南市北郷町の「大戸野即売所」が、1992年の開業以来提供している「ししうどん」(620円)。イノシシの骨でだしを取ったつゆは、滋味深い。

(道の駅で「ぼたん鍋」発売:三重)
松阪市飯高町宮前の道の駅「飯高駅」内の「レストランいいたか」はこのほど、冬季限定メニュー「ぼたん鍋」(税込み1570円)を始めた。期間は来年2月28日まで。ぼたん鍋は毎年恒例の人気メニュー。気軽に楽しめる一人鍋で、「飯高のとっときみそ」や地元の野菜を使っている。イノシシ肉と白ネギ、エノキ、シメジ、ニンジン、ゴボウ、白菜、豆腐、糸コンニャク、水菜が入っている。同店は「オリジナルのピリ辛の味付けが好評。たくさんのリピーターがついています」とPRしている。姉妹店の同市飯高町波瀬の波瀬駅でも「波瀬のぼたん鍋」を同時販売する。

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(捕獲したイノシシに「かまれた」猟友会員の男性が意識不明に:兵庫)
兵庫県姫路市安富町三森の山中で16日午前11時ごろ、市内の男性(68)がわなにかかっていたイノシシに襲われた。県警によると、尻から腰のあたりをかまれたとみられ、襲われた直後は受け答えができたが、その後意識不明になった。男性は猟友会のベテラン会員で、駆除にあたっていたという。姫路署によると、男性は同日午前6時ごろ、くくりわなにかかったイノシシの駆除を猟友会に頼まれて現場に向かった。その後、男性から「イノシシにかまれた」と別の猟友会員に電話があった。男性は自分で車を運転し病院を受診したが、症状が悪化したという。イノシシは体重50~60キロくらい。わなには姿はなく、逃げたとみられる。

(狩猟中にクマ、男性襲われ顔面負傷:群馬)
群馬・沼田市の山林で、狩りをしていた男性が熊に襲われ、顔面を負傷した。16日午前11時前、沼田市利根町の山林内で、猟友会の男性2人が狩りをしていたところ、クマが2頭現れた。2頭は親子とみられ、2人が子グマの方を捕獲すると、親グマとみられるもう1頭が、70代の男性に襲いかかったという。男性は、顔面を負傷して前橋市内の病院に搬送されたが、命に別条はないという。警察は、現場周辺にはむやみに立ち入らないよう、注意を呼びかけている。

(村職員が猟銃の暴発事故:青森)
青森県西目屋村で鳥獣害対策を担当していた会計年度任用職員が10月、巡視中の車内で猟銃を暴発させる事故を起こしていたことが16日、村への取材で分かった。暴発によるけが人はいない。同職員は責任を取る形で、既に依願退職しているという。弘前署は当時の詳しい状況などを調べている。

(自宅から「砲弾」を警察署に持参:北海道)
11月18日、北海道旭川市で男性が自宅で発見した「砲弾」を警察署に持参し、届け出ました。一時爆発の恐れがあるとして警察署や隣接する市役所などの職員が避難し、騒然となりました。18日午後0時すぎ、北海道警旭川中央署に70代の男性が自宅で発見した砲弾を持参し、届け出ました。砲弾は長さ28センチ、直径8センチでビニール袋に包んだ状態で持ち込まれました。爆発の恐れがあったため、署内にいた警察官や職員全員をはじめ、周囲の旭川市役所や高校、付近住民など計約1500人が避難し、付近の道路の通行規制が行われ、あたりは一時騒然となりました。陸上自衛隊が砲弾を調べたところ、不発弾で爆発の危険性がないことがわかり、通行規制は約1時間20分後の午後2時30分ごろに解除されました。砲弾を回収した陸上自衛隊によりますと、不発弾は75ミリ砲弾で旧陸軍のものと見られ、信管はあったものの、火薬はなかったということです。

(シカなどの野生動物にコロナ蔓延:アメリカ)
米国に生息するオジロジカなどの野生生物に、新型コロナウイルス感染の痕跡が見つかったという調査結果がこのほど発表された。たとえ今回のパンデミック(世界的大流行)が収束したとしても、ウイルスが野生生物の間で進化して再び人間に感染する可能性も否定できず、専門家は懸念を強めている。ペンシルベニア州立大学の研究チームがこのほど発表した論文によると、アイオワ州で2020年9月~21年1月にかけて実施した検査で、シカの3分の1に新型コロナウイルス感染の痕跡があることが分かった。同大学の専門家は、人が捨てたかじりかけのリンゴや鼻をかんだティッシュ、人が吐いたつばなどから野生生物にウイルスが感染した可能性があると推測する。ウイルスは下水からも見つかっているほか、シカの間で感染が広がった可能性もある。米地質調査所(USGS)のウィスコンシン支部は、ユタ州で集団感染が起きたミンク農場周辺の動物を検査した。その結果、スカンクやネズミなどの動物が、さまざまな種類のコロナウイルスを保持していることが判明。「コロナウイルスの数の多さや多様性は驚きだった」と報告している。ただ、新型コロナウイルス感染症を引き起こすウイルスが、そうした動物に感染している痕跡は見られなかった。それでもミンク農場の家畜や野生生物の間でさまざまなコロナウイルスが蔓延(まんえん)していることは予想外だったと研究チームは解説する。将来的に種を越えたウイルスの感染拡大が起き、新たなコロナウイルスのパンデミックが起きる可能性もあるとしている。この論文は10月に学術誌に発表された。米農務省は7月に、4州で実施した検査の結果、シカの40%で新型コロナウイルスに対する抗体が確認されたと発表していた。ペンシルベニア州立大学の調査はこれを受けて行われた。野生生物の新型コロナウイルス感染が危惧される理由は幾つかある。その一つとして、たとえ人から人への感染が食い止められたとしても、動物の間でウイルスが循環し続け、やがて人が再感染する可能性がある。また、ウイルスが変異して進化する事態はそれ以上に懸念される。「もしも動物が独自のコロナウイルスを保持していて、人間の間でパンデミックを引き起こすウイルス株が人に感染すれば、そのウイルスが同時に動物にも感染して遺伝物質を交換し、新たなパンデミックを引き起こすウイルス株が台頭する可能性もある」とUSGSの専門家は指摘している。

