<射撃ニュース3月>
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(ボーガン所持、15日から原則禁止)
ボーガン(クロスボウ)の所持を原則禁じる改正銃刀法が十五日に施行されるのを前に、県警は十一日、啓発動画を公開した。転売や不法投棄を防ぐため周知を図っている。

(男性の足首かんだイノシシ、民家に3時間立てこもり:栃木)
12日午後2時半頃、栃木県小山市中里の警備員男性(49)方で、イノシシが1階のガラス戸を突き破って室内に侵入し、中にいた男性がイノシシに足首をかまれるなどして軽いけがを負った。県警小山署の発表によると、男性は外に逃げ出したが、イノシシは室内に立てこもり、同5時20分過ぎ、県猟友会小山支部小山市有害鳥獣駆除隊が駆除した。イノシシは体長約1メートルだったという。

(登山道でイノシシに襲われる:兵庫)
14日午前6時40分ごろ、神戸市中央区神戸港地方の六甲山中で、それぞれ登山道を歩いていた職業不詳の男性(90)と医師の男性(71)=いずれも神戸市=がイノシシに体当たりされた。兵庫県警生田署によると、2人とも脚を切るなどの軽傷という。同署によると、イノシシは1頭で体長約1・2メートル。山中に逃げたという。近くの茶屋の女性従業員が「イノシシにかまれた高齢男性がいる」と110番した。

(イノシシ肉処理厳格に:岐阜)
岐阜県は、豚熱の感染確認区域で捕獲したイノシシのジビエ(野生鳥獣の肉)の流通再開に向けて、処理方法のマニュアル策定に乗り出した。豚熱ウイルス拡散の恐れをなくすため厳密な管理を重視。

(アライグマから農作物を守れ:大分)
アライグマによる農作物の被害を防ごうと、大分県大分市でわなを使った捕獲の講習会が開かれました。かわいらしいイメージがあるアライグマですが、大分市を中心に農作物の被害が相次いでいて、2020年度の被害額は県全体で約240万円にのぼっています。こうした中、大分市でアライグマを捕まえるための講習会が開かれ、実際に被害にあった農家など16人が参加しました。この中では、狩猟の免許がなくても設置できる「箱わな」の使い方などについて説明がありました。大分県によりますとアライグマの捕獲頭数は年々増えていて、昨年度は約1400頭と5年前に比べて4倍以上に増えています。

(イノシシとシカの勢力が逆転:福井)
イノシシとシカ。人間に身近で、田畑を荒らすこともある山の住人の勢力図が、福井で塗りかわっている。イノシシとシカは多雪に弱く、元来、北陸では生息域が限られていた。しかし、福井県中山間農業・畜産課によると、近年の少雪傾向から生息域を拡大し、県内のほぼ全域で見られるようになった。まず、台頭したのはイノシシだ。2014、15年度に捕獲頭数は1万頭を超えるようになった。害獣としても勢力を振るい、14年度には農業被害額が1億1千万円を超え、ピークとなった。イノシシは寄生虫やダニを落とすための「ぬた場」として水田を使うため、被害額の約8割が水稲だ。ところが、18年度以降は減少が続く。どうやら、背景には、豚熱(CSF)がありそうだ。養豚業への脅威として知られるようになった豚熱はイノシシにも感染する。県内でも、感染個体の死体が発見されている。捕獲も強化された。19年に大野市で豚熱にかかったイノシシが見つかり、県は、家畜の豚への感染拡大を防ぐため、イノシシを標的にした。19年度は前年度比3割増しの8952頭を捕獲すると、20年度の捕獲数はほぼ半減し、4534頭になった。農作物の被害額も約3200万円まで減少。21年度の捕獲数も12月までで約1800頭と前年の半分に落ちている。同課の担当者は「豚熱の流行と捕獲強化で生息自体が減っている」とみる。一方、入れ替わるように増えているのがニホンジカだ。20年度の捕獲頭数は1万453頭と1万頭を超え、特に嶺北での捕獲数が4362頭と過去最多となった。捕獲を強化している嶺南で推定生息数が減少しているが、嶺北では増加が続いているとみられる。今年度も12月までで県内全体で約7300頭が捕獲され、昨年度を上回るペースだ。県は、22年度からの5年間の管理計画案で、嶺北の捕獲数を初年度は年間4800頭以上から5900頭以上へ引き上げる目標を掲げた。狩猟免許取得や猟銃所持に必要な経費の補助やICT(情報通信技術)を活用したわなの普及で捕獲の強化を検討している。石川県では2020年度の農作物被害額約6600万円の6割がイノシシによる被害だ。ただ、イノシシによる被害額はピークの18年度の約1億1600万円からは半分以下に減少している。捕獲頭数は18年度の1万5501頭から3千頭ほどしか減っておらず、生息数はさほど減っていないとみられる。シカはほとんど被害が報告されておらず、捕獲もわずかという。富山県でも20年度の農作物被害額の5割をイノシシが占め、シカによるものは報告されていない。イノシシによる20年度の被害額は前年度の8330万円から3229万円へと大きく減った。捕獲数も19年度の8172頭から3325頭へ減った。県自然保護課の担当者は「はっきりしたことはわからないが、豚熱の影響や19年度に駆除に力を入れた影響が出ているのではないか」としている。山の勢力逆転でピンチを迎え、新たな挑戦をした飲食店もある。福井市畠中町の「福亥軒」では例年、冬季限定でイノシシを使ったラーメンを出していた。同店は里山保全活動などに取り組む一般社団法人「こしのくに里山再生の会」のメンバーが運営。代表理事の松平成史さん(48)の発案で、19年から毎冬に地元で捕獲されたイノシシの骨と肉を使ったラーメンを販売していた。しかし、今季は昨年10月から12月までに地元猟師がシカを40頭近く捕獲したのに、イノシシはわずか1頭。農作物を食い荒らすシカの被害は地区でも増え、住民を悩ませていた。そこで、松平さんは考えた。「イノシシがダメならシカでいけるんじゃないか」。シカを使ったラーメンの誕生だった。骨をネギなどの香味野菜と2日以上煮込み、地元しょうゆ店の生じょうゆを合わせてスープを作った。脂肪の少ないシカ肉は火を通すと硬くぱさぱさになりがちだが、低温調理で4時間をかけることでしっとりしたチャーシューを完成させた。値段は千円。チャーシュー増量や特製のゆずこしょうなど各種のトッピングも用意した。シカ肉のシチューやカレーもある。今季の営業は11~13日が最後になる。午前11時半~午後2時だが、スープや麺がなくなり次第終了。

(21年度のクマ目撃情報75件:和歌山)
和歌山県に入った2021年度のツキノワグマの目撃情報は2月現在75件で、統計を取り始めた04年度以降、2番目の多さになっている。県自然環境室によると、養蜂などへの被害はあったが、人的被害の情報は入っていないという。同室によると、目撃情報が最も多かったのは10年度の97件。ツキノワグマは餌を探して長距離を移動するため、同じクマが複数回目撃されていることも多い。紀南地方での21年度の目撃情報は、田辺市10件(旧田辺市4件、龍神村3件、中辺路町1件、本宮町2件)、次いで印南町4件で、みなべ町と白浜町、上富田町、北山村が各1件となっている。田辺市と上富田町では昨夏、これまで目撃されていなかった住宅地に出没し、地域住民を驚かせた。同室は「全国的に見ると、本年度のクマの目撃情報は例年並みか、例年より少ない。和歌山県で目撃情報が多かった原因は分からないが、山に餌の木の実などが少なかったのではないか」とみている。県自然環境研究会の細田徹治会長は、本年度の目撃情報が多かった理由について「さまざまなことが大量出没の要因になっているとしか言えない。強いて言えば、山の多様な樹種の果実が同じ年に一斉に凶作になることがあるようで、そのような年は、極度な食糧不足となり、農作物やクリ、ビワ、柿などを求めて人里周辺を徘徊(はいかい)し、大量出没が記録されるということになるのだと思う」と推測する。特に夏は、クマにとって一年の中で最も食べ物の少ない時季で、空腹感を満たすために、餌を求めて歩き回る範囲が広くなり、目撃される機会が増えた可能性が高いという。細田会長は「出没件数の増加が、個体数の増加によるものなのかは分からない。分からないままで、クマ対策を考えるのは難しいと思う。早急に、専門家による3県合同の個体数調査を行う必要がある」と指摘する。

(アライグマの生活被害対策セミナー』の開催:兵庫)
都市部地域では、アライグマによる家屋侵入や糞害などの生活被害が多数発生しています。外来生物であるアライグマによる被害をなくすため、市町が主体となった捕獲が進む一方、被害を減らすためには、“捕獲”と“被害対策”の両輪で進めていくことが重要です。今年度の阪神版野生鳥獣被害対策強化事業では、森林動物研究センター協力のもと、3月23日(水曜日)に『「こんな都市部にアライグマ?」アライグマの生活被害対策セミナー』をオンラインにて開催します。セミナーでは、アライグマの生態や被害状況・対策について紹介し、人と野生動物のあり方についてどうあるべきか、一般県民の皆さんに考えていただくきっかけを提供します。

(先進的イノシシ対策誇る町役場:島根)
島根県中部の中国山地に位置する美郷(みさと)町。イノシシなどの獣害に悩まされてきたこの町の活性策として役場に誕生した「山くじらブランド推進課」が新年度から「美郷バレー課」に改組する準備をしている。山くじらとはイノシシ肉のこと。新名称は、鳥獣害対策の集積地を目指すという意味合いから、IT企業の一大拠点、シリコンバレーをもじって決まったという。いったいどんなことをする部署なのか。山あいの町の取り組みを追った。人口約4700人の美郷町は高齢化率が約48%、人口10万人当たり100歳以上の割合が県内トップクラスの長寿の町だ。町の面積の約9割が林野。町を走っていたJR三江線は平成30年に廃線となった。新しくできる美郷バレー課は、メンバーは3人。前身となる山くじらブランド推進課と同じ人数だが、業務内容は変わるという。地域活性化のため、山くじらをブランド化してPRする部署から、町を鳥獣害対策の集積地にすることを目指す部署への転換。名称変更は町役場の模索の流れも表現している。山くじらブランド推進課長の安田亮さんに話を聞くと「取り組みは、今から20年以上前にさかのぼります」と経緯を教えてくれた。「平成に入ったころから、中国山地でイノシシの出没が増えました。耕作地の放棄や過疎でイノシシと人間の住む境界が乱れてきたのです」町ではイノシシなどにより田畑が荒らされ、農作物に大きな被害を受けるようになった。そこで、町は平成12年から猟友会だけに頼るのではなく、農家自らが狩猟免許を取得する体制づくりを構築。猟シーズンの冬ではなく、農作業が最盛期を迎える夏場にイノシシを捕獲し、資源活用できないか検討を始めた。調べてみると、夏のイノシシは痩せて脂肪が少ないため、高タンパク・低脂質でヘルシーな肉であることがわかり、それまで廃棄されていた肉を食用として供給するようになった。16年には鮮度を保ちながら野趣あふれるイノシシ肉を提供する「おおち山くじら生産者組合」が設立され、天然イノシシ肉として売り込みを始めたという。21年には地元の女性たちにより、イノシシのなめし革を使った皮革製品の創作グループが誕生。ペンケースや名刺入れといった小物も商品化されるようになった。その活動は、農林水産省からも表彰され、安田さんは「獣害対策を契機にした、地域づくりのモデルとなっていった。おばちゃん、おばあちゃんたちがクラフト活動をする、楽しみながら集まる場も生まれました」と説明する。さらに、令和元年度には、それまで産業振興課が担当していた関連事業を独立させた「山くじらブランド推進課」が設けられた。すると、地域資源として獣害を逆手に取った取り組みをさらに強化し、大学や民間企業との連携を進めたり、町外から人と技術を呼び込むブランド化が図られたという。昨年4月には獣医師の育成で知られる麻布大(神奈川県)のフィールドワークセンターが町内に開設され、鳥獣被害対策の指導・支援の場となった。また、鳥獣害対策部材の製造・販売メーカー「タイガー」(大阪府吹田市)も中国営業所を設置。NPOとの連携や津市や兵庫県丹波篠山市とも獣害対策をきっかけに、ノウハウや技術の共有を進めるようになり、山くじらだけにとどまらない産官学民の共同体が形成されたのだ。

(鳥獣被害予防アプリを紹介:長崎)
五島市は、鳥獣被害防止に役立てるアプリを独自に開発し、4月から本格運用を始めます。これに先だち、このほど市民向けのフォーラムを開きました。鳥獣被害予防アプリ「けものおと」は、市民から寄せられる目撃情報や、捕獲情報を、市民が無料で共有するシステムです。農作物被害が近くで出たら畑の見回りを、シカやイノシシの目撃情報があれば車の運転などに注意を促します。五島市はこのアプリを独自に開発し、4月から本格的な運用を目ざしています。フォーラムでは、より多くの市民の情報提供や利用を目指して、アプリの説明などが行われました。五島市では、2020年度1年間でイノシシやシカ、タイワンリスなどによる農作物の被害が1千万円を超えています。参加者は、被害を食い止めるとともに、捕獲した野生生物の有効活用など、これからの向き合い方について考えているようでした。

(カラス撃退へ携帯LED照明:石川)
ふん害が激しい市街地のカラス対策で、羽咋市は四月から、新たに鳥獣害対策用の携帯型発光ダイオード(LED)照明を導入する。二〇一八年二月から始めた天敵のタカによる追い払いと並行して行う。九日の市議会一般質問で、市側が「新年度、タカに加え、広範囲に高速点滅の光を照射する特殊なライトによる追い払いを実施する」と明らかにした。新年度当初予算案に照明の年間リース料三十万円を計上している。箱型ライトで、縦横各五個並んだ市松状の光をカラスに当てる。カラスには高速で点滅して見え、嫌がって逃げる効果が期待される。バッテリーを入れたリュックで持ち運べ、高木や鉄塔にも照射できる。人には点滅して見えず、無音、無臭で、作業も楽だという。昨年十一月に、カラスがねぐらにする羽咋神社境内の森や、集まって止まる市役所付近の鉄塔で試すと、カラスが逃げ出す効果があった。タカの出動は週一、二回に限られるため、出動しない日に、職員が神社や鉄塔付近で活用する。市議は音による追い払いを提案したが、市側は周囲が住宅地で夜間に騒音となるため難しいとの見解を示した。

(松崎町狩猟体験モニター募集:静岡)
2022年秋に静岡県松崎町で狩猟体験ができる農山漁村滞在型旅行のモニター募集を、東京都杉並区方南町でポップアップストアで宣伝。主催は、松崎町・害獣×外住協議会、狩猟体験ができるエンターテインメント型ツアーに参加してもらい、ジビエや松崎町の自然に興味を持ってもらい地域経済が循環できるようなツアーを企画している。参加者には、罠にかかった鹿猪肉がもらえる罠オーナーなど、継続的な繋がりが持てるよう工夫する。銃を使う狩猟はどうしても敷居が高い、縁日の射的で敷居を低くして遊びから興味を持ってもらおうと射的場のポップアップストアに。

(ヒマラヤ雪男探索に挑んだ、秋田の狩猟集団「マタギ」:秋田)
クマなどを狩ることで知られ、秋田の象徴の一つとして語られることも多い狩猟集団「マタギ」。東北各地のマタギ発祥の地とされる北秋田市阿仁地区には、かつて名人と呼ばれたマタギの男性がいた。男性はマタギ人生の最晩年だった70歳の時、仲間と共にあることに挑んだ。「ヒマラヤでの雪男探索」。長年マタギの頭領として活躍した男性の足跡を、孫の証言などをもとに追った。切り立った真っ白な雪山を背景に、日本国旗などを手にした4人の男性がカメラに向かってほほ笑んでいる。4人の中で1人だけ座り込み、赤い帽子をかぶり正面をじっと見つめる男性。北秋田市阿仁打当(うっとう)の鈴木英雄さん(74)は、祖父の辰五郎さん(1993年に死去)が74年にヒマラヤに挑んだ際の写真を額縁に入れ、大切に持ち続けている。写真の脇には、「第二次ヒマラヤ雪男探検隊 昭和49年2月阿仁マタギ 鈴木辰五郎 七十歳」と記されていた。「今ならば三浦雄一郎さんがいるからなあ」。古希を迎えてから「世界の屋根」とも称される山脈に挑んだ祖父について、英雄さんは90歳近くになっても挑戦を続ける冒険家の名を挙げて謙遜した。英雄さんは現在、阿仁打当地区を地元とする「打当マタギ」の頭領である「シカリ」を務める。辰五郎さんもかつて「シカリ」だった。「釣りキチ三平」などで知られる秋田県横手市出身の漫画家・故矢口高雄さんが阿仁マタギを取り上げた作品「マタギ列伝」にも、主人公の育ての親として「辰五郎」というシカリが登場する。辰五郎さんはマタギの里・阿仁の象徴的存在だった。「なるべく(クマを)自分に近づけるんだ。クマは『人間だ』と気がつくと、必ず自分の身を守るために立ち上がって襲ってくる。その時に仕留めるんだ」。英雄さんは生前の辰五郎さんから、そのような教えを受けた。確実にクマの体を銃弾で捉えるという目的以上に、マタギとしての重要な心構えが込められていた。「そうすれば、クマを苦しめないよう一発で仕留められる」。クマが近づく分、自らの身に迫る危険も大きくなる。しかし辰五郎さんは、「山の神からの授かり物」とされるクマの命への畏敬(いけい)の念を大切にし続けた。かつて辰五郎さんに付けられた異名だ。英雄さんによると1940年代半ば、現在の秋田県鹿角市でウシがクマに襲われる被害が発生。役所を通じて辰五郎さんらマタギに対応の依頼が入った。その際、辰五郎さんの腕の高さに期待したある人が「新しく買った銃を試し撃ちしてくれ」と頼んできた。「慣れない鉄砲は駄目だ」。辰五郎さんはそう思ったが、断り切れずその銃を携え猟に向かった。猟の最中、クマが急に辰五郎さんに向かって襲いかかってきた。「辰、逃げろ!」。仲間が叫ぶ中、辰五郎さんはその場に立ち続けた。慣れない銃のため、いつものように操作ができない。クマが立ち上がり辰五郎さんに覆いかぶさろうとした瞬間、辰五郎さんは脇にあった芝を押さえ身を横に引いた。かわされたクマは勢い余って斜面の下に落ちていった。「辰五郎は指一本触れずにクマを投げ飛ばした」。そう評判となったのが、「空気投げの辰」と呼ばれた理由だ。時は流れ、70年代。日本は当時空前のオカルトブームだった。宇宙人や超能力などに加え人気を集めていたのが、「UMA」と呼ばれた未確認動物。その代表格の一つが、「ヒマラヤ山脈にいるのでは」とされた雪男だ。当時、現地で雪男を捜索する探検隊も組まれ、世間の話題を呼んでいた。その隊に加わるよう、阿仁マタギに要請が届いた。

