<射撃ニュース11月>
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(県営射撃場整備しハンター育成へ:和歌山)
イノシシやシカといった有害鳥獣による農作物への被害を減らすため、県は県営射撃場を整備し、ハンターの育成を進めていくことを明らかにしました。和歌山県内では、イノシシやシカがみかんや柿を食べるといった有害鳥獣による農作物への被害額が、昨年度はおよそ2億6000万円に上っていて、近年、高止まりが続いています。一方、猟銃で狩猟を行う免許をもっている人は昨年度は1200人と10年前より400人ほど減少しているため県は、ハンターの育成のために県営の射撃場を建設する方針を明らかにしました。射撃場では射撃の訓練のほか、狩猟免許の取得や猟銃を所持するための教習なども行う計画だということです。県は今後、設置予定の自治体と住民への説明を行うことにしていて理解が得られれば場所などの詳細を公表するとともに、来年度予算に必要な費用を計上する方針です。これについて仁坂知事は「新しく狩猟を始めるためにも免許を更新するためにも、撃っておかなければならず、射撃の需要は増えている。鳥獣害被害に関していい切り札になるのでは」と話していました。

(猟師30人、1億7千万申告漏れ:滋賀)
農作物に被害を与えるシカやイノシシなど野生動物の駆除に当たった滋賀県の猟師約30人が、大阪国税局の税務調査を受け、計約1億7千万円の申告漏れを指摘されていたことが16日、関係者への取材で分かった。長浜市と米原市の猟師で、2020年までの数年間、動物を捕獲した際に自治体から支払われる報償金を申告していなかったとみられる。長浜市によると、市はニホンジカ2万2千円~1万2千円、イノシシ1万5千円などと、1頭当たりの報償金単価を設定し、地元の狩猟団体と協定を結んでいる。報償金は団体を通じて猟師に渡る仕組みだ。米原市も地元の猟友会に捕獲を委託している。

(処分したイノシシ5頭を山林に捨てた疑い、2人を書類送検:香川)
処分されたイノシシ5頭を、定められた手続きをとらずに山林に捨てたとして、廃棄物処理法違反などの疑いで、さぬき市の2人が書類送検されました。書類送検されたのは、いずれも、さぬき市に住む74歳の男性2人です。警察によりますと、2人はことし8月、おりで捕獲され、処分されたイノシシ5頭を、さぬき市が所有する山林に捨てたとして、廃棄物処理法違反などの疑いが持たれています。2人が、イノシシを捨てているところを目撃した人が市に届け出たことで発覚したということで、警察は9日付けで高松区検察庁に書類送検しました。警察やさぬき市によりますと、市では、処分されたイノシシは原則、当事者が所有する土地に埋めるなどの対応をするか、1匹1000円で市が引き取る制度を活用しなければならないととされています。警察の調べに対して、2人は容疑を認めていて、「イノシシを埋める穴を掘るのが面倒で、処分するのにもお金がかかるので捨てた」と話しているということです。

(放牧地水道栓に銃弾跡か、狩猟ライフルの可能性:北海道)
道立総合研究機構畜産試験場(町内新得西5線)の放牧地で、水道栓を覆う塩ビ管に銃で撃ったような直径約1・5センチの穴が2カ所開いているのが見つかった。周辺はシカが多く見られ、10月下旬の狩猟解禁後、ハンターが目立ち始めたことから、同試験場はライフル銃による流れ弾の可能性があるとして狩猟マナーの徹底と注意を呼び掛けている。放牧地は同試験場の事務棟から西へ約2キロ入ったオダッシュ山登山口近くにあり、3方向を町道に囲まれている。穴が開いていた水道栓は放牧牛に水をやるためのもので、栓を覆う塩ビ管は高さ約50センチ、直径約15センチ、厚さ約5ミリ。穴は水平方向に突き抜けるようにできていた。

(イノシシ減少、豚熱感染が原因か:福島)
原発事故により住民が避難を余儀なくされた双葉郡では、イノシシの被害が広がっていましたが、今年はその姿を見る機会も激減していました。富岡町の自宅の隣で野菜や花などを育てる猪狩剛さん。イノシシの侵入が相次いだため、県や町の協力を得て電気柵やカメラの設置、住みかとなる藪の伐採など対策に取り組んでいます。富岡町で今年度、捕獲されたイノシシは10月までで15頭。例年の同じ時期であれば100頭ほどに上っていて、約7分の1にまで減っています。イノシシ対策が徹底されたり、町内の人口が増えるなど、イノシシにとって環境が悪くなったことも一因と見られていますが、豚熱に感染して死ぬ個体が増えたことが主な原因と考えられています。富岡町ではイノシシの出没が大幅に減ったため、電気柵の管理をやめてしまう人も。ただ、夜が更けると監視カメラが姿を捉えることもまだあり、猪狩さんは油断できないと話していました。

(鳥インフル、ナベヅル7羽から高病原性ウイルス検出:鹿児島)
鹿児島県は10日、出水市で6、7日に回収した野生のナベヅル7羽から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)を検出したと発表した。県内の高病原性の確認は今季4例目。いずれも出水市のナベヅルで計22羽。新たに検出した7羽は、7日の簡易検査でウイルス陽性か疑陽性の反応が出たため、鹿児島大学が遺伝子検査した。このほか、9日までに簡易検査でナベヅル9羽からA型鳥インフルエンザ陽性を確認。同大学で遺伝子検査を予定している。

(ため池にコウノトリの死骸、簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応確認:香川)
きょう(15日)、香川県丸亀市内で野鳥が死んでいるのが見つかり、県が簡易検査を行ったところ鳥インフルエンザの陽性反応が確認されました。きょう丸亀市内のため池で、野鳥のコウノトリが1羽死んでいるのを住民が見つけ、香川県に連絡しました。県が死骸を回収し、鳥インフルエンザの簡易検査を行ったところ、陽性反応が確認されたということです。丸亀市では、今月7日に丸亀城の堀で死んだコブハクチョウが見つかっていて、コブハクチョウからは高病原性・H5亜型の鳥インフルエンザウイルスが検出されていました。コウノトリが死んでいたため池は、コブハクチョウが死んでいた丸亀城から半径10キロ圏内にあるということです。香川県は遺伝子検査を行うため、死んだコウノトリの検体をあす(16日)にも国立環境研究所に送る予定で、高病原性かどうかについては1週間以内に結果が判明する見通しだということです。環境省は、死骸の発見場所から半径10キロ圏内を「野鳥監視重点区域」に定め、監視を強化するとしています。

(山林で捕獲した野生イノシシから豚熱:秋田)
湯沢市で野生のイノシシ1頭がブタの伝染病CSF=豚熱に感染していることが確認されました。県内では、先月に続いて4例目です。秋田県によりますと、今月9日、湯沢市の山林で捕獲した野生のイノシシ1頭を遺伝子検査したところ、16日、豚熱に感染していることが確認されました。県内で豚熱の感染が確認されたのは先月に続いてことし4例目で、いずれも野生のイノシシです。豚熱は伝染力の強いブタやイノシシの病気で、人には感染せず、仮に食べても人体に影響はありません。県は、野生のイノシシの監視を強化した上で、県内の養豚場に対して消毒を徹底するよう指導していくことにしています。

(令和4年度「鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーン」について)
農林水産省と環境省は、農作物への被害が大きいシカとイノシシについて、「鳥獣被害防止に向けた集中捕獲キャンペーン」を全国的に実施し、捕獲の強化を図ります。鳥獣被害のうち、シカとイノシシによる農作物への被害が深刻な状況となっている中で、平成25年に農林水産省と環境省が共同で取りまとめた「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」において、シカとイノシシの個体数を令和5年までに半減させる目標を策定しました。これを踏まえ、農林水産省と環境省は、令和2年度及び令和3年度に、狩猟期(主に11月~翌3月)を中心として全国的にシカとイノシシの捕獲強化を行う「集中捕獲キャンペーン」を実施しました。その結果、令和2年度には全国で135万頭(過去最高)、令和3年度には125万頭を捕獲しました。こうした中で、シカとイノシシの個体数は共に減少傾向にある一方、シカについては減少のペースが鈍く、更なる捕獲強化が必要な状況にあることから、本年度も引き続き「集中捕獲キャンペーン」を実施し、シカを中心とした全国的な捕獲強化を図ります。各都道府県においては、令和3年度のシカとイノシシの捕獲頭数や被害状況などを踏まえ、捕獲頭数目標を令和3年度の実績と比較して約18万頭増の143万頭に設定しました。令和4年度の「集中捕獲キャンペーン」においても、農林水産省は目標頭数の達成に向け、捕獲活動経費を支援し、環境省と共に啓発活動にも注力してまいります。

(イノシシに襲われ指をかみ切られるなど3人が重軽傷:香川)
16日朝、香川県宇多津町にイノシシが現れ、1人が指をかみ切られるなどの大けがをし、2人が軽いけがをしました。イノシシはその後、坂出市で捕獲されました。午前7時ごろ、香川県宇多津町の寺にイノシシが現れたと110番通報がありました。イノシシの体長は1mほどで寺の住職が指をかまれたほか、妻が驚いて転倒して軽いけがをしました。イノシシはさらに15分後、近くの団地に現れ、60代の男性が左手の中指の先をかみ切られる大けがをしました。警察が捜索していたところ、約1時間後に団地から1.5kmほど離れた坂出市の住宅で弱ったイノシシを見つけ警察官が捕獲しました。警察によりますとイノシシは捕獲の30分ほど前に宇多津町の町道で車に衝突しており、弱っていたところ坂出市で捕獲されたと見られています。その後、市に引き渡され殺処分されました。香川県ではこのところ住宅地でのイノシシの出没が相次ぎ、被害も出ていることから、イノシシに遭遇したら何もせずに静かに立ち去るよう呼び掛けています。

(イノシシに襲われ6人けが、児童の登校見守り:徳島)
9日、徳島県小松島市で、登校中の小学生2人を含む6人がイノシシに襲われ、けがをしたことを受け、10日朝、現場近くの小学校では、警察官や教職員が通学路に立って児童の登校を見守るなどして警戒にあたりました。9日、小松島市では、登校中の小年生2人を含む男女6人が、イノシシに襲われて軽いけがをし、その後も市内で目撃情報が相次ぎ、警察や市が地元の猟友会とともに逃げたイノシシの捜索にあたっていますが、見つかっていません。これを受けて現場近くでは、10日午前7時ごろからパトカーが巡回して警戒にあたったほか、小学校の通学路に警察官や教職員が立って、登校してくる児童を見守りました。小学1年生の娘の登校に付き添った父親は、「山に帰っていたらいいですがまだ市街地にいるなら怖いです」と話していました。小松島警察署の中川遥加巡査は、「イノシシを見つけた際は安全な場所に隠れるなどしてまず自分の身の安全を守って欲しい。住民も不安に感じていると思うのでしっかりとパトロールしたい」と話していました。

(猿に背後から襲われ2人けが:長野)
長野県警飯田署によると、飯田市上村の住宅敷地内で6日午前、草取りをしていた男性(59)と女性(85)が背後から猿に襲われけがをした。2人とも軽傷のもよう。警察職員や猟友会員が捜索するとともに、付近の住民に注意を呼びかけている。

(サルが次々に住民5人襲う、集落で被害拡大:長野)
サルの出没が相次いでいる長野県飯田市上村で6日、住民5人が次々にサルに襲われ軽いけがをしました。警戒を続けていた地元猟友会が7日午後、雌のサル1匹を駆除しました。男性によると、6日だけで集落で5人が襲われたといいます。襲われた5人のうち1人は、3日前にも自宅に入ってきたサルにひっかかれてけがをしました。用心していてもまた家の中に入ってきたそうです。住民を襲っているのは同じサルと見られますが、2匹いる可能性もあります。住民からの不安の声を受け、7日午後3時すぎ猟友会がサルを駆除しました。駆除したのは雌1匹で、他に人を襲うサルがいないか警戒が続いています。

(集落に現れたサル、なぜ人を襲った?:長野)
飯田市で住民を次々と襲ったニホンザル。駆除されたことで集落には静けさが戻りました。なぜこうした事態が起きたのか、背景を探りました。6日、サルに次々と住民が襲われた飯田市上村の集落。住民の話では、わずか1日で5人がけがをしたといいます。7日午後、地元の猟友会はサル1匹を駆除しました。一夜明けて…集落は静けさを取り戻しました。こちらの男性は6日に続き7日も襲われました。この集落で人がサルに襲われたことは今までなかったそうです。なぜここまで攻撃的になったのでしょうか?サルの生態に詳しい県環境保全研究所 陸斉研究員「今ちょうど(ニホンザルの)交尾期にあたっていまして、たかぶっているというか、そういう状態ですね」。万が一、攻撃的なサルに出くわしたら、人間が強い態度に出ることが大事だそうです。陸研究員「サルに負けないという自信があればそういう態度がサルに伝わりますので、あまり攻撃されることはないんじゃないか」。しかし、中山間地では集落の高齢化によって、こうしたサルと人間の関係が変わりつつあるといいます。陸研究員「サルを追い返すような人間の側の力が(高齢化で)弱くなってきていることがどんどん進んでいる」。今回の被害を受けた住民の安全対策は、農村のあり方から問われているのかもしれません。

(イノシシと衝突、女性けが:栃木)
4日午後7時25分ごろ、足利市今福町の路上で、歩いていた同市、会社員女性(55)がイノシシに衝突され、右足に軽傷を負った。足利署によると、イノシシは体長約1・5メートル。北方の山林に逃げたという。

(市街地にイノシシ、登校中の女児けが:広島)
7日午前7時半ごろ、広島県呉市三条1丁目の路上で、近くの両城小へ登校中の4年生女子児童(10)に、走ってきたイノシシがぶつかった。同小によると、児童は弾みで転倒し、ひざをすりむいたという。一緒に登校していた別の児童たちにけがはなかった。現場はJR呉駅から西に約600メートルの市街地で、線路と市道が交差する踏切の付近。呉署によると、イノシシは児童にぶつかった後、そのまま逃げたという。

(バイクとイノシシが衝突、男性がろっ骨折る大けが:徳島)
美馬市では、9日の午前4時前、原付きバイクで走っていた新聞配達員が、飛び出してきたイノシシにぶつかって転倒し、ろっ骨を折る大けがをしました。9日午前3時40分ごろ、美馬市脇町の市道で原付きバイクで新聞配達をしていた美馬市穴吹町の大舘祐司さん(36)が、左側の堤防を駆け下りてきたイノシシにぶつかって転倒しました。大舘さんは、ろっ骨を折る大けがをし、病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。警察によりますと、原付きバイクは当時、時速40キロほどで走っていて、イノシシは、衝突したあと、北に向かって逃げていったということです。美馬警察署によりますと、管内では、ことし9月以降、野生動物との衝突事故が5件起きているということで、警察は注意を呼びかけています。イノシシとバイクがぶつかった現場の市道から吉野川の堤防を挟んだ河川敷には、木や竹が生い茂っていて、地元の人によると、イノシシの住処になっているということです。堤防は、ジョギングや犬の散歩、学校の通学などにも使われ、地元の住民からは「怖い」などという声が聞かれました。

(クマに遭遇、追い返した男性あごにけが:京都)
京都府伊根町は10日、同町野村の民家の車庫前で9日午後5時半ごろ、60代男性がクマに襲われたと発表した。男性はシャッター棒で追い返したものの顔や腕を引っかかれ、あごを5針縫うけがを負った。町によると、男性はシャッターを開けようとしていた際に襲われたという。同地区では11月以降、クマが木で爪を研いだ跡やふんがあり、捕獲のためにおりを設置していた。

(野犬襲撃か、シカ死骸10頭:北海道)
今夏以降に野犬が出没している釧路市と釧路町で、野犬に襲われたとみられるシカの死骸が相次いで見つかっている。8~10月に、かまれた痕跡などがあるシカの死骸が計10頭確認された。ハンターなどは捨て犬が野生化した可能性を指摘しており、両市町は監視カメラなどで警戒するとともに、近づかないよう注意を呼びかけている。両市町での野犬の目撃件数は8月が6件、9月が6件、10月が2件。市内の釧路大規模運動公園や釧路町のトリトウシと達古武地区で、シカを襲う野犬と、シカの死骸が頻繁に確認された。ほかにも9月5日に市立昭和小横の林で野犬2頭、同25日には昭和20号公園付近でシカを追いかける野犬が目撃された。10月2日には釧路市昭和町の鶴見橋付近で、自転車に乗った大学生が約500メートルにわたって野犬2頭に追いかけられたと、大学を通して市に届け出があった。住民からの通報や、市と町が目撃が多い場所に設置した監視カメラの画像で確認された野犬は、体長約1・5メートルで黒色の1頭と茶色の1~2頭で現れることが多い。出没範囲はいずれも釧路湿原を中心に半径約5キロで、釧路町の担当者は「同じ群れが湿原をすみかに、湿原内の道路などを通って広範囲に移動している」と推測する。釧路市では9月中旬から市内5カ所に箱わなの設置を続けているが、捕獲にはいたっていない。釧路町では8月、パークゴルフ場内で野犬3頭がシカを襲っているとの通報を受け、町職員が急行。現場で野犬を確認した町環境生活課の高井久征係長は「こちらを警戒してすぐに逃げた。野犬の捕獲はかなり厳しい」と頭を悩ませる。野犬の生態について詳細は分かっていないが、ハンターで標津町農林課自然保護専門員の長田雅裕さんは「捨て犬や放し飼いの犬が野生化した可能性がある」と指摘。「山中で狩猟する際、十数頭の野犬の群れに出くわすことも少なくない。釧路は雪が少なくエサとなるシカが多いため、通年で野犬が生活できる」という。埼玉県環境科学国際センターの角田裕志専門研究員(動物生態学)は「イヌは遺伝的にオオカミに近く、群れで獲物を狩る本能を持っている」と話す。旭川市旭山動物園の坂東元(げん)園長は「シカが市街地に多く出没するようになり野犬が誘因されている可能性がある」と話し、「身の危険を感じて人に反撃する可能性もゼロではない。野犬を見つけても刺激しないで」と注意を促している。

(「空飛ぶ猟犬」で獲物追う:京都)
シカやイノシシなどの狩猟が15日から解禁となり、京都府福知山市でも猟師たちが銃を手に山に入りました。午前10時、福知山市では8人の猟師がライフル銃を手に集まりました。「銃を構えて確認するのではなしに、シカかイノシシか確認をしてから構えて発射をする」京都府では、今年6月、シカなどを駆除していた際に誤って猟友会の男性が撃たれ、死亡する事故も起きており、初日は念入りに安全確認をして山に入りました。そして福知山市の猟友会が去年から始めたのがドローンを使った猟です。【福知山猟友会 下元照男会長】「上空から犬の鳴き声を流すということで『空飛ぶ猟犬』。追い込みをして、ハンターの待っているところで仕留める」。京都府内ではシカやイノシシによる農作物の被害が相次いでいますが高齢化によって猟師は減ってきており、猟犬の代わりにドローンを使用することで、なるべく体力を使わず、少ない人数での猟が可能になるということです。【福知山猟友会 下元照男会長】「今日は残念ながら海でいうボウズ(収穫無し)ということですので、これを教訓に次また頑張りたいと思います」。福知山猟友会では来年2、3月ごろまで猟をするということです。

(猟友会員ら紅葉の山へ:岐阜)
散弾銃やライフル銃を使う狩猟が十五日、全国で解禁された。県内では二〇一八年秋に発生した豚熱(CSF)の感染拡大と駆除で、野生のイノシシが激減している。久しぶりに出猟した猟友会員たちは、一番の獲物であるシシの動向を気にしながら紅葉の山に分け入った。

(今シーズンの狩猟が解禁:長野)
長野県内では15日から今シーズンの狩猟が解禁され各地で猟友会などが事故の防止や違反行為を取り締まるためのパトロールが行われました。県内では15日、日の出とともに狩猟が解禁されました。上伊那郡箕輪町では猟友会と警察、役場の職員9人が集まり畑や山林などをパトロールしました。県内では過去5年間に猟銃による事故が1件起きていて1人がけがをしています。15日、県内各地では警察や自治体の職員などおよそ600人が猟銃の使用の際の安全確認の徹底などを呼び掛けたということです。県内の狩猟期間は来年2月15日まででニホンジカとイノシシのわなによる猟は3月15日までとなっています。

(日の出とともに初撃ち:石川)
石川県内で15日、カモなどの狩猟が一斉に解禁され、初撃ちを心待ちにしたハンターが獲物を狙って山林に繰り出し、日の出とともに銃声を響かせた。かほく市内では県猟友会金沢支部の山下勇さん(79)ら3人が猟犬を連れて山に入り、カモやキジに狙いを定めて銃を構えた。山下さんは「天候が良く狩猟日和になった。獲物も豊富で今季は期待できそうだ」と話した。狩猟期間は来年2月15日まで。県内ではマガモなど鳥類26種、タヌキやキツネなど獣類20種が日の出から日没まで狩猟可能となる。県は今年度、ツキノワグマの年間捕獲数の上限を従来の126頭から180頭に引き上げた。さらに今シーズンは出没警戒情報を発令しているため250頭まで捕獲枠が増えている。農林業被害を抑えるためイノシシとニホンジカは猟期が延長され、2月末まで銃猟、3月末までわな猟ができる。県自然環境課によると、県内の狩猟者登録数は10月末現在で1729人となっている。

(狩猟解禁、夕暮れ坂網:石川)
石川県内でカモなどの狩猟が解禁された15日、加賀市片野町のラムサール条約登録湿地「片野鴨池」で県有形民俗文化財の伝統猟法「坂網猟(さかあみりょう)」が始まった。初日は猟師21人が夕暮れ時にマガモに向かって坂網を投げ、3羽を捕獲した。大聖寺捕鴨(ほこう)猟区協同組合の30~80代のメンバーが身を潜め、マガモが餌場へ飛び立つ瞬間に合わせて坂網を12メートルの高さに投げ上げた。坂網猟は長さ4メートル、重さ800~900グラムの逆三角形の網を用いる猟法で、大聖寺藩が藩士の鍛錬として推奨した。地元保存会が猟で捕獲したカモを使った「鴨(かも)料理」の国無形民俗文化財登録を目指している。山下範雄同組合理事長(73)は「猟場の整備などの取り組みを継続し、地域の伝統を次の世代につないでいきたい」と話した。

(狩猟の季節、告げる号砲:山形)
県内でカモ類の狩猟が15日、解禁された。本年度から猟期が変わり他鳥獣類と同日のスタートとなり、ハンターは安全に気を配り猟を楽しんだ。山形市高瀬地区の沼には午前6時ごろから、山形猟友会高瀬分会(酒井義和分会長)のメンバー10人が集合。日が昇った午前6時半ごろに犬をため池に放つと、対岸から飛び立ったカモに狙いを定め、続々と発砲音を響かせた。この日はマガモやカルガモ計7羽を仕留め、分け合った。酒井分会長は「年によって初日の成果は異なるが、今回はまずまず」。メンバーは猟期以外を含め有害鳥獣駆除にも取り組んでおり「普段と変わらず緊張感を持って取り組んだ。今シーズンも事故なく、安全第一で臨みたい」と話した。本県のイノシシ、ニホンジカを除く鳥獣の今季狩猟期間は、この日から来年2月15日まで。県警生活環境課によると、期間外での狩猟など、取り締まり対象となる事案は確認されていない。

(狩猟解禁、誤射や銃暴発の事故防げ:岡山)
全国で狩猟が解禁された15日、岡山県警は誤射や銃暴発によるハンターの事故防止に向け、違反行為の一斉取り締まりを県内の猟場で始めた。狩猟期間が終わる来年2月15日まで続ける。初日は県内22署の警察官約180人が各管内をパトロール。実弾を装てんしたまま銃を持ち歩いていないかなどを確かめ、日の出前・日没後や、禁止区域では発砲しないよう指導した。岡山市北区上高田の山林入り口では、午前6時半から岡山西署員が、イノシシ猟に訪れたハンター7人の猟銃所持許可証を確認。倉敷市の男性(69)は「銃口を人に向けないなど基本的なルールを徹底し、安全に楽しみたい」と話していた。狩猟期間の特例としてツキノワグマは12月14日、農作物に被害を与えるイノシシとニホンジカは来年3月15日までとなっている。県警生活安全企画課によると、県内では10月末現在2008人が計3768丁の猟銃を所持。昨シーズン中は禁止区域で発砲したなどとして鳥獣保護法違反などの疑いで県内外の3人が書類送検された。

(攻撃的なイノシシ警戒:徳島)
イノシシやニホンジカ、カモといった野生鳥獣の狩猟が15日、徳島県内全域で解禁された。9日には小松島市の住宅街にイノシシが出没し児童ら6人が軽傷を負う被害が出たばかり。猟師らは警戒を強めるとともに、人的被害を減らそうと例年以上に力を入れている。

(狩猟解禁、猟友会や緑の指導員ら37班100人が初日にパトロール:京都)
京都府内の狩猟が解禁となった。府、府警、狩猟や森林に精通する緑の指導員、猟友会などは初日の15日、協力して各地でパトロールをした。一斉パトロールは猟期の開始に合わせて毎年行っており、今年は府内全体で約100人の37班体制を組んだ。福知山市内では、府職員1人、福知山署員2人、緑の指導員1人が出て、ハンターが銃猟禁止エリアに侵入していないか目を光らせるなどして重点地域を巡回した。猟期は来年2月15日までの3カ月間。ただし、イノシシとニホンジカは1カ月延長の来年3月15日まで。府内の狩猟対象は、獣類がイノシシ、ニホンジカのほか、ツキノワグマ、アライグマ、ハクビシン、タヌキなど計20種、鳥類はカワウ、マガモ、コジュケイ、スズメなど計26種になる。

(伝統の鴨猟始まる:鹿児島)
鹿児島県の南種子町で15日、古くから伝わる伝統的な鴨猟が解禁されました。15日夕方、南種子町の宝満神社近くの山の中に猟師たちが次々に集まってきました。その手には、2メートルほどの竿に網が巻きつけられた見慣れない道具が。日没が迫る中、山奥の猟場へと移動。ところどころの木に手作りの梯子が置かれ、その上には足場があります。猟師は足場に上ると、竿を2つに広げて、網を扇状に広げ始めました。これから始まるのは、南種子町に伝わる伝統的な鴨猟、「宝満池鴨突き網猟」です。400年以上前から行われていたとも言われ、2014年には踊りや行事以外で初めて県の指定無形民俗文化財になりました。鴨はタカなどの天敵から身を隠しやすい明け方と日暮れに、池と餌場を行き来する習性があります。その通り道に扇形の網を構えて、鴨の進む方向に対して垂直に網を投げ上げ、捕獲します。習得が難しいといわれるその技は、地元保存会の8人のメンバーが守っています。網を構えてじっと息をひそめていると、鴨が飛んできました。熟練の技が光り、一瞬で鴨が網にかかりました。初日の15日はカルガモ2羽を捕獲し、猟師たちも満足そうな様子でした。南種子町で始まった伝統の鴨猟。今シーズンは来年2月15日まで続きます。

(マダニリスクが高い森林の特徴が明らかに)
マダニの数は、シカが多い地域の森林ほど多いこと、特に下層植生が繁茂している林縁などの場所で多いことが明らかになりました。シカは森林地帯全体でマダニを増やす要因となっており、その中でも湿度が保たれた植生が繁茂している林縁などは、マダニが宿主を待ち伏せるのに適していると考えられます。この結果は、マダニによるリスクを避け、安全に野外活動を行うための重要な知見です。国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所は、複数の森林において、人獣共通感染症を媒介する様々な種類のマダニと宿主となる野生動物の生息状況を調査し、シカが多い地域でマダニが多く、その中でも局所的に下層植生が繁茂している場所で特に多いことを明らかにしました。近年、ヒトやペットがマダニの媒介する人獣共通感染症に感染する事例が多数報告され、野外活動を行う方から当研究所への相談も増えています。野外でマダニが多い条件を明らかにすることで、マダニのリスクを避け、野外でより安全に活動することができると期待されます。本研究では森林地帯に調査地を設定し、春から秋にかけて林道、林縁、林内でマダニの生息状況を毎月調査するとともに、マダニの宿主動物を自動撮影カメラで調査しました。その結果、シカの密度が高い地域ほどマダニが多いことが明らかになりました。また同一の調査地内では、下層植生が最も繁茂する林縁でマダニの密度も高いことがわかりました。ただし本研究の結果は、シカを減らせばマダニも減ることを必ずしも意味しません。一度マダニが増えてしまうと、シカを減らしても別の動物を宿主とする可能性があるからです。したがって、マダニに刺咬されるリスクの低減には、シカを中心としてマダニの宿主として重要な野生動物の密度管理が重要です。また、シカが多い地域の森林で、とくに下層植生が繁茂している林縁に踏み入る場合には、服装をしっかり確認し、忌避剤を正しく使用するなどによって念入りにマダニ対策を講じる必要があります。本研究の結果により、仕事やレクリエーションで森林に立ち入る方々がさまざまな条件の場所で安心して活動ができることを願っています。

