<射撃ニュース12月>
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(養豚場で「豚熱」感染:宮城)
宮城県大河原町の養豚場で飼育されているブタが、国などの検査でブタの伝染病CSF=豚熱に感染していることが分かりました。県はこの養豚場の豚などおよそ1万1900頭の殺処分を始めています。宮城県によりますと11日、大河原町の養豚場から「子豚の成長に異常がある」と連絡があり、県が検査を行ったところCSF=豚熱に感染している疑いがあることが分かりました。このため、県は国の検査機関に検体を送ったところ、豚熱に感染していることが判明したということです。これを受けて県は、12日夜から大河原町の養豚場や関係先にある豚、合わせておよそ1万1900頭の殺処分を始めています。県内では、これまでにすべての養豚場でワクチンの接種を終えているため、ほかの養豚場などに対して移動制限や搬出制限は行わないということです。県によりますと、国が豚熱の感染終息を宣言した平成19年以降、宮城県内では、ことし6月に七ヶ宿町で野生のイノシシが感染していることが確認されましたが、養豚場のブタの感染確認は今回が初めてだということです。

(鳥インフルエンザ確認:青森)
青森県は12日、三戸町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが確認されたと発表した。飼育する約7千羽は殺処分する方針。県は職員を現地に派遣。隣接する岩手県北部を含む、半径10キロ以内にある養鶏場からの鶏や卵などの搬出制限に着手した。同日午後には農林水産省の中村裕之副大臣が青森県庁を訪れ、三村申吾知事と会談する。県によると、養鶏場から11日に「死亡鶏が増加した」と連絡があり、簡易検査の結果、10羽が陽性を示していた。

(狩猟中クマに襲われ男性けが:山梨)
12日午後、北杜市の山の中で鹿やイノシシの狩猟をしていた39歳の男性がクマに襲われ、頭や顔などに軽いけがをしました。警察によりますと12日午後2時ごろ、北杜市白州町大坊の山の中で、39歳の男性が仲間およそ10人と鹿やイノシシの狩猟をしていたところ、体長1.5メートルほどのクマ1頭に襲われました。男性は頭や顔などにけがを負い病院で手当てを受けましたが、軽傷だということです。現場は民家が点在する地域に近い山の中で、北杜市は、クマの出没を受けて防災無線で注意を呼びかけるとともに、警察や地元の猟友会などが現場周辺でパトロールを行っています。

(角に漁網やごみ、野付半島の「羅網シカ」救え:北海道)
根室管内標津町と別海町にまたがる日本最大の砂嘴(さし)、野付半島で近年、ごみや漁網などが角に絡まったエゾシカが見られるようになった。ごみが頭部の数倍になったもの、けんかをして離れられなくなったもの―。食害をもたらし、嫌われがちなシカだが、人間の出した廃棄物によって苦しむ姿には胸が痛む。見かねた地域の人たちが、この冬、「少しでも改善したい」と、浜辺の清掃活動に立ち上がった。活動のきっかけは今年3月初め。2頭の雄ジカの角にロープや漁網が絡まり、離れられなくなった姿が地域住民や観光客らに目撃された。2頭は歩くことも、餌を食べることもできずに衰弱し、半月ほど後、変わり果てた姿になっているのが半島の先端付近で見つかった。絡まっていたのはロープや漁網が中心。漂着物、浜辺に落ちていたものなどさまざまだ。こうしたシカを自然保護関係者は「羅網(らもう)シカ」と呼ぶ。辞書によると羅網は「宝珠をつづり網として装飾としたもの」などとある。半島の自然保護活動をしているNPO法人野付・エコ・ネットワーク会長の藤井薫さん(62)によると、「餌を探す時や角研ぎの際に引っ掛かるのでは」とみる。「毎年、何頭か見かける。全て人が出したごみによる被害。いわば『人災』だ」と藤井さん。半島は鳥獣保護区。シカを救う目的でも、麻酔銃の使用は申請が必要で、発見して申請してもすぐには使えない。また、体の大きな雄シカに近づくことは難しいという。そこでネットワークは浜辺の清掃活動を企画。インターネットや口コミでボランティアを募り、4日朝、初めて清掃活動を行った。ネットワークは来年も秋に2回の清掃を行う計画。藤井さんは「1度の清掃では解決できない。今回は調査も兼ね、ごみの多い区域が分かった。次回以降も、こつこつと活動したい」。

(ニホンジカ目撃、通報しやすい仕組みを:秋田)
白神山地の秋田県側世界遺産地域巡視員会議が9日、八峰町の町文化交流センターファガスで開かれた。巡視員や国、県、地元市町村の担当者らが、ニホンジカの目撃やナラ枯れ被害などの情報を共有し、継続して状況を注視し対応していくことを確認した。4~11月に白神山地周辺で目撃されたニホンジカは、本県側が12件13頭、青森県側が17件19頭だった。大半は、林野庁などが設置した自動撮影カメラで確認した。昨年度の1年間では、本県側が23件28頭、青森県側が24件27頭。環境省東北地方環境事務所は「現時点では昨年度より増えたか減ったか判断できない」としている。

(クマと歩む地域のミライを考える:四国)
四国のツキノワグマはなぜ減ってしまったのだろう?ツキノワグマを守ることで地域によいことがあるのだろうか?本シンポジウムでは、映像作家の宍戸大裕氏による短編ドキュメンタリーの上映を中心として、絶滅が危惧される四国のツキノワグマの保全と地域との連携のこれからを議論していきます。クマの保全と地域の豊かな暮らしを両立するために、いま私たちが出来ることを一緒に考えてみませんか?

(クマがニワトリ食べたか:福井)
12月10日午前8時25分ごろ、福井県福井市中手町の「伊自良たまご」養鶏場で、鶏舎が壊されニワトリ数羽が食べられたと同社から通報があった。けが人はなかった。福井市はツキノワグマによる被害とみて、防災無線で住民に注意を呼び掛け、養鶏場付近に捕獲用のおり1基を設置した。養鶏場は、温泉施設「伊自良館」から西に約200メートルの山際。同社によると、トタンの壁2カ所が壊され、中の荷物なども荒らされていた。市職員や猟友会員が現場でクマの痕跡と確認した。周辺の集落では柿を食べた痕もあった。同社の担当者は「クマ被害は数十年ぶりで驚いているが、人の被害がなくて良かった」と話した。

(夜の市街地にイノシシ出没、8台と次々衝突:香川)
香川県丸亀市の市街地に10日夜、イノシシが出没し、約2時間の間に車やバイク計8台と接触する事故が相次いだ。けが人はなく、イノシシは捕獲、駆除された。県警によると、イノシシは10日午後9時10分頃、丸亀城周辺の路上に現れ、走行中の車6台と駐輪中のバイク1台の側面や後部に次々と衝突。午後11時15分頃にも、近くを走行中の車にぶつかった。同11時20分頃、市職員と警察官が、丸亀城近くのアパート駐車場にいたところを網で捕獲した。イノシシは体長約1・2メートル、体重約80キロの雄だった。同市では今月2日にも丸亀城内にイノシシが現れ、散歩中の女性が逃げようとして転倒し、胸に軽傷を負った。

(国道でクマと車が衝突:秋田)
10日午後8時半ごろ、秋田県由利本荘市鳥海町下笹子字一ノ坪の国道108号で、同市の60代男性が運転する乗用車がクマと衝突した。男性にけがはなかった。署によると、男性は帰宅するため湯沢市方面から由利本荘市方面に走行中、左側の森林から飛び出してきた体長約50センチのクマを車の左前部ではねた。車はバンパーがへこんだ。クマはその場から走り去った。

(「学校の近くでクマのような動物2頭みた」:北海道)
札幌市東区で12月9日夜、クマのような動物の目撃情報があり、札幌市などが注意を呼びかけています。12月9日午後6時半ごろ、札幌市東区中沼町を車で走行していた人が「福移小中学校近くでクマのような動物を2頭みた」と知人に話し、警察に通報がありました。12月10日朝は、警察などが集団登校する児童を見守ったほか、保護者が児童を車で送る姿もみられました。札幌市の職員などがクマの痕跡を調査しましたが、足跡やフンなどは見つからなかったということです。札幌市環境都市推進部 鎌田 晃輔 さん:「鹿の痕跡は結構あったので、誤認の可能性ももあるが、クマも否定できない」札幌市東区では6月に住宅街にクマが現れ住民が襲われる被害があり、札幌市などは注意を呼びかけています。

(「日本初のサウナ設置」と「五輪」の意外な関係)
諸説ありますが、日本の本格的な「サウナ施設」第1号は、1956年、当時の東京・銀座にあった温泉娯楽施設「東京温泉」につくられました。東京温泉の創業者・許斐氏利さんは、実業家の他に、クレー射撃の選手として活躍。1956年のオーストラリア・メルボルンオリンピックに出場されています。そのとき許斐さんは、外国の選手たちが日本の蒸し風呂によく似た施設のことを「ソーナ」と呼び、利用しているのを見たそうです。「ソーナ」とは、フィンランド語で「蒸し風呂」という意味です。特に、フィンランドの陸上の長距離選手たちが、スタミナ回復のため「ソーナ」を利用していることがわかりました。そこで許斐さんは、入浴に疲労回復を求める日本人の間でも「ソーナ」が浸透するのではないかと考え、帰国後に取り組んだのが「サウナ風呂」の設置でした。ちなみに、「サウナ」という名前は「ソーナ」の外来語です。1964年の東京オリンピック開催時には、選手たちからの要望を受けて、選手村にサウナ施設がつくられました。この施設は海外の選手からも好評だったそうです。その後、フィンランド大使館のバックアップなどもあり、サウナは全国的に広がって行きました。

(ジビエで挑む「第4の食肉」)
「ジビエ」と呼ばれる野生鳥獣の肉を食用として活用する動きが広がっている。2020年度の全国の利用量は1810トンと16年度比で1.4倍となった。健康食としての人気の高まりに加え、食肉を処理できる施設も増え、飲食店や販売店を通じて消費者との距離が縮まった。年間販売額は40億円弱だが、地域資源としての価値を高めれば、牛、豚、鶏に続く身近な食材になる可能性がある。ジビエが注目される背景には、鳥獣による農作物被害がある。農林水産省によると、20年度の被害額は161億円。うち100億円を占めるシカとイノシシの同年度の捕獲数は135万頭と10年前比で6割増えたが、ジビエとしての利用率は9%止まりだ。農水省は25年度の利用量を19年度の2倍の4000トンにする目標を掲げる。16~20年度のジビエ利用量は計8617トン。都道府県別ではエゾシカが生息する北海道が3611トンで突出し、2位はイノシシ肉の「ぼたん鍋」が有名な兵庫県の844トンだった。3位以下は長野県、鳥取県、広島県の順。東日本の10県は東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で出荷制限などが続く。北海道は06年、全国に先駆けて衛生処理マニュアルを作成。10年からは毎月第4火曜日を「シカの日」と定めており、シカ肉を提供する飲食店など参加店は約230店になった。20年度のジビエ利用率は22.5%と15年度比で4.9ポイント増えた。エゾシカ食肉事業協同組合(斜里町)は道内の流通量の3割以上を処理しており、銃による狩猟のほか、囲いわなで生け捕りにしたシカを一時的に飼育する事業に取り組む。需要に応じた供給が可能になり、13年から大手スーパーで通年販売する。代表理事組合長の曽我部元親さんは「ジンギスカンに次ぐ肉食文化にしたい」と話す。鳥取県は20年度に食肉処理したシカとイノシシが約3700頭と16年度比で倍増した。県東部で12年、狩猟者、処理業者、飲食店などが幅広く手を組む「いなばのジビエ推進協議会」が発足。18年には中西部にもできた。新商品の開発やハンター育成など行政を巻き込んだ連携の成果が出ている。学校給食での利用も進み、県教育委員会によると、21年度はシカ肉を13市町村で計765キロ、イノシシ肉を8町で約700キロ利用した。20年度と16年度の利用量を比べた増加率は、地産地消に力を入れる徳島県がトップ。利用量はまだ少ないが、13年から県の衛生指針に則した処理施設から提供される肉を「阿波地美栄」と名付け、これと県産食材を使った料理を出す店を認証する。野生鳥獣を精肉にするには、捕獲後2時間以内に処理施設に運ぶのが適切とされる。国内の施設数は20年度で691カ所と、16年度に比べ2割超増えたが、施設から離れた山奥に捕獲地がある場合も多く、利用率が低迷する一因となっている。こうした状況を改善しようと、日本ジビエ振興協会(長野県茅野市)と長野トヨタ自動車(長野市)が共同開発したのが移動式の解体処理車「ジビエカー」だ。いち早く導入した高知県梼原町では18~20年度、食肉処理した1184頭のうち14%に当たる165頭をジビエカーで回収した。供給力も高まり、販路は県内外の飲食店や道の駅など約50カ所に広がった。18年には農水省が食肉処理施設向けに「国産ジビエ認証制度」を始め、衛生管理が厳しい外食チェーンも使いやすくなった。近年はペットフードとしての需要も高まっている。今後は施設同士の連携による安定供給の仕組みづくりなどが課題となる。

(猪鹿だけじゃない、アナグマを商品化:九州)
九州・沖縄8県の2020年度のジビエ利用量は232トンと、16年度に比べ4割増えた。イノシシやシカを獣害対策で駆除するだけでなく、地域資源として食肉にして活用する機運が高まっている。「食べ方が分からない」との消費者の声に対応してソーセージなど加工食品にする動きも活発だ。昔から食べられてきたカモといった野鳥の狩猟が盛んな地域もある。利用量が52トンで首位だった長崎県では、野生動物による農作物などへの被害が深刻だ。17年度に被害防止のため捕獲したイノシシは3万5835頭と、全国で最も多かった。県はジビエとしての活用を目的に、18年に野生鳥獣の「捕獲」から「食肉利用」まで一貫して対応するシステム作りに乗り出した。捕獲状況をリアルタイムで処理施設や飲食店に通知し、処理までの時間を短縮する仕組みの構築を進めている。また、感染症を検知する検査キットやドローンを活用した鳥獣の探索システムの開発にも取り組んでいる。ジビエの活用には「捕獲個体をいかに効率的に加工場などに搬送するかがカギ。ICT(情報通信技術)などを使い、省力化にも取り組んでいる」(県農山村振興課)という。加工場も徐々に増えてきており、21年度には16年度から3割増の16カ所になった。17年に加工場を立ち上げた長崎市の「長崎きんかいジビエ組合」は、全国でも珍しいアナグマを扱う。アナグマは体長40~60センチメートル、体重12キログラム前後のイタチ科の動物。かんきつ類やトウモロコシ、スイカといった果実や野菜を好むため、農家の畑などを荒らす。イノシシやシカに比べ脂が乗り、軟らかく調理できるのでイノシシよりも高値で売れるという。首都圏や関西にも取引先を持つ同組合は品質管理を徹底する。加工場は急速冷凍機や解体用レーンを備える。同組合が加工した肉を販売する、農産物直売店経営の「竹の家」(長崎県西海市)の松尾昭美さんは「処理がしっかりしている。イノシシのロースが人気で、今の時期はぼたん鍋で味わう方が多い」と話す。利用量が40トンだった宮崎県も獣害が深刻だ。山間部が多く、シカのほかイノシシやサルによるものが目立ち、被害額は20年度で4億円超に上る。県は農家の営農意欲の減退やそれによる耕作放棄地の増加などを防ごうと、地域と一体になって被害防止対策を推進している。マツダコーポレーション(延岡市)は捕獲に加え、精肉から加工まで幅広く手掛ける。加工施設の「まつだ屋ジビエ」では肉の直売やソーセージ・ハンバーグなどの通販などもしている。同社は各種イベントにジビエを提供するキッチンカーで参加するなど、普及活動にも力を入れている。「おいしく栄養面でも優れている」(松田秀人社長)と、売れ行きは好調だという。鹿児島県はジビエの本場であるフランスでも人気がある野鳥の利用量が多い。ツルの飛来地として有名な出水市でジビエの販売を展開する大幸は自社でカモの狩猟をし、精肉を販売する取り組みを10年以上続けている。関東や関西、名古屋などの飲食店向けに出荷している。「飲食店からの予約を受け、捕れ次第販売する仕組み」が中心だが、一般の消費者向けにもホームページを通じて販売している。ただ、近年はツルやマガモが鳥インフルエンザに感染する事例が発生している。対策として熊本県にも猟場を設けるなど、分散して捕獲するようにしているという。新たな地域資源として脚光を浴びるジビエだが、課題も浮き彫りになってきた。多くの自治体が直面するのが人材不足だ。肉の解体場を整備する動きは活発だが、持ち込まれるシカやイノシシを衛生面にも配慮しながら適切に処理できる人はまだ少ない。地元住民が試行錯誤しながら解体に取り組むケースが多い。野生の鳥獣は大きさや肉質などの個体差が大きく、家畜に比べて処理の難度は高い。苦労して精肉にしても単価が安かったり需要が少なかったりして、事業として採算が合いにくいのも実情だ。福岡県で解体・加工に取り組むある事業者は「現状では捨てていたものを食べるようにしたというイメージが強く、値段が安くなっている。貴重な天然のおいしい食材と捉えてもらいたい」と話す。同時に「駆除しすぎると生態系にも影響が出る。必要な分をとり、高級食材として評価されるようにしなければ持続できない」と指摘する。

(「ジビエ」で食ブランド化:四国)
中四国各県は「ジビエ」の利用に積極的だ。2020年度の利用量は16年度比2倍以上となる県もあるなど、消費拡大に乗り出している。利用増加率で全国トップの徳島県はブランド化を進め、高知県は高校で食材開発に取り組んでいる。またジビエ利用量が全国有数の鳥取県はハンター育成にも力を入れる。海・里・山の多種多様な食材で地域の食文化の活力につなげている。ジビエ利用量の多い鳥取県では各種イベントも盛んだ。11月には県猟友会や飲食店などで組織するいなばのジビエ推進協議会がキャンプ場など運営する「八東ふる里の森」(八頭町)と共同で、バーベキューイベントを2回開催した。また同月には鹿皮を使ったカードケースやポーチなどを作るイベントが鳥取市内で開催された。「ジビエにまだなじみの薄い消費者も多いとみられる。今後も広く広めていきたい」。ハンターの育成にも力を入れる。4日には県主催の養成スクールで今年度最終となる8回目の解体実習などを開催した。狩猟免許取得後の新人ハンターを対象に知識や技術の向上を図っている。学校給食での利用も進んでいる。県教育委員会によると、2021年度に鹿肉が13市町村で合計765キロ、イノシシ肉は8町が約700キロを利用した。記録の残っているところで南部町で12年から学校給食にジビエを使うようになったという。岡山県は今秋、県内全域を対象としたジビエ消費の拡大を訴える初のイベント「大おかやまジビエ博」を開催した。県立美術館や住宅展示場などでジビエ食品を販売、飲食店向け料理教室ではシカ枝肉の解体、調理を実演した。県の担当者は「ジビエを買って食べる習慣はなかった。地元で消費する基盤をつくるのが急務」(鳥獣害対策室)と話す。ただ新型コロナウイルス感染拡大で首都圏や京阪神で外食需要が縮小し、食肉利活用は閉塞状況にある。そんな中、美作市の獣肉処理施設「地美恵(ジビエ)の郷(さと)みまさか」が7月、衛生管理の適切な施設を対象にした国の「国産ジビエ認証」を受けた。「他の食肉と同等の衛生基準が認められた」(森林政策課)と食用需要の拡大へ意欲を示す。同施設では獣肉のペットフード転用や微生物の分解を使った処理を導入、食肉利活用の先駆施設として活動に注目が集まる。総面積に占める森林の割合が8割強と全国最大の高知県。鳥獣が暮らしやすいこともあり2016年度から5年間の合計利用量は55トンと四国4県で最も多い。県が利用を促しているのはもちろんだが、高知商業高校(高知市)で18年に設立された部活動「ジビエ部」の活躍も見逃せない。5日、狩猟の魅力とジビエの普及を目指した県主催の「狩猟フェスタ」が同市内で開かれた。ジビエを使った食品を開発する同校ジビエ部と有志の高知県立山田高校の生徒も自慢の食品を出展した。逸品はハンバーガー(500円)、パイ(350円)、ピロシキ(300円)、カレーパン(同)の4種類で、生徒たちは大人の協力を得てそれぞれ50個作った。シカやイノシシの肉を使ったハンバーガーやカレーパンはあっという間に売り切れた。ジビエ部はこうした出張販売を高知市内で展開する。7、8月は市役所内のレストランで計5回開き、ジビエの普及に一役買った。ジビエ部を率いる英語教師の佐々木翼さんはハンターだ。「生徒に地域の課題と持続可能な社会づくりを考えてもらいたい」と佐々木さんは話す。徳島県は20年度と16年度のジビエ利用量を比べた伸び率が11倍で全国首位だった。利用量はまだ小さいが、県は「阿波地美栄(じびえ)」のブランドを打ち出し、「うまいよ!ジビエ料理店」の認定(46軒)などで消費拡大に努めてきた。12月25日からの2カ月余り、県は5つのジビエイベントを連続開催する。シカやイノシシの肉を使ったカレーやパン、激辛・大盛りなどのメニューを提供する参加店に対し、肉の仕入れ費用を助成する。県はこのほど26年度まで5カ年の「鳥獣被害防止対策基本方針(素案)」をまとめた。捕獲後に素早く処理するジビエ加工施設での扱い頭数を20年度の約2倍の2000頭に増やす。「臭みの少ない新鮮なジビエを、多くの消費者に食べてほしい」と県鳥獣対策・ふるさと創造課の新居義治課長補佐は話している。

