<射撃ニュース9月>
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(クマに襲われ重傷か:秋田)
28日午前9時ごろ、秋田県鹿角市花輪字甘蕗の市道で、クリ拾いをしていた同市花輪字陳場の男性(84)がクマに襲われ、頭などを負傷した。重傷とみられる。県によると、今年県内で発生したクマによる人身被害は6件目。現場は花輪高校の東約1・5キロのクリ林で、直近の民家まで約200メートル。鹿角署はパトカーで周辺住民に注意を呼び掛けた。

(またクマ人身被害:秋田)
29日午前7時半ごろ、秋田県鹿角市八幡平字清水向の雑木林で、水路を見回りしていた同所の男性(78)がクマに襲われ、右腕を骨折する重傷を負った。同市では28日にも80代男性がクマに襲われ重傷を負っており、2日連続でクマによる人身被害が発生した。鹿角署によると、男性は29日朝、水路を確認しようと徒歩で出掛けた。1人で茂みを歩いていると、体長約1メートルと約50センチの大小2頭のクマに遭遇。直後に大きい方のクマに正面から襲われ、額を引っかかれたり腕をかまれたりしたとみられる。

(サル出没、新たに小学生1人襲われ軽傷:福岡)
北九州市若松区で住宅地などに出没したサルにかまれる被害が相次ぐ中、北九州市は27日、目撃情報を踏まえ、同区のグリーンパーク(響灘緑地)内に箱わなを置いた。市によると、新たに小学生1人の被害も判明し、8月以降の被害者は計19人になった。市は同一のサルとみて捕獲を目指す。新たな被害は9月24日午後4時ごろ、若松区安屋で、小学3年の女児(8)が自宅庭にいたところ、後ろから右腰のあたりをかまれ、軽いけがをした。市鳥獣被害対策課は、8月に被害が確認された区西部に箱わな2基を置いたが、捕獲には至らず、その後は区東部でも被害が続出。8月7日~9月26日の区内の目撃情報は、前年同時期の3倍超の129件に上る。市は被害状況から、群れを外れた4歳ぐらいの同一の雄ザルとみて、行動ルート上のグリーンパーク内に箱わなを順次移した。グリーンパークでは8~9月、サルが園内で飼育するヤギに近づいたり、ロックワラビーの赤ちゃんを一時的にさらったりし、サイクリングを一時中断するなどパークの運営に影響も出ている。市はわなの周りに餌の落花生をまき、警戒心を解いてから、わなを作動させる予定。市は引き続き「見かけても近づかず、食べ物を与えないように」などと注意を呼びかけている。

(サル被害、新たに2人軽傷:福岡)
北九州市は29日、若松区中畑町で27、28日に高齢の男女2人がサルに襲われ負傷したと発表した。区内で8月7日以降、かみつかれるなどした負傷者は21人となった。

(登山客の男性が襲われけが:長野)
南アルプス鋸岳の登山道付近で29日、登山客の男性が2頭のクマと遭遇し、そのうち1頭に襲われて顔などにけがを負いました。警察によりますと、29日午後4時過ぎ、南アルプス鋸岳の角兵衛沢付近(標高約1300メートル)で、単独で下山していた愛知県大府市の男性(41)が、2頭のクマと遭遇し、そのうち1頭に襲われました。男性は顔などを引っかかれ、自ら消防に通報し、病院で手当てを受けたということです。警察によりますと、男性は当時の状況について「1頭が木から降りてきて逃げていったので、ほっとしていたら、もう1頭が別の方向から襲いかかってきた」と話しているということです。

(野生イノシシ2頭、豚熱感染:栃木)
県農政部は27日、益子町で発見された野生イノシシ2頭が豚熱(ぶたねつ)(CSF)に感染していたと発表した。県内の野生イノシシの感染確認は計49頭となった。益子町では初めてで、県内9市町目となった。同部や益子町によると、発見されたのは成獣と幼獣の2頭で、いずれも雌。17日、地元猟友会メンバーが同町下大羽、山本の山林でわなで捕獲した。同部は、発見場所から10キロ圏内の養豚場に連絡し、異常がないことを確認した。

(ツキノワグマ出没警報を発令、11月末まで:秋田)
秋田県は29日、クマによる人身被害が懸念されるとして「ツキノワグマ出没警報」を11月30日まで県内全域に発令したと発表した。28、29日に鹿角市で高齢者が相次ぎ襲われたことを受けた措置で、注意喚起を強めている。県警鹿角署によると、同市八幡平で29日、近くに住む無職、安保弘さん(78)がクマに襲われた。安保さんは自宅近くの水路の様子を見ようと歩いていたところ、正面から親子連れのクマに襲われた。頭や腕をかまれるなどして病院に運ばれたが命に別条はない。自宅に徒歩で戻り家族が119番した。クマは体長約1メートルで、子グマ1頭と一緒だった。この現場は、28日午前にクリ拾い中の無職男性(84)が襲われた同市花輪の現場から南西に約1・2キロ離れた場所で、署はクマが頻繁に出没する地域だとして住民に注意を呼びかけている。県はクマ対策として、山林周辺の散策ではラジオなどで音を出しながら歩く▽キノコ採りなどで入山する場合は複数人で行動する▽山林所有者は山林周辺を草刈りして見通しを良くし、出没しにくくする▽山林周辺での食べ物のポイ捨てや廃棄をしない――ことなどを求めている。

(ヒグマ対策、AI顔認証活用し個体識別探る:北海道)
札幌市は28日、市街地へのヒグマ出没を早期に察知するため、人工知能(AI)の顔認証システムを応用した個体識別を検討する方針を示した。今年6月に東区の住宅地で男女4人がヒグマに襲われ重軽傷を負ったことなどを踏まえた。来年度改定する「さっぽろヒグマ基本計画」にデジタル技術を活用した対策の一つとして盛り込む。同日の定例市議会で明らかにした。現在、市内数カ所に設置している監視カメラを増やしてAI機能を搭載し、撮影したクマを顔認証システムで解析する。個体ごとに異なる毛の色や模様などの情報も加えてより素早く識別できないか探る。実現すれば早期の注意喚起や対応につながるという。

(カラス駆除、3年計画:岐阜)
岐阜市中心部の金(こがね)公園周辺でカラスが増えている。ふん害や、えさを探すためごみが荒らされる問題が目立つようになり、その数は多い時で一日に四千羽に上る。人との距離が近いと襲われる危険性もあり、市は十二月から捕獲作業に乗り出すことにした。本年度から三年かけて駆除し、現在の四分の一ほどに減らしたいという。

(ブナやクリの実が不作~凶作、クマに注意:新潟)
この秋、ツキノワグマのエサとなるブナやクリの実が不作または凶作となる見通しであることが分かりました。県は、クマが人里に出没する可能性が高いとして注意を呼び掛けています。県は、今年7月と8月に、ブナやクリなど5種類の樹木の実のなり方を調査しました。それによりますと、上越地域では、ブナ、ミズナラ、コナラが不作から凶作、実をつけないか、わずかという見通しであることが分かりました。また、人里に近い地域にあるクリやオニグルミは平年並みか不作でした。こうしたことから県はクマが人里に近い里山に出没する可能性が高いとして注意を呼び掛けています。県によりますと、ブナが不作だった去年9月から11月のクマの目撃情報は1436件と、過去10年で最も多くなりました。1年間の人的被害は17件でした。また、上越市と妙高市では、今年4月から今月24日までのクマの目撃情報が66件となっています。山に入るときは、県のホームページでクマが出没した場所をチェックしたうえ、単独行動を避ける。音の鳴るものやクマよけスプレーを携帯する。万が一、クマに遭遇した場合は刺激せず、頭・首・腹を守る態勢をとるよう注意を呼び掛けています。

(増えるイノシシ被害、生息域が拡大する背景とは:新潟)
新潟市秋葉区で。畑がイノシシに荒らされる被害が相次いでいます。その実態とイノシシが増えている背景を取材しました。暗闇に浮かぶ白い影…。9月18日に新潟市秋葉区金津地区で撮影された写真です。写っていたのは、8頭のイノシシの親子。現地は住宅地から約1キロ離れたところです。新潟県によりますと、鳥獣による農作物の被害は昨年度3億円を超えました。イノシシによる農作物被害は前年度の約2倍となっています。また、おととしはなかった人への被害も7件発生しました。実はイノシシはもともと西日本の動物で県内にはいなかったと言われています。なぜ、新潟市の里山にも現れるようになったのか…。長岡技術科学大学の山本麻希准教授は“繁殖率の高さ”と“小雪の影響”を指摘します。〈長岡技術科学大学/山本麻希准教授〉「イノシシは“たくさん死ぬからたくさん産む”という多死多産な繁殖形態を持っています。雪が降ると(エサがとれずに)たくさん死ぬんです。しかし雪が降らないと、銃を使った猟って効率が上がらないので、小雪の年に捕獲圧がかけにくくなり、それも原因で増えやすくなるんです」。おととしまでの2年間は雪が少なかったためにイノシシ数が増え、去年の被害拡大につながったといいます。〈長岡技術科学大学/山本麻希准教授〉「稲作の刈り取りシーズンで集落付近に来ている個体も多いと思うので、二番穂など刈り取らずに置いといたまま電気柵をとってしまうと、そこにイノシシがいることもある。遭った時には刺激を与えない」。県内に入り込んだイノシシは生息域を確実に広げています。イノシシの被害、今後も注意が必要です。

(求むアライグマ情報:新潟)
生態系などへの影響から「特定外来生物」に指定されているアライグマが、上越地方で捕獲されたり、その痕跡が見つかったりする例が相次いでいる。繁殖し定着している可能性があるとして、研究者らが実態把握に乗りだした。爪痕などの痕跡の情報を一般の人から集める調査が進められている。調査しているのは、NPO法人「新潟ワイルドライフリサーチ」(長岡市)と長岡技術科学大の野生動物管理工学研究室。NPO法人の副会長の山本麻希・同大准教授によると、アライグマは神社仏閣などをねぐらとし、柱や木を両手で挟んで登る。その際に5本の爪痕が残る。高さ80センチ以上の場所に、4~5センチ幅の5本の爪痕が残るのが特徴だという。一般の人にこうした痕跡を撮影、写真を専用サイトに投稿してもらい、集めたデータをもとに生息地域を明らかにする。県内では過去に狩猟で捕獲された記録があるが、アライグマの分布実態はよく分かっていない。5年ほど前に新潟大の箕口秀夫教授(森林生態学)がシカの分布を調べるために上越市に設置したセンサーカメラにアライグマが映ったことで本格的に調査が始まった。2019年の糸魚川市の調査では、市内の神社仏閣72カ所の約8割でアライグマのものとみられる爪痕などの痕跡が見つかった。今年5月には、上越市内で初めてアライグマが捕獲された。オスとメスの2頭で、7月には子ども2頭も捕獲されたことから、山本准教授は上越・糸魚川周辺では繁殖していると考える。山本准教授が上越、柏崎両市境に設置したセンサーカメラでも姿が確認された。今後、県内に生息範囲が広がる懸念もあり、今回の調査に乗り出した。県は6月、県や市町村の担当者、専門家らによる検討会を実施。専門家からは早急に実態を把握するべきだとの指摘があった。県環境企画課の担当者は、スイカやトウモロコシなど農作物被害などが県内では確認されていないことから「被害が表に見えてきづらい部分がある」とした。そのうえで、「分布や生態など実態把握や生物多様性についての普及啓発をこれから進める」と話した。だが、山本准教授は「増える前に対策しなければ手遅れになる」と訴える。市街地近くで栽培される果樹の被害が顕在化するころには、市街地にアライグマが出没するほど数が増えていると指摘。「農作物への被害は、生態系が破壊された後になる」と危機感を強める。調査は9月30日まで。まだ報告例が少ないといい、情報を求めている。調査結果は12月11日に被害実態や対策を議論するオンラインでのシンポジウムで報告される予定。

(生態知り被害防止、大型動物対策で学習会:新潟)
上越市は28日、クマやイノシシといった大型動物による被害対策学習会を同市内で開いた。講師は市の鳥獣対策アドバイザーで新潟ワイルドリサーチ(長岡市)理事の今村舟さんが務めた。市は大型動物の目撃情報が多い地域を対象に、平成17年から学習会を開いている。

(県内ドングリ「不作」、熊の出没予測は10月上旬発表:長野)
中部森林管理局(長野市)は28日、県内の国有林でブナ、ミズナラ、コナラの結実状況を調査した結果を公表した。3種の木が付けるドングリは熊の餌になることから、出没予測の判断材料となる。県内全域で「不作」や「凶作」の地域が大半だった昨年と比べると「並作」や「豊作」が増えたものの、依然として「不作」が最多を占めた。調査は8月中旬~9月上旬に実施。県内10地域の計215カ所で職員が目視でドングリを数えた。県内10地域ごとに3種をそれぞれ「豊作」「並作」「不作」「凶作」の4段階で評価。地域ごとにばらつきがあり、おおむね県内全域ではブナは不作寄りの並作、ミズナラは不作、コナラは不作だった。ドングリなど餌になる木の実が少ないと、冬眠前の熊が人里に出没する可能性が高くなるとされる。結実が不良だった昨年度の熊の目撃件数は2015年度以降で最多の1432件に上った。県は10月上旬にドングリなどの結実状況を分析して熊の出没予測を発表する予定。

(クマ出没注意、餌のコナラが凶作傾向:岐阜)
岐阜県は28日、ツキノワグマが秋に餌とするドングリ3種類のうち、標高が低い地域に多いコナラに局地的な凶作の傾向が見られると発表した。人の生活圏に近い里山で食べ物に困ったクマが出没する恐れがあるとして注意を呼び掛けている。8月30日~9月10日に、県環境企画課が県内25地点で指標となる木の実り具合を調べた。ミズナラ、ブナ、コナラは全体的に見ると、岐阜と西濃では平年並みから豊作で、中濃、東濃と飛騨では凶作から平年並み。コナラは西濃北部を除く全ての地域に凶作の所があった。飛騨地域では、南部のミズナラを除く全ての地域と樹種で凶作となった。県はカキやクリを残さず収穫したり、田畑の生ごみを残さず処理したりすることが、クマを人里から遠ざけることになると周知。同課の藤掛雅洋生物多様性企画監は「秋はクマが冬眠前に最も活発に活動する時期。対策を徹底してほしい」と話した。県によると今年は4月~8月末に197件のクマの目撃情報が寄せられている。

(改正銃刀法で「クロスボウ」所持が原則禁止に:北海道)
今年6月に公布された改正銃刀法で、クロスボウ(通称ボウガン)の所持が原則禁止になりました。道警は8月までに回収したクロスボウの一部を公開して、引き渡しを呼びかけています。改正銃刀法では、クロスボウを「引いた弦を固定し、解放することで矢を発射する弓のうち、人の生命に危険を及ぼしうるもの」と規定しています。改正法の施行後は、標的射撃や動物麻酔などを目的に、許可を受ければクロスボウを所持できますが、不法に所持した場合、3年以下の懲役か50万円以下の罰金が科されることになります。道警は6月16日の改正法の公布以降、クロスボウの無償引き取りを進め、これまでに全道であわせて71本を回収しました。クロスボウを巡っては、人や動物を狙った殺傷事件が全国で相次いでいて、道内でも2019年に日高の日高町でクロスボウを使った殺人未遂事件、2020年に後志の共和町でクロスボウを使った暴行事件が発生しています。道警は、クロスボウを持っている人は最寄りの警察署に届け出てほしいと呼びかけています。

(専門家が警告「サルは襲われたらクマより危ない」)
2021年は野生動物による人間への被害が相次いでいる。全国でクマによる被害が急増し、死傷者は8人。1964年と並ぶ過去最多を記録しそうな勢いだ。ツキノワグマもヒグマも危険生物であり、クマ撃退スプレーが売上好調など、意識も高まってきている。また、スズメバチの被害も全国で報告されている。秋ごろには巣がいちばん大きくなり、繁殖のピークを迎える時期。また、9月~11月ごろは来年女王となる新女王が誕生し、働き蜂が活性化して人への被害が増えるのだ。「クマやスズメバチだけでなく、イノシシやニホンザルも人間にとっては脅威になります。殺傷能力では劣りますが、イノシシにぶつかられて太ももを牙が貫通したり、ニホンザルに噛まれた、引っかかれたなどの被害も毎年起きています。この時期は繁殖期でもあり、餌を求めて人里に降りてくる動物も多いので注意が必要です」。最近では8月ごろから埼玉県、東京都内で相次いで目撃されていたニホンザル。9月には品川区の武蔵小山や大田区の田園調布、世田谷区の二子玉川などの市街地に出没するなど話題となっていた。同一個体かどうかは不明だが、最終的に9月22日、羽田空港の敷地内の建物で捕獲されることとなった。航空機の格納庫に潜んでいたサルは、部屋の中を約5時間走り回り、修理用の機材の一部に配線をかじった跡が見つかったという。捕獲後は大田区区役所から環境省へ連絡、そこから茨城県石岡市にある動物園、「東筑波ユートピア」へ引き取られることとなったという。動物生態学に詳しい石川県立大学教授の大井徹教授に話を聞いた。「捕獲されたサルは野生の個体で、群れから離れた若いオスですね。体の大きさや生殖器から推定すると3~4歳でしょう。オスの場合は3歳から4歳になると、自分の生まれた群れを出て放浪の旅に出るんです。そして新しく自分が生活できる群れを見つけて潜り込み、メスと子供を作るんです。その後、また数年で放浪するというのを繰り返します。交尾期(だいたい9月ごろ~翌1月)になると発情しているメスを探してウロウロするので、今回のサルはそういった放浪の途中だったんでしょう。メスは普通、自分の生まれた群れを出ないんです。母系社会ですからね。まれにメスも単独で行動しますが、多くは飼われていた飼育個体ですね」。今回のサルのように、群れからはぐれた若いオスが住宅地に出没することは多いという。実際にサルと遭遇した場合、どうするのが正解なのだろうか。「珍しい、可愛いと近づいたり餌を与えたりしてはいけません。人間は餌をくれるものと学習してしまいます。驚いて大声を上げるなどしてサルを刺激すると、噛みつかれたりする危険があります。また、近くにいても目を見つめてはいけません。サルへのアイコンタクトは“威嚇のサイン”になります。見られたサルのほうは威嚇されたと判断し、負けじと威嚇してきて危険な状況になります。目を見ずに、静かにゆっくり遠ざかるのがいちばんです。さらに、サルは犬歯が鋭いですし、雑菌なども持っていますので、噛まれると感染症にかかる危険もあります。秋の行楽シーズン、登山やハイキングでサルに遭遇することもあるでしょう。まずは餌を絶対に与えない。遠くから静かに眺めるだけにしましょう」。クマなどと同じく、ニホンザルは「人の生命、身体又は財産に害を加える恐れがある動物」として、特定動物に指定されている。近所に出没したとしても、うかつに近づいたり、インスタ映えを狙って写真を撮るのは非常に危険。速やかに警察や消防に通報するべきだ。サルはクマより遭遇率が高いのは間違いなく、あくまでも「野生動物」であるという認識を持つのが大切である。今後も都心や繁華街に現われない保証はないので、“危険な動物”であるということをお忘れなくーー。

(知床周辺にクマ400頭、体毛のDNAで個体識別:北海道)
知床半島を含む根室管内羅臼町、標津町、オホーツク管内斜里町に生息するヒグマは400頭前後である可能性が高いことが、東京農工大、道立総合研究機構(道総研、札幌)、北大、知床財団(斜里町)のグループの研究で明らかになった。DNA判定による個体識別で、高精度な推定数が出るのは初めて。これにより、より精度の高いヒグマ管理計画が可能になるという。28日にオンライン開催された知床世界自然遺産地域科学委員会の会合で、委員で研究グループ代表の宇野裕之・東京農工大大学院農学研究院特任教授(自然環境保全学)が、速報値として報告した。グループは2019年度から3年計画で、有刺鉄線でクマの体毛を採取する仕掛けを3町の約60カ所に設置。毛のDNAで個体を識別し、出現場所や頻度などをもとに地域全体の頭数を推計した。環境省などは「知床半島ヒグマ管理計画」(17~21年度)で個体数維持のための駆除の上限目安などを定めている。ただ、計画の前提となる生息数は、過去の捕獲実績などから推定した「110程度~千頭」(14年時点)と幅がある数字で、正確さが課題だった。研究は環境省の環境研究総合推進費で実施。グループは結果を精査し、本年度末までに同省などに報告する。

(増えるツキノワグマ、今秋から狩猟解禁:京都)
京都府は今年度の狩猟期間(11月15日~来年2月15日)から、ツキノワグマの狩猟を解禁する方針を決めている。府内のツキノワグマの頭数が増えてきているためで、狩猟が解禁となれば、府内では約20年ぶりとなる。京都府内では以前、ツキノワグマの狩猟を認めていたが、2002年度の調査では生息数が300頭(丹後個体群120頭、丹波個体群180頭)にまで減った。このため府は、絶滅の恐れのある野生生物の一覧を載せたレッドリストで、「絶滅寸前種」として、同年度以降の狩猟を禁止した。その後、生息数が増加。昨年12月の調査では、1640頭(丹後個体群990頭、丹波個体群650頭)にまで増えた。府では生息数が増えたことで、今年度、レッドリストの改定を行い、ツキノワグマを絶滅寸前種から「要注目種」に変えた。捕獲数の上限は、国のガイドラインに基づき、丹後個体群においては生息数の15%、丹波個体群は12%にするように検討している。福知山市内は、由良川を挟んで西側の丹後個体群と東側の丹波個体群に分かれている。市内でも、このところツキノワグマの目撃情報が相次いでいて、市農林業振興課によると、今年は9月27日現在で59件が寄せられている。だが、目撃しても報告されていないものが相当数あり、実際はこの数よりはるかに多いと思われる。天座区の松田政数さん(77)は、自宅が山のすぐ近くにあり、クマは年中庭先までやって来る。7月には自宅そばの畑にいたところ、近くの小道にクマが現れた。畑は周囲に柵が設けられていたため、クマが入ってくることはなく、難を逃れたという。松田さんは「クマに襲われないか、いつも不安でいっぱいです。狩猟解禁は賛成で、少しでも頭数が減ればありがたい」と話す。市農林業振興課は、これまで通り、頻繁に民家近くなどに出没するクマを対象に、おりを仕掛けて捕らえ殺処分する「被害防止捕獲」を府の許可を得て実施する。「クマの狩猟が解禁されることで、生息数が減り、すぐに安全になるという確証はありません。クマを寄せ付けないため、果実などは早めに収穫し、生ごみなど餌になるものを放置しないよう市民に呼びかけていきたい」と言う。府の緑の指導員で、クマなどの保護活動をする森方徹さん(74)=堀=は、府の依頼を受け、京丹後市から福知山市大江町にかけての山林の約80カ所にカメラを取り付け、生息調査を行っている。ツキノワグマの狩猟解禁については、被害防止捕獲だけで十分ではないかと考える。「人身被害が頻繁に出ているのであれば解禁すべきだが、そうではないようなので…。クマはカキやクリなどを好んで食べるものの、シカやイノシシに比べれば、作物の被害は少ないと思われます」と話す。さらに「クマの生息数が減れば狩猟を禁止し、再び生息数が増えれば解禁するというようなことを繰り返してほしくない。保護と防除のバランスを常に考えていただきたい」と望んでいる。府農村振興課は、今後、府内の市町村や近隣府県の関係者らと協議を重ね、府民からの意見も考慮し、適正な生息数を保っていく管理計画を10月末までに立てていくことにしている。