(「春グマ駆除」廃止でヒグマ増:北海道)
北海道ではかつて、冬眠明けのヒグマを狙う「春グマ駆除」が行われていたが、雄大な自然のシンボルを保護すべきだとの機運が高まり、1990年に廃止された。減少した個体数が回復し、道の推計では90年の3800~7000頭から、2020年には6600~1万9300頭程度になったとされる。ただ、これに伴い、ヒグマが人里に近づくケースも増えた。昨年度は、札幌の市街地に出没したヒグマに襲われて4人が重軽傷を負うなど、過去最多の14人が死傷した。今年度も10月末までに3人が負傷。9月には札幌ドーム敷地内でヒグマが目撃された。農業被害も深刻化し、20年度の被害額は2億4900万円と、この10年で約1・5倍になった。特に狙われているのは飼料作物のデントコーン畑だ。種まき後、収穫まで手をかけずに済むため、ヒグマにとっては、人間と遭遇するリスクの低い「餌場」になっているとみられる。

(ヒグマ「人材育成捕獲」来春拡充:北海道)
道は来年、ヒグマの許可捕獲を強化する。具体的には、駆除を担う若手ハンターを育てるために2~5月に許可している「人材育成捕獲」を拡充し、捕獲頭数の上積みを目指す。残雪期の捕獲を強化することで相次ぐ人里への出没を防ぐとともに、ヒグマ駆除に対応できるハンターの減少に歯止めをかけるのが狙いだ。人材育成捕獲はヒグマの狩猟期(10~1月)と重ならない2月~5月中旬に道が特別に駆除の許可を出す制度。熟練ハンターが若手ハンターに付き添い、クマを特定の場所に追い込む方法など駆除の技術を教える。2016~21年の実績では毎年20~29市町村が参加し、捕獲頭数は計5~12頭で推移している。

(イノシシ、広域捕獲へ:山形)
県は、市町村境界をまたいでイノシシの広域捕獲を実施するため、県イノシシ管理計画を一部変更した。拡大する農作物被害に歯止めをかけるため、本年度は生息密度などに関する調査を行い、来年度の実施に向けた動きを本格化させる。管理計画によると、イノシシの推定生息頭数は2019年度に約9200頭だが、24年度には約1万2500頭まで増加すると見込まれる。県は、推定生息頭数に対する捕獲頭数の割合を19年度の2割余りから3割程度まで段階的に引き上げ、25年度に頭数を減少に転じさせる目標を掲げる。こうした中、鳥獣被害防止特別措置法が21年6月に一部改正され、市町村単位での捕獲事業に加え、境界をまたいだ広域捕獲を県主導で実施できるようになった。関連する交付金の採択要件を満たすため、県は広域捕獲に関する内容を加える形で、今月1日に管理計画を一部変更した。広域捕獲は手始めに、置賜地方で開始する予定。境界付近の山沿いなどは市町村の手が届きづらい上、イノシシは境界をまたいで分布・移動する。県は広域捕獲により山沿いでの捕獲を強化し、農地や人里の保全につなげたい考えだ。本年度は置賜地方の各市町の境界付近5カ所で、出没頻度などについて調査する。結果を基に各市町や捕獲従事者らと協議し、具体的な実施地域や捕獲目標頭数などを設定する方針。実際の捕獲事業は来年度に行う見通しとなっている。県みどり自然課は「農地を守ることが目標。広域捕獲により市町村の負担減につなげたい」としている。

(鹿害など報告:佐賀)
国有林野が所在する佐賀県内の13市町と、これを管理する国との協議会(代表世話人・内川修治神埼市長)が10月28日、佐賀市の佐賀森林管理署で開かれた。佐賀県を除く九州6県で、鹿が森林の植生に悪影響をもたらしていることなどが報告された。協議会は冒頭を除いて非公開で行われ、国有林野が所在する佐賀市や神埼市などの市町の首長や担当課長、県や九州森林管理局の関係者ら約30人が出席した。佐賀森林管理署によると、鹿の生息域が九州で急速に拡大しており、森林の下層植生の消失が進み、表土の流出や樹木の枯死をもたらしているという。佐賀県内では伊万里市でオスの鹿が見つかったが目撃情報は少なく、現時点では被害が見られないことが報告された。大雨でため池に堆積した泥への対応や、唐津市の虹の松原での雑草対策としてのエミューの活用などについても意見を交わした。森林環境譲与税の在り方についても協議した。

(イノシシの駆除にドローン活用:岡山)
農作物に被害を与えているイノシシの駆除にドローンを活用しようと、猟友会のメンバーがドローンを操縦する訓練が吉備中央町で行われました。訓練には、イノシシなどの駆除を行う吉備中央町の猟友会のメンバー12人が参加しました。訓練では、町が購入した全長50センチほどのドローンや練習用の小型ドローンが使われ、ドローンには赤外線カメラが搭載され、上空からイノシシの居場所を把握することができます。参加者はグループに分かれ、モニター画面が着いたコントローラーで、ドローンを操縦し、目的の場所に離着陸させたり飛ばしたりする訓練を繰り返していました。町内では、コメやサツマイモなどがイノシシに食い荒らされる農業被害が相次いで町に報告されていて、町や猟友会では、早ければ年明けにも活用したいとしています。猟友会のメンバーの一人は「猟師は高齢化し、人数も減っているので、ドローンに手助けしてもらえれば、猟の形態も変わると思う」と話していました。吉備中央町農林課の宮田慎治さんは「猟友会のメンバーは苦労していると聞いているので、少しでも負担を軽減できるようにドローンの導入を進めたい」と話していました。

(出没相次ぐ「クマ」、20年間禁止されていた狩猟が3年ぶりに解禁)
冬を前に、各地でクマの出没情報が相次いでいます。万が一遭遇してしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。11月10日午後5時30分ごろ、京都府伊根町に住む60代の男性が自宅のシャッターを開けたところ、親子とみられるクマ3頭と遭遇しました。棒で追い返そうとした男性は、顔と腕を爪で引っかかれ、顎を5針縫うけがをしました。クマは山の方に逃げたとみられます。周辺ではこれまでにも、クマによるとみられる柿の木の引っかき傷やふんが見つかっていて、町は注意を呼び掛けています。兵庫県では、11月15日からツキノワグマの狩猟が3年ぶりに解禁となります。その背景にあるのは、ツキノワグマの増加です。兵庫県では、ツキノワグマの生息数が100頭以下になり、絶滅の恐れがあることから、1996年から20年間にわたって狩猟が禁止されていました。しかし、絶滅の危機を解消するまでに生息数が増えたとして、5年前に狩猟を解禁。3年前に一度禁止されましたが、2022年に入り、隣接府県を含む東西の地域で推定生息数が800頭を超えたため、再び解禁されることになりました。兵庫県佐用町では、15日の狩猟解禁に向けて準備が進められています。佐用町では10月、衝撃的な出来事がありました。畜産業を営む田邊さんの愛犬が、死んでいるのが見つかったのです。田邊さんは、古い牛舎で3匹の犬を番犬として飼っていました。10月14日の早朝、3匹のうち1匹は死骸で発見、もう1匹は行方不明に。残った1匹も大けがを負いました。近くに数カ所クマの足跡があったことから、襲われたものとみられています。生き残った犬の腹には、1カ月近くたった今も、傷痕が残っています。田邊さんは、クマに襲われたとみられるその日のうちに、防犯カメラと電気柵を設置。地元の猟友会も近隣に防犯カメラを設置したところ、およそ1週間後、クマの姿が確認されました。しかし11月に入っても見つかっておらず、警戒が続いています。

(市街地へクマ出没相次ぐ、大雨で川の増水一因か:岩手)
県内では今季、ツキノワグマが市街地に出没したり、人身被害が相次いだ。8月には盛岡市中心部の北上川沿い遊歩道や本宮の商業施設付近でも目撃情報が相次ぎ、警戒が呼びかけられた。県によると、本年度は9日現在、14市町村で計22人がクマに襲われ負傷。2021年度の14人と比べても多い。過去5年間(17~21年度)の農産物被害額は4千万円台で推移する。今年3月に策定した県のツキノワグマ管理計画(22~26年度)によると、県内の推定個体数は約3700頭で、前回の調査から300頭増加した。県は個体数維持と被害軽減を目指し、11月1日~翌年2月15日としていた狩猟期間を2月末日までに延長した。

(クマが活発に動く時期、餌豊作でも人里に出没:島根)
冬眠前のツキノワグマが活発に動き回る時期を迎えた。山陰両県の目撃・出没件数は本年度、山間部に餌が豊富にあるおかげか、直近5年で最少(9月末時点)。今秋は遭遇する心配が少ない方とみられるが、島根県西部で人が襲われる被害も発生しており、関係自治体は警戒を強める。いずれも浜田市弥栄町内の山あいで、10月上旬に住民がクマに引っかかれてけがをしたほか、下旬には民家に侵入した。島根県は、民家の庭先に捕獲用のおりを設置。浜田市は防災無線やメールで市民に注意を呼び掛けた。島根の9月末時点のツキノワグマ目撃件数は、2021年度比30件減の452件。鳥取はクマが出没した痕跡も含め5件減の79件。直近10年の最多は島根が20年度の1362件で、21年度は4割減の775件。鳥取は16年度の495件が最多で、18~20年度にやや高止まりし、21年度は前年度から3割減った。件数の増減は山間部の餌の多少に左右される。クマが好むコナラやミズナラといった堅果類の22年度の生育状況は、島根はコナラが平年並み、ミズナラが豊作。鳥取はコナラが平年並み以上、ミズナラが豊作となっている。不足する餌を求めてクマが人里に下りる可能性は低くなり、目撃件数が減少する傾向にある。ただ、油断は禁物だ。島根では16年度の目撃件数が9、10月で計283件だったのが、11月に254件に達するなど深まる秋とともに急増したケースもある。島根の目撃件数は毎年、8割を県西部が占める。人がクマに襲われる被害は直近5年で8件あり、いずれも浜田、益田両市、津和野町と西部で発生した。県鳥獣対策室の右田龍司室長は「西部はもちろん、東部も近隣の山中にいると思って注意してほしい」と促す。11月は紅葉狩りで行楽客が山間部に足を運ぶ機会が増える。鳥取県緑豊かな自然課の平木尚一郎課長はクマが活発に動く時期に重なると指摘し「山間部にはできるだけ1人で行かず、鈴やラジオで人の存在を知らせることが重要」と語った。

(ニホンザル捕獲、参考に:山形)
山形大農学部の江成広斗教授(森林動物管理学)らによる合同チームが、全国のニホンザルを調査し、個体群(群れの集まり)間のつながりをマップに示した。絶滅リスクを高める可能性がある場当たり的な捕獲を避けるため、「積極的な管理(捕獲)が可能な地域」「保護に配慮が必要な地域」をマップ上で色分けした。どこで、どの程度の管理捕獲を実施すべきかの判断材料となる。江成教授によると、国の方針もあって各地で大規模捕獲が実施され、サルの分布が消失する地域が出ている。江成教授は分布が縮むことについては問題でないが「良い傾向なのか、絶滅につながる問題があるのか、分からないケースが出ている」と指摘する。こうした問題を解決するデータや指針はこれまでなかった。日本哺乳類学会・ニホンザル保護管理検討作業部会を中心とした合同チームは、全国に分布する群れ約2300の行動データを解析した。絶滅リスクを抑えるには、少なくとも隣接する個体群間のつながり(生息地の連結性)を維持することが求められるという。管理捕獲の際には▽つながりが弱い個体群▽最適パスがある生息地▽最適パスが多く接続されている個体群―に配慮が必要になる。本県について江成教授は「ある程度の地域では大規模な捕獲は可能だが、配慮が必要な地域もある」とみる。研究成果は今後、各自治体が「特定鳥獣管理計画」を策定するための環境省のガイドラインに盛り込まれる見通し。

(ヒグマの市街地出没備え机上訓練:北海道)
道内の市街地で近年相次ぐヒグマの出没に備えようと、道央圏域の自治体や道警の担当者らが11日、苫小牧市民会館で机上訓練を行い、ヒグマの目撃情報が寄せられた際の対応や手順を協議した。各機関で考え方の違いが浮き彫りになるとともに、駆除の判断基準の曖昧さや人手をすぐに確保できないといった課題も挙がった。道が初の取り組みとして8月から道内8カ所で開いている、ヒグマ保護管理人材育成研修会の最終回。苫小牧や千歳、三笠、安平など6市町と胆振総合振興局、静内警察署など、ヒグマ対応に関わる計約20人が参加した。10、11の2日間の日程で、初日はヒグマの生態や対策の事例を学んだ。

(国立公園・大山でシカ急増)
全国的にシカの生息数が増えるなか、大山隠岐国立公園でもニホンジカの目撃情報が急増しています。シカが増えすぎて、大山がピンチに…実態を取材しました。暗闇のなか光る、クリクリとした瞳。その後ろには、白くて可愛らしいお尻も見えます。ニホンジカです。鼻で地面をもぞもぞしたり、植物をかじる姿も確認できます。また、こちらの映像には、大きな角を持った雄ジカの後ろ姿が。これらは、大山隠岐国立公園内に設置されたカメラの映像や写真です。環境省大山隠岐国立公園管理事務所 尾﨑絵美 所長「大山隠岐国立公園内には10年ぐらい前から一部にカメラを設置していますけど、最近シカが見られる頻度が高くなってきています」。大山隠岐国立公園内に設置されたカメラには、3~4年ほど前からニホンジカの写る頻度が増えているといいます。環境省大山隠岐国立公園管理事務所 尾﨑絵美 所長「食痕、シカが食べる跡の調査とかの推定ではあるんですけど、鳥取県岡山県の東辺りから来ているんじゃないかと言われています」。シカが増えると、大山はピンチに陥ると言います。その証拠があるということで、専門家とともに大山を歩いてみました。大山観光道路から少し入った林の中では、シカの大好物・アオキという植物がたくさん食べられていました。シカによる食害、つまり「食い荒らし」です。また、さらに奥に進むと…大山自然歴史館 矢田貝繁明 館長「これなんか、リョウブっていう木で、春先の雪がまだ残っていて、アオキなんかが芽が出てないときに食べるものが無くて、シカがこれの皮をみんな食べてしまいます」。これまたシカの好物・リョウブの木。無残に皮がはがされています。皮が全てはがれてしまうと、樹液が上がらなくなってしまい、枯れる可能性があると言います。さらに谷田貝館長は、こんなものを見せてくれました。大山自然歴史館 矢田貝繁明 館長「これ、おととい拾った雄ジカの角です。ついこの近くで拾ったんですけど、こういう角が落ちているということは、相当数のシカがこのあたりに住んでいて、生息している可能性が非常に高いです」。立派な雄ジカの角です。このほか、枡水高原近くの牧草地帯では、シカのふんが10か所ほど確認できました。一体、なぜシカが増えているのでしょうか。専門家の見解は…大山自然歴史館 矢田貝繁明 館長「繁殖力が強いし、今は昔と違って猟師の人が高齢化しています。シカは増える一方ですよ、これから」。猟師の高齢化も背景にあるのではと考えています。2013年、鳥取県八頭町でドライブレコーダーがとらえた、シカと乗用車が衝突する場面です。近年はシカとの衝突事故が全国でも相次いでいます。オオカミなどの天敵がいないこともシカ増加の大きな要因のひとつだと言いますが、専門家は危機感を募らせています。大山自然歴史館 矢田貝館長「植生をシカは全部食ってしまうので、そうすると、草や低木を食べている昆虫、それからそれを食べる野鳥とかがいなくなります。生活できなくなるので、生態系の破壊が起きてくると思います」。国立公園が直面するシカ被害。鳥取県では許可捕獲でシカを捕獲した人には捕獲奨励金を交付するなど、駆除の対策を進めています。

(シカ起因のJR運休増:北海道)
釧路、根室管内でエゾシカが関係するJRの運休や交通事故が相次いでいる。主に衝突を避けるために非常ブレーキをかけた際に列車の車輪に傷ができ、JR北海道は11日までの計12日間で計88本を運休。利用客からは戸惑いの声が上がった。専門家はシカ生息数の高止まりに加え、「えさを求めて線路や道路を横断することが増えた」など、シカの行動範囲が変化している可能性を指摘している。「こんなに運休が続いたのも、代替バスを使ったのも初めて」。通学でJR厚岸駅から釧路駅までバスに乗った釧路明輝高3年の森由樹さん(18)は困惑の表情を見せた。

(放牧牛65頭襲ったヒグマの捕獲へ、標茶町で対策会議:北海道)
道東の標茶町などで放牧中の牛を相次いで襲うヒグマ、通称「OSO18」の捕獲に向けた対策会議が開かれました。今後は積雪期を迎えるため、雪に残された足跡を追跡して居場所を特定し、冬眠前か冬眠明けの捕獲を目指す方針を確認しました。道東の標茶町と厚岸町では2019年からことしにかけて放牧中の牛あわせて65頭が襲われ、いずれも同一のオスのクマ、通称「OSO18」による被害とみられています。15日は捕獲に向けた対策会議が標茶町で開かれ、道や自治体の担当者、それに専門家などおよそ30人が出席しました。この中で、ことしは採取されたクマの体毛を調べてOSO18の行動エリアを絞り込み、7か所に箱わなを設置したり、デントコーン畑で捕獲を試みたりしたものの、捕獲に至らなかったことが報告されました。また、NPOでつくる「特別対策班」はこれまで見つかった痕跡をもとに、OSO18の体長はおよそ2メートル、推定体重は230から320キロ、前足の幅は16から17センチ程度で、一般的なオスの成獣とあまり変わらないという分析結果を明らかにしました。その上で、OSO18の特徴として、▼完全に牛ばかりを狙って行動していることや、▼獲物への執着心があり、襲った現場に再び戻る習性があること、▼人間の気配には非常に敏感であることなどを説明しました。対策会議では、今後、雪が降ってから冬眠するまでのおよそ10日間が足跡を追跡できる年内最後の機会だとして重点地域を4か所に絞り、目撃情報を集めるとともに、雪に残された足跡から居場所を特定し、冬眠前か冬眠明けの捕獲を目指す方針を確認しました。特別対策班のメンバーで、NPO法人南知床・ヒグマ情報センターの藤本靖理事長は「OSO18の分からなかったところが徐々に分かってきたので、かなり追い詰めていると思う。道路を横断「OSO18」は、最初に牛が襲われた標茶町オソツベツという地名と、足の幅がおよそ18センチあることから名付けられました。大型のオスで、体長は2メートルほど、体重は230から320キロと推定されています。最初の被害が確認されたのは2019年7月。標茶町オソツベツの牧場で体重400キロの牛が死んでいるのが見つかりました。その後も被害は続き、ことしも8頭が襲われました。この3年間に襲われた牛は合わせて65頭。このうち半数近い31頭が死んでいます。現場に残された体毛の鑑定結果や足跡などからいずれも「OSO18」による被害とみられ、牛の被害額は標茶町と厚岸町で少なくともおよそ2300万円に上るということです。この事態に酪農家は頭を悩ませています。去年、被害を受けた厚岸町の牧場では1000万円をかけて放牧地を囲む電気柵を設置しました。また、道は「特別対策班」を結成し、捕獲を試みてきました。わなを複数の箇所に設置しましたが、警戒心が強くてかかりません。人間がしかけたわなを学習する知能の高い個体だとみられています。発砲が禁止されている夜間に牛を襲うことも捕獲を難しくしました。人前に姿を見せないため「忍者」とも呼ばれるOSO18。姿を消したまままもなく冬眠の季節を迎えます。

(天敵はカワウ、稚魚は4割が捕食:福島)
子どもたちにも好評だったコイだが、実は天敵による被害が相次いでいる。その天敵というのが「カワウ」川魚などを主食にする“魚獲りが上手い”鳥で、1日で2~3キロのエサを食べると言われている。郡山市のコイは長年このカワウによる被害を受けてきた。2012年度は700万円だったが、そこから右肩上がりで増え続け、直近の2020年度には3.5倍の約2500万円に増加している。郡山市の養殖業者は打つ手がないと頭を悩ませている。鯉の養殖で頭を悩ませているのが、カワウの被害だ。2021年は、約20トンの鯉がカワウに捕食される被害に遭った。特に被害が深刻なのが稚魚。2021年は約4割が食べられてしまい、成魚を合わせると、被害額は1500万円程に上った。花火で威嚇し、カワウを追い払う対策を取り入れているが、効果は一時的で、被害はなくならない。養殖場が広いためカワウが入らないようにネットを設置するのは難しく、有効な対策は見つかっていない。カワウによる被害は、コイの販売価格にまで影響を及ぼしている。実はカワウの被害はコイだけではない。福島県が行った20年前の調査によると、阿武隈川ではコイが42%、フナが28%。阿賀川では、ウグイが55%、アユが28%などと、コイ以外の魚も被害を受けていた。さらに、2021年のデータでは、推定で約1億8410万円の被害が発生していて、対策が求められている。カワウによる被害を食い止めるために、県は2022年度、約100万円の予算を計上し、狩猟によるカワウの駆除などをサポートしている。このサポートなどにより、2020年は470羽、2021年は678羽が駆除されている。しかし、この駆除数では被害を食い止めるまでには至っていないのが実情で、郡山市の食文化を守っていくためにもさらなる対策が必要といえそうだ。

(鳥獣対策で「マップ」作成:佐賀)
「農地は集落全員で守っていき、次世代に引き継いでいく」という理念を持つ中若木集落営農組合。武雄市若木町の中山間地域に位置し、圃場周辺には茂みも多い。この集落も長年、鳥獣被害に悩まされてきた。これまでは個人で行ってきた鳥獣被害対策。しかし、集落の高齢化や農家の後継者不足などで耕作放棄地が増加。人の気配がなくなった放棄地からイノシシなどが侵入し、集落全域に被害が広がるという傾向が見られた。求められるのは、より効率的で、より少ない人数でも行える対策だ。そこで集落では住民全体での鳥獣被害対策へ舵かじを切ろうと、2020年に集落点検会を実施。被害を受けた圃場、イノシシのすみか、ワイヤーメッシュ柵や電気柵の破壊箇所などの情報を共有。それらを集落の地図上に落とし込んだ「被害マップ」を作成した。まずは「敵を知る」ということに徹した集落。地図上で「見える化」が進んだことで、茂みに近い所の農地で被害が大きいことが分かった。翌年は専門家を招き、侵入を防ぐために重要なワイヤーメッシュ柵の点検と管理方法を学び、それを集落で共有しながら定期的に「被害マップ」の更新を行っている。また、アナグマやアライグマなどの中型哺乳類による被害も目立つようになった近年。中若木集落でも、中型哺乳類がイノシシの箱わなに侵入して餌を食べるなど、イノシシの捕獲を邪魔していることが、暗視カメラを設置したことで分かった。そこで、中型哺乳類用の小型わなを設置した。すると、すぐにアライグマを捕獲することができた。取り組みが実を結び、集落は徐々に効果を実感している。「捕獲行為は狩猟免許を持っている人しかできないが、ワイヤーメッシュ柵の点検などは、みんなができる。常にコミュニケーションをとって情報共有を図り、みんなで守っていきたい」と組合長の松尾志郎さんは話す。今後は、イノシシの習性や、餌になる作物が実る時期を記した鳥獣被害対策カレンダーを制作予定。「もともと仲の良い集落だが、課題を共有することでさらに結束は強まった」と松尾さん。集落一丸となった対策が効果を見せている。

(シカの食害防止で森林を守る:滋賀)
スギやヒノキなど、木材となる木の皮を野生のシカが食べ枯らしてしまう被害を防ぐ取り組みが行われました。今月3日、滋賀県トラック協会が長浜市内で山林の保全活動を行いました。この取り組みは滋賀県造林公社との「琵琶湖森林づくり協定」に基づいて実施されたもので、今回が3回目になります。住宅などに使われるスギやヒノキは、樹齢50年ほどで木材として伐採されますが、それまでに、近年増加した野生のシカに樹皮を食べられ、立ち枯れてしまう被害が発生しています。そのためこの日は、トラック協会の関係者やその家族など約100人が参加し、シカから樹皮を守るテープを新しく巻き直す作業にあたりました。またこの日は、自然界で森が果たす役割の紹介や、木工体験なども行われ、参加者が森づくりの大切さを知る機会になりました。

(頭を抱える鮎のカワウ被害、対策にも限界が:鳥取)
いま産卵の時期を迎えている鮎がピンチ。近年、ある被害が相次ぎ漁業関係者は対応に頭を抱えている。川釣りの中でも人気を集める鮎釣り。鳥取県内で鮎釣りができる期間は、6月からのおよそ4カ月と決まっていて、資源保護のため稚魚を放流するなど大切に管理されている。しかし、今この鮎がピンチを迎えている。水鳥カワウによる食害だ。これは、静岡県で撮影されたカワウが魚を食べる瞬間をとらえた時の様子。また、鳥取市の港でも魚を食べるカワウが、次々と水に潜っていた。1日におよそ500グラムの魚を食べるともいわれ、漁業関係者は頭を抱えている。鳥取県東部を流れる千代川。早朝、カワウの群れが現れ、鮎を狙っていた。鳥取県湯梨浜町の鳥取県栽培漁業協会。およそ60万匹の鮎を飼育し、県内の河川に放流する鮎を漁協に提供している。9月下旬から11月下旬にかけ産卵のピークを迎える鮎。1匹のメスが生む卵はおよそ3万個で、石と石の隙間に卵を産み付ける。卵は、およそ2週間でふ化。ふ化した仔魚は、海へ下りプランクトンなどを食べて、翌年の春、川に遡上する。鳥取県栽培漁業センターでは、鮎の生育状況や数を調べ、不漁対策に活かす調査・研究も行っている。今年は、鮎の数にある変化が見られたという。鳥取県栽培漁業センター 増殖推進室 田中靖主任研究員:「今年は9年ぶりに県内河川の遡上量が増えましたし、例えば千代川、漁協組合員さんから中流、下流部を中心にとてもたくさんの鮎が釣れたと。いい年になったなと感想をよく聞きました」。この日は、飼育している産卵間近の鮎を川に放し、産卵しているかを確認する試験が行われた。鳥取県栽培漁業センター 増殖推進室 田中靖主任研究員:「実際に川に潜ってみると、一面鮎だらけという状況になっていまして、たくさんの鮎が親として良く残ったなと思っています」。近年、海のエサが減少し、遡上する鮎が減っていたが、今年はエサが多く、鮎が育つ環境が整ったため、数が増えたと考えられている。現在、産卵の時期を迎え、群れで行動している鮎。群れでの行動を狙われ、秋から冬にかけて県外からも飛来してくるカワウの標的となっている。千代川漁業協同組合では鮎を守ろうと、10m間隔で550mに渡って釣り糸をはり、毎日交代で様子を見るなど対策をとっている。しかし…鮎が食べられる被害は、止まらないという。釣り糸を張っていない場所ではカワウは野放しとなり、対策が追い付いてないのが現状だという。千代川漁業協同組合 寺﨑健一組合長:「花火による追い払いをしてるんですけど、追い払うだけで、またかえってきて、捕食するというようなことになっているので、なかなかこれはという対策が取れないのが残念なところです」。鳥取県によると、県内のカワウ被害額は年間およそ3500万円。県は空気銃を使って毎年700羽のカワウを駆除するなどしているが、いたちごっこが続いているため、新たな対策を模索している。鳥取県栽培漁業センター 増殖推進室 田中靖主任研究員:「鮎という魚は非常に魅力がありますので、観光資源としても十分活用できますし、何より昔から地元の人たちに根付いてきた魚でもありますので、何とかして守りたいですし、資源として有効に活用していけるようにしていきたいと思っています」。来年以降の資源を維持するため、鮎の産地を守るために抜本的な対策が求められている。

