<射撃ニュース12月>
12/14
(空気銃誤射、男に有罪判決:北海道)
北海道別海町の牧場で8月、空気銃1発を誤射し、男性従業員に重傷を負わせたとして、重過失傷害の罪に問われた酪農業、藤倉香津靖被告(38)に、釧路地裁(川北功裁判官)は12日、懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。起訴状によると、8月15日、経営する牧場内で、周囲の状況を確認しないまま作業室から約50メートル先にいたカラスに空気銃を発射し、近くを通りかかった男性従業員に弾丸1発を当て、重傷を負わせたとしている。釧路地検によると、空気銃は被害者が購入しており、被告は所持の許可や使用の講習を受けていなかったとしている。

(「殺生石」にイノシシの死がい発見:栃木)
栃木・那須町の那須岳の斜面にある、国が指定する名勝「殺生石」。その昔、石が放つ“毒気”で多くの生き物が命を落としたことから、「生き物を殺す石」と名付けられたとの言い伝えもあります。この地で先週、あるショッキングな出来事が発生しました。殺生石を管理する公園事務所の担当者に聞いてみると――環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん「柵の向こうに黄色いところがありますけれど、あの周りに8頭イノシシの死がいがあるのを発見しました」。善養寺さんによると、イノシシ8頭の死がいを発見したのは、今月7日ということです。環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん「普段はキツネとかタヌキが、多くても2~3頭」。一度に8頭もの死がいが発見されるのは珍しいといいます。環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん「硫化水素は毒性高いので、動物は特に姿勢が低いですから、硫化水素、やや空気より重いので下にたまりやすいってことで、硫化水素を吸い込んでイノシシが死んでしまったのかなと」。実は、この殺生石は溶岩で、付近一帯では硫化水素などが噴出。善養寺さんによると、硫化水素などの有毒な火山ガスを吸ったことが原因ではないかということです。ガスの有毒性については、人間の場合は極端に近寄らなければ問題ないといいますが、「柵を越えて中に入ることはやめてほしい」と注意を呼びかけています。

(シカの捕獲に円形わなが効果:和歌山)
和歌山森林管理署(田辺市新庄町)は、設置が容易で安価なシカ捕獲用の新しいネット式円形わなの実施試験を続けている。直径約6メートル、重さ50キロ以下で、従来の金属製わなに比べて軽量。同じ場所での連続した捕獲ができるという。費用も30万円以下に抑えている。担当者は「実用化に向け、さらに改良を加えていきたい」と話している。従来の金属製囲いわなは、4メートル四方で重さが200キロ以上あり、移動や再設置の負担が大きかった。また、ゲートが閉まる音が大きく、周囲に集まったシカが警戒して同じ場所で連続した捕獲が難しかった。これらの課題を解決するため、同署業務グループの小谷悠人係員と畑中宣輝係員が、従来のイノシシ用ネット式囲いわなに着目し、改良に取り組んだ。イノシシは潜り込んでわなに入るため、入り口が設けられていない。さらに上部が開いており、1・5メートル以上ジャンプするシカには不向きだった。そこで周囲に支柱を取り付け、上部にネットを張って取り外しがしやすいネットの留め具を追加した。さらに畝用のビニールトンネルに使う支柱で入り口を作った。今春から試験を続けており、同じ場所で6匹を捕獲。1週間の間隔で捕獲した例もあった。留め具を取り外しできるようにしたことで、撤収や誘引期間(1~2週間)のネット上げが、4人で20分程度で行えるようになった。今後、複数匹の同時捕獲の確率を上げるために入り口の工夫をしたり、さまざまな現場に対応するために大小サイズを変えたりして試験を続けていくという。担当者は「捕獲したシカが傷つきにくく、ジビエへの利用にも有効。農林業に共通して使えるのでは」と話している。この円形わなの取り組みは、11月にあった近畿中国森林管理局の森林・林業交流研究発表会で、日本森林林業振興会会長賞を受賞している。

(まるで猟犬、ドローン活躍:京都)
猟犬の代わりに小型無人機(ドローン)を活用し、有害鳥獣駆除に取り組む動きが府内で広がっている。府猟友会が、犬の鳴き声をスピーカーで流す機能などを備えた機体を福知山市の会社と共同で開発。高齢化や後継者不足で会員が減少する中、各支部が導入を進めている。今月6日、南丹市で、先端技術を紹介する「京都スマート鳥獣対策セミナー」が開かれた。「猟犬は育てるのに時間がかかる上、実戦で働けるようになっても数年で走力が衰えるが、ドローンは10年以上動いてくれる」府猟友会の西村義一会長と福知山市のドローン製造会社「アエロジャパン」の志村伊織社長が、府内の自治体関係者らにドローンの利点を説明すると、講演後、同社のブースには導入を考える参加者の輪ができた。府猟友会と同社が2020年10月に開発したドローンは87センチ四方、高さ64センチ。スピーカーを下向きに設置し、犬の鳴き声を流すことができるほか、動物を追い払う花火を発射することもできる。ドローンが猟犬のように追い立てた獣を猟師が待ち構える。猟犬は夏場に熱中症になることもあるが、ドローンはバッテリーが寒冷に弱い以外は性能は安定している。獣を追いかけていった犬を呼び戻す手間も省ける。府内では、福知山市や京都市など5市の猟友会支部がドローンを導入。宇治市と京丹波町でも今年度内の購入を予定している。亀岡市では今年4月、有害鳥獣駆除の目的で導入し、11月末時点で活用の実績はないが、市農林振興課の担当者は「猟師が使い方を習熟すれば成果は上がるはず」と期待を寄せる。府外でも、大分県内の猟友会が採用したほか、和歌山県の猟友会は今月、福知山市へ視察に訪れた。府猟友会は、赤外線センサーを搭載して獣の生息調査が兼用できるなどの改良を検討している。担当者は「上空からの観察で、獣がいる場所が分かれば、さらに効率が良くなる。ドローンを組み合わせることで、狩猟を省力化でき、若い人が担い手として加わりやすくなるのでは」と話す。有害鳥獣駆除  鳥獣保護管理法と府条例で市町村が捕獲許可の権限を持ち、捕獲できる獣の種類を規定している。府は「個体数が著しく増加し、農作物などに被害を及ぼしている」としてニホンジカとイノシシ、ニホンザル、クマを対象に計画を策定し、年間捕獲頭数の目標はシカが2万6000頭、イノシシが1万4000頭。サルとクマは「個体群を管理しながら農作物や人への被害軽減を図る」などとして、目標数を定めていない。

(「未来のハンター」育成:青森)
弘前市は11日、同市の中央公民館相馬館研修室で「未来のハンター育成セミナー」を開いた。参加した市民は、有害鳥獣捕獲の中心的役割を担うハンターの仕事などについて知識を深めた。ハンターの減少や高齢化が進む中で、担い手の裾野拡大を目的に今年初めて開き、市民17人が参加した。中弘猟友会のメンバーが、有害鳥獣による被害例や狩猟に使う道具の種類、捕獲した鳥獣をジビエとして利用する利点などについて説明した。日本ライフル射撃協会東北・北海道ブロック理事の寺澤良悦さんらの指導の下、射撃競技用の光線銃・ビームライフル射撃体験も行われた。そのほか、市農林部農村整備課の斎藤大介鳥獣対策係長が狩猟免許などの取得に係る助成金について説明。ジビエ料理の試食も行われ、参加者は狩猟や有害鳥獣駆除などについて知識を深めた。斎藤係長は「セミナーを通じてハンターの世界に興味を持ってもらえたら。ゆくゆくは狩猟免許を取得して、有害鳥獣駆除の担い手となってくれたら助かる」と語った。

(角に漁網やロープ、もがき苦しむエゾシカ:北海道)
北海道標津町と別海町にまたがる野付半島で漁網やロープなどが角に絡まったエゾシカ「羅網(らもう)ジカ」を救おうと、NPO法人「野付エコ・ネットワーク」が11日、現地で清掃活動を行った。野付半島では狩猟が禁じられているため、20年ほど前から厳冬期にエゾシカが越冬するようになり、近年は雄が通年生息するようになった。ところが、海流に乗って漂着したり、沿岸で定置網漁を営む漁業者が捨てたりした漁網やロープなどの漁業資材がエゾシカの雄の角に絡むケースが数年前から深刻化。網が角に絡んだり、まるで「角突き」をしているような態勢で2頭の角どうしがつながってしまったエゾシカもあらわれた。別海町は羅網ジカを麻酔銃で眠らせ、網やロープを外している。ただ、こうした「対症療法」だけでは問題は解決しないことから、NPOは羅網の原因となる放置された漁業資材などのごみを回収する「原因療法」に乗り出した。この日はNPOのメンバーら31人が参加して約2時間、汗を流した。小さなプラスチックやビニール(燃やせるごみ)▽ロープなどの大きなプラスチック(燃やせないごみ)▽缶やびん、ペットボトル(資源ごみ)――に分けて回収されたごみは推定500キロ以上で、軽トラックいっぱいになった。半島に毎日通って撮影しているアマチュア写真家の富森博さん=標津町=は「餌を取れずに2頭の雄がつながったまま餓死したこともあった。こうした取り組みによって意識が高まってくれれば」と話した。

(兵庫県森林動物研究センター開設15年:兵庫)
シカ、イノシシ、クマ、サル、アライグマ…。各地で人と野生動物の摩擦が浮き彫りになっている。鳥獣被害は自然豊かな中山間地だけでなく都市近郊でも問題に。兵庫では開設15年を迎えた県森林動物研究センター(丹波市)が対策の核を担う。欧米で培われた「野生動物管理学(ワイルドライフマネジメント)」を取り入れた組織の発足に尽力したのは、昨年亡くなった霊長類学者の河合雅雄さんだった。元国立科学博物館館長の林良博名誉所長(76)、東京農工大名誉教授の梶光一所長(69)、兵庫県立大教授の横山真弓研究部長(55)に、河合さんがセンター設立に込めた思いを聞いた。

(佐渡で進むトキ放鳥、本州側では計画断念へ:新潟)
国の特別天然記念物トキを本州で定着させる環境省の放鳥事業で、候補地選定に応募し、「継続審議地域」とされていた新潟県と長岡市など県内5市町村が計画を断念する方向で調整していることがわかった。新潟は放鳥事業が唯一行われている佐渡島を有する「先進地」だが、基幹産業の稲作への悪影響を懸念する農家らから厳しい声が相次いでいた。同省は5~6月、トキを再び本州などにも定着させようと、将来の放鳥候補地となる「トキの野生復帰を目指す里地」を公募した。県は意欲を示した長岡市や柏崎市、出雲崎町、刈羽村、弥彦村と組んで候補地に応募し、一部の農業、林業団体には事前に説明した。だが、応募後、候補地内の農家らが反発。水田周辺はトキの餌場で、イネが踏み荒らされたり、餌となる虫などを育むために農薬、化学肥料の使用が制限されたりする「負担増」を懸念する声が続出した。こうした状況を踏まえ、同省は8月5日、応募3地域のうち、石川県の能登半島と島根県出雲市を放鳥候補地とした一方、県内を「継続審議」にとどめた。当時の山口壮環境相は記者会見で「選定要件はおおむね満たしており、地元の合意形成次第だ。しっかり調整して」と注文をつけた。県によると、当該地域の農家は農薬や化学肥料の使用を減らす取り組みを実施済みで、水田などで更なる削減を行う必要はないとみられる。あぜ道の管理で散布される除草剤も規制はしない方針だ。だが、農家の間では「自主的に削減し、手で草刈りをするよう『無言の圧力』がかかるのでは」といった「疑念」が根強い。長岡市で8月12日、県や市の担当者が出席して開かれた意見交換会でも「トキが田を荒らすおそれがある」「除草剤を散布できなくなる」など、地元農家らから厳しい意見が出た。淡い桃色の美しい羽を持つトキだが、イネを踏み荒らす「水田の害鳥」として扱われて数を減らし、2003年に国内最後の個体が死んで絶滅した経緯がある。県の担当者は「農家の不安を払拭(ふっしょく)できなかった」と打ち明ける。県は年内に5市町村と最終調整をした上で、同省に正式に応募の取り下げを伝える見通しだ。同省の担当者は「トキの保護増殖に長年携わってきた新潟への期待は大きいが、地元の合意なしには選定できない」と語った。

