<射撃ニュース3月>
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(鹿・イノシシ、生息域40年で倍)
2020年度に、ニホンジカとイノシシの生息範囲が、調査を始めた1978年度と比べて2倍前後に広がったことが環境省の調べで分かった。積雪量の減少や耕作放棄地の拡大などが影響した。北海道を除く推定個体数(2019年度)は、ニホンジカが189万頭、イノシシが80万頭。いずれも減少傾向だが、環境省と農水省が定める目標頭数には至っていない。生息範囲は、捕獲位置情報と都道府県への聞き取りなどに基づいて推定。全国を25平方キロ単位に分けて生息地点を特定し、範囲を割り出した。生息地点は、ニホンジカが1万1563地点、イノシシは9641地点に上った。調査を始めた1978年度から、ニホンジカは2・7倍、イノシシは1・9倍に拡大した。前回調査の2014年度と比べても、それぞれ1割程度増えた。生息範囲の拡大が目立つ地域は、ニホンジカが東北、北陸、中国地方。イノシシは東北、北陸、関東地方だった。環境省は拡大の背景に、積雪量が減って越冬可能な範囲が広がったことや、耕作放棄地が拡大しすみかや餌場が増えたことを挙げる。個体数は、都府県の捕獲数などに基づいて推計した。ニホンジカは14年度の246万頭がピークで、その後は減少傾向。ただ、23年度までに104万頭とする両省の目標には届いておらず、19年度で85万頭上回る。北海道は都府県と異なる手法で独自に推計しており、67万頭だった。イノシシも、14年度の120万頭をピークに減少。19年度の頭数は、23年度に目標とする50万頭を30万頭上回った。環境省は、達成に向けて各地で捕獲や狩猟者確保が進んでいるが「繁殖のスピードに追い付かず、目標との差が埋まらない」(鳥獣保護管理室)とみる。

(第二種特定鳥獣管理計画作成のためのガイドライン改定:環境省)
鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)に基づく基本指針において、国は全国的な見地から都道府県における特定計画の作成及び実施に対して技術的な支援を行うこととされていることを踏まえ、ニホンジカ及びイノシシに係る第二種特定鳥獣管理計画作成のためのガイドラインを改定しましたので、お知らせします。(ニホンジカ)今回の改定では、科学的知見を踏まえた順応的な管理を一層推進するため、ニホンジカ管理の考え方として、これまでのガイドラインでも取り上げてきた「順応的管理」を基本的な考え方としつつ、計画の目的、目標、施策、指標の関係性を明確にし、達成状況を評価するための考え方を示しました。ニホンジカの生息状況等による類型区分や土地利用の形態等に応じた地域区分に基づき、地域の状況に応じた管理の考え方を示しました。目標の設定や達成状況の評価、地域区分に活用可能な情報の可視化について情報を加えました。新型コロナウイルス感染症の発生による社会情勢の変化を踏まえ、野生鳥獣に由来する感染症対策としての鳥獣管理の役割や配慮すべき事項について記載しました。(イノシシ)今回の改定では、科学的知見を踏まえた順応的な管理を一層推進するため、イノシシ管理の考え方として、これまでのガイドラインでも取り上げてきた「順応的管理」を基本的な考え方としつつ、計画の目的、目標、施策、指標の関係性を明確にし、達成状況を評価するための考え方を示しました。限られた人員・予算の中で対策を検討する際に必要となる優先度を踏まえた総合的な施策の実施や、イノシシの典型的な被害として対応が必要となる進入初期における対応と実施体制の整備、関係者との連携による市街地出没への対応について情報を加えました。平成30(2018)年9月に我が国では26年ぶりに豚熱(CSF)が発生したこと等を踏まえ、豚熱(CSF)を始めとした感染症対策の徹底について記載しました。

(子グマ飼育し射殺の疑い、男性2人不起訴処分:岩手)
無許可で子グマを飼育し、その後射殺したとして動物愛護法違反などの疑いで先月逮捕された奥州市の2人を、盛岡地方検察庁水沢支部は不起訴処分としました。不起訴処分となったのは、奥州市の70代の男性2人です。2人はシカの捕獲用の罠にかかっていた1頭の子グマを必要な県の許可を得ずに去年6月下旬から飼育し、去年11月下旬、摘発を免れようと狩猟用のライフル銃でその子グマを射殺したとして先月17日に逮捕されました。2人は逮捕翌日に処分保留で釈放され、盛岡地方検察庁水沢支部は25日付けで不起訴処分としました。理由について盛岡地検は「自らクマの飼育をほのめかす発言をして捜査の端緒を作ったことや、猟銃の所持資格を返上していることなどを考慮した」としています。

(カラスの巣で停電:秋田)
25日午後5時半ごろ、秋田市のJR秋田駅構内で、カラスが電柱に巣を作ったことが原因で停電が発生し、列車への電力の供給も止まって運行できなくなった。約40分後に復旧した。

(ノヤギ、奄美の内陸部で増加:鹿児島)
奄美大島の内陸部で、野生化したヤギ(ノヤギ)が増加している。もともとは海岸部やがけなどに生息していたが、徐々に内陸部に広がってきたとみられる。下層植生がノヤギによって食べられ、森の生態系に影響を及ぼす。世界自然遺産登録の推薦地内でも目撃されており、対策が望まれる。ノヤギは国際自然保護連合(1UCN)が定めた世界の侵略的外来種ワースト100にも指定されており、食害による希少野生植物を含む植生の破壊によって、土砂崩壊等被害が発生している。食肉用として導入した家畜のヤギが飼育放棄され、野生化した。同島は2008年に5市町村で「ヤギの放し飼い防止等による条例」が施行されている。環境省奄美群島国立公園管理事務所によると、島内全域に設置したセンサーカメラによるモニタリング結果では、2014年度から20年度までにノヤギの撮影頻度は約6・6倍に増加。奄美マングースバスターズによる個体や鳴き声、ふんの目撃情報は、大和村や奄美市住用町のスタル俣線、三太郎線付近で多くなっているという。阿部慎太郎所長は「このまま放置してノヤギが増え続けると、世界自然遺産地域にも大きな影響を及ぼす。ぜひ市町村で対策を強化してほしい」と話した。駆除は、龍郷町を除く4市町村が各猟友会に依頼している。奄美市ではここ2年は年間50匹ほど駆除。同市環境対策課の平田博行課長は「これまでは主に海岸部やがけで狩猟を行っていたが、今年度は三太郎線付近などの内陸部でも発見されており、駆除していると聞いている。実態調査は県が21年度から鹿児島大に依頼して始まる予定で、その調査結果を受けて今後の方向性を考えたい」と話した。県の自然対策課は「海岸部は14年度に沖から船で調査したが、内陸部を調査するのは県としては初めて。ドローンと赤外線カメラを用いて生息数や被害状況を把握していく」と話している。ノヤギは鳥獣保護法の対象で、原則として捕獲できず、駆除するには「有害鳥獣」として事前に知事の許可を得る必要がある。このため、5市町村の政府への働きかけにより2010年には「ノヤギ特区」に選定され、ノヤギを「狩猟鳥獣」に追加し、狩猟期間に自由に捕獲できるようになった。しかし、捕獲までは「狩猟鳥獣」扱いでも生体捕獲後は「獣畜」とみなされ、と畜場を経由せずに食品衛生法に従って食肉として処理・販売することはできないという問題がある。また、殺処分した個体は県の指導により土中に埋めることになっており、食用として活用できない。捕獲自体も難しいが、後処理も難しい問題になっている。

(鳥獣被害対策、ICT活用へ:新潟)
鳥獣の人身被害件数が過去最悪となった2020年度を受け、県は26日、ICT(情報通信技術)を活用して鳥獣の生態把握などを進める方針を示した。20年度の鳥獣の人身被害はクマが17件21人、イノシシが7件9人といずれも過去最悪で19年ぶりに死者も出た。県は被害を減らすため、被害防止▽捕獲圧強化▽環境整備の3点の対策を、21年度以降重点的に取り組む。中でも、奥山から人里までの各地域にカメラを設置して、AIがクマを検知すると緊急メールを配信したり、ドローンを使って効率的にイノシシを捕獲したりするなど、ICTを活用した取り組みに注力する。県内にモデル地区を作り、実証実験を進める。

(天敵カワウに新対策:広島)
広島市を流れる太田川でアユの放流が始まりました。今シーズンは、アユの天敵でもある鳥の対策にも乗り出しました。その鳥とは「カワウ」です。関係者を悩ませるカワウからアユを守るための一手とは…?川の魚を食べる水鳥・カワウ。1日に500グラムもの魚を食べる食欲旺盛な鳥です。県内で観測されたカワウの個体数は、ここ5年で増加傾向にあります。広島市内の川に生息するアユの被害額は年間3100万円にも上り、地元の漁協組合は長年、頭を悩まされてきました。「今、だんだんカワウが増えてきている。増えてくる傾向にあるから、アユはものすごい被害を受けている。(稚アユを)池で飼っているから、必ずかたまる習性を持っている。カワウに見つかりやすくて、カワウのえさになるような格好になる。」(太田川漁業協同組合 山中幸男組合長)。カワウへの対策にも力を入れてきましたが、2つの手法をことし初めて取り入れました。1つは、川の中にいけすを設置することです。放流したアユをいけすに1日程度入れた後、川へ放します。「カワウから逃れるために、ここで水に慣らして、放流する。」(山中幸男組合長)。もう1つは、アユの逃げ場となる竹を設置することです。「隠れる場所がないでしょ。こうやって隠れ場所を作ってあげる方がいいんじゃないかと思って。」(山中幸男組合長)。26日は、太田川沿いの7か所でおよそ14万5000匹のアユが放流されました。「100万匹ほど天然アユが上ってくるのを目標にしている。去年は産卵場で非常に多くのアユが産卵しているのを確認できているので、ものすごく期待しているんですよ。」(太田川漁業協同組合 山中幸男組合長)。放流は5月上旬まで続けられ、合わせておよそ77万匹が放流されます。

(麻布大学がフィールドセンター開設:島根)
動植物の研究に力を入れている神奈川県の麻布大学がイノシシで町おこしをしている美郷町にフィールドワークセンターを整備しこのほど開設式があった。美郷町に新たに開設されたのは麻布大学の環境科学科の学生が学ぶフィールドワークセンターで、このほど丸山知事や大学関係者など約50人が出席し開設式が行われた。美郷町は長年、鳥獣対策などで麻布大学と交流を続けていて2年前に連携協定を結んでいる。今回開設されたセンターは使われなくなった施設を再利用した建物で、大学は来月からセンター長を常駐させオンラインで授業を行うほか、学生が町に滞在して動植物の調査・研究を行うフィールドワークやジビエの加工技術なども学ぶ予定。(おお山くじら研究所 江口祐輔所長)「若い人たち学生がたくさん来て交流して皆さんと笑顔で笑いあえる場面がたくさんできることを願っています」。また、は今年2月、美郷町が開設した「やまくじら研究所」の活動にも参加することになっている。

(深刻な鳥獣被害、ハンター活躍の支援策を:熊本)
シカやイノシシなど野生鳥獣による農作物への被害が深刻化している。農林水産省の試算では、被害額は年間200億円前後。環境省によると、2019年度の捕獲頭数はイノシシが64万100頭、ニホンジカは60万2900頭と、いずれも10年間で倍増した。東北などでは市街地にクマが出没し、人的被害が多発している。このような事態を受け、環境省は21年度から鳥獣駆除のため若手ハンターの育成に本腰を入れるという。経験豊富なベテランが指導役として狩りの現場に同行し、知識や技術を伝授する制度を数カ所で試行。23年度に全国規模での展開を目指す。全国の狩猟免許所持者数は1975年度の約51万8千人から2016年度には約20万人へと落ち込んだ。高齢化も進むが、キャンプブームのような自然志向の高まりや狩猟を題材とした漫画などメディアへの露出が追い風となって、近年は若い世代からも注目されるようになり、40代以下の新規取得者が増え始めている。とはいえ、狩りの現場で実際に活動するハンターの増加にはまだ結び付いておらず、若手の狩猟参加をいかに増やすかが課題となっていた。一方、熊本ではイノシシの農業被害に立ち向かうため若手農家が設立した「くまもと☆農家ハンター」の活動が、今年で丸5年を迎える。猟師や行政任せにせず、当事者が自ら狩猟免許を取得して駆除するという先進的な試みは、全国から注目を集めている。情報通信技術(ICT)を駆使してイノシシを捕獲し、宇城市三角町の戸馳島に建設した「ジビエファーム」で処理。肉はジビエとして活用し、不要な部分はメーカーと共同開発した機械を使って堆肥化する。精肉時に出る背脂などを活用した高級せっけん作りにも取り組んでいる。ただ、ジビエをはじめとした商品の売り上げは十分ではなく、活動を継続するための資金や専従スタッフ確保などの課題に直面している。野生鳥獣の被害を減らすには、ハンターの数を増やすだけではなく、活躍できる環境づくりが欠かせない。駆除がなりわいとして成立するためには、ジビエの消費拡大を支援する施策などにさらに力を入れていく必要がある。

(豚熱発生がイノシシの広域的な分布に与える動向をはじめて把握:岐阜)
国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学 応用生物科学部附属野生動物管理学研究センターの池田敬特任准教授(1)、同学部の鈴木正嗣教授(2)、淺野玄准教授(2)の研究グループは、岐阜県「清流の国ぎふ森林・環境税」を活用した「清流の国ぎふ森林・環境基金事業:野生動物総合対策推進事業」の一環として、岐阜県内に生息する野生動物の調査研究を実施しています。その過程で、本研究グループは岐阜県環境企画課と協力し、カメラトラップ調査で、豚熱発生前後の郡上市、下呂市、高山市におけるイノシシの相対的な個体数が急激に減少したことを把握しました。また、イノシシの個体群管理や豚熱対策のために、数種類の個体数指標を継続的に収集するモニタリング体制の必要性を提言しています。本研究成果は、学術誌「Journal of Veterinary Medical Science」に2021年3月26日付で掲載されました。豚熱は2018年に日本で再流行し、12府県62カ所の養豚場、23都府県で3,062頭のイノシシでの感染が確認され、豚熱の発生は野生のイノシシが感染源であると考えられています。豚熱の発生を防ぐためには、養豚場におけるバイオセキュリティレベルの向上だけではなく、イノシシにおける個体数管理も重要になります。しかし、豚熱がイノシシ個体群に与える影響を報告した事例は限られており、イノシシの個体数管理を適切に実施する上では、従来の捕獲情報だけではなく、豚熱がイノシシ個体群に与える影響も収集する必要があります。そこで本チームは、豚熱感染の発生前(2017年8月)から発生後(2020年3月)にかけ、郡上市、下呂市、高山市で自動撮影カメラ(図1)を利用してイノシシの相対的な個体数指標の動向を調査しました。発生前後における相対的な個体数指標や捕獲統計のデータから、豚熱ウイルスがイノシシ個体群に与える影響を明らかにしました。その結果、イノシシの相対的な個体数指標は、2017年で最も高く(100日当たり8.88頭)、その後継続的に明らかな減少を示し、豚熱発生後の2019年で最も低い値(100日当たり2.03頭)を示した。しかし、2014年から2017年の間では、安定的な捕獲努力量があった一方で、狩猟統計の個体数指標には変動がありませんでした。以上のことから、1)豚熱はイノシシの個体数減少の一因であり、2)安定的な捕獲活動はイノシシの個体数の激減要因ではなく、3)豚熱と捕獲活動の相乗効果がイノシシの個体数の激減要因である可能性が示唆されました。そのため、イノシシの個体数管理を適切に実施する上では、野生動物管理者は在来種の根絶リスクと豚熱発生リスクの双方を考慮する必要があります。さらに、豚熱の発生に対して、臨機応変に対応するために、野生動物や養豚業に携わる関係者は、イノシシの個体数や分布を継続的にモニタリングし、豚熱対策に反映できる体制を構築する必要があります。今後は拡散要因となる行動圏を調査し、県内全域でのイノシシの分布状況を把握するモニタリング体制を構築しつつ、フィールドデータの成果からイノシシの個体数管理や豚熱対策に貢献することが期待されます。

(“最もツイてない男”思い込めて聖火ランナーに:栃木)
オリンピック代表に2度も選ばれたのに、出場することができなかった男性が思いを込めて走りました。クレー射撃元日本代表・石原敬士さん(78):「急に(代表で一緒だった)山下泰裕会長から手紙を頂いて。モスクワに出られなかったのは残念だったが、ぜひ走って下さいと。オリンピックに関して、そういうことが巡ってきて、生きていて良かった」。栃木県鹿沼市で聖火ランナーを務めた地元の神社の宮司・石原敬士さんは、1968年のメキシコ大会と1980年のモスクワ大会でクレー射撃の日本代表に選ばれました。しかし、メキシコ大会はクレー射撃協会の不祥事で出場辞退に追い込まれ、12年ぶりに代表の座をつかんだモスクワ大会は、日本のボイコットで出場することができませんでした。「最もついていない男」とも言われていた石原さんは、今回、ようやくオリンピックに関わることができました。クレー射撃元日本代表・石原敬士さん:「きょうは、ぜひ聖火の火をともして一日も早く(コロナが)終結してもらいたいと祈りつつ、走らせて頂けたらいいなと思う」。トーチを手にした石原さんは、沿道からの応援に笑顔で手を振って応えていました。

(ライフル射撃場は「当面維持」:群馬)
群馬県が検討を進めていた10の県有施設の見直しについて最終報告が発表されました。廃止が検討されていた前橋市の県民会館は県議会の特別委員会に示された通り新年度中に方向性を決めることになりました。最終報告は、25日の知事会見で発表されました。最終報告では、去年10月の中間報告で廃止が検討されていた5つの施設のうち、2つの施設で大きく方針が変わりました。前橋市の県民会館は、市や市議会からの要望を考慮し、「市と連携し新年度中に方向性を決定」することになりました。また、県ライフル射撃場は、県内の練習拠点の確保を考慮し、「当面は現在の施設を維持する」に変更されました。一方、残りの3施設は、廃止としました。

(ヒグマ保護管理へプロハンター育成:北海道)
増加傾向にあるヒグマの保護管理へ「プロハンター」を育成する北海道の技術者育成事業が、稚内市であった。同市での実施は2016年度以来。地元猟友会の3人がベテランハンターと一緒に足跡の追跡や心構えについて学んだ。技術者育成事業はヒグマ保護管理計画に基づくもので、渡島半島地域では05年度に始まり、15年度から全道で展開している。冬眠明けの残雪期(3~5月)に行っている。稚内での今年度の講習は3回。最終回の20日はクマ撃ち経験が豊富なハンターら2人が先生役となり、スノーシューなどを履いて宗谷岬南の峰岡地区の民有林に入った。十数分も歩くと雪面にヒグマらしい足跡を発見。大きさから成獣と思われたが、薄ら雪がかぶっており、本格的な追跡には至らなかった。林を歩く中で、生徒たちはヒグマは嗅覚(きゅうかく)が鋭く、火薬や衣服の臭いにも敏感なため風下から近づくことや、出合い頭で遭遇した時などのために必ず護身用に剣なたを携帯することなどを学んだ。猟友会稚内支部の小野秀樹・稚内部会長は「ヒグマの追跡や捕獲は非常に難しく、まずは習性や装備などを知ることが大事。エゾシカの有害捕獲で山に入る際もヒグマがいることを前提に入ってほしい」と話していた。道は「春グマ駆除」を禁止した1990年以降の生息数について調べ、2012年度は推定1万600頭とした。初めて科学的根拠をもとに算出したもので、従来のハンターへの聞き取りによる推定生息数の2倍を超えていた。だが、春グマ駆除の禁止でクマ撃ちの経験者は激減しており、保護管理を担う新たな人材育成が課題になっている。

