<射撃ニュース2月>
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(猟銃が暴発、仲間に命中:岐阜)
13日午後0時5分ごろ、岐阜県高山市朝日町浅井の林道で、イノシシ猟に来ていた自営業の男性(71)=同市=のライフル銃が暴発し、弾が狩猟仲間の男性会社員(57)=同市=の右脚に当たった。男性会社員は右太ももに重傷を負った。命に別条はない。高山署によると、2人は朝から仲間と計4人で狩猟に来ており、仕留めたイノシシ1頭を運んでいる途中だった。銃はケースに入れて肩から掛けていたという。署は、業務上過失傷害と銃刀法違反の疑いで調べている。

(養鶏場で鳥インフル確認、4万5000羽の殺処分開始:岩手)
岩手県は12日、鳥インフルエンザの簡易検査で陽性反応が確認された久慈市の養鶏場で、飼育するニワトリ全4万5000羽の殺処分を始めたと発表した。同日の遺伝子検査でH5型の鳥インフルエンザと判明した。同県の養鶏場での発生は初めて。殺処分は同日午前10時55分に開始。県職員ら89人が作業に当たり、午後5時時点で計1万2995羽の処分を終えた。13日中に完了する見通し。殺処分後は市内に埋却する予定。県によると、養鶏場ではブロイラー用種を飼育しており、10、11日に計312羽が死んでいた。今後、詳細な遺伝子検査で高病原性かどうか調べる。県は12日、3キロ圏内にある1カ所に鶏肉や卵の移動を禁止し、洋野町を含む3~10キロ圏の21カ所に搬出制限を実施した。感染拡大の防止に向け、6カ所に消毒ポイントを設けた。今季の東北の養鶏場での発生は横手市と青森県三戸町に続いて3例目で、国内では16例目。県は100羽以上を飼育する県内の養鶏場など509カ所に、侵入防止対策を求めた。同日設置した高病原性鳥インフルエンザ対策本部会議で、達増拓也知事は「県民に不安を与えることがないよう防疫対策を迅速に実施し、正確な情報発信をする」と強調した。

(射撃日本代表監督が語る“器具を使う競技”の宿命)
北京五輪で波紋が広がる「ジャンプ失格問題」。審査のルールや公平性に疑問の声が挙がる中、ジャンプと同様、厳しい服装規定で知られる他の競技者はこの問題をどう見ているのか。東京五輪でライフル射撃日本代表の監督を務めた田村恒彦氏に聞いた。――現在ジャンプの失格問題が話題を集めています。田村さんはニュースを見て、率直にどのように思いましたか。田村 うーん、射撃でも失格はよくある話なんですよね。だからそれほど驚かなかった。「あ、失格になってしまったんだな」と。――射撃も銃や弾丸はもちろん、服装についても非常に細かいレギュレーションがあるんですよね。田村 射撃用のコート、グローブといった服装や付属品それぞれに、サイズ、硬さ、形状などが細かく決められています。わかりやすいところでいえば、コートですね。射撃は、素材が硬いコートのほうが有利なんですよ。姿勢を固定しやすいので。だから、硬さを測る計測器で一定のおもりを押しつけたときに、3mm以上沈まなければならない、というルールがあります。注意が必要なのが、気温の低い日と湿度が高い日ですね。特に湿度が高いと、競技中にコートが汗を吸うことで意図せず硬くなってしまいます。その結果、検査でひっかかって失格になることもあります。「まだコートは調整できるからいいんです」――かなり厳しいルールに聞こえますが、射撃の世界では当たり前のことだと。田村 まだコートは調整できるからいいんですよ。弾丸についてはコントロールできませんから(笑)。ルール上、ラピッドファイアピストル(射撃の競技種目の一つ)では、弾速が250m/秒以上の弾丸しか許されていません。だけど、弾丸が規定以上の速さかどうかは、撃つまでわからないじゃないですか。特に日本選手はすべて海外から輸入する必要があり、何らかのミスで古い弾丸が混じっていることもある。古くて保存状態が悪い弾丸はスピードが落ちるんです。本番では、仮にそういった事情があったとしても、250m/秒を下回れば失格です。いい弾丸を選ぶことも技術に含まれる、と。実際にワールドカップであった事例です。これは余談ですが、少し前までコーチすら銃に触れられなかったんです。日本の法律では銃刀法違反になりますから。だからパーツ調整もできなくて。それを東京五輪に向けて警察庁に働きかけ、外国人選手が混乱しないようコーチも簡単な調整を行えるように認めていただきました。――「抜き打ち検査」の不公平性を問う声も上がっていますが、選手全員に一律の検査は現実的に難しいのでしょうね。田村 物理的に試合日に全員はできるわけないと思います。射撃の場合、全員一斉ではなく、事前(他の国際大会)に、あるいは五輪前に服装検査を行い、通った人はコートに共通のタグをつけられるんです。「この選手は検査済です」と誰から見てもわかるようにするための“証明”ですね。とはいえ、これでも万全とは言えません。審査が通ったあとに、見えない部分を改造する選手もいますから。日本は公正の意識が強い国ですが、国や選手によっては「勝てばいい」という思いから、審査後の小細工も否定できません。また、ライフル競技では予選後に再度の服装検査が、ピストル競技では引き金の重さ検査が抜き打ちで行われます。――検査は一人の審査員によって行われるのですか。田村 いえ、失格かどうかの最終決定は、基本的に3人のジュリー(射撃の審査員)によって決められます。また、選手側も黙って受け入れるだけでなく、失格の判定に対して規定の時間内であれば抗議できます。抗議の結果、失格取り消しになるケースもありますよ。――ジャンプでは審査員による「誤差」も指摘されています。やり方が統一されていなかったり、人によって厳格さに違いがあったりすると。田村 射撃の審査も多少の誤差があります。審査のタイミングはもちろん、やり方も決められてはいるものの、各ジュリーによって違いますよ。長年見てきましたが、人間が審査することなので、やはり私情を100%なくすって難しいことだと思うんです。なかにはアジア勢、日本人に厳しいジュリーもいますから。そういったジュリーは、コートの硬さを検査するときに、発汗に関わらず、もともと硬い部位を確認してきたり。一方で、日本のスタッフや選手と信頼関係があるジュリーもいるので、彼らとコミュニケーションをとりながら、傾向と対策を練ることもあります。私が東京五輪で射撃日本代表監督を務めた際も、ジュリーに関する情報収集は大切な要素のひとつでしたね。――服装に関して具体的にどのように対策していたのでしょうか。田村 特にコートですが、海外でワールドカップが開催されるときなどは、日本にいる間の準備がすべてです。所属先の監督たちとも相談し、練習中から調整しておくことが大切です。ルールギリギリのところを狙って硬さを調整しますが、失格になってしまえばおしまいですから。――こうした規定に対して、コーチ主導、あるいは選手主導のどちらで行うのがいいのでしょうか。田村 最終的には選手の感覚を大切にします。コートも、銃も、それを使う選手にしかわからない感覚があるので。選手が練習中に違和感を覚えたときに、コーチに相談する。そこで話し合って、改めてルールを確認した上で微調整することもある。もちろん、我々スタッフも競技前に器具の確認はしますが、最終的な決断は選手が行いますね。ジャンプのことは、内情がわからないので申し上げることはできませんが、射撃競技では失格者は出る時は出る、というのが私の認識です。メダルを獲るために、ルールのギリギリを追求すればするほど、余裕がなくなって失格につながりやすい。この点は、多くの器具を使うスポーツ競技の宿命といえるかもしれませんね。

(有害鳥獣対策にICT、モデル地区で大きな成果:京都)
今年度から本格始動している京都府福知山市のICT(情報通信技術)を活用した有害鳥獣対策が、成果を上げている。モデル地区の夜久野町直見での捕獲実績は、1月までで18頭(シカ16頭、イノシシ2頭)となり、昨年度の0頭から一気に増えた。直見地区にある大岶、桑谷、西垣の3農区が主体となり、ICT有害鳥獣対策で連携する市と兵庫県立大学が支援。3者で毎月のワークショップも重ねて活動してきた。まず見直したのが捕獲檻・柵の管理体制。侵入防止柵の点検回数を増やし、老朽化や故障で使えなかった捕獲檻・柵4基を住民が修繕。効果的な設置位置も考えて、現在は計10基が稼働している。毎日の見回りの様子は、グループチャット機能を使ってスマホで各自へ即時に届く。3農区を管轄する直見中地区営農組合の中島松治組合長は「スマホを見たら現地のことがぱっと分かるから情報共有がしやすくなった」と話す。捕獲檻・柵周辺の様子をビデオ録画で確認できるセンサーカメラの映像からは、誘引の餌で使っていた野菜の残りかすに、目的のシカが来ず、タヌキなどの小動物を引き寄せていたことが判明。誘引物をシカが好む米ぬかに変えた。また、熱源センサーに反応して柵が落ちる箱わなは2基を新たに設置している。捕獲実績はまだだが、子ジカだけが先にわなにかかり警戒した親ジカを取り逃してしまうことがないよう、センサーの位置を親ジカの背丈の高さに設定して、親子一網打尽を狙っている。市農林業振興課の鳥獣対策専門員・望月優さんは「ICTの活用で様々な情報が可視化されて取り組みがしやすくなった。地元のみなさんの活動が活発なことが最大の決め手で、捕獲実績が上がったことでモチベーションは高まっています」と手応えをつかむ。モデル地区事業は三和町川合でも進めており、市は、他の地域でも展開できるようにノウハウを蓄積していく。

(冬眠しないヒグマを警戒:北海道)
冬の間、「ヒグマは冬眠していて雪の森の中では活動していない」はずなのでは? しかし、この冬、北海道東部の厚岸町の山中の工事現場を訪ねると、ヒグマの出没に備えながら作業をする人たちと、変わるヒグマの生態が見えてきました。冬眠しないヒグマに戸惑う工事現場があるという情報を聞き、2022年1月、厚岸町の工事現場を訪ねました。現場は、2021年夏までに放牧中の牛50頭以上が、ヒグマ“OSO18”に襲われた場所からおよそ15キロの山の中です。国道の津波対策のために真冬も地下調査を行っています。あさの気温はマイナス15度。息でまつげも凍る寒さの中、作業前のミーティングが始まりました。工事の打ち合わせに加えて、欠かせないのがヒグマ対策の確認です。鈴や大きな音が鳴るクマよけのホーンは、近くにいるヒグマに人間の存在を気づかせるために必ず持ちます。クマスプレーは、万が一、ヒグマに遭遇したときに身を守るため、唐辛子の成分が入った液体を噴射して、撃退するためのものです。現場付近では、トドマツの幹にヒグマの爪あとが見つかっていました。現場の安全対策の責任者舘山誠さんに、ヒグマについて聞きました。太平洋総合コンサルタント 舘山誠さん「見通しの悪い現場でうなり声が聞こえてきて、作業を中止したことがあります。ヒグマがいる、危険性の高い場所では基本的な安全対策をしていますが、やはり恐怖はあります」。北海道庁によると1962年以降、12月から3月の間のヒグマによる人身事故はあわせて9件発生しています。北海道東部の厚岸町と標茶町では、2015年の1月と2月に、山の中で作業をしていた林業関係者がヒグマに襲われ、2人が死傷しました。「冬眠は必ずしなければならないものではない」そう話すのは、知床で15年以上にわたってヒグマを研究してきた石名坂豪さんです。石名坂さんは、真冬の1月2月は、ほとんどのヒグマは冬眠するとした上で、ヒグマにとって冬眠とはどういう行為なのか、説明してくれました。知床財団保護管理部長石名坂豪さん「冬眠は必ずしなければいけないものではなくて、あくまでエネルギーを節約して、ヒグマが生き残るための戦略なんだと思います」。ではなぜ、ヒグマは冬に活動するようになったのでしょうか。考えられるのはエサが確保できることです。北海道東部ではエゾシカの数が20年前に比べて約5万頭増えています。シカが狩猟で傷ついたり、自然に死んだりすることで、ヒグマのエサになると考えられています。知床財団保護管理部長石名坂豪さん「エサが豊富にあれば冬眠入りが遅れるということは普通に起こります。シカのざんしなどが豊富に手に入るのであれば1月などに活動するヒグマが割合的に増えるということは十分起こりえます」。石名坂さんが研究している知床では、秋にエサとなるドングリが豊作で、雪の少なかった2014年と2019年に、冬眠入りが遅れるヒグマが確認されています。厚岸町の山の中で続く、津波対策のための地下調査の現場。2年前から、冬もハンターに同行してもらうようになりました。取材で訪ねたこの日、現場では2人のハンターが対応していました。現場作業にあたる人たちは、黄色やオレンジ色の、ヘルメット・ベストを身につけて仕事をします。雪の森で目立つ服装をすることで、ヒグマが出没した際、銃での誤射を防ぐためです。一方、同行するハンターには高度な経験と技術が求められています。ハンター根布谷昌男さん「厚岸町のハンターのうち、ヒグマに対応できるのは1割いない。今まで何十頭とヒグマをとってきた自分でも、毎回怖い」。根布谷さんによると、現在、厚岸町でヒグマに対応できるハンターは3人。そのため、隣町に応援を求めざるをえない状況だということです。こうした冬のヒグマ対策について、作業をする現場の責任者は、考え方が変わってきたと言います。太平洋総合コンサルタント舘山誠さん「以前は冬であればヒグマは冬眠しているという意識がわりと強かったですが、いまは季節にかかわらず安全対策が必要だという意識に変わってきています」。さらに、ヒグマ研究者の石名坂さんは、冬眠中のヒグマに対しても注意が必要だと指摘しています。知床財団保護管理部長石名坂豪さん「冬眠しているヒグマも、刺激をすると、起きてしまうことがあります。真冬であっても場合によっては山の中ではヒグマと出会って攻撃されるという意識を持ってほしい」。変わってきた冬のヒグマの生態。私たちは今までの常識を見直して、変化する現実に対応することが必要になっています。

(カラス vs AI、ふん害防止へ屋上決戦:岐阜)
大垣市役所本庁舎で、人工知能(AI)を使ったカラス撃退装置の実証実験が始まった。監視カメラの映像の中から、AIがカラスだけを判別し、カラスが嫌がるとされる音を発して追い払う仕組み。4月末ごろまで行う予定で、装置の精度向上や実効性の確認を進める。市役所本庁舎や周辺の建物、大垣公園などには夕方から多くのカラスが集まり、ふんや鳴き声への苦情が寄せられている。実証実験は、鳥害防止対策推進のため害獣や害虫駆除などを手掛ける民間企業の防除研究所(大垣市長沢町)と市が先月結んだ協定に基づいて実施している。同社が9日、8階建ての本庁舎屋上に監視用カメラ3台と、スピーカー3台、これらの機材を集中制御するAIボックスをそれぞれ設置し、稼働させた。カメラの映像を常にAIが分析し、ハトなど別の鳥や人とカラスを識別。カラスが飛来した時だけ、40種類の警告音を各スピーカーからランダムに鳴らす。ランダムに鳴らすことで、音による撃退だけでなく、カラスに警戒感を与えて近づかなくさせる効果が期待できるという。10日夕は、屋上に飛来したカラスが離れる様子が見られた。実証実験では、動作実績を分析してAIの精度や音の効果を調べるなど、検証を進める。同社の梅木厚生社長は「カラスのふんは菌を媒介するルートにもなり得るので、新しい衛生対策としても期待できる。技術を高めていきたい」、市の担当者は「捕獲といった対策は許可などの点で難しい。検証を進めて対策に生かしたい」としている。

(釣り糸と弾性ポールでカラス避け)
農研機構は、テグス(釣り糸)と弾性のあるポールを組み合わせた簡易なカラス対策技術「くぐれんテグスちゃん」を開発した。園地を囲うようにポールを立て、側面と上面にテグスを張ることでカラスの侵入を防ぐ。常設型の防鳥ネットより安価で、脚立を使わずに設置できる。2012年に開発した「くぐれんテグス君」の改良版。テグス君は、1メートル間隔で設置したポールの側面に防鳥ネット、天井部にはテグスを張る作りで、徳島県の梨園での実証試験では、10%だった被害果率を1%に抑えた。しかし「防鳥ネットが強風に弱い」「設置に脚立が必要で、落下のリスクがある」などの課題があった。「くぐれんテグスちゃん」は、「テグス君」と同様、縦は1メートル間隔で張り、側面には防鳥ネットの代わりにテグスを50センチ間隔で張る。ネットが強風にあおられるのを避け、耐風性を高めた。弾性ポールはしなりやすく、先端を手元まで引き寄せれば脚立なしでテグスを張れる。30アールの園地に2、3人で設置する場合の作業時間は19・5時間で、テグス君より2割削減できた。設置費用は10アール当たり5・1万円。園地に固定する従来の防鳥ネットと比較すると、10分の1以下で済むという。同機構は、動画投稿サイト「ユーチューブ」に動画マニュアルを公開。設置の手順やポイント、必要な資材などを10分程度の動画で解説している。

(箱わな手作り、シカ被害防げ:熊本)
熊本県八代市の八代工高機械科の3年生7人が10日、自分たちで作ったシカ専用の箱わなを同市川田町の雑木林に仕掛けた。課題研究授業の一環。生徒らは昨年5月から、山に入ってシカの被害の現状を学び、9月からは箱わな作りに取り組んできた。角のあるシカでも入れるように高さ1・5メートル、幅1メートル、奥行き2メートルの鉄製。学んだ技術を生かして材料の切断から溶接まで担った。この日は、県猟友会八代支部員など10人も加わり、葉が食べられている樹木や山中の獣道を確認しながら、箱わなを仕掛ける場所を慎重に探して設置した。「シカに新芽を食べられた樹木など食害を見てきた。箱わなで少しでもシカの被害を減らせれば」と製作班長の高野楓午[ふうま]さん(18)。箱わなの近くにカメラを設置し、生徒らはスマートフォンでわなに掛かった動物の画像を確認する。