(クレー射撃・石原選手に鹿沼市特別賞:栃木)
東京オリンピックでクレー射撃・スキートに出場した鹿沼市の石原奈央子選手に27日、市の特別賞が贈られました石原選手は2016年のリオデジャネイロと今年の東京オリンピックに2大会連続で出場しました。東京大会では残念ながら決勝に残ることはできませんでしたが、21位の成績を収めています。鹿沼市役所で行われた贈呈式で佐藤信市長は「2大会の連続の出場に敬意と感謝を表したい」と伝え、鹿沼市産のヒノキで作られた盾が贈られました。鹿沼市の特別賞は石原選手で12例目です。また、競技中の様子を収めた写真パネルが2枚用意され、1枚が石原選手に贈られ、もう1枚はサインを入れ市長公室に飾られるということです。石原選手は選手村で撮った写真を紹介しながら「地元の応援が力になりました。結果は期待に添えなかったと思いますが、悔いのない試合ができました」と大会を振り返りました。

(“クマ追い払い安全に野外活動を”、施設に装置寄贈:北海道)
道内各地でクマの出没が相次ぐ中、病気の子どもたちが野外活動を体験できる滝川市の施設にライトの点滅や猟銃の音などで動物を追い払う装置が寄贈されました。滝川市江部乙町にある「そらぷちキッズキャンプ」は病気の子どもも野外活動を体験できる医療ケア付きの施設ですが、周囲を森に囲まれていて、同じ地区ではことしクマの目撃や足跡の確認が相次いでいます。施設では電気柵の設置などの対策を講じてきましたが、このほど地元のロータリークラブから動物を追い払う装置が寄贈されました。贈られた装置はオオカミの模型に付けたセンサーが20メートル以内に動物などが近づくと検知し、ライトの点滅や猟銃の音などで追い払うというものです。施設の佐々木健一郎事務局長は「この装置でヒグマに人との距離を取ってもらおうと思います。寄贈いただいてスタッフもほっとしています」と話していました。滝川ロータリークラブの高橋賢司副会長は「この施設を利用する子どもたちに安心して楽しんでほしいと思っています」と話していました。

(県立高校にサルが侵入し捕獲される:大分)
大分県豊後大野市にある県立高校に29日朝サルが出没しました。サルは体育館の中を逃げ回った後捕獲され、生徒などにけがはありませんでした。29日午前8時過ぎ、豊後大野市の県立三重総合高校の体育館近くにサルがいるのを生徒が発見しました。学校職員らが駆けつけたところ、サルは体育館に侵入し、天井部分にある骨組みをつたわりおよそ1時間にわたり逃げ回りました。そしてロッカーに飛び込んだところを、地元猟友会が捕獲しました。サルの体長はおよそ60センチで、性別はメス。けが人はなくその後、サルは地元猟友会に引き渡されました。豊後大野市内では27日からサルの目撃情報が相次いでいて、市は引き続き注意を呼び掛けています。

(角が引っ掛かり、シカ立ち往生:京都)
京都府福知山市牧で29日朝、民家の垣根に設置する防除ネットに角が絡みついてシカが立ち往生。取り払おうとするがなかなか取れず、しきりに跳びはねた。民家は山裾にあり、近隣住民らによると、夜になるとシカの群れが現れるのが日常茶飯事。シカも人に慣れているのかのんびりしていると言う。様子を見に来た近くの男性は「シカは若い雄。他のシカがここを通ることはないけれど、よく分からずに来てネットに引っ掛かってしまったのでは」と話していた。

(快速エアポートがシカと衝突:北海道)
28日午後6時25分ごろ、JR千歳線の北広島(北広島市)―上野幌(札幌市)間で、新千歳空港発小樽行きの快速エアポート(6両編成)がシカと衝突し、緊急停車した。乗員と乗客の計約160人にけがはなかった。JR北海道によると、車両に異常がないことを確認し、約20分後に運行を再開した。この事故でエアポート4本を含む計6本が運休または部分運休し、約900人に影響が出た。

(街中でクマ出没か:山口)
28日午後3時40分ごろ、山口市宮島町の空き家で作業をしていた男性2人が、近くの山林の茂みにいたクマのような動物1頭を見つけた。山口署によると、体長約1メートルで、そのまま山に返っていた。同署が一時付近をパトロールし、29日の通学時間帯も警戒に当たるという。目撃場所は交通量が多い県道に近く、周辺には飲食店や商業施設が立ち並ぶ。

(サル目撃情報相次ぐ:神奈川)
9月中旬から保土ケ谷区内で野生のサルの目撃情報が相次いでいる。23日までに今井町や法泉、新桜ケ丘、仏向町、坂本町、上菅田町、西谷で確認。目撃情報を追うと、区内を北上しているようだ。横浜市環境創造局公園緑地部動物園課によると人的な被害や農作物等の被害も報告は寄せられていない。同課によると丹沢など、市外の山間部などで群れをつくっているニホンザルのうち、若いオスなどが群れを離れて横浜市内まで移動してくるケースはこれまでもあったという。被害報告もなく、現時点では捕獲対応の予定などはない。その上で「えさを与えず、不用意には追いかけないでほしい。近づいて興奮させると危険なので、目を合わせず、背中を見せないようにして、ゆっくりその場を離れてほしい。また家に侵入されないよう、窓を開けっぱなしにしないようにしてほしい」と注意を呼び掛けている。鳥獣保護管理法により、サルをむやみに捕獲することはできない。同課ではサルの姿を確認した場合には報告を寄せてほしいとしている。

(南足柄市で活躍、女性だけのハンター集団:神奈川)
シカやイノシシなど、有害鳥獣の駆除を行う猟友会のメンバーの確保が全国的な課題となるなか、南足柄市では女性だけで構成するハンター集団が活躍しています。

(伝統料理「へしこ」をシカ肉で:福井)
福井県おおい町名田庄地区のNPO法人「森林楽校・森んこ」が山村の特産品として、福井県の伝統料理「へしこ」をシカ肉で作り商品化する計画を進めている。同NPOは9月27日、クラウドファンディングのレディーフォーで資金120万円の寄付募集を開始した。同NPOはこれまでもシカに特化したご当地グルメを地区内の茶屋で提供し、シカによる森林食害の啓発に努めてきた。新メニューを通してシカ肉の有効活用を一層進め、山村の活性化につなげたいとしている。このプロジェクトは福井県による「ふるさと納税による新事業創出支援事業」の認定案件で、福井新聞社と福井銀行も協力している。寄付額のうち2千円を除く金額が税控除の対象となるため、自己負担2千円でプロジェクトの後押しができる(寄付者の給与収入などにより控除額に上限あり)。

(本場のジビエを堪能:長野)
長野県安曇野市の穂高温泉郷に位置するリゾートホテル「休暇村リトリート安曇野ホテル」(所在地:長野県安曇野市穂高有明7682-4、支配人:渡邊康広)は、信州ジビエ「鹿肉」の料理提供を9月より本格的に開始いたします。長野県ではニホンジカによる農林業被害が深刻化しており、令和2年度の県内の野生鳥獣による農林業被害は約7億4千万円。そのうちニホンジカによる被害は29.4%、2億1千万円に達しています。さまざまな原因で増えすぎたニホンジカにより森林環境の破壊、農産物の食い荒らし、さらには貴重な高山植物の減少など被害が激しくなっていることから、個体数を適正に調整するため、年間3万頭を超えるニホンジカの捕獲が行われています。ホテルとして、信州ジビエを有効活用し、県内外のお客様へ紹介することで地域貢献に繋げることができないかという思いからプロジェクトをスタートしました。実際に県内でジビエとして利用されている鹿は、推定1,500頭程度で全体の4~5%の利用率にとどまっています。長野県をあげて「自然の恵みを頂く」ジビエ振興に尽力しており、「信州の山の恵みをお客様へ提供・紹介する」「間接的ではあるが農林業被害を食い止める一助となる」「地元の素晴らしさを伝える、地域貢献となる」の観点からホテルなりの信州ジビエとの向き合い方を考えました。

(ジビエの“お試し”焼肉セット・アスリートセットが登場:山口)
オンラインセレクトショップDono Della Terraは、取扱いブランドの「Yamaguchi Gibier」より、ジビエのセット商品を新発売した。Dono Della Terraは、“地球からの贈り物をあなたに”をコンセプトに、商品だけではなく作り手のストーリーや地域環境・販売の背景などの思いも届けている。「Yamaguchi Gibier」は、山口県山陽小野田市の手付かずの自然環境の中で育まれたシカ肉・イノシシ肉などのジビエ肉を、美味しく・安全に届けることを第一に考え、衛生的な設備で製品化しているブランドだ。今回は、“ジビエをまだ食べたことがない”という人にも手に取ってもらえるよう、「お試しセット」を用意。初回購入者限定で30%OFFの割引価格にて提供している。「お試し焼肉セット」は、ジビエ初心者でも調理しやすい焼肉用のスライス肉とソーセージがセットになっていて、キャンプやBBQ・アウトドアにもおすすめ。「シカ肉・イノシシ肉」のセットと、「シカ肉」だけ、「イノシシ肉」だけの3つのバリエーションがある。

(自販機で冷凍味付きヒツジ、シカ肉:長野)
新たな観光資源で地域を元気にし、新型コロナウイルス禍に対応した新たな収入源にしようと、飯田市南信濃和田の精肉店「肉のスズキヤ」が二十九日、ヒツジやシカの冷凍味付け肉が買える自動販売機「遠山ジンギス自販機」を、同所の道の駅・遠山郷内の観光案内所「アンバマイ館」に設置した。

(コオロギ麺×ジビエスープのラーメン:大分)
昆虫食の開発を目的に活動する立命館アジア太平洋大学(APU)の学生チーム「モリノエビ」が食用コオロギのパウダーを練り込んだ麺とジビエスープで作る「モリノエビラーメン」を開発した。別府大学講師とラーメン店主と共に作り上げたオリジナルの一杯で、10月3日に別府市の「NOODLE FACTORY LIFE(ヌードル ファクトリー ライフ)」(元町5)で、一日限定で提供する。チーム代表の若林快卓さん(2年)は静岡での高校時代に、食糧危機が懸念される未来の食材として昆虫が取り上げられていることを知り、「昆虫食」に興味を抱いたという。進学後も研究や開発に取り組み「昆虫食仲間の輪」を学内のほか、別府大、大分大、慶應義塾大にも広げてきた。ラーメン開発は「食糧問題を考える一つに契機になれば」と今夏に企画。ジビエ研究に携わる別府大学食物栄養科学部講師の加藤礼識さんと、ジビエラーメンなどの提供経験がある同店店主の山本智裕さんの協力を得た。テーマを「美味しく食べてSDGsに貢献」とし、加藤さんが入手していた食用コオロギのパウダーを麺に練り込み、シカ肉をベースとしたスープに合わせて提供することにした。若林さんは「野生鳥獣も昆虫も人気はないが食べれば地球を救える食材」と話す。山本さんがコオロギパウダーと小麦粉の配合や麺の太さなどを変えながら数種類を製麺。スープとのバランスを考えながら完成させた。麺は、そばに似た色と太さで、加藤さんは「ツルツルとした舌触りとエビなどの甲殻類を感じさせる風味が特徴。完成度はとにかく高い」と満足げ。山本さんは「コオロギパウダーの割合は5%がちょうど良かった。若林さんの思いを形にすることだけを考えて作った」と話す。提供するのはラーメンとつけ麺の2種。トッピングは鹿ロースのチャーシューなど。昆虫食に抵抗がある人にも興味を持ってもらおうとコオロギを「森のエビ」と表現した。試食したメンバーの沼沢杏さん(APU)は「麺は癖はなく香ばしい。あっさりスープとの相性も良かった。見た目はもちろん、食べてもはコオロギやジビエは想像できない」と話す。加藤さんによると食用コオロギは栄養バランスが良く、生産時の環境負荷が小さいとして国内外で飼育や商品開発が行われているという。若林さんは「今後はコオロギ麺を活用したお菓子などを作って子どもたちに配りたい。昆虫食が一般の人に広がっていけば」と期待する。10月3日は「コオロギ」との語呂合わせで限定56杯を用意。ラーメン、つけ麺共に1杯900円。当日15時から21時まで先着順に提供する。

(「カントリーフェス」、ジビエ料理やレザークラフト体験など:山口)
「江汐カントリーフェスティバル2021」が10月3日、山陽小野田の江汐公園(山陽小野田市高畑)で開かれる。2019年10月に初めて開催し、今回が3回目。「アメリカンなワンデーピクニック」をコンセプトに、音楽ライブや飲食、雑貨販売などを展開する。イベント発起人の高木祐太朗さんは「昨年も親子連れなどがたくさん来場し、楽しんでもらえた。イベントの中止が相次いで、みんなの楽しみがなくなってしまうのはやはり寂しい。みんなで笑い合うことをなくさないために、ウィズコロナで動かなければと開催を決断した」と話す。会場の「フードコーナー」では、高木さんが経営する飲食店「地産馳走 飛寅」(日の出3)が宇部・厚南のパン店「パン工房ふかまろ」(厚南北1)とコラボした「ジビエハンバーガー」、キッチンカー「青空レストランBistro AMABILE(ビストロ アマービレ)」がシカやイノシシを活用した「肉串」などのジビエ料理を提供する。高木さんは「ジビエバーガーを当イベントで販売するのは初めて。ジビエ肉は山陽小野田市内で捕獲したシカやイノシシを使っており、捕獲から加工までを全て自分たちで行っている。野生鳥獣被害など、地元が抱えている課題についてもこのイベントを通して関心を持ってもらい、認知度を上げていきたい」と話す。

(新たなご当地グルメ開発:長崎)
新型コロナウイルスの影響で減少した観光客をとり戻すため、新たなご当地グルメを開発している平戸市で試食会が開かれた。新型コロナウイルスの影響で減少した観光客をとり戻そうと、県観光連盟が取り組む「新たなご当地グルメ」の開発。平戸市は「地元産のイノシシの肉を使ったカレー」。27日市内の4つの飲食店が試作したカレーを持ち寄って、試食会を行った。ご当地グルメの開発は西海市など3つの市町でも進められている。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、27日午後11時50分ごろ、仙台市青葉区川内三十人町にクマが出没しました。

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(シカ捕獲「出動」日当過払い、猟友会が報告修正怠る:福岡)
福岡県東部の「耶馬日田英彦山国定公園」の犬ケ岳地区でニホンジカを捕獲する県の事業を巡り、事業委託先の県猟友会(福岡市)が2018年度、対象の山林へわなを仕掛ける作業に従事していない会員を「出動」扱いとし、日当約61万円を一時的に過払いしたのに、県に出す報告書の訂正を怠っていたことが分かった。県は西日本新聞の指摘で今年9月、県猟友会に修正資料を再提出させた。ニホンジカは個体数の増加で生態系への悪影響が生じている。事業は県が環境省の交付金を使って民間団体に作業を委託し、「くくりわな」で捕獲するもので、犬ケ岳地区では17年度から開始。18年度は県猟友会が992万円で受託した。18年度の捕獲期間は7月11日~11月21日の133日間で、県猟友会京都・豊築両支部の会員約20人が原則6千円の日当でわなの設置、見回り作業などに従事した。県猟友会が19年2月に提出し、取材班が情報公開請求して開示された報告書などによると、うち1人の男性が現場作業に全133日間にわたって連続従事したとの記載があった。ただ実際は、この男性は31日しか現場に行っていなかった。多い人でも出動日数は60日ほどだったという。県猟友会は19年3月ごろ、関係者の指摘で事実を把握。「賃金の対象日数に誤りがあった」として19年6月、男性に日当102日分を返還させた。しかし、報告書は訂正せず放置した。県猟友会は「男性は作業チームの編成、日報処理などの事務処理を連日、一手に担っていた。現場への出動がなくても作業員と同じ日当になるとの認識だった」と説明。一方で、男性の事務局としての手当は1日1200円が別枠で支払われていたことが取材で分かった。県猟友会は事務局としての手当支払いは「取材を受けるまで把握していなかった」としている。県猟友会は現在も同じ事業を受託中だ。県自然環境課は「猟友会に悪意はなかったと認識している。報告書の一部で、事実と異なる内容があったので修正を求めた。今後も提出資料に間違いがないように指導していく」とした。

(「猟犬が放たれると知っていたら…」ペット襲われる事故、どう防ぐ:静岡)
大事なペットが害獣駆除に使う猟犬にかまれた。そんな事故が今年5月、静岡市清水区であった。深刻な農作物被害への対策として実施されている猟犬を使った害獣駆除。安全対策は十分にとられているのか。5月8日午後1時すぎ、静岡市清水区の日本平南側にある農園で、飼育されていたヒツジ1匹が襲われた。襲ったのは、周辺で害獣駆除に使われていた猟犬2匹。農園を囲っていた鉄柵とナイロン製のネットの内側に入り込み、ヒツジにかみついた。ヒツジは右前足をかまれて出血し、おしりの皮膚も一部はがされていた。今回の駆除は清水農協が地元の猟友会に依頼した。周辺ではミカンなどを食い荒らされる被害が深刻で、定期的に駆除を実施しているという。県によると、2019年度、県内でのイノシシやシカなどによる農作物への被害は、約2億9500万円。対策として各地で銃やわなを使った駆除が実施されている。猟犬はおもに銃猟に使われ、対象の鳥獣を探し出し、ハンターが撃ちやすい場所に追い込むのが役目だ。猟犬になるための資格はなく、ハンターやブリーダーがそれぞれの責任でしつける。事故当日、猟犬は午前11時40分ごろに放たれ、1時間後に回収する予定だった。県の要領は、犬を使って猟をする際、地元住民に広報紙や無線などで告知するよう定めているが、今回は知らされていなかった。「猟犬が放たれると知っていたら、ヒツジは小屋に入れておいたのに」。飼い主の男性は憤る。農協によると、事故のあった地域では、過去にも事前告知がないまま猟が行われたことがあったという。農協の担当者は「居住地と離れて猟をしていたため、連絡は不要だと思った」と説明。「今後は周知を含め、足りなかったところを検討したい」と話す。

(野生イノシシ豚熱、100頭超す:茨城)
茨城県は24日、県内3市町で見つかった野生イノシシ3頭が家畜伝染病の豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内での感染確認は累計100頭を超えた。県内では今年6月以降、月20頭前後の感染確認が相次いでいる。養豚場での感染は確認されていないものの、県は養豚農家に防除の再徹底を呼び掛けている。豚熱は18年9月、国内で26年ぶりに岐阜県の養豚場で確認されて以降、現在までに14県で71例発生。養豚場で発生すると飼育豚は全頭殺処分される。今年4月には栃木県那須塩原市の2農場で感染が確認され、計約3万9千頭の飼育豚が処分された。飼育豚には野生イノシシから感染しているとみられる。イノシシの感染が確認されたのは今月中旬時点で全国25都府県に広がっている。県は豚熱の侵入を確認するため、18年9月からイノシシの遺伝子検査を実施。3年間で1648頭を検査した。20年6月、県内で初めてイノシシの感染が取手市で確認され、現在、確認は県内14市町に広がった。特に21年6月以降急増し、今月24日までに83頭が判明した。県畜産課の担当者は「県内のどこで感染個体が見つかってもおかしくない状況」と話す。市町村別では石岡市とつくば市が18頭と最多で、大子町14頭、かすみがうら市12頭、常陸太田市10頭と続く。同課によると、石岡市、つくば市、かすみがうら市は筑波山の麓で、大子町では久慈川付近での発見が多いという。同課はイノシシの感染が確認されると、その都度ファクスやはがきで養豚農家に周知し、衛生管理の徹底を呼び掛けている。国の特定家畜伝染病防疫指針に基づく飼育豚へのワクチン定期接種も進めている。同課によると、24日に陽性確認と発表した野生イノシシは、9月15、16日に笠間市、桜川市、城里町で猟友会が仕掛けたわなにかかって発見された1頭と、死亡していた2頭。いずれも22日、家畜伝染病予防法に基づく遺伝子検査を実施し、判明した。県内での感染確認は99~101例目。

(野生化牛駆除、対策練り直しへ:沖縄)
伊原間―明石間の東側に生息する野生化牛の対策事業費約335万円が2021年度一般会計9月補正予算から議会で削除されたことを受け、石垣市は駆除計画の練り直しを余儀なくされている。議会は駆除の必要性を認めつつ市の経費負担のほか実効性を疑問視、猟友会からも「自信がない」との声が漏れる。市は再度、関係機関で構成する対策協議会で調整する。野生化牛は、2008年2月に伊原間牧野組合から牧場と合わせて放牧牛100余りが農業生産法人に売却された際、人の管理から外れた牛が繁殖したもの。延べ90頭余りが野生化したものとみられる。法人は19年から関係機関の助言を受け駆除対策を実施。家畜飼料で餌付けしてゲート内に誘導し、捕縛して薬殺する方法で26頭を駆除した。しかし▽繁殖のスピードが速い▽捕縛する際に特にオスが暴れて危険である▽ことし2月には車両との追突事故もあった―ことなどからことし3月、独自の駆除方法には限界があるとして行政に支援を求めた。市はことし6月、市民や観光客などの車両との衝突事故や牧場内エコロード利用者への襲撃などが危惧されるとして関係機関と対策協議会を設置し、支援を決定した。鳥獣被害防止特別措置法に基づく市鳥獣被害防止計画(21年度から3カ年)に野生化牛を対象鳥獣に追加し、同14日付で県の同意を得ている。これを受け市は年度内に5回の実施で駆除し、市支出分の2分の1以上を同法人に求める予定だったが、9月補正で予算化できなかったため計画を再検討することに。議会が指摘した実効性の不確定要素について県猟友会石垣地区のメンバーの一人は「2、3頭なら駆除できるが、60頭近くとなると厳しい。撃ち逃すと、もう山から出てこなくなる。大きな成果を上げる自信がない」と肯定する。その上で「どこにどれだけの牛がいるか、どのような行動パターンをとっているのか基礎調査が必要。その上でないと具体的な捕獲方法は検討できない。まずは県道や民有地などに牛が出入りする箇所をふさぎ、住民生活への被害を防止すべきではないか」と提案する。

(野生鳥獣被害4億2300万円:宮崎)
2020年度の宮崎県内のイノシシやシカなど野生鳥獣による農林作物の被害額は、4億2300万円で前年度比260万円減だった。前年度4000万円あったヒヨドリによる果樹被害額は700万円と大幅に減少した一方、サルやイノシシによる果樹や野菜などの農作物への被害は増加した。