(ハンター目線で野生に迫る:長野)
長野県安曇野市と市猟友会共催で、猟友会メンバーの案内による里山歩きの会が開かれた。ジビエがおいしいのは肉に脂の乗る初冬の12月頃だそうだが、真冬は動物が身を隠す下草が少なく、雪に足跡も残りやすいため、狩猟にも絶好の時期という。動物の習性などをプロに教えてもらいながら、ハンター目線で森の中を歩いてみた。訪れたのは狩猟期間が終わったばかりの2月末。一般参加者十数人と猟友会メンバー合わせ約20人の一行は北アルプス常念岳山麓の林道から国有林内へと入った。この季節、落葉樹の下は身を隠しづらいため、シカなど野生動物は主に薄暗い常緑樹の下を移動するという。よく見ると下草が踏み荒らされ、それが「けもの道」だった。明るいところを横切る場所が絶好の狩り場となり、猟師は近くの暗い場所に潜む。ライフルの弾は角度によっては約4キロ飛ぶ。的を外した流れ弾が飛ばないよう、獣の背に崖や斜面がある位置を狙うので、構える向きも決まってくるという。ハンターが獣と対峙(たいじ)するイメージが湧いてきた。斜面に掘り返された穴がいくつもあった。イノシシが草の根などを探し求めた跡だそうだ。水がたまるような場所では体を洗ってできた大きい穴もあった。しかし、市猟友会会長の藤原英夫さん(72)によると「この辺りの穴はぜんぶ1年以上前のもの。新しいのは見かけない」という。イノシシがこのあたりに最近いないことを意味する。藤原さんは豚熱(CSF)の可能性を疑っている。県内では平成30年9月から今年3月19日までに検査した野生イノシシ1131匹のうち265頭が陽性だった。藤原さんらは、大人のイノシシを見かけることが減っているため、子供のイノシシを見かけても見逃すようにしているという。一方で、残雪にはサルの足跡が残り、糞(ふん)もたくさん落ちていた。歩いている最中には藤原さんのスマートフォンが鳴り、仕掛けたおりにサルが捕獲されたとのメッセージが届いた。「サルが(人里近くの)里山で繁殖するようになった。こうなるとサルに山へ帰れといっても無理だ」と、藤原さんは最近の猟師のなり手不足を憂える。猟師のなり手が減った理由に、銃の扱いが厳重化されたこともありそうだ。数十年前、山道で銃を持つ猟師を見て憧れたという猟友会メンバーだが、現在は一般の目に触れないよう警察に厳しく指導されている。必然的に狩り場は山の奥深くへ移り、獲物を運ぶ手間もかかるようになった。猟友会メンバーで自営業の森登さん(69)は狩猟を趣味と位置付ける。「今シーズン獲ったのはシカ7、8頭とイノシシ3匹。狩猟だけでやっていくなら100頭や200頭ないと生活していけない」と話す。山歩きの後に、イノシシ汁とシカ肉の唐揚げを参加者で味わった。イノシシ汁は信州みそとたっぷりの野菜が入り冷えた体を温め、シカ肉は噛み応えがあった。獣臭いという先入観を持っていたが、記者には抵抗感のあるにおいは全く感じられなかった。会は今年で4度目。安曇野市へ移住し、3年前に参加した西村法子さん(39)は、参加をきっかけにアドバイスをもらい狩猟免許を取得した。「山で遊ぶのが好きだったが、猟はみんなで楽しめ、そこにお肉がついてくる。整備された登山道とは違う所に入れるのも役得だ」会の終了後、早速、猟を始めたいという女性参加者が猟友会メンバーに相談していた。

(若者ら、狩猟の世界で存在感)
増えすぎたイノシシ、シカなどの鳥獣害対策で20代の若者が存在感を示している。狩猟サークルを作り、狩猟技術の習得に励むとともに、と畜して自分で食べたり、肉の有効活用まで考えたりするのが「若きハンター」らの特徴だ。「猟師さんからミカンをたっぷり食べて育ったイノシシと教えられたが、確かに甘くておいしい肉だった」。3月中旬、愛媛県今治市の岡村島でイノシシ駆除の猟に参加した徳島大学狩猟サークル「レビア・ヤークト」部長の北野真帆さん(3年生)が振り返る。入部したきっかけは、大学の模擬店で口にしたシカ肉がおいしく「いろいろな野生動物の肉を食べてみたい」と思ったからだ。猟師に付いて狩猟を始めると、生息地や性別、エサや狩猟方法の差で味が異なる面白さを知った。狩猟を通して「農家の被害、生態系、環境問題などについて考えるようになり、世界が広がった」。さらに究めたくなり、半年前に狩猟免許を取得した。今、北野さんのように狩猟を始める若者が増えている。環境省によると20代の狩猟免許所持者は2006年度からの10年間で2100人から7500人になった。ここ数年でも東京大学、早稲田大学、奈良女子大学など各地で狩猟サークルが誕生。ハンター全体の高齢化が進む中、存在感を増している。学生らが狩猟に興味を持った理由はさまざまだが、共通する特徴がある。捕獲後、自らその肉まで食べることだ。野生動物の捕獲には、趣味性が高く食べるところまで関わる「狩猟」と、鳥獣害を減らすことだけを目的にする「駆除」の2面がある。野生動物をおいしく食べるには、捕獲後、現場ですみやかにとどめを刺すことで十分に血を抜き、鮮度を保ちつつ手早く解体する必要がある。早稲田大学の岩井雪乃准教授(環境学)は「食べる『狩猟』は手間がかかる。頭数を稼ぎたい『駆除』の現場では食べている暇はなく、両者は両立が難しい」という。実際、日本では年間約100万頭の野生動物が駆除されるが、9割が土に埋めたり焼却したりして廃棄される。そんな中、駆除と肉の有効活用という「両立」に挑もうとするのが、新たにこの世界に飛び込む若者らだ。「シカの死骸が山積みに捨てられているのを見て、何とかしなければと思った」。京都府笠置町でシカの狩猟から精肉販売までを手掛ける「RE-SOCIAL」社長の笠井大輝さん(23)が語る。大学在学中の19年に、ゼミで鳥獣害対策の現場を体験した。「狩猟するのなら、しっかり食べてやるべきではないか」その思いを強くしたのは、捕獲したシカを自らと畜した瞬間だ。「命を奪うからには、責任をもって完結させなければ」。ゼミ仲間と3人で起業し、卒業後は専業で取り組んでいる。これまでも野生動物による農作物被害は、社会問題として取り上げられてきた。だが中高年以上の世代では、狩猟やと畜には抵抗感を示す向きが大きかった。徳島大学の内藤直樹准教授(文化人類学)は「野生動物は希少で保護すべきだと教えられて育った世代」だから、と説明する。しかし国の鳥獣害対策が単なる駆除から捕獲後に肉や加工品に利活用する手法に変化するなど、流れは変わりつつある。東北芸術工科大学の田口洋美教授(民俗学)は「『捕るな・関わるな』から、食べておいしく『貴重な存在だからこそ居続けてほしい』へと変化した。その野生動物対策の潮流を若者は自然に体得している」とみている。

(「ジビエ処理施設パッケージ」を提供開始:東京)
株式会社DMM Agri Innovation(本社:東京都港区、代表取締役 岡崎 翼、以下DMMアグリ)は、先日の業務提携にて発表した、農林水産省の補助事業対象『ジビエ処理施設パッケージ』を、自治体や企業向けに提供開始いたしました。本パッケージは、『被害』から『資源』へ新しいジビエ流通を実現するプロジェクトの一貫として、安心安全で持続可能なジビエ流通のため、ジビエ処理施設の建設・運営までを一括にまとめた内容となっております。DMMアグリは、鳥獣被害対策だけでなく、ジビエを資源化・ブランド化することで、一気通貫したサイクルを創ることを目指してまいります。

(駆除したシカの肉をホワイトタイガーの餌に:岡山)
駆除したシカの肉を有効活用します。岡山県真庭市が岡山市の池田動物園にシカ肉の販売を始めることになりました。真庭市の吉永忠洋副市長から池田動物園の忠政智登士副園長にシカ肉30キログラムが渡されました。真庭市では有害鳥獣として駆除したシカのうち、小さな個体の肉については食肉用に適さないとして捨てていました。2020年度は60頭分の肉が廃棄されています。真庭市はシカ肉を有効活用するためホワイトタイガーやハイエナの餌として動物園に販売します。動物園によりますと、シカ肉は馬肉の半額ほどで購入できるということです。真庭市/吉永忠洋 副市長)「こうやって動物園で活用していただけることは個体(数)調整をした動物たちにとっても意味のあることだと思うので、こういう取り組みをしていきたい」。

(シカ捕っても食肉にできず:兵庫)
猟師が持ち込んだシカを解体し、食肉とドッグフード用原料に加工し販売する、兵庫県丹波市の鹿加工組合丹波に今狩猟期、前年度より約200頭多い1748頭が持ち込まれた。報償金が、県と市から猟師に支払われ、組合は仕入れ原価ゼロでシカが手に入る。昨季よりシカの搬入量が増え、骨や内臓など産業廃棄物の処分費がかさんだとはいえ、持ち込み頭数が増えれば手に入る肉の量が増える。売り上げが増えれば経費を吸収できるのではないのか。柳川瀬正夫組合長(71)は「そうはならない。ただで仕入れて丸もうけのように言われるが、やればやるほど利益が出ない構図」と吐露する。今狩猟期に食肉にできたのは、1748頭中158頭にとどまる。これにはスジのみなど、一部位しか使えなかった個体を含む。全ての部位を丸々精肉できる状態の良いシカなら、1万4000円ほどになる。30キロのシカ1頭をさばいたとき、ドッグフード用は3500円ほどだ。なぜ、単価が高い食肉でなく、安い犬用の方が多いのか。理由は2つ。組合は通年営業だが年間搬入頭数の85%が狩猟期(11―3月)と過度に集中し、食肉用の解体が追い付かないこと、もう1つは、持ち込まれるシカに食肉に使えるものが少ない、原材料の問題がある。「犬用なら日に20頭、食肉は4頭の解体が精一杯」と、組合の精肉担当、柳川瀬大介さん(41)。シカは、鮮度が命。精肉に人手を割くと、皮をむき、内臓を取り出し、枝肉にする作業が追い付かなくなる。搬入後、即、枝肉にしなければ、犬用にもならず、丸々産廃になる。枝肉にするまでは、食肉も犬用も同じ。そこからの手間が格段に違う。集中の影響は、11月と3月の利用内訳を見れば一目瞭然だ。11月は15日の狩猟解禁から月末までの半月に搬入された325頭のうち5頭しか精肉できなかった。猟期末の3月は半月で145頭中27頭精肉できた。解体する時間が生まれたからだ。過度な集中故に、高値で売れるが手間のかかる精肉に人手が割けず、手間が少なく量産できるものの単価の安いドッグフード用に注力せざるを得ない。また、持ち込まれるシカのうち、食品にできる、状態の良い個体は少ない。見た目はきれいでも、わなにかかってひどく暴れ、ストレスがかかった肉は変色している。放血が不十分な個体が多く、精肉に使えない。県森林動物研究センター(同市青垣町)の研究部長で、県立大の横山真弓教授らが2012年に丹波市産シカで行った研究で、体重に占める肉の歩留まりは雄雌とも約35%だった。この時精肉された個体は、捕獲段階から「食品」とすることを意識し、素早く血抜きをし、ただちに処理施設に持ち込まれた「適切に管理された個体」だった。現実はと言うと、昨季の狩猟期に組合で精肉にできたのは2%(重量比)。食肉に不向きなシカが多く持ち込まれていることが伺える。200頭以上搬入が増えた今季の精肉量は集計中で明らかではないが、組合は、昨季の935キロと同程度を見込む。犬用は数トン増えるが、経営への貢献は限定的だ。組合を立ち上げた13年時点の想定処理頭数は、年間1000頭。精肉4割、ドッグフード用6割を見込んでいた。全量精肉にするのは不可能で、ドッグフード用を含めたベストミックスを考えた。4対6でなお年間600万円ほどの赤字が見込まれ、市が運営補助金を出してきた。しかし、昨年度の狩猟期は、精肉1対ドッグフード用18(重量比)と、見込みとかけ離れた結果になっている。今季も同様だ。丹波市のシカ利活用は、06年に本州初のシカ肉専門の加工施設をつくり、「丹波鹿」のブランドを展開した「丹波姫もみじ」(同市氷上町)に端を発する。同社は業界のトップランナーとして、各地で始まったシカ肉の有効活用に先鞭を付け、「鹿肉」を市の地域資源にする源になった。同社は年間350―400頭の状態の良いシカだけを選んで猟師から買い、さばいて精肉にして販売。精肉にできないものを、ドッグフード製造販売「EGサイクル」(同市山南町)に販売した。両社と、丹波市猟友会の三者で立ち上げたのが「鹿加工組合丹波」だ。組合は、「姫もみじ」に精肉、「EG」にドッグフードを卸している。両社への販売価格は、創業時と比べ2倍に引き上げ、組合の売り上げを増やしてきた。「姫もみじ」の社長でもある柳川瀬組合長は「組合から安く仕入れれば『姫もみじ』『EG』の利益が出るが、それでは組合が回らない」と、引き上げ理由を話す。ただ、引き上げは限界がある。他の処理施設と価格差がなくなれば、組合から買う利点がなくなる。組合は、捕獲したシカの有効活用を進める市の施策に参画するためにつくったものだ。2600万円の施設整備費を交付する処理施設の事業者公募に応募し、選ばれた。県の「狩猟期の処理施設搬入促進事業」で、報償金受給手続きが簡略化され、山に埋める手間が省け、猟師は喜んでいる。「EG」は取扱量が増え、恩恵を受ける。蚊帳の外にあるのが、精肉をつくる組合と、精肉を販売する「姫もみじ」だ。ジビエブームに先駆けシカ肉販売に乗り出した同社は、販売力がある。しかし、組合のシカ肉だけでは需要に応えられず、他産地から精肉を仕入れている。「丹波鹿」の指定があるところは、組合で精肉したシカを販売しているが、大抵は「ニホンジカ」だ。地域資源を味わう、丹波市の学校給食に納入する400キロ超のシカミンチでさえ「丹波鹿」が足りず、他産地の肉を足して納入せざるを得ない事態が続いている。補助金込みで年間1300万円ほどの収入で、残滓の産廃処理費、光熱水費、維持管理費、柳川瀬組合長と通年雇用のパート2人、繁忙期のみの非常勤パート4人の人件費を支払う組合に余剰金はない。「シカを捕らないと、農業被害が減らず、生態系に悪影響を及ぼす。低カロリー高たんぱくで栄養価に富む肉はとてもおいしい。犬にも健康食として喜ばれていて、捨てるのはやはりもったいない。利活用への思いは今も強いが、経営が極めて難しい。組合が倒れたら、山にシカを埋める、もったいない時代に逆戻りするのだろうか。精肉を増やすには引き受け頭数を減らすか、職人を雇うか。うーん、難しい」と、組合長は天井を見つめた。有害鳥獣の駆除とも関係する捕獲したシカの出口問題は、全国で生じている。専用の焼却施設をつくり、処分している自治体もある。組合だけで解決できる問題ではなく、関係者が知恵を絞る必要がある。

(駆除の野生獣、革製品に:岡山)
岡山市の工房「建部獣皮有効活用研究所」が、駆除されたシカやイノシシなど野生獣の革製品作りに取り組んでいる。

(ジビエレザー製品販売会:岡山)
岡山県内で捕獲されたイノシシやシカの皮を使った雑貨の展示販売会。マスクのひもに引っ掛けるモモやクローバーの形の装飾品、ケーブルをまとめるコードホルダー、手になじみやすいよう柔らかいシカの皮を素材にしたストラップなど約150点が並ぶ。

(“なぜ今ジビエなのか?”:大分)
ジビエ処理加工を行う有限会社サンセイ(所在地:大分県宇佐市大字下高1724、取締役:山末 成司)は、なぜ今ジビエなのか?を4月1日(木)に安心院ソーセージ・宇佐ジビエファクトリーHPにて公開します。近年、日本では山間部や多くの農村地域が鹿や猪の被害で悩まされています。実はそこには日本が抱えた社会問題が見え隠れしています。近年の日本は人口が減り続けています。その影響は田舎ほど強く出ています。昭和までの里山の多くは農家の方々が少しでも田畑を広げたく山奥まで開拓し棚田や畑を作っていました。それが昨今、山々で暮らす農家の人が高齢になり田畑を守る人が居なくなり、田や畑には草が生え林になり森となって広がっていて猪や鹿がテリトリーを広げ増えています。また日本昔話でもよく出てくるオオカミの存在です。古来日本の食物連鎖の頂点には日本オオカミが居ましたが現在は絶滅しています。人間が忌み嫌い絶滅させてしまった事が大きい理由の一つと考えられています。(他にも狂犬病流行等諸説あり)現在ではオオカミの代わりに食物連鎖の頂点は鹿や猪になり、人間が居なくなった里山を支配しているのが鹿や猪になりました。鹿や猪は天敵が無くどんどん増えていき、林業では木の皮や新芽を食べられて木が枯れるようになり、農業では田畑の作物を食い荒らす被害が甚大で害獣として駆除されるようになりました。大分県の調べでは適正頭数の約10倍は生息しているそうです。大分県では捕獲した97%が殺処分され廃棄されていましたが、私たちが害獣から美味しいジビエ肉として変身させるべく日々奮闘しています。ジビエはとても美味しいですが残念ながら、はっきり言って臭く不味いジビエはあります。猟師がよく100キロ以上の大物の猪を捕獲して自慢していますがジビエとしては大体不味いです(笑)ある処理施設では、新鮮で適切に処理すれば美味しい、うちで獲れたジビエは全部美味しいとか、嘘ばかりです。私たちに言わせてもらえば本当に美味しいジビエは半分位です。また美味しいジビエ、不味いジビエの理由はちゃんとあります。ひとつは野獣と家畜との違いにあります。家畜は人間が食べやすいように改良し管理された牛や豚等です。家畜の豚の雄は生後2~3週目で去勢手術を受けます。これにより、いわゆる豚の雄臭(アンドロステノン)の匂いが出ないようにしています。また、年を取ると加齢臭も発生しますが豚は生後6~8カ月で出荷する為 加齢した個体が存在しないので、家畜は加齢臭が無く美味しいです。しかし、野獣の鹿や猪は去勢された個体は存在せず、加齢した個体は存在するために半数近くのジビエが不味いとなるのです。もうひとつは猟師と獣肉処理施設の問題です。里山を守り素晴らしい猟師も沢山いますが、残念ながらそうでない猟師もいます。処理施設を通さず猟師が直接ジビエ肉を販売するのは違法で闇ジビエになります。これは無責任で一番怖い事です。青空や納屋で解体した不衛生な不味いジビエを売っていていつ食中毒等の事故が起きてもおかしくない状況です。許認可も受けずPL保険も加入せず責任も取れない闇ジビエ商法が暗躍しているので、いつか事故が起こりジビエ業界全体が巻添えにならないかを恐れています。それと日本の処理施設の多くは猟師が運営し自分達が捕獲した鹿や猪を処理するためだけに作られた施設ですので学校等で勉強した肉のプロがいないからです。猟師さんたちは捕獲のプロであり肉のプロではありません。また臭い肉や不味い肉は猟師や処理施設の人も分かってはいるものの、無駄にしたくないという考えから、そのまま売ってしまうことが多い。でも、それを食べた人は二度と食べてくれないですよね。ジビエを広めたいのならやってはいけないんです。けれど、大切な命なので粗末にしたくなくて・・・悪く言えばパックにして冷凍すれば匂い等は分からないのでお金に換えるという悪循環です。あとの半数の雌や若い雄のジビエは本当に美味しくいただけます。美味しく食べるには厳しく選別することがとても重要です。また、家畜の様にビタミン剤やホルモン剤、抗生物質を投与されていないので身体に優しく低アレルゲンで栄養も素晴らしい肉といえます。ジビエはフランスで多くの料理人に高級食材として用いられています。日本でもやっと認知されるようになりました。鹿肉は牛肉に比べると約エネルギーが2分の1、脂質が4分の1、鉄分は1.7倍。猪肉は豚肉に比べると鉄分が4倍、ビタミンB12が3倍。鹿肉には脳機能向上に効果があるとされるDHAや食べることでしか取り入れることが出来ないオメガ3・6、カルニチン、と脳に良いとされる成分が確認されています。さらに渡鳥やクジラに多く含まれているアンセリン、バレニン、カルノシンというイミダペプチドが確認されています。それらは抗酸化作用があり疲労回復や運動パフォーマンスを向上すると言われていて言わば天然のサプリです。ジビエ肉はもはやスーパーフードと言っても過言ではありません。ジビエ肉には女性や高齢者に必要なたんぱく質、ビタミン、鉄分等を多く含んでいます。子供からお年寄りまで健康や脳にまで良いとされているのでおすすめです。特に、これからダイエットしたい方やアスリートの方にもおすすめです!ジビエ・ジビエと最近やたらともてはやされているが、そもそも、なぜ今ジビエなのか!?を解説。またジビエは美味しいという方と臭くてマズいと言う方が別れているので本当はどうかを解説。ジビエは安全なのか!?菌やウイルスは大丈夫なのか!?闇ジビエの真実を告げる!栄養価等気になるジビエの本当の話を国産認証ジビエ取得の処理施設が語る。あまりにもジビエの情報が偏りすぎて真実が置き去りになってきているのを危惧します。例えばTVによく出る鹿刺しなんてありえない危険なものが放送されている。ジビエの真実を知って頂き安心安全なジビエを世に広げサステナブルな取組を推進したい。

