<射撃ニュース4月>
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(ライフルが暴発か、遺体の身元判明:北海道)
名寄市智恵文の草地で9日に倒れているのを発見され、その後、死亡が確認された男性は同日、名寄署の調べで、名寄市西9北8、無職渡部義記さん(70)と分かった。同署は狩猟の最中にライフルが暴発した可能性があるとみており、司法解剖して死因などを調べる。

(食害対策わな増加で錯誤捕獲が問題に)
イノシシやシカなどを捕るためのわなに、別の動物がかかる「錯誤捕獲」が問題となっている。間違って捕まった獲物を逃がす際に人間、動物双方がけがをするリスクや、生態系への影響が懸念されるが、行政への報告義務はなく全国的な実態は不明。専門家は「現状把握のため、発生情報などを調べる必要がある」と指摘する。

(タヌキからも高病原性鳥インフル:北海道)
3月31日~4月1日に市内2カ所でハシブトガラスの死体がみつかり、高病原性への感染が確認された。うち1カ所の近くでタヌキがみつかった。

(40年ぶり豚熱発生:茨城)
茨城県は13日、石岡市内の養豚場で豚熱(CSF)が発生し、この養豚場の豚1055頭をすべて殺処分すると発表した。県内の養豚場の豚にはワクチン接種を義務づけているため、近隣の養豚場に対し、出荷や移動の制限はしない。豚熱は豚やイノシシの伝染病で、人が感染することはない。県内の養豚場で豚熱が確認されるのは、1982年以来、40年ぶり。県畜産課によると、石岡市の養豚場では、下痢の症状があった子豚が、11日に2頭、12日に4頭それぞれ死んだ。養豚場の管理者が12日午前、県南家畜保健衛生所に通報。下痢の症状があった豚約30頭のうち5頭について県と国が検査したところ、5頭すべてが感染していることが13日にわかった。県は1055頭の殺処分を13日に始め、14日にも終える予定という。豚は埋却され、養豚場は石灰などで消毒する。今回感染が判明した豚はいずれも生後30日前後の子豚で、ワクチンは未接種だった。県は、母豚から受け継いだ免疫が少なくなるとみられる生後30~40日をワクチンの接種時期としている。具体的な感染経路については今後調べる。県内で飼われている豚の頭数は、2021年2月現在で約51万頭。全国で6番目の養豚県だ。豚熱は野生イノシシからの感染リスクが高い。県は、死んだ野生イノシシなどが豚熱に感染していないかも検査してきた。県内で初確認された20年6月以降、これまでに158例が確認されている。13日に記者会見した県畜産課の棚井幸雄課長は「人に感染することはないが、養豚場には改めて対策の徹底を呼びかけたい」と話した。

(捕獲されたイノシシ2頭、豚熱ウイルス感染:栃木)
栃木県は8日、4月3日と6日に佐野市で捕獲されたイノシシ合わせて2頭から豚熱ウイルスの感染が確認されたと発表しました。佐野市で、イノシシから豚熱が確認されたのは初めてだということです。

(豚熱のイノシシ確認:山口)
山口県は7日、周南市と岩国市で発見された野生のイノシシ計2頭から豚熱(CSF)の感染を確認したと発表した。県内の感染確認は10例となった。

(イノシシ1頭、CSFに感染:群馬)
群馬県太田市西長岡町で捕獲された野生イノシシ1頭について、県は11日までに、遺伝子検査でCSF(豚熱)への感染を確認したと発表した。捕獲された場所から半径10キロ以内には19養豚場がある。県内での野生イノシシの感染確認は計141頭となった。

(随意契約で不適切処理:栃木)
栃木県市貝町農林課の30代の女性職員が1月、イノシシの狩猟用に町が貸し出す「くくりわな」を随意契約で調達する際、一部の業者に見積額を操作するよう求める不適切な対応を行っていたことが12日、複数の関係者への取材で分かった。町は事実関係を把握し、処分を検討している。関係者によると、職員は同課に勤務していた昨年秋ごろ、町内のイノシシ猟用に使うくくりわなの調達で3社から見積もりを取った際、一番低い価格を提示した県外の業者に対し、金額を引き上げて見積もりを再提出するよう求めたとされる。業者は求め通り見積書を再提出した。その結果、2番目に低い価格を提示していた別の業者からの調達が決まった。納入できず不審に思った県外の業者が今年2月、町に経緯を尋ねて抗議し、発覚した。職員は町の聞き取りに対し「従来から使っていて狩猟者が扱いに慣れている業者の製品を調達したかった」とする趣旨の話をしているという。職員は現在、別の部署に異動し休職中。町は12日、非公開の町議会全員協議会で事実関係を説明し「業者には損害を与えてしまった」と陳謝した。関係者の処分を検討しているとした。

(高病原性鳥インフルエンザ感染確認、過去最多に:北海道)
道内では野鳥から高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染が確認されるケースが急増しています。私たちは何に気をつければいいのでしょうか。環境省と道によりますと、去年10月から今月11日までに感染が確認されたのはハシブトガラスやオジロワシ、それにオオワシ、合わせて34件と過去最多になりました。おととし10月からの1年間の2件から急増し、過去10年間で最も多かった平成28年から29年にかけての7件を大幅に上回りました。地域別に見ると、▽根室地方が16件、▽オホーツク地方が7件、▽宗谷地方、日高地方、石狩地方がそれぞれ3件、▽留萌地方と釧路地方がそれぞれ1件と、広い範囲にわたっています。一方、いったん感染が起きると大量死につながる養鶏場での感染は、対策の徹底などを背景に去年10月以降、確認されていません。道は、新たにツイッターを通じて、養鶏場周辺の消毒方法を紹介する動画の配信を始めたほか、鶏舎への野鳥などの侵入を防止するネットなどの自己点検を毎月行うよう要請を続けています。釧路市の公園で見つかった複数のカラスが、高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染していることが確認されたことを受けて、道は監視を強化しています。道によりますと、先月末から今月にかけて釧路市の春採公園でハシブトガラスおよそ20羽が死んでいるのが見つかりました。検査の結果、今月8日、このうち4羽が致死率の高い高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染していることが確認されました。釧路総合振興局は発見現場から半径10キロ圏内で重点的に監視を強めていて、12日も担当者2人が公園を訪れて数羽のカラスの死がいを回収していました。道は、野生生物の死がいやフンには触らず、触った場合は手洗いを入念に行うよう呼びかけています。また、養鶏場などに対しては定期的な消毒や野鳥の侵入防止などの対策を徹底するよう改めて呼びかけています。釧路総合振興局環境生活課の小森美奈主査は「全国的にことしはカラスの感染が多いのが特徴だ。春採公園はカラスのねぐらになっていて、密集して生息しているため感染が広がっていると考えられる」と話していました。高病原性鳥インフルエンザウイルスへの感染確認は、野鳥だけでなく、国内で初めて哺乳類にも広がっています。先月、札幌市内で見つかったキタキツネとたぬきが高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが確認されました。いずれも近くで高病原性鳥インフルエンザウイルスに感染したハシブトガラスが見つかっていて、感染した鳥を食べたことが原因と見られています。野鳥の生態に詳しい釧路市の猛禽類医学研究所の代表で獣医師の齊藤慶輔さんに、感染の特徴や注意点などを聞きました。まず、ことしの傾向について「ことしはカラスやワシに感染が広がっていて、これまで経験してきた感染のあり方とはだいぶ違う。感染は全道に広がっている状況だ」と話しています。感染経路については、「ウイルスに汚染された別の種類の鳥の死がいを食べて感染が広がったという見方もある一方、同じ種類どうしで『水平感染』が起きていると考えられる。特にカラスは群れで行動し、餌場を共有するので個体間の距離が近く、群れで感染しやすい」と指摘しました。また、釧路地方ではタンチョウやシマフクロウなど希少な野鳥が生息していることから、「万が一、希少種にウイルスが入り込んでしまったら種の保存にも大きく影響する可能性がある」と危機感を示していました。鳥インフルエンザウイルスは通常ではヒトには感染しないということです。ただ、犬の散歩の際などに感染を「広げない」ことが重要だと呼びかけています。齊藤さんは「犬は野鳥の死がいなどには興味津々で近寄ってしまう。動物そのものが感染するおそれもあるが、それ以上にウイルスが体に付着すると、ばらまいてしまうおそれがある。徹底的に拡散防止をしていくため、散歩から帰ったら犬の足の裏を消毒する、鳥が集まってしまうゴミを放置しないなど皆で協力して取り組む必要がある」と話していました。

(徘徊ヒグマにどう対応、マニュアル策定:北海道)
苫小牧市は、市街地を徘徊(はいかい)するヒグマへの対応をまとめた危機管理マニュアルを策定した。出没場所や行動パターン別に対処方法を整理。道内でクマの出没や人が襲われる被害が相次いだため対策を強化する。3月31日付で策定した。ヒグマの行動を《1》人を避ける《2》人を避けない《3》農業など生活に実害を及ぼす《4》人につきまとう―の4段階に分類。《1》で看板やホームページでの注意喚起を行い、《2》ではごみの除去のほか必要に応じて関係機関と見回りや追い払いを実施する。《3》では農業被害防止策などを講じ、《4》は問題個体の排除を検討する。

(低周波音で殺傷せずクマよけ:北海道)
中札内村は5月から、鳥獣害対策機器を開発する道外の企業や大学と連携し、クマが嫌がる音を発する製品の開発に向けた実証試験を村内で行う。村内では毎年クマの目撃が相次いでおり、開発されれば、クマを傷つけずに人間の生活圏から遠ざけられる可能性がある。村が連携するのは、自動車用品を製造する「ティ・エム・ワークス」(山梨県富士河口湖町)と建築資材販売の「マツクラ」(札幌)、岡山理科大の3者。マツクラはティ・エム・ワークスが製造する、道路に飛び出したシカが車にはねられて死ぬ「ロードキル」を防ぐ機器の販売代理店。

(クマの痕跡ネットで公開:北海道)
旭川市は、市内でのクマの目撃情報や足跡、フンなどの痕跡をインターネット上の地図に示す「ひぐまっぷ」を、市ホームページ(HP)で公表している。市民から提供された目撃情報を随時、地図に反映して広く注意喚起を図る。「ひぐまっぷ」は道立総合研究機構などが開発したシステムで、旭川市は6日に運用を始めた。上川管内では比布町や名寄市も活用している。住民らから寄せられた情報を自治体がシステムに入力すると、目撃された場所や痕跡が発見された地点に、日にちや内容が記載される仕組み。本年度は、市内で足跡とみられる痕跡が6日に見つかった1件だけだが、昨年度の出没情報は市街地を含む92件に上った。市は、これまでもヒグマの出没情報をまとめた地図の画像を公表。ひぐまっぷは従来方式と違い、地図を動かしたり、拡大や縮小を自由に操作できたりでき、利便性が向上した。

(知床のヒグマ、目撃情報は年1千件に:北海道)
人とヒグマは近づきすぎたのではないか――。世界自然遺産の地である北海道・知床はいま、そんな問いに向き合っている。世界有数の密度でヒグマが生息するが、近づいて見る人の影響などでヒグマの「人慣れ」が進んだ。適切な「距離」をどう保つか模索が続く。

(カラスのフン被害対策:佐賀)
佐賀市中心部でフンの被害をもたらすカラスを減らそうと、佐賀市はこの秋、“カラスが危険を感じたときに発する鳴き声”を活用した実証実験を行うことになりました。佐賀市中心部の佐嘉神社周辺などではたくさんのカラスがねぐらにしています。佐賀市によりますと、特に秋から冬にかけては渡り鳥の「ミヤマガラス」が飛来するためその数は1万羽を超え、大量のフンをまき散らして歩道や車を汚し市民を悩ませています。このため佐賀市は特にこうした被害が大きい佐嘉神社付近や片田江交差点付近のカラスを減らすため、ことしの秋、実証実験を行うことになりました。実験は熊本市でおととしと去年行われたものと同じ方法で、カラスが危険を感じたときに仲間に発する鳴き声を機械で流し、実際に逃げるかどうかを確かめます。熊本市によりますと機械で鳴き声を流すとカラスは逃げて「効果があった」ということです。佐賀市は今年度の当初予算に、機械のレンタル料や佐賀大学への実験の委託料として59万円を計上しました。佐賀市は「特に被害の大きい地域からカラスを追い払い、フンの被害の軽減につなげたい」と話しています。

(豚熱のワクチン接種始まる:山口)
岩国市などで、ブタの伝染病、CSF=豚熱に感染している野生のイノシシが相次いで見つかったことを受けて、県は、12日から、県内で飼育されているブタやイノシシなどおよそ3万4000頭へのワクチン接種を始めました。山口県では、3月から岩国市や周南市で野生のイノシシ11頭が相次いで豚熱に感染しているのが確認され、国は、山口、広島、島根県の3県をワクチン接種推奨地域に指定しました。これを受けて、県は、県内の養豚場などで飼育されているブタとイノシシ、およそ3万4000頭を対象に、12日からワクチン接種を始めました。12日は、県内の8か所の養豚場などで3600頭に接種を行い、今後、1か月ほどですべての接種を終える予定です。今後、新たに産まれた子ブタについては、随時、接種を行うことにしています。県によりますと、豚熱に感染したブタは、市場に出荷されないほか、万が一食べても人体に影響はないということです。県畜産振興課は、「豚肉に問題はないので安心して食べてほしい」と呼びかけています。

