<射撃ニュース12月>
12/27
(ペットとして飼っていたイノシシが散歩中に逃走:愛知)
愛知県高浜市で、ペットとして飼っていたイノシシが散歩中に逃げ出しました。警察は見つけても近づかないよう注意を呼び掛けています。警察によりますと、きのう午後2時半ごろ高浜市に住む男性から、「イノシシが逃げてしまった」と通報がありました。イノシシは男性がペットとして飼っていたもので体長約80センチの2歳ぐらいのメスだということです。イノシシは、リードのようなものを付けていたということですが、散歩中に、何らかの理由で外れたとみられています。警察は、きのうからイノシシを捜していますが、いまも見つかっておらず、市民からの目撃情報もいまのところないということです。4年前には、福岡県の市街地で体長1メートルほどのイノシシが、男性に体当たりをするなどして、人を襲ったケースもあります。警察は、イノシシを見つけた場合は、近づかずすぐに警察に通報するよう、注意を呼び掛けています。

(シカがいない唯一の県のはずが…:茨城)
全国で唯一、野生のシカが生息していない都道府県とされていた茨城の県北地域で今年10月、ニホンジカ2頭が捕獲された。ニホンジカが増えると、樹皮を食べるなどして農林業に影響が出る恐れがある。そのため、関係者は警戒を強めている。茨城、栃木、福島県境にまたがる八溝(やみぞ)山周辺。10月27日、3県の委託を受けた猟師が2人1組で山中を見回った。獲物に気づかれないように歩き、見つけたら銃で仕留める「忍び猟」だ。この日、大子町内で2頭のオスのニホンジカを見つけ、捕らえた。県内では、大正時代にニホンジカは絶滅したとされていた。2014年に環境省がまとめた調査でも、ニホンジカが分布していない唯一の都道府県だった。しかし、15年ごろから、県内各地でシカの目撃情報が寄せられ始めた。県環境政策課によると、写真などで確認できたものだけでも、15年11月以降54件。同課の担当者は「拡大の理由ははっきりしないが、福島や栃木から迷い込んでくるケースが多いのでは」と話す。

(「ドローンで狩るシカ…」減らぬ獣害:兵庫)
「おるぞ、おるぞ」「もっと向こうや」。イノシシやシカによる農作物被害に悩む兵庫県の中山間地で、ドローン(無人航空機)を使った狩猟が始まった。伝統的な狩りは猟師の経験や足跡などから獲物を見つけ出すが、高齢化による担い手不足を「空の目」でカバーする狙いだ。動物が苦手な記者だが、最先端のハンティングを一目見ようとお供した。その成果は……。12月5日朝。山々に囲まれた兵庫県佐用町の仁方集落に、猟師や町職員ら約20人が集まった。ブルブルブル――。午前9時、事業会社の社員が操縦するドローンが飛び立った。地上50メートル近くまで上昇し、機体に搭載された赤外線カメラが山並みを映し出す。動物がいれば体温に反応し、猟師らが地上で見つめるモニター画面に白く浮かび上がる仕組みだ。

(サル被害が深刻化する:三重)
亀山市が来年度、野生のニホンザルの本格的な頭数管理に乗り出す。獣害が山間部のみならず、中心市街地でも深刻化しているためだ。農作物被害は家庭菜園にも及ぶほか、六月には登校中の小学生が襲われ、初めて人的被害が出た。

(カラス大量捕獲、ほど遠く:岐阜)
岐阜市の中心市街地に飛来する約4千羽のカラスの個体数を減らそうと、市は昨年から飛来の増える冬にわなを仕掛けているが、想定したほどの効果は上がっていない。昨年度は12月から3カ月間で19羽を捕獲、本年度は11月1日から12月19日までの約1カ月半で39羽しかかからなかった。担当者は「もう少し入ると思っていたが、うまくいっていない」と頭を悩ませており、わなの設置業者と相談して改善を図る考え。中心市街地では近年、カラスが増加している。餌となる栄養価の高い生ごみが町に増えたことが原因とみられ、道路のふん害やごみが荒らされる被害のほか、食べ物を持って歩く通行人が襲われそうになった事例もある。市は対策として昨年冬、市文化センター(同市金町)、岐阜高島屋(日ノ出町)、ドン・キホーテ柳ケ瀬店跡地(徹明通)の各屋上に、唐揚げやささ身などの餌を入れた捕獲用のわなを設置。約2千万円を費やして来年度までの3年間で個体数を減らす計画を立てた。ところがカラスに警戒されているのか、個体数の減少につながる「大量捕獲」にはほど遠い状況だ。担当者は「カラスは警戒心が強いが、わなに慣れれば近づいてくる。年々捕獲数は増えるだろうが、全体が4千羽なので、今の捕獲数では少ない」と話す。カラスは日中、巣のある金華山や百々ケ峰周辺にいるとみられる。巣の駆除など、他の対策と並行しない限り、成果は出ないとの指摘もある。柴橋正直市長は23日の記者会見で「カラスは餌を求めてやって来る。ごみを正しく出すことや、ごみステーションの適切な管理をお願いしたい」と呼びかけた。

(クマ目線でとらえたクマの食生活)
カメラ首輪を使って、クマ目線での野生のツキノワグマの採食行動を撮影することに成功した。植物の葉や花、哺乳類など従来の方法では種類の特定が難しい食べ物の種類を明らかにすることができた。クマの食生活の個体差を明らかにすることができた。国立大学法人東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院の小池伸介教授、学部生 手塚詩織(当時、現 修士課程)、長沼知子特任助教(当時、現 農研機構)、アメリカのイリノイ大学(兼任 東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院・特任准教授)のMaximilian L. Allen准教授、東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科の山﨑晃司教授らの国際共同研究チームは、ビデオカメラを搭載した首輪(以下、カメラ首輪)を、野生のツキノワグマ(以下、クマ)に装着して、クマの採食行動を記録することに世界で初めて成功しました。さらに、撮影された映像を解析し、従来の食性研究の手法である糞分析法と比較したところ、糞の中ではクマの咀嚼(そしゃく)や消化の影響で物理的に破壊された状態で含まれる植物の葉や花など、種類の特定が難しかった食べ物の種類を映像から明らかにできることが分かりました。また、従来からクマの食生活には個体差がある可能性が示唆されてきましたが、映像の解析から具体的な食生活の個体差の存在を明らかにすることができました。動物にとって採食は生活の中で最も重要な行動の一つです。直接観察することが難しい動物の食生活を探る手法として、これまでは糞の内容物を分析する糞分析法が一般的でした。しかし、糞の内容物からは、消化されやすい食べ物や咀嚼により破壊されやすい食べ物を特定することが難しいという欠点があります。そのため、野生のクマの食生活は詳細には分かっていませんでした。一方、近年はバイオロギングの技術の進歩によって、これまで知られていなかった様々な野生動物の行動を記録できるようになってきました。そこで、研究チームでは、カメラ首輪を用いることで、クマの未知の採食行動を明らかにすることを目指しました。2018年5~6月に捕獲した4頭(オス2頭、メス2頭)の成獣のクマに、カメラ首輪を装着しました。カメラ首輪は日中に15分間隔で10秒間の映像が撮影されるように設定し(1日あたり52映像を撮影)、一定期間後にクマの首から脱落するようにしました。そして、カメラ首輪から回収した映像から、クマの食べ物を記録しました。また、同時にこれらのクマが滞在した場所の周辺でクマの糞を採取し、従来の糞分析法により食べ物を記録し、映像の解析結果と比較を行いました。その結果、1頭当たりの撮影期間は平均41日で、4頭分の映像からは30種類以上の食べ物を特定することができ、植物の葉や花、果実の多くは種類や属まで特定することができました。また、哺乳類を採食する映像では、ニホンジカの子どもやニホンカモシカの成獣、ツキノワグマの子ども(オス成獣による子殺しの現象と推定。詳細はこちら)を採食していることが確認できました。しかし、落ち葉の中に口を突っ込み、何かを食べているとは想定されるものの、食べ物まで特定することができない映像も存在しました。一方、糞分析法では102個の糞を分析し15種類前後の食べ物を特定できましたが、植物の葉や花は糞の中では原形をとどめておらず種類までは特定することができませんでした。また、哺乳類も糞の中からは体毛しか確認できず、種類までは特定することはできませんでした。さらに、映像を解析して個体ごとの食生活を比較すると、いずれの個体も主食はサクラ類の果実でしたが、他の食べ物の種類やそれらの食べ物が採食の映像に占める割合は個体によって異なり、個体によって食生活が異なることが明らかになりました。クマにとって初夏は食べ物が得にくく、厳しい食生活を送っていることが知られていますが、従来考えられていた以上にクマは森の中の多様な食べ物によって支えられ、食いつないでいることが明らかになりました。こうした技術を様々な野生動物に用いることで、未知な生態が解き明かされる可能性があります。さらに、野生動物の保全や管理の一助となることも期待されます。たとえば、農作物の食害を発生させるような種では、農耕地やその周辺での行動の把握や被害を発生させる個体の特徴を詳細に理解できるようになり、未然に被害の発生を防ぐための対策につなげることができるかもしれません。

(道路横切る“イノシシの群れ”:長野)
長野県上田市真田町の県道を走行中…道路を横断しているのはイノシシの群れ。10頭以上はいるでしょうか。こちらは県内でも大雪となった24日撮影された映像です。雪のためイノシシも新たなえさ場を求め移動していたのでしょうか?雪道は野生動物にも気をつけなければいけませんね。

(ジビエ特産化目指す、厄介者を新資源に:宮城)
雪が薄く積もった大崎市の山林を進むと、いた。上下する黒い毛並み。荒い息。獣の臭い。イノシシはわなから逃れようと、低いうなり声を上げてもがく。体長1メートル余り、体重60~70キロか。それを押さえ付け、手際よく脚を縛る。運び出すのも大人2人で一仕事だ。

(噛むほどに旨味あふれるジビエのパティ:徳島)
道の駅大歩危の中にあるカフェで、ジビエを使ったハンバーガーやタコライス、カレーが味わえる。断トツの人気を誇るイノシカチーズバーガー(1100円)のパティは、低カロリーで高タンパクな鹿肉と、脂が多めで旨味が強い猪肉を粗挽きミンチにしてブレンド。噛みごたえがあり肉々しいパティに、数種のスパイスが入ったトマトソース、コクのあるチーズ、全粒粉のバンズが絶妙に合う。シェリービネガーや粒マスタード、シナモンで味つけしたキャベツ、ニンジン、タマネギのマリネが爽やかさを演出する。また、ジビエのミンチ肉をスパイスや香辛料で味つけしたタコミートと、肉汁を湛えたジビエのソーセージをサンドしたジビエチリドッグ(1400円)も見逃せない。ニンニクの風味が効いた自家製マヨネーズの酸味とまろやかさがポイントだ。

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12/26
(イノシシ猟の55歳男性が雪で足を滑らせ大けが:長野)
北アルプス有明山で25日午後、イノシシ猟をしていた55歳の男性が雪で足を滑らせて滑落し、大けがをしました。警察の調べによると、長野県安曇野市の会社役員の男性は、北アルプス有明山に狩猟仲間6人と朝入山し、標高約900mの黒川沢付近でイノシシ猟をしていた際、雪で足を滑らせ約10m滑落しました。男性は左足に大けがをして動けなくなり、午後5時ごろ仲間が携帯電話が通じる所まで下りて、松本広域消防局に救助を要請しました。出動した消防隊員が午後5時20分に男性を救助し、安曇野市内の病院に搬送しました。男性は大きな声を出してイノシシを追い込む「セコ」と呼ばれる役割で、積雪がある山中で活動中に滑落したということです。

(無人の巨大冷蔵庫「鹿ポスト」、猟師に好評:兵庫)
兵庫県多可町にある巨大な冷蔵庫。扉にステッカーが貼られている。「鹿ポスト」!? 驚きつつ庫内をのぞくと、仕留められた鹿が数頭。ジビエ(野生鳥獣の肉)のペットフードを製造する地元NPO法人「cambio(カンビオ)」が施設敷地内に設置している。実はこれ、狩猟者らが鹿を24時間、自由に搬入できる無人の独自システム。ハンターらの利便性を高めたことで持ち込み頭数は伸び、ドッグフードの売れ行きも好調という。獣害対策、鹿肉の有効活用、さらに行政の処理経費削減につながると、鹿ポストは県外からも注目されつつある。ポストは高さ約185センチ、幅約330センチ、奥行き約230センチ。スライド式の扉に鍵はなく、いつでも獲物を持ち込める。必要な作業は、伝票に日時や名前、捕獲地などを記入し、鹿の体に貼り付けるだけ。不正防止のため、搬入した車や人物は監視カメラで記録している。施設は2015年にオープンした。ポストの受け入れ時間は当初、スタッフのいる平日午前9時~午後5時だった。しかし、猟師たちから「早朝にも利用したい」などと要望があり、休日・夜間でも搬入でき、伝票やカメラを活用した鹿ポストを17年に考案。システム特許も取得した。今や鹿ポストは、地元猟師らになくてはならないものとなっている。多可町は町面積の約8割が山林の中山間地で、鳥獣による農業被害が大きい。ジビエの利活用などを目指し、町は12年に鹿肉の処理加工施設を設けた。しかし、食肉加工には血抜きした獲物を2時間以内に搬入するなど厳しい条件がある。生産量は少量にとどまり、18年から休止されている。鹿ポスト設置前は、捕獲した鹿は地中に埋めるか、焼却処分されることが多く、1頭当たりの焼却費約3万円は町が負担していた。町はカンビオに1頭5千円で受け入れてもらっており、経費は6分の1に。焼却数も激減した。町内で捕獲される鹿は年間約400頭。うち6~8割が鹿ポストに搬入される。カンビオは伝票と映像を照合し、搬入数を集計する。そのデータを月末、町に送り、町は有害駆除の頭数管理やハンターに支払う報酬の参考にする。鹿肉はドッグフードにすれば、食用に比べ使用できる部位が多い▽猟師の手間が少ない-などさまざまなメリットがある。カンビオでは、地元産野菜とミックスした固形ドッグフードやドッグジャーキーなどに加工。「タシカ」のブランド名でネットや町内の施設で販売している。売りは国産・無添加。「愛犬家には、犬を家族のように思っている人も多い。安心できるドッグフードが求められている」と後藤高広理事長はほほ笑む。獣害対策に悩む県外の自治体も鹿ポストに注目している。愛媛県の宇和島市、鬼北町など4自治体は広域連携し、24年度に鹿肉と猪肉のペットフード加工施設を整備する計画だ。鹿ポストも参考に複数の冷凍庫を設置し、24時間獲物の受け入れを検討しているという。また兵庫県内では、香美町が捕獲したシカを一時冷凍保管する施設「ストックポイント」を町内2カ所に設けている。国内でジビエ(野生鳥獣の肉)の利用量が増えている。農林水産省の統計では、2021年度の利用量は過去最高の2127トン(前年度比17・5%増)。このうち、食肉用に販売されたのは1324トン(鹿肉947トン)で、ペットフードに加工されたのは656トンだった。調査が始まった16年度が1283トン。20年度は新型コロナウイルスの影響で外食需要が低迷し、販売量が1810トンに落ち込んだが、21年度は盛り返した。兵庫県内の利用量は215トンで、うち食肉販売の鹿肉は36トン。ペットフードは79トンとなっている。県鳥獣共生課によると、21年度に県内で捕獲された鹿は4万8763頭。うち約26%に当たる1万2918頭が利用された。

(ヒグマ対策強化へ:北海道)
市街地でのヒグマ出没や人身被害が相次いでいることを受け、北海道は20日、これまで規制してきた子連れと冬眠中のヒグマ捕獲の許可、経験と技術を持ったハンターの育成など対策を強化することを決めた。ヒグマに人への警戒心を植え付け、生活圏への出没を抑制することが狙い。道によると、主な狩猟期間は10月~翌年1月で、これまで2~5月は主に若手ハンター育成に限って捕獲を許可してきた。来年2月からの4年間は2~5月の捕獲目的を拡大するほか、人里周辺に限り冬眠中のヒグマの捕獲も認める。今回対策の効果を検証し、今後の対策に生かす方針。

(止まらぬCSF(豚熱)、対策3本柱強化の動き)
強い伝染力と高い致死率が特徴の家畜伝染病、CSF(豚熱)が、昨年と同様に群馬県内の農場で4例発生した。国内で今年発生した全9例の約半数を占める。桐生市で5月と6月に相次ぎ、太田市と板倉町では初めて確認された。対策を講じる中での発生に関係者は落胆の色を隠せない。だが、野生イノシシの捕獲、農場の衛生管理、ワクチン接種の「対策3本柱」を国や県が強化する動きがあり、発生防止に期待が高まる。農林水産省と県でつくる疫学調査チームは今年県内で発生した4例のうち、9月の板倉町を除く3例の現地調査概要をまとめた。農場の立地環境や飼養衛生管理には程度の差こそあれ、①農場近くでCSFに感染したイノシシが出没②豚舎などの金網や防鳥ネットが破損③豚舎立ち入り時に専用衣服に着替えていない―といった共通点を指摘する。母豚の免疫状況にばらつきがあるため、子豚へのワクチン接種適期を見極めるのは難しい。今年は3例が接種直前で感染し、接種済みの1例もワクチンの効果が現れる前に感染したとみられる。