(森の京都ジビエフェア:京都)
「森の京都」の食材の一つであるジビエの魅力発信と消費拡大のため、「第5回 森の京都ジビエフェア」を開催します。今回はジビエの中でも、シカ肉で様々なジャンルの料理を提供します。シカ肉は低脂肪でたんぱく質が豊富、貧血や冷え性予防に役立つ鉄分も多く含まれ、ヘルシーな食材として近年注目されています。各店舗素材を生かしたでオリジナルメニューが提供され、ジビエを身近に感じられる機会となっています。是非森の恵みをお楽しみください。

(狩猟同行ツアー人気:関西)
兵庫県丹波篠山地域のイノシシ(シシ)肉を使う「ぼたん鍋」など古くからジビエに親しんできた関西で、ジビエを地域活性化につなげる取り組みが増えている。京都府福知山市では狩猟から食肉処理の過程を見学するツアーが人気を集める。ジビエの特産品開発も活発だ。ジビエの消費促進は畑を荒らす「獣害」対策と合わせた一石二鳥の試みとなっている。「これほど美しいとは」――。手際よく解体されていくシカをみて参加者は感嘆の声を漏らした。体験型の観光プランを提供する「サードプレイスツーリズム協議会」(京都府福知山市)が10月から始めた狩猟同行ツアーが盛況だ。同協議会代表の奥田友昭さんは「ジビエが新しい名物になってくれれば」と意気込む。ツアーでは狩猟歴20年の中島健太郎さんがガイドを務め、参加者と山を散策しながら仕掛けておいた数カ所のわなを確認していく。シカがかかっていれば仕留め、その場で速やかに血抜きする。加工施設に運び込んだ後は、解体から精肉にする工程を披露。夕食時には、提携するフレンチレストランでシカ肉料理のコースを堪能できる。シカを狩る際、「かわいそう」と涙ぐむ参加者もいる。中島さんはツアーを通じて「生産現場をみて『命』を感じてほしい。これでジビエのファンが増え、地域に新たな活気が生まれれば」と語る。同市にとってはシカやイノシシによる獣害対策と観光振興が課題だったが、「(ジビエを)地域の食文化として活用したい」(同市産業観光課)と期待する。関西2府4県の2016~20年度を合計した「ジビエ利用量」は、兵庫県(844トン)がトップ。次いで和歌山県、京都府が続く。近年では商品開発や販路拡大の動きが盛り上がりをみせる。「物珍しさが巣ごもり需要を捉えたのではないか」。シシ肉を扱う老舗肉問屋「おおみや」の担当者は分析する。同社の通信販売部門の売り上げは新型コロナウイルス禍になってから1.5倍以上に伸びた。売れ筋はぼたん鍋のセットで、毎年12月には全国各地から注文が殺到。この時期だけで年間売り上げの7割以上を占める。同社の本店はぼたん鍋が有名な兵庫県丹波篠山市。「多くの人にぼたん鍋以外のシシ肉の食べ方を知ってもらいたい」(同社担当者)と新商品開発にも力を入れる。シシ肉のジャーキーや生ハムなど通年で楽しめるおつまみ系商品の品ぞろえを充実させた。18年にはジビエを気軽に楽しめる居酒屋をオープンさせ、ジビエの市場開拓を進める。奈良県五條市の「五條アニマルフード」は、ジビエを利用して犬猫などペット用のおやつの製造・販売を始めた。きっかけは、市営の食肉処理加工施設で捨てられていた肉を有効活用できないか相談されたこと。無添加で、飼い主がちぎって与えられるよう薄さにもこだわった商品は、「予想以上に注文が入る」(同社代表の小松純さん)という。行政も消費を後押しする。和歌山県では09年に捕獲や処理のガイドラインを策定して品質が良いジビエの供給増を図っている。1匹ごとに処理した施設や日付といった履歴を追跡できる個体管理の仕組みも導入した。県内のイノシシとシカの処理頭数は19年度に09年度比6倍まで増えたという。あわせて同県が注力するのは小中学校の給食へのジビエの提供だ。子供の頃からジビエに慣れ親しんでもらう狙いで、21年度は県内の小中学校の約9割にあたる324校が希望し、イノシシかシカの精肉かソーセージを提供する計画だ。着実に需要が広がるジビエだが、流通面での課題も多い。カラスやアナグマなど珍しいジビエを提供し、全国からファンが訪れる予約困難なジビエ焼肉店「上田商店」(大阪市)。店主の上田進太郎さんは「品質の良いジビエを安定的に仕入れるのは難しくなってきた」と打ち明ける。現状は「信用できる個人的な人脈に仕入れを頼っている」という。「単に珍しいだけではジビエは飽きられる。お客がもう一度食べたいと思ってくれるおいしさを追求していく」と上田さん。ジビエ需要をもう一段底上げするには、品質確保と安定供給への努力が生産、流通、販売など関わる全ての人に求められている。

(ジビエの衛生管理、県認定で利用伸び率全国5位:東海)
野生鳥獣の食肉、ジビエの活用を増やそうと岐阜県は衛生管理マニュアルを作り、ガイドラインに従っている加工施設や料理店を認定している。品質の維持とブランド化につながり、ジビエの利用量は2016年度から20年度にかけて2.75倍に伸びた。全国の都道府県で5位の伸びだ。東海4県の利用量は三重が93%増え14位、静岡は8%増で28位、愛知は29%減って34位だった。岐阜県は野生のシカやイノシシの利用量を増やすため、13年に独自の「ぎふジビエ衛生ガイドライン」を策定。15年にはガイドラインに沿って処理した肉を扱う解体処理施設や飲食店の登録制度を始めた。当初の登録は7施設、32店だったが、現在は29施設、73店に増えた。「県による猟師の講習会や首都圏でのジビエフェアも続けている」(農村振興課)という。第1陣で登録を受けたキサラエフアールカンパニーズ(岐阜県揖斐川町)の解体処理施設では、農閑期の毎年12~2月、近隣の農家などから毎朝持ち込まれるシカを解体している。3カ月間で計700頭ほどを処理するといい、県内外のレストランなどに食肉として卸す。春から秋にかけてはキッチンカーを走らせてイベントに参加、ジビエ料理をPRしている。14年度に「みえジビエ登録制度」を取り入れた三重県もジビエの品質引き上げを後押ししている。現在35事業者、のべ92施設が認定されており、猟師を含め490人が参加する。処理業者や猟師の研修会も開いている。マニュアルに沿って処理されたイノシシやシカは16年度に676頭だったが、20年度には1037頭に増えた。今年は11月17日からアウトドア用品大手のモンベル(大阪市)の通販サイトから「みえジビエ」で食肉を発売するなど、販路も広げている。静岡県では「猟師と加工施設が連携して収益に結び付ける動きが定着してきた」(県の担当者)という。イズシカ問屋(静岡県伊豆市)は20年、農林水産省の「国産ジビエ認証」を取得。年1000頭程度のシカやイノシシを処理する。1週間ほど低温で熟成させたイズシカは臭みがないと評判だ。同施設はシカの買い取りにあたり「30キログラム以上で処理後2時間以内」といった制限を設けている。対象外なら猟師自身で処分する必要があったため、小さめのシカが持ち込まれることは少なかった。ただ対象外のシカを廃棄物として処分する機材を取り入れたところ、「(持ち込みがためらわれていた)制限ギリギリのシカも消費に回るようになり売り上げ増につながった」(担当者)という。愛知県設楽町の津具地区では15年に地元住民が資金を出しあって解体処理と食肉販売の施設「奥三河高原ジビエの森」を立ち上げた。猟師からシカなどを引き取り、食肉加工まで一貫して手がける。個体識別番号をつけ生産履歴を追跡できるようにしている。設立前には5~6人だった猟師は、20~30代を含めて20~30人に増えた。近隣の直売所や道の駅だけでなく、首都圏の私鉄傘下のレストランにも販売している。村松純次・事業部長は「新型コロナウイルスが流行して取引は一度どん底まで落ちたが、今では以前より活発」と話す。ただ関係者が頭を悩ませているのは、18年から中部地方で拡大した豚熱(CSF)だ。野生イノシシを利用できない。ある業者は「単価が高いイノシシを扱えないのは痛い」と漏らす。イノシシを中心に扱ってきた業者はシカへ切り替え、新たな調理法で活路を見いだしている。

(北信越ジビエ利用量、長野が首位:信越)
北信越の5県でジビエ(野生鳥獣肉)の利用が拡大している。2020年度の利用量は合計で133トンと、16年度比で約2倍に増えた。利用が最も多い長野県内ではジビエを使った料理の新メニューを開発したり、ジビエを利用して起業したりする動きなども広がっている。農業被害の抑制を目的としたジビエの活用は、地域の活性化にも一役買いつつある。長野県の16~20年度のジビエ利用量は436トンで全国でも3位と上位につけている。長野市では「長野市ジビエ振興計画」を策定し、農業被害の軽減につなげると同時に、ジビエの有効活用に努めている。この一環で19年には加工処理施設の長野市ジビエ加工センターを開設し、20年度には542頭のニホンジカを加工処理した。市のジビエ加工センターで処理されたジビエを使った商品開発も進んでいる。道の駅中条(長野市)ではシカ肉を使用した「鹿肉コロッケバーガー」を発売した。シカ肉を赤ワインで煮て臭みやクセをなくし、普段食べ慣れない人にも好まれやすい商品に仕上げた。市ではさらに普及を加速しようと、長野県立大学(同市)の学生とジビエ料理の新メニューの開発に力を入れている。7月に開催した試食会ではシカ肉を使ったメンチカツボールやビビンバなどを学生が披露。メンチカツは11月の市内のイベントで来訪者に配布もした。今後については「チラシなどを使ってメニューのレシピを市民に周知していく」(市の担当者)ことを考えている。また、22年の善光寺(同市)のご開帳の際には、市のジビエに関する取り組みを紹介するブースの出店なども計画しているといい、対外的な発信を強化していく方針だ。ジビエを利用した起業の動きも出てきた。軽井沢町ではシカ肉を使ったペットフードを製造・販売する軽井沢鹿工房アニマルジビエが21年に創業。犬を飼う別荘族らを対象に、地元の産直市場などで販売を広げている。余った革を有効活用する取り組みもある。長野市のインスワールでは捨てられることが多いシカ革を活用して、手作りのカバンや財布などを製造・販売している。事業を担当する和田侑さんは「シカ革は革のカシミヤとも呼ばれるほど、しなやかで柔らかいのが特徴。顧客からは軽くて持ちやすいとの反応も多い」と話す。直近5年間の利用量が北信越では長野県に次いで多い石川県でも、食肉などへの活用が進みつつある。捕獲頭数に対する県内の利用率は現在6%ほどだが、県では25年度に10%に高める目標を掲げている。珠洲市にある食肉処理施設「奥能登ジビエしおかぜファーム」はイノシシ肉になじみのない消費者も買いやすいよう、小分けにして販売している。ファームでは脂肪の少ない赤身を中心にした「筋トレ用」や食べやすくスライスした「BBQ用」などといった用途を明記している商品があることも特徴だ。今夏からイノシシ料理を紹介する動画配信も始めており、ジビエの魅力を広く普及させることにも取り組んでいる。県内ではジビエ肉を扱う飲食店も増えており、消費拡大につなげるための取り組みもある。県も支援するフリーペーパー「いしかわジビエ料理提供店ガイド」では、シカ肉ステーキやイノシシラーメンなどジビエ料理を楽しめる約80店を紹介している。また、金箔の箔一(金沢市)は今秋からイノシシ革に金箔をあしらった名刺入れを手掛けており、用途も広がりつつある。

(ジビエ利用量、栃木4年で2.3倍:関東)
農作物被害に悩む自治体が捕獲したイノシシやシカを「ジビエ」(野生鳥獣の食肉)として有効活用する動きは、関東・山梨でも広がっている。ブランド化や新メニューなどにより、2020年度のジビエ利用量は5県で31トンと16年度の1.5倍に増えた。千葉県は20年度13トンと関東圏で最も多く、栃木県は4年で2.3倍と急増した。栃木県那珂川町が09年から運営するイノシシ肉加工施設には、年間300~400頭のイノシシが持ち込まれる。もともと農作物を荒らす害獣として処分されていたが、同町を含む県内6市町に広がる八溝(やみぞ)山系で捕獲したイノシシを徹底した品質管理で「八溝ししまる」のブランドで売り出し、地元の特産品に育て上げた。臭味の少ない良質なジビエは人気を呼び、19年時点で飲食店や宿泊、卸業者など取り扱いは町内外の約100店舗に広がった。インターネットや電話での通信販売も始めている。21年度は豚熱(CSF)の拡大で流通量が減り、足元では販売を見合わせている。同町の担当者は「八溝ししまるの販売が再開できるまで、豚熱の影響がない県内のエリアや県外で捕獲したイノシシを買い取り、販路の維持を検討したい」と話している。千葉県は「房総ジビエ」の名でブランド化を進めている。ジビエ料理を提供する店の周知やレシピの紹介に力を入れ、飲食店によるジビエ料理コンテストなどイベント開催も進める。22年1月には、対象店舗で房総ジビエなどを使ったテークアウトやデリバリー料理を購入すると抽選で県産品などが当たる企画も始める。千葉県では野生動物(獣類)による農作物の被害額が20年度で2億6700万円に上った。県は柵などの設置と合わせ、捕獲した野生動物を処分するのでなく、ジビエという新たな資源として生かしたい考えだ。埼玉県内では秩父地域でジビエを使った商品開発が相次ぐ。同県小鹿野町の農業法人「ふるさと両神」は鹿肉入りのカレーや、豚の代わりにシカの背骨を使って煮込んだ韓国のスープ「カムジャタン」をパック詰めにして販売している。最近では「かなり地元に浸透してきた」(宮下静雄社長)といい、道の駅や小売店などに両商品合わせて年5千パックが出荷されるほどになった。同県皆野町では県立皆野高校が「イノシカうどん」「イノシカバーガー」などのメニューを考案し、道の駅やJAなどで販売している。今年は商業科の3年生が新たなメニューの開発に取り組んでいる。同校は「新型コロナウイルス禍によるイベント中止などで披露する機会が少ないが、収束後に向けて今から準備したい」と話す。山梨県はジビエ料理を安心・安全に食べてもらえるよう、独自の認証制度を17年に設けた。衛生や品質管理に関する関係法令に基づいたガイドラインに、さらに上乗せした厳しい要件の達成を処理施設に求めている。衛生管理の手法を定めた国際基準「HACCP(ハサップ)」の手法を採用し、出荷前に金属探知機での検査を義務付け、トレーサビリティー(生産履歴の追跡)を確保して万が一の場合もスムーズに回収できるようにした。県内4カ所の公的処理施設が認証を受け、現在、県内13カ所と東京1カ所の計14施設が認証施設が出荷したシカ肉を使った料理を提供している。この11月にはジビエ料理コンテストを開催。今後、受賞したレシピを基に新たな料理が提供される見通しだ。神奈川県秦野市はジビエを観光資源として活用している。20年から秋の行楽シーズンに小田急線の鶴巻温泉駅周辺で、地元飲食店などとともに「ジビエの街 鶴巻温泉」と銘打って観光客を誘致。4月からは、地元の丹沢エリアで捕獲されるシカなどを「秦野産ジビエ」としてブランド化にも取り組んできた。現在、鶴巻温泉駅周辺では飲食店や旅館15施設がジビエメニューを提供する。「地産地消から進めてジビエが楽しめる街として認知度が上がってほしい」と市の担当者は話している。

(マタギ文化残る、道の駅や温泉宿でクマ料理:東北)
東北では狩猟で捕獲したシカなどをジビエ(野生鳥獣の食肉)として利用する量がわずかだ。ただ、青森・秋田の白神山地や阿仁(あに)地区などにはクマなどを山の恵みとして慈しんで食べるマタギ文化が残っている。野生鳥獣との共存を伝えつつ、ジビエ料理として活用する動きも広がっている。世界自然遺産の白神山地のふもとにある道の駅津軽白神「ビーチにしめや」(青森県西目屋村)の入り口には「白神ジビエ」の旗がはためく。館内で「くまそば」「くま丼」が気軽に食べられる。運営するブナの里白神公社の角田克彦支配人は「硬い、臭いという先入観を持つ人が多いが、食べればわかる」と胸を張る。自慢の看板メニューだ。2020年に西目屋村が食肉処理施設を整備し、7月から販売が始まった。メニュー作成にあたり猟師らはもっと味に獣らしさを出すことを求めたが、ジビエ料理の経験がある料理長が多くの人に受け入れられるマイルドな味わいに整えた。使う肉は村内の畑に仕掛けたワナにかかったクマのみ。今期(7~11月)捕獲した28頭分で通年販売していくため、クマ料理はそれぞれ1日20食限定。興味を持つ客も多く量を確保したいが、ワナを仕掛けるのは農作物の被害にあう畑のみにしている。「猟師にはクマは山からの授かりものという意識があり、必要以上に捕獲はしない」(角田氏)。マタギ流の考えを尊重している。野生動物の捕獲には食べるところまでこだわる「狩猟」と、鳥獣害を減らす「駆除」の2面がある。早稲田大学の岩井雪乃准教授(環境学)は「手間のかかる狩猟と、頭数を稼ぎたい駆除の両立は難しい」と指摘する。少しでも両立させるため各地で注目され始めたのがジビエ料理だ。この点で参考になるのが、捕獲して余すことなくしっかり食べるといった、狩猟をなりわいにしてきた人たちのマタギ文化だ。秋田県北秋田市の阿仁地区は「マタギの里」として知られる。「秘境の宿・打当(うっとう)温泉マタギの湯」では、事前予約制で「マタギ学校」を開いている。マタギ文化を継承する現役猟師の体験話を聞いたり、一緒に野山を歩いたりできる。マタギはクマを捕らえた際には山の神に祈りをささげて授かりに感謝し、猟師仲間で肉を平等に分け合うなど、伝統手法にのっとり食べるまでの手間を惜しまない。宿泊客はそうした体験などを見聞きし、クマやウサギの鍋などコース料理でマタギの食文化の一端を味わえる。同施設を運営する市の第三セクター、マタギの里観光開発の仲沢弘昭代表は料理を堪能したうえで「受け継がれてきた文化、歴史について少しでも多くの人に知ってほしい」と強調する。マタギ文化に詳しい東北芸術工科大学の田口洋美教授(民俗学)は、「食べておいしければ『貴重な存在』と考える。単なる駆除でなく共存などを考え始める契機になる」と期待する。捕獲と食べることを切り分けず、一連としてつなげていこうという取り組みも出始めた。岩手県大槌町はハンターと飲食店、町が連携して捕獲したシカを有効活用する「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」を進めている。20年春にジビエ専門の処理加工場が稼働。捕獲後に素早く血抜きして処理することで軟らかく、臭みのない肉が得られるという。同プロジェクトは30代のハンターや町職員、町内にIターンした住民が中心メンバー。ハンターの育成も手がけ、今年9月末までに11人が新たに狩猟免許を取得した。同プロジェクトでジビエ事業の視察受け入れやハンター育成などを担当するソーシャル・ネイチャー・ワークス(同町)の藤原朋社長は「シカを減らすために単なる駆除にとどまるのではなく、食べて命を有効活用するという理念に共感してくれる若者が多い」と話している。