(豚熱の拡散防止、登山者も協力を:山口)
山口県岩国市で3月、死んでいた野生イノシシの豚熱(CSF)感染が県内で初めて確認されて以降、県内での感染確認は8日までに計11件に上った。今のところ感染が確認されたのは同市と周南市だけで、豚やイノシシを飼育する県内施設で異常はないが、県は12日に県内で飼育されている豚へのワクチン接種を始めた他、山でイノシシのふんに触れる可能性がある登山客などにも注意を呼び掛けている。県のワクチン接種は、県内13カ所の養豚場などで飼育されている豚やイノシシ約3万4000頭が対象で、接種期間は同日から約1カ月。新たに生まれた子豚にも随時接種する。また野生イノシシ対策として、経口ワクチンを含んだ餌を山に埋設する予定だ。防疫対策では、感染したイノシシのふんなど汚染物を広げないことも重要だ。このため県は、登山客や林業従事者などに入山後は靴に付いた泥を山で落とすことや、イノシシを寄せ付ける飲食物は持ち帰るよう呼び掛ける啓発ポスターを各市町や森林組合、猟友会などに約100枚を配布。下松市来巻の市農業公園入り口の掲示板にも啓発ポスターが掲示された。近くには光市の街並みなどの眺望が楽しめる標高412メートルの烏帽子(えぼし)岳があり、公園を発着点に山頂を巡るルートはハイキングコースとして市民に人気だ。一方、道中の畑の多くにはイノシシよけの柵が設置されている。公園駐車場に車を止めて登山に向かっていた60代男性は、ポスターを見て「県内の養豚業者に大きな被害が出ないよう協力したい」と話した。一方、野生イノシシの豚熱感染はこれまで兵庫県が本州最西端だったが、今回、山口県で確認された理由は分かっていない。県は現在、感染エリアを把握するため野生イノシシの捕獲検査を進めているが、農水省の要請で今後は捕獲頭数を増やすなどして感染の経緯を検証する方針だ。国の疫学調査の臨時委員を務める「あかばね動物クリニック」(愛知県)の獣医師、伊藤貢さんは「最初にイノシシが見つかった岩国市と兵庫県の発見地点は200キロ以上離れており、イノシシ間での感染拡大の範囲を越えている。人や物が関与している可能性が高い」と説明。さらに「対応するワクチンのないアフリカ豚熱(ASF)は、まだ日本には入ってきていない。今取り組んでいる豚熱の

(都心のカラス、20年で7分の1:東京)
東京都心のカラスが減っている。ねぐらに集まるカラスの調査では、20年前のピーク時に比べ、7分の1に減っていた。都が進めるカラス駆除の取り組みに加えて、新型コロナウイルスの影響で、エサとなる繁華街の生ごみが減ったことも拍車をかけている。

(鳥獣被害、帰還阻む一因に:福島)
東京電力福島第一原発事故発生後、住民が避難した地域などを中心に鳥獣被害が続いている。森に宿っていた野生動物が、人の営みが絶えた場所に入り込み、民家や田畑を荒らしている。原発事故は人と動物の生活圏の境界を曖昧にした。県内の鳥獣対策の現場を追う。太平洋に面する富岡町小良ケ浜地区は原発事故発生後、帰還困難区域に指定された。11年の間に幅を利かせるようになったのは、イノシシやアライグマなどの野生動物だ。家が荒らされ、庭や田畑の土が掘り返されている。こういった鳥獣被害が、住民の帰還意欲をそぎ、帰還後の生活を脅かす一因になっている。大熊町からいわき市に避難している愛沢ひろみさん(65)はこの地区の出身で、実家が被害に遭った。2月下旬、ひろみさんは夫郁夫さん(76)の運転で、墓参りを兼ねて数年ぶりに訪れた。海に近い実家に向けて県道を走る。道沿いの民家は草木に覆われ、人の気配はない。建物の一部が壊されたり、敷地内の土が荒らされたりしている家があるのに気付く。イノシシの仕業だ。「これだけ荒らされると帰りたい気持ちもなえてくる」。ひろみさんがつぶやく。実家の敷地は広い。母屋や蔵、ガレージ兼作業場などが並ぶ。浜風を受けながら農作業に汗を流したり、子どもたちと花火を楽しんだりした。ただ、今は思い出の中の光景は残っていない。庭にはイノシシが入り込んで穴だらけ、蔵の中は段ボールが散乱している。母屋も小動物のふんがあちこちに落ちている。「ここ見て、イノシシが入ろうとしたんじゃない」。ひろみさんが指さした玄関ドアには、泥をこすりつけたような跡がついていた。小良ケ浜地区は住民帰還に向けてインフラ整備などが進む特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた「白地地区」に当たる。建物の解体や具体的な除染の手法が示されていないため、被害を放置せざるを得ないという。訪問が数年ぶりになったのも、朽ちていく家を眺めるだけの現実に嫌気が差したからだ。既に取り壊した大熊町の自宅にもイノシシが入り込み、一時帰宅するたびに動物の死骸を見つけた。「動物に荒らされる家を見るのがつらい」。もう、人が住めるとか、住めないとかの問題ではない。富岡町の実家と大熊町の自宅、2つの家を失った。避難後に建てたいわき市の家が、ついのすみかになると思っている。イノシシやシカなどによる鳥獣被害は全国的な課題だが、県内では原発事故による住民の避難が、問題をより深刻化させている。

(鳥獣被害、人の圧力消え侵入:福島)
東京電力福島第一原発事故は、森や山に生息している野生動物と人間の生活圏を分けていた境界線を乱した。放射線量が高く、居住が制限されている場所の住民が避難し、人が住む空間に鳥獣が入り込まないように押し返す「圧力」が消えたためだ。イノシシやシカなどによる鳥獣被害は全国的な問題だが、中でもイノシシは、越冬は難しいとされていた東北地方にも近年生息域を広げ、捕獲数が急増している。県によると、県内のイノシシの捕獲数は二〇一〇(平成二十二)年度は三千七百三十六頭だったが、二〇二〇(令和二)年度は三万五千六百九十八頭と十倍近くに増えた。地域別に見ると、原発事故で避難区域が設定された十二市町村(田村、南相馬、川俣、広野、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘)だけで一万一千百九頭と全体の約三分の一を占める。この十一年間、十二市町村で野生動物による人的被害はないという。原発事故発生前、各市町村は捕獲による駆除や電気柵などを使った侵入防止などに取り組み、人と動物のすみ分けができていた。だが、人の営みが途絶えたことで、動物は本来の居住地である森や山を離れ、餌やすみかを求めて人里に侵入している。荒れた田畑や空き家は、イノシシの繁殖にはもってこいの場所で、避難先から一時帰宅した住民が市街地でイノシシと出くわすこともある。国と県、十二市町村は二〇一七年に避難十二市町村鳥獣被害対策会議を設置した。イノシシ排除に向けた第一期広域緊急戦略を策定し、各市町村職員の研修や専門家による技術支援などを行ってきた。避難指示解除が進み、住民が帰還してイノシシの出没頻度が減った場所もあるという。だが、依然として二〇一九年度には浪江町で三百八件、富岡町で三百八十九件の目撃情報があった。対策会議は、二〇二一年にまとめた第二期広域戦略で、この数字を「憂慮すべき水準」とし、イノシシについて「十二市町村全域での十分な排除には至っていない」と結論付けた。県自然保護課の斎藤誠主幹は「いまだに市街地付近での目撃情報がある。畑の作物を食べるなどすれば営農再開などにも支障をきたす恐れがある。各市町村と連携して対応しなければならない」と話す。避難指示が解除された地域では、地元猟友会を中心に組織した捕獲隊が対策を担っている。

(野生シカの捕獲、昨年度1万1200頭:長崎)
野生のシカやイノシシによる被害が課題となっている長崎県対馬市で、昨年度のシカの捕獲頭数が適正頭数の3倍超となる1万1200頭に上ったことが、同市のまとめでわかった。対馬に生息するニホンジカは、1966年に県天然記念物に指定。しかし頭数の急増で農林業や島固有の自然生態系などに深刻な被害を与えているとして、2004年に指定が解除された。県の調査では、島内には推定約4万頭が生息。自然生態系への影響が少ない適正頭数は3500頭とされる。同市によると、シカの捕獲は1995年度から始まった。捕獲頭数は年々増加しており、昨年度は捕獲開始から27年間で初めて1万頭を超えた。一方、イノシシの昨年度の捕獲頭数は8361頭だった。イノシシのピークは11年度の1万146頭で、18年度には2702頭まで減少するなど、増減を繰り返している。シカやイノシシによる野菜や稲、イモ類などの農作物被害額は、昨年度約326万円だった。わなと銃で捕獲する有害鳥獣捕獲従事者は今年1月末現在、約260人で大半が60歳以上。同市自然共生課は「今後も狩猟免許の新規取得を呼びかけ、捕獲頭数を増やしたい」としている。

(果樹園、シカ食害深刻:北海道)
石狩管内でエゾシカによる農業被害が深刻化している。札幌市や石狩市の果樹園ではリンゴやサクランボの木の幹や新芽が食べられ、農地全体の8割に被害が及んだ例も。今冬の記録的な大雪の影響で、電気柵などを施していたが雪の堆積で飛び越えやすかったとみられる。農家は「こんなに被害がひどい年は初めて」と頭を抱えている。札幌市南区砥山に3ヘクタールにわたって広がる果樹農園。雪の残る敷地のリンゴの木の幹は皮がはがれて地肌がむき出しになり、サクランボの木の新芽は食い荒らされ、あちこちに小さく丸いシカのふんが転がっていた。果樹農家4代目の瀬戸修一さん(68)は「今までで一番ひどい。収量は毎年減っており、経営はかなり難しい」とため息をつく。

(日本にもいる「アーバンベア」)
春が訪れた。多くの動物たちも長い冬ごもりから目覚め、活発に動き始める。この季節に気をつけたいのが、クマに襲われる被害だ。最近は、市街地周辺で暮らし、街中に出没する「アーバンベア(都市型クマ)」と呼ばれるクマがいるという。「日常生活でクマと突然遭遇し、最悪の場合は襲われてしまうかもしれないという点で、これまでとは異質」。1月に開かれたシンポジウムで、NGO「日本クマネットワーク」(JBN)代表の佐藤喜和・酪農学園大教授は、アーバンベアについて警鐘を鳴らした。日本には本州と四国にツキノワグマ、北海道にヒグマがすんでいる。どちらのクマも本来は臆病で、人の気配がすれば逃げるか、やぶなどに隠れる。だが、アーバンベアは、市街地周辺に恒常的に生息し、一時的に市街地に出没する可能性がある。「人への警戒心が比較的薄い。白昼堂々、庭先の柿の実など果実を食べにくる個体もいる」と、JBNで普及啓発委員会委員長を務める山崎晃司・東京農大教授も指摘する。クマによる人身被害の発生場所を分析すると、アーバンベアの存在を裏付けるような結果が出ている。環境省によると、過去5年間(2016~20年度)の調査では、人が日常的に滞在する場所(住宅地・市街地、農地)での被害が20年度には37.6%に達し、山林の34.8%を上回った。アーバンベアが登場した背景には、クマの生息域の拡大がある。その理由は様々だが、〈1〉過疎化による管理不足で里山の草や木が繁茂し、里山が奥山と市街地とを隔てる役割を果たさなくなった〈2〉狩猟者の減少で狩猟圧が弱まった〈3〉自治体の保護方針で個体数が増えた――などが挙げられる。佐藤教授はこの状況を「ウィズ・ベアーズの時代」と表現する。コロナ禍における「新しい生活様式」のように、クマとの共存に向けた新たな対応が必要になるという。JBN副代表の小池伸介・東京農工大教授は「クマと人とが住み分けをする『ゾーニング』が有効」と話す。人の生活圏に近い所に草刈りや間伐で見通しをよくした帯状の「緩衝地帯」を設けることで、クマが人の生活圏への侵入をためらう「心理的障壁」になる。効果を上げるため、人の生活圏で生ゴミや実った柿など餌になる物を放置しないことなども求められる。市街地でクマと遭遇したらどうするか。これまでにない事態のため、現状ではクマの生息域における対処を参考にしたい。まず、クマがこちらに気づいていなければ、ゆっくりと後ずさりして、その場から立ち去る。つい走りたくなるかもしれないが、我慢しよう。クマは本能的に追いかけてくることがある。全速力で逃げても、車並みの時速40~50キロで走れるクマには簡単に追いつかれてしまう。クマがこちらを見ていたら、互いに気持ちを落ち着かせよう。両手を挙げゆっくりと振り、穏やかな声で話しかけるのが一つの方法だ。近くに木があれば後ろに回り、クマの突進に備える。その上でクマから目を離さずに、後ずさりで距離を取る。それでも不幸にしてクマが襲いかかってきたら。死んだふり? 高い木に登る?――昔から様々なことが言われるが、研究者が総じて推奨するのは、両手を首の後ろで組んでガードし、うつぶせの姿勢を取ることだ。首と顔、体の前面を守りながら失血を防ぐ。通勤や通学でバックパックを使っていれば背負ったまま防御姿勢を取ることで、背中への攻撃のダメージが軽減される可能性があるという。「♪クマは本当はこわがりで 人間たちがこわいのさ緊張感にたえきれず おそいかかるのがホンネだもん」。JBNが監修したミュージックビデオ「クマにはあわないのがいちばん」ショートバージョン((c)izanastudio)の歌詞の一部だ。昨年から、ユーチューブのJBN公式チャンネルにアップされている。クマの生息域での対策が過不足なくまとめられている。人を襲うことがあるクマだが、希少動物としての側面もある。日本自然保護協会の出島誠一・生物多様性保全部長は「ツキノワグマは九州で既に絶滅、四国では推定生息数16~24頭で絶滅の瀬戸際だ」と説明する。同じツキノワグマでも地域ごとに遺伝的、生態的な特性がある。環境省のレッドリストでは「四国山地のツキノワグマ」「西中国地域のツキノワグマ」などと地域個体群で分類されている。種として絶滅を回避できても、地域個体群が絶滅すれば、生物多様性が損なわれる。多様性の大切さは人の世界に限らないのだ。日本は明治の捕獲記録を最後にニホンオオカミが絶滅、昭和の早い時期にニホンカワウソが激減し、平成に絶滅と判断された。令和には、クマで同様の過ちを繰り返さないようにしたい。

