<射撃ニュース3月>
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(シカ猟中ライフル誤射、67歳男性死亡:栃木)
15日、栃木県日光市で67歳の男性が狩猟中にライフル銃で誤って撃たれて死亡し、一緒に狩猟をしていた仲間が業務上過失致死の疑いで警察に逮捕されました。15日午後2時半前、日光市中小来川の山林内で「シカ猟中に、ライフル銃の誤射で、男性がけがをした」と119番通報がありました。警察などによりますと、シカ猟に訪れていたグループのなかの鹿沼市の無職、荻原秀剛さん(67)が、上半身から出血していて意識不明の重体で病院に運ばれました。荻原さんは、その後、死亡が確認されました。警察は一緒にシカ猟をしていた日光市の無職、大橋覚容疑者(63)を、誤ってライフル銃で荻原さんを撃ったとして業務上過失致死の疑いで逮捕しました。警察の調べに対し大橋容疑者は「シカを撃つのに焦ってしまった」と供述しているということです。

(野鳥から鳥インフルエンザ:福岡)
福岡県は9日、福岡市内で2日に見つかった野鳥のホシハジロの死骸から、鳥インフルエンザの陽性反応が出たと発表した。今後、環境省が高病原性かどうかを確定する検査を実施予定で、結果判明まで数日から1週間程度かかる見込み。県によると、発生地周辺の養鶏場などでは、今のところ異常は認められてないという。

(鳥インフル陽性反応の野鳥死骸、高病原性ではないと確認:福岡)
3月2日に福岡市内で見つかり、鳥インフルエンザの陽性反応が確認されていた野鳥について、検出されたウイルスが高病原性ではないことがわかりました。福岡市内では3月2日に見つかったカモの仲間の野鳥、ホシハジロの死骸からA型・鳥インフルエンザウイルス遺伝子の陽性反応が出たため、国は半径10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定していました。その後の検査の結果、15日、死骸から検出された鳥インフルエンザウイルスが高病原性ではないことが確認され、国は、周囲に感染が広がる可能性は低いとして野鳥監視重点区域を解除しました。県内では2020年11月に、宗像市の養鶏場で高病原性の鳥インフルエンザに感染したニワトリの死がいが初めて見つかり、一緒に飼育されていたニワトリ約9万2000羽が殺処分されていました。

(野生イノシシ1頭が豚熱感染:茨城)
県は12日、常陸大宮市で見つかった野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内での感染確認は4頭目。県によると、同市盛金で11日に幼獣の雌イノシシの死骸が回収され、遺伝子検査で陽性と判明した。

(またサル出没、職員1人軽傷:高知)
高知県宿毛市桜町の市役所近くの路上で12日、野生のニホンザルが出没。市の職員1人が背中にしがみつかれて軽傷を負った。宿毛市では約1カ月前にも1キロほど離れた場所でサルが人を襲っており、市と宿毛署は注意を呼び掛けている。宿毛市によると、この日午前に2度、市役所から200メートルほどの範囲で、サルの目撃情報が寄せられた。近くの山から下りてきたとみられ、午後1時すぎには、宿毛小学校裏の市道を歩いていた市職員の女性が突然、背後から飛び掛かられた。サルは背中にしがみついた後、逃げていったという。女性は腰に擦り傷を負った。

(鳥獣被害対策で動画公開、優良活動事例参考に)
農水省は12日、鳥獣被害対策やジビエ(野生鳥獣の肉)の活用法を考える「第8回全国鳥獣被害対策サミット」を動画で公開した。1月に発表した「鳥獣対策優良活動表彰」の受賞者8人が、効果のあった侵入防止柵の設置方法や地域住民と一体で取り組んだ対策などを紹介した。

(猟銃誤射の男性を書類送検へ:山梨)
1月に丹波山村で猟銃で誤って登山中の男性を撃ったとして、県警は10日にも猟友会に所属する74代の男性を業務上過失傷害や鳥獣保護法違反などの容疑で書類送検する方針だ。撃たれた70代の男性登山者は左手の骨を折る大けがをした。

(多発するエゾシカとの衝突、車の修理費は?:北海道)
国内最大の草食獣、エゾシカが関係する交通事故が右肩上がりに増えている。北海道警が2月に公表した調査結果によると、令和2年は年間3511件発生し、過去最多を4年連続で更新した。エゾシカは北海道に生息し、本州のシカと比べて体が大きい。雄の成獣は体重が130キロにもなり、ぶつかると車が大きな損傷を被る恐れがある。もしも衝突したら、車の修理費はいくら?「エゾシカは急に飛び出します!」「交通ルールを知りません」。国土交通省や警察など関係機関が事故防止を呼びかける際、車の修理費の目安として使われる数字が車両保険の平均支払額だ。車両保険は自分の車の修理費などが補償される保険。エゾシカなど野生動物との衝突のような単独事故をカバーするタイプもある。日本損害保険協会の北海道支部が1月29日に公表したエゾシカとの衝突事故に関する令和2年の調査結果によると、車両保険平均支払額は54・4万円だった。調査は同支部が事故防止の啓発に役立てようと、エゾシカとの衝突事故が多発する10~11月を対象期間として、報告があった9社分を集計。修理費の多寡は車の損傷度合いに左右され、保険金支払額の最高は593万円、最低は9千円だった。対象期間中のエゾシカとの衝突事故の車両保険支払件数は517件で、支払額の合計は2億8107万円に上った。調査は毎年10~12月に実施され、平均支払額は令和元年に51・4万円、平成30年に48・2万円と増加傾向がみられた。「最近は車にセンサーが搭載されるようになっている」(同支部)ため、修理費が高額になる傾向があるという。10~11月はエゾシカの繁殖期で活発に動き回るため事故が多発するが、年間を通じて注意が必要となる。事故防止を啓発するため、同支部ではエゾシカの習性を紹介するポスターを「道の駅」などに掲示する活動を行っている。担当者は「エゾシカは夜間に暗い所から道路へ飛び出す。車のライトに気づくと、道路上で立ち止まる習性がある。避けきれず正面衝突すると、フロントガラスが割れ、車体が大きくへこむこともある」と注意を呼びかける。事故を防止するには、エゾシカの習性を知ることが重要だ。北海道警交通企画課の調査によると、エゾシカが関係する事故は平成28年の1936件から、令和2年は3511件へ急増している。夕方から夜にかけて多く発生しており、令和2年は午後6~8時が全体の約3割で最も多かった。次いで午後4~6時が多く、全体の約2割となっている。道路別では国道での発生が最も多く、全体の約6割。次に多いのが道道で、全体の約3割だった。事故の状況ではエゾシカが道路を横切るケースがほとんどで、全体の約9割を占める。エゾシカの出没に気づいて停止していた車に後続車が追突するなど、人身事故に発展したケースもあった。交通事故が年々増える一方、エゾシカの推定生息数は65万頭程度で横ばい。それにもかかわらず、なぜ事故が増えているのか。道環境生活部のエゾシカ対策係では、専門家の意見を聴くなどして分析に努めているが、いまのところ原因は解明されていないという。

(新規ハンター過去最多549人:新潟)
2020年度に新潟県内で新たに狩猟免許を取った人が、過去最多の549人となったことが9日、県への取材で分かった。19年度(367人)から1・5倍の大幅増。20年度はクマやイノシシによる人身被害が相次いだため、捕獲への関心が高まったことが背景にあるとみられる。県内では現役ハンターの高齢化が課題となっており、県は近年、若手狩猟者の育成事業に力を入れてきた。だが、20年度は新型コロナウイルスの影響により4~7月に実施予定だった免許取得希望者向け講習会や狩猟免許試験が中止となり、新規取得者の減少が懸念されていた。取得者が急増した理由について、県環境企画課は「昨秋以降、クマやイノシシによる人身被害が多発したことが、狩猟免許の取得を後押しした一因ではないか」とみる。農作物被害に頭を悩ませている農業関係者が「自己防衛」のために取得するケースも目立つという。同課は「新規取得者が増えるのはありがたいが、被害が拡大していることの裏返しともいえる。今後は免許取得後の研修などフォロー体制を充実させ、担い手育成につなげたい」としている。20年度のクマによる人身被害は9日現在、17件21人、イノシシでは7件9人でいずれも過去最悪となっている。

(有害鳥獣捕獲従事者、例年比5倍:長崎)
対馬市の比田勝尚喜市長は10日、農林業や生態系への影響が深刻なツシマジカなどの駆除に向けた有害鳥獣捕獲従事者数について、新型コロナ禍による失業者らへの支援策として狩猟免許取得費などを補助したことに伴い、本年度は例年比5倍近い50人が登録されたと明らかにした。市内の有害鳥獣捕獲従事者数は計243人になった。定例市議会会派代表質問で、初村久藏議員(新政会)の質問に答えた。ツシマジカは1966年に県が天然記念物に指定し捕獲を禁止していたが、70年ごろから農林業被害が発生。81年から有害鳥獣としての捕獲が始まり、県は2004年に天然記念物の指定を解除した。20年1月時点の推定生息数は全島で約4万1千頭。同市などによると、新型コロナウイルス感染症対策事業費のうち約700万円で本年度の狩猟免許受験費と猟友会への登録料(各計約2万円)を全額補助。わな購入費なども10万円を限度に半額補助した。昨年12月に同市であった狩猟免許試験には62人(前年度比39人増)が受験し、58人(同37人増)が合格。このうち53人がシカとイノシシの捕獲頭数に応じて捕獲報奨金(各1頭当たり8千~1万円)が得られる有害鳥獣捕獲従事者への登録を申請し、市外への転出者を除いた50人が10日時点で登録されているという。比田勝市長は「健全な森林を管理していくためには適正な生息頭数といわれる3500頭まで減少させる集中的な捕獲を進めることが肝要。関係機関と連携した捕獲強化を粘り強く進めていきたい」と述べた。

(イノシシ、20年度中の根絶絶望的:兵庫)
兵庫県南あわじ市が、離島の沼島で2020年度中に目指していたイノシシの根絶が絶望的となった。もともと野生の獣類がいない沼島に泳いで渡ってきたとみられる新参者で、住民の災害避難や観光客の散策用に設けた歩道を荒らし放題。わなを増やすなどし、2月末までに前年度の3倍以上の73頭を捕獲した。それでも生息が確認され、「想像以上」の繁殖力に苦慮している。

(ドローンで鳥獣害調査、全国初の「レベル3飛行」:兵庫)
小型無人機ドローンを自動操縦で飛ばし、山林でのシカの生息状況を調べる社会実験が11日、播磨科学公園都市(兵庫県たつの市など)で行われた。実施した兵庫県によると、無人地帯において操縦者から見えない範囲まで機体を飛ばす「レベル3飛行」による鳥獣害調査は全国で初めて。県が神戸市と取り組む「ドローン先行的利活用事業」の一環。レベル3飛行は操縦者をサポートする補助役が不要なため、少人数でも高低差がある山林などの調査が可能となる。実験の舞台となったのは、播磨科学公園都市内にある県有林。ドローンはあらかじめプログラムされたルート通りに山林の上空を飛び、可視カメラと赤外線カメラで見下ろした映像が、操縦拠点のある光都プラザ(兵庫県上郡町光都2)内のモニターに映し出された。シカなどの動物がいると赤外線カメラがシルエットを白っぽく捉えるが、この日、約15分の飛行では見当たらなかった。実験はトラブルなく終わり、県の担当者は「これまでは猟師が山に入り、ふんなどを見つけて個体数を調べてきた。レベル3飛行なら山を歩くことなく、データを効率よく集められる」と将来性に期待した。

(イノシシ被害最少、防護柵など対策奏功:長崎)
長崎県は11日の県議会農水経済委員会で、2019年度のイノシシによる県内の農作物被害は前年度比約6千万円減の約8200万円にとどまったと明らかにした。記録が残る1991年度以降、最少だった。県によると、被害のピークは2004年度の約4億6千万円で、その後は減少傾向。県はイノシシによる被害対策を農家に指導する「A級インストラクター」の育成に力を入れ、これまでに市町や県職員ら464人を認定。このほか市町や地元猟友会と協力して、延べ1万4千キロを超える侵入防護柵の設置、山地と農地をすみ分ける129地区の緩衝帯整備、集落単位の捕獲隊設置など一連の対策を展開したことが奏功したとみている。県はさらなる被害軽減のため、捕獲情報をリアルタイムで地図上に落とすなど情報通信技術(ICT)を活用したシステムを構築しており、普及を図るという。

(イノシシ急増、ドローンで初の生息調査:熊本)
近年、住宅地で出没が相次いでいるイノシシ。熊本市の憩いの場、立田山でも目撃情報が増えていてドローンを使ったイノシシの生息状況調査が行われた。熊本市中央区と北区にまたがる立田山周辺では「イノシシが家の裏山のタケノコを掘っていた」などの目撃情報が相次いでいる。立田山でのイノシシの捕獲数は2018年度は43頭。昨年度は86頭、今年度は1月末時点で120頭と年々増加している。熊本市はこれまでにも効率的にわなを設置するための生息調査を行っていたがドローンを使った調査は今回が初めて。ドローンにはカメラや赤外線探知システムが取り付けられていて、これまでの調査より広い範囲を短時間で調べることができる。10日までの3日間で57ヘクタールを調査。実際にイノシシを発見する場面もあった。熊本市担当者「ドローンを活用することにより効率的に生息状況が把握できると期待している。結果をみてイノシシのわなの設置に効果的に活用できれば」。熊本市は他の地区の調査でもドローンを導入するか検討していくとしている。

(カラス、行動範囲「狭かった」:長野)
県が四十年ぶりに実施したカラスの生息実態調査で、調査対象とした長野市など北信地域の四市町では日常の生活圏が数キロの範囲にとどまり、想定された「数十キロ」よりも大幅に狭かったことが分かった。理由は判明していないが、カラスによる食害やふん害が相次ぐ中、生活圏が一定程度絞り込めたことで、県はより局所的な個体削減策を進める。県によると、二〇一九年度の野生鳥獣による農林業被害額七億四千万円のうち、カラスによる被害は八千三百万円を占める。シカの二億五千万円、クマの一億円に次いで三番目となっている。ブドウやリンゴなどの食害だけでなく、長野市などの市街地ではふん害も確認されている。農家や地域住民らは果樹園、ごみ集積所を防除ネットで囲って対策してきたが、効果は限定的だった。

(クマ出没予測、メールで配信:新潟)
新潟県議会は10日、2月定例会の4常任委員会を続開した。産業経済委員会では、県が、クマの出没予測情報を地域住民の携帯電話にメールで配信する実証実験を2021年度に行うことを明らかにした。県によると、20年度は10日現在、クマによる人身被害が過去最多の17件21人に上っている。深刻な事態を受け、自民党の岩村良一氏(新発田市・北蒲)がICT(情報通信技術)を活用した鳥獣被害対策について質問した。神部淳・鳥獣被害対策支援センター所長は「クマについて、緊急メールが正確にいち早く出せる仕掛けをモデル的につくりたい」と述べた。県内のモデル地域にカメラを設置し、このカメラでクマを認識すると、近隣住民の携帯電話に「出没の恐れ」を伝えるメールが自動配信される仕組みをつくるという。このほか、イノシシの捕獲に小型無人機ドローンを活用し、効率的な捕獲の仕組みづくりを目指す考えも示した。委員会後、神部氏は取材に「県がモデルをつくり、市町村が導入する形を考えている。早めに導入できるようにしたい」と話した。

(「クマよけ釣り鐘」設置、トレッキング客への注意喚起:京都)
京都府中丹広域振興局と綾部市の住民らが、市東部の上林地区を訪れるトレッキング客への注意喚起に、クマよけの釣り鐘を設置した。

(捕獲したシカやイノシシ、微生物の力で分解:京都)
捕獲したシカやイノシシを微生物の力で分解する施設が京都府南丹市日吉町保野田に完成し、4月に稼働を始める。

(カラス捕獲数3倍、ナシの被害額最大:福井)
福井県あわら市は本年度の有害鳥獣による農作物被害状況をまとめ3月11日、市会産業建設常任委員会で説明した。カラスによるナシ被害額は2019年度の39万円を大幅に上回る、過去最高の550万円となった。イノシシ、ハクビシン、アライグマ、カラスを合わせた被害面積は32ヘクタールと、19年度に比べ10倍を超える数値。被害額も1089万円で倍近くになった。鳥獣被害の大半を占めるのが、カラスによる波松地区でのナシ被害。過去5年間は被害額が少なく推移していたが、本年度は額の増加だけでなく捕獲数も19年度の約3倍の106羽。個体数の増加が懸念されるという。市は対策として、防鳥のワイヤを波松地区で整備する。ナシ農家58戸28ヘクタールのうち、申請のあった41戸18ヘクタールを対象に、新年度当初予算で2858万円を盛った。

(イノシシ猛進、芝生無残:石川)
加賀市橋立町の越前加賀海岸国定公園敷地内にある自然公園の芝生が、イノシシによって約90平方メートルにわたって掘り起こされていることが12日までに分かった。市によると、沿岸近くの同公園一帯でイノシシが出没するのはまれで、生息域が拡大している可能性がある。春には遠足などでにぎわい、地元住民の憩いの場となっており、管理者は「獣害が拡大しては大変だ」と不安を募らせている。被害があったのは国定公園内の加賀市橋立自然公園。特に公園中心部の広場が深刻で、70平方メートルほどが掘り返されていた。広場を囲む竹林周辺の地面でも、地中のタケノコを掘った痕跡が200カ所ほど確認された。周辺にはイノシシの足跡が残っており、現場を確認した市農林水産課の担当者によると、体長1メートルほどの成獣とみられる。今月3日早朝、園を管理する市スポーツ振興事業団の職員伊藤正勝さん(77)が巡回中、広場の芝生の一部がボコボコに荒らされているのを見つけた。7日にも掘り返され、被害範囲が拡大した。公園では昨年秋にもイノシシが穴を掘った形跡が見つかっていたが、これほど大きな被害は初めてだという。市農林水産課によると、公園が立地する橋立町に隣接する黒崎町や高尾町で生息が確認されていたイノシシが繁殖し、新たな縄張りを探しに出現したとみられる。被害を受け、市は8日、急きょ公園内に捕獲用のおり1基を設置した。芝生の修復はめどが立っておらず、伊藤さんは「園内には広場のほかパークゴルフ場や運動場もあり、人を襲うなど万が一のことがないか心配だ」と話す。橋立では昨年秋にはクマの目撃も相次いだ。今月上旬に公園近くの道路でイノシシ2頭を目撃した宮本昭夫さん(74)は「50年ほど橋立に住んでいるが、イノシシが出没するようになったのはここ2~3年。ついにここまで来たのか」と語る。

(ニホンザル捕獲の方針、被害相次ぎ:岐阜)
県内でニホンザルによる農作物などへの被害が相次いでいることを受け、県は十一日、二〇二二年度をめどに鳥獣保護管理法に基づき、増えすぎた動物を減らす「第二種特定鳥獣管理計画」を策定し、二三年度以降に捕獲に乗り出す方針を明らかにした。県議会一般質問で、恩田佳幸議員(山県市、県政自民クラブ)の質問に、県環境生活部の西垣功朗部長が答えた。同様の計画は現在、イノシシやツキノワグマなど四動物で策定済み。ニホンザルは狩猟対象の鳥獣ではないため、捕獲による個体管理が必要な上、学習能力が高いことから先進的な知見が欠かせない。県は二一年度に市町村と協力して、被害の実態や群れの分布など生態を調査。この結果を踏まえ、岐阜大などの専門家の助言を受けながら計画策定を進め、捕獲の手法を検討する。