(ツキノワグマの子熊殺し確認:長野)
20年以上クマの保護管理を続けるNPO法人「ピッキオ」(長野県軽井沢町)は、雄のツキノワグマが子グマを殺したとみられる事例を確認したと発表した。日本獣医生命科学大(東京)と共同研究した成果は、米国に本部がある「国際クマ協会」の学会誌「Ursus」のオンライン版に掲載された。ツキノワグマの子グマ殺しを学術的に確認したのは世界初とみられるという。ピッキオは、今回の結果を土台として研究が発展していくことを期待している。ピッキオは、2016年4月1日~5月11日、町内の森の中にある冬眠穴にセンサーカメラを設置して、雌のツキノワグマ「ミロク」と子グマなどの様子を静止画で撮影した。5月6日の画像には、雄のツキノワグマ「アクオス」が冬眠穴の前に現れ、ミロクと激しく争う様子が残っていた。その後、アクオスは脱力した子グマをくわえて立ち去っていた。冬眠穴から少し離れた場所でミロクの死体を見つけたが、子グマの死体は見つからなかったという。また、アクオスと子グマが親子かどうかは確認できていない。ピッキオ野生動物担当の玉谷宏夫さんは「出産した雌のクマに発信器をつけて追跡したところ、死んでいたという事例に何度か立ち会った。(山間部で狩猟生活をする住民の)マタギもクマが子グマ殺しをすると話していた」とし、子グマ殺しは今回に限らないとの見方を示す。子殺しの動機には、(1)子育て中の雌は発情せず、雄が子グマを殺して雌の発情を促し、自分の子孫を残そうとするため(2)子グマを食べて栄養摂取するため――の2つの仮説があるという。ミロクは子グマを持ち去られてから24時間以内に死に、再発情するための時間が短いため交尾をした可能性は低く、仮説(1)は証明できなかった。子グマの死体が見つからず、(2)の栄養摂取のため食べられたかどうかも定かではない。ピッキオは、子殺しの動機などの解明に向け、調査を続けるという。研究に関わったピッキオスタッフの柳原千穂さんは「クマは怖い生き物だから子どもを殺すんだという目ではなく、自然界で起きている彼らの状態を科学的に捉えてもらえたら」と語った。

(巡査部長が実弾誤発射:鳥取)
鳥取県警は17日、浜村署(鳥取市気高町北浜2丁目)内で、男性巡査部長(32)が拳銃を天井に向け、誤って実弾1発を発射したと発表した。

(外食需要減少で肉が売れず、加工業者が苦悩:京都)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って外食産業の需要が冷え込み、シカやイノシシなどの野生鳥獣を使ったジビエの生産や販売にブレーキがかかっている。丹波地域で加工や販売を扱う事業者も大きな影響を受け、ペットフードへの加工に乗り出すなど、新たな販路の開拓に取り組む動きも出てきている。野生鳥獣の捕獲や食肉加工、販売などに取り組む有限責任事業組合「一網打尽」(南丹市美山町盛郷)は昨年、乾燥機を導入し、シカ肉を犬用ジャーキーに加工して販売を始めた。近隣の道の駅「美山ふれあい広場」や「京都新光悦村」で扱い、売れ行きは好調という。調理師で営業を担当している梅棹レオさん(38)は「ジャーキーは添加物がなく、犬のご褒美のおやつとして、愛犬家に喜ばれているようだ」と語る。脂肪が少ない、ヘルシーな食材として近年人気を集めるジビエ。農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査によると、2019年度の全国の利用量は2008トンで、16年度の1・56倍まで増えた。しかしコロナ禍で繰り返し出された緊急事態宣言で、多くの飲食店が休業に追い込まれた。府内の食肉処理施設が19年度に販売した食肉は31トンで、前年度比で14%減少した。同組合でも首都圏や京都市内のレストランに出荷してジビエを提供し、コロナの影響で売り上げが半分ほどに落ちた。しかしコロナ禍であっても猟師たちが有害鳥獣として駆除したシカが組合の作業場に持ち込まれ続け、在庫を保管する冷凍庫は満杯になった。梅棹さんは「狩猟を行わなければ、シカの数は増え過ぎてしまう。持ち込まれれば当然解体を行うが…」と声を落とす。食肉としての利用が停滞する中、注目を集めているのがペットフードだ。農水省の19年度の利用実態調査では、513トンと16年度(150トン)の3倍以上で、販売金額も約3・6倍の2億9300万円に上った。府内で狩猟が盛んな丹波地域では、以前からペットフードを手掛ける事業者があり、コロナ禍で売り上げが伸び悩んでいた同組合も製造に踏み切った。一般社団法人「ジビエペットフード協会」(東京都)は「同様の事例は全国的にも広がっている。ペットの主食やおやつとして市場も拡大する傾向にあり、参入する業者はこれからも増えるのではないか」とみる。10月には緊急事態宣言が解除され、全国で多くの飲食店が再び店を開けた。鍋物のシーズンを迎え、食肉としての需要が回復していくことも予想される。梅棹さんは「いずれコロナが終息すれば、ジビエを提供する機会もまた増える」と期待する。一方でペットフード製造にも手応えを得て、今後より力を入れる方針で、ジャーキー作りに必要な乾燥機の増設も予定する。逆境の中、開拓した新たな市場を確かなものとするため、取り組みを続ける。

(豚熱に備える実地訓練、これまで野生イノシシ56頭の感染確認:宮城)
養豚場での豚熱の発生に備える実地訓練が、宮城県大河原町で行われました。県大河原地方振興事務所などが開いた訓練には、関係者およそ100人が参加しました。11月16日の訓練は大規模な養豚場で豚熱が発生した想定で行われ、参加者が防護服の着用法や、殺処分の手順、消毒の進め方などを確認しました。県大河原地方振興事務所 遠藤尚志 部長「防疫措置は初動対応が封じ込めには非常に重要。万が一、特定家畜伝染病が発生した際には迅速にしっかりと連携した対応をとりたい」。豚熱のウイルスは、県内では今年6月に七ヶ宿町で見つかった死んだ野生のイノシシから初めて検出され、これまでに合わせて56頭の野生のイノシシで感染が確認されています。

