<射撃ニュース10月>
10/28
(エゾシカとも衝突か、交通事故で2人が死亡:北海道)
26日午後4時45分ごろ、北海道標茶町雷別の国道272号で、「シカが絡んで、対向するワゴン車とトラックが衝突した」と、後続車を運転する人から110番通報があった。事故を起こした車に乗っていた男性3人が意識不明の状態で病院に搬送され、このうち2人の死亡が確認された。弟子屈署によると、病院に搬送されたのはワゴン車に乗っていた2人と、トラックに乗っていた1人。ワゴン車の2人が死亡したという。現場は片側1車線の道路で、近くにはエゾシカが倒れており、同署はエゾシカと事故との関係などを調べている。

(飛び出したシカを避けようと軽乗用車がガードレールに衝突、後部座席の91歳女性死亡:北海道)
23日、北海道東部の厚岸町で、飛び出してきたシカを避けようとして、軽乗用車がガードレールに衝突する事故があり、後部座席に乗っていた91歳の女性が死亡しました。23日午前10時ごろ、厚岸町の町道で軽乗用車を運転していた、町内に住む契約社員の61歳の女性が、左側から飛び出してきたエゾシカを避けようとしてハンドルを切り、反対車線のガードレールに衝突しました。この事故で、軽乗用車の後ろの座席に座っていた91歳の母親が、頭から出血するなどして病院に運ばれました。91歳の母親は事故当時、意識もあり、会話もできる状態でしたが、手当てを受けていた病院で容態が急変し、事故からおよそ7時間後の午後5時ごろ死亡したということです。厚岸町はエゾシカが多く目撃される地域で、警察は、道路に飛び出すシカには十分注意して運転してほしいと呼びかけています。

(路上でイノシシ衝突、女性けが:栃木)
21日午後8時半ごろ、足利市今福町の路上で、犬の散歩をしていた同市、会社員女性(55)が後ろからイノシシに衝突され、右太ももに軽傷を負った。足利署によると、イノシシは体長約1・5メートル。北方の森林に逃げたという。

(イノシシが高齢男性を襲う:大分)
21日朝、大分県日出町の畑にイノシシ3頭が出没し、作業をしていた85歳の男性が襲われ軽いけがをしました。現場を通りかかった地元の猟友会の会員がイノシシをモリで仕留め、男性を救助しました。21日午前7時前、日出町豊岡で男性(85)が畑で作業をしていたところ、3頭のイノシシが突然現れました。男性はこのうち1頭に襲われ腕や足をかまれて軽いけがをしました。この時、仕掛けたわなを確認するため現場を訪れていた地元猟友会の男性会員(71)が気づき、持っていたモリでイノシシを仕留めて男性を救助しました。イノシシは体長およそ120センチ、体重およそ50キロで、ほかの2頭は近くの藪に逃げて行ったということです。警察はイノシシを目撃した場合、近づかずに静かにその場から立ち去るよう呼びかけています。

(イノシシが出没、女性2人がケガ:香川)
10月25日午前、高松市に体長約1メートルのイノシシが出没し、襲われた女性2人がケガをしました。イノシシは市の職員によってすでに捕獲されています。10月25日午前10時10分頃、高松市木太町のことでん林道駅周辺で、歩いていた女性2人がイノシシに襲われました。警察などによりますと、35歳の女性は、うしろから突進され、左の太ももに軽いケガをし、自宅前で出くわした75歳の女性は、頭を切り、手や足にケガをしました。イノシシは、高松市の職員によってその場で捕獲されました。この1時間半ほど前には、高松市玉藻町で岸壁沿いを歩くイノシシが目撃されていて、市は、このイノシシが木太町まで移動したとみています。高松市では10月19日にも西宝町で、散歩中の男性がイノシシに足首をかまれケガをしていて、市は、目撃した場合は、静かにその場を立ち去るよう注意を呼び掛けています。

(シカとオートバイ“衝突の瞬間”、60代男性が肋骨6本折る重傷:京都)
10月21日、浜松市の60代の男性が京都府内でシカと衝突して大けがをしました。全国的にも10月はシカが関係する事故が最も多い時期といわれ、注意が必要です。突然の転倒。スローで見てみると道路わきにいたシカが突然動き、衝突した事が分かります。転倒したのは、10月21日、夫婦で京都府内をツーリングしていた浜松市の60代の男性。肋骨を6本折る重傷を負いました。男性は、全身にプロテクターを着けていなければ、命の危険もあったと振り返りました。全国的にも、10月はシカが関係する事故が最も多い時期といわれ、静岡県内でも注意が必要です。

(クマに襲われ?愛犬死ぬ:兵庫)
兵庫県佐用町口金近で14日早朝、古い牛舎で飼われていた紀州犬が死んでいるのが見つかった。おなかのあたりに食いちぎられたような跡があった。牛舎の周辺にはクマの足跡があり、クマに襲われたとみられる。県森林動物研究センター(同県丹波市)は「外で飼育されている動物がクマに襲われた事例は、県内で聞いたことがない」とし、注意を呼びかけている。クマに襲われたとみられるのは、畜産農家の田邊美代子さん(64)が長年、番犬として飼っていた雌の「はな」。はなの息子で、一緒に飼っていた「白豆」もおなかに大けがを負った。もう1匹の「茶豆」も牛舎にいたが、行方が分からなくなっている。3匹とも首輪をして鎖でつないでいたが、はなは首輪が外れ、茶豆は鎖が切れていた。

(イノシシの捕獲数、一転して激減:福島)
震災と原発事故のあと、イノシシの捕獲数が急増していた福島県で昨年度の捕獲数が前の年度のおよそ半分の1万8000頭あまりまで一転して激減していたことが県のまとめでわかりました。県は野生のイノシシの間でブタの伝染病CFS・豚熱の感染が拡大し、個体数が減っているとみています。福島県では震災と原発事故の影響で住民が避難したことでイノシシの生息範囲が広がり、捕獲数も増え続けました。震災前の平成22年度は3736頭でしたが、2年前の令和2年度は3万5698頭と10年あまりで10倍近くにまで急増しました。これに伴い、農作物が荒らされるなどの被害も増え、ここ数年の被害額は年間およそ1億円にのぼります。県は自治体や猟友会と連携して駆除を進めてきましたが、昨年度の捕獲数は、前の年度の半分の1万8767頭で、一転して激減していたことが県のまとめでわかりました。今年度の捕獲数も、8月末時点で2851頭と、前の年度の同じ時期の7割にとどまっています。県内では少なくとも30の市町村で、ブタの伝染病=豚熱に感染したイノシシが捕獲されていて、県は、駆除だけでなく、イノシシの間で豚熱の感染が拡大して死に至り、個体数が減ったとみています。ほかの県でも捕獲数が減少する傾向があるということで、福島県自然保護課は「再び増加に転じる可能性もあり家畜のブタへの感染が広がらないよう引き続き警戒しながら捕獲にあたりたい」としています。

(また野生イノシシの豚熱確認:秋田)
秋田県は21日、湯沢市で10日に死んだ状態で見つかった野生の雄イノシシ1頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内でのイノシシの感染確認は先月2日に続いて3例目。

(不燃ごみに散弾実包か:三重)
三重県伊賀市奥鹿野のごみ処理場「伊賀南部クリーンセンター」で10月21日、不燃ごみの中から散弾銃の実包とみられる物体1個が見つかった。名張署が火薬類取締法違反の疑いで捜査している。施設を管理する伊賀南部環境衛生組合によると、同日午前11時10分ごろ、ごみ袋を展開検査していた業務委託先の三機化工建設の男性作業員が発見。大きさは長さ5・5センチ、直径2センチで、名張市内で19日に回収した不燃ごみに混入していたとみられる。同センターでは2020年2月にも、回収したごみの中から散弾銃の実包とみられる物体11個が見つかっていた。

(パソナ農援隊、農林水産省『鳥獣被害対策担い手マッチング事業』受託:東京)
株式会社パソナ農援隊(本社:東京都港区、代表取締役 田中康輔)は、農林水産省より鳥獣被害対策・捕獲に興味のある人材の発掘・育成、及び地域とのマッチングを支援する事業『鳥獣被害対策担い手マッチング事業』を受託。この度、全国的な鳥獣被害や対策方法等を紹介する本事業の「キックオフセミナー」を10月25日(火)にオンラインにて開催いたします。農水省によると、野生鳥獣による農作物被害額は年間161億円に上り、深刻な被害状況に見舞われています。一方、地域で対策を講じてきた鳥獣捕獲の担い手の減少・高齢化により人手不足が顕著となっており、新たな人材の発掘・育成が急務となっています。そこでこの度、パソナ農援隊が農林水産省より受託し実施する『鳥獣被害対策担い手マッチング事業』では、狩猟免許を取得しながらも活動できていない方や、鳥獣被害対策・捕獲に興味のある方々を対象に、基礎知識等を学ぶオンライン座学と鳥獣捕獲の見学・体験をするフィールドワークを組み合わせた研修プログラムを実施いたします。また、全国各地の鳥獣捕獲に関わるボランティアや講習会の案内等、多様な関わり方ができる情報をウェブ上で発信し、人材と地域のマッチング支援を行います。

(イノシシ3頭豚熱確認:茨城)
茨城県は27日、県内2市で捕獲した野生イノシシ3頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は170~172例目。

(野生イノシシに豚熱ワクチン散布へ:岩手)
岩手県内で野生のイノシシの豚熱への感染が確認されている問題で、県は10月29日から食べさせる形でのワクチンを初めて散布します。野生のイノシシの豚熱への感染をめぐり県内では、2022年4月に一関市で1頭目が確認されて以降、10月20日までに8つの市と町で78頭の感染が確認されています。こうした中、県は初めてこれまでに感染が確認された地域など、11の市と町の山林など100カ所にワクチン4000個を散布します。ワクチンはトウモロコシの粉で覆われた容器を土の中に埋め、イノシシの習性を利用し食べさせるということです。県では10月29日から12月末まで散布を行う予定です。

(ヒグマ狩猟期間延長へ道検討:北海道)
道が、毎年1月末までとしているヒグマの狩猟期間の延長を検討している。相次ぐヒグマによる人身事故を受け、人を恐れない問題個体の発生を抑制することが目的だ。ただ、実施には担い手となるハンターの確保や制度運用など多くの課題がある。

(狩猟者に豚熱対策徹底を)
野生イノシシの豚熱感染が広がる中、11月の狩猟期を前に、農水省と環境省は、狩猟者に豚熱対策の徹底を呼びかけている。狩猟後の手指や靴、車両の洗浄・消毒といった基本事項を徹底し、ウイルスを拡散させないようにする。

(増える女性ハンター、ジビエやアウトドア後押し)
野生動物による農作物被害や人的被害が全国的に目立っている。人口減で草刈りもままならず、森と人里の境界があいまいになっていることに加え、猟師が減少したことも大きい。一方、ジビエへの関心などから女性ハンターがじわりと増えており、関係者は猟師減少に歯止めがかかると期待する。最近では、ヒグマの市街地出没や、シカによる農作物の食害などの問題も数多く起きている。「あまりに食害がひどくて狩猟をやるしかない」。こう決意して、8年前に猟銃の所持と狩猟免許を取得したのは栃木県那須塩原市の市村さやかさん(50)。夫の一則さん(53)と一緒に取得した。農家に嫁ぎ、山間でダイコンやホウレンソウなどの高原野菜を家族で栽培しているが、野菜の半分をシカに食べられたことも。栃木県内の宇都宮市や日光市、那須町など県内17自治体では狩猟登録などを条件に狩猟免許等取得費用や事前講習会など対する補助制度を設け、免許を取得しやすい環境づくりに取り組んでいることもあり、狩猟人口は、わずかながらも増加しているという。こうした切実な事情がある一方、趣味として狩猟に目を向けるハンターも多い。特に女性が目立ってきたという。捕獲されたイノシシや熊、鹿など野生鳥獣の肉を料理にする「ジビエ」、アウトドアブームが高まっていることも大きいようだ。3年前に狩猟免許を取得した北海道旭川市の会社員、菅野咲貴子さん(35)のきっかけは「格好いいし、自分もやってみたいと思ったから」。昨年末、初めてカモが獲れた。「とにかく下手なので、本当に自分の弾が当たったのかどうか半信半疑だった。それでも初めての成果だったのでうれしかった。思わず写真を撮っちゃいました」と笑う。狩猟の楽しさを「成果があるし、冒険している感じも楽しい。体を動かすことで運動にもなるし、獲物を捕れる」と魅力を語る。先輩ハンターのアドバイスを受けながら月2、3回のペースで山に入っているという。こうした動きを捉え、女性会員の獲得に向け知恵を絞っているのが、長野県安曇野市猟友会だ。同市で今年8月、旧5町村に分かれた支部間の親睦を深める「若手ハンター交流会」が初めて開催された。若手5人の広報部が主体となって、イベントなどで積極的にPR活動を始めた。そのかいあってか、3人だった女性会員が今年、7人に増えたという。広報部員で猟銃歴3年の小原七美(ななみ)さん(40)は、狩猟もさることながらジビエの魅力について「ストレスがかかっていないからか、むしろ家畜より臭くない」と説明。猟銃歴4年の西村法子(のりこ)さん(41)も、「イノシシやシカの脳も食べた。隊ごとに食べ方にも特色がある」と話す。小原さんによると、ホームパーティーでは、市場にほとんど出回らない内臓がとくに人気という。国は農作物の鳥獣被害対策で、自治体の捕獲事業や従事者育成に交付金を出している。かつて捕獲方法の主流だった狩猟は、近年はわなに代わりつつある。大日本猟友会によると、令和3年度の会員数は10万人超で、昭和53年度の約4分の1にまで減少。高齢化も進んでいるのが実情だ。一方で、大日本狩猟会の女性会員数は、着実に増えており、平成27年の1123人から令和3年には3082人まで増加している。

(市街地近くにクマ出没を想定、訓練で対応手順確認:福島)
県内の住宅地などにクマが出て人への被害が相次ぐなか、市街地近くにクマが出没したという想定で、警察や猟友会などの関係機関が連携して、対応の手順を確認する初の訓練が会津若松市で行われました。県と会津若松市が初めて行ったこの訓練には、警察や猟友会、それに地元住民などおよそ30人が参加しました。訓練では市街地に近い会津総合運動公園にクマが出没したという想定で行われ、住民の通報を受けて警察や猟友会のメンバーが駆けつけ、クマ役の人が公園内を歩いて木に登ったことを確認しました。参加者たちは地図をボードに貼りだして、住民の安全を考慮してクマを包囲し、猟銃ではなく、麻酔銃で駆除することを決めました。そして獣医師が麻酔銃を撃って眠らせ、猟友会のメンバーが軽トラックの荷台に運んで体長や体重などを測っていました。県によりますと、ことしに入ってから20日までのクマの目撃件数は371件と、去年の同じ時期より82件多く、クマに襲われて1人が亡くなったとみられるほか、6人がけがをしたということです。また、会津若松市ではことし4月、代表的な観光地の鶴ヶ城公園にクマが出没し、けが人は出なかったものの、5時間あまりにわたって観光客などの立ち入りができなくなりました。県自然保護課の橋本晃一課長は「人的被害を少しでも減らすため訓練を続けていきたい」と話していました。クマなど野生動物の生態に詳しい福島大学の望月翔太准教授は、市街地でのクマ出没を想定した今回の訓練について、「非常にいいことであり猟友会や行政、警察の役割を明文化して終わりではなく、実際に避難訓練のようにまずはやってみることが大事で継続していってほしい」と話しています。そのうえで、「猟友会や警察はもちろんだが、場所によっては学校や教育委員会、鉄道会社などとの連携も必要になる。参加機関を増やしていくことや情報共有の際にタブレット端末の活用も検討すべきだ。また、訓練のようすを撮影して成果や課題などを各市町村と共有しながらクマだけではなくイノシシやサルが出没したらどう対応するかなど、アップグレードしていくことが重要だ」と指摘しています。また万が一、クマに遭遇してしまったときは、「とにかく命を守るために頭を腕でしっかりガードしてその場でうずくまること。これをとっさにできるように訓練をしてほしい。また、事前にクマの出没状況を警察や行政の情報で把握して近づかないようにするほか、クマとの境界をつくるために電気柵を設けたり収穫しなくなった樹木などは伐採しておくことが大事だ」と話しています。

(クマ警戒、柿早め収穫を:富山)
南砺市北野で二十日未明に男性がツキノワグマに襲われ、けがをしたのを受けて、県は二十一日、富山市の県防災危機管理センターで緊急対策会議を開いた。各自治体や県警などの関係者約四十人が出席した。男性は新聞配達中にクマと遭遇し、逃げようとした際に転び右足をかまれた。通報を受けた南砺署員らが現場近くで柿の木の折れ枝などを見つけ、民家敷地内にいたクマを捕殺した。会議では、現場付近が山に近く、柿の木の爪痕やクマの腸の内容物から、クマが柿の実を食べるために人里にいたとみられることが報告された。クマの秋の主食の堅果類について、今年は全県的にブナとミズナラは不作で、コナラは並作との調査結果が出ており、平野部ではクマが大量出没する可能性は低いものの、山裾の集落では警戒する必要があるとした。県自然博物園ねいの里(富山市)の担当者は、付近でクマの出没情報が出た場合は、クマを引き寄せる柿の実などを早めに収穫すべきだと訴え、「クマが身を潜めるやぶも併せて無くした方が良い」と述べた。今年に入って出没が確認されたツキノワグマは、二十日時点で二百六頭。人身被害は二件起きている。

(ブナの実、本県は「並作」:山形)
東北森林管理局は21日、管内の東北5県(福島県を除く)のブナの結実状況を発表した。本県は2013年以来の「並作」となり、昨年の「凶作」より多くの結実が確認された。同管理局によると、本県は21カ所調査し、「樹冠全体にたくさんついている」「樹冠上部に多くついている」が8カ所ずつ、「ごくわずかについている」が2カ所、「まったくついていない」が3カ所だった。調査結果を数値化し、算出した豊凶指数(5~0)は3.1となり、「並作」(2以上、3.5未満)と判断した。ブナの実はクマの餌となるため、結実状況は出没を予測する目安になるとの指摘もある。県によると、今年の目撃件数は今月9日現在で364件。9月末時点では358件で、前年同期比で92件増となっている。

(カワウのアユ食害深刻、県外から次々飛来:鳥取)
大量の魚を食べる“大飯食らい”の水鳥「カワウ」によるアユの被害が鳥取県内の漁業関係者を悩ませている。県や漁協などが、捕獲や追い払いなどの対策を強化するが、カワウに県境はなく、次々と県外から飛来。いたちごっこの状況が続く。アユ釣りなどで誘客を進める町にとっては死活問題。抜本的な対策が必要だが、現在の対策に代わる妙案はなく、行政は対応に苦慮している。県は、カワウによるアユの被害を減らすため、2017年4月に飛来数や漁業被害の実態を調査して効果的な対策を実施するための指針を策定。県内で確認されているカワウは、年間平均で常時約500羽。秋から冬にかけて確認数が増えることから、県外から飛来していると考えられる。千代川漁業協同組合(鳥取市)は今月中旬、アユを守るために産卵場所に釣り糸を張り巡らせた“防空網”を設置した。担当者は「産卵がピークを迎えるこの時季はカワウが集まる」と指摘。親アユを目当てに集まるカワウの着水を防ぎ、来年以降の資源維持に努める狙いだ。同漁協はこの他、狩猟者を2人雇い空気銃で駆除するほか、花火による追い払いなども実施。「昨年は約300羽を2人で駆除してくれた。ただ、いくら撃っても外から飛んでくる。アユが釣れないと遊漁証も売れない。何とかしてほしい」と行政へ対策を求める。年によっては、県内で700羽以上捕獲することもある。捕獲以外にも、県内のコロニー(繁殖地)にドライアイスを投入して、卵のふ化を止めるなど、対策は怠っていないが、県外からの“流入”によって対策が追いつかないのが実情だ。県によると、アユの被害は年間約3千万円。琵琶湖(滋賀県)付近から飛来する例もあり「数百キロ離れた所からもやって来るので、どうしようもない」と頭を抱える。カワウの餌場となる河川の全てで対策することもできず、釣り糸による防空網も産卵場所など一部にしか設置することができない。県緑豊かな自然課の担当者は「今できる対策を継続して、少しでも被害を減らすしかない」とした。

(森林環境税、効果学んで:高知)
「もくもくエコランド2022 第5回森林環境学習フェア」が22、23日、高知市中央公園で開かれた。県産材を加工したベンチやテーブルが並び、丸太切り競争などのイベントもあった。運営費には、森林整備のために徴収される「森林環境税」が充てられた。県は2003年度、住民税や法人税に年間500円、森林環境税として上乗せする制度を開始。会場のブースでは、税収によって18~22年度に森林5765ヘクタールを間伐し、鳥獣対策として仕掛けたわなでシカ約1万頭を捕獲する見込みであることなどを説明。県産材を使い、災害時に道具を使わず組み立てられる間仕切りブース「ジラーフユニット」も展示された。高知市塚ノ原の会社員男性(31)は「高知は森林面積が大きく、500円で足りるのだろうかと感じたが、制度を知ることができてよかった」と話した。

(クマの出没、12月中旬まで注意を:兵庫)
ツキノワグマが食べる山のドングリ類の実り具合が今秋、兵庫県全体としては「並上」であることが県森林動物研究センター(丹波市)の調べで分かった。実りが良いとクマが集落や住宅地に出没しづらくなるが、実り具合に地域差があるため、大半のクマが冬眠に入る12月中旬ごろまでの間、特に注意するよう呼びかけている。ブナ、コナラ、ミズナラについて8月27日から約2週間かけて調べ、ブナは「大凶」、コナラとミズナラは「並上」だった。クマの主な生息地の但馬地域は良好だったが、宍粟市や西脇市などの県中部ではあまり実りが良くなかった。県内で今年4~8月のツキノワグマの目撃・痕跡情報は計208件で前年同期比9件減少。直接人が襲われる被害はなかったが、これまで少なかった県中部の住宅地周辺での出没の他、集落でのカキの食害などが起きている。同センターは、クマが活発になる夕方~朝の外出に注意▽餌となるカキの早期収穫や生ごみの屋外からの撤去▽果樹園への電気柵の設置-などを求めている。県は今年、ツキノワグマの狩猟を3年ぶりに解禁し、猟期を11月15日~12月14日と決めている。

(動物が嫌がる音を出す「くまドン」、被害に悩む農家に朗報か:北海道)
クマ対策に期待が高まっています。先週、クマの出没が相次いでいた札幌の石山地区で、クマ1頭が駆除されました。札幌では、クマの目撃や足跡などの出没情報が、今月に入り、29件にものぼっています。そんな中…農作物の被害に悩む農家の救世主となるのか、新たなクマ対策を、もうひとホリします。十勝の中札内村です。役場前に、大学教授や機械メーカーのスタッフたちが集まって来ました。現れたのは、岡山理科大学の辻維周(つじ・まさちか)教授です。クルマにひかれるなど、道路による影響で野生動物が死ぬ、「ロードキル」研究の国内第一人者です。しかし、今回のミッションはクマ対策。中札内村では、毎年ビートやデントコーンなど、クマによる農作物の被害が相次いでいます。向かったのは、山の近くにある観光名所「桜六花(さくらろっか)公園」です。そこにあったのは?公園に設置された不思議なカタチの機械。ソーラーパネルやカメラなど、様々な装備がつけられています。これが、クマ対策の新アイテム。その名も「くまドン」です。地元岡山で農作物を食い荒らすイノシシへの対策として、効果を発揮したのが「いのドン」です。辻教授は、音によって野生動物との距離を保つ研究をしてきました。決め手は、スピーカーから出る音。イノシシが嫌がる低い周波数で、イノシシを追い払います。これを、北海道でのクマ対策にも生かせないかと、周波数を改良した装置が「くまドン」なのです。依頼があった自治体や生産者の土地に設置し、実証実験中です。その効果は?先月16日に撮影された映像です。クマは、「くまドン」が発する音に驚き、あわてて逃げて行きました。「くまドン」は、クマが近づくと、センサーが反応し、クマが嫌う周波数を発します。今年春に中札内村に設置し、効果を発揮してきました。この日も…驚いた子グマが、逃げて行きました。中札内村 住民課 田中志拓 主査「昨年まで毎年のように(クマが)出没していたこの公園で、今年は目撃情報もゼロ。すでに十分効果があると考えている」。メロンを作り続けて47年。阪口農園では毎年、メロンの収穫時期になると、その甘い香りに誘われて、クマが畑近くに出没するため、「くまドン」の設置を辻教授に依頼しました。今年8月の夜10時近く。1頭のクマが、畑近くに現れました。何かを探し始めるクマ…その時。くまドン「ブブ―!」。生産者も「クマどん」に期待を寄せています。開発のキーマンの辻教授が目指すのは、人とクマとの適正な距離なのです。メロン農家 阪口輝郁さん「『くまドン』で、ここから先は人間世界なんだと。野生生物と人間の境界線を、明確にしていきたいと思っている」。