(ツキノワグマ増えてます、推定最多337頭:岡山)
岡山県内のツキノワグマの推定生息数が昨年、過去最多の337頭になったとする調査結果を県がまとめた。前年からは9%(28頭)増。春にはクマが冬眠から活動を再開して全国各地で人を襲うなどの被害が相次ぐことから、県が警戒を呼びかけている。生息数は出没件数や捕獲数、エサとなるドングリ類の豊凶調査などから推定。記録が残る2005年以降で最多となり、15年間で約7倍に増えている。複数の要因が影響しているとみられ、県は増加原因は特定できないとしている。一方、20年度(1月末時点)の出没件数(目撃件数)は県北を中心に169件で、前年度(222件)からは減る見通し。エサの一つのミズナラの実りが良かったため、食糧を求めて人里への出没が減ったことなどが影響したという。国のガイドラインに基づき県が決める捕獲上限数は、21年度は推定生息数の約15%にあたる50頭とした。県内で民家に近づくなどして駆除したのは、20年度が18頭(2月末時点)、19年度は11頭だった。ツキノワグマは岡山などを含む地域で絶滅の恐れがあるとして、環境省のレッドリストで掲載されている。県は00年度から狩猟を禁じたが、出没の増加などを受け17年度に解禁した。県自然環境課は「山に入る時は鈴やラジオをつけ、キャンプでは生ゴミなどを放置しないようにして欲しい。ふんや爪痕などの痕跡を見かけたら速やかに山から引き返して」と呼びかけている。

(鳥獣対策アプリ「ドットワナ!」テスト運営開始:東京)
株式会社WorkVision(本社:東京都品川区/取締役社長:大和田 昭彦/以下、当社)は、主に都市部の在住者が鳥獣対策を応援するためのスマートフォンアプリ「ドットワナ! -街わな-」のテスト運営を2021年3月15日(月)から開始します。イノシシ、シカをはじめとする野生動物による農林業被害は、農林水産省の発表からしても、依然として100億円を大きく上回る年間被害額となっています。鳥獣対策が解決に至らない要因の1つに「協力者の不足」があります。被害地域外の方が鳥獣対策に協力できれば、この問題を解決できると考え、当プロジェクト「ドットワナ!」を発足しました。ドットワナ!は鳥獣対策に対する日本初のビジネスモデルとして特許認定されています。(特許第6712020号、6712021号)。

(1月の野鳥確認数、今年は半分以下に:青森)
日本野鳥の会青森県支部と弘前支部は、毎年1月に県内各地で行っているガン・カモ・ハクチョウ類調査の結果をまとめた。記録的な暖冬で13年ぶりに5万羽を超える野鳥を確認した昨年と比べ、強い寒波が襲った今年は約2万2千羽と半分以下に減少。県内各地の河川や湖が凍ったことで、餌を求めてより南の地域で越冬したものとみられる。

(カラス撃退、実証試験「成功」:熊本)
熊本市は11日、カラスが警戒したときの鳴き声や強力なLED光の照射で、市中心部に集まるミヤマガラスを追い払う実証試験が成功を収めたと発表した。約3千羽のカラスのほとんどが郊外の山林などにねぐらを移し、問題だった「ふん害」も減少したという。実証試験は年末年始を除く昨年12月10日~1月18日の30日間、同市中央区花畑町の花畑公園などで行った。カラスの被害対策に取り組む企業「CrowLab(クロウラボ)」(宇都宮市)が開発した、カラスが警戒したときの鳴き声を加工した音声をカラスの大群がとまった木に向けて拡声器で流した。また、花畑町の別のエリアでは、木々にとまって寝る準備をしているカラスに強力なLED光を照射して追い払う試験も行った。

(東北各地にカラスの大群襲来、大量のフン被害も)
空を覆う無数の黒い影は、福島県会津若松市に現れた信じられない数のカラスだ。また、同じ福島県の郡山駅前でも一本の街路樹になんと、およそ50羽のカラスがとまっていた。さらに、宮城県登米市郊外の電線を隙間なく埋め尽くしているのも、全部カラスだ。東北各地で目撃されている異様な光景。住民は「こんな大群、見たことなかったので、何か起こるのかなと」と不安を口にする。宮城県石巻市の住民は「においがすごくて臭いなと思います」と、大量のフンによる被害に悩まされていた。突如現れたカラスの大群。現れた理由もわからず住民たちは不安な日々を送っている。鳥類学者で東京大学名誉教授の樋口広芳氏は「空を密集して飛んでくる様子からすると、ミヤマガラスがけっこう多い気がします」と語る。ミヤマガラスは、中国から日本にやってくる渡り鳥。かつては九州や本州の西部で冬を越していたが、最近では北陸、東北地方で越冬するミヤマガラスも現れてきたという。宮城県石巻市の場合は先月の気温が平年より高く、居ついてしまった可能性がある。樋口氏は「ミヤマガラスは春になると中国に帰るため被害はなくなる」と話している。

(押し寄せる“黒い鳥”の集団:愛知)
視聴者から届いた衝撃の映像。名古屋市熱田区の白鳥庭園の近くに押し寄せたのは、数え切れないほどの黒い鳥でした。3月6日。家族3人で散歩に訪れた堀川で突如広がった、異様な光景。動画を撮影した大坪さんの2歳の娘さんも、困惑していたそうです。「真っ黒な集団がこっちに向かっていたので、ビックリして。なんか… 怪奇現象かなと」(動画を撮影した 大坪亮汰さん)。黒い鳥の集団は、水面スレスレを、模様を描くようにどんどんと進んでいきます。よく見ると、水面へ降りていく様子も。水しぶきを上げているものも全て鳥で、近づくにつれ、バシャバシャという水音もひっきりなしに聞こえるようになります。橋の上も、橋の下も、おびただしい数の黒い鳥。「娘が「とりがいる!」みたいに言っていて、川の方を振り向いたら、大群が押し寄せてきた感じ。正直、気持ち悪いって思いましたよね。最初はただのハトかカラスかなと思っていたんですけど、川の中に潜っていたので、これカモじゃないかな?と。とりあえず、ビックリが一番大きいです」(動画を撮影した 大坪さん)。突然現れ、そして去っていった、真っ黒な鳥の正体は一体…。9日、動画が撮影された時刻と同じ午後1時頃に現場へ行ってみましたが、鳥の姿はありません。ただ、この辺りに住む人にはおなじみの光景のようです。「朝早いとよく飛んでるよ。始終(鳥の)通り道だと思いますので」「もう何回もみとる。多いと500羽ぐらいおるんじゃないかな」「鵜じゃない?鵜がいつも飛んでくるから」(近くの住民)。専門家も、黒い鳥の集団の正体は、カモではなく“鵜”だろうといいます。「カワウですね。ボラの子どもが遡上(そじょう)するんですよね、春になると。それを追いかけてるんじゃないかと思うんですよね」(日本野鳥の会愛知県支部 村上修 副支部長)。エサとなる魚の群れを追いかけて、集団で狩りをしているカワウだというのです。満潮時によく見られるという、魚の遡上。それを狙って、今後もカワウが群れで現れそうです。

(シカ侵入、滑走路一時閉鎖:北海道)
9日午後6時半ごろ、北海道の新千歳空港で、着陸して地上走行中の航空機のパイロットから「滑走路近くでシカを見つけた」と、空港の管制塔に通報があった。直後にエゾシカ2頭が見つかり、2本ある滑走路のうち1本を約1時間半閉鎖した。残った1本の滑走路を活用したため、運航便に30分以上の遅れや欠航はなかった。

(クマ目撃、猟友会が駆除:秋田)
季節が春本番へと向かう中、今年もクマへの注意が必要な時期に入ったといえます。10日午前、大仙市の住宅敷地内にクマが現れました。クマは猟友会に駆除され、けがをした人はいませんでした。県は、冬眠から目覚めたクマがエサを求めて山から下りてくる可能性があるとして注意を呼びかけています。まだ雪が残る大仙市太田町太田の住宅敷地内でクマがあさっていたのは、肥料を作るために生ごみをためておく緑色の容器です。大仙市などによりますと、10日午前11時半ごろ、この家に住む女性が生ごみをあさっている体長1メートルほどのクマを見つけ、市に通報しました。通報を受けた地元の猟友会が駆け付けてクマを駆除し、ケガをした人はいませんでした。現場は、大台スキー場から西に1キロほどの場所です。県自然保護課では「冬眠から目覚めてもまだ周りにエサがないため、臭いにつられて山から下りてくることもある」として、「クマが出没しそうなエリアでは臭いが出るものを外に置かないようにしてほしい」と呼びかけています。

(なぜ?“カラスの大群”東北各地に現る)
空を覆う無数の黒い影。福島県会津若松市に現れた、信じられない数のカラスです。それだけではありません。同じ福島県の郡山駅前では、一本の街路樹になんと約50羽のカラスが止まっていました。宮城県登米市郊外の電線を隙間なく埋め尽くしているのも、全部カラスです。東北各地で目撃されている異様な光景。住民は、大量のフンによる被害にも悩まされています。突如、現れたカラスの大群。住民は、鳴き声やフンによる被害に悩まされています。そして、何よりもカラスの大群が現れた理由が分からず、不安な日々を送っているのです。鳥類学者の樋口広芳東大名誉教授は「空を密集して飛んでくる様子からすると、ミヤマガラスが結構多いという気がします」と話します。ミヤマガラスは、中国から日本にやって来る、渡り鳥です。かつては九州や本州の西部で冬を越していましたが、最近では北陸、東北地方で越冬するものも現れてきたといいます。宮城県石巻市の場合は、先月の気温が平年より高く、居着いてしまった可能性があるということです。樋口東大名誉教授は「ミヤマガラスは春になると、中国に帰るため、被害はなくなる」としています。

(道の駅の花壇、シカが食い荒らす:京都)
京都府福知山市夜久野高原の道の駅「農匠の郷やくの」内、のんびり広場にあるチューリップとスイセンの花壇が、シカの食害に遭った。球根を植え付けた福知山観光協会夜久野支部(日下英明支部長)は、被害拡大を防ぐため防護柵を4日に設置した。作業をした役員たちは「今月末に防護柵を立てる計画でした。ひと足遅かった」と残念がっていた。同支部では昨年12月、広場周辺で取り組む桜プロジェクトの一環として、インスタ映えする場所にしようと、昨春植樹したヤエベニシダレザクラのそばにある貸し花壇を耕し、チューリップとスイセンの球根2千個ずつを植えた。その後、役員の倉垣和世さんが毎日訪れて見守っていたが、約1週間前に芽を出していたチューリップの多くが、シカに食い荒らされ無残な姿になっていた。そこで防護柵の設置を早めることにしたが、資材を調達しているうちに今度は、スイセンの茎を食べられていた。すでに一部で花が咲き始めており、30輪ほどだけ残っている。防護柵は高さが約2・5メートルあるものを用意。役員6人が半日がかりで花壇を取り囲むように立てた。倉垣さんは「夜久野高原付近ではシカがたびたび出没し、畑を荒らして農家の人たちを困らせています。今回も、形跡からシカの仕業だと思います。来年の春にはきれいに咲かせたい」と話していた。

(クマ出没:秋田)
11日午前7時ごろ、秋田市雄和椿川字堤根の県道・通称あきたびラインで、体長約1・5メートルのクマを車で通りがかった市内の50代男性が目撃した。秋田東署によると、男性は走行中の車内から、県道東側の山の斜面にクマがいるのを目撃。直近の民家まで約150メートルと近かったため通報したという。現場は県動物愛護センター「ワンニャピアあきた」の南約300メートル。周辺には国際教養大や秋田空港がある。

(猿、連日の目撃情報:千葉)
船橋市の北東部で、野生とみられる猿の目撃情報が連日寄せられている。出没は2月26日から今月9日にかけて6日間に計8回。人に危害は出ていないが、市は遭遇したら近づかず、警察に通報するよう呼び掛けている。2月22、25日には隣接する八千代市でも目撃されており、同じ1匹が移動している可能性がある。船橋市によると、市内では習志野台や金堀町、八木が谷付近などで目撃。「防犯カメラに走り去る姿が映っていた」「窓を開けたら外にいた」といった通報が警察などに寄せられた。直近の9日朝は、船橋県民の森や白井市に近い、大神保町付近の会社敷地を走り回ったという。八千代市によると、同市内での目撃は八千代台と勝田台付近で計4回あった。

(JR御殿場線、シカが列車に衝突:神奈川)
9日夜、JR御殿場線で一部列車に遅れが生じている。JR東海によると、谷峨―山北駅間でシカが列車に衝突したという。

(山陽線で遅れ、シカと接触:岡山)
JR西日本によると、9日午後7時35分ごろ、山陽線の相生駅―有年駅(いずれも兵庫県)間で列車がシカと接触し、車両と線路を確認した。この影響で上郡駅(同県)―岡山駅間の一部列車に15~30分の遅れが出ている。

(小学校付近にイノシシ出没:和歌山)
15日午後4時ごろ、和歌山県田辺市下万呂の会津小学校付近で、20キロくらいとみられるイノシシが出没した。近くには民家や畑などがあり、市職員や田辺署員らが音を立てるなどして、約2時間後に山に追い返した。市農業振興課によると、同所では数日前からイノシシが出没していた。近年は、万呂地区でイノシシの目撃情報はなかったという。同課は「イノシシを目撃しても不用意に近づかず、市や警察に通報してほしい」と呼び掛けている。

(イノシシと接触、姫新線に遅れ:岡山)
JR西日本によると、16日午前5時10分ごろ、姫新線の刑部駅(新見市)―丹治部駅(同)間で列車がイノシシと接触したため、車両を確認した。この影響で同線の一部列車に約15分の遅れが出ている。

(イノシシと接触、赤穂線に遅れ:兵庫)
JR西日本によると、12日午後8時25分ごろ、赤穂線の天和駅(兵庫県)―備前福河駅(同)間で列車がイノシシと接触したため車両と線路を確認した。この影響で同線の播州赤穂駅(同)―東岡山駅(岡山市)間の一部列車に約15分の遅れが出ている。

(鹿よけネット取り付け体験:大分)
県や別府市、森林ネットおおいたなどでつくる「豊かな国の森づくり大会実行委員会」は6日、別府市東山の志高湖畔で「学びの森林(もり)フェス」を開いた。

(知っとこ!クマのこと:秋田)
秋田さきがけ県北政経懇話会の3月例会が11日、大館市のプラザ杉の子で開かれた。県ツキノワグマ被害対策支援センター専門職員の近藤麻実さん(36)が「知っとこ!クマのこと~みんなで守る秋田のくらし」と題して講演し、「クマを正しく怖がり、正しい対策を講じて身を守ってほしい」と呼び掛けた。8日に大仙市の大曲エンパイヤホテルで開かれた県南政経懇話会、9日に秋田市のイヤタカで開かれた秋田さきがけ政経懇話会でも講演した。近藤さんはクマの生態を紹介し「冬眠明けの春に凶暴になるというのは誤解。春に人身事故が多いことは確かだが、クマも人も山菜を求めるので、山の中で遭遇するリスクが高まることが理由」と述べた。クマは基本的に人を避けて生活しながら、餌を一度に大量に効率よく食べる機会を求めるとした。

(野生動物つかまえた!「獣害」の解消に向けた科学館の挑戦:東京)
“サイエンスカフェ”とは、カフェのような気軽な雰囲気の中で、科学や環境について理解を深めたり語り合ったりする、参加型ワークショプです。エコギャラリー新宿では、2015年5月から”科学の視点で、エコを考える。”をコンセプトとして開催しており、23回目を迎えます。今回は、ゲストに宮本 千尋さんをお迎えし、「野生動物つかまえた! ―「獣害」の解消に向けた科学館の挑戦―」をテーマにオンラインワークショップを実施します。

(マリモの成育阻む水草がエゾシカのえさに:北海道)
マリモの生育を妨げる水草がエゾシカの餌になるかを調べる「阿寒湖のマリモ保全推進委員会」は10日、釧路市立阿寒湖小で、一緒に調査してきた同小児童と、森林に設置した調査用の赤外線カメラの画像を確認した。カメラには乾燥させた水草をシカが食べる様子が映っており、児童らが研究結果をリポートにまとめた。同小の3、4年生計19人が参加した。児童たちは釧路市教委などでつくる保全推進委員会とともに、昨夏からマリモ群生地のチュウルイ湾で水草約100キロを除去。2月に乾燥させた水草を周辺の森に置き、シカが食べるかを調べるため、赤外線カメラを設置した。

(放射性物質基準検証を、自民PT提言)
東京電力福島第1原子力発電所の事故から10年を前に、食品中の放射性物質の基準値や規制が合理的なものか、最新の知見やデータに基づいて検証するよう求める提言を自民党がまとめた。里山や生業の再生に向け、野生のキノコや山菜、ジビエ(野生鳥獣の肉)など日常的に食べるわけではない食品は、欧州連合(EU)などと同様に、一般食品とは別の基準を検討すべきだと提起する。同党東日本大震災復興加速化本部「食品等の出荷制限の合理的なあり方検討プロジェクトチーム(PT)」(座長=根本匠元復興相)がまとめた。

(ジビエ、レストランで提供:岡山)
岡山ビューホテル(岡山市北区中山下)を運営するセントラル・パーク(同所)は、岡山県産のジビエ(狩猟肉)を使ったメニューの提供を始めた。県内では農業被害をもたらすイノシシやシカの捕獲数が増えており、消費を後押しする狙い。オンラインでも販売する。2階レストラン「五感」で、県産のシカやイノシシ、アナグマを素材にストロガノフやポトフを日替わりランチ(1540円)として提供。レストランの通販サイトでは、シカ肉と季節の有機野菜を赤みそや赤ワインのスープで煮込んだ「ラグー」の半調理品(2500円)を扱う。捕獲したイノシシやシカの肉が消費されず廃棄されるケースも多いため企画した。上野宏一郎社長は「国連の提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の達成にもつながる。県産ジビエのおいしさを多くの人に伝えられたら」と話している。

(押切もえさんが鳥取産ジビエを堪能、その魅力を語る:鳥取)
農作物に被害を与えるイノシシ、シカなどの野生鳥獣の肉を、地域資源として食用のジビエ(仏gibier)に利用する動きが国から推奨され、全国的に取り組みが広がっている。でも、ジビエというと肉の独特の香りが強いなどのイメージが強く、敬遠している人も多いかもしれない。ジビエの魅力について広く知ってもらおうと、鳥取県産のイノシシやシカなどの肉を使ったジビエ料理を首都圏の店で堪能できる「とっとりジビエ レストランフェア」が開かれている(3月7~21日、主催:鳥取県 食のみやこ推進課)。同フェアには、首都圏のイタリアンとフレンチ15店舗が参加。期間中、各店が鳥取県産ジビエを使ったオリジナルメニューを提供する。これに合わせ、モデル・タレントで「とっとりあいサポート大使」の押切もえさんが、鳥取ジビエの魅力をPRしている。押切さんは、同フェアに参加するイタリアンレストラン「ALTER EGO(アルテレーゴ)」(千代田区神田神保町)で、鳥取県産シカ肉を使った料理を堪能。ジビエとの出会いなど自身のエピソードも交え、ジビエ料理の魅力について語った。ジビエの魅力を「自然の豊かさが詰まったおいしさ」と表現し、栄養面などにも触れている。そのインタビューの模様が、首都圏にある鳥取県ゆかりの店などを紹介するWEBページ「VISCUM」に掲載されている。「あいサポート」は鳥取県の障がい者支援活動。押切さんは、2017年2月から委嘱されている「あいサポート大使」の活動を通し、障がい者・活動支援者たちと交流し、鳥取の美しい自然に触れて感銘を受けたという。「ALTER EGO」のオーナーシェフは、鳥取市出身の徳吉洋二氏。徳吉氏は2015年、イタリア・ミラノに「RistoranteTOKUYOSHI」を開業し、わずか10カ月で日本人として初めてイタリアのミシュラン一つ星を獲得。今回、押切さんが味わったジビエメニューは2019年2月の「ALTER EGO」創業時からメインシェフを務める平山秀仁氏が同フェアのために考案。フェアの期間中、同店で味わうことができる。

(ジビエ味わって、飲食店など10店でフェア:福井)
イノシシやシカのジビエ料理が味わえる「嶺南ジビエフェア」が、嶺南地方の飲食店などで開かれている。二十一日まで。