(住宅街にイノシシ出現“公園に穴”:宮城)
先週から仙台市青葉区の住宅街にある公園にイノシシが出現し、穴を開ける被害が起きています。子供の利用も多く、近くに住む人からは不安の声があがっていて、仙台市も注意を呼びかけています。こちらがFNNビデオポストに投稿された映像。12月12日午後10時過ぎ、青葉区荒巻の住宅街にある坊主門公園の様子です。画面の下から現れたのは、1頭のイノシシ!公園の入口付近に移動すると…穴を掘り始めました。エサを探しているのでしょうか。穴は1カ所ではなく、複数、開けているようです。一夜明け、実際に公園に向かってみると…。穴は幅1メートル以上、深さ20センチほどありました。イノシシを撮影した公園の隣りに住む、山口和宣さん。実はイノシシは先週金曜日(12月9日)にもこの公園に出現し、同じように穴を開けたといいます。一度は通報を受けた仙台市が埋めたものの、12日夜、再び穴が…。仙台市は、「住宅街であることから、わなの設置は難しい」としていて、公園に注意喚起の紙を張る対応をとっています。

(鳥獣ハンターになれる!?意外な体験ツアー:鳥取)
鳥取の観光を新たな切り口で企画されました。ツアー参加者が体験したのは、中山間地が抱える問題だ。獣を捕まえる罠を作り、動作を確認する。山に入り、被害を受けた現場を確認した後、獣の足跡を追跡し実際に罠を仕掛ける。これは鳥獣対策の研修ではなく、参加費17900円のツアーだ。鳥獣ハンター山本暁子さん:「ここは車が通っているからあまり撃ちたくないところですけど、鉄砲を持って、こういう川とか池に行ってカモを撃ったり、こういう田んぼの中にもキジがいたりします」。ガイドを務めるのはハンター歴4年目、鳥取市に住む山本暁子さん。このツアーは鳥取県と読売新聞大阪本社などが連携して進める農業・農村の課題解決、地域活性化を狙った取り組みの一環で開催された。ジビエ料理を楽しむだけでなく、鳥獣被害の実情を見て、体感できるこれまでにない実験的なツアーとなっている。鳥獣ハンター山本暁子さん:「完結に話せば簡単な問題『有害鳥獣、鹿とイノシシが増えて困っています。だから獲ってます』なんですが、直に見ていただかないと、肌で感じていただかないと分からないので」。12月10日のツアーには関西エリアから16人が参加。ツアーの内容は盛りだくさんで、猟師気分を味わうだけでなく、鳥獣被害の問題と狩猟の必要性の座学や肉の処理方法なども学ぶ。そして昼食で出されたのは鹿肉を使ったキーマカレーとロースト鹿。参加者全員がジビエ料理を味わった。参加者の反応に旅行会社は。読売旅行 市村恭女さん:「私自身ずっと募集ツアーをやってきたので、カニとか梨の反応は分かるんですが、今回のお客様の食いつき方は旅行を今までやってきた人間としてこんなに嬉しい反応はないです」。新たなアプローチとなった今回のツアーが中山間地の課題解決に今後一役かうことができるか、旅行会社は得られた手ごたえを参考にして、第2弾を検討していくという。

(捨てられていた食材をおいしく食べて:香川)
捨てられていた食材を有効活用しておいしい料理を作ります。高松市で「ジビエ」を使ったレシピの発表会がありました。イノシシ肉の薄切りをみそに漬け、アスパラやゴボウ、ニンジンと一緒に巻いたロールカツ。シカの肉と小松菜、トウモロコシ、赤いパプリカ、さらにアクセントとしてオリーブを入れた揚げ春巻き。イノシシ肉の薄切りをみそに漬け、アスパラやゴボウ、ニンジンと一緒に巻いたロールカツ。シカの肉と小松菜、トウモロコシ、赤いパプリカ、さらにアクセントとしてオリーブを入れた揚げ春巻き。香川県によると2021年度、野生鳥獣による農作物の被害面積は123.5ヘクタール、被害金額は1億1220万円で、ここ数年は横ばいで推移しています。(香川県生活研究グループ連絡協議会/三原典子 会長)「イノシシシ・シカ等が出てきましたら、それをありがたく頂かなくてはいけない。浸透していければ」。参加者はこうした「ジビエ」の価値をどのように伝え、広げていくかについても話合いました。今後は、レシピと調理方法をわかりやくす紹介するために動画の撮影にも取り組み、YouTube配信で「ジビエ料理」の魅力を伝えることにしています。

(京北産ジビエメニュー展開:京都)
京都市下京区の株式会社JR西日本ホロニックが運営する「Umekoji Potel KYOTO」(梅小路ポテル京都)が京都市と連携して、SDGs の達成にも貢献する、京北産のジビエを使用したレシピを開発した。12 月 16 日より 1 階 Cafeで販売する。Umekoji Potel KYOTOのこの取組は、京都市が農林業の課題を解決しようと設置した、農家や民間団体、大学などが集まるプラットフォーム「KYOTO Agri-Business Cafe」と「木の文化・森林政策推進本部」のなかで、同ホテルと京北地域の猟師が連携して、生まれた。梅小路ポテル京都は、併設のレストランでもメニューの一部に京北産のジビエを使用したクリスマスイヴ 限定のディナーや、冬季限定のディナーを開発して、販売を開始する。右京区京北地域では、ニホンジカなどによる農作物への食害が問題となっており、京都市と地元の猟友会が連携して、捕獲に取り組んでいる。有害鳥獣として捕獲されたこれらのシカなどを資源的に活用するために、猟師自らが開設した、解体加工施設でジビエとして商品化に取り組まれ、現在、地域の道の駅「ウッディー京北」でも販売されている。京北のジビエは、加工施設で捕獲から 30 分以内にすばやくさばくため、臭みがなく食べやすいことが特徴だ。

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12/12
(犬の行動傾向、10系統に分類:アメリカ)
世界の多様な犬種を行動の傾向や性格に関連する遺伝子に注目して解析すると、10系統に分類されると、米国立ヒトゲノム研究所とペンシルベニア大の研究チームが9日、米科学誌セル電子版に発表した。このうち猟犬が5系統、牧羊犬とそり犬が1系統ずつで、使役用途に応じて選抜され、確立した犬種には体格や容姿だけでなく、行動の傾向などにも遺伝子の働きの違いがあることが確認された。牧羊犬は脳の神経回路を形成する遺伝子群の働きが他の犬種より優れているとみられ、ボーダー・コリーが羊の群れを世話する行動には、マウスの母が子を集めて保護する際に働くのと同じ遺伝子が関与している可能性があることも分かった。行動の傾向に関連する遺伝子の犬種別の働きの違いは、人の発達障害の研究にも役立つという。研究チームは226の犬種やオーストラリアのディンゴなどを含む約4200匹の遺伝子を解析し、犬種ごとにしつけやすさや見知らぬ人への反応などを飼い主にアンケート調査したデータと突き合わせた。その結果、狩猟犬5系統と牧羊犬、そり犬のほか、アジア系・スピッツ、アフリカ・中東系、オオカミと犬の中間に位置するディンゴに分類できた。

(女子ゴルフ・古閑美保「日本クレー射撃協会アスリート委員会副委員長」に就任)
女子ゴルフの古閑美保(40=フリー)が9日に自身のインスタグラムを更新。日本クレー射撃協会アスリート委員会副委員長に任命されたことを報告した。古閑は、「この度、日本クレー射撃協会アスリート委員会副委員長に任命されました、、、」と報告。「委員長はあの、あの、金メダル2個も持ってらっしゃる谷本歩実(柔道)大先輩。どうぞよろしくお願い致します」と続けた。「クレー射撃」はオリンピック正式種目で、世界の競技人口は約500万人。クレーと呼ばれる陶器製の標的を、散弾銃(ショットガン)で撃ち壊す標的射撃競技となっている。

(「北限のサル」生息域拡大:青森)
下北半島の「北限のサル」が、じわじわと生息域を広げている。もともとは半島西部のむつ市脇野沢地区などに多く見られたが、近年はむつ市の中心部付近や大畑地区でも農作物を食い荒らすなどの被害が生じている。専門家は電気柵などの対策の重要性を指摘する。食害、人に威嚇も 北限のサルは、1970年に国の天然記念物に指定された。県によると、70年頃は脇野沢地区を中心に約190頭が七つの群れで生息するのみだったが、保護活動もあって数を増やし、2020年度に確認されたのは過去最多の約2800頭、群れは71になった。行動域は東に拡大し、現在は群れからはぐれたサルが半島東端の東通村でも目撃されることがある。むつ市の特産品「夏秋イチゴ」を生産するむつ市大畑町の「あべファーム」では、6月にビニールハウス1棟分のイチゴが食べ尽くされる被害が出た。ファームは21年8月の大雨災害で水没しており、阿部伸義代表(43)は「今年こそ無事に収穫できると思っていたのに……」と悔しがる。食害以外にも、サルが住宅の屋根をうろついたり人に威嚇したりすることも住民の悩みの種となっている。情報共有重要 県は、被害を多く出す個体に限ってわなによる捕獲を試みており、20年度は120頭を捕まえた。近年はサルの警戒心が高まり、思うように捕獲が進まない地域も多い。県は「モンキードッグ」と呼ばれる犬や専門の監視員がサルを山に追い返したり、農地のそばに電気柵を設置したりするなどの対策を取る。その成果もあり、農作物の被害額は01年度が750万円だったのに対し、20年度は84万円まで減った。さらに県は、一度に複数のサルを捕獲できる大型の 檻おり の本格導入を目指す。ただ、被害が減った一方、生息域の拡大で、これまで被害があまり確認されなかった地域でも食害が目立つようになったという。現在は監視員の人手確保や、電気柵の維持管理なども課題だ。北限のサルの生態を調査するNPO法人「ニホンザル・フィールドステーション」(むつ市脇野沢)の松岡史朗事務局長(68)は「電気柵、モンキードッグ、監視員などを徹底すれば被害は軽減できる。脇野沢など以前から食害対策をしてきた地域と情報共有し、行政任せではなく住民が電気柵の維持管理などに参画するのも重要だ」と指摘する。

(アライグマ被害が多発:奈良)
特定外来生物に指定されているアライグマによる農作物への被害、家屋侵入などが多発している。奈良県内の捕獲数はコロナ禍などの影響で一時的に減った期間もあったが、2016年の1654頭から20年は2299頭へ、全体には増加傾向が続いており、県は積極的な防除を進めるため、講習会の開催などに取り組んでいる。

(シカとの衝突気をつけて:北海道)
ここ数年、シカが関係する交通事故が全道各地で大幅な増加傾向にある。道警によると、2021年は4009件と5年連続で過去最多を更新。統計を開始した04年の3・4倍となった。帯広署によると、十勝管内でも同年は323件と過去5年で最多。今年も10月末現在で268件と最多ペースで発生しており、関係機関は注意を呼び掛けている。全道的にはシカが原因とみられる死亡事故も発生している。10月26日には釧路管内標茶町で、シカと接触したワゴン車が対向車線にはみ出してトラックと衝突、男性3人が死傷した。また、11月27日には帯広市南町南9線の栄通で、30代男性の軽乗用車が林から飛び出してきたシカと衝突。幸い男性にけがはなかったものの、車の右フロントが大破、シカは即死した。同署によると、21年の十勝管内のシカが関係する交通事故は足寄町が最多の50件。広尾町が40件、浦幌町が28件と続く。死亡事故こそなかったが、桐山知彦交通1課長は「管内でも増加傾向にある。早めのライト点灯を意識するなどし、十分に気を付けて」とする。道エゾシカ対策係によると、道内のエゾシカ推定生息数は、11年の約77万頭をピークに18年までは減少していたが、19年から再び増加傾向となり、21年は約69万頭で前年比2万頭増加した。同係は「18年11月に恵庭市の国有林で起きたハンターによる誤射事故によって、その年度は一般狩猟者が国有林への立ち入りを禁じられた。その後、新型コロナで道外のハンターが入って来られない状況も続いた」と、増加要因を推測。「10~12月は繁殖期などの影響もあって特に動きが活発」とし、事故に注意を呼び掛ける。道開発局帯広開発建設部道路計画課は、ホームページ上に道東方面の「エゾシカ衝突事故マップ」や衝突防止6原則を掲載している。大江祐一道路計画課長は「1頭いたら、付近には複数いると警戒してほしい。また、シカは凍った路面に弱く、足を滑らせることがある。早めのブレーキを心掛けて」と話している。

