<射撃ニュース11月>
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(飼っていたクマに襲われ男性死亡:長野)
28日午前9時20分ごろ、長野県松本市の無職、丸山明さん(75)が、飼育していたクマに襲われたと家族から110番通報があった。丸山さんはクマに全身をかまれ、搬送先の病院で死亡が確認された。長野県警松本署によると、丸山さんは20年程前から、体長約1メートルで雄のツキノワグマを飼育していた。通報を受けた警察官が、丸山さんがおりの中で倒れているのを見つけた。クマは丸山さんの付近やおりの外にうろついていたという。警察が猟友会に連絡し、午前10時40分ごろに射殺された。世話をしている最中に襲われたとみられるという。松本市の保健所によると、おりの大きさは幅5メートル、奥行き2メートル、高さ2メートル。鉄製で、中は格子状の引き戸で仕切られている。通報を受けた時点では、おりの出入り口と中の引き戸が開いた状態だった。保健所に残っている記録によると、丸山さんは04年からクマの飼育許可を得ていた。今年5月に行った、動物愛護法に基づいた検査では、おりの構造や施錠などに問題なかったという。丸山さんが自宅敷地で運営していたとみられる、サバイバルゲーム会場のホームページなどによると、クマは「赤ん坊のとき、親クマとはぐれ丸山家にて保護された」などと書かれていた。「人懐っこい雰囲気で、意外とつぶらな優しい目をしていた」とも紹介されていた。現場は松本市の中心部から北に約10キロの山間部にある。

(新得畜産試験場内を発砲禁止に:北海道)
道立総合研究機構畜産試験場(新得町新得西5線)は、牧場内の水道施設に猟銃によるものと思われる銃弾跡が見つかった問題を受け、敷地内での狩猟を来年1月31日まで禁止した。試験場内の道路沿いに「発砲禁止」の看板を28日までに設置した。同試験場では、11日に牧場内の水道施設の点検中、水道栓を覆う塩化ビニール管に直径1・5センチほどの穴が2カ所開いているのを見つけた。

(アイガモ、高病原性と判明:千葉)
千葉県は26日、高病原性鳥インフルエンザの疑いが出た同県香取市のアイガモについて、遺伝子検査で陽性が判明したと発表した。県内での発生は今季初。県によると、個人がカモ猟に使うため飼育していた21羽のうち、25日までに7羽が死んでいるのが確認された。26日に他の14羽を殺処分した。県は感染が確認された施設から半径3キロ圏内を移動制限区域、半径3~10キロ圏内を搬出制限区域に指定した。22の農場や養鶏場などの約128万羽が制限の対象となる。

(山林で50メートル滑落栃木の男性重体:栃木)
27日午前10時20分ごろ、みなかみ町猿ケ京温泉の山林で、友人2人の狩猟に道案内役として付き添っていた栃木県野木町、自営業の男性(82)が斜面を約50メートル滑落した。沼田署によると、意識不明の重体という。同署によると、現場は国道17号新三国大橋近くの山林。林道を車で走行できるか下見するため、男性(71)と林道を歩いていたところ滑落した。車で待機していた男性(75)が119番通報し、高崎市内の病院に搬送された。同署が事故原因を調べている。

(21年のイノシシ捕獲は52万頭、ハンターの高齢化進む)
晩秋から冬にかけ、狩猟が解禁される。狩猟のルールや従事者数の推移、獲物の捕獲頭数など、狩猟にまつわる情報をまとめた。2022年度の狩猟期間は原則11月15日から2月15日(北海道は10月1日から1月31日)。狩猟は山村の生活に密着した活動であり、ジビエ(野生鳥獣の食肉)は各地の伝統的な食文化に欠かせない。一方、銃の誤射などによる死傷事故も毎年のように発生しており、登山者・ハイカーはこの時期、一般登山道以外(バリエーション・ルート)の歩行を避けるなど、特段の注意が必要だ。狩猟者(ハンター)は「第1種銃猟(ライフル銃、散弾銃)」「第2種銃猟(空気銃)」「わな猟」「網猟」のいずれかの狩猟免許を持ち、狩猟したい都道府県に狩猟者登録を行うことが必要。さらに、銃猟を行う場合には「銃砲所持許可」を受けることになる。狩猟免許の所持者は、1970年代には50万人以上いたが、2000年前後には20万人ほどに減少。それ以降はほぼ横ばいで推移している。ハンターの高齢化が進み、近年は免許保持者のうち6割近くが60歳以上となっている。有害鳥獣による農作物被害の増加が問題となる中、政府や地方自治体は支援制度や規制緩和などを通じ、新規狩猟者の人材育成・確保に力を入れている。日本の狩猟は、かつてはキジやカモなど野生鳥類の食肉を求めての猟が多くを占めていた。しかし現在は、農作物に被害をもたらすイノシシ、シカを狙う「大物猟」が主流となっている。環境省によると、2021年の捕獲頭数はイノシシが52万8600頭、シカが72万5000頭に達した。これは純然たる狩猟のほか、自治体などによる「有害鳥獣駆除」事業などの実績を含む数字だ。21年度のクマの捕獲数は4500頭余り。政府は、2011年度に計413万頭いたイノシシ・シカの生息数を23年度までに半減させる政策目標を掲げている。国と都道府県、市町村の支給分と合わせた総額で、捕獲イノシシ1頭あたり2万円前後、シカ1頭あたり2万5000円前後の「報奨金」を出す制度も導入している。

(野生鳥獣被害は道南で1億4400万円:北海道)
道がまとめた2021年度の野生鳥獣(海獣類を除く)による農林水産業被害状況は、道南全体で前年度比1100万円増の1億4400万円となった。渡島管内は前年と同じ5500万円、桧山管内は同1100万円増の8900万円で、全道14振興局中13位と11位だった。全道は同8%増(4億1000万円増)の54億5000万円となり、全体の8割を占めるエゾシカの被害が膨らんだことが要因で、2年連続の増加。鳥獣別の被害金額は、エゾシカが44億8000万円(前年度40億7000万円)、次いでカラス類が2億7000万円(前年同じ)、ヒグマが2億6000万円(同2億5000万円)、キツネが1億7000万円(同1億4000万円)、アライグマが1億5000万円(同1億4000万円)と、カラス類を除きいずれも増加した。特にエゾシカの被害金額は、11年度の64億円をピークに年々減り、現在は3割程度減少しているものの、21年度は前年比10%(4億1000万円)増の44億8000万円。渡島は3800万円(同4300万円)、桧山は4800万円(同4600万円)だった。エゾシカの被害金額は渡島、十勝で減少したが、他12振興局で増加。被害額の多い上位3振興局は、釧路が12億8000万円、上川が5億3000万円、オホーツクが5億1000万円。エゾシカによる作物別の被害金額は、多い順に牧草が18億7000万円で全体の4割を占め、次いで水稲(3億8000万円)、ビート(3億5000万円)、ジャガイモ(3億2000万円)、家畜飼料用トウモロコシ(3億円)、小麦(1億8000万円)で、根菜類や大豆、小豆、食用トウモロコシは減少した。エゾシカ被害は、国の交付金を活用し、捕獲活動や侵入防止柵の整備など総合的な対策が全道各地で進んでいる。道野生動物対策課は「エゾシカやヒグマなど、被害が顕著な野生動物の管理計画に沿い、しっかりと対策を進めたい」とし、桧山振興局は「せたな町が町鳥獣被害防止計画に合わせ、被害額の計算方法を見直したのが増加要因と考えられる。管内はヒグマ(1700万円→3100万円)による被害額の伸びが目立つほか、エゾシカも微増しており、町と連携し被害拡大を着実に食い止めたい」(環境生活課)としている。

(野生動物による農作物被害、昨年度は54億円余:北海道)
野生動物に農作物を食べられるなどの被害が昨年度、道内で54億円余りにのぼったことが道のまとめで分かりました。前の年度に比べて4億円余りの増加です。それによりますと、エゾシカやカラス、ヒグマなど野生動物に農作物を食べられるなどの被害は昨年度、道内で合わせて54億5000万円にのぼりました。ピーク時の平成23年度に比べると2割以上減っていますが、前の年度に比べて4億1000万円増え、3年続けての増加となりました。このうち、エゾシカによる被害が44億8000万円と最も多く、全体の8割を占めています。また、エゾシカによる被害を作物別に見ますと、▼牧草が最も多く18億6700万円、次いで▼水稲が3億7600万円、▼ビートが3億5300万円などとなっています。道野生動物対策課は「平成30年以降、国有林での狩猟が一部制限されたことや新型コロナで道外からのハンターが減ったことによるエゾシカの個体数の増加が背景にあるとみられる。侵入防止柵の整備など対策を徹底していきたい」としています。

(県内で狩猟解禁、シカとイノシシの積極捕獲呼びかけ:群馬)
群馬県内で狩猟が解禁された。毎年、県内では野生動物による大きな農林業被害が出ており、県はニホンジカやイノシシの積極的な捕獲を呼びかけている。今年の狩猟期間は、11月15日から来年2月15日まで(ニホンジカとイノシシは同2月28日まで)。解禁日には県内各地でパトロールが行われた。前橋市富士見町では、市職員や地元猟友会メンバーらが赤城山の南面を中心に車で巡回した。わなをかける作業をしていた人に声をかけ、県に報告するために車のナンバーなどを記録した。野生鳥獣の捕獲は原則として禁じられているが、狩猟期間には銃やわななどの道具を使い、決められた種類の動物が捕獲できる。狩猟免許を取得し、県に猟期ごとに「狩猟者」として登録する必要がある。今年度、県で登録したのは10月末時点で3134人。野生動物による農林業の被害は、2021年度は5億7千万円にのぼった。12年度(12億2千万円)と比べ半分以下に減ったとはいえ、依然として被害は大きい。種別ではニホンジカ(45%)、クマ(19%)、カモシカ(16%)の順に被害が大きかった。地域別で被害額が最大だったのはキャベツ生産が盛んな吾妻(37%)。次いで県東部(27%)、県西部(24%)だった。野生動物の捕獲には、農林業被害を防ぐため県や市町村の許可を受け実施する「有害鳥獣捕獲」もある。21年度は狩猟と有害鳥獣捕獲でニホンジカ、イノシシ、サル、クマ、カモシカを計約1万8千頭捕獲。うちニホンジカは1万3977頭で8割近くを占めた。県は、ニホンジカについては年間1万5千頭の捕獲を目標に掲げ、イノシシの捕獲も呼びかけている。担当者は「ニホンジカとイノシシには天敵がいない。増えすぎて農林業被害は高止まりしている。狩猟者には安全に十分注意した上で、狩猟を行ってほしい」と話す。

(豚熱ワクチンを空中散布、3日間で計8千個:栃木)
豚熱(CSF)対策として栃木県などは28日、ヘリコプターによる野生イノシシ向けの経口ワクチンを空中散布した。29日までに日光市など3市2町の国有林約160平方キロメートルで、計8千個を散布する。県はまた、県内全農場を対象に衛生管理状況に関する立ち入り検査も進めており、今月中に終了する予定。空中散布は県や関係団体などでつくる県豚熱感染拡大防止対策協議会が実施する。ウイルスを媒介する野生イノシシの活動が活発化する秋季に合わせた対策で、昨年11月以来5度目。今回は今月24、28、29日の3日間、日光市の他に那須塩原市、大田原市、那須町、那珂川町で、トウモロコシの粉などで周りを固めたワクチンを散布している。28日は日光市藤原の希望が丘公園を拠点に実施。作業員らがワクチンを筒状の容器に詰めた後、容器を乗せたヘリが散布エリアに飛び立った。県畜産振興課によると、県内でこの1年間に感染が確認された野生イノシシは計55頭。直近では今月8日、佐野市内で1頭確認されたという。一方、7月には那須烏山市の大規模養豚場で国内最大規模の殺処分頭数となる豚熱が発生した。これを受け、県は10月から、県内全152農場を対象に立ち入り検査を改めて実施している。不備が確認され、現地で指導した農場が既に複数あったという。同課の谷山和雄(たにやまかずお)家畜防疫班長は「関係者一体となって二度と発生させないよう取り組む」と強調した。

(ヒグマ出没情報、"ツイッター"で迅速発信:北海道)
北海道警は相次ぐ市街地でのヒグマの出没や、山菜採りや登山での遭難事故などに対応するため、より迅速かつ専門的に情報を発進する、新たなツイッターのアカウントの運用を始めます。新たに開設されるのは「北海道警察地域情報発信室」です。山岳遭難救助隊本部などが所属する道警本部地域部がその専門性を生かして運営し、登山、山菜採り、水難、雪害などに加えヒグマの出没状況など、事故防止や安全情報を発信していきます。ヒグマの出没については、危険性の高い市街地周辺で住宅街などにおける目撃情報や人身事故の情報をより迅速に伝えていきます。ツイッターの運用は2022年11月28日午前8時45分から開始します。

(ツキノワグマの狩猟を解禁:兵庫)
兵庫県は、県内でクマの目撃情報が相次いで寄せられていて、人間に危害が及ぶおそれもあるとして、ツキノワグマの狩猟を解禁しました。クマ猟の解禁は3年前の令和元年以来です。兵庫県内では、絶滅のおそれがあるとして保護してきたツキノワグマが増加傾向にあり、ことし4月から10月までに、クマの目撃情報や柿を食べられるなどの被害があわせて399件にのぼっています。これについて兵庫県は、京都や岡山など隣接する府県を含む東西2つの地域で、ツキノワグマの推定の生息数がそれぞれ800頭を上回り基準を超えたとして、ツキノワグマの狩猟を解禁しました。クマ猟が解禁されるのは令和元年以来で、狩猟期間はことし12月14日までの見通しです。狩猟で捕獲したツキノワグマは、兵庫県が発育の状態や繁殖経験の有無などを調べ、今後の保護政策に生かすとしています。兵庫県は、冬眠を前に活発に動き回るクマと遭遇すれば危害が及ぶおそれもあるとして、大半のクマが冬眠に入る12月中旬まで特に注意するよう呼びかけています。

(鷹狩、絵や文献で考える:愛知)
鷹たか を放って獲物を捕らえる古くからの狩猟法「 鷹狩たかがり 」に関する企画展が、名古屋市東区の徳川美術館・名古屋市蓬左文庫で開かれている。天皇や貴族、武士の間で楽しまれてきた鷹狩を遊興としてだけでなく、美術作品や歴史史料、文学、自然科学、鷹狩に関わる人など幅広い視点から捉えようと企画された。会場には、鷹狩に多くの人がかかわっていることを描いた 屏風びょうぶ 絵や絵巻物、鷹狩に関する文献、鷹狩を詠んだ短歌が収められた歌集、鷹の 剥製はくせい など約50点が並んでいる。徳川家康が家臣の死を悼みながらも、駿府から三河へ鷹狩に出かけたことを示す書状も展示されており、家康の鷹狩好きがうかがえるという。さらに、 鷹匠たかじょう で、漫画家のごまきちさんが鷹の生態などをわかりやすく説明した漫画やコメントも並び、観客の理解を助ける工夫がされている。企画展を担当した学芸員の 板谷寿美いたたにのぞみ さんは「ジャンルを超えて、幅広く鷹狩について知っていただければ」と話している。12月15日まで。月曜日休館。観覧料は、一般1200円、高大生700円、小中学生500円。毎週土曜日は高校生以下無料。