(エゾジカが67万頭生息、運転中に突然飛び出してくることも:北海道)
近年、イノシシやクマ、サルなどに田畑を荒らされる被害が問題になっていますが、なかでも最も甚大な被害を与えているのはシカ。特に北海道はシカの個体数が全国最多で、北海道庁の発表によると、令和2年度の道内のエゾジカの推定生息数はなんと67万頭。これは島根県の全人口に匹敵する数です。線路や道路への飛び出しなども多く、列車との衝突件数は2414件(※令和2年度。JR北海道調べ)、自動車交通事故の発生件数は4009件(※令和3年度。北海道警調べ)といずれも過去最多。幸い亡くなった人こそいませんが過去には死亡事故も複数起きており、人の飛び出し以上に注意が必要です。「運転中にエゾジカに遭遇したことは10回や20回じゃきかないくらいあります。飛び出してもはるか前方であればいいんですけど、困るのは車との距離がない状態で突然横から出てくるケース。冬場だと急ブレーキを踏んだらかなりの確率でスリップするため、メチャクチャ危険なんですよ」。そう話すのは道内在住の公務員の森嶋海太さん(仮名・30歳)。実は、これまでに2度、エゾジカの急な飛び出しが原因で事故をおこしかけたといいます。「1度目は大学3年生のとき、冬場に友人の車でドライブに出かけたときでした。深夜、支笏湖から札幌市内に戻る途中、20~30メートル前方に突然エゾジカが出てきたんです。それで友達が慌ててブレーキを踏んだら車がスリップしてコントロールが効かなくなり、カーブの雪だまりに頭からダイブ。たまたま新雪だったので車にダメージはなく、バックですぐに脱出することできましたが、対向車が来てたら間違いなく衝突してたでしょうね。私は助手席だったからウトウトしかけてたんですけど、さすがに眠気が吹っ飛びました」。そして、2度目は3年前。前回と同じように深夜でしたが、今度は自分が運転中のことでした。実家から札幌の自宅へ戻る途中、山道を走行中に3頭のエゾジカが道路中央にいたそうです。「緩やかなカーブを曲がって直線に差し掛かったあたりで突然目の前にシカがいたから慌てました。瞬間的に身体が反応してブレーキを踏んでしまい、それで車がスピン。時速30~40キロ程度とそこまで飛ばしてたわけではないですがキレイに1回転半して道路の真ん中で停まりました。ただ、その直後に大型トラックが来たため、もし数秒遅かったら最悪の事態になっていたかもしれません。あんなふうにスピンしたのは免許を取ってから初めてのことだったし、一瞬の出来事のはずなのに回っている瞬間はスローモーションに感じたんです。あのときはヤバい、これは確実に事故ると覚悟してましたね」。この出来事はそれから何度か夢でも見るほどだったらしく、本人もそれからは冬場に山道を走るのは極力避けるようになったとか。実家に帰省する際はどうしてもそうした道を通らなければいけなかったため、最近はJRや高速バスを利用しているといいます。「友達には『聞いてくれよ、この前さぁ』って軽い調子で話しましたけど、あれは本当に怖かったし、正直ちょっとトラウマになってます。以前は他人事のように捉えていましたが、いざ被害に遭ってみると迷惑でしかない。旅行で奈良を訪れたときにシカを見ても全然かわいく見えなかったし、内心イラッとしていました(苦笑)。もちろん、奈良のシカは保護されているし、観光客にも人気かもしれませんが、北海道のシカはできれば駆逐してほしい。実家は農家なんですけど、昔からシカに作物を食い荒らされてきたし、自分にとっては害獣でしかないんです」。そんな森嶋さんですが、シカ肉は脂身が少なくヘルシーなこともあり、時々食べているとのこと。「北海道は精肉コーナーに鹿肉が置いてあるスーパーも近頃は増えていますし、こっちじゃ普通に手に入るんです。もともと肉は赤身が好きなこともあったのですが、食べてみたら意外とイケるなって。カレーやシチュー、角煮とか煮込み料理には合うんですよ」。美味しいシカ肉料理を食べ続けていれば、エゾジカに対するトラウマを払拭できる日はそう遠くはないかもしれませんね。

(公園内にすみつくイノシシ、被害相次ぎ追い出し作戦実施:岡山)
岡山県玉野市の公園でイノシシの被害が相次いでいることから、市が追い出すための作戦を実施しました。午前4時、玉野市の職員や公園の管理者ら約20人がイノシシの追い出しの準備を始めました。2021年秋に撮影された写真には、イノシシがエサを探した跡が――。遊具の下も掘り起こされてしまっています。玉野市では公園に来る人の安全を確保しようと、これまでにいろいろな対策に取り組んできました。市では2012年に公園の周りを囲うように約8キロにわたって柵を設置しました。公園の入口3カ所にはイノシシが嫌がる音を出す機械も設置しました。そして、3月には一部の柵を1メートルから1.6メートルに高くするなどしています。しかし、イノシシの被害が収まりません。市は深山公園内にイノシシがすみついているとみて、2021年11月に続きイノシシを公園から追い出すための活動を実施しました。作戦では銃を使う可能性もあり、公園周辺に人がいないかどうかなど職員らが確認して回ります。そして、日の出とともに猟友会のメンバーとイノシシを追い出すためのイヌが公園内に入ります。作戦開始から約2時間後。今回は公園内でイノシシが見つからず、追い出すことはできなかったということです。

(各地で目撃、冬眠明けのクマに注意:岩手)
本格的な春の到来とともに、クマが冬眠から目覚め始めていて、岩手県内各地でその姿が目撃されている。専門家は「慌てずに対応を」と呼び掛けている。川に浮かぶ黒い物体、よく見ると、泳いでいるクマ。岸に上がると、堤防をよじ登ろうとする。これは、4月7日、宮古市の閉伊川で撮られた映像。今、県内各地で冬眠明けのクマが出没している。4月10日に撮影された写真では、クマがフェンスを越えて高い岩壁をよじ登っていく。かなり至近距離で撮られていて、目が合っているようにも見える。撮影した栗谷川寛衛さんは、ボランティアでこの周辺の土地の整備をしていたところ、クマと遭遇した。クマの生態に詳しい森林総合研究所の大西尚樹さんは、このクマの行動についてこう語る。森林総合研究所東北支所 大西尚樹さん「この時期のクマは、冬眠から明けてお腹が空いている状態。エサを求めて歩き回っているといわれている。この目撃者は、いきなり動き出すとか、クマが怖がる動きをしなかったので、クマもこの人との距離感を別に怖がらず、気にせずにいたと思う。まずは私たち人間が落ち着いて、ゆっくり後ずさりしてください。とにかく慌てないことが大事」。大西さんによると、山に入る前の準備としてはクマ鈴やラジオなど音が鳴るものを身につけること、またクマは頭を狙うことが多いのでヘルメットをかぶるといいという。

(JR因美線、落石で乱れ:鳥取)
7日午前1時25分ごろ、鳥取県智頭町のJR因美線因幡社-智頭駅間で、巡回中の保線社員が線路脇の落石を発見した。JR西日本米子支社は用瀬-智頭駅間の運転を見合わせ、安全確認後に再開した。始発の普通列車2本が部分運休し約30人に影響した。同支社によると、落石は1個で縦、横とも約30センチ、幅約40センチ。線路沿いの斜面にイノシシなどが掘り起こした跡があった。

(カラスの電柱営巣、情報提供に協力を:新潟)
カラスが営巣時期を迎えていることを受け、東北電力は市民から情報の提供を呼び掛けている。東北電力ネットワークによると、カラスが電柱に営巣すると、針金のハンガーや鉄線などの巣材が電線に接触し停電事故の発生要因になるという。今季もすでに数件発生している。

(カラスねぐらにLED:石川)
羽咋市は八日夕から、カラスのふん害が激しい羽咋神社周辺で、鳥獣害対策用の携帯型発光ダイオード(LED)照明を使ったカラスの追い払いを始めた。本年度、従来のタカによる追い払いと並行して行う。タカの出動しない日に活用し、タカと合わせて追い払いの頻度を高める。LED照明は縦横各五個の市松状の光で、高速で点滅して見えるためカラスは嫌がって逃げる。バッテリーを入れたリュックを担いで移動しながら、箱形ライトを用い、高木や数百メートル先でもピンポイントで照射できる。昨年十一月に試行したところ効果があり、本年度、年間でリースした。カラスがねぐらにする神社境内の樹木や付近の電線に向かって職員がライトを当てると、カラスが飛び立った。境内の森を営巣場所にするサギも飛び立った。職員は「そのうち害がない光と気付いて慣れるのが心配だが、カラスにとって煩わしい光ではあるので、タカと合わせて頻繁に追い払うことで、嫌になって山に帰ってくれれば」と期待した。四月中はタカによる追い払い四回に加え、週一回程度、照明を活用する。

(停電の原因にもなるカラスの巣を『AI』で発見:石川)
電柱の上にできると停電につながることもあるカラスの巣。その撤去作業が石川県白山市内で行われました。作業が行われたのは白山市竹松町の電柱です。カラスは2月中旬から5月下旬に巣作りを行い、今が最盛期です。しかし電柱に巣を作ると巣に使われている木の枝やハンガーが電線をショートさせ停電の原因となります。そのため北陸電力送配電では撤去作業を随時行っています。巣は幅50センチ程で木の枝や草木などで作られていました。北陸電力送配電では電柱に巣を作らせないためにカラスが止まらないよう針山の設置などを行っています。今年から導入されたのは「営巣検知AI」です。車にカメラが2台ついていて、走るだけでカラスの巣を自動で見つけてくれます。人の目でチェックしていたこれまでより延べ3000人の人員を削減できるということです。北陸送配電 金沢配電部保守課 福光博副課長:「今まだ天候がいいので停電になりにくいですが、電気は雨には弱いですから、なるべく早く情報を頂ければ」。県内では去年カラスの巣が原因で5件の停電が起こっています。北陸電力送配電はカラスの巣が作られた電柱などの情報提供を呼び掛けています。

(鳥獣対策隊、初の女性隊員:静岡)
御殿場市鳥獣被害対策実施隊に初めての女性隊員が誕生した。池田瑠美さん(43)=同市東田中=。自宅敷地内の畑や花壇が被害に遭ったのを機に狩猟免許を取得して猟友会に入り、推薦を受けて隊の一員になった。11日、市役所であった新規隊員任命式で、勝又正美市長から任命状を受け取った。有害鳥獣の捕獲や対策の指導助言、パトロールなどを担う。3年前、収穫間近だった畑をイノシシに荒らされた。「泣き崩れた」と当時を振り返り、「農業で生計を立てている人の悲しみは計り知れない。寄り添って活動したい」と決意を述べた。勝間田孝一隊長(73)は、鳥獣被害に遭った人への細やかなケアが可能になると歓迎する。周囲の奮起を促し、担い手不足や高齢化の解消につながると期待する。

(父に導かれ猟師の道へ:奈良)
県立十津川高校に在学中から猟師の世界に飛び込み、父・英一さん(55)とともに鹿やイノシシの駆除、食肉加工に取り組む。「動物による農作物被害を少しでも減らして、ジビエも知ってもらいたい」と真っすぐな思いを語る。十津川村によると、村内での農作物の被害面積は年約3ヘクタール。額にすると、1400万円に上る。林業でも食害が広がり、近年増加傾向にある。そうした被害を減らすため村内で有害鳥獣を捕獲する約90人の「駆除員」の中で、最年少だ。山深い村で育ったが、幼い頃は猟に関心はなかった。だが、高校に進むと、中古車販売業を営む傍ら猟や食肉加工に携わる英一さんに、「半ば無理やり」手伝いに連れ出されるように。知識や技術は見よう見まねで覚えた。「猟を一生の仕事に」と心に決めたのは高校2年の時。英一さんとともに鹿肉の唐揚げの出張販売で橿原市へ出かけた。キッチンカーの前を行き交う人が「鹿を殺すなんて野蛮だ」「かわいそうだと思わないの」などと話していたのが、胸に刺さった。父や自分がしていることを、否定されたようで落ち込んだ。しばらくは放心状態となり、学校に行っても誰とも話す気になれなかった。元気がないのを見かねた部活動の顧問から励まされた。「勉強やスポーツでお前よりできる人はいるが、猟ができる人はいない。自分の強みとして、堂々としていればいい」。それまでは高校を出たら別の仕事に就くつもりだった。だが、「そういう捉え方もできるんだ」と思い直し、「駆除について多くの人に知ってもらい、猟への偏見をなくしたい」と卒業後は猟師として生きることを決心。高校3年でわな猟の免許も取得した。普段は、わなに鹿やイノシシがかかっていないか確認するため、英一さんらと山中を巡る。多いときは週1、2頭を捕獲するが、1か月かかっていないこともある。獲物は生け捕り。「死んで時間がたつと、内臓が発酵してにおいが肉についてしまう。新鮮で臭みのない肉を届けたい」。脚をテープでくくり、自宅近くの加工場まで生きたまま運んで絞める。脚をくくるのは今も苦手だ。猟を始めた頃、鹿に顔面を蹴られて腫れ上がった。「父に『逃げ腰になったらダメ』と言われるけれど、うまくいかない」と苦笑する。命を奪う作業は死の瞬間に衝撃を受けたが、次第に「出来るだけ苦痛を感じさせず、おいしいお肉にしてあげたい」と思いながら臨むようになった。今年1月、英一さんと、加工場の隣に会員制のジビエ料理店を開いた。新鮮な肉を使った料理を多く提供しており、自身も腕を振るう。店もジビエの魅力や駆除への理解を深めてもらう活動の一つだ。今後は肉からペットフードを作る予定で、そのための会社設立も目指す。「鳥獣の被害を知らない人は多い。『命』を有効に活用して駆除のイメージを変え、十津川をジビエで有名にしたい」。描く夢は尽きない。