(ブナの実30年ぶりに「平年並み」も、クマには注意を:岩手)
冬眠前のクマがエサにするブナの実の出来が、県内ではことし、30年ぶりに「平年並み」になりました。クマの被害はこのところ減っていますが、県は、冬眠前はエサを求めて行動が活発化するとして注意を呼びかけています。林野庁東北森林管理局は、クマの人里への出没などに影響するブナの実の出来具合を毎年9月下旬から10月上旬にかけて調べています。県内では23か所で調査が行われ、ことしの実り具合は「平年並み」と判断されました。県内では7年前・2015年にブナの実が「豊作」になりましたが、その後は6年間、「大凶作」と「凶作」が続いていて、「平年並み」は1992年以来、30年ぶりです。県内ではことし、夏前を中心にクマに襲われる被害が相次ぎ、けがをした人はこれまでに22人に上っています。ただ、秋以降は被害が減っていて、県は山にブナの実などのエサがあるためとみています。一方で冬眠前のこれからの時期はエサを求めて行動が活発化することから、県は山に入る時は複数で行動し、鈴など音の出るものを持ち歩いてクマとの遭遇を避けるよう呼びかけています。

(シカ増加、福島大学研究グループ:福島)
北塩原村で増えているシカを福島大学の研究グループが捕獲して調べたところ、南会津町などで確認されたシカと遺伝的な特徴が同じだったことが判明し、急速に分布を広げている可能性があることが分かりました。研究グループでは、今後、生態系に影響が出るおそれもあるとして対策を急ぐ必要性を指摘しています。福島大学の兼子伸吾准教授らの研究グループは、去年8月と10月に北塩原村でシカ2頭を捕獲し、遺伝的な特徴を分析しました。その結果、1頭はもともと栃木県日光市で多く見られ、2018年に南会津町で確認されたタイプで、もう1頭は尾瀬などで多く見られるものでした。グループは、北塩原村でこれまでほとんどシカが見つからなかったことなどから、シカが北上して分布を広げている可能性があるとみています。さらに、遺伝的な特徴が異なる2つのタイプが確認されたことから、北塩原村と周辺の環境がシカの生息に適していて、今後、爆発的に増えて湿原の貴重な植物を食い荒らし、生態系に大きな影響が出るおそれもあるとしています。このため、グループは正確な個体数の把握など駆除に向けた準備を急ぐ必要があると指摘しています。兼子准教授は「近年の状況を見ていると、ほぼ確実に県内のより広い範囲に広がるだろう。早めに分布を調べ、対策が打てるように備えておく必要がある」と話しています。

(「ライオンがいるぞ!」鉄道各社が悩む鹿除け対策:長野)
上田電鉄(長野県上田市)は本年度、線路内に侵入するなど列車運行の妨げになる鹿対策として、鹿が嫌うライオンのふんを水に溶かして線路に散布する取り組みを始めた。同県の小諸市動物園にお願いし、雌ライオンのナナのふんを利用。同社運輸部は「鹿の目撃件数が減り、今のところ効果が出ている」としている。運輸部によると、昨年から別所線八木沢―別所温泉間で運転士が鹿を目撃する件数が増加。昨年9月には列車と接触し、車両の安全確認のため数分間の遅れが出た。対策として今年7月、ライオンのふん2、3キロほどを45リットル入りのバケツで水に溶かし、同駅間の線路約100メートルに散布。その後、鹿の目撃件数はほぼなくなったという。この試みは業界誌やネット情報に載っている県外の鉄道会社の取り組みを参考にした。JR東日本盛岡支社(盛岡市)は、ライオンのふんの成分を使った薬剤を地元の岩手大と共同開発し、10年以上散布を続けている。昨年度は鹿との衝突事故が多い釜石線と山田線の計約7キロに散布、一定の効果が出ているという。ただ、同支社広報室は「散布のみでは鹿との衝突などを全て防ぐのは難しい」と説明。侵入防止ネットの設置やレーザー光の照射など「さまざまな対策を試している」とする。上田電鉄はコストや散布区間の短さを考慮し、薬剤ではなく、ふんそのものを試験的に使った。小諸市動物園にはライオンはナナ1頭しかおらず、2、3キロのふんをためるには約3週間かかる。同社運輸部は鹿の目撃情報を注視しつつ、「散布しながら効果の持続期間などを確認していきたい」としている。

(クマとの共存を、小学校中心に学習を展開:長野)
NPO法人信州ツキノワグマ研究会は、長野県内全域に生息し、身近になりつつあるツキノワグマを正しく知ることで被害を減らし、クマとの共存を図ろう-と子ども向けの冊子や紙芝居を制作し、中南信の小学校を中心に学習を繰り広げている。6日には、伊那市伊那図書館でイベント「クマを知ろう」を開く。図書館でのイベントは初めてで、クマの毛皮や頭骨、フンなどを見て生態を知り、遭遇しないよう対処法を学ぶ。近年、人の生活に密着していた里山の利用が減り、森林化が進んだことでクマの生息域と人の生活圏が重なるようになり、クマの目撃数が増加。2020年11月に伊那市西箕輪で、今年8月には南箕輪村でそれぞれ70代女性が自宅付近でクマに襲われ、人里での事故が発生した。同研究会によると、県内での人身事故は毎年8人前後で、被害者が歩行中やクマとの出合い頭に突然襲われたケースが多い。だが、クマを駆除しても被害はなくならないという。信州大学山岳科学研究拠点の助教で同研究会理事の瀧井暁子さんは「クマは本来、臆病な性格で、積極的に人を襲うことはない。安全に暮らすために、人がクマとばったり会わないよう、正しい知識を持つことが大切」と話す。今年3月、前年に制作した「信州版ツキノワグマハンドブック」を基にして「こども版信州ツキノワグマハンドブック」を発行。季節によって行動範囲や食べ物を変えるクマの生態をはじめ、クマを臭いで引き寄せる生ゴミや農作物の管理、クマとの遭遇事故を防ぐ方法、襲われた時の対処法などを記した。1日現在で県内の小学校を中心に約1万2000部を配布した。8月には、園児にも親しんでもらえるよう、上伊那地方に生息するクマの親子をモデルとした紙芝居「信州版森の子クマの子」を制作。クマの生態を物語にまとめ、森にクマ以外にも多様な動物が暮らし、自然の豊かさを改めて感じさせる内容となっている。岸元良輔会長は「子どもたちが引きつけられる良い教材となっている。必要以上に恐れることはなく、子どものうちから正しい知識を持ってほしい」と話す。

(冬の渡り鳥、今季初の生息調査:宮城)
マガンや白鳥など、県内に飛来する冬の渡り鳥の数を調べる今シーズンの生息調査が、各地の沼や河川などで始まりました。冬の渡り鳥の調査は、毎シーズン11月と1月、それに3月の3回行われています。1回目となる10日は、県内の沼や川、湿地などおよそ500か所で実施され、県の職員や自然保護員など100人あまりが調査にあたりました。このうち、栗原市と登米市をまたぐ伊豆沼には、エサを求め飛び立つ前の多くのマガンや白鳥などが羽を休めていて、担当者が望遠鏡を使って数を調べていました。県によりますと、1回目となる10日の調査では去年よりおよそ6万1000羽余り多い、26万8332羽が確認され、過去3番目の多さとなりました。具体的には、マガンなどのガン類が22万9642羽と85%以上で最も多く、次いでカモ類が3万3261羽、ハクチョウ類が5429羽だったということです。

(シカ・イノシシの作物被害増加、対策に里山整備を:埼玉)
農作物を荒らし、人命も危険にさらす獣の害が目立つ。秩父地域でもシカやイノシシ、サルが人家周辺まで出没して住民を悩ませ、クマも姿を見せる。狩猟歴が半世紀で、奥秩父猟友会長や秩父猟政協議会長を務める青木博志さん(73)=秩父市久那。農家も猟師も高齢化して住民による害獣対策が難しい中、青木さんは里山の手入れこそ重要と考える。

(シカを「憎むべき害獣」から「町の財産」に変えたハンターの試み:岩手)
ニホンジカによる深刻な農作物被害に悩んできた岩手県・大槌町で、シカを駆除しながら、奪った命を利活用して町の財産にしようと挑戦する事業者がいます。食肉加工だけでなく、大槌町発の手仕事と融合させたシカ革アイテムを製作、販売。町内の飲食店や事業者を巻き込み、その活動は徐々に裾野を広げています。岩手県三陸沿岸の大槌町は、昔から漁業が盛んな港町だ。沿岸部でありながら町の大部分に山林が広がる、緑豊かな町でもある。そんな大槌町の広大な山林に生息し、農業従事者たちの悩みの種となっているのが増加したニホンジカの存在だ。令和2年度の東北地域の野生鳥獣による農作物被害金額13.8億円を県別に見ると、山形県(4億8000万円)、岩手県(4億2000万円)、福島県(2億円)、宮城県(1億9000万円)、青森県(6000万円)、秋田県(3000万円)の順だが、シカだけでくらべてみると、岩手県(2億2749万円)、宮城県(1702万円)、福島県(717万円)、秋田県(49万円)、青森県(44万円)、山形県(3万円)と、岩手県の被害の深刻さが見えてくる。もちろん大槌町も例外ではない。「『害獣』とされる動物は、シカのほかにツキノワグマやハクビシンがいますが、農作物の被害はシカが一番多いです」と語るのは、町内でシカ肉加工工場「MOMIJI」を営む兼澤幸男さん。自身が中心となって立ち上げた「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」の一員として、害獣を町の財産に変えようと奮闘する現役のハンターだ。「いま、岩手県全域に生息しているシカは、大船渡市の五葉山にいたシカが繁殖し、広がったものだといわれています。僕の肌感覚ですが、シカは年々増えているようです」。兼澤さんは震災を機に地元の大槌町に戻り、ある思いからハンターを志した。「シカへの恨みです。父方の実家が農家なので、以前はお米を買ったことはありませんでした。でもある年、シカの被害がひどくてお米が収穫できないと聞かされたんです。町ではシカに新芽を踏み荒らされたり、収穫前の野菜や果実を食べられたりしたことが原因で、農業をやめてしまう人もいるんですよ。そういう状況を何とかしたくて、有害鳥獣駆除をするために狩猟免許を取得しました」。ツキノワグマ、イノシシ、ハクビシンなどの場合、目撃者が役所に連絡→役所から猟友会に連絡→猟友会が捕獲に動くという流れが一般的で、狩猟期間が定められている獣も多い。しかし大槌町では、シカが増えすぎてしまったため、ハンターがいつでも捕獲できるよう常に狩猟許可が出ているという。「有害鳥獣駆除に狩猟免許とは別の免許や届け出は必要ありませんが、役所から捕獲の委託を受けなければなりません。猟友会のなかに委託を受けた『鳥獣被害対策実施隊』メンバーがおり、駆除はその人たちが行っています」。自身も鳥獣被害対策実施隊のメンバーとしてシカの捕獲をしていた兼澤さんだったが、キャリアを積むにつれ、奪った命について考えることが多くなったと語る。

(ライオンの野生引き出す肉給餌:愛知)
東海4県でも見せ方に工夫を凝らす各地の動物園・水族館で人気が戻ってきた。愛知県豊橋市の豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)は野生に近い環境で飼育した動物の展示が受け、入園者が約10年間で4割増加。静岡県伊東市の伊豆シャボテン動物公園も身近に動物と触れあえる仕掛けで人気を集めている。

(ヒグマ対策学ぶ講座:北海道)
ヒグマをテーマとした講座「ヒグマとの付き合い方を考える」が6日、札幌市北区の市環境プラザで開かれ、市民ら9人がクマの行動特性や人との遭遇を防ぐための対策を学んだ。市街地でのクマの出没が問題となる中、クマの生態について正しく理解してもらおうと、NPO法人エンビジョン環境保全事務所が主催した。

(独自のわなで鹿を捕りまくり:北海道)
愛らしい目をしたエゾシカ。北海道では市街地にも現れることがある身近な動物だ。しかし最近は農作物を食べる被害が深刻で、農家を悩ませる存在でもある。そんなエゾシカを独自のわなで捕獲し、農業被害を10年で9割減らした猟師がいる。使ったのはワイヤの輪で鹿の脚をとらえる「くくりわな」。わなに工夫を加えるだけでなく、仕掛け方にも知恵を絞り、「悪いことをするシカだけをとる」という。いったいどんな方法なのか。北海道の平地にも雪の便りが届き始めた11月初旬。札幌から車で1時間ほど離れた岩見沢市を訪ねた。道道をそれ、軽トラックでたんぼ道を進む。数分して山すそに着くと、カサカサとササがこすれる音がした。茶色の動物が見える。エゾシカだ。2歳ぐらいの雄だった。エゾシカの右の前脚はワイヤの輪がしっかりとつかまえていて、ワイヤのもう片方は近くの木の幹に固定されている。エゾシカは山の中へ逃げ込もうとするが、木を中心に半径数メートルしか動けない。「ここでは3桁は捕っているかな」と、わなを仕掛けた原田勝男さん(82)は言う。くくりわなの名人と呼ばれる地元の猟師だ。一帯はササやぶだが、わなの周囲だけ茶色い地面がむき出しになっている。わなにかかったエゾシカが暴れるため、わなを結んだ木を中心にササがなくなったという。エゾシカは電気でとどめをさされ、食肉にするために軽トラックで運ばれていった。

(シカ柵10年、その効果は:長野)
霧ケ峰(諏訪市や諏訪郡下諏訪町など)にシカ柵が本格設置されてから約10年になる。ニッコウキスゲなどの高山植物がニホンジカに食べられてしまうのを防ぐのが狙いだ。霧ケ峰に広がる草原は約2300ヘクタール。

(出没相次ぐヒグマとどう向き合う?"クマ対策のキーマン"に聞く:北海道)
札幌市では2022年もクマの目撃情報が相次いでいます。札幌市のクマ対策の"キーマン"に密着し現状を探りました。札幌市で相次ぐクマの目撃情報。10月には南区の石山地区で5日連続で目撃情報があり、ハンターがクマ1頭を駆除しました。札幌市では2021年6月、東区の市街地にクマが出没し、男女4人がケガを負う事態となりました。クマの生態に詳しい専門家は2022年の傾向と対策をこう見ています。酪農学園大学 佐藤 喜和 教授:「北区東区の目撃多かった。(南区では)石山、川沿、白川で目撃続いた」。札幌市のクマ対策はどうですか?酪農学園大学 佐藤 喜和 教授:「ヒグマ対策の専門の担当者が配置など、ほかの市町村に比べ、かなり先進的」。札幌市環境共生担当課の職員、清尾崇さんです。約1121平方キロメートルと広大な面積を誇る札幌市で、目撃情報が入るたび現場に足を運んでいます。どういう仕事をしているんですか?札幌市環境共生担当課 清尾 崇さん:「クマやシカなど野生動物の対策。出没時に現場で調査しています」。クマ担当になって2年目の清尾さん。4月からは現場でクマの痕跡を調べる重要な役割を担っています。10月に出没が相次いだ南区の現場でも調査に当たっていました。南区の硬石山でも?札幌市環境共生担当課 清尾 崇さん:「山から降りてくるクマ2頭が目撃されて、山に方に引き返していったという通報があった」。どんな特徴?札幌市環境共生担当課 清尾 崇さん:「一般的な季節からは外れるが、親から離れた子グマですね。まだ小さいクマ2頭が人里の方まで降りてきて、人慣れもしていたと思いますけども、出没を繰り返していたと考えています」。近年、住宅地の近くでも出没を繰り返すようになったクマ。南区のケースでは現場付近でシカの死骸が見つかっていて、クマがその死骸に執着し、出没を繰り返していたとみられています。一方、そんなクマの生態をよく知ってもらおうと札幌市では、学校や企業などで「ヒグマ講座」を続けています。講座では実際のクマの毛皮なども使うといいます。濱田さん:「実際のヒグマの毛皮になります」。このヒグマの体長は1.5メートルですが立ち上がると1.8メートルほどになります。市民に正しくクマの知識を身に着けてもらうことで、危機意識を高めてもらうのが狙いです。その上で清尾さんはいかにクマを市街地におびき寄せないか、そして市民の安全をどう守っていくかが重要だとしています。札幌市環境共生担当課 清尾 崇さん:「ごみ出しのルールを守っていただく。1人で山に入っていかない。(山の近くに住む人は)夜や朝はなるべく1人で出歩かないで」。駆除は?札幌市環境共生担当課 清尾 崇さん:「最終手段ですよね。(クマがここは人がいるんだと)学習して、山に帰っていくのが一番良いと思う」。出没を繰り返すクマとどう向き合っていくか。市民1人1人の行動も改めて問われています。

(電気柵や柿を放置しない、児童がクマ学習:広島)
広島県三次市君田町の君田小4年生8人が、同町茂田地区の田畑や民家を訪れ、ツキノワグマの出没を防ぐ地域の取り組みを学んだ。

(農園に電気柵、侵入防ぐ:島根)
柔らかい果肉の高級ガキ、西条柿が約500本植わり、実がたわわになっている。島根県浜田市長見町の標高約300メートルの高台にある畑。「今季の収穫期はツキノワグマの被害がない。これからもやられることはあるまい」。佐々木幸治さん(72)は強気である。佐々木さんたち5人の生産者は今夏までに畑計約100アール周辺に電気柵を設け、総延長は約1・5キロになった。

(ツキノワグマの生息域、広がる?:徳島)
ツキノワグマの生態を調べている認定NPO法人四国自然史科学研究センター(高知県須崎市)が10月に実施した定点カメラによる調査で、雌のツキノワグマが三好市東祖谷の黒笠山で確認された。胸部の斑紋などから2019年から毎年、撮影されている同一個体とみられる。黒笠山は、剣山山系にあるクマの生息域の中心部より北側に位置する。センターの安藤喬平主任研究員は、生息域が拡大している可能性を指摘。地域住民への周知や森林保全の必要性を訴える。四国のツキノワグマは、17年の推計によると16~24頭程度。

(造林の現場で獣害対策学ぶ:島根)
島根森林管理署は15日、島根県美郷町都賀行の国有林で、苗木をシカなどから守る対策の検討会を開いた。県内の森林組合や自治体などから約30人が参加した。

(「ふん害」深刻化でカラス対策「兵糧攻め」:富山)
高岡市中心部でカラスによる「ふん害」が深刻化している。市はこれまで音声機器で追い払ってきたが、大きな成果を上げられていない。次の一手としてエサを与えない環境を作ってカラスを“兵糧攻め”にしようと、この冬から市民にも協力を呼びかける。高岡駅周辺では日没になるとカラスの大群が飛来し、ビルの屋上などで羽を休める。近くの道路は、大量のふんによる汚れが目立つ。市環境政策課によると、駅前周辺でふん害が目立ち始めたのは2020年頃から。かつては、駅から約1キロ離れた高岡古城公園がカラスのねぐらだったが、高層建物の増えた駅前をねぐらとする個体が増え始めた。観光客や地元住民からは「雨上がりの臭いが気になる」という苦情も出るようになった。市は鳥類が天敵に捕まった時の声を発する音声機器を設置したり、電線にトゲを付けてとまりにくくしたりしている。しかし、カラスの学習能力は高く、対策を講じてもすぐに慣れてしまうという。現在は、音声のパターンを頻繁に変更して対応しているが、同課の担当者は「いたちごっこになっている」と漏らす。そこで市は来年1月から、「カラス等への餌付けストップキャンペーン」に乗り出す。市内からカラスのエサをなくすことで、個体数の増加を防ぐ作戦だ。市中心部に生息するカラスは日中、市街地周辺の田畑でエサを食べ、日没になるとねぐらに戻る。特に晩秋から初冬は農地に放置された作物や庭の果実が、格好のエサとなる。この習性を逆手にとり、農業団体や市民らに、〈1〉実った果実や農作物を放置しない〈2〉エサになりそうな果物や野菜をカラスが掘り返せないよう埋める〈3〉生ゴミは外から見えないように二重に包んで捨てる――という協力を呼びかける。東京都は2001年に石原慎太郎都知事(当時)を中心に大規模なカラス対策をスタートした。わなによる捕獲に加え、ゴミ対策に注力し、早朝回収や集積所の整備などに取り組んだ。その結果、21年までに都心の個体数は約65%減少し、都庁に寄せられる苦情も9割減ったという。同課の担当者は「まず身近な対策でカラスの繁殖が防げるということを知ってもらい、市全体でカラスによるふん害を減らしたい」と話している。

(イノシシ襲撃、捜索いったん打ち切り:徳島)
小松島市や小松島署などは11日もイノシシの捜索を続けたが、見つからなかった。市民からの目撃情報もなかったため同日で捜索を打ち切った。一方でイノシシの行方は分かっておらず、市民からは「しばらく外出を控えなければ」などと不安の声も聞かれた。この日、市職員や署員ら約25人が、目撃情報のあった場所の周辺を午前7時ごろから午後5時前まで捜索。住宅街の雑木林を確認したり、市と災害時支援協定を結ぶ民間企業の担当者がドローンで上空から捜したりした。市は12日以降も目撃情報を募り、通報があれば市職員が現場に向かって周辺の警戒に当たるとともに、県猟友会に連絡して捕獲を試みる。署は週明けの14日から、登下校時間帯にパトカー3台でイノシシが児童らを襲った場所の周辺を巡回する。11日に目撃情報がなかったことから、市は生息している山に戻った可能性に期待する。ただ、県立博物館の井藤大樹学芸員は「目撃情報のあった地域は山に近く、樹木など隠れる場所が多いため、どこに潜んでいてもおかしくない」と指摘する。イノシシは泳ぐこともできるので、海に出て別の地域に行った恐れも否定できないという。イノシシが捕獲されないまま捜索が中断されたことを心配する声も少なくない。南小松島小学校に孫娘を迎えに来た同市日開野町行地の吉井清治さん(75)は「長期間捜索できないのは理解できるが少し不安だ。たまに孫と公園で遊ぶが、週末は家で過ごそうと思う」と話した。市は12、13の両日にイノシシを目撃した場合は市当直室〈電話0885(32)2111〉に連絡してほしいと呼び掛けている。

(国道交差点に黒いクマ2頭:岩手)
10日午前6時50分頃、盛岡市加賀野の国道4号に「クマが2頭いる」と110番があった。岩手県警盛岡東署によると、クマはいずれも体長1・5メートルほどで、東側の山に立ち去っていったという。現場は保育園も近い住宅街で、同署が周囲に警戒を呼びかけている。車で通勤途中にクマを目撃したという近くの保育園の女性保育士(24)は、「前のトラックが急ブレーキをかけたので、慌てて見ると、交差点に黒いクマが2頭いて驚いた。保育園も近いので怖い」と話した。

(中心部に現れたクマ、午後6時前に捕獲:岩手)
岩手県釜石市の中心部に9日午前、クマ1頭が現れました。警察や猟友会がわなを設置してクマは午後6時前に捕獲されました。9日午前10時すぎ、釜石市中妻町1丁目の路上でクマを目撃したと、通行人から警察に通報がありました。警察が現場付近の空き家で体長80センチほどのクマを発見し捕獲しようとしましたが、クマは逃げて近くのビルの倉庫に入り込みました。午後2時半ごろ、ハチミツと糠を中に入れた筒状のわなをが仕掛けられ、クマは午後6時前に捕獲されました。クマが出没したのは釜石駅から西におよそ1キロの住宅街で、付近には中学校や保育園があります。警察によりますと、これまでに被害の情報は入っていません。

(パークゴルフ場でクマ1頭を目撃:北海道)
4日午後4時10分ごろ、町札前のふれあい公園パークゴルフ場内にクマ1頭がいるのをプレー中の50代の男性が目撃し、松前署に通報した。同署によると、クマは体長1メートル弱。近くの草むらに入っていったという。町は利用者に注意喚起をした上で、5日以降も通常営業する方針。

(クマの目撃相次ぐ:北海道)
6日朝、札幌市南区でクマの目撃が相次ぎ、警察や札幌市が注意を呼び掛けています。午前8時前、札幌市南区白川で「路上にクマがいる」と車を運転していた人から警察に通報がありました。クマは体長1mほどの子グマで、白川浄水場の敷地のやぶの中に入っていったということです。警察と札幌市で付近を捜したところ、クマはおよそ1時間後にやぶから出て道路を横断し北側の山に入っていきました。また、午前9時半すぎには、浄水場から東におよそ1.5km離れた路上からも、別の個体とみられる子グマ1頭が目撃されています。

(防犯カメラに「大暴れ」の一部始終、犯人はイノシシ家族:鳥取)
鳥取県米子市にある神社で深夜、何者かが境内を荒らす事態が起きました。一体誰の犯行なのか。防犯カメラがその一部始終を捉えていました。鳥取県米子市にある日吉神社。ここで今週、宮司の頭を悩ませる出来事が発生しました。地面はボコボコになり、荒れ放題になってしまっています。美しく苔が生えていた境内が一夜にして一変。境内で暴れた犯人は、さい銭泥棒対策に設置していた防犯カメラにバッチリ写っていました。7日深夜の境内。画面の上半分に注目すると…猛スピードで2匹の獣が走り去って行きました。そう、犯人はイノシシです。しかもメンバーは複数いました!そしてこちらの映像では、なんと4匹のイノシシが確認できます。別のカメラには、このうち1匹が、地面の苔を掘り返している様子もしっかり記録されていました。日吉神社の宮司は「神社が荒らされてしまったことは残念ですが、こればっかりは仕方のないことかと思います。ミミズを求めて地面を掘り返したのではないでしょうか」。この日吉神社。実は、連日のようにケモノが参拝に訪れています。さい銭泥棒対策に設置された防犯カメラがこれまでに捉えた映像には、「テン」が本殿に向かって直立する様子や、アライグマ、サル、フクロウなど様々な動物の「参拝」のシーンが写っています。しかし、今回のイノシシは、人間にとっては少し迷惑な行為でした。8日、境内に設置された捕獲檻に、ウリ坊1匹が捕まっているのが発見されました。このウリ坊が犯人かどうかは分かりませんが、その日のうちに猟師に連れていかれたということです。

(クマ目撃情報相次ぐ:京都)
3日午後7時10分ごろ、京都府福知山市正明寺の道路上をクマ1頭が横断するのを近くの男性が目撃した。同日午前11時20分ごろにも約2キロ離れた同市篠尾で屋外の集まりに参加していた住民らがクマ1頭を目撃。2日にも一帯で目撃情報があった。体長約1.3メートルで、市はいずれも同じ個体とみている。福知山市では10月30日、親子とみられるクマに襲われた男性が大けがを負った。31日以降、3日までに計7件の目撃情報があり、市が注意を呼びかけている。

(ぼたん鍋で300人分、巨大イノシシ捕まる:鳥取)
体重200キロ超、体長182センチ、胴回り141センチもある雄の巨大イノシシが、鳥取県江府町内の山中で仕留められた。地元でジビエ解体処理施設を運営する「奥大山地美恵(じびえ)」が仕掛けたワナに掛かった。ぼたん鍋で200~300人分の肉が取れる超大型獣で、関係者は「国内最大級の山の主かも」と驚愕(きょうがく)した。9日午後3時ごろ、江府町大河原地の山中で、捕獲用くくりワナを見回りしていた地美恵会長の浦部二郎さん(77)が発見した。最初は60~80キロ級の一般的な成獣だと思ったが、近寄るとその大きさにびっくり。「とにかく想像を超す大物で、威嚇に肝を冷やした」と話した。急きょ、現場に出向いた日野郡猟友会江尾地区長の高野伸也さん(33)が恐怖心と闘い、至近距離から単発のスラッグ弾で仕留めた。大人4人でも運べないほどの重量があり、たまたま近くで重機を操作していた工事関係者に助太刀を依頼。荷の重量を測る装置付きの油圧ショベルでつり上げたところ、200キロ超だったという。地美恵副会長でジビエ解体の調理師、宇田川保さん(73)は「熊かと見間違うほど大きく、現場で殺後に行う放血処理も難儀した」と興奮覚めやらぬ様子。同会では肉の一部を賞味して加工方法を協議。商品化して地元の道の駅で売り出す予定だ。イノシシの生態に詳しい江口祐輔・麻布大教授の話 巨大と表現してもおかしくない。雄の骨格は5歳ごろまで成長するので、6~7歳の個体ではないか。家系的に大型化しやすいDNAを持った個体の可能性もあり、研究対象になり得る。

