<射撃ニュース1月>
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(狩猟中の男性、熊に襲われけが:ながの)
上田署によると、上田市真田町傍陽の山林内で29日午後4時20分ごろ、狩猟をしていた農業男性(84)が熊1頭に襲われた。男性は背中の骨を折るなど重傷のもよう。熊は成獣で、一緒に狩猟をしていた猟友会員により射殺された。

(公道で猟銃発砲の疑い、男ら3人逮捕:青森)
野辺地署と青森県警保安課は27日、狩猟が禁じられている公道で猟銃を発射したとして、鳥獣保護法違反(狩猟鳥獣の捕獲等)や銃刀法違反などの疑いで3人の男を逮捕した。

(高病原性鳥インフル検出:北海道)
道は28日、根室市内で23日に回収したハシブトガラス5羽の死骸と、オホーツク管内雄武町で同日回収した衰弱したオジロワシ1羽から、致死率が高い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)を検出したと発表した。道によると、道内で今季、高病原性のウイルスが検出されるのは3、4例目。いずれも遺伝子検査で判明した。現時点で道内の養鶏場から異常の報告はない。各回収地点の周囲でほかに野鳥の死骸は確認されていない。道はハシブトガラスとオジロワシの回収地点周辺で緊急調査を行う。

(クマ出没、草刈りで防ぐ:北海道)
札幌市東区の住宅街に昨年6月、ヒグマが出没し、男女4人を襲って重軽傷を負わせた被害の再発を防ぐため、札幌市は新年度、クマの移動経路と推定される河川沿い約20キロの草刈りを行う方針を固めた。視界を良くして、クマが身を隠しながら住宅街に近づきづらくするほか、不意に人と遭遇するのを防ぐ狙い。事業費は約3500万円の見込み。市は、東区のクマは北区の茨戸川緑地から伏籠川や水路などを経て住宅街に出てきた可能性が高いとみている。このクマは駆除されたが、同様に住宅街に現れる個体が出る恐れがあるため、北区の上篠路地区から東区丘珠町近辺までの伏籠川河川敷などの草を刈り取る。東区の住宅街はクマの出没例がほとんどなかったため、市がクマ対策で河川沿いの大規模な草刈りを実施するのは初となる。クマの行動が活発になる初夏の繁殖期前の実施を目指す。

(新「鳥獣管理計画」策定へ:和歌山)
和歌山県は新たな「第2種特定鳥獣管理計画」(2022~26年度)の策定に当たり、計画案への県民の意見(パブリックコメント)を募集する。2月24日まで。計画案は県ホームページの農業環境・鳥獣害対策室のパブリックコメントの欄に掲載しているほか、各振興局農業水産振興課で閲覧できる。県は、鳥獣保護や管理、狩猟の適正化に関する法律に基づき、県内に生息するイノシシ、ニホンジカ、ニホンザルの管理を目的に、第2種特定鳥獣管理計画を策定している。現計画が本年度末で終了するため、生息動向や農林業被害状況を踏まえ、新たな計画を策定する。次期計画案の目標では、対象の各動物とも10年後に向けて生息数を半減させ、農作物被害を26年度までに30%減らすことを目指すとしている。例えば、ニホンジカには、現状として被害額はやや減少しているが、推定生息数は増加しているとし、目標の捕獲数を現計画の年間1万7千匹以上から1万9千匹以上に引き上げている。ニホンザルは、現状として被害額はやや減少し、推定生息数も減少しているとし、目標の捕獲数を現計画の年間1500匹以上から、加害レベルの高い群れを中心とする年間千匹以上に変更している。具体的な取り組みとして、効果的な捕獲の推進、防護柵設置などへの支援、免許取得への支援、専門機関による現場対策サポートなどを挙げている。県民の意見を募集した後、2月末から3月上旬の県環境審議会鳥獣部会の審議を経て、3月末に計画を策定、公表を予定している。

(「鳥獣対策優良活動表彰」表彰式を2月16日に開催)
農林水産省は、毎年、鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用等に取り組み、地域に貢献している個人や団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を実施しています。今般、令和3年度の受賞者を決定しましたのでお知らせします。農林水産省は、野生鳥獣による農林水産業への被害が全国的に深刻な状況の中で、各地域における鳥獣対策を推進しています。こうした中で、鳥獣被害防止の取組については平成21年度から、捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用の取組については平成28年度から、地域への貢献が顕著であると認められる個人や団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を実施し、優良事例を広く紹介することにより、効果的な鳥獣対策の推進を図っています。この度、令和3年度における農林水産大臣賞と農村振興局長賞の受賞者を決定しました。また、鳥獣対策に携わる関係者の情報共有の場として、「全国鳥獣被害対策サミット」を開催し、受賞者からの取組事例の報告の他、サミットテーマに合わせた全国の取組事例の発表、パネルディスカッション等に加え、資機材企業によるプレゼンテーションの時間を設ける予定としています。今年度は、AIやIoTによるスマート獣害対策技術や新たな獣害GISシステムの開発や今後の社会実装に係る研究等を行っている「イノベーション創出強化研究推進事業」と連携し、本事業での研究成果発表報告を兼ねた「イノベーション成果発表会」も併せて開催予定としています。なお、表彰式、「全国鳥獣被害対策サミット」及び「イノベーション成果発表会」の開催方法につきましては、新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、現在、オンラインでの実施で再検討しています。確定次第、速やかにお知らせいたします。

(狩猟の魅力、役割知って:富山)
狩猟に関心を持ってもらおうと、富山市は二十九日、同市の県総合体育センターで「狩猟入門ガイド」を開き、市内外の四十人が参加した。農作物を荒らす害獣を撃つなど、農作物被害対策に協力する猟友会の会員ら猟銃免許所持者を増やそうと、市が初めて開催。石川県のジビエ利活用アドバイザーの福岡富士子さんの講演や狩猟免許取得に向けた講話、免許のいらない光線銃「ビームライフル」の射撃体験があった。福岡さんは自身の活動や狩猟、ジビエの魅力などを紹介した。「ジビエは栄養豊富で、コラーゲンもたっぷり」と魅力をPR。「ハンターがいないと山が荒れ、獣が町に下りてくる。イノシシやシカはすぐに数が増える。山に入って鉄砲が使えるハンターがいないと、大変なことになる」と語った。

(猟友会が地域見守り:静岡)
駿東猟友会の御殿場支部と小山支部が28日、自主パトロール組織を立ち上げた。その名は「MATAGI(またぎ)隊」。日ごろの猟友会活動に合わせ、行方不明者の捜索や登下校時の子どもの見守りなどを担う。昨年夏の東京五輪・パラリンピックで警備に協力したのをきっかけに、引き続き警察活動に力を貸そうと申し出た。大池信也・御殿場支部長と小野智弘・小山支部長が同日、御殿場署に真野義文署長を訪ね、「地域住民が安全で安心して暮らせる社会を実現するため協力する」などと決意表明した。同署は東北地方などで猟師を指す言葉「マタギ」にちなみ、MATAGI隊と命名した。同隊は廃棄物投棄や盛り土など事件事故につながる恐れのある事象の情報提供も行う。小野支部長は「山のことを一番知り得るのはわれわれ。警察と連絡を密にし、地域のために貢献したい」と使命感を示した。真野署長は「ちょっとした変化に気付いたら積極的に通報してほしい」と呼び掛けた。両支部は東京五輪・パラの自転車ロードレースで、野生動物が侵入しないようコース周辺の監視に当たった。活動を通じて警察の存在を身近に感じ、引き続き協力しようという声が上がったという。

(線路上にシカ侵入、特急2本に遅れ:北海道)
29日午後3時半ごろ、JR根室線新得(十勝管内新得町)―トマム(上川管内占冠村)間を走行中の貨物列車が、線路上に侵入したシカを発見して停車。安全を確認して約1時間50分後に運転を再開した。この影響で、特急2本が最大90分遅れるなどして、約200人に影響が出た。

(湖の「氷」が割れて身動きできなくなったシカ、頭部をワシやカラスに襲われる:北海道)
北海道・根室市の風蓮湖。凍った湖の湖面にかすかに見えるのはオスジカの頭です。1月22日、割れた氷にはまり身動きできなくなったシカの姿を地元住民が発見しました。シカを狙ってか、周囲にはオジロワシやカラスが集まっています。氷の裂け目にはまったシカは相当弱っているのか、それとも既に息絶えているのか、鳥たちに突かれても全く動く様子はありません。撮影した地元住民によりますと、今シーズンは気温が高い影響で湖の氷が割れやすく、歩いていたシカが落ちてしまう姿が複数目撃されているということです。撮影されたシカはその後、姿が見えなくなったということです。

(ヒグマの生態学ぼう:北海道)
ヒグマの生態や、事故を防ぐ方法を紹介する「ヒグマパネル展in札幌」が29日、札幌市中央区の紀伊国屋書店札幌本店(北5西5)で始まった。ヒグマについての正しい知識を身につけてもらおうと道が企画した。「音の鳴るものを身に付ける」「1人で行動しない」など野山に入る際の注意点や、市街地にヒグマを寄せ付けない対策について、36枚のパネルで説明している。

(苦しそうに奇声を上げるオオワシは鉛中毒で死んだ:北海道)
北海道の牧場で1月中旬、絶滅危惧種のオオワシが衰弱して飛べなくなっていた。動物専門の医療機関に保護されて治療を受けたが、その日のうちに死んだ。その死因は「鉛中毒」。ハンターの鉛弾を浴びたシカなどを食べた結果、体内に鉛が取り込まれたことで起きる症状だ。オオワシを診察した獣医師は、全国の野鳥で相次ぐ被害を防ぐために「一刻も早い規制を国にはお願いしたい」と訴えている。このオオワシが見つかったのは、北海道浦河町にある競走馬の育成牧場「ヒダカファーム」だった。ヒダカファームの担当者によると、雪に包まれた放牧地に降りている様子を1月15日にスタッフが確認した。そのときは「地面に降りているのは珍しいな、エサでもあるのかな」くらいに思っていたという。しかし2日後の17日になっても飛び立たずに放牧地におり、「こんな近くに人間が来てるのに逃げないのはおかしい」と異常を感じたという。町役場や環境省などに相談したところ、釧路市にある野生動物専門の医療機関「猛禽類医学研究所」で保護することになった。獣医師の齊藤慶輔代表が片道3時間半かけて自動車で駆けつけ、オオワシを保護した。ヒダカファームは同日、公式Twitterで写真とともに「何とか回復してくれる事を願っています」と心配げに投稿していた。「猛禽類医学研究所」の齊藤代表によると、オオワシは収容直後から状態はすこぶる悪かった。搬送時から呼吸困難な様子があったほか、「キャッ!」と奇声も上げていたことから鉛中毒の可能性があるとみていた。検査の結果、やはり鉛中毒だったことが判明した。血中の鉛濃度は極めて高濃度。レントゲン撮影したところ、「胃の中に鉛ライフル弾の破片と思われる陰影を2つ確認」した。解毒剤を投与し、ICUの中で高濃度の酸素を供給したが、このオオワシは17日夜に死んだという。斎藤代表は奇声をあげたり、苦しそうに呼吸するオオワシの動画をTwitterにアップした。「日高地方では2020年にもオジロワシの鉛中毒が確認されており、当地域を中心に続発する可能性がある」と指摘した。今回のオオワシの症状について「鉛中毒は見ているだけで辛い。苦しそうな努力呼吸、脳にまで鉛が回ることで発する奇声。。凄まじい苦しみをもたらし、治すことが困難であるからこそ予防が大切だ」と訴えた。ハフポスト日本版は、斎藤代表に電話取材した。鉛弾の破片を体に取り込んだ野鳥は「体内に重金属が入ってすぐ吸収されます。極度の貧血になり、全身の臓器がボロボロになります」という。斎藤代表によると、このオオワシが鉛中毒になった背景には、エゾジカなどのハンターが本来は北海道で禁じられている鉛弾を使用した可能性が高いという。「本州ではまだ使用可能なのでそこから来たハンターが持ち込んだ可能性などが考えられます。狩猟で撃った動物はその場に放置してはいけないことになっていますが、肉だけを持ち帰って内蔵を放置したり、冬だと雪の中だけに埋めておくだけにしておくとオオワシなどの猛禽類がシカの死体を食べてしまい、鉛弾の破片を体内に取り込んで、鉛中毒になるのです」。北海道では、鉛中毒で命を落とす野鳥は1996年に初確認されて以降、オオワシだけでなくオジロワシなど猛禽類全般で200羽以上に上る。2021年に入ってからは、このオオワシが初だった。斎藤代表によると「鉛中毒は北海道だけの問題ではなく全国で起きている」と指摘する。鉛弾をめぐっては2021年9月10日、当時の小泉進次郎環境相が2025年度から全国の狩猟を対象に鉛弾の使用を段階的に規制し、2030年度までに野生鳥類の鉛中毒ゼロを目指す方針を記者会見で表明している。この動きについて斎藤代表は「遅すぎると感じています」と焦燥感を打ち明けた。「規制自体は大いに評価します。ただ、今から3年間は鉛弾によって動物たちが死に続けます。鉛弾を使った狩猟で、動物たちが鉛中毒で死ぬ事例は北海道だけでなく全国で多発しています。一刻も早い規制を国にはお願いしたいです」。

(冬眠明けのクマを専門家と探索:長野)
人とクマとの共存に取り組むピッキオは、4月21日から4月28日まで、クマの専門家と冬眠明けのクマを探索するトレッキングツアー「ツキノワグマウォッチング」を長野県軽井沢にて開催する。森の中でツキノワグマを観察することは難しいが、葉が出る前の見通しの良いこの時期は、遠くから安全にクマを探すことができる。野生のクマと森に残されたクマの痕跡を観察する体験を通して、人とクマとの共存について考えるきっかけとなるツアーだという。近年、人の居住地域に出没するクマの問題に関心が集まっているが、同社は、人とクマとの共存を目指し、1998年より調査研究に基づき被害防除や生息環境調査などの活動を行っている。20年以上にわたる活動から、クマには個性があり、1頭1頭の暮らし方に違いがあることを発見。市街地に現れて問題になるクマもいるが、ほとんどのクマは、人を避けるようにして森の中でひっそりと暮らしているのだそう。そのような森に暮らすクマを探すことを通じて、クマとの共存を考えるきっかけになることを願い、同ツアーを企画したという。ツアーでは、ピッキオのクマの専門家と一緒に森に入り、野生のクマやその痕跡を探す。広い森をやみくもに歩いても、クマを見つけることはできない。しかし、ピッキオは、長年の調査により軽井沢のクマの生態を熟知しているため、彼らがよく利用している場所を特定することが可能。道なき道を進み、クマの爪跡や食事の痕跡、糞などを探す過程で、クマが本当に暮らしていることを実感できる。クマを最も観察しやすいのは、クマが冬眠から目覚める早春のわずかな期間。木々の葉が茂る前のため、森の中の見通しがよく、新芽や地面に落ちたドングリを探して食べる様子を観察しやすいのだという。ツアーでは、人が近づけない斜面にいるクマを、谷を挟んだ対岸から双眼鏡や望遠鏡を使って探していく。クマと十分に距離を取るため、クマの自然な行動をじっくりと観察することができ、なおかつ、安全も確保することができる。また、クマが暮らす森を歩きながら、軽井沢における人とクマとの共存をめざす取り組みについても紹介。クマには絶対に開けられない「野生動物対策ゴミ箱」の開発など、クマを殺さずに共存する取り組みが成果を上げている。1組限定のため、気になることを気兼ねなく専門家に質問をすることができる。森から戻った後は、ピッキオが日本で初めて導入した、クマ対策犬「ベアドッグ」とのふれあいの時間も設けられている。観察機材には、対岸にいるクマを、より明瞭に、より仔細に観察するため「SWAROVSKI OPTIK(スワロフスキー・オプティック)」の望遠鏡と双眼鏡を導入。千載一遇のクマの観察チャンスを世界最高水準のクオリティーを誇る機材で楽しめる。同社は、クマとの共存に向けた取り組みを長年続けてきた。クマは日本の陸上哺乳類の中で最大級の大きさであり、生態系の重要な位置を占める動物である。クマによる被害は解決しなければならない課題である一方で、同社は調査を通して、野生のクマの美しさや、日本の森に大型哺乳類が息づいていること、また、その命を支える森の豊かさに心を打たれてきたという。SDGsへの意識が高まり、生物多様性にも注目が集まるようになってきた中、野生動物の姿に触れることで、日本の森や野生動物が置かれている現状に関心を持ってもらうきっかけになるようなツアーを、引き続き開催していくとしている。

(シカ肉料理、試食会で好評:北海道)
上富良野町の観光資源を活用しようと、エゾシカ肉を使ったジビエ料理の試食会が27日夜、町内の後藤純男美術館内のレストラン「ふらのグリル」で行われた。メニューは同レストランの料理長とミシュランガイドで三つ星を獲得した京都の日本料理店店主が共同開発。カルパッチョやカツレツなど計7品が並び、「食べやすくておいしい」などの声が上がった。町内に人材を派遣している東京の映像制作・地域創生支援の会社「Zipang(ジパング)」が中心となり「害獣として駆除されるシカを観光などに活用する方法はないか」と模索。同社のグループ会社と縁がある京都の日本料理店「祇園さゝ木」の佐々木浩さんにメニューづくりを打診した。佐々木さんは先月中旬に町内を訪れ、ふらのグリルの中越康博料理長とともに試作した。

(シカ肉の「へしこ」づくり始まる:福井)
捕獲されたシカを有効に活用しようとおおい町のNPO法人がシカの肉を使った「へしこ」づくりを始めています。これはおおい町名田庄で里山の保全活動に取り組むNPO法人がことしから始めたもので、28日は町内のカフェでメンバーがシカの肉を「へしこ」に加工するための作業を行いました。メンバーは血抜きされたシカの肉をささの葉のような形に丁寧に切り分けていくと、たくさんの塩につけ込んでいきました。塩漬けされた肉は10日ほどたってからさらに米ぬかに10ヶ月ほどつけ込んで完成するということです。NPO法人によりますと、おおい町ではシカに農作物などを食い荒らされる被害が相次ぎ、毎年1100頭を超えるシカが捕獲されますが、このうちの9割以上が有効活用されないまま処分されているということです。NPO法人「森林楽校・森んこ」代表の萩原茂男さんは「シカを『へしこ』にして食べてもらうことで森林保全に興味を持つきっかけになってほしい」と話していました。シカ肉の「へしこ」はことしの秋にもできあがる予定でNPO法人が運営するカフェの新たなメニューになるということです。

(シカ肉の型焼きソーセージが完成:熊本)
県内でも、中山間地を中心にシカによる食害が拡大しています。これを何とかしようと、八代市のソーセージ店が新商品を開発、先日、お披露目されました。香辛料を効かせたひき肉を練り上げて作るソーセージ。作っているのは、おととし9月に八代市千丁町に工房を構えた『カネムマンソーセージ』の村上 慎一さんです。村上さんは1月19日に八代市を表敬訪問し、新商品をお披露目しました。八代産のシカ肉でつくったドイツの伝統的な型焼きソーセージ『ケーゼ』です。この商品を開発したきっかけは、地域のある課題に直面したからでした。おととしの7月豪雨災害ボランティアで八代市坂本町を訪れた村上さん。泥出しなどの作業をする中で、ボランティア仲間から坂本町など中山間地で増え過ぎたシカによる食害で、山が荒廃している問題を知りました。豪雨災害や獣害といったふるさとの課題を、自分の強みである「食」で解決したい。村上さんは『くまもと県南フードバレー推進協議会』の支援を受けて、去年9月から商品開発に取り組んできました。そして完成したのが『八代産鹿肉のケーゼ』です。理想の食感にするため、シカ肉の部位ごとにひき方を変え、黒豚の脂を足してコクを出すなど工夫。スパイスにも、ソーセージにはあまり使用しない八角を入れることで甘い香りをプラスし、ジビエならではの旨味が凝縮された一品に仕上げました。そのままでも、軽く焼いてもおいしく食べられる『八代産鹿肉のケーゼ』は2月1日から八代市の物産館などで購入できます。

(「鹿×牛」ご褒美肉で肉始め:東京)
東京都の町田・相模原地域で40店舗の飲食店を展開する株式会社キープ・ウィルダイニングが運営するステーキレストラン「ステーキコケット」は季節限定の<新年肉はじめコース>をご用意しております。1~2月限定でジビエ料理と熟成肉を愉しむコースとして、北海道産エゾシカと熟成サーロインを1皿で楽しめるスペシャルコースを用意しております。2022年に素敵なディナーをステーキコケットで満喫してください。

(白糠町とさとふる、鹿被害対策のため寄付受け付けを開始:北海道)
ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」を運営する株式会社さとふる(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤井 宏明)は、寄付金の使途に応じて事業を立ち上げ寄付を募る「さとふるクラウドファンディング」にて、北海道白糠町の2事業の寄付受け付けを2022年1月28日より開始します。「さとふるクラウドファンディング」は、ふるさと納税の仕組みを活用して、寄付金の使途に応じた事業を立ち上げ寄付を募る、クラウドファンディング型ふるさと納税サイトです。寄付者は「さとふるクラウドファンディング」上で具体的な寄付金の使途から寄付先を選択することができるほか、自治体への応援メッセージの投稿や集まった寄付金額を随時確認することもできます。