(ニホンジカの食害で荒廃:徳島)
ニホンジカの食害で荒廃が目立つ三嶺(1893メートル)の植生を回復させようと、NPO法人三嶺の自然を守る会が奮闘している。本年度から、かつてササが生い茂っていた徳島県三好市東祖谷菅生の名頃登山口から三嶺に向かう登山道周辺に、シカを近づけないようにする防護ネットの設置を始めた。暮石洋理事長(73)=徳島市末広4=は「登山人口は増えても、山で起きている問題に意識を持つ人が少ない」と関心の高まりに期待している。守る会によると、標高1600メートル地点の名頃登山道周辺は2004年にはササが茂っていた。ところが07年ごろからシカの食害に遭い、植生が失われ始めた。保水力が衰えた登山道脇の斜面からは雨水が流れ込み、15年ごろから急速に登山道が深く掘れるようになった。調査では、荒廃した登山道の延長は約80メートル、深さ最大約1・5メートル、幅1・5メートルに及んだ。このため同年に徳島森林管理署(徳島市)と連携。約100メートルにわたって横木を敷き詰めた結果、土砂が堆積するようになった。登山道の改善が見られたため、本年度からは登山道脇の斜面に、防護ネットによる囲い(約10メートル四方)を設置する取り組みを開始。シカが入りにくい区画を設けて、4、5年かけて植生の回復を目指す。今月22日には会員ら14人が現地を訪れ、斜面2カ所にネットを張った。全5カ所に設ける計画で、残り3カ所は来春に作業をする予定だ。暮石理事長は「三嶺に限らず剣山系の自然を守るためのさまざまな活動に協力してほしい」と訴える。守る会は09年ごろから樹木にネットを巻き付けるなど食害対策を講じてきた。しかし、20年8月の調査では剣山と三嶺を結ぶ延長約17キロの縦走路沿いにある約9割の樹木が枯死していると判明。深刻な状況が続いている。

(カモの食害3203万円:長崎)
諫早市は2021年度のカモによる農産物被害額が3203万円だったと明らかにした。20年度の3368万円より減少したが、2年連続で3000万円を超える被害額となった。食害の作物別は大麦、レタス、ブロッコリーなどが多い。地区では国営諫早湾干拓事業でできた中央干拓地(581ヘクタール)や小江干拓地(91ヘクタール)が被害額の8割を占めている。

(市民が悲鳴、空を覆うカラスの群れ:大分)
国内有数の温泉観光地大分県の湯布院町で今、ある厄介者によるトラブルに住民が悩まされています。被害が相次ぐ現地を取材しました。けたたましい鳴き声を響かせる黒い大群。夕暮れ時の由布市湯布院町。そこに現れたのは500羽以上のカラスの集団で、空を黒一色に染めます。(日本野鳥の会 日田地区支部・財津博文支部長)「ミヤマガラス、すごい数。お隣の中国大陸とユーラシア大陸あたりで繁殖して冬になると大陸性の気候が厳しいのでこちらに渡ってきて冬の間を過ごす」日本野鳥の会の、財津博文さんは「渡り鳥のミヤマガラスはエサが豊富な地を選び春先頃に大陸へと帰っていく」と言います。(財津博文支部長)「来年もまたここにやってくるかはわからない。訪れる年と訪れない年、数が多い年と少ない年など色々ケースがある」。この地域では、車への被害も出ています。警察にはこうした被害の相談が複数寄せられているということです。一方、財津さんは被害の内容をみると繰り返し同じ行動をしていることから犯人は、群れで現れるミヤマガラスとは違う種類では、と指摘します。(日本野鳥の会日田地区支部財津博文支部長)「ハシボソガラスかハシブトガラスか、かなり賢いですね。遊び的な感覚で捉えているのではないでしょうか、カバーをかけてワイパーのゴムが見えないようにするとかですね」。車が傷つけられる以外に、大群によるフンの被害も… 空からやってくる厄介者。追い払う決定打がなかなか見つからないのが現状です。

(空港近くの道路で事故:青森)
25日午前、青森市で起きた事故のニュースをお伝えします。車とぶつかったのは、意外な生き物でした。25日午前8時すぎ。現場は青森空港から5キロほど離れた、青森市浪岡五本松の県道です。左の前方が大きく壊れた乗用車。その近くには・・・。体長1メートルほどでしょうか、立派な角のニホンジカです。先ほどの乗用車と衝突したとみられています。この事故によるけが人の情報は入っていません。県自然保護課によりますと2022年度、青森県内では24日までに、190件のニホンジカの目撃情報が寄せられていて、14日には平内町の国道でも、車にはねられたとみられるニホンジカが見つかっています。県自然保護課は「山道に限らず市街地でも、目撃情報は出ているので、車を運転するときは野生動物が飛び出してこないか注意をしながら運転してほしい」と呼びかけています。

(スキー場でクマ目撃:北海道)
27日午後8時55分ごろ、札幌市南区藻岩下の札幌藻岩山スキー場斜面で、クマ1頭が歩いているのを20代男性が目撃し、110番した。札幌南署によると、現場は同スキー場の北斜面ロッジから山頂へ200~300メートル離れた場所。クマは体長1・5~2メートルで、山頂方向に立ち去ったという。同署は付近住民に注意を呼びかけている。

(エゾシカの有効活用考える:北海道)
農業被害をもたらすとして駆除されるエゾシカの有効活用を考えるイベントが、道東の中標津町で、26日開かれました。このイベントは、駆除されるエゾシカの有効活用を地域全体で考えてもらおうと、有志による実行委員会が毎年開いているもので、会場では、シカの革を使ったバッグやキーホルダーといったレザークラフトの小物のほか、無添加のペットフード、それに、「ちまき」や「ミネストローネ」といったシカ肉料理も販売されました。また、革を使った小物をつくるワークショップも行われ、訪れた人がキーホルダーなどを作っていました。中標津町では、牧草やジャガイモなどへの農業被害をもたらすとして、年間およそ900頭のエゾシカが駆除されていて、ほとんどが食肉やペットフードに使われるものの、皮などの有効活用が課題になっているということです。キーホルダーを作った小学1年の男の子は「楽しかったです。シカの革は思ったより柔らかかったです」と話していました。主催した実行委員会の武田健治さんは「有効活用率を100%に近づけるため、みんなで話し合って命に向き合っていきたい」と話していました。このイベントは中標津町総合文化会館で27日も開かれます。

(解禁日に密着した狩猟現場の一部始終:神戸)
15日の狩猟解禁に合わせ、同行したシカ猟。この日、猟師たちは雌雄1頭ずつを仕留めた。目の前を跳びはねていたシカが力尽き、肉に加工されるまでをつぶさに見た。譲ってもらった肉の一部は自宅で焼いて食べ、高級部位は兵庫県丹波篠山市内の農家民宿で調理してもらった。そのシカを食すると、これまでの「食」への価値観が変化するのが分かった。「ローストのサラダ仕立てと串カツです」。差し出された皿に身を乗り出した。使われているのは、狩られたシカの背ロースだ。狩猟翌日の昼、農家民宿「うめたんFUJI」(同市大藤)を営む梅谷美知子さん(38)が調理してくれた。同民宿は、普段からジビエ料理を出している。オリーブ油が香るローストを口に運んだ。しっとりとした歯応え、くさみは全くない。「うまいなぁ」。思わず言葉が漏れた。「それは良かった」と、梅谷さん。予期せず譲ってもらった肉だったため、肉質は最高の状態ではなかったからだ。東京の飲食業界の会社員だった梅谷さんは2017年、市の地域おこし協力隊に就任。地元の食文化を発信する活動を通じ、若手猟師たちと知り合った。地方の農業はシカの食害に苦しんでいる。害獣として駆除され、食べられず廃棄されるケースもある。「人間の都合で狩らざるをえない。だからこそ大事に食べたい」。猟師たちの言葉に共感し、シカ料理を提供し始めた。移住する前に働いた東京のレストランでは、シカ肉が人気メニューだった。しかし、市内で扱う店はわずかだ。「無駄なくおいしく食べることで地域資源の循環にもなる。もっとたくさんの人に知ってほしい」。やわらかな弾力のある串カツをかじっていて、ふと、前日の狩猟で息絶えたシカの雄を触った感触を思い出した。シカは川の中で倒れた後、猟師たちに引き上げられた。ぬれた毛並みには艶があり、後ろ脚を指でぐっと押すと大きな筋肉がしなやかに揺れた。体長約1・5メートル。枝分かれのないとがった角を生やしていた。シカにあれほどじっくり接したことはなかった。初めて美しい動物だと感じた。それからすぐ、猟師たちは別の場所に移って肉を切り分け始めた。淡々とした作業。ナイフで皮をそぎ、関節に沿って肉を解体した。1時間もしないうちに2頭は精肉店のブロック肉と似た姿になった。「平気なんですね」。猟師の一人がナイフを振るいながら言った。「前に取材に来た記者さんは気分が悪くなっちゃって」。自分でも意外だったが、普段食べるスーパーの牛肉や豚肉の解体も同じと考えると平静でいられた。猟師がうなずく。「どんな肉でも、売られているということは、誰かがこの作業をしているんですよ」。切り出したばかりの心臓とタン、それにロースをもらった。近くの流水で洗い、余分な血をこすり落とした。ぬくもりが冷水に溶け出していく。命の最後の名残だった。不快感はなかった。既に日常の浄穢(じょうえ)の価値観は反転し、汚れたもの-とは捉えなくなっていた。ローストと串カツを残さず食べ、梅谷さんにお礼を言って民宿を後にした。帰りの車中で「また食べたい」と素朴に思った。それが、狩猟と解体を繰り返すことだとは分かっている。生きたシカが食材になるまでを目にし、食欲と生きものの死を別々に考えることはできなかった。全ての取材を終え、自分の中にある人間の「業」のようなものに気付く。その時、2頭のシカに感謝の気持ちが芽生えた。

(荒廃する山「誰が守るのか」:埼玉)
埼玉県内で今秋の狩猟が解禁された15日を前に、狩猟歴72年のベテランハンターが体力の衰えを理由に、ひっそりと猟銃を置いた。秩父市上影森の磯田剛さん(91)。食料難の時代、獲物は貴重な「山の恵み」だった。やがて林業の衰退とともに山は荒廃し、生きていくための狩猟は、田畑を荒らす害獣駆除の意味合いが強くなった。県内の猟銃を扱う狩猟者は約2900人。高齢化により減り続け、磯田さんは「山は誰が守るのか…」と先行きを憂う。「昔は猟が終わると皆で酒を良く飲んだ。何とも楽しかったなぁ」。磯田さんは、旧大滝村の出身。子どもの頃から、父や兄たちの狩猟に同行し、弁当持ちやキジ、ヤマドリ、ウサギなどの獲物の回収などを手伝った。戦時中で家族の腹を満たす「貴重な食料」だった。終戦後の1950(昭和25)年、20歳の時に憧れの狩猟免許を取得。三峰や浜平、大血川などが猟場だった。当時の奥秩父猟友会には30人余りの猟師がいて、兄の建設会社で働きながら腕を競った。食料難の時代、山に「焼き畑」を作って、ソバや小豆などを栽培し、食いつないだ。その収穫前が鳥撃ちの絶好の機会だった。「ソバや小豆を狙ってくるヤマドリやコジュウケイ、キジを狙い撃った。持ちきれないほど捕れた」。肉は貴重で、正月や親戚が集まる席に出すヤマドリ鍋は「最高のおもてなし料理だった」と振り返る。米進駐軍の兵士に狩猟ガイドを頼まれたこともあった。数人でジープで乗付け、身振り手振りで案内した。「5、6回あったかな。彼らと付き合い、今は珍しくないが、捕った鳥肉で作る『唐揚げ』を教わった。いつの間にか、わが家の定番料理になった」。その後、県の土木事務所の職員になり、大滝から離れた。職場には「ハンター会」があった。猟期の週末には十数人の仲間が集まり、秩父や大滝の山に入った。鳥撃ちが専門。今では考えられないほど、たくさん捕れた。大物はシカ。しかも雲取の下とか奥山に入らないといなかった。イノシシはほとんど見かけなかった。都市化が急速に進んだ昭和50年代後半ごろから、シカやイノシシが山里に出没するようになった。時には街中にも。農作物への食害が社会問題化した。熊も姿を現すようになった。猟期以外にも一年中、「有害鳥獣駆除」ということで猟をしてきた。「昔は山にも餌があった。木の伐採や炭焼き、山畑もあって人の姿があったが、林業がさびれ、山が荒れてしまった。大型の鳥たちも行き場がなくなり、ウサギの姿も消えた。山里も人が減り、活力がなくなり、寂しくなった」。若い頃は県猟友会主催の射撃競技会A級で優勝し、県公安委員会のライフル銃射撃指導員も務めた。2年前、90歳になったのを機にハンターベストを新調。右胸に「地球鳥獣調整士 七十周年記念」と入れた。「まだやれるよ」。そう言ってくれる仲間もいるが、足腰の衰えを感じ、引退を決めた。ただ、山の今後を思うと、心配は尽きない。「今は人より、シカやイノシシの方が多いのではないか。(環境にも大切な)山は誰が守るのか…」。

(在来種イタチの保護研究で林野庁長官賞:福井)
藤島高校生物部でイタチの研究をする生徒二人が、環境省主催の「全国野生生物保護活動発表大会」で林野庁長官賞を受賞した。研究では、個体数の減少が危惧される在来種ニホンイタチに着目し、これまで生まれてこないとされていた外来種のシベリアイタチとの雑種を発見。この成果が快挙と評価された。生態系が脅かされているとして在来種の保護を強く訴えた。

(飲食店向けジビエ料理講習会:徳島)
野生動物の肉を使ったジビエ料理の普及を図ろうという講習会が美馬市で開かれ、飲食店の関係者がシカ肉のおいしい調理の仕方を学びました。講習会は、ジビエの普及と消費拡大を進めようと、県が29日に美馬市で開き、市内の飲食店や加工施設などの7人が参加しました。講師を務めたのは、食の研究家の大杉まやさんで、シカのもも肉を使って、みそ漬けにしたシカ肉の揚げ焼きを作りました。大杉さんは、肉を柔らかく仕上げるため、肉の線維を断ち切る方向に包丁を入れ、みそをよくもみ込む調理法を紹介しました。また、シカのもも肉は脂が少なく、鉄分を多く含んでいて、油をたっぷり使って揚げ焼きにすれば、クセのない風味に仕上がり、油を少なめにすれば、独特の野性味を味わえるとアドバイスしました。参加者たちは、大杉さんの指導を受けながら、手際よく調理をすすめ、完成した料理をさっそく味わっていました。イタリア料理店のシェフの男性は、「ジビエの調理は初めてですが、地元のものを使いたくて参加しました。焼いたり、煮込んだり、いろいろ試してみたいです」と話していました。また、カフェを営む女性は、「ジビエの概念が変わるほど、びっくりするぐらい柔らかかったです。もっと勉強して店のメニューにいかしたい」と話していました。