(ジビエペットフードが真のブーム:京都)
いま、シカ肉のペットフードが脚光を浴びているのをご存じですか? 愛犬に与える良質なたんぱく源として、中山間地域の新ビジネスとしても活路を見いだしています。食肉処理施設「京丹波自然工房」の代表・垣内規誠(かきうち・ただまさ)さんは、2013年からジビエペットフードを作っているパイオニアです。

(レトルト鹿カレー販売へ:神奈川)
秦野市の新たな観光資源としてジビエを活用するため、秦野商工会議所観光飲食部会(秋山純夫部会長)が鹿肉を使ったレトルトカレー「秦野もみじカレー」を開発した。3月3日には(一社)日本ジビエ振興協会の藤木徳彦代表理事を招き、セミナー&試食会を開催した。藤木氏はコロナ禍で在庫を抱えたジビエの処理施設からの相談をきっかけに、先行してレトルト食品の開発に着手している。セミナーでは「『稼ぐジビエ』『レトルトビジネス』マーケティングモデルの可能性を探る」をテーマに、開発に至った経緯やその後の反響などを説明。藤木氏は「ジビエは点で取り組むのではなく、地域一丸となって面で取り組むことで消費者にPRできる」と話し、「なによりおいしいものを作ることが大切」と味の大切さを述べた。その後、同部会が開発した「秦野もみじカレー」を感染対策のため自席黙食で試食。同部会によると低カロリー、低脂肪、高たんぱく、鉄分豊富な鹿肉「もみじ」を使い、アレンジを加えやすいようにベースとなりうるカレーとして仕上げているという。「コロナ禍の中で少しでも売上向上と話題提供につながれば」と秋山部会長。試食した藤木氏は「レトルト臭もせず、アレンジができるベースになっており良い出来」と評価した。「秦野もみじカレー」は今回試作品400個を作成。試験販売を行う店舗を募り、3月中旬頃から販売開始の見込み。取扱店舗は同会議所ホームページで告知予定。その後は市場を確認し、本格的な販売に向けて動き出すという。

(世界一の罠師が手がける絶品ジビエ:三重)
みなさんはジビエと聞いてどんなイメージを持ちますか? ぐるなびが毎年発表している、その年の日本の世相を反映し象徴する「今年の一皿」にジビエ料理が選ばれたのが2014年。それから6年以上たちましたが、日本の食卓に定着するにはまだ高いハードルがありそうです。ジビエの消費は重要性を増しています。2019年度の野生鳥獣による農作物被害額は158億円と深刻な状況。そうした中で野生鳥獣の捕獲強化が進んでいますが、ジビエ利用率は、2018年度は鹿で13%、イノシシで6%となっており、依然として低い水準にとどまっています。つまり、とっている生き物を私たちはなかなか食べることができていないのです。とはいえ、ジビエの利用率は年々、増加しているのも確か。消費の中心はレストランなどの専門店です。今回、紹介する猟師の古田洋隆さんは日本のシェフたちから熱い支持を集めている人物。古田さんが手がけるジビエがプロから愛される秘密は「罠(わな)」にありました。私が、古田さんとお会いしたのは、雪もちらつくほど寒い1月の初旬でした。三重県津市の美杉地区は鳥獣の中でも特に鹿の害がひどく、年間500頭以上を駆除しているそうです。そんな地域で古田さんは、猟をしながら日々の生計を立てています。彼の狩猟スタイルは、銃や檻(おり)ではなく「罠」を使うこと。なぜ彼は罠にこだわるのでしょうか。「散弾銃で仕留めると絶命して血抜きができん。かといって檻で仕留めると暴れて体中が傷んでしまい、体温も上がって臭みも出るんや。生きた状態で罠で仕留めて、瞬時に血を抜きさばく。それで臭みが一切ない、柔らかい肉が出荷できる」。料理人から注目を集める理由は、捕獲から解体まで、鹿を最もおいしい状態へ導くための一連のスキル。私が訪問した際も、つい先日、日本を代表する某フレンチシェフが訪ねてきた、と聞きました。もともと洋服の移動販売業をしていた古田さんは、営業先の地元の方から、野生鳥獣に畑を荒らされ農作物を食べ尽くされる悩みを日々耳にしていました。そのうち、家の中への侵入や鹿の飛び出しによる交通事故など深刻になっていく獣害を「自分の力でなんとかしたい」という思いから、猟師になることを決意したといいます。古田さんに普段の猟の様子を再現していただいたのですが、道中、不意に足元を見て「これは去年の5月に生まれたメス鹿の右足や」と指をさしました。「これは5日くらい前についた足跡やね」。気象条件や方角、土のへこみ具合から、鹿の行動、大きさなど手に取るように分かるそうです。市販の罠を使わず、独自の罠を使用するのは、彼がビジネスとして狩猟するには必須の選択でした。飲食店からは日々「2歳のメス鹿が欲しい」「来週までに1頭分ちょうだい」といった細かいオーダーが入ります。獲物の大きさによって力の配分が変えられ、あらゆる場所に隠すことができる独自の罠によって、捕獲率はほぼ100%になるそうです。現在、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、都市部の飲食店からのオーダーは減り、注文がストップしている取引先もあるそうですが、三重県内の需要は安定しており、ニーズは上向きだといいます。さらなる強みは、解体の際に出る舌や気管支などをペットフードの加工に回していることで、こちらはコロナ禍でも全く影響がないそうです。食肉利用に限らず活用できることは廃棄物処理費用の低減にもつながります。そんな古田さんが、一番心を痛める瞬間は、獣に傷を負わせた後に取り逃がしてしまったときだそう。とりわけ銃で獣を追うと、撃ち方を間違えると傷を負ったままの状態で、山林へ逃げてしまいます。現在は銃ではなく罠をメインとしているのは、大切な生命を自然界からいただくことに感謝する気持ちが込められているように思います。古田さんは「世界トップレベルの罠師」を自称します。「だが、いつまでもオンリーワンではいかん。自分に肩を並べ、超えていく者が現れてほしい。だからこそ全ての技術をオープンにしとるんや」。古田さんの技術は、三重県が定める「みえジビエ」の衛生・品質管理マニュアルにも反映されているそうです。「狩猟免許のうち、銃に比べて罠は簡単に取得できる。しかし、その分技術が必要になるんや。銃は『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』という通り、まぐれで当たることもあるが、罠は完璧な仕掛けを作らんと意味がない。けど、ひたすら待ち続ける銃よりも、罠は24時間態勢で獣が来るのを待つことができる」。完璧な罠を作れれば、銃よりも効率化が図れる、というわけです。古田さんは、自らの技術を惜しむことなく披露しています。足りないものがあるとすれば、それを取りまとめる仕組みで、技術を知りたい人や自治体、各国からのラブコールに対応しきれない部分も出てきているそうです。ジビエの消費拡大には消費者の意識向上も欠かせないでしょう。ジビエはレストランで食べるイメージが強いですが、新型コロナウイルス感染症の影響で現在、飲食店需要は激減。かといって、一般消費者がスーパーでジビエ肉を気軽に買うことが難しいのも確かです。農林水産省では野生鳥獣被害対策としてジビエ振興を打ち出していますが、一方で農林業被害の防止とジビエ消費を結びつけることに疑問を呈する意見もあります。一理はありますが、一方で「食料生産の場=地方」と「消費の場=都市」という具合に生産と消費が乖離(かいり)し、地方から都市へと人が流れてしまったことが、この問題の根底にあるのも事実でしょう。獣害問題は一朝一夕に解決するものではありません。私たちにまずできるのは「知る」ということですが、食べることは知るための最も身近で、分かりやすい方法でしょう。そこで今回は、手軽に調理できるジビエ料理を紹介しようと思います。「ジビエ=フレンチ」というイメージではなく、「和食=家庭料理」として消費するアプローチです。ジビエのローストは難しいけど、和風の味付けをしたメンチカツなら、家庭でも作れるはず。最近では一部のスーパーや「食べチョク」などの産直ECサイトで購入することもできます。ジビエにはヘルシーなイメージがあり、女性受けもすることから、カフェやバーなどで提供するのもいいのではないでしょうか。野生鳥獣は、まさに自然界の脅威ですが、同時に地域の資源でもあります。限りある資源をジビエとして有効活用する取り組みは、農村の所得向上にもつながり、農村振興の一助として期待されています。

(鹿肉手作りドッグフード「マウンテンズギフト」:兵庫)
日本マーケティングリサーチ機構が、2021年2月に鹿肉ドッグフードにおいてインターネット調査を実施した結果、淡路アグリファームの鹿肉の手作りドッグフード「マウンテンズギフト」が、『注目の鹿肉ドッグフード No.1』『信頼できるドッグフード No.1』『犬の健康のために与えたいドッグフード No.1』を獲得しました。

(エゾシカ肉使った犬のおやつ:福島)
福島町まちづくり工房(平野松寿代表理事)は15日から、町内で駆除されたエゾシカのモモ肉でつくった犬用の特別なおやつ「カムカムシカジカ。シカ肉の誘惑」の販売を始めた。同法人のエゾシカ活用プロジェクトの第2弾。狩猟から販売までを道南で行うエゾシカのペットフードの販売は道南初の試みとなる。道内では近年、エゾシカの駆除数が増え、農作物や樹木の食害や交通事故ななど被害が拡大し、福島町でも年間約60頭が駆除されているが、駆除後の利活用が課題となっていた。そこで同法人が中心となり、町、猟師、工場が連携し、エゾシカを利活用することで持続可能な開発のための目標(SDGs)の「生体系の保護と持続可能な利用の推進」に取り組む。町千軒のハンターで北海道猟友会松前支部長の道下志郎さんは「副産物として発生する肉や骨などを有効活用する道筋がついた。近隣町のハンターの技術の伝承につながれば」と話し、将来を見据える。道下さんらハンター2人が月に十数頭分の肉を製造元の北海ケミカル(北斗市)に納品する。同社の前崎大樹総括部長は「地産地消の取り組みが道南地域で拡大してほしい」と期待を込めた。商品は、一口タイプと細切りタイプの2種類で、価格はいずれも30グラムで858円(税込)。販売先は、道の駅「横綱の里ふくしま」や町のふるさと納税サイト、近日中に開設する岩部クルーズのウェブストアで取り扱うほか、函館市内のペットショップなど順次拡大する。

(ピロシキでジビエPR:高知)
ジビエの魅力をPRしようと高知商業高校(高知市)と山田高校(香美市)の生徒が協力してシカ肉入りのピロシキを開発しこのほど、高知市で初めて販売した。生徒たちは「高校生が連携して発信することで、若い世代にもジビエに関心を持ってほしい」と話している。

(シカ革キーホルダー作ろう:北海道)
総合型地域スポーツクラブ「おんおーる」(早川靖志代表理事)は20日、小学3~6年生を対象にした食育講座「作ってみよう!自分だけのエゾシカレザーのキーホルダー」を音更町文化センター内の「Cafeおんおーる」で開く。同クラブ事務局では受講児童を募集している。

(シカ革で小物雑貨:群馬)
沼田特別支援学校(群馬県沼田市)は、高等部の生徒がシカ革で雑貨を製作し、テラス沼田1階の福祉カフェippoで販売を始めた。校外での販売は初めてで、地域に学校の教育活動を知ってもらうのが目的。販売している商品は、ネームホルダーや定期入れ、ポーチなど色とりどりの10種類。同校の作業学習活動「かがやき工房」で、シカ革を生徒が加工して製作した。裁断、手縫い、金具の取り付けなどの工程を、外部講師の指導を受けながら、生徒たち自身が丁寧に行っている。

(パフォーミングアーツ、劇場や路上で:静岡)
静岡市葵区七間町、人宿町周辺の劇場や路上を舞台に、ダンスや演劇、大道芸などの身体芸術(パフォーミングアーツ)を上演するイベント「七間町ハプニング5」が13日、始まった。県文化プログラムの一環。14日まで。市文化・クリエイティブ産業振興センターでは、シカの獣害問題を題材に講演と展示、パフォーマンスを組み合わせた「The Carnival-獣害リサーチプロジェクト」を上演した。常葉大社会環境学部の小杉山晃一准教授は、狩猟免許取得のハードルが高い、駆除したシカの多くが焼却処分されるなどの現状を解説。狩猟団体「スタジオジビエ」代表の沢野宏史さん(同市清水区)と、俳優・猟師の山崎皓司さん(掛川市)は、シカのわな猟と解体を再現した。最後はダンサーの遠藤綾野さんと日原奈緒花さんが命と食にまつわるダンスを披露した。人宿町やどりぎ座では、ダンス劇作家熊谷拓明さんによるダンス劇「ひどく晴れた静岡で」を披露し、常磐公園では大道芸などのパフォーマーが出演する。同公園以外は感染症対策のため定員25人に制限して上演する。

(銃販売数の指標が過去最多、コロナや暴動に不安感か:アメリカ)
米国で銃の販売数の指標とされる連邦捜査局(FBI)の身元調査件数が6月、統計を取り始めた1998年以来、月別としては過去最多を記録した。新型コロナウイルスの感染拡大や、警官による黒人男性の殺害に抗議する暴動の広がりへの不安感が、銃の販売増加につながっているとみられる。米連邦政府の認可を受けた銃器のディーラーは、購入者の犯罪歴などの個人情報をFBIに照会する必要がある。米国では全国的な銃器販売数の統計はなく、この調査件数が最も信頼できる指標とされる。FBIの1日の発表では、6月の調査件数は393万件で、昨年6月に比べて7割増加。これまで最多だったのは今年3月の374万件だったが、これも上回った。米国では国家的な危機に直面した際に銃の販売が増え、2001年の同時多発テロの翌月には、調査件数が前月から2割増えて初めて100万件を超えた。また、大きな乱射事件が起きた後には「規制が厳しくなるかもしれない」との心理が働き、販売が急増する傾向もある。

(銃規制2法案を可決、購入者の身元調査強化へ:アメリカ)
米下院は11日、民主党が推進してきた銃規制に関する2つの法案を可決した。バイデン大統領は銃規制強化を支持しており、民主党は立法化を目指すが、上院での法案可決は見通せない。下院がこの日可決した法案の1つは、銃購入者の身元調査の対象をネットや展示会での購入、個人間取引にも拡大するもの。227対203で可決された。共和党議員8人が支持した。当局の銃購入希望者に対する身元調査期間を10日に延長する法案も219対210で可決された。共和党議員2人が支持した。現行法では、当局が3日以内に身元調査を完了できなかった場合、販売者が銃を売却するかどうかを判断できる。共和党は、合衆国憲法修正第2条により保障される銃保有の権利が損なわれるとして法案に反対している。

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(広域捕獲、国が支援)
自民党が議員立法に向けて検討している鳥獣被害防止特別措置法改正案の骨子案が4日、判明した。都道府県が市町村の枠を超えて広域的に捕獲を進める際に、国が財政支援を行うことを明記。猟銃所持許可を更新する際に必要な技能講習の免除特例の延長や、捕獲した鳥獣の有効利用の促進強化も盛り込んだ。特措法は2007年に議員立法で成立し、今国会で4回目の改正を目指している。

(登山中の男性がクマに襲われけが:新潟)
新潟県新発田市の櫛形山で7日正午ごろ、新潟市東区に住む60代の男性がクマに襲われて、けがをしました。警察によりますと、男性は友人3人と登山をしていたところ、山の中腹で体長50センチほどの子グマに右足を噛まれたということです。その後、男性は自力で下山し、警察に通報しました。男性は右ひざにけがをしましたが、軽傷だということです。男性は「登山中に藪の中に足が入り、その際に子グマを踏んでしまい、噛まれた」と話しているということです。クマはその後、山の下の方に逃げて行ったということで、警察は注意を呼び掛けています。

(農作業中の男性がイノシシに襲われる:愛媛)
8日午前11時ごろ、大洲市喜多山の山中で68歳の男性が栗畑で妻と2人で農作業をしていたところ、体長1メートルほどのイノシシに襲われ左手の小指などをかまれました。男性を襲ったイノシシはその場から逃げていて、警察は付近に注意を呼びかけています。

(シカ猟の死骸放置絶えず:北海道)
シカ猟のハンターが、死骸や解体して肉を取った後の残滓(ざんし)を違法に放置する事例が小平町内で相次ぎ、道猟友会留萌支部小平部会と留萌署が合同で6日、町内の猟場をパトロールした。この日は風雪が強く、シカが山林内にとどまっていたためか、死骸などの放置は確認されなかったが、猟期が終わる今月末まで巡回を続け、ハンターへの指導を強化する。パトロールを行った同部会の中村知広部会長によると、今猟期で最初に死骸放置が確認されたのは2月14日。町内の私有地で、ハンターから「シカを撃たせてほしい」と頼まれた地主の住民がその後、撃たれて死んだシカ2頭を見つけた。ハンターは死骸を回収することなく、立ち去った後だったという。

(捕獲禁止の野鳥を殺処分し、はく製に:徳島)
徳島県佐那河内村役場に勤務する40代の男性課長補佐が、鳥獣保護法などで捕獲が禁止されている野鳥4羽を殺処分していたことが分かった。男性は野鳥をはく製にして自宅で保管していた。村は8日付で職員を訓告処分にした。村によると、男性は狩猟免許を持ち、有害鳥獣を捕獲するわなが付いたおり(縦4・5メートル、横5・3メートル、高さ4メートル)を使い、村の業務の一環でカラスなどの捕獲・殺処分を担当している。2017年8月と18年3月、19年11月、20年1月の計4回、カラスと共にわなに入ったタカ、フクロウ、ノスリなど野鳥計4羽を一緒に殺処分した。男性は「何十羽ものカラスがおりの中を飛び回る中、誤って殺してしまった」と話しているという。情報提供を受けた県警が捜査するなどし、昨年12月に男性から村に事実関係の申告があった。男性は鳥獣保護法違反容疑などで略式起訴され、裁判所から略式命令を受けて3月5日に罰金を納付した。岩城福治村長は「職員の法令順守が叫ばれている中だけに残念。研修を改めて行うなど再発防止に努めたい」と述べた。

(東北被災地は今、イノシシ増殖:福島)
東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う帰還困難区域のうち、福島県内5町村(富岡町、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村)でのイノシシ捕獲頭数が2年連続で2000頭を超えたことが環境省の調べで分かった。人がいない状況のため繁殖が止まらず、営農を再開した農地で被害も発生。宅地に侵入するケースもあり、避難した住民が今後、帰還する上での支障になる恐れがある。水田と山林の境目にイノシシ向けの電気柵が走る。富岡町の稲作農家、渡邉伸さん(60)は「ここを突破することもある」と打ち明ける。地元の帰宅困難区域指定が解除された2017年以降、営農を再開。水田5ヘクタールを手掛けるが、イノシシに稲を踏み倒されることもあり、食害にも悩まされ続けている。渡邉さんは家族と住むいわき市から通い、農作業を続ける。片道1時間かけて水田に到着し、被害が出ているのを見つけると、「本当に気落ちする」と話す。生息数も増えていると感じ「今後、水稲の収量に大きな影響を与えるのではないか」と不安だ。日中にもかかわらず、宅地を歩き回るイノシシ――。大熊町の根本友子さん(73)は一時帰宅が可能になって以降、そんな光景を何度も見た。町農業委員会の会長として、営農再開に向けた水稲の実証栽培に関わり、イノシシの食害を目の当たりにした。避難の長期化で、大熊町は「イノシシが増える環境が整ってしまった」(産業建設課)とみる。今後、町民に帰還を促すに当たり、イノシシの頭数減を課題に挙げる。町内には約150台のわなを設置。1台当たりの捕獲数を増やすため、最適な設置場所の把握などを進める方針だ。環境省は福島県内5町村の帰宅困難区域で、13年度からイノシシの捕獲事業を開始。19年度の合計捕獲頭数は2136頭に上った。20年度も1月末時点で2128頭。2年連続で2000頭台で推移する。農地だけでなく住宅の庭地を掘って荒らす被害も後を絶たない。環境省は18年度から捕獲体制を強化。わなを増設、捕獲期間も延長し、捕獲頭数の増加につながった。同省は「帰還する住民が安心して暮らせるよう引き続き捕獲を進める」(鳥獣保護管理室)と話す。イノシシの生態に詳しく、富岡町で実態調査にも携わる東京農工大学の金子弥生准教授は「体格の大きさなどから考えると、餌を十分に取れている。今後も増える余地がある」と見込む。金子准教授の試算では東日本のイノシシ生息密度は1平方キロ当たり5頭程度。一方、富岡町の調査地区は38頭と、8倍近い。そこで「帰還困難区域や周辺地域の生息密度を減らすことが重要」と強調。行政主導の狩猟人材の確保、フェンス設置による生活圏のすみ分けなどを指摘する。