(ジビエバーガーで町おこしへ:長崎)
長崎県五島市玉之浦町の住民らでつくる同町未来拠点協議会(野澤努会長)は、地元で使われなくなっていた建物を改装し「鶴田商店」をオープンした。町おこしのメニューとしてシカ肉を使って開発した「ジビエバーガー」などを販売する。玉之浦教会近くの木造2階建て。周辺はかつて食料品や衣料品などの店が並んでいたが、高齢化や人口減少でほとんど廃業したという。同協議会などはにぎわいを取り戻そうと、約20年前に使われなくなった鶴田商店の建物を所有者に借りて改装。クラウドファンディングでも資金を調達し厨房(ちゅうぼう)などを整備した。住民に親しまれた屋号を引き継ぎ、看板もそのまま残した。目玉のジビエバーガーは、地元で捕獲、加工した新鮮なシカ肉を使用。トマトソースと、県立五島高生が考案したレモングラスソースの2種類がある。他にシカ肉カレーや、住民手作りのシカ皮の小物類、地元産野菜を販売。今後、販売品目を増やす予定。オープンした23日は、餅まきを実施。訪れた市民が早速、ジビエバーガーを買い求めたり、食事を楽しんだりした。同町で勤務経験がある市内の吉濱陽子さん(63)は「玉之浦に来るシンボル的な場所ができて良かった」、近くの有川弘子さん(81)は「子どものころよく来ていた店がまた、にぎわってうれしい」と話した。野澤会長は「地域に愛される店にしたい」と語った。

(野性味ゆたかなジビエの直売会:石川)
石川県小松市にあるイノシシ肉の食用加工施設が、農林水産省の「国産ジビエ認証」を北陸で初めて取得したことを受け、29日に直売会が開かれました。ジビエの衛生管理が行き届いていることを認める「国産ジビエ認証」を取得したのは、小松市の「ジビエアトリエ加賀の國」で、全国の施設では27番目、北陸では初めてとなります。29日は取得を記念して、イノシシ肉を普段より安く購入できる直売会が開かれ、野性味ゆたかなジビエを買い求める客が次々に訪れました。この施設は南加賀の4つの市と町が連携して2019年にオープンしましたが、家畜伝染病の豚熱が流行した影響で、本格的な稼働は去年6月までずれ込んだということです。ジビエアトリエ加賀の國・福岡太平技術指導員「我々の悲願の1つでもあるので非常に施設職員一同嬉しく思っている。高いレベルの衛生管理や処理技術が認められたと思う」。施設では今後も月に1度直売会を開く予定で、里山の地域資源であるイノシシ肉の利活用につなげたいとしています。

(「ジビエ料理」が農家を救う!?)
食べることは、生きる基本。だから、子どもは“食育”を通して、食にまつわる正しい知識を身につけ、生きる力を育みます。でも、大人はどうでしょう? 食を取り巻く状況は日々目まぐるしく変わっています。深刻化している貧困問題や、社会全体での取り組みが叫ばれている食品ロス問題。漁業も、農業も、今大きな転換期にあります。未来の食を考えるには、現状を知ることが大切。今知っておきたい食の課題と、解決に向けた取り組みを学びましょう。野生動物による農作物への被害が深刻化している昨今、駆除した動物の肉を活用できるジビエに注目が集まっています。日本ジビエ振興協会の代表理事を務める藤木徳彦さん。1998年に開店した自身のレストラン「オーベルジュ・エスポワール」はフランスのオーベルジュを目指し、徹底した地産地消を理念として掲げている。「寒い長野県では、冬にお客さまに提供できる食材が少ないのですが、11月から2月の狩猟の解禁期間には、野生のシカが獲れます。レストランをはじめた当時、地元の人のジビエに対するイメージは臭い、硬い、おいしくない肉というものでした。しかし地元で獲れたシカを食べてみたら、とてもおいしかったんです。正しい食肉処理や調理方法を知らず悪い印象を持ってしまっているだけだと思い、それを払拭するためにもジビエをメニューに取り入れました」。今やジビエはレストランの看板メニューとなり、全国から多くのファンが足を運んでいる。あるとき、藤木さんは農家の鳥獣被害について耳にする。農家の協力のもと地元の良質な食材を提供しているレストランにとって、とても他人事ではない話だった。「2000年頃から、シカやイノシシなどの野生動物に畑を荒らされ野菜が食べられてしまう被害が増加。年々被害の規模は大きくなり、農家をやめてしまう人も出てきました」。鳥獣被害が深刻になり、長野県では有害鳥獣を駆除することを推奨しはじめる。狩猟期間外でも農業被害を引き起こす野生動物は捕獲することが許され、自治体から報奨金が出ることになった。「有害鳥獣の駆除を進めているのにもかかわらず、ジビエとしてレストランで提供する肉はニュージーランドやカナダから輸入しているところがほとんど。しかもそれらの肉は、野生の動物を飼育して家畜化した半野生のもの。輸入肉はいつでも手に入るし品質も安定しているので、比較的簡単に使用できます。しかしたくさんのシカを駆除して捨てている一方、食べるためにわざわざシカを輸入する。そんな仕組みに矛盾を感じました」。本来、山に住んでいるはずの野生動物は天敵の減少などで頭数が増え、弱い個体は里に下りてくる。昔に比べて増えている耕作放棄地は、動物たちにとって格好の住まいとなり、里に住み着く動物も多い。農林水産省の発表によると、令和元年度の鳥獣による農作物被害額は158億円にものぼった。「鳥獣被害が増えたのは、環境の変化や農村の過疎化など複合的な原因があります。戦後に人間が野生動物の狩猟に関するルールをつくり、手厚く保護をしたことで数が増えすぎたことも事実。そして今度は有害鳥獣捕獲によって、生態系が乱れてしまった例も出てきました。捕獲された動物は、穴に埋める埋設処理か、焼却、野生鳥獣専用の食肉処理施設で処理をすることが決まっています。しかし、なかには捕獲した動物を法外に屋外に放棄してしまう人も。その死骸をイタチや猛禽類など雑食性の小動物が食べることによって、小動物の数もどんどん増えていきます。小動物による農作物の被害がなくならない一つの要因です」。人間が勝手にルールをつくり、数が減ったら保護し、増えすぎたら駆除をする。自然界で共存する動物に対し、あまりにも身勝手だと藤木さんは感じている。「農家を鳥獣被害から守るために捕獲は必要です。しかし猟友会のメンバーは高齢の方も多く、動物を捕獲しても穴を掘って埋める作業は重労働。現在、捕獲されるイノシシが年間約64万頭、シカが約60万頭。そのうち利活用できている肉は捕獲した肉のたった9%だと言われています。ほとんどの肉が捨てられているのです。ジビエを食べる人が増えれば、もっと多くの肉を流通させることができます。そのためにはジビエは危険、おいしくないというイメージを改める必要がありました。安心でおいしい肉を提供できるよう、食肉処理施設の衛生管理や肉の処理方法のガイドラインづくりにも取り組みはじめました」。日本ジビエ振興協会の働きかけで、2018年に農林水産省の「国産ジビエ認証制度」が制定された。定められた手順に沿った工程で食肉処理を行っている施設は認証を受けることができる。この制度によって外食事業者や消費者も認証された施設がわかり、安心して食べられる肉を購入することが可能になった。大手の飲食メーカーやチェーン店も、ジビエを食材として利用しやすくなったという。「レストランで食べる高級食材としてだけでなく、家庭やチェーン店でも食べられるようになればより身近になります。他にも給食に取り入れて命をいただくという食育に活用している学校や、栄養豊富なので自衛隊の食事にも採用されました。ジビエをブランド化し、特産品にすることで観光誘客している自治体もあります。缶詰などの加工品を地域で生産して雇用創出を図るなど、ジビエの活用は農家を助けることはもちろん地域の活性化にもつながります」。多くの可能性を秘めたジビエは、地域の課題解決の糸口になるかもしれない。

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(銃所持の男、民家立てこもり:埼玉)
埼玉県ふじみ野市で27日夜に発生した猟銃立てこもり事件で、近隣住民らは近くの中学校へ避難し、不安な一夜を過ごした。現場周辺は戸建て住宅が立ち並ぶ閑静な住宅街で、盾を持った警察官らが警戒を続けた。医師と一緒に訪れた男性理学療法士(41)も腹と胸を撃たれ玄関先で倒れており、重傷だが意識はあるという。医師らは弔問のため数人で民家へ行き事件に巻き込まれたとみられ、県警は詳しい経緯や動機などを調べている。県警などによると、立てこもっていたのはこの民家の住人とみられる60代の男。所持していたのは猟銃とみられる。県警東入間署には別の男性(32)が、「顔に催涙スプレーのようなものを掛けられた」と駆け込み、その後搬送された。この男性と医師、理学療法士ら数人が、住人を弔問するため民家を訪れたところ、男とトラブルになったという。県警の捜査員が民家の固定電話を通じて男の説得に当たった。男は会話には応じ、人質の医師について「大丈夫だ。救出してもらいたい」と話したが、医師と電話をかわることには応じなかった。要求はなく、立てこもりの目的は不明という。現場は東武東上線ふじみ野駅から南西に約2キロ離れた住宅街で、付近には小学校などがある。事件発生を受け、現場から半径300メートル以内の住民約50世帯110人が近くの中学校に避難した。この中学校など市内の小中計3校は休校を決めた。

(害獣駆除担い手足りず、苦しい胸中:福岡)
イノシシやシカによる食害が深刻化する中、駆除作業の担い手は高齢化や過疎化で減少し、捕獲後の殺処分や埋却の負担が地域に重くのしかかる。野生鳥獣による農作物被害が年間約6億円と全国2位の福岡県では、警備会社が作業を請け負ったり、食肉処理業者が新たな担い手を育成したりと、模索が続いている。「イノシシ2匹、捕獲しました」。福岡県糸島市の進藤和昭さん(72)に、箱わなを見回る仲間から連絡があった。進藤さんは軽トラックで急行。わなにかかったイノシシを見て「悪させんとやったら、よかとばってん」と漏らした。進藤さんが鉄柵からワイヤを差し入れると、興奮したイノシシが走り回る。20分ほどかけて上顎にワイヤを引っ掛け、さらに前足をつかんで引き寄せる。最後は首をひと突き。2匹を仕留めるのに約1時間を費やした。ここ10年、地区には狩猟免許を持った住民がおらず、稲やミカンなどの食害が多発。道路脇や土手を掘り返す被害も目立っていた。放置できなくなった2020年、進藤さんら4人がわな猟免許を取得して駆除に乗り出した。ただ、毎日餌を置き、見回るといった活動ができるのは進藤さん1人。多いと月5回は殺処分にも駆り出される。「心身の負担が大きいが、誰もする人がおらんから自分がやるしかない」。進藤さんは取材班に苦しい胸中を明かした。福岡県の野生鳥獣による農作物被害額(19年度)は約6億円で、全国2位。イノシシ被害が半分を占める。環境省によると、19年度までの30年間でイノシシの推定個体数は全国で約3倍の80万匹に、ニホンジカは北海道を除いて7倍に増加している。駆除には、鳥獣保護法に基づく「狩猟」や「許可捕獲」の手続きが必要。主に、わなや猟銃による狩猟免許所持者が担うが、その数は15年度までの40年間で3分の1の19万人まで減った。食肉利用も進まず、イノシシの捕獲数に占める解体数は5%止まり。殺処分後の埋却も大きな負担となる。このため、福岡県は20年度、警備会社「ALSOK福岡」(福岡市)に処分を委託する実証実験を開始。狩猟免許を取得した作業員が、食害が大きい糸島市や添田町などで殺処分、食肉加工施設への運搬などを担う。「農家の負担を減らし、安定的に駆除できる体制を構築したい」と県担当者。九州のある森林組合が管理する山林では、植林した苗木をシカが食べる被害が拡大。約4年前からわなを設置しているが、職員が殺処分や埋却などに追われ、樹木管理業務に支障も出た。19年から食肉加工業者と契約し、シカがわなにかかると現場で血抜きなどを施し、食肉用に持ち帰ってもらうようにした。糸島市のジビエ専門食肉処理業者「tracks(トラックス)」は、駆除を請け負い、担い手育成も手掛ける。猟師でもある江口政継社長(42)は「イノシシなどの駆除要請は絶えず、追い付かない。解体や埋却は重労働で、捕獲した個体の処分に困っている猟師も多い。解決には、駆除の担い手育成と、加工肉の利活用拡大を両輪で進める必要がある」と訴えている。

(公園でイノシシ被害、広場や学校近くの芝生ぼろぼろ:広島)
尾道市の観光名所千光寺公園で、イノシシが芝生や地面を掘り返す被害が目立っている。市によると、半年ほど前から繰り返し荒らされているという。新型コロナウイルス禍や、新展望台の建設工事に伴う立ち入り禁止など人通りの減少が一因とみられる。観光客をはじめ、近くを通学する児童の安全も懸念される。掘り返された跡は、頂上エリアの広場と、園内に昨年移った土堂小仮校舎近くの2カ所の計3カ所に集中する。芝生がはがされ、花壇の散水管が引きずり出されている。同公園を管理する市観光課によると、当初は埋め戻していたが被害が繰り返されるため、現在は様子見の状態だ。荒らされた影響で枯れ始めた芝生や、名物の桜の根をかじられた箇所もあるという。少なくともこの10年間は被害は確認されていなかった。現時点では児童も含めてけが人の報告はないという。千光寺公園では新展望台の利用は4月には始まり、花見シーズンも近い。ただ市農林水産課によると、民家が近いため猟銃は使えず、わなを仕掛ける場所も厳選する必要があり、即効性のある対策は難しいという。

(農家と連携し鳥獣被害実態把握へ:岐阜)
山県市は今年一月から地元の農家と連携して、市南部の田畑で相次ぐ鳥獣被害の実態を把握する新たな事業に乗り出している。二月末までの二カ月間にわたって、農家や地元住民が「捕獲サポート隊」として見守り活動を実施。野生鳥獣のふんや食べかすなどの痕跡を把握し、対策につなげる狙いだ。

(市街地にタヌキ出没、寄せ付けない対策急務:愛知)
「かちかち山」「ぶんぶく茶釜」「タヌキの糸車」。日本人にとって古くから身近な動物であるタヌキが、近年、半田市の市街地などでも目撃されている。かわいらしい見た目とは裏腹に、時にはごみを食い荒らし、病気を媒介する可能性も指摘されている。一方、無許可での捕獲は法律で禁じられており、住宅などに寄せ付けないための対策が求められる。赤茶と黒が入り交じった毛並みは、年季が入りごわついたじゅうたんのよう。懐中電灯で照らすと、「ごそ…」と動いて顔を出し、まぶしそうに目を細めた。ネコ用だという毛布が敷かれたケージで、暖を取っていた。寒さが厳しい一月上旬の夜、JR半田駅近くの住宅街にタヌキが出た。発見した男性(73)は「ネコ用のマグロスープが飲み干され、ご飯も食べられて、肝心のネコはケージのそばをうろうろ。変だなと中をのぞいたら、何かいた」。最初は足の短いイヌだと思い、市に連絡。そのうち「もしかしてキツネでは。『ごんぎつね』なら新年早々縁起が良い」とも思ったそうだが、連絡を受け駆けつけた動物愛護センターの職員からは「タヌキです」と告げられ、追い払うよう言われたそうだ。タヌキは、鳥獣保護管理法で無許可での捕獲が禁じられている。捕獲許可を受けるには、作物が食い荒らされたり家をかじられたりと、一定の被害が出ている状況が前提。そのため、出没しただけでは追い払うことしかできない。ひょっこり姿を見せるだけならかわいいのだが、あくまで野生動物。激しいかゆみや脱毛を起こすダニ由来の皮膚病「疥癬(かいせん)症」に感染すると、接触したイヌやネコが同じ病気にかかる恐れがある。また、野生動物による媒介が指摘された重症急性呼吸器症候群(SARS)では、感染源とされる動物の中にタヌキも含まれていた。半田市に寄せられたタヌキの出没情報は二〇一八年以降で計十一件。出没場所は森林や山の近くから市街地まで幅広いが、空き家にすみ着いた例もあった。街に定着してしまえば、病気の媒介だけでなく、畑やごみの食い荒らしなども考えられる。市環境課の担当者は「たまに『毛が抜けたタヌキがいる』という連絡も受けている」。生ごみやペットのえさなど食べものを外に置かないで、と呼びかけ「フンも見つけたら水で洗い流してほしい」と注意を促す。やみくもに忌み嫌う必要はないものの、今後も共存し続けていくには人間側が「今できる住み分け策」をとる必要もありそうだ。

(アライグマ捕獲春先に:北海道)
外来種のアライグマの駆除実績数が、近年富良野市内でも急増している。アライグマの生態に詳しい北大大学院獣医学研究室の佐鹿万里子助教は、富良野文化会館で「鳥獣害対策ゼミ 北海道のアライグマ対策について」と題して講演。効率的な捕獲方法のほか、タヌキなどの在来種の保護の大切さなども訴え、被害を受けている農業者ら約60人が熱心に聞き入っていた。市農林課によると、本年度駆除したアライグマは、10月時点で早くも187頭と過去最多に達した。15年前はほとんど駆除実績がなかったが、2010年度ごろから増え続けており、19年度に100頭を突破。捕獲場所は市内全域に及んでいるという。

(広がるアライグマ被害:大分)
アライグマと聞くと、四十数年前のテレビアニメ「あらいぐまラスカル」を思い出す人も多いかもしれない。愛らしいイメージがあるが、成獣になると気性が荒く、雑食性で農作物のほか、鶏や池の魚なども食べる。ほぼ全国に生息し、大分県内でも生息域を広げている。

(無自覚な餌付け、生活由来の餌減らそう:塚原直樹)
改正動物愛護法が2020年6月から段階的に施行されている。改正法では、周辺の生活環境が損なわれている事態が生じたことの起因となる活動に動物への「給餌」が追加された。つまり、カラスなどへの餌付けは違法行為になる可能性がある。以前ある所で、朝方に数百羽のカラスが集まる場面を目撃した。夕方のねぐら周辺などで集まることはよくあるが、朝方に多くのカラスが1カ所に集まることは珍しい。何事かとしばらく周辺を散策してみたところ、原因が分かった。特にカラスの密度が高い一角に、大量のパンくずがばらまかれていたのだ。カラスは餌を見つけた際に「餌を発見した」という意味の鳴き声を発し、他のカラスを呼び寄せる。すると、群れがさらに群れを呼ぶことになる。本来この周辺には朝方にカラスはほとんどいなかったはずだが、魅力的な餌を労せず手に入れることができると学習したカラスが他を呼び寄せ、結果として大量のカラスが朝方に集まるようになったのではないだろうか。このような自覚的な餌付けは非難の対象となることが多い。しかし、無自覚な餌付けについては非難されるどころか、意識すらされていない。ここでいう無自覚な餌付けとは、ごみ収集所でネットからはみ出した生ごみ、耕作放棄地や庭で摘果されない果実、畑に捨てられた規格外の野菜などが野生動物の餌となってしまうことを指す。ここでカラスの立場になって考えてほしい。公園にまかれたパンくずと、畑の一角に放棄された野菜くず。この二つに何か差があるだろうか。カラスからすれば、物は違えど食べ物であることに変わりなく、どちらも食べ放題のバイキングレストランだ。ヒトの生活に由来する餌資源は、自然界の物と比べて栄養価が非常に高く、カラスにはとても魅力的だ。特に餌が少なく餓死のリスクが高い冬には、食べ物を用意してくれるヒトを救世主とでも思っていることだろう。カラスが多く集まると被害は顕在化するが、その主たる原因は食べ物だ。にもかかわらず、被害の軽減策には捕獲などによる個体数削減の施策がとられがちだ。しかし生態学的には、捕獲による個体数削減の効果は小さいと考えられている。これについては次の機会に紹介したい。私が代表を務めるクロウラボは、住民参加で実施する「野生動物への無自覚な餌付けストップキャンペーン」を自治体に提案している。ヒトの生活に由来する餌資源を減らし、カラスの個体数削減につなげようという取り組みだ。カラスは代謝が非常に高いため、餌が少ない冬に1週間でも実施すれば高い効果が期待できる。自治体担当者にはこのキャンペーンの実施を検討いただき、地域住民もできる範囲で協力してもらいたい。

(雄ジカの系統分析、移動パターン推定:福島)
福島大共生システム理工学研究科の高木俊人さん(26)と兼子伸吾准教授(43)らの共同研究グループは、ニホンジカの雄の系統の分析や移動パターンの推定に利用できる遺伝マーカーを開発した。同大が26日発表した。ニホンジカは近年、食害などが深刻化しており、将来の分布予測など適切な管理につながるとしている。これまでニホンジカの系統の違いや遺伝的多様性の研究では、ミトコンドリアDNAを対象とした研究が主流だった。しかし、ミトコンドリアは母親のみを介して子に伝えられるという遺伝特性を持つため、ニホンジカの雄の系統の違いを明らかにすることはできなかった。研究グループは、哺乳類において性決定に関与する染色体の一つで、雄のみに存在するY染色体に着目した。ニホンジカと種が近い関係にあるアカシカの公開ゲノム情報を使い、ニホンジカの雄の系統を識別する遺伝マーカー「Y染色体SSRマーカー」を開発した。さらに研究では開発した遺伝マーカーを用いて、8地点それぞれのニホンジカの雄の遺伝子型を調べた。その結果地域ごとに異なる遺伝子型が検出され、ニホンジカの雄の系統は大きく2グループに分けられることが明らかになった。研究グループによると、今後の研究でさらに細かな雄の系統が分かり、どの地域から来たのかが推定できるようになるという。高木さんは「諸先輩方から引き継いだサンプルと本研究の成果を活用し、ニホンジカの進化の謎の解明につなげていきたい」と話し、兼子准教授は「日本全国からサンプルを集めて、シカの移動パターンを明確にしていきたい」と語った。研究グループによる研究論文が日本の個体群生態学会の国際誌「ポピュレーションエコロジー」に掲載された。