(ヒマラヤで雪男探した秋田のマタギ:秋田)
探検家らを中心にヒマラヤでの雪男の捜索を目的にした「第二次ヒマラヤ雪男探検隊」が1974年に結成され、北秋田市阿仁地区のマタギも隊に加わるよう要請があった。当時、打当(うっとう)マタギのシカリ(頭領)だった鈴木辰五郎さん(故人)も合流した。辰五郎さんの孫、英雄さん(74)は、動物の知識が豊富なマタギが隊に加わることで「雪上の足跡が未知の動物のものか否かの判断などを期待したのでは」と語る。

(ヒマラヤに挑んだ名マタギ:秋田)
北秋田市阿仁打当(うっとう)地区の狩猟集団「打当マタギ」のシカリ(頭領)だった鈴木辰五郎さん(故人)は70代前半でマタギから身を引いた。1974年に雪男探検隊の一員として70歳でヒマラヤ登山に挑んでから数年後のことだ。孫の英雄さん(74)によると、ヒマラヤで高山病を患い入院したのを契機に、辰五郎さんの体力は著しく低下していた。英雄さんは、辰五郎さんが引退を決めた瞬間を忘れられない。英雄さんが仕事から帰宅すると、辰五郎さんが自室で英雄さんの母ともめている大きな声が聞こえてきた。母は辰五郎さんの娘。辰五郎さんの体調を懸念した仲間のマタギに引退を進言された母が、本人を説得しているようだった。激高した辰五郎さんは、愛用していた銃を手に叫んだ。「俺にマタギをやめろと言うならば、これで死んでやる!」。

(時間・労力・ガソリン代を削減して効率の良い狩猟を提案)
鳥獣被害対策ソリューションを提供するrefactoryは、NTT ドコモ、窓飛と提携し、現場に赴かなくても罠の作動を検知でき、時間・労力・ガソリン代を削減して効率の良い狩猟を提案する。イノシシやシカなど野生鳥獣を捕獲には、箱罠やくくり罠が使われるが、小まめな見回りが必要で、時間や労力、移動のための燃費などのコストも大きな負担。また、日が暮れるのが早い冬場など暗い中での見回りとなる場合もあり、作業効率や安全性が低下してしまう。同社は、こうした負担を軽減するため、現場に赴かなくても罠の作動を検知できるソリューションを提供することで、サービスを拡張。現場に行かなくても罠の作動を検知できるツールとしては、「A:発信機と受信機を用意し、非インターネットで通信するタイプ」と「B:インターネット通信を使用するタイプ」がある。Aの「発信機と受信機を用意し、非インターネットで通信するタイプ」は、罠を設置する際に、その付近の樹木等に発信機もあわせて設置。罠が作動すると発信機から受信機へ無線で信号が飛び、受信機でそれを検知する。罠と発信機はマグネットなどで連結されており、捕獲によって連結が外れると発信が開始されるタイプが一般的。慣れない場合は連結に時間を要するが、受信機が反応したからといって必ずしも獲物がかかっているわけではなく、雨風など別の要因で連結が外れる場合もある。発信機と受信機の間で通信できる最大距離は1~数キロ程度で、遮蔽物等の状況に応じて前後する。木などの遮蔽物が多かったり谷合いなどの場合は通信可能距離はより短くなり、遮蔽物が少なく平地の場合はより長い距離で通信できる。一方、Bの「インターネット通信を使用するタイプ」は、発信機を罠と一緒に設置。罠の作動を発信機が検知すると、インターネットのネットワークを通じて、スマートフォンやパソコンに通知(メール・LINE等)が届く仕組み。発信機はネットワークのサービスエリア内であれば、どこでも使えるが、事前に設置する場所がネットワークエリア内かどうか確認しなければならない。例えばdocomoのネットワークに適合した発信機はdocomoのネットワークエリア内であれば使えるが、他のネットワークでは使えない。長所としては、Aのタイプよりも多くの情報を手元のスマートフォン等で確認できる点。スマートフォンとインターネットが繋がっていれば、どこでも通知を受けられるため、職場にいながらスマートフォンで罠の作動を検知できる。また、センサーの動作履歴と場所や写真を紐づけて狩猟記録を残したり、GPSによって罠の設置場所を地図上で統計をとったりすることができるものもある。Aのタイプは、受信機と発信機が通信できない距離まで一旦離れてしまうと、通信できる範囲に再度近づいてから改めて発信機からの信号を探す手間が出てしまう。また、受信機と発信機が通信できる距離にあっても、受信機を見る人が不在の場合などは確認が難しくなる。Bのタイプは、いつも持ち歩くスマートフォン等で通知を受けることができるため、移動範囲が広い人向き。また、手負いの獲物を長時間放置するリスクを避け、早い止め刺しにつなげることも期待できる。同社は、NTTドコモと提携し、法人と自治体向けサービスとして「Kagatta」を提供。docomo回線が繋がる場所で使用でき、初期費用、運用費用ともに比較的低コストで、GPS機能を活用できる。また、京セラコミュニケーションシステムが電気通信事業者としてサービスを展開するSigfox(シグフォックス)のネットワークを利用する月額利用料金不要の「アイホスエコ」を提供している。

(消滅の危機にあるマタギの元に都会の若者たちが続々:秋田)
フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)では、マタギの第一人者と、その元で修業する若者たちを追った『生きることって… ~山とマタギと私たち~』を、13日に放送する。秋田県の山村に、猟銃を持った若い女性が向かっていた……永沢碧衣さん(27)が訪ねたのは、マタギの里。マタギとは独自のしきたりを守りながら集団で狩猟を行う人々。その頭領である鈴木英雄さん(74)のもとで、修業を続けている。今、マタギの第一人者である鈴木さんのもとには、若者が続々と修業に集まっている。幼い頃から自然が好きだった永沢さんは、美術大学を卒業後に就職し、その後、東京の飲食店で働いたものの、自然と触れながら大好きな絵を描くために故郷に戻った。そこでマタギと出会い、猟をするようになる。「生き物を殺して食べる」ということがどういうことなのかを知りたかったのだ。大阪大学で「脳細胞の研究」をしていた山田健太郎さん(27)は、周囲が当然のように就職していく中で「マタギになりたい」と単身、マタギの里に移住した。彼らの出現に驚いたのは「マタギは自分の代で終わり」と覚悟していた鈴木さんの方だった。代々、マタギを受け継ぎ9代目に当たる鈴木さんの息子は、今は町に出て会社勤め。マタギの里も高齢化と人口減少のために、後継者がいないのだ。そんな時に、都会から20代の若者たちが「マタギを教えてほしい」と集まってきた。時代の流れで消滅の危機にあるマタギの元に、「生きることの意味」を求めて集う若者たち。第一人者である老マタギと、そこで猟を学ぶ若者たちの1年を、女優・富田望生のナレーションで追っていく。

(初体験なのに猟に出てみたら疼く本能:北海道)
初めての狩猟は2003年の冬。日本では猟期というのが決められていて、年度が違えば変わることもあるが、令和3年度の場合は北海道では大体10月頭~3月末まで(地域・狩猟する鳥獣により異なる。管理されている猟区では9月15日~4月15日まで)。仲間が行くのが北海道だったため、自動的にターゲットはエゾ鹿になった。銃猟に必要なのは、銃所持許可証と狩猟免許、そして狩猟登録証である。狩猟登録というのは都道府県ごとに行わなければならず、手数料が1800円、第一種銃猟の狩猟税が1万6500円(わな猟や第二種銃猟=空気銃はまた別の料金でだいぶ安い)。その場所で猟をする権利を買うようなもので、有効期限は1シーズンのみ。回数制限はないので多く行けば行くほど1回あたりの単価は安くなるが、1シーズン1度か2度しか行かない場合は割高感が否めない。さて、初めて猟に参加した私は、まず最初に仲間が撃ったエゾ鹿を「車を使って」運ぶ様子を見て、「ギャーーーーッ」と叫んでしまった。なにも血を見るのが怖かったわけではない(血なら取材現場で散々見てきた)。仕留めたエゾ鹿をバラす(解体)のに適した場所まで移動させるために、死にたてホヤホヤの大きな獲物の首にロープを結わえて雪上を引っ張っていくのだ。想像以上のワイルドな方法を目の当たりにして、驚きと、少々の怖さと、そして何より楽しさを感じていた。この時、私の頭の奥にはアニメ「はじめ人間ギャートルズ」のオープニング曲が響いていた。ゴンたちがマンモスを捕った時のような喜びと言ったらいいのだろうか、何か表現できない原始的で本能的な感動に一発でシビれてしまった。初めての猟で、自分自身では獲物を獲ることはできなかったが、獲れるとも思っていなかったので特にガッカリはしなかった。仲間の撃ったエゾ鹿を解体する時に脚を持って開いたり、皮を剥いだりという作業も興味深かった。首を落とし、胸を開いて内臓を出す。足先を切り落とし、ナイフで皮を剥いででいく。「肉」になっていく最初の過程。さっきまで生きていたエゾ鹿の内臓は湯気が出ていてまだまだ温かい。血の匂いを嗅ぎ付けたカラスやキタキツネが集まってくる。二度目か三度目の猟でエゾ鹿を獲った時に、解体している後ろで「フガフガ」と獣が何かを食べている音が聞こえ、振り返ると狸・・・らしき動物が、肉塊から取り除いて端に寄せておいた内臓にがっついていた。思わず「うわっ狸! 内臓食べてる~!!」とそのビジュアルのグロさに叫んだが、「バカ、ありゃキタキツネだ」と“総裁”(事実上の仲間内のリーダー。「金玉堂総裁」と名乗り、周囲にもそう呼ぶよう強要)に一蹴された。冬なのにあの太り具合は、内臓を食べ慣れていたに違いない。キツネが太ると狸に見えるのは新発見だった。北海道観光のアイドル的存在のキタキツネ。「きゃ~かわいい!!」と若いお嬢さんからおばさま方に人気であるが、血で濡れた真っ赤な口で内臓を食べ続ける姿を見てもかわいいと言えるのだろうか。ちなみに道民にとってはエキノコックスという人獣共通寄生虫を媒介する害獣に他ならないそうだ。北海道観光のアイドル的存在のキタキツネ。「きゃ~かわいい!!」と若いお嬢さんからおばさま方に人気であるが、血で濡れた真っ赤な口で内臓を食べ続ける姿を見てもかわいいと言えるのだろうか。ちなみに道民にとってはエキノコックスという人獣共通寄生虫を媒介する害獣に他ならないそうだ。自然界でひとつの命が失われるということは、抜け殻である肉体が残り、それは他のものたちの恵みとなる。動物だけの話ではなく、昆虫や植物も同じである。しかしながら、動物の肉を食べるのを残酷だとする人たちがいる。残酷だから植物しか食べないのだと。この人たちは植物には命がなく残酷ではないというのだろうか。この世に生を受けるというと神聖だが、そもそも生きていくという過程は他の命を奪いながら自らの命をつなぐ残酷な行為だ。肉でも野菜でも乳製品でも、体に必要なものを摂取すればいい。もっと驚くべきなのは、野生動物を狩る私のような人間に「どうしてわざわざ殺すの?」と聞いてくる人がときどきいることだ。別に本人はベジタリアンでも何でもない。普通にお肉は食べている人だ。「わざわざ殺す」。非常に短絡的な思考だと言える。そこでわかりやすく答える。「自分で食べる肉はなるべく自分で獲りたいから。スーパーで買えばいいって? その肉だって誰かが殺した肉なんやけどな」。その【続き】まで言うことはほとんどないが、腹の中ではこう思っている。「何も考えんとパック肉買って食べるだけ食べて、自分で食べる肉を獲ってる人間を批判するんは卑怯ちゃうか? スーパーに並んでるのは肉となる運命が最初から決まっていて、殺されるために生まれてきた動物たちなんやで。自由に駆け回ることもできず、生きてる間中薄っすら自らの運命を悟っとるんやで。それやったら大自然の中でのびのび育ったエゾ鹿を獲った方がなんぼかフェアで健康的ちゃうか。毎回獲れるわけちゃうし、獲れたら獲れたで自然の恵みとエゾ鹿に感謝する。その後の解体や肉にするための処理も正直楽ちゃうよ。でも昔は当たり前やったはず。命を頂くんやもん、それくらいは当然やわ。私にとってはスーパーのパック肉を手に取るたびに『ごめんね』って思う。うちらがラクしたいばっかりにつらい生を送らせたかもしれへんね、って」。いかん、書いているうちに興奮してしまった。というか少し盛ったかもしれない。パック肉に謝りたくなるのは5~6回に1回くらいかもしれない。毎回思うとつらいし、それほど暇ではないというのが正直なところ。ただ違和感や罪の意識は常にある。ただ、話はまだ終わらない。肉に関して以外も言いたいことがある。「あなたが食べられる対象の動物なら、野性と家畜、どちらがいいですか? 野性は自らの才覚で寿命を全うできる可能性があります。家畜はいずれにしても若くして死にます。動物特有の伝染病に罹ったら有無を言わさず殺傷されたり生きたまま焼かれたりします。さあどっち?」。狩猟を始めた当初にそこまで考えていたわけではなかったが、あまりにも批判的なことを言う人が目立ったので、ぼんやり感じていたことにちゃんと輪郭を付けて考えたらこうなった。大抵の人は最後まで言わなくても、美味しいエゾ鹿の肉を食べれば途端に黙るので、私が【続き】まで語ることはほとんどない。私を含め、人の思考は卑怯で合理的にできていると思う。美味しいは正義、ということだ。

(エゾシカ皮でそり遊び:北海道)
日高の平取町でエゾシカの皮を使ったソリなどアイヌ民族に伝わる子どもの遊びの体験会が行われました。この体験会はアイヌの文化に理解を深めてもらおうと平取町が二風谷地区で開き地元の子どもなど11人が参加しました。まず貝殻を使ったげた「セイピラッカ」作りが行われ、火で熱した木を貝に押し当てて焦がしたあと、そこにくぎで穴を開けひもを通して完成させました。また、なめしたエゾシカの皮を使ったソリ、「※ユクウルエチャラセ」の体験も行われ、子どもたちは氷でできた滑り台でソリ遊びを楽しんでいました。参加した13歳の女の子は「普段はプラスチックのソリでしか遊んだことがなかった。アイヌ文化に触れられて楽しかった」と話していました。

(ヒトと動物、共生の道を探究:宮城)
最先端で活躍する科学者を紹介するシリーズの最終回は、石巻専修大理工学部生物科学科准教授の辻大和さん(44)です。サルの行動が、周りの動植物にどのような影響を与えるかを調べ続けています。野山を歩いて動物を観察する研究は「思いもよらない発見があって楽しい」と目を輝かせます。宮城県石巻市東部の牡鹿半島の沖1キロに金華山という島があります。シカがたくさんいることで有名ですが、サルも多く生息しています。辻さんは大学3年生だった1999年からずっと、ここのサルがどのような生活をしているかを調査してきました。「海に囲まれた金華山はサルの行動範囲が限られるため、観察しやすい」と、辻さんは話します。サルが何を食べ、どこで休んだり寝たりするのか。群れの中のランキングはどうなっているのか。サルを驚かせないように追い掛けながら観察します。サルは果物やドングリなどが好物。初めのころは、えさとなるドングリが豊作か不作かで、サルの数にどのような影響があるかなどを調査していました。不作の年は、ランキングが低いサルは栄養を十分取れず、死んだり赤ちゃんを生めなかったりすることが分かりました。辻さんは「群れでの順位が命を左右する。自然の世界は厳しいと思った」と振り返ります。その後、注目したのがサルとシカの関係です。木に登ったサルが実を食べた後に、葉を下に投げ捨てることがよくあるそうです。サルが登った木の下にシカが集まって来て、葉を食べる姿を見た辻さん。「サルとシカはお互いが支え合っているのではないか」と思い付いたそうです。金華山のサルとシカは、食べ物を通してつながっていた―。この発見を辻さんは「関係なさそうに見えても、生態系ではつながりがある。自然の面白さ、奥深さが分かった」と説明します。動物の食べ物の研究をふまえ、現在はサルやイノシシ、クマが人里に出没しやすい年かどうかを予想したり、対策案を考えたりすることにも乗り出しています。石巻市でネコやシカが車にひかれた場所を調べて、運転手に注意を呼び掛ける看板をどこに設置すれば効果があるかなども、学生と一緒に探っています。辻さんは「生態系の研究を深めれば、ヒトと動物が共生できる道を考えられる。金華山や牡鹿半島で得られた知識を社会に還元したい」と意気込みます。小さいころに引っ越した富山県は自然が豊か。クワガタやカブトムシ、ザリガニを捕まえ、家で飼うなどしました。動物が大好きで、なんとなく「将来は動物を研究したい」と考える小学生でした。中学生の時、映画「ゴジラVSビオランテ」を見て、バイオテクノロジーもいいなと思い、工業高等専門学校に進学しました。ただ、高専で学ぶのは細胞や微生物など目に見えない生き物。予想と違って落ち込みました。将来の進路をどうするか悩んだ時、気分転換に東京の動物園や水族館を訪ねてみました。「やはり動物を研究したい」と考え、東京大学の農学部に編入しました。大学時代、上野動物園で動物について解説するガイドのボランティアをしました。担当はサル山。ボランティア仲間はみんな40頭近くいるサルを見分けられました。最初は見分けられませんでしたが、ずっと観察していると特徴がつかめるように。サルの魅力にはまり「研究するならサル」と決めました。金華山でフィールドワークをするようになったのは、指導教授が金華山でシカを調べていたからです。泊まり込みで観察するので料理やアウトドアのノウハウが身に付きました。大学生時代からずっと通っていた金華山に一番近い大学で、准教授になれたのはうれしい限り。大学の演習林(石巻市)にはシカやリスが現れるので、最高の環境です。動物を追い掛けるフィールドワークを続けながら、お世話になった石巻に少しでも貢献したいですね。

(森と人をつなぐ白い鹿革:山梨)
ニホンジカによる深刻な農林業被害に悩まされていた県はニホンジカの革を甲州印伝に活用するため新たな技術を開発しました。これにより今までにはなかった白い鹿革が生産でき印伝に新ブランド「URUSHINASHIKA(ウルシナシカ)」が誕生しました。

(手軽にジビエ:静岡)
静岡県伊東市の水産加工業者・山田水産が販売する。伊豆半島で捕獲されたイノシシや鹿を丁寧に下処理して、独自にブレンドした調味料で味付けした。簡単に焼くだけで、手軽にジビエ(野生鳥獣の肉)のバーベキューを味わえる商品に仕上げた。ビールのおつまみにも最適だ。イノシシ肉と鹿肉の2種類がある。希望小売価格はいずれも1パック(250グラム)1058円。同市にあるJAあいら伊豆「いで湯っこ市場」の他、同市や熱海市にある土産物店や道の駅などで販売している。