(潜伏キリシタン集落」、シカやイノシシの獣害で景観崩落:長崎)
世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の全12構成資産のうち、長崎県内の5資産で、教会周辺の土が掘り返されたり、石積みが崩落したりする被害が相次いでいることがわかった。野生のイノシシやシカに起因するとみられ、各自治体は遺産の保護と景観保全の両立に向けて対策の検討に乗り出している。被害が出ているのは、「野崎島の集落跡」(小値賀町)、「久賀島の集落」(五島市)、「黒島の集落」(佐世保市)、「外海(そとめ)の大野集落」(長崎市)、「外海の出津集落」(同)の5資産。このうち定住者がいない小値賀町・野崎島では、畑跡や旧野首教会周辺の石積み数か所が最大幅約15メートルにわたって崩落。町教育委員会はシカやイノシシが石積みをつつき、風雨などの影響も受けて崩れ落ちたとみている。五島列島の五島市・久賀島では、旧五輪教会堂につながる幹線道路沿いでのり面や石積みが崩れ、道路に散乱。島内をレンタカーで移動する観光客も多く、事故の危険性も指摘されている。イノシシの捕獲に取り組む坂本泰蔵さん(72)は「島全体で年間200頭から300頭は捕まえているが、繁殖能力が高く、追いつかない」とため息をつく。佐世保市の離島・黒島では、黒島天主堂の敷地内にある花壇が掘り返される被害が初めて確認された。市教委の担当者は「イノシシの侵入を防ぐ柵で花壇周辺を囲う対策も考えられるが、カトリック信者が日常的に利用する信仰の場であり、設置は難しい」と漏らす。大野教会堂周辺の石積みが崩れた長崎市の大野集落でも柵の設置が検討されてきたが、住民や観光客の安全性や景観保全への影響を懸念する声が上がる。近くの出津集落では、キリシタン墓地の敷地が掘り返されているのが確認された。

(知床のクマ、高密度に生息:北海道)
知床の自然を守り、次世代に引き継ぐ活動に取り組む公益財団法人知床財団は21日、町内の知床自然センターで、ヒグマの生態保全に関する研究発表を行った。知床半島を含む3町(斜里町、根室管内羅臼町、標津町)のクマの生息数について「世界中の代表的なクマ生息地と比較しても、かなり高密度であることが分かった」と報告した。

(ヒグマ情報集め事故防止を:北海道)
大雪山国立公園のヒグマ対策を考えるセミナーが町かみんぐホールで開かれ、世界自然遺産・知床で野生動物の保護などに取り組む「知床財団」(オホーツク管内斜里町)事業部の秋葉圭太参事がヒグマの情報を収集し、登山者に発信する手法について講演した。

(宮内庁、鴨場の見学会を再開)
宮内庁は、新型コロナウイルス禍で2020年3月以降見合わせていた埼玉県と千葉県にある「鴨場」の見学会を来年2月から再開する。無料で、参加者を募集しており、ホームページで詳細を公表している。鴨場は皇族が外交団を招き、日本伝統のカモ猟を披露する接待場所。見学会では猟に関するビデオを見た後、解説を受けながら場内を巡る。今回の募集は、埼玉県越谷市の「埼玉鴨場」が2月27日の午前・午後、3月15日の午前・午後の計4回で、千葉県市川市の「新浜鴨場」が3月2日の午前・午後、同17日の午前・午後の計4回。各回とも定員15人程度。

(ハンティングドローンPR:京都)
先端技術を生かした有害鳥獣対策を考えようと京都府などが主催したセミナーが、このほど南丹市日吉町で開かれた。ドローンから録音した犬の鳴き声を流して狩猟に役立てるなど、最近の取り組みについて、猟友会員ら約70人が学んだ。「ハンティングドローン」は、空中でシカやイノシシに有効な犬の声をドローンのスピーカーから流しながら追い立て、地上の猟師が銃で捕獲する。

(イノシシをモリで仕留めて男性を救助、猟友会の会員に感謝状:大分)
大分県日出町の畑でイノシシを仕留めて高齢男性を助けた猟友会の会員に警察から感謝状が贈られました。杵築日出警察署から感謝状が贈られたのは大分県日出町の自営業、吉用悦康さん(72)です。吉用さんは10月、日出町の畑でイノシシに襲われている80代の男性を発見しました。地元の猟友会に所属する吉用さんは持っていたモリで体長およそ1メートル20センチのイノシシを仕留めて軽いけがをした男性を救助しました。梶原正勝署長は「適切且つ迅速な行動で素晴らしい対応をしていただいた」と感謝を述べました。(吉用悦康さん)「署長さんからこんなものをもらって俺でいいのかなと思った。本当に嬉しい。とにかく助けないとということだけしか頭になかった(男性が無事で)ホッとした」。環境省によりますと、今年4月から10月末までにイノシシによるけが人は全国で33人にのぼっているということです。

(「わな」のオーナーになりませんか?:長野)
上田地域で狩猟をしている住民有志が、有害鳥獣駆除で鹿を捕まえるわなのオーナー制度「罠(わな)ブラザーズ」を展開している。わなの設置場所の紹介から捕獲までの過程を動画配信し、オーナーはドキュメンタリーのように現場の臨場感を味わえる。捕まえた鹿の肉を配送し、自然の恵みとして食べてもらう趣向だ。春と秋に45日間ずつ実施。

(クマに遭遇した時、絶対にやってはいけない“左右の動き”)
14日、奈良県上北山村で登山中の46歳の男性がクマに襲われ、転落死した。男性が登っていた大峰山系の山はツキノワグマの生息地。奈良県によると、昨年度は20件だったクマの目撃情報は、今年度はすでに65件と3倍を超えているという。クマに遭遇した時、命を守るために必要な対応について、特定非営利活動法人「日本ツキノワグマ研究所」の米田一彦さんに聞いた。――クマの目撃情報が増えている理由は?クマは照葉樹のどんぐりなどを食べていますが、理由の一つとして、これらの不作によって、登山道や人里周辺に餌を探しに降りて来たということがあります。もう1つは、2年ほど前からコロナ禍による旅行制限もあり、山に行く人が増え、キャンプで襲われる、テントを引っ張られるというのが一昨年からずっと続いています。“どんぐり類の凶作”と“人出”が重なって、目撃情報が増えているんだと思います。クマはもう少しで冬眠ですが、雪が降る前、気象が悪くなる前に動き回って餌を捕るため、今かなり活発に動き回っていて、そこで衝突が起きているので、十分注意が必要です。――山岳地帯でクマに遭遇した場合、どう対処するべき?転落事故を防がないといけません。その上でクマに対処する、その両方をやらないといけません。まずは、動かないのが一番。何かにしがみついて足場を確保する。私の場合は大体木に捕まっています。クマを見たら、木に隠れるというのが私のやり方です。隠れて動かなければ、クマは無害なものだと思い、無視して行きます。クマは深視力、深く見る力が弱いようで、前後の動きは距離感がつかみにくく、あまり見えていませんが、左右に動くと発見されやすくなります。だからクマからは遠ざかるのが一番です。左右に逃げては絶対にダメ、そして山では足場を確保する。ひっくり返ると人間が小さくなった弱い動物だと思って、攻撃してくる率が高くなります。私の場合は、とにかく動かないというのを1つ基本にしています。クマを見たら、木に隠れて足場を確保。撃退用のクマスプレーの使用のためには、木につかまることも大切だという。――近くの木にしがみつく?私は、足場を確保するために、近くの木にしがみつきます。今は、クマを撃退する“クマスプレー”も売っているので、狙いを定めるためにも木につかまって安定するのが大事で、私はそれで何回も助かっています。――クマに攻撃されたら太刀打ちできる?太刀打ちはできません。怪我しますね。3000件近くの事故を知っていますが、何をやっても完全というのはなくて、一番最強のクマスプレーであっても9割は助かるけど、残りは事故になることがアメリカの調査でわかっています。私はクマスプレーを使って日本国中でたくさんのクマを撃退していますが、アメリカより日本のクマの方が小さいですから効果は絶大だと思います。しかし、ひとたびクマに体当たりされたら致命傷は避けられないという米田氏。まずは、伏せて一撃目をかわすことが重要だと指摘する。――クマが突進してきたらどうする?突進してくれば重症化は非常に高くなります。特に爪を左右に振ってきて、首、頭をやられると致命傷になります。まずは、一撃目をかわさないといけません。立ったままやられると、首がざっくりいきますので、あごが外れる、頭陥没するという形で、それを防ぐためには、“伏せる”ことがアメリカや日本のクマ研究者のガード法です。過去に確実に助かった5例では、キャンプでスコップを持っていて、これを振り回した5人が無傷で助かっています。スコップがクマの爪に見えて、人が大きく見えたんだと思います。しかし登山時にスコップは持っていないので、北米や日本の研究者は“伏せる”、“首をガードして丸くなる”のが一番としています。一方、危険を減らすためにも、鈴を付けて歩き、クマを目撃したら鈴を鳴らして周りに知らせることが大事です。鈴は安価で一番効果があります。あとは、1万3000円ほどしますが、クマスプレーも大変効果があります。

(人と動物の知恵比べ:岐阜)
大垣市が、鳥獣被害防止に民間企業の技術を取り入れている。被害への対応は、まさに「人と動物の知恵比べ」(市担当者)。新たな技術で、サルやカラス対策の効率化を図る。

(連続講座「野生動物に関する最新の話題と知見を学ぶ」:岐阜)
近年、全国的に野生動物の市街地や人里への出没が問題となっています。今年度は岐阜県においても瑞穂市でニホンザルが市街地へ出没し、騒ぎとなりました。そこで「野生動物に関する最新の話題と知見を学ぶ」と題し、全3回の連続講座を対面で開催致します。第1回と第2回は外部講師をお招きし、ツキノワグマとニホンザルの基礎的な生態や出没時の対応などについてご講演を頂きます。第3回は岐阜県におけるイノシシやニホンジカの最新の生息状況について、当センターの研究成果を交えながらご紹介いたします。連続講座【第1回】では、秋田県でクマ対策の専門職員として、調査や普及啓発に取り組んでおられる近藤麻実氏をお招きし、ツキノワグマの生態と現状、出没時の対応や出没させないための対策などについてお話いただきます。下記要領で開催いたしますので、ぜひご参加ください。

(招かれざる鳥は生息域拡大、絶滅危惧の県鳥は激減:高知)
5月の早朝、高知県西部の黒潮町沖にある無人島にチャーター船で渡った。中国大陸原産のカラスの仲間「サンジャク」の目撃情報があり、専門家の調査に同行していた。標高49メートルの島の頂上に着くと、高木の間をサンジャクが飛び交っていた。青い羽毛と長い尾羽はまるでオウムのようだ。無人カメラを設置するため水場を探し、木につかまりながら崖を下りた。雨が降り、靴は泥だらけ。蚊に見舞われ、取材ノートにはたくさんの血痕がついた。調査したのは、生態系トラスト協会(四万十町)の中村滝男会長ら。絶滅危惧種の高知県鳥・ヤイロチョウ(八色鳥)保護のため、寄付金で森を買い取る「ナショナルトラスト運動」を20年前から進めてきた。しかし、近年は保護区に体長65センチほどのサンジャクが飛来し、ヤイロチョウが激減した。侵略的な外来種の出現で、「20年来の活動が水の泡になる」と危機感を募らせている。サンジャクは1999年に愛媛県宇和島市にある県有レジャー施設から30羽余りが逃げ、繁殖して生息域を広げているとみられている。黒潮町の無人島に置いたカメラには、今年生まれた4羽が映っていた。雑食で小鳥の卵やヒナも食べるとみられている。中村さんらは8月、愛媛、高知両県の担当者らとの会議で「有害鳥獣に指定して猟友会が捕獲できるようにしてほしい」と訴えた。しかし、行政側の反応は薄い。10月には、高知県中部の南国市の物部川でサンジャクの写真が撮影され、生息域のさらなる拡大が確認された。サンジャクの飛来地ではメジロなど他の在来種も姿を消しているという。農作物を荒らす鹿やイノシシと同様の駆除の仕組みが必要ではないかと思う。協会は11月、愛媛県の中村時広知事あてに質問状を送った。「危険な外来種を逃がした場合、早期に対策に取り組むことが、在来種の保護に役立つのではないでしょうか」返事はまだ届いていない。

(イノシシ襲撃4人けが、人慣れ進み出没「当たり前」に:広島)
広島県尾道市因島田熊町で今月15日、住民4人が次々にイノシシに襲われ救急搬送された「事件」は、地域に衝撃を与えた。同町には以前から畑や住宅地に頻繁に出没し、イノシシの人慣れが指摘される一方、住民の危機感も薄れつつあった。専門家は、自衛の意識や地域ぐるみで寄せ付けない工夫を呼びかける。入院先から4日ぶりに自宅に戻った女性(64)の右太ももには、大きな縫い跡が残る。出血がひどく、ドクターヘリで福山市の病院に運ばれた。「目が合ったら走ってきた。牙で突かれ、気付けば倒れていた」。買い物に出かけようと家を出た直後の被害。「畑が掘り返されることはしょっちゅうで、珍しいとも思わなかったのに。外出が怖くなった」と声を震わせる。山林と農地、住宅地が混在する同町では10年以上前から出没していた。空き地の水たまりで泥浴びしたり、木陰に潜んでいたり。石垣を壊される被害もあり、住民は時間帯を問わず目撃。「当たり前の光景」「何もしてこない」などと話す。ただ、最近は、より人けの多い場所で見かけるようになっている。商店が並ぶ地区で食料品店を営む村上ナヲ子さん(78)は今年2度、商品をイノシシに食べられた。いずれも夜中で、シャッターの鍵を壊されるなどし、ミカンと卵が被害にあった。車や人の往来が多い県道沿いやショッピングモールの駐車場にも出没しているという。 「人間に慣れ、なめてきているんだろう」。猟友会有志でつくり駆除を担う市有害鳥獣捕獲対策協議会の因島班の大本光吉班長(65)は苦々しげに語る。本来、イノシシは臆病。一方で学習能力が高い。「民家の近くがイノシシにも安全で住みやすい環境となっている」と受け止める。

(鳥獣被害、前年度比6.5%増:北海道)
道がまとめた2021年度の野生鳥獣による上川管内の農林水産業の被害額は、前年度比6・5%増の6億7100万円となり、2年連続で増加した。8割近くがエゾシカの被害。生態系を乱す特定外来生物のアライグマによる被害も拡大しており、増加傾向に歯止めがかかっていない。

(シカの衝突事故、道内最多:北海道)
野生動物と人間の距離が近づいている―。そう思わせるような1年だった。苫小牧市内でエゾシカが頻繁に街に出没し、家の庭を荒らしたり、車とぶつかったりする事例が多発。郊外を中心にヒグマの目撃情報も例年以上に相次いだ。

(カラスの大群、“冬の空”各地で:岐阜)
今、全国各地でカラスの大群の目撃情報が相次いでいます。中でも、異常な数が確認されたのは、岐阜駅の近くでした。取材を進めると、意外な事実が分かりました。空一面に飛び交うおびただしい数の黒い鳥たち。先月、神奈川県のJR小田原駅周辺で撮影された、カラスの大群です。現場に行ってみると、線路の上の電線には、おびただしい数のカラスたちがとまっていました。我が物顔で駅を占拠しているカラス。電車が来ても、逃げる様子はありません。こうしたカラスの大群に関する情報は、10月下旬ごろから、全国各地で相次いでいます。隙間なくカラスで覆われているのは、秋田県大館市の電線です。静岡県浜松市の住宅街に突如、現れた大群。よく見ると、女性がほうきを持って追い払っているのが分かります。なぜ、ここまでカラスが群れをなしているのでしょうか?専門家は、次のように話します。宇都宮大学・杉田昭栄名誉教授「小さな群れとして生活していたものが、冬の(エサの)条件が悪くなることによって、できるだけ良い場所に集まってくる結果、見た目として大きな群れになっていると」野山にエサが少なくなる冬場は、都市部に大群で飛来することによって、効率よくエサを見つけているのだといいます。中でも、今年になってとんでもない数のカラスが押し寄せているとの情報が寄せられたのが、岐阜市のJR岐阜駅です。人々が口をそろえて恐れるカラスの大群。カメラが捉えました。連日、夕方になるとこうした光景が見られるJR岐阜駅。SNSにも、多くの動画が投稿されています。駅周辺では、フンの被害がひどく、岐阜市は毎日清掃作業を行っていますが、キリがありません。市によると、カラスは、北側に位置する金神社や金公園周辺をねぐらにしているといいます。金色の鳥居で有名な金神社。カラスについて宮司に話を聞いてみました。本郷啓介さん:「ここ10年くらいは(被害が)あるでしょうね。変わりません。私たちも困っております。もうフン公害ですね、カラスの」。なぜ今年になって、岐阜駅にも大群が押し寄せるようになったのでしょうか?岐阜市は、そもそもカラスの個体数が増加している点を挙げています。一方で…。杉田名誉教授:「(カラスが)元々いた場所に不都合なことが起きていると。(街の)開発とか、あるいはエサがとれなくなったとか。元々の場所に住めなくなって、都合の良い場所を探しているうちに、駅にたどり着いた」。岐阜市から依頼を受け、カラスの捕獲を行っている関係者は、こんな推測もしています。防除研究所・川瀬耕司さん:「高層マンションが今、工事しているんですね。(工事が)カラスのねぐらのすぐ近くにはなりますので。カラスは、意外と環境の変化に敏感に反応するもので。そういうところで脅威を覚えて、岐阜駅のほうに移動したということも考えられる」。岐阜市は今後、駅周辺のカラスを詳しく調査する方針です。