(イノシシの集団、公園の芝生を穴だらけに:兵庫)
兵庫県立丹波並木道中央公園(丹波篠山市西古佐)で今冬、園内の芝生などが広範囲にわたって掘り返される被害が生じ、スタッフが頭を抱えている。主立ったエリアだけでも約2ヘクタールが、でこぼこの穴だらけ。夜間に侵入した、野生イノシシの集団による仕業とみられる。ただ、即効性がある対策がないのが悩みの種。県は年度内に重機などを用い、芝生を修復する予定だ。同園などによると、イノシシは、餌となる地中のミミズや昆虫を狙って掘り起こしているらしい。主な被害エリアはかやぶき民家付近など十数カ所。林道周辺などを含むと約3ヘクタールに及ぶ。2007年のオープン以降、たびたび被害はあったものの、今冬ほど大規模な例はなかったという。職員が夕方、爆竹を鳴らしたり、芝生へ忌避剤をまいたりしたが効果がなかった。張り巡らされた獣害柵を2日に1度巡回し、イノシシが地面を掘って侵入した経路をふさぐなどしか対処法が見当たらないという。被害が大きかったのは昨年11、12月。「毎晩、複数の集団がやってきて掘り返していたようだ」とスタッフ。年明け以降、掘り返しは減ったものの、被害が広範囲のため手作業での修復は難しく、惨状がさらされたままだ。同園の梶村徳全所長は「被害が急増した原因は分からない。山の中にもミミズなど餌はあるだろうに」と頭を抱える。市によると、市内のイノシシの捕獲数に地域によるばらつきが目立ち、城東、多紀地区では激減。一方、同園のある丹南や今田地区では増えており、10~12月にわなを中心に約180頭も捕らえたという。今回の掘り返し被害について市は、「原因ははっきりしないが、豚熱の影響があるのかもしれない」と推測する。同園は、「丹波の森構想」に基づく広域公園で、70・9ヘクタールの広大な敷地に、芝生広場や棚田、動く恐竜のオブジェ、木工体験などができる森林活動センターが点在。昨年度は約17万人が訪れた。県公園緑地課によると、同園の芝生の修復費として、約300万円を計上している。イノシシによる掘り返し被害は、国内各地の田畑や墓地、校庭などで確認されている。丹波篠山市によると、過去に市内のゴルフ場でも、一部被害が報告されている。今冬は、広島県尾道市の観光名所「千光寺公園」でも芝生や地面の大規模な被害があった。掘り起こしは主にミミズ目当てとされるが、イノシシはあまり好んでミミズを食べないとの報告も。餌探しだけが目的でなく、理由がはっきりしない本能的な行動と見る専門家もいる。一方、イノシシの仲間が、地面を掘り起こす習性が、土壌に蓄積された二酸化炭素の大量放出につながり、温暖化の一因となっているとの海外の研究もある。

(シカ捕獲4年で倍増:北海道)
室蘭市内でエゾシカの出没が増えている。室蘭市は2021年度に12月までで84頭を捕獲し、4年前の17年度と比べ倍増となった。室蘭署管内(室蘭市、登別市)でのシカの飛び出しによる交通事故も21年は過去5年で最多の92件。市民からは「家庭菜園が荒らされる」などの被害の声も上がっており、市などは警戒や対策を呼び掛けている。室蘭市は市内約40カ所にわなを仕掛け、捕らえたシカを駆除している。捕獲数は17年度に43頭だったが、その後18年度60頭、19年度74頭、20年度66頭と増加傾向が続く。21年度は12月までの9カ月で84頭。13~15年度の3年間は20頭未満が続いており、特に近年の増加が目立っている。

(冬眠明け野生ツキノワグマ探すツアー:長野)
自然観察ツアーなどを手がける「ピッキオ」(長野県軽井沢町)が、冬眠から目覚めたばかりの野生のツキノワグマを観察する日帰りツアーを開く。「野生のクマを身近に体感し、人間とクマの共存を考えるきっかけになれば」という。ツアーは4月21~28日の8日間で、1日1組(2人まで)の限定。クマの生態を熟知したスタッフと町内の森に分け入り、樹木に付けられたクマの爪痕や食事の痕跡などを探したり、人が近づけない斜面にいるクマを谷を挟んだ対岸から双眼鏡で観察したりする。初めて企画した昨年はキャンセル待ちが出る人気で、5割程度の確率でクマが観察できたという。4月中下旬は葉が茂る前で森の中の見通しが良く、1キロ程度離れた先からでも新芽や地面に落ちたドングリを食べるクマの様子を観察しやすい。今年は外国製で高性能の望遠鏡や双眼鏡を導入。担当者は「世界最高水準の性能で、より明るく、よりシャープに観察できる」と話す。参加は中学生以上で、料金は1人2万2千円(税込み、昼食代・保険料などを含む)。クマが観察できないこともある。5日前までにピッキオの公式サイトから申し込む。

(クロスカントリーコースでクマ目撃:北海道)
10日午後、留萌市の公園で林の中を歩いているクマが目撃されました。市は公園にあるクロスカントリーのコースを利用しないよう呼びかけています。警察によりますと、10日午後3時ごろ、留萌市郊外にある「神居岩総合公園」で、クロスカントリーをしていた自衛隊員2人が林の中を歩いているクマを目撃しました。警察によりますと、クマは1.5メートルほどの大きさで、山に向かって歩いていたということです。留萌市によりますと、まだ雪が多いこの時期にクマが目撃されるのは非常に珍しいということで、市は公園の駐車場にクマに警戒するよう促す看板を設置しました。また、公園にあるクロスカントリーのコースを利用しないよう呼びかけています。

(高級食材の「キョン」、県が「房総ジビエ」にしない理由とは?:千葉)
千葉県南部で大繁殖し、農作物に被害をもたらしているシカ科の特定外来生物「キョン」の封じ込めに、県が本腰を入れている。捕獲数は年々増え、撲滅に向けた「防衛ライン」も初めて設定。台湾では高級食材として知られ、県内でもキョンの肉を販売する動きもあるが、県は慎重だ。理由を探ると、特定外来生物ならではの事情が見えてきた。キョンは体高50センチほどの草食獣で、元々の生息地は中国南東部や台湾。国内では伊豆大島と房総半島で確認されており、県内のキョンは勝浦市の観光施設から野生化したとみられる。繁殖力が強く、県の推計によると、2006年度に約9100匹だった生息数は、19年度には約4万4000匹に激増。生息域を拡大し、農業被害も深刻化しつつある。「ギャー」という大きな鳴き声に苦情も寄せられている。これ以上の拡大を防ごうと、県は21年度から5年間の防除実施計画を策定。一宮町と市原市を東西に結ぶ「分布拡大防止ライン」を設定し、年間8500匹以上の駆除を目指している。国内屈指の農業県である千葉県にとって、有害鳥獣の被害は深刻な問題だ。キョンを含め、イノシシやシカなどによる農作物被害は20年度、約3億5900万円に上り、イネや野菜、果樹の被害が後を絶たない。対策の一環として、県は捕獲されたイノシシとシカの肉を「房総ジビエ」と銘打ち、飲食店での活用やジビエ料理コンテストの開催などで消費を促している。ただ、特定外来生物のキョンは、その対象にできないという。環境省によると、特定外来生物を食べること自体は規制されないが、許可のない飼育や生きたままの運搬、野外に放つことは禁止されている。キョンの肉に市場価値を与えれば「外に放したり、飼育したりする行為により、生息域の拡大につながる恐れがある」(県流通販売課)といい、県は将来的なキョンの撲滅を掲げる立場だ。一方で、キョンの肉を消費する動きもある。君津市の「猟師工房ランド」では、ジビエ(野生鳥獣の肉)として代表的なイノシシやシカのほか、アライグマやハクビシンといった動物の肉を販売している。鴨川市などで捕獲されたキョンの肉も、その一角に並ぶ。ヒレやロースなどの部位があり、価格は100グラムあたり810~1760円。身質が軟らかく、原田祐介代表(49)が「キョンを目当てに来る人もいる」という人気ぶりだ。原田さんは「特定外来生物として撲滅すべきという思いは行政と同じ。いただいた命を活用する役割を担いたい」と話す。キョンの肉を扱うのも「撲滅まで」と決めているという。鳥獣対策に詳しい岐阜大野生動物管理学研究センター長の鈴木正嗣教授は「商業的利用が行き過ぎると、外来生物対策として間違ったメッセージになる」と指摘。キョンの駆除に向けて「行政がハンター任せにせずに事業として駆除に取り組むことで、防除実施計画に実効性を持たせることが重要だ」と話している。

(豚熱が狩猟とジビエに大打撃:岐阜)
二〇一八年秋に県内で発生した豚熱(CSF)が、農林業の獣害を防ぐ狩猟に大きな打撃を与えている。主な獲物だったイノシシが豚熱感染などで激減したため、猟友会関係者は「会員が出猟の意欲を失っている。このままでは伝統的な大物猟がすたれ、狩猟そのものが衰退する」と懸念。商品価値が高いシシ肉の流通は自粛を求められており、狩猟を後押ししてきたジビエ業界にも悪影響が及んでいる。

(「ジビエブーム」と言われても…:京都)
農作物を食い荒らす農家の「天敵」、シカ。害獣駆除などで捕獲される頭数は増えているが、食肉としての活用は進んでいない。国や京都府は「ジビエ」(狩猟で得た野生鳥獣の食肉)としての利用を促すが、衛生面での安全性の確保など課題も多い。府によると、2020年度に捕獲されたシカは2万5066頭で、統計のある1998年度以降で最多となった。農作物被害を防ぐ目的で市町村の許可のもと行った捕獲が約3分の2を占める。府内の農作物の被害額はピークだった2008年度に約1億9400万円に上ったが、捕獲に加えて、電気柵の設置などの対策が進み、20年度に約7300万円にまで減った。ただ、ここ数年は8千万円前後で横ばい傾向にある。捕獲数が増えた背景には、自治体が国や府の補助金に上乗せする形で、1頭当たり数千~数万円の報償金を支払っていることが大きい。

(イノシシ油で肌しっとり:愛媛)
畑や農作物を荒らす害獣として捕獲されたイノシシを有効活用しようと、今治市の大三島で活動する地域おこし協力隊の有田京子さん(50)が、イノシシの脂を使ったスキンケア商品を作った。3年間の協力隊活動の集大成として手掛け、地元の言い伝えにあやかって「鶴姫伝説コスメ」と名付けて売り出している。「イノシシに対するマイナスな固定観念を払拭(ふっしょく)したい」と張り切る。有田さんは大阪府吹田市出身。前職では商品のパッケージデザインなどを担当していた。全国の協力隊の活動に関心を寄せる中、大三島の住民らでつくる「しまなみイノシシ活用隊」のことを知り、2019年4月に着任した。現在は活用隊の一員として商品開発などに携わっている。イノシシを資源として新たなものを作りたいと考えていた有田さんは、人肌に成分が近く浸透力と保湿力に優れるといわれる「ぼたん油」に着目した。女性らが普段使いしやすい美容品として役立てられるのではないかと開発に乗りだした。脂は大三島などで捕まえたイノシシの内臓などの部位から取り出す。お湯でじっくりと煮込んだ後、ミキサーでペースト状にしてろ過していく。冷やして分離した油分に水を加え、再びろ過する作業を何度も繰り返し、1週間ほどかけて不純物のない油を抽出する。

(「おうちジビエ」手軽に)
ジビエ(野生鳥獣の肉)料理を家庭向けに提案する新たな動きが広がってきた。大手百貨店は、家庭で調理しやすいカット済み精肉や味付け肉をレシピ付きで販売。つまみやミールキットなどをそろえる電子商取引(EC)サイトも登場した。長引く新型コロナウイルス禍で主力の飲食店需要が落ち込む中、“おうちジビエ”の浸透に期待が掛かる。東京都の池袋駅直結で店舗を構える西武池袋本店(東京都豊島区)は、2月中の金曜限定で、鹿肉の店頭販売をスタートした。柿安本店が運営する精肉店で、国産ジビエ認証施設から仕入れた焼き肉用のロースやブロック肉などを100グラム当たり300~700円前後で販売。比較的安価なウデ肉もそろえた。下ごしらえの仕方やレシピのリーフレットも添え、鹿肉の調理に不慣れな利用客も手に取りやすいよう工夫。焼くだけで簡単に仕上がる味付け肉も用意する。同店の宇都山絵美店長は「他ではなかなか手に入らないため健康志向のお客に人気。これまでの販売でも売り上げは好調だった」と手応えをつかむ。企画したそごう・西武は「手軽に購入できるきっかけをつくり、家庭向けの普及を後押ししたい」と話す。飲食店など約1600店舗が参加し、国産ジビエの魅力を発信する「全国ジビエフェア」を展開するぐるなび(東京都千代田区)は、フェア特設サイトで、ジビエを扱うECサイトを特集する。食品衛生法に基づく営業許可を取得し、衛生管理を徹底した獣肉処理加工施設の直売など、安心して購入できるサイトを紹介。手軽に食卓に取り入れられるソーセージや鍋セットなどを提案する。同社は「普段の食卓はもちろん、少し特別感を出したいときなど幅広い場面でジビエを取り入れてほしい」と呼び掛ける。

(猪鍋、老舗が脈々と受け継ぐ江戸の味:東京)
食文化が花開いた江戸時代の人気料理はいまも引き継がれ、受け継がれた味を楽しめる老舗を紹介しよう。ももんじや 【1718年創業】猪鍋(4400円)。隅田川にかかる両国橋のたもとに佇み、10代にわたって獣肉料理を扱う老舗。元々は漢方を扱う薬屋だったが、薬として出した猪肉が美味しいと評判になり、料理店に転じた。店名は獣肉を意味する「百獣(ももんじゅう)」に由来する。江戸時代、禁忌だった四足の動物を出す料理店は「ももんじ屋」と総称された歴史があり、猪は「山くじら」と呼ばれて食べられていた。看板料理の猪鍋は兵庫・丹波の野生の猪のみを使用。江戸時代と同じく味噌を使い、鉄鍋で猪肉を20分以上煮込む。猪肉は煮れば煮るほど柔らかくなり、甘辛い風味が染みた赤身と脂身に舌が喜ぶ。

(「ジビエカー」の可能性)
クセの強さや生臭さで経営されたジビエ(野生鳥獣肉)が、濃厚かつ滋味深い健康食材として美食家たちの舌を唸らせるようになって久しい。かつてはひと握りのグルメたちにしか届かなかった垂涎の味覚は、今では狩猟ビジネスの進化によって多くの人々の元へと届くようになっている。その進化のひとつが移動式解体処理車「ジビエカー」の登場だ。全国で初めて「ジビエカー」を導入したのは、町面積の91%を森林が占め、「ジビエの町づくり」に取り組んでいる高知県梼原(ゆすはら)町だ。捕獲地にジビエカーが出向き、すぐに洗浄や殺菌、解体処理が可能なため、新鮮な状態の高品質な肉を確保できる。野生鳥獣を食肉にする場合、捕獲後に鳥獣を絶命させる「止めさし」から2時間以内に処理施設に運んで解体処理することが求められる。処理施設から遠く離れた山奥などで狩猟・捕獲すると、時間内での運搬が困難だったり、特に高齢者には体力的な負担も大きく、廃棄するケースが多いことが全国的な課題になっている。そこで、長野トヨタ自動車と日本ジビエ振興協会がジビエカーを共同開発。梼原町が2017年に購入し、住民らで構成する処理施設運営者のNPO法人に貸与する形で稼働している。「南北に長い梼原町の全域で捕獲したイノシシやシカをジビエに有効利用できる態勢をつくり、販路も全国に広がっています」(竹内正太郎梼原町まちづくり推進課長)ジビエカーの基地である梼原町獣肉解体処理施設「ゆすはらジビエの里」から遠い地区にジビエカーが移動して剥皮・解体など1次処理を行ない、冷蔵状態で施設に運搬する。解体室や清水タンク、高圧洗浄装置などを完備するジビエカーには、最大5頭分の枝肉を冷蔵・冷凍保存できる。町内を走るジビエカーの車体にはシカやイノシシ、ジビエ料理のイラストが描かれ、ジビエのPRや普及にも効果が出ているようだ。

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(新たに2羽"カラスの死骸"から「高病原性鳥インフルエンザ」:北海道)
北海道は2月9日、根室市で3日に見つかった2羽のハシブトガラスの死骸から、「高病原性鳥インフルエンザウイルス」が確認されたと発表しました。根室市では1月下旬から死んだ野生のハシブトガラス9羽から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されていて、今回新たに見つかった2羽も同じ場所で3日に回収されていました。環境省の遺伝子検査で「H5亜型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されたということです。北海道は2月9日、根室市で3日に見つかった2羽のハシブトガラスの死骸から、「高病原性鳥インフルエンザウイルス」が確認されたと発表しました。根室市では1月下旬から死んだ野生のハシブトガラス9羽から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されていて、今回新たに見つかった2羽も同じ場所で3日に回収されていました。環境省の遺伝子検査で「H5亜型」の鳥インフルエンザウイルスが検出されたということです。これでこの地域で11羽のハシブトガラスから検出されたことになります。「H5亜型」の鳥インフルエンザウイルスは、ニワトリが感染すると高い確率で死に、感染を広げる力も高いとされています。回収場所から半径3キロ以内に養鶏場などはなく、現時点で異常の報告はありませんが、北海道は回収地点から半径10キロ圏内で監視体制の強化を継続するとともに、北海道内の養鶏農家などに対し侵入防止策の徹底などを呼びかけています。環境省によりますと、北海道内で今季、高病原性の鳥インフルエンザウイルスが確認されるのは7例目です。

(カラス死骸から鳥インフル検出:北海道)
北海道は8日、標津町で見つかった野生のハシブトガラス5羽の死骸のうち、検査可能な4羽からA型鳥インフルエンザウイルスの陽性反応を検出したと発表した。北海道大が高病原性かどうかを調べる。環境省は回収地点の半径10キロを野鳥監視重点区域に指定した。道内の養鶏場などで異常は報告されていない。