(エゾシカ肉のドッグフード販売:北海道)
こだわりのエゾシカ肉を販売している上田精肉店(上田隆史社長)は、ドッグフードを専門に扱う会社「ARATOKU(アラトク)」(上田恵美社長)を立ち上げ、昨年12月から本格的に販売している。十勝の野生エゾシカ肉を使ったドッグフードで、上田隆史社長(47)は「品質にとことんこだわった健康促進のペットフードを愛犬に」と話している。同精肉店は1960年の創業。3代目の上田社長は「人が食べておいしく健康になれるのなら、ペットにも最適な食材になる」と思い立ち、2019年にアラトクを設立し、ペットフードの研究と開発を進めてきた。冬に向けて脂がのる9~11月に捕獲したエゾシカ肉は、たんぱく質や鉄分、亜鉛、ビタミン類が豊富に含まれている。道の自主衛生管理認証制度(ハサップ)で、最高のA評価を取得した自社工場の新得エゾ鹿加工センターで加工している。個体ごとに識別番号を付けるなど安全管理も徹底している。

(イノシシ肉を活用、加工品の新ブランド:島根)
島根県江津市で捕獲されたイノシシの肉を加工した新商品ができた。コロッケやミートソース、ワイン煮込み、ラー油など7点で、ホテルや飲食業を展開する地元の「浅利観光」が手がけた。「江の川Shishi」の新ブランドで近く販売を始める。新商品は「古代ローマ風ガルム漬け」「ピエモンテ風赤ワイン煮込み」「トスカーナ風ミートソース」「プチだしコロ」「プチだしメンチ」「もろみ味噌(みそ)漬け」「Shishiラー油」。いずれも東京のイタリアンレストランや日本料理店に依頼し、レシピを考えてもらった。販売に先立ち、山下修市長や地元猟友会の斉藤政信会長らが参加する試食会が9日、市役所であり、浅利観光常務の植田智之さんは「かたい、くさいというイノシシ肉のイメージを払拭(ふっしょく)できるよう工夫した」と話した。コロッケなどを口にした山下市長は「イノシシと言われなければわからないかも。子どもも食べられそうだ」と太鼓判を押した。浅利観光は約1年前、同市桜江町にある食肉加工施設の運営を引き継いだ。イノシシの解体処理から加工品の開発、直営店でのメニュー提供までを手がけ、ブランド展開する予定だ。同社は江津市産の豚肉で「江津まる姫ポーク」の商品を展開しており、植田さんは「豚と並ぶブランド肉に育てたい」と話す。道の駅サンピコごうつ隣にあるドライブイン「神楽の里 舞乃市」駐車場で12、13日、「第8回肉まつり」が開かれ、新商品はその場でお披露目される。ゆくゆくは市内のスーパーなどでも販売したいという。

(鹿の毛を使った「ジビエ・ディア・メルトン」開発:岐阜)
ニット生地メーカーの川村ニット(岐阜県安八町、川村康文社長)は、岐阜県下で害獣駆除される鹿の毛を使ったテキスタイル「ジビエ・ディア・メルトン」を開発した。テキスタイル企画は川村ニットの川村直子さん、編み立ては後藤惣ニット(岐阜県羽島市、後藤晴美社長)と、女性によるプロジェクトだ。仕上げを艶金(岐阜県大垣市)、縫製も県内で行う「メイドイン岐阜」をアピールしている。開発は川村ニットが県の公的団体から鹿の毛利用について相談されたのが始まり。鹿の毛は中空構造で「ケンピのような」ストレートヤーンが特徴。色はグレーからベージュ。川村ニットは衣料用生地に使えるウール70%・ナイロン20%・鹿の毛10%、毛番で10番手単糸の紡毛糸を開発した。生地は、表面に浮き出るような素材感を作り出すために、丸編み生地の圧縮加工によるメルトン生地に仕上げた。女性中心のプロジェクトを推進するために、岐阜県下の女性経営者の縫製工場にも参加を呼び掛けている。鹿の毛は、ジビエレストランを揖斐川町で経営するキサラエフアールカンパニーズ(所千加社長)が供給する。全国に生息する鹿は300万頭以上。古くから高級皮革として鹿皮が知られてきた。現在も剣道のコテに皮革と毛(クッション材)が使われている。生息数の増加によって農作物に害を及ぼすようになり害獣に指定され、全国で年間14万頭が駆除されている。ほとんどが埋却や焼却処分されている。農水省はジビエ料理など食肉での有効活用を提唱しているが、皮革や毛の利用は進んでいない。岐阜県でも7000頭余りが駆除され、ジビエ料理などで食用もされている。このほど東京で開かれた合同展「コダワリノヌノ2022」に出展したところ「好評価を得た」という。22~23年秋冬向けはキサラエフアールカンパニーズから20~30キロ程度の鹿の毛を調達した。そこから10%混の原糸500キロを作った。用途はコートやジャケットのほか、ブランケットやケープなどを想定する。川村ニットは「廃棄する原料を使ったサステイナブル(持続可能)性、ジビエ料理と関連する面白さをテキスタイルや製品で提案したい」としている。

(ジビエを気軽に、シカ肉メンチカツ入りのカレー:長野)
野生鳥獣の肉「ジビエ」の活用を進めようと、シカ肉をつかったメニューを長野市と長野県立大が共同開発した。「鹿メンチカツボールの焼きカレー」で、市役所食堂「ししとう」で提供されている。2020年10月ごろに市が県立大にメニュー開発を依頼。同大健康発達学部の小木曽加奈准教授(食品学)のゼミ生や、市戦略マネージャーの土山浩平さんらが開発にあたった。長野市ジビエ加工センターで処理されたシカ肉を食材として利用。メンチカツは市内の食品加工会社が冷凍食品として製造した。肉をミンチにすることで繊維がほぐれて食べやすくなり、市松代町特産の長芋を混ぜ、歯ごたえも楽しめるよう工夫した。メンチカツボールを提案した同大4年のゼミ生、浜奈々子さん(22)は「シカ肉は一般の人にはなじみの薄い食材だと思う。高校生がコンビニで気軽に買う唐揚げのようなホットスナックをイメージした」と話す。学生らはメンチカツのほかにもシカやイノシシの肉を使った削り節のシカ節・イノシシ節などのメニューも開発した。「『長野市に来たらジビエ』と広まってくれたらうれしい」長野県によると、農作物などに被害を与えるとして捕獲されたシカの多くは埋められるなど廃棄されていた。だが、ジビエの普及などにより、県内で食肉処理業許可を取得した「ジビエ処理施設」は22カ所(14年度)から32カ所(20年度)に増加。19年に市ジビエ加工センターができたこともあり、捕獲したシカの食肉としての活用も5・2%(14年度)から21・5%(20年度)まで増えた。野生鳥獣肉の利活用を研究している小木曽准教授は「今は状況が変わり、シカ肉も牛肉や豚肉のように一般家庭でも食べてもらえる環境が少しずつ整ってきた」と話す。

(イノシシ肉アレンジ:島根)
江の川流域のイノシシ肉「江の川shishi(シシ)」を使った食品製造を手掛ける浅利観光(江津市浅利町)が、東京都内のイタリアンレストランなどの協力で新商品を開発した。地域資源の有効活用と獣害対策を目指す試みで、3月中旬から直営レストランで販売する。古代ローマの調味料だった魚醤(ぎょしょう)と蜂蜜、ワインビネガーに漬けた肉(税別600円)をはじめ、香味野菜と赤ワインで肉の味を強く出したミートソース(同800円)、ジャガイモとベシャメルソースを混ぜた生地に肉を混ぜたコロッケ(同80円)など6種類。ドライブイン「神楽の里・舞乃市」(江津市後地町)のレストランや売店で12日から扱う。江津市役所で9日に試食会があり、商品を考案したザ・モメンタム・バイ・ポルシェ(東京都港区)の林祐司総料理長が市幹部らに調理法などを解説した。試食した山下修市長は「イノシシのイメージを変えるような料理に仕上がっている」と感嘆した。浅利観光は2021年4月、江津市桜江町内にあった食肉加工施設を承継し、解体処理から加工品開発の態勢を整えた。植田智之常務は「イノシシ肉の魅力を広め、日常的に食べてもらいたい」と話した。販路を拡大しながら、22年度は年間約150頭分の肉を商品化したい考えだ。

(「ぼたん鍋」文化庁の「100年フード」に認定:兵庫)
丹波篠山市の郷土料理「ぼたん鍋」が、地域で長年愛されている食文化として、今月、文化庁の「100年フード」に認定されました。「100年フード」制度は文化庁が地域で長く愛されてきた食文化を継承していこうと、今年度から新たに始めたもので、全国から応募のあった212件の中から、今月、131件が認定されました。このうち、明治時代からおもてなし料理として地域で食べられてきた丹波篠山市発祥の「ぼたん鍋」が選ばれました。「ぼたん鍋」を、地域の名物としてPR活動をしている丹波篠山観光協会によりますと、薄く切ったいのししの肉を1枚1枚をぼたんの花のように皿に盛り付けると、宴会の席が華やかになり、地元の民謡「デカンショ節」の中でも歌われるほど愛されてきました。狩猟期間の冬によく食べられますが、冷凍技術の発達で、現在、市内では年間を通しておよそ40の飲食店で味わうことができるほか、店頭や通信販売でも買うことができ、家庭で楽しむことができます。丹波篠山観光協会の北川敦雄事務局長は「丹波篠山の山でクリやマツタケを食べて育ったいのししの肉はクセや臭みが少なく、風味がよいと評判です。コロナ禍で観光客も減り、地域の雰囲気は落ち込んでいますが、ぼたん鍋を通して観光を盛り上げていきたい」と話していました。

(ジビエの魅力をPR:宮崎)
農作物の鳥獣被害対策につなげようとジビエ料理の魅力をPRするイベントが宮崎市で開かれました。シカ肉を使ったサイコロステーキに、イノシシ汁。このイベントは駆除されたイノシシやシカの肉を使ったジビエ料理の普及を目指そうと宮崎県が開きました。会場ではジビエを扱う県内の4つの店舗が、それぞれ自慢のジビエ料理などを販売しました。(訪れた人)「あまりいただくことはなかったので食べてみたいなというところでいただいたんですけど、クセもなくておいしいです」「シカ肉を食べたことがあるんですけどその時においしかったのでもう1回食べてみたいなと思って。やわらかくて臭みもなくてとてもおいしいです」また会場ではシカの皮を使った財布などの加工品やシカ肉のペットフードも販売され、訪れた人の関心を集めていました。

(駆除された鹿の命生かす:長野)
長野市若穂地区の地域おこし協力隊員、小野寺可菜子さん(34)=岩手県大船渡市出身=が、長野市内で捕獲されたニホンジカの皮の活用に取り組んでいる。近年、ジビエ(野生鳥獣肉)として食材利用に注目が集まる一方、皮はほとんど使われていない。「命を無駄にしてはいけない」との思いから、雑貨やアクセサリーとして生かそうと構想。手に取ってもらうことで「有害鳥獣の問題への関心を高めたい」と話す。2021年1月に着任した。有害鳥獣対策を任され、鹿革に注目。牛革と比べて柔らかく、しなやかな触り心地に「ほれ込んだ」と小野寺さん。趣味のアクセサリー作りなどで革を扱ったことはなかったが、手縫いできて加工しやすいこともあり、挑戦することに。動画投稿サイト「ユーチューブ」などを見て独学した。柔らかさは魅力だが、縫い目がゆがみやすいのが難点。最初はキーホルダーなどの小物から手掛け、現在はペンケースやかばんなども作る。軽いためピアスにしても耳への負担が小さく、大きめのデザインにも加工している。同市中条地区の野生鳥獣解体処理施設「市ジビエ加工センター」から皮を買い取り、飯田市の革製品製造会社「メルセン」でなめしてもらう。買い取り量は年400頭分ほどになる見込みで、使い切れない分は長野市内の企業や小物作家らに販売もしている。鹿は野生のため、皮には生きている間に付いた傷もあるが、そのまま使う。肌の模様も一つずつ異なり、製品は「自分だけの一点物になる」とアピール。市内の催しで販売している他、中条の「道の駅中条」でも扱ってもらっている。キーホルダーは千円から、ピアスは1500円からと価格を抑えた商品も多く作り、多くの人に手に取ってほしいと願う。市いのしか対策課によると、2020年度の被害額は長野市全体で7691万6千円、うち若穂地区は561万3千円だった。小野寺さんは「地域の課題解決の手助けになるよう頑張りたい」と話した。

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(街中にイノシシ、女性かまれ軽傷:栃木)
5日午前10時ごろから午後1時ごろまでの間、栃木県野木町丸林周辺の住宅街にイノシシが出没し、1人が軽傷を負うなどした。小山署によると、同日午前10時15分ごろ、同町友沼のスーパー「ヤオコー野木店」敷地内で同店従業員の40代女性がイノシシに左手首をかまれるなどし、軽傷を負った。その後イノシシは同町丸林の住宅街に逃げ込み、午後0時55分ごろ、同署員や県猟友会小山支部野木町有害鳥獣駆除隊によって捕獲された。捕獲されたイノシシは体長約1・2メートル、体重約75キロの雄だった。住宅のフェンスや車などが破損する被害があった。この日は、イノシシの生息地とされる同所近くの渡良瀬遊水地で「ヨシ焼き」が行われていた。県猟友会小山支部野木町有害鳥獣駆除隊の針谷栄(はりがやさかえ)さん(81)は「これほど住宅街の中までイノシシが来ることはめったにない。ヨシ焼きの影響であぶり出されたようだ」と話している。同署には、他にも同町丸林周辺で別の個体とみられるイノシシの通報が1件あった。

(カラス、高病原性鳥インフル:北海道)
道は8日、宗谷管内礼文町で1日に回収したハシブトガラス3羽の死骸から、致死率の高い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)を検出したと発表した。野鳥からの検出は道内で今季(昨年10月以降)20例目となり、最多を更新した。道によると、道内の養鶏場から異常の報告はなく、農場設備の点検や消毒徹底を呼び掛けている。

(シカからヒトに新型コロナが感染:カナダ)
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がカナダのオジロジカ(Odocoileus virginianus)からヒトに感染した可能性が高いことが、新たな研究によって明らかになった。北米に広く生息するオジロジカから新型コロナウイルスがスピルオーバー(異種間伝播)した例としては初の報告となる。新型コロナウイルスが米国のオジロジカの間で広がっていることは先行研究によってわかっていた。しかし、オジロジカが保有するウイルスは近くに居住している人がもっていたウイルスと非常によく似ていたため、単にヒトからシカに感染したと考えられていた。査読前の論文を投稿するサイト「bioRxiv」に2月25日付けで公開された論文の中で、カナダの政府および学術機関の研究者32人からなるチームは、2021年後半にカナダで17頭のオジロジカが「これまで新型コロナウイルスの系統で観察されたことのない変異」を数多くもつ株に感染したと結論付けた。さらに、オンタリオ州でオジロジカと密接に接触していた人が、同じ変異株に感染していたことも判明した。これらのことから、ウイルスはシカの間で広まりながら変異を蓄積し、最終的にヒトに感染したことが示唆されている。いったんミンクなどの他の動物を介して感染した可能性もあるが、ゲノム解析の結果を考慮すると、シカからヒトへの直接感染が「最も可能性の高いシナリオ」だと著者らは書いている。今回の研究は予備的なものであり、まだ査読も受けていないが、専門家によれば不安になる内容ではないという。新型コロナがシカから感染する可能性はヒト同士で感染する可能性よりもはるかに低いと、米カンザス州立大学新興・人獣共通感染症センターの所長で獣医師のユルゲン・リヒト氏は言う。なお、氏は今回の研究には参加していない。この研究では、2021年11月から12月にかけて、オンタリオ州南西部と東部で約300頭のオジロジカの死体から鼻腔ぬぐい液と組織のサンプルが採取された。いずれもハンターが殺したもので、「シカ慢性消耗病(CWD)」の年次サーベイランス(監視)プログラムの一環だった。2頭分のサンプルは使えなかったものの、298頭中17頭(6%)が「大きく異なる新しい系統」の新型コロナウイルスに感染していたことが判明した。また、この変異株がデルタ株やオミクロン株よりも前から存在していたこともわかった。新型コロナウイルスがシカの間でかなり前から広がっていたことが示唆される。著者らが、シカで見つかった変異株が既存の新型コロナウイルスワクチンを回避する可能性があるかどうかを分析したところ、ワクチンの予防効果に大きな影響はないと結論付けている。これは良い知らせだと、リヒト氏は安堵する。氏は、オンタリオ州におけるヒトでの感染例が、シカからヒトへの感染によるものである可能性が高いことに同意している。一方でリヒト氏は、ヒトや動物においてまだ発見されていない変異株が存在する可能性が高く、全体像は我々が思っている以上に複雑かもしれないと指摘する。「科学者としては、100%確実でない場合は必ず、他に何が起こっている可能性があるのかを議論しなければなりません」。他にもオンタリオ州のシカが保有していたウイルスがヒトに感染した例や、シカからヒトにスピルオーバーした例があったかどうかは、依然として不明だとカナダの研究チームは強調している。「オミクロン株の出現とシカ狩猟シーズンの終了により、これらのサンプルが採取されて以降、この地域でのヒトとオジロジカの検査およびゲノムサーベイランスは減っている」と論文には記されている。パンデミック(世界的大流行)の間に、飼育されているミンクからヒトに新型コロナウイルスが感染し発症に至った事例や、香港のペットショップの従業員がハムスターから新型コロナウイルスに感染した事例が報告されている。後者の例では、店内のハムスターが殺処分されたほか、香港政府が最近ハムスターを購入した飼い主に対し、ハムスターを安楽死させるため引き渡すよう要請した。飼育下の動物での散発的なこうした感染例とは異なり、オジロジカとヒトとの間の感染を検出し制御することははるかに困難だと著者らは指摘している。オジロジカがどのようにして新型コロナウイルスに感染したのかも、まだ解明されていない。ナショナル ジオグラフィックが2021年8月に報じたように、シカは研究、保護活動、観光、狩猟を通して人と接触している可能性がある。当時、米農務省の研究者は、汚染された排水を介して、あるいはミンクなど他の感染種に触れることでシカがウイルスに接触した可能性があると推論していた。米農務省は、この記事に対するコメントの要請には応じなかった。米農務省の研究者らは、2021年1~3月に米ミシガン州、イリノイ州、ニューヨーク州、ペンシルベニア州で検査したオジロジカの4割から、新型コロナウイルスの抗体を初めて検出した。オジロジカがウイルスに感染したことは示唆されたものの、どの個体も症状を呈していないようだった。アイオワ州などでも、その後の調査でオジロジカから新型コロナウイルスが検出された。リヒト氏は、米国内のオジロジカで新型コロナウイルスの感染が「かなり拡大している」と考えるのが妥当だと述べている。カナダの研究チームは、ヒトおよびオジロジカを中心とした動物のモニタリングを強化することが「非常に重要」だと論じている。現時点では、オンタリオ州のオジロジカと1人のヒトから見つかったウイルスが、「シカからヒトへ何度も感染している証拠や、ヒトからヒトへ持続的に感染が広がっている証拠はない」と論文には書かれている。しかし、新型コロナウイルスの持続的な感染拡大や、種の壁を越えた感染を引き起こしうる保有宿主の特定は不可欠だと著者らは主張する。「これは画期的な研究になると思います」と、米カリフォルニア州ポモナにあるウェスタン健康科学大学の獣医病理学者トレーシー・マクナマラ氏は言う。「これがバイオサーベイランスの未来です。動物界を横断的に見なければなりません。今回の研究チームが行ったように、人間だけでも動物だけでもなく、両方をモニタリングするのです。非常に注目すべき研究だと思います」。