(シカ駆除「巻き狩り」始まる:宮城)
気仙沼市鳥獣被害対策実施隊(菅野克由隊長)によるニホンジカの「巻き狩り」が、13日から始まった。本年度は捕獲も順調で、10月末現在の捕獲数は約700頭で、前年同期より1割ほど多く推移しており、巻き狩りでさらなる上積みを目指している。隊員は普段、地面に設置する「くくりわな」を使ったわな猟でシカを捕獲。巻き狩りは、複数人で山に入り、シカを待ち伏せたり追い立てたりして銃で仕留める猟で、農作物や山林の被害軽減を図りつつ、若手への知識・技術継承も兼ねて実施している。初日は18人が参加。菅野隊長から安全管理や捕獲方針などの説明を受けた後、上八瀬地区の山中に移動した。本来は2カ所に分かれる人数だが、初日のため全員が1カ所で従事。シカを追い立てる〝勢子(せこ)〟のグループにはベテランも加わり、コツを伝授しながら猟を行った。この日は1頭を駆除。前年は約70頭を仕留めており、わな猟が落ち着く冬場から本格化する。菅野隊長は「捕獲は順調だが、生息数もまだ多い。捕獲と巻き狩りで数の上積みを図っていきたい」と話した。市農林課によると、本年度の10月末までの捕獲数はニホンジカが692頭で、前年同期より1割ほど増加。地区別では新月の260頭が最多で、鹿折の216頭、本吉の106頭と続いた。イノシシは24頭で2・4倍と急増。生息域も拡大しているものとみられている。同課は「ニホンジカは、このペースで進めば年内に前年並みの千頭を超える見込み。大島での捕獲も始まり、引き続き被害軽減に取り組んでいきたい」と話している。ニホンジカ、イノシシによる農作物被害の相談も受け付けており、同課(電話22・6600)まで。

(県内狩猟解禁、下山後は消毒:群馬)
県内で15日、今年度の狩猟が解禁された。期間は2022年2月15日までだが、ニホンジカとイノシシは有害鳥獣駆除の観点から同28日まで。「大物猟倶楽部(くらぶ) 鹿鳴会」の会員7人は日の出前の15日午前5時半、高崎市吉井町の山で猟を始めた。

(クマ捕獲、19年ぶりに解禁:京都)
京都府内でツキノワグマの捕獲が2002年2月以来、19年ぶりに解禁された。個体数が当時に比べて5倍以上に増え、人的被害も出ているためで、府は隣県と協力し、頭数管理に努める。府によると、2002年度のツキノワグマの個体数は約300頭。府はレッドリストで絶滅寸前種に指定し、同年11月から狩猟を禁じた。一方、昨年度の調査で個体数は約1640頭まで回復していることが分かり、レッドリストで3段階下の要注目種に変更。今年度は狩猟期間の今月15日~来年2月15日(イノシシとニホンジカは来年3月15日まで)に合わせ、ツキノワグマの捕獲も解禁した。府は国の方針に基づき、人的被害を防ぐために認めている猟期以外の捕獲を含め、年度内に丹後地域で148頭、丹波地域で78頭までの捕獲を認める。

(ブナの実が2年ぶり「大凶作」:秋田)
クマの餌となるブナの実のこの秋の実り具合は、国の調査で2年ぶりに「大凶作」となっていて、県は冬眠前にエサを求めて人里まで降りてくるクマに注意するよう呼びかけています。東北森林管理局は、毎年この時期にクマの餌となるブナの実の実り具合を調べていて、ことし県内では54か所で調査が行われました。それによりますと、ブナの実が全くついていなかったのが43か所、ごくわずかについていたのが11か所で、木全体にたくさんついていたり、上の部分に多くついていたりした場所はありませんでした。この結果、ブナの実のなり具合は4段階の中で最も悪い「大凶作」となりました。「大凶作」となるのは2年ぶりです。県内ではことし、クマの出没が相次ぎ、これまでに12人がクマに襲われています。県自然保護課は「クマが餌を求めて人里まで降りてくる可能性もあるので、家の周りに食べ物や生ゴミを置かないようにしてほしい。また、クマに出くわさないよう、薄暗い時間帯の外出は避けるか鈴など音が出るものを持ち歩いてほしい」と呼びかけています。

(クマ出没9割減:富山)
9、10の両月に富山県内で確認されたクマの目撃・痕跡は29件と、昨年同期の286件から9割減となった。冬眠前に餌を求めて活発に動き、人里にも姿を現す時期だが、今年は山間部でブナが多く実ったため、平野部に来ることが少なかったとみられる。専門家は、出没がない時期こそ、人里にクマを引き寄せるカキの木を安全に切る好機として「大量出没に備えるべき」と呼び掛ける。県自然保護課によると、クマの出没は9~11月が年間を通して最も多くなる。今季は出没減に伴って人身被害も1件にとどまる。出没が減った理由について、同課の担当者は、8月に県森林研究所が行った調査に触れ「ブナの実り具合が、昨年の『凶作』から今年は平年並みの『並作』に戻ったことが大きい」と話す。過去の出没件数トップ3の2010、06、19年はいずれもブナとミズナラが凶作で、最小の18年はどちらも並作だった。同課は「今年は、クマが餌を食べに人里に来る必要性が低くなっている」とみる。この状況に、クマの生態に詳しい県自然博物園ねいの里の赤座久明さんは「クマとの遭遇の危険性が小さい今秋こそ、カキの木の伐採を進めるべきだ」と語る。カキを食べに来たクマに襲われてけがをする事例は多く、遭遇の心配が少ない今季は安全に作業するチャンスだという。赤座さんは富山市庵谷(細入)で、19年秋からカキの木を200本近く切ってきた。「この年は他の多くの集落で目撃が相次いだが、庵谷地区での目撃はゼロだった」と説明。「クマが出たら捕まえるという対処療法では、被害が後を絶たない。地道な予防活動を徹底するべき」と話した。

(クマの目撃や被害が激減:新潟)
秋深まるこの時期・・。例年増えてくるのがクマによる被害です。去年は多くのクマが人里に出没し、過去最多の被害が出ました。一方、ことしは目撃、被害件数とも大きく減少しています。なぜなのでしょうか・・。〈新潟大学/箕口秀夫教授〉「人里周辺で捕獲されたクマが何を食べているのか、ほとんどの県で柿を食べている」。11月8日、野生動物による被害を防ぐため里山を管理する人などに向けて研修会が開かれました。講義したのはクマの生態に詳しい新潟大学の箕口秀夫教授です。ことしのクマ。ある傾向が・・。〈新潟大学/箕口秀夫教授〉「ものすごく出没数は少なくなっている」。今シーズン、県内では11月16日までに625件の目撃情報が寄せられていて、1人がケガをしています。これは、クマの被害が過去最多となった昨シーズンを大きく下回っています。クマがほとんど出没していないのです。その理由を箕口教授は2つあげます。〈新潟大学/箕口秀夫教授〉「山でのエサ環境が昨年、一昨年に比べるとクマにとっては都合がよかったということがひとつ」。主食であるブナの実がことしは豊富で人里におりてまでエサを求める必要性が減っているというのです。去年、県内の自治体で最も多くの目撃情報があった新発田市内の出没マップです。駅の周辺や住宅街などにも多くのクマが現れているのがわかります。しかし、ことし、人里におりてきたのはほんのわずか・・。多くが山にとどまっているとみられます。そして、もう一つの理由は・・。〈新潟大学/箕口秀夫教授〉「人里に出てきているクマがだいぶ捕獲をされている」。人里におりてきていたクマの多くが去年やおととしに捕獲や駆除されたというのです。一方で、いまはまだ冬眠前に栄養を蓄える時期のためエサを求めて人里まで出てくる可能性があるといいます。〈里山の整備をする人は〉「被害にあってからでは大変なことになるのである程度最小限の知識を専門家からお聞きをして里山の整備すすめたい」。〈新潟大学/箕口秀夫教授〉「クマはとにかく冬眠をする前にたらふく食べなければいけませんので12月中ぐらいまでは注意をする必要があると思います」。箕口教授は、単独行動はなるべく避け、万が一遭遇したら頭や首など、命に関わる場所を守る体勢をとることが重要だと話しています。