(野生イノシシの豚熱対策、近畿・東北に重点)
農水省は、野生イノシシの豚熱対策と位置付ける経口ワクチンの散布について、新たな方針をまとめた。近畿や東北など、陽性イノシシの割合が高く感染地域の周縁部への散布を増やし、封じ込めを図るのが狙いだ。

(イノシシも個体数管理へ:青森)
青森県は来年度、県内で目撃情報が相次ぐイノシシの個体数を管理するための計画策定に着手する。専門家らでつくる科学委員会で捕獲などの管理手法や目標頭数などを検討し、具体的な対策を始める。県が鳥獣保護法に基づく「第二種特定鳥獣管理計画」を策定するのは、下北半島のニホンザル、ニホンジカに続き3例目。

(人工知能でシカ識別:北海道)
人工知能(AI)でエゾシカを1頭ずつ見分ける―。稚内北星学園大の張江(はりえ)洋次朗助教(30)と、4年のネパール人留学生、ニューパネ・サンガム・バブーさん(24)がこんなユニークな研究に取り組んでいる。将来的には市内で食害をもたらすシカを特定し、効率的な駆除などにつなげたい考えだ。開発中のAI端末は手のひらより一回り大きく、センサーと小型カメラが付いている。センサーで感知したシカの動きに合わせ、カメラで画像や映像を撮影。大学内のパソコンにデータを取り込み、角の特徴などの情報を集め、自動的にそれぞれを識別する。約740種類の写真の情報を多角的に分析し、シカだけに反応する仕組みを構築した。

(クマの侵入防止対策を強化へ:北海道)
旭川市は、去年、市の中心部でクマの出没が相次いだことを受けて、新年度・令和4年度は、河川敷に新たに電気柵を設置するなどクマの侵入を防ぐ対策を強化することになりました。旭川市中心部の美瑛川や忠別川、それに石狩川の河川敷では、去年、クマの出没が相次ぎ、一時、立ち入りが禁止されました。旭川市によりますと、今年度、市内でクマの出没情報は、昨年度の47件の倍近い90件にのぼっていて、市は、4月からの新年度、市中心部へのクマの侵入を防ぐ対策を強化することになりました。具体的には、クマの通り道となっている河川敷に、新たにクマの侵入を防ぐ電気柵や、動きを感知するセンサーカメラを設置する計画で、雪どけを待って専門家と現地調査し、設置する場所を検討することにしています。また、去年、立ち上げた「旭川市ヒグマ対策協議会」を継続して開催し、専門家や警察関係者などが一堂に会して対策を議論します。旭川市は、新年度予算案に、鳥獣対策費としておよそ800万円を盛り込んでいて、「市民が安心できる環境を整えていきたい」と話しています。

(ブランド柿の産地で深刻な獣害:岡山)
農作物を食い荒らし人間を悩ませるイノシシです。岡山市中区に仕掛けた檻で、一度に8頭が捕獲されたとイブニングニュースに連絡がありました。地区の特産の果物が深刻な被害にあっていました。興奮した様子でおりに体当たりし、威嚇するイノシシ。2月7日、岡山市中区沢田地区の山ぎわに仕掛けていた捕獲用の檻に入っているのが見つかりました。捕獲されたのは、体重約40kgの3歳前後のメスが2頭、昨年秋生まれたと見られる生後数か月の子が6頭、2組の親子と見られます。周辺では以前から目撃が相次いでいました。一度に8頭が入った檻はイノシシの警戒心を下げる工夫がなされたものです。西岡正義さんが顧問を務めるNPOで製作したものです。トンネルのように両側に出入口を設けています。2月7日、イノシシが捕獲された畑では昨年春に檻を設置しました。最初はタケノコ、そして農作物にも被害が出たためです。無残にも折りとられた枝、被害に遭ったのは沢田地区で栽培されているブランド柿、富有柿の木です。昨年はまだ実が青いうちからイノシシに荒らされ、光延將さんの畑では、30本のうち半数ほどで枝が折られました。一度に8頭が捕獲され、この畑での被害はしばらく収まると見られますが、楽観視はできないといいます。春には再び出産期がやってきます。コロナ禍でもイノシシは手加減してくれません。各地で被害に悩まされる日々が続きます。

(カモの食害年間3000万円超:長崎)
長崎県の国営諫早湾干拓事業でできた調整池周辺の営農地で、飛来したカモに野菜の芽などを食べられる食害が深刻化している。カモによる農作物被害は諫早市だけで年間3000万円超に上り、ここ数年は隣接する雲仙市にも被害が拡大。農家からは苦情が相次いでおり、両市は対策に苦慮している。調整池は潮受け堤防の締め切りにより堤防の内側にできた淡水の池で、面積は約2600ヘクタール。干拓地での営農は08年に始まり、15年ごろから陸ガモのマガモやヒドリガモの食害が目立つようになった。調整池周辺は水の流れが穏やかな場所が多いため、渡り鳥の越冬に適している上、干拓地ではブロッコリーやレタス、キャベツなど野鳥が好む葉物野菜が多く栽培されていることが原因とみられる。

(県内でシカ捕獲数激増:福井)
農作物などに害をもたらすイノシシとニホンジカの県内勢力が完全に逆転。狩猟を含めた2020年度の捕獲数は、イノシシが4534頭と19年度比で半減したのに対し、シカは1万453頭と大台に乗った。イノシシが豚熱(CSF)に駆逐される陰で嶺北で生息域を拡大したとみられ、シカの“増殖”の勢いは21年度も止まりそうにない。

(ニホンザル、生息数減少も農作物を荒らす群れ数は増加:福井)
県内に生息するニホンザルの生息数は減少する一方、農作物などを荒らす群れの数は増えていることがわかり、県は市や町と連携してこうしたサルの捕獲を本格的に進めることにしています。県がおととし、県内で調査したニホンザルの生息状況をまとめたところ、全体の頭数は、約3800頭で、6年前の調査に比べて600頭減りました。その一方で農作物などを荒らしたニホンザルの群れの数は6年前の41から64に、日常的に集落に出没し、被害を与える群れの数は1から12にまでそれぞれ増え、おととしの農業被害額は6年前と比べて4倍以上増加しているということです。農作物などを荒らす群れが増えていることについて県は、危害を加えていた群れがこの6年間で複数に分散したとみていて、今後、危害を加えるニホンザルの捕獲を本格的に進めるため、市や町と具体的な方法を検討することにしています。県中山間農業・畜産課は「それぞれの集落で柿など放置された果樹の撤去を呼びかけるとともに電気柵を設置しながら捕獲を進めていきたい」としています。

(カラスが激減、コロナも影響?:東京)
東京都心のカラスが減っている。研究者や市民ボランティアが、墓地や神社などのねぐらに集まるカラスを調べたところ、20年前のピーク時に比べ「7分の1」に減っていた。都が進めるカラス駆除の取り組みに加えて、新型コロナウイルスの影響で、エサとなる繁華街の生ごみが減ったことも拍車をかけている。都心に多いハシブトガラスは、冬場の夜、ねぐらとなる緑地に集まる習性がある。研究者らでつくる「都市鳥研究会」は、明治神宮(渋谷区)、豊島岡墓地(文京区)、国立科学博物館付属自然教育園(港区)の3カ所で、1985年から5年ごとに追跡調査を続けてきた。新型コロナが感染拡大した影響で2020年は調査できなかったが、感染対策をした上で21年12月に6年ぶりに調べた。その結果、3カ所で確認されたカラスは、前回15年の4816羽より4割少ない計2785羽に。ピークだった00年の1万8658羽と比べると、85%も減っていた。東京都が毎年12~1月に都内40カ所で行っている調査でも、カラスの数は減少傾向にある。最も多かった01年度の3万6400羽から、20年度には1万1千羽まで減った。カラスが都心で増えたのは、70年代以降のことだ。それ以前は、山手線の内側ではあまり姿を見かけなかったが、都心は天敵の猛禽(もうきん)類が少なく、針金など巣作りの材料も得やすい。特に家庭や繁華街から出る生ごみをエサとすることで、都心の環境に適応していった。研究会の36年間にわたる追跡調査によると、90年代以降にカラスの数に異変が出始めた。バブル経済がはじけて街にごみが減り、都が01年度から本格的な駆除に乗り出したことも影響したとみられる。都市鳥研究会の唐沢孝一さんは、減少の理由について、エサになる生ごみなどの減少▽ごみの出し方などのカラス対策が浸透▽オオタカなどの天敵の増加、を挙げる。コロナ禍で飲食店が休業したり、外食が減ったりして、生ごみは減っている。東京都23区清掃一部事務組合によれば、23区内の飲食店やオフィスなどから出る事業系ごみは、19年の約97万トンから、20年には2割減の約77万トンに。21年も約74万トンだった。コロナ禍で初めて緊急事態宣言が出た20年4月の事業系ごみは、前年同月に比べ約4割も減ったという。

(設備点検のついでにシカ捕獲手助け:愛媛)
国有林に被害をもたらすニホンジカを捕獲するため、愛媛森林管理署が先月26日、国有林で風力発電を行う電力会社に作業の一部を担ってもらう協定を結んだ。発電設備のメンテナンス作業のついでに従事してもらう。国有林保護で電力会社とシカの捕獲協定を結ぶのは全国で初めて。同署は愛媛県全体の森林面積の1割にあたる国有林約4万ヘクタールを管理している。このうち、今回の協定対象は愛南町僧都(そうず)の約100ヘクタール。現地では四国風力発電(愛南町)が、国有林の土地などを借りて風力発電設備を8基設置しており、設備点検のために2~3日に1回、作業員が山に入っている。そこで、同署は「ついでの捕獲」事業として協力を依頼した。同署は現地にシカ用のわなを1基設置し、様子を見て増やす予定。協定では、シカをわなに誘導するための餌付けと、わなにシカがかかっていた時の同署への通報を、四国風力発電にしてもらう。全国では各地の森林管理署が「ついでの捕獲」として造林や道の整備にあたる業者と結んでいるという。シカは山中で暮らすため、頭数を正確に把握することは難しいが、県の推計値では県内に約3万匹(2019年度)が生息しているとみられる。もともと繁殖力が高いが、過疎化で耕作放棄地が広がったことで、えさとなる植物が増えたことなどから大幅に頭数が増えたという。一方、森林では樹皮が角ではぎ取られたり、草木が食べ尽くされて地面が露出したりする被害も増えている。県内の森林の被害額は、12年度が4925万円(被害面積185ヘクタール)だったのが、20年度には5429万円(同222ヘクタール)になった。愛媛森林管理署では捕獲に力を入れており、その頭数は19~20年度の2年間で計16匹だったのが、21年度は1月末現在で22匹に達している。さらに捕獲頭数を増やそうと、造林作業を担当する業者などに狩猟免許取得をあっせんしたり、県内市町に安価にできる囲いわなの作り方を伝授したりしている。同署が捕らえたシカは、現在は埋設処分している。だが同署は「捕獲が軌道に乗って頭数がそろうようになれば、ジビエ料理に使うなどの活用策も考えたい」としている。

(市街地にエゾシカの群れ:北海道)
北海道苫小牧市のJR苫小牧駅付近の市街地で7日午後、エゾシカの群れが出没し、通行人らを驚かせた。市によると、今年は市民からシカに関する相談件数が増えているという。シカが目撃されたのは、JR苫小牧駅から200メートルほど南西にある「王子アカシア公園」や付近の歩道など。近くにはホテルや事務所ビル、王子製紙の住宅などが立ち並び、中心市街地の一角だ。シカは雌の4頭で、樹木の枝葉を食べたり、座り込んだりして少なくとも2時間ほど姿を見せていた。シカはその後、道路を横断して王子製紙苫小牧工場の柵を跳び越えて、敷地内へと姿を消した。下校中の小学生は「こんなところにシカが出るなんて」とびっくりしていた。市環境生活課によると、今年はシカをめぐる市民からの相談が毎日寄せられているという。多くは「庭木の葉や樹皮を食べられた」などの食害の相談で、昨年より件数は増えているという。交通事故で負傷したシカについての通報も受けている。同課の担当者は「雪の多い今年は、シカが山で低木などの餌を食べられずに市街地に下りてきているのでは」と話す。気象庁の観測データによると、苫小牧の今年1月の「降雪の深さ」は合計105センチで、1953年に統計を取り始めてから最多を記録した。

(淡路島のサル、寛容で協調性高め?:兵庫)
淡路島の野生のニホンザルの群れ(約350頭)を研究している京都大学高等研究院の貝ケ石優(かいがいしゆう)さん(30)が昨年、群れ特有の寛容性の高さについて論文にまとめた。ほかの地域のサルの群れに比べて、サル同士の関係が穏やかで、協力して作業する割合が高いという。今後、国際学術誌に投稿する予定だ。貝ケ石さんは2014年から淡路島のサルを研究してきた。20年までの研究成果をまとめ、寛容性の高さがニホンザルの群れ(社会)にどのような影響を与えるかを検証。「野生ニホンザルにおける寛容性の集団間変異に関する研究」と題する論文にした。

(地域づくりヤングマイスター:長野)
松本市に移住してぶどう栽培の支援やイノシシなどの駆除に取り組んでいる25歳の男性が、市の「地域づくりヤングマイスター」に認定されました。松本市の「地域づくりヤングマイスター」は、市内で地域の課題解決や地域振興などに取り組む20代から30代を対象に、市が認定して今後の活動の励みにしてもらおうという制度です。8日は市役所で認定式が行われ、臥雲義尚市長から、今年度選ばれた平林洸さん(25)に認定書が手渡されました。平林さんは大学卒業後、入山辺地区に移住し、ぶどう栽培の支援や、狩猟免許を取得して高齢化が進む地元の猟友会の会員としてニホンジカやイノシシなどの駆除に取り組んでいて、「それぞれが持っている得意な技術や分野をいかせる仕組みを作ることで、多くの人が地域づくりに参加してくると感じた」と活動を振り返りました。これに対して、臥雲市長は「ヤングマイスターという立場をいかして、積極的に地域づくりなどの活動に取り組んでほしい」と励ましていました。認定式を終えて、平林さんは「私の活動をしっかりと同世代の人たちに伝えていくことで、若い人が地域づくりに関わるきっかけになればいい」と今後の抱負を述べていました。

(「狩猟者」減少で“獣”の被害増:群馬)
本部長・マンボウやしろと秘書・浜崎美保が、リスナーのみなさんと「社会人の働き方・生き方」を一緒に考えていくTOKYO FMの番組「Skyrocket Company」。2月限定(全4回)の毎週木曜日のコーナー「スカロケ狩猟部」(18:40頃~)では、講師を毎回お迎えし、リスナー社員のみなさまに“狩猟”の魅力をお伝えしていきます。2月3日(木)の放送では、群馬県 環境森林部 自然環境課 野生動物係 主任の阿久澤晃仁(あくざわ・あきひと)さんに、群馬県における“狩猟”の現状などについて、お話を伺いました。

(ジビエレザーを使って世界に一つだけの、オリジナル作品を作ろう:岩手)
大槌町でも年々増加し駆除されるシカ。これを価値のあるものにしたいという想いから、2020年に「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」が立ち上がりました。鹿革は、よく目にする牛革と違い、とても柔らかく優しい手触りが特徴です。一般には出回らない貴重なシカ革を使って、自分だけのオリジナル作品をつくってみませんか?初めての方も、お気軽にご参加ください。

(野生のシカ、オミクロン型への感染確認:アメリカ)
米国の大学が非営利団体(NPO)などと共同で進めた調査で、ニューヨーク市内に生息する野生のオジロジカに新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」への感染が広がっていることが分かった。野生動物の間で広がったウイルスが変異し人間に再感染するリスクも指摘されている。この調査はペンシルベニア州立大学の研究チームと、野生動物保護NPOのホワイト・バッファロー、ニューヨーク市当局などが共同で行った。2021年12月中旬~22年1月末にかけてニューヨーク市内スタテン島で野生のシカ131匹を捕獲し、新型コロナへの感染状況を調べた。調査の内容が7日、査読前論文としてオンラインで公開された。捕獲したシカの血液検査では、全体の15%が抗体を持っていた。68匹にPCR検査をしたところ、そのうち7匹が陽性で、その中にオミクロン型が含まれていた。オジロジカは米国内で広域に生息し、郊外では路上や裏庭などでも見かけることが多い。米東部から中西部を中心に、これまでにも10州以上で同種のシカに新型コロナ感染が確認されているが、オミクロン型への感染判明は今回が最初とみられる。調査はニューヨーク市でのオミクロン型流行とほぼ重なり、ヒトへの流行と時期をおかず、シカにも変異型が広まり始めていたことを示す。感染経路は不明だが、専門家は感染した人間による餌やり、ゴミや下水を通したウイルスへの接触の可能性を指摘している。野生動物の間で感染が広がったウイルスが変異し、人間に再感染する危険性は以前から懸念されてきた。人間への接触リスクがある野生動物への流行は今後、各地の自治体が対応を迫られる問題になりそうだ。

(“平戸いのしし”卸販売サイト:長崎)
西九州させぼ広域都市圏の観光や特産品などを創造・販売している西九州させぼ地域商社(所在地:長崎県佐世保市)は、平戸市・佐世保市・松浦市で捕獲された野生のイノシシを飲食店など事業者が購入できるWEBサイト「平戸いのしし 猪商(しししょう)」を2月8日(火)に開設します。