(中心部にクマ現れる、警察などが捕獲へわなを設置:岩手)
9日午前、岩手県釜石市の中心部にクマ1頭が現れ、警察や猟友会が捕獲作業にあたっています。9日午前10時すぎ、釜石市中妻町1丁目の路上でクマを目撃したと、通行人から警察に通報がありました。警察が近くの空き家で体長80センチほどのクマを発見しました。その後クマは近くのビルの倉庫に逃げ込んだため、警察や猟友会がわなを仕掛け、午後3時現在も捕獲作業にあたっています。警察によりますとこれまでに被害の情報は入っていません。クマが出没したのは釜石駅から西に約1キロの住宅街で、付近には中学校や保育園があります。警察は外出する時は気を付けるよう住民に注意を呼びかけています。

(民家にクマ出没:広島)
広島県東広島市は7日、福富町久芳の民家でクマの出没情報があったと発表した。市農林水産課によると、現場は市福富支所の北約3キロ。6日昼ごろ、住民の男性が山に隣接する庭でクマのふんを発見。カメラを設置したところ、同日午後6時半ごろに庭をうろつくクマが写っていたという。

(姫路城周辺にサル出没:兵庫)
11月上旬、兵庫県姫路市の姫路城周辺でサルの目撃が相次いだ。城の東側にある中堀近くで見つかったのを皮切りに、近くの白鷺小中学校や姫路護国神社にも出没。けが人はなかったが、まるで忍者のように消えては現れてを繰り返し、姫路市には1~3日の3日間で計16件の目撃情報が寄せられた。お猿さん、どうしてお城へ?「学校にサルがいます。すぐに廊下や教室の窓を閉めてください!」。2日朝、すでに多くの児童や生徒が登校していた白鷺小中学校に、校内放送のアナウンスが響いた。中学部の古寺弘憲教頭によると、中庭に侵入したサルは校舎屋上へ上がり、約20分間、わが物顔で歩き回った。都会育ちの子どもたちは興奮して窓に張り付き、物珍しげにサルを眺めたという。その後、興味をなくしたのか校舎北側から敷地の外へ。古寺教頭は「食べ物を探してやって来たのかな。子どもたちにも、学校の畑にも被害がなくて良かった」と胸をなで下ろす。最初の目撃例は前日の1日朝、姫路市五軒邸の民家の屋根の上で見つかった。群れから離れて単独で活動する雄の「ハナレザル」とみられ、約1時間半後には南に500メートルほどの国道2号沿いへ。姫路護国神社や姫路城南の土産物店前を転々とした。サルは3日夕、最初に発見されたのと同じ姫路城中堀近くで、防犯カメラに映ったのを最後に姿を消した。姫路市内のサルの目撃例では、郊外を起点に少しずつ人の多い場所へと移動し、市街地に到達するケースはあった。先月も近くの山から飾磨区の住宅街に近づくようにサルの目撃情報が寄せられた。ただ今回は突如として市中心部に現れた。一体、どこから来たのだろう。県森林動物研究センター(丹波市)の野口和人森林動物専門員は、姫路城から北へ約4キロの広峰山からやって来たと推測する。「群れが生息する神河町から広峰山までは山が続く。群れから離れたサルが南下し続け、意図せず市街地に迷い込んだのでは」とする。姫路市林田町では3年前、男性がサルに爪で引っかかれてけがを負い、1匹が殺処分された。昨年には同市飾磨区で、民家2階から入り込み、テレビを倒すなど部屋を荒らした例もある。「高い所を移動するサルは人目に付きにくく、姫路城に来るまで見つかるのをうまく避けられたのかも」と市の担当者。「お城の周りには意外と緑が多い。ちゃんと山へ帰ってくれていればいいのだが」と気をもんでいる。

(住宅街に現れたイノシシの群れ、出没例増加:高知)
高知市の住宅街にイノシシの群れが出没した。現地を取材すると、多くの目撃情報とともに住民を悩ます農作物の被害も明らかになった。10月22日午後5時30分ごろ、高知市万々の住宅地にイノシシが出没。数えてみると7頭いた。親子なのか、大きいイノシシとウリ坊もいた。住民によると、万々付近では3年ほど前からイノシシが出没し始め、庭や畑が荒らされる被害が発生している。野菜を育てていた畑も荒らされ、育てるのをやめたという。高知市によると、2021年度のイノシシによる農業被害は240万円を超えている。対策が進み、ここ数年、被害額は減少しているが、住宅地での出没例は増えていて、特にイノシシが活発になる季節に入った10月は市にほぼ毎日、目撃情報が寄せられている。イノシシ増加の原因は耕作放棄地にそのままになっている果樹などが増え、母親のエサが多くなった結果、出産回数や頭数が増えているためと考えられている。本来イノシシは臆病な性格のため人を襲うことはないが、狭い道で突然出くわすとパニックになり、突進してくるおそれがある。見かけたときは、興奮させないように静かにその場を離れることが大切だ。

(イノシシの目撃情報相次ぐ:鳥取)
鳥取県境港市では、11月6日から外江町を中心にイノシシの目撃情報が相次いでいます。境港市は、イノシシを見かけたら刺激などせず、その場をゆっくり後にするよう呼びかけています。11月6日午前9時ごろ、近くに住む人がイノシシを発見し、境港警察署に連絡しました。その後、駆け付けた警察官が捕獲を試みましたが、イノシシは中海の方向に走って逃げていったということです。このほか、境港警察署には8日までに、外江町のほかに境水道大橋付近など市内5ヵ所で目撃情報が寄せられています。境港市と境港猟友会が発見場所を確認したところ、足跡の大きさなどから体長40~50cmほどの子どものイノシシではないかということが分かりました。境港市は、イノシシはエサを求めて島根半島から境水道を泳いできたのではないかとみています。また、8日午後6現在 イノシシは捕まっておらず、草むらなどに隠れている可能性が高いとして境港市は、注意を呼びかけています。

(民家でクマの爪痕:広島)
広島県東広島市は11日、福富町久芳の民家でクマの爪痕が確認されたと発表した。市農林水産課によると、同日午前9時40分ごろ、住人男性が家屋裏のカキの木にひっかいたような傷があり、大半の実が食べられているのを発見。市福富支所に通報した。地元猟友会などが現場を調べ、クマの可能性が高いと判断した。現場は同支所の東約1・9キロ。近くでは7日と先月13日にも、クマの目撃や痕跡の情報が市に寄せられた。

(サルの群れが住宅地に:静岡)
静岡県下田市の住宅地でサルの群れを捉えた動画が撮影されました。その数、少なくとも8頭。サルたちの目的とは?民家の軒先にいるのは、大、小4頭のサル。さらにもう1頭、道路に目を移すと…子ザルが姿を現しました。11月14日昼前に静岡県下田市で撮影された映像には、電線の上を次々と歩く姿も映っていました。撮影した人によりますと、過去には農作物を食べたり、電話線を切ったりする被害も出ているそうです。静岡県南伊豆町の「波勝崎モンキーベイ」に聞くと、このエリアでは特にここ数年、エサを求めて群れで行動するサルの姿がたびたび目撃されているということです。下田市によりますと、人に危害を加えたという報告はありません。わたしたちはどうやって野生動物と共存していくのか?なんとも悩ましい問題です。

(鹿肉、おいしさ伝え特産化へ:宮城)
海と山とで育まれる豊かな石巻地方の食材。伝わる文化と技を生かした郷土の「食」を紹介する。こんがり揚げたカレーパン。かぶりつくとスパイシーな香りと、中に入った肉の食感とが混ざり合い、口の中は幸せいっぱいの気分になる。日本有数の「道の駅」に成長した石巻市小船越の「上品の郷」で、今年から鹿肉とカレーを挟み込んだ揚げパンを開発・販売したのは相沢洋さん(57)。長年、調理畑を歩む経験から、最も抵抗感なく鹿肉を食べてもらえる形としてカレーパンを選んだ。鹿肉の提供は同じ地区内の丸信ワイルドミートだ。2021年に水産会社と共同開発した大和煮「伊達の黄金鹿」も販売している。代表の三浦信昭さん(80)は県猟友会河北支部長も務める。鹿肉は有害駆除されたニホンジカ。同支部だけでも毎年2000頭を駆除するが、食肉利用されるのは約200頭。残り9割は上品山で埋設処分される。これは持続可能な開発目標(SDGs)の観点から大きな問題だ。食材をむざむざ捨てているのだから。人は食べ慣れていないものへの心理的ハードルは高い。その上に「臭みがある」という誤解が輪を掛ける。「きちんと処理した鹿肉は臭みが全くない。塩こしょうだけの焼き肉が一番うまい」と三浦さん。こつは素早い血抜きと低温熟成だ。石巻地方でも鹿肉を使ったハンバーグやステーキなどを扱う飲食店が少しずつだが増えている。給食や試食会など、石巻地方に住む人が、そのおいしさを知る機会を多くしたい。遠野市でラム肉のジンギスカンが名物になったように、特産化へ。

(狩猟解禁も、野生イノシシ肉の流通限定:兵庫)
野生鳥獣の狩猟が15日、兵庫県内で解禁されたが、昨年からの野生イノシシの豚熱(CSF)感染拡大に伴い、多くの地域で仕留めたイノシシ肉を市場流通させられない状況が続く。国が感染した個体の発見地点から半径10キロ圏内の「感染確認区域」を対象に、捕獲したイノシシの持ち出しを自粛するよう求めているためだ。「ぼたん鍋」で有名な丹波篠山市などの料理店では、他県を含む自粛範囲外や飼育施設から肉を仕入れて客に提供するが、野生イノシシの地産地消はできなくなっている。県自然・鳥獣共生課によると、県内では豚熱に感染した野生イノシシは昨年3月、丹波市の山中で初確認された。以降、15日時点で計148頭に上る。県内で自粛範囲に該当しない地域は、阪神間や加古川市周辺の都市部のほか、西播磨と但馬地域の一部の山林に限られている。農林水産省や県の指針では、捕獲したイノシシ肉は自家消費する以外は、地中への埋設などの処理が必要。このため、丹波篠山市では昨年に続き、名物のぼたん鍋シーズンを迎えても、市内の料理店などでは地場産の野生肉は提供されない。ただ、県内では豚やイノシシの飼育施設で感染は確認されておらず、中国・四国地方以西は野生イノシシの感染確認も部分的にとどまり、こうしたところから仕入れは可能。農水省の調査によると、県内で食肉処理施設が販売したイノシシ肉の量は、感染拡大前の2020年度の121トンから21年度は88トンへと落ち込んだ。一方、食肉処理施設が卸売り、小売りした1キロ当たりの価格は全国平均で20年度が3556円、21年度は3573円とほぼ横ばい。農水省は昨年3月、ジビエ(野生鳥獣肉)利用のための新たな手引を公表。PCR検査で陰性が確認できれば、食肉として流通させることは可能とした。だが、県自然・鳥獣共生課は「捕獲したイノシシを全頭検査する態勢を整えるのはコスト面などで困難が多い」と指摘する。近年はジビエブームとなってはいるものの、検査結果が分かるまで時間もかかるなど、流通させるには課題が少なくないという。県は飼育施設でワクチン接種を進めるほか、山林では経口ワクチンをまき、有害獣として捕獲した野生イノシシの抽出調査を続けている。だが農水省によると、全国で野生イノシシの感染が拡大している状況では感染確認区域を解除できる段階ではないという。県畜産課は「半径10キロ圏は拡大する一方で、この状態がいつまで続くのか先が見えない」とする。

(高知商高ジビエ部は特別賞:高知)
政府の有識者懇談会はこのほど、地域の特産品や文化を生かし活性化に取り組んだ成功事例を選定する「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」の優秀賞に高岡郡四万十町の株式会社四万十ドラマ、特別賞に高知市の高知商業高校ジビエ商品開発・販売促進部をそれぞれ選んだ。高知商業高ジビエ商品開発・販売促進部は2017年に結成し、部員は現在17人。本県が悩む鳥獣害の解決に向け、県内で捕獲されたニホンジカやイノシシなどのジビエ(野生鳥獣肉)を使ったソーセージやジャーキーなどを商品化し、利益は被害に遭った森林の保護活動に寄付している。受賞を聞いた部長の2年、池知美優さん(16)は「ジビエは栄養素や海外での使用例を見ても価値がある食材。高知のジビエを特産品にして、県内外の人においしさを知ってもらいたい」と、さらなる活動の充実に意欲を見せていた。

(「ジビエ料理」の技術を学ぶ研修会:宮崎)
シカやイノシシの肉を使ったジビエ料理の技術を学ぶ研修会が宮崎市で行われ、県内のプロの料理人や調理学校の生徒が、ジビエ料理を得意とするシェフから下処理や調理の方法を学びました。県では、駆除したシカやイノシシの肉を有効利用するため、地元の料理人たちにジビエ料理の技術を伝える研修会を毎年、開いています。15日の研修会には、宮崎市内で働くプロの料理人や調理学校の生徒など、あわせて30人ほどが参加しました。講師を務めたのは、長野県でジビエを扱うフランス料理店のオーナー、藤木徳彦さんで、シカ一頭を解体しながら、それぞれの部位や肉質を説明し、参加者たちは動画にとって手順を確認していました。このあと参加者たちは、串に巻き付けたシカと豚の肉をフライパンで焼いてジビエの串焼きを作り、藤木さんの調理した料理とともに試食しました。参加した50代のシェフは「きょう食べた鹿肉は食欲を誘う香りがしました。焼酎に合うような料理になる可能性があると思う」と話していました。一方、藤木さんは「レストランだけでなく、一般家庭でもジビエを食べるようになるくらい、宮崎の食文化として根付いていってほしい」と話していました。

(「ジビエクラウド」を狩猟期より運用開始:兵庫)
狩猟関連機器・サービスの企画・開発・販売を行う株式会社huntech(読み:ハンテック、本社:東京都目黒区、代表取締役:川崎 亘、以下「当社」)が提供する、鳥獣の捕獲・加工情報を管理するクラウドサービス「ジビエクラウド」が、11月15日(火)から始まる狩猟期に合わせて兵庫県で導入され、運用を開始いたします。これまで狩猟期に処理加工施設事業者(以下「加工事業者」)が紙で提出していた捕獲確認書※1を電子化することにより、猟師・県担当者双方にかかる事務作業の効率化が期待されます。今年度の狩猟期では、兵庫県内の加工事業者19社中10社が利用します。捕獲確認書の電子申請は、兵庫県が全国の自治体で初めての事例となります。兵庫県内でのジビエ利用量は西日本最大を記録※2しており、そのうち搬入促進事業として加工事業者に持ち込まれる捕獲個体は6,000から7,000ほどを見込んでいます。加工事業者に持ち込まれる個体数が多い兵庫県では、その事務処理に多くの工数を費やしており、効率化が長年の課題でした。一方で猟師(有資格者)の高齢化も懸念されており、害獣被害を減らすためにも若年層の人材確保もまた急務となっています。より積極的な捕獲が期待される中、ジビエクラウドの活用が事務負担軽減や効率化につながることを目指しています。

(北海道が抱える獣害問題、エゾシカを特産品として全国にPR:北海道)
これは北海道にのみ生息するエゾシカです。本州に生息するニホンジカは体重100キロくらいですが、エゾシカは体が一回り大きく体重150キロにも及びます。いま、北海道はこのエゾシカによる農作物の被害に頭を抱えています。みなさんは県内で確認されている農林業の被害額がいくらかご存じですか?おととしのデータですが、シカによる被害額はおよそ1億5000万円です。これに対して北海道では40億円を超えているんです。エゾシカは明治時代に一度絶滅の危機を迎えます。そのため保護政策が取られましたが、この保護政策の影響で爆発的に数が増えてしまったんです。北海道はピーク時の77万頭から半分の38万頭に減らす取り組みを続けています。ただ予算を使って殺処分するだけではなく、北海道の特産品として全国にPRする活動に力をいれています。10月に神戸市内で開かれたセミナーの様子を取材してきました。10月、神戸市立中央区文化センターで北海道はエゾシカの魅力をPRするセミナーを開催。飲食店の経営者やホテルのシェフなどが参加していました。神戸で開かれたセミナーではエゾシカの革で作られたカバンも紹介されました。なんと、このバッグには姫路の伝統工芸の技術が取り入れられていました。バッグを作ったのは、北海道で革製品のデザインと販売を手掛ける高瀬季里子さんです。高瀬さんの工房では、バッグのほかにもペンケースやグラスカバーなども製造販売しています。姫路の技術が詰まった白いバッグはエレガントな大人の女性を演出。可愛い赤でキュートな雰囲気もこの秋にはぴったりです。エゾシカのジビエは北海道が最もPRしたいグルメです。セミナーでは、フランスで3年修業した宇野勇蔵シェフが自信を込めておすすめする「エゾシカのワイン煮込み」が提供されました。エゾシカのセミナーはとても好評でした。安定供給を目指した北海道は、捕獲したエゾシカをそのまま出荷するのではなく、飼育して需要に応じて出荷する一時飼育を導入しています。また、認証制度を設け、安全安心な肉の提供を目指しているということです。エゾシカ肉の購入などは、「エゾシカ肉処理施設認証制度」で検索すると北海道庁のHPに16の認証事業所の連絡先が掲載されています。

(ジビエに「キョン」手応え:千葉)
県南地域を中心に急繁殖するシカの一種「キョン」の肉の試食会が6日、いすみ市の大原漁港の「港の朝市」で初めて開かれた。畑を荒らす有害獣として駆除後は廃棄されるが、中国などでは食材として利用されていることから、今年度から肉や皮の活用に取り組んでいる勝浦いすみ青年会議所が開催した。

(鹿肉「肉質と味に驚いた」:広島)
食や旅の情報媒体を手がけるiD(東京)が、広島県安芸高田市産の鹿肉をブランド化し、同市向原町坂の古民家を拠点に地域産品の魅力を発信している。鹿肉は首都圏を中心に好評という。食と旅を組み合わせたフードツーリズムを見据え、全国のシェフを拠点に招いて地域食材を調理してもらうイベントも定期開催する。料理人と生産者をつなぎ、地域課題の解決や活力の創造を目指す。

(ジビエ焼肉、先着100人に提供:宮城)
昨年廃校になった川崎町の旧前川小で6日、秋の収穫に感謝するイベントが開かれる。住民でつくる「前小活用協議会」などの主催。地元猟友会メンバーが仕留めたイノシシやシカ、クマなどのジビエ(野生鳥獣肉)計約30キロの焼き肉を先着100人に振る舞う。

(食肉に携わる職人に光を:北海道)
十勝管内豊頃町でエゾシカや豚、鶏などの食肉加工製造を手掛ける「ELEZO(エレゾ)社」が10月10日、オーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)を開業した。場所は太平洋を一望できる十勝大津灯台近くの高台で、正式名は「オーベルジュ エレゾ エスプリ」。

(ジビエの油脂を活用したレザーケア:東京)
株式会社谷口化学工業所(所在地:東京都墨田区、代表取締役社長:谷口 弘武、以下、当社)は、自然由来の原料で製造した「自然から作ったシリーズ」にて新製品の販売を開始しました。当社は創業明治43年、100年を越える老舗の靴クリームメーカーであり、こだわりの手作業によるものづくりに加え、原料や製造背景にこだわった製品を開発しております。

(自販機ポチッで気軽にジビエ:和歌山)
野生のイノシシや鹿の肉「ジビエ」を24時間買える自動販売機が、和歌山市藤田のジビエ専門店「いの屋」の店頭に登場して1年。ジビエが手軽に買えるとあって、当初の販売目標を大幅に上回る人気が続いている。販売するのは、焼き肉用やすき焼き用など、用途別に冷凍パックされたイノシシ肉や鹿肉。1パックあたり240~350グラムで、価格はすべて税込み1千円。イノシシ肉のぼたん鍋や、鹿肉の竜田揚げなど調理の参考レシピも添えた。いの屋の北浦順嗣代表(74)は自販機を設置した理由について「より多くの人に食べてもらいたかった。ジビエの高級イメージを変えたかった」と話す。店では、キロ単位で3500~8千円で販売しているため、気軽に購入できないという声もあったという。そんなとき、大阪にギョーザの自販機があることをテレビで知った。自販機業者にジビエ用への改良を依頼し、昨年10月に店頭に設置した。1日5パックほど売れればと思っていたが、バーベキューやキャンプをする人たちの注目も集めた。設置して1年経つが、1日平均20パックほど売れ、多い日は商品補充を4回もするほどの人気が続く。購入客からは、「コラーゲンや鉄分が多く、食べた翌日は化粧ののりが違う」「イノシシ肉は滋養強壮にいい」といった声が寄せられているという。北浦さんは、一般社団法人「和歌山鳥獣保護管理捕獲協会」の会長を務め、会員の猟師ら約30人が捕獲したイノシシや鹿を扱っている。肉質保持のため、買い取るのは店から近い、紀北から有田地域までの範囲としている。北浦さんは「農作物への被害は深刻で、野生鳥獣を減らす努力をしている。ただ、その命を無駄にしないためにも多くの人に味わってもらいたい」と話す。

(ジビエ料理に親しんで、専門学校で講習:石川)
ジビエ(野生の獣肉)料理に親しんでもらおうと、金沢市の金沢製菓調理専門学校で、ジビエ料理の講習と調理実習があり、料理師科の生徒36人がジビエの調理方法や衛生上の注意点などを学んだ。ジビエ普及に取り組む県農林水産部里山振興室と合同で実施。いしかわジビエ利用促進研修会の點田(てんだ)賢司さん(72)が講師を務めた。點田さんはジビエの言葉の由来について「無駄なくすべての肉を消費する、もったいないという精神がある」と紹介。農作物に被害を与えるイノシシなどの獣肉を捨てずに、里山の魅力ある食材として活用することの意義を強調した。調理法では、食中毒を防ぐため「生肉は食べない」「中心までしっかり加熱する」などとポイントを挙げ、「特に妊娠中の女性が感染すると、流産などの恐れがある」と注意を促した。後半にはイノシシの肉を使った調理実習もあり、ワインで煮込んだスープからは食欲をそそる濃厚な香りが漂った。

(「SAでも絶品の味」ジビエ料理:高知)
この記事を読んでいる皆さんはジビエと聞いて「高級・珍しい食材」といったイメージを持つ人も多いのではないだろうか。東京生まれ東京育ちの筆者も四国へ移住するまでジビエは遠い存在だった。現在は四国に住んでいるが、四国ではジビエがごく一般的に食べられている。そのため、ジビエ肉を自宅で調理する機会も多いのだ。今回は、高知県在住の筆者が、高知県内で気軽に食べられるジビエ料理とジビエ肉を購入できるお店を紹介する。「ドライブをするとお腹が空いてくる!」「サービスエリアのグルメが好き!」そんな人におすすめなのが、高知道南国サービスエリア(下り線)のジビエ鹿ケバブ(580円)だ。ジビエは高級で都会だと数千円出さないと食べられないと思う人もいるかと思うが、このケバブはとてもお手頃な価格で食べられる。使用するのは高知県産の鹿肉。脂身が少なく、淡白な肉質が特徴となっている。ソースが淡白な肉と合い、ジューシーさを醸し出してくれる一品だ。次に紹介するのは高知県大豊町にある「道の駅 大杉」だ。高知と高松を結ぶ国道32号線沿いにあり、便利な立地となっている。店内にはお土産品も多く並ぶが、飲食スペースでは、しし焼肉定食(950円)がいただける。いのしし肉は臭みがなく、脂がのって美味しい。焼肉のたれといのしし肉がマッチして、ご飯がすすむメニューだ。ぜひ、大豊町へ訪れた際は食べてほしい一品と言えるだろう。「ジビエ肉を購入したい」「ジビエ肉を自宅へ発送したい!」高知に住むと、四国へ来てジビエ肉を購入したいという友人も意外と多い。そんな人におすすめなのが、「JAファーマーズマーケット とさのさと(以下、とさのさと)」だ。ここでは高知県内の野菜や果物・お土産を購入できるが、ジビエ肉も取り扱っている。県内の加工場で処理された新鮮なジビエ肉は美味しく安心していただくことができる。「とさのさと」ではジビエ肉を郵送することもできるので、家族へのお土産にいいだろう。高知県民の筆者も頻繁に訪れるスポットだ。四国に住んでから、ジビエ肉を猟師の方からいただくこともあり、ジビエ肉はすごく身近な存在だ。いただいたイノシシのお肉をカレーにするのは高知県内の家庭ではごく一般的なことで、イノシシカレーは家庭の定番料理の一つになっている。なお、ジビエ肉は自然の中で育った野生の動物のため、生で食べることは厳禁だ。もし、ジビエ肉をお土産などで購入した際は、十分に加熱することをお忘れなく。

(冬の味覚「ぼたん鍋」を堪能しよう:兵庫)
兵庫県にあるぼたん鍋発祥の宿「近又(きんまた)」では、11月15日(火)より冬の味覚、ぼたん鍋コースの販売を開始する。この時期だけ味わえる滋味あふれる料理を味わってみよう。慶長14(1609)年、篠山の町に開業した近江屋。当主は代々近江屋又兵衛を襲名し、明治初期頃屋号を近又と改めた。明治の元勲「木戸孝充」が桂小五郎といった時代、“好きなお菊と丹波篠山郷近又に宿る”と書いた日記を山口県に残している。また、昭和54年11月現令和天皇(当時、浩宮徳仁親王殿下)も宿泊し、同館のぼたん鍋を賞味した。春、夏は地元の食材をふんだんに取り入れた会席料理を、秋は松茸会席を、そして冬はぼたん鍋と四季折々の料理が食べられる歴史ある料理旅館だ。ぼたん鍋の由来は、皿に盛った形が「牡丹の花」に似ていることからその名が付けられたと思われているが、実は民謡の「篠山小唄」に出てくる「ぼたん鍋」という言葉から、当時の近又の主人が「牡丹の花」の形に並べて提供したことで全国に広がったという。近又のぼたん鍋は、丹波篠山の山の幸をたっぷりと食べた野生の猪肉のみを贅沢に使用する。コラーゲンたっぷりの猪肉はあっさりとした味わいで、煮込めば煮込むほど柔らかくなる。前菜、椀物、お造り盛り合わせ、デザートと丹波篠山の冬の味覚を存分に楽しめるぼたん鍋コースにシメはとろりと卵を落とし味噌ダレと絡めて作るぼたん丼が絶品だ。