(市街周辺のクマ1.8倍に:北海道)
札幌市街地そばの山林で暮らすヒグマについての市独自の生息実態調査で、2020年度に個体を識別できた頭数が15年度の前回調査の1・8倍だったことが分かった。市は「頭数の増加や生育域の拡大が今回の調査で証明された」としており、市街地への出没の予防策を強化する考えだ。市によると、20年度に個体を識別できたのは31頭。内訳は雌18頭、雄12頭、不明1頭で、15年度の17頭(雌12頭、雄5頭)を上回った。生息域は主に南区や清田区で拡大した。清田区では白旗山都市環境林が新たに加わったほか、これまで目撃情報が相次いできた南区藤野、常盤では地区内で出没エリアが広がった。

(放牧中の牛襲ったクマ捕獲へ:北海道)
道東で放牧中の牛を相次いで襲ったクマの捕獲に向けた会議が開かれ、居場所を特定するため情報収集を強化する方針を確認しました。道東の厚岸町と標茶町一帯では、おととしからの2年あまりで放牧中の牛あわせて57頭が襲われ、同じオスのクマによる被害とみられています。こうした中、このクマの捕獲に本格的に取り組もうと捕獲対応推進本部が設置され、16日、標茶町で道や自治体、専門家らおよそ20人が参加して初会合が開かれました。これまで2つの町などは、クマの通り道と思われる場所に10か所以上わなを設置するなど対策を講じてきましたが、警戒心が強く、捕獲には至っていません。会議では専門家から捕獲のための情報が不足しているという指摘が出され、一般の人からの目撃情報を収集する体制を強化し、居場所や移動経路の把握を急ぐことなどを確認しました。本格的な捕獲は来年の春から取り組むということで、それまでに有効な対策を検討することにしています。釧路総合振興局の井戸井毅くらし子育て担当部長は「捕獲に向けて広域的な連携をすすめ、情報を共有しながら一丸となって取り組みたい」と話していました。

(アグロ・イノベーション2021:東京)
「アグロ・イノベーション」では農業生産・資材をはじめ、農作業の省力化・軽労化を可能にするスマート農業の最新製品他が展示されます。また、「鳥獣対策・ジビエ利活用展」では農作物等の鳥獣害対策とジビエ利活のための各種提案を、「草刈り・除草ワールド」では草刈機、除草剤などの雑草対策技術を、そして「フローラル・イノベーション」では花の消費拡大や流通促進に繋がる製品・ソリューションが展示されます。

(イノシシ駆除、村民ら猛進:大阪)
イノシシによる農作物被害に悩む千早赤阪村で、有志らによる民間駆除チーム「鳥獣被害対策実施隊」が、成果を上げている。結成を呼びかけた村の期待も大きく、隊員を増やし、村ぐるみで被害防止に取り組む。金剛山麓にある村は、過疎、高齢化で里山が荒れ、耕作放棄地も増えたことで、イノシシが繁殖。約30年前から農作物の被害が続いている。田んぼを踏み荒らされるなどの稲の損害額は14万~33万円程度だが、イノシシが食べ荒らす野菜や果樹を含めると、毎年数百万円規模の被害が出続けているという。イノシシなどの駆除について村は長年、地元猟友会支部に依頼してきたが、村内のメンバーは1人。村外からの応援だけでは人手が足りなくなった。そこで、村は2019年、村民らによる専門駆除チームの参加者を募り、「実施隊」を結成した。隊員は、村民のほか村内に畑を借りる近隣市町に住む36~76歳の男性17人。移動式捕獲器「箱わな」の設置方法などの講習を受け、昨年10月から活動を始めた。村が所有する箱わな約30台を、イノシシが出没しやすい場所に運んで随時見回りを実施、わなに誘導するえさを数日で新しいものに替えてきた。箱わなは重さ100キロにもなり、手間もかかるが、活動開始直後に40キロの雌1頭を捕らえた。冬場を中心に毎週のように捕獲。これまでにウリ坊を含む計72頭を駆除してきた。チームリーダーを務める尾上彰さん(65)は、約20年前に箱わなの狩猟免許を取得して個人で設置してきた。「みんなで取り組めば、もっと捕獲できる。一頭でも多く捕まえたい」と話す。5年前に同村に移住し、ミカンなどを栽培する小柳正弘さん(38)も「イノシシに一晩で100~200個も食い荒らされる。村内の被害防止のために頑張りたい」と意気込む。同村が掲げるイノシシ駆除の目標は年間120頭。ここ数年は、シカやアライグマの被害もあるという。隊員は村内13地区のうち、まだ5地区にしかおらず、村観光産業振興課は「さらに成果を上げてもらい、被害実態の調査も担ってもらいたい。全地区で隊が活動できるように広がれば」と期待している。

(旧産炭地でブドウ栽培再び:北海道)
北海道歌志内市が炭鉱跡地でワイン用のブドウ栽培に再挑戦している。炭鉱の閉鎖に伴う緑化復元や離職者対策の一環で30年前に栽培が始まったが、エゾシカの食害で中止に追い込まれた。地域衰退への危機感が強まる中、農業振興のため5年前に再開。