(囲いわなシカ21頭捕獲:北海道)
増加するエゾシカの駆除に向け、稚内市は西浜地区で7~9月に行った囲いわなの捕獲実績をまとめた。2年目の今年はほぼ同時期に実施した前年の半分の21頭。市は目標の50頭を大きく下回った原因について昨年と同じ地点で実施し、一帯の生息数が減少したことなどを挙げるが、不明な点も多く、担当者は頭を抱えている。囲いわなは旧稚内西小中学校のグラウンドにあるバックネットに高さ4メートル、幅8メートルの網数枚を立てて設置した。学校の東側の「裏山」と呼ばれる丘陵地には緑が広がり、シカのすみかや繁殖地となっている。裏山では春と秋に銃による駆除を行うが、旧小中学校周辺は住宅が点在するため、銃ではなく、安全性が高く、作業がしやすい囲いわなでの捕獲を昨年から夏に行っている。

(シカと列車の衝突増加:岩手)
県内でシカと列車の衝突事故が後を絶たない。鉄道各社の2020年度の衝突件数は前年度よりいずれも増えた。列車の遅れにつながるため各社は侵入防止策などを講じるが、シカの個体数増加に対策が追い付かないのが現状だ。事故後の処理を行う現場の職員の負担感も重く、関係者は頭を悩ませている。JR盛岡支社は衝突防止策として侵入防止ネット設置や忌避剤散布を行ってきた。だが20年度の管内の衝突件数は647件で前年度から228件増と歯止めがかからない。同支社管内のシカとカモシカの衝突事故は山間部を走る山田線と釜石線が89%を占める。事故1件当たり17分程度の遅れが発生し、30分以上の遅れも39件に上った。

(ロックンロールでクマ撃退!:岩手)
キノコ狩りや紅葉を見物に登山する人が増えるこれからの時期、クマによる被害を防ごうと歌によるキャンペーンが始まりました。「秋のクマ被害防止キャンペーン」は岩手県自然保護課がクマの生態や対処法を知ってもらおうと初めて企画しました。この中では、クマに遭遇した時の対処法などを歌にしたCDや新しくなったリーフレットを県内35カ所の道の駅に配布し県民に注意喚起します。「ツキノワグマRock‘n’Roll」は県職員として働きながら音楽活動をしている登藤かほるさんが作詞・作曲し、歌は自身も盛岡市農林部時代にクマ対策に携わったシンガーソングライターの田口友善さんが担当します。「秋のクマ被害防止キャンペーン」は10月31日までで期間中は道の駅で歌が流れるほか県のホームページでも公開されています。

(ムクドリ大群に住民悲鳴:埼玉)
「洗濯物が干せない」、「鳴き声がうるさくて眠れない」。その原因は、ムクドリの大群だった。対策もむなしく、被害が広がっている。さいたま新都心駅前でカメラがとらえたのは、夕暮れの空に浮かぶ黒い影。22日午後5時半、空に無数の黒い物体が集まり出した。空を覆い尽くす黒い影は、ムクドリの大群。数千羽の群れが、勢いよく街路樹へ下りてくる。ネットを張るなど、対策がされているが、関係ないといった様子で、ネットの上を歩いたり、隙間から中に入ったりとやりたい放題。付近の住民からは「いつもこんな感じです」、「あんまり来てほしくない」などの声が聞かれた。ムクドリのすみ着く街路樹は、駅へ向かう生活道路にあり、その下を多くの人が行き来する。通行する人は、落ち着かない様子で、足早に通り過ぎていた。落ち葉などを掃除していた女性は、ムクドリのねぐらとなっている街路樹の目の前に住んでいる。ムクドリが住み着いた7月から、洗濯物を外に干すことができていないという。住宅街に響き渡る鳴き声の大合唱。騒音計を見ると、鳴き声は89デシベル。これは、ゲームセンターの店内とほぼ同じ音の大きさに相当する。住民を悩ますムクドリの大群は、この街路樹で、夕方から早朝まで過ごす。そして、午前5時15分、鳥たちが一斉に飛び始めた。専門家によると、ムクドリの大群は、日中は散らばって、河川敷やゴルフ練習場などで餌を食べているという。そして夕方になると、散らばっていたムクドリは再び、ねぐらに集結。そこでは、昼間どこで餌をとれたかという情報を共有しているのだという。市は、対策として、音を出してムクドリを追い払う装置を設置した。しかし、当初は逃げ出すなど効果があったものの、今ではムクドリが慣れ始めたため、効果がなくなっているという。2020年からは街路樹にネットを張ったが、隙間から侵入したり、別の木に移動したりと、いたちごっこが続いていて、市は、さらなる対策を迫られている。

(相次ぐヒグマの市街地出没、背景と予防策:北海道)
「ヒグマを知らない人ほど怖がる傾向にある。道民は身近になったクマについてもっと知るべきです」と話す佐藤教授。大学時代から30年以上、ヒグマを研究してきた佐藤喜和・酪農学園大教授(50)=野生動物生態学=が、市街地へのクマ出没が相次ぐ背景を分析した著書「アーバン・ベア となりのヒグマと向き合う」(東京大学出版会)を出版した。札幌の市街地周辺には約30頭のクマが生息しており、森と住宅地が近接する道内の都市部では今後もクマの出没は繰り返すと指摘。放棄された果樹の伐採や河川敷の草刈りなどクマを寄せ付けない対策も具体的に紹介し、クマとの共生の道を探っている。「アーバン・ベア」によると、道内は約1万2千頭のクマと人が高密度に暮らす世界的にも特異な地域で、あつれきが起きやすい状況にある。2014年に始めた札幌の市街地周辺での無人カメラ調査では、毎年約30頭の生息を確認。子連れの雌の成獣と若グマが多く、繁殖も行われていたことが分かった。

(「熊」出没シーズン到来、人身被害防止へ地域で用心)
農村部を中心に、熊による人身被害に特に警戒が必要な時期を迎える。冬眠を控え、餌を探し回る熊が増えるからだ。昨年度の被害者数は全国で158人と過去10年で最多だった。こうした中、対策に乗り出す地域住民や自治体が増えている。出没地域への巡回や周知徹底、緩衝帯の設置などで手応えを得ている。9月中旬。新潟県長岡市役所の担当部署に、市内で熊を見たという情報が届いた。市は即座に位置などを知らせるメールを市民に送信。周辺を通る際に注意するよう呼び掛けた。出没当日と翌日、市職員が自動車で付近を巡回。住民に注意を促し、熊を警戒させるための音声を流して回った。メール通知を始めたのは2021年度から。20年度は出没が224件に上り、現在の調査方法を始めた14年度以降最多となり、人身被害も出た。これを受け、出没地域での巡回に加えて、登録した市民にも通知するようにした。21年度の出没件数は現時点で95件。5月には、市職員が自動車での巡回中に体長1メートル以上の熊に遭遇。数分後、山の方に戻ったが、近くに農地や集落もあったという。人身被害は出ていないが、市は「熊は冬眠前の餌探しに入る。引き続き警戒を促す」(鳥獣被害対策課)と気を引き締める。「ここ5、6年で人里に来ることが増えた。秋の出没も目立つ」。市の鳥獣被害対策実施隊の一人、西片和成さん(69)は実感する。熊やイノシシのわな設置にも携わるが「まずは人里に近づけないことが大事」と警戒する。富山県は、熊やイノシシの侵入を防ぐため山際で牛を放牧し、緩衝帯を作る「カウベルト」を推進する。21年度は6市町の29・6ヘクタールで実施。各地で出没が続く中、対象地点で熊の侵入は確認されていない。県は「侵入防止に一定の効果を上げている」(農業技術課)とみる。地域住民らが市町村などを通じ、和牛改良組合や繁殖農家から牛を借りて電気柵で囲った耕作放棄地などに放つ。1ヘクタール2頭が目安。効果の維持へ、県は導入地域に、秋以降も電気柵の保全管理などの指導を続ける方針だ。環境省によると、熊の出没件数は最新の7月には2350件だった。20年は10月の出没件数が4208件と前月から一気に6割以上増えた。同省は「今秋も警戒が必要」(鳥獣保護管理室)と呼び掛ける。熊の生態や対策に詳しい東京農業大学の山崎晃司教授の話人の生活圏への侵入を防ぐにはまず、熊を誘い込む恐れのある農作物の残さなどの撤去、電気柵の設置が必要。中長期的には個体数の把握や人間に危害を加える個体の特定、人の生活圏と熊の生息域の区分けが大事になる。住民の結束と行政の支援が欠かせない。

(クマよけに電気柵設置:北海道)
函館市教委は10月1日、クマの目撃情報を受けて8月30日から閉鎖していた大船遺跡(同市南茅部地区)の一般公開を再開する。28日、目撃情報のあった「縄文の森」を弓状に囲うように長さ約250メートルの電気柵を新設し、安全を確保する。竪穴建物跡や盛土遺構、管理棟内の展示は見学可能となり、定時ガイドも再開するが、「縄文の森」は閉鎖措置を続ける。市は遺跡内に箱わなを設置し、地元猟友会が見回りを続けたが、遺跡内でクマの痕跡は確認されていないという。同遺跡は世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一部。

(狂暴サル捕獲へわな設置:福岡)
北九州市若松区で先月から相次いでいる、人がサルに襲われる被害。市が27日、目撃情報が多い「グリーンパーク」にわなを設置しました。高さ70センチ・横幅60センチほどの箱型で、周りには落花生が撒かれています。というのも…「木の実を食べている。どんぐりみたいなのを食べている」との目撃情報が。サルがひもがついた落花生の袋を引っ張ると檻が閉まる仕掛けになっています。若松区では、かみつかれるなど男女あわせて19人のけがが確認されていて、通報件数は129件。グリーンパーク周辺だけでも、先月から8回の目撃情報が寄せられています。人的な被害は、群れからはぐれた同一のハナレザルによるものとみられています。市は、見かけても近づかないよう注意を呼びかけるとともに、状況によってはわなの増設も検討しています。

(世界のスポーツ界でアスリートの視覚機能向上に貢献する社員数わずか2人の日本の零細企業の挑戦:京都)
すでに東京五輪が閉幕してから約2ヶ月が経とうとしているが、史上最多58個のメダルを獲得した日本代表選手たちの快進撃を、今も目に焼き付けている人は多いことだろう。コロナ禍の中で開催そのものが疑問視される中、開催に携わった人々の献身的な作業が結実し、大きな問題もなく全日程を全うした。そして日本代表選手ばかりでなく、世界中から日本に集結したアスリートたちが東京五輪開催に感謝を示すかのように最高のパフォーマンスを披露し、我々を感動させてくれた。そんなアスリートの1人に、男子トラップ(クレー射撃)個人で銀メダルを獲得したチェコ代表のダビド・コステレツキー選手が挙げられるだろう。46歳のコステレツキー選手は、同じチェコ代表のジリ・リプタク選手と両者ともに五輪記録を塗り替える死闘を演じた末、金メダルこそ逃したものの自身2度目のメダルを獲得することに成功しているのだ。元々クレー射撃は、高齢でも五輪に出場できる競技として知られている。今回の東京五輪でも29選手がエントリーし、平均年齢が35.1歳の中、58歳の最高齢を筆頭に50代2人、40代5人が名を連ねている。だがそうした高齢選手たちが、メダルを争うような高い競争力を維持できるかと言われれば、やはり難しい面がある。それを物語るように、今大会で決勝に進出した6選手の中で40歳以上の選手は、コステレツキー選手1人だけだった。それだけ彼のメダル獲得は、クレー射撃界でも快挙と言えるのだ。ただそんなコステレツキー選手にしても、すでに選手としてのピークが過ぎ、低迷した時期があった。21歳の若さで1996年のアトランタ五輪に初出場した後、33歳で迎えた2008年の北京五輪で念願の金メダルを獲得。その後も現役生活を続行したが、目立った活躍ができなくなっていった。その逆境をはね除け、コステレツキー選手が再びトップ選手として見事な復活を遂げることができたのは、ある日本企業の支援があったからだ。その企業こそ、京都を本拠に置く株式会社ビショナップ(代表取締役:田村哲也氏)だ。同社は『ビジョントレーニングメガネVisionup(ビジョナップ)』を開発し、幅広いスポーツ競技でアスリートたちの視覚機能向上を手がけてきた、社員数わずか2人の零細企業だ。低迷期に入ったコステレツキー選手はビショナップの存在を知り、自ら連絡をとり、2014年から同社製品を使用し視覚機能の改善に取り組み始めた。するとその効果は覿面に現れ、2015年には3月と5月に行われた射撃世界選手権で連覇に成功すると、翌2016年のリオ五輪では4位入賞を果たすなど、40歳を過ぎて再びトップ選手の仲間入りを果たしたというわけだ。実はビジョナップの恩恵を受けているアスリートは、コステレツキー選手だけではない。東京五輪だけでも、野球、ソフトボール、サッカー、バレーボール、卓球、ホッケー、フェンシングの選手たちが同社製品を使用している(ビショナップ発表)。ビジョナップの存在は、すでにサッカー界では世界的に知れ渡るようになり始めている。すでに日本のサッカー専門誌でも紹介されているエピソードではあるのだが、今年開催された欧州選手権の決勝トーナメント1回戦で、スイス代表がフランス代表相手にPK戦の末勝利を飾った際、この試合でスーパーセーブを連発したGKのヤン・ゾマー選手がビショナップ製品を使用して、トレーニングしていることが現地メディアで報道されている。もちろんJリーグでも、ビジョナップは確実に浸透し始めている。Jリーグでは真っ先に同社製品を導入したチームの1つ、コンサドーレ札幌の赤池保幸GKコーチは、以下のようにビジョナップ製品を使用することになった経緯を説明してくれた。「ブレ球に対する対応が難しいということで、何かいいアプローチがないかなと考えていた時に、何かの記事で仙台の石野GKコーチがビショナップさんのトレーニング用メガネを使っていたのを思い出し、石野GKコーチに直接確認したのがきっかけでした。まず自分で購入し、自分で試してみたところ、これはいいなというのを実感できたので、クラブに相談して追加注文し、正式にGKのトレーニングメニューに加えました」。現役を退き視覚機能が低下しているのを感じていた赤池コーチだったが、ビジョナップ製品を試したところ、すぐにボールの見え方に変化が起こったという。これは現役選手にも有効だと考え、2017年からビショナップ製品を使用したメニューを続けている。実際にトレーニングメニューに組み込んでから、選手たちはどのように変化していったのか、その辺りも赤池コーチに確認してみた。「見え方の部分で(選手たち自身が)分かるような変化は少ないと思いますが、サッカー選手は回りをしっかり見て、状況を把握して、それから決断してプレーすることの繰り返しです。回りを見る力もそうですし、ボールを見る力もそうですし、特に私のチームはGKが攻撃に関わる機会が多いので、遠いところも見て、そこにボールを繋げたりしなければいけない機会がたくさんあるので、周辺視という面でも改善が見られるなと僕は感じています。ただ見るのではなくて観察するということがいい判断に繋がるので、見たものをしっかり脳に送って、それを脳が判断を下してプレーしていくというサイクルがスムーズにいくというイメージが僕の中にあります」。現在は週1回のトレーニングの他、試合前のアップでビジョナップ製品を使い、選手たちの脳を活性化させるとともに、集中力を高めるように取り組みを続けているという。また最近ではトップチームばかりでなくアカデミーでもビショナップ製品を導入し、ジュニア選手の視覚機能向上にも取り組んでいるようだ。現時点ではサッカー界では主にGKのトレーニングにビジョナップ製品が使用されているが、赤池コーチによればフィールド選手にも有効で、サッカーに止まらず「ほとんどの球技に有効ではないでしょうか」。と話してくれた。まだまだビジョナップの存在がスポーツ界全体に浸透しているわけではない。だがコステレツキー選手や赤池コーチのように、ビジョナップを信頼する人たちが着実に増えていっているのは確かだ。いつの日かビジョナップが視覚機能の分野で、スポーツ界に革命を起こす日が来るかもしれない。

(“ママアスリート”に対する支援の輪が広がる日本スポーツ界!)
プロスキーヤーの上野眞奈美が、9月25日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京系、24:35~)にリモートでゲスト出演。女性アスリートを支援する環境作りについて、MCの勝村政信やアナリストで元女子サッカー日本代表の東明有美らと、トークを繰り広げた。2009年に結婚して、第一子の出産を機に引退した上野は、翌年の2010年に現役復帰。2014年に開かれたソチオリンピックのフリースタイルスキーには、日本スキー競技界初となる“ママアスリート”として出場を果たした。そんな自身の経験を元に、上野はクレー射撃の中山由起枝やカーリングの本橋麻里らと共に、出産後に起こる体の変化や育児体験談を発信していくママアスリートネットワーク「MAN」を設立。上野は活動方針について「ママアスリートを増やしていく組織ではなく、どちらかというと互助的というか、女性アスリートをサポートする内容になる」と説明した。「MAN」には、パラ種目も含めた12競技のママアスリートたちが参加。産後わずか5ヵ月で現役に復帰した元バレーボール女子日本代表キャプテンの荒木絵里香は、メンバーの一人として、出産後に効果的なトレーニング方法などを女性アスリートに伝えている。出産からの復帰に向けたトレーニング方法はそこまで確立されていないため、メソッドの共有も「MAN」の大事な使命。荒木は「出産して競技を続けることが女性アスリートの選択肢の一つになればいいと思います」と強調した。また、ママアスリートとしての復帰は、夫である男性側の支援も重要だという。引退の翌年に結婚し、愛娘を出産した陸上女子100mハードル日本代表の寺田明日香は、6年ぶりに陸上競技に復帰し、東京オリンピックでは日本勢として21年ぶりに準決勝へ進出。その裏には、コーチ・トレーナー・栄養士を集めるなど、スポーツコンサルタントの夫による全面バックアップがあった。しかし、全てのママアスリートが家族の支援を受け、周りからの理解を得られるわけではない。上野も「普通に育児の相談ができる友達はいるが、競技と両立した育児の相談ができる人がいなかった」と、孤独感を抱えていたことを打ち明ける。競技と育児の両立は多くのママアスリートが抱える悩みの一つ。特に、「タイムコントロール」は大きな課題となっており、スケジュールの狂いから生じる託児問題を解消しようと、日本では今、ナショナルトレーニングセンターに託児所を作るなど、様々な対策を練っている。

(警察署にマスコット「ササイノくん」:兵庫)
兵庫県篠山警察署のマスコットキャラクター「ササイノくん」が誕生した。コロナ禍で、学校で交通安全教室などをする機会が制限される中、事故防止の啓発に役立てる。ぼたん鍋発祥の地として知られる、丹波篠山のシンボル的な存在のイノシシをモチーフに、同署警務課の北村真菜巡査(24)がデザインした。同署は「市民から愛されるキャラクターになれば」と願っている。丸みを帯びた愛らしいフォルムに、制帽、制服を着たササイノくん。北村巡査は「あまりガチャガチャしない、シンプルなデザインを意識しました」と笑みをたたえる。愛称は署員から募り、同署の略称「ササケイ」と、「イノシシ」に掛けて命名。全38案を幹部らが審査した。市内を巡回するパトカーに、ササイノくんの入ったマグネットシールを貼ったり、兵庫県警のツイッターやフェイスブックなどのSNSアカウントに登場させたりする。同署は例年、4、5月に市内の全学校を回るペースで安全教室を行っていたが、今年は1度も実施できていない。森英司交通課長(43)は、「子どもたちが、『ササイノくんが見とるから気をつけよう』という気持ちになってくれればうれしい」と話す。北村巡査は「怖いイメージを持たれがちな警察に親しみを持ってもらうきっかけにもなれば」とほほ笑んでいる。同県警には46の警察署があるが、署独自のマスコットキャラクターがあるところは珍しいという。

(クマの暮らす豊かな森守ろう:宮城)
クマなど野生動物が暮らす豊かな森を守ろうと、自然保護に取り組む一般財団法人「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)の宮城県支部が富谷市に今年発足し、仙台市内で26日、結成祝賀会があった。参加者は県内で大規模太陽光発電(メガソーラー)や風力発電事業に伴う開発が急速に広がることへの危機感を共有した。1997年設立の協会は、森林の大規模開発が災害の頻発や地域におけるクマの絶滅、農作物の鳥獣被害につながっているとして、寄付による人工林の買い取りや植樹、行政への働き掛けなどを行う。会員は約1万8000人。6月発足の宮城を含めて全国26支部となった。支部長に就任した富谷市の会社員小松淳さん(61)は、祝賀会で「野生動物が命を全うできる豊かな森を、少しでも将来世代へ残せるよう活動したい」と決意を語った。若生裕俊富谷市長も出席して祝辞を述べた。基調講演した協会の室谷悠子会長は、活動の経緯や国内の森林の現状を紹介。会員による県内のクマ出没や再生エネルギー事業に関する説明、県北の風力発電計画の勉強会を開く大崎市の市民団体「鳴子温泉郷のくらしとこれからを考える会」の報告もあった。室谷会長は「宮城では東北他県と比べて突出して多くの再エネ計画が進められ、豊かな自然と住民生活が脅かされている。地域からもっと声が上がるよう、ネットワークを広げていきたい」と話した。

(タヌキ避け、バイク転倒か:兵庫)
川西市の国道で16日未明、単車が転倒し、運転していた市内の会社員男性(33)が死亡した。川西署の調べで、車にひかれたタヌキの死骸を避けようとしたことが原因である可能性の高いことが判明。阪神間でも特に自然に恵まれた北部は、野生動物の生息地に近いという事情があり、署は「死骸を放置すると新たな事故を招く恐れがある」として警察や道路管理者への通報を呼び掛けている。調べでは、事故があったのは16日午前0時50分頃。男性はオートバイで川西市東畦野山手の国道173号を北進中に転倒し、全身を強く打ち、搬送先で死亡が確認された。現場は見通しのよい片側2車線で、緩やかな下り。男性は自宅が近く、運転には比較的、慣れた道だったとみられる。急ブレーキの跡はなかった。目撃者はいなかったが、近くの路上にあったのがタヌキの死骸。尾の先までで約1メートルだった。防犯カメラの映像などから、事故の直前に車にひかれたようで、男性はその死骸をよけようとして、減速する間もなくバランスを崩したらしい。署は「そのまま乗り上げていても、転倒した可能性がある」と死骸を放置することの危険性を指摘する。「こういう事故が起きないか、以前から心配だったんです」とかねて抱いていた不安を打ち明けるのは、近くの住民だ。一帯は丘陵を切り開いた住宅街で「タヌキやイノシシ、シカをよく見かけるので……」。署は、野生動物の動きが活発になる夜間は特に注意が必要とした上で、衝突した場合に気を配るべきなのは2次被害防止だとする。これらは「物損事故」に該当するといい、警察への通報と道路緊急ダイヤルなどで道路管理者への連絡を求める。「路上の障害物に早く対応できるよう、夜間は前照灯が遠くまで届くハイビーム活用を」と呼び掛ける。一方で、タヌキは事故の「被害者」になりやすいというデータもある。西日本高速道路が管轄する高速道路では、2019年度に動物が犠牲になる事故が1万9500件発生。うち9600件を中型動物が占め、その大半がタヌキだった。夜行性で、驚くとすくんでしまう性質があり、それが事故に遭いやすい原因だとの説もあるという。野生動物が絡む死亡事故は全国でも起きている。大津市の県道では2019年8月、オートバイがシカにぶつかって転倒し、運転していた男性が亡くなった。また、宮城県気仙沼市の三陸道でも20年2月、乗用車のハンドルを握っていた女性が死亡。路上にあったキツネの死骸を避けようとしてスピンし、他の車と衝突したという。