(特定外来生物による農作物などの被害相次ぐ:山梨)
山梨県南部町で見た目はかわいい「ある動物」による農作物などの被害が相次いでいることが分かりました。この動物は生態系に悪影響を及ぼすおそれがあり、山梨県内の捕獲数がこの10年で大幅に増加しています。切り裂かれた袋に、散乱するミカンの皮。この仕業は…これが・・・アライグマです。体長は40cmほどで12月17日、南部町福士にあるアユの養殖場で捕獲されました。この養殖場では数年前から物置に保管してある、アユの餌が食い荒らされる被害が相次いでいました。2022年も金額で約4万2000円分の被害があり、隣の畑ではミカンやキンカンの実が食べられる被害も確認されています。このため佐野さんは役場から捕獲用の檻を借りました。アライグマは生態系に悪影響を与えるおそれがあるとして、特定外来生物に指定され、飼育や販売は原則禁止されています。南部町によりますと、アライグマの被害は町内の広い範囲に広がっているとみられ、佐野さんはすでに7匹を捕獲したということです。県内で捕獲されたアライグマは2019年度が211匹で10年前の実に約20倍に増加していて、県は見つけた場合、各市町村へ連絡するよう呼び掛けています。

(路上にタヌキ約30匹、車の前に次々と出現:愛媛)
12月18日の日曜日、雪の中で撮影された映像です。実はこの道路に出てきた動物はタヌキです。その数、なんと約30匹。一体なぜ?車の前を横切る1匹のタヌキ。よく見ると、画面の右側にもう1匹。さらに、左にカメラを向けると…そこにはたくさんのタヌキがいました。12月18日の日曜日に新居浜市別子山地区で撮影された映像です。道路に出てきても車に動じる様子もなく、くつろいでいるようにもみえます。友人と車でドライブしていたところ、突然、タヌキの群れが目の前に飛び出してきたそうです。タヌキの数を数えてみると、全部で13匹。撮影した男性によると、映っていないタヌキも含めると約30匹いたということです。動物に詳しい専門家によると、タヌキは単独か家族単位で動くため、ここまでの数が一度にいるのは大変珍しいということです。

(市内中心部にクマ出没:北海道)
近年、都市の中心部に出没するようになったクマ、いわゆる「アーバンベア」。旭川市でも去年・ことしと2年連続で中心部にクマがあらわれました。対策にあたる旭川市の職員たちは「来年こそはクマを市街地に寄せつけまい」と準備を進めています。

(鹿肉からペット用ジャーキー:愛知)
北設楽郡の猟師らが駆除した鹿の肉を材料にして、新城市富永の障害者福祉施設「ウィングス」が、ペット用ジャーキーの製造販売を始めた。犬が喜んで食べるといい、試験販売の評判は上々。森の厄介者を資源として活用するため、奥三河で「猟・福」連携が動き出した。ウィングスは、知的障害者ら18人が利用する就労継続支援B型事業所。野菜の袋詰めなどの作業をしているが、季節によっては仕事がなくなるのが悩みだった。継続的な作業を確保しようと考えたのが、野生の鹿を使ったジャーキー生産だ。猟師が捕獲した鹿を動物園向けの餌に加工している東栄町御園の会社「野生動物命のリレーPJ(プロジェクト)」に相談して、骨付き肉を材料として購入することにした。関連施設でさばいた肉を事業所に運び入れ、利用者らが乾燥機にかけて包装する。定価は100グラム入りが税込み1000円だ。7月から試しにフリマアプリに出品し、11月以降は道の駅や市内のドッグラン施設でも販売。これまでに1000袋以上が売れた。ウィングスの運営法人の岡本義浩代表理事は「塩などを一切加えないところが評価されている。低脂肪・高たんぱくなのも受けがいい」と、さらなる売れ行きを期待する。

(「第7回ジビエ料理コンテスト」の結果について)
ジビエの普及啓発等に取り組む農林水産省の「鳥獣利活用推進支援事業」の一環として開催した「第7回ジビエ料理コンテスト」において、農林水産大臣賞等の受賞者が決定されたのでお知らせします。農村地域で深刻な被害をもたらす有害鳥獣の捕獲数が増加傾向にある中で、これを地域資源としてとらえ、野生鳥獣肉(ジビエ)として有効に活用する前向きな取組が広がっています。このような状況の中で、農林水産省では、平成28年度からジビエの普及啓発や調査実証に取り組む「鳥獣利活用推進支援事業」において、ジビエの全国的な需要拡大を推進しています。本コンテストは、同事業の一環として事業実施主体である「一般社団法人日本ジビエ振興協会」が実施したもので、選定・表彰された料理レシピを広く紹介・提供することで、消費者等への普及啓発を図り、ジビエの全国的な需要拡大や鳥獣利活用の推進を図るものです。第7回となる今回は「プロ部門」「一般・学生部門」の2部門で合計220点の応募があり、書類審査及び実食審査の結果、農林水産大臣賞2賞含む合計12賞の受賞者が決定しました。

(「全国ジビエフェア」“ご当地ジビ活”で地域の魅力を再発見!)
株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎)は、農林水産省「令和4年度全国ジビエプロモーション事業ジビエフェア開催事業)」の事業実施主体として、国産の野生鳥獣肉(以下、ジビエ)等の消費拡大のため「全国ジビエフェア」を2022年11月1日から2023年2月28日まで開催しています。全国のジビエメニューを提供する飲食店やホテル、ジビエを使用したペットフードや皮革製品を販売する小売店やECサイトを特設サイトで紹介し、国産ジビエの魅力を知ってもらい、消費者の「ジビエを食べよう、ジビエを買おう」を推進します。本特設サイト内では、全国の自治体等が開催しているジビエ関連イベントや自治体等が取りまとめているジビエ提供店情報についてもご紹介をしており、「全国のジビエを楽しむ旅」や「ゆかりのある地域のジビエを応援」など、“ご当地ジビ活”の楽しみ方を様々な地域と連携し情報発信しています。ジビエは地域資源として利用することで地域の活性化にもつながっています。自身の住んでいる地域の美味しい食材を再確認したり、遠出の際の楽しみのひとつとして、各地域ごとのこだわりと工夫の詰まったジビエを楽しんでみてはいかがでしょうか。今回は現在開催中もしくは近日開催予定のご当地ジビエイベント(12カ所)についてご紹介します。洋食や鍋料理の定番メニューから、滋味あふれる和食、中華など、様々な業態が参画し、各地のご当地ジビエを楽しんでいただくことができます。また、お土産として家庭でも手軽に楽しめるソーセージやハンバーグなどの加工品や、鍋やキャンプにぴったりな精肉を購入できる小売店も参加し、フェアを盛り上げています。ぜひ、“ご当地ジビ活” で新しい食の発見や地域の魅力を感じてみてください。日々の生活に「ジビエ」をプラスして、自分に、地域に、社会に、ちょっといいことをしてみませんか。

(国産ジビエ認証施設の第32号認証について:鹿児島)
国産ジビエ認証制度に係る認証機関により、国産ジビエ認証施設(第32号)として、食肉処理施設「いかくら阿久根(鹿児島県阿久根市)」が認証されました。農林水産省では、衛生管理基準及びカットチャートによる流通規格の遵守、適切なラベル表示によるトレーサビリティの確保等に適切に取り組む食肉処理施設の認証を行う「国産ジビエ認証制度」(以下「制度」という。)を平成30年5月18日に制定し、より安全なジビエの提供と消費者のジビエに対する安心の確保を図る制度の運用を行ってきたところです。この度、国産ジビエ認証委員会により登録された認証機関(一般社団法人日本ジビエ振興協会)において、認証申請のあった食肉処理施設「いかくら阿久根(鹿児島県阿久根市)」の審査が行われた結果、制度に規定する全ての要件を満たすと認められたため、本日付けで「国産ジビエ認証施設(第32号)」の食肉処理施設に認証されました。

(猟師が振る舞うイノシシ料理:島根)
農作物の食べ荒らし、人里への侵入・襲撃など、私たちの生活にさまざまな被害をもたらす野生鳥獣。日本全体での総被害額はなんと年間約160億円にのぼり、農林水産省は課題解決に向けて対策を採り続けている。そんななか活発化しているのが、有害な野生鳥獣を“ジビエ”として活用する動きだ。島根県浜田市弥栄町の山中にも、捕獲された野生鳥獣を解体・加工して提供するレストランがあるという。店名は「田舎カフェ&キッチン 陽氣な狩人」。その名の通り、陽氣な猟師の大将が、地域で獲れたイノシシ肉を最適な調理で提供してくれるのだそう。ジビエというと、肉質が硬く、生臭い印象があったが、新鮮な肉であれば違うのだろうか……これは気になる……。萩・石見地方を取材していた私たちは、浜田市街から中国山地に入り、お店を目指すことにした。2車線あった道路は、次第に1車線になり、まもなく対向車とのすれ違いも困難な山道に。蛇行しながらアップダウンの激しい道を進み続ける。カーナビが示す道順に従いながらも、「本当にこんな険しい道を進んだ先にお店なんてあるのか?」と不安になり始めた頃、ようやく山道を抜けられ、開けた土地に出た。ここが弥栄町だ。人口はわずか1300人ほど、四方を山に囲まれたロケーションはまるで“村”といった景観で、聴こえてくる音は鳶の鳴き声。地方都市のロードサイドから山道に入り、その先で辿り着いた自然豊かな集落……。一連の行程から、なんだか異世界に入り込んできたような感覚を抱く。そのまま道なりに進んでいくと、陽氣な狩人の看板が目に入ってきた。車を降りてお店に向かっていると、アプローチには、地域で採れた果物や野菜、ヘビの入った謎の液体、他にもなんだかよくわからない品々が多数並べられている。これは面白い店に辿り着いてしまったぞ……。店先を観察していると、店主の今田さんとお店のスタッフである稲沢さんが迎え入れてくれた。お店に到着するまでの道中、インター線改築に伴う通行止めで道を迂回したこともあり、到着が当初の予定より遅れてしまったにもかかわらず、稲沢さんは「あちゃ~、通行止めのこと、教えてあげとかんといけんかったねえ! ごめん~!」と声をかけてくれる。こうしたあたたかさが旅先ではなんとも嬉しいものだ。そして、ジロジロと店先を眺めていた私たちを見かねてか、店先に並ぶ品々について丁寧に説明してくれた。「そのヘビが入っとるやつはマムシ酒じゃね。お客さんが持ってきてくれたり、散歩中に拾ったり、農作業中に見つけたりしたマムシを捕らえて漬けとるんよ。商品として売ることはないけど、興味を持ってくれたお客さんに振る舞ったりしとるね。黒いやつはイノシシの胆のう。命をいただいとるわけだから、無駄なところを残しとうないんよね。東北のマタギが取る熊胆と同じような具合で、胃腸薬っていう感じで言い伝えられとるね。二日酔いでお店に辿り着いたお客さんに飲んでもらったら、ものの数秒で『あ、すっきりした……』なんていうこともあったくらい」(今田さん)。無駄なところを残さない。命を無駄にしたくない……。そのために、普段今田さんが作業を行う、陽氣な狩人併設の「弥栄町獣肉加工処理施設」を見学させてもらった。すると、そこには大きなフックに吊り下げられた巨大なイノシシが!「内臓を取り出したあとは、そのまま1週間くらいこうやって冷蔵庫で熟成させて、皮を剥いでから枝肉にするんよ。熟成させんと美味しくないからね」(同前)。「あとね、イノシシの肉は特殊な機械で水を電気分解して、酸性とアルカリ性に分けてから丁寧に殺菌・消毒をしとる。弥栄町は水がきれいでお米が美味しい地域なんよ。イノシシを処理する工程で川を汚してしまったらいけんよね。だから、ケミカルな洗剤は使わない。自然のものをいただくわけだから、自然に悪いことをしたくないでしょう。うちのこだわりだね」(同前)。イノシシを美味しくいただくため、そして豊かな自然環境を守るためのこだわりを次々に語ってくれながら、すでに加工処理が終わった枝肉を見せてもらう。生の状態でパウチされたものに加え、炭で焼いてタレで煮た、チャーシュー状態の肉も。イノシシ肉のチャーシュー……。一体どんな味がするのか。なんとも期待が高まる。口の中にヨダレが溜まり始めた頃、スタッフの稲沢さんから「そろそろ、何か食べましょうか。お腹も空いとるでしょう」と声がかかる。この瞬間を待っていた。はじめに提供されたのは、「猪肉さっと炒め(900円)」。締まったイノシシ肉は噛めば噛むほど脳が喜ぶような美味しさ。何か別の肉の味に例えようと記憶を振り返るも、これは他の何物でもないイノシシ肉ならではの味わいだ……。ジビエに抱いていた苦手意識が一気に吹き飛ぶ。さらに驚かされたのは、イノシシ肉とともに炒められたキャベツの旨味。料理を見るに、調理行程としては、肉と野菜を炒める以外の大きな工夫はとっていないだろうにもかかわらず、野菜から、これまで味わったことのないような甘みが感じられるのだ。今田さんに尋ねてみると、「サラダ油だったら美味しさ半減だろうなあ」と語りながら、イノシシから取ったラードのみを料理に使っていることを教えてくれた。続けてテーブルに並んだのが「猪肉炭火焼ロースト(900円)」。先に紹介したイノシシのチャーシューがこれだ。箸で簡単に裂けるほど柔らかく煮込まれたチャーシューを慎重に口へと運ぶ。まったく臭みがない……。咀嚼していくと、他の動物肉では例えようのない独特の旨味が口いっぱいに広がる……。取材ということで断腸の思いで飲酒を諦めたが、この一切れでビール1Lは飲めると確信した。なんとも悪魔的な美味しさだ。そして、最後にいただいたのが、具材がたっぷり乗った「特製うどん(850円)」だ。ジビエ料理を出すレストランでうどんが提供されたことに驚いたが、なんと、陽氣な狩人は大手飲食店情報サイトで島根県ナンバーワンのうどん店に選ばれるほどの有名店なのだという。器に顔を寄せると、湯気から出汁の香りが匂い立つ。透き通るほど白い、ウェーブのかかった平薄麺は独特のコシが残っていて、ほのかに小麦の風味が感じられ、なんとも美味い。実は大将は、9年前まで市の中心部で飲食店を構えていたのだという。うどんを打ち始めてからのキャリアはなんと40年以上。どうりで一つひとつの料理の完成度が高いわけだ。島根県ナンバーワンのうどん店に選ばれることにも思わず納得する。ところで、一般的にイメージされる“猟師”の姿に比べると、いくらか痩躯な今田さんは巨大なイノシシをどのように捕獲しているのだろうか。「私の猟は犬を使う猟だから、犬猟。いまは甲斐犬と甲斐犬の雑種を4匹飼っとって、犬と一緒に山の中に入っていくんよ。そしたら犬がイノシシを探してくれる。『ワンワン』って吠えたら、私がそこに行って、鉄砲でドンと撃つ。名犬がおれば大体の場合、確実にイノシシを仕留められる。でも、もう歳も歳だからあんまり多くのイノシシを獲るのは難しい。単独猟だから。犬4匹と私が一緒に山に入って、こんな大きなイノシシを山から引きずり出すのは大変だからね」(同前)。御年71歳とは思えないほど元気ハツラツとした今田さんとはいえ、自分よりも重い巨大なイノシシを持ち運ぶのは、たしかに身体に堪えるだろう。それでも、身体的な負担が少ない罠猟ではなく、犬猟を続けているのには理由がある。「まず一つは、山に入って、犬が喜んでくれるのが嬉しいという気持ちだね。あと、ストレスがかかって胆嚢が大きくなっとるようなイノシシは、肉にもストレスがかかっとって、味が落ちるんよ。一番美味しいイノシシは、やっぱり猟銃一発で仕留めたやつ。イノシシがストレスを感じることなく逝ってるからね。檻に入れられたり、罠にかかった状態のままで、2日も3日も放置されてしまうと、そりゃあストレスを感じてしまうよ。胆嚢の大きさも、罠で放置される時間の長いイノシシと、猟銃で仕留めたイノシシとでは全然違うんだから」(同前)。人里に被害をもたらすイノシシを狩り、その肉を無駄なく美味しくいただく。自然と調和した暮らしを送る今田さんだが、こだわりのあまり、危険な目にあうことはないのだろうか。例えば、イノシシにストレスを与えないためと語った犬猟は、山にいる時間が長いぶん、罠猟よりも野生動物から襲われる危険性は高いと思われる。「銃を使わない猟法だと、捕らえたイノシシを最後に刺したり殴ったりして殺さんといけん。そのときに怪我をする人が多いんよ。瀕死だとしてもイノシシが生きとったら、噛みついてきたり、引っ掻いてきたり、反撃してくるけえね。かえって銃を使った方が安全っていうわけじゃね」(同前)。猟の危険性について何も知らない私たちに対して、懇切丁寧に実情を説明してくれる。とはいえ、猟の最中にはイノシシ以外の危険な動物に遭遇してしまうこともあるだろう。例えば、取材の数日前にも、お店の裏の民家にクマが出没し、住民の方が怪我を負うという事故があった。今田さんは、猟をするうえでクマとの存在を感じることなんてしょっちゅうだと豪快に笑う。「木々の向こうから、こちらを見ているような気配があっても、まったく怖くない。クマって小心者だから。みんな『怖い怖い』って恐れるから、クマも調子に乗るんだって。棒持って追っかけてみんさい。クマも『人間って怖い』と思うはずよ。人間側が怖がってばかりだから、向こうも勝ったと思うとるんじゃないかね。それでも、人間が生物の頂点だとはまったく思っとらんよ。こんなに環境を破壊しとるんだから。山の木を切って、次に何を植えるかいうたら、成長の早いスギやらヒノキやらばっかり。要するに、イノシシとかクマとかのエサが山からどんどん減っていくわけよ。それで、どんどんイノシシ、クマが人里に降りてくる。それで“有害”っていわれても、イノシシからしたら、ただ生きてるだけじゃない。人間が木を切るから、里に下りなきゃ生きていけんくなっとるんだから。自然災害もそう。広葉樹と違ってスギ、ヒノキみたいな針葉樹は“ひげ根”だから土に深く根を張れんわけよ。だから土砂崩れがたくさん起こる。それで、土砂崩れが起こったらその箇所をコンクリートで固めるでしょ。コンクリートで固めたら水が濾過されないまま川へと流れ込んでしもうて、その水が海へと流れていって海洋汚染になる……。すべてのことが繋がっとるんだよね。それでも環境を破壊し続けとるんよね」(同前)。お店を訪れたお客さんとは一緒にご飯を食べながら、このように、経験に基づいたさまざまな話をする。そうした体験を含めてお店のファンになってくれる常連客が多いのだとか。コロナ禍の際に出前を始めようかとお客さんに相談したところ、「違うのよ大将、私はここに来て食べたいの。美味しいご飯が食べたいだけじゃあないの」と猛反対を受けたというエピソードも聞かれた。まさしく、大将との交流を楽しみにしている人が多い証拠だ。「ここに来るまでの道のりも自然を感じられるじゃん。それで、お店まで来てもらって、一緒にお話ししながら、美味しい料理を食べる。これがね。これがいいんだよ。」今田さんは嬉しそうな笑顔で私達に伝えてくれた。