(有害鳥獣捕獲隊、イノシシわな補修:茨城)
茨城県常陸太田市山田地区有害鳥獣捕獲隊(平山俊夫隊長、隊員5人)は11日、同市松平町の山田地域支援センターで、イノシシ捕獲用の仕掛け「くくりわな」の補修作業を行った。市から一定数のわなの提供を受けているが、その後の修理は費用を含め、隊員が実施している。また、地域の課題解決のための活動を支援しようと、地元の住民組織「山田コミュニティ」(小林正典会長)は、わなの修理や製作への援助を始めている。くくりわなはイノシシなど野生獣の捕獲方法の一つで、わなを踏むとワイヤーが締まって脚を捕獲する方法。1回の使用でワイヤーがねじれたり切れたり、スプリングが曲がったりするなど、補修が必要になることもある。地域全体のスムーズな捕獲作業を行うため、不足分のわなも手作りで製作している。昨シーズン、同捕獲隊では40頭以上のイノシシを捕獲した。この日の作業では、ワイヤーを圧着ペンチで必要な長さに切断。イノシシの脚を捕まえるワイヤーの仕掛け部分を作り、ワイヤー同士を金具でつないだ。ほかに長さ25センチほどの筒に長さ約80センチのスプリングを入れたり、イノシシが踏むわなの部分なども配水管などを利用して製作する。平山隊長は「イノシシの脚を締め付ける部分が重要で、きちんと作らないと逃げられてしまう。農家の協力を得ながら、耕作地を守っていきたい」と話す。昨年6月に発足した山田コミュニティでは、地域交流や生涯学習のほかに地域の課題解決にも取り組もうと、昨年度からイノシシ対策事業として、わなの製作場所や費用の支援を行っている。小林会長は「農産物の被害をなくそうと活動している団体を知ってもらいたいと、支援を始めた。地域の人たちの理解が深まれば」と話している。

(女性にけがをさせたサルを捕獲:島根)
島根県邑南町矢上で女性(70)にけがをさせた野生のニホンザル1匹が16日、捕まった。同日も矢上小学校や矢上高校が近い矢上地区の住宅地に現れ、町や島根県が警戒していた。町農林振興課によると、16日は午前7時20分ごろ、路線バスの停留所「矢上駅」近くに出現。町職員と県職員の9人態勢で、登校する児童生徒を無事に送った8時半ごろから捕獲に乗り出した。サルが近くの山中に逃げ、しばらく捜索が続き、午前10時50分ごろ、1キロ近く離れた路上にいるのを、手で捕まえた。サルは体長40~50センチ、体重6キロほど。左手の半分がなかった。何らかの原因で群れから離れたサルとみられるという。県が殺処分した。町には、夏ごろから同じ特徴のサルの目撃情報が寄せられていた。バス停・矢上駅管理人の小畑芳和さん(82)は15日夜にバス停で出会い、足にまとわりつかれたという。「はたいて離れてもまた寄ってきた。もともと人懐っこいサルなのだろう。一晩中、近くで鳴き声がしていた。捕まってよかった」と胸をなで下ろした。サルは15日午後4時半ごろ、民家の庭で女性を襲い左腕に軽傷を負わせた。

(住宅にイノシシ侵入:愛媛)
18日午前10時半ごろ、宇和島市和霊町の住宅にイノシシが侵入した。在宅の女性にけがはなかった。現場は国道56号に近い住宅地で周辺には学校や商業施設などがある。通報を受けた宇和島署と市農林課、地元の猟友会が捜したが見つかっておらず、注意を呼び掛けている。署などによると、近隣の住民がガラスの割れる音を聞き、イノシシが北へ逃げるところを目撃。連絡を受けた住宅の関係者が署に通報した。イノシシの体長は約1メートル。住宅1階から侵入し、室内を走った後、外に出たとみられる。

(イノシシが突進、介護施設でガラス割れる被害:新潟)
新潟市江南区にある介護老人保健施設で、イノシシが突進し出入り口のガラスが割れる被害がありました。被害にあったのは新潟市江南区にある介護老人保健施設「大江山園」です。警察によりますと18日午後4時41分ごろ、施設の職員から「イノシシがガラスを割って逃げて行った」と通報がありました。体長約1メートルのイノシシで、正面玄関の出入り口にある風除室のガラスを突き破ったあと逃げて行ったということです。ケガ人はいませんでした。新潟市内では17日からイノシシの目撃情報が相次いでいて、警察が注意を呼びかけています。

(乗用車とクマ衝突:秋田)
18日午前5時45分ごろ、秋田県北秋田市米内沢字長野沢の市道で、同市の60代男性が運転する乗用車が、飛び出してきたクマとぶつかった。北秋田署によると、クマは体長約1メートル。男性にけがはなかった。

(線路でクマとの接触相次ぐ:島根)
18日午前、島根県益田市のJR山陰本線で線路内に入ってきたクマが特急列車にひかれました。この影響で、部分運休や最大2時間の遅れが出ました。現場は、益田市土田町のJR山陰本線です。18日午前10時40分頃、上りの特急スーパーおき2号が、線路上にいたクマをひき停止。近くでクマの死骸が見つかりました。乗客78人と乗務員にけがはありませんでしたが、列車の一部が壊れ修理が必要なため、乗客は近くの駅からバスなどで輸送されました。JR米子支社によると、クマとぶつかった特急列車が部分運休したほか、3本の列車が最大で約2時間遅れ、200人の利用客に影響が出たということです。JR山陰本線では今年、クマとの接触事故が3件発生していて、10月は今回の現場から約1・5キロ離れた場所でクマ1頭がひかれています。

(旭山公園19日に全面開放:北海道)
札幌市は18日、クマの目撃情報を受けて一部を閉鎖していた中央区の旭山記念公園を19日から全面開放すると発表した。公園に隣接する旭山都市環境林の封鎖も解く。全面開放は7月23日以来。同公園では10月6日にクマ3頭が目撃され、市は同7日から閉鎖。同21日から展望広場など一部を開放していた。新たなクマの痕跡や目撃情報はなく、木々の葉が落ちて見通しが良くなってきたことから、全ての閉鎖を解くことにした。

(クマ出没相次ぐ、干した魚狙いか:北海道)
ヒグマの活動が不活発になるはずの11月に入っても、町内で出没が相次いでいる。町には18日現在、目撃や建物が壊された事例など計19件(延べ22頭)の情報が寄せられている。特に町北部の岬町や海岸町では、干してあるサケやホッケが食べられるなどの被害が多く、町は「昼間に干し、夜は回収しても、匂いでやって来る。町内全域で出没する恐れがある」と注意を呼びかけている。岬町や海岸町では海沿いに人家や番屋が並び、魚を干している軒先も多い。町には今月、干し魚が食べられたり、建物が壊されたりしたとの通報が計4件寄せられた。こうした被害は両地域に集中している。