(射撃場は存続方針:群馬)
県は5日、存続や運営のあり方を見直している県有10施設のうち、廃止を検討した前橋市の「ベイシア文化ホール」(県民会館)について、結論を2021年度に先送りする方針を示した。榛東村の県ライフル射撃場は、存続させる考えを明らかにした。県議会行財政改革特別委員会で示された最終報告案によると、県民会館は「多大な改修費用をかけて維持する必要性は低い」としたが、前橋市と協議して機能維持の可能性も探る。県ライフル射撃場は、県ライフル射撃協会や高校の射撃部が利用し、廃止した場合に県内に練習拠点がなくなることを考慮した。ただ、今後の大規模改修はしないことを明示した。県有10施設については、昨年2月に将来像の検討を開始。中間報告では、県民会館、県ライフル射撃場など7施設について「廃止を検討」としていた。県は県議会の意見も踏まえ、3月中に最終報告書を公表する。

(熊は高齢ほど大胆?最新技術で野生動物調査:兵庫)
兵庫県森林動物研究センター(同県丹波市)がこのほど、「野生動物の生態を被害対策にリンクする」と題したシンポジウムをオンラインで開催した。事前申し込みのあった受講希望者(申込者数473人)に向け、動画共有サイト「ユーチューブ」でライブ配信。同センター研究員ら7人が、神出鬼没な野生動物の行動や生態を調査するのにGPS首輪や自動撮影カメラを使っていることなどを紹介、その調査結果から分かってきた哺乳類の生態や被害対策の事例などを発表した。横山真弓研究部長は「境界線を越えるツキノワグマたち―衛星GPSの追跡から」と題し、同県内を流れる円山川周辺や京都府県境で捕獲したツキノワグマ(以下、クマ)にGPS首輪をつけ、行動範囲や移動ルート、人の生活圏への接近の要因などを探った調査結果を報告した。兵庫県のクマは一時、絶滅が危惧されていたが、約20年間の保護政策により、かつて100頭以下と考えられていた個体数が、800頭前後にまで増加。これまでに出没していなかった地域でも確認されるようになったとした。同県では、円山川を境にクマを「東中国」と「近畿北部西側」の2つの地域個体群に分けている。同川に隔たれてくらしてきたため、遺伝的特徴が異なり、頭骨の形状も違っていることなどが明らかになってきた。GPSの技術進歩により、位置情報を細かく把握できるようになったため、最近の調査では、クマが円山川をまたいで(渡って)行動するなど、境界線がなくなってきたことが確認された。川を渡り、活動中心エリア(コアエリア)の山へと入る際、人家や学校、商業施設が集中している場所を通った個体もおり、年齢が高い個体ほど大胆な行動をとるとした。クマの利用標高は、雄が平均400―500メートル、雌は200―300メートルで、冬眠場所は、雄はこれより高標高、雌は低標高を使う。また、繁殖期(夏)は、雌雄共に低標高を利用する傾向にあることなどをデータで示した。これらの行動特性を踏まえ、被害を防止するには、▽奥山にいる動物という既成概念は通用しない▽大胆な行動をとる個体がおり、夜間は人の生活圏を通過している▽雄の行動圏は非常に広く、山塊に押し込めておけるレベルにない▽新たな生息地に行動を広げ始めている―ことなどを理解しておく必要があるとした。最後に、同県新温泉町で計画されている風力発電所建設を挙げ、「建設予定地にコアエリアがある。そこには今、人里に出没するようなクマはいないが、森林伐採など生息地を開発することでコアエリアが分断され、人里への出没が深刻化することが懸念される」とした。山端直人主任研究員は、「野生動物被害への感情をモニタリングする」と題し発表。シカやイノシシの農業被害が深刻だった同県相生市小河集落に防護柵管理と加害個体捕獲の支援を行い、被害が減少することで住民の感情も変化し得ることを示した実証結果を紹介した。同集落では、ワイヤーメッシュの集落柵が設置され、月2回の点検活動を実施してきたが、被害は大きく、収穫がほぼ不可能な農地もあったという。そこで、▽イノシシとシカの侵入路の解明▽箱わなによる集落主体の加害個体捕獲▽防護柵の管理継続―を中心に提案し、箱わなの技術向上を支援することで課題解決を図った。その結果、捕獲数は3年間で約3倍に伸び、2019年には38頭を捕獲。箱わなを集落柵内部から外部に移設することで捕獲効率は大幅に向上し、農業被害額も約360万円だったのが18年には30万円、19年には5万円と大きく減少した。被害感情を探るため、取り組みの前後で住民にインタビューし、頻出語を調べた。対策前には、▽柵から入られる▽被害▽増える▽ひどい▽捕れない―などという言葉が多くあったが、対策後は、▽被害▽減った▽捕れる―などの言葉に変化したという。これら数年間にわたる取り組みから▽集落で主体的に箱わなを管理することにより、数多くの箱わなが管理できるようになる▽技術の向上で捕獲効率も向上▽設置場所と技術向上で集落の捕獲数は増加▽効率的な防護柵と、柵の管理と加害個体捕獲で被害は軽減―することが示せると締めくくった。

(シカの衝突事故を防げ、JR身延線あの手この手の対策:静岡)
近年、個体数が増え続け人里にも姿を現すシカ。交通機関に影響することも増えています。JRではあの手この手の工夫を凝らしています。線路沿いで鳴る甲高い音。シカを寄せ付けないための「忌避音(きひおん)」と呼ばれるものです。というのもJR富士駅から甲府駅を結ぶ身延線は…。身延線のシカとの衝突件数はここ10年で年々増加。2020年度は1月時点で175件に上ります。衝突して死んだり足が折れたりしたシカは、JRの現場の職員自らが線路の外に運び出します。JR東海身延保線区 森田嵩章さん:「かわいそうだなと思うので、何とか列車に当たらないように対策を立てて、シカも守っていきたい」。乗客を安全に運びシカも守りたいという気持ちから、森田さんが直々に提案したのが忌避音です。シカが警戒するときの鳴き声、と犬の鳴き声を混ぜ合わせています。シカが音に慣れるのを防ぐため、あえて鳴らしっぱなしにせず、列車が通る前だけ鳴る仕組みです。おととし11月から始め、シカの衝突件数と目撃件数は8割の削減に成功しました。こうした事態の原因となっているシカの増加について専門家は。シカを研究する 静岡県立農林環境専門職大学 小林信一教授:「端的に言えば食べ物が豊富。人間が作っている農産物が豊富なので、それを食べることによってシカが増えている」。県によるとシカによる県内の農業被害額は年間6000万円を超えます。個体数が増えたシカとの衝突を防ぎ乗客を安全に輸送するため、身延線ではほかにも対策を講じています。こちらは夜の身延線。なんとシカが舐めているのはレール。小林教授:「鉄分が欲しいということで、舐めに来るんじゃないかと。シカは草だけではなく葉っぱも食べますけどもそれが主食で、それ以外は調味料みたいなものなんですかね。人間でいうと、そういうものとして必要」。鉄道の車輪とレールがこすれたことで出る鉄粉を求めて、レールを舐めるといいます。そこで身延線沿線では、シカが安全な場所で鉄分補給をできるようにするため、レールから4~5メートル離れた獣道にシカ専用の鉄キャンディーを設置。鉄キャンディーは雨風にさらされても3カ月以上はもち、無味無臭でミネラル分が豊富です。またこちらは2メートルの柵の隙間。原川朋華記者:「線路上には足ツボマットのような突起があり、私が歩いてみても角が刺さってとても歩きにくい」。ほかにも、シカが歩くと足が抜け落ちてしまう8センチ四方の網を敷いて、シカが線路に入らないような対策など工夫が満載です。JR東海身延保線区 酒井通孝区長:「将来的にはこういったものを、ロケーションに応じて色々と組み合わせが決まってくると思いますので、最適な組み合わせを設定して、できる限りお客様にご迷惑をおかけしないよう努力していきたい」。

(捕獲イノシシ効率処理、施設完成:石川)
輪島市横地町に、捕獲したイノシシを処理する市有害鳥獣処理施設が完成した。4日、地元住民向けの見学会が開かれ、市職員がおがくずを使ってイノシシを発酵分解する機械について説明した。施設は委託を受けた県猟友会輪島支部が管理し、8日に開所する。処理作業の負担軽減が期待され、駆除頭数の維持を図りたい考えだ。処理に使う機械は、酸素が十分にある状態で微生物が有機物を分解する仕組みを使い、イノシシ約三百キロを七~九日間で骨のみにする。三台を導入し、年間最大千四百頭の処理能力を見込む。一時保管する冷蔵庫も併設する。市農林水産課によると、これまでは捕獲したイノシシを埋設しており、労力がかかることから猟友会が施設整備を求めていた。昨年六月に着工し、今年二月二十六日に完成。能登森林組合のくい加工施設だった建物をもらい受けて改修し、事業費は一億四千三百八十万円。同市でイノシシによる獣害が確認されたのは近年で、有害鳥獣として捕獲報償金の制度が設けられたのが二〇一四年度。初年度十六頭だった捕獲数は大幅な増加傾向を見せ、二〇年度は二月末で三千頭を超え過去最多となった。増加の明確な理由は分かっていないが、里山の管理が放棄されイノシシがすみ着きやすくなった可能性があるという。捕獲数が増える一方、市が把握する主に稲など農作物への被害額は一八年度の千八百七十九万円をピークに一九年度三百七十五万円、二〇年度(二月末現在)百九十万円と減少。市は施設の供用で捕獲頭数の維持につなげたいとしている。見学会では施設内の冷蔵庫の内部や搬入方法、機械の静音性などを確認した。猟友会員の山口照雄さん(71)=打越町=は「耕作放棄地などに穴を掘って埋めるには重機が必要だった。効率よく処理できるようになったらいい」と歓迎した。

(デジタル技術でイノシシ害防げ:広島)
芝生や植樹を荒らすイノシシの生態をデジタル技術で分析する実験が、尾道市の県立びんご運動公園で進んでいる。広島県の事業に応募した2グループがそれぞれ、小型無人機ドローンや人工知能(AI)を活用。被害軽減策につながる優れた提案をモデル化し、他の県立公園にも広げる。敷地面積がマツダスタジアム37個分(約87ヘクタール)の同運動公園はイノシシの行動が把握しきれず、侵入防止策も取りにくい。県は2020年度、新技術を使った情報収集や分析、可視化などのアイデアを募集。13件が寄せられ、うち2件を試している。鳥獣被害対策事業に取り組むDMMアグリイノベーション(東京)が代表のグループは、ドローンに加え、物体の動きを検知して自動で記録するトレイルカメラを用いる。餌になるクリやドングリの木の分布やイノシシの夜間の行動を把握し、現地調査も踏まえて活動範囲を特定。効率的に侵入防止柵などを設けた。広島大(東広島市)が代表のグループも、植生と地形データ、出没情報をドローンやトレイルカメラを駆使して収集。地理情報システム(GIS)を使って地図上に表示するほか、出没が多い場所の要因や優先して対策すべき場所をAIの分析によって提案する。実験は、デジタル技術で社会課題の解決などを図る県の事業「ひろしまサンドボックス」の一環。事業費は計約500万円で、3月中旬まで続ける。より成果が見込める1案を選び、21年度以降は検証と改善に取り組む。県都市環境整備課によると、同運動公園の19年度のイノシシ被害額は約2千万円。広範囲で芝生が剥がされ、地面もでこぼこだ。周辺環境が近い県立みよし公園(三次市)、せら県民公園(世羅町)でも被害が相次いでおり、将来は対策を共有する。同課は「取り組みを通じ、美しく使いやすい公園を維持したい」としている。

(ミロク製作所、ライフル用スコープの視界明るく:高知)
猟銃製造で国内大手のミロク傘下企業、ミロク製作所(高知県南国市)は、ライフル用スコープで新機種を開発し全国販売を始めた。スコープのレンズ透過率を95%以上に高め、光を通しやすくすることで視界を明るくし、朝夕の薄暗い環境でもターゲットを的確に捕捉できるようにしたのが特徴。スコープは遠くにあるものを拡大して見ることができる装置で、新機種の本体希望小売価格は税別で6万円。同社は新機種に2つのオプションサービスを用意する。「セラコート塗装」という耐摩耗性や耐衝撃性に優れたコーティング剤を塗装するサービスと、デザインを追求したレーザー加工サービスだ。それぞれのオプション希望小売価格は税別2万5千円。両サービスを施す場合は同4万7千円。

(最大約1880戸が停電、原因はカラスの巣:鹿児島)
5日夜、鹿児島市で停電があり、最大約1880戸が影響を受けたほか、信号機の消えた交差点では警察官が交通整理を行いました。この停電の原因となったのは意外なものでした。九州電力によりますと、4日午後9時10分ごろ、鹿児島市の武、武岡、西田などで停電が発生し、最大約1880戸で電気がつかなくなりました。停電は午後11時すぎにはすべて解消されましたが、信号機が消えた交差点では、警察官らが発電機を使って復旧に努めながら交通整理を行っていました。今回の停電の原因となったのは意外なものでした。それは…カラスの巣です。この写真は4日の夜の停電を引き起こした巣ではありませんが、カラスは巣作りにハンガーを使うことがあり、これが引き金になって停電が起きるケースがこの時期はしばしばあるそうです。今回の場合、ハンガーは混じっていなかったものの、雨で濡れた木の枝が電線同士をつなぐ形でぶら下がりショートしたものとみられています。春先になると繁殖期を迎えたカラスがしばしば電線に巣を作るということで、「九州電力送配電」は電柱の上に鳥の巣を見付けたら最寄りの配電事業所に連絡するよう呼びかけています。

(住宅街にニホンカモシカ出没、麻酔銃で捕獲:静岡)
浜松市中区高丘北の住宅街で5日午前、特別天然記念物に指定されているニホンカモシカ1頭が出没した。市民から通報を受けた市職員や浜松中央署員らが捜索し、同日午後4時ごろ、静岡県職員が、住宅街の畑に追い込んだニホンカモシカを麻酔銃で捕獲した。けが人はいなかった。県によると、体長約1メートル、体重約30キロの雌で、捕獲後に市内の山林に放した。県の担当者は「周囲に山がない住宅街で見つかるのは非常に珍しい」と話す。

(イノシシ目撃急増:新潟)
イノシシの目撃情報や人身被害が新潟県柏崎市で相次いでいる。2020年度は今年1月末時点で目撃237件(人身被害を含む)と、前年度1年間の98件を大きく上回る。個体数の増加が要因とみられる。市などは「餌になりそうなものは放置しないで」などと警戒を呼び掛けている。市によると、猟友会以外の市民がイノシシに襲われて負傷するのは記録が残る10年以降で初めて。今年1月中旬には善根(ぜごん)で男性2人が襲われ、1人が指を切断された。2月上旬には森近で、女性が散歩中に遭遇し、指をかまれた。野生動物の生態に詳しい長岡技術科学大の山本麻希准教授によると、16年頃までは上越市との境界の米山付近での目撃が多かったが、現在は柏崎市全域に広がっている。イノシシは、電気柵のない地域に移動している可能性があるという。目撃急増の原因を山本准教授は「2年続けて少雪だったため、凍死などで冬を越せない子イノシシが減り、個体数が増えたため」と推測する。冬は雪が少なくて生息しやすい場所を求めて山を下るが、今冬は大雪で山に帰れなくなり、民家近くの林などに残留するケースを想定する。また人身被害発生については「雪の壁で帰り道が分からなくなり、パニックになったイノシシが、人を襲ったのではないか」と分析する。実際、2件とも現場の周囲には1メートル以上の積雪があった。オスは鋭い牙があり、人間が太い動脈を傷付けられると致命傷となる場合がある。メスは子どもと一緒にいて気が立っていることが多く、手をかみちぎられることもある。手で首の後ろを守り、体を丸める姿勢を取れば、大けがを防ぐことができるという。山本准教授は「捕獲する対策を早く講じないとイノシシが増え続けて手遅れになる。生息エリアの個体数のデータを取って、計画的に捕獲を進める必要がある」と対策強化を呼び掛ける。柏崎市は市街地に出没する有害鳥獣の捕獲強化に取り組む方針。21年度一般会計当初予算案には農地の電気柵設置事業を盛り込んだ。昨年9月から目撃地点を示した地図を市ホームページで公開しているほか、防災無線で注意を促している。

(雑木林でクマ目撃:秋田)
秋田中央署によると、5日午前7時半ごろ、秋田市新屋町でクマ1頭が目撃された。にかほ市の20代男性が車で国道7号を由利本荘市方向から秋田市方向に走行中、トンネル上の雑木林を西方向に走り去る体長約1メートルのクマを目撃した。目撃場所は秋田商業高校から北約300メートル。現場付近ではパトカーで注意を呼び掛けている。

(イノシシ駆除装置で特許:石川)
輪島市門前町和田の農業、吉田政一さん(74)がイノシシを安全に駆除する装置を製作し特許を取った。鉄製や塩化ビニール製のパイプを組み合わせて電源とつなぎ、おりの中で感電させて駆除する。地元の猟師が従来やっていた方法より効率が良いという。金属製の箱おりの隙間からイノシシに接触するよう二メートルの鉄パイプを通し、おりに触れる場所は通電しにくい塩ビのパイプで保護し固定する。電源はバイクや自動車などの持ち運べるバッテリーで、電圧を大きくできる装置インバーターを使い百ボルトで感電させる。これまでは捕獲したイノシシが身動きできないように角材などをおりに差し込んで追い詰め、電気を流す棒を突き刺して駆除していた。イノシシが動き回り、通電した棒がおりに当たるとショートするなど危険が多かった。地元猟師のイノシシ駆除を手伝っている吉田さん。暴れるイノシシに泥まみれにされ、どうにか安全に処理できないか考えていた。昨年九月に「まさにひらめいた感じ」と装置の仕組みを思い付いた。十月初旬、猟師から捕獲の知らせが入ると、その日の午前中に試作品を完成させた。使ってみると効果は抜群だったという。十月末に特許を出願し十二月十七日に登録された。輪島市ではイノシシの捕獲数が増加傾向で、本年度では二月末までに三千頭を超えている。吉田さんは「特許を取れて、いろんなチャレンジがまだまだできると思えた。獣害で苦労している地域は多いと思うので、広めていきたい」と話した。いずれ販売する予定で、試用希望者には実演に応じる。

(人とクマ、適度な距離を:秋田)
クマによる農作物や人身への被害防止に取り組む県自然保護課の任期付き職員となってもうすぐ1年。「現地に通うことで、地元の人に信頼してもらえたり相談してもらったりできるようになった」と日々の活動を振り返る。県内では2020年度、クマに襲われて9人が死傷した。被害が起きた場所に赴いて原因を調べ、改善策を示す。クマ射殺の現場にも立ち会った。おりに入っていない状態のクマを、警察と協力しながら猟友会の会員が待つ方へと誘導した緊迫感は今も強烈に印象に残っている。 出前講座では、対象年齢や職業ごとに内容を変えながら「家の周りの草を刈ったり家畜の餌を放置したりしないといった日ごろの心がけにより、ばったり遭遇する危険性を減らすことができる」などと呼びかける。