(タカの写真でカラス撃退:鹿児島)
畑や家庭ごみの収集場所を荒らすカラスを撃退しようと、鹿児島市の旗メーカー「フラッグ・タナカ」が、天敵のオオタカの写真を印刷した旗を商品化した。カラスの学習能力に対抗するため、5種類の旗を用意して1~3カ月おきにローテーションでごみ置き場に設置すると、「烏合(うごう)の衆」のカラスたちを寄せ付けない効果が出ているという。同社が発売する「タカの目ギョロリ」は、同社が持つ技術を応用しようと開発した。一般的なのぼり用のポールに取り付けられる縦123センチ、横80センチで、2021年1月に1本税込み3850円で発売。これまで約150本が設置された。

(「シブガキ応援隊」活躍、クマの被害を防ぐ:長野)
26日朝も一段と空気が冷たく、全国各地で今季一番の冷え込みとなりました。静岡県では多くの地点で今シーズン最低の気温を観測し、井川では0.7℃まで下がりました。10月に0℃台まで下がるのは29年ぶりのことです。また、長野県では30地点すべてで、この秋一番の冷え込みとなり、初霜と初氷を観測。初氷は去年よりも22日早い観測となりました。そんな秋の深まりとともに活躍するのが、長野県木島平村の高校の生徒らでつくられた「シブガキ応援隊」です。懐かしいアイドルグループのような名前ですが、“歌って踊る”のではなく、クマによる被害を防ぐ活動を行っているといいます。

(どうしたら山へサル?五葉山周辺の3市町:岩手)
五葉山(1351メートル)周辺の住田、大船渡、釜石の3市町に出没するニホンザルによる農作物被害が住民を悩ませている。近年は群れが山を越えて移動するなど行動範囲を広げ、目撃情報がなかった地域でも被害を確認。住田町は個体に発信器を着ける調査などで対策を模索しているが「絶滅の恐れがある」としていわてレッドデータブックに記載される希少種でもある。「うまく山に返す方法はないものか」。現場は共生の道を模索する。「収穫間近のカボチャをかじられ、辺り一面真っ黄色。言葉もなかった」。五葉山から南西方向に位置する同町世田米の農業吉田寿三郎さん(79)は、2年前の夏にニホンザルの群れに畑を荒らされた出来事を振り返った。それからたびたび姿を現すようになり、電気柵などで対策するが「木にも登るし器用に手を使う。かなり賢いようだ」と頭を悩ませる。

(クマ撃退に唐辛子、試験開始:北海道)
標茶町や厚岸町で放牧中の牛を次々に襲う大型ヒグマの被害を防ごうと、炭販売などを手がけるエコ・ワーク(青森)が26日、標茶町内の牧場に、同社が開発した激辛唐辛子入りのクマ忌避剤を試験的に設置した。道内での設置は初めてで、地元の酪農家が効果に期待している。「一生懸命育てた牛が被害に遭うのはつらく、クマ避けの効果に期待している」。経営する牧場内で、試験設置に協力した類瀬(るいせ)正幸さん(41)は期待を口にした。類瀬さんの牧場では今年7月中ごろ、乳牛1頭が「OSO18(オソジュウハチ)」に襲われて死んだ。対策として有刺鉄線を張り巡らしていたが、鉄線を乗り越えて侵入し、牛を引きずった跡が残っていた。

(シカとの事故を防ぐには?:北海道)
「去年、バイクでシカと衝突しました。ホームセンターなどで見かける、車やバイクなどに取り付ける『鹿よけ笛』の効果が知りたいです」(男性・56歳)。たしかに、北海道を車で走っているとシカが路上にいる様子をよく見かけますよね。シカによる交通事故、どのくらいあるものなのでしょうか?上の画像は、道警がまとめたエゾシカが関係する交通事故の件数を示したグラフです。去年は4009件の事故が起きていて、5年連続で過去最多を更新しています。シカによる交通事故は、ひとごとではないのかもしれません。「鹿よけ笛」とは、車やバイクの前方部分に取り付け、走行中に受ける風によって音が鳴る仕組みの笛です。鹿よけ笛は2種類の笛がひと組になっているものが多く、車両が走行するときの風を受けて2つの笛からそれぞれ違う音を発します。これらを車のフロントグリルやサイドミラーの横など、空気が流れやすい場所に取り付けることで音を鳴らすそうです。五十嵐さんのゲストハウスを訪れるライダーたちも取り付けている人が多いといいます。どれだけの効果があるのでしょうか?「鹿よけ笛」を実験で調べた研究者がいる大学に向かいました。音声・音響工学を研究している北海道科学大学の松﨑博季(まつざき・ひろき)教授です。車両とシカとの事故を防ごうと、鹿よけ笛から出る音の測定や、鹿よけ笛の音に対するシカの反応を調査する実験を行っています。松﨑教授は、7年前、鹿よけ笛を車に取り付けて走行時の音を測定する実験を行いました。「残念ながらですね、そのとき使用した笛では、音を確認することはできませんでした」。この実験では、鹿よけ笛は空気の流れによって音が鳴らない場合があり、車体の取り付け位置が難しいことがわかりました。そこで松﨑教授は、事前に収録した鹿よけ笛の合成音をスピーカーで流して、シカの反応を見る実験も行いました。すると鹿よけ笛の合成音に対して、野生のシカ15頭のうち8頭が警戒して立ち止まるなどの反応を示しました。ほかにもシカの警戒した鳴き声をスピーカーで流した場合は、11頭のうち10頭が反応し、実験したなかでは最も高い効果が見られたということです。松﨑教授はほかにも、枯れ葉を踏む音やヒグマの鳴き声など、さまざまな音を使用してシカの反応を調査しているそうです!鹿よけ笛について、教授は…北海道科学大学工学部情報工学科 松﨑博季教授 「鹿よけ笛は、しっかり音が出る形で付けられれば、おそらくシカは反応を示します。うまくいけば足を止めて、車両との衝突を防ぐというふうに考えています。どのような方法でも動物は慣れといった問題もありますので、個人で行うことのできる対策としましては、やはり安全に走行することが一番なのかなと思います」。なるほど、一筋縄ではいきませんね…。シカとの衝突事故対策、まずはシカを知ることから!そう考えたシラベルカ取材班は、エゾシカの生態に詳しい専門家にお話を聞くことにしました。エゾシカを中心とした狩猟管理学の専門家、酪農学園大学の伊吾田宏正(いごた・ひろまさ)准教授です。伊吾田先生によりますと、秋のこの時期は、エゾシカが交尾期に入り行動が活発化することや越冬地に向かうために移動することからシカの出没が増え、事故も増えているということです。伊吾田先生に伺った、運転する際に注意すべきポイントをまとめてみました。・1頭だけと思わない。・秋~初冬の運転に気をつける。・早朝や夕方、深夜の運転に気をつける。・シカの急な方向転換や転倒に注意。まず、群れで行動することの多いシカは、1頭目の後に複数の個体がついてきている可能性があります。1頭いたら周囲に他のシカがいないかも確認が必要です。また、シカがよく出没する早朝や夕方、夜間にかけての時間帯には注意が必要になります。ほかにもシカは、道路を横断するとき、急な方向転換や予期できない素早い動きをする場合があります。シカは蹄をもった動物なので、冬、路面が凍結しているような場合ですとシカが転んだり滑ったりすることもあるので、注意する必要があります。伊吾田先生は、シカの生息数の増加に伴って生息域も広がっているとして、これまでシカがいなかった地域でも運転時などに注意が必要だと話していました。鹿よけ笛が付いているからといって安心せず、ひとりひとりのドライバーが十分注意した上で運転することが重要だと感じました。

(市街地のヒグマ出没 自治体職員や警察などの研修会:北海道)
道内の市街地でヒグマの出没が相次ぐなか、自治体の職員や警察などがそれぞれの対応や課題を確認しあう研修会が帯広市で開かれました。この研修は、道がことし8月から道内の8つの振興局で開いているもので、帯広市では市や十勝総合振興局の職員そして警察官などおよそ20人が参加しました。27日の研修では市街地へのヒグマの出没を想定した机上訓練が行われ、目撃の通報を受けてから対応を決定するまでにとるべき行動を洗い出したり、起こりうる課題を確認し合ったりしていました。道内では去年、札幌市の市街地にヒグマが出没し4人が重軽傷を負ったほか、3年前には帯広市の小学校に現れるなど近年、市街地への出没が相次いでいます。住宅が密集する市街地では、安全を確保しながらヒグマに対応するうえで関係機関の連携が不可欠で、参加した帯広市農村振興課の岡拳太郎主任補は「机上訓練を本格的に行う機会がなかったので関係機関と情報共有ができ良い機会だった」と話していました。道のヒグマ対策室の鈴木輝技師は「研修を通じて、それぞれの事情に合わせた訓練を地域ごとに実施してもらえることを期待したい」と話していました。

(アライグマ捕獲6年連続400匹超:和歌山)
農作物などに大きな被害を出している外来哺乳類アライグマの2021年度の捕獲数(交通事故含む)が、和歌山県の旧田辺市で474匹。過去最多だった前年度より100匹以上減らしたが、6年連続で400匹を超え、依然、生息数は高い水準で推移しているという。捕獲数は、市農業振興課と田辺市ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんが連携して調べている。旧田辺市でのアライグマの捕獲は02年度(67匹)から始まった。その後、増減を繰り返しながらおおむね150匹前後で推移していたが、15年度に299匹を記録すると16年度には426匹に激増。20年度には633匹を数えた。一方、旧町村別(田辺市内)の21年度の捕獲数は、大塔が23匹で最も多く、次いで龍神22匹、中辺路17匹、本宮3匹となっている。鈴木さんによると、アライグマは生まれた翌年から繁殖できるようになるという。「年間400匹以上捕獲しても生息数がなかなか減らないのはそれを埋め合わせる出生数をもたらす繁殖雌の存在がある。生息数を減らすには雌の捕獲が重要」と指摘している。

(エゾシカ食害、くくりわなで防げ:北海道)
道は27日、町内でエゾシカのくくりわな技能講習会を開催した。エゾシカによる食害が深刻化する中、狩猟の場所や時間が限られる銃器に比べ、農地の近くで捕獲できるくくりわなに絞った講習会は「あまりやっていない」(道野生動物対策課)といい、参加者はエゾシカを効率よく捕獲するコツなどを学んだ。エゾシカがわなを踏んだ瞬間にワイヤで脚を捉える「足くくり型」などの普及に取り組むNPO法人ファーミングサポート北海道(岩見沢)が運営を受託。同法人理事の猟師原田勝男さん(82)らが講師を務め、空知管内の自治体の鳥獣対策担当者や農家、猟友会会員ら24人が参加した。

(野生動物との事故「ロードキル」を防ぐには:福島)
北海道で26日夜に起きた交通事故。現場にシカ1頭が死んでいて、警察はシカとの衝突が事故のきっかけになった可能性もあるとみて調べを進めている。福島県内も野生動物が多く生息している。万が一の備えなど、ドライバーに求められる対策を専門家に聞いた。26日の夜、北海道標茶町で起きた交通事故。乗用車とトラックが正面衝突し3人が死傷した。きっかけになったと見られているのが野生のシカ。どちらかの車が先にシカと衝突して、事故が起きた可能性もあるとみて警察が調べを進めている。福島県内でも様々な野生動物が私たちの身近に生息している。動物との衝突事故は、日々起こり得る問題。道路上で起きる野生動物との事故は「ロードキル」と呼ばれている。高速道路各社の発表によれば、2020年度に高速道路で起きた「ロードキル」は全国で5万3000件にのぼる。こうした事故を引き起こさないために、どうしたら良いのか?ネクスコ東日本の担当者に注意点を聞いた。NEXCO東日本・東北支社広報課長の平賀公勝さんは「動物の絵の注意看板がある場所は安全速度を守って、十分な車間距離をとっていただき、わき見運転しないように、安全運転をお願いできればと思っています。」特に動物の活動が活発になる夜間や早朝に事故が発生する場合が多く、必要に応じてヘッドライトを上向きにすることも抑止につながる。また万が一、野生動物とぶつかってしまっても、落ち着いて行動することが大切。NEXCO東日本の平賀さんは「車が走行できない状態になった場合は、ガードレールの内側に避難していただいた上、道路緊急ダイヤル#9910か、近くの非常電話で、通報してもらえればと思います。」と述べた。野生動物と衝突してしまった場合は、警察へ通報するか、道路緊急ダイヤル#9910が活用できる。

(道路に突然飛び出すシカと車が衝突、交尾期で動きが活発化:北海道)
北海道標茶町で26日夕、ワゴン車とトラックが正面衝突し、3人が死傷した事故は、ワゴン車とエゾシカの衝突が発端とみられることが27日、道警への取材で明らかになった。道内でシカが絡む事故は、昨年まで5年連続で過去最多を更新。10、11月はシカの交尾期で行動が活発になるため、道警などは注意を呼びかけている。道警によると、事故現場では、メスのシカがワゴン車側の車線で死んでおり、ワゴン車が対向車線にはみ出す形で衝突したことから、シカとぶつかった弾みでトラックに衝突した可能性がある。現場付近に目立ったブレーキ痕は確認できなかった。道警交通企画課のまとめでは、シカと衝突したり、シカを避けようとブレーキを踏んで追突されたりした事故は昨年、4009件起きた。10、11月は全体の4割を占める1630件、時間帯別では午後4~8時が過半数の2114件。人身事故は2件だった。日本損害保険協会北海道支部によると、シカに関連した事故で車両保険を支払った件数は昨年10、11月は1072件。支払額は総額6億2423万円で、いずれも過去最多だった。修理費などの支払額は平均58・2万円に上った。今年は9月末までに前年同期比283件増の2231件の事故が起きていて、今月27日未明にも、旭川市の国道12号で軽乗用車が飛び出してきたシカと衝突し、ボンネットやフロントガラスを破損した。エゾシカの推定生息数は69万頭。大きなオスは1・9メートル、体重150キロほどにもなる。明治初期の大雪や乱獲で絶滅寸前まで減少したが、禁猟などの保護政策で生息数が回復。近年は生息数が増加傾向だという。事故が増えた要因について、道野生動物対策課は「生息数増加のほか、コロナ禍で交通量が減り、シカが道路に出没しやすくなったことなども考えられる」としている。道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所の上野真由美主査によると、10、11月は交尾期でオスがメスを追いかけるなど動きが活発になり、明け方や夕方は、餌を求めてシカが移動することが多いという。またアスファルト上はひづめが滑ってシカの動きが鈍るといい、特に雨上がりなどは注意が必要だという。道警は「山間部では十分に減速し、夜間はハイビームを使って前方を確認してほしい。シカは群れで動き、同じ場所を通ることが多いので、目撃した場所を運転するときは注意してほしい」と呼びかけている。

(シカと車の衝突、道内で今年も最多ペース:北海道)
道内で今年に入り、エゾシカと車が衝突する事故は9月末現在、2231件発生し、過去最多だった昨年を上回るペースとなっている。26日に釧路管内標茶町で起きたシカが絡む事故では2人が死亡し、2012年以来となる複数の死者が出た。交通事故が多発する背景には、エゾシカの生息数が高止まりしていることがある。10、11月はシカの活動が活発になり、年間の交通事故の4割が集中する。専門家は、運転時の注意を呼び掛けている。「事故現場近くは夕方になると頻繁にシカが出没する。周囲の枯れ草とシカが同化して見えづらくなり、危ないと思っていた」。2人が死亡した標茶町の現場付近の国道を仕事でよく通る根室管内中標津町の公務員の男性(54)は語った。

(クマについて身の守り方を学ぶ:福島)
福島県内で被害や目撃情報が相次いでいるクマについて、子どもたちに身の守り方を学んでもらおうと、福島市の小学校で特別授業が行われました。福島市ではことし8月に住民がクマに襲われてけがをする被害が3件起きていて、27日は、被害があった地区に近い庭坂小学校で1年生から3年生までの137人がクマからの身の守り方を学ぶ特別授業を受けました。講師を務めたのはクマなどの獣害対策が専門の福島大学食農学類の望月翔太准教授です。望月准教授は、市内などで撮影された野生のクマの映像をスクリーンに映し、クマがするどい爪を持っていることや、早朝と学校の下校時間に当たる夕方に活発に行動することを説明しました。そして、クマと出会わないために鈴を携帯することや公園などでは大人数で遊ぶことが有効だと紹介しました。その上で、クマに出会った時の対応方法を実演しながら、距離が離れている場合はゆっくり後ずさりすることや、距離が近い場合には、腹部を狙われないよう地面にうつぶせに寝て、手で頭を守って欲しいと呼びかけていました。小学3年の女子児童は「頭を手で覆うといいとわかりました。遊ぶときは大人数で遊んだり、鈴などの対策をします」と話していました。望月さんは「クマはいつどこで遭遇するか分からない時代なので、適切に行動がとることが大事だ。家庭で会話をして大人も対策をとってほしい」と話していました。

(「ブナの実」2年ぶり並作:秋田)
東北森林管理局は26日、今秋の秋田県内のブナの結実状況について、2年ぶりに「並作」と発表した。結実状況は、福島県を除く東北5県の国有林145地点で管理局職員が調査。目視で状況を確認し、「豊作」「並作」「凶作」「大凶作」の4段階で判定した。青森と山形は並作、宮城は凶作で、岩手は集計中でまだ発表されていない。

(イノシシが捕まった、ALSOK「出動」:千葉)
警備会社大手ALSOKグループが、野生動物を捕獲、回収し、ジビエ料理として活用する事業を手掛けている。動物がわなにかかるとセンサーで感知するなど、警備で培ったノウハウを獣害に苦しむ農家の負担軽減に生かす。「イノシシが捕まった。回収お願いします」。12日午前7時ごろ、千葉県茂原市の食肉加工施設「ジビエ工房茂原」に電話が入ると、従業員らはトラックに乗り込んだ。工房はALSOKの子会社「ALSOK千葉」が運営。狩猟免許を持つ農家などの捕獲従事者からの依頼に応じて野生動物を回収し、ジビエとして加工する。トラックは30分ほど走り、同県長柄町の農村部へ。おりの中に獣を誘い込む「箱わな」にかかったイノシシを輸送用のおりに移し替えた。工房へ戻り、イノシシを解体して冷凍庫で保管する。同社は、回収や捕獲従事者が自治体から受け取る報奨金申請の手続きを無償で引き受ける代わりに、肉を飲食店などに販売して収入を得ている。現在、県内4市3町の捕獲従事者約400人と契約を結び、昨年度はイノシシとシカ計996頭を処理。本年度はその2倍のペースだという。農林水産省によると、2020年度の全国の鳥獣による農作物の被害額は約161億円(前年度比約3億円増)。獣害は農家の意欲低下による耕作放棄地の増加や、担い手不足の深刻化にもつながる。同社と契約を結ぶ茂原市の米農家石渡久男さん(75)は「十数年前からイノシシが田んぼを荒らすようになった。臭いがついて出荷できない米もあり、収入も減った」と嘆く。捕獲した100キログラム近い個体を山奥まで運んで埋めるのは重労働。「ALSOKのおかげで自分で処分する必要がなくなり、助かっている」と話す。ALSOKグループは13年、野生動物がわなにかかるとセンサーが反応し、管理者に通知される装置を発売。住宅などに不審者が侵入した際、警備員が現場に行く時のシステムを応用し、農家の見回りの労力削減につなげようと考えたという。自治体の委託を受けて、自社でわなを仕掛けての捕獲や埋め立て処分も担うようになった。20年7月、ALSOK千葉が工房を開設し、ジビエ事業にも本格参入。その時から捕獲従事者との連携も始めたという。同社の竹内崇たかし取締役は「捕獲された個体のほとんどが処分されていて、もったいない。肉を有効活用し、獣害に苦労する農家の負担を肩代わりしたいと思った」と話す。同社は、捕獲から食肉加工の工程の画像、日時、場所をシステムに記録。包装されたジビエの商品に、QRコードをつけ記録を読み取れるようにしている。こちらも、現金輸送車の動きを遠隔で把握する警備のシステムの考え方が基になっているという。「肉の出荷までの経路を知ってもらうことで、飲食店や消費者の安心につなげたい」と竹内取締役は話す。盗難防止や、品質管理のために工房内に防犯カメラを15台設置。肉に金属探知機を通して異物の有無を調べており「安全管理はこれ以上ないくらいやっている」(竹内取締役)。今年6月には、安全性や透明性の基準を満たした施設であることを示す、国の「国産ジビエ認証」を取得した。茂原市の外食業「竹りん」が市内で運営する日本料理店では、工房の加工肉を使った料理を提供する。イノシシ肉のハンバーグ、ギョーザなどジビエのメニューは10種類。新沢敏夫代表は「ジビエは臭いというイメージが根強いが、ALSOKの肉は素早く加工しているので、臭みが全くない。売り上げも伸びている」と手応えを語る。竹内取締役は「食用に適さない肉の廃棄費用が負担だったりと、正直採算面は厳しい」と話す。ペットフードや革製品のほか、動物園の肉食動物に丸ごと餌として与える「屠体給餌とたいきゅうじ」への活用も進める。狩りの感覚によって、飼育されている肉食動物のストレス軽減を図る試みとして注目されている。「地域の困り事に寄り添う姿勢は、これまでの警備業務と一緒。獣害に悩む農家を守りたい」。

(狩猟に見える化ツール)
可視化を求めるのは企業経営者に限らない。あらゆるモノがネットにつながるIoT技術の進展とともに、驚くような領域でも見える化技術が広まってきた。漁業からテレビCM、においなどの五感、素材の研究開発まで、幅広い領域で大量のデータを可視化する動きが相次ぐ。huntech(ハンテック、東京・目黒)は、高品質な狩猟肉の提供につなげるユニークなスタートアップ。捕獲・加工情報のプラットフォーム「ジビエクラウド」を展開する。わな猟用のセンサー「スマートトラップ」と連携し、狩猟データを可視化する。

(重さ117キロ、巨大イノシシ捕獲:茨城)
つくば市上菅間の飯村常一さん(74)が体長135センチ、体重117キロの巨大なオスのイノシシを捕獲した。同市臼井の山林で15日、イノシシ用の「くくりわな」にかかっているのを見つけた。近隣の畑が荒らされるなどの被害があり、猟友会筑波支部の会員らが8月から駆除に当たっていた。イノシシは軽トラックの荷台からはみ出すほどの大きさ。飯村さんは「この10年間で最大級。こんなに丸々としたのは、めったに見られない」と話していた。

(クレー射撃、2022年度全日本選手権大会開会式に出席しました:福岡)
10月22日、23日、筑紫野市で、クレー射撃2022年度全日本選手権大会が開催され開会式に知事が来賓として出席しました。知事は、「世界から選ばれる福岡県」の実現に向け、スポーツの分野では、国際大会の誘致、アスリートのための練習設備や大会会場の整備に取り組んでいることを紹介するとともに、出場選手に対し、「日頃の努力の成果を存分に発揮していただき、全力でプレーをしていただきたい。この大会に出場された選手の中から、次のパリオリンピックで活躍する選手が出てくることを期待しています」と激励しました。

(クレー射撃・全日本選手権、脇屋昴(県協会)がスキートで優勝:佐賀)
クレー射撃の全日本選手権が22、23日、福岡県立総合射撃場で開かれ、県勢はスキートで脇屋昴(佐賀県協会)が頂点に立った。同種目で井本太輔(同)が7位に入り、トラップに出場した早木良太(同)は33位だった。20日に同射撃場で行われた全日本女子選手権でトラップの西山さやか(同)が5位に入った。

(カラスは強い相手と出会うと身体に特異な反応が生じる)
慶應義塾大学(慶大)は10月20日、着脱式の無線心電記録技術を確立し、実験室において、優劣関係にあるハシブトガラス2羽が対面している際の心電位を、無拘束・自由行動下において記録・解析を実施したところ、優位オスと対面した劣位(弱い)オスには心拍低下と副交感神経の活性が生じ、一方、その相手である優位オスの心拍は変化せず、交感神経の活性が生じていることを発見したと発表した。同成果は、慶大大学院 社会学研究科の竹田和朗大学院生、同・高橋奈々大学院生、同大 文学部の伊澤栄一教授らの研究チームによるもの。詳細は、英王立協会が刊行する科学全般を扱うオープンアクセスジャーナル「Royal Society Open Science」に掲載された。ヒトは社会的な動物であり、生きていく上で他者とのコミュニケーションは必須だが、そうしたコミュニケーションは、さまざまな感情や認知によって支えられていることが知られている。そのような心の働きには、脳の活動だけでなく身体内部の反応や状態も強く関わっており、いわば脳と身体の相互作用が重要であることがわかっている。ヒト以外の哺乳類、鳥類、魚類といった多くの動物も、他者とさまざまな関係を構築しながら複雑な社会を営んでいることが知られている。そのような社会的生活における他者とのコミュニケーションは、感情(情動)や認知という心の進化と強く関係していることが指摘されていたが、脳と身体の働きからこの問題にせまる研究は、鳥類においてはほとんどなされていなかったという。日本に生息するハシブトガラスなどのカラスは、他者を個体認識し、優劣関係とよばれる緊張的な関係や、毛づくろいをしあうような宥和的な関係を作る複雑な社会を営むことが知られている。そのような特定の関係を持つ相手とのコミュニケーション場面における、カラスの高度な認知機能やそれに伴う情動は、行動研究としては明らかにされていたが、心拍や自律神経系など、どのような身体反応が生じているのかはこれまで明らかにされていなかったという。そこで研究チームは今回、自由に行動するカラスから心電図を記録する実験システムを開発し、優劣関係を形成したオス2羽(計8組)を実験室で対面させ、5分間、自由に行動させる実験を行うことにしたという。今回の研究を実施するにあたっては、着脱可能な無線式心電計をハシブトガラスの胸部に取り付け、カラス自身がこれを外すのを防ぐためのベストを開発することで、自由に行動するカラスから心電図を記録できるシステムが開発された。実際の実験では、対面前5分間と対面中5分間の心電位データをもとに、1分当たりの心拍数と、心拍変動解析という手法を用いて自律神経(交感神経、副交感神経)の活動バランスが調べられた。その結果、劣位オスでは、優位オスと対面している間、心拍が低下し、副交感神経の活動が強くなっていることが確認されたという。一方、相手である優位オスの心拍は変化せず、交感神経の活動が強くなっていたとする。これらの結果は、相手との関係によって異なる身体反応がカラスに生じていることが示されていることを意味するという。特に、ヒトやげっ歯類の研究において、副交感神経の強い活動を伴う心拍低下は、嫌悪や恐怖などの負の情動に伴って生じる身体反応であることが示唆されていることから、劣位オスに生じた身体反応は、強いオスに対して「嫌な」「怖い」という負の情動が生じている可能性が示されていると研究チームでは説明する。なお、今回の研究により、ヒト(哺乳類)とは進化的に異なる動物である鳥類の心の働きの解明に、身体反応のレベルからその働きの一端が示されたこととなり、研究チームでは、複雑な社会を営む動物において、相手との関係に応じた脳や身体の働きを明らかにし、さまざまな動物で比較することは、他者との関係構築やそれに応じたコミュニケーション・行動が、どのような心の働きを生み出してきたのかという、進化における心の多様性と類似性を解き明かすための重要な示唆を与えられることが期待されるとしている。