(オスジカ対決、角折れるまで:北海道)
15日早朝、留萌市スポーツセンター(見晴町2)の駐車場でオスのエゾシカ2頭が角を激しく突き合う様子を市民が目撃した。争いは片方の角が折れるほどで30分以上も続いた。目撃したのは市内のフリーカメラマン渡辺一夫さん(74)。同日午前6時半ごろ、付近を車で通りかかったところ、体長1~2メートルほどのオスジカ同士が、角で対決する現場に遭遇した。

(集落にクマ、追跡中に見失う:岩手)
16日午前、矢巾町の集落に子どもとみられるクマが現れ、役場の職員などが警戒する中、6時間あまりにわたって逃げ回りました。
町は山へ誘導する方針でしたが、追跡中に見失い、住民に注意を呼びかけています。矢巾町などによりますと16日午前9時半ごろ、矢巾町南矢幅で「ガソリンスタンドの近くで小さなクマを目撃した」と町に通報がありました。体長1メートルほどの子グマとみられ、役場の職員や猟友会が駆けつけたところ、道路沿いに逃げて集落の中にあるやぶに逃げ込みました。町などはいったんは捕獲を試みましたが、田畑を逃げ回ったり木によじ登ったりしながら移動したため、クマを追跡しながら山の方に誘導することにしました。町などはその後、クマを6時間あまりにわたって追跡しましたが、午後4時前、林の中で見失ったということです。クマが逃げ込んだ林は住宅からは離れていますが、周囲に田畑があることから町は周辺の住民に注意を呼びかけています。クマが現れたのは、矢巾町の中心部と山間部の間にある田畑の広がる地域で、近くにあるこども園では窓やドアを閉め、子どもを外で遊ばせるのもやめたということです。追跡を行った矢巾町産業観光課の大坊佳史主事は「クマは夕方から夜にかけて木の上など身を隠せる場所に潜んでいる可能性があります。クマを見つけた際は、役場までご連絡いただければと思います」と話していました。

(侵入するクマの姿撮影、5日連続の出没:静岡)
3日連続でクマが現れ、ウコッケイ35羽が襲われた静岡県富士宮市のニワトリ小屋に、再びクマが現れました。監視カメラには、柵を乗り越えてくるクマ、そしてニワトリのスペースの方向から出てくる姿が映っています。画像が撮影されたのは16日の深夜と17日の早朝です。富士宮市人穴で、牧場にあるニワトリ小屋にクマ1頭が13~15日の3日連続で現れ、ウコッケイ35羽が食べられる被害がありました。15日に猟友会がニワトリ小屋に監視カメラを設置し映像を確認したところ、大きなクマの姿が映っていました。13日から5日連続姿を現していたことになります。16日と17日は、既にニワトリ小屋にウコッケイはいないため、クマはそのまま立ち去り、林の中に去っていったとみられます。小屋の近くに設置したワナには近づいていなかったため、猟友会は新たなワナを設置するとともに、エサをハチミツに変えて捕獲を試みています。猟友会「当初想定していたより非常に大きい個体でした。危険な状況だと思うので、もう一つワナをかけなんとか捕獲したい」。

(イノシシ、目撃情報相次ぐ:新潟)
警察によりますと、17日夕方、新潟市東区の市街地でイノシシが相次いで目撃されました。目撃されたのは東区竹尾4丁目の道路上で、午後5時25分頃に体長およそ1メートルのイノシシが道路を横切ったと通報がありました。その10分後には、1キロほど離れた東区寺山の会社敷地付近でも目撃情報が。また、1件目の目撃情報があった同じ時間帯には、別の人も東区竹尾4丁目の市道上でバイパス方面に向かって走るイノシシを目撃しています。いずれも市街地で民家も近いことから、警察は注意を呼び掛けています。現場付近では17日未明にも2件の目撃情報がありました。

(相次ぐクマの目撃:山梨)
山梨県内でクマの目撃情報が相次いでいる。専門家はクマの冬眠時期が遅くなっていると指摘し、これからの時期も警戒が必要としている。県内では今月すでに8頭のクマが目撃されていて、富士吉田市では2日間で3頭目撃されている。県によると、2013年度以降県内ではクマの目撃情報が年間120頭前後で推移していたが、2019年度に過去最多の210頭が目撃されて以降、年間160頭以上に目撃情報が増えた。クマの生態に詳しいNPO法人「山梨ツキノワグマレスキュー」の清水邦彦代表理事は温暖化の影響でクマの冬眠時期が遅く11月、12月の目撃情報が増加する傾向にあると指摘している。また、開発などで森林が減っていることから森に餌が少なく人里に下りてくるケースが増えているという。清水代表はクマを寄せ付けないためには家の周辺にある木から落ちた果物などを処分することが必要だと話している。また、山に入る際には鈴を持つことや複数で行動することを呼び掛けている。

(体育館の屋根にアオサギの大群:富山)
KNBのカメラが珍しい映像をとらえました。富山駅北地区にある富山市総合体育館の屋根の上に16日、大群でいたのはあの鳥でした。さわやかな秋晴れとなった16日、富山市駅北地区の富岩運河環水公園です。その隣にある富山市総合体育館の屋根をよく見ると。そこにいたのはアオサギの大群です!通常、川べりや海岸などにいるアオサギが群れで羽を休めていました。その数、100羽以上です。アオサギは、春先の繁殖期には集団で行動する習性がありますが、今の季節に100羽を超える群れを街なかで見るのは珍しいということです。そのわけは…。日本野鳥の会富山 酒井昌則さん 「非常に珍しい現象ですけど、神通川に近い所で狩猟解禁になって銃の音があると思う。それで鳥たちが川から避難して川に近い屋根の上にいるっていうのは珍しいんですけどここに避難しているということだと思います」。日本野鳥の会富山の酒井昌則さんは、15日に解禁となった狩猟が影響しているのではないかとみています。なぜ、富山市総合体育館の屋根だったのかはわかりませんが、小春日和の暖かな日差しの中、サギたちも、日向ぼっこを楽しんでいたのかもしれませんね。