(焚き火を囲む「山麓の狩猟肉すき焼き」:山梨)
日本初のグランピングリゾートである星のや富士では、2023年2月28日(火)まで、「山麓の狩猟肉すき焼き」を提供中。猟師こだわりの狩猟法で獲った狩猟肉を堪能できる。「山麓の狩猟肉すき焼き」は、凛とした空気の漂う冬の森に設えられた、焚き火を囲む特別席で猪肉、鹿肉の狩猟肉をすき焼きで味わう冬季限定のディナーだ。ワインやフルーツを使用した星のや富士オリジナルの割り下で、山梨が誇る2人の猟師がこだわりを持って獲った、味わい深い冬の狩猟肉が堪能できる。星のや富士では、地元の農林業に猪や熊、鹿がもたらす獣害を減らすことに貢献したいという思いから、狩猟肉を食材として活用したメニューの開発を行ってきた。狩猟肉は、寒さが増す、秋から冬にかけてが旬! さまざまな種類の狩猟肉に出合えるが、なかでも、鹿や猪は、秋から木の実や木の皮、もみがらを食べることで、肉は香り豊かで赤身と脂身のバランスがとれた力強い味わいとなる。今回のディナーは、猟師が良質な狩猟肉を手に入れたときには、すき焼きにして食べられてきたという古くからの風習から着想を得たもの。旬の狩猟肉をグランピングリゾートならではの調理法で味わうすき焼きをコース仕立てで提供する。焚き火を囲むプライベートな特別席は1日1組限定。焚き火に加えて、ブランケットやストーブが用意されているため、冬の屋外でも暖かく快適に過ごすことができる。冬の凛とした空気の森の中で、焚き火の暖かさを感じ、炎のゆらめきを眺めることで、リラックスしながら食事が楽しめる、特別な空間だ。アミューズは、鹿や猪の骨から出汁をとったジビエコンソメのスープを用意した。滋味深く優しい味わいのスープは心身を温めてくれる。メインは、星のや富士オリジナルの割り下でじっくりと煮込むすき焼き。割り下は、砂糖を使用せず、巨峰やレーズンのドライフルーツから甘味を出し、さらに山梨を代表するブドウ品種「ヤマソーヴィニヨン」の赤ワインを加えた。牛脂の代わりに使用するフォアグラの良質な脂とドライフルーツの甘みや赤ワインの芳醇な香りが狩猟肉の旨味を引き立てる。

(大学生考案、ジビエカレー:岡山)
環太平洋大の学生が考案したイノシシ肉入りのジビエカレー(税込み700円)が22日、岡山市役所の地下食堂で販売された。社会問題化している獣害対策への意識を高めてもらおうと企画され、23日まで1日限定20食で提供される。同大第1キャンパスのある岡山市東区瀬戸町周辺にはイノシシやシカが多数生息しており、計画的に駆除されている。同大では従来は廃棄されていた肉や皮の有効活用に取り組んでおり、今回は食堂の運営を市から委託されているセントラルフーズ(岡山市)と協力。イノシシ肉や県産品の玄米を使い、スパイシーなカレーに仕上げた。経済経営学部2年の女子学生(20)は「多くの人にカレーを食べてもらい、野生動物の問題を知るきっかけにしてもらいたい」と話した。

(地元にこだわって生まれたジビエバーガー:徳島)
バンズにちょこんと鹿の角がついたキュートなビジュアルにきゅん。この見た目のとおり、パティには鹿肉を牛肉と合挽きにして使用している。地元猟師から仕入れており、捕獲した後の一定期間、独自に配合したエサを与えてから加工することで、ジビエ独特の香りを抑えている。バンズは那賀町の「パン工房にーに」が手がけるオリジナルの胚芽パン。一緒にサンドしているグリーンリーフも、地元の会社「那賀ベジタブル」から取り寄せるなど、メイドイン那賀町にこだわった一品となっている。

(学んで食べるサーモンと鹿肉:岩手)
三陸・大槌町が今、頑張っている。東日本大震災で役場ごと津波に襲われ、町長はじめ多くの職員が犠牲になった大槌は、行政が機能不全に陥り復興も遅れた。この12年弱で少しずつ、志あるよそ者が集うようになり、活気が戻り始めている。その大槌を舞台に先日、「大槌食のツーリズムモニターツアー」が開催された。主催した大槌町観光交流協会の観光コーディネーター・服部真理さんを微力ながらも応援しようと、骨折した右足にギプスを巻いて駆け付けたが、着いてびっくり。三陸鉄道やみちのりトラベル東北、体験村・たのはたネットワークなど、強力な応援団がすでにそろっていた。ツアー前夜の夕食会場「三陸花ホテルはまぎく」もまた、活動を支えている。アワビの踊り焼きやフカヒレのあんかけなど渾身(こんしん)のメニューで、私たちを驚かせた。上手な演出だなと感心したのが、山海の幸に合う純米吟醸酒「源水」の試飲が用意されていた。大槌は水が清らかなことで知られる。町内を流れる源水川と、そこから湧き出す水に大槌産の酒米で造られた「地域おこし酒」に酔いしれた。その湧き水を明日、見学できるという。モニターツアーは”ラグジュアリーバス”で催行されると聞いていた。小回りがきく城山観光の小型バスは、細い路地や住宅地もスムーズに移動する。翌朝、一行はバスに乗り込み、まずはサーモン養魚場へと向かった。大槌の吉里吉里漁港では、「岩手大槌サーモン」の養殖事業が本格化したばかり。サケとサーモン、ひいてはサクラマスやマスノスケなど種類の違いを尋ねられ、あたふたしたところで、東京大学大気海洋研究所の院生から、養魚地の露店白板で解説されて納得した。途中、湧き水を見学して、魚のあとは肉。「『害獣』を『まちの財産』に」を合言葉に活動する「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」のメンバーから、大槌のニホンジカが大量発生した理由や駆除の歴史、狩猟活動などを聞いた。震災後、三陸沿岸は人口減少に拍車がかかり、野生のシカによる農作物被害に悩まされた。筆者も幾度か釜石線で、シカと衝突したからと車内で足踏みしたことがある。だが、シカにも家族がいて、コミュニティーがある。ただ廃棄処分するのではなく、命の恵をありがたくいただこうとする取り組みは、SDGsの観点からも注目されている。さてわれわれは、定規や目打ちが用意された木机に向かって、彩色されたなめし革「大槌ジビエレザー」で、キーホルダー作りに挑戦した。手先の器用さが競われる。熱中しているうちに、お腹が空いた。ちなみに、ハンターたちが捕獲して食肉処理した大槌鹿は、MOMIJIのブランド名で販売されている。と同時に、ジビエ料理を開発、提供する店が増え始めた。昼食どころの割烹「岩戸」では実際に鹿骨スープのボーンブロスや鹿肉のオーブン焼き、玉ねぎのキャラメリゼに魅了され、盛られたいくらも光る桃畑サーモン丼をくるみしょうゆで食べると聞いたときには感嘆の声があがった。ツアー終盤のお買い物タイムは、小川商店に立ち寄って「源水」をお買い上げ。参加者の皆さんは、いきいきとした笑顔で解散した。

(「害獣を財産に」ハンターが制作:岩手)
増え過ぎて獣害が問題化している鹿を主人公にした短編アニメを、岩手県内唯一のジビエ加工・販売会社「MOMIJI」(大槌町)が制作した。7日、小中一貫校の大槌学園にDVDを寄贈した。物語の作者は26歳のハンター。「6分間に子どもたちに伝えたいことを詰め込んだ」という物語は、自然と命について深く考えさせられる内容になっている。題名は「しかのおくりもの」。木の枝を食べて、森に光をもたらす鹿たち。食べ物がなくなった子鹿のきょうだいが、里に下りて、おばあさんに白菜を分けてほしいと頼む。「白菜がないと冬を越せない」と言うおばあさんに、お姉さんの鹿がある提案をする。自分の命と引き換えに……という物語だ。町地域おこし協力隊員の工藤秀佳さん(26)が脚本を書いた。MOMIJIと二人三脚で、町の地域資源を活用した事業を展開する株式会社「ソーシャル・ネイチャー・ワークス」で働く工藤さんは、昨春に隊員として町に移住した。狩猟免許を取って自らも鹿を撃ちつつ、ハンターの養成もしている。そんな日々で実感したことが、今回の物語のベースになっている。鹿も自然の循環の一部であること。1頭ずつ個性があること。むやみに命を奪ってはいけないこと。生きることに感謝して食べなくてはいけないこと。工藤さんは、子どもたちに知ってほしいことを一つひとつ書き出して、話の構成を組み立てていった。図案は、町内にある東大大気海洋研究所国際沿岸海洋研究センターに今春まで在籍した研究者兼イラストレーターの木下千尋さん(31)=現・名城大農学部日本学術振興会特別研究員=が担当した。東京の制作会社などの協力も得た。MOMIJIなどの、害獣駆除で狩猟した鹿をジビエや工芸品などに利用する事業は、復興庁の「新しい東北 復興ビジネスコンテスト2020」で優秀賞を受賞している。害獣を町の財産にと考える同社は、次世代に伝えようと賞金に資金を足して作った。この日、大槌学園の小学3年生66人を対象に初めて「しかのおくりもの」を上映。児童は「ジビエって大切なものだとわかった」などと感想を話した。アニメはユーチューブでも公開。DVDはほかの教育機関などにも寄贈するという。

(狩猟からレストランにいたるまで:北海道)
狩猟から豚や鶏の飼育、生ハムやパテなどのシャルキュトリと熟成肉の生産加工、レストランにいたるまでを、一貫して自社で行う「食肉料理人集団エレゾ」。その代表・佐々木章太さんが、北街道・帯広から車で50分ほど、太平洋を望む豊頃町大津の高台に、2022年10月、オーベルジュをオープンしました。重厚感のあるラウンジでは大津の大自然の映像が流れ、その奥にあるカウンター席と大テーブルを配したレストランでは、佐々木シェフがゲストの目の前で腕を振るいます。「食材の命と真剣に向き合い、その素材に感謝して慈しむ」。盛りつけをしながら語る言葉に重みと説得力があるのは、氏が常に動物の生命と向かい合う狩猟家であり、その滋味を引き出す料理人でもあるためです。レストラン棟の横に並ぶのは、離れ形式の3棟の宿泊棟。デッキから外を眺めれば北の大地の太平洋が広がり、十勝開拓の玄関口となった大津の歴史に思いが巡ります。

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12/22
(シカ猟終えたハンターの車3か所に:北海道)
北海道むかわ町で12月18日、林道脇に停めていた乗用車に銃弾の痕のような穴が3か所あいているのが見つかりました。18日午後1時半ごろ、むかわ町穂別栄で、シカ猟をしていた猟友会のハンターから「猟を終えて車に戻ったところ仲間の1人の車に弾痕がある」と110番通報がありました。警察によりますと、林道脇に停めていた乗用車の運転席側のドアバイザーとフロントガラス、助手席側のフェンダーの3か所に穴が開いていたということです。現場周辺は狩猟が認められている区域で、車の所有者は仲間約90人と朝からシカ猟をしていました。正午ごろに猟を終えて仲間と共に仕留めたシカを解体し、午後1時半ごろ、車体の穴に気付いたということです。警察は、ハンターの流れ弾が当たった可能性もあるとみていますが、車の所有者らが猟をしていた区域と、車が停められていた場所に距離があることから、状況を慎重に調べています。

(自分の猟銃から誤って発砲か、狩猟中の男性が腹部にけが:大分)
18日午後、大分県豊後大野市の山中で狩猟をしていた60代の男性が猟銃の弾に当たり、腹部にけがをしました。弾は男性が持っていた猟銃から誤って発砲されたとみられるということです。警察などによりますと、18日午後0時30分すぎ、豊後大野市犬飼町の山中で狩猟をしていた人から「猟銃で仲間が負傷した」と119番通報がありました。けがをしたのは豊後大野市三重町に住む左官業の67歳の男性で、猟銃の弾が左腹部に当たりました。弾は男性が持っていた猟銃から誤って発砲されたとみられるということです。男性は由布市内の病院に搬送され治療を受けていて、意識はあるということです。男性はほかの5人と一緒にイノシシなどの猟をしていたということで、警察が当時の状況を詳しく調べています。

(イノシシがマダニを運ぶ?:栃木)
栃木県足利市内で増えている「マダニ刺咬症」の多くが「タカサゴキララマダニ」によるもので、野生のイノシシによって人家周辺に運ばれている可能性が高いことが足利赤十字病院の内科非常勤医師、島田瑞穂さん(55)らの調査で分かった。マダニは深刻な感染症を媒介することもあり、同病院はかまれた場合、医療機関の受診を呼び掛けている。マダニは蛛形綱マダニ亜目に属し、主に野生動物に寄生して幼虫、若虫、成虫の各ステージで吸血する。複数種いるが、森林総合研究所や県衛生研究所などが県内の森林でシカに付着するマダニの種類を調べた際には、タカサゴキララマダニはほとんど確認されなかったという。一方、同病院でのマダニ刺咬症の受診者は2015年に7例、16年に9例だったのが、17年には25例に倍増。18年が24例、19年が23例と高止まりしている。島田さんが17~19年の72例を分析したところ、62例がタカサゴキララマダニにかまれていた。拡大の原因を探るため、島田さんや帯広畜産大学の山内健生准教授、森林総研や国立感染症研究所の研究者が県猟友会足利中央支部の協力を得て、イノシシとシカに付着しているマダニの種類を調査した結果、イノシシに多くのタカサゴキララマダニが付着していることが分かった。シカにはフタトゲチマダニなど他のマダニが付いていた。また、患者の半数以上は山の中ではなく、自宅周辺でかまれていることから、島田さんらは生息域を広げるイノシシがマダニを住宅地に運び込み、すでに定着しているとみている。調査結果をまとめた論文は日本ダニ学会の学会誌の最新号に掲載される。このマダニは、人や猫に対して致死性の高い重症熱性血小板減少症候群ウイルスなどを媒介する可能性がある。また、無理にはがすと一部が皮膚に残り、炎症を起こすこともある。同病院はかまれた後は放置せず、速やかな受診を促している。