(ヒグマ人身被害ゼロに、雌の捕獲上限引き上げ:北海道)
道は7日、道内外の専門家で構成する「道ヒグマ保護管理検討会」を開き、2022年度から5カ年の道ヒグマ管理計画案をまとめた。本年度のヒグマによる死傷者が過去最多の12人になったことを受け、人身被害を「可能な限りゼロにする」と明記。市街地への出没を想定した訓練や啓発活動を強化し、地域特性を踏まえた対策を振興局単位でまとめる方針を盛り込んだ。生息数の増加を踏まえ、雌グマの捕獲上限を17~21年度の計1990頭から計2320頭に引き上げることも決めた。同計画は、人とクマの共存を目指して5年ごとに策定されており、今回が2期目。現計画では人里に近づく問題グマの捕獲などにより、人身被害の発生を「可能な限り抑制する」としてきたが、道内では昨年4~11月にかけ、札幌市東区の住宅街で男女4人がクマに襲われるなどの被害が多発。新たな計画では被害を「ゼロにする」と明記し、対策を強化する。

(知床半島にヒグマは「400頭から500頭」生息:北海道)
北海道の知床半島の自然環境について専門家らが協議する「知床世界自然遺産地域科学委員会」が7日、オンラインで開催され、報告された「知床半島ヒグマ管理計画案」(2022~27年度)の中で、知床半島のヒグマ生息数を400~500頭程度とする速報値が公表された。知床半島のヒグマの精度の高い生息数が示されるのは初めて。東京農工大、道立総合研究機構、北大、知床財団の共同研究グループが19~21年度、知床半島でのヒグマを調査。知床半島に定着している推定ヒグマ個体数は速報値で、19年は「393~550頭」、20年は「342~457頭」とした。1990年頃は推定で約280頭だった。国立公園や国指定鳥獣保護区の指定、春グマ駆除制度の廃止などの保護策により増加したとみられる。2010年代からは横ばいになっているとした。同委員会は環境省や林野庁、道、斜里町、羅臼町、標津町と専門家で構成。会議で、研究グループ代表の宇野裕之・東京農工大特任教授は「現状の知床半島でのヒグマの生息数は400から500頭とみられる」と報告した。今後のヒグマ管理政策として、生息数維持のため、メスヒグマの捕獲数を年間18頭以下と設定。人とヒグマとの衝突事故を回避するため、▽カメラマンが撮影する際には十分な距離をとる▽釣り人はヒグマの餌となるものを残さず持ち帰る――などの対策が盛り込まれた。

(「とらばさみ」、野生動物の死亡・負傷35個体:兵庫)
2007年に猟具としての使用が禁じられた「とらばさみ」で、負傷・死亡した野生動物などが全国で少なくとも35個体いたことが、兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市祥雲寺)の調べで分かった。国の特別天然記念物・コウノトリも2羽含まれるという。とらばさみは、同公園のある但馬地域でも市販されており、調査に当たった獣医師らが違法捕獲の根絶を求めている。全国紙などの記事データベースをもとに、法律で原則使用が禁じられた07年4月~20年10月の負傷・死亡数を調べた。35個体のうち、種別で最も多かったのがネコの17匹。ほかに、ハイタカやツシマヤマネコなど絶滅危惧種の10個体が被害を受けたという。野生復帰が進むコウノトリも受難を強いられた。16年と19年に、それぞれ京都府京丹後市、豊岡市で各1羽が負傷。同公園の獣医師松本令以(れい)さん(46)らが、被害調査に取り組むきっかけとなった。松本さんらは結果を論文にまとめ、「とらばさみへの対策は種の保全を進める上での課題の一つ」とした。論文は、負傷したコウノトリの治療過程にも触れている。19年のケースは豊岡市戸島湿地の人工巣塔で、足が、固定が外れたとらばさみに挟まっていたところを見つけ、行動の観察を続けた。発見から7日目に指の一部が残るとらばさみを湿地内で回収。個体を後日捕獲し、同公園で治療して、86日目に野に放すことに成功した。とらばさみの市販状況も調べた。但馬地域では、ホームセンターなど7店舗での販売を確認した。使用できるケースは極めて限定的で、適正な使い方を告知する注意書きを張っていない店もあったが、いずれも掲示などを改善する協力が得られたという。松本さんらは論文で「法改正から一定期間が経過している」とした上で、「とらばさみによる違法捕獲を根絶するためのより効果的な施策や適切な法規制の検討が必要」と訴えた。松本さんは「コウノトリの負傷も違法捕獲の疑いがある。他の動物や人にも、とらばさみのトラブルに巻き込まれる可能性がある」と話した。論文は、21年12月発行の「日本野生動物医学会誌」に掲載されている。

(イノシシ出没確率をマップに:岩手)
本県でイノシシの生息域が拡大していることを受け森林総合研究所(茨城県つくば市、浅野透所長)と県立大の研究グループは「出没ハザードマップ」を作成した。2007年以降の分布の変遷を元に、環境に関するデータを用いて出没確率を予測。県内の農業被害は増加傾向にあり、対策に役立てられることが期待される。マップは同研究所東北支所(盛岡市)の大西尚樹・動物生態遺伝チーム長が、同大生による出没状況などの研究データを基に作成した。

(シカ猟鉛弾禁止の啓発強化:北海道)
釧路市は道内のエゾシカ猟で鉛弾の使用や所持が禁止されていることを伝えるポスターを釧路駅や釧路空港に貼り、啓発を強化している。鉛弾を飲み込んだとみられる国の天然記念物のワシの鉛中毒死が今冬はすでに2件発生。道外ハンターからの持ち込みを防ぎ、希少な鳥類たちの保護につなげたい考えだ。鉛中毒はシカなどの体内に残る鉛弾の破片をオオワシなどが肉と一緒に飲み込むことなどで発症。今冬は1月の日高管内浦河町のオオワシに続き、2月中旬に伊達市で保護されたオジロワシでも確認され、収容先の猛禽(もうきん)類医学研究所(釧路市北斗)が治療を施したが死んだ。道は2000年から段階的に鉛弾の使用を禁じ、14年からは道条例でシカ猟目的の鉛弾所持も禁止するが、道外ハンターの持ち込みとみられる鉛弾の被害は後を絶たない。

(猟犬の代わりにドローン:大分)
大分県猟友会の有志が猟犬の代わりに小型無人機ドローンを使い、有害鳥獣を捕獲する実験に乗り出した。ハンターの高齢化が進む中、山中を駆け回る猟犬を捜す体力的負担の軽減などが目的。上空から犬の鳴き声を流すなどして追い込む。

(死んだシカ捕食防止シート開発:北海道)
国の天然記念物のオオワシやオジロワシと列車との衝突事故を防ごうと、環境省が初めての実験に取り組んでいる。列車にひかれたシカの死体を食べようとしてワシが命を落としてしまうためで、ワシが死んだシカに近づかないよう回収前のシカの死体を覆う効果的なシートの開発を目指す。同省によると、2000年4月~21年12月に同センターに収容されたオジロワシ503羽、オオワシ401羽のうち、列車事故が原因とされる個体は全体の16%に上る。冬は魚などのえさが少なく、列車にひかれて線路脇で死んだエゾシカを食べているときに後続列車にはねられたとみられる。

(国際射撃連盟がロシア人会長リシン氏の解任要求)
ロシアのウクライナ侵攻を受け、国際射撃連盟(ISSF)で会長を務めるロシア人実業家ウラジミール・リシン氏の解任を求める声が噴出している。五輪専門メディア「インサイド・ザ・ゲームズ」によると、ウクライナ射撃連盟を含む複数の団体がISSFに対し、少なくとも紛争が起きている間は、ロシアの富豪の一人であるリシン会長を解任するよう文書で要求したという。また文書では「ウクライナで現在起きている出来事を考慮し、ISSFの指導者に、ロシアとベラルーシの指導者代表全員の即時停止と解任を要求する」と、ロシアとベラルーシからの役員の解任も求めている。

(寒波で北帰行に遅れ:宮城)
今シーズン最後となる冬の渡り鳥の生息調査が、3日朝、宮城県内一斉に行われました。寒波の影響で北帰行が遅れ、例年より多くの渡り鳥が確認されました。冬の渡り鳥の生息調査は、3日朝、宮城県内の河川や沼など約500か所で行われました。このうち、栗原市と登米市にまたがる伊豆沼では県の職員らが、マガンなどの数を調べました。3日は、今シーズン最後の調査で、県内では、2021年より8万5000羽ほど多い11万5478羽のガン類、ハクチョウ類、カモ類が確認されました。県によりますと、寒波による積雪や沼の凍結の影響で、渡り鳥が4000キロほど離れた繁殖地のロシア極東に戻る北帰行が遅れているということです。

(ヒグマ出没?AIカメラが判別:北海道)
札幌市は8日、人工知能(AI)機能でヒグマかどうかを自動で判別して市に通知する監視カメラを、北区の茨戸川緑地と中央区の旭山記念公園に、それぞれ設置する方針を明らかにした。市街地へのヒグマ出没の迅速な把握と情報発信につなげる。同日の市議会予算特別委員会で報告した。監視カメラはこれまでも設置していたが、シカなど他の動物が出没した場合も通知されるため、市の担当者はその都度画像の確認が必要だった。カメラの台数や詳しい場所などは今後調整する。

(大型イノシシとの衝突事故相次ぐ:山口)
山口県周防大島町が、ドライバーにイノシシへの注意を呼び掛ける看板の設置を進めている。同町では、2020年度に約3千頭が捕獲されるなどイノシシが増加。車と衝突する事故が発生している。3月末までに新たに10枚を設置する。看板は縦60センチ、横40センチ。「イノシシ出没注意」と呼び掛け、突進するイノシシのイラストが描かれている。ドライバーから見えやすいように、道路沿いの町有地に1月から設置している。既存の2枚と合わせ、町内の看板は計12枚になる。体重100キロを超える個体もいて、大きな事故につながりかねない。昨年7月、同町土居を車で夜間走行中、イノシシと衝突した町内の男性(50)は「3頭が一度に飛び出し、よけきれなかった。バイクだったらけがをしていた」と振り返る。

(れんこんのカモ食害増加:新潟)
新潟県長岡市中之島地域特産の「大口れんこん」に、カモによる食害が増え、生産者が対策に頭を痛めている。渡りをせずに居着いたカモが春に種レンコンを食べてしまうケースもあり、県や市、大学などが光や音で鳥を近づけない実験を重ねている。国の地理的表示(GI)保護制度の対象となり、拡販に勢いをつけたい生産者は効果的な対策が見付かるよう切実に願う。まだ雪が残る長岡市大口地区のレンコンほ場。収穫作業のため、天然の冷蔵庫にもなる雪を溶かすと、その下には全国でも大口地区のみで生産される晩生(おくて)品種「ダルマ」が収穫を待っている。ただ生産組合長の髙橋秀信さん(67)は浮かぬ顔を見せる。「作業のために雪を溶かすと、カモにとって格好の餌場になってしまう」。昼間は近くの河原に潜む鳥たちが人けのない夕方から早朝にかけ飛来。池に潜り、収穫間近のレンコンを食べてしまうのだ。かじられたレンコンは水が入って変色し、商品にならない。「おいしいところだけ何本もかじっていくんだ」と髙橋さん。かじられたり、傷が付いたりして捨てられたレンコンには目もくれず、泥の中で根を張ったいいものばかりが被害に遭うという。獣害対策を研究する長岡技術科学大の山本麻希准教授(50)は「夜、ほ場に飛んでくるカモは水面の反射を見ながら飛来すると考えられ、ほ場の外に置く物に手を付けないのではないか。また捨てられて浮いているレンコンと違い、根が張ったものは、カモがかじりやすいのだろう」と説明する。組合には約20年前から組合員の被害報告が寄せられていたが、ここ数年で被害の件数、額とも増加傾向にある。渡り鳥のカモが春になっても移動せず、植えたばかりの早生(わせ)品種の種レンコンにまで被害が広がっているからだ。市によると、組合全体で2018年度の被害額518万円が、19年度は1021万円、20年度は941万円となった。大口れんこんの売り上げは年間約5億円程度で、1千万円の被害は全体の2%ほどの計算だが、実態の本格調査は始まったばかり。組合員には「1、2割は被害を受けている」との声もあるという。組合は茨城県など他産地を視察し、対策を探ってきた。他県で有効なのは、ほ場の上に網を張ること。しかし中之島では雪の重みで網が壊れてしまった。住宅地に近いため、爆音や猟銃による駆除も難しい。このため、JAや行政に窮状を訴え、大学とも連携して対策を考えることにした。長岡市は20年度から、山本准教授と連携して実態を調査している。今年2月上旬には、危険を察知した鳥の鳴き声など約10種類の音が出る装置を、髙橋さんのほ場の近くに設置した。被害防止に向けては、県なども実験を進める。県は一部のほ場に昨年12月、生物に反応してレーザー光を照射する装置を設置。実験した場所はほとんど被害が出なかった一方、装置がない所ではカモの飛来が確認された。実験を重ね、有効性を確認する方針だ。長岡市も今年2月中旬に、レーザー光の装置を置いた。市鳥獣被害対策課の佐々木秀俊課長は「大口れんこんは市を代表する特産品。何とか被害を防ぐ手だてを見つけたい」と語る。春先の被害を防ぐため、雪解け時期に網を張ることなども検討する。一連の対策で効果があれば、市の事業として実施することも視野に入れる。組合長の髙橋さんは「生産者にとって、一生懸命育てたレンコンが収穫間近で駄目になるのは本当に悔しいこと。何とか効果が出て被害が減ってほしい」と期待している。

(エゾシカ交通事故が道央で増加:北海道)
エゾシカが関係する交通事故が増え続けています。道央圏では去年、1700件を超える事故が起きて5年連続で過去最多を更新し、警察は特に夜間の運転の際は注意するよう呼びかけています。警察のまとめによりますと、道内では去年、路上でエゾシカと車が衝突したりエゾシカをよけようと急停車した車に衝突したりするなど、エゾシカが関係する交通事故が4009件起き、これまでで最も多くなりました。このうち、胆振と日高を含む道央圏は前の年を260件上回る1739件と、5年連続で過去最多を更新しました。市町村別にみると、最も多いのが▼苫小牧市の303件で、次いで▼千歳市の150件、▼札幌市の116件、▼北広島市の71件などとなっています。振興局別では胆振地方が677件で道内全体でも最も多くなりました。警察によりますと、事故が特に多く起きたのはエゾシカの繁殖期となる秋で、10月と11月は全体の40%あまりを占める1630件に上りました。また、事故は夜間に発生するケースが多く、全体の85%を占めています。道警本部交通企画課は、「暗闇から突然飛び出してきたシカと衝突するケースが多いので、スピードダウンとハイビームを活用して安全運転に努めてほしい」と注意を呼びかけています。

(鳥獣対策は住民主体で:福井)
嶺南六市町などでつくる嶺南地域有害鳥獣対策協議会の研修会が六日、若狭町のリブラ若狭で開かれた。麻布大教授・江口祐輔さんが「地域で取り組む鳥獣対策」をテーマに講演し、住民が主体となって対策に携わる大切さを話した。

(赤石山系、シカ被害深刻:愛媛)
新居浜市と四国中央市にまたがり、石鎚山系の東側に位置する赤石山系でシカによる被害が深刻化し、四国屈指の宝庫とされる高山植物が姿を消している。山系を縦走する登山客の宿泊拠点が2019年末閉鎖し、人による監視機能が低下したことも被害に拍車をかけているとみられ、専門家らは「このままでは四国の宝が消えてしまう」と一刻も早い対策を訴えている。赤石山系は、やまじ風やかんらん岩などが織りなす環境に恵まれた東赤石山(1706メートル)を主峰とし、夏から秋にかけて数々の希少種が多く咲き誇る。複数の関係者や登山愛好家によると、シカ被害が目立ち始めたのは4、5年前。最近はその範囲が拡大し、数々の固有種に被害が及んでいるという。例えば紫色が特徴で、赤石山系などの一部にしか見られない四国固有の「シコクギボウシ」。18年7月には多くの花が咲き誇っていた一帯が、21年7月には花茎はおろか、根の近くまで激しい食害に遭い、根によって保たれていた土砂が流出していた。同年6月に確認していたつぼみも、開花を待たずして食害に遭ってしまったという。被害を食い止めるためには、防護ネットやシカの個体数の適正管理が有効という。ただ個体数管理は効果が出るまでに時間がかかり、ネットはすぐに効果が期待できるが「雨や土砂による破損の確認など適切な維持管理が欠かせない」とする。また標高が高いため、荷揚げにも費用やマンパワーがかかり「行政や山岳会のボランティアなど多くの関係機関の協力、連携が必要になる」と訴える。

(森林整備で鳥獣対策:山口)
地域ぐるみで有害鳥獣による農林作物被害対策に取り組む下関市豊北町田耕の朝生(あさおい)地区で、集落近くの山に自生するシイの木を伐採してイノシシを田畑から遠ざける実証試験が行われている。シイの木を使った床材は県のやまぐちブランド商品に認定されるなど人気があり、森林整備による鳥獣対策と伐採木の収益化の一石二鳥を目指す全国でも初の試みだ。

(佐藤堅司さんがクレー射撃で個人・団体とも優勝:北海道)
日本クレー射撃協会主催の三重とこわかクレー射撃大会(2月26、27日三重県上野射撃場)に出場した稚内の佐藤堅司さん(57)がスキート個人、総合団体ともに優勝した。昨年10月に予定されていた第76回国体がコロナで中止され、国体への出場が決まっていたスキート、トラップ2種目の代替大会として全国トップクラスの選手66人が出場。北海道からはスキート種目に佐藤さん、トラップ種目に帯広の選手の2人1チームとなり出場した。佐藤さんは飛行する100個のクレー(的)を撃ち落とすスキート競技に出場し91点の高得点で優勝。帯広の選手のトラップ競技の点数と合計し団体でも優勝した。練習の成果を出すのみと大会に挑んだ佐藤さんは「個人もですが団体で初優勝することができとても嬉しい。協会や周りの仲間たちの支えがあったことが励みになりました」と喜びを語った。今大会で優勝したことで今年10月福岡で開催される国内一を決める全日本選手権への切符を手にしたことに佐藤さんは「クレー射撃をやってきた中で、この大会での優勝が最終目標。秋まで練習をし頑張りたい」と意欲を燃やしている。