(エゾシカを食卓へ、「ハンターシェフ」続々:北海道)
北海道の2020年度のジビエ(野生鳥獣肉)利用量は16年度比で2割増の620トンと、全国の3割超を占めた。増加率は全国合計(4割増)に及ばないものの、エゾシカだけでなくヒグマも捕れる北海道は国内屈指のジビエ王国。野生動物を消費者へとつなぐパイプも少しずつ整備されつつある。ジビエの利活用率は低い。北海道環境局自然環境課のエゾシカ利活用担当者は「ジビエの利活用率は約2割。処分されてしまうシカが多い」と現状を明かす。サイズはオスの場合、190センチメートル、150キログラムに達することもある。山中で仕留めても、衛生状態を保ったまま消費地まで運ぶのは至難の業だ。ハンター歴10年の高橋慶久氏は「巨体のエゾシカを解体せずに運ぶこと自体大変」と話す。仕留めた獲物は1~2時間以内に食肉処理場へ持っていく必要があるが、必ずしも安定した報酬が得られるとは限らないのも腰を重くする。高たんぱく、低脂質、鉄分豊富の鹿肉を活用したい飲食店は多いものの、山中での狩猟から始まる流通に太いパイプを通すのは簡単ではない。近道はハンターが自ら飲食店を開き、「ハンターシェフ」となって解体・調理までこなすことだ。北海道南部、伊達市の飲食店「シカトモ」では狩猟免許を持つ天野雅文店主がエゾシカを仕留め、使われてない給食センターを食肉処理施設に改装して自ら肉を解体し、店で調理する。「食べたことのない人に身近に感じてほしい」と話す天野店主のおすすめは「スパイシーチキンカレー」(800円)。鉄板で焼いた鹿肉(200円)のトッピングもできる。肉はにんにくと塩のあっさりした味付けで、しつこさはない。エゾシカのモモ肉や粗びきミンチも販売しており、イベント開催時には一日に150人が訪れる。「特に30~40代の女性に人気。夫婦で来る方が多い」(天野店主)。札幌のベッドタウン、当別町の「ジビエ工房」でもハンター自らが狩猟し、エゾシカ肉などを扱っている。12月は土日限定でヒグマ肉を使った「ひぐまバーガー」(1500円)を販売する。北海道は10年から毎月第4火曜日を「シカの日」と定め、ジビエの普及に腐心してきた。明治時代に大雪と乱獲で絶滅寸前に追い込まれたエゾシカだが、保護政策で生息数が急回復。道によると20年度の野生鳥獣(海獣類を除く)の被害額は50億円で、牧草や稲などを食べるエゾシカによる被害額が全体の8割を占める。北海道は06年、全国に先駆けて標準作業手順などを示した「エゾシカ衛生処理マニュアル」をまとめていた。16年からは道独自の「エゾシカ肉処理施設認証制度」を始め、より高度な衛生管理を行う施設を増やした。21年11月時点では約20カ所のエゾシカ肉の加工会社が認証されている。Fant(北海道音更町)はジビエを必要とする飲食店をハンターに直接つなぐ「ギルド肉プロジェクト」を始めた。例えば、飲食店が「●月×日までに、シカ肉を○万円で」と欲しい肉の種類や金額を示し、納得したハンターが指定の鳥獣をしとめ食肉加工場に持ち込む。飲食店側からハンターに報酬が支払われる仕組みだ。報酬額が安定すればハンターは生計を立てやすくなり、狩猟人口の減少に歯止めをかけられる。Fantの高野沙月代表は「12月時点でハンターの登録者は全国で1000人程度。来年にも全国展開したい」と先を見据えている。

(シカしかない作家雑貨展:奈良)
「鹿」に特化したオリジナル雑貨を販売する珍しいイベント「ならしかの休日」が、奈良市三条大路1の奈良蔦屋書店で開かれている。アクセサリー、財布、クッション、食器など全国の作家30人による力作約600点が並ぶ。県外からも多くの「鹿マニア」が訪れる人気イベントで、売り上げの一部は鹿の保護活動に取り組む「奈良の鹿愛護会」(奈良市)に寄付される。イベントは今年で8回目。毎年、愛護会が定める「『奈良のシカ』愛護月間」(11月)に合わせて、5日間開催してきた。今年は会期を25日間に延長、初のクリスマスシーズンの開催となった。

(ジビエバーガー大好評:熊本)
県立大(熊本市東区)は19日、学生食堂で山都町産の食材を使ったスペシャルランチ「ジビエチーズバーガー」を学生や教職員らに提供。

(シカ肉で「ジビエバーガー」開発:長崎)
五島市で有害鳥獣として駆除されているシカの肉を有効活用しようと、新作料理を開発する講座が開かれた。有害鳥獣として駆除されている「シカ」の肉を活用して地域おこしにつなげる。五島市で開かれた「ジビエバーガー」の開発講座。参加者たちは料理人のアドバイスを受けながら試作に挑戦した。肉をバンズに見立て野菜やタマゴをはさんだものと煮込んだ肉を野菜のチヂミではさんだ2種類が完成した。考案したバーガーは来年1月にオープンする古民家を改装した店で提供するという。

(ジビエ題材に紙芝居制作:石川)
子どもたちに紙芝居を通して命の大切さを知ってもらおうと、かなざわ紙芝居倶楽部の森ときえ代表(67)=金沢市=が十日、同市湯涌荒屋町の湯涌保育園で、自作の「ジビエラーメン」を披露した。森さんは、「いつも命をいただいて生きていることを伝えたい」と話している。ジビエは野生鳥獣の食肉を指す。街に住む六歳の少女が家族と里山の市場に遊びに行き、ジビエラーメンを通して「命をいただいている」と認識する物語。水彩画で描いた十二枚の絵が、森さんの迫真の演技と一緒にめくられていく。園児は約十分間、真剣に聞き入っていた。高田亮我君(6つ)は「ボーンって鉄砲が出てきたところがおもしろかった」と銃を構えるポーズをしながら笑った。森さんは普段から詐欺や認知症などの社会問題をテーマに紙芝居を制作する中、加工された肉が鳥や豚ということを知らない子どもたちがいる現状を問題視していた。湯涌保育園には三年前から手伝いで週二、三回通っており「このあたりはクマもイノシシもよく出て、共存を身近に感じるようになり制作に乗り出した」と話す。ジビエラーメンは森さんの空想の食べ物で、約一カ月かけて作成した。紙芝居の終盤に森さんは「人間も動物もみんな、大切な命をもらっているから、自分が生きていられるんだよ」とせりふを読み上げた。森さんが驚いたのは、紙芝居に出てくる狩猟をする人「マタギ」を園児が知っていたこと。「さすが山の子だなと。街の子どもたちに広げなくちゃいけないね」と語った。

(ジビエのドッグフードなど:長野)
シカなど野生動物の食用肉「ジビエ」のペットフードが、健康食として人気を集めている。泰阜村のジビエ加工施設「もみじや」では、ドッグフードをはじめとするシカ肉加工商品が好調で、今年上半期の売り上げは昨年同時期比で1.5倍に。捕獲されるシカが、需要に追いつかない状況が続いている。農林水産省が二〇一九年にまとめた「ジビエペットフードをめぐる情勢」によると、一六年に百五十トンだったペットフードのジビエ利用量は、一八年には三百七十四トンと倍以上に増えた。同省は、肥満やアレルギーなどの疾患を持ったペットへの配慮から人気が高まっていると見る。一七年に村の地域おこし協力隊と猟友会で立ち上げた同加工所は、昨年からドッグフードや人が食べるソーセージなどの加工品の販売を開始。ペット関係のイベントでの広報もあって需要が高まり、入荷待ちが十人以上、取引を断らざるを得ないこともあるという。ネットショップで販売しているドッグフードのシカ肉のミンチジャーキーは百グラム千円。鹿の骨のスープは二百グラム五百円。

(鹿の角活用:静岡)
自然資源を有効活用したキャンプ用品を手掛ける。主な商品は燃料を使わずに火をおこす道具「ファイアスターター」。柄の部分には川根本町に生息する鹿の角を再利用した。古事記に登場する鹿の姿をした神の名称を参考に「AMENOKAKU(アメノカク)」と名付けた。諸田修一郎代表(38)は元々、自然資源を使ったものづくりに興味があったという。地元猟師から「鹿の角が廃棄されている」と耳にし、鹿の角を使った商品開発を志した。キャンプ場勤務の経験や知識を生かして今春に同社を設立した。ロッドと呼ばれる金属棒の部分を専用の器具でこすると火花が飛び、麻ひもやティッシュで着火させる。初心者でも簡単に火花が飛ぶように、太いロッドを利用した。猟師から買い取った角に工具で穴を開けて、ロッドをはめ込む。一つ一つ手作りで一点物。企業理念に「こいつらもいのちだもんで」を掲げる。諸田代表は「アウトドアだけでなく、デザイン性から置物としても利用可能。自然のぬくもりや命を大切に思う心を感じてもらえたら」と話す。

(伊豆のジビエを使った〈イズシカバーガー〉が誕生:静岡)
冬といえば、ジビエのシーズン。狩猟解禁に合わせて、ジビエ料理を目にする機会が多くなりますよね。そこで今回ご紹介したいのは、伊豆のソウルフードとして注目を浴びつつある「イズシカ」。イズシカは静岡県伊豆で食べられる鹿肉で、この地域のソウルフードとして近年注目されている食材です。じつは伊豆市では鹿の増加により農作物や自然への食害が長らく問題視されてきました。環境を保全しつつ、捕獲した鹿の命を無駄にしないために伊豆市では鹿肉を食用に加工し、販売・提供する取り組みがスタート。市内にはそんな市の取り組みに賛同して、イズシカを使った料理を展開するお店がたくさんあります。そのひとつが温泉地として名高い伊豆・修善寺エリアにある〈伊豆マリオットホテル修善寺〉です。以前よりイズシカを使ったディナーメニューを提供していたという〈伊豆マリオットホテル修善寺〉。この冬は「より多くの人にイズシカの魅力を届けたい」と気軽に味わえるオリジナルバーガーを開発しました。主役は新鮮なイズシカを100%使ったパティ。高タンパク低脂質なイズシカだから、220gのボリュームながらもヘルシーな一品になっています。さらにその旨味を際立たせるのが、伊豆特産の山葵漬けを使ったタルタルソース。ジビエ独特のクセを和らげ、誰でも食べやすい味わいに仕上げています。つけ合わせには伊豆みそ入りのマスカルポーネチーズのディップや山葵の茎を使ったピクルス、イズシカジャーキーなど豪華なラインナップ。伊豆の食材を心ゆくまで堪能できる特別なセットになっています。

(シカ肉普及に支援を:北海道)
エゾシカ肉の加工販売を手掛ける「エゾの杜」(池田町大通4、三坂一茂社長)と、帯広市内の飲食店「コモドキッチン」がタッグを組み、インターネット上で寄付を募るクラウドファンディング(CF)を行っている。集まった支援金はシカ肉の加工や調理などに充てる。CF限定の新商品も開発し、シカ肉に対するイメージの向上やおいしさを広く発信し、消費拡大を促している。CFの発案者で両者の橋渡し役を担ったのが、エゾシカ肉の販売業務や広報活動などを手掛ける「SUB-ZERO HOKKAIDO(サブゼロ北海道)」の代表を務める竹内修作さん(31)。帯広市内のソーゴー印刷に勤務してマーケティングを担当していたが、家庭の事情で退職。5月から実家がある幕別の農場で働き始め、6月にサブゼロ北海道を開業した。農業を通じて次第に食への関心やこだわりを持つようになり、「十勝の埋もれた魅力を発信したい」と思案。その際、前職時代から付き合いのあった三坂社長(64)に、狩猟したエゾシカの多くが廃棄される実態やコロナ禍による外食需要の冷え込みで取引先が減っている現状を知り、その手助けとしてCFに目を向けた。また、ハンターが池田やその近郊で狩猟したエゾシカを調理し、そのおいしさを伝える上で欠かせない料理人の存在を知ってもらい、飲食店の応援にもつなげようと、コモドキッチンの副店長を務める勝目大一朗さん(37)に協力を要請。和食料理が得意な勝目さんの調理により、栄養豊富なしぐれ煮が完成した。CFサイト「Makuake」を活用し、支援者へのリターンとして、限定商品のしぐれ煮(100グラム4袋、寄付額5000円から)のほか、しぐれ煮とセットで1キロのロース肉ブロック(同9000円から)などを用意。10日時点で26人から計16万2000円が集まっている。三坂社長は「ジビエ料理の普及促進につながれば」、勝目さんは「十勝の食を広めるお手伝いに」とし、竹内さんは「今後も若い人向けに十勝の食文化を伝えていきたい」と見据える。

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12/10
(九州のカモシカ絶滅危機)
熊本など九州3県に生息する特別天然記念物カモシカの推定頭数が、ここ30年足らずで10分の1以下の約200頭に激減している。

(「モンスターウルフ」鳥獣害対策で効果確認:福島)
国見町が鳥獣害対策として、試験的に導入していた野生動物撃退装置「モンスターウルフ」について、町は効果が確認できたとして、1台(約60万円)購入した。7日開会した12月議会の議案提案理由の説明で引地真町長が報告した。同町鳥取で5月から試験設置していた。9月に購入し、イノシシ被害が多い同町石母田に設置している。オオカミをモデルにした装置は赤外線センサーで野生動物を感知すると、目などに内蔵された発光ダイオード(LED)が点滅、首を振ったり鳴き声を出したりして追い払う。

(ムクドリ撃退に向け実験:神奈川)
各地で騒音やフンの被害が取り沙汰されるムクドリ。区内でも戸塚駅東口のペデストリアンデッキでは夕方になると、ムクドリの群れがやってきて木やモニュメントに留まる姿を目にしたことがある人も多いはず。戸塚区ではフン被害を考慮し、モニュメントの頂部に鳥害対策のワイヤーを設置したものの、期待した効果は認められなかったという。担当する戸塚区区政推進課は「他都市の対策事例も含め検討を進めているが、特定の場所から追い払っても周辺の他の場所に移動してしまい抜本的な対策が困難な状況がある。引き続き周辺の商業ビル管理者とも協力して検討を続ける」と話している。そんななか、戸塚駅東口で自然食品を取り扱う(株)すこやかコーポレーションが動物忌避効果のある「乾燥ヒトデ」を使用し、ムクドリ撃退のために実験を行っている。同社の乾燥ヒトデは戸塚駅西口のハト除け対策に使用されて以来、地域で大きな注目を集めていた。そこで地域住民が同社に「ムクドリにも有効なのでは」と声をかけたことが発端。住民らの声を聞いた同社の保田亜紀子代表取締役は東口に並ぶ2本の木を使用した実験に乗り出した。9月下旬に行った実験では、ラピス2から戸塚駅方面に向かって左にある木にハト除けに使用する乾燥ヒトデの上澄み液を散布。反対側の木は比較のためにそのままの状態に。しかし、思うような効果が出なかったため、10月中旬に穴をあけたポリ袋に乾燥ヒトデを入れ、S字フックを使用して左側の木に引っ掛けた。すると左側の木はムクドリが一羽も留まらない日もあるが、右側には毎日留まることから、効果を確認できたという。現在は雨により袋に水が溜まった際にヒトデが腐敗してしまうことを考慮し、ポリ袋を水切りネットに変更するなど、より持続的で有効な方法が模索されている。保田代表は「地域の方から『ムクドリ留まってないね』と話しかけられるとうれしい。実験を通じ最善の方法を見つけられれば」と話している。

(住宅街にカラスの大群:埼玉)
埼玉県越谷市の住宅街に今、カラスの大群が押し寄せています。現地を取材すると、地元の住民はそのカラスの被害に悩まされていました。

(狩猟文化を後世に!ジビエで町おこし:熊本)
多良木町にジビエ料理の専門店がオープンした。狩猟文化を後世に!ジビエを活用した町おこしに密着した。自然が豊かで動物も多くイノシシやシカによる鳥獣被害に悩まされている。昔から狩猟が盛んだが、狩りを担う猟友会のメンバーはピーク時の3分の1の60人ほどに減少。高齢化も大きな課題に。立ち上がったのは精肉店を営む村上さんと酢だこと鯨の専門店を経営する池田さん。コロナと熊本豪雨を乗り越えジビエ専門のレストラン「美食の森Reビエ」をオープンさせた。ここでは宿泊だけでなく希望すれば狩猟や解体なども体験できる。運がよければ日本唯一の成体市場でイノシシの競りに参加することも。おもてなしはまだまだ終わらない。村上さんが運んできたのはイノシシとシカの肉。多良木をジビエで盛り上げる!2人のまちおこしは始まったばかりだ。

(猟銃を手に私は狙う:神奈川)
南足柄市で昨年9月に発足した女性狩猟グループ「ジャパン ハンター ガールズ(JHG)」が、2回目の狩猟解禁を迎えた。獣害から地域の農作物を守り、捕らえた命を貴重な食材としていただく。目指すのは、「人と自然が共生する町」の実現だ。狩猟解禁となった11月15日。JHGのメンバー8人が、イノシシに狙いを定めて山に入った。行うのは「巻狩」と呼ばれるグループ猟。猟犬を率いた経験豊富な猟師が獲物を追い詰め、待ち構えた「 立間たつま 」が仕留める作戦だ。午前10時頃に入山すると、立間を務める女性(39)はイノシシの足跡や泥浴びの痕跡を基に、位置を決めた。無線で開始が告げられると、遠くで猟犬の鳴き声が聞こえ始めた。音に敏感な野生動物に気づかれないよう、足元の小枝に気を付けながら静かに待つ。15分ほどたった頃、「パーン」と銃声が響き、辺りに緊張が走った。「シカを見つけた」との無線連絡。しかし、何発か銃声はしたが2時間たってもイノシシもシカも捕らえられず、この日の猟は終わった。「そもそも動物に会えることは少ないし、発砲する機会もほとんどない」と疲れた様子を見せたり、「仕留めたと思ったけどな」と残念がったり。山の中での張り詰めた2時間を終えて再び集まった8人は、会話を弾ませていた。JHGは、高齢化が進む狩猟業界で女性の力を役立てようと発足した。3人からのスタートだったが、野生鳥獣の肉「ジビエ」や環境に関心を持つ女性が集まり、現在はわな猟や猟銃の免許を持つ20~60歳代の14人が所属。林業や料理研究家、会社員や主婦など仕事は様々だが、狩猟の世界に関心を持ってもらおうと、食育活動や免許取得の支援も行っている。林業業者主催の木育イベントで、狩猟と山の関係性を説明する取り組みも行う。小田原市教育委員会と、親子参加型イベントも企画しているという。狩猟には、農作物や自然を野生動物から守るという役割がある。県自然環境保全課によると、昨年度の野生動物による農作物被害額は約1億7400万円。JHGは、野生動物が増えすぎることで「森に災害への耐性がなくなり、人里で接触する危険性もある」と懸念する。一方、ジビエは近年、専門レストランがオープンするなど注目されている。JHGによると、鹿肉はカロリーが牛肉の半分で鉄分が2倍、イノシシ肉は豚肉より鉄分が4倍、ビタミンB12が3倍含まれるなど、栄養価が高い。ただ、衛生上の基準などから利活用できる肉は全体の1割程度だ。ジビエの量を増やそうと、JHGは南足柄市に処理加工施設の建設を計画。10、11月にインターネットで資金を募るクラウドファンディングを実施し、目標の2倍の約500万円が集まった。今後、建設に向けて自治体と協議を進める。寄付者からは「森と生き物の循環が続きますように」などのメッセージもあった。代表の田坂恵理子さん(37)は「無事に完成させ、運営できるよう最善を尽くしたい」と話している。

(エゾシカの角をテンキーやヒールに:北海道)
エゾシカの角を日用品に転用しようと、札幌市立大でデザインを学ぶ学生が商品化に向け取り組んでいる。デザインを委託した企業が来年2月に東京で開かれる展示会に出展し、その後の商品化をめざす。北海道白糠町の工場で鹿肉を加工、販売する北海道えぞ鹿ファクトリー(湖軍毅社長)は、ハンターが捕獲したエゾシカを買い取っている。これまでは廃棄していた角を有効利用しようと、札幌市立大デザイン学部の矢久保空遥(たかのぶ)助教に、若者の発想で新商品を考案できないか依頼。矢久保研究室の3年生5人がこのほど、20点あまりの試作品を完成させた。小平由芽さんはハイヒールのヒール部分に使った。個体の違う角を加工して高さを約9センチにそろえるのに苦労したが、「ゴツいと思っていた角は模様がかわいらしくて、普段使いとの相性がいい」と感じた。佐藤ありささんはオンライン授業でパソコンを使う機会が増えていたことから、テンキーのキャップ部分に使うことを思いついた。手触りが気に入っている。大胆に角そのものをボールペンの本体部分に使った作品も。角が不規則な形のため書き心地は優れものとはいかないが、河田由有さんは「ホテルのチェックインの署名で使ってもらえれば、北海道らしさを感じてもらえるのでは」。遠藤茉子さんは、ほうきの柄の部分に使い、ちりとりとのセットに。玄関先で使い、飾ってインテリアも兼ねるねらいだという。倉本圭偉さんは鍵などを付けられる固定具の「カラビナ」をつくって気づいた。「角は硬くて加工は難しかった。身の回りには100均などのプラスチック製品があふれている。自然由来の製品は一点もので、独自性があり面白い」湖社長は「学生さんたちは何かのまねではなく、今の時代に合う感覚でものをつくってくれた。角の利用は循環型社会に適した取り組みだし、増えるエゾシカの『害獣』のイメージも変えたい」と語る。