(クマ人里出没増加か、木の実凶作・サケ遡上減少予想:北海道)
知床世界自然遺産地域科学委員会ヒグマワーキンググループ会議は15日、釧路市内を拠点にオンライン会議を開いた。知床財団(オホーツク管内斜里町)などは、知床半島で来年の夏と秋、ヒグマの主な餌となる木の実が少なくなり、サケ類の遡上(そじょう)も減る可能性があると報告。専門家は「例年よりも人里への出没が増える可能性がある」と指摘した。

(八溝山系でシカ4頭捕獲、3年目で初めて)
福島と茨城、栃木の3県でつくる「福島茨城栃木連携捕獲協議会」は15日、八溝山系など3県境域で行ったニホンジカの捕獲事業の結果、栃木県との県境に近い山間部で計4頭を捕獲したと発表した。同協議会が捕獲に成功したのは初めて。栃木県によると、3県境域でシカの目撃情報が増えていることなどを受け2019年7月に同協議会を設立した。20年度から捕獲を始めたが、生息密度が低いとみられることなどから過去2年間は捕獲に至らなかった。本年度は9月5日~12月2日のうち延べ25日間で、少人数による銃での猟を実施。福島、茨城で2頭ずつ捕獲された。県自然環境課は「捕獲の開始時期を例年より1カ月早めたのが奏功したのではないか」とみている。3県境域の国有林では林野庁関東森林管理局(前橋市)の出先機関も連携して対策に当たっており、昨年度捕獲に成功していた。

(増えるヒグマ被害、「内臓に執着」牛を襲うオスも:北海道)
アイヌ民族の人々が「キムンカムイ(山の神)」と呼んであがめていたのがヒグマだ。いま、人間との関係に異変が起きている。北海道は本来は期間外の春先の狩猟について、生活空間にヒグマが出没するのを防ぐことを目的に、事実上認める方針を11月に決めた。冬眠から覚めて活動を始める春に捕獲する。早ければ来年からの実施をめざす。道内では1966年から90年まで「春グマ駆除」が行われていた。道は猟を奨励し、ハンターが山に分け入って射殺していった。72年の札幌冬季五輪をきっかけに各地で開発が進み、農作物や人に害を及ぼす駆逐すべき存在だとみなされていた。一部地域では捕りすぎから絶滅が危惧される事態になった。環境保護や生物多様性の重要性が徐々に知られるようになり、道の対応は「絶滅政策」ではないかとの批判が高まった。道は春グマ駆除を90年に廃止。ヒグマは保護すべき北海道の象徴に戻った。状況を一変させたのが昨年6月の事故だ。札幌市の市街地に体長161センチ、体重158キロのオスが現れ、市民ら4人を次々に襲った。会社員の安藤伸一郎さん(45)は出勤途中に、背後から右腕をかまれた。「振り向くと、歯をむき出しにしたクマの顔が目の前にあった」という。肋骨(ろっこつ)が6本折れ、背中などに計140針を縫う重傷を負った。オスは市の要請を受けたハンターに射殺された。

(春のヒグマ猟、再開の動き:北海道)
ヒグマの出没を防ぐため、北海道は本来は期間外の春先の狩猟を事実上認める方針だ。かつては「春グマ駆除」が行われ、一部地域で絶滅が危惧されるようになった。狩猟の目的は根絶ではなく共生で、捕りすぎを防止する方策が求められる。

(里に出没した熊、殺処分後に抗議電話:長野)
上田市上塩尻地区で10月中旬、捕獲されたツキノワグマが殺処分され、県外の動物愛好者らから市役所に抗議電話が複数寄せられていたことが分かった。この熊の目撃や捕獲を巡っては本紙「声のチカラ」(コエチカ)にも情報提供があり、取材班が追っていた。地区内では目撃が相次ぎ、小学校校庭でも足跡が見つかっていたことから、市は住民の命を守るためにも「やむを得なかった」(森林整備課)と説明する。住民への危険が差し迫る中で熊を殺さない方法はあったのか―。関係者は今も苦悩している。9月9日夕、上塩尻地区の自宅にいた清水敏郎さん(67)は庭で物音がするのに気付いた。カーテンを開けると、窓を挟んで1メートルほど向こうに、のそのそと歩く熊が見えた。「物置小屋のトタン屋根を歩いていた音だったのではないか」2日後、地区内の塩尻小学校の敷地で熊の足跡が見つかった。さらにその4日後には佐藤隆一さん(82)が自宅庭で熊のふんを見つけた。それから2週間ほどすると、小学校北側にあるクルミの木に熊が登り、実を食べている姿を住民が目撃した。猟友会員らが現場で周囲を取り囲んだが、逃げられた。10月3日朝、春原ケサミさん(86)は1階の庭に面した窓のカーテンを開けると、目の前に熊がいて「思わず『父ちゃーん』と叫んだ」。隣で暮らす会社員大日方麻美子さん(52)は夕方に帰宅。庭のクルミの木が大きく揺れており、目を凝らすと熊が上っていた。この時も猟友会員らが取り囲んだが逃げられた。「次はいつ出てくるのかと戦々恐々としていた」。熊の目撃情報を猟友会に伝えた自治会役員、早川潤さん(68)は、当時の地区内の雰囲気を話す。市などは9月中旬、上塩尻地区の集落に隣接した山沿いにわなを設置。10月16日に体長1メートルを超す雌の熊がかかり、殺処分した。集落内で何度も目撃された熊とみられている。翌日から1週間ほど、市役所に抗議電話が続いた。人身被害を免れるため、鳥獣保護法に基づき県の許可を得た上で殺処分した―と森林整備課の担当者が説明しても、一方的に批判を続ける電話もあったという。日常的に熊の目撃がない地域では人身被害に実感が湧かないのも無理はないが「さすがに職員も疲弊しました」と担当者は話す。県内の里地では例年、春から秋にかけて熊の目撃が相次ぎ、毎年必ず人身被害が起きている。県鳥獣対策室によると、本年度は9月末までに666件の目撃があり、8件で8人が襲われた。捕獲した熊の処分については、唐辛子スプレーなどで"お仕置き"した上で山に戻す方法もあるが、今回の上塩尻地区での殺処分を巡ってはツキノワグマの専門家らからも理解を示す声がある。生息環境保全などに取り組むNPO法人信州ツキノワグマ研究会(松本市)事務局長の浜口あかりさん(39)は「明るい時間帯にも集落内に出没し、人への警戒心が薄い熊とみられる。地域の安全を守るため致し方なかったと思う」とする。その上で、なるべく殺さずに済むよう「同じような熊を増やさないことが最も大切だ」と訴える。熊などの保護管理に取り組むNPO法人ピッキオ(北佐久郡軽井沢町)の田中純平さん(48)は、上塩尻地区は山と集落を隔てる田畑などの緩衝帯がほとんどなかった―と指摘。クルミや柿の木を切ったり実を早めに収穫したりするなど「行政と地域が情報を共有し、熊が出没しにくくする対策を進めてほしい」としている。

(ヒグマ「オソ18」対策、酪農家に説明:北海道)
厚岸、標茶両町で放牧中の牛を襲ったヒグマ(通称オソ18)の捕獲に向けて、町と標茶町農協は酪農家と意見交換し、ヒグマの目撃や足跡などの情報提供を呼び掛けた。

(クマ「遭遇の可能性認識を」:北海道)
札幌市円山動物園(中央区)は18日、人慣れしたヒグマとの付き合い方を考えるシンポジウム「人とクマの『いい距離感』」を同園で開いた。大学教授らが登壇し、ヒグマと出合わないようにする対策や遭遇時の対応を紹介した。

(野生のシカ、昨年度72万頭捕)
日本国内ではいま、野生のシカが増え、森林や山岳の生態系が脅かされる被害が深刻化しています。環境省によりますと、全国のニホンジカの生息数はおよそ200万頭と推計されています。昨年度は過去、最も多いおよそ72万5000頭が捕獲されていますが、適正な生態系に戻すために管理が追いついていない状況です。神奈川県小田原市を拠点にシカによる被害を防ぐ活動をしているNPO法人では、田畑や林業用の木がシカに荒らされる被害が相次いでいることから被害が出た現場の周辺にわなをかけて捕獲するなどの活動を行っています。こうした活動の中で、箱根山の林道ではシカが地面に生えた笹を食べ尽くしたり、植樹したブナやスギの芽を食べて枯らしてしまったりする被害が顕著に見られるようになるなど各地で被害が広がっているといいます。シカが土を覆っている背の低い草を好んで食べるため土の表面が露呈し、雨が降ると土が流れ出して植物が育ちにくい環境になってしまっていると懸念を示しています。NPO法人「おだわらイノシカネット」の小川晋一さんは「シカによって、森のサイクルが崩れてきている。早く対策を取って、シカの数を押さえ込まないと、生態系が崩れていく」と危機感を募らせています。環境省の調査によりますと、昭和53年からの40年間でニホンジカの生息分布域はおよそ2.7倍に拡大し、特に近年は、これまでシカが確認されてこなかった地域、例えば長野県松本市の標高1500メートルの上高地や白神山地の世界遺産地域でもシカが確認されるようになったほか、南アルプスではコマクサやクロユリなどの希少な高山植物が食べられる被害が報告されています。またシカの生態に詳しい専門家によりますと、ヨーロッパや北アメリカなどでもシカの増加による生態系への悪影響が指摘されているということです。ニホンジカが増えた要因について、シカの生態に詳しい静岡県森林・林業研究センターの大橋正孝森林育成科長は地球温暖化によって地面を覆う雪が減ったために、冬でもエサを食べて越冬しやすくなったことやシカを捕獲する狩猟者が減ったことで、地域で管理ができなくなったことなど、複数の要因をあげ「どの要因もシカにとってはプラスだった」と分析しています。大橋さんは「シカは1頭で1年間に1トン近くの草を食べるとされているので、希少な植物にとってはひとたまりもない。希少な植物や生態系は一度ダメージを受けてしまうと取り戻せないため、増えすぎたシカの数を減らすことと同時に、希少な植物を守ることが必要だ」と指摘しています。そのうえで「多様な生物が存在することは天変地異が起きて、なにか困難に直面したときに、その困難に役立つ成分を持った植物が発見されたり特効薬ができたりする可能性が増えるということだ。逆に多様性が失われると、困難を乗り越えにくくなくなってしまう。生物の多様性を守るためにも目的意識をみんなでひとつにして連携することが大事だと思う」として、生物多様性の保護に向け世界が目標を決めて協調していくことの大切さを指摘していました。

(人襲うサル、被害相次ぐ:山口)
住民を震撼(しんかん)させた一連の騒動の始まりは7月8日だった。山口県山口市小郡新町の民家で生後10カ月の女児が野生のニホンザルに右足を引っかかれた。小郡地域ではそれから28日までほぼ毎日、人がサルに襲われるという異例の事態が続いた。被害は計64件に及び、延べ66人が負傷した。

(道内ヒグマ捕殺、初の1000頭超:北海道)
北海道内で2021年度に駆除や狩猟により捕殺されたヒグマが、北海道庁の統計が残る1962年度以降、初めて千頭を越え、1030頭台に上ることが分かった。農作物被害額は2億6200万円、死傷者数は14人で、いずれも最多となった。生息数の増加を背景に人里周辺での出没が増えたことが要因とみられる。道が20日の道ヒグマ保護管理検討会で暫定値として明らかにした。長年、ヒグマ調査に取り組む旧北海道開拓記念館元学芸員の門崎允昭さん=札幌市在住=の著書に残るデータによると、捕殺数が千頭を超えたのは1018頭だった1906年(明治39年)以来、115年ぶり。捕殺数の内訳は市町村が道の許可を得て行う「駆除」が9割以上を占め、ハンターが趣味で行う「狩猟」は40頭台にとどまった。

(クマ被害防げるか?「春期管理捕獲」実施へ:北海道)
2021年6月、札幌市東区にヒグマが出没し4人が重軽傷を負うなど、近年クマによる人の被害が相次いでいます。専門家などによる検討会は12月20日、ヒグマの個体数が増加していることなどから2023年から4年間にわたり2月から5月までの狩猟期間外にクマ捕獲許可を出す"春期管理捕獲"の実施を決定しました。酪農学園大学 佐藤 喜和 教授:「山奥まで全部とるわけではなく、あくまでも市街地周辺の森で、市街地に入ってきそうな個体にプレッシャーをかける」。またこの計画では、高齢化が進む狩猟者の人材育成も図りたいとしています。一方、クマの個体数調整については引き続き議論が進められる予定です。

(“ウルフドッグの痕跡は獣害を防ぐ”:宮崎)
獣害対策で畑を練り歩くウルフドッグの動画がInstagramに投稿され、「自然摂理。こういう取り組みが増えるといいなぁ」「もののけ姫に出ていたわぁ」「もうオオカミやん」「どのくらい大きいんだろう?近くで見てみたい」と話題です。動画は記事執筆時点で120万回再生を突破、2万件以上の“いいね”を獲得。話題となっているのは、ウルフドッグ(狼犬)の「ワンダフル」さんです。ワンダフルさんは、宮崎県綾町で無農薬・無肥料の自然栽培農業に挑戦している「けんちゃん農園」のワンコです。ワンダフルさんは、獣害対策としてけんちゃん農園の一員として迎えられました。けんちゃん農園では、とうもろこしを作れば猿に食べられ、サツマイモを作ればイノシシに食べられてしまうひどい状況……。対策として、電気柵やネットを使うのは気が引け、なるべく自然に寄り添う獣害対策を考えていたところ、ウルフドッグのことを知り迎えることに。ウルフドッグの痕跡があると、他の動物は近寄らないのだそうです。それは、フンを置いておくだけでも効果的があるのだとか……!ワンダフルさんのおかげで農園の獣害はゼロになり、近所の農家からも依頼されれば、ワンダフルさんのフンをあげたり、今回のように巡回に行ったりしています。この日、ワンダフルさんは、同じ綾町の農家さんからの依頼で飼い主さんと一緒にお出掛けしました。向かったのは、「オーガニックファーム綾」の野菜畑です。無農薬にんじんが人気のオーガニックファーム綾では、鹿の害に悩まされていて、今回被害が出る前にワンダフルくんに来てもらうこととなりました。大きな身体でノッシノッシと歩くワンダフルくんは、野生動物に恐れられるさすがの迫力で、すれ違う人たちも「すごいね~」と目を奪われています。道ばたや畑、いろんなところを練り歩けば任務完了です。これで鹿の害はなくなったのでしょうか……?鹿よけ効果について、投稿者さんにお話を聞いてみたところ、「頻繁に来ていた鹿が、今のところは来てないので効果がありました」とのこと。初めてのウルフドッグによる獣害対策だったのと、この後雨が降って匂いが消えやすかった可能性もあり、どの程度効果が持続するのかはまだ不明ですが、「フンも置いてあるので1~2カ月は持続するのでは?」と考えているそうです。

(鹿本商工高生「害獣バスターズ」GO!:熊本)
山鹿市の鹿本商工高機械科の3年生6人が、地元のコメやクリなどを食い荒らすイノシシの駆除に一役買おうと、捕獲用の箱わなを手作りしている。約4カ月かけて1基目を完成させ、12日に同市菊鹿町の里山に設置した。

(ドローン×AI検知×マッピングによる狩猟のデジタルイノベーションと「害獣DX千葉モデル」確立プロジェクト:千葉)
ドローン運航事業会社の株式会社ダイヤサービス(本社:千葉県千葉市花見川区、代表取締役:戸出智祐、以下「当社」)は、株式会社SkyDrive・株式会社ロックガレッジ・合同会社房総山業と共同採択を受けた千葉県「先進的デジタル技術活用実証プロジェクト補助金」における本年度最終の実証実験を行いますので、お知らせいたします。被害が減少せず狩猟者高齢化の進む害獣駆除に関して、ドローン・AIなどの先端技術を活用した効率的な狩猟モデルを策定し、社会の困りごとへの解決策を提示および実施するものとなります。

(ドローン・AIを活用した「野生鳥獣生息状況調査システム」の特許取得)
2022年12月14日、スカイシーカーは、「野生鳥獣の生息状況調査システム」の技術において特許を取得したことを発表した。夜間にドローンを自動飛行させて、赤外線カメラにより撮影した野生動物(主にシカ、イノシシ)の画像データから、画像解析技術により獣種と頭数をカウントする。同社は、農作物被害対策のDX化を推進するためのソリューションを開発し、都道府県や市区町村といった行政機関を対象に、農作物被害や獣害の対策立案支援、職員の業務支援などのサービスを提供している。同技術を活用して野生動物の生息頭数を約90%減少させることに成功した事例もあり、年間150億円以上にのぼる野生動物による農作物被害や、人の生活圏内で発生する獣害等の課題解決に引き続き取り組むとしている。