(獣道の動物を不意打ち撮影、自動撮影カメラ約100台駆使した写真家)
「動物写真家」という肩書が使われるが、宮崎学さん(73)の撮る動物の写真は、癒やされたり、雄大な気持ちにさせられたりするものだけではない。中には不快になり目を背けてしまう人もいるだろう。地元長野県駒ケ根市周辺の森に自動撮影カメラを設置して50年。これまで100台近く自作した。今は常時10台ほどが設置され、獣道を通る動物たちの不意を突いてシャッターが切られている。ツキノワグマ、イノシシ、タヌキ、キツネ、テン。時には人間も写る。シカの死体を食べるイノシシ、死体にわいたウジを躍り食いするクマ、疥癬(かいせん)に侵され死期が近いタヌキ。「僕が置くカメラは森の中の『Nシステム』なんです」と宮崎さんはいう。道路上で自動車のナンバーを自動で読み取り監視する装置の獣道バージョンだ。

(近年「凶暴化」、食事中の人を襲うカラス:長野)
今月上旬の昼時、上高地の明神橋のたもとで数組の観光客が弁当を広げていると、1羽のハシブトガラスが橋上部のワイヤに止まった。狙いを定めると、食事をしていた女性観光客の後ろから急降下。女性が手にしていたおにぎりを奪い取った。「背後から急に来たので気付かなかった」。女性は突然の出来事にあっけにとられた。その後も同じカラスが観光客2人からおにぎりを「強奪」。手やこめかみにかすり傷を負う人もいた。上高地では近年、カラスの「凶暴化」が問題になっている。これまでも土産品店や売店の店頭でカラスに食品が持ち去られることはあったが、食事中の人が襲われるなど被害が深刻化。環境省上高地管理官事務所(松本市)には今年、カラスに襲われた観光客らがけがを負った―との報告が複数寄せられている。的被害が目立つようになったことを受け、同事務所は対応策を検討。ただ、上高地は国立公園内にある上、わなを使うと他の野鳥を誤って捕らえる恐れもあり、捕獲や駆除は難しいという。そのため、人とカラスの距離を取る対策として今年、カラスが嫌うとされる緑色のレーザーポインターを使った追い払いを初めて試行した。食事をする観光客が多い場所では、樹上から人間の様子をうかがうカラスの視界を遮るため、パラソルを設置することも検討している。上高地の観光客は1994年にピークの208万人を記録。その後は減少傾向にあるが、新型コロナウイルス禍前の2019年は124万人が訪れた。信州野鳥の会会長の植松晃岳さん(安曇野市)は、カラスが頻繁に姿を現す背景には、多くの観光客が訪れることに伴い、餌になる生ごみや残飯が増えたことがあると指摘。人的被害を防ぐためにも「上高地の生物の特性や、人間が生物に与える影響を広く知ってもらう必要がある」と訴えている。

(津軽海峡を渡る越冬ヒヨドリ、命がけの低空飛行)
北海道最南端の松前町の白神岬周辺では今月中旬頃から、ヒヨドリの群れが越冬のため、南に向け、津軽海峡を渡り始めた。移動が活発になるのは風が穏やかな晴天の朝方。「ピーヨピヨ」と騒々しくさえずりながら、小さな群れが岬の山陰から現れ、合流して大きな群れに。天敵のワシ・タカなどから身を守ろうと、山と海とを往復したり、急降下したりする。巨大な生き物がうねるように、海面すれすれを命がけで低空飛行する姿に魅せられ、多くの野鳥ファンが岬周辺を訪れる。移動のピークは来月上旬頃まで。

(シカの悩み、超音波で解決?:兵庫)
兵庫県新温泉町の夢が丘中学校(同町細田)に、シカが嫌う超音波を出すスピーカーが試験的に導入された。校庭などに残るふんに悩まされていて、その解決策を町教育委員会が募ったところ、神戸市内の企業が名乗りを上げた。今後4カ月かけて効果が認められれば、同様の被害に見舞われる県内のほかの地域への導入も検討するという。新しいスピーカーを開発したのは、電子機器メーカーのイーマキーナ(神戸市灘区)。ネズミが嫌う超音波の発生装置を食品工場に販売しており、周波数をシカが忌避する仕様に改良して12台を同校に設置した。約2週間かけて周辺に散乱するふんの重さを計測し、結果に応じて台数を減らしたり、不定期に明滅する照明を追加したりする。同校によると、グラウンドには毎朝、シカの足跡とビー玉よりも一回り小さいふんが残り、裏山と敷地の間にある雑草が生えるエリアにもふんが転がる。校舎横の花壇に植えているトマト、ナスなどが食べられるケースもあり、校舎の2階からネットをかけて食害を防いでいるという。スピーカーの導入は、市町が抱える地域課題を、企業の技術やノウハウで解決する県の「ひょうご・テック・イノベーション・プロジェクト」の一環。毎朝1キロ以上のふんが散乱し、掃除の負担が大きいことから、同校の訴えに応じた町教育委員会が同プロジェクトに応募し、採択された。同プロジェクトは今年から始まり、県内では三木、朝来、丹波篠山などで実施されている。田中千尋校長(57)は「体育の授業はふんを除去してから始めるなど、手間と時間がかかってきた。生徒の教育環境を整えることで、職員の負担減にもつながれば」と話した。

(ミスマッチ防ぐため「お試し」で移住支援:福島)
特集は、SDGsの取り組みを紹介するシリーズ「未来へつなごう福の島」。今回は、11番の「住み続けられるまちづくりを」に関わる取り組みです。福島県の人口は、東日本大震災前は200万人を超えていましたが、9月1日現在では、およそ179万人と戦後初めて180万人を割り込みました。人口減少に歯止めをかけたいという思いから始まったのが「ふくしまお試し移住村」です。移住を希望する人を支援する新たな取り組みに注目しました。10月11日。東京から磐梯町に1人の男性がやってきました。大関真幸さん(40)。県内への移住を検討している大関さんは「お試し移住村」を利用し、磐梯町へやってきました。「ふくしまお試し移住村」とは、県内にあるいくつかのエリアをまとめた仮想の村で、県が今年8月に新たに始めました。「お試し移住村」では、希望する滞在の「期間」や「スタイル」をもとに、移住相談員が移住希望者の興味や体験したいことなどを聞き出し、最適なプランを作ります。体験エリアでは、地域おこし協力隊員が「案内人」となり、移住前から継続的に支援します。これまでは、「移住する場所の提供」がメインだった移住支援。大きく変えたのには理由がありました。県企画調整部地域振興課・齋藤真美さん「コロナ禍で地方移住への関心が高まっている一方で、急ぎ足による地域と移住者のミスマッチが起きている。大きなデメリットとなるのでそういったことを防ぐために開始した」。県のまとめでは、県内の移住者は昨年度、2333人と過去最多を記録。一方で、移住はするものの数年で離れてしまうケースが多いことが課題となっています。今回、移住村を利用した大関さんの希望は「狩猟」。大関さん「狩猟免許をとった。なぜかというとジビエとか食べて生活してる人見ていてかっこいいなと思った。やるなら移住するか、二拠点生活してやるしかないかなと思った」村の案内人・蛯名有里さん「村民カードです」。仕事や趣味などが記された自己紹介カード。地域の人に配るため「移住村」の利用者に渡されます。この日は、移住村の案内人が町の鳥獣対策に取り組む団体と連絡をとり、一緒にパトロールに行かせてもらえることに。磐梯町農林課・森谷祐輝さん「この奥に箱穴というのが仕掛けてありまして、そこにエサを撒いて動物を引き寄せている。万が一、クマとかいたら危ないので鉄砲を持ってパトロールする」森の中を進んでいくと、イノシシ用のわなです。大関さん「これを見ることはほぼない。普段の生活で見ることはないので」。エサにつられてわなに近づいたイノシシの足跡も見つけることができました。お試し移住中、鳥獣パトロールに同行させてもらった大関さん。と、その時!「カモシカだ!」。国の天然記念物「カモシカ」と遭遇。大関さん、初めての土地でいきなり衝撃的な出会いです。大関さん「これは見たことがない」。このあとは、役場の方と協力しながら、わなの組み立ての体験も…。大関さん「ひとりでポンと来ただけでは、この体験をするのは難しいかなと思う。ある程度コーディネートしてもらった方が安心できる」。トロールを終えた大関さん。続いて訪れた場所は、地元のそば店。初めてのそば打ちを体験です。大関さん「おいしい。少しいびつ・・・そういうものなのかな、自分で打つと」。店員「特別においしいんです、自分で打ったおそばは」。地域の人の温かさにも触れることができました。大関さん「都会とはちょっと違った人間関係や過ごし方がある。話しやすいお店とかあるとすごくホッとする」。県は、移住村の取り組みを通じて移住後の生活をより具体的に想像してもらうことでミスマッチをなくし、定住につなげたい考えです。県企画調整部地域振興課・齋藤真美さん「移住される方が地域に入って楽しい暮らしができること、地域の方々も新しい方が入ってくることによって、刺激や新しい可能性が生まれ、移住者の方と地域の方々がウィンウィンな関係になったらいいと思う」大関さんは、今回の体験に満足していて今年12月にも再び磐梯町を訪れるということです。

(狩りに魅せられて:静岡)
山間部での狩猟生活に魅了される若者が静岡県内で少しずつ増えている。その1人、牧之原市の海の近くから南アルプス南部山麓の川根本町に移住した渡辺実優さん(22)は昨年、大学在学中にわな猟免許を取得。これまでにニホンジカ3頭、ニホンザル2頭を捕獲し、ジビエ料理も楽しむ。「自然と向き合い、一つ一つ生活を丁寧に送る。自分が生きていると実感する」。野生鳥獣に悩まされる山間地の現実や狩猟で生計を立てる難しさを実感する一方、間もなく1年となる狩猟生活を満喫する。「木が削れ、土が踏みならされている」。10月中旬、渡辺さんは猟仲間の松浦あづみさん(24)と入った川根本町の里山で、シカが通ったとみられるけもの道を見つけた。スコップで土を掘り、直径12センチのくくりわなを埋め込む。「ここからは動物との化かしあい」。近くに障害物やえさを置き、わなの上を踏ませるよう誘導する。毎日様子を見に行き、捕獲できたときは達成感がこみ上げるという。渡辺さんが生まれ育った牧之原市には自然豊かな環境が身近にあったためか「金銭的な豊かさより、心や時間にゆとりのある生活を大切にしたい」と、自給自足の生活や田舎暮らしに憧れを抱くようになった。浜松市中区の静岡文化芸術大に進学し、デザインを学ぶ傍ら動画投稿サイト「ユーチューブ」でサバイバル動画を見ては思いを膨らませた。転機は大学3年生の時。過疎地域への移住促進を考えるゼミの取り組みで川根本町に関わり「理想の場所かもしれない」と在学中の移住を決意した。4年生の2021年6月から町の地域おこし協力隊として町役場支所に勤務する中、地元のベテラン猟師殿岡邦吉さん(73)と知り合い、狩猟の醍醐味を教わった。同年秋にわな猟の免許を取得した。わなを仕掛けるために月に2、3回山に入るのが渡辺さんの日常。出勤前にわなの様子を見に行き、獲物がかかっていれば、その場でナイフを使い首を切って仕留める。軽トラックで殿岡さんが経営する加工場に運搬し、時には解体も手伝う。「下手に苦しませるのはかわいそうだから、止めさし(獲物にとどめを刺すこと)はこちらも覚悟を決めて思い切り。それでも、少しずつ息がなくなっていくのが分かる」と渡辺さん。さばいた肉は自家消費することが多い。「捕ってさばいて食べる。命をいただき、私が生きていると実感できるようになった」。一方、田畑が動物に食い散らからされ、狩猟者が不足する課題も見えてきた。渡辺さんは殿岡さんの下で猟の腕を磨きつつ「猟師の収入を安定させる必要がある」と、ジビエ食材の流通先確保やブランド化を見据える。現在、渡辺さんや松浦さんのように殿岡さんに「弟子入り」し、狩猟に携わるようになった20、30代は4人。うち3人は川根本町外出身の「よそ者」だ。田舎暮らしが夢だったという松浦さんは22年3月に渡辺さんと同じ静岡文化芸術大を卒業後、浜松市中区から川根本町に移り住んだ。「自分の性格的に社会でうまくやっていけない」と将来に不安を抱く一方、「社会の中に役割を見つけ、自分なりの人生を歩みたい」との思いも強かった。地域の課題解決に深く関わる猟師の仕事に魅力を抱き、一歩を踏み出した。松浦さんは同町のシイタケを栽培する企業に勤務し、猟師との「マルチワーカー」として生計を立てる。「コロナで働き方や仕事に対する意識も変わってきた。大学卒業後に田舎に移住し、猟師になる選択肢もあると伝えたい」と若者向けの情報発信にも取り組んでいる。

(クマの被害防止を研究するNZ出身院生:秋田)
ニュージーランド出身で、東京農業大大学院1年のエリスカ・ブラタナさん(27)が、クマによる人身被害を減らそうと研究を進めている。国際教養大での留学経験がクマに関心を持つきっかけになった。ブラタナさんは「自分の研究が、お世話になった秋田のために生かせるようにしたい」と語る。ニュージーランド北部のホキアンガ生まれで、首都ウェリントンにあるビクトリア大学在学中の2016年4~8月、教養大に留学。この年はクマによる被害が相次ぎ、鹿角市十和田の山中ではタケノコ採りの男女4人が命を落とす事態となった。教養大がある秋田市雄和地区でも出没の情報が多く、クマに興味を持つようになった。

("イノシシハンター"を表彰:佐賀)
長年、武雄市で農作物被害の要因となっているイノシシを多く捕獲した市内の4人のハンターが表彰されました。表彰を受けたのは武雄市の岩橋常道さん、松尾昌吉さん、下平勝さん、平川忠司さんの4人です。表彰式は、武雄市などでつくる協議会が猟友会の会員数や捕獲頭数の増加につなげようと初めて実施したものです。4人は佐賀県猟友会・武雄支部の会員で2021年2月から2022年1月までに岩橋さんが325頭、松尾さんが269頭など多くのイノシシを捕獲し、人的危害や農作物被害の防止に努めたということです。【約1年間で325頭捕獲 岩橋常道さん(73)】「市の方で関心を持ってもらえたら自分たちもうれしい。とりがいがある。小さいイノシシは大したことない。(地域の人は)大きいイノシシを恐ろしいと言うから、大きいイノシシをとってみたい」。佐賀県猟友会・武雄支部の会員は現在約80人。2021年、武雄市で捕獲されたイノシシは2433頭でこの内、全体の86%を猟友会が捕獲しました。イノシシによる農作物の被害はピーク時の1580万円から385万円にまで抑えることができたということです。

(「モンスターウルフ」四輪台車で自走可能:北海道)
野生動物忌避装置「モンスターウルフ」製造の太田精器(奈井江)が、農作業用電動台車にウルフを搭載した自走式の試作機を完成させた。台車は自動車メーカー・スズキ(浜松市)などが開発。ウルフは、時間やコースなど人間があらかじめ設定したプログラムに沿って、音や光を放ちながら農地などを自動走行する。11月から本州で実証実験を行い、実用化を目指す。試作機は「ウルフムーバー」と命名。農業ロボットの開発などを行う静岡県内のベンチャー企業エムスクエア・ラボとスズキが実用化している農作業用四輪台車を活用した。太田精器は2018年にモンスターウルフを発売。これまで道内外の農家などに約140台納品し、シカやクマ、イノシシなどへの威嚇に威力を発揮している。一方、顧客から「動くウルフ」を求める声もあったため、同社は21年から自走式の開発に着手。当初は中国製の四足歩行ロボットを活用する方針だったが、農地で転倒するなど安定性が課題に。今年3月に大阪市で開かれた農業機器展示会に参加した際、エムスクエア・ラボの担当者から台車の活用を提案され、スズキも交え開発を続けてきた。

(カラス対策機器「音撃カラススナイパー」を開発)
JA全農は、ヒトとカラスの共生のためのまったく新しい撃退法を利用したカラス対策商品「音撃カラススナイパー」を開発しました。カラスは人になつくほど知能が高いことが知られている、私たち人に身近な動物です。しかし、残念ながらごみ置き場を荒らしたり、農作物を荒らしたり、まれに人を襲うこともあります。このようなカラス被害は多く報告されており、例えば、国内の農作物被害額は鳥獣害被害額約161億円のうち、約14億円がカラスによる被害と言われています。(農林水産省HP 全国の野生鳥獣による農作物被害状況(令和2年度)による)鳥類では最大の被害額です。これらの被害は、カラスから見ればエサがそこにあるから起こるのであり、エサが潤沢にあることで個体数が増え、カラス被害が増えていく循環を作ってしまっています。農業や食品の分野ではカラス被害が深刻であったことを受け、対策を考えることになりました。従来のカラス対策商品はネットやテグスなどの物理的な資材や忌避音を発する装置がほとんどで、前者は隙間なく設置することで高い効果を得られますが、現実は人の作業の妨げになることが多く、少しの隙間からカラスの侵入を許してしまいます。後者は物理的な遮断を徹底する必要がなく、多くの場所で簡便に設置が可能ですが、装置のほとんどが赤外線センサーやタイマーで制御されています。センサーはカラス以外の人や葉っぱにも発音し、知能の高いカラスは脅威を感じなくなってしまいます。タイマーでは音のならない時間帯には役に立ちませんでした。簡便に設置できて、カラスが来た時にだけ、忌避効果の高い忌避音を発する装置を開発したい!そんな思いでスタートし、技術力のある画像AI開発スタートアップ会社と出会い、「音撃カラススナイパー」の開発が始まりました。一般的に難しいと言われているカラスのような黒色の物体をAIで認識する技術の開発が進み、また実証試験を繰り返す中でより効果的な追払いノウハウを得て、長期にわたり効果が続く商品を生み出すことに成功しました。カラスのいない時は発音せず、飛来のタイミングで発音するため、無駄のないカラス防除を実現!自分が威嚇されていることをカラスに認識させます。狙い撃ちするので、賢いカラスはそれを理解して脅威に感じ、効果が長期間続きます。カラスの飛来数の記録、飛来動画を自動取得し、データの見える化が可能です。

(「カラスと人の知恵比べ」立ち上がった商店街のあの手この手)
大量のカラスがゴミを荒らしたり、フンで街を汚したりする被害に、自治体が頭を悩ませています。カラスを追い払うため、新たな対策に乗り出す自治体もありますが、効果は出ているのでしょうか。「高い知能を誇る」というカラスと人の知恵比べを取材しました。26日朝、東京・新宿では街の至るところで、ゴミをあさるカラスの姿が見られました。フンや鳴き声などが迷惑なカラス。今、各地でカラスの大量発生が問題になっています。20日、福島県郡山市で撮影された映像には、数え切れないほどのカラスの大群が映っていました。この大量のカラスは、どこから来たのでしょうか。専門家に見てもらいました。カラスの生態に詳しい 東京大学 樋口広芳名誉教授「おそらく『ミヤマガラス』というカラスで、中国の東北部とかロシアの南東部とか、長距離を渡ってくるカラス。東北や北海道は温暖化の影響もあって、(カラスにとっての)冬の生活条件が好転してきている。なので、大陸からそれを学習して渡ってくるカラスが増えてきている」。ミヤマガラスは、ゴミをあさったり、人を襲ったりすることはないとされていますが、その大きな群れによるフンや騒音が問題になるといいます。25日、実際に福島・郡山駅前の現場に行ってみると、やはりたくさんのカラスがいました。この状況に立ち上がったのが、街の商店街です。地元警察に報告の上、レーザーポインターをカラスの群れに照射し、追い払う活動を始めていました。多くのカラスが逃げていきました。郡山駅前大通商店街振興組合 佐藤晃正理事長「このように追い払う能力は、かなりのものがありますので」。しかし…カラスがやってくる頻度に追いつけず、成果が出ていないといいます。郡山駅前大通商店街振興組合 佐藤晃正理事長「本当は1日に何度もやって、『この場所は危険な場所だ』と刷り込めれば来ないと思うんですけど…敗北宣言しました」。カラスによる被害は、埼玉県越谷市でも発生しています。街に住む人によると、ここ4、5年の間にカラスの数が急増し、頭を悩ませているといいます。そこで、今年7月から越谷市が取っている新対策というのが…道路沿いの電柱に設置された“スピーカー”です。どんな音が流されているのか聞いてみると――聞こえてきたのは、カラスの鳴き声でした。むしろ、仲間が寄ってきてしまいそうですが、仲間からの危険信号だと思わせることで、カラスたちを追い払っているということです。越谷市の担当者「カラスが危険を知らせる鳴き声というところで」。しかし、スピーカーが設置してある交差点には、たくさんのカラスの姿が見られました。越谷市の担当者は「やはり、カラスにも慣れとかがあるようでして、最近少しまた戻ってきてしまっているという現状がありまして…」と話し、現在、改善策を検証しているといいます。「高い知能を誇る」というカラスと人の知恵比べは、まだまだ続きそうです。

(車がシカと衝突、10月~11月はシカ注意して運転を:北海道)
27日未明、旭川市の国道12号線で車がシカと衝突する事故がありました。運転手にけがはありませんでしたが、警察はシカが関係する交通事故が10月から11月に増える傾向があるとして、運転の際は注意するよう呼びかけています。27日午前0時50分ごろ、旭川市台場の国道12号線で、深川市方面へ向かっていた車が道路を横断していたシカと衝突しました。警察によりますと、車のフロントガラスやボンネットが破損しましたが、運転手にけがはないいうことです。道内では、26日夕方、標茶町の国道で車2台が正面衝突して3人が死傷する事故があり、警察によりますと、一方の車がシカと衝突したのが事故のきっかけとみられています。道警旭川方面本部によりますと、管内で2021年に起きたシカが関係する交通事故は709件と、これまでで最も多くなっていて、このうちおよそ38パーセントがエゾシカの繁殖期となる10月から11月に集中しているということです。また、北海道開発局によりますと、シカと関係する交通事故は、旭川市と深川市の間の国道12号線や、美深町の道の駅付近などで多く起きているということです。警察などは10月から11月にかけて、夜間や早朝、郊外や山の中の道路を車で走行する際には、速度を落としてライトをハイビームにするなど注意して運転するよう呼びかけています。

(住宅街で泳ぐイノシシ、各地で出没:福岡)
25日、福岡市を流れる室見川で撮影された映像。何か黒いものが、結構なスピードで泳いでいます。その正体は、なんとイノシシ。これまでに何度も目撃されている泳ぐイノシシ。アジア動物医療研究センター長・パンク町田氏:「イノシシは泳ぐの得意。川沿いに移動して川を泳ぐのはよく見られる行動。(イノシシは)頭が良い動物なので、一度安全だと分かれば人をそれほど恐れなくなる」。今月、各地でイノシシの目撃情報が相次いでいるのです。今月3日には長崎市の繁華街にイノシシが出没。幹線道路で大捕り物が繰り広げられました。続く8日には佐世保市の温泉街でイノシシの大群が。さらに9日には石川県の住宅街をかなりのスピードで走るイノシシが目撃されています。実はこの時期、人間こそイノシシに注意が必要だといいます。アジア動物医療研究センター長・パンク町田氏:「イノシシも冬に備えて脂肪を蓄えないといけないので、食欲は盛んになってくる。群れの数が増えれば今までいた所が手狭になる。移動せざるを得なくなる時期でもある。子イノシシが成長すれば、それだけ食べ物が必要になる。むやみにそばに寄らないのが一番いい。猪突猛進と言う通り、何かあったら突進してくる可能性が高い。驚かさないように、刺激しないように速やかに離れるほうが良い」。