(松野町ジビエ団体が農水大臣賞:愛媛)
鳥獣の被害防止や食肉の活用に取り組むすぐれた団体などを表彰する農林水産省の事業で、松野町の団体が農林水産大臣賞に選ばれました。この事業は、鳥獣の被害防止や捕獲した食肉の有効活用に取り組み、地域に貢献している団体や個人を表彰するもので、今年度は、松野町のNPO法人「森の息吹」が最高位の農林水産大臣賞に選ばれました。「森の息吹」は9年前に、町内の農家や行政、それに猟友会のメンバーで立ち上げられたもので農作物に被害を及ぼすシカの捕獲のほか、食肉の加工販売を行っています。団体では捕獲した時期や状況を細かく把握することで肉のランク分けをしており、上質な鹿肉は「まつのジビエ」としてブランド化しています。また、徹底した衛生管理のもと、取引先のリピート率は90%を超えています。さらにコロナ禍において家庭でも気軽にジビエ料理を食べてもらおうと、専門店と提携してソーセージなどの新たな加工品を開発したり、カレーのチェーン店と共にメニューを展開したりと、積極的に取り組んでいることも評価されました。「森の息吹」の森下孔明施設長は、「この賞は行政や猟友会など周囲の皆さんのおかげだと思っています。これからもよいジビエを提供できるように事業を続けていきたいです」と話していました。表彰式は、今月16日にオンラインで行われる予定です。

(ジビエをもっと身近に:和歌山)
ジビエについての話題です。昨年度、県内で捕獲された野生のイノシシやシカの食肉の流通量は、前の年より1割ほど減少しているということです。今、こうした野生動物の食肉、ジビエを身近に感じてもらうことで需要の拡大につなげようと和歌山市では、これまでにないある取り組みが行われています。

(移動販売車でエゾ鹿ホットサンド:北海道)
新得町内の上田精肉店(上田隆史社長)は、移動販売車「キッチン燈(あかり)」の運営を始めた。エゾシカ肉100%のソーセージが入った「エゾ鹿ホットサンド」(500円)を商品化。上田社長(47)は「ボリューム満点のホットサンドで地域を盛り上げたい」と意気込んでいる。

(学校給食にジビエ料理:大分)
日田市内の小中学校と支援学校の給食に4日、シカ肉を使ったジビエ料理がお目見えした。

(鹿ラーメンに挑戦:福井)
福井市殿下地区で冬季限定のラーメン店「福亥軒」が今年も「かじかの里山殿下」で開店した。ただ、地元のイノシシを使った名物のチャーシューはシカ肉に変更。イノシシとニホンジカの勢力逆転を受けた挑戦で、新名物「殿下福亥の鹿ラーメン」が誕生した。同店は、林業を核にまちおこしに取り組む「こしのくに里山再生の会」が二〇一九年から運営。捕獲されたイノシシのほとんどが廃棄される現状を知り、代表理事の松平成史さん(48)が「肉や骨を有効活用し、里山の獣害に一石を投じたい」と始めた。ところが、今季はそのイノシシがいない。昨年十月以降、地元猟師がシカは四十頭近く捕獲したのに、イノシシはわずか一頭。シカによる農作物や山林への被害は殿下地区でも急増しており、鹿ラーメンへの挑戦を決めた。県内初のジビエ処理場「ふくいウエストサイドジビエ工房」で処理したシカ肉は新鮮で臭みもない。試行錯誤し、もも肉は今流行の低温調理でしっとりとしたチャーシューに。骨はネギなどの香味野菜と二日以上煮込み、滋味を引き出した。うま味調味料は使わない。

(犬のおやつに、ジビエでジャーキー:新潟)
ジビエ(野生鳥獣肉)の加工などで生じる無駄をなくそうと、狩猟をしながら農家民宿を営む新潟県十日町市新座乙の髙橋美佐子さん(49)が、犬用のジャーキーの製造を始めた。犬の食いつきは良く、髙橋さんは「おやつとして、おいしい物を食べさせてみては」と提案している。狩猟免許を持つ髙橋さんは、猟をしながらジビエをハムなどに加工し、古民家を活用した民宿「茅屋(かや)や」などで販売している。新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込み、食用肉の廃棄を減らしたいと考える中で、ジャーキー作りに乗り出した。ジャーキーは、イノシシとシカ、クマの3種類。髙橋さんが仕留めたり仕入れたりした県産肉で、自らさばく。需要減で加工しきれない分や、加工の際にどうしても生じる切れ端を使っている。肉は厚さ3ミリほどにそろえ、味付けなどはしない。専用の機械を使い、80度で10時間乾燥させて作る。乾燥によって1キロの肉が300グラムほどに凝縮されるという。人間の食用にもできる品質で、かむほどに肉のうま味が口中に広がる。犬が気に入るかは、髙橋さんの狩猟犬であるブリタニースパニエルのアム(雌3歳)で確認済みだ。髙橋さんがジャーキーを持って近づくだけで興奮し、うれしそうに平らげる。髙橋さんは「主食にはできないけれど、しつけにはぴったりです」と笑う。カモの狩りにアムを伴うという髙橋さんは「人と同じように、犬にもおいしい物を食べさせたい。そんな思いも込めて作っている」と語る。

(ジビエバーガーを約5,000食限定販売開始)
株式会社JR東日本クロスステーション フーズカンパニー(所在地:東京都台東区/カンパニー長:日野 正夫)は、昨夏、JR東日本グループが取り組む「地域再発見プロジェクト」の一環として、国産鹿肉を使ったハンバーガー「国産ジビエ 鹿肉バーガー」を販売しておりました。このたび、お客さまからのご好評にお応えするため、2022年2月15日(火)~3月31日(木)頃まで「ベッカーズ」(ベッカーズ9店舗、R・ベッカーズ2店舗)で、約5,000食限定で再販売いたします!

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(イノシシに襲われ女子児童が転倒し負傷:新潟)
新潟県南魚沼市で4日午後4時半前、女子児童が1人で下校中、体長1mほどのイノシシに襲われました。女児は転倒し、右膝に軽いケガを負いましたが、命に別状はありません。警察によりますと、イノシシを見つけた女児が逃げようとしたところ、イノシシが追ってきたということです。県はイノシシに遭遇した際はイノシシに近づかず、物陰に隠れたり、高いところに登って視界からゆっくり消えるなど、イノシシを刺激しないよう呼びかけています。

(カラスの死がい5羽から鳥インフルエンザウイルス:北海道)
7日、日高のえりも町で見つかったハシブトガラスの死がい5羽からA型鳥インフルエンザウイルスが確認され、道は今後、野鳥の監視を強化することにしています。道の日高振興局によりますと、7日、えりも町で、死んだ野生のハシブトガラス14羽が見つかり、このうち5羽について道が簡易検査をしました。その結果、5羽すべてからA型鳥インフルエンザウイルスが確認されました。今後、環境省が北海道大学で毒性の強い「高病原性」のウイルスかをどうかを調べる詳しい検査を行うことにしていて、結果が分かるまでに5日程度かかる見込みだということです。また、カラスが回収された地点から半径3キロの区域内に養鶏場はなく、ほかに衰弱や死んだ野鳥は確認されていないということです。道は、回収した地点の半径10キロの区域で野鳥に異常がないか、監視を強化することにしています。

(カラスから高病原性鳥インフル検出:北海道)
道は4日、根室市内で1月28日に回収したハシブトガラス1羽の死骸から、致死率が高い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5亜型)を検出したと発表した。遺伝子検査で判明し、道によると道内で今季、野鳥から高病原性ウイルスが検出されるのは6例目。現時点で道内の養鶏場から異常の報告はない。

(21年度、豚熱感染のイノシシ14頭:岐阜)
県内で豚熱(CSF)に感染した野生イノシシが確認されたケースが、二〇二一年度は、三日現在で十四頭に上った。同日開かれた県の有識者会議で報告された。一方、豚熱の抗体を持っている野生イノシシの割合は20%前後にとどまることも分かった。

(到底あり得ない、猟友会が不安:埼玉)
ふじみ野市で1月、男が自宅に立てこもり、猟銃で医師を撃って殺害した事件を受け、県内で有害鳥獣捕獲を行っている狩猟関係者に「狩猟者のイメージが悪くなってしまう」「メンバーの減少につながってしまうのでは」と不安が広がっている。猟友会の会員らは、日々徹底した銃器管理の下、野生動物から農家の食害被害を防ぎ、生活環境の保全に尽くしている。「二度と同じような事件が起きないでほしい」。狩猟者らの願いは切実だ。「今後、猟銃取得の規制が強化されて、新規の会員が減ってしまうのでは」。秩父市吉田地区と小鹿野町内の狩猟者ら計約140人で構成する西秩父猟友会の竹内勝利会長(68)は事件の影響を懸念する。同会は各自治体から依頼を受けて、山に生息するシカやイノシシなどの有害鳥獣駆除を毎週行っている。また、毎年12月に開催する小鹿野町の飯田八幡神社例大祭「鉄砲まつり」(県指定無形民俗文化財)では、御神馬が参道を駆け抜ける「お立ち神事」で猟銃の奉納を披露し、伝統継承にも貢献している。全国各地で狩猟者の高齢化や、なり手不足が問題になっている。しかし、同会では「地域の環境保全や祭りの伝統継承に協力したい」という若者の入会が増えているという。「最近はシカが多くなり、人手はいくらでもほしい」と竹内会長。事件後、同会の役員らはミーティングを開催。地域住民に安心してもらえるよう「狩猟前の安全射撃や散弾整理などを、全会員が一体となって行っていこう」と、猟銃事故防止の徹底を改めて誓った。竹内会長は「『自分の銃で絶対に事故は起こさない』と、自覚している猟師たちにとって、今回の事件は、全くもってあり得ない出来事。これからも、会員一人一人が自己管理能力を高めていくしかない」と話した。旧荒川村(現秩父市)をエリアとする奥秩父猟友会荒川班代表の小池武夫さん(69)も「狩猟者がこのような事件を起こすことは、到底考えられない。今回は全く別次元の話」と指摘する。猟銃所持者は普段、銃器と実砲を別々に保管し、銃器に実砲などが装填(そうてん)されてないかを念入りに確認している。銃器もできる限り分解し、規格に合った別々の保管庫に施錠している。「厳重管理のため、銃器の組み立てに時間がかかり、出動準備に最低5分は必要。急を要する出動依頼には応えられないこともあるが、規則を守るためには仕方がないこと」と小池さん。最近はサルが農作物を荒らし、地元農家を困らせている。桑の木に新芽が芽吹く春先には、シカなども多く出没し、駆除の依頼が集中する。小池さんは「銃で狩猟をやりたいと考える人たちは、強い志を持って免許を取得している。このような事件は、もう二度と起きてはいけない」と語った。

(立てこもり事件で容疑者が発砲、散弾銃の所持許可証更新ルールに抜け穴:埼玉)
埼玉県ふじみ野市で起きた立てこもり事件。無職の渡辺宏容疑者(66)が在宅介護をしていた母親の弔問に訪れた医師らに散弾銃を発砲し、1人が死亡する事態となった。「容疑者は犯行の動機を『母親が死んで、この先いいことはないと思った。自殺しようと思い、先生やクリニックの人を巻き込んで殺そうと思った』と話している。驚くべきは、容疑者が散弾銃を2丁も所持していたことです。2000年と2008年に購入し、2020年に所持許可証が更新されているもので、自宅の2階には銃や弾の保管庫も設置されていた」。容疑者はなぜ銃を持っていられたのか。「所持が認められるまでには、厳しい条件をクリアしなければならない」と語るのは日本クレー射撃協会だ。「まず筆記と実技試験を通らなければなりません。筆記試験は覚えることが多く、かなり念入りに勉強しなければ受からない。筆記に合格すると、射撃場で実技試験を受けます。これは25枚の的を撃ってそのうち2枚が割れれば合格です。その後、所轄の警察が身辺調査を行ないます。本人の人となりを近所に聞き込んだり、家族との関係性や親族に暴力団がいないかなどを調べるとされ、それをクリアして初めて所持許可証がもらえます」。だが、一度許可が下りると、それ以降の更新は簡単だと、銃砲販売店関係者は話す。「銃は許可証の更新のために、4年に一度の技能講習と、3年に一度の銃砲検査がありますが、身辺調査が追加で行なわれることはあまり聞きません。渡辺容疑者は以前から複数の介護事業者や医療機関とトラブルを起こしていたとも報じられていますが、それらを警察が調査していれば、許可証が更新されることはなかったのでは」。渡辺容疑者の知人はこう言う。「とにかく母親第一で、母親に関することで夜中に何度も電話をしてきたり、スイッチが入ると変な方向に暴走する感じはありました」。許可見直しの議論が待たれる。

(鳥インフルエンザ、警戒続く現場:宮崎)
今シーズンも全国で相次いで確認されている、鳥インフルエンザについてです。昨シーズンは、宮崎県内でも猛威を振るった鳥インフルエンザですが、今のところ、県内の養鶏場で、鳥インフルエンザの発生は確認されていません。しかし、いつ、どこで発生してもおかしくない状況が続く中、今シーズンの傾向と注意点、現場の対策を取材しました。県内では、昨シーズン、鳥インフルエンザが12の養鶏場で発生。およそ92万羽が殺処分されました。そして、今シーズンは、これまでに、鹿児島県や千葉県など、9つの県で15例の高病原性鳥インフルエンザが確認されていて、国内では2種類のウイルスが検出されています。 隣県、鹿児島での発生に専門家は。(宮崎大学農学部獣医学科 末吉益雄教授)「出水市というのは、ナベヅル、マナヅルが1万羽以上くる。それに伴って一緒にカモも飛来してくる。鶴の飛来地の半径10キロ圏内に550万羽ぐらいのニワトリがいる。ずっと歴史的にいて、鶴も守るし、鶏も守るというところでモデル地区だったところが2件続けて出たのは非常にショック」。さらに、鹿児島県長島町の事例からは、感染のリスクを次のように分析します。(宮崎大学農学部獣医学科 末吉益雄教授)「長島町のところは、あまり水辺ではない。地形を見ると、あそこは上昇気流か何かあるみたいで、鶴とか鴨が飛来するときに上ってくるとなると、ダイレクトに糞が落ちたかもしれない」。県内での感染リスクが高まるなか、県は、隣県での発生時には、緊急防疫会議を開いたり、消毒用の石灰を県内すべての養鶏場に配布するなど防疫の徹底を促しています。さらに・・・(宮崎県家畜防疫対策課 丸本信之課長)「農場に巡回で家畜保健衛生所の職員が行って、農場の指導をする。例えば、長靴を履き替えるが、履き替えた後でその場所に綺麗な長靴で同じ場所に立ってしまえば、そこは汚れてウイルスがいるかもしれない。履き替えた後にウイルスが中に持ち込まれないように対策をしてくれということを言っている」。(児湯食鳥生産部 鶴田耕一取締役部長)「いつどこで発生しても、そういう(感染の)リスクは高いと思って危機感を持っています」。県内に162のブロイラー飼育農場を抱える川南町の児湯食鳥。この時期、常に緊張感を持ちながら、厳重な防疫態勢を続けています。(児湯食鳥生産部 鶴田耕一取締役部長)「基本、従業員が来られたらここから入って、作業着に着替えてもらって、履物を履き替えて向こうへ行ってもらうようにしている。鶏舎は鶏舎で、場内用と別の長靴に履き替えて、鶏舎に入るようにしている」。室内には、着替えたあとに、全身を消毒できる消毒室も備えられています。 また、外から飼料などを運んでくる車に対しては、車両消毒を行い、作業員が敷地内に立ち入る際は、長靴をはきかえてもらうよう徹底しています。(児湯食鳥生産部 鶴田耕一取締役部長)「石灰散布、金網、防鳥ネットのほつれ、消毒など、確実に当たり前のことを当たり前にやってもらうようには生産者の方に話しています」。現場では、引き続き、予断を許さない状況が続きます。(児湯食鳥生産部 鶴田耕一取締役部長)「行政の指導されることを徹底して、生産者に危機意識を高く持ってもらって、対応していくしかないと思っている」。今後の見通しについて専門家は・・・(宮崎大学農学部獣医学科 末吉益雄教授)「河川、湖、沼など、そういったところに氷が張って、雪が積もって、渡り鳥が休めなくなると太平洋側とか、瀬戸内海とか、宮崎もまた飛来する数が増える可能性がある。例年5月の連休までは気を抜かないように、気をつけましょうということにしています」。目に見えない鳥インフルエンザウイルスの脅威。過去の教訓を生かし、高い意識の防疫対策が求められています。

(イノシシの一斉集中捕獲:鹿児島)
鹿児島県志布志市で農産物へのイノシシやタヌキなどによる鳥獣被害が深刻化しています。わなを設置しイノシシを一斉に捕獲する初めての取り組みが、7日から始まりました。志布志市では、農産物に対するイノシシやタヌキ、アナグマなどの鳥獣被害が増加しており、今年度の被害面積は、サツマイモ畑や茶畑などあわせておよそ12ヘクタールで、これまでに前年度の1.5倍に上っています。これを受け、市は、地元の猟友会のメンバーに捕獲わなと無線式捕獲パトロールシステムを貸し出し、春の繁殖期を迎えるイノシシを一斉に捕獲する取り組みを始めることになりました。初日の7日は、志布志市有明町の岳野山の山頂付近で出発式があり、下平晴行市長から捕獲わななどが手渡されたあと、猟友会のメンバーがわなの設置に向けて車で出発しました。(有明町猟友会 稲付昭藏・会長)「もう今のままでは、イノシシが増えすぎて、農家は大変です。われわれは一生懸命協力をして、どうしたら一番捕獲できるかということを念頭において、頑張っていく」。一斉集中捕獲は、7日から来月6日までで、捕獲報償金として1匹当たり5000円が支払われます。

(アライグマ捕獲2千匹超、農業被害が深刻化:北海道)
宗谷管内のアライグマの捕獲数が、2020年度は2080匹と、初めて2千匹を突破した。10年前の31倍と大幅に増えており、手先が器用なことから牧草ロールのビニールを破るなど、農業被害も深刻化している。「市街地で見かけるとはね」。市内緑2の中沢和一さん(74)は昨年夏の午前2時半ごろ、「クイッ、クイッ」という聞き慣れない鳴き声が響くのを聞き、自宅の庭に出た。アライグマ3匹が、エゾシカが庭に入るのを防ぐネットをかいくぐり、ヒマワリの種などを食べていた。中沢さんは「近づいても微動だにしなかった」と驚いた表情で振り返る。