(ジビエ活用へ、魅力引き出せ:富山)
県が鹿肉やイノシシ肉などのジビエの需要拡大に本腰を入れている。「硬い」「臭い」といった悪評は食肉処理の技術や設備の向上で払拭され、栄養価は牛肉や豚肉に勝るものの、有害鳥獣などで捕獲された個体は大半が廃棄処分されてきた。食材に利用することで新たな地域資源に生まれ変わらせ、中山間地域の活性化、ひいては鳥獣被害の防止になる「一石三鳥」の効果をもくろんでいる。「めっちゃ軟らかくて、おいしい。これが本当にジビエ?」。富山市内のビルで二十日に開かれた特別食事会。鹿肉やイノシシ肉を使ったフルコースのディナーに五十四人が舌鼓を打った。会場のあちこちで驚きと感嘆の声が上がった。腕をふるったのは県内の有名店シェフ十一人。前菜からデザートまで一品ずつを各シェフが分担して作る一夜限りの豪華な共演に、市内から参加した畔(くろ)早苗さん(46)は「料理が全ておいしい」と絶賛。友人の山崎智恵子さん(49)も「本当にぜいたくで、貴重な体験になった」とほほ笑んだ。県はジビエの需要拡大を図ろうと、狩猟解禁の今月十五日から「とやまジビエフェア」を開催。ジビエ料理を提供する県内約三十の飲食店を特設サイトで紹介している。そのうちの十一店舗が協力し、初めて豪華な特別食事会が実現した。企画した県農村振興課の田中清治主任は「ジビエの良さをアピールするには食べてもらうのが一番。認識ががらりと変わるはず」と話す。鹿肉を長時間煮込んでコンソメスープを作ったイタリア料理店「オステリア アクアフレスカ」(砺波市)の小西富治シェフ(51)は「ジビエはパスタの具材で使う程度だったが、今回のために調理法を勉強した。今後、店でメインディッシュに使うのもありかな」と手応えを口にした。ジビエの代表食材であるシカとイノシシは、県内で捕獲数が増加傾向にある。畑などの農作物を荒らす鳥獣被害が増えていることが背景にある。ただ、県農村振興課によると、駆除されたうち、食肉に利用されるのは一割にも満たないのが現状だ。流通が広がらない要因の一つに、牛や豚などの家畜と違って供給体制が不十分な点がある。だが、捕獲から食肉加工、販売までを一手に担う処理施設が増えてきたことで、課題は徐々に解消されつつある。黒部市の一般社団法人「狩猟屋」は十人のハンターを抱え、イノシシを中心に毎月五十頭程度の鳥獣を県内で捕獲。処理した肉は提携先の飲食店に卸している。村井悟史代表(44)は「処分された動物を食肉としてありがたくいただくことは、命に対する大切な向き合い方にもつながる」と需要拡大に期待する。牛や豚と比べて安定調達が難しく、値段も高いという課題は残る。小西シェフは「鹿肉は牛肉と比べて値段が二倍ぐらいする。東京や大阪の一流店じゃないと、そうそうは使えない」と指摘する。田中主任は「相手は野生の獣。いつ手に入るか分からないし、捕獲された時点で食用に適さない状態のものもある。そこは理解してほしい」と求める。いつでも食べられる食材ではないだけに、逆にブランド価値が増すことも考えられる。とやまジビエフェアは来年二月末までで、田中主任は「入荷は不定期なので、値段が多少高くても食べられたらラッキーと思ってほしい」と話す。

(自動販売機でシカ肉買える:和歌山)
ジビエ肉、24時間いつでもどうぞ-。和歌山市のジビエ肉専門店「いの屋」では、ジビエ肉が手軽に買える自動販売機を設置している。冷凍されたすき焼き用のイノシシ肉240グラムやシカ肉のミンチ350グラムなどを、各1000円で販売している。自動販売機は21年11月ごろに設置された。店主の北浦順嗣さん(74)によると、設置から約1年がたった今でも土日などの休日には1日に20個ほど売れる。若者がバーベキュー用に買っていくことが多く、県外からの購入者も多数いるという。北浦さんは一般社団法人「和歌山鳥獣保護管理捕獲協会」の会長を務める。「農作物の被害をなくしたいと思っている。手軽に買ってくれる人が増えたことはうれしい。猟師さんも頑張れるしありがたいですね」と話した。

(200キロ超巨大イノシシを「山の主のぼたん鍋」で25食限定販売:鳥取)
シカやイノシシの肉を使ったジビエ料理が身近になってきた。野生鳥獣による農作物の被害を減らすことにもつながり、ジビエの利用量は増加傾向に。鳥取県江府町の奥大山で11月上旬に、体重200キロ超、体長182センチ、胴回り141センチの巨大なイノシシが捕獲された。地元では「山の主」とも呼ばれ、全国で大きな反響を呼んだ。東京・人形町のジビエ料理店が“主”のロースを約4キロ取り寄せ、「山の主のぼたん鍋」(1人前税込み8800円)として29日から販売する。限定25食。店の会員から先行予約を行い、一般予約も受け付ける。一足先に記者も食べてみた。「主」のロースを取り寄せたのは、東京・人形町の「ジビエ料理 あまからくまから 東京」。96年からダイニングバーとして経営していたが、14年にジビエ専門店となった。ゆかりがあった長野の農家から、冬季限定でシカやイノシシの肉を送ってもらったことがきっかけ。客の評判がよかったことも後押しとなった。東北のツキノワグマやトドの肉など、全国のジビエ肉を扱う。スコットランドのライチョウの炭火焼きといったメニューもある。店長の林育夫さん(57)は11月上旬に山の主のことをニュースで知った。「昔から『主』と呼ばれるほどの大きい動物は、特別な力を持っているといわれています。面白いと思った」。主を捕獲した、鳥取県江府町でジビエ肉の加工などを行っている「奥大山地美恵」にすぐに連絡し、牛肉でいう「リブロース」「サーロイン」と呼ばれる部位を約4キロ取り寄せた。「地元の方だけで食べるのかなと思ったけど、お店のことも知ってくれていて快く対応してくれた」と話した。仕入れ値は通常のイノシシの2倍だったというが「僕が東京で出すことで、何かしらの縁が生まれるんじゃないかなと思った。『御利益』じゃないけど、こういうご時世に、年末に、力を必要としている人に届けられれば良いかな」と思いを口にした。

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(鹿・イノシシ捕獲に目標、22年度14%増143万頭に設定)
政府は、鹿とイノシシの生息数半減を目指す「集中捕獲キャンペーン」の一環で、2022年度の捕獲目標を前年度の捕獲実績比14%増の143万頭と設定した。鹿は同6%増の76万頭、イノシシは同26%増の67万頭。

(無許可で"空気銃誤射"、従業員に重傷を負わせた酪農業の男:北海道)
北海道別海町の牧場で、空気銃を誤射して、従業員に重傷を負わせた男の初公判が11月22日、釧路地裁で開かれ、男は起訴内容を認めました。この事件は2022年8月、別海町の牧場で、酪農業の藤倉香津靖被告(38)がカラスを撃つために空気銃を発砲したところ、近くにいた従業員の男性の頭に命中し重傷を負わせたもので、藤倉被告は重過失傷害の罪に問われています。11月22日に釧路地裁で開かれた初公判で藤倉被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。検察は冒頭陳述で、藤倉被告が空気銃の所持許可を受けていないにもかかわらず、事件前にも試射を含め5発、カラスや鳩を撃っていたことや、今後、被害者の男性の手足には後遺障害が残る可能性があることなどを指摘しました。被告人質問で、藤倉被告は「乳牛がカラスによるサルモネラ菌感染などの被害にあっていてカラスの駆除が必要だった。敷地内であれば発砲はかまわないという甘い考えがあった。このようなことを起こし、深く反省しています」などと述べました。裁判は即日結審し、検察は「空気銃を所持する許可を受けていないのにもかかわらず興味本位から使用するようになり、カラスを駆除するとの安易な理由から周辺の状況を一切確認することなく犯行に及んでいる」として懲役3年を求刑しました。一方、弁護側は「被告は深く反省していて、被害弁償をする意思もある。同業者など800人以上から減刑を求める嘆願書も出ている」として執行猶予付きの判決を求めました。判決は12月12日に言い渡されます。

(コロナの影、ディアハンター振るわず:北海道)
アニメやグッズのキャラクターとしても人気がある鹿。しかし、北海道ではニホンジカの亜種、エゾシカの数が増え、田畑の作物が荒らされる被害が深刻化している。北海道が先日発表したまとめでは、2021年度の農林業被害額は44億8千万円で、前年度より約10%増えた。背景には新型コロナの影響もあるという。北海道によると、21年度の野生鳥獣による全体の被害額は54億5千万円。そのうち8割以上がエゾシカによるものだ。牧草や水稲、テンサイなどを食い荒らす。果物類など単価の高い作物の場合、被害額は跳ね上がる。エゾシカの被害額は11年度に64億円あったが、徐々に減り、19年度は37億9700万円だった。エゾシカの捕獲に対し、国から助成金が出るようになったことが後押しとなった。ところが、20年になって新型コロナの感染者が急増すると、北海道内でも緊急事態宣言などが繰り返されるようになった。道の担当者は「道外から泊まりがけで来ていたハンターが減り、十分な捕獲ができなかった」と話す。20年度の被害額は40億6800万円と、5年ぶりに40億円を上回った。ほかにも、18年にハンターの誤射による死亡事故が起き、国有林への立ち入り規制が厳しくなったことも捕獲数が減った原因のひとつだという

(最恐ヒグマ「OSO18」の捕獲が今年も困難である「深刻な理由」:北海道)
3年にわたり放牧中の牛を襲撃し続けているヒグマ「OSO18」による被害が今年も広がってしまった。捕獲に向けて地元猟友会はおろか、北海道庁まで動いたものの、効果は挙げられていない。実は、佐々木牧場の1週間前に襲撃された類瀬牧場でも、オソは人間がいない時間を見計らって牧場へと戻ってきていた。ここでは殺害した牛の死骸を引き摺り、100m離れた沢まで運んでいた。用心深さを見せながらも時折大胆な行動を起こすのは、もはや人間を挑発し、弄ぶためだとさえ思えてくる。オソは歳を重ねるごとに狡猾さを増していく。対して、人間は新たな手を打ったものの、さしたる効果が現れていない。「今年の夏には熱を感知する機能のついたドローンを飛ばし、オソの居場所を突き止めようとしました。しかし、森の木々にさえぎられて手掛かりは掴めませんでした」(前出・標茶町役場担当者)。猟師を取りまく状況に変化が現れていることも、オソの捕獲が進まない理由の一つとなっている。前出の猟師が苦々しい表情で語る。「狩猟用の銃弾が手に入りにくくなっているのです。コロナ禍に加えウクライナ紛争が勃発したことから、銃弾の価格も3年前の倍近くにまで跳ね上がっています。無駄撃ちができないだけでなく、猟へ出る回数も制限されています」。地元の猟師が苦境に陥る一方、標茶町へは全国各地から猟師が集まっているという。存在が大きく報道されたことから、オソを自らの手で仕留めたいと意気込む者も多いそうだ。関東から遠征してきたという猟師が語る。「標茶町は鹿撃ちの名所でもあるため、本州からも毎年多くの猟師が入ります。街中のガソリンスタンドや食堂でも何人もの猟師と挨拶を交わしました。口にしないまでも、猟師なら誰もが有名になったオソを撃ちたいと思っているはずです」。だが、猟友会標茶支部長の後藤勲さんは猟師が集まることで混乱が生じることを心配している。「標茶の土地のことを知らない者が、功名心からむやみに山に入るのは危険な行為です。近年は餌になるエゾシカの数も増えているため、冬眠をしないヒグマも増えており、山では何が起こるかわからないのです」。人間の足並みが揃っていない一方で、さらなる不安要素も生じている。一つはオソが牛を襲う場所が、人間の生活圏に近づいてきていることだ。「昨年まで牛がやられるのは、牛舎から遠い放牧地でした。しかし、佐々木牧場は住宅からわずか250m、8月の久松牧場での被害は牛舎から300mの場所で被害が出ています。オソは確実に人がいる場所へと近づいています。そこで出くわした人が、犠牲となる可能性も高まっているのです」(前出・ベテラン猟師)。もう一つは、オソが今後も長期にわたり被害を及ぼす可能性だ。オソは現在10歳前後の個体と考えられている。大きな病気などしないとすると、今後10年近くにわたり、被害を出し続けることもあり得る。ヒグマは5歳前後から繁殖が可能となる。オソの遺伝子を受け継いだ二世が道東で次々と誕生しているだろうことは想像に難くない。前出の佐々木さんも、第二のオソの出現を脅威に感じている。「たとえオソのDNAを持っていなくても、オソが牛を襲うのを見た若いクマが真似をして牛を襲い始める可能性だってあります。今後、牛は簡単に捕食できる食糧だと学習したヒグマが現れても不思議ではない」。オソを捕まえられなければ、町民に平穏な日常は戻ってこない。だが、その困難さを、地元の猟師は身をもって感じている。前出の後藤氏が語る。「どこに姿を消したかわからない怪物をどうやって撃てばいいのか……。もとから人間よりも野生動物のほうが多い地域ですし、仮に目撃情報があっても猟友会員が現場へ到着するまで数十分はかかります。何とかしたい気持ちは強く持っているのですが、正直打つ手がないのです」。8月20日に厚岸町で被害を出したのを最後に、オソの居場所は掴めていない。忽然と姿を消している状態なのだ。前出のベテラン猟師が語る。「道の研究機関から派遣された学者によると、今は標茶と厚岸の境目にある阿歴内という、森が深い地域で息を潜めている可能性が高いと言われています。しかし、私はそうは思いません。用心深いオソは猟銃や箱罠の脅威を認知しているはずです。この二つから確実に身を隠せる場所が標茶には一ヵ所あります。それが釧路湿原です。国立公園に指定されているので、罠も設置できなければもちろん発砲もできません。人目につかない湿原で休息を取り、来年の放牧が始まる6月以降、また一気に大きな被害をもたらすのではないでしょうか」。森にいるのか、湿原にいるのか。この夏から秋、5ヵ月にわたる追跡戦もむなしく、オソは荒野へと姿を消してしまった。いつ再び姿を現すのかと、人間が不安に苛まれている間にも、オソは爪を研いでいるに違いない。まもなく4年目を迎えるヒグマと人間の追跡戦に、終止符を打つことはできるのか。

(豚熱の感染確認、搬出制限はなし:広島)
広島市で初めて豚熱の感染が確認されました。県はワクチンの接種など対策を進めています。県によりますと15日に安佐南区で死んでいた野生のイノシシ1頭が見つかり検査したところ、豚熱の感染が確認されました。発見場所から半径10km以内に養豚場が1カ所ありますが、飼育されている豚に異常はなく、すでにワクチンを接種しているため搬出制限はしないということです。県は県内で飼育される豚に追加のワクチンを接種するなど対策を進めています。県内で豚熱の感染確認は9例目で、広島市では初めてとなりました。

(イノシシ豚熱確認:茨城)
茨城県は17日、県内2市町で捕獲した野生イノシシ4頭が豚熱(CSF)に感染していたと発表した。県内の感染確認は173~176例目。

(親子グマ捕獲解禁へ、来春から穴狩りも:北海道)
専門家でつくる道のヒグマ捕獲のあり方検討部会は22日、クマの市街地出没を減らす対策として、若手ハンターを育てるため2~5月中旬の残雪期に特別に許可する「人材育成捕獲」を拡充し、これまで規制してきた親子連れの捕獲や冬眠中に捕獲する「穴狩り」を解禁する方針をまとめた。冬眠明けのクマに人への警戒感を植え付ける狙い。上部組織の道ヒグマ保護管理検討会で年内にも正式決定し、来年から実施する。規制を設けずに奨励した残雪期の「春グマ駆除」(1966~90年)で生息数が激減したことを踏まえ、雌グマについては捕獲上限を定めてとり過ぎないよう管理する。また、穴狩りは人里周辺で行うとした。