(列車がクマとイノシシを相次ぎはねて運転見合わせ:広島)
23日午後6時10分ごろ、広島市安佐北区白木町のJR芸備線上三田―中三田間で、広島発三次行きの普通列車の運転士から「イノシシと衝突した」と広島指令所に連絡があった。一時停車後、まもなく運行を再開したが、その直後、同じ区間で今度はクマと衝突したと連絡があり、JR西日本中国統括本部は車両点検のため約30分間、運転を見合わせた。

(“クマ”の目撃情報相次ぐ、朝の登校を見合わせた小学校も:北海道)
札幌市の東区や北区で、18日からクマの目撃情報が相次いでいます。18日午後6時半ごろ、札幌市東区東雁来町の駐車場で、近くにいた男性が体長およそ1メートルのクマを目撃しました。クマはその後、北西の林の中に姿を消したということです。この場所からおよそ800メートル離れた札苗緑小学校は19日朝、保護者に子どもたちの登校を見合わせるよう、連絡しました。また、18日午後5時半ごろ、北区新川3条17丁目で、河川敷を自転車で走っていた人から、茂みで「クマみたいなものを見た」と通報がありました。クマのような動物は2頭いて、どちらも体長は1メートルほどだったということです。さらに、19日午前9時ごろ、東区丘珠町でも、クマのような動物の目撃情報がありました。札幌市や警察は、近くの住民に注意を呼びかけています。

(離島にイノシシ“再出没”:三重)
鳥羽市の離島では約十年前から、本土から海を渡って上陸するイノシシが繁殖して農作物を荒らし、島民を悩ませていた。しかし、ここ一年ほどで捕獲数や目撃数が減少。その一因に、三年前に県内で初めて確認された豚熱(CSF)の影響があったとみられる。しかし、根絶されたわけではなく、再び被害が拡大することへの警戒も高まっている。鳥羽市の有人離島四島は、本来イノシシが生息していなかった。しかし、本土から最も遠い神島を除く三島では、二〇一〇年代から目撃されるようになった。答志島では一〇年に繁殖が確認され、菅島と坂手島でも、住民らによる目撃情報や農作物への被害が相次いだ。中でも被害が深刻だったのが、面積最大の答志島。島で唯一稲作を営む斎藤又五郎さん(69)の水田は約十年前、約三アールのうち十数メートル四方が、収穫目前にイノシシに踏み荒らされた。水浴びをしたとみられ「いよいよ稲刈りという時期だったのに。獣臭くなってしまい、その部分の米は諦めた」と思い起こす。本土から同島までは最短でも一キロほど距離があるが、餌やすみかを求めて海を泳いでくるという。一九年には、漁師の大峯幸喜さん(57)が漁に出た際、海を泳いで渡るイノシシを複数回目撃し、動画を撮影。二頭並んで泳いでいたり、海から岸壁をつたって島へはい上がったりする姿を映像に収めた。また、菅島の町内会長で漁師の木下吉久さん(61)も「十年くらい前から被害が始まった。ジャガイモなど根菜類が多かったかな。家庭菜園や畑が荒らされ、くくりわなやおりを設置した」と振り返る。しかし昨年あたりから、状況に変化があった。答志島のカキ養殖業斎藤香寿美さん(43)は「ここ半年くらいめっきり見ない。集落では『豚熱で死んだのでは』といわれている」と話す。菅島でも、昨年は目撃や被害が減ったという。鳥羽市農水商工課によると、統計の残る一一年度以降、市内のイノシシの捕獲数は二〇年度が五百七十頭と最多で、二一年度が三百二十一頭だったのに対し、本年度は、八月末までで十九頭にとどまっている。離島での減少について、県家畜防疫対策課の担当者は「断定は難しいが、豚熱が原因の一つとは考えられる」と話す。一方で、菅島の木下さんは「今年に入ってまた増えた。うりぼうと親が歩いているのも見かけたし、わなにもまた掛かるようになってきた」と危機感をにじませる。島民の畑の作物が食べられたり、踏み荒らされたりする被害が出ているという。鳥羽市農水商工課の担当者は「夏ごろから、本土だけでなく島でも目撃情報がぽつぽつと上がってきている。いったんは豚熱で数を減らしたイノシシが北勢地域で免疫を付けて盛り返し、鳥羽志摩に南進しているのでは」と推測。今後、島内に設置されたおりわなを再稼働するなど、対策に取り組む方針だ。

(民家から約20mの地点でクマを目撃:新潟)
25日午前11時ごろ、津南町芦ヶ崎の田んぼでクマ1頭(体長約1m)が目撃されました。目撃された場所は民家から約20mの地点で、警察と市役所は付近の住民に注意を呼びかけています。

(クマ出没か、田んぼ脇に複数分のふんみつかる:兵庫)
26日午前、兵庫県丹波市柏原町東奥の田んぼ脇の柿の木の根元にクマのふんがあるのを住民が見つけ、地元自治会を通して市に届けた。同市農林振興課によると、現場は柏原高校から北東約300メートルにある田んぼ。同市柏原町周辺では今月に入って、複数のクマのふんが見つかっており、市は防災無線を通して、注意を呼びかけている。

(住宅街にイノシシが出現:熊本)
捕獲までの一部始終を、カメラがとらえていた。カメラに向かって歩いてくるイノシシ。撮影した男性によると、まだ子どもで、小型犬くらいの大きさだったという。しかし、突然ジャンプすると、公園のフェンスに衝突。男性は、驚きの声を漏らした。26日正午ごろ、熊本市の住宅街に現れたイノシシ。このあたりに山などはなく、これまで目撃されたことはなかったという。その後、男性の通報を受けた警察官が到着。公園の隅にいたイノシシは、逃げようとするが、先回りして行く手をふさぐ。もう1人の警察官も回り込み、じりじりと距離を詰めていく。そして、ついに、横をすり抜けようとしたところを、警察官ががっちりキャッチ。イノシシは、なおも逃げようと暴れ続ける。上から袋をかぶせられ、ようやくおとなしくなった。捕獲まで、どのくらい時間がかかったのかというと、警察の到着から、わずか5分。イノシシは、市役所に引き渡されたという。

(市街地でイノシシ暴れる:香川)
27日午前、丸亀市の海沿いの地域にイノシシが出没し、喫茶店のドアのガラスを割るなどの被害が出ました。けが人はいないということですが、イノシシは捕まっておらず、県は遭遇した場合は大声を出さず静かに立ち去るよう呼びかけています。27日午前9時すぎ、丸亀市昭和町にある会社の関係者から「敷地内にイノシシが入っていった」などと警察に通報がありました。警察によりますと、その後の午前9時40分すぎには、800メートルほど離れた丸亀市蓬莱町にある喫茶店のドアにイノシシが突っ込み、ガラスが割れる被害が出ました。さらにその後も、目撃したという通報が相次ぎました。警察によりますと、けが人はいないということですが、イノシシは捕まっていないということです。県によりますと、ことし4月から先月末にかけて、寄せられたイノシシの目撃情報は85件と、去年の同じ時期と比べて26件増加していて、25日には高松市内で女性2人がイノシシに襲われてけがをしました。県はイノシシに遭遇した場合は、大声を出さず静かに後ずさりしてその場を立ち去ることや、イノシシが興奮して向かってくる場合は物陰に隠れたり、高いところに逃げることなどを呼びかけています。

(「大台ヶ原」でクマの目撃相次ぐ:奈良)
奈良県と三重県にまたがり、美しい景色や原生林をめあてに多くの登山者が訪れる国立公園「大台ヶ原」では、10月に入ってツキノワグマの目撃が相次いでいます。公園を管理する環境省などは、クマをおびき寄せない対策をとるよう呼びかけています。美しい景色や日本有数の原生林で知られる国立公園の「大台ヶ原」では、この時期、美しい紅葉を見ようと多くの登山者が訪れています。こうしたなか、環境省によりますと、10月10日、針葉樹のトウヒの立ち枯れた風景が広がる「正木峠」で、体長1.5メートルほどのツキノワグマが出没し、登山者に向かってくるそぶりを見せたということです。同じ日には、「大台ヶ原」の別の場所でも、クマと遭遇した人が逃げようとして軽いけがをしたケースもありました。環境省には、10月に入ってから20日までに、合わせて7件の目撃情報が寄せられているということで、ことしは、山頂付近のドングリが豊作だったことから、冬眠前のクマがエサを求めて現れているとみられるということです。環境省や県などは、登山道に看板を設置したほか、連日、見回りを行い、訪れる登山者に対して、クマをおびき寄せないよう、鈴を携帯したり、食べ物のにおいを出さないようにしたりする対策をとるとともに遭遇した場合は、大声などで刺激せずに、落ち着いてゆっくりと後ずさりして距離をとるよう呼びかけています。環境省吉野管理官事務所の鵜飼匠太国立公園管理官は、「登山者に向かっていく個体も見られたので、しばらくは、原因となりそうなものを除去していくことが重要です。『大台ヶ原』は歩きやすいため、基本的なクマ対策がおろそかになりがちな人もいますが、注意してほしい」と話していました。

(1月1日から令和4年度全国ジビエフェア開催)
農林水産省では、ジビエ(野生鳥獣肉)の全国的な認知向上、普及、需要拡大に向けた取組を行っています。その一環として、ジビエ等に対する消費者の関心を高めるとともに、ジビエメニューを提供する飲食店やジビエ等商品を販売する店舗等の情報を特設サイトにとりまとめてPRする「全国ジビエフェア」を11月1日より開催します。ぜひ、この機会にジビエを味わってみませんか。農作物の鳥獣被害防止対策等のための鳥獣捕獲が増加する中、捕獲した鳥獣を地域資源としてとらえ、ジビエとして有効活用する取組が全国で拡大しています。このような中、農林水産省ではジビエの認知向上、普及、需要拡大に資する取組を推進しています。「全国ジビエフェア」では、ジビエをもっと食べたい!買いたい!と消費者の皆様に思ってもらえるようなPRを行うとともに、特設サイトにおいて、フェア期間中にジビエメニューを提供する飲食店やジビエ等商品(ペットフード、皮革製品等を含む)を販売する小売店、ECサイト等の情報をとりまとめ、どこに行けばどんなジビエが食べられるのか、どこで買えるのかなどの情報提供を行うことで、全国的なジビエの消費拡大を図ります。

(国内ジビエ市場が拡大、前年比12%増で39億円超に)
全国ジビエフェアが11月1日から始まる。10月24日に記者発表会を行った。フェアは農林水産省の「全国ジビエプロモーション事業」の一環で行うもので、ぐるなびが事業を実施する。2023年2月28日まで、ウェブサイトなどを通じてジビエを提供する飲食店や店舗、ECサイト、また全国各地のジビエイベントなどの紹介を行う。全国の1030店舗が参加する。「全国ジビエフェア」は2018年からスタートした。農水省では2025年度までにジビエ利用量4000トンへの拡大を目指す。フェアを通じて、ジビエ認知の向上や消費喚起を行う。フェアでは特設サイトを通じてジビエメニューを取り扱う店舗の検索やジビエの楽しみ方の紹介などを行う。ジビエ市場は拡大する。2021年度のジビエ利用量は2127トンとなり、前年比で17.5%増となった。食肉処理施設で野生鳥獣を処理して得た金額も39億3700万円で、前年比12.6%増だった。ジビエの活用方法も広がる。飲食店でのジビエ料理からペットフードとしての活用、皮革製品のほかに、発表会では実際にジビエに関する事業を行う登壇者から「将来的には観光資源としても活用も考えている」という声も出た。会見に出席したLiLiCoさんは「出身地のスウェーデンではジビエ料理は一般的で、エゾジカやヘラジカ、イノシシなどの肉がスーパーマーケットやお肉屋さんで手に入れられる」と話す。「実際に食べて、おいしいということを知ってもらえる機会になれば」と述べた。農水省ではこれまでフェアをはじめ、安全なジビエの提供のため、衛生管理に関するガイドラインや国産ジビエ認証制度などの取り組みを行う。農水省農村振興局鳥獣対策・農村環境課長の藤河正英氏はこれらの取り組みを通して「農業や農村にとって被害をもたらしてきた野生鳥獣を、利益をもたらすなどプラスの存在に変える」と意欲を示した。

(焚き火を囲み森でジビエを味わう:山梨)
各施設が独創的なテーマで、圧倒的非日常を提供する「星のや」。日本初のグランピングリゾート「星のや富士」では、2022年12月1日から2023年2月28日まで、「山麓の狩猟肉すき焼き」を提供します。凛とした空気の漂う冬の森に設えられた、焚き火を囲む特別席で猪肉、鹿肉の狩猟肉をすき焼きで味わう冬季限定の夕食です。ワインやフルーツを使用した星のや富士オリジナルの割り下で、山梨が誇る2人の猟師がこだわりを持って獲った味わい深い冬の狩猟肉を堪能できます。星のや富士では、地元の農林業に猪や熊、鹿がもたらす獣害を減らすことに貢献したいと考え、狩猟肉を食材として活用したメニューの開発を行ってきました。冬は寒さが厳しい富士北麓ですが、狩猟は冬がシーズンであり、さまざまな種類の狩猟肉に出会える時期です。猟師が良質な狩猟肉を手に入れた時は、狩猟肉の美味しさを楽しめるよう、古くから冬のご馳走としてすき焼きにして食べられてきました。この猟師の風習から着想を得て、当ディナーを開発しました。旬の狩猟肉をグランピングリゾートならではの調理法で味わうすき焼きをコース仕立てで楽しめます。

(「島シシレザー」開発:愛媛)
瀬戸内しまなみ海道沿線の愛媛県今治市・大三島と伯方島で捕獲されたイノシシを革素材「島シシレザー」に生まれ変わらせた。ブランド名は「自尺」(Jishac)。重信幹広さんは「セールスマン&クリエーター」、妻の瑠依さんは「デザイナー&クリエーター」として一点一点を手作り。大三島のギャラリー・ショップや愛媛、広島県内の委託店、ウェブで販売している。東京で知り合った2人。「地域でものづくりをしたい」という共通の思いがあった。2013年3月、大三島に移住し、その月に結婚した。幹広さんは地域おこし協力隊員となり、瑠依さんはデザイナーとして前年から手がけていた革小物の制作活動を続けた。

(返礼はジビエ、愛犬に健康を:岐阜)
美濃市のふるさと納税返礼品にペット用の鹿肉ジャーキーとあばら骨の詰め合わせが加わった。有害鳥獣対策で捕獲された鹿を使って「猪鹿工房」(松森)が生産している。工房は市内唯一の獣肉処理施設。代表の古田博勝さん(52)は「これを機にジビエに対するイメージが良くなれば」と期待する。

(「ふくおかジビエフェア2022」のクラウドファンディング開催:福岡)
株式会社ふくおかフィナンシャルグループ(取締役社長 五島 久、以下「FFG」)及び傘下のiBankマーケティング株式会社(代表取締役社長 明石俊彦、以下「iBank社」)は、2022年11月1日(火)よりスタートする福岡県の取組み「ふくおかジビエフェア2022」の来店促進プロモーションとして、購入金額に25%上乗せされたお食事券を受け取ることができるクラウドファンディングを開催いたします。

(ジビエと飲食業つなぐ:愛知)
東海、北陸で業務用酒販店を展開するサカツコーポレーション(名古屋市中区)が、10月からジビエ(野生鳥獣肉)の流通事業を本格化させた。同社は「新型コロナウイルスの感染拡大で元気がなくなった飲食業界と、販路を広げたいジビエ工房とをつなぐ懸け橋になれば」と意気込んでいる。2021年度の農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査では、森林や畑の鳥獣被害防止などで捕獲されたシカ、イノシシは125万3600頭に上った。一方、全国のジビエ工房などの食肉処理施設で解体されたのは12万8000頭しかなく、ほとんどが焼却、埋却処分されている。同社は約7000の飲食業者と取引があり、「ジビエ活用の手助けができれば」と取り組むことにした。同社の石川太一企画部長は「新型コロナで厳しい状況に直面している飲食店は少なくない。ジビエを使った新メニューの開発、他店との差別化などに使ってもらえれば」と話す。愛知、岐阜、三重、長野、石川県内の七つのジビエ工房と提携し、シカ、イノシシ、クマの肉を、取引のある飲食店に紹介、販売する。それぞれの肉に合う酒類も提案しており、企画部の中村良さんは「社内で試食会をしたら、シカ肉の唐揚げにはハイボールがよく合った」と話す。今月中旬には飲食業関係者を対象にしたイベントを開催し、ジビエを使ったメニューの提案や試食会、ジビエに合う酒を紹介した。さらに、各店が自慢のジビエ料理を投稿できるウェブサイト「ジビエコ食堂」も開設した。

(ジビエ、シカ缶で発信:福井)
美浜町でシカやイノシシの獣肉加工施設「BON1029」を運営するサンガ(同町新庄)が、シカ肉を使った新たなジビエ缶作りに取り組んでいる。すね肉のコンフィなど三種類のメニューを開発、製造する予定で、企画した菅原翔一さん(29)は「新たな缶詰で、ジビエと美浜の魅力を広めたい」と意気込む。永平寺町出身の菅原さんは大学卒業後、街の情報をネットに提供するなど、小浜市でライターとして働いていた。知り合いに誘われたキャンプで自然の癒やし効果を実感し、友人を頼って今年四月にサンガに入社。ジビエに興味があったことから、コロナ禍で飲食店からの発注が減少していた同施設の運営を任せられた。新たな販路開拓を目指して始めたジビエ缶開発では、若狭高(小浜市)で宇宙食に認定されたサバ缶開発に携わった小坂康之教諭に助言をもらったり、越前市の飲食店の協力を仰いだりした。缶詰の製造は、同僚の藤本良祐さん(24)が見つけた兵庫県内の業者に依頼。ブランド名は缶詰のふたやジビエの魅力の扉を開く「TOVILAS(トヴィラス)」とした。第一弾として九月、すね肉のコンフィが完成。固いすね肉をオリーブオイルで煮込んで柔らかくした。味付けは塩とスパイス、ハーブのみとシンプルにし、ワインに合う上品な味に仕上げた。現在はこのほか、シカ肉のビーフシチュー風缶詰や、シカ肉、酒かす、白みそのあえ物を試作している。コンフィは十一月中に同施設のオンラインストアで販売を始める。菅原さんは「自然とのつながりと癒やし効果を感じながら味わってほしい」と話している。サンガはコンフィ五百個の製造費や残り二種類の開発費などに活用する資金を、クラウドファンディング(CF)で募っている。今月三十日まで。CFは三千円から五万円の六コースあり、それぞれコンフィの缶詰やシカ肉一頭分などの返礼品がある。寄付はCFサイト「きびだんご」=QRコード=から。

(野生鳥獣肉加工施設、ジビエ工房ジミート:静岡)
新型コロナウイルス禍や豚熱(CSF)の影響で廃業した、野生鳥獣肉(ジビエ)加工施設「ジビエ工房ジミート」(浜松市天竜区春野町)が11月再開する。新たに代表に就いた高林麻里さん(42)は「地域の雇用創出や町おこしにつなげたい」と話す。春野町は茶やシイタケ栽培などに加え、ジビエ産業も盛ん。地元猟友会が野生のイノシシやシカを捕獲する。ジミートは、食肉やペットフード用商材の加工拠点として機能してきた。2019年以降、家畜伝染病の豚熱が広がり、イノシシが減少した。そこに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルス禍。出荷先の料理店や旅館が営業自粛や時短営業を強いられ、需要が減退。ジミートは担い手の高齢化もあり、閉鎖を余儀なくされた。高林さんは竹を粉末製品に加工する会社に勤める。業務で森に入ったり、地域食材を使うレストランをめぐる団体で活動したりする中でジミートの苦境を知った。地域住民やジビエ肉を求める料理店などからの再開を望む声を受けて立ち上がり、地元猟師らと話し合いを重ねて再建プランを練り上げた。豚熱感染が落ち着きイノシシの個体数は回復傾向にあり、地域ではシカも増えている。11月の狩猟解禁に合わせ、加工・販売の両面で準備を進める。クラウドファンディングで調達する200万円は施設の改修などに使う。高林さんは「若い世代に里山の魅力を発信していきたい」と語る。

(国際包装展に試作展示:神奈川)
元飲食事業者らが参加する「猪鹿鳥グルメ ジビエの街鶴巻温泉」で提供しているジビエ肉「丹沢ジビエ」が、10月12日から14日に東京ビッグサイトで行われた「TOKYO PACK 2022」で、レトルトパック化され展示された。TOKYO PACKは、包装の最新情報が一堂に集まる国際包装展。食肉水煮としてレトルトパック化された丹沢ジビエは、レトルトパックや缶詰等の製造大手「東洋製罐グループ」のブースの一角で、試作サンプルとして展示された。東洋製罐では9月22日に猪鹿鳥グルメ参加事業者に向け、鶴巻中部自治会館でレトルト保存した鹿肉や猪肉の試食会を行っている。この際に現場の意見や要望を聞き取り、今後もジビエ肉のレトルトパック化を研究していくという。一連の流れを受け、猪鹿鳥グルメの関係者は「大企業が丹沢ジビエに興味を持ってくれたのはありがたい。地元としても取り組みに協力し、今後の展開に繋げていきたい」と、期待を寄せる。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、26日午前4時15分ごろ、仙台市太白区萩ケ丘にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、26日午前7時30分ごろ、富谷市明石下折元にクマが出没しました。

TOPへ

10/21
(新聞配達中の38歳男性がツキノワグマに噛まれる:富山)
20日未明、南砺市で新聞配達中の男性がクマに襲われました。男性は軽傷で、クマは午前7時ごろに猟友会によって駆除されました。20日午前2時20分ごろ,南砺市北野で新聞配達をしていた38歳の男性がクマに襲われました。南砺警察署によりますと、男性は新聞配達中に民家の敷地内でクマと遭遇し、右足を噛まれ軽傷です。男性が自力でクマを追い払い、城端交番に被害を届け出ました。警察や、猟友会などがパトロールにあたり、午前7時ごろクマは猟友会によって駆除されました。駆除されたクマは、体長およそ127センチ、体重およそ60キロで、オスの成獣のツキノワグマだったということです。

(イノシシが出没、散歩中の高齢男性が足をかまれケガ:香川)
10月19日朝、高松市内の2カ所で体長約1メートルのイノシシが出没し、高齢の男性が足首をかまれてケガをしました。19日午前7時頃、高松市西宝町のマンションの駐車場で散歩していた77歳の男性がイノシシに出くわし足首をかまれました。男性は、自ら病院に行き手当てを受けていて軽傷とみられています。イノシシは、体長約1メートルで、この15分前には2キロほど離れた高松市浜ノ町でも住民がイノシシを目撃していますが同じ固体かどうかは分かっていません。警察や高松市が周辺を捜索しましたが、イノシシは見つかっておらず、高松市は、近くの学校や幼稚園、保育所に注意喚起するとともに、目撃したら追い払おうとせず、静かにその場を立ち去ることなどを呼びかけています。

(農作業の80代男性、イノシシに襲われ軽いけが:大分)
22日朝、日出町の山あいの畑で農作業をしていた80代の男性が突然現れたイノシシに襲われて腕や足をかまれて軽いけがをしました。警察はイノシシを目撃した際は決して近づかず、その場から静かに立ち去るよう注意を呼びかけています。22日午前7時ごろ、日出町豊岡で「畑で男性がイノシシに襲われている」と近くに住む男性から消防を通じて警察に通報がありました。警察によりますと、85歳の男性が畑で農作業をしていたところ3頭のイノシシが突然現れ、このうち1頭から足や腕をかまれるなどして軽いけがをしたということです。通報した71歳の男性は地元の猟友会のメンバーで、畑の近くに仕掛けたわなの確認をしようとしたところ男性が襲われているのを目撃し、持っていた「もり」でイノシシをしとめたということです。体長1メートルを超えるイノシシとの格闘中にほかの2頭はその場を走り去ったということです。現場はJR豊後豊岡駅から北に800メートルほど離れた山あいの地域です。警察はイノシシを目撃した際は決して近づかず、その場から静かに立ち去るよう注意を呼びかけています。

(野生イノシシ1頭がCSF(豚熱)感染:秋田)
湯沢市で野生のイノシシ1頭がブタの伝染病CSF=豚熱に感染していることが確認されました。県内では先月に続いて3例目です。秋田県によりますと、今月10日、湯沢市の農道脇で野生のイノシシ1頭が死んでいるのが見つかり、国の研究機関が検査した結果、20日、豚熱に感染していることが確認されました。県内で豚熱の感染が確認されたのは、ことし8月と先月に続いて3例目で、いずれも野生のイノシシです。豚熱は伝染力の強いブタやイノシシの病気で、人には感染せず、仮に食べても人体に影響はありません。県は、野生のイノシシの監視を強化したうえで、県内の養豚場に対して消毒を徹底するよう指導していくことにしています。県畜産振興課は「県内で飼育されているすべてのブタは豚熱のワクチンを接種しているが、養豚場では油断せずに対策を続けてほしい」としています。

(道内鳥インフル初確認、昨季より2カ月半以上早く:北海道)
野鳥の高病原性鳥インフルエンザの感染例が本州で9月以降に3例確認され、道内でも10月8日に根室管内別海町で回収されたカモ類のふん便から確認された。渡り鳥が日本列島に南下する季節を迎える中、初確認は昨季より本州で約1カ月半、道内で2カ月半以上、それぞれ早く、専門家は養鶏場などに衛生管理を徹底するよう訴えている。農林水産省によると、9月25日に神奈川県で回収されたハヤブサをはじめ、10月11日にかけて3例で高病原性鳥インフルエンザが確認された。昨季の1例目は昨年11月8日だった。