(シカ肉バーガー学校給食に登場:宮崎)
美郷町・美郷南学園(小野浩司校長、101人)で24日、町内で捕獲したシカの肉を使った給食が提供された。同学園の幼稚園児と小中学生、職員が野趣に富んだ「美郷ジビエバーガー」を堪能した。

(搬入増も精肉できず、シカ肉処理施設の現場:兵庫)
猟師が持ち込んだシカを解体し、精肉とドッグフード用原料を販売する、兵庫県丹波市の鹿加工組合丹波。シカの搬入量が増加する一方で、骨や内臓など産業廃棄物の処分費がかさみ、県の事務手数料でまかなえず、組合の持ち出しが続く事態が生じている。肉の仕入れ原価はゼロだ。引き受け頭数の増加で産廃処分費がかさむ一方、取れる肉の量が増え、売り上げが増えれば経費を吸収できるのではないのか。柳川瀬正夫組合長(71)は「そうはならない。ただで仕入れて丸もうけのように言われるが、やればやるほど利益が出ない構図」と吐露する。30キロのシカ1頭をさばいたとき、ドッグフード用は3500円ほど、全ての部位を丸々精肉できる状態の良いシカなら、1万4000円ほどになる。しかし、今狩猟期に精肉できたのは、1748頭中158頭にとどまる。これにはスジのみなど、一部位しか使えなかった個体を含む。理由は2つ。組合は通年営業だが、搬入の狩猟期への集中と、食肉にできる適切な処置がされたシカが少ないことだ。

(結婚後、鹿1頭を解体するようになるなんて:神奈川)
登山家であり、文筆家の服部文祥さんと結婚して二十余年のイラストレーター・小雪さん。夫は極力装備を持たず、獲物を現地調達しながら山行することで知られる。都会に建つ家には鹿や猪が持ち込まれ、家族で解体まで行うのもしばしば。そんな風変わりな日々は時に、小雪さんに生きものとして暮らすことの意味を突きつけるようで。夫が「狩猟免許を取る」と言い出したのは2005年。当時はまだ長男が小学生になったばかり、次男は4歳、長女は2歳だったと思います。内心「やめて!」と思いましたが、そもそも止めたところで、私の話を聞くような人ではありません。猟師の見習いからはじめて、そのうちひとりでも猟に出かけるようになりました。最初は現地で解体し、ビニール袋に入った肉だけを持ち帰っていたのですが、まもなく「頭部を食べるんだ」と言って鹿の生首をリュックに入れてくるようになり、鹿が一頭、自宅に運び込まれるようになるまで、そう時間はかかりませんでした。はじめて鹿が運び込まれた時の衝撃は、いまも忘れることができません。動物であれ、死体が家にあるなんて恐怖以外の何物でもない(笑)。想像以上の拒絶反応がありました。ところが、子どもたちにはまったく恐怖心がないんですね。「わー、(『もののけ姫』に出てくる)シシガミさまみたい!」などと言って大喜び(笑)。陰からチラ見する私と違って、先入観なしに物事を吸収できるんだなと思いました。私の意識が徐々に変わっていったのは、解体した肉のおいしさのおかげです。森のような香りと味わいがして、「こんなにおいしいなら、狩猟もいいんじゃない」と原始的な気持ちが芽生えるようになりました。やがて触ってみようかな、解体も手伝おうかな……と段階を踏んで、私も取り込まれていったような感じでしょうか。解体には、よく切れるナイフが欠かせません。動物を木に吊り下げたら、皮を剥ぎ、脚をはずしてから、精肉を行います。筋肉の構造を知れば、肉のブロックをきれいに切り出すことができるので、私は「もっといい仕事をしたい」と思うようになりました。うまくいくと誇らしいというか、いつのまにか前向きな気持ちで楽しむようになっていたので、われながら不思議です。仕留めた獲物の内臓は、夫がある程度現地で抜いてきますが、精肉作業時にも、いわゆる雑肉が出ます。たとえば銃創のまわりは傷んでいたり骨が砕けたりしているので、そのまわりは食用には適しません。そこで夫は「そうだ、ニワトリを飼えば雑肉を食べてくれるんじゃないか」と閃きました。「え、ニワトリなんて飼えるの?」と少しワクワクしたものの、田舎でもあるまいし、そんな無茶な、とすぐに思い直しました。それに、私が世話をしなくてはいけなくなるのは目に見えていますから。でもいつも通り、私の心の声には関係なく物事が進んでいき、結果的に歴代で7羽のニワトリを飼うことになりました。しかもそのうちの1羽がオスだったので、鳴き声が閑静な住宅街に響き渡って……。夫と、卵を持ってはご近所に挨拶してまわりました。脱走を防ぐために網を張ったり、柵を作ったり大変なことも多かったのですが、特に末の娘は、毎日ニワトリと遊んだり卵を採ったりするのが楽しくてしょうがなかったようです。死んでしまったニワトリや2羽目のオスなどは、狩猟した獲物同様、解体し、家族みんなで食べました。かわいがっていた生きものであっても、おいしいことに変わりはないんですね。子どもたちは幼いときから、そういう命のあっけなさ、みたいな感覚を身をもって学んだのではないかと思います。夫のもくろみ通り、ニワトリはものすごい勢いで雑肉を食べてくれました。鳥は恐竜の生き残りなんだな、と納得するがっつきぶり(笑)。台所の残飯もほぼ全部食べてくれるので、わが家の生ゴミは限りなくゼロに近づきました。さらに夫は子犬や子猫も連れてきて、家はますます大所帯に。解体後の動物の骨は犬がかじりますし、内臓も火を通して干せば犬のおやつになります。こうしてわが家では、すべてが循環するサイクルができあがりました。若い頃の私は、まさか自分が将来こんな生活をするようになるとは想像もしていませんでした。絵を描くのが大好きな文化系少女で、電化製品に囲まれたごく普通のマンション育ち。その反動なのか、『赤毛のアン』や『アルプスの少女ハイジ』など自然とかかわる物語が好きでしたが、決してこんなサバイバルな生活に憧れていたわけではありません。美大に入学し、ワンダーフォーゲル部に参加したのを機に、幸か不幸か夫との出会いがあり、結婚に至りました。いまの住まいも「資産価値ゼロ」と言われた古家ですが、子育て期に住んだのも、築50年を超える木造の平屋建て。木の窓枠で、冬は室内の温度が外気温とほぼ同じくらいまで下がる、とにかく寒い家でした。子どもが幼稚園に行くようになると、どうしてもまわりと自分を比較するようになります。実際、「おまえんち、ボロ家だな」とか言われたのではないでしょうか。私もマンション暮らしのママ友たちを羨ましく思い、つい愚痴をこぼしてしまうこともありました。ところが夫には「そんな箱みたいなところに住むより、こっちのほうが絶対楽しいぞ」という揺るぎない信念がある。そういう住まいで暮らしていると、自然と四季の変化に敏感になります。寒い夜は湯たんぽで暖をとり、立春になると本当に太陽が高くなるんだな、とか。家のなかにはアシダカグモやヤモリ、ナメクジ、お風呂場にはゲジゲジが当たり前のように出ます。子どもがこぼしたおやつを運ぶアリの行列には最初ギョッとしましたが、そのうち「掃除してくれてるんだ」と思っては、その様子をイラスト入りで日記に書くようになりました。つらいこと、慣れないことはいっぱいありました。でも日々起きること、感じたことを愚痴がわりに日記に書くと、なんだか自分の状況がおかしくて笑えてくる。そのうちに「生活って面白いな。私はこういう起伏がある暮らしが好きなんだ」と気づきました。大家さんが亡くなったため再び家探しをはじめ、購入したのがいまの戸建てです。かなり急な傾斜地にコンクリートの柱を4本立てて、その上に乗っかっている高ゲタみたいな家。こちらも築50年を超えており、一目見て私は「土砂崩れが起きたらどうするの。これはありえない」と言いました。すると夫は、「そういうふうに、まず否定から入るのはよくない」と私を諭すんです。彼には「ここなら楽しい暮らしができる」という自信があったのでしょう。私も「ありえない」などと言いながら、そのうちちょっぴり興味が湧いてくるのが、自分のいいところというか、悪い癖というか(笑)。結局、土地柄を考えると格安な、ゲタの家を買うことになりました。家屋の古さを考えて耐震工事を施し、キッチンと浴室をリフォームしたあとは、自分たちで少しずつ改修をはじめました。床張りをし、壁に漆喰を塗る。実際にやってみると、こんな楽しい作業を、お金を払って誰かにまかせるなんてもったいないような気もしました。すきま風がひどいので、夫は自力で薪ストーブを設置。傾斜地に家が張り出しており、隣り合う家がないからこそ、煙突から煙を出すことも可能なんですね。家の下の斜面はうっそうとした木に覆い尽くされており、畑仕事を楽しめる場所もありました。家の脇にウッドデッキを設置したので、運び込まれた獲物には解体までの一晩、そこでお休みいただきます。デッキでは食事も楽しめるし、ストーブにくべる薪割りもできる。資産価値ゼロと思われた家ですが、暮らしの可能性は思いのほか広がった。またもや、夫の思惑通りになりました。夫が猟をはじめるまで、自分が普段食べている「肉」と「生きものの死」が結びつくことはありませんでした。でも、それは目を背けていただけなんですよね。死んだ動物を持ち帰られ、目の前に吊るされれば、いやでも向き合わざるを得なくなる。獲物を心待ちにしながら、「あ、私が楽しみにしているのは、生きものの死だ」とハッとすることもありました。スライスしてパックされた肉はとてもきれいで、命が見えません。食べれば、どれも均一な味わいです。でも、野生の動物だとそうはいかない。若いか老いているか、なにを食べてきたか、獲られる直前のストレスの有無などで、味にものすごく個体差が表れるんです。だから、食べることの大切さが身に沁みます。野菜も手をかけて育てますし、ほかのお子さんたちにも「命をいただいている」という経験をしてほしいな、と思うようになりました。波瀾万丈な結婚生活も、20年を超えました。周囲からは「文祥さんに振り回されているのに、えらい」などと言われますが、それもちょっと違うような気もします。確かに、常識や世間体、社会システムを疑って生きる夫に合わせていたら、いつのまにかこんな生活になっていただけですが、夫といることで、本来の生きものの暮らしとはなにか、大自然とは命そのものではないか、ということを考えられるようになりましたから。まあ、夫が「オレはこういう暮らしが楽しいって最初からわかっていた。君は『ありえない』って言ってたけどね」と上から目線のところは、いまもちょっと腑に落ちませんが。

(熊の目撃情報:宮城)
26日午前11時30分頃、登米市東和町錦織字雷神山地内(錦織2区)で熊の目撃情報がありました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、30日午後4時10分ごろ、富谷市穀田瀬ノ木付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後8時10分ごろ、仙台市青葉区錦ケ丘9丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、26日午後4時35分ごろ、富谷市西成田寺前付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午後1時50分ごろ、仙台市泉区北中山2丁目にクマが出没しました。

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(野生イノシシが豚熱感染、県内5例目:茨城)
茨城県は24日、大子町盛金で捕獲した野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は5例目。県畜産課によると、感染が判明したのは成獣。14日に地元の猟友会が駆除するために捕獲した。

(野鳥の死骸から「鳥インフル」:福岡)
福岡県は23日、福岡市内で見つかった死んだ渡り鳥から鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表しました。県内で渡り鳥の死骸からウイルスが検出されるのは今月に入って2例めです。福岡県によりますとウイルスが検出されたのはカモ科の渡り鳥「ホシハジロ」です。今月17日に、福岡市内の水辺で死骸が見つかり簡易検査では陰性でしたが、23日、国立環境研究所の遺伝子検査で陽性が確認されたということです。高病原性かどうかは調査中です。県によりますと今回死骸が見つかった場所は今月2日に渡り鳥の死骸が回収された場所に近いということです。この渡り鳥からは最終的にウイルスは検出されませんでしたが、環境省は、今回も発見された地点から半径10km以内にあたる福岡市や春日市などの一部地域を「野鳥監視重点区域」に指定しました。県はパトロールなどを始めていますが、現時点で近くの養鶏場などのニワトリに異常はみられないということです。

(国立・国定公園での餌やりに罰金、政府が改正法案提出)
政府は国立公園と国定公園の一部でヒグマなどの野生動物に餌を与えることを禁じ、30万円以下の罰金を科す自然公園法改正案を国会に提出した。道内では世界自然遺産の知床を訪れる観光客がヒグマに餌やりをして問題となっており、関係者は「抑止力につながる」と期待を寄せる。ただ、広大な公園を監視するには限界があり、「実効性を保てるのか」との懸念もある。罰金の対象となるのは、国立・国定公園のうち、《1》絶滅危惧種の鳥獣などが生息する「特別地域」《2》干潟や海鳥が生息する「海域公園地区」《3》宿泊施設などがある「集団施設地区」。改正案では、ヒグマ、キツネなどの哺乳類やオジロワシ、シマフクロウなどの鳥類に餌を与えることを禁止する。公園を管理する国や都道府県の職員の指示に従わない場合、警察に通報するなどして摘発し、罰金を科す。政府は今国会で成立させ、来年春の施行を目指す。環境省国立公園課は罰金導入の狙いについて、「餌付けされた野生動物が人に慣れ、市街地に出没したり、人を襲ったりする事故を防ぎたい」とする。道外ではサルやイノシシに餌をやったことで、人に襲いかかる例が起きている。道内では知床や阿寒摩周、大雪山など六つの国立公園と、網走、大沼など五つの国定公園が対象となる。知床で野生動物の保護管理や調査研究を行う知床財団(オホーツク管内斜里町)の石名坂豪保護管理部長は、罰金導入を「観光客に餌やりをやめさせる法的根拠になる」と評価する。環境省によると、知床国立公園付近の市街地にヒグマが出没したケースは2020年度までの4年間で計355回に上り、観光客の餌やりが一因とみられる。石名坂部長は「人の食べ物の味を覚えたヒグマは、人や市街地への接近を繰り返す。罰金導入により、餌やりは禁止行為という認識が広がってほしい」と話す。

(共存を模索、目標は100頭:四国)
四国のツキノワグマは環境省レッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」とされる。日本クマネットワークや日本自然保護協会によると、最新の推定では徳島・高知県境付近に16~24頭が生息するだけだ。主に調査を担う四国自然史科学研究センターの安藤喬平研究員は「2013年からは毎年、新しい子グマが生まれている」と話す。繁殖が続いているのは明るいニュース。これまでクマの姿を確認できなかった剣山北側の落葉広葉樹林で近年、若い雌の姿が複数回撮影された。しかし、繁殖に参加しているのは比較的高齢のクマばかり。子グマが生まれても、それらが成長した姿をほとんど観察できていないのが課題だ。昨年、クマのすむ地域近くに古い家を借りて新たな調査拠点とした。住民とともにクマとの共存策を考えていく。「50年後に100頭」が現在の目標だ。

(上越地域、シカ捕獲数急増:新潟)
2020年度に新潟県の上越地域3市で捕獲されたシカの数が例年に比べ大幅に増加している。特に妙高市では、前年度は1桁台にすぎなかったが、冬季を中心に176頭を捕獲。関係者は、今冬の大雪でシカが移動しにくかったためと推測している。妙高市で捕獲されたシカは17年度26頭、18年度23頭、19年度が6頭だったが、20年度は15日現在で176頭と急増している。糸魚川市も前年度63頭だったが、2月末現在で176頭にまで増加。上越市でも前年度の31頭から、18日時点で51頭になった。増加の原因について、妙高市環境生活課は「長野、富山両県から市内に移動してきたシカの多くが、短期間に降った大雪のため戻ることができなかったのでは」とした上で、「里雪が多かったため、シカが平野部に行かず山間部にとどまっていた」と推測。大雪で思うように動けず、銃猟から逃げることが困難だったと分析する。3市とも冬場に捕獲が集中し、妙高市では昨年12~3月の銃猟で171頭。糸魚川市では昨年10月から毎月20頭以上が捕れ、12~2月には102頭に増加。上越市では銃猟による29頭のうち、28頭が12~1月だった。シカは山林の木の皮や新芽、農作物を食べるなど害を及ぼす。同課は「共存の観点から、できれば捕獲数は増えない方がいいが、人的被害と農業被害は減ってほしい」としている。

(鳥獣対策で共同宣言:山口)
山口県や下関市の支援を受けながら地域ぐるみでイノシシやシカなどの鳥獣対策に取り組む計画が山口県下関市豊北町で始まるのを前に25日、実施に向けた共同宣言の調印式が行われた。式には、下関市豊北町朝生地区の住民や県・市の関係者が出席し、共同宣言を読み上げた後、宣言書に調印した。朝生地区で始まる計画は、県や市の支援を受けながら地域ぐるみでイノシシやシカなどの鳥獣被害対策に取り組むもの。これまで行ってきた防護や捕獲を強化すると共に耕作放棄地で営農を再開したり牛を放す山口型放牧を行ったり森林の間伐や竹林の解消などの生息地管理を行って見通しを良くすることでイノシシやシカが近寄りにくい地区を作っていく。計画は、来年度から3年間で、イノシシやシカの被害を今の半分程度にする。

(対カラス「音声攻撃」効果てきめん:熊本)
熊本市は、佐賀大などと協力して実施していた中心市街地のカラスを追い払う実証試験について、ねぐらの周辺で特殊な音声を約1カ月間流した結果、市街地からカラスが激減したとの調査結果を公表した。市は、市街地でのねぐら形成防止に有効性が高いとして、来季も同様の対策を実施する。熊本市の中心市街地では数年前から、越冬のために飛来しているミヤマガラスのふん害が深刻化。市は佐賀大や民間企業と協力して、昨年12月から約1カ月にわたり、ねぐらとしていた花畑公園(中央区)のクスノキに向けて、カラスが仲間に警戒を促す声を独自に合成した特殊な音声を流すなどしていた。

(AIを活用した営巣検知システムの導入について:四国電力)
四国電力はこのたび当社は、停電の一因となる配電設備上のカラスの営巣を自動的に発見するため、AIによる画像認識を活用した営巣検知システムを導入することといたしました。カラスの営巣には、樹枝や金属製のハンガーなどが使われることがあり、これらが高圧線に接触した場合に停電の原因となります。このため当社では、停電防止に向けて定期的に巡視を行い、巣の早期発見・撤去に努めておりますが、カラスの巣は撤去した後も繰り返し作られるため、大きな課題となっておりました。本システムは、こうした課題解決のため、AIに関する豊富な知見を有するエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社とともに平成30年から開発を進めてきたものです。具体的には、車やバイクに搭載したカメラにより走行しながら電柱等の配電設備を撮影し、取得した画像をAIが瞬時に分析することで営巣を発見するとともに、リアルタイムで撤去指示者へメール通知を行うものです。これにより、停電防止対策の迅速化や巡視業務の効率化が実現できます。本システムは、まず香川県、愛媛県内の一部事業所において導入し、その結果を評価したうえで、順次、導入する事業所を拡大していくこととしております。当社としては、今後ともAI等の新技術に関する知見を電力の安定供給維持に活用するとともに、様々な社会的課題の解決に向けて、送配電ネットワーク設備の新たな価値創造に繋げてまいります。

(畑にサルの集団40匹、えさ求め集落へ?:秋田)
23日午前10時ごろ、北秋田市綴子字合地の畑にサル約40匹がいるのを近所の男性が目撃した。午後4時ごろにも数匹が再び出没した。被害はなかった。目撃した農業小笠原昌さん(45)=同市綴子=によると、同日午前、農作業小屋から外に出ると、サルがビニールハウスの骨組みや木に上ったり、畑を歩いたりしていた。夕方にも自宅近くの林や畑に出没。南西の林の中に姿を消した。体長は50センチほどだった。小笠原さんが住む合地集落の北にある大畑集落では、春彼岸で墓に供えられた食べ物を狙い、サルが出没していたという。「近くでこれほどたくさんのサルを見るのは初めてで動揺した。これからの農作業に影響がないか心配」と話した。