(ねぐら巡り攻防戦、カワウ繁殖地に越冬カラス来襲:和歌山)
吉野熊野国立公園内の元島(和歌山県田辺市目良)で、繁殖を目指すカワウと越冬で飛来したカラスが、激しい攻防を繰り広げている。2015年まではカワウが優勢だったが、カラスの飛来数が急増して逆転、カワウは16年から繁殖できていない状態だ。日本野鳥の会県支部会員は「カラスは樹冠の上部を占拠、カワウは斜面に陣取った状態。今後の成り行きを見守りたい」と話している。カワウが田辺市下万呂の天王池を追われ、元島を繁殖地に使い始めたのは13年。県支部会員によると、13年に63巣、14年96巣、15年89巣で繁殖に成功、ひなも巣立った。しかし、16年に37、17年にも28の巣を作ったが、カラスに全ての卵を食べられてしまい、繁殖は失敗。18年から巣を作っていない。ここ数年は400羽前後が飛来している。カラスは、山地や北の方から飛来したハシブトガラスが中心。以前は少数の地元のハシボソガラスがねぐらに使っていた程度だったが、8年ほど前からハシブトガラスが増え始め、今年は2千羽を超えている。カワウとカラスは日の出前に餌場に飛び出し、夕方近くになると元島の周辺に集まって乱舞する。元島東側の斜面は、カワウのふんで雪が降ったように真っ白になっている。カワウは魚類を食べる。カラスは海岸で甲殻類や海藻類などを食べ、周辺の農耕地にも飛来して餌を探す。県支部会員によると、紀南では繁殖地の減少などで、カワウは減少傾向にあるという。以前はスズメやムクドリなどの野鳥も元島をねぐらに使っていたが、最近はカラスの影響で飛来していない。

(生涯現役、クレー射撃の名手:神奈川)
神奈川県は1月14日、県の体育・スポーツの振興に功績のあった個人及び団体を表彰する「体育功労者」を発表し、32個人・7団体が選ばれた。平塚市からは、平塚射撃協会の会長を務める熊山幸男さん(73)が受賞した。今回の受賞を受け、「これまでスポーツ優秀選手に選ばれた経験はありますが、競技の普及や技術指導の面で表彰されたのは初めて。推薦していただきうれしかった」と笑顔で話す。父親が趣味で射撃をやっていた影響で、18歳のころからクレー射撃競技を始めた。クレー射撃とは、散弾銃を用いて、空中などを動くクレーと呼ばれる素焼きの皿を撃破するスポーツ競技のこと。トラップやスキートなどの種目に分かれており、中でも熊山さんは、3方向および高低ランダムに放出される標的を撃破する「トラップ種目」を得意としている。1975年に国体に初出場。以来、2009年までの間に計24回出場し、第40回(85年)と第42回(87年)には個人優勝も果たした。第43回大会では、県代表として入場時の旗手も務めた。その後も活躍は続き、99年には日本選手権で優勝、翌2000年から04年にはアジアクレー選手権やワールドカップにも出場している。73歳の今も現役で、クレー射撃歴は55年。週1回、伊勢原や大井松田で練習を積む。熊山さんは「国体や日本選手権で優勝したこと、ワールドカップでイタリアやスペインなどを回ったことは、やはり印象に残っています」と振り返る。射撃指導員の資格を取得後、平塚市射撃協会の会長や、平塚銃砲安全協会の会長を務めるほか、81年には射撃クラブ「さがみクラブ」を設立。役員として熱心に会員の指導にあたり、2人の国体選手を育成した。「指導した選手と一緒に国体に出場したことは本当にうれしかった」と声を弾ませる。「自分の競技経験を活かし、心技体の指導にあたっている。クレー射撃は、年齢に関わらず努力次第で続けられるので、選手としても指導者としても生涯極めていきたい」と意気込みを語った。

(森林動物研究センターシンポジウム:兵庫)
兵庫県では平成19年の森林動物研究センター設立以来、野生動物管理の3つの概念「個体数管理」、「生息地管理」、「被害管理」を科学的な研究結果に基づいて実践してきました。10数年にわたるモニタリング調査では、サルやクマの生息数やシカによる下層植生の変化、地域ごとの遺伝構造などを、調査手法の開発から毎年の変化まで情報を蓄積してきています。これらの研究成果は被害地域での、密度管理や地域の主体的な対策進展に活かされ、改善が進んでいる事例も確実に増えてきました。一方、今まで生息していなかった地域への野生動物の分布拡大や耕作放棄などの地域の環境変化により、野生動物を取り巻く状況も変化し、地域間で解決すべき課題に大きな差が生じつつあります。そこで、本シンポジウムでは兵庫県および森林動物研究センターが進めてきた研究や実践を紹介し、課題解決に向けた今後の挑戦を提示したいと思います。

(住宅街にイノシシが出没:香川)
26日朝、高松市の住宅街にイノシシが出没しました。イノシシは捕まっておらず、警察が注意を呼び掛けています。26日午前8時ごろ、高松市国分寺町新名の住宅街にイノシシがいるのを近所の人が見つけ警察に通報しました。警察官と高松市の職員、合わせて約20人が2時間ほどイノシシを探しましたが見つかりませんでした。けが人はいませんでした。イノシシの出没を受け、現場から約350メートル離れた国分寺南部小学校周辺では、警察官と地域ボランティアが下校する児童を見守りました。警察によると、目撃されたイノシシの全長は約1メートルです。警察は、イノシシが餌を求めて再び住宅街に出没する可能性があるとして注意を呼び掛けています。高松市によると、ここ数年、イノシシが市街地に出没するケースが増えているということです。高松市では、1月に入って25日までにイノシシの目撃情報が15件ありました。

(民家近くでイノシシの目撃情報:新潟)
新潟市北区太夫浜の民家付近で26日午前、イノシシの目撃情報がありました。被害は確認されていないということですが、警察などが付近の住民に注意を呼び掛けています。イノシシが出没したのは新潟市北区太夫浜です。最初の通報は26日午前6時すぎで「自宅付近の県道上で、イノシシ2頭を目撃した」と近くに住む人から110番通報がありました。また午前7時にも、別の住民から「自宅付近でイノシシ1頭を目撃した」と通報がありました。いずれも民家の付近で目撃されていて、いずれも体長はおよそ1メートルだったということです。今のところ人的被害や畑などへの被害は確認されていませんが、警察などはイノシシを目撃したら決して近寄らずにすぐ通報するよう呼び掛けています。

(住宅地に“サル”:高知)
高知市の住宅地でサルの目撃情報が相次ぎ、作物が食い荒らされる被害が出ています。高知市は「サルを見かけても絶対に近づかず、冷静な対応を」と呼びかけています。サルが目撃されたのは、高知市平和町の住宅地です。こちらの映像はこの地域の住民が26日朝7時半ごろに撮影しました。体長1メートルほどのサルが木の上でくつろぐ様子が伺えます。高知市によりますと、平和町では2週間ほど前からサルの目撃情報が相次いでいるということです。被害は山から離れた場所でも。こちらの男性は庭で育てているミカンが、一週間前から食い荒らされていると話します。小学校の通学路でもサルが目撃されているということです。今のところ人的被害は確認されていませんが、高知市は「サルを見かけても絶対に近づかず、冷静な対応を」と呼びかけています。

(駆除エゾシカ素材のジーンズ開発:宮城)
宮城県気仙沼市のジーンズ製造会社「オイカワデニム」は、北海道で駆除されたエゾシカの毛を使ったジーンズを開発している。同社が手掛けるメカジキの一部を使ったジーンズに続き、動物を衣類として再生させるシリーズの第2弾。社長の及川洋さん(48)は「自然や命の大切さに思いを寄せてもらえる一着になれば」と願いを込める。エゾシカの一本一本の毛の内部には空気の層があり、夏は涼しく冬は暖かい特徴があるという。繊維にするとチクチクするのが難点だったが、リサイクルナイロンを組み合わせ触り心地を改善した。2014年に商品化の構想を始めた。知人の紹介で北海道の酪農家兼ハンターの男性に会い、道内では年に10万頭以上のエゾシカが駆除されていると教えられたことがきっかけだった。さらに調べると、地球温暖化で降雪量が減って草木などの食料が雪に埋もれないため、越冬できる個体が増えたのが駆除数増加の一因だと知った。「獣害として悪者にされるのは、そもそも人間が原因なのか」。やるせなさと、命を無駄にしたくないという思いで15年ごろ、開発に着手。約5年かけて衣類にできる紡績技術にたどり着いた。駆除されたシカを革製品にする過程で廃棄されていた毛を利用する流れも確立した。さらに履き心地の良さを追求し、今秋の発売を目指す。定番の青系以外にも、エゾシカをイメージさせる茶色や、あえて毛の質感を際立たせたデザインの展開も模索する。皮を含め全てシカ製のスタジアムジャンパーも開発中だ。オイカワデニムは今後もメカジキやエゾシカで培った技術を生かし、自然素材の商品開発に取り組む方針。及川さんは「これらの服ができた背景に想像を巡らせてほしい。ものづくりを通じてメッセージを発信し続けたい」と語る。

(ジビエ料理、多彩にご用意:福井)
有害な動物の捕獲や狩猟で得られた野生鳥獣の食肉(ジビエ)の利用を普及させようと、レストランなど飲食店14店が参加して「嶺南ジビエフェア」が開かれている。各店がさまざまな料理法のメニューを用意しており、主催の県と嶺南地域有害鳥獣対策協議会(嶺南の市町で構成)は「山の恵みを楽しんでほしい」と呼び掛けている。2月15日まで。嶺南には、ジビエの食肉加工施設が美浜、若狭、おおい、高浜の各町に1カ所ずつ計4カ所ある。このうち公的な補助を受けた3カ所がシカ肉を提供し、フェア参加店に1キロずつ配られる。施設側には、販路拡大につなげてもらう狙いがある。

(松山ケンイチ、田舎暮らしでジビエ料理にハマる)
俳優の松山ケンイチ(36)が27日放送のTBS「櫻井・有吉THE夜会」(木曜後10・00)に出演、毎週食べているという、妻で女優の小雪(45)のレシピの「鹿カツ」を調理して振る舞った。松山は3年前から家族で地方にも拠点を置いて生活している。この日共演した俳優・藤原竜也が「(松山が)ジビエの話をよくするんですよ。せっかくの機会なんで、是非食べてみたい」とリクエストし、松山が持参した鹿肉を使って調理した。普段から害獣駆除にも同行、「さばいたりもできますよ」という松山。この日の鹿肉は「近所の方からもらった」と語り、「麹とかハーブを入れて漬けていて、妻がやってくれていて…すごいおいしいですよ」と語った。田舎暮らしについては近所の人から「この間テレビ見てたよって言われたりはするんですが、草刈りや畑の処理とか全部教わっているんですよね。ずっとお世話になりっぱなしで…」という松山。「一番困るのが、いろんなことをいただいたりやってもらったりするんですが、返せないんですよ。買ってきたものをあげるのとはちょっと違う気がして…。普段のものを分けてもらったりする。僕も普段のものなにかないかなと思ったら、何もないんですよ。台詞分けるわけにもいかないしそれが本当に困る。いやあ、何も持っていない人間だなって実感するんですよ」と周囲の人に感謝していた。

(給食にシカ肉使ったボロネーゼ:北海道)
遠軽町内で処理されたエゾシカ肉を使ったミートソーススパゲティが25日、遠軽町内の小中学校の給食に登場した。子どもたちは普段食べることの少ない肉の味や食感を楽しんだ。2020年に町内に設立されたエゾシカ肉の加工会社「オホーツクジビエ」が、シカ肉のおいしさを知ってもらおうと給食用に初めてシカ肉のミンチを寄贈した。

(イノシシ出没:宮城)
宮城県警によると、26日午後7時20分ごろ、利府町新中道3丁目にイノシシが出没しました。

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(野生イノシシ8頭豚熱:三重)
三重県は20日、県内の5市町で捕獲した野生イノシシ8頭について、豚熱への感染を確認したと発表した。県内で豚熱への感染が判明した野生イノシシは593頭となった。県によると、豚熱への感染が判明した野生イノシシは志摩市で3頭、松阪市で2頭、多気町、南伊勢町、紀宝町で1頭ずつ。いずれも地元の猟友会が今月上旬に捕獲していた。

(野生イノシシ3頭が豚熱感染:栃木)
栃木県農政部は21日、宇都宮市と茂木町で発見された死んだ野生イノシシ3頭が豚熱(ぶたねつ)(CSF)に感染していたと発表した。県内の野生イノシシ感染確認は計75頭となった。宇都宮市では初めてで、県内12市町目となった。県農政部によると、宇都宮市立伏町の林で18日、地元猟友会員が成獣1頭を発見した。茂木町の2頭は成獣で、19日に鮎田と小井戸で発見された。いずれも町民が林で見つけたという。県農政部は、発見場所から10キロ圏内の豚を飼っている5軒に連絡し、いずれも異常がないことを確認した。

(カラス死骸、鳥インフル陽性:北海道)
道は21日、根室市で回収したハシブトガラス3羽の死骸について、A型鳥インフルエンザウイルスの簡易検査で陽性反応が確認されたと発表した。環境省が致死率の高い高病原性かを調べる遺伝子検査を北大で行っている。死骸は20日午後4時半ごろに市民が発見し、市を通じ根室振興局に通報した。道によると、回収地点には計5羽のハシブトガラスの死骸があったが、2羽は損傷が激しく検査できなかった。回収地点の3キロ以内に養鶏場はなく、付近でほかに衰弱した個体や死骸は確認されていない。

(住宅街にサル出没、男性が指かまれながら格闘して捕獲:兵庫)
21日午前6時20分頃、兵庫県南あわじ市広田広田の住宅街で、50歳代の住民男性がサルに襲われ、指をかまれるなどけがを負った。この男性が格闘しながらサルを捕獲。兵庫県警南あわじ署員がオリに入れ、市に引き渡した。サルは衰弱していたといい、まもなく死んだ。市農林振興課によると、近隣では昨年11月下旬からサルが出没し、住民らが引っかかれたり、飛びつかれたりする被害の通報が5件あった。いずれも同じ若いオスとみられ、大きさなどから、今回のサルと同一個体の可能性があるという。同課の担当者は「ここ数年、市民が襲われたという話は聞いたことがない。若いオスは群れを離れて単独行動することがある。遭遇した時は、身の安全確保を最優先してほしい」と話している。

(野鳥保護へ「鉛銃弾」規制、狩猟コストに悩みも)
狩猟用の鉛製の銃弾をのみ込むなどして鉛中毒で死ぬ野鳥が後を絶たないことから、環境省は対策強化に乗り出す。既に鉛弾の使用を禁じている北海道に加え、2025年度から本州へ段階的に規制範囲を広げる方針だ。規制はコスト増につながるとされ、狩猟者の減少を懸念する声もある。17日、北海道浦河町の牧場で飛べずにうずくまっているオオワシが保護された。その後、鉛中毒と判明し治療が行われたが死んだ。鉛中毒の確認は今年度で初めてだった。鉛中毒は鉛弾を撃たれたシカなどの肉を野鳥が食べた際、鉛も一緒にのみ込んでしまうことで起きる。消化のため、体内に蓄える小石と間違えて弾を食べてしまう場合もある。貧血や神経症状によって運動機能が低下するうえ消化器にも深刻な障害が生じ、衰弱死する恐れもある。北海道では絶滅危惧種のオオワシやオジロワシの鉛中毒が1990年代から問題化した。野鳥保護に取り組む猛禽(もうきん)類医学研究所(北海道釧路市)によると、これまでに200羽以上が鉛中毒で死んだという。道は2000年から法律に基づき、鉛弾を段階的に規制。14年にはエゾシカの狩猟のため鉛弾を所持することを禁止する罰則付きの条例を設けた。その後も北海道での被害は根絶されていない。環境省によると、道内ではオオワシの鉛中毒が20年度に2件、21年度も1月に確認された。道庁担当者は「ひそかに鉛弾を使っている人がいるのではないか」と話す。本州はこれまで、鉛中毒の発生状況が詳しく分かっておらず一部を除き規制の対象外だった。しかし猛禽類医学研究所が山梨県内で19~20年にクマタカ6羽を調べたところ、2羽で血中の鉛の濃度が高かった。斉藤慶輔代表は「氷山の一角にすぎない。本州でも予防的に規制することが必要だ」と指摘する。こうした状況を受け、環境省は本州以南の鉛汚染の被害実態を調査し、規制する地域や弾の種類などを検討する方針。30年度までに国内での野鳥の鉛中毒被害ゼロを目指す。国が規制強化に動く一方、狩猟現場では負担増への不安が広がる。鉛弾の代替品として一般的な銅や合金製の弾の価格は種類によっては鉛弾の2~3倍高く、在庫も安定していないためだ。20年以上猟を続ける女性は「全ての弾で鉛が規制されると負担は重い」と懸念する。多くの狩猟者らが訪れるサカイ銃砲店(東京・台東)によると、銅製に切り替わると猟期の1シーズンで数万円の負担増になるケースも想定される。同店の経営者は「コスト増加で狩猟をやめる人が出るかもしれない。現場が高齢化するなか成り手がさらに減少してしまうのでは」と話す。野鳥の保護が求められる一方で、シカやイノシシなど野生鳥獣による農作物被害の食い止めも重要だ。被害額は近年減少傾向にあるものの、20年度で161億円に上る。生息域が拡大しているという見方もある。駆除にあたる狩猟者は1975年度の50万人超と比べると、17年度は約21万人に減少した。新規に狩猟免許を取得する人は増えているが、全体的には高齢化が進む。17年度でみると30代以下は全体の1割にとどまり、60歳以上が6割を超える。全国の猟友会でつくる大日本猟友会の佐々木洋平会長は「鉛以外の弾を使うと銃の種類によっては破損する恐れがある」とし、「政府や行政は有害鳥獣駆除の奨励金を上積みするなどの支援策を講じてほしい」と話した。環境省担当者は「どのような規制が有効か、調査を通じてデータを積み上げたい」としている。

(害獣駆除の担い手足りない、被害額2位:福岡)
イノシシやシカによる食害が深刻化する中、駆除作業の担い手は高齢化や過疎化で減少し、捕獲後の殺処分や埋却の負担が地域に重くのしかかる。野生鳥獣による農作物被害が年間約6億円と全国2位の福岡県では、警備会社が作業を請け負ったり、食肉処理業者が新たな担い手を育成したりと、模索が続いている。

(アライグマ捕獲4年で17倍:群馬)
群馬県伊勢崎市内でのアライグマの捕獲頭数が2020年度までの4年間で17倍に急増したことが22日までに、市農政課のまとめで分かった。農作物が荒らされたり、屋根裏に住み着いたりするなどの被害も発生しており、市は捕獲態勢の強化や情報収集、協力機関への周知など対策に力を入れている。同課によると、アライグマは繁殖力が強く、市内での生息数が急増。捕獲頭数は16、17年度は9頭だったが、18年度は28頭、19年度は54頭、20年度は153頭と右肩上がりで増え続けている。21年度も12月までに115頭が捕獲された。市は生息数や生息域の拡大に歯止めを掛けようと、佐波伊勢崎猟友会などと協力して効率的な捕獲方法の考案や捕獲作業などを進めている。同課は、アライグマは鋭い爪があって危険だと指摘。「病原菌が人にうつる可能性もあるため、安易に近付かないでほしい。定着しないよう、自宅周辺のごみの整理なども心掛けてほしい」としている。市街地中心部の相川考古館(同市三光町)でも15日、アライグマが捕獲された。同館は昨年12月上旬に敷地内でアライグマを目撃。市から箱わなを借り、設置しておいたところ、わなにかかっていた。同館学芸員の相川裕保さんは「かわいい見た目だが、思った以上に大きい。気性も荒いと聞くし、こんな街中で何かあれば大変」と表情を曇らせていた。

(行政VSムクドリ30年:奈良)
奈良市の近鉄新大宮駅前の電線に夕方以降、多数のムクドリが集まり、近隣住民がフン害や鳴き声による騒音に頭を悩ませている。ムクドリの群れの飛来が市中心部で確認されてから30年。行政は、ねぐらとする周辺の街路樹を剪定(せんてい)するなどの対策を取っているが、根本的な解決にはならず、いたちごっこが続いている。新大宮駅から徒歩1分の宿泊施設「スーパーホテル奈良・新大宮駅前」(同市芝辻町4)近くの信号機付近。1月中旬の午後5時半ごろ、上空から「ギー、ギー、ギー」と鳴き声を上げて多数の黒い影が飛来してきた。ムクドリだ。数百羽に及ぶとみられる鳥たちは、そのまま電線の上に止まり、けたたましく鳴き続けた。