(クジラ果て、クマの餌:北海道)
オホーツク管内斜里町の知床半島にクジラの死骸が打ち上げられ、ヒグマが食べている姿が23日に確認された。羅臼町の相泊漁港を出発した、ヒグマ観察を行うクルーズ船の乗客が撮影した。撮影時刻は23日午前10時ごろ。知床半島先端の知床岬から5キロほど南のポロモイ地区(斜里町)で見つかった。映像からクジラは10メートルを超える大きさで、ヒゲクジラの一種とみられる。

(乗用車とクマ衝突、運転男性けがなし:秋田)
26日午前3時半ごろ、秋田県北秋田市阿仁の国道105号で、同市の70代男性が運転する乗用車が体長約1メートルのクマと衝突した。男性にけがはなかった。北秋田署によると、男性が仙北市方向から北秋田市方向に走行中、道路左側にいたクマとぶつかった。車は左前部のバンパーが破損。クマは左側の山林に立ち去った。現場は北秋田、仙北両市境の大覚野峠で、比立内トンネルの南東約3・7キロ。

(クマ目撃、関係機関が注意呼び掛け:福島)
26日午後1時ごろ、田村市の片曽根山でクマの目撃情報があったと、男性から田村署に通報があった。同署によると、山の車道を歩いていた女性がクマ1頭を目撃し、女性から話を伝え聞いた男性が通報した。クマの体長は不明。片曽根山周辺では、ことし5月に市内で初めてツキノワグマ1頭が捕獲された。これまでクマの目撃事例が少なかった阿武隈山系でも生息域が拡大している恐れがあることから、同署や関係機関が注意を呼び掛けている。

(列車がシカはねる:青森)
26日午後8時10分ごろ、JR五能線の大間越(青森県)―岩館間で、上り普通列車がシカをはねて緊急停止した。この影響で普通列車上下3本に最大103分の遅れが出た。乗客にけがはなかった。JR秋田支社によると、運転士が線路上にシカを発見し、急ブレーキをかけたが間に合わなかった。

(路上にクマ、ドラレコに映像:青森)
青森市の農協職員工藤俊樹さん(44)が、外ケ浜町蟹田地区の路上に現れたクマの姿をとらえたドライブレコーダー映像を東奥日報に寄せた。

(クマか「四足歩行の動物を見た…クマかも」:北海道)
9月27日未明、札幌市南区の国道でクマとみられる動物が目撃されました。現場付近には小学校があり、警察や札幌市職員が警戒するなか児童が登校しました。27日午前2時30分ごろ、札幌市南区石山東3丁目の国道453号線で、散歩をしていた男性から「四足歩行の動物を見た。クマかもしれない」と110番通報がありました。 警察によりますと、この動物は子グマとみられ目撃されたあとすぐに西側の山へ入って行きました。目撃情報を受け、付近の小学校では教員たちによる"見守り登校"が実施されたほか、警察や札幌市の職員らが通学路周辺をパトロールしました。札幌市南区では9月に入り、クマの目撃情報が14件寄せられていて警戒が強まっています。

(小学校付近でクマ目撃:石川)
23日、石川県津幡町の小学校付近でクマが目撃され、警察などが警戒を強めています。23日午後1時半頃、津幡町の太白台小学校から直線で300mほど離れた場所で「体長1mくらいの小さなクマを見た」と付近の住民から警察に通報がありました。その後、付近では午後6時ごろにもクマが目撃されました。24日朝は小学生がクマよけの鈴を身につけるなどして登校しました。小学校ではできるだけグループで下校をするように呼びかけているということです。警察や猟友会は小学校付近を重点的にパトロールをするなど、警戒を強めています。

(ハナレザルに注意:神奈川)
南足柄市と山北町内で、9月上旬からサルの目撃情報があり市と町は注意を呼び掛けている。最初にサルが目撃されたのは南足柄市が9月8日、山北町が11日。以降、住宅地や商業施設周辺などで目撃されている。両自治体の担当者は、群れで行動するのではなく、単独で行動するハナレザル(1頭)と見ている。「サルを見つけた時は『エサを与えない』『目を合せたり、近づかない』『写真撮影をしない』。このことに気を付けてほしい」と担当者は話している。

(里山守るイノシシ皮革、高級レザー品や家具に:香川)
香川県東かがわ市の五名地区でイノシシ肉の販売などを手掛ける「五色の里」は、イノシシの皮でレザー商品を開発し、高級品として販売している。消費拡大のための新商品として9月から家具店向けに、椅子などに使う革の販売も始めた。肉だけでなく、これまで使い道がなかった皮の活用でイノシシの価値を高め、里山維持につなげる。五名地区では、狩猟者が年間100頭ほどのイノシシを捕獲している。狩猟者は、解体後の肉を「五色の里」に販売。皮はこれまで廃棄していた。「五色の里」は、一頭分のイノシシの皮を3000円で買い取る形で狩猟者に還元する。レザー商品の開発などを担当する西尾和良さん(43)は、8年前に脱サラし同地域で農業と林業を営む。西尾さんは「鳥獣害で荒らされる農地などを見て、『里山を守りたい』という思いから始めた」と振り返る。数年間の試行錯誤を経て、2018年からイノシシ革の高級品の販売を始めた。高松市の革小物店「ラウンド」と連携。かばんや財布などを商品化した。ふるさと納税などでも商品を提供している。財布は7万7000円(税別)、ビジネスバッグは16万5000円(同)など。富裕層をターゲットにする。以前は年間300万円ほどを売り上げていたが、近年は新型コロナウイルスの影響で大幅に減少した。現状を打破しようと同県さぬき市の木工職人との連携も始めた。職人が運営する同市の家具店では、イノシシ革を座面に使った椅子を9月から販売している。既に、2脚の注文があったという。西尾さんは、他にもベルトなどの新商品の試作を続けている。「新しい販売方法や商品をきっかけに、地域の環境維持や活性化につなげていきたい」と意気込む。

(ジビエを食べてSDGs!:東京)
株式会社テレビ東京コミュニケーションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐々木宣幸、以下、TXCOM)は、2021年9月28日(火)より、ジビエに関するトークショーとキッチンカーでのジビエ料理販売を行います。TXCOMが運営する「ジビエト」は、農林水産省 令和3年度鳥獣被害防止総合対策交付金(全国ジビエプロモーション事業)によるPR事業を行っています。現在、日本ではシカやイノシシ等が増えすぎてしまい、農林業や自然環境にとって大きな問題となっています。主な農村の被害例としては、農作物が食べられたり、田畑を荒らされたりするほか、森林での樹皮の剥皮(はくひ)や希少植物の食害、車両との接触や衝突事故など、地域社会に深刻な被害をもたらしています。その結果、農村の営農意欲の低下や耕作放棄地の増加をもたらし、さらなるシカやイノシシ等の住処(すみか)の拡大に繋がっています。野生鳥獣による被害防止対策のために捕獲を進めるだけでなく、捕獲鳥獣を地域資源として利用する取り組みを全国に広げていくことで、サステナブルな循環型経済の創出にもつながっていくことが期待されているのです。野生鳥獣の食肉利用を進めるため、「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」が定められ、指針に沿った食肉処理施設の整備、高い基準に基づき衛生管理を徹底している施設を認証する仕組みが設けられるなど、安全なジビエを提供する取り組みが進められています。ジビエを積極的に食べることで、鳥獣被害に苦しむ日本の農山村を元気づけ、地域の活性化や地域課題の解消・・・つまりはSDGsへの貢献に目を向けてみませんか?

(シカ肉で新商品:岐阜)
揖斐川町坂内広瀬の道の駅「夜叉ケ池(やしゃがいけ)の里さかうち」は、坂内地区産のシカ肉を使った三つの新商品を大垣市外野のイオンモール大垣一階のイオン大垣店内で販売している。二十六日まで。

(イノシシ肉おやき「暴走おやちょ」:千葉)
県立館山総合高校(館山市、渡辺嘉幸校長)の家政科3年生チーム3人が、館山産イノシシ肉を使ったおやき「暴走おやちょ」を開発した。

(御柱祭へ鹿皮の記念品開発:長野)
手工芸品で富士見町を元気にするグループ「すずらん娘町」は、来年の諏訪大社御柱祭に向けて、町内で捕獲されたニホンジカの皮を使った記念品を開発した。捕獲個体の命を無駄にしたくないとシカ肉の活用は広がるが、鹿皮の利用は少ないのが現状。諏訪信仰と狩猟文化の深い結び付きを生かした記念品を町内事業者と連携して作り、地域資源の有効活用や地域振興に貢献したい考えでいる。手作りの技とアイデアを持ち寄り、町花のスズランをモチーフにした土産品などを考案、開発する同グループ。牛山由実子代表によると、御柱祭関連の商品は初めてで、3年ほど前から構想を温めてきたという。諏訪大社の商標等使用許可も得ている。毛付きの鹿皮を専門業者でなめし加工し、直径4センチの木の丸板にあしらった。反対の面には「祝御柱祭 信濃國一之宮」の字と鹿の角をデザイン。ひもの部分を動かし、根付けとして使用できる。天然物の毛並みのため1点1点が異なり、好みの柄や色を選ぶ楽しさも。同封するしおりでは古来、大社が発行してきた狩猟と肉食の免罪符「鹿食免」についても触れている。町内の事業者と連携し、鹿皮は地元猟友会の有志が設立した「信州富士見高原ファーム」が供給。小松工芸舎(栗生)が木材加工を手掛け、娘町のメンバーが工程を分担しながらパーツを組み合わせていく。牛山代表は「観光客に限らず、地元の氏子の皆さんに使っていただけたら。シカも報われると思う」と話す。現在は国道20号沿いのセブン-イレブン富士見町富士見店で販売している。1個3300円(税込み)。来春までに2000個を作り、諏訪地方の店舗や宿泊・観光施設などに置きたいという。

(八溝ししまる魅力発信:栃木)
新型コロナウイルス感染症の拡大で大型バスなどによる観光ツアーの開催が難しくなる中、代替となる「着地型ツアー」の商品開発に向けた町観光協会主催のモニターツアーが25日、町内で開かれた。参加したモニター10人は町内の食肉加工施設などを見学し、町特産品の野生イノシシ肉「八溝ししまる」の魅力の一端に触れた。着地型ツアーとは、参加者が自力で向かった旅行先(着地)を集合場所とするツアー。コロナ禍で首都圏からの従来型ツアーが難しくなる中、同協会は新たな観光振興策を模索する町の委託事業として、旅行大手JTBなどと協力し今回のツアーを催した。ツアーは「八溝ししまるの秘密に迫る」がテーマ。参加者はマイカーで町馬頭広重美術館の駐車場に集合し、馬頭地区の生活環境保全林「すくすくの森」に移動。地元のベテラン猟師2人から、くくりわなの仕掛け方などイノシシ猟に関するレクチャーを受けた。続いて和見の町イノシシ肉加工施設を見学。施設のスタッフは肉から余分な脂肪や血管などを取り除く繊細な作業を披露し、「この作業を徹底的に行うことで(八溝ししまるの特徴である)軟らかく、臭みのない肉になる」と秘訣(ひけつ)を語った。参加した日光市所野、自営業星野晃宏(ほしのあきひろ)さん(36)は「多くの皆さんの手を経ることで『ししまる』のおいしさが保たれていると分かった」と感心していた。

(DMMアグリが「クマ撃退スプレー」の取り扱いを開始:東京)
鳥獣被害対策事業を展開する、株式会社DMM Agri Innovation(本社:東京都港区、代表取締役 岡崎 翼、以下DMMアグリ)は、昨今急増しているクマ被害の対策として「クマ撃退スプレー」の取り扱いを開始しました。野生鳥獣による農作物への被害金額は年間で約158億円にものぼり、数字に現れる以上に、営農意欲の減退、耕作放棄・離農の増加など、深刻な影響を及ぼしています。DMMアグリでは、JA全農の協力のもと、経済連・県JA様や全国各地の農協様への電気柵販売を中心に、鳥獣被害対策商品全般の製品開発・販売に取り組んでいます。昨今、クマの出没情報が増加し、農作物の被害はもちろん人的被害のリスクも上がっていることから農協への販売をはじめ、クマ被害に悩む地方自治体向けに「クマ撃退スプレー」の販売を開始しました。「クマ類の出没対応マニュアル」によるとクマ撃退スプレーをクマに向かって噴射することで攻撃を回避できる可能性が高くなるとされています。また、「いざという時にすぐ使うことができる場所に携帯することが必要」かつ「咄嗟に使用することは難しいため、事前にトレーニング用スプレーなどで練習することも重要」とされているため、クマ被害に悩む多くの農家・自治体向けの販売を通して、安全な使用方法はもちろん、クマ撃退スプレーの普及率向上を目指します。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、27日午後0時15分ごろ、富谷市富谷高屋敷にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
村田町によると、24日午後2時45分ごろ、村田町足立滑沢付近にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、24日午前5時10分ごろ、仙台市青葉区芋沢横前にクマが出没しました。

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(クマに襲われ男性が重傷:長野)
21日午前8時ごろ、飯田市南信濃木沢の山林で、同市南信濃八重河内、農業宮下功明さん(79)がクマに襲われ、右腕骨折の重傷を負った。クマは殺処分された。

(新たな感染症、「エゾウイルス」と命名:北海道)
北海道でマダニにかまれたことでかかるウイルス感染症が新たに見つかった。2014~20年に少なくとも7人が感染したとする調査結果を、北海道大などのチームがまとめた。チームは「エゾウイルス」と命名し、感染に注意を呼びかけている。チームによると、2019年5月、山でマダニにかまれた札幌市に住む男性(41)が39度以上の熱が出て、一時入院した。20年7月には同市内の男性(59)がハイキング中にマダニのようなものにかまれ、発熱。2人は血液中の白血球や血小板が減少したほか、かまれた部分の周辺に強い痛みが続いたり、食欲不振になったりした。詳しく調べると、新たなウイルスに感染していることがわかった。北海道で14年以降にダニを介して感染症になった可能性がある248人の血液を分析したところ、5人がこのウイルスに感染していたことが判明した。論文が今月、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。厚生労働省は本州でもマダニを介した感染症が広がっている可能性があるため、マダニにかまれないよう、注意喚起する方針だ。担当者は「山に行く時などは、肌の露出の少ない服装を心がけてほしい」としている。

(羽田空港、サルが航空機の格納庫に侵入:東京)
22日朝、東京の羽田空港の敷地内にある建物に野生とみられるサルが侵入しているのが見つかり、およそ5時間後に捕獲されました。けが人などはいませんでした。22日午前7時ごろ、羽田空港の敷地内にある航空機の格納庫に野生とみられるサル1匹が侵入しているのを空港の関係者が見つけ、警視庁などに通報しました。サルはその後、近くにある日本航空が所有する建物に移動し、航空機の部品を修理する部屋に入り込んだということです。しばらくは部屋の中を走り回っていたということですが、およそ5時間後、駆けつけた警察官などによって捕獲されました。対応にあたった人たちにけがはありませんでした。このうち、日本航空の関連会社の社員は「サルを見つけた時は『東京の空港でサルなんてうそでしょ』と思いました。過去には猫やハクビシンなどが迷い込んできたことはありましたが、サルは初めてだったのでびっくりしました」と話していました。また、室内にあった航空機の部品にも影響はありませんでしたが、修理用の機材の一部に配線をかじった跡が見つかったということです。都内では先月以降、品川区や荒川区などでサルの目撃情報が相次いでいましたが、今回捕獲されたサルとの関連は分かっていません。サルの今後の扱いについては、羽田空港がある大田区が検討することになっています。

(野生イノシシが豚熱感染:神奈川)
神奈川県は4日、厚木市飯山の山林で捕獲された野生イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は7例目。県は県内全ての養豚場に対し飼養豚の異常の有無を確認するとともに衛生管理の再徹底を指導する。県によると、1月22日、地元の猟友会メンバーが雄の成獣(体長133センチ、体重60キロ)を捕獲。県が遺伝子検査を実施したところ、2月4日に陽性が確認された。県内のこれまでの6例はいずれも相模原市緑区での確認だった。

(乗用車とクマ衝突:秋田)
23日午後6時50分ごろ、秋田県上小阿仁村大林の国道285号で、大館市の40代男性が運転する乗用車が体長約1メートルのクマと衝突した。男性にけがはなかった。北秋田署によると、男性が秋田市方向から北秋田市方向に走行中、右側から出てきたクマとぶつかった。車は前部のバンパーが破損。クマはその場で死んだ。現場は大林橋の南側。民家まで約600メートル。

(クマの移動ルートを遮断へ:北海道)
今年は、市街地でのクマのニュースが多いなと感じている方も少なくないと思います。ことし道内でクマが人を襲う被害は過去最多のペース。そして、今月、来月は冬眠に向けてクマの活動が活発になる時期でもあります。特集です。今月、札幌市の職員が、背丈以上に伸びた草を刈っていきます。札幌市西区の五天山公園の近くを流れる左股川です。草刈りは、クマ対策の一つです。「こういった草の中に身を隠しながら移動するので、そういったルートを、少しでも草刈りすることによって、周りから見えるようにして、ヒグマがこの辺を通りにくくするようにするという目的で…」(札幌市環境共生担当課・鎌田晃輔係長)。暗闇から、クマがじっとこちらを見ています。先月、左股川の無人カメラで撮影されました。今月の写真にも…ここに、クマがいることを示しています。「左股川から下っていくと、琴似発寒川に合流して、どんどん下流の方に行ってしまうので、その辺で食い止めたい」(札幌市環境共生担当課・鎌田晃輔係長)。6月、東区の住宅街に現れたクマ。男女4人が襲われました。東区で人がクマに襲われたのは「143年ぶり」です。クマは、一体どこから来たのか?「目撃」や「痕跡」などの情報をつなぎあわせると、そのルートが浮かび上がってきました。6月18日午前3時28分「北31条東19丁目」の路上で目撃された地点からさかのぼると、午前3時10分、介護老人保健施設の防犯カメラに。午前2時15分、「北区上篠路93」で目撃情報。6月16日、茨戸川緑地でフンを確認。5月29日、石狩川近くの波連湖で目撃。札幌市は、クマが「茨戸川緑地」から「茨戸川」、「伏籠川」、「水路」を通って、東区の住宅街に出てきた可能性が高いと結論づけました。札幌市のヒグマ対策委員会のアドバイザーで、酪農学園大学の佐藤喜和(さとう・よしかず)教授です。「クマは自分の体を見せることを嫌うので、体が隠れられるような薮とか茂みの中を基本的には好みますよね。市街地の内部に侵入する場合は、クマの生息している森林から市街地の中に緑地とか、水路、河畔林が連続的につながっているというのが根本的な問題」(酪農学園大学野生動物生態学研究室・佐藤喜和教授)。札幌に限らず、道内には、周辺にクマが生息できる山林があり、市街地に川が流れ込んでいる都市は多い。今月1日には、南区川沿の国道230号線を横断するクマ2頭が目撃されました。近くを流れる豊平川をつたって、定山渓方面から北上してきたとみられています。市街地で相次ぐクマの出没。専門家が考える対策とは…「まだルートはつながったままの状態ですしね。もう想定外とも言ってられない」(酪農学園大学野生動物生態学研究室・佐藤喜和教授)。市街地で相次ぐクマの目撃。佐藤教授は、東区の事例を念頭に「クマの移動ルートを遮断する」など新しい試みが必要だと指摘します。「茨戸川緑地の方から来ただろうと言われていますから、伏籠川沿いのルートの入口を閉めるということでしょうし、おそらく石狩川を越えて当別町とか、石狩市方面から来ただろうと予想されています。当別町方面で、森から畑に出さないっていうことが、もしできていれば、クマが畑を通って石狩川を越えることもない」(酪農学園大学野生動物生態学研究室・佐藤喜和教授)。道内の2020年度の推定生息数は「1万1700頭」。30年前(5800頭)に比べると倍増しています。今年は、特に出没件数も多く、道内のクマによる人への被害も死亡3人、けが8人と、統計が残る1962年以降、最悪です。「年によってばらつきがあるが、年間2、3件で推移してきた。今年は急に多い数になってしまって、我々は驚くとともに、衝撃を受けている」(北海道自然環境課・武田忠義課長補佐)。道は、来年改訂する「道ヒグマ管理計画」の素案で、新たに「水路」を加えました。クマの住宅地への侵入ルートと位置づけ、対策の強化を目指します。「クマにとってはなかなか、線がわかりにくいというかね、やっぱり人間の側が、ここから先は人間のエリアだから来ちゃ駄目ですよということを教えてあげないといけない」(酪農学園大学野生動物生態学研究室・佐藤喜和教授)道内のすべての川で、クマの侵入を防ぐことは不可能です。しかし、人間がクマとの無用な遭遇を避ける工夫をするだけでも、お互いが傷つかずに済むのです。

(ヒグマ対策強化、箱わな更新や情報充実:北海道)
ハイキングやキノコ採りなどで山林に入る人が多くなる時期を迎え、道は「秋のヒグマ注意特別期間」(9月4日~10月31日)として、あらためて注意を呼びかけている。宗谷管内で人身被害は40年以上、確認されていないが、出没・目撃情報は近年、年間150件以上あり、自治体は箱わなを大型化したり、住民向け情報を充実させたりするなど対策を強化している。道の集計では、道内の1989年~今年7月のヒグマの人身被害は計51件あり、うち9、10月は計15件と、4、5月の18件に並ぶ。春は冬眠明けで、秋は冬眠に向けて餌を求め、活動が活発になるのが原因とみられる。人身被害の57%が山菜やキノコ採りで山に入り、亡くなったり、けがをしたりしている。

(ニホンジカの県内捕獲数が過去最多:徳島)
2020年度に徳島県内で捕獲されたニホンジカが1万5596頭と過去最多だったことが、県のまとめでわかった。捕獲対策強化によるものだが、生息数は増加しているとみられ、農作物に大きな被害が出る状況が続く。担当者は「農作物だけでなく、山の植生にも大きな被害を及ぼす。さらに対策を強化したい」としている。県によると、20年度のニホンジカの捕獲数は前年度より、8・6%増加。イノシシ、ニホンザルの捕獲数は前年度より減ったが、全体では、2万4129頭と過去最多だった。一方、農作物の被害額は9102万円と全体では前年度比で3・6%減少したが、ニホンジカによる被害は3168万円と7・9%増加。ユズやミカン、スダチの果樹関連が約70%を占めていたという。また、シカはほぼ全ての種類の植物を食べるとされ、枝葉や樹皮など、口が届く高さにある植物を食べ尽くす恐れがある。剣山や三嶺周辺では、山の植生に深刻な被害が出ており、キレンゲショウマなどの希少な植物に被害が出たり、山の地肌が現れて、斜面崩壊を起こしたりする場所もあるという。捕獲数が増えているのに、大きな被害が出る要因の一つは、耕作放棄地の拡大だ。放棄された農地が格好のえさ場となり、管理する人のいない果樹園に入り込むケースもある。生息域が拡大して、生息数自体も増えているとみられる。県は、シカが侵入できないよう柵を設置するなどの対策を進めている。農作物被害の大きいエリアで生息状況を調査し、シカの多い地域を中心に捕獲を進めるほか、剣山周辺では、県境付近まで重点的な捕獲の範囲を広げる方針だ。