(アーバン・ベア、過疎化で生息域拡大)
クマが人のいなくなった地域に行動範囲を広げ、川を伝って市街地に入る――。宮城県が公開しているツキノワグマの出没場所と、国勢調査による人口データを分析したところ、そんな動きが浮かび上がった。専門家から「アーバン・ベア」と呼ばれる都市型のクマによる人的被害が全国的に増える中、どうすれば共存できるのか。

(庭に現れたツキノワグマ、カキを食べて再び闇に消える:兵庫)
稲穂が頭を垂れ、特産のクリが膨らむ。田園は実りの秋を迎えていた。9月下旬、兵庫県丹波市内の民家に設置したセンサーカメラの前に、大きな影が現れた。夜更けの訪問者は森の王者、ツキノワグマだ。母屋でカキの木が熟し始めていた。クマは近くにあった脚立に前脚をかけ、首を伸ばすと枝先の実をまず一つ。胸に三日月の斑紋が見える。樹上で1時間ほどの食事を終えると竹やぶの闇に消えた。兵庫県では人とクマの関係が新たな局面を迎えている。絶滅が危ぶまれた1990年代から禁猟を続けたが、2016年に解禁。駆除も緩和し、保護一辺倒から頭数を管理する体制に移った。背景になっているのは推定生息数の増加、そして分布域の拡大だ。県内の出没地は但馬や西播磨が中心だったが、近年は丹波や中播磨、阪神北部など“新興エリア”が4割を占めるように。こうした地域はクマを人家に近づかせない体制が整っておらず、魅力的な餌場を知った個体が出没を繰り返す事態が生まれかねない。県森林動物研究センター(丹波市)は、クマの生態や接近を防ぐ手法を講習会などで住民らに紹介している。「多くのクマは人を観察し、避けながら生きている。ただ兵庫は奥山が少なく生息域が里に近い。個体数が増えれば構造的に人と衝突が起きやすい」と指摘するのは、豊岡市有害鳥獣主任対策員の岡居宏顕さん(53)。集落に出没するクマと長年向き合ってきた経験を基に「あつれきが強まった時、捕殺するだけで共生と言えるでしょうか。クマの生活圏が近づいていることを踏まえ、人の側も準備が必要だ」と訴える。森に生きるツキノワグマにとって特に重要なのが広葉樹林だ。雑食性で春は山菜、夏は昆虫、秋は木の実が餌となる。特に冬眠前はドングリ類が大切な栄養源で、実りが少ない年は人里へ近づく原因になる。また、シカの死骸など肉も食べる。北海道に生息するヒグマなどと比べると小型で、兵庫で捕獲された個体の場合、雄は平均80キロ、雌は50キロほど。昼行性だが人を避けるため夜行性にもなる。子育て中の雌をのぞき、基本的に単独で生きる。雌は冬眠穴で1~2頭を生む。野生の寿命は長くても20年ほどだという。個体ごとに行動圏や好む餌に差があり、研究者らは「個性がある動物」と口をそろえる。優れた嗅覚と聴覚を持つ一方、視覚は弱い。山中でのクマ除けに鈴やラジオの携行が推奨されるのはこのためだ。別名「アジアクロクマ」とも呼ばれ、中東から日本まで広く分布するが、各地で生息環境が失われている。環境省によると、九州では絶滅、四国は危険な状態にある。本州の分布は拡大傾向にあり、日本はクマが生息できる森林が残る国と言える一方、人身事故の多さが問題となっている。同省生物多様性センターは2011年、全国の個体数を約1万6千頭(中央値)などとする推計を発表した。

(ニホンジカが増えることで起きている「シカ道」問題)
南アルプスは豊かな植生を誇る一方で、さまざまな環境リスクに晒され、さまざまな問題に直面している。今回はライチョウの減少とニホンジカの増加について考えてみたい。南アルプスには、豊かな自然があることを連載1回目、2回目でお伝えしてきた。南アルプスには、固有種や、南アルプスを南限とする種が多々あり、とてもユニークな生態系が広がっている。加えて、本州で唯一の原生自然環境保全地域に指定される大井川源流部など、山が奥深く、人の手がなかなか入りづらかった環境も幸いして、現在でも手付かずの自然が残っている山域でもある。雄大な自然を有する南アルプスではあるものの、一方で環境の変化に晒されていることも事実だ。今回は、南アルプスが直面する問題についてお伝えしたい。1980年代に日本国内に約3,000羽生息していたとされるライチョウは、2000年代にはその数を約2000羽弱に減らしたとされている。ライチョウ減少の要因は、キツネやテン、カラスやニホンザルなどの従来は麓で暮らしていた種の高山帯への進出や、温暖化による高山植生の遷移や営巣環境の縮小、ニホンジカの高山帯への進出による生息環境の劣化などが考えられている。ライチョウは2012年には環境省のレッドリストにおいて、絶滅危惧Ⅱ類から絶滅危惧ⅠB類へカテゴリーが引き上げられた。環境省では、2012年にライチョウ保護増殖事業計画を策定して取り組みを進めている。南アルプスでは2015年から、北岳にて孵化後約1カ月の死亡率の高い時期をケージにて保護する「ケージ保護事業」を5年間行った。これは、孵化直後のヒナをお母さん鳥と一緒に保護し、悪天候や捕食者など、孵化直後に多い死因から守る取り組みだ。また、2017年から3年間は、ライチョウの捕食者となるテンやキツネを捕獲する「捕食者対策事業」を併用して行った。その結果、事業開始当初から5年間で、生息数が約3.5倍に回復した。なわばり数も、統計の1981年の約半分まで回復した。このことから、2020年以降は、「ケージ保護事業」を終了し、「捕食者対策事業」を中心にモニタリングを続けている。ケージ保護事業が終了した後は、なわばり数が再び減少したとの報告もあるため、今後も注視していかなければならない。また、以前にもご紹介した通り、実はライチョウの生息地の世界南限は静岡市・イザルガ岳周辺である。静岡市でも、上河内岳からイザルガ岳周辺でのライチョウの生息状況把握調査を毎年行っている。この山域では大きな減少は報告されていないが、南アルプスに生息するライチョウの中には、北部から南部へと移動する個体も発見されている。そのため、北部も含めた山域全体の保全が世界の南限のライチョウの保全にも繋がっていると言えよう。次に、ニホンジカの高山帯への進出による高山植物への影響だ。それまで、高山帯には上がってこないとされていたニホンジカの高山帯への進出が始まったのは、2000年代頃からだ。ニホンジカはなぜ、厳しい環境の高山へ進出してきたのか。原因はさまざまあるが、そのひとつに地球温暖化による暖冬の影響もあると考えられている。冬の寒さを生き抜く個体が増えて生息数が増えたことにより、より多くの餌を求めて、高山帯へと移動が始まったとされている。つまり、高密度で仲間がひしめき合い、餌の競争が熾烈な南アルプスの麓から、餌の条件の良い高山へと分布が拡大したと思われる。私だったら、ぼーっとしたまま餌を食べ損ね、高い山へと登っていく向上心もなく、日々やせ細っていくんだろうな、と想像する。自然環境で生きていくのは、本当にタフなことなのだ。また、狩猟者の減少も一因であるといわれている。かつてはニホンオオカミがニホンジカの数をコントロールする役割を担っていた。しかしニホンオオカミの絶滅以降は、ニホンジカを捕食する動物は途絶え、ニホンジカは過剰繁殖を続けた。ハンターの数も減ってきており、ニホンジカの増殖は歯止めがかからない状況となっているのは、多くの登山者が耳にしたことのある事象だろう。改めて、ニホンジカの生態を簡単に紹介しよう。彼らは、基本的には群れを成して生活していて、メスは1年~2年で出産ができるようになる。個体数が数年で劇的に増えるのは、この成長の速さが1つの理由だ。また、彼らは、とてつもない食いしん坊であることも忘れてはならない。1日で1頭当たりおよそ3kgもの餌を食べるとされている。そんな彼らが群れとなり高山帯へ押し寄せてくるのだ。例えば10頭で押し寄せたら、その群れだけで1日あたり30kgも食べることになる。ほうれん草1束が300gくらいだとすると、1つの群れで100束ほどを食べつくしてしまう計算だ。その量の高山植物が1日で減っていくのだと想像すると、ぞっとする量である。ニホンジカの硬い蹄もまた、高山植物減少の一因となっている。登山靴よりも硬い蹄に、私たちと同等か時にはそれ以上の体重のニホンジカが群れで歩き回ることにより、シカ道と呼ばれる獣道ができることさえある。このシカ道では、土が踏み固められ、高山植物が根を張ることができなくなってしまうのだ。私は、この仕事を始めるまで、高山植物の減少の要因=ニホンジカの食害、だと思っていた。だから、踏み固めることも要因だと知った時、非常に驚いた。よく「とっていいのは写真だけ、残していいのは足跡だけ」的な標語を聞くが、登山者とて足跡を残していい時代は終わったのだ、と感じている。こうした自然環境の変化に対して、私たちが個人でできることは小さいのかもしれない。けれども、登山そして自然を愛する者として、日々のエコ活のひとつひとつの先に、この豊かな自然が続いているのだ、と知っておくことも大切だと私は思う。

(鳥獣害なく豊作祈る:千葉)
君津市清和市場の諏訪神社で、鳥獣から作物を守り豊作を祈願する「御狩祭みかりまつり」が行われた。市教育委員会によると、「しし切りまち」と呼ばれるこの祭りは、農作物に被害を与える鹿やイノシシを駆除するために住民が毎年11月26日から狩猟を行い、10日目の12月5日に獲物を供えて豊作を祈ったことが起源とされる。江戸時代には行われており、県記録選択文化財(無形の民俗文化財)に選ばれている。5日の祭りでは、鶏肉の入ったおけを神社の 上社かみしゃ の境内に置いて神事を行った後、 下社しもしゃ で神事に立ち会う「 社家しゃけ 」の溝口敏行さん(66)が 裃かみしも 姿で鶏肉を切り分けて奉納。無病息災に御利益があるとされるこの肉を集まった約30人の氏子らが取り合った。

(年末年始特別警戒、事故・犯罪防止に総力:秋田)
事故や事件の多発が懸念される年末年始を前に、北秋田署で9日、「年末・年始特別警戒出動式」が行われた。北秋田市や上小阿仁村の関係団体から約30人が参加し、安心安全な町の実現に総力を挙げることを誓った。一日警察署長に委嘱された市猟友会合川支部の女性猟師・森川玲奈さん(31)=同市川井=と共に地区の警戒活動に当たった。年末年始はコンビニエンスストアなどを狙った特殊詐欺や強盗、積雪による交通事故が懸念され、全県でパトロールや取り締まりを強化(来年1月3日まで)。加えて同署管内ではクマの目撃や被害も毎年多発していることから、猟友会の森川さんに一日署長を依頼した。出動式で下田淳一署長は交通安全と特殊詐欺被害防止を重点に挙げ、「歩行者もドライバーも安心でき、お互いが声をかけ合い犯罪被害を防止していく町にしていきたい」とあいさつ。来賓あいさつの後、委嘱状を交付された森川さんは「市や村の方々が事故や犯罪の被害に遭わないよう、微力を尽くしたい」と力を込めた。出動申告後、署員らは6台のパトカーに乗り込み市内のパトロールに出動。森川さんは旧合川地区のコンビニエンスストアで特殊詐欺や強盗への警戒を呼びかけ、児童生徒の通学路で見守り活動を行った。森川さんは神奈川県出身で、2012年に同市に移住。夫・佑也さん(42)が営む整骨院兼ジムの従業員として働く傍ら、15年に市猟友会合川支部に加入し、クマやイノシシを捕獲するわなの設置など害獣駆除の活動に注力している。