(野生動物の調査、現地歩いて変化を実感:群馬野生動物事務所代表 春山明子)
鳥獣害は最近、身近な話題となりました。原因の一つに野生動物の生息頭数が増えたことがあります。県内のシカの生息頭数は約4万頭(2018年時点)と推測されています。しかし戸籍がある人間と異なり、厳密な頭数は分からないのが実情です。できる限り現実の生息頭数を把握しようと努力を重ねています。近年、シカやイノシシについては捕獲頭数を基にした「ベイズ推定法」という統計手法が用いられることが多くなりました。捕獲とは主に狩猟捕獲と有害捕獲の2種類があります。狩猟捕獲では狩猟者全員が提出する狩猟報告から、有害捕獲では市町村の報告から捕獲頭数を把握し、これを基にシカとイノシシの生息頭数を推計しています。いずれの捕獲でも狩猟者の成果と協力が重要な情報源です。ベイズ推定法が使われる前は、山野を歩いてシカの目撃頭数から推計する「区画法」という調査方法が用いられていました。これは、専門の調査員が地図上で決められた調査範囲をくまなく歩き、目撃したシカを記録するやり方です。危険な急斜面や足元の見えないやぶを歩くこともあり、20年以上調査に携わってきた私も「手を離したら命はないぞ」と思ったことが何度もありました。登山道もない山中を歩くため、クマとの遭遇やけが、遭難のリスクもあります。自身の経験値と体力、そして根性が頼りの調査方法です。このような経験を振り返ってみると、現在のベイズ推定法による個体数推定方法は非常にスマートな手法です。ただ、算出された生息頭数と現場で起きている自然の状態が一致するのか不安になることがあります。シカは多くの植物を採食するため、生息頭数が増えてくると生えている植生の状況が変化していき、環境を大きく変えてしまいます。現地を踏査する区画法は各地の状況をつぶさに見ることができるため、シカの頭数と植生の状況を相関的に感じることができました。これにより、対策をどのくらい急いだ方が良いかを肌で実感することができていました。科学の発展は素晴らしいことです。しかし野外調査に出ない現在の手法では、算出されたシカの生息頭数と現場で起きている自然の変化を正確に把握するのが難しくなっているのも事実なのです。インターネットで何でも調べられるため、なんとなく分かった気になる時代ですが、自然の中で起こっていることは、自ら野外に出て調べることしか真実を知る方法がありません。自然の中で植物を見て、生物を探し、肌で自然の空気を感じることの大切さを忘れないようにしたいものです。この考え方は野生動物の調査に限らず、さまざまな物事に共通するのではないでしょうか。

(貨物列車がシカと接触、連結外れ5千人に影響:北海道)
21日午後5時10分ごろ、JR千歳線植苗(苫小牧市)―南千歳(千歳市)間で、新潟貨物ターミナル発札幌貨物ターミナル行き貨物列車(20両編成)がシカと接触し、一部車両間の連結が外れた。JR北海道によると、貨物列車は復旧のため約6時間半停車。この影響で特急6本を含む列車30本が運休または部分運休し、約5千人に影響が出た。22日も特急1本を含む計7本が運休する。

(公園でスポーツ射撃教室:大阪)
主催は「御堂筋シューティングクラブ」。同団体は2015(平成27)年に設立された。2017(平成29)年に現在の場所に移動して活動。同団体主催で試合を開催するほか、2019年からは西区民センターに会場を借り体験会を開催してきたという。スポーツ射撃ではエアガンを使う。教室では競技内容がシンプルという種目「APS」を取り上げる。対象年齢は全年齢で18歳未満も保護者同伴で参加できる。12月の体験会に参加した中学1年の男子は「エアガンを撃つのは初めて。だんだん当たるようになって楽しかった」と笑顔を見せる。教室では、講義を通じて銃を扱うマナーと基礎技術の向上、啓発を行いながら、競技人口全体を底上げしたいという。競技の魅力について、代表の岡部圭佑さんは「セルフコントロールがうまくいって結果が出せた時におもしろさを感じる」と話す。射撃は体力差が出にくいスポーツとして、生涯スポーツとしても注目を集めているとも。「車椅子の人も参加できる射撃はパラスポーツとしても盛んな競技。幅広い人が楽しめるので、これをきっかけに射撃に親しんでもらえたら」と参加を呼び掛ける。開講日時は、毎月第2・第4火曜=18時~20時、月1回日曜=11時~13時、13時30分~15時30分(日曜の日付はホームページで確認できる。1月は第4火曜の回はなく25日に開講。参加費は2,000円(18歳未満は1,500円)。銃のレンタル料金は500円(1回)。

(イノシシ一家うろうろ:富山)
イノシシ一家は散歩中だったのか、道に迷ったのか。富山市の男性会社員(55)は23日、北日本新聞の特別紙面「富山もよう」をラッピングした富山地方鉄道の電車を写真撮影するため、立山駅へ車で向かう途中、5匹のイノシシに遭遇した。同日午後4時20分ごろ、男性は立山町の道路で黒い影を見つけた。「サルかと思ったら、イノシシで驚いた」と言い、すぐシャッターを切った。親らしい2匹と子ども3匹だったという。車から離れたため駅へ急いだ。約30分後、撮影を終えて帰宅途中、前の車が止まった。その先に駅へ向かう時に出合ったとみられるイノシシたちがいた。“イノシシ一家”は道路脇から逃げようとしたが、雪の壁を登れず道路をうろうろ。しばらくして雪が少ない場所を見つけ、車が通り過ぎるのを待った。男性は「山に無事帰ったのならいいけど」と気遣った。

(カラスの将来はコロナ禍次第?今はピーク時の7分の1:東京)
東京都心に生息するカラスがピーク時の7分の1に減ったことが、都市部の鳥類を調べている「都市鳥研究会」の調査で分かった。カラスがごみを荒らすのを防ぐネットの普及や、カラスを捕食する猛きん類の都市進出、さらに新型コロナウイルスの影響で人々の外食の機会が減り飲食店から出るごみが減ったことも原因とみている。鳥類研究者やバードウオッチャーでつくる研究会は1985年から5年に1回、都心有数のカラスのねぐらがある豊島岡墓地(文京区)、明治神宮(渋谷区)、国立科学博物館付属自然教育園(港区)の3カ所で、個体数を調べている。2020年はコロナ禍のため調査を見送り、昨年12月12日に調査員をワクチンを接種した成人に限るなどして6年ぶりに実施した。確認したカラスは3カ所で計2785羽。15年に行った前回調査より2000羽以上少なく、ピーク時の00年の1万8658羽の15%だった。3地点のうち自然教育園は前回の848羽から25羽に激減した。同園では17年からオオタカの繁殖が確認されており、研究会はカラスが捕食されたり、危険を感じて離れたりして減ったとみている。明治神宮は1580羽、豊島岡墓地は1180羽で、いずれも前回より3割前後減り、調査日にオオタカが目撃されたという。調査責任者で都市鳥研究者の唐沢孝一さん(78)は「以前はオオタカがカラスの集団に追い払われていたが、最近はカラスが減り、立場が逆転しつつある」と話している。6年前と比べた急減は、コロナ禍でカラスの餌となるごみが減った影響があると唐沢さんはみており、今後について「新型コロナの感染が収まり、外食が盛んになるなどしてごみが増えればカラスも増える。逆に感染の拡大が続くなどして、ごみがさらに減れば、カラスはもっと減るだろう」と予測する。また「カラスはごみをあさり悪い印象が強いが、ネズミの死骸や害虫を食べており、いなくなると困る面もある。地球に人間の思い通りにならない存在がいることを学ぶ役割も果たしており、ゼロになってほしくない」と話す。東京23区清掃一部事務組合によると、23区の店舗やオフィスビルなどから2020年度に収集された「事業系一般廃棄物」(事業系ごみ)は73万トンで、前年度より25%(24万トン)減った。近年にない減少幅で、担当者は「新型コロナウイルスの影響で、事業活動が縮小したためだろう」と話している。事業系ごみは、事業活動で出たごみのうち、産業廃棄物以外の生ごみや紙くずなど。バブル期の1988年度の128万トンが最多で、その後、2019年度までは90万トン台から110万トン台の間で増減を繰り返していた。21年度もコロナ前を大幅に下回っている。21年4~11月は前年同期比4%(1万8000トン)増の51万トンだが、19年同期比で24%(15万トン)少ない。一方、家庭から出る生ごみなどを含む「可燃ごみ」は20年度は171万トンで前年度より2%(3万トン)増えた。「巣ごもり需要で家庭のごみが増えた」(同組合の担当者)と話す。

(鳥ふん害対策に超音波:長野)
松本市は今月中旬から、カラスのふんで汚れが目立つ松本市あがたの森公園(県3)で、ふん害対策の調査を始めた。カラスを追い払う効果があるという超音波を出す機器の有効性を試すため、ねぐらとなっているヒマラヤスギの並木に機器4台を取り付けた。近くのベンチに落とされたふんの量を定期的に確認し、鳥の飛来数が減ったかどうかを調べる。市公園緑地課によると、調査は2~3カ月間継続する。専門業者に提案された機器で、一定の範囲内に鳥が近づくと赤外線で感知して超音波を出す仕組みという。ふんの量を調べるためにベンチ4台をビニール袋で覆っている。犬を連れて散歩に来た女性は「公園にふんがいっぱいで子供も大人も犬も踏んで汚れる。観光スポットとしても残念。カラスよけの機器の効果に期待したい」と話していた。信州野鳥の会顧問の上條恒嗣さん(72)=松本市県1=によるとあがたの森公園には数千羽のハシボソガラスが飛来している。日中は小さな群れで郊外で餌を探し、夕方になると幾つもの群れが合体して集団でねぐらに帰るという。

(シカのフンを見分けるロボ、中学生が開発:奈良)
ロボットの競技会「ワールド・ロボット・オリンピアード」(WRO)の国際大会で、奈良教育大学付属中学校科学部の3人が、日本勢初の「LE Creativity Award」(レゴエデュケーション賞)を受賞した。シカのフンだけを見分けて拾うロボットの独創性が評価された。2年の杉田光優さん、酒田悟充さん、市千輝さんでつくるチーム「Deer Japan ―Memories―」は、あるテーマに対する解決策をロボットを開発して提示する「オープンカテゴリー」にエントリーした。「シカのフンをバイオマス発電に活用する」というアイデアのもとにブロック玩具「レゴ」を使い、フン拾いロボットを開発、プレゼンテーションをした。3人は日本の決勝大会で最優秀賞に選ばれ、同じロボットを昨年11月18日から4日間にわたりオンラインで開催された国際大会に出展した。大会では、特別賞にあたるレゴエデュケーション賞を受賞した。酒田さんは「(英語での)プレゼンはうまく行きましたが、プログラムコードの説明を求められたのが聞き取れませんでした」。同賞の受賞は、順位発表の後に告げられた。審査員からの講評では称賛の声が上がったが、「英語だったので受賞したのか最初理解できなくて…」と杉田さんは苦笑い。それぞれ反省する3人だが、さらに他の2年生の6人とともに別のロボットを開発し、レゴで作ったロボットの能力などを競う「ファースト・レゴ・リーグ(FLL)」の全国大会出場も決まっている。「輸送」というテーマに対し、玄関の出入りから在宅かを把握し、運送会社に伝えることで再配達をスムーズにするロボットを開発した。フン拾いのロボットに使われた画像認識プログラムも、住人の顔を認識するのに生かしている。2月20日に東京で開かれる予定だった全国大会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オンライン開催になった。「WROでは英語の質疑応答でこてんぱんにされた。FLLは堂々と自信をもって答えたい」と、市さんの気合は十分だ。

(あこがれのハンター:高知)
「持ってみてください。大丈夫ですよ」。昨年12月、高知市内で開かれた狩猟フェスタ。県が主催し、県猟友会の青年部もブースを設けました。興味深そうに模擬銃を見る来場者に、若手ハンターたちが声を掛けます。会場内では銃砲店や鍛冶屋が猟具などを並べ、ジビエ料理を食べられるコーナーには行列ができていました。近年のジビエ・狩猟ブームもあり、若い人も目立ちます。県主催のフォーラムで知り合った数人が意気投合し、青年部は2020年5月に設立されました。県猟友会に所属する18~55歳が加入し、30代の10人ほどが中心メンバーです。ハンターは高齢化が進んでおり、県猟友会の会員3501人のうち、30代以下は7%ほどしかいません。若手だけの新組織ができることは全国的にも珍しく、県猟友会の高橋徹会長は「若手猟師を育てることは長年の課題だった。

(狩猟手軽に「シェアわな」:愛知)
作業や費用を仲間と分担し、シカやイノシシを捕らえる「シェアわな」と呼ばれる取り組みが愛知県内で進んでいる。わなの見回りや獲物の回収は都合のいい日だけ参加でき、先輩からノウハウを学べるなど初心者でも始めやすいのが特徴。狩猟の担い手の増加や鳥獣被害対策につながると期待される。「お、入った」。昨年12月、新城市内の林に仕掛けられた「箱わな」の中のイノシシを見て、学芸員の男性は数十キロ離れた自宅で喜んだ。現地の赤外線カメラがほぼリアルタイムで鮮明な画像をスマートフォンに送信。扉が閉まらずイノシシは逃げたが、狩猟の興奮を味わった。男性が参加したのはNPO法人「愛猟」(豊田市)が始めた年会費5千円の「シェアわなプロジェクト」。わなを作動状態にするなど狩猟の免許や許可が必要な作業は地元猟師らが担うが、獲物の運搬や解体の手伝いは初心者もできる。オンラインで見学することも可能だ。狩猟は一般の人が始めるにはハードルが高い。愛猟によると、箱わなは1組10万円以上。定期的にわなの見回りが欠かせず、獲物運搬には軽トラックも必須となる。免許を取っても指導者や猟場が見つからず、つまずく人も少なくない。近年は狩猟人口の減少や鳥獣被害が深刻化しているという。愛猟の理事長は「初心者は手軽に狩猟に参加できるし、地域は人手を借りられる。人間の活動が盛んになれば、野生動物は自然に人里から遠ざかる」とメリットを強調する。

(空き家に竹風鈴、獣害向き合う:静岡)
浜松市天竜区佐久間町の浜松湖北高校佐久間分校で独自に行われている授業「地域実践」の報告会が十九日に同校であり、三年生六人が人口減少、高齢化といった山間地域の課題と向き合った経験を発表した。同分校では二年生で「地域学」の授業があり、三年生になると「地域実践」で自分たちのアイデアを出し合い、校外の大人と関わりながら学びを形にしている。本年度は、増えている空き家に取り付けることを想定した竹風鈴の製作、高齢者のスマートフォン操作指導などに取り組んだ。後輩や地域の大人たちを前にプレゼンテーションを行った生徒たちは、校内の竹林で伐採した竹を使って改良を重ねた風鈴を披露し、「シカやイノシシよけにもなる」と獣害対策の意義も紹介した。

(狩猟サポートサービス「かりつなぎ」開始に向けた実証実験:奈良)
林業/農業において、鹿を中心とした鳥獣害被害は深刻で、日々の活動にも大きな影響を与えています。既存の解決策にも限界があり、新たな対策構築が急務となっています。「かりつなぎ」は、今まで狩猟になじみの薄かった方に狩猟を体験してもらい、これをきっかけに狩猟を始めたい方と獣害に悩む林業家・農家とを将来的につなぐことを目指したサービスです。本サービスを通して地域が、森が、畑が、そして鹿やイノシシと共生できるような森の循環を目指してまいります。2022年1月・2月に開催する狩猟体験イベントでは、狩猟免許を取得していない方、狩猟に興味がある方、免許を取得したものの狩猟経験の浅い方と一緒に山林に設置した罠を回り、実際に林業被害が出ている箇所の確認、アニマルトラッキング、鹿などの狩猟動物の痕跡の追跡、止め刺し・解体を体験する機会を提供します。イベントを通じて宇陀市内で新たに狩猟を始めようとしている方へサポートし、宇陀市内の狩猟人口の増加促進、鹿による林業被害低減を進めていきます。

(狩猟ビジネス最前線)
ジビエ(野生鳥獣肉)を取り巻く世界に、変革の波が押し寄せている。近年の温暖化による積雪量の減少、過疎化や高齢化による耕作放棄地の増加などで、シカやイノシシといった野生鳥獣が激増。農林水産省のまとめによると2020年度の野生鳥獣による農作物被害額は161億円に上る。被害を受ける農家からは忌み嫌われる存在である一方、健康志向の高まりを背景にジビエは低カロリー・高タンパクの食材として注目を集め、ジビエを扱う飲食店や消費は拡大基調にある。狩猟そのものにも関心が高まり、20~30代の若手のハンターも増加している。狩猟者向け情報サービス事業を展開する会社「Fant」(北海道音更町)を2019年に創業した同社代表・高野沙月氏も、ジビエに魅了されて20代で狩猟免許を取得した一人だ。同町出身の高野氏は大学卒業後、東京で就職してグラフィックデザイナーとして働いていたが、ある日、飲食店で食べたジビエ料理の美味しさに感動し、一気に虜になったという。「店内に銃のレプリカが飾ってあり、“これを扱えればジビエ食べ放題!”と(笑)。東京で狩猟免許と猟銃所持許可を取得しましたが、東京には狩猟する場所がない。それならば北海道に帰って狩猟しようと、2016年、上士幌町にJターンの形で移住しました」(以下同)地域おこし協力隊員として活動しながら猟に出るなかで、旧態依然とした狩猟業界の体質や、日本の捕獲鳥獣のジビエ利用が約1割と少ない現実など様々な課題を目の当たりにしているという。「狩場や狩猟技術の情報を猟友会の仲間だけで共有したり、徒弟にのみ教えるといった閉鎖的な世界が狩猟業界には残っており、それでは若い新米ハンターが育たない。誰でも自由に情報を共有できるウェブサービスを提供する会社を立ち上げました」。高野氏が20~30代のハンターをメインターゲットに据えて開発した狩猟者向けSNS「Fant」には現在、北海道から沖縄まで全国から約1000人のハンターが登録。狩場や狩猟の方法、日時などについてハンター同士で記録を共有し、交流している。2021年には、飲食店や食肉卸がハンターにジビエ肉を注文できる流通システム「ギルド肉プロジェクト」事業を新たに開始した。飲食店が「○月○日までにエゾシカを報酬×円で獲ってきて」と発注すると、Fantがハンターにつなぎ、狩猟者は仕留めた指定の獲物を食肉処理施設に搬入する。飲食店から狩猟者に報酬、処理施設に解体費用、Fantに取引手数料が支払われる仕組みだ。「狩猟のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めていきます。ハンターの評価制度やレベルアップ制度をつくるなどゲーミフィケーション(ゲーム化)もしていきたい。飲食店は実力のあるハンターを可視化でき、ハンターはやりがいと収入を得られる。消費者は美味しいジビエを食べられる。有害鳥獣問題の解決とジビエの利用率アップにもつなげたい」。狩猟の世界をもっと楽しくしたい──。頼もしい起業家の目で、新しい狩猟文化の創造にもピタリ照準を合わせる。

(ALSOK、現金輸送の需要縮小でジビエ事業参入)
運ぶのは現金ではない。警備会社「ALSOK千葉」は2020年7月、食肉加工施設「ジビエ工房茂原」を茂原市に開設し、ジビエ(野生鳥獣肉)事業に参入した。生きたイノシシやシカを食用に加工し、飲食店に販売する。なぜ警備会社が畑違いのビジネスを始めたのか。「出発点は7年前に始めた有害鳥獣捕獲事業です。埋めて処分していたイノシシやシカを食用に活用できないかと考え、ジビエ事業に乗り出しました。千葉県内のジビエ利用率は約2%で、成長余地は大きい。ATMの減少や電子マネーの普及などで現金輸送の仕事が縮小していくなか、農家の被害を食い止め、地域の安全に貢献できる新ビジネスとして有望と考えています」(竹内崇取締役)。実際の仕事内容を見てみよう。ある日の午前7時前、各地の捕獲従事者から罠にかかった有害鳥獣の電話連絡を受け、回収ルートを打ち合わせる。現場には特別仕様の保冷トラックで出動する。米糠などの餌を置いて檻におびき寄せる「箱罠」にかかったイノシシ2頭を、ALSOK千葉の社員が手際よく持参の檻に移して運び出す。富津市の捕獲従事者・藤平則夫氏(69)は「以前はユンボで休耕田に埋めていたが、ALSOKさんの取り組みで負担が激減し、本当に助かっています」と感謝する。生きたまま搬入されたイノシシやシカは毎回、茂原市役所の担当者が立ち会い確認する。切り取った尻尾を各自治体に提出すると、捕獲者に報奨金が支払われる。QRコードで個体情報を管理。報奨金手続きはALSOK千葉が無料で代行し、報奨金は全額、捕獲者が手にする。代わりに捕獲者から無償で獲物を提供してもらい、飲食店や食肉卸への食肉の売り上げがALSOK千葉の収益となるスキームだ。回収現場では、GPSで位置情報などデータを収集し、商品の流通経路をたどるためのトレーサビリティ対策にも万全を期す。金属探知機にも通し、安心・安全を保障して出荷するジビエには、警備のノウハウが凝縮されている。