(自然の恵み「ジビエ」味わう秋:佐賀)
ジビエとは、フランス語で狩猟した野生の鳥獣肉のこと。イノシシやシカ、クマ、野ウサギ、キジなどが挙げられ、鳥獣被害による農林業や生態系への影響を軽減する取り組みとして、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも近年注目を集めています。秋は、餌となる木の実やキノコが豊富でジビエがおいしい季節。県内でも、ジビエが味わえる店やイベントが増えてきています。佐賀市大財に店を構える「GrillDining deeer」は、県内のジビエ料理の先駆け的な存在。「使うのは害獣駆除のジビエ肉。駆除とはいえ命あるものなので、きちんと調理し、おいしく食べるようにしています」と店長の大石明弘さん。狩猟は冬から春にかけてと解禁期間が決まっていますが、害獣駆除は期間の定めがないので、年間を通して新鮮なジビエが手に入るのだそう。店ではイノシシやシカはもちろん、時にはクマを使ったメニューも登場。お薦めは「鹿のロースト赤ワインソース」です。イベント出店では、「イノシシバーガー」を販売。今年の佐賀インターナショナルバルーンフェスタでは、6日間で2000個を売り上げたといいます。サガン鳥栖のホームゲームの日には、駅前不動産スタジアムでも食べることができます。鶴商興産(佐賀市)が手がける「佐賀ジビエ」では、deeer監修の「イノシシソーセージ」を販売。脂分など余計なものは加えず、肉本来の深いうまみが感じられるソーセージは、無添加・無着色で臭みもないので子どもでも安心して食べられます。人間の脂肪酸組成に似ているというイノシシの脂に注目した「保湿バーム」も開発。肌や髪の保湿から犬や猫の肉球ケアまで、マルチに使うことができます。武雄温泉駅そばの食事処(どころ)「旬彩このみ」では、地元特産のレモングラスとイノシシを組み合わせた「武雄温泉レモしゃぶ鍋」が好評です。レモングラスでだしをとり、塩と香辛料で味付けしたスープに、イノシシ肉とチンゲンサイをくぐらせて味わいます。締めの雑炊で、うまみたっぷりのスープを最後まで堪能しましょう。冬の間だけ提供するという「猪(いのしし)スティック」は、ブロック状のイノシシ肉を串に刺して揚げ、特製だれで味付け。お酒によく合います。野山を駆け回るイノシシやシカの肉は、脂肪分が少なくヘルシー。トレーニング中や健康志向の人たちにも人気です。ジビエ初心者は、まずは豚肉に近いイノシシからトライしてみては。あなたのひと口が、環境保全につながるかもしれません。

(「ジビエ祭」開催、イノシシ汁を無料で:佐賀)
道の駅大和そよかぜ館で13日、「ジビエ祭」が開かれます。無料でイノシシ汁が振る舞われるほか、「GrillDining deeer」がハンバーガーやソーセージ、コロッケ、串カツ、スペアリブなどのイノシシ料理を販売します。地元のおやじバンドやオカリナのコンサート、竹とんぼなど昔遊びの体験コーナーもあります。

(ALSOK参入で「国産ジビエ」販売が抱える問題が浮き彫りに:千葉)
2022年9月、爆音とともに高速でレーシングカーが疾走していく富士スピードウェイ。この日、F1と同等クラスの「FIA 世界耐久選手権 富士6時間耐久レース」が開催された。その中にキャンプサイトを併設したトヨタのイベントスペースが設けられ、千葉県茂原市の「ジビエジャポン」が、茂原産のジビエをアピールした。先頭に立ってジビエメニューを販売するのは、広告代理店を経営する、クリスタルライフの森住恵美子さんだ。森住さんが提案する、新しいジビエ販売戦略を追う。さて、このジビエジャポンとは?警備会社「ALSOK千葉」、有名和食店の「日本料理 竹りん」、千葉県茂原市が協同で、房総ジビエの商品の開発や販売を行っているもの。しかしなぜ大手警備会社がジビエに関係しているのだろうか。そこには、農作物に深刻な被害を与える鹿や猪の獣被害が背景にある。その一方でハンターの高齢化や後継者不足から、駆除をするためのマンパワー不足が問題に。その不足したマンパワーに替わり、ALSOK千葉が、警備システム付きの箱わなやくくりわなを開発し、猪や鹿の捕獲を行っていた。さらには、自治体や近くの企業と力を合わせ、食肉処理施設「ジビエ工房茂原」を立ち上げる。と言うのも、捕獲された鹿肉や猪肉はほとんどが捨てられてしまうため、ジビエが地域の活性化に寄与できないかという思惑があったのだ。ALSOK千葉が得意とする情報管理技術を活用したトレサビリティ(商品の生産から消費までの過程を追跡すること)の徹底、最新の施設でHACCP(ハサップ。衛生管理における国際的な手法)に沿った衛生管理によって、安全で美味しいジビエを提供できるようになる。猪を屠殺後、スピーディで適確な解体をすることが肉のクオリティを左右する。ジビエ工房茂原では、解体後30分以内にマイナス60度まで急速冷凍するので、自然解凍後も肉が新鮮なまま。このようも発達した冷凍技術等で。より良質で安定した供給が可能になる。処理されたジビエは、茂原市の老舗料理店「日本料理 竹りん」に運ばれ、「ジビエジャポン」ブランドとして販売されるようになったという経緯がある。冒頭の森住恵美子さんは、もともとフードスタイリストとしても活動していた。彼女は海外でもよくジビエを食べたことがあるが、たまたま竹りんの仕事をする関係でALSOK千葉が提供するジビエに出会い、その美味しさに驚いたという。「昔は全体的に解体処理能力が低かったので、臭いとか硬いとか言われて、敬遠されていました。でも、今はその能力がどんどん向上しています。猪は脂が命ですが、茂原をはじめとした房総産の猪はとにかく脂が甘く、旨味が濃いのです。特にALSOK千葉のジビエはフランスやスペインなどのジビエと遜色ありません。これをもっと世の中に広めたいと思い、ほとんど勝手にジビエジャポンの広報パーソンを始めました(笑)」。しかし、日本各地には数えきれないほどのご当地ジビエがある。自治体が推すジビエは、どこも「畑の農作物を獣被害から守る」という共通のお題目でブランディングされており、どれを食べても印象はそれほど変わらない。もちろん、獣被害に貢献するというスタンスは大事だが、それだけではビジネスとして弱すぎる。房総のジビエを“日本のジビエ”として世界に発信したい、世界標準のジビエとして売り出したいと、森住さんは試行錯誤を重ねる。そして思いついたのが、燻製した醤油ソースと塩で食べる猪肉だ。最初は燻製塩で肉を食べることを考えたが、塩では日本のジビエという点で押し出しが弱い。醤油=ソイソースならば、外国人へのアピール力も高いと考えた。そんな折、前述のトヨタのブースで飲食の出展をしないかと、運営責任者のスポーツオーソリティからオファーが来た。「私は千葉のグランピング場でジビエを出しているので、アウトドアでの提供は得意です。しかもF1と同等クラスのレースに付随するキャンプサイトなので、世界に発信するという点でも絶好のチャンスだと考えました。そこで、スポーツオーソリティの担当者にジビエジャポンの話をしたところ、品質の良さを認められてOKとなったのです」と森住さん。出展当日は、猪肉で作った極太フランクを天然酵母を使ったパンに挟み、房総産のドライトマトと生乳100%のバターを添えたジビエドッグ、そして燻製醤油塩で食べる猪肉を販売した。どちらも森住さんのフードコーディネーターとしての手腕を発揮した自信作だ。「おかげさまで2つのメニューは完売に近いほど、売れ行きが良かったです。『お肉が美味しいし、燻製醤油塩に合う。ワインが進む』といったご意見をもらったり、キャンプサイトに宿泊した方に、ジビエドックを翌日もリピートしていただいたり。嬉しい限りです」と、森住さんは笑う。しかし、まだまだ“世界水準のジビエ”への道は遠い。そもそも鹿や猪は、ほとんど多くが駆除されて捨てられるもの。ならば捨てる前に食べればいいと考えるが、ALSOK千葉のような高性能の処理施設を持つ企業が少なく、食肉として流通チャネルに乗りにくい。しかも安定した供給量を確保できず、通常の牛肉や豚肉に比べると価格が割高だ。海外のジビエのように、普段から一般の人々が食べるような肉とはいえない。「今回の出展を実績の一つとして、全国展開をしている大手スーパーの精肉売り場に置いてもらえるように計画中です。また、茂原市の学校給食にも提供し、子供の頃からジビエに親しんでいるような“食育”プランも進行中です。とにかく、世界水準のジビエになるには、一般の食卓に並ぶような大衆的なものになること。そのための販売戦略やPRが大事だと思っています」と、森住さんは、茂原ジビエの今後の展開を語る。まだまだ森住さんの挑戦は始まったばかり。茂原ジビエがスーパーに並ぶ日を心待ちにしたい。

(そば粉×ジビエの地元産ガレット:長野)
阿智高校(阿智村)地域政策コースの3年生7人が同校で11日、村の食材を生かした「ガレット」の試食会を開いた。伊那谷で普及活動が盛んなガレットと、村の食材を組み合わせて特産品にしようと考え、昨年からアイデアを練ってきた。活動に協力した住民12人が味を確かめた。

(マタギ文化を味わうジビエ:青森)
マタギという言葉を聞いたことがあるだろうか。イタリア語ではない。日本語である。マタギとは、主に東北地方で伝統的な儀礼や方法にしたがい、ツキノワグマなど野生の鳥獣の狩猟を生業にしてきた人たちを指す。「動物が憎いから撃つのではなく、生きていくのに必要だから撃つ。動物の命をいただいて人は生きていく。動物の命を奪うたびに人は心を鬼にし、撃ってはまた鬼になる。だから、『又鬼(マタギ)』と呼ぶのだと先祖から聞いています」。そう語るのは、白神マタギ舎(青森県西目屋村)代表代理の工藤茂樹さんだ。工藤家は230年ほど前からマタギをしてきた。時代が移り変わったいま、工藤さんは世界遺産である白神山地のガイドをしながら、マタギを続けている。「とくにクマは、山の神からの授かり物だとマタギは考えています。なので、クマを授かったら、マタギたちは頭を垂れて、『ありがたく頂戴いたします』と言ってから、解体を始めます」と工藤さんは語る。解体のあと、代々伝えられた言葉でクマの成仏を祈る。その場でモツを鍋にして食べ、肉は骨付きのまま分配して背負って持ち帰り、おすそ分けもする。保健衛生の面から、しっかり火を入れる調理になる。そのようなマタギという狩猟文化がいまも引き継がれる青森県西部の弘前市に、ジビエと手づくりサルーミ(食肉加工品)を出すイタリア料理店が今春、オープンした。「Il Filo(イルフィーロ)」の林隆寛オーナーシェフは、みずから狩猟免許をもつ。地元の料理学校を卒業後、東京のイタリア料理店での修業をへて、ワインを自社畑のブドウから醸造するので有名なイタリア料理の名店「Osteria Enoteca Da Sasino(オステリア エノテカ ダ・サスィーノ)」(弘前市)と姉妹店で計7年間働いてから今春、独立した。「実は、マタギのことは、狩猟免許を取ろうと決めたころに初めて知りました。狩猟免許は『Da Sasino』でジビエを扱ううちに、自分で捕ってみたいと思ったのがきっかけです。ジビエは一期一会。生息環境や餌が違えば、肉も違ってくる。ふたつとして同じものはありません。そうしたジビエとの出合いや、人とのつながりを大切にしたいという思いから、イタリア語で『糸』という意味の店名をつけたんです」と林シェフは話す。もともとジビエの処理場とケータリングを営みたいと思っていたが、弘前市のビジネス支援センターから、処理場の前に店を作って安定させたらとアドバイスを受けて開店にいたった。食通のあいだでその独特の風味と食感が愛されるジビエは、意外にも、林シェフの地元では人気の食材とはいいがたい。「親の世代である60代くらいは、知り合いからジビエをもらって食べたが、処理の仕方のせいか、固くて臭いというイメージから抜け出せないんです。逆に若い方は、都会でジビエが話題なので食べてみたいけれど、食べたことがないし、家庭での調理の仕方がわからないようです」と林シェフ。国が定める狩猟期間は11月15日~2月15日で、まだ禁猟期間である10月末に、「Il Filo」でジビエメニューを中心にいただいた。ジビエとは狩猟した野生の鳥獣を指すが、店では禁猟期間中は主に飼育された鳥獣を出している。前菜は自家製サルーミ(食肉加工品)の盛り合わせ。ジャパンフォアグラ(青森市、フォアグラの飼育・生産はすでに中止)で飼育するバルバリー種のカモの生ハム、国産豚のカポコッロ(首肉)や生ハム、サラミ、薫製パンチェッタ(バラ肉)、モルタデッラ(加熱ソーセージ)のほかに、十和田市短角牛の生ハムであるブレザオラなど7種である。ソムリエ資格をもつ林シェフが選ぶワインと合わせるために、サルーミの塩分は控えめで、とくにモルタデッラはイタリア産と比べてもまったく引けをとらない。ズッパ(具入りスープ)は「トフェイヤ」というイタリア北部ピエモンテの料理である。豚のホホ肉、耳、舌、豚足などを香味野菜、白インゲンマメと煮こんでいる。いろいろな部位の食感の違いが楽しめ、寒い季節に体が温まるこの料理を、「イノシシ肉でできればいいと思ってます」と林シェフ。野生のイノシシの生息区域の北限は宮城県とされていたが、温暖化の影響で青森県でもイノシシによる農業被害が確認されているという。いずれ駆除されたイノシシ肉で食べられる日が来るかもしれない。パスタは「イノシシ肉のアニョロッティ ポルチーニのペースト」。アニョロッティもピエモンテの郷土料理で、通常は牛肉や豚肉を詰めたラヴィオリである。この日は、奥津軽いのしし牧場(青森県今別町)で飼育され、抗原検査に合格したイノシシの肉が詰め物に使われた。食べ進むうちに、牛や豚とは違う、特有のパワーがイノシシ肉にあるのに気づく。その力強さが、上にかけられた黒トリュフの風味に負けず、強い印象を残す一皿に仕上がっている。合わせた赤ワインは、修業先である「Da Sasino」の自社ワイナリー「Fattoria Da Sasino(ファットリア・ダ・サスィーノ)」の「弘前ロッソ2020」。スパイシーなワインがイノシシ肉に合う。メイン料理は、イノシシ肉のロースト。これも飼育イノシシだが、豚とまったく違う脂の質に驚く。脂がふるふるしていて、肉は歯ごたえがありつつ、ジューシーだ。赤身肉を噛みしめながら、口の中で肉汁を出して肉の風味を楽しむというイタリア的赤身肉の食べ方ができる。飼育のイノシシは癖がなく、「ジビエの入門編として食べていただきたい」と林シェフは勧める。ジビエを店で出すときに、林シェフがいちばん気をつけるのが、猟でしとめてから処理するまでのスピードと肉の衛生管理だ。ジビエ肉を加工するには、食品衛生法にもとづく食肉処理施設を設ける必要がある。林シェフはリンゴ畑のため池でカモを撃ち、胸肉をローストに、モモ肉をコンフィなどにする。禁猟期にため池にいるカモも、猟期には禁猟区であるすぐ隣のため池に移動したりと猟に難儀し、やはり一期一会といえる。林シェフはいずれのジビエ肉もあえて熟成させない。そして、血なまぐささを感じさせない処理をする。しとめてから、腸や内臓を早く抜いて、肉の温度を下げる。「臭くないジビエを出して、『もうこの店のジビエしか食べられない』とお客様に言わせたいんです」と独自性を打ち出す。元カフェだった店の内装はほぼそのままで、雰囲気はカジュアル。開店してまだ半年余りで、今季、店にとって初めての猟期を迎える。ジビエも含めて、地元の人に受け入れられるためのイタリア料理のメニュー作りに試行錯誤がつづく。そうした林シェフに、冒頭に紹介したマタギの工藤さんはエールを送る。「いまはハンター(狩猟者)はいるけれど、(獲物を山の神からの授かり物ととらえ、感謝していただく)マタギ人(びと)は少なくなってしまいました。できれば昔のことも勉強しながら、無理なく、自分のできる範囲で伝えていってもらえれば」。工藤さんは日焼けした顔で穏やかに締めくくった。

(「諫早おせち」ジビエ料理も:長崎)
諫早の食材をふんだんに使ったおせち料理の予約の受け付けが、14日から始まりました。「ジビエ料理」も目玉のひとつです。小長井で取れたカキや橘湾産のサワラの柚庵焼きなど、地元=諫早の食材にこだわりました。諫早市役所などにある「レストランながえ」が14日から予約を開始した、「諫早おせち」です。15品目が入っていて、諫早の郷土料理 鯨の煮しめは、醤油と砂糖だけのシンプルな味付けが素材のうま味を引き出しています。目玉はイノシシ肉とカモ肉を使ったジビエ料理です。諫早市では、農作物を荒らすイノシシなどを猟友会などが捕獲しています。捕獲した動物を有効活用しようと、おせちに盛り込むことを決めました。諫早おせちの予約は12月15日までで、100セット限定での販売予定です。

(やまなしジビエフェア2022:山梨)
山梨県は承認を受けた施設で適切に処理されたシカ肉を「やまなしジビエ」としてブランド化し、普及活動を行っています。そんなやまなしジビエをより沢山の人に知ってもらおうと、「やまなしジビエフェア2022」を開きます。県内外の20の店舗が趣向を凝らした「やまなしジビエ」料理。

(ニホンジカの消費拡大:山梨)
県内で捕獲されたニホンジカの消費拡大につなげようと、15日から東京や県内のレストランなどでジビエ料理を提供する催しが始まりました。県は、農作物などに被害を与えるニホンジカを食肉として活用するため、県の衛生基準などを満たした処理施設で加工されたニホンジカを「やまなしジビエ」として認証し、県内で1年間に捕獲されるおよそ1万7000頭の活用につなげようと取り組んでいます。このため、県は県内外のレストランなどでジビエ料理を提供する催しを行っていて、新型コロナウイルスの影響で2年ぶりの開催となることしは、東京や県内などあわせて20のレストランやホテルで催しが始まりました。このうち、甲府市にあるレストラン「リストランテ コエン」では、丹波山村で捕獲されたニホンジカのひれ肉を油で揚げたカツレツを提供しています。レストランのオーナーの小池真由美さんは「鹿肉は高タンパクで栄養価も高いのが特徴です。フェアを通して、たくさんの人にジビエのおいしさを知ってもらいたい」と話していました。主催した県販売・輸出支援課の石川英仁課長は「鹿肉はワインによく合うと言われていますので、ワインとのマリアージュ、そしてジビエのおいしさを堪能してもらいたい」と話していました。「やまなしジビエフェア2022」は、来年の2月28日まで行われます。

(児童シカ肉味わう、捕獲増の害獣利用:福井)
ジビエのおいしさを実際に調理して体験してもらう授業が、若狭町の三宅小学校であり、六年生十二人がシカ肉の焼き肉やウインナーを味わった。

(シカ肉加工場稼働:北海道)
元美唄市農協職員の山本峻也さん(36)が設立した食肉加工会社「Mt.(エムティー)」が今月から、エゾシカ肉加工場の稼働を始めた。生臭さを抑えるため独自の血抜き技術を契約ハンターに徹底させており、「道内外に販路を広げ、エゾシカ肉を地域の特産品にしていきたい」と意気込んでいる。加工場は市進徳町に整備し、年間でエゾシカ600頭の処理を目指す。「獲物を仕留める瞬間から調理は始まる」とのモットーから、山本さんがアイヌ民族の男性に教わったという血抜き法をハンターに実践してもらい、2時間以内に加工場まで運ぶよう求めている。

(ふるさと納税返礼品にシカ肉ペットフードも:北海道)
中標津町のふるさと納税の返礼品に駆除されたシカ肉を使ったペットフードと支援学校の生徒が手がけたフードボウルのセットが新たに加わることになりました。ふるさと納税の返礼品に11月下旬から追加されるのは。駆除されたエゾシカの肉を使ったレトルトのペットフードとペット向けの陶器製フードボウルのセットです。フードボウルは中標津支援学校の高等部の生徒たちがつくったもので、14日、西村穣町長が学校を訪れ、製品の報告会が開かれました。フードボウルは2種類の大きさがあり、犬が食べやすいよう口が少しだけ狭くなるよう形が工夫されています。報告会にはペットフードをつくった町内のシカ肉加工業者も出席し、学校と業者に返礼品の認定書が授与されました。このあと、西村町長らはペットボウルをつくっている窯業科の作業の様子を視察しました。西村町長は「素敵なコラボ商品が完成してうれしく思います。地域として一石二鳥、三鳥にもなる取り組みなので町としてもしっかり対応していきたい」と話していました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後4時30分ごろ、仙台市青葉区南吉成6丁目にクマが出没しました。

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11/4
(またシカが原因で多重事故:北海道)
北海道東部の厚岸町で11月2日、車3台が絡む事故があり、5人がケガをして病院に搬送されました。シカが原因と見られています。事故があったのは厚岸町の国道272号線です。2日午後5時ごろ、釧路方向に向かっていた車が道路に座っていたシカを見つけブレーキをかけたところ、後続の車2台が衝突しました。この事故で後続車2台に乗っていた5人がケガをして病院に搬送されました。いずれも意識はあるということです。事故があった国道は10月26日にも車がシカと衝突し2人が死亡していて、警察は注意を呼びかけています。

(狩猟解禁でパトロール:静岡)
狩猟の解禁に伴い静岡県は1日、一斉パトロールを実施した。沼津市では県東部農林事務所や市、沼津署などの担当者9人が愛鷹山(同市)で見回り活動を行った。担当者は鳥獣保護管理員の経験から、頻繁に狩猟が行われている4カ所を視察した。設置されていた「箱わな」を確認し、登録番号や設置者の名前、電話番号などが明記されているかチェックした。県は狩猟期間の終了まで、担当者らによる取り締まりや猟銃の安全な使用を求める啓発を行う。同事務所森林環境班の遠藤淳班長は「狩猟中の事故も毎年起きている。ルールに基づいた狩猟を徹底してほしい」と話した。

(ヤマビル生息域拡大、被害増受け県がマニュアル:栃木)
人や動物の体に付着して血液を吸う「ヤマビル」による被害の増加を受け、栃木県は本年度、対策マニュアルを作成した。生息域は奥山から里山へと広がっているといい、被害防止対策や対処法などを盛り込んだ。県農業試験場の研究では炭酸水素ナトリウム(重曹)にヤマビルを防除する効果が認められており、今後検証を進める計画だ。ヤマビルは体長1~5センチほど。日陰の湿った場所を好み、暗く落ち葉が堆積している場所などに生息する。4~11月が活動期間で、人やシカ、イノシシなどの野生動物に付着して吸血する。症状には個人差があるものの、血が止まらなくなったり皮膚の腫れなどを引き起こしたりする。2021年度の県の調査では足利、栃木、佐野、鹿沼、日光、矢板、那須塩原、塩谷の8市町で生息を確認。生息域は県内の森林面積の約2割に及んだ。ヤマビルを媒介する野生動物の増加などに伴い、範囲が拡大しているとみられる。農業者や住民、観光客らの被害が相次いでいるという。対策マニュアルでは、被害を防ぐポイントなどを紹介。個人が取り組める対策として、長袖長ズボンなど露出の少ない服装を推奨し、吸血被害を受けた場合、食塩や消毒用エタノールをかけるなどの対処法をまとめた。また、県農業試験場で21年度に実施した室内試験では、新たに重曹に殺虫・忌避効果があることが分かった。現在、ヤマビルの侵入や定着を防ぐには草刈りや落ち葉さらい、薬剤散布などが有効とされている。県森林整備課は「重曹は入手しやすく安全性も高いため、より簡単に対策できる」と期待する。今後、効果的な散布方法などを検証する。対策マニュアルは県ホームページに掲載している。

(狩猟者が急増、シカの捕獲は過去最多:岡山)
岡山県内の鳥獣の捕獲で、2021年度はシカが過去最多の1万6365頭に上り、イノシシも2万4708頭と過去4番目の高水準となった。自衛意識の高まりから狩猟者の登録が増えたことが原因とみられる。ただ、人里と野生動物の生息エリアの近接が進む根本的な課題は解消されていない。県のまとめによると、シカの捕獲頭数は記録が残る1985年度以降、過去最多だった20年度からさらに1千頭近く増えた。イノシシは20年度に比べると7千頭ほど減ったものの、18~21年度の4年間はそれぞれ過去1~4位の捕獲頭数を占めている。捕獲数を押し上げている背景には、狩猟者の登録件数の増加があるとみられる。登録件数はここ10年間、増加傾向だ。毎年のデータが残っている07年度以降で、21年度は過去最多の4782件だった。鳥獣被害を受けた農林業関係者が、自衛意識から登録する動きが強まっているという。狩猟免許はかご形の仕掛けなどを使う「わな猟」、ライフルや空気銃を使う「銃猟」(1、2種)などに分かれている。近年は取得が比較的容易なわな猟が増えており、21年度は全体の6割を占めた。イノシシ、シカなどの被害額は減少傾向だが、農林業関係者らにとっては依然、大きなリスクになっている。田んぼの土を荒らしたり、稲穂を食べたりするイノシシによる被害は21年は8241万円。稲や豆類、植林されたスギやヒノキの若木を食べるといったシカの被害も3406万円に上っている。一方、捕獲されたイノシシが食肉や革製品などに活用されたケースは20年度は5・1%。シカも15・3%にとどまった。わなにかかった後に暴れて肉質が落ちたり、寄生虫や病気の影響で使えなかったりするため、活用率のアップには壁があるという。県鳥獣害対策室は近年の状況について、過疎化が進んだ影響で、人家と動物の活動エリアが近づいてきていると分析。被害を抑えるためには、捕獲と合わせ、山林と農地の間で草刈りをするなどしてすみ分けを徹底し、動物のエサを実らせる果樹を放置しないといった対策が必要としている。担当者は「狩猟者登録の増加によって、イノシシ、シカの捕獲数が増えており、行政の啓発活動を含めた一定の成果が出始めている」と強調。その上で「今後も狩猟者向けの研修や、ICT(情報通信技術)を使ったわな猟の省力化など、総合的で効果的な対策を講じていきたい」と話した。

(イノシシ農作物被害33%減少:茨城)
茨城県は、令和3年度のイノシシによる農作物の被害額(速報値)が6239万3千円で、前年度の9254万1千円から約33%減少したと発表した。平成30年に施行した条例で対策が強化されたことに加え、豚熱(CSF)の感染拡大による個体数の減少などが要因とみられる。県農村計画課によると、3年度のイノシシによる被害を品目別でみると、水稲が48%▽イモ類23%▽レンコンやサトイモなどの野菜18%▽カキやクリ、ナシなどの果樹が10%-となっている。市町村別では25市町で被害の報告があり、うち16市町が前年度比で減少。特に大子町は前年度比80%減、高萩市69%減、常陸大宮市67%減など県北地域で急減したところが多く、笠間市48%減、桜川市70%減と県央地域や県西地域で大幅に減らしたところも見られた。一方、鹿嶋市や行方市などの鹿行地域は被害額が増加したところもあった。県は平成30年3月、イノシシ被害などの防止対策を強化する条例を施行。市町村に対し、わなの購入補助といった捕獲の強化、侵入防止のための電気柵設置費を国と補助したほか、ドローンによる捕獲支援など情報通信技術(ICT)を活用した捕獲の実証に取り組んだ。こうした試みにより、イノシシによる農作物の被害額は、29年度の1億5374万5千円をピークに30年度が1億43万1千円▽令和元年度9712万6千円▽2年度9254万1千円と4年連続で減少している。また県は市町村職員や集落の代表者らを対象に、鳥獣被害対策の研修を開催するなど地域の人材育成にも取り組んでおり、多角的な対策が功を奏したといえそうだ。

(鳥獣被害招く遊休農地:佐賀)
農業の担い手の高齢化と後継者不足で県内も遊休農地(耕作放棄地)の管理や、遊休農地を増やさない取り組みが喫緊の課題となっている。背の高い草が伸び放題になった遊休農地はイノシシなど有害鳥獣の隠れ家や住みかとなり、住民の安全な暮らしを脅かす一因となっている。遊休農地の継続的な管理や、農地としての活用には、もうかる農業へのシフトを含めた関係機関の一体的な取り組みが不可欠で、早期の対策が求められる。農水省の2021年の調査によると、農業の基幹的従事者の平均年齢は67・9歳で、65歳以上が占める割合は69・5%と非常に高齢化が進んでいる。遊休農地の問題は鳥栖市議会一般質問でも取り上げられ、質問した議員は「健康寿命が男性72歳代、女性が75歳代と考えれば、あと数年もすれば遊休農地の増加は歯止めが利かなくなる」と早期の対策を訴える。県内の遊休農地は2044ヘクタール(20年)で耕地面積の4%というが、「実態はもっと多いと実感している人も多いのではないか」とある行政担当者は推測する。鳥栖市農業委員会も「中山間地域で、土地所有者の高齢化と後継者不足のためと思われる遊休農地が増加傾向にある」という。イノシシなどの有害鳥獣は近年、市街地や住宅街に頻繁に現れ、子どもを襲う事例も報告されており、放置しておけない問題になっている。かつての出没原因は奥山の餌不足とされてきたが、最近は遊休農地が彼らの住みかとなり、出没回数が増えているといわれている。人里や農地に近い遊休農地は食べ物が得やすく、周囲にわなが設置できないので駆除もされない。有害鳥獣対策には、遊休農地の管理が重要になるが、農業の担い手が高齢化する中で、草刈りは大きな負担になっている。炎天下の作業は想像するだけでも大変で、高齢化が進めば今後長年、管理が継続されていくのは困難な状況にある。作業ボランティアを募るのも一案だが、「継続的な管理には遊休農地の草刈り、後継者不足の解消、もうかる農業づくりが一体的に取り組まれなければ解決できない」と議員は指摘する。農業の後継者不足には「労働に見合った収入が得られない」「利益の少ない仕事を、子や孫に継がせられない」といった背景があり、担い手が高齢化して耕作できなくなり、そのまま遊休農地となるケースも少なくないという。一方で、遊休農地を活用して収益性の高い果樹などの栽培を始めたり、民間企業の参入を進めたりするなど、県内でも新たな取り組みが始まっているのも事実だ。遊休農地は、土地の持ち主などから申し出があれば農業委員会が相談に乗っているというが、遊休農地化してしまう前に、情報提供などを通じて土地の持ち主に収益性の高い作物への転作や貸し出しなどの選択肢を作ることはできないか。市町や関係機関が先進事例や成功事例などを共有し、後継者不足に悩む耕作者にとって有用な情報を積極的に、分かりやすく情報発信してほしい。農地を巡っては相続などの問題もかかわるため、取り扱いには難しさが伴うが、できる部分から取り組んでいかなければ現状の流れを変えるのは難しい。有害鳥獣の被害拡大を防ぐためにも遊休農地対策には何が必要で効果的か、関係機関が話し合い、一体となって取り組むべき時が来ている。

(けもジョブ2022を開催)
近年、野生動物管理や鳥獣被害対策への社会的需要が高まりを見せていますが、現時点では「獣害」に関する市場が未発達で担い手の雇用も安定していない状態です。また、求人情報は分散しているため、野生動物に関わる仕事に就きたい人が、企業や自治体の存在を知ることが難しいのがこの業界の現状です。つきましては、”けもの”に関わる仕事の「人が欲しい団体」と「仕事が欲しい人」のマッチングを行うイベントを開催します!