(おかやまジビエスタンプラリー:岡山)
対象店舗でジビエ(シカやイノシシといった狩猟肉)メニューを注文、またはジビエ商品を購入し、各店舗にある専用二次元コードをスマホで読み取り、デジタルスタンプを集める。スタンプを3個集めて専用フォームから応募すると、抽選で鹿角フォーク・ナイフセットやジビエ食品詰め合わせなどが当たる。

(「ジビエフェスタ」県内93カ所でジビエメニュー用意:和歌山)
野生で捕れたイノシシやシカなどの肉の一般普及を目指し企画した同フェスタ。今年で12回目を迎える。参加店は、和歌山県内で捕獲したイノシシやシカの肉を、県内の食肉営業許可を受けた施設で加工した「わかやまジビエ」を使う。今回は前回から5店増え、宿泊施設や温浴施設などを含め過去最高の93事業所が参加。県では現在、参加店やメニュー情報を掲載した冊子を県内で無料配布している。県の特設サイトでは、同フェス対象メニューのレシート・領収書の写真をアップロードしアンケートに回答した人を対象に宿泊券や食事券を進呈する企画も行っている。県畜産課の南安寿香さんは「アンケートによると、(わかやまジビエフェスタは)リピーターが多く楽しんで参加する人が多い。参加店も工夫を凝らしたメニューを考えている。『山の恵み』をもっと食べてもらいたい」と呼びかける。参加店「喫茶ピュア」(和歌山市岩橋)店主の松本雅之さんは「今回は長い時間をかけて構想したメニュー『猪コロンボ』を用意している。熱した鉄板にドライカレーを載せ、スリランカカレーをかけ、あえて大きくカットしたイノシシ肉をトッピングした。しっかりかんでジビエの味を楽しんでほしい」と自信を見せる。

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12/9
(ハンター男性死亡、山中で狩猟中不明に:山梨)
山梨県警北杜署は8日、北杜市白州町下教来石の山中の沢で、狩猟中に行方不明になっていた長野県の無職男性(83)を発見、死亡を確認したと発表した。署によると、男性は1日、猟銃を持って友人と2人で入山。二手に分かれて狩猟をしていたが、集合場所に戻らず、家族が通報した。男性は見つかった場所は入山地点とは離れており、猟銃は付近で見つからなかった。9日以降に遺体をヘリコプターで収容して死因を調べ、猟銃を捜す方針。

(凶暴イノシシと戦った課長代理が激白:神奈川)
都心から電車で1時間余りのベッドタウンで、巨大イノシシと市職員の白兵戦が繰り広げられた。イノシシと格闘した秦野市役所農業振興課・鳥獣対策担当課長代理の岩田雅弘氏に話を聞いた。「小学校の校庭にイノシシが迷い込みました!」「危険ですので立ち止まらず、この場を離れてください!」。大声で避難を呼びかける警察官の声が街に響いた。隣接するこども園に幼児を送り届けた保護者ら10人以上が、不安げな表情を浮かべフェンス越しに校庭を覗き込む。校庭の奥では、体長1.6mを超える巨大な雄のイノシシと、市役所職員らが睨み合いを続けていた。興奮状態のイノシシはフゴフゴと鼻息も荒く、歯をカチカチと鳴らして威嚇。捕獲しようと職員のひとりが背後から近付いた次の瞬間、イノシシは向き直り職員に突進した。その顔面を目掛け、職員は迷わず槍を突き立てた──。11月24日、神奈川県秦野市の住宅街に、1頭の野生イノシシが現われた。出没した範囲は広範に及び、路上では、突進された30代男性が足を負傷。その15分後には、近くのショッピングモールの出入り口付近でイノシシと出くわした80代女性が、避けようとして転倒、頭部に軽傷を負った。その後もイノシシは街中を進み、小学校の校庭に侵入。通報を受けた市役所の職員らが駆け付けると、安全のためにその場での駆除が決まった。このイノシシと格闘した秦野市役所農業振興課・鳥獣対策担当課長代理の岩田雅弘氏が語る。「同日早朝から目撃情報が相次いで寄せられていたため、担当職員が二手に分かれて行方を追っていました。我々が小学校に到着した時には、すでに児童は安全に避難が完了し、校庭には我々と警察官、教職員のほかは誰もいませんでした」。しかし、捕獲は一筋縄ではいかなかった。「すでに人的被害が出ている状況を鑑み、まずは動きを止めようと電気槍での捕獲を試みました。簡単には近付けず、一進一退の攻防が10分ほど続いた後、突進してきたイノシシに電気槍を弾かれたので、今度は刃をつけた槍に持ち替え、左目の眼窩付近をひと突きしたところ、ようやく動きが止まりました」(岩田氏)。その後も立ち上がってフラフラ歩くなど、しばらく息をしていたが、15分ほどして動かなくなり、死亡が確認された。「時速50kmに達する速さで走り、急に向きを変えるなど素早く動き回るイノシシは、人が走って逃げても簡単に追い付かれてしまうので非常に危険です。イノシシが落ち着いたタイミングを狙い、そっと近寄りました」(岩田氏)。野生イノシシの大捕物があった秦野市は、東京都心から急行で1時間余り、同じく横浜からも1時間ほどのベッドタウン。人口約16万人を擁する地方都市だが、市の北部には自然豊かな丹沢山地があり、多くの野生動物が生息している。緑地保存されている原生林や山から下って市内を流れる水無川を伝い、市街地に迷い込んでくるイノシシ、シカ、サルなどの野生動物が定期的に報告されており、市では鳥獣被害対策担当の専門部署を設けて地元猟友会と連携し、駆除に当たっているという。「イノシシについては、くくり罠や箱罠を使って年間100頭ほどを捕獲しています。市街地での目撃は繁殖期で興奮状態になっている秋口に多く報告されます。繰り返し現われて人に慣れきってしまった個体もいて、人がいても逃げないどころか、無視して農作物を荒らし続けるイノシシやシカもいます」(岩田氏)。まさに害獣と化しているが、一方、駆除した動物の利用も始まっている。「今回のように『止めさし』をしたイノシシやシカは近隣のジビエ処理加工施設に運び、食肉加工を行ないます。これらは“秦野産ジビエ”として、市内の精肉店や地元の飲食店などに利用してもらいます。鮮度もよく、美味しいと大変好評です」(岩田氏)。

(猛禽類の鉛中毒なくせ、活動四半世紀:北海道)
「入ります」という声とともに男性スタッフが診察室に運んできたのは、1羽のシマフクロウだった。鋭く曲がった大きなくちばしで、スタッフが腕に着けた革製の防護手袋をかむ。「ガツガツ」という音が響く。「眼底に異常はないようだ」。暗くした室内で検眼ライトを手に、斉藤慶輔(57)が慣れた手つきでフクロウの大きな目をのぞき込む。「こっちの目はまだ瞳孔が開いたままだ。視神経か脳の障害の恐れがあるなあ」。釧路湿原国立公園の近く。斉藤が代表を務める猛禽(もうきん)類医学研究所には、交通事故などで傷ついた多くの鳥が運ばれてくる。日本で最初の野生猛禽類専門の獣医師として、その命を救い、可能な限り自然に返そうと、昼夜を分かたず努力を続けている。

(松丸喜一郎氏が理事に、国際射撃連盟)
日本ライフル射撃協会は7日、松丸喜一郎会長(68)が11月30日に行われた国際射撃連盟総会の役員選挙で業務執行理事に当選したと発表した。同氏は日本オリンピック委員会(JOC)副会長などを歴任した。

(神戸市消防局が全国で初めて「火薬類の輸入許可申請」を『完全オンライン化』:兵庫)
神戸市消防局が、全国で初めて「火薬類の輸入許可申請」を『完全オンライン化』したみたいです。消防局ではこれまでにも行政手続のスマート化の一環として、「電子申請の受付」や「手数料支払のキャッシュレス化」を導入してました。新たに開始されたのは、市長印を押印した「書面」の許可書に代えた、市長名で電子署名された許可書の「電子交付」です。これによって、申請から許可書交付までの一連の手続きが、一切来庁することなく完全オンラインで可能になりました。申請手続きの完全オンライン化によって来庁や郵送にかかる時間が省略されるので、日本最速で許可書を取得できるようになったそう。

(数は減っていないのに絶滅するの?房総のニホンザルの切実な事情:千葉)
サルの数自体が減っているのではない。それにもかかわらず、千葉・房総半島に生息するニホンザルが絶滅する恐れが高まっている。環境省は2020年に公表したレッドリストで、「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定した。地元では、新たな保護活動が始まっている。川や人口密集地などによって他の地域から孤立し、房総半島の南部には数千頭のニホンザルが生息している。遺伝的にも独自のサルで、永続的な保全が必要とされている。千葉県富津市と君津市にまたがる高宕(たかご)山地区の約11平方キロに生息するニホンザルの個体群は1956年、国の天然記念物になった。環境に異変が起きたのが90年代半ば。生息地から20キロ離れた房総半島最南部で、正体不明のサルの群れが見つかった。

(イノシシ3年ぶり増:石川)
今年度に金沢市内で捕獲されたイノシシが10月末時点で前年同期比419頭増の904頭となり、3年ぶりに増加していることが市のまとめで分かった。既に前年度1年間の661頭を上回っている。豚熱(CSF)の流行が落ち着き、生息数が再び増加に転じているとみられる。今後、農作物にも影響が出る恐れがあり、市は12月補正予算案に緩衝帯整備や放置果樹の除去などを支援する獣害対策費870万円を計上した。市農業水産振興課によると、今年度のイノシシの捕獲数は4月が4頭、5月が19頭と推移し、6月に124頭と急増した。8月には1カ月間で307頭が捕獲され、2019年9月以来の300頭超えとなった。年度別の捕獲数は、17年度1699頭、18年度1700頭、19年度1883頭と右肩上がりで増加していた。豚熱が県内で初確認された19年8月以降は一転して減少傾向となり、20年度は780頭で4年ぶりに1千頭を下回った。感染の広がりとともに死亡するケースが増えたとみられる。イノシシはクマやシカに比べて繁殖率が高く、1年後の生息数が1・5倍近く増えるとされ、市は今年度、捕獲数が再び千頭を超えると見込んでいる。水稲やタケノコなどの農作物被害額は10月末時点で345万円で、柵の設置といった対策の効果もあり、前年度の1301万円を下回る見込みだが、生息数の増加に伴って急増する恐れもある。市は被害を未然に防ぐため、地域の生産組合に対し、畑付近の茂みを草刈りして緩衝帯を整備する費用を1回当たり最大25万円補助する。イノシシなどの餌場となる放置果樹の除去にも10万円を上限に支援する。市の担当者は「イノシシの増加に備え、農家には作物を守る対策を早めに行ってほしい」と呼び掛けた。