(市街地に近づくクマ、すみ分け探る:北海道)
今夏に市制施行100年となり、101年目の歩みを始めた道都・札幌市。この1世紀は札幌を人口約197万人の大都市に発展させ、街並みも大きく変えた一方、ひずみも生んだ。市街地で増えているヒグマの出没もその一つ。なぜ大都市の市街地にクマが出没するようになったのか。歴史をひもとくと、高度成長期以降の市街地の拡大や農地の減少、森林の回復など複数要因が絡み、人里とクマの生息域が近づいてきた札幌特有の構図が浮かぶ。100年以上前の当時の札幌でも、クマによる死傷事故はあった。有名なのは1878年(明治11年)の丘珠事件だ。山で冬眠中のクマを捕獲しようとした猟師が反撃を受けて殺され、旧丘珠村(東区丘珠町)の炭焼き小屋でも、逃げてきたクマに2人が殺された。

(人恐れないヒグマ、春先の猟を検討:北海道)
ヒグマの市街地への出没や人身被害を減らすため、道が春先のヒグマ猟の本格実施を検討している。春は狩猟期間ではないが、人への警戒心をヒグマに与える機会を増やす狙いだ。かつて道内で「春グマ駆除」が行われていたことも背景にある。ただ、担い手となるハンターの確保や報酬をどうするかなど課題も多い。道は19日、野生動物管理に詳しい研究者や猟友会の幹部らを招いて有識者会議を開いた。議題は春のヒグマ猟をどう実施するかだ。鳥獣保護法により、道内ではヒグマの狩猟期間は10月1日~1月31日と定められているが、その後も猟をできるようにするという。近年、本格的には実施していなかった春のヒグマ猟に踏み切るのは、「危機的だ」と出席者が口をそろえる状況が背景にある。

(山林でドローン運搬の実証実験:島根)
荷物を運ぶのにドローンを活用する計画を進めている美郷町は、車で近づくことできない山林にシカよけの防護柵を運ぶ実証実験を行いました。実証実験は美郷町と、提携している「古河電気工業」が町内の私有林で行い、直径が2.8メートルほどある大型のドローンが使われました。ドローンは最大で重さ49キロ分の荷物を運ぶことができ、今回は苗木をシカから守るために使用する防護柵などを運びました。ドローンは長さが1メートル90センチほどある防護柵を吊り下げて飛び立ち、あらかじめ設定された飛行ルートを通って350メートルほど離れた場所におよそ1分で運んでいました。車で近づくことができない山林では、人が防護柵などを運ぶとけがをする危険性があることから、町は来年度の実用化を目指しています。美郷町美郷バレー課林業振興係の松島豊和係長は「労力の軽減と安全確保のため早く実用化させたい。町内でも操縦士を確保しようと講習を進めていて、林業以外でも活用を進めたい」と話していました。

(鳥獣捕獲、シカ最多1万6365頭:岡山)
岡山県がまとめた2021年度の鳥獣捕獲実績によると、シカは記録が残る1985年度以降で最多の1万6365頭だった。

(秋に増える「アライグマ」の被害:茨城)
野生のアライグマが繁殖前のこの時期、エサを求めて活発に動き回っています。その姿は、都会の住宅地にも…。見た目は愛くるしいですが、かまれたり爪で引っかかれたりすると、狂犬病などに感染する恐れがあり、近づくのは危険です。茨城県ではアライグマによる被害が年々拡大し、特に捕獲数が多い坂東市では、市民に無料でワナを貸し出し、町ぐるみで捕獲作戦を行っています。

(猟犬VSイノシシ、28匹が優勝競う:徳島)
イノシシ猟の猟犬が日頃の訓練成果を競う「猪犬競技会」(県猟友会主催)が吉野川市鴨島町上浦の吉野川猪犬訓練所であり、会員23人が育てている28匹が出場した。

(養殖、狩猟に林業、におい・・・ここまで来た見える化最前線)
可視化を求めるのは企業経営者に限らない。あらゆるモノがネットにつながるIoT技術の進展とともに、驚くような領域でも可視化技術が広まってきた。漁業からテレビCM、においなどの五感、素材の研究開発まで、幅広い領域で大量のデータを可視化する動きが相次ぐ。スマートフォンをのぞくと、海を気ままに泳ぐ魚の体長がリアルタイムに表示される。水産養殖で重要な経営指標となる魚の成長状況の確認はこれまで手作業で行われてきた。これを自動で可視化したのが水産スタートアップのウミトロン(東京・品川)だ。いけすに潜り込ませた小型カメラが独自の解析アルゴリズムで魚の体長や食欲などの情報を収集し、水産養殖の生産性向上を手助けする。人手や後継者不足に悩む1次産業にとどまらず、人の感覚を見える化する新技術やサービスも生まれている。ソニーが10月5日に発表した「テンソルバルブ」は、様々なにおいを発生させられる新製品。専用アプリを用いて、提示されたにおいへの反応を解析・記録できる。同じく五感の一部、音を可視化した「エキマトペ」を開発したのは富士通やJR東日本、大日本印刷だ。駅のアナウンスや電車の音といった環境音を可視化し、聴覚障がい者をはじめ、駅利用者に斬新な体験を提供する。他にも、先端素材の開発を加速する旭化成や、車両管理のスマートドライブ(東京・千代田)など、新たなサービスが次々と誕生している。一見するとニッチな市場。だが、そこには「見えない」ことに不満を抱くユーザーが確実に存在する。まだ見ぬ新市場はどこにあるのか。視点を変えて掘り起こしてみよう。

(イノシシ捕獲法高校生学ぶ:千葉)
イノシシ被害が深刻化する南房総市で19日、県立安房拓心高校の生徒を対象にワナの設置方法などを学ぶ獣害対策実習が行われた。園芸系列と畜産系列の3年生37人は、地元の猟友会から電気柵や箱わな、くくりわななどイノシシの捕獲に使う道具の設置方法を学んだ後、捕獲されたイノシシやキョンの肉をバーベキューやジビエ汁にして試食した。園芸系列3年の生徒は「わな猟免許は18歳から取得できると聞き、挑戦してみたいと思った。捕獲した有害獣を自然の恵みにできたら素晴らしい」と話した。南房総市で捕獲されたイノシシは昨年度、4098頭で農作物被害は約1000万円。市は、有害獣捕獲への報奨金や狩猟免許取得費を補助するなどしているが、狩猟者の高齢化が進み、若い世代の育成が急務となっている。

(2022年ヒグマフォーラム:北海道)
2022年のヒグマフォーラムは「街に出るヒグマ~アーバンベアと向き合うグランドデザイン」をテーマに旭川市で開催します。ヒグマの市街地出現が全道で相次ぎ、人間からすれば「異常事態」ですが、この30年間の人とヒグマの関係からみると「当然の成り行き」とも言えます。その背景や現状、今後必要な対策などを考えます。11月19日のフォーラムでは、旭川市と札幌市のヒグマ対策を対象に、行政担当者や専門家がアーバンベア出現の要因や自動カメラ・ヘアトラップ・ベアドッグなどを駆使した新たな対策を報告します。ヒグマの会からは、対策を支える人材や組織作り、普及教育などのグランドデザインを提案します。

(キジの保護と増殖へ猟友会が放鳥:三重)
三重県菰野町では、地域に生息するキジの数を増やそうと、21日朝、地元の猟友会が20羽あまりを河川敷に放ちました。「国鳥」=国の鳥に指定されているキジは、保護と増殖のため、全国各地で放鳥が行われています。三重県内でも例年この時期に放鳥が行われていて、21日朝は、菰野町の河川敷に地元の猟友会の5人が、キジのオスとメス、合わせて22羽を箱に入れて運びました。キジは生後半年ほどで、体長が約50センチ、オスは目の周りが赤色で、体がきれいな緑色をしています。猟友会の人たちが1羽ずつ手で持って、空に向かって放つと、キジたちは勢いよく飛び立っていきました。21日は菰野町のほか、三重県内では亀山市や伊勢市など4か所で、合わせて100羽あまりが放鳥されるということです。菰野町猟友会の棚瀬賢一郎会長は「キジの状態もよく、元気に飛び立ってくれました。とてもきれいな鳥なので見て楽しんでもらいたい」と話していました。猟友会によりますと、キジは河川敷や田んぼなどでよく見られるということです。

(ふん害防止策前倒し、カラスよけ:石川)
金沢市中心部の香林坊、広坂周辺でカラスによる深刻なふん害の対策として、市は18日、市中心部の国道157号沿いの街路樹に、鳥が嫌がる音を出す装置を設置した。北國新聞社の報道を受け、12月に予定していた対策を前倒しで実施した。設置した「特殊波動装置」は電池式の機器で、カラスにとって不快な音を出す。人には「ガサガサ」と聞こえる程度という。18日は、作業員が香林坊の街路樹に5台を取り付けた。来年3月まで午後5~9時ごろに音を鳴らして対策する。実施時間はカラスの状況を見ながら変更も検討する。金沢市は昨年12月~今年3月、木倉町や香林坊アトリオ、香林坊東急スクエアで、波動装置を初めて設置し、カラスやムクドリの追い払いを試みた。設置後、カラスやふんの数が減ったことが職員の目視で確認された。今後は、昨年取り付けた10台も稼働させる。市の担当者は「通行人が困っている状況なので、早めに対策を講じ、効果を検証していきたい」(環境政策課)と話した。市中心部では、定住型のハシブトガラスやハシボソガラスに加え、渡り鳥のミヤマガラスが確認され、8月下旬から「ふんがひどい」などの苦情が市に相次ぎ寄せられていた。

(シカ接触などで運休:北海道)
20日午後5時半ごろ、札幌市手稲区のJR函館線稲穂駅構内で、小樽発江別行き普通列車(6両編成)のパンタグラフにビニールが付着しているのが見つかった。除去作業を行うため、車両基地と接続している隣の手稲駅まで行って乗客を降ろし、その先の区間を運休とした。同45分ごろにはJR千歳線サッポロビール庭園(恵庭市)―長都(千歳市)間で、札幌発苫小牧行き普通列車(3両編成)がシカと接触し緊急停止。安全を確認し約20分後に運転を再開した。けが人はいなかった。

(クマが駆除されても次々と目撃情報が:北海道)
18日、クマ1頭が駆除されたばかりの札幌市内で、再びクマの目撃情報が相次ぎました。東区東雁来町の駐車場では、18日午後6時半ごろ、体長およそ1メートルのクマが目撃され、その後、林の中に姿を消しました。目撃場所からおよそ800メートル離れた小学校では、19日朝、子どもたちの登校を一時見合わせる事態に。児童はおよそ3時間遅れで登校し、20日の登校も教職員が見守る予定です。また、北区新川3条17丁目では、18日午後5時半ごろ、河川敷の茂みで体長1メートルほどのクマのような動物2頭が目撃されました。札幌市によりますと、東区、北区、いずれも今のところ、クマの痕跡は確認されていないということです。一方、先月末からクマの目撃が相次いでいた札幌市南区では、18日、1頭のクマが駆除されました。その後、札幌市の調査で、クマの胃の中には、シカの肉や毛、骨などがあったことがわかりました。河川敷の土の中からは、クマが埋めたとみられるシカ1頭の死骸が見つかっていて、クマはシカを目当てに、たびたびこの場所に来ていた可能性があるということです。駆除されたクマは、連日目撃されていたクマと同じ個体とわかりましたが、札幌市は河川敷に電気柵を設置して引き続き立ち入り禁止にし、対策を続けるとしています。札幌市内どこに現れてもおかしくないヒグマ。札幌市はホームページやLINEで配信するヒグマ出没情報に注意を払ってほしいと呼びかけています。

(連日のクマ目撃、小学校では鈴を鳴らして集団下校:福島)
クマ鈴を鳴らしながら教職員に付き添われての集団下校…福島県喜多方市の関柴小学校がとった、子どもたちの安全を守るための対応だ。通学路では警察もパトロール。そして、車で迎えに来た保護者も。保護者:「まだ捕まっていないというか保護されていないみたいなので、子どもたちが歩いている時に、いきなり出て来たりしたら危ないので」。保護者:「鈴とかやっぱり持たせた方が良いのかなって。今までは鈴なんて持たせていなかったんですけど、考えますね」。10月19日午前0時半ごろに体長・約1メートルのクマが目撃されたのは、関柴小学校に隣接する道路。道路を横断し、田んぼのほうに向かったという。被害は確認されていないが、学校は対応に追われた。関柴小学校教頭:「ご家庭に帰った後に、不要な外出を控えていただくことが必要だと思いますが、教育委員会のほうからクマの情報などが入りましたら素早く保護者の方にお伝えできるように、学校のほうでは考えていきます」。18日には関柴小学校から1.5キロほど離れた場所にもクマが出没。同じクマかどうかは分かっていないが、警戒が必要。こうしたなか、クマが現れた場所の近くに住む人はクマを呼び寄せないためにある対策をとっていた。近くに住む秋山さんは、2021年の秋にもクマが現れたことから、クマを呼び寄せないよう生ゴミを畑に捨てるのをやめたという。秋山朝一さん:「食べに来るとしょうがないと思って、捨てないようにしてる」。警察は、20日も登下校の時間帯を中心にパトロールを強化して警戒することにしている。

(松山ケンイチが始めた、自然との共生の試み)
北日本の人もまばらな土地に移り住み、農家、ハンターとしての生活を送るようになった俳優・松山ケンイチ。彼の価値観と生活スタイルを一変させることになったものは一体なんだったのか? そして、自然と対峙する暮らしの延長上の取り組みとして松山が始めたアップサイクルブランド「momiji」が発信するメッセージとは?ハンター仲間が仕留めたシカを回収しにいく松山。手負いの動物は極めて危険であるため、慎重に動かねばならない。彼の着るハンティングヴェストは、害獣駆除で出たシカ3頭分の革でできている。裏地には、松山の出身地・青森の伝統工芸で、アップサイクルのお手本である南部裂織(なんぶさきおり)が使われている。これまで廃棄されてきた獣皮を皮革製品として利活用する、その取り組みのシンボルと言えるのがこのヴェストだ。6月初旬のある日、松山は北日本の山里のビニールハウスの中にいた。高さ50センチほどに育ったトマトの幼木の前に膝をつき、慣れた手つきで脇芽を取っていく。「放っておいても実るんだけど、これをやるとグンと収量が増えるんですよね」。20歳くらいから畑をやりたいと思っていたと松山は言う。祖父母が農業をやっていたこともあって、土の上で作物と向き合うことにはなじみがあった。「俳優の仕事って、どうしても精神的にすり減っちゃうことがあるんですよね。そんなときでも農作業をしていると、疲れが植物のほうに吸収されるような感覚があって。こうして頭の中を空っぽにできるのがすごく楽なんです」。この土地と松山が出合ったのは8年ほど前のこと。このとき、妻・小雪の紹介で後に「師匠」となるM氏と知り合う。M氏は長らくフランス料理のシェフとして活躍し、現在はこの土地を拠点に、ハンターとして害獣駆除活動をしながら、限られたゲストに料理の腕を振るっている人物だ。「Mさんが自分で仕留めたシカの肉を食べさせてくれたんですが、それがすごくおいしくて。それで、ぜひ狩猟の現場を見せてくださいとお願いしたんです。そうしたら…」。このときの体験が松山と家族のその後の生き方を一変させることになる。「シカが撃たれて、その場に崩れ落ちる瞬間を見たときには、心臓が痛くなりました」。仕留められたシカの皮を剥ぎ、解体し、枝肉にする──その一連のプロセスを目の当たりにして、「これが肉なんだ」と初めて理解することができた。それまでも、スーパーに売られている肉やレストランで料理して出される肉を食べながら、心のどこかで「これって生き物だったんだよな」と思うことがあった。しかし、その肉の来歴がどこまでたどれるのか、まったく知らないで過ごしてきた。「せいぜい、残しちゃまずいよなくらいの意識でしたね」。「最初は年に1、2回来ていたかなぁ」。アメリカ西海岸から取り寄せて組み立てたというトレーラーハウスのテラスで、M氏が当時のことを話してくれた。「うちの庭にテント張って、子どもたちと何週間も泊まっていたよ」と。松山は自身の経験を通して、自分の3人の子どもたちにも生き物ときちんと向き合ってほしいと願うようになった。「肉でも魚でも野菜でも、生き物が商品になる前のプロセスを現場できちんと体験したい。それには一からやるしかないと思って…」。そして3年前、松山は家族と共に、生活の拠点の大部分をこの里山に移した。以来、東京との2拠点生活をしている。農地を借りて、野菜の栽培を始めた。地元の名人に教わって、渓流釣りにもトライした。害獣駆除の資格と狩猟免許を取り、ハンターになった。狩猟に触れたことで自ずと獣害(野生動物による農作物への被害)の問題についても詳しく知ることになった。近年、気候変動や里山の消滅、老齢化によるハンターの減少などによって、日本の獣害問題は深刻だ。鳥獣による農作物の被害額は約158億円(令和元年、農林水産省)に上る。中でも多いのがシカとイノシシによる被害だ。2019年の環境省のデータによると、わが国のニホンジカの数は約189万頭、エゾジカは約65万頭、イノシシは約80万頭とされている。某日、松山の害獣駆除に同行させてもらった。M氏邸の前に集合したのは午前3時。明け染めた空は群青とオレンジのツートーンを成していた。夜の鳥は鳴きやみ、昼の虫はまだ目覚めていなかった。シカが森から出て来るのは早朝と夕方が圧倒的に多いという。M氏、松山、松山にとって弟弟子的な存在のK氏の3人がそれぞれのピックアップトラックで、別々の方向に出ていく。公道から農道へ、さらには群生した熊笹が視界を遮る林道へと、松山は車を走らせた。視線は前へ、左右へと休みなく移る。空が明るさを増し、ひんやりとしていた空気が少し暖まったころ、行く手の視界が開け、休耕地と森が接する広野に出た。松山がおもむろに減速する。母子とおぼしき2頭が80mほどの距離にたたずみ、こちらを真っすぐに見ていた。空気が薄くなったような感覚が走る。銃を手に、松山が運転席のドアを静かに開け、ゆっくりと車を降りる。発砲が可能な場所へ気配を悟られぬよう慎重に移動し、ためらう間もなく引き金が引かれた──。獣害の問題は農作物の被害だけではない。駆除されたシカやイノシシの9割はジビエとして流通することなく廃棄されてしまっている。野生の動物の肉を流通に乗せるためには、認可を受けた解体場で処理することが義務づけられているのだが、解体場の数が少なくて駆除される動物の数に追いつかないのだ。焼却処分には費用もかかるし、大量のCO2が出るので環境負荷もかかる。幸い、松山が移り住んだ土地にはちゃんとした解体場がある。流通のルートさえあれば肉はジビエとして売ることができる。しかし、それでもまだ皮の問題が残る。害獣駆除により出る獣皮の利用はほとんどされてこなかった…。「Mさんらの暮らしを見ていると、狩猟肉と野菜を交換する、渓流で釣った魚を配るなど、お金の介在しないやりとりが当たり前のように行われているんですよね。誰もが何かのエキスパートで、それぞれの能力を交換している。じゃあ、僕には何が差し出せるだろう? と考えたときに、シカの皮で何かできるのではと思ったわけです」。ここで、もう一人のキーパーソンに登場願おう。山口明宏は東京・墨田区にある皮革製造工場、山口産業株式会社の3代目社長だ。同社は1938年創業。90年に植物タンニンを用いた環境に優しい鞣なめし「ラセッテー製法」を開発。15年以降は、皮鞣しの主流であるクロム加工(重金属であるクロムを用いることで環境への負荷がかかることが問題となっている)を一切やめ、ラセッテー製法のみで加工をしている。また、08年から害獣駆除によって出る獣皮を1枚から鞣して“産地”に戻す「MATAGIプロジェクト」を展開。これによって年間約3000枚の獣皮が有効活用されている。「4年前のある日、弊社の工場見学会にマツヤマケンイチという方から参加申し込みがありました。そういう名前の人もいるだろうと思いつつ当日を迎えました。すると、長身の男性が颯爽と降り立ったとき、『あ、やはりあの松山さんだ』と…」。ひと通り皮鞣しの工程を見学した後、松山は自身の参加の理由を山口に告げた。実は最近、北日本の某所に住みはじめ、ハンティングをするようになったのだが、害獣駆除の際に廃棄される獣皮をちゃんと鞣して使いたい。力を貸してもらえないだろうか、と。山口の工場で鞣され、返送されてきたシカ革を手に取ってみると、牛革よりも薄く、豚革よりも柔らかかった。最初に松山が作ったのは小さなバッグだった。それをお世話になっている農家にプレゼントした。こうして松山も物々交換のコミュニティーの一部に加わることができた。さらに自分が着るためのジャケットを作った。「それを着ることで、服を大事にしたいと思えるようになりました。『これもう飽きたから捨てちゃっていいや』というものではなくなった。それってすごく大事なことだと気づいたんです」。自分と同じように考えていて、でもどうすればいいかわからない人が他にも大勢いるんじゃないか、と松山は思った。解体場に電話して「皮はどうしていますか?」と訊くと、「廃棄にもお金がかかるし、利活用したいんだけど…」という答え。状況がわかってきた。少数ロットだと加工費が高くつくが、声をかけて集めればロットに見合う数になるかもしれない。コストを下げて、皮も捨てないで利活用すれば、CO2削減にもつながるだろう。松山は思い切って訊いてみた…「皮を譲ってもらえませんか?」。多くの人たちの協力があって、獣皮を集めるのには成功した。しかし、出口が見つからなかった。鞣した革を自分だけで使っていても広がらず、せっかくの革もゴミになってしまう。22年1月、松山は小雪と共に獣皮のアップサイクルブランド「momiji」を立ち上げた。そこには、鞣し、デザインし、商品化することで獣皮に付加価値をつけたいという思いと、獣害問題やサステナビリティの現状を、ブランドを通じて発信することで人々の関心を喚起したいという願いがあった。さらには、ゴミの中にも宝物になる可能性のあるものがあることを知ってもらいたい。生き物の命と向き合うことの意味を考えてほしい。「そういうのって、自分の生き方や次世代に対する責任にも関わってくることですからね。ただ、僕は方向づけをするつもりはないんです。こういう事実があるんだよと、ボールを投げるだけ。多くの人が知って、考えるきっかけになればいい」。昼前、解体場ではM氏が仕留めたシカの解体作業が行われていた。皮に少しでも傷がつかぬよう、慎重に、丁寧にナイフを入れ、剥いでいく。いただいた命を全てきちんと使い切る──と口で言うのはたやすいが、実際にそれを行うとなると、途轍もない労力を要する。だからといって放置すれば、動物はあっという間に腐ってしまう。撃って、血抜きをしたら、丸ごとピックアップに載せて解体場に運ぶ(成獣1頭を一人で運ぶ苦役を想像してみてほしい)。生命に対する敬意や感謝の気持ちがある限り、大変でもなんでも、もうやるしかない、と松山は心の内を語る。そして、新たに生活に組み込まれることになった狩猟・解体・商品製作という営みが、自分の性分に合っていることに気づいたという。「これならやりつづけることができそうだと思っています。人それぞれに持ち場、持ち味があると思う。やれる人がやれることをやればいい」。「momiji」のシカ革ライダースジャケットのライニングには、製造工程に関わった人の名前が映画のエンディングロールのように記されている。筆頭は「Design/ Kenichi Matsuyama」だ。そこに松山の並々ならぬ決意が滲んでいるように見える。シカが斃(たお)れるのを見ると、心臓が痛くなるような思いは今も変わらない。ただ引き金を引くだけの作業におびただしいエネルギーが消費されるのはなぜだろう? しかし、同時に、松山は生き物と対峙し、直接命のやりとりをする行為が「ピュアで、ヘルシーで、美しい」とも感じている。そこには邪念も、忖度も、言葉によるごまかしも何もない。残酷さの混じった美しさというものがあることを、ハンティングや釣り、野菜づくりが彼に教えてくれた。「自然との共生って、想像以上にドロドロしたことじゃないですかね」。その朝、松山の銃から放たれた弾はターゲットに命中しなかった。「外すとシカは自分の身に危険が迫っていることを覚え、車の音や人の気配にも敏感になるんです。そうなると、ハンターも仕留めるのが難しくなる。外しちゃダメなんですよね…」。ハンターは少し落ち込んでいるように見えた。「自然を相手に暮らすのはひと筋縄ではいかない」、とその横顔が語っていた。