(架線にハンガーが引っかかる事案が発生:京都)
京阪守口市駅(2番線の京都方)で架線にハンガーが引っかかっているのが3月25日(木)昼ごろ、発見されました。電車の運行に支障をきたすため京阪本線(淀屋橋駅~三条駅)・鴨東線(三条駅~出町柳駅)・中之島線(天満橋駅~中之島駅)の運転を一時的に見合わせ、撤去作業が行われた模様です。ハンガーはカラスが巣を作るために置いたようです。

(「命の授業」育て、奪い、いただく。:大阪)
私たちが普段、何気なく口にしている肉や野菜などは、何かの命を奪い、その命を、いただいています。それを学ぶ農業高校の「命の授業」に1年間密着しました。しめられるカモの最後の声が響きます。生徒たちの胸の内に「ありがとう」と「ごめんね」が交錯します。新型コロナウイルスに翻弄されながらも「命とは何か」を考え続けた日々。ある生徒は、「向き合えていたかはわからないが、それでやっとこの子達のことを知れたと思いました。」と話しました。育て、奪い、いただく、命の授業。農業高校の1年を追いました。大阪府堺市の住宅街のど真ん中に広大な敷地を誇るのが府立農芸高校。その一番の特徴が府立高校で唯一、動物について専門的に学べる学科があることです。飼育しているのは牛や豚などの家畜をはじめ、ウサギなどの小動物まで、その数、約400頭にもなります。そんな農芸高校には20年ほど前から続く、ある動物を使った「名物授業」があります。運ばれてきたのは、卵からかえったばかりの、カモ40羽。このヒナたちが、授業の「主役」です。先生たちがまず最初に行ったのは、「刷り込み」。生まれて最初に見た動くものを、親だと思い込む鳥のヒナの習性を利用してカモを人間に慣れさせようとしているのです。(先生)「自分の持っているのが一番可愛くみえる」「さあ来い!めちゃくちゃかわいい!えらい!」愛くるしいヒナたちですが、(担当の中村洋平先生)「孵化場からのヒナを一から飼育してしめるまでするというのが、この学校での学びです。」そう、生徒たちの手でカモをヒナから育て、生徒たちの手でそのカモの命を奪い料理する。それが農芸高校の名物授業、いわば「命の授業」です。「ペット」ではなく、ゆくゆくは「食べ物」になる動物との付き合い方を理解するのが学びのポイントです。しかし、そこに、生徒たちの姿はありませんでした。新型コロナウイルスにより、3ヵ月にわたって休校が続いていたのです。(担当の喜多村晴幸農場長)「ここからどんどん成長していく過程を本来なら、生徒たちにまなんでほしいなと」。「命の授業」が動き出したのは去年6月上旬。ようやく生徒たちが学校に戻ってきました。(中村先生)「長い長い休校が明けました。本来皆さんがやらないといけなかった、刷り込みや田植えは、我々教員でしました。」生徒たちは、カモたちとは、もちろん初対面となります。カモを見た生徒たちは、「めっちゃかわいい」「羽をさわろう」「めっちゃ、ちいちゃいで」「すごくフワフワしていた」「(Q.重かった?)はい、ずっしりと」と話しました。カモたちが育てられる場所は、「田んぼ」。この日初めて、自分たちの住まいに飛び出していきました。農薬などを使わずに、害虫や雑草をカモに食べてもらう「アイガモ農法」。カモたちにとっても、自然に近い環境ですくすく育つことができます。(中村先生)「頭とか首だけしか見えなくなったら、溺れかけているので、その子は一旦上げて毛繕いさせて下さい」(2年生の嶋田光希さん)「いつかはいなくなってしまう時がくるので、名前は私はつけないでおこうと思います。(Q.先のことを考えると?)つらい気持ちもあります。」生徒たちそれぞれが、複雑な感情も抱えながら、「命の授業」が始まりました。去年7月上旬。カモたちは、すくすくと成長しています。この日の授業は、カモを捕まえること。田んぼで適度に筋肉をつけたカモを飼育小屋に移し、育てていきます。(3年生の塩崎野々花さん)「(田んぼで)自然飼育をすることによってグルタミン酸を一杯出して、甘みが強くてジューシーお肉になって、このお肉が「農芸鴨」というブランドになって、大阪のカモ文化を広める活動をしています」。「命の授業」を行う「総合環境部」で、副部長を務める3年生の塩崎野々花さん。塩崎さんは、幼いころから動物が大好きで動物と触れ合うことができると、この学校を選びました。(塩崎さん)「(将来は)観光牧場の飼育員になりたくて、動物と人間に寄り添って両方の架け橋になれるような存在になりたいです。」そんな塩崎さんは、2年生の時に初めて、カモをしめる経験しました。(塩崎さん)「1回目にやったときに、失敗して苦しませてしまったので、苦しまずに天国にいってほしいなって思って」カモに愛情を持てば、持つほど、つらくて、悲しい日が近づいていました。去年8月下旬。この日、生徒たちは、ある授業を行います。(3年生の市原碧さん)「(Q.カモをしめたことはありますか?)やったことはないんですよ。命がなくなる、さっきまで生きていた子らが動かなくなるというのが、目の当たりにするので『ダメだな』って。」カモたちの命を奪う方法を学びます。(喜多村先生)「自分たちの手で命を育てて、自分たちでしめて、自分たちで食べるということを学ぶんですが、包丁で頚動静脈を切る、刺して切るということをします。カモのためにも一回でできるように。」命を育て、奪うことで、命の大切さを知る。頭ではわかっていても、整理できない感情があります。(2年生の中村和希さん)「育ててきたので、自分で殺すのはつらいです。複雑なきもちがあります。」(2年生の本間陽女さん)「なるべく一回でやらないといけないので、それがすごい不安です」。実習の前日、副部長の塩崎さんは、2年生を指導しながら、命をいただくカモの体重をはかって準備を進めます。カモをしめた経験がある塩崎さんですが…(塩崎さん)「最後なんで名残惜しいなって感じ」。迎えた当日。先生はあえて手を貸さずに見守り、生徒だけで行うのが伝統です。まずは、3年生の塩崎さんから。(塩崎さん)「首が伸びたときにここに気管があって、気管を前にやる。その奥にある頸動脈と頸静脈をさがしていきます。」塩崎さんは包丁でカモの首の中の頚動静脈を一瞬で刺して切ります。そのときカモは短くギャッと鳴き声を上げました。「ごめんね」。「ありがとう」。声にならない謝罪と感謝。「しめる」瞬間、生徒たちは見て、感じて、学びます今度は、2年生が初めて体験します。(2年生の本間さん)「この辺?」(塩崎さん)「そうあっている、あっている。この気道の間を切る」(本間さん)「血がすごく温かくて今まで生きていたと思って、目が閉じていくのを見て改めて『しめる』瞬間を学んだ」。うまくできた人もいれば…(2年生)「ごめんね…切られへん!」(3年生)「結構かたいから、強く刺さないと」(2年生)「刺されへん…」うまくできなかった人も。それでも、みんな学ぶ事がたくさんありました。(塩崎さん)「カモをしめた日の夜は、やっぱり眠れなくて。自分の心臓の音を聞くと、脈を打っていた感触も刺した時の感触も思い出しちゃうので、泣きそうになったりする。向き合えていたかは分からないけど、やってよかったと思いますし、それでやっとこの子たちのことを知れたと思いました。」塩崎さんは、飼育員になるために春から北海道の専門学校で学ぶそうです。去年10月。カモたちが泳いでいた田んぼには、稲穂が実っていました。総合環境部の2年生3年生総出で稲刈りです。(塩崎さん)「『ガーガー米』といって無農薬でカモを使ったお米なんで、ガーガーが作ったお米。」一粒も無駄にしない。落ちている稲も拾っていきます。最後に残されたのは、「命をおいしくいただく授業」。カモ肉とこのお米を使って、高校生だけのレストランが開催されます。迎えた、今年2月中旬。「これから1日高校生レストランを始めます。礼。」緊急事態宣言による延期を経て、高校生レストランが行われることになりました。農芸高校の近くにあるお店を借りて、総合環境部の生徒たちだけで切り盛りします。ただ、いつもの年と違うのは…(塩崎さん)「一般向けにできなくなったのは残念ですが、命を伝えるというのは、一般向けでも先生に向けても、なにも変わりはしないので。」食事を提供するのは、一般のお客さんではなく先生たち。それでも、命をくれたカモたちのために、「おいしくいただいてもらう」。カモ肉やガーガー米をはじめ、難波ねぎや海老芋など、ほとんどの食材は農芸高校で作ったものを使います。先生たちは、満足してくれるのか。「命の授業」の集大成。鴨肉尽くしの、和食薬膳懐石10品。(喜多英一校長)「おいしかったな。見て楽しんでもらえるのはいいね。」(塩崎さん)「盛り付けイケていましたか?」(喜多校長)「イケてました。」(中村先生)「おいしいです。焼き物も最初は焦げていたりとか、半生だったりとかだったんですが、生徒が伸びている、成長している」。カモから頂いた大切な命。無事、届けることができました。(3年生の八尾涼太さん)「すごくやりきったなというか、長い時間をかけて育てたものが、食べてもらっていう流れを感じることは、勉強になるなと。生きるというのは、そう言う事なんだなと思いました。」(3年生の義本裕李さん)「自分の手の中で命がなくなっていくのを実際に体感して、今まで形だけの『いただきます』だったなとすごく思いました。」(塩崎さん)「気が滅入ってしまうときとかもあるけど、でも活動してきた日々が楽しいことが勝ったりするので、(動物を)一日一日を幸せにできるようにと思っているし、そう思わせくれた授業をすごくありがたいと思っています」。「命を育て」「命を奪い」「命をいただく」。いつも食卓に並んでいるものが、違ったものに見えてくる。カモたちの命が、大切なことを教えてくれました。

(“猪骨ラーメン”に猟師も大満足:新潟)
今年、大雪の影響で住宅地などでの目撃が相次いだイノシシ。イノシシによる人身被害は2017年度に2件・3人あったのを最後に、2年連続でゼロとなっていました。しかし今年度はすでに7件・9人。これは記録が残る2009年以降、最多となっています。そして農作物への被害も深刻です。2011年度には764万円だった被害額が、昨年度は6倍以上の5140万円に膨らんでいます。こうした状況に目を向けてもらい、新たなビジネスにつなげようと長岡市では23日、地元の猟師がとったイノシシを使う新しいメニューの試食会が開かれました。「猪骨(いのこつ)ラーメンですね」メニューを開発したのは店主の横山元気さん。その新しいラーメンに欠かせないのが、ふだんあまり出回らない地元猟師が捕獲したイノシシの骨です。3日間スープを煮込んで作った猪骨ラーメン。トッピングには猪の肉を使ったチャーシューも2枚のっています。なぜイノシシを使ったラーメンが開発されたのか…そこには関係者の強い思いがありました。イノシシによる農作物による被害が増加するなか、猟師の担い手は減少。新たなニーズを掘り起こすことで、この問題に目を向けてもらおうと業務用食材などを扱う長岡市の企業が開発を依頼しました。開発されたラーメンに、イノシシを提供した地元の猟師も大満足の様子。鳥獣被害対策の一環として進められる新しいラーメンの開発。新たなビジネスにつなげるため、今後は業務用の“ガラ”としての製品化を夏ごろを目標に取り組むということです。

(ジビエでドッグフード:神奈川)
農作物の被害など、鳥獣対策が課題となっている清川村で、シカの肉を使ったドッグフード「宮ヶ瀬ジビエジャーキー」が3月12日から、道の駅・清川(煤ヶ谷)で販売されている。これは、国のGoTo商店街事業「ONE愛甲郡」の一環で企画されたもの。村内の有志が考案し、猟友会からの協力を受け試作を重ねた。販売されているドッグフードは、チップス、ミックス、ふりかけなど6種類。価格はどれも1袋800円(税別)。5月からは近隣の県立あいかわ公園での販売も予定されている。企画メンバーは「猟友会の皆様をはじめ、多くの方にご協力いただいたことに感謝しています。清川の素材を使い、清川で作るドッグフードです」と話す。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日深夜、仙台市青葉区芋沢大勝草下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午後9時25分ごろ、仙台市太白区羽黒台にクマが出没しました。

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(豚熱感染の野生イノシシ、新たに4頭確認:神奈川)
神奈川県は18日、秦野、伊勢原の両市と清川村で豚熱(CSF)に感染した野生イノシシ計4頭が確認されたと発表した。県内の感染確認は14~17例目。県は県内全ての養豚場に対し飼養豚の異常の有無を確認するとともに衛生管理の再徹底を指導する。県によると、5日に秦野市北矢名、6日に清川村煤ケ谷、9日に秦野市北矢名、伊勢原市子易で捕獲された成獣について、県が遺伝子検査を実施したところ、18日に陽性が確認された。

(自宅にクマ侵入、高齢者けが:岩手)
22日午後5時ごろ、花巻市太田の女性(73)が自宅でクマに襲われた。同市内の病院に運ばれ、頭や顔、両腕にけがを負った。命に別条はない。花巻署によると、食事中に物音に気付いた女性が、屋外に出て様子を確認。外側から縁側の扉を開けた際に、中から体長60センチほどのクマが飛び出し襲われた。鍵の掛かっていない窓から侵入したとみられる。

(狩猟等事故防止映像「事故につながる分岐点」)
近年、狩猟などの鳥獣捕獲において様々な事故が発生しており、安全対策の強化が求められていることから、環境省では、狩猟免許の更新講習や自己学習等において活用していただくため、事故の再現ドラマや俳優の藤岡弘、さんが狩猟での心構え等を紹介する映像資料を制作しましたので、お知らせします。近年、ニホンジカやイノシシなどの一部の増えすぎた鳥獣による生態系・農林水産業等への被害が全国で深刻な状況であり、このような鳥獣の捕獲強化が必要となっています。しかし、その一方で狩猟等の捕獲活動中の事故が毎年発生しており、安全対策の強化が求められています。ただし、捕獲活動中の事故の多くは、基本的なルールを守っていれば、防げたものも多いと考えられます。このため、環境省では、狩猟者や鳥獣の捕獲従事者に「事故を絶対に起こしてはいけない」と強く意識していただくことを目的として、実際の事故を再現したドラマ等を通じて、事故に至るまでのプロセスや事故の悲惨さ、どうすれば事故を防ぐことができたのか等を解説した映像資料を制作しました。

(再び回転式散弾銃を製造:ロシア)
2000年代初頭に登場したユニークな5連装ショットガンが間もなく復活し、猟銃市場を席巻することになるだろう。3月初旬、ロシアの大手兵器メーカー、ロステフ社が回転式ショットガンMTs-255を市場に復活させる計画を発表した。これは民間用の5連装12ゲージ・ショットガンで、100㍍以内の標的を有効に仕留められる。「回転式散弾銃は米国の南北戦争で最初に登場した。コルト社が最初にこの種の銃を製造した。だが、この武器にはさまざまな設計上の欠点があり、米兵の間では人気を得られなかった。それが今や、これから狩猟を始めようという人を惹き付け、熟練のハンターの装備の幅を広げる銃になるだろう」と雑誌「祖国の軍備」のヴィクトル・ムラホフスキー編集長はロシア・ビヨンドに話す。彼によれば、現在米国では、回転式散弾銃は博物館か個人の武器コレクションでしか見られないという。「外国のユーザーは回転式よりもセミオートやポンプアクション式のショットガンを好む。したがって、ロシアのMTs-255は今や唯一無二の製品と言える」とムラホフスキー氏は続ける。「ロシア初の回転式散弾銃が現れたのは2000年代初頭のことだ。だが、さまざまな経済的な理由、マーケティング上の理由によってMTs-255は製造中止となった。今日、ロシアおよび世界の経済状況は徐々に正常に戻りつつあり、兵器メーカーは新奇なデザインの銃で兵器市場を活気づけようとしている」と編集長は言う。初期のMTs-255の所有者の一人、アレクサンドルさんは、この銃はダブルバレル・ショットガンやセミオート・ショットガンに比べてバランスが良いという。「この銃の重心はシリンダーにあり、銃を構えると重さが両手の間に均等に分散される。主さがおよそ3.5キログラムもあるにもかかわらず、分解・組立てもとても楽だ」とハンターは言う。トリガーストロークは長いが、同時に滑らかで、快適に撃てる。銃の分解は非常に簡単で、訓練を受けていなくても一分以内にばらせる。トリガー機構は丸ごと外れる。これは銃をメンテナンスする際に非常に便利な特徴だ。「失くしてしまいそうな小さな部品はない。組立てに筋力も必要ない。すべてがとてもシンプルでスムーズだ」とアレクサンドルさんは話す。今度は短所を挙げよう。トリガーが繊細なため、効果で高品質の弾薬を使う必要がある。粗悪品だと狩猟中に不発を起こしかねないからだ。「弾の再装填にとても時間がかかる。薬莢はシリンダーから指か棒で押し出さなければならない。シリンダーをスイングアウトすると大きな音が鳴り、動物が逃げてしまうかもしれない」とアレクサンドルさんは指摘する。

(新年度からクマなどの獣害対策を強化:福井)
県内では2年連続でクマが大量出没し、人身被害が増加しました。これをうけて県は、新年度からクマなどの獣害対策を強化することにしています。県によりますと、昨年度、県内でクマにおそわれてケガをした人は9人にのぼり、今年度も2月までで12人と過去10年で最も多くなりました。県が、クマの出没や被害を詳しく分析した結果、住宅地にある柿の木が出没の要因になっているケースが多いことがわかったということです。このため県は、柿の木の伐採などにかかる費用について、市や町と協力してあわせて3分の2を補助する制度を新年度から始めることにしました。また、これまでは、クマの出没にあたって柿の木の伐採などを指導する専門職員が不足していたとして、猟友会の会員などを派遣する体制を新たに整備することにしています。さらに、シカやイノシシによる農作物への被害も深刻だということで、県は、地面に設置して野生動物が畑に近づくことを防ぐ「グレーチング」という機器を設置する場合は、その費用の半額を補助するということです。

(シカが7割、列車と動物の衝突事故増加:広島)
広島、山口県内の山あいを走るJR西日本広島支社管内の在来線で、動物との衝突事故が増加している。2019年度は10年度の約2・5倍で、シカとの衝突が7割を占める。生息域の拡大が背景にあるとみられ、列車が走行不能になる事故もある。同支社は20年から山口県で猟友会に報奨金を出して捕獲を促しており、広島県内での導入も検討している。同支社によると、19年度の衝突事故は10年度の約2・5倍の869件。うちシカが609件と70・1%を占め、イノシシが27・4%の238件で続いた。シカは鉄分を補給するため線路をなめる習性があるとされ、夜間や早朝を中心に線路内への立ち入りが後を絶たない。路線別では芸備線225件▽山陰線215件▽山陽線141件▽美祢線140件―の順だった。衝突事故の際には急ブレーキをかけるため、乗客への影響が懸念されるほか、車体の確認や死骸の撤去で運休や遅れも生じる。美祢市では20年11月に美祢線の普通列車が自力走行できなくなる事故も起きた。同支社は線路脇に柵を設けたり、出没が相次ぐ区間で徐行したりしているが、山間部全体で対策を講じるのは難しい。シカが線路に近づかないように鉄分を含んだ資材を山中に置く策も試みたが、抜本的な解決にはならないという。広島大大学院の谷田創教授(人間動物関係学)は「中山間地域を中心に限界集落や耕作放棄地が増加し、シカなど野生動物の生息域が拡大している。人里に下りてきたシカなどが人に慣れてくる傾向もあり、線路や道路での事故が増えるのは必然」と説明する。同支社は20年7月、美祢、山陰線が走る美祢市と長門市の猟友会と連携し、捕獲した場合に1頭当たり3千円を出す報奨金制度を開始。12月末までの半年で280頭分を支給した。報奨金制度の効果を見極めた上で、広島県内の芸備線沿線などでの導入も視野に入れる。「JRだけでは対策に限界がある。行政や民間と連携し有効な手だてを考えたい」としている。