(害獣をロックオン、AIカメラで追尾:岡山)
監視カメラなどを手がけるシステムエイ・ブイ(岡山市)は人工知能(AI)搭載カメラで害獣を自動検出して追尾するシステムを開発した。害獣の出没状況を記録するだけでなく、レーザー照射など威嚇装置を連動させることで、獣に警戒させて農作物や人への被害を減らす効果が期待できる。岡山県内や北海道内でシカやイノシシ、ヒグマを対象に実験データを蓄積しつつあり、2023年度の本格販売を目指す。

(イノシシと衝突、ダイヤに乱れ:大分)
JR九州によると、17日午後5時46分ごろ、日豊線大神―日出間で、ソニック37号がイノシシと衝突した。この影響で同6時10分現在、同線で遅れが出ている。

(列車とイノシシ衝突:広島)
17日午前6時50分ごろ、広島県三原市長谷のJR山陽線三原―本郷間で糸崎発岩国行き普通列車がイノシシに衝突した。JR西日本中国統括本部によると、イノシシの撤去のため午前7時15分から三原―白市間で上下線の運転を見合わせ、9時半に運転を再開した。この影響で上下4本が運休、3本が最大2時間35分遅れ、約900人に影響が出た。

(イノシシに注意!:広島)
尾道市ではここ数年、イノシシの市街地等への出没が増加しています。尾道市猟友会有害鳥獣捕獲班の協力をいただき被害防止対策を実施しておりますが、市街地等に出没した場合は、民家周辺における猟具の使用は安全上の問題もあるため、山への追い払いを基本としています。本来イノシシは臆病で注意深いので、なかなか人間の前に姿を現しません。昼夜を問わず状況に応じて活動しますが、人間を警戒しているときは日没後から活動を始めます。学習能力が高く、人の動きを観察する賢さがあり、いったん慣れると大胆不敵になります。基本的にはおとなしい性格で、他の動物を襲うことはありませんが、危険を感じたりパニックになって逆上したときは「猪突猛進」となるため注意が必要です。

(イノシシ目撃情報共有:広島)
広島県尾道市因島田熊町でイノシシに住民4人が襲われた15日の被害を受け、尾道市は16日、緊急の対策会議を市因島総合支所で開いた。関係団体がイノシシの目撃情報などを迅速に共有し、被害防止に向けて連携を強めることを確認した。

(JA佐伯中央、箱わなを寄贈:広島)
JA佐伯中央(広島県廿日市市)は19日、イノシシ捕獲用の箱わなを廿日市市に3台、同県大竹市に2台寄贈した。農作物の食害を訴える声が両市各地の農業者から上がっているため。

(森林動物研究センターシンポジウム:兵庫)
兵庫県では平成19 年の森林動物研究センター設立以来、野生動物管理の3つの概念「個体数管理」、「生息地管理」、「被害管理」を科学的な研究結果に基づいて実践してきました。本シンポジウムでは各研究員が取り組んでいる研究成果を紹介し、様々な課題解決に向けた今後の挑戦を提示したいと思います。

(西野嘉憲写真展「狩りたてるもの」)
西野嘉憲さんの第5回笹本恒子写真賞受賞記念写真展「狩りたてるもの」が、2022年12月22日より開催される。日本写真家協会が主催する笹本恒子写真賞は、日本初の女性報道写真家・笹本恒子の精神を引き継ぐ写真家を支援するために設けられた。第5回受賞者の西野さんは、2005年より沖縄県石垣島を拠点とし、漁業、狩猟、捕鯨など、人と野生の関わりを主なテーマとして撮影を続けている。代表作の『海人 ─ 八重山の海を歩く』(2019年) では素潜りで獲物に迫る沖縄の漁師に密着し、最新作の『熊を撃つ』(2022年) では飛騨地方の山間部に古くから受け継がれている熊猟を追った。伝統的な狩猟に生きる人々を対象とする、長年にわたる真摯な取材活動と傑出した作品が評価され、今回の受賞が決定した。獲物が食料に変わる過程には凄惨な場面もあるが、「そこには生きる喜びと未来への希望があふれていると感じ、シャッターを切ってきました」と西野さんは語る。「狩猟採集という原初的な営みに立ち帰って、人間が本来あるべき姿を考えたいと思います」。本展では、カラー約50点を展示する。

(命・共生伝えるアニメ制作、シカや「食べる」題材に:岩手)
農業被害が課題となっているニホンジカの資源活用に官民連携で取り組む大槌ジビエソーシャルプロジェクト(OGSP)は、生命の循環から「食べること」や豊かな自然を見つめ直すアニメ「しかのおくりもの」を制作した。大槌町内の小学校などにDVDを寄贈し、人間と野生動物との共生を伝える。アニメは約6分間で、農家のおばあさんと餌を求める子ジカの姿などを通じて、おのおのの「食べる」選択が海と山の生き物、植物をつなげていると表現。命に向き合い、敬意を持つ大切さを伝える。今月上旬、大槌学園(小石敦子学園長、児童生徒617人)で初めて上映会が開かれ、3年生66人が鑑賞。食い入るようにスクリーンを見つめ、神田愛礼菜(えれな)さんは「シカは自然のつながりの中で花を輝かせることも知り、すごいと思った」とうなずいた。

(イノシシ肉のボタン鍋で温まろう:福井)
おおい町名田庄地区の料理旅館やホテルなどで、名産イノシシ肉のボタン鍋が提供されている。寒さが厳しくなるにつれて脂がのる肉と種々の野菜を煮込んだ鍋が、県内外から訪れる客の体を温めている。

(サスティナブルなジビエを味わう:鳥取)
松岡修造さんが猪や鹿といったジビエを味わい、サスティナブルについて考えました。12月18日放送のフジテレビ『くいしん坊!万才』では、鳥取県米子市の「鹿肉のロースト」が紹介されました。人口最小県ながら、シカ肉消費量が全国2位(2018年 農水省調べ)の鳥取県は米子市にある、完全予約制の隠れ家レストラン「ONZE」を訪れた松岡さん。まずは、鳥取県北栄町の猪を使った、臭みがなくてコクがある「鳥取県産猪のテリーヌ」をいただくことに。シェフの泉康裕さんに「くるみと長芋が入っている」と紹介された一品を味わうと、「あまり突進してこないんですよ、ちょうど自分の舌で溶けている感覚」と語り、「1番やさしい感じが香りにくる」と絶賛します。泉さんは、「解体師さんもすごい上手な方で」と前置きし、「有害鳥獣というカテゴリーになってくるので、捨てられるほうが多い」と、おいしいものが山で無駄にならず、消費されるように鳥取県では衛生的な解体場・加工場を作っていると、SDGsな取り組みを紹介してくれました。続いて、鹿肉を使用した「若桜鹿のロースト」をいただくことに。鹿の骨のエキスと赤ワインソースが絡んだ一品です。この鹿肉は「料理のオリンピック」といわれる、国際料理コンクールで決勝の課題食材にも選ばれたことがあるとのこと。松岡さんは、「おいしいなぁ」と目を閉じ、「噛んでいくなかで、歯ざわりというか食感が本当にいいんですよ」伝えます。鹿肉を彩る野菜についても、「全部無農薬のもので、ひとつずつ別に火を入れていて、火の入れ方が全部違う」とこだわりを紹介されると、松岡さんも「にんじんから土の香りが」と真っすぐに泉さんの目を見てコメントを。「自然というもの、土とかジビエと会話しているような雰囲気になれる」と、松岡さんが味わいながら語ります。満足気な松岡さんのコメントに泉さんが、「良いコメントをありがとうございます」と穏やかに返すと、松岡さんは泉さんのこなれたコメント力に思わず目を見開いてしまいました。

(「しし鍋」食べられる店を紹介するマップでまちおこし:茨城)
寒くなると「鍋もの」が恋しくなる。以前、取材で訪れた茨城県石岡市では、イノシシ鍋が食べられる店を紹介する「ししなべマップ」をつくっていたことを思い出し、現地へと向かった。マップは石岡市八郷商工会が2007年から毎年発行している。事務局長の土田久美子さん(60)は初回からマップづくりを手がけてきた。名刺には「八郷のしし鍋伝道師」とある。「もともと八郷地区にはイノシシが多く、狩猟で捕って食べる習慣があった。最近では農作物の被害が増え、被害を防ぐための有害捕獲の数も増えている。これをまちおこしに生かそうと、ししなべマップを始めました」。マップは市内を中心に、しし鍋が食べられる店を毎年10店ほど掲載している。味付けは、みそのほか、しょうゆベースなど店ごとに特徴がある。掲載店を合計して、1シーズンに1千~2千食が出ている。11年に起きた東京電力福島第一原発事故の後には、全頭で放射能検査する態勢を整え、石岡市では国の出荷制限が解除された。一時的に落ち込んだ売り上げも現在は回復している。イノシシ肉には、健康に良いDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの高度不飽和脂肪酸が多く含まれ、ヘルシーだという。土田さんは年に6、7回はイノシシ料理を食べているそうだ。「しし鍋は体が温まり、疲れがとれるといわれる。私も食べた翌日は違うな、と感じます」。記者もマップを片手に、同市小見の「ほうろく屋」を訪れた。しし鍋は、みそ味で、春菊やゴボウなど約10種類の野菜の上に、赤身と白い脂身の対比が鮮やかなバラ肉が乗っている。火にかけて約10分、ぐつぐつ煮えた鍋から、おいしそうな香りが漂ってくる。薄切りの肉をかみしめると、豊かなうまみが口に広がる。臭みはなく豚肉に似た味わいだが、より濃厚で力がある。店主の藤岡充さん(80)は「野生動物ならではの歯ごたえが楽しめるが、決して硬くはない。甘みのある脂身は特においしいです」としし鍋の魅力を語る。今では飲食店で普通に食べられるしし鍋だが、昔はどうだったのだろう。猟友会八郷支部長で狩猟歴約60年の鈴木哲夫さん(79)は「先祖代々の鉄砲打ち」で、市の鳥獣被害対策実施隊の隊長も30年以上務める。市内では狩猟と有害捕獲を合わせて年に約500~1千頭のイノシシが捕獲されている。

(ジビエ料理に親しむ:和歌山)
和歌山県田辺市中辺路町栗栖川の中辺路中学校3年生11人がこのほど、ジビエを使った調理実習に取り組んだ。中辺路町生活研究グループ(森川敏子会長)が、ジビエの振興や地産地消の推進を目的に開いた。同校で2019年度から毎年実施しており、今回で4回目。献立は、イノシシ肉の酢豚、シカ肉のつくだ煮、梅ごはん、ダイコンの酢の物、野菜スープ。生活研究グループのメンバー4人が講師を務め、調理前にはジビエをおいしく手軽に食べるための工夫などを説明した。生徒は4班に分かれ、役割を分担して手際よく調理。シカ肉は加熱すると硬くなりやすいため低温で2~3時間じっくり煮込むとよいが、今回は時間を短縮するために圧力鍋を使った。調理中、前田篤志君は「イノシシの肉を切るのが難しかった。食べたことがないのでどんな味か楽しみ」、森本結葵さんは「シカやイノシシの肉は、普段見ている肉よりも濃い赤色。地元の食材を地元で楽しむのは良いことだし、大切だと思う」と話していた。

(十勝・開拓の地で食の革命を起こす:北海道)
プロが扱うのにふさわしい究極の食肉を料理人の視点で作り、トップシェフたちに届けている“食肉料理人集団”「ELEZO」が、北海道・十勝に肉を楽しむためのオーベルジュをオープンした。彼らが扱う“命”を育む大自然を感じながら、料理を食し、眠る新しい体験をするために一路北海道へ。帯広市内からクルマを走らせること1時間弱。どこまでも広がる牧草地の風景から一転、ぽつりぽつりと建つ民家の先に海が現れた。漁船などが係留されている小さな港を通り過ぎると、海岸線に迫る切り立った崖が印象的な小高い丘の上に、灯台と、夕日に染まる白い建物が小さく見える。その白い建物こそが、「ELEZO」の肉を五感で楽しむオーベルジュ「ELEZO ESPRIT」だ。白い建物はレストラン棟。その横には宿泊のための黒い建物が3棟。目の前には十勝らしい牧草地が広がり、背後からは、長い砂浜の先に海を見下ろすことができる。宿泊棟の奥につながるなだらかな斜面の向こうには、ちょっと変わった形の「十勝大津灯台」があり、十勝の玄関口として古くから栄える大津港を見下ろし、海を行き交う船の安全を守っている。見渡しても灯台以外の人工物はほとんどない。大地と海と空に囲まれた吹きさらしの丘は、どこか遺跡のような雰囲気だ。その突端に建つ、左右シンメトリーの独特な形の建築物の前に立つと、北ヨーロッパに来たような錯覚に陥る。もともとここは、小高い丘の上にポツンと灯台があるだけで、あとは延々と続く牧草地。地元の人しか知らないような土地だったが、「ELEZO」の代表者・佐々木章太さんの父親が大津町出身だったということもあり、佐々木さんにとってはたびたび訪れていた大好きな場所だったという。このオーベルジュの構想が生まれたのは今から15年も前のこと。「どこにも負けない、食肉の生産から料理までを一貫する事業をしよう」と佐々木さんが24歳で起業して3年、27歳で、この丘の先にジビエや家禽を扱う肉のラボを作った時だった。自分達が扱う命が育つこの地で、この景色を体感しながら自分達が作る肉を味わう。そしてその余韻に浸ってもらいながら眠りにつく。自分達が届けたい肉を芯からわかってもらえるような場所をいつか作りたい。そう思い描いたときに思い浮かんだのが、この丘の光景だった。「ここの丘から海を眺めるたびに、ああ、人って小さいなあ、自然のなかに溶けるように身をゆだねられるいい場所だなあと思ったんです」と佐々木さんは当時を振り返る。ジビエの考え方を家禽に落とし込み、自然の摂理を生かして、素材そのもののポテンシャルを引き出す「ELEZO」が作る肉を味わうには、ここはまさに、理想の場所と言えるだろう。ここで、そもそも「ELEZO」の肉はなぜ、料理人たちをここまで魅了するのかについて触れておきたい。それは、佐々木さんのキャリアから生み出された“生産から料理”までに一貫して携わる独自のスタイルにある。もともと佐々木さんはフレンチの料理人として東京で働いていたが、23歳のときに家業の飲食店を継ぐために帯広に移住。そこで初めて地元のハンターが撃ったばかりの鹿肉を料理をし、そのおいしさに衝撃を受けたのだという。それまでは、ジビエ=臭いというイメージしかなかった。けれどこれは本当に旨い。感動した佐々木さんがかつて働いていた東京の店や知り合いのシェフにエゾジカの肉を送ると、瞬く間にそのおいしさの評判が広がり、“また送ってくれ”と注文が舞い込むようになった。そんなジビエと向き合う日々から、食肉が感動する一皿となってお客さまに届くためには、生産、屠畜、狩猟、解体、熟成、流通、加工、料理、すべてにプロとしての確かな技術が関わってこそ、と強く実感したのだという。そして、生産から料理まで、食肉を通じた”いい命の連鎖“を作りたいと、17年前の24歳のときに食肉の世界に飛び込んだ。しかし、飛び込んだ食肉業界では、今まで知らなかったさまざまな問題に直面する。たとえば、食肉の流通の偏り。ヒレやロースなどは需要が高く、注文が多く入るのですぐに売れる。けれど、スネ肉や頬肉などは注文が入りにくく、何年も倉庫で冷凍在庫になった上に廃棄されてしまう。もちろん、需要の高い部位には高い値段がつき、需要がない部位にはほとんど値段がつかない。同じ命なのに人間の都合で値段がつけられ、捨てられてしまうものもある。そんな状況に料理人として疑問を感じた佐々木さんは、生産から料理まで一貫し、ニーズの高い部位はレストランに販売し、人気のない部位は自社でシャルキュトリにして販売するなど、自社でコントロールすることができればこの問題は解決できると考えた。「もとより、生肉の状態で最高においしいものを作れば、おのずとおいしい料理になるはず。そんな誰もが認める“いい命”を作って、その命に丁寧に向き合う人にバトンを渡して、さらにおいしい料理にして、食べた人に感謝してもらう。一頭の命に責任を持って最後まで使い切る。そんな循環を作りたい、と自分がやるべき道筋がはっきりと見えました」。そうして「ELEZO」は、十勝のジビエと家禽を高品質な食肉にしてプロに流通させる、今までにない企業として始動した。十勝の大地に根を下ろし、生産狩猟部門、枝肉熟成流通部門、シャルキュトリ部門、レストラン部門の4部門に分かれてそれぞれの専門家が徹底して素材を磨き上げる。そんな職人魂が作り出す肉は、それぞれの命の個性が滲み出ている。決して扱いが簡単ではないが、料理人が確かな腕で調理すれば、素材の背景が浮かぶような一皿になるのだ。「ELEZO」では、鹿などジビエの狩猟をはじめ、放牧豚、軍鶏、鴨などを自社生産している。ジビエについては、家禽と同じような安全性と品質の高さを保つための組織作りをしているのが特徴だろう。狩猟には、趣味としての“ゲームハント”と食肉のために狩る“ミートハント”と2種類があるのをご存知だろうか。市場にはゲームハントで撃った鹿も食肉として流通しているが、「ELEZO」は“ミートハント”しか扱わない。そのため、日本で初めてハンターを雇用し、自社のルールに基づき、社員ハンターが認めた確かな腕を持つ会員ハンター30名が鹿を撃ってくる。猟場はラボから車で1時間以内の場所に限定し、1頭撃ったらすぐに戻る。これは撃ったら処理場まで鮮度を保って運ぶためだ。また、いい肉にするためには首または頭しか撃ってはいけない。メスは4歳まで、オスは3歳までのもの。繁殖機能を持ちはじめたそのころの年齢が一番、肉としておいしいのだという。狩猟の現場から、“最高の肉”になるための条件を厳しく制定することで、プロが求めるクオリティと安全性を一定に保つことが可能になっているのだ。一方、家禽類は、ジビエをイメージして育てている。元となる品種は野生種から。それぞれをできるだけ自然に近い環境で育て、しっかりと体ができたところで肉にする。オーベルジュからクルマで数分走った場所にラボと自社牧場があるというので訪れてみた。クルマを止めて丘のほうへ向かうと、広々とした日当たりの良い斜面で気持ちよさそうに大きな豚が泥を浴びている。個体が大きいのは、通常6~8カ月で出荷してしまう豚を、自然に近い環境で1年半かけ200キロになるまで育てているから。蒸した野菜などを食べて、晴れの日も雨の日も風の日も山の斜面を駆け回っている豚は、筋繊維が強く肉質がしっかりするのだという。丘の麓には鴨たちが水浴びをしている池もある。ここにいるのは野生種の鴨。野生を内包した環境で、5~6カ月育てたら精肉にする。広い空の下、空気も水も澄んだ場所で幸せに育てられている動物たちは、ストレスフリーですくすくと、けれど自然の厳しさとともに育っているのがよくわかる。こうした生産現場からの“命”の連鎖とは、関わるすべての命にとっての幸せの記憶の連鎖であるのかもしれないと思う。ラボに案内されると、ちょうど撃ったばかりの鹿が運ばれてきたところだった。特別に、捌いている様子を遠くから見せてもらう。足から吊るされた鹿を見事にナイフ一本で捌いていき、腹を割いて内臓を手際よく取り出すと、鹿の体温と外気温の差で湯気が立ち上った。このあとは皮を剥ぎ、枝肉にして熟成庫へ運ばれる。菌の繁殖を極力避けるため、専用の部屋で捌く様子を見学したのはほんの一瞬だったけれど、その素早く正確な仕事から、いただいた命を少しも無駄にすることなく食肉にするという職人の強い信念を感じることができた。熟成庫で寝かされた肉は、精肉として各地のレストランに運ばれ、一部は奥のキッチンでハムやテリーヌなどの加工品になり、2階の工房で生ハムになる。筆者お気に入りのパテアンクルートや生ハムは一度食べたら強く記憶に刻まれるおいしさだ。その秘密が今回、現場を取材してよくわかった。パテやテリーヌは、精肉にならない未利用部位などを活用して作られているわけだが、こうした環境下で育った家禽の肉は、旨みが強く、しっかりとした香りがある。そんな肉の個性は、どんな部位であろうとも隅々まで満ちている。そこに料理人ならではの感性や確かなテクニックが加わり、テリーヌやパテに仕立てるからこそ、あの味わいが生まれるのだろう。ラボからオーベルジュに戻る道中に太陽は沈み、到着するころには、壮大なマジックアワーに包まれていた。海を見下ろしてみれば、浜から鮭釣りをしていた人たちもみんな引いて、そこにはただただ広い海が広がっている。聞こえるのは、草原を揺らす海風の音。と思ったら、遠くに、“キューン”という鹿の鳴き声が聞こえた。この場所だからこそ、育める命がある。裏を返せば、この場所でしか育たない命があるのだ。この日の晩餐が始まるまであと少し。この大きな自然のなかで生まれた食材を使い、その日のゲストに向けて作られるオーベルジュの料理に、ますます期待が高まった。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、16日午前9時ごろ、仙台市泉区館7丁目にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後7時ごろ、仙台市青葉区川内亀岡町にクマが出没しました。