(クマとの共存を、小学校中心に学習を展開:長野)
NPO法人信州ツキノワグマ研究会は、県内全域に生息し、身近になりつつあるツキノワグマを正しく知ることで被害を減らし、クマとの共存を図ろう-と子ども向けの冊子や紙芝居を制作し、中南信の小学校を中心に学習を繰り広げている。6日には、伊那市伊那図書館でイベント「クマを知ろう」を開く。図書館でのイベントは初めてで、クマの毛皮や頭骨、フンなどを見て生態を知り、遭遇しないよう対処法を学ぶ。近年、人の生活に密着していた里山の利用が減り、森林化が進んだことでクマの生息域と人の生活圏が重なるようになり、クマの目撃数が増加。2020年11月に伊那市西箕輪で、今年8月には南箕輪村でそれぞれ70代女性が自宅付近でクマに襲われ、人里での事故が発生した。同研究会によると、県内での人身事故は毎年8人前後で、被害者が歩行中やクマとの出合い頭に突然襲われたケースが多い。だが、クマを駆除しても被害はなくならないという。信州大学山岳科学研究拠点の助教で同研究会理事の瀧井暁子さんは「クマは本来、臆病な性格で、積極的に人を襲うことはない。安全に暮らすために、人がクマとばったり会わないよう、正しい知識を持つことが大切」と話す。今年3月、前年に制作した「信州版ツキノワグマハンドブック」を基にして「こども版信州ツキノワグマハンドブック」を発行。季節によって行動範囲や食べ物を変えるクマの生態をはじめ、クマを臭いで引き寄せる生ゴミや農作物の管理、クマとの遭遇事故を防ぐ方法、襲われた時の対処法などを記した。1日現在で県内の小学校を中心に約1万2000部を配布した。8月には、園児にも親しんでもらえるよう、上伊那地方に生息するクマの親子をモデルとした紙芝居「信州版森の子クマの子」を制作。クマの生態を物語にまとめ、森にクマ以外にも多様な動物が暮らし、自然の豊かさを改めて感じさせる内容となっている。岸元良輔会長は「子どもたちが引きつけられる良い教材となっている。必要以上に恐れることはなく、子どものうちから正しい知識を持ってほしい」と話す。イベントでは午前11時から、研究会メンバーを講師に講演や紙芝居の読み聞かせを行う。3日から6日まで毛皮や骨、紙芝居原画、パネルなどを展示している。参加無料。事前申し込みは不要だが、人数制限を行う場合がある。

(クマの被害受けた杉の木、キャンプ用のまきに:石川)
クマに樹皮を剥がされる被害に遭った杉の木を、石川県白山市の林業会社がキャンプ用のまきに加工し、「くまはぎの薪(まき)」と名付けて販売している。傷つけられた木を生かし、森林への理解を広げようと、被害を逆手に取った企画で生まれた商品だ。薪は1箱3千円(約3キロ、送料・税込み)。白山ふもとの白峰地区で林業などを営む「桑木(くわもく)」が、9月から自社でネット通販を始めた。5~7月にはウェブ上で支援者を募るクラウドファンディングを実施した。捨てられる木を減らすと同時に、売り上げを里山の整備にも生かして森林保全につなげる、とアピール。84人が総額約48万円分を購入した。

(列車がイノシシと衝突、15分後に運転再開:鹿児島)
2日午後8時55分ごろ、JR指宿枕崎線の前之浜-生見間で、鹿児島中央発山川行き普通列車(2両編成)がイノシシと衝突した。乗客乗員計約40人にけがはなかった。車両に異常がないことを確認し、約15分後に運転を再開した。

(特急列車とイノシシが接触:岡山)
3日午後7時55分ごろ、JR山陽本線の上道-瀬戸間で、岡山発鳥取行きのスーパーいなば11号がイノシシと接触しました。列車は午後8時15分に運転を再開しましたが、この影響でスーパーいなば11号に20分程度の遅れが出ているほか、岡山ー上郡間で後続の列車にも遅れが出る見込みです。

(高崎山自然動物園、イノシシ出没:大分)
大分市の高崎山自然動物園に1カ月ほど前から、イノシシが出没している。どこからともなく寄せ場に現れ、サルの群れに交じっては餌を食べている。同園は「人間がいる日中に現れるのは珍しい。増えれば危険なので対策も検討しなければならない」。“招かれざる客”の動きをはらはらしながら見守っている。10月31日午後2時すぎ。寄せ場に体長1メートルほどの2頭が姿を見せた。ガイドが小麦をまくと、サルと一緒に夢中で食べた。イノシシが近づくと、サルは一斉に散らばり、一定の距離を保ちながら小麦を頬張っていた。来園者は「近くでイノシシを見るのは初めて」と興奮気味。主役のサルそっちのけで写真を撮っていた。同園によると、出没し始めたのは10月初旬ごろ。山から下りるサルの群れに合わせるかのように姿を見せるという。ほぼ毎日来るのは1頭。多い時には12頭いたという。同園ではB・C群に1日1回サツマイモ、30分に1回小麦を与える。ガイドの村田美由紀さん(49)は「これまで閉園後の園内に侵入し、土を掘り返すことはあった。日中に堂々と来るのは本当に珍しい」と話す。市林業水産課によると、イノシシは雑食性で昼夜問わず活動する。高崎山周辺では昨年、150頭が捕獲された。秋は昨年生まれた子どもが巣立つ時期。単独で行動して餌を探し始めるという。同課は「イノシシはとても賢い動物。サルが人間を恐れずに餌を食べているのを見て山から下りてくるようになったのでは」と推測。「警戒心が強く臆病な性格。母親は子どもを守るために襲ってくることもあるので注意が必要」と話した。今のところ、人間やサルとのトラブルは起きていない。同園は危害がなければ静観する方針。「頭数が増えれば対応を検討する。イノシシを見かけても近づかず、そっと観察してほしい」と呼びかけている。

(サル出没、もし遭遇したら:長崎)
2日午前、長崎市中心部にサルが出没しました。もし遭遇したらどうすればいいのでしょうか?長崎市の銅座町、観光通り電停のそばで午前8時ごろ撮影された映像です。1匹のサルが電線の上を器用に渡っています。さらにその直後、電柱からスルスルと歩道に降りるとまるで信号待ちをするかのように地面に座り込みました。市によると出没したサルは大型で、建物を屋根伝いに移動する姿も確認されました。目撃情報はその後、桜町、筑後町、宝栄町からも寄せられました。1匹であれば、長崎市内を中心部から北部へと約4km移動したことになります。市はサルを見かけた場合の注意点として、むやみに近付かず、刺激を与えないことや、至近距離で遭遇した場合は、目を合わせないようにし、背中を向けずにゆっくりとその場から立ち去るよう呼び掛けています。

(「関門ジビエフェスタ」開催:福岡)
11月3日~5日の午前11時~午後4時30分、門司港レトロ中央広場(北九州市門司区東港町1-12)で「関門ジビエフェスタ」が開催されます。関門ジビエとは、関門の鹿やイノシシを農作物被害防止、事故防止のために駆除するだけでなく、その命をジビエとしておいしくいただくことを推進する取り組み。「関門の山の幸であるジビエについて知って、もっと美味しくいただこう」という思いから開催されるイベントが「関門ジビエフェスタ」なのです。

(シカ肉を使ったトマトソース、大学生が考案:福井)
福井県立大学のあわらキャンパスで3日、農業などを学ぶ創造農学科の3年生が考えた越のルビーやシカ肉を使ったオリジナルソースの試食会が開かれた。北陸新幹線の県内開業を見据えた地元食材のPRにつなげる狙いで、農作物を守るために駆除されたシカの有効活用も図る。試食会では全4品が振る舞われ、シカ肉を使ったトマトソースには香り豊かなみそが加えられていて、試食した人は「シカ肉はあまり食べたことがないけど、トマトとみそがすごく合っておいしい」と話した。県立大学生物資源学部創造農学科3年の大塚麗華さんは「福井にあるさまざまな特産品を多くの人に知ってもらうきっかけになれば」と話していて、試食会で集めたアンケートをもとに、商品としての魅力をさらに高め、土産物としての販売や地域の飲食店へのレシピ提供を目指すことにしている。

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11/2
(イノシシ・シカの狩猟解禁:静岡)
11月1日からイノシシと二ホンジカの狩猟が解禁となりました。初日は、静岡県や警察などが指導取り締まりのパトロールを行いました。このパトロールは、禁止された場所や方法で猟をしていないか確認するなどを目的に県内一斉に行いました。静岡市清水区の山では、県や警察、猟友会のメンバーらが猟をしていた人に対し、登録証を確認したり、事故への注意を呼びかけるチラシを配ったりしました。<静岡県警生活保安課 佐野拓也課長補佐>「許可証の確認です。必ず銃を持つ場合には、許可証の義務があります」。銃を使った猟をめぐっては2014年に伊豆市で死亡事故が起きていて、県警などは、銃を撃つ前には一呼吸置くことなどを呼びかけています。

(クマ、イノシシ猟など解禁:秋田)
県内で1日、ツキノワグマ、イノシシ、ニホンジカの狩猟が解禁された。一方で、飛来時期が遅くなってきているカモ類11種はこれまでの1日から15日に変更された。県はわな猟による錯誤捕獲への注意や、事故防止、マナー順守についても呼びかけている。県はクマの目撃情報や人身被害が相次ぐ中、被害防止や人里への出没抑制を狙いに2017年からツキノワグマの狩猟を解禁。19年からは11月15日だった解禁日をイノシシ、ニホンジカと共に2週間前倒しし、カモ類11種と同じ1日に設定していた。今年は第二種特定鳥獣管理計画(22~24年度)に基づき、クマ、イノシシ、ニホンジカの解禁日は維持。期間もクマは来年2月15日まで、イノシシ、ニホンジカは来年3月15日までで昨年と変わりない。県自然保護課は「種の存続可能性を十分考慮しながら捕獲活動を継続する」と説明。近年生息域を拡大しているイノシシ、ニホンジカについては「分布拡大を抑えるため、捕獲圧の強化を図る」としている。一方でカモ類の狩猟期間は、これまで青森、秋田、山形3県に限り11月1日~翌年1月31日だったが、今年からは11月15日~翌年2月15日に変更した。近年の暖冬・少雪で飛来が遅くなっていることを受けたもので、鳥獣保護管理法改正で国と足並みをそろえる形となった。県は狩猟期間変更を周知すると共に、わな猟による錯誤捕獲への注意も呼び掛けている。狩猟期間にわなでの捕獲が禁止されているクマや、国の特別天然記念物ニホンカモシカがわなにかかるケースも発生しており、周辺の痕跡を注視すること、こまめな見回り、捕獲してしまった場合の速やかな報告を求めている。改めて狩猟マナーの順守も訴える。▽銃器の取り扱いに気を付けること▽土地への無断立ち入り禁止▽人がいる場所では控えること▽住宅や農地の近くでは住民、耕作者に配慮すること▽捕獲した鳥獣は適切に処理すること―などとしている。県は狩猟者登録に合わせてチラシを配布するなど啓発を強化している。自然保護課は「今後も狩猟活動を継続していくため、協力してほしい」としている。

(林道脇からRV転落、死亡男性の身元判明:北海道)
帯広市岩内町で10月30日、林道脇の崖下へ転落したRVの近くで見つかった男性の遺体は、帯広署の調べで31日、十勝管内豊頃町大津の会社員尾崎松夫さん(71)と分かった。死因は調査中。尾崎さんはシカ猟などをするハンターで、同署は狩猟のために現場を訪れていたとみて調べている。

(クマ2頭出没、襲われた73歳男性が大けが:京都)
30日朝、京都府福知山市の住宅にクマが2頭出没し、襲われた73歳の男性が大けがをしました。30日午前5時半ごろ、福知山市大江町に住む男性(73)が庭からの物音に気付き外に出たところ、クマに襲われました。男性は顔などに大けがをして搬送されましたが、命に別状はありません。市などによりますと、庭には親子とみられるクマ2頭がいて、男性は大きい方のクマに襲われたということです。市では、「クマの好物の柿の実などは、なるべく早く収穫してほしい」と呼びかけていて、被害にあった住宅では、柿の木を30日午後までに伐採したということです。

(82歳男性の腕と足を噛み、67歳の女性に接触:香川)
31日夕方、香川県丸亀市でイノシシが出没し、噛まれたり接触されたりするなどして、2人が負傷しています。31日午後5時20分過ぎ、「丸亀港内の海をイノシシ1頭が泳いでいる」と警察に通報があり、その後イノシシは東汐入川を遡上し丸亀市港町から上陸しました。さらにその30分後には、丸亀市風袋町の歩道を歩いていた82歳の男性の右腕や右足を噛み、その4分後には67歳の女性が正面から走ってきたイノシシと接触・転倒し、負傷したということです。丸亀市によりますと、イノシシは丸亀城の堀に逃げ込んだところを、丸亀市の猟友会により殺処分されました。

(ホームセンター駐車場に体長1.3メートルの雄ジカ現る:北海道)
10月30日午後、札幌市清田区のホームセンター駐車場にシカ1頭が出没し、シカと接触した男子児童が軽いけがをしました。シカが出没したのは札幌市清田区北野3条2丁目にある、大型ホームセンター2階の立体駐車場です。30日午後3時20分ごろ、付近の住民から「シカが徘徊している」と110番通報がありました。通報を受け現場に駆け付けた警察官が体長約1.3メートルの角が生えた雄ジカを確認しました。シカは午後4時ごろになり現場から立ち去りましたが その際、1階の駐車場内で買い物に訪れていた小学生の男の子と接触。男の子は転倒し左ひじをすりむくなど軽傷を負いました。当時、立体駐車場は工事中で利用者はなく車などへの被害はありませんでした。

(イノシシ出没、70代女性けが:佐賀)
1日午前6時半ごろ、唐津市相知町相知の路上で、70代女性が体長約1メートルとみられるイノシシに飛びかかられ、右足の太ももをかまれるなどのけがを負った。唐津署によると、背後から足音が聞こえたため女性が振り返ると、イノシシが飛びかかってきた。イノシシはその場から逃げており、通学路でもあることから、同署や猟友会が下校時の警戒活動を強めた。同署は「イノシシと遭遇しても目を合わせず、刺激しないで」と呼びかけている。県猟友会相知支部によると、会員4人が夕方までにイノシシ4頭を捕獲した。最も大きいイノシシで約90キロあったという。

(渋滞最後尾で事故、男性死亡:新潟)
北陸道で、トラックなど2台がからむ事故が起き、男性が死亡した。新潟・長岡市の北陸自動車道・上り線で、30日午前6時ごろ、大型トラックに貨物自動車が追突し、追突した車を運転していた長岡市の鹿兒島広和さん(42)が死亡した。高速上にあった、シカとみられる動物の死骸の処理で渋滞が発生、その最後尾で事故が起きたという。この事故で、北陸道の一部がおよそ5時間、通行止めとなった。

(野鳥ふんから高病原性鳥インフルエンザ:北海道)
道は先月、紋別市で回収された野鳥のふんから道内で今シーズン2例目の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表しました。道は昨シーズンよりも2か月以上早くウイルスの確認が相次いでいるとして、養鶏場に防疫対策を徹底するよう呼びかけています。オホーツク総合振興局は1日、北海道大学の研究グループが紋別市内で先月23日に回収したガンやカモとみられる野鳥のふんから「H5N1型」の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたと発表しました。道内でウイルスが確認されたのは今シーズン2例目です。ふんの回収地点の周辺に養鶏場はないということですが、道は半径10キロ以内で今月20日までの間、野鳥の死骸などの監視を強化することにしています。道によりますと、道内で昨シーズンに検出された高病原性鳥インフルエンザウイルスは多い年の7倍にあたる70件に上りましたが、今シーズンはおよそ2か月半早くウイルスの確認が相次いでいるということです。道は養鶏場の鶏舎の入り口など周辺を定期的に消毒することや、野鳥の侵入を防ぐ対策を徹底するよう呼びかけています。

(ヤマビル被害増加、林業低迷が影響)
紅葉狩りやキノコ狩りが人気の秋。だが、登山やキャンプの大敵ヤマビルの生息域が拡大しており、注意が必要だ。知らないうちにまとわりつき血を吸われてしまう厄介者で、存在は昔から知られていた。なぜ近年になって被害が増えたのか。「ここ十数年で、じわりじわりと増えてきた印象。被害の声も寄せられ、安全面で何かしらの対策が必要になった」。栃木県森林整備課の担当者はこう話す。四月、農林業従事者や登山者に向けた「ヤマビル対策マニュアル」を発行。生息調査を始めた二〇〇八年に確認されたのは日光市、佐野市など県北西部の四市町だったが、二〇年の調査では周辺の足利市、那須塩原市などを含む八市町に拡大したとして警戒を促した。神奈川県が〇九年に公開したマニュアルでも、丹沢山地の広範囲に生息し、年を追うごとに分布は広がっている様子が分かる。群馬県では〇九年から一六年までに生息面積が一・三倍になった。

(シカ絡む交通事故発生の9割夕方以降、猟の時間帯を学習し避けて行動か:北海道)
道内で昨年発生したエゾシカが絡む交通事故は、9割近くが夕方以降に発生していた。26日に標茶町の国道で男性2人が死亡したシカが絡む事故も発生は午後4時45分ごろだった。シカが絡む事故は例年、11月以降も発生が多いため、道警釧路方面本部などは「スピードダウンなど、日頃の安全運転の徹底を」と呼びかけている。道警のまとめによると、昨年道内で発生したシカが絡む事故4009件のうち、85%の3408件が日没以降に発生。午後6~8時が1216件と最多で、同4~6時(898件)、同10~12時(560件)と続く。シカは人気が少ない夜間に、餌探しなど活動し始めるためとみられる。猟友会標茶支部の後藤勲支部長(79)は「猟期の発砲時間は日の出から日没まで。シカはそれを学習し、日没後に山から牧草地に移動し、道路にも出やすくなるのでは」と推察する。

(シカと車の衝突、今年は既に2200件:北海道)
北海道内で今年に入り、エゾシカと車が衝突する事故は9月末現在、2231件発生し、過去最多だった昨年を上回るペースとなっている。26日に道東の標茶町で起きたシカが絡む事故では2人が死亡し、2012年以来となる複数の死者が出た。交通事故が多発する背景には、エゾシカの生息数が高止まりしていることがある。10、11月はシカの活動が活発になり、年間の交通事故の4割が集中する。専門家は、運転時の注意を呼び掛けている。道警交通企画課によると、シカが絡む交通事故で複数の死者が出たのは、12年4月に根室市で2人が死亡した事故以来だ。シカが絡んだ事故は、昨年は1年間で4009件発生し、5年連続で最多を更新した。調査を始めた04年と比べ、3・4倍だ。昨年1年間の事故のうち4割が10、11月に発生し、時間帯別では全体の半数が日没前後の午後4~8時に集中している。道のエゾシカ対策係によると、道内の昨年の推定生息数は69万頭。生息数は保護政策などで増えた後、この10年間は横ばい状態となっている。一方、生息域は道央、道南など道内全域に拡大し、市街地にも出没しているほか、道東の一部地域は個体数の急増もみられるという。交通事故が増える理由について、同係は「人口が多く、交通量も多い地域にも生息範囲が広がっているため」と推測する。エゾシカの生態に詳しい北海道開発技術センター(札幌)研究員の鹿野たか嶺(ね)さん(39)によると、シカは10~11月に繁殖期を迎えて行動が活発になり、越冬のため雪の少ない場所に移動する。早朝や夕方の薄暗い時間帯に行動することが多く、人の活動時間帯と重なる日没前後に事故が多発する傾向にあるという。

(カモ猟解禁日、11月15日に変更:秋田)
県内のカモ猟の解禁日について、今年度は、これまでより半月ほど遅い11月15日に変更されたことから、県は、誤って解禁日前に猟を行わないよう注意を呼びかけています。秋田県内のカモ猟は、法律に基づいて昨年度までは11月1日から翌年の1月31日まででしたが、今年度から全国の一般的な狩猟期間と同じ、11月15日から翌年の2月15日までに変更されたということです。これは、近年、暖冬や雪が少ない影響から、カモ類が飛来する時期と狩猟できる期間にずれが生じていたためです。また、「ゴイサギ」と「バン」については、昨年度まで「狩猟鳥獣」に指定されていましたが、全国調査の結果、生息が確認された地点数が大幅に減ったことから、今年度から狩猟できなくなったということです。県自然保護課は「狩猟期間や狩猟できる鳥獣の種類に変更が生じているので、誤って解禁日前に猟を行ったり、捕獲できない鳥を捕獲したりしないよう十分注意してほしい」と呼びかけています。

(「鳥獣保護区」指定変更、猟師のマナー違反懸念:千葉)
野生生物による農作物被害を減らそうと、県は今年度から、市町村が希望すれば、狩猟行為が禁じられている「鳥獣保護区」の指定を見直し、イノシシやシカなどに限って猟を認める方針を打ち出した。だが、県内に59カ所ある鳥獣保護区のうち、猟解禁の議論を具体的に進めているところはない。市町村が二の足を踏む背景には、狩猟者のマナー違反に対する懸念があるようだ。県が示した方針では、市町村の要望に基づき、鳥獣保護区を「狩猟鳥獣捕獲禁止区域」に指定変更する。鳥獣保護区では害獣の駆除や個体数管理のための捕獲は認められているものの、食料確保や娯楽を目的とした狩猟は禁じている。指定変更が実現すれば、イノシシやシカなどの有害鳥獣に限って狩猟が解禁される。

(狩猟期の事故防止:長野)
11月1日から猟銃などによる狩猟が解禁となります。全国的にみると、狩猟期間中における猟銃などの事故が毎年のように発生しています。狩猟される方は猟銃などによる事故を発生させないため、次のことを厳守してください。【猟銃などを公道上で携帯、運搬する場合】銃をケースなどに入れて持ち歩く▼銃に弾を装填したままにしない▼所持許可証などを必ず携帯する▼銃や弾を車内に置いたままにしない【狩猟を行う場合】ハンターベストなど目立つ色の服装にする▼射撃の必要がないときは、銃に弾を装填しない▼射撃をするときは、銃の矢先の安全を確認する▼獲物を確実に判別してから射撃するまた、狩猟期間中にハイキングや山菜採りなどで入山する方につきましても、安全対策として▼ハンターから分かりやすいように、オレンジ色や黄色など目立つ色の服装にする▼近くで銃声が聞こえた場合は、近づかない、など事故に遭わないよう注意して入山するようお願いいたします。

(“どんぐり不作”、餌を求めてクマが出没するおそれ:群馬)
群馬県内でクマの餌になるどんぐりが不作となっていることから、県は、冬眠前のクマが餌を求めて出没するおそれがあるとして、注意を呼びかけています。群馬県は、毎年9月に利根沼田地域でクマの餌となるブナやミズナラなど5種類のどんぐりの実り具合を調査しています。ことしの調査では、クリは平年並みでしたが、ブナやミズナラ、それにコナラは不作、ミズキは大凶作となっていて、全体としては不作という評価になりました。県によりますと、どんぐりの実り具合が悪い年は冬眠前のクマが餌を求めて山から下りてくるおそれがあり、ことしはふだんクマが出没しない地域でも警戒が必要だということです。県内では去年、どんぐりの実り具合が平年並みでしたが、ツキノワグマの出没が確認されたケースは421件にのぼり、人への被害も7件起きています。県は、人や農作物への被害を防ぐためにも、収穫後の農作物を放置しないようにするとともに、キノコ採りなどで山に入る際は十分に注意するよう呼びかけています。

(事故で即死しないエゾシカ、見守ることしかできない苦悩:北海道)
エゾシカと関連する事故が多発している。10月上旬、北海道根室市郊外で交通事故に遭ったエゾシカが国道わきでうずくまっていた。足を骨折し、一命を取り留めたものの、治療を受けさせることも、安楽死させることもできず、静かに死を待っていた。エゾシカやキタキツネ、カラスなどの有害捕獲対象の鳥獣に対して道は原則、「傷病鳥獣」としておらず、けがをしていても保護の対象となっていない。事故が起きたのは、週末の10月8日午前6時半ごろ。根室市穂香(ほにおい)の国道44号で1頭のエゾシカが車にはねられた。事故を起こしたドライバーは根室署に事故届を出さずに走り去ったが、国道を管理する釧路開発建設部根室道路事務所の維持工事受託業者が向かうと、道路中央付近にうずくまっていた。業者は、回収用トラックのハザードランプを点滅させ、事故の連鎖が起きぬよう、負傷したシカを道路わきに寄せて固定。注意を呼びかける矢板(方向指示板)と三角コーンを設置し、体にシートをかけた。息ができるように頭部だけ覆わなかった。国道を見下ろす荒れ地で雌と子ジカの計14頭の群れが心配そうに見守る。シカ類は雌と子で群れをつくる。負傷したシカの血縁集団に違いない。彼らもまた傷ついた家族を救うことができず、見守ることしかできなかった。偶然、通りかかった記者に対し、業者は「死んでいれば回収して処分場に持ち込むのですが、生きている場合、管轄が(根室)振興局になるので、回収できない」と打ち明けた。路面に広がる大量の血。即死を免れたものの、足の骨折と内臓破裂で、とても動けそうもない。つぶらな目は、「痛い。誰か助けて」と訴えているかのようだった。記者は携帯電話で知り合いの獣医に善後策を照会した。獣医は「話を聞く限り、肝臓や腎臓もやられているようだから(治療は)非常に難しいと思う」との所見だった。「でも、それより難しいのは治療後の管理」だと指摘する。野生復帰までの飼育施設や給餌、排せつ、リハビリなどの手間を考えると途方もない時間や労力が必要となる。「以前は(近隣の)中標津町に傷ついた野生動物を収容する道東野生動物保護センターがあったけれど、そこの獣医が亡くなって受け入れが難しくなった」と。週が明けて取材した釧路開発建設部根室道路事務所の担当者は「生きたまま処分するわけにもいかないので、交通に支障のないように路肩に寄せて様子を見るしかない。かわいそうだが……」と語り、生きている場合の対応に苦慮している様子だった。根室振興局環境生活課は「どこからも連絡は来ていません」という。ロードキル(野生動物との衝突事故)は、朝と夕の薄暮時の発生が多いが、皮肉にも閉庁後や休日はダイヤルインがつながらなくなる。傷ついたエゾシカは翌9日午後に力尽き、死骸は約31時間後に処分場に運ばれた。この件は国道で発生した事故だったが、市道などで発生したらどうなるのだろう。根室市の担当者は「瀕死(ひんし)の状態にあれば、やむを得ず『電気止め刺し』という道具を使って電気ショックを与え、安楽死させてあげます。残念ながら、今回の事故で連絡はありませんでしたが」と語る。傷病鳥獣の対象となっていない野生動物であっても、死に至る苦しみを最小限にできないものなのか。「動物福祉」の観点からの議論が求められている。エゾシカは道内の在住者にとって「身近」な存在だ。人間にとっても、エゾシカにとっても、危険な状況が増えている。