(急増する野生動物の住宅街への侵入、イノシシの生息分布域は40年で約2倍に拡大:神奈川)
近年、市街地への出没が相次ぐ野生動物。住居への侵入や通行人を襲うなど、人的被害も出ているという。11月24日、都心から電車で1時間余りの神奈川県秦野市では、野生イノシシの大捕物があったばかりだ。なぜ、こうした獣害が増えているのだろうか。従来の生息エリアを超えるばかりか、およそ適さないはずの都市部の市街地にまで進出するようになった野生動物たち。何が起きているのか。『獣害列島 増えすぎた日本の野生動物たち』著者の森林ジャーナリスト・田中淳夫氏が言う。「山でエサ(食べ物)がなくなったから市街地に現われるようになった、と指摘する人もいますが、より根本的には、イノシシやシカの生息数が増えてきたことが最も大きな理由です。関西でも、大阪などの大都市部でごく当たり前に目撃されており、六甲山地を背景に持つ神戸市内では、一時期『夜になるとコンビニ前にイノシシがたむろする』と言われるほど出没が相次ぎました」野生動物の住宅街への闖入が引き起こした事故や事件も全国各地で報告されている。環境省の調査によると、2021年度のイノシシによる人身被害は全国で44件あった。2022年は9月までに15件が報告されている。大阪府内の山村では、昨年8月、路上でイノシシに襲われた男性が側溝に倒れているのが見つかり、病院搬送後に死亡した。胸や脚には牙で突かれた傷跡が多数残っていた。今年11月には徳島県小松島市の市街地にイノシシが複数回現われ、次々と人を襲った。通学中の小学生ら6人が手足を噛まれるなどのケガをしたほか、国道を歩いていた男性が背後から体長1.5mのイノシシに体当たりされるなどしたという。人間の生活エリアを脅かすまで増えたイノシシ。環境省自然環境局の個体数推定によると、日本に生息するイノシシの数は、1989年は28万頭だったのが、2019年には80万頭となり、30年で3倍近くに激増した。近年は減少傾向にあるものの、イノシシの生息分布域は2018年度までの40年間で約2倍に拡大しているという。個体数が増え、生息域が拡がれば、当然、人間社会との接触も増える。農水省によると、2020年度のイノシシによる農作物被害は46億円に上った。水田の稲を踏み荒らしたり、土手を鼻で掘り返すなどの被害が起きている。イノシシばかりではない。近年、全国の市街地には野生のサルがたびたび出没し、人身被害も多発している。11月4日には、長野県飯田市の住宅にサルが侵入。一人暮らしの70代女性に襲いかかる事件が起きた。女性は自宅居間のコタツでくつろいでいるところだった。7、8月には、山口市の住宅街で乳児を含む66人が、野生のサルに次々と襲われる衝撃的な事件もあった。住宅の網戸を開けて侵入したサルが乳児の足を引っかいたのを皮切りに、山口市小郡地区の3km四方の範囲で、住民が噛まれるなどしてケガをしたという。前出・田中氏はこう指摘する。「サルが自ら人家に忍び込み、人間を襲うケースが生じ始めたのは、まさに異常事態です。なかには冷蔵庫の食料を奪われたケースもあるようで、サルが強盗のようになっている。頭数が増えるに連れ、これまで棲んでいた山間部では餌が確保できなかったり、勢力争いや縄張り争いの結果、新天地を求めて移動する個体が増えているのです」。都市部での出没が増えたのも、実はもっともな理由があるという。「都市部には大きな公園や空き家、空き地があり、野生動物が身を潜めることができるうえ、ゴミ置き場などのエサ場も豊富にあります。罠にかかったり、猟銃で撃たれたりする危険性も少ないため、慣れてしまえば、都市部に棲み着く個体がいても、なんらおかしいことはない。万が一、街中で野生動物と出くわしたら、目を逸らさず、ゆっくり後ずさりしてその場から離れるのが基本。野生動物の多くはいきなり逃げ出すと追いかけてくる習性があります。決して背中を見せてはいけません」街なかに現れた野生のイノシシを駆除した、秦野市役所農業振興課・鳥獣対策担当課長代理の岩田雅弘氏も同様に、鉢合わせたらゆっくりと距離を取って避難すべきとしたうえで、「すぐに近くの役場や警察に通報してください」と力を込めた。一般市民では対処しきれない獣害に、自治体職員らが最前線で奮闘している──。

(鳥獣対策、寸劇で:静岡)
浜松市や県、地元猟友会などでつくる浜松地域鳥獣被害対策協議会は7日、山間地の鳥獣被害を啓発する勉強会を同市天竜区佐久間町の佐久間幼稚園で開いた。3~6歳の園児7人は、寸劇を通じて被害をもたらす野生動物の種類や森林に入る際の害虫対策などを学んだ。同協議会の会員がサルやイノシシなど畑の作物を食べてしまう動物に扮(ふん)してステージに登場。対策として畑に防護策を設置することで被害を守り、山に暮らす動物を悪者にしない共存の大切さを伝えた。寸劇の後、防護策は電流が流れていて近づいてはいけないことや、森林や山に生息する害虫のマダニから身を守る方法を説明した。同協議会は、鳥獣被害を身近に感じてもらおうと、被害が多い地域の幼稚園や小学校を対象に勉強会を毎年実施している。

(害獣対策、イノシシの「わな」設置:岩手)
農作物被害の原因となるイノシシを捕獲する「わな」の設置が7日、岩手県雫石町で行われた。空からの探索に一役買う最新機器もお披露目された。三浦悠実香記者のリポート。わなの設置は、役場の職員と猟友会のほか、「わな」を町に寄贈した建設会社『昭栄建設』のあわせて8人が作業を行った。以前イノシシ被害に遭った町内の牧草地に、わなを設置するための機材を3本の杭で固定。太さ4ミリのワイヤーを巻き付け、その先にわな本体を取り付けて穴の上に重ねる。「入った。(足を)抜く。抜いても足は入っている。暴れると(ワイヤーが)締まる」。「入った。(足を)抜く。抜いても足は入っている。暴れると(ワイヤーが)締まる。」最後におびき寄せるためのエサをまいて作業は完了。(雫石町役場農林課谷崎修主査)「冬場はエサが無いので餌付けで捕獲をするのは非常に有効だなと。(冬場は)凍ってわなが作動しないデメリットがあるが、今回のわなは非常にシンプルでスプリング(ばね)等も使っていないので冬場でも作動するのではないかなと」。また、ドローンのテスト飛行も行われた。1キロ以上先まで飛ばすことができ、人や動物の体温を感知して表示する「サーモカメラ」の機能も付いている。(谷崎主査)「夜間飛行をしてイノシシのねぐらを突き止めるなど、より効率的に捕獲に繋がるかなと思う」。雫石町によると、2022年度は83頭のイノシシが捕獲されていて、わなにかかった場合は、GPSの発信機を付けて行動を調査する予定。

(高校生がシカ捕獲の実演などで狩猟法を学ぶ:群馬)
シカの捕獲の実演などを通じて狩猟の役割と魅力を学ぶ特別授業が沼田市の尾瀬高校で行われました。この授業は、農林業の被害を防ぐため捕獲の担い手となる狩猟者を育てようと県が去年から県内の高校で実施しているものです。この日は、尾瀬高校で環境などについて学ぶ自然環境科の生徒およそ70人が参加しました。講師は県の自然環境課の職員と、赤城山の狩猟事業者に指定されている民間企業「WSat」でシカやイノシシの捕獲などを行う三上寛人さんです。三上さんは狩猟の際に使う罠や模造銃を用いてシカを捕獲する手順を実演しました。三上さんは「狩猟は残酷な一面もあるが、誰かがやらなければいけない。」と説明しました。高校生は、貴重な話や実演を通じて狩猟の社会的役割などを学んでいました。

(「わな体験ツアー」を開催:高知)
今、狩猟が注目を集めています。そこで、狩猟の魅力やくくりわなの仕掛け方を学べるわな猟体験ツアーを開催します。狩猟に興味はあるもののなかなか一歩を踏み出せないでいるあなた、わなの免許は取ったものの、きっかけや知識がなくて実際に狩りには出られていないあなた、ぜひ参加して、狩猟の世界に飛び込みましょう!あなたも、ハンターに!本年度は、香美市土佐山田町平山と宿毛市一生原の2会場で開催します。

(活動広げるレディースハンター:大分)
毎年11月1日に解禁される狩猟。銃やわなを使って獲物を捕らえる狩猟免許を取得しているのは、大分県内に4000人以上います。そのうち女性ハンターの割合は1%にも達していません。竹田市などで活動する女性ハンターを取材しました。

(「木頭クマ祭り」10日に初開催:高知)
認定NPO法人四国自然史科学研究センター(高知県須崎市)と那賀町木頭図書館は10日、四国に生息するツキノワグマの保全や共生について考えるイベント「木頭クマ祭り」を町木頭文化会館(木頭和無田)で初めて開く。

(コロナ禍が転機、工場勤務から『猟師』へ:兵庫)
劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、養父市地域おこし協力隊の松山朋弘さんが出演。コロナ禍を機に地方移住した経緯について語った。松山さんは大阪市出身の23歳。高校卒業時より自動車工場に勤務していたが、コロナ禍による部品供給不足で、勤めていた工場が一時閉鎖を余儀なくされた。突然の休みに戸惑うも、母の知人が養父市に移住しジビエ工房を手がけていることを知り、興味が湧いたという。もともと高校で農業科を選択していたこともあり、暇を持てあますくらいなら、と休職中に「宝塚ジビエ工房」を訪問。初めて同行した日に大きな鹿がかかり、そのときの感動が松山さんの背中を押した。晴れて養父市の地域おこし協力隊に採用され、着任したのが今年の1月。同月、人生初めての「大雪」を体験したという。「住んでいるログハウスは、除雪車が通る道からは少し離れているんです。ドアを開けたら雪がひざくらいまであって……。『夢かな?』と思って、1回ドアを閉じました(笑)」と振り返ると、平田さんも「今年は大雪でしたしね。雪かきグッズを購入するのは、雪が降ってからでは遅い。始まるまでに買っておかないと」と、『雪かき談義』に花が咲く一幕もみられた。現在は仕事にも慣れ、ひとりで解体もできるようになった松山さん。狩猟免許も取得し、この秋の猟期からいよいよハンターデビューする。後ろ足に傷がつくと最も人気のあるモモ肉の鮮度が落ちてしまうなど、鹿の処理やルール作り、販売方法に至るまで師匠から学ぶことは多い。近年では「高たんぱくで栄養価も高い」と健康志向の方に好まれている鹿肉。農作物への被害を最小限に抑える手伝いをしながらおいしい鹿肉を提供する猟師の仕事は自分に合っている、と松山さんは語る。「工場勤務のときとは違い、扱う個体のクセは日によって変わるのでその都度やり方を変えないといけない。その変化を楽しみながら仕事に取り組んでいます」(松山さん)。

(イノシシ、車にぶつかった:埼玉)
久喜市と白岡市で5日、「イノシシを見た」との目撃情報が複数、久喜署に寄せられ、市や同署などが警戒を呼びかけている。久喜署によると、5日午後6時ごろ、久喜市下早見付近で「イノシシが道路を横切った」という情報が寄せられ、4分後に近くの白岡市野牛でも目撃情報があった。さらに久喜市北青柳で「車にイノシシがぶつかった」。

(「クマ肉おいしい」、夜久野農林商工祭:京都)
京都府福知山市夜久野町の産業活性化を図る「夜久野農林商工祭」がこのほど、同町平野の「道の駅農匠の郷やくの」で開かれた。新型コロナウイルス禍の影響で3年ぶりとなり、来場者は食を楽しみ、地域の産品を買い求めた。地元の営農推進協議会や市商工会夜久野支部でつくる実行委員会が主催。今年で35回目を迎え、地元企業や住民グループなど15団体が出店した。感染対策で出店者数を従来の約半分に減らし、休憩スペースの机には仕切りを立てた。会場には白菜や大根などの新鮮な野菜、住民がつくるぜんざいなどが並び、大勢の来場者が品定めをしたり、舌鼓を打ったりした。住民グループ「居母山クラブ」が販売した熊鍋を味わった児童(7)=同町中夜久野=は「みその味が付いたクマ肉がおいしい」とほおばっていた。

(柿スイーツ人気、クマ被害ヒントに商品化:島根)
津和野町の若者有志でつくるプロジェクトチームが、町特産の珍しい柿「津和野トンギリ」を活用したドライフルーツ、菓子を開発、商品化した。収穫しないとクマを人里に呼び込む原因となる、柿の活用策。

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(カモ猟中に散弾銃暴発:山口)
カモ猟中に散弾銃が暴発し、山口県宇部市の自営業男性(40代)が右手の指2本に大けがを負いました。警察によりますと11月30日午後1時半ごろ宇部市厚東の山中で、カモ猟をしていた男性が木の枝に引っかかった散弾銃をはずそうと、銃口付近を右手で触った時、何らかの原因で銃が暴発したということです。男性は、右手の薬指と小指を欠損する見込みの重傷を負いましたが、命に別状はないということです。近くに人はおらず、男性以外にけがをした人はいませんでした。警察で、事故の原因を調べています。

(全国の野生鳥獣による農作物被害状況について)
農林水産省は、令和3年度の野生鳥獣による農作物被害状況について、都道府県からの報告を基に、全国の被害状況を取りまとめました。令和3年度の野生鳥獣による全国の農作物被害は約155億円(対前年度約▲5.9億円)、被害面積は約3万3千haで(同▲1万ha)、被害量は約46万2千t(同+2千t)です。主要な鳥獣種類別の被害金額については、イノシシ(被害額39億円、対前年度▲6.4億円)、サル(同8億円、同▲1.0億円)、カラス(同13億円、同▲0.7億円)で減少する一方、シカの被害は増加(同61億円、同+4.6億円)しています。