(イノシシ防ぐ「怖い」金網:広島)
溝を覆う部材グレーチングなどを製造するダイクレ(広島県呉市)は、道路に設置してイノシシやシカの侵入を防ぐ金網状の鉄製品「テキサスゲート」の販売を伸ばしている。隙間の穴に足が落ち、ひづめが引っかかる恐怖をイノシシなどに与える一方、人や自動車は通行できる仕組み。最短1日で取り付ける施工方法を考案。ゴルフ場などに休業せず工事が終わるとアピールする。多くのゴルフ場は周囲を柵で囲んでいるものの、イノシシがミミズを食べようとして芝生を荒らす被害が絶えない。このため侵入場所とみられる客の出入りする道路へのテキサスゲートの設置を勧めている。元々は農作物の食害対策などを目的に2011年に開発した。ゴルフ場から依頼を受け、短期の施工方法を昨秋に考案。あらかじめコンクリートの構造体を作り、掘削した地面に据えることで早ければ夜間の作業で終わる。広島県内などのゴルフ場から5件を受注した。同社は「芝生の被害に悩む経営者は多く、引き合いもある。販売を強化していく」としている。

(土佐といえば:高知)
高知といえば太平洋のイメージですが、実は森林率84%の日本一の“山の国”です。急しゅんな四国山地を背景に幾多の山や谷が連なります。ジビエという言葉がもてはやされています。狩猟で捕獲された鳥獣やその肉を指すフランス語で、近年急速に広まりました。山と海に挟まれた土佐はジビエの宝庫。地域の宝として守ろうとする若者たちがいます。高知市立高知商業高校に4年前、「ジビエ商品開発・販売促進部」が誕生しました。ジビエの利活用を目的に16人の同好会としてスタート。鹿肉を使ったカレーパンの商品化などを提案し、野生動物の食害についても学びました。週4日ほど、校内外で活動を続けています。目指すのは「循環型の社会貢献」。背景には、高齢化が進んで里山の手入れができなくなり、鳥獣被害が目立つようになったことがあります。

(ジビエで絶品バーガー:静岡)
美しい伊豆創造センターと静岡ガスは9日、ジビエ(野生鳥獣肉)を使ったハンバーガー作りの体験イベントを清水町の静岡ガスエネリアショールーム柿田川で開いた。伊豆半島のジビエの魅力を伝え、地域資源として定着させることを目的に展開する全5回のイベントの初回として企画した。静岡県内から15人が参加した。シカ肉のローストやイノシシ肉のパテを地元産の野菜とともにバンズにはさんだ。赤ワインと香味野菜を使ったソースやワサビの茎が入ったタルタルソースで味付けし、完成させた。県立大大学院1年の石橋弥生さん(22)は「色味がきれいでジューシーな肉。特産品を使ったソースでおいしさが引き立っていた」と笑顔を見せた。県森林・林業研究センターの大橋正孝さんは「おいしく食べて伊豆の自然をシカから守る」と題し、シカによる農作物や樹木への食害や生息数の推移などを解説した。今後、伊豆地域の山林でシカの生態や食害を学ぶフィールドワークや有名シェフが作る創作ジビエ料理の食事会なども開く予定。

(「ジビエを通じて命を学ぶ」:岩手)
市民・行政・民間企業が協働で取り組む地方創生ジビエ事業「大槌ジビエソーシャルプロジェクト」において開催する「大槌ジビエツーリズム」を今期も実施いたします。『三陸・大槌の自然を体感し、ジビエを通じて命を学ぶ』各種プランを設定し、命の循環につながっていく感覚を、五感を使って感じていただく場の提供をしております。また、「公式オンラインショップのオープン情報」や「大槌ジビエソーシャルプロジェクトについて」も掲載しているので、どうぞご確認ください。詳細についてはお気軽にお問い合わせください。

(ジビエ処理施設「鹿ジンギス」販売:京都)
畑の作物などを荒らすイノシシやシカなど有害鳥獣を捕獲し加工処理する施設が、木津川市加茂町の瓶原地域に設置された。

(田畑荒らすイノシシを食材に:長崎)
平戸市の「平戸ご当地グルメ推進協議会」(南沢茂会長)は、有害鳥獣のイノシシと南蛮貿易の発祥の地・平戸に西欧諸国からもたらされた香辛料を組み合わせた「平戸ジビエ南蛮カレー」を開発した。市内4店舗が提供を始めた。

(“人口550人の村”から生まれた「ジビエブランド」とは?:山梨)
吉田美穂がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DUNLOP presents みらい図鑑」。日本の美しい風景、地域で受け継がれる伝統、志を持って活動する人など、100年後の地球に生きる子どもたちへ繋げていきたい“ヒト・モノ・コト”を紹介しています。4月2日(土)の放送では、ジビエのブランド「タバジビエ」の保坂幸徳(ほさか・ゆきのり)さんに、「タバジビエ」についてお話を伺いました。安全で高品質な鹿のモモ肉も提供山梨県・丹波山村(たばやまむら)の人口は、わずか550人。2,000mを超える山々に囲まれ、清らかな水が流れる自然豊かなこの村が大切にしているものは「狩猟の文化」です。農業に適した場所が少なく、昔から冬を越えるための十分な食料を確保することができなかったため、命をつなぐ糧として、鹿や猪、熊などの山の幸を狩猟によって得てきました。これらの野生動物を、村では“山の神様からの授かりもの”として尊ぶ風習が現在にも受け継がれています。そんな丹波山村の狩猟文化を知ってもらいたいという思いから生まれたジビエのブランドが「タバジビエ」です。鹿肉を使ったカレーやコロッケ、そぼろなど、加工品の種類もさまざまです。「狩猟っていうのは、1人ではできないんですよね」。そう語るのは、「タバジビエ」を手がける保坂さん。「例えば、村の猟師の先輩方は『獲った動物は余すことなくいただくんだ』と言います。この村の狩猟は団結力が素晴らしくて、『一山越えたところで誰かが獲ったら、一山越えてでもみんなで獲りに行くんだ』と教えてくれるんですね」。保坂さんは、村に根付いている文化を通して伝えたい思いがあると言います。「今の若い方は、田舎暮らしに憧れてこういう山によく来るんですね。“1人で自然と自由に戯れたい”という夢を描いて来るわけですが、結局、こういう村に来ると1人では何もできないんですね。小さい村だけど、みんなで協力することによって、1人ではできないことができるようになるわけです。狩猟を通して、そういったことを伝えていきたい」。山の神様からいただいた尊い命を、余すところなく提供することで、1人でも多くの人に丹波山村の狩猟文化を知ってもらいたい。そんな思いから生まれたジビエブランド「タバジビエ」。感謝の気持ちを持っておいしくいただくことが、この村の魅力を未来へ発信することにつながっていきます。

(熊の目撃情報:宮城)
富谷市によると、10日午前10時40分ごろ、富谷市明石上折元にクマが出没しました。

(熊の目撃情報:宮城)
熊の目撃情報についてお知らせします。9日午後3時頃、登米市中田町浅水字新東新田地内(沼畑行政区)で、熊の目撃情報がありました。

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(イノシシ2頭のCSF感染確認:群馬)
群馬県太田市大鷲町で捕獲された野生イノシシ2頭について、県は5日までに、遺伝子検査でCSF(豚熱)への感染を確認したと発表した。捕獲された場所から半径10キロ以内には13養豚場がある。県内での野生イノシシの感染確認は3月3日に同所と同市北金井町で捕獲された3頭以来で、計140頭となった。

(子グマ2頭残されたまま、監視継続:北海道)
札幌市西区の三角山で、NPO法人職員の男性2人がヒグマに襲われて負傷した事故から7日で1週間となる。市はクマが冬眠していた穴の監視を続けるが、6日夕までに戻った形跡はなく、穴の中には子グマ2頭が残されたままになっているとみられる。市には子グマの保護を求める声が寄せられているが、母グマが近くにいる可能性などを踏まえ、保護も駆除もしない方針。市が委託した調査が事故につながったとの見方もあるが、市街地近くの穴を放置することはできず、安全な調査方法などの検討を進める。「母グマは冬眠穴に戻っていないが、監視カメラは穴の中に動きを感知した。現時点では、子グマが生存している可能性がある」。札幌市環境共生担当課の浜田敏裕課長は6日夕、現状をこう説明。ただ、市は今後も静観する方針で「さまざまな意見があることは理解しているが、監視を継続する」と話した。事故は3月31日、三角山の登山道から200メートルほどの斜面にあった冬眠穴付近で発生。市の委託で調査していた男性2人が穴から出てきたクマに襲われ、右腕骨折などの大けがを負った。穴には生後2カ月の子グマ2頭がおり、市は「人を襲ったのは子グマを守ろうとした行動」と判断。逃走した母グマは駆除せず、周囲を立ち入り禁止とし、1日に穴近くに監視カメラを設置した。市には5日までに「子グマを保護してほしい」などの意見が74件寄せられた。道が定めている「子グマを発見した場合の対応方針」は、近くに母グマがいる可能性などを考慮し、安易な捕獲は避けるよう規定。人に危害を与える恐れがない限り、原則的に静観するよう求めている。市の対応は、この方針を踏まえたもので、昨年度まで道ヒグマ保護管理検討会で座長を務めた東京農工大の梶光一名誉教授(68)は「野生動物には手を出さないのが原則。かわいそうだが仕方がない」と話す。

(調査の2人は襲われ負傷、住宅地から500mにクマの巣穴:北海道)
札幌市西区の三角山で、男性2人がクマに襲われ軽傷を負った事故で、市街地に近い場所にクマが巣穴を作り、冬眠や子育てをしていたことが確認された。市内のクマの生息域は近年、住宅地に隣接する場所に広がってきており、専門家は「クマが身近にいることを意識して行動する必要がある」と指摘する。事故は3月31日午後、自然歩道「三角山~盤渓ルート」から約200メートルの山中で起きた。「クマの巣穴らしきものがある」との目撃情報を確認するため、市の委託を受けたNPO法人の男性職員2人が穴を調べようとしたところ、出てきたクマに頭や腕をかまれた。翌日、今冬生まれたとみられる子グマ2頭が穴の中で見つかり、冬眠していた穴だったと判明。2人を襲って逃げたのは母グマとみられる。最寄りの住宅地までは直線距離で500メートル余りの場所だった。標高311メートルの三角山は気軽に登れる散策コース。市の調査によると、2020年は約2万7000人が入山した。市みどりの管理課の担当者は「自然歩道は冬でも多くの人が利用する。(巣穴の確認は)知る限りでは初めてだ」と驚く。登山口のすぐ近くには住宅や病院、施設もある。障害者支援施設「札幌育成園」の谷藤満施設長(64)は「クマは見たことがないが、シカやキツネは頻繁に出る」と語る。状況が落ち着くまで、近くの畑での農作業の準備など、利用者の屋外活動は控えるという。市は、動きを感知して撮影するカメラを巣穴の入り口に設置。撮影した場合は電子メールで通知され、画像を確認できる仕組みだが、6日午後5時現在、母グマは戻ってきていない。市の「さっぽろヒグマ基本計画」で定める基準では、人を襲った個体でも「母ヒグマの防衛本能による威嚇や攻撃」の場合は、被害を拡大させる可能性が高いとは言えないとしており、市は駆除せずに見守る方針だ。事故の背景や注意点について、クマの生態に詳しい酪農学園大の佐藤喜和教授に聞いた。2014年頃から札幌市の市街地周辺にカメラを設置して調査しているが、市街地と森林の境界線から4キロ圏内で繁殖しているクマがいることはわかっていた。三角山に冬眠穴があってもおかしくはない。「やはり」と思いながらも、これほど市街地に近い所で冬眠するのだという驚きもある。札幌周辺では1960年代以降、人口増加とともに山際の農地が住宅地に置き換わっていった。一方、90年代に行政がクマの保護に転じたことで、戦後に減っていた個体数は少しずつ回復した。山の緑も回復し、住宅地に接する森もクマが暮らせる場所になっている。今回の母グマも、三角山周辺で生まれ、常に人の気配や車の音が身近にある場所で暮らすことに慣れた個体かもしれない。ただ、事故が起きたのはあくまでも森の中。子グマを守るための行動だったので、直ちに街中に出てきて人を襲うようなことはないだろう。過度に恐れる必要はないが、山に入る場合は複数人で入り、鈴やラジオを鳴らす、新しい足跡やフンを見つけたら引き返すなどの注意が必要だ。近隣住民も、クマを招き寄せてしまわないよう、ごみや家庭菜園の管理、ペットや野鳥への餌やりには気をつけてほしい。