(「ジビエ」を楽しむ限定メニュー:東京)
恵比寿のフレンチビストロ『TOOTH TOOTH TOKYO』は、猪・鹿・雉を使った「ジビエ」メニューを2021年12月9日(木)より期間限定でご提供いたします。期間限定で提供する「ジビエメニュー」では、素材の味を生かしたワイルドなテイストをお楽しみいただけます。猪・鹿・雉、それぞれ特有のお肉の味わいをワインとともにご堪能ください。

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12/9
(禁止区域狩猟、男性に罰金20万円:岡山)
狩猟期間外に禁止区域で猟銃を撃ってイノシシ1頭を捕獲したとして、男性10人のグループが書類送検された事件で、岡山区検は8日までに、銃を撃った赤磐市、建設作業員の50代男性を鳥獣保護法違反罪などで略式起訴。岡山簡裁は罰金20万円の略式命令を出した。命令は11月30日付。区検は他の9人=40~80代=を不起訴処分とした。理由は明らかにしていない。起訴状などでは4月3日午前、岡山市北区建部町大田の国道上で散弾銃を4発撃ち、捕獲したなどとされる。県内のイノシシの狩猟期間は11月15日~3月15日。鳥獣保護法は国道や住宅付近での猟銃の使用を禁じている。

(イノシシに襲われ男性2人けが:愛知)
8日午前9時前、愛知県豊田市東渡合町で、男性2人がイノシシに襲われているのを、近くに住む人が見つけ、消防に通報しました。愛知県豊田市によりますと、イノシシは猟友会が仕掛けたワナにかかっていて、猟友会の60代の男性が処置をしていて、襲われたとみられるということです。また、この男性を助けようとした別の60代の男性も襲われ、2人は足や尻にけがをして病院に運ばれましたが、命に別状はなく、その後イノシシは、山の方へ逃げたということです。豊田市は付近の住民に注意を呼び掛け、近くの小学校では教職員らが児童の下校を見守りました。

(イノシシの生息域北上中、国主導で駆除本腰も…)
全国的に深刻な農作物被害を抑えるため、国がイノシシの駆除に本腰を入れる一方で、生息域の拡大阻止に苦慮している。令和5年度までにピーク時の4割に減らす目標を掲げ、年間50万~60万頭ペースで捕獲しているが、生息域はむしろ広がり、〝北限〟を押し上げている。過疎化や高齢化に加え、温暖化などの複合的な要因が絡んでおり、専門家は「捕獲頭数を増やすだけでは、生息域の拡大を食い止められない」と対策の練り直しを求めている。「自然の生き物を人間の力でコントロールするのは難しい。それでも今、手を打たなければ取り返しのつかないことになる」。イノシシによる農業被害が年々拡大する山形県の担当者は危機感をあらわにする。同県では明治末期以降100年以上にわたりイノシシの生息が確認されていなかったが、平成14年に天童市で1頭が捕獲され、その後は各地で出没が相次いでいる。県内の30年度末の推定個体数は約7800頭。10年間で20倍近くに膨れ上がっているとみられる。令和元年度には約2000頭を捕獲したものの、同年度のイノシシによる農作物被害は約7400万円に上った。イノシシは繁殖力が高く、メスは年間平均4~5頭の子供を産むとされる。ある自治体関係者は「イノシシの増え方はねずみ算式で、一度侵入を許せば地域からの完全な駆除は不可能に近い」と漏らす。平成22年度には全国で推定約132万頭が生息していると推定されたイノシシ。国は令和5年度までに約50万頭以下に抑える目標を示し、狩猟者の育成や捕獲報奨金の上積みなどの施策を展開したところ、捕獲数は年間50万~60万頭に増加し、令和元年度末には推定約80万頭まで減ったとみられている。ただ、生息域の拡大には歯止めがかかっていない。国内では長らく宮城県がイノシシの北限とされてきたが、近年は北上の兆候が確認されるようになり、青森県で同年度に3頭、2年度には13頭が捕獲された。約40年前に比べ、生息域がほぼ2倍になったとの環境省の分析もある。過疎化や高齢化が背景にあり、同省鳥獣保護管理室の担当者は「人の活動が低下した山間地域にイノシシが入り込んでいる」と説明。耕作放棄地はイノシシにとって格好の繁殖場所で、人の手を離れた里山に進出しつつあるという。温暖化に伴う積雪の減少の影響も指摘されている。冬でも地面を掘ってエサを探すのが容易になったため、越冬できる個体が増えたことが考えられる。捕獲数をもとにした国の推定個体数を疑問視する声もあり、イノシシの生態に詳しい福島大の望月翔太准教授(野生動物管理学)は「実際の生息数はもっと多く、捕獲数が足りずに広がりを抑え切れていない可能性がある」と分析する。生息域の拡大阻止には分布の最前線で集中的に捕獲する一方、農作物被害を抑えるためには農地周辺での捕獲を強化するといった目的に応じた切り替えが求められる。望月氏は「捕獲量を増やすのも重要だが、地域の実情に合わせて捕獲の手法を使い分けることで、対策の効果がより高まるのではないか」と強調した。

(イノシシ・サル・クマ、被害額は過去10年間で最高:福島)
福島県によると、野生動物による農作物の被害額は2020年度は1億9800万円あまりと前年度から約1900万円増加し、過去10年間で最も多くなった。被害額の内訳では、イノシシが全体の約5割を占め、次いでニホンザル、ツキノワグマとなっている。福島県によると、収穫せずに放置した作物や地中に埋め処分した生ゴミなどを野生動物がエサとして求め、農作物の被害につながるケースがあるという。福島県では、畑などに野生動物の侵入を防ぐ電気柵の設置を呼びかけるなど、今後も関係機関とともに被害防止に取り組むとしている。

(ツキノワグマ猟、19年ぶり解禁:京都)
京都府は今年度の狩猟期間(11月15日~来年2月15日)中、ツキノワグマの狩猟を19年ぶりに解禁した。ツキノワグマの頭数が増えているためという。府が平成14年度に行った調査では推定生息数が200~500頭となり、絶滅の恐れがある野生生物の保護を目的とした府のレッドデータブックで「絶滅寸前種」に指定。14年度から狩猟を禁止した。その後、生息数は年々回復し、令和2年度の推定は1640頭に増えた。今年度の目撃情報は800件を超えており、レッドデータブックを改定したレッドノートで「要注目種」に指定を変更し、狩猟を認めることにした。今年度の捕獲数については国のガイドラインに基づき、丹後地方148頭、丹波地方78頭を上限としている。府農村振興課は「生息数や出没状況を見ながら適正に管理したい」としている。

(西中国山地のツキノワグマ1307頭、これまで最多)
島根、広島、山口の3県が2020年に実施した西中国山地に生息するツキノワグマの頭数調査で、推定生息数が1307頭(中央値)だったことが、分かった。

(アライグマ捕獲、既に最多の41匹:青森)
つがる市議会は6日、一般質問を行った。市側は、農作物を食い荒らす特定外来生物・アライグマの市内での捕獲数が本年度は現時点で最も多い41匹に上ることを明らかにした。これまでの捕獲数は1年間に17~34匹だった。齊藤渡議員(絆心会)の質問に答えた。

(中山さん、結城で一日署長:茨城)
結城市出身で東京オリンピック・クレー射撃日本代表、中山由起枝さん(42)=日立建機=が7日、結城署の一日署長として、市内で犯罪抑止キャンペーンに参加した。キャンペーンは同署と結城地区防犯協会が実施。中山さんら約50人が参加し、同市中央町の交差点で、ニセ電話詐欺被害の注意を求めるチラシなど啓発グッズ400セットを配った。中山さんは一日署長の委嘱を受け、「皆さんと一緒に犯罪抑止に努力していきたい」とあいさつ。ほかの参加者とともに信号待ちの車に歩み寄り、グッズを手渡していた。

(四国のツキノワグマ考えるシンポ:高知)
四国自然史科学研究センター(須崎市)が主催する、四国のツキノワグマについて考えるシンポジウムが12日午後1時から動画サイト「ユーチューブ」でライブ配信される。「クマと歩む地域のミライを考える」がテーマ。同センターの調査の様子などを視聴後、研究員が四国のツキノワグマの現状を報告する。保全に取り組む徳島県那賀町木頭地区の活動を紹介し、クマも地域も守るためにできることを考える。

(再造林促進とシカ対策でシンポ:和歌山)
「再造林の省力化とシカ対策」をテーマにしたシンポジウムが7日、和歌山県田辺市文里2丁目のガーデンホテルハナヨであった。県外を含む林業関係者約150人が参加し、専門家から再造林を促進するための課題や最新の取り組みなどについて話を聞いた。地球温暖化防止や国土保全といった森林が持つ多面的な機能を持続的に発揮するためには、伐採後の再造林が必要とされる。しかし、作業の過酷さなどから、行われていないケースがある。さらに植栽後のシカによる森林被害が大きな課題になっている。このような課題解決を目指し、近畿中国森林管理局技術普及課、和歌山森林管理署、県などが共催でシンポジウムを開いた。「再造林の促進について」をテーマに講演した林野庁業務課の見市貴司さんは、今後、造林作業の増加が見込まれているが、林業従事者が減少していることから、再造林を進めるには作業の省力化、効率化が不可欠であると説明。普通の「裸苗」に比べて育苗期間が短く、植栽できる時期が長い「コンテナ苗」などを活用し、伐採と造林の一貫作業を標準化していく必要があると話した。近畿中国森林管理局の森本茂さんは「森林管理局の再造林省力化の取り組みについて」をテーマに講演。「コンテナ苗」は、植え付け現場での保管が容易で、植え付け時間を短縮できるなどメリットが大きいが、「裸苗」に比べて単価が約2倍であるとし、「コンテナ苗」の単価を下げていくことが今後の課題であると話した。森林総合研究所関西支所の八代田千鶴さんは「シカ対策について」をテーマに講演。くくりわな、銃器による誘引狙撃などの捕獲方法や、捕獲したシカの運搬作業を軽減する電動一輪車、携帯型電動ウインチなどを紹介した。翌8日には、すさみ町の国有林で現地検討会があった。林業関係者約130人が参加し、ドローンを使った資材運搬や捕獲したシカを機材によって運搬する様子などを見学した。

(リスやシカの行動観察:岩手)
動物たちが何を考えているのか行動から探り、それを利用することで、ともに暮らしたり、時には遠ざけたりする応用動物行動学を専門にしています。盛岡市にある大学の構内にはリスがいますが、近年数が減っています。保護方法を探るため、周辺で捕まえたリスに発信機をつけ、行動を観察しています。人の近くで暮らすリスが、どのように自然林や人間が植えた木を利用しているのかを調べると、どんな環境がすみやすいのかがわかり、それをどう整備すればいいのか考えることができます。農作物被害の背景を、動物の行動から調べることもあります。盛岡市手代森地区で、シカの食害に遭っている果樹園と周辺の山の中にカメラを仕掛け、行動を観察しました。すると、それぞれ活動する時間帯が違うことが明らかになりました。山の中では明け方と夕方に活動のピークがあるのに対し、果樹園では夜にかけてピークがあり、シカが人と遭遇しないように活動していました。「人と出合う」ことが、シカの行動を抑制する重要な要因になっていると考えられます。さらに観察を重ねて、環境をどう変えれば果樹園まで出てこなくなるのかがわかれば、被害を減らせるかもしれません。動物と人間が仲良く暮らせるようになることが最終目的。ここから先は野生動物、手前は人間がすむ場所と、完全な線引きはできません。折り合いを探ることが大切なのです。

(新入り屋久島犬、猟頑張れ:岐阜)
郡上市白鳥町の狩猟グループで、鹿児島県屋久島町産の珍しい「屋久島犬(いぬ)」二頭が獣猟犬としてデビューした。日本犬の祖先である「縄文犬(けん)」の一種ともされ、持ち前の素早い動きでシカやイノシシを追い詰める。犬の嗅覚と足を頼りに猟を続ける仲間たちは、新入りの活躍に大きな期待を寄せる。

(ハクビシンやアライグマ被害に悩む農家もこれで安心:東京)
「鳥獣被害対策ドットコム」を運営する株式会社地域環境計画(本社:東京都世田谷区、代表取締役:髙塚 敏/以下、「地域環境計画」)と、株式会社エスアイエイ環境事務所(本社:栃木県塩谷郡高根沢町、代表取締役社長:井上 剛/以下、「SIA」)は、ハクビシンやアライグマ等の中型獣の被害にお困りの方を対象に、これらの動物に対応した農作物被害防止柵「楽落(らくらく)くん」の設置講習会を12月14日(火)より開催します。座学と実際の農場での実演を体感いただけます。近年、ハクビシンやアライグマ等の中型獣による農業被害は増える傾向にあり、特にSIAのある栃木県では顕著となっています。宇都宮市ではイノシシ等の大型獣よりも被害額が増えている状況です。この対策を促進していくために「楽落くん」設置講習会を行い、対策を広めていくことで、地域環境計画とSIAで農作物被害防止に貢献していきたいと考えております。「楽落くん」は、ハクビシンやアライグマの生態に精通している古谷益朗氏が在籍していた埼玉県農業技術研究センター 生産環境・安全管理研究担当 鳥獣害防除研究チームが、獣害被害を防止するため、研究・開発し、マニュアルを作成したものです。「登る」のが得意なハクビシンやアライグマ、「掘る」のが得意なタヌキ等の両タイプに対して、絶妙な高さの柵で感電するよう誘導設計されています。動物は、普段通っている場所に何か障害物ができると、危険なものかを確認するために「探査行動」を行います。この特有の「探査行動」を逆手に取ったものが複合電気柵である「楽落くん」です。

(イノシシ肉、廃校舎で加工:宮城)
イノシシによる農作物被害が深刻化する中、宮城県大崎市が同市岩出山にある廃校の校舎を使い、捕獲したイノシシのジビエ(野生鳥獣肉)用加工施設を開設する方針が8日、明らかになった。農水省東北農政局などによると、イノシシ専用の食肉加工施設は東北初。計画によると、2018年に閉校した旧真山小校舎を使い、わな猟などで捕殺したイノシシを解体。洗浄・殺菌し、熟成させた肉を真空包装後、冷凍保存する。首都圏などに出荷するほか、市内の旅館や飲食店街でジビエ料理のフェアを開くなど地産地消に努める。食肉にならない部分は、敷地内に設ける減容化施設で発酵・分解させる。総事業費は1億円を超える見込みで、国の鳥獣被害防止総合対策交付金を活用する。21年度に施設の設計を始めて22年度に着工し、23年度の使用開始を目指す。運営主体は官民による地域協議会方式などを検討する。宮城県内のイノシシは原子力災害対策特別措置法に基づき、出荷制限の対象となっている。市農林振興課の担当者は「処理の過程で全頭を検査し、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える放射性物質が検出されないことを確認した上で出荷する」と話す。県内では村田、丸森町内に食用にしないイノシシを解体し、減容化する施設がある。ニホンジカの食害に悩まされる沿岸部では石巻市に2カ所、女川町に1カ所の民間の食肉加工施設があるが、イノシシ肉専用の施設はなかった。

(「わかやまジビエフェスタ」に県内88店舗が参加:和歌山)
ジビエ料理を提供する「わかやまジビエフェスタ」が12月1日、県内88の飲食店と宿泊施設で始まった。主催は和歌山県。県は野生鳥獣の増加による農作物被害増加を受け、野生鳥獣の駆除を推進。県内の被害は、2011(平成23)年以降3億円を超える年が続いたが、2020年には初めて2億9,000万円になった。2019年の捕獲頭数はイノシシが1万9820頭、シカが1万6347頭。処理施設で処理加工したイノシシは1002頭、シカ779頭と約5%にとどまる。ジビエフェスタは、捕獲したイノシシやシカを食資源として活用し、地域振興につなげる「わかやまジビエ需要拡大事業」の一環。今年で11回目を迎えた。県内で捕獲し、食肉営業許可を得た県内施設で処理加工したイノシシおよびシカ肉を「わかやまジビエ」としてブランディングし、消費と認知の拡大を狙う。参加店は飲食店のほか、ホテル・民宿、温浴施設など。宿泊施設が増加し、過去最高の88店が参加。各店がカレー、鍋料理、ハンバーガー、パスタ、丼物、ランチメニューやコース料理の一品としてジビエ料理を提供する。そのほか、ジビエメニューを注文した人にイノシシ肉・シカ肉を進呈するプレゼント企画、ペア宿泊券を進呈するSNSフォトコンテストを開催。来年1月22日、23日、2月19日、20日は南海和歌山市駅の商業施設「キーノ和歌山」の「ROCK STAR FARMs(ロックスターファームズ)」で、テークアウトメニューを販売する「ジビエマルシェ」を開催する。県畜産課の担当者は「おいしく栄養のある食材でもあるので、ジビエのおいしさを味わってもらいたい」と呼び掛ける。来年2月28日まで。

(イノシシ革、トラに変身:愛媛)
今治市・大三島に住む重信幹広さん(41)、瑠依さん(35)夫妻が、大三島や伯方島で捕獲されたイノシシの革を使い、来年の 干支えと ・ 寅とら にちなんだオブジェを作っている。工房兼ギャラリー「Jishac(ジシャク)」で革を型取りし、トラのしま模様を焼き付けて成形。サイズはS(長さ5センチ、500円)を「ガチャガチャ」用におみくじとカプセルに詰めるほか、M(長さ5・5センチ、700円)とL(長さ7センチ、1000円)もある。重信夫妻は「コロナ禍で閉じこもり気味の1年だったが、来年はトラの勢いにあやかり、元気に外へ飛び出せる年になれば」と期待する。

(ジビエを使った美味しい肉料理:東京)
都営大江戸線「両国駅」から徒歩1分と好立地な『創作イタリアン&ジビエ SUONO』は、ジビエを使った創作イタリアンがいただけるお店です。北海道や長野から直送している新鮮な鹿や猪を使っており、1品料理から盛り合わせまで、さまざまなジビエ料理を堪能することができます。ほかにも6時間じっくり調理したローストポークや、キノコのアヒージョなど、魅力的なメニューが多数そろっていますよ。また、ワインの種類も豊富で、料理がより美味しく感じられる最適なワインを提案してくれます。

(シカやクマの限定テリーヌ:北海道)
食肉加工・飲食業のエレゾ社(豊頃町、佐々木章太代表)は、テリーヌをパイ生地で包んだフランスの伝統料理「パテアンクルート」の販売を会員限定で始めた。放牧豚やエゾシカ、クマなどの肉を使った5種類を販売。モザイク状のパテは見た目も鮮やかで、しっとりとしたパイ生地は肉との親和性が高い。1本約20人分で、価格は3万7000円から。高い技術力が必要な商品で、一般の人は食べる機会が少ないという。佐々木代表は「祝いの場やパーティーシーンで楽しんでほしい。どんな土地で育ったのか、素材の背景を感じてほしい」と話している。「CLUB ELEZO」会員限定で販売するため、同社オンラインストアで会員ライセンス(2万円、1年間)を購入する必要がある。エゾシカを使った「赤籠」(3万7000円)は期間限定で、会員にならなくてもオンラインストアで購入できる。

(野趣あふれる鹿ラーメン:北海道)
エゾシカの狩猟から解体、販売まで手掛ける足寄町の野生肉専門店「やせいのおにくや」と陸別町の老舗旅館「浜田旅館」は、地元のシカ肉を活用した「鹿ラーメン」を共同開発した。シカ肉をチャーシュー風に煮込み、スープは塩味。初披露した11月のイベントで完売する人気で、今後はイベントなどで提供するほか、レトルト商品や缶詰などの商品化も目指す。シカによる農林業被害を減らし、シカ肉の新しい需要を掘り起こすのが狙い。飲食でも物販でも人気のあるラーメンに着目し、やせいのおにくやを運営する儀間雅真(ぎままさなお)さん(34)と浜田旅館料理長の浜田正志さん(41)が企画した。