(生徒製作のシカ革雑貨:群馬)
沼田特別支援学校は25日、片品村の道の駅「尾瀬かたしな」で、尾瀬のシカ革を使った雑貨の委託販売を始めた。製作した高等部の生徒5人が納品に訪れ、棚に商品を並べた。

(4店舗が計14品のジビエ料理を披露:千葉)
館山産ジビエのブランド化に向けた、ジビエ料理の試食会が16日、館山市の洋食店「モンレーヴ館山」であり、料理開発に取り組む同店を含む4店舗が独自のジビエメニューを持ち寄った。腸詰め料理の「サルシッチャ」など多彩な内容で、市では今後レシピを公開して館山ジビエを盛り上げていこうという。有害鳥獣対策で捕獲したイノシシなどを食肉加工し、飲食店などに販売する「館山ジビエセンター」(ジビエ加工処理施設)が昨年末に開業する中、地域の飲食店とともにブランド化をすすめていこうという市の取り組み。料理開発の指導役はモンレーヴ館山・オーナーシェフの島田孝之さんが担い、市の呼び掛けに手を挙げた市内3店舗が参加。昨年末の研究会でジビエ料理の基礎知識などを学び、それぞれに研究を重ねてきた料理を持ち寄って試食した。披露されたのは「BUONO」はイノシシ肉のサルシッチャなど4品、「photon325」はイノシシはじめ地元食材を使ったルーロー飯など3品、「食彩空間・花水木」はイノシシの稲荷ずしなど5品、「モンレーヴ館山」はフランス伝統料理のパテアンクルートなど2品で、本場フレンチからイタリアン、和食などバラエティーに富んだ料理が紹介された。試食を終えて、島田さんは「レストランでしか食べられない一品からテークアウトできるものまでさまざまなジャンルのレシピが紹介された。今後も一般の家庭に向けたものなども考えて、館山ジビエ普及のきっかけづくりをしていきたい」と熱意。参加した飲食店からは「カテゴリーの違う飲食店が参加した試食会は刺激があって面白かった」「今回参加してジビエの広がり、新たな発見を感じた」といった声が上がった。館山ジビエセンター指定管理者の合同会社アルコの沖浩志代表は「今回提供したイノシシは昨年12月28日に捕獲された68キロの雌。市内で有害獣駆除を担う捕獲者、解体をする弊社、そして調理してもらう飲食店の方々とともに館山ジビエを盛り上げていきたい」とジビエにかける思いを語った。市では、今回披露されたジビエ料理を、市の広報誌やホームページで紹介し、メニューを広めていきたい考えだ。

(官民連携・鹿利活用プロジェクト:岩手)
県内各地に生息域が広がり、農業被害が課題となっている鹿の利活用に官民連携で取り組む「大槌ジビエソーシャルプロジェクト(OGSP)」は、第5回ジャパンSDGsアワード特別賞を受賞した。持続可能な開発目標(SDGs)達成への優れた取り組みを評価され、県内では初めての栄誉。関係者は「県内外に輪を広げ、ジビエ文化を築きたい」と意欲を燃やしている。同アワードは、SDGs達成に資する取り組みを行う企業・団体などを表彰する目的で、政府の「SDGs推進本部」が2017年に創設。5回目の今回は計13企業・団体などが選ばれた。OGSPは官民の多様な人々が協働で多角的な事業を展開し、地方創生に寄与しているとして高い評価を得た。

(シシ肉加工品が好評:高知)
高知県高岡郡梼原町広野のNPO法人ゆすはら西が、シシ肉の加工品を売り出し、好評を得ている。アヒージョの缶詰とカルパスの2品。濃厚な味わいに加え、常温保存で手軽に持ち運びできるため、土産品としても受けている。同法人は解体施設「ゆすはらジビエの里」を運営しており、端肉の活用と生肉以外の収益確保を目指して加工品を開発した。シシ肉をオリーブオイルで煮たアヒージョは昨年9月に発売。甘辛い大和煮の缶詰は多く出回っていたため、平脇慶一施設長(35)は「万人受けより〝とがった〟商品を」。県外の製造業者と試作を5回重ねたという。シシ肉は匂いやかみ応えをほどよく残し、オリーブオイルはニンニクとローズマリーの風味が効いている。バゲットに付けたり、パスタに絡めたり、今までにないシシ肉の味わい方ができると評判だ。12月までに800個の初回製造分を完売し、追加発注したという。カルパスは細身のドライソーセージで、11月に発売。町内の木製ペレット工場から、ペレットと見た目が似たカルパスを来客用の土産にしたいとの提案を受けて商品化した。濃い味は酒のつまみにぴったり。こちらも初回の700個はほぼ完売したという。新型コロナウイルス禍で飲食店向けの生肉販売は減っているといい、平脇施設長は「加工品に活路を見いだしたい。今後も手に取ってみたい商品づくりに力を入れる」と意気込んでいる。アヒージョは165グラム入り910円、カルパスは1袋40グラム入り450円(いずれも税込み)。梼原町のマルシェ・ユスハラや高知市のアグリコレットなどで販売している。

(奥球磨の味、どんぶりで:熊本)
熊本県の多良木町と湯前町、水上村の飲食店や物産館など14店舗がジビエ(鹿、イノシシ)や黒毛和牛、イチゴ、キクラゲといった地元の名産や食材を使った「奥球磨どんぶりフェア」を展開している。3月21日まで。3町村でつくる奥球磨広域連携推進協議会が、地域のPRや物産振興などを目的に毎年開催し、18回目。「鹿スキ丼」「いちごのショートケーキ丼」「しし肉の猟師丼」など個性的な15種類のメニューが300~1780円で楽しめる。スタンプラリーもあり、巡った店舗数に応じて地域内のペア宿泊券や特産品が当たる。

(若者3人が「害獣」を加工処理する会社立ち上げ:福井)
福井県若狭町を盛り上げようと地元の若者3人が目を付けたのは、害獣とされる野生動物だった。合同会社を設立し、町内の食肉処理加工施設の指定管理を受託。ジビエ(野性鳥獣肉)を取り扱うレストランなど約10店舗に卸している。西村拓也さん(26)、橋詰裕樹さん(31)、村上大祐さん(36)。共に看護師の資格を持つ村上さんと橋詰さんは、先に同県嶺南地域の3市町で訪問看護を展開する株式会社を設立し、運営していた。異業種への事業展開を考えた時、町内で毎年多くのシカやイノシシが焼却処分されていることを知った。「田畑を荒らすシカやイノシシも、活用できれば貴重な資源。何か地域に還元できないかと思った」(村上さん)。2人は地元の猟友会に所属し、ジビエにも興味があった。2019年、橋詰さんと幼なじみの西村さんも仲間に迎え、3人で30万円ずつ出資。社名は「もったいない」の頭のアルファベット3文字から「MOT」と名付けた。3人は「地域に認められ、若狭町で捕れたものを県内外に届けたい。町の知名度アップにもつながれば」と意気込む。加工品など「もっと」先の展開も見据えている。合同会社「MOT」が指定管理を担う若狭町の食肉加工処理施設「若狭ジビエ工房」。1月17日午前、地元の有害駆除隊メンバーから血抜きされたシカ1頭が運ばれてきた。「ありがとうございます」。施設内のシャッターを開け、橋詰さんが声を掛けた。工房は21年10月に本格始動した。1年目は年間220頭のシカをジビエなどに活用することが目標で、12月末までに123頭を手掛けた。2年目以降はイノシシも受け入れる予定だ。解体を担うのは施設管理者の西村さん。搬入後、皮と内臓を取り除いて冷蔵庫に1日つるして保存する。モモ、ロース、スネ…。刃渡り約20センチの専用包丁を使い、丁寧に切り分けていく。大阪府内の焼肉店で約3年間、牛肉などの解体を手掛けていたこともあり、作業はお手のもの。シカ肉の魅力を「モモは筋が少なく、たんぱくでおいしい。脂も少ないし女性にも人気なんです」と語る。卸先は、福井県内外の個人経営でジビエを取り扱うレストランや居酒屋など約10店舗。橋詰さんと村上さんが、会員制交流サイト(SNS)やインターネットで取扱店を探して売り込む。セールスポイントは新鮮さ。「野生動物が生息する山から、施設までの距離が他県に比べて近い。搬入から解体まで時間が短い分、新鮮な肉が提供できる」(橋詰さん)食用として使えない部分はペットフードを製造する県外3業者に卸す。高タンパク、低脂質なシカ肉はペットフードにおいてもトレンドになっているという。単価は食用の10分の1ほどと安いが、会社名の元となった「もったいない」精神が徹底されている。加工品の製造販売に向けた取り組みも進む。21年11月、ハムやベーコンなどを製造する滋賀県の企業に3人で出向き、シカ肉を売り込んだ。試食してもらったところ臭みのなさや味が評価され、ウインナーの商品化に向け動き出した。22年春にも完成する見込み。ペットフードについても、将来的には製造販売まで手掛けたい考えだ。地元・若狭町の期待も大きい。町内でのシカとイノシシの捕獲数は、直近10年間は毎年1千頭以上。20年度はシカだけでも1300頭を超えた。町の担当者は「若い人に(施設を)担ってもらえてありがたい。精いっぱいバックアップしたい」とする。橋詰さんは「将来的には雇用を生み出したい」と意気込む。まずはこの1、2年で3、4人の雇用を見据える。「住民からも認められるし、人が増えればまた違う展開も見えてくる」。本格始動した21年10月は、新型コロナウイルス禍がもたらした「ミートショック」と呼ばれる輸入牛肉の高騰が続いていた。村上さんは「当たり前にあったものがなくなったとき、それに代わるものは身近にあったんだということに気付けた」と話す。害獣の活用という観点だけでなく、地域資源としての価値の高まりも実感している。

(古里にちなんだ給食登場:富山)
全国学校給食週間に合わせ、富山県上市町は24日、細田守監督(町出身)が制作したアニメ映画にちなんだ給食を始めた。初日は上市町が舞台の「おおかみこどもと雨の雪」に登場する「きじ鍋うどん」を提供し、児童生徒が作品に思いをはせながら味わった。新型コロナウイルス感染防止のため、話さずに食べる「黙食」が続く中、給食を楽しんでもらおうと企画した。きじ鍋うどんは作中、「おおかみおとこ」が主人公の女性「花」を元気付けるため、自ら捕まえたキジを調理して振る舞う。給食では、キジ肉のほか、鶏肉、ニンジン、シイタケ、インゲン、ネギ、薄揚げを入れ、しょうゆ味で仕上げた。県産サクラマスのショウガ揚げや、もやし、小松菜のよごしなどもメニューに加えた。細田さんの母校宮川小学校でも、児童がおいしそうにほお張った。細田作品を全て観賞したという浦田蕗維(ろい)君(5年)は「映画に出てくる料理を食べることができてうれしかった。キジ肉は食べ応えとうま味があった」と話した。町は29日まで7小中学校で細田作品にちなんだメニューを提供。25日は「未来のミライ」のちらしずし、26日は「サマーウォーズ」のイカ焼き。

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(タンチョウを空気銃で撃ち死なせる、罰金50万円の略式命令:北海道)
去年、十勝の池田町の畑で国の特別天然記念物のタンチョウを空気銃で撃って死なせたとして銃刀法違反や文化財保護法違反などの罪で略式起訴されていた農家の男性が、裁判所から罰金50万円の略式命令を受けました。略式命令を受けたのは池田町に住む60代の農家の男性です。男性は、去年6月に所有するタマネギ畑にいたタンチョウ1羽を追い払おうと空気銃で撃ったところ弾があたり、死なせたとして去年10月に書類送検されていました。男性は先月、銃刀法違反、種の保存法違反それに文化財保護法違反の罪で略式起訴され、帯広簡易裁判所は今月6日に罰金50万円の略式命令を出しました。タンチョウは一時絶滅寸前まで減少していましたが保護活動により生息数が回復しています。それに伴って十勝地方では、タンチョウによる畑での農業被害も問題となっていました。

(イノシシ被害年々増加:秋田)
秋田県湯沢市で2021年度、イノシシによる農作物被害が増加している。市は昨年10月までに1・27ヘクタールで約80万円相当を確認。20年度より面積は3・4倍に広がり金額も21万円増えた。市は「生息状況を把握し切れていないのが実情。もっと被害が出ている可能性もある」としている。市内では18年度から、イノシシの目撃情報に加え、畑などの農地が掘り返される被害が目立ち始めた。市は翌19年度から被害状況の取りまとめを開始。19年度は被害面積0・53ヘクタール、被害額75万円だった。県によると、県全体のイノシシによる被害額は19年度117万円、20年度271万円。湯沢市分がそれぞれ64・4%、21・8%を占めた。

(市役所周辺サル出没、職員1人軽傷:高知)
高知県宿毛市桜町の市役所近くの路上で12日、野生のニホンザルが出没。市の職員1人が背中にしがみつかれて軽傷を負った。宿毛市では約1カ月前にも1キロほど離れた場所でサルが人を襲っており、市と宿毛署は注意を呼び掛けている。宿毛市によると、この日午前に2度、市役所から200メートルほどの範囲で、サルの目撃情報が寄せられた。近くの山から下りてきたとみられ、午後1時すぎには、宿毛小学校裏の市道を歩いていた市職員の女性が突然、背後から飛び掛かられた。サルは背中にしがみついた後、逃げていったという。女性は腰に擦り傷を負った。

(列車がシカと衝突:鳥取)
19日午前11時50分ごろ、鳥取市用瀬町川中のJR因美線因幡社-智頭駅間で、鳥取発智頭駅行きワンマンカー(1両)がシカ1頭と衝突し、緊急停車した。約1時間20分後に運転再開したが、後続の普通列車2本が部分運休、特急2本に最大1時間10分の遅れが生じるなど約100人に影響した。米子支社によると、シカは体長約1メートルの亜成獣。乗客乗員2人にけがはなかった。

(イノシシと接触、車両の一部破損:鳥取)
18日午後5時35分ごろ、鳥取市青谷町長和瀬のJR山陰線青谷―泊駅間で、鳥取発米子行きワンマンカー(2両編成)がイノシシと接触し、緊急停止した。車両の一部が破損し、泊駅で運転を取りやめた。この影響で普通と特急の計8本が最大1時間20分遅れたほか特急など計5本が運休・部分運休となり、約1200人に影響が出た。JR西日本米子支社によると、乗客約40人にけがはなく、後続の普通列車に乗り換えた。

(ツキノワグマの個体数増加、3件共同で「管理計画」策定へ)
中国地方に生息するツキノワグマの個体数が増加しているとして、山口県は、広島県と島根県と共同で、クマの「管理計画」を策定することになりました。山口県と広島県、それに島根県では、かつてツキノワグマの絶滅が心配されていましたが、近年は個体数が増加しています。昨年度の調査でおよそ1300頭が生息していると推定されているほか、生息域もこの20年で5000平方キロメートルから8200平方キロメートルに拡大しています。このため、ツキノワグマが増えすぎないよう管理する必要があるとして、山口県は、広島県と島根県と共同で、クマの「管理計画」を策定することになりました。「管理計画」では、1年間に駆除できる頭数の上限を現在より40頭あまり多い135頭に引き上げるほか、人の活動地域に生えている柿やくりの木を減らして、クマがエサを食べに人里に近づかないよう、対策を強化するとしています。県は、今年3月に「管理計画」を策定することにしていて、「人とクマのすみ分けをしっかり図って、適切に管理していきたい」と話しています。

(野生動物の獣害や感染症に対応:岐阜)
県と岐阜大は四月、野生動物の獣害や感染症、生物多様性について共同で研究する「県野生動物管理推進センター」を設置する。県と大学が共同で野生動物の研究機関を設置するのは、全国初という。

(AIでカラス撃退なるか:岐阜)
大垣市は二月から、人工知能(AI)を活用したカラス撃退装置を市役所屋上に設置する実証実験を始める。今月二十日、装置を開発した害虫・害獣駆除業者「防除研究所」(大垣市)と協定を結んだ。

(増えすぎたカラスの集団、レーザーポインターで解決を模索:アメリカ)
繁華街に集まる何千羽ものカラスに悩まされている米カリフォルニア州サニーベール市が、実験的にレーザーポインターを使ってカラスを追い払う作戦を展開する。サニーベールのラリー・クライン市長がCNNに語ったところによると、カラスは何十年も前から市中心部に生息していたが、新型コロナウイルスのパンデミックの間に数が増えて飲食店などで問題を発生させ、住宅地でも騒音の苦情が寄せられるようになった。市はカラスの集団を別の場所に移動させようとあらゆる方法を試したが、どれも効果は長続きしなかった。カラスは夜間に集まる傾向があることから、反射板も失敗に終わった。そこで導入を決めたのがレーザーポインターだった。市長によると、専門家の力を借りれば長期的にはかなりのコストがかさむが、この方法を使えば約20ドル(約2200円)で問題を解決できる可能性がある。「我々が対応しなければならないのは健康問題だ。しかも市の予算が使われる。従って安上がりの解決策があるのなら、試してみない理由はない」とクライン市長は話す。クライン市長は、自宅の庭のやかましい鳥たちを追い払うためにグリーンレーザーを使っているという友人の話にヒントを得た。この手段は動物愛護団体が安全とみなしており、他都市でも採用されているという。今月末からは市の職員や住民がレーザーを使ってカラスを追い払う実験がスタートする。「もしグリーンレーザーだけでうまくいかなかった場合、カラスが苦しむ声などを使うことを検討するが、これは鳥たちへの対応を試みる第一歩になる」(クライン市長)ただ地元の野鳥保護団体は、レーザー光線で鳥たちの目がくらみ、人や航空機の被害を発生させる恐れもあるとして、別の手段の模索を続けるよう市に申し入れている。

(狩猟の魅力セミナーを開催:和歌山)
県では、新規狩猟者を確保するため、狩猟の魅力を広く伝える研修会を平成25年度から毎年開催しています。今回は、古座川町で活躍する狩猟者2名の狩猟体験談、ジビエ処理加工施設でのシカの解体見学のほか、模擬銃やわなを手に取りながら、地元の猟友会員に狩猟の相談をすることができます。

(研修会「外来種アライグマの脅威から地域を守る」:茨城)
2022年2月、茨城県内にて一般県民を対象とした研修会「外来種アライグマの脅威から地域を守る」が開催されます。茨城県の委託により、当社が受付事務を行っています。外来生物法で「特定外来生物」に指定されているアライグマは日本各地で分布を広げており、茨城県においても例外ではありません。アライグマは農作物へ被害を及ぼすだけでなく、食べものやねぐらを得ることが容易な集落や住宅地に住みつくことも珍しくありません。建物の破損などの被害も引き起こし、寄生虫やウイルス性の病気を広げる危険性もあるなど、人の暮らしや自然環境を脅かす原因にもなっています。今回の研修会は、いわゆる捕獲従事者向けの研修会ではなく、一般県民に広く外来種問題、アライグマによる影響を知っていただき、アライグマを増やさないための対策について学び、考えていただくための基礎的な研修会です。県は「アライグマ防除実施方針」を策定し対策を推進していますが、外来種対策は、住民主導によって進めることと、対象種に住処を与えず捕獲の推進が行われることが極めて重要です。本研修会により、外来種対策の必要性が広く知られることを願っています。

(シカ、ライオンたちのごちそうに:愛知)
愛知県豊橋市の豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)で、県内の山間部で有害鳥獣として駆除されたシカを、猛獣の餌にする「屠体給餌(とたいきゅうじ)」が本格化している。駆除後、廃棄されている現状の中、シカ肉を処理する施設が同県東栄町に誕生したことがきっかけ。他県の動物園からも問い合わせがあり、命を次の命につないでいく東三河発の取り組みが広がりそうだ。ポキポキ、パキパキ…。パークの獣舎で、三歳の雄のライオン「アース」が時折、目を細めながら、シカ肉を堪能していた。与えられたのは、あばら骨などを含む三キロ。普段、馬肉などは五分ほどで食べ終えてしまうが、一時間ほどかけて完食した。食事に時間がかかり、胃に負担がかからないという。パークは二〇一九年九月から、飼育動物に心地よい環境づくりを進める「環境エンリッチメント」の具体策として、屠体給餌を開始。当初は九州の会社から肉を取り寄せていたが、運搬費用がかさむのが難点だった。そこで滝川直史・前公園長(61)と、パークの獣医師吉川雅己さん(49)が目を付けたのが、奥三河地方で駆除される害獣だった。奥三河では年に二千頭ほどのシカが有害鳥獣として駆除されるが、ジビエなどとして食用に加工されるのは二割ほど。残りは廃棄されていた。パークからの相談を受けた元東栄町長で、そば店を経営する尾林克時さん(72)が猟師など地元の仲間を集め、捕獲したシカを処理する株式会社「野生動物命のリレーPJ」を昨年六月に設立。町内に処理施設を整備し、パークから要望を受けて出荷している。衛生面の管理は吉川さんら専門家が監修。わなにかかったシカは一日五頭ほど施設に運搬され、内臓を取り出した後、湯でウイルスを死滅させ、冷凍でダニも殺す。日本平動物園(静岡市)や浜松市動物園などからも、出荷に向けた相談が入っている。尾林さんは「園の動物のためになるなら、うれしい。奥三河に新たに社会課題に貢献できる産業が生まれた」と強調。滝川さんも「命を次の命へつなげていくことは環境にも良い上、園の動物にとっても自然本来に近い生態になる」と期待している。国内での屠体給餌は、福岡県の大牟田市動物園で二〇一七年に始まったのを皮切りに、千葉市動物公園も導入。茨城県の日立市かみね動物園や、京都市動物園でもイベントなどで取り入れ、徐々に浸透している。背景には、野生鳥獣による農作物の被害が全国各地で起きており、駆除された害獣を有効活用しようとする動きがある。農林水産省によると、一八年度の被害額は約百五十八億円。愛知県新城市や、隣接する北設楽郡でも一九年の被害額は二千九百万円に上り、シカによる被害額は約三割の一千万円だった。環境エンリッチメントの視点から、動物にも利点があるという。大牟田市動物園と連携し、屠体給餌を進めてきた九州大大学院の細谷忠嗣特任准教授(生物資源保全学)は「皮をはぐ、骨をかみ砕く、肉を引きちぎるといった、普段はほとんどしない動きをする。野生の行動を引き出すことで、常に人目にさらされるストレスを抱える動物の心理的欲求を満たせる」と意義を語る。