(女性戦場カメラマンと呼ばれた私が「エゾ鹿撃ち」になった理由:北海道)
「あそこにいるべ。手前に大きなボサ(薮)があるだろ? あの後ろの木の隣にいる。ちょうどいいサイズのメスだ。早く構えろ」。師匠の声に促される前に弾をライフルの薬室に送る。ボルトを下げるとカシン、という金属音がする。スコープを覗き、十字の真ん中にターゲットのネック(首)を合わせ、じっくりと狙う。視線の先で拡大されたメス鹿は確かにちょうどいいサイズだった。小さすぎず年寄りでもなく、丸みを帯びた体にキッチリ肉が付いており、いかにも美味しそうだ。「いいか、右腕はしっかり力を入れて固定しろ、引き金はスッと引くだけだぞ。左手は銃を乗せるだけで力を入れるな」。何度聞いただろう。しかし何度言われても何かが足りないことはある。その時はもちろんターゲットに当たらない。銃床の頬付けが甘かったりして反動でのけぞったりすることはだいぶ減ったが、ゼロではない。右腕の力の入れ方が弱くてスコープがおでこに当たればまだいいが、眉間を割ったりする人もいるので気が抜けない。幸いそういう流血沙汰に見舞われたことはないが、いつでも可能性はある。アドバイス通り、力まずスッと引き金を引くと、「ズダーーン!!」と空気を切り裂くような銃声と「ダーンダーンダーン・・・」とこだまが鳴った直後に、師匠の「当たったぞ」という声がした。射撃姿勢は引き金を引く瞬間までは保持できるが、火薬が炸裂する反動で獲物を注視し続けるのは無理だ。私が現在使用しているライフルは知人から譲られたもので、サコーM75デラックスといい、300ウィンチェスター Magnum弾(通称300WinMag)というかなりの威力の大きい弾を使う。だからその分反動もある。実際、羆(ひぐま)も狙える銃であり、エゾ鹿しか狩らない私にはオーバースペックかもしれないが、ありがたく使い続けている。

(停電は全て解消、原因はカラスの営巣:新潟)
9日朝、上越市直江津地区で発生していた停電は、午前9時23分にすべて解消しました。東北電力によりますと、停電の原因はカラスの営巣によるものだということです。

(クマ目撃:山形)
6日午後7時50分ごろ、天童市貫津でクマ1頭を目撃したと、近くの60代男性が天童署に届け出た。同署によると、クマは体長1.5メートル。男性が自宅から外に出た際、市道を歩くクマに気付いた。現場は津山小の南東約550メートル。付近に民家が点在している。

(イノシシ出現:神奈川)
小田原市根府川の星槎国際高等学校小田原キャンパスの校門前で2月15日、イノシシが罠に掛かり捕獲された=写真。午前8時ごろ、同校の教員が出勤する際に見つけた。罠を仕掛けた近所に住む男性によると、捕獲されたイノシシは体長50cmほどで1歳未満。2020年12月に校門前に罠を設置したが、捕獲されたのは今回が初めてだ。イノシシは匂いに敏感なため、「檻がまだ新しいうちは塗料の匂いなどがするので掛かりにくい」という。根府川では12~13年前からイノシシが出没しており、男性はこれまで10年間で70頭以上を罠で捕獲。大きいもので80kgから100kg級のイノシシもいたという。男性は「淘汰しないとどんどん増えてしまい危ない」と話している。

(イノシシ出没相次ぐ:新潟)
新潟市内でイノシシの出没が相次いでいる。新潟市西蒲区の角田山や多宝山周辺では、住宅地での目撃や農作物被害が増加。春の行楽シーズンを控え、登山者と野生動物の遭遇を危惧する声も上がる。秋葉区では、イノシシなどから身を守る姿勢や注意点を記したカードを子どもたちに配るなど、警戒感が広がっている。2月中旬、西蒲区岩室地区の淨專寺。イノシシの親子とみられる5頭が、餌を探すように木の根元を掘り返していた。住職の堀川秀道さん(64)は「ライトで照らしてもなかなか逃げなかった。体も大きく、うなり声を上げていて怖かった」と話す。昨年秋にも、境内に出没の痕跡があったという。市によると、イノシシの出没は急増している。西蒲区でも2016年度にイノシシが初めて目撃されて以降、21年度は出没が2月末時点で56件に上った。親子とみられる複数頭が目撃されるケースも増加。市は山にすみかがあり、繁殖しているとみてカメラやわなを設置した。猟友会とも連携し捕獲しているが、21年度は4頭と前年度と同数にとどまる。市担当者は「警戒心が強く捕獲が難しい」と説明する。近年、登山者からの目撃情報も増えている。春の山のシーズンを控え、住民はイノシシと登山者の遭遇を心配する。堀川さんは「今年は例年よりも多いと感じる。行政には、より効果的な対策を練ってほしい」と求めた。秋葉区でも害獣の被害が身近に迫る。住民有志は地域の子どもたちを守ろうと、遭遇時の対処法をまとめた携帯用のカードを作成し、小中学生に配布を進めている。作成したのは、金津地区や山の手地区の住民でつくる「あきは害獣対策プロジェクト」。カードに使うイラストは、金津中学校(同区)の生徒が協力した。カードは折りたたむと縦7センチ、横5センチほどで、持ち運びに便利な大きさ。中面には2枚のイラストを配置し、イノシシだけでなく、クマに遭った場合も想定し、それぞれ取るべき体勢を示した。イラストには「首や顔をかばって伏せる」「腕で脇腹も守る」などと説明も添えた。金津中の2年生(13)は「人のポーズを大きく描いて分かりやすくした。安全策を覚えて命を守ってほしい」と話した。金津地区では昨年もイノシシの群れが確認され、農作物の被害も出た。プロジェクト代表の村上勝行さん(37)は「害獣からの身の守り方について、各家庭で話をするきっかけになるといい」と力を込めた。

(漁網絡まり弱るエゾシカ:北海道)
北海道東部の野付(のつけ)半島で、海岸に流れ着いた漁網やロープなどが角に絡まり、衰弱したエゾシカの姿が相次いで目撃されている。角に絡まった漁網などでつながった二頭が離れられなくなり、餌を食べられずに死ぬことも。環境保護活動に取り組む地元のNPO法人は「人が出したごみによる人災だ」と訴えている。

(ペット用ジビエ通販サイト:山口)
「おのだ」(山陽小野田市有帆、TEL 0836-81-0101)が2月1日、楽天市場にペット用ジビエ商品の通販サイト「お母さんの手作り-ペットのジビエもふもふ」を開設した。ペットフード用ジビエ商品の製造販売を手掛ける「おのだ」。厚狭・美祢・下関の3つのジビエ処理加工施設と提携して解体後の肉を仕入れ、煮沸するなどして殺菌と寄生虫除去を行って生肉によるリスクを排除し、下痢の原因にもなる余分な脂肪を手作業で取り除き、食べやすいサイズに切り分けて冷凍した物を真空パックに入れて販売する。「自宅で秋田犬を飼っている」という森本由美子社長は「わが家の犬も夏バテがひどく、食欲がなくなり体重も激減してしまうことがあった。主人が地元猟友会に所属していたので相談し、イノシシ肉をボイルして与えたところ、目をキラキラさせて食べ始めた。次第に体重も戻って元気になりジビエのすごさを実感した。同じように悩んでいる方にも勧めたいと思い、昨年12月に同社を立ち上げた」と話す。通販サイトでは、イノシシやシカ肉をボイルした物や、あばら骨、ハツなどを加工した8種類の商品をラインアップする。価格は、100グラム当たり1,980円~。店長を務める安藤志穂さんは、自宅でマメシバを飼っており、いずれはペットに関わる仕事に就きたいと思っていたところ、森本社長の話を聞き、その思いに共感して店長を引き受けたという。安藤店長は「おやつにも、いつものごはんのトッピングにもなるペットフード。無添加で低脂肪かつ高タンパクなので食欲回復のほか、肥満や食物アレルギーがある犬や猫にお薦め。愛犬家だからこその目線で、ペットも飼い主も安心できるものを届けたい」と話す。森本社長は「自然豊かな山口県だが、農作物への被害が深刻化している。捕獲した野生獣を処分・廃棄するのではなく、ジビエとして普及させることで、猟師、農家、処理施設の方々にとっても良いサイクルができる。有害鳥獣の駆除は森林や野山の環境保全にもつながる」と話す。「今後は、宇部市内のペットショップでも販売を予定している。ペットフードだけでなく、ペット用品などの関連商品も開発していきたい」と意欲を見せる。

(イノシシ活用、ソーセージを商品化:石川)
能登の素材を使った商品開発を手掛ける穴水町の有限会社クリエイトが3日、町内で捕獲されたイノシシ肉を使ったソーセージを商品化した。ソーセージは肉の風味を生かしたプレーン味、能登ワインの醸造用ブドウの葉を練り込んだ品、奥能登特産の原木シイタケ「のと115」を使用した品の計3種類。商品開発に協力した穴水町のジビエ利活用アドバイザー福岡富士子さん(大町)がソーセージの味を伝える動画を撮影し、動画投稿サイトで配信する。ソーセージは4月からクリエイトが通信販売するほか、「狩女の広場」(同町川尻)などでも販売する。

(ミカン植樹とジビエ試食体験:神奈川)
小田原市の曽我山で4月16日(土)、「みかんの植樹とイノシシ避けの柵設置&ジビエの試食」が行われる。9時半に梅の里センター駐車場集合。弁当、農作業用の服装など各自。

(今どきジビエの加工品は調理簡単)
国産ジビエは捕獲してから搬送、解体、精肉にするまでの仕組みづくりが各地で進められ、質が格段に向上している。害獣駆除の目的でシカやイノシシについては冬の猟期以外でも捕獲できるので、飲食店だけでなく、一般消費者もクオリティーの高い国産ジビエを通年、手にできる時代になっている。しかし、ネックになるのが食べ方だ。プロでないと扱いが難しいというイメージはまだまだ根強く、おいしく調理する自信がないという理由で購入に踏み切れない人が大半だろう。そこで、令和の食卓に合うジビエ加工品を販売している長野と島根の業者から、初心者向けのアイテムを取り寄せた。南信州にある「かつらの丘ジビエ工房」からは、シカ肉のソーセージ(3本240g/990円)と生ハム(120g/1000円)、ひき肉(400g/820円)を取り寄せてみた。同社の精肉の販売先は8割以上が飲食店だが、ソーセージや生ハムの加工品は調理のハードルが低いこともあり、一般消費者の購入がほとんど。生ハムはカットすればすぐ食べられるし、半解凍をごく薄切りにして皿に広げ、香りのいいオリーブオイルをかければ、牛肉のカルパッチョそっくりのオードブルにもなる。ソーセージは直径2.5cmと太めで、長さは15cmほど。1本が80gとずっしりしている。フライパンでじっくり焼くだけでいいので、調理に失敗する心配はほとんどない。力強い弾力とかむほどに広がるうまみにはビールなどの泡ものがぴったり。バーベキューに持参すればヒーローになれそうだ。同封の説明書におでんの具にもよいと書いてあったのをヒントにポトフ仕立てに挑戦してみた。水1Lにニンニク1片とローリエ1枚を加えて沸かし、野菜とソーセージを同時に入れて、塩とオリーブ油を大さじ2ほどまわしかける。沸いたら蓋をして弱火で1時間~1時間半煮込めば完成。やさしいうまみが野菜に染み込み、スープもすっきりと透明感のある味わいだ。食べるときにフレーク状の塩やマスタードを添えてもいい。ジビエといえば一般的に冬が猟期なので寒い季節の食材というイメージが強いが、同社では猟期が終わった春先以降、里に下りてきたシカをメインに取り扱っている。「春先から梅雨明けまでは、里に下りてくるシカが一番多い時季なんです。うちにも月に20~30頭ほど入ってきます。冬は山で捕獲されるので里で獲れるシカは減って月に1~3頭。夏から秋も減りますね。里で捕獲されたシカは、処理場に運ぶまでの時間が短くてすむのと、内臓を外したあと枝肉をすぐに冷却でき、体温による肉質の劣化が防げるので、食肉にまわせる比率が高くなります」(同社の村田真由美さん)。枝肉で3日以上冷却すると肉はやわらかくなり、うまみも増すため、「硬い」「臭い」は昔の話ということが食べてみるとよくわかる。商品には解凍方法や調理温度など、おいしく食べるための「鹿肉覚書」と一緒に、ひき肉用のレシピも同封されていた。シカ肉ナゲットやコロッケの作り方、ドライカレーレシピには、一緒に合わせたいターメリックライスやチャパティの作り方もあり、写真入りで丁寧に解説されている。「みなさんにおいしく食べていただくことでシカの命は完結するので、食べ方の提案は大事にしています。シカ肉はスパイスにとても合いますよ」。ということでドライカレーを作ってみた。ひき肉は塊肉から手切りしたようなぶりっとした弾力があり、少量で満足感がある。ジビエ料理の一歩をひき肉から始めるのもおすすめだ。肉を卸している取引先のシェフにレシピを依頼し、一般消費者向けのジビエ加工品を作っているのが島根の「おおち山くじら」だ。レシピ考案にシェフの力を借りることはめずらしくないが、自社のイノシシ肉をふだんから使っているシェフにしぼったところが、高いクオリティーと長く愛される商品につながっている。ホームページにはショウガ漬けやニンニク漬け、ガパオ風の味付けひき肉など、ごはんが進む加工品に加えて、冬と夏のイノシシ肉の食べ比べセットや、子イノシシが捕獲されたときに作る骨付き生ハムもスポット的に登場するなどユニークな商品がラインアップされている。今回はハンバーグ(2個入り700円)と冬イノシシの味噌すき鍋セット(3~4人前 3150円)を取り寄せた。同社では、せっかく自然の肉を使うからには、加工品も極力ナチュラルな原料で作ることを心がけている。人気商品のポトフやビール煮込みの缶詰は、副材料もすべて無添加。ほかの加工品も工房内で添加物を加えることはしない。(ただし、パン粉など原材料にすでに添加物が入っているものについては使用を認めている)。ハンバーグは解凍の手間がなく、冷凍状態から両面を3分ずつ焼くだけ。今回はトマトも一緒に焼いて、付け合わせ兼ソースにしてみた。ハンバーグの原材料はイノシシのひき肉とタマネギ、マヨネーズ、そしてつなぎのパン粉で肉の比率は76%。肉の弾力がほどよく生かされ、うまみも自然だ。バーガーのパテにちょうどいい厚みで、かみごたえも心地よく、焼いたトマトの酸味や甘みとも相性がいい。同じく焼いたトマト、生のスライスタマネギと一緒にイングリッシュマフィンに挟んでみた。パンとの相性が実にいい。タマネギはみじん切りでもよかったかもしれないが、パンと合わせることで、肉の味がさらに引き立てられた印象だ。鍋の冬イノシシはバラとロースの2つの部位が楽しめる。鍋用の味噌は丁寧にすったゴマに地元産の味噌を合わせて、ショウガとニンニクで香りづけされている。純和風の味噌仕立てというよりどこか無国籍な香りだが、生卵につけて食べると、すきやきの味わいになる。冬イノシシは分厚い脂がついていても脂っぽくないので、後味もさっぱりとしていた。「お問い合わせは30~50代の男性のお客様が多い印象です。1回食べてリピーターになってくださる方も多いですね」(おおち山くじら 代表 森田朱音さん)。月には台湾名物「魯肉飯(ルーローハン)」のレトルトが登場する予定だ。「魯肉飯」は小さな角切りにしたバラ肉を八角と一緒にトロトロに煮込んだもので、ラーメンやカレーに次いでここ数年、男性を中心に人気が高まっている。豚ではなくイノシシ肉で作るところから、新たなジビエファンの開拓にもつながりそうだ。同社では、県外の野生肉の処理施設と組んで、加工ノウハウを他県のジビエにも展開しようと、現在、厨房を拡張中だという。ここからさらに、令和の食卓に合うジビエ加工品が増えていきそうだ。自然のエサだけを食べ、毎日運動しているシカやイノシシの肉は、ビタミンや鉄分が豊富で肉質はすこやか。少量でも満足感が得られるので、良質のたんぱく源として習慣にしない手はない。まずは調理のハードルが低い加工品から少しずつ取り入れてみてはいかがだろう。

(ジビエ肉加工の24歳経営者に最優秀賞:京都)
地域の課題解決に向けて京都府内で活動する個人や団体を表彰する「京の公共人材大賞」の最終選考会と表彰式が5日、南丹市八木町の旧吉富小であった。京都市外で開催されるのは初めて。最優秀賞には、ジビエ肉の加工、流通の会社「RE-SOCIAL」を笠置町で経営する笠井大輝さん(24)が選ばれた。府内のNPO法人などでつくる実行委員会の主催で、今年で9回目。今回から会場を旧吉富小に移した。最終選考会には、1次審査を通過した京都市や南丹市、笠置町、伊根町などの12の個人・団体が出席。プレゼンでは、地域の子らを支援する子ども食堂の開催や、動画を通じた地域のにぎわいづくり、お試し住宅を活用した移住者の呼び込みなど活動内容についてそれぞれ発表した。笠井さんは獣害対策で駆除されるシカやイノシシの9割が廃棄される現状を解決しようと、龍谷大在学中の19年に大学の仲間と同社を設立。鹿肉のソーセージやスライス肉などを販売している。「これまでの過程が目に見える形で評価されてうれしい」と話した。