(街場に出没した熊、“殺処分”じゃない方法はなかったの?:長野)
長野県上田市上塩尻地区で10月中旬、捕獲されたツキノワグマが殺処分され、県外の動物愛好者らから市役所に抗議電話が複数寄せられていたことが15日分かった。この熊の目撃や捕獲を巡っては本紙「声のチカラ」(コエチカ)にも情報提供があり、取材班が追っていた。地区内では目撃が相次ぎ、小学校校庭でも足跡が見つかっていたことから、市は住民の命を守るためにも「やむを得なかった」(森林整備課)と説明する。住民への危険が差し迫る中で熊を殺さない方法はあったのか―。関係者は今も苦悩している。9月9日夕、上塩尻地区の自宅にいた清水敏郎さん(67)は庭で物音がするのに気付いた。カーテンを開けると、窓を挟んで1メートルほど向こうに、のそのそと歩く熊が見えた。「物置小屋のトタン屋根を歩いていた音だったのではないか」。2日後、地区内の塩尻小学校の敷地で熊の足跡が見つかった。さらにその4日後には佐藤隆一さん(82)が自宅庭で熊のふんを見つけた。それから2週間ほどすると、小学校北側にあるクルミの木に熊が登り、実を食べている姿を住民が目撃した。猟友会員らが現場で周囲を取り囲んだが、逃げられた。10月3日朝、春原ケサミさん(86)は1階の庭に面した窓のカーテンを開けると、目の前に熊がいて「思わず『父ちゃーん』と叫んだ」。隣で暮らす会社員大日方麻美子さん(52)は夕方に帰宅。庭のクルミの木が大きく揺れており、目を凝らすと熊が上っていた。この時も猟友会員らが取り囲んだが逃げられた。「次はいつ出てくるのかと戦々恐々としていた」。熊の目撃情報を猟友会に伝えた自治会役員、早川潤さん(68)は、当時の地区内の雰囲気を話す。市などは9月中旬、上塩尻地区の集落に隣接した山沿いにわなを設置。10月16日に体長1メートルを超す雌の熊がかかり、殺処分した。集落内で何度も目撃された熊とみられている。「殺す必要があったのでしょうか」「殺処分はおかしいと思う」。翌日から1週間ほど、市役所に抗議電話が続いた。人身被害を免れるため、鳥獣保護法に基づき長野県の許可を得た上で殺処分した―と森林整備課の担当者が説明しても、一方的に批判を続ける電話もあったという。日常的に熊の目撃がない地域では人身被害に実感が湧かないのも無理はないが「さすがに職員も疲弊しました」と担当者は話す。長野県内の里地では例年、春から秋にかけて熊の目撃が相次ぎ、毎年必ず人身被害が起きている。県鳥獣対策室によると、本年度は9月末までに666件の目撃があり、8件で8人が襲われた。捕獲した熊の処分については、唐辛子スプレーなどで“お仕置き”した上で山に戻す方法もあるが、今回の上塩尻地区での殺処分を巡ってはツキノワグマの専門家らからも理解を示す声がある。生息環境保全などに取り組むNPO法人信州ツキノワグマ研究会(松本市)事務局長の浜口あかりさん(39)は「明るい時間帯にも集落内に出没し、人への警戒心が薄い熊とみられる。地域の安全を守るため致し方なかったと思う」とする。その上で、なるべく殺さずに済むよう「同じような熊を増やさないことが最も大切だ」と訴える。熊などの保護管理に取り組むNPO法人ピッキオ(北佐久郡軽井沢町)の田中純平さん(48)は、上塩尻地区は山と集落を隔てる田畑などの緩衝帯がほとんどなかった―と指摘。クルミや柿の木を切ったり実を早めに収穫したりするなど「行政と地域が情報を共有し、熊が出没しにくくする対策を進めてほしい」としている。

(狩猟期間延長検討など道のヒグマ対策案:北海道)
道内で市街地などへのヒグマの出没が相次いでいることを受けて、専門家による会議は22日の会合で、毎年1月いっぱいまでとしている狩猟期間を最大で4月中旬まで延長することなどを検討するとした対策案をまとめました。ヒグマの捕獲のあり方について検討する専門家の会議には、大学教授や各地の猟友会の関係者などが出席しました。3回目となる22日の会合で、道の担当者は市街地などへのヒグマの出没を抑え込むため、▽毎年10月1日から翌年の1月31日までとしている狩猟期間を、最大で4月15日まで延長することや、▽出没の抑制を目的とした許可による捕獲を、現在行っていない春にも実施することなどを検討するとした対策案を示しました。これに対し専門家からは、▽ヒグマが目撃された場合、住宅地からどれだけ離れていれば駆除すべきか、地域の実情に応じた基準を作るべきだとか、▽若手のハンターを育てるため、道が窓口となり講師を派遣すべきだといった意見が出されました。会議はこうした意見も踏まえて道が最終的な対策の策定を進めることとし、示された案を了承しました。道は関連する会議に諮ったうえで、来年の春以降、実施できる対策から順次講じていくことにしています。

(手ごろな「わな猟」免許は増えているのに…若者「猟銃離れ」危機:栃木)
2021年度の栃木県内の狩猟免許所持者数は、若者が増加し、前年度に続いて4000人台と増加傾向が続いている。「網猟・わな猟」の免許登録者数が直近10年で最多となった一方、「第1種銃猟」の免許登録者数は最低だった。県猟友会の谷沢弥(わたる)事務局長(68)は網猟・わな猟の登録者数増加を歓迎しつつ、「銃でないと大きい動物を仕留めることができない」と「猟銃離れ」に危機感を募らせている。県自然環境課によると、21年度の狩猟免許所持者数は4020人で12年度に比べ684人増えた。年齢別では、20年度まで県内の免許所持者の6割以上を占めていた60歳以上は21年度は6割を下回り、12年度は約2割を占めていた50代も減少した。一方、12年度は58人だった29歳以下は9年で3倍に増え21年度は180人に達した。30、40代もそれぞれ約2倍となり、同課の担当者は「少し若返りが見られる」と話す。若者が増えた背景に、猟を題材にしたマンガの人気やジビエ料理を楽しみたい人が増えたことなどがあるという。狩猟免許には、「網猟」「わな猟」と散弾銃などを用いる「第1種銃猟」、空気銃の「第2種銃猟」がある。狩猟免許所持者は、年度ごとに出猟する都道府県に登録を行う必要がある。21年度の県内の登録者数は3323人と過去10年でほぼ横ばいだが、種別で見ると、網猟・わな猟は11年度の780人から21年度に1399人に増加。第1種銃猟は、11年度の2665人から21年度には1843人と800人以上も減った。この理由について県猟友会の谷沢事務局長は、「網猟・わな猟の試験は比較的簡単で始めるのに手ごろだ。銃は、高齢化による減少に加え、所持許可などの規制が厳しいため、若い人が始めづらい」と話す。大きな獲物はわなだけでは仕留められず、銃がないと危険が伴う。大きな個体が増えれば、農業被害も増す。高沢さんは「上の世代が一気にやめた時、若い人たちはどうしたら良いか分からなくなる。登録者は減る一方で、害獣は増えていく」と警鐘を鳴らす。那珂川町の介護福祉士、佐藤裕信さん(36)は8月、わなと第1、2種銃猟の免許を取得した。いずれの免許も所持する友人の高沢和也さん(34)が毎朝山を見回り、わなのかけ方などの説明を聞いて「格好良い」と思ったことが、きっかけだった。昨年、実家で育てていたジャガイモのほとんどがイノシシの被害に遭った。それまでも畑に多少の被害はあったが、駆除を行う人は年配者が多い。獣道のある山奥や急斜面を上った場所にわなをかけて毎日確認しに行くのをためらう人も多く、頼むのを諦めていた。高沢さんが見回りに来てくれるようになり「地元の人たちも喜び、皆わなをかけてくれとお願いしている」と感謝する。また、既にわなの免許を持っていた同町の公務員、吉村康弘さん(35)も同月、第1、2種銃猟の免許を取得した。銃を用いた方が、猟の危険性が低いと感じたからだ。以前、イノシシをくくりわなで捕まえた時、仕留めるために銃を使える知り合いを呼んだが、年配者が多く、病院通いなどで誰も来られなかった。つるはしで眉間(みけん)をたたくなどして仕留めたが、けがをしそうになった。また、周囲が草などで覆われていると、わなのかかり具合の確認が難しい。足ではなく爪にかかっていたケースもあったといい、外れれば突進してくる可能性がある。銃猟を行うためには警察署に申請し、銃の所持許可を得る必要がある。銃免許の所持者を増やすため、高沢さんは「猟は年配者がするものというイメージをなくし、猟の重要性を説明すれば興味を持つと思う」と話し、農業高校などに若い世代の免許所持者が出向いて講演会を行うことなどを提案する。

(狩猟解禁で今期初の共猟、6頭を駆除:沖縄)
11月20日、石垣島北部の大浦ダム近辺で沖縄県猟友会石垣地区(石垣克治地区長)による共猟が行われた。これは、同猟友会の親睦を深めるために実施される共猟とともに、有害鳥獣駆除を兼ねて実施されており、毎年猟期に実施される4度の共猟で、同猟友会全員でイノシシの駆除を実施しているもの。この日は沖縄県猟友会石垣地区の41人のメンバーに加え、竹富町地区から9名が参加して、計50名の大所帯で実施。27名のハンターが連動して、17頭の猟犬を駆使して、大浦ダム周辺のイノシシを追い込み、駆除をしていた。駆除できたのは6頭で、その中でも80キロクラス1頭、90キロクラス1頭、100キロクラス1頭と、特大サイズのイノシシを仕留めることに成功していた。石垣克治地区長は、「大浦地区での有害鳥獣駆除は、大人数のハンターがいなければ、取り組めない山深い場所で、27名のハンターと17頭の猟犬が揃ったことで、実現できた。」と、農産物への被害の絶えない石垣島北部地区で、有害駆除ができたことを喜んでいた。今回、西表島東部から参加した猟友会竹富町地区のメンバーには3名の女性が加わっており、共猟での女性進出も現代では普通になりつつある。参加したしたのは、6年目の竹田美生さん(31)に、3年目の官野愛さん(37)、2年目の水野早紀さん(33)。3人ともハンターで、官野さんはすでに3年間で4頭ほど射止めているとも。この日、解体作業を手伝う官野さんと水野さんに、猟の魅力について話を聞くと、官野さんは「いろんな生き物のつながりがわかり、奥深い世界が垣間見える」と。水野さんは猟の魅力は「イノシシの山での暮らしぶりを知ることできること。」と述べていた。ジビエに関心があるのかと、来てみたが、生物の生態に関心がある模様で、そこはさすが世界遺産の島からの猟友だ。

(市街地でスポーツイベント:佐賀)
スポーツを通して街を盛り上げようと、23日、佐賀市でスポーツをテーマにしたイベントが開かれ多くの家族連れでにぎわいました。
このイベントは佐賀市が企画したもので、市の中心市街地を歩行者天国にして開催されました。会場では、バスケットボールや、マウンテンバイクといったXスポーツなど、様々なスポーツを体験することができます。また、再来年に佐賀で開かれる国スポ・全障スポの競技も体験でき、クレー射撃やフェンシングなどを家族で楽しむ姿が見られました。

(「シカ猟安全に」合同パトロール:北海道)
留萌管内のシカ猟解禁から1カ月半が経過し、道猟友会留萌支部などの関係機関は16日、安全な狩猟を呼びかける合同パトロールを実施した。管内のシカの猟期は10月から翌年3月まで。合同パトロールは毎年、狩猟時の事故防止や、シカの死骸の放置を取り締まる目的で行っている。

(シカ猟に密着、苦しませず肉を無駄にせず:兵庫)
狩猟が解禁された15日、シカ猟に同行した。野生動物を狩って、それを食すとはどういうことか-。スーパーで当たり前に加工肉が並ぶ日常では見えてこない現実に、向き合うことになった。動物の「死」によって「生」をつないでいく営みを、2回に分けてリポートする。午前7時半、深い霧に包まれた兵庫県丹波篠山市内。猟師たちは人里と山林の境を歩き、シカの痕跡を探していた。「古い足跡しかないですわ」「森を東へ移動したみたいです」「こっちははみ痕がどっさりある」無線で情報交換しながら、獣道に残る足跡の向きや、草や土の湿り気、水たまりの濁り具合を見て、「狩り場」を絞り込む。今日は市内東部の小さな山に決まった。研修中の新人を含む30~80代までの男性猟師10人がいったん集合し、各自の持ち場を決め、森を囲むように6カ所に散った。「スタンバイ、オーケー」。午前10時前、猟犬担当の丸井康充さん(69)が猟犬4匹を放った。「ほれ、行け!」。おとなしかった大型犬が、急斜面の茂みをはうように駆け登る。本能にまかせた爆発的な動きは、ペットとは別物だ。今回のように、グループ猟で捕まえたシカは主に猟犬の餌になる。狩猟に携わる能力や健康を維持する上で、野生動物の肉は欠かせないという。猟師たちは「待ち」の時間に入った。「ウォン、ウォン、ウォン!」。森の西の方から犬の野太い鳴き声が聞こえた。「もう何かに付いとるな」と山本恭平さん(42)。犬が獣の臭いをたどっているという意味だ。首輪には衛星利用測位システム(GPS)がついている。それを基に犬の居場所を確認しながら獲物の動きを予想する。犬の鳴き声が東へ遠ざかった。しばらくすると、山本さんのイヤホンに無線の声が届いた。「来たぞ、来たぞ。川を上がっとる!」。別の場所で待機していた猟師たちのやりとりだった。無線を聞いていた山本さんが「向こうで仕留めたみたい」と説明してくれた。山本さんは猟師歴7年。自身は自動車販売店を経営する傍ら、個人の猟で得た肉は、飲食店や食肉加工場に卸すこともある。義父が生前、飲食店向けに手がけていたイノシシ肉の解体に興味を持ち、やがて狩猟の道に入った。人生で初めて自分のわなにかかったシカを見た時は、その美しさに見入った。同時に「この命を今から自分が取るのか」と、恐怖にも似た責任を感じたという。義父の教えは「苦しまないよう、かつ肉が無駄にならないようにしろ」だ。山本さんが危険な場所に立ち入る人がいないか見回す。「もちろんシカのことは考えます。それよりもとにかく安全が最優先です」。1頭目のシカを狩ってから約30分後、山本さんの約200メートル西にいた丸井さんが無線で声を上げた。「シカが見えた」。山本さんが「こっちに来る」とつぶやき、銃を握りしめた。筒先は下に向けたままだ。ふと、山本さんが茂みへ銃口を向ける。後方から見ていて「あれっ?」と思った。「どこにシカが?」。その直後だった。3度、大きく鋭い破裂音がした。うわんうわんと耳鳴りがした後、初めて状況を把握できた。シカの尻にあるハート形の白い模様が、約100メートル先のあぜを跳ねていた。弾は外れたようだ。「最低限のことはできた」と山本さん。あえてシカの少し前方の地面に狙いを付けたという。「(距離があったため)弾は当たればラッキー。外れても、車道へ向かわないように方向を変えられる。車にぶつかったら大変だから」。シカは数百メートル先で、死角に入った。しばらくしてその方角の空に「ドーン」とぼんやりとした銃声が響いた。「誰かが当てたね」。1頭目と同様、川へ飛び込んだところに、ベテランのライフルが命中したらしい。十分な収穫を得て、猟は午前中で終わった。息絶えたシカを川から引き上げ、車で別の場所に運んだ。そこで肉を切り分ける作業に取りかかった。