(釧路湿原保護シカ捕獲強化:北海道)
釧路湿原国立公園内で増加するエゾシカの食害から植生を守るため、環境省は特別保護地区の赤沼(鶴居村)周辺を含む湿原南西部で、本年度から5年間にシカ700頭の捕獲を目指すことを決めた。同省は、湿原の食害対策として2013~21年に計約500頭のシカを捕獲したが、シカの増加が止まらず希少植物が減少傾向にあり、捕獲を強化する。「釧路湿原生態系維持回復事業」の第2期(2022~26年度)実施計画に盛り込んだ。年間の捕獲目標は140頭。

(日光で観光客がサルに餌付け、人なれし被害2千万円:栃木)
農作物などの被害が続いているニホンザルの対策を強化しようと、栃木県は2022年度から5年間の「県ニホンザル管理計画」を策定した。被害の大きい「重点対策集落」を設定し、鳥獣管理士らを派遣して被害防止に取り組む。県自然環境課によると、1980年代、日光市で観光客がサルに盛んに餌付けをし、人なれして集落に出没するサルが増えた。徐々に生息域を那須地域や県南西部に拡大しており、現在は県内に約4000頭が生息すると試算される。2020年度のサルによる農林業被害額は約1900万円。足利市や佐野市などに被害が多く、野菜被害が7割近くを占める。近年のピークだった16年度(3500万円)以降、2000万円程度で推移し、県は「まだまだ被害は多い」とする。管理計画では、足利、栃木、日光、佐野市など9市町に対し、県によるサルの生息調査の結果を提供し、各市町が「重点対策集落」を設定。対象となった集落では、県が派遣した民間の鳥獣管理士らの指導で、やぶの刈り払いや、ロケット花火を使った「追い払い」など、持続的な対策に取り組んでもらう。放置された里山や庭にある果樹は、サルにとって栄養価が高いエサとなり、個体数の増加の一因になる。同課の担当者は「『意図しない餌付け』を防ぐためにも、果樹はすべて収穫するか、収穫しない場合は伐採するなどしてほしい」と呼びかけている。

(クマ捕獲上限、2倍に引き上げ:秋田)
クマが人の生活圏に出没する傾向が強まる中、秋田県は本年度、ツキノワグマの総捕獲数の上限を2021年度の528頭から大幅に引き上げ、過去最多の年間1012頭にする。生息数の増加を抑制し、農作物や人身被害を防止する狙い。県の担当者は「人里に近づけない対策を取るなど共生を図りながら、頭数調整をしていきたい」と話す。捕獲上限を設定する際の基礎となる県内の推定生息数は2000年度以降、1000頭前後で推移。県は環境省のガイドラインに基づき、推定生息数の12%を捕獲上限としていた。だが自動カメラの導入など生息数調査の精度向上に伴い、20年度の推定生息数は4400頭に増加。食害や人身被害が頻発しており、独自に算出したクマの年間増加率を基に、捕獲上限を推定生息数の23%(1012頭)に引き上げた。背景には、主に5~10月に人里周辺に設置した箱わなで捕らえる「有害捕獲」が大幅に増えて捕獲上限を上回り、11月~翌年2月が猟期の「狩猟」が減っていることもある。県ツキノワグマ被害対策支援センターの近藤麻実主任は「狩猟にはクマに銃声を聞かせ、追い回すことで人への恐怖心を植え付ける効果がある。一定程度、継続して狩猟技術を維持することが必要だ」と語る。有害捕獲と狩猟のほか、人への恐怖心を与える目的で春先に行う「個体数調整捕獲」を加えた総捕獲数の推移はグラフの通り。20年度は上限(528頭)を上回る659頭で、有害捕獲が551頭に上ったのに対し、狩猟は52頭だった。猟期前に捕獲上限に達し、狩猟の自粛要請を出した年度(09~16年)もある。県は捕獲上限数などを定めた「第2種特定鳥獣管理計画」の第5次計画(22~24年度)を策定。上限数の引き上げにより、狩猟の機会を増やしたい考えだ。近藤主任は「耕作放棄地の増加などでクマの生息域が人里に拡大し、被害が出ている。里山の手入れや食害防止の電気柵設置など人の生活圏に近づけない対策も必要だ」と話す。

(ヌートリア捕まえたら3千円:山口)
山口県岩国市は、農作物に被害を及ぼす特定外来生物ヌートリアを対象に新しい捕獲奨励金制度を設けた。対象者を猟友会以外にも広げて期間を通年とし、金額を増やした。多くの人が関わりやすい制度にすることで捕獲を促し、農業被害を減らしたい考えだ。

(冬のエゾシカ駆除143頭:北海道)
エゾシカの今冬の駆除期間(2月10日~3月26日)に、市内で猟銃によって駆除した2021年度の頭数が前年同期比約3割減の143頭と、過去5年間で最も少なかった。市は大雪などの天候不順により、ハンターの出動日数が減少したためとみている。近年、エゾシカの頭数が減らず、農林被害が深刻化していることから、市は例年4月中旬~5月下旬の春の駆除期間を今年初めて6月11日まで延長する。市はエゾシカの頭数を抑制するため、道猟友会根室支部に駆除を委託している。道東あさひ農協などと1頭当たり8千円の補助金をハンターに出し、冬のほかに春、秋(9月中旬~10月下旬)の年3回、駆除を実施している。

(カワウ、こっちが減ればあっちが増える:広島)
広島県尾道市は、カワウによる2021年度の市内の漁業被害額を概算で877万円とした。20年度の2068万円から大幅に減ったが引き続き高い水準にあるとし、より効果的な対策を検討する。

(チューリップ、シカ?に2~3割食べられる:山梨)
約10万本のチューリップと富士山の共演を楽しめる山梨県の「山中湖花の都公園」で、2~3割のチューリップが動物による食害に遭ったことが分かった。公園を管理する山中湖村によると、シカに食べられたとみられ、被害は過去最大規模という。被害があったのは3月下旬頃。畑にシカの足跡が残っていた。電流が流れる柵(高さ約2メートル)を周囲に設置してあったが破壊されておらず、村の担当者は「柵を飛び越えたのだろう」とみている。約10年前にも同規模の被害があったが、その後に柵を設置して以降、食害はほとんどなかったという。村は、被害があった部分に別の花を植える対策をとった。チューリップは約7万5000本が残っており、5月の連休には見頃を迎えるという。同村は「被害は一部なので、ぜひ見に来てほしい」としている。

(クマ撃退スプレー、問い合わせや購入増:北海道)
札幌市西区の三角山で男性2人がヒグマに襲われた事故を受け、市内のアウトドア専門店などでクマ撃退スプレーが売れている。山に近い住宅街の住民や山菜採りをする人などが買い求めているという。ただ、使用の際は安全装置を解除する必要があるなど準備が大切で、専門家は「使用を想定した持ち歩きを心がけてほしい」と呼びかける。「今回の事故でクマに出合う確率が高いと感じた。常に持ち歩きたい」。山菜採り歴20年の札幌市北区の無職沢田平造さん(69)は今年初めてスプレーを購入した。販売価格は1本当たり1万円前後からという。

(カラスが送電線に感電:奈良)
5日午前6時35分頃、奈良県香芝市の近鉄大阪線の近鉄下田ー五位堂駅間で、線路上の鉄柱付近から煙が出ているのを、走行中の上り電車の車掌が発見した。約30分後に鎮火したが、大阪線は河内国分(大阪府柏原市)ー五位堂駅間で約1時間15分間にわたって運転を見合わせた。近鉄によると、近くにカラスの死骸があり、カラスが送電線に感電した際に火花が出て、鉄柱に張ってある営巣防止用ネットに燃え移ったという。この影響で、上下70本が運休したほか、56本が最大96分遅れ、約3万7000人に影響が出た。

(シカの目撃情報相次ぐ:熊本)
先週は熊本市の白川を泳ぐシカを紹介しましたが、今度は緑川でシカの映像が撮影されました。県内で目撃情報が相次いでいます。菜の花が咲く緑川の河川敷で、勢いよく走る2頭のシカ。撮影した人の話では、車とほぼ同じスピードで走っていたということです。この1週間前にシカが目撃されたのは、熊本市中央区の渡鹿。白川を泳いで渡る様子が撮影されました。この映像を見て、南区の雁回山から来た可能性があると話していた熊本博物館の清水学芸員。その南区を流れる緑川での新たな目撃情報に…「白川まで行ったのが、また緑川に戻ったか…個体数も違うので違うのではないか。毎年この4月のこの時期に、緑川の河川敷で見られています」(熊本博物館 清水稔学芸員)。清水さんによりますと、3年前から毎年この時期に緑川の河川敷で確認されているということですが、その目的とは。「雁回山の個体群がここまで来ていると思うんですけど、山よりも日当たりのいい河川敷の方が栄養価の高い草がたくさん生えていて、ここに味をしめた一部の個体が毎年移動してきるのかもしれない」(清水稔学芸員)。

(鳥 vs. AI、ブドウ園を守るために飛べ:長野)
ワインの材料となるブドウの産地として知られる長野県。このブドウの生産は、鳥による被害に長年悩まされてきた。長野県では、ワインに換算して年間で約300万円相当のブドウが鳥害によって無駄になっているという。この鳥害をドローンで防ごうとするシステムが、IT展示会「第31回Japan IT Week 春」(東京ビッグサイト、4月6日~8日)で展示されている。システムを作っているのは、通信機器の開発などを手掛けるマリモ電子工業(長野県上田市)。同社の関純常務取締役は「開発のポイントは、鳥を検出してからいかに速く、現場へドローンを出動させるか」と話す。システムは、ブドウ園に仕掛けた定点カメラで鳥の姿を捉え、その位置情報をドローンに送信。ドローンを起動し、送信された位置情報に向かわせ、音やその動きで鳥を追い払う仕組みだ。一連の流れを自動化すべく、同社は信州大学や岐阜大学と共同で開発に取り組んでいる。このシステムの特徴は、ドローンが起動するまでのスピードにあるという。関さんは「これまでは鳥の画像データをドローンに送信する方法を採用し、開発を進めていた。しかしこの方法は、画像の処理に時間がかかり、現場に着くまでにラグがあった。そこで画像ではなく、座標データのみを送ることで、データ処理を高速化し、ラグを減らすことに成功した」と説明する。ブドウ農園以外にも「航空機と鳥が衝突する事故『バードストライク』を防ぐために空港などへの導入にも効果があるのでは」と関さん。同社は今後、鳥の行動をパターン化し、より効率的に追い払うためのドローンの動きを研究していく他、鳥以外にもイノシシや鹿、猿などの哺乳類が与える獣害対策にも応用できるよう、システムを改良していく方針だ。ただし実用化の見通しはまだ立っていないという。

(田畑荒らす獣、音や光で威嚇:岡山)
IT業の青電舎(岡山市中区祇園)と監視カメラ企画販売などのシステムエイ・ブイ(同市北区青江)は、田畑を荒らすイノシシやシカなどをAI(人工知能)内蔵のカメラで検知し、自動追尾しながら音や光で威嚇する獣害対策ロボットを共同開発した。特許出願済みで、2022年度中の発売を目指す。カメラの映像にイノシシなどが映り込むと、AIが個体を認識して“ロックオン”。自動追尾して音波や光線を当てて追い払う。音波を発生させる装置には、単側波帯伝送と呼ばれる無線分野の技術を応用した。ホースから水を噴射するように音波を直線的に飛ばすことができ、窓や壁に当たると反射して向こう側に響きにくい。田畑に設置して爆発音を出す既存の威嚇装置とは異なり、周辺民家への騒音被害を防げるという。イノシシなどがいつ何頭現れたかを記録する機能もあり、ロボット導入の効果測定に生かしてもらう。ロボットの仕組みは、ICT(情報通信技術)を活用して農作業を効率化する「スマート農業」などのシステムを開発している青電舎の堀潤也代表が考案。画像認識や音響装置のノウハウがあるシステムエイ・ブイの井関勇喜社長と知人だった縁で開発を持ち掛け、約1年がかりで試作機を仕上げた。高梁市の協力を得て3月から、同市内で実証実験を行っている。今後は、自治体や農家向けに100万円程度で販売する計画。音や光に加え、生分解性プラスチックを使用した「バイオBB弾」を発射する威嚇装置の構想もある。岡山県がまとめた野生鳥獣による農林水産物の被害額は2億6410万円(20年)で、イノシシとシカがほぼ半分を占める。堀代表は「獣は人を恐れるので、追尾機能で『狙われている』と感じさせることで威嚇効果が増す。高齢化や人口減で人によるけん制がしにくい中山間地域で役立つはず」。井関社長は「知能の高いサルなどにも応用できるよう改良していきたい」と話している。

(骨皮付きシカ肉をガブリ:愛知)
豊橋市大岩町の豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)で、害獣として駆除されたシカの肉をライオンが食べる催事「ライオン ワイルド飯」が開催されている。スプリングイベントの一環で、五月八日までの毎週日曜午前十一時半から。野生に近いライオンの姿を楽しんでもらう狙いだ。