(糞害に憤慨、カラス対策:福井)
福井市中心部の道路などがカラスの 糞ふん で汚れる「糞害」の対策に、市が頭を悩ませている。景観維持のため、カラスが仲間に危険を知らせる鳴き声を使うなどして追い出しているが、担当者は「追い払っても別の場所で糞をするので、いたちごっこだ」と根本的な解決策を見いだせていない。「例年の2倍くらいは糞が落ちているのではないか。毎朝掃除が大変」。中心部のビルの管理人を務める60歳代男性は漏らす。ビルそばの街路樹には夕暮れ時にカラスが集まり、翌朝は付近の路面のあちこちが糞で白く染まる。男性は「行政にはしっかりと対応してほしい」と訴える。市有害鳥獣対策室によると、市民から「家の前が糞だらけで汚い」「糞が臭い」「鳴き声がうるさい」といった相談が7月上旬から約40件あるという。中心部の自治会長らが代表で連絡することが多いが、「実際に相談したい人はもっと多いはず」とする。10月以降は繁華街・片町周辺での糞害が目立つといい、鳥の生態に詳しい市自然史博物館の出口翔大・学芸員は「明かりや人通りがあり、天敵に襲われにくいため、寝床に適しているのではないか」と指摘する。市はカラスを中心部から追い払う対策を進めてきた。2017年度からカラスの天敵とされるタカを飛ばす取り組みを行っていたが、 鷹匠たかじょう を雇う金額が高額な上、一時的に追い払っても、しばらくするとカラスが慣れて元の場所に戻るなど効果が限定的だったため、約3年で断念した。20年度からは、天敵が近づいた際にカラスが仲間に危険を知らせる鳴き声「警戒音」を拡声機で流すなどの対策を実施。市職員が週2回ほど、中心部のカラスが密集する地区を歩き回り、拡声機やカラスが嫌がるレーザー光線を向ける。警戒音は人には普通の鳴き声に聞こえるが、カラスにとっては危険の合図になるといい、全国でカラス被害対策を手掛ける宇都宮市のベンチャー企業「CrowLab(クロウラボ)」などから警戒音の提供を受けている。10月中旬に市職員が中心部を回った際も警戒音で多くのカラスが一斉に飛び去った。市は今も巡回を続けており、担当者は「市中心部に夕方集まってくるカラスは少しずつ減ってきている」と手応えを語る一方、「追い払っても市街地の別の場所に集まって糞を落とすだろう」と嘆く。市は「中心部の糞害をなくすため、より効果的な対策を考えたい」としている。

(市街地でイノシシ3頭目撃:岡山)
19日午前3時35分ごろ、岡山市北区平和町の中心市街地で、通行中の男性から「イノシシが3頭いる」と110番があった。現場はJR岡山駅に近く、飲食店や金融機関などが並ぶ桃太郎大通り付近。岡山中央署員が捜索したが見つからず、けが人などの被害も確認されていない。同署によると、通報ではイノシシは桃太郎大通りを歩き、柴犬くらいの大きさの個体がいた。署員が現場を捜索中、別の男性から「近くの公園で見た」との情報も寄せられたという。同署は、現場近くの岡山中央小と岡山中央中に注意を呼び掛けるとともに、登校時間帯にパトカーで付近を巡回し、署員が通学路に立って警戒に当たった。

(ドローンで鳥害対策、実証実験:茨城)
ドローンを使った鳥害対策が注目を集めている。上空に飛ばしたドローンから音や光を出して鳥が集まるのを防ぐ方法で、絶滅危惧種に指定されている生物など、駆除ができない鳥にも有効に活用できる。茨城県つくば市内では、ドローンの空撮事業などを手掛ける企業「JOGA」(同市二の宮、仁田(にた)忍社長)が実証実験を進め、一定の効果を上げている。実証実験は同市大角豆の雑木林で6、7月に実施した。雑木林ではシラサギが大量に繁殖しており、ふんによる悪臭や汚れ、鳴き声による騒音といった被害を近隣住民にもたらしている。シラサギは1~3月ごろに飛来後、10月ごろまでこの場所で暮らすという。飛来するシラサギの仲間のうち、「チュウサギ」という種類は準絶滅危惧種に指定されている。加えて、鳥獣保護法の規定もあり、直接的な駆除は不可能だ。つくば市は住民からの相談を受け、地上から空砲を使った追い払いを実施してきた。しかし、回数を重ねるごとに音に慣れてきて、逃げなくなってしまったという。同社では、スピーカーとレーザーを搭載したドローンを使用。上空から音声や光点を発生させて追い払う方法を試みた。スピーカーからは動物の鳴き声や機械的な音など60種以上の音を出すことができる。このうち、シラサギは鳥の鳴き声の音などに強い反応を示した。レーザーを使った実験では、光が鳥の体に触れたり、視界に入ったりすると、外敵を察したような動きを見せ、飛び立つ様子も確認されたという。次回の実証実験は、シラサギが再飛来する来年1月ごろに行う。今回の結果を踏まえ、機体を増やしたり、音の向きを変えたりしてさらに改良を加えていく予定だ。さらに今後は、ムクドリなど他の鳥害への応用をはじめ、イノシシなど獣害対策としてもドローンを活用していく方針。赤外線センサー搭載のドローンで獣の居場所を確認、追跡し、結果を地元猟友会と共有して獣害防止につなげていく。仁田社長は「有効な音を探るため、音響サービス会社などとも協力していく必要がある」と話している。

(狩猟者のためのWEBアプリ:兵庫)
狩猟者のためのWEBアプリ「しゅりょうくん」今季リリース。

(シカをジビエに:長野)
筑北村で捕獲されたニホンジカをジビエ食材として活用する動きが、村内で広がっている。村で捕獲された野生鳥獣はこれまで、村猟友会員らの個人消費や埋設処分が中心で市場での活用策がなかったが、食肉加工を手掛ける茅野市の事業者の協力で今夏、村原産ジビエとして取扱いできる体制ができた。活用の第一歩として村内小中学校の給食にジビエ料理が登場したり、飲食店がメニュー開発に取り組んだりしている。村内で試験運用され、茅野市の事業者が所有している食肉加工の車両「ジビエカー」や同社の加工施設が今夏、信州産シカ肉の処理施設として県の認証を取得したため、村内で捕獲され同社の施設で処理された肉を村原産のジビエとして扱えるようになった。西条温泉とくらでは、食堂で筑北のシカ肉を使ったメニューを充実させ、今秋にはミンチ肉を使ったスパゲティ「シカ肉のボロネーゼ」の提供を始めた。19日には、シカ肉が入ったキーマカレーを限定販売する(午前11時半からなくなり次第終了)。信州ジビエマイスターの資格を持ちメニュー開発を担当する花岡寿郎料理長(59)は「ジビエを特色に村を訪れてもらうきっかけづくり、活気づくりにつなげたい」と話す。南信から仕入れたシカ肉を使っていた「とくらダムカレー」(1日限定10食)は、今夏から村の肉に変えたという。村はジビエ振興に向け、飲食店に活用を呼び掛け、希望する店舗に材料を提供している。小中学校の給食では10月にジビエが登場した。筑北小では、シカのミンチ肉とミートソースを合わせたスパゲティが登場し、児童の1人は「初めて食べたけどおいしかった」と笑顔で味わった。村内では野生鳥獣による農林業被害が増加傾向で、村産業課によると最も被害が多いシカは年間約400~600頭が捕獲され、本年度は例年より多い700頭に迫る見通し。県や企業との連携で商品開発を進める計画もあり、産業課の担当者は「ジビエの特徴や味を知ってもらい、ジビエ振興、村の資源活用につなげていきたい」と話している。