(第5回房総ジビエコンテスト:千葉)
千葉県農林水産部流通販売課は、「消費者が手軽に食べられるジビエ料理」をコンセプトに開催する「第5回房総ジビエコンテスト」で、飲食店料理人からの房総ジビエを使ったメニューを11月21日まで募集中。また、県内外の飲食店で房総ジビエ料理を提供する「房総ジビエフェア2023」を1月20日~2月28日の期間で開催する。千葉県は、放射性物質検査を行い、ガイドラインにそって適正に処理加工されたイノシシ・シカ肉を「房総ジビエ」と銘打ち、飲食店での活用や開発を進めている。獣害被害の対策とともに、食肉として活用することでSDGsにもつながり、ジビエを手軽に味わえる機会として、コンテストとフェアを開催する。「第5回 房総ジビエコンテスト」は、「消費者が手軽に食べられるジビエ料理」をコンセプトに、販売価格の上限を1100 円(税込)とした房総ジビエ料理コンテスト。審査員長にフランス料理店「LATURE」(東京都渋谷区)のオーナーシェフ・室田拓人氏を迎え、書類審査を勝ち抜いた5人の料理人による実食コンテストを1月11日に実施する。応募資格は、ホテルなどの飲食施設や、キッチンカーなど移動型店舗を含む飲食店の料理人で、イートイン、デリバリー、テイクアウト、EC販売など、飲食店が独自に開発した房総ジビエを使ったメニューが対象。冷凍食品やレトルト食品などの加工品も対象となる。応募メニューの中から、書類審査で選出された5作品の料理人による調理・実食コンテストを行い、最優秀賞と優秀賞を決める。また、「房総ジビエフェア2023」では、県内外の飲食店で「房総ジビエ」料理を提供する参加店を12月23日まで募集している。

(ジビエの自動販売機設置:徳島)
シカ肉を使ったハンバーガーやピザといったジビエ料理の自動販売機が、徳島市問屋町のノヴィルグループのオフィス前と、同市沖浜東3のミリオン沖浜店駐車場内に設置された。那賀町木沢地区で捕れたシカ肉を鮮度のいい状態で仕入れて加工しており、現在は「鹿ハンバーガーキット」(500円)、「鹿ソーセージ3種セット」、「鹿ピザ3種セット」、「鹿ミールキット」、「鹿デミハンバーグ&ソーセージセット」(各1000円)の5品を販売中。1番人気の「鹿ハンバーガーキット」は、シカ肉パティとバンズ、ハッシュドポテト、チーズ、照り焼きソースが入っている。電子レンジやフライパンで簡単に調理できるため、親子で作って楽しめる。長時間かけて低温調理したシカ肉はやわらかく、パンと相性がいい。照り焼きソースはやや濃いめの味付けで、ジュースだけでなくクラフトビールなどのお酒にも合う。幅広い層から愛される高品質なB級グルメだ。ジビエを初めて食べる人にお勧めなのが「鹿ソーセージ3種キット」。味と形をそれぞれ変えており、BBQで子どもが喜ぶこと間違いなし。「ロング」は定番のプレーン味。「柚子トルネード」は那賀町木沢地区産のユズを使用しており爽やかな風味で、「チョリソー」は唐辛子をきかせた大人な味わいだ。いずれも保存料や着色料を使わず天然の腸に詰めている。自販機を設置したノヴィルグループは、パチンコホールや外食など幅広い事業を展開している。新型コロナウイルス禍で外食事業が停滞する中、グループで自販機事業や徳島ならではの飲料製品の開発を行うサンマック(徳島市)が、新規分野として冷凍食品自動販売機の取り扱いを開始。2021年4月から那賀町木沢地区の四季美谷温泉の指定管理も手掛け、ジビエ料理の開発に力を入れ始めたこともあり、話題性のあるジビエの販売を考えた。ノヴィルの湯浅考司さん(47)=藍住町=は「誰もが手軽に購入できる自動販売機を入り口として、ジビエを家庭で食べてもらえるようになれば。手頃な価格で提供しているので、この機会に食べてシカ肉のおいしさを知ってほしい」と話した。

(地元猟師に西表島のイノシシについて学ぶ:沖縄)
世界自然遺産に登録された西表島で、日本初の「エコツーリズムリゾート」を目指す「星野リゾート 西表島(いりおもてじま)ホテル」では、2022年11月22日から2023年2月14日までの期間、毎週火曜日限定で、西表島のイノシシについて深く知るプログラム「カマイの学校」を今年も実施します。「カマイ」とは、西表島の方言で「イノシシ」という意味。島の猟師によるカマイについてのレクチャーや、ジャングルでの痕跡探し、食体験をとおして、西表島に生息する「カマイ」について知ることができるプログラムです。さらに、今年は罠作りを加えることで、生物多様性保全の視点からカマイについてより深く知ることができます。

(「食卓の日」にジビエ料理を提供:長崎)
野生のシカやイノシシなどの肉を使ったジビエ料理に親しんでもらおうと、長崎市が特別メニューを提供しました。これから寒くなるにつれて脂が乗っておススメです。あまずっぱいベリーのソースが肉のうまみを引き立てます。県産のイノシシの肉を使い、パン粉に隠し味のお茶の葉を入れて焼き上げた香草焼きです。長崎市では毎月19日を「食卓の日」として、県産の食材を使ったランチを提供しています。食品ロス削減月間にあわせて、10月はイノシシやシカなどの野生の食材を活かす「ジビエ」がテーマ。2021年長崎市で捕獲されたイノシシは3970頭と年々増えていますが、食用の肉に加工されるのは全体の1割足らずです。抽選で選ばれた市民など約20人を前に、メニューを考えた坂本 洋一 シェフがジビエの食文化や魅力などを話しました。坂本洋一シェフ「ジビエ料理はその昔高級な高貴な方たちが楽しんでいた料理。有害鳥獣をただ殺処分するのではなく、有効利用して余すことなく命をいただいて命に感謝することができる」。参加者にはジビエを使った弁当とジャーキーが配られました。

(日比谷公園のグルメフェスに唯一のお肉専門ブース:東京)
株式会社テレビ東京コミュニケーションズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐々木宣幸)は、農林水産省「令和4年度鳥獣被害防止総合対策交付金(全国ジビエプロモーション事業)」によるPR事業の一環で運営するジビエトにおいて2022年11月17日(木)~20日(日)に日比谷公園で開催される「第8回 ジャパン フィッシャーマンズ フェスティバル2022~全国魚市場&魚河岸まつり~」に出店いたします。「ジビエを食べたことが無い」「敷居が高い」「どこで食べられるのかがわからない」といった、これまでにジビエと接点があまりなかった方にも気軽に食べていただける場として、ジビエトは令和2年度からキッチンカーでのジビエ料理販売で、ジビエを気軽に食べてもらう機会を作ってきました。今年度は過去最大規模・全4日間のグルメフェスに出店します!猪肉はその昔、肉食が禁じられていた時代に「山くじら」の別称で食されていたとの話も。そんなことから今回、日本最大級の魚食イベントに唯一のお肉専門ブースとして特別出店することが決定しました!販売するのは2021年の開設当初話題になったALSOK千葉のジビエ。インスタ映え間違いなしの猪肉ソーセージや、猪肉と鹿肉をシンプルな味付けで焼いた「ジビエ食べ比べセット」の数量限定販売など魅力的かつ豊富なラインナップでみなさまのご来場をお待ちしております。

(「ジビエ」など里山里海の商品PRイベント:石川)
「ジビエ」や地元の原料だけで作られた豆腐など、石川県産の食材を生かした商品をPRするイベントが、20日から金沢市の百貨店で始まりました。「いしかわの里山里海物産フェア」は、県産の商品をPRし、消費を拡大してもらうため、金沢市内の百貨店で始まりました。地下にある売り場では、里山の豊富な食材をPRするため加賀市のイノシシの肉や、穴水町でとれて加工されたシカ肉のミンチなど、23種類の「ジビエ」の商品が並べられています。また、能登半島の食材を使用した商品を販売するコーナーも設けられ、大豆やにがりなど珠洲市の原料だけで作られた豆腐なども販売されています。会場を訪れた金沢市の30代の女性は、「友達から、おいしいと聞いていた”いか”を使ったしょうゆがちょうど売っていたので、買いました。能登半島の地元の商品を金沢で手に取ることができて楽しい」と話していました。イベントの企画に携わった県里山振興室の吉田匡課長補佐は、「地元の道の駅でしか売られていない品も用意したので、イベントを機に県内の魅力的な商品を手に取ってほしい」と話していました。このイベントは、10月24日まで大和香林坊店で開かれています。

(カモ料理の食文化継承:福岡)
カモ猟の伝統が残る小郡市で、カモ料理の食文化を継承しようと、市内の飲食店23店舗がそれぞれ考案したアイガモ料理を提供する「鴨(かも)まちコンテスト」が25~27日に初めて開催される。チケットを購入した客に各店舗で料理を食べてもらい、お気に入りの店に投票してもらう仕組みで優勝店舗を決める。市によると、三国地区には江戸時代に猟場があり、カモ猟が盛んだった。市内のため池などにはカモが飛来するが、現在は飛来数や網を使った伝統的な猟をする猟師も減り、天然のカモ料理を提供するのは料亭「さとう別荘」のみという。

(古座川ジビエをリニューアル:和歌山)
和歌山県古座川町月野瀬にあるイノシシやシカの食肉処理加工施設「古座川ジビエ 山の光工房」が、人気商品であるジビエの生ソーセージをリニューアルした。これまで使用していた既製品のスパイスを見直し、専門家が一から調合した特製スパイスを使って、よりこだわった商品に仕上げた。生ソーセージは、食肉の解体や加工に携わる職人の証しである「メッツガーマイスター」というドイツの国家資格を持つ森田裕三さん(36)=古座川町三尾川=が考案し、2020年6月から販売を開始。今では加工品などを販売している「古座川ジビエ オンラインストア」で一番の人気商品になっているという。ただ、開発期間が短かった関係でこれまでは既製品のスパイスを使用しており、森田さんは「よりこだわった商品として売っていきたい」として独自の調合で特製スパイスを作り、添加物を使用しない新しい生ソーセージに仕上げた。「こころうたれる生ソーセージ」という商品名で、シカ肉が「チリパウダー&にんにく」と「ゆず&ブラックペッパー」、イノシシ肉は「白みそ&大葉」の計3種類ある。4本入り(150グラム)で650円(税込み)。同施設やオンラインストア、町内の道の駅で今月から販売している。森田さんは「リニューアルして、以前より食べやすくなったと思う。これまでジビエが苦手だという方にもぜひ一度食べていただき、おいしさを知ってもらえたらうれしい」と話している。

(ジビエフェア、県立図書館:石川)
県産ジビエが堪能できるイベント「いしかわジビエビブリオフェア」が十一月十九、二十の両日、金沢市小立野の県立図書館で催される。料理関係者や狩猟関係者らでつくる「いしかわジビエ利用促進研究会」の主催。関係者が二十日、県庁で馳浩知事にPRした。イベントは「買う・作る・食べる・学ぶ」をコンセプトに、ジビエの普及や消費拡大につなげるのが狙い。イノシシ肉やシカ肉、加工食品が並ぶマルシェや料理教室、現役ハンターによる捕獲セミナーなどが企画され、金沢市内のレストランとカフェが共同開発したジビエバーガーも限定販売される。ジビエ利活用アドバイザーで、女性の狩猟者でつくる「狩女(かりじょ)の会」を主宰する福岡富士子さんは「命をいただく大切さを伝えたい。低カロリーで高タンパクの素晴らしい食材でもあり、石川ジビエを広げていきたい」と話した。研究会は農作物に被害を与えるイノシシなどの獣肉を里山の魅力ある食材として有効活用するために二〇一四年度に発足した。

(「山の恵」シカを有効活用:兵庫)
ジューシーな お肉を炙ったステーキ串に、お肉をたっっぷりと使った、ほっくほくなコロッケ。そして、ヘルシーだけど高タンパクなペットフード!これらは全て、山の恵「シカ」を活用したものなんです。まずはキッチンカーの「SHIKASHIKA(シカシカ)」。【フードトラック「SHIKASHIKA」 鵜沼明香里店長】シカ肉料理しか出さないキッチンカーなので、ダジャレみたいな感じで「SHIKASHIKA」にしました。ことし5月からシカ肉料理専門のキッチンカーをオープンした鵜沼明香里さん。兵庫や大阪などでキッチンカーを出店しています。【鵜沼店長】いまはウシ・トリ・ブタがメインで食べられていると思うんですけど、シカ肉って縄文時代から日本人が食べてきた、すごく歴史のあるお肉。駆除はシカを殺すことがゴールになってしまう。利用というのはそこを起点に(殺したシカを)どうおいしく食べるかとかというものに派生する。兵庫県によると、2020年の鳥獣による農林業被害は、およそ4億6500万円。その内、シカだけで全体のおよそ3割を占める被害を出しています。害獣として嫌われ、「臭くて硬い」というイメージのあるシカを、「山の恵」として おいしく利用しようと考えたのがシカ肉料理専門のキッチンカーなのです。【鵜沼店長】表面を焼いて、低温調理でゆっくり約60℃で約1時間半火を通してこの状態になります。直火だとすごくパサパサしてしまうので、表面を焼いてから火を通すと水分が保たれる。バーナーで炙り、香ばしさをプラス。そして、タマネギをたっぷり使った和風ダレをかければ完成です。三重県から来たこちらの女性。初めてシカ肉を食べるという、そのお味は?【三重県から―】やわらかいです、おいしい。(シカ肉は)臭くて硬いイメージですけど、全然臭くなくておいしい。ものすごく柔らかい。【鵜沼店長】今後はシカ革や内蔵など、まだまだ未利用資源が多いので、「SHIKASHIKA」の存在が駆除と利用の懸け橋になればいいなと思っています。続いては姫路市・香寺町。こちらで作っているのが、コロッケ。ある工夫を凝らしたシカ肉を使っている珍しいコロッケなんです。【北恒屋みつばちプロジェクト 中西秀直 代表】良い香りでおいしく本当に仕上がっています。おいしいです。こちらは中西秀直さん。このシカ肉コロッケの発案者です。普段はミツバチに関する保護活動や里山づくりを行っているので、近年の山の環境の変化を感じることが多いそうです。【中西代表】集落の方が芝刈りなどで山に入る機会が減り、山が荒れてきています。山に入らないということはシカ・イノシシの活動エリアが広がっている。畑の被害も多くなっている。農家さんが被害で困っている、シカ肉を利用したコロッケというような形で活用できないかという相談を商工会女性部の方に持ちかけたわけです。【姫路市商工会女性部 土山里美部長】「シカ肉を使ってコロッケを」と聞いたときは「えぇ!?」と思ったが、でもちょっと面白いかと思って話に乗った。結構イケるんじゃないかと。【姫路市在住 猟師 井口直美さん】こんにちは。きょうの分です。【中西代表】ありがとうございます。姫路市にあるシカ肉加工施設で処理された新鮮なお肉をコロッケに。そのシカ肉をミンチにして、ある工夫を凝らします。【姫路市商工会女性部 土山美穂さん】燻製します。揚げたては食べられるんですけど、冷めてからがやっぱり臭みが出た。(燻製すると)臭みが気にならなくなります。【土山部長】食べやすいです。牛肉とかとは全然違います。【土山美穂さん】シカ肉の臭みは感じないです。この日は、町の子ども達に燻製シカ肉コロッケの試食をしてもらうことに。【男の子】めっちゃおいしい。外がカリッとしてて中がホクホクで、味はいつもの豚肉と変わらない。【中西代表】将来、鹿肉をコロッケだけに限らず、一般家庭の食材として広がって欲しい。子ども園や子ども食堂のメニューに取り上げてもらうことができればいいかなと思ってるんです。シカ肉の有効活用は他にも。【NPO法人 cambio(カンビオ)後藤高広理事長】朝、捕獲されたものを持って来ていただいています。冷蔵庫で鮮度を保ちながら保存、まさに「24時間のシカポスト」。ここは多可町のNPO法人「cambio(カンビオ)」が運営する、シカ肉を使ったペットフード製造場。【後藤理事長】シカは添加物のあるものを食べていない、非常にオーガニックな食材。高タンパク低カロリー。そのシカ肉をうまく使って国産のペットフードを作りたいと思いまして、研究をして今作っております。農作物を食べてしまう「シカ」だからこそ。ヘルシーでいて栄養素もあるペットフードにして活用しています。材料となるシカは、地元の猟師が捕獲して 持ち込んだもの。カメラの記録と猟師が記入した伝票を照らし合わせて各自治体へ報告。捕獲数の把握や、報酬の支払いに役立ています。まさしく24時間、自由に搬入できる「無人シカポスト」なんです。多可町のシカ捕獲数は年間およそ400頭。その内、およそ300頭を埋めたり焼却したりして処分していました。しかし、施設の利用者が増え、多可町の焼却処分費用は5分の1以下に減ったといいます。理事長の後藤さんは、このような「無人シカポスト」を増やそうと計画しています。【後藤理事長】(増やした無人シカポストから)冷凍にした個体をここまで搬入、まとめて搬入してもらうことで運送のコストなどを軽減しております。特殊技術で解凍して、良い状態のシカ肉として使おうと実現化中。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、18日午後9時50分ごろ、仙台市青葉区荒巻青葉にクマが出没しました。

TOPへ

10/19
(欧米製のライフル弾、入手困難に:熊本)
新型コロナウイルス禍のロックダウン(都市封鎖)や、米国での弾薬ニーズの高まりなどで、欧米製のライフル銃の弾の輸入量が減っていることが分かった。11月の狩猟解禁を控え、熊本県内の関係者は弾不足が続けば、農林業に被害を与える有害鳥獣の駆除に影響を及ぼすと不安視している。「今年1月ごろからライフル弾の不足を感じ始めた。弾を自作するための機械も買ったが、部品も少ない。こんなことは初めて」。阿蘇中部猟友会員の男性(71)=阿蘇市=は悩ましげだ。昨年は100発ほどを購入し、シカとイノシシ計約40頭を仕留めた。しかし、現在手元にあるのは約30発で、購入を予約できたのは20発だけだ。狩猟では主に散弾銃とライフル銃を使うが、「散弾はまだ不足していない」と男性。しかし、「警戒心の強いシカは数百メートル離れて撃つので、射程が長いライフルを使う。このまま弾が来なければ狩猟に大きく影響する」と懸念する。阿蘇銃砲火薬運動具店(同市)の井浩一郎代表(47)はライフル銃の弾について「取引業者は『年内の入荷の見込めない』という。今後どうなるのか…」と心配する。弾の価格は円安の影響もあって夏以降、2度上昇。「1発200円台だった弾を300円台で売っている」という。熊本市の銃砲店も「お客さん1人当たりの販売数を減らして対応している」と明かす。一方、スポーツ競技のライフル射撃の弾について県協会の小早川央[ひろし]理事長(70)=熊本市=は、「狩猟用と違い小口径の銃が主流で、火薬を使う銃の競技者は20人足らず。少なくとも県内では弾不足を感じない」と話す。全国の輸入、製造会社などでつくる一般社団法人・日本猟用資材工業会(東京)によると、狩猟用ライフルの銃弾は100%欧米からの輸入品。同会が7月に公開した輸入の現状に関する文書によると、欧米では新型コロナウイルス禍によるロックダウンなどで供給網が混乱。さらに主産国の米国では「2020年の大統領選に伴う政情不安で銃器・弾薬の新規需要が急拡大している」と分析する。ウクライナ危機については、狩猟用と武器用は弾が違うため戦争の直接的な影響はないが、「欧州内の交通網の混乱に拍車をかけ、輸出遅延を起こしている」とみる。同会は「各社とも輸入に苦慮している。不安定な供給状況をいつ脱却できるのか、めどはつかない」と頭を悩ます。県によると、20年度の野生鳥獣による農作物の県内被害額は5億4782万円。うちイノシシが46%、シカが11%を占める。有害鳥獣の駆除を担う阿蘇中部猟友会の川上奨[すすむ]会長(79)=阿蘇市=は「もし弾不足が続けば、今まで2、3発撃っていた場面を、1発で仕留めなければならない。輸入状況が改善すればいいのだが…」と気をもむ。

(『レプトスピラ症』で16年ぶりに死者:沖縄)
イノシシなど野生動物の尿で汚染された土や水に触れることによって感染し高熱などを引き起こす「レプトスピラ症」で70代の男性が死亡しました。沖縄県内での死者は16年ぶりとなります。「レプトスピラ菌」はイノシシやマングースなど野生動物の腎臓に潜む細菌でその尿によって汚染された川や土に傷口などが触れることで感染します。感染後、3日から2週間ほどの潜伏期間を経て38度以上の高い熱や筋肉痛、目の充血などの症状が現れ治療しないと死亡する場合もあります。県によりますと今月5日、八重山保健所管内に住む70代の男性が発熱や腎不全の症状を訴え入院しましたが3日後に死亡しました。レプトスピラ症が疑われたことから検査をしたところ今月12日感染が確認されました。レプトスピラ症による死者が県内で発生するのは2006年以来16年ぶりのことです。沖縄はレプトスピラ症の発生件数が多く、昨年(21年)は国内の発生件数34件のうち24件が、おととし(20年)は17件のうち8件が沖縄で発生しています。沖縄県内では川遊びの際に感染することが多いことから県は擦り傷や切り傷がある場合は遊泳を控えるよう注意を呼びかけています。また捕獲したネズミなど野生生物との素手での接触を避け、噛まれないように注意する。河川や滝などの生水はそのまま飲まない。家畜やペットの尿に触れた場合はしっかり手洗いする、などの予防策を呼び掛けています。野外活動やネズミの捕獲をした後、3~14日以内に突然の頭痛、発熱、筋肉痛の症状が出た場合、すぐに医療機関を受診し活動状況を医師に伝えることがレプトスピラ症診断の重要なポイントになるという事です。治療にはペニシリンなどの抗生物質が有効とされています。

(ふるさと納税で資金集め、ライフル射撃協会の試み)
国内の大半のスポーツ競技団体にとって活動資金の確保は常に悩みの種であり、知恵の絞りどころ。日本ライフル射撃協会の松丸喜一郎会長から、ふるさと納税制度を使って2021年分として112万円の収入があったと聞いて、そんなやり方もあるのかと感心した。他の競技団体にも参考になりそうだ。東京都新宿区は21年度から「ふるさと新宿区わがまち応援寄附金」を導入した。同区内に主要な事業所があって公益的活動をしている団体を対象に、個人が支援先を指定して寄付できる制度。寄付金額の3割は区に入り、7割が指定した団体に交付される。同区内の国立競技場の近くには日本スポーツ協会(JSPO)、日本オリンピック委員会(JOC)をはじめ、ライフル射撃協会など多数の中央競技団体が入居する「ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア」がある。公益法人ならばスポーツ団体もこの制度の対象となる。松丸氏は以前からスポーツ関係の公益法人をふるさと納税の寄付先に指定できるよう新宿区に要望していた。協会のホームページと各地方の加盟団体を通じて、新たな制度を紹介して協会の大人の登録会員に支援を募ったところ、21年12月までに14人から計160万円の寄付が同区にあり、22年度に112万円が交付された。松丸氏は「告知が秋になったことを考えれば、予想以上に集まった。毎年続けて徐々に増やしていきたい」と話す。112万円は半分は同協会、半分は地方の加盟団体に回し、ともに競技の普及、ジュニアの発掘育成に活用するという。競技者やファンが限られるライフル射撃で112万円なら、競技人口が多い団体ならかなりの収入になるだろう。五輪などの国際大会で代表選手が活躍した後は、寄付が増えることも考えられる。だが、現時点では五輪競技で活用しているのはライフル射撃だけ。新宿区によると、導入したばかりで知られていないこともあり、21年の同制度を使っての寄付は全体でも10団体程度だったという。ふるさと納税制度は、それぞれの限度額内なら実質2000円の負担で、ご当地ならではの返礼品がもらえることで人気がある。自治体などの了解、協力が必要になるが、スポーツ関連でもお金をかけない魅力的な特典を用意できるかもしれない。競技団体が、寄付がもらえるほど競技者やファンに支持されるにはどうすべきかを考えるきっかけにもなる。

(駅付近にイノシシ出没、住民がかまれる被害も:香川)
10月19日午前6時40分頃、JR高松駅北に位置するサンポート高松にイノシシが出没。その後、浜ノ町と西宝町でもイノシシが目撃されています。目撃されたイノシシは、体長1メートルで、西宝町では散歩中の77歳の男性が足首をかまれケガをしています。警察では、イノシシを目撃した際は、不用意に近寄らないように注意してほしいと呼びかけています。