(ニホンジカとの付き合い方は、研究員がオンライン講演会:山梨)
狩猟者の減少や里山の荒廃でニホンジカが急増し、樹皮や幼木が食害にあったり、高山植物が食べ尽くされたりする被害が広がっている。山梨県森林総合研究所の長池卓男・主幹研究員(54)が2月、「ニホンジカとのつきあい方―これまでとこれから―」と題するオンライン講演会で危機を訴えた。「初夏に生まれた雌の子鹿が秋には交尾し、1年後、約7割が出産します」。まず旺盛な繁殖力から紹介した。東北地方や北海道南部でも2010年以降に急増。県内の3大生息地は八ケ岳山麓(さんろく)(北杜市)、奥秩父(山梨市、甲州市)、富士山麓(富士吉田市、富士河口湖町、鳴沢村、山中湖村)だという。カラマツやモミの樹皮が食害や角研ぎではがされ、立ち枯れが起きていることも明らかにした。奥秩父の甲武信ケ岳(こぶしがたけ)周辺の県有林では半数以上のモミに被害が確認された。富士山のシラビソの天然林の追跡調査では、幹の全周の5割以上が食べられると、2年後の生存率は2割だったという。「生き残った木にも腐れが入り、木材としての利用価値がなくなる。大半の幼木が食べられ、将来的に森が維持できない」と話した。南アルプスの北岳山荘周辺では高山植物のシナノキンバイやミヤマシシウドの花畑が消え、山小屋従業員の「約20年前はシカを目撃する機会はなかった。ここ数年、自動撮影装置に頻繁に写る」という声も紹介した。県みどり自然課によると、県内のニホンジカの推定生息数は約5万頭(18年度調査)。県は23年度までに半減させ、その後、適正とされる4700頭まで減らす目標を掲げる。狩猟による駆除数は年間約3千頭にとどまっている。長池さんは「現状の1割に減らす作業は困難」と指摘する。理由として「シカの警戒心が増し、以前のように林道沿いで撃てなくなった」「八ケ岳や富士山麓にある別荘地に避難するシカが増えている」。赤外線カメラ付きドローンで捕獲者に群れの位置を知らせたり、駆除の人材を育成したりする取り組みが必要だと提言した。

(女性猟師2人、美和猟友会に初の仲間入り:山口)
岩国市美和町北部を活動エリアとする美和猟友会(25人)に、初めての女性会員2人が加わった。休日などにメンバーと里山に入り、農作物の食害を与える害獣駆除に一役買っている。地域住民の高齢化で猟師が減る中、貴重な戦力として期待される。

(シカ肉のランチを提供:北海道)
足寄町内の野生肉専門店「やせいのおにくや」(儀間雅真代表)は、生産するシカ肉を使った「鹿ランチ」を企画し、「はたらくものづくり村 かってば」で第1回のランチ会を開いた。町内外から27人が訪れ、本格的なジビエ料理に舌鼓を打った。同店ではハンターが捕獲した野生動物のうち、主にエゾシカの食肉を販売。儀間代表の妻芙沙子さん(34)は「おいしい鹿肉を道民に知ってもらいたい」と話す。

(シカを狩り、さばく料理研究家:大阪)
昨年11月の夕暮れ、大阪府高槻市の山あい。急斜面に枚方市の平岡祐子さん(35)が立っていた。かたわらには高槻市の猟師の大矢隆行さん(57)。2人が仕掛けたわなには、体重50キロほどありそうな若い雄のシカがかかっていた。平岡さんは、身長より長い電気やりを持ってシカににじり寄った。「射程に入ったらあかんで!」と大矢さんの声が飛んだ。シカはわなに脚を取られていても、人間が近づくと激しく威嚇する。油断すれば蹴られて大けがをすることもある。左胸をやりで突いた。大電流が流れてもシカは倒れない。平岡さんが2度、3度と突くと、シカはとうとう動きを止めた。平岡さんは肩で息をしながら、「一発で気絶させることができず、苦しませてしまった」と反省を口にした。大矢さんの家の前でシカをさばいた。内臓に斑点が見つかった。「これはあかんわ」と大矢さん。何らかの病気の疑いがあり、結局、このシカを食用にするのはあきらめた。解体するまでわからないのが、野生動物の難しさだ。平岡さんは自ら「シカ肉料理研究家」と名乗る。枚方市ではシカ肉料理教室を主宰している。ビビンバ、ちらしずし、薬膳スープ。これまで考えたレシピは70を超す。一般社団法人日本ジビエ振興協会(本部・長野県)が主催するジビエ料理コンテストでは2019年、中華料理の棒棒鶏(バンバンジー)をシカ肉で作った「棒棒鹿(バンバンロク)」で最高位の農林水産大臣賞を受賞した。金融機関で働いていた約10年前、体調を壊した。食生活を見直すうち、シカ肉に興味を持った。野生のシカの肉は鉄分が豊富で、脂質が少ない。平岡さんの祖父は猟師だ。16年から、兵庫県で活動する祖父の仲間のグループに加わり、「巻き狩り」と呼ばれるシカ猟を始めた。捕れた肉でいろんな料理を試すうち、味にますます魅了されていった。19年には料理教室を始めた。ただ、シカ肉はほとんど市販されていない。自らが捕り、さばいたシカ肉を教室の生徒のほか、一般の人にも販売するため、保健所で食肉処理業・販売業の許可を取って施設を開くことにした。必要経費400万円のうち122万円はクラウドファンディングで集めた。自宅の一角で今月中のオープンをめざしている。販売量を確保するため、比較的安定してシカが捕獲できるわな猟を学ぶことにし、ベテランの大矢さんに弟子入りした。猟期は11月~3月で、その間は毎週2頭の捕獲を目標にする。猟期以外は、大矢さんら猟師たちから、「有害鳥獣」として捕獲したシカを回してもらうつもりだ。近年、全国各地で野生動物が農作物を食い荒らす被害が増えている。シカの被害は特に多い。環境省によると、2019年度は全国で60万頭を超すシカが捕獲された。10年前のほぼ2倍だ。イノシシなども含め、捕った動物をジビエとして活用するための食肉加工施設も全国で増えた。ただ、野生動物は安定した量と質を確保するのは難しい。解体にも手間がかかる。日本ジビエ振興協会によると、多くの施設が経営的に赤字だという。それでも、平岡さんは自ら施設を開くと決めた。その理由は「おいしさ」だ。より多くの人に伝えたいとの思いは強い。一般にシカ肉は「臭い」「硬い」といったイメージがある。猟師の大矢さんでさえ、「脂(あぶら)がうまいイノシシがわなにかかっているとうれしいけど、シカだと正直がっかりする」と言う。環境省によると、捕獲されたシカの半分以上は山に埋められたり、焼却されたりしているのが現状だ。だが平岡さんは「適切に処理し、調理を工夫すればおいしく食べられる」と断言する。新レシピを考えるたび、夫と3歳の長男に食べてもらうが、2人ともシカ肉が大好物になった。自分が考えた「おいしい食べ方」を普及させることで、人がやむなく捕った「命」の肉が廃棄されることを少しでも減らしたい。これからさらにレシピを増やし、猟の腕も磨こうと、心に決めている。

(ひらど新鮮市場ジビエメンチカツ販売:長崎)
3月6日午前9時~午後2時、平戸市岩の上町のひらど新鮮市場の週末恒例揚げ物イベントで、平戸産イノシシ肉を活用した新メニュー、ジビエメンチカツ(120円)を200個限定販売。

(ジビエの健やかな美味しさを楽しむ:東京)
ここ数年、よく耳にするようになった“ジビエ”。狩猟で捕獲した天然の野生鳥獣の食肉のことで、ヨーロッパでは、領地を持つ王侯貴族のみが楽しめる高級かつ伝統の料理でもあった。自然を自由に駆け巡っていればこその、家畜にはない身の締まりと張り、精悍な肉の旨みがなんといっても持ち味だろう。とはいえ、野生ゆえの獣臭が気になるケースもままある。捕獲後の処理が味の良し悪しを左右するのだ。そこでお勧めしたいのが虎ノ門横丁にオープンした「エレゾゲート」。北海道・十勝の食肉料理人集団「エレゾ」が手がけるビストロだ。社員全員が狩猟免許を持つ料理人というだけに、仕留めた後のケアも万全。写真の蝦夷鹿のステーキにしても、素早く血抜きをしているから、健やかな美味しさが楽しめる。また、自社牧場で育てる放牧豚の旨さも見逃せない。通常は6ヵ月で出荷する豚を、「エレゾ」ではジビエよろしく自然の中に180日も放牧。それゆえ「筋肉質で旨みが濃く、脂も肉質もクリアな味わいの豚になる」とは佐々木章太オーナーシェフ。ランチでは、その豚で作るハムや鹿肉ソーセージなど自家製シャルキュトリも魅力の一つ。ジビエ初心者こそ訪れたい一軒だ。

(コロナ禍にジビエ:高知)
梅の季節ですが、相も変わらず新型コロナウイルスが日々のニュースを埋めています。春が来たのに心はどこか晴れません。高知市中心商店街の一大イベント「大おきゃく」も中止になりました。明るい話題を探していると、県が音頭をとる「よさこいジビエフェア」のガイドブックを見つけました。ジビエとは、狩猟で得た野生鳥獣の肉のことです。ブームは数年前からでしょうか。イノシシのぼたん鍋といった郷土料理はかつてどこにでもありました。横文字のジビエにはどこかおしゃれな雰囲気が漂います。野生鳥獣と呼ぶような獣臭さではなく、ワイン片手の肉料理といったイメージです。高知市内でもイノシシやシカ肉の料理を出す店が増えてきました。ガイドブックは県鳥獣対策課が作製。お役所の部署名は昔ながらですが、ジビエ料理が食べられる45店をセンス良く紹介し、県の鳥獣被害状況なども手堅くまとめています。「ジビエを高知の地場産業に!」「ジビエ料理を通して野生鳥獣を感じる」といった文言は、担当者が本当に好きなんだなあと感じさせます。

(山と共存、命いただく:愛知)
愛知県豊田市の中心部から、車で四十分ほどの山あいの一角。幹線道路から少しそれた場所に、古民家を改装した建物がポツンと立っていた。シカを中心に有害鳥獣として駆除した動物の肉を使ったジビエ料理を出す「山里カフェMui(むい)」だ。周囲に広がる田んぼは、野生動物の侵入を防ぐ柵で囲われている。三年前に店をオープンさせた清水潤子さん(49)は「山里の現状を知ってほしくて、この場所を選んだ」と話す。鹿肉をマイタケなどとバターで炒めたランチメニューの一品は適度なかみ応えがあり、うま味を感じた。よくいわれる臭みは全くない。肉は、市内などの山林で清水さんが駆除し、隣接する処理施設で解体、調理したものだ。店名の「Mui」は「自然のままに」という意味の「無為」から取った。清水さんが有害鳥獣の駆除に関わるようになったきっかけは八年前。カフェを開いた地域の田んぼであった米作り体験に参加した時のことだ。突然、走り出たイノシシを見て、地元の人が漏らした。「田んぼを荒らすイノシシを撃ってくれる人がいたらいいのに」。野生動物に農作物が荒らされ、それが耕作放棄につながっていた。駆除するハンターが高齢化しているとも聞いた。同市によると、昨年の有害鳥獣による農作物被害は約一億円。シカによる被害は、カラス、イノシシに次ぎ三番目に多い。一年後に狩猟免許を取って猟に出るようになったが、駆除した動物の大半がその場で埋められたり、焼却処分されたりしていた。全国で駆除した個体を食肉利用している割合は約一割にすぎない。その値を少しでも引き上げようと奮闘する。「山の恵みをいただきながら、人と自然が共存するには、どうしたらいいかを考えてもらえれば」。

(鹿革のカジュアルシューズ:奈良)
奈良県が平城遷都1300年を迎えた平成22年、県北の大和郡山市で70年にわたり紳士靴を作り続けてきたオリエンタルシューズは、地場産業を盛り上げたいとの思いから自社ブランド「ヤマトイズム」を立ち上げた。企画者の亭良行氏が着目したのは、奈良県の伝統工芸である鹿革だ。「薄く柔らかな鹿革は、水が浸透しやすくデリケートなため、靴にするのは困難といわれていました。しかし、革製品メーカー・藤岡勇吉本店(奈良県宇陀市)のしっとりとした鹿革にすっかり魅了された私は、その鹿革が生み出す履き心地を夢見て、靴製作に挑戦することを決めたのです」(亭氏)。特に難しい縫製は、同社が擁する靴ひと筋の熟練職人が鹿革を手作業で慎重に縫い上げ、スタイリッシュな形に整えられる。さらに、革自体に濡れても傷みにくい加工を施し、鹿革のよさを生かした靴が誕生した。中敷にも鹿革を贅沢に使用し、その吸湿・速乾性で汗蒸れを防止。深みのあるアンティーク調に仕上げた本品は、経年変化で艶が出るのも魅力だ。誰もが惚れ込む極上の履き心地を、ぜひその足で体感してほしい。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、3日午後8時ごろ、利府町菅谷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、5日午後6時ごろ、富谷市明石原川戸付近にクマが出没しました。

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(野生イノシシ2頭の豚熱感染確認:福島)
県は3日、西郷村と白河市で死んだ野生イノシシの豚熱(CSF)感染を確認したと発表した。それぞれの発見地点から半径10キロ圏内に養豚場はあるが、全ての豚のワクチン接種が完了しているため豚の移動制限区域の設定はない。県によると、西郷村で2月20日に1頭、白河市で2月26日に1頭が見つかり、2日に陽性が判明した。県内での野生イノシシの感染確認は計16頭となった。

(野生イノシシの豚熱確認:群馬)
群馬県は25日、桐生市で捕獲された野生イノシシ1頭について、同日の遺伝子検査の結果、豚熱(CSF)感染が確認されたと発表した。県内の感染事例は、計104頭となった。

(シカ死なせた疑いで逮捕:奈良)
奈良市の奈良公園で2月、国の天然記念物のシカを死なせたとして、奈良県警は2日、三重県松阪市久保町のとび職、吉井勇人容疑者(23)を文化財保護法違反の疑いで逮捕し、発表した。「シカと遊んでいたときに車に体当たりしてきて腹が立った」と供述し、容疑を認めているという。県警生活環境課によると吉井容疑者は2月7日ごろ、奈良公園内で雌のシカ1頭(推定11歳)の頭に鋭利で厚みのある刃物をたたきつけて死なせ、天然記念物を失わせた疑いがある。

(保護したオジロワシ、散弾を被弾:北海道)
北海道羅臼町で保護された国の天然記念物オジロワシが、散弾4発を被弾していたことがわかった。近距離から狙って撃たれた可能性が高いといい、専門家は「許されることではない」と批判している。オジロワシは今月13日、羅臼港でおぼれているところを知床財団の職員らに保護された。連絡を受け、野生動物専門の動物病院「猛禽(もうきん)類医学研究所」(釧路市)代表の獣医師、斉藤慶輔さんが応急処置を施した。外傷はなく、X線検査で被弾がわかった。散弾は直径3・25~3・5ミリの水鳥猟用の鉛弾。左の翼、尾の基部、右足の指部から計4発が見つかった。どの傷もすでにふさがっており、被弾からかなり時間が経っているとみられるという。斉藤さんによると、4発も被弾していることから流れ弾の可能性は低いという。弾の有効射程は40~50メートルで、木などから飛び立とうとしたところを下から撃ったとみられる。故意に撃った場合、鳥獣保護管理法などの法令違反に問われる。斉藤さんは絶滅の恐れがある猛禽類の保護に長年携わってきた。1990年代には道内でもワシが撃たれるケースが散見されたが、近年そうした事案はなかったという。今回のワシが撃たれた場所や時期はわからず、繁殖地のロシアなど海外で撃たれた可能性もある。ただ、オジロワシはロシアでも保護動物だ。斉藤さんは「日本、ロシアに関係なく、これは犯罪だ。誰が、何の目的で、ということではなく、(許可なく野生動物を撃つという)そういう意識の人に銃を持たせているということが問題で、恐ろしさを感じた。そういう人を知っていたり、見たりした人は警察などに通報してほしい」と呼びかけている。

(散弾銃射撃場で鉛土壌一部除去:佐賀)
伊万里市大川内町の市営散弾銃射撃場に大量の鉛散弾が放置されている問題で、市は2日、鉛を含んだ土壌の除去を行った。1984年の開設以来初めてで、着弾地帯の一角を市職員と地元住民がスコップですくい取った。深浦弘信市長も参加し「解決に向けて一歩を踏み出した」と述べた。市によると、射撃場には約5万3100平方メートルに推計57トンの鉛散弾が堆積したままになっている。市は2020年10月、鉛の汚染度が高い約3600平方メートルの土壌を、業者に頼んで撤去する方針を決めた。今回の作業は草木が少なく作業がしやすい100平方メートルで実施し、地元関係者による現況把握を主な目的にしている。市職員や地元住民ら二十数人が1時間で土のう袋100袋、約1・5トンの汚染土を回収し、事務所跡に保管した。作業後、深浦市長は「鉛の堆積の状況がよく分かった。少しでも鉛弾を減らせるよう努力したい」と話した。地元の原広さん(59)は「掘っても掘っても鉛の弾が出てきた。除去に多額の費用が掛かることは承知しているが、なるべく早く取り除いてほしい」と望んだ。

(クマ、サルの餌付け禁止)
政府は2日の閣議で、国立公園や国定公園の一部地域でクマやサルなど野生動物への餌付けを禁止する自然公園法改正案を決定した。公園を管理している環境省や都道府県の職員が餌やりを見つけた際にやめるよう指示し、従わない場合は30万円以下の罰金を科す。野生動物の餌付けをめぐっては、北海道の知床国立公園周辺で一部の旅行者らによる餌やりが原因となり、ヒグマが人に接近し過ぎてしまうケースが増加。栃木県日光市などでは人に慣れたサルが店を荒らすといった被害が出たことから、餌付けを禁止する条例が施行されている。

(全国のニホンジカ及びイノシシの個体数推定及び生息分布調査の結果)
環境省では、ニホンジカ及びイノシシの全国的な生息状況の動向を把握するため、統計手法を用いた個体数の推定等を平成25年度より実施しています。また、両種を対象とした生息分布調査を実施し、今般、これらの結果をとりまとめましたので、公表します。

(シカの生息域、40年で2.7倍)
環境省は4日までに、農作物や生態系に深刻な影響を及ぼしているニホンジカの2018年度の生息域が、調査を始めた1978年度に比べ2.7倍に拡大したとの推計結果を発表した。同省は、地球温暖化の影響による積雪量減少や、過疎化による里山の荒廃でシカが人里に近づきやすくなったこと、狩猟者の減少などが背景にあるとみている。生息域は、捕獲した位置情報を都道府県に聞き取るなどして推計している。前回調査の2014年度との比較では1.1倍に拡大。山間部だけでなく、人里近い平野部や海沿いなどでも広くニホンジカの生息が確認された。東北地方や北陸地方、中国地方での拡大が目立った。同時に発表したニホンジカの19年度の生息数は推定189万頭で、14年度の246万頭をピークに5年連続で減少傾向が続いた。同省は23年度までに、11年度比で生息数を半減させる目標を掲げている。

(熟練猟師の技伝授します、若手育成に本腰)
シカやイノシシなど野生鳥獣による農作物や生態系への被害が深刻化していることを受け、環境省は若手ハンターの育成に、2021年度から本腰を入れる。経験豊富なベテランが指導役として狩りの現場に同行し、知識や技術を伝授する制度を数カ所で試行。

(上高地で鹿捕獲、22年度に始める:長野)
環境省中部山岳国立公園管理事務所(松本市)は2日、北アルプス上高地で囲いわななどを使った鹿の試行的捕獲を2022年度に始めると明らかにした。同公園で初の試み。上高地をモデルエリアに設定して鹿の生息密度の管理や、環境保全の技術や方法を分析することで、今後、同公園内の他地域でもノウハウを応用できるようにする狙い。同省によると現在、上高地では鹿による高山植物の食害は顕在化していない。ただ、目撃や足跡などの情報があり、今後の被害が懸念されている。2日にオンラインで開いた同公園野生鳥獣対策連絡協議会で実施計画案を公表。参加者からは「目に付かない所で既に食害が発生している可能性がある」といった意見が出た。21年度は鹿の密度分布調査や周辺の植生のモニタリング調査、わなの仮設置を行う予定。同事務所の森川政人所長は「今はまだ鹿の生息密度は低いが、かなり危機感がある状況。上高地での取り組みが他地域の参考になれば良い」と話した。