(搬入増もかさむ処分費、シカ肉処理施設の現場:兵庫)
今シーズンの狩猟期間が15日に終わり、兵庫県丹波市の鹿加工組合丹波(柳川瀬正夫組合長)の加工処理施設に、昨年度より219頭多い1748頭が持ち込まれた。捕獲されたシカを山に捨てず、施設に持ち込むことで有効活用につなげようと、狩猟者にメリットがある制度を県が始めたことで急増、組合関係者は「想定外の数」と目を丸くする。一方、受け入れ頭数の増加で、骨や内臓など産業廃棄物の処分費がかさみ、県の事務手数料でまかなえず、組合の持ち出しが続く事態が生じている。「ジビエ」ともてはやされるものの、可食部分が少ないシカ。2013年に設立され、シカ肉の有効活用処理施設を運営する鹿加工組合丹波は、生産者と消費者の間にあり、ビジネスとシカ有効活用の理念の狭間で悩んでいる。県内のシカ利活用先進地の丹波市の処理加工施設が直面している問題を考える。2018年度に県が始めた「狩猟期の処理施設搬入促進事業」で搬入が一気に増えた。同事業は、シカ捕獲報奨金の受給に必要な、狩猟者自身が捕獲個体の写真を撮り、切った尻尾を物証とする面倒な手間を、書類1枚に簡略化するもの。イノシシと違って、売り先が少ないシカは、尻尾だけ切って、山に穴を掘って埋めることが多かったが、認定施設に運べば埋設も不要。「シカの出口ができた」(県狩猟対策課)。 条件は、県の認定施設(14施設)に持ち込むこと。同組合が認定施設になったことで、持ち込みが増えた。煩わしい手続きが減り、より狩猟に集中できると歓迎されたからだ。事業効果はてきめんだ。制度が始まる前の17年度と比べ、4年で1・7倍に増えた。17年度、市内で獲れたシカの組合搬入は約65%だったが、19年度には80%を超えた(20年度は集計中)。同組合に持ち込まれたシカの約4分の1を占める同市市島地域。「獲るのがうまいベテラン猟師がいるところに、市島は鉄砲隊もわな猟師も増えた。獲物もたくさんいる」と、市猟友会市島支部長の近藤善紀さん(70)。市島地域で獲れたシカの大部分が組合に持ち込まれており、近藤さんも持ち込んでいる。「かなり助かっている。うちから組合まで往復40キロはあるが、運ぶだけで用事が済むので、楽」と歓迎する。同組合が、1日の受け入れ目安を20頭に設定していることも搬入頭数の増加に関係している。20頭は、姫路市の施設の30頭に次ぐ県内2番目の規模。両施設以外は全て、1日の上限が5頭以下。少頭数に限定している施設は精肉利用を重視し▽わなによる生け捕りのみで銃猟は対象外▽個体重量30キロ以上―など、受け入れ条件が厳しい。一方、同組合は、「仕留めてから原則2時間以内に搬入」と、条件が緩い。獲ったシカを有効活用する観点から、精肉のほかドッグフード用に販売するからだ。今季、1日で38頭を受け入れた日もあるなど、状態が悪いシカ以外は、無理をしてでも受け入れている。昨年度、全県で捕獲されたシカは4万937頭(有害期も含む)。うち処理施設に搬入され、「有効活用された」のは約2割の8367頭。このうち約22%の1810頭が同組合分で、県鳥獣対策課は「大変貢献してもらっている」と感謝する。同施設に搬入することで、市が県の報奨金7000円に2000円を上乗せした1頭9000円が、猟師に支払われる。認定施設に持ち込まない、認定施設が地元にない、あっても小規模の地域の狩猟者は、従来通りの手続きを経る。報奨金は7000円で、埋設も必要だ。同施設開所以来、シカさばきを担当し、獲物を持ち込んだ猟師と日々接している足立利文さん(71)は「組合にシカを持って来る人が増えた。若い人も増えた。たくさん獲っているのに、まだ増えるのが不思議」と言う。それもそのはず。県の管理計画によると、今年度の捕獲目標は全県で4万6000頭。これだけ獲らないと、シカが減らない勘定だ。森林面積から割り戻すと、丹波市の捕獲目安は2681頭。実際に捕獲できた数とのかい離は大きい。仮に捕獲でき、猟師が組合に持ち込んだとして、組合は処理が可能なのか、また、組合から先の「出口」はあるのだろうか。

(イノシシ、19年に5万6459頭:愛媛)
愛媛県特定鳥獣適正管理検討委員会が22日、県庁であり、第4次県イノシシ適正管理計画の一環で初めて実施した個体数の推定調査結果が報告された。2019年は県内に5万6459頭が生息していたとみられ、14年度の個体数を10年で半減させる国の目標を達成するには、現在の1.7倍の捕獲が必要としている。

(カラスの被害知って、県職員らラップで対策呼び掛け:長野)
カラスによる被害が県内で後を絶たない。22日は、松本市中心部でカラスの巣が原因となって停電が起きた。県民がカラスに振り回される中、県職員のヒップホップグループ「WRN」(ダブル・アール・エヌ)が「カラスの被害にもっと関心をもって」と、カラスの生態を軽快なラップに乗せながら紹介、対策を呼び掛ける。県内では長野市や中野市などで食害やフン害が相次ぐ。実態を探るため、県は昨年秋、約四十年ぶりに生息状況の調査に着手。長野市などでは山中をねぐらにし、近隣の畜舎の堆肥や田畑の果樹が狙われる実態が明らかになってきた。調査を基に県が対策強化を進める最中に起きたのが、二十二日の停電だった。中部電力パワーグリッド松本営業所(松本市)によると、同日午前十時半ごろ、JR松本駅東側の住宅や事業所など計五百八十戸が最大で一時間十六分停電した。市中心部で複数の信号機が消え、松本署員が交通整理に走る事態になった。電柱で発見されたカラスの巣の材料に金属製ハンガーが使われ、電柱の機材に接触したのが原因だった。

(クマの生態踏まえた対応は:秋田)
クマの出没に備え、警察官や自治体の職員が、クマの生態を踏まえた対応を学ぶ講習会が鹿角市で開かれました。鹿角警察署で開かれた講習会には、警察や自治体の職員ら、およそ50人が参加し、「県ツキノワグマ被害対策支援センター」の近藤麻実さんが講師を務めました。この中で、近藤さんは、遭難した人の捜索などで山に入る場合は、クマに遭遇しないように、クマの臆病な性格を踏まえ、常に大きな声や鈴などで音を出しながら移動し、近くに人間がいることをアピールすることが有効だと説明しました。一方、市街地に出没したクマを捜す場合、クマが身を潜めやすい、やぶの付近に注意して、できるだけ車に乗って捜し、見つけた時も興奮させないように、近づきすぎたり、取り囲んだりしないように指導していました。このあと、参加者たちは近くの空き地に移動し、クマが嫌がる成分が入ったクマ用の撃退スプレーを使う練習をしていました。警察によりますと、去年、県内では、クマの目撃件数が過去10年間で2番目に多い929件にのぼったほか、クマに襲われて1人が死亡、8人がけがをしています。クマの冬眠が終わり、ことしも、これからクマに注意が必要な時期を迎えます。鹿角警察署地域課の小坂覚課長は「クマの目撃場所の近くでは、必ず複数人で行動するなど、きょう学んだことをいかして安全対策を徹底したい」と話していました。

(ヒグマ目撃300件減、昨年3月から1年間:北海道)
本年度2回目の知床世界自然遺産地域連絡会議が18日、斜里町内のゆめホール知床で開かれ、昨年から今年にかけての斜里町と根室管内羅臼町でのヒグマ目撃件数が、合わせて300件減少したことを知床財団が明らかにした。会議には、環境省や道、斜里町と羅臼町の関係者ら約40人が出席。各機関が遺産地域の保全や管理のために取り組んでいる事業などを報告した。財団のまとめによると、昨年3月~今年2月のヒグマ目撃件数は、斜里町が前年同期比145件減の825件、羅臼町が同155件減の184件。有害駆除頭数も減少し、斜里町が同20頭減の6頭、羅臼町が同8件減の5頭だった。ヒグマ対策の取り組みとして斜里町は、昨年5~7月、地域の企業がヒグマが身を隠す場所をなくすためにささやぶの刈り取り作業を実施し、見通しが改善されたことを報告。羅臼町も昨年6月以降、町内会の主催で住宅地周辺の草刈りが実施されたことに触れ、担当者は「地域の安全性が向上し、ヒグマの目撃件数の減少に効果があったのではないか」と話した。このほか、エゾシカ対策事業や、カムイワッカ地区でのマイカー規制などについても報告があった。

(精肉は2%産廃は61%、シカ肉処理施設の現場:兵庫)
兵庫県丹波市の鹿加工組合丹波の加工処理施設。シカの搬入量が増加する一方で、骨や内臓など産業廃棄物の処分費がかさみ、県の事務手数料でまかなえず、組合の持ち出しが続く事態が生じている。 「2頭さばいたら、この段ボール1箱がいっぱいになる。使える分より捨てる分の方が多くて、これに困っとるんや」と、鹿加工組合丹波の足立利文さん(71)はため息をつく。利活用した後の内臓や骨、皮などの「残滓」。組合の廃棄物用冷凍庫は、産廃処理されるシカの残滓を詰めた箱が山積みになっている。受け入れ頭数が増えるほど、「残滓=産廃」が増え、処分費が経営を圧迫する。昨年度の狩猟期に組合に搬入されたシカのうち、重量比で見ると、残滓が61%を占める。利活用できた39%のうち、精肉はわずか2%の935キロで、ほかはドッグフード用だ。ドッグフードに使っていなければ98%が産廃になる。産廃処分費は1キロ約65円(税込み、経費込み)。標準的な1頭30キロの雄に換算すると、1頭約1100円の処分費がかかる。今年度の狩猟期の産廃処分費は約201万円。受け入れ頭数が増えたことで、昨年度より35万円あまり増えた。組合の年間支出約1500万円の1割以上を占める。残滓が増えたのは、猟師の報償金受給手続き簡略化の特典を付け、シカを活用する施設への搬入を誘導する「狩猟期の処理施設搬入促進事業」によるものだが、同制度は大きな矛盾をはらんでいる。「捕獲確認書」の発行など、県から組合に、1頭あたり1500円の事務手数料が支払われる。より細かく見ると、「1500円×頭数+産廃処分費を合わせ1施設200万円を上限に支払う」というものだ。1500円×1334頭で200万円に達し、1748頭だった同組合は今季、約400頭分の手数料を損しただけではない。産廃処分費で201万円を支出しており、「1748頭×1500円分」の対価が発生していない。本来入るはずの手数料は実質ゼロ。収入がなく、人件費などの費用がそっくりそのまま持ち出しになり、組合経営にとって大きなマイナスになっている。柳川瀬正夫組合長(71)は、「せめて引き取った頭数に応じて手数料を払ってもらわないと、ただ働きでは経営への負担が大き過ぎる」と悔やむ。多頭数を受け入れ、利活用の貢献度が高い施設ほど損をする制度上の問題点は、県鳥獣対策課も認識している。しかし、「搬入促進事業」は環境省の制度を県が事業化したもので、「環境省の定めの上限を超えて支払うことはできない」と言う。同組合ともう1施設を除く県内12施設は規模が小さく、手数料+産廃処分費で200万円以内に収まるのに加え、県内他地域では大規模なシカ肉の処理加工施設は新設する話が持ち上がっても反対運動に遭って実現しておらず、問題が、例外的なものにとどまっている。多頭数を受け入れるとロスが増え、不採算になることは全国的に明らかになっている。市町が直営で加工処理をする、民間に任せ必要経費は全額市町が負担する代わりに売り上げは市に全額納入する、といったやり方で、施策で捕獲頭数増頭を推進する市町が、捕獲されたシカの加工処理費用に責任を持つケースもある。丹波市は、同組合設立以来、毎年600万円(今年度は別事業と合わせ670万円)の運営費補助を支出し続けている。しかし、県の200万円と合わせ組合収入の半額余りの補助金では、経費増を吸収できず、運営継続が難しくなっている。組合は、ここ3年で肉をさばく職人を除いた事務や管理部門の人件費を、半額以下に圧縮したにも関わらず、だ。補助金以外の組合の収入は、年間約700万円の精肉卸とペット用原料卸の売り上げだ。引き受け頭数が増えれば、取れる肉の量が増える。売り上げを伸ばせそうなものだが、単純にそうできない特有の事情がある。

(「白神の森 遊山道」クマで来年度も営業休止:青森)
世界自然遺産白神山地と同様の自然景観が体感できる場として知られる鯵ケ沢町深谷町の「白神の森 遊山道」について、町は23日までに、2020年度に引き続き21年度も営業を休止することを決めた。ツキノワグマによる人的被害を防ぐためで、町側は「安全面の解決策が見いだせず、来場者の安全を重視した」と理由を説明した。22年度以降の対応は現段階で白紙とし、再開には慎重な姿勢を見せているが、対策を検討しつつ、予約制のガイド付きツアーなどの利活用を模索するという。県自然保護課によると、昨年1年間の鯵ケ沢町内でのクマ目撃件数は、前年比13件減の6件だった。

(諫早干拓農地、裁判官が視察:佐賀)
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門を巡り、農業生産法人2社が開門を求めた訴訟などを担当する長崎地裁の裁判官による現地視察が22日、干拓農地一帯であった。原告や国、農地貸主の県農業振興公社などの当事者が参加し「現地進行協議」として実施した。開門を求める農業者側が原告となる訴訟で裁判所による視察は初めて。終了後、農業法人側の弁護団が説明した。農地や中央干拓地を取り囲んでいる堤防、排水機場を見て回った。法人側が主張している事業で造った池が鳥の群れを招き、深刻な食害が起きたとする農地を視察した。農業法人のうち「マツオファーム」の松尾公春社長は「カモに食べられた跡など農地の実態を見てもらった。信ぴょう性のある訴えだと思ってもらえれば」と述べた。松尾さん側の弁護士は、視察に関し「裁判所の関心が高く、現地を見て判断したいという姿勢の表れ。踏み込んだ審理になっていくのでは」と話した。松尾さん側は公社などにカモ食害の責任を問い、損害賠償を求めている。公社は、2法人に対して農地の明け渡しなどを求めて係争している。

(無観客の可能性、県知事「独自判断あり得る」:埼玉)
埼玉県の大野元裕知事は20日、東京五輪・パラリンピックの開催直前に新型コロナウイルスの感染が拡大していた場合は「県独自の判断もあり得る」と、県内会場では無観客の可能性があるとの認識を示した。同県ではサッカー、バスケットボール、射撃、ゴルフが予定されている。組織委の橋本会長は「県の考え方は尊重しないといけないが、どういう状況なら理解いただけるのか丁寧に議論を進めたい」と話した。

(日本のクレー射撃競技トップを走る中山)
クレー射撃の女子トラップで東京オリンピック代表に内定している中山由起枝(日立建機)。夏季大会5度目の出場は、柔道の谷亮子と並び日本の女子選手で最多になる。競技人生の集大成と位置付ける東京で、ベテラン選手はどんな結果を残せるか。世界的には注目度が高い射撃競技だが、日本国内ではマイナースポーツ。サポートしてくれる所属先の名を背負い、自らの競技生命を永らえてきた原動力は、どこから生まれてくるのだろうか。1996年のアトランタ・オリンピック時、日立建機は社内一体感、社員の士気高揚を目的に会社のシンボルスポーツの創部を計画していた。日立グループの各スポーツ部の関係者に相談し、クレー射撃部を立ち上げることになった。ユーザーである建設会社などの顧客にクレー射撃の愛好者が多いことも一つの理由だった。選手発掘は、日立情報システムズ(当時)のライフル射撃部監督だった白木大二郎氏が、同じ日立グループの日立高崎ソフトボール部の監督だった宇津木妙子氏に相談したところ、中山の名前が上がったという。当時、埼玉栄高のソフトボール選手として活躍する中山を見た白木氏と日立建機は、その才能を見出した。誘われた当初は戸惑ったものの「競技者としてオリンピックをめざすことに変わりはない」と高校の恩師の言葉に後押しされ、中山は決意を固めた。大人たちの見立てと中山の才能と努力がぴったりと重なり、経験わずか3年で2000年のシドニー大会に出場。結果は14位で、初めて「挫折」を味わった。一度競技から離れ、結婚、出産、離婚を経験。競技に復帰後、04年のアテネ大会には叶わずも、アジア選手権、ワールドカップと優勝を重ね、08年の北京大会の出場を手にした。結果は小差の4位と惜しくもメダルを逃した。日本のトップクラスを走り12年のロンドン(15位)、16年のリオデジャネイロ(20位)両大会に出場。だが、この間、生きていく上での危機感が常にあった。競技をやめれば生活が成り立たなくなるため「娘が大学を出るまでは」と自らを奮い立たせた。同時に競技者としての将来のために、経験をどう体系付け、理論化するか。社会人大学院生として順天堂大学大学院に通い修士号を取得した。栃木県の射撃場で日中練習し、夜間授業を受けに東京都文京区のお茶の水キャンパスに通い、茨城県の自宅に戻るのはいつも深夜。「朝は5時半に起きて娘の弁当づくり。毎日が必死でした」。会社の看板を背負いながらスポーツを続けることは、想像以上の重圧だ。しかも、中山は並行して子育ても勉強も手を抜かなかった。「自分でやると決めてチャレンジしたこと。土壇場に強いというか、わたしらしい」と明るく話す。この強さが発揮されたのが、東京大会の出場権を獲得した19年のアジア大陸選手権大会。これが最後の国際大会になるかもしれないと決めて臨んだ。初日は25点中21点と出遅れたが、最終ラウンドは満点。決勝進出を懸けたシュートオフも勝ち抜いた。「奇跡のような場面の連続だった」と振り返り、射撃を続けるために支えてくれた多くの人に感謝の気持と東京で晴れ姿を見せたいとの「執念」が最後に勝ったという。4度も出場したオリンピックの魅力とは何か。「選ばれし者だけが立つことができる高揚感。これまで努力してきた活動を多くの皆さんに見てもらう最高の舞台」という。最近、東京大会のトラップ団体(男女混合)でペアを組む大山重隆(大山商事)と再婚した。「東京大会が終わるまでは、お互いに拠点を移さず練習したい」ということで、新生活のスタートは先になる。インタビュー中、笑顔でハキハキと受け答えをする中山選手に、さぞや射撃仲間では人気があるだろうと聞いてみると「射撃仲間には建設業をされている方も多く、結構、建設機械の相談を受けたりします」と言い切った。日立建機の関係者によると、年に数台もの売上成績があるという。

(幻の五輪選手、聖火つなぐ:栃木)
クレー射撃の五輪代表に2度選ばれながら、いずれも出場辞退を余儀なくされた元選手が、ランナーとして聖火をつなぐ。25日から始まる聖火リレーに参加する石原敬士さん(78)はかつて、幻の五輪選手と呼ばれた。ようやくめぐってきた大舞台を前に、「選手ではないけれど、今回参加できる。僕は五輪に運があったのだと思う」と晴れやかに笑う。石原さんは現在、1300年以上の歴史のある古峯神社(栃木県鹿沼市)で家業の宮司を務める。神社には明治初期に造られた射撃場が隣接しており、クレー射撃選手だった父の影響で幼い頃から練習を積んできた。クレー射撃のスキート種目が初採用された1968年メキシコ五輪で、念願の五輪代表に選出。しかし、日本クレー射撃協会の不祥事により辞退を強いられた。80年モスクワ五輪で再び代表に選ばれたが、今度は日本のボイコットで出場できず、競技を引退して宮司を継いだ。それから40年後。同じくモスクワ五輪に出場できなかった日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長から手紙を受け取った。聖火ランナーとしての東京五輪参加の打診で、快諾した。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、「聖火が日本を回ることで、少しでもコロナの不安が消えれば」と考えていた昨年の本番直前に、リレーの延期が決定。「よほどオリンピックについてない」と落胆した。それでも1年後の実現を信じて、足腰を鍛えるランニングを続けてきた。「スポーツの大舞台に参加するほど幸せなことはない」と話す石原さんは、29日に鹿沼市内を走る。最初の代表選出から半世紀以上を経て実現する五輪への参加に、「一生に一度のこと。万全を期して、与えられた距離を走りたい」と意気込む。

(中心街、イノシシが縦断:山形)
17日夜、山形市中心部でイノシシの目撃情報が相次いだ。JR山形駅付近や七日町、文翔館などの繁華街を縦断するように猛進したイノシシ。中には追い掛けられた人もおり、「こんな街中に出るとは…」と、市民からは驚きの声が上がった。山形署と市によると、17日午後10時15分ごろ、同市鉄砲町1丁目の山形西高近くで最初の110番通報があった。イノシシの体長は約1メートルとみられる。その後、第二公園、ホテルリモージュ、市立病院済生館、文翔館、山形五中の周辺でも目撃情報が寄せられた。最後の通報が午後10時半ごろで、同一個体ならば、山形西高から山形五中まで約4キロを15分で移動した計算になる。市環境課では同署からの連絡を受け、職員2人が午後11時半ごろまで周辺をパトロールした。18日も早朝から5人態勢で馬見ケ崎川河川敷を探したが、姿は見当たらなかったという。市は、メールやホームページで目撃情報の概要を知らせ▽食べ物は絶対に与えない▽畑にある野菜くず、果物といった餌になり得るものは適正に処理する―などの注意点を呼び掛けている。市内の全小中学校には文書を送り、児童・生徒の安全を確保するように協力を求めた。