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12/7
(「ジビエに新たな愛称」選定中止)
野生鳥獣の肉「ジビエ」の消費拡大のため、農林水産省が一般から公募していたシカ肉とイノシシ肉の愛称の選定事業を途中で取りやめていたことがわかった。ジビエを扱う飲食店などから反対意見が相次いだためで、応募のあった約550件はすべて無駄となる。同省の担当者は「知恵を絞って応募してくれた人たちに申し訳ない」と陳謝している。農水省は、害獣として駆除されているシカとイノシシのジビエ利用を拡大するため、昨年11~12月、ネット上で愛称を募集した。愛称の例として高たんぱくで低脂質のシカ肉は「天然のプロテイン」、脂質やビタミンを多く含むイノシシ肉は「森のジューシーミート」などを示した。約6週間の募集期間中、全国から約550件の愛称が寄せられた。省内で絞り込もうとした段階で、「役所だけで盛り上がって良いのか」との意見が出され、急きょジビエを提供する飲食店や処理加工施設、流通業者らに意見を聞いた。すると「ジビエという言葉がようやく浸透してきたところで、ややこしくなる」「愛称をつけるのは勝手だけど、うちは使わない」と否定的な声が大半を占めた。愛称をつけても定着しなければ意味がないとして、選定事業を中止したという。同省の担当者は「愛称を一番使うであろう業界関係者に知らせずに募集を始めたのが間違いだった」と反省する。同省は「制度などに関連する事柄ではない」として事業中止を発表しておらず、応募者にも伝えていない。同省によると、2020年度に捕獲されたシカは約67万頭、イノシシは約68万頭で、このうち市場でジビエとして利用されたのはシカ約9万頭、イノシシ約3万頭にとどまる。農水省は25年度までにジビエ利用を19年度の2倍の4000トンに増やす目標を掲げている。

(鳥インフル確認、関東で今季初:千葉)
千葉県は5日、市川市の宮内庁新浜鴨場で鳥インフルエンザが確認されたと発表した。今季の発生は全国6例目で、関東では初。県は同日午前に対策本部会議を開き、本部長の熊谷俊人知事が同鴨場で飼育するアイガモとアヒル計約330羽の殺処分を完了したと報告し「全国に誇る本県の養鶏業が大きな打撃を受けることがないよう感染防止に努める」と、早期収束へ全庁を挙げて取り組むよう指示した。県畜産課などによると、同鴨場ではアイガモ265羽とアヒル73羽の計338羽を飼育。飼育場3カ所のうち1カ所で3日に3羽、4日に8羽が死んでいるのを宮内庁職員が見つけた。同日に連絡を受けた県中央家畜保健衛生所職員が簡易検査を実施し陽性を確認。その後の同衛生所での遺伝子検査の結果を踏まえ、5日午前5時、農林水産省が「疑似患畜」と判定した。発生を受け県は、対策本部を設置し、同鴨場で飼育するアイガモとアヒル計約330羽の殺処分を開始。同5時40分に殺処分を、同11時に消毒作業をそれぞれ終え、ウイルス封じ込めに向けた「防疫措置」を完了した。今後焼却処分に着手する。また、同鴨場の半径3キロ以内について、鶏・卵等の移動を原則禁止する「移動制限区域」に、同3~10キロ以内を持ち出しを禁止する「搬出制限区域」に設定した。ただ、周辺10キロ以内には採卵鶏など家きんを扱う農場はなく、学校・幼稚園など計20団体・個人が計74羽を飼育しているという。また、環境省が発生地域の周辺10キロ以内を「野鳥監視重点区域」に指定し、野鳥監視を強化する。県内では昨季、鳥インフルが11農場で発生し、県内採卵鶏の約36%に上る計約456万羽を殺処分した。同課担当者は「今年こそ発生させないという思いだったのでショックもあるが、感染拡大を防ぐための対応を進めていく」と述べた。宮内庁ホームページによると、鴨場は池に飛来した野生のカモをアヒルに誘導させる伝統的な狩猟法を行う施設で、海外の要人をもてなす際に猟が披露される。

(車2台と衝突したイノシシ、2キロ先で男性にかみつく:福島)
4日午前9時50分頃、福島県本宮市本宮兼谷の県道で「車がイノシシにぶつかった」と、軽乗用車を運転していた男性から郡山北署本宮分庁舎に通報があった。発表によると、イノシシ(体長約1・5メートル)は、同所で車2台と衝突した後、現場から逃走。約40分後には、事故現場から北に約2キロ離れた同市本宮欠下の民家の庭に侵入し、庭の手入れをしていた70歳代男性の左太ももにかみつき、軽傷を負わせたという。イノシシは、さらに別の乗用車1台に衝突後、隣の大玉村まで逃走したが、同日午後0時5分頃、最初の現場から北に約5キロの同村大山の草地で猟友会に捕獲された。

(鳥獣被害額2%増、鹿が北海道で拡大)
野生鳥獣による農作物被害額が、2020年度で161億908万円となり、前年度から2%増えたことが農水省の調査で分かった。

(クマ目撃2000件超の通報、過去最多に:北海道)
ことしに入って先月までに道警が通報を受けたクマの目撃件数は2000件を超え、過去最多となったことがわかりました。道東の羅臼町では冬眠前のクマが住宅を荒らす被害も出ていることから、道警は引き続き注意を呼びかけています。道警のまとめによりますと、ことしに入って先月末までに通報を受けたクマの目撃件数は全道で2163件と、去年の同じ時期に比べておよそ370件増え、記録が残っている平成27年以降で最多となりました。また、今年度中のクマによる人身事故も先月までに道内で7件起き、死傷者は11人とこれまでで最も多くなっています。道内では先月から今月にかけて羅臼町で住宅の内部が荒らされるなど、クマの出没や被害が相次いでいます。この時期はまだ冬眠していない個体も多いということで、警察は、屋外に生ごみなどを置かないよう求めるとともに注意を呼びかけています。

(放任果樹伐採で猿被害10分の1:山形)
山形県米沢市の山上地区は、猿の「餌」になりやすい地区内の放任果樹を伐採することで、猿による農作物の被害額を10分の1未満に減らした。県の事業を活用して無償で伐採。電気柵の設置も進めた。全世帯に放任果樹の有無を聞き取るなど、地域ぐるみで取り組んだ。同地区は、福島県との県境の中山間地域にある。1993年ごろから猿がナスやキュウリなどの農産物を荒らし、被害額は2015年度には約113万円に上った。だが、庭先や畑周辺で管理されていなかった約450本の柿や栗などの木を伐採し、20年度には45本にまで減らした。並行して電気柵の設置を進めたところ、20年度の被害額は約9万円となった。きっかけは13年。同地区有害鳥獣対策協議会の我彦正福会長が、放任状態にあった自宅周辺の柿の木を伐採すると、猿を見かけなくなった。「餌場をなくすことが鍵だと気付いた」(我彦会長)。これ以前も花火による追い払いなど対策を模索していたが、効果は一時的だったという。協議会は15年度、同地区の15集落・約700世帯全てに放任果樹の有無を調査。結果に基づいて伐採は17年度に始め、18年度以降は年間100本超の伐採が続いた。作業は地域住民を中心に行い、危険な作業の一部は地元の林業関係者に委託した。重機の稼働費用は県の事業を活用し、依頼者の負担はない。我彦会長は「被害が減ったと口コミで広がり、拒んでいた人も『周りが切るなら』と言うようになった」と振り返る。地権者が地区内にいない場合は、近隣住民が遠方に住む親族に連絡を取り、許可を得たという。21年度は30本を伐採予定で、対策はひと区切りを迎える。同地区の鈴木市子さん(73)は、両親が住んでいた家の周辺にある栗の木約10本を来年3月に伐採予定。「家を継ぐ人もおらず、猿や熊の餌になるだけで近所の迷惑になってしまうと思っていた」と話す。

(アライグマ急増に悩む:佐賀)
佐賀市街地で近年、特定外来生物「アライグマ」が急増している。本年度の捕獲数も昨年度を上回るペースで推移し、住宅でのふん尿や健康被害などが懸念される。市はわなを設置するなど対策を講じるが追いついておらず、対応に頭を抱える。市中心部、神野東の2階建て住宅に住む西村和雄さん(74)は6月、自宅浴室で頭上から響く、ドタドタという大きな音を聞いた。「まるで子どもが走り回るような音だった」。屋根裏を確認すると、アライグマ数匹と目が合った。西村さんは知人を通じて民間業者に駆除を依頼し、市にも連絡。結局数日のうちにアライグマ一家は西村さん宅を去って行ったが、屋根裏には大量のふん尿が残されていた。消毒や侵入経路とみられる場所をふさぐなどの費用は約7万円かかったという。市環境政策課によると、アライグマは市の中山間部で以前から確認されていたが、近年は生息範囲を平野部や沿岸部の市街地まで拡大。捕獲数は2015年度の1匹から20年度には107匹に増加し、21年度は11月中旬時点で既に100匹を超えている。8月には繁華街の同市白山でも姿が確認されたという。外来種であるアライグマは雑食で繁殖力も強い。人目の付きにくいところを好み、地下水路やクリークなどの水辺を移動することも多いという。同課は「市街地で増えている明確な理由は分からない」としながらも、人間のごみから餌を確保しやすい▽すみかとなる空き家が増えている▽移動に利用しやすいクリークが多い-などの要因があると推測する。同課によると、アライグマがすみついた住宅では、ふん尿で屋根板が腐食した例などが報告され、電気配線をかじって漏電や火災の原因になる場合も。また国内ではアライグマが狂犬病などの感染症を媒介したこともあるという。市は本年度改定した「防除実施計画書」で、市街地の生息状況を、改定前(11年度)の「捕獲情報無し」から「増加している」に評価を引き上げ。危機感を募らせるが、駆除には課題も多い。外来生物法や鳥獣保護法で、アライグマの捕獲と駆除は事前申請が必要で、許可されていない市民が見つけても、勝手に捕まえたり駆除したりすることはできない。そのため連絡を受けた市職員が出向くことになる。だが捕獲と駆除の許可が出ているのは日常的に関連業務に当たる職員5人だけで「通報件数が増えて人手が足りない状況」という。生息数の全容把握も難しいため、有効な対策が見いだせない中、市は市民との連携を模索する。捕獲は、わなを仕掛けた後、捕獲されたかどうかを確認したり、餌を取り換えたりする作業も必要。この作業は事前申請が不要なため住民に担ってもらうことで、担当職員がより多くの通報に対応できるようにならないか、検討中だ。市街地でのアライグマの存在を知らない住民への啓発のため防除の専門家を招いた講演会も計画。急増を抑えるためには発見時の通報とともに、アライグマが隠れるやぶの除草や生ゴミを放置しないことなど、住民の理解と協力が不可欠だからだ。担当者は「今後も住民の協力を得ながら、効果的な防除態勢の構築に知恵を絞りたい」と話す。

(網取りカモ猟、命に感謝:宮城)
「一網打尽」の醍醐味(だいごみ)を求めて闇に沈む川岸に身を潜める。宮城県涌谷町に伝わる網取りカモ猟が最盛期を迎えた。日暮れ時、川岸に建てた仮設の小屋で豆炭あんかを抱え、のぞき穴から好機をうかがう。網のばね仕掛けにつながるひもを引き、捕らえたカモを素早く生き締めにする。鉄砲猟と違って肉に傷が付かず、首都圏の料理店などで珍重されてきた。猟の対象はマガモやカルガモなど4種類。猟期は毎年11月15日からの3カ月だが旬は短い。温暖化の影響で餌場への飛来数は例年より少ないという。猟師1人当たり年200羽の制限もあって、市場には出回らない。県内では、県猟友会遠田支部に所属する猟師が、大郷町など周辺にも設定された猟場で半世紀前から行っている。高齢化が進み、今年挑むのは16人。最若手で町職員でもある菊池武展さん(34)は「伝統を引き継ぎたいと思って始めた。仕事との両立が大変だが楽しんで長く続けたい」と語る。

(修学旅行で射撃体験:宮崎)
宮崎市・大塚中2年の男子生徒4人が3日、宮崎市の県ライフル射撃場で射撃体験を行った。新型コロナ禍で県内実施となった修学旅行の自由行動プログラムの一つ。修学旅行での同射撃場の利用は珍しく、光が照射されるレーザーライフルを使用。10メートル先の的に10回撃った合計得点を競い、思わぬ高得点の連発に4人は声を上げて喜んでいた。最高10点の的は直径0・5ミリ。10回中3回命中させた滿木李央さん(14)は「初めてだけど、こんなに面白いなんて。才能あるかも」と得意げ。射撃の魅力に心を打たれたようだ。

(捕獲用わなやジビエ料理を紹介:高知)
シカやイノシシなどによる農作物への被害が相次ぐ中、狩猟への関心を高めてもらおうと、狩猟に使う道具やジビエ料理を紹介する催しが高知市で開かれています。この催しは高知県が開いたもので、高知市の会場ではさまざまな狩猟の道具や、捕獲した野生動物の肉を使ったジビエ料理などが紹介されています。このうち、野生動物をつかまえる際に使う「わな」を紹介するコーナーでは、地元企業がイノシシを捕まえるわなを実演を交えて説明し、耐久性がよいことや扱いやすいことを訪れた人にアピールしていました。また、捕獲した野生動物の肉を使ったジビエ料理のコーナーでは、地元の高校生が商品開発に関わった鹿肉を使ったカレーパンや、イノシシなどの肉を使ったハンバーガーなどが売られていました。このほか、高知県猟友会のメンバーが、銃の使い方や銃の種類、それに、これまでの狩猟の経験を話していました。会場を訪れた香南市の30代男性は「私もイノシシのくん製を作って食べますが、ハンバーガーはイノシシ独特の臭みが無く、丁寧に処理されていると思います」と話していたほか、高知市の60代男性は「わなが改良を重ね進化していると感じました」と話していました。

(ハンター養成スクール:鳥取)
有害鳥獣捕獲のエキスパートを育成する「鳥取県ハンター養成スクール」の本年度最後の講習が4日、鳥取市鹿野町鹿野のイノシシ食肉解体処理施設などであった。参加者らはベテランの手ほどきを受け、血抜きや解体の技術を学んだ。

(遺構・猪土手を後世へ:長野)
塩尻市の住民有志でつくる「熊井の歴史を語る会」(小松政幸会長)は4日、北熊井に残る土塁の遺構「猪土手」周辺の環境整備をした。猪土手に至る林道入り口と、猪土手上の2カ所に木製の案内板を設置し、周辺の草刈り作業に取り組んだ。会員8人が地面に深さ50センチの穴を掘り「猪土手へ至る300メートル」「猪土手 猪落し」と書いた手作りの案内板を設置した。猪土手は田畑を荒らすイノシシやシカなどの侵入を防ぐため、深い溝と、高さ2メートル以上の盛り土で築かれた防壁で、江戸時代前期には現在の松本市中山から塩尻市上西条までの東山山麓の延長28キロに及んだといわれている。構造改善などで失われた場所が多いが、北熊井には比較的良好な状態で残っている。小松会長は「貴重な遺構が今に残っていることはすごいこと」と強調し「地元でも猪土手を知らない人が多い。形があるうちに保存し、後世に伝えたい」と話していた。

(イノシシ被害に頭抱え:広島)
瀬戸内海に浮かぶ小さな島で、イノシシによる被害が深刻化している。目立つのは、家に上がって冷蔵庫などの食料をあさられる被害だ。抜本的な対策はなく住民たちは頭を抱えている。住宅のそばを横切る2頭のイノシシ。その先には民家も見える。さらに、海を泳いでやってくる姿も…。撮影されたのは、瀬戸内海に浮かぶ尾道市の百島だ。本土から1キロ、人口400人あまりのこの島に今、異様な光景が広がっている。民家の入り口には、有刺鉄線…家の中にイノシシが侵入する被害が後を絶たないという。この民家では11月、女性が帰宅すると家の中にイノシシがいたという。家は荒らされ、戸棚に保管していたインスタントラーメンなどを食べられた。放置された冷蔵庫を狙った被害が多発しているという。イノシシは、空き家にも侵入していた。許可を得て撮影した。百島では去年9月に初めて民家の中での被害を確認した。被害は後を絶たず、自治会が把握しているだけで84件にのぼる。かつて山と人里の間にはミカン畑などがあり、緩衝地としての役目を果たしていた。しかし、高齢化で耕作を放棄されイノシシの行動範囲が広がった。この男性は、イノシシの侵入を防ぐため柵の改良を重ねていた。さらに島では、イノシシの嫌いなにおいの出る芳香剤を設置し、侵入を防ぐ実験も進めている。昨年度は、1月末までイノシシの被害が続いたという。住民の不安な日々はしばらく続く。

(サル目撃情報相次ぐ:広島)
5日午前11時ごろ、広島市安佐南区でサルの目撃情報が2件相次いだ。けが人はなかった。安佐南署によると、緑井3丁目の電柱にいるのを住民が発見。近くの大町東3丁目でも、道路を横切っているサルを見た住民から通報があった。同署は野生のサルとみて「見た時は目を合わせず、静かに離れてほしい」と注意を呼び掛けている。

(イノシシ捕獲の罠を城内に設置:香川)
今月2日、丸亀城を散歩中の女性にイノシシがぶつかりけがをしました。この事故を受け、丸亀市はイノシシを捕獲する罠を城の中に設置しました。「イノシシが目撃された場所に丸亀市と地元の猟友会が罠を設置しました。丸亀城の城内に罠が仕掛けられるのは初めてです」。イノシシを捕獲する箱罠が設置されたのは城内の雑木林です。今月2日未明、丸亀城を散歩していた女性にイノシシがぶつかり逃げようとした際に転倒し、軽いけがをしました。石垣の周辺には足跡がいくつも残され、丸亀市は複数のイノシシが城内にいるとみていますが、現在も見つかっていません。警戒心が強く、日中に捕まえることが難しいことから、罠による捕獲が決まりました。丸亀市 文化財保存活用課・東さん「山は全部歩いて確認はしたんですが、なかなか歩いた痕跡はあるんですけど、イノシシとは遭遇はなくて、檻を入れてなんとか捕獲したいと思っています」。丸亀市は午後5時から午前6時まで城への入場を禁止すると共に、イノシシを見つけた場合は静かにその場を離れ、安全を確保するよう呼びかけています。

(倉庫侵入のヒグマ、体重425キロ:北海道)
羅臼町北浜で2日夜に駆除されたヒグマは、北海道猟友会中標津支部羅臼部会などが3日に計測した結果、体重425キロ、体長約2メートルの雄の成獣で、町内で捕獲した個体では最大であることが分かった。町北部では11月以降、倉庫や小屋へのクマの侵入が続いており、2日夜も岬町と北浜の6戸が避難するなど周辺は騒然となった。町と知床財団は今回とは別に、ほかにも2頭が出没しているとみて警戒している。同日は午後4時20分ごろ、岬町で住宅に併設している倉庫にクマ1頭が侵入しているのを男性住人が目撃し、町や財団に通報した。

(市街地にイノシシ出没:鹿児島)
3日午後、鹿児島市の谷山地区に山手から降りてきたとみられるイノシシが出没。捕獲の一部始終をKYTのカメラがとらえた。鹿児島市東開町の中央卸売市場青果市場。フェンスに囲まれたゴミ集積場に迷い込んだ、一頭のイノシシの姿が。警察によると最初にイノシシの目撃情報が寄せられたのは東谷山2丁目の交差点付近で、時刻は午後2時ごろ。その後谷山電停付近でも目撃情報があり、青果市場には午後2時20~30分ごろ姿を現したという。最短でも1.5キロほどの道のり。交通量の多い国道や産業道路をどう横切ったのか。午後4時すぎ、猟友会のメンバーが中に入り捕獲作戦が始まった。イノシシは猟犬に追い詰められ、まもなく捕獲された。猟友会によるとイノシシは2歳ぐらいのメスで、重さ40キロぐらい。平川動物公園によると、標準的な大きさの成獣だという。祝井敏明青果市場長は「集積場の入り口から入ってきたと思われる。作業していた方がいたから(イノシシが)入ってきた途端避難させた。ここまでイノシシが来るとは思わない」と話した。なお、ケガ人の情報は入っていないという。