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12/16
(登山中にクマに襲われ崖から転落の男性死亡:奈良)
14日、奈良県上北山村の山中で男性が登山中にクマに襲われて崖から転落したとの通報があった件で、吉野署などは15日、現場周辺を捜索。同日午後0時30分ごろ、大普賢岳の頂上から約300メートル南東に離れた登山道の崖下約90メートルの斜面で男性の遺体を発見した。同署によると、亡くなったのは堺市北区南花田町の会社員、小山悦志さん(46)。小山さんは勤務先の部下で大阪府豊中市の男性(28)と14日午前7時ごろ、上北山村の和佐又山に入山。大普賢岳の頂上に向かって登っていると、午前9時ごろにクマが出没し、小山さんは体当たりされて崖下に転落したという。同署は小山さんの遺体を司法解剖し、死因などを調べる。上北山村役場によると、村内では毎年のようにクマが目撃され、集落内に出没するケースは今年は2件あった。ハイカーの多い大台ケ原では、環境省近畿地方環境事務所がツキノワグマ出没情報をまとめてホームページで随時公表している。今年は14件で前年より12件増だが20年は22件。ブナなどクマが食べる堅果類が豊作の年は出没件数が増加する傾向だという。大台ケ原では10月10日にクマが人に向かってくる事例が確認され、環境省と県、村が連携して継続的にパトロールを実施。山中で臭いを出す調理を禁止したり、ごみの管理徹底などを呼び掛けたりしていた。自然が豊かな紀伊半島はツキノワグマの生息地。環境省はクマ被害防止のパンフレットを発行するなどしていて、生息地で事故にあわないためにクマ除け鈴などの装備で人が近づくと知らせることやクマの行動や習性について事前に知識を持っておくことなどを呼びかけ。環境省吉野管理官事務所によると、紀伊半島では冬眠しない個体もあり、相互に存在に気付きにくい悪天候時の登山などは特に注意が必要だという。上北山村は「県と情報共有しながら注意を呼び掛けるなどしていく」としており、事故のあった登山道付近にも近く看板を立てることにしている。

(イノシシに襲われ男女4人搬送:広島)
15日午前、広島・尾道市の因島で40代から80代の男女4人が、イノシシに襲われ、病院に運ばれました。消防などによりますと、午前10時過ぎ、尾道市 因島 田熊町の市道で80代の男性と70代の女性が、イノシシに足をかまれ、病院に運ばれました。周辺では、イノシシがたびたび目撃されているといいます。こちらは、近くの住民が10月に撮影した写真です。大きなイノシシが、空地の水たまりで水浴びをしているように見えます。目撃されるイノシシには、このように大型のものもいるといいます。それからおよそ20分後には、町内の別の場所でも40代と60代の女性がイノシシにかまれ、病院に運ばれたということです。イノシシは、その後、見つかっていません。2件のイノシシが同じ個体かどうかはわからないということです。警察は、パトカーや市の防災無線で住民にイノシシを見かけても近づかないよう呼びかけたということです。

(野鳥から鳥インフル、回収のオオハクチョウから確認:栃木)
栃木県は15日、大田原市で回収した野鳥のオオハクチョウ1羽が鳥インフルエンザウイルスに感染していたと発表した。県内で野鳥の感染が確認されるのは21年3月以来。国の機関で、高病原性鳥インフルエンザかどうかを調査する。県によると、オオハクチョウは9日に回収され、国立環境研究所(茨城県つくば市)に検体を送付し、遺伝子検査を行った。県自然環境課は「死んでいる鳥を見つけた場合は素手で触らずに、最寄りの環境森林事務所などに通報してほしい」と呼びかけている。

(佐世保銃乱射事件から15年、8人死傷の現場で犠牲者悼む:長崎)
8人が死傷した長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件は14日、発生から15年を迎えた。現場となった同市名切町のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」では、犠牲となった水泳インストラクターの女性=当時(26)=と、漁網製造業の男性=当時(36)=を従業員が追悼した。運営するルネサンス(東京)によると、同日午前9時に従業員8人が1分間黙とう。従業員らが持ち寄った花を事務所内に供えた。遺族や当時を知る会員らに配慮し、事件を思い出させるとして献花台は今年も設置しなかった。同社は事件翌年から12月14日を「ルネサンス安全の日」と定め、全国の店舗で防犯カメラや非常ボタンの作動確認、避難通路や防火扉の点検などを実施している。「事件により亡くなられたお二人に対して、哀悼の意を表します」とコメントを出した。現場近くに暮らす自営業男性(72)は「15年たつのは早かった。(事件を機に)銃規制も厳しくなった。もう事件が起こってほしくない」と話した。事件は2007年12月14日夜、同クラブに男=当時(37)=が侵入し散弾銃を乱射。2人が死亡し、小学生の女児を含む6人が負傷した。男は15日朝、市内で散弾銃を使って自殺した。

(佐賀空港で滑走路に作業車が誤進入:佐賀)
12日、佐賀空港で小型機が着陸する直前に鳥を追い払う車が、誤って滑走路に進入しました。国の運輸安全委員会は、事故につながりかねない重大インシデントにあたるとして13日午後、航空事故調査官を派遣し、原因を詳しく調べています。12日午前11時半ごろ、佐賀市にある佐賀空港で、訓練中だった小型機が着陸する直前、鳥を追い払うバードスイープ用の車が誤って滑走路に進入しました。国の運輸安全委員会は、事故につながりかねない重大インシデントにあたるとして、13日午後、航空事故調査官の2人を派遣しました。2人は、まず、佐賀空港事務所の職員から話を聞いて、当時の状況などを確認していました。加藤亮太航空事故調査官は「どういう無線の指示で今回の事態に至ったのか、関係者に話を聞いて、原因を調査するとともに再発防止の方法を考える」と話していました。国の運輸安全委員会によりますと、今回の調査をもとに、今後1年をめどに報告書を公表することにしています。佐賀空港事務所によりますと、滑走路に誤って進入したバードスイープ用の車は、航空機の離発着に支障が起きないよう、滑走路上に飛来してきた鳥を追い払うために日々、運行しています。佐賀空港事務所が地元の猟友会に業務を委託し、毎日午前8時半から午後6時まで、狩猟免許を持つ会員4人が交代で業務にあたっていて、シギやカラスなどの鳥の群れが確認された場合、車で追い回したり猟銃を使い威嚇射撃をしたりして、滑走路の外へ追い出す作業を行っているということです。12日、この車を運転していた会員の男性は「情報官からの無線の指示が聞き取りにくかった。滑走路への進入は許可されたと思い込んだ」などと話してているということです。佐賀空港事務所は「国の運輸安全委員会の調査に協力して、再発防止に努めていきたい」としています。

(クマ捕殺、2年前にも出没して放獣した個体:神奈川)
神奈川県は15日、清川村煤ケ谷の集落近くの山林に設置されたイノシシ捕獲用の箱わなにツキノワグマ1頭がかかっているのが見つかり、2年前に出没して学習放獣した個体とわかったことから捕殺した、と発表した。県によると、体長128センチ、体重89キロの雄。同地域で11月から集落近くの山林内に設置したカメラにツキノワグマが写るなどの出没が繰り返されたことから、追い払い活動をしたり、県がわなを設置したりした。いったん出没しなくなり、わなは撤去していた。15日午前7時半ごろ、地元が設置していたイノシシ捕獲用箱わなにかかっているのを、見回りに来たわな設置者が見つけた。県が調べたところ、2020年に同地域内で人里に出没を繰り返し、同12月に捕獲されて学習放獣したクマと判明。農作物などのある人里への執着が強いと判断し、捕殺した。

(サルを捕獲するか保護するか、場当たり的な対策に懸念:山形)
ニホンザルの群れの行動データを解析し、積極的に捕獲できるか、保護への配慮が必要なのか、判断できる地図を山形大などの合同チームがつくった。農作物が荒らされ、人が襲われるなど各地でサルの被害が相次ぐ。捕獲が進められる一方で、絶滅が心配される地域もあるためだ。地図は、群れの集まりを指す「個体群」同士のつながりを表している。個体群がどれくらい孤立しているか示すものと、個体群の間のつながりを維持するサルの「通り道」を示すものの2種類ある。個体群の間が数十キロ離れていても、サルが行き来すれば遺伝的な多様性が保たれ、絶滅を回避できる。その場合、捕獲を進められるという。研究は日本哺乳類学会のニホンザル保護管理検討作業部会が中心となり、山形大や民間の「野生動物保護管理事務所」(東京都)、兵庫県立大、石巻専修大(宮城県)をはじめ計11の研究機関などが参加した。背景には国が2014年、10年後の23年度までに被害を引き起こす群れを半減させる目標を示したことがある。各地で大規模な捕獲が始まり、一部の地域でサルがいなくなった。場当たり的な捕獲が広がったという懸念もあり、捕獲のあり方について現場で混乱が生じたという。学会の部会長(当時)を務めた山形大学術研究院の江成広斗教授(野生動物管理学)は、「保護や捕獲に関する判断が都道府県など自治体任せになっている現状がある」と指摘する。

(アキレスなど3社が「土に還る獣害防止具」を開発)
アキレス(東京都新宿区)はこのほど、住友林業(東京都千代田区)、GCJ(京都府京田辺市)と共同して、不要なったら土に還して処分できる「土壌生分解性ツリーシェルター」を開発した、と発表した。ツリーシェルターは、ニホンジカなどの動物から植林樹木を守るため、木を覆う単木保護資材。今回開発したツリーシェルターは、植物由来原料を含む生分解性樹脂で作られていることから、土壌の微生物で分解する。役目を終えて処分する際、そのまま置いて土に還(かえ)させればよく、運搬や焼却などの面倒な処分作業は不要な上、二酸化炭素の排出量や人件費などの処分費用も抑制できる。環境にも財布にも優しい、一石二鳥の単木保護資材だという。林業の人手不足もあり、ニホンジカなどが植林したばかりの木を食べる被害は深刻化。従来から獣害防止のため使っている「防護ネット」や「ツリーシェルター」の素材は主にポリプロピレン製が多く、設置後の回収作業や廃棄に労力とコストがかかる。そのまま森林内に放置され、ごみとなる事例も散見されるといい、獣害防止がごみの不法投棄を招く悪循環になっている。このためアキレス、住友林業、GCJの3社は、実証実験を重ねて「土壌生分解性ツリーシェルター」を生み出した。アキレスはツリーシェルターの素材を開発し、住友林業は実験する森林と木製の支柱、GCJはシートの加工と固定器具をそれぞれ提供した。3社は「2023年3月までに商品化し、コストダウンを進め、30年度には国内で利用されるツリーシェルターのすべてが植物由来原料を含む素材となるよう取り組む」としている。

(「ふん害」起こすカラス、嫌がる音で撃退:熊本)
熊本市は14日夜、市中心部で「ふん害」を起こすミヤマガラスを追い払う取り組みを始めた。3季目の今季の〝秘密兵器〟は3カ所に配置した音声発生装置。来年3月中旬まで午後6時半~8時半に、無人の状態でカラスが嫌がる音を鳴らす。渡り鳥のミヤマガラスは中国や朝鮮半島から10月ごろに飛来し、翌年3月ごろに去っていく。市中心部では2018年ごろから、ねぐらを増やし、ふん害が深刻化。市は20年度、佐賀大や宇都宮市のカラス対策専門会社「クロウラボ」と連携し、追い払いを始めた。20、21年度は、学生らがハンドスピーカーを使ってカラスが警戒した時の鳴き声の加工音を流したが、今季は人の気配を感じさせないよう新装置を採用。花畑公園で「ガァー、ガァー」とけたたましい音が流れると、樹木に止まっていたカラスが飛び去った。佐賀大の徳田誠准教授とクロウラボの塚原直樹代表は「人の気配がない中で音が鳴ればカラスの警戒心は強まる。音声パターンも工夫し、ねぐらを郊外の山林などに移動させたい」と話した。新装置は花畑公園のほか、市国際交流会館、城見町通りに設置した。