(イノシシ、戦略的捕獲:群馬)
2020年9月以降、県内で飼育豚の豚熱(CSF)感染5例が相次いで確認されたことを受け、山本一太知事は3日の定例記者会見で、今後の感染を防ぐための抜本的な対策を発表した。野生イノシシを媒介とした農場内への豚熱ウイルス侵入を阻止するとともに、防止策をすり抜けたウイルスも封じ込める。県内の養豚場は、赤城山の南麓(なんろく)に集中しており、野生イノシシからの感染リスクにさらされている。

(冬眠時期なのにヒグマ目撃:北海道)
5日午前10時20分ごろ、北海道北斗市市渡で、「自宅の窓から100メートルほど先に、畑の中を歩く体長1メートルくらいのヒグマを見た」と住民男性から110番通報があった。ハンターや警察官がヒグマの痕跡を探すとともに、周囲を警戒している。北海道警函館中央署によると、現場は田園地帯で山からは離れているという。ヒグマは例年12~3月ごろのエサがない時期は冬眠するとされる。署の担当者は「この時期に出るなんて聞いたことがない」と話している。

(銀世界で追う伝統の狩猟:岐阜)
「シカが四頭出た。待ち場に行ったぞ!」勢子(せこ)のささやき声が、無線機から聞こえる。何もかも凍り付いた雪山。猟師たちは氷点下の冷え込みに耐えながら、じっと息を殺している。狩猟シーズンが終盤を迎えた一月二十三日。郡上市白鳥町で、市猟友会白鳥支部の「共猟会」に密着した。午前八時。支部の会員十人が白鳥振興事務所に集まった。支部長の清水辰雄さん(73)が中心となり、巻き狩りの段取りをする。猟場は福井県境に近い向小駄良と決まった。勢子は山の斜面を登って獲物を追い立てる。待ち場は山の中腹を横断する林道沿いに配置し、猟銃で迎え撃つ。待ち場に向かう林道は六〇センチを超える積雪があった。取材に備えてかんじきを用意したものの、足が雪にはまって歩きにくい。郡上育ちで雪山に慣れたベテラン猟師たちは、きつい坂道をすいすい進む。息が乱れて何度も休むうち、置き去りにされてしまった。猟場は町中心部に近い。清水さんは「モノ(獲物)が林道を越えてから撃て」と繰り返した。散弾銃なら七百メートル、ライフル銃は四キロ近く弾が飛ぶ。不用意に発砲すれば、人家まで届いて事故を招きかねない。待ち場に入った猟師は、木の陰に隠れてひたすら待つ。誤射の危険があるため、指示が出るまで動けない。吹きさらしの山は寒く、手足がかじかむ。肩にかけたカメラのボディーが氷のように冷たくなった。午前十時すぎ。無線の交信が慌ただしくなった。「谷にシカの足跡がある。これに乗っていく(つけていく)」「モノが走った」「待ち場は動くな」……。数分後、近くで「ドン」という銃声が二発。獲物の動きを追うように、また発砲。緊張が続く中、「外れた。シカに抜けられた」という無線が入った。猟場は広く、森の中は見通しがきかない。シカは人間の裏をかくように移動し、十人ではなかなか捕捉できない。十六日にあった共猟会は二十二人が参加したが、猟果ゼロに終わった。捜索と追跡を繰り返す巻き狩りは正午すぎまで続き、シカ一頭を捕獲した。撃った場所が山奥だったため、搬出に時間がかかる。午後一時半、やっと獲物を下ろした猟師たちは「寒いし、きついし、猟も楽じゃない」と笑った。県猟友会によると、一九七九年度に八千七百七十七人いた会員は、二〇二〇年度に二千百十九人まで激減した。それでも、郡上市の会員は二百三十一人おり、飛騨地区に次ぐ県内二番目の陣容を保っている。共猟会は普段顔を合わせることが少ない会員同士の交流を深め、大物猟の伝統を守る目的がある。清水さんは「若手を育てていかなければ、狩猟はすたれてしまう。農林業の獣害を防ぐためにも、狩猟技術を伝えていきたい」と話した。

(観光スポットでイノシシ被害:広島)
県内有数の桜の名所尾道市の千光寺公園、尾道を一望できる人気の観光スポットでもありますが、いまある異変が起きています。芝生はめくりあがり下の土が見える状態が広場のいたるところで出ています。この”犯人“の姿を尾道市が設置したカメラがとらえていました。先月末のある夜の映像。暗闇で光る2つの目走り抜けますが、よく見ると特徴的な鼻が…県内各地で農作物などへの被害が問題となっているイノシシです。尾道市農林水産課 中浜昌二課長「芝生の下に昆虫の幼虫のようなものがいて、イノシシはそういったものを餌にしていますので鼻で掘り返しているのではないか」。公園での被害は10年以上はなかったそうですが、昨年末から園内2カ所で大きな被害が確認されました。桜が植えられ花見を楽しめる広場がイノシシの標的に…。この時期に被害をうけた原因として展望台の建て替え工事とコロナ禍の影響が考えられるといいます。尾道市農林水産課 中浜昌二課長「観光客の人が少なくなって来ていますので、人が少なくなったという様子を見た警戒心の強いイノシシが警戒心を解いて侵入してきているのではないか」。3月中には展望台の工事も完成予定。尾道市は被害の状況をみながら芝生の復旧や、侵入防止のため柵の設置などを行うということです。

(「野生生物との共存」テーマに小中学生が動画:兵庫)
淡路島内外の小中学生13人が6日、兵庫県南あわじ市阿万塩屋町の国立淡路青少年交流の家で、「野生生物との共存」をテーマにした動画を披露した。地元猟師や専門家からシカとイノシシの農作物被害や生態系などを学び、大学生とジビエ料理にも挑戦した子どもたち。3班に分かれ、それぞれ1分間にまとめた動画で思いを発信した。

(鳥獣対策の取り組み紹介:奈良)
野生動物と人との関わりをテーマにした「鳥獣GAI展」が、阿智村智里の東山道・園原ビジターセンターはゝき木館で開かれている。五月八日まで。

(第9回全国鳥獣被害対策サミット)
農林水産省は、鳥獣対策に携わる関係者の情報共有の場として、「第9回全国鳥獣被害対策サミット」を開催しますのでお知らせします。さらに、「鳥獣対策優良活動表彰式」及び「イノベーション成果発表会」も併せて開催します。なお、今般の新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、今年度はオンラインで開催します。農林水産省は、野生鳥獣による農林水産業への被害が全国的に深刻な状況の中で、地域への貢献が顕著であると認められる個人や団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を毎年実施しています。平成21年度からは鳥獣被害防止の取組、平成28年度からは捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用の取組についても表彰し、優良事例を広く紹介することにより、効果的な鳥獣対策の推進を図っています。また、鳥獣対策に携わる関係者の情報共有の場として、「全国鳥獣被害対策サミット」を開催し、受賞者からの取組事例の報告の他、サミットテーマに合わせた全国の取組事例の発表、パネルディスカッション等に加え、資機材企業によるプレゼンテーションの時間を設ける予定としています。さらに、今年度は、AIやIoTによるスマート獣害対策技術や新たな獣害GISシステムの開発や今後の社会実装に係る研究等を行っている「イノベーション創出強化研究推進事業」と連携し、本事業での研究成果発表報告を兼ねた「イノベーション成果発表会」も併せて開催予定としています。なお、今般の新型コロナウイルスの感染状況に鑑み、今年度はオンラインで開催します。

(森林管理署の職員による「くくりワナ」のエゾシカ捕獲事業:北海道)
北海道森林管理局では、エゾシカ捕獲の意義目的を認識する中、職員自らが国有林内において「くくりワナ」を設置し、エゾシカを捕獲する取り組みを進めています。宗谷森林管理署では、職員による「くくりワナ」を用いたエゾシカ捕獲を、昨年、稚内市市街地近くの国有林で実施し、今年の冬も継続して行っています。この取り組みを広めていくため、今年は宗谷署以外の森林管理署にも声かけを行い、捕獲に関心のある職員とともに捕獲作業に参画してもらうこととしました。集まった職員の中には、11月に保全課が行った「エゾシカ捕獲講習」の受講者もいます。今年度のくくりワナ設置作業初日(令和4年1月17日)は、近隣3署の職員と宗谷署の職員で行いました。その翌日、林内に設置しているカメラからスマホに送られる画像をチェックしていた宗谷署の職員から、「どうやら4匹は捕獲されているようだ」という情報が……。慌ただしく現地へ向かうとワナに捕まっているシカが確認できました。その後の捕獲個体の回収・搬出作業を含め、講習では知り得なかった作業の大変さを体感し、見識を深めることができました。この日に捕獲されたシカは6頭で、1頭はカメラの画像チェックの後、現地到着までの間に捕獲され、もう1頭はカメラに映ってはいたものの、わずかに画角から外れていたことからシカと断定できなかった個体でした。一日に6頭捕獲は驚くべき多さで宗谷署の事前の誘引作業がうまくいったようです。個体の搬出を見送った後、作動しなかったワナを点検したり、再びワナを設置するなどの作業を行い、スマホで画像チェックをしながらカメラ位置の調整も行いました。職員からは、「こっちから来てワナを踏んだのだろうか」「仕掛けたワナの近くを通っているようだけど」「こっちの方にもシカ道がある」など、いろいろと考察をしながら協力して設置していきました。宗谷森林管理署のような条件が揃った捕獲場所は少ないですが、他署から来て作業に従事した職員は、自分の署ではどういう取り組みが出来るのか考える良い機会になったことと思います。「エゾシカを捕獲する。」という視点で見ると、自分の管理する森林がいつもと違って見えてくるかもしれません。

(SA付近にシカ侵入、車と接触か:神奈川)
東名高速道路上り線の海老名サービスエリア(SA)付近で6日夕、1頭のシカが本線を走る姿が目撃され、神奈川県警に通報が相次いだ。県警高速隊が付近を一時通行止めにして捕獲。けが人や事故はなかったという。

(ハンター塾、わな狩猟や解体体験:神奈川)
高齢化の進む地元猟友会の人材確保につなげようと、わな狩猟や野生鳥獣の解体などを体験できる「まつだハンター塾」が10、11月に松田町内で行われる。猟友会関係者らでつくる町鳥獣被害防止対策推進協議会の主催で、10月22日まで参加者を募集している。

(浜に上陸した1000羽の“正体”:沖縄)
「黒い鳥がいっぱい!」。沖縄県恩納村の安富祖海岸や瀬良垣海岸などで2日、羽を休めている渡り鳥のカワウ(ウ科)約千羽が観察できた。安富祖海岸側から瀬良垣の岩場に向けて大行進で泳ぐなど、長い列を作っていた。約半数のカワウが岩場に上がった姿は、まるで生き物のたてがみのようだ。岩場が「満席」となり下りられなかった残りのカワウは、羽休めの場所を求めて再び長い列を作って飛び去り、北へ約3キロ離れた熱田の安富祖小学校裏の浜に上陸していた。同区の重久沙彩さん(34)は4歳の息子陽彩(ひいろ)ちゃんと砂浜に下りて携帯電話で撮影していた。重久さんは「最初はカラスの大集団かと思った。とてもびっくりしました」。陽彩ちゃんは「黒い鳥は変な声で鳴いていた。追い掛けたら、鬼ごっこみたいに逃げていった」と面白そうに話していた。

(「鹿紙」の紙袋完成:奈良)
県のシンボルである「奈良の鹿」を守ろうと、県内企業3社が共同開発した紙「鹿紙(しかがみ)」。誤ってシカが食べてしまっても害は少ないという。3社はその鹿紙を使って紙袋「奈良シカない紙袋」を作製。A4判の書類や土産物などが入り、企業や店舗に広く活用を呼び掛けている。鹿紙は原材料に、鹿せんべいにも使われる米ぬかと牛乳パック由来の再生パルプを使用。日本食品分析センターで安全性が確認されている。

(「ジビエ」と「狩猟」の店開業:長野)
ハンター歴42年で、松塩筑猟友会松本第2支部長を務める米山彰彦さん(62)が、ジビエ家庭料理・加工品を提供、販売する銃砲店・アウトドアショップひよの家(松本市征矢野2)を開業した。担い手養成へ、狩猟免許の取得や猟銃所持に関わる相談、出猟の現場サポートに経験も生かす。自宅近くの実家を活用し、昨秋以降、予約客に順次対応している。かつて両親が商店を併設し、住民の茶飲み場でもあった木造一軒家で、屋号には、猟友仲間からも愛された米山さんの初代猟犬名を掲げた。「人が気軽に集える場に」と願う。提供メニューは、イノシシのソーセージと野菜の煮込みや、熊肉と大根の炊き合わせ、エゾジカのステーキなど、狩猟や管理捕獲にもたらされた恵みを余すことなく生かした創作料理だ。命に対する敬いと感謝、「食いしん坊ゆえ編み出された味」でその魅力を発信する。家系の慣習に倣い62歳で免許を取得し、会社務めの傍ら、北海道もフィールドに狩猟や射撃練習、アウトドアと慌ただしく過ごしてきた。一方近年、農林業被害対策や里山保全、趣味など取得目的がさまざまな、比較的若い層からの相談に対応するケースが増えていた。自身のキャリアを頼る声に開業を押され「この道に興味関心を持ってくれた方の活躍機会も広げたい」と役割を見いだす。

(獣害対策、しし鍋もPR:いばらき)
イノシシなどによる農業被害が深刻な茨城県石岡市で、獣害対策を担う地域おこし協力隊員として、荘野徹郎さん(40)が活動を始めた。イノシシの駆除だけでなく、石岡名物の「しし鍋」のPRにも力を入れたいと意気込む。石岡市では、鳥獣による農業被害が2020年度は1757万円にのぼり、大半がイノシシによるものだった。地元の猟友会がイノシシの駆除に取り組んでいるが、市は「1頭でも多く捕獲したい」と、獣害対策を担当する協力隊員を初めて募集した。昨年8月、荘野さんが任命された。荘野さんは牛久市出身。県立竜ケ崎一高を卒業後、自衛隊や会社勤めを経て協力隊員に就いた。「もともと耕作放棄地など地域の課題に関心があった。知人を通じて市内の八郷地区の猟師と知り合い、自分でも狩猟をしてみたいと思っていた」。ちょうどそんなとき、協力隊員の募集を知って応募した。豊かな自然が残る八郷地区の里山風景に魅せられ、埼玉県八潮市から移り住んだ。さっそく狩猟免許を取得し、週末には猟友会メンバーのイノシシ狩りに同行して、狩猟の基本的な流れを学んでいる。しし鍋は石岡市の名物料理で、市内には県内唯一のイノシシ肉の処理施設もある。地元商工会は、しし鍋が食べられる店舗を紹介する「ししなべマップ」を10年以上前から作ってPRに努めている。しかし、20年度に市内で捕獲された1040頭のうち食用に出荷されたのは15頭にとどまり、有効活用が課題となっている。市農政課の担当者は「もっと需要を掘り起こす必要があり、荘野さんの活動に期待している」と話す。荘野さんは「きちんと処理したイノシシの肉はとてもおいしいが、まだ知らない人も多い。イノシシ料理の魅力をSNSなどで発信していく。イノシシを使った独自のレシピや加工品の開発も手がけたい」と抱負を語る。

(とっとりジビエのミールキット:鳥取)
ジビエとは、フランス語で、狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉や料理のことをいいます。日本ではまだそこまでなじみがない「ジビエ」を国内でいち早く食肉として活用することを推進してきたのが鳥取県です。今回「とっとりジビエ」を知ってもらうきっかけとしてミールキットが開発され、渋谷区のイタリアンレストラン 「LIFE」にて試験的に販売することが決定しました。2月4日(金)~2月27日(日)の期間限定なので、お見逃しなく。今回は、自宅やアウトドアで気軽に食べられる「とっとりジビエ」を実食し、その味わいをご紹介します!国内では、ここ30~40年で特に繁殖力の強いシカとイノシシの数が増え、農作物被害を及ぼす「害獣」として大きな社会問題になっています。ジビエとして有効活用する取り組みも進んでいますが、全国では捕獲鳥獣の約9割が廃棄処分となっているのが現状です。鳥取県では平成22年以降、有害鳥獣対策を進めるために、捕獲された個体を食肉として活用する取り組みを全国に先駆けて推進し、「とっとりジビエ」として提供してきました。「とっとりジビエ」は、栄養たっぷりの木の実や雪解け水といった鳥取県ならではの豊かな気候風土に育まれた野生動物が、迅速で安全性の高い解体処理技術により、食べやすく臭みのない肉となった新鮮なジビエ。首都圏の有名なレストランなどへも提供されています。

(獣害対策でシカ肉ラーメン提供:福井)
獣害対策を地域おこしにつなげる福井市・殿下地区の取り組みで、シカ肉を使ったラーメンが初めて提供されている。シカ肉をスープとチャーシューに使った「福亥(ふくい)の鹿ラーメン」。福井市殿下地区の地域おこしグループが期間限定で営業する店で提供している。食事客は「柔らかい」「匂いがなかったので食べやすい」などと話した。このグループは、例年は田畑を荒らす厄介者イノシシを使ったラーメンを提供しているが、今年はイノシシの捕獲がほとんどないため、近年大きく増えているシカの肉を使ったラーメンを開発した。こしのくに里山再生の会の松平成史さんは「おいしく出来た。地区の獣害対策として猟師たちのやりがいにもつながるので、ぜひ皆さんに食べてもらいたい」と話していた。