(ノリ養殖の苦境視察、カモ食害:佐賀)
杵島郡白石町議会の産業建設常任委員会が17日、同町沖の有明海で不漁が続くノリ養殖の現場を視察した。プランクトンの大量発生による色落ちやカモの食害で「質量ともに例年の5割以下」という厳しい状況を現認した。委員会メンバーや町職員、漁協関係者ら13人が漁船2隻で約1時間、養殖現場を回った。同行した佐賀県有明海漁協新有明支所の岩永強運営委員長は、色落ちして赤くなったノリやカモの食害で網に少ししかノリがついていない現場を見せた。議員からは「養殖場所によって結構違いはあるが、予想以上に状況は悪い」などの声が上がった。岩永委員長は色落ちの要因としてプランクトンの大量発生と雨が少なく栄養が不足していることを挙げ、「栄養散布はプランクトンを育ててしまうためできない。あまりの色落ちで収穫しないノリもあり、質量とも例年の半分以下」と報告。産業建設委の前田弘次郎委員長は「3月まで状況を注視し、町や県への支援要請も考えたい」とした。

(キタキツネ、人の「善意」が招く悲しい結末:北海道)
昨冬、雪に覆われた真っ白な北海道・釧路湿原。日も暮れ始め、あたりが薄暗くなってきたとき、1匹のキタキツネが森林の茂みから顔を出した。「こっちを警戒するようにしていた。驚かさないよう距離を保って撮りました」と撮影者の鶴木雄太さん(32)は話す。趣味でアマゾンやケニアにも写真を撮りに行くという鶴木さん。それでも「北海道の自然はすごい」と言う。「海外のそういう地域と遜色ないくらい、たくさんの生き物に出会う」キタキツネは北海道や樺太に生息する。本州などにいるホンドギツネと同じアカギツネの亜種だが、ホンドギツネに比べると少し大きい。近年は人による餌付けが大きな問題だ。一度、人の食べ物の味を覚えた個体は何度も人の前に姿を見せるようになる。キツネに詳しい日本自然保護協会の須藤哲平さん(29)は「食べ物を求めて道路に出てひかれたり、栄養バランスが崩れることで免疫力が低下するなどして皮膚病になったりする」。エキノコックスという寄生虫を保有しており、触ることで人間にも感染することもある。「近すぎる距離感は人間にとってもキツネにとってもよくないこと」。かわいい見た目から、つい餌をあげたくなるかもしれないが、人間と野生動物の互いが、生きていくためには、干渉しないことも大切なのだ。

(果樹園のカラス対策)
農研機構は1月20日、果樹園のカラス対策「くぐれんテグスちゃん」設置手順を解説した動画をYouTubeのNARO channelで公開した。収穫期の果樹のカラス被害対策には防鳥網の設置が確実だが、資材費や設置労力などが問題となる。これまで農研機構では、防鳥網より簡易な対策として、テグスと防鳥網を組み合わせたカラス侵入抑制技術「くぐれんテグス君」を開発し設置マニュアルを公開しているが、「くぐれんテグス君」は防鳥網の設置に脚立が必要で、防鳥網が強風に弱いことも課題となっていた。新しい「くぐれんテグスちゃん」は、防鳥網を使わず、果樹園の天井部と側面部の両方にテグスを張れる。側面部のテグスを支える受け具を支柱にあらかじめ付けることで、脚立を使わず安全に設置できるようになった。カラスの侵入を抑制する効果と資材費は、「くぐれんテグス君」とほぼ同等で、設置作業時間は2割削減。設置手順の開設動画では、文字では伝えにくい作業のポイントを分かりやすく実演している。

(クマ目撃、市など注意呼び掛け:静岡)
20日午前7時35分ごろ、浜松市天竜区山東の二俣川沿いでクマ1頭が目撃された。付近には幼稚園や小学校、住宅地もあり、天竜署や市が注意を呼び掛けている。同署によると、ローソン天竜山東店北側付近の二俣川沿いをうろつくクマを、近くの会社に勤める男性が目撃したという。体長は1・5メートルほどで、ツキノワグマとみられる。

(また住宅街にシカ現れる:北海道)
北海道札幌市西区の住宅街にシカの群れが現れ、市の担当者が警戒しました。市内の住宅街では目撃が相次いでいます。札幌市西区琴似の住宅街で、身を寄せ合うようにかたまるシカの群れ。札幌市内では連日、市街地でシカの群れが目撃されています。18日は西区の発寒地区や琴似地区でシカの群れが歩いているのが見つかりました。道警によりますとこれまでに事故が起きるなどの被害は確認されていないということです。札幌市ではシカが市街地に入り込んだルートなどを調べるとともに、道路などに出ていかないよう、警戒を続けることにしています。

(住宅街にシカの群れ:北海道)
16日、札幌の住宅街にエゾシカが姿を現しました。警戒心の強いエゾシカが、群れで都市部に出没するのは珍しいことです。「シカの群れが歩いて行った」。警察に通報があったのは、16日午前9時前のことでした。最初の目撃地点は、札幌市中央区宮の森4条10丁目付近。その後、およそ500メートル離れた宮の森3条6丁目で、子どもとみられるシカあわせて7、8頭が目撃されました。シカたちは、この場所が気に入ったのか…札幌の住宅街の一角に12時間以上、“滞在”。警察によりますと、午後10時前、ようやく山の方へ帰って行ったということです。

(サル目撃相次ぐ:静岡)
静岡県沼津市の沼津港付近で野生のサル1匹が出没しました。目撃情報を頼りに警察や市の担当者が出動し探しましたが、捕まえることはできませんでした。19日午前8時半頃、沼津市役所近くの御成橋のたもとで「サル1匹を目撃した」と付近の住民や通行人から市に多数の目撃情報が寄せられました。橋付近に市の担当者や警察約15人が駆け付けましたが発見に至らず、約15分後に約1.5km南に離れた町工場の倉庫の中で目撃されました。目撃者によると「倉庫で1匹のサルを見たので慌てて隣の事務所に戻り通報した。その1~2分の間に倉庫からはいなくなり、東に向かってものすごい勢いで逃げていった」ということです。市の担当者は住宅の庭に入ったり狩野川の堤防の路肩を歩くサルを追いかけ、港大橋を東へと渡ったのを目撃しています。しかし最初の通報から約1時間10分後、西島町の店舗付近の水路を走る姿を最後に見失い、捕獲することはできませんでした。市は目撃されたサルはすべて同一のサルで野生であるとみており、「目を合わせたり食べ物を見せたりせず、絶対に近づかないでほしい」と呼びかけています。

(アオバズクひな、落下やカラスの襲撃相次ぐ:京都)
京都御苑(京都市上京区)で生まれて巣立ちの時期を迎えたアオバズクの雛(ひな)が、地面に落下したり、カラスに場所を知られて襲われたりする事例が後を絶たない。主な原因は、撮影を狙って集まる多くのカメラマン。専門家は「巣立ったばかりの雛にはカメラを向けず、静かに見守ってほしい」と呼び掛ける。アオバズクはフクロウ科の鳥類で、府の準絶滅危惧種に指定されている。近年は神社の境内にマンションが建つなど、営巣に適した大木のある場所が京都市内で減っているといい、御苑の「京都自然観察学習会」に所属する西台律子さん(73)=左京区=は「御苑はアオバズクの駆け込み寺になっている」と指摘する。御苑内でアオバズクが営巣する木は複数ある。最初に巣を作った宗像神社近くのクスノキだけでも2000~20年の20年間に57羽のひなが巣立つなど、子育てシーズンの初夏には小さな雛の姿が御苑の風物詩となっている。一方、存在が知られるにつれてカメラマンも増加。20年は餌不足もあって雛が巣穴から盛んに顔を出すようになり、会員制交流サイト(SNS)で話題になった。その結果、愛らしい姿をひと目見ようと観察者が殺到、50台以上のカメラの立ち並ぶ様子でカラスが雛の存在を察知し、2羽が襲われたという。また、21年は発育不良のまま巣立ちの時期を迎えた雛がカメラに驚いて地面に落下。自力で樹上にはい上がることができずに命を落とした。御苑では、営巣木の近くにロープを張ったり、「みまもりたい」と呼ばれるボランティアが定期的に巡回したりして雛に近づきすぎるカメラマンに注意を促している。西台さんは「みまもりたいの人がいるから被害が少なくて済んでいるとも言える。せっかく巣立った雛が人為的なことで死んだりしないよう、そっと見守るだけにしてほしい」と話している。西台さんは、秋に発刊された「京都御苑自然現況調査報告書第8集」で事例の一部を報告した。2013~20年のアオバズクの繁殖記録なども掲載している。京都御苑中立売休憩所売店で発売中。千円。

(伝統の「シシ喰い祭り」:熊本)
イノシシの肉を食べて五穀豊穣と無病息災を祈る「シシ喰い祭り」が玉名市で行われた。滑石諏訪神社で行われたシシ喰い祭り。拝殿にはイノシシの肉や剥製がまつられ神事が行われた。シシ喰い祭りは畑を荒らし回っていたイノシシを祭神の建御名方神が退治して村人に肉を分け与えたという伝説に由来した祭り。180年以上前から行われていた記録があるが、地元の人によると1000年以上の歴史があるとも言われている。17日は世話役の引き継ぎ式の後、今年の福男が神社の池に入り御幣を立て替え、それぞれの区にイノシシの肉が分けられた。例年は神事の後にイノシシ料理が振舞われるが、今年は新型コロナの影響で中止となった。

(ジビエソーシャルプロジェクト、SDGsアワード特別賞:岩手)
岩手県大槌町で行政と民間が一体となって進めてきたジビエに関する取り組みがSDGsに関する賞を受賞し、20日、平野公三町長に成果を報告しました。「ジャパンSDGsアワード」は持続可能な開発目標SDGsの達成に向け、優れた取り組みを進める企業を表彰していて2017年から毎年、行なわれています。20日は12月行なわれた大会で、特別賞を受賞した「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」のメンバー6人が大槌町を訪れ平野公三町長に成果を報告しました。「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」は、町民や企業・行政が連携して取り組み、害獣のニホンジカを町の特産品として価値を持たせビジネス展開したことが評価されました。

(国産ジビエ認証施設の第27号認証:石川)
国産ジビエ認証制度に係る認証機関により、国産ジビエ認証施設(第27号)として、南加賀広域圏事務組合が運営する食肉処理施設「南加賀獣肉処理加工施設(ジビエアトリエ加賀の國)」が認証されました。農林水産省では、衛生管理基準及びカットチャートによる流通規格の遵守、適切なラベル表示によるトレーサビリティの確保等に適切に取り組む食肉処理施設の認証を行う「国産ジビエ認証制度」(以下「制度」という。)を平成30年5月18日に制定し、より安全なジビエの提供と消費者のジビエに対する安心の確保を図る制度の運用を行ってきたところです。この度、国産ジビエ認証委員会により登録された認証機関(一般社団法人日本ジビエ振興協会)において、認証申請のあった食肉処理施設「南加賀獣肉処理加工施設(ジビエアトリエ加賀の國)(石川県小松市)」の審査が行われた結果、制度に規定する全ての要件を満たすと認められたため、本日付けで「国産ジビエ認証施設(第27号)」の食肉処理施設に認証されました。

(自然を守る北海道猟師を応援:東京)
世界初の3D計測・3Dプリンタ×サブスクリプションを実現するパンプスブランド『AYAME』を展開する株式会社crossDs japan (クロスディーズジャパン)(所在地:東京都中央区、代表取締役社長:諏訪部 梓)は、2022年1月20日より北海道の猟師を応援する“エシカルスニーカー”のクラウドファンディングを開始した事をお知らせいたします。

(捕獲イノシシの牙ネット販売:愛媛)
愛媛県今治市の大三島、伯方島の農家、猟友会員らでつくる「しまなみイノシシ活用隊」は、捕獲したイノシシの肉や皮革だけでなく、牙も捨てることなく活用しようと、ネットでの販売を始めた。担当者は牙をあしらってインパクトを強めた「島シシマスク」の受注製作を始めており、さまざまなアイデアで牙を活用してほしいという。瀬戸内しまなみ海道沿いの大三島、伯方島には2003年ごろからイノシシの上陸が目立ち、耕作放棄地などで繁殖が急速に進んだ。農家、猟友会員らは肉を食材として活用して共存を探ろうと「しまなみイノシシ活用隊」を10年に結成した。現在は年約250頭を捕獲し、新鮮な状態で処理した肉を食材として提供している。また、今治市の地域おこし協力隊員として13年に大三島に着任した東京都出身の重信幹広さん(41)もすぐに活用隊入りし、新たに「皮革担当」として有効利用の道を切り開いてきた。重信さんは今回、牙の販売も担当している。協力隊卒業時の16年に革素材「島シシレザー」のブランド「自尺」(Jishac)を大三島に設立。「牛革ほどの硬さや厚みはなく、同じ厚みなら牛、豚より丈夫」という特徴を生かし、財布、かばん、キーホルダー、幼児用ベストなどの商品を開発しており、ネット販売のページで牙も売り出すことにした。牙は捕獲後すぐに活用隊が煮沸処理した無加工のもの。1個体ごとの上下セットを4600~8000円程度で販売している。販売サイト上で牙の番号をクリックすると、牙の大きさだけでなく、そのイノシシの産地や捕獲日、性別、体重も分かる。重信さんは「きれいに下処理した牙です。ネックレスなどのアクセサリーやスマホ置きなど、アイデアを磨いて活用していただければ」と話す。

(「リンゴ+狩猟+ジビエ」で地域を元気に:広島)
広島県庄原市比和町で唯一のリンゴ園を営む白根りんご農園の白根浩治さん(39)と加奈さん(37)夫妻は、銃とわなの狩猟免許を持ち、ハンターとして鳥獣被害から農地を守る。市の鳥獣被害対策実施隊員も務め、イノシシなどを駆除。農水省の「国産ジビエ認証」を取得する市の有害鳥獣処理施設と連携し、ジビエ(野生鳥獣の肉)も販売。夫婦二人三脚で、リンゴ園+狩猟+ジビエ販売の「三刀流」を手掛けて地域活性化に貢献している。農園は1980年代、父の和幸さん(75)が始めた。会社員だった浩治さんは、2008年に就農して09年に経営を継いだ。就農時の2・3倍となる約3ヘクタールで「ふじ」「シナノスイート」など30品種、約1600本を管理する。規模を拡大する中、増えるイノシシやヒヨドリなどの被害に悩まされた。猟師に駆除を頼んでいたが、高齢化による人手不足や離れた園地で時間の制約があった。地元で園地や田畑を荒らす鳥獣の被害に危機感を募らせた浩治さん。12年に知り合いの猟師の勧めで狩猟免許を取得し、駆除に乗り出した。浩治さんは「園地を守るのに必死だった」と振り返る。浩治さんの影響を受けた加奈さんは、15年に銃の免許を取得した。当初は園地の2、3カ所に箱わなを仕掛けたが、ほとんど捕獲できなかった。ベテラン狩猟者から仕掛け方や場所、野生動物の特性などを聞き、研究を重ねて捕獲数を少しずつ増やしていった。近隣からの駆除依頼も増えた。わなにイノシシがかかると、浩治さんに連絡が入り現場に向かう。銃で仕留め頸(けい)動脈を素早くナイフで切断して血を抜く。臭みを残さないため、肉に余分な血が回らないように心掛ける。先輩猟師から里山を守る仕事の責任や鳥獣の尊厳、命の尊さを学んだ浩治さん。20年からジビエのブランド化を進める市の施設の職員とイノシシを仕留める。鮮度を保ち、施設で食肉に加工。21年7月には、地域の資源を有効に利用しようと食品衛生責任者の資格を取得した。2人が捕獲して施設で加工したロース、バラなど5種類の肉を販売する。加奈さんの提案で、幅広い料理に使える細切れを加えた。浩治さんは「鳥獣と向き合い、狩猟で地域の農業・農地を守りたい」と話す。加奈さんは「新商品の提案などジビエ販売に力を入れ、地域を元気にしたい」と笑顔を見せる。

(「鹿肉のラザニア」で県知事賞:千葉)
千葉県内で捕獲されたイノシシとシカの肉を材料としたレシピで料理人の腕を競う県主催の「房総ジビエコンテスト」が、千葉市緑区の大多喜ガスBeE(ビー)内のクッキングスタジオで行われ、船橋市の洋食店シェフ、下田健太さん(36)の「鹿肉のラザニア」が最高賞の県知事賞に輝いた。同コンテストは農作物への食害などが問題になっている野生鳥獣対策として、適切な処理を施した野生鳥獣の肉を「房総ジビエ」と称して消費拡大を目指す取り組みの一環。4回目となる今年は、コロナ禍で打撃を受けている飲食店の企画開発につながるようにとテークアウト・デリバリーのメニューがテーマで、県内外から21人の料理人が応募。書類審査を通過した5メニューを実食審査した。下田さんはイタリア料理をベースに、君津産のシカもも肉をパスタ生地で包み込む一風珍しいラザニアを調理。ニンジンや小松菜などの県産野菜もふんだんに使った。審査員から「バランスが良く、食べ飽きない」「肉を中に詰めた意味があるように作ってある」と高評価を受けた。過去のイメージで敬遠されがちなジビエだが、現在は臭みがない肉が流通しており、食材として魅力的という。下田さんは「賞を受けるのは初めてでうれしい。千葉県の食材にこだわったが、まだまだ伝え切れていないので、今後も料理人として表現していきたい」と意欲を語った。2位に当たる県農林水産部長賞は木更津市のビストロのバーテンダー、土屋香苗さん(52)の「猪のキーマピザ」が受賞し、「きらきらとしたジビエではなく、一般の人たちが日常的な食材として食べられるようになってほしい」と話した。出場者の1人が県内で増加するシカ科の特定外来生物「キョン」のジビエ化を提案する場面もあった。

(銀座で国産ジビエを味わう:東京)
最新ロジスティックス技術を活用した食品流通事業「サステナフード」では、「湘南じびえ」との協業により、国内のジビエ肉を活用推進するプロジェクト第一弾『湘南じびえ×新世界グリル 梵の鹿カツサンド』を1月11日(火)より発売開始。

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(シカを狩猟中に猟銃暴発:静岡)
16日午後、浜松市の山林でシカの狩猟をしていた男性の猟銃が暴発し、足にケガをして救急搬送されました。命に別状はないということです。16日午後3時10分頃、浜松市天竜区の山林で10人ほどでシカの狩猟をしていた猟友会のうちの1人が「仲間が持っていた猟銃が暴発した」と消防に通報しました。警察によりますと暴発した弾は、その銃を持っていた磐田市に住む男性(44)の左ふくらはぎに当たり、男性は救急搬送されました。搬送時に意識があり命に別状はないということです。警察は男性が誤って引き金を引いてしまったことが暴発の原因とみていて「慣れている人でも猟銃を使う場合は細心の注意を払ってほしい」としています。

(頭から血を流した男性の遺体、猟銃で自殺か:佐賀)
14日未明、佐賀県唐津市の鏡山で頭から血を流した男性の遺体が見つかりました。そばには猟銃があり、警察は自殺の可能性が高いとみて調べています。14日午前1時ごろ、佐賀県唐津市の鏡山の駐車場で、頭から血を流し倒れている男性を夜景を見に来ていた女性たちが見つけ110番通報しました。駆けつけた警察官が両足に猟銃を挟んだ状態で倒れた男性を発見、その場で死亡が確認されました。警察によりますと男性は、20代から30代くらいで、身長約170センチの中肉。服装に乱れはなく、男性が乗ってきたとみられる中部地方のナンバーの車に荒らされた跡はなかったということです。警察は、男性が猟銃で自殺を図った可能性が高いとみて身元の確認を進めるとともに、猟銃が男性のものかなどを調べています。