(美味な「幻の逸品」を探して山へ:沖縄)
西表島西部猟友会(石垣長健会長)は14日、祖納岳ふるさとの森の「鳥獣魂供養の碑」で、15日の狩猟解禁に向け、会員約50人が線香を上げて安全祈願した。石垣会長は「最近は雨が多く山道が滑りやすいので気を付けてください。順守事項も守って安全に留意してほしい」と呼びかけ、狩猟者登録証を交付した。西表島を中心とする竹富町地区(河合正憲地区長)の会員は約120人。台湾から伝わったとされる「はねわな猟」が主流だ。銃猟は20人弱。ターゲットは本土より小ぶりなリュウキュウイノシシで、西表島では「カマイ」とも呼ばれる。パイナップル畑などを荒らし作物被害が多く、農家を悩ませる害獣だが、食材としては「幻の逸品」といわれるほど美味で知られる。島では猟友会員が営むイノシシ料理店の「猪狩家(かまいとぅやー)」「ハナイチデアマール」「ぶーの家」「てんぼうだい」などで味わうことができる。会員の川満弘信さんは「年を越す前にイノシシを捕りたい。年が明けたら山へ帰ってしまうから」と話した。

(有害鳥獣わな確認センサー貸し出し:岡山)
農作物に被害を与える鳥獣の駆除にあたる人の高齢化などが進む中、吉備中央町は、見回らなくてもわなの状態を確認できるセンサーの貸し出しを始めました。21日に開かれた説明会には、有害鳥獣の捕獲許可を得ている猟友会のメンバーが参加し、メーカーの担当者からセンサーの使い方の説明を受けました。センサーにはGPSが搭載されていて、わなに獲物がかかると、その位置情報が町内6か所に設置された中継装置を経由して、利用者のスマートフォンなどに送られます。吉備中央町では、コメやサツマイモなどがイノシシやサルに食い荒らされる被害が相次ぐ一方、駆除にあたる人の高齢化や、担い手不足が課題になっています。センサーの導入でわなを頻繁に見回らなくても鳥獣を捕獲できているかどうか確認できるため、町では課題の解決に向けて期待を寄せています。今年度は実証実験として、およそ50台を貸し出すことにしています。説明会に参加した猟友会のメンバーは「わなを見回る時間の短縮になるし、労力も経費も削減できてありがたい」と話していました。吉備中央町農林課の山口文亮課長は「特に収穫前の農業被害が目立っているだけに、駆除の労力を軽くすることで被害の軽減につなげたい」と話していました。

(農作物荒らすシカ、困った時の独自わな:北海道)
「バンビ」をはじめ、愛らしいキャラクターでアニメやマスコットに引っ張りだこの鹿。だが、一方では農作物を食べ荒らし、農家を悩ませる存在でもある。そんな鹿を独自のわなで捕りまくり、地域の被害を10年間で9割減らした猟師がいる。北海道岩見沢市の原田勝男さん(82)。猟銃を手にして半世紀以上になる山のベテランだ。原田さんはニホンジカの亜種、エゾシカを「くくりわな」と呼ばれる道具を使って捕らえる。一般的なつくりに自らのアイデアを加え、エゾシカの脚が抜けにくくなるように工夫した。さらに、猟で培った経験則を生かし、わなの仕掛け方にも独自の成功法を編み出した。原田さんの地元では2008年度に約1500万円あった農業被害が10年後には150万円を切った。原田さんの父親は秋田の伝統的猟師の「マタギ」だったという。原田さんは猟の最中にヒグマに襲われたことがあり、後遺症で左目のまぶたが上がらない。現在はNPO法人の理事として、講習会でくくりわなのコツを伝えている。原田さんは「自分の農地は自分で守るという気持ちが大事」と話す。

(農作物被害深刻な町に登場した鹿ポスト:兵庫)
倉庫のような場所に馴染みのあるポストのマーク。ここに投函されるのは郵便物ではなく、なんと駆除した鹿です。鹿の農業被害に悩まされている兵庫県多可町に設置されています。このポストに入れられた鹿はその後どうなるのでしょうか。町の総面積の約8割が山林という兵庫県多可町。のどかなこの場所に現れたのが巨大なポスト。郵便マークの横には「鹿」の文字があります。ここに投函されるのは地元の猟師が仕留めた野生の鹿です。24時間鹿を持ち込める、その名も『鹿ポスト』。このポストが設けられた背景には町が抱える問題がありました。多可町で農家を営む藤岡啓志郎さん(28)。自身の田んぼで酒米の「山田錦」を育てているのですが、収穫の時期にもかかわらず稲穂がほとんど付いていません。原因は鹿です。多可町では、去年は約500万円の農作物被害が出るなど、かねてから鹿の被害に悩まされてきました。被害は米だけではありません。おせち料理用に育てている黒豆も…。農家の人たちも防護柵を設置して鹿の侵入を防ごうとしますが…。柵を補修してもすぐに破られて、いたちごっこだと言います。被害を防ごうと地元の猟友会も鹿の捕獲に力を入れています。ワナを仕掛けたり銃で撃ったりするなどして捕獲していますが、殺処分した後の鹿の扱いに長年頭を悩ませてきました。「猟友会が加工販売をしよったんです。せやけどなかなかね、牛肉や豚肉や、はっきり言ったらそこらとはやっぱり違うんやね。鹿肉だったらやっぱり『はあ~』って思う人が多いんです」。食用にするには殺処分後2時間以内に血抜きをする必要があります。手間がかかる一方で、独特の臭いから鹿肉の人気はいまひとつ。そのため、町が1頭につき約3万円かけて焼却処分するか、猟友会で鹿の死体を土に埋めるしか方法がありませんでした。しかし最近は埋める場所自体も減ってきているのです。そこで登場したのが鹿ポストでした。中は冷蔵庫になっていて、朝晩関係なくいつでも鹿を持ち込むことができて、血抜き作業も不要。猟師たちの負担は大幅に減りました。鹿ポストを設置したのは地元のNPO法人「カンビオ」理事長の後藤高広さん(49)。持ち込まれた鹿肉でドッグフードを作っています。1頭ずつ鹿の状態を確認して手作業で丁寧に解体します。ミネラルやビタミンも豊富な鹿肉はドッグフードに最適な食材です。鹿の骨も粉砕して肉と一緒に混ぜ合わせた後に地元の野菜をブレンド。その後、乾燥させて形状を整え、約20時間かけてドッグフードが完成します。ドッグフードになるのは肉や骨だけではありません。(NPO法人「カンビオ」理事長 後藤高広さん)「これは見ての通り鹿の角です。このまま切り取って保存していまして、表面だけ洗って加工して、ワンちゃんのガムにしていますね。(Q香ばしい匂いですね?)香ばしいですよ。基本、爪や皮膚なんで。中に髄液があって、ここの部分の匂いがすることで、ワンちゃんの好奇心が非常に上がる。テンションが上がるんですよね。当然、体内に入ってもなんの問題もないよと」。こうして鹿1頭を余すことなく使ったドッグフードは、「TASHIKA(タシカ)」というブランドで販売されています。完全無添加の“確か”な品質という意味が込められています。7年前に通販などで売り始め、今や年間7000個近く販売しているといいます。後藤さんはこれからも地元の鹿肉にこだわって商品開発を続けていきたいと話します。

(苦しませず、肉を無駄にせず:兵庫)
狩猟が解禁された15日、シカ猟に同行した。野生動物を狩って、それを食すとはどういうことか。スーパーで当たり前に加工肉が並ぶ日常では見えてこない現実に、向き合うことになった。動物の「死」によって「生」をつないでいく営みを、2回に分けてリポートする。午前7時半、深い霧に包まれた兵庫県丹波篠山市内。猟師たちは人里と山林の境を歩き、シカの痕跡を探していた。無線で情報交換しながら、獣道に残る足跡の向きや、草や土の湿り気、水たまりの濁り具合を見て、「狩り場」を絞り込む。今日は市内東部の小さな山に決まった。研修中の新人を含む30~80代までの男性猟師10人がいったん集合し、各自の持ち場を決め、森を囲むように6カ所に散った。「スタンバイ、オーケー」。午前10時前、猟犬担当の丸井康充さん(69)が猟犬4匹を放った。おとなしかった大型犬が、急斜面の茂みをはうように駆け登る。本能にまかせた爆発的な動きは、ペットとは別物だ。今回のように、グループ猟で捕まえたシカは主に猟犬の餌になる。狩猟に携わる能力や健康を維持する上で、野生動物の肉は欠かせないという。猟師たちは「待ち」の時間に入った。「ウォン、ウォン、ウォン!」。森の西の方から犬の野太い鳴き声が聞こえた。「もう何かに付いとるな」と山本恭平さん(42)。犬が獣の臭いをたどっているという意味だ。首輪には衛星利用測位システム(GPS)がついている。それを基に犬の居場所を確認しながら獲物の動きを予想する。犬の鳴き声が東へ遠ざかった。しばらくすると、山本さんのイヤホンに無線の声が届いた。「来たぞ、来たぞ。川を上がっとる!」。別の場所で待機していた猟師たちのやりとりだった。無線を聞いていた山本さんが「向こうで仕留めたみたい」と説明してくれた。山本さんは猟師歴7年。自身は自動車販売店を経営する傍ら、個人の猟で得た肉は、飲食店や食肉加工場に卸すこともある。義父が生前、飲食店向けに手がけていたイノシシ肉の解体に興味を持ち、やがて狩猟の道に入った。人生で初めて自分のわなにかかったシカを見た時は、その美しさに見入った。同時に「この命を今から自分が取るのか」と、恐怖にも似た責任を感じたという。義父の教えは「苦しまないよう、かつ肉が無駄にならないようにしろ」だ。山本さんが危険な場所に立ち入る人がいないか見回す。「もちろんシカのことは考えます。それよりもとにかく安全が最優先です」。1頭目のシカを狩ってから約30分後、山本さんの約200メートル西にいた丸井さんが無線で声を上げた。「シカが見えた」。山本さんが「こっちに来る」とつぶやき、銃を握りしめた。筒先は下に向けたままだ。ふと、山本さんが茂みへ銃口を向ける。後方から見ていて「あれっ?」と思った。「どこにシカが?」。その直後だった。3度、大きく鋭い破裂音がした。うわんうわんと耳鳴りがした後、初めて状況を把握できた。シカの尻にあるハート形の白い模様が、約100メートル先のあぜを跳ねていた。弾は外れたようだ。「最低限のことはできた」と山本さん。あえてシカの少し前方の地面に狙いを付けたという。「(距離があったため)弾は当たればラッキー。外れても、車道へ向かわないように方向を変えられる。車にぶつかったら大変だから」。シカは数百メートル先で、死角に入った。しばらくしてその方角の空に「ドーン」とぼんやりとした銃声が響いた。「誰かが当てたね」。1頭目と同様、川へ飛び込んだところに、ベテランのライフルが命中したらしい。十分な収穫を得て、猟は午前中で終わった。息絶えたシカを川から引き上げ、車で別の場所に運んだ。そこで肉を切り分ける作業に取りかかった。

(野生鳥獣被害6億円、エゾシカが7割:北海道)
道がまとめた昨年度の野生鳥獣被害状況(農林水産業)によると、十勝管内の被害金額は6億2100万円で前年度に比べて12・1%減少した。被害は全て農業関連で、例年同様にエゾシカによる被害が7割を超えた。国の交付金を活用した侵入防止柵の整備が進んでいて、10年前のピーク時(2012年11億1000万円)から減少傾向が続いている。

(大山でシカ被害増加:鳥取)
全国的にシカの生息数が増えている中、国立公園の大山や周辺地域でもニホンジカの目撃情報が急増しています。シカが増えるとどのような影響があるのでしょうか?実態を取材しました。罠にかかっていたのは二ホンジカです。大山町の猟友会はイノシシによる鳥獣被害防止対策のためイノシシを捕獲する罠を山や農地周辺に仕掛けていますが、2~3年前からニホンジカの捕獲頭数が増えているようです。大山町によりますと今年度は10月末までで、すでに前の年の84頭を上回る100頭を捕獲しています。こちらは大山町内で撮影された映像です。道路を横切りシカが草むらに入っていきます。また、大きな角をもった雄ジカが道路を横切る姿がドライブレコーダーにうつっていました。さらにこんなところでも…。これらは、大山隠岐国立公園内に設置されたカメラの映像や写真です。環境省は、大山隠岐国立公園内に動物の生態系を調査するためにカメラを設置していますが3~4年ほど前からニホンジカの写る頻度が増えているといいます。環境省の担当者は、餌を食べた痕などの調査から、シカは鳥取県や岡山県の中部・東部から来ていると推定しています。大山でのシカの増加に専門家は危機感を募らせています。公園内を案内してくれたのは大山の植物の生態系に詳しい 大山自然歴史館 館長 矢田貝繁明さんです。大山観光道路から少し入った林の中では、シカの大好物「アオキ」という植物が多く食べられていました。シカが食い荒らしているようで、このような被害を食害といいます。リョウブの木もシカの好物です。皮が全てはがれてしまうと、樹液が上がらなくなってしまい枯れる可能性があると言います。このほか、佐陀川でシカの足跡を、桝水高原近くの牧草地帯ではシカのふんが10か所確認できました。シカが増えている原因は、強い繁殖力と捕獲する猟師の高齢化、それに温暖化などが背景にあるといわれています。すでに鳥取県東部ではこのような被害が広がっています。こちらは、鳥取市にある洗足山の森の写真です。シカが食い荒らし、わずか3年の間に緑がほとんどなくなってしまいました。「このままいくと10年でシカの生息数が増加し被害が目に見えてわかるようになる。生息数を減らすには銃や罠で捕獲することが必要。捕獲は狩猟免許がないとできないので、ハンターを養成することが必要になってくる」。鳥取県では許可を得てシカを捕獲した人には、捕獲奨励金を交付するなどの対策を進めています。この他にも鳥取県は、侵入防止柵の設置促進やハンター養成スクールの開校など個体数の削減と生息域の拡大を抑制する取り組みを進めていくことにしています。国立公園が直面するシカ被害。被害の抑制にむけ、初期段階での取り組みが今後加速しそうです。

(木頭クマ祭り&公開シンポジウム:徳島)
2022年12月10日(土)に四国のツキノワグマに関する普及開発イベント「木頭クマ祭り2022」を開催します。当プロジェクトでは、クマとその生息環境を残すことが地域の将来にとってのプラスとなることを目指して、クマの主要な生息地である徳島県那賀町の木頭地区を中心に、地域に密着した普及啓発活動を展開しています。本イベントでは、四国のクマの現状を伝える情報ブースやドキュメンタリー映像の上映、クマの調査体験コーナーの他、当プロジェクトの協力団体が集まり、地元名物やお土産品の販売ブースも出展します。午後のシンポジウムでは(株)モンベルの辰野氏からの基調講演、各機関の保全の取り組みを紹介した後、総合討論では保全活動と地域活性化を両立させる方策について、参加者の皆さんと共に考えたいと思います。さらに、徳島県知事の飯泉氏からもご挨拶いただく予定です。

(人とヒグマの共存学ぶ:北海道)
人とヒグマの共存について学ぶ日高山脈国立公園化講演会が18、19の両日、中札内村農村環境改善センターで開かれた。知床財団(斜里町)の石名坂豪さんと梅村佳寛さんが講師を務めた。日高山脈国立公園化PR事業実行委員会(須賀裕一委員長)の主催。2日間で対象世代に合わせたプログラムを用意した。