(ヤマビル増加、シカなど運搬か:熊本)
熊本県南阿蘇村の南外輪山麓で人や動物の血液を吸うヤマビルの生息域が拡大し、地域住民が対応に苦慮している。近年、人里へ頻繁に出没するイノシシやシカと共に麓に降りているとみられ、村も駆除剤を試験的に散布するなど、拡大防止策を検討している。「おったおった。ズボンをはい上がってきとる」。8月下旬、同村久石の上二子石地区。約1時間かけて林道の草刈りを終えた約25人の住民がお互いの体を確認すると、脚にヤマビルが多数付着。いつの間にか顔に吸い付かれていた人もいた。最年長の小林了秀さん(85)は「ヒルは昔からいたが、近頃は特に多い。気が付いたら背中や足が血だらけなんてことも珍しくない」と話す。

(空気銃で猫100匹殺傷!「征服した気分になっていた」虐待犯の呆れた言い訳)
空前のペットブームの一方で動物虐待事件が増えている。特に多いのが猫への虐待。何度となく繰り返す虐待犯も少なくないのだ。では、なぜ猫は虐げられるのだろうか――。「明らかに暴力で直視できないほどに変わり果てた姿の猫を目にすることがここ数年増えてきました。人間よりもはるかに力の弱い猫への暴力は“悪魔の所業”と言っても過言ではありません」。そう怒りをあらわにするのは沖縄県内で猫の愛護活動などを行う男性。8月12日、沖縄県名護市で子猫1匹の死骸が見つかっている。付近では以前から不審な死に方をした猫の死体が見つかっており、虐待事件とみられる。猫の虐待事件は沖縄だけで起きているわけではない。警察庁が発表した昨年の動物愛護法違反で検挙した件数は102件。虐待された動物は猫が最多で57件だった。「狙われる動物は圧倒的に猫が多い。ですが実際の虐待件数は検挙数より多いんです。動物愛護法44条では猫をみだりに殺したり、傷つけた者は5年以下の懲役、または500万円以下の罰金に処することが定められています。それにもかかわらず猫は虐待され続けているのです」(動物虐待問題に詳しいライター)。6月22日、49歳(当時)の男、Aが動物愛護法違反と銃刀法違反の疑いで千葉県警に逮捕された。Aは猫に向けて空気銃を発砲、100匹以上を殺傷したとみられる。「Aは2019年2月以降に八千代市や千葉市など県内複数か所の公園や住宅地などで同様の犯行をしたと述べています。これまでにも空気銃で撃たれた猫が発見されており、警察では10件以上の被害を確認しており、余罪を調べています」(捜査関係者)。Aの犯行とみられる最初に撃たれた猫が確認されたのは'19年12月、千葉市内にある公園での虐待事件だ。撃たれた6匹のうち、1匹は瀕死の状態で発見され、回復困難で安楽死となった。「逮捕のきっかけは昨年12月、八千代市の住宅地で猫の死体が発見された事件。この猫は内臓出血により死亡。弾は右前脚から体を貫通し、左前脚まで到達していたそうです」(前出・ライター)。警察の調べに対し、Aは「弱い立場の猫を(虐待することで)征服した気分になった。捕まえた猫に自宅で熱湯をかけたこともある」などと供述していたという。Aの身勝手な犯行により100匹以上もの猫が傷つき、苦しみ、そして、死んだ。Aは逮捕された今、本当に反省しているのだろうか。かつて猫13匹を殺傷、その様子を撮影しインターネット上に投稿していた男、B(当時52)は裁判で「飼っていたメダカが殺されたり、糞尿の被害に遭って猫を駆除したかったのは事実。だが、駆除より虐待動画の投稿が目的になった」「猫を憎んでいた」などと供述。だが、傍聴した関係者によるとBは法廷でも反省している様子は終始見られなかったという。動物虐待事件をテーマにした映画を作る北田直俊監督はこれまで動物虐待犯本人やその家族と対峙してきた。「虐待犯は一様に悪びれる様子はありません。家族も同様の反応で“たかが猫を虐待しただけでなぜ自分の家族が裁かれなければならないのか”というような状況です」。実は虐待を“社会正義”と正当化し、個人的な怒りを動物に向ける虐待犯は多い。冒頭の愛護関係者は「特に猫の命を軽視する人間が多すぎる」と憤る。ほかにも動物がいる中でなぜ猫ばかりが狙われるのか。国際社会病理に詳しい桐蔭横浜大学の阿部憲仁教授に聞いた。「まず、動物虐待犯には特有の性格タイプがあるとみられています。動物に対しての無知、偏見を持っているタイプ。苦しむ姿を見たいサディストタイプ。動物の命を支配したいパワー&コントロールタイプ。親からの虐待発散のため動物に危害を加える危険信号タイプの4つがあります」。さらに猫は自由に動き回り、犬のように従順ではないことからも嫌悪し、虐待のターゲットになりやすいという。虐待の対象が動物から人間へと向かうことはあるのか。「猫に危害を加えることは、その人間が仕事や家庭などでの個人的な事情から他人に対して明らかな攻撃性を抱えていることを意味します。ですが人間に手を出すのはハードルが高すぎる。そのためモノではなく、より人間に近い猫を虐待するのです」(阿部教授、以下同)。そして、攻撃は猫だけでは満足できなくなる可能性を多分に秘めているという。「猫の虐待を“かわいそう”だけで終わらせると社会にとって大変危険です。人間に対する攻撃性を抱えた人間が社会に増幅するのを野放しにしていることになりますから」。では、虐待犯は逮捕後に更生することは可能か。「攻撃してくる相手には直接反撃できず、心になんらかの傷やストレスを抱えた状態で生活しています。それを癒さない限り、生活、ストレス、虐待のサイクルが改善されることはありません」。重要なのが“心の傷”を癒す時期だという。「子どもの場合、親がしっかりと愛情を与え直すことで更生する可能性は非常に高い。しかし、虐待事件の容疑者の多くは30歳未満の成人男性。なんらかの人生の転機を迎え、過去の自分の過ちに気づくことができれば更生の可能性はなくはありませんが…」。一度ハマってしまった虐待のサイクルから抜け出すことは容易ではないのだ。だが、猫虐待事件は増加、阿部教授は警鐘を鳴らす。「猫を含む動物虐待の急増は日本社会が他人への“共感”が欠如してきたことの象徴です。敵意を抱き、他人を攻撃する前に猫に虐待として向けるなど悪化しています。これを放置すれば、他者への攻撃性を隠した人間で埋め尽くされるおそれがあります」。このままでは社会は信用できない危険人物があふれ、子どもを外で遊ばせることも、会話することにも危険を伴う可能性があるそうだ。猫が虐待されない社会を目指すには何が必要なのか。「家庭と社会、そして警察の連携です。警察には動物対策を兼任する部署を設ける必要があります」。『たかが猫くらい』ではない。むしろ動物を正しく扱うことによってはじめて、社会は正常化するという。猫への悪意はいずれ人間に向けられる。それを止めるのは社会への愛情を向けることなのかもしれない。

(動物の路上死や魚食減少、地域課題解決へ:宮城)
石巻専修大の共創研究センター研究成果報告会が17日、同大4号館であった。地域自治体や企業と緊密に連携し、地域課題の解決に向けて研究活動に取り組んでいる教授や准教授、助教の9人が2020年度に実施したプロジェクトについての成果を発表し、聴講した市民ら約80人の関心を集めた。理工学部生物科学科の辻大和准教授は、道路上で起こる野生動物の死亡事故で全国的な問題になっているロードキルに着目。「石巻圏内における野生動物のロードキルの現状調査」について説明した。20年4月から今年3月にかけての調査を踏まえ、環境要因や動物の生活史との関連性について言及。「石巻市では1014件のロードキルが記録され、タヌキ、ネコ、シカで全体の約75%を占めた」と話した。その上でタヌキは西部、ネコは中央部、シカは牡鹿半島で多かったといい、「いずれも標高が低く市街地の近くで多く事故に遭うという共通点があったが、それ以外は異なる傾向を示した」と指摘した。このうち、シカについては牡鹿半島に集中していることを強調。効果的な対策として「看板設置などが必要で、今後市に提案できればと思っている」と語った。「石巻圏域の特産品・海苔(ノリ)の知名度を向上させるための実証的研究」をテーマに発表したのは経営学部の李東勲教授。食生活の多様化や食の簡便化、即食化などで家庭内の魚介類の消費の落ち込みが著しい現状を報告した。ノリについては「皇室に献上されている物もあるが、商品価値は薄れている」と訴えた。さらに「つくだ煮、おにぎり、すしなど江戸時代から今日に至るまで約200年間食べ方が変わっていない」と強調。知名度向上や消費拡大のためには、新しい発想による新商品開発の必要性を説いた。具体的には、ノリの栄養素(葉酸、ビタミン、植物繊維)に、梅を加えることで美容効果を増大させるという「梅海苔ペースト(仮称)」の商品化を11月下旬に予定していることも報告した。出席者が熱心に質問する場面も見られ、研究活動に対する関心の深さがうかがえた。

(犬の鳴き声、ロープを投下:北海道)
災害救助やシカの駆除などさまざなな用途に使われるドローンの実演会が、北海道・名寄市で開かれました。録音された猟犬の鳴き声を出しながら飛ぶドローン。駆除するシカを追い込む際に利用されます。名寄自動車学校で開かれた実演会では、災害時に救助用のロープや救命胴衣を投下する防災ドローンなども披露されました。(参加した消防署員)「簡単に操作することができました。(ドローンが)あったらさらに活動の幅が広がると思います」。主催した自動車学校では定期的に実演会を開いて、ドローンへの理解を深めていきたいとしています。

(「猿バスター隊」支援へ:福井)
美浜町は、サルによる農作物に対する被害が深刻化しているとして、集落内でサルを追い払う「猿バスター隊」を設立する費用と、対策資財の購入費の一部を補助する「猿バスター活動支援事業」を10月から始める。町によると、侵入防止柵の設置によってイノシシやシカの被害はかなり減少したが、柵を乗り越えたりするサルの被害は減っていないという。2020年度の農地の被害面積は1・74ヘクタールで、自宅近くの農園などでの被害が多かった。

(緊急外来出入り口にクマ:山形)
23日午前1時半頃、山形県最上町向町の町立最上病院で、出入り口の自動ドアに足をかけた体長約1・3メートルのクマがいるのを、夜間守衛者の50歳代男性が目撃した。人や物への被害は確認されていない。県警新庄署の発表によると、インターホンが鳴り、男性が緊急外来出入り口に向かったところ、クマがいたという。ドアは当時施錠されており、クマはすぐに立ち去った。現場はJR最上駅から約300メートルの場所。

(小学校近く、クマがおりを脱走:島根)
21日正午ごろ、島根県浜田市金城町今福の今福小学校近くの山林内で、イノシシ用の捕獲おりに誤ってかかった成獣のクマ1頭(体長約1・5メートル)が自力でおりを壊して脱走した。市や浜田署は付近にクマ用の捕獲おり1基を設置し、付近をパトロールして警戒している。市金城支所産業建設課によると、現場は今福小の東約100メートル。犬を連れて散歩していた近所の高齢男性が、おりに捕まったクマを脱走前に目撃していたという。クマは北側の浜田道方面に逃げたという。今福小の児童はスクールバスや徒歩で登下校しており、近くに住む児童は教職員が付き添って下校した。

(ヒグマがエゾシカ襲う?:北海道)
ヒグマがエゾシカをくわえて立ち去る光景を幕別町の会社員工藤慎吾さん(50)が目撃、写真に収めた。8日午前7時半ごろ、浦幌町厚内付近のJR根室線と平行に延びる道道を車で走行していたところ、ささやぶの中にシカをくわえたヒグマを発見した。100メートルほどの距離からカメラを向けると、警戒したのかシカをくわえたまま斜面を駆け上がって姿を消した。工藤さんは「クマは何度か見たことがあるが、こんな様子は初めて見た。びっくりしたが急いでカメラを向けた」と話す。帯広畜産大学の柳川久副学長は「写真の個体はどちらも若い個体。もともとヒグマは肉食なのでチャンスがあればシカを襲う。写真のシカは内臓が出ているようなので、交通事故に遭った個体を見つけた可能性もある」と推測する。近年はシカの生息数が増加し、ハンターによる残滓(ざんし)放置や、交通事故に遭った個体をヒグマが食べる例が増えているという。

(寺院にクマ出没:和歌山)
世界遺産・高野山(和歌山県高野町)にある寺院「一乗院」で23日、クマ1頭が出没し、地元の警察や猟友会などが麻酔銃で捕獲を試みる騒ぎがあった。クマは午後4時すぎに山奥へ逃げたとみられ、捕獲は失敗した。再び目撃情報があれば警察などが警戒に当たる。県警高野幹部交番や県などによると、クマは体長約80センチで1歳ぐらいの子グマとみられる。雄か雌かは不明。22日から高野山内で目撃情報が相次ぎ、23日午前9時半ごろ、一乗院に侵入したのを確認した。一乗院の住職佐伯公応さん(64)によると、警察官ら約10人が取り囲む場面もあったが、クマは逃げ出したという。

(公園にムクドリの大群:愛媛)
愛媛県西条市の公園に夕方になると現れるムクドリの大群、住民たちはフンや鳴き声に悩まされていて、西条市が対策に乗り出しました。西条市大町にある西条市民公園、夕方になるとムクドリの群れが押し寄せ鳴き声が響き渡ります。ねぐらを求めて来ていると見られています。住民たちを悩ませているのは、鳴き声だけではありません。ムクドリが落とすフンや抜け落ちた羽根が公園に散乱。ベンチの上や歩道もフンで汚れています。地元の住民によりますと、西条市民公園には7年ほど前から夏から秋にかけてムクドリの大群が来るようになりました。理由はわかっておらず、西条市は対策を続けています。ムクドリの止まる枝を減らそうと西条市は、クスノキ5本の枝打ち作業を行いました。ムクドリは法律で保護されているため、捕獲や駆除ができず、追い払うしか方法がないということです。西条市は、枝打ちの効果を見ながら次の対策も検討することにしています。

(豪雨の被災地にシカやイノシシが:熊本)
熊本豪雨で多くの住民が避難生活を続ける球磨村。野生生物の行動範囲が拡大することが懸念されています。今月19日、球磨村の牧場に集まった地元の猟友会。毎年およそ5億円におよぶ野生生物による農作物などへの被害を減らすため、熊本を含む九州5県で、年に2回シカの一斉捕獲を行っています。特に去年の熊本豪雨で、甚大な被害を受けた球磨村では被害の拡大が懸念されています。球磨村 産業振興課 大無田卓さん「水害で人が離れていったりして、シカやイノシシ、サルが下りてくるのが増えている。役場でもそういう相談を多く受けるような印象です」。去年7月の熊本豪雨の影響で、仮設での生活を余儀なくされているのは全村民の4分の1にあたる871人。人間の生活環境が大きく変わった球磨村では、その隙を狙うように野生生物の行動範囲が、広がっています。この日、猟友会は1頭のシカを駆除しました。村はシカ肉をふるさと納税の返礼品に活用するなど振興策としていますが、村内にはシカだけでも村の人口を超える4000頭が生息しているとも言われています。豪雨の被害に見舞われた球磨村では、村の主要産業である林業や農業の被害が拡大したり、生活を脅したりすることにつながると心配されています。

(市街地にシカ、近隣騒然:北海道)
1日午後3時ごろ、帯広市西4南1の市川一馬さん(69)宅の庭に、推定年齢1歳の若いオスとみられるエゾシカ1頭が迷い込んだ。帯広署員やおびひろ動物園職員、市職員、猟友会員が出動し、同午後4時15分ごろに捕獲された。現場は若竹会館と六花亭西三条店の間にある住宅で、付近は一時騒然となった。けが人はいなかった。

(公園でシカ目撃相次ぐ、公園を全面封鎖:兵庫)
周囲を住宅街に囲まれた兵庫県三田市あかしあ台5のはじかみ池公園で、シカの目撃情報が相次いでいる。角が確認されており、雄のシカとみられる。周辺住民に危険が及ばないよう、市は21日午後、同公園を全面封鎖した。市によると、農村部ではたびたび目撃されるが、市街地では珍しいという。17日午前9時に発見されて以降、職員が見回りをしている。21日の朝にも目撃情報が複数あり、再度職員が確認に行くと、シカのものとみられる足跡が見つかり、「ケーン」という鳴き声も聞こえたという。21日午前6時すぎに散歩で訪れたという男性(65)=同市すずかけ台2=は「久しぶりに公園に来たので、最初はリアルなモニュメントができたのかと思った」。シカは男性を見たまま動かず、しばらくすると公園内の林へ消えていった。どっしりとした体つきで、体長は1メートル以上に見えたという。「小さい子どもたちも遊ぶ公園なので、注意しないと」と話した。公園は神戸電鉄南ウッディタウン駅のすぐ南にあり、周囲をあかしあ台の住宅に囲まれている。抜け道として通る人もいるため、市公園みどり課は21日、当面の間、全面封鎖することにした。午後からは、ヘルメット姿の職員が公園の外周を巡り、公園の入り口などに立ち入り禁止と書かれた黄色いテープや、「シカ出没注意」と書かれた紙を張って歩いた。暗視カメラを設置して、シカの動きを確認するが、発見した場合の対応は検討中という。市は防災メールを配信したほか、周辺の自治会や小学校にも連絡。「シカを見つけたら近づかない、大声を上げない、えさを与えないように」と注意を呼び掛けている。

(市街地にシカ出没、通勤時間帯に駆け回る:福井)
22日午前5時40分ごろ、福井市開発5丁目の交差点でシカが目撃された。近くを通りかかった人が「成獣のシカが走っている」と110番通報した。(9月22日)福井警察署によると、シカは住宅街に近い高木の交差点まで道路を走って逃げ、午前7時前に再び開発のホームセンター近くに現れ、そのまま姿を消した。けが人はいなかった。目撃されたシカはニホンジカとみられ、嶺北を中心に数が増えていて、刺激するとかみつく恐れもあるという。県は見かけても絶対に近づかず、警察や市に通報するよう呼び掛けている。

(サルの目撃情報相次ぐ:神奈川)
保土ケ谷内で野生のサルの目撃情報が相次いでいる。9月21日までに今井町や法泉、新桜ケ丘、仏向町、坂本町、川島町、上菅田町、西谷で確認。横浜市環境創造局公園緑地部動物園課では「えさを与えず、不用意には追いかけないでほしい。近づいて興奮させると危険なので、目を合わせず、背中を見せないようにして、ゆっくりその場を離れてほしい。また家に侵入されないよう、窓の開けっぱなしないようにしてほしい」と注意を呼び掛けている。これまで市内でサルが人に危害を加えたという報告はない。同課によると、市外の山間部などで群れをつくっているニホンザルのうち、若いオスなどが群れを離れて横浜市内まで移動してくることがあるという。

(カモシカさん、トンネル暮らし?:福井)
国の特別天然記念物ニホンカモシカが、福井県越前町内の県道のトンネルで、たびたび目撃されている。体長1メートルほどで、成獣とみられる。越前町の文化財などを管轄する越前町織田文化歴史館は「周辺にすむカモシカが、涼んだり雨宿りしたりしているのでは」と推測。一方、福井県自然環境課の担当者は「本来は森林に生息し、トンネルには餌も身を隠すものもない。好んで入るとは考えにくいのだが…」と首をかしげている。トンネルは深い山あいにあり、交通量は少ない。福井市の会社員の男性(54)が9月15日、オートバイで走っているときに見かけ、19日にも同じルートをツーリングしているとトンネル内の歩道にいた。オートバイ仲間から16日にも同じ場所で見たと聞き、「トンネルにすみ着いているのでは」と思ったという。22日には、午後にトンネル内をうろつく姿があった。織田文化歴史館によると、このトンネルでの目撃情報は2年ほど前から越前町役場へ寄せられている。今年も3回通報があり、いずれも同じ個体とみられる。福井県などによると、ニホンカモシカは嶺北一円に生息。近年はえさ場を求めてくるのか、人里での目撃情報が増えているという。ただ人に危害を及ぼすことはなく「特別天然記念物のため捕獲はできない。見かけたらそっとしておくのが原則」だという。

(子どもたちがキジを放鳥:熊本)
子どもたちに自然環境や命の大切さを学んでもらおうとキジの放鳥がありました。熊本県猟友会が県内各地で毎年実施しているもので、21日は宇土市の宇土城跡で放鳥がありました。近くの保育園の園児14人が招待され今年3月から5月にかけてふ化した1キロほどのキジの幼鳥を恐る恐る触っていました。放鳥されたキジは来年の春には成鳥になるということです。熊本県猟友会では県内11の支部で来月上旬までに385羽を放鳥する予定です。

(郷土の味を守る若き観光協会職員:和歌山)
高知県内各地に受け継がれている郷土料理の中には食習慣の変化や過疎高齢化で失われるかもしれないものがあります。北川村では観光協会の20代女性職員が中心となって田舎寿司の伝承会を立ち上げ、地元の高齢女性から作り方を学んでいます。実はこの女性、意外な一面を持っていました。山道を歩き、林の奥に目をこらす一人の女性。北川村観光協会の職員橋本亜衣里さん(22)です。実は狩猟免許を持つハンターです。出勤前に毎朝、仕掛けた罠をチェックするのが日課です。私たち一般人には到底分からない、動物が活動したわずかな痕跡。毎日、山に入る橋本さんの眼力はかなり鍛えられていて痕跡を見逃しません。少しでも食害を防ぐ手助けになればと地元の山猟師たちに教えを乞いながら続けるハンターとしての活動は観光協会の職員としてでなく、あくまで個人としてです。北川村観光協会はモネの庭マルモッタンの事務所の中にあります。モネの庭は村で重要な観光拠点。同じオフィスで仕事をする方が何かと効率的です。橋本さんは安芸市出身。実家から北川村に通っています。3年前、職員がなかなか定着しないことに悩んでいた北川村観光協会の会長が伝手を頼りに人材を探す中で橋本さんに声をかけました。この日は橋本さんが立ち上げた田舎寿司伝承会の勉強会の日です。勉強会が行われる集会所に車を走らせる途中、師匠の山猟師から連絡が入りました。畑に猪が出たという連絡。現場に向かいたい気持ちが湧き起こりますが、田舎寿司の勉強会も大切な取り組みです。ひとまず会場に向かいます。ゆの酢100パーセントで作る北川村の田舎寿司は具材の切り方や味付けに伝統の技があり、レシピを知るだけではおいしくつくることは難しい料理です。これこそ長年の知恵の結晶。絶やしてしまうことはもったいないという橋本さんの思いに賛同した地元の女性たちが勉強会に参加しています。みんなから師匠と呼ばれているこちらの女性。中野和美さんです。村で田舎寿司といえばこの人という存在です。中野さんも以前、北川村の田舎寿司を売り出すべく地元の婦人グループで活動していましたが、メンバーの高齢化が進みグループは5年前に解散してしまいました。しかし今、村の伝統料理を継承しようという勉強会は活気に満ちています。とはいえ、下準備からして難しいという田舎寿司作り。まだまだ道のりは遠いようです。職人が指先の感覚を養っていくように、田舎寿司作りは細かなレシピよりもひたすら実践を重ねていく方がいいようです。こうしてできた北川村の田舎寿司。見た目もあざやかで美しい出来栄えです。この日は村の伝統を受け継いでいくことになる子どもたちの姿も。みんな、村の田舎寿司は大好きです。自分で培ってきたものを伝える相手ができたことに中野さんはホッと胸を撫で下ろしています。勉強会を終え、午前中、猪が現れたというゆず畑に向かいます。現場には橋本さんが狩猟の師とあおぐ田所さんが待っていました。田所さん自身もゆず農家。畑の持ち主の心配はよくわかります。すぐに仲間と猟犬を連れて山に入りました。結果、三頭の猪に遭遇。猟犬に追い回された猪は数日は出てこないだろうと言いますが、確証はありません。しかし放置しておくと再びこの畑にやって来ることは確実です。観光協会の職員として村の食文化を守り、ハンターとして村の田畑を守る、橋本さんの大切なものを守りつなげていく活動はこれからも続きます。