(絶滅危惧種のオオワシ、鉛中毒で死ぬ:北海道)
17日、北海道の浦河町で、絶滅危惧種のオオワシが衰弱し、飛べなくなっているのが見つかりました。治療が行われましたが、鉛中毒で死にました。野鳥の鉛中毒死が確認されたのは北海道で今シーズン初めてです。苦しそうに呼吸し、時折、奇声をあげるオオワシ。17日、日高の浦河町で、衰弱し飛べない状態で見つかりました。血液の濃度などから鉛中毒とわかり、解毒剤を打つなどの治療が行われましたが、17日夜に死にました。鉛中毒は、ハンターがライフルで撃って放置したシカなどの体内に残る鉛弾の破片を、オオワシなどの猛きん類が肉と一緒に飲み込むことで発症します。今回のオオワシも、レントゲンで胃の中にライフルの破片とみられる影が2つが確認されました。オオワシやオジロワシなど大型猛きん類の鉛中毒死が大量に発生したことから、北海道では2000年からエゾシカ猟での鉛弾の使用が禁止されていますが、鉛中毒の被害はその後も毎年確認され、後を絶ちません。本州以南では鉛弾の使用は禁止されていませんが、山梨県でクマタカの鉛中毒も見つかっていて、環境省は去年11月、狩猟で使う鉛弾の使用を2025年度から段階的に規制し、2030年度には鳥類の鉛中毒を、全国でゼロにすると発表しました。しかし相次ぐ希少種の鉛中毒死を前に、関係者の中からは規制の前倒しを望む声もあがっています。

(野生イノシシ3頭が豚熱感染:栃木)
県農政部は18日、足利市と茂木町で発見された野生イノシシ3頭が豚熱(ぶたねつ)(CSF)に感染していたと発表した。県内の野生イノシシ感染確認は計72頭となった。足利市では初めてで、県内11市町目となった。同部によると、足利市では11~14日、五十部(よべ)町と板倉町の山林や民有地で地元猟友会が捕獲した。茂木町鮎田では、町民が民有林で死体を発見した。3頭とも成獣。同部は、発見場所から10キロ圏内の養豚場に連絡し、異常がないことを確認した。

(クマの目撃情報が3倍に急増:静岡)
静岡県内のクマの目撃情報は2年前に比べ、3倍に増えた。11月には、富士山麓のニワトリ小屋で飼育していた35羽すべてが食べられる被害があった。なぜクマは人里近くまで下りてくるようになったのだろうか。2021年は、静岡県でクマの目撃情報が大幅に増加した。県によると、2019年度は22件だったが2020年度は41件、さらに2021年度は11月までで72件と2年前の3倍だ。5月に富士市や富士宮市の住宅地で目撃されたほか、10月には小山町で人が襲われる被害があった。猟友会が指摘するエサ不足。なぜ山にエサが少なくなったのだろうか。クマの生態や野生動物に詳しい県自然保護課の担当者は、「ナラ枯れ」を指摘する。県自然保護課鳥獣捕獲管理班・大橋正孝班長:県内でも「ナラ枯れ」が増えてきた。ナラ枯れは、ドングリがなるようなナラ類のコナラやミズナラが枯れてしまう木の病気で、エサが不足する。クマは木の上のドングリを食べるので。ナラ枯れは、病害虫が木に入り込み病原菌の「ナラ菌」を増殖させることで、水を吸い上げる機能を阻害する木の伝染病だ。富士山麓の朝霧高原でもナラ枯れが進んでいて、朽ちた木が倒れている様子が確認できた。さらに県の担当者はクマが出没する理由として、エサ不足だけでなく耕作放棄地の増加や生活様式の変化を指摘する。県自然保護課・大橋班長:耕作地が放棄されてしまうと、クマに限らず動物にとってはエサ場になってしまう。カキやクリがなりっ放しで収穫されないと、クマのエサ場になる。(耕作放棄地を)守る人もいない。まずはクマに関心を持つことが必要だという。県自然保護課・大橋班長: 動物を里に寄せてしまうものを除去する。みんなで動物を追い払うではないが、もう少し関心を持ち、緊張関係を保つ努力を地道にやっていくことが必要だ。被害を防ぐために、クマが出没するおそれがあることを自覚し、家に近づけさせないよう備えておくことが大切だ。山間部の家では、周囲に残飯を放置しないよう気をつけたり、鈴やラジオで人間の存在をクマに伝えるとよいそうだ。

(ツキノワグマの狩猟、16年ぶりに一部再開へ:鳥取)
鳥取県が2022年度、ツキノワグマの狩猟を16年ぶりに一部再開する方針を固めた。かつて絶滅が心配された生息数は回復し、人里への出没で人身事故や農林業被害が増えたため。

(クマ?目撃:兵庫)
13日午後8時50分ごろ、兵庫県太子町の町道で、クマのような動物を車で通りかかった男性(33)が目撃し、たつの署に通報した。イノシシなど他の動物を見間違えた可能性もあるが、現場は平野部で住宅に近いため、同署が警戒している。現場はJR網干駅から南西約3キロの農村地帯で、近くには分譲住宅地もある。足跡やフンなどは見つかっておらず、クマの目撃情報は近年にはないという。男性の車のレコーダーには道を横切る動物が映っていたが不鮮明なため、専門家に意見を聞くという。

(高校生が半年かけて作った箱わな、猟友会に贈る:鹿児島)
鹿児島県南九州市の薩南工業高校の機械科3年生5人が、イノシシとアナグマ用の箱わなを1基ずつ製作し、市に寄贈した。課題研究の一環で半年以上かけて仕上げた。市は猟友会に貸し出し、活用してもらう。いずれも鉄製でイノシシ用が高さ、幅1メートル、奥行き1.8メートル、アナグマ用が高さ、幅30センチ、奥行き60センチ。動物が入ると扉が閉まりロックされる。昨年6月、鹿児島大学の教員や猟友会メンバーらを学校に招き、動物の行動やわなの仕組み、取り扱いを学習。授業時間のほか放課後も使って金属の切断、溶接などに取り組み、今年1月に完成した。市役所知覧庁舎で18日、贈呈式があった。同校の新屋和輝さんは「溶接が難しかった。作ったわなが農作物の被害防止に役立てば」と話した。市によると、2020年度の鳥獣による農作物被害は約180万円。

(日光に住み着いた博士課程在籍のハンター:栃木)
ヤマドリを狙って散弾銃を放つと、乾いた音が響き、火薬の臭いが漂う。「五感を研ぎ澄ませ、動物の痕跡をたどるのは楽しい」。東京農工大の大学院博士課程に在籍しながら、銃での狩りに加えて、研究のために週に何度も栃木県日光市の山に入っている。シカの死体がクマやタヌキなど他の動物にどう食べられ、生態系でどう役立っているのか。定点調査を始め、ハンターについていくうちに狩猟にも関心を持ち、修士課程の時に銃猟免許を取った。東京都出身で幼少時から読書好き。音大を考えた時期もあるが、野生動物が好きで農学部に進学。修士を終えて山岳・自然分野の出版社に入るも、研究と狩りの魅力が忘れられず1年で退職した。昨年から日光市で暮らす。「都会よりもこっちの生活が気に入っています」。家の近くの裏山にシカが出てくることもある。獣を解体する方法もベテラン猟師から学び、肉はおいしく頂く。ジビエ(野生動物)料理が注目されている一方、狩猟者の高齢化が進み、狩猟文化が途絶えないか気掛かりだ。一緒に山に入ることもある地元猟師は「たくましくて熱意もありどんどん吸収する。何でも伝えたい」と期待を寄せる。「山と動物を知り、獲物と駆け引きをして仕留める。技量はまだまだだが、経験を地域に還元したい」。博士になっても狩猟は続けるつもりだ。

(至近距離でツキノワグマを撃ち抜く緊迫の現場)
写真家・西野嘉憲さんの作品展「熊を撃つ」が1月20日から東京・新宿のオリンパスギャラリー東京で開催される。西野さんに聞いた。「私が撮影しているのは、自然のなかで生きる人間、『狩猟民』なんです。日本を代表する狩猟文化と考えているのは、沖縄の海人(うみんちゅう)の潜水漁、千葉県の房総半島沖で行われている沿岸捕鯨、そして今回の写真展の雪国のツキノワグマ猟。この3つのテーマを同時に20年ほど前から追い続けてきました」。西野さんがクマ猟を写した舞台は、富山県境に近い岐阜県の最北部。クマ猟というと、東北地方で狩猟をなりわいとする「マタギ」が有名だが、なぜ西野さんはこの地を選んだのか? たずねると、「写真家としてのすごく身勝手な都合で」と言う。「写真って、基本的には1枚の絵で表現しないといけないじゃないですか。猟師さんとクマが離れていると、緊迫した瞬間を1つの画面に収めるのは難しい。飛騨地方のクマ猟は、冬眠している穴からクマを追い出して、目に前に達したのを鉄砲で撃つ。なので、必然的に猟師とクマと対峙するんです」。ふーん、そうなのか、と思い、作品を見ていくと、1枚の写真に目がくぎ付けになった。それは2人の猟師がクマに向けて発砲した瞬間で、銃口から噴き出した煙が生々しく写っている。写真奥の猟師と倒れたクマとの距離は約5メートル。想像していたよりもずっと近い。「写真を見ると『うわっ、かわいそう』とか、思うかもしれないですけど、実際の現場は、ものすごーく怖いです」。そして、「『冬眠』という言葉を使ってほしくないくらいですね」と、西野さんは続ける。「猟師や猟犬が近くに来たときにはクマは穴の中で確実に起きていて、あとは、いつ飛び出してやろうか、襲いかかってやろうか、と臨戦態勢なんです。だから、穴から出てくるときは、めちゃくちゃ速い。動物園でのっしのっしと歩いているクマとはまったく違います」。俊敏な動きを見せるのはクマだけではない。「猟師がベテラン同士のときは、ほんとうに見事に配置につくんですよ」。このときも、クマに対して2人の猟師が十字砲火の態勢をとり、発砲するまで、あっという間の出来事だったという。十字砲火というのは1人がクマの正面から、もう1人が側面から、お互いの弾道がクロスするように射撃する、必殺の態勢だ。「クマが穴から飛び出して逃げようとした瞬間、斜面の上で待ち構えていた猟師の1人が、ばーっと駆け下りて、クマの逃げ道をふさぐように立ちはだかって、2人同時に発砲したんです」。突進してくるクマはまさに目の前。もし、弾を外したら、襲われかねない。「それで、『よくやりますね』と、声をかけたら、『クマを獲りに来ているんだから、撃たないとしょうがないよ』と、淡々と言うんです。それを聞いて、やっぱり、彼らは猟師だな、と思いましたね。解体したら、弾は2発とも首に当たっていました。さすがです。ごく狭い範囲、頭、首、心臓のいずれかを撃って即死させないと、ほんとうに危ない」。そんな勇猛な猟師たちが暮すのは、飛騨市の山之村集落。標高約900メートル。かつては「秘境」と言われ、昭和30年代まで1年のうち約半年間は雪に閉ざされ、ふもとの町とは行き来ができなかったという。「自然環境の厳しさはいまでも変わらない。そんな場所で自然と一体になって生活している人たちにもすごく興味がありました。そして、風景の美しさ。古きよき時代の山村風景が残っている。それがここで写真を撮ろうと思った決め手でもありますね。あと、山之村のクマ猟はまだ誰も、研究者や取材者が調べていなかった。それもここで取材しようと思った要素です」。ちなみに、取材者にとって、「どこで」「誰を」対象とするかはとても重要で、特に西野さんのように長期間にわたる取材では、「ほんとうに運命の分かれ道になる」。「ほかの狩猟もそうですが、このクマ猟の現場も禁忌的というか、取材者はもちろん、仲間内でも限られた人にしかいちばん大切なことは教えないようなところがある。ましてや、獲物を殺しているところは、あまり人に見せるものじゃない、という気持ちがあると思います」。幸いなことに、当時、山之村には知り合いのライターが移住していて、「その方がある程度、取材の趣旨などを猟師さんに話してくださって、すごく助かりました」。それでも、実際の狩猟の現場に連れて行ってもらう前には「試験」があったという。「最初はしぶしぶ、知り合いの紹介だし、連れていくしかねえか、みたいな雰囲気で、2回くらい猟師さんと山を歩いたんです。そのときは気づかなかったんですけれど、そこはもう、めちゃくちゃ簡単な、猟場といえるかどうかも分からないような近場で、後から考えたら、『こいつ、どの程度歩けるかな』と、見られていた」。クマは賢い動物で、狩猟者に見つからないように、かなりの奥山で冬眠するという。「だから、猟場にたどり着くだけでも3、4時間はかかる。そこで、『もし、同行者が歩けなくなったら、置いて帰るしかないんだよ』と、後で言われて、ああ、そうなんだ、と思いましたね」。クマの狩猟期間は11月15日から2月15日まで。西野さんは2008年から17年にかけて、計8シーズンのクマ猟を取材した。「豪雪地帯の厳寒期なので、『かんじき』を履いても膝まで雪にもぐるのは当たり前。いったんふぶくと視界もきかない。そんな山を迷わずに1日中歩きまわれるというのは、すごいと思いますね。この方たちはGPSとか持っていかないですから。尾根をいくつも越えたら、もう自分1人じゃあ、帰って来られないです(笑)」。この時期、クマは太い木や岩にあいた穴の中にこもっている。「そういう穴が山のなかにたくさんあるんです。ある程度は目星をつけるんですけれど、その穴を一つひとつのぞいて、しらみつぶしに探していく。それを猟期の間、ひたすら繰り返すんです」。穴の中にクマがいるのか、それを知る1つの目安が「あたり」という。「クマは冬眠に入る前、穴の周辺に『俺はここで冬眠するぞ』って、他のクマに伝えるために、幹をかじったり、爪でひっかき傷をつくる。猟師さんはそれを『あたり』と、呼ぶんです」。ただし、クマが「あたり」をつけても、必ずその穴に入るわけではないという。西野さんは、クマがいなかった穴の前で振り返る猟師の写真を見せながら、「あとは、いわゆる野生のカンというか」と言い、猟師の不思議な動きについて語った。「このとき、『ここにいないとなると、あっちの尾根があついぞ』みたいなことを言ったんです。『何、言ってんだろう? ほんとかよ』と思って行くと、ほんとうにいた。そういうのは、経験というか、ひらめきみたいなものなんでしょうね」。穴の中にクマがいるときは、猟犬を近づけると、すぐに反応する。その場合、即座に鉄砲の用意をして、猟犬を穴に入れ、クマを追い出したところを撃つ。ところが、取材を始めた08年は、雪山を歩けど歩けど、クマがいる気配さえ感じることができなかった。徒労感ばかりがつのる毎日で、心が折れそうだった。「実は、1頭も獲れない年も珍しくなくて、3頭獲れたら、『今年はすごくよかったね』という感じなんです」。西野さんが初めてクマを獲る場面に出合えたのは19年2月15日。「狩猟期間の最終日にようやく獲れた」と言い、そのときの様子をまざまざと語った。「クマのなかでも大きいのは特に賢いから、穴から出たら撃たれるのは分かっている。だから、猟犬を穴に入れても中でじっとしているようなやつがいるんです。このときもそうだった。でっかい穴の入り口から私が立っていたところまで約3メートル。ごぉーっと、腹に響くようなうなり声が聞こえてきて、初めての私は足がすくむような感じでした」。猟師たちは粘りに粘った。なにしろ猟期の最終日である。「穴からクマが顔を出した瞬間、バンと撃ったです。ほんとにすごく怖かった。状況もよく分からないし、もう、腰が引けていた」。来る日も来る日も雪の斜面を歩き続け、ようやく訪れた瞬間。しかし、西野さんはクマのそばでぼうぜんと立ち尽くすばかりで、シャッターを切るどころか、ファインダーをのぞくことさえできなかったという。「ようやく撃つ瞬間が撮れたのは2頭目。だんだんと、クマはこういう感じで出てくるんだとか、猟師の動きが分かってきて、満足できる瞬間が撮れるようになったのは3頭目からですね」。命をかけることはないにせよ、ときには身を削るようにしてレンズを向け、シャッターを切る写真家の仕事は、狩猟と通じるものがある。熱をこめてクマ猟の現場を語る西野さんと、猟師の姿が重なった。

(猟師に愛された「池田かんじき」発見:岐阜)
郡上市大和町大間見の故池田利雄さんが三十年ほど前まで作り続け、雪山に入る猟師たちに愛用された「池田かんじき」が、市内の民家で未使用のまま見つかった。山の木を巧みに加工した作品は軽くて耐久性に優れ、かつては福井県の猟師にも広まった。発見した建築業河合隆治さん(64)=郡上市白鳥町=は「こんなに使いやすいかんじきはない」とほれ込み、複製品作りに挑んでいる。池田かんじきは直径八ミリの木の枝二本をU字形に曲げ、針金とロープで固定してある。幅二十七センチ、長さ三十六センチと大きいが、重量は片足で約二百二十グラムしかない。深い雪でも歩きやすいよう、前部を上に曲げてあるのが特徴だ。猟友会員の河合さんは昨年秋、整理を任された古民家の壁につるされていたかんじきを見つけ、持ち主から譲り受けた。河合さんは「若いころ、池田かんじきはとても有名だった。雪が多い郡上では必需品なので、猟期にはみんなが着けていた」と話す。河合さんは数年前にも同じ作品を入手し、約十組の複製品を試作した。しかし、池田かんじきの完成度には遠く及ばず、今も材料の木の種類や加工方法の秘訣を探っている。作者の池田さんは太平洋戦争末期、陸軍の兵士としてルソン島の激戦を生き抜いた。大和町に戻った後は林業や農業などに従事し、二十三年前に八十二歳で亡くなった。次男の俊司さん(69)によると、かんじき作りは六十歳を過ぎてから生活費を稼ぐために始め、十五年間ほど岐阜、福井県の銃砲店に持ち込んでいた。やや小型の渓流釣り用かんじきも作り、各地の釣具店で販売したという。「おやじは狩猟と川釣りが好きだった。自分自身が使うかんじきだから、いろんな工夫を重ねていたのだと思う。木の枝を煮て形を整え、母と一緒に組み立てていた姿を覚えている」と俊司さん。今は金属製かんじきやスノーシューが出回っているが、郡上では昔ながらの木製かんじきにこだわる猟師が多い。「池田かんじき」は、伝説的な名品として語り継がれている。俊司さんは「山で使わなくなっても、大切に飾られているおやじのかんじきを見ることがある。古い品物だが、小柄で働き者だったおやじのことを思い出します」と話した。

(あこがれのハンター:こうち)
昨年12月、香美市の山中でベテランハンターが県猟友会の青年部に「巻き狩り」を教える体験会に同行しました。ハンター歴50年の五百蔵邦秀(いおろいくにひで)さん(70)の後を歩くこと2時間。道の分岐で待っていると、3発の銃声が山中に響きます。土佐弁が飛び交う無線は聞き取れません。しばらくすると、五百蔵さんが姿を現しました。「捕れたみたいやね。そう、イノシシ。5貫ばあ。20キロぐらい。そんなに大きゅうない」。一緒に山に入り、待ち伏せで分かれた若手が撃ったのではないようです。五百蔵さんが無線で仲間に呼びかけます。「みんな楽にしちょき。北面におるき、必ず捕るき」。別のイノシシがいるのでしょうか。油性ペンでせわしなくメモを取っていると、「井上さん、またここにおってくれる?」と言い残して、山中に消えていきました。しばらくすると、別の道を登っていくよう無線で指示されます。

(冬の猟場で動物の痕跡捜索:長野)
熟練の狩猟者と動物の痕跡を探す「ハンターと歩く冬の里山」(安曇野市猟友会と里山の魅力発見プロジェクト主催)が15日、穂高牧の満願寺周辺で開かれた。ハンターの目線を学ぶことで新たな里山の魅力を発見してもらおうという取り組みで、市内を中心に子供から大人まで16人が参加した。市猟友会員6人らと雪が積もった標高1000㍍前後の猟場を歩き、イノシシやシカなどの足跡を見つけた。参加者は3班に分かれ、足跡を頼りに獲物のいる場所を絞っていく手法を学んだ。猟友会員は、イノシシが数頭いても同じ場所を歩いて1頭の足跡に見えることがあり、ハンターは足跡の汚れなどを頼りに頭数を推察していることを説明していた。参加者は足跡の見分け方などを質問していた。市が官民連携で進める里山再生計画の活動(愛称・さとぷろ。)の「里山の魅力発見プロジェクト」の一環で、今年で6年目となった。卒業論文でハンターの活動を取り上げた縁で参加したという信州大学人文学部4年・平山智之さん(23)=松本市水汲=は「足跡の見方や春の里山での遊び方などを詳しく教えてもらえためになった」と喜んでいた。市猟友会長の藤原英夫さん(73)=安曇野市穂高牧=は「参加者にはハンターやさとぷろのサポーターになってほしい」と願っていた。

(森林組合が鹿を捕獲・運搬:長野)
長野森林組合(長野市)は、地元の委託を受けて管理している長野市松代地区の山林でニホンジカを捕獲し、地元猟友会の捕獲分も合わせて野生鳥獣解体処理施設へ運ぶ初の試みをしている。県が県内市町村や民間事業者などと取り組む実証事業の一環。植えた苗木の芽を食べて枯らす鹿の被害防止は組合にとっても欠かせず、地元猟友会とも連携しながら活動を行う。