(公園守れ、においでイノシシ撃退:愛知)
公園に出没するイノシシから利用者を守ろうと、愛知県瀬戸市がバイオマス発電で出た廃液の臭いで撃退する実証実験を進めている。環境への負荷がなく、費用も安い利点があるという。住宅地に隣接する同市宮地町の「さくら公園」。1・3ヘクタールの公園東側にある芝生広場には、イノシシがミミズを食べるため掘り返した跡が残る。山林が多い同市では、イノシシなどの野生動物に公園施設を荒らされる被害が相次いでいる。「公園は子どもたちが遊ぶ場所。施設が荒らされるのも困るが、なにより心配なのはイノシシが人に危害を加えること。利用者の安全を守ることが最優先」と、同市建設課公園緑地係の嶋田幸宏係長は話す。ただ、害獣対策として一般的な電気柵は、人が触れる可能性があるため公園では使いにくい。進入防止の金網も設置にはコストがかかる。そこで目を付けたのが、臭いでイノシシを撃退する対策だ。焦げたような臭いがする廃液をペットボトルの容器に入れ、イノシシが通る場所に設置する仕組みだ。バイオマス発電プラントで、生木チップから可燃性ガスを発生させるときに出る廃液は、木酢液と同じ成分でありながら濃厚で、下痢止め薬のような木(もく)クレオソートの臭いがする。野生動物が本能的に嫌がる山火事を連想させるとされる。環境への負荷もなく安全性も高い。考案した千葉県大網白里市にある「オフィストライ」の敦賀智行代表は「(同県)館山市での実証実験では、効果について地域の評価を得ているほか、野生動物との接触防止対策として鉄道などでの利用が進んでいる」と話す。効果が3カ月ほど持続し、コストも100平方メートル当たり2千~3千円で済むという。さくら公園では11月上旬、イノシシの進入路があるとみられる東側と西側の計30カ所ほどに廃液入り容器を設置した。指定管理者の朝凪(あさなぎ)造園(瀬戸市)の丸山洋一さんは「この間、地元の人から目撃情報を聞いていない」と話す。同市藤四郎町の陶祖公園の30カ所にも廃液入り容器を設置し、イノシシ撃退の効果を調べていく。

(シカによる事故続発:北海道)
10月末の夕暮れ時、街灯がほとんどない標茶町の国道。ワゴン車とトラックが正面衝突し、ワゴン車の男性2人が亡くなった。現場にはシカの死骸が横たわり、道の両側には木が生い茂っていた。道警はワゴン車がシカとぶつかったはずみで、対向車線に外れたことが事故原因とみている。

(イノシシと格闘!素手で捕まえて駆除:山形)
14日寒河江市の最上川ふるさと総合公園でイノシシが見つかりました。けさの捜索で、猟友会などが発見し、素手で捕まえて駆除しました。イノシシを取り囲む、猟友会のメンバー。これは、けさ7時ごろに撮影されたものです。県などによりますと、きのう午後4時ごろ、寒河江市の最上川ふるさと総合公園で、イノシシ1頭が目撃されました。この公園では、夜はイルミネーションが行われていて、警察と市、猟友会などがイノシシを追い払おうとしましたが、日が暮れて見失ったということです。イノシシが公園内に潜んでいる可能性があることから、きのうのイルミネーションは中止されました。そしてけさ、公園内でイノシシを発見。公園では銃が使えないため、素手で捕獲し、駆除したということです。イノシシは体長1メートル20センチほどの成獣とみられています。なお、市では、イノシシが駆除されたことで、きょうのイルミネーションは通常通り点灯するとしています。

(クマ、中学校のグラウンドに現れる:北海道)
12月14日午前、北海道北部・名寄市の中学校のグラウンドで、クマが目撃されました。被害はありませんでしたが、市の職員や猟友会が痕跡などを調べています。14日午前8時ごろ、名寄市豊栄にある名寄中学校の付近に住む住民から「グラウンドの中を歩くクマがいる」と110番通報がありました。クマは体長約1メートルで、学校北側の用水路からグラウンドを抜け西側の天塩川方面に向かったということです。グラウンドにはクマのものとみられる足跡が残されていました。グラウンドの西側は雑木林になっていて猟友会と市の職員がクマの痕跡などを調べています。目撃されたのは通学時間帯でしたが被害はありませんでした。学校では通常通り授業が行われ、午後には一斉下校しました。

(ノシノシと近づいてくるサル:佐賀)
サガテレビアプリに寄せられたとあるサルの映像。11日午後、小城市でれいちゃんさんが撮影しました。車ででかけようとするとノシノシと近づいてくるサル。このあとこのサルは・・・・たまたま玄関先に置いていたミカンを3つ食べ、さらに1個を手に持って立ち去ったということです。れいちゃんさんは「家族は見たことあるが、私は初めてみました」などと驚いていました。これほど近づいてくるとは、人に慣れているのか、よほど腹が減っていたのでしょうか

(市街地で“猪”目撃:島根)
12月13日、松江市の市街地でイノシシの目撃情報があり、市は注意を呼び掛けている。12月13日午後1時ごろ、松江市馬潟町で「イノシシを目撃した」と近くに住む人から警察に通報があった。イノシシが目撃されたのは、国道9号の近くで周辺には住宅や店舗、JR山陰線の線路もあり、松江市は注意を呼び掛けている。松江市はイノシシを見かけた際は慌てず安全を確保したうえで、市や警察に通報するよう呼び掛けている。

(住宅街でクマ目撃:岩手)
12日夜、盛岡市内の住宅街で成獣とみられるクマ1頭が目撃され、警察などが注意を呼び掛けている。12日午後9時半頃、盛岡市緑が丘の市道を車で走行中の人から「クマ1頭を目撃した」と警察に通報があった。警察によりますと、クマは体長1メートル以上の成獣とみられ、道路を横切り、スーパーの脇を西の方向に走り去ったという。現場は盛岡市北部の丘陵地に広がる住宅街で、付近の県立盛岡第三高校は保護者にメールで注意を呼び掛け、緑が丘ひかり保育園では園児の散歩を取りやめた。けが人や被害はなく、その後、クマは目撃されていないが、警察や盛岡市は引き続き注意を呼び掛けている。

(散歩中の女性がクマ目撃:北海道)
札幌・南警察署は15日、札幌市南区でクマの目撃情報があったと発表しました。クマが目撃されたのは札幌市南区豊滝です。警察によりますと、午後1時半ごろ、付近を散歩をしていた女性から「斜面を駆け上がるクマを見た」と警察に通報がありました。クマは体長約1メートルで、山の方向に逃げて行ったということです。現場から近隣の住宅までは約70メートルで、警察は付近の住民に警戒を呼びかけています。

(森と共存した「マタギ文化」体験:秋田)
マタギとは山間に住む猟師のことで、一般にいうハンターとは違い、マタギ独自の儀式や習慣を持ち続けています。秋田県のほぼ中央に位置する標高1,454mの森吉山では古くからマタギ文化が伝承され今も息づいています。宿泊者限定の体験コース「マタギ学校」があるのは、山間の静かな地にひっそりと佇む「秘境の宿 打当温泉マタギの湯」。玄関を入ると、巨大なクマ(もちろん剥製)がお出迎え。マタギ学校の人気コース「マタギ語り」。狩猟の体験談や風習・クマの生態など、現役のマタギからリアルな体験話が聞ける希少なチャンス。宿に併設されている「マタギ資料館」を案内しながら説明してくれます。「マタギ」が狩りの疲れや傷を癒やした源泉掛け流しの名湯で、体の芯まで暖まった後は、ウサギやクマ、シカなどのジビエ料理を味わうことができます。マタギが愛した、地元のお米と森吉山の伏流水で作られた昔ながらの「どぶろく」もおすすめです。宿に併設されたマタギ資料館は、マタギが実際に身につけた衣装や狩猟用具、写真などの資料が多数展示されており、マタギ文化を後世に伝える貴重な施設です。厳しい規律と山の掟を守り、雪深い山奥に生きたマタギの生活の知恵と文化を知ることができます。野生動物の剥製も展示され、山の生態系についても学ぶことができます。

(豊作願い“イノシシ”に矢放つ:長崎)
長崎県佐世保市吉井町に伝わる国選択無形民俗文化財の「吉井のシシウチ行事」が13日、乙石尾地区の「セドの神様」と呼ばれるほこらであり、住民らは“イノシシ”に矢を放ち、収穫への感謝と豊作への願いを込めた。市などによると、同行事は同町の乙石尾(13日)、橋口(11日)、橋川内(15日)の3地区で毎年行われる「猪神祭り」の総称。狩りを模した一連の神事は狩猟儀礼と呼ばれ、シシウチ行事は西日本における狩猟儀礼の特色をよく伝えているという。2018年3月には国選択無形民俗文化財になった。乙石尾地区では約300年前に始まったとされ、農作物に被害をもたらすイノシシが人里に降りてこないように、山との境に建てたほこらの周辺で毎年開いている。今年は住民など約15人が参加。うるち米の粉を練った「シトギ」に木の実や葉を付けイノシシに見立て、住民らは木の枝で作った弓を使い、竹の矢を放った。矢が“イノシシ”に命中するまで行われ、住民らは歓声を上げながら矢の行方を見守った。その後、シトギを小さくちぎって丸め、焼いて頬張った。川内野猛さん(73)は「(今は森のようになっているが)昔はここ一体も畑だったと聞いている。光景は変わったが、大切な伝統行事なので伝承していきたい」と話した。

(シカ肉、短期間で熟成:北海道)
遠軽町内のエゾシカ肉加工会社「オホーツクジビエ」が、うま味にこだわった熟成肉の商品開発に取り組んでいる。北見工大との共同研究で試作を進め、捕獲直後に素早く処理したエゾシカ肉を短期間で熟成させるのが特徴。数週間かけて熟成させる従来の方法より、肉のロスを少なくできるメリットもある。同社は「おいしい熟成肉を手頃な価格で提供できるようになる」と期待する。

(人気のジビエを函館で楽しむ、エゾシカフェア:北海道)
意外なほどくせがなく、うまみや甘みが感じられる滋味深い味わいと、ローカロリーで鉄分豊富というヘルシーさが人気のジビエ(狩猟肉)、エゾシカ。北海道産の天然食材、エゾシカ料理が楽しめるフェアが2022年度も開催されます。函館からは7軒のレストラン、居酒屋、焼き肉店、カフェが参加。焼き肉セット、食事券、宿泊券の当たるスマホスタンプラリーもあります。この機会に、ひと味違った函館の味覚を堪能しませんか。

(房総ジビエ特集!やっかい者を自然の恵みとしてサスティナブルに活用:千葉)
11月から狩猟が解禁となり、本格的なジビエのシーズンを迎えています。房総半島にはイノシシやシカが多く生息しており、千葉県では、野生鳥獣対策の一環で、捕獲されたイノシシやシカの肉をブランド化し、「房総ジビエ」と銘打ち、自然の恵みを資源として有効活用する取り組みを進めています。今回は、野生獣被害の実態とともに、「房総ジビエ」の紹介や県が主催するジビエを活用した最新イベント情報のほか、野生獣の肉や革を活用した県内事業者の取り組みをお届けします。「ジビエ」はフランス語(gibier)で、狩猟で得た野生鳥獣の肉のこと。引き締まった肉質で脂質が少なく低カロリー。たんぱく質やビタミンなどの栄養価の高いヘルシーな食材として注目を集めています。千葉県が新しい食のブランドとして発信している「房総ジビエ」は、千葉県で捕獲されたイノシシやシカの肉を県内の食肉加工施設で適切に処理・加工したものです。県内の中山間地域を中心に、野生のイノシシ・シカ・サルなどによる農作物等への被害が増加し、これらの原因による農地の耕作放棄や、農業者の生産意欲の減退といった、農業生産の深刻な阻害要因になっています。令和3年度の有害鳥獣による農作物等被害金額は3億10万円におよび、そのうち、イノシシによる被害額が42%(約1億2,469万円)を占めています。このため、県では、平成19年に野生鳥獣対策本部を設置し、地域や市町村と一体となって、防護・捕獲・資源活用・生育環境管理などの取り組みを総合的に推進しています。県内で捕獲されたイノシシやシカは、食肉処理加工施設で適切に解体、食肉加工、検査、冷凍保管され、高品質な「房総ジビエ」として活用されます。県では、「房総ジビエ」の知名度向上や消費拡大施策として、本格的なジビエのシーズンに合わせ、飲食店のプロの料理人を対象とした「房総ジビエコンテスト」や、房総ジビエを使った料理を提供する店舗との「房総ジビエフェア」を開催しています。このほか、レシピ紹介、ジャーキーや洋風煮込みなどの加工品のレシピ開発など、様々な取り組みを行っています。

(第3回ひょうごジビエコンテストの開催:兵庫)
兵庫県では、鳥獣による農林水産業被害対策として捕獲および利活用の推進を行っています。この取組の一環として、ひょうごニホンジカ推進ネットワークと協力し、兵庫県産のシカ肉・イノシシ肉などを活用した『ひょうごジビエコンテスト』を令和2年度から開催しています。今年度、『第3回ひょうごジビエコンテスト』を実施することとし、レシピを募集します。

(おいしい「鹿ソーセージ」:山梨)
株式会社エフエム富士(以下FM FUJI)では、八ヶ岳産のジビエを使用し河口湖のフレンチレストランの監修を受けた、山梨県の地域活性化とSDGsの目標達成にも寄与する「鹿ソーセージ」商品の数量限定販売を2022年12月15日(木)より開始いたします。現在、日本では鹿やイノシシなどが増え過ぎてしまい、農作物が食べられたり、田畑が荒らされたりするほか、森林での樹皮の剥皮や希少植物の食害、車両との接触や衝突事故等、の林業や地域社会に深刻な被害をもたらしています。そこで、FM FUJIでは「みんなの2030 つくるみらい・つなぐみらい」の取り組みの一環として、SDGsの目標達成にも貢献するため、ジビエを活用した商品開発に取り組んでまいりました。今回は、地域活性化にも貢献することを目標に、自然豊かな美しい八ヶ岳で育った野生鹿の加工を行っている「八ヶ岳ジビエ」の協力と、山梨県富士河口湖町にあるフレンチレストラン「TOYOSHIMA」の豊島雅也シェフ監修を得て、使い道が少ない部位(すね、もも等)も使用できるよう、鹿ソーセージを商品化いたしました。完成したソーセージは、少し燻製をさせた「鹿ソーセージ~PLAIN~」と、ふわっとした食感が楽しめる「鹿白ソーセージ~RICH~」の2種類です。ジビエを食べたことがない方や、お子様でも食べやすい味わいとなっています。

(職人と篠原ともえさんがタッグ:埼玉)
本来であれば捨てられてしまうはずだった革の切れ端が、デザイナーの篠原ともえさん(43)と埼玉県内の皮革職人たちの手によって一着の美しい着物に生まれ変わり脚光を浴びた。「ザ・レザー・スクラップ・キモノ」と名付けられた作品は国内外で高い評価を受けている。篠原さんと職人たちの思いが詰まった革の着物は作品の生誕の地となった埼玉県草加市で15日から公開される。革の着物は、国産の本革の魅力を国内外にアピールすることを目的として、皮革業者の団体、日本タンナーズ協会と篠原さんらがタッグを組んで製作することが決定。素材を選定する過程では、柔軟性に優れ、厚みのない軽量の革が求められたという。そこで高い技術を誇る草加市の製革会社「伊藤産業」に白羽の矢が立った。「最初は無理なのではないかと考えた。それでも篠原さんの熱意に押され挑戦することを決めた」。こう語るのは、伊藤産業の社長で草加市内の皮革業者を中心に構成する「そうか革職人会」の会長を務める伊藤達雄さん(70)だ。当初、羊の革を採用する予定だったが、伊藤さんの薦めで北海道のエゾシカの革を使用することが決まった。伊藤さんは国内で害獣とされる野生動物の革を再利用するプロジェクトに携わっており、篠原さんもサスティナビリティ(持続可能性)を重視する素材選びに共鳴したという。素材選びは単にエゾシカの革を利用することにとどまらず、篠原さんのアイデアで革を裁断する際に処分する切れ端を余すことなく取り入れた。着物に使用した革のパーツは100近く。そうか革職人会に所属する縫製会社「レファンズ」の社長、佐藤勝次さん(74)が篠原さんの「生地に革のパーツを縫い付けない」という希望をかなえるため、何度も試行錯誤を重ねてたどりついたのは熱を加えながら圧着する手法だったという。山の稜線(りょうせん)をイメージし、まるで水墨画のような色合いを実現したのは、すでに退職し一線を退いた染色職人だった。近年、生地にデザインをプリントする技術が向上したこともあって、伊藤さんの会社では「グラデーション」と呼ばれる技法を用いた製品の製造を中断していたが、篠原さんが思い描くデザインを実現するため特別に復活させた。草加の職人たちと篠原さんらが共同で作り上げた作品は今年5月、世界的な広告賞として知られるニューヨークADC賞で2冠に輝いた。11月には東京ADC賞も受賞している。伊藤さんは、草加には国内有数の皮革産業の歴史があるとして、「作品の展示をきっかけに、草加の皮革産業の魅力を多くの人にアピールできたら」と期待を込めた。作品は15日から草加市伝統産業展示室で展示する。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後1時ごろ、仙台市太白区秋保町馬場大滝にクマが出没しました。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、13日午後7時ごろ、仙台市青葉区川内亀岡町にクマが出没しました。

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