(「あるをつくして」駆除動物も食材:長野)
農作物に被害を与える鹿やイノシシは、駆除後は大半が捨てられる。その肉を料理にいかす仕組みが地元で作れないか――。長野県山ノ内町のシェフのアイデアが実現に近づいている。発案したのは、同町の「渋温泉食堂 gonki」オーナーシェフ、岸田陽一さん(38)。フランス東部のアルザス地方の有名レストランで修業した後、2013年に妻の里佳子さん(39)の実家がある長野県内に移住した。軽井沢町のホテルで働き、一昨年、レストランをオープンさせた。地元の獣肉をいかす道を考えたきっかけは、食材の仕入れなどで町民らと話す中で、駆除された有害鳥獣の大半が廃棄される現状を知ったこと。町内には町が管理する解体場があり、「命ある資源を廃棄するのはもったいない」と岸田さんは一昨年、獣肉の活用を町に提案した。これを受けて町は解体場を改修し、食肉処理業と販売業の許可も近く取得予定。地元の獣肉を食材として提供できる態勢を整える。町は今年度、有害鳥獣駆除として鹿24匹、イノシシ13匹、カモシカ6匹を狩った。今後は岸田さんのレストランなどに提供するほか、ふるさと納税の返礼品とする構想もある。町内では今冬から、希望者を募った「狩猟ツアー」も催されている。狩猟や解体場を見学したり、ジビエ料理を食べたりするもので、町内で旅館を営む石坂大輔さん(41)が企画。1月のツアーでは、10人の参加者に岸田さんが熊と鹿とイノシシの肉を用いた料理をふるまった。岸田さんは店でも猟期を中心に鹿肉のソーセージやキジのテリーヌなどを提供する。今は町外から取り寄せているが、町内での供給が軌道に乗れば、「地物」にもこだわりたいという。信州には、「食べ物を大切に残さずに」や「持てる力を出し切って」というような意味の「あるをつくして」という言葉がある。岸田さんは「あるをつくして、素材の魅力を引き出すのがモットー。それが、いずれスペシャリテ(特別な料理)と呼ばれるようになれば」と話す。日本ジビエ振興協会(長野県茅野市)によると、食肉処理業許可を取得した「ジビエ処理施設」は全国に約700カ所。ただ、国のガイドラインに基づいた加工処理をする施設として国の「国産ジビエ認証」を受けたのは、このうち27カ所にすぎないという。そもそも認証制度は2018年にできたばかり。ジビエ料理の普及を受けて、厚生労働省が14年に安全な獣肉の取り扱い基準をガイドラインで示し、農林水産省が認証制度を設けた。「鳥獣被害が増えて捕獲数も増える中、ジビエに特化した衛生管理が必要になってきた。(捕獲場所や時期を追える)トレーサビリティーの概念も大事」と同省担当者はいう。国の認証機関でもある同協会によると、ジビエの下処理や調理技術は料理の専門学校でも指導されないことが多く、十分な技術を備えた人が全国的にも少ないという。協会の代表理事で、茅野市でフランス料理店のオーナーシェフも務める藤木徳彦さん(50)は「ジビエは一時的に盛り上がったが、処理が甘い所もあり、『味はまあまあ』という口コミで少ししぼんだ。また盛り上げていきたい」と話す。長野県内で認証を受けた加工施設は、富士見町の信州富士見高原ファームと長野市のジビエ加工センターの二つ。このうち同センターは、県内最大級の施設として市が19年に総事業費約3億5400万円で設けた。ただ、十分な需要がなく、豚熱の影響でイノシシを扱えなくなったことも重なり、収支は年1千万円を超す赤字だ。3千万円かけて導入したジビエカーも使いにくいという意見がでて、活用方法を模索している。長野市内で捕獲された鹿のうち、センターに持ち込まれる割合は、昨年度の43%から今年度は56%に上がった(昨年12月末時点)。センターの清水弘巳所長(57)は「今は規格に沿った安心安全な肉を供給し、おいしいものだと理解してもらう段階」。20年からは、市内の学校給食でも積極的に提供されている。

(鹿メンチカツ×焼きカレー:長野)
長野市と長野県立大(長野市)の学生が共同開発した「鹿メンチカツボール」の期間限定メニューの提供が7日、市役所第1庁舎の「食堂ししとう」で始まった。ジビエ(野生鳥獣肉)料理の普及促進に向けた取り組み。

(信州ジビエ食べに来て:長野)
長野県は県内でジビエ(野生鳥獣の食肉)を使った料理を提供する飲食店の情報をまとめたリーフレット「信州ジビエを食べに行こう!」を発行した。店舗情報が閲覧できる特設サイトも用意した。リーフレットでは、ジビエ料理の提供店舗約110店舗をまとめた。東京・銀座にある県のアンテナ店「銀座NAGANO」や、名古屋と大阪にある観光情報センター、県内の道の駅などで配布する。県内では増えすぎた野生鳥獣の捕獲や狩猟を進めており、ジビエを地域資源として活用する取り組みが進む。近年は冷凍肉の流通により狩猟期間以外でもジビエ料理が楽しめるようになっており、通年楽しめる観光資源としてPRする。

(「ひたジビエ」ピンチ:大分)
大分県日田市が、地元の山などに生息するシカとイノシシの肉を新たな特産品「ひたジビエ」としてPRしながら、流通させる取り組みが危機に直面している。唯一の生産拠点である市獣肉処理施設の指定管理者を受託する組合が、組合員の高齢化やコロナ禍による経営悪化で、2022年度以降は受託できないと申し出たためだ。こ

(シカバーガーで盛り上げる:長崎)
シカやイノシシによる農作物の被害が多く、年間約千頭が駆除されているという五島市玉之浦町。過疎化が進む中、住民らが害獣の肉を使うジビエ料理で地元を活性化させようと約20年前に廃業した商店を改装し、新鮮なシカ肉を使ったハンバーガーなどの販売を始め、じわじわと人気を集めている。

(「ジビエフェスタ」:宮崎)
ジビエ(野生鳥獣肉)で中山間地域活性化をと、県は12日午前11時~午後4時、宮崎市のJR宮崎駅前「アミュひろば」で「みやざきジビエフェスタ2022」を開く。2020年度の野生鳥獣による農作物被害額は、熊本県5億4782万円(全国3位)▽鹿児島県3億9665万円(11位)▽宮崎県3億4542万円(15位)――。

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(旭化成グループの工場爆発、行方不明の24歳社員は火薬類の計量担当:宮崎)
宮崎県延岡市水尻町の産業火薬製造販売会社「カヤク・ジャパン」(本社・東京)の 東海とうみ 工場で1日に発生した爆発事故で、同社は2日未明、市内で記者会見し、爆発で全壊したのは「第一洗浄工室」と呼ばれる施設で、行方不明となった同社員黒木大地さん(24)(宮崎県門川町川内)が同室で火薬類の計量を担当していたことを明らかにした。同社によると、黒木さんはこの日、ほかの従業員2人と作業をしており、黒木さんが火薬類の計量、残る2人が運搬を担当していた。爆発は黒木さん以外の2人が運搬のため同室を離れた際に起き、2人にけがはなかった。爆発当時に黒木さんが同室内にいたかは不明という。同社は旭化成のグループ会社。軽傷を負った「旭化成エンジニアリング」社員の30歳代男性は、工事の関係で工場敷地内を歩いていたところ、飛んできた破片が当たったという。

(豚熱イノシシ確認:栃木)
栃木県は、栃木市と茂木町で見つかった2頭の野生のイノシシがCSF=豚熱ウイルスに感染していたと発表しました。栃木市で感染したイノシシが確認されたのは初めてです。県畜産振興課によりますと、先月23日に栃木市大久保町で1頭、さらに25日には茂木町上後郷でも1頭の野生のイノシシが見つかり、検査の結果、豚熱ウイルスに感染していることが判明しました。県によりますと、豚熱は豚とイノシシの病気で、人に感染することはないとされています。また、感染した豚、イノシシの肉が市場に出回ることはなく、仮に食べたとしても人体に影響はありません。県では、県内で飼育している全ての豚について、ワクチンを継続的に接種していることから、監視対象農場の設定や豚の移動制限などの措置は行わないとしています。県内で豚熱に感染したイノシシが確認されたのは、累計で84頭となりました。

(エゾシカ「わな猟」導入:北海道)
道は新年度、エゾシカの生息数の増加傾向を受け、国有林や道有林での「わな猟」を始める。シカの捕獲はほぼ市町村に委ねられてきたが、国有・道有林は銃の使用が禁止されている区域や複数市町村にまたがる場所も多いため、道は対策を強化することにした。生息数が急増している道南を含む道内8カ所を対象にわなを仕掛ける予定で、増加に歯止めをかけ、農林業被害などを抑える狙いだ。道森林管理局によると、国有林と道有林の猟銃使用禁止区域は1日時点で計約130万ヘクタールで、全体の約36%に上る。安全確保のため、林野庁や道の職員が伐採作業などを行う場所や、平地などで銃を使った狩猟が禁止されているためだ。

(正念場の鹿猟、森林組合が担い手に:長野)
冬は狩猟の季節だ。11月から2月15日まで狩猟が解禁され、動物の脂ものる。長野市松代町西条の山林で1月末、雪に残る無数の動物の足跡をたどり、4頭の狩猟犬が鹿を追って急斜面を走っていた。猟ではけもの道や寝床、フンを探す。鹿は縄張り意識が強く、カラマツに傷があれば近くに鹿がいるとわかる。鹿を囲って誘い出すポイントへ追い立てると銃声が響いた。その場ですぐに血抜きする。長さ1・5メートル、重さ約45キロの体に縄を巻き、ロープで引いて山を下りる原翔一朗さん(24)の足取りは軽い。作業場に戻る。猟の先頭を切ったウォーカーハウンドの「ダウ」はしっぽを振り、ご機嫌にみえる。解体した後、血肉を無駄にしないよう、イノシシの肉とともに煮て犬にやる。鹿肉のしゃぶしゃぶ鍋をつつく輪に、私も加わった。「苗の若芽が食べられてしまえば将来の木が育たない。切実な問題」。そう話す原さんは、所属する長野森林組合(長野市)の仕事として昨年から鹿猟をしている。千曲市出身。父も祖父も猟師で、小学生の時から一緒に山に入り、森の恵みを感じてきた。県外の大学を経て地元に戻り、自分も狩猟免許を取得。昨春、長野市周辺の森林整備や木材加工を担う長野森林組合に入った。「自分を育ててくれた信州の山に恩返ししたい」。道路にはみ出したり、枯れて倒れたりした支障木をチェーンソーで伐採している。多くの森で今、植林から60~70年経った木が切り時を迎えている。伐採後は新しい木の苗を植えるが、やっかいなのが若芽を食べる鹿。天敵だったニホンオオカミの絶滅や、里山が荒れて隠れ家が増えたこと、温暖化で越冬しやすくなったことなどが理由で、鹿は今や県内で21万匹に上ると県は推計している。森林という地域資源を持続して活用するための植林が、鹿の増加という別の現象に妨げられる。自然相手の難しさがある。原さんは昨秋、「狩猟で山を守りたい」と組合の上司に相談した。それがきっかけとなって県や猟友会とともに害獣駆除事業として取り組むことになり、異業種として取り組むことで国から300万円の交付金も受ける。数が多い東信から長野市周辺に来ているとみられる鹿を、原さんや猟友会員は今冬、約100匹狩った。その場で解体もできる長野市の移動式解体処理車(ジビエカー)を用い、市ジビエ加工センターにも運び込む。猟師の数は年々減っている。多くの猟師が登録している県猟友会の会員は4169人(20年度末)で、1984年度末のわずか2割。捕獲数は、年4万匹という県の目標の7割程度だ。長野森林組合の村石正郎組合長(82)は「鹿に植物がどんどん食べられており、個体数自体を減らす必要がある。市や県などが進める加工・処理の整備状況をみながら、猟師の育成も検討したい」と話した。おいの原さんに狩猟技術を教えた長野地方猟友会松代支部の原広平副会長(47)は「松代の辺りでは5年前は鹿の足跡も珍しかったが一気に増えた。増えすぎたら適度に狩らないといけないが、狩猟する人はどんどん減る。狩猟文化もなくなっている」とこぼす。県は2019年度、「管理捕獲技術者」という認定制度を新たに作った。管理捕獲とは、農林業に被害を及ぼす増えすぎた鳥獣を捕獲するもので、県独自で計画を作って実施する。技術者認定制度は、必要な知識や技術を備えた担い手を確保するものだ。県がめざすのは23年度までに15人。その1期生として今年度、2年間の狩猟研修を経た5人が認定された。農業、林業、塗装業などが本業の人たちだ。新技術を採り入れた狩猟の試みも進む。長野市松代町の山裾で2月21日夜、県や森林組合などによる実験があった。赤外線カメラを取り付けたドローンで広さ32ヘクタール内の山中の鹿の動きを捕捉する。活動パターンを把握し、足跡やフンなどの手がかりと経験則で追う従来の方法より精度を高める狙いがある。県の認定技術者の1人、小口恭兵さん(42)=諏訪市=も今年度から県の事業でドローンを使った狩猟に取り組む。「いつどこで餌を食べ、寝床はどこか。上空から捉えた情報と経験則を合わせれば、狩りの効率もよくなる」と言う。数は少ないが、新たに狩猟を始める人もいる。abn長野朝日放送で報道番組を統括するデスクを務める仁科賢人さん(35)は、狩猟の取材をきっかけに7年前に狩猟免許を取得した。出勤前に猟をすることもあるという。狩猟を始めたことで、自然への考え方に変化があったそうだ。「今はネットで注文して商品が届く時代で、食卓に並ぶ牛も鶏も豚も命を感じにくくなっている。子どもにも狩猟を見せることで、『いま生きているのは、この動物たちのおかげ』という命のありがたさを伝えている」と話す。

(捕獲鹿の情報管理スムーズに、ジビエ加工施設がクラウド導入:兵庫)
鹿をジビエに加工する兵庫県豊岡市日高町八代の鹿肉処理加工施設「やしろのめぐみ」が、猟師に捕獲された鹿の情報を管理できるクラウドサービスの活用を始めた。鹿の捕獲や加工に関する情報を消費者に公開することも可能で、代表の白井壮さん(43)は「安全性を証明するツールになる」と期待している。同市は鹿の捕獲数が年間約7千頭と県内有数。白井さんは産業廃棄物処理業を営む傍ら、自身も狩猟に携わってきた。駆除した鹿は埋設処理が必要だが、大きな穴を掘る作業などが高齢の猟師には負担だと感じていたことから、自身で2020年11月に処理施設を開設した。年間約300頭が猟師から持ち込まれ、ペットフード専用として、肉や骨などを乾燥させたジャーキーなどをインターネットで販売している。施設は県の認定を受け、県の定める11月~翌年3月の狩猟期間は、捕獲場所や大きさなど猟師から持ち込まれた鹿に関する情報を県へ報告する業務を担っている。今回は、電子技術を活用した狩猟関連サービスを展開する企業「ハンテック」(東京)が開発したクラウドサービス「ジビエクラウド」を試験的に導入。県が推奨するサービスで、これまで手書きで行っていた報告用の書類作成をパソコンやスマートフォンで行え、作業の効率化を図れる。さらに、誰が、いつ、どこで捕った鹿なのかを情報公開できるシステムも備わっており、QRコードを商品に貼っておくと、消費者がネット上で雌雄やサイズ、捕獲場所、わなの種類などを閲覧できる。2月中旬には県から委託を受けた丹波市の企業「野生鳥獣対策連携センター」のスタッフが訪れ、同システムの導入に関する説明を受けた。県は希望する施設を対象に3月15日までの狩猟期間に試験的に運用し、来年から本格導入する予定という。白井さんは「より広く手に取ってもらうために、信頼度を高めたい」と話している。

(新手法で鹿「お縄」、農作物の食害減へ実証試験:静岡)
鹿に農作物を食べられる被害を減らそうと、静岡県の富士農林事務所(富士市)が効率的に鹿を捕まえる新技術「竹内式誘引捕獲法」の実証試験を進めている。県によると、2020年度の農作物の鳥獣被害額は県全体で2億9688万円。うち鹿による被害が約4分の1を占めており、農家の頭を悩ませている。県は、ニホンジカの生息密度が高いと推定される伊豆半島や富士山周辺で捕獲に力を入れている。20年度の鹿の捕獲数は両地域で計2万3520頭。推定生息数は計4万3900頭で減少傾向にあるが、新技術が広がれば、さらなる捕獲数増が期待できる。竹内式は、(1)餌となる飼料「アルファルファヘイキューブ(AH)」を地面にまいておき、2日ほど鹿に食べさせる(2)AHを小さな穴の開いた透明の袋に入れ、高さ1・2メートルほどの位置になるように針金で木につるし、10日ほど鹿に食べさせて警戒心を解く(3)つるされたAHを食べる際に鹿が前脚を置く場所に「足くくりわな」を仕掛けておき、鹿が踏むとわなにかかる――という手順。地面に餌をまいてわなにおびきよせる従来の方法と異なり、餌を高い位置につるすため、鹿の視線が上を向く。このため、地面に埋めたわなに気づかず、かかりやすくなるのが特徴だ。また、竹内式は、AHで餌付けされない熊などの他動物を誤って捕まえることが避けられるという。AHを袋に入れることで雨にぬれないほか、わなの数が少なくて済み、効率的に捕獲できるという利点もある。県森林・林業研究センター在籍時の19年度に新技術を開発した富士農林事務所の竹内翔主任は「鹿を減らすため、雌を捕らえることが必要。雌にどれほど有効かが課題となる」と話す。センターは、竹内式で鹿がわなにかかる瞬間の動画を投稿サイト「ユーチューブ」で公開。富士農林事務所は、狩猟者を対象に竹内式の勉強会を開くなどして鹿の捕獲を進めたい考えだ。

(牡鹿半島、食でつながるサルとシカ:宮城)
石巻市の一般社団法人鮎川まちづくり協会が牡鹿半島の自然や文化・歴史を発信するシリーズ講座の一つ「おしか大学/与えるサルと食べるシカ」が2月27日、同市中央2丁目のIRORI石巻であった。金華山をフィールドにニホンザルの生態学を研究している石巻専修大の辻大和准教授が講師を務めた。「サルと植物」「サルとシカ」といった島の生き物のつながりを解説した。「サルは植物を食べるだけでなく排せつすることで種を運ぶ。食物のある場所がサルの生活パターンをつくる」と両者の関わりを説明。シカとの関係では「サルが木の上で動くことで落ちてきた実をシカが捕食している。確実に食べられる知恵だ」と話した。金華山はシカの生息密度が高く、若い木が育たない状況が続く。一方、トゲのあるサンショウやアザミ、食べられるとその分だけ大きくなる力を持つシバが残り「ゴルフ場のような景観ができている」と説明。「あまり木から降りないサルたちも芝生で遊んだり、刺激があるサンショウの実を食べたりしている。シカによる植生の変化がサルの生活にも変化をもたらしている」と話した。

(電車がシカと衝突:栃木)
1日夜、JR日光線で電車がシカと衝突し、上下線に遅れと運休が発生しました。JR東日本大宮支社によりますと、1日午後8時ごろ、JR日光線の下野大沢駅と文挟駅の間で電車とシカが衝突しました。この事故で、上下4本の電車が運休し、2本に最大で35分の遅れが出て、およそ500人の利用者に影響したということです。

(赤穂線に遅れ、シカと接触:岡山)
JR西日本によると、1日午後9時ごろ、赤穂線の日生駅付近で列車がシカと接触したため、車両と線路を確認した。この影響で、同線の一部列車に約20分の遅れが出ている。

(サルの徘徊情報:福岡)
福岡県警嘉麻署は3日、嘉麻市平付近で同日午前8時ごろ、サルが徘徊(はいかい)している目撃情報があったとして、防犯メールで警戒を呼び掛けた。