(知床の知恵でヒグマ対策:北海道)
北海道各地で多発するヒグマトラブル。人とヒグマの営みの均衡を保とうと取り組む自治体が増えています。注目されているのは、知床をかかえ、長年ヒグマと向き合ってきた斜里町の知識や経験です。そのノウハウを吸収してヒグマ対策を始めた大空町と、知床ウトロ学校の子どもたちを追いました。大空町でヒグマ対策を担う役場の水野正樹さんが、電気柵の一番下の電線の地面からの高さを説明してくれました。藻琴山のふもとに広がる大空町東藻琴地区のビート畑に、2022年5月、大空町内で初めての特別な電気柵が張り巡らされました。町内ではこれまでもエゾシカ対策の電気柵は導入されてきましたが、今回は「初めて」の特別仕様、ヒグマ対策用です。シカ用の電線の貼り方では、ヒグマは、一番下の電線の下を掘って、簡単に畑に侵入してしまいます。15センチは、ヒグマが穴を掘ろうとしても、体が触れてしまう高さなのです。対ヒグマの電気柵の張り方を指導したのは、知床世界自然遺産をかかえる斜里町で、ヒグマの保護と管理を担っている知床財団です。大空町がヒグマ対策を依頼し、対策の普及や人材の育成を進めています。大空町では、ヒグマの目撃件数が、2021年33件であったものが、2022年は10月までに50件と大幅に増え、より効果のあるヒグマ対策が必要になっています。ヒグマ用の電気柵を張り巡らせた畑の6月。知床財団からやってきた村上拓弥さんが、エンジン草刈機で電線の下の雑草を刈り取っていました。雑草が電線の高さまで育つと、漏電して、電気柵の威力が発揮できなくなってしまうからです。6aの畑を囲う総延長400メートルの電気柵の下の草を、1時間ほどかけて刈り切ったところで、村上さんと大空町の担当者・水野さんが電流をチェックしました。大空町では、町内のモデルケースとして、ヒグマの被害に悩む農業者にこの電気柵を見てもらい、効果的な貼り方と、草をこまめに刈り取る管理方法を広めることにしています。夏の藻琴山の山麓はササやイタドリが生い茂ります。大空町の水野さんと知床財団の村上さんは、その深いヤブをかき分けて、森の中に見つけた「ヒグマが通りそうな場所」を目指していました。その湿地は、沢沿いにあって、ミズバショウの群落があり、ザゼンソウが生える場所。ヒグマが利用しやすい場所です。2022年5月、大空町は、この場所を含めて町内の9カ所にセンサーカメラをとりつけました。ヒグマがどんな場所を移動しているのか確かめるためです。6月、畑のそばにある林においたカメラが、ヒグマの親子の様子をとらえました。この林は、ヒグマの生息域の大きな森どうしをつなぐ、通路の可能性がありました。その予想を、画像というデータで確かめることができました。ヒグマを知る最初の一歩として、通り道をつきとめた瞬間でした。知床の玄関口、斜里町ウトロの高台に、知床ウトロ学校があります。義務教育の小学校の児童と中学校の生徒にあたる、1年生から9年生まで81人が共に学ぶ義務教育学校です。このウトロ学校ならではのカリキュラムが、ヒグマ授業です。毎年、知床財団から講師を招いて、ヒグマの生態や遭遇したときの対処法、そしてヒグマがなぜ人里におりてくるのかを学んでいます。次の年の3月に卒業を控えた9年生8人は、2022年の修学旅行先の札幌で、「ヒグマレクチャー」をすることになりました。札幌市では、市街地へのヒグマの出没が人身事故になるなど、トラブルが増えています。生徒たちは、これまで学んてきたヒグマの知識を札幌市の人たちにぜひ知ってほしいと考えました。レクチャーの準備のなかで、生徒たちがもっとも時間をかけて話し合ったのが、「住宅街にヒグマが出たらどうする」にどう答えるか?ということでした。今からおよそ20年前、ウトロ学校の校庭で「ソーセージ」と呼ばれた1頭のヒグマが駆除されました。観光客がソーセージを与えたことで人になれ、市街地に出没するようになったと考えられています。学校では、人の身勝手なふるまいがヒグマの行動を変え、ヒグマを駆除せざるを得なくなることを学んできました。生徒たちは問題を起こすヒグマについては駆除する事が必要と考えていますが、なぜヒグマが駆除されることになっていくのか、丁寧に伝えなければならないと考えました。8月、ウトロ学校9年生8人は、札幌駅前から続く、地下歩行空間「チカホ」で、ヒグマレクチャーを開催しました。控えめに用意した座席は、すぐにいっぱいに。生徒たちが予想していた以上の市民が立ち寄ってくれました。生徒たちは、小瓶に入ったヒグマのふんのサンプルを示して、ヒグマは木の実や虫を食べていることを説明。そんなヒグマが、人間の食べ物を食べてしまったら、どうなってしまうのか、自分たちで作った動画を上映しました。動画では、腐った人間の食べ物をポイ捨てするところから始まります。その食べ物を拾って口にしたヒグマはその味を覚えて、住宅街のゴミ箱を荒らすようになる、という物語です。生徒たちはヒグマが駆除されることについてこう市民に訴えました。ヒグマはそもそも警戒心が高く人に近づかない。こうした習性を私が知ったのは北海道生まれなのにこの仕事についてからでした。北海道で暮らしていてもヒグマを意識して生活している人は私のように少ないのではないでしょうか。この無意識が現在のヒグマとのトラブルを招いたのかもしれないと知床でのヒグマ対策を取材するたびに痛感します。

(クマやシカの市街地出没、専門家ら対応策議論:北海道)
ヒグマやエゾシカの市街地出没問題をテーマとしたシンポジウムが29日、酪農学園大で開かれ、野生動物の専門家ら6人が対応策などを話し合った。研究者らの「野生動物と社会」学会(東京)が大会プログラムの一つとして開催。札幌などで人の生活圏に野生動物が入り込むケースが相次ぐため、解決方法を探るのが狙い。市民ら約100人が参加した。

(ふるさと納税はマイナー競技の福音となるか)
スポーツ界の新たな収入源として、ふるさと納税を活用する競技団体がある。日本ライフル射撃協会は昨年だけで100万円を超す寄付金を集めた。使途に制約はあるものの、自己財源の不足に苦しむアマチュア競技にとって、明るい材料といえる。ふるさと納税は救世主となるだろうか。活用したのは、東京都新宿区が2021年度に創設した「ふるさと新宿区わがまち応援寄附金」。寄付者が応援したい区内の団体を指定すると、寄付金の7割が団体に、3割が区に入る仕組み。同区には、日本スポーツ界の中核をなす「ジャパン・スポーツ・オリンピック・スクエア(JSOS)」があり、そこに入居する日本オリンピック委員会(JOC)や各種競技団体は、同制度の支援を受けられる。日本ライフル射撃協会が全国の会員に同制度の活用を呼びかけたところ、昨年分(4~12月)だけで160万円(14人)の寄付があり、7割に当たる112万円を新宿区から受け取った。区は「区や区民に還元されるような使途が望ましい」とし、選手強化費などに充てることはできない。同協会は今年度、ビーム射撃の体験会を同区内で2度開いており、ふるさと納税の寄付金を開催費に充てたという。また、寄付者が住む8都府県の加盟団体に、寄付金の半分を交付した。各地での若手の発掘や、競技の普及振興に結び付く事業に活用される見込みだ。同協会の松丸喜一郎会長は「今後は約7千人の会員だけでなく、射撃を応援したい人にも寄付を呼び掛ける。そのためにもファンを増やしたい」と話す。障害の有無や年齢、性差に関係なく、手軽に楽しめるビーム射撃の体験会は、ファン開拓の足掛かりになるというわけだ。

(AIでカラス判別し忌避音で撃退)
食品工場や飼料倉庫に集まるカラスを狙って撃退――。JA全農は、人工知能(AI)がカラスだけを認識し、音で追い払う装置「音撃カラススナイパー」を開発した。カメラがカラスを捉えると、自動でスピーカーから忌避音を出す。実証試験では、最長で2年程度効果が持続した。AIを利用したカラス対策資材は国内初とみられ、試験販売を始めた。カラスを認識できる範囲はカメラから20メートル程度で、AIがカラスを色と形状で見分け、忌避音を10秒間流す。カラスに「自分たちだけが攻撃されている」と思わせることで、持続的な忌避効果が期待できるという。配合飼料倉庫や市街地のビル屋上、食品工場での実証試験では、カラスの飛来数が10分の1~20分の1程度に減少。効果の持続性も確認した。畜舎や農地では、広い範囲に分散して飛来するので、効果が上がりにくいという。導入コストや電源の確保も課題。今後、コスト削減や技術面での改良を重ね、畜舎や農地への導入も目指す。食品製造業や物流分野、自治体などを対象に30セット 試験販売する。本格販売は来年4月以降の予定。本体とカメラ、スピーカーがセットで、価格は150万円程度を想定。商品ホームページで問い合わせを受け付ける。全農は「(人とカラスが)共生していくための新たな撃退法だ」(畜産生産部)と強調する。

(クマ出没、5年で最少:鳥取)
県は、今年度のツキノワグマの餌となるドングリ類の実り具合と、ツキノワグマの出没件数(中間報告)を発表した。ドングリ類は良好な実りが見込まれるが、クマが冬眠前に備えて山から人里に下りてくるおそれがあり、県は「警戒心を緩めないで」と注意を呼びかけている。ブナ、ミズナラ、コナラ、クリの4種について、8月28日から9月13日までの実り具合を9~19地点で調査。「大豊作」「豊作」「 並作上なみさくじょう 」「並作 下げ 」「凶作」「大凶作」の6段階で評価した。今年度は、ミズナラが「豊作」で、ほかの3種はいずれも「並作上」か「並作下」だった。一方、ツキノワグマが目撃されたり捕獲されたりした件数は、9月26日までで78件あり、過去5年間の同時期で最少だった。特にドングリ3種が「凶作」だった2020年度と比べると半数だった。ただ、県は「冬眠に備えて餌を求める12月中旬頃までは遭遇する危険性が高い」として〈1〉山林の近くでは夕方から早朝にかけて一人での外出を避ける〈2〉柿や栗の収穫は早めにする〈3〉生ごみを屋外に放置しない――などの対策を呼びかけている。

(札幌市のヒグマ対策計画案:北海道)
ヒグマによる被害を防ぐための札幌市の計画の案が示され、ヒグマが生息しているとみられる市の南西の山林に近い地区を対策の重点エリアに定めることになりました。市はこの地区で実態調査などを始めることにしています。札幌市は、去年6月、札幌市東区の市街地にヒグマが出没し、4人が重軽傷を負う事故が起きたことなどを踏まえて、5年前にまとめた「ヒグマ基本計画」の見直しを進めています。1日開かれた専門家の会議で、新たな計画の原案が示され、ヒグマが生息しているとみられる市の南西部の山林から近い自然歩道や住宅地がある地区を、対策を重点的に実施するエリアに定めることになりました。具体的には、大倉山や三角山、それに藻岩山周辺を中心とする市内16の地区で、中央区は宮の森地区や宮ヶ丘地区、円山地区など9地区、南区は藻岩山地区や藻岩下地区など4地区、西区は福井地区、山の手地区、それに小別沢地区の3地区となります。札幌市は、これらの地区で、ヒグマの侵入対策や住民への普及啓発を重点的に実施するということで、今年度中に計画をまとめ、これらの地区で、ヒグマの実態調査を始めることにしています。

(エゾシカ事故防止へ「習性知って」:北海道)
何かが視界をよぎった。避けようとしたものの――。10月26日午後4時45分ごろ、標茶町雷別の国道272号を走っていたワゴン車がシカと衝突し、そのはずみで対向車線を走っていたトラックと正面衝突した。2人が死亡、1人が意識不明の重体となる大事故になった。エゾシカに関連する事故は10、11月に北海道で多発する。政府の旅行需要喚起策・全国旅行支援が始まり、道内への観光客も増えるとみられ、レンタカーを使う際に注意が必要だ。26日の3人死傷事故を巡っては、27日午後3時から弟子屈署と釧路開発建設部、標茶町合同の現場診断が行われた。事故の形態やエゾシカとどう衝突したのか。事故の要因や原因の分析、どのような対策が取れるかを検討した。現場は、ワゴン車から見て緩やかな上り坂の直線道路。近くに死者の冥福を祈る花が添えられていた。衝突したシカは雌の成獣で、道路左わきに横たわり、即死していた。弟子屈署地域交通課の渡部真大(わたなべまさひろ)課長は「発生時間は午後4時45分の薄暮時で、統計上、シカの活動が活発になる時間帯。車の方も目が(暗闇に)慣れていないので、車と車がすれ違うとき、車の存在が消えてしまう『蒸発現象』が起きることがあり、それが原因の一つと考えられる」と語る。

(駅前にカラスの群れ、対策装置の効果は:福島)
福島駅前で起きている問題とは、私たちの周りにいる身近な鳥の一つ、カラスです。フンなどで街が汚れ、住民からも不安の声が上がっています。ビルの屋上にずらりと並ぶ黒い影。そう、カラスです。多くの人が行きかう駅前もフンですっかり汚れてしまっています。特に夕方になるとカラスの群れが道行く人たちの上を飛び回ります。春先から7月ごろにかけて繁殖期を迎えるカラス。秋になると、夕暮れ時に安全なねぐらを求めて、大量に飛んでくるのだといいます。なぜ福島駅前に集まるのでしょうか。カラス対策の製品などを手掛ける専門家によると、カラスがねぐらとするのは大きな木。その木に入る前にカラスは周囲の安全を確認するため、高い場所に集まる習性があると言われています。福島駅前は、ビルの近くに大きな木があるため、カラスにとって絶好のねぐらになっている可能性があるといいます。市民から、フンの汚れや「カラスの羽が店の中に入ってくる」など苦情も寄せられる中、市は今年5月にカラスの鳴き声が出る装置を設置。カラスが警戒するときに出す鳴き声で危険な場所だと伝えて、カラスを追い払う作戦です。設置からまもなく半年。装置の周辺ではカラスが減ったとして市は一定の成果があったとしていますが、きょうも駅前では多くのカラスの姿が。市は当初は午後5時から9時まで鳴き声を流していましたが、今月からは朝6時まで夜通し流しています。これからの冬の時期は特に餌が少なくなるため、生ごみなどを放置しておかないことが重要だといいます。私たち一人ひとりの行動がカラスと共存していくカギになりそうです。

(エゾシカ食害、くくりわなで防げ:北海道)
道は27日、雨竜町内でエゾシカのくくりわな技能講習会を開催した。エゾシカによる食害が深刻化する中、狩猟の場所や時間が限られる銃器に比べ、農地の近くで捕獲できるくくりわなに絞った講習会は「あまりやっていない」(道野生動物対策課)といい、参加者はエゾシカを効率よく捕獲するコツなどを学んだ。エゾシカがわなを踏んだ瞬間にワイヤで脚を捉える「足くくり型」などの普及に取り組むNPO法人ファーミングサポート北海道(岩見沢)が運営を受託。同法人理事の猟師原田勝男さん(82)らが講師を務め、空知管内の自治体の鳥獣対策担当者や農家、猟友会会員ら24人が参加した。

(岐阜大で県内野生動物紹介:岐阜)
岐阜県内に生息する野生動物を一堂に紹介する企画展「岐阜県の野生動物-身近で多様な『隣人』たち」が、岐阜市柳戸の岐阜大図書館で始まった。熊やキツネといった哺乳類や両生類など113種の剥製や写真約210点がずらりと並び、自然豊かな県土が育む多様性を感じることができる。12月9日まで。太平洋側と日本海側、中央構造線で分かれる東西の種が混在する地域の特性を知ってもらい、保全や共生を考えてもらおうと県博物館と同大が標本や資料を展示。カモシカやイノシシ、タヌキなどの剥製のほか、2009年に乗鞍岳のバスターミナルに侵入したツキノワグマの頭骨や、今年学名と和名が付いたばかりの「ホムラハコネサンショウウオ」の標本もある。同大地域科学部の向井貴彦教授(保全生態学)は「自然豊かな所で暮らす楽しさを感じてもらいたい」と話す。11月3日午後1時からは、同大講堂でホンドギツネの写真集を出した写真家の渡邉智之さんや動物研究者の講演とシンポジウムがある。

(「巨大イノシシ」との死闘:茨城)
全国で猪による被害が相次いでいる。「10月25日、香川県高松市中心部で猪が出没し女性2人がケガ」「10月21日、大分県日出町で80代男性が猪に噛まれ負傷」など、連日、事故が起きている。広島修道大学准教授・奥田圭氏によれば「全国的に猪の個体数が増加している」という。'75年に約50万人いた日本の猟師は激減し、現在は20万人を割り込んでいるといわれる。獲る人が減ったことが、猪の増加に繋がっているのは確実だ。だが、猪で「山が溢れた」理由はこれだけではない。猟友会筑波支部の飯村常一氏は、ある「異変」を感じているという。「最近の猪は、よく使われる『箱罠』では捕まらないことが多くなりました。エサだけ器用に盗られてしまうんですよ」。前出の奥田氏によれば、猪は「学習する動物」である。他の個体が罠にかかるのを見て「あの罠は危ない」と覚え、危険を回避できるようになる。結果、猟師の罠にかからず生き延びる個体が増えている可能性もあるのだ。そして中には、人間を手玉に取るようになった個体も登場している。前出の飯村氏は語る。「数年前から、どうしても捕まらない巨大猪がいました。足跡が残らないように舗装路を歩き、挑発するかのように畑に埋めた罠を掘り返していく。猟友会では8月19日から猪の捕獲を始めましたが、30~50kgの個体ばかりで巨大猪は捕まらない。猟の期間を延長し、寝床らしき場所の周囲に集中的にくくり罠を仕掛けました。そして10月15日、ようやく捕獲に成功したのです」。体重117kg、体長135cmで、「10年に一度のサイズ」だった。腹を割くと栗がパンパンに詰まっており、喧嘩を繰り返してきたからか牙が削れていたという。猪たちはこの牙で猟犬を刺し殺すこともあり、飯村氏も4頭の犬を喪っている。古来、山の神ともみなされた猪。その暴走はなにかの「前兆」かもしれない。

(自然環境維持へキジを放鳥:兵庫)
県猟友会宍粟支部のメンバーと一宮北こども園の園児らが10月28日、自然環境維持を目的に一宮温泉まほろばの湯周辺で、国鳥の「キジ」を20羽放鳥しました。

(イノシシさん安らかに:和歌山)
猟友会日高支部の日高川町内7分会が27日、日高川町船津の観音寺で2022年度鳥獣供養式を行った。町内の矢田、丹生、早蘇、船着、川中、川上、寒川分会の会員や役場職員ら約30人が参列。各分会を代表して寒川分会の下西千秋分会長があいさつで「全国的に鳥獣による被害が多発し、町内でも有害鳥獣による農作物の被害が後を絶たず深刻な問題。私たち猟友会も農作物を守るべく駆除にあたっているが、命を奪うことに変わりがなく、駆除された鳥獣諸霊を慰めたいと思います」と話した。来賓の久留米啓史町長、龍田安廣町議会議長は、日ごろの協力に感謝の意などを述べた。岡﨑秀司住職の読経が始まると参列者が順に焼香し、手を合わせ、生きるための糧として犠牲になった鳥獣諸霊を供養した。

(「シカおいしくて」狩猟の道へ:北海道)
力強い、たくましいイメージを勝手に膨らませていたのと裏腹に、広尾町の猟師、中村まやさん(30)はあふれんばかりの愛くるしい笑顔で現れた。待ち合わせたカフェに入るやいなや、他の客や店員が声をかけ、中村さんも手を振って応える。首にかかったペンダントはヒグマの爪から作ったものだった。普段は猟師とは思えない、明るく愛らしい女性だ。

(イノシシ被害などに悩む住民に高校生が解決策を提案:香川)
香川県高松市の高校生がイノシシの被害などに悩む女木島の人達にアイデアを提案しました。女木島を訪れたのは高松市の穴吹学園高校の1・2年生約30人です。生徒は2021年の11月から4回に渡り、授業で女木島を訪れ、島の人たちから困っていることを聞いて解決策を考えてきました。取材で印象に残ったことは、「深刻な高齢化と人口減少」そして「イノシシによる特産の落花生などの農作物への被害」でした。イノシシの習性を調べて、畑の進入口におびき寄せて捕まえる案を提案しました。特産の落花生やニンニクなどをオリーブオイルで炒めたおつまみを「ふるさと納税」の返礼品にしてみてはどうかなど、アイデアを次々と提案しました。(イノシシ対策について取材を受けた/棒本一男さん)「農業するにしても、イノシシを捕まえるにしても、体験してくれたら一番よくわかるからね。それだけ視野が広がるから」。

(生きていた3本足のエゾシカ、野生動物が問いかける命の重さ:北海道)
「おいら」は生きていた――。毎日新聞が2019年11月に報じた3本足のエゾシカが、再び北海道根室市の風蓮(ふうれん)湖湖畔に現れた。ハンターに撃たれたのか、交通事故に遭ったのかは分からない。しばらく姿を消していたが、野犬にも襲われず、いまも懸命に生きている姿に近くに住む住民は「すごい生命力、がんばれ」とエールを送る。「おいら」は記者が命名した。左前足を失っても必死に生きる姿を伝えようと、あえて一人称の記事に仕立てた。足に障害があるので、長距離を移動するのは難しい。とはいえ、野生動物。いつも同じ所にいるとは限らない。市民からの通報を頼りに何度も現場に通い、最初に対面できたのは取材を始めて3日目の夕方だった。重たそうな角を左右に傾けながら一心に草を食べる姿に、思わず目頭が熱くなった。このときは1週間ほどで姿を消した。20年7月に近所の住民がSNS(ネット交流サービス)に投稿したのを最後に情報も途絶えた。「おいら」の消息を探ろうと、記者は付近を車で通るたびに徐行し、目をこらした。だが、杳(よう)として行方は知れなかった。あれから3年。再会した「おいら」は、体色が全体に黒っぽくなり、たけだけしく見えた。毎年、生え変わる角の茶色い表皮を剥(む)くため、木や地面に角をこすりつけていた。「恋の季節」を迎え、目が血走っているようにも見えた。3本足のエゾシカの写真が初めて新聞に掲載されたのは1991年。公共広告機構(現ACジャパン)が選んだ環境部門の広告で電通大阪制作の「一頭一羽の命」というタイトルの作品で、広告コピーは「でも何かせずにはいられない」。命の大切さを考えさせる説得力があった。この広告の写真の被写体は一頭の雌ジカ。交通事故に遭って中標津町の道東野生動物保護センターに運ばれたが、右の後ろ足の骨折で根元からの切断を余儀なくされた。しばらくして、センター長の森田正治獣医師に話を聞きに行った。すると、「3本足になってしまったエゾシカはあの1頭だけでない。かれこれ10頭以上になります」と切り出した。傷病鳥獣は次々と持ち込まれる、と。「最初のうちは治療後に野生復帰させていましたが、自然界は3本足で生きていけるほど甘くない。発信器を付けて知床で放したシカはヒグマに捕食された。助けても一生、面倒をみなければならないんです」森田さんは、診療舎のほかにリハビリ舎や保護治療舎なども造って傷ついた野生鳥獣を収容した。06年にNPO法人「道東動物・自然研究所」を設立。寄付を募り、傷ついた動物の管理運営や野生動物保護にあたる職員の研修などに充てた。「希少種や天然記念物を守るのも大切だけれど、命の尊さはシカだって同じだ」。エゾシカについて道は「傷病鳥獣」の対象としておらず、けがをしていても原則、保護されることはない。理事長を務めた森田さんは18年6月、73歳で亡くなり、NPOも解散した。保護センター跡にいまも残る看板には「小さな野生動物の生命を救うことが、大きな自然を守る一歩になるのではないか」と書かれている。傷病鳥獣の受け入れは、森田さんが所属した野生動物救護獣医師協会(東京都立川市)のほか、種の保存法の対象となる鳥獣は環境省が担当し、シマフクロウやオオワシなどを猛禽(もうきん)類医学研究所(釧路市)が、タンチョウを釧路市動物園(同)が担っている。それ以外の鳥獣は1997年に道が立ち上げた「傷病鳥獣保護ネットワークシステム」により、治療や保護に要した費用を「予算の範囲内」で、道が負担する。だが、エゾシカやキタキツネ、カラス類など有害捕獲されている傷病鳥獣は、保護の対象から外れている。目の前で苦しむ野生動物にどのように対応すべきなのか。

(「小田原くくり罠塾」が1日体験参加を呼びかけ:神奈川)
小田原・箱根地域の森林や里山でのイノシシやシカが原因による農林業被害多発を防ぎ、罠(わな)による捕獲者の育成を目指して開講している「小田原くくり罠塾」が1日体験参加を呼びかけている。現在、シカの生息密度の上昇は生態系の劣化や破壊につながり、イノシシは里山の農地を掘り返し、耕作放棄の原因の一つとなっている。特に、二ホンジカの生息密度が急上昇し、角こすりや樹皮剥ぎにより樹木が枯死したり、採食により裸地化などの現象が多発。併せて、捕獲者の高齢化や担い手不足も課題となる中、「くくり罠」による捕獲への期待も大きくなっている。こうした状況への対応として開講したのが3年目を迎えた小田原市提案型共同事業の「小田原くくり罠塾」。今年は7月3日から、くくり罠の設置実習、捕獲に役立つ知識、箱根地域のシカ対策見学会、地域ぐるみのシカ・イノシシ対策と県内各地の事例などを学んでいる。「獣害に困っている農林地、企業の方、狩猟やジビエに興味のある方、一度体験参加を」と呼びかけているのが「小田原くくり罠塾」に運営面で参画する川島範子さん。川島さんは「小田原山盛の会」の副理事長でもあり、小田原箱根でバランスの取れた自然環境作りの活動を推進している。川島さんは「月に2~3回、9カ月におよぶ実習を行い、くくり罠捕獲、とめさし、解体、ジビエ利用まで、様々技術講習を実施している。止めさしは主に電気を使用し、誰でも安全にできるとめさし方法を学ぶ。既に全コースでの申し込みは終了しているが、参加したいとの要望が多いため1日体験参加を始めた。獣害に困っている農林地をお持ちの方、狩猟やジビエに興味のある方、ぜひ参加していただければ」と呼びかけている。予定される日程は、11月13日「マダニ・動物による感染症の知識」(元静岡県環境衛生科学研究所ウイルス班・大石沙織さん)、12月4日「シカはどこで増えるのか?」(元東京農工大学森林生物保全学研究室・古林賢恒さん)のほか、2023年1月8日・22日、2月5日、3月26日。1日体験参加は無料。