(クマ出没に備えて対策強化へ:石川)
ツキノワグマの出没が県内で相次いだことを受けて、石川県は新年度から捕獲用のおりを増設し、猟友会や自治体職員を対象にした研修の回数を増やすなど対策を強化する方針です。石川県内では去年、ツキノワグマの目撃情報などが869件寄せられ、クマに襲われたことによるけが人は15人といずれも過去最多となりました。県は、新年度から、クマの餌となるブナの豊作・凶作の予測について、従来6月と8月の2回行っていたものを、ブナが花をつける時期の4月にも実施して対策の方針に役立てるほか、捕獲用のおりを現在の80基から115基に増設することにしています。また、市街地へのクマの出没を想定して地元の猟友会や市や町の職員を対象に行っていた研修を、これまでの年1回から年5回に増やし捕獲の技能向上を図ることにしています。県は、これらの費用として、来年度の当初予算案に1200万円を計上していて、「クマの出没に早くから備え人的被害を抑えたい」としています。

(農作物鳥獣被害2年ぶり増:新潟)
農林水産省北陸農政局は、2019年度の野生鳥獣による農作物被害状況をまとめた。新潟県の被害額は前年度比4・3%増の2億3756万円で、2年ぶりに増加した。イノシシによる被害の増加が影響した。野生鳥獣による被害額は2000年代初頭の6億円超から減少傾向にあったが、近年は下げ止まっている=グラフ参照=。19年度の被害額の内訳は、イノシシやサルなどの獣類が17・4%増の1億647万円だった一方、カラスやムクドリなど鳥類によるものが4・3%減の1億3109万円となった。生物別ではカラスが最多で6096万円。次はイノシシで5137万円。ムクドリの2928万円、サルの1731万円と続いた。特にイノシシは18年度の3283万円から一気に2千万円近く増加した。北陸農政局によると、イノシシの生息域が近年全国的に広がっており、県内では上中越を中心に、電気柵が整備されていない地域で被害が拡大した。対策として2月15日までの3カ月だった猟期を今年は3月15日まで1カ月延長した。被害面積は前年度比12・0%減の1398ヘクタール。ムクドリ434ヘクタール、カラス419ヘクタール、ヒヨドリ152ヘクタールの順に被害が大きかった。全国の被害金額は0・2%増の158億138万円。被害面積は6・5%減の4万8432ヘクタールだった。

(ツキノワグマ食害頻発、目撃件数も増加:広島)
三次市北部や庄原市高野町の果樹園で昨年、ツキノワグマの食害が頻発した。安芸高田市を含めた広島県北3市で同年4~12月の間に寄せられたツキノワグマの目撃件数は計403件に上り、県に記録が残る2013年度以降でいずれも最多。農作業が本格化する春を前に、農業者は神経をとがらせている。20年4~12月の目撃件数は三次市127件(19年同期比92件増)▽庄原市180件(同107件増)▽安芸高田市96件(同50件増)。3市のうちで唯一、合併前の旧市町村単位で集計する三次市では、作木町50件(同30件増)▽布野町32件(同27件増)▽君田町17件(同14件増)。市北部で目撃が集中した。布野町上布野の観光農園フルーツランドふのでは、昨年10月中旬から約1カ月の間ほぼ毎日、カキとリンゴの枝が折られ、実をもぎ取られる被害が相次いだ。戸田修司代表(67)によると、被害額は50万円に上ったという。山沿いなどクマの侵入経路をふさぐように電気柵や金網を新設し、花火の音で追い払おうとしたが、被害はやまなかった。昨季の営業は、例年より半月早い11月中旬で切り上げた。戸田代表は「電気柵の範囲を広げたいが費用と手間がかかる。昨シーズンの売り上げ減も痛手だ」と頭を悩ませる。また、隣町の作木町のナシ園でも昨年8月に食害があった。リンゴの産地として知られる庄原市高野町。高野町果樹園芸組合(18戸)では、枝が折られる被害が10戸以上に及んだ。同組合の長妻章司組合長(63)=同町下門田=は「農園を父から引き継いで10年近くになるが、枝を折られたのは初めて。5年ほど前から山あいの農園で被害があったが、幹線道路近くにも広がった」と説明する。高野町では昨年8、11月に高齢者がクマに襲われてけがをする被害が2件相次いだ。長妻組合長は「収穫期以外でも畑にいる時間は長い。クマと遭遇しないかという恐怖を感じながら作業をしている」と心境を明かす。

(生え変わりまでの辛抱?エゾシカの対決相手の角が:北海道)
北海道別海町の野付半島で、別の雄ジカの角を絡めたまま下草を食べている雄ジカを、道東を拠点に活動する自然写真家、金杉恵子さんが撮影した。撮影は2月14日。エゾシカの生態に詳しい研究者によると、繁殖期の秋に雄同士で角を突き合わせ、角が外れなくなったようだ。相手が死んで胴体が朽ちて落ちても外れず、残った頭部をつけたまま越冬しているとみられる。インターネット上では昨年暮れごろから、このシカが話題になっていた。100キロ以上ある相手の胴体を長い時間引きずりながら、エサを食べていたと思われる。角が外れず、ともに衰弱死した例があるだけに、研究者は「驚きと、すごい生命力を感じる。人間を含めて外敵が少ない野付だからこそ、生き延びられたのではないか」。金杉さんは「自然の過酷さと壮絶な雄ジカの生き様を感じる。ぶら下げた角はまさに勲章」という。いまの角は春の生え変わりで抜け落ちるので、それまでの辛抱だ。

(市議会、カラスふん害対策:宮城)
石巻市議会2月定例会は3日、環境教育委員会を開いた。市中心部のJR石巻駅周辺でカラスのふん害が多発している問題が取り上げられ、市は「解決策を模索している」と説明した。石巻駅周辺では2月初めから、夕方になると毎日のようにカラスの大群が出現。ふんを落として店舗や住宅前の道路を汚し、住民や事業者を悩ませている。市環境課は「ミヤマガラスという種類で、昼間は田んぼでえさをあさり、夜になるとねぐらに帰ってくる。春になると大陸に渡ると聞いている」と報告。解決策に関しては「パトロールして実態を調査している。カラスが止まる電柱に何かを巻くとか、ビルの屋上に嫌がるものを置くとか、方法を研究していく」と語った。

(クマ侵入エリア、3月1日再開園:宮城)
国営みちのく杜の湖畔公園(宮城県川崎町)は26日、クマの足跡が見つかり、昨年6月から臨時休園していた里山地区を、3月1日に再開園すると発表した。公園管理センターなどによると、昨年7月21日以降はクマの侵入は確認されておらず、その後も川崎町や地元猟友会と侵入対策などを強化した結果、十分に安全が確保できたとして再開園を決めた。

(中山由起枝:最愛の娘の成長と共に歩んできた射撃人生)
中山由起枝は2019年のアジア選手権で3位に入り、柔道の谷亮子氏に並んで5度目のオリンピック出場が内定した。2001年に長女を出産後、子育てと競技を両立しながら成し遂げた。女性アスリートのサポートにも熱心に取り組むママアスリートは、なぜ情熱を燃やし続けられるのか。1979年3月7日に茨城県結城市で誕生した中山由起枝は、クレー射撃で東京五輪代表に内定している。競技生活を始めて23年、これまでに4度のオリンピック出場を経験しているベテランだが、競技との出合いはそれほど早くない。射撃を始めたのは高校卒業後のことで、それまでは埼玉栄高等学校のソフトボール部に所属し、捕手としてプレーしていた。生まれ育った茨城県から越境入学を果たし、3年間寮生活を送りながら、朝から晩まで練習に励む日々を送っている。高校3年次にはインターハイ(全国高等学校総合体育大会)で準優勝を成し遂げ、MVPにも選出された実力の持ち主だ。その後、埼玉県選抜チームに選ばれて国民体育大会に出場した際、現在の所属先である日立建機から思いがけないスカウトを受ける。ソフトボールの話ではなく、同社内に新設されることになったクレー射撃部に関する相談だった。実は1996年当時、アトランタ五輪のクレー射撃で、競技開始から3年ほどで入賞を果たした日本人選手が現れていた。会社の象徴となるようなアスリートを世に送り出したいと考えていた日立建機は、クレー射撃部を創設するにあたって有望な人材を探していたのだった。その話を耳にしたのは当時、日立高崎ソフトボール部で監督を務めていた宇津木妙子氏だ。ソフトボール元日本代表監督は、ソフトボールで優秀な成績を収めていた中山を同部でも欲しがっていたが、「日立グループの発展のため」と新設のクレー射撃部への入部を後押ししてくれたという。ソフトボールで鍛えた動体視力や体幹のぶれなさ等を評価されたうえでのスカウト。突然の勧めに正直戸惑ったが、部活の顧問のアドバイスもあってクレー射撃の道に進むことを決めた。1997年に日立建機に入社後はいきなりイタリアへ一年半の留学を経験する。帰国すると、ワールドカップでも結果を残せるほどに成長していた。2000年、21歳の時に競技開始からわずか2年足らずでシドニー五輪の出場権を獲得。初のオリンピックは予選敗退に終わっている。そして翌2001年に結婚。長女を出産して一度は競技を離れたものの、2003年に復帰を決めた。シングルマザーとなった後も練習を短い時間で切り上げたり、祖父母に面倒を見てもらったりと、周囲のサポートを受けながら育児と競技の両立に奮闘した。大の甘えん坊で、母が出かける際に大粒の涙を流す娘の姿を見るたび心を痛めながらも「中途半端な気持ちで挑んではいけない」と気合を入れていたという。2008年の北京五輪では支えてくれる娘に「強いママ」像を見せたがったが、3位決定戦で敗れ惜しくも表彰台には手が届かず、「いつかこの子の首にメダルをかけてあげたい」と誓った。その気持ちを原動力に突き進んできた中山は、以降もロンドン五輪、リオデジャネイロ五輪と2度のオリンピックに出場している。順天堂大学大学院で学んだ後、2020年3月には同じくクレー射撃で東京五輪に出場予定の大山重隆と結婚した。現在は、一般社団法人MANの理事として他のママアスリートをサポートする活動にも尽力。「子育てをしながら女性としても競技者としても頑張れるという思いを味わってほしい」と話したことがある。出産を経験し、子どもとともに歩んできたアスリートの先駆者としてその苦労を深く知る彼女には、一度きりの人生を諦めてほしくないという、経験者だからこそ語れる思いがある。そして、ママアスリートだからこそ抱ける夢がある。東京五輪で表彰台に立ち、最大の理解者である娘にメダルをプレゼントするために、凛として母は戦い続ける。

(夢は五輪出場、クレー射撃日本一の竹中さん:和歌山)
和歌山県立自然博物館(海南市)の学芸員で、田辺市に住む竹中利明さん(47)は、昨年10月に神奈川県であったクレー射撃の全日本選手権大会トラップ種目で優勝。このほど表彰式があった県スポーツ賞で「スポーツ顕彰」を受賞した。県クレー射撃協会理事長を務め、オリンピック出場を目指して練習に励んでいる。竹中さんは神奈川県出身。2015年の和歌山国体に向けた強化選手として12年に和歌山県に移った。和歌山国体では監督兼選手として県成年チームを団体3位に導いた。18年の福井国体ではトラップで団体3位、19年の茨城国体ではトラップの個人で8位に入賞。選手に専念する今年の三重国体では「悲願」という団体優勝が目標だ。競泳を5歳で始め、大学まで続けた。バタフライで国体や日本選手権に出場したが、大学4年の時に「オリンピックに届く競技がしたい」と、クレー射撃に挑戦。大学院生、大学講師の時も競技を続け、07年の秋田国体では神奈川県代表で出場し、トラップで個人優勝した。競技で最も大切なのは集中力。競泳と射撃では「競技中に集中し、無心になれるところが似ている」といい、現在も週1回はプールで泳いでいる。五輪出場のためには、ワールドカップで優勝するか、世界選手権で上位3人に入る必要がある。休日には大阪府泉南市の射撃場や、田辺市稲成町の田辺射撃場に通って腕を磨く。「年齢は関係ない。ストレス耐性や経験が重要な競技。平常心を意識してますます競技に励みたい」と話す。県立自然博物館ではカメの飼育を担当し、爬虫(はちゅう)類や両生類の生態を専門としている。「他の学芸員に助けてもらっているから競技を続けられる」と、感謝の気持ちを忘れない。

(“駆除の担い手に”狩猟の見学会:兵庫)
兵庫県南あわじ市の山林できのう(28日)、農作物を食い荒らすシカやイノシシなどを駆除するハンターの仕事の見学会が開かれました。この見学会は南あわじ市が、害獣を駆除するハンターの担い手不足を解消しようと、地元の猟友会と開き、学生らおよそ10人が参加しました。見学会では、山中に放たれた猟犬が銃を構えるハンターの元へ獲物を追い込む、「グループ猟」が行われました。ハンターは、猟犬に追われたイノシシやシカがやって来ると、銃を撃って次々と仕留めていきました。参加した19歳の男子大学生は、「間近で見られて勉強になりました。今後に生かしたいです」と話していました。兵庫県猟友会三原支部の有賀正修さんは、「動物による農業被害を減らすことに少しでも貢献できたらと思い、活動しています。この経験をとおし、若い人たちにも猟に挑戦してもらえればうれしいです」と話していました。

(鳥獣害防げ、担い手研修:富山)
新川地域鳥獣被害対策協議会は二日、黒部市の県新川農林振興センター黒部庁舎で初の有害鳥獣捕獲対策基礎研修を実施した。有害鳥獣捕獲の強化を図り、次世代の捕獲の担い手を育成するのが狙い。魚津、滑川、黒部、入善、朝日の五市町の鳥獣被害対策担当者や農業従事者ら二十五人が参加した。県自然保護課の麦島啓央技師が鳥獣被害の現状と捕獲に必要な資格、技術について説明した。狩猟歴五十年以上のベテランハンターで県鳥獣保護管理協力員の寺田正義さん(81)=朝日町横尾=が、箱わなを使ったイノシシ捕獲のポイントを自らの体験を交えて語った。箱わなの実演もあった。寺田さんが実際に朝日町で使用されている小型のおり(高さ・幅約一メートル、奥行き約二メートル)を使い、仕掛けの際の注意点や安全対策などを解説。「一度わなから逃げたイノシシは悪賢くなり、わなに掛かりにくくなる。全体に影響が出る」と慎重な行動を呼び掛けた。

(第3回獣がいフォーラム)
どうする?獣害対策、どうする?集落の維持、このフォーラムでは地域を元気にする地域に与える負の影響から「獣害」と表記されることが一般的ですが、本来、野生動物は豊かな里地里山の構成員であり地域の魅力の一つです。また、人口減少・高齢化社会が迫る現在、確実な手法で「害」を軽減するとともに、地域を活性化していく新たな対策が必要です。このフォーラムでは、参加者と共に、魅力ある地域を守るために、被害を受ける当事者だけでなく地域内外の多様な関係者が協力できる仕組みをつくり、野生動物を地域にとってプラスの存在に変えていく対策(獣がい対策)を考えます。新しい「獣がい」対策の可能性を検討します!

(自然を救え、移住者夫婦がシカ捕獲:静岡)
各地で野生のシカによる食害が問題となる中、農作物だけでなく、山中の植生も傷つけられていることに心を痛めた夫婦が、「天城の自然を救え」と立ち上がった。シカを捕獲するNPOを設立し、シカ肉の処理加工会社も作って販売。ソーシャルビジネスとしての可能性も見えてきた。取り組みを始めたのは、静岡県伊東市池の菊田淳一さん(62)美奈子さん(64)夫婦。東京生まれ、東京育ちの2人が田舎暮らしにあこがれて移住したのは10年前。別荘地内で見かけるシカは、当初、ほほ笑ましい存在だった。だが、シカ柵をめぐらせた自宅の敷地内こそ、それなりの自然が楽しめたが、一歩出れば楽しみにしていた山野草を見かけることはほとんどない。木々も大木を除けば、とげや毒のある木ばかりが目立つ。天城山系には太平洋側では貴重なブナの自然林が広がるが、実生の幼木は食べ尽くされ、老木が倒れても空き地となったままだ。天城のシカ害に詳しい県農林技術研究所森林・林業研究センターの大場孝裕上席研究員によると、伊豆半島でシカ害が目に見えて増えだしたのは20年ほど前。ブナ林では下草のササ類がほぼ消失し、表土の流出も起きているという。「伊豆は気候が温暖で、シカの生息密度が他地域と比べて高い。ブナ林がすぐになくなることはないにしても、長期的影響は避けられない」夫婦が暮らす標高1千メートル前後の地域は集落から遠く、有害鳥獣の駆除に人があまり入らない。「頼れるところがないなら自分たちで」。思い立ったのは美奈子さんだった。狩猟経験はなかったが、思いを同じくした住民3人で狩猟免許を取得。地元の猟師から実践的指導も受けた。捕獲したシカはとどめを刺す「止め刺し」をしなければならない。初心者にはハードルが高いが、「自然を守りたいという気持ちが勝った」と克服した。始めてみると課題も見えてきた。わなを仕掛けると、毎日、山中の見回りをしなければならない。まったくの無報酬では持続させるのが難しかった。目をつけたのが、捕獲が比較的困難な奥山の区域を決めて県から一定頭数の捕獲を請け負う管理捕獲事業だ。5年前、NPOの「天城の森フォレスターズ倶楽部」を立ち上げ、管理捕獲事業者としての資格を取った。日当が払えるようになり、携わってくれる人が増えた。現在は伊東市から派遣された地域おこし協力隊員を含めて9人で年間200頭ほどを捕る。県の制度では、処分は事業者に任されているが、土に埋めることも少なくない。会社を作って処理施設を整備したのは、「命を大切にしたい」という思いからだ。製品の生肉やソーセージの主な売り先は、伊豆地域のホテルやレストランだ。淳一さんは「自分たちで捕ったシカなので、いつ、どこで捕ったシカかトレーサビリティー(履歴管理)がしっかりしているのが強み。ホテルなどは、地元の食材を売り物にしたいという希望があり、需要は多い」と話す。もう一つの目標は森林再生だ。シカ害が減った森に実生の広葉樹を育て、将来的にバイオマス燃料として循環させる。SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みで、まきボイラーやまきストーブに関心を示す企業や人が増えており、伊豆のようなリゾート地こそ可能性があると見込む。「春から秋はシカの捕獲、冬は林業と年間を通して山を雇用の場にできれば、移住する人も増えて地域も活性化する。そんなモデルをつくりたい」。移住前には思いもよらなかった夢が膨らんでいる。