(市街地にイノシシ出没:茨城)
つくば市の市街地にイノシシが出没している。11月初旬から12月初めに天久保4丁目、学園の森、天王台付近で相次いで目撃された。農村部ではイノシシによる農作物被害が大きな問題になっているが、街中でイノシシが目撃されるのは同市で初めてだ。市や警察は連日パトロールを実施している。現時点で被害の報告はない。市鳥獣対策・森林保全室によると、11月4日、松塚と古来で目撃された。その後、7日に筑波大学近くの天久保4丁目の住宅地で目撃され、20日と21日には学園の森の商業施設周辺で目撃された。11月25日から12月4日には天王台で目撃された。大きさなどは不明だ。これまで市内各所で目撃されたイノシシが同じ個体なのか、別の個体なのかなども分かっていない。目撃場所付近では、市と警察などが巡回を続けているほか、学園の森付近では目撃場所近くにわなを設置している。3日までにまだ捕獲されていない。

(クマ目撃:静岡)
5日午後1時10分ごろ、富士市木島の富士川体育館の近くでクマ1頭を目撃したと、同体育館の利用者が富士市消防に通報した。被害は確認されていないという。市によると、クマが目撃されたのは富士川体育館の北西約200メートルの茂み。体長約1メートルのツキノワグマとみられる。市職員が現場付近を巡回するとともに、同報無線で住民に注意を呼び掛けた。現場は、東名高速道富士川サービスエリアから北に約3キロの富士川右岸。周辺には集落がある。

(シカの飛び出し、迫る対向車、後続バイク:北海道)
見通しのよい道路での快適なツーリングが一転、あわや大事故を引き起こしかねない“まさか”の3重奏によって九死に一生体験に早変わり。そんなまさかの瞬間を捉えた映像の一部始終がネットで反響を呼んでいる。北海道でバイクに乗ってツーリングをする男性。すると、進行方向左手から目の前に突如、シカの親子の飛び出しが。親ジカはそのまま道路を横切ったものの、小ジカは車道で転倒。あわや接触か…というところで男性は急ブレーキをかけ、センターライン側へ回避した。しかし、安心したのもつかの間、迫りくる対向車。さらに、すれすれのところをすり抜けて行く後続バイク…いずれもかろうじて回避に成功したことで、動画の投稿者もシカの親子も九死に一生を得ることができた。北海道では、シカが関係する交通事故が年々増加する傾向にある(北海道内・道警調べ)。2020年には、調査を開始した2004年の1170件の約3倍にあたる3511件の事故件数が。さらに月別でみると10月から11月に事故が集中し、年間事故数のおよそ42%を占めている。この時期はエゾジカの繁殖期で動きが活発になるため、特に事故が起こりやすくなっているのだとか。九死に一生体験をした投稿者は自身のSNSで、多くの心配の声に対するお礼の言葉に加え「北海道では毎年、本州からお越しの多くのライダーが悲しいことに事故でお亡くなりになられています。北海道は動物園です」などとする注意喚起を行っており、衝撃映像とあわせて反響を呼んでいる。

(住宅街でクマ目撃情報:鳥取)
クマのような動物が目撃されたのは、鳥取市浜坂2丁目の県道鳥取砂丘線沿いだ。鳥取市によると4日深夜11時ごろ、通行人から県道を体長約1メートルのクマが歩いていると警察へ通報があった。動物はツキノワグマとみられ、警察と鳥取市職員が付近を確認したがクマの姿や痕跡は見つからなかった。目撃現場の付近には浜坂小学校や浜坂体育館などもあり、6日は鳥取市職員が朝と夕方にパトロールを行ったという。鳥取市内では今年度クマの目撃情報が18件入っていて、鳥取市では来年1月末ごろまではクマの出没に警戒してほしいと呼びかけている。

(ニホンジカなどの剥製を展示:兵庫)
ニホンジカやツキノワグマなど里山に生息する野生動物の 剥製はくせい などを展示した企画展「里山の動物展」が、兵庫県丹波市青垣町山垣の市立青垣いきものふれあいの里で開かれている。19日までで、月曜休館。無料。県森林動物研究センター(丹波市青垣町)が剥製やパネルを貸し出すなどして協力した。会場にはニホンジカやイノシシ、タヌキ、ツキノワグマのほか、特定外来生物のアライグマやヌートリアなどを含めて計12種類の剥製16点を展示。ニホンジカの夏毛と冬毛を並べ、毛並みや温かさの違いを触って体験できる。ニホンジカの夏毛と冬毛を触って違いを確かめるコーナーもある(丹波市青垣町で)パネルでは動物の生態や生息状況、農作物の被害などについて解説。ツキノワグマは狩猟禁止などの保護政策で県内では生息数が増えたことや、ニホンザルは県内での生息数が少なく絶滅が危惧される一方で、農作物被害は大きいため、適切な対策が必要だと指摘している。ふれあいの里の職員は「身近な野生動物の生態をよく知ることで、人と自然との共生共存を考えるきっかけにしてほしい」と話している。

(大学生が「狩猟研修」:北海道)
早稲田大学で生物物理学を学んでいる松永海さん(22)=同大4年=が6日まで町内に滞在し、狩猟の研修を行っている。狩猟免許(第1種)を持つ松永さんはエゾシカ駆除を初体験、将来計画している食をテーマにしたVR(仮想現実)コンテンツ事業に生かす考え。十勝の自然をすっかり気に入り、「将来は広尾に移住したい」と話している。

(鹿肉の串カツ:岩手)
大槌・おおつちこども園(八木沢弓美子園長、園児115人)の年中児と年長児計55人は2日、大槌町内で捕獲された鹿肉の串カツを味わった。地元ハンターの講演も行い、食への感謝の心を育んだ。同町のハンター兼沢幸男さん(36)らが同町小鎚の同園を訪れ、鹿の習性や山での体験を話した。子どもたちはじっと耳を傾け、「なんで鹿のお尻は白いの」「かわいそう。どんな気持ちで撃つの」など、率直な疑問をぶつけた。鹿の角や革にも触れた。昼食では、兼沢さんが仕留めた鹿肉を使った串カツに、おいしそうにかぶりついた。

(ほろほろのクマ肉、うま味たっぷりレトルトカレー:岐阜)
クマ肉の魅力を知ってもらおうと、獣肉加工を手掛ける岐阜県大野町上秋の「清流ジビエ」が、岐阜市東鶉の日本料理店「雅味(がみ) 近どう」とレトルト食品の「クマカレー」を開発した。クマ肉は県内で多く捕獲されるツキノワグマを使い、持ち味を引き出す料理人の技巧を加えた逸品に仕上がった。開発のきっかけは、ジビエの中でも高級食材とされるクマ肉の有効活用。清流ジビエの責任者を務める羽賀真由美さん(47)は「キノコなどと同じように、クマも含めた動物も山の資源」と話すが、クマは駆除されると山に埋めることが多いため、活用を模索。数年来の取引がある料理店主の近藤篤史さん(43)に開発を持ちかけた。常連客向けにジビエ料理を提供し、以前に食べたクマ肉のしゃぶしゃぶでおいしさを知っていた近藤さん。お客が手に取りやすいカレーを考案し、試作を重ねた。かつお節をふんだんに使っただしがベースで、うま味が良く出るウデ肉、モモ肉などを高圧で2時間ほど煮込んだ。ほろほろとした肉の食感と、ルーに溶け出したクマの脂の香り、特有の甘さを楽しめる。羽賀さんは「次の担い手確保につながるような夢のある商品を展開したい」、近藤さんは「カレーをきっかけに、最終的にはクマのしゃぶしゃぶを食べてもらえたら」と意気込む。2食入りで1箱3888円。千個限定で、近どうの店頭や大野町下磯の道の駅「パレットピアおおの」で販売しているほか、町のふるさと納税でも取り扱っている。

(ふるさと納税返礼品、鹿肉のたれ漬けとドッグフードを追加:長野)
佐久市はふるさと納税の返礼品に、鹿肉を使ったドッグフードとジンギスカン風にたれ漬けした焼き肉用の鹿肉を追加した。

(田辺市から「農山漁村の宝」2例:和歌山)
農山漁村の力を活用し、地域活性化や所得向上に取り組んでいる優良事例を発信する「ディスカバー農山漁村の宝」(農林水産省と内閣官房主催)に、和歌山県田辺市上芳養の農業会社「日向屋(ひなたや)」と、同市下三栖の梅農家、那須誠さん(48)が選ばれた。全国の応募総数651件の中から、優良事例として34地区と4個人が選ばれた。那須さんは、特に優良な事例として「ブランディング確立特別賞」を受賞した。日向屋の代表取締役を務める岡本和宜さん(42)はミカンや梅を栽培する農家。地域で増える鳥獣害に危機感を抱き、2017年、農家仲間と共に捕獲チームを立ち上げた。捕獲した獣を活用するため、野生鳥獣肉(ジビエ)の処理施設を誘致。その後、地域では狩猟免許を取り、鳥獣害対策に携わる人が増え、鳥獣害が以前に比べかなり減ってきたという。また、鳥獣害の増加要因には担い手の減少や耕作放棄地の増加があると考え、剪定(せんてい)や草刈りといった農作業の受託や、農産加工品の販売を柱にした鳥獣害対策と耕作放棄地解消を組み合わせた地域活性化の事業をしている。耕作放棄地を借りて再生し、農地を見つけるのが難しい新規就農者に提供する取り組みもしている。現在メンバーは社員、パートを含め12人。農作業受託件数は4件(17年度)から20件(20年度)に増加、有害駆除捕獲実績は140匹(17年度)から78匹(20年度)まで減り、農作物被害も減少している。岡本さんは「今回の受賞は、協力や支援してくれる地域の皆さんのおかげ。今後も、次世代の農業を考え、地域づくりをしていかなければいけない」と話す。

(犬猫向け「ジビエジャーキー」:佐賀)
有田焼のペット用食器を販売しているLaKaren(ラカレン)(神埼市)が、脊振山の天然イノシシ肉を使った犬猫向け「脊振山ジビエイノシシジャーキー」の試験販売を始めました。脂が少なく引き締まった赤身を厚さ2ミリに薄切りし、子猫でも食べやすく仕上げました。代表の末永由貴子さん(50)は「佐賀県の素晴らしいものを県外、世界に知ってもらいたい」と話します。予約販売型クラウドファンディング(CF)サイト「マクアケ」で17日まで予約を受け付け、21日に発送する予定です。7日までは佐賀市の佐賀玉屋でも販売しています。

(「ジビエはクセが強い」は嘘!?:東京)
「ジビエ肉」と聞き、筆者はイノシシ肉、シカ肉などを思い浮かべますが、実は狩猟の対象となる野生の鳥獣は全てジビエとして定義されているのだそうです。中にはカンガルー肉なども含まれ、流通量は少ないものの好んで食べる人もいるのだそうです。東京・高田馬場、渋谷、錦糸町などで展開する居酒屋『米とサーカス』では、こういった珍しいジビエや希少肉ばかりを扱い人気を博しているようですが、今年から通販サイトをオープン。お店で食べられる珍しい肉ばかりを販売しています。そこで今回は、この『米とサーカス』の通販で、ジビエ肉や珍しい肉を7種を取り寄せ、焼肉・鍋でいただくことにしました。合わせて『米とサーカス』担当者にも話を聞きご紹介します。筆者がオーダーしたのは「米とサーカス厳選7種のお肉のギフト」(6000円 税/送料込)。わかりやすく個別包装されており、焼肉で使う発酵タレ、鍋で使う味噌出汁も同梱されていました。しかし、イノシシ肉やエゾシカ肉はさておき、ウサギ肉、カンガルー肉、ワニ肉……という文字を見て、正直戸惑うところもあります。何しろ初めて食べる肉類です。美味しいことを願うばかりですが……。まずは、7種の肉を解凍し、まな板の上に並べてみました。こうやってみると、肉の質感、色などは実に様々であることが伝わってきます。食べ慣れている牛肉・豚肉・鶏肉に比べても、想像よりもグロテスクではなく、また匂いも強烈というわけではありません。ちょっとホッとした筆者でしたが、さっそくフライパンで焼いていきたいと思います。フライパンを温めて中火で焼いていきましたが、肉の臭みなどの香りはそれほど強くない一方、白っぽい肉のウサギ肉、ワニ肉以外は、どの肉からも脂が結構出ます。これが脂も旨みの一つになるのでしょうか。さっそくいただきましたが、クセがある・意外とアッサリしているなどの差はありつつも7種ともにギョッとする味ではなく、実に美味しい肉ばかりでした。以下に7種の肉それぞれの感想を羅列します。・イノシシ肉……7種の中では最も臭みが強めで、脂っぽさもある一方、食べてみると意外とアッサリとした口当たり。赤ワインをいただきたくなるジビエの定番・ウサギ肉……鶏胸肉の弾力を強くしたような食感で、味にも強いコクがある。このことで好みはハッキリ分かれそうだが、ボディ強めの白ワインにはピッタリ合いそうな味・エゾシカ肉……どことなく血合いっぽいクセはありながらも、これ自体が好きな人にはたまらないであろう味。やはり赤ワインをいただきたくなるジビエの定番・カンガルー肉……エゾシカ肉とはまた違うレバー感と苦味があり、クセは結構強め。筆者的にはカンガルーのようにピョンピョン跳ねたり小躍りするような味ではないものの、やはり赤ワインとは合いそうな味・ダチョウ肉……パンチ、コク、肉の臭みは強め。カンガルー肉同様、筆者は特別「好み!」というわけではないものの、マズいというわけではなく、こちらもハマる人も多そう。赤ワイン・白ワイン双方に合いそう・ラクダ肉……ダチョウ肉にも似た印象で、やはりパンチ、コク、肉の臭みは強め。しかし、後味は意外とさっぱりしており、酒類全般との相性が良さそう・ワニ肉……魚の身の弾力を引き上げたかのような食感で、味わいもサッパリ。7種の中では最も食べやすい。ここまでが焼肉で食べた際のジビエ肉を含む7種の肉の感想ですが、クセが強いカンガルー肉、ダチョウ肉、ラクダ肉なども含めいずれも赤・白のワインとの相性は良さそうです。これらの肉、鍋にしてみるとどうなるのでしょうか? 早速試してみます。「米とサーカス厳選7種のお肉のギフト」に同梱されていた味噌出汁を使い、野菜と合わせて全ての肉を入れ鍋にしてみました。『米とサーカス』ではこれらの肉鍋を「獣鍋」と呼んでいるそうですが、その名を象徴するかのごとくとにかくアクがよく出ます。このアクを丁寧にすくいながら、まずはデフォルトでいただきましたが、焼肉で食べた際よりも野菜との調和で肉が食べやすくなっています。また、味噌出汁との相性も抜群。スタミナもしっかりつきそうで、寒い冬場に力をつけるにはもってこいの鍋のように思います。『米とサーカス』では、この「獣鍋」に「バター」「キムチ」「チーズ」などのちょい足しするとさらに旨くなると推奨しており、その通りにやってみました。「バター」「キムチ」「チーズ」を入れていただいたところ、これがもう絶品! どことなくアジアンな雰囲気になるのはキムチのおかげかもしれませんが、ジビエ肉の出汁、野菜の出汁、味噌出汁がこれら3つのちょい足しで複雑に入り混じり、つい何杯もすすりたくなるような過去に食べたことがない珍しい味をいただくことができました。今回の7種の肉の味のポテンシャルを最大限引き上げることを目指す場合、この食べ方がベストのようにさえ思いました。最後に、これらジビエ肉の通販を行う『米とサーカス』の担当者にも話を聞いてみました。「現在、高田馬場・渋谷・錦糸町に3店舗を展開する『米とサーカス』は栄養満点の野生鳥獣肉・ジビエと、地球に優しい最先端フード・昆虫に注目し、先入観を捨てて美味しく楽しく多様な食文化に触れてもらうことを目指しています。高田馬場店の開店以来10年間、毎年進化を続ける無添加コクうま味噌鍋はジビエとの相性抜群で、その滋味深い味わいは身体に染み渡り、身体が芯から温まることができ、この鍋を目当てにご来店される方も多くいらっしゃいます。仕入れているジビエ肉は政府が定める『野生鳥獣肉の衛生管理ガイドライン』に沿って許可を受けた食肉処理業で解体されたものとなり、十分に加熱調理することで食中毒などのリスクはありません。安全にお召し上がりいただけます。今年より始めた通販の獣鍋セット・獣焼肉セットをご注文されたお客さまからは『いろいろなお肉を食べ比べできてよかった』『家でジビエを体験でして幸せでした』といった感想をいただいております。常時10種類以上のこだわりのジビエ肉や珍しい肉を扱っております。それぞれの食感や味に特徴がありますので、ぜひご賞味いただき、お好みのお肉を発見していただけますと嬉しいです」(担当者)。当初筆者が抱いていた戸惑いが杞憂に終わり、いずれの肉も個性や特徴がある一方、「これは絶対無理!」というようなものはありませんでした。むしろ焼肉ならワインとの相性抜群ですし、鍋ならトッピングを加えてコクたっぷりにし美味しくいただくことができます。ぜひ一度ご試食されてみてはいかがでしょうか? 体が温まり、スタミナもつくことウケアイです!

(野趣あふれる鹿ラーメン:北海道)
エゾシカの狩猟から解体、販売まで手掛ける足寄町の野生肉専門店「やせいのおにくや」と陸別町の老舗旅館「浜田旅館」は、地元のシカ肉を活用した「鹿ラーメン」を共同開発した。シカ肉をチャーシュー風に煮込み、スープは塩味。初披露した11月のイベントで完売する人気で、今後はイベントなどで提供するほか、レトルト商品や缶詰などの商品化も目指す。シカによる農林業被害を減らし、シカ肉の新しい需要を掘り起こすのが狙い。飲食でも物販でも人気のあるラーメンに着目し、やせいのおにくやを運営する儀間雅真(ぎままさなお)さん(34)と浜田旅館料理長の浜田正志さん(41)が企画した。

(キジ肉ハンバーガーいかが:北海道)
岩見沢市内の障害者就労支援事業所「ワークつかさ」(日の出町)は、施設内で飼育する食用キジ肉を使った3種類の「宝きじギフトセット」の販売を始めた。お歳暮用として毎年人気だが、今年は新たにハンバーガーが加わり「手軽にキジのおいしさを味わって」とPRする。このほか、キジのがらで取っためんつゆとカット肉の「鍋セット」(3500円)、肉とめんつゆ、乾めんの「きじそばセット」(3千円)も各100セット限定で販売中。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、1日午後5時30分ごろ、仙台市青葉区上愛子坂下にクマが出没しました。

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12/3
(豚熱、神戸で初確認:兵庫)
兵庫県は1日、神戸市北区で見つかった野生イノシシ1頭の死骸から、豚熱の感染を確認したと発表した。神戸市では初めての感染確認となる。県によると、11月29日、同市北区の山裾にある集落で、付近の男性が民家のそばで死んでいる1頭を発見。県がPCR検査を実施した。現場は三田や西宮、宝塚市と近く、県は感染が山を伝って西に拡大しているとみている。神戸市での初の感染確認を受け、県は死んだ野生イノシシを発見した際には、市町に通報するよう呼び掛けている。また、県はこの日、丹波篠山市今田町で11月26日に見つかった野生イノシシ1頭の死骸からも豚熱の感染を確認したと発表した。県内での確認は神戸市分も含め計60頭になった。

(散歩中の女性にイノシシがぶつかり軽いけが:香川)
12月2日未明、丸亀城で散歩をしていた女性にイノシシがぶつかり、軽いけがをしました。イノシシはまだ城内にいるとみられ、丸亀市は観光客に注意を呼びかけています。12月2日午前0時ごろ、丸亀城の城内にイノシシが入ったと警察に通報がありました。さらに午前4時半ごろ、城内を散歩していた女性がイノシシとぶつかり、逃げようとした際転倒し、軽いけがをしました。丸亀市によりますと、イノシシは体長1mくらいで、大手門から天守閣に向かう見返りと呼ばれる坂道で女性とぶつかったということです。市の職員らが探しましたが、イノシシは見つからず、現在も城内にいるとみられます。丸亀市は午後5時から午前6時までの間、城への入場を禁止することにしています。

(上高地の猿、魚食べて越冬:長野)
信州大学などの研究グループが30日、松本市安曇の上高地で冬にニホンザルのふんを調べたところ、魚類や水生昆虫類のDNAが検出されたと発表した。サルが河川に生息する魚類を捕食するという報告は世界初としており、厳冬期の栄養源として、河川の生き物に依存する実態を明らかにした。