(豚熱確認、県内6例目:広島)
広島県は14日、安芸太田町内で見つかった野生イノシシ1頭の豚熱(CSF)感染を確認したと発表した。県内の確認は6例目。

(「豚肉王国」を襲う豚熱:群馬)
「豚肉王国」を名乗る群馬県で近年、豚熱の発生が続いている。今年は、国内で発生した8件のうち4件が県内。県は対策を講じているが、生産者は絶え間のない不安に襲われている。県内では1969年以降、豚熱の発生はずっと途絶えていた。しかし19年10月に感染した野生イノシシ2頭が見つかり、20年9月に高崎市の養豚場で豚熱への感染が確認された。その後、昨年は4件。今年は8件すべてが栃木、茨城、群馬の北関東3県で発生し、そのうち4件が群馬で起きた。これまで県内では計約4万3千頭が殺処分されてきた。また、野生のイノシシの感染も確認されている。今月13日時点で、県が遺伝子検査をした3279頭のうち160頭が陽性だった。県の担当者は感染源を「感染した個体か、人や野生動物に付着した土などのどちらか」とし、県内で頻発している要因については「他県より、野生イノシシの生息域と養豚場の立地が近いためでは」とみる。群馬は全国でも有数の養豚県だ。県内の豚の飼育頭数(21年)は64万頭にのぼり、全国では4位。県の農業産出額(20年)に占める割合は2割近く(465億円)で、山本一太知事は「県の主要産業」と会見などで繰り返し述べている。重要な産業を守るため、県は対策を続けている。野生イノシシ間の感染拡大を防ぐため、山中でイノシシ用の経口ワクチンを混ぜたエサをまいている。また、国の方針に従って、19年10月から生後1~2カ月の子豚などへのワクチン接種を養豚家たちへ求め、年間160万回ほど接種が行われている。だが、ワクチンを打っても感染する場合があったといい、「万能ではない」と県担当者。豚熱が発生した場合、当該の農場と、人の行き来があった関連農場で、接種済みの個体を含めた全頭を殺処分してきた。前橋市内で約3千頭を飼育する近藤崇幸さん(44)は「見えない相手と戦っているようなもの。いつ背後から撃たれるか、恐怖」。対策を取っても、どこから感染するか分からない不安を強く感じているという。消毒を強化したため人件費が増えたうえ、飼料の高騰も追い打ちをかけている。月々のエサ代は3カ月で150万円ほど上がり、現在は1千万円を超える。もし自分が育てた豚たちが感染して、全てを処分することになったら……。「想像がつかないが、きっと続けていく気力はなくなるんじゃないか」と話す。県建設業協会の一員として殺処分に協力している大川建設(桐生市)によると、殺処分して袋に詰めた豚はトラックで運搬して穴に埋める。頭数が多い時は24時間態勢の作業になるという。担当者は「もう発生しないで欲しい。生まれてすぐに殺されてしまうのは、農家も豚もかわいそう」と案じる。対策強化のため、県は9月補正予算に6億円を計上。野生イノシシを追跡するためドローンを導入したり、山林と養豚場の間にある木を伐採して「緩衝帯」をつくりイノシシの行き来を阻めるようにしたりするという。県担当者は「一番大変なのは農家さんたち。綿密に連携し、寄り添う対策をしていきたい」と話した。

(シカの農業被害、過去最悪の前年度より減少も高い水準:岩手)
県内でシカによる農業被害が相次ぐなか、昨年度の農業被害額はおよそ2億1400万円で、過去最悪だった前の年度から減少しましたが、依然として高い水準が続いていて、県は、引き続きシカの捕獲などの対策を進める方針です。8月に開催された岩手県のシカ管理検討委員会では、昨年度の県内のシカによる農業被害額はおよそ2億1400万円で、過去最悪だった前の年度から1300万円あまり減少しましたが、依然として高い水準が続いています。農業被害は、県内33市町村のうち29の市町村にのぼり、県の全域に及んでいます。作物別の被害額では、「水稲」が前年度からおよそ440万円増えて7900万円あまり。次いで、「飼料作物」が前年度からおよそ1200万円減りましたが、5400万円あまりでした。また、昨年度、県内で捕獲されたシカは2万6839頭で、前年度より6000頭あまり増えて、これまでで最も多くなりました。岩手県では、農業被害の対策として今年度のシカの捕獲目標を2万5000頭に設定しています。シカの生息域を詳しく調べ、捕獲に力を入れるほか、ハンターの技術を向上させるための研修会なども行っていくことにしています。

(被害をもたらすクマやシカ駆除、ハンターに関係する法律とは:北海道)
北海道内で、ヒグマやエゾシカなど野生動物がもたらす被害が収まりません。札幌では市街地にクマが出没して人を襲い、地方ではシカの食害も深刻です。猟銃などによる駆除が進められていますが、さまざま気をつけなければいけない点があるようです。自らも狩猟免許を持つ札幌弁護士会の中村憲昭弁護士に話を聞きました。――道内で野生動物による被害が増えています。道の統計によると、被害の8割がエゾシカの食害です。被害額は40億円にも上り、増加傾向にあります。ただ、シカは人を見れば逃げますが、最も怖いのは人を襲う可能性があるヒグマです。2021年6月には札幌市東区で男女4人が襲われました。被害件数は少なくても、人命への危険があるので、特に注意が必要です。――狩猟や駆除において、どんな法律が関係しますか。鳥獣保護管理法(旧鳥獣保護法)です。文字通り、野生動物の保護と管理について取り決めた法律です。ここで言う「管理」は、頭数の調整です。環境相が基本指針を決め、都道府県知事が管理事業計画を決めます。ちなみに狩猟対象の鳥獣は、クマやシカを含め、カモやカラスなど48種類います。――他に関係する法律はありますか。銃刀法です。この法律は、原則「発砲禁止」であり、「こういう場合は発砲していい」という例外的な規則があります。法律の規定に従った銃猟はできるとありますが、逆に言うと鳥獣保護管理法の規定に違反した銃猟の場合は、「法律に従わずして行った猟」ということで銃刀法違反になります。鳥獣保護法違反だけが適用されるケースはほとんどなく、銃刀法違反も適用されることが大半です。――実際の現場で、駆除をするのはどういう人たちですか。多くの場合は狩猟者で、市町村から許可をもらって駆除をします。頭数と種類は、各市町村で決めます。――法律的に問題になるケースとは。最も多いのが「矢先の確認」を怠る事例です。人や建物に向けて撃ってはいけません。これは、趣味で行う狩猟だけでなく、有害駆除の場面であっても同じで、矢先の確認は発砲者の責任になります。――中村さん自身が、狩猟現場で気をつけることはありますか。私は知らない場所で撃つことはありません。初めて訪れた先では、まずは先輩猟師の指導の下、地形や危険箇所を教えてもらいます。私はこうした指導者がいる猟友会に入っていることもあり、知らない場所では撃たないという感覚は強いです。――他に現場で注意すべき点はありますか。日の出前、日没後に発砲することはできません。その後の解体作業があるので、日没後に撃つ人は少ないと思いますが、平地だと日の出前でも明るいので、待ちきれずに撃ってしまう人はいると思います。私は必ずその日の暦を見て、日の出と日の入りの時間を確認します。――2018年には、恵庭市で誤射による死亡事故も起きています。恵庭の事件ではシカの体の一部が見えたと思い込み、誤って男性に発砲してしまったといいます。体の一部しか見えていないのに撃つのは大変危険で、私は絶対にしません。林道入り口に車が止まっていれば、立ち入ることはありません。山菜採りの人が山中にいるかと思うと、怖いですから。――札幌市南区の住宅街にヒグマが出た時、駆除に時間がかかりました。たとえ有害鳥獣でも、原則として住宅地で猟銃を撃つことはできません。駆除にはチャートがあり、警戒度に応じてランクが変わります。町中に出没するとか、連日出没するとか、人を見ても逃げないとなると、危険度がどんどん上がり、駆除の方向に変わります。南区の事例では、最終的にヒグマが藤野の山林に入ったところで駆除されました。――中村さんは砂川市で狩猟をすることが多いそうですが。はい。砂川は旧産炭地で人口が減っているエリアです。10年ほど前までは、エゾシカも少なく、砂川の猟友会の人たちは、道東まで行っていました。しかし、最近はシカだけでなく、クマもよく出てくるようになりました。昔のように、人間がすみかを奪ったので、クマと遭遇する機会が増えたというのは事実誤認だと思います。人が減った土地に、クマが出没しているのだと思います。

(「鳥獣保護法」について弁護士に聞く)
ごみ置き場を荒らすカラスを駆除しようとして、殺虫剤入りの餌を置いてカラスを死なせたとして、男性が鳥獣保護法違反容疑で書類送検されたとの報道がかつてありました。カラスや、自宅のベランダにふんを落とすハトに悩まされている人は多いと思いますが、勝手に駆除すると法律違反になるようです。鳥獣保護法の概要と、法に触れずにハトやカラスの被害を避ける方法について、佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に聞きました。Q.鳥獣保護法の概要を教えてください。佐藤さん「鳥獣保護法(鳥獣の保護および管理ならびに狩猟の適正化に関する法律)は鳥獣の保護や管理を図るための事業の実施や、狩猟用の道具を使用する際の危険の予防に関する規定などを定めた法律です。その目的は鳥獣の保護や管理、狩猟が適正に行われるようにして、生物の多様性を確保し、私たちの生活環境を守り、農林水産業の健全な発展に寄与すること、そして、自然環境の恵みを享受できる国民生活を確保し、地域社会の健全な発展に資することにあります(同法1条)。この法律でいう『鳥獣』とは、鳥類、または哺乳類に属する野生動物のことです(同法2条1項)。そのため、『鳥獣』の中には、野生のカラスやハト、スズメなどが広く含まれます。ただし、『環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣』などは例外とされており、クマネズミやドブネズミといった動物には適用されないことになっています」。Q.殺虫剤などが入った餌をまいて、カラスやハトを死なせた場合、どのような罰則があり得るのでしょうか。佐藤さん「鳥獣保護法8条では、原則として、鳥獣を捕獲したり、殺傷したりすることを禁じています。これに違反して、『狩猟鳥獣』(肉や毛皮を利用する目的などで捕獲または殺傷の対象となる鳥獣であって、その捕獲等がその生息の状況に著しく影響を及ぼすおそれのないもの。マガモなど)以外の鳥獣の捕獲や殺傷を行うと、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処すると定められています(同法83条1号)。従って、殺虫剤などが入った餌をまいて、カラスやハトを死なせた場合、この規定により罰せられる可能性があります。なお、ハシブトガラスやキジバトといった鳥獣は先述した『狩猟鳥獣』に指定されていますが、たとえ狩猟鳥獣であっても、法律などで定められた狩猟期間に、認可を受けた猟区で適法な方法で捕獲する場合を除き、原則として捕獲が禁じられています。期間や区域、方法を守っていない場合は罰則の対象となるため、注意が必要です」。Q.毒餌以外の方法でカラスやハトを駆除した場合、どのような罰則があり得るのでしょうか。佐藤さん「鳥獣保護法では、鳥獣を捕獲したり、殺傷したりすることを原則禁じており、捕獲や殺傷の具体的な方法を問わず、禁止の対象としています。そのため、殺虫剤などが入った餌をまいた場合だけでなく、その他の方法でカラスやハトを駆除した場合にも、同様に、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処される可能性があります」。Q.カラスやハトを追い払おうと、次のような行為をした場合、鳥獣保護法に触れる恐れはありますか。・ロケット花火をハトやカラスに向けて発射する・水鉄砲で水をかける・棒などでたたく・剣山のような「鳥よけ」をベランダの手すりなどに設置する佐藤さん「カラスやハトに向かって、ロケット花火を発射したり、棒などでたたいたりすれば、鳥獣を傷つける恐れがあります。鳥獣保護法は、鳥獣を捕獲したり、殺傷したりする行為が未遂に終わった場合であっても罰すると定めています(同法83条2項)ので、実際に花火や棒が命中して、カラスやハトが傷ついた場合はもちろん、当たらなかったとしても罰せられる可能性があります。これに対し、水鉄砲で水をかけたとしても、カラスやハトの捕獲や殺傷にはつながらないと思われますので、この行為が鳥獣保護法に触れる恐れはないでしょう。ただし、水をかけることはカラスやハトを刺激することになり、追い払うどころか攻撃される危険もありますので、避けた方がよいと思います。剣山状の『鳥よけ』は市販されており、これをベランダの手すりなどに設置したとしても鳥獣保護法に触れることはありません。市販されている商品は鳥が傷つかないような構造になっているはずなので、必要に応じて活用するとよいでしょう」。Q.ちなみに、ハトやスズメを料理として出している店がありますが、これはなぜOKなのでしょうか。佐藤さん「日本の鳥獣保護法では、原則として、鳥獣を捕獲したり、殺傷したりすることを禁じていますが、狩猟鳥獣であるスズメや一部のハトについては決められたルールを守って捕獲することができ(同法8条1項2号)、捕獲後、食べることも禁じられていません。そのため、今では多くないでしょうが、国産のスズメやハトを料理として出す店があってもおかしくありません。また、輸入したハトやスズメを提供することは禁じられていないので、お店で出すことが可能です」。Q.カラスやハトの被害に悩み、駆除を考えた場合、どのようにすればよいのでしょうか。佐藤さん「まずは、お住まいの自治体の環境保全などを担当する部署に相談しましょう。例えば、巣の除去にしても、卵があったり、ヒナがいたりすると許可が必要になるなど、いろいろなルールが存在するため、実際に駆除する前に自治体に相談すると安心です。自治体からのアドバイスを受けて、自力で駆除できる場合には、市販のグッズなどを使いながら対処して構いません。自力で駆除するのが難しい場合は、費用はかかりますが専門業者に依頼しましょう。自治体によっては、一定の条件で補助制度を設けていることもありますので、活用するとよいでしょう」。

(「幻のクマ」痕跡を追って:香川)
四国は本州と並び、ツキノワグマの生息地だ。徳島県の剣山周辺で、20頭前後がひっそり暮らしているらしい。前回の「しこく宝島」で書いたように、北海道・知床でヒグマを目撃した私は、四国のクマがどんな暮らしをしているのか気になった。香川県まんのう町在住の登山ガイド水沼佑太さん(33)が、生息地を訪ねる「ツキノワグマ痕跡ツアー」を初めて開催すると知り、10月9日、参加した。案内人は、ツキノワグマの生態に詳しい四国自然史科学研究センター(高知県須崎市)の安藤喬平さん(32)。ふだん調査に通っているという剣山周辺に、計6人で向かった。落葉広葉樹がまばらに生えた林を歩いていくと、ミズナラの木の前に枝が散乱していた。「好物のドングリをとった跡です」。臆病なクマは人が来そうな場所には出没しないが、ここは昨年秋に見つけたという。「冬眠前は寝る間も惜しんで移動して、栄養をたくわえるんです」。この大食漢ぶりは、植物の生存戦略にとってもメリットがある。移動先でフンとして出されることで、広範囲に芽吹くことができるからだ。生物多様性を維持するのにクマは大いに貢献している。一方、人間には迷惑な習慣もある。食料が少なくなる初夏に行う「クマ剥ぎ」だ。太いヒノキの樹皮が、根元から1mぐらいの範囲でバナナの皮のようにめくれていた。「歯であま皮をこそぎとった跡です。本来高く売れるはずの太い木が狙われやすい」と安藤さん。木が腐り、材木として売れなくなるのだという。林業が盛んだった四国では、ツキノワグマは「害獣」と見なされ、積極的に駆除された。さらに生息に適した自然林が失われたことが減少に拍車をかけ、1980年代には「幻の動物」となった。地理的に孤立した四国は、本州からの個体の流入もない。すでに絶滅した九州と同じ運命をたどる可能性がある。奥深い山中にクマの痕跡を探しながら、造林ブームがもたらした人間とクマのあつれきを思った。周辺には、林業の衰退によって放置された人工林が広がる。安藤さんは「自然界と人間界のバランスをどうとるかを考える機会にしてほしい」と4時間のツアーを締めくった。四国自然史科学研究センターは、日本自然保護協会や、人間とクマの共生をめざす日本クマネットワークと連携して、ツキノワグマの絶滅を食い止めるための調査研究を続けている。こうした活動には、住民の理解も欠かせない。そのため、「アイランドベアー・フレンドリー」と題し、ハチミツや間伐材で作った箸など、地域の特産物とクマの保全活動を結びつけた商品開発などもしている。今回のようなツアーの企画もその一環で、次回は来春以降になるという。

(列車とクマの衝突事故急増:北海道)
JR宗谷線(旭川―稚内)と石北線(新旭川―網走)で本年度、列車がヒグマやシカと衝突したり、衝突回避のため徐行したりした回数が、過去最多だった2021年度を上回るペースで急増している。9月15日までの約半年間で宗谷線は174件(前年同期比10件増)、石北線は135件(同28件増)。専門家は「餌の少ない年は移動範囲が広くなるため、線路付近での出没がさらに増える可能性もある」と分析する。9月25日午後7時半ごろ、中川町佐久のJR宗谷線佐久―筬島(おさしま)(音威子府村)間で、稚内発札幌行きの特急宗谷(4両編成)がクマに衝突。死骸の撤去作業のため、後続の普通列車1本が約2時間半遅れた。同14日も同線でクマがはねられ、旭川―名寄駅間の普通列車4本が運休するなどし、計約180人に影響が出た。JR北海道によると、本年度(9月15日現在)のクマによる列車への影響件数は宗谷線17件、石北線8件。ペースは過去最多を記録した21年度に迫る勢いで、宗谷、石北の各路線の合計件数は道内の全路線の6割強を占める。一方で、シカは宗谷線157件、石北線127件だった。衝突件数が増えた要因について、クマの生態系に詳しい道立総合研究機構の釣賀一二三(ひふみ)主幹は「シカの生息域の拡大と個体数の増加が背景にある」と指摘。その上で「列車にはねられたシカをクマが食べて、その味を覚えたクマが線路に近づいて衝突事故が増えているのでは」とみている。

(ドングリ豊凶、地域で差:長野)
県と林野庁中部森林管理局(長野市)は、クマの行動に影響を与える堅果類(ドングリ)の豊凶調査結果を発表した。南信では、不作の傾向がある一方、中信では、昨年同様の着果が見られるなど地域ごとの差が大きかった。県は「クマとの遭遇に、十分注意が必要」と呼びかけている。南信では、諏訪地域が不作の一方で、上伊那地域では豊作の地点もある。中信は松本地域でナラ類が良好な地点が多く、北信はブナの着果が良好。東信の佐久地域では、ミズナラのドングリが少なかった。県の担当者は「クマは冬眠前にドングリを食べる。不作傾向がある一部地域では、行動範囲が広がる可能性もある」と話す。林野庁の調べでは、コナラは上小と木曽両地域で、ミズナラは長野と上小、大北、上伊那、木曽各地域で、ブナは大北地域でそれぞれ不作だった。県は、クマが秋季のエサとするブナやミズナラ、コナラ、クリ、クヌギなどを対象に県内の八十三地点の千二百本を、林野庁は二百三十三カ所の国有林を調査した。

(ドングリの実り具合例年比“良い”:鳥取)
ツキノワグマのエサとなる山のドングリの実り具合は、例年に比べて良いことが鳥取県の調査でわかりました。一方、これからの時期は冬眠を前にクマの動きが活発になることから、依然として人里に下りてくる可能性があるとして、県は注意を呼びかけています。鳥取県は、秋のクマの出没には冬眠前のエサとなる山のドングリの実り具合が影響していることから毎年、県内各地で調査を行っています。ことしは、県内25か所で9月中旬までの調査の結果、ミズナラは豊作で、ブナとコナラはややよく、クリはやや悪かったものの、全体としては例年よりもドングリの実り具合はよいことがわかりました。一方12月中旬までは、冬眠を控えたクマが食べ物を求めて動きが活発になることから、ドングリの実り具合がよくても人里におりてくるおそれが依然としてあるということです。こうしたことから県は、食べ物や生ゴミなどを家の外に放置せず、柿などは早めに収穫するよう呼びかけています。県によりますと、県内のツキノワグマの目撃や痕跡情報は9月末までで53件にのぼっています。

(GPSでサルの行動追跡:栃木)
衛星利用測位システム(GPS)発信機付きの首輪をサルに装着して行動を追跡するシステムが今秋以降、上塩原地区と宇都野地区で導入される。消費電力が少ない長距離無線通信技術(LPWA)を活用する県の「ICT(情報通信技術)等獣害防除新技術実証事業」の一環。LPWAを実際の獣害対策に生かすのは県内で初めてとなる。

(大型のネズミの一種「ヌートリア」見かけたら市町村に通報を:鳥取)
鳥取市中心部を流れる袋川で、17日夕方に、体長50センチほどの大型のネズミの一種「ヌートリア」が撮影されました。「ヌートリア」は農業被害を各地で引き起こし、「特定外来生物」に指定されていて、県は見かけたら市町村に通報してほしいと呼びかけています。映像が撮影されたのは、JR鳥取駅前の繁華街から東に500メートルほどの鳥取市寺町を流れる袋川です。体長50センチほどの茶色い毛に覆われたヌートリア1頭が、顔を水面から出しながらゆっくりと泳いでいるのが確認できます。ヌートリアは、南アメリカ原産の大型のネズミの一種で、戦前に毛皮などに使うため日本に持ち込まれましたが、戦後、養殖施設の閉鎖などで野外に放たれて野生化し、西日本を中心に定着しています。農作物を食い荒らすほか、もともといた生物を食べて絶滅させるおそれがあるとして、2005年からは「特定外来生物」に指定され、駆除の対象となっています。県によりますと、県内ではほぼ全域に分布が広がり、水辺近くの田畑で、稲やブロッコリーなどが食べられる被害が相次いでいるほか、県外では堤防に巣穴を掘ってしまうといった防災上の問題も出ていて、県鳥獣対策センターは、見つけた場合は市町村に通報してほしいと呼びかけています。県によりますと、ヌートリアによる県内での農業被害は、1990年に日野郡で初めて確認され、その後日野川下流の地域に広がり、1999年からは県中部でも、2003年からは県東部でも確認されるようになりました。その被害額は、2004年度には1000万円を超え、2008年度には1435万円に達しました。このため、各市町村が狩猟免許を持つ人に依頼するなどして駆除を進め、2008年度から2020年度までに、あわせておよそ2万7000頭を捕獲しました。その結果、ここ数年の農業被害額は100万円以下に抑えられていて、昨年度(R3)は15万円あまりとなっています。ただ県によりますと、近年は捕獲を行う人手の確保や高齢化が課題となっているということです。県と市町村は狩猟免許の所持者に加え、捕獲に必要な研修を受けた人に1頭当たり3000円の奨励金を出して捕獲を促していますが、ヌートリアは年に2~3回出産して、1回あたり7から8頭の子どもを産むなど繁殖力が高く、今後も生息数が増える恐れがあるということです。県鳥獣対策センターは、ヌートリアは寄生虫や病原菌を持っている可能性があるため、見つけても触らずに市町村に通報してほしいと呼びかけています。

(ふん害、カラスと知恵比べ:石川)
石川、富山県内で都市部を中心にカラスのふん害が目立ってきた。秋の行楽シーズンを迎え、観光客が増えるなか、電線や木々に黒く群がる不気味な光景や、路上が白く染まって歩きにくい状況は、都市のイメージ低下につながりかねない。自治体は音や光、天敵のタカ、ドローンなどを使って追い払いを試みるが、時間がたつと効果は薄れ、決め手が見つからない。「賢い」カラスとの知恵比べの現状を追った。金沢市中心部で、特にカラスが増えるのは夕方から日没にかけての時間帯だ。金沢城公園をねぐらにするカラスが、公園へ戻る前に周辺のビルや電線、樹木に群がり、道路や歩道などにふんを落とす。仕事帰りの通行人が足元を気にしながらふんを避けるように歩き、「汚いね」と漏らす観光客も。毎日ふんの掃除をしても、一夜明けると路上は白く染まり、いたちごっこである。金沢市環境政策課によると、カラスは春先に営巣し、巣立ってしばらくは郊外で過ごすが、秋口以降に、公園内に戻って集団生活を送るのが年間サイクル。このため、毎年、秋口から市中心部のふん害が深刻化するという。実は、市内のカラスの数は減少傾向にある。市が毎年11~1月に行う生息調査によると、2021年度の1日当たりの確認数は4214羽と、約9500羽だった20年前から半減した。ただし、一部の地域ではむしろ増加している。ねぐらの金沢城公園を中心に、通過した数を方向別で見ると、昨年度は、公園の北側の「橋場町-武蔵町間」が2085羽となり、過去4年平均の593羽の3・5倍に増えた。西南方向の「香林坊-広坂間」は1660羽と次いで多かった。一方、東側の兼六元町-下石引町間は17羽(過去4年平均比96%減)、兼六元町-橋場町間は15羽(同94%減)と大幅に減った。カラスが公園の「東」から「北」と「南西」に移動している傾向が明らかだ。

(超音波、効果たシカめたい:兵庫)
日本海側の山あいにある新温泉町立夢が丘中学校に毎晩、シカが進入。運動場にフンが散乱し、体育の授業で生徒が座ることができないほど悩まされている。県が民間企業から解決策を募ったところ、53歳のベンチャー企業経営者がシカが嫌う超音波を出す装置を開発した。ネズミでは効果を上げているというが、シカでの成否はいかに?朝の運動場を歩くと野球のマウンドのそばに黒い粒が転がり、テニスコートのライン際は2本爪の足跡でいっぱいだった。フンは30カ所以上に散らばり、集めると1日で1・5キロほどにもなる。毎朝、掃除をするが、体育の授業ではフンが落ちていれば生徒もおちおち運動場に座れないと、体育館で説明して外で実技だけすることもある。「部活前に顧問がシカを追い払ったこともあり、けががないかとヒヤヒヤした」と田中千尋校長。