(厄介鳥獣を地産地消の特産品に:新潟)
生息域拡大で近年多発する鳥獣被害。新潟では2020年度のイノシシによる人身被害が過去最多を更新した。一方で増え始めた野生鳥獣をおいしく活用する動きも広まる。新潟県十日町市にある「雪国Base」もその1つ。地元猟友会からイノシシやシカを買い取り、加工して県内の飲食店や土産物店に販売する。JR浦佐駅からタクシーで20分。豪雪地帯の十日町市で野生鳥獣の解体と加工を手掛ける雪国Baseがある。もともとは民宿でジビエ料理を提供するため17年に建設した施設。水も電気もなかった倉庫を約1000万円かけて改修した。代表の高橋美佐子さんは「海沿いの民宿が地元漁港の魚を使うように、地元のジビエが目玉料理の民宿を実現したかった」と振り返る。15年度で1300頭ほどだった新潟でのイノシシの捕獲頭数は19年度は約3000頭と近年増加している。ただ、肝心の解体所は県内で数カ所しかなく、商品化の体制整備が急務だった。イノシシやシカの生息域は新潟で広がっており、農作物被害などの問題が表面化している。処理施設の構想はこうした厄介者を有効活用できるとして、十日町市のビジネスコンテストで最優秀賞を受賞した。地元住人から持ち込まれる頭数も年々増え、現在は雪国Baseで年間50頭ほどの野生鳥獣を食べられるように加工する。高橋さんは当初、地元民宿だけでなく、東京のホテルや食品卸会社で働いた経験をいかし首都圏の飲食店にも卸していた。ただ、新潟の飲食店でジビエ料理の提供が広まるにつれ、現在は8割超を新潟県内向けに販売するようになった。ところが新型コロナウイルスで外食需要が急減。持ち込まれる野生鳥獣が増える一方で売り先の需要が低迷した。そこで始めたのが内山肉店(新潟県南魚沼市)との商品開発だ。内山肉店はドイツ食肉連盟主催のコンテストで金賞を受賞した精肉加工の実力派。20年から雪国Baseのジビエをハムやソーセージに加工するようになった。野生鳥獣は家畜に比べ細菌が多いとされ、加工前後の機械や処理場の殺菌が必須だ。「家畜に比べて加工の手間がかかるが、同じ地域に住む仲間。なんとか協力したかった」と同社の内山治彦社長は話す。これら地元のジビエを活用した加工品は新たな需要先を発掘し、今は近隣の土産物店に並んでいる。新潟で増える野生鳥獣。有効活用するには販売先の開拓もかかせない。21年度は飲食店やお土産店だけでなく、家庭向けのEC(電子商取引)サイトの開設を検討中だ。民宿との両輪で、新潟のジビエを拡販する。

(鳥獣被害対策の講習会、猟友会など70人:兵庫)
丹波篠山市主催の「市鳥獣被害対策実施隊員」向けマナーアップ講習会が2月28日、同市網掛の「四季の森生涯学習センター」で開かれた。有害鳥獣捕獲活動に従事する同市猟友会(酒井克典会長)の関係者ら約70人が参加した。

(ベテランハンターと里山の魅力探す:長野)
ベテランハンターと実際に狩りに出て里山を一緒に歩くイベントが27日安曇野市で行われた。今年で4回目のイベントは安曇野市や猟友会などが里山の魅力を再発見してもらうために企画。15人が参加した。

(イノシシ対策に役立てて、JAが対策団体に罠寄贈:神奈川)
二子山山系に生息するイノシシの対策に役立ててもらおうと、JAよこすか葉山(龍崎智代表理事組合長)が、葉山町鳥獣対策協議会にくくり罠30基を寄贈した。二子山山系では2013年ごろからイノシシの姿が見られるようになり、15年に協議会を設置された。山梨崇仁町長をトップに、よこすか葉山農業協同組合、葉山町農業委員会、葉山わな猟の会で構成され、町の計画に沿って電気柵の設置や箱罠、くくり罠を仕掛けイノシシ等を駆除。農作物の被害軽減や人的被害の未然防止のために活動している。このエリアは温暖な気候で餌も豊富にあり、成長や繁殖スピードが早いのが特徴だという。今月2日には寄贈式が行われた。龍崎組合長は「大変な御苦労だと思う。対策に役立てていただけたら」と話し、葉山わな猟の会の石井喜三郎会長は「1度かかった罠は再利用できず、3年ごとに交換するのでありがたい」と語った。

(捕獲イノシシ、効率処理:石川)
輪島市横地町に、捕獲したイノシシを処理する市有害鳥獣処理施設が完成した。4日、地元住民向けの見学会が開かれ、市職員がおがくずを使ってイノシシを発酵分解する機械について説明した。施設は委託を受けた県猟友会輪島支部が管理し、8日に開所する。処理作業の負担軽減が期待され、駆除頭数の維持を図りたい考えだ。処理に使う機械は、酸素が十分にある状態で微生物が有機物を分解する仕組みを使い、イノシシ約三百キロを七~九日間で骨のみにする。三台を導入し、年間最大千四百頭の処理能力を見込む。一時保管する冷蔵庫も併設する。市農林水産課によると、これまでは捕獲したイノシシを埋設しており、労力がかかることから猟友会が施設整備を求めていた。昨年六月に着工し、今年二月二十六日に完成。能登森林組合のくい加工施設だった建物をもらい受けて改修し、事業費は一億四千三百八十万円。同市でイノシシによる獣害が確認されたのは近年で、有害鳥獣として捕獲報償金の制度が設けられたのが二〇一四年度。初年度十六頭だった捕獲数は大幅な増加傾向を見せ、二〇年度は二月末で三千頭を超え過去最多となった。増加の明確な理由は分かっていないが、里山の管理が放棄されイノシシがすみ着きやすくなった可能性があるという。捕獲数が増える一方、市が把握する主に稲など農作物への被害額は一八年度の千八百七十九万円をピークに一九年度三百七十五万円、二〇年度(二月末現在)百九十万円と減少。市は施設の供用で捕獲頭数の維持につなげたいとしている。見学会では施設内の冷蔵庫の内部や搬入方法、機械の静音性などを確認した。猟友会員の山口照雄さん(71)=打越町=は「耕作放棄地などに穴を掘って埋めるには重機が必要だった。効率よく処理できるようになったらいい」と歓迎した。

(里の恵み味わう缶詰、交流施設が開発:兵庫)
兵庫県丹波篠山市福住の交流施設「SHUKUBA(しゅくば)」が、初のオリジナル商品として缶詰「福の宝」を開発し、3日から販売を始める。地元産のシイタケや鹿肉を使ったオイル煮で、こだわりの製法と味付けでうま味を封じ込めた。同施設理事の長井薫さん(28)は「丹波篠山の里の恵みを存分に味わえるので、手土産などにしてほしい」とPRしている。同施設は地域起こしの一環で、旧福住小学校を改装して設立。地元の有志らでつくる「NPO法人SHUKUBA」が運営、イベントなどを手掛けている。かつての調理室を改装した食品加工所では、市内外の農家や飲食店から委託を受けて、3人のスタッフが食品加工に取り組んでいる。缶詰は、「福住を訪れる観光客らのお土産になれば」と企画。これまでに外部からの受託で培った調理スキルを生かし、地元産食材を使った商品に仕上げた。販売するのは、山鹿のオイル煮とシイタケのオイル煮、ピリ辛シイタケのオイル煮の3種類。鹿肉は、福住地区などで狩りをする猟師から提供を受けた肉を使い、塩漬けなどをしてからオイルで煮込んだ。みそやしょうゆでの味付けも試したが、臭みの無い鹿肉の味を生かすため、塩や昆布でうま味を引き出すことにしたという。一方、シイタケは「多紀椎茸(しいたけ)」(同市川原)から小ぶりなものを買い取り、塩こうじで加工。唐辛子を使ったピリ辛な味付けは「おつまみにぴったり」という。長井さんは「どれも素材のおいしさを生かせるよう工夫した。食べ応えがあるので、ご飯のお供としても楽しめる」とし、「今後はシリーズとしてさらに展開していきたい」と話している。

(夏場のイノシシ肉生かしソース3種:島根)
イノシシ特産化に取り組む合同会社「弐(に)百円」(島根県松江市西川津町)が需要の乏しい夏場のイノシシ肉を生かしたソース「亥國之味(いこくのあじ)」を商品化した。松江市内でイノシシを捕獲し食品製造を手掛ける中で、脂の乗った冬場のイノシシ肉と比べ利用されず廃棄されることが多い実態を垣間見て発案した。夏場のイノシシ肉の価値が見直され、活用が進みそうだ。同社は、松江市地域おこし協力隊員だった大阪府出身の佐藤朋也さん(44)、浜田市出身の森脇香奈江さん(39)が2018年に設立した。2人は狩猟免許を取得し、松江市八雲町の生産組合とイノシシ肉を使ったフランクフルトなどを商品化してきた。事業を続けるうちに気付いたのが、夏場のイノシシ肉は需要が乏しく、猟師が捕獲しても大半を山中に埋めて廃棄せざるを得ない現状だった。そこで、1年ほど前から活用を検討。自宅で気軽に味わえるレトルト食品への加工を発案した。中華料理・ぱぱ厨房(松江市末次本町、細木育郎代表)、イタリア料理・ALSOLE(同市伊勢宮町、小田川浩士オーナー)、フランス料理・せるぽわ(同所、山根晃一オーナー)の3店に協力を依頼。麻婆(マーボー)ソースにラグーソース、ブイヨンスープの3種類が出来上がった。いずれも1296円で3店のほか弐百円のサイトでも販売している。細木代表は「牛、豚肉のようにイノシシ肉が日常的に食べられるようになってもらいたい」と話す。食材としての価値を広め、狩猟者への還元や経済活性化にも一役買うよう期待する。弐百円の佐藤さんは「今後は韓国やスペインなど、他国の料理も検討したい」と展望を描き「1頭でも埋めないで済むよう、おいしい食材として認知していきたい」と腕をまくる。

(子どもたちが『鹿肉カレー』に舌鼓:長野)
子どもたちが「ジビエ」に舌鼓です。ジビエの特産化を目指す長野市。25日、市内の小学校の給食に鹿肉カレーが提供されました。松代小学校の給食の時間です。25日のメニューは、子どもたちの大好きなカレー。いつものお肉とはちょっと違うようですが…実は「鹿肉」カレーです。長野市の西山地区ではおととし、加工センターができるなど、ジビエを新たな特産にしようという動きが広がっています。市内の子どもたちにも親しんでもらおうと、市は去年から、ジビエを使った給食を提供しています。ほとんどの子どもたちが鹿肉は初めてでしたが、好評だったようです。

(イノシシ肉でレトルトカレー:富山)
氷見高農業科学科の3年生がイノシシ肉を使ったレトルトカレーを作った。将来の商品化をにらんだ試みで、食品加工の加越産業(氷見市)がレトルト化で協力した。カレー販売店「ひみつカレー」(同市)の助言を受けてスパイスを調合し、独自のレシピを完成させた。26日に同校で試食会が開かれ、生徒は「肉が軟らかくなり、コクのある味に仕上がった」と満足げだった。氷見市はイノシシの農業被害が深刻な問題で、市内の捕獲数は県内有数となっている。一方でイノシシの活用は進んでおらず、氷見高が5年前から加工品の研究に取り組んできた。2018年度からは名城大と共同研究で軟らかくし、カレーの缶詰を試作してきた。今年度、カレーを作ったのは食品製造専攻の川堰(かわせき)誠司さんと林翔也さんで、昨年4月から課題研究の時間に取り組んだ。ターメリックやチリペッパー、コリアンダーの香辛料3種のほか、ニンニクやショウガ、タマネギ、トマトなどとイノシシ肉を炒めてカレールーを作った。カレー作りは2人とも初めてで、辛くなりすぎたり、タマネギを焦がしたりしたこともあったが、7回の試作を重ね、12月にほどよい辛さのルーに仕上げた。同校ではイノシシ肉の加工品研究を新年度も継続する。

(「厄介者」イノシシ有効活用、ジビエ料理に:茨城)
農作物を食い荒らす「厄介者」のイノシシを有効活用し、茨城県特産の「ジビエ(野生鳥獣肉)料理」として普及させたい-。県議会の常井洋治議長と石井邦一副議長がこう提案し、県と共同でプロジェクトを進めている。県によると、昨年1年間に県内で捕獲されたイノシシは約1万1400頭に上るが、食用として出荷されたのはわずか約10頭。商品としての消費はほぼない。農作物被害を解消しながら、新たな特産品創出につなげようと、捕獲イノシシの活用へ体制整備を模索する。県内では、イノシシ肉処理加工施設として唯一、「朝日里山学校」(石岡市)が稼働するが、他市町村に加工施設はなく、捕獲イノシシ1万頭以上がそのまま処分されている。地元の猟友会が運営する朝日里山学校の施設でも、昨年度に市内で捕獲された約千頭のうち、出荷は地元の「しし鍋会」会員店舗への約10頭のみ。猟友会が自家消費したものもあるが、それ以外は処分されている。県内では福島第1原発事故の影響で出荷制限が続いているが、検査で放射性セシウムが1キログラム当たり100ベクレルを下回れば出荷が認められている。県によると、県内のイノシシで基準値を超えたのは2016年の1頭が最後。ただ、出荷可能でも需要が低いままで、出荷につながっていない。一方、隣の栃木県では先進的な取り組みが進む。那珂川町は2009年からイノシシ肉処理加工施設を稼働させ、販売につなげる“出口戦略”にも力を入れ実績を上げている。八溝山系地域で捕れた「八溝ししまる」として特産ブランド化。町内の飲食店でシシ丼やシシそばなどとして提供し、全国各地のジビエ料理を提供するフレンチレストランなどにも出荷する。同施設の19年度の売り上げは約1630万円。同町と近隣5市町から捕獲イノシシ444頭が搬入され、そのほとんどの423頭が検査を通過して出荷された。ばら肉や肩ロースなどの上質な部位以外もジャーキーに加工するなど、余すところなく活用する。先進事例に学ぼうと、先月24日、常井議長と石井副議長は県担当者とともに、同施設を視察した。放射線測定器や冷凍車を見た後、解体から加工まで行う作業場を見学。捕獲後の迅速な血抜きや搬送、解体、加工と無駄のない流れの作業工程について、施設担当者から説明を受けた。視察後は、イノシシ肉を使ったシチューやメンチカツを試食。常井議長は「茨城では捕獲したほとんどを処分している状況でもったいない。うまく処理すれば臭みも全くなくおいしい。シシ鍋としてだけでなく、那珂川町のように活用したい」と話した。県は、市町村による新たな処理加工施設整備を視野に、本年度中に市町村にアンケートを実施する予定。県自然環境課の担当者は「施設整備の意向や、販売につなげる出口戦略なども含めてご意見を聞き、手を上げた市町村とともに勉強しながら一緒に良い形を作っていきたい」と話す。構想が実現すれば、農作物の被害軽減に加え、県産品化による地域活性化、狩猟者の収入増による捕獲意欲向上も期待できる。常井議長の地元笠間市、石井副議長の地元大子町でも、ともに年間千頭以上のイノシシが農産物被害の駆除を目的に捕獲されているという。石井副議長は「一石三鳥になる。『困った』を『良かった』に変える仕組み作りをしたい」と意気込む。

(国産鹿肉のドッグフードが登場:大阪)
大学などと企業などをつなぐリレーションカンパニーのティジー・テック(大阪府東大阪市)は、野生の鹿肉の有効利用による害獣被害の低減と地域経済の活性化に着目し、犬の健康寿命に貢献する最高品質総合栄養食品のドッグフード「鹿+(SHIKATO)」の販売を開始しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、3日午前6時ごろ、仙台市太白区佐保山にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
利府町によると、1日午後5時50分ごろ、利府町菅谷館の県道沿いにクマが出没しました。