(農作物鳥獣被害54.5億円:北海道)
農作物が野生鳥獣に食べられる農林水産業への被害が2021年度に54億5000万円に上ったことが道のまとめで明らかとなった。前年度比で8%増の4億1400万円増で2年連続で増えている。被害額は、11年度に72億2200万円で過去最高を記録。エゾシカの捕獲などが奏功し、ここ数年は50億円程度だが、再び上昇の傾向がみられる。21年度の内訳は、エゾシカによる被害が44億8000万円。被害の全体の8割を占め、前年度比で4億1200万円増だった。作物別でみると、牧草が18億6700万円▽水稲が3億7600万円▽ビートが3億5300万円――などとなっている。

(ツキノワグマ捕獲増、駆除強化の取り組み反映:岡山)
岡山県内でツキノワグマの捕獲が増えている。11月は7件(28日現在、前年4件)と記録の残る1989年以降2番目に多く、県が2022年度に保護計画を改定して捕獲を強化したことが反映された格好。

(オホーツク管内ハンター減、最盛期から千人以上:北海道)
オホーツク管内のハンターが減っている。北海道猟友会の管内11支部のハンターは、最盛期だった1975年ごろに計約1700人いたが、今ではその約4割の675人(11月末現在)にまで減少。農作物被害をもたらすエゾシカの捕獲にはハンターが欠かせず、道猟友会は若手の育成が急務としている。11月9日朝、美幌町の町有林。北見市の会社員で道猟友会北見支部所属の斉公人さん(40)が、エゾシカを狙った「コール猟」を行っていた。鳴き声に似た笛を吹いて、発情期を迎えたシカをおびき寄せる猟だ。笛の音に反応して1頭のシカが立ち止まった。その距離、約240メートル。斉さんはうつぶせになり銃を構えた。数秒の沈黙後、パーンと銃声が鳴り響き、銅弾がシカの首に命中。体重97キロ、推定5歳のオスだった。管内では「若手」に入る斉さんは、ハンターだった祖父や父の影響で23歳で免許を取得。ハンターが増えない現状について「やっている人が身近にいないと無理。お金がかかり、銃所持の手続きも面倒」。銃で狩猟をするには、道が試験を行って交付する狩猟免許と、警察が試験を行い交付する銃砲所持許可が必要だ。管内のハンターはこの50年で6割減った。猟友会によると、高齢化が進み、平均年齢は50代後半。高齢を理由に3年ごとの所持許可の更新をしない人もいるほか、誤射事件などが起きるたびに厳しくなる規制を嫌って銃を手放すケースもあるという。一方で、エゾシカの農作物被害は増えている。道が発表した2021年度のエゾシカによる管内の被害額は5億1100万円で、前年度より3千万円増えた。農業被害を抑えるにはシカを一定程度捕獲し、生息数を管理することが求められている。エゾシカの東部地域(オホーツク、釧路、根室、十勝管内)の21年の推定生息頭数は31万頭。東部で21年度に捕獲されたメスのシカは3万5千頭だったが、道は年間4万8千頭の捕獲が必要としている。道猟友会の会長で北見支部長の堀江篤さん(75)は「(射程の長い)ライフル銃を持てるまでには時間がかかる。若いうちに免許を取得し、会に入ってほしい」と話す。

(ドローン使った「狩猟」、赤外線カメラで動物探しやすく:兵庫)
兵庫県佐用町では赤外線カメラを載せたドローンを使った狩猟が行われました。山の上を飛びまわるドローンが映し出すのは…モニターに白く映る野生のシカ。居場所を特定すると猟師が犬を連れて向かいます。カメラの温度センサーで野生動物がいる場所がモニターに映り、草むらに隠れている動物を探しやすくなります。野生動物の夜間行動を監視できるということです。町では毎年野生動物による多くの農作物被害が出る一方、猟友会のメンバーが高齢化していることなどから効率的に狩猟ができるよう考えられました。佐用町では来年3月末までドローンの運用実験を行う予定です。

(捕獲した動物の報告をデジタル化:兵庫)
イノシシなどによる農業被害を減らすため、狩猟での捕獲を促し野生動物の数を一定に保とうと、兵庫県は捕獲した際の報告手続きをデジタル化してハンターの負担を軽減する取り組みを始めました。兵庫県内では野生動物による農業被害が令和2年度は4億円を超え、県は狩猟による捕獲を進めていますが、被害を減らし生態系を保つためにはさらなる捕獲が必要だとしています。ただ、これまではハンター自身が捕獲した動物の大きさや場所などを記録し、毎月、県に報告する必要があり、手続きの煩雑さが狩猟の妨げになっているという指摘もありました。このため、県は捕獲の報告手続きをデジタル化し、加工施設がデータを入力すれば、ハンター自身が報告書を提出する必要がない、新たなシステムを導入しました。南あわじ市の加工施設では、ハンターから野生動物が罠にかかったと連絡を受けて回収し、10項目ほどの情報をスマートフォンで専用のサイトに入力していました。ハンターの橋本隆さんは「頭数さえ確認すればいいので、作業がとても楽になりました」と話していました。兵庫県自然・鳥獣共生課の石川修司 班長は「害獣の農林業被害が深刻化する中、手続きのデジタル化でより円滑に捕獲が進むと期待している」と話していました。

(ドローンで有害鳥獣駆除、和歌山から10人視察:京都)
狩猟犬に代わって無人航空機(ドローン)を使って獲物を追い出す「巻き狩り」が4日、福知山市田野の山中で行われた。視察に訪れた和歌山県猟友会(尾上貞夫会長)のメンバーが狩りの様子を目の当たりにして、ドローンの有効性を確認。早速に同県でも導入することを決めた。使われたドローンは、福知山市大内の会社アエロジャパン(志村伊織代表)が府猟友会(西村義一会長)と共同開発した専用機。指向性のある高出力の拡声器を備える。府猟友会は2年前から実際に使って有害鳥獣の駆除で効果を上げている。

(ハス田の泥中のレンコンを食べる「カモ被害」実態を初めて確認:茨城)
農研機構は、野生のカモ等が、水が張られたハス田の泥中にあるレンコンを食べる様子を初めて確認。ハス田に試験的にレンコンを埋め、夜間のカモ等の行動を動画撮影した結果、一部のマガモ、オオバンが、水面下約40センチの深さまで採食することがわかった。この成果は、鳥類による全国の農作物被害額の約1割を占める霞ケ浦周辺でのレンコン被害に対し、効果的な被害対策を講じるために欠かせない知見となる。全国一のレンコン産地である茨城県霞ケ浦周辺では、カモ等によるレンコン被害が報告されている。その被害額は、鳥類による全国の農作物被害額の約1割を占める年間約3億円(2020年度)にのぼる。レンコンはハス田の泥中にあり、食害は夜間に生じるため、その様子を直接確かめることが極めて難しい。秋~冬の収穫の際、泥中から掘り上げたレンコンにえぐられた傷があって出荷できなくなる場合があり、夜間のハス田でカモ等の群れが見られることなどから「カモ被害」と認識されてきたが、実際にどの種が、どのようにレンコンを食害しているかは不明だった。対策として多くのハス田に防鳥網が設置されているが、カモ等の侵入を完全に防ぐことは難しく、野鳥の羅網死が相次いでいるため環境保全上の問題にもなっている。レンコンを食害する種や採食行動を明らかにすることは、被害の実態を把握し、効果的な対策を計画・実行していく上で不可欠。そこで農研機構は、収穫後のハス田に試験的にレンコンを設置して夜間のカモ等の採食行動を動画で撮影し、マガモとオオバンが繰り返し倒立しながら水面下約20~40センチの泥中でレンコンを食べる様子を確認。その際、マガモは脚で泥を掘る動作も行っていた。翌朝、レンコンが食べられた範囲の泥面はすり鉢状に掘られており、その底(水面下約40cm)よりも深くにはレンコンが残っていた。他の種では今回は撮影個体数が少なかったため、さらに調査が望まれるが、泥中のレンコンを食べないカモも見られた。これらの結果から、ハス田の泥中にある収穫前の商品価値のあるレンコンが少なくともマガモとオオバンによる食害を受けること、浅く位置するレンコンほど食害を受けやすいことが示された。同時に、霞ケ浦で越冬する多数のカモ等にとって、周辺のハス田が好適な生息場所となっていることが示唆された。同成果は、夜間に生じる「カモ被害」の実態の理解に役立つとともに、今後の対策手法を検討していくために重要な知見となる。

(ニホンジカ、白神山地周辺地域で定着か:青森)
繁殖力が強く植生への影響が懸念されるニホンジカについて、環境省東北地方環境事務所は30日、世界自然遺産白神山地の周辺地域で定着した可能性があり、「初期段階の侵入状況にある」との認識を示した。2021年度に周辺地域で行った調査で、初めて繁殖期の咆哮(ほうこう)が確認された。世界遺産地域内では15年以降、4頭が自動撮影カメラで確認されているが植生への影響はほとんど確認されていないことなどから「定着を示す証拠はない」とした。

(白神山地ニホンジカ侵入「もっと厳しい評価を」:青森)
白神山地世界遺産地域科学委員会(委員長・中静透国立研究開発法人森林研究・整備機構理事長)は30日、第22回会議を弘前市の市民文化交流館ホール(ヒロロ4階)で開いた。ニホンジカの侵入状況について環境省が、世界遺産周辺地域は冬期の生息や雌の撮影が確認され、繁殖期の咆哮(ほうこう)も確認されていることなどから定着した可能性があり、フェーズ1(遅滞相)後期からフェーズ2(転換期)の初期段階-と示したのに対して、専門家の委員は「雌の目撃があるのならば、もっと厳しく評価すべき」と述べ、先んじた対策の必要性を指摘した。環境省東北地方環境事務所によると、本県側の白神山地周辺で2021年度に目撃されたニホンジカは28件30頭で、前年度の24件27頭と比べて増加した。西目屋村と深浦町では雌計3頭の目撃もあった。目撃情報などを踏まえて同事務所は、侵入状況について世界遺産地域は食痕による群生レベルの植生衰退や繁殖期の咆哮が確認されていないことなどから、フェーズ1で、周辺地域は目撃件数が一定範囲で推移し、雌の確認もあることなどから同1後期から同2の初期段階と評価。委員に意見を求めたところ「フェーズ2の初期段階を過ぎているのでは」「もっと厳しく評価すべき」との指摘があった。ほかに駆除対策の一つとして県などが行っている猟銃での捕獲について、委員から「銃で打つことで個体の拡散を助長することになる。1頭1頭を確実に捕獲することが重要で、わなでの捕獲普及に力を入れてほしい」との意見が出た。

(クマの動きを把握するための年内最後の確認作業:北海道)
旭川市は市街地に接近するクマの動きを把握するための「ヘア・トラップ」を河川敷などに設置していて、市の職員らが、1日、ことし最後の確認作業を行いました。「ヘア・トラップ」はクマが興味を示すにおいをしみ込ませたくいに有刺鉄線を巻きつけ、寄ってきたクマの毛をむしり取るものです。旭川市はことし6月から酪農学園大学の協力を得て、市街地に近い河川敷などにこの「ヘアトラップ」を14か所設置していて、週に1回程度のペースでクマの毛が採れているか確認しています。1日は市の職員や大学の研究者らが本格的に雪が積もるのを前に「ヘアトラップ」にクマの毛が引っかかっていないか注意深く観察したり、付近に設置した赤外線カメラにクマが映っていないか確認したりしていました。旭川市は去年からことしにかけて市街地付近に出没したクマは、河川敷を経由して姿を現したと見ていて今後はこれまでに採取できたクマの毛のDNAを検査し個体の識別を進める考えです。旭川市環境総務課の橋口城児主任は「クマが市街地に侵入する予兆をつかむための調査です。科学的な知見も生かしながら対応していきたい」と話していました。