(カラスを音で誘導、ベンチャー企業がふん害対策:愛知)
カラスの寝床となっている小牧山(小牧市)の周辺で、ふんで道路が汚れるなどの被害が目立つことから、カラスが警戒時に発する鳴き声を利用し、電線などにとどまることなく山に戻るよう誘導する実験が始まった。実験を担うベンチャー企業「クロウラボ」の塚原直樹代表(43)は「音に反応して警戒する様子もみられた。効果を期待できる」と話す。「カァー、カァー」。小牧山近くの商業施設の駐車場に設置されたスピーカーから四日、山に向けてカラスの鳴き声が流れた。すると、近くに止まっていたカラスたちが周囲を見渡し、飛び立っていった。「カラスは鳴き声で互いにコミュニケーションをとっている」と塚原さん。スピーカーから流したのは、猛きん類などの天敵がいるときや、仲間同士で争うときなどに発する声で、この場所が危険だとカラスに認識させることができるという。塚原さんは、動物行動学が専門の宇都宮大特任助教で、カラスの生態を約二十年にわたって研究してきた。その成果を社会に生かすため、二〇一七年にカラス対策が専門のクロウラボを立ち上げ、これまでに大府市や青森県八戸市などでも音声を使った対策を実施してきた。塚原さんによると、小牧山は餌場となる市街地や農村地帯に近く、カラスにとって「居心地の良い寝床」だという。カラスは就寝前に寝床周辺に集まる習性があり、その時にするふんが道路などを汚す。実験の狙いは、周辺の電線などにとどまらず、山に早く帰ってもらうことだ。実験では立体駐車場のほか、山近くのビルにもスピーカーを設置。各所にカメラも置き、カラスの行動を記録する。塚原さんは「山からカラスをいなくすることもできるかもしれないが、別の場所に移るだけ。うまくすみ分けし、共存していければ」と話す。小牧市での実験は、市が本年度に始めた新事業「Urban Innovation KOMAKI(アーバン・イノベーション・コマキ)」の一環。市が抱える地域課題の解決のアイデアを企業・団体から募り、市が実証実験の支援金を出して応援する事業で、塚原さんの実験は来年一月末まで行う。成果が出れば、市と本格的に契約する可能性がある。

(生態正しく知り共存へ、カラス研究のススメ:CrowLab社長 塚原直樹)
彼を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず。カラス対策はまさに「彼」を知ることが重要だ。正しく生態を理解し、研究すれば、百戦勝つことはできずとも、より適した対策につなげることで、より良い関係を築けるはずだ。では、どうすれば正しくカラスを知ることができるのか。先入観にとらわれない、擬人化しない、結果を疑う、この三つが鍵と考える。身近なイヌやネコは鼻が効くため、動物は嗅覚が優れると思いがちだ。しかし、カラスの嗅覚が鈍いことを示唆する解剖学的な証拠がある。ゆえに、臭いでカラスを寄せ付けなくする対策は難しい。トウガラシの激辛ソースをごみ袋に塗りたくれば、カラスもごみを荒らさなくなるのでは、というアイデアを耳にする。つい調子に乗って度が過ぎた辛みを食べ、体調を崩した経験のある方も多いだろう。その感覚を基にすると、カラスも嫌がりそうだ。しかし、カラスはへっちゃらである。なぜなら、鳥はトウガラシの辛み成分のカプサイシンを感じにくいからだ。試しに、強烈な臭いを放つ芳香剤をごみ集積所の上にぶら下げたり、激辛ソースをごみ袋に塗ってみたりするとしよう。おそらく、カラスのごみ荒らしを防げるはずだ。はて? 言っていることがあべこべだと思われただろうか。カラスの嗅覚は鈍く、激辛も大丈夫だとすれば、これらの対策をしてもごみは荒らされてしまうのではないか。実は、違う要因でごみ荒らしを防げている。それは、変化自体が原因だ。芳香剤の容器やソースの塗られたごみ袋など、いつもと違う状況が、記憶力と洞察力に優れるカラスを警戒させる。そのため、この時はごみが荒らされるのを防げたのだ。だが、これらの対策はカラスにとっては実害がない。そのため、何回か試した後には必ず効果がなくなる。私は、この一時的な効果を「かかし効果」と呼んでいる。かかしはヒトを模した対策だ。しかしカラスは、微動だにしないかかしをヒトとは思わないだろう。かかしも、設置直後はカラスを寄せ付けない。見慣れないものがあるのでとりあえず近づかないでおこう、とカラスが警戒するためだ。ただ、何度も目撃していると、警戒すべき対象ではないと判断し、無視するようになる。対策を研究する上で、このかかし効果が厄介だ。一見、カラスが嫌がっているような結果を出してしまうからだ。先入観や擬人化による誤った解釈の後押しで、間違った「効果的なカラス対策」を発見してしまう。都合の良い結果をすぐに信じてはいけない。そして「己」を知ることが重要だ。カラス対策で言えば、ヒトの行いが被害に直結している。「彼」を知ろうとすれば、きっとそれに気付く。共存の道が近づくはずだ。

(転職の45歳女性、シカ捕獲の才能開花:福井)
ニホンジカなどによる農作物への被害が年々深刻化する福井県南越前町は今春、捕獲の専門職員を県内で初めて採用した。採用されたのは坪田愛子さん(45)。半年で既に約140頭のニホンジカを捕獲・駆除した。シカだけでなくサルなどについても目撃情報や注意点などを、交流サイト(SNS)で住民に注意喚起している。町によると、町内のニホンジカやイノシシなど有害鳥獣による農業被害は2017~21年度の5年間で、被害面積が20・9ヘクタールから32・22ヘクタールへ約1・5倍に、被害額は753万2千円から1415万9千円に約1・9倍になった。中でもニホンジカによる被害は深刻で、昨年度の捕獲頭数は19年度に比べ倍増の737頭だった。町では、銃器など各種免許を持ち県猟友会の推薦を受けた約30人が捕獲に当たっている。しかし仕事の傍らで行う人が多く、1人当たりの捕獲頭数は伸び悩んでいる。このため今年4月、捕獲専門の会計年度任用職員1人を採用した。敦賀市で会社勤めをしていた坪田さんは元々、ジビエ料理やアウトドアが好きで、19年秋に装薬銃や空気銃を扱う第1種銃猟免許を取得した。猟師の高齢化や、担い手不足で獣害対策に困っている同町の現状を知り、役に立ちたいと転職を決め、同町に移住した。坪田さんは主にニホンジカをわなで捕らえ、電気やりでとどめを刺す手法を使っている。ニホンジカ捕獲数は9月末には138頭に達した。頻出するサルの群れの警戒、退治にも当たる。軽トラックで町内を回り、住民から目撃情報などを聞き取っている。8月からは「鳥獣害対策員のあいこさん」と銘打ち、フェイスブックなどのSNSでニホンジカへの注意喚起や、サルの群れを確認した位置、時間帯などを発信している。坪田さんは「獣害は人が生活する身近な場所にまで及んでいる。1頭でも多く捕獲してほしいという農家の気持ちに応えたい」という。若い人に狩猟に興味を持ってもらえるような「仕掛けづくりにも挑戦したい」と意気込んでいる。

(むかし“益鳥”いま“害鳥”、駅前の空を埋め尽くすムクドリ:愛知)
夕方になると、空を黒く埋め尽くす鳥の大集団がやってきます。駅前の電線や街路樹に我が物顔で集まる鳥の正体は「ムクドリ」。鳴き声やフン害で近隣住民や専門家を悩ませています。ムクドリは、なぜ夕方から夜間に街の中心部に集まるのでしょうか。日中はいったいどこにいるのでしょうか。謎の生態を徹底取材しました。名古屋市西区の上小田井駅前は名古屋鉄道と地下鉄の駅、そして高速道路があり、住宅や工場も集中しています。午後5時半ごろになると、どこからともなくムクドリが集まってきました。ムクドリは一カ所には固まらず、周辺の電線や街路樹に100羽前後の群れで何カ所かに分かれて集まります。少し時間が経つと、一斉に駅前の電柱や電線に止まりムクドリで埋め尽くされ、さえずり始めました。街路樹にも大量に群がります。騒音の大きさがわかるアプリでムクドリの鳴き声を測ると、約75デシベル。70を超える値は、“騒々しいオフィス”や“掃除機の音”と同じレベルの音量です。鳴き声の騒音やフンの匂いなどの被害に悩まされています。鳥の生態などを研究する名城大学農学部の橋本准教授は、ムクドリたちにとって駅前こそ安全な場所だと言います。(名城大学農学部・橋本啓史准教授)「1つは人通りが多く明るいので、夜間も(ムクドリの)天敵が近づきにくい」。駅前は夜遅くまで人通りが多く、一晩中街灯などで明るいため天敵となるタカやハヤブサなどの猛禽類(もうきんるい)やヘビなどが近づきにくくなります。さらに、集団でいることで狙われる確率も下がります。2020年、橋本准教授が学生と行った調査では、池下駅や藤が丘駅など名古屋市内の7か所でムクドリの“集団ねぐら”を確認しました。街中はヒートアイランド現象で暖かく、夜も気温が下がらないと言います。秋になり、気温が下がる時期でもムクドリにとっては暖かい環境なのです。(名城大学農学部・橋本啓史准教授)「自分の所を追い払ってもまた次の所で被害が出る」。都会の駅前をねぐらにするムクドリたちは、昼間どこにいるのでしょうか。早朝、上小田井駅前に行ってみるとムクドリはまだ大量に止まっていて、すでに大きな鳴き声も聞こえます。午前5時半過ぎ、ムクドリたちは一斉に「北の方角」へ飛び立っていきます。ムクドリの行動範囲は、ねぐらを中心に数㎞から10㎞程度の範囲です。ムクドリが飛んで行った北方向へ5㎞行くと、畑にムクドリの姿が。ムクドリは畑や川沿いの土手でエサを食べていました。昔は田畑の害虫を食べる“益鳥”として人に親しまれたムクドリも、開発で自然が減ると果樹園などで食害が目立つように。都市部にねぐらを作るようになってからは、完全に害鳥扱いとなりました。夕方5時半になると、上小田井駅には再びムクドリの群れが現れました。朝飛び立ってからちょうど12時間。ねぐらにしている上小田井駅前に帰ってきたのです。そしていつもの大合唱が始まりました。(名城大学農学部・橋本啓史准教授)「(名古屋は)大都市ですけど、まだ周辺に農地が広がっていてエサ場が街中になくても外に出かけて戻ってくる生活ができる。おそらく(駅前は)住みやすい所だと思う。ムクドリにとっては…」。全国的に被害がやまないムクドリ。人間と再び共存できる日は来るのでしょうか。

(ニホンキジを自然に放つ:兵庫)
兵庫県養父市では、地元の園児たちがニホンキジを自然に放つ体験をしました。地元の園児たちが興味津々に触っているのは、キジ。これは地元の猟友会が子どもたちに、自然の豊かさを学んでほしいという狙いで行っている放鳥体験で、この日はニホンキジ24羽が自然へと放たれました。兵庫県では、野生の種を増やすため、毎年ニホンキジ500羽を県内各地で放鳥しているということです。

(50年放置された“田んぼ”復活させたら“イノシシ”のたまり場に:山形)
山形県鶴岡市では、担い手不足で使われなくなった耕作放棄地の再生プロジェクトが進んでいます。田んぼの再生とともに見えてきたものとは?秋の風物詩・稲刈り。先週金曜日、山形県鶴岡市の中山地区で、山形大学農学部の学生たちが稲刈りを行いました。実はこの田んぼ、担い手不足のため作付けが行われなくなった「耕作放棄地」。学生たちのチームでは、農家の高齢化が進む中で持続可能な農業を目指そうと、肥料や農薬を使わない米作りを研究しています。そのカギが・・・。人と自然の関わりを研究する山形大学農学部の佐藤智准教授です。佐藤准教授が選んだのが、この「マルタニシ」。県の準絶滅危惧種にも指定されている貴重なタニシです。田んぼから100メートルほど離れた水路で見つけたマルタニシを、去年、田んぼに移したところ、コメの育ちが良くなったそうです。佐藤准教授によりますと、マルタニシには土の中の生態系を変化させて、土壌を良くする効果があるということです。もう1か所、再生を目指す田んぼに案内してもらいました。雑木林を歩くこと10分。到着したのは、なんと、50年も放置されてきた田んぼです。そこで目にしたのは…。収穫前の稲は、無残にも踏み荒らされていました。泥や沼地を好むイノシシの仕業です。水路を復活させて田んぼにしたことでイノシシが集まるようになってしまいました。収穫量は、想定の3分の1のおよそ30キロ。それでも佐藤准教授は、こうしたトラブルにも地域を知るためのヒントが隠されていると話します。研究チームでは、今年得た経験を生かして、来年以降も自然を生かした米作りを続けていくということです。

(サルに食べられる前に、先手の柿もぎ:長野)
富士見町でサルに柿の実が食べられる被害が目立つとして、地元の富士見高校1年生81人が14日、サルに食べられる前に実を収穫する作業をした。「サル・柿合戦」と銘打ち、同町落合の上蔦木(かみつたき)区にある約10本の木から実を収穫。

(サルより先に、関係人口とともに柿収穫:兵庫)
ニホンザルによる農作物被害に悩まされている兵庫県丹波篠山市畑地区のみたけの里づくり協議会が15日、サルを里に引き寄せる要因となってしまう柿を収穫するイベント「さる×はた合戦」を開いた。秋の味覚の代表「柿」。地区内には数百本の柿の木があるものの、近年は高齢化などの影響で収穫されないことが多い。放置された柿はサルを里に引き寄せ、畑の作物への被害につながることから、「関係人口」(市外に暮らしながらもその地域が好きで、かかわりたい人)の力を借りた「合戦」を展開している。今回で9回目の取り組みに、都市部や地元などから53人が参加。地区内に点在する柿を採っては持ち帰り、”楽しく、おいしい”獣害対策に臨んだ。2歳の女の子と参加した女性(32)は、「柿の収穫は初めてで、楽しかった。上ばかり見ていたので首が痛いです」と言い、「自分で取った柿を食べることで食育にもつながるし、地域の獣害対策に少しでも力になれれば」と笑顔で話していた。

("5日連続"出没のクマか、ハンターが1頭を駆除:北海道)
札幌市南区石山で10月18日午前、ハンターによりクマ1頭が駆除がされました。撮影したカメラの映像から銃声が聞こえます。駆除されたのは、10月14日から連日出没していたクマとみられています。18日午前10時50分ごろ、札幌市南区石山1条7丁目付近の豊平川で、ハンターがクマ1頭を駆除しました。この現場では、10月14日から5日間連続でクマが出没していて、18日朝も警察と市の職員がパトロールをしようとしていたところ、川の岸に座り込むクマが目撃されたため、市がハンターに駆除を要請しました。このクマは体長1.2メートルほどで、10月14日から連日出没していた個体と同じとみられています。

(熊1頭わなにかかる:長野)
上田市上塩尻で16日朝、ツキノワグマ1頭がわなにかかっているのが確認された。現場は住宅地と隣接した山沿い。体長1メートル以上の雌で、これまで一帯で目撃されていた熊とみられる。一帯では9月から住宅地で熊の目撃が相次ぎ、市や地元の上小猟友会上田支部が3カ所にわなを仕掛けていた。14日午後5時ごろには、近くの東福寺で柿を食べる様子を新藤憲吾住職(35)が目撃し、動画を撮影した。新藤住職は「まさかと思った。こちらの存在を気にしていない様子だった」と振り返る。今月には住宅地で熊がクルミの木に登って実を食べる様子も目撃されており、地元自治会では近くの塩尻小学校の登校時間に合わせた巡回などをしてきた。山崎康彦自治会長(67)は「被害が出てからでは遅いため、日々心配していた」と話した。上小猟友会上田支部によると、塩尻小グラウンドでは9月、熊2頭が並んで走ったとみられる足跡も確認されている。同支部などは今後もわな設置を検討する考えだ。

(列車がシカに接触:岡山)
14日午後7時58分ごろ、JR因美線の美作河井(岡山県津山市)ー知和間(同)でシカと列車が衝突。美作加茂ー智頭間で終日運転を見合わせる。この影響で運休や遅れが出ている。

(列車と鹿が接触:福井)
JR西日本によると10月18日午後9時55分現在、湖西線で列車とシカが接触した影響で、特急サンダーバードに遅れが出ている。

(シカ衝突や線路転落:北海道)
18日午後7時5分ごろ、千歳市のJR千歳線長都―千歳駅間で、小樽発新千歳空港行き快速エアポート(6両編成)がシカと衝突した。乗客ら約180人にけがはなく、約20分後に運転再開した。また午後7時ごろには千歳線恵庭駅内で非常ボタンが作動した。JR北海道によると、乗客が線路上に落ち目撃者が押したという。駅員が乗客を救助し、約20分後に運転再開した。二つのトラブルの影響で快速エアポート3本を含む7本が運休、快速列車1本が45分遅れ、約3800人に影響が出た。

(連日クマの目撃情報:北海道)
札幌市南区の豊平川河川敷で連日クマの目撃情報が相次いでいます。近くの小学校では見守り登校の対応がとられました。札幌市の豊平川の上流に向かって歩く1頭のクマ。15日午後2時半ごろ、札幌市南区石山1条7丁目で橋の上からHTBのカメラが体長およそ1メートルのクマをとらえました。このクマが目撃された場所からおよそ2キロ離れた藤の沢小学校では、17日、教職員が通学路に立ち児童の登校を見守りました。周辺では14日から3日続けて同じ個体とみられるクマが目撃されています。札幌市は河川敷にとどまっている可能性が高いとみて近くに住む人に注意を呼びかけています。

(クマが2度にわたって目撃:北海道)
ヒグマの出没が相次いでいる札幌市南区の石山地区では、15日も住宅地に面した河川敷でクマが2度にわたって目撃され、警察や市が警戒を強化しています。15日午前11時前、札幌市南区石山1条7丁目の豊平川の河川敷で体長1.2メートルほどのクマ1頭が歩いているのを市の職員が見つけました。クマはいったん川の上流へ去って行きましたがおよそ3時間たった午後2時前にも近くで目撃され、その後、ようやく山の方へ姿を消したということです。この現場を含む硬石山周辺の一帯では先月からクマの目撃が相次いでいて、14日も付近の監視モニターにクマ1頭が写っていたため市の職員が現地調査を進めていたところでした。警察や市は警戒を強めるとともに付近の住民に改めて注意を呼びかけています。

(墓地でクマを目撃:新潟)
17日午後2時ごろ、南魚沼市船ヶ沢新田の市道脇にある墓地でクマ1頭(体長約1m)が目撃されました。クマは南方向の森へ立ち去って行きました。目撃された場所は民家から約200mの地点で、警察と市役所は付近の住民に注意を呼びかけています。

(野生のシカ肉の格付け制度導入へ:山梨)
狩猟で捕獲された野生のシカの肉の消費拡大に向け、山梨県は肉の大きさなどに応じた格付け制度を早ければ年度内に導入することになりました。農作物などを食い荒らすニホンジカについて、山梨県は管理計画に基づいて捕獲していますが、昨年度、県内で捕獲された1万7471頭のうち、食肉として加工されたのは3%程度の522頭にとどまっているほか、新型コロナウイルスが流行する前の3年前でもおよそ5.6%でした。食肉として活用が進まない背景には、野生のシカの肉は大きさにばらつきがあり、飲食店などの消費者にとって商品化や仕入れが難しいことが挙げられています。このため県は山中湖村早ければ年度内にも肉の格付け制度を導入することになりました。格付けの対象となるのは、衛生基準などを定めた県独自の認証制度を取得した施設が加工する肉です。県は今後、消費者からの需要が多い背中やモモなどの部位について、格付けの基準となる肉の大きさや厚さなどを検討することにしています。県畜産課は「消費者が希望する肉を安定して手に入れられる仕組みを整えることで、県産ジビエの消費拡大につなげていきたい」としています。

(ジビエ満喫:神奈川)
秋の大山・鶴巻ジビエ料理満喫デジタルスタンプラリーが2023年1月7日(土)まで開催されている。このイベントは期間中参加店舗などを利用して、デジタルスタンプを10個以上集めるもの。スマートフォンで特設サイトにアクセスして参加する。スタンプを集めると参加賞として、300個限定で特製コースターがプレゼントされる。また抽選で限定150個、オリジナルピンバッジのプレゼントもある。参加賞の特製コースターは、宮永岳彦記念美術館で受け渡し。ピンバッジについては、同美術館でアンケート付きの申込書に記入の上申し込み、当選者には後日郵送でプレゼントされる。スタンプラリーのスポットは大山下社や大山ケーブルバス停、弘法の里湯などの他、鶴巻温泉駅周辺の飲食店など。

(イノシシジビエ提供再開:岐阜)
岐阜市の養豚場で、国内で26年ぶりとなる家畜伝染病「CSF(豚熱= 豚とん コレラ)」の発生が確認されてから、9月で4年がたった。県は、野生イノシシのジビエ(野生鳥獣肉)としての利用を自家消費に限っていたが、事業者向けの県版マニュアルを作成し、一般消費者向けに提供できることになった。11月の狩猟解禁に向け、事業者からは「ようやくイノシシが提供できる。ジビエ人気の後押しになれば」と期待の声が上がっている。

(セイコーエプソンが社員食堂でジビエメニュー:長野)
セイコーエプソンは今年2月から社員食堂でジビエメニューを提供しています。新型コロナ禍で伸び悩むジビエの消費拡大や鳥獣被害解決への取り組みに貢献したいとしています。セイコーエプソン伊那事業所。電子部品の製造、販売を統括する拠点で、およそ550人の従業員が働いています。ランチの時間になりました。この日の特別メニューは鹿肉を使ったパスタです。セイコーエプソンは今年2月から、社員食堂でジビエメニューを提供しています。国内17拠点(従業員数 約1万7000人)で年間6000食が目標。鳥獣被害解決への取り組みとして、コロナ禍で伸び悩むジビエの消費拡大を目指しています。セイコーエプソン生活協同組合・宮田剛専務理事:「社員食堂で召し上がった方がそれ以外の店でも、関心を持って召し上がっていただく。それが社会問題の解決につながるということでも大きな意義があると考えている」。これまでも鹿肉コロッケやハンバーガーなどさまざまなメニューが提供されてきました。日本ジビエ振興協会が協力。協会の代表で茅野市にレストランを持つ藤木徳彦シェフが監修を務めています。ただメニューを考えるのはエプソン生協です。今回のパスタは鹿肉のほか信州産のキノコ3種類も加えました。地産地消にもこだわっています。セイコーエプソン生活協同組合・伊藤智弘シェフ:「長野県産のキノコをふんだんに使って、しっかり鹿肉のおいしさを味わってもらえるようなメニューにしました」。ジビエ料理は社員にも好評です。エプソンでは今後も新たなジビエ料理を提供してくということです。

(鹿ジビエラーメンも味わえる:岐阜)
滋賀県との県境に位置する岐阜県の揖斐川(いびがわ)町 は、日本最大の総貯水容量である徳山ダムや天空の古来茶と呼ばれる茶畑などで知られるエリア。美しい紅葉や鹿ジビエラーメンなどご当地グルメも楽しめる大人の秋旅をご案内します。

(ジビエに舌鼓、宿泊施設がイベント:熊本)
奥球磨の郷土料理のみを味わうイベント「ジビアガーデン」が15日、水上村湯山の宿泊施設「MIZUKAMISO」であり、村内外から参加した約30人がジビエ料理などに舌鼓を打った。

(ジビエ料理に舌鼓:奈良)
約2万本の梅が咲く賀名生(あのう)梅林で知られる五條市西吉野町。賀名生は丹生川の下流沿いの谷で、延元元年(1336)、足利尊氏により京を追われた後醍醐天皇が吉野へ向かう途中に立ち寄った地である。天皇をもてなした堀家の邸宅はその後、後村上、長慶、後亀山天皇の皇居として南朝の歴史を刻んだ。29代当主の堀丈太さん(56歳)は次のように話す。「3年前に重要文化財の母屋を改修してカフェレストランに、江戸時代の長屋門をホテルにしました。清流・丹生川のほとりで、快適な滞在ができると思います」。客室は2部屋あり、宿泊は基本的に一棟貸し。夜は満天の星が望めるという。夕食はカフェレストランでいただくイタリア料理。メインはジビエ料理で、五條地域の野山で育った鹿と猪を市内の施設で処理した高質の精肉を使う。かつて賀名生は南朝統一を願い「かなう」と呼ばれていたという。隣接する歴史民俗資料館には堀家に伝わる宝物が展示。歴史の舞台だった里で一夜を過ごしてみたい。

(低脂肪の地元産シカ肉をアスリートへ:長野)
高たんぱくで低脂肪。アスリートの食事に適しているのに、捨てられてしまう。そんなシカ肉を余さず、練習でおなかをすかせた選手に豪快に食べてもらいたい。ラグビー合宿の聖地でこの夏、移住者のアイデアから新たなプロジェクトが動き出した。8月下旬、4日間の合宿で長野県上田市の菅平高原に来た愛知学院大学のラグビー部は、宿でバーベキューを楽しんでいた。提供されたのは地元で捕れたシカ肉。4頭分約25キロを約50人の部員が平らげた。「一瞬でしたね」と笑うのは、肉を用意した石畠吉一さん。事業の企画やデザインをする株式会社「そろそろ」(東京)の共同代表で、6年前に上田市に移住してきた。菅平高原観光協会のアドバイザーも務めながら、シカ肉を菅平の新たな「売り」にしようとプロジェクトを立ち上げた。菅平に100面以上あるラグビー場には毎夏、全国から800を超えるラグビーチームが集ってくる。富山・砺波(となみ)高や東京理科大でラグビー部に所属した石畠さんもその一人だった。

(ジビエ肉、安定した流通目指し流通拠点:神奈川)
「ジビエの食べられる街」を掲げる秦野市の鶴巻温泉で、ジビエ料理の食材を安定して流通させようと、地元の「小高不動産」(同市鶴巻南)がジビエ肉の流通拠点「川上商会」を立ち上げた。

(クマ目撃:宮城)
14日午前9時ごろ、石巻市北村漆房三の水田で、近くに住む男性が体長約1メートルのクマ1頭を目撃した。石巻署が近隣住民に警戒を呼び掛けている。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日午後0時20分ごろ、仙台市青葉区芋沢小坂南にクマが出没しました。

TOPへ