(ジビエから考える「ベターミート」とは何か?)
ヴィーガン、ベジタリアンという言葉が浸透しつつあり、世界で菜食主義者が増加傾向にある。世界的な調査会社ニールセンによると、アメリカでは、2017年に植物由来の製品が前年比20%の伸びを記録し33億ドルの市場になったという。その背景の一つとして、肉の消費による環境負荷が高いということが挙げられる。しかし、農業革命が起き、定住が始まる以前から人間は狩猟や漁業をして動物から命をいただいてきた。長い歴史の中で、肉や魚は人々の食文化の中に根付いており、食の世界をより奥深いものにすることにも貢献してきたのだ。こうした背景から、現代の食生活に浸透している肉や魚を今すぐ完全に生活と切り離すことは難しい人もいるだろう。そこで今回ご紹介するのが、「ベターミート」という新しい概念だ。ベターミートの明確な定義はないが、美味しさだけではなく、食品安全や家畜の健康(家畜衛生)、快適な飼育環境への配慮(アニマルウェルフェア)、労働者の安全対策、環境保全にも配慮されて畜産された肉のことを指す。そのうちの一つに、「ジビエ」がある。本記事では、持続可能な食の選択という視点から「ベターミート」について考えるため、愛媛の松野町にある野生鳥獣の解体処理場「森の息吹」にお邪魔し、鹿や猪などを食肉として加工している森下さんにお話を伺った。農林水産省の調査によると、2015年の鳥獣による農作物被害金額は約176億円。特に森林が広がる地域では鹿や猪が山から降りてきて、柚子の新芽を食べたり、果物をとっていったりするなど、農家に及ぼす被害が深刻な問題となっている。このような被害対策として捕獲された野生鳥獣はこれまで、埋却や焼却により9割が廃棄処分されていた。しかし、こうした人間によって命が廃棄されてしまっている状況に違和感を覚え、「山の命を美味しくいただこう」という人々の考えが今、広がってきている。「森の息吹」は、野生鳥獣による農作物被害が特に深刻だった愛媛県松野町に7年前、町の施設として設立された。ここでは猟師さんが捕獲した野生鳥獣を解体処理し、食肉として加工してレストランや地元の道の駅などに卸している。森下さんは「設立当初は、町の住民から野生鳥獣による被害があったと電話がかかってきて、被害対策の相談にのったり、ハンターに電話をして対処してもらったりしていました。しかし施設ができた現在は、そうした被害は以前に比べて少なくなってきています。」と、語る。一方で、「森の息吹」に運ばれてきた野生鳥獣でも、状態の悪いものは解体処理しないこともあるという。捕獲され運ばれてきた野生鳥獣のうち、食肉として加工できるのはわずか40%ほどだと、森下さんは話す。「現在、松野町周辺で猟師さんが捕獲して当施設に運んでくる野生鳥獣の数は年間約1000頭です。そのうち約400頭を解体し、食肉として加工処理しています。食肉にならないものは産業廃棄物として山に埋められています」。また、一頭のうち、食肉として加工できる部分は全体の35%ほどだという。頭、脳味噌はセルベルと言って食べられる部分ではあるが、処理コストが高く市場の価格が見合わないという理由で、廃棄せざるを得ないという現状もある。また、他にも安全面や衛生管理上の問題で食用にできない肉もあるという。「日本では野生鳥獣を解体するためのかなり厳密なガイドラインがあってほとんどの解体処理施設でそうしたガイドラインを守って処理しています。ガイドラインには約100の項目があり、一つでも項目に引っかかってしまうと、食用として出すことはできません。」日本ではほとんどの解体処理場で、このような細かいガイドラインが定められており、ジビエ肉はその基準に従って処理されている。やはり食べる上では安全性の担保は第一である。その安全性のチェックが解体場での仕事の肝になり、美味しいジビエを提供するための鍵となる。「森の息吹では一つ一つの工程に対してはかなり厳しいチェックをしています。食肉加工処理施設として、解体中はもちろん、真空パックする前、した後、冷凍、全てにおいて最大限気を付けていて『この肉は市場に出しても良い』『この肉はだめだ』という違和感を、捌く人間が養えるかどうかが大切です。現場を通すときの線引きが一番重要な仕事なのです。自分たちはあくまでも肉屋でしかないので、肉屋として、肉屋のやることを全力でやる。良いものを出し続けることを一番意識して仕事しています」。このような日本独自の厳しい基準があることで、日本のジビエは海外のものに比べても、高い品質を保つことが可能になるのだ。ジビエは元々捨てられてしまっていたことを考えると、カーボンフットプリントが高い牛肉や豚肉などの畜産肉に比べて環境負荷は低い。今後ジビエは、食の多様性を考えていく上で選択肢の一つとなっていくと考えられる。しかし現在はまだ供給量をコントロールしやすい牛や豚、鶏といった畜産肉がスーパーのお肉コーナーの陳列棚の大部分を占めており、鹿肉や猪肉といった野生肉は市場ではほとんど見かけない。鹿肉や猪肉は消費者には馴染みが薄く、まだまだ国内での認知が低いことが課題だと、森下さんは言う。「未だジビエ肉に対して負のイメージを持たれている方が多いのだと思います。しかしジビエは栄養価も高く特に鹿肉は、高タンパク、低脂肪、鉄分豊富で健康面においても非常に優秀なお肉です。また味も美味しくあっさりして食べやすい。そうしたジビエならではの良さがもっともっと広がってくれればいいですね」。また、最近では特にレストランシェフたちの関心の高まりもあり、少しずつジビエが注目されつつある。森の息吹では、全国の85店舗ものレストランにジビエを卸している。その中でも「無駄な殺生にせずに命を敬い、責任を持っていただきたい」という想いでレストランをオープンしたいと問い合わせをしてきた地元のレストランもあったという。「ジビエを取り扱っているレストランやホテルには素晴らしい料理が多くあります。たくさんの方に食べて頂いて魅力を知っていただきたい。我々は肉屋として丁寧に解体し、良いものをより良いものにしてジビエの価値を高めていく事にこれからも尽力したいです」。肉屋として美味しい肉を出す職人としての森下さんは、「鹿肉をより普及させたい」という想いがある一方で、自然界への人間の介入に対する疑念という、相反するもう一つの考えも同時に抱いているという。「鳥獣被害の対策は、狩猟や網などのハード面の対策よりも、ソフト面が大切だと思うんです。たとえば、町に生ごみを捨てていると、山の動物たちも、町に餌があることを覚えてしまいます。ここにきても何もないという環境づくりさえすれば、動物は町に降りてこないですよね。そうした町の人たちの意識も変えていくべきだと思います」。ヴィーガン、ベジタリアンという言葉が浸透しつつあり、世界で菜食主義者が増加傾向にある。世界的な調査会社ニールセンによると、アメリカでは、2017年に植物由来の製品が前年比20%の伸びを記録し33億ドルの市場になったという。その背景の一つとして、肉の消費による環境負荷が高いということが挙げられる。しかし、農業革命が起き、定住が始まる以前から人間は狩猟や漁業をして動物から命をいただいてきた。長い歴史の中で、肉や魚は人々の食文化の中に根付いており、食の世界をより奥深いものにすることにも貢献してきたのだ。こうした背景から、現代の食生活に浸透している肉や魚を今すぐ完全に生活と切り離すことは難しい人もいるだろう。そこで今回ご紹介するのが、「ベターミート」という新しい概念だ。ベターミートの明確な定義はないが、美味しさだけではなく、食品安全や家畜の健康(家畜衛生)、快適な飼育環境への配慮(アニマルウェルフェア)、労働者の安全対策、環境保全にも配慮されて畜産された肉のことを指す。そのうちの一つに、「ジビエ」がある。本記事では、持続可能な食の選択という視点から「ベターミート」について考えるため、愛媛の松野町にある野生鳥獣の解体処理場「森の息吹」にお邪魔し、鹿や猪などを食肉として加工している森下さんにお話を伺った。農林水産省の調査によると、2015年の鳥獣による農作物被害金額は約176億円。特に森林が広がる地域では鹿や猪が山から降りてきて、柚子の新芽を食べたり、果物をとっていったりするなど、農家に及ぼす被害が深刻な問題となっている。このような被害対策として捕獲された野生鳥獣はこれまで、埋却や焼却により9割が廃棄処分されていた。しかし、こうした人間によって命が廃棄されてしまっている状況に違和感を覚え、「山の命を美味しくいただこう」という人々の考えが今、広がってきている。「森の息吹」は、野生鳥獣による農作物被害が特に深刻だった愛媛県松野町に7年前、町の施設として設立された。ここでは猟師さんが捕獲した野生鳥獣を解体処理し、食肉として加工してレストランや地元の道の駅などに卸している。森下さんは「設立当初は、町の住民から野生鳥獣による被害があったと電話がかかってきて、被害対策の相談にのったり、ハンターに電話をして対処してもらったりしていました。しかし施設ができた現在は、そうした被害は以前に比べて少なくなってきています。」と、語る。一方で、「森の息吹」に運ばれてきた野生鳥獣でも、状態の悪いものは解体処理しないこともあるという。捕獲され運ばれてきた野生鳥獣のうち、食肉として加工できるのはわずか40%ほどだと、森下さんは話す。「現在、松野町周辺で猟師さんが捕獲して当施設に運んでくる野生鳥獣の数は年間約1000頭です。そのうち約400頭を解体し、食肉として加工処理しています。食肉にならないものは産業廃棄物として山に埋められています。」また、一頭のうち、食肉として加工できる部分は全体の35%ほどだという。頭、脳味噌はセルベルと言って食べられる部分ではあるが、処理コストが高く市場の価格が見合わないという理由で、廃棄せざるを得ないという現状もある。また、他にも安全面や衛生管理上の問題で食用にできない肉もあるという。「日本では野生鳥獣を解体するためのかなり厳密なガイドラインがあってほとんどの解体処理施設でそうしたガイドラインを守って処理しています。ガイドラインには約100の項目があり、一つでも項目に引っかかってしまうと、食用として出すことはできません。」日本ではほとんどの解体処理場で、このような細かいガイドラインが定められており、ジビエ肉はその基準に従って処理されている。やはり食べる上では安全性の担保は第一である。その安全性のチェックが解体場での仕事の肝になり、美味しいジビエを提供するための鍵となる。解体処理のガイドライン、毎回このチェックシートを基準に処理している。「森の息吹では一つ一つの工程に対してはかなり厳しいチェックをしています。食肉加工処理施設として、解体中はもちろん、真空パックする前、した後、冷凍、全てにおいて最大限気を付けていて『この肉は市場に出しても良い』『この肉はだめだ』という違和感を、捌く人間が養えるかどうかが大切です。現場を通すときの線引きが一番重要な仕事なのです。自分たちはあくまでも肉屋でしかないので、肉屋として、肉屋のやることを全力でやる。良いものを出し続けることを一番意識して仕事しています。」このような日本独自の厳しい基準があることで、日本のジビエは海外のものに比べても、高い品質を保つことが可能になるのだ。ジビエは元々捨てられてしまっていたことを考えると、カーボンフットプリントが高い牛肉や豚肉などの畜産肉に比べて環境負荷は低い。今後ジビエは、食の多様性を考えていく上で選択肢の一つとなっていくと考えられる。しかし現在はまだ供給量をコントロールしやすい牛や豚、鶏といった畜産肉がスーパーのお肉コーナーの陳列棚の大部分を占めており、鹿肉や猪肉といった野生肉は市場ではほとんど見かけない。鹿肉や猪肉は消費者には馴染みが薄く、まだまだ国内での認知が低いことが課題だと、森下さんは言う。「未だジビエ肉に対して負のイメージを持たれている方が多いのだと思います。しかしジビエは栄養価も高く特に鹿肉は、高タンパク、低脂肪、鉄分豊富で健康面においても非常に優秀なお肉です。また味も美味しくあっさりして食べやすい。そうしたジビエならではの良さがもっともっと広がってくれればいいですね。」また、最近では特にレストランシェフたちの関心の高まりもあり、少しずつジビエが注目されつつある。森の息吹では、全国の85店舗ものレストランにジビエを卸している。その中でも「無駄な殺生にせずに命を敬い、責任を持っていただきたい」という想いでレストランをオープンしたいと問い合わせをしてきた地元のレストランもあったという。「ジビエを取り扱っているレストランやホテルには素晴らしい料理が多くあります。たくさんの方に食べて頂いて魅力を知っていただきたい。我々は肉屋として丁寧に解体し、良いものをより良いものにしてジビエの価値を高めていく事にこれからも尽力したいです。」肉屋として美味しい肉を出す職人としての森下さんは、「鹿肉をより普及させたい」という想いがある一方で、自然界への人間の介入に対する疑念という、相反するもう一つの考えも同時に抱いているという。「鳥獣被害の対策は、狩猟や網などのハード面の対策よりも、ソフト面が大切だと思うんです。たとえば、町に生ごみを捨てていると、山の動物たちも、町に餌があることを覚えてしまいます。ここにきても何もないという環境づくりさえすれば、動物は町に降りてこないですよね。そうした町の人たちの意識も変えていくべきだと思います。」そう話す森下さんは、最後に私たちに問いかける。「そもそも、鹿や猪たちは生きていくためにご飯を食べて歩いているだけなんですよね。それなのに、人間の勝手な都合で殺されている。害なのはどっちなのでしょうか。害獣ではなく、害人なのかもしれません。少なくとも地球は人間だけが住んでいるわけではないことを意識して、生活していかなければいけません」。地球上には食物連鎖を表す生態ピラミッドが存在する。最近は人間による技術の発達により、生態系のピラミッドが崩れかけているが、人間ももちろん生態系の一員であることは間違いない。自然や野生動物たちとどう関わっていくべきかに考えを巡らせ、人間のエゴにならないように、過剰な狩猟にならないように──命に敬意を払いながら、バランスを見つけていく必要がある。施設を訪問した際、たまたま猟師さんから鹿が運ばれてきて、解体中の様子を見学させていただいた。解体している森下さんを目の前にして筆者が感じたことは、今私たちが食卓で、お箸やフォーク一本で口にしている食べものの裏側では、猟師や森下さんのように身体を張って動物の殺生に向き合ってくれる人が存在するこということだ。それと同時に、森下さんの捌き方はとても丁寧で、鹿、野生動物に対する敬意を感じた。そして動物への敬意を持ち、自然の命をいただくという意識こそが「ベターミート」を定義するための大切な要素なのかもしれない。

(登山でクマに会わないためにどうすればいい?専門家に聞いた!)
クマは日本国内における最大の哺乳類。北海道にはヒグマがいて、本州と四国にはツキノワグマが生息しています。クマは山奥に暮らしている動物です。私たち登山者は彼らの棲み家に好んで足を踏み入れている訳ですから、クマに出会う確率は下界で暮らしているよりもグッと高くなります。でも、登山は楽しみたいし、可能な限りクマに遭遇したくない。そして、万が一出会ったときのために、襲われずに助かる方法を学んでおきたいですよね。そこで、『山でクマに会う方法』(山と溪谷社)、『クマが人を襲うとき』(つり人社)など、クマに関する専門書を何冊も上梓してきたフリーのクマ研究家、米田一彦先生に、クマに遭遇する確率を下げる方法と、出会ったときに取るべき行動を教えてもらいました!よく、秋になるとクマに遭遇する確率が高くなるといわれます。しかし、春と夏に遭遇しない確証はなく、中には冬眠しないクマもいるのだとか。「山を歩いていると、たとえば麓が夏でも山は秋の粧(よそおい)のこともあり、いろんな季節でクマに出くわします。そして、クマは季節ごとに居場所があって、山の中でバラバラに暮らしているので、どこかで遭遇する可能性は大いにあるのです」。そもそも山の中はクマの棲み家なのですから、どの季節でも遭遇する可能性があると考えていた方が良さそうです。「逆に、9月でも森林限界にクマがいることを、良く知っておかないといけないですね。8月下旬から高山植物の一種、ガンコウランやクロウスゴの実がなり、それを求めて山のてっぺんに登ってくる一群がいる。登山では季節を問わずにクマとの接触事故はあると考えておいたほうが良いでしょう」。さらに、これからは冬も注意が必要になるかもしれないと米田先生は言います。「暖冬だった1994年や、2007年の1・2月にも、理由は定かではないがクマの出没が相次ぎました。たとえば、栄養状態が良ければクマは冬眠しない可能性があります。こういったクマは”富栄養の穴持たず”と呼ばれていて、寒さに耐えることができる。さらに今後、暖冬傾向が続けば、冬もクマは出没するだろうし、被害期間が長くなる可能性もありますね」。話を聞いて、季節を問わず注意が必要なことは分かりました。とはいっても、私たちは山が好きだから、登山をやめる選択肢を選ぶ人は少ないでしょう。そこで、次はクマに遭遇する確率を下げる方法を紹介します。クマの出没情報はテレビやネットニュースなどでも見かけますし、目的の山域がある県や市町村のホームページでも知ることができます。「クマに会わないのがいちばんですから、目的の山域にクマが出ている情報があるか知ったうえで山に入ることが大事です」。クマの出没情報が頻繁に聞かれている山域には、そもそも近づかないのが肝要です。クマ鈴はもっとも知名度が高いクマ対策グッズのひとつ。米田先生は過去に、その効果を確かめるべく、現れたクマに鈴を鳴らすとどんな反応をするか、ビデオで映像に収めたことがあると言います。その結果、中には効果がないクマ鈴があったそうです。「神社にある鐘のように、ガラガラガラと音がする鈴は全然効果がありませんでした。クマには聞こえてないみたいなんですよね。人間の存在をクマに知らせるには、チリーンチリーンと高い音が鳴る鈴がいちばんいい」。これは初耳! クマ鈴を買う人は店頭で音色をチェックしましょう。ちなみに、人間の存在をクマに音で知らせる道具は他にもあって、ホイッスルやラジオを使う人もいます。「ホイッスルは吹きながら山に登ると息が切れるので、オススメしません。ラジオを使ったこともありますが、自分の意識が散漫になって、クマが近くにいても音が聞こえない場合が。だからラジオも使うこともやめました」。どちらも実体験に基づくリアルな話。事前対策としては、甲高い音が鳴るクマ鈴を持ち歩くのが良さそうです。遭遇する確率を下げるには、臭いの強い食べ物を持ち歩かない、持ち歩くときは臭いが出ないように注意することも大切です。最近は登山の行動食に、コンビニのおにぎりや菓子パンなどを持参する人が多いと思いますが、たとえばサラミやビーフジャーキーなど、脂っこい臭いがするものを用意するときは、臭いが漏れないように梱包に気を配りましょう。実は、クマとの遭遇を下げる方法は、これまで紹介してきた「出没情報がある山域を避ける」「“高い音が出る”クマ鈴を鳴らす」、そして「食べ物の臭いに注意する」しかありません。それなのに、すべて実践してもクマに遭遇する確率はゼロにならないのが現実です。では、万が一出会ってしまったらどうしたらいいのか。遭遇したときの対処法も教えて頂きました。クマに遭遇する確率を下げる方法、について学びました。しかし、たとえ万全を期したとしても、100%山中でクマに出会わない確証はどこにもないのが悲しい現実。では、万が一山中でクマと鉢合わせしてしまったら、どうしたらいいのでしょう?前編に続き、フリーのクマ研究科である米田一彦先生に、クマに遭遇したときに取るべき行動パターンについても教えてもらいました!まず、クマと遭遇したときの距離が20mほど離れている場合は、襲われることはまずないと言います。静かにその場から立ち去りましょう。しかし、万が一距離が10mくらいまで近づいてしまったら、こちらの存在を知らせるために「オイッ」と声をかけます。クマが気付いて立ち去ってくれることもあるそうです。それでもクマが立ち去らず、こちらに向かってきて万が一襲われそうになったら、熊よけスプレーがもっとも確実性の高い対処法。攻撃しようとこちらに向かってくるクマに吹きかければ、進路をそらせることができるといいます。「いままで業務で9回くらいクマに襲われたことがあって、そのうち5回くらい使いました。クマの寝床と思われる穴を見に行ったとき(※専門家以外は絶対に真似しないでください)、覗いた瞬間にクマが出てきて、咄嗟に使用して急死に一生を得ました」。ただし、効果は高いですが、使用後は凄まじいヒリヒリ感に襲われるそう。そのため、使用方法には「風上から噴射する」と書かれているものが多いですが、いつもクマが風下からやって来るとは限りません。しかも、クマを一度退散させても、諦めずに人間を追跡してくることがあるのだとか。過去には2時間も付け回されたという例も。熊よけスプレー1本では足りないこともあるようです。熊よけスプレーを持っていない状況で襲われたら、首を手やバックパックなどで覆い、身をかがめて地面に伏せます。あとは運を天に任せるしかありません。遭遇したときの対処法も、遭遇率を下げる方法と同様に実に少ないのが実情です。確証は得られませんが、過去の事例から有効と思われる方法もいくつか教えてもらいました。過去には、82歳のおばあさんが竹の熊手を振り回しただけでクマが逃げ出した例があります。「手元にあるバックパックを振り回したり、ブルーシートを広げたりして人間を大きく見せると、通常ではない形の動物に見えて、クマはそれを非常に恐れて逃げるようです。傘を広げたらクマが逃げたという例も」。「おそらくクマは人間のことを、頭、手足、胴の5つの部分で認識しているように考えられます。だから木に抱きついて体を隠すと、一生懸命こちらを見てるけど、なんだろう? とクマが気付かないこともありました」。クマが近づいてきたら試した方が良さそうです。クマがこちらに近づいてくるとき、クマの眼を見ながらゆっくり後退するという話もよく聞きます。「でも、これを実践すると、だいたいの人が転ぶんだ」。確かに、山道はだいたいが坂道で、石や木の根といった障害物があります。それを見ずに後退りするのは至難の業。転んだら、その途端に襲われる可能性も否定できません。これは理想ですが、後頭部に第三の目でもないと、実際は難しいのかもしれません。最後に、クマと対峙したとき、絶対にやってはいけないことを聞きました。「繰り返しになりますが、臭いの出る食べ物を持って歩くことはやめた方が良いです。そして、クマと遭遇したときは、背中を向けて逃げてはいけない。クマは自分より弱いと思った動物を襲うため、逃げるとクマは追いかけてきます。それと、左右に動くと認識されやすくなるから、遠ざかるときは、できるだけ真っ直ぐ後退してください」。クマ対策に対して知れば知るほど、100%確実と言える方法がないことに落胆します。しかし、そもそも全国の登山者数に対して、クマに襲われた登山者の数は極わずか。死亡事故ともなれば天文学的な数字になると米田先生は言います。まったく恐れないのは問題ですが、正しく恐れて、出没情報が頻出している山域は避ける、山道ではできるだけ高い音が出るクマ鈴を鳴らす、食べ物の匂いを気をつける。これらの対策を講じていれば、よほどのことがない限りクマに出会うことはなさそうです。クマと適度な距離感を持って、これからも登山を楽しみましょう。

(銃販売が減速の兆し、今年2月は前月比30%減の150万丁:アメリカ)
米国の社会的混乱は、2020年の銃の販売数を過去最高に押し上げたが、今年2月の販売数は鈍化した模様だ。ただし、この状況が今後も続くかどうかは定かではない。銃器に関する分析を行うコンサルティング会社SAAFの推計によると、2月に米国で販売された銃は約150万丁で、前月比で32%減だったが、2020年2月との比較では10%の増加だった。全米シューティングスポーツ財団も、2月に約139万丁の銃が販売されたと推定している。SAAFによると、2月の販売数はここ約1年で最低の水準で、2020年3月との比較で100万丁の減少だったというが、例年と比べればまだ高いレベルにあり、昨年の経済や政治の混乱から始まった売上の上昇がまだ続いている可能性がある。一部の専門家は、2月の購入数の減少の理由に、銃を求める人々が既に購入欲を満たしてしまったことを挙げている。SAAFの担当者は、フォーブスの取材に「需要の飽和によって売上が減速した可能性がある」と述べた。一方、全米シューティングスポーツ財団は、販売店の在庫が昨年の空前の売れ行きによって枯渇したために、販売数が減少した可能性があると述べた。SAAFによると2020年に米国で販売された銃は2019年を60%上回る2280万丁で、過去最高記録を更新したという。銃業界では、FBIが実施する銃の購入の際の身元調査の件数も売上の指標として用いられるが、身元調査のすべてが銃の購入につながる訳ではないため、2つの数字は完全に一致するものではない。先月のFBIの調査件数は340万件以上で、2月としては史上最多を記録したが、2020年のピークの月を下回っていた。銃器の売上はニュースと密接な関係があり、銃愛好家たちが身の危険を感じたり、銃規制の強化を懸念すると、購入件数が増加する。FBIや専門家たちは、昨年の経済や公衆衛生上の危機、政治の混乱などが人々の懸念を高めた結果、銃の売上が増加したと考えている。2月の売上の落ち込みが今後も続くかどうかは定かではない。一部の専門家は、ジョー・バイデン大統領が銃規制を強化する姿勢を見せていることが、逆に販売を押し上げる可能性があると考えている。オバマ元大統領が、銃規制の強化に意欲を燃やした際にも、売上は伸びていた。しかし、トランプ政権が誕生した直後に銃の売上は落ち込み、一部の銃メーカーは経営危機に追い込まれていた。

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