(街にヒグマ、自治体向け机上訓練:北海道)
道は本年度、自治体職員向けにヒグマの市街地出没を想定した机上訓練を初めて行った。昨年6月に札幌市東区の住宅街にクマが出没して男女4人が重軽傷を負った事故などを踏まえて導入したもので、初年度は8~11月に札幌や旭川など8市町を対象に実施した。市街地では警察官の命令がなければ猟銃を使えない上、山林に追い払う有効な手段もない。対策に明確な正解がない中、訓練ではいかに臨機応変に対応し、課題を把握するかが問われた。10月21日、札幌市清田区民センターで行われた訓練は、同市や江別市、北広島市などの職員をはじめ、道警本部や札幌西署の警察官ら約30人が4班に分かれて参加した。クマの目撃情報が寄せられた時や現地で出没を確認した時の対応について意見交換した。訓練ではまず、午前6時すぎにクマの目撃の一報が市役所に寄せられた場合を想定し、現場に到着するまでにやるべきことを話し合った。ある班では、教育委員会への連絡手法が議論になり、伝達の仕方によってはすぐに一斉休校につながりかねないとして「実際にクマかどうか確認するまでは、未確認の参考情報として伝え、注意を促す程度にすべきだ」との声が出た。議論が白熱したのは、事態を安全に収束させる方針だ。班ごとの議論の結果、「山林に追い払う」、「山林に戻るまで見守る」が各1班、他の2班は「追い払い」を基本に「機会があれば捕獲」、「効果がなければ見守り」とした。追い払いや見守りの過程で必要になる「住民周知」や「道路の通行止め」を巡っては、講師役の専門家から「誰がやるのか」と問われて初めて関係機関間の役割分担を検討し始める班も。自治体職員が「警察もやってくれるのでは」と話すと、同じ班の警察官が答えに詰まる場面もあった。

(ニホンザルの魚捕食を初撮影:長野)
長野県の上高地に生息するニホンザルが、生きた魚を捕まえて食べる瞬間を撮影することに信州大学やNHKなどのグループが成功し、国際的な科学誌で発表しました。ニホンザルのこうした行動が撮影されたのは初めてです。撮影に成功したのは、信州大学理学部の東城幸治教授とNHKの番組「ダーウィンが来た!」の撮影クルーなどのグループで、29日、国際的な電子ジャーナル、「サイエンティフィック・リポーツ」で発表しました。東条教授たちは上高地に生息するニホンザルのふんを分析し魚を食べている可能性があることを突き止め、ことし1月から3月にかけて「ダーウィンが来た!」のクルーと撮影に挑みました。その結果、少なくとも3つの群れのニホンザルが魚を捕まえて食べている様子をあわせて14回撮影することに成功したということです。グループによりますと、ヒト以外の霊長類が生きた魚を捕まえて食べるという報告は海外でもほとんどなく、ニホンザルで映像が撮影されたのは初めてだということです。グループでは、上高地のニホンザルは世界のサルの中でも有数の厳しい寒さのなかで生息していることから、冬を越すエネルギー源として魚を食べている可能性があるとしていて、東城教授は、「サルが魚を食べるのは相当な驚きで、今後、こうした行動がどう広がっていったのかや魚を捕る個体と捕らない個体の血縁関係などについて研究を進めたい」と話しています。

(ツキノワグマは冬眠期に筋肉を省エネモードに変化させることで筋肉の衰えを防止していることを発見:広島)
広島大学大学院医系科学研究科生理機能情報科学の宮﨑充功准教授は、北海道大学大学院獣医学研究院環境獣医科学分野野生動物学教室の下鶴倫人准教授・坪田敏男教授、神奈川大学人間科学部の北岡祐准教授、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 生命環境科学系身体運動科学研究室の高橋謙也助教らの研究グループとの共同研究により、冬眠期のツキノワグマ骨格筋は、省エネモードに入ることで栄養素としての筋タンパク質の分解を抑えることにより、「不活動でも衰えない筋肉」となることを明らかにしました。本研究成果は、アメリカ東部標準時2022年11月16日午後2時(日本標準時2022年11月17日午前2時)に、米国オンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。

(エゾシカ、衝突回避へ減速運転:北海道)
多発しているエゾシカとの衝突事故を回避するため、JR北海道釧路支社は5日から花咲線と釧網線の一部の列車で減速運転を始めた。主に夕方から夜に運行する計7本で、来年3月末まで最大16分の遅れが出る。こうした減速運転は2013年以来9年ぶり。減速運転となったのは、普通列車計7本(花咲線6本、釧網線1本)。減速運転によって、通常ダイヤより1~16分の遅れが出るという。釧路支社の発表によると、野生動物との衝突事故は、例年10月ごろから越冬のためにエゾシカが線路際に現れることに伴って増え始めるが、今年10月は衝突件数が156件に達した。前年同月(113件)の約1・4倍、2019年(62件)の約2・5倍にのぼる。

(「オソ18」情報、釧路総合振興局HPに:北海道)
釧路総合振興局は1日から、ホームページ(HP)に標茶町や厚岸町で放牧中の牛を襲うヒグマ「オソ18」に関する情報を掲載した。両町でヒグマを目撃した時の情報提供を求め、捕獲に結びつけたい狙いだ。また、標茶町も来週に情報提供を促す広告を新聞に折り込むという。

(鹿と衝突事故急増、注意マップ:兵庫)
赤穂市内で自動車と鹿が衝突する交通事故が今年に入って急増しており、赤穂署が注意喚起のための「赤穂市鹿マップ」を作成した。昨年1月以降に管内で鹿が関係した事故の発生場所を地図上に表示。多発箇所が一目でわかるようになっている。同署のまとめでは、今年に入ってから管内で発生した鹿と車の衝突事故は10月末時点で36件。昨年1年間の発生件数27件をすでに超え、最近8年間で最多となっている。例年10月から12月にかけて数が増え、今後さらにリスクが高まる恐れがある。従来から発生が集中していた国道250号線の高取峠、県道赤穂佐伯線のほか、今年は新田から三石へ続く県道岡山赤穂線、福浦地区の国道250号線でも多発。同署交通課の分析では、4件に3件の割合で夜8時から翌朝4時にかけて発生している。同署によると、今年発生した事故では「けが人は発生していない」というが、車両が大破したケースもあり、重大事故につながる危険性は高い。今年10月には北海道でエゾシカと衝突したワゴン車が対向車線にはみ出してトラックと衝突し、3人が死傷した事故が起きている。通勤で高取峠を通る会社員男性は「道路脇に鹿がいることはしょっちゅう。常に『鹿が飛び出してくるかもしれない』と警戒しながら運転している」と話す。同課の喜多村勇輔課長は「スピードは控えめに。鹿は群れで行動することがあるので、1頭見かけたら2頭目に気を付けて」と衝突回避のポイントを挙げ、「もし、鹿など野生動物と衝突した場合は警察への通報も忘れずに」と呼び掛けている。作成した鹿マップは同署1階の待合スペースに掲示するほか、同署ホームページへの掲出も検討している。

(カラス撃退に“最新装置”:愛知)
愛知・小牧市にある商業施設の前に集まるのはカラス。空を埋め尽くすほどの大群です。飛び立った辺りには、無数のフンが残っていました。市民から心配の声が聞かれる中、市がカラス対策に乗り出しました。市の職員が白い機械のようなものを持ち、商業施設へと向かいます。小牧市役所・行政改革課 鈴木規朗さん「日が沈むぐらいに(カラスが)よくとまっているので、ここに対して効果が発揮されるように、これを置いていこうかなと思っています」。その機械というのが、カラスの鳴き声を流すスピーカーです。このスピーカーを開発しましたのは、宇都宮大学で約20年にわたりカラスについて研究を行う「クロウラボ」の塚原直樹さんです。カラスが警戒する時に発する鳴き声をスピーカーから流し、カラスに危険な場所だと認識させる仕組みだといいます。そして、日も落ちた午後5時すぎ、集まったカラスに向けて、スピーカーのスイッチを押すと、カラスが電線から一斉に飛び立っていきました。なんと、電線からカラスの姿が見えなくなりました。小牧市役所の鈴木さんは「だいぶ、効果というのは期待できるのかなと思いました。鳴らしても、カラスって同じように電柱とかに帰ってくる傾向があるので、繰り返し鳴らすということが大事かなと」と語りました。

(中心街のカラス、前年比横ばい:青森)
弘前市と日本野鳥の会弘前支部が今月実施した調査の結果で、同市の街なかをねぐらとするカラスの個体数は3197羽(速報値)で、前年同月とほぼ横ばいだったことが29日、分かった。市民会館で開かれた市カラス対策連絡協議会(座長・東信行弘前大学教授)会議で市が報告した。調査は今月5日、弘前公園周辺と弘前駅周辺で実施した。市は調査結果として、例年秋にほぼすべての市内のカラスが弘前公園周辺にねぐらを形成するが、冬になると弘前公園を離れ、市内各地をねぐらとする傾向が続いていることを報告。秋から冬にかけて一つの地域に集団形成するため、依然として見た目の不快さや、ふんによる被害が出ていることを指摘した。

(住宅地で「クマ」目撃の通報:岩手)
30日午後、盛岡市の住宅地で、クマのような動物を目撃したという通報があり、警察や盛岡市が周辺を捜索しました。市によりますとカモシカとみられる足跡が見つかりましたが、クマの痕跡は見つからず、警察などが引き続き、注意を呼びかけています。30日午後1時半ごろ、盛岡市箱清水でクマのような動物を目撃したという通報が警察にありました。現場は北上川にかかる「三馬橋」南側の住宅地で、警察はパトカーを出して住民に注意を呼びかけるとともに、盛岡市も猟友会のメンバーとともに周辺を捜索しました。警察によりますと、30日夕方までに寄せられた通報はこの1件だけで、けがなどの情報もありませんでした。市が捜索した結果、住宅地の近くにある林の中でカモシカやニホンジカとみられる足跡が見つかりましたが、クマの痕跡は見つからなかったということです。市や警察はカモシカなどを見間違えた可能性もあるとしながらも、周辺では引き続き、注意するよう呼びかけています。盛岡市農政課の水島澄人主事は「周辺ではカモシカの目撃情報も寄せられていて、見間違えた可能性もありますが、引き続き関係機関と連携して注意喚起をしていきたい。クマを目撃した場合には追いかけたり刺激したりせず、市や警察に連絡してほしい」と話しています。

(市街地でサル目撃相次ぐ:福井)
福井市の市街地で二十七日から二十九日にかけ、野生のサルの目撃情報が相次いだ。群れを離れた一匹のサルが移動しているとみられる。市は「見かけても近づかず、餌を与えないで」と呼びかけている。

(住宅街にシカ次々:神奈川)
11月24日神奈川県秦野市で撮影されたドライブレコーダーの映像。住宅街を走っていると突然目の前を鹿が2頭、横切ります。さらに、ライトに照らされシカが合わせて5頭、次々に通過していきます。最後は、小鹿でしょうか。まるで家族で移動しているようです。実は、この10時間ほど前、秦野市では大型のイノシシがショッピングセンターに出現。その後、小学校のグラウンドで駆除されました。シカが目撃された場所から、わずか数百メートルの場所でした。同じ日に、同じ住宅街に現れた野生動物。いったい、どこからやってきたのか?はだの都市農業支援センター・岩田雅弘課長代理:「人目に付きにくい河川などの緑地帯を通ってきているんじゃないかと思う」。確かに、シカとイノシシが現れた近くには山から続く川が流れていました。今、繁殖期で行動が活発になるというシカ。目撃したら刺激しないようにしてほしいということです。

(休耕田にイノシシ、警察で注意呼びかけ:栃木)
3日正午すぎ、佐野市岩崎町の休耕田で近くに住む人が体長1メートルほどのイノシシ1頭を目撃しました。佐野警察署によりますとこれまでにけが人などの被害は出ていないということです。警察は周辺をパトロールしているほか付近の住民に注意を呼びかけています。