(不吉な予兆?異常気象?沼にカラスの大群:宮城)
夕焼け空を埋め尽くすようなカラスの大群が仙台市宮城野区の与兵衛沼付近に現れている。数は確認できるだけで数千を超える。「不吉な予兆?」「異常気象?」。近くの住民らは不安感を募らせている。2月下旬の午後4時すぎ、四方八方からカラスが集まり始めた。東から数十羽。数分もしないうちに南東から数十羽。南から100羽近く。また東から数十羽、西からも100羽近く…。両手に持った1000まで数えられるカウンターがあっという間に1回転する。集まったカラスは沼を囲んで生い茂る森の中で羽を休める。北側を振り返ると住宅地の電線に、まるで砂鉄が磁石にくっついたかのようにカラスがへばりつく。「カァ、カァ」「カァ、カァ」。森の中から響くカラスの大合唱。午後5時半すぎ、何の合図があったのか分からない中、カラスが一斉に飛び立ち、上空を舞う。1年ほど前から目立つようになった。近くの主婦(42)は「元々カラスの多い地域だったけど、最近の数は尋常じゃない。異様な光景。電線の下がふんで真っ白になっていて衛生的にも気になる」と話す。「今までのカラスの苦情は夏場に多く、冬場はゼロ件。そんなに増えているんですか」。苦情対応を担う宮城野区区民生活課の担当者は首をかしげる。住民の間にはうわさや推測が飛び交う。「森で白骨遺体が見つかったこともある。またかも…」「昔、近くに寺があった名残かも」「白鳥にあげた餌を食べにきている」などなど。「中国からの渡り鳥で、ミヤマガラスで間違いないでしょう」カラスの生態に詳しい東都大(千葉市)の杉田昭栄教授が写真を基に断言する。ミヤマガラスは主に中国に生息し、冬になると日本に渡ってくるという。1980年代は九州地方を中心に飛来していた。分布域は日本海側へと広がり、最近では太平洋側でも確認されるようになった。杉田教授は仙台でも目撃されるようになった理由を「中国で餌が豊富になるなどの繁殖状況が良くなり、個体数が増え飛来範囲が広がったのだろう」と分析。性格は温厚といい「主に稲穂を食べ、めったにごみ袋をつつかない。春になったら、いなくなります」とも話す。

(クマ出没:宮城)
大崎市によると、1日、大崎市鹿島台山谷地区にクマが出没しました。

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(草むらから出てきたイノシシが足首かむ:兵庫)
23日午後1時40分頃、兵庫県淡路市柳沢の墓地で、親族4人で墓参りをしていた加古川市内のパート女性(50)がイノシシに襲われ、足に軽いけがを負った。淡路署の発表によると、4人で墓の掃除をしている時に突然、イノシシが草むらから現れた。全員で逃げようとしたが、女性が追いつかれ、右足首をかまれたという。イノシシはそのまま立ち去った。イノシシの首には鎖がついていたといい、近くの民家で飼育されていた2歳の雄とみられる。体長は、約1・2~1・3メートル。数週間前に逃げ出したとして、飼い主から淡路家畜保健衛生所に届け出があった。淡路署員や市、地元猟友会のメンバーらがイノシシを捜すとともに、署の広報車を出すなどして周辺住民にも注意を呼び掛けている。

(許可銃の弾、識者「保管再考を」:広島)
埼玉県ふじみ野市で医師(44)ら2人が撃たれ死傷した立てこもり事件は、渡辺宏容疑者(66)の逮捕から28日で1カ月。使われたのは、医師の診断書提出や住居周辺の聞き込みといった厳しい規制下で、所持を許可された散弾銃だった。銃犯罪を防ぐさらなる手だてはあるのか。識者は使用目的によっては弾丸の保管場所を射撃場に変更するなど、規制手法の再考を訴える。「家族構成や仕事を根掘り葉掘り聞き、言動も注意して見る。そこで怒るような客には売らない」。埼玉県で銃砲店を営む60代の男性は、客の態度にまで目を光らせながら販売に当たる実態を明かす。今年1月には県外から訪れた客への販売を「生活状況が分からないから」と断った。実際に売り渡す客には「普段の振る舞いから気を付けて」と伝え、感情のコントロールができなくなるまで酒を飲まないようアドバイスする。「うちの客から犯罪者を出すわけにいかない」。日本での銃所持には、住所地の公安委員会への申請が必要とされる。銃の取り扱い講座や試験、射撃場での実訓練があり、捜査関係者によると取得には数カ月かかることが多い。近所の人への聞き込みなどを基にした審査も厳しいという。2007年には長崎県佐世保市のスポーツクラブで2人が死亡する乱射事件が発生。事件を受け、申請時に医師の診断書添付を義務付けるなど、銃刀法が改正され規制は強化された。警察庁によると、20年末で許可を受けている猟銃は約15万6千丁。16~20年には事故を起こしたなどとして230丁が許可を取り消されている。渡辺容疑者は00年と08年に許可を取得。目的はクレー射撃などが含まれる「標的射撃」としていた。埼玉県警によると、20年11月に許可を更新した際は医師の診断書も提出されており、欠格事由はなかった。狩猟やスポーツとしての利用環境を確保しながら、事件をどう防ぐのか。京都産業大の田村正博教授(警察行政法)は、標的射撃に関しては「使用場所が決まっており、弾丸を自宅にある銃と分けて射撃場で保管する制度にすべきだ」とし、害獣駆除など生活に必要なケースとは別の扱いが必要と指摘する。所持者の言動が不審な場合は近隣住人が地元の公安委員会に申し出ることができる銃刀法の規定に触れ、「制度の周知を進めるべきだ」と話した。

(イノシシの鳴き声判別、農業被害対策に可能性:島根)
米子工業高等専門学校(米子市彦名町)の5年生2人が卒業研究で、山林のさまざまな音の中からイノシシの鳴き声を判別するシステムの開発に取り組んだ。

(サル追い払いにドローンも、動物用煙火の扱い学ぶ:兵庫)
農作物を荒らすなどの被害をもたらすサルを畑に近づけない「追い払い花火」の扱いを学ぶ「煙火消費保安手帳取得講習会」がこのほど、兵庫県丹波篠山市畑地区の拠点施設「みたけ会館」などで行われた。午前は市有害鳥獣対策推進協議会が、午後はみたけの里づくり協議会が主催し、計約60人が受講した。狩猟の際に犬の鳴き声を響かせながら飛ばすドローンの説明会もあり、参加者たちは、サルの追い払いへの活用も見据えながら興味深そうに見学していた。同講習会は、ロケット花火よりも火薬量の多い「動物駆逐用煙火」を使用するにあたり、受講が義務付けられている。同講習を受け、保安手帳を所持している人のみ同煙火が使用できる。同有害鳥獣対策推進協議会は、新規と更新の講習会を年1回ずつ開催。これまでに約160人が受講している。このほか、畑地区のように地域で開催するケースもある。日本煙火協会の会員、株式会社ライズ(岡山県)から講師を招き、点火や発射時の注意点、保管方法などについて説明を受けた。また、屋外で実際に煙火を発射する実技も行われた。同有害鳥獣対策推進協議会の講習会に参加した男性(37)は、「自分の畑で被害を受けたことはまだないが、集落の中でよくサルを見る。少しでもサルが来る頻度が減れば、村の人への被害も減る」と思い受講。「煙火は思った以上に発射音が大きかった」と話していた。ドローンの説明会では、狩猟用や農薬散布用ドローンが紹介された。株式会社アエロジャパン(京都府福知山市)と京都府猟友会が共同開発したハンティングドローンは、猟犬の鳴き声を響かせることや、煙火の発射が手元のコントローラーでできる優れもの。カワウやカラスの追い払いにも利用されており、「『犬猿の仲』というくらいなので、サルにも効果があるのでは。ほかにサルが嫌う音があれば、それを響かせることもできる」などと説明していた。

(地域と狩猟者を結ぶ「かりつなぎ」:奈良)
森庄銘木産業株式会社(本社:奈良県宇陀市、代表取締役:森本定雄、以下「森庄」)は、「かりつなぎ」サービス開始に向けた狩猟体験イベントを宇陀市と2回共同開催しました。過去のイベントでは合計28名の方に参加頂きました。多くの参加者から継続的に狩猟に関する体験や学びの機会をリクエストを頂いており、今回は宇陀地域で活躍する先輩猟師の方に協力を頂き、実際の狩猟方法を教えてもらう事でより、初心者が狩猟スキルを身につけてもらえるイベントになります。本イベントでは、獣害が確認された山林で罠設置箇所を選定するなどの実践的な狩猟体験を通して、参加者のスキル向上を目指したイベントになります。また、「かりつなぎ」サービスは宇陀市の狩猟関係人口を拡大させることによって森林や林業での獣害低減を目標としています。

(中山間地の鳥獣害、異業種連携が防止の鍵:四国)
ニホンジカが原因の林業被害を防ごうと異業種間の連携が進んでいる。四国森林管理局愛媛森林管理署は、四国風力発電と連携協定を結んで、見回りや野生鳥獣の捕獲を分担する。高齢化で労力が不足する中、異業種が連携して鳥獣害を防ぐ仕組みを農業分野にも広く取り入れたい。四国の主要な野生鳥獣による森林被害は、2016年が372ヘクタール、20年には436ヘクタールと年々増えており、東部・西南部を中心に、ニホンジカによる杉やヒノキの苗木、成木樹皮の食害といった被害が深刻化している。特に鹿の雌は毎年妊娠するとされ、捕獲しなければ年に2割増加し、4、5年で個体数は倍増する。四国のニホンジカの生息状況は、適正頭数が高知県で9200頭、愛媛県で8000頭なのに対し、現状は高知県で約8倍の7万7000頭、愛媛県は4倍の3万4500頭と大幅に上回っているのが実態だ。このため同署は、国有林に設置された風車を管理する四国風力発電側に、設備作業をするついでに、わなの管理や捕獲した鹿の止め刺しから処理、回収まで担ってもらおうと連携を打診、協定にこぎ着けた。同局は民有林と国有林の関係者が一体となった鹿被害対策を推進しており、これまでに6件の協定を締結してきた。中山間地の過疎高齢化が進む中で、山林の管理が行き届かなくなっている地域は増えている。全国の国有林で鳥獣害の影響を受けている山林は1000ヘクタールに上る。農地も同様で、野生鳥獣による農作物への被害面積は、20年度は全国で4万3000ヘクタールと前年より5000ヘクタール減ったが、被害額は同161億円と前年より3億1000万円増えた。増え続ける鹿被害に対応するため、同局は安価で使いやすい小型囲いわな「こじゃんと1号・2号」を開発。技術や経験を必要とせず、軽量、低コストで簡単に組み立てられるため、現場での導入が進んでいる。異業種を巻き込んで鳥獣害対策を進めるためには、誰もが安全に使える技術の普及も重要だ。こうした手法は、鳥獣害対策だけにとどまらない。産業廃棄物の不法投棄を防ぐため、茨城県では県とJAグループ茨城などが協定を結び、地域の見回りをしたり、ヘリコプターで不適正処分を監視したりしている。高齢化が進む中山間地域では、集落の維持さえ難しい地区は多く、鳥獣害対策まで手が回らないのが現実だ。農山村の営みを維持していくためには行政や民間企業、JAなど多様な業種が連携することが解決の糸口となる。農業現場でもこうした連携を広く取り入れ、被害の軽減につなげていこう。

(シカの目撃、スマホに入力:愛知)
シカの目撃情報をスマートフォンに入力してもらい、インターネット上の地図に集約する「シカ情報マップ」が、農作物被害などに苦しむ住民に注目されている。山林に入って個体数を確認する従来の調査法より低コストで広範囲をカバーでき、過去5年間の目撃情報は約1万6千件に上る。システムは、愛知県森林・林業技術センターなどが開発した。一般の人がサイト上の地図に頭数や雌雄の別を入力。手元にスマホがあれば、誰でもいつでも全国の情報を閲覧できる。シカの分布に関する調査はこれまで行政や研究機関が担ってきたが、労力がかかり、広範囲の調査が難しいといった欠点があった。

(鳥獣捕獲マナー、隊員らが再確認:兵庫)
丹波篠山市は2月27日、有害鳥獣捕獲活動のための「市鳥獣被害対策実施隊員」向けマナーアップ講習会を四季の森生涯学習センター(同市網掛)で開き、同市猟友会(酒井克典会長)関係者約60人が参加した。市の担当者は、特別職の非常勤公務員としての法令やマナー順守を再確認するよう呼びかけた。同市での有害鳥獣捕獲の狩猟期間は、銃器は3月16日から9月15日まで、わな猟は11月10日まで。狩猟鳥獣(48種)以外も対象になる。

(猪鹿蝶の看板で衝突事故半減:和歌山)
和歌山県警串本署は25日、花札の絵柄をモチーフに、イノシシやシカとの交通事故に対して注意を呼び掛ける看板を制作して国道42号沿いなどに設置した木下建設(有田市)に感謝状を贈った。昨年は設置後の7月以降、同署管内で発生したシカやイノシシとの交通事故は5件で、前年同時期の半数以下に減ったという。花札の「猪鹿蝶(いのしかちょう)」をモチーフにした看板は、イノシシの絵と「当て逃げ注意」という文字、シカの絵と「猪鹿飛び出し」という文字のほか、チョウの絵と「すさみ串本道路」の文字が記された計3種類。大きさは縦165センチ、横55センチで、夜間でも見やすいよう反射する素材で作ったという。高速道路「すさみ串本道路」の工事に五つの現場で携わっている木下建設が、すさみ町から串本町の国道42号沿いでシカやイノシシと車が衝突する事故が相次いでいることを知り「工事で地域の方にご迷惑をかけており、啓発活動に協力できれば」と同署に提案。昨年6月下旬から、担当している工事現場の入り口付近などに計24枚の看板を設置し、ユニークなデザインがドライバーの目を引いてきた。同署によると、管内で昨年発生したシカやイノシシとの交通事故は19件。おととしの20件より1減にとどまっているが、看板設置後の7月以降で比べると、一昨年の12件から昨年は5件に減ったという。感謝状の贈呈は同町串本の串本署であり、同町和深にある同社のすさみ串本道路小河瀬谷川地区他改良工事小河瀬谷川作業所の宮本龍一所長に、泉政勝署長が手渡した。宮本所長は「道路管理者である国土交通省のご協力で看板を設置することができた。たまたまかも分からないが看板設置後は事故が減っており、効果があったのかなと思う。感謝状を頂き、改めて皆さんに知っていただく機会になるので非常にうれしい」。デザインを担当した岡田季代さん(大阪府池田市)も「イノシシとシカと聞いたときに、花札の猪鹿蝶が浮かんだ。インパクトがあるとSNS(会員制交流サイト)でも紹介されているのを見てうれしかった。動物との衝突事故がなくなってほしい」と話した。同社では現在担当している工事が3月下旬に終わった後も、来年度から携わる工事現場の近くに引き続き看板を設置できるよう、道路管理者と調整していく予定という。

(ドローンで夜のニホンジカ生態調査:静岡)
静岡県はドローン(小型無人機)を使い、食害で生態系や林業に影響を与えるニホンジカの生態調査を伊豆市で実施した。活動が増える夜間、人が入りにくい山間部のどこにどれだけ生息しているかを把握する。狩猟者と情報を共有し、捕獲を効率化する。調査は2月に伊豆市の棚場山周辺などで実施。ドローンを自動操縦にして、搭載した赤外線カメラを使いリアルタイムで観察できるのが特徴だ。県がドローンによる夜間のニホンジカの生態調査を実施するのは初めてという。ニホンジカは樹木の樹皮や苗木を食べすぎて枯れ山の要因をつくるなど、食害が課題となっている。

(特定外来生物「キョン」急増、高級革製品に活用の道も:千葉)
千葉県内で急増し、農作物被害が深刻化しているシカ科の特定外来生物「キョン」の革を有効活用しようと、地元の業者や猟師が奮闘している。捕獲後は殺処分されるのがほとんどで、命を粗末にすることに疑問を抱いていたところ、キョン革のつやのある性質に着目。「お尋ね者」を高級品に生まれ変わらせようと試行錯誤を続けている。千葉県自然保護課によると、キョンはもともと中国や台湾に生息し、国内では他に伊豆大島(東京)でも確認された。千葉では1960~80年ごろ、勝浦市の観光施設から逃げ出した個体が繁殖したとされる。県内の生息数は2006年に推定約9200頭、20年には5万頭超に。

(捕獲されたイノシシ、2年連続で3万頭超:岡山)
昨年度、県内で捕獲されたイノシシの数は3万1000頭あまりと、2年連続で3万頭を超えたことがわかりました。県は、引き続き被害の防止に向けた対策を、支援していくことにしています。県のまとめによりますと昨年度、狩猟や駆除などで県内で捕獲されたイノシシは3万1650頭で、過去最多だった前の年度よりも295頭減少しました。イノシシの捕獲数が、3万頭を超えるのは2年連続で、昭和60年に統計を取り始めてから、過去2番目に多くなりました。一方、シカの捕獲数は1万5375頭で、前の年度に比べて1500頭あまり増加し、過去最多となりました。農業への被害額では、イノシシがおよそ9500万円と最も多く全体の6割を占めたほか、シカがおよそ3200万円、サルがおよそ2500万円などとなっています。県鳥獣害対策室によりますと、狩猟期間の延長や捕獲費用の助成などによって、県内のイノシシやシカの推定の生息数は減少傾向にあるということで、引き続き被害の防止に向けた対策を支援していくことにしています。

(若手ハンター駆ける、日本一の「狩猟県」:高知)
大海原のイメージが強い高知県だが、森林率(県面積に森林が占める割合)は84%と日本一の「山の国」でもある。中山間地では古くから狩猟が盛んで、人口当たりの猟友会員数が全国で最も多い。野生鳥獣による農業被害が問題化する中、クローズアップされているハンターの世界。現場で見えたキーワードは若者、そして女性だ。「持ってみてください。大丈夫ですよ」。高知県が2021年12月、高知市内で開いた「狩猟フェスタ」。会場に並べられた模擬銃を興味深そうに見る来場者に、高知県猟友会青年部のメンバーたちが声を掛けた。青年部は20年5月に発足した。県猟友会の会員約3500人のうち、18~55歳の約600人が加入している。狩猟の振興を目指す県主催のフォーラムで知り合った数人が意気投合し、設立にこぎ着けた。近年、若手が新たに組織を作るのは全国的にも珍しい。ハンターの世界は高齢化が進み、高知でも60歳以上が会員の8割近くに達する。県猟友会の高橋徹会長(70)は「若手を育てることは長年の課題だった。自分たちから『組織を作りたい』と声を掛けてくれたのはうれしい」と笑顔を見せる。中でも存在感を増しているのが女性ハンター。狩猟フェスタに参加した高川絵理さん(34)=高知県香美市=は狩猟歴8年目で、狩猟をPRする全国ポスターも飾ったホープだ。