(イノシシ農業被害9254万円:茨城)
茨城県内の2020年度のイノシシによる農作物被害額は前年比5%減の9254万円だったことが県のまとめで分かった。一方、生息域の拡大で被害発生エリアは広域化。総捕獲頭数は同5%増の1万1963頭で、2年連続で1万頭を超えた。2日の県議会防災環境産業委員会で報告した。県によると、被害額は17年度に過去最高の約1億5千万円を記録して以降、18年度約1億円、19年度約9700万円と微減傾向にある。被害は水稲が最多で、イモ類、野菜、果樹と続いた。捕獲数の内訳では、農作物被害を背景に駆除を目的とした「許可捕獲」が増えており、20年度は前年比17%増の7205頭で総捕獲数の6割を占めた。「狩猟」は4704頭だった。捕獲場所は、かつては県北から県央の中山間地域と筑波山周辺が中心だったが、近年は鹿行地域や県南地域でも捕獲され、利根川沿いでも生息が確認されている。県はイノシシ管理計画の「管理地域区分」について、定義と市町村の区分けを今後見直す必要性があるとした。また、ハクビシンによる20年度の被害額は前年比19%増の2110万円で3年ぶりに増加に転じた。スイカやイチゴ、ナシ、ブドウなどの被害が多かった。

(女性ハンター、全道1割未満:北海道)
エゾシカによる農林業被害額が全道の約4割を占める釧路・根室管内で「食害を減らしたい」と励む女性ハンターたちがいる。エゾシカなどを撃つ狩猟免許所持者のうち女性の割合は全道で1割に満たず、猟銃の所持には手続き面のハードルも高いが、自然や命と向き合いながら身近な場所で狩猟に取り組んでいる。道の2019年度の鳥獣関係統計によると、第1種猟銃(散弾銃、ライフル銃)の全道の免許所持者は6689人で、うち女性は6・8%。釧路管内では467人のうち6・6%、根室管内では239人のうち4・6%と女性はわずかだ。

(ヒグマへの接近は「悪質行為」:北海道)
知床世界自然遺産地域科学委員会のエゾシカ・ヒグマワーキンググループ(WG)は2日、釧路市内で会合を開き、世界自然遺産地域内で写真撮影などのためヒグマに接近することや、釣った魚を放置する行為を「非常に悪質な行為」と位置づけ、行政指導の対象とすることを、次期の知床半島ヒグマ管理計画(2022~28年度)に明記する方針を確認した。本年度が現行計画の最終年度に当たるため、次期計画案を策定している。

(違法な「くくりワナ」に注意を:北海道)
11月中旬、オホーツク管内の国有林で「くくりワナ」が設置されているのを発見しました。管轄する森林管理署には「入林届」は提出されておらず、相談も受けていないとのこと。しかも、この「くくりワナ」は直径12cmを超えており、「6ヶ月以上の懲役又は50万円以下の罰金」に該当します。また、設置箇所に所定事項の表示もされておらず、「30万円以下の罰金」に該当します。現在、地元森林管理署においては、警察署並びに振興局と連携して、設置者の特定を進めています。

(高校科学部が5年間研究、シカの増加原因を解明:京都)
京都府宇治市五ケ庄の莵道高科学部が、校舎の裏山の学校林にすむ哺乳類について、自動撮影装置を使った研究を5年間続けている。

(公園開放、クマ痕跡なく封鎖解除:島根)
クマの目撃情報を受け封鎖されていた島根県立石見海浜公園(江津市波子町)の大崎鼻灯台付近27ヘクタールが1日、開放された。県によると、クマは10月14日に大崎鼻灯台付近で目撃され、県が周辺を封鎖した。注意喚起の看板を設置し、現場付近の巡回を続けていたが、新たな痕跡が見つからなかったことから、封鎖解除を決めたという。

(リンゴ狙うカラスが退散?硫黄が効いたか:秋田)
秋田県立大曲農業高校の果樹部は、温泉の硫黄を使った果樹での鳥害対策を研究している。牛乳パックと温泉の湯の花を材料にした紙製シートをリンゴの果実のそばにつるし、カラスを遠ざけられることを実証。

(2日連続で"クマ"出没:北海道)
魚を保管する作業場が荒らされるなどクマの出没が相次いでいる北海道東部の羅臼町で、12月1日もクマが目撃され、警察などが注意を呼び掛けています。クマが目撃されたのは、羅臼町岬町のケンネベツ川から南へ300メートルほどの場所です。1日午前6時20分ごろ、近くに住む70代の男性から「家の中からクマが見える。波消しブロックにいる」と役場に連絡が入り、警察などが出動しました。警察によりますと、警戒に出動した役場の職員とハンターが波消しブロックと海岸を歩き回る2頭のクマを確認していて、2頭は午後9時50分ごろに姿が見えなくなりました。同町岬町では11月30日朝にクマが魚を管理する作業場に、夜には別の倉庫に侵入し荒らすなどの被害が出ていて、朝に出没した作業場と今回出没した現場は1キロほどしか離れていないため、相次いで出没しているクマと同じ個体とみられています。警察の警戒が続く中、町では11月30日に箱わなを3か所に設置するとともに、防災無線などで住民に注意を呼び掛けています。

(クマが2日前と同じ住宅に侵入:北海道)
2日夕方、道東の羅臼町でクマ1頭が住宅に侵入しているのが見つかりました。この住宅には11月30日もクマが侵入していて、町は注意を呼びかけています。2日午後4時半ごろ、羅臼町岬町の住宅にある魚を加工する作業場にクマが侵入しているのをこの家の住民が見つけ、役場に通報しました。この住宅には11月30日もクマ1頭が侵入していて、このときは作業場にあった塩漬けのホッケを狙ったとみられています。警察によりますと、2日は室内に魚は置いていませんでしたが、食べ物があることを知った同じクマが繰り返し出没したとみられるということです。住民にけがはなく、作業場の扉が壊されていたということです。この地区では11月30日の夜、500メートルほど離れた別の住宅にも魚の干物を狙ってクマが侵入しています。町によりますと、冬眠前にエサを求めて人里に近づいているとみられるということです。町は捕獲用のわなの数を増やすとともに、住民に注意を呼びかけています。

(400キロのヒグマ1頭、羅臼で駆除:北海道)
2日午後7時20分ごろ、根室管内羅臼町北浜の海岸で、ヒグマ1頭が北海道猟友会中標津支部羅臼部会のハンターに駆除された。中標津署によると、駆除されたのは雄の成獣で体重約400キロ、体長2・1メートル。午後4時すぎから近くに住宅がある海岸をクマがうろつき、倉庫に侵入したため町職員や中標津署員らが警戒していた。夜間発砲は鳥獣保護法で禁止されているため、ハンターは署員から警察官職務執行法4条(緊急避難)に基づく指示を受け、計3発を発砲した。

(住宅街にサル1頭が出没:福井)
一日、敦賀市松葉町周辺の住宅街でニホンザル一頭が出没した。新松島町、中央町と移動し、正午ごろ、昭和町付近で見失った。

(ツキノワグマの目撃増加:京都)
京都府の亀岡市や南丹市でクマが断続的に目撃されている。南丹市では今季これまでに21件でほぼ例年並みだが、亀岡市では13件で、昨年(5件)よりも大幅に増えている。冬眠直前は特に活発に動くため、両市は注意を呼び掛けている。

(米国の銃販売「年間2000万丁」到達見通し、2020年に次ぐ高い水準)
米国人が今年購入した銃の数は、11月までで1800万丁以上に及び、2021年は過去20年間で2番目に銃の売れ行きが好調な年になったとのデータが開示された。コンサルティング会社のSAAF (Small Arms Analytics and Forecasting)社が12月1日に発表したデータによると、11月に米国で販売された銃器の数は約170万丁で、月ごとの販売数としては、2020年11月(210万丁)と2016年11月(180万丁)に次ぐ3番目の数字を記録した。さらに、年間では今年はすでに1800万丁を超えており、2020年に記録した2280万丁をやや下回るが、2016年の1670万丁を上回る史上2番目の年になる見通しとされている。全米射撃協会(National Shooting Sports Foundation)も同様の試算を発表し、2021年の11月までの販売数が1672万2000丁で、2020年以外のすべての年を上回ったと述べていた。SAAFのチーフエコノミストのユルゲン・ブラウアーは声明の中で、2021年の米国の銃の販売数のトータルが、12月の数字を加えると2000万丁に達する可能性があると述べた。銃の購入数は、2020年の初頭から急増し、1年以上にわたって比較的高い水準で推移した。専門家は、政治をめぐる状況や全米に吹き荒れた抗議活動、パンデミックなどの複数の要因が重なり、人々の銃への関心が高まったと考えている。銃の売上の増加は、銃による死亡者数の急増と一致している。米国での銃による暴力事件を集計するサイトの「Gun Violence Archive」によると、今年はこれまでに1万9000人近くが銃の暴力(殺人や不慮の事故を含むが自殺は除外している)で亡くなっている。この数字は、2019年には約1万5500人だったが、2020年には1万9400人以上に跳ね上がっていた。

(ディスカバー農山漁村の宝:和歌山)
農山漁村の力を活用し、地域活性化や所得向上に取り組んでいる優良事例を発信する「ディスカバー農山漁村の宝」(農林水産省と内閣官房主催)に、和歌山県田辺市上芳養の農業会社「日向屋(ひなたや)」と、同市下三栖の梅農家、那須誠さん(48)が選ばれた。全国の応募総数651件の中から、優良事例として34地区と4個人が選ばれた。那須さんは、特に優良な事例として「ブランディング確立特別賞」を受賞した。日向屋の代表取締役を務める岡本和宜さん(42)はミカンや梅を栽培する農家。地域で増える鳥獣害に危機感を抱き、2017年、農家仲間と共に捕獲チームを立ち上げた。捕獲した獣を活用するため、野生鳥獣肉(ジビエ)の処理施設を誘致。その後、地域では狩猟免許を取り、鳥獣害対策に携わる人が増え、鳥獣害が以前に比べかなり減ってきたという。また、鳥獣害の増加要因には担い手の減少や耕作放棄地の増加があると考え、剪定(せんてい)や草刈りといった農作業の受託や、農産加工品の販売を柱にした鳥獣害対策と耕作放棄地解消を組み合わせた地域活性化の事業をしている。耕作放棄地を借りて再生し、農地を見つけるのが難しい新規就農者に提供する取り組みもしている。現在メンバーは社員、パートを含め12人。農作業受託件数は4件(17年度)から20件(20年度)に増加、有害駆除捕獲実績は140匹(17年度)から78匹(20年度)まで減り、農作物被害も減少している。岡本さんは「今回の受賞は、協力や支援してくれる地域の皆さんのおかげ。今後も、次世代の農業を考え、地域づくりをしていかなければいけない」と話す。

(獲物より安全が大事:群馬)
2021年度の狩猟が解禁されて間もない11月21日早朝。高崎市吉井町の山で、夜明けとともに狩猟グループ「大物猟倶楽部(くらぶ) 鹿鳴会」のメンバーによる「巻き狩り猟」が始まった。猟犬を放し、獲物を逃げ道に追い込む手法で、この日はニホンジカ2頭を仕留めた。「狩猟のことは全部山に教えてもらった。この山は俺の庭だよ」。山の斜面には「ウツ」と呼ばれる獣道が通っており、目を凝らすと、足跡のようなくぼみがあった。現場ではウツに残った足跡などを手がかりに、獲物の種類や性別、頭数を把握するという。物心ついた頃には猟師の父に連れられ、山を歩いていた。20歳で狩猟免許を取得し、猟師歴は30年になる。高崎市吉井町を猟場としていた父の狩猟グループや南牧村の別のグループで経験を積み、父の死を機に5年ほど前から吉井町のグループの「親方」になった。

(足寄の広大な森と猟師:北海道)
地域にディープな人脈を持つローカルフレンズのもとにディレクターが1か月滞在し、地域の宝を探すコーナー「ローカルフレンズ滞在記」。12月は豊かな自然に囲まれた十勝の足寄町が舞台です。ローカルフレンズをつとめるのは、エゾシカなど野生動物の狩猟に関心を持ち、5年前に移住してきた猟師・儀間雅真さん、儀間芙沙子さん夫婦です。前川フランク光カメラマンと共に足寄の魅力を伝えます。儀間さんの狩猟は、夜明けと共に狩猟にはじまります。山奥の茂みにエゾシカの痕跡を探しますがこの日は出会えず、帰路につきました。害獣被害に悩まされる足寄町では、雅真さんのような猟師にエゾシカの駆除を依頼します。儀間さんは体力があり若いため年間120日ほど猟に出ていて、農家に感謝されています。儀間さん夫妻はゲストハウスも営んでおり、町の人から旅行者までさまざまな人が集まり、足寄や北海道の魅力について語り合います。取材中、アラスカの狩猟を知るアメリカ人男性も訪れ、狩猟文化について意見を交わしていました。滞在4日目、エゾシカを発見すると、雅真さんはすかさず銃を手に取り、間もなく銃声が響きました。銃弾は喉元に命中し、鹿はやがて息絶えました。雅真さんは狩猟した鹿肉や骨を余すことなく使用し、町のコミュニティースペースでをおいしく食べられる料理の提供も行っています。私たちが生きていくということは、このような営みの上で成り立っていることに気づかされました。

(エゾシカ肉の試食も:北海道)
エゾシカに関する特別セミナーが池田町のワイン城で開かれ、同町でエゾシカ肉の加工販売を手掛ける「エゾの杜」の三坂一茂社長が「とかちの恵みエゾシカと共に生きる」と題して講話した。一般社団法人いけだワイン城(村田政宣理事長)が11月限定で実施した「エゾ鹿フェア」の一環。11月27日に行われ、町内外から4人が参加した。

(新鮮ジビエ料理教室をオンライン開催:京都)
楽天グループ株式会社(本社:東京都世田谷区、代表取締役会長兼社長:三木谷 浩史、以下「楽天」)が運営する旅行体験予約サービス「Voyagin」と、京都府北部・丹後半島に位置する上世屋(かみせや)集落(以下「上世屋」)で高品質なジビエを生産する上世屋獣肉店(所在地:京都府宮津市、代表:小山 愛生)は、上世屋と周辺地域の新鮮なジビエや野菜などが味わえるイベントをオンラインで開催し、本日から先着順で参加申込を受け付けます。 イベントは、東京都表参道でジビエ料理を提供するフレンチレストランLATUREの室田拓人シェフを講師に招いた料理教室を2022年1月20日(木)に、ジビエ鍋体験を同年1月18日(火)と21日(金)に開催します。上世屋は11世帯23人が住む山間の小さな村で、3分の2を若い移住者が占め、農業や狩猟のほか、和紙や織物作り、ビールの醸造など地域の自然を活かした新たな生業を生み出しています。今回のイベントでは、上世屋や周辺地域でとれた新鮮なジビエをはじめ、農薬・化学肥料不使用の米や野菜などを詰め合わせた食材キットをご自宅へお届けします。

(鹿肉レトルトカレーで再起をかける:長野)
新型コロナの影響で今年3月に閉店した長野市のカレー店。店主が再起をかけ、形を変えて自慢の味を伝え続けています。カレーを煮込んでいる長野市の小平理貴さん。長野市のある場所を間借りして作っています。なぜ、間借りしているのかというと。小平さんは今年3月までカレー専門店を営んでいました。去年4月にオープンし、話題のスパイスカレーが看板メニューの店舗でした。場所は善光寺の参道から伸びる長野市の中央通りの一角で、県内有数の繁華街、権堂。しかし、新型コロナの感染拡大で客足は途絶え、繰り返される時短要請で経営が苦しくなり、オープンから1年経たずに店を閉めました。窮地に立たされていた小平さんに一筋の光が差し込みました。鹿肉を使ったレトルトカレーづくりを、小平さんが任されたのです。県と、長野市に店舗を持ち全国展開しているセレクトショップが開発したもので10月から店頭に並んでいます。県職員、宮嶋さんの紹介でした。県鳥獣対策・ジビエ振興室 宮嶋拓郎さん「小平さんもお店をたたむけど缶詰とかレトルトという方向で技術を生かしてもらえるし県庁としては長野県のジビエをコロナの人流の変化にあわせたり新しい切り口で発信できるなということで取り組むことにしました」。長野県内では2万5000頭もの鹿が捕獲されていますが、そのうち4分の1しか食用などに加工されていません。おしゃれな店に置くことで若い人にもジビエに興味をもってもらい、有効活用して有害鳥獣対策につなげようという狙いです。自宅で温めて、小平さんの店の味さながらのカレーが楽しめます。こちらはトマトをベースに味付けし鹿肉を使ったスパイスカレー。店を構えることはかなわなくても、食卓で自分のカレーを味わってほしい。エプロンは店の時と同じものを使い続け、変わらぬ情熱を注ぎ続けています。

(キュートで白い鹿のお尻に癒やされて:奈良)
2020年に創業100周年を迎えた奈良県高取町の老舗印刷会社「岡村印刷工業」(岡村匡倫社長)が、奈良公園(奈良市)の鹿の尻にスポットを当てたユニークな商品を展開し、人気を集めている。四季折々の風景の中で撮影された鹿の尻の写真を集めたカレンダーや神経衰弱ゲームなどを「鹿ケツシリーズ」として販売、購入者からは「キュートで、くすっと笑える白い尻に癒やされる」と評判だ。岡村印刷工業は、1920年の創業。商品パッケージやカタログなどの印刷を中心に行っており、2020年には聖徳太子が片岡山で飢人に出会う場面を描いたびょうぶ絵「片岡山のほとり」の複製図(縦約1・6メートル、横約3・7メートル)の制作も手掛けた。鹿は全身茶色の毛に覆われているが、尻の部分は白い毛が生えているという特徴がある。奈良の鹿愛護会(奈良市)によると、白い毛は危険を察知すると逆立って周囲の鹿に警戒を促す役割があり、仲間が見つけやすいよう白色になっているとされる。同社が「鹿ケツシリーズ」の販売を始めたのは、15年。東京事業部営業担当の村上佳濃(よしの)さんのアイデアから生まれた。村上さんが奈良公園を訪れた際、鹿によって尻の白い毛が生えている範囲や、尾の長さなどが違っているのに気付き、「個性豊かな鹿の尻を商品化したら、楽しんでもらえるのでは」と考えたのがきっかけだという。20年には神経衰弱として遊べる46枚(23組)入りのカードゲーム「鹿ケツあわせ」を発売。裏向きに並べた鹿の尻のカードを記憶し、集めたカードの枚数を競うゲームで、購入者からは「家族で笑いながら遊べて、ステイホームも楽しめそう」と好評だったという。シリーズには他にも、マスキングテープやはがき、クリップなどがある。村上さんは「商品を購入した全国のお客様から『実際に奈良まで行って、鹿を見てみたい』などの反響をいただき、大変うれしく思っている。これからも、鹿の尻の魅力を発信していきたい」と話している。

(鹿肉のジビエ給食:岡山)
岡山県西粟倉村一帯で捕獲されたジビエ(狩猟肉)を使ったメニューが村の学校給食に登場した。小学生と、村に滞在して食育プロジェクトを実践している学生がレシピを考えた。鹿肉のレンコンはさみ焼き。ミンチにニンジン、シイタケ、ショウガなどを交ぜて焼き、照り焼き風の味付けに仕上げた。ハンバーグ状の肉をレンコンではさみ、食感も楽しめるようにした。西粟倉小5年の草刈煌介君(10)と、地域に暮らして課題解決に貢献するプロジェクト型学習プログラムに参加している小曽根雅彰さん(19)=岐阜県出身=がレシピを作った。小曽根さんが開いた食育イベントに、草刈君が参加したことをきっかけに話が進んだ。11月25日の給食で、同小、西粟倉中、西粟倉幼稚園の子どもたちと教職員の約180人分が提供された。草刈君は「独特の臭みもなく、やわらかい。牛肉や豚肉のように普段から食べられると思う」と話した。一緒に食べた同級生に「どう?」と感想を聞くと、「おいしいよ」と喜んでもらい、少し照れくさそうに笑った。教育コーディネートに取り組む村内の一般社団法人Nest(ネスト)が、2人と小学校をつないで実現した。