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(銃は何のために持っていた、散弾銃使った立てこもりに怒りと困惑:埼玉)
「考えられない」「残念」。埼玉県ふじみ野市で散弾銃を使った立てこもり事件が発生したのを受け、県内で銃砲を取り扱う店舗や愛好家らから怒りと困惑の声が上がっている。散弾銃など猟銃の所持にはさまざまな条件と制約が設けられ、厳格に管理されている。所持者同士のコミュニティーには互いの異変を察知する「監視」の効果もあるといい、立てこもった男(66)にそうした仲間がいなかったことが事件につながったとの指摘もある。「銃を取り扱うからにはそれなりの責任を持つのは当たり前。考えられない」。県内居住のクレー射撃愛好家の男性はため息をつく。「ほとんどの人が真面目にやっているのに、残念だ」と事件が与える悪影響を懸念する。捜査関係者によると、事件で死亡した医師の鈴木純一さん(44)は胸に銃弾1発を受け、死因は心臓破裂だった。弾は体内を貫通しており、至近距離から撃たれ即死だったとみられる。男が所持していたのは散弾銃2丁。それぞれ2000年と08年に的に向かって銃を発射することを指す「標的射撃」目的での使用が許可されており、20年11月に許可が更新されていた。県警保安課によると、21年末時点で県内で許可証を交付されている人は前年同期比95人減の4008人で、散弾銃やライフル銃、空気銃の合計登録数は同比168丁減の8531丁。銃を取り扱うには、県警が開いている講習会に参加することや考査の合格など、複数の手続きが求められ、管轄の警察署から所持許可証を交付される必要がある。許可証の申請や3年に1度ある更新には、使用者の犯歴や破産手続きの有無、精神障害を抱えていないことを示す診断書など使用者本人の状況を精査する必要もあり、一つでも資格を満たせなければ許可や更新ができないことが銃刀法で定められている。さらに更新時には、射撃場訪問や大会への参加など銃の使用実績を報告することが求められるほか、年に1度、管轄警察署で登録された銃の検査も行われており、その際に使用実績などを口頭で確認するなど、使用者の行動についても厳格に管理されている。県北部にある銃砲店の店主の男性は「男は一体、何のために銃を持っていたんだ」と首をかしげる。昨夏の東京五輪で公式種目となった陶器製の標的を撃つ標的射撃競技「クレー射撃」などの影響で、新たに銃を手に取る人が現れ始めた矢先の事件に怒りが込み上げた。男性は店を訪れる客に銃を取り扱う仲間をつくることを勧めているという。「気軽にコミュニケーションを取れる数人ほどの仲間をつくることで情報交換ができる一方、お互いに異変がないかを監視し合う効果もある」とし「あくまで推測だが、(男は)そのような関係を持つ仲間がいなかったのではないか」と話した。

(銃刀法違反疑い、70代男2人逮捕:栃木)
県警生活環境課と那須塩原署は2日、銃刀法違反(不法所持)の疑いで富山県高岡市、会社役員男(72)と那須塩原市、会社役員男(73)の両容疑者を逮捕した。

(成田空港の滑走路付近にカモ33羽の死骸:千葉)
成田空港のA滑走路付近で1月30日朝、カモ33羽の死骸が見つかった。29日深夜にA滑走路を離陸したシルクウェイウェスト航空の貨物便の機体に、鳥との衝突(バードストライク)によるものとみられる多数の痕跡や損傷が見つかっており、カモの群れと同機が衝突したとみられる。国土交通省が、同機の損傷の程度や詳しい原因について確認している。国交省成田空港事務所によると、同機は1月29日午後11時半ごろ、A滑走路を離陸。上昇中の短時間、機体に振動があり、操縦室で異臭もしたため、機内を点検したが異常は見当たらず、無事に目的地のアゼルバイジャンの空港に到着した。着陸後の点検で、機体に鳥の死骸が付着しているなど、バードストライクの痕跡や損傷が多数見つかったという。成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)によると、衝突発生時に同機から連絡はなく、翌30日午前9時40分ごろ、A滑走路付近の芝地で鳥の死骸を見つけたため、滑走路を約20分間閉鎖し、33羽の死骸を回収した。いずれもカモの死骸だったという。

(狩猟鳥獣の見直しに関する検討会の開催)
令和4年2月7日(月)に、狩猟鳥獣の見直しに関する検討会を開催します。なお、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、本委員会はWEB会議方式(ライブ配信)により開催します。

(ニホンジカ、日光以外も:福島)
福島大共生システム理工学研究科の兼子伸吾准教授(43)と藤間理央さん(27)らの研究グループは、会津地方南部に生息するニホンジカが、栃木県日光市以外からも流入していることを明らかにした。今後、詳しい流入ルートが分かれば、食害などの影響を及ぼすニホンジカの分布予測や適切な管理につながるとしている。同大が2日発表した。会津南部のニホンジカは、1978(昭和53)年時点では生息がほとんど確認されていなかったが、近年、南会津町や昭和村、下郷町などの地域で目撃件数や捕獲頭数が増加している。ニホンジカの急増により、農林業被害や尾瀬など国立公園の植生破壊などが生じ、2020年度は1年間で1000頭以上が捕獲された。原因として、日光市に生息するニホンジカの分布拡大による流入が考えられてきた。研究グループは、会津南部と日光市で17~19年に捕獲されたニホンジカ119頭について系統を調べた。分析では、母親から子に受け継がれ、細胞内に多数存在する「ミトコンドリアDNA」のタイプに基づき系統の違いを確認した。その結果、会津南部の系統は、日光市に多く存在する「Tcg系統」と他地域の「Oze系統」の2グループに分けられることが分かった。二つのグループの存在は、日光地域以外のニホンジカの集団も、会津南部に流入していることを示す。研究グループは今後、サンプルを集める地域を拡大し、どの地域から会津南部に流入しているのかを特定していくという。藤間さんは「これからも福島県を中心としたニホンジカの状況を記録する手助けになる研究をしていきたい」と話し、兼子准教授は「南会津で個体数を減らしても、新しい個体が入ってきてしまう。どこから来ているか明らかにして、そちらでも個体数を減らす必要がある」と語った。研究グループによる研究論文が日本の学会誌「野生生物と社会」に掲載された。

(キョンが大量出没!都市部に迫る野生動物の意外な潜伏場所:千葉)
その可愛らしい見た目とは裏腹に、キョンの鳴き声や食害に悩まされている住民は少なくありません。被害の実態を知りたいと取材を進めてみると、キョンだけではなく、都市部で野生動物の出没が増加し、私たちの生活に影響を及ぼし始めている現実が見えてきました。キョンはシカに似た中国や台湾などが原産の動物で、生態系などに害を及ぼすおそれがあるとして、国が「特定外来生物」に指定しています。千葉県では、20年以上前に勝浦市の動物園から脱走したものが野生化したと言われています。「キョンがよく出没するスポットがある」そう言って私たちを案内してくれたのは、千葉県勝浦市の猟友会で会長を務めている鈴木しずおさん(73)。40年にわたって鳥獣対策に取り組んできたベテラン猟師です。向かったのは勝浦市内の閑静な住宅街。こんな人の多いところに本当にキョンがいるのか?と思っていると…。わずか1時間で5頭のキョンを目撃しました。住民によると3年ほど前から、よく見かけるようになったといいます。近くの畑では、大根やかぼちゃなどが食い荒らされる被害も出ていました。猟友会の鈴木さんは、人の多い都市部に出没するようになったことで、駆除も難しくなっているといいます。千葉県の2020年度の推計では、県内に生息するキョンの数は約5万300頭。2013年度の2万5000頭に比べて約2倍に増加しています。生息域も、2004年度には勝浦市など南部の5市町に生息するだけとみられていましたが、2020年度は17市町にまで拡大。さらに、東京近郊の柏市でも目撃されるなど、徐々に都心部に迫ってきています。キョンはなぜ増えたのか?野生動物の生態に詳しい麻布大学講師の加瀬ちひろさんに話を聞いてみると、民家の庭に侵入し、交尾するキョンの画像を見せてくれました。キョンは警戒心が薄く、人里近くでも繁殖すると言います。麻布大学獣医学部 講師 加瀬ちひろさん「イノシシは警戒心が強いので、研究のため人に慣らそうとしても何週間もかかります。しかしキョンは早ければ1週間で人に慣らすことができます。この画像のように、人に近い環境でも十分生活して繁殖に関わるような行動もできますから、これではどんな場所でも拡大できてしまう」。キョンが都市部に迫る理由は、それだけでないといいます。加瀬さんが挙げるのは、野生動物のテリトリーと都市部を隔てていた山林の環境の変化です。千葉県では、人口減少や高齢化などで人の管理が行き届かなくなった竹林がすみかになっているといいます。さらにもう1か所、加瀬さんが連れて行ってくれたのが、山を切り開いて設置された太陽光発電のパネル。近年、全国で設置が進んでいます。パネルの下の空間は、風雨をしのげるだけでなく、餌となる下草も生えているため、格好の「潜み場」になっているのです。野生動物の都市部での出没増加はキョンだけではありません。加瀬さんが案内してくれたのは東京・世田谷区の住宅街。ここ数年、東京23区など都心部で、ハクビシンやアライグマなどの目撃が増えているといいます。その絶好の生息場所になっているのが、都会で増えている、空き家をはじめとした民家です。人の目が及ばない空き家や家屋の屋根裏・床下などが、野生動物にとって「安全なねぐら」になり、そうした場所に堆積した糞尿や野生動物の体についているノミやダニなどが感染症につながる懸念もあると、加瀬さんは指摘します。麻布大学獣医学部 講師 加瀬ちひろさん「家の床下は隙間が広いので、そこに入って休息していたりすることもある。ハクビシンはねぐらとして使用する場所に糞や尿をしますので、それが堆積すれば、衛生的な被害もありますし、ハクビシン自体にもノミやダニがついていることがあるので、人間にも感染症のリスクが出てきます。6センチの隙間があれば、ハクビシンは侵入できてしまうので、隙間を探して、金網などでふさいでいく対策が必要です」。野生動物が都市部に出没するようになったことで、首都圏に張り巡らされた公共交通にも影響が出始めています。東京・新宿と神奈川県小田原市を結ぶ小田急電鉄では、シカが線路に入り込み、電車に接触する事故が2010年度の2件から2019年度は12件と5倍以上に。シカは鉄分を補給するため、線路をなめにやってくるというのです。事故のため、ダイヤが乱れる時間も増えているといいます。関東1都4県を走る東武鉄道では、野生動物との接触事故の件数は、電車の運行に遅れが生じたものだけで2018年から2020年の3年間で189件にのぼります。東京・池袋と埼玉県秩父市を結ぶ西武鉄道でも、年間およそ90件もの接触事故が起きているといいます。小田急電鉄 有田一貴さん「特に通勤ラッシュの時間帯、朝方の時間帯に電車が止まると、日中よりも多くのお客さまに影響が出てしまいます。列車が獣とぶつかると、破損した車体の修繕をしなければなりませんし、ひいたシカやイノシシを社員が回収に行って、きちんと埋める必要もあります。そういう人件費も含めるとすごい金額が、実は被害額としては出ています」。小田急電鉄は、去年11月から獣害対策に乗り出しました。その名も「ハンターバンク」。小田急電鉄と小田原市が仲介役となり、猟をする場所がない都市部のハンターと獣害に悩む農家などをマッチング。野生動物を効率的に捕獲・駆除することで、ハンターや農家の悩みを解決するだけではなく、鉄道被害を防ぐことなども目指します。昨年1月から6月にかけて行われた実証実験では、35名のハンターが農林業者と9件マッチング。イノシシの成獣12頭、幼獣4頭などを捕獲する成果を上げています。都市部で増える野生動物たち。麻布大学獣医学部講師の加瀬さんは「野生(自然)」と「都市」の境目があいまいになる中、「野生生物」との向き合い方を都市で生活する人も考えざるを得ない時代になっているといいます。麻布大学 獣医学部 講師 加瀬ちひろさん「農業に従事する人や、森に入って活動をしている人だけではなく、都市に住む人の一人一人にとって、野生動物はすでに非常に身近な存在になっています。野生動物にどういうふうに対応していくのか、意識していかなければいけないということを考えてほしいと思います。野生動物は私たちが考える以上にしたたかです。実は私たちは意図せずに彼らに餌になるものを与えていたり、潜み場所を与えてしまっていることがあります。彼らのことをきちんと知って、対応していくことが大切だと思います」。“野生動物はいわば未知の生物。ペットじゃないからコントロールできないので、距離感を保たないとトラブルが起きてくる”そう警鐘を鳴らす麻布大学講師・加瀬ちひろさんの言葉は胸に響くものがありました。キョンのような外国から持ち込まれた特定外来生物だけではなく、シカやイノシシなど日本固有の動物たちも都市部に迫っています。一見すると、可愛らしくて、人懐こくある動物もいますが、私たちと野生動物とのかかわりが深くなるほど、新しい感染症が出てくるなどリスクも高まるため、距離感が大切だと加瀬さんは教えてくれました。人間と野生動物とが暮らす境界線が変化しているいま、動物たちとどう付き合うべきか。今後も、私たちと野生動物の付き合い方について取材を深めていきたいと思います。

(超巨大ヒグマ「OSO18」に騒然:北海道)
体重は推定で約400kg、立ち上がって手を上げれば高さは3mの超巨大ヒグマの被害が北海道で相次いでいる。「OSO18」と呼ばれているその雄グマは、200kgの牛も真っ二つに切り裂くほどの怪力で、その被害により牧場をたたむ経営者が出るほど深刻な問題となっている。この巨大ヒグマを捕獲には、冬眠中の今が絶好のチャンスだ。しかし捜索の手がかりは薄く、追跡がほとんどできていない状況に、地元関係者は焦りを滲ませている。オソが他のヒグマと違う点は、その大きさだけではない。自らが仕留めた獲物に対して、まったく執着を見せないのだ。「本来、ヒグマは自分が手に入れた餌や餌場には強い執着心を持ちます。一度餌を捕まえた場所には、味を占めて何度も戻って来ます。しかし、オソは同じ餌場に戻って来ることはありません。仕留めた獲物の食べ方にも特徴があります。オソは牛の肉や内臓をほんの少しだけ食べ、あとは残していきます。獲物を食べるためではなく、ただ弄ぶために襲っているのではと感じるほどです」(厚岸町水産農政課職員で町営牧場長を務める櫻井唯博氏)。ヒグマ対策の基本は、獲物を仕留めた場所に戻って来る習性を利用し、被害があった場所の付近に箱わなを仕掛けて捕獲することだ。だが、オソの場合はこれがまったく通用しないのである。ヒグマの特徴である、食べきれなかった獲物を土の中に埋めるなどして保存する「土まんじゅう」をした痕跡も現地では見つかっていない。オソの対策にあたる北海道猟友会標茶支部の猟師も、オソを「猟奇的」だとし、「我々が知っているヒグマとは違う」と危機感を募らせている。もう一つの特徴が、牛を真っ二つにするほどの怪力を持っていながら、驚くほど用心深い性格である点だ。実は、オソは甚大な被害を及ぼしているにもかかわらず、一度も人による目撃例が報告されていない。オソとみられる個体が目撃されたのは、2019年に標茶町が仕掛けたカメラに映り込んだ一例だけである。そもそもオスのヒグマは、若いうちに駆除されてしまう例がほとんどだ。そのため、成獣まで生き残っているという時点でどの個体でも用心深くなっている。だが、オソの場合は、さらに度を越した慎重さを持ち合わせているのだ。櫻井氏が語る。「日中はどこかに潜んでいて決して姿を見せず、駆除のための銃器を使えなくなる夜になると人知れず行動を始めるのです。誰にも目撃されずに行動することから我々は『忍者』とも呼んでいます。昨年の9月にオソと思われる個体の足跡が見つかって以来は何の痕跡も見つかっていません。行動範囲の広さも相まって、捜索しようとしても、どこにいるかの手掛かりすらつかめないのです」。銃器と並ぶクマ対策の要である箱わなに関しても、前述のとおり近くに立ち寄った形跡すらない。この理由について、標茶町でヒグマ対策に従事する猟師はこう推測する。「現在は厚岸町、標茶町で合計10基の箱わなを仕掛けていますが、かかる気配はありません。これは、オソが箱わなの形状や、わながどのように作動するのかを認識しているからだと思われます。おそらく、幼少期に母グマか兄弟が、箱わなにかかったのを間近で見ているのでしょう。こうした経験から、箱わなにかからないための知恵を身に付けたのだとしか考えられません」。個体差はあるが、多くの場合、箱わなにかかったヒグマは脱出を試みて激しく暴れる。一緒に生活していた個体が捕えられた光景は、オソにとってトラウマとなっているのだろう。この経験が、あらゆる対策が通用しない「怪物」を生み出してしまった可能性は高い。自治体もオソによる被害を見過ごしていたわけではない。標茶町は'19年から被害があった場所に猟友会員を派遣し、捜索に乗り出していた。しかし捕獲することはできず、翌'20年にも被害を出してしまった。さらに'21年には隣接する厚岸町でも初めて被害が報告され、被害を及ぼす範囲が広がってしまう。昨年11月には両町と北海道、クマ専門家が「OSO18捕獲対応推進本部」を立ち上げている。もはや町単位ではオソに太刀打ちできなくなったのだ。両自治体は連携し、対策を打ち出している。標茶町の農林課林政係の担当者が語る。「昨年8月中旬には、'19年に被害のあった場所にヒグマを音と光で威嚇する装置である『モンスターウルフ』を設置しました。同様の音で威嚇する装置の設置台数も増やしています。また、移動経路がつかめていないため、来春に向けてカメラを増設するといった対策を進めています」。厚岸町の環境林務課の担当者も「ヒグマが嫌がる電柵を放牧地に増設し、被害の出始める7月に備える」とした上でこう述べる。「家畜の被害が出るまでどこに潜んでいるかわからない、という事態を避けるため、まだ雪のある時期に足跡の捜索に力を入れています。猟友会員、役場の人間、国有林や道有林の所有者に道路工事の業者など、山に立ち入る多くの人に協力を仰いでいます」。例年、オソによる家畜の被害は7月から9月に集中している。次の繁殖期をむかえるまでにオソの駆除が出来なければ、さらに被害が広がることは明らかだ。一方で、ヒグマは冬眠明けの時期である3月ごろに動きが緩慢になる傾向がある。つまり、駆除に向けた準備は、雪の残っている、今この時期に進めるべきなのだ。しかし、仮に足跡が見つかり、居場所がわかったとしても、駆除は容易ではない。これには地元のハンターも頭を悩ませている。猟友会標茶支部長の後藤勲氏が語る。「猟銃を使う場合、超大型のオソを一発で仕留めることはほぼ不可能でしょう。頭は硬い頭蓋骨に守られているため、確実に心臓を射抜く必要があります。もし仕留め損ねて手負いの状態にした場合、用心深さと凶暴さを増してさらに厄介な存在になることは間違いありません。それに、今は餌となるエゾシカの数も多く、わざわざ冬眠する必要もなくなっています。私たちが対策を練っているこの瞬間も冬眠をせず、山の中を移動している可能性も高いのです」。被害が長期化しているということは、さらなる危険性を秘めている。酪農学園大学教授でヒグマの生態に詳しい佐藤喜和氏が指摘する。「繰り返し家畜を襲っているということは、それを目撃したほかのヒグマが真似をしだす可能性があります。第二、第三のオソといった模倣犯が生まれることが十分考えられるのです」。地元の関係者も、「オソ一匹をただ駆除するだけでは意味がない」と考えている。厚岸町水産農政課職員で町営牧場長を務める櫻井唯博氏が語る。「10歳前後のオソは年ごろから言って、子孫を残している可能性が高い。オソの遺伝子を受け継いだヒグマが次々と成獣になっていることも考えられます。オソの遺伝子を持つ個体が標茶や厚岸をはじめ道東中に散らばっている可能性を考えると、今後もまったく油断ができないのです」。現在、オソが人へ危害を加えたという事例は確認されていない。しかし厚岸町では昨年4月、山菜採りのため山林に入った60代の男性がヒグマに襲われて命を落としている。男性を襲ったクマはまだ見つかっていない以上、これがオソの仕業ではないと断定はできない。「ここまで長期間の被害が出ていると、もはや牛だけでなく、人間の命にかかわる問題だと感じています。オソが出始めてから、住民の間でも日没までには必ず家に帰らないといけないという認識が広がっています。一匹のヒグマのせいで、住民の生活全体が変わってしまったのです」(標茶町の牧場付近に住む住民)。ヒグマが活発に動き始める4月まで時間はもう残されていない。オソと人間の追跡戦は、今後さらに激化していくに違いない。