(エゾシカの多彩な用途知って:北海道)
農作物を食べるなどし、町内で有害駆除されるエゾシカ活用について知ってもらうため、20、21の両日、町総合文化会館で「えぞ鹿フェスティバル」が開かれる。町内外の企業や団体、学校が、ペットフードや革、角製品などの展示や販売を行う。駆除されたシカの有効活用に取り組む住民らの「グレートグリーングリッド中標津実行委員会」(菅美子委員長)が主催。町が共催する。新型コロナウイルス感染拡大のため、2年ぶり2回目となる。

(ジビエの魅力をECサイトで発信:長野)
長野市は電子商取引(EC)サイトで同市産のジビエ(野生鳥獣肉)の魅力や加工食品を紹介する取り組みを始めた。サイトには食品としてのジビエの利点などを説明した特集記事を掲載。鹿肉などを使った加工食品も販売することで、ジビエのさらなる普及につなげる。エシカル(倫理的)な商品を扱うソフトバンクのECサイト「エールマーケット」で記事掲載を始めた。マンガや日本ジビエ振興協会の代表理事へのインタビューを通じ、栄養価の高さといったジビエの魅力や国内での活用状況などを紹介する。ジビエの普及に向けた長野市の取り組みも発信している。また、同市産のジビエを使ったコロッケやカレーなどの加工食品も紹介。同サイトから購入サイトにアクセスして商品を購入できる。

(ひたジビエ レシピグランプリ:大分)
日田市ジビエ推進協議会及び日田市では、令和3年11月14日に第5回高校生「ひたジビエ レシピグランプリ」を開催しました。本大会では、新型コロナウイルス感染症予防対策として、参加者を昭和学園高校の生徒に限定して行いました。

(1日でイノシシ7頭捕獲、「天然猪肉」営業開始:兵庫)
15日にイノシシの狩猟が解禁となり、「天然猪肉(ししにく)専門店いしだ」(兵庫県西脇市郷瀬町)を経営する石田勝次さん(75)と、息子の和幸さん(45)が同県加東市内の山中で早速7頭を仕留めた。和幸さんは「1日でこんなに捕まるのは珍しい。畑を食い荒らされる農家にも喜んでもらえるはず」と話す。同店は18日から今季の営業を開始している。7頭は箱わなで捕獲した。猟銃歴55年の勝次さんが山中に残されたイノシシの痕跡から、けもの道を見極めて効率良く配置。設置した8カ所のほとんどに獲物が入り、肉の臭みを消すため、現地で血抜き処理を施した。

(焚き火を囲み3種の狩猟肉(ジビエ)を味わう:山梨)
各施設が独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」。日本初のグランピングリゾート「星のや富士」では、2022年1月8日から2月28日まで、「山麓の狩猟肉すき焼き」を提供します。凛とした空気の漂う冬の森に設えられた、焚き火を囲む特別席で猪肉、熊肉、鹿肉、3種の狩猟肉をすき焼きで味わう冬季限定のメニューです。オリジナルの割り下やつけダレなどを用意し、さまざまな食べ方で冬の狩猟肉を堪能できます。星のや富士では、地元の農林業に猪や熊、鹿がもたらす獣害を減らすことに貢献したいと考え、狩猟肉を食材として活用したメニューの開発を行ってきました。冬は寒さが厳しい富士北麓ですが、狩猟は冬がシーズンであり、さまざまな種類の狩猟肉に出会える時期です。猟師が良質な狩猟肉を手に入れた時は、狩猟肉の美味しさを楽しめるよう、古くから冬のご馳走としてすき焼きにして食べられてきました。この猟師の風習から着想を得て、当ディナーを開発しました。旬の狩猟肉をグランピングリゾートならではの調理法で味わうすき焼きで楽しめます。狩猟肉は秋から冬にかけて旬を迎えます。猪や熊、鹿は秋に餌として木の実などを食べることで、良質な脂を蓄え、肉は香り豊かで力強い味わいの旨味があります。また、冬は木の皮やもみがらを主食とするため、赤身と脂身のバランスがとれた肉を楽しめる時期です。冬は気温が低いため、獲った肉の温度を急速に下げることができ、より品質の高い狩猟肉を堪能できます。冬の狩猟肉は、赤身と脂身のバランスがとれた力強い旨味が特徴です。狩猟肉の旨味を最大限に堪能できる調理法は、味わい深い割り下でじっくりと煮込む、すき焼きです。割り下には、砂糖を使用せず、巨峰やレーズンのドライフルーツから甘味を出し、山梨を代表するブドウ品種「ヤマソーヴィニヨン」の赤ワインを加えます。牛脂の代わりに使用するフォアグラの良質な脂とドライフルーツの甘みや赤ワインの芳醇な香りが狩猟肉の旨味を引き立てます。煮込んだ肉は、それぞれの肉との相性を考えて用意した3種のつけダレにくぐらせて食べます。脂の旨味が濃い猪肉にはよく絡む半熟卵、脂がのった熊肉には山葵を利かせた豆乳とろろダレ、さっぱりとヘルシーな鹿肉にはジュニパーベリーをアクセントにしたにんにく醤油ダレを用意します。肉につけダレをたっぷり絡ませて食べることで、肉の脂や食感、食材の組み合わせをより一層楽しめます。また料理に合わせて、星のや富士のソムリエが厳選した赤ワインをボトルで提供します。野趣溢れる味わいのワインは、芳醇な香りをまとった3種の狩猟肉を味わうのにぴったりです。焚き火やアウトドアに精通したグランピングマスターがすき焼きの調理をサポートします。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、18日午前6時30分ごろ、仙台市泉区実沢上ノ台にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、17日午後4時13分ごろ、富谷市西成田南田にクマが出没しました。

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