(“大群ムクドリ”駅前を占拠)
空を覆い尽くすほどのムクドリの大群が現れ、住民を悩ませています。人通りが多い、駅前のケヤキの巨木を寝床にしています。なぜ、この木に集まるのでしょうか。大空を埋め尽くす無数の黒い影。15日午後4時半ごろ、東京・昭島市のJR昭島駅前で撮影されたムクドリの様子です。マンションの屋上に目をやると、鉄塔が占拠されています。その数の多さと鳴き声の大きさに、駅から出てきた人も思わず足を止め、空を見上げていました。ムクドリが姿を現してからおよそ20分が経過したその時、ロータリーの真ん中にある大きなケヤキがあっという間に埋め尽くされました。ムクドリは、この木をねぐらにしていて、こうした状況が毎日続いているといいます。鳴き声とともに問題となっているのが、フンです。昭島市によると、ムクドリが群れでやってくるようになったのは、10年ほど前で、毎年夏の終わりから冬にかけて居座るのです。ねぐらにしていた木を伐採するなどの対策を取ってきましたが、すべての木を切るわけにもいかず、苦慮しています。こうしたムクドリ問題は全国各地で起きていて、駅前や繁華街に多く見られるのが特徴です。一体なぜ、わざわざ人が多く行き交う場所をねぐらにしているのでしょうか。ムクドリの生態に詳しい専門家は、次のように説明します。信州大学 中村浩志名誉教授:「(繁華街は)夜も明るくて、人や車が絶えない。ですから夜、ねぐらをとっている時も、最も怖いフクロウとか猛禽(もうきん)がやってこない。かえって人がいる場所のほうが安全だと、ムクドリが学習したためです」。人間がいる場所のほうが、天敵に攻撃されにくいと分かっているというのです。しかし、一度ねぐらにされると、追い払うことは困難です。群馬県の新前橋駅のムクドリです。6、7年前から増え始め、爆竹を鳴らしたり、木を切ったりするなど様々な対策を講じましたが、追い払いには成功していません。ムクドリが嫌がる音をテープで流した時には…。新前橋商工会 福田俊昭会長:「(ムクドリは)かなりいなくなるが、その音が人間に対しても嫌な音だったりするんですよ。それかけるなら、まだムクドリの鳴き声のほうがいいという意見もあったりする。本当に大変は大変。ムクドリを追い払うことができたら、ノーベル賞もらえるんじゃないか」。一方で、信州大学の中村名誉教授は、長野市や静岡県浜松市などで、ムクドリの撃退に成功しています。その方法は、ねぐらの上空を旋回中のムクドリに、タイミングを見計らって天敵である猛禽類の鳴き声を聞かせ、声に驚いたムクドリが下を見ると、そこにはタカやフクロウの剥製(はくせい)が置かれているというものです。中村名誉教授:「剥製を置きっぱなしにしたらダメ。テープの声を鳴らしっぱなしにしたらダメ。すぐに偽物だと、ばれてしまう。初日で10分の1に集まってくるムクドリの数は減ります。3日やったら、市街地から完全にムクドリを撃退することに成功しています」。しかし、追い払っても別の市街地に移動し、そこをねぐらにすることも多いムクドリ。そのため、近隣の地域が協力し合って、粘り強く郊外まで追い払うことが大事だといいます。中村名誉教授:「ムクドリに郊外にねぐらをとるよう習性を変えさせる。そして、人とムクドリとが、かつてのようにうまくすみ分けられる環境を作り出さない限り、この問題はこれからもずっと続きます」。

(仲間とシカ猟の50歳男性がクマに襲われけが:岩手)
20日午後、岩手県大船渡市でシカ猟のために山に入った50歳の男性がクマに襲われけがをしました。警察によりますと20日午後2時すぎ、大船渡市立根町の山林で一関市室根町の50歳の男性が突然クマに襲われました。男性はシカ猟のため仲間7人とともに入山していて、自力で下山したあと、仲間の1人が消防に通報し病院に運ばれました。男性は顔や左足、それに右の脇腹を噛まれたり引っかかれたりしましたが命に別状はありません。20日は岩泉町の山林でも狩猟をしていた73歳の男性がクマに襲われけがをしていて、警察は山に入る際は1人で行動せず、鈴やラジオなど音の出る物を持つよう呼びかけています。

(クマに襲われ狩猟の男性けが:岩手)
11月20日朝、岩手県岩泉町の山の中で73歳の男性がクマに襲われ、顔や腕にけがをしました。命に別条はないということです。20日午前9時半ごろ岩泉町大川で狩猟のため1人で山に入っていた近くに住む農業・佐藤勝男さん(73)がクマに襲われ、顔や腕を引っかかれるなどのけがをしました。警察によりますと佐藤さんはその後、自力で下山し、帰宅後ドクターヘリで高度救命救急センターに運ばれ治療を受けていますが、搬送時は意識があり、命に別条はないということです。警察は1人で山に入らないよう注意を呼びかけ、付近をパトロールし警戒にあたっています。

(オスのイノシシ1頭出没、駆除されジビエ肉へ:神奈川)
24日午前、神奈川県秦野市で小学校の敷地などにイノシシが現れ、体当たりされるなどした男女2人がけがをしました。午前9時半ごろ、秦野市内で「イノシシが出た」との110番通報が相次ぎ、ショッピングセンターや小学校の敷地などでオスのイノシシ1頭がいるのが見つかりました。市によりますと、イノシシは体重およそ100キロ、体長150センチほどで、午前11時ごろに市の職員が槍で駆除しました。警察によりますと、イノシシが確保されるまでに30代の男性がふくらはぎに体当たりされ軽傷、80代の女性がよけようとして転んだ際に頭にけがをしました。秦野市は畑を荒らす動物を食肉にするジビエがさかんで、イノシシは食肉加工施設に運ばれ活用される予定です。

(飛び出してきたシカと衝突、50代男性を搬送:北海道)
北海道・登別市の道道で午後、道路脇から飛び出してきたシカとバイクが衝突する事故があり、バイクを運転していた50代の男性が胸の痛みを訴えて病院に搬送されました。事故があったのは、登別市登別温泉町の道道・洞爺湖登別線です。午後1時半ごろ、登別温泉方面に向かっていたバイクが左から飛び出してきたシカと衝突しました。この事故で、バイクを運転していた50代の男性が胸の痛みを訴えて病院に搬送されました。シカはバイクと衝突したあと、現場から立ち去ったということです。警察では、山間部を走る際には動物の飛び出しに気をつけてほしいと注意を呼びかけています。

(軽乗用車とクマが衝突:山形)
けさ(18日)、山形県鶴岡市の国道で軽乗用車とクマが衝突する事故がありました。運転していた男性にけがはありませんでした。クマはおよそ5メートル跳ね飛ばされましたが、その場から逃げたということです。警察によりますと、きょう(18日)午前7時前、山形県鶴岡市の国道7号で「クマとぶつかった」と軽自動車の運転手の男性(50代)から通報がありました。男性にけがはありませんでしたが、車のバンパーが割れるなどしたということです。クマは、体長およそ1・5メートルで車の進行方向右側から道路に飛び出してきたということです。男性は「クマが飛び出してきたため急ブレーキをかけたものの、間に合わなかった」などと話しています。クマは軽乗用車と衝突した後、5メートルほど飛ばされたということですが、起き上がり、道路を逸れて走って逃げたということです。現場からおよそ1・3キロ先には保育園がありました。警察で警戒を呼び掛けています。

(下校中の中学生がイノシシに追いかけられる:新潟)
11月22日午後5時半ごろ、新潟県新発田市上石川で、中学生1人がイノシシに追いかけられました。中学生にけがはありませんでした。新発田市によりますと、中学生は下校するために乗ってきたバスから降り、農道を歩いていたところ、イノシシに追いかけられたということです。新発田市はイノシシを目撃した場合、市役所や警察に連絡するよう呼びかけています。

(拳銃向けられたイノシシ逃走、発砲はせず:愛知)
20日午後4時40分ごろ、名古屋市守山区小幡宮ノ腰の河川敷で野生のイノシシが姿を現し、通行人の通報で現場にいた愛知県警守山署地域課の男性巡査部長(36)が拳銃を構えた。直後、イノシシが逃走したため、発砲はしなかった。当時、周囲には10人程度の通行人がいたが、けが人はいない。守山署によると、同2時40分ごろ「2頭のイノシシを目撃した」と110番があり、巡査部長ら警察官4人が現場に向かった。警察官らが目撃したイノシシは体長1メートルほどだった。現場は名古屋鉄道小幡駅から南に約1キロで、住宅密集地の南に矢田川が流れている。迫村淳一副署長は「現時点で適正な対応だと考えている」としている。

(次現れたら“大きな網”で捕獲予定:愛知)
20日から名古屋市周辺に出没している2頭のイノシシ。22日はその姿を見せていませんが、21日までに「目撃した」と通報があった地域では心配する声が上がっていました。名古屋市東区の「やだ保育園」。保護者が園児を送り届けるいつもの朝のように見えますが、不安と隣り合わせでした。保護者の不安のタネは、20日に名古屋市守山区の矢田川河川敷に出没した2頭のイノシシ。警察官が拳銃を構えて追い払う事態となりましたが…。その後、北区や東区などでも相次いで確認されました。21日は東区矢田3丁目の木ヶ崎公園でも目撃され、一時立ち入り禁止に。やだ保育園は、その木ヶ崎公園から300メートルほどの距離。イノシシとの遭遇を避けるため、22日は園の外での散歩などは中止に。園庭で元気に遊んでいました。警察によると、22日までに入ったイノシシを目撃したという通報は25件。21日夜7時ごろ、尾張旭市大塚町の矢田川付近で2頭を見たという通報を最後に、行方がわからなくなっています。東区の木ヶ崎公園では午前11時ごろ、名古屋市の職員がイノシシがいないことを確認し、立ち入り禁止の規制を解除。注意喚起は続けるものの、公園の利用はできるようになりました。ほとんど利用者はいませんが、公園の中を歩いてみると…。名古屋市は地元猟友会と連携し、次に姿を現した場合に備えた準備を始めました。捕獲には銃や麻酔などは使わず、大きな網を使う予定だということです。

(クマ目撃、十勝で相次ぐ:北海道)
十勝管内でクマの目撃が増えている。道警釧路方面本部によると、今年1~10月の目撃頭数は本別署と広尾署の管内が前年の2倍近い水準で十勝全体を押し上げ、合計頭数136頭は過去5年で2番目に多い。人や家畜への目立った被害はないが、住民は警戒感を強めている。10月末時点の目撃頭数は、広尾署50頭(昨年28頭)と本別署41頭(同20頭)が突出している。半面、新得、帯広、池田の3署は横ばいか減少傾向にある。

(道南でシカと車の衝突急増:北海道)
道南で今年に入り、エゾシカと車が衝突する事故が増えている。道警函館方面本部(函本)によると、管内で1~10月に発生した事故は、前年同期比33件増(38%増)の119件で過去5年間で最多ペース。秋は、シカの行動が活発になるため特に注意が必要で、函本は注意を呼びかけている。シカは近年、温暖化による積雪量の減少で、広く分布していた道東地域から、西側に生息域が拡大している。函本によると、道南で発生した過去5年間の同期間の事故件数は、2018年が67件(年間97件)、19年が84件(同111件)、20年が112件(同148件)、21年が86件(同120件)。10~11月に集中する傾向にあり、今年は10月だけで44件と全体の3分の1を占める。今年に入ってからの事故はいずれも物損で、死傷者は出ていない。

(アライグマがイノシシのわなにかかる、県内4年ぶり:鹿児島)
鹿児島県は16日、農作物を食い荒らし「最強の外来種」と呼ばれる特定外来生物アライグマが、鹿児島県枕崎市立神地区の山林で捕獲されたと発表した。県内での確認は2018年10月の阿久根市以来で7例目。県と枕崎市は発見場所周辺にわなやカメラを設置し、状況を調査する。県と市によると、12日午前10時ごろ、地元の猟友会が設置したイノシシなど有害鳥獣用のわなに、1匹が死んだ状態でかかっているのが見つかった。雄とみられ、死骸は16日、鹿児島国際大学(鹿児島市)に送った。生息範囲を把握するため、年齢や食べていたものを調べる。アライグマは県内で15年に姶良市重富地区と霧島市霧島田口、垂水市田神で、16年に霧島市霧島永水で、18年に指宿市東方と阿久根市脇本で見つかっている。県自然保護課の中山直樹課長は「農業被害や病原菌の媒介が懸念される。枕崎市と連携して状況把握と捕獲に取り組む」としている。

(クマの目撃情報多い地区に捕獲用のおり設置:京都)
クマの目撃情報が増えている京都府福知山市では、目撃の多い地区に捕獲のためのおりが設置されました。おりが設置されたのは、福知山市大江町北有路で、22日午後、福知山市の職員や地元の猟友会のメンバーが作業しました。おりは、高さ60センチ、奥行き1メートル50センチで、中にえさが置かれています。この地区では、最近、クマの目撃情報が相次いでいて、住民からおりの設置を望む声が寄せられていました。福知山市によりますと、市内のクマの目撃情報は、去年1年間で91件でしたが、ことしは22日までですでに100件を超えています。また、10月30日に、おりを設置した場所から北におよそ3キロ離れた地区で、男性が襲われて手や顔にけがをしていて、市が住民に警戒を呼びかけていました。地元の自治会の大槻尊幸会長は「地元で被害が出る前に、おりで捕獲できればと思っています」と話していました。福知山市農林業振興課の宮本乃輔主任は「さらにクマのおりを設置するため、地元の意見を聞きながら場所を選定していきたい」と話していました。

(イノシシ2頭を警戒して巡回続く:愛知)
20日、名古屋市内でイノシシ2頭が相次いで目撃されたのを受け、警察や市が巡回を続けています。名古屋市内では20日から北区の街中や守山区の河川敷などで、イノシシ2頭の目撃情報が相次ぎ、警察官が拳銃を構えて追い払う事態にもなりました。イノシシは21日午後7時尾張旭市内で目撃したという110番通報を最後に行方が分かっていません。名古屋市は2日後の22日も周辺の見回りを続けていて、2頭が目撃された矢田川に近い公園は安全のため一時封鎖されました。名古屋市は猟友会と捕獲の準備を進めていて、イノシシを見つけた場合は「刺激せず、後ずさりをしながら距離を取ってほしい」と注意を呼び掛けています。

(イノシシ発見できず:徳島)
小松島市田野町でイノシシが歩行中の男性に体当たりしてから一夜明けた21日、市職員らが周辺を見回ったが発見できなかった。現場の国道55号赤石トンネル周辺ではイノシシの目撃情報が相次いでおり、市は防災無線で注意を呼び掛けるなど警戒を強めている。市農林水産課によると、同市芝生、日開野両町で小学生ら6人がイノシシにかまれるなどした9日以降、市民らによる目撃情報が約20件あり、このうち8件が2キロ以上離れた赤石トンネル周辺だった。多くが夜間で、トンネルの入り口や中央分離帯の近くを歩くなどしていたという。21日は市職員と県猟友会小松島支部の会員がトンネル付近を巡回。防災無線では赤石トンネルを通る際は注意するよう呼び掛けた。小松島署は9日から登下校時間帯に合わせて行っているパトカー3台態勢の見回りに、県警本部の1台を加えて強化した。市教育委員会は保護者と学校にメールで登下校時の注意を促した。赤石トンネルに近い小松島南中学校では、イノシシが校内に入らないよう正門などを閉じる対策を取った。