(丹波篠山で獣害対策NPO:兵庫)
年の瀬に山あいの農村で餅つきの音が響いた。小学生らも歓声を上げて 杵きね を振るう。ここは京都府境に近い丹波篠山市川阪。約40人が暮らすが、自治会によると「20歳以下の人口はゼロ」。餅つきに興じる子どもたちは、実は都市部からやってきた家族連れだった。餅つきの子どもらは西宮や明石から訪れていた。丹波篠山市を拠点に獣害対策に取り組むNPO法人「里地里山問題研究所(さともん)」が主宰し、米の栽培などを行う「川阪オープンフィールド」に参加していた。「さともん」は代表の鈴木克哉さん(46)(丹波篠山市)が2015年に設立した。約170匹の野生ニホンザルが生息する丹波篠山市。鈴木さんは県森林動物研究センターの研究員や県立大の教員を務め、サルを追い払う方法や侵入防止の電気柵の使い方などを農村で伝授。しかし、ロケット花火で山に追いやってもまた里へ下りてくる。そこで発信器からの電波で群れの位置を探り、メールで農家に知らせるシステムを開発。被害は目に見えて減り、鈴木さんは、その熱意と誠実さで周囲の信頼を得るようになった。一方で〈限界〉も感じた。「獣害を減らすだけではなく、地元と力を合わせ、どんな地域をつくるか。行政側にいてはできない」。自然と暮らしを守る仕組みを作りたいと、仕事を辞してNPOをおこした。そのころ、長女はまだ2歳。「これから子どもにお金がかかるのに……。本当に辞めるの?」。夫の言葉に妻の友美さん(37)は耳を疑った。夫婦で何度も話し合いを重ね、最後は夫の熱意に折れた。思えば、2人の〈なれそめ〉もサルだった。農学部の学生だった友美さんが青森・下北半島でニホンザルの調査に参加した際に、調査団のリーダーを務めていたのが鈴木さんだった。「さともん」発足から2年。友美さんにも転機が訪れた。市の旧認定こども園舎の活用計画に「さともん」が子育て支援の拠点施設を開設し、運営を担う中心スタッフになった。発端は友美さんのアイデア。育児中に親類も知人もおらず、孤立感を深めた体験から「子育て中のママに安らぎと交流の場を」という思いからだった。おしゃべり会やマルシェを企画し、育児に奮闘する親たちと時間を共有したことで、子育てへの関心が深まり、2人の娘を育てながら大学院に通うようになった。現在は農村での子育てネットワークをテーマに論文づくりに時間を忘れる毎日だ。スタートから、5月で8年目を迎える「さともん」。獣害対策指導で京都や岡山にも出向く活動が認められ、鈴木さんは、元知事の名を冠にした「貝原俊民美しい兵庫づくり賞」にも選ばれた。大学院生のころ、サルによる被害調査で下北の農家の人にもらった野菜の新鮮さで農村の魅力を知った鈴木さん。一方で、丹精した作物が食い荒らされるつらさをつぶさに見たことが研究者としての原点になった。「川阪オープンフィールド」はそんな思いの結実だ。「さともん」がスタートした翌年、当時の自治会長に「獣害で荒廃している」という悩みを聞いたことをきっかけに、都会の人たちを招いて耕作放棄地で米栽培をしてもらうことを発案。子どもたちの歓声が消えた地域をよみがえらせ、その輪が広がってきたと実感している。夫妻が丹波篠山の地にまいた新しい種。やがて芽を吹き、春には田植えを楽しむ人たちの笑顔が山里にあふれるに違いない。

(ロッテリア、ジビエ鹿肉バーガー)
ロッテリアで、「ジビエ鹿肉ゴーダチーズバーガー」「ダブルジビエ鹿肉ゴーダチーズバーガー」が発売されます。鹿肉の旨味を味わえる鹿肉ハンバーグパティに、クセが少なくマイルドな味わいのゴーダチーズをトッピング。ロッテリアの43店舗で、「ジビエ鹿肉ゴーダチーズバーガー」「ダブルジビエ鹿肉ゴーダチーズバーガー」が1月13日に発売されます。数量限定。ロッテリアでは、持続可能でより良い世界を目指す国際目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」にも通じるジビエの普及・振興の取り組みにより、2016年4月からジビエ鹿肉を使用した「ジビエ鹿肉バーガー」を店舗・数量限定で販売し、大好評。昨年は、農林水産省制定「国産ジビエ認証制度」の基準をクリアした工場で適切に処理した安心・安全な流通を経たジビエ鹿肉を使用した「ジビエ鹿肉バーガー(エゾ鹿ラグーソース)」と「ジビエ鹿肉バーガー(3種きのこのコンフィと北海道チーズ)」を初めて全国のロッテリアで販売し、予想を上回る反響でした。今回は、自然物である鹿肉の安定供給との兼ね合いから「国産ジビエ認証制度」を受けた施設を要する地域や大都市の43店舗に限定し、「ジビエ鹿肉ゴーダチーズバーガー」が販売されます。

(ナイツ塙、熊肉を堪能)
ナイツの塙宣之が15日、TBSラジオ「ナイツのちゃきちゃき大放送」に出演。14日にウーマンラッシュアワーの村本大輔から誘われ、熊肉を食したことを明かした。塙は「昨日、熊を食べましたね」と唐突に報告。相方・土屋伸之らが驚く中、「村本君から『熊食べない?』ってLINE来て。そそられるじゃん。『なに?どういうこと?』『いや、熊食べたいなと思って。ここなんですけど』みたいな感じで『(店に)来れませんか』って」とやりとりを明かした。「(午後)6時からやるんですよ。“熊食べる会”みたいなの。(仕事が)終わってすぐ行けばちょうどいいぐらいだったんで。『ちょっと行きたいな。ネタにもなりそうだし』と思って『わかりました。行きます』って」と向かったとした。集まったのは塙、村本、著述家・湯山玲子氏、村本のドキュメンタリーの撮影スタッフの4人。当初は別の4人を想定して村本が店を予約したというが、全員がキャンセルし、まったく違うメンバーに。塙によると、村本は「何とか4人集まったから良かった」と安堵(あんど)。「熊が食べたいと思ったんです」という村本が検索して出て来た有名店だったという。塙は「ジビエ料理店なの。熊の前に鹿、イノシシとかいっぱい出てくる。ツキノワグマのとか出てくる。焼肉で、炭火みたいなので(焼く)。めっちゃうまくて。そこがすごいとこらしい。また行きますって言ったぐらい。」と堪能したという。「最後は鍋。はじめは魚もあって、金目鯛のあぶりみたいなのから始まって。その後に肉とか」と振り返った。土屋から「どんな味なの、熊って」と聞かれると、塙は「熊はね、結構脂身が多い。脂身7割、赤身2割みたいな。その脂身もクジラのベーコンみたいな感じで、焼いて一気に食うからギューッて甘い感じで。何枚も食べる感じではないんだろうけど」と説明。土屋が「焼肉みたいにタレつけて食べんの」と質問すると、塙は「みそだね。すごい体が元気になってるというか、精力つく感じだね」と“熊肉効果”を明かした。

(温泉街でシシ肉料理楽しんで:岡山)
真庭市の湯原観光協会と湯原町旅館協同組合は31日まで、湯原温泉街一帯の飲食店や旅館で多彩なイノシシ肉料理をお得に味わえる「ししぐるめぐり」を展開している。イノシシ肉のウインナーとカレーソースを食パンで挟んで焼いた「ししブルスト」をはじめ、いずれもシシ肉入りの焼きそば、おこわ、コロッケ、カレーうどん、カツサンド、担々麺、シカ肉のハンバーガーとコロッケの9品(200~千円)を8店が提供している。中には土日曜限定で販売する店もある。これらを食べることができるチケットを1セット千円(200円券6枚つづり)で販売している。計約30店の飲食や土産品の購入にも使える。湯原観光情報センター(同市湯原温泉)で取り扱っており、1セット購入するごとに、ペア宿泊券や特産品が当たる抽選に1回挑戦できる。30日には温泉街の「ゆばら湯っ足り広場」で、市内の飲食店や高校など10団体がシシ肉料理や地元に生息するオオサンショウウオの味を再現したハンバーグなどを販売する「ししマルシェ」を開く。同協会は「シシ料理を食べて温泉を満喫し、寒さとコロナに負けない体力を養ってもらえれば」としている。

(シカ肉カレーや角ピアス開発:岐阜)
池田山で捕獲される野生動物の価値創造に取り組む岐阜県池田町本郷の「美濃國池田山ふるさと工房」が、料理家やアクセサリー作家と協力して商品を開発した。先月から第3日曜日に同町田畑のレンタルスペース「Share&Community Space Wa」で開くイベントで販売している。工房は2020年に設立。池田山でイノシシやシカを狩猟する傍ら、町内で唯一という処理施設を設けて肉やペットフードにして販売してきた。「食やアクセサリーという身近な存在を通して、命や地域の資源について関心を持ってもらえたら」と話すのは、工房の副代表を務める蓮見文さん。肉の取引で交流があった本巣市の料理家井上真理子さん、井上さんを通じて知り合った同町のアクセサリー作家勝野由紀子さんの3人で、イベントでの販売を考えた。イベントでは、池田山産のシカ肉入りカレーとシカの角を使ったピアスやイヤリングを販売。カレーは「野性味がすごくおいしい」と薦める井上さんが特製のスパイスでシカ肉の味わいを引き立て、アクセサリーは角に塗装などをせず自然の風合いを生かしつつ、勝野さんが「着けて気分が上がるものにしたい」とデザインにもこだわった。先月のイベントには約80人が来場、カレーは完売するなど盛況を見せた。今月は16日に開かれ、蓮見さんは「近所の人にふらっと来てもらえたら」と来場を呼び掛けた。

(鹿のシュークリーム:和歌山)
和歌山県田辺市の本宮中学校で14日、3年生10人が塩味のシュー生地に鹿肉などを挟んだ「鹿のシュークリーム」作りを体験した。フランスの郷土料理をアレンジしたもので、生徒は未知の味を堪能した。講師は地元の洋菓子店「choux(シュー)」の矢倉実咲さん(29)と同市上芳養のフランス料理店「Caravansarai(キャラバンサライ)」の更井亮介さん(32)。2人は2020年に共同制作したTシャツの売り上げを地域振興のために寄付しており、今回の調理実習もその一環。食について深く考えるきっかけになればと企画した。実習では、最初に矢倉さんと更井さんが作り方を実演。矢倉さんが牛乳や水、バター、塩が入った鍋が沸騰した時に小麦粉を入れる▽その後しっかり炒める▽焼いている途中にオーブンを開けない―とうまく作れるポイントを生徒に伝授した。シュー生地が焼き上がった後、生地の間に軽く焼いた鹿肉と地元産のレタス、クリームなどを挟んだ。シュー生地が焼き上がるまでの間、更井さんがジビエについて紹介。シカやイノシシは畑を荒らしたり、車とぶつかったりと害があるが「天然のすごくおいしい食材」と強調した。食材や料理に関わる全ての人に感謝し、「いただきます」「ごちそうさまでした」という気持ちを持つ大切さについても説明した。実演を見た後、生徒も調理を体験。齊藤聖虹君(15)は「最初メニューを聞いてどんなものができるかイメージが湧かなかった。洋風でおいしかった。シュー生地を混ぜるのが難しかった」と話した。矢倉さんは、昨年12月にも同校で生徒と一緒に地元の梅やユズなどを使ったシュークリームを作った。

(シカ肉の串カツやハンバーグにイノシシも:岡山)
岡山県鏡野町で、シカやイノシシの肉など、地元の食材を使った新作の弁当が販売されることになり、12日、お披露目されました。「やま弁」と名付けられたこちらの弁当は、町内の飲食店や民宿などで作るグループが、2009年から販売しているものです。2022年も冬の新作が完成し、シカやイノシシの肉などを使った弁当2種類がお披露目されました。シカ肉の串カツやハンバーグなどが盛り付けられ、肉は柔らかく、臭みが無く、旨味と程よい脂身が口の中に広がります。(鏡野やま弁友の会 丸山恵さん)「やわらかくて皆さんのイメージとは違うと思うので、食べてほしい。ワイルド感がっつり弁当に入れて味わってほしい」。この「やま弁」は、2月28日まで、町内にある道の駅・奥津温泉などで1個1200円で販売されます。購入するには2日前までの予約が必要で、2個から受け付けています。

(鹿肉をソーセージに:熊本)
熊本県八代市千丁町でソーセージやベーコンの製造・販売を手掛ける「カネムマンソーセージ」が、八代地域で捕獲されたシカを使った型焼きソーセージ「八代産鹿肉のケーゼ」を開発した。同店代表の村上慎一さん(44)は、東京や福岡でフランス料理レストランのソムリエなどを経験。帰郷して10年間、食肉加工について修業し、作り手へと転職した。2年前、知人から山でのシカの増加や食害の深刻さを聞いた村上さん。需要の高いイノシシ肉ではなく、ほとんど使われない鹿肉に注目。ジビエ料理として活用して課題を解決しようと製品化を思い立った。ケーゼには、氷川町の猟師が捕獲したシカの肉を使用。うま味やこくを出すため、鹿児島県産黒豚の脂やタマネギのローストなども混ぜ込んだ。冷製でも、軽く焼いても食べることができ、「うま味が詰まった味や、柔らかい食感を楽しんで」と村上さん。1パック2枚入りで480円。同店と八代よかとこ物産館で販売する。19日に市鏡支所を訪れ、中村博生市長に発売を報告した。

(ジビエ料理教室:大分)
日田市の昭和学園高で14日、イノシシとシカ肉を使ったジビエ料理教室があった。県西部振興局と大分西部流域林業活性化センターによる鳥獣害防止対策の一環。

(処分されるイノシシの皮から"革製品”:長崎)
SDGs企画、今回はSDGsが掲げる17の目標のうち、12番の「つくる責任・つかう責任」がテーマ。これはリサイクルや食品ロスを減らす取り組みを通して、持続可能な生産・消費形態をつくるというもの。今回紹介するのは、駆除され、捨てられるはずだったイノシシの皮から作られたお洒落な革小物。しなやかで丈夫、特別なメンテナンスも必要ないことから、ヨーロッパでは「孫に継ぐ革」として、代々大切にされているイノシシ革。長崎・諫早市にある築80年の古民家で、作品作りに没頭するのは小畑真裕子さん。北海道出身で暖かい土地にあこがれがあった小畑さんは、結婚を機に2019年に諫早市への移住を決めた。小畑真裕子さん:もともとは絵描きから始まっていて、もう20年ぐらい、何かしらはずっと表現し続けているんですけど、2年半前ぐらいから革は始めました。アクセサリー作りも手掛けていたが、商品を卸していた店のオーナーから革を使った製品づくりを勧められた。しかし、このレザークラフトへの興味が高まるとある壁にぶつかった。小畑真裕子さん:最初は結構、抵抗感があったんですよ。皮を刻むという行為に。やっぱり、ちょっと革は向いてないなって、最初は思って。革産業のこととか、色んなことが気になってしまって。勉強すると、さらにもう自分は革を触るのはちょっとやだなって。そう思っていた小畑さんの人生を変えたのは、牛の床革との出会いだった。小畑真裕子さん:革って、層になっていて、上の部分がすごく強度が高いんですよね。それがよく使われる革なんですけど、スライスされた時に下に残った革を、床の革ってかいて「床革(とこがわ)」っていうんです。ほとんど廃棄されているのが現実で、それだったら作れるかもって。捨てられているっていうのを聞いた時に、その素材で何か作ってみようかなと。もともと動物が大好きで興味があったという小畑さん。ただ捨てられてしまうだけの動物の皮で自分にできることはないのか。調べているうち新たな転機が訪れた。小畑真裕子さん:色んな話を聞いていく中で、獣害駆除という問題があると知って。諫早市は年間2,000頭(イノシシ)が駆除されていて、そのうちの300頭ぐらい食肉になって、ていうのを聞いて、じゃあ、その皮ってどうされているのかなって。小畑さんの中での革に対する想いと、獣害駆除という社会問題への想いがひとつの線となって繋がった瞬間だった。小畑さんはすぐ行動を起こした。小畑真裕子さん:諫早市の食肉加工組合みたいなところがあるんですけど、すぐ電話して「いま皮ってどうされてますか?」って言ったら、「廃棄してます」って。で、「買い取らせてくれませんか?」って言ったら、「いいですよ」って、二つ返事で言って頂いて。そうしてスタートしたイノシシ革の小物製作。「皮」から「革」にするために必要な下準備は全て手作業で行う。腐敗を防ぐために、一晩 塩水につけた後、塩を揉みこんで塩漬けにする。大きいものでは皮だけで8kgもある。下準備だけでもなかなかの重労働。そしてある程度まとまったら東京のなめし業者へ。その後、約1カ月をかけ「皮」から「革」となって戻ってくる。小畑真裕子さん:端切れがすごくいっぱいあるから、端切れも大事に使おうと思っていて。こういう端切れから、大体はポケットを切り出して、カーブを見て。カットにかかっているんですよ。カットを失敗すると絶対、出来がアレなので、綺麗にカットしていきます。イノシシの革繊維はとても密になっていて、傷や型崩れに強い。牛革の5倍から10倍は強く、そして軽い。また人の肌と近い成分でできているので、普段さわっていると保湿クリームのような効果があり、自然にメンテナンスできるという。小畑真裕子さん:(力は)結構いる。肩が結構パンパンになりますね。一回でサクッと(切る)。あと定規を合わせないで、まっすぐいきたいから結構集中して。こういう小物作るのも好きです。タッセルとか。チマチマした作業が結構好きで。穴が全然ないとしたら、サイズ的には財布は2~3個できますかね。3個くらいはできるかな。一番楽しいのはミシンを踏んでる時。重労働のカットが終われば、ミシンの爽快感へとつながってゆく。小畑真裕子さん:表面に傷があるんですよ。野山を走り回った時に木とかが引っかかるじゃないですか、イノシシに。革用の牛とかだったら傷つけないような飼い方をしてらっしゃってるから、みんな革は綺麗なんですけど。小畑真裕子さん:あえてこの傷がいっぱいあるっていうのは、なんか魅力かなって、命の個性を感じるっていうか。皮になるまでっていうのにドラマがある。ドラマっていってもただハッピーだけじゃない。色々な人が関わって、イノシシを撃ったハンターさんもそうだし、その皮を剥いでくださる加工場の方もそうですし、それをなめしてくださる業者さんもそうですし、っていうのがこのヘリとかのカーブとかクリップ跡とか、そういうところに見えるんです。ナイフでちょっとつけてしまった穴とか。そういうのをなるべく消さずに残しながら作りたいって思っていて、だからへりをあえて使うようなデザインが結構多いです。だからオンリーワンだし、でもそれって自然なカーブじゃなくて、人がつけたカーブで、そのストーリーが少しでもこの作品にこめられれば。伝えたいのは「革」を通じての循環型の社会。小畑真裕子さん:伝えたいのは、ただこれだけ。物がいっぱいある世界で、どこかに出かければ物ばっかり売っている。だから更に物を作るのはどうかなって、でもやっぱりすごくいい素材だし、もちろん土に還ってくれる、循環を起こせる素材。小畑真裕子さん:10年でも20年でも使えるし、やっぱりもったいない精神って大切かなって。本当にいいもの、本物を選べる自分でありたいし、大量生産であっても、どっから来て、どんな人が働いてって、もっと根っこを見てゆく作業を一つづつしていくっていうか、そうした時にこういう商品をあえて手にとりたくなれるような社会とか生き方とかって、私は美しいかなって思ってる。そういう風に生きたいなって思っています。そういうメッセージがイノシシ革と一緒に伝わればいいかなって。捨てられてしまう皮にもう一度命を吹き込む…。小畑さんの挑戦は始まったばかり。

(小料理屋のジビエカレー:東京)
個性的なカレーを提供する店は多摩市内でも少なくないようだが、なかでも密かな人気を集めているのが、聖蹟桜ヶ丘駅近くの小料理屋「さの字」のジビエカレーだ。ルーのなかにイノシシやシカの肉が使われているもので、お酒を楽しみに来店する人たちの「ご飯もの」として人気を集めている。「いつもあるわけではなく、イノシシやシカの肉が入った時だけ楽しめるメニューなんです。やや辛口のカレーがベースになっています」と店主の坂口誠さん。猟師である義理の兄が数年前からイノシシの肉を送ってくれるようになったことがこのメニューを始めるきっかけになったという。昨年、緊急事態宣言が発令された際は、このカレーをテイクアウトメニューとして提供。普段来店することが少ない子どもたちにも喜んでもらえたといい、このカレーを初めて食べた人はほとんどの場合、「クセのない」イノシシやシカの肉に驚くのだという。「くさみはありませんよ。ぜひ一度、味わってもらえれば」

(ぎふジビエ首都圏フェア:東京)
岐阜県内で捕獲されたシカ肉を使った料理をテークアウトできる「ぎふジビエ首都圏フェア2022」が二月二十八日まで、都内二十三のレストランやバーで開催されている。同県内で捕獲され、独自の衛生ガイドラインを順守して処理されたシカ肉は、低カロリーで、イタリアンやフレンチだけでなく、和食にも合う素材として人気という。今回のフェアでは、コロナ禍のなか、一週間から前日までの事前予約を前提としたテークアウトの方式で、各店が工夫を凝らしたメニューを購入できる。一部、店頭で注文できる店もある。フェアに参加している店舗の情報と詳しいメニューはインターネット「ぎふジビエ ぎふDeer(シカ)テイクアウト」(gifugibier.com)で検索。同県では「森のごちそう」として年間三千頭(二〇二〇年度)以上のシカを食用に処理している。

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