(ジビエ料理研修会:宮崎)
鳥獣被害対策で捕獲されるイノシシやシカの肉、ジビエを活用しようという取り組みです。宮崎市でジビエ調理研修会が開かれました。研修会には、調理師8人と専門学校の学生8人の合わせて16人が参加しました。まず講師で宮崎市内のホテルの総料理長・井上俊一さんが、ジビエの特徴や調理のポイントを説明しながら手本となるジビエ料理を作りました。この後、参加者は4人1組になって、シカ肉とイノシシ肉と使ったボロネーゼなどジビエ料理に挑戦しました。2020年度に有害鳥獣として捕獲されたシカは2万1697頭、イノシシは1万6470頭ですが、ジビエとして活用されているのは1割にも満たないということです。(宮崎県の担当者)「中山間地域のでの資源ということで利活用を進めていく。地域の活性化、中山間地域の活性化につながる」。宮崎県は、ジビエの認知度アップと消費拡大をめざして、来年2月にジビエフェアを開催します。

(プロがジビエ弁当を提供:鳥取)
全日本司厨士(しちゅうし)協会米子支部(泉康裕支部長)の会員8人が30日、米子市長砂町の米子南高を訪れ、調理コースの1~3年生60人に地元産イノシシ肉を使ったジビエ弁当を提供した。

(ジビエを食べてSDGs!:大阪)
株式会社テレビ東京コミュニケーションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐々木宣幸)は、農林水産省「令和3年度鳥獣被害防止総合対策交付金(全国ジビエプロモーション事業)」によるPR事業の一環で運営するジビエトにおいて2021年12月11日(土)・12日(日)の2日間、ジビエに関するトークショーとキッチンカーでのジビエ料理販売を行います。現在、日本ではシカやイノシシ等が増えすぎてしまい、農林業や自然環境にとって大きな問題となっています。主な農村の被害例としては、農作物が食べられたり、田畑を荒らされたりするほか、森林での樹皮の剥皮(はくひ)や希少植物の食害、車両との接触や衝突事故など、地域社会に深刻な被害をもたらしています。その結果、農村の営農意欲の低下や耕作放棄地の増加をもたらし、さらなるシカやイノシシ等の住処(すみか)の拡大に繋がっています。野生鳥獣による被害防止対策のために捕獲を進めるだけでなく、捕獲鳥獣を地域資源として利用する取り組みを全国に広げていくことで、サステナブルな循環型経済の創出にもつながっていくことが期待されているのです。野生鳥獣の食肉利用を進めるため、「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」が定められ、指針に沿った食肉処理施設の整備、高い基準に基づき衛生管理を徹底している施設を認証する仕組みが設けられるなど、安全なジビエを提供する取り組みが進められています。ジビエを積極的に食べることで、鳥獣被害に苦しむ日本の農山村を元気づけ、地域の活性化や地域課題の解消・・・つまりはSDGsへの貢献に目を向けてみませんか?10月の東京・名古屋に続き、遂に大阪での開催が決定!販売するメニューは「サクっとジューシー!鹿肉のマヨ唐揚げ」。下味にマヨネーズを入れることで、肉がよりやわらかくジューシーに、コクのある味に仕上げています。東京・名古屋会場でも好評をいただきました。現役の猟師でありながら、農林水産省のジビエコーディネータも務め、国産ジビエ認証施設・第一号の「京丹波自然工房」で最高級のジビエとジビエペットフードの製造・販売を行う、垣内規誠さんをゲストに迎えます。垣内さんはまさに日本におけるジビエ事業の第一人者。ジビエを知り尽くしたプロ中のプロにジビエに関する様々なお話しと、ヘルシーさと栄養価の高さで注目されている「ジビエペットフード」について伺っていきます。会場でアンケートにご回答いただいた方に鹿肉か猪肉のジビエジャーキーを差し上げます。ワンちゃんネコちゃんの飼い主さんは是非スタッフにお声がけください。会場でお待ちしております!ジビエのポータルサイト「ジビエト」ではジビエ消費拡大のための情報発信を行なっています。「ジビエを今より、ちょっと身近に」をコンセプトに<ジビエと食>、<ジビエと農村>、<ジビエと文化>など、これまでジビエに関心のなかった方にも、ジビエを今までより身近なものとして感じていただくための情報をお届けします。ジビエ料理を提供する飲食店情報をはじめ、イベント情報や日本各地の取り組みの紹介、動画コンテンツも満載です。

(これまで廃棄されていた鹿革を再利用したら上質なサイフとスマホポーチができました)
登山・アウトドア向けGPSアプリ「YAMAP」などを手がけるヤマップ社は、これまで廃棄されていた鹿革を再利用した「鹿革L字ウォレット」と「鹿革スマホポーチ」を発売した。今回の革小物2種は、日本の森林や農林業に大きな被害を及ぼし、獣害指定された鹿を狩猟後に廃棄せず利活用する取り組み“めぐるしか”の一環として製作されたものだ。この取り組みについて、ヤマップの新規事業部・小島慎太郎さんはこう話す。「山の生態系を変化させ、田畑を荒らす増えすぎた鹿は、日本で年間約60万頭が駆除されており、そのほとんどは肉や革が活用されず廃棄されています。“めぐるしか”は、可能な限り鹿を廃棄せずに利活用し、山の恵みとともに山を思う人々の心もめぐっていく循環を目指して始まった取り組みです」また本作は、発達・精神障がいをもった革職人が、他社と革製品の共同開発や受託生産をおこないながら、素材から生産工程までメイド・イン・ジャパンにこだわる独自ブランドを展開するUNROOF(アンルーフ)との共同開発品。UNROOFは“めぐるしか”による鹿革に新しい価値を生み出すという取り組みに共感し、パートナーとして鹿革を活用した革製品の共同企画と生産に取り組むことになったという。鹿革は“革のカシミヤ”とも称されるほど、手触りがしっとりとなめらかで、通気・吸湿性に優れているのが特徴。革自体が軽く、手入れも簡単なので日常使いに適している。今回使用しているのは野生の鹿革のため、革の厚みに個体差があり、また、1枚の革のなかでも部分によって厚みに違いがある。そのため、UNROOFの商品で普段使用されている牛革に比べ、商品ひとつひとつの革の厚みを数ミリ単位で調整し、耐久性の高さと仕上がりの美しさにこだわったという。「鹿革L字ウォレット」は、普段使いはもちろん“山サイフ”としても活躍するコンパクトサイズ。マチのないフラットなデザインで、ポケットに入れて携行しやすい。表面にシボの型押しが施されており、キズがつきにくくナチュラルな素材感を楽しめる。「鹿革スマホポーチ」は野生の鹿革を、環境に優しい“植物タンニン”という方法でなめし、表面を起毛加工してスウェード素材に仕上げている。ふわりと優しい手触りでニットのような温かみがあり、毛の流れによってできる濃淡が独特の表情を生み出す。廃棄されていた鹿革を再利用したとは思えないほど、上質感あふれるサイフとスマホポーチ。製品に込められた思いを感じながら毎日身に着けられる、ファッション性の高いアイテムに仕上がっている。

(駆除シカ肉をハンバーガーに:長崎)
年間約千頭のシカが駆除されている長崎県五島市玉之浦町で、東京の料理人を招いてシカ肉を使ったハンバーガーのレシピ開発と試食会が行われた。今回のレシピを基に地元で商品化され、来年1月中旬ごろから玉之浦の新たな特産品として販売されるという。

(イノシシ出没:宮城)
利府町によると、11月下旬、利府町西端部にイノシシが出没しました。

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(クマと誤認?ペットのポニー、ハンターに撃たれ安楽死:北海道)
27日午後4時ごろ、夕張市清水沢清陵町の山林で、シカ猟中の50代の男性ハンターが、同住所の自営業男性(58)がペットとして放牧していたポニーを猟銃で撃った。銃弾はポニーに当たり、その後、獣医師が安楽死させた。栗山署は鳥獣保護法違反などの疑いで男性から事情を聴いている。地元猟友会などによると、男性は同猟友会に所属。同日はシカ猟に出ており、高さ1メートルほどの枯れ草が広がる放牧地にいたポニーを撃った。男性は同猟友会に「クマかと思った」と誤って撃ったと話したという。夕張市などによると、現場は禁猟区ではないが、飼育されている動物を猟銃で撃つことを禁じる鳥獣保護法などに触れる可能性がある。

(クマ人身被害、21年度は1人のみ:福井)
ツキノワグマによる県内の人身被害が、本年度は1人(26日時点)にとどまっている。10人前後が被害に遭った昨年度までの2年間から一転し、人里への出没が大幅に減少。餌となる山中の木の実に一定の実りがあることが要因とみられる。一方で、2年連続の大量出没の影響で生息範囲が拡大している可能性があり、県は警戒が必要としている。

(立ち入り禁止措置12月1日で解除:北海道)
相次ぐクマの出没情報を受けて旭川市中心部の美瑛川の河川敷で続いていた立ち入り禁止の措置は、12月1日で解除されることになりました。旭川市中心部の美瑛川や忠別川、それに石狩川の河川敷では、相次ぐクマの出没情報を受けてことし6月下旬、市が立ち入りを禁止しました。その後、10月に立ち入り禁止の措置の大半は解除されましたが、美瑛川の雨紛大橋から両神橋の間は立ち入り禁止が続いていました。この区間について、市が29日から現地調査を行った結果、クマの痕跡が確認されなかったことから、12月1日で立ち入り禁止は解除されることになりました。旭川市は市中心部へのクマの侵入を防ごうと、来年度に向けて、河川敷に電気柵を設置することなどを検討しています。

(ニホンザルが厳しい冬を乗り切るために「魚をとる」のが確認される)
ニホンザルが真冬の小川でマスなどの魚を捕って食べていることが、最近の研究で分かりました。これまでも、ニホンザルが海辺に打ち上げられた海水魚などを発見して食べていることは知られていましたが、淡水魚を積極的に捕食していることが科学的な論文として発表されたのはこれが初めてです。ニホンザルは、ヒト以外の霊長類では世界で最も北に生息していることから「最北の霊長類」と呼ばれることもあります。冬になると雪に閉ざされる山で生活するニホンザルについて、研究者らは「ニホンザルは川魚を食べて冬のエサ不足をしのいでいるのではないか」と推測していましたが、そのことを示す証拠はありませんでした。そこで、イギリスのバーミンガム大学で河川の生態系を研究しているアレクサンダー・ミルナー教授らの研究チームは、飛騨山脈を中心とした中部山岳国立公園に生息するサルの排せつ物を分析する研究を行いました。冬の山の寒さは研究チームにとって厳しいものでしたが、サルのフンを集めるミルナー氏らに向けられた観光客の冷たい視線もつらかったとのこと。ミルナー氏は、「上高地は日本で最も観光客が多い国立公園の1つなので、ニホンザルのフンを採取している時に観光客から奇異な目で見られてしまいました。また、水の流れを追跡するために染料を使った際、使用量を間違えて30分ほど川を紫一色に染めてしまい、川にかかった橋をわたっている観光客を驚かせてしまったこともありました」と語っています。研究チームが、苦労して集めたニホンザルの排せつ物を調べたところ、マスの一種が含まれていることが判明し、ニホンザルが冬の川に入って魚を捕食していることが確かめられました。サルの排せつ物からは、ほかにも水生昆虫の幼虫も見つかりました。ニホンザルは、夏場には陸生の昆虫をよく食べていることが知られていますが、今回初めて水生昆虫をエサにしていることが確認されたとのことです。

(警備大手のALSOKが取り組む害獣駆除)
引っ捕らえた〝盗人〟を食べる――。何とも物騒な話だが、日本では天敵のいないイノシシやシカなどの野生鳥獣が、田畑を荒らし大きな社会問題になっている。首都圏の農作物への被害額は19億円超に達しており、こうした中、警備会社大手の『ALSOK(アルソック)』は、害獣駆除を業務の1つにしている。農作物は大事な財産だ。その財産を守り、捕獲した野生鳥獣の肉をジビエ料理として活用する。そうした取り組みに参入したというわけだ。「同社は2014年から一部地域で駆除事業を始め、それらを食材として活用しようと計画。昨年に『ALSOK千葉』が県内で初めて、約2億円をかけて加工施設を設立し、ジビエ事業に本格進出したのです。捕獲したイノシシやシカを回収し、行政への手続きも代行、肉の加工も手がけ、さらに飲食店などに販売するという一貫体制です」。『ALSOK千葉』では、冷凍ジビエ食品のネット販売も始めた。今後、年間5000万円の売り上げを目指すという。害獣も悪気があって農作物を荒らしているわけではないので、感謝して食べよう。

(作業場にクマ侵入:北海道)
11月30日、北海道東部の羅臼町では、住宅にある魚を保管する作業場がクマに荒らされるなどの被害が相次ぎました。30日午前4時半ごろ、羅臼町の住宅の魚の加工などをおこなう作業場にクマが侵入しました。保管されていた塩漬けのホッケが入ったケースなどを倒してクマは逃げ、ケガ人はいませんでした。町内では30日夜にもクマが住宅横の倉庫に侵入し扉が壊される被害がありました。クマは逃げて住人にケガはありませんでした。同一個体かは不明ですが、クマは海岸を移動するなどし、ハンターが出動し警戒にあたりました。

(イノシシ、県内目撃例増える:秋田)
三種町で今月初め、イノシシと列車が衝突する事故があった。県内各地で目撃例が増えているイノシシだが、元々本県には生息していなかった。事故はじわじわと生息域が広がっていることを裏付けるようだ。県内で初めて捕獲されたのは9年前。昨年度に目撃、捕獲などされたのは計289頭に上った。ニホンジカは117頭だった。どちらの生息域も以前は隣県までで止まっていたが、本県に侵入するのは時間の問題とされていた。近年は農産物被害が多発。県は今月、狩猟禁止の鳥獣保護区でも県猟友会に委託して捕獲を開始した。今のところ県内では生息が確認されていないが、隣県で被害が拡大しているのがアライグマだ。北米原産で人気アニメの影響からペットとして輸入されたものが、野生化した。環境省の調査によると、本州では本県以外の全ての都府県に生息。こちらも県境越えは時間の問題なのだろうか。県外では農産物被害が急増、行政が十分に対応できないケースも出ている。福岡県では最近、駆除を求める住民に市の担当者が「自分で殺処分して燃えるごみに出して」と答えたとして問題になった。批判を受けた担当者は、猟友会員が高齢化し、イノシシとシカの駆除で手いっぱいだったなどと弁明している。住民に殺処分まで求めるのはいかにも無理があるが、それだけ事態が切迫しているとも言えるだろう。猟友会員の高齢化などの悩みは本県も同じ。県境を越えて被害が出るのが心配だ。

(白い鳥、キジの白化個体?:鹿児島)
指宿市山川小川の農業永吉久美子さん(40)が畑に真っ白な鳥がいるのを目撃し、スマートフォンで撮影した。県立博物館によると、キジの白化個体とみられ、目が黒いことなどから、突然変異で色素が欠如するアルビノとは異なるらしい。10日午前に見つけた。撮影後に近づくと素早く林へ去ったという。同博物館の上舞哲也学芸主事は画像から「断定できないがキジだろう。頭部や脚の皮膚は正常な色。羽毛の発色に何らかの異常があったのではないか」としている。白いキジは、吉兆として飛鳥時代の元号「白雉(はくち)」にもなった。永吉さんは「近所の人も見たと言って、話題になっている」と話す。次男で山川小学校3年の快成君は「写真を見てニワトリかと思った。本物を確かめたい」と畑通いを始めた。

(第7回日本ジビエサミット:岡山)
第7回となる今回のジビエサミットは、晴れの国岡山にて開催いたします。地方の新たな産業、新たな食肉、SDGsなどさまざまな観点から、ジビエは多方面から熱い視線を浴びています。そんな中、食品衛生法改正に伴い、ジビエ処理加工施設においても2020年からHACCP対応が義務化される等、ジビエをめぐる現状は日々変化をしています。本サミットでは、ジビエの現場に最新の正しい知識を届けることを目的として、捕獲、加工、消費に至るまでの幅広い情報や、開催地・岡山県を中心とした各地域での優良事例をご紹介します。また、初めての試みとして、現地へ来られない方にも聴講頂けるよう、オンライン配信での受講も受付いたします。本サミットにて持ち帰った情報が、みなさまの今後の活動の一助となる事を願っています。

(G系×ジビエのハイブリッド麺:宮城)
宮城の人気ラーメン店が、「ラーメンWalker宮城2022」(発売中)の読者のために、限定麺を出す「プレミアム限定麺」シリーズ。「元気になれる一杯」をテーマに、7店舗がバトンをつないでいく。2回目となる21年12月は、県内屈指の人気を誇る「だし廊」グループから「だし廊 -NIBO-」が登場。ネーミングにもこだわった激レアな一杯を披露する!「ニボニボー ニボニボー G系出してご麺 ジビエでスミマ麺♪」と、某お笑いコンビのラップコントに合わせて考案したのが、G系とジビエを融合させた一杯。丼一面をたっぷりの野菜、ニンニクなどが覆い尽くす。なかでも目を引くのがジビエ肉。イノシシのバラとシカの内モモの2種でどちらも野趣あふれる味わいだ。さらに甘辛く煮た牛のマルチョウもトッピング。ネーミングのとおり、猪・鹿・腸が競演する絶好調な一杯を考案した。もちろん味も折り紙付き。スープは豚骨と煮干しで、濃厚な旨味の中に煮干しの心地よい風味が感じられる。それを引き立てるのが醤油ダレ。チャーシューダレに、人気メニュー「平子イワシ濃醤油」の醤油ダレをブレンドさせた今回だけの特別仕様だ。さらに背脂の代わりに、マルチョウを細かくミンチにしたアブラをのせ、こってりでパンチのある味わいに仕上げた。麺はモッチリとした太ストレート。噛むと小麦の風味がしっかり広がり、具やスープに負けない存在感を放つ。今や宮城県内で5店舗を展開する「だし廊」グループ。ここ「だし廊 -NIBO-」は19年2月にオープンしたセカンドブランドで、その後短期間で次々と店舗を増やしていく躍進の急先鋒となった。店を任されているのが店長の引地勇一さん。限定メニュー作りにも定評があり、これまで100種以上を送り出してきた。「今回はジビエとG系の融合がテーマですが、実は裏のテーマもあります。それが無化調(うま味調味料不使用を指すラーメン用語)。猪鹿腸と無化調でも韻を踏んでいます」。うま味調味料はG系ラーメンには欠かせないアイテムだが、あえてそれに頼らず素材の”ダシ”で真向勝負。まさに「だし廊」グループのプライドも賭けた一杯をぜひご堪能あれ!

(「丹沢ジビエ」で一石二鳥:神奈川)
秦野商工会議所観光飲食部会が、「ジビエ料理」の普及に取り組んでいる。ほとんどが処分されているイノシシやシカの肉を食材として活用。地域の観光資源に育て、農作物被害の防止と地域活性化の“一石二鳥”を目指す。行政や飲食店との連携を模索するため、2月18日には関係者を招いた試食会を初めて開いた。秦野市表丹沢野外活動センター(同市菩提)で催された試食会には、丹沢や大山を抱える秦野、伊勢原両市の首長や部会に所属する飲食店経営者らが参加。日本ジビエ振興協会代表理事で、フレンチレストランのシェフ藤木徳彦さん(48)が講師を務めた。藤木さんは長野県産のシカ肉と鳥取県産のイノシシ肉を使い、シカ肉のメンチカツやステーキ、イノシシのベーコンを使ったポテトサラダ、イノシシ肉と香草の生春巻きなど11品を提供。

(バーグ丼が話題沸騰:長崎)
東京・有楽町にある「平戸からありがとう(ひらどからありがとう)」。長崎県平戸市から直送で仕入れた厳選素材や郷土料理を食べることができるこのお店の、ジビエハンバーグ丼が話題になっているんです!「平戸バーグ丼」は、平戸の棚田米を炊いたごはんの上に、フライドオニオン・イノシシ肉100%のハンバーグ・粗めの大根おろし・卵黄をのせ、自家製のタレをかけたひと品。とてもボリューミーで豪華な見た目に、運ばれてきただけで歓声をあげてしまうほど。イノシシのお肉と聞いて身構えつつ、まずはハンバーグをひと口食べてみると、臭みやクセが全くないことにびっくり!むしろ、しつこくない良質な脂がジューシーでとてもおいしい♪このハンバーグに使われているのは、海に囲まれた平戸の豊かな自然のなかで、ミネラル豊富などんぐりを食べて育った「平戸いのしし」。もともとは地元の農作物を荒らして悩みの種になっていましたが、その肉質のよさに着目!臭みが出ないよう、捕獲後すぐに血抜きをし、冷凍車で運んで30分以内に内蔵を抜くなど工夫をこらした下処理で、よりおいしく食べられるお肉になったんだそう。

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