(「ジビエ」活用へ、飲食店と狩猟つなぐ:北海道)
エゾシカなど野生動物の肉、「ジビエ」をめぐる新たな動きについてです。道内では野生鳥獣による農作物などの被害が年間およそ50億円に上り、被害をどう減らしていくかが課題になっています。こうした中、解決策の一つとして期待されるのが「ジビエ」として流通させることです。いま若手ハンターが、ジビエを使いたい飲食店と狩猟の現場をつなぐ新たな取り組みを始めています。

(道南ジビエを全国へ:北海道)
道南産のエゾシカなどの野生鳥獣肉(ジビエ)を全国に広めようと、東京都渋谷区の人気フランス料理店「マノワ」(中村豪志(つよし)代表)が森町赤井川に解体や食肉加工ができる施設「マノワラボ」を今月中旬に開設し、5月から本格的に稼働する。施設責任者になる飯村健太副社長(29)は「道南のジビエの質は国内最高クラス。地元の人にも良さを知ってもらい、ブランド化していきたい」と話している。マノワは2011年に開業し、シカやイノシシなどジビエ料理に力を入れ、多くのファンを持つ。ハンターでもある中村代表は同店の客を通じて森町を知り、地元ハンターから、仕留めたエゾシカの多くが活用されていない実態を教わった。そこで「道南のジビエを流通できる仕組みづくりを」と施設の新設を決めた。

(捕獲シカとイノシシ、ジビエ保存食に:兵庫)
兵庫県の淡路島内で農作物の獣害対策として捕獲したシカとイノシシの肉を使い、ジビエ保存食の商品開発が進んでいる。吉備国際大学(南あわじ市志知佐礼尾)の狩猟部とたつの市の缶詰メーカー「ネクストキャンドフーズ」などが連携。カレーの缶詰やロースハムのパックなど13品が試食段階に入った。これまで、南あわじ市内で同部や住民グループがジビエ料理のメニュー研究に取り組んできたが、商品開発は新しい動き。味や食感を仕上げ、地域の新たな特産品化を目指す。同部は2015年設立。現在、27人の部員がいる。わなの免許を取って駆除に参加。年間計25~30頭のシカとイノシシを捕獲する。20年、キャンパス内に食肉処理加工施設ができ、イベントなどで提供する料理を作ってきた。学生だけで使い切るのは難しく、さらなる活用方法を模索。ネクスト社から県の補助金を使う事業として新商品開発を提案された。試食段階まで進んだ13品のうち、イノシシ肉はスペアリブ、角煮(缶詰)、ロースハム、ソーセージ、希少部位のネックを使った燻製(くんせい)(パック)-の5品。シカ肉はハンバーグ、ミートソース、時雨煮、カレー、みそ煮、タンシチュー、ウズベキスタンの炊き込みご飯「プロフ」(缶詰)、ソーセージ(パック)-の8品。いずれもメニュー案は部員が考え、調理と製造を企業側が受け持つ。缶詰の品はネクスト社、パックの品を連携する丹波篠山市の食肉加工業者などが手がける。「誰もが口にしやすい味で、ジビエ独特の野性味も損なわない」がコンセプトという。3月末、島内の直売所関係者ら向けの試食会を、洲本市内で実施した。学生らが、「ハンバーグなどの缶詰は湯煎で温めるだけ。災害時の非常食としても使える」「プロフの缶詰は炊飯器に米と一緒にいれて炊き込みご飯にする」などと説明した。農畜水産物直売所「美菜恋来屋(みなこいこいや)」(南あわじ市八木養宜上)の茱萸(ぐみ)健太店長は、「すぐにでも売りたいものがあった」と評価していた。22年度中の発売を目指し、同部の一部メンバーで販売元となる会社を起こす予定。製造は引き続きネクスト社などに委託する考えという。販路開拓に向けて寺見太一部長(21)は、「さらにメニューも増やし、ふるさと納税の返礼品にもしたい」と期待を込める。

(ジビエ鹿肉てりやきバーガー)
2022年4月5日(火)、ロッテリアは“ジビエ鹿肉てりやきバーガー(てりやきジンジャーソース)”を、2022年4月14日(木)より全国51店舗にて限定販売することを発表した。価格は720円[税込]。本商品は牛肉や豚肉に比べて高タンパク、低カロリーといわれている鹿肉を全体の6割使用、より本格的に鹿肉の風味と旨味を味わえるハンバーグパティに、香り高くマイルドな辛味の高知県産しょうがを使用したロッテリアオリジナル“てりやきジンジャーソース”を合わせたバーガー。また、鹿肉ハンバーグパティを2段重ねたボリューム抜群の“ダブルジビエ鹿肉てりやきバーガー(てりやきジンジャーソース)”も同時販売される。こちらの価格は1170円[税込]。

(鹿角ナイフ:北海道)
アウトドアでのキャンプにおける、ひとつの流儀「ブッシュクラフト」。これは森と生きる知恵を学ぶため、最低限の道具だけを持って森で過ごし、森で手に入る木の枝や草の蔓などを使って、必要なものを作ってしまうというキャンプ方法だ。この「ブッシュクラフト」をブランド名とするキャンプ用品メーカーから届いたのは、鹿の角で作ったナイフである。北海道のエゾシカ工芸家である照井弘志氏が手作業で製作するこのナイフは、金属製のナイフとは違ってテーブルナイフやバターナイフ、ペーパーナイフが用途。ひとつひとつ丁寧に作られた作品は、アウトドアマンの心をつかむ。

(ジビエ肉の加工施設が完成:徳島)
シカやイノシシによる農作物などへの被害が後を絶たないなか、阿南市で初めてとなるジビエの加工施設が完成しました。ジビエの加工施設は、阿南市のハンターでつくる「あなんジビエ振興協議会」が国や市の補助を受けてつくりました。施設は、木造平屋建てで、10坪ほどの大きさで、捕獲した野生鳥獣を吊り下げ食肉に加工できる設備や、肉を熟成させるための冷蔵設備などを備えています。徳島県では、シカやイノシシ、サルによる農作物などへの被害が去年3月までの1年間に9000万円以上にのぼっています。阿南市によりますと、市内では、このところ、ハンターが増えてきていますが、ジビエの加工施設は初めてだということです。施設は、保健所から営業許可を得たうえで、5月運用を始め、年間150頭の野生鳥獣の処理を目指しています。「あなんジビエ振興協議会」の大西勝会長は、「野生動物を駆除するだけでは、生命に申し訳ない。こういった施設ができたことで食肉として市場に出したいし、若手の狩猟者の育成のためにも活用していきたい」と話していました。

(シカ肉でジビエ串カツ:岐阜)
海津市のシカ肉を、串カツで手軽に味わってみませんか。千代保稲荷神社参道の飲食店「大黒屋」(海津市平田町三郷)は三月三十日、「ジビエ」と呼ばれる狩猟で得た肉の串カツの提供を始めた。「食べてみて、やってみよう、と決めた」。店を営む森一展(かずひろ)さん(59)にとっても挑戦的な一本は、四十グラムで食べ応えがある。ジビエは海津市海津町金廻の「南常(なんじょう)」が卸す。西川崇社長(47)が地元ならではの展開を模索する中、一カ月前に森さんと出会った。「半信半疑。野生のもの。味は大丈夫かな」という森さんは、試食して「あれ、牛肉かな。臭みはない」と串カツにすることを提案した。一カ月掛けて肉の大きさや味を試行錯誤して完成した。店の独自配合のパン粉を付けて店頭で揚げる。千代保稲荷参道では串カツを出す店が多く、西川さんは「この地ならではの取り組み。地元が面白くなれば」。森さんは「フードロスの削減に少しでもつながれば」と話す。塩味とカレー風味の二種類で、一本三百五十円。狩猟の状況によって本巣市のジビエも使用する予定。

(クマ出没:宮城)
仙台市によると、6日午前2時ごろ、仙台市青葉区茂庭松倉にクマが出没しました。

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(キタキツネから鳥インフル検出:北海道)
北海道は5日までに、札幌市内で見つかったキタキツネ1匹の死骸から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5型)を検出したと発表した。環境省によると、哺乳類の感染確認は国内初。同ウイルスに感染したカラスを食べたことが原因とみられる。同省によると、感染した鳥を食べたり、死骸やふんを直接触ったりしない限り、ヒトが感染する可能性は極めて低く、世界的にもほとんど例がないという。札幌市では3月29日にハシブトガラス5羽の死骸が見つかり、いずれも遺伝子検査で同ウイルスの陽性が確認された。キタキツネはカラスの発見場所付近で31日に死骸で見つかった。

(豚熱3頭:山口)
山口県は1日、岩国市と周南市で発見された野生のイノシシ計3頭から豚熱(CSF)の感染を確認したと発表した。県内の感染確認は8例となった。

(シカ急増の女川町、農作物への被害防ぐため今年の駆除開始:宮城)
女川町では、農作物などへの被害を防ごうと、猟銃による二ホンジカの駆除が始まりました。これは、女川町が毎年、行っているもので、2日は猟友会のメンバーが狩猟犬とともに山へと入りました。女川町によりますと、二ホンジカは増加傾向にあり、去年の捕獲数は512頭以上と9年前に比べ、15倍以上に増えたということです。県猟友会石巻支部・山形勇彦支部長「1頭でも多くとって町とか地域に貢献するというところでやりますので(期間中は)皆さんの協力をお願いしたいと思っています」。女川町のシカの駆除は、来月29日まで行われ、町は期間中、森林に入らないよう呼びかけています。

(岐阜大に獣害対策の新拠点:岐阜)
岐阜県と岐阜大は1日、シカやイノシシなどの野生動物による被害への対策を強化するため、共同で「県野生動物管理推進センター」を学内に開所した。県によると、県と大学が獣害対策の拠点を大学内に設けるのは全国初。新しい情報通信技術(ICT)による分析を踏まえて自治体に助言し、効果的な対策につなげる。開所式で、センター長に就任した岐阜大応用生物科学部の鈴木正嗣教授は「野生動物を人間生活から守ることと、野生動物から人間生活や自然環境を守ることが求められる時代になった。バランスを取り、シンクタンクとして機能させていく」と語った。

(獣がい対策へ、NPOと協定:兵庫)
地域振興にもつながる獣害対策をめざして、丹波篠山市は3月24日に同市のNPO里地里山問題研究所と「獣がい対策の推進に関する包括的連携協定」を締結した。柵の設置などでサルや鹿など野生動物による農作物被害を軽減するだけでなく、そうした取り組みに都市部の人や学生にも関わってもらう。

(奄美、ノヤギ3割増:鹿児島)
鹿児島県は、世界自然遺産に登録された奄美大島と、周辺3島で令和3年度に野生化したヤギ(ノヤギ)を642匹確認し、平成26年度に比べ3割以上増えたとする調査結果をまとめた。希少植物への食害が懸念されており、県は山中での捕獲方法を検討する。ヤギは、国際自然保護連合(IUCN)が「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定。奄美大島ではノヤギによる食害で土壌流出が進み、岬でのがけ崩れも起きた。島内5市町村は20年にヤギ放し飼いを禁じる条例を施行している。県の調査結果によると、令和3年7月に船を使ってノヤギの数や位置を記録。奄美大島では南部で多数見つかり、請島と与路島でも計182匹を確認。センサーカメラや音声録音装置による調査で、世界遺産地域内での定着も判明した。世界自然遺産の東京都小笠原諸島では、一部の島でノヤギが完全駆除された事例もあり、県は参考にして方針を検討する。担当者は「希少植物を守るため、森林内で捕獲しなければいけない」と話した。

(野生イノシシ、減少から回復か:埼玉)
3年前に埼玉県内の5カ所の養豚農場で感染が確認された豚熱。野生のイノシシが媒介し、流行が拡大したと言われる。豚熱に加え、県が捕獲を強化したことでイノシシの生息数は減少した可能性がある。だが、養豚農場での流行を避けるため、引き続き対策が必要だ。2019年9~11月、秩父市や小鹿野町など5カ所の養豚農場で豚熱に感染した豚が相次いで確認された。このため、県はイノシシ捕獲数を増やしたり、ワクチン入りのえさをまいたりするなど感染防止対策を強化した。県みどり自然課によると、18年度に1908頭だったイノシシの捕獲頭数は19年度に2355頭へ増加し、20年度は前年度の3分の1以下の704頭へ大幅に減少した。同課の担当者は生息数について「19年度より大きく減少したと推測される」としている。東秩父村の渡辺桂亮(けいすけ)・県猟友会小川支部副会長(74)は捕獲だけでなく、豚熱に感染し生息数が減った可能性があるとみる。「豚熱で死んだためかイノシシを見かけなくなり、捕獲しても病気のためか脂がなく痩せていた。人が通る登山道近くでイノシシの死骸が見つかることもあったが、それまでこんなことはなかった」と振り返る。渡辺さんは19年の豚熱発生前は月20~30頭を捕獲していたが、21年11、12月は月6~7頭と少ないままという。渡辺さんは「もう数は戻らないのではないか」と話す。「狩りでの遭遇率、目撃情報や農業被害の声からするとイノシシが減っている感じがする」。こう話すのは狩猟ベンチャー企業「カリラボ」(横瀬町)の吉田隼介さん(43)だ。横瀬町内の捕獲数は18年度49頭、捕獲を強化した19年度に64頭だったが、20年度13頭、21年度は1月までに18頭と激減したままだという。県畜産安全課によると、19年度の捕獲イノシシの豚熱の陽性率は10%だったが、21年度は0・6%と大幅に減少した。しかし、イノシシの頭数が減り、陽性率が下がったとしても、イノシシ間の豚熱流行を終息させなければ、養豚農場の豚が豚熱に感染するリスクは残る。21年には宮城県、栃木県と三重県、滋賀県で豚熱の感染が確認され、養豚場での豚の殺処分が行われた。全国では豚熱は根絶できていない。イノシシ生息数への豚熱の影響を国内で初めて確認した池田敬・岐阜大特任准教授(野生動物管理学)は「19年度は捕獲強化に加え相当数が豚熱により山中で見つからず死んでいた可能性はある。ただ以前より少ないとしても、タヌキなどが防護柵のすき間から養豚農場に侵入していることを確認しており、中型動物や鳥に付着して持ち込まれて豚熱が発生し得る。加えて、(19年の豚熱)発生直後に比べるとイノシシは増えている実感もある」と指摘する。イノシシは多産で、東秩父でも21年秋に40~50キロの小さな個体が何頭か捕獲されており、頭数回復を警戒する声も一部で出ている。国は23年度までにイノシシを11年度の半分に減らす方針で、県は豚熱による変動を踏まえつつ、頭数の管理強化を目指している。