(白神山地周辺でハクビシン確認増:青森)
東北森林管理局津軽白神森林生態系保全センター(鯵ケ沢町)は、2020年に世界自然遺産白神山地周辺地域32カ所に設置したセンサーカメラの解析結果を「白神山地周辺地域(青森県側)における中・大型哺乳類調査業務報告書」にまとめ、18日までにホームページ上で公開した。報告書によると、外来種で森林生態系のかく乱が懸念されるハクビシンが現在のカメラ設置数になってから最多の218頭が確認され、前年を約50頭上回った。同じく生態系への影響が考えられるニホンジカは雄6頭で前年より2頭減った。生態系への影響が懸念されるハクビシンは、現在のカメラ設置数になった18年が159頭だったが19年は167頭、20年は218頭と年々増加。撮影地点は前年より1減の20カ所。撮影数の最多は西目屋村の2地点の40頭と31頭。深浦町でも30頭を撮影した地点があった。センターは「同じ個体が何度も写ってしまっていることも考えられるが、出現率は増えている。ハクビシンは生態系被害防止外来種リストで重点対策外来種に指定されており、生息密度が高まれば、白神山地の森林生態系がかく乱される懸念があり、注視しなければならない」とした。

(エゾシカの集団、住宅街を移動:北海道)
22日午前7時半ごろ、苫小牧市矢代町の苫小牧西小学校の校庭に、およそ20頭のエゾシカの集団がいるのをパトロール中の警察官が発見しました。ほとんどが立派な角のオスで、画像を撮影した視聴者の方によりますと、1頭のメスの後ろについて歩いているようにも見えたということです。現場は、JR苫小牧駅から南西に2キロほどの住宅街で、王子製紙の工場や貯木場も近くにあります。苫小牧西小学校の福岡雄司教頭は「シカを見るのは珍しくないが、グラウンドに集団でいたのは初めて。登校の子どもたちを迂回させました」と話しています。このあとエゾシカの集団は、王子製紙の貯木場方向に向かい、このうち10頭ほどは22日午後、王子製紙の敷地内で確認されました。

(住宅街にカモシカ現る:宮城)
23日午後、仙台市の住宅街に珍しいお客さんが現れました。泉区上谷刈の住宅街に現れたのは・・・国の特別天然記念物に指定されている二ホンカモシカです。体長1メートル以上のオスで辺りを警戒する様子もなくのんびりと歩いています。住民が様子を見に来ると一気に斜面を駆け上り、じっとこちらを見つめていました。仙台市によりますと、カモシカは春になるとエサとなる新芽などを食べに山から降りてくることがあるそうです。カモシカは人に危害を与える動物ではなく、ほとんどの場合人を見かけると山へ帰っていくそうで、このカモシカも1時間ほどで姿は見えなくなりました。仙台市は、カモシカを見かけたら近づかず逃げ道を塞がないようにして静かに見守ってほしいと呼びかけています。

(赤穂線に遅れ、運転見合わせも:岡山)
JR西日本によると、23日午後8時55分ごろ、赤穂線の天和―備前福河駅間で列車がシカと接触し、車両と線路を確認した。この影響で播州赤穂駅―日生駅間で運転を見合わせている。また日生駅―岡山駅間の一部列車に20~40分の遅れが出ている。

(車輪に傷、特急1本を運休:北海道)
21日午後10時ごろ、旭川市永山1の9のJR旭川運転所で、特急用車両の車輪に基準値を超える傷が見つかった。JR北海道はこの車両を使って22日午前、旭川発札幌行きで運行予定だった特急カムイ12号を運休した。乗客約60人に影響が出た。同社によると、この車両は21日夜、函館線の納内(深川市)―近文(旭川市)間を走行中にシカと接触し、その際に傷ができた可能性があるという。

(住宅街にクマの足跡らしき痕跡:北海道)
2021年3月20日午前、手稲区新発寒5条3丁目の路上で、雪の上にクマの足跡らしき痕跡が見つかったとのことです。足跡は、道路に積もった雪の上に、大人の手のひらくらいのサイズで、南に向かって続いていたとのことです。雪が解けてしまい、足跡の確認ができず、警察では通報してきた住民提供の画像を元に、クマの足跡なのか特定を進めているとのことです。

(原因は「カラスの巣」!?停電最大580戸:長野)
22日午前、長野県松本市の中心部で停電が発生し、中部電力が復旧作業を行っています。松本市中央の交差点では、信号機が消え、警察が交通整理にあたっていました。停電は、松本市の中心部で22日午前10時半ころに発生。最大で580戸に影響が出ました。中部電力パワーグリッドによりますと、電柱にできたカラスの巣が機器に触れてショートしたということです。停電は、22日正午までに復旧しました。

(停電全て解消、断線とカラスの営巣が影響:神奈川)
21日夜に藤沢市内の一部地域で発生した停電は午後11時15分ごろ、全て解消した。東京電力パワーグリッド神奈川総支社によると、高圧本線の断線とカラスの営巣が原因とみられる。停電は同日午後8時10分ごろに発生。午後9時半時点で辻堂周辺で計約4570軒が停電していた。

(公園花壇にネット、シカの食害から守る:北海道)
苫小牧市の双葉町町内会(猪股瑞彦会長)は、双葉町1号公園の花壇を鉄柱で囲い、防獣ネットで覆ってチューリップの球根400球を、野生のシカによる食害から守っている。

(イベントを積極展開、動画作り魅力発信へ:宮城)
宮城県色麻町の橋本拓未さん(34)は、JA加美よつば青年部色麻支部の副支部長としてさまざまなイベントに参加し、農の魅力を発信している。「消費者に農業をもっと身近に感じてもらいたい。応援してもらえる仲間を増やしたい」と、農業の理解醸成活動に情熱を注ぐ。学生時代から農業に興味のあった橋本さんは、仲間を増やそうと、21歳で就農すると同時にJA青年部へ加入した。一貫して青年部活動に取り組む中で、28歳の時には副委員長となった。「自分だけではなく、一人一人がやる気を持ち青年部活動に取り組めるよう、できることをどんどんしていこう」と、活動を活性化。多くのイベントに参加していった。現在は地元の商工会と共に、祭りへの出展やイルミネーションイベントに協力。小学校での田植え体験やジャンボカボチャ大会といった食農教育体験、県内の青年部員らと合同で仙台市で直売イベントも開くなど、青年部の活躍の場を提供してきた。新型コロナウイルスの影響でイベント参加が難しくなる中、新たな挑戦も始めた。県青年連盟と動画投稿サイト「ユーチューブ」で、米が水田から食卓まで届けられる様子を投稿することを計画し、撮影は順調に進んでいるという。青年部活動とともに、農業技術の向上にも力を注いできた。繁殖ではせりに向けて血統や体躯(たいく)にこだわる生産者が多い中、意識しているのは「子牛の胃袋をどれだけ充実できるか」という点だ。せりを経て肥育段階になった時に増体や肉質の良い牛となるよう、粗飼料などの量を調整しながら、食いつきが良く健康な子牛を飼育している。橋本さんの生産する子牛は他の生産者より一回り小さいこともある。しかし、市場からの評価は高く、好値で取引されている。「肥育農家から『いい牛だったよ』と言ってもらうのが何よりの励み」と笑顔を見せる。今年からは新たに、宮城県内では珍しい雪下ニンジンの栽培に向けた準備を進めている。「農業は面白いものだということを、もっと多くの人に知ってもらいたい」。農業と地域活動の両立でやりがいを見いだしている。「和牛繁殖は自分で時間をやりくりしやすいのも魅力」と橋本さん。以前からアウトドア派だったが、最近は狩猟免許を取得。散弾銃を手にキジやマガモなどを狙う。また猟友会の一員として、近年町内で被害が増えているイノシシなど、有害獣の駆除もしている。妻も鉄砲の免許を取得。休日には夫妻でクレー射撃に汗を流す。

(「兼業ハンターライフ」:長崎)
ここ数年、ジビエブームが広がる一方で、日本では猟師の減少が進んでいる。1975年には約50万人いた狩猟免許所持者は、2016年には約20万人と半数以下に(環境省調べ)。同時に野生鳥獣による農作物への被害が深刻化している。そんな中、東京でのサラリーマン生活を経て長崎県東彼杵郡波佐見町に移り住み、自ら狩猟をしてイノシシ肉を中心とするジビエ製造販売業を営む人がいる。株式会社モッコ代表取締役、城後光さん(40)に話を聞いた。「縁あって波佐見町の人や自然に魅了され、勢いで2016年に移住しました。その後、移住前からお世話になっていた方の後押しで町会議員に。それで町の人たちの話を聞いていると、イノシシによる農作物被害に困っている人たちが多かったんです。新しい猟師のなり手がおらず、地元の猟師は平均年齢が70歳ほど。今後10年もすれば誰もいなくなるだろうということでした」。そこで、ひとまず自ら猟師体験をしてみようと、城後さんは猟友会に入り、狩猟免許を取得した。「免許取得自体はペーパーテストくらいでそれほど難しくありませんでした。ただ、先輩猟師に実践的に教えてもらう機会がほぼなく、最初は全然捕れませんでした」。しかし免許取得から1年後、ノウハウを教えてくれる猟師が現れた。聞けば、福岡でジビエ飲食店をチェーン展開しているという。この巡り合わせにより、城後さんはワナ狩猟なども本格的に学んでいく。イノシシがいそうな場所を探し、毎日仕掛けたワナを見にいく日々。もちろん議員活動と並行だ。「最初は3カ月に1頭くらいだったのが、慣れてくると徐々に捕れる数が増えていきました。今ではうまくいくと仕掛けて3日で捕れることも」。その後、師匠となった猟師が福岡に戻り、再び食肉処理場が空くことに。すると持ち主や地元の人たちから「地元に住む人間に処理場を運営してほしい」と声がかかり、城後さんが会社を設立して処理場の運営をすることになったという。「会社設立時には、ここ数年で増えたジビエ料理店に卸すつもりで事業計画をつくっていました。しかし、コロナで飲食店への販売がほとんどなくなってしまい……。そこで現在はヤフーと楽天での通信販売をメインにすることに。また波佐見町のふるさと納税の返礼品にも出しています」。目下、通販では「家でいつもと違うお肉を食べたい」との需要が高まり、売り上げは好調。狩猟ビジネスはこれからチャンスがありそうなのだろうか。「イノシシの増加、猟師の減少でニーズは当然あります。ただ、自然が相手なので安定した収入を得るというより、自営業などをやりながら捕獲報奨金制度(害獣を捕ることで補助金がもらえる)を使い、サイドビジネスにするのがおすすめです」。捕られる相手も命懸け。危険な仕事ではあるが、歓迎する地域は多いだろう。

(3年連続100頭捕獲、90歳のハンター:栃木)
90歳の現役ハンター滝栄(たきさかえ)さん=沢又=が弟子の鈴木徹(すずきとおる)さん(68)=今市=と共に、昨年1年間でシカとイノシシ計112頭を捕獲した。二人三脚で猟をして3年連続で計100頭超えを達成。今月で91歳になる滝さんは「生涯現役で続けたい」と、さらなる意欲を燃やす。県猟友会によると、会員数は2179人(2月25日現在)で90歳以上は4人。同会日光支部に所属する滝さんは、55年ほど前に銃で猟を始めた。この20年ほどは試行錯誤の末に開発した、獣の足を捕らえる自作のわなを使った猟に専念。約4年前に鈴木さんが弟子入りし、2018年は103頭、2019年は115頭を捕獲した。

(ジビエ伝道師が立ち戻った原風景は:愛媛)
移住するしないに関わらず、我々に仕事の悩みは尽きないものだ。今の暮らしを一変させる移住の場合はなおさらだろう。移住先での仕事をどうするか。今の仕事を継続するか、新たな事業主に雇用されるか、それとも自ら事業を起こすか。仕事について十分準備してから移住するか、移住してから考えるか。それらは全て移住者次第だが、その仕事によって本来目指す「こう生きたい」という暮らしを実践できるかが肝心だろう。愛媛県西条市を拠点に、ジビエを料理教室や食育活動、食事提供で地域に広める「伝道師」である鈴木寛顕さんは、そんな暮らしの実践者。移住を繰り返し、また様々な職を経験した後に決意した暮らし方、立ち戻った原風景とは。白のボディに緑の線とオレンジの屋根。車体にかわいいマンモスのイラストが描かれたキッチンカー"ギガントマンモス号"から、炭火焼の香ばしい匂いが漂い、煙があがる。メニューは焼き鳥と猪肉と鹿肉の串焼き、さらには地元西条市の鹿肉を使ったソーセージだ。ひとり車内で調理し、手際よくお客さんに提供するのが、この車の主、鈴木寛顕さん34歳。屋号は「ネイティブキッチン」だ。ネイティブキッチンは、キッチンカーでの炭火焼の出店の他、BBQ体験、料理教室や食育講座を行い、ジビエの魅力を広く地域に伝えていくことを使命としている。とは言えお客さんと気さくに話し、にこやかに振る舞う鈴木さんの姿は、高級フレンチのお店でジビエ料理を提供するのとは違う、気軽で身近なジビエの伝道師である。鈴木さんには、2%と言われるジビエの食用としての流通割合を向上させたいという思いがある。ジビエの持つ食としての魅力が広がることで、人々の意識が里山に向き、猟師や山師の減少に歯止めがかかり、山の整備によってジビエの住処が生まれ、農業を営む人間との共生がかつてのように行われる・・。そんな好循環が生まれることを理想としているのだ。このようなジビエによる言わば「持続可能な里山」への取り組みは、西条市に住む同年代の農林業や狩猟に従事する友人らとの交流から生まれたものだった。近くの山に鹿避けのネットを張る作業を共に行い、鳥獣被害の現状を知り、地元の山の課題を知った。そしてすでに炭火焼のキッチンカーで開業していた鈴木さんは、自身のなすべきこととしてジビエの普及を選択したのだった。さてその友人らの多くは移住者だったのだが、実は鈴木さん自身、全国を移住してきた過去があった。里山の未来に挑む移住者はどのように人生を歩んできたのだろう。鈴木さんは現在の住まい、愛媛県西条市の隣の新居浜市の出身だ。専門学校卒業後に地元で建築や鉄工の職に就いていたが、東日本大震災を機に、「せっかくの一度きりの人生、日本をもっと知ろう」と、愛媛を出て季節労働者としての道を歩むこととなる。元々自然が大好きでアウトドアやバイクでのツーリングなども趣味だったという鈴木さん。馴染みのカフェのオーナーから教わり、最初に向かったのは長野県の上高地。山小屋を改装した喫茶で食事を提供した。特に囲炉裏でイワナを焼く仕事に惹かれたという。日本の中央から次に向かったのは南、沖縄。西表島の製糖工場で働いた。後に開業するネイティブキッチンの名前の由来ともなるのだが、インディアンなどの世界の先住民の暮らしや文化にも興味を持っていた鈴木さんは南の島暮らしから一転、アイヌの人々に会いに北海道へと向う。札幌から東に100キロ、占冠村(しむかっぷむら)の住み込みのリゾートバイトをしながら、折を見てアイヌ文化の残る二風谷(にぶたに)という村へ向かった。縄文の習俗を保持するアイヌの教えを意気揚々と請うた鈴木さんだったが、そこで長老の一人に優しく窘められる。「日本の全国各地に縄文のルーツがあり、それは遡れば全て一つだよ」と。鈴木さんは目から鱗が落ち、自らのDNAに刻まれたルーツを大事にし、狩猟をしながら自然と共生する暮らしに心から敬意を持った。それ以来休みの度に二風谷に足繁く通い、アイヌの人々から山菜や自然、山そのものへの知識と知恵を豊富に得ることとなった。リゾートバイトが終わり近くの美瑛町に移ったあとも交流は続き、アイヌの暮らしをより深く理解していく。そしてやがて妻となる女性と出会い、定住を見据え、共に自身の地元・愛媛へと帰ることとした。友人のツテで西条市内ののどかな自然の残る地域に古い空き家を借り、自ら改修して暮らすこととなった鈴木さん。まずは再び建築現場で働くことで、幅広いDIYの技術を身につけた。また高齢者と向き合うことで伝承されるべきものを受け継ごうと、福祉施設にも勤務する。そしてこれまでの人生で得た知識や生き方、自らのルーツを実践したいと、軽自動車をキッチンカーに改造して起業。ついにネイティブキッチンとしてスタートを切ったのである。さて様々な職や移住を経て、また結婚し家族も増えた中で、自分らしい暮らしの実践を満たす仕事は、何がふさわしいのだろうか。何を基準に決心したのだろうか。鈴木さんの場合、これからの仕事を選ぶにあたり、自身の原点、心の原風景に立ち戻った。そしてそれは意外にも幼少期に見た焼き鳥屋の風景、屋台の雰囲気だったという。「子供の頃、習い事の帰りに連れて行ってもらった焼き鳥屋の風景がとても温かくて。火を扱うということに親しみを感じていました。アウトドアでのキャンプや上高地での囲炉裏焼きもそうですね。今炭火焼で使っている炭も近くの間伐材からできたもので、これを使うことで山の整備にも貢献できると思っています。」と鈴木さんは語る。これまで培ってきた人生の価値観に基づき、ジビエの普及で持続可能な未来の実現に挑むという現在の仕事に至ったのは、幼少期の原風景が背中を押してくれたからだった。そしてそれは、長野・北海道・沖縄で得た様々な貴重な経験から比べると、幾分身近な焼き鳥屋だったのである。移住するしないに関わらず、我々に仕事の悩みは尽きないものだ。しかし自分の価値観のルーツにあるものを見つめ直し、また心の原風景に立ち戻ることで開ける道もあるのだと、鈴木さんは教えてくれた。自分らしい暮らしを支える仕事とは。今一度考えたい。

(ジビエ活用で地域に光:和歌山)
深刻な鳥獣害の対策として、国は2020年度に初めて全国的な集中捕獲キャンペーンを実施した。和歌山県は早くから対策を講じ、鳥獣捕獲数は伸びており、全国の都道府県で唯一、イノシシやシカの肉質等級制度を設けるなどジビエの活用にも積極的だ。それでも年間3億円超の被害があるという。中山間地域の小さな集落で狩猟からジビエ販売まで手掛ける田辺市上芳養の日向(ひなた)地区を訪ねた。底冷えがする2月半ば、里山の雑木林で辻田直樹さん(38)は獣道に深さ15センチほどの穴を掘り、くくりわなを仕掛けた。「この時期の雌のイノシシは脂がのって一番おいしいんです」。辻田さんは狩猟やジビエ販売などを行う地元の会社「日向屋」のメンバーだ。同社では日向地区を中心に約40基のわなを仕掛け、年間100頭ほどを捕獲している。狩猟に乗り出したのは16年。高齢化に伴う耕作放棄地の増加と狩猟者の減少で鳥獣害が深刻化した。地区で狩猟をしていたのは60代の2人だけ。イノシシに食べられたミカンの皮が農園に散乱し、梅の新芽はシカに食い荒らされた。「このままでは基幹産業が保てない」と、後に同社社長を務める岡本和宜さん(42)や辻田さんら若手5人が狩猟チームを結成した。最初は順調だったが、捕殺を繰り返すことに心を痛め、「意味のある駆除にしたい」と考えたのがジビエの活用だった。18年に紀州ジビエ生産販売企業組合の解体加工施設「ひなたの杜」を誘致すると共に、狩猟チームを「日向屋」として法人化した。加工するのは同組合理事の湯川俊之さん(43)。捕獲の連絡が入ると現場に行き、目にかなったものだけを選ぶ。「納得できる肉を施設から出荷し、地区の活性化に協力したい」と話す。近畿を中心に全国のレストランやホテルに卸している。岡本さんらが次に考えたのが、料理を通じたジビエの普及で、格好の人材がいた。ジビエ料理コンテストで最優秀賞を受賞したこともある地元出身の料理人、更井亮介さん(31)。岡本さんらの取り組みを知って帰郷し、20年3月に地区内に地元ジビエを扱うフレンチレストラン「キャラバンサライ」を開いた。更井さんは「命を頂くことの意味を伝えたい」と語る。チーム結成から5年。鳥獣害は大幅に減少する一方、日向屋のメンバーは移住者を含めて約10人に増えた。高齢化や担い手不足に対応した農作業の受託、耕作放棄地を活用した園児への食育、農業・狩猟体験など、活動は幅を広げている。岡本さんは「地域で課題を共有し、鳥獣害対策のモデルになれるように取り組みたい」と力を込める。