(泳ぐイノシシを撮影:香川)
香川県内でイノシシによる被害が相次ぐ中、17日、高松市から5キロ余り離れた島の沖合で、泳ぐイノシシを巡視船の乗組員が撮影しました。県は、上陸したイノシシを見つけても、むやみに近づかないよう注意を呼びかけています。イノシシが撮影されたのは、高松港から北に5キロあまり離れた、女木島の西側の海域で、近くで潜水訓練を行っていた高松海上保安部の巡視船「いぶき」の乗組員が撮影しました。映像では、頭を海面から出した状態で女木島に向かって泳いでいて、撮影した乗組員によりますと、体長は1メートルほどで、20分ほど泳いで女木島に上陸しそのまま崖を駆け上がっていったということです。撮影した「いぶき」の甲斐玄士主計士補は「人が泳ぐよりも早いスピードで体をしならせるように泳いでいた。海で見つけた際には近づかず、118番に連絡していただきたい」と話していました。イノシシの生態に詳しい、野生鳥獣対策連携センターの阿部豪専務取締役は「海に落ちれば命を落とすリスクが大きくなるので、イノシシが目的を持って海に入ることはあり得ず、外敵に襲われたとか、足を踏み外したことが原因だと考えられる。イノシシは、瀬戸内海の離島ではほとんどすべてで生息が確認されており、この時期になると出没が増えるので、事故の発生を抑えるためには、元の頭数を減らすことが急務だ」と指摘しました。香川県内では、16日、宇多津町で男女3人がイノシシに指をかまれてけがをするなど、被害が相次いでいて、県は、上陸したイノシシを見つけても、むやみに近づかないよう注意を呼びかけています。

(市街地でクマ目撃相次ぐ:岩手)
11月16日夜から17日の未明にかけて岩手県奥州市の市街地でクマが相次いで目撃されました。警察が注意を呼びかけています。17日午後7時ごろ奥州市水沢の県立産業技術短期大学校水沢キャンパス付近で成獣とみられるクマ1頭を目撃したと、通りがかりの人から警察に通報がありました。この周辺では、その後午後8時半過ぎと17日午前0時半ごろにもクマが目撃されました。近くには小中学校もあることから警察は17日朝付近をパトロールし警戒にあたりました。警察によりますとクマの行方は分かっていませんが、これまでに人や物への被害は確認されていないということです。

(ヒグマ出没、昨年度に次ぐ66件:北海道)
旭川市に寄せられた本年度のクマの出没情報は66件(11月16日時点)に上り、過去10年間で2番目に多いことが分かった。過去最多を記録した昨年度に比べ3割減ったものの、市街地にも出没している。ヒグマは冬眠時期に入っていないため、関係者は「まだ注意が必要だ」と呼び掛ける。市内では昨年度、市中心部でクマの痕跡や目撃情報が相次いだ。これを受け、旭川市は昨秋、地元の猟友会などで構成する市ヒグマ対策協議会を設置。協議会は、クマが美瑛川沿いから市街地に侵入した可能性が高いと判断し、雨紛大橋近くの河川敷に電気柵を設けるなど、対策を強化した。

(県内イノシシ出没170件、前年度比2倍:香川)
2022年度に県内でイノシシが市街地に出没した件数は10月末時点で、21年度の同期と比べて2倍の170件に上る。要因として専門家は個体数の増加を指摘する。

(冬眠を前に近畿各地でクマが出没:大阪)
冬を前に、近畿各地でクマの出没情報が相次いでいる。2022年の出没情報は、最多が京都府841件、次いで兵庫県263件、奈良県62件、和歌山県56件、滋賀県49件、大阪府7件、徳島県3件以上となっている。冬眠前の今は、特に注意が必要だ。クマが出没する恐れがある地域に住む人は、自宅周辺の環境を整えるようにしてほしい。クマは柿が好物だそうだ。冬眠前のクマが食べに来ないよう、実は早めに収穫するようにしてほしい。クマが生息する山林と、人間の生活圏の境界線をはっきりさせることが必要だ。自宅周辺のやぶ・草むらなどはできるだけ刈り取るようにしてほしい。「ここまでが人間の領域である」と、クマに知らせる意図がある。山登りを楽しむときは、下調べをしっかりした上で、クマ対策グッズを必ず携行してほしい。クマは、人に会うことを望んでいるわけではない。クマよけの鈴をかばんなどに付けて、「人間がここにいるよ」と知らせながら歩くことが有効だ。万が一、クマと遭遇してしまったときのために、クマよけのスプレーが発売されている。配合されているカプサイシンで一時的にクマを驚かせ、逃げる時間を稼ぐことができるそうだ。

(中心部にシカ出没、一時騒然:北海道)
北見市の中心部に18日昼ごろ、野生のエゾシカが現れた。約1時間半ほど市職員や北見署員らとのにらみ合いが続いた後、網で捕獲された。現場はJR北見駅から約180メートルの商店街中心部にある駐車場。商店の店員や市民が100人以上集まり一時騒然となったが、けが人はいなかった。北海道猟友会北見支部によると、シカは今年の春に生まれたオスとみられる。午前11時前、北見署に「駅の近くにシカがいる」と110番があった。その後、市職員と猟友会メンバーら約20人が、商店街の駐車場で網を広げてシカを追い込み、午後0時40分ごろ捕獲した。捕獲されたシカはトラックで運ばれ、市内の山に放された。

(突然交差点に"シカ"、ドラレコに悠々と歩く姿:北海道)
自動車の往来が激しい交差点の中を北から南へと悠々と横断していくシカ。その数、2頭。これは札幌市南区石山東付近で11月18日夕方に撮影されたドライブレコーダーの映像だ。クラクションに驚いたのか、1頭はそのまま南方向へ。もう1頭は別の方向に走り去った。警察によると幸い車との接触事故などの報告は寄せられていないという。エゾシカによる交通事故の発生件数は5年連続で過去最多を更新していて、2021年は初めて4000件を超えた。2022年10月には道東の標茶町の国道でシカと接触したはずみで車同士が衝突し、3人が死傷する事故が起きており、ドライバーは注意が必要だ。シカの習性に詳しい専門家によると、シカは特に早朝と夕方に活動が活発になり、事故は午後4時から8時までの間で全体の半数以上を占めるという。

(140キロのイノシシ捕獲:千葉)
千葉県館山市竜岡(りゅうおか)で体長約一六〇センチ、体重約一四〇キロのオスのイノシシが捕獲された。地域で珍しい巨大イノシシに関係者は驚いている。イノシシは今月五日早朝、山林に仕掛けてあったワイヤで脚をくくる「くくりわな」にかかっているのを、七十代の男性農家が見つけた。昨年十二月にオープンした市のジビエ加工処理施設「館山ジビエセンター」(同市西長田)に搬入された。センターの指定管理者、合同会社「アルコ」の沖浩志(こうじ)代表(39)は、昨年三月までの三年間も市の地域おこし協力隊員として獣害対策支援をしているが「めったに捕れないトップレベルの大きさ」という。捕獲した農家は「二年前も同じくらいのイノシシが捕れたが、処理が大変だった。今回は搬入先があって助かった」と話す。巨大イノシシは、まずは冷蔵庫で熟成させ、部位分けして月内にも飲食店に卸売りする。肉は三割ほど取れるため一人分二百グラムとすると二百~二百五十人分に相当する。南房総でイノシシが発情するのは年末ごろから。沖さんは「発情すると脂が硬くなり身のにおいも気になる。発情前のオスは脂の乗りがよくおいしい」と語った。

(イノシシ4頭出没:徳島)
徳島県上板町引野の宮川内谷川の河川敷で23日、イノシシが4頭出没した。同所では今春以降イノシシの目撃情報が複数回あり、地面には所々に掘り返したとみられる跡がある。周辺は散歩コースとなっており、住民らは警戒を強めている。「イノシシが掘った跡がある」と住民から連絡を受けた記者が、午後4時半ごろに河川敷を調べていると、通り掛かった車の運転手が出没を知らせてくれた。目撃された場所に行くと、4頭が地面を掘りながら東から西へゆっくりと歩いて移動し、雑木林に姿を消した。最も大きい個体は体長約1メートルで、2頭が成獣、残り2頭は幼獣とみられる。現場は四国霊場6番札所・安楽寺の約400メートル南。河川敷には桜の木が約400メートルにわたって植えられている。あちこちに掘り返したような跡があり、根元が露出した桜の木もあった。河川敷を清掃している近くの建設業前田忠道さん(79)は「人に危害を加えないか心配だ。周囲を通る際は気を付けてほしい」と注意を呼び掛けている。

(大手警備会社がジビエ事業に参入した理由:千葉)
イノシシやシカなどの有害鳥獣による農作物への被害が年々深刻になっています。そこで捕獲した野生鳥獣の肉をジビエ料理の食材に加工し、販売する取り組みを行っているのが、セキュリティサービス大手の綜合警備保障株式会社(ALSOK)グループのALSOK千葉株式会社です。なぜセキュリティ会社が日本ではまだポピュラーとはいえないジビエの販売に乗り出しているのでしょうか。ジビエに着目した経緯などを探りました。千葉県での有害鳥獣による農作物への被害額は年間約4億円に上り、農林水産省の最新によると、2020年の国内全体での被害総額はおよそ161億円にまで膨らんでいます。主にイノシシやシカに田畑を荒らされ、農作物を収穫できなくなった農家は後を絶ちません。これまでは千葉県内の猟友会が捕獲に尽力してきましたが、捕獲後の処分が重労働であるのに加え、高齢化が進み、各自治体が対応に苦慮しているのが実情です。有害鳥獣による農作物被害が深刻化、広域化したのに伴い、ALSOK千葉では2014年から有害鳥獣の捕獲を試験的に始めました。農水省から鳥獣捕獲等事業者として認定された2016年1月からは、業務として本格的にスタート。それまでは被害を受けている個人をはじめ、国や地方公共団体、農業協同組合や森林組合などにしか捕獲が認められていませんでした。「箱罠を仕掛け、イノシシなどを獲って埋めたり焼却するのが主な業務ですが、千葉県は焼却施設が少ないので、各自治体が指定した場所に埋設することが多くなります」。ALSOK千葉の竹内崇取締役は、捕獲と捕獲後の処分法についてこう述べると、業務を手がけるようになったいきさつについてこう説明しています。「私たちはセキュリティサービスが専門ですから、警備事業のノウハウの一つを取り入れたんです。仕掛ける箱罠にセンサーを設置し、イノシシが入ったら知らせるシステムを開発しました。その感知装置をセールスしていた時、茂原市の担当者に『猟友会や農家の人も高齢化し、関われる人が減って困っています。ALSOKさんで何とかできないでしょうか』と相談されたんですね。そこから約2年間のテスト期間を経て、2016年から捕獲をメインにした事業を展開するようになったのです」。地域貢献でもあり、特に地元農家の人たちには助けとなる仕事ではありますが、実際に始めてみると大変な作業であることを実感したそうです。例えば100キロほどの大きなイノシシは、捕獲しても1人や2人では処理しきれません。4、5人いなければ運べず、罠にかかっても大暴れして危険なこともあるのです。ここまでは捕獲事業にすぎませんが、ここから奇想天外ともいえるアイデアでジビエ販売に行き着きます。罠にかかったイノシシの肉を売れば、捕獲に要する諸経費をまかなえるのではないか――。社内で知恵を出し合ってその方法を考えました。実現に向けては地元銀行の後押しも大きく、「地域にとっては欠くことのできない事業であり、新たな雇用も生まれる」という地方創生事業の観点から、融資を快諾。ただし、具体化する前には懸念もありました。日本人はジビエになじみがなく、食するお店も機会も極めて少ないことです。竹内さんは「豚や牛のような家畜とは違い、野生で育っているので衛生的ではなく雑菌も付着しています。後はコンスタントに捕獲できればいいのですが、大きくばらつくと生産が安定しません。ジビエが日本で普及しないのは、こういった問題があるからだと考えました」と振り返ります。そこで衛生面については、“安全・安心”をスローガンに掲げるALSOKの真骨頂を発揮。有害鳥獣は通常、箱罠にかかるとその場で電気槍や銃などで捕殺されますが、ALSOK千葉は生きたまま加工所まで運搬することにしたのです。総工費約2億円をかけて建設した茂原市にある「ジビエ工房茂原」では、捕獲から捕殺、食肉加工といった一連の工程を実施。2020年6月に食肉処理業の認定を受け、7月から販売事業をスタートしました。

(巨大イノシシの肉に全国から注文殺到:鳥取)
11月、鳥取県の奥大山で200キロを超える巨大イノシシが捕獲されました。まるで「山の主」だと、全国でも大きな話題となったことから、東京や大阪の店などからも、肉の注文が殺到する事態に。巨大イノシシの味…確かめてみました。11月9日、鳥取県江府町の奥大山で、巨大なオスのイノシシが捕獲されました。ジビエの加工などを行っている「奥大山地美恵」が仕掛けた罠にかかっているのが見つかり、猟友会のハンターが仕留めました。通常のイノシシは体重60キロほどだといいますが、こちらはなんと200キロ超え。全長182センチ、胴回り141センチの巨漢は、まさに「山の主」です。「まるで、もののけ姫の乙事主」と、ネットで大きな話題となった巨大イノシシは、その後どうなったのでしょうか。巨大だったイノシシは、きれいなブロック肉となり、小分けされていました。巨大イノシシの味。特別に、ぼたん鍋で食べさせてもらいました。全国で話題になったことから、東京の飲食店や大阪の卸売業者などから依頼があり、現在も問い合わせが殺到している状況だと言います。奥大山地美恵 宇田川保 副会長「こんなことになるとは思っていませんでした。『うちの肉を食べたらほかの肉は食べられん』というくらいの肉を、今後も作り上げていこうと思って、世界一の肉を目指しています」。地元ではこのあと11月28日に、道の駅奥大山に巨大イノシシの肉を卸す予定です。巨大で肉も多いことから、来年2月頃までは販売できそうだとしています。

(「100年フード」に認定された「ぼたん鍋」:兵庫)
兵庫県丹波篠山市では、「100年フード」の「ぼたん鍋」をPRするイベントが開かれました。丹波篠山市は、イノシシの肉を使った「ぼたん鍋」発祥の地として知られています。牡丹の花びらのように肉を盛り付けることで有名で、ことし、文化庁から地域に根付く食文化「100年フード」に認定されました。今週の狩猟の解禁で本格的なシーズンに入り、鍋を囲みながら「100年フード」をPRしました。丹波篠山市内では40軒を超える店で「ぼたん鍋」を楽しめるということです。

(“地元産”野生イノシシの「ぼたん鍋」食べられない!?:兵庫)
兵庫県では11月15日から野生鳥獣の狩猟が解禁され、本格的な「ぼたん鍋」の季節を迎えました。しかし、ぼたん鍋に欠かせないイノシシ肉をめぐって今、“地産地消できない”という問題が起きています。秋の味覚として栗や黒豆などが全国的に有名な兵庫県丹波篠山市。また、丹波篠山市を含む丹波地方は野生イノシシの狩猟が盛んで、市内には約40軒、ぼたん鍋を提供する店があります。ぼたん鍋とは、みそをベースにしただし汁にイノシシの肉と季節の野菜を入れて煮る鍋料理。丹波篠山市が発祥とされ、古くから親しまれてきた郷土料理です。ぼたん鍋は、今年3月、文化庁が地域で受け継がれてきた食文化を継承することを目的に創設した「100年フード」に認定されたことでも注目が集まっています。しかし、この名物をめぐり困った問題が発生しています。(料理旅館 高砂 桧田哲也店主)「(イノシシ肉の)量が少なくて足りないのが現状です。何とか自転車操業でやりくりしている」。今年は、地元の野生イノシシ肉を使ったぼたん鍋が店では食べられないというのです。実は去年、兵庫県内で初めて、丹波市内で野生イノシシの豚熱感染が確認されました。豚熱とは豚やイノシシが感染する病気で、強い伝染力と高い致死率が特徴とされ、県によりますと、今年11月15日までに兵庫県内で148頭の感染が確認されています。この事態を受けて国は、感染した個体が発見された場所から半径10km圏内の感染確認区域で捕獲した野生イノシシの肉は、市場への流通や他人への譲渡を行わないよう求めています。地元の猟友会も市場に出せないことに困惑しています。(丹波篠山市猟友会 坂本知計副会長)「(Q兵庫県内でイノシシの猟をすることはやっていない?)そうですね。いまは自分で消費する分だけですね。いままでは生産者として猟をしていたんですけども。困りますね」。影響は、野生のイノシシ肉を扱う専門店でも。丹波篠山市の「おゝみや」では例年、約300頭の丹波篠山産の野生イノシシ肉を仕入れていましたが、今年は地元産と変わらない品質の肉を探して、県外から仕入れています。地元で愛される郷土料理、ぼたん鍋。丹波篠山産のイノシシ肉で食べられる日は、いつになるのでしょうか?