(「鹿ソニック」で野生動物を守る:岡山)
近年、シカなどの野生動物と列車が衝突するケースが増えています。例えばJR西日本岡山支社管内では、2020年度107件と5年で約2倍と、悩まされているのは、車両や運転士に負担が掛かる鉄道会社です。そんな中、岡山理科大学の教授が、動物の行動をできるだけ妨げずに、事故を無くそうと取り組んでいます。夜間の運行には緊張を強いられます。いつ、野生のシカが目の前に現れるか分からないからです。ブレーキをかけても間に合わないことも。動物と衝突をする事故を無くそうと研究を続けている男性がいます。(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周 教授)「人間と野生生物との共存ですね」。鳥取県南東部。山に囲まれた若桜町周辺です。野菜畑には背の高いネットが。この地域で運行する第三セクターの鉄道会社、若桜鉄道です。ここ数年シカに悩まされ続けてきました。「5~6頭いたシカ2頭死骸あり」。おととし10月から一年ほどで18件の衝突事故・・・そのほとんどがシカです。車体やレールまわりの設備の損傷のおそれ、列車の遅延・・・それだけではありません。(若桜鉄道 渡辺雅己 鉄道部長)「運転士も”シカが出るんじゃないか”という不安を抱えて運転している。もう一つはシカにとっても(事故は)非常に気の毒なこと、なんとか対策をしたいなというふうにずっと考えていたところ」。昨年4月、対策のための研究に乗り出したのは、岡山理科大学の辻維周教授のチームです。道路などではねられる生物を減らしたいとの思いから長年、行動調査や事故対策に取り組んできました。山梨県の自動車部品会社が開発した装置を用いて、道路で実施していた対策を、鉄道にも応用できないかと若桜鉄道に声をかけました。(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周 教授)「これは鹿ソニックといって、高周波によってシカが線路内に侵入するのを阻止する装置。周波数は変えられます」。人間には聞こえにくい高周波…人間にも聞こえるよう音を変換してみると。シカにはこのように聞こえているようです。夜な夜な線路に現れるシカ。研究チームのカメラ1台に写る数は、1晩で10頭に上ることもありました。特に事故が多かったのは終着駅の若桜駅と丹比駅の間。山際を列車が通るポイントです。この付近に昨年、秋までに8台の鹿ソニックを設置しました。最初の設置から間もない頃の映像です。鹿ソニックの方向を向いて首を動かし、耳をピクピク。警戒している様子が伺えます。鹿ソニックの対策ですが、そこには鹿への配慮も。必要以上に移動を妨げないための工夫です。(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周 教授)「生態系の分断を避けるために、列車が通る時間帯だけ稼働させます」。ーーそれ以外の時間帯は?「自由に往来できる」。軌道上だけでなく、列車にも鹿ソニックを取り付けました。対策の結果、鹿との遭遇は激減。鹿ソニックを設置したエリアでの衝突事故はゼロになりました。(若桜鉄道 北山敦貴さん)「2月2日は出ませんでしたね良かったです」。ーー効くとわかった時は?(ティ.エム.ワークス 轟秀明 代表)「面白いなと思いました。ネットの情報ぐらいしか無かったものを実際形にしてみて、人の役に立てるものを作れるのは面白いなと思って」。ところで、シカはなぜそうまでして山から、危険な線路へ出てきていたのか。辻教授が注目したのは線路・道路を越えた先に流れる八東川の存在です。(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周 教授)「ここ(線路脇)に水路があって水が流れているが、ここを無視して八東川に行っている。なぜなのか、どうして向こうに行きたいのか。水質の違いなのかなというふうに」。飲み水を求めて線路を渡っていたと見られるシカ。鹿ソニックの稼働時間に線路上に現れることは稀になりました。では別の時間や場所で飲んでいるのか・・・答えは違いました。雪の積もった昨年12月、再び現場を訪れると、驚くべき痕跡が残されていました。無数の足跡は線路の下。最短ルートではなく、鉄橋の下を迂回する新たな道を開拓していたのです。この場所に設置したカメラにもその姿が捉えられ、川でも足跡が確認できました。(岡山理科大学 教育推進機構 辻維周 教授)「彼らは学習している。これだけの足跡があるのはすごい」。ーー以前は通っていなかった?「全く通っていない」。鹿ソニックで警告することで鉄道・シカ、双方の安全に結びついた今回のケース。(若桜鉄道 渡辺雅己 鉄道部長)「シカが激減しましたので、当社にとっても本当に乗務員も安心して運転できるようになりましたし、改善されたということで非常に喜んでおります」。辻教授は、取り組みをさらに広げていきたい考えです。

(麻布大学が野生動物のフィールドワークを実施:島根)
麻布大学の生命・環境科学部 環境科学科は、2021年12月16日~20日、島根県美郷町にある麻布大学フィールドワークセンターを拠点に野生動物に関する実習を行った。鳥獣害対策と住民の取り組みで日本をリードする鳥獣害対策版シリコンバレー「美郷バレー構想」を掲げる島根県美郷町は、産官学民が自発的に集い、地域活性化に取り組んでいる。麻布大学は美郷町の「おおち山くじら研究所」とともに美郷バレー構想の連携の中核を担っており、2021年4月、麻布大学フィールドワークセンターを開設した。今回、フィールドワークセンターを拠点に実習を行ったのは学部学生12名、大学院学生2名。環境科学科の授業科目「生物多様性フィールドワーク演習」において、生命・環境科学部の新田 梢特任助教のコーディネートにより5日間かけて美郷町の様々な取り組みやフィールドワークの基礎を学んだ。実習では食肉解体処理施設で捕獲されたイノシシの屠殺個体が食肉となる過程や、イノシシ肉の缶詰加工を視察。鳥獣害対策を実施している農家でイノシシやサルから農地を守るための対策や、婦人会によるイノシシの皮を活用した革製品の製作など説明を受けた。フィールドワークでは、動物の痕跡を探してセンサーカメラ(赤外線自動撮影装置)を設置・回収して行動と調査法を学習。また、野生動物の餌場や潜み場所となっていた茂みと放任果樹を伐採し地元の子どもたちのスペースとなった「林間学校」と呼ばれる場所で、総合的な鳥獣害対策における環境管理について学んだり、植物調査を実施し、前日の植物調査結果と比較した。学生たちは様々な実習を通して野生動物の性質を生かした対策の実践について学び、美郷町の自然と人とのつながりの重要性について実感した。麻布大学は今後も、地域と連携し、フィールドワークセンターを教育・研究に活用していく。

(地元の悩み事、部活で解決:兵庫)
「地域活性部」。一見、市役所や町役場の部署名のようだが、東洋大付属姫路高校(兵庫県姫路市書写)の文化部の一つだ。3年前、入学直後の男子生徒3人と家庭科教員による同好会として発足。高校近くにある担い手のいない農地を耕し始めた。近隣農家が野生動物の被害に悩んでいると聞けば、駆除されたシカの肉を商品化した。地元の悩み事の解決に一役買い、特産品をつくる活動は大人顔負けで、昨年春に部に昇格。部員数も30人に増えた。初期メンバーを含め、今春に卒業を控えた3年生部員を取材した。「何かやってみない?」。2019年4月、教員の一言で放課後の教室に集まったのは、当時1年生だった古川雄也さん(18)と三輪大志朗さん(18)、丸山蒼生(あおい)さん(18)。「入学直後でお互いをあまり知らなかった」(古川さん)という3人が、特産品開発チーム「プロジェクト 東洋」として動きだした。まず、学校そばの畑で野菜づくりを始めた。農家などから農機具を借り、伝統野菜「姫路若菜」の復活など、作物の商品化に挑んだ。草引きなど慣れない作業ばかり。何度も畑近くの溝に降りて水をくみ、畑にまいた。書写山で落ち葉を集めて肥料にし、無農薬栽培にこだわった。「よう育っとんな」。畑で汗を流す部員に、住民も声を掛けるようになった。住民と交流するうち「シカの被害に困っている」と聞いた。猟友会で話を聞き、シカ肉処理施設で駆除されたシカの解体も体験。命を無駄にしないよう、シカ肉の商品化を決めた。商品開発にはメンバーの得意分野を生かした。料理好きの三輪さんは「幅広い世代においしく食べてもらいたい」と、試行錯誤を重ねた。焼き肉のタレやショウガ、ハーブなどで味付けを変え、メンバーに食べてもらった。「ジビエの感じを残すため、シカ肉のクセを取り過ぎないようにしたのがポイント」。自信作の缶詰ができた。パッケージデザインは丸山さんが担当。「目が行くように配色にこだわった」といい、地場産品をそろえる播産館(姫路市南駅前町)の売り場ではひときわ目立っている。「自分たちの興味をもとにした活動が、企業も巻き込み、大きな動きとして広がっていった」と振り返る。活動の幅を広げていく中で、同級生たちも仲間に加わった。「自分の成長にもつながりそう」と参加した椋野亜斗夢(むくのあとむ)さん(18)は「活動を通じ仲間たちとの絆も深まった」。下川智也さん(18)は農作業にはまり「若い世代に農業の楽しさを伝えていきたいと思うようになった」と話す。チームは昨年4月、正式に部に昇格した。古川さんたちは「地域の人を元気にしたい」と、部の名称を「地域活性部」にした。古川さんに誘われて1年生の秋から参加している3年生部員大久保由璃杏(ゆりあ)さん(17)は、祖父母の農作業を手伝った経験を生かし、初期メンバーとして活動。古着を難民に送るプロジェクトなども担当した。「今でも同級生から『畑部』と呼ばれるけど、活動が広がり、後輩の女子部員も増えてうれしい」と話す。卒業を前に、地産地消や地方創生の優れた取り組みとして、近畿農政局長賞と近畿経済産業局長賞を受けた。先月、来校した農政局担当者も「普通科高校の部活で農業活性化に取り組むのは珍しい」とたたえた。部をまとめてきた古川さんは「部のプロジェクトは、どれもやったことのないことばかり。活動を通じて住民と触れ合うことができ、いい経験になった」と話している。

(クマ出没・駆除、市民で防ぐ:北海道)
クマの保護と奥山再生に取り組む自然保護団体「日本熊森協会」(本部・兵庫県西宮市)の道支部が1月、発足した。ヒグマが人里に出没するのを防いで駆除を減らすのが目的で、将来的にクマを追い払う対策犬「ベアドッグ」の養成所を開設し、犬による追い払いの全道展開を目指す。支部長に就いたのは2019年8月にヒグマ1頭が繰り返し出没して駆除された札幌市南区藤野地区でカフェを経営する中山布美香さん(50)。1月31日には会員7人で初会合を開き、長野県軽井沢町などでツキノワグマの出没抑制に成果を上げているベアドッグを道内でも導入するため、札幌市内で養成所の開設を目指すことを協議した。

(スカロケ狩猟部)
群馬県では、近年、尾瀬国立公園をはじめとする自然公園などで、ミズバショウやニッコウキスゲといった貴重な高山植物が姿を減らしています。原因の一つは増えすぎてしまったシカによる食害です。シカだけではなくイノシシも生息数の増加が著しく、深刻な農作物被害が生じているほか、最近では県内養豚場でイノシシを媒介とした豚熱の感染が確認され、畜産業にも大きな被害を与えています。その対策の一つが狩猟によってシカやイノシシの生息数を適正に戻すことです。しかし、狩猟者の高齢化と減少が進んでおり、狩猟者の確保は、全国的な課題となっています。そこで、スカロケ狩猟部では悩める群馬県のハンターを増やすべく、リスナーの皆様に狩猟の魅力を発信していきます!

(「恩返し」のように諏訪湖を愛したオオワシ:長野)
冬の諏訪湖(長野県)に2017~18年まで23季連続で飛来し、地元住民に親しまれたオオワシがいた。その記録をまとめた冊子「諏訪湖を愛したオオワシ『グル』の記録」を、諏訪地域の市民団体「諏訪湖クラブ」(沖野外輝夫会長)が作製した。「大型のワシが越冬できる湖の自然について考える教材にしてほしい」と、同地域の小中学校や図書館に贈る。このオオワシは幼鳥だった1996年に初めて飛来した雌で愛称「グル」。99年に湖に落ちて衰弱したが、保護した諏訪湖クラブ会員で日本野鳥の会前諏訪支部長の林正敏さん(77)が49日間世話をして体力を回復させ、野生に返した。グルはその後も毎冬、助けられた恩返しのように諏訪湖に戻り、魚やカモ類を狩って過ごした。林さんによると、人に救護されたオオワシが長期間確認される例は珍しい。オオワシは全長約1メートル、翼を広げた長さは2メートル以上。国の天然記念物で絶滅危惧種。ロシア極東のオホーツク海沿岸で繁殖し、冬には南へ渡る。日本では主に北海道で越冬するが、少数が本州へ南下する。諏訪湖ではグルを見ようと多くの野鳥愛好家が集まるようになった。住民の間でも話題となり、詩や短歌、絵画の題材にもなった。冊子は林さんらが編集し、A4判カラーで70ページ。グルを回復させた林さんの手記や当時の飼育日記、上空を飛んだり湖で魚を捕らえたりする躍動的な場面を撮影した写真、グルを題材にした作品などを掲載。授業の一環でグルについて学んだ小学生が、20歳になった10年後に湖でグルと再会した話も収めた。冊子は県の地域づくり支援金などで6000部作った。学校へは市町村教育委員会を通じて配る。岡谷市役所であった贈呈式で、沖野会長から受け取った岩本博行教育長は「私も悠々と飛ぶグルを見たことがある。活用したい」と感謝した。林さんは「1羽の鳥に思いを寄せる人が増え、生息環境に配慮して土木工事を延期したり、鳥に触発されて創作活動をしたりする人もいた。私たちはグルを助けたが、助けられたのは実は人間の側だったのかもしれない」と話している。グルは23歳で北帰行した18年3月を最後に消息を絶ち、死んだ可能性が高い。林さんによると、諏訪湖では明治時代からオオワシの飛来記録があり、今後もオオワシが飛来する可能性はあるという。

(1月の銃販売数が急減、「コロナ禍による急増」が収束:アメリカ)
今年1月の米国内の銃器の販売数は、2021年の1月との比較で40%以上のマイナスとなったことが分かった。これは、コロナ禍を発端とした需要の急増が収まり始めた兆候と見られている。コンサルタント会社のSAAFによると、先月の米国内の銃の販売数は約130万丁で、2021年1月の220万丁との比較で42.6%減少した。ただし、これらの数字は、パンデミック前と比べるとまだ大幅に上昇しており、2019年1月の販売数は約100万丁だった。SAAFのチーフエコノミストのユルゲン・ブラウアーはフォーブスの取材に対し、1月の販売数の急減の理由は不明だと述べたが、関係者はコロナ禍による需要の急増が、いずれ減速すると予想していた。ブラウアーによると、今回と同レベルの落ち込みは2014年にも見られていたという。その際は、2012年末のコネチカット州の学校銃乱射事件を受けて規制が強化されたことで、2013年1月の銃の販売数が急増し、翌年には大幅に減少していた。SAAFによると1月の販売数は昨年12月の約190万丁との比較でも大幅な減少になっている。ブラウアーによると、銃の販売数はホリデーシーズンに急増することが多いため、翌月には急落する傾向があるという。SAAFの推計によると、昨年、米国で販売された銃器の総数は1990万丁で、1990年代後半にデータを開示し始めて以来で2番目に販売数が多い年となった。これまでの最高記録は2020年の2280万丁で、3番目は2016年の1670万丁だった。全米射撃協会(National Shooting Sports Foundation)によると、昨年初めて銃を購入したアメリカ人は約540万人で、2021年の銃器の購入者の約30%を占めていた。銃の販売はニュースに大きく左右され、不安が高まった時期や銃規制の強化を求める政治的機運が高まったときに急上昇する傾向がある。今回の販売数の急増は、パンデミックと2020年の大統領選挙をきっかけに発生したが、トランプ前大統領が就任した際には、銃規制が強化されるのではないかとの“恐怖”が消えたことで、販売数が減少していた。