(シカ肉スティックを期間限定で販売:北海道)
地元老舗スーパーのあいちょう芦野店(釧路市芦野1、相澤長昇店長)は、釧路の栄養士高橋未佳さんが開発したエゾシカ肉を使ったオリジナル商品「しっかりプロテインスティック」を24日までの期間限定で、総菜コーナーで販売している。商品は一流ホテルでも使用されている根室産のエゾシカ肉をミンチ状にし、玉ねぎやおろししょうがなどと混ぜ合わせ、食べやすいように木製スティックに付けて焼いたもの。3本入りで税別380円。高橋さんは「添加物を一切使用していない。開発に1カ月の期間をかけたこだわりのある一品に仕上がっている」と話す。23日には、数多くのテレビ番組に出演し、17年間で約5000種類の試食販売を行い「伝説の試食販売員」と呼ばれている上野千賀子さんを大阪から招き、商品を販売。「高タンパク、低脂質でヘルシー」「グルテンフリーでハンバーグのような味わい」などど来店客に笑顔で接し、購買を促した。上野さんは「この鹿肉はとにかくクセがない。子供から大人までおいしく食べられるのでぜひ購入してみてください」と呼び掛けている。

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9/22
(栗拾いの男性クマに襲われ、けが:宮城)
19日に宮城県栗原市の山林で栗拾いをしていた男性が、クマに襲われ、頭などにけがをしました。19日午前6時頃、宮城県栗原市花山の山林で市内に住む83歳の男性が、体長1メートルほどのクマに襲われました。男性は、引っかかれ、頭と右ひざにけがをしましたが、自力で下山し、病院で手当てを受けました。警察によりますと、男性は、栗拾いをしていて、子グマを目撃したため、追い払ったところ、その直後に現れた親とみられるクマに正面から襲われたということです。男性は、「突然のことで、何が起きたか分からなかった」と話しています。

(クマか、市道で2人襲われる:秋田)
17日午前3時ごろ、秋田県潟上市昭和で、男女2人がクマとみられる動物に相次いで襲われた。2人はけがを負ったが、命に別条はない。五城目署は2人が同じクマに襲われた可能性があるとみて、注意を呼び掛けている。署によると、潟上市昭和乱橋字家の下で、新聞配達をしていた秋田市の男性(75)が正面から突然、クマとみられる動物に襲われた。男性は右耳や背中などにけがをしたが車で帰宅し、家族が119番。秋田市内の病院に搬送されて手当を受けた。この現場から北東に約250メートル離れた道路上でも、散歩をしていた潟上市の女性(84)が後方からクマとみられる動物に襲われた。女性は頭や腕にけがを負ったが歩いて帰宅。家族に連れられて秋田市内の病院で手当を受けた。

(暗闇でクマと気付かず格闘:秋田)
秋田県潟上市昭和で新聞配達中にクマとみられる動物に襲われた秋田市の男性(75)は17日、秋田魁新報社の取材に応じ、「正面から何かがぶつかってきて押し倒された」と当時の状況を語った。男性は17日午前3時ごろ、車から降りて2軒目の配達先に向かって歩いていた。「普段は小型のライトで前を照らして歩いているが、この時はたまたまライトをつけていなかった」。真っ暗な中、民家の玄関先で何かと衝突。押し倒される形となった。男性は身長約160センチだが、同じような大きさ。「手袋をしていたので、毛並みなどに気付かず、ずっと人間だと思っていた。クマだと分かっていたら怖がってしまい、抵抗できなかったと思う」と話す。

(イノシシ用の「くくりわな」にクマが、男性が襲われ大けが:長野)
飯田市の山林でイノシシやシカ用に仕掛けたわなを確認に向かった男性が、「くくりわな」にかかっていたクマに襲われ、大けがをしました。21日8時ごろ、飯田市南信濃の山林にわな仕掛けた近くに住む農業=宮下功明さん・79歳が様子を見に行ったところ、かかっていたクマにかまれました。クマは体長およそ1.5メートルほどで、宮下さんは右腕の骨を折る大けがをしました。宮下さんが仕掛けていたのは、一般的にイノシシやシカの狩猟に使われる「くくりわな」で、宮下さんが近づいたところ、かまれたということです。

(4市町でイノシシ豚熱:茨城)
茨城県は16日、つくば市と石岡市、常陸大宮市、城里町の4市町で見つかった計9頭の野生イノシシが豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は90~98例目。

(列車がクマと衝突:秋田)
JR秋田支社によると、17日午前5時40分ごろ、秋田市の奥羽線・四ツ小屋―和田間で、上り回送列車がクマと衝突した。約1時間後に運転を再開したが、この影響により羽後境―秋田間の下り列車1本が運休したほか、秋田―新庄間の上り列車3本に遅れが出た。

(クマの仕業か?クリ20個食い荒らされる:秋田)
19日午後6時50分ごろ、秋田県鹿角市八幡平字大畑の民家敷地でクリ約20個が食い荒らされているのを住人の40代男性が見つけ、鹿角署に通報した。クマによる食害とみられる。署によると、男性が在宅中に木の枝が折れる音を聞いたため、外に出て確認したところ、自宅から約20メートル離れた場所にあるクリの木の枝が折れクリの殻が落ちていた。現場は国道341号の近くで、住宅が点在する。署はパトカーで周辺を警戒した。

(クマ、おりから脱走:島根)
21日正午ごろ、浜田市金城町今福の今福小学校近くの山林内で、イノシシ用の捕獲おりに誤ってかかった成獣のクマ1頭(体長約1・5メートル)が自力でおりを壊して脱走した。市や浜田署は付近にクマ用の捕獲おり1基を設置し、付近をパトロールして警戒している。市金城支所産業建設課によると、現場は今福小の東約100メートル。犬を連れて散歩していた近所の高齢男性が、おりに捕まったクマを脱走前に目撃していたという。クマは北側の浜田道方面に逃げたという。今福小の児童はスクールバスや徒歩で登下校しており、近くに住む児童は教職員が付き添って下校した。

(子グマが列車にはねられ死ぬ:北海道)
17日夕方、北海道南富良野町で目撃されたクマ1頭が目撃されました。警察は、付近で子グマが列車にはねられ、死んでいることから、母グマへの警戒を呼びかけています。17日午後4時半すぎ、北海道南富良野町下金山(しもかなやま)の国道237号線付近で、ドライバーがクマ1頭を目撃し、警察に通報しました。現場付近は、民家が点在し畑が広がる地区で、近くに小学校もあるため、警察は付近住民に注意を呼びかけています。クマが目撃された付近を通るJR根室線では、16日、子グマが列車にはねられて死んだあと、別のクマが周辺を歩き回っていたのが目撃されています。警察は、母グマがまだ付近にいると見て、住民に警戒を呼びかけています。危険が伴うため、子グマの死骸はまだ回収できていません。専門家によりますと、子グマが死んだことを認識すると、母グマは立ち去る可能性が高いということで、警察はパトカーで警戒を続けています。

(増えるニホンジカ、食害広がる:岩手)
ニホンジカの生息数が岩手県内で増加し、希少植物や農作物の食害が拡大している。関係機関が連携して植物の保護柵を設置しつつ、捕獲の目標頭数を引き上げて対策強化を進める。県や東北森林管理局、有識者らで構成するシカ管理検討委員会によると、2020年度の捕獲数は過去最多の2万731頭。目標としていた1万4500頭の約1・4倍に達した。農業被害は、県内全33市町村のうち29市町村で発生。被害額は速報値で約2億2700万円と前年度より約1500万円増え、2年連続の増加となった。生息数は12年の調査で約4万頭だったが、18年度末時点では約10万1000頭と推定されるほどまでに増えた。繁殖力の強さに加え、地球温暖化による積雪量の減少や人口減少による耕作放棄地の増加などが要因と考えられる。こうした状況を踏まえ、委員会は柵設置や捕獲推進の方針を確認。本年度の捕獲目標頭数は前年度から約1万頭増やし2万5000頭とした。個体数の増加により、草植物の減少や樹木の枯死、希少な高山植物への影響が懸念される。捕獲頭数の8割以上を占める北上山地では、早池峰山(1917メートル)で固有種のナンブトウウチソウなどの食害が確認されている。岩手南部森林管理署遠野支署は5月下旬、早池峰山の小田越登山口や薬師岳登山口付近など5カ所に防鹿(ぼうろく)柵を設置。職員ら約20人が高さ約2メートル、外周約50メートルの網を張り高山植物を囲った。県自然保護課の藤原由喜江総括課長は「生息範囲が拡大し、県全体の問題となっている。地域と連携して対策や環境維持を進めたい」と話す。

(相次ぐクマの人的被害、今年度すでに13件:岩手)
岩手県内でクマによる人身被害が相次いでいる。今年度はすでに13件起きており、家の中で襲われた例もある。背景には、クマの生息域の拡大やブナの実の不作があるとみられ、専門家は盛岡市中心部に出るおそれもあるとして、注意を呼びかけている。9月2日早朝、奥州市水沢台町の国道343号沿いにあるコインランドリーで、クマに窓ガラスが割られる被害が起きた。店と同じ敷地には薬局や喫茶店があり、日中は駐車場がいっぱいになるほど混み合うこともある。店員の女性は「こんな住宅地にクマが出るなんて初めて」と驚く。奥州署によると、クマは体長約1メートル。コインランドリーの前を散歩していた男性(85)の背中をひっかいてけがをさせたあと、店の正面部分のガラスを突き破って侵入。店内をうろついたあと、別の窓ガラスを割って逃げたとみられる。県内では2017年度以降、クマの目撃件数が増加している。県自然保護課の調査では、昨年度は3316件で、統計を取り始めた12年度以降で最も多かった。今年度は8月末までに2188件で、今後秋にかけて増加するとみられる。人身被害件数も昨年度は27件と最多だったが、うち16件が人里で起きた。今年度は13件のうち8件が人里での被害で、家の中に侵入され、襲われたケースもあった。クマの目撃や人里での被害が増えている理由は、活動域の拡大だ。野生動物の生態に詳しい森林総合研究所東北支所(盛岡市)の大西尚樹さんは「住民の高齢化や過疎化で人の姿が減った里山にクマが進出。人里のすぐ近くに生息するようになった」と話す。エサになる木の実の出来も関係する。クマは冬眠に備えて秋ごろに食べ物を探し回るが、ブナの実が凶作になると、より広い範囲でエサを探すようになり、人里まで下りてくるという。東北森林管理局によると、県内の今年のブナの開花時の結実予測は「大凶作に近いレベル」。大凶作の年は目撃件数が増え、人身被害件数も多くなる傾向があり、注意が必要だ。「盛岡市中心部に出没しても不思議ではない」クマの生態に詳しい岩手大の青井俊樹名誉教授は、生息域が拡大したクマが、川沿いの樹木や草むらをたどって、街まで来ることも普通になると語る。では、クマに出合ったらどうしたらいいのか。青井教授によると、遠くに小さく見える距離であれば、背中を向けて逃げるべきだという。すでに近づいていれば、まずは刺激しないことが重要だ。クマが襲ってくるのは、人間を怖がりパニックになったときが多いからだ。それでも襲われた場合は、両手で頭を抱えるような姿勢を取って腹ばいになり、頭や首、腹部など急所を攻撃されないようにするべきだという。ただ、何より大切なのは、クマが山から下りてこないようにすることだ。青井教授は「人里の魅力をなくす必要がある」と指摘。エサになるカキやクリを木になったままにせず、摘みとった果物を畑に捨てないようにするなどの対策を挙げる。「捕獲は一時的な対処でしかない。環境を管理することが重要だ」。

(クマ被害の牧場近くに新たに箱わな設置:北海道)
道東の厚岸町などで、放牧中の牛がクマに襲われる被害が相次いでいるのを受けて、被害があった牧場近くに新たにわなが設置されました。道東の厚岸町と標茶町一帯では、おととしからの2年あまりで放牧中の牛あわせて57頭がクマに襲われる被害が出ていて、2つの町などは同じクマによる被害と見て対策を強化しています。16日、厚岸町は、被害があった町営牧場近くのクマの通り道とみられる林に新たに箱わなを設置しました。わなは、高さが90センチ、長さが3メートルで、近くに監視カメラが取りつけられています。蜂蜜などを混ぜた餌でクマをおびき寄せ、中の板を踏むと扉が自動で閉まる仕組みです。町によりますと、牛を襲っていると見られるクマは主に夜間に活動していて、2つの町ではこれまで10か所以上に箱わなを設置していますが、警戒心が強く、一度もかかっていないということです。厚岸町の鈴木康史環境林務課長は「日中の目撃情報はほとんどなく、夜間に捕獲するには箱わなしかない。1日も早い捕獲を目指したい」と話していました。

(研究林のクマ一時「絶滅」:北海道)
北大生でつくる「北大ヒグマ研究グループ(クマ研)」が1975年から40年間にわたり、同大天塩研究林(宗谷管内幌延町)で行ってきた生態調査のデータを解析したところ、冬眠中も狙う「春グマ駆除」の影響で90年には研究林内のクマがほぼ絶滅していたことが分かった。同年に春グマ駆除が廃止されてから生息数は徐々に回復したが、他の場所から移ってきたクマの可能性が高く、保護管理政策が生態系に大きな影響を及ぼすことが裏付けられた。道内のヒグマ生息数は69年から90年まで続いた春グマ駆除で大きく減少したことは知られていたが、特定の地域の個体群に対する影響についての長期的な研究はなかった。学生による大型哺乳類の長期調査としては世界的にも珍しく、人里への出没が増え、被害が問題化する中、適切な保護も求められるヒグマ政策に関する貴重な知見となりそうだ。研究林の広さは約225平方キロ。クマ研は75年から毎年2週間かけ、同一のルートと手順でほぼ全域を歩き、生息数の指標となるクマのふんや足跡の痕跡を記録してきた。今回は75年から2015年までの調査データから、クマの足跡とふんの発見率を比較。足跡は70年代には5平方キロに一つの割合で確認されていたが、80年代には急速に減り、90年には発見率が20平方キロに一つの割合まで下がった。一方、ふんは、足跡よりも地域内にすむクマの有力な痕跡と考えられているが、80年代から90年代半ばまでほぼ発見できなかった。春グマ駆除の廃止に伴うクマの生息数増加を受け、道はヒグマの狩猟期間の期限を1月から残雪期の4月中旬まで延長する方向で検討している。酪農学園大の佐藤喜和教授(野生動物生態学)は「クマ研の調査は春グマ駆除が、道内のクマの生息域に大きな影響を与えたことを示す貴重なデータ。今後の保護と個体数管理のバランスを探っていく上でも、こうした地道な調査が不可欠だ」と話した。

(クマ今秋も出没注意:新潟)
新潟県は17日、ツキノワグマの餌となるブナなどの木の実が今秋、県全体で凶作~不作になるとして、餌を求めて人里に出没するクマへの注意を呼び掛けた。秋の行楽シーズンを前に、登山やキノコ採りなどの際には、事前に出没地点を確認したり、単独行動を避けたりするよう求めた。調査は7月1日~8月31日に356地点で行った。凶作、不作、並作、豊作の4段階で予測し、主に山奥に分布しているブナとミズナラは県全体で凶作~不作。ブナに比べて人里に近い地域に分布するコナラ、クリ、オニグルミはいずれも不作~並作とした。県内では昨年度、クマによる人身被害は17件21人(うち1人死亡)、出没・目撃件数が1957件と、ともに過去最多を記録。昨秋もブナの実は県全体で凶作~不作だった。県によると、クマの出没は例年10、11の両月がピークとなる。17日に会見した県鳥獣被害対策支援センターの神部淳所長は「今年もこの時期がピークとなるのはほぼ間違いない」と強調。クマに襲われた場合は致命傷を避けるために、地面に伏せて、両手で首の後ろを守るなどの対応を取るよう呼び掛けている。

(カラスふん害、市民憤慨:北海道)
今年の夏以降、多数のカラスが深川市の市街地に集まって電線に止まり、路上に大量のふんを落としたり、鳴き声を上げたりしていることについて、市民からの苦情が市に寄せられている。高温少雨の夏だったため、路面のふんが雨に流されず固まったままだったことが事態を悪化させた。市は、職員が発光ダイオード(LED)ライトを電線のカラスに照射して追い払ったり、路面を清掃したりと対応に追われている。市環境課によると7月以降、市民から「たくさんのカラスが電線に集まって不気味」「ふんが道路に固まったままで、くさくてたまらない」といった相談が寄せられた。同課は8月中旬から、初のカラスパトロールを市街地で開始。LEDライトを電線のカラスに向けて照らし、追い払う作戦を続けている。

(カメラ設置し“AIでクマの動き検知”:富山)
クマの目撃情報が多い場所などに設置したカメラの映像をAIに判別させて、クマの動きをいち早く検知し、被害の防止につなげようという実験が、10月から県内で始まります。県内では去年、クマを目撃したり痕跡が見つかったりした件数は599件で、統計を取り始めた平成16年の秋以降4番目に多くなりました。また、おととしは、クマに襲われてけがをした人は20人にのぼり、平成16年以降2番目に多くなりました。県は、クマの動きをいち早く検知し人的な被害を防ごうと、10月から、▽クマが人里に降りてくるルートの1つとされている河川敷や▽過去に目撃情報が多く寄せられている場所などにカメラを設置して、その情報をもとに駆除などの初動対応を行う実験を始めます。県によりますと、これまでは住民からの通報をもとに初動対応にあたっていましたが、実験では設置したカメラの映像をAIに判別させることでクマの早期発見につなげ、市町村の担当者にメールで知らせるということです。県自然保護課は「さまざまな条件の場所にカメラを設置するので今後、カメラを導入する際に、どこに置けばいいのか効果的なデータを得られると思います。情報を各市町村と共有し、全県的な人身事故の減少につなげたい」としています。実験は、県内4つの地域にあわせて16台のカメラを設置して、10月から年内いっぱいをメドに行われる予定です。

(危険動物危機管理マニュアル大幅見直しへ:北海道)
苫小牧市は、市街地に出没したヒグマなど動物が市民に危害を与える恐れが生じた際の対応を示した「危険動物に関する個別危機管理マニュアル」を大幅に見直す方針を決めた。2010年3月の策定以来、大幅な改訂は初めて。

(アライグマ捕獲急増、食害や破損:茨城)
茨城県五霞町で特定外来生物のアライグマの捕獲が急増している。2020年度の捕獲数は28頭で、19年度の1頭から大幅に増加。本年度は既に15頭に達した。町にはトウモロコシやスイカの食害をはじめ、ビニールハウスの破損や観賞用の魚の食い荒らしが報告されており、「今後、農作物の出荷に影響が出ないか心配」と神経をとがらせている。「飼い犬が鳴くので見に行ったら、カキの木の下に設置したおり(箱わな)の中に掛かっていた」。同町大福田、無職、田所教司さん(73)方で17日、捕獲されたアライグマは全長約77センチ、体重4.7キロ。同日中に県土浦合同庁舎に運ばれ、殺処分された。田所さんは8月上旬から9月上旬にかけ、畑で育てたトウモロコシ約100本とコダマスイカ約10個が根こそぎ食べられたという。「悔しい。昨年から急に姿を見掛けるようになった。被害がなくなれば良いのだが」と心配顔で話した。町生活安全課によると、アライグマは15年度に初めて町内で捕獲され、19年度まで捕獲数は年間1~6頭で推移。20年度の増加を受け、町民に貸し出す箱わなを増やして計3基としたが、予約が相次いで、現在は最大2カ月待ちの状況だ。捕獲場所は利根川や江戸川沿いが多い。住宅地内の目撃情報もあり、「屋根裏に入って音がうるさい」といった苦情もある。同課は増加について、町外からの侵入、繁殖のほか、堤防の強化工事や太陽光発電の設置に伴う雑木林の減少で居場所を失ったと推測する。県が3月に策定した「第3次県アライグマ防除実施計画」で、同町は生息密度が高まっていると考えられる「重点防除対応地域」に指定された。これまでは進入や定着の可能性がある「要注意地域」だった。田神文明副町長は「被害が続くなら、箱わなを追加するなど対策を講じなければならない」と述べて、警戒を強めた。

(クマの侵入防ぐためササ刈り実施:北海道)
クマの目撃が相次いだ札幌市の「旭山記念公園」では、クマが園内に入り込むのを防ぐため、ササ刈りなどの対策が進められています。札幌市中央区の「旭山記念公園」は、ことし7月にクマの目撃が相次ぎ、見通しの良い中心部などを除いて、今も園内の一部が立ち入り禁止となっています。来月の紅葉シーズンを前に、札幌市はクマが園内に入り込むのを防ぐ対策を進めていて、21日は造園会社の作業員などが機械を使ってクマが潜みやすいササを丁寧に刈り取っていきました。このほか市では、すでに周囲の電気柵の設置も行っています。普段から公園を利用するという70代の男性は「旭山記念公園は市内の景色がよく見え、最高の公園だ。山が近くクマがつたってくるが、きちんと管理されている」と話していました。市から委託を受けて管理している札幌市公園緑化協会の岡田宗之さんは「今後もクマが出る可能性はあるため、鈴を持ち歩いたり、ゴミは必ず持ち帰るなど注意して利用してほしい」と話していました。今後、市ではクマへの注意を呼びかける看板を設置するなどの対策も講じたうえで、早ければ来月1日にも全面開園を目指すということです。

(ヒグマ相次ぎ市街地に、保護策で警戒心薄れ:北海道)
北海道で今年、ヒグマの出没が相次いでいる。市街地に現れるケースも目立ち、襲われた死傷者数は過去最多となった。人への警戒心の薄いヒグマが増えているとみられ、冬眠前の10月にかけては、餌を求め街中に出てくる可能性もある。自治体は駆除体制の強化など対策に乗り出した。今年の道内のヒグマによる死傷者は11人で、最多だった1964年の8人を上回った。道警によると、8月末までの目撃情報は1600件を超え、現在の集計方法が始まった2015年以降で最も多い。道は60年代から駆除事業を積極的に進めていたが、個体数の激減から89年に廃止。保護施策に転換した結果、近年生息数が増加し、分布域も広がっている。道立総合研究機構の間野勉専門研究主幹は「従来、ヒグマは駆除を恐れて人に近づかなかったが、近年は警戒心の薄いヒグマが増え、人の生活圏周辺に現れている」と分析する。札幌市では今年6月、市街地で4人がヒグマに襲われた。これを受け市は9月にマニュアルを改定し、市街地出没時には、人への被害がなくても危険性が高いと判断すれば駆除できるようにした。侵入を防ぐ対策も急ぐ。ドローンから音を出して追い払うほか、人工知能(AI)搭載のカメラを河川敷に設置し、侵入経路を把握して出没を阻止する計画を進めている。札幌市周辺の8市町村などは、メーリングリストを導入する方針。自治体間をまたいで移動するヒグマに対応するため、目撃情報を共有して駆除や追い払いで連携する。道は、インターネット交流サイト(SNS)での目撃情報発信を強化し、住民向けの緊急速報メール導入も検討する。道環境局の担当者は「秋はヒグマの動きが活発になり、北海道内ではどこでも出合う可能性がある。出没情報を積極的に活用して、遭遇を避けてほしい」と注意を呼び掛けている。