(ドッグフードもジビエ、話題の鹿肉)
ドッグフードのなかでも注目されている鹿肉のドッグフード。その実態について、「日本マーケティングリサーチ機構」(本社:東京都新宿区、)がインターネット調査をおこなった。犬の祖先・オオカミが動物性タンパク質として主に食してきたのが、鹿などの反すう動物。犬にとっても非常に良好なタンパク源で、鹿肉ドッグフードは愛犬の健康を考えた飼い主たちのなかでここ数年話題を集めている。今回の調査では主要11社の商品を比較。その結果、淡路島の農業法人「淡路アグリファーム」(本社:兵庫県南あわじ市、代表:松岡久美子)による「マウンテンズギフト」が3部門で1位を獲得した。人が食すのと同レベルの安全性である「ヒューマングレード」の本州産・天然鹿に加え、淡路島の自家農園産野菜なども副原料として使われる同商品。一部の工程を除きすべて愛犬家の職人が手作りをしていることから人気を集め、この調査では「注目の鹿肉ドッグフード」「信頼できるドッグフード」「犬の健康のために与えたいドッグフード」の3部門を制している。

(ジビエ料理で命の尊さ学ぶ食育授業:大阪)
シカやイノシシなどの野生動物を食材とするジビエ料理を通じて命の尊さを学ぶ食育授業が、大阪府豊能町余野(よの)の町立東能勢小学校で行われた。地元でジビエ料理などを提供しているシェフが講師となり、野生動物による農林業の被害や捕獲されて料理になるまでの過程を紹介した。「総合的な学習の時間」の授業で、講師は同町で「オーベルジュ ヤマガミ」を経営している山上忠彦さん(54)。シェフとして調理の腕を振るう一方で猟師の免許も持っており、シカやイノシシなどの食材を自ら調達している。授業では、農作物などを荒らす野生動物は「害獣」とされて駆除が必要なことを説明。その駆除を依頼される猟師の仕事を紹介した上で、シカのモモ肉を骨から外して精肉するところから実演し、鮮やかな手順でジビエ料理「鹿のポワレ」に仕上げた。試食した児童たちの間からは、「とてもおいしい」「(食材となった生き物の命を無駄にしないという)いただきますの意味を知った」「猟師の仕事に興味がわいた」などの声があがっていた。山上さんは「適正に処理をしたジビエ料理はおいしいと、子供たちに舌で感じてもらえたと思う。市販されている食材も生命のある動物や植物でできていることを知り、命の尊さに感謝できれば」と話した。

(悠久の自然を眺めながら美食家垂涎のジビエ料理を堪能:北海道)
Karakami HOTELS&RESORTS株式会社(本社:札幌市・代表取締役社長:唐神耶真人)は、運営するニュー阿寒ホテル(北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉2丁目8―8)にて、ディナータイムに北海道産エゾシカ肉を使用した「エゾシカロース~グランヴヌール添え~」が味わえる期間限定プランの販売を開始いたしました。低カロリーなのに高たんぱくなジビエとして世界中の美食家が愛してやまないエゾシカ肉。この度の期間限定プランでは、鹿肉にマッチする代表的なクラシックソース“グランヴヌール”を添えたエゾシカロースに加えて、十勝牛ロースと仔羊のグリルを贅沢にアソートした【3種肉の盛り合わせ】をご用意致しました。眼前に阿寒湖の自然が広がる絶景レイクビュー会場にて、熟練のホテルシェフが腕を振った渾身のジビエ料理を是非ご堪能ください。

(鹿を使った地域振興プロジェクト:山梨)
株式会社アットホームサポーターズ(本社:山梨県北都留郡丹波山村、代表取締役:保坂幸德)は、「狩猟の村、丹波山村」のジビエによる地域振興を図るため、「鹿骨ラーメン=タバラーメン」を開発、東京農工大学の学生団体「けものみちと」共同で現在クラウドファンディング(3月19日~4月26日)を実施中。

(高校生が挑戦するエゾシカソーセージ:北海道)
持続可能な地球の未来のため、高校生がSDGsを探求し、世の中の課題解決のアイデアを発表するコンテスト「SDGsみらい甲子園」が今月下旬に行われます。「今日ドキッ!」では注目校をご紹介します。道内は、エゾシカによる農林業への被害が年間およそ38億円に上ります。駆除されるエゾシカを活用してマチを活性化させようとする道東の中標津農業高校の取り組みです。生徒が作っているのは、エゾシカ肉のソーセージ。中標津農業高校食品ビジネス科の肉加工研究班がSDGsの視点から考えたアイデアは、増えすぎるエゾシカの肉の活用方法です。酪農のマチ・中標津町でも年間9000万円近い被害が出ています。エゾシカは繁殖力が強く、捕獲しないと5年ほどで個体の数が2倍に増えると言われていて、駆除するにも費用がかかります。町内にはエゾシカ肉をペットフードに加工する企業もありますが、高タンパクで低カロリーなエゾシカ肉を広めるために、中標津農業高校では、地元の食材を合わせたレシピの開発を行っています。去年は、地元企業やハンターの協力で生徒がエゾシカの解体を体験。命を無駄にしないという強い思いを抱きました。今後は捨てられる皮を活用したレザークラフトや、脂肪を使ったアロマキャンドルなど、エゾシカを丸ごと有効活用してマチの特産品を作りたいと考えています。農業被害を解決して活性化につなげる。未来を担う世代が持続可能なマチづくりをめざしています。

(ジビエ活用、全国出荷:和歌山)
深刻な鳥獣害の対策として、国は2020年度に初めて全国的な集中捕獲キャンペーンを実施した。県は早くから対策を講じ、鳥獣捕獲数は伸びており、全国の都道府県で唯一、イノシシやシカの肉質等級制度を設けるなどジビエの活用にも積極的だ。それでも年間3億円超の被害があるという。中山間地域の小さな集落で狩猟からジビエ販売まで手掛ける田辺市上芳養の日向(ひなた)地区を訪ねた。底冷えがする2月半ば、里山の雑木林で辻田直樹さん(38)は獣道に深さ15センチほどの穴を掘り、くくりわなを仕掛けた。「この時期の雌のイノシシは脂がのって一番おいしいんです」。辻田さんは狩猟やジビエ販売などを行う地元の会社「日向屋」のメンバーだ。同社では日向地区を中心に約40基のわなを仕掛け、年間100頭ほどを捕獲している。

(小6の自由研究が大賞に:福岡)
広がる田畑やため池に野鳥が多く飛来する小郡市。江戸時代には有馬藩の狩猟場があり、いまでも鴨料理を提供する料亭がある。のぞみが丘小6年林洸太郎さん(12)の「小郡市とカモの関わり」をテーマにしたレポートが、市の歴史を独自の視点でまとめた自由研究に贈る「小郡ジュニア歴史博士2020」で最高賞の大賞を受賞した。手助けしてくれた家族に感謝しながら「興味や関心を持つことで、住んでる地域が好きになってきた。これからも研究を続け、小郡の魅力を掘り起こしたい」と目を輝かせる。きっかけは各地の名産品を紹介するテレビ番組だった。「ぼくが住んでいる小郡には名物ってあるんだろうか」。疑問が湧いた。母に聞くと「昔はカモ(料理)だったらしいけど…」との答え。詳しく知りたくなった。母の知恵さんと父の潤也さんは、大学で考古学を学んだ歴史好きな一家。「歴史はまあまあ好き」と話す妹で同小4年の咲良さん(10)も市内神社のこま犬を調べたことがある。昨年度のジュニア歴史博士は兄と共同で応募し、堤防をテーマに入賞を果たした。知恵さんは「休日は家族で博物館を巡るなど、楽しんで勉強している」と話す。カモの自由研究は市内の図書館に出向いて資料探しからスタート。約10冊の参考資料を見つけた。市埋蔵文化財調査センター(同市三沢)も訪れ、実際に使用していた狩猟具の「無双網」に触れることもできた。カモ料理を提供する料亭「さとう別荘」(同市小郡)からも話を聞けた。質問を洸太郎さんが考えて、知恵さんが聞きに行くなど全面的にサポート。自由研究はシベリアから飛来するカモの生態に加え、市内のカモ猟の歴史、食文化まで網羅した力作に仕上がった。一家は約10年前に市内の新興住宅地に引っ越してきた。知恵さんは「縁が無かった地に定住したからこそ、子どもには小郡に愛着を持ってほしい。人に聞かれた時に地元の良い所を説明できるように育って」と話す。洸太郎さんは研究のまとめにこう書きしるした。「小郡市とカモは昔からつながっていたということが分かった。消えてくる歴史をもう一度復活させることができたらいいな」

(AIを活用した定点カメラの解析代行サービスを開始:東京)
ドローンやAIを活用した鳥獣被害対策ソリューションを展開する株式会社スカイシーカー(東京都千代田区:代表取締役 佐々木政聡、以下「スカイシーカー」)は、自治体向けのソリューションとして「定点カメラの撮影データ解析代行サービス」を2021年3月23日より開始します。野生動物による農作物被害や獣害が発生している中山間地域では、森林・山間部にトレイルカメラ(動物や人の熱を感知して自動撮影するカメラ)を定点設置し、野生動物のモニタリングやデータの収集を行うことで、被害防止計画の立案に役立てています。しかし、現状では収集した大量の画像(または動画)データを、目視で解析し、出没した動物の獣種、日時、頭数を統計的に処理する作業は、自治体職員の業務リソースを圧迫しており、大きな作業コストが発生しています。「定点カメラの解析代行サービス」では、獣種の判別・データの仕分け・解析レポートの作成をスカイシーカーが代行することで、自治体職員の業務リソースを大きく削減します。ご希望に応じて、トレイルカメラの設置作業から代行することも可能です。

(イノシシ革のトートバッグ数量限定販売:福島)
伊達市農林業振興公社は22日から、市内で有害鳥獣として駆除されたイノシシの革を使ったトートバッグの販売を数量限定で始める。同公社はこれまで、イノシシ革を有効活用したマスクホルダーなどを開発し、注目を集めている。トートバッグは、公社の設立10年目を記念して企画し、横幅30センチ、高さが19センチの手軽に持ち運べる大きさとなっている。色は黒、焦げ茶、茶の3種類。内側に天蚕(ヤママユ)の生地を使用した緑色のトートバッグもある。

(野生動物をなめす「MATAGIプロジェクト」:東京)
レザーを通じて社会を変革する、「山口産業」の試み。タンニンなめし「ラセッテー」一本に絞ることで、生産量は半分くらいに減ってしまったというが、これによって「山口産業」はレザーにおけるサステナブルの先端をゆく企業となった。そのひとつが、2008年からはじまった「MATAGIプロジェクト」という試みだ。簡単に言ってしまうと、近年、日本の山間部では鹿やイノシシ、キョンといった野生動物による獣害が深刻な問題となっているのだが、今までは廃棄処分するしかなかったその皮を革に加工して、生命を有効活用するためのプロジェクトである。「プロジェクトの紹介映像で詳しく語られているのですが、ある朝会社の前に、ふたりの男性が立っていて、『こんな状況なので、革をなめしてほしい』とおっしゃるんです(笑)。父からは、そんなのいつ来るかわからないし、商売にならないだろうと反対されたのですが、私は面白いことになるかもしれないから、やってみよう、と。現在では北海道のエゾジカから屋久島のヤクシカまで、日本中の野生動物をなめしてお戻しする、かなり大きなプロジェクトになっています」。植物タンニンなめしのシカ革やイノシシ革といえば、昔の英国やフランスブランドではよく使われていた高級レザー。それを植物タンニンでなめしたレザーと聞けば、革好きとしてはがぜん興味をそそられるが、「山口産業」はあくまでタンナーで、バッグや小物をつくるファクトリーではない。もちろんレザーを持ち込む猟師や農家もそれは同様で、結局革をなめしても、〝その先〟に進められないという問題が発生した。そこで山口さんは新たに「レザーサーカス」というプロジェクトを設立、ファクトリーやブランドとの橋渡しにまで乗り出してしまった。おそるべきバイタリティと実行力である。そんな「MATAGIプロジェクト」でつくられたレザーは、国産スニーカーで有名な〝スピングルムーヴ〟が採用するなど、すこしずつ世の中に浸透しているところだが、その価格は決して安いものではないという。「うちのなめし工賃は、大きさに関係なく1枚5000円。猟師さんが一頭の動物から皮を剥ぐ手間賃に、送料や販売管理費なども加わりますから、どう考えても1頭1万~1万2000円くらいになってしまうわけです。皮を剥ぐにはだいたい30分~1時間程度かかりますから、ある程度高いものにしないと、猟師さんたちはわざわざ皮を剥いでまで活用しよう、とまでは思えないでしょう? だから産地をまわしていくためには、高くしてあげなきゃダメなんじゃないかな」。戦後はじまった大量生産、大量消費の時代はいまだ終焉の兆しは見えないが、山口さんは近頃、若者たちの意識の変化を肌身で感じとっているという。近年、地方での自給自足生活を実践している俳優の松山ケンイチさんもそのひとりで、知人の猟師さんが狩猟した皮を「山口産業」に持ち込んでなめしてもらい、その革を自ら活用しているのだという。「松山さんはうちの工場にも来てくれました。若い世代では、こういう環境に優しいものを選ぶのは、もはや普通になっていますよね」。

(獣害に「忠犬」を!:田中淳夫)
田畑を荒らすイノシシやシカなど追い払うロボットオオカミ「モンスターウルフ」で獣害対策が話題になっているが、私はその効果に疑問を持っている。それより効果があるように思う“秘策”がある。というと語弊を招くが、実は先に妻籠(南木曽町)を訪れたとき、山間部を走って目にしたのが「忠犬」の看板だった。忠犬? 南木曽にも忠犬ハチ公みたいな伝説とかエピソードが伝わっているのか?と怪しんだが、なんでもイノシシやシカ、そしてサルなどを追い払うためのイヌの利用事業が進んでいるのであった。これこそ我が意を得たり、なのである。なぜなら獣害対策には、私は何よりイヌが効果的ではないか、と思っていたからだ。ロボットではなく、生きたイヌが現れた野生動物に合わせて臨機応変の対応(吠える、追いかける、かみつく、人を呼ぶ……)をする方が効果的だと思うからである。機械による音や光では、動物側はすぐ慣れてしまうことは多くの事例が示している。そこで動物には動物を、なのである。もちろん、人間も追い払いに頑張るべきなのだろうが、野生動物と向き合うと危険な側面もあるうえ、高齢者が増えている山間部では体力的に無理だろう。さらに夜も田畑を見回りするなど考えると、日々の暮らしへの影響が大きすぎて、とても連日できることではない。そこでウシやウマ、ヤギ、ヒツジ……などの放牧も考えた。しかし、どこでも飼える動物ではないし、その動物の世話がまた大変になる。ヒツジなどでは、逆に襲われてしまう可能性だってある。やはり、もっとも身近で、飼育に抵抗感もなく、何より効果的なのがイヌなのではあるまいか。イヌ自体が夜行性だし、畑を走り回って出没する動物を追うことは、イヌの本能にも合致する。追い払う能力や範囲などは、少しの訓練で身につくだろう。一部でオオカミを放て、とおバカな意見も出ているが、絶滅したオオカミを海外から持ち込む前に考えるべきは、オオカミと同じ種であるイヌだろう。(せいぜい亜種)実際に、戦後すぐまではイヌの放し飼いが当たり前で、なかなか効果的だったという声もある。だいたい「忠犬ハチ公」のようなエピソードもイヌを放し飼いできた時代だから生まれたのだろう。それができなくなったのは、1953年に狂犬病予防法が制定されたことが大きい。 狂犬病の恐れから放し飼い禁止が義務づけられたからだ。またノライヌの駆除も進められた。しかし、今こそ中山間地のイヌの放し飼いを解禁すべきではないだろうか。リスクより益の方が大きいはずだ。だいたい、ネコは今も野放図な放し飼いを容認されているのに、イヌだけを取り締まるのはおかしいだろう。……とまあ、そんなことを考えていたところに、目にした「忠犬事業」なのである。イヌを訓練して、人に危害を与えないようにするのはもちろんだが、シカやイノシシを追うようにしつける。また行動圏を決めて、それ以上遠くには行かないように覚えさせればよい。たとえば柵で囲んだ田畑に放し飼いなら問題も起こりにくいはず。私が子どもの頃飼っていたイヌも放し飼いをしていたが、町の一角の袋小路の路地から出て行こうとしなかった。たまに私が首輪にリードを付けて遠くに連れて行こうとすると(たいてい狂犬病予防接種などをうけさせるためだが)、必死に抵抗して出るのを嫌がった。自分のテリトリー意識は高いようだ。「忠犬事業」は、イヌのシツケにかかる費用などを補助しつつ、集落単位で認知させるらしい。全国で20~30自治体ぐらいで実施しているようだが、もっと普及させる価値があるのではないか。サル追いに特化したモンキードッグもいるそうだが、そこは臨機応変でいい。イヌの放し飼いが獣害の抑制にどさだけ役立ったか確認する必要もあるが、ゼロということはないはず。それに高齢化の進む集落でイヌを飼えば、人々の癒しや体力維持にもなるし、防犯やコミュニケーションにも役立つ。むしろ可愛がりすぎて、愛玩ペットになってしまうと、野生動物を追わなくなるかもしれないから、そちらの方が心配か。南木曽町の「忠犬」というネーミングもステキだねえ(^o^)。横文字でなく、「忠犬」ですよ。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、23日午後3時30分ごろ、仙台市太白区秋保町湯元木戸保にクマが出没しました。

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(野生イノシシから豚熱県内初確認:兵庫)
兵庫県は丹波市内で死んでいた野生のイノシシ2頭が、ブタの伝染病「豚熱」に感染していたことが確認されたと発表しました。豚熱の感染が県内で確認されたのは初めてです。兵庫県によりますと14日、丹波市春日町の山の中で野生のイノシシ2頭が死んでいるのが見つかり、国の研究機関で検査した結果、16日、豚熱に感染していたことが確認されたということです。このため、県では、▼県内に59あるブタやイノシシを飼育するすべての施設に対して、異常がないか確認し、消毒を実施するほか、▼市や町、それに猟友会などに対して、感染したイノシシが見つかった場所の半径10キロの区域から、野生のイノシシなどを持ち出さないことを要請することにしています。県は、全国各地で豚熱が確認されていることを受け、県内で飼育されているブタにワクチンを接種しているほか、山林でワクチンの散布を行うなど対策を進めているということです。県は、「豚熱はブタやイノシシの病気であり、人に感染することはない。病気に感染したブタなどの肉が市場に出回ることはなく、仮に食べても人体に影響はない」としています。

(生物多様性地域戦略を策定へ:秋田)
豊かな自然を後世に残していこうと、2020年から議論されてきた秋田県の「生物多様性地域戦略」の策定に向けた最終案が16日、了承された。毎年人的被害も出ているクマへの対策をはじめ、最近被害が広がっているイノシシの対策も盛り込まれている。生物多様性地域戦略は、各地域に生息するさまざまな生き物や自然を守るため、環境省が全国の地方自治体に策定を促していて、秋田県と島根県を除くすべての都道府県で策定されている。秋田県では、2020年4月から地域戦略の策定に向けて協議を重ね、16日は秋田県の諮問機関である、環境審議会自然環境部会で最終案が諮られ、了承された。最終案の中でイノシシ対策については、生息地が里山近くの山林であると考えられ、積極的な捕獲を推進すると示されている。またツキノワグマについては、人身被害の防止や農林業被害の軽減を図るため、人とクマの共生に向けて適切な保護管理対策を講じるとしている。秋田県環境審議会自然環境部会の青木満部会長は「生物多様性地域戦略を浸透させることによって、県内の自然環境の保全が進むこと地球温暖化の防止の効果に期待したい」と話した。生物多様性地域戦略の案は今後、知事に答申され、3月末にも策定される見通し。