(ジビエ料理、気軽に食べて:埼玉)
埼玉県白岡市は1日から、友好都市千葉県君津市と連携し、市内飲食店7店でイノシシやシカの肉を活用したジビエ料理を提供し始めた。両市はいずれも江戸時代の旗本で朱子学者新井白石にゆかりがある。一昨年、友好都市協定を締結し、歴史を通じた交流や災害協定などを結び親交を深めている。今回、白岡市は君津市が取り組む「きみつ×ジビエ」の取り組みに協力。君津市では農作物被害を防ぐためシカやイノシシの捕獲に力を入れている。捕獲した野生獣の肉を衛生管理し商品化を進めている。

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(改良型の鹿わな、なぜか捕獲ゼロ:愛知)
和歌山県などで鹿の多頭捕獲に大きな成果を上げている改良型のわなが、愛知県豊田市では1頭も捕獲できない状況が続いている。生息地域による習性の違いが要因とみられ、市内に生息する鹿は、わなに近づくだけ。鹿の食害被害が年々増加している市は、わなの改善策を模索している。改良型のわなは、鹿の侵入部分のゲートを従来の鉄製から、潜り込み式のネットに変更している。従来型のゲートでは、鹿が中に入ると「ガシャン」と大きな音を立てて入り口部分が落ちるため、音に驚いた他の鹿が逃げ出し、1頭しか捕獲できない。しかしネットのゲートは、鹿が入っても音がしないため、和歌山県内では、一度に鹿3~4頭を捕獲するなど大きな成果を上げているという。鹿の食害被害が増えている市では昨年9月、同県と同様の成果を期待し、改良型のわなの実証実験を始めた。設置したのは、市内の山間部にある3地域で、センサーカメラで鹿の出没状況を監視するなど、効果を検証している。映像には、鹿がゲート内に置いた餌の米ぬかやトウモロコシにつられてわなの近くまで来る様子が見られたが、ネットをくぐって中に入る鹿は1頭もいなかった。市内に生息する鹿は田んぼの稲を中心に荒らしているため、市農業振興課の鈴木聖人さんは、鹿がネットに警戒心を持っていると分析。「和歌山県では、鹿がミカンなどの果樹園の周囲に張り巡らされたネットをくぐって、農作物を荒らしており、ネットをくぐることに抵抗がないのでは。これほど地域によって違いが出るとは思わなかった」と肩を落とした。市は改良型のわなの設置を続けているが、捕獲できておらず、更なる改良が出来ないかを検討している。獣害被害が増加傾向の豊田市では近年、鹿による被害が急増している。市によると、鹿の食害被害は2009年から増加を始めた。16年に約270万円だった被害額は、翌17年に2倍以上となる約640万円まで急増。その後も被害地域が拡大し、19年には1000万円を超えた。

(野鳥22羽をワナで捕獲し飼育、容疑の78歳書類送検:東京)
野鳥のメジロやヤマガラなどを違法に飼育したとして、警視庁光が丘署は31日、東京都練馬区に住む無職男性(78)を鳥獣保護法違反(捕獲など)の疑いで書類送検した。「日本に生息する野鳥を捕まえてはいけないと知っていたが、野鳥がかわいいから捕まえた」と容疑を認めているという。書類送検容疑は2020年9月~22年1月、自宅の庭で、かごの中に餌を置いたワナを仕掛け、メジロ17羽、アオジ2羽のほか、ウソ、ヤマガラ、ルリビタキ各1羽の計22羽を捕獲し、自宅で飼ったとしている。光が丘署によると、21年12月に偶然、近くを通った署員がメジロの鳴き声に気付いたことで発覚したという。飼育されていた野鳥は専門施設で自然に慣らされた上で、野生に戻されるという。

(豚熱感染の野生イノシシ初確認:栃木)
栃木県は1日、県内でCSF=豚熱に感染した野生のイノシシ2頭が確認されたと発表しました。県畜産振興課によりますと、先月27日に那須烏山市曲畑で、29日にはさくら市葛城でそれぞれ1頭の合わせて2頭の野生のイノシシが捕獲され、豚熱と確認されました。さくら市で感染したイノシシが確認されたのは初めてです。これで県内でイノシシの感染が確認されたのは、合わせて77頭となりました。

(鳥獣被害、過去最少1.6億円:大分)
県内で鳥獣による農林水産物被害額が減っている。県のまとめで、2020年度は前年度から700万円減少し1億6500万円。2年連続で過去最少を更新した。被害額の8割を占めるイノシシとニホンジカの捕獲数は5年ぶりに過去最多を塗り替え、対策が奏功している。

(クマの捕獲数を年間50頭増やす:福井)
近年、ツキノワグマの出没が広範囲で確認される中、被害の防止策などを検討する委員会が、31日開かれ、抜本的な対策として、県内のクマの捕獲数を年間50頭増やし、156頭に引き上げる方針が示された。ツキノワグマの検討委員会は、県内の猟友会や森林組合、市や町などで構成されている。31日は2021年度3回目の開催で、県内の熊被害の現状などが報告された。今シーズンは、前のシーズンと比べ、クマの出没は800件余り少ない394件、人身被害は10件減り2件。ただ、近年、クマが広い範囲に出没し人身被害も発生していることから、抜本的な対策として年間の捕獲件数を105頭から156頭に引き上げる案が示された。県によると、県内のクマの生息数は約1000頭とみられ、捕獲が全体の15%程度なら、個体数を維持しながら被害を防げる。年度末までに計画が策定される予定。

(業務ついでにニホンジカ捕獲:愛媛)
愛媛森林管理署と四国風力発電(愛南町御荘平城)はこのほど、林業被害をもたらすニホンジカの捕獲などを日常業務と合わせて実施する「ついでの捕獲」についての協定を結んだ。同署によると、締結は県内初。同署管理の山林は多くが里山から離れた奥地にあり、ニホンジカの食害対策が必要。わなの見回りやエサまきなどに時間と手間が掛かることが課題になっていたため、風車のメンテナンスで日常的に入林する同発電に見回りと捕獲を打診した。捕獲には四国森林管理局が開発した囲いわなで、コストが低く設置も簡単な「こじゃんと」の1号(小型)や2号(大型)を使用する。「こじゃんと」は「すごくたくさん」を意味する土佐弁。わな使用に向け、四国風力発電は、わな猟の免許を取得した。

(狩猟フェスティバル2022:群馬)
若手狩猟者の確保・育成を目的とし、「ぐんま狩猟フェスティバル2022」を開催します。当イベントは、全国初のリアル・オンラインのハイブリッドで開催する狩猟フェスティバルとして、狩猟の魅力や情報をトークセッションや動画配信などで発信します。豪華景品が当たるクイズ大会も開催します。是非ご参加ください!

(害獣対策、新戦力探る:岩手)
監視カメラシステム開発を手掛ける滝沢市のクロスリンクシステムズ(資本金1千万円、戸塚吉巳社長)は、野生動物による農業被害を防ぐシステムの構築を進めている。カメラを設置した農園で、県内企業が製造した自動走行ロボットを走らせ、生態を探りながら的確な威嚇で撃退を図る。過去にハクビシンなどに荒らされた果樹農園での実証実験では被害はゼロに。検証を重ねて効果的な対策に磨きをかける。

(県立森林公園でケモノ展:静岡)
県立森林公園(浜松市浜北区)に生息する哺乳類をセンサーカメラの写真などで紹介する「定点カメラがとらえたケモノ展」が、同園バードピア浜北エントランスで開かれている。二〇一七年以降に撮影されたニホンカモシカやニホンアナグマなどの写真、イノシシの剥製、シカの角の骨格標本などが展示され、大人から子どもまで楽しめる。三月末まで。写真は、園内三カ所に設置されたセンサーカメラで撮影。体毛がシマウリに似て「ウリ坊」と呼ばれるイノシシの子ども、特別天然記念物のニホンカモシカ、動物写真で撮影できれば一人前といわれるイタチ科のテンなど十三種三十点が飾られている。剥製はイノシシのほか、タヌキとイタチを展示。イノシシの剥製は実際に触れることも可能で、硬い毛並みが確かめられる。骨格は二~五歳のシカの角の長さが一目で確認できるように配列。イノシシの頭骨もあり、餌のミミズを食べるために土を掘り返す鼻の骨の構造が分かる。このほか、園内でよく見られるふんの写真も、動物ごとに展示した。浜松学芸中学・高校の自然科学部による動画もある。展示担当者は「園内には、里山で見られるほとんど全ての種といっていい十二科十九種の哺乳類が生息している。森の知られざる哺乳類の世界を楽しんでほしい」と話している。同園の定点カメラは、環境省が各地の動植物を長期的に観測するため、全国千カ所で情報を収集するプロジェクト「モニタリングサイト1000里地調査」の一環。同園では〇八年から現在までこのプロジェクトに参加している。

(クマの出没と足跡地図:北海道)
静内警察署(横山博暁署長)は、2021年(令和3年)の1年間の新ひだか・新冠町でのクマの出没と足跡が発見された場所の地図をロビーで公表している。21年3月20日に静内田原の二十間道路にある牧場案内所付近での目撃を皮切りに1年間で、出没と足跡の目撃情報は新冠町万世の11月1日の目撃で34件に及んだ。年々出没や足跡目撃件数が増えており、今年も近辺への警戒と注意喚起を呼び掛けている。

(駆除したシカの皮、財布などに商品化:福岡)
登山者向け地図アプリ「YAMAP」を運営するヤマップ(福岡市博多区)は、農業や森林被害などのために駆除されたシカの皮を利活用し、財布やポーチなどの革製品を商品化、販売している。「人と山をつなぐ、山の遊びを未来につなぐ」をビジョンに掲げ、山や自然を守る活動にも取り組む同社の「めぐるしか」プロジェクトの一環。2021年6月に第1弾で缶バッチやピンバッジを飾るタペストリーを販売し、完売。同10月には、第2弾でスマホポーチと財布を販売している。22年4月にはタペストリーを再販する。

(「おうちでジビ活!」ジビエのお取り寄せ商品を紹介)
株式会社ぐるなび(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:杉原章郎 以下、ぐるなび)は、農林水産省「2021年度全国ジビエプロモーション事業(ジビエフェア開催事業)」の事業実施主体として、全国の飲食店、ホテル、小売店、ECサイトなどで、国産の野生鳥獣肉(以下、ジビエ) を活用したメニューや商品を特設サイトで紹介する「全国ジビエフェア」を2021年11月1日より実施しています。本特設サイト内では、ジビエを自宅で楽しめるECサイトや、日本各地で開催されているジビエフェアも紹介しています。

(エゾシカウイーク始まる:北海道)
増えすぎたエゾシカを捕獲し食用としての有効活用を進める「エゾシカウイーク」がきょうから始まりました。道によりますと、エゾシカは道内におよそ67万頭生息するとされ、畑を荒らすなどの農林業被害がおよそ40億円にぼっています。その一方でエゾシカの肉は高たんぱく低脂肪で鉄分を多く含むなどヘルシーな食材として注目を集めています。キャンペーンでは道内96店舗でカツレツやミートソースといったおいしいエゾシカ料理を店内で味わったり、エゾシカ肉を通販で購入した上でアンケートに答えるとシカ肉が抽選でプレゼントされます。エゾシカウイークは今月13日までです。

(西武池袋本店で「ジビエ」を販売:東京)
そごう・西武は西武池袋本店の生鮮精肉売場、柿安にて2月の毎週金曜日に(※)ジビエ(鹿肉)販売をいたします。ジビエの利用には野生動物による農作物の被害対策などのメリットがある一方で普及や認知度向上に課題を抱えています。西武池袋本店で販売することで多くのお客さまにジビエを知っていただく機会を提供します。

(うま味あふれるジビエシューマイ:新潟)
新潟県南魚沼市中心部から八海山を臨む国道291号を旧大和町方面に向かう途中、水無川の手前で左折する。目に入ってくるのが「東軒(あずまけん)」と書かれた真っ赤な看板だ。地元の人に親しまれるこの中華料理店に、異彩を放つメニューがある。その名も「猪(いの)しゅうまい」。東軒の駒形栄一さん(46)が考案したこのシューマイ、「もの珍しさから頼んでくれるお客さんは多い」とひそかに話題となっている。頬張ってみると、イノシシ肉と言われなければ分からないほどジビエ特有の臭みはない。かめばかむほど、豚肉にも似たうま味が口に広がっていく。ビールや日本酒にも合いそうだ。店を運営する傍ら、地元の猟友会に所属する駒形さんは、イノシシやシカ、クマを15年ほど撃ってきたベテラン猟師。仕留めた動物の肉は猟友会仲間と分け合ったり、販売したりしてきた。一方、ここ10年ほどは田んぼや畑を荒らすイノシシやシカが増え、駆除しても使い切れない肉があり、廃棄することもあった。せっかくのジビエを新たな形で生かそうと、南魚沼市主催の商品開発セミナーに参加。専門家の助言を受けながら、昨年4月に生まれたのがシューマイだ。「店のメニューにギョーザはあってもシューマイはなかったので、ちょうどいいかなと」。袋詰めで冷凍保存が利き、電子レンジで3分温めるだけのお手軽さ。ウイルス禍で客足が減る中、農産物直売所にも販売することで新たな収益源にもなった。よりジビエ独特の味わいが楽しめる「鹿しゅうまい」もある。シカやイノシシは仕留めた直後、腹に雪を詰めて鮮度を落とさず、加工所に運ぶ。駒形さんがひき肉にし、ショウガ、こしょう、タマネギなどを混ぜる。具材はシンプルだが、「うま味が出るし、地元PRにもなる」とコシヒカリの米粉も入れているのがポイントだ。駒形さんは「猟友会も高齢化しているので、食べた方が少しでも猟に関心を持ってくれるとうれしい」と話している。

(ジビエフェスタ:和歌山)
和歌山県内で捕獲されたイノシシやシカの肉を使ったジビエ料理を多くの人に伝える県主催の「わかやまジビエフェスタ」が28日まで開かれている。みなべ町、印南町、田辺市龍神村では八つの宿泊施設やレストランなどが参加している。フェスタでは県内のレストラン、カフェ、宿泊施設などが協力してジビエ料理を提供している。11回目となる今回の参加店舗は88店舗で、過去最多だった前回の77店舗を上回っている。県畜産課によると、回を重ねるにつれてイタリアン、フレンチなど料理の内容が多様になっているという。フェスタ期間中に参加店舗でジビエメニューを食べるともらえるはがきで応募すると、5千円相当の「わかやまジビエ」の詰め合わせが抽選で20人に当たる企画や、写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿するフォトコンテストもある。インターネットでも参加全店舗や料理の詳細を紹介している。「わかやまジビエフェスタ」で検索すればよい。同課では、新型コロナウイルスの影響などで実施内容が変わる場合があるので、訪問前に必ず各店舗に問い合わせてほしいと呼び掛けている。

(鹿肉料理をもっと手軽に:長野)
野市は、鹿肉料理のレシピを市ウェブサイトで公開している。ジビエ(野生鳥獣肉)料理の普及に向けて市内の長野県立大と開発し、これまでに4点を紹介。手軽なレシピを選んでいるといい、「鹿肉の間口を広げたい」と構想している。市は中条地区に野生鳥獣解体処理施設「市ジビエ加工センター」を設けており、料理は2020年10月、県立大生らと開発を始めた。県外の洋食料理人が30点近くを試作し、十数点のレシピを開発。21年11月からメンチカツボール、担々麺、炊き込みご飯のレシピを公開している。26日に新たに載せた「ワイルド鹿カレー」は、鹿もも肉のミンチを使用。工程を7段階で紹介している。肉は、しっかり焼き色がつくまで炒めるのがお薦めという。市いのしか対策課の塩入順也さん(35)は「鹿肉は弾力があって食感が良く、脂身が少なく胃もたれしにくい」とアピール。自身もレシピを基に調理したといい「一度作れば、次からは手際良く作れる」と呼び掛けている。レシピは今後も順次公開する。

(ジビエ普及めざし社員食堂で料理提供へ:長野)
農作物に被害を与える野生動物を捕獲し、ジビエとして活用する取り組みが進むなか、諏訪市に本社がある大手情報機器メーカーが、ジビエを使ったメニューを定期的に社員食堂で提供することになりました。大企業の社食でのジビエの提供は全国でもほとんど例がなく、ジビエの消費拡大につながる動きとして注目を集めそうです。シカなどの野生動物による農作物の被害は全国で相次いでいて、農林水産省によりますと、令和2年度の被害額は県内だけで4億9000万円を超え、全国ではおよそ161億円にのぼっています。このため、全国の自治体などは農作物に害を与えるシカやイノシシなどの野生動物を捕獲し、その肉をジビエとして活用する取り組みを進めています。しかし、新型コロナの影響で外食需要が落ち込み、ジビエの流通量も令和元年度は全国で2008トンだったのに対し、令和2年度は1810トンに減少しています。こうした状況を受けて、茅野市にある日本ジビエ振興協会は大量のジビエの消費が期待できるとして、全国の企業に対し社食での提供を働きかけています。その結果、諏訪市に本社がある大手情報機器メーカーのセイコーエプソンがシカ肉を使ったハンバーガーなど、ジビエを使ったメニューを定期的に社食で提供することになりました。来月は県内の13の社食であわせて、およそ2500食を提供し、その後、全国の社食に広げていくということです。社食を運営するセイコーエプソン生協は、全国の組合員数が2万3000人を超えていて「地域経済の活性化などに貢献できると思いジビエの採用を決めた」としています。日本ジビエ振興協会は「多くの野生動物を捕獲してもその肉は行き場を失っている。大企業の社食でのジビエの提供は全国でもほとんど例がなく、大量消費につながると期待している」とコメントしています。

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