(野生動物にご注意を:群馬)
安中市は、野生動物の習性や遭遇したときの対応法をまとめたパンフレット=写真=を初めて作製した。市内では野生動物と衝突する人身事故も発生。クマの目撃が増える秋を前に二万四千部用意し、市内全世帯に配布して注意を促す。昨年度に市に寄せられたクマの目撃情報は六十二件で、前年度から二十六件も増加。本年度は九日時点で十四件だが、冬眠前の秋に餌を求めて人里に下りてくる恐れもあり、今後増加する可能性がある。市が把握している野生動物との衝突事故は年に数件あり、七月に市内の市道で自転車とイノシシが衝突し、男性が大けがを負う事故も起きた。このため、市はツキノワグマ、ニホンジカ、イノシシにそれぞれ遭遇した際の対応方法などをパンフにした。A4判で八ページ。環境省の対応マニュアルなどを参考にした。パンフでは、クマに遭遇した場合、走ったり大声を出したりせず、ゆっくり目を離さずに後退し、クマとの間に木などの障害物が入るようにするのが基本の対処法という。クマ撃退スプレーがなく、攻撃してきた場合は地面に伏せて両手で首の後ろをガードし、腹、首、頭を守る防御姿勢を取るように勧めている。シカと車との衝突事故はほとんど夜間に起こるとし、ヘッドライトの光を見ると硬直する場合が多く、クラクションを鳴らすと驚いて道路上に立ち尽くしてしまう習性などを解説。衝突した場合、シカを放置せずに警察や道路管理者に連絡するように呼び掛けている。

(北九州市のサル、なぜ人を襲うのか:福岡)
サルが北九州市若松区の住宅地に度々出没し、8月以降、かまれるなどしてけがをした人が18人に上っている。市によると体は小さめという目撃情報が多く、同一のサルの可能性もある。東京でも連日のようにサルが目撃されるなど近年、都市部に野生動物が現れて騒ぎになることが多いが、若松区のように人的被害が続くケースは珍しく、動物園関係者らは首をかしげる。若松区のサルはなぜ人を襲うのだろうか。9月9日午後2時ごろ、若松区畑谷町の女性(78)が洗濯物を取り込もうと庭先に出たところ、近くに座っていたサルと目が合った。「なんしよん(何をしているの)」。思わず声をかけると飛びかかってきて、尻もちをついた女性の足首にかみついた。更に髪を引っ張るなど暴れ出したため、履いていたサンダルで頭をたたくと逃げていった。「外出する時はサルがいないか警戒するようになった。小学生も被害に遭っており、早く捕まえてほしい」と心配する。8月7日朝に農作業中の30代女性がかまれたのを皮切りに、若松区では9月10日までに9歳~80代の男女計18人が路上や庭先で被害に遭った。目が合うなどした後、背後から足や尻をかまれたケースが多い。区役所は広報車の巡回やポスターで注意喚起している。北九州市鳥獣被害対策課によると、出没しているのは群れからはぐれた「ハナレザル」とみられる。被害は若松区の中心付近で石峰山(302メートル)など200~300メートル級の山が連なる山地の周りに集中。「体は小さめ」と目撃した人たちの説明が一致していることからも同一の若いサルの可能性がある。区内の男性(74)が7月12日に自宅前で撮影したサルもそれほど大きくはなかった。サルが群れからはぐれること自体は珍しくなく、サルの目撃情報は各地で相次いでいる。しかし、これほど人が襲われるのは異常事態だ。「本来、人には近づかないはずなのに」。到津(いとうづ)の森公園(北九州市小倉北区)の高橋能理子・飼育展示係長はいぶかる。「同一のサルだとすれば、人から餌をもらったりして『近づけばもらえる』と学習してしまった可能性はある」。高崎山自然動物園(大分市)のガイド、藤田忠盛さん(51)も「サルは人間に興味がないので、通常は近づいてこない」と話す。しかし食べ物を与えられたり、人が持っていた食べ物を奪うことに成功したりすれば「人を襲えば食べ物が手に入る」と学習するかもしれないという。その上で「目が合うのはサルにとって威嚇行動なので『けんかを売られた』と考えて向かってくることもある。サルに遭ったら刺激せずゆっくり遠ざかって」と注意を呼びかける。北九州市はわなで捕獲しようと試みているが、神出鬼没でどこに仕掛けるかが難しい。目撃情報を分析して近く、若松区の自然公園に設置する予定だ。藤田さんは「畑などに食べ物があると覚えたら街中に居座る可能性もある」と警鐘を鳴らす。市の関係者らは一日も早く群れに戻ってくれるよう願うばかりだ。

(警備会社の『アルソック』がジビエ加工場をつくったわけとは?:千葉)
ここ数年、社会貢献のためSDGsに取り組む企業が増えている。ALSOKグループのALSOK千葉(以下・アルソック)では、地域の有害鳥獣駆除に取り組んでいるだけでなく、食肉加工施設「ジビエ工房茂原」を2020年7月に開設、販売事業を行っている。警備保障会社のイメージが強いアルソックが、なぜジビエ工房を始めたのか?オープンの経緯や事業内容、SDGsを見越したビジョンなどについて取材した。今回、取材にお応えいただいたALSOK千葉 取締役 竹内崇さんによると、千葉県における令和元年の鳥獣被害は、面積372ヘクタール、被害量2324トン、被害金額が4億円にも及ぶという。野菜、豆類、等の農産物を食い荒らされ、多くの農家の方が被害を被っている。農家側でも、フェンスを作ったり、廃棄の野菜を有害鳥獣が食べられるところにおかないようにするなど対策も練っているものの、被害はまだまだ減らない状況があるそうだ。被害をもたらす主な害獣は、猿、鹿、イノシシ、ハクビシン、カラス等々だが、その半分はイノシシによるもの。平成30年のデータでは、1年間でイノシシを25,892頭捕獲しているが、その中で食肉活用されているのは、538頭。わずか2%だけだという。「地域支援事業部」で7年前から「鳥獣捕獲認定」を受け有害鳥獣駆除に取り組んでいるアルソックでは、そうした現状を踏まえ、駆除した鳥獣を有効活用することによって、農家の負担が少しでも減らせるのではないかという地域貢献の思いから、食肉へと加工する施設「ジビエ工房茂原」を昨年7月にオープン、ジビエの販売事業を開始した。もともと、千葉の農家出身であったり、鳥獣駆除の知識に長けている社員がいたことも始めた理由の1つなんだとか。既存の鳥獣駆除方法では、イノシシを捕獲した農家や猟友会が「止めさし」をして、加工場に運搬して処理した後、写真・必要書類等を市町村に送ることで報奨金を得ることができる。しかし、少子高齢化が進み農業の継手がいない中、年配の方が100kgにもなる大きなイノシシを捕獲して処理するのは大変。また、捕獲したイノシシを自分で殺生することに抵抗がある人もいるという。アルソックでは、捕獲者から連絡を受けて現場に立ち会い回収をして、加工場に運び一連の作業から市町村への手続きの代行を行っている。そうすることで捕獲者は報奨金を受け取ることができ、アルソックはイノシシを譲り受けることでジビエ料理として有効活用できるというわけだ。「ジビエ工房茂原」はJR本納駅から徒歩15分ほど、国道128号線に面した場所にある。敷地面積は300坪ほどで、建物は平屋で65坪ほど。2019年11月に着工したものの、コロナ禍もあり稼働したのは2020年7月28日からとなっている。アルソックがジビエ工房の開設、スキームを発表する際に説明会を開いたところ、農家や猟友会の方々の中には不安視する声もあったというが、しっかりと説明をして理解を得たことで、スタートすると問い合わせも多く、好評だという。前室……入口から生きた状態のイノシシを搬入して「止めさし」する部屋。3つのレーンに分かれている。解体室……皮を剥いたり内臓など不要な部分を取る。部位分け室(クリーンルーム)…解体室で処理した肉を「カートイン冷蔵庫」に入れて一晩かけて表面を乾燥させ、翌朝部位分けして種類・大きさにより「真空封入機」で個別包装する。在庫保管室……必要情報を取得後計量して発行された出荷用ラベルを貼り、粗熱を取る設備により急速冷凍してマイナス20℃以下にして冷凍庫に収納される。部位分け室(クリーンルーム)は直接肉に触る場所なので、従業員はウェア、二重の手袋、エプロン、長靴を身に着けて、出入りに消毒を行う等、一番気を使っており、限られた人数しか入れないようになっている。また、解体室と次の部位分け室は「カートイン冷蔵庫」で繋がった構造になっており両側から開閉可能だが、特注により両側が同時には開かないように設計されており、極力クリーンな状態が保たれているそうだ。また、誰がいつイノシシを捕獲して解体したのかを記録する「トレーサビリティシステム」を導入して品質管理しているので、安心・安全なジビエを提供できるようになっている。なお、30kg以上のイノシシについてはPCR検査を実施している。現在、まだまだ人手が足りていない状況だが、フルスペックで稼働できれば、3つのレーンで1日12頭ほどの処理が可能。週6日稼働しているので、1年間でだいたい4000頭近く処理できる。これまでジビエ料理を検討はしていたものの、肉についての安全性が気になり導入できなかったという高級ホテル、レストランからの問い合わせも多く、試供品を提供しているという。今後、コロナ禍が落ち着けばそうしたホテル、レストランへのジビエの導入も徐々に増えてくるのではないだろうか。また、イノシシの中でも脂が乗っていない肉、70kg以上の大きさで肉が硬い場合等は、加工品としても活用される。現在はハンバーグ、ソーセージ、ミートローフ、カレー、餃子用の肉などに使われているそうだ。「ハンバーグやソーセージなどはとてもコクがあって美味しいですよ」と、竹内さん。まだまだジビエの活用方法とその味は浸透していないこともあり、美味しく食べられるレシピの開発も進めているという。人間の食用以外では、ペットフードの会社も興味を持ってくれているという。さらに、千葉市動物公園と協力して、「屠体給餌(とたいきゅうじ)」にも取り組んでいる。野生動物に馬肉などの家畜肉を餌として与えていると、だんだん野性味がなくなってくるが、毛皮付きの肉を与えると、飼育員さんも見たことがないような野性的な反応をするのだとか。こちらに関しては低温殺菌して生に近い形で提供するようにしている。農林水産省では、鳥獣駆除による個体数の削減だけでなくジビエの利活用を推進している。また、近年では自然災害も多くなっているため、そうした意味でも有害鳥獣駆除、食肉活用に取り組むことで、農業を営んでいる人々の疲弊を少しでも軽減でき地域に貢献できるのではないかというのが、アルソックの思いだ。「警備会社というと都会のオフィスで活躍するイメージで、農業とは無関係と思いがちです。こうした取り組みをすることで、地元の農家や猟友会の方々とお話をすることができて、その方々の仕事を助けることが実際にできるようになっていることは、すごく意義のあることだと思っています」(竹内さん)。ホテル、レストランでのジビエ料理、ハンバーグ、ソーセージなどの加工品、ペットフードへの活用、動物園での屠体給餌と、様々な可能性のあるアルソックのジビエ事業への取り組み。今後は個人消費者にもネットショップで直販することも検討されているという。我々が積極的にジビエ料理や加工品を消費することも、身近にできるSDGsのひとつかもしれない。

(カワウと人の歴史的かかわり:亀田佳代子)
琵琶湖での過去のカワウの生息状況は、昭和初期(1930~40年代)に集められた全国の鳥獣関係の報告集などに記載されています。動物学者・川村多實二の論文「琵琶湖に棲(せい)息せる鳥類調査」(34年)には、カワウの生息数は非常に少なく、沖の白石(高島市)に多くても7、8巣程度と書かれていました。しかし、その3年後の37年、県保安課の橋本多三郎は、竹生島でゴイサギ、アオサギ、ウが増えていると『鳥獣報告集』で報告しています。樹木枯死を阻止するため駆除が行われたことも、同じ報告集の中で報告されています。昭和初期、竹生島で急増したカワウやサギ類による樹木枯死が問題となり、捕獲されていたことがわかりました。もっとさかのぼって探してみると、明治時代にも島でウやサギが増え、対応が行われたことを示す資料が見つかりました。県の公文書館所蔵の「滋賀県歴史的文書」明う165―38に、次のようなくだりがありました。「明治維新後、竹生島の殺生禁断が解かれ、鳥の卵を採りに山に入る人が増えたため、寺社付近に鵜(う)や鷺(さぎ)の生息範囲が広がり、追い払いに困るようになった。早崎村(現在の長浜市早崎町)の20人が捕獲許可を得て他村の者の立ち入りを制止し、寺の依頼を受けて古木を保護してきたが、引き続き捕獲許可を出してほしい」(原文を意訳)これ以外にも、同じ明治初期には、樹木保護や農業、漁業の被害防止策としてのウやサギの捕獲が行われていたことを示す文書も見つかりました。さらに、捕獲した鳥や卵を利用していたことも分かってきました。当時の人々は、肉や羽根の利用の他、現在の福井県や三重県での鵜(う)飼いに使うため、島でカワウを捕獲していたのです。少なくとも明治初期には、森林衰退の防止と鳥の利用が同時に行われていたことがわかりました。こうした研究は、私のような鳥類生態学者だけではとうていできないもので、一緒に研究してきた民俗学者によって得られた成果です。

(ツキノワグマが木に登り実を食べる時:福井)
ツキノワグマが木に登り実を食べる時、枝を何本か折り曲げ先の方を尻に敷いて居場所を作る。クマ棚である。この際、枝を本結びで縛ることがあると「熊」(赤羽正春著)で知り驚いた▼クマ棚は枝のない空間を森に生み、日当たりが良くなって植生が豊かになる。大量の木の実を食べるから種子が糞(ふん)として散布される上に、一度食べられた種子は発芽しやすくなる。さらに、ヒグマの場合、サケを食べることで食べ残しや糞が森の土壌を肥やすという▼これらクマの生態系への貢献は、大井徹・石川県立大教授の著書「ツキノワグマ」などに教わった。注意を要するのは、こうした自然の仕組みは人間には見えにくいことだ。福井市で行われたオンライン講演で大井さんは「野生動物が絶滅すると、気づかないうちにその恩恵を失ってしまう」と警鐘を鳴らした▼クマの生息分布が広がっている。里山で薪炭林が伐採されなくなり、中山間地の耕作が減り、人が減った。人間の行動の結果が里山にクマを誘引していると大井さんは指摘する▼県鳥獣保護計画検討委は、出没や人身被害が増えているとして、捕殺上限の引き上げを検討していくこととした。やむを得ない判断だろう。ただ、大井さんは、クマとの共存策として保護・排除エリアを明確にするゾーニングを強調する。捕殺に至らないよう、知恵を絞ることが必要だ。

(シカの定着年数により森林におけるシカの食性と植物の脆弱性が異なる:秋田)
生物資源科学部生物環境科学科の坂田ゆず助教(森林科学研究室)と岡野邦宏准教授(生態工学研究室)らの研究グループの研究成果が、生命科学・環境科学分野の国際学術専門誌「PeerJ」に掲載されました。シカの定着年数が異なる北東北の森林において、森林の下層植生、シカの食痕及びシカの食性をそれぞれ評価しました。シカが 20 年以上定着している森林においてのみ、それ以外の森林に比べて植物種数や植生の被度の低下が見られました。シカの食性は、シカが定着して数年しか経過していない森林と 10 年以上経過している森林との間においても異なっていました。98 種の植物について、シカの採食に対する脆弱性の異なる 6 つのグループに分類しました。植物の生活史や生育型が指標になるとは限らず、種ごとに評価する重要性が示されました。近年、大型の草食性哺乳類の増加による植生の衰退が世界的な問題となっており、日本においてもニホンジカ(以下シカ)の急激な増加により、森林の下層植生の変化や生物多様性の減少が報告されています。シカの個体数の管理は個体数密度に基づいて行われていますが、それに加えて植生への影響を考慮してモニタリングしていくことが重要です。しかし、これまでシカの個体数調節やシカ柵の設置の前後での植生を比較した研究はあるものの、どれくらいの時間スケールで植生が変化していくかについては、特にシカによる植生への影響が顕在化する前からの知見が不足しています。また、シカは植生の変化に応じて餌選択を変えることが知られています。本研究では、シカの生息分布域が過去数年で急速に拡大している北東北に注目し、シカの定着年数(環境省によってシカの分布が新たに確認された 4 つの年代 1978 年・2003年・2011 年・2014 年に分類)が異なる森林において、森林の下層植生、シカの食痕、シカの食性をそれぞれ明らかにしました(図 1)。シカの食性は糞中の DNA からシカの餌植物を明らかにする DNA メタバーコーディング1という手法を用いました。これらの結果をもとに 98 種の植物種においてシカの採食に対する脆弱性を評価しました。シカが定着後 20 年以上経過した森林においてのみ、下層食植生の種数や植生の被度に低下が見られました。シカの食性は、調査地点による違いが大きく影響していたものの、定着年数によって異なっていました。植生、シカの食痕、シカの食性における定着年数による違いから、98 種の植物について採食に対する脆弱性の異なる 6 つのグループに分類しました(図 2)。このうち 16 種の植物は、特にシカの定着初期から採食を受けやすく、シカが20 年以上分布している森林では顕著に減少あるいは絶滅している種が見られました。これらの種は低木や直立型の多年草が多く含まれる傾向があったものの、植物の生活史や生育型が指標になるとは限らず、種ごとに嗜好性を評価する重要性が示されました。本研究から得られた植物種の脆弱性の違いは、今後シカの生態系への影響を把握し、個体数を管理する上で指標となる植物種の選定において有用な情報となると考えられます。また、侵入時期に応じて植生の保全対策を講じる際に、シカの採食に対する森林の短期・長期的な応答を予想していく上で最初の一歩となることが期待されます。今後は、シカの定着年数の影響と気候などその他の環境要因とを分離することで、シカの定着年数という指標の妥当性を評価していく必要があります。本研究から、シカが定着してから短期間で餌とする植物を変化させている可能性があることが分かりました。特に定着初期からシカに好んで食べられ、脆弱な植物種があることも見えてきました。こうした植物の脆弱性は地域によっても異なると考えられるため、今後は、シカの個体数管理とともに地域レベルでの植生やシカの餌選択の変化に関する継続的な知見が、北東北に限らず各地の森林において蓄積されることが望まれます。

(「令和3年度鳥獣対策優良活動表彰」の募集を開始)
農林水産省は、これまで鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用等に取り組み、地域への貢献が顕著であると認められる個人及び団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」の表彰候補を募集します。野生鳥獣による農林水産業への被害が全国的に深刻な状況となっていることから、農林水産省は都道府県等と連携し、各地の鳥獣対策を推進しています。このような中、農村地域等において鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用等(以下、「鳥獣対策」という。)に取り組み、地域に貢献している個人及び団体を表彰し、これらの優良事例を広く紹介することにより、更なる鳥獣対策の推進を図るものです。この度、令和3年度の「鳥獣対策優良活動表彰」の表彰候補の募集を開始します。

(渡り鳥の越冬地「伊豆沼・内沼」に今季初めてマガンが飛来:宮城)
国内有数の渡り鳥の越冬地として知られるラムサール条約登録湿地「伊豆沼・内沼」(宮城県栗原、登米市)で、今季初めてマガンの飛来が確認された。県伊豆沼・内沼環境保全財団の発表によると、16日午前7時半頃、伊豆沼西部の上空で30羽のマガンが確認された。初飛来は平年より4日早い。伊豆沼・内沼周辺では11月頃に渡り鳥の飛来のピークを迎える。例年、約10万羽が春まで過ごし、シベリアに帰る。

(民家庭にクマ出没:秋田)
18日午前7時35分ごろ、秋田県鹿角市十和田大湯字下ノ湯の民家の庭にクマがいるのを住人の80代男性が見つけ、鹿角署に通報した。

(民家裏手にクマ:秋田)
20日午後5時10分ごろ、秋田県鹿角市花輪字火附森の民家裏手にクマがいるのを住人の60代女性が見つけ、鹿角署に通報した。

(シカの目撃情報:福井)
福井県警によると9月22日午前6時ごろ、福井市開発5丁目でシカの成獣1頭の目撃情報があった。県警はシカを目撃した場合は近づかず、市役所か警察に通報するよう呼び掛けている。開発5丁目は福井市北部の商業施設が立ち並ぶエリア。同6時40分ごろ、同市開発町の国道8号を東方向に横切るシカが目撃された。シカは自動車販売店の横を通り同市新保町方面に歩いていった。

(公園でシカ目撃相次ぐ:兵庫)
周囲を住宅街に囲まれた兵庫県三田市あかしあ台5のはじかみ池公園で、シカの目撃情報が相次いでいる。角が確認されており、雄のシカとみられる。周辺住民に危険が及ばないよう、市は21日午後、同公園を全面封鎖した。市によると、農村部ではたびたび目撃されるが、市街地では珍しいという。17日午前9時に発見されて以降、職員が見回りをしている。21日の朝にも目撃情報が複数あり、再度職員が確認に行くと、シカのものとみられる足跡が見つかり、「ケーン」という鳴き声も聞こえたという。21日午前6時すぎに散歩で訪れたという男性(65)=同市すずかけ台2=は「久しぶりに公園に来たので、最初はリアルなモニュメントができたのかと思った」。シカは男性を見たまま動かず、しばらくすると公園内の林へ消えていった。どっしりとした体つきで、体長は1メートル以上に見えたという。「小さい子どもたちも遊ぶ公園なので、注意しないと」と話した。公園は神戸電鉄南ウッディタウン駅のすぐ南にあり、周囲をあかしあ台の住宅に囲まれている。抜け道として通る人もいるため、市公園みどり課は21日、当面の間、全面封鎖することにした。午後からは、ヘルメット姿の職員が公園の外周を巡り、公園の入り口などに立ち入り禁止と書かれた黄色いテープや、「シカ出没注意」と書かれた紙を張って歩いた。暗視カメラを設置して、シカの動きを確認するが、発見した場合の対応は検討中という。市は防災メールを配信したほか、周辺の自治会や小学校にも連絡。「シカを見つけたら近づかない、大声を上げない、えさを与えないように」と注意を呼び掛けている。

(サル、16日は品川に:東京)
東京都内で連日出没しているとみられる1匹のサル。16日朝、姿を現したのは品川区。電線の上を、大慌てで移動するサル。いったい何が起きているのか。動画には、カラスがサルのすぐあとを追う姿がとらえられていた。さらにサルは、午後には1.5kmほど離れた寺にも出没。墓に供えてあった水を飲むなどして、1時間ほど居座っていたという。しかし、突如...。撮影者に向かって威嚇するような動きを見せ、そのまま去っていった。けが人はいなかったという。