(「巻き狩り」に同行した:高知)
「下に何かおる。向こうに犬つけるき。ここにおって」。前を歩くハンター歴50年の五百蔵邦秀(いおろい・くにひで)さん(70)=高知県香美市=が振り返り、静かな声で指示した。ともに歩き始めて1時間余り。猟犬のビーグルが周囲をかぎまわり、首に付けた鈴の音が響く。2021年12月、高知県猟友会の青年部が開いた「広域捕獲体験」に同行した。高知市から車で約1時間離れた山中で、地元のベテランハンターから「巻き狩り」を学ぶ機会で、狙うのは鹿やイノシシ。猟犬で獲物を追い立てる「勢子(せこ)役」と、銃を手にして待ち伏せる「打ち子」に分かれ、無線で連絡を取り合いながら集団で行う猟だ。午前7時半、集合場所の駐車場に着くと、オレンジ色のベストを着た一団がいる。参加者は20人ほど。半数は20年5月に設立された青年部に所属する。戸田英作部長があいさつに立つ。「(巻き狩りには)去年初めて参加させていただいた。猟のルールはいくつもあるが、地元には地元のルールがある。今日は肌でそれを感じたい」。早速、打ち合わせが始まった。軽トラックのフロントガラスに手作りの地図を張り、どこに誰を配置するか決めていく。猟師といえば眼光鋭く、寡黙な男たちを想像するが、誰もが気さくで温厚。冗談も飛び交う和やかな雰囲気だ。車に分乗し、目的の山に着いた。午前8時40分、五百蔵さんらベテランが先頭に立ち、若手が続く。すぐに急な坂になり、石垣の間をよじ登っていく。水たまりにはいくつものイノシシの足跡。体験会のため、この山では3カ月ほど猟をしていなかったという。しばらく歩くと、若手の打ち子が一行から分かれた。追われたイノシシが逃げる経路を山の形状などから予測し、茂みに潜む「待ち」に入るのだ。私は、五百蔵さんとビーグル犬の後について登っていく。70歳の足とは思えない。道の判別がつかない山中をどんどん進んでいく。五百蔵さんが歩けば歩き、止まれば止まる。周囲の様子をうかがい、耳をそばだてる。ビーグル犬が走り回り、獣の臭いをかぐ。歩き始めて約30分。遠くで犬がほえた。「(獲物が)こっちに来ゆうかも分からん。輪の中に入ったらええけど、合間を逃げることもあるきね」。見通しのいい分かれ道に出たところで、私は1人で待つよう指示された。五百蔵さんが山中に消えて40分。静かな山の空気が、無線からの声でかき消された。「山の下まで追い込んじゅうきね」。私のいる位置より下方で狩りが進んでいるようだ。数分後、銃声。ズーン。思ったより低い音だ。数秒後に更に2発。無線が断続的に鳴る。「イノシシ」「どればあ(どれくらい)」。捕れたのだろうか。私宛てに五百蔵さんから無線が入った。「井上さん、そっち上がっていくき。もうちょっと待っとってよ」。歩いていった道とは別の道から五百蔵さんが姿を現した。「捕れたんですか?」。思わず早口で聞いた。「捕れたみたいやね。そう、イノシシ。5貫(1貫は3・75キロ)ばあ。そんなに大きゅうない」。五百蔵さんが無線で全員に伝える。「打ち、解いて(発砲をやめて)。若い人(を仕留めた現場に)上げて。勉強やから」。五百蔵さんと現場に向かう。やはり健脚。必死で後を追いかける。尾根から少し下った場所でイノシシが倒れており、岡本俊一さん(72)が猟銃を手に座っていた。「ビーグルがイノシシを追ってきたがよ。(撃った)距離は20メートルぐらいかな」。イノシシの足と鼻を縛り、2人がかりで山道を引きずっていく。巻き狩りで獲物を捕れる確率は半分ほどといい、今日はなんとも幸運な日だ。民家近くに移動し、解体が始まった。全員で記念撮影した後、台の上に置かれたイノシシに湯を掛ける。毛がむしりやすくなるという。慎重に包丁を入れ、薄皮をはぎ、内臓を取り出す。処理の仕方で味は大きく変わるため、ベテランハンターたちがコツを教えていく。冗談を飛ばしあいながら作業し、イノシシはすっかり肉片になった。猟に加わった者には必ず等分に分けられるそうで、私もこぶし二つ分の肉を2個いただいた。自宅に持ち帰って触ると、まだ温かみがある。薄く切って焼き肉にすると、臭みはなく、脂肪を落とした豚肉のようだ。イノシシの肉は「山鯨」とも呼ばれる。鯨と味が似ているだけでなく、多くの人が協力して獲物を追い込む醍醐味(だいごみ)が同じなのだろうか。週に1回、同世代の仲間と有害鳥獣の駆除を続ける五百蔵さんの言葉を思い出した。「猟は健康のバロメーター。みんなが協力せんと成功できん。でも、いつまでも僕らができるわけでもない。若い人たちが後継者として巣立ってもらいたいね」。持続可能な地域社会のため、狩猟の現場も模索を続ける。

(発砲する猟師、撃たれる熊:岐阜)
岐阜県飛騨市神岡町の山之村地区の熊猟を撮影した写真集「熊を撃つ」が出版された。千葉の沿岸捕鯨や沖縄の伝統漁など、人と野生の関わりをテーマにしてきた沖縄・石垣島在住の写真家、西野嘉憲さん(52)が、江戸時代から受け継がれる熊猟を、2008年から17年までの足かけ10年に8回、約100日間にわたって滞在、記録した。西野さんは新型コロナウイルス感染拡大を受けて、「数百年に1度の疫病が 蔓延まんえん する今、狩猟を通して自然への畏怖を想起し、人間のあり方を見つめ直すきっかけになれば」と、この時節に出版した理由を語っている。同地区は富山県との県境の標高1000メートル前後に点在する七つの集落の総称。西野さんによると、熊猟は2月の初旬から15日に集中して行われることが多い。5人程度の人数で、漢方薬として珍重される胆のう「熊の 胆い 」が肥大している冬眠明けの熊を狙う。西野さんが同地区の熊猟に注目したのは、当時、地区に住み着いた知人がいたこともあるが、冬眠穴から熊を追い出し、目前で撃つため、熊と人間が至近距離で 対峙たいじ すると聞いたからだ。狙い通り、発砲する猟師、撃たれる熊の双方を捉えた写真はリアルな迫力に満ちている。写真集には、撃った熊を解体し、汁にして食べる様子や熊の胆作りのほか、寒気を利用した「寒干し大根」作りや正月飾りの花もち作りなど、伝統を守る地区の日常も活写されている。西野さんは「山之村は自然環境が厳しいゆえ、そこに暮らす人々は都市社会で失われた英知やたくましさを身につけていて、自分に足りないことを気づかせてもらった」と話す。写真集を送ったところ、猟師の一人から「代々続く熊猟を記録してもらって感激です」という連絡をもらったという。今年1月には東京で写真展を行ったが、地元の岐阜県飛騨市でも改めて写真展を開きたい意向だ。

(全国で120頭の希少な猟犬「梓山犬」:新潟)
新潟県上越市新光町1の久保埜政義さん(75)宅にこのほど、和犬の猟犬「梓山犬(あずさやまいぬ)」がやってきた。全国で飼われている梓山犬は120頭に満たないほど希少で、NPO法人「梓山犬血統保存会」によると上越市内で飼っているのは久保埜さん宅のみ。梓山犬の血統保存、有害鳥獣対策犬育成活動に取り組む同NPOによると、梓山犬はかつての長野県南佐久郡梓山村が原産。いわゆるペットではなく、猟をはじめ有害鳥獣対策や人間の介助、クマなど大型獣から人間を守る「使役犬」として国内で飼われている。同NPOはブリーダーとは違い、迎え入れる飼い主の住環境をはじめ、犬の運動量を確保できるか、飼い主に万が一の事態が起きた場合、犬の世話をする代わりの人がいるかなどを確認する。飼うには同NPOの審査や条件をクリアする必要がある。久保埜さんは今から約2年前、自身が通うスポーツジムでランニングマシンを使用中、県内で飼われている梓山犬の映像を偶然目にした。猟犬と知り、自身が渓流釣りや山菜採りに出かける際の“パートナー"として興味を持った。知人から同NPOを紹介され、分譲を申し出たという。久保埜さんは梓山犬について「凛々しくてとにかく格好が良かった。釣りや山は普段1人で出掛けるので、クマよけにもなると思った」と話す。同NPOの高橋はるみ専務理事によると、近年は新型コロナウイルスの影響で、県外移動がままならず、犬の交配も難しくなり、梓山犬の出生数も増えなかった。久保埜さんは約2年間待機し、岐阜県で生まれた雄が今年1月16日、久保埜さんの元にやってきた。「純」と名付けられた。純がやってきて久保埜さんの生活は一変。一日4度の散歩、しつけなどでこれまで以上に多忙な日々を送ることになった。久保埜さんは「純はとにかく人懐こくてかわいい」と目を細める。今は積もった雪の上を走ったり、車など周囲の音に敏感に反応したり、愛嬌(あいきょう)ある表情で周囲を笑顔にする純に「とにかく力が強い。自分の体力を付けていくことも欠かせない」と久保埜さん。「釣りや山菜採りへ連れて行くことが今から楽しみ。クマよけにもなる。一緒にいるととても心強い」と純をなでた。純を通して同NPOをはじめ、新たな人々とのつながりも生まれ、梓山犬の先輩飼い主らと交流を深められることにも喜ぶ。「たくましく育つよう、しっかりとしつけたい」と話している。

(シカ5頭ひょっこり:新潟)
板倉区米増のゑしんの里記念館付近で25日、ニホンジカ5頭が目撃された。思わぬ来訪者に、近隣の住民は驚いていた。同区山越の丸山治夫さん(64)は午前7時すぎ、自宅の窓から田んぼの雪の中にうずくまる5頭のシカを確認。田んぼを横切ったり、新幹線高架橋下の道路を歩いたりするシカの様子を撮影した。

(角が外れない!エゾシカ2頭格闘の末:北海道)
音更町のフィッシングガイド吉原拓志さん(45)が2月22日、鹿追町内の国有林内で、角同士が外れなくなった雄シカ2頭が格闘する場面を目撃し、写真に収めた。吉原さんはモモンガ観察のため散策中に2頭の雄シカを発見した。当初は角を突き合わせているように見えたが、角が外れない状態だと分かった。原因の一つは1頭が奇形の角を持ち、根元から枝分かれしているためとみられる。その後2頭は小川に転落していったいう。後日、記者が現場を訪れた。林間のスキー跡をたどり沢沿いに下りると、奇形の角を持ったシカが小川の中に横たわっていた。うっすらと新雪が積もり、死にたえて時間がたっていることが分かった。どうやら共倒れとはならず、1頭が死んだ後に離脱できたようだった。付近にはシカが暴れた形跡が生々しく残っていた。状況を吉原さんに伝えると、「最後の力をふりしぼったのか、たまたま知恵の輪のように外れたのか。野生動物の生きようとする力はすごい」と驚いていた。自然界ではシカの亡きがらは猛禽(もうきん)類やヒグマなどの食料となる。

(東出昌大、富士山麓で狩猟生活)
長年所属した事務所を解雇された東出昌大さん。世間から逃れるように向かった先は人里離れた山奥でした。離婚前に杏さんの勧めで狩猟免許を取得し、富士山のふもとで狩りをするのを趣味にしていたという東出さん。玄人はだしの腕前で、イノシシや鹿を自分でさばくこともできるそうです。現在の東出さんについて知人は「地元の人が騒動を知らないことにも心が安らぐそうで、なけなしの金で買った中古車を自分で運転して頻繁に山に籠もっています」と明かしています。

(穴掘り不要の新型くくり罠:宮崎)
イノシシの捕獲には「くくり罠」と呼ばれる道具が広く使われています。獣道のなかでイノシシが足を置く場所を予測し、その場所にくくり罠を設置します。設置したくくり罠をイノシシが踏むと、罠が作動してワイヤーが締まり、イノシシの足を捉えるという仕組みです。一般的なくくり罠は地面に穴を掘って設置しますが、くくり罠の大きさに応じて地面に穴を掘らなければならないので、なかなかの重労働です。地質が硬かったり、植物の根が多くあるような場所では、さらに作業が大変になります。株式会社refactory(以下、refactory 本社:宮崎県宮崎市、代表取締役 守屋将邦)と株式会社TSJ(代表取締役:仲村 篤志 以下TSJ)は捕獲作業の効率化および捕獲率を上げるため、穴掘り不要の新型くくり罠「TSJ」を開発し、リリースいたしました。

(「箱わな」高校生の技光る:岡山)
各地で農作物を食い荒らすイノシシの獣害を減らすため、県立笠岡工業高(笠岡市横島)の生徒が作っている捕獲用の箱形のわなが、3年間で通算50基に到達した。市販の材料をやりくりし、溶接や電子機器など学んだ技術や知識を生かして価格を抑えつつ、強度や捕獲の効率を高めた。笠岡市内だけでも年間200頭以上を捕獲する優れものに仕立てた。笠岡工の生徒は授業に加え、有志が身近な問題や地域に「工業の力」で貢献する活動「笠工テクノ工房」に参加する。生徒が依頼を受けて解決するまでの経験を重視し、イルミネーションの飾り付け、遊具を収納する台、手指消毒用アルコール容器のスタンドの製作など、成果を上げている。箱わな作りは、深刻な獣害に悩む笠岡市の依頼を受け、2019年度から約20人でスタート。当初は一般的な設計図を基に、市販の鋼材で幅と高さ各90センチ、奥行き約1・8メートルの格子状のおりを組んで十数基を納入した。ところが、いったんは捕らえたイノシシが体当たりで合板製の扉を外したり、上面と側面の継ぎ目を広げたりして、逃げられることがしばしばあった。林章功主幹教諭は「生徒たちは監視カメラの映像にショックを受けては、農家の人や猟師らに助言を仰いで改良していった」という。2年目には、扉を落として固定するレールの溝が浅いことが強度不足につながっていると分析。溶接技術を高め、内部が空洞になっている丈夫な角柱を縦割りにして深い溝のレールにするなど工夫し、製造コストも当初の半額以下の約8000円まで下げた。さらに餌にしのばせたワイヤが外れるシンプルな仕組みだけでなく、イノシシの動作を感知するセンサー式も開発した。進入して扉を落とすまでの間隔を40秒に延ばして親子など2頭以上を誘い込めるようになり、太陽光発電のパネル付きで充電や電源も不要と、工業高らしさを発揮した。わなの効果は大きく、笠岡市のイノシシ捕獲数は20年度に747頭と前年度比の約1・8倍と大幅に増え、笠岡工製が200頭以上に関わったという。電子機械科の塩飽功之助・科長は「課題に悩んでは若者らしい柔軟で豊かなアイデアで打ち破った」とたたえる。22日に最新の3基と製造のポイントをまとめた動画のDVDを笠岡市に寄贈した。小林嘉文市長は同高を訪れ、「オリジナリティーにあふれ、多大な貢献をした」と感謝状を贈りお礼を述べた。同科3年の広岡力さん(18)は「いろいろと工夫してみんなの役に立ててうれしい。達成感があり、いい思い出になった。改善する点は後輩に託します」と話していた。

(「キョン」駆除して食肉へ:千葉)
農作物を食い荒らす“厄介者”、シカ科の特定外来生物「キョン」。千葉県では駆除した「キョン」を食肉にして有効活用する動きが広がっています。もともとの生息地・台湾では高級食材で、臭みもなく食べやすい肉だということです。

(設置容易、アルミ製箱形わな:千葉)
県南部で被害が拡大しているイノシシやシカ、キョンなどの有害獣を生け捕りにする箱形わなを茂原市の金属加工会社「房総プラント」が製作し販売を始めた。わなは間口1メートル、高さ1メートル、奥行き1・8メートルのアルミニウム製で、中に置いた餌に誘われた獣が入ると入り口のゲートが降りて閉じ込める。6分割できる組み立て式のため移設作業が容易で、15分ほどで設置可能。「INORI(猪檻)」と命名した。生け捕りした獣を移して運ぶ搬送箱も製品化した。

(カメラが捉えた“獣の呼吸”:静岡)
静岡県立森林公園は3月末まで、企画展「定点カメラがとらえたケモノ展」を浜松市浜北区の同公園バードピア浜北で開いている。園内の定点カメラで撮影した動物の写真パネルや、県森林・林業研究センター(同区)から借り受けた剥製などを展示した。写真パネルは2017年以降に捉えたニホンカモシカやテンなど13種を展示。イノシシやタヌキなどの剥製は触れる。動物が土を掘り返した跡や木の実の食べかすといった「フィールドサイン」の解説や、浜松学芸中・高の生徒が調べたイノシシの研究データも並ぶ。同公園自然解説員の瀬下亜希さん(53)は「獣の息づかいを間近に感じて」と話す。

(ジビエ活用の功績評価:愛媛)
2021年度の鳥獣対策優良活動表彰で、野生鳥獣肉(ジビエ)の加工販売に取り組む愛媛県松野町富岡のNPO法人「森の息吹」が、最高賞の農林水産大臣賞に輝いた。独自の精肉ランクを設け、安全で高品質なジビエを提供するなど、利活用面での功績が評価された。最高賞の受賞は四国で初めて。森の息吹は2013年、同町や地元農家、猟友会で設立。獣肉処理加工施設を運営している。衛生管理を徹底し、高ランクのシカ肉を「まつのジビエ」として販売。ソーセージなどの加工品の開発にも力を入れている。近年は宇和島・大洲両市の「カレーハウスCoCo壱番屋」と協力して期間限定で「鹿カツカレー」を売り出したり、松野町内小中学校の給食として提供したりし、ジビエの認知度向上に努めた。

(ジビエ楽しく調理:富山)
ジビエ(野生鳥獣肉)料理の交流会が25日、南砺市才川七(福光)の西太美交流センターで開かれ、参加者12人がイノシシ肉を調理し、ソーセージを作った。狩猟免許を持つ篠島ゆき野さん(38)=南砺市広谷(福光)=と西井満理さん(47)=同市小院瀬見(同)=の2人がジビエの普及と住民交流を目的に初めて企画した。イノシシ肉1200グラムを用意。参加者は肉を1~2センチの角切りにして調理器具「ミンサー」でひき肉にし、塩や砂糖を混ぜてこねた。ヒツジの腸に詰め、フライパンで焼いた。ホットドッグにして味わった。1年半前に免許を取得した篠島さんと西井さんは「新米狩女のお話会」と題し、狩猟の体験談を語った。

(ジビエ味わって:宮崎)
西米良村で捕れたイノシシやシカの肉を使った料理を提供する「にしめらジビエフェア2022」が、同村と宮崎市の飲食店や観光施設8カ所で開かれている。3月31日まで。同村の主催で、新鮮で癖のない味わいで知られる同村の野生鳥獣肉(ジビエ)を広く知ってもらおうと毎年実施。「国産ジビエ認証施設」の同村ジビエ処理加工施設から出荷される食肉を使ったメニューを提供している。

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