(ヒグマが冬眠から覚めるシーズン、被害防止対策を学ぶ講習会:北海道)
ヒグマが冬眠から覚める春のシーズンにあわせ、専門家から被害を防ぐ対策を学ぶ講習会が滝川市で開かれました。市民団体が2日、開いた講習会には市のヒグマ対策の担当者や林業を学ぶ専門学校の関係者などおよそ50人が参加ました。この中で、ヒグマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授は、市街地での被害を防ぐ対策として侵入するおそれのある経路に電気柵を設置することや、ヒグマを引き寄せないために生ゴミや不要な果樹を放置しないことなどを地域ぐるみで取り組むよう呼びかけました。講習会の参加者のうち、砂川市でおととし、養鶏場をクマに荒らされた経験のある男性は「電気柵の効果を実感し、自衛するしかないということがわかりました」と話していました。また、道外出身で林業の専門学校に通う学生は「クマは山奥にいるというイメージだったので、人里に出てくると知り、恐怖を感じました」と話していました。

(ヒグマ対策室新設:北海道)
北海道は31日、2022年度の定期人事異動(4月1日付)と機構改正を発表した。機構改正では、道内のヒグマによる死傷者が21年度に過去最多を更新したのを受け、環境生活部に「ヒグマ対策室」を新設し、課長級以下4人を配置する。当面は冬眠明けのヒグマ対策に力を入れる。

(クマがくわえていた鹿の死骸が線路内に:北海道)
1日午前、道北の上川町のJR石北線で、特急列車の運転士が線路内にクマを発見して急停車し、クマはそのまま逃げましたが、口にくわえていた鹿の死骸を線路内に放置したため、特急2本が部分運休するなど影響が出ました。乗客や乗務員にけがはありませんでした。JR北海道によりますと、1日午前9時前、上川町のJR石北線で特急オホーツク2号の運転士が線路上にクマがいるのを発見して急停車し、クマはそのまま逃げたものの口にくわえていた鹿の死骸を線路内に放置したため、列車は前に進めなくなりました。特急列車に乗っていた乗客や乗務員にけがはありませんでしたが、まだ近くにクマがいて、乗務員が襲われるおそれもあったため、近くの上川駅からハンターと保線社員を呼んで、死骸の除去と線路の安全確認を行いました。列車はおよそ3時間後に運転を再開しましたが、この影響で、札幌から網走に向かう特急と、網走から旭川に向かう特急が、北見と網走の間でそれぞれ部分運休したほか、普通列車にも遅れが出ました。JR北海道によりますと、この地域ではしばしば線路付近でクマが目撃されていて、乗務員同士が情報を共有しあって警戒しているということです。

(子グマ2頭を巣穴で発見、親グマの監視カメラ設置:北海道)
3月31日、男性2人がクマに襲われた札幌市の三角山で、子グマ2頭が巣穴で見つかりました。親グマは見つかっていません。31日午後、札幌市西区の三角山(標高311メートル)で、札幌市の委託を受けてクマの巣穴などを調べていた男性2人がクマに襲われ、重傷を負いました。札幌市と北海道立総合研究機構は猟友会のハンター8人を伴い、1日午前6時から現地調査をしていましたが、午前7時45分ごろ、巣穴にいる子グマ2頭を発見しました。札幌市環境局によりますと、子グマが巣穴から出て動き回る様子などはなく、体長などはわかっていません。また、親グマは見つからず、巣穴に戻る可能性があるため、センサーカメラを設置して監視を継続、今のところ、駆除はしない方針ということです。三角山では、3月13日に巣穴の目撃情報があり、登山道が閉鎖されましたが、16日に閉鎖を解除していました。当面、登山道は全て閉鎖され、警察が付近をパトロールして、注意を呼びかけます。

(カラスが感電:奈良)
5日午前6時半ごろ、奈良県香芝市の近鉄大阪線下田−五位堂間の線路に設置している鉄柱付近から発煙していることが分かり、近鉄は河内国分−五位堂間の上下線で7時50分ごろまで一時運転を見合わせた。大阪線などの上下電車の一部で運休や遅れが出た。近鉄によると、高圧線に感電したカラスの火花によって、カラスなどの営巣防止ネットが燃焼したとみられるという。

(コンセプトは「走るマタギの古民家」:秋田)
秋田県の「秋田内陸線」の観光列車が生まれ変わりました。「マタギ文化」を散りばめて県の内外からお客さんを呼び込みます。2018年に誕生した内陸線の観光列車は、クマのシルエットは地元の中学生が考えたもので赤とベージュでデザインされていました。今回改修された観光列車「秋田マタギ号」はクマのシルエットや赤色は残しながらもクマを連想させる黒を加え重厚感を出しています。コンセプトは走るマタギの古民家です。照明や天井、壁紙など装飾は古民家風に。マタギの服も飾られています。改修する前は畳敷きでしたが、長い時間乗っていてもくつろげるように背もたれ付きのボックスシートに変わりました。また、食事などに使える大型のテーブルも新たに設置されました。改修にかかった費用は約5000万円です。半分は観光庁の補助金、もう半分は県や沿線の北秋田市と仙北市の支援でまかないました。

(クマの駆除を減らせ、日本熊森協会北海道支部発足:北海道)
クマの保護などに取り組む「日本熊森協会」の北海道支部が発足し3日設立集会が行われました。全国で、およそ1万9000人の会員が所属している「日本熊森協会」は兵庫県に本部がありクマの人里への出没を防ぎ駆除を減らすための活動などを行っています。3日札幌市内で開かれた集会には道内の会員およそ100人が参加しました。支部では長野県などで成果をあげているクマを森へ追い払う対策犬「ベアドッグ」の導入を目標に掲げ取り組んでいくということです。日本熊森協会・北海道支部中山布美香・支部長「去年だって800何十頭というクマが殺されているので急いで対策しないといけないなというのは考えています」北海道支部では今後月に1回程度勉強会や講演会を行いたいとしています。

(シカ肉ゴロゴロ入ったカレー缶詰:北海道)
エゾシカの狩猟から解体、販売まで手掛ける足寄町の野生肉専門店「やせいのおにくや」は陸別町の老舗旅館「浜田旅館」と協力し、シカ肉カレーの缶詰を商品化した。アウトドア人気で注目が集まる「キャンプ飯」やイベント需要を見込み、1日から十勝管内の多目的施設やキャンプ場などで販売。取扱先も順次増やす考えだ。商品名は「エゾシカ肉がゴロゴロ入ったグリーンカレー」(960円、190グラム)。鹿のすねやもも肉などの部位が全体の30%以上とボリューム満点で、ココナツミルクが辛さをやわらげ深い味わいに仕上げた。

(捕獲シカとイノシシ、ジビエ保存食に:兵庫)
兵庫県の淡路島内で農作物の獣害対策として捕獲したシカとイノシシの肉を使い、ジビエ保存食の商品開発が進んでいる。吉備国際大学(南あわじ市志知佐礼尾)の狩猟部とたつの市の缶詰メーカー「ネクストキャンドフーズ」などが連携。カレーの缶詰やロースハムのパックなど13品が試食段階に入った。これまで、南あわじ市内で同部や住民グループがジビエ料理のメニュー研究に取り組んできたが、商品開発は新しい動き。味や食感を仕上げ、地域の新たな特産品化を目指す。

(ジビエ料理で命に感謝:奈良)
ジビエと呼ばれる野生の鳥獣肉を使った料理を楽しめる店が増えている。リストランテ・リンコントロ(奈良市)は野生のシカやイノシシなどを使った料理も提供するイタリア料理店だ。オーナーシェフを務める西岡正人さん(40)は語る。「山の自然、動物の命、人間の暮らし。そのつながりを想像しながら、命をいただくことが大切だ」。東京や大阪など都心で鹿肉を使った料理といえば、北海道産のエゾシカを使う店が多い。西岡さんは地産地消へのこだわりから、奈良市内で、シカの殺傷禁止区域外にあたる旧都祁(つげ)村地区で捕獲されたニホンジカを使う。イノシシも県内で捕獲されたものを使う。ジビエ料理に使う獣肉は、保健所から出ているガイドラインに従い、処理している。

(クマたちのために活動する団体のチャリティーアイテム:京都)
京都発のチャリティー専門ファッションブランド「JAMMIN(ジャミン)」は、クマをはじめとする野生動物たちとの共存をめざし、生息地の再生や、野生動物を殺さないようにするために25年にわたり活動してきた一般財団法人「日本熊森協会」とコラボし、オリジナルデザインのチャリティーアイテムを制作。チャリティー付きアイテムとして、2022年4月4日(月)から2022年4 月10日(日)まで、JAMMIN ECサイトにて1週間限定販売いたします。

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(クマ生態調査の2人、巣穴出てきたクマに襲われけが:北海道)
3月31日午後、札幌市・西区の三角山でクマの巣穴の調査を行っていた男性2人がクマに襲われケガをしました。3月31日午後2時30分ごろ、札幌市・西区山の手の三角山の西側山頂付近で男性2人がクマに襲われました。 2人は札幌市の職員とともにクマの巣穴の調査のため山に入っていた委託業者で、47歳の男性が頭に、58歳の男性が右腕にそれぞれケガをしました。 2人は軽傷で、自力で下山し、病院に搬送されました。 警察などによりますと、2人を襲ったクマは1頭で、体長は2メートルほどとみられています。2人は自然環境の調査などを担うNPO法人の専門家で、確認のため巣穴に近付いた47歳の男性が、出てきたクマに襲われたため、後ろにいた58歳の男性がクマスプレーを噴射しましたが、クマは襲い掛かってきたということです。クマはそのまま林に逃げていったということです。現場付近では3月14日にクマの巣穴があるとの情報が寄せられていて、3月31日の調査で巣穴を発見し確認していたということです。 クマはまだ付近にいる可能性があるということで、札幌市などは登山道を閉鎖し山へ近づかないよう注意を呼びかけています。

(獣害深刻、止まらぬ農作物被害)
野生鳥獣に農作物を食い荒らされたり、人が襲われたりする被害が深刻だ。耕作放棄地の増加や地球温暖化に伴う生息域の拡大が背景にあり、生息数は過去30年間でシカは7.3倍、イノシシは2.9倍になった。ヒグマによる北海道の死傷者は2021年度、最多の14人を記録。減少傾向だった全国の農作物被害額は下げ止まっている。害獣駆除に加え、野生動物の生態や保護に詳しい人材の育成が急務だ。21年6月、札幌市の住宅街にヒグマが現れ、40~80代の住民を次々に襲った。体重約160キロのオスで、近くの陸上自衛隊駐屯地に侵入して空港が閉鎖されるなど騒ぎになった。3月31日にも同市の山中で男性2人がヒグマに頭や腕をかまれるなどし負傷した。北海道ではヒグマに襲われる被害が相次ぎ、21年度は死傷者が14人と統計が残る1962年度以降で最悪となった。目撃件数は2千件を超える。「どうにか早く捕まえてほしい」。標茶町や厚岸町では推定体重約300キロのヒグマが乳牛を繰り返し襲い、酪農家たちを悩ませている。19年から21年9月までに計57頭を襲い、被害額は1600万円を超えた。標茶町の担当者は「箱わなを仕掛けたり、光や音で驚かす装置を設置したりしているが、牧場は広く効果が薄い」と頭を抱える。「野生動物の振る舞いは人間の行動の映し鏡」と語るのは道立総合研究機構の間野勉・専門研究主幹。農業で大規模省力化が進んだ結果、人の目の届かない範囲が広がり、牧場などで容易に食べ物が手に入るとクマが学んだことで被害が増えたという。ヒグマによる農業被害の6割を占めるのが飼料用のトウモロコシ、デントコーンだ。温暖化や品種改良で道東でも栽培可能となり、作付面積が広がったことでクマが居着くようになった。間野氏は「地方は高齢化や過疎化で対策を取れる人が減っている。耕作放棄地の増加など複合的な要因が影響している」とみる。農林水産省によると、20年度の野生鳥獣による農作物被害は約161億円。このうちシカが約56億円、イノシシが約46億円を占めた。環境省の推計では、19年度末のシカの生息数は北海道を除く全国で約189万頭と30年前の7.3倍。イノシシは約80万頭で2.9倍に増えた。環境省や農水省は23年度までの10年間でシカとイノシシを半減させる目標を掲げて、駆除を進めてきたが、19年度の全国の農作物被害は前年度から微増になった。農水省の担当者は「生息域の拡大や対策の取り組みの地域差などが影響している」とみる。環境省によると、鳥獣保護や駆除などの専門知識を持つ自治体職員は21年4月時点で全国で166人にとどまる。兵庫県立大の山端直人教授(農村計画学)は「獣害対策は地域の事情を見極めながら支援していくことが重要」と指摘する。島根県や兵庫県では捕獲を含めた獣害対策を指導する専門職員を置く動きがあるが「人材育成には時間がかかり、自治体間で差が出る恐れがある。国が指導した人材を各地に派遣するような仕組みも検討する必要がある」と話す。