(野生のサル、目撃:神奈川)
横浜市内で野生のサルの目撃情報が相次いでいる。9月17日までの目撃情報は、9月10日午前=大和市下和田、11日午前=横浜市泉区上飯田町、12日=瀬谷区阿久和南、13日午後=保土ケ谷区今井町、13日正午=戸塚区上品濃、14日午前=保土ケ谷区今井町、14日午前=保土ケ谷区新桜ケ丘、同=保土ケ谷区法泉、15日午前=保土ケ谷区仏向町、16日保土ケ谷区坂本町の付近。横浜市環境創造局公園緑地部動物園課の担当者は「市外の山間部などで群れをつくっているニホンザルのうち、若いオスなどが群れを離れて横浜市内まで移動してくることがあります。これまで、市内でサルが人に危害を加えたという報告はありませんが、サルを見かけたときは、次のことを守り、冷静に対応してください」とコメントするとともに、以下の注意を呼び掛けている。「エサを与えないでください。不用意に追いかけて、追い詰めないでください。近づいて興奮させると危険です。目を合わせないようにして、ゆっくり慌てず、背中を見せないように、その場を離れてください。家に侵入されないように、窓の開けっ放し等に注意してください」。なお、鳥獣保護管理法により、サルをむやみに捕獲することは禁止されている。

(伝統の鳥猟禁止に抗議:フランス)
フランスの国務院(最高行政裁判所)はこのほど、伝統的な鳥猟を禁止した。これを受けて「地方の価値観」保護を主張する狩猟者数千人が18日、抗議デモを行った。当局によると、南仏モンドマルサン(Mont-de-Marsan)では1万3000人が参加。狩猟者のベストと同じ明るいオレンジ色の服を身に着け、狩猟用らっぱや爆竹を使い気勢を上げた。北西部ブルターニュ(Brittany)のルドン(Redon)などでも抗議活動が行われた。モンドマルサンのデモに参加した狩猟と釣りが趣味のエリックさん(47)は「自分の文化が破壊されるの見るのはうんざりだ。私の母語ガスコーニュ語はもはや根絶やしにされた。今度は伝統的な狩猟だ」と述べた。国務院は8月、2009年の欧州連合(EU)指令に基づき、南仏をはじめ各地で広く行われている網や鳥カゴを使った伝統的な狩猟を禁止した。6月には、鳥もちを使った狩猟も禁止された。環境保護団体は、欧州全体で鳥の個体数が激減する中、鳥もちや網を使った無差別な狩猟により、フランスでは年間15万羽の鳥が犠牲になっていると主張している。一方、政府は1年後の総選挙に向けたキャンペーンの一環として、こうした伝統狩猟法の一部容認も検討している。国内の狩猟人口は約120万人で、その家族や狩猟の支持者と合わせると約500万人分の票になる。

(猟師の遺志継ぎ「ジビエ工房」再出発:秋田)
秋田県大仙市内で捕獲されたクマの肉を活用するため昨年開設された協和船岡の食肉処理販売会社「協和ジビエ工房」が、この夏再出発した。経営していた地元猟師、藤原正人さんの急逝で存続が危ぶまれたが、妻の純子さん(58)と親友の豊島次雄さん(68)が継承。豊島さんは「地域を元気にしたいという遺志を引き継いでいく。食べやすい商品を開発し、多くの人においしさを知ってもらいたい」と話す。ジビエ工房は、地元のクマ肉で名物料理を作りたいという協和温泉四季の湯の要望を受け、猟友会の活性化にもつなげようと藤原さんが昨年4月に開設。クマ肉を四季の湯や都内の料理店などに出荷してきた。しかし今年3月、藤原さんが病気のため65歳で逝去。工房の運営が課題となった。純子さんら遺族は一時畳むことも考えたが、豊島さんや精肉店を営む友人、猟友会員らが協力を申し出た。純子さんは「(藤原さんが)大きな決意で踏み出した事業。やっと軌道に乗ったところで倒れ、悔しかったと思う。皆さんの力を借りて工房を残そうと決めた」と振り返る。今年7月、純子さんが代表取締役、豊島さんが営業担当として再開した。

(「狩りボーイ」目指す:茨城)
「ハンターの後継者としてやっていきたい」と表情を引き締める。八月、石岡市が「獣害対策」の活動分野で募集した地域おこし協力隊員に採用され、市の初代「狩りボーイ」を目指している。牛久市出身。県立竜ケ崎一高を卒業後、陸上自衛隊に入隊し、勝田駐屯地(ひたちなか市)に十五年間勤務した。施設科隊員を育成する施設学校で教育を支援し、災害派遣では被災地の救援活動に当たった。退職後、建築設備会社に入社し、埼玉県八潮市に移り住んだ。高校の同級生がいる石岡市に毎週のように通ううち、市内の八郷地区に広がる豊かな里山環境に魅了された。市農政課によると、二〇二〇年度、野生鳥獣による農作物被害額は千五百七十万円に達した。中でもイノシシ被害が顕著だ。「県イノシシ等野生鳥獣による被害の防止対策に関する条例」が二〇一八年に制定され、イノシシの捕獲や防護対策は進んでいる。半面、二〇年度に市内で駆除したイノシシ千四十頭のうち、食用として出荷できたのはわずか十五頭。イノシシ肉の普及が課題となっている。現在は、地元猟友会のメンバーでつくる「市鳥獣被害対策実施隊」に同行し、わなの仕掛け方を覚えたり、猟をする場所を確かめたりして修業を続けている。狩猟免許を取得後、十一月十五日に始まる猟期には自ら狩猟に挑むつもりだ。市内には、県内で唯一のイノシシ肉処理加工施設「朝日里山学校」が稼働しているが、ジビエ料理を取り巻く環境は厳しい。放射性物質が広範囲に拡散した二〇一一年三月の東京電力福島原発事故以来、同学校では国の出荷・検査指針に基づき、全頭検査を行っている。最近は、豚やイノシシに感染する家畜伝染病「豚熱(CSF)」の発生が相次ぐ。当面は、定番のしし鍋の特産化を応援するが、夢は新メニューの開発だ。「斬新なネーミングで売り出したい。試食会を開いた時には、たくさんの人に来てほしい」「令和の百姓スタイル」を理想に掲げる。今夏、農家から借りた畑でヒマワリを育てた。種を絞って食用油を作る予定だ。任期は来年三月までだが、最長で二〇二四年三月末まで延長できる。「二年半の活動期間で、環境保全につながる事業をつくり出し、地域に残したい」と力を込める。

(狩猟免許持つ画家、阿仁で個展:秋田)
山とクマ、人の関わりをテーマにした絵画の展覧会が秋田県北秋田市阿仁水無の阿仁公民館で開かれている。作者は横手市山内の画家、永沢碧衣(あおい)さん(26)。自らも山に入って狩猟をし、マタギと語らう中で感じ考えたことを描いた。来月24日まで5点を展示している。広葉樹と針葉樹が入り交じる山並み。目を凝らすと、さまざまな動きをするクマたちの姿が浮かぶ。永沢さんの新作「山景を纏(まと)う者」だ。高さ1メートル82、幅6メートル37。8月から1カ月半かけ、アクリル絵の具や岩絵の具など複数の画材を使う「ミクストメディア(混合技法)」によって描いた。この作品は、北秋田市阿仁打当のマタギのシカリ(頭領)である鈴木英雄さんから話を聞く中で生まれた。「人を怖がり、広葉樹が茂る奥山にすむクマがいる。一方その子や孫の世代になると、人工のスギ林が茂る里山近くにすみ、苦労せず食べ物が手に入ることを覚えて人を恐れないクマがいる。そう教えてもらいました」。そんなクマたちの関係性を表現した。

(エゾシカのホットサンド:沖縄)
知念岬公園(沖縄県南城市)は海が一望できるスポット。同公園出入り口手前、肉が焼ける香りを漂わせるフードカー「BBQ Oceans(バーベキューオーシャンズ)」がある。人気は北海道産のエゾシカ肉のホットサンド(800円)。バーベキュー味、ピザ味から選べる。弾力性がありながらも歯切れが良く、あっさりした風味が特長だ。オーナーは屋比久敬裕さん(51)。同店は場所を固定し、3歳の看板犬「うみ」とともに、リピーターも新規客も快く出迎える。「誰もやっていないことをやりたい、という思いを持ち続けている。地元の人が僕や『うみ』の顔を見るために来てくれ、ドライブの道中寄ってくれるお客さんも多い」と白い歯を見せる。エゾシカ肉の魅力として「くせが少なく、切り方や調理次第で食感、味わいの幅が出せる」と看板メニューの一つにした。ほか、馬肉のホットサンド(550円)など変わり種もある一方、タコスサンド(550円)、ホットドッグ(400円)など定番メニューも。アイスクリーム、かき氷などデザート類もそろう。食材の品質には自信あり。同店は本業のバーベキュー食材の宅配業から派生。新鮮な食材は安定して調達できる。2019年3月に宅配業の傍ら店をオープン。場所柄、観光客も多く訪れる。食材宅配業も県外客が中心。地元民に支えられながらもコロナ禍は免れなかった。ただ、現状を受け入れながら店を開け続ける。「うちの店だとテークアウトして、ほんの少し足を伸ばせば海を見ながら頬張れる。これって、とてもぜいたく。今味わえることをお客さんに楽しんでほしい」と語った。

(ハンバーガー専門店、公園内にオープン:宮崎)
日向市東郷町の牧水公園(東郷町坪谷)内にハンバーガー専門店「MOUNTAIN BURGER’S CLUB(マウンテンバーガーズクラブ)」(TEL 0982-69-7166)がオープンして1カ月を迎える。歌人・若山牧水の生誕の地として知られる東郷町坪谷。牧水公園内にはそば店があったが、昨年閉店し、バーガー店に生まれ変わった。美郷町ジビエ振興協議会が運営し、主に鹿肉を使ったジビエバーガーを提供する。4人のスタッフとともに店を切り盛りするのは、美郷町の地域おこし協力隊として同協議会の「美郷ジビエ工房」(美郷町南郷)に勤める関屋学さん。同工房は田畑を荒らすシカやイノシシを地域資源として活用しようと2019(平成31)年3月に設立。ソーセージなどの加工品の製造・販売を手掛ける。関屋さんは「協力隊としての1年目はジビエ工房の商品開発や販路拡大に注力してきたが、2年目にはハンバーガー店をやりたいと思っていた。駆除したシカの肉があるから仕方なくハンバーガーにするのではなく、鹿肉をバーガーにするとおいしいので使っている。鹿肉は脂肪分が少ないので冷めてもおいしい。薫製にしたイノシシの肉も加え、味を調えている」と話す。オセアニア、アメリカ、アジアなど世界30カ国をバックパッカーとして巡った経験から関屋さんは、今までに訪ねた各国のハンバーガー店を思い出し、同店の内装や接客に生かしているという。「一度もハンバーガーを食べたことがないという近所の人も来てくれ、『ハンバーガーってパンなの?』と驚きながら、おいしそうに食べてくれた。楽しくコミュニケーションが取れる店にしたい。何度も来てもらえるように、飽きられない工夫も続けていければ」と笑顔を見せる。

(これから旬!ジビエを味わおう:佐賀)
佐賀県内でもよく目にするようになってきたジビエ(野生鳥獣肉)。天然食材でもあるジビエはこれから旬を迎えます。高タンパクで低脂肪、栄養豊富な食材としての魅力だけでなく、生態系の維持や里山保全など、SDGs(持続可能は開発目標)の観点からも注目を集めています。今回は佐賀市で卸売食料品店を営む鶴商興産にジビエ商品を教えてもらいました。佐賀市大財の系列店「Grill Dining deeer(グリル・ダイニング・ディア)」ではジビエを調理して提供しています。期間限定メニューやテイクアウト用のオードブルなどもあります。イノシシ肉がふんだんに入っている「イノシシハンバーガー」。価格は1個600円。鳥栖市の駅前不動産スタジアムに構える店舗で販売しています。佐賀で獲れたイノシシでつくったソーセージ。「肉もうまみが濃厚で独特のくさみもなく、人気」といいます。5本入りで850円。白石レンコン入り(5本入り850円)やチーズ入り(3本入り980円)もあります。無添加、無着色。オンラインショップからも購入できます。鶴商興産社長の坂本竜一さん。初めて鳥獣加工センターでイノシシ肉を食べ「こんなに美味しいんだ」と衝撃を受けたといいます。手にしているのはイノシシの脂から作った保湿クリーム。

(おふくろの味ジビエに舌鼓:高知)
高知でジビエのメッカといえば大豊町。そんな大豊町にある、ジビエをメインに扱うグルメのお店がこちら。国道沿いに店を構える「妙ちゃんの食卓」では、地元で獲れた新鮮なシカやイノシシの肉を使い、バリエーション豊かな定食メニューを揃えており、焼き、揚げ、煮込みと、調理法もさまざま。「ローストベニソン定食」(1500円)。鹿肉のムッチリとした食感が楽しめて、県産のショウガとゆずのきいたソースが好相性!もちろんジビエが主菜だが、肉と同じく地元採れの野菜をたっぷり使った副菜や汁物も美味。どれも愛情たっぷりのほっとする味わいで、お腹も心も満たされるはず。他にも、鹿肉と猪肉を使った「煮込みハンバーグ定食」(1500円)や「鹿竜田揚げ定食(シシコロッケ付き・1000円)などもあり。また、定食以外にもシカカレーやシシ丼などもあるので、好みのものをオーダーして。

(PAが新装オープン、ジビエ充実:高知)
長岡郡大豊町の高知自動車道下り線の立川パーキングエリア(PA)が18日、リニューアルオープンする。県産材をふんだんに使った新店舗に建て替え、四国産食材のジビエメニューを充実。西日本高速道路は「山岳の景観と四国、高知県の魅力を堪能してほしい」とPRしている。立川PAは1992年開設。94年に県産スギの間伐材を使った平屋の「ハイウェイショップ」がオープンし、嶺北産の農産品などを販売してきた。新しい飲食コーナーでは、イノシシ肉を使った丼やしょうが焼き定食、ラーメンなど、ジビエ料理をメニュー化。名物の牛串「立川バーベキュー」も引き続き提供する。

(福祉施設が鹿肉使いドッグフードを製造販売:三重)
紀北町三浦の福祉施設「障害者支援グループ たいき」が、利用する障害者らの力も借りて鹿肉でドッグフードを作り、オンラインで販売している。硬さに特徴があり、施設長の加藤益洋さん(49)は「太陽の光でしっかり干しているので、添加物を使わずとも保存が利く。犬に硬いものを食べさせることで健康を増進する狙いもある」とPRする。

(イノシシ肉、ソーセージに:石川)
ぶどうの木(金沢市)は年内にも、イノシシ肉を使ったソーセージを発売する。石川県内各地でイノシシなどによる農作物の鳥獣被害が発生する中、ジビエ料理として活用する。同社は昨年1月に食肉加工の資格を取得した。豚熱(CSF)対策として一時期、野生イノシシのジビエ利用が停止されたものの、製品化の研究を続けてきた。ソーセージにはイノシシ肉と豚肉、グリーンレーズンを使用する。他の肉を配合せず、イノシシ肉100%のソーセージも試作している。食品ロスの削減を目的に、ケーキや菓子の端材を販売するブランド「ハジコ」の商品に加える。23日に金沢市岩出町の本社で開かれるファーマーズマーケットで初披露し、歳暮商戦に間に合うよう発売する計画だ。

(イノシシ革加工の「イーノ伊達」:福島)
イノシシ革のオリジナルレザーブランド「ino DATE(イーノ伊達)」を手掛ける伊達市農林業振興公社は、事務所や作業場を同市梁川町の梁川総合支所に移した。職員の斎藤知世さん(36)は「これからも日常生活で使ってもらえる革製品を作っていきたい」と決意を新たにしている。耕作放棄地の増加に伴い、市内の中間地域の畑では多くの鳥獣被害が出ている。有害鳥獣として市内で駆除されたイノシシは、原発事故の影響で食用としての活用が難しくなった。そのため、同公社はイノシシ革を有効利用しようと取り組みを始め、来年3月で10年を迎える。商品は全て手作り。名刺入れや幼児用靴、トートバッグなど30を超える種類の商品を作り、販売してきた。革の良さを伝えるワークショップイベントも展開していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で開催中止を余儀なくされた。斎藤さんは「今求められるもので、イノシシ革が役立つものはないだろうか」と考え、マスクフックやマスクストラップを相次いで商品化した。インターネットで販売すると、フックは約2000個売れるなど「伊達市産イノシシ革」が全国に知られるヒット商品となった。作業場と事務所の移転は、梁川総合支所の空きスペース利活用のためで、同市霊山町の霊山総合支所から移った。作業場には、革に文字などを刻印するレーザー彫刻機専用の一室を新設した。斎藤さんら2、3人が作業しており、早速、カードや小銭が入る新商品「フラグメントケース」を製作し始めた。商品開発やデザインを担当する斎藤さんは「革商品を身近に感じて、使ってもらえるように『欲しい』と思える商品を作っていきたい」と話す。伊達市農林業振興公社は、イーノ伊達の新商品「フラグメントケース」の販売を始めた。カードが5枚と小銭が入るツートンカラーのカードケースとなっている。赤、黄、緑、青、黒、茶、こげ茶、ナチュラル、オレンジの9色あり、自由に色をカスタムオーダーできる。大きさは縦7・7センチ、横15センチの長方形。価格は1個4400円。

(「天然猪肉」の“串かつ”登場:東京)
「秋刀魚」や「いのしし」「舞茸」など、秋の旬を楽しめる串かつが新登場!大阪で愛される串かつを、独自のこだわりやおいしさで再現した串かつ居酒屋「串かつ でんがな」では、「秋刀魚」や「いのしし」「舞茸」をはじめとした、旬の食材が味わえる季節限定商品、『秋の季節串』と『季節の5本串セット』を、2021年9月9日(木)より全77店で販売開始しています。今回販売される『秋の季節串』では、「串かつ でんがな」初となる天然の猪肉をつかったメニューが新登場。さらに、秋の味覚の代表格「秋刀魚」や、この季節に旬を迎える「舞茸」「さつまいも」など、計4種類の限定串が用意されています。『季節の5本串セット』は、おすすめの「秋刀魚」、「いのしし」、「舞茸」、「さつまいも」の4種類の串に、これからの季節に旬を迎える「エリンギ」をお得に味わえるセットです。『秋の季節串』や『季節の5本串セット』は全てテイクアウトが可能とのこと。今年の秋は、店舗でも、お家でも、“串かつ でんがな”の季節串で秋の味覚を楽しんでみてはいかがでしょう。

(返礼品に鹿肉、ふるさと納税:長野)
佐久市は、ふるさと納税の返礼品に「鹿肉のローストミールキット」を加えた。鹿肉のおいしさと手軽に食べられることを知ってもらいたいと、有害駆除された鹿を食用やドッグフードとして加工、販売している「グリム」が商品化。

(伝統のぼたん鍋、狩猟解禁を前に予約受付開始:兵庫)
日本の冬の味覚「ぼたん鍋」が、今年も予約受付を開始。近年、注目されるジビエ料理を老舗の名店でいただこう。春、夏は地元の食材をふんだんに取り入れた会席料理、秋は松茸会席、そして冬はぼたん鍋と四季折々の料理を味わえる、歴史ある料理旅館「丹波篠山 近又(きんまた)」。慶長14年(1609年)篠山の町に開業した近江屋が現在の近又の始まり。当主は代々近江屋又兵衛を襲名し、明治初期頃屋号を近又と改めた。明治の元勲・木戸孝充が「桂小五郎」という名前で活躍した幕末期「好きなお菊と丹波篠山郷近又に宿る」と書いた日記を山口県に残している。「丹波篠山 近又」はぼたん鍋発祥の宿として知られている。ぼたん鍋の由来は、皿に盛った形が「牡丹の花」に似ていることからその名が付けられたと思われている。しかし、実際は民謡「篠山小唄」に出てくる「ぼたん鍋」という言葉からイメージして、「近又」の主人が猪の肉を「牡丹の花」の形に並べて提供したことが全国に広がり、ぼたん鍋発祥の宿と知られるようになった。狩猟解禁に先駆けて、「丹波篠山 近又」では、9月15日(水)よりぼたん鍋会席の予約を開始。今年はコース内容を一新し、「ぼたん鍋会席」として提供する。ぼたん鍋に加え、前菜、椀物、お造り盛り合わせ、デザートと丹波篠山の冬の味覚を存分に楽しめる内容にバージョンアップ。近又」のぼたん鍋は、篠山の山々を駆け巡り山の幸をたっぷりと食べた野生の猪肉のみを使用。鍋に使う味噌は、第10代当主が研究を重ねた猪肉に合う味噌で仕立てる。シメはとろりと卵を落とし味噌ダレと絡めて作るぼたん丼が絶品だ。長く語り継がれてきたこだわりが自慢の「ぼたん鍋」、一度は味わってみたいものだ。

(ジビエハンターとオンライン狩猟ツアー:京都)
京都府福知山市で体験型の観光事業を運営する団体が、市内で行われている狩猟と精肉処理の様子を動画配信し、中継でハンターと対話できる「オンライオンライン狩猟ツアー」を開催する。

(ロッテリア、「ジビエ鹿肉バーガー」全国発売)
ロッテリアは、「ジビエ鹿肉バーガー(エゾ鹿ラグーソース)」を、全国のロッテリアで9月29日より数量限定で販売する。価格は790円。ロッテリアは、日本ジビエ振興協会が7月から展開している、国産ジビエの継続的な消費拡大を目指す「GO GO GIBIER!(ゴーゴー・ジビエ)」プロジェクトに参画。ジビエの普及・振興の取り組みによる循環型経済の創出を図り2016年4月から数量限定で販売していた「ジビエ鹿肉バーガー」の販売店舗を、全国に拡大する。パティ全体の6割に、農林水産省制定「国産ジビエ認証制度」の基準をクリアした工場で適切に処理したジビエ鹿肉を使用。パン粉や黒胡椒、ナツメグなどと合わせ、鹿肉の風味と旨味を味わえるように仕上げている。鹿肉は、牛肉や豚肉に比べて高タンパク、低カロリーで鉄分豊富といわれているとしている。ソースには、エゾ鹿のひき肉を使用し、ガラムマサラや数種のスパイスをブレンドしたスパイシーな「エゾ鹿ラグーソース」を採用。鹿肉ハンバーグパティとソース、マヨネーズ、レタス、トマト、スライスオニオン、ピクルスをバンズで挟んでいる。パティ2倍、ソース2倍の「ダブルジビエ鹿肉バーガー(エゾ鹿ラグーソース)」もラインアップする。価格は1,200円。また、各単品に+190円でドリンクMがついた「ドリンクコンビ」も展開する。

(クマ出没:宮城)
栗原市によると、19日午前6時ごろ、栗原市花山本沢萩ノ原にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日午後9時50分ごろ、仙台市太白区茂庭生出前にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日午前10時15分ごろ、仙台市太白区秋保町長袋大原にクマが出没しました。

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