(ジビエの安全な普及へ知識伝授:宮城)
ジビエ(野生鳥獣肉)の安全な普及に向け、調理の専門家らを対象としたセミナーが3日、仙台市青葉区の宮城調理製菓専門学校であった。宮城や東北各県などの調理師養成施設の教員や卒業生ら約40人が参加し、ジビエの衛生管理や加工などについて学んだ。日本ジビエ振興協会(長野県)が主催し、協会の藤木徳彦代表理事らが講師を務めた。ジビエ利活用の状況や衛生管理、栄養などに関する講義や、実際の鹿肉を使った調理法の実演などが行われた。参加した宮城調理製菓専門学校の教員泉川尚彦さん(36)は「ジビエに関する知識が薄かったが、衛生管理や扱い方をはじめ、他の食肉と異なる部分を学ぶことができ、学生たちに伝えやすくなった」と話した。国は近年、野生鳥獣の被害を防ぐ駆除に加え、食品としての利用を促進。セミナーは農林水産省の鳥獣利活用推進支援事業の一環で、日本ジビエ振興協会が本年度、仙台市などの全国5カ所で順次開催している。藤木代表理事は「調理法や衛生管理について、調理師養成施設などであまり教えられてこなかった。現場の教員らに専門知識を伝えていきたい」と話した。

(地元のエゾシカ肉を食べて!:北海道)
地元でとれたエゾシカの肉のおいしさや調理方法を知ってもらおうと親子向けの料理教室が道東の中標津町で開かれました。この料理教室は、地元産のシカ肉のブランド化と消費拡大を目指して根室振興局が企画し6組の親子が参加しました。札幌市を拠点に活動する料理研究家の青山則靖さんが講師を務め、参加者たちは根室地方でとれたシカ肉を使ったカレーとカツレツ、それに、すじ肉を柔らかく煮込んだスープのあわせて3品を作っていきました。1時間ほどで料理は完成し参加者はシカ肉の食感や独特の風味を楽しんでいました。参加した小学3年生の女の子は「スープの肉が思ったよりもやわらかくておいしかったです」と話していました。また30代の女性は「クリスマスの料理にもシカ肉を使ってみたいと思います」と話していました。講師を務めた青山さんは、「子どもたちにシカ肉を食べてもらうことで地域のことをもっと知ってもらえたら」と話していました。

(カモ汁食べにカモン!:新潟)
新潟市西蒲区潟東地区で郷土料理「カモ汁」を提供するイベント「かもん!カモねぎまつり」を4日に控え、地元猟友会がカモ猟に励んでいる。かつては多くの猟師がいたというが、今は70代を中心に16人がわなや銃で狩猟をする。猟友会は、今では貴重な天然のカモを味わう食文化を次代につなぎたいとしている。潟東地区で主に捕れるのは、マガモやオナガガモ、コガモの3種類。

(伯爵家が愛したジビエメニュー「鴨鉄」:福岡)
福岡県の柳川にある旧柳川藩主立花邸「御花(おはな)」は、立花家に代々受け継がれるおもてなしのジビエ料理である、野鴨の鉄板焼き「鴨鉄」の提供を12月1日(木)から開始した。国指定名勝に指定されている老舗料亭旅館で、特別な時間を体験しよう。

(森林保全で捕獲のシカ、活用に向け始まった試みとは:神奈川)
森林保全のため県内で計画的に捕獲される年間約3千頭のシカ。実はそのほとんどすべてが活用されずに山に廃棄されている。こうした現状を打開しようと、一大消費地である横浜でジビエとして流通させる試みが始まっている。シカのシチューにハム、カツサンド-。「横浜ジビエフェスタ」と題したイベントが11月27日に開かれ、横浜市中区の吉田町本通りにシカ肉料理が並んだ。「吉田町名店街会」に所属する飲食店12店舗が出店。シカ肉を使う料理は開始早々に完売する盛況ぶりだった。

(狩猟業界のDX化を進め、ジビエ肉のサプライチェーンを整える:北海道)
北海道名物の肉料理と言えば、豚丼、羊肉のジンギスカンといったところだが、最近はエゾシカの料理を出すところも増えてきた。エゾシカのヒレ肉ソテーなどは、牛肉のそれより脂が少なく、上品な味わいで赤身の肉の旨味を楽しむことができる。近年、道内では食害の問題などもあり毎年10万頭以上のエゾシカが捕獲されている。こういった現実がある一方で、レストランが必要なエゾシカの肉を必要な部位を必要な量だけ入手するのは難しいという。エゾシカに限らず、いわゆる“ジビエ”と言われるマガモやウサギなども同様だ。3年前に北海道で起業したスタートアップ、“狩猟業界・ジビエ業界のDX化を実現する”、株式会社Fant(ファント)が、こうしたジビエ肉の流通の課題に挑むという。代表の高野沙月氏に話を聞いた。株式会社Fantは、若手ハンター同士が交流できるプラットフォームを提供することから事業を始めた。狩猟免許を取得しても、実際に狩猟をするとなると、狩場の情報や経験のある仲間が必要となる。地域で狩猟組織の中核となる猟友会は高齢のハンターが多く、新参の若手ハンターが参加するのは難しい。そこで、ネット上で若手ハンターが交流できる場所を考案し、スタートさせた。そのアイデアは当たるには、あたった。しかし、事業としては次の一手が問題になった。「(ハンターの)登録者数自体は、結構いろんなメディアに扱っていただいたこともあって全国から1300人ぐらい集まりました。けど、集まったけれどもそこからの発展がないなと思って。ハンター同士での交流はぼちぼちあったのですけど、そこからじゃあどうするっていうのがないなって思って」。そこで、引き出したのが「ジビエ」だ。そもそも、東京暮らしをしている時にレストランで食べたジビエの美味しさに刺激されたことがきっかけで、狩猟、創業の道へと進んできた。Fantを創業した時にも、ジビエに関する事業は視野に入っていた。国内ジビエ業界の課題のひとつは、供給側のハンターと需要側のレストランをつなぐ上手い仕組みがないことだ。ハンターは撃った獲物を食肉処理施設に持ち込み、そこで解体、精肉されたものがレストランに渡るのだが、レストランが欲しいジビエがいつでも在庫としてあるわけではないので、安定した供給ができない。「札幌にフランス料理店たくさんあり、マガモやウサギといったジビエをすごく欲しがっているシェフがたくさんいます。ですけど、それがハンターたちには伝わっていなくて、それでハンターは、シカとかイノシシ(本州の場合)ばかり捕っちゃうんです。ハンターは飲食店がウサギとか欲しがっているのを知らないし、流通の方法も価格相場もわからない。だから、(マガモやウサギは)流通してないですよね。するとシェフは輸入物を使うことになる。当然、北海道のシェフは『地元のものがあるのだったら使いたいと』いうニーズは確実にある。欲しい人と、捕る人が繋がってないという課題としてありました」。そこでFantは、ハンターと飲食店コミュニケーションが取れるシステム、つまり飲食店がハンターにオーダーを出すことができる仕組みを提供することにした。飲食店にすればECサイトで注文するのと同様の手軽さで、国産ジビエが必要な量だけ手に入る可能性が広がる。ハンター、食肉処理施設も営業や受発注、入金管理といった作業が軽減されるメリットがある。また、食肉処理を自社で手がけているので、万が一ハンターが獲物の捕獲ができなくても、手持ちの在庫で対応することができる。上記の様な仕組みなので、食肉処理施設を確保しないことにはそのエリアで捕獲ができない。ということで、現在、イノシシなど、本州の食肉処理施設を通す必要があるジビエは扱いがない。「北海道を抑えるっていうのは、アドバンテージがすごくあるわけですけれども、やっぱりイノシシも商品のラインナップにしたいなと思ったら、本州の(食肉処理施設と)提携したいですよね」。他にも、北海道から遠く離れた沖縄の宮古島では、クジャクが駆除の対象になっているので、そこにも狙いを定めているという。ところで、エゾシカのジビエ利用にあたっては他にも課題がある。飲食店が必要とするのはロースやヒレといった部位で、大きな獲物のほんの一部に過ぎない。残りはどうするのか。Fantでは「ペットフード」と「生ハム」としての利用を構想中だ。駆除した野生動物の肉をペットフードにするということは、すでに全国で行われている。ただ、飲食店用の食肉に比べると、かなり安く買い叩かれるので、ペットフードはオリジナルの自社商品として市場に出す準備を進めている。また、モモ肉に脚が1本まるごとついたままの原木生ハムにするというアイデアもある。こちらはまだ、試作中ということで、市場に出ることになるかどうかはわからないが、「北海道産エゾシカ生ハム」というのは付加価値の高い商品になりそうだ。他にも将来構想として、鳥獣被害に悩む農家との連携も準備している。「鳥獣被害で困っている農家さんとつなげる機能を実装予定です。つまり『うちの畑でシカの被害がひどいから重点的に見回ってくれ』という依頼をハンターにできるような機能です。そうすると何がいいのかといえば、最初のアイデア(ハンター交流アプリ)に戻るんですけど『若いハンターはどこで狩猟すればいいのかわからない』という課題に対応できるのです」。農家は害獣出没の情報を提供し、ハンターは獲物の居場所を知ることができるわけだ。獲物が頻繁に現れるエリアを予め把握しておくことで、獲物を確保できる確率も上がる。そうすると、オーダーを落とすこともなくなり、飲食店に対する供給も安定し、ジビエ流通の方も安定する。Fantのような、狩猟業界周辺でのスタートアップというのはこれまであまり例がない。競合について聞いてみたが、捕獲を知らせる「IoT罠」や、獲物を捕ることに関する発明や技術イノベーションはあっても、捕獲した野生の鳥獣をその後どうするかというところについては、ほとんど誰も手がけていないとのことだ。「狩猟業界のベンチャーとか、新しい取り組みで成功しているロールモデルは、まだ全然ないですね。なんでないのかというと、みんな『捕る』にばっかり注力しすぎですよね。『食べる人にまで届ける』というところに対しては、まだ解像度が低いというか。実際やっている人が少ないからというのもあると思うのですけど。うまくいっているところっていうのは少ないかなと思いますね。一筋縄ではいかないですね。食文化の話ですからね。システムを作って解決とはならないわけです」。食べる人、作る人、食材を整える人、それを捕獲する人、そして食材となる野生生物。すべてひっくるめての食文化。これを安定したサプライチェーンとして整備するのは、難易度が高い挑戦だ。起業して3年。好きで近づいたが、難しい業界でチャレンジを続けるFantは、「若手ハンターの交流プラットフォーム」から、「飲食店とハンターをつなぐプラットフォーム」にピボットし10月11日にリリース。現在はジビエに関心のある飲食店との関係構築に邁進中だ。

(「白神ジビエ」好評:青森)
西目屋村が鳥獣害対策で捕獲した野生のクマを食肉に加工し、観光施設などで提供している事業「白神ジビエ」と、関連して販売しているクマ革製品を含めた今年度の総売り上げ額が11月22日現在で約356万円に上り、好評を得ている。村によると、ジビエ料理の提供を始めた昨年7月から見て、総売り上げ額は1000万円を超えた。5日に行われた村議会定例会の一般質問で、三浦清則議員がジビエについて質問し、村側が明らかにした。捕獲は村が設置した箱わなで実施。昨年度は捕獲した26頭から食肉657キロを得た。今年度は11月末現在で7頭を捕獲し、昨年度に比べて少なかった。山にクマの食料が豊富で、里に降りて来るクマが少なかったのでは-と推測された。確保した食肉は114キロで昨年度の2割弱だった。5日現在で食肉の在庫は約17キロと少ないため、しばらくは提供先を宿泊客に限定するなどして対応する。ジビエ関連の売り上げはクマ肉のレトルト商品「クマカレー」と「クマ丼」が約130万円、ジビエ料理を提供する宿泊プランが約88万円、道の駅津軽白神内のレストランが約94万円、クマ革製品が約44万円。総売り上げは約356万円だった。

(天然鹿革の手触りを初体験:大阪)
株式会社北星製靴の「ディアレザークッション」は、ジビエ革の魅力を発信するブランド「Re:cover」のプロジェクト第一弾アイテム。獣害駆除された鹿革で作られたクッションです。

(クマ出没:宮城)
富谷市によると、1日午後5時ごろ、富谷市明石下犬ケ沢にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
丸森町によると、4日午後0時30分ごろ、丸森町沼にクマが出没しました。

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