(特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ類編)の改定)
平成28年度に作成した「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン」(クマ類編、平成28年度)について、その後の状況の変化等を踏まえ、「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン」(クマ類編、令和3年度)として取りまとめました。併せて、令和3年12月28日(火)から令和4年1月26日(水)の間に実施した本ガイドライン案に関する意見募集(パブリックコメント)について、その結果を取りまとめました。1999(平成11)年度に鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律において、特定鳥獣保護管理計画(以下、「特定計画」という。)の制度が設立され、2021(令和3)年度ではクマ類が恒常的に生息する34 都道府県のうち22 道府県でクマ類の特定計画が作成されています。環境省は、2000(平成12) 年度に「クマ類特定鳥獣保護管理計画技術マニュアル」、2010(平成22)年度に「特定鳥獣保護管理計画作成のためのガイドライン(クマ類編)」、2016 (平成28)年度に「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン」(クマ類編、平成28 年度)を作成し、都道府県による特定計画の作成を技術的に支援しています。一方で、近年、市街地等の人間活動域へのクマ類の出没、人身被害の発生、クマ類への錯誤捕獲の発生や捕獲数の急増などクマ類の保護・管理を進める上で対応が必要な課題が生じています。そこで、特定計画に基づく計画的な保護・管理の推進により、近年の課題に対応するため、ガイドラインの改定を行うこととしました

(獣害対策で伐採した木材使い防災ベンチ:兵庫)
兵庫県南あわじ市八木馬回で害獣対策として住民が伐採した木を使い、洲本実業高校工作研究部の部員7人が、防災ベンチを1台製作した。土台の部分が鉄製で、かまどとして使える。国立淡路青少年交流の家の敷地内に設置する。企画したNPO法人は、製作数を増やして木材を有効利用し、将来的には作業の一端を引きこもりなどの就労弱者が担う雇用効果も目指す。

(住宅街にサル出没:京都)
京都市で31日、市中心部の住宅街にサルが出没。通報を受けた警察官が住宅の屋根にいるところを確認したが、見失った。府警は「目撃した場合は近寄ったり、刺激を与えたりしないように」と注意を呼び掛けた。

(東出昌大「猟師になりたい」)
東出昌大「殺生するだけの価値が自分にあるんだろうかって……」山で虚空を見つめながら呟く東出昌大。3月21日にスペースシャワーTVで放送された『24hour MOROHA“単独”武道館』という番組で、東出と2人組の音楽ユニット・MOROHAによるドキュメンタリー作品が制作中だと発表された。「東出さんは、昔からMOROHAの大ファンで、メンバーとの親交もあるようです。かつてバラエティー番組で彼らを紹介したり、MVに出演したこともあります」(芸能プロ関係者)。今年2月、東出は所属事務所との契約を解除されている。「20年の唐田えりかさんとの不倫騒動後も所属事務所は彼をフォローしてきましたが、その後も女性関係の報道が続いたことで《これ以上共に歩くことはできない》と事務所が異例のコメントを出して、契約解除に至りました」(スポーツ紙記者)。事実上の“クビ”となった東出が再起を図るドキュメンタリー作品のテーマは“狩猟”。制作途中の動画では、猟銃で撃ち、仕留めた鹿を東出が背負って歩く姿もあった。「東出さんが狩猟を始めたきっかけは、'17年に出版した『西から雪はやって来る』という写真集の中で、狩猟シーンの撮影をしたことだったそうです。今ではひとりで山に向かうほどです。東出さんのように、わな猟ではなく猟銃を扱う場合は、狩猟免許とは別の許可も取得しなければならず、費用は概算で10万円以上かかります。ちなみに杏さんも'15年に狩猟免許を取得しています」(広告代理店関係者)。“狩猟ドキュメンタリー”の内容について、監督を務めたエリザベス宮地氏が週刊女性に話してくれた。「東出さんの生きる姿勢と、MOROHAの音楽が共鳴するような作品を目指しています。“なぜ東出さんは狩猟をするのだろう”ということが制作のきっかけで、ドキュメンタリーのベースはその問いとなっています」。東出の起用を前提とした企画だったと明かす。撮影に参加した猟師兼料理人の阿部達也さんも、こう語る。「東出さんとは、'17年の写真集の撮影で知り合って、今回も本人から連絡をもらって、同行しました。彼はとてもまじめな青年で、“獲った動物を自分で料理したいので、教えてほしい”と言われました。“釣り”の延長で狩猟を始める人も多いのですが、彼は“ゲームとして楽しむのではなく、命に向き合いたい”と話していました」。ひと呼吸置いて、阿部さんは続ける。「写真集の撮影で、東出さんは“命が消える瞬間”を初めて目にしたイノシシを、自らさばいて食べました。思うところがあったようで、そのときに私が“猟師になるか?”と聞いたら“なりたいです”と答えていました」。'20年に杏と離婚し、今や事務所からも離れて四面楚歌になった彼にも、手を差し伸べる人はいるようだ。こうした“恩人”たちに、東出は自分の価値を見せることができるのか。

(猟銃の所持者を減らしたくない地域の事情:平川登紀)
2021年9月から11月にかけて、府中、調布、世田谷、新宿等でサルの目撃情報が相次ぎ、警察官が捕獲のため追いかけるということがありました。数年前には、足立区や埼玉でイノシシが出没するということもありました。首都圏でイノシシやサルが人々の生活圏に登場すると、それはもう大騒ぎです。が、こちら佐賀県において彼らの登場は1匹、2匹ではありません。親子で、群れで現れて、多くの畑を荒らしていきます。カルガモもそう。都心では「カルガモ一家の引っ越し」等ほのぼのとしたニュースでよく登場しますが、こちらでは有明の海苔を食べまくる厄介者の扱いです。唐津地域鳥獣被害防止計画によると、平成30年度、唐津市でイノシシによる被害額は、稲2858.9万円、飼料作物676.6万円など総額2500万円を超えています。サル被害の額は、ミカンなどの果樹416万円、芋など野菜53万円にもなります。隣の玄海町でも被害が報告されていて、唐津市と玄海町ではタッグを組み、唐津地域鳥獣被害防止計画を作成しています。民家近くにも出没していることを鑑みて、ここ数年のイノシシの年間捕獲計画数は6000頭です。サルは個体数が明らかに増え、群れ移動している状況から捕獲100頭を目標として設定されています。捕獲方法は、銃器および箱罠やくくり罠が基本です。イノシシやアライグマは果物やトウモロコシなどの美味しくなる時期をわかっていて「明日収穫予定だったのに、やられた」という声をよく聞きます。収穫まで天候と戦いながら育てた野菜や果物をその直前に奪われる、大事に養殖してきた海苔も「まもなく」という直前にカモに食い散らかされる、こうした被害を防ぐために銃器や罠での駆除が必要となります。最近は若者や女性が狩猟を始め「ハンターガール」として活躍する様子が取り上げられていますが、それはまだ一部のエリアです。地方の農村部では猟友会メンバーの高齢化が進み、有害駆除員が年々減少しています。特に、散弾銃などの銃器を使って駆除を行う人員は少なくなっており、私の住む唐津でも同じ状況です。私はそこそこの年齢ですが、猟友会に入るとまだまだ若手、ヒヨッコ扱い。猟友会の方が「猟友会ではなく、老友会だよ」と冗談で言うほど、高齢化が進んでいます。また、地域に必要な猟友会のメンバー内でも銃を返納する方が増えています。高齢で銃の扱いに自信がなくなったとか、家族に反対されてとか、理由はさまざまです。そのため、後進が育つ前に経験豊富な猟友会メンバーがいなくなってしまうという状況です。猟友会メンバーすなわち駆除の人員が減るとどうなるか、農家の方々は自分たちで狩猟免許を取得して箱罠を仕掛け、農作業の合間に見回りをしなければなりません。仕掛けた箱罠にイノシシが入っていたら「やったー、捕まえた!」で終わりではなく、仕留めて、時に100キロを超えているイノシシを罠から取り出し、埋めるまでやり切らなければなりません。これがもし北海道なら、クマも出没します。箱罠での捕獲が難しい時は、銃を持つ駆除員が必要になります。しかし、猟友会メンバーは減り、銃を持つ駆除員も減っている現状があり、いてほしい時に必要な人材がいないという状況、今後はますます起こりえるといえるでしょう。危ないから銃はダメ、イノシシだってクマだって駆除するなんてかわいそうというだけでは暮らしていけない現実が地方にはあります。

(キョン、高級革に:千葉)
県内で急増し、農作物被害が深刻化しているシカ科の特定外来生物「キョン」の革を有効活用しようと、地元の業者や猟師が奮闘している。捕獲後は殺処分されるのがほとんどで、命を粗末にすることに疑問を抱いていたところ、キョン革のつやのある性質に着目。「お尋ね者」を高級品に生まれ変わらせようと試行錯誤を続けている。県自然保護課によると、キョンはもともと中国や台湾に生息し、国内では他に伊豆大島(東京)でも確認された。千葉では1960~80年ごろ、勝浦市の観光施設から逃げ出した個体が繁殖したとされる。

(シカ革ランドセル製作:北海道)
親子の絆と命の大切さを背負って-。この春から池田小学校に進学する長谷李咲(りく)ちゃん(6)の元に、エゾシカ革でできたランドセルが届いた。父耕平さん(36)が狩猟で捕獲した皮をなめし、その革を素材とした唯一無二のランドセル。李咲ちゃんは「めっちゃ格好良くてうれしい。学校に行ったら勉強を頑張るよ」と胸を膨らませている。耕平さんは2016年に町地域おこし協力隊員となり、東京から妻の真澄さん(42)と李咲ちゃんを連れて移住。狩猟免許を取得し、購入したD型ハウス(町清見163)を自らの手で改修して、19年にエゾシカ革製品などを取り扱う「EZO LEATHER WORKS(エゾレザーワークス)」をオープンした。「この環境で共に生活する息子のために捕獲したシカの革でランドセルを」(耕平さん)と構想を描いたのは1年ほど前。有害鳥獣駆除の期間中、タイミングが合えば家族で狩猟に行き、昨年4月に町信取、同5月に町豊田でいずれも雄ジカを仕留め、同7月に町青山でメスジカを捕獲。撃たれて横たわるシカを目の前に、李咲ちゃんの口からは自然と「いただきます」という言葉が発せられるようになり、「命をいただく」ことの大切さを学んできた。ランドセルの製品化に当たっては耕平さんがこの3頭を解体した後、兵庫県姫路市の革作家に送り、李咲ちゃんの要望で青く染色してもらうなどしてから、同県丹波篠山市で工房を営む女性デザイナーの手でランドセルが形作られ、19日に長谷家に届いた。完成まで半年以上を要した。ランドセルにはエゾレザーワークスのロゴ入り。重量は約2キロと一般的な牛革のランドセル(重さ1~1・2キロ)に比べて少々重たいが、高級感の漂う質感はエゾシカ革ならでは。横幅は約25センチ、高さは約34センチ、奥行きは約19センチで、A4のファイルがすっぽりと収まる。フロントにあるバッグはボタン付きで取り外しでき、オシャレな手提げ用として持ち運びできる。李咲ちゃんは4月8日に入学式を控え、「友達は100人つくりたい」と無邪気に笑う。将来の夢はシカ撃ちの猟師、大工、消防士、保育士になること。ハンターで、時に大工仕事を請け負い、消防団に所属する耕平さんに憧れている。真澄さんは「夫や兵庫の作家ら、みんなの思いが込められたランドセル。それを忘れずに6年間通学してほしい」、耕平さんは「手に取ったり、食べたりするものの背景にまで想像力を働かせられる大人に育ってくれたら」と願う。現在は池田保育園に通う次男の掌(しょう)ちゃん(2)が小学校に入学する時には「本人が希望すればもう一つランドセルを作りたい」(耕平さん)とも話している。

(グリップにさわり心地の良い鹿革(ディアスキン)を使用した国産折り畳み杖:長野)
2022年4月1日(金)、株式会社シナノ(所在地:長野県佐久市 代表:柳澤光宏)から、鹿革を使用した新設計グリップ「革巻きグリップ」を採用した国産杖「グランドカイノス ブラウン(4柄)」と「グランドカイノス DONNAルナメッザ 」を発売開始。革巻きグリップは高い握り心地目指し、新たに設計した緩衝素材入りの特別製。それをベースとし長野県内の工房にて1点1点職人の手縫いで縫製し仕上げました。本革ストラップにも同様の鹿革を採用しています。使用している鹿革の多くは、長野県内でサステナビリティの一環として捕獲された天然の鹿革を有効活用。捕獲・駆除した野生動物の革もレザーとして価値を持たせることで社会に循環させることができ、地域資源として活用することで地方活性化への取組にも貢献することができます。

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