(ジビエ飲食店とハンター仲介:北海道)
飲食店がジビエ(野生鳥獣の食肉)をハンターにオンライン注文できるサービスが誕生した。Fant(ファント、北海道音更町)が10月に専用アプリを公開した。店が欲しい肉の種類や部位、量の要望を踏まえてハンターが狩る。需要と供給をマッチングさせ、ジビエの有効活用につなげる。アプリ「Fant」に登録した飲食店は、シカやカモ、ウサギといった欲しい肉の種類や部位、数量、希望する納品日を選択して注文を出す。

(ジビエフェスタ、猟友会が協力:神奈川)
「横浜ジビエフェスタ」が11月26日、吉田町本通りで開催される。たき火台を設置した屋外ビアガーデン形式の会場に、吉田町を中心に関内や野毛の飲食店が軒を連ねる。イタリアンバー「バレルポット」の「鹿スジラーメン」、「立ち飲み処・蔵人」の「鹿煮込みカレー」など、イベントオリジナルのジビエメニューのほか、ワインや日本酒、ビールなどのアルコールも提供する。ジビエは、狩猟で得た野生鳥獣の食肉を意味する古フランク語の「gabaiti」が語源。神奈川県では年間約3000頭のニホンジカが農林業の害獣として捕獲されるが、未使用のまま埋没処理するケースがほとんどだという。同イベントは県産ジビエとしての利活用促進などを目的に、神奈川県猟友会が全面的に協力して行う。狩猟や生態系について質問できるブースも設ける。主催する吉田町名店街会専務理事の佐久間衛さんは「県猟友会全面協力によるストリートでのジビエイベントは横浜初。ジビエのおいしさを体験し、県内の生態系についても知る機会になれば」と来場を呼びかける。開催時間は12時~17時。雨天の場合は翌日に順延。

(“野生の命”と向き合う25歳ハンター:静岡)
近年、注目度が高まっているジビエ。この文化を静岡に広めたいと新たな取り組みがスタートしました。ダイエットや貧血にも効果が期待されるジビエを「オクシズ」から発信しようと若きハンターが奮闘しています。鍋から上げられたのは、おいしそうなフライ。静岡市葵区の人気の居酒屋「こんちゃん」では、ジビエの代表格=鹿肉を提供しています。<居酒屋「こんちゃん」近藤晃弘さん>「この鹿肉は馬刺しよりもクセがない香り。ほとんど焼いても香りはない状態。いま、静岡でシカが害獣として非常に困ってまして、たまたま若いハンターと知り合ったので、鹿肉を持ってきてという話をしたら非常に味がよかった」。人気店の料理人が認めた若きハンターは、静岡市の山間部「オクシズ」で活動しています。人の気配がない森の中で鹿を呼ぶ笛を吹くのは、ハンターの石本光希さん25歳。<石本光希さん>「誰ともかぶらない趣味を持ちたくて。それがたまたま狩猟だった感じですね」。その若さを生かし、シカを山の奥深くまで追いかけて銃でしとめる「忍び猟」というスタイルを追求しています。シカを見つけると息をひそめて、近寄って来るのを待ちます。崖のような山の斜面を駆け下りシカを確保します。原則、石本さんがシカを撃つのは1日1頭のみ。野生の命と向き合う日々です。<石本光希さん>「引き金を引くときはとにかく無心。見たものを引き金を引くという冷酷な話だが、それでやっている」。静岡県内ではシカによる農作物への被害が長年、問題になっています。自ら獲ったシカをおいしく活用していきたい。石本さんは今シーズンから新たな取り組みを始めました。ジビエの安全な流通を目指し、石本さんは「ワイルドハント」という会社を立ち上げ、仲間と一緒に解体所を建設しました。猟をする山から近い場所で、保健所の許可を得て食肉加工を始めるためです。シカの肉は、手早く処理をしないと臭みが出たり、硬くなったりします。おいしい肉をお手頃に届けるには、自ら獲ったシカを素早くさばくための場所が必要だったのです。<石本光希さん>「飲食店がジビエを扱いたい人たちが多いが、どうしても単価が高いので扱えないという人たちが多かった。価格をある程度リーズナブルにしたもので、お店で食べてもらえたり、家庭用でも食べられるようにしたいと思っている」。シカの肉は大きなポテンシャルを秘めていると、静岡県立大学の教授は話します。<静岡県立大学フードマネジメント研究室 市川陽子教授>「いいたんぱく質ですし、脂質少な目、で鉄が多い。貧血の防止には本当に持ってこい」。鹿肉と牛肉の成分を比べるとシカの方がカロリーは低く、鉄分が多いため、貧血やダイエットに悩む女性、アスリートには持ってこいの食材です。地域の宝であるシカの肉をオクシズから発信したい。それが「ワイルドハント」の目標です。<石本光希さん>「まずはオクシズの活性化、各お店とコラボレーションの形でジビエの理解を深めていく、どんどん広めていくというのが我々のモットーであります」。石本さんは使命感を持って、野山でシカを追い続けます。

(ジビエ、もっと味わって:石川)
イノシシやシカなどのジビエを味わえるイベントを、県内の猟師や農家、ジビエ料理人らでつくる団体「ONEGIBIER(ワンジビエ)」が26日、白山市吉野の白山吉野オートキャンプ場で初めて開催する。ジビエのおいしさを体感してもらって消費拡大につなげ、猟師や農家、消費者とのつながりを育む試みだ。イベントは「ワンジビエフェスタ2022」。白山麓で森林の環境保全やシカなどの食肉処理事業に取り組む「白山ふもと会」、ジビエ料理を提供する「山立会食堂」(吉野)が新鮮な鹿やイノシシの肉を販売する。農家も採れたての野菜を持ち込む。参加者は購入したジビエ肉や野菜をオートキャンプ場のバーベキュー施設を使って味わえる。イノシシの唐揚げ、シカのカレー、鹿肉ソーセージのバゲットサンドも販売する。金沢三線会のメンバーらによる沖縄民謡、芸術家で猟師のケイ・アラブナさん(小松市)によるフォークソングライブもあり、雰囲気を盛り上げる。猟師への質問ブースやジビエの革を使ったコインケース作りなどもある。団体メンバーで猟師の具志堅貴信さん(47)=金沢市=は「市場に出回るジビエの量に対し、狩猟した後、そのまま廃棄される量は何倍にもなる。フェスタを通じて、食肉としての価値を感じてもらえれば」と期待する。

(学生が考案したジビエカレーを子どもが試食:岡山)
IPU・環太平洋大学の学生らが授業の一環で子どもたちにジビエについて知るきっかけにと考案されたカレーの試食会が、きょう(19日)岡山市中区で開かれました。IPU・環太平洋大学の学生らが考案した野生の鳥獣の食肉を意味する「ジビエ」を使ったカレーです。大学周辺で捕獲されたイノシシの肉が使われています。子どもの頃からジビエ料理に親しむとともに環境問題などを考えるきっかけにと作られたものです。また野菜嫌いな子どもも野菜をとれるよう、みじん切りにするなど工夫されています。学生らは試食会で得られた意見をもとに、学校給食や飲食店でのカレーの商品化を目指すということです。

(森の京都ジビエフェア:京都)
ジビエ(野生鳥獣肉)の魅力発信と消費拡大を目的とした「森の京都ジビエフェア」が、福知山市など7市町の計38店舗で19日から始まった。各飲食店が煮込みや炭火焼きなど独自のジビエ料理を提供する。来年2月12日まで。農作物を荒らす野生鳥獣を厄介者から観光資源にと、一般社団法人森の京都地域振興社(森の京都DMO)、京都府南丹、中丹広域振興局主催。毎年開催していて今年で6回目になる。今季は低脂質、高たんぱく質で鉄分やビタミンも多く含まれる鹿肉料理がそろった。料理を提供するのは福知山市13店、亀岡市4店、南丹市6店、京丹波町4店、綾部市3店、舞鶴市5店、京都市右京区京北地域3店。プレゼント企画もあり、対象店舗でジビエ料理を食べてWEBアンケートに答えることで、鹿ソーセージ、鹿肉みそ、鹿肉ローストのいずれかが抽選で当たる。

(猪ハツ&タンの贅沢アヒージョ:兵庫)
兵庫県南あわじ市で昨年度から市内の特産品開発を実施している合同会社ばとん(代表:小菅 晃樹 こすげ こうき)と申します。当社はこれまで地方自治体様や地域事業者様のPRコンテンツ制作を行ってきました。そして昨年より、代表がほれ込んだ淡路島・南あわじ市の特産品開発販売に取り組んでおります。この度「アウトドア好き」「料理好き」「ジビエ好き」な方を対象に『島の猪 ハツのアヒージョ』『島の猪 タンのアヒージョ』を全国販売することになりました。

(「ワンコメシ」が彩の国優良ブランド品認定:埼玉)
秩父フードクリエイツ(秩父市中町、福島剛代表取締役)が展開するドッグフード「ワンコメシ」が、今月より埼玉県物産観光協会による彩の国優良ブランド品に認定された。ペットフードの認定は珍しいという。同社は同市内で土鍋ご飯と郷土料理の飲食店を展開。折からのコロナ禍で飲食店は客足が止まってしまった。それでも、売上確保に向けて新商品の開発に乗り出した。その際に愛犬をヒントに、フードロス対策として良質なジビエ肉を使用したドッグフードを開発。地域においてもイノシシやシカといった獣による食害などが問題になる中、それらのジビエ肉を活用。特に、天然のジビエ肉は良質のたんぱく質や疲労回復や新陳代謝を促すビタミンB類と、犬の成長に欠かせない栄養素を多く含む。カロリーも豚肉や牛肉より低い。そうした筋肉質で硬いジビエ肉を、板前の長年の知識・技術を生かして無添加のドッグフードに仕上げた。自社ECや道の駅など同市周辺の小売店などで、ドライジャーキーやドッグフードなととして販売。同市ふるさと納税返礼品にもなっている。地域住民はもちろん、愛犬を連れて遊びに来た観光客からも土産として購入されている。「栄養価も高いのでリピーターも多数おられます」と同社。同協会によると、同ブランド品の対象は、埼玉県内の事業者が県内の事業所で製造・加工した商品または県産品の原材料を主原料として企画した商品で、一般消費者に販売される食料品など。人ではなく犬用のドッグフードの認定は珍しいが、「商品の認知度や販路拡大に期待が持てます」と同社も喜びをあらわ。県内ジビエの害獣駆除問題の解決策の一環として開発に取り組んだことが、今回の認定につながったと分析する。各方面で好反応を得ている同商品について、今後はイノシシ・シカを利用したドッグフードの多商品化やキャットフードにも着手していきたいと同社も息巻く。「乾燥鹿肉あばら」と新商品も定期的に販売されており、扱う店舗も増えてきている。板前としての技術を活かして鮮度や素材にもこだわった最良のドッグフードに仕上げた同品について、「今や家族同然なワンちゃんにも安全で安心出来るご飯を是非与えて下さいませ」と同社。

(“おかやまジビエスタンプラリー”始まる:岡山)
県内で捕獲されたシカやイノシシの肉=ジビエをもっと食べてもらおうと、県はジビエを使った料理を提供する飲食店などを対象にした「おかやまジビエスタンプラリー」を始めました。県内では、鳥獣被害対策などで野生のイノシシとシカあわせておよそ4万7000頭が捕獲されましたが、食肉用に処理されたのは全体の8.5%の4000頭弱にとどまり、利活用の拡大が課題になっています。このため県では、ジビエを使った料理を提供する飲食店などを対象にしたスタンプラリーを始めました。開催期間は来年1月31日までで、期間中に飲食店でジビエメニューを注文したり、ジビエ商品を扱う店舗で関連商品を購入したりした際に、店舗に設置してある専用の2次元コードをスマートフォンで読み取ると、デジタルスタンプを獲得することができます。スタンプを3つ集めると商品に応募することができ、当選者には、シカの角を使ったフォークとナイフのセットや、ジビエ食品の詰め合わせセットなどがプレゼントされます。スタンプラリーの対象となるのは県内の33店舗で、県のホームページで確認することができます。県鳥獣害対策室は「ジビエ料理から加工食品、革小物と、さまざまな商品が対象になっているので、ぜひスタンプラリーに参加して、岡山のジビエのことを知っていただきたい」と話しています。

(シカ肉料理をどうぞ、20店舗でジビエフェア:山梨)
野生のシカ肉を使ったジビエ料理を広く味わってもらおうと、山梨県が主催する「やまなしジビエフェア 2022」が始まった。呼びかけに応じた県内外の20の料理店で、それぞれ自慢のシカ肉料理が食べられる。ジビエ料理の良さを体感してもらうことで、消費拡大を図るのが狙いだ。県は2017年度、狩猟や有害駆除などで捕獲された野生のシカ肉に、安全性などのお墨付きを与える「やまなしジビエ認証制度」を設けた。銃弾などの異物混入を防ぐための金属探知機を備えるなど、衛生面の基準をクリアした処理加工施設5カ所で解体・処理したシカ肉に「やまなしジビエ」の認証マークが付けられる。県民にジビエ料理を知ってもらう機会として、20年度に14店舗が参加してフェアを初開催した。2回目の今回は富士河口湖町や甲府市、早川町などのイタリアン、フレンチ、道の駅の食堂など県内19店舗のほか、東京・日本橋の店舗が参加する。来年2月28日まで。県によると、21年度に県内で捕獲されたシカは約1万7500頭。このうち、「やまなしジビエ」の認証施設に持ち込まれたのは3%に満たない。多くが山奥で捕獲されるため、ふもとまで下ろす作業が大変で、捕獲から2時間以内とする県の指針に沿えず、その場で埋めるケースがほとんどという。少しでも活用頭数を増やそうと、県は今月15日から来年3月15日にかけて、狩猟で捕獲したシカを認証5施設のいずれかに持ち込めば、2頭目から8千円の補助金を出す事業を始めた。ジビエフェアで消費量を増やしながら、補助金で供給量も増やす両面作戦だ。県農政部販売・輸出支援課は「お店の中には県産ワインを提供している施設もあり、やまなしジビエと一緒に楽しんでほしい」と利用を呼びかけている。フェアに参加する店舗やメニュー例は、県のホームページで確認できる。

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