(「いきつけの田舎」つくるプログラム、DIYや狩猟をプロが指南:千葉)
千葉県・南房総を中心に事業開発を手がける合同会社AWATHIRDは2022年12月から、地域課題と自給自足スキルを学ぶプログラム「ヤマナアカデミー」を実施する。民宿に泊まり、DIYやジビエといった自給自足スキルを地元で活躍するプロフェッショナルから学ぶほか、シェア里山「ヤマナハウス」での交流を通じ、いきつけの田舎を作る2拠点生活を提案する。地域との交流を創出し、関係人口増加も目指す。近畿日本ツーリストも企画協力する。プログラムは、空き地にゼロから小屋を建てながらDIYを学ぶ「小屋DIY」、里山で鳥獣被害を課題認識し、狩猟とジビエを学ぶ「狩猟ジビエ」の2種類。ともに2カ月間に全3回のスケジュールで週末に実施し、座学と実技を学ぶ。本講座以外にも、廃材リメイク、刃物研ぎ、金毘羅山トレッキングなどのプログラム、夕食交流会、「ヤマナハウス」会員向けアクティビティ、民宿宿泊権5泊分なども含まれる。料金は1コース13万2000円。早期申し込みなどの割引プランもある。

(イノシシ急増、最新の捕獲技術学ぶ講習会:青森)
県内では一度は絶滅したとされるイノシシが数年前から増加し、農作物の被害も確認されています。被害を防ぐために、猟師らを対象にイノシシ向けのわなの設置方法などを学ぶ講習会が行われました。青森県ではイノシシは100年以上前に絶滅したとされていましたが、近年、県南地方を中心に目撃される数が増え、昨年度は100頭余りが目撃されたほか、長いもなどの農作物が食べられる被害も確認されています。イノシシの数がさらに増える前に対策を進めようと、八戸市の森林組合などは29日、主にイノシシの習性や最新の捕獲技術などを学ぶ研修会を開き、地元の猟師などおよそ40人が参加しました。研修会では、岩手県雫石町でイノシシ対策に当たる谷崎修さんが講演し、青森以上にイノシシが増加してしまい、農作物への被害が相次いでいる岩手の現状のほか、ICT技術を活用した最新の捕獲技術や農作物を守るための柵の設置方法などを説明しました。このあと、参加者は最近もイノシシが確認されたという新郷村の山中でイノシシに対して効果的なわなの設置方法を学びました。谷崎さんは「農地を守るためには、イノシシが増える前の対策が重要だ。すでに繁殖期に入っているので効果的な対策を多くの関係者で共有してもらいたい」と話していました。

(ヒグマ襲撃の恐怖、被害夫妻が回顧:北海道)
「顔がなくなる」「死を覚悟した」―。7月15日に渡島管内松前町の自宅すぐそばにある家庭菜園で農作業をしていた82歳の夫と78歳の妻が1頭のヒグマに頭部や腕をかじられ、重傷を負った。昨年7月には隣接する同管内福島町でも、高齢の女性が畑作業中に別のヒグマに襲われて死亡しており、人とクマの生活圏が重なっていることが浮き彫りになった。近年相次ぐクマによる人身被害は防げないのか。9月下旬に病院を退院して自宅に戻った夫妻から当時の状況を聞き、クマ対策の課題を探った。2人が襲われたのは45年前から大事に活用してきた家庭菜園だった。周囲は山に囲まれ、広さは約50平方メートル。それほど広くはないが、2人がジャガイモやトマト、スイカ、カボチャなどを育てるには十分な広さだ。タヌキやキツネなどの害獣対策として、四方は高さ1・2メートルほどの防風ネットで囲み、シカの侵入を防ぐためにロープで補強していた。最初に襲われたのは妻だった。2人は7月15日午前9時ごろ、日課の畑仕事を始めた。一段落した正午ごろ、夫は菜園をいったん離れ、片付けや昼食の準備のため、自宅との間を行き来していた。妻はこの間、畑の入り口付近で休憩しながら友人と携帯電話で短く話をした後、草むしりのため再び畑作業に戻った。それから約30分後の午後0時半すぎ、妻は山側にある防風ネットの外側の草むらで「ガサガサ」と物音がするのに気がついた。最初は「またシカが来たのか」と思い、気にとめなかった。だが、再び「ガサガサ」と聞こえ、視線を向けると、防風ネットの上から身を乗り出すクマの姿が目に入ってきた。クマは鋭い歯を見せ、ゆっくり近づいてきた。妻はとっさに逃げようとして転倒。あおむけになったところ、赤茶色の体毛に覆われた巨体が覆いかぶさってきた。とっさに手に持っていたクワでクマの口をたたいたが、クマはひるむ様子もなく、腕、そして頭部にかみついてきた。腕はもがれると思うほどの激痛が走り、こめかみは骨が砕けていく嫌な音がし、「顔がなくなっているのでは」と錯覚するほどの絶望感に包まれた。自宅と菜園を行き来していた夫は、妻の声とは明らかに違ううなり声を耳にし、すぐに異変に気づいた。「おかしい。畑には妻しかいないはず」。防風ネットの囲いの中に入ると、クマが妻に馬乗りになっている姿が目に飛び込んできた。身長165センチの自分よりも大きく、子グマでないことは明らかだった。「すぐに間に入らなければ、妻の命はない」。考えるより先に体が動き、とっさに近くに立ててあった長さ130センチ、重さ3キロの鉄製の棒を手に駆け寄り、思い切りクマの後頭部にたたきつけた。

(クマとまちづくり:北海道)
シリーズでお伝えしている「クマとまちづくり」。今年も、札幌ではクマの目撃が相次いでいますが、400から500頭ほどのクマが高い密度で暮らす北海道・知床では、「制限した上で、楽しみもプラスしよう」とする試みが行われています。世界遺産・知床。マイカーを駐車場に停め、バスへと乗り換えます。知床財団 伊集院彩暮さん「サケマスを取るのが下手なクマがいる。水の中で目を開けるのが嫌なクマは、手あたりしだい飛びついて、水しぶきだけを上げて、なかなかサケマスを取れないクマもいる」。ガイドを務めるのは、知床財団でクマ対策にあたる専門スタッフです。知床では、先月30日から3日間限定でマイカーでの移動を制限。代わりに、「特別なバスツアー」を用意しました。知床財団 伊集院彩暮さん「ご不便をおかけしたバスデイズだと思いますが、ありがとうございました」。中でも人気を集めたのは、ふだん立ち入り禁止エリアでのツアーです。知床財団 髙橋誠司事務局長「知床が世界遺産になったのは、海の栄養が森に伝わり、そして、森の栄養が海に還元される循環が自然にわかりやすく見られる場所。その循環をつないでいる大きな存在が、川を上るサケマス」。サケマスが川を上り、クマが食べに集まる、自然の循環。しかし、そこに人が押し寄せると、渋滞や交通事故、さらに、クマの人慣れや人身事故などの危険が生まれるのです。知床財団 髙橋誠司事務局長「見学中にクマが出てくることもある。『クマいた』とわれわれに教えてください」。「岩尾別ふ化場」で、知床の海と森をつなぐ、サケマスの生態を学びます。斜里町水産林務課 森高志課長「2回目の産卵をすぐするかというと、おなかの具合もあるので少し休んでから」。解説をしっかり聞こうと、自然と集まる参加者たち。実は遠くにクマがいたことに、ガイドは気づいていましたが騒ぎ立てず、静かに距離をとります。緑の中を歩くときは、クマに、こちらの存在を知らせる。ツアーを通して、「世界遺産を楽しむマナー」も身に着けます。帰り道、突然「特別なツアー」ならではの瞬間が訪れました。知床財団 髙橋誠司事務局長「ちょっとストップ!いますね。魚をおそらく探しているんでしょう」。ほかの車は来ないので、乗客全員がクマを見られるよう、1分ほど停車します。知床財団 髙橋誠司事務局長「大型バスで視界が高いところからだと、よく見えますよね。通行止めして、バスしか走れないから、こういう(停車して見る)ことができる。クマもクマらしく行動できるし、人も環境に優しく移動できるのは目指していきたい姿」。動物たちがつなぐ、知床の自然。その魅力を守り続けるためのルールを伝える有力な選択肢が、「バスツアー」だと考えています。知床財団 秋葉圭太さん「観光客が悪い存在とは考えていない。ルールがあって、伝える、守ってもらえる、その仕組みがないことが問題。野生動物の世界は、人間社会の映し鏡」。観光客も、知床の自然や命を守る。知床で知る「自然との付き合い方」は、自分の住むマチでも生かすことができます。知床財団 秋葉圭太さん「知床で起きている課題は、時間がたつと北海道全体に広がる。ひと事ではない」。サケマスを食べに、クマが集まる…しかも、札幌の住宅地で。サケマスの上る川に来る、ヒグマ。世界遺産・知床では、その姿を安全に見られる方法を模索していますが、もし札幌でも、こんな状況が生まれたとしたら?酪農学園大学の佐藤喜和教授は、著書『アーバン・ベア となりのヒグマと向き合う』の中で、豊平川や支流の真駒内川周辺で、サクラマスの産卵地点とクマの出没地点が重なっていることを指摘しています。酪農学園大学 佐藤喜和教授「クマが上手に取れるほどの数がいるのか、取りやすい状況かは個別に見ないといけないが、(サケマスとクマの)サイクルがつながりそうな場所が、人の生活圏の真ん中にあるのが、人にとっては厄介。そういうところに、クマが出てきにくい環境づくりをしていくことが必要」。大都市でありながら、市民運動によって豊かになった、札幌の川や緑。クマやシカ、キツネも住宅地に入り込むようになりました。効果があったからこそ、次のステップに進む時期が来ているのです。酪農学園大学 佐藤喜和教授「自然を大切にしよう、生き物を大切にしようという思いや活動が、うまく運んでいるからこそ、みどり豊かな街・札幌がある。クマやシカ・キツネなど、人間にとって不都合な要素をもたらす動物も身近になる。ゴールに達したら、すべて止まるわけじゃなくて、常に動いている。時代はどんどん変化していく中で、柔軟に対応していくことが求められている」。

(未来のハンター育成セミナー:青森)
有害鳥獣捕獲の中心的役割を担うハンターの減少や高齢化が進む中において、市民を対象に狩猟に関するセミナーを開催し、狩猟・有害鳥獣捕獲に興味を持っていただき、担い手のすそ野拡大を図ることを目的として開催します。

(国道で車がクマに衝突:新潟)
28日午後11時50分ごろ、湯沢町三国の国道17号線で車がクマ1頭(体長約1m)に衝突しました。その後、クマは立ち去り、車の運転手にけがはありませんでした。警察と町役場は付近の住民に注意を呼びかけています。

(イノシシと接触、津山線で遅れ:岡山)
JR西日本によると31日午前6時32分ごろ、津山線野々口駅―牧山駅間で列車がイノシシと接触したため、車両と線路を確認した。このため、一部列車が約10~30分遅れている。

(市街地にシカか、ドラレコで撮影:富山)
高岡市の市街地で30日、シカとみられる動物が目撃されました。30日午後6時20分頃、信号待ちをしていた車のドライブレコーダーに映ったのは、シカとみられる動物です。場所は庄川のそば、県道富山高岡線の高岡市三女子西の交差点です。シカとみられる動物は、西の方向へ走り去りました。車は信号が青になってから後を追いましたが、すでに姿はありませんでした。また30日は、富山市新庄本町でイノシシの目撃情報もありました。今週末の富山マラソンに向けて夜にジョギングをしている人も多いと思いますが、十分注意してください。また見かけても近づいたりせず、警察へ通報してください。

(激走するシカの目撃情報相次ぐ:新潟)
稲刈りが終わった田んぼを激走する1頭のシカ。31日午後、新潟市東区で撮影されました。撮影した男性は「最初は犬かと思ったが立派な角がついていた。野生のシカを見たのは初めてで驚いた」と話していました。シカが現れたのは日本海東北自動車道の新潟東スマートインターチェンジ付近で、警察や目撃者によりますと、シカは午後2時半前後に新潟市東区の西野や本所付近でも目撃されていました。シカはこのほか、新潟市江南区大渕付近でも目撃されていて、目撃者によりますと、車と同じくらいのスピードで走っていたということです。シカはその後、畑や民家のすぐそばを走り回りました。一体どこからやってきたのでしょうか?今のところ被害の連絡はないということです。

(御射鹿池に鹿、観光客ら夢中で撮影:長野)
茅野市豊平の御射鹿(みしゃか)池に10月28日夕、鹿2頭が現れた。同池は日本画家東山魁夷さん(1908~99年)の代表作「緑響く」のモチーフになったとされ、ほとりで白馬がたたずむ様子が作品に描かれている。馬と鹿の違いはあるものの水面に姿が映る構図が似ており、対岸で目にした人たちは「東山魁夷の絵みたいだ」と夢中になってシャッターを切っていた。午後4時半前、池のほとりで写真を撮っていた男性が「鹿がいる」と声を上げた。周囲の紅葉が映る池を訪れていた写真愛好家や観光客らが、一斉に鹿に注目。2頭は水面に口を近づけたり、ゆっくり岸辺を歩いたりし、10分ほどして森に入っていった。蓼科中央高原観光協会事務局の田中菊美さん(61)は、「緑響く」の構図のように鹿が現れたことに「観光客らの話題になりそう」。一方で「一帯は鹿が多いので、車にぶつからないよう気を付けてください」と注意も促した。

(住宅や宿泊施設が点在する地域でクマの目撃情報:山梨)
31日の朝早く山梨県富士河口湖町の住宅や宿泊施設が点在する地域でクマ1頭が目撃されました。警察などが付近のパトロールを強化しています。警察によりますと31日午前4時半頃、富士河口湖町小立で雑木林から町道に出てくるクマ一頭を住民が見つけ警察に通報しました。クマは体長1メートルほどで住宅が点在する方向へ逃げたということです。現場は国道139号から南に300メートルほど入った住宅や宿泊施設が点在する地域です。町と警察、地元の猟友会は付近のパトロールを強化するとともに防災無線で注意を呼び掛けています。

(「麓郷の森」でクマ1頭目撃、6日まで施設閉鎖:北海道)
1日午後3時ごろ、テレビドラマ「北の国から」のロケセットがある「麓郷の森」(富良野市東麓郷)の敷地内にクマ1頭がいるのを観光客が目撃し、麓郷の森のスタッフが110番した。富良野署によると、クマは体長約1・2メートル。木に登っていたが、北方向の山に逃げたという。けが人はなかった。ふらの観光協会は2日から6日まで麓郷の森の閉鎖を決めた。

(散歩中にクマに遭遇:新潟)
新潟県十日町市の林道で1日、女性がクマに遭遇しました。クマはすぐに逃げ、女性にけがはありませんでした。警察によりますと1日午前8時すぎ、十日町市馬場丙の林道で、近くに住む女性が散歩中にクマ1頭に遭遇しました。クマは体長1メートルほどで、女性に驚きそのまま逃げたということです。女性にけがはありませんでした。クマが出没した場所は住宅街で、近くに食品会社や病院などがあることから、警察や猟友会が付近で警戒を続けています。また、十日町市も近くに住む人たちに注意を呼び掛けています。

(帰宅して玄関から入ろうとしたら、家の中から1mのクマが:島根)
島根県浜田市は1日、同市弥栄町小坂の民家で住人が帰宅時に玄関から入ろうとしたところ、家の中からクマが出てくる事案があったと発表した。クマはそのまま山へ逃げていき、住人にけがはなかったという。発表によると、住人は10月30日午後6時30分頃に帰宅。玄関に近づくと、家の中から体長約1メートルのクマが出てきたという。住人は玄関を開けたまま外出しており、クマが留守中に侵入したとみられるという。市は「戸締まりや、クマが出没しやすい時間帯に外出する際にはクマ鈴を身に着けるなど、対策を講じてほしい」と呼び掛けている。一帯では同月10日夜、自宅離れのトイレから戻る途中の住人が、何らかの動物に突き飛ばされて軽傷を負った事故があった。

(ツキノワグマ捕獲、措置し丹沢山中に戻す:神奈川)
伊勢原市内の大山のふもとで10月27日、体長1.5メートルほどのツキノワグマ1頭が捕獲されました。一方で絶滅のおそれがあることから、必要な措置をとって丹沢山中に戻したということです。神奈川県によりますと、クマが捕獲されたのは伊勢原市子易の大山に続く山里で、9月上旬から近隣住民の目撃情報や、柿などの農作物が食い荒らされる被害が相次いでいたということです。 そこで神奈川県が10月18日、捕獲用の檻を設置し罠をしかけたところ、27日の朝6時頃、この檻の中に捕獲されていたクマを発見しました。捕獲されたのは体長およそ1.5メートル、体重76キロのメスのツキノワグマ1頭で、その後クマが嫌がる成分が入ったスプレーを浴びせるなど人を恐れるように学習させ、丹沢の山に戻したということです。 神奈川県内のツキノワグマは、生息数が40頭ほどしか確認されておらず、絶滅のおそれのある生物を選定した神奈川県の「レッドデータブック」では絶滅危惧種に指定されています。 また、ことし9月までに神奈川県内でのクマの目撃情報は44件寄せられていて、実際に捕獲されたクマは今回で3件目だということです。

(豚熱で自粛のイノシシジビエ出荷再開へ:岐阜)
豚熱(CSF)の影響で3年間、自粛が続いていた県内イノシシのジビエの出荷が、今月の狩猟期から本格的に再開される見込みだ。ただ、県が定めた厳格な感染防止マニュアルに従う必要があり、今のところ出荷可能な食肉加工処理施設は2カ所。消毒や検査、新たな設備投資がネックだ。県は「感染を再拡大させないため」と理解を求めている。

(「横瀬ジビエ製造場」稼働に向け見学会:埼玉)
横瀬町で狩猟事業を行っている「カリラボ」(横瀬町芦ケ久保)が10月20日、「横瀬ジビエ製造場」(横瀬)の見学会を開いた。同施設が稼働することで横瀬町でわなにかかったシカやイノシシなどの獲物を、ジビエ肉として流通させることが可能になる。カリラボの吉田隼介さんは、平日は都内で会社員として勤務。アウトドアや料理や酒など、趣味が高じて、2016(平成28)年に狩猟免許を取得した。2017(平成29)年からは横瀬町と都内の2拠点生活をしており、週末を中心に横瀬町で過ごしている。2019年10月に狩猟を主軸として同社を設立。横瀬町の有害鳥獣捕獲事業を務めたり、会員と共同でわなを仕掛ける「ワナシェア」を行ったり、狩猟をもっと身近に感じてもらうための狩猟体験などを行ったりしてきた。横瀬ジビエ製造場は2年ほど前から横瀬町の武甲猟友会と相談しながら、わなにかかった獲物を解体できる施設を作るために準備していた。獲物を運んだトラックを建物に横付けしたり、作業がしやすい動線や肉を熟成するスペースを確保したり、精肉を真空パックにして冷凍できるようにしたりするなど工夫しているという。精肉作業に加え、飲食店とコラボしてイベントを開くことも検討している。吉田さんは「シカやイノシシをメインに、横瀬町の名産品としてジビエを打ち出していきたいので、施設名にも町の名前を入れている。道の駅やENgaWA(エンガワ)などの店で土産品として販売したり、飲食店に卸したり、ふるさと納税の返礼品にしたりするなどしていきたい」と意気込む。

(野生鳥獣肉加工施設、ジビエ工房ジミート:静岡)
新型コロナウイルス禍や豚熱(CSF)の影響で廃業した、野生鳥獣肉(ジビエ)加工施設「ジビエ工房ジミート」(浜松市天竜区春野町)が11月再開する。新たに代表に就いた高林麻里さん(42)は「地域の雇用創出や町おこしにつなげたい」と話す。春野町は茶やシイタケ栽培などに加え、ジビエ産業も盛ん。地元猟友会が野生のイノシシやシカを捕獲する。ジミートは、食肉やペットフード用商材の加工拠点として機能してきた。2019年以降、家畜伝染病の豚熱が広がり、イノシシが減少した。そこに追い打ちをかけたのが新型コロナウイルス禍。出荷先の料理店や旅館が営業自粛や時短営業を強いられ、需要が減退。ジミートは担い手の高齢化もあり、閉鎖を余儀なくされた。高林さんは竹を粉末製品に加工する会社に勤める。業務で森に入ったり、地域食材を使うレストランをめぐる団体で活動したりする中でジミートの苦境を知った。地域住民やジビエ肉を求める料理店などからの再開を望む声を受けて立ち上がり、地元猟師らと話し合いを重ねて再建プランを練り上げた。豚熱感染が落ち着きイノシシの個体数は回復傾向にあり、地域ではシカも増えている。11月の狩猟解禁に合わせ、加工・販売の両面で準備を進める。クラウドファンディングで調達する200万円は施設の改修などに使う。高林さんは「若い世代に里山の魅力を発信していきたい」と語る。

(ジビエ、地元産ビールとワインで楽しもう:広島)
広島県庄原市産のイノシシ肉を使った創作料理と地元産ビール、酒店主が薦めるワインを楽しむイベントが11月3日、同市高野町下湯川の一棟貸し古民家施設「こざこ森」で開かれる。地元産ジビエ(野生鳥獣肉)のPRにと、市民たちでつくる実行委員会が初めて催す。

(巨岩の前で食す自然の恵み、古座川ジビエ:和歌山)
和歌山県がまとめた2021年度の野性鳥獣による県内の農作物被害額は2億6164万円に上るという。そのうちイノシシとシカの被害が56%を占める。シカの被害は増えていて前年度比約1・3倍の約5510万円だった。県は20年度時点で約6万5千頭のニホンジカが生息していると推測していて、今年4月1日から5月20日まで一部の市町を除いて2千頭を目標に管理捕獲を実施するなど、対策をすすめてきた。そうして捕獲した野生鳥獣を食材として生かし、地域の活性化にもつなげようというのがジビエ(野生鳥獣の肉)による取り組みだ。県が認証する「わかやまジビエ処理施設衛生管理認証処理業者・施設」(5施設)の一つ、「古座川ジビエ 山の光工房」(古座川町月野瀬)を訪ねた。鳥獣被害に悩まされてきた町が、15年に建てた。現在のスタッフは3人。施設長は千葉県出身で17年に移住してきた「ジャイアン貴裕」のリングネームを持つ総合格闘家の鈴木貴裕さん(35)。ドイツで4年余り食肉加工を学び、マイスターの資格を持つ同町出身の森田裕三さん(36)と2人で主にシカ肉を処理している。肉は主に東京や大阪のレストラン、店舗などに出荷される。高たんぱくで、低脂質なシカ肉。「自然豊かな山林で育ったシカ。最初の処理が肉の質を決める。地域の資源を生かしたい」と鈴木さん。ジビエの製造過程を知ることは食育にもつながるという。元々人気だった森田さんが手がける「ジビエソーセージ」は、今秋から使用するスパイスを地元産の材料も加えたオリジナルなものに替えて、無添加にした。アスリートや女性向けの「サラダジビエ」も無添加にリニューアルした。山の光工房で処理されたシカ肉を食べたくて、古座川に面した国の天然記念物「一枚岩」の前にある道の駅「一枚岩monolith(モノリス)」(古座川町相瀬)に立ち寄った。ぜいたくだが「ジビエソーセージと鹿肉ステーキ」を注文した。ステーキを口の中に入れると柔らかくて、あっさりとした甘みも広がった。ソーセージはパリッとした食感で肉汁がはじけた。モノリスを経営する田堀穣也さんは「山の光工房のシカ肉はくさみもなく、ていねいに処理されている。ソーセージも人気」と話す。後日、気になっていた「鹿バジルステーキカレー」も食べにいった。肉は少しスパイシーなカレーとも相性がよく、一枚岩の壮大な姿を見ながら、一気にいただいた。

(ジビエ受発注サービス運用開始:北海道)
スタートアップ(新興企業)の「Fant(ファント)」(十勝管内音更町)は、道内外のハンターとエゾシカなどのジビエ(野生鳥獣肉)を求める飲食店などをオンライン上で結び、ジビエを受発注できるサービスを今月から始めた。両者をつないでジビエが安定的に流通する仕組みを整え、狩猟を取り巻く課題を解決するのが狙いだ。飲食店などは同社のサイトから、エゾシカやカモ、ウサギなど、欲しい肉や部位、量、納品日、予算を入力して発注。ファントには約1400人のハンターが登録しており、同社が注文内容から適したハンターを選び、本人に連絡する。

(ジビエ料理を作って学ぼう)
シカやイノシシといったジビエ(野生鳥獣肉)の消費拡大を目的とした情報発信を展開しているポータルサイト「ジビエト」は、家庭でジビエ料理を作って学べるオンライン料理教室を3日に開催する。同サイトは、「ジビエを今より、ちょっと身近に」をキャッチフレーズに、農作物への被害を防ぐために捕獲されたシカやイノシシの有効活用を目的とした情報を発信。家庭でもジビエ料理を楽しんでもらおうと、料理家で食育インストラクターの和田明日香さんが講師を務め、親子で一緒に作れる和田さん考案の猪肉ハンバーグの調理法を紹介する。レシピ動画サイト「クラシル」の公式ユーチューブチャンネルで3日午前11時~正午にライブ配信し、誰でも視聴可能。

(高校生が商品開発「鹿肉カツバーガー」:岩手)
釜石市大平町の県立釜石商工高(伊東道夫校長、生徒198人)で10月22日に開かれた「商工祭」は、生徒の同居家族に限定して公開された。商業、工業高の統合から14年目の学校祭。工業系、商業系の特徴を生かして成果を発表する中、来校者の人気を集めたのは、総合情報科の3年生7人が地域企業と商品開発・販売した「鹿肉カツバーガー」。1個600円で100個を限定販売すると、約2時間半で完売した。カツバーガーは課題研究の一環で開発。7人は、▽市内でシカが多く目撃され、農林業被害だけでなく一般住家の庭木などの食害もある▽わなの設置などで捕獲する対策の実施―などを学び、「駆除したシカをうまく利用できないか」と考え、約半年間取り組んできた。開発には、農業被害が課題となっている二ホンジカの活用に官民連携で取り組む「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」が協力した。カツに使ったのは、調理しやすいモモ肉。ソースはさっぱり系の「レモンタルタル」と、こってり系の「味噌(みそ)カツ」の2種類を用意した。シカ肉が初めてという人も食べやすいよう試行錯誤した。同日限りの販売だったが、2つの味を楽しもうと複数個買う保護者もいた。開発グループのリーダー中根愛子(あこ)さんは「かみ切りやすい肉の厚さ、肉に合うソースの味を調整するのが大変だったが、納得いく出来。タルタルソースは自分たちで手作りし、レモン風味でさっぱりしている」と自信たっぷり。「地域課題に向き合えた」と手応えを感じていて、カツバーガーをきっかけに「シカ肉を使った料理や革製品づくりが市内でも広がってほしい」と願った。

(「全国ジビエフェア」が開催中)
農作物に被害を及ぼす有害鳥獣。野生のシカやイノシシを捕獲し、「ジビエ」として利活用する取り組みを広げることが、有害鳥獣対策の大きな柱の一つです。農林水産省では11月1日からジビエ等に対する消費者の関心を高めるとともに、ジビエメニューを提供する飲食店やジビエ等商品を販売する店舗等の情報を特設サイトにとりまとめてPRする「全国ジビエフェア」を開催しています。食材となる野生鳥獣肉のことをフランス語でジビエ(gibier)といいます。欧州では貴族の高級食材として発展しています。わが国でも古くから狩猟肉を食べる文化がありますが、「調理方法が分からない」といった理由で利活用が進まず、捕獲されるシカやイノシシの約1割しかジビエとして流通していません。有害鳥獣の「マイナス」を農村や地域の資源として「プラス」に変えるジビエ利活用を進める取り組みを政府与党では推進しています。昨年6月に議員立法で改正された鳥獣被害防止特別措置法には、適正な処理や、有効利用に関する新たな項目を追加しました。ジビエの利活用には素早く処理することが重要です。令和4年度予算では、処理加工施設と一体的な加工製造設備の整備や、捕獲した個体を車内で1次処理できる「ジビエカー」のリース導入支援を盛り込み、広域搬入体制を整備しています。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、10月31日午後6時50分ごろ、仙台市泉区根白石姥懐前下にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、30日午後11時30分ごろ、仙台市青葉区中山台4丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、30日午前6時30分ごろ、仙台市泉区根白石広表下にクマが出没しました。

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