(無人ヘリ使い物資運搬実験開始:静岡)
ヤマハ発動機は十五日、森林などの地形を計測できる産業用無人ヘリコプターを使って、獣害対策用の物資を運搬する実証実験を掛川市内の山中で始めた。林業関係者の負担軽減や工期短縮につながる取り組みとして事業化も検討する。同社はレーザーで地形や樹木の状況を把握できる機器を無人ヘリ「FAZER R G2」(排気量三九〇cc)に搭載し、森林管理に役立てるサービスを昨夏開始。この中で「計測だけでなく物資も運べないか」と市森林組合から相談を受け、実験に乗り出した。組合はシカやカモシカによる食害からスギ、ヒノキの苗木を守るために防護柵の設置を計画していたが、現場は林道から三百メートル離れた高低差百二十メートルの谷底で歩いて二十分かかり、資材を背負って向かうには危険が大きかった。実験では、最大二十キロまでの資材を積める容器をヘリの下部に取り付け、林道脇の作業基地から十分弱で現場と往復する。十九日までに百十五往復、計一・五トンの資材を運ぶ。ヘリは航続距離が約九十キロと長く、風にも強いため、一般的なドローンより安定性が高いという。市森林組合の尾崎友昭業務統括部長は「きつい作業をヘリが担ってくれてとても助かる」と歓迎。ヤマハ発で無人機システムの事業開発に携わる加藤薫部長は「人力では大変な部分を無人ヘリに置き換える新たなビジネスモデルをつくっていきたい」と話した。

(イノシシわな監視に通信技術活用:富山)
上市町は、通信技術を活用したイノシシの箱わな監視システムの実証実験を行っている。

(オオカミ型有害鳥獣撃退の説明会:福島)
モモやプラムなどの果物がイノシシなど有害鳥獣の被害を受けている国見町で、北海道で効果を上げているオオカミ型の撃退装置の説明会が開かれました。国見町が有害鳥獣対策として導入を検討しているのは、北海道の製造会社が開発したオオカミの姿を模した撃退装置です。町役場の会議室で開かれた説明会では、有害鳥獣対策を担当する職員や駆除隊の関係者などおよそ20人を前に、製造会社の担当者が装置の撃退能力をアピールしました。この装置は、全長1メートル20センチ、重さ13キロで、赤外線センサーで野生動物の接近を検知すると、首を振ったり、目や尻尾などに仕込まれたLEDライトを点滅させながら大きな音を発します。音の種類は、オオカミの鳴き声のほか、人の声や銃声など70種類あり、さかざまな音を順不同で発することで野生動物の警戒心を高めるということで、会場では、装置を目にしたヒグマやシカ、それにイノシシなどが逃げていく動画も紹介されました。製造会社の太田裕治社長は「かつて野生動物の天敵だったオオカミに着目しました。実際に試して効果を実感してもらいたい」と話していました。国見町産業振興課の武田正裕課長は「イノシシの捕獲頭数はこの1年で1.5倍に増えました。装置の導入に向け、効果を検証していきたい」と話していました。

(AIで鳥獣の種類を自動識別:東京)
東京都立産業技術研究センター(都産技研)とドローンを使った調査などを手掛けるスカイシーカー(東京・千代田)、都立大学は人工知能(AI)で鳥獣の種類を自動で判別するシステムを開発した。農地に設置したカメラの画像を分析することで、鳥獣による農業被害への対策を効率化できるという。都産技研が都内中小企業のデジタル事業を支援するプロジェクトの一環で開発された。スカイシーカーが画像認識、都立大学が認識した鳥獣の報告書の自動作成を担い、東京都あきる野市で実証実験をした。鳥獣による農業被害がある場所では、農地やその付近に定点カメラを設置して鳥獣の種類ごとに対応した対策をとることが多い。従来はカメラの画像を目視で確認していたため、例えば画像2000枚を識別するのに計2時間ほどかかっていた。新開発のサービスを使えば画像の取り込みから識別、報告書の作成まで自動で約10分でできるという。都産技研の担当者は「鳥獣による農業被害対策の負担軽減につなげたい」としている。

(ドローン使ったイノシシの生息域調査:熊本)
熊本市の立田山周辺で増加しているイノシシの生息域調査が10日、ドローンを使って行われました。熊本市によりますと、立田山周辺でのイノシシの目撃情報などは鳥獣対策室ができた2018年度は36件。今年度は2月末までに47件と増加しています。熊本市は、イノシシによる人的被害を防ぐため、3月8日から3日間赤外線カメラを搭載したドローンを使いイノシシの行動範囲などを調べました。調査結果は今後、わなを設置する際の参考にされるということです。

(ツキノワグマの歯で繁殖状況を分析:長野)
ツキノワグマのメスの歯から繁殖状況を分析する研究を、全国で初めて、長野県の研究所が始めることがわかりました。研究所は、絶滅のおそれも指摘されるツキノワグマの生息数を把握し、保護管理につなげたいとしています。ツキノワグマは、人を襲ったり農作物を食い荒らしたりすることなどから環境省によりますと、今年度は1月末までに全国でおよそ5800頭が駆除されたということです。一方で正確な生息数はわかっておらず、国内では九州で絶滅するなどしていて、専門家は「無計画に駆除を続けると絶滅するおそれもある」と指摘しています。こうした中、長野県環境保全研究所がツキノワグマの生息数の把握につなげようと、メスの歯から繁殖状況を分析する研究をことし7月から始めることがわかりました。研究所によりますと、ツキノワグマの歯の断面には「年輪」があり、メスの場合、この歯の「年輪」の間隔が出産して子育てが終わるまでの間、栄養が十分にとれなくなるために狭くなるということです。このため、メスの歯を詳しく調べれば、子どもを何回産み子育てに成功したかがわかるということです。クマの研究者などでつくる「日本クマネットワーク」によりますと、このような研究を実施するのは全国で初めてだということです。研究所の黒江美紗子研究員は「メスの歯を調べることで、その地域のクマが今後、増えやすいのか、減少傾向にあるのか予測できるようになると期待している。歯を分析して情報を最大限に引き出し、保護管理に有益な情報を得られるようにしていきたい」と話しています。クマの生態に詳しい東京農工大学大学院の小池伸介教授は、ツキノワグマが絶滅すると生態系に大きな影響が出ることが懸念されるとしています。そのうえで「ツキノワグマの繁殖の情報がほとんどわかっていないなか、長野県環境保全研究所が始める研究は、歯から情報を得て保護管理にいかしていこうという画期的な研究だ。クマが減っているのであれば守る対策をしていかなければいけないし、増えているのなら人を襲う事故が起きないように対策をとる必要がある」としています。

(鉄道シカ事故、「突起」マットで防げ:山梨)
JR東海は3月から、主にシカなどの野生動物と列車の衝突事故を防ぐための実証実験を身延線で始めた。レールの間や周辺にとがった障害物が付いたマットを敷いたり、イヌの鳴き声のような忌避音を列車通過時に鳴らしたりして野生動物を追い払う。実験は山梨県身延町で実施中。マットには高さ約15センチの四角すいの突起物を多数並べ、容易に近づけないようにした。忌避音を出す装置は列車の通過時に作動させる。現場に定点カメラを設置し、効果を検証する。対策を考案した同社身延保線区の森田嵩章さん(25)は「乗客と列車の安全第一を考えた」と述べ、動物保護の観点からも効果に期待した。シカは遮蔽(しゃへい)物が少ない橋の周辺や沿線の柵の合間から線路に進入することが多く、検証結果をみながら対策エリアを拡大する。同社によると、2019年に身延線で発生したシカと列車の衝突事故は193件で、10年前と比べ約5倍に増加した。鉄分補給のためレールをなめるシカがひかれるケースが後を絶たないという。事故が発生すると、列車は安全確認のために30分から2時間程度の遅れが生じ、運行への影響は深刻という

(クリハラリスの捕獲作戦:静岡)
浜松市の鴨江分庁舎には、リスの引き取り場所があります。この日、罠にかかったリスを市民が届けました。浜松市では講習を受けた200人以上の市民が、市から借りた罠を使ってクリハラリスを捕まえています。<浜松市環境政策課 鈴木良実主任>「多い時だと10頭以上市民の方が持ち込むことがあったが、今は多くても3頭くらいになってきました」。浜松市では50年ほど前からクリハラリスが野生化し、問題となっていました。飼育されていたものが逃げたり放されたりしたことが一因とみられ、繁殖地となったのが浜松城公園です。<浜松市環境政策課 鈴木良実主任>「このあたりでエサをよくやる方がいて、それに群がってリスがたくさんいたんですが、今は餌付けも減り、対策でリスを捕獲したこともあり、ほとんどリスが見られなくなりました」。餌付けの禁止を呼びかける看板が至る所にあります。浜松市はクリハラリスが人にかみつく危険性や、公園の樹木をかじる被害も踏まえて2021年度、本格的な捕獲作戦に乗り出しました。クリハラリスの繁殖拡大を防ぐには捕獲しかありません。市は業者と市民と連携して、夏ごろに約1000個の罠を仕掛けました。多い時には、1日に80頭ほど捕まることもあったそうです。<浜松市環境政策課 鈴木良実主任>「浜松はクリハラリスで大変なことになっていると知ってもらって、市民からの協力を得やすい状況になっている」。数頭いれば、あっという間に元の数に戻ってしまうクリハラリス。捕獲に手ごたえを感じている浜松市も、気を緩めないよう対策を進めています。

(餌やりで駆除されるヒグマの悲劇:北海道)
今月2日、自然公園法の改正案が閣議決定された。国立公園や国定公園で野生動物への餌やりは禁止され、指示に従わない場合は30万円以下の罰金を科すことなどが盛り込まれている。『ABEMA Morning』では、厳罰化の一因となった野生動物の“ある悲劇”を取材した。2004年、世界自然遺産に登録される直前の北海道知床では、観光客がクマを見て騒ぐ態度が問題になっていた。道路ではいわゆる“クマ渋滞”が起き、知床財団職員が「行ってください。渋滞になっています」と呼びかける。登録から10年が過ぎても状況は変わっていなかった。財団職員に止められても車から降りてクマを撮影する人々。クマに向けてパンを投げる観光客に対し、財団職員が「こらー!ダメだエサやったら!」と声を荒げる場面も。食べ物への執着が強いヒグマ。与えられた餌はもちろん、人が捨てた生ゴミなど人間の食べ物の味を一度覚えると、その味を求めてどんどん人に近づく危険なクマに変わる。そして、街中に現れるようになったクマは駆除される運命だ。知床財団の石名坂豪さんは「人間に対する警戒心を維持してほしい」と訴える。河口に現れたクマを前に、「皆さん危ないので車に戻ってください」『こういう感じならOKですね?』と問答する財団職員と観光客。クマは人を恐れず、追い払っても平然としている。海辺に置いてあった釣り人のリュックを見つけ、中に入っていたおにぎりや釣りの餌を食べた。そして、その後駆除されてしまった。石名坂さんは「このクマが死ぬ理由をつくったのは、こいつをとり囲んで(写真を)撮っていた人たち。クマが好きだとか悪気はないんでしょうけど、私に言わせれば、著しくクマに対した知識を欠いた人たちの態度が、こいつを殺す原因をつくったんだということを是非わかって欲しいです」と涙ながらに訴えた。閣議決定された自然公園法の改正案では、国立公園などでヒグマやキツネなどへのエサやりを禁止し、管理者などの指示に従わない場合は30万円以下の罰金が課される。(ABEMA/『ABEMA Morning』より)

(獣害対策「リモワーナ」:東京)
凸版印刷は、次世代LPWA(低消費電力広域ネットワーク)規格ZETAを活用した、罠センサーおよび罠のリアルタイム監視システムを開発。獣害対策支援サービス「リモワーナ」として4月1日より販売開始する。罠センサー1台あたり月額550円から。開発の背景にあるのは、全国で問題となっている野生の鳥獣による農作物被害や人間の居住地域への出没被害。農作物被害は全国で年間約158億円にのぼるという。また、有害鳥獣対策を担う地元狩猟者の高齢化が進んでいることから、設置した罠の見回り作業の負荷も課題に挙げる。このような中で凸版印刷は、遠隔地にいながら罠の状況をセンシングできるリモワーナによる、獣害対策への貢献を目指す。リモワーナでは、ZETAの特長である中継器によるマルチホップ(メッシュアクセス)を活用。イノシシや鹿が生息する山間部など電波が届きにくい場所に対しても、中継器の活用で安定的に通信できるという。また、「くくり罠」や「はこ罠」など既存の罠にセンサーの後付けが可能。罠センサーにはGPS機能が備わっており、PCやスマートフォンから、設置した罠の位置情報や罠センサーの作動状況を閲覧できる。自治体職員や狩猟者など複数メンバーでの情報共有も可能で、効率的に有害獣対策ができるとしている。価格は罠のリアルタイム監視システム利用料として、罠センサー1台あたり月額550円から。ただし、罠センサーの数などによって価格は変動するほか、罠センサーなどの各種デバイス代は別途見積もり。凸版印刷は、リモワーナを含むZETA関連事業で、2025年度までに約50億円の売上げを目指す。また、リモワーナの活用により、スマートシティ実現に向けた社会課題の解決を推進する。なお、リモワーナ販売開始に先立ち、ZETAを活用した遠隔獣害対策の実証実験を2020年11月17日より福島県大熊町で実施。実証ではZETAを活用した罠センサー・罠の遠隔リアルタイム監視システムを、ALSOK福島が提供する罠の設置・見廻り・有害鳥獣の捕獲業務までをワンストップで受託する鳥獣被害対策事業に取り入れ、罠の見廻りから捕獲作業における効率化の有用性を検証している。

(シカが関係する交通事故249件:北海道)
十勝管内でシカが関係する交通事故が過去最多だった前年から50件減り、4年ぶりに減少に転じたが、依然、件数は高い水準にある。8月には足寄町でシカとオートバイが衝突し、運転していた60代男性が死亡する事故もあった。十勝はシカが絡む事故の多発地域。

(電柱にカラスの巣 「見つけたら通報を」:北海道)
北海道電力ネットワーク苫小牧支店(苫小牧市新中野町)は、例年春先から初夏にかけてカラスなどが電柱に営巣し、停電の原因になるとして注意喚起している。巣を発見した際は近くの事業所に通報するよう呼び掛けている。

(市街地で相次いでシカが目撃される:鳥取)
鳥取市内で18日、3か所にわたり野生のシカが目撃された。シカが目撃されたのは鳥取市湖山町で、午前11時過ぎ、3か所で相次いで目撃された。シカは1頭で、同一のシカとみられている。体長は1メートルほどで、鳥取市はオスではないかと話している。目撃された周辺には保育園や小学校も近いため、市や警察により周辺のパトロールが行なわれた。鳥取市によると、3月に住宅街でシカが目撃されたのは15日に次いで2度目。シカを見かけた場合はむやみに近づかず、警察や市町村へ連絡してほしいと呼びかけている。

(小学校付近にイノシシ出没:和歌山)
15日午後4時ごろ、和歌山県田辺市下万呂の会津小学校付近で、20キロくらいとみられるイノシシが出没した。近くには民家や畑などがあり、市職員や田辺署員らが音を立てるなどして、約2時間後に山に追い返した。市農業振興課によると、同所では数日前からイノシシが出没していた。近年は、万呂地区でイノシシの目撃情報はなかったという。同課は「イノシシを目撃しても不用意に近づかず、市や警察に通報してほしい」と呼び掛けている。

(大学生がジビエ(野生鳥獣肉)加工処理施設での衛生管理記録作成を大幅に効率化させるシステムを開発:東京)
中央大学商学部学生がジビエ(野生鳥獣肉)加工処理施設での衛生管理記録作成を大幅に効率化させるシステムを開発し、無償提供しました。今回開発したシステム名は『GIAS(ジアス)』で、ジビエの情報管理システムに由来しています。『GIAS』を導入することで、個体ごとの衛生管理はもちろん、流通過程などの「トレーサビリティ(生産流通履歴)」の記録をiPad等の端末で効率的に記録・管理することができます。また、端末で入力されたデータは瞬時にクラウド上に保存され、端末があれば複数のスタッフで情報の閲覧、編集が可能となります。ジビエ(野生鳥獣肉)加工処理施設の運営会社である(株)アットホームサポーターズでは、従来、個体の情報を管理するにあたり、複数のスタッフが記録用紙に手書きで衛生管理記録を記入し、管理していました。2月上旬の本システム導入後、記録作業にかかる作業時間をおよそ10分の1程度まで短縮することができ、大幅な業務効率化を実現しました。同社の保坂幸徳社長からは、「今回のシステムは国基準に対応しており、我々だけでなく、社会からも十分評価されるシステムです。全国の施設で導入が広がって欲しいと思います。」と期待の声が寄せられました。今回の取り組みは、『中央大学商学部チャレンジ奨学金(アクティブ・プラン)』へ申請し、システム開発に必要な活動資金を獲得しました。

(給食に高校生考案ジビエ:大分)
大分県日田市の高校生が考案した野生動物の食肉「ジビエ」料理が地元の小中学校の給食で提供された。ジビエに親しんでもらおうと、市ジビエ推進協議会が企画。子どもたちは地元の魅力あふれる逸品を口いっぱいにほおばっていた。

(家庭で味わう、ジビエ実践:高知)
シカやイノシシなどの野生鳥獣の肉「ジビエ」を活用してもらおうと14日、ジビエに関する事業を展開する「ヌックスキッチン」(香美市香北町吉野)で料理教室が行われた。県内在住者10人が参加し、肉の焼き方などを学んだ。

(イノシシ肉、利用拡大を:茨城)
捕獲したイノシシを「ジビエ(野生鳥獣肉)料理」として有効活用するプロジェクトを進める、茨城県議会の常井洋治議長と石井邦一副議長は18日、県の担当部長に、イノシシ肉の利用拡大の推進を要望した。

(カラスと真剣勝負、研究の半生を本に:栃木)
カラスの鳴き声を18年にわたって研究し続け、その成果を全国のカラス被害対策に役立てている栃木県宇都宮市石井町の塚原直樹(つかはらなおき)さん(41)が、新書「カラスをだます」を出版した。カラスとの真剣勝負を繰り広げた半生をユーモアたっぷりの文章でまとめた。塚原さんは「カラスだけに“苦労”ばかりだが、相手を知ることが共存するための第一歩」と話している。塚原さんは宇都宮大農学部卒。2017年12月にカラス対策を専門とする会社「CrowLab(クロウラボ)」を創業した。ふん害や食害に悩む自治体や企業、農家の依頼を受け、被害防止のコンサルティングや製品開発に取り組む。「カラスが何を話しているかの研究はない」。同大名誉教授で「カラス博士」として知られる杉田昭栄(すぎたしょうえい)さんの一言で人生が決まったという塚原さん。これまでに収録した鳴き声は数万に及び、対策にはさまざまな鳴き声でコミュニケーションを取るカラスの習性を生かす。例えば「何だ、あれ」「やばい」「逃げろ」。それぞれの意味合いを持つ鳴き声を順序立てて流し、カラスの群れを誘導する方法が代表的だ。新書では、山形市役所周辺で繰り広げた数百羽の大誘導作戦の舞台裏をはじめ、カラスの知られざる生態や科学的な追い払い方などを豊富な事例を基に解説している。鳴き声に加えて研究を続けるカラス料理のレシピ集「本当に美味しいカラス料理の本」に続く2作目で、肉をおいしく食べる試行錯誤の道のりなどもコミカルにつづられている。塚原さんは「人間とカラスは生活圏が重なり、すっきりと分けることはできない。カラスは悪者になりやすいが、カラスの目線になり、人もごみ出しのルールを守るなど生活に気を付けることが、うまく共存していく近道になる」と話す。

(移住して、マイペースに流し猟を楽しむ:北海道)
最低気温、-20℃にもなる北海道・厚真町の冬。ハンターにとっては、待ち望んだ猟期でもあります。「家から外に出たら、すぐ猟場なんで、気軽に猟ができる」と語るのは、趣味で狩猟を始めて33年になるというハンター・門脇さん。3年半前に札幌から厚真町へと移住し、現在は流し猟をマイペースに楽しんでいます。本州とは少し違った狩猟の話や、これから狩猟をやってみたい人へのアドバイスを聞いてみました。門脇:もともとは札幌で働いていたんです。でも、退職したら田舎暮らししたいなあと思っていて。ここに移住してきたのは3年半前の夏ですね。母親の実家が日高の様似町なんですが、高速道路のない時代に札幌からそこまで行くのに、厚真町内の道路を通るんですよ。だから、昔から厚真町のことは知ってはいて。

(クマ出没:宮城)
松島町によると、16日午後1時50分ごろ、松島町高城居網一